第118回国会 予算委員会第七分科会 第1号
本分科会は平成二年四月二十三日(月曜日)委員
会において、設置することに決した。
四月二十五日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      伊吹 文明君    左藤  恵君
      原田昇左右君    嶋崎  譲君
      新盛 辰雄君    三浦  久君
四月二十五日
 左藤恵君が委員長の指名で、主査に選任された
 。
──────────────────────
平成二年四月二十六日(木曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主 査 左藤  恵君
      伊吹 文明君    原田昇左右君
      貴志 八郎君    小森 龍邦君
      後藤  茂君    嶋崎  譲君
      清水  勇君    新盛 辰雄君
      谷村 啓介君    鉢呂 吉雄君
      山元  勉君    吉岡 賢治君
      古堅 実吉君    三浦  久君
   兼務 井奥 貞雄君 兼務 狩野  勝君
   兼務 井上 普方君 兼務 小松 定男君
   兼務 佐々木秀典君 兼務 細川 律夫君
   兼務 和田 貞夫君 兼務 東  祥三君
   兼務 河上 覃雄君 兼務 平田 米男君
   兼務 森本 晃司君 兼務 薮仲 義彦君
   兼務 山口那津男君 兼務 川端 達夫君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 大野  明君
        郵 政 大 臣 深谷 隆司君
 出席政府委員
        運輸大臣官房長 松尾 道彦君
        運輸大臣官房会
        計課長     岩田 貞男君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        総括審議官   大塚 秀夫君
        運輸省運輸政策
        局長      中村  徹君
        運輸省地域交通
        局長      早川  章君
        運輸省地域交通
        局陸上技術安全
        部長      松波 正壽君
        運輸省航空局長 丹羽  晟君
        運輸省航空局技
        術部長     中村 資朗君
        郵政大臣官房長 白井  太君
        郵政大臣官房経
        理部長     木下 昌浩君
        郵政省郵務局長 小野沢知之君
        郵政省電気通信
        局長      森本 哲夫君
        郵政省放送行政
        局長      大瀧 泰郎君
 分科員外の出席者
        国土庁長官官房
        審議官     鶴岡 啓一君
        大蔵省主計局主
        計官      堀田 隆夫君
        厚生省児童家庭
        局企画課長   太田 義武君
        気象庁予報部業
        務課長     瀧川 雄壮君
        建設省河川局河
        川計画課長   定道 成美君
        消防庁防災課長 神林 章元君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    小山 森也君
        運輸委員会調査
        室長      長岡日出雄君
        予算委員会調査
        室長      多田 俊幸君
    ─────────────
分科員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  嶋崎  譲君     吉岡 賢治君
  新盛 辰雄君     小森 龍邦君
  三浦  久君     藤田 スミ君
同日
 辞任         補欠選任
  小森 龍邦君     新盛 辰雄君
  吉岡 賢治君     鉢呂 吉雄君
  藤田 スミ君     三浦  久君
同日
 辞任         補欠選任
  鉢呂 吉雄君     貴志 八郎君
  三浦  久君     児玉 健次君
同日
 辞任         補欠選任
  貴志 八郎君     山元  勉君
  児玉 健次君     古堅 実吉君
同日
 辞任         補欠選任
  山元  勉君     清水  勇君
  古堅 実吉君     佐藤 祐弘君
同日
 辞任         補欠選任
  清水  勇君     後藤  茂君
  佐藤 祐弘君     古堅 実吉君
同日
 辞任         補欠選任
  後藤  茂君     谷村 啓介君
  古堅 実吉君     東中 光雄君
同日
 辞任         補欠選任
  谷村 啓介君     山元  勉君
  東中 光雄君     三浦  久君
同日
 辞任         補欠選任
  山元  勉君     嶋崎  譲君
同日
 第一分科員小松定男君、薮仲義彦君、第二分科
 員狩野勝君、佐々木秀典君、河上覃雄君、山口
 那津男君、川端達夫君、第三分科員和田貞夫君
 、東祥三君、森本晃司君、第六分科員井奥貞雄
 君、細川律夫君、平田米男君及び第八分科員井
 上普方君が本分科兼務となった。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 平成二年度一般会計予算
 平成二年度特別会計予算
 平成二年度政府関係機関予算
 (運輸省及び郵政省所管)
     ────◇─────
○左藤主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。
 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしく御協力のほどお願い申し上げます。
 本分科会は、運輸省及び郵政省所管について審査を行うこととなっております。
 なお、両省所管事項の説明は、両省審査の冒頭に聴取いたします。
 平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算及び平成二年度政府関係機関予算中運輸省所管について、政府から説明を聴取いたします。大野運輸大臣。
○大野国務大臣 平成二年度の運輸省関係の予算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計につきまして申し上げますと、歳入予算総額は、二十四億六千二百万円、歳出予算総額は、他省所管計上分一千百六十九億三千三百万円を含め九千三百一億四千三百万円をそれぞれ計上いたしております。
 次に、特別会計につきまして申し上げます。
 自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入予算額二兆八千三百三十一億四千五百万円、歳出予算額六千四百八十一億六千百万円、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額四千百十五億八千百万円、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入予算額三百九十八億七千三百万円、歳出予算額三百六十九億三千三百万円、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額三千七百八十八億三千六百万円をそれぞれ計上いたしております。
 なお、港湾整備特別会計及び空港整備特別会計の歳出予算には、日本電信電話株式会社の株式(以下NTT株といいます。)売り払い収入を活用した無利子貸付金の所要額を計上いたしております。
 また、産業投資特別会計の歳出予算には、運輸省関係海岸事業及び新幹線鉄道整備事業に係るNTT株売り払い収入を活用した無利子貸付金の所要額が計上されております。
 また、平成二年度財政投融資計画中には、当省関係の公団等分として二兆二千五十五億円が予定されております。
 このほか、民間事業者が実施する民間事業者の能力の活用による施設整備事業の一部貸し付けに要する資金のNTT株売り払い収入を活用した日本開発銀行等からの無利子貸付による運輸関係社会資本の整備を図ることといたしております。
 運輸省といたしましては、以上の予算によりまして、国鉄改革の推進・定着化対策、空港、港湾、海岸、鉄道等運輸関係社会資本の整備、交通ネットワークの整備、海運、造船及び船員雇用対策、国際交流の推進・観光の振興、貨物流通対策、運輸関係の技術開発の推進、地球環境問題への対応、海上保安体制及び気象業務体制の充実強化、交通安全対策等各般にわたる施策を推進してまいる所存であります。
 運輸省関係予算の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。
 以上をもちまして、平成二年度の運輸省関係の予算につきましての説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○左藤主査 この際、お諮りいたします。
 ただいま大野運輸大臣から申し出がありました運輸省関係予算の主要な事項の説明につきましては、これを省略いたしまして、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○左藤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
  〔大野国務大臣の説明を省略した部分〕
 以下、平成二年度予算における主要な事項につきまして、御説明申し上げます。
 まず、国鉄改革の推進・定着化対策につきまして申し上げます。
 第一に、日本国有鉄道清算事業団につきましては、補助金として一千五百十億円、特定地方交通線特別交付金を交付するために必要な経費として二十三億七千五百万円を計上するとともに、財政投融資として一兆三千六百五十六億円を予定し、資産処分及び債務処理促進のための措置とあわせ、長期債務等の処理を推進するよう配慮いたしております。
 第二に、新幹線鉄道保有機構につきましては、その資金繰りの円滑化を図るため財政投融資として三千五百八十億円を予定しております。
 第三に、旅客鉄道株式会社等につきましては、安全な輸送の確保を図るため、踏切保安施設の整備費の一部を補助するために必要な経費として一億二千四百万円、防災事業費の一部を補助するために必要な経費として十五億五千九百万円を計上するとともに、政府保証債の借換資金の円滑な資金調達を図るため財政投融資として一千六百十億円、鉄道事業の安全防災対策工事、輸送力増強工事等を推進するため日本開発銀行からの融資として一千百五十億円を予定しております。
 さらに、特定地方交通線を廃止することに伴い代替輸送として必要となる一般乗合旅客自動車運送事業または鉄道事業を経営する者等に対し、その運営に要する費用の一部を補助するために必要な経費として二十二億七千七百万円を計上しております。
 次に、空港、港湾、海岸、鉄道等運輸関係社会資本の整備促進につきまして申し上げます。
 第一に、空港整備につきましては、第五次空港整備五カ年計画の最終年度として、当省所管一般会計予算に七百八十四億七千八百万円、総理府所管一般会計予算に百三十一億九千万円を計上し、これに対応いたしまして空港整備特別会計の歳入歳出予算額を三千七百八十八億三千六百万円とし、空港の整備及び環境対策等を計画的に推進することとしております。
 まず、関西国際空港につきましては、関西国際空港株式会社が空港島、空港連絡橋、空港諸施設等の建設を行うこととし、空港整備特別会計において、同株式会社に対する出資として二百七十億円を計上するとともに、財政投融資として二百十二億円を予定し、その他の資金を加え、事業費一千六百六十八億円を予定しております。
 次に、新東京国際空港につきましては、国際航空輸送需要の増大に対処し、我が国の国際交流上の拠点としての機能を確保するため、新東京国際空港公団において、同空港の概成に向けて空港施設等の整備を実施することとし、事業費として一千四百三十三億円を予定しております。このため、空港整備特別会計において、新東京国際空港公団に対する出資として二百三十一億円を計上するとともに、財政投融資として四百六十二億円を予定しております。
 次に、航空輸送力の増強と航空機騒音問題の解消を図り、国内航空ネットワークの中心としての機能を確保するため、東京国際空港の沖合展開を推進することとし、空港整備特別会計において七百四十八億六千五百万円を計上するとともに、同事業の財源の一部として財政投融資四百十五億円を予定しております。
 次に、国土の均衡ある発展をめざす交通基盤整備の一環として、国内航空ネットワークの拡充を図るため一般空港の計画的整備を推進するとともに、地域航空の発達を図るためヘリポート等の整備を促進することとし、NTT株売り払い収入を活用した無利子貸付金百八億一千百万円を含め、空港整備特別会計において一千十九億九千万円を計上しております。
 次に、環境対策事業につきましては、空港周辺の整備を促進するため、移転補償等を行うとともに、緩衝緑地帯等整備事業を推進し、空港周辺整備機構及び地方公共団体が実施する空港周辺整備事業について所要の助成を行うこととし、空港整備特別会計において三百億九千九百万円を計上しております。
 次に、航空輸送力等の整備を推進し、利用者の利便向上を図るため、航空機の導入等について、日本開発銀行及び日本輸出入銀行からの融資を予定しております。
 第二に、港湾整備につきましては、第七次港湾整備五カ年計画の最終年度として、当省所管一般会計予算に一千六百三十七億八千百万円、総理府所管一般会計予算に九百八十四億二千万円を計上し、これに対応いたしまして、港湾整備特別会計の歳入歳出予算額を四千百十五億八千百万円とし、効率的な物流体系の形成を目指した港湾の整備、豊かな生活空間を形成するための事業等を計画的に推進することとしております。
 なお、港湾整備特別会計の歳出予算には、港湾整備事業に係るNTT株売り払い収入を活用した無利子貸付金五百十一億七千七百万円を計上しております。
 また、港湾の再開発、沖合人工島の整備等による物流・産業・生活という多様な港湾機能の高度化と、国民の自由時間の増大に対応した海洋性レクリエーション需要に対処していくため、港湾の整備を民間活力をも活用しつつ推進することとし、NTT株売り払い収入を活用した日本開発銀行からの無利子貸付等による民活法特定施設の整備等を進めるほか、日本開発銀行からの融資を活用して小型船拠点総合整備事業を行っていくこととしております。
 第三に、海岸事業につきましては、第四次海岸事業五カ年計画の最終年度として、当省所管一般会計予算に二百四十五億二千三百万円、総理府所管一般会計予算に四十三億五千三百万円を計上しているほか、運輸省関係海岸事業に係るNTT株売り払い収入を活用した無利子貸付金として産業投資特別会計の歳出予算に四十七億九千六百万円が計上されており、高潮、津波及び海岸侵食の脅威等から国土を保全するため海岸保全施設の整備を計画的に推進し、海辺と触れ合える安全で潤いのある海岸空間を創出することに努めるとともに、海岸環境整備事業を実施することとしております。
 第四に、鉄道につきましては、日本鉄道建設公団に対しまして、一般会計からの補助金及び補給金として三百二十六億八千六百万円を計上しているほか、新幹線鉄道整備事業に係るNTT株売り払い収入を活用した無利子貸付金として産業投資特別会計の歳出予算に七十一億円が計上されております。
 また、財政投融資として一千二百二十九億円を予定しております。
 工事規模につきましては、一千五百四十九億円を予定し、これにより新幹線の工事のほか、旅客鉄道株式会社等の工事及び大都市における都心乗入れ工事等民鉄線の工事等を行うこととしております。
 特に、新幹線の整備につきましては、平成元年度に引き続き北陸新幹線高崎――軽井沢間の建設を推進することといたしております。また、北陸新幹線金沢――高岡間の加越トンネル、東北新幹線の岩手トンネル及び九州新幹線の第三紫尾山トンネルにおきまして、難工事推進事業を継続することといたしております。さらに、整備五新幹線各ルートにおきまして、引き続き建設推進準備事業として所要の調査を行うことといたしておりますが、二年度からは、新たに東北新幹線の三戸トンネル、北陸新幹線の新親不知トンネル及び九州新幹線の第二今泉トンネルにおきまして、この事業の一環としてトンネル技術調査を行うことといたしております。
 また、幹線鉄道の活性化を図るため、在来幹線と新幹線との直通運転等を行うための事業費の一部を補助することとして二十一億八千万円を計上しております。
 次に、運輸関係社会資本の整備と相まって形成される交通ネットワークの整備促進につきまして申し上げます。
 第一に、都市交通対策を推進するため、地下高速鉄道及びニュータウン鉄道の建設費の一部を補助するために必要な経費として四百五億五千七百万円を計上するとともに、帝都高速度交通営団及び住宅・都市整備公団に対する財政投融資として四百五十六億円を予定しております。
 第二に、大都市における民鉄の安全防災対策工事、輸送力増強工事等を促進するための融資を行うほか、あわせて、鉄軌道新線に対する出資を行うため、日本開発銀行からの出融資として一千八十億円を予定しております。
 また、関西高速鉄道片福連絡線の多目的旅客ターミナル施設に対しNTT株売り払い収入を活用した日本開発銀行からの無利子貸付等を行うことを予定しております。
 第三に、バス輸送サービスの改善により公共交通機関としてのバスの利用を促進するため、バス交通の活性化に資する施設・設備の整備に要する経費の一部を補助することとし、これに必要な経費として二億七千百万円を計上しております。
 第四に、中小民鉄対策を推進するため、欠損補助、近代化設備整備費補助及び踏切保安設備整備費補助を行うために必要な経費として九億六千七百万円を計上しております。
 第五に、地域住民の生活に不可欠な路線バスの運行を維持するため、都道府県が生活路線維持費補助金、廃止路線代替車両購入費等補助金を交付する場合において当該部道府県に対してその一部を補助することとし、これに必要な経費として百三億六千二百万円を計上しております。
 第六に、離島住民の交通を確保するため、離島航路事業者に対する補助に必要な経費として三十七億六千四百万円を計上しております。
 次に、海運、造船及び船員雇用対策等につきまして申し上げます。
 まず、海運対策につきまして申し上げます。
 第一に、外航海運対策の推進につきましては、日本開発銀行からの融資として四百二十億円を予定し、外航貨物船及び外航客船の整備を行うこととしております。
 また、外航船舶建造融資利子補給を行うために必要な経費として一億六千八百万円を計上するとともに、日本開発銀行による利子補給金相当額の猶予措置を引き続き講ずることとし、これに伴う日本開発銀行に対する交付金として二十二億五千百万円を計上しております。
 第二に、船舶整備公団につきましては、同公団が行う業務の円滑化を図るための補給金として二億三千万円を計上するとともに、財政投融資として、産業投資特別会計からの出資三億円を含む四百三十億円を予定し、その他の資金を加え、事業費六百十五億円を予定し、離島航路を含む国内旅客船及び内航貨物船等の共有建造、余剰船舶等の係留船への改造等を行うこととしております。
 次に、造船業経営安定対策につきまして申し上げます。
 第一に、国際水準並みの延払い条件で船舶輸出を行うために必要な日本輸出入銀行からの融資として百億円を予定しております。
 第二に、造船業の過剰設備の処理を円滑に推進するため、造船業基盤整備事業協会に対し、昭和六十二年度の設備等の買上げに要した資金に係る費用の一部を補給するために必要な経費として二億六千三百万円を計上するとともに、造船事業者の生産体制を整備するための日本開発銀行からの融資を予定しております。
 第三に、技術を核とした造船業の活性化、海上輸送の高度化等を図るため、造船業基盤整備事業協会に対し、次世代船舶の研究開発を実施する民間事業者等に対して行う助成に必要な経費として八億円を計上するとともに、船舶新技術開発のための日本開発銀行からの出融資を予定しております。
 第四に、地域の活性化を図るとともに、造船業の需要創出にも資する施策として、造船業の技術を活用した海上浮体施設整備事業を推進するため、NTT株売り払い収入を活用した日本開発銀行からの無利子貸付及び日本開発銀行からの融資を予定しております。
 次に、船員雇用対策等につきまして申し上げます。
 第一に、船員雇用対策といたしましては、外国船への配乗を促進する等外航船員雇用対策を拡充するとともに、日ソ・日米漁業交渉等による減船に伴う漁業離職船員対策等を推進することとし、これに必要な経費として十二億四千九百万円を計上しております。
 第二に、開発途上国の船員養成に協力・貢献するため、開発途上国船員を招いて研修を実施する事業に要する経費の一部を補助することとし、これに必要な経費として三千万円を計上しております。
 次に、国際交流の推進・観光の振興につきまして申し上げます。
 第一に、日本人の海外旅行を促進することにより、国際相互理解の増進、国際収支のバランスの改善等を図るため、観光関係の国際協力の推進に必要な経費として三億六千八百万円を計上しております。
 第二に、九十年代観光振興行動計画の推進に関連して、国際観光振興会の海外観光宣伝事業等の実施に要する費用の一部を補助するために必要な経費として二十一億八百万円を計上するとともに、
 恵まれた自然の中で観光レクリエーション活動を行う場としての家族旅行村及び来訪外客と地域住民との交流の場としての国際交流村の整備に要する費用の一部を補助するために必要な経費として三億円を計上しております。
 また、総合保養地域に係る特定民間施設並びに民活法に基づく国際会議場施設及び国際市民交流基盤施設の整備を図るため、NTT株売り払い収入を活用した日本開発銀行等からの無利子貸付及び日本開発銀行等からの出融資を行うことを予定しております。
 次に、貨物流通対策につきまして申し上げます。
 深刻化している物流業の労働力不足に対応した総合的対策の一環として、効率的物流システムを構築するための調査を行うこととし、これに必要な経費として二千四百万円を計上しております。
 また、地方都市において、地域の活性化に資する物流ネットワークシティー拠点施設の整備を図るため、NTT株売り払い収入を活用した日本開発銀行からの無利子貸付等を行うとともに、都市内オフィス空間の高度利用等に資するドキュメントビラ事業用施設及び輸入促進体制の整備を図るための輸入品を取り扱う港湾流通施設・航空貨物流通施設等の整備に対して、日本開発銀行等からの融資を行うことを予定しております。
 次に、運輸関係の技術開発の推進につきまして申し上げます。
 まず、二十一世紀における高速交通機関として重要な役割を果たすことが期待される超電導磁気浮上方式鉄道につきましては、山梨実験線の建設に着手し、実用化に向けた所要の技術開発を推進するため、技術開発費の一部を補助することとし、二十億一千七百万円を計上するとともに、日本開発銀行からの融資を予定しております。
 また、運輸の分野における広範な利用要請にこたえるため、多目的機能を有する人工衛星システムの開発のための調査研究並びにそのための実証実験に必要な経費として五千八百万円を計上しております。
 次に、地球環境問題への対応につきまして申し上げます。
 地球温暖化、オゾン層破壊等の地球環境問題に対応するため、観測・監視体制の充実強化を図るとともに、環境変化による社会経済への影響評価及び地球規模での環境保全対策を推進することとし、これに必要な経費として一億七千七百万円を計上しております。
 次に、海上保安体制の充実強化につきまして申し上げます。
 第一に、海上における捜索及び救助に関する国際条約及び改正SOLAS条約の発効、日米原子力協定に基づくプルトニウム海上輸送の護衛実施、国際的な新海洋秩序形成の動き等に対応して、広大な周辺海域における航行安全体制の確立、海上における犯罪の予防及び鎮圧、我が国の権益の確保等を図るため、プルトニウム輸送護衛巡視船一隻を含む継続分としての巡視船三隻の整備に加え、教育訓練用大型巡視船一隻、航路哨戒業務補完用巡視艇二隻、小型ヘリコプター一機の代替整備及び海上保安通信体制の整備を行うとともに、海洋調査の充実強化を図るため、防災対応型測量艇一隻の代替整備等を行うこととし、これらに必要な経費として八十七億一千七百万円を計上しております。
 第二に、船舶交通の安全確保を図るため、光波標識、電波標識等の航路標識の新設及び改良に必要な経費として七十五億六千七百万円を計上しております。
 次に、気象業務体制の充実強化につきまして申し上げます。
 第一に、台風・集中豪雨雪対策等観測予報体制の強化を図るため、静止気象衛星業務の推進、アメダス等地上気象観測施設及び気象レーダー観測網等の整備に必要な経費として三十七億二百万円を計上しております。
 第二に、地震・津波対策及び火山対策の強化を図るため、地震計・検潮施設の整備等に必要な経費として二億四千二百万円を計上しております。
 第三に、気候変動対策の強化を図るため、観測・監視体制の整備に必要な経費として一億四千五百万円を計上しております。
 最後に、安全対策でありますが、運輸行政の要諦である安全の確保を図るため、所要の予算を計上しております。
 以上をもちまして、平成二年度の運輸省関係の予算につきましての説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
    ─────────────
○左藤主査 以上をもちまして運輸省所管についての説明は終わりました。
    ─────────────
○左藤主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井奥貞雄君。
○井奥分科員 井奥でございます。初めての質問でございますので何かと不行き届きがあると思いますが、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 現在、御高承のように、東京は政治、経済、文化、金融、情報、もうこれはあふれんばかりでございまして、一極集中が今日的大きな課題になっております。そして、遷都論あるいは分都あるいは展都、こういったことが多年にわたって論じられておるわけでありますけれども、一向にそういった形づけができていないのが現状でございます。そして、逆でありますけれども、首都圏近郊というものを見てみますと、こういった現象のもとに東京の地価の高騰、あるいは過日の本会議でもこういったことが議論をされたわけでありますけれども、東京では住宅が年収の五倍では買えない、こういったような状況が現実であります。そのために近郊に皆さんが移っていく、あるいは千葉県、埼玉県あるいは茨城県に新しいニュータウンができていく、そこから二時間あるいは一時間半かかっての通勤になるわけでありますけれども、こういった近郊地域の住宅の建設のために、鉄道網や道路網が全くおくれているわけでございまして、こういった問題につきましては、都市はますます巨大化をしてまいりますけれども、どうしても近郊の鉄道網についてお尋ねを申し上げたいと思っております。
 たまたま私の手元に、昨日東京圏の高速鉄道網の図をちょうだいいたしました。何となくこれを二つ折りにいたしましたところ、東京を中心に、西側の方は鉄道網が大変網羅をされているわけであります。しかし、逆に東側にいってみますと、これは来年開通いたすわけでありますけれども、常磐線一本でございまして、茨城県から千葉県を通って東京に入ってくるわけであります。ですから、毎月のいわゆる通勤ラッシュは大変なものでございまして、私も毎日朝、松戸から国会に通勤をいたしております。昨年、E電、青電と言っておりますけれども、常磐線は十両が十五両編成になったという形で、ピーク時は乗車率は二〇〇%を割っているということでありますが、これは統計上の問題でありまして、現実私は毎日通っておりますけれども、少なくとも二八〇%くらいの乗車率で、手を挙げたらそのまま北千住あるいは日暮里まで行くというのが現状であります。ですから、こういった問題につきましては特に御一考を願いたいと思うわけであります。そして、その問題につきましては常磐線だけではなくて、市川を中心にいたしました東西線とかあるいは総武線、これも同じように混雑は大変なものであります。こういった問題につきましてもぜひとも御考察をいただきたいと思いますけれども、きょうは三点についてお伺いを申し上げたいと思います。
 その一点でございますけれども、常磐新線の問題であります。
 この常磐新線の問題は、一昨日、浅草の公会堂で、私も参加をいたしましたけれども、約千二百名ぐらいが集まりまして、一都三県それぞれの知事あるいは副知事あるいは首長が集まりまして決起集会を開催いたしました。この常磐新線につきましては開発が主目的でございまして、採算がとれないからどうのこうのいろいろなことの問題があるように聞いておりますけれども、昭和六十年の七月に運輸政策審議会の第七答申をちょうだいいたしておりまして、整備計画に基づいて東京−筑波間約六十キロを一時間で結ぶ、こういった大変すばらしい構想でありまして、これに向けて昭和六十二年の九月に常磐新線整備検討委員会というものが発足をいたしました。そして沿線地域においては、開発に関する調査計画を推進いたしますとともに、鉄道の用地の先行取得に取り組んでいるわけであります。しかしながら、一昨日でありますけれども、この第三セクターすらが決まっていないということが大変な問題でありまして、こういった答申は、西暦二〇〇〇年、平成十二年、あと十年後でありますけれども、この平成十二年にはこれは開業の見通しである、こういう形の御答申をいただいております。これは早期に着工をしていただかないととても無理でございまして、何かひとつこういった形においてぜひともお願いを申し上げたい。
 特にその中で、第三セクターすらまだ決まっていないということでありますし、JRの東日本が運営主体としてこれからいろいろとお力添えをいただくということでありますけれども、これは出資だとかあるいは採算面、こういう面では非常に難色を示しているということでありまして、一昨日の決起集会にも幹部が出席をしていないというのが現状でございます。こういった問題につきましては、何とぞひとつ大臣の格別な御高配をいただいて、ぜひとも早期着工をお願い申し上げる次第であります。これにつきましては、局長でも結構でありますけれども、進捗状況をちょっと御説明いただきたいと思います。
○早川政府委員 常磐新線、先生御指摘のとおりに六十年の運輸政策審議会の答申で西暦二〇〇〇年を目標ということで整備すべき路線という形になっています。その趣旨は、これまた先生も御指摘でございますが、常磐線の混雑緩和を図る、こういうところが主たる目的で出ております。ただ、この答申でもこの常磐新線というのは、当時の国鉄でございますが、非常に財政状態等もございましてその整備について整備方策がなかなか難しいだろう、こういうことで答申の中にもわざわざ整備方策についてのいろいろなコメントが出ているような線でございます。大変長大でございまして、六十キロという形の長い線でございますし、しかも線そのものは一都三県にまたがる、こういうことでございます。したがいまして、その整備につきましては、用地確保の問題あるいは非常に巨額に上ると予想されます建設資金の調達あるいは沿線の地域開発とどういうふうに調整させていくか等々の問題が非常にございまして、従来から種々検討を進めてきておりますが、現在まだなお結論を得ていない、こういうことでございます。
 ただ、これもまた昨年の六月の国会で成立を見ました大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法というのがございますが、この法律でも実はこの常磐新線というのを頭に置きながら、宅地開発と鉄道整備とを一体的にやろうということで御審議をいただき成立を見た法律でございます。したがって、そういったような趣旨も踏まえながら、現在、特にこれは関係地方公共団体の観点から、実は種々事業主体のあり方等について協議が行われているというふうに伺っておりまして、私どもはその協議の成り行きを注意深く見守っていきたい、こう考えているところでございます。
○井奥分科員 この問題につきましては一朝でできることではないと思っておりますけれども、これは自治省、建設省・運輸省、この三省が一体になっていただいて、何とかひとつこの現状を、実態を把握をしていただいて、これはデータで出ているのがE電の場合は、青電車の場合は一八九%、それからかつての、赤電と言っておりましたけれども、これが二三九%、それから千代田線二二三%ということになっておりますけれども、どの時間帯をとってお調べになったのかということでありまして、これはますますドーナツ化現象というものがきつくなっております。ですから、こういうものを早く着工をしないで住宅建設とかニュータウンだけやって、ネックというのが本当に解決されなければ全くこれはもう大変なことになるわけでございますので、ぜひとも文字づらだけではなくて、失礼でありますけれども、ぜひとも御協議をくださいまして、早期着工ということにつきましてはJR東日本とも存分に詰めていただいてぜひともお願いを申し上げたい、かように思います。
 それから、時間が限られておりまして、三十分以内の方がなお望ましいということでありますからはしょって申し上げますけれども、第二点目は一つの要望と、第三点目は大臣にぜひとも御発言を、御答弁をいただきたいと思っておりますが、地下鉄八号線、これは有楽町線でございます。それから同じく地下鉄の十一号線、これは半蔵門線でございます。この問題につきましては、特に地下鉄の八号線というのは、現在は新富町から新木場まで行っておりまして、湾岸線という形で通称呼ばれているわけでありますけれども、それが豊洲から北上をいたしまして亀有までこれがつながっていく、それからはその以降は武蔵野線方面に向かうという矢印が出ているわけであります。特に、私はきょうこのことについて要望さしていただくのは、私も過日の選挙でいろいろ各地を回りました。私は千葉四区に住んでおりまして、千葉四区というのは、市川、浦安を含めて関宿、沼南、我孫子に至るまでであります。その中で、千葉県は五百五十万の人口でありますけれども、千葉四区というのは松戸を含めて百八十二万九千人、千葉県の中で約三三・四%くらいがこの東葛地区と言われている地域、常磐線沿線、総武線に付随したところでありますけれども、そこに住んでいるわけであります。特に野田とか関宿というのは東京に直結鉄道がないわけであります。関宿からは野田に来て東武電車で乗りかえて柏まで乗って、柏で常磐線もしくは千代田線に乗りかえて行く、そのことでありまして、通勤が約二時間から二時間半かかっているわけであります、東京まで。ですから、私たちは選挙で朝立ちという形で駅頭に立つわけでありますが、もう五時過ぎに駅頭に立たないとそういう方々と会えないという現状をこの選挙によって認識を新たにしたわけであります。ですから、そういった問題で、もう六時半になりますと駅ががらがらになるというのが現状でございます。こういった形のものでありますから、何とかこれを亀有から北上いたしまして野田あるいは関宿方面にぜひとも御高察をいただいて、できれば四、五十分で東京まで直結、それが開通できれば行けるわけでありますから、そういった面で格段に大野大臣にお願いを申し上げる次第でございまして、ぜひともお力添えをいただきたいと思っております。これは要望でございます。
 それから三点目でございますけれども、同じく十一号線というのは、後に大臣からコメントをいただければありがたいと思っておりますが、これは八号線と関連がございまして、これは常磐新線と同じく昭和六十年七月でございますけれども答申をちょうだいいたしました。そして現在は三越前まで開通をいたしておりますが、ことしの十一月には蛎殻町まで開通をいたします。そして、その後の答申をいただいておりますのが住吉を通って四ツ木、そして金町、松戸、こういった形での計画になっているわけであります。特に住吉から四ツ木に至るまでは地下鉄の八号線と共用をする、こういうことになっているわけでございまして、ぜひともこの八号線と含めてひとつ早期の着工のためにお力添えをいただきたいということをお願いするわけであります。そして、この延伸距離というのは十八・三キロということを言われておりますけれども、特に、私が松戸にいるからということではありませんけれども、松戸がネックになっております。そのネックになっている大きな原因は、今も申し上げましたように、野田、関宿あるいは流山等々の皆さん方がすべて松戸を経由して東京に行かれるわけであります。もう一つは、成田線の複線化というものもお願いを申し上げておりますが、複線化をしてもそれだけの乗客が我孫子を経由して、そして常磐線に乗って、あるいは千代田線に乗ってということであれば、新松戸とかあるいは松戸、北千住、金町、こういうところの方々がほとんど乗車できないというのが現実であります。ですから、遠方の方々は乗車できても、近郊の方々はほとんどが乗車できない。私たちでも二台、三台電車待ちをして、そして乗るということがたびたびでございます。ですから、こういったことをぜひとも解消するためにも、八号線と十一号線というのは全く違うわけでありますけれども、ぜひともこれはオーバーラップして考えていただいて、何とかお願いをしたい。しかし、この問題につきましては、特に私が聞き及ぶ範囲内でこれは定かではありませんけれども、運輸政策局と地域交通局との意見の一致が何となく見られていないような気がするわけであります。
 それから、こういった問題については後でお答えをいただきたいと思っておりますが、また、その営業主体は営団になっているということでありますが、この営団も国庫補助がおりなければこれは難しいといってなかなか首を縦に振ってもらえないというのが現状であります。こういった問題で事業主体すら決まっていない、ここが一つの問題でございます。こういった問題につきましては、ひとつ何とか御回答をいただいて、そしてお進めをいただけるように心からお願いを申し上げる次第であります。
 ちなみに、大野大臣の御尊父様の大野伴睦先生という方は陸上交通の、かってこれだけの陸上網の充実については蛮勇をお振るいになって、先見性と実行力がおありになった、私たちの本当に心に残る、記憶に新しい副総裁でありますから、その方の直系としてたぎる血を引いていらっしゃるわけでありますから、これからの二十一世紀を見据えて、何としてもひとつ大臣のお力をおかりを申し上げたい。このことでお願いを申し上げる次第であります。
○大野国務大臣 先ほど来先生から常磐新線の問題を含めてお話を承っておって、本当に東京の地図を見、あるいはまた頭の中で描いても、西高東低型という感じは否めない事実であります。しかし、これからはやはりそういうものを是正していかなきゃならない時代になったことは、これはもうお説のとおりでありますから、特に今十一号線のお話が出ましたが、蛎殻町から松戸までの延伸の問題は、これは現在の営団地下鉄の十一号線の延長という形なので、事業主体としては営団地下鉄がやることになると思いますけれども、運輸省としては、これは十一号線、本当に早期に整備されるようにしたいと考えておりますし、御指摘のように部内においてそういう見解の相違があるということは、私は中にいて、そのような事実はないと思っておりますから、ひとつ御休心賜りたいと思います。ひとつ頑張ってやりたいと思います。
○井奥分科員 大臣、まことに申しわけございませんけれども、地下鉄の八号線の問題もちょっと御所感をいただいたらありがたいと思います。
○大野国務大臣 これはもう今先生御指摘のように、ひとつ大いに考えて前向きに検討したいと思っています。
○井奥分科員 局長の方から、その地域交通局と政策局の問題につきましては、そういったことは私はゆめゆめないというふうに確信をいたしておりますけれども、どうぞひとつ国家国民のために、この運輸省というのは大変長期的な展望に立って国民の足、アクセスの問題、環境づくりということも一緒に考えてくださっておられるわけでありますから、ぜひともそういうことを含めてちょっとコメントをいただければありがたいというふうに思います。
○早川政府委員 十一号線の問題でございますが、営団地下鉄に対しまする助成の問題が、このところのいろいろ財政事情等もございまして十分に営団の希望するような形では実現していないというような問題から、抱えております地下鉄の整備が少しおくれてきているという実態があることは御指摘のとおりでございまして、私どもはその点を何とか対応すべく、現在いろいろ議論をし、その上でこの十一号、常磐新線と並行といいますか、あわせて整備はもちろん進めていく、大臣のお答えのとおりでございます。八号も答申路線でございますので、そのような形で対応を図っていきたいと考えているところでございます。
 その点につきまして省内でいろいろ意見が分かれているということはないと考えております。
○井奥分科員 いろいろありがとうございました。とにかく十一号線の問題につきましては、この事業主体が営団だ、こういった形での大臣の御答弁をちょうだいいたしまして安堵をいたしました。とにかくこういったことが一日も早く実施できるように格段の、各局はそれを越えてお力添えをいただきたいと思っております。
 そして、最後でありますけれども、この常磐新線の問題は、地域の住民の切実感というものを私は日々に感じているわけでございまして、ぜひとも一度大臣も、御多忙のことはよくわかっておりますが御視察をちょうだいをして、何とかひとつ一緒になってお進めをいただけますように、心からお願いを申し上げまして、多少早い時間でありますけれども、早い時間にお願いをしたいということでありましたから、私はこの三点、要望と質問をさせていただきまして、一応終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○左藤主査 これにて井奥貞雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉岡賢治君。
○吉岡分科員 大野運輸大臣並びに運輸省の皆さんにおかれましては、常日ごろ国民生活に不可欠な人員あるいは物資の輸送につきまして、その手段と安全についての所管にベストを尽くしていただいておることに心から敬意を表するものであります。
 予算委員会の第七分科会におきまして発言の機会を与えていただきましてありがとうございます。分科会での質問は初めてでありますので要領を得ないところもあろうと思いますけれども、私は兵庫五区から出てきておりますが、その住民の声を率直にお伝えしますので、運輸省の真摯な答弁を心からお願いするものであります。
 さて、今関西地方では、関西国際空港あるいはベイエリア構想、学研都市構想、神戸沖、そしてまた明石海峡大橋、こういうふうにビッグプロジェクトがメジロ押しで、関西の復権、こういうことで懸命に努力が行われているところであります。これらの計画が実現した暁には、国民生活への経済的あるいは社会的にもたらす影響というのは非常に大きいものがあります。それだけに、互いのプロジェクトに調和と整合性を持つように英知を結集しなければならない、このように感じているところであります。
 しかし、これらのアクセスは結果として東西への広がりをもたらし、瀬戸内側が飛躍的に発展することは目に見えているわけでありますが、南北については一体どうなるのでしょうか。北近畿、とりわけ丹波・但馬地方にはリゾート法による指定があるのみで、計画的なアクセス交通機関の設置など地域振興の施策が乏しい、このように感ずるのはただ私ひとりでないはずであります。
 確かに、丹波・但馬地域は非常に過疎でございます。現に、若者が都市へ流出し、高齢化社会が全国平均よりも約二十年早くやってまいります。学窓を巣立つと都会へ流出し、まさに人材供給的な地域、こういうふうにも言えることができようかと思います。それだけに、まじめに生き抜こうとする人たちと雄大な自然が残されているわけであります。丹波、但馬に住む人々にも二十一世紀へ向かって若人が躍動し、誇りを持って生き抜く権利、これがあるはずであります。経済性のみにとらわれることなく、社会資本の形成ということが今こそ必要であり、そのことに政治の光を当てていただきたい、こう思っているところでございます。
 そこで、具体的に質問してみたいと思います。それはJR福知山線の複線電化促進についてでございます。
 運輸大臣、昭和四十六年八月に国鉄篠山線廃止に伴いました覚書で複線電化が内容として含まれていること、また昭和五十二年九月、宝塚−篠山口間複線電化工事が認可されていること、そして昭和六十二年四月、新三田−篠山口間、この残った工事でございますが、複線化工事の大臣認可をJR西日本が継承しているということに聞いておりますけれども、それに間違いはございませんか、まずこの点から確かめてみたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘のとおり、工事についてはJR西日本が継承しているところでございます。
○吉岡分科員 それでは、昭和六十一年十一月、宝塚−新三田間複線電化工事後、新三田−篠山口間について、JR西日本は採算が合わないことを理由に実質凍結されていますけれども、JR福知山までの今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
○大野国務大臣 今、先生の御指摘いただいた点でございますが、現在、この新三田から以北につきましては、JR西日本と地元とが福知山線対策協議会というものを設けて、長期的な観点からのいろいろな問題を取り上げながら、将来に向けて地域の活性化等がございますので、というようなものまでも含めて今その会議を持たせていただいておる。しかしながら、当面、直ちにこれをというような実施予定というものは現況持っておりません。
○吉岡分科員 福知山線の複線化は兵庫県の丹波・但馬地域あるいは京都府の丹後地域の活性化を図っていく上で、県政あるいは府政の重要な課題になっているところであります。現に、知事あるいは県会議員、関係市町長さらに町会議員、地域の自治会、これら挙げて参加し、JR福知山線複線化早期実現広域研究懇談会が発足いたしております。そして、今日まで一万二千の署名をとるなど、機運も燃え上がっているところでございます。
 ただ、私はこのことを聞いてみたいと思うのです。少なくとも新三田−篠山口間二十一・五キロメートルについては事業認可済みであり、用地買収は現路線拡幅案の必要面積八万九千七百平米のうち七五%に当たる六万七千七百平米は旧国鉄において既に買収済みであります。今、その箇所はまさにペンペン草が生えております。農民の人たちは、自分たちが代替用地等を提供する、こういうことまでしながらその買収に応じてきたわけでありますが、その心情を逆なでしているというのが現状かと思います。それでも、残り二五%の用地についても、三田市及び関係自治体においては先行買収に取り組もう、こういう意思を表明しながら早期複線化を願っているわけであります。今申し上げましたような状況でございますが、運輸省の見解をただしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 福知山線の問題につきましては、ただいま大臣が申し上げましたように、地元も加えた協議会の場で検討しているところでございますが、JRの設備投資あるいは輸送力増強計画については、国鉄改革の趣旨にかんがみて、第一義的にJR自身が判断するものと考えております。その際、この福知山線新三田−篠山口間につきましても、一方で輸送需要は横ばいでございますし、今後どのように輸送需要がふえるのかどうか、この辺についてそのような協議会の場を通じて地元の開発計画その他を聞いていくことになろうかと存じます。
○吉岡分科員 今、第一義的にはJRが判断すること、こういうふうに言われました。それでいいのでしょうか。先ほど言いましたように、大臣の認可が既におりている事業であります。二十年になんなんとする間の中で七五%の用地買収を完了し、そしてそのことに協力をしてきた、そういう実態があるわけであります。おっしゃるとおり、確かに新三田までは工事が進んでまいりました。それから以降は凍結、今おっしゃったように国鉄改革ということの中で凍結になっているのでしょうか。そして、そういう実態がある上で、利用者が横ばいというふうにおっしゃいましたが、確かに間違いありませんか。
○大塚(秀)政府委員 新三田−篠山口間の輸送量について申し上げますと、一日当たり、昭和五十九年度一万一千二百人でございましたが、その後ずっとこの程度で、昭和六十三年度実績が一万五百人というような数字を我々は把握しているところでございます。
○吉岡分科員 三田市のニュータウン建設にもよりますが、一九八九年五月の宝塚付近の調査でございますけれども、一日平均乗客三万五千七百人、年間伸び率二三%であります。東海道本線の大津付近の伸び率が九%、湖西線の伸び率が八%というふうに聞いております。もしこれが間違いであれば御指摘いただきたいと思いますが、今JRの西日本では乗客数の伸び率トップにあるのが福知山線であります。私はこういうふうに理解をいたしておりますが、その点についていかがでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 兵庫県におきましては、阪神間から次第に内部に開発の波が伸びていることは承知しております。そのような結果、尼崎から福知山間の福知山線につきましても、宝塚−新三田間について六十一年に複線化を行ったところでございますが、それ以遠につきましては、今申し上げたような状況にございますので、今後どのような動向になるか等については十分地元との協議会等の場で議論されることになろうかと存じます。
○吉岡分科員 地元との協議ということでございますが、私はぜひお願いをしたいと思うのです。
 今申し上げましたように新三田駅ができた、そこまでは複線ができているわけでありますが、三田の人口増あるいは工業団地の造成、このことが急ピッチで進んでいるわけでございます。新三田まではとおっしゃいますが、そこまでと同時に、逆に北部といいますか篠山口までの間も同様にふえているというふうに言わなければならないと思います。この人口の推移にいたしましても、過疎地には珍しいように、丹南町では六十年を一〇〇としますと平成元年は一〇七、それから三田市に至りましては六十年を一〇〇といたしますと平成元年には一四〇、こういうふうに急膨張しているわけであります。そしてまた利用におきましても、篠山口では昭和六十年を一〇〇といたしますと一一九、それからその近くの、三田市内になりますが広野、いわゆる篠山口と新三田間でございますが、六十年と比較しますと平成元年には一三二、相野というところでは一二六、このように利用の伸びがある、このように聞いておるわけであります。
 そういうことにかんがみて、なおかつ先ほど申し上げますように事業認可がおりておる残工事、少なくとも篠山口まではそうなっているわけであります。そのことは、今JRの意思が重要だと言われる、それもわかります。住民に約束されたのは旧国鉄時代であります。とするなら、このことに視点を当てていただきたい、こういうように申し上げているわけですが、ただ地元を中心とした福知山線対策協議会に任せておくということでいいのかどうか、見解をお尋ねしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 地元の今後の開発計画、輸送需要の動向等について十分調査するようにJRを指導したいと考えております。
○吉岡分科員 それでは少しお聞きをしておきたいと思います。
 確かに県、地元、それからJR西日本で構成する福知山線対策協議会で複線化への話し合いが行われているというふうにお聞きいたしております。拠点駅における利便性とか集客機能、さらにはJR西日本との整備手法の検討ということが進められるであろうというふうに言われています。しからばその委員会の中でどのような検討と、そして方向が出されているのか、お聞きしておきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 これは当事者間の検討の協議会でございますし、まだ検討の過程でございますので、私ども検討結果が出ましたら事情を聞きたいと思っております。
○吉岡分科員 少し話がおかしいと思うのですね。それでは、事業認可は一体だれが出されたのですか。
○大塚(秀)政府委員 確かに先生のおっしゃるとおり認可という事実はございますが、国鉄改革の趣旨にかんがみまして、JRが今後どのように輸送力増強、施設整備をしていくかということは、先ほど申し上げましたようにJRが採算性等総合的に検討して第一義的に考えるということで対処したいと思っております。
○吉岡分科員 同様な回答がぐるぐる回っている感じになっているわけです。
 そこで、大臣にお聞きしたいと思います。
 少なくとも住民は篠山線廃止のときから約束をされておる。そして、今日まで用地買収に協力をし、七五%まで既に済んでおります。残り二五%についても協力をする。そしてそういう状況と同時に、先ほどから繰り返しておりますように、三田を中心にしながら大幅な人口増、そしてまた乗客増等があるわけでございます。JRが自主的に決めるということだけで済ませていいのか。運輸大臣の事業認可がなされ、残工事がJRに引き継がれているわけであります。このことについて、住民の切なる願い、あるいは過疎地域へのまさに窓口になる複線の問題についての前向きな検討をお願いしたいと思うのですが、その点について明確な御答弁をいただきたい、このように思います。
○大塚(秀)政府委員 先生の御趣旨等も十分踏まえた上で協議会が運営されることを私どもは期待しておりますし、また地元の要望等は十分検討、調査するようにJRに伝えたいとは思います。
○吉岡分科員 それでは、既に運輸大臣が認可されている事業でございますから、大臣の回答を求めたいと思います。
○大野国務大臣 今いろいろとお話伺っておりまして、その点につきましては、局長からも申し上げましたけれども、ひとつ検討してみたいと考えております。
○吉岡分科員 同じ問題でございますけれども、角度を変えて申し上げてみたいと思います。
 公共事業で武庫川改修工事が現在軌道に乗りまして進んでおります。平成三年度には、先ほど申し上げました新三田と篠山口間、この広野というところにJR福知山線の武庫川橋梁がかかっている箇所を含めて二千百六十六メートルの河川改修が計画に上がっています。その一環としてJR橋梁のかけかえが免れない、こういう現状にあろうかと思います。その際複線用橋梁の設置をしてもらいたい、こういう要望が一万人に及ぶ署名を含めて行われておりますが、これに応ずる考えはないのか、お聞きをしておきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 福知山線の新三田と広野の間の武庫川の橋梁につきまして、河川改修計画との関係で橋梁計画があることは聞いておりますが、この橋梁部分につきまして先行的に複線化するかどうかにつきましては、先ほどから申し上げております協議会の場でも議論されていると聞いておりますので、この結果を踏まえてこの問題も対処されるものと考えており、私どももそのようにJRが対処することについて今後期待したいと思っております。
○吉岡分科員 非常に原則的なことを聞いてみたいと思います。
 JRの監督官庁は一体どこなんでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 一般的な監督というのは運輸省で行っております。
○吉岡分科員 国鉄改革で民営化なされた、こういうふうに言われております。しかし特殊会社であります。運輸省が責任あるのは当然じゃないでしょうか。先ほどから繰り返しておりますように、既に大臣の認可を得て工事が進められ、そして残工事だということで約束されている問題を、すべてJRJR、あるいは地元における協議会、そういうことですべてを済ますということでいいんでしょうかということで私は疑問を持っております。
 再度お聞きしたいと思いますが、地元住民の切なる願い、あるいは今大きく変貌しようとしている三田あるいは丹波地域の活性化、こういうことを考えますときに、いまひとつ真剣な御答弁を賜わりたい、こう思っているところでございますが、いかがでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 国鉄改革の趣旨から、JRの経営の安定という点で、JRの投資計画その他については先ほどから申し上げておりますように、第一義的にJRの意思を尊重するという立場でございますが、当然国も、国土の開発、地域の開発ということが政策目標でございますので、その点につきましてJR各社について地元の意向を十分調査し、かつ事業の採算性等を総合的に判断して今後の投資計画を実施していくように指導しているところでございます。この問題につきましても協議会が設けられていること自体がそのような方向から行われていると理解しておりますので、今後とも協議会の検討を尊重するようにJR西日本を指導したいと考えます。
○吉岡分科員 今お答えがございましたが、どうぞひとつ所管省として、あるいは所管大臣として、この件について真摯に受けとめていただき、いろいろな困難もあろうかと思いますけれども、JR西日本に対しましてもひとつよろしく御要請いただく、あるいは調査をいただく、そういうことで早期実現にぜひ深い御理解をお示しいただきますように心からお願いを申し上げておきたいと思います。
 二点目になりますが、山陰本線の問題について、特に城崎以西の電化促進についてお尋ねしたいと思います。
 昭和六十一年十一月、城崎までの電化が実現をしております。沿線住民は大変喜び、そして今その利便性に感謝しているところでございますが、一方、城崎以西の電化については、トンネル部分や餘鉄橋、こういう大規模な工事があるということで、資金面で放置をされているというのが実態であります。地域振興と利便性の向上、こういうことを今図ることが必要だと思っているところでございます。地元でも、兵庫県知事を会長として鳥取県知事を副会長ということで、山陰木線福知山線複線電化促進期成同盟会、これが結成をされ推進運動を行っています。どのような方針をこの山陰本線の城崎以西についてお考えかお尋ねをしておきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 山陰本線につきましては、城崎以西の問題とともに、京都からスタートする山陰本線について園部−福知山間の電化というのが残っておりますが、この区間については、トンネルの改修箇所も多く相当工事費がかかるというようなことから、今後の沿線の開発状況や採算性等を十分見きわめた上でやらなければならない。それとの関連で城崎以西も検討されることになろうかと存じます。
○吉岡分科員 二言目には採算性ということが出てくるわけでありますが、私は冒頭申し上げましたように、今日の状況の中でまさに過疎に悩む地域あるいはそういうところに誇りを持って生き抜こうという人たち、そういう問題に社会資本を投下するということが必要だと思いますので、そういう視点を持ってぜひ前進的な御検討をいただきますように心からお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○左藤主査 これにて吉岡賢治君の質疑は終了いたしました。
 次に、東祥三君。
○東(祥)分科員 公明党の東でございます。新人議員でございます。このたび当選させていただきました。初めての当選でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 本日は、時間の許される限り、次の点について御質問させていただきます。タクシー値上げ問題、常磐新線の建設、日暮里−舎人新線、地下鉄八号線の建設促進並びに鉄道の高架線促進についてでございます。
 まず初めにタクシー値上げについてでございます。東京二十三区、武蔵野、三鷹地区などの法人、個人タクシーから出されていた値上げ申請について運輸省は五月中にも認可する方針を固めたと聞いております。運輸大臣は値上げ申請に盛り込まれたとおり認可する方針なのか、また、値上げ時期はいつごろになるのか、この点について御答弁をお願いいたします。
○早川政府委員 東京、三鷹、武蔵野地区のタクシーの運賃改定申請、これはこの三月十二日からそれぞれの企業体等から申請が出されてきております。それで、四月二十三日に経済企画庁におきまして、総理大臣の諮問機関でございます物価安定政策会議特別部会というところが開催されました。その部会の御意見として、経営内客を精査した厳正な審査を行うというような条件といいますか御要望が出ておりますが、値上げもやむを得ないという方向での結論が出たところでございます。私どもは現在この申請内容、一一%から一六%程度の各社のそれぞれの値上げ申請内容でございますが、その中身につきまして種々審査を行っているところでございまして、申請どおり認可するというような形のものを固めたとか、そういうことは全くございません。
○東(祥)分科員 値上げ時期はいつごろになるかということについてはどうですか。
○早川政府委員 四月二十三日、つい先日でございますが、方向がやむを得ないという形で認められたところでございまして、現在、その御結論を受けまして種々検討をしているところでございます。特に六大都市のタクシー運賃は物価関係閣僚協の決定事項でもございますので、その御了解をいただかなければならないという手順もございます。これからの問題でございますが、まだなお時間を要するものだと考えております。
○東(祥)分科員 私は現在、江東区の東砂に住んでいるのですが、家のすぐ近くに東京タクシー近代化センターというのがありまして、このセンターの中にタクシーサービス改善検討委員会があります。そこではタクシーのモニター制度を設けて、タクシーのサービスについて率直な意見が数多く寄せられて、サービス改善に役立っているようでございます。
 ここに一つの例を持ってきたのですが、「タクシー利用者モニター通報書」というところで、運転手さんの接客態度はどうか、行き先に対しての返事はどうなのか、行き先・コースをちゃんと確認しているのか等々について、何かありました場合、利用者がこれに書いてタクシー近代化センターの方に送って、タクシーのサービス向上に役立っている。今回の値上げがタクシー会社の利益のためだけではなくて、運転手の方々にも還元されるとともにサービス向上に役立つようにならなければならない、また、そのようにできるならば指導していかなければならないのではないか、このように思います。そのためにもタクシー近代化センターの拡充、今例に挙げましたようなタクシーモニタリング制度をさらに拡充したり近代化センターの充実をもっとさせるべきではないかと思うのですが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○大野国務大臣 タクシーの料金値上げの問題が今ここでちょっと起こりつつあるところでございますが、いずれにしても、タクシーというのは一つの箱の中でお客さんと運転手の関係ですから、接客態度というか、そういうものが社会的にも非常に大きく影響するし、また、個人的にもいろいろ感情論が起こったりするのでなかなか指導徹底というのは難しいのですけれども、その中において、今御指摘のように、近代化センターそしてモニター制度、こういうようなことを十二分に活用して、今日までも研修をやったり機会あるごとに教育をやったり、私も実は若いときタクシー会社を経営した経験がございますけれども、朝出て夜中しか帰ってこないということで、企業自体がなかなかその全部を監督できる事業じゃございません。
 確かに御指摘のようにそういう近代化センター――私なんかもタクシーに乗って、夜なんか盛り場で腕章をはめた人が、あれは近代化センターの人だと思うのですが、指導していても、中にはなかなか言うことを聞かない人もいるというような現実もございます。ですから、そういう意味でももう少し中身を検討して、近代化センターそのものの強化を図ることがお客様に対してのサービスの向上にもなるし、また公共の輸送機関ですから、そういう意味合いにおいてドライバーの方にも教育をするとか、これから先もいろいろ考えてやっていきたいと思います。
○東(祥)分科員 次に、常磐新線の建設についてお伺いいたします。
 常磐新線については、私が理解している限りにおきましては、既存線の混雑緩和の推進、人口の外延化及びニュータウン計画等への対応、副都心機能の強化などを基本的な考えとしているようでございます。この常磐新線は、昭和六十年七月の運輸政策審議会において答申されておりまして、昭和六十二年九月に東京都、埼玉、千葉、運輸省、JR東日本構成による常磐新線整備検討委員会が発足されました。この常磐新線の建設についてまず御所見を伺いたい、このように思います。
○早川政府委員 常磐新線でございますが、今先生御指摘のとおり、六十年の運政審答申第七号によりまして、西暦二〇〇〇年を目標として整備すべき路線ということでございます。その答申の際にも、当時の国鉄で建設するには種々困難が伴うであろうから、第三セクター等の対応もあり得るので十分検討するようにというお話がついておりまして、私どもとしては、それにのっとりまして、これも今先生のお話のございましたような形の種々の検討、いろいろな形での検討は行ってきているところでございます。現時点でもなおその検討は地方公共団体を中心に行われているということでございます。
○東(祥)分科員 運輸政策審議会の答申では平成十二年を開通目標とすることが適当であるとなっておりますが、あと十年で果たして開通は可能なのでしょうか。
○早川政府委員 この常磐新線、西暦二〇〇〇年を目標として整備すべき路線ということで、先生の御指摘のとおりでございます。
 鉄道の整備、六十キロにわたります長大な路線でございますが、工事そのものがどのぐらいかかるだろうかということにつきましては、用地等が既に買収がきちっとできているような形でいえば六年ぐらいかというようなことでございまして、言ってみますと、路線の整備に当たって一番問題なのは、きちっと用地買収ができるかどうか、多額の建設資金がきちっと調達できるかどうかというような点にあろうかと思っております。したがいまして、その基本的な問題が進められ、用地の確保がきちっとできた場合においてはその後六年という程度で整備が完成すると思いますので、なお二〇〇〇年というものの目標は十分達成可能だと考えているところでございます。
○東(祥)分科員 今の御答弁にもありましたけれども、整備主体を第三セクターにゆだねて免許をするようですけれども、そういう状況であるにもかかわらず、あと十年と迫っているにもかかわらずまだ第三セクターもできていない、また免許申請も提出していない。その理由は、今述べられたことに原因するのでしょうか。
○早川政府委員 この常磐新線、御答申をいただいた当時は国鉄という形でこの線が考えられたわけでございますが、六十二年に至りまして分割・民営化ということで現在のJRの形になる、そういう変化がございまして、その変化に対応いたしましていろいろな議論がなされてきているということでございますが、基本的なポイントは、言ってみれば建設資金あるいは整備リスクと申しますか、そういったものへの対応のあり方、それから用地確保に非常に困難が予想されるものもございますので、そういった用地確保についてどういうような対応をそれぞれのセクションなりなんなりがしていくのか、この辺についての詰めがなお行われているというふうに御理解いただきたいと思います。
○東(祥)分科員 検討委員会のメンバーであるJR東日本の常磐新線に対しての態度といいますか、その点についてはどのような状況でございましょうか。
○早川政府委員 JR東日本、この常磐新線の整備主体あるいは運営主体等のあり方につきましては、積極的な参加をしていただいてきておるところでございます。ただ、現在の形でのJR東日本、このJR東日本が、六千億という検討委員会の一応の結論がございますけれども、さらに用地の高騰等がございますので、一兆円というふうにも言われている。この整備の中にかなりのリスクをみずから負うという形で、もっと申しますと、例えばほかの路線の乗客の方にその分を負担していただくという形で対応することについては、非常な問題があるというのが現在の認識でございます。
○東(祥)分科員 ということは、JR東日本は採算の面で事業参加に難色を示しているということですか。
○早川政府委員 この常磐新線の当時の構想といたしましては、当時の国鉄の技術陣等が行ったものでございますので、例えば南千住の国鉄の用地の中を通るとか、あるいは橋げた等は従来国鉄が使っていたものを移しかえたところの後の橋げたを使うとか、そういった用地面あるいはいろいろな施設面では、現在のJRが持っているものを無償で使用していくという構想も随分含まれているわけでございます。そういうものについてはもちろん積極的な対応をする。
 ただ、今の形での、第三セクターをJRがみずから相当なリーダーシップをしてつくった場合に、言ってみますと、用地買収あるいは資金調達等の面で種々問題がある。かつリスクについて、JR自身で何らかの問題が起きたときに対応することについては非常な困難が伴う、こういう実態をおっしゃっているのでありまして、採算等は、鉄道整備と住宅の張りつけということとの絡みがどの程度の展開になるかということにも大いによりますので、その点だけを問題にしているということではないと思います。
○東(祥)分科員 常磐新線に関連して今御答弁にありましたとおり、用地買収あるいは整備リスク等においてまだまだ解決をしなければならない問題が山積しているようでございますけれども、そういった状況において、運輸省としてはどのようにこれから調整していこうとされているのか。
○早川政府委員 常磐新線、これは運政審答申でもございますし、また、昨年制定を見ました、いわゆる一体化法と申しておりますが、鉄道と住宅地の一体的な開発という構想にも載った路線でございます。したがいまして、あとは、特にこの線の整備によって開発利益が一体どこから生ずるというふうに考え、その開発利益についてどういう吸収方法があるかという点をポイントに考えていくべきものだというポジションから、現在、地方公共団体等にいろいろ御検討をお願いしておりまして、また、検討も進んでおるものと理解しておるところでございます。
○東(祥)分科員 先ほどのお話の中に出てきた地名でございますが、南千住というのが出てまいりましたが、実は私の地元は荒川区でございまして、荒川区は今荒川区基本構想を策定しております。そしてまた、新たな町づくりを積極的に進めております。そして、荒川区の発展にとって南千住地域の再開発というのは非常に重要な意味を持っております。ぜひ南千住駅をも常磐新線の計画の中に入れてほしいと要望したいのですが、いかがですか。
○早川政府委員 私どもまだ具体的に、どういうところに駅をつくっていくかということまで相談にあずかっているような状態でございませんのであれでございますが、先生の御要望の趣旨はよくわきまえておきたいと思います。
○東(祥)分科員 荒川区の話になったところで、余り時間がありませんので簡単に、日暮里−舎人間の新交通システムの進捗状況も伺っておきたいのですが、よろしくお願いします。
○早川政府委員 舎人新線でございますが、これも先ほど来の運政審答申で「日暮里・舎人間については、輸送需要の動向等を勘案のうえ、新交通システム等を導入する。」という旨の答申がなされております。現在、この線の整備に関しましては東京都におきまして、地元の荒川区、足立区等の関係区等をメンバーとする委員会が設けられておりまして、この導入の必要性、需要見通し等について検討が行われていると了解いたしております。これは基本的には道路整備特別会計等の補助等で推進する、どちらかといいますと都市側の対応が主体になるものと理解しておりますが、運輸省といたしましても、事業主体の中心的役割を果たします東京都における検討を促す等、適切な対応を図ってまいりたいと思っておるところでございます。
○東(祥)分科員 次に、地下鉄八号線の建設促進についてお伺いいたします。
 地下鉄八号線は、昭和五十七年に免許申請が営団から大臣に出されております。しかしながら、八年たった今もなお、免許認可はおろか、運輸審議会に諮問することもなく、省内に保留されたままになっている、このように私は理解しておりますが、地元江東区や墨田区の区民は一日も早い開通を願っているのですが、何ゆえ進まないのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○早川政府委員 八号線豊洲−亀有間、さらに野田等、武蔵野線方面に向かっていくという線でございますが、六十年の運政審の答申で整備すべきものと位置づけられている、また地元の関係者の方も非常に御要望の強い路線であることは十分承知しておるところでございます。しかしながら、御承知のとおり営団地下鉄は相当規模の工事を抱えている一方、国の補助金等は諸般の事情からこれに十分に入れることができないという実態もございます。したがいまして、現在のところ、せいぜいが二ないし三キロくらいの地下鉄の整備しか進んでいかないという実態にございまして、資金的な問題もございますので、なかなか、関係が各地にわたりますすべての路線について工事を進めることについては問題があるわけでございます。
 運輸省といたしましては、御要望の線につきましても、今後の工事線の進捗状況を踏まえながら、これは営団が分担すべきものとなっております高速鉄道体系、この中で全体の整備の観点からこれの整備につきましても推進ができるよう検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○東(祥)分科員 できるだけ早い時期に審議会に諮問をして、申請が営団から出された以上、一日も早く免許を認可していただきたい、このように要望させていただきます。この点についていかがですか。
○早川政府委員 運輸審議会への諮問ということにつきましては一つの方向づけが出た後の手順だと考えておりまして、基本的には東京、首都圏というものに対する鉄道の整備についての方向づけがより積極的な形で出てくる、その中で考えていくべき問題だと考えております。
○東(祥)分科員 次に、鉄道の高架線促進についてお伺いいたします。
 現在、御案内のとおり、墨田区、江東区、荒川区の主要道路の混雑状況というのはすさまじいものがあります。中でも鉄道の踏切による混雑がこのすさまじさにさらに拍車をかけておるという状況でございます。
 そこでお聞きしたいのですが、墨田区の京成曳舟駅付近あるいは東武鐘ケ淵駅付近、小村井駅付近、また江東区の小名木川引き込み線沿線等につきまして、高架線の設置計画もしくは予定等はどのようになっているのでしょうか。
○早川政府委員 鉄道の高架化事業につきましては、都市の一体的な発展、さらには道路交通の円滑化に資するということから、都市計画事業として行われているのが通例でございますけれども、そのような観点から都市計画事業を進めたいということで、施行者の側から鉄道事業者に御要請があった場合には、運輸省はその鉄道事業者に対しましてはできるだけ協力するように指導しているという形になっておりまして、そういうふうに進めているところでございます。
 先生の挙げられました箇所全部について私まだ手元にちょっと実態を持っておりませんが、京成押上線の御指摘の場所につきましては東京都において高架化事業調査を実施中であるというふうに聞いておりまして、その調査の結果、高架化事業が行われるというようなことになりました場合には、京成電鉄について協力をするよう指導してまいりたいと考えているところでございます。
 もう一つ、東武伊勢崎線の鐘ケ淵付近についてお話がございましたが、この辺につきましては、私どもは高架化の予定があるというふうには聞いておりませんし、都市側でそのような考え方で具体的に何らかの調査を始めるというようなことはまだないかと存じております。いずれにしろ、都市側の動きに対応しての私どもの対応とお考えいただければ幸いでございます。
○東(祥)分科員 京成曳舟駅周辺に関して今調査をしている最中だという御答弁がありましたが、この調査結果はいつごろ出る予定でございますか。
○早川政府委員 先生御高承のとおり、この地域はもう既に御地元の事情でございますのでよくおわかりのことかと思いますが、東武鉄道亀戸線というものをまたいだ形での高架と、それから荒川をまたぐ形の高架のものがございまして、その中間部といいますか、その間を高架にしていこうということで、調査区間は二キロというような形で現在調査は行われているというふうに理解いたしておりますが、この一年内にこの結論が出るというふうには聞いていない、もうちょっと時間がかかるのではないかというふうに思っております。
○東(祥)分科員 東武線に関しては全く調査もなされていない、また地元地方自治体の方からもそれなりの手続を踏んでないということでございますので、今後ともこれらの地域の調査も何らかの形で開始されて、またあわせて京成線の駅付近の高架線設置に向けてできるだけ御尽力をお願いいたしまして、時間が来ましたので、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○左藤主査 これにて東祥三君の質疑は終了いたしました。
 次に、鉢呂吉雄君。
    〔主査退席、伊吹主査代理着席〕
○鉢呂分科員 私は、過日の四月十二日の予算委員会で、私の先輩であります新盛議員から、海部首相あるいは運輸大臣に御質問をしております整備新幹線の建設着工につきまして御質問をいたしたいと思います。
 整備新幹線の問題につきましては、法に基づきまして四十七年に基本計画、さらには四十八年十一月に北海道新幹線を含む五線の整備計画を決定したところでございます。その後、臨調あるいは財政状況等と関連して、当面見合わせという状態が続いてきたわけですけれども、六十二年度の予算編成におきまして、政府は整備新幹線の逐次着工を決定いたしまして、その後政府・与党内部で検討委員会を設けまして、着工優先順位あるいは財源問題等について検討されてきたところでございます。
 昭和六十三年八月三十一日に、政府・与党の覚書といいますか、申し合わせという形で着工優先順位、さらには六十四年度の建設着工線などについて決定をし、さらには平成元年の一月十七日には、「平成元年度予算編成にあたっての整備新幹線の取扱いについて」ということで政府・与党の申し合わせをしたところでございます。その中では、建設費におけるJR、国、地域の負担割合あるいは北陸線の高崎−軽井沢間の本格建設着工あるいは難工事の取り扱い等について決定をしたというふうに私は聞いております。いずれにいたしましても、昭和四十八年の整備計画の決定以来ほぼ十六年ぶりに現在建設が進められておるというふうに思っております。
 まず最初に御質問をいたしたいのは、この昭和六十三年八月三十一日の「整備新幹線の取扱いについて」の政府・与党の申し合わせといいますか、覚書の着工優先順位がいかにして決定されてきたのか、その決定の方法なり根拠についてお伺いをいたしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 一昨年八月及び昨年一月にまとめられました基本スキームを検討するに当たりまして、既に工事実施計画の申請のありました東北、北陸、九州のうちの鹿児島ルートにつきまして着工優先順位を検討することとされたものでありまして、その際は国土開発上の視点、また鉄道需要の長期収支等を各ルートごとに総合的に勘案しまして、基本スキームにあります着工優先順位が決定されたものでございます。
○鉢呂分科員 そこで、最初に言いましたように、四十八年には整備計画ということで五線が決定をされたわけですけれども、そのうち三線が優先着工順位の中に入り、特に北海道新幹線についてはこの優先着工順位から除かれておるわけですけれども、除外された経過なり理由、経緯を御説明願いたいと考えます。
○大塚(秀)政府委員 今申し上げましたように、着工優先順位につきましては、工事実施計画の申請のあったものについて決められたものであり、北海道新幹線についてはまだその段階になかったわけでございますが、ただ排除されたということではなしに、北海道新幹線を含む整備新幹線の整備計画はすべて維持されることを前提としているとなっております。
○鉢呂分科員 ただいま御答弁ありましたように、排除されたわけではなくて、まだその段階に達しておらないというふうに理解をしてよろしいのですか。
○大塚(秀)政府委員 そのとおりでございます。
○鉢呂分科員 そこで、特に北海道新幹線の今後の取り組みという形で御質問をさせていただきたいと考えます。
 特に、北海道新幹線につきましては、まず第一に、最もこの関連で申し上げますと、昭和六十三年の三月に開業いたしました青函トンネル、この青函トンネルは新幹線との形で工法上どういう形になっておるのか、その点について御質問をさせていただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 現在在来線が走行しておりますが、新幹線も走行可能なような工事になっております。
○鉢呂分科員 今御答弁ありましたように、青函トンネル自体は新幹線が走行できることを前提としてつくられておる、前提といいますか新幹線も走行できるということでございます。
 そこで、青函トンネルが現在果たしておる役割について御質問をさせていただきたいと思います。
 青函トンネルが開業する以前と開業後におけるいわゆる旅客、お客さんの動向あるいは貨物の動向についてお聞かせを願いたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 今先生の御指摘の流動につきましては、旅客につきましては開業後相当伸びておりますが、若干ここに来て開業のときの当初のブームというのが去って伸び率が減っているところでございます。また貨物については順調に伸びておりますが、これは青函トンネルの開通による鉄道利用ということだけでなしに、最近におけるトラックの労働力不足等を反映して鉄道利用がふえているということもございます。
○鉢呂分科員 今、人的な移動ですけれども、それが伸び悩みに来ておる。これは開業前と開業後ということですか、それとも開業後の伸びの中で伸び悩みを呈しておる、そういう形ですか、その辺お伺いいたしておきます。
○大塚(秀)政府委員 今申し上げたのは開業後の話でございますので、開業前の青函連絡船の旅客流動に比べますと依然伸びております。
○鉢呂分科員 開業前に比べますと、青函トンネルの持っておる人的な輸送についての伸びが著しいという御答弁だと思います。しかしながら、その後において伸び悩みの傾向もある。まさにそこに現在青函トンネルの持っている問題点があるというふうに私は思っております。特に海上輸送についても最近、まだ実現はされておりませんけれども、海峡上の輸送はスピードアップが計画されておる。そういう点で、今の青函トンネルのトンネル自体は非常に効率的になっているわけですけれども、その両側については在来ローカル線だということで、その点に大きな悩みがあると思います。その点についてどういうふうに思いますか。
○大塚(秀)政府委員 JR北海道及びJR貨物においてはそのようなことを克服すべく努力はしておりますが、先生御指摘のように両端において若干施設整備がおくれている面もございます。
○鉢呂分科員 次に、貨物といいますか物流といいますか、貨物の輸送については大変伸びたというお話ですけれども、これにつきましても、とりわけ北海道については、一次産品、農産物を中心にして、いわゆる東京圏内あるいは関西圏内に対する輸送需要が急速に伸びております。しかしながら、現在のところまだ海上輸送も兼ねながら、あるいはトラック輸送であるというようなことで、今後北海道では、特にコンテナ輸送といいますか鉄道輸送が緊急のものとなっておるというふうに私は理解しておりますけれども、この点についてどういうふうにお考えでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 今のような北海道と本州の間における物流の流動について、青函トンネルは今後とも大きな役割を果たすものと考えております。
○鉢呂分科員 そこで、もう一つ問題があるのですけれども、先ほど言いましたように、青函トンネルについては非常に近代的な新幹線も走行し得るような線路になっておる。しかしながら、それをつなぐ青森とトンネル、それからトンネルと函館間については在来線、特に開業する以前についてはまさにローカル単線でございまして、現状のこの状態ではスピードアップあるいは走行量の確保については非常に難点があるというふうに思われますけれども、その点についていかがでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 北海道の主要幹線につきましては、九州などと比べますと比較的線形がよいためにスピードが相対的に速いという面もございますが、いろいろ設備投資のおくれ等もあって、さらに改良すべき余地も多いと思います。函館−札幌間で特急で表定速度九十二キロ、最高速度百二十キロくらいでございますが、これは本州、九州に比べると相当スピードアップされているところでございますが、まだ青函トンネルの両端の行き違い設備等の改良が必要であると考えております。
○鉢呂分科員 また在来線につきましては、先ほど申し上げましたように、地方ローカル線ということで、青函トンネル開業前はほぼ深夜は走行がなかったという状態でありましたけれども、その後、一挙に深夜に及ぶ走行ということで、周辺住民に騒音等あるいは振動で非常に公害が発生をしておるという現状でございます。これは何分にも開業前と開業後ということで大変な環境の変化ということでございますけれども、それらについてどのように承知をしておるか、運輸当局のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 ただいま御指摘のとおり、一方で輸送が好調である反面、列車本数の増加に伴いまして、地元から騒音、振動等の苦情が出ていることは承知しております。これに対しまして、ロングレールの採用あるいは防音壁等の整備により徐々に防音対策、振動対策等を行っているところでございます。
○鉢呂分科員 いろいろな対策が講じられておりますけれども、それほど効果を上げておらないという運輸当局の調査結果も私、見さしていただいております。そういうことで、この青函トンネルを含む北海道新幹線の今日的な建設着工の意義というものは少なくなっていない、むしろ大変大きな意義があるというふうに思っておりますけれども、これらにつきまして、いわゆる北海道新幹線の建設着工に向けての今日的な意義についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 国土開発あるいは地域の振興等の見地から、全国的に幹線交通体系の整備を進めていくことは必要であると考えておりまして、新幹線につきましては、先ほど申し上げました基本スキームに従って着実に整備していきたいと考えております。北海道新幹線についても同様でございます。
○鉢呂分科員 そこで、北海道新幹線につきましては、地元北海道の基本的な一致した考えということでございますけれども、当初の整備計画におきましては、青森から札幌間ということで示されております。しかしながら、リニアモーターカーとの関連もございますし、また早期に着工を願いたいというようなことで、北海道庁あるいは北海道の中の運輸交通審議会、さらには北海道新幹線期成会等の一致した考えとして、当面は青森から函館まで着工することで地元の意思一致がなされておりますけれども、これについてはそのように承知しておりますか。
○大塚(秀)政府委員 そのような要望が一部にあることを承知しております。
○鉢呂分科員 そこで、北海道新幹線の現在までの経過でございますけれども、いわゆる建設推進準備事業費ということで、名称は違いますけれども六十年度から五千万、六十一年度から平成元年度まで四年間各一億円ずついわゆる調査費がついて調査をやっておるわけですけれども、これらの調査の終了見通しといいますか、あるいは現在の進捗動向についてお聞かせを願いたいというふうに思います。
○大塚(秀)政府委員 ただいまルートを決める前の環境影響評価のための調査をやっているところでございます。今後この調査を鋭意進めますが、現時点ではどの段階で終了するか申し上げられないような状況でございます。
○鉢呂分科員 着工に至るこの一連の予想される経過というのは、どういうふうなことがありますか。
○大塚(秀)政府委員 先ほど申し上げましたように、基本スキームに従って私ども整備新幹線を進めたいと思っておりますので、基本スキームにのっとって北海道新幹線も判断されるものと考えております。
○鉢呂分科員 先ほど言いました調査の見通しについては、現時点では述べられないというお話でありますけれども、特に問題になるのは、駅とルートの決定、それから環境アセスメントの実施であろうというふうに思います。いわゆる優先順位をつけるべくするのであれば、その実施計画に至るまでの作業としてはこの二つが大きくあろうと思いますけれども、それはそのとおり受けとめてよろしいですか。
○大塚(秀)政府委員 先ほど申し上げましたように、その以前の調査を今やっておるところでございますので、ルート、駅の設置等についていつごろ決まるかということについては、現段階では残念ながらまだ申し上げられる状況ではございません。
○鉢呂分科員 先ほど言いましたように、既に五年ほど調査が経過をしておるということでございますけれども、この環境アセスメントと駅、ルートの決定、このどちらが先に順序として決定されていくことになるのですか。
○大塚(秀)政府委員 現在のような調査を続けて、まずルートを公表して、そのルートに従って環境影響評価、環境アセスメントを行うという順序でございます。
○鉢呂分科員 私の見方では大変調査が長引いておる。先ほど申しましたように四十八年以降この計画がされておるわけですけれども、今の段階でいつということは言えないということでありますけれども、この大きなネックになっておるものは何かあるんでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 整備新幹線の着工につきましては、大変長い間の懸案でございましたが、この問題について基本スキームがつくられ、昨年八月に高崎−軽井沢間について初めて本格着工をやったという段階でございますので、今後基本スキームに従って着実に整備していくということでございます。
○鉢呂分科員 四月の十二日の予算委員会でも、整備新幹線の最も大きな意義は日本全国、日本のバックボーンとしての一本線を通すということに、意義があるということで同僚議員からも質問をさせていただいておるのですけれども、そういうふうに理解をしてよろしいですか。
○大塚(秀)政府委員 国土開発、地域振興という観点から、全国的に幹線交通体系として整備新幹線、新幹線ネットワークというものを我々は意義づけているところでございます。
○鉢呂分科員 特に整備新幹線の着工に至る経過といたしまして、先ほど言いましたように政府・与党の中でいわゆる申し合わせあるいは覚書あるいは検討委員会、六人委員会等々をつくられております。また過去においても、この新幹線が非常に政治的なものとして、政治路線として決定されたかのように記憶をしておるところでございます。
 そんなことで、この新幹線については法的な、いわゆる全国新幹線鉄道整備法という法に基づいて行っておるわけでございます。特にその中では、第一条の目的あるいは第三条の路線の決定においても、全国的な幹線鉄道網の形成という表現なりあるいはまた国土の総合的な普遍的な開発に果たす役割というふうに言っておるわけでございます。そういった意味で、政治的な偏りなり政治の綱引きによる路線の優先順位というものがあってはならないというふうに考えておりますけれども、この点についてどういうふうにお考えでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 いわゆる整備新幹線につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づき基本計画が定められ、建設主体、営業主体が指名され、整備計画が定められたというもので、この法律にのっとったものでございます。また、基本スキームにおける着工優先順位は、先ほども申し上げましたように、国土開発の観点、かつそれぞれの路線の長期的な採算性、そういうものを総合的に勘案して定められたものと考えております。
○鉢呂分科員 四月の十二日にも海部首相は質問に答えまして、新幹線の問題は、国土の均衡ある発展と地域の開発に大きな役割を果たすものとして今後も建設を行っていくというふうに御答弁をされております。
 そういった観点で、先ほど申しましたように、日本の全国一本のバックボーンが最も基本になるだろう、そういう点で、いわゆる鹿児島から札幌、旭川も一部入っておりますが、この幹線、これが一番の基本になると思いますけれども、この考え方についてどういうふうにお考えですか。
○大塚(秀)政府委員 今言われました全国を縦貫する新幹線も極めて重要でございますし、また北陸新幹線のように裏日本の開発というような観点から重要なものもございますので、そういうものを総合的に勘案して、今後整備されていくものと考えております。
○鉢呂分科員 私が言いましたように、この北から南という一つのバックボーンといいますか、一番の基本になる太い線という形で札幌から鹿児島、このことが一番の基本でないか、優先順位としての基本でないかと考えるわけですけれども、再度この御答弁を願いたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 基本スキームで整備新幹線の一部路線について着工優先順位が定められましたのは、何度も繰り返すようでございますが、国土開発の観点あるいはそれぞれの路線の長期的な採算性等を総合的に勘案したものでございますので、そういうふうに重要性を御理解いただきたいと思います。いずれも重要なルートだと考えております。
○鉢呂分科員 私の質問に基本的に答えてないわけですけれども、再度運輸大臣のこの点についての御所見をお述べ願いたいと思います。
○大野国務大臣 整備新幹線の問題につきまして、私どももそれは幹線交通網の整備ということを十分認識しながら今日までも努力をいたしております。いずれにしても、国土の均衡ある発展ということを考え、そして基本スキームというものもつくり、これを今着実に実行しておるわけでございまして、それはもう委員御指摘のようにすべてが短期日で解決できるというようなことであれば一番いいわけですけれども、なかなか財源的にもまた地域におけるいろいろな問題もございますので、それらも勘案しつつ鋭意整備しておるということでございます。
○鉢呂分科員 これまで延びてきたわけですけれども、その中でもとりわけ北海道新幹線についてはまだ着工決定、本格着工あるいは優先順位の中にも入っておらない。大臣、不在でしたけれども、この中で御質問させていただいたところにおきましては、特に北海道新幹線、青森から札幌という形の整備計画でございますけれども、とりわけ青森から函館という形で優先的に着工したいという地元の意思一致もされております。
 また、先ほど来申し上げておりますように、青函トンネルが六十三年に開業してしかも順調な発展をしておりますけれども、新幹線を走行し得るものでありながらそれができないということで、新幹線にそれがつながっていくことが早急に求められておる。また、北海道の一次産品なりそういう物資の輸送についても今まさにネックになってきておる。あるいはまたスピード化、あるいは周辺住民の騒音対策等にかんがみますと、この北海道新幹線、とりわけ青森−函館間についての早期着工が地元からも求められておるし、また先ほど言いましたように、日本の鹿児島から札幌という一番基本となる幹線という観点からも求められておるというふうに私は思いますけれども、これらを総合して運輸大臣の御所見をいただきたいというふうに思います。
○大野国務大臣 今も申し上げましたように、いろいろ総合的なものを考えた上でつくったわけでございますから、やはりその基本のスキームに基づいて、施設の整備の進捗状況等々を勘案してそして対処することが妥当であろう、こう思っております。
○鉢呂分科員 特に調査をしてから、予算がついてからも五年以上経過しておるということでございますので、いわゆる本格着工といいますか、優先順位を決める段階の前の段階になりますけれども、いわゆる駅並びにルートの決定、環境アセスメントの実施についてこれの具体化がされるように、そういう観点で早期に、平成三年と言わず二年度中にもこれらが決定され、実施の方向になるように望んでおりますけれども、大臣の御所見を再度お伺いいたしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 北海道新幹線に関する調査についても、今後とも着実に実施していきたいと考えております。
○鉢呂分科員 大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○大野国務大臣 今総括審議官から答弁いたしましたことと同様でございます。
○鉢呂分科員 時間が参りましたので、終了させていただきます。
○伊吹主査代理 これにて鉢呂吉雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、貴志八郎君。
○貴志分科員 関西国際空港についてお尋ねをいたします。
 世界の経済大国として自任をいたしております我が国において、世界への交通アクセスの根幹ともいうべき国際空港は羽田、大阪、成田という三港でありますが、いずれも夜間の使用ができない、いわば日本の門限を外国に押しつけている、そういう形の空港であります。はっきり申しまして、我が国には世界に開かれた本格的な基幹空港が現在では一つも存在していない。
 そういう意味では今建設中の関西新国際空港は、その全体構想を達成するならば、未来型の国際空港として二十四時間開かれた日本の玄関口になる条件がそろっていると思われます。運輸省は、この空港が将来どのような役割を担うことになると認識をしているか。また、日米構造協議の中間報告でも、輸入関係のインフラ整備に絡み関西国際空港全体構想にも触れておるということでございますけれども、政府はこの空港が日本の経済に及ぼす影響、また外国の経済に及ぼす影響、そういったことを含めましていかなる位置づけを行っておるか、まず最初にお尋ねをしておきたいと思います。
○丹羽政府委員 関西国際空港の問題でございますけれども、日本が将来にわたりまして国際社会におきます重要な責務を果たしまして経済の発展と豊かな国民生活の実現を図っていく、そういうためには航空輸送はますます必要不可欠なものとなりますし、国際空港はそのかなめということで重要な役割を担っていかなければならないというふうに考えております。現在首都圏と並びまして我が国の経済、文化の中心であります近畿圏には、もう御存じのとおり大阪国際空港が、いわゆる伊丹でございますがございますけれども、これは国際及び国内の航空輸送網の二大拠点の一つを形成しているということでございますが、御高承のとおり伊丹の空港につきましては、環境対策上厳しい運用制限を余儀なくされているという状況でございます。したがいまして、国際航空路線の開設とか地方空港からのジェット機の乗り入れ、そういった内外からの要望につきまして現在受け入れることができないという状況にございます。
 こういう状況にかんがみまして、関西国際空港は、大阪国際空港の環境問題と航空輸送需要の増大に適切に対応するために、環境保全に十分配慮して、地域社会と調和のとれた、そして機能的にもすぐれた二十四時間運用可能な空港としての役割を果たすべきものと考えております。
○貴志分科員 昭和四十九年の航空審の第一次答申が出されてこの関空が登場したことになるわけでありますけれども、私どもその関係府県という立場では、この第一次答申の中に二つの大きな課題があった、こういうふうに理解をいたしております。その一つは現在ある伊丹空港ですね、大阪空港の廃止を前提とする、これが第一次答申の一つの大きな目玉であったと思います。もう一つは、新しい空港には、一つの主要な滑走路、それに平行する滑走路、横風等のある場合のもう一本の滑走路、要するに三本の滑走路ということが最小の規模である、こういうふうに答申が出されておりまして、その答申に基づいて空港計画なるものが策定をされたものと理解をいたしております。この答申内容の二つの目玉は今日なお生きておると理解をさせていただいてよろしいかどうか。
○丹羽政府委員 先生ただいま御指摘のとおり、関西国際空港につきましては、まずは航空審議会の昭和四十九年の答申がございます。その四十九年の答申の中の今先生御指摘の部分は、基本的にはその御指摘のとおりだろうと思っております。現在私どもはその四十九年の答申と、それからその後昭和五十五年に「関西国際空港設置の計画について」という答申も航空審議会から受けておりまして、その趣旨を十分尊重しながらこの空港の建設を進めているところでございます。
 昭和四十九年の答申の中にただいま先生の御指摘がございました「大阪国際空港の廃止を前提として」そういう表現がございます。これは今の大阪国際空港、伊丹でございますけれども、それが仮に廃止されたとしてもその役割を十分に果たし得る新空港の建設を推進すべきである、そういう前提での表現だと私どもは理解しております。したがいまして現在の伊丹の空港を必ず廃止するという意味ではない、こういうふうに考えております。
 それからもう一点の御指摘の部分でございますけれども、関西国際空港の規模を滑走路三本とするのが望ましい、こういうところの問題でございますが、この後昭和五十九年二月に政府の関西国際空港関係閣僚会議という閣僚会議の場におきまして、「全体構想を踏まえ段階的に整備を図ること」とされておりまして、私どもこれを受けまして、現在の工事を平成四年度末の開港を目途に第一期計画の整備を進めているという段階でございます。
○貴志分科員 いずれにしても現在の大阪空港は、後でも触れますが、いろいろな意味で問題があるし欠陥空港であるというふうに私は認識をしておるわけでありますけれども、運輸省は六年前から関西国際空港の全体構想をめぐる総合評価の調査を実施されておるということであります。一部内容を聞いたところによりますと、空港の需要予測、四年前に比べて約五百万人、ですから年間千九百六十万人くらいというような需要予測を立てるに至ったというふうなことでありますけれども、そういう総合評価の調査実施の結果、公式にはいつ発表されることになっておるのか、その内容等について、どのようなものが調査をされておるのか、そういうことについてお尋ねをいたしたいと思います。
○丹羽政府委員 ただいま先生御指摘の調査は、伊丹の大阪国際空港の存廃のあり方に関する総合評価調査のことではないかと受けとめております。それで、この調査につきましては、今月中に取りまとめまして、地元の調停団、そういったところなどに開示したいと考えております。そういたしますと、それを受けまして今後は私どもの方に地元の御意見がお聞かせいただけるという段取りになるかと思いますので、その御意見を拝聴した上で私どもの方としてはその存否の問題につきましての結論を出していく、こういうやり方になるかと思っております。
○貴志分科員 今月じゅうに取りまとめられるということでありますから、まだ、きょう、あすというふうなことではないというふうに理解していいわけですか。
○丹羽政府委員 今月中と申し上げましたが、今週がウイークデーの最後の週でございますので、今週の残された時間内でということになりますと、明日に地元に開示したいと考えております。
○貴志分科員 今、明日にでも地元の方に開示されるということでありますから、その中で調査結果が明確になると思いますから、それを拝見した上でまた意見を申し上げる機会があろうと思いますが、地元というのは、いわゆる大阪現空港、伊丹市を中心とする十一市を指すのか、あるいは伊丹空港の廃止を前提として関係府県ということで、例えば和歌山では、伊丹の空港がなくなれば関西に国際空港がなくなる、こういう認識の上に立って、三点セット、地域整備計画等においても不満なところがあったけれども、この国家的プロジェクトに協力をしなければならぬということで賛成協力、そういう形で協議を続けて回答を寄せておるわけであります。したがって、現伊丹空港の存廃問題をめぐっての意見というものは、ただ単に伊丹周辺の十一市だけではない、この新国際空港の地元も十分関心を持って見守っておるということでありますから、ここにいかなる協議あるいは資料の開示、意見の聴取等を行う予定があるのかぜひお伺いをいたしたいと思います。
○丹羽政府委員 ただいま私が申し上げました調査結果の地元開示、それからそれに引き続きます、地元からの御意見をいただくという問題につきましては、これはもともと大阪の国際空港の騒音問題に関します調停の関係から決められたことの手続でございますので、調停の経緯等から考えまして、調停の申請団の居住している地方を中心に大阪国際空港の地元の地方公共団体ということで考えております。
○貴志分科員 このことは意見というか要望だけにとどめてもいいと思うのですが、裁判上の問題として、その調停をめぐって必要な措置だというふうにおっしゃられるわけで、あるいはそのとおりだと思いますが、私が申し上げたのは政治的背景ということで、協力をしてきた各府県に対してもいろいろ意見を聞く機会をぜひ持ってほしいということを申し上げておきたいと思います。
 それでは、大阪空港の廃止問題についてはこの程度にいたしまして、続いて、空港の機能と申しますか設備、そういったことについて、特に滑走路の問題について質問をいたしたいと思います。
 先ほどの御答弁では、段階的に整備をするという閣僚会議の結果に基づいてやっておるのであって、必ずしも現在の状況ですべてだということではない、そういう意味の御答弁であったように思うのでありますけれども、いずれにいたしましても、現在の計画、実施状況、滑走路一本では、例えばシンガポールのチャンギ空港が四本の滑走路を持っている、あるいは台北でも、韓国の金浦空港ですか、ここらあたりでも随分すぐれた機能を持っておるわけであります。こういう中で日本の玄関口としての、あるいはアジアのハブ空港という立場、そういう役割を果たさせる関空ということになってまいりますとこれだけではならないわけでありまして、早急に整備を進めていかなければならない、こういうふうに私は思うわけです。
 そこで、先ほどの伊丹空港の需要予測というようなことで、あしたでもその結果が発表されるということでありますけれども、ではその新しい関空の需要予測は一体どのようにお立てになっておるのか。後でもし時間があれば、国内、国外便の問題の予測等についてもお伺いしたいと思っておりますが、とりあえず、需要拡大の予測は近い将来、果たして今言われておる十六万回以内を維持するということになるのか、はるかにそれを上回ることになりはしないか、そういったことを含めてお答えをいただきたいと思います。
○丹羽政府委員 関西国際空港に関します需要予測の問題につきましては、昭和六十一年に関西国際空港株式会社が予測した数値がございます。今、開港を平成五年ということで考えておるわけでございますが、その需要予測によりますと、開港時におきまして国際線の旅客数が年間約千三百万人、国内線の旅客数が年間約九百万人ということになっております。
 それで、私どもの方はそれ以降、六十三年度から関西国際空港全体構想検討基礎調査をいたしておりまして、現在調査を進めている段階でございますけれども、この中で関西国際空港におきます需要予測につきましても検討しているところでございまして、これは本年度早々にもまとめていくという形で考えておりますので、現在取りまとめ中という段階でございます。
○貴志分科員 次に、現在一本の滑走路でありますが、例えば横風、横波等が海上空港でありますから当然予測されるわけでありますけれども、この間成田でちょっとしたトラブルに発展しそうな問題があったとお伺いいたしておりますが、一本の滑走路で仮に完成をして開港いたしまして、横風、横波の強い日は使用不可能になる、要するにたびたび閉鎖をしなければならない、そういうことが予想されないかということについてお伺いしておきたいと思います。
○丹羽政府委員 今進めております関西国際空港の第一期工事は、御指摘のとおり滑走路一本の形で考えておりますが、その一本の場合の気象条件から見た滑走路の利用率を私どもの方も計算しておりますが、それは、国際機関でICAOというのがございますが、そのICAOの基準を満たすもので考えております。
 それで、今のは滑走路が一本の場合の気象条件との関係でございますが、そのほかに、維持補修をする場合、そういうようなことも考えられるかと思います。その場合は、事前にフライトスケジュールはもちろんわかりますので、それを調整いたしまして離着陸回数の少ない夜間に行うとか、そういったような対処をすることを考えております。
 それから、故障とかトラブルがランウエーの上で起きるということももちろん考えられるわけでございますけれども、それはその故障、トラブルの程度によって違いますが、一時的に滑走路閉鎖の処置がとられるということもあると思います。しかし、過去の経験からすれば、そういう滑走路閉鎖にまで至る事故の発生というのは極めて少ないものだと思われております。
 それから、なお滑走路が一本であるか複数であるかということの世界の空港の関係では、確かにおっしゃるとおり大規模空港は複数の滑走路を有していることが多いわけでございますけれども、現在一本だけの滑走路で行っております世界の国際空港の例としては、ロンドンのガトウィックとかニュージーランドにありますオークランド、それから香港の啓徳国際空港、そういう主要なものでも十ほどの飛行場が一本の滑走路で運営いたしております。
○貴志分科員 要するに、今の御答弁の中では一本の滑走路で気象条件等、いわゆる基準は満たすことになるだろうということでありますけれども、果たして気象条件で年間にどれぐらい閉鎖しなければならない、あるいは使用ができないような場面が出てくるのだろうかということについて疑問がありますけれども、いずれにしても、一本の滑走路ではこれから先基幹空港としての役割をなかなか果たしにくいということは理解できたと思いますので、次の問題をお伺いいたします。
 政府は超音速航空機ということでSSTの開発を進められておると聞いております。私はこの超音速のSSTは一体どれだけの滑走路を必要とする新型の航空機であるかはっきり存じませんけれども、片一方でこのSSTの開発を進めて、このSSTが発着できる空港、そういう受け皿がなければ意味がないわけでありますが、関西ではその態様を予測して受け皿としての空港たり得るのかどうか、若干の御説明を含めてお願いをしたいと思います。
○丹羽政府委員 ただいま開発が行われております次代を担うと言われる次世代超音速機の離着陸につきましてどのぐらいの滑走路延長が要るか、そういう問題につきましては、まだ性能についての開発構想が具体化しておりませんので、そういう意味では私どもも明らかにわかっていないわけでございますけれども、いずれ離着陸の性能が決定される際には、既存の世界の主要空港に就航できるように配慮されるものではないかと考えております。
 それで、関西国際空港の今の一期工事で建設中の滑走路三千五百メーターでございますけれども、これは現在就航中の航空機とか今後就航することが見込まれる航空機が、それも苛烈な気象条件で、例えば真夏の高温時、そういったような気象条件でフルロードで日本からアメリカの東海岸まで直行できるということが可能な滑走路延長だと思っておりますので、そういう意味で計画して三千五百ということで考えているわけでございます。
 次世代の超音速機の対応の話になりますと、その開発構想がいつ明らかになるかとか、どの程度の性能になるかとか、そういうようなことで左右されること等も考えられますけれども、現在、航空審議会で審議中の関西国際空港のこれからのあり方の取り扱いの問題の中でも、こういう次世代の超音速機への開発が進められ、あるいはこれからの関西空港の全体構想への対応が進められるという話になってきたときは、この対応につきましては、今の次世代の航空機のことも念頭に置きながら検討していくという形になるかと思います。
○貴志分科員 そこで、先ほどちょっと触れたわけですが、開港時年間十六万回の便数ということで、それを国内外あるいは貨物というふうに分けてくるとどういうことになるのか、基幹空港ということで位置づけておるわけでありますけれども、基幹空港という意義を踏まえるならば、国内外の利用便数というものは開港時で既に予測をはるかに上回る状況になってくるのではないかと思いますが、その辺のところの見通しはどうなりますか。
○丹羽政府委員 先ほど申し上げました六十一年時点の関西空港株式会社の需要予測は開港時の予測でございますけれども、現在までのところそれを上回る形になるかどうかという問題につきましては、先ほどの私の答弁の中で申し上げましたように、需要予測全般につきまして現在新しい基礎調査をやっておる段階でございますから、その中で対応できるかと思っております。
○貴志分科員 先ほど来伊丹空港の存廃や滑走路の問題について私は質問をしてまいりましたが、それは全体構想の早期な着手の必要性をお伺いしたものでありまして、特に国内便の確保の問題については地元の熱い声であるという理解をいただきたいわけであります。運輸大臣は、この関空の全体構想にどのような意欲をお持ちになっておるのか、また第六次空港整備計画が八月にも出されるということでありますが、その中での方針はどのようにお持ちになっておるのか、ぜひお伺いをしたいと思います。
○大野国務大臣 先ほど来からいろいろな角度からのお話を承っておりまして、いずれにしても現在関空は平成四年度末を目指して鋭意建設中でございます。これは第一期工事ということに位置づけておりますけれども、近畿圏の航空需要を予測するというような調査をしたり、あるいはお話の中に多々出てまいりました現在の大阪国際空港の存廃の問題等々含めて、やはり広域的なことを考えると同時に、国際的な問題というのは非常にこれから大きくクローズアップされてくるわけでございますから、それに旅客にしても貨物にしても対処できるようなものでなければならないというふうに思っております。
 そこで、やはり運輸行政の要諦は安全性ですから、これもお話いただきましたけれども、こういうものも含めて今やっております六次空整、航空審議会の中で十分論議して、そして中長期的な考え方に立って進めていきたい、こんなふうに今考えております。
○貴志分科員 ありがとうございました。これで質問を終わります。
○伊吹主査代理 これにて貴志八郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、三浦久君。
    〔伊吹主査代理退席、嶋崎主査代理着席〕
○三浦分科員 大臣、私は極めて劣悪なタクシー労働者の労働条件の改善問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 私は、今回の運賃の改定に当たって、今までのように書面でただ労働条件の向上を図ることというような形式的なやり方ではなくて、実質的に実効のある措置をぜひとっていただきたい、そういう観点から若干タクシー労働者の実情を訴えながら、御指導をお願い申し上げたいというふうに考えております。
 タクシー、ハイヤーの運転手さんは全国で四十二万五千名ございます。タクシーといえば国民のどなたも御利用になる、そういう意味では国民生活に定着している公共機関だということが言えると思うのです。ところが、実際にそういう公共交通機関を支えているタクシー労働者の労働条件は非常に悪いのです。これは労働省の賃金センサスに書いてありますけれども、タクシー労働者の労働時間は年間二千八百八時間だというのです。今政府が目指しているのは千八百時間ですから、一千時間も多い。それも夜の夜中走り回っているわけです。一週間の労働時間は五十四時間を超えております。
 そして、このような長時間労働であるにもかかわらず、年間の賃金収入は全国平均で三百十五万円であります。これはボーナスも入れてです。三百十五万を日本の全産業の男子常用労働者と比べてみますと、七一・五%にしか当たりません。金額でいいますと、百二十五万円も下回っているという低賃金であります。運輸省は、こういうタクシー労働者の労働時間または賃金が他産業の常用労働者と比べて大変低いというふうに、御認識されているのかどうか、その点からまずお伺いいたしたいと思います。
○早川政府委員 今先生の御指摘ございましたタクシー労働者といいますか、運転手さんの労働時間、賃金水準、いろいろな水準があると思いますが、大勢としてそのような実態にある。したがって、大変厳しい労働条件のもとでお働きになっておるということについては十分認識しているつもりでございます。
○三浦分科員 その上、同じタクシー労働者でも地域差があるのです。地域差が相当ひどいのです。これは分科会ですから地元のことを申し上げますが、私の地元は北九州なんですけれども、ここは産業空洞化などの影響を受けまして余り景気のよくないところです。全国平均のタクシー労働者の賃金よりも低いのですよ。例を申し上げますと、北九州のタクシー労働者の年収は二百七十万三千円です。これは北九州の市乗協、北九州市乗用自動車協会の調査によるものです。これは経営者の協会です。そうしますと、これは全国の男子常用労働者よりも年間で百七十万円も低い、そういう結果になっております。全国のタクシー労働者よりも北九州の労働者は年間に八十九万円も低いのですよ。そして、全国じゃなくて福岡県内、特に福岡市のタクシーの労働者と比べてみましても、北九州のタクシー労働者は六十六万円も低い、そういう結果が出ているんですよね。
 そうしますと、生活保護と比べてみましょう。生活保護は、北九州では、五人家族ですと三百三十一万一千二百六十円、余り細かいことを言ってもしょうがないですけれども、約三百三十万ですね。これよりも六十万円も低いというようなそういう劣悪な労働条件で働いているというのが北九州市のタクシー労働者の実態であります。しかも、労働時間はどうかというと、福岡県下では年間二千六百七十六時間。ですから、これは県内の男子常用労働者よりも年間で二・二カ月も長く働いているということになっておるのですよ。ですから、もう長時間労働、低賃金の典型的なものなんです。
 金満大国日本、そんなことを今外国から言われているようですけれども、そんものとはほど遠い。自分の命をすり減らして毎日毎日仕事をしているというのが実情なんですよ。本当のことを言うと私の法律事務所の事務員よりも低いですよ、年間収入は。入ったばかりの女性の事務員よりも低い。ですから、運輸大臣、こういう労働条件はやはり運輸行政をつかさどる者として何とか早急に改善しなければならないというふうに思われていらっしゃるのだろうとは思うのですが、念のために、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思うのです。
○早川政府委員 先生の御指摘のとおり、タクシーにつきましては労働条件についてかなりの地域差があるということは事実だと存じております。一般的に、その地域の平均所得が低いという地域差がまずございますが、もう一つ、タクシーに非常に典型的でございますけれども、車の数の需給が非常に崩れているところもある。かつて大変好況を謳歌いたしましたところの重厚長大型の産業等が、最近の経済情勢の変化に伴いまして活況を失ってきているというような地域につきましては特に問題でございまして、その当時の車両数がそのまま残っている。私ども、従来こういう地域につきましてはぜひ減車をしていただきたいという指導をしてきておるのですけれども、なかなかそのことに応じていただけないという面がある。
 一方で、そういうやや過大な車に対しまして、また、それらの地域につきましては労働力もついていくという実態からやや供給過剰という問題もございまして、そのしわ寄せが運転手さんの賃金に響いてきているという実態にあるのだと理解をいたしておりまして、私どもといたしましては、その改善につきましては両方の面から十分努力をしていきたいと考えておるところでございます。
○三浦分科員 確かに北九州はちょっと車両が過剰ですね。ですから、減車の指導をなさっているというのも私は知っております。しかし、やればできるのですよ。そうすると、労働者が減るじゃないかという面がありますけれども、しかし、自交総連あたりは反対してないのですね。労働組合は反対してないのです。要するに経営者の問題なんですよ、減車を拒否しているのは。特に法人タクシーの問題でしょう。ですから、これはやはり強力に指導すべきだと思うのですよ。あなたたちが許認可権を持っているわけなんだから、本気になってやる気さえあれば相手は言うことききますよ。それはやるべきですよ。そういう意味で、こういう劣悪な条件はちょっと珍しいですよ、これは他産業に比べても。そして、夜の夜中に走り回るのは非常に危ないことでしょう。ですから、こういう劣悪な労働条件をつくり出してきた責任の一端というのは、申しわけないが、そう言っては失礼だけれども、運輸省の行政指導にもあったのじゃないかというふうに私は思うのですよ。
 確かに、この賃金問題、労働条件問題というのは、基本的には労使の問題です。それは私もわかっていますよ。しかし、そういうことを前提にしても、運輸行政の中心といいますか、眼目といいますか、要諦といいますか、これは安全の確保にあるわけでしょう。それからサービスの向上とか人材の確保であるとか、いろいろあると思うのですね。一番大事なのはやはり安全問題ですよ。人の命に関係する問題ですから、そういう安全の確保、サービスの向上、それから人材の確保という観点から見ても、こんな劣悪な労働条件を行政官庁としてやはり放置しておくわけにいかない、関心は持つべきだと私は思うのですよ。いかがでしょうか。
○早川政府委員 まず減車の問題でございますが、全国にわたりましてその種の問題がございますので、これにつきましては大変強力に減車を指導してきているところでございます。しかしながら、いわば車両を持っているということが一つの既得権であるというような御認識の事業者の方が大変多いということもございまして、必ずしも十分な成果に至っていない。しかし、最近では労働力自身が不足してまいるという実態もございますし、かなりの地域で預かり減車という形でございますが、言ってみればお返しいただいているという実態がございまして、それなりに成果は上がってきているものだと考えております。
 今先生の御指摘のように、タクシーの基本は良質な労働力の確保、それによりますところの安全の確保とサービスの向上、この点にあると私どもも理解をいたしておりまして、私どもといたしましては、そういった観点に立って事業者の方にも何回にもわたって話をし、言ってみれば労働条件の改善、安全でかつ適切なサービスの確保ができるような形での運転手の確保、こういうことをお願いしてきているところでございます。
○三浦分科員 今まで何回も運賃の改定がありましたよね。私もタクシー労働者の問題はもう二十何年ずっと携わっていまして、裁判なんかやったことがありますけれども、その運賃改定の際に、申請する側も労働条件の向上というのが一つ入っているのですよ。あなたたちも、認可する場合に附帯条件として労働条件の低下を来さないこととか労働条件の向上を図ることとか、そういうことをつけておるでしょう。しかし、実際に行われてないのですよね。
 例えば、この前の消費税のやつは特別の運賃値上げだと思いますけれども、消費税の導入に伴って三%分運賃上げるでしょう、上げて実際にどういうことが起きたか。それで、そのときのあなたたちは労働条件の低下を来さないようにということを一項目入れているはずですよね。ところが、外税と内税を選択させておるでしょう。だから、内税方式にしたところではみんな運収から――メーターの積算したやつを運収というのでしょう。この運収から三%引いてしまうのです。そして、その三%引いたやつを運収として、それで賃率を掛けて歩合給を払うのですよ。こういうことが平然と行われているのですよ。これは泥棒なんですよ。だって、実際に三%上がらないのですから。実際に、例えば千円や二千円くらいのところを乗ったって、基本料金の十円分が上がっているだけなんです。それはそうでしょう。計算したらわかるでしょう。ほんのちょっとした区間だけ偶然に上がるだけで、あとは上がらないのですよね。これはもう、あなたは専門家だから詳しいことは申し上げませんが。そうして、結局は労働条件が切り下げられておるのですよ。
 それについて、私たちは運輸省にも行きました、それから運輸局にも交渉に行きました。指導はしていますと繰り返し言われました。しかし、現実には全然業者は改めていないというそういう現実があるのですね。これはもう労働者にとったら賃下げでしょう。それで、賃下げで買い物をすれば三%また取られてというダブルパンチなんですよ。そして、こういう低い賃金の上にそういうことが重なってくるわけですから、だから、こういう点に目をつぶらないで、やはりそういう認可の条件として労働条件の向上を図ることということを決めたのなら、それが現実に実行されているかどうか、これをちゃんとフォローするべきじゃないですかね。そして、本当にこんな劣悪な労働条件の労働者の生活を確保するという情熱を持って行政に当たっていただきたいというふうに私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
○早川政府委員 まず、運賃改定に際しましての指導でございますが、先生まさに御指摘のとおり、その都度十分な指導をするという形で関係運輸局等も推進していることと考えております。私、北九州の問題をちょっと具体的に担当したことございませんが、東京等では現在でもかなりの固定給分を持った事業者等の給与水準の改定というのは行われてきておりまして、これは全国的にその形になっているとまでは申し上げませんが、それなりの効果を上げているものだと理解をいたしているところでございます。
 それから、今先生御指摘の三%の転嫁問題、これは恐らく九州にやや特異な現象かと思うのですが、メーターの改造という点が絡みまして、言ってみますと、三%の転嫁の方式を多少事後の距離といいますか、それで調整をするという形をとっておられるものですから、その点で多少その三%までお客さんからいただけないでいる面があるかもしれない、そのときに、三%という形と実際にいただけてない部分が運転手さんのあれになっているのかなというふうに今想像いたしますけれども、これはまた十分実態等を調べました上で、もし必要があれば、もちろんそんな形にならないように指導させていただきたいと思っているところでございます。
 一般的に申しまして、特にタクシーというのが、従来はあり余る労働者という形のものを酷使するといいますか、使う形でタクシー事業が成り立ってきていたわけですが、今後はそういうことはないものだと私どもは考えておりまして、その辺について十分頭を切りかえて、良質な運転手さんを確保しながら今後のタクシー事業というのを推進していただくように、これはずっとお願いをしていくつもりでございますし、今までもお願いしているところでございます。
○三浦分科員 今北九州でほとんどの会社が運賃の改定を申請していますね。それには、やはり長時間労働を解消するとか、これは来年かな、時間制限できて、だから、長時間労働を制限するとか賃金を上げるとかということを理由にして申請しているのですよ。そしてあなたたちも認可の場合にはそういう条件をつけるはずですね。そうしますと、今春闘なんです。労働者は賃上げ要求しているのです。そうすれば、使用者は賃上げをするのですとか長時間労働を解消するのです、そのための運賃の改定なんですと言っているのですから、本当にそうであれば、運賃の改定を待つまでもなく、今度の春闘で労働者の要求を受け入れて賃上げに応ずるべきだと私は思うのですけれどもね。どういう御認識をお持ちでございましょうか。
○早川政府委員 福岡地区と申しますか、北九州の運賃改定というものについて今どのような形で指導していくかということについて、私まだ運輸局の方から具体的な報告は受けておりませんが、東京等でごらんいただきますように、既に申請は運転手さんの方の労働条件の改善、それに対しまして実際に私どももそのことについてどういうふうになさるつもりですかということはお聞き申し上げておりまして、それにつきましては、いろいろ形はあるようでございますけれども、必ず運転手さんの賃金の方に回すというような形が労使間でほぼ約束されてきているというような形になってきております。この辺は、言ってみますと地域地域の車の事情等があって必ずしも一律にはいかないものだと思いますが、私どもとしては、その運賃改定がもしそういう理由で来ているならば、それが必ず実現されていかなければならないという信念でこの運賃改定に臨むつもりでおりまして、現に臨んでいるつもりでございます。
 したがって、今先生もう一つの御指摘のあれは、仮に今運賃改定ができなくてもといいますか、おくれておっても、それが春闘時に入れられるべきじゃないかということだと思うのですが、私どもの考え方といたしましては、いずれにしろ運転手さんの賃金等にある収入部分が行きまして、経営者の方が収支状況が赤になる可能性を持ってきているという実態がございますれば、その実態に即して運賃改定というのを進めるわけでございますから、その点につきましてはあえて、そのような形で置かれることについても何ら問題はないものだというふうなことで事業者の方には指導させていただいているところであると思います。
○三浦分科員 御承知のとおり、タクシー労働者の春闘というのはいつも夏を越してしまうのですね。秋になってしまうのです。それだけでもおくれるのですよ。ですから、そういうのもまた一つの低賃金の原因になっています。だから私は、そういうことのないように十分こういう労使関係の問題についても関心を持つといいますか、目を光らせておいていただきたいということを御要望申し上げたいと思います。それで、今大体実際に効果が上がるような措置をとるというお話でしたから、私はその点はこれでやめます。ぜひ実効のある措置を心からお願い申し上げたいというふうに思います。
 私は、一度、今参議院議員をやっている梶原さんが自動車局長だったときに、黒土さんじゃないのですが、もう一つ今浪という南国タクシーをやっている、タクシー会社いっぱい持っている人がおるのですけれども、その今浪さんが会社を乗っ取って、その労働組合をぶっつぶそうとしたときがあるのですよ。そのときにいろいろ自動車局と交渉しまして、とうとう労働組合にその会社の経営権を譲渡させたという経験があります。梶原さんにお聞きになっていただけばわかりますよ。ですから、いろいろな意味で、皆さんが本気になっておやりになればできることだと私は思うのですね。ぜひひとつこの劣悪な労働条件の向上を、今回の運賃改定に際しては特に御考慮いただきたいというふうに思います。
 今黒土氏の話がちょっと出ましたけれども、この黒土さんというのは福岡県の乗用自動車協会の会長さんです。御承知だと思います。この方は相当悪質な社長さんなのですよ。労働組合を認めないのですよね。労働組合のある小さなタクシー会社があるでしょう、これは労働組合がないところよりも安いのですよ。ですからそういうところをねらって買収するのです。今幾ら買収しておるかといいますと、西日本一帯で五十七社持っています。そして、その労働組合のある会社をわざわざ買って、どんどん労働組合をぶっつぶしていくのですよ。ひどいものですよ、本当に暴力団を使うのです。それは、もちろん労働組合の委員長なんかにも金を渡してストライキなんてやめさせてしまうとか、そういうことを平気でやる男ですよ。私も実はこの黒土始という人に不当労働行為救済の事件で証人尋問したことありますが、そういう札つきなのですね。これが今福岡県の乗用自動車協会の会長をやっている。
 それで、今五十七社あると言いましたけれども、労働組合があるのはたった二社です。五十七社のうちの二社だけあります。この二社が平和第一交通と博多第一交通なのです。ここでは、今言いましたように、労働組合は認めないと公然と言って、この博多第一タクシーと平和第一タクシーの組合員に暴力を使っておどす、そしてさまざまな嫌がらせをします。二時間も点呼やったりするのですよ、外で、寒風の中で二時間も。何で二時間も点呼が必要ですかね。それから、ちょっと洋服に泥がついておったといっては出勤停止とか、そういう気違いじみた攻撃をやっているのです。これは九州の運輸局でもよくわかっておりますよ。ですから、恐らく指導されたと思うのですけれども、どういう指導をされたのか、ちょっと教えていただけませんか。
○早川政府委員 九州運輸局におきましては、労使紛争に関しまして会社側の事情説明を求め、また誠意を持って早急に解決するようお願いといいますか指導を行った結果でございますが、二月十九日に労使双方で覚書を取り交わして解決した、こういうことで労使双方の代表者から報告を受けているというふうに聞いております。
○三浦分科員 それは確かに、ことしの二月十九日付ですかね、今あなたが言われたようなその覚書というのが出ていますね。そして訴訟は取り下げるとかいろいろなことを書いていますよ。しかしこれは取り下げられているか。取り下げられてないのですよ。というのはこれはいろいろ理由があるのですね。運賃改定との関係で理由があってこういうものをつくった。それはしかし、実際に交渉してつくったのですよ。現実につくったのですが、そのときに口頭で取り決められた問題がいっぱいあるのです。
 例えば一月九日以降の処分の撤回ですね。一月九日以降に処分した人たちについては撤回するとか、処分の間の賃金は保障するとか、今私が言いました、寒風吹きすさぶ中での二時間に及ぶような連日の点呼、これは中止するとか、その点呼中の賃金は保障しろとか、それから暴力事件の責任者である衛藤専務、これは博多第一から外せとか、そういうことを要求して、そしてお互いに約束したのです。今までの話はお互いの約束事ですよ、それが確認されるなら局あての文書にも印鑑を押しましょう、こういうことになったのです。ところが今言った条件が一切守られておりません。ですから現在までまだいろいろな処分が出ています。それから一件も、裁判も不当労働行為救済命令の取り下げも行われていません。
 ですから、表向きあなたたちに対しては覚書ということで紛争を解決したようになってはおりますけれども、実際には何にも解決していないで、依然として彼らが暴力を振るい、そして職権をかさに着て、そういう点呼をやってみたり、ちょっとしたことで処分をしています。もうどのくらい裁判ざたになっているかといいますと、四十三件、地裁に裁判を起こした。地労委には二十七件ですよ。お尋ねしますが、平和第一タクシーとか博多第一タクシーはどのくらいの従業員ですか。
○早川政府委員 大変申しわけございませんが、今ちょっと手元に資料を持っておりません。
○三浦分科員 これはそんなに大きい会社じゃないですよ。私もちょっと何台か正確に覚えてないので言えないのですけれども、二、三十台くらいの会社です。それがこの間四十三件、そして地労委で二十七件、合わせて七十件も裁判をやらなきゃならないというほどのひどいやり方なんです。労働組合無視ですよ。近代的労使関係というのは、憲法とか労働法とかそういうものを守るということが前提でしょう。それを労働組合を認めないんだと言ってこういうことをやってくる。
 こんな悪質な経営者、公共交通機関、いわゆる公益事業ですね、公益事業者としての資格はないだろうと私は思うのですよ。こんなこと、あなたたちの責任でぜひやめさせてほしいと私は思うのです。もっと事情を聞いて、労使関係に介入できないというようなことではなくて、労働組合からも経営者からも事情を聞いて、こんなでたらめなことはやめさせるべきですよ。私はそう思いますけれども、いかがでしょうか。
○早川政府委員 労使紛争という形で問題をとらえてまいりますと、これは労働関係法令の問題でございまして、近代的労使関係というものもそのような形で労働関係法令に今結実しているというふうに考えるわけでございます。したがいまして、基本的にはしかるべき関係機関等において解決するべきものであると考えておりますが、私どもといたしましては、先ほどの指導もいわば円満な、円滑な労使関係というものがお客様へのサービスにつながり、安全につながるという観点でいたしたものでございまして、この成立いたしました覚書の趣旨に従いまして両者が適正な労使関係を確立していくことを望んでいるところでございます。
○三浦分科員 もう時間ですから、終わります。
○嶋崎主査代理 これにて三浦久君の質疑は終了いたしました。
 次に、山口那津男君。
○山口(那)分科員 私からは東京の東部地域の鉄道事業についてお伺いいたします。
 大臣にはお疲れのところ恐縮ですが冒頭にまずお伺いしたいのですが、この中でも常磐線あるいは千代田線、これらの混雑は大変すさまじいものがあるわけでして、かつて、松戸駅でしたか、ラッシュ時にホームからの転落事故が起きたというようなこともございます。大臣はこのラッシュ時に常磐線ないしは千代田線に御乗車された経験はございますでしょうか。
○大野国務大臣 私が住んでいるところは全然反対の方向なものですからラッシュ時には乗ったことございませんが、今先生御指摘のは松戸駅じゃなくて北千住駅だと思いますが、何かホームが狭くて反対側に電車をとめておかないと人が転落するというようなことを聞いたので、実は私も視察に行こうと思っても、予算委員会で縛られておりますから、予算委員会が終わったら行くことになっておりますので、またその後にその状況等お話しする機会があればいいと思います。本当にいろいろ、予算委員会あるいは運輸委員会、あるいはまたきょうの分科会で同じような御質問をお聞きいたしておりまして、これはひとつ何としてでも、常磐新線のお話が出てくるようでございますけれども、早くできるように私自身も頑張りたいと思います。
○山口(那)分科員 私は毎朝綾瀬の駅から国会議事堂まで千代田線でラッシュ時に通勤をしてまいっております。
 そこで常磐新線についてお尋ねしますが、運輸政策審議会で昭和六十年に常磐新線と言われるものについての答申がございました。それ以来五年を経過しました。また昨年は、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法いわゆる宅鉄法というものも成立いたしまして、関係住民からは早期実現が待ち望まれておるところでございます。この常磐新線の現在の進捗状況について簡潔に御報告いただきたいと思います。
○早川政府委員 常磐新線でございますが、先生御指摘のとおり、六十年の運輸政策審議会答申七号ということで、西暦二〇〇〇年を目標として整備すべきもの、こういうことで位置づけられております。私どもといたしましても、実はこの答申当時は国鉄というものがございましたが、その後分割・民営化ということでJR東日本になり、鉄道整備というものにつきましても公的整備主体のあり方が少し形を変えてまいりましたので、そういった実態を踏まえながら関係地方公共団体、JR等と今種々調整しているところでございますが、六十キロという長大な路線でございますし、関係地方公共団体も一都三県、こういうことでございます。したがいまして、言ってみますと、その資金調達をどうするか、危険負担をどうするか等々種々問題がございますためになお時間を要しておりますが、ある程度地方公共団体の中で煮詰まりつつあるという認識でございまして、今後の決定あるいは対応を待っていきたい、こういうことでございます。
○山口(那)分科員 ルートにつきまして、新聞報道によりますと、昨年十二月ごろ、運輸省がこの答申のルートではなくて、押上、四ツ木等を通る地下鉄の十一号の計画路線の方を進路として非公式に打診をした、このような報道がなされておりますが、このルートについて運輸省の見解をお尋ねいたします。
○早川政府委員 先生御指摘の報道でございますが、私どもといたしましては、関係地方公共団体に常磐新線と十一号とどちらかというような選択の問題というような形、あるいは常磐新線というものを切りかえたいというような議論をいたしたことは一度もございません。いろいろな形で地方公共団体と議論をいたしておるわけですが、その中の一つのものが実は十一号と常磐新線、いずれも整備をしていくという考え方で、東京圏の北東部に対する鉄道が非常に充実、整備が進んでいない地域についての対応を図っていかなければならないのではないかというような議論として出てきたものでございますので、あのようないわば切りかえというような形で伝えられて大変御迷惑をおかけしたという面がございますけれども、そういうことは決してないというふうに御理解をいただきたいと思っております。
○山口(那)分科員 そうすると、確認いたしますが、常磐新線のルートとしては答申どおりのルート、そして十一号についてはこれもまた常磐新線とは別個に松戸までのルートということで、それぞれ両立をするものだと理解してよろしいでしょうか。
○早川政府委員 そのとおりお考えいただきたいと思います。いずれも六十年の答申で出されているものでございますので、私たちとしてはそれを両方整備するというものが目標であると考えております。
 ただ一点ですが、現在、常磐新線のルートで具体的に議論されておりますのは、答申は東京駅からということになっておりますが、とりあえずは秋葉原からということで議論が進んでいるということでございますので、その辺はひとつつけ加えさせていただきたいと思います。
○山口(那)分科員 この事業の推進についてですが、第三セクターを設立して行われるというような報道がなされております。これもけさほどの新聞報道によりますと、関係自治体とJR東日本との合意ができて第三セクター設立のための出資の割合について変更が加えられた、具体的にはJRの負担分が総額の四分の一程度であったところを一割程度に減らして関係自治体が七割程度を負担する、このような報道がなされておりますが、この点について運輸省はどのように認識されておられますか。
○早川政府委員 けさほどの報道につきましては、私ども、具体的に地方公共団体がそのような形でお話を固めたとか、そういう話の報告は一切まだ受けておりません。第三セクターで考えなくてはいけないのではないかというのは六十年答申当時からの議論でございまして、その具体化について現在まで種々議論が進められてきておるわけでございますが、その中で地方公共団体を主体とする報道のようなものがあるいは地方公共団体の方であるのかなと考えますが、私どもとしては正式には何ら報告を受けているものではございません。
○山口(那)分科員 この報道について、今年度中にも基本計画を策定して前向きに推進をするというような内容でありますが、この内容について運輸省が報告を正式に受けた場合にはどのように取り扱うおつもりでしょうか。
○早川政府委員 けさの報道でございますので、私ども具体的にどうという形のものをまだ決めているということではございませんが、伝えられるように、地方公共団体を主体にJRの立場を配慮していただきながら第三セクターをつくっていって鉄道を整備していこうという基本的な方向は、それなりに私たちとしても十分検討させていただくに値するものだと考えておるところでございます。
○山口(那)分科員 今後の推進に当たって、推進を阻害する要因というものについて、現在考えられるものを述べていただけますか。
○早川政府委員 この常磐新線の整備というときにやはり一番問題になりますのは、まず用地が確保できるかどうか、こういう点にあろうかと思います。鉄道整備、地域地域から非常に熱望されているわけでございますが、具体的な用地取得については非常に難航するケースが多うございます。その点についての問題がやはりこの常磐新線についても一番問題かなと考えております。そのほか、資金調達等々の問題がございますが、さらには鉄道と住宅開発というものがうまく整合いたしまして、鉄道が整備されていくときにきちっと住宅が張りついていくということが、その後この鉄道が採算性を確保していく上に非常に大事な点だと考えておりまして、その辺もいわば地方公共団体の基本計画という形で調整していくということになると思いますが、その辺がやはり第二番目の大きな問題だろう、こういうふうに理解しておるところでございます。
○山口(那)分科員 このルート沿線の開発については、まだまだいわゆるインフラの整備が不十分であるということが明らかであろうと思われるわけですが、運輸省はその辺の推進等含めて何か手だてをお考えでしょうか。
○早川政府委員 先生の御質問が、基本計画で地方公共団体がいろいろ考えられていくそのそれぞれの地域の公的なセクターの整備とか、そういうことであるといたしますと、私どもとしては、鉄道整備という観点からいけば、そういうような具体的な計画をお立てになり推進される地方公共団体がまたこの鉄道の主体でもございます。いわば出資元と申しますか親元でもございますので、その辺について、鉄道整備というものによるその地域地域の効果をうまく吸収していただきまして、適切なインフラ整備、地域整備が行われていく、それがまたひいてはこの常磐新線の採算性といいますか活力ある運営ということになっていく、こういうふうに理解いたしておりまして、そういうことの調整が適切に行われることを希望しておるところでございます。
○山口(那)分科員 この常磐新線については答申のルートに従ってぜひとも平成十二年開通を目指して取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、六十年の審議会の答申に新交通システムによって日暮里から足立区の舎人までの鉄道をつくるということがございますが、いわゆる舎人新線と言われておるものであります。この点についての現在の進捗状況について御報告をいただきたいと思います。
○早川政府委員 舎人新線につきましては、先生御指摘のとおり、六十年の運輸政策審議会の答申で「日暮里・舎人間については、輸送需要の動向等を勘案のうえ、新交通システム等を導入する。」という答申が出されておるところでございます。
 この舎人新線につきましては、基本的には道路の上に設置される新交通システム、この補助も、都市側と申しますか道路側の負担で行われていく、こういうものでございますので、そういう意味で申しますと、どちらかというと都市サイドのこれへの展開という形のものがどこまで進むかということでございますが、現在東京都におきましては、地元の関係区、荒川区、足立区等をメンバーといたします委員会を設けまして、新交通システム導入の必要性とか需要の見通し、ルートの比較評価等を行っていられると聞いております。したがって、今後引き続きさらに採算性や経営主体についても検討されると承っておりますので、運輸省といたしましては、事業主体の中心的な役割を果たします東京都における検討を促して、この答申の実現に一歩でも向かっていただくようお願いをし続ける、こういう形で考えております。
○山口(那)分科員 今検討課題の中にルートについての言及がありましたけれども、このルートについてはまだ確定はしていないのでしょうか。
○早川政府委員 相当部分は既に線を引いた形ができておりますが、完全にはセットできていないと聞いております。
○山口(那)分科員 これについて、今早期実現に当たっての困難な部分、障害となる部分について御指摘をいただけますでしょうか。
○早川政府委員 新交通システムを道路上に設置していくというときに、やはり何と申しましても、もちろん補助制度等がついて回りますが、一番問題は需要見通し、採算性というようなところにあるのかと理解をいたしております。その点で、なお検討を必要とするということで現在まで至っているというふうに理解をいたしております。
○山口(那)分科員 次に、地下鉄の東京八号線についてお伺いいたします。
 これについては、既に申請が出ておるというふうに伺っております。この免許の見通しについてお伺いいたします。
○早川政府委員 先生御指摘のとおり、八号線につきましては昭和五十七年一月に免許申請が出されております。この免許申請は営団地下鉄が行ったものでございますが、営団地下鉄の地下鉄の整備というものは、現在は営団は十一号線ということで三越前から蛎殻町の間、それから七号線ということで岩淵町から溜池間、この間を工事中でございまして、さらに今後この岩淵町−溜池を目黒の方まで延ばす、これは約五・四キロございますが、そのような形の工事に着手するということになっております。さらに、同営団は御承知のとおり、営団十一号線もまだ未着手と申しますか、検討段階で持っておりますし、さらに十三号線というような線も検討段階で持っている、こういう実態にございまして、いってみますと、これらの各路線をどんな形で進めていくかという形のものが一つの問題でございます。そのときに、現在の営団の財政負担力と申しますか、そういったものからして、なかなかこれらのものに対する計画的な取り組みというものについて大きなものが現在では望めないという実態になっております。したがいまして、この申請をどう扱っていくかということにつきましても、営団による高速鉄道体系の整備、こういうものの中でどんな位置づけを働いていくのか、こういう問題を解決して、それからその申請に取り組むということだと考えておるわけでございます。
○山口(那)分科員 先ほど触れました十一号線との関係で申し上げますと、この八号線と一部競合する場所が出てくるようになります。押上、四ツ木のあたりでありますが、この部分については、将来実現するとすれば路線を共用するという形になるのでしょうか。
○早川政府委員 答申の考え方もそのような形だと理解しております。
○山口(那)分科員 その場合に、八号線と十一号線を合わせて効率的な工事運営が望まれるわけでありますけれども、これが十一号線についてはまだ申請も出ていない段階である、八号線は既に申請が出て久しい、この一体的な実現についてはどのようにお考えでしょうか。
○早川政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、申請の有無ということではなしに、具体的ないわば線を引く緊急度といいますか、そういうものの判断と、あわせてそれを実現する方策というものの関連で取り組んでいく、あるいは決定していくという考え方でございますので、免許の申請が出ている部分、出ていない部分ということでその問題が左右されるということはないと理解をいたしております。
○山口(那)分科員 この押上、四ツ木地域は、御承知のように人口密集地域でありまして、利用できる土地にはかなり限りがあります。現在京成線が通っておりまして、この四ツ木駅の周辺は橋梁のつけかえといいますか、高さを上げるという工事に取り組んでおります。もしこの地下鉄の路線が京成線と近接、競合するようなことであれば、これも橋梁のつけかえ工事とあわせてやることが望ましいと思うわけですけれども、これは全く別な部分になるのでしょうか。それとも近接するようなことになるのでしょうか。
○早川政府委員 私まだ具体的な工事の方法等について詳しく話を聞いているわけではございませんが、この地域は私も行って見てまいりましたし、営団からの話もその部分について聞きましたが、今おっしゃる橋梁の工事が十一号、八号の工事に極めて障害になると申しますか、あるいは同時施行が望ましいという形では説明をまだ聞いていないところでございます。したがいまして、これは地下鉄で掘っていくわけですから、そういった形のものを施行することについて、これから行われる橋梁工事との関連で何らかの対応が必要だという形で、いろいろ例えば協議等がございますから、こういうところを下げてほしいとか、こちらの計画でここのところはこういう計画だということはもちろん申し上げて配慮していただくとは思いますが、同時施行等々の問題が直ちに生ずるものではないと考えておるところでございます。
○山口(那)分科員 十一号線については、先ほどの常磐新線との関係に戻りますが、この常磐線沿線の混雑緩和という目的を達するためには、十一号線の方がコストの面で常磐新線よりははるかに低額で済むであろうというふうに予想されるわけですが、いずれも平成十二年開業を目標とされているというお話ですが、十一号線の方を早期に実現するようなことは考えてもよかろうと思うわけでありますけれども、それについての運輸省のお考えはどうでしょうか。
○早川政府委員 常磐新線のルートと十一号線のルート、いずれもいろいろな点でそれぞれに困難が予想される箇所があるとか、そういう問題はございますが、十一号線のポイントは水戸街道を掘っていくということでございますので、道路部分が長いのかな、こういうふうに考えられるというような点がございます。ただ、私どもといたしましては、この鉄道をどちらかを先にやるとか、どちらかが先にこっちの意思としてやりたいということではないと御理解いただきたいと思います。私どもとしては両方とも整備を進めていく、その間どちらの方のルートにどんな問題が生じてくるかは、その状況によって考えなければいけない面があると思いますが、私どもとしてはその両方の整備を同時並行的に推進したい、こういうことで考えているところでございます。
○山口(那)分科員 御承知のように、東京の交通網を概観いたしますと、環状道路というものがございます。鉄道についてはおおむね放射的に通っております。東京の東部地域においては環状道路に並行したような南北の鉄道が全くございません。地元においてはそれらの実現を待望する声久しいわけでありますけれども、その中でJRの貨物の関係で、新金線と呼ばれる路線があります。これは新小岩と金町駅を結ぶ貨物路線でありますが、これを旅客化をして東部地域の南北の交通網整備の一環として実現できる可能性はございますでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘の新金線につきまして、旅客化の要望が地元等にあることは承知しておりますが、この新金線、全長で約七・五キロございますが、その間に踏切が十五カ所もございまして、旅客化するためにはこういった平面交差の踏切を除去する高架化が必要である、そういう工事費が相当かさみます一方で、バスとか他の鉄道との競合があって、旅客化した場合に、大量輸送機関としての鉄道の特性を十分発揮できるかどうか検討する必要があります。そういった点から、今後の首都圏の交通体系のあり方等を踏まえ、地元とも十分長期的に検討していく課題ではないかと考えております。
○山口(那)分科員 この新金線という単位で見ますときには、今おっしゃいましたような採算面での障害が大きいかと思いますけれども、例えば金町より北部へ、埼玉へ向けて武蔵野線へつなげるとか、あるいは昨今言われているウオーターフロント、東京の湾岸部の開発、新小岩から南へ延ばすとか、これら延伸を含めて考えた場合には採算面でもまた新たな展開が可能であろう、このように思いますけれども、そういう大きな視点に立っての今後の事業化の見通しというものについてお伺いをしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 周辺の開発計画とあわせ、大きな視点に立って長期的に検討する課題であると考え、今後検討を加えていきたいと思います。
○山口(那)分科員 続きまして、旧国鉄の清算事業団の管理にある新小岩の貨物の操車場、この跡地の利用をめぐっていろいろ地元でも取りざたされておるわけでありますけれども、この操車場の今後の処分あるいは管理の見通しについてお伺いいたします。
○大塚(秀)政府委員 新小岩の貨物ヤード跡地につきましては、この地方の残された貴重な空間であり、十分地元と調整をとりつつ、その土地利用計画を策定していきたいと考えております。既に東京都、葛飾区、清算事業団におきまして六十二年度と元年度で調査委員会で検討を行っておりまして、近くその報告が出ると思いますので、その報告を踏まえ清算事業団においても土地利用の計画を策定することとなると思います。
○山口(那)分科員 清算事業団の都内におけるかなりまとまった土地というものがほかにもいろいろあろうかと思いますけれども、その一環として、安易な処分では地価の高騰を招くというおそれもございます。また地域住民にとりましては、早期に住民の意向に沿った利用を実現したい、こういう要望もございます。ぜひともこれらの二点について慎重な御配慮をいただいて、地元の住民の意向を酌み取った土地利用を推進していただきたい、このように申し上げまして、私の質問はこれで終わります。
○嶋崎主査代理 これにて山口那津男君の質疑は終了いたしました。
 次に、狩野勝君。
○狩野分科員 私は自由民主党の狩野でございます。この予算委員会の分科会で主として運輸行政についての質問をさせていただくわけでございますが、ちょっと今伺っただけでも大分質問内容がダブっているようでございますけれども、実は私も長い間千葉県の県会議員をやっておりまして、また自民党の県連の政調会長とか県議会議長をやる中で、常磐新線の問題とか地下鉄十一号線の促進等で時の大臣等にしばしば陳情等したり、かかわりが大変長かったわけでございますので、そんな観点から、恐らく午前中多々こういう質問あったと思いますけれども、質問させていただきたいと思うわけでございます。大変短い時間でございますので、重点的な点だけ申し上げるわけでございます。
 今もお話があったようでございますけれども、地下鉄十一号線の建設促進。多くは申しませんけれども、松戸市への延伸でありますが、既設常磐線及び営団千代田線の通勤地獄に悩む沿線地域住民は、この十一号線の延伸を早急に実現してほしいという強い要望と同時に、活発な展開をいたしているわけでございます。
 常磐線の混雑度というのは、しばしばお話もあったと思いますけれども、私も自分の選挙区でございますし、私は総武沿線に住んでおりますけれども、朝駅頭で私も街頭演説をやりますから、柏駅頭とか松戸駅頭で終わりますと電車でこちらへ通ってくることがあります。そうしますと、大体ホームで次の列車を待つのに、二本ぐらいならよく見かけますけれども、松戸駅でも三本、次の次の次を待つという、私はこれはもうホームにあふれそうで、異常だなということを常に感ずるわけであります。そんな観点から、早期実現についての事業主体の早期決定、そして建設促進についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○早川政府委員 地下鉄十一号線でございますが、これも運輸政策審議会答申で言っていますように、西暦二〇〇〇年までに整備することが適切であるという答申を承った路線でございます。また、これにつきまして大変関係の皆様方の御要望が強いということも十分承知しているところでございます。
 これの整備主体ということにつきましては、今までの経緯といいますか、営団が十一号線をやってきておりますので、それの延長ということで営団が整備することが適切だと考えておりますが、営団が現在十一号線の三越前−蛎殻町のほか、七号線の岩淵町−溜池間というような工事を行っており、さらにその七号線の溜池から目黒間の工事に着手ということを予定している、こういうような実態、さらに十三号というような線を抱えているということもございまして、現在時点で直ちに着手という形になっていない、こういう問題でございます。
 私どもといたしましては、高速鉄道体系整備の全体の観点から、極力この線の推進が図れるように、いろいろ財政措置等もお願いしながら進めてまいりたい、こう考えているところでございます。
○狩野分科員 ぜひともひとつ建設促進に挙げて御尽力をいただきたいと思うわけでございます。地下鉄というのは、お金もかかるでしょうけれども、用地も要らないわけでございますし、あらゆる角度から、内需拡大にもつながると思いますので、一層の御尽力をお願いをいたしたいと思います。
 あわせて、これは要望でございますけれども、同じ答申にあります八号線の実現につきましてもひとつこの際要望をいたしておきたいと思います。
 次に、都心と空港を結ぶ鉄道アクセスについてお伺いいたしたいと思います。
 成田新高速鉄道は、成田空港の開港に当たり運輸大臣から成田空港と都心を結ぶ鉄道として提示され、昭和五十九年十一月運輸省から、成田空港−千葉ニュータウンを経て都心に至るいわゆるB案を推進したい旨の方針が示され、昭和六十年七月の運輸政策審議会の答申にも盛り込まれたわけであります。そうした中で、空港利用者の増大に対応するため、昭和六十三年六月運輸省は、既設のJR及び京成から空港への乗り入れを図るため、第三セクターを設立して旧新幹線施設を利用した暫定ルートの建設を行うとともに、それと並行して都心と結ぶB案ルートについて調査を進め、その実現を図る旨の方針を打ち出した経緯があります。
 経緯につきましては時間がありませんから多くは申しませんが、こういう観点から、B案ルートのうち都心寄りの一部を構成する北総開発鉄道については、運輸省の御指導と関係自治体の物心両面にわたる協力により来春には全線開業ということ、東京駅乗り入れということとなっており、千葉ニュータウン中央からの足は一応確保されることになります。また、B案ルートの中間部分を担当する住宅・都市整備公団鉄道二期の区間、いわゆる千葉ニュータウン中央から印旛松虫間については、平成四年度着工の方針が示されたところでありますが、問題は、その先の成田空港−印旛松虫間についてはいまだ事業化がされていない状況にあります。
 そこでお伺いいたします。空港寄りの本区間の事業化については、成田空港と都心を結ぶ鉄道アクセスとして運輸大臣の約束事項でもあるので、国家的見地から国において積極的な取り組みが必要であると考えるが、どうか。まずお伺いいたしたいと思います。
○早川政府委員 成田アクセスBルートの関係につきましては、先生からるる御説明もあったところでございますが、空港から印旛松虫間約十九キロございますが、この十九キロにつきましては、運輸省から従来お約束したとおり、成田空港高速鉄道というものが現在おおむね二年間ということで調査を実施中でございます。運輸省といたしましては、この調査結果を踏まえて、千葉県等を初めとする沿線自治体の御協力を得ながらB案ルートの実現を図っているつもりでございまして、その方向で進めているところでございます。
○狩野分科員 ぜひそのように進めていただきたいと思います。
 次に、この中間部分の住宅・都市整備公団鉄道二期区間については、最近の住宅需要の逼迫、空港利用客の増大に対処するため、これも早急に完成させる必要があると考えますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思いますし、質問いたします。
○早川政府委員 先生も先ほど御指摘でございましたが、この千葉ニュータウン−印旛松虫間につきましては、住都公団におきまして第二期といたしまして平成二年度から工事実施のための詳細設計を行うこととなっております。このうち、千葉ニュータウン−印西草深間四・七キロにつきましては、平成七年度を開業目標としているところでございまして、さらに、印西草深−印旛松虫間三・八キロメートルにつきましては、今後の住宅開発状況等を踏まえつつ整備を進めるつもりで考えておるところでございます。
○狩野分科員 日本もこれだけ経済大国となったわけでございますが、諸外国の人たちが成田空港におりまして、これは運輸省というか建設省になりますけれども、あそこにおりてから今度は都心に入る。毎日朝、私も電車なり京葉道路を使用しますけれども、あの渋滞を見たときに、それこそ日米構造協議じゃございませんが、もっと公共事業に力を入れろ、道路整備等にも力を入れろと言うことは私もわかるわけであります。電車で来た場合でも、今のような京成の利用あるいは既存のJR利用でございますと大変不便でございますし、ぜひとも既に決定いたしておりますこのB案ルートの成田空港から東京への直結の早期完成を、それの部分部分を通じての完成を通じましてひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、成田線に関連するわけでございますが、これも予算がなかなか厳しいわけでございますし、私ども千葉県としても常にお願いいたしておりますが、成田線の複線化についての要望とお願いの質問であります。
 JR成田線の成田−我孫子間は宅地開発が進み、沿線から東京へ通勤通学する住民の利用が大きな路線であるので、混雑率も二〇〇%を超えており、その混雑を緩和し、利便性を高めるために早期に複線化できるよう、ひとつ指導、協力をお願いいたしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 成田線の我孫子以東につきましては、最近、首都圏の通勤圏、通勤宅地として開発がどんどん進んでおりますし、それに応じて旅客需要もふえております。当面は列車ダイヤの増発で対処しますが、今後の需要の伸びに応じて複線化についても検討していかなければならないと考えております。
○狩野分科員 ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、成田空港につきましてお尋ねいたしたいと思います。
 成田空港は、昭和五十三年五月開港以来、旅客利用状況は順調な伸びを示しており、特に近年は、日本経済の発展、所得の増大や余暇の拡大等による海外旅行ブームを背景に、日本人旅行客の伸びが大変著しいわけでございます。また、貨物の取扱量も大変増加いたしております。こんな中で、現在、成田空港はA滑走路一本による運用が続けられているため、混雑が著しく、利用客にとっても大変不便な空港となっております。完全空港化は緊急の課題であると思いますが、また、政府も大変な努力はいたしておりますが、まず、現在行われている二期工事の進捗状況と今後の見通しにつきましてお伺いいたします。
○丹羽政府委員 成田空港の二期工事の問題でございますが、新東京国際空港は、今の第五次空港整備計画が今年度が最終年度でございますけれども、それに基づまして平成二年度概成を目標にいたしまして、現在、A滑走路と並行しておりますB滑走路、横風用のC滑走路といった地区とかエプロン地区、そのほぼ全域で工事を実施しておるところでございます。それで、平成元年度末には、ことしの三月でございますが、B、C滑走路地区におきましては、造成工事とか舗装工事等を行っておりますし、またエプロンでは、大半の区域で舗装工事を実施中という状況でございます。それから、ターミナルビルは二つ目の第二旅客ターミナルビルを今建設中でございますが、それはそのビルの地下躯体工事の最終段階になっておるという状況でございます。
 そこで、先ほど申し上げました平成二年度概成のための最大の課題は、残念ながら空港敷地内に未買収地がまだ残っておるわけでございまして、その未買収地の取得ということでございます。これにつきましても、私どももいろいろ努力しておるわけでありますが、本年一月に反対派の農民の方々と時の江藤運輸大臣が現地で会談の場を持つとか、そういうようなことをいろいろ進めておりまして、話し合い解決に向けまして今全力を投入しておるところでございます。
 一方、御承知のとおり、成田地区におきましては過激派がいろいろと妨害工作を行っておるわけでございますが、これに対しまして私どもは昨年末に政府声明を出しまして、毅然とした態度で政府一体として臨むということを声明いたしました。そして、地方公共団体の協力を得まして、残る敷地内農家との話し合いを精力的に行って早く完全空港化をしたいということで、今あらゆる努力を払っておるところでございます。
○狩野分科員 ここ数年来、政府の努力というものは予算面を見ても大変な御尽力をしているなということを私も感じますが、先ほどのお話ではございませんけれども、あの混雑といい、諸外国の人たちにも本当に大変恥ずかしい現況ではないかと思うわけでございまして、一層の尽力を期待いたしたいわけでございます。
 今もちょっとお話がございましたけれども、やはり一番の問題は、用地買収の問題が大変な課題かと思います。たしか昨年の十二月、閣議においても、今お話しのように、平成二年度概成ということで全力を挙げての推進を決定いたしておるわけでございますが、この用地問題についてこういう発言をすること自体が本当は、千葉県ではちょっとした関係をいたしますと、部長でも次長でも、大変な個人的ないろいろな嫌がらせ等がありますし、私も余りここで言うと今度は何かやられるかもしれませんけれども、いずれにしても、反対しておる人たちでも外国へ行くときは成田空港も利用するわけでございますし、もっと国と空港公団において何か反対の人たちと農民の人たちを含めて、一時、前の江藤運輸大臣がそういう姿勢を大変示したわけですけれども、いろいろな見方はあるでしょうけれども、我々地元千葉県とすると国もやるなということで大変期待したわけでございますが、ぜひひとつ国や空港公団が責任を持って反対派の農民の人たちとも取り組むという姿勢を私はもっと強く持っていただきたい、このように地元から見ましても思うわけでございますので、さらにもう一つ決意を、取り組む姿勢を御答弁いただきたいと思います。
○丹羽政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、私どもは成田空港関係の地権者である農家の方々との話し合いによる解決を用地取得の基本方針にしていろいろと努力を重ねておるところでございます。それで、先ほども申し上げましたように、ことしに入りまして、運輸大臣と地元の農民の方との話し合いの場もございましたし、また、その場で出た話をさらに深度化するためのいろいろな準備を私どもの方としても今一生懸命やっているところでございます。先生の御意見も踏まえまして、さらに一層の努力をしたいと考えております。
○狩野分科員 先ほどの進捗状況とも関連いたしますけれども、概成が終わったところとか、今ターミナル等でできたところもあるようでございますけれども、すべてが完全になるまでに利用できるというものは、何か若干利用について考えているか、大臣もお見えになりましたから簡単で結構ですが、ひとつ。
○丹羽政府委員 ただいま二期工事を進めているところでございますけれども、その二期工事の途中の経過におきまして、例えばエプロンの一部が舗装ができるとか、いろいろなことが今後出てくると考えておりますけれども、そういうような使える部分につきましてどんどん使っていくというようなことも、私どもは今検討を進めているところでございます。
○狩野分科員 空港内の混雑度を見ますとまさに異常でございますし、ぜひともひとつ順次そのような有効利用も期待をいたしたいと思います。
 それでは、質問の最後になりますけれども、もうずっとさきに質問が何度かあったかと思いますけれども、常磐新線の早期建設について運輸大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 これはもう、我々の近隣の住民もそうですけれども、茨城からまた埼玉の関係者は大変に待望いたしておりますので、お願いをいたしたわけでございますが、先ほどお話ししましたように常磐線の混雑度というのは他に類を見ないひどい、まさに一刻も猶予ができないと思うからであります。そこで、大臣にお伺いをいたしますが、常磐新線の整備は第三セクターにより行う方向で検討されていると聞いておりますが、この設立に関して、現在どういう段階にあるのか。また、このような国家的なプロジェクトの実現については政府の強力なリーダーシップが必要であろうと私は思いますが、政府としてどのように参画、指導をしているのか。また、事業主体たる第三セクターの早期設立についての大臣の御所見をまずお伺いいたしたいと思います。
○大野国務大臣 常磐新線は、昭和六十年の運政審の答申で西暦二〇〇〇年を目途として建設すべきものとなっておることは、大体御承知だと思います。いずれにしても、今もお話があったように、一部三県という自治体が協力、共同してやらなければならぬ、そしてまた六十キロというような非常に長い延長でございます。そんなようなことでいろいろ問題点もあるようでございましたけれども、私も、けさの日経新聞ですか、第三セクター方式でやるというようなことが一歩というか二歩も進んだような印象の記事を拝見しましたけれども、まだ詳しく聞いておりませんので、早速聞いてみたいと考えております。
 いずれにしても、常磐線の大変な混雑ぶりは再三再四予算委員会あるいは運輸委員会で承っておりますので、何とか早期解決というか実現に向かいたい。それによって沿線各地の活性化というものにも寄与しますし、また大都市におけるところの土地問題等も非常に大きく緩和されることにもなるでしょうし、また同時に通勤通学のためにも必要ですし、それによって常磐線そのものが今のようなラッシュを見ないで済むようになるのではないか。先ほどもちょっと質問がございましたので、予算委員会でも終わったら北千住の駅でそのラッシュぶりをひとつ拝見して、やはり百聞は一見にしかずで、それを見たらどうしてもやろうという気持ち、今ここで立っている以上にあなたと同じ気持ちになれるのじゃないか、こんなことで今十分考えております。
○狩野分科員 百聞は一見にしかずということで現地を御視察いただくということで、大変意を強くしたわけでございますけれども、今住宅供給等も叫ばれる中で、東京圏の中でも埼玉県とか茨城県南部とか、そういう方面に大変これから東京圏域外が伸びていくと思いますし、そういうためにも、ぜひとも将来展望に立って早急に建設主体を決定し、促進をお願いいたしたいと思います。
 二点目は、この事業費は六十年価格で六千億円、現在は約一兆円ぐらいはかかるのじゃないかと聞きますけれども、本路線は今申し上げましたように国家的プロジェクトであり、その建設に当たっては国の大幅な財政措置が必要と考えるわけでございますが、この国の助成制度についてもひとつこの際お伺いをいたしたいと思います。
○早川政府委員 国におきましても、常磐新線整備の具体化のために現在行われております関係者間の協議の結果を踏まえまして、またその内容を見まして必要な支援を行っていく所存でございます。
○狩野分科員 大変短い時間と予想して要点のみで質問してきたわけですけれども、いずれにいたしましても、今、東京圏を中心として、またその周辺が大変伸びていく中でございますが、実はとりわけ私ども千葉県はある意味では今まで余り開発がなされていなかった。埼玉、東京、神奈川から比較いたしますと交通も不便だった。それだけに、今申し上げましたように、成田国際空港に関連する、成田の新高速鉄道もそうでございますが、そのほか常磐新線の建設あるいはまた地下鉄十一号線、地下鉄八号線、また現在はJRあるいは政府の皆さんの御尽力で東葉鉄道の推進もいたしております。さらに、先般は京葉線も開通というように大変な御配慮もいただいているし、課題も大きいわけでございますけれども、そういう意味で、どうぞひとつこれからも特段の御配慮をお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○嶋崎主査代理 これにて狩野勝君の質疑は終了いたしました。
 次に、和田貞夫君。
    〔嶋崎主査代理退席、主査着席〕
○和田(貞)分科員 大阪の関西新国際空港が四年後の開港を目途に空港本島、そしてその前面基地の「りんくうタウン」の工事が着々と進んでおるわけであります。しかし、これが大動脈となる進入道路はまだ完全に地主との間の話し合いがついておらない、あるいは関連するところの諸施策、諸事業というのは、これは鋭意地元の自治体としても頑張って努力しておるわけなのですから、そういう大事な時期によからぬうわさが出たり、住民と自治体あるいは住民と運輸省との間に不信感が生ずるということは、この時期にとっては非常に不届き千万なことでありますので、四月十九日の毎日新聞の一面の「「約束違反」地元反発」、この記事を見まして、きょう質問をさせていただきたい、このように思うわけであります。
 もともとこの関西新空港の建設というのは、大阪の今日の国際空港が付近の住宅地と極めて近距離にあるために、地元の自治体、住民挙げて移転の要望が強く出されて、そして運輸省当局がこれに踏み切られて、神戸沖に、軒先につくるか、淡路島につくるか、そして今建設されております泉南沖につくるかということをいろいろと検討の結果、泉州沖に決まったことは御案内のとおりであります。しかし、空港が建設されるということになりますと、付近の地域住民というのは、これはどこでも同じことでございますが、空港の必要性というものを認めながらも、空港の騒音公害、これについて非常に神経をとがらすわけであります。したがいまして、大阪市から岬町に至るまですべての自治体が議会で反対決議、そして自治体によっては市長が先頭になって、国際空港の必要性は認めるけれども、泉南沖からよそに持っていってほしいという陳情が繰り返されたことは御案内のとおりであります。そして最終的にそれぞれ議会で議決をされておった自治体が協力しようということに変わっていったのは、大阪府の知事あるいは和歌山の知事、兵庫の知事が中心となりまして、運輸省との話し合いの積み重ね、そういう中で運輸省がこの建設に当たっての地域住民に、対するところの配慮、そして完成後におけるところの航空機の飛行ルート、これは海上空港である限り陸上に迷惑をかけない、海上の飛行ルートというものを厳守する、こういうことが地元の知事との約束の中で、地元知事がまた関係自治体と話し合いの末、これに同意をするということになったことを運輸省としては十分熟知し、今もその事情というものを認識しておられるかどうかということをお答え願いたいと思います。
○丹羽政府委員 関西空港の建設に当たりましては、ただいま先生御指摘のような地元と私どもとの間のいろいろなやりとりがあったわけでございますが、その中でも一つポイントとなる話といたしましては、いわゆる三点セットを地元に御提示申し上げたということがございます。
 それで、その三点セットの中で飛行計画が示されているわけでございますけれども、飛行計画の基本的な考え方は、現在の伊丹空港がもともと騒音問題との関係でいろいろとお話があったわけでございますので、そのことを踏まえまして、飛行経路の計画につきましては、航空機の騒音による障害が居住地域に及ばないこと、これを前提に、沿岸部の居住地域への騒音影響を考慮して努めて海上を飛行し、低高度では陸上上空を飛行しないことという要件を満たすように設定されたものでございます。この考え方は、私どもが今現在持っている考え方でございます。
○和田(貞)分科員 私たちが心配するのは、建設が完了していよいよ一番機が飛び立った。飛び立った後に、ルートの変更というのをされると、これはいよいよ住民の皆さんとの信頼関係が失われていくことになる。これはあなた方が直接住民の皆さんと接触して、そして踏み切ったのじゃないわけです。自治体が、知事が非常に努力をした。その上での建設なんですから、完成をしても一切そのルートの変更はない、やらないということをこの機会にひとつ運輸省の責任者としての大臣、ぜひともこの国会を通して地元の住民に約束してもらいたい。お答え願いたいと思う。
○丹羽政府委員 ただいま御答弁申し上げましたように、私どもの飛行ルートに関します物の考え方は、先ほど申し上げました三点セットの考え方をそのまま踏襲しているわけでございます。ただ、正式の飛行ルートの決定というのは、今空港が建設中でございますから、これから正式に空港の開港までに所要の手続を経まして決めていくということでございますが、その際におきましても、今三点セットで申し上げましたように、沿岸部の居住地域への騒音影響を考慮して航空機の騒音による障害が居住地域に及ばないこと、そういう物の考え方をとっていくべきであると思っております。
○和田(貞)分科員 今のあいまいな答弁ではゆゆしき問題であって、これは辛抱できません。今の答弁を聞いておったら、海上オンリーじゃなくて陸上にルートが変えられることもあり得るような、そういう話に私は受け取るわけですよ。その点、もっと明確にしてもらいたいと思う。
○丹羽政府委員 私の御答弁は、現在の段階におきましては正式な飛行ルートが決まってないわけでございますので、もちろんこれから正式な飛行ルートは決めていくということでございますが、そのときの考え方は、地元にお示ししました三点セットの中の今申し上げた騒音の障害が居住地域に及ばない、そういう考え方をもって臨んでいきたい、こういうことでございます。
○和田(貞)分科員 地元が同意をするに当たって、あなたの方で飛行実験もされたじゃないですか。その飛行実験をするのに全く陸上に関係しないで海上だけで実験しているのですよ。その上に立って海上ルートということで知事が地元の各自治体を説得し、各自治体がこれまた地域の住民を説得して、信頼の中でこれが解決して同意をすることになったのですよ。
 それが、今まだ建設中であるから、建設が終わっていよいよその一番機が飛び立つまでにこれからルートを決めていく、その決める過程で陸上の居住地に影響しないようにというようなことであるならば、このりんくうタウン、これは住民が住むことになるんですよ。一部のその地域の事業所ができることになるんですよ。沿岸にはもう住宅が並んでいるんですよ。やはりそういう認識の中で、居住地にというようなことでまやかしをしないで、海上ルートを陸に及ばないようにするということをなぜここで約束することができないのですか。
○丹羽政府委員 私が今申し上げた言葉は、当時三点セットを地元にお示しするときの三点セットの中に表現されている表現をそのまま読んだわけでございます。したがいまして、その表現の考え方をそのまま踏襲をすると申し上げているわけで、まだ正式にルートが決まってない段階でございますから、正式に決めるのはこれから開港までに決めてまいりますが、その際は三点セットでお示しした考え方に従ってやる、こういうことを申し上げているわけでございます。
○和田(貞)分科員 しつこいようでございますが、居住地に影響しないということは、私が申し上げたように、空港本島の目と鼻の先の、府が今事業を起こしておるりんくうタウンにも、これから人が住むという、全くの居住地ではありませんが、人が住むということにも、事業所が存在するということにもなるし、今既に沿岸には住宅が建ち並んでいるわけです。そうすると、居住地に影響しないということは、海上ルートを守って陸には及ぼさない、こういうことを明確にやはり認識の上にお答え願わないと、この新聞が出たことですから安心ならぬのですよ。だから私は、わざわざたださせてもらっているわけです。
○丹羽政府委員 ただいま先生の御指摘の新聞は、多分IATAというところの申し入れとの関係の新聞記事ではないかと思います。IATAとの関係の新聞記事につきまして、特に私どもが先ほど御説明申し上げました三点セットの物の考え方を変えるというようなことは一切いたしておりません。
○和田(貞)分科員 それでは、そのIATAの方から運輸省の方にルートの変更をしてもらいたいという申し入れがあったことは事実ですか。
○丹羽政府委員 先生御存じのとおりだと思いますけれども、IATAは各国の航空会社が加盟しておる団体でございますけれども、そういう団体で安全かつ経済的な運航をするという目的で結成されているものですから、そういう物の見方からIATAなりの物の考え方を折に応じて私どもに言ってまいりますけれども、それはIATAの考え方でございまして、私どもの方は先ほど御説明した三点セットの考え方を踏襲している、こういうことでございます。
○和田(貞)分科員 私の質問しているのは、IATAの方から運輸省にルートの変更をするように申し入れがあったかどうかということを尋ねているのです。
○丹羽政府委員 IATAの方から関西国際空港の飛行経路の変更につきましても、今申し上げたIATAの目的の観点から、その一環として要望がございました。私どもは、先ほど申し上げたようなことをIATAに対してるる御説明申し上げております。
○和田(貞)分科員 この記事によりますと、IATAに参加をしておる日本の航空会社が、新幹線の新大阪から東京までの時間がスーパー新幹線の導入によって今の三時間が二時間半になる、そうすると、どうしてもJRに負けをとる、だから、どうしてもこの海上ルートでは時間がかかるので、陸上ルートに変更してほしいということを具体に申し入れたということになっておりますし、また、それらのIATAに参加しておる日本の大手の航空会社は、運輸省の方もそのことは考えてくれておるようだという認識の上に立っておるということを私は仄聞しておるわけです。
 申し入れがあったという事実を今認められたわけでありますから、その申し入れに対して運輸省当局として現在の時点でどう考えておるか、お答え願いたい。
○丹羽政府委員 IATAの要望趣旨は、先ほどのその団体の目的からしましてその趣旨に沿ったのだろうと思いますが、三点セットの飛行計画案では経済的に大きな負担となるので、その経済的ルートが選べるように検討してほしいという趣旨だと受けとめております。
 それで、これに対しまして、私どもの方の運輸省は、関西国際空港は環境に十分配慮の上建設を進めている、飛行経路についても環境上の特別な配慮がなされている、そういうことを回答しているわけでございます。それで、先ほどから私が、これは三点セットの物の考え方を変えていないということの線上に立ったIATAに対する対応をしているということでございます。
○和田(貞)分科員 お役人さんは国会の答弁を見ても、お役人さんとして非常に煮え切らぬ言葉にどうしてもなっていくんですね。住民の場合は、そんな物の言い方、物の言い回し方ではやはり納得しないのですよ。左か右か、ノーかイエスか、こういうことをせぬと安心はし切れないのです。だから、私はあえてこの新聞記事に、そういうように全面的に否定をされるのであれば、この場を通して国民の皆さんに、特に地元の皆さんに言ってもらわないと大変な騒ぎなんですよ。そんなような今の言い回し方では納得できません。
 あなたの方から自治体に示された三点セット、言葉の表現はいかにあろうとも、海上ルートで飛行実験している、海上におけるところの飛行ルートで実験をやって、そして、陸上の居住地の皆さんに迷惑をかけないという、騒音の公害をもたらさないという結果を出して、知事がそれを信用してこの地域の住民に説得して、議会もそれぞれ反対決議からそれを撤回して同意をするということになってきたわけですね。
 今大事なのは、空港島の本島はどんどん建設していっていますよ、空港の本島ができても、その進入路がまだ完全に解決してないのですよ。そんなときにあいまいな、この記事に対してこれを否定するという、住民が納得できるような言葉でこの場を通して言ってもらわないと、出た限りはこれを信用して住民の皆さんは非常に不安、そして自治体の長が、市長さんなり町長さんが大変悩んでいるのです。これからもどんどんと工事が進捗していって、無事に四年後に一番機が飛び立つことができるためには、今一番大事なんです。自治体はそういうことになっておるけれども、まだ地域で成田と同じような形で反対運動を起こそうという動きがあるということも、あなたは御存じでしょう。
 そういう大事なときに、今のあなたのような表現の言葉では住民は納得できません。海上ルートから陸上ルートに変更することはない、こういうことを大臣の方からひとつきちっとお答え願いたい。
○大野国務大臣 今先生、新聞の記事でIATAのこれは申し入れであって、私どもはやはり新空港建設に当たっては、居住地域には騒音障害等が起こらないということを前提にして、そして新空港建設にかかったわけでございますから、私はその約束を遵守すべきであるし、また必ずさせるということで今後も進んでいきます。
○和田(貞)分科員 この記事が出るまでもなく、その当時あなたの方がこの三点セットで示される中で、なお私たちは疑心暗鬼を抱いておったのが横風滑走路の問題ですね。二線が、この滑走路がつくられて、そして最終的には横風滑走路が計画されているわけでしょう。その横風滑走路を見てみたら、まさに陸上を飛行せざるを得ないような位置にあるわけなんです。だから、この横風滑走路を使用するときには、やはり陸上に及ぶだろうなということを危惧しておったのです。けれども、あなたの方は、それを含めて陸上には迷惑かけない、居住地の皆さんには迷惑かけない、海上ルートで不便が伴っても、約束をした以上はその約束したとおり守っていくんだということを繰り返し繰り返し、私たちがしつこくしつこく問いただす中で、ようやく同意をするということになったんでしょう。
 この横風滑走路が将来的につくられて、空港本体が完全に完成された後も、この横風滑走路を使用するに当たっても、今、大臣が言われたようなことでいいわけですか。
○丹羽政府委員 ただいま大臣が御答弁申し上げたとおりでございます。
○和田(貞)分科員 そうすると、四月十九日の毎日新聞の朝刊、この記事は全面的に運輸省としては否定されるわけですね。例えば、この記事の中でも、相原力航空局関西国際空港課長が、「海上ルートから大きく逸脱する考えはないが、手直しはありうる」、こういうように言ったと掲載されているわけです。これを含めて、この記事を全面的に否定されるわけですね。
○丹羽政府委員 私は、先ほどから御答弁申し上げておりますように、三点セットで地元に申し上げ、お約束したことをそのまま遵守してまいるということでございます。それで、それは先ほどから申し上げておりますように、地元の居住地域に騒音の障害が起こらないようにするということは三点セットに書いてあるわけでございまして、そういう内容をそのまま進めていくということでございます。
○和田(貞)分科員 私の質問に対してお答えくださいよ。この新聞記事を全面的に否定されるのですかということが一つ。この新聞記事の中に名前が出ておる航空局の国際空港課長が、「海上ルートから大きく逸脱する考えはないが、手直しはありうる」と言ったという記事になっているのですよ。それも含めて、これを否定されるのですかどうかということをお尋ねしておるのです。
○丹羽政府委員 私の手元に、当時地元にお示ししました三点セットがございますけれども、その中に、飛行経路の計画につきまして、ちょっと長くなって恐縮でございますけれども、読んでみます。
 出発・進入経路等の飛行経路の計画は、@空港の周辺における航空機の飛行の安全を確保できること、A航空機の騒音による障害が居住地域に及ばないこと、B航空機の飛行の経済性が期待できること、C航空機の運航システムの分野における技術の進歩にも対応できること等を考慮して適切に定めなくてはならない。この場合、開港時における技術進歩を現時点において可能な範囲で予測して計画するものとするが、将来において、計画の前提条件が異なった場合には、上記の基本的な考え方を踏まえつつ改めて検討するものとする。
これが三点セットの当該部分でございます。
 それで、今後正式に飛行ルートを決めていく段階におきましては、こういうことを配慮いたしまして、地元の御理解が得られるように十分に配慮していくということであります。
○和田(貞)分科員 私の質問したことに対してなぜ答えられないの。そんなこと読んでくれと言っておらぬ、この記事を否定されるのかどうかと言っておるのです。この記事にうたわれておる航空局の国際空港課長の言ったことを含めて、この記事に載っておるようなことはないんだということが言えるのですねということを尋ねているのですよ。
○丹羽政府委員 ただいま先生が御指摘になられました私どもの課長のその新聞の取材に対する答えは、今私が読み上げました三点セットの考え方を申し上げただけだということでございます。
○和田(貞)分科員 左藤さんも大阪が地元ですが、こんなことで理解できますか、納得しますか、住民が。それではこれを肯定したということじゃないですか。それじゃそれでよろしいよ。私はむしろ今の時期に、大事だから、こういうようなことがあってはいかぬので、言うならば老婆心的に、せっかくの機会だから質問させていただいで、この場を通じて住民の皆さん安心してください、こういうように言ってもらおうと思ってきょうは質問しているのですよ、大臣。にもかかわらず今のような答弁で、少なくとも私がきょうの議事録を渡しても、だれ一人だって納得できませんよ。
 それならそれでよろしい。これからの工事の進捗が進まなくっても、住民との間に信頼感を失わさせたこの課長の発言を含めて、あなた方に責任があるのですよ。知事は、地元の自治体の長はたまったものじゃないのです。なぜ明確にこれを否定し、安心してくださいということを言わないのですか。もう時間ありませんよ。
○大野国務大臣 新聞の記事は、私も長いこと政治生活をやっておって、すべて私の真意が出るとは限らないことがあって、要するに、線じゃなくて点だけの場合もあるので、この場合も、やはり前段で局長が申し上げたことを申し上げた上で、どうなったのか私も事実関係聞いておりませんからわかりませんけれども、いずれにしても最高責任者である私が、先ほど、それはもう絶対に遵守していくんだということを明確にお答え申し上げたところでございますから、どうかそこを御信頼いただきたい。
 関西も今花博をやっておりますし、これから大きなプロジェクト、それもまた、今のところ一番最初に関西地区の皆様方が希望し期待しておる空港ができないということは国家のためにも大きな損失ですし、また関西地方、地盤沈下と言われる時代もございましたけれども、最近は非常に花も咲き実もなるところまで来て、そのようなことでそごを来すことはならぬのではないか、そういう考え方に立って運輸大臣としてお答えしたわけでございますから、どうぞ御了解賜りたいと思います。
○和田(貞)分科員 時間が参りましたのでやめますが、今の局長の答弁では余計心配します。大臣の御答弁を信頼して終わりますが、空港課長の発言が記事になってしまったのだから、ひとつこういうことのないようにこれからもしてもらいたいと思います。
 それから、ついでですが、最終的に飛行ルートはいつの時期に決まるんですか。
○丹羽政府委員 これは開港までに、というぐらいのところでしかまだ決まっておりませんので、今つまびらかにいつということのお答え、難しいのでございますけれども、いずれにせよ、そういう正式に決めるときは先ほど大臣がお答え申し上げたような考え方でやってまいりたいと思っております。
○和田(貞)分科員 大臣、今のこともぜひともひとつ住民が安心できるように、自治体の長の皆さんに迷惑をかけぬように、飛行ルートもできるだけ早く決めていただいた方が住民が安心しますから、ひとつ早急に作業をしてもらって、結論を出していただきたい、住民が安心するようにしてもらいたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○左藤主査 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、山元勉君。
○山元分科員 私は、身体障害者の運賃等の割引の制度に関して質問をしたいと思います。
 御承知のように、昭和二十五年から運賃割引制度というのができまして、そしてこの二月から新たに心臓、腎臓あるいは呼吸器系の苦しんでいらっしゃる皆さんにも適用されるというふうに拡大をされました。遅きに失しているという気持ちもありますけれども、この拡大については、私ども大変評価をしていますし、当該者は大変喜んでいます。
 そこで、この拡大された制度について改めてお尋ねしたいわけですが、この制度の目的についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○中村(徹)政府委員 身体障害者割引制度につきましては、ただいま先生からも御指摘ございましたけれども、昭和二十四年に身体障害者福祉法が成立いたしまして、その附則によりまして国有鉄道運賃法に運賃割引制度の規定が追加された。それを受けまして昭和二十五年から国鉄によりまして実施されてきたわけでございます。それに倣いまして、ほぼ同時期から民鉄の各社でございますとか、乗り合いバス、または航空につきましても昭和四十九年には割引制度を設けてきたわけでございますけれども、その趣旨というのは、まさに身体障害者福祉法の制定に基づいてそういうものができたというところに趣旨というのがあるというふうに私ども考えておるわけでございます。
 ただ、その後いわゆる国鉄の分割・民営化ということで、昭和六十年に、国鉄再建監理委員会から「国鉄改革に関する意見」というものが出たわけでございますが、その中で「運賃上の公共負担」ということで、「新経営形態移行後は、運賃上の割引は私鉄と同様それぞれの旅客鉄道会社の自主的判断により決定されるべきであり、仮に一定の政策事由がある場合であっても、所要の措置なく、旅客鉄道会社に対し現在の私鉄を上回って当該会社の負担による運賃割引を求めることは適当でない。」という答申が出まして、それを受けて国有鉄道運賃法が廃止をされ、その規定も廃止されたわけでございます。
 したがいまして、それから後の性格というのは若干変わってきたというふうに認識をいたしておりまして、過去のそういう経緯に基づいて、身体障害者福祉法の精神にのっとりまして関係者が自主的にそれを実施している、利用者の負担においてそれを実施しているというふうになってきたと理解いたしております。
○山元分科員 趣旨はわかりました。
 そしてその制度が進められているわけですが、ことし、二年度、実施をされていかほどの経費が要るのか。そして、今おっしゃったように、それぞれの企業といいますか、自主的判断で自分は負担するんだということですが、どういう企業がどれほどの経営負担になっているのかをお聞かせいただきたい。
○中村(徹)政府委員 私の方、鉄道と航空を試算いたしておるわけでございますけれども、若干細かく申し上げますと、現行の、何といいますか外部障害者に対する減収額といいますか、それがJRで六十億、それを内部障害者に適用を拡大した場合ほぼ十億さらに加わる。それから民鉄で申しますと、外部障害者、内部障害者合わせて八億程度。それから航空でございますと七億程度。こんな感じに了解しております。
○山元分科員 大体つかめたんですが、そこで、滋賀県の議会が過日、精神薄弱者の運賃割引に関する意見書というのを、これは私ども滋賀だけではなしに広く全国的に取り組まれつつあるわけですけれども、総理大臣、大蔵大臣、厚生大臣、運輸大臣、それぞれの大臣あてに送られていると思うのですが、その状況について承知されているかどうか、お伺いしたいと思います。
○中村(徹)政府委員 本年の三月二十八日に滋賀県議会の議長さんから運輸大臣あてに意見書の提出がございまして、私どもそれを承知いたしております。
○山元分科員 それでは、その意見書に述べられている趣旨ですね。経済的な困難さ、あるいは社会的に不利だ、そういう障害者すべてに完全参加なりあるいは平等を実現する、そういう目的で精神薄弱者にも適用されたい、されるべきではないかという意見ですけれども、そのことについてどのように御理解いただけるのか、お伺いしたいと思います。
○中村(徹)政府委員 意見書を確かにちょうだいいたしまして、身体障害者と同じ状況にある精神薄弱者に対しても身体障害者と同様の援助措置を講じてほしいということで意見が出されているわけでございます。
 私ども、基本的には公共的政策の遂行のための費用というものを他の利用者に負担させるということについてはやはり問題があるという認識をいたしておりまして、現在の身体障害者に対する運賃割引制度は、そういう割引による減収というものを他の利用者の負担によって賄っているわけでございますけれども、こういう他の利用者の負担によって本来賄うべきものなのか、社会政策的な見地での割引というのは一般の納税者全体の負担においてこれが実施さるべきものなのか、そこのところにはやはり基本的に問題がある。我々としては、やはりたまたまその交通機関を利用する他の利用者だけが負担するということについてはちょっと問題があるのではなかろうかというような認識を持っているわけでございますが、現実にはそうはなっておりませんで、先ほど御説明いたしましたように、事業者の自主的な判断によってその交通機関を利用する他の利用者によって負担をさせていく、こういうことでございます。
 ただ、私どももやはり身体障害者福祉法の精神というものは生かしていかなければいけないというふうに考え、内部障害者につきましても、これは非常に長い時間かかったわけでございますが、関係の運輸事業者を指導いたしまして、ことしの二月から内部障害者に適用を拡大するということをいたしたわけでございますが、やはりこういう社会政策的な割引というのは本来の考え方に従ってやるべきだというふうに依然私ども考えておりまして、特に精神障害者という御意見でございますけれども、精神障害者だけの問題ではなくて、これは難病患者の問題もあるわけでございます。さらに、例えば外国の例では高齢者、老人に対する割引というようなことも行われておる。これはいずれも外国の例の場合には、こういったものにつきましては大体身体障害者、それから老人なんという例が多いわけでございますけれども、それがやはり一般財源によってある程度補てんされているというふうに私ども承知をいたしておるわけでございます。そういう例がかなりあるわけでございます。
 そういったことをいろいろ考えますと、やはり基本的にかなり問題があるのではないか、かように考えておるところでございます。
○山元分科員 減収入が利用者に転嫁されるというのですか負担になるというような問題があるということ、これは後ほど私が申し上げようと思った立場なんですが、その問題は後で申し上げますけれども、確かに根本の問題だと思いますけれども、最初に、精神薄弱者が今差別をされて適用されなかった。昭和二十五年から続いてきたものが四十年ぶりで拡大されたけれども、そのことについては取り組まれなくて、内部疾患者だけに適用が拡大されたわけです。なぜ精神薄弱者が差別されるのか、その根拠についてお伺いしたいと思います。
○中村(徹)政府委員 私ども、差別しているというようなつもりは毛頭ございませんで、それが若干そういう意識で受け取られたとすればまことに残念でございます。
 私ども、元来、身体障害者福祉法から根源を発していると思っているわけでございますけれども、身体障害者福祉法に源を発しております障害者というのは、外部障害者と、それに昭和四十二年に内部障害者が追加されたわけでございまして、それに基づいて行っているので対象をそこに限って考えておる、こういうことでございます。
○山元分科員 しかし、例えば精神薄弱者も療育手帳によって障害者年金受給資格がある、あるいは特別児童手当が支給されているわけです。その面でいいますと、はっきりと障害者ということに認められているわけです。そこのところが私は、今おっしゃったように内部がプラスになったからということですけれども、なぜそういう障害者問題についての積極的な姿勢がないのか、そういう立場からいうと差別というきつい言葉を使うわけですけれども、そこのところはどうも納得がいかないわけです。なぜ、そういう手当だとか年金というのが支給されていながら検討されてないのか、実現しなかったのか、お伺いしたいと思います。
○中村(徹)政府委員 その精神薄弱者といわゆる身体障害者とをどういうふうに評価してどうするのかというのは、私どもというよりはむしろ厚生省の社会福祉政策全体の問題だと思いまして、精神障害者福祉法でございますか、適当な法律の名前、当たっているかどうか自信がございませんけれども、そういう法体系の問題も一つあるのではないかというふうに考えておりますので、今先生の御指摘のような問題ということになりますと、私どもよりも厚生省の方で、社会福祉全体の政策の中でどう位置づけるかという御議論をしていただく必要があるかと存じます。
○山元分科員 これは十分御案内だと思いますけれども、精神薄弱者というのは、その子、人あるいはその子供を持つ親や家族にとってみては大変つらい思いをしているわけです。どうしても社会から遮断されたような形、あるいはそうなっていくような自分たちの気持ちというのがあるわけです。その子たち、その人たちには積極的に社会へ出て、具体的に言いますと、旅行もして、公共施設にも参加していってということをしなければならない精神薄弱者の性格といいますか、現にそういう状況になっているわけです。
 そういう意味からいいますと、こういう旅客運賃を割り引きして、どうぞ明るい太陽のもとへ出てください、公共的なあるいは大衆のところへ出ていってくださいということを積極的に進めるような立場でなければいかぬと思うのです。そういう立場から、先ほどもおっしゃいましたけれども、私も厚生省に、障害者の福祉について、どういう観点でこの精神薄弱者に対する取り扱いを考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○太田説明員 運賃割引の問題につきましては、基本的には、公共交通機関の運営に責任を有する部局におかれまして、利用者への負担の状況とか事業者の経営状況等も勘案して総合的に判断されるべき性質のものかとは思います。しかし、私どもが行っております各種福祉施策あるいは税制などにおきましては、通常、精神薄弱者につきましても身体障害者と同様の施策が講じられておると理解しておりますので、このような状況も踏まえまして、今後、関係当局と十分相談してまいりたいと思っております。
○山元分科員 運輸省にお尋ねいたしますけれども、現在でトータルすれば八十五億と先ほどおっしゃいましたが、この精神薄弱者に適用するとすれば経費はどれほどと見込まれるのか、お伺いしたいと思います。
○中村(徹)政府委員 減収見込み額は計算がなかなか難しいわけでありますが、当てずっぽうと言っては大変申しわけございませんけれども、我々が非常に大胆に推定をさせていただいた場合、二十億円程度かなというふうに、これは航空と鉄道でございますけれども、そのくらいかなというふうに推定いたしております。
○山元分科員 私が前に少し調べたときに、二十億円というのは大きな、例えば療育手帳を受け取っておられる人から推定というふうな一つの手段があろうと思いますけれども、今現場の点というのですか、実際に精神薄弱者を抱えていらっしゃる皆さんの実態からいって、それほど一気にこれほどの金が要るというふうには私はなかなか思えないわけです。そのことはまたいずれぜひ検討していただきたいと思うのです。
 そこで、三月二十七日の意見書ですから時間は十分なかったかもしれませんが、この問題は長いわけですから、この問題について運輸省等が交通機関に対して何かアクションを既に起こしていらっしゃるのかいらっしゃらないのか、いらっしゃるとすればどこに問題点あるいは困難さがあるのか、わかっていればお伺いしたいと思います。
○中村(徹)政府委員 私どもといたしましては、これまで内部障害者に対する適用の拡大について事業者に対して、我々の基本的な考え方からいえば適当かどうかはかなり疑問があるわけでございますけれども、しかし、事業者に対する指導を行い、ようやくそれが実現できたという状況でございまして、現在、精神薄弱者にこれを拡大するということについては慎重にならざるを得ないというふうに認識いたしております。
 また、仮に精神薄弱者に対して運賃割引制度を適用する場合に、それじゃ他の難病患者はどうか、さらに言えば老人の方はどうかとか、そういうところにどこまで我々としては踏み込んで物を考えるべきなのかということを十分検討した上でなければ、このような指導をするということについてはなお問題があるというふうに認識いたしております。
○山元分科員 いや、お言葉を返しますけれども、私は二枚の新聞のコピーを持っているわけです。去年五月の新聞では、内部障害者が大変喜んでいる記事が出ているわけです。そして十一月には、「JR認めたのに「待った」」運輸省が消極的だ、こういう記事が出ているのです。私は事が成った上でそういうことについてけちをつける気持ちはありませんけれども、この問題、さらには今度の精神薄弱者の問題で積極的に取り組んでほしいという立場から言いますと、今の御答弁は少し違うのではありませんか、なお一層積極的なお取り組みをいただきたいというふうにお願いしておきます。
 そこで、先ほどの答弁にもありましたけれども、現行で言いますと八十五億ほど、これが全部企業の負担になっている、そして利用者に転嫁されているというのですか、直接的にはそういうふうになっている。前の国会でも、下村先生でしたか、それが一円だとかなんとかいうような論議があったように聞いておりますけれども、やはりこれはおかしい。
 実際に福祉の政策としてこれを拡大していこうという立場であれば、もうこれは先ほどもおっしゃったように外国に例のあるような公費で補てんをする。例えば今、精神薄弱者について二十億とおっしゃったけれども、これの半額を負担しますからやってくださいという立場に立ては十億で済むんですし、先ほどの民鉄で八億円、日本じゅうの民鉄の一年間の金の中で八億円、五割の四億円は出しますから四億円は我慢をして経営努力をしてくださいという立場であれば、これは福祉の前進と言えると思うのです。そういう立場でこのことを進めていただきたいと思いますし、これについてはぜひ厚生省がそういう姿勢で頑張っていただきたいと思うのですけれども、両者の見解をお伺いしたいと思うのです。
○中村(徹)政府委員 私ども先ほど来申し上げておりますように、身体障害者福祉法の精神というものは十分理解しているつもりでございますし、社会福祉体系全体の中で一体どのようなものが割引の対象になるべきものなのかということについてのはっきりした考え方というものが政府全体で示されるようになれば、そういうものに従ってやはり我々も取り組んでいかなければいけない、かように考えております。
○太田説明員 障害者に対します対策、これは心身障害者対策基本法という法律に基づきまして、政府全体として総合的に取り組むという課題になっております。例えば厚生省は所得保障等の一般的な福祉対策、あるいは、ほかの省のお名前を出して恐縮でございますが、文部省は特殊教育、労働省は障害者雇用とそれぞれの分野を決めまして、それを総合的にやっていくというような形になっております。そういう点も踏まえまして、私ども先ほど御答弁申し上げましたように、関係当局と十分この問題については話し合っていきたい、このように考えております。
○山元分科員 余り時間がありませんので、運輸大臣においでいただいているので少し見解を最後にお聞きしたいわけです。
 確かに日本は経済大国で豊かな国だというふうに言われる。実際数字も現実もそういうふうになっているわけです。また、総理大臣の施政方針演説でもそのことについての決意をなお一層前進させるという決意は表明していらっしゃるわけですが、この問題に限ってひとつお尋ねをしたいわけです。本当にそういう経済大国らしい豊かな運輸行政といいますか、国民が本当に豊かさを感じて障害者を含めて利用できるような交通機関をつくり上げていくという立場からこの問題について積極的に取り組んでいただきたい。
 福祉というのは、真ん中にいる人よりも本当に隅にいる人について温かい光を当てないといけない、魂が入ったことにならないというふうに思うのですね。ですから今申し上げておりますように、身体障害者、内部疾患そして精神薄弱者ということであれば、これは語弊があるかもしれませんけれども、どんどん隅の方に光を当てていくという立場で前向きに検討するというお約束といいますか確認をいただきたいと思いますが、お答えをいただきたいと思います。
○大野国務大臣 身障者あるいは精薄者の方々は、社会的に確かにやはり日の当たらない場所におられるということも十分承知いたしております。そのために、経済大国とかそういうことを抜きにして、国家の基本も福祉政策というのは最重要課題であります。
 その点は、私も多年にわたり社会労働委員会に属しておりましたからよくわかっておりますけれども、これは運賃だけの問題で解決するということよりもやはり福祉政策の中でとらえていきませんと、この運賃だけでなくまた次々といろいろ問題が波及していくことは、別に悪いことという意味じゃございませんよ、そこは誤解のないようにしていただきたいのですけれども、それらの法体系というようなものを考えつつやるとなると、これはきょう厚生省も来ておりますけれども、福祉政策というものの中でそれも含めて考えるということが適切だろうと思います。ただ、その点は私もひとつ大いに前向きに検討していきたい、こう思っております。
○山元分科員 先ほど厚生省からも十分相談をするということでしたから、ぜひこのことについてお願いをしておいて、時間がありませんから次の問題に一言だけ触れさせていただきます。
 身体障害者の割引について、百キロという一つの区分がございます。百キロ未満であれば利用できない部分があるわけですね。そのことについてどうしても納得がいかない部分があるわけです。
 先日もその該当者の方にお会いして、その人からの話がありまして聞かしてもらいました。例えば一種の人が病院に通う。私滋賀県ですけれども、滋賀県でいいますと国立の病院というのは滋賀医大というのがございますけれども、そこへ行こうと思うと、ほとんどの県民の皆さんがこれを使えないわけです。一人で頑張って行こう、定期の検査に行こうという方に聞いたのですけれども、これを使えない。駅の人に聞いたら、残念だけれども少し足りません、だから、大津でおりるのだけれども京都の向こうまで切符を買って行ったら少し安くなりますという知恵をつけてもらって利用するわけです、これは余り公に言えることじゃありませんけれども。けれども、実際に一人で頑張って検診に行こうとかそういうことを考える人には使えない。例えば滋賀県から、京都や大阪にいい府立病院がある、そこに行こうと思うとほとんどの人がこれを使えないわけですね。
 極端な例ですけれども、例えば障害一種といっても割合軽いんだ、だから今度遠いところへ楽しく旅行しようというので家族で行こうと思うと、二人とも半額で行ける。例は余りよくないかもしれませんけれども、実際に頑張って障害を克服しようというふうに考えて介添えもなしで動こうとする人にこの制度が適用されないということについて矛盾をお感じになっていらっしゃらないのか、どういう理由でこういうことが行われているのか、その根拠と現状についてお伺いしたいと思うのです。
○大塚(秀)政府委員 JRにおきます身体障害者割引につきましては、障害が重くて介護者の同行がなければ移動が困難な重度の障害者につきまして、これは距離のいかんを問わずに二人分の運賃をそれぞれ半額にするということで負担の軽減を図っている制度がございます。それとは別に身体障害者の方が単独で乗車される場合に、これは旧国鉄の自主的判断で設けられた割引でございますが、百一キロメートル以上の場合に、運賃が高額となるという運賃負担力を考慮して軽減している、半額にしているという制度があるわけでございます。この百キロという基準については、確かにその前後で制度の適用の有無が違ってまいりますので、問題があると言えばあるかもわかりませんが、例が悪うございますが、学生割引につきましても百キロというのを一つの基準にしている。そういう負担力の運賃基準の限界ということで経緯的に実施されているものでございます。
 それではこれからそれを撤廃するかどうかという問題につきましては、先ほどから運輸政策局長が申し上げておりますように、このような割引制度という公共政策遂行のために他の利用者に負担をかけるということについての問題から検討しなければならない、そういう点で今の制度を維持するのもやむを得ないのじゃないかと考えております。
○山元分科員 どうもわからないです。遠距離で負担が重くなるから五割引きにしようということが一つある。けれども拡大できないのは、他の利用者に転嫁するからだ。またこれが出てきたのです。けれどもこれは、先ほども精神薄弱者のときにも言いましたように、実際に心のこもった福祉でないわけですよ。逆の例で言いますと、今言いましたように遠距離の旅行ができる人に恩恵があって、できないけれども頑張って毎月定期検診に行って、そして社会参加しているんだ、頑張っているんだ、こういう人に光が当たらない。そのことの理由が他の利用者へ転嫁が難しいからだ、こういうことでは心のこもった福祉ということにはならないと思うのです。
 ですからこのことについては、私は時間が来ましたから終わりまして、これから引き続いて皆さんにお尋ねをしていきたいと思うのです。基本的な立場は何といっても心のこもった福祉でないといけないという立場からですし、日本の今の状況からいって、そういうことに光を当てていくことにならないと真の豊かさとかゆとりというような社会はつくり得ないのではないかという気持ちがしますから、これからも引き続いてこのことについては、きょう突っ込んでいくと時間が足らぬようになりますから終わりますが、ぜひ検討しておいていただいて、前向きの答えが出てくるように御努力をお願いしたいと思います。終わります。
○左藤主査 これにて山元勉君の質疑は終了いたしました。
 次に、平田米男君。
○平田(米)分科員 運輸大臣にお伺いをしたいと思います。長時間で大分お疲れだと思いますが、よろしくお願いをいたします。
 まず私は中部新国際空港についてお伺いをしたいと思いますが、御承知のように運輸大臣も議員連盟にも入っておいでになりまして、地元では早期に中部新国際空港の建設の端緒を得たいという気持ちがあるわけでございますけれども、この空港の必要性あるいは重要性につきましてどのような御所見をお持ちなのか、まずお答えをいただきたいと思います。
○大野国務大臣 先生も名古屋ですし、私も岐阜ですから、中部地方の最近のあらゆる分野における発展というものは目をみはるものがある、こういうふうに思っております。その中において、やはり我が国が国際社会というものの中で十二分に生きていく上においても、また対応していく上においても、空港の整備というものは最重要課題であろう、そして中部地区にもぜひとも必要な空港であるという認識に立っております。
 いずれにしても一つのそういう空港をつくるということになりますと、いろいろな問題を多々クリアしなければなりません。私なんかも最初はアクセスの問題とかあるいは漁業補償とかそういうことだけくらいと思ったら、一番難しいのはどうも空域の調整という最大の難関を抱えておりまして、こういうようなものをこれからひとつ何とか知恵を絞ってやっていきたい。それには今たまたま大空整も航空審議会における審議を始めたところでございますから、その中において中部国際空港が位置づけできるように努力しよう、こういう気構えておりますので、ひとつ力を合わせてやっていきたい、こう思っております。
○平田(米)分科員 大変心強い御答弁をいただいたわけでございますけれども、今もお話ございましたが、三月十五日に航空審議会に第六次空港整備五カ年計画の策定に当たって諮問をされたわけでございます。今、日本も東京一極集中ということが非常に言われておりまして、多極分散型の均衡ある国土建設ということが非常に言われております。一極集中による弊害というのは、最近は、強力な行政力で、政治力で解決をしていかないと、それによって経済までも足を引っ張るというような状況にあるかと思うわけでございますけれども、航空審に対する諮問に当たりまして、多極分散型の均衡ある国土の建設、こういう観点を大きな柱として考慮されることになっておるのかどうか。
 もう一つは、航空審に対する諮問テーマの中で、「長期的展望のもとに空港及び航空保安施設の整備に関する基本的方策を検討する。」こういうテーマが立てられておりますけれども、この「長期的」というのは当然二十一世紀をにらんでということが入っておるのではないか、このように私は解釈しておるわけでありますけれども、その点いかがでございましょうか。
○丹羽政府委員 先生の御質問の第一点の問題でございますが、私ども、航空審議会で今御議論いただいている項目の認識といたしまして、いろいろある中に、一極集中の是正と均衡ある国土の形成、今の航空輸送に対する国民の要請というのでしょうか、そういうものとしてそういう項目を一つ取り入れておりまして、それに従いまして御議論をいただいている段階でございます。
 それから第二点目の先生の御質問は、二十一世紀をにらんで、そういうことかと思いますけれども、航空審議会で今御審議いただいています一番具体的な話は、次の五カ年計画、第六次空港整備五カ年計画と言っておりますが、これは来年度からの五カ年でございますけれども、その前提としての需要の問題とか先行きの見通しの話としては、当然十年先とかあるいはその先の事態の検討も踏まえた上で御議論いただくようにお願いしているところでございます。
○平田(米)分科員 要するに二十一世紀をにらんでというふうにお答えをいただいたと理解してよろしいわけですね。――その審議に当たりまして、二十一世紀初頭といいますか、二〇〇〇年もしくは二〇〇五年の時点における国際旅客数はどのくらいであると推定されておるのでしょうか。
○丹羽政府委員 先月の半ばに諮問したばかりのところでございますので、今後需要予測をどの程度のことになるかということを航空審議会の場で詰めていただくという段階でございますので、もう少し時間がかかることかと思います。
○平田(米)分科員 航空審議会で審議をしないと出てこないというお答えのようでございますが、しかし、運輸省としては運輸省なりの推定をしておいでになるのではないかと思うのですが、いかがなんでしょうか。
○丹羽政府委員 私どもは航空審議会との関係では事務局になっておりますので、その航空審議会でいろいろ御議論いただく材料を提出しなければならないわけでございます。それで航空審議会の委員の皆様方がいろいろとそこで御議論いただくことになりますので、今この段階で私どもがどう考えているかということはなかなか申し上げにくいことでございますが、近々中間取りまとめなりあるいはその先の取りまとめといいましょうか、答申とかそういった段階を踏まえまして出していく話ではないかと思っております。
○平田(米)分科員 航空審があるので言いにくいということでございますが、いつもそういうお答えになってしまうわけでございますけれども、中間取りまとめというのはいつごろ出していただくことになっているのでしょうか。
○丹羽政府委員 ことしの八月に中間取りまとめをしていただくようにお願いしたいと考えております。
○平田(米)分科員 では、その時点で二〇〇〇年もしくは二〇〇五年における国際旅客数の推定も出てくるというふうに理解してよろしいわけですか。
○丹羽政府委員 その時点では五年先の需要につきまして数値が固まると思います。
○平田(米)分科員 五年先といいますと九六年でございますね。そうしますと、いずれにしても二〇〇〇年とか二〇〇五年というのは出てこないわけでございますが、そうすると、今お示ししていただいても審議会の審議に余り抵抗ないのではないかな。二〇〇〇年もしくは二〇〇五年についてはそういうふうに思うのでございますが、再度、どのくらいの数だというふうにお考えなのか、明らかにしていただくわけにはまいりませんか。
○丹羽政府委員 今審議会の諸先生に御議論いただいている最中でございますので、事務局の私どもの方としましては、ちょっと今の段階では御容赦をいただきますとありがたいのでございます。
○平田(米)分科員 それでは、そのように伺っておきます。
 運輸省も、運輸大臣を初めこの問題については積極的に取り組んでおいでになるというふうに理解をしておるわけでございますけれども、これまでの運輸省における取り組みの状況、また今後の対応についてどういうふうにお考えなのか、お伺いできますでしょうか。
○丹羽政府委員 ただいまの先生の御質問は中部新国際空港の問題と受けとめてお答え申し上げます。
 今申し上げましたように、航空審議会での議論の中で、国際空港をどういうふうに考えていくかということも当然大きな柱の問題でございますので、その中で議論を詰めてまいりたいと考えております。
○平田(米)分科員 今大臣のお話で、空域の調整の問題が大きな問題であると伺いました。伊勢湾口に自衛隊等の訓練空域があるということだと思うのですけれども、その点についての検討はなされているのでしょうか。
○丹羽政府委員 空域の問題があるという客観的なことは私どもも今踏まえているわけでございます。
 それで、先日御発表になられました地元の基本構想の骨子の中にもそういう問題があり、今後その空域調整をしていかなければならないという御指摘があることも存じております。そこの問題の取り扱いにつきましては、今後航空審議会の審議の中で中部国際新空港をどんなふうに考えていくか、あるいは日本全体の国際空港をどんなふうに考えていくかという議論が煮詰まってまいりました段階での今後のその取り扱いをどんなふうに考えていくかという対応ではないかと考えております。
○平田(米)分科員 そうすると、六次空整で出てこないと今のところは動けないという感じでございましょうか。そんなふうにお伺いできるような気がするのですけれども。
○丹羽政府委員 一般に空域につきまして、民間航空が使っておりますのとあるいは自衛隊が使っておる空域とか、そういうことがございますが、それの両者の空域の微調整みたいなお話は時に応じてやっているわけでございますけれども、中部国際新空港との関係の問題ということのとらえ方で考える限りは、まずその空港自身の問題が、私どものサイドといいましょうか、航空審議会のサイドでどのように考えていくかというところが原点なのではないかと思っております。
    〔主査退席、伊吹主査代理着席〕
○平田(米)分科員 今、日米構造協議の最終報告が七月というふうに言われておるわけでございますけれども、六次空整の中間取りまとめが八月ということになるわけでございます。最終報告では相当具体的に報告が内容に盛り込まれるのではないかなというふうに考えるわけでございますけれども、その点どのような内容をお考えなのか、また六次空整との整合性についてどのような対応をしておいでになるのかお答えいただきたいと思います。
○丹羽政府委員 先日、日米構造協議の中間報告というのが出されましたが、その中には、空港を含む八分野の「社会資本整備長期計画については、これらを更新し、最終報告までにその主要分野について現行規模を上回る計画の策定に当たっての積極的かつ具体的な整備目標を示唆する」こういうことが盛られているわけでございますけれども、ここを最終報告に向けてどのようなことで詰めていくかということは今まだingの段階でございますので、これについて、こういうふうになるというようなことはまだできておりません。ただ、日程の関係といいましょうかスケジュールといたしまして、先生御指摘のとおり航空審議会の中間取りまとめの時期は、私先ほどお答え申し上げましたように八月と考えているわけでございます。
 それで、そこの中間取りまとめで御議論いただく航空審議会の方の議論に関係の深い問題というのは、空港について当然日米構造協議の関係の問題もあるかと思っておりますので、実質的な議論といいましょうか、そういう御議論については航空審議会の御議論を精力的にやっていただくようなことを今は考えております。
○平田(米)分科員 精力的にやっていただくというのは、要するに審議を早める、実質最終報告に間に合うように中間取りまとめの内容を決めるということでございましょうか。
    〔伊吹主査代理退席、主査着席〕
○丹羽政府委員 航空審議会の中間取りまとめのお話につきましては、八月ということで予定どおりお願いしたいと思っておりますが、そこに至るまでの過程で、関係の深い問題というのは当然あるかと思いますので、その辺の議論はできるだけたくさんしていただくことを考えているわけでございます。
○平田(米)分科員 日米構造協議の最終報告の中には、これから拡張するあるいは新しく建設する空港の名前とか、名前までいかないにしても、想定をする、拡大をする空港の規模、例えば旅客数とか取り扱い荷物のトン数とか、こういうような形で表示はされるのでしょうか。
○丹羽政府委員 先ほど私が申し上げましたように、構造協議の中間報告の中の表現は「整備目標を示唆する」ということでございまして、どのような整備目標で示唆するかというのはこれからの問題で、関係の省庁とも御相談しているところでございます。
○平田(米)分科員 というお答えは、今私が申し上げたような形での提示もあり得るというふうに伺ってよろしいわけですね。
○丹羽政府委員 今のところ、その辺についてはまだ政府部内での考え方がまとまっている段階ではないと承知しております。
○平田(米)分科員 もう一度大臣にお願いしたいと思いますが、前任者の江藤運輸大臣は、昨年の末でございますが名古屋においでになりまして、六次空整組み入れについて明らかに約束をされた発言をされておいでになるわけでございますけれども、大野運輸大臣におかれましても同様なお考えでもってこの問題について取り組んでいかれる御所存かどうか、もう一度お答えをいただきたいと思います。
○大野国務大臣 今局長とのやりとりで、いろいろ中身がおわかりいただけたものと思います。
 そこで、江藤前運輸大臣の発言ということでなくして、航空審議会、これは日本全部を考えた審議、その中における中部新空港ということでございます。しかし、先ほどもお話がありましたように、やはり国土の均衡ある発展とかそういうことを踏まえれば、言わずもがなもうつくらなきゃならぬ。そして、私も、運輸大臣として国全般のことを見るわけですが、やはり人情として、岐阜出身でございますから、言われなくても十分心得てやっていきます。
○平田(米)分科員 ありがとうございます。くどくどと申し上げました。
 次は、名古屋の瀬戸線につきましてお伺いをしたいと思います。
 まず、瀬戸線というのは勝川−高蔵寺間も入っているというふうに普通認識をしているわけでございますが、その間の用地の状況はどのようになっておるのでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 勝川−高蔵寺間の用地につきましては、国鉄改革時に、今後JR東海の経営上必要ないという判断で清算事業団の用地に承継されているところでございます。
○平田(米)分科員 その区間につきましても基本計画はまだ残っておるわけでございますね。工事実施計画については出ていないと理解してよろしいでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 免許はもうございません。今工事をしておりますところとの関係で中央本線とどういうふうに今後つなぐかということを検討しているところでございます。
○平田(米)分科員 次に、瀬戸線も名古屋市内といいますか、市街地を走るいわゆる都市鉄道に当たるわけでございますけれども、都市鉄道の場合において、駅間距離というのは通常どの程度が適正だというふうにお考えなんでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 これは大変難しい御質問でございますが、それぞれの線区について、地元の住宅、商業地等の状況、旅客需要、線路の線形等を考えて決めるものだと思っております。
○平田(米)分科員 既に御承知かと思いますが、瀬戸線の現在の駅間距離というのは二・六キロという大変長いものになっておるわけでございまして、これが今お答えになった基準に従って決められたものであるといたしましても、工事実施計画というのは今から二十年も前の昭和四十五年になされているわけでございまして、それを考えますと、その当時としては二・六キロで適正だというふうにお考えになって駅をお決めになったのではないかと推測もできるわけでございますけれども、現在の時点においては甚だ長過ぎて、かえって地域住民の利用者の方々にとっては非常に不便な状況にあるのではないか、このように私は考えるわけでございますが、そういう問題につきましてはいかがでございましょうか。
○大塚(秀)政府委員 今先生が言われましたように、この区間につきましては、十一・二キロの間に両端を入れて六駅ございます。この駅間距離は一応都市型の鉄道の駅間距離じゃないかと考えております。と申しますのも、名古屋圏におきましても、例えば東海道本線の豊橋−岐阜間が三・七キロ、関西本線の四日市−名古屋間が三・七キロというようなことで、そういうものに比べたら短うございますが、開業後の旅客需要の動向等を見て、駅間距離、駅の設置が適当かどうかということは明らかになってくるのじゃないかと思っております。
○平田(米)分科員 今事例でお示しになったのは都市と都市との間の鉄道でありまして、それをもって長いとか短いというのは比べられないと思います。これはほとんど名古屋市内を走っておるわけでございまして、あと一部春日井市等隣接の市町も入っておるわけでございますけれども、ほとんど市街が密集しておるあるいは今後急速に密集するだろうと予測される地域でございます。そういう状況からするならば、比較されるべきは地下鉄あるいは東京都内の山手線とか、そういうような鉄道の駅間距離が基準になるべきではないか、このように思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○大塚(秀)政府委員 駅の設置につきましては、第一義的に鉄道事業者がサービスの確保、運営上の効率等総合的に勘案して決めるものでございますので、この瀬戸線につきましても、もし地元に現在の駅の設置と別な要望、需要等がございましたら、JR東海がその点を調査、検討すべき問題かと存じます。
○平田(米)分科員 運輸省にとっては余り、JRが言ってくればそれでいいというような感じのお答えでございましたけれども、しかし、設置される鉄道が国民に利便を十分供するものであるかどうかは運輸省の責任としてもしっかり見ていく必要があるのではないか、そのように思うわけでございまして、そういう観点から今御質問をさせていただいているわけでございます。JRはJRでやはりもう一度考えていただく必要があるかと思いますけれども、同時に、運輸省としてもそういう視点で、工事期間が非常に長くかかったということもあるわけでございますが、実施計画がおりてから二十年、まだなおかつ開業できない、あと一、二年ということになっておるわけでございますが、そういう状況ではやはり適正な指導等もやっていただく必要があるのではないか、このように思うのですが、いかがでございましょうか。
○大塚(秀)政府委員 地元に具体的な要望あるいは計画等がございましたら、JR東海に検討するように指導したいと思います。
○平田(米)分科員 次に、鉄道間の乗り継ぎの問題でございますけれども、一つの企業での幾つかの路線の乗り継ぎが利便を供することは当然考えられるだろうと思うのです。しかし、事業主体が違っている場合、多企業間の場合は、いろいろな事情があるのかもしれませんけれども、なかなかうまい接続、乗り継ぎが行われないのではないか。私もこの瀬戸線の問題に取り組みましてから状況を見て驚いたわけでございますが、例えば西区の上小田井駅というのがあるわけでございます。これがその俯瞰図でございますが、JRの瀬戸線の駅のすぐ近くに地下鉄と名鉄の相互乗り入れの駅があるわけでございます。その間が直線距離で約三百メーター、線路沿いに行きますと五百メーターを超える距離がある。こういうことでは鉄道のそれぞれの利便性も劣るわけでございますし、利用者にとっては大変に不便になるわけでございます。これも建物が、駅舎はまだ完成しておりませんが、それ以外のものはほとんど完成しておりまして、今さらそれぞれの駅をすぐ近くにするというわけにはまいらない事例かと思います。
 もう一つ、JRの瀬戸線とそして名鉄小牧線との接続の問題も、駅も何もできない状態でただ交差しておるという状況になっておるわけでございまして、こういう問題は瀬戸線の路線だけに限らない問題だろうと思うわけでありまして、全国的にこういう問題が多いのではないかと思うわけであります。そういう意味でこのような、特に事業主体が違っている場合のそれぞれの路線の乗り継ぎを、利便性を高める形で行えるように運輸省として指導を強力にされるお考えはあるのかないのか、また今後どのような対応をしていかれるか、お考えをお伺いしたいと思います。
○早川政府委員 一般論としてお答え申し上げたいと思いますが、乗りかえ駅の混雑緩和ということあるいは乗りかえ抵抗と申しますかお客様の御不便を解消するという意味で、乗り継ぎの利便向上と申しますか、そういう問題は都市交通計画上も大変大事な問題だというふうに認識をしているところでございます。
 具体的に申しまして名古屋圏、実はこの二十五日に運輸政策審議会で名古屋圏の鉄道網計画をやるということで諮問をいたしたわけでございますが、そのときも中部運輸局からの問題提起という形の中には、名古屋圏においては鉄道相互間の連係が割合悪くて、総合駅や相互直通が未整備で乗りかえが不便であるということが名古屋圏の鉄道の一つの問題点として挙げられております。したがいまして、当然のことでございますけれども、この名古屋圏の問題についての運輸政策審議会の議論としても、鉄道相互間の連係強化というものが一つのテーマとして議論されるべきである、こういうようなレポートが出てくるという実態にございます。
 私どもといたしましては、これは名古屋圏に限りませんが、鉄道相互間の直通運転とか総合駅化とかそういった形のものを推進いたしまして、お客様の乗りかえの利便向上に資していきたい、こう考えているところでございます。
○平田(米)分科員 最後に大臣にお伺いしたいと思いますが、今JR、地元等から駅が出てくれば認める方向で考えたい、あるいは乗りかえの問題についても積極的に考えていきたいという答弁をいただきましたが、この問題につきまして大臣もいかなる御所見なのか、最後にお伺いしたいと思います。
○早川政府委員 私の方から先ほどもお答えしたとおりでございまして、具体的にいろいろ難しい地点等もございます。
 東京圏でも武蔵野線と他の鉄道との乗り継ぎ等、話題でございますけれども、そういった形のもの、いわゆる経緯的にいろいろあったものあるいは用地上の問題からいろいろ問題が出てきたもの、多々あると思いますが、私どもといたしましては、最近のように非常に鉄道網が交錯してくる、広域的な鉄道輸送が行われてくるという状況からは乗りかえ駅の問題は見逃すことのできない重要な問題だと考えておりますので、その方向で推進したいと思います。
○平田(米)分科員 ありがとうございました。
○左藤主査 これにて平田米男君の質疑は終了いたしました。
 次に、小松定男君。
○小松分科員 日本社会党・護憲共同の小松定男でございます。
 まず大臣に御質問いたしますが、これは基本的なことですから大臣の方にお伺いするのですけれども、特に今、朝の通勤通学ラッシュ、これは首都圏というよりも大阪圏にしてもどこでもそうですけれども、大変な、もう言語に絶するほどの混雑状態でございます。
 そこで、朝の通勤通学ラッシュの解消を基本的にどういうふうに考えているのか、この辺をまずお聞きするわけですが、大臣は岐阜で、恐らくこちらから車で国会まで来ているんだと思うのです。私は所沢ですけれども、この永田町まで来るのには、まず西武線で池袋まで乗りまして、あるいはまた新宿まで乗りまして、そしてあとは地下鉄あるいはまたJR、そしてまた地下鉄、こういう形でここへ来るのですけれども、混雑の実態も大変経験をしているわけです。したがいまして、もう本当に通勤の人たちはこれでは、ようやく職場にたどり着いたならば仕事を始めるまでには一日のうちの相当な消耗をしてしまう、これが現実だと思うのです。
 これを解消するには、もちろん今の電車を増発する、あるいはまた新しい線をつくる、踏切の解消、それぞれいろいろあると思うのですけれども、その辺も含めてどういうふうにしてこれを解消する考え方があるのか、大変な問題だと思いますが、こういう点ですから、各局長に聞くよりも大臣にひとつお聞きしたいと思います。
○大野国務大臣 大都市圏における通勤通学のラッシュの緩和といいますか、これはやはり都市交通政策上からも大変重要なことであります。
 そこで、今日までも鉄道の整備あるいはまた拡充というようなことでやってまいっておりますので、おおむね緩和の方向ですが、と言って満足すべき状態でもないというのが現状でございます。これから先、やはり今これから局長やなんかに突っ込んだ話をなさるようでございますけれども、私の考えとしては、地域の皆様方の御協力を得られれば、新線をつくるとか、あるいはまた同様でありますけれども、複々線化にするとか電化にするとか踏切の整備をするとか、いろいろ方法論はあると思いますが、いずれにしても、都市へどうしても集中しやすいという現実は、すぐ多極分散といってもできませんから、やはりそこいら辺を踏まえた上での、今申し上げたようなことを推進していく所存でございます。
○小松分科員 大臣に対しましては、私の方からはぜひそういう現状を十分踏まえて、そして、後で具体的にはいろいろと局長なりそちらの方に御質問したいと思います。
 そこで、一つだけ大臣に、通産大臣だとか農水大臣だとか、例えば物価問題あるいはいろいろとお魚などの問題で築地の朝市なんかをよく視察をしてやっていることがあるのですけれども、実際にこういうものは経験した者でないとなかなかわかりませんが、大臣もそうした、例えば新宿なり池袋でその実情を見るとか、要するにそういう実際の現場というものをぜひ視察をしてもらいたいたいということも含めまして、大臣の所見をまず伺っておきたいと思うのです。
○大野国務大臣 先ほども、これは常磐新線ですけれども、北千住が大変だということを聞きましたし、その他新宿にしても、池袋にしても、上野にしても、どこにしても大変なラッシュであることはよく認識いたしております。
 そこで、何しろ予算委員会というのは朝から晩まで用があってもなくても張りつけで、行きたくても実は行けないわけなんですよ。本当は一日も早くそれを見たいのですよ。ですけれども、その合間をうまく見つけられれば――先生は所沢、西武線ですよね、ですから、その辺で一番込むのはどこですか……(小松分科員「池袋でも新宿でもいいです」と呼ぶ)また教えていただいて、私の秘書がひばりケ丘かどこかあっちから来ておるのですね。やはり大変だ、こんなふうになったらこんなままだという話はよく聞いていますけれども、実感としてございませんので、先ほども申し上げましたが、百聞は一見にしかず、本当に体験を一度してみたい、こう思っています。
○小松分科員 大臣もこの後いろいろあるようですから、結構です。
 後、いろいろと具体的な問題でお聞きしたいと思うのですが、今、鉄道車両が一つの箱に対しましてそれぞれ定員というのがございます。私もいろいろとその点関心がありましたものですから、大体一車両にどのくらいの定員で、実際にどのくらい乗るのかなということをいろいろと調べてみましたら、営団地下鉄の場合には定員がたしか百四十四人くらいだと思うのですが、西武の場合はJRの車を使っておりますから大体百六十四人が定員でございます。ところが、とてもそんなものでないわけですけれども、これについて運輸省の方で実態としてどのくらいの乗車効率をラッシュのときに見ているか、もしそれがありましたらちょっと知らせていただきたいと思うのです。
○大塚(秀)政府委員 全部を申し上げるのも数が多過ぎますのでJRの代表的なところを申し上げますと、山手線ではラッシュ時で、これはピークの時間帯でございますが、外回りが上野−御徒町で二七〇%、内回りは代々木−原宿で二六三%、中央線でいいますと、新宿−四ッ谷間でございますが、快速が二六一%、また東海道本線でいきますと、川崎−品川間が二五二%、大体二〇〇%半ばというように大変混雑した状態を示しているのがピーク時間帯、大体七時半から八時半あるいは八時から九時の間一時間の混雑率でございます。
○小松分科員 例えば航空機だとか船舶だとか、これもまた定員がございますが、定員オーバーの場合には罰則などもいろいろ厳しくあるようですけれども、鉄道の場合はどういうふうに認識をしているのですか。
○松波政府委員 お答えをいたします。
 まず最初に、ちょっと一般的なお話を説明させていただきたいと思いますが、今先生御指摘の鉄道車両の定員につきましては、我々運輸省令によりまして基本的なルールがございまして、それは乗客一人当たりにつきましての所要の占有面積をもとにいたしまして、一つは座席定員でございます、もう一つの側面は立席定員でございます。それらの定員をそれぞれ算出をいたしまして、全体の人数をもちまして定員をつくっているわけでございます。
 一方、鉄道車両の強度面等を見てまいりますと、これは強度的にも性能的にも連行に耐え得るように十分な余裕を持って設計、製作されているのが実態でございまして、これまで我々が見てまいりました中で定員オーバーに対する問題からトラブルがあったというようなことはないと考えておりますが、今先生御指摘の、この定員オーバーの場合にどうかといいますと、鉄道営業法の中に規定がございまして、この鉄道係員が旅客を強いて定員を超えて車の中に乗り込ませてはいけない、こういうような規定がございます。
○小松分科員 そうしますと、例えばその定員オーバーのためにいろいろな事故が起きた、いろいろな何かあったときに、これはやはり一つの定員というものがあるわけですから当然鉄道側で責任を持たなければならないと思うのですね。ですから、このあたりを考えたときに、ただそれだけに耐えられる、こういうような解釈もあり、そういう制度をとっているということもありますが、それならば何も定員なんというのは要らないわけなんですよ。だけれども、一応定員というものが決めてある以上は、この箱にはこれだけが大体定員だということでとっていると思うのです。それが今二五〇あるいは二〇〇%以上、倍以上ですよね。
 そういうものが結局許されるということで、一つのそういう今のラッシュに対する方策というものがだんだんと後退しているような感じもするので、その辺も、本当に定員があるならば、やはりこの定員というものを碓保するような中で、こういう鉄道ですから許容範囲も多少あってもいいと思いますけれども、三倍近くになるというのはどうかなと思うのですけれども、そのあたりはどういうふうに認識しているんですか。
○早川政府委員 車両の構造等の問題をちょっと離れましてお答えさしていただくわけですが、私ども、その定員に対してどの程度の混雑率というものが一つの許容される範囲だろうか、こういうような意味合いでは一八〇というような数字等を念頭に置きながら、場合によってはある程度新聞等も読めるというぐらいのところまで持っていきたいということで、従来から交通ラッシュ対策としては鋭意進めているわけでございます。
 ただ、首都圏について申しますと、人口の増加が大変多いというか厳しい。昭和四十年に対しまして、六十年でおよそ四割増の人口増がある。しかもさらに非常に遠距離と申しますか長距離通勤になってきている、そういう問題もございまして、輸送力も昭和四十年に対して六十三年度は二倍強、二・一六倍と申しますかそのくらいまで輸送力も張ってきているわけでございますが、先ほども申しましたようなそういう輸送人員の増というのもございまして、いわば混雑率の低下が下げどまってきているという実態にあるということでございます。
 これに対しまして、じゃこの状態のままでほっておけばいいんだということじゃなくて、また先生からも御指摘があるかもしれませんが、幾つかのそれぞれの事業者がそれなりの複線化工事、複複線化工事等も現在実施中でございまして、このような施策もあわせまして、先ほどJRについてもお話がございましたような混雑率のままに推移することのないように努力をしていきたいと考えているところでございます。
○小松分科員 先へ進めていきますが、今鉄道用語だと思うのですけれども、押し屋さんと言うそうですけれども、ドアが閉まらないときにぐっと押す、最近は大分合理化されて鉄道員も少なくなりましたから前よりは少ないのですけれども、それでもぐっと押しているわけですね。そこで、先日、骨折をした人もおりまして、これは大変な労災問題までいろいろとどうなのかと問題になったケースもありますけれども、こういうことで乗客がけがをしたりなんかした場合には、やはりその責任というのは鉄道側にも十分あるんでしょうか。この点、ちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、どうなんですか。
○大塚(秀)政府委員 これは、それぞれのケースについて検討しなければならない問題で一概には申し上げられないと思いますが、私ども日ごろから押し屋さんというようなことについても、乗客の安全第一に業務を行うよう、またホームでの放送においても危険ですから次の電車を御利用くださいというように誘導するような、そういう指導をしているところでございます。
○小松分科員 今なぜ私がそういうことをずっと聞いてきたかというと、現実はもうそういうことなんです。もっとひどいんです。だけれども、きょうは時間が三十分しかありませんからその程度にとどめておきます。
 そこで、今度は具体的にどういう対策を一応今までやっていただいているか質問したいんですが、一つは川越線の複線化について質問したいと思うのです。
 これはもう既に埼京線が新宿から赤羽、そして大宮、そしてまた川越線を通っているのですけれども、特に大宮の先の日進までは複線化が来ております。したがいまして、大宮からはかなりの本数も出ておるのですが、その先は単線なために非常に本数も――先ほど大臣もいろいろと問題、私も指摘したとおりですが、これは単線ですから本数が少ないわけです。そこで複線化の要望が市町村からもかなり強く出されているのですが、これらの経過についてちょっとお答えいただきたいと思うのです。
○大塚(秀)政府委員 川越線は昭和六十年九月に全線の電化と、今先生おっしゃいましたように大宮−日進間の複線化工事が完成しまして、いわゆる埼京線で川越まで直通運転されることとなりました。一般的に、鉄道はサービスが向上すれば乗客がふえる、乗客がふえれば設備投資ができるという好循環をするときに運営しやすいわけでございますが、川越線につきましては、今のような形で最近発展が著しく、日進から先についても、日進−川越間では最近沿線開発も順調に進められておりますので、旅客の需要動向も明るい方向に向かっておると思います。したがいまして、日進−川越間については今後の課題として複線化を検討しなければならないと思っております。
 一方、その先、川越−高麗川についてはいまだそれほど開発が進んでないので、その先の問題じゃないかと考えております。
○小松分科員 そうすると一応川越までは進めていくということで、大体今具体的にどのくらいまで進んでいるかということをぜひひとつ聞かせていただきたいと思うのです。
○大塚(秀)政府委員 次の段階として、今後検討を進める区間ではないかということでございますので、今の段階でいつとかそういう時期を申し上げられないと思います。
○小松分科員 これも恐らく私の想定するのでは一挙に全部やっていくのではないと思うのですね。やはり複線にするにしても、駅から駅まで、この間大宮から日進間もそうだと思うのです。そうすると、日進から次の指扇とかこうなっていくと思うのですが、できるだけ川越の駅は、JRと東上線が別々に入るように駅舎は今建設が始まっていますから、そういう点でそれも含めてもう準備をしているようですけれども、そういったことを含めてぜひこれはできるだけ運輸省としても促進するように図っていただきたいと思うのですが、それでよろしいでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 このような郊外線については、沿線の開発とともに、朝夕のラッシュ時には相当乗客がふえますが、昼間の乗客がなかなかふえないという問題がございます。そういうことを総合的に検討して、都市交通対策の一環として今後整備を進める課題として取り上げるようにしたいと思います。
○小松分科員 それでは次に、八高線の問題について御質問いたしますが、これは八王子から高麗川間、要するに八高線というのは八王子から高崎までなんですけれども、ただ、南線の方は、要するに南の線ですね、八王寺−高麗川間が、これも最近は非常に首都圏三十キロ圏に入っているところで、工場団地とかあるいはまた住宅団地で、もう大変な人口が増加している地区でもございます。したがって、これは関係市町村、東京も埼玉も含めてこれの促進協議会ができまして非常に熱心に関係当局に働きかけておると思うのですが、そういったことを含めて、これが電化されますと、今度東京都庁も新宿へ移転するという計画の中では当然それにあわせてこの線は需要が相当に高まることはもう事実であります。
 それと、これが電化されてきますと、先ほど言いましたように、拝島の方から西武線とこの八高線に分かれていったりして、その西武線の混雑の緩和にも多少役立つし、またそういう意味では、東京都庁も今度新宿移転するということでは、八王子のこの線と東京都心の方へ入ってくるのと利用者も非常に多くなるわけですけれども、今はわずか一時間に一本ディーゼルカーで走っているくらいで、どうしてもこれは電化しなければならないと思うのですが、そういったことでの今日までの経過をひとつ説明していただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 最近、八高線については、中央線との結びつきが強くなりその重要性も高まっていると思いますので、電化につきましても、八高線の沿線の開発状況をさらに見つつ、今後検討課題とさせていただきたいと思います。
○小松分科員 当然ですが、電化になればこれはいろいろと車両がふえてまいります。今一番問題になっておりますのが電車基地の問題なんですね。既に電車基地は東京で瑞穂町というところでかなり計画が進んでいるようですけれども、そういうことになりますれば当然これの路線もかなり具体的に進むのかなと地元では期待をしているわけなんですが、そういうこともあわせてこれについて促進をしてもらいたいということなので、この電車基地の進行なんかも運輸省の方としてはいろいろつかんでおりますか。
○大塚(秀)政府委員 輸送力増強は第一義的にJRが判断することでございますので、そこまでは私どもとしてもタッチはしておりませんけれども、このような郊外の最近の発展に応じて電化、直通化というのは必要になってまいると思います。ただそのときに、同時に根元の方のラッシュ、先ほどから先生御指摘の山手線とか池袋駅周辺とか、そういうところも同時に解決していかなければ、懐ばかり深くなっていくと根元でパンクしてしまうという問題もありますので、都市交通全体の整備として我々鋭意努力していきたいと考えております。
○小松分科員 それでは、時間も余りありませんので次に進めさせていただきたいと思います。
 西武線の複々線の問題でちょっとその進行状況をもしつかんでいれば説明いただきたいのですが、現在桜台から練馬、石神井、ここに複々線の計画が進んでいるわけですけれども、これについてどういう状況になっているか、ちょっとお聞きしたいと思うのです。
○早川政府委員 西武池袋線の桜台−石神井公園間の複々線化工事でございます。これは、いわば線増の部分を高架でやるという工事と、それから現在の在来線そのものを立体交差という意味で高架化するという二つの工事をあわせて施行するということでございますが、この桜台−石神井間のうち、都道補助百三十四号線の交通渋滞を早期に解消するということで、富士見台−石神井公園間の在来線部分一・六キロの高架化が平成元年三月に完成を見ております。桜台−石神井公園間全体の現在の工事進捗状況というのは、用地取得率が約七〇%、構造物は事業費ベースで約六%完成してきております。残る工事のうち、桜台−中村橋間約一・九キロにつきましては、早期に工事着手するべく東京都と西武鉄道の間で協議中であると聞いております。
○小松分科員 私の方はこれをさらに所沢方面へと、これがそこまで来ますともう目に見えるのですけれども、そういったことも含めて質問したわけですが、先ほど申し上げましたように、これは今のところ非常にひどい状況です。したがいまして、東武が営団地下鉄と永田町まで入ってきますけれども、あれが成増で二つに分かれて一つの方の混雑が二手に分かれたものですから幾らかよくなりつつあるのですが、これができますとそういうこともまたあわせてできると思いますので、これは強く要望しておきたいと思います。
 それから、最後に質問いたしたいと思いますが、これは運輸省で許可するからそうなってしまうのかどうかわかりませんけれども、例えばJRと西武、まあ東武でもどこでもいいのですが、鉄道をつくって駅をつくる際に両方ともばらばらにつくってしまう。具体的に言うと、例えば武蔵野線で言えば新秋津駅、西武線で言えば秋津駅、同じところで十分ぐらい、雨の中なんか大変ですよ。私は、ああいうものを許可するときにどうしてああいうふうにしてしまったのかなと、いまだに不思議に思うのです。そういう鉄道と鉄道の交差するとき、せっかく駅をつくるのですから、これは何か派閥みたいで、うちの方はこっちだよ、うちの方はこっちだよという利用者のことをちっとも考えないやり方というのはよくないと思うのです。したがって、この点は運輸省としてどういう指導をしているのか、最後にお伺いしたいと思うのです。
○早川政府委員 先生も御指摘のように、鉄道相互乗り継ぎというのは基本的に利用者の利便ということで、極力使いやすい、乗りかえやすい形でやっていただくように私どもは指導しているところでございます。
 ただ、今具体的に例を挙げられました武蔵野線の関係は、あれは貨物線として整備を進めている基本構想のもとでスタートを切りまして、その後、貨物線というよりは実際に住宅の張りつけ等もございまして旅客線となってくる、その段階で駅をつくるという話になってまいりますと、線形とか、その辺に住宅あるいは商店等も張りついてくる、さまざまな問題が出て、秋津、新秋津を私も存じておりますが、なかなかスマートな乗りかえにならないという実態がところどころにあることは事実でございますけれども、基本的には、お客さんの乗り継ぎのより便利なような形で極力やっていただくようにお願いしているところでございます。
○小松分科員 終わります。
○左藤主査 これにて小松定男君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木秀典君。
○佐々木分科員 佐々木でございますけれども、これは速記から外していただいてもいいのですが、ちょっと声帯を痛めておりまして、声がお聞き苦しいと思います。あらかじめおわび申し上げます。
 本日の最初の御質問ですけれども、一つは、車両の車検制度と関連いたしまして、私の地元であります北海道の農家の方々から、農業用の大型トラクターについてもこの車検の対象とされておる、しかし、二年に一度の車検のために相当な費用もかかるのだ、このトラクターの使い道といいますか使用状況その他の御配慮から何とか車検の対象から外してもらえまいかというような希望がございます。この問題については、昨年も北海道の農民連盟から運輸省と農林水産省に対して、私が今申し上げましたような陳情、要請があったやに聞いております。
 それで、私もこの方々のお話を承りますと、確かにもっともだと思われないこともないわけであります。と申しますのも、一つは、農家経営の実情がなかなかに苦しいものがあるわけです。これはお尋ねの前提として申し上げておきたいと思うのですが、例えば、これは北海道農政部が本年三月付でつくりました「北海道農業の現状と課題」という資料でございますけれども、この中で、農業経営実態調査について資料を出しておられます。これは昭和六十二年度ですけれども、平均ですが、稲作農家の方については、農業粗収入が七百十六万、農家所得が五百三十六万、うち農業所得が三百十七万、借入金残高が一千五百五十五万、畑作農家については、農業粗収入が一千三百十万、農家所得が七百二十五万、うち農業所得が五百五十万、借入金残高が一千五百三十三万、酪農家については、農業粗収入が二千三百十一万、農家所得が九百八十七万、うち農業所得が八百九十七万、借入金残高が二千六百三十七万、こういうように決して高くないわけです。
 つまり、北海道の場合には専業農家が非常に多いわけですけれども、専業だけではなかなかに成り立たないという御苦労をみんな抱えている。その中で、生産コストがさまざま高い。いろいろ費用もかかる。加えて、大体専業農家の方が多いということもありますけれども、農家をお訪ねすると、どうしても北海道の場合には車社会なものですから、車がなければどうにも生活できないということで、普通の運送用車両を農家の方は大体一台ないしは二台持っていらっしゃる。そこで、これらについては、これは車検の対象に当然なるわけですけれども、加えてこの農耕用の大型トラクターをお持ちになっていらっしゃる。この農耕用の大型トラクターというものは、もちろん一般の車両運送というか乗用などに使うものではないわけでありまして、あくまでも農耕という目的のために限定して使っているものであるわけです。
 そうすると、車検制度の目的との絡みもいろいろ考えなければならないことはあるだろうとは思うのですけれども、何とかその目的とか使用の状況から考えて車検の対象から外してもらえまいかという希望が強いのはわかるところであるものですから、改めて車検制度の目的から考えた場合に、この農業用大型トラクターもあえてこの車検の対象にしなければならない必然性がなおあるのかどうか、その辺について御見解をお聞きしたいと思います。
○松波政府委員 お答えを申し上げます。
 今先生お触れになりました昨年の陳情も私受けまして、農民の方々からいろいろな内容について切々たる訴えを聞いて、その当時もいろいろお話を伺いました。そこでちょっと一般論でございますが、まず検査の問題等についてお答えを申し上げていきたいと思います。
 先生も御案内のとおり、我が国におきますところの現下の車の社会を見てまいりますと、どうしても車検制度というのは自動車の安全性の確保と公害の防止、これを確保するためには必要不可欠な制度であると我々考えておるのでありまして、その検査の制度の中で、自動車の構造、装置、例えば安全に係るものでございますとハンドルとかブレーキ、公害に係るものでございますと騒音等、こういう基準が決めてあるのでありまして、これらの基準が提示された自動車で適合性がどうか、こういうことをチェックするために定期的に検査を行っているのが自動車の車検制度でございます。これは先生も御案内のとおりでございます。
 今御指摘がございました、車検制度の中で非常に経費負担がふえて大変だというお話を先般伺ったのでありますが、先生御指摘の大型の農耕用トラクターにつきましても、これは農道だけではなくて御案内のように公道を走るわけでございまして、やはり公道を走るということになりますと、我々といたしましてはたとえ短い距離でございましても道路交通の安全を確保するという上からどうしてもこの制度は必要であると考えておるのであります。こういうような考えを持っておりますので、ひとつ御理解を賜りたいと思います。
○佐々木分科員 そこで、小型特殊自動車の場合には道路運送車両法の上で検査の対象外ということになっているわけですね。こちらの方は小型だということもありますけれども、対象外になっている。しかしやはり公道を走るという点では同じなわけですね。これと同じように考えられないのかということがあるのですけれども、この小型特殊自動車については車検の対象外にしていることについて御説明いただけますか。
○松波政府委員 今先生の御指摘のございました、それならば小型特殊のトラクターについてはいかがかということでございますが、我々自動車の大きさ等を区分する中で施行規則という省令がございますけれども、自動車の区分を決めておりまして、その一番大きな差は何かと申しますと、やはり安全性にかかわりますところの自動車の最高速度が異なっておるとか大きさが異なっておりますので、現状の交通環境の中ではどうしても農耕用の大型トラクターについては検査の対象にさせていただいておる、こういう現状でございます。
○佐々木分科員 そうすると、その違いは専ら速度の点にあるのですか。
○松波政府委員 今先生御指摘ございましたように大きな点はその部分がございますけれども、それ以外に、車の大きさでございますが、長さ、幅、高さ等々ほかの諸元表上の要因もございますので、それらを総合的に勘案した上で今対象にさせていただいているわけでございます。
○佐々木分科員 要は道路交通の上での安全性をどうやって確保するか。安全性の点で裏腹に言うと、一つは事故防止などの観点から危険が生じないかということになるわけですね。そういたしますと、私が今申し上げている、農家の方々が言われている農耕用の大型トラクターというのは、確かにわっぱがついているわけですからどこでも走れるわけですが、しかし一般の運行用に使うというのではなくて、目的の点ではあくまでも農耕用だということで、自宅から農地へ、あるいは農地から農地へ移動するために道路を運行するということはあるにしても、そこで運行する道路というのは一般の公道というよりは主として農道を走っているという場合の方が非常に多いと思うのですね。そういう点から見て、いわゆる交通事故のおそれなどというものはその頻度からいっても極めて少ないのではないかとも思われるわけです。ただ、北海道などの場合には、農道と申しましても大変整備をされたり、あるいは広域農道だとかいうようなことですばらしい道路になっておりまして、むしろ農道としての道路に一般車両あるいはトラックなどがどんどん入り込んでくるということが確かにあることはあるわけです。そういうことでの一般車両との事故の危険というのはあるのですが、これはむしろトラクターの方に原因があるわけではないわけでありますし、トラクター同士の事故とかトラクターが一般の歩行者に害を加えるというような事故も極めてまれで、そうあるとは思われないわけです。そういう点で考えますと、安全性ということが車検制度の眼目だといたしますと、そういう点からも一般車とは別な配慮があってもいいのではないか、こんなふうにも思われるわけです。
 ちなみに、もしおわかりでしたらお聞きをしておきたいと思いますが、これは私必ずしもつまびらかにしておりませんが仄聞するところによると、外国の例、例えば西ドイツなどでは大型トラクターなどについては、購入時については検査があるけれどもその後の車検からは外されておるというようにも開いておるのですが、前段のお尋ねと今の後段と絡み合わせてお答えいただけますか。
○松波政府委員 お答えを申し上げたいと思います。
 先生御指摘のとおり我々は公害防止とか安全確保でやっておりますけれども、御案内のとおり現在は交通事故非常事態宣言ということで、特に北海道におかれましても大分死亡者の数も多く、残念に思っておるわけでございますが、そういう厳しい状況にございますので、今先生から御指摘ございましたように直ちにこれを検査対象外にするということにつきましては、我々といたしましては安全上、公害上の問題があると認識をいたしております。しかし、今先生、農道その他いろいろな使い方についてもお触れになりましたので、我我といたしましては先生の御指摘等を踏まえながら実態についてよく調べるよう努力はしてまいりたいと思います。
 後段の御質問でございましたところの外国ではいかがかという点につきましては、今私ここに資料を持ち合わせておらないのでありますが、私の記憶の限りでは日本に似た制度があるのは西ドイツなんかでございますが、今お触れになりました農耕用がどうなっているか、ちょっと頭の中にはっきりした記憶がございませんので、済みませんがお答えすることができません。恐縮でございますが、よろしくお願い申し上げます。
○佐々木分科員 資料は、お調べいただければ提出していただけますか。――では、後にでもまたお願いしたいと思います。
 こういう要求が出てまいりますのは、大型トラクターの使用目的、使用の実情、それと冒頭に申し上げましたような、農家経済が決して楽ではないという経済的な事情、こういうものとの絡み合いの中から出ておるものですから、仮にこれを車検の対象から外すということが今直ちには無理だとした場合に、例えば車両によって車検の期間というのは違っているわけですが、車検の期間については考える可能性というものはあるのか、検討の余地はあるのかどうか、あるいは昨年その要請も受けたということですけれども、期間延長についての御検討などはなされたことがあるかどうか、この辺についてもお尋ねをしたいと思います。
○松波政府委員 お答えを申し上げます。
 今先生、有効期間等の問題についてお触れになったわけでありますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、我々この大型の農耕用トラクターの使用実態等なかなかまだつまびらかになっていない部分がございまして、先般御陳情に来られましたときも我々何とかよくその実態把握に努めたい、すなわち有効期間の一番基本になりますところは先生も御案内のように、その使用実態等その車の特性が大きく寄与するわけでございますので、その辺を十分見きわめながら、まずとりあえずは実態把握に努めてまいりたいと考えております。
○佐々木分科員 では最後にお尋ねしておきたいと思いますが、確かに御指摘のように北海道は大変に交通事故が多うございまして、特に死亡事故が多いというのは私ども頭を痛めておるところであるのですけれども、この事故の内容もいろいろ吟味をしなければならないところがあるだろうと思っておるのです。そして北海道は御案内のように、道外から来られる方、しかも車を使用して北海道内を観光その他で走られるという方が非常に多くなっていて、むしろそういう道外の方々が起こされる事故というのが極めて多いということもあるものですから、安全性という点から考えた場合に、大型であろうと小型であろうと、農耕用の機器である車両、これが交通事故の中に占める事故発生件数とか率、こういうことについては運輸省としては調査などはなさっておられるでしょうか。
○松波政府委員 お答え申し上げます。
 今先生御指摘のありました内容等を踏まえまして、先般来、特に事故統計の内容になってまいりますと、先生御指摘のように農耕用トラクターの比率は多分少ないと思いますし、それから道外と道内という点で着目いたしますと、私たちまだ定かにはしておりませんが、必ずしも先生御指摘のあったように道外の人が多いというようなデータでもないように思いますし、これからよく勉強させていただきたいと思っております。
○佐々木分科員 丁寧にお答えいただきまして感謝申し上げますが、諸外国の事例なども検討していただきまして、こういう農業用機器、車両などについて車検の点で御考慮の余地があるかどうか。冒頭申し上げましたような経済的な事情などとも絡み合わせて、今後もぜひ御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいということを申し上げてこの問題についての質問はここで終わりたいと思います。
 次に、地方の私鉄バスとその財政補助の問題についてお伺いをしたいと思います。
 これも御案内のように、地方では一つは過疎、それからマイカーが非常に普及してきたというようなこともあり、地方の住民にとっての重要な足であるバスというものが、利用者がだんだん減ってくるということで大変経営が苦しくなっているという実情がございます。加えて、かつて国鉄時代にはいろいろなローカル線がございましたわけですけれども、これも赤字路線だということで次次廃止をされました。かつて私の父が運輸大臣をしておりましたときに、北海道でも幾つか地方の路線が設置をされたけれども、それはいずれも廃止され、そしてJRになっているという経過があります。しかし、そういう中で私はやはり地方の交通機関の中でバスの占める位置というものは大変大きなものがあるだろう、こう考えておるわけです。しかし、実情としまして、今申し上げたように本当に利用者が少なくなっているということもあり、バス営業だけでは経営的になかなか成り立っていかない。そんな中で従業員も大変苦労しておるという実情がございます。合理化をし人減らしをし、そしてまた従業員も、新規採用がないものですからバスの運転手さんなんかもだんだん高齢化してきている、退職金もカットされるというようなことで、労使ともに苦労しておるわけですけれども、それでもなおかつ路線の縮小だとか廃止だとかいう傾向がございます。
 そこで、これまでも政府としてはこういう地方バスに対する財政援助措置を講じてこられておるわけですけれども、今年度、今審議の最中ですけれども、平成二年度の予算の中で、こうした地方バス、なかんずくできましたら北海道の場合を特に取り上げていただけるとありがたいのですけれども、財政援助の制度とこの措置をどのように考えておられるかをひとつお示しいただければありがたいと思います。
○早川政府委員 先生御指摘のとおり、特に地方と申しますか過疎地域等におきますバスの輸送需要というのは毎年毎年どんどん減少している、こういう実態にございます。ではございますが、公共輸送手段あるいはシビルミニマムというようなイメージがございますので、地方バス路線の維持というのは運輸省としても極めて大事な政策の一つと考えておりまして、地方公共団体と協力をいたしまして、むしろ地方公共団体が補助するものの半額をまた運輸省が補助する、こういう形で対策を講じさせていただいているところでございます。
 地方バス補助制度そのものはさまざまな発展、展開を見てきているわけですけれども、毎年、マイナスシーリング等の厳しい財政状況にもかかわりませず、予算額がわずかではございますが増額を見てきておりまして、平成元年度では百二億二千八百万円、御提出申し上げております平成二年度の予算案におきましては百三億六千二百万円という形で、対前年度比一・三%でございますが増額の予算を計上させていただいているところでございます。北海道は、平成二年度についての金額がございませんが、平成元年度では補助金額は九億二千二百万円ということでございます。
○佐々木分科員 この補助金の使い道ですけれども、これは大体どのような使い方をしていると考えていいのですか。
○早川政府委員 制度はやや多岐にわたっておりますけれども、乗車密度が五人以上十五人以下という生活路線につきましては運行に伴う欠損補助というのがございます。さらに、車を買いかえる、代替車両の購入費の補助、こういうものが主体で、国が二分の一、都道府県が二分の一、こういう補助をいたしております。それから、三種生活路線と申しておりますが、乗車密度が五人未満の路線につきましては、運行に伴う欠損補助というものを、市町村が二分の一、都道府県が四分の一、国が四分の一という形で補助をさせていただいております。さらに、このバス路線が廃止になった後、市町村等がどうしても代替のバスを運行したいというようなケースにつきましては、この代替バスを運行する市町村等に対しまして、車両の購入費の補助、それから初年度の開設費の補助、運行費の補助というものを定額出すという形の補助がございまして、これは、市町村が三分の一、都道府県が三分の一、国が三分の一という形で補助をさせていただいているものでございます。
○佐々木分科員 地域の足であるバスを維持していくためには、本来ならば経営的にも成り立つような状況が出てくればいいのですけれども、実際にはなかなかそうならない。そこで、公益的な見地から財政援助をなさって何とかこれを維持していくのだということはわかるわけですけれども、もちろん経営者としてもあるいは自治体としても利用者をふやそうという努力はそれぞれになさっているのだろうとは思うのですけれども、何か運輸省として利用者をふやすような対策とかあるいは行政指導とかアイデアとか、こういうものはお持ちでしょうか。ありましたらお聞きしたいと思います。
○早川政府委員 地方のバスの需要喚起策と申しますか、大変難しい問題でございまして、そもそも需要が非常に希薄なところで需要の喚起を図る、こういうことでございますが、今各地方のバス会社ではいろいろな実験が行われておりまして、例えばあるバス会社では、朝のラッシュ時といいますか、ある程度輸送需要があるときには自分の定期路線として運行して、その後その車を市町村とかそういうところの福祉輸送みたいな需要があるときに貸し出すと言ってはおかしいのですが、あるいは学校の通学に用いてもらう、遠足等に用いてもらう。出前バスというような表現もあるようでございますが、そういったものに使っていく。また、フリーライドとかそういう形でお客さんがより乗りやすいようにする、こういうようなことはもちろんやるとか、今さまざまな実験が行われてきているところだと思います。
 私どもは、現在運輸政策審議会で、地域交通部会と申しておりますが、それに地域の公共輸送交通の対策、どうあるべきかということを御審議をいただいている最中でございます。そこでは、地方のバスの問題、地方の鉄道の問題等、地域の足を公共的にどう確保することができるだろうか、あるいはそのためになすべきことは何かということを今御審議をいただいているところでございまして、そのいわば需要開発と申しますか、利用の促進という面、多々いろいろな面があると思いますが、そういった問題も含めて議論をしていただいている、こういうことでございます。
○佐々木分科員 今お話がありましたように、確かに福祉バス的な考え方というのが地方では大分このごろ取り入れられている例があるように思います。私の住んでおります旭川市でも、これはたしか札幌では七十歳以上は無料にして札幌市が補助していると思うのですけれども、旭川の場合には全額無料ではなくて、多分三千円分のチケットを七十歳以上のお年寄りに出してバスを利用させているということをやっていると思います。私の母親なども八十歳になりますけれども、大変に愛好者であるわけです。福祉バスの問題というのは、これは自治体がやるべきというか、主体となってやっていることなのですね。運輸省はこういう福祉バス構想の中では関与は直接にはされない。
○早川政府委員 今先生まさに御指摘のとおり、運輸省が直接的に福祉バスというような形のものを展開するということではございませんが、地方の足はまさに地方の福祉社会のあり方として必要だ、こういうことでもございますので、私どもはむしろ積極的に地方公共団体等にお話を申し上げる、業界の方も申し上げる。一方で地方公共団体の方も、最近はそういったふうな形で、利用度といいますか、そういうものを高めることによって一般的な路線の維持というものにも資していこう、こういうお考えもあるようでございますので、私どもとしてはそういった形で地方公共団体とも御相談を申し上げ、御協力をいただきながらやっていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○佐々木分科員 時間が参りましたので、最後に、大臣がせっかくいらっしゃっていますので、大臣から地方のバスの維持を含めた地方の交通の問題についての運輸省としてのお考えなどについて御見解を示していただければと思います。
○大野国務大臣 地域住民の生活上必要不可欠な路線というものもあるものでございますから、それらについては十分に配慮しなければいけませんし、また同時に今、私の田舎もどこも田舎は変わらないと思いますけれども、マイカーが大変ふえておりまして、それが大きく路線バスの営業というか経営収支にもたらしている部分というのがございますから、それらも踏まえて、これから先も運輸省としても何とかバス路線を会社が動かせるようにやっていきたい、こう思っております。
○佐々木分科員 時間が参りましたので終わりますけれども、要はマイカーも持ち切れない、あるいはマイカーの運転もできないようなお年寄りあるいは障害者というような社会的な弱者がどちらかというとこのバスの利用者になるのかもしれない。しかし、これらの人々にとっては欠かせない足であることは間違いないわけでございますので、どうか各会社が経営原理だけで廃止するとか営業をやめるということでないように、政府としてもしかるべき御援助をいただいて、こういう地方の足を確保するためになお一層御努力をいただくように特に要望申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○左藤主査 これにて佐々木秀典君の質疑は終了いたしました。
 次に、細川律夫君。
    〔主査退席、新盛主査代理着席〕
○細川分科員 私は、常磐新線の建設についてお伺いをいたしたいと思います。
 現在、日本とアメリカとの間では日米構造協議が大きな問題となっております。そして、アメリカからは政策実行提案として六分野について二百項目余の具体的な改善案が提起をされているところでございます。その中で公共投資の政策実行提案として公共投資計画づくり、住宅、下水道などと並んで交通や都市間交通にも資金を振り向けなければならない、こう指摘をされております。そして土地利用におきましても、住宅地の基盤整備を重視した公共投資の拡充として通勤用鉄道が挙げられているところでございます。
 一方、昭和六十年七月には運輸政策審議会から常磐新線の新設が答申をされたところであります。私は、この常磐新線は国が本腰を入れて推進をしていかなければならない緊要かつ重大な国家事業であると考えておりますけれども、運輸大臣はこの常磐新線につきましてどのように御認識をされておられるか、お伺いをしたいと思います。
○大野国務大臣 常磐新線の問題につきましては、常磐線は通勤通学、非常にラッシュでして、それと同時に東京の地価が高いということも考え合わせますと、やはり住宅地もそれによって開発されることもございましょうし、いろいろな観点、特にアメリカから言われたとか言われないとかの問題は別として、これはもう既に運政審の答申も出ております。国としても十二分に前向きでやっていくところでありますけれども、何と申しましても一都三県にまたがる長い路線でございますし、どうやら新聞報道で、私まだつぶさに知りませんけれども、二十四日というからおとといですか、何か総決起大会みたいなものをおやりになったことも聞いておりますので、やはり地方自治体等がそういうものに前向きに懸命に努力をしていただきませんと、地元住民のことその他ございますから幸いそういうような形になりつつあることを聞いて喜んでおると同時に、私どもとしてもやっていかなければならぬということを十二分に承知してこれから進めていくところでございます。
○細川分科員 この常磐新線は東京から筑波の研究都市まで約六十キロにわたる線でございますけれども、これが新設されますと大体どのような効果あるいは影響が出るか、大体のあれで結構でございますから教えていただきたいと思います。
○早川政府委員 これはあくまでも一つの数字でございまして、こういう形できちっとどこかで定まっているものではございませんが、この常磐新線の整備によって沿線地域で七千から八千ヘクタールという住宅地が提供可能になるであろう。具体的に張りつく戸数としては十五万戸、これは一戸建てだと思いますが、そういったことでおよそ五十万人くらいの方々がその本線を利用する、この周辺に居住されるのではないか、こういうことが言われておるところでございます。
○細川分科員 運政審の方から出されております基本ルートの問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 運輸省の方では、この運政審が答申をいたしました基本ルートと異なります、地下鉄十一号線の延伸によります代替案をひそかに検討された、そして、これを一都三県に非公式に打診をしていたということが新聞などでも報道されたところでございます。このことは、運政審の答申を十分尊重しなければならない運輸省がこのような検討をされることはこの答申を軽視したことになるのではなかろうかというようにも私は思うのでございますけれども、この基本ルートが変更されるという新聞報道がなされました。このことにつきましては、江藤前運輸大臣が、こういうルート変更はない、このように否定をされました。しかし、それが一月三十日という、選挙の直前でもございまして、選挙向けの発言ではなかろうかというようなことで、基本ルートの沿線の人たちは大変心配をされているあるいは不安を抱いているところでもございます。
 私もけさ、電車の中で広告を見まして、週刊住宅情報という週刊誌がございまして、これは首都圏では二十万部発行されているそうでありますけれども、この中にも記事として、「常磐新線はどこを通るのか」というタイトルで大きく載せられているところでもございます。そういうところを見ますと、基本ルートが変更されるかどうかということは、この事業そのものが大変大きな国家的な事業であることと、基本ルートの沿線の人たちにとりましても大変関心の深いところでございまして、ぜひこの際、運輸大臣の方から、基本ルートの変更があるのかないのか、はっきり簡明にお答えいただけたらと思います。
○大野国務大臣 一部報道に今御指摘のあったようなことが書いてあったことを私も承知いたしておりますが、これは基本路線に変わりないということを明確に申し上げておきます。ただ、地下鉄十一号線が代替ルートではないかとか、こういう話ですけれども、それとどうも混同したような感じなんですが、これはこれで同じ答申に、十一号線の整備もやれ、こう書いてあるから両方並行してやろうというのが、どうもちょっと理解が間違っておられた方が書いたんじゃないかな、私どもはそう認識しているのです。ですから、変わらないということでありますから、どうぞその点は御了解賜りたいと思います。
○細川分科員 運輸大臣の方からはっきりと基本ルートの変更はないという御答弁をいただきまして大変安心をいたしたところでございます。大変ありがとうございました。
 ところで、この常磐新線につきましては、答申が出されましてから既に五年近くたっているところでございます。運政審の答申では、完成目標年次は西暦二〇〇〇年、平成十二年とされておりますのでその建設期間が十五年でございますし、既にもう三分の一は経過をいたしているところでございます。しかしながら、いまだに整備主体であります第三セクターも設立されていないのでありまして、大変おくれているのではないかということで私自身も大変心配をいたしているところでございます。ところが、きょうの日経新聞の朝刊でございますけれども、常磐新線につきまして「夏にも第三セクター」、こういう大きなタイトルで、東京、埼玉、千葉、茨城の一都三県とJR東日本との間で、整備主体となる第三セクターが遅くとも夏までには設立するということの基本合意がなされたということを一面に大変大きく報道がされているところでございます。私がこれまでいろいろ仄聞したところでは、まだできていないということで大変心配をしていたところでありますけれども、このけさの日経新聞の報道を見まして安心をいたしたところでありますけれども、このけさの日経新聞の報道は正確なものであるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○早川政府委員 けさの日本経済新聞の報道でございますけれども、私どもそのような内容のことにつきまして、そこの新聞等によりますと、地方公共団体側で合意を得たということでございますが、そのことにつきましてはまだ聞いておりません。
○細川分科員 運輸省の方のこれまで進めてきたいろいろな準備状況の中で、それでは第三セクターというものは設立についての合意がなされたということはあるのでしょうか、ないのでございましょうか。
○早川政府委員 従来の私どもも加わりました協議の中では、当初来、JR東が相当程度出資をするとか危険負担をするとか、そういったようなことにつきまして現在のJR東の実態等から大変難しいという考え方が出されまして、そういったことを踏まえて、地方公共団体等がどのようにこの問題を考えていかれるかということにつきましていろいろ議論を深めてきた経緯はございます。しかしながら、そこに書いてございますような記事の形で地方公共団体が例えば合意をしたとか、そういう形につきましては少なくともまだ報告を受けていないところでございます。
○細川分科員 この新聞報道によりますと、大変細かいところまで記載をされておりまして、例えば、
  当初JRが資本金の約四分の一を出資する方向だったが、一割程度に縮小。二十億円程度でスタートする資本金の七割程度を沿線自治体が出資する。また開業後もJRは事業主体とならず、第三セクターがJRに運営を委託する方式とし、開業後に予定された運賃収入が上がらない場合も第三セクターが補てんする。このほか用地買収や区画整理事業などの実務も地元自治体が担当する。
大変細かい内容になっているわけです。これが運輸省の方であずかり知らないところで、自治体等だけでこういうことがもし進んでいるとするならば、これはまた私は大変おかしいのではないかと思いますし、本当にこれがどうなるか、本当なのか本当でないのか、もう一度はっきりお答えいただきたいと思います。
○早川政府委員 そこの記事にございますような、今先生が御指摘になったようなポイントのうちの幾つか、例えば鉄道ができまして運行を始めた、しかし鉄道ができたけれども住宅が張りついていない、非常なリスクがあるのではないか、そういうものはJRは負担できない、こういったような点は実は従来からJRも含めました協議の中でJRが主張していたポイントでございます。また、第三セクターというものに対して、従来一つの検討過程では、二五%をJRが負担してはどうかという構想がございましたことも事実でございます。ただ、それが今度は一〇%であるとか、そういったような形になっているかなってないか等等は、いろいろな基本的な第三セクターのかかわり合いでのJRのあり方というような点については、私どもとしても一つの流れに沿っている動きだと思いますが、先生の御質問の、その記事の全くの正確性はどうかということにつきましては、私どもはまだそういう形では報告を受けていない、こういうふうにお答えをいたすところでございます。
○細川分科員 それでは、今の御答弁では報告を受けていないということでありますから、私も、きょうのこの報道が日経新聞だけに、ほかの各紙には報道されておりませんので、こういう合意はなされてはいないのではないかというふうにも思っているところでもございます。
 そこで、お聞きをいたしたいと思いますけれども、先ほども少しお話がありましたが、五年もたっておりますけれども、それではなぜに整備主体である第三セクターが設立をされないのか、その点についての理由をお聞かせいただきたいと思います。
○早川政府委員 実は先ほど来の日経の記事をめぐりましての先生の御質問の中にもそのポイントがあったかと思いますが、基本的に、六十キロメートルの極めて長大な路線、整備に要します費用につきましても六千億とか一兆円とか、そういう形で大きなものを要する。しかも、用地買収等もこれからでございますので、いろいろな問題点があり得る。こういったものにつきましてのJR東なら東のかかわり方、あるいは地方公共団体の分担の仕方、こういう点等が、いってみますとこの第三セクターを設立するまでに基本的に整理しておかなければならない問題点だったと思います。その問題点につきまして現在までなおいろいろな御意見で調整がつかなかったということで現在に至っている。しかしながら、既にその新聞等が出ておるということの議論の中に、一つの流れの中で議論は深まってきているものだ、こういう認識で我々は見ておるところでございます。
○細川分科員 一昨日も、常磐新線の建設促進の総決起集会が、関係各自治体などの参加総数千二百名くらいの方たちが集まりまして開かれたわけでありますけれども、その中でも早く第三セクターを設立してほしいという要望が出て、決議もされているところでございます。そういうところから見ましても、私も早く整備主体であります第三セクターを設立しなければならないと思いますけれども、運輸省の御指導によって早くこれを設立していただきたいと思います。そこで、運輸省としては大体いつごろをめどにこの第三セクターを設立されるのか、その点をお聞きしたいと思います。
○早川政府委員 運輸省の方でいつまでというターゲットを設けているというよりは、関係者一致してなるべく早く第三セクターが設立できればという考え方のもとで話し合いをいたしてきているということでございまして、殊に昨年の六月に制定を見ました住宅地と鉄道の一体的な推進に関する特別措置法というような法律の中で、各地方公共団体が基本計画というのを策定して地域の開発というものを進めていく。その中に鉄道計画が組み込まれていく。この組み込まれるにつきまして、鉄道側のいろいろな技術的その他の条件とその基本計画とがまた協議の上で整合性をとっていかなければならないという実態もございます。地方公共団体の基本計画策定も、いろいろ事前の用地買収等も既に始まっているところでございまして、各地方公共団体ごとに違いますけれども、今後一年ないし一年半ぐらいのうちには基本計画をつくり上げたい、こういう御希望の地方公共団体が多いと思いますので、そういうような形に十分間に合いますように、第三セクターの設立を図っていく、こういうのが現在の一つのテーマかと存じております。
○細川分科員 運輸省の御指導によりまして早期に設立をしていただきたいというふうに特に御希望を申し上げる次第でございます。
 それから、この常磐新線の建設につきましては、基本ルートの沿線の皆さん方の大変な悲願でもございますし、また公共投資あるいは住宅政策の観点からいたしましても、国の方が最も優先をして推進をしなければならない事業であろうかと思います。そこで国の方といたしまして、このような事業に対して建設費の利息の一部を補助するというようなそれだけのことではなくて、もっともっと思い切った政策がとれないものかどうか、この点お尋ねをしたいと思います。
○早川政府委員 常磐新線に限りませんで、大都市圏におきます鉄道整備は、近時用地費が非常に高いとか、そういったさまざまな問題点を抱えておりまして、いわば国及び地方公共団体の支援は何としてもしていただかなければならないという実態にあることは御存じのとおりでございまして、常磐新線につきましても、現在関係者間で行われています協議が調いましたときに、そういうことになりましたらその状況を踏まえまして、国におきましても必要な支援措置について十分検討させていただきたいと思っております。
○細川分科員 具体的には今どういうようなものが考えられるとか、そういうことは説明できないでしょうか。
○早川政府委員 鉄道、特に第三セクターの鉄道につきましての助成措置というものにつきましては、現在なお確立した形のものがございません。例えば大阪圏におきます片福連絡というようなものも第三セクターで整備が進んでおりますが、国及び関係方面は現在ございますさまざまな手段を全部取りそろえましてできる限りの支援をする、こういうことで進めておりますが、常磐新線につきましても、その実態等を十分勘案しながらいろいろな知恵を出していきたいと考えているところでございます。
○細川分科員 最後になりますけれども、この常磐新線の建設につきましては、基本ルート沿線の自治体また住民の人たちが大変早期実現につきまして熱望をされているところでございます。特に埼玉に関しましては、八潮、三郷などでは、今年度の予算におきましても土地の買い取り予算を八潮では十五億円あるいは三郷では二十一億円余の予算を計上して、その先行取得に努力もされているところでもございます。さらには専従の職員なども八潮では十名、三郷では八名置いて鋭意推進をしているところでもございます。八潮市におきましては、鉄道のない市といたしまして、市民全員陸の孤島からの脱却ということで実現に向けまして大変努力もされているところでもございます。どうかこういう基本ルート沿線の自治体の皆様方のお気持ちを十分に察していただきまして、国の方でも推進をしていただきたいと思うところでもございます。そういう意味で、最後になりますけれども、これに向けましての大臣の今後の取り組みいかんを簡単に決意を述べていただきたいと思います。
○大野国務大臣 地域住民の皆様方のそういう期待をかなえるためにも、そしてまたその地域の住民各位の福祉のために、そしてまた冒頭申し上げたような通勤通学とかいろいろな問題もございますし、と同時に、やはり地域社会の活性化のためにもこれは何としてでもやらなければならない。先ほど日経新聞の記事についてのお話もございましたけれども、この点もまたよく聞いてみた上で検討してみたいし、また同時に、その記事が出ただけでも一歩進んだということも言えるわけでございますから、ひとつそれらを踏まえて私どもも一生懸命やらさしていただきます。
○細川分科員 どうもありがとうございました。
○新盛主査代理 これにて細川律夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、川端達夫君。
○川端分科員 大臣、御苦労さまでございます。よろしくお願いいたします。
 四月の六日に日米構造協議の中間報告がまとめられまして発表されました。いろいろと国会でも議論のあったところでありますし、これからも議論をしていかなければならない問題だというふうに思いますが、全体的な考え方として構造協議の意味というのですか、そういう中で、一つは日本がこれから国際社会の中で孤立をしないために、国際的な部分の経済摩擦を避けて協調していくためにどうしてもやっていかなければならないという観点と、同時にそのほとんどのことは、あるいはすべてかもしれませんが、そういう課題は実は国民生活にとっても非常に大事な問題である、国民にとってより豊かな生活をするためにも政治の責任としてやっていかなければいけない課題である、そういう両方の側面を持っているというふうに思います。そういう意味で非常に重要な課題だと思います。
 とりわけ今まで経済中心、生産中心という意味で経済大国になるためにみんな頑張ろうということで頑張ってきた。その結果、これだけの高度情報化社会、世界の中の自分が見えるとよく言われますが、そういう部分でよくよく考えてみると、社会生活を送っていく中でどうも生活の部分ではかなり一流とは言えない部分がいっぱいある。そういう意味で、この構造協議に提起された問題を含めて国民の意識は今経済大国から生活先進国になりたい、やってほしいという期待に満ち満ちているというふうに思います。そういう意味で、非常に大きな流れの転換をこの構造協議をもって国民も感じておられるし、期待もしておられる、そういう状況だというふうに思います。
 そういう中で、この構造協議の問題の報告の中で、そういう意味で国民生活を考えるときに、公共投資、いわゆる社会資本の充実整備というのは非常におくれているのではないかということが指摘をされ、またそういうことに向けて頑張っていこうという報告がされたわけです。いろんな項目があると思いますが、そういう中で、いわゆる運輸行政というのも、国民の交通というものを考えていく中で非常に大きな責任と期待を持たれている分野だと思います。そういう意味で、この構造協議、公共投資、いわゆる社会資本の充実という観点から見たときに、運輸行政としてどのような課題としてお受けとめになっているのか、それからこれからの展望をお持ちなのかをまずお伺いをしたいと思います。
○中村(徹)政府委員 日米構造協議の中間報告、御指摘の「貯蓄・投資パターン」の中で公共投資のあり方について合意しているわけでございますが、「平成二年度末に期限の来る八分野の社会資本整備長期計画については、これらを更新し、最終報告までにその主要分野について現行規模を上回る計画の策定に当たっての積極的かつ具体的な政治目標を示唆するため、早急に検討を開始する。」となっているわけでございます。
 運輸省の関係で申しますと、空港と港湾がこれに当たるわけでございまして、空港整備五カ年計画及び港湾整備五カ年計画というものが平成二年度末に期限が参りますので、ただいま新しい計画策定の作業を進めているところでございます。その場合に、国民生活の質の向上とか輸入の促進等というものに空港、港湾が重要な役割を果たしているということを十分踏まえながら、中間報告に盛り込まれた趣旨、ただいま申し上げましたようなことを十分念頭に置いて、航空審議会における審議等所定の手続に従いまして適切に対応してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○川端分科員 たまたまといいますか、ちょうど期限が切れるというので空港、港湾の問題にお触れになりましたが、私は、課題としてはそれはまさにそうだと思うのですが、今までもまさに国民の生活に立脚をして、そしてより快適な、豊かな生活ができるようにということで諸施策を講じてこられたと思います。そういう部分の流れという既存の延長線の発想よりははるかに強い期待を持って国民生活、どうも生活後進国、発展途上国という中で、相当思い切って世の中を変えてほしいという期待がまさに満ち満ちている。その部分で、今この構造協議云々がなくても、例えば空港、港湾の整備計画、審議会に答申して云々というのは流れていく話なんですね。そういう部分で、私は、今までのそういう延長線上に到達することよりははるかにジャンプしたものが求められているのではないかというふうに思います。
 そういう観点で、これはかなり抽象的な話なんでお答えにくいかと思いますけれども、そういう部分の相当今までの考え方の枠も破って頑張っていただきたい、こんなふうに思っているわけですけれども、その部分に関しては、よしわかった、頑張ってやるということなのかどうか、ちょっとお伺いをしておきたいと思います。
○中村(徹)政府委員 先ほど私御答弁申し上げまして、若干読み上げさせていただいた部分でも、要するに「積極的かつ具体的な整備目標を示唆する」ということを中間報告に盛り込まれているわけでございます。その趣旨というのは、ただいま先生が御指摘になったような、今までの延長線上ということだけではなくて、新しい考え方に従って積極的に社会資本整備を進めろということではないかというふうに私ども受けとめておりまして、そういった考え方に従って、こういった長期の空港整備、港湾整備に当たってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○川端分科員 緒についたというか、まさにスタートラインでございます。そういう部分で当然そういうものをこなしていく、計画を立ててこなしていく場合に問われているのは、経済の構造、行政の仕組みだけではなくて政治の仕組みもそうだというふうに思いますし、我々も立場として責任の一翼を担っていると思いますから、その部分で、いわゆる新しい時代を構築するという部分でともに考えていきたいとも思いますので、何分御努力をお願いをしたいと思います。今までの部分は入り口でありますので、これからは最終報告、それから実施段階含めて答えが出てくることになってまいります。そういう意味では答えが出てくるという部分の責任があるわけですから、御期待を申し上げるとともにお願いをしておきたいと思います。
 さて、そういう中で今ちょうどお触れになりました空港問題というのは、やはりこれからの時代を展望するときに非常に重要な国民生活に対する課題であるというふうに思います。そういう意味で、今回構造協議の中で、いわゆる輸入インフラの観点から空港というものに触れられております。それと同時に公共投資、いわゆる社会資本を充実するという部分でも当然ながらこれはかかわってくる問題だというふうに思います。そういう部分でこの空港問題というもの、特にいろいろな地域から地方空港の整備拡充あるいは新設というふうな要請もいろいろあるかと思います。そういう地方空港のあり方というもの、審議会でもいろいろ御議論はあるかと思いますが、今までの、五次までの考え方と今日時点においての地方空港のあり方についての考え方というのは変化してきているというふうに思うのですけれども、その部分についてはいかがでしょうか。
○丹羽政府委員 ただいま先生御指摘の地方空港の整備の問題につきましては、国土の均衡ある発展を目指しました交通基盤整備の一環といたしまして、航空需要の増大に対応したジェット化とか大型化、そういったものの整備を重点的にやっておりますほかに、離島を含めました航空輸送サービスを容易に享受できない地域、そういうところにおきます空港の建設とか、あるいは地方空港への国際定期便の就航という問題に対応しました施設整備、これはターミナルとかそういったところでございますが、そういうものを現在推進しているところでございます。
 それで、従来の延長線上にあるかないかというような問題のところにつきまして、ただいま航空審議会でいろいろと御議論をいただいている最中でございます。今重点的に整備をしている話の中にも、地方空港の国際化みたいな問題も現に起きつつあるというんでしょうか、大きくなりつつあるというんでしょうか、そういったような時代でございますから、いろいろと航空審議会の御議論の中ではそういった新しい時代に目を向けた話ということがあるいは御議論いただけるのではないかと思っております。
○川端分科員 もう少しわかりやすく聞きますと、今いろいろなところに地方空港がある。その現状というもので、今国際化の観点も含めていろいろお触れになりましたけれども、トータルとしていろいろ御議論があるというのは承知しているのですが、今からの時代、随分時代が変わってきたときの航空体制というんですか、空港を含めた航空交通というものの見込みとして、地方空港の数自体をどのように認識されてこれから臨まれるのかということはいかがでしょうか。今の数で国際化していき、拡充整備をしていくという部分と、もっとふやしていこうという部分とに関してはどんな感じでしょうか。
○丹羽政府委員 現在の空港数は、今全体で八十一空港ございます。そのうちジェット化した空港数が四十六、それから機材が大型化するための大型化空港というんでしょうか、それが二十二、こんなような状況でございます。
 それで、これを具体的に何を何港つくるかというアプローチを必ずしもしているわけではございませんけれども、航空の輸送需要のあり方とかネットワークのあり方とか、これは国内級も国際線も両方あると思いますが、そういった議論を踏まえて航空審議会で当然そういう議論をしていただきますものですから、それで具体的な空港数なり空港の整備なりという問題を詰めてまいりたいと思っております。
○川端分科員 それで確認をしておきたいのですが、この構造協議の中のいわゆる公共投資をこれから拡充していくという計画の部分の中に、これから第六次空港整備計画でやっていこうという部分は入っているという御認識なのか。これは項目として流通の部分と二つに分かれていますから、その部分が一点と、そういう部分でいくときに、これから審議会の部分ですけれども、今までそういうことでやっていこうということでもう諮問もされ、進んでいるわけですから、そういう延長線上の部分と、既にもう増額していくという流れなのだということなのか、この公共投資をこれからふやしていきますという中間報告に盛り込まれた部分でいえば。今までの流れから、こういう構造協議のいろんな議論の中でいえば、さらにふやした形で計画していくという部分なのかということについてはいかがなんでしょうか。
 この点、何か今までもう既にやってきたその形が、結果的にはふえるという部分が構造協議の中に書かれて、これから公共投資はこの十年間どんどん、アメリカは一〇%ふやせと言った、それはひどい話だなという議論はありますが、しかし日本としてはやるだけのことは頑張ってやりますというその流れというものが、今までの議論の中のことをただ言っただけの話なのか。今までの流れで来た部分から見たら、確かに国民生活の観点あるいはいろいろ貿易摩擦からいったら、かなり加速するという部分も入っているのかなという、そこら辺はどうでしょうか。
○中村(徹)政府委員 先生の御質問をうまく私が理解しているかどうかちょっと自信がないわけでありますが、いわゆる貯蓄・投資パターンの中での公共投資の問題の中には当然空港の整備というのが入っていて、その中で、もちろんいろんな空港がありますけれども、その中には地方空港の整備というのは当然入っている。地方空港の整備というものの中に新しい空港の設置という問題が入っているかということであれば、当然入っている。いずれも、空港の場合でいえば、空港整備五カ年計画というプロセスを通じて、そういうものは実現していくものだというふうに考えております。
○川端分科員 ここから後はお願いの話でありますけれども、要するに今まで第五次まで空港整備計画をやり、これから第六次をおやりになろうという部分というのは、今までこういうふうにやっていこうということでやってこられた。しかし、国民的な課題としてももっと加速をして、より先進国並みの生活という部分でやってほしいなというのが今満ち満ちているというときに、空港問題も非常に重要な問題であるならば、ずっと加速するという部分に私は見えてきてほしいなというふうに思うわけです。そういう意味で、空港整備計画の諮問をされておられますけれども、そういう部分でもやはり新しい変化というときに、その諮問は諮問として、実施する部分について言えば実施をもっと早くしようとか、そういうことが私は大事ではないかなというふうに思います。
 それで、そういう地方空港の需要、必要性というのは、いわゆるジェット化、拡充あるいは国際化という観点以外にも、当然もっとネットワークを充実するための空港新設というものも、私は非常に重要な課題であるというふうに思います。
 私は滋賀県に住まいをしておる者でありますが、ちょっと暇なときにいろいろひもといてみましたら、これは歴史的な検証は済んでおりませんけれども、日本でどうやら初めて飛行機が飛んだのは、明治四十三年、一九一〇年十二月十四日「陸軍大尉日野熊蔵、代々木練兵場で始めて試験飛行に成功、」と書いてあるので、このころかな、一九一〇年ですから八十年ぐらい前ですかね。
 ところが、この一九一〇年に初めて飛行機が飛んで、わずか四年後、一九一四年に滋賀県の愛知郡八木荘出身の民間飛行家荻田常三郎が、これは滋賀県の場所なんですが、八日市町の沖野ケ原で飛行会を行う。この場所はその後、八日市市沖野町というところでずっと飛行場として使われておったところであります。この荻田常三郎さんというのは民間のパイロット日本第一号と言われている人でありまして、そういう部分では、まさに八十年前の草分け的な、日本の飛行機の歴史のスタートの時期に、滋賀県は人としても空港としても非常に御縁のあったところだなというふうにかねがね思っておりました。
 その後いろいろな変化の中で、滋賀県には今申し上げました八日市市の沖野飛行場、後に陸軍飛行第三連隊が駐屯をして飛行場として使った、あるいは大津市には滋賀海軍航空隊ということで空港をつくった。琵琶湖がありますから琵琶湖の湖上を使おうということで、大津海軍航空隊ということで海上飛行もやった、こういうふうにいろいろな飛行場を持ってきた経緯もあるわけです。いずれも軍隊が最終的に使いまして、戦争終了と同時に飛行場はなくなった。今、広大な土地が新しく住宅地として生まれ変わったということで、いろいろな役割はあったと思うのですが、そういう中で滋賀の地というのは――現在日本で十二府県ですかね、空港がない府県というのは。その中の七県が首都圏である。残った部分の中でいわゆる近畿圏、京都、奈良、岐阜、三重、滋賀の中が空港がない。大阪の関西新空港が平成五年ですかには開港される、現在の伊丹にあります大阪国際空港も存続ということを伺っておりますが、そういう中でも、やはりこれからまだまだ航空需要がふえる。しかも先ほど申し上げた近畿、中部圏の京都、奈良、岐阜、三重、滋賀といういわゆるワンブロックに空港がないという部分では、その地域における空港需要というのは非常に大きいと私は思いますし、時代の要請でもあろう。
 そういう意味で、これからはまさに我田引水でありますが、今滋賀県も琵琶湖空港というものが何とかできたらいいなということで一生懸命運動しておられますが、そういう部分での立地の状況を含めまして、それなりの責任を果たせる地域ではないかな。先ほど申し上げました意味では、歴史的にも県民の思いも非常に強いところであるというふうに思っております。
 近畿圏においては関西新空港、それから伊丹の大阪国際空港に次ぐ第三空港というのは間違いなく必要であろうと思っていますし、中部圏においても名古屋新国際空港問題というのは、いろいろ御議論されておるのも伺っております。そういう意味では、中部圏、近畿圏ともどもの接点でもある我が滋賀県の琵琶湖空港計画というものも、いろいろな課題をまだ抱えております。しかし、全体的な航空行政の流れの中で、これからの空港整備計画という部分は、まさに二十一世紀を展望するものであります。
 先ほど申し上げましたように、一九一〇年、日本に初めて飛行機が飛んだということでいえば、ちょうど百年たつ。二十一世紀を展望する航空行政としてもいろいろな角度でまた御検討をいただきたいということをこれはお願いを申し上げまして、終わりにしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○新盛主査代理 これにて川端達夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、清水勇君。
○清水分科員 時間も余りありませんから、北陸新幹線の問題に絞ってお尋ねいたしますが、大野運輸大臣を初め政府委員の皆さんから、なるほどという前向きな御答弁なり見解なりをひとつお聞かせいただきたいと思います。
 るる申し上げませんが、去年の八月、北陸新幹線の高崎−軽井沢間がフル規格で着工されたわけでありますが、言うまでもなく、これは整備計画に基づく北陸新幹線建設への第一歩である、こういうふうに私は認識しておりますし、起工式に出席されていた元運輸大臣の細田吉藏氏も今私が申し上げた見解を披瀝されておりました。
 そこで、まず基本的に確認しておきたいのでありますが、昭和四十八年に決定された整備計画は現在依然として生きている、こういうふうに確認したいのですが、よろしゅうございますか。
○大塚(秀)政府委員 そのとおりでございます。
○清水分科員 次に、具体的にお尋ねいたしますが、軽井沢以北についてペンディングの状況になっている。ところが運輸省の構想の中には、軽井沢−長野間をミニ新幹線でいかがであるか、こういう構想があるわけでありますが、これは率直に言っていただけない、こういうふうに申し上げなければなりません。
 私は、大塚さんも御存じかもしれませんが、金丸会長から依頼されまして、リニア新幹線の議連の世話人になっているわけであります。このリニアは時速五百キロ、東京−大阪間を一時間で結ぶ二十一世紀のまさに超特急である。既に新年度予算案の中でも実験線に対する相当額の予算がつけられている。そういうことを一方で展望するときに、ミニ新幹線は時速百三十キロぐらいと伝えられている。釈迦に説法ですけれども、新幹線整備法によると新幹線と名のつくものは時速二百キロ以上であると言われているわけでありますから、いずれにしても、ミニ新幹線というのはすぐ時代おくれの存在にならざるを得ないだろう。第一、これに六百億円くらい投資をする、ろくな回収もできない間に遺物になるなどということがあっては貴重な税金がむだになると思わざるを得ませんので、いまだ白紙と言われておるわけでありますが、言うまでもなく、軽井沢以北もフル規格で建設される、これはまさに時代の趨勢ではないかと思うわけでありますけれども、いかがでしょう。
○大塚(秀)政府委員 先生は経緯も十分御承知でございますので、改めて私から申し上げるのもなにでございますが、北陸新幹線の「軽井沢・長野間の取扱いについては、一九九八年冬季五輪の開催地問題等を考慮して、三年以内に結論を得るもの」とされております。これは一昨年八月三十一日において「三年以内」ということでございます。したがいまして、今言われました軽井沢以北のフル規格かミニ新幹線かという問題につきましても、そのような基本スキームに従って鋭意検討を進め、適切な結論を得たいということでございます。
○清水分科員 今総括審議官から指摘をされております、一昨年から数えて三年以内、九八年の冬季オリンピック絡みで云々、この点は私もよく承知しております。そこで、今せっかく大塚総括審議官にその点に触れていただきましたので、この機会に私の方からも具体的に若干のことを申し上げながら、この点で少し明確に所信を承っておきたいと思います。
 一つは、「三年以内に結論を得る」ということになりますと、明年八月ごろが一つのめどになります。しかし、九八年冬季オリンピックの開催地を決めるIOCの総会は、明年六月に英国のバーミンガムで開かれる。それに先立って本年九月東京でIOCの総会が開かれて、事実上九十数名の世界のIOC委員の皆さんがおいでになって一定の判断をなさるというようなことがあり得る。したがいまして、かねてIOCとしては、非公式なことではありますが、東京−長野間を何とか一時間余りで結ぶ交通手段が確保されることが望ましいといった空気がございます。ですから、ことし九月はともかく明年六月を展望した場合に、明年の八月ごろまでにめどをつけるというのでは、これはタイムラグがあり過ぎてこのときの勝負には間に合わない。ですからやはりことし、平成三年度概算要求の決まるような時期、つまりことしの夏場には一定の長野までのめどをつけておく必要があるのではないかということが一点。
 いま一つは、高崎−軽井沢間の工期が六年と予定されておりますが、恐らくフル規格で軽井沢−長野間を建設するとすればその程度の期間を要するのではないか。そういたしますと、この点はお答えをいただきたいのですけれども、仮に私が想定するような六年くらいの期間を要するとすれば、これも逆算をすると、九八年二月のオリンピックですから遅くも九七年の秋ぐらいまでには営業線として使えるような状況にしておかなければならない。そうすると、逆算をしてこれまた来年度あたりから着工しないと、工期という物理的な面からいって間に合わなくなりはしないか、こういう見方がございますが、この辺どういう認識で対応なさろうとなさっておられるか、承りたい。
○大塚(秀)政府委員 長野までの新幹線の整備ということは、仮にこれを進めるとしますと、基本スキームにもございますように、オリンピックということを念頭に置かなければならないのは当然でございます。建設は始めたけれどもオリンピックに間に合わないというような事態になることは、当然これは常識の外でございまして、私ども工期その他もオリンピックに間に合うという前提で計算をしてこれを検討していくべきだ。したがいまして、今先生が言われましたようなオリンピックの開催の問題、それから工期の問題、オリンピックの時期の問題、総合的に勘案した上でこれをいつの予算に反映させるかということも含めまして今から鋭意検討するということでございますので、間に合わないということは考えていない、そういうことも含めて検討しますので御安心いただきたいと思います。
○清水分科員 非常に積極的な御発言をいただいておりますから、それはそれでそういう基本姿勢で今後も貫いていただきたいと思うわけであります。
 せっかくそこまでオリンピック関連という立場を重視されてお考えをいただいているとすれば、先ほどもちょっと申し上げたように、例えば東京−長野間を一時間余りで結ぶ交通手段を考えた場合に、軽井沢以北は、ミニ新幹線だという話になりますと、どう計算をしても二時間近い時間を要する。そこでやはり、時速二百六十とかその前後と言われるフル規格で長野までを建設をする。こうしませんと何とかオリンピックをうまくやろうとせっかくお考えをいただいても、IOCのバーミンガム総会というハードルを、いわば越えることが非常に難しくなるのではないか。だからその辺のところも、これは答えづらいことなのかもしれませんが、十分念頭に置いて積極的に考えてもらわざるを得ない、こう思いますが、いかがですか。
○大塚(秀)政府委員 ミニかフルかの問題につきましては、フル規格ですと上野−長野間が私どもの想定では一時間二十二分、ミニの場合には一時間五十二分。しかしミニの場合も五十二分の短縮効果がある、それに対してフルの場合にはそれにプラス三十分、一時間二十二分の短縮効果がある、こういうことでございますが、一方ミニで建設しますれば軽井沢−長野間が六百億円の投資で済むわけでございますが、フル規格ですと三千億円プラスの三千六百億円かかる。こういう財源問題、時間短縮効果、地元の動向、採算性、在来線の扱い、いろいろと検討すべき問題が山積しております。しかし、これから鋭意そういう問題を総合的に検討したいと思っております。
○清水分科員 財源問題等も今指摘をされましたけれども、長野県初め北陸各県、あるいは沿線の各地方団体は、国の定める方針に沿うて、財源負担というものは容易ならざることではありますけれども、しかしこの際何とかしようということで、それぞれの議会の了解を得ながらフル規格で負担をしようという気になっているわけですから、そういう地元の熱意といいましょうか感覚といいましょうか、こういうものも大事にしていただかなければならぬ、こう思うわけでございます。
 大野運輸大臣の御尊父は東海道新幹線に並み並みならない努力をなさり、最終的に政治決断もされたという歴史的経過を残しておられるわけでございますが、今私の申し上げているようなことについて、大臣としての所信をひとつ聞かせてください。
○大野国務大臣 先生が非常な熱意を持ってこの軽井沢以北の問題、これは確かにオリンピックという一つの物理的な制約をされたものでございますからやはりそれに間に合わなければ意味がございませんし、また同時に長野県、その周辺だけからオリンピックを見に来るのでははっきり言って意味ないし、そうなるとやはり新幹線というのはだれしもが速いんだ、快適なんだというイメージを持っていて、ミニ新幹線、これは苦肉の策の部分もあるでしょうけれども、条件さえ整えばそれは当然フル規格でやることが社会資本の整備であると同時に、国民がひとしく享受し得るものでなければならないし、同時にやはり均衡ある国土発展、そして地方の活性化、いろいろなことを考えて、オリンピックだけで終わるなら別問題ですけれどもそうじゃないのですから、私はそういうような気概でこの問題を進めていきたい、検討したいと思っております。
○清水分科員 その点はぜひ、意欲的な今の大臣の決意が、今後来年度予算編成をめぐる概算要求の時期、これが一つの山になることは間違いないと思うので、そういうときに向けて大いにひとつ、総括審議官はもとより、省を挙げて御努力をいただきたい、強く御要望をいたします。
 さて、その関連もあるわけでありますが、次に高崎−軽井沢間の工事費について若干お尋ねをしたいと思います。
 平成二年度の予算案は今審議をしているわけであります。しかし、その予算案に盛られているものは、総工事費百九十億円、しかしトータルでは二千九億円、努力の跡は認められますけれども、それにしても平成三年度以降、相当踏ん張ってもらわないと六年の工期は達成できない。そこで明年度予算あたりでは、まあ五百億ぐらいの工事費が計上される、このくらいの意気込みでないと間に合わないのではないか、これが一つ。
 それから問題は、平成二年度までは運輸省所管の公共事業枠内の操作というような形でやりくりをしてきたが、これはどう考えてみても僕は限界じゃないかと思うのです。そうだとすれば、この際は別枠を確保せざるを得ないと思うわけでありますが、いかがでしょう。
○大塚(秀)政府委員 高崎−軽井沢間につきましては、来年度が三年目になるわけでございますから、工事費が相当増額になるという予想はされます。したがいまして、それについてどういう予算要求をするか、かつ私どもの運輸省の予算の中でどうおさめて要求するか、大変頭の痛い問題でございますが、これから一生懸命取り組みたいと思います。
○清水分科員 そこで、耳寄りな話ということはありませんけれども、ことしの一月二十三日の某紙に、某紙と言わなくて朝日新聞と言ってもいいのですが、出たコピーを今私は持っています。これは各紙に出ていますが、二十二日に大蔵省の首脳、これは橋本大蔵大臣だと思いますが、記者会見をやってこういうことにも触れているのです。
 「(北陸新幹線高崎−軽井沢間)の建設費は現在、既存の鉄道防災費など、運輸省所管の公共事業費の枠内でこなしている。しかし、平成三年度以降もこのままでいいのか、話し合う必要は出てくるだろう」と言っている。どう話し合うのか、少なくとも来年度以降は、つまり平成三年度以降は、工事が本格化をすれば公共事業費の上限を決めるという現行方式では費用が賄えなくなるのではないか。そこで、シーリング撤廃という点も含めあるいは見直しということを含め、話し合っていかざるを得ないと、かなり前向きというか積極的というか、そういう所信も述べているわけです。
 私は、何も日米構造協議でアメリカからあれこれ言われたからどうこうというようなことを言うつもりはいささかもありませんが、先ほど大臣がいみじくも述べておられるように、新幹線の持つあるいは新幹線の果たす役割、機能というのは、国土の均衡ある発展に寄与することはもとより、国民経済という視点に立っても、地域経済の活性化という立場からいっても、非常に大きなメリットを提供するのではないか。とするならば、やはりそういう視点で、運輸省としても、大蔵省の首脳がそう言っているわけですから、かなり積極的に予算要求をする、このくらいの決意を持ってもらうことが必要なときを迎えているのではないか、こう思いますが、いかがでしょう。
○大塚(秀)政府委員 新聞記事は私も読ませていただきましたが、記事以上の事実については私どもその後聞いておりません。ただ、今後の予算要求の作業を見きわめまして、私どもも鋭意努力をして知恵を絞らなければならないと思っております。
 昨年一月の基本スキームにおいては、「国の財源については、運輸省所管の公共事業に配分されるべき予算の一部を転用することとする」となっておりますので、こういう基本スキームに従いつつ、かつどのように要求すれば着実に整備ができるか、この辺について私どもこれから鋭意検討したいと思っています。
○清水分科員 大臣としては今の点、いかがですか。
○大野国務大臣 いずれにしても財源というものを、確固たるものを見出さないことには何事もできないわけでございます。そこで私も大蔵大臣ともども、これは非公式ですからこの場で申し上げるわけにいきませんけれども、御指摘のように日米構造協議、アメリカから言われてどうのこうのということではないと思うのですね。ですからその点も踏まえて、これから予算でも上がると多少時間の余裕もあり、話も進むようにしようということで話し合っております。
 これは何としてでも、今おっしゃられた問題のみならず運輸行政一般についてもしなければならないことはたくさんございますので、その中で特に、先ほど申し上げましたように整備新幹線は北陸のみならず全国的にございますので、それらも踏まえ、財源の確保に全力を尽くすところでございます。
○清水分科員 若干時間がありますからつけ加えさせていただきますと、今大臣が述べておられますように、短い時間でしたから主として軽井沢−長野間をどうしますかということでお尋ねをしたわけですけれども、もともと整備計画が生きている以上、首都圏と近畿圏を結ぶ北陸新幹線、内陸地帯を通り日本海に抜け、いわば北陸三県を通って関西圏に結ぶ、これはさっき申し上げたような国策という面からいっても非常に意義のある路線ではないか。
 かてて加えて、東海道新幹線がかなり老朽化の度というか疲労度が増してきている。あるいは東海地震などという懸念もたびたび指摘をされておる。一朝有事に備えて北陸新幹線が存在をしているということは、一面ではその地域の活性化を図るという機能を持つことは言うまでもありませんが、東海道新幹線のバイパス的な役割を果たす、そういう機能も一面ではある。
 いずれにしても、大臣が触れておられるとおり、いわゆる国土の均衡ある発展を図るために、今日的に言うと、この種高速交通手段の存在を抜きにして語れない時代を迎えておるわけでありますから、そういう意味で、決して長野までということを言っておりませんが、当面三年の間に、長野までについてはオリンピック絡みで結論を得るものとするとなっておるもので、当面その点についてお尋ねをしているわけであります。引き続き、今私が申し上げたような角度について、全体的な展望を持っていただきながら、努力を惜しみなく発揮をしていただきたいと思っているわけでありますが、担当の総括審議官としてどのような抱負経綸を持っておられるか、ひとつ声高に聞かせていただきたい。
○大塚(秀)政府委員 二十一世紀まであと十年、二十一世紀になお国民生活の中で重要な役割を果たす鉄道ということを考えますと、やはり新幹線ネットワークということも極めて重要ではないかと考えております。したがいまして、私ども、ようやく長年の懸案である整備新幹線問題について基本スキームができましたので、この基本スキームに従って二十一世紀を見通しつつ着実に整備していきたい、そういう気持ちで今後とも精いっぱい努力させていただきます。
○清水分科員 先ほどの大臣のお答えの中で、ミニ新幹線といわず、まあ条件が許す限りフル新幹線でいくべきものだ、その後は今の総括審議官の所信も承りました。ともかく時間がだんだん少なくなっておりますから、九月のIOC東京総会、来年六月のバーミンガム総会をにらみながら、この勝負どころを生かしていただくように期待をいたしまして、私の質問を終わりといたします。
 ありがとうございました。
○新盛主査代理 これにて清水勇君の質疑は終了いたしました。
 次に、古堅実吉君。
    〔新盛主査代理退席、伊吹主査代理着席〕
○古堅分科員 現在、那覇空港は、隣接する自衛隊基地、P3C対潜作戦センターの建設とか新たな弾薬庫の建設などで基地が強化され、復帰の際に民間専用空港として充実強化していくという約束とは逆の方向が強化され、県民からもそのこと自体重大問題だというふうに言われ続けております。本日はこの問題にかかわって主として質問していきたいと思いますが、大臣もお見えでありますのでこの際ぜひとも確認しておきたいことがございまして、きょうの主題ではありませんけれども、最初にお聞きしたいと思います。
 在日米軍がことし八月に沖縄周辺の上空に巨大な臨時訓練空域を設定して、大演習を計画していることが明らかにされております。米軍の申し入れに対して運輸省も当初は難色を示したようでありますけれども、民間機への影響はないとの米軍からの再度の要請を受けて、担当官レベルで調整しているという報道もございます。運輸大臣、その演習を認められるおつもりですか、最初にお伺いいたします。
○丹羽政府委員 ただいま先生のお言葉にもございましたけれども、米軍の沖縄の演習の問題につきましては、今現地レベルでの調整が行われている段階でございますので、まだ結論が出ておりません。
○古堅分科員 沖縄周辺上空の米軍演習では、例えば運輸省との合意が得られない中で強硬に実施した八八年八月のウイング・EX・マグタフ88演習、これは米海兵隊を中心に空軍、海軍の三軍の大規模な演習でした。さらには、毎年十一月から十二月にかけて実施しているビーチクレスト演習、これが最近の実例でありますけれども、これらすべてが民間機への影響を与えないと言いながらも実際には影響を及ぼしてきました。
 過去、米軍がこの種の演習をやる場合、民間機への影響がないなどと言われたが、その演習による影響というのは避けられなかった。ましてや八月となると、沖縄の民間航空の運航はパニック状態、このように言われるほどのすごさです。民間航空の安全航行に第一義的に責任を負われる運輸省としては、この問題については決して演習一般ということではないと考えます。まだ現地の調整中ということでありますが、このことは何もきのう、きょうのことではございません。前にも既に質問もされ、運輸省当局としてもそれなりのこの問題についての基本的な見方もあろうかと思います。大事なことですから、大臣からそのことについての基本的な、民間航空の安全を確保する責任ある立場からの御見解を承っておきたい。大臣、お願いします。
○大野国務大臣 運輸行政というものは、私は、陸海空いずれを問わず安全ということが要諦であり第一義でなければならないということで、いつも口を酸っぱくするように言っております。
 先ほど御指摘のことしの夏行われるという米軍の演習も、今局長が答弁いたしましたように、今事務レベルで現地で十二分にその点を配慮して話し合っておるところでございますし、その結論を私まだ聞いてないわけでございますので、今ここで何とも言いようがございませんけれども、何といっても安全の確保ということを考えて、それから私はこの問題、結論を得たところで答えを出したい、こう思っております。
○古堅分科員 この問題が国会で質疑となり明らかにされるに及んで、現地沖縄では大問題になりました。御存じかと思いますが、現地における報道関係も挙げてこの問題を大々的に報道し、そういうことが許されるかという立場から重視しています。民間の航空に安全を旨としての責任を持たれる立場から、この問題について県民のそういう重大な関心とそういうことを許してはならぬという願いにこたえて、ぜひ厳しく対処していただくよう強く要求して、先に進みます。
 次に、第六次空港整備計画にかかわる問題について質問しておきたいと思います。
 一つは、那覇空港のターミナル統合問題を含めた空港全体の整備計画の問題ですが、那覇空港の管理施設は、空港周辺の地図を見ればわかりますように、空港の北側の隅の方でターミナル、エプロン等がひしめき合っております。しかもターミナルは、国際線、国内線、離島線と三つに分散しています。そのようなターミナルのあり方は沖縄以外全国どこにもないのではないかとも考えられます。そのために、一つ、利用者の利便性を欠く、二つ、本土線のエプロン地区が空港管制塔から見えないなど、大変不便で危険をも伴う状況にある。運輸省は、こうした那覇空港の変形的な実態についてどう考えておられるのか。利用者の安全性や利便性を考えた場合、早急に解決しなければならない問題だと考えておりますけれども、それらについて御見解を承っておきたいと思います。
○丹羽政府委員 ただいまの那覇空港のターミナルの問題でございますけれども、ターミナルビルは、昭和四十七年の返還以来、この空港の航空需要の増大に対応いたしまして拡張を重ねてきました。その結果、ただいま先生御指摘になりましたように、分散配置を余儀なくされておりまして、現在では特に本土線ターミナルビルが狭隘化いたしまして混雑が増大しているという現状でございます。
 それで私どもといたしましては、これらの問題の解消を図るために何らかの対策を講ずることが必要だということは認識しておりまして、現在いろいろな検討を進めているという段階でございます。
○古堅分科員 これは、第六次空港整備計画にきちっと位置づけて検討を進めるということですか。
○丹羽政府委員 第六次空港整備五カ年計画はただいま航空審議会で御議論いただいているところでございますが、この空港のターミナル整備の問題に関しましてはその御議論の結論を踏まえて行うという面もございましょうし、また関係者の調整などできる問題もあれば並行してやるというようなこともございましょうし、これからいろいろ柔軟に対応していく問題だと思っております。
○古堅分科員 よく理解しにくいのですけれども、第六次空港整備計画を待たずに、あのターミナル全体としての将来を考えてのそういう計画というものが可能ですか。
○丹羽政府委員 航空審議会の今までの御答申といいますか空港整備につきましては、特に地方空港の整備の問題につきましては、基本的な方針問題が航空審議会での結論として示される部分がございます。それで、その方針を受けまして具体的な施設をどういうふうにしていくかというのは、それをどのように実施していくかという問題になると思いますので、いろいろなタイミングをはかりながら考えていく問題ではないかと思っております。
○古堅分科員 私の疑問、私の受けとめ方が弱いのか存じませんが、第六次空港整備計画の結論を待たずに、那覇空港ターミナルというのはこのようにきっとつくるんだということについても運輸省としては進められるのか。六次空整を待たなければ、部分的な手直しとかいうことはできるんだが、全体像をどうするということは六次空港整備計画を待たなければできない、そういう関連があるのかということをお聞きしておるのです。
○丹羽政府委員 空港のターミナル部分の整備の問題につきましては、需要に対応してその整備をするという方針を現在までの各五カ年計画の中で方針問題としてはずっと踏襲してきている話でございますから、関係者との調整とかそういったようなことで先行きの見通しが短期間につくような問題であれば、それはそれなりに早くできるものであれば対応していきたいと考えております。
○古堅分科員 これまで聞いてきているところによりますと、空港ターミナルの駅は滑走路の中央寄りに、中央の側に寄った方向に設置するのが理想的だというふうに伺っております。このターミナルの位置を検討する場合でも、自衛隊の那覇基地の存在が支障となっておっていろいろと制約を受けるのかどうか、そういうことについての懸念がございます。そういういわば限られた範囲内での検討ということになるのでしょうか、お伺いします。
○丹羽政府委員 那覇空港のターミナルの整備の問題の検討につきまして、それに関連しまして自衛隊の関係ということで制約されるとか、そのような話は伺ったことはございません。
○古堅分科員 そういう自衛隊がおるがゆえに、こうなければいけないというターミナルの位置、建設の問題について自衛隊との関係で制約を受けて、残念ながらという形でのまされるような計画に絶対なってはいかぬというふうに思うだけに、そういうことを念頭に、ぜひ県民の願いにこたえる立派なターミナルづくりに早目に努力を進めてほしいというふうに要望申し上げておきます。
 次に、全運輸労働組合が去る四月十四日、民間空港の安全確保と空の過密緩和の見地から、米軍進入管制区や軍用訓練空域の削減と見直しなど、十六項目から成る「第六次空港整備への提言」を行っております。御承知のように、沖縄の周辺には嘉手納RAPCONを初めウォーニングエリアという米軍専用空域があり、民間空港の安全航行上重大な障害となっております。
 きょうは時間もございませんので、具体的に個個にわたる突っ込んだ質問はできませんが、全運輸労働組合が提言している米軍進入管制区や軍用訓練空域の削減と見直しについて、運輸省当局としてどういう見解をお持ちか、伺いたいと思います。
○丹羽政府委員 全運輸労働組合の提言ということとは別に、嘉手納RAPCONの返還を含みます米軍による進入管制業務、そういったものの返還の問題につきましては、運輸省としては既にその進入管制業務を十分実施し得る能力を備えておりますので、昭和六十三年五月に開催されました日米合同委員会の下部機関でございます民間航空分科委員会、そこにおきまして米軍に対してその返還を要請しております。
 これに対して、米軍はただいまのところは運用上の所要にかんがみまして、本件の返還は極めて困難という見解を示しておりますけれども、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今後とも外務省とも協議しながら米側との接触を含めて適切に対処してまいりたいと考えております。
○古堅分科員 これはただ単に責任ある運輸省がそういう立場を取り戻すということだけじゃなしに、我が国の主権にもかかわる大事な面を持たされたものです。おっしゃるような立場を踏まえて、強力に推進してほしいというふうに要望申し上げておきます。
 次に、自衛隊と共用空港となっている那覇空港の使用実態について、運輸省は従来から、民間空港の安全の立場から考えたら決して好ましいものではないという見解を表明してきておられますが、この考え方は現在も同様の認識に立っておられるかどうか、そのことを確認しておきたいと思います。
○丹羽政府委員 一般論として申し上げますけれども、自衛隊の使用する飛行場と民間の使用する飛行場は分離されていることが望ましいと考えております。その意味で、那覇空港におきましても、こういう問題を長期的には検討することはあり得ると思いますが、現在のところはその共用をやめるという考え方はございません。
○古堅分科員 自衛隊基地と共用していると、たとえ民間空港が主体であっても、どうしても軍事優先の管理運用がされるのではないかという率直な私たちの懸念がございます。
 そこで、まず初めにお聞きしたいのですけれども、那覇基地には常にスクランブル態勢をとっている要撃機F4戦闘機が配備されておりますし、そのための日常の訓練や演習も行われております。こうした航空機と民間機とのかかわりにおいて、運輸省は防衛庁と協定を結んでおります。この協定は昭和四十七年三月改定されているはずであります。その内容を見ますと、スクランブル等を命じられた航空機に対しては、以前は優先権が与えられていたものを、便宜を図ることに変更されております。
 そこで、お尋ねしますけれども、優先権から便宜を図るということに変更したのはどういう理由からなのか、改めてそのことについての説明を求めます。
○丹羽政府委員 ただいま先生の御指摘のその問題は、昭和四十六年七月に発生いたしましたいわゆる雫石事故がございますが、その雫石の事故を契機といたしまして、中央交通安全対策会議のその決定でございます航空交通安全緊急対策要綱によりまして、先生の御指摘の覚書につきましては、航空交通安全確保の見地から白紙に戻して速やかにその結論を出すこととなりまして、その覚書が航空交通の安全確保に重点を置いたものに改正されたことによるものでございます。
○古堅分科員 ここで言う優先権ということと便宜を図るということの意味がどう異なるのか、そこのところの説明を求めます。
○丹羽政府委員 優先権を与えるというのは文字どおり優先権を与えるということだと思いますが、便宜を図るという問題につきましては、要撃機等以外の航空機の安全に支障のない限り、すなわち航空交通の安全を確保しながら、要請に係る要撃機等の任務を尊重し、かつ、当該要請の内容をも勘案して状況に即した適切な措置をとることとしている、そういうことでございます。
○古堅分科員 あくまでも要撃機の出動に支障のない限りというものが前提となりますか。
○丹羽政府委員 要撃機等以外の航空機の安全に支障のない限りという前提でございます。
○古堅分科員 管制上の便宜を図るということ、これはあくまで民間の航空機の安全に支障のない限りにおいての便宜ということだと思いますが、どんな事態があっても民間機の優先権を貫くということははっきりここでおっしゃれますか。
○丹羽政府委員 民間機なら民間機のその要撃機等以外の航空機の安全という問題につきまして極めて大事に考えているということでございます。
○古堅分科員 自衛隊機がスクランブル態勢に入ろうとする場合に、運輸省は多くの場合、民間機の安全を確保する立場から民間機の離陸、着陸を待機させる、そういうのが通例ではなかろうかというふうに考えますが、スクランブルしようとする自衛隊機を民間機の計画に合わせて待機させるということは実際上ないんではないかというふうに考えます。民間空港と自衛隊空港が共用した場合、民間機の安全確保の名のもとに結果としては自衛隊機優先の措置がとられるということが、いわば共用の空港の持つ宿命的なものとして、現実のものとしてはそうなるんじゃないかというふうな懸念がございます。御説明を求めます。
○丹羽政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもは民間機の安全の問題ということを最大限に考えているということで、その結果が優先権を与えるとか与えないとかという問題ではないと思います。
○古堅分科員 自衛隊機のスクランブルがかけられる、その場合との関係においては実際の運用の面ではどうなりますか。例えば民間機がそれなりの計画に基づいて離陸を準備した、スクランブルがかけられた、そういう民間機が相次いで離陸をする、それの順番を待ってその上で自衛隊機は離陸していくということになるんですか。
○丹羽政府委員 具体の例はつまびらかでございませんが、先ほどから申し上げておりますように、要撃機等以外の航空機の安全に支障のない限り、すなわち航空交通の安全を確保しつつ、要請に係る要撃機等の任務を尊重し、かつ、当該要請の内容をも勘案して状況に即した適切な措置をとる、これが便宜を図る内容と心得ております。
○古堅分科員 那覇空港はP3C対潜センター建設、自衛隊基地の弾薬庫などの基地が強化されるようになるなど民間専用には逆行する方向が進んでおります。自衛隊の基地強化は、基地の中ばかりでなしに、運輸省の管理する用地まで及んできているのが実情です。運輸省の管理する区域で自衛隊が一時使用している施設、区域の面積はどのくらいですか。また、それはどういう施設ですか。
○丹羽政府委員 ただいまのところ、運輸省管理用地で防衛庁に一時使用を認めている土地の面積は七万九千平米でございます。それで、そこは航空機の駐機とか倉庫、そういったようなものに使っております。
○古堅分科員 今申しましたように、那覇空港は民間専用空港の約束や県民の願い、そういう方向とは逆の方向に行きつつある自衛隊基地の強化、そういうものが重大問題となっておりますが、今度はP3Cが配備され、十機もずっと常駐していく、そういう方向が進んでおりますし、先ほど防衛庁に質問をしましたら、その十機にとどまるということにはならない、あるいは二十機配備されるということもあり得るようなことも示唆しております。そういうことからしますと、一層それにかかわる土地や施設、そういうものが増設などして強化される、そういうことも予想されます。そういうことはあの那覇空港を預かる運輸省として、そのままその方向を容認される、そういうおつもりですか。
○丹羽政府委員 運輸省の管理区域内に自衛隊の施設が、ただいま申し上げたように一時使用を認めているものはあるわけでございますが、これの取り扱いにつきましては、施設をつくるなり増設するなりのその必要性につきまして、防衛庁と十分調整いたしまして、それで民間航空の運航に支障のない範囲内で認めているところでございます。
○古堅分科員 御存じのように弾薬庫の増設も今は進められようとしております。全体としてこれでいいのかということが安全の面からも求められている、民間専用化の方向という面からも極めて重大です。この弾薬庫増設の問題については運輸省の立場からどう受けとめておられますか。
○丹羽政府委員 まず、運輸省管理地内の話は、先ほど申し上げましたように民間航空の運航に支障のない範囲内という限定で私ども考えておりますので、そこで特に民間航空に対しての支障が出るという話はないと思います。
 それから、その弾薬庫問題は、私ども内容をつまびらかにしておりませんけれども、私どもの管理地外の問題であると考えております。それで仮にそこで先生の御指摘のようなことがあるんだとすれば、それはそこを管理しております自衛隊あるいは防衛庁の方で安全な管理をするという建前で行われているものと考えております。
○古堅分科員 弾薬庫というのは、これは事故が起きてからではもう遅いんですよ。直接運輸省が管理する敷地内ということではなくても、あの那覇空港におる自衛隊機との関連においてつくられている弾薬庫です。そういうものについて、ただ単に基準の問題を持ち出して安全だろうなどとかいうふうなそのことは、直接命にかかわる国民の側からは断じて許せない、そういうのが県民、国民の立場だと思います。それでも今進んでいるそういうものは安全だろうというふうにして言い切ることができるのですか。
○丹羽政府委員 先ほど申し上げましたとおり、その弾薬庫の話につきましては私ども詳細に知るすべがないわけでございますけれども、この弾薬庫の設置につきましては、火薬類取締法、そういった関係法令とか、それから建築基準法に基づきます関係法令、そういった形の法令上の措置が全部とられていると伺っております。それで、先ほど申し上げましたように、これを管理しております防衛庁あるいは自衛隊におきまして安全に管理していけるものだと考えております。
○古堅分科員 最後に、最初から強調いたしましたけれども、民間空港の安全確保を最優先に考える立場にある運輸省として、今進んでいる弾薬庫の設置とかP3Cの基地としての強化とか、そういうものはどう見ても民間専用空港としての那覇空港を整備充実していくということには逆行する方向です。これは安全という面からも、七百五十万の人々が現在においても出入りする全国で有数の飛行場です。そういう面からも国民の命にかかわる問題です。
 そういう立場を踏まえて、自衛隊、それとの関連において運輸省がどれだけ国民の立場に立って頑張れるかどうかが問われている大事なときです。運輸大臣、もう一度県民、国民の願いにこたえて那覇空港の安全の問題、民間専用空港の問題、それについて支障になるものとの関連ではきちっとした姿勢を持って努力していく、そういうことについての御見解が表明できるかどうか、最後に大臣にお聞きしたい。
○大野国務大臣 私は、冒頭申し上げましたように、いずれにしても安全の確保ということを最優先に考え、そこからいろいろな物事が出てきたときにその時点で考えていこう、こう思っております。
○古堅分科員 終わります。
○伊吹主査代理 これにて古堅実吉君の質疑は終了いたしました。
 次に、河上覃雄君。
    〔伊吹主査代理退席、主査着席〕
○河上分科員 私は、陸運支局並びに自動車検査登録事務所の分割の件につきまして御質問をいたしたいと思います。
 まず、支局並びに登録事務所等の業務の内容につきまして御説明いただきたいと思います。
○松波政府委員 お答えいたします。
 今先生御指摘の自動車検査登録事務所の業務内容でございますが、そこにおきましては、陸運支局の所掌事務のうち管轄区域にそれぞれ区域が分かれておりますけれども、基準への適合性の自動車の検査だとか、あるいは所有権を更新しますところの登録に関します事務のほか、自動車の整備命令等自動車の整備に関する事務の一部を所掌いたしております。
○河上分科員 先日、埼玉県の春日部事務所が誕生しているわけでございますが、このような登録事務所が新たに設置される場合の基準についてお伺いしたいと思います。
○松波政府委員 お答えを申し上げます。
 まず、一般的な考え方を御説明申し上げたいと思います。
 先生御案内のように、モータリゼーションの進展等によります自動車の検査業務量の増大に対しましては、我々基本的には指定整備制度、いわゆる民間車検と申しておりますけれども、それを活用して検査の合理化に努めてきているわけでございます。このように民間車検制度を活用いたしまして検査業務の合理化を図ってもなお自動車検査場におきますところの業務量の増大が避けられない場合には、検査コースの増設によりまして対応をいたしてきております。
 しかしながら、当該地におきまして増コースのための用地確保が隣接地の状況等からできないなど、検査コースを増設することが極めて困難な場合には、別の場所に自動車検査登録事務所の新設をすることにつきまして検討をされることになっておりますが、この場合においては三つのポイント、留意点を我々心して当たっておるのであります。
 まず第一番目に、新設しようとしますところの自動車検査登録事務所の管轄区域におきますところの車両数の伸び、それが著しくあるか、あるいは年間業務量が非常に多いこと。第二番目でございますけれども、新設しようとしますところの自動車検査登録事務所の管轄区域が、現在の自動車検査場から遠隔地にあるなど地理的に不便な地域であって、一定のまとまった経済圏を形成しているものであること。第三番目でございますが、自動車検査登録事務所を新設することによりまして業務処理の円滑化及び利用者利便の向上が図れるものであること。以上、三点を申し上げましたけれども、そういうような諸点を総合的に勘案しつつ自動車検査登録事務所の新設の可否について検討をすることといたしております。
○河上分科員 過日分割されましたこの春日部事務所、その場合、以前は埼玉支局に位置したわけでございますけれども、この埼玉支局につきましてのまず車の保有台数はどれくらいあったのか、そして車検扱いの台数は、さらに一日の検査の台数、そしてそこにおける職員数、これらの実態について教えていただきたいと思います。
○松波政府委員 お答えを申し上げます。
 今御指摘になりました埼玉陸運支局管内の年度末といたしましての最新データでございます平成元年三月末現在におきますところの実態を申し上げたいと思います。
 まず、最初に御質問にございました登録自動車の保有台数でございますが、九十七万六千台でございます。次に、六十三年度の実検査台数でございますけれども、二十三万五千台でございます。さらに御質問にございました一日当たりの実検査台数でございますが、これも六十三年度でございますけれども、八百七十一台。それから、最後に御質問ございましたここにおきますところの検査登録要員数は、四十二名でございます。
○河上分科員 新たに登録事務所等を開設する場合の用地確保の観点からお伺いしたいと思っておりますが、その場合に、必要な面積というのはどのぐらいになるのでしょうか、また当該市町村のかかわり方の問題、そしてさらに、費用負担についてはどのように措置をなさるのか、この三つの観点からお伺いしたいと思います。
○松波政府委員 お答えを申し上げます。
 一般的な考え方をお答え申し上げたいと思いますが、いろいろな検討をしました結果検査登録事務所を新設することとなった場合に、必要な敷地面積につきましては、例えば当該予定管轄区域におきますところの、先ほど来申し上げております検査対象車両数等からどれだけの実検査車両数が出るのかというような推定、あるいは我々の指針でありますそれらを見まして、自動車検査場の施設基準というものをつくっておりますけれども、それに基づきまして必要な用地面積を算出することにいたしております。
 それから、先ほど三点とおっしゃいましたが、市町村との関係、費用、ちょっとまとめて申し上げますけれども、こういうような用地が確保できる場合におきましては、用地購入等事務所新設に係る費用につきまして、我々の特会でございますところの自動車検査登録特別会計から拠出いたしておりますし、これらの拠出に当たりましては、市町村との間におきましては協調、協力といいますか、こんなことをしながらやってまいっております。
○河上分科員 今いろいろとお伺いいたしましたけれども、それら御説明いただきました基準や諸条件をもし満たしているとするならば、運輸省としてはどのような手順で事務所の新設の具体的な準備に入られるのか、また、準備から完成までの期間をお示しいただければと思います。
○松波政府委員 お答え申し上げます。
 今御質問の中に、諸条件が満たされている場合、この辺を判断するのが一番難しいのでございますけれども、一般論としてお答えさせていただきたいと思います。
 事務所の新設に当たりましては、先ほど来申し上げておりますような周辺の事情、例えば急激な人口増等によりまして保有の台数、検査対象車両数の増加が著しく、また大幅な増加が見込まれる支局が対象となりますけれども、その場合におきましても、先ほど民間車検と申し上げましたが、指定整備制度の活用あるいは検査施設の増設等の方法によっても検査需要に対応し切れない場合に限りまして事務所の新設、その必要性につきまして慎重に検討いたすこととしております。しかしながら、第一義的には、この問題を抱えておりますそれぞれの地の運輸局が行うことが先決かと考えております。
 それで、各運輸局におきましては、この問題につきまして、関係業界、地方自治体との間の意見のまとまり、あるいは付近の住民のコンセンサス等について十分検討しながら運輸省に上申されるのが通例になっております。また、運輸省におきましては、これらの報告を受けた場合におきまして、運輸省としてその必要性等についてさらに総合的な見地から検討いたしまして、事務所を新設することが妥当と判断した場合には予算上の措置を講ずるようにいたしてきております。
 それから、先ほど期間のことをおっしゃいましたが、我々、普通の予算の例でございますと、要求いたしまして三年を要する状況でございます。
○河上分科員 そうした分割を必要と判断した場合に、同じような状況、状態、基準を満たしているものの中に例えば五つあれば、その優先順位というのはどういうふうに御決定なさるのでしょうか。
○松波政府委員 お答え申し上げます。
 優先順位をつけるということは、いろいろなことを勘案しなければいけないわけで、なかなか難しい御質問かと思いますけれども、一般的なことを申し上げますと、原則といたしましては、事務所新設に当たってのルール、考え方を先ほど来御説明申し上げましたが、それに沿いまして、当該事務所管内の保有車両数あるいは各種業務量等を詳細に検討の上考えていくことになりますけれども、最終的な決定に当たりましては、さらに事務所の管轄区域の範囲がどうかとか、事務所の設置する場所がどうかとか、その事務所設置に当たりましての用地の確保がどうかとか、いろいろな諸条件につきまして判断することになっております。
○河上分科員 現在、全国で百万台を突破しているような事務所数は幾つありますでしょうか。
○松波政府委員 お答え申し上げます。
 今先生から保有台数が百万台ということで御質問がございましたけれども、専門的で恐縮でございますが、一事務所の管轄区域内の保有台数という中に、登録自動車の台数と小さい車でございます軽自動車というのがございます。この軽自動車は軽自動車検査協会というところでいろいろ手続をしておりますので、今お答え申し上げますのは、登録自動車の保有台数について百万台を超えている事務所について、しかも、時点といたしましては平成元年三月末現在をもちまして御説明したいと思います。
 全国で二カ所でございまして、具体的には、一つは、神奈川陸運支局でございまして百十万九千台でございます。もう一つは、愛知陸運支局でございまして百二十八万台でございます。ちなみに、相模等もその中にありますが、百万台を超えているのは今の二カ所でございます。
○河上分科員 これは観点が少し変わりますが、例えば新しい事務所設置に伴いまして新ナンバーが当然つくわけでございますけれども、このナンバーの名称のつけ方、これはどのような手法でお決めになられるのでしょうか。
○松波政府委員 お答え申し上げます。
 今御質問ございましたナンバーの名称につきましては、使用の本拠地、これは車庫というようなことになろうかと思いますが、その使用の本拠地を管轄いたします陸運支局等を表示する文字を入れることになっておりますけれども、その場合のナンバーの名称の表示につきましては、基本的には、当該事務所が所在いたしますところの名称を表示することになっております。
 その考え方を申し上げますと、まず第一に、事務所の所在地の名称といたしましては、その事務所が市及び特別区にございましてはその名称、町村にございましては郡の名称または町村の名称のうち一般に判別しやすいものを用いることとしております。しかしながら、この場合におきましても、他と紛らわしいと申しますか非常に判別しにくい場合、不適切と認められるときには旧国名等判別しやすい名称を用いることもございます。
○河上分科員 例えば、かなり一般的に呼称されておりますその地域、少し広域性を持つような名称、しかも生活の中で日常的に使われておるような名称、これも該当しますでしょうか。その方面等の呼び名、これが生活の中でも溶け込んで日常的には使われておる、こうした場合のナンバーの名称ですが、これは採用される可能性がありますでしょうか。
○松波政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま基本的な考えを申し上げましたけれども、先生が御質問のそのつけ方の中で我々も今のような考え方の中から、例えば例を申し上げますと、東京の例でございますが、多摩自動車検査登録事務所というのがございます。国立市にございますけれども、「多摩」という名称を使っております。
 いずれにいたしましても、そのルールに抵触しない範囲で、かつ、これは地域地域の住民の方々のコンセンサス等いろいろ要りますので、そういう総合的な判断の中から名称がつけられるものと考えております。
○河上分科員 質問の趣旨をもう少し明確に申し上げますと、例えば大阪には「なにわ」というのがあります。平仮名で書かれておると思いますが、こうした呼称が生活の中で幅広く溶け込んでおる。こうした場合にはそうした名称も今後も採用される可能性は十分あるのでしょうかというものでございました。
○松波政府委員 お答え申し上げます。
 今御指摘がございました「なにわ」につきましても、先生御指摘のとおり「なにわ」という名称になっておりますが、これは先ほど来の考え方に基づきまして可能性としては持っておるものと考えております。
○河上分科員 それでは、今の総論的なお話を伺いつつ具体的に入らせていただきたいと思いますけれども、現在の相模登録事務所についてお伺いしたいと思います。
 まず、この相模登録事務所管内の車の保有台数を示していただきたいと思います。
○松波政府委員 お答えいたします。
 相模自動車検査登録事務所の現在の保有車両数について申し上げますと、九十九万七千四百台余でございます。これは平成二年一月現在でございます。
○河上分科員 この相模登録事務所の年間の登録台数及び検査数の実績についてお伺いいたします。
○松波政府委員 お答え申し上げます。
 御質問が二つございましたが、最初に登録業務の件数でございますけれども、六十三年度の実績で約四十四万六千件ほどでございます。次に検査業務件数でございますけれども、これも同じく六十三年度の実績でございますが、十八万九千件でございます。
○河上分科員 かなり多い台数だと思うわけでございますが、昭和五十五年を一〇〇とした場合、現時点における相模登録事務所の保有台数の推移についてお伺いするとともに、あわせまして神奈川県内にはあと横浜と川崎があるわけでありますけれども、その推移についても御説明いただきたい。あわせまして、全国のその指数についてもお尋ねしたいと思います。
○松波政府委員 お答えをいたします。
 最初に御指摘ございました相模の事務所におきますところの検査対象車両数でございますが、五十五年が約六十二万六千台でございますけれども、それを一〇〇といたしますと、平成元年十二月末現在で約九十九万八千台、指数で一五九でございます。
 それから次に御指摘ございました川崎でございますけれども、これはちょっと指数だけ申し上げますがよろしゅうございますでしょうか。五十五年度を一〇〇にいたしまして、平成元年十二月末でございますが一四八でございます。次に横浜でございますけれども、同様な処理をやりまして、平成元年十二月末は指数で一六三でございます。それから最後に御質問ございました全国でございますけれども、この数字につきましては指数で一三二でございます。
 以上でございます。
○河上分科員 いずれにいたしましても、相模登録事務所には厳しい状況にあることは数字の上からも明らかであると私は思っております。そしてまた、現在相模登録事務所の区域といいますのは神奈川県の中の三分の二以上の面積を占める広大なものとなっているわけでございまして、横浜、川崎に比しましてこれはかなりの大きさを持っております、もちろん山間部等を抱えているわけでございますが。そしてまた、この登録事務所の位置が相模管内における最北端に位置している。最近の道路事情等も考えますと、利用者の利便性という観点を大きく欠いているような実態にあるのではないか、このように思っております。
 さらにこの相模登録事務所管内というのは、現在県内におきましても人口の急増地域でありまして、これからますます横浜、川崎あるいは東京等からさらに移転者が続々と参っておるというような状況下にございます。この進展というのは非常に速いわけでございまして、加えて今後のモータリゼーションとあわせて考えればすぐに限界に達する直前にあるのではないか、こうした現状等の認識の上から次の質問をお伺いしたいと思います。
 そこで、以前この問題につきましては、六十三年に我が党の委員からも、当時石原運輸大臣でございましたがお尋ねしたことがございます。行革といっても必要なことはやる、このような答弁をその際いただいているわけでございますが、大野運輸大臣の御見解を伺わせていただきたい、こう思います。
○大野国務大臣 先ほどからのやりとりを聞いておりまして、相模事務所管内もパンク寸前、これからますますモータリゼーションの時代ですから減ることはまず考えられないということになれば、いずれにしてもどこかにつくらなければならない時代が来るであろうということは予想にかたくないわけでございます。
 そこで、湘南地区からもつくってほしいという御要望もございますしするので、それらの点を踏まえ、それと同時に、御指摘の今の事務所は北の方にあるし、住んでいるのは南の方が多いわけですから、やはりそこにつくらなきゃならないかなというようなことで今慎重に検討いたしております。
 ですから、石原運輸大臣がたとえ行革のさなかであろうともやるべきことはやるというのはこれはもう結構なことなんで、私もそういう気持ちでユーザーが――本当にえらい時間がかかるんですよ。ですから、岐阜にもついこの間飛騨というのができましたけれども、このようなぐあいで、やはり利用者の利便を図るということも大切だということをよく承知しながらやっていきたいと思っております。
○河上分科員 検討していただけるというお話でございます。現実的にかなり厳しい実態が直近にあるわけでございますけれども、もう一遍お尋ねしますが、運輸省としてこの相模登録事務所分割の方向性は御検討されているのでしょうか。その点、明確にお答えいただきたいと思います。
○松波政府委員 お答えをいたします。
 まず一般的な考え方を申し上げながら、この問題の対応についてお答えをさせていただきたいのですが、こういう検査登録事務所の設置につきましては、我々といたしましては行政簡素化の要請を受ける、こういう環境下におきまして、予算面あるいは組織、定員面等につきまして厳しい状況下にあることは先生御案内のとおりでございますが、そういう意味におきまして、ユーザー利便の調和も図りながら慎重に検討すべき課題であると考えております。
 他方また、相模事務所におきますところの検査登録等の業務量は増大してきておりますし、今後もこのような傾向が続くものと思われますことから、湘南地域におきますところの新たな事務所の設置につきましては、我々としてはこのような状況を踏まえて慎重に検討を行っているところであります。
○河上分科員 最大の問題は多分用地確保の問題ではないかと私自身も思っておりますが、この点につきましても複数の関連市が分割については積極的な姿勢を示しております。また、国の意思が明確になるならば用地確保の努力は惜しまないと地方議会においての質問に対しても答弁している市もございます。こうした実情を踏んまえながら、運輸省としては関連地元市との間で話し合う用意はあるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○松波政府委員 お答えをいたします。
 こういう事務所を設置するときは、いみじくも先生御指摘ございましたが、一つの大きなネック、解決しなければいけない問題は用地の確保でございます。そういう意味におきましては、関連の自治体等から先ほど来出ております湘南地域に新たに自動車検査登録事務所を設置する要望があることは我々も承知しておりますが、検査登録事務所を新設する場合におきましては、この用地を確保することが我々としては大きな課題でございますし、また問題でございます。またその前に、当該地に検査登録事務所を新設することの可否、必要性、あるいはその管轄区域をどうするか、いろいろな問題を考えなければいけないわけでございまして、それらの問題をいろいろ考えながら、我々用地問題等につきましては関係自治体と十分連絡をとりながら協力を得られるような方向で対処してまいりたいと考えております。
○河上分科員 もうお話が出ておりますが、いずれにいたしましても業務量がパンク寸前の状態にありますこうした相模登録事務所、そして非常に広大な範囲を抱えているという実情、これらをあわせまして、今ここの管内が抱えております、呼称をあえて申し上げますと県央であるとか県北であるとか、あるいは湘南地域、このように言われているわけでございますけれども、湘南ナンバーというものの地元の要望も非常に高いわけでございまして、これらの要望を生かしながら新しい設置に伴うナンバー、その際には湘南ナンバーという名称、これがふさわしいものなのかどうか、この点もお伺いさせていただきたいと思います。
○松波政府委員 お答え申し上げます。
 まだまだこれは現時点では慎重に検討している段階でございますので、今の先生の御指摘に的確にお答えできるかどうか大変に難しい状況下にございますが、仮にそういうようなことがあったといたしますと、先ほど来ナンバーのつけ方につきましては二つのルール、考え方を申し上げました。先生今御指摘のような言葉につきましては、地域の事情その他を総合的に勘案をしなければいけない問題でございますので、今の御指摘につきましては今後の検討課題ではないかと考えております。
○河上分科員 以上大体お伺いしたわけでございますけれども、いずれにいたしましても、先ほど来申し上げておりますように、特に利便性を欠く、そしてモータリゼーションに伴って業務量が拡大するであろう相模登録事務所の分割について速やかに措置をされることを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○左藤主査 これにて河上覃雄君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
○左藤主査 次に、郵政省所管について政府から説明を聴取いたします。深谷郵政大臣。
○深谷国務大臣 委員の皆様には、平素から郵政行政の適切な運営につきまして、格別の御指導をいただき、心から御礼申し上げる次第です。
 郵政省所管各会計の平成二年度予算案につきまして、御説明申し上げます。
 まず、一般会計でありますが、歳出予定額は二百六十五億円で、前年度当初予算額に対し九億円の増加となっております。
 この歳出予定額に所要経費の計上された主な施策について申し上げます。
 まず、地域の情報化の推進でありますが、平成二年度の新規施策として、新しい技術を生かした通信・放送開発事業を支援し、全国レベル、地域レベルでの情報流通の円滑化を図るため、地域情報通信開発事業を実施することとしております。このほか、ハイビジョンの普及促進、テレトピア計画の推進等も引き続き実施することとしております。次に、電気通信市場の活性化施策であります。新規参入等による情報社会の多様化や通信需要の著しい増加に対応するため、電気通信システムの標準化施策等を推進することとしております。
 国際協調、国際協力の推進につきましては、海外中継放送の強化による国際放送の充実等を実施することとしております。また、基礎的・先端的技術開発を推進するため、引き続き電気通信フロンティア研究開発などを実施することとしております。
 次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入歳出とも予定額は五兆九千八百十四億円で、前年度当初予算額に対し三千九百九十一億円の増加となっております。
 この歳出予定額における重要施策を御説明いたします。
 郵便事業では、大都市部での郵便局の不足に対応するため、新たに委託により郵便局の窓口を設置するなど地域社会の振興に貢献するとともに郵便事業運営基盤の整備充実を図ることとしております。
 郵便貯金事業では、郵便貯金の利子の一部を海外援助に役立てる国際ボランティア貯金を創設するなど国際社会に貢献するとともに金融自由化と長寿社会の進展に対応し、常に消費者、庶民の視点に立って施策を進めていくこととしております。
 簡易保険郵便年金事業につきましては、簡易保険と郵便年金の制度を統合し、働き盛りには死亡保障を、老後には年金を総合的に提供する生涯保障保険を創設するなど長寿社会への適切な対応と
地域振興への貢献を図る施策を進めてまいることとしております。
 郵政事業共通の施策として、新たに、郵便局を衛星通信で結び、各地の特産品情報を初めとするさまざまな生活関連情報を提供するため、郵便局ネットワークの高度化の推進を図ることとしております。また、郵便局舎、機械器具の整備充実に必要な経費、その他所要の人件費等を計上しております。
 なお、郵便事業財政につきましては、平成二年度単年度で八十四億円の黒字が見込まれております。これは、最近における郵便業務収入の順調な伸びを反映したもので、平成元年度予算に引き続き黒字予算となっております。
 次に、郵便貯金特別会計でありますが、一般勘定の歳入予定額は九兆二千九百九十二億円で、前年度当初予算額に対し千百五十二億円の増加となっており、歳出予定額は七兆九千五十五億円で、前年度当初予算額に対し千三百十一億円の減少となっております。
 また、金融自由化対策特別勘定におきましては、歳入蔵出とも予定額は四兆五十五億円で、前年度予算額に対し六千六百三十六億円の増加となっております。
 次に、簡易生命保険及郵便年金特別会計でありますが、保険勘定におきましては、歳入予定額は十一兆千九十九億円で、前年度当初予算額に対し一兆八百十五億円の増加となっており、歳出予定額は六兆二千二百八十一億円で、前年度当初予算額に対し五千六百八十一億円の増加となっております。
 また、年金勘定におきましては、歳入予定額は五千二百二十四億円で、前年度予算額に対し千五百六十二億円の増加となっており、歳出予定額は九百八十八億円で、前年度予算額に対し三百二十七億円の増加となっております。
 以上をもちまして、郵政省所管各会計の平成二年度予算案の概略につきましての御説明を終わらせていただきます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○左藤主査 以上をもちまして郵政省所管についての説明は終わりました。
    ─────────────
○左藤主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。後藤茂君。
○後藤分科員 きょうは、短時間でございますので、切手発行政策のみに絞って御質問を申し上げたいと思いますが、まず最初に、郵便事業にとって切手文通の振興というのは極めて大切でございます。この間、手元に届けられました「POST」という雑誌を見ておりますと、「方寸から宇宙へ」、青木さんがお書きになっております。ここに書いていることは全く私も同感でございますが、改めてひとつ切手発行政策にかかわる郵政省の基本的な考え方を簡潔にお聞かせいただきたいと思います。
○小野沢政府委員 郵務局長の重要な責務の一つとして切手文通の振興を考えております。そういう意味で大事なポストについているというふうに考えておりますが、よりよい郵便切手を発行し文通の習慣を大いに促進しますことは切手文化や手紙文化を振興するための重要なポイントでありまして、郵便事業の基本的な使命の一つであるというふうに考えております。
 ところで、事業の経営におきまして、各般にわたることですが、ニーズの多様化、国際化、そういった時代の変化に対応しなければいけないわけですが、それとともに、地域社会の振興に一層寄与するということで、切手文通の振興につきましてもそういう意味で改めて光を当ててみたい、そういう意気込み、姿勢で臨んでおります。そこで、そのために政策的な視点と実行体制を確立して有効な施策を実行したいということでいろいろな施策を講じているわけですが、そのための組織体制の充実強化ということで、本年度のできるだけ早い機会に組織改正を行いまして、現在公達レベルの切手文通室を政令レベルの切手文通振興課というふうに改めて万全の体制をとりたい、また、役職者等の要員も充実してまいりたい、そういったことで、先ほど申し上げましたような基本的な方針、施策のもとに臨みたい、こういうふうに考えております。
○後藤分科員 小野沢郵務局長は大変斬新な発想でこれから臨まれるようですし、この雑誌を見ましても、「常套を脱して新しく」これからの切手発行政策等についても考えていきたい、こういうように書かれているわけです。
 そこでお伺いしたいのは、ことしは点字が制定されて百周年、十一月の一日には記念切手が発行される、こういう計画を聞いておりますけれども、この図柄ですね、あるいはこの切手に対して、点字エンボスというのですか、そういうことは考えておられるのかどうか。考えておられなければ、普通の通常切手なりあるいは記念切手、特殊切手通して、新しく百周年の切手が出るわけですから、ぜひひとつ斬新な発想で点字エンボスを入れていくべきではないか、このように考えるわけですけれども、いかがでございますか。
○小野沢政府委員 これから決定することですけれども、この「日本の点字制定百周年記念」切手という趣旨からいたしまして、今先生御指摘の御提案のような方向で進めたい、こういうふうに考えております。
○後藤分科員 一九八〇年にアメリカではヘレン・ケラーを顕彰する切手が出ているわけです。あるいは「グレート・アメリカン・シリーズ」という通常切手の中にも、例えば聾唖教育の先駆者であるトマス・ギャロデットですか、それから文盲教育の指導者であるフランク・ラウバック、こういう方々の肖像を入れた切手等が出ているわけです。百周年でこうした記念切手を出されるということは大変結構なことなのですけれども、ただ、どうも目の不自由な方々に対する配慮が足りない面がある。
 この間も郵政大臣がNHKのラジオを聞かれて、はがきの天地といいますか、上下、裏表が判然としないということでお困りになっている方の声を聞いて、何とかしていかなければならないのではないかということをお考えになられた、こういうことなのですが、ちょっとこれ、速記がとりにくいかもわかりませんけれども、私がきょうちょうだいいたしましたこの青い鳥はがきですね、点字で送られているのです。これが実は、私にはわかりませんけれども、裏表が間違えているのですね。ですから、これからのそういう目の不自由な方――確かに裏表がはっきりしない、あるいは上下がはっきりしない。せっかくこういう点字のはがきが送られて、なるほど郵便局ではちゃんと読める方がいる。あるいはボランティアをお願いしているのかわかりませんけれども、届くのです。届きますけれども、最近はワープロが発達しまして漢字転換なんかもされるということで、単に点字だけじゃなしにワープロで送られる方もいらっしゃる。こういうときに、ぜひひとつこれがわかるような形にしていただきたい。
 そこで、これも今私の手元にあります、これはテレホンカードですが、テレホンカードのここにくぼみがあるというのは、私は実はこれを質問しようとして初めて知ったわけであります。これは矢印がございません。あるいは図柄の黒いものはどちらの方に差し込んだらいいかということがよくわからないわけです。そこで、ここにくぼみがちょっとできておりまして、差し込む方向が明らかになっているわけですね。今青い鳥はがきについては、身障者の方々には無料で配付をされているようでありますけれども、すべてのはがきにこれから印面のところの左上ぐらいですか、これをカットするとか、あるいはちょっとカーブをつけるとか、そういう方向を考えていってはどうか。私が目の不自由な方に聞いてみますと、特に年賀状が多いようです。そうなりますと、目の不自由な方々の青い鳥はがきだけではなしに、すべてのはがきは、印面カットでやりますか、要するに裏表、天地がわかるような方法をこれから考えていくべきではないか。せっかく点字制定百年を迎えたわけでありますから、私はこのことを要望し、そのための対策をぜひ早急に講じていただきたいなということを申し上げたい。
○深谷国務大臣 後藤先生の御指摘はまことにそのとおりでございます。たまたまNHKの朝の放送を聞いておりましたら、目の御不自由な方が今先生御指摘のような苦労をなさっておられることの話が出まして、今まで気づかなかったということをむしろみずから恥じながら、その日のうちに郵政省の担当の者に至急に対策をつくるようにというふうに命じたわけでございます。
 現在郵務局では、日本盲人会連合という社会福祉法人がございますが、そこのはがきの利用者団体とか、全日本紙製品工業組合等はがき製造業者などの御意見も聞きながら、早急に結論を出すべく鋭意努力をしているところでございます。具体的な方法としては、先生おっしゃったような右角をカットするとか、あるいはテレホンカードのようなカットの仕方などなどを検討中でございます。私としては、そういう一部の人たちだけのための特殊なはがきではなしに、すべてに生かせるようにしてまいりたい。その場合に一体その製造価格がどうなるのか、期限がどのぐらいかかるのか、いずれにしてもきちっと答えを出して御期待に沿うようにしたいと思っております。
○後藤分科員 郵務局長、私も聞いてないのですけれども、外国ではこういう目の不自由な方々のためにはがき等に対して配慮をされているというような話は聞いておりますでしょうか。聞いてなければ、日本で初めてこういうことがとられると、世界各国も必ずこれに同調しましてその方向がとられるのではないかと思いますので、そういう調査はされておりませんか。
○小野沢政府委員 私自身が手術を四回して体に十カ所傷がありまして、体の不自由な人のことはだれよりもわかるつもりですが、まだそこまで調査がいっておりません。これは大至急行いたいと思います。
○後藤分科員 ぜひ目の不自由な方々のための配慮を郵政省としてはしていただきたいということを強く要望を申し上げておきたいと思います。
 そこで、郵務局長も張り切っておられますし、郵政省の方も切手発行政策については非常に斬新な取り組みをされているのは大変結構でございますけれども、どうも最近は記念切手の発行が余りにも多過ぎるのではないかということが一つ懸念されるわけです。明日は「ふるさと切手・花」が花の万博に対応して出されるようであります。四十七都道府県すべて出されています。こういうような切手がたくさん出てまいりますと、私のところにも調査の資料が来ているのですけれども、各国の郵趣雑誌なんかを見ておりますと、余りにたくさん切手が発行されますと、国際的な切手カタログについては載らなくなるのですよ。アメリカの有力な郵趣週刊誌「リンズ・スタンプ・ニューズ」というのがあるのですが、これの一九八八年の発行分を見ますと、発展途上国をどうこう言うわけじゃないですけれども、輸出する品物がほとんどないというようなところは切手をたくさん出すことによってその国の財政を潤している面もあるのです。しかし、日本の一九八八年の調査を見ますと、六十九種、非常に数多い種類を出しているわけです。今度、一九九〇年等を見ますと、恐らくもうトップの方に行くのではないか。こういうふうにたくさん出さなければならない理由は実は余りないと私は思うのです。切手発行に対しては、いい切手をよくよく練り上げて出していただきたい、こういうように考える。これはひとつ要望として申し上げておきたいのです。
 そうした中で一つ大変奇異に感じますのは、芭蕉の奥の細道の三百年ですか、この切手が発行されました。これはまず種類が多過ぎる。何で芭蕉の顕彰のためにこんなにたくさんの切手が発行されなければならなかったか。しかも、収集家等の調査を見ますと、もう人気が一番悪いのですね。切手のアンケートをとってみますと一番悪い。そこにまたおまけに、これはカラーコピーですけれども、こういうように小型シートを全部お出しになっていらっしゃるわけです。これがまた大変評判が悪いし、郵政省がただ収集家に買わせて、そして郵政省の財政を潤していこうとするだけではないかという気がいたしてなりません。
 さらにもう一つ問題なのは、郵務局長、これは小型シートから切り取って封筒に張れば通用するわけですね。ところが、これを張って送ったところがこういう手紙が来ているわけです。「いつも郵便局を御利用いただきまして誠にありがとうございます。お客様の葉書に、切手を使用されていませんので、押印できません。切手を貼付の上お出しいただくようにお願い致します。」郵便局の名前を言ってよろしいと思いますけれども、新宿郵便局なんですね。田舎のどこかの小さな郵便局ならともかくとして、こういうことになるのです。ですから、小型シートを出される場合は、もっと慎重に考えていくということと、それからやはり目打ちを入れていくという方がよろしいのではないでしょうか。これは私の持っております中で、ちょっとこれはカラーコピーしてきたのですけれども、大臣も見ていただきたいのです。本当にすばらしい、美しい小型シートでございますので、ちょっとまた見ていただきたいと思います。こういうような諸外国では配慮をしております。郵務局長、この芭蕉がどうこうと言うのじゃないですよ。つまり、この奥の細道の切手というのはワーストの一番トップに行く切手ではないか、とりわけ小型シート等はそういうふうに私は考えるわけですが、いかがでしょうか。
○小野沢政府委員 郵務局長に着任して十カ月、切手につきまして、百人の方がいらっしゃると百人の方のいろいろな意見があるなというのが実感です。今具体的に御指摘のありました目打ちの関係ですが、当時の考え方として、従来にない小型シートを作成して切手に対する関心を高めてもらうため、目打ちのない小型シートを作成したいということですが、今先生の御指摘のことを聞いておりまして私としても十分理解できますので、これから小型シートの発行に当たりましては、その御趣旨を生かして臨みたい、こういうふうに考えております。
○後藤分科員 いろいろな意見があるということは承知しておりますけれども、十八種類も出ているなんというのは、およそ国際感覚から見ましてもそういうことはないのです。どこからこういう発想が出てきたのかなと大変疑問に思いますので、これは強く指摘をしておきたいと思います。
 しかし、苦言ばかり呈していくのではなしに、郵政省で大変努力をされました郵便切手のデザインコンクール、これは内外に募集いたしまして、私の手元に届けられたデザインの入賞作品を見ましても実にすばらしい作品が集まっているし、これは六月一日に出されるのでしょうか、それ以外にでも実に、すぐに切手にしたいような図案がたくさん寄せられております。すばらしいことだと思うのですね。このように、今までは郵政省の中で切手審査の専門委員ですか、そういうことの議を経て発行されておりますけれども、ほとんどが内輪だけでの発行政策であった。今回こういう国際的にデザインコンクールをして募集されたことは大変結構だと思うのですが、また今後もこういうことを続けられていくのか、また、この種のデザインコンクールをなされてのお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○小野沢政府委員 昨年着任してひらめいた施策で、直ちに実行したわけですが、この企画で、今先生お話がありましたように日本の切手の作成に革新の新風を吹き込みたい、これが趣旨でございます。その結果、物すごい反響が世界的にありまして、周知期間三カ月足らずだったのですが、世界じゅうから合計三万二千点が集まっておりまして、私どもそれからいろいろなことを、世の中の人たち、世界の人たちが切手に何を望んでいるか非常にわかりまして勉強になりましたが、今先生の御発言で我が意を強くいたしましたので、先日大臣にも御相談いたしましたけれども、これから毎年発行してまいりたいと考えております。
○後藤分科員 私はこの予算分科会で、慶弔切手、祝儀、不祝儀等の切手を出したらどうか、あるいは最近は手紙離れをしておりますけれども、ひとつ七月二十三日のふみの日にふみの日の切手等を出したらどうかという提案をいたしまして、これは珍しくと言っては大変失礼ですけれども、すぐに実現をしていただきました。これも大変ユニークな切手だったわけですけれども、これが図柄がずっと変わってないのですね。このことに対しましては、ひとつ図柄をまた新しい図柄に変えていく。せっかくデザインコンクール等もされているわけですから、同じものを五年も十年も使うということのないようにしていくべきではないか。さらにまた、最近、特に若い方々に、誕生日のお祝いであるとかあるいはいろいろなお祝い等に対してグリーティングカード等を非常に使うようになってまいりました。このグリーティングカードで、ここにもアメリカのグリーティングカードの切手帳だとかあるいはイギリスのグリーティングカードの切手帳等を持ってまいりましたけれども、これも実は大変ユニークな切手帳なんです。したがって、こうしたグリーティングカードに張る切手、これを御家庭に切手帳として常備しておけば、皆さんのところに出そうというときに、郵便局へ行って切手を買ってという手間も省けるわけであります。これももし参考にしていただければお渡しいたしておきますけれども、こういう切手帳あるいはグリーティングカードに張る切手等もぜひひとつ考慮していくべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
○小野沢政府委員 先生の御指摘のありましたような、誕生日とか結婚とか、そういったグリーティングカードですが、それにふさわしい切手の発行につきまして各方面からもいろいろな要望が寄せられております。それから先般、ヤング層のための郵便サービスの在り方に関する懇談会というものを開きまして、そこで御提言いただいたのですが、その中に、切手につきましても、バレンタイン切手とかバースデー切手とかメッセージ性を備えた切手を開発してほしいとか、今先生と同一の趣旨の要望があちこちから寄せられておりますので、そういう意味で慶祝用としてふさわしい多様な切手の発行につきまして前向きに取り組んでまいりたいと思います。
○後藤分科員 ちょっと質問が前後して恐縮ですけれども、このグリーティングカードに張る切手とあわせて、明日発行されます各県の花切手四十七、これがすべて六十二円の切手なんです。今ほとんど切手というのは六十二円になっているのですけれども、旅をいたしましてその都市なりあるいは訪ねた場所の絵はがきを買って張るときに、通常切手ではなしにその土地その土地の花切手等を張ってあげると大変喜ばれる、あるいはふるさと切手も今出しているわけですけれども、そういうものが張られるようにすればいいのに、これも六十二円です。四十一円の切手をなぜ発行しないのか。なぜということを聞いても仕方がありませんから、こういう絵はがき等に張れるような配慮を郵務局長、ぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○小野沢政府委員 私自身が旅行いたしますと、地元の絵はがきを買って、そこでいろいろ持っている切手の中から選んで張って、それに自分の俳句を添えたりするのを楽しみにしておりますので、御趣旨十分わかりますので、前向きに検討いたしたいと思います。
○後藤分科員 時間がございませんのではしょってどんどん進めますけれども、これが今郵政省が発行されておる一円の前島密から千円の浄瑠璃寺吉祥天立像までなのですが、これが低額の方は動植物、そして高額の方は国宝といいますか、重要な芸術品になっているわけですけれども、これがまことに統一性のない、思いつきで出したようなデザイン。私たちは日常的にこの中から一枚とか二枚とか張っているわけですけれども、およそ印刷技術が非常に高い、しかもデザイン等についてもユニークなデザイン技術を持っておる我が国において、なぜこういうのをいまだに何の統一性もなしにやっているのだろうか。例えば、二円の秋田犬なんというのは三十何年変わらずにあるわけでしょう。私が一番大好きな切手、これもカラーで持ってきたのですけれども、これは私が好きだからという意味じゃないのですけれども、バチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂、ミケランジェロがかいた天井壁画、これのみこであるとか預言者等の上半身を切手にしている。これがイタリアのシスティーナ礼拝堂の天井壁画の切手です。これは普通切手です。実にすばらしい。あるいはこれはサンマリノのグレコのデッサン等の通常切手。あるいはオーストリアの「美しきオーストリア」という、これもぜひふるさと切手等で考えていただきたいようなすばらしいデザインです。あるいはお隣の中国でも、実はこういうユニークな切手もあるわけでございます。
 こうしたことを考えてみますと、我が国の通常切手というものが二十年、三十年金く変わらない。ここでひとつぜひ切手のデザインを一回一新してみてはどうか。そして、五年なり十年なりのサイクルの中で変えていくという発想を持たれていっていいのではないかというように私は考えるわけでございますけれども、ぜひひとつそういう角度から、通常切手の統一性を持った、そしてすばらしい切手が発行されるようにお考えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○深谷国務大臣 後藤委員の切手についての御造詣の深さにただただ感服するのみでございます。確かに御指摘のように、普通の切手というのは料金改定のときにつくってそのまま使っているという感じがあります。手紙を出す楽しさ、それを受け取る楽しさ、あるいは文化的な、印刷技術の向上も含めたさまざまな工夫というのがこれから普通切手でも行われなければならないというふうに思います。郵政省といたしましてもさまざまな角度から今そういう調査も始めているようでございますので、先生御指摘のような御趣旨に沿うた答えが出るように、ひとつぜひ頑張ってみたいと思っております。
○後藤分科員 もう時間がなくなってまいりまして、質問したいことがいっぱいあるわけですけれども、もう二点だけ。
 一つは、どうも郵政省は、歴史を切り開いてこられた方々に対しての配慮が非常に薄い。この間は湯川秀樹のが出ましたし、あるいは今度仁科博士の切手も出るようでありますけれども、歴史を切り開いてきた人々というのは、現在に生きておられる方々は文化勲章をいただけるわけです。ところが、もう亡くなった方々は忘れられてしまっているわけです。例えば、適塾を開いた緒方洪庵であるとか、あるいは間宮林蔵であるとか近松門左衛門であるとか、たくさんの方々が歴史を切り開いてきているわけです。そういう方々をぜひ切手にして顕彰していくベきじゃないかということをこの分科会でもしばしば指摘をしているわけですけれども、いやそれは結構な提案だが、ぜひひとつ検討させていただきたいということで実は終わっている。ディズニーも切手になっております。チャップリンも切手になっております。にもかかわらず、我が国においてはそういう方々に対して全く配慮がない。福沢諭吉は適塾で学んだわけでしょう。これは一万円札になっているわけですし、夏目漱石もそうです。あるいは新渡戸稲造先生もそうです。ところが、切手のところでは相変わらず、そうした功績のあった人々を切手にして顕彰しようという動きが全くない。いかがでしょうか。
○小野沢政府委員 人物を題材とする切手につきましては、昭和二十四年から二十七年にかけまして文化人シリーズ十八種類を発行したことを先生よく御承知のところでございますが、その後は、業績に着眼いたしまして、デザインの一部に人物を配した切手を発行しておりますけれども、本格的な人物切手は取り上げておりません。確かに、人物を切手に取り上げることにつきましては、即その人物の評価につながるだけに、その選択が非常に難しいという面がございますけれども、今御指摘のような点につきましては今後の検討課題といたしまして、関係方面からの意見聴取や利用者の意識調査などに着手いたしたいと考えます。
○後藤分科員 最後に、もう一点だけ申し上げておきます。
 切手が文化の使節であるということであれば、あるいはまたこれから国際化社会において、諸外国との文通を通じて外国を知る、親しくしていくということを考えていきますと、ジュニアが切手に親しむということもこれから郵政省は考えていくべきだ。外国では、きょうまた持ってまいったわけですけれども、漫画の切手等も数多く出しているわけです。サンマリノ等はディズニーの漫画をやっておりますし、あるいはオランダの児童福祉基金の切手を見ましても漫画で書かれております。あるいはまた、アルゼンチンの切手であるとかルーマニアの切手にいたしましても漫画でやっている。もっと漫画等もデザインの中に考えていくことによって、ジュニア等が郵便事業に親しむように、ことしはイギリスで初めて郵便切手、ペニー・ブラックが発行されてちょうど百五十年になるわけです。そうした記念の年に、郵政省としてもジュニアを大切にしながら、また手紙をもらうたときに本当に楽しい雰囲気が出てくるような切手をぜひ出していただきたいということを申し上げたいと思います。その点を申し上げまして私の質問を終わりたいと思いますが、大臣それから郵務局長、一言ずつ。
○深谷国務大臣 後藤委員の数々の本当に実のある御質問と御提言をいただきまして、一つ一つが勉強になりました。特に、若い世代が郵便切手に関心を持つということは郵政行政に関心を持つということでございますので、その観点に立って、御指示のような内容で努力をぜひいたしたいと思っております。
○後藤分科員 終わります。
○左藤主査 これにて後藤茂君の質疑は終了いたしました。
 次に、谷村啓介君。
    〔主査退席、新盛主査代理着席〕
○谷村分科員 まず、郵政大臣にお尋ねいたします。
 昭和四十年の同対審答申以来、差別、とりわけ部落差別について、その解消のため国の責務がある、国民的課題であるというふうに私ども認識しておりますが、この問題についての、まず大臣の御所信といいますか、そういったものをお尋ねしたいと思います。
○深谷国務大臣 同和問題というのは、人類普遍の原理である人間の自由と平等に関する問題であると私はまず受けとめております。そして、日本国憲法によって保障された基本的人権、最も重要な基本的人権が守られるかどうかの課題であるというふうに考えております。その早急な解決は国の責務でございますと同時に国民的な課題であると思います。
 また、同和問題以外の人権にかかわる問題につきましても、同和問題と同様に、日本国憲法によって保障された基本的人権をめぐる重要な問題でございますから、そのような認識に立って物を考えていきたいというふうに思っております。
○谷村分科員 大臣に所信をいただきましたが、最近、そういった願いにもかかわらず、悪質な部落差別、そういったものが続発をいたしておるわけでありますが、そういう点についてはどのように御認識でしょうか。
○白井政府委員 ただいまの先生のお話のように、私どもといたしましては、いわゆる同和問題の重要性というものを考えまして、特に職員に対しての教育、啓蒙ということを中心にいたしまして、いろいろな努力をしてまいってきておるつもりではございますけれども、しかし、完全にそうした問題が解決できたかということになりますと、そういうふうな申し上げ方ができないというのは大変残念でございまして、今後とも問題の重要性を十分頭に入れて努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○谷村分科員 郵政省が当然指導あるいは監督をすべきパケット通信、このパケット通信というのは、まず、大体皆さんどのように御認識なんでしょう。
○森本政府委員 先生御案内のことかと思うのでございますが、パソコンとかワープロを使った通信というのが大変このごろ盛んになっておりまして、ところでそのパケット通信というのは、その中で、一般の電話の回線ではなくて、電波を利用して、そして相手のパソコンに最終的に入る、その中にはいろんな形態があるわけでございますけれども、端的に言えば、電波を使って、いろいろ趣味の世界と申しますか、アマチュア中心として、今申しましたような形での通信手段、こんなふうに理解をいたしておるところでございます。
○谷村分科員 そういった、つまりパソコン通信といいますかパケット通信といいますか、そういうものを利用して、去年の七月ごろから八月ごろまでに集中しておるのですけれども、約百件にわたる差別文書、その中には、地名総鑑というようなものが出てくるのですね。だれでも自由に引き出せるのですね。私、実物を持ってきておりますが、これは大阪府下の部落一覧、こうなりまして、部落地名総鑑大阪府内版ということでありますが、大阪府下のすべての部落が一目でわかるようになっているのですね。旧地名あるいは新地名いずれもきちんと記されておるのですね。これちょっと大臣に、初めてでしょうから、ごらんになってください。――ごらんのように、それは一部なんですが、つまり部落に対する地名総鑑そのものなんですね。
 その他の市を見ましても、例えばちあきなおみの歌をもじって、非常な差別、賤称語が加えられた歌が出てくる。あるいは、例えば解放会館の一覧というようなものが出てくるのですね。つまり、大小挙げれば約百に近いものがいわゆるパケット通信を使えば出てくる。こういうことになっているのですが、いかがでしょう、御存じですか。
○深谷国務大臣 谷村委員のただいまの御指摘の文書の一部は、私は既に目を通しております。アマチュア無線については、営利目的ではなくて、専ら純粋に個人の無線通信に対する関心を高めることを通して電波科学、無線技術の発展に寄与してもらうということを私たちは期待しているわけであります。しかし心ない、本当に心ない一部の人が今回のようなことを起こしている。こういう事態が発生したということは、ひたすら遺憾という言葉以外にはございません。まことに遺憾でございます。
○谷村分科員 そこでお尋ねいたしたいのですが、こういう事件について一体調査をされたのかどうかですね、その点についてが一つ。それからもう一つは、電波行政として犯人追跡は不可能なのかどうか、お尋ねしたい。
○森本政府委員 郵政省といたしまして、電波というものが正しく使われるためには、計画どおり秩序立てて使用されるということが必要でございまして、そのために法令の範囲内において電波の使われ方の調査はいたしておるわけでございます。ただ、ただいま御指摘ございました基本的人権の問題から大変遺憾な通信内容が行われているということにつきましては、昨年の八月でございましたけれども、呼び出し符号というのがあるのですが、この自分の呼び出し符号を、過ってといいますか、自分ではないのに盗用されておる、こういう申告がございました。私どもとしては、この御本人に対していろいろ事情をお伺いしたわけでありましたが、確かに御本人の申し立てにいうとおり盗用されておるというふうにも判断できますし、それからまた御本人のお話でございますが、だれに使われたか、だれに用いられたかということも本人としても思い当たらない、こういう事情で呼び出し符号をだれが盗用したかというのを特定するというのは残念ながらできなかったという事態にございます。
 二つ目の御質問でございますけれども、私どもとしてはただいま申し上げましたように、こういう調査は基本的には国際電気通信条約というのがございます。またそれを受けて国内法としても電波法というのもございますが、こうした法律に従って電波の利用秩序の維持を図ることを目的として調査をやっておるわけでございますが、通信の内容そのことに関しては、御案内のとおり直接内容に立ち入ったりあるいは介入したりということは法律上許されていない、こういう事態に相なっておるわけでございます。
○谷村分科員 その問題は後でもう一回問い直しますけれども、ちょっと視点を変えます。
 日本アマチュア無線連盟というのがございます。これはJARLですか、普通はどう呼ぶのですかジャールと言うのですか。例えば先ほどの御説明で、パケット通信というものはアマチュア無線とパソコンをつないでやっているのですね、これを見ますと。そういったアマチュア無線が扱える人というのは一つの資格が要るわけでしょう。それはどうなんでしょうか。
○森本政府委員 電波はいろいろな目的に使うわけでございますが、これは無線局である以上はすべて免許を付与した上で使っていただく、こういうことでございますが、特にアマチュアにおいては、アマチュア無線の人たちが寄り集まってアマチュア無線連盟、今お話しございましたようにJARLと称しておりますが、JARLという略称の日本アマチュア無線連盟というものを組織いたしておりまして、会員相互の啓発普及を行っておる次第でございます。
○谷村分科員 そういう連盟の方々に対して、例えばこの種の差別の問題等、人権に関する問題等について啓発をされたことはございますか。
○森本政府委員 先ほどからお話しございましたように、大変遺憾な事態が発生しているということで私どもも、去年の八月のことでございますが、ただいま申しましたようなこの団体がそういう役割を担って、会員の質の向上ということを一つの役割にしておるわけでございますので、この事務局長に対しまして、アマチュア無線愛好家に対してモラルの向上ということをぜひひとつ取り組むように指導してほしいということを私どもからも要請したところでございます。
○谷村分科員 指導方の要請だけでは、私は、あなたがおっしゃるほどこの問題に対する認識が厳しいのならそんなことで足りるはずがない、こう思うのです。それが一点です。
 それからもう一つは、無線従事者免許というのは永久だそうですけれども、無線局の免許は五年に一回更新のようですが、こういった際に、今書面による審査だけのようですけれども、例えば自動車の免許証を更新する場合にはいろいろな講習がございますね。こういうふうな事件というものが、進展が余りにも日進月歩激しいものですから、後追いになっておるわけです。この点はやむを得ない問題かもしれませんが、しかし、こういうふうな更新の時期に人権問題についての啓発を大事にするというようなことが私は必要だと思うのですけれども、いかがですか。
○森本政府委員 アマチュア無線連盟に対する指導の問題が一つ最初にございましたけれども、こういうことを要請いたしまして、具体的にアマチュア無線連盟では、これは大変重大な問題だ、連盟としてもアマチュア無線が大変重大な危機になる、こういう心配を関係者はいたしまして、会長名による啓発文というものを作成いたしまして、いろいろな雑誌をこの連盟は発行しておるわけでございますが、「JARLニュース」とか「モービルハム」とかいろいろな雑誌にこうした啓発文で広く会員に呼びかけておるということを承知いたしておりますし、同時にまた、このアマチュア無線連盟は無線技師の養成課程というものを実際に講習をいたしておるわけでございますので、その授業の中で、こうした同和問題に対する正しい理解というものを定着させるように現在やっているというふうに承っております。
 なおまた、二点目の御質問の、再免許の時点に何らかの対応をすべきじゃないか。ごもっともなお話ではございますが、ただ、実際問題行政指導といいますか、免許というのは法令の規定に照らしてみて問題がなければ、また法律の規定に従ってさらに免許を引き続き与えるという手順を踏むわけでございますけれども、現実の問題としては、行政のレベルで免許あるいは許可の時点でこうした問題について具体的な突っ込みを行うというのはなかなか困難でございまして、先ほど申し上げましたような形で、この問題はやはり無線の資格を持っている人方の自覚といいますか、正しい理解と認識が何よりも肝要でございますので、ただいま申し上げましたようなアマチュア無線連盟、こうした団体を通じての啓発ということで現在取り組んでおるところでございます。
○谷村分科員 やはり認識が、おっしゃることとやっていらっしゃることの間に大変な乖離があるという気がしてなりませんね。大臣もおっしゃるように、非常に重要なことなんでしょう。その他の皆さんもおっしゃるように、大変重要なことなんですよ。それをそのまま受け取られるなら――従来はこんなことが発生するなんということは、まずまず想像もできなかったことです。したがって、今までの問題については、それはあるいはやむを得なかったかもしれません。しかし、こういうふうな事件が電波を使って起きている以上、やはり考え方を変えなければいかぬのじゃないですか。そうしなければ怠慢と言われてもしょうがないですよ。部落差別の解消は国の責務だ、国民的課題だ。それ以外だとあなたはおっしゃるのですか。
○森本政府委員 この無線局については、法律の規定に従って免許を与え、そしてまた有効期限が参り、そしてまた申請があればさらにまた再免許をするということに相なっておりますので、私どもとしては、いわばおっしゃる部分というのは決してないがしろにするつもりはございませんが、しかし、法律にない部分ということには相なるわけでございますので、そうした意味では、広い意味での行政指導かと思うのでございますが、これは法律の規定に照らしてみて最小限にならざるを得ない。問題は、そうしたことよりは、ただいま申し上げましたように、法律の問題というよりはむしろ通信を行う人たちが同和問題に対する正しい理解と認識を持つということが何よりも肝要ではなかろうか。そうした意味合いで、こういう立場にある法人の活動を通じて定着をするということが一番大事ではないか、こんな形で現在、先ほど申し上げたような形の対策をとっておるところでございます。
○谷村分科員 あと十分しかありませんから、ちょっと簡潔にやってくれませんか。
 それじゃ、質問の方向を変えますけれども、今の電波法ではこういった悪質なことは取り締まれない、こういうことなんですか。
○森本政府委員 先ほどもお答えしましたとおり、法律の規定に照らして電波監視というのを行っておるわけでございますが、特別の規定がある場合を除きまして、通信の内容に立ち入る、そういうわけには、法律上許されないということに相なっておりますので、私どもはこの立場で現実の免許業務を行っておるところでございます。
○谷村分科員 電波法を見ますと百六条に「自己若しくは他人に利益を与え、又は他人に損害を加える目的で、」云々、こういう条文がございますね。そのときには、「虚偽の通信を発した者」というふうなこともございますが、「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」という極めて厳密な規定がございますけれども、この他人に利益を与えあるいは他人に損害を加えるという行為、最も重要な人権という問題で、他人の人格を傷つけるということは、これは他人に損害を加える目的じゃないの。
○森本政府委員 百六条には御指摘のとおり「自己若しくは他人に利益を与え、又は他人に損害を加える目的で、」「虚偽の通信を発した者は、」こう相なっておるわけでありまして、そういう意味では、まず損害なり利益なりを与える目的を特定しなければならない、そしてそれが事実でないということの確認をしなければならないということで、なかなか、こういう法律はございますが、実際問題としては今申したような形で、パケット通信はとりわけディジタル通信でございまして、音声で、耳で聞いてわかるというわけにもまいらない。そうした問題もございまして、非常に困難な問題かと考えておるところでございます。
○谷村分科員 私がお尋ねしておるのは、「又は他人に損害を加える」ということに入らないかどうか。これ、端的に答えてください。重要なんですよ。そこは極めて重要ですよ。
○森本政府委員 この法律の解釈といたしましては、立法当時の国会での論議をたどりますと、これは主として財産権の侵害ということを念頭に置いた立法趣旨だというふうに伺っております。
○谷村分科員 それはわかっていますが、そのころはこんなことは想定できなかったんですね。今の時点であなたがどう考えるかということを言っているのですよ。
○森本政府委員 具体的なことになりますと、なかなか私どももこの法の解釈にわたることでございますので明確なことを申し上げることは困難かと思いますが、利益とか損害が何を指すかということは、個々具体的な事案に即して判断をされなければならないと考えております。
○谷村分科員 個々具体的な事案としてこれを出している。損害を与えているんですよ。しかも取り返しのつかないような損害を与えているんですよ。差別される被差別者にとっては、死ぬか生きるかなんですよ。あるいは結婚も就職もこういった問題が障害になっているのです。自殺者だっておるのですよ。これが損害じゃない――やはり新しい観点で考えなきゃならぬということを言っているんですよ。簡単でいいですから。一言でいいですから。
○森本政府委員 法律を有権的に解釈するということは、私どもおのずから限界がある話にならざるを得ないと思っております。したがいまして、今の事案がこの百六条に照らして該当するか否かということをこの場で有権的にあるいは政府の解釈として確定的に申し上げることは、非常に難しいかと私は考えておるところでございます。
○谷村分科員 それじゃ、この問題については今答えられないそうですから、研究してくださいよ、前向きにね。いいですね。
 それからもう一つは、先ほどあなたは、我々は通信のやり方についていろいろ問題があれば取り締まるんだけれども、その内容については立ち入れないんだということをおっしゃった。こういう内容については立ち入れないんだ、こういう話があったように思うのです。
 しかし、私はこの条文をもう一つ見ますと、例えば第百八条では、「通信設備によってわいせつな通信を発した者は、」こういうのもあるのですね。これはやはり処罰されるのですね。これは内容に立ち入らなきゃ、わいせつなものであるかどうかということはわかりませんよ。ですから内容に立ち入れる限界というのは、わいせつの条項を見ても、必要なら入れるのですよ。入らなければならぬわけですよ。そういう点について一言、どうぞ。
○森本政府委員 お答え申し上げます。
 基本的には通信の内容に立ち入らない、しかし法律の根拠があればこれは別だということで先ほども申し上げましたが、御指摘のような百八条あるいは百六条のような事例がございます。こうした法律で特別に限定された場合には通信の内容に立ち入ることが許される、こういう考え方でございます。
○谷村分科員 わかりました。時間もないようでありますから、大臣、今のようにこの電波法というものは、こういう事態を想定する以前につくられた。ですから私は、現行法で今おっしゃったように何か根拠がないとだめなんだと言うんだったら、新たに根拠をつくればいいじゃないですか。「わいせつ」というところを、例えば差別の問題、人権の問題に著しくわたるような問題については、これはやはり取り締まりの対象にすべきだ。私はそう思いますよ。新たな事態。現実に新たな事態ですから、それに対して今の法が適用できないとすれば、これは容易に、この中に一条項加える、そういう改正をすればいいじゃないですか。少なくとも国の責務であるということあるいは憲法十四条の法の下に平等であるという根拠からしても、私の主張は決して間違っていない、こう思いますが、大臣いかがですか。
○深谷国務大臣 差別用語の使用も含めて、基本的人権にかかわる通信の内容に関して電波法令上で禁止する規定を設けるということは、極めて重大な問題であろうというふうに思います。現行法体系全体の中で見ますと、一般法である刑法において規定のないこととの均衡を考慮しますと、慎重な対応が必要だなというふうに思いまして、極めて困難な問題の一つかなと思います。
 先生御指摘の今までの御発言、このような遺憾な状態が起こるということは、全く同感でございまして、もう一にかかって広く国民の間における同和問題に対する正しい認識がない、まだ十分でない、こういう点の認識を定着させるということのために今全力を挙げるべきときだということを痛感をいたしております。
○谷村分科員 最後になりますが、先ほども指摘しましたように、あなたのようなことをおっしゃると、例えばわいせつという規定は一体どうなるのか。どこまでがわいせつなのか。そうでしょう。人権という問題は極めて明らかですよ。しかも同対審答申を見ても、先ほど挙げました憲法の十四条を見ても、そういったところに根拠を置きながら、ぜひこの問題の解決のために努力をする、そういうお答えになりませんか。――大臣。もう時間がないから。
○森本政府委員 大臣の前に一言申し上げたいことがございますが、基本的に、大臣も繰り返して申し上げましたとおり、確かに基本的人権にかかわる問題、大変重大だと私どもも思っております。しかし同時に、この問題は通信の秘密の確保という、これも一つの基本的な人権の大事な問題で、問題はこの調和をどうとるかということかと思いますが、そういう意味で、こういう法律が、おっしゃるとおりな形の規定をつくるかどうかということについてはいろいろ考慮すべき問題が多多あるということを大臣が申し上げたわけでございます。
○深谷国務大臣 刑罰その他そういうもので取り締まっていけば本当に解決するのかという点も考えの中に入れなければならぬと思います。何よりも本当に理解して認識して、そういう差別を私たちのすべての脳裏から消していくということはとても大事なことで、そういうことのために全力を尽くすというふうに私どもは考えております。
○谷村分科員 もう一点。やはり前向きに検討しなければいけませんよ。そういう点についてはいかがなんですか。検討しないのですか、検討する必要はないのですか、その点についてはいかがですか。
○深谷国務大臣 本当に何回も申し上げておりますように、この同和問題というのは基本的人権にかかわる問題でございますから、国民の認識をどう高めるか、これをいかに進めるかということにかかっておるように私は思うのであります。そのために全力を尽くしたいというふうに考えております。
○谷村分科員 終わります。
○新盛主査代理 これにて谷村啓介君の質疑は終了いたしました。
 次に、薮仲義彦君。
○薮仲分科員 きょうは非常に短い時間ですが、大臣にこちらが一方的に御説明する方が多くなるかもしれませんけれども、御理解をいただきながら論議を進めさせていただきたいと思うわけでございます。
 大臣も先刻御承知のように、我が国は非常に台風の常襲地帯でございますし、急峻な地形、河川の流路が短い、そういうことで絶えず土石流あるいは風水害による被害というのが多いわけでございます。私も当選以来十数年間ずっと災害対策に携わってまいりました。毎年多くのとうとい人命が失われるたびに心を痛めておる一人でございまして、大臣も同じであろうと思うわけでございます。
 この高度情報化社会で、今何が防災上役に立つのか。国際防災の十年ということもございますけれども、防災ということは、国民が発災に対して的確しかもリアルタイムな情報を持っているかどうか、これは非常に重要な視点であろうと私は思うわけでございます。もしも危険を予測できれば、危険なところから身を避ければ、少なくともとうとい生命を失うことは避けられるわけでございます。
 そういう意味で、高度情報社会の中で今住民に最も身近なアクセスをしているのは何だ。いろいろございますけれども、先般NHKの料金の問題もございましたが、それはさておいて、今テレビの普及率は三千万世帯を超えております。日本の全世帯のほぼと言っていいところまでいったのかな。といいますと、多くの国民がテレビとは茶の間で、あるいは一人でアクセスしている部分が相当あるわけでございます。ですから、このテレビの媒体というのは非常に国民に身近な媒体として存在しています。ならば、このテレビの媒体が防災の点でどの程度のアクセスをしているだろうか。これは大臣、朝テレビをぽっとお入れになると、天気予報というところで我々は、ああ、きょうは降水確率何%だなということで理解をいたしているわけでございます。しかし、防災になってまいりますと通常の天気予報ではなくて、幾つかの問題があるわけですね。
 きょうは具体的に、例えばこれから九月、十月になりますと台風のシーズンになります。台風のときを大臣も思い起こしていただきたいと思うのです。あのときNHK初め民放は、ひまわり四号からの雲画像をいろいろな形で解析をして、特にその予報円というものを描きまして、何時間後にはここまで来ます、気圧は何ミリバールです、風速は何メートル、台風の進路は何キロですということで、いわゆる予報円の中で我々に台風情報を教えてくれます。そうしますと我々は、この台風の情報の中からああそうだ、台風がそろそろ上陸してくるのかなということを考えておるわけでございますが、しかし、実際我々の生活の中でどの程度この台風情報が身近なものに感じられるか。
 例えば、NHKは夜通しあれを放映してくださっております。しかし、それはすべてじゃありません。一時、二時、三時、四時と、あとは静止画像が画面に映って音楽が流れているわけですね。あと一時にやれば二時にまた予報いたします。そのテレビを見ながら、我々はスイッチを切って寝るわけです、大きな被害が出なければいいなと思いつつ。翌朝七時ごろスイッチを入れますと、出てくる画像は、家屋の倒壊何戸、床上・床下浸水何戸、いわゆる人命死傷者が何名というテレビのニュース報道があるわけです。そうすると、夜寝るとき見たあの静止画像、そして朝起きたときには、もうそのように人命あるいは家屋の倒壊被害が発災しているわけです。ここで我々がいつも思うことは、もう少し我々の身近な問題としてこのテレビの画像がアクセスできないかな、こう私は考えておりますし、いろいろ懇談すると、多くの方がそのことについて期待を持っておりますのでは、何が一番問題なんだろう。これは、我々の身近に起きる発災というのは雨です。雨の量が多いか少ないか。もちろん、台風ですから暴風雨という強風もございますが、一番身近で我々が感ずるのは雨です。雨についてあの雲画像を見てどの程度わかるか、余り身近な問題として考えないで寝てしまいます。
 しかし、そこで私は、ここからが大臣に考えていただきたい点なんです。あの全国の情報をダウンしてローカルのところへ持ってきたときに、私は静岡ですから、静岡ですと例えば一級河川というのがございます。台風は西から東へ向かいますから、浜松の方に天竜川、私の選挙区で大井川、隣の選挙区へ行くと狩野川というあの台風で有名な一級河川がそれぞれ流れています。もしもあの映像の中で、天竜川の水位が上がっております、今雨量はこのぐらいです。NHKもよく雨が降りますと棒グラフで出しますね。あれをやはり県内のニュースの中で、天竜川の水位は今の雨量ですと刻々増水して何時ごろには警戒高水位を越えますよというような状態のニュースが入ってまいりますと、天竜川とか大井川とか狩野川に水位の差が出てきて、これは一級河川の水位の増高だけではありません、あなたが住んでいる身近な中小河川も増水するかもしれません、あるいは越波して床下浸水の危険もあるかもしれない、ですから、これからの台風情報に御注意ください。もしもそういう河川の水位の変化が出てくると、自分の周りの中小河川も大丈夫かな、これが一つあると思うのです。
 もう一つは、過去において何ミリぐらいの雨が降ると山が崩れました、急傾斜地あるいはがけ崩れがありました、皆さんの御近所の裏山とかあるいは危険ながけとか危険な渓流等について注意を払ってください。テレビの情報と行政の、いわゆる市とか役場の情報等にも御注意ください、もしもこのような報道がなされれば、我々は、あっ、そうだ、がけも危ないんだな、ぴくっとするわけです。
 これは静岡のことを話しましたけれども、大臣は東京ですから、例えば東京で大臣に関係があるのは隅田川、荒川、神田川、目黒川、そういう河川の情報が出てくると、危ないぞ、大丈夫かなといって、あの雲画像で見ているのと、神田川大丈夫かな、目黒川大丈夫かなとなってきますと、東京の問題になってきます。利根川の問題も、あの支流の小貝川がはんらんしました、もしも利根川の水位の上昇がわかれば、今度の台風は危険だぞ、危ないぞと大臣も思われると思うのです。常襲の浸水地帯大丈夫かな、こうなってまいりますと、大臣も身近な問題として台風情報をお考えになるのではないか。
 そこで、私は、こういう情報について建設省とかあるいは気象庁、自治省、国土庁、関係省庁に、いろいろと皆さん方の持っている資料でこれからの高度情報化社会の中で使える資料はありませんか、そして、もしもこれが大臣の決断でNHKの画像を通じて国民にアクセスできたらすばらしいものだな、こう言いましたら、関係省庁は非常に喜んでいろいろなことを教えてくださいました。
 委員長、済みません。ちょっと大臣に資料を渡してください。――大臣、その一番上に気象庁の資料、雲画像が行っていると思うのです。気象庁にきょう大臣に資料を見せると言ったら、これはGMS、「ひまわり」四号の画像ですよ、一九九〇年の四月二十六日、〇〇Zというもの、これはグリニッジ標準時ですから、午前九時の雲画像を気象庁はわざわざ大臣にお見せください、これがけさの「ひまわり」四号の雲画像ですね。
 そして、今の資料のずっと終わりの方を見ていただきますと、私が選挙区が静岡なものですから、静岡のこういう計数を出してくれておりますが、これは、静岡でどれだけの雨が降ってどういう風向きでどうですかというのが、こういうコンピューターの計数で出てきております。それを一枚めくってください。そうしますと、この静岡県のところにこうやって、こういう図面で雨が何ミリですよということを表示してくれます。これが今、気象庁がNHK初め各報道機関に情報として流している数字でございます。
 そこで、今度は建設省に、もうちょっと何かないですか――大臣、恐縮ですが建設省と書いた資料を見ていただけますか。そのクリップを外していただきますと、「河川情報センター」というのが入っております。大臣が東京ですから、「河川情報センター」の全国版と東京版と入れてあります。私は、建設省というのはどちらかというとヘルメットかぶって長靴履いているのかと思ったら、とんでもない。「日本の河川にも、情報化時代が到来しました。」そして中を開くと、「万全の情報システムを整えています。確実な情報源と幅広い活動エリア。最新のハードと多彩なソフトを駆使。」と、こうすてきなトレンディーな言葉がどんどん出てきますけれども、ここの中を見ていっていただきますと、建設省も気象庁と同じようにレーダーによって雨量を観測しています。しかも、このレーダーの解析は、この図面にございますように建設省は市町村の役場がわかるほど細かいメッシュで雨の情報をつかんでおります。
 その隣に河川情報が出ておりますが、大臣にこの東京の河川情報を見ていただきますとどういうことがわかるかといいますと、今、雨が降ったときに、ここには小貝川の水系が出ております。小貝川が、今上流部流域でこれだけ雨が降りますと、水位はここまで来ております、これ以上もしも雨が降ると危険、警戒高水位を超えます、そうしたら逃げてくださいというような、これはコンピューターグラフィックで河川情報センターが全部持っています。特に、これは水防法十条で一級河川は全部持っています。特に東京などは危険な二級河川も情報として持っております。
 本来、私がこれ全部言わないで、各省の優秀な方に御説明いただきたいのですけれども、時間がないから私がかわって言っているのです。
 これはやはり建設省の砂防でございますが、これをちょっと官房長、局長に見せてください。「明日を創造する砂防」、これはいわゆる土石流とか地すべりとかがけ崩れ、立派にこれも建設省はきちんとした資料として持っているわけです。さらには土砂災害であるとか、すべての情報について何とかしようということで建設省も持っております。
 それからもう一つ、今度この本を大臣見てください。これは今度は自治省ですが、自治省もやはり消防庁を中心に地方自治体の防災情報システムを持っているわけです。地方自治体においてはもっと細かく私の村、私の町の山は、がけは、川は大丈夫かというところで解析をしているわけです。これは各地方自治体が持っている地域防災計画です。
 これはきょうは資料としてお渡ししてございませんが、長崎市のものなんです。これは五十七年に物すごい土砂災害があったのです。その土砂災害によって、消防庁は長崎市に対して地域防災計画の見直しを要求しました。きちんと六十三年に消防庁の指導どおり見直したんです。今まで長崎市は雨については詳しくは書いてなかったのです。でも、長崎市の名誉のためにちょっと読んでおきますと、長崎市も、
 降水量と災害との関係は、それ以前の雨の降り方や、その土地の条件などによって異なるので簡単ではないが、一応の目安としては、二十四時間の
  降水量 百mm 低地では浸水が始まる
  降水量 二百mm 山崩れ、がけ崩れ、浸水が起こる
  降水量 三百mm 河川のはんらん、山津波などの大災害が予想される
  また、河川のはんらんについては、毎時十mmの一昼夜二百四十mmには一応耐えるが、毎時八十mm三時間の二百四十mmになると耐えがたく、すでに二百mm以上の降雨後、毎時五十mm以上の雨が一時間続くときは河川は必ずはんらんする
この地域防災計画の中でも、いわゆる雨の降り方、量によって河川がはんらんしますよ、危険ですよ、後ろの方には危険な河川の名前がちゃんと載っているわけです。
 このように、今ざっと申し上げて甚だ恐縮なんですが、建設省も気象庁も自治省も、一生懸命住民の生命財産を守ろうと思って真剣に防災に取り組み、データを集めていらっしゃるわけです。私はこれを一遍にアクセスしてほしいなどと言っておるわけではございません。台風のときとか集中豪雨、梅雨の戻りとか、雨によってその地域が危険になるときだけに限ってでも、そしてまた今申し上げたように、一級河川の水位の増高がわかりますと、身の回りの中小河川について我々はすぐ頭が働いてまいります。また、今までこの地域では何ミリの雨があるとがけが崩れたことがございましたというと、これからの台風情報でよく見ておこう、裏山は大丈夫かどうか気を使おう、このように自民は必ず一つの情報から無限に、自分の生命財産に対してのいわゆる考えを広げていくわけです。
 そうしますと、今NHKがテレビで一晩じゅう御苦労いただいていることに私は敬意を表しつつ、さらにもう一歩、画像をあとワンショットかツーショットふやしていただければ、国民が防災に対して非常に安心して立ち向かっていけるのじゃなかろうか、こう思いますので、私はきょうにわかにどうというのじゃなくて、このことを、きょう関係省庁の御意見もこれから訴えていただきますけれども、何とかこれをアクセスして、国民にテレビの映像を通じて、いわゆる防災の心構えといいますか、つくっていただくような方法を御検討いただきたい、こう思いますが、郵政省のお考えはいかがでございますか。
○深谷国務大臣 災害のときに迅速に対応するには、放送が最も適切なメディアであることは、よく承知しております。従来から放送法、災害対策基本法等において災害発生時における災害放送の実施等、必要な措置を私たちは数々実施してまいりました。
 ただ、ただいま先生が御指摘のような、もっときめ細かなやり方があるのではないか。その全体的な形としてはかなり努力してまいりましたが、ただいまお話しのような本当に刻々と、例えば水位の状態がどうかといったようなきめ細かい対応をもっと指示して検討して準備をするということは非常に大事なことで、全く先生の御指摘のとおりだと思っております。よりよい災害情報をどのように送ればいいのか、各関係方面と大いに研究して、御期待に沿うような体制をつくりたいと思います。
○薮仲分科員 ちょうどきょうは各省来ておりますので、今大臣がそのように言っておられたものですから、建設省、自治省、気象庁、国土庁、それぞれ、今郵政大臣のところで各省で御協議を、こう言われたときに、私は大いに奮って参加して、賛成して、好ましい情報を郵政省を通じて我我国民に提供していただきたいと思いますが、各省の御意見をお述べください。
○定道説明員 建設省でございます。
 先ほど先生が河川情報センターの件につきまして御説明なさいましたとおり、私たち河川及びその流域に関する情報を広く国民に活用していただくために、つい最近、四年前でございましたけれども、昭和六十年十月に設立したものでございます。このセンターは、私たち現在全国に十数カ所のレーダーを持っております。それから全国に雨量計のそれもリアルタイムで持ち込めますテレメーター、それから水位を直ちにそれもできるテレメーター等を持っております。先生がおっしゃいました、情報を直ちに国民に知らせるということで、このセンターを設立したものでございます。
 御指摘のように、情報を報道機関等にいつでも伝達することを公開的にしておりますので、もしこのようなことができまするならば、我々も国民により周知していただけるという形になれば、その国民の生命財産を一人でもまた救えることも可能でありますので、私たちは非常に有意義なものとは考えております。
○鶴岡説明員 お答え申し上げます。
 国土庁としましては、従来から、各省にまたがります防災に関する行政の総合調整という仕事をしておりまして、具体的な仕事はそれぞれの省が所管して御努力いただいているわけであります。
 今の先生のお話の点につきましても、基本的に郵政省を中心に今情報を持っておるところがどういうふうにやっていくか、その際に、今言いましたように、今まで国土庁が総合的に各省間の防災行政を推進するという立場から、それらの協議に積極的に参画して努力していきたいと思っております。
○瀧川説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、防災情報をきめ細かくということにつきましては、気象庁は従来から努力を続けてきております。特に、従来は県を単位として注意報、警報を出しておりましたけれども、三年前からは県内を二つないし四つに分けて出すようにしてきております。今後、より具体的な防災情報の放送につきましては、引き続きまして防災関係機関と緊密な連絡をとりながら、より有効な情報が国民の皆さんの手に届くように勉強していきたいと思っております。
○神林説明員 災害の被害を軽減いたしますには、あらかじめ災害危険箇所、避難地、避難路等の情報を住民の方によく御理解いただきまして、具体的に災害発生の危険が生じた場合には市町村長が的確な勧告、指示を行う必要があることは全く御指摘のとおりでございます。
 そこで、消防庁といたしましては、先ほども御質問のように、市町村に対しまして、地域の危険箇所等を地域防災計画に明示いたしまして、住民の皆さんにわかりやすい対処方法を作成するように周知徹底を図るということを今進めているわけでございまして、また、住民への情報提供手段といたしましては、過去の災害事例等から防災行政無線の整備を促進しているわけでございますけれども、ただいま御提案のテレビによります災害情報の提供につきましても、私どもは非常に有効な手段と考えておりますので、NHK防災業務計画等の運用に当たりまして、災害の予防と混乱防止に資することができますように、私どもといたしましても防災に関する情報の提供などに積極的に協力してまいりたいと考えております。
○大瀧政府委員 台風や集中豪雨の際、洪水、浸水、土砂崩れ等の情報を放送事業者が住民の方々に提供するということは現在でも精いっぱいやっておるわけでございますが、先生御指摘のように、さらに詳細な情報ということは大変大事なことであると思います。放送法に基づきまして、「放送事業者は、」豪雨であるとか洪水等による「災害が発生し、又は発生すみおそれがある場合には、その発生を予防し、又はその被害を軽減するために役立つ放送をするようにしなければならない。」ということで、放送法にも定められておるわけでございまして、この線に沿って努力をしているところでございます。
 放送事業者は、関係防災機関の情報提供に基づきまして、さらには放送事業者自身の取材に基づきまして、台風情報等を放送しているわけでございます。NHKが特に非常に大事でございますけれども、このNHKが災害に関しまして特定の地域固有のよりきめ細かい情報を地域住民に提供するということに関しましては、それぞれの機関からの適切な情報の提供が行われるのであれば、NHKがそれらに基づいて放送するということは大切なことであると私どもは認識しているわけでございます。さらに、そういうような情報をしっかりと検討いたしましてどのような方法で放送を行うべきかということに関しましては、NHK及びほかの民放の放送事業者も含めまして、関係省庁とも協力しながら研究を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○薮仲分科員 大臣、局長、そして関係省庁の熱意ある御答弁を聞いて、私は国民の一人として喜んでおりますし、その対応が一日も早く、本年もまた必ずめぐり来る台風のシーズンが参ります。大臣に重ねてお願いを申し上げておきますけれども、どうか、きょう私がお願い申し上げたことがことしの台風シーズンのときに一つでも二つでも、国民の生命財産が守られる前進として、結果として進みますことを私は心から期待いたしておりますので、よろしくお願いいたします。
 それで、いろいろあったのですが、もう時間が参りましたので、今度は具体的な問題で一つだけお伺いしたいと思います。
 難視聴の問題でございますが、具体的に、この難視聴について我々国民がなぜ困るか。難視聴を解決しようといたしますと、例えばビルができました、あるいは団地を造成しました、あるいは大きな建物が立ちました、その途端に、いわゆる過疎の村や既存の住んでいらっしゃった少数の方にテレビの電波障害があるということではなく、新しいビルや建造物によって映像の障害が出ますと、郵政省はいわゆる原因者負担という形でこの解決をするように御努力なさいます。しかし、我我が現地で一番困りますのは、いざこの人がおかしいなと思ってその方とお話しをいたしますと、私だけではございませんという問題になってまいります。
 具体的に言った方がはっきりすると思いますので、私の住んでおります静岡県の藤枝市の一つの団地、これは駿河台団地というところでございますが、そこでもテレビが見えなくなりまして、そしてあの建物、この建物と住民の方がいろいろ交渉なさるのですけれども、すべての方が、いや、私もそうかもしれませんがあちらも、こう言われるわけです。
 そこで、こういう電波障害についてきちんとした理論的な原因の究明ということが確立しなければ解決は進まないと私は思うわけでございます。ですから、具体的なこういう事例を通じまして、どうか国民の皆さんが今後いろいろな形でこういう問題で絶えず苦しまなければならない、不愉快な思いをすることがないように、郵政省は原因究明にしかるべき担当者、担当機関、そして解決には一つのルールづくりをして、国民の皆様が不愉快な思いをこうむらないような、特に公共放送でありますNHKの電波障害等はまことに好ましくありませんので、すべてを含めてきちんとした原因究明の上で解決できるようなルールづくりをぜひともお願いしたいと思いますし、当該の地域についての解決もよろしくお願いしたいと思います。
○大瀧政府委員 御指摘のとおり、障害を受けておる受信者にとりまして、原因者を明確に特定することが困難な場合も少なくないわけでございます。私ども郵政省におきましても、この原因者を特定するということのために必要な技術開発を一生懸命いたしております。各地方の電気通信監理局におきましても、具体的な相談に応じておるところでございます。
 このように具体的な相談があった場合には、地方局の受信障害対策官を中心にいたしまして、NHKなど受信障害の調査について経験と技術的な能力を持っておる方々の協力を得まして、そうして、受信障害の主要な原因となっておる建造物を特定いたしまして関係者に必要な指導を行うなど、受信障害の解消が円滑に行われるように一生懸命やっておるわけでございますが、先生御指摘のように、さらに一層これらに関しまして私どもといたしましても最大限の努力をいたしたいと存じております。
○薮仲分科員 大臣、どうかよろしくお願いします。
 終わります。
○新盛主査代理 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。
 次に、井上普方君。
    〔新盛主査代理退席、伊吹主査代理着席〕
○井上(普)分科員 私は、このごろ地元を歩くあるいはまた町へ出てみますと、どこへ行っても再三、このたびはNHKの受信料が上がったんだな、えらいことだ、しかも三〇%も上がるんだ、大変なことだ、こういう声を聞くのであります。したがって、きょうはNHKの会長さんに来ていただいてその声をひとつ聞いていただくということも有意義だろうと私は思っておった。ところが、会長さんは何か御用があるということでお見えにならない。しかし、この間うち放送料金の値上げのときには、国会議事堂の中であっちうろうろ、こっちうろうろする会長さんの姿を見たのでありますが、こういうようなことになってくるというと出てこない、まことに私には残念であります。特に会長さんであるとか社長さんというような方々は常に――まあこれは一般論ですよ、ともかく雲の上におって、批判を受けることがない、だから下情に通じないというようなことがあるので、せめて国会においてこういうような論議が行われるときには喜んでここへ来て、庶民の代表の私らの声を聞くのが当然の義務だと思う。しかし、きょうはお見えになっておらない、甚だ残念に思うのです。副会長さんの小山さんがおられますので、こういうことをひとつ会長に十分おっしゃっていただきたい。料金を値上げするときには、この国会の廊下の中あっちこっちで再三お目にかかったけれども、いざそれに対するお話をするというような予算委員会の分科会は喜んで出ていただきたいことをひとつお願いいたしたいと思うのですが、どうでございますか。
○小山参考人 本日、実は外国の代表と協定上の問題がありまして予定がありまして、しかし、さりとはいいながら、国会のこういった席に出席できなかったこと、協会の副会長といたしまして私から先生におわび申し上げます。
 なお、先生からそのような御意見のありましたこと、私も深く肝に銘じますと同時に、会長にその旨をよく伝えるということをお約束したいと存じます。
○井上(普)分科員 とかく偉くなるとここへ来たがらないものです。人から批判を受けるのを好まぬような性質になる。それで民衆との間が乖離してしまうというようなことになりますので、十分この点は心して、せめて批判は素直に受けるということをお願いいたしたい。これは上に立つ者の務めだろうと思いますので、特に申し上げておきたいと思います。
 そこで、ともかく値上げをせぬものだと思っておったらするようになった。なぜ値上げをするかといえば、その理由というのはそれが持っておる構造的な赤字だろうと思うのですよ。したがって、この赤字はどういうようにして解消していくおつもりなのか、ひとつお伺いしたいのです。
○小山参考人 まず最初に、今度の値上げに至りましたことを極めて短時間に申し上げますと、一つは六年間料金というか受信料を上げなかった、このことによりまして、いろいろ節約してなるべく受信者の皆様方に御負担を増加しないようにという努力をしたのでございますけれども、結果的に――いろいろな技術革新の時代にありましても、機械設備の償却期間が六年のものを十数年とか、あるいは放送に御出演いただく方の出演料などというのはこの三年間全く上げてないとか、あるいは放送権料の上昇とか、そのほか、私ども一般の生産工場と違いまして一番職員のやる気、それによります一つの新しい考え、時代に即したいろいろな発想というものはやはり職員の給与というものと密接にかかわってまいります。その点につきましてかなり一般的な差が出てきたというようなことがございます。
 今後、それではこれをどうするかという御質問でございますが、では従来からやったものをそのまま延長で、この値上げしたものを従来の考え方でただ値上げ分を使っていくということでは国民の皆様方に対して申しわけないと思いまして、いろいろ新しく考えを持ちまして、私ども自身で諸経費、今まで七人でやったものも最大限努力してくれないかというようなこと、それから、いいものをつくるためにそれに相応した質的な向上を図るというようなこと、こういったものの合わせわざによりましてできるだけ御負担を増加させないように努力してまいりたいと存じます。
○井上(普)分科員 今御答弁になりましたけれども、これはいずれも、新しい技術あるいはまた出演料が上がったとかいうのは今の世の中の常なのです。かつて私は、今から十年ぐらい前でしたか、衛星放送やるについて、これによって聴視料が上がるようなことがないかというようなことを聞きましたら、そんなことは絶対ございませんというふうにおっしゃっておった。しかし放送衛星の打ち上げに失敗した。これはまた何遍もやっていますね、二、三回やっているんじゃないですか。こういうようなことで、またまたNHKの放送衛星が故障を起こしたぞ、また値上がりするぞと思っておりましたら案の定出てきた。こういうようなことで、私は、このたびの値上げは国民全体の理解と合意を得たものじゃないと言わざるを得ないと思うのであります。
 そこで、ちょっとこの間も聞いておりますと、NHKの傘下には株式会社が十七、公益法人が三団体つくられておるのですね。しかも昭和五十六年から、すなわち臨調が発足いたしましたときからこの株式会社は十七のうちの十一、公益法人は九つのうちの二つが新しく会社あるいは法人がつくられておるのであります。これはもう過去の行革審あるいはまた臨調、少なくともこれについては私は批判はあるのだけれども、最低限ここらが出した答申とはおよそ背馳するものである、適正でない、こう思うのでございますが、どうしてやるのですか。何の法律によってこういうような会社ができるのか、法的根拠とこれらをつくった理由をひとつお聞かせ願いたい。
○小山参考人 まず事業の目的でございます。これは先ほど申し上げましたとおり、私ども受信料を値上げしていただくということは直接的に国民の皆様方に非常に御負担を願うということでございまして、何とかして事業運営の効率化ということでこれを乗り切りたいという一つの目的がございます。これは何もNHKが商売をしてもうけようというようなことではなしに、そういう効率化することによりまして受信料値上げになるべくつながらないように努力していきたい、こういう一つの目的がございまして外郭団体というものをつくったわけでございます。
 これによりまして、番組の企画、制作、販売の分野で十一、業務支援分野、例えばNHKのいろいろ放送権もございます。こういった保守管理というようなものを効率的に行う会社等、それから公益サービスをする研修センターでありますとかN響というようなもの、それから厚生文化事業団というようなもの、こういったことによりましてできるだけ多角的な活動をすることによりまして、NHKの経費を全部受信料に負担していただくのではなしに、ほかの事業もあわせ行うことによりまして少しでも安く上げたい、こういうことが目的でございます。
○井上(普)分科員 小山さん、それは厚生文化事業団とかいうのは昭和三十五年につくられているの。私が言っているのは、昭和五十六年からこっち、こんな株式会社を十一もつくったのはなぜだということを聞いているのだ。そしてその十一つくった、あるいはまた公益法人を三つつくったことによってどれだけ経費が削減せられたのですか。そうおっしゃるならお伺いいたしたい。
○小山参考人 ただいま設立したばかりでございますので、直ちにここにプラスとして入ってきているものはない会社もございますけれども、全体としてのNHKの還元という形での収入は一年間当たり約、ちょっと細かい数字でございますので――失礼いたしました。六十三年度が三十一億円でございましたけれども、副次収入が三十七億円になっておりまして、約六億円の増収になっております。平成二年度の予定といたしましては、四十九億円になる予定になっております。
○井上(普)分科員 それは上がるのは当たり前の話なんで、これを見てみますと、ブックセンターのような、プリント・センターですか、あるいはこういうような周知宣伝の公開議座のようなものを全部やっているんだから、それはもうけるのは当たり前の話。これは少な過ぎると私ら思っている。しかもここ五年の間に十一もつくって、前の分も全部含めて、おっしゃるのはそうでしょう、すなわち昭和三十六年のNHKアート以来つくられたもの全部で恐らく六億だろう、こう思います。
 それから五十六年以降のものでどれだけもうけておるのか、あるいはまたそれが入るのか、NHKの経費にどれだけプラスになるのか私にはわからない。特に、同じような会社を三つもつくっている。先ほどもちょっとお伺いしたが、この法的根拠は一体どこにあるのか。放送法第九条第三項によるのだろうと思いますが、これ拡大解釈していませんか。この点ひとつお伺いいたしたい。
○小山参考人 放送法第九条の二によりまして行っておりまして、これにつきましては、私ども恣意的な判断があってはならないということは厳に戒めるべきものと考えておりまして、九条の二にございますように、予算をつくるに当たりましてその中において出資等が決められておる次第でございます。
○井上(普)分科員 それでひとつお願いいたしておきたい。
 昭和五十六年以降つくられた法人の貸借対照表をずっとひとつお見せいただきたい。後ほど送っていただいて結構でございます。
 私が見まして、どうも同じような会社をつくられておるケースが非常に多いように思われます。でございますので、ひとつ貸借対照表をお示し願いたいと思うのです。お送りいただきたいと思うのですが、いかがでございますか。
○小山参考人 当委員会の御命令に従って提出いたします。
○井上(普)分科員 ぜひともお願いいたしたいと思います。
 実はもっともっとNHKに対して聞こうと思っておったのですが、実は先ほどの谷村議員の質問を承っておりまして、これはゆるがせにできないことだと私は思いますので、ひとつ郵政大臣と官房長にお伺いいたしたい。
 先ほど地名総鑑というようなのがパケット通信でともかく不特定多数の手に入るようなシステムになっているということ、まことにゆゆしいことだと私は思う。これに対する法的処置としては電波法第百六条によって処分ができると私は思ったのだが、これがどうもできない。できないといいますか、谷村君の質問に対しまして、どうも郵政省は消極的な解釈しか示しておらない。私はまことに残念なんですが、どうしてこれができないのか、ひとつお伺いいたしたい。
○森本政府委員 お尋ねの百六条でございますが、この条文は、自己もしくは他人に利益を与え、または他人に損害を加える目的で無線設備等の使用によって虚偽の通信を発した者は、三年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処する、こういう規定に相なっておるわけでございます。したがいまして、先ほどの具体的事案がこの内容に照らして該当するのかどうかというお尋ねであったわけでありますが、私が先ほど申し上げましたのは、具体的事実に即してみてこの条文に当該事実が該当すると判断するのは有権的にはなかなか難しい要素があるのではないか、こう申し上げたところでございます。
○井上(普)分科員 いかにもこれによって虚偽の通信を発した者ということになるとそうなるのですよ。しかしながら、現にこういう基本的人権にかかわるものを発信しているのです。当然郵政省としては、法の改正、これを考えてしかるべきだと思うのですが、どうです。
○森本政府委員 先ほど来お話がありましたとおり、今日同和問題というのは大変重大な……(井上(普)分科員「わかっておる。改正するかせぬかだ」と呼ぶ)私どもといたしましては、この同和問題の重大性と同時に、特別の規定がある場合を除き通信の内容に介入してはならないという電波法全体の法体系にも相なっておりますので、御指摘の問題はなかなか難しい問題をはらんでいるのかなと考えておるところでございます。
○井上(普)分科員 しかしながら、第百八条では、「通信設備によってわいせつな通信を発した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。」ということができておるじゃありませんか。これであれば、通信の内容がわいせつかわいせつでないかは内容を知らなければできないはずだ。通信の秘密をあなたは盾にするのだろうけれども、こういう規定がある以上、できるのじゃありませんか。
○森本政府委員 電波法に特定の法律の根拠を置いた場合を除くのほか根拠なくして対処はできないのではないか、こういうことを申し上げておるわけでありまして、御指摘のとおり、百七条あるいは百八条では具体的な事案を定めているのはそのとおりでございますので、これに関する限りは、おっしゃるとおり通信の内容に立ち入らざるを得ないことは、それは御指摘のとおりでございます。
○井上(普)分科員 しからばつくったらいいじゃないですか。この中に、「わいせつな通信を発した者は、」というほかに、人権を損ねた者はとかなんとかいうような言葉は入りませんか。法が不備なんですよ。
○白井政府委員 省の中で法令関係の取りまとめを担当しているという立場で、あえておしかりを覚悟で申し上げさせていただきます。
 電波法の百六条から百八条の規定は、申し上げるまでもなく刑罰規定でございます。刑罰規定の解釈そのものは、当然のことでございますけれども、できるだけこれを厳格に解釈するというのが刑罰規定に対する基本的な考え方であろうと思います。
 それから他方、ただいま先生お話しの、それでは立法論としてそういうふうに法律を変えたらいいではないかというお話だと思いますけれども、これにつきましては、先ほど大臣も実は申し上げたわけでありますけれども、もともとこの同和問題とかあるいは差別問題というのは、結局は人の心の問題ではないかと思うわけでございまして、刑罰をもって強制をするというような考え方と若干相入れにくい事柄ではないかという感じがするわけであります。そういう意味で、法律を改正するという方向にすぐはちょっと物が言えないというようなことではないかと思うわけでございます。
○井上(普)分科員 そういう解釈と先ほどの解釈との二つあるんだな。一つは、先ほど、第百六条によるというと、これはなかなか通信の内容に入ることはできないというお話だったな、最初は。これは通信の秘密の関係だろうと思う。しかし、これは第百八条によると、「わいせつな通信を発した者は、」ということになると、通信の内容にまで踏み込むことができることになっている。この問題は解決したと私は思う。そうでしょう。どうです。
○森本政府委員 憲法の規定を受けまして、通信の秘密というのは極めて大事な基本的人権だということで、電波法の五十九条においても通信の秘密の確保ということがございます。ただし、例外はある。公共の福祉という視点で、先ほど、百七条あるいは百八条等に定める場合について、あるいはそうした場合に限って、その内容に立ち入らなければその構成要件が該当するかどうかという判断ができない、そういう構造になっていることを申し上げたわけでございます。
○井上(普)分科員 しかしながら、今までこれによると、一つは「日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する通信を発した者」、それからもう一つは「通信設備によってわいせつな通信を発した者は、」こういうことになっているのですね。この二つについてはできるのでしょう。だから、この問題については、これは通信の秘密外のことである、この二つについては通信の秘密の中に立ち入ることができるということでしょう。
○森本政府委員 この百七条、百八条の位置づけでございますが、いわば一般法であります刑法に基本的に同様の規定があるわけでございますが、この刑法の規定では律し得ない場合について、特別な刑法だという位置づけで電波法に規定をされておる、こう理解するわけでございまして、先ほどから申し上げておりますように、確かにこの人権問題は非常に重要な問題でございますが、他方、通信の秘密の確保ということもまた基本的人権の上で大変大事な問題でございますので、このところに立ち入るには両者の均衡を考慮しなければならない、そういう状況にまずあるものと思います。
 とりわけ通信の秘密というものが、基本的な人権として政府が介入する場合には、できるだけ制限的あるいは限定的たるべしという基本的な考え方もあろうかと思いますので、御指摘の改正したらどうかということについては、先ほどから申し上げておりますが、なかなか難しい問題が所在するのではないかと考えておるところでございます。
○井上(普)分科員 時間がないから、この問題は後ほどもっと論議したいと私は思う。しかしながら、この場合、すなわち第百六条で「他人に利益を与え、又は他人に損害を加える目的で、」ということになって、これを受けたと感じられる人が告発した場合あるいはまた裁判を起こした場合はどうなります。
○森本政府委員 告発が、具体的事実に基づいてその嫌疑があるということが判断されれば、その具体的事実についてまず調査をいたさなければならないと思います。
○井上(普)分科員 しかしながら、例えば団体もしくは自己または他人に被害を与えた、例えば今の地名総鑑のごときは被害を与えることがあり得るわけだ。あったと解釈してこれを告発あるいは裁判にかけた場合、あなた方はどういう解釈でいきます。
○森本政府委員 先ほど条文を読ませていただいたとおり、この問題については、他人に利益を与える、あるいは損害を与える目的というのが一つございますのと、それからそのことが虚偽である、事実ではない、この全体の条文は虚偽の通報ということに相なっておりますので、そうした点を判断いたしまして、具体的な判断は最終的には司法当局において行われるものと存ずるわけであります。
○井上(普)分科員 しかしながら、片方、第百八条は「わいせつな通信を発した者は、」になっている。ここには虚偽の通信を発した者とない。だから、ここらあたりに法の不備があるのじゃございませんか。百八条にはそうなっている。それで「わいせつな通信を発した者は、」こうなっておるのです。それでは、ここらあたりの解釈はどうなりますか。
○森本政府委員 百六条は先ほど申し上げましたように「虚偽の通信を発した者はこそれから百八条は「わいせつな通信を発した者は、」御指摘のとおり同様な規定に相なっているわけでございますので、このときそういう事実が判明したとして、それが該当するかどうかの判断を行うのは司法当局であるということを申し上げておるわけであります。
○井上(普)分科員 しかしながら電波法は、告発はおたくの方でできるんでしょう。どうです。
○森本政府委員 その事実が該当することが十分嫌疑に足りると私ども思いますれば、告発する義務はあると考えております。
○井上(普)分科員 通信技術というのは日進月歩だ。特にこの法律はバケット通信なんというのは想定できない時期につくられたものだ。日進月歩の技術革新によってこういう公共の福祉に反するような事例が起こってきている。とするならば、それに対する法の改正といいますか、検討というのは行われてしかるべきだと私は思う。この点についてどうでございます、深谷郵政大臣。こういうような問題が起こってきて、これはそういうものを想定していないときの法律なんだ。日進月歩の通信によってそういうような不都合が出てきたというならば、それに迅速に対応するのが行政当局あるいは立法措置でなければならぬと思うのですが、どうでございます。
○深谷国務大臣 あるいは先ほど申し上げたことと繰り返しになっておしかりを受けるかもしれませんが、私はこの同和問題というのは基本的人権にかかわる問題でございますから、これは刑法で処理するというよりはやはり国民の本当の認識をきちっと深めるということに全力を尽くすことが最善ではないだろうか。私はこういうアマチュア無線の一部の心ない人たちがかような行動をとったことは本当に遺憾と思っておりますので、役所全体にも一層叱装ラ励いたしまして、基本的人権を正しく認識させるような啓蒙開発、これに全力を尽くさなければならぬと思っております。
○井上(普)分科員 私が言っているのは、新しい技術が開発される、それに応じた法運用、あるいはまた法改正が行われてしかるべきではないかと申しておる、このことを聞いておるわけ。わいせつ行為についてはこういうようなことがある。しかしほかのものでも、こういうようなバケット通信なんというのは、とてもじゃないが、私は今聞いて初めてわかったのだから、こういうようなことについては、特に電波行政を預かる郵政省としては、日進月歩の状況だ、しかもそれが不特定多数に通ずることでありますから、これは再検討してしかるべきだと思うのですが、いかがです。
○深谷国務大臣 この問題は同和問題から発している問題でございますので、私の考えは先ほど申したとおりでありますが、先生の御意見は御意見として承らせていただきたいと思います。
○井上(普)分科員 これは別の場でひとつもう一度論議したいと思います。
○伊吹主査代理 これにて井上普方君の質疑は終了いたしました。
 次に、小森龍邦君。
○小森分科員 私の方から引き続きましてお尋ねをしたいと思います。
 まず、この同和問題に対する認識につきましては、先ほど来、谷村委員さらには井上委員の方からお尋ねになりまして、郵政大臣の明確な認識に関する答弁が行われておったようでございます。しかるに、総論ではそうだが、各論になると、わいせつという具体的な事実に対して規制をしておる法律に人権問題というさらに具体的な問題が出てきたときには動揺して何を言っているのかわからない。こういうことでは、私といたしましては、明碓な総論的な同和問題に対する認識も単なるお題目にすぎないのではないか、こういうふうに考えます。
 したがいまして、後ほどまた、その各論だとか総論だとかいうことにつきましては私の角度からいろいろと申し上げたいと思いますが、まず、同和問題が人類普遍の原理だということを言われましたが、私とすれば人類普遍の原理はいかなる価値観よりも優先すべきものだと思いますが、いかがですか。
○白井政府委員 先ほど来ほかの先生の御質問にお答えする形で大臣の方からも御答弁を申し上げておるわけでございますけれども、表現としてどういう表現をするのが適切かわかりませんが、一人の人格は最大限に尊重されなければならないということは申し上げるまでもございませんし、また、いわゆる同和問題とか差別問題と言われるものはまさに個人の人格あるいは人間としての尊厳にかかわる大変大事な問題であるという認識を持っておるところでございます。
○小森分科員 大事な認識というような言い方でなくて、同和問題は人間の自由と平等に関する市民的権利の問題であり、基本的人権の問題であり、人類普遍の原理だ、こういう規定をされたわけでしょう。人類普遍の原理ということは何物にも優先してそこに価値を認めなければならぬわけでしょう。その何物にも優先して価値を認めなければならぬことを、表現の自由とか通信の秘密とかいうことを出して、これも人権のうちの一つの内容を形成するものでありますが、それよりも、わいせつの放送をしてはいけないとわいせつに対しては規制できて、人権に対してはなぜ規制できないの。
○白井政府委員 私の言葉があるいは適切でないのかもしれませんが、いわゆる人権にかかわる問題あるいは先ほど来御指摘のありました問題というのは、非常に重要な問題であるということは再三にわたって大臣がお答え申し上げておるところでございます。
 ところで、百八条のわいせつの問題と比べても、わいせつの方が重要でこの問題の方が重要でないのかという御趣旨ではないと思いますけれども、もしそうだとすると私どもの申し上げ方が大変間違っておるわけでございまして、刑罰をもって律するということがふさわしいかどうかという、まさに同和問題の重要性なればこそ刑罰で縛るというようなこととはどうも考え方というのがぴたっと相入れないような感じがするということを先ほど申し上げたわけでございます。
○小森分科員 規制というのは何も刑罰をかけなさいということではない。きょう、谷村委員から始まって先ほどの井上委員も、刑罰をもって臨みなさいとは言っていないと思いますよ。規制というのは、刑罰もあれば、しかしそれは刑法の問題になってきますよ。しかし、たちまちは電波法管理の責任のある郵政省がいかなる行政的規制をするかという問題でしょう。それをあなた、人類普遍の原理で最も大事な問題ですと言いながら、でたらめなことを放送するその人の通信の秘密を守って、そして人権を守らないという、そんなでたらめなことがどこにありますか。論理が通らないでしょ。
○森本政府委員 先ほどから官房長も同趣旨のことを申し上げておると思うのでありますが、御案内のとおり、行政はすべて法律に根拠を置いてやるべき事柄でございます。そうした意味合いで、ただいまの御指摘は、こうした同和問題に関する規制を、刑罰かどうかは別としてとお話がございましたけれども、法律的根拠を置け、こういう御指摘だと思いますが、これは先ほど申し上げましたように、これも極めて重大な問題ではございますが、同時にまた、先ほどから申し上げているように、通信の内容に立ち入るについては、政府はできるだけ制限的な対応をいたさなければならないということも、これまた一つの問題でございますので、こうした点の兼ね合いをどう考えるか考えますと……。
○小森分科員 ちゅうちょすることはありません。同和問題は、人間の自由と平等に関する市民的権利であり、基本的人権であり、人類普遍の原理。我が国憲法は、この基本的人権を軸に制定されるものであるとちゃんと前文に書いてあるではないか。何をちゅうちょすることがあるのですか。それは、やる気がないかやる気があるかの問題で、まじめさの問題ではないのですか。この基本的人権を守るために、物事に規制をかけている国と規制をかけていない国と、どっちが多いとあなたは思っているの。答えてみなさい。
○白井政府委員 この問題に大変長年にわたって取り組んでこられました小森先生に申し上げられるようなことであるかどうか甚だ心もとないわけでございますけれども、先ほど来の御議論というのが、百六条から百八条にかけての条文を中心にしてのお話でございましたものですから、刑罰規定というようなことに絡めて私どもの考え方を申し上げさせていただいてきたわけでありますが、やはり、まさに御指摘のような、人間の本質にもかかわってくるような非常に崇高な問題ということから考えますと、少なくとも私の気持ちとしては、百六条から百八条にわたります三カ条のこの刑罰規定とあわせて考えますと、多少何かふさわしくないという感じ、似つかわしくないというような感じがしておったわけでありまして、そのことを先ほど来申し上げてきたわけでございます。
○小森分科員 したがって、先ほど井上委員の方から最終的に、郵政大臣、あなたはこの点についてはきょうの段階では、ではひとつじっくり考えてみましょうと、こういうことになりませんかという念押しがあったでしょう。考えられないのですか、それは。
○白井政府委員 所管の法令については不断に見直しをするというか、あるいは常に注意をして見ていなければならぬというのは、一般的にはそのとおりだと思います。
 ただ、先ほど来お話のございました同和に関係する問題でありますとか、あるいは基本的人権にかかわるような問題の取り扱いということになりますと、やはり私の気持ちとしては、もっと何か崇高な問題ではないか。大臣が先ほど来申し上げておるところでありますけれども、本当に心の底からこの同和問題というものの重要性を認識するということが一番大事なことではないかということを考えておるわけでありまして、そうした問題を少なくともこの百六条から百八条ということで考えますと、刑罰をもってそうした考え方を強制するというのが、どうもちょっと少し次元が違うような感じがするということを申し上げておるわけでございます。
○小森分科員 議論が行ったり戻ったでいけませんよ。刑罰と言って発言をした者は、谷村委員に始まってだれもいない。行政的規制ということがまず我々の頭に浮かぶわけ。そして、なおそれが一般的な規定からいっても、公序良俗に反するとかあるいは侮辱の罪に当たるとかということで、刑法の法規を使って攻め込むという方法もあります。しかし、行政省庁とすれば、自分の管理しておる部門で人権を侵害することに対して何の手も打てないというのじゃいかぬから、何らかの法律的な措置を講じたらどうですか、こう言っておるのですよ。
 例えば、大阪府の興信所を規制する条例はどうなっているかと言うたら、本当にもう軽い規制なのですよ。だけど、興信所の組織の事務局長が私に話して聞かしてくれたことがあるが、小森さん、とにかく規制という条項が入っただけで、そういう悪いことをしたらやはり犯罪的なことになるのかというだけで、びしっと啓発的価値がある。だから、あれができてから一切何もない。物事というものはそういうものなのですよ。
 時間がないから余り言えないけれども、後ほど多少触れたいと思うけれども、郵政大臣が、これは刑罰でなくて何か物すごい心を変えていく、精神を変えていく取り組みはないか、その気持ちは結構なことですよ。しかし、それは事実に合わないからまた後ほど言いますけれども、要はあなた方が担当されている行政施策の中で、そういうむちゃくちゃな人権侵害が行われているわけでしょう。そうしたら、それを何とかしたいという人間的な気持ちがわかないのですか。
 これは先ほど谷村委員が見せた資料がどうかわからないからもう一度ここで簡単に申し上げますけれども、部落地名総鑑のごときものをこういうテレビヘ映し出すのですよ。そしてどういうふうに書いてあるかといったら、「この総鑑は、現代の時代の流れに逆行し、企業の人事採用の参考資料として利用していただく為に作成したものです。」あえて時代の流れに逆行してでもこれをやるのですと言っておる。そして部落の個所を紹介したりむちゃくちゃでしょう。部落民は殺されてしかるべきだなどと書いてあるわけでしょう。そういうものがあなた方が監理している電波に乗っておるということになれば、あなた方が発信したものではないけれども、監理者としては、これは大変だ、こういう気持ちになるのが理屈抜きの人間的態度ではないですか。答えてください。
○白井政府委員 私どもが所管しております法律あるいは政令等の法令につきまして、絶えず関心を持ってウォッチをしていなければならぬというのは当然のことでございます。また、そうしたことについて先生御指摘のような問題もあることは、これは私どもとしては頭に入れておかなければならぬというふうには思いますけれども、ただ先ほど来、電気通信局長の方はどちらかというと技術的な側面から、そうした行政的な規制を加えることがいいかどうかということを申し上げております。また私の方は、問題の性格上、そうしたものに何かふさわしいと言えるかどうかというのが、若干自分の気持ちにすとんと落ちないということを申し上げてきたわけでございますけれども、先生のお話については、それはそれとして十分自分の頭の中に入れておきたいと思います。
○小森分科員 郵政大臣が答弁をしたことの中身と関連して、あなたは啓発でやるべきだということを言いたいのだろうけれども、啓発大いに結構ですよ。やってください。しかし、谷村委員が質問したときに、啓発ができてないじゃないの。他人任せじゃないの。片方では規制はできないと言い、啓発が大事だと言い、啓発のことを追及したら啓発できてないじゃないの。それでは大変な論理の矛盾じゃないですか。結局は、部落差別がどうなってもよいと思っているのでしょう、あなた方は。これは、昔から言われる踏まれた者の痛さという問題じゃないの。法律論とか立法技術とかそんなことを言うけれども、私がさっき言ったでしょう。今、女子差別撤廃条約とか人種差別撤廃条約とか、そういう条約に基づいて差別を法的に規制しておる国の方が多いのですよ。世界に百七十カ国あるのか百八十カ国あるのか、およそそのくらいだろうと思うけれども、多いのですよ。そして、人種差別撤廃条約を批准していない国でも、既に自分のところで規制をしておるところがありますよ。
 これほどの構えの、世界で生産力が一番高いと言われて、教育制度も徹底して、お互いの経済生活も高いというこの国にあって、何で世界のケツの方についていかなければならないの、人権問題について。それじゃ、人類普遍の原理だと規定したことが泣くじゃないの。もう一度その辺。
○深谷国務大臣 この差別という問題をとにかく私たちの視野からあるいは脳裏から一切排除するという点については、率直に先ほどから申し上げているとおりで、決して言葉でごまかそうとしているわけではございません。
 そこで、このたびのこのようなまことに遺憾な出来事が起こりましたときに、私たちにまず何ができるか、まず調査をして、その具外的な捕捉に当たろうということを考えて、実際問題としては電波法令の定める範囲内で調査を実施したわけでございます。ところが、アマチュア局の免許人から呼び出しの符号を盗用されたと申告があり、それを調べると確かに盗用されているというようなことがございまして、今も全力を挙げて調査をしておりますが、なかなか捕捉が難しい。同時に、先ほどから申し上げたように、差別についての認識が足りない。そういうところからこのような事態が起こるという観点から、日本アマチュア無線連盟にもこの問題を具体的に申し入れまして、彼らが出しておりますさまざまなパンフレットを通して自局の通信内容に責任を持てといったような啓蒙活動も、社団法人日本アマチュア無線連盟の原会長の手で何回となく起こしているわけでございますのできる限りの努力をしているつもりでございますので、恐縮でございますが、意のあるところをお酌み取りいただきたいと存じます。
○小森分科員 その部分に関する努力、それを私はだめだと言っているのではないのです。それは大いに結構なことなのです。しかしながら、電波を監理する行政庁として、人類普遍の原理に反するようなことが行われておるのに対して、行政的規制をする法的根拠をつくるということに意を用いない、また用いないことが当たり前だという、そういう姿勢であってどうして世間に響きますか。肝心かなめのところがそんな姿勢であってどうしてみんながなるほどと思いますか。あなた方は今まではそういう論拠で、簡単に言うたら逃げていたわけだ。
 しかしながら、私は以前からそういうことにかかわってそういうことを体験しているが、十年も、もう十五年ぐらい前にもなるかもしらぬけれども、当時、参議院の全国区の選挙のときの選挙公報に賤称語を書いておったのですよ。広島県選管、選挙管理委員会は、法律では配らなければいけません、法律では配らなければいけぬが、あなたは選挙管理委員会事務局長として、人間としてどうですかと言ったら、法律では配らなければいけぬが、人間としては配れません、こうなったのですよ。これがまともじゃないですか。もしそれで法律で処断されるというなら私が法律で処断されましょう、これは配れません。しかし、この人は広島県選管委員長を帯同してすぐ飛行機に乗って中央選挙管理会へ来て、中央選挙管理会と談判した。そうしたら中央選挙管理会は、中央選挙管理会が責任を負いましょう、ではその差別語を削れという談判をしよう。本当にまじめな人間というのはそういうやり方をするのですよ。
 あなた方は、法律がどうだ、ああだ、こうだと言って、事実、起きて、事実、差別をされておる者の痛みというものに対しては何の配慮もないじゃないですか。こう言ったら大臣によくないけれども、それこそ、山のかなたの空遠く幸い住むと人の言うというような、はるかかなたのところを大臣は見ておられるわけだ。はるかかなたのことも見る必要がありましょう、しかし、たちまちきょう、あすの問題をどうするかということでしょう。そこを考えなければいけませんよ。
 だから、今私が例に出したことは、最近の事例があるじゃないの。「差別語カット合法 最高裁 政見放送訴訟で上告棄却」、これはあなた、法律がないからといってほっておいたら、NHKはそのまま放送させておくでしょう。NHKがカットしたのですよ。そういう法律はないでしょう。しかし、そういう法律はないが、どういうことをもってやったかといったら、NHKのやったことは、他人の名誉を傷つけるような言動がそのまま放送されることは許されないという判断に立ってやったのですよ。
 あなたの方はこの法律、条文があって、谷村委員はここまで議論を発展させまいと思って「他人に損害を加える目的で、」というところを解釈して、もしそういうものが見つかったら電波を取り消すような法律をつくりますよとか、そういう行政的な注意をしますよとか前向きの答弁をしておったら、ここまで発展せんのじゃ。それはNHKがそうだ。そして最高裁がそれを追認しておるじゃないですか。答弁してみなさい、その点を。
○白井政府委員 先生の御指摘の判決は、恐らく四月十八日付で新聞に報道されました最高裁の上告審の判決についてのお話だと思います。私どもも判決そのものを拝見したわけではございませんので新聞報道によって申し上げるわけでありますけれども、私どもの理解では、新聞報道によります限りは、一応最高裁判所の判決も公職選挙法の百五十条の二という条文を踏まえて、政見放送での品位の保持ということから見た場合に、そのような内容の放送はふさわしくないというふうにNHKが判断したのは妥当だというような判決であるように新聞報道では読んでおるわけでございます。
○小森分科員 だったらあなたの方は、そういうパケット通信ででたらめなことが行われることについて規制をしたら、公序良俗という意味からいってもだめでしょう。しかし、それよりも冒頭に言っておる人類普遍の原理という何物にもまさる価値観というものをぶつけていったら、そういう解釈をして幾らでも規制できるじゃないの。あなたはやらぬことの方にばかり本気になって理屈をつけて、そういう態度が続く限りは続きますよ。
 これはもとを言うと、部落地名総鑑のようなものについて法務省が時代錯誤で、部落地名総鑑の整理がついていないのに、部落地名総鑑の整理がつきましたといって啓発の責任のある法務省の人権擁護局が内外に声明したのですよ。ようし、部落地名総鑑が整理できたというならもう何をやってもいいんだなということでみんなやり出した。そういうことになっているのですよ。あの声明をしたのは六月でしょう。これが出だしたのは七月、八月ころでしょう。だから行政がどれだけ毅然たる態度でいくかということによって、今の日本の水準では、ああ、行政もあそこまで本気でやるのだからわしらもそういう考え方でいこうか、これが多いのですよ。どうしてできないのですか。じゃ、あなた、差別された者はそのまま放置しておっていいんですか。
○森本政府委員 再々申し上げておりますように、この問題が大変大事だということについて、私どもこのことを否定しているつもりは毛頭ないわけでございます。ただ、具体的な手段について、現行法の改正という御提起がございましたが、この点はなかなか難しい問題があるのではないか。当面私どもとして、アマチュア無線という領域において発生したものでございますから、アマチュア無線連盟に対してこの問題の取り扱いについて要請をいたしました結果、アマチュア無線連盟としても事は非常に重大だということで真摯な取り組みを現にされておる。その後、講習等においてもこうした問題を扱っておられるわけでありまして、先ほどから大臣も申し上げておりますように、この問題は同和問題に対する正しい理解と認識、これが最重要だという形で現在のようなやり方の啓発、こうしたやり方がベターではないかということで、現在さらにこの定着について努力をいたさなければならないと考えておるところでございます。
○小森分科員 あなた方は正しい認識ということを抽象的に言っているが、正しい認識とは人類普遍の原理に最上の価値を置いた措置をとることなんです。それを自分がせずにおって、人に正しい認識を持てといったって何で人が同調するのですか。じゃあなた方はそのことによって、ずっとそういうことが繰り返されても何らの規制もしない、何らの反撃もかけられないということについて平気でおれるのですか。よく平気でおれますね。憲法には「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分」云々と書いてあるのですよ。あなたは、悪いことをする者の秘密を守るとか人権の方へ目が向いて、それで侵害をされている者に目が向かないじゃないの。そういうこっけいな、逆立ちをした話がどこにありますか。そして、それは世界の大勢に反しているじゃないの。あらかじめ相談をして、ここは緩めまいでというようなことでは、行政はますます不信を買うだけですよ。
 今はもう人権擁護局が人権問題について全国で何をやってもだれも相手にせぬじゃないの、でたらめばっかりずっとやっておるから。同じするにしても人に委託をしてやらずに、我々みずからがこういうふうなことをやっておるのですから、いましばらく待ってくださいとかちょっと情勢を見させてくださいとかいうならわかるのだが、人にやらしております、そして理念だけは高く掲げてみんなの意識を変えればいいんだ、そんなものじゃないですよ。部落地名総鑑というものが出た一九七〇年代は、高度経済成長政策に陰りが出たときに就職のところで差別しようと思ってあの差別者の武器が出てきたのだ。今度は、それと同じ内容のようなものが電波で出てくるということについてはどういう社会的状況を反映しておるのですか。あなた、差別をされておる者の身になってみなさいよ。わいせつなどというものは裁判でもなかなか難しいのですよ。それをここで有権的に規定しておいて、人権としてわかりやすい問題を規定できないという話がどこにあるのですか。
○白井政府委員 再三先生におしかりを受けておりますけれども、私ども行政府におります者の立場といたしますと、法律として御提案申し上げるにしてもやはり技術的な側面も考えなければなりませんし、いわばこの種の問題というのは、あえて申し上げますと、メディアの問題というよりもそれを使う人の心の問題だという感じがするということで、再三先ほど来のようなことを申し上げてきたわけでございますけれども、私どもとしては、一層この同和問題あるいは差別問題の重要性というものを十分頭に入れましてこれからの仕事をやってまいりたいと考えております。
○小森分科員 頭に入れると言うたところで、人類普遍の価値というものをずっと後ろの方へやって、そして通信の秘密を盾にとって、近代社会における合理的精神というのは通信の秘密をもって人を侵害するというようなことは許されないですよ。しかるに同じことを繰り返して、現実に一つも問題を解決する糸口を見つけようとしないじゃないですか。
 では時間が来たから言っておきますが、そんなに高い理念を求めてみんなを啓発するというのだったら、郵政省が今後どういう啓発をして、どういう高い理念に努力するか見させてもらいましょうよ。一生懸命努力してくれるんですな。努力してくれるんですね。最後にそれを答えてください。
○深谷国務大臣 先ほど申したように、差別というのは私たちの脳裏の中から一切消していかなければなりません。私どもでできる範囲の中で全力を挙げることを申し上げたいと思います。
○小森分科員 では、これで終わります。
○伊吹主査代理 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。
 次に、森本晃司君。
○森本分科員 分科会関係の皆さん、大変遅くまで御苦労さまでございます。どうやら私が一番最後のようでございますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 まず、電話番号案内が有料化されるということを郵政省として認可されたわけでございますけれども、料金三十円、一般のまじめに使用している市民から考えてみると、開局以来料金が無料であったものが急に有料になる。私は決してサービスというのはいつまでも無料であるということは申し上げるつもりはございませんが、それにしても三十円というのはいささか高過ぎるのではないかという感じがいたします。その理由については、特定の人が自分の職業のために一〇四で尋ねる頻度が非常に多くてNTTの経費も非常にかかるということはわかっているわけでございますけれども。私は三十円は極めて高いなということだけをまず申し上げておきたいと思います。
 その経緯についてはいろいろと仄聞をしておりますのでさておきまして、そこで、三十円の有料化をされるのに、果たしてそれだけの使用者が不便を感じることのないような体制ができているのかどうかという点について一、二お尋ねしたいと思います。
 我々の場合、一〇四を使ったりしたくなるときは、どちらかというと外出しているときが多いわけであります。今まで公衆電話のところでよく聞いたりいろいろしておるわけですけれども、これが今度有料化されますが、公衆電話の電話帳、これは整備されているものでしょうか、どうでしょうか。
○森本政府委員 先生もお話しのとおり、長い間無料でありました一〇四が、御理解いただくとおり社会的公平の視点で、いわば特定の人に非常に偏っているものを利用者全体が負担しているという構図を是正できないかということで、今回NTTの方からの提案があったわけでありますので、これについてはさまざまな審議会の議論等も経て、やむを得ない措置がということでスタートするわけでありますが、これに伴う問題についてはやはり各般のことを十分考えなければならぬということで、身障者の問題等も十分配慮をしなければならぬということと同時に、こうしたアクセスの点についても十分考えていかなければならないわけでございます。
 公衆電話等についても、NTTの現在の状態では公衆電話にも電話帳を置くということになっておるわけでありますが、やはり現実の問題としてはそれが持っていかれたりというようなことも中にはあるということも聞いておりますので、今後こうした措置になる以上、努めてそうした事態にならないようにNTTにおいて心がけるよう指導してまいらなければならないと思っておるところでございます。
○森本分科員 公衆電話の場合電話帳がないのは、どちらかというと持って帰る人あるいは破ったりする人のモラルの問題もあるわけですけれども、そういう点が非常に多いということを実感いたします。
 これは一つの提案ではございますけれども、例えば公衆電話の中に、棚の上にどんと置いておくのではなしに、きちんとした箱を設けてそこに入っているという形になっていくと、使っている人もそこへまた戻すという形になるのではないだろうか、公衆電話の電話帳の置き方にもう少し工夫があり、それが保存されていくようにする。それから、摩耗されているのが非常に多いわけでございますけれども、そういった点についてもなくなればまた補充していく。これは大変なことかもわかりませんけれども、有料化する以上、今度はそういったことに対して、電話帳を見てできるだけ費用がかからないようにという方向に向かっていく上からも、公衆電話における電話帳の管理をきちんと整備してもらいたいということを申し上げます。
 それから、都内で電話をかけますと、東京都内の分しかないわけですね、一般家庭を含めましても。都内だけでも「ハローぺージ」というのは、私のところに来ておるのだけでもこれだけあります。これだけでも大変なことですが、東京都内の「ハローぺージ」は二十三区以外のところに住んでいる家庭にはないのですね。どうですか。
○森本政府委員 御指摘のとおり、現在までのところはその居住されておるところの電話帳を無料で配布いたしておりますが、それ以外に対しては、確かに現在NTTにおいて配布はしてないわけでございます。そこで、今公衆電話について御指摘がありましたとおり、有料化する以上はそうした点が十分対応できていなければならないことはごもっともでございまして、現在NTTにおきましても、もし希望者が例えば自分がしょっちゅうかけるところあるいは故郷の電話帳が東京にも欲しいといったケースでありますれば、それについては無料で配布する。ただし、郵送料だけはひとついただきたい、こう申しておるのでございますけれども、そういう対応の措置はさせたいと考えておるところでございます。
○森本分科員 東京都の中で二十三区以外に住んでおられる人がかけられる頻度が一番多いのは、恐らく二十三区へかけることが多いのではないかと思われますので、その辺、今、局長から無料で配布する。これはみずから局へ申し出をすれば送ってもらえるわけですね。
○森本政府委員 お住まいを管轄しております電話局の方に申し出ていただければそういう措置を講じたい、こういう予定に相なっております。
○森本分科員 今申し上げましたのはほんの一例ではございますが、実際に一〇四が有料化になりますとさまざまな問題も起きてくるかと思います。そういった点、十分配慮されて、電話帳が見やすくなるように、一〇四をできるだけ使わなくても済むように配慮願いたいと思います。
 それで、いただきました書類を見ますと、一〇四が有料化になればその分、その経費削減の効果については通話料金の値下げにより利用者へ還元を図るというふうに書かれているわけでございますけれども、通話料金もさることながら、むしろ回線使用料の料金を値下げすることを考えた方がいいのではないかというふうに私は思います。なぜならば、例えば企業等々は回線使用料、基本料ですけれども、これは頻繁にかけますから基本料が極めて安くなっていく。単純計算するとそうなります。ところが、余り電話を使わない一般家庭の皆さんや、御年配の皆さんも電話をかけることが少ない、あるいは年金者の皆さん、どちらかというと、そういった立場の人たちのことを考えると、回線使用料を値下げした方がはるかに庶民への効果は大きいのではないだろうかと私は考えるわけですけれども、その点はいかがでしょう。
○森本政府委員 ただいまの電話料というのは、基本料とそれから通話度数に応じた通話料と、この二つから相なっておるのは御案内のとおりでございまして、基本料と申しますのは、正式には回線使用料と言っておりますが、要するに加入者の家一軒一軒と電話局との間の線あるいは各種の電話線でございます。主としてこうした回線設備にかかる費用を負担いただくことに相なっておるわけでございまして、いわば通話の有無にかかわらない固定的な費用を御負担いただこうというのが今の基本料、回線使用料でございます。
 通話料は、御案内のとおり、度数に応じて、こういうことでございますが、番号案内はいわば通話の度数に応じて増減する経費だということで現在処理もいたしております。したがって、こういう措置によってさらに新たに通話料が有料の形で入ってくる。それから、オペレーターが今二万三千人もおりますので、こうした措置によって少なくとも効率化、合理化ができる、そうして浮いた費用もあわせて料金の値下げに回すべきだ。その部分をどこに回すかというのは、今申し上げましたような構造でありますので、まずは通話料の引き下げに充てる方が妥当ではないか、こういうふうに電気通信審議会の方も御議論いただいて、NTTの方にもそう申し向けておるところでございます。
 もちろん、基本料も低いにこしたことはないのでございますが、御案内のとおり、電話の改革、昭和六十年にありました電気通信改革は、できるだけ安い費用で、競争原理を入れて低廉な料金で多彩なサービスを提供していただこう、こういう趣旨でございますので、今後ともこうした基本料を含めた電話料全体の値下げということに意を用いなければならぬと思っておりますが、差し当たりは今回の措置については、そういう考え方で通話料について低減を図っていきたい、こういう発想になっておるところでございます。
○森本分科員 回線使用料の料全体系については今後よく検討していただきたいと思うのです。
 同時に、これも提案でございますけれども、外国では、自分で頻度の多いところは度数でいくとか、いろいろなメニューがあるように伺っているのです。回線使用料は高くても何種類かのメニューがあるわけですけれども、NTTの場合にはそのメニューがない。消費者の立場から見ると、消費者にもう少し選択権を与えてもいいんではないかなと思うわけですけれども、その点はいかがですか。
○森本政府委員 先生よく御承知のとおりでございまして、アメリカではATTを分割といいますか、長距離と市内網に分けましてから急速に電話市場に多彩なサービスが入っておるわけでございますが、御指摘のとおり、例えば月千円払うとアメリカじゅうどこへかけても一時間までは結構ですよというようなサービスがあったり、あるいは電話のベル一つでも、例えば奥さんからかかったら特別な鳴り方をするとか、ユーザーの要望に応じていろいろなサービスがあることは御指摘のとおりでございますが、これは交換機がいわばディジタル化するといいますか、電子化するということが基本になっておるわけでございます。
 残念ながら今のNTTのネットワークは、多くはまだ旧式の交換機がそのまま使えるということで残っておりますが、できるだけディジタル化を急ぐことで今後そうした多彩なサービスに振り向ける、そちらの方を向いていろいろなことが提供できるかと思っております。そういう意味では、NTTにおいても公的な責任を自覚してできるだけ早くディジタル化の体制をとるようにということを指導しておるところでございます。いま少しお待ちをいただきたいと考えるところであります。
○森本分科員 次に私は、電話の料金支払いのときに非常にわかりにくい問題が一つありまして、お伺いしたいのですが、配線使用料、これについては、民営化のときに、毎月七十円かかっているのを買い取りになりますとそれは無料になる。無料になるけれども、今度は、もし何か事故があった場合には七千円ないし八千円の費用がかかりますよ。電話で局へ、私は買い取りますと言えば、その制度に変えてくれるんだということですが、これはなかなか周知徹底されていなくて、知らなかった人も非常に多くて、昨年、参議院で我が党の鶴岡さんが周知徹底するようにということを国会で取り上げたわけでございますけれども、周知徹底は相当行き届いたのでしょうか。その後、そういった自分で買い取るという人はふえてきたのでしょうか、どんなものでしょう。
○森本政府委員 確かに新しく買い取るという制度になったことについて、まだまだ御存じない方が多いという御指摘も我々も耳にいたしております。当のNTTも全国紙に全面広告を出すとかいろいろPRには努めておるようでございますが、まだ私どもから見ても十分理解がされてないということは御指摘のとおりでありますので、具体的な数値はただいま持ち合わせいたしておりませんが、御指摘の点はさらにNTTに対して要請を続けていきたいと考えております。
○森本分科員 そこで、私は奈良に住んでおりますが、引っ越しする事情ができて、奈良におりますときにリースじゃなしに電話は自分で買い取るということをNTTに伝えた、そうすると、NTTはわかりましたということで、その月から使用料七十円は入らなくなるわけですね。事情があって、例えばの話ですが私は奈良の家を引き揚げて東京へ来た。その場合、その権利はどこへ行くのですか。私が東京へ来たら、東京へその権利はついてくるのですか。
○森本政府委員 家屋の入り口まではNTTが責任を持って、そこからあとはいわゆる宅内の配線ということでその七十円の根拠になる設備があるわけでございますが、それを今までレンタルかあるいは買い取るかという選択になるわけでありますから、この部分については、これは先生が、仮に今のケースで考えますと、例えば次の方にうちをお譲りになるといったときに、その権利をどうするかという問題になろうかと思うのでありますが……。
○森本分科員 公団等でよく転勤されますね。外壁からその人の部屋まで引いてあるのが、ローゼットまであるのがこの七十円かかっている分ですね。それを買い取ります。一年未満の場合には、買い取るといっても三千九百円かかるわけです。それを払ってその後に転勤になったというわけです。これを局へ問い合わせますと、私の権利はなくなるのですね。局へもう一回確認したのです、その家を私は売っていくのですから。今度そこへ、私の全く知らない人が入られます。恐らくNTTは、今こういう制度ができたので買い取りにされますか、それともリースヘいかれますかということを聞くと思うのです。そうしたらその本人は、いや、私は買い取りますと言ったときに、三千九百円また取られるわけですね。あるいはリースだったら七十円取られるのです。ある部屋が毎年人が変わってきますと、毎年その分がNTTへ入っていくのではないですか。これはどうなっているのですか。
○森本政府委員 既にその屋内の配線はされた状態のところに新しい方がお入りになるわけであります。したがって、NTTは別に新たに敷設をするわけでもございませんので、NTTは先生の後に入った方に対してこの請求をできるということにはならない、これは無料だ。ただ先生と新しい持主との関係はそれをどうするかという問題はあるだろうということを、さっき申し上げたつもりでございます。
○森本分科員 僕とその人の関係の権利がどうなるかじゃなしに、私が引っ越しした後に新たな人が入ってくると、もう一度またその人に請求が行くようになっていますよ、今は。なっていませんか。
○森本政府委員 御指摘のとおり、軒のひさしからローゼットまでの配線料が今議論になっているわけでありますが、これは既に配線が終わっているわけですから、NTTとしてはそれを利用者から徴収するということになると、不当な根拠に基づいて徴収することになると思いますので、今の状況ではNTTはそういうことは徴収しておらない、私どもは無料になっているはずだと理解いたしております。
 なお、しかし、具体的な問題でございますから、よくひとつ電話局に、今お話がございましたから、改めて調査をさせて、不当なことにならぬように十分留意をさせたいと思います。
○森本分科員 これはちょっと調査をしておいていただきたいと思うのです。ダブってもらっている場合があるということを私は伺っていますので、これは確たる証拠はどこにあるわけでもございませんけれども、どうぞその点をよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、そういった問題が起きてくるだけにこれだけの分が、私が言いたいのは、もういっそ無料にしてしまったらどうか、全部を無料にしてしまって、恐らく外壁からそれぞれの個人の家までですから、そんなに故障することもまずないと思います。よほどの事故がない限り、それを引きちぎりにいくということも、故意による故障以外まずないと思うのです。故障が起きたとき七千円取るというけれども、まずないと思われるだけに、私は配線使用料については無料化すべきだということを主張しておきたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたので、自動車電話については料金が百六十キロまでと百六十キロ以上、たった二つの区分しかありませんけれども、もう少し普通の電話料金のように幾らか料金体系を考えて自動車電話料金が安くなるように、そうすれば利用者も多くなってまた安くなっていくのではないか、そのことを申し上げておきたい。
 それから自動車電話、特に大変な山の中に入るときは別でございますけれども、局長、同じところで同じ森本なんであれなんですけれども、局長御存じの大淀町とか榛原町とかあの辺でもう既に自動車電話は使えないのですね。本当に例えば奈良県なら県内の平たんなところだけでして、大淀町とか、私は何も吉野山の山奥まで、十津川までとは申し上げませんが、せめて山間部の大きな都市である大淀町あるいは宇陀郡の榛原町あたりは自動車電話が通じるように、今後の施策を講じてもらいたい。自動車電話を利用する者の立場からそのことを主張しておきたいと思います。
 もう時間でございますので、最後に、我が奈良県で生駒市というのがございます。この生駒市というのは奈良県でも大変な人口急増地域であります。ちなみにその急増地域がどういう状況かということについて申し上げますと、この生駒市の郵便局というのは昭和四十六年に新築されました。それで、人口増加によって五十六年に増築されたわけでございますけれども、四十六年に新築されてから八年後の昭和五十四年には人口が約一・七倍になっています。それから、ことし比べてみますと、四十六年からは二・七倍ですけれども、約三倍人口がふえているわけです、新築されたときから。増築された年から比較して一・六倍に達しております。ここ数年、毎年生駒の人口は三千人ぐらいずつふえ続けているわけでございますので、郵政省は長期五カ年計画を立てられたようでありますけれども、生駒の郵便局の局舎増築あるいは改善、新築、そういったものは五カ年計画の中に入っておるのでしょうか。
○小野沢政府委員 申しわけございません。今手元に資料がございませんけれども、今御質問の生駒郵便局についての――失礼いたしました。第七次五カ年計画には入ってございませんけれども、生駒市が今後、先生のおっしゃるような発展状況を私ども承知しておりますが、そのとおり発展を続けますと、五カ年計画の後段に編入することになるのではなかろうかというふうに考えております。
○森本分科員 五カ年計画の後半に入るということですか。
○小野沢政府委員 ではなかろうかというふうに考えております。
○森本分科員 それはぜひ早い時期にお願いしたいと思います。というのは、五カ年計画が終わった五年後を考えてみますと、年間約三千人の人がふえますと、四十六年に新築されてからは三・一倍。それから五十四年に増設されてからも一・九倍、約二倍になります。本当にこれはただ単に築何年という度合いからではなしに、これだけの人口急増地域ですから、特別なる格段の御配慮をいただきまして、ぜひ五カ年計画の中に入れていただきたいと思います。
○小野沢政府委員 先生の本日の御発言を契機に、注視してまいりたいと思います。
○森本分科員 最後に、大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。
 また先ほどの一〇四の有料化の問題に戻るわけでございますけれども、番号案内を無料とする場合に、視聴覚障害者の範囲については云々という言葉がございます。この中に精薄者の方々については、その無料化するのが入っていないと思うわけでございます。精薄者の皆さん等々が「ハローぺージ」をめくるのは極めて大変なことではないか。また、難病の皆さんも極めて大変なことではないかと思います。したがって、そういった精薄や難病の皆さん方には、どうか無料になるようにお願いをしたいと思うところでございます。
○深谷国務大臣 過日の予算委員会でも同じ御意見が出されました。私どもとしては、当初のNTTの一〇四の有料化に当たっては、実際に目で見てかけられない方たちを対象として、その方たちを無料化ということに全力を挙げたわけでございます。しかし、確かに先生御指摘のような方々の御不自由な点もよくわかりますので、あのときも申し上げたのでありますが、これは実施以降も検討の課題とさせていただいて、できるだけ前向きでNTTにも指示するようにいたしたい、そんなふうに思っております。
○森本分科員 そのことについては早急に御検討いただき、ぜひそういった方々のためになるように配慮していただくことを重ねてお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○伊吹主査代理 これにて森本晃司君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして郵政省所管についての質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十七日午前九時より開会し、運輸省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。
    午後九時四分散会