第118回国会 物価問題等に関する特別委員会 第3号
平成二年四月十九日(木曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 野坂 浩賢君
   理事 逢沢 一郎君 理事 青木 正久君
   理事 田原  隆君 理事 渡海紀三朗君
   理事 穂積 良行君 理事 小川  信君
   理事 竹内  猛君 理事 日笠 勝之君
      赤城 徳彦君    石原 伸晃君
      木村 義雄君    野田  実君
      福田 康夫君    福永 信彦君
      松田 岩夫君    森  英介君
      小野 信一君    岡崎トミ子君
      土肥 隆一君    大野由利子君
      菅野 悦子君    柳田  稔君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      相沢 英之君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局官房審議
        官       矢部丈太郎君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 糸田 省吾君
        公正取引委員会
        事務局取引部長 土原 陽美君
        公正取引委員会
        事務局審査部長 柴田 章平君
        経済企画政務次
        官       高橋 一郎君
        経済企画庁調整
        局長      勝村 坦郎君
        経済企画庁国民
        生活局長    末木凰太郎君
        経済企画庁物価
        局長      田中  努君
        経済企画庁総合
        計画局長    冨金原俊二君
        経済企画庁調査
        局長      田中 章介君
 委員外の出席者
        国土庁土地局土
        地政策課長   鈴木 省三君
        国土庁土地局地
        価調査課長   吉野 洋一君
        外務省アジア局
        北東アジア課長 今井  正君
        大蔵大臣官房企
        画官      大久保良夫君
        大蔵省銀行局銀
        行課長     小山 嘉昭君
        国土庁直税部資
        産税課長    竹内 雄也君
        厚生省生活衛生
        局食品保健課長 野村  瞭君
        農林水産省経済
        局国際部国際企
        画課長     高橋 良忠君
        農林水産省農蚕
        園芸局農薬対策
        室長      宇井 勝昭君
        通商産業省産業
        政策局サービス
        産業室長    桑田  始君
        運輸省地域交通
        局自動車業務課
        長       山下 邦勝君
        郵政省電気通信
        局電気通信事業
        部事業政策課長 有村 正意君
        建設省都市局公
        園緑地課長   曾田 ひさ嗣君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社代表取
        締役常務取締
        役)      草加 英資君
        特別委員会第二
        調査室長    岩田  脩君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 物価問題等に関する件
     ────◇─────
○野坂委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本電信電話株式会社代表取締役常務取締役草加英資君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
○野坂委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。穂積良行君。
○穂積委員 まず、相沢先生、国務大臣経済企画庁長官御就任おめでとうございます。かねてから財政さらには経済政策の分野で造詣の深い先生の、企画庁長官としての経済政策に対する敏腕をお振るいくださることを期待申し上げる次第でございます。
 さて、私はいつも申しておるのでございますが、国民経済を体に例えれば、物価は体温のようなものであって、平熱が望ましい。活動が活発なときには多少熱が上がる、それも自然なことではないか。ただ、病気になって高熱を発するような物価高騰ということは国民経済にとって避けなければならない、こんなふうな例えで申しておるのでありますが、国民経済の状況を、まさに物価の動向によって健康かどうかを判断していかなければならないと思っております。
 その物価安定、そして国民生活の実質的な向上ということが経済政策の基本的な目標でなければならないと思っておるわけですが、その経済につきまして大臣の所信表明あるいは経済演説等がございましたけれども、それに対して若干の質問をさせていただきたいと思っております。
 本年の二月二十八日、経済企画庁は「平成二年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」を閣議決定として公表をされました。ここでは、平成二年度の経済見通しとしては、ポイントをおさらいしますと、民間消費支出が物価安定等を基礎として拡大を続ける、そして民間投資、住宅投資、設備投資、在庫投資等が堅調で、政府支出とも相まって我が国の経済は引き続いて順調に発展するというような見通しに立っております。
 そして、肝心の物価につきましては、引き続き安定的に推移して、卸売物価は〇・六%程度の上昇、消費者物価は一・六%程度の上昇と見込んでおられるわけであります。そして、国際収支で国際的問題になっている黒字幅は着実に縮小、国民総生産は名目五・二%、実質四・〇%程度になると見込んでおられますが、これは、総じて申しますとかなり楽観的な見通しではないかと思うわけでございます。
 ところが、世界全体の御案内のとおりの激動の中で、一つには、ソ連・東欧などの大きな政治改革が進んでおります。この政治改革が当然それぞれの国民経済に大きな影響を及ぼすであろうということは想像にかたくない。こうした世界の情勢の変化の中で、幾つか我が国の国民経済への影響が出てくるであろうということが予想されると思う
わけであります。こうしたことが一つあります。
 それから、自由主義諸国間の国際経済関係を見ましても、いろいろと変動している。我が国経済にとってまことに重大な変化がありまして、まず円安・ドル高の進行ということで、かつて百二十円台であった為替レートが、今や百六十円前後というような状況になっているということ。今おさらいをしました経済見通しの基本になる為替レートなども既に変わっておるわけですし、こうした円安ということ、それに伴う輸入原材料の輸入価格の上昇ということなどを考えますと、この二月時点での経済見通しがそのままでいいのかどうかということが一つあるかと思います。
 それから、今の為替レートなどとも関連してとられている金融政策の中で金利水準が上げられた、公定レートが上がって市中金利も上がっていっている状況、これらも国民経済への影響の大きな要因になるはずであります。
 さらには、これまでの非常に順調な経済発展の中で労働力需給が随分逼迫して、需給逼迫に伴って労賃水準は現場それぞれにかなり変動の見通しも立てる必要があるのではないかということなどがあるわけでございます。
 そうした今申し上げたようなことなどを含めまして、トータルとしてのGNP四・〇%の実質成長率、それから消費者物価一・六%程度の上昇というような見通しがこのままいくのかどうか、これについて、まず長官から総括的な見解をお聞きし、今私が申し上げた問題別に事務当局それぞれにお答えをいただきたいと思います。
○相沢国務大臣 概括的なことを私から御答弁申し上げまして、また政府委員から補足説明をしていただくことにしますが、平成二年の経済見通しは御案内のように平成元年十二月二十二日現在で想定をいたしておるものでありますから、今穂積委員がおっしゃるように、その後における状況の変化に応じて多少の異動というものが当然考えられますが、大局的に申し上げれば、この経済見通しを改定しなければならないような状況ではないというふうに考えているのであります。
 例えば為替レートにつきましては、この時点では一ドル百四十二円五十銭だったと思いますが、その経済見通しをつくりました時点から大体一カ月くらい前までの為替相場の中心価格の平均をとって、それを一応の目安として平成二年度の各種の経済見通しの数値をはじいておりますけれども、これは、そういうような毎年度の経済見通しをつくる際にいろいろ為替相場を前提とするところのやり方がありますけれども、余り恣意的にならないように、経済見通しをつくる際の、大体その前までの一カ月間をとるというのが今までの手法になっております。
 したがいまして、その後において百五十円台から一時百六十円にもなりましたが、百四十二円から比べますと一〇%以上の異動がございます。それの影響というものも無論ないわけじゃない。今後もしその一〇%程度の円安が続くといたしますと、経済に対する影響も、例えば物価でいいますと、卸売物価で一%、消費者物価で〇・五%程度の値上げになるというような計算もできております。これは一年間そのような数値が続くという前提でありますから、これから十数カ月の進行がございます。その間における為替相場というものも無論動くと思いますから、今後一割安が続くという前提で考えるわけにいきませんが、仮にそうであったとしても、物価の面でいうと今申し上げましたような影響であります。
 したがいまして、為替相場にしても債券安にいたしましても、株式の相場安、いわゆるトリプル安も、現象面として現在非常に問題にはなっておりますけれども、これは今後どの程度に変化していくかということもまだ予測をすることも困難な状態でもありますし、しばしば申し上げますように、経済の実態からいきますと、鉱工業生産にいたしましても今までの物価の足取りにいたしましても、あるいはまた労働力の需給の情勢、雇用情勢等々、経済のファンダメンタルズに大きな変革はない、着実な経済の拡大基調を続けているということでありますから、まずGNP実質四%の成長は達成できるのではないか、このように考えております。したがいまして、今の段階におきまして政府の経済見通しを改定するというようなことは必要はないんじゃないかというふうに考えております。
○田中(努)政府委員 物価に関連いたします御質問につきまして、まず私からお答えさせていただきたいと思います。
 円安に伴いまして輸入価格が上昇し、これが消費者物価に影響を及ぼして政府の物価見通しを上回るような物価上昇が生ずるのではないか、こういうお尋ねであったと存じます。
 輸入物価の動きを見ますと、昨年の中ごろ以降、円レートが一時的に安定した状態が続きまして、輸入物価の方もほぼ横ばいの状態でございました。しかし、本年に入りましてから、急速に円安が進行するという状況のもとで輸入物価が上昇に転じているということは御指摘のとおりでございます。円安がある期間持続をいたしますと、これがあるタイムラグを持ちまして物価に影響を及ぼしてくるということは当然考えられるわけでございますけれども、ただいま大臣の答弁にもございましたように、為替レートは短期的に非常に変動が激しいものでございまして、現在百六十円に迫るような水準にございますけれども、こういった変動につきましてはある程度ならして見る必要があるだろう、そういうふうに考えております。
 仮に年度と年度を比較した場合に一〇%ほど円安になるというケースでございますと、今大臣からも御指摘ございましたけれども、消費者物価に対しましては〇・五%の影響が出る、こういうふうに昨年の物価レポート等で試算をいたしております。これは産業連関表に基づく試算でございますので、いついつまでにどれくらい出るというふうな時間的な経過というのは捨象いたしまして、全体のインパクトが幾らかということを計算したものでございますので、当然あるタイムラグを持ってそれが実際の物価上昇につながってくる、こういうことでございますので、初年度におきましては、一〇%の変動をした直後の年度におきましては〇・五%という数字のうちのかなり限られた部分が物価上昇として発現するだろう、こういうふうな計算も別途しておるわけでございます。
 そういうこともございまして、今、為替レートの変動につきましては十分注視をしておる、こういう段階でございます。
 また、最近の消費者物価の動向を見ますと、本年の一月、二月あたりにかなり上昇しているということがございまして、季節調整済みの前月比で見ますと、総合消費者物価指数では〇・五%対前月上昇という状況でございますし、対前年と比べますと三・六%の上昇という状況になっておりますけれども、これに対しましては天候要因による生鮮食品の上昇というものがかなりきいておりまして、これを除きました対前月季節調整済みの上昇率といたしましては〇・二%程度にとどまっておりまして、対前年比でも三%程度である。この三%の中には昨年四月に導入されました消費税の影響が含まれておりまして、この分を除いて考えますと、消費者物価の上昇の基調といたしましては安定的な推移をたどっている、こういうふうに認識をしているところでございます。
 こういうことからいたしまして、この四月以降消費税の一時的な影響というものもなくなるというふうなこともございまして、政府経済見通しで想定しております一・六%という消費者物価の上昇率を改定するというふうな必要はないだろう、十分達成できる範囲内にある、そういうふうに考えているところでございます。
 物価に関連いたしましてもう一点、労働需給の逼迫が物価の上昇につながるのではないかという御指摘があったと思います。
 確かに、最近一部の業種におきまして、労働需給の逼迫によりまして賃金上昇率が高目になっているということも御指摘のとおりであると存じます。特に建設業というふうなところで賃金上昇率が高くなっている。しかし、全体として見ますと、
労働需給が逼迫している割には比較的落ちついた伸びになっている。
 こういう状況でございまして、毎月勤労統計の賃金の支払い総額等の動きを見ますと、昨年の末からことしの初めにかけまして支払い総額の伸び率がやや高まっているような状況も見られるわけでございますけれども、これは主としてボーナスの支払いによるものでございまして、いわゆる定期給与、決まって支払われる給与の動きにつきましては、これは給与総額の動きよりもかなり落ちついたところで動いているというふうなことがございまして、賃金自体の動きも比較的落ちついたものになっている、このように認識をしております。
 今後の賃金の動きでございますけれども、今回の春闘の賃上げ率も六%に届きませんで、五・八%程度でおさまっているということがございます。この背後には、昨今の経済情勢を背景といたしまして、労使双方が非常に賃上げ交渉に慎重な態度で臨んでいるというふうなことが一つあるかと思います。
 それから、景気の局面といたしまして、賃金コストがどちらかといえば上昇する局面に入りつつあるということも考えられるわけでございますけれども、最近は各企業が合理化投資あるいは省力化投資というふうなことに大変力を入れておりまして、こういった面での設備投資が進んでいるというふうなことから生産性の上昇率もかなり高い伸びが期待できるというふうなことがございまして、賃金の伸びを生産性の上昇で吸収する力が大きい。
 それから、仮に国内で需給圧力が強まりました場合にも、いわゆる輸入の安全弁効果というものが働きまして、諸外国、特にNIESあるいはASEAN諸国から安価な輸入品が入ってくるというふうな力が働くことも考えますと、当面労働力不足による賃金上昇が物価上昇を加速させるというふうな状況ではないのではあるまいか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○勝村政府委員 御質問の中で二、三お触れになりました点についてお答え申し上げます。
 一つは、ソ連・東欧情勢の急激な変化というものがどういうふうに世界経済、日本経済に影響をし、また、見通しの内容についてはどういうふうに考えるか、こういう御質問でございます。
 御承知のとおり、東ヨーロッパ及びソ連の政治経済情勢というのは非常に目まぐるしく展開をいたしておりまして、これについてのはっきりした予想を立てて、それを前提に先行きを考えるというのはなかなか難しい面がございますが、昨年末に経済見通しを作成いたしました段階で、我々はいろいろな国際的な情報等を総合して判断をいたしまして、東欧情勢というのは、この平成二年度中にかけましてさらに大きな展開があるのではないかということは当然に予想していたわけでございます。特に、東西ドイツの統一問題は予想以上に急速に進む可能性があるということも考慮に入れておりまして、したがって、政府見通しの文章の中にも、東ヨーロッパの政治経済情勢の急速な展開ということを考慮に入れて平成二年度の経済見通しを考えているということを書き込んでいるところでございます。
 東ヨーロッパの経済問題の発展がどういうふうに日本経済にまで及んでくるか、これはいろいろ難しい問題がございますが、まず一つ考えられますことは、東西ドイツの統一がどういうような形で、特に通貨統合がどういうような形で行われるか、これはまだ結論がはっきり出ておりませんが、それが特に西ドイツを中心としましたインフレ懸念というものに、一対一でやるのか一対二でやるのか、あるいは貯蓄のどの程度のものを交換するのか、それによっていろいろ判断が分かれているわけで難しいわけでございますが、やはり最大の問題は、ドイツを中心としてヨーロッパの資金需要が全般に当面非常に強くなってくるということが、実際に起こっておりますし、今後も予想されるわけでございます。OECDの中でもそういう議論はたびたびございました。
 それから、昨年の暮れにOECDが東ヨーロッパの今後の情勢の展開について簡単なレポートを出しておりますが、これは、当面資金需要が非常に強い局面が来るであろう。しかし、中期的に考えますと、統制経済から市場経済への移行というような非常に大きな困難な問題を抱えている、また、国際収支面でも東ヨーロッパはかなり困難な問題に直面する可能性があるだろう、また現在、東ヨーロッパ全体を合わせて見ますと約一千億ドルという、これはメキシコ、ブラジル並みの累積債務がございまして、この問題がしばらくおもしとなってのしかかってくるということで、中期的にはいろいろ困難な問題が生じるのは避けがたい。しかしながら、そういう移行期間の管理ということが西側の援助もあって十分達成されていけば、長期的には東ヨーロッパの問題は世界経済の大きな発展に寄与してくる、こういうふうに考えることができるだろうというのが大ざっぱに申しましてOECDの一つのレポートの結論でございますが、我々も大体同じような考え方を持っております。
 いずれにしましても、当面はいろいろな形での資金需要が相当強くなるだろうということが考えられます。
 それからもう一つは、東ヨーロッパとあわせて考える必要があると思いますが、一九九二年のEC統合に向けまして、非常な、投資ブームと言っていいような投資活動が活発になっておりまして、この東ヨーロッパの問題、それからEC統合への問題、これをあわせて見ますと、しばらくはヨーロッパがかなりブーム的な状態が続くことは避けられないだろう、避けられないという言葉はちょっとよろしくないかもしれませんが、続く可能性が強いのではないかというふうに考えられます。
 金利のお尋ねがございました。現在、金利水準は、日本でも、特に長期金利もあわせまして金利水準が上がっているわけでございます。これは、それぞれアメリカ、日本の国内の資金需要という問題もございますけれども、やはりヨーロッパの非常に強い資金需要というものが国際的に波及をしているという面も見逃すことができないであろうというふうに考えるところでございます。
 そういう意味で、ソ連の問題が経済的にどういうふうに波及してくるか、これは非常に難しゅうございますし、なかなかお答えできる準備がございませんけれども、東ヨーロッパ全体といたしましては、そういう意味で当面はむしろ欧州の景気を押し上げる、あるいは資金需要を非常に強くする、あるいは国際金利を押し上げるという形で、日本、アメリカの市場にも影響してきているというふうに考えているところでございます。
 次に、金利との関連でどう考えるかというお尋ねがございました。
 我々も、東ヨーロッパの展開がこれほど急速に――急速に行われるとは思っておりましたが、こういう形で出てくるということを必ずしも的確に想定していたわけではございませんけれども、やはり国際的な高金利というのは避けがたい面があるのではないかということは既に昨年末から予想はしておりました。もちろん、公定歩合がいつどうなるかというようなことについては、我々は直接どうこう申す立場にございませんから、そういうことを予想したという意味では全くございませんけれども、既に昨年中三度公定歩合が引き上げられておりましたし、それから市中金利につきましても、実勢金利が年末あるいは一月の段階でかなりの水準にまで上がってきていたということは、当然に見通し作業の前提として織り込んでいたところでございます。
 最近また公定歩合が引き上げられましたけれども、これは日銀が言われているように市場実勢に追随した形の公定歩合の引き上げということでございまして、今まで申しましたような市場実勢金利がある程度高金利にならざるを得ないだろうという我々の予想に、何ら違った要因を与えるものではないというふうに考えております。
 例えば設備投資について申しますと、過去三年
間、二けた台の伸びが続きました。平成元年度の経済見通しでは実質で一四・五%の高い設備投資の伸びが維持されるであろうというふうに想定をしておるわけでありますが、金利の問題もございますが、同時に、今GNPに占めます設備投資の比率が既に高度成長期を超えるばかりの二〇%というようなシェアになってきておりまして、これがどこまでもそういう勢いで上がり続けることはまずあり得ないだろうということで、企業の設備投資意欲は非常に強いということを前提といたしまして、二年度につきましては七・三%程度、これも非常に強い伸びと考えてよろしいと思いますが、その程度の設備投資の伸びが見込まれるということにいたしているわけでございます。
 最近、ことしになりましてから出ております各種の銀行等の設備投資サーベイを見ましても、大体八%から九%の設備投資増を現在でも見込んでいるという調査結果が出ておりまして、経済見通しにおきます設備投資の見込みというのは、現在の実勢から決して外れているものではないというふうに考えております。
 住宅の方の問題がございますが、住宅につきましては、投資水準といいますか、着工水準が非常に高水準でございました。したがって〇・三%程度、ほぼ横ばいで推移するのではないかというふうに考えているところでございますが、こういう設備投資、住宅投資に関します金利の影響ということは、今後とも十分慎重な考慮を払いながら政策運営をしてまいりたいと思っておりますが、政府見通しにおきました数字というものを現在直す必要があるような状況ではないと考えております。
○穂積委員 経済見通しについての基本的な問題については、これで一応区切りといたします。
 日米構造問題協議についてはさきに中間報告が取りまとめられましたが、これは、世界の中での日本の経済運営という意味ではいろいろ重大な問題とつながりがあると思うわけであります。特に、国内の物価の安定あるいは国民生活の向上を図るという基本目的に対して、公正かつ自由な競争を国内経済において引き続き発展させるというようなことも含めまして、今回の日米構造協議につきまして経企庁長官としてはどのような評価をなさっているか、これは簡単に所見をお伺いしたいと思います。
○相沢国務大臣 日米構造協議におきまして日本側の措置はもう既に御案内のとおりでございますが、実はこの四月六日に「日米構造問題協議に関する日本側の措置について」の閣議了解が行われました。その表書きの中で、「政府としては、世界経済とより調和のとれた姿の中での国民生活の質の向上及び消費者利益の重視の観点から、同協議に対し、最大限の取組を行って来たところであるが、今般別紙のとおりの措置を取りまとめた。」云々と、こういう言葉が使ってございます。
 したがいまして、この日米の構造協議における日本側のとるべき措置としましては、貯蓄・投資パターンとか土地利用あるいは流通、それから系列関係、また価格メカニズム等のいろいろな項目に分けての対策がかなり事細かに書かれているのでありますが、結局大きな目的としては、日本が、日本側サイドにおきましても今まで課題として果たしてこなければならなかったところの措置を進めていく、今閣議了解の文章で申し上げましたように、「国民生活の質の向上及び消費者利益の重視の観点から、」いろいろ取り上げていくのだということを述べてございますから、このような日米構造協議における措置がいろいろな形において実施されることは、企画庁といたしましても極めて望ましいと考えております。
 特に、公共投資の問題にいたしましても、既に民間の設備投資との間においてかなりのギャップがある、それが経済の円滑な進行を阻害している、阻害している限りにおきましていろいろな面においての影響が出ている、それが解決をされればさらに経済の運営も滑らかになると思われますし、また、いろいろな規制の解除の問題、緩和の問題等にいたしましても、そういうことをすることによって物価に対する好影響も期待できるというようなこともございます。
 したがいまして、日米の構造協議というものは、繰り返しますけれども、国民生活あるいは消費者の観点から申しましても、それを実行することは望ましいものであるというふうに評価をいたしております。
○穂積委員 この問題につきましては、国内で必要な公正かつ自由な競争の推進というような見地からする各分野での施策推進ということがあれば、アメリカからとやかく言われるまでもない、こういう面があると思うのです。そういうことについて関係省庁は十分留意して、人に言われる前にやるべきことをやっていくというようなことで今後とも努力いただき、そして基本は、国際協調型経済構造への変革の推進とか自由貿易体制の維持、その中での国民経済の発展、国民生活の向上を図っていただきたいと思います。
 ところで、物価といいますと、卸売物価にせよ消費者物価にせよ、その指標には地価が入っていませんね。首都圏、特に都心部や何かでの土地の価格の高騰をきっかけとして地価高騰が続いてきた、これが国民生活にとっても大きな問題となってきたことは御承知のとおりでございます。
 その地価につきまして、物価ではないけれども、実は私は物価には非常に関連が深い問題だと思っているわけであります。高地価のもとでの例えば設備投資額の増高あるいは地価をベースとする家賃その他の負担が物価に関連があるとは思っているのですけれども、その関係では、実は経企庁サイドは物価、それから国土庁サイドは地価というふうに所管が分かれていて、地価と物価の関連、その中での適切なる地価あるいは土地対策がうまくいっているかどうかということが懸念されるわけでございます。
 この点につきまして、時間があれば詳しくお伺いするつもりでしたけれども、国土庁から、最近の地価動向、これは地価公示で公表されていますが、細かくは結構ですけれども、これに対してどのように地価の動向をとらえ、どのような方向で今後の土地対策、地価対策を進めていくかということについてお伺いいたしたい。
 さらに、地価には、実需に対する実勢として自然な価格と、地価の将来の値上がり等を見込んでの投機が加わっての投機価格、両方ないまぜてのそれぞれの土地に対する価格形成が行われている、私はこう思うわけでありますが、そのような地価に対して、実は、土地を担保にして金融機関が関係企業に融資をしたりする際に、健全なる実業的な土地利用に対する融資ならわかりますけれども、値上がり期待や何や、投機に対する資金を融資するということなどが地価上昇に大きな影響を与えてきたのではないかということで、これは大蔵省に、金融機関等に対するこれまでの、あるいは今後の姿勢として、この地価を健全ならしむる意味での行政姿勢を示していただきたい、こういうことでございます。
 それから、さきに土地基本法が成立いたしまして、これを踏まえて国民の重大な関心事である地価対策について関係省庁が今後努力しなければならないということになっておりますけれども、これについて国土庁の方から簡単に決意のほどを話していただきたいと思います。約五分以内で今の質問に対してお答えいただきたい。
○吉野説明員 私からは地価動向につきましてお話し申し上げます。
 平成二年地価公示によりまして昨年一年間の地価動向を申し上げますと、まず東京圏におきましては、埼玉県の東京から比較的遠い地域、それから千葉県及び茨城県で地価が上昇する傾向が見られておりまして、東京都、神奈川県ではほぼ横ばいで推移という状況でございます。それから大阪圏につきましては、ほぼ全域で著しい地価上昇が続いております。また名古屋圏におきましては、名古屋市及びその近接地域におきまして、前回と比べまして変動率がやや低下はいたしておりますものの、ほぼ全域でかなりの地価上昇が見られております。それから地方圏におきましては、著し
い地価上昇またはかなりの地価上昇を示した地方都市も見られておりますが、その他の地域につきましては地価はおおむね安定的に推移という状況でございます。
 このように東京圏の一部、大阪圏、名古屋圏、それから一部の地方小都市におきまして地価が上昇しておる地域が見られることから、今後とも地価動向を厳重に監視いたしまして、これらの地域におきまして地価の安定に努める必要があると考えております。
○鈴木説明員 私の方からは土地対策について御説明申し上げます。
 土地対策につきましては、昨年末の土地基本法の成立を踏まえまして、土地についての公共の福祉優先等、この法律に示されました土地についての基本理念や土地対策の展開方向に基づきまして、政府一体となりまして需給両面にわたります各般の施策をより一層強力に推進してまいる所存でございます。
 このため、当面の具体的措置といたしまして、昨年の十二月二十一日に開催されました土地対策閣僚協議会におきまして申し合わされました「今後の土地対策の重点実施方針」に掲げられました諸施策について、関係各省庁の連絡を密にしつつその実施を図っていくということでございます。
 具体的には、国土庁におきまして、本年三月二十日の国土利用計画法の一部改正の施行により強化されました監視区域制度につきまして緊急総点検を指示する等、そのより的確かつ厳正な運用に努めるとともに、先般より大蔵省におきましても土地関連融資の総量抑制指導が行われているところでございます。
 また、大都市地域におきます住宅宅地供給の促進を図るために、建設省におきまして、広域的な住宅宅地供給方針の策定、工場跡地等低・未利用地の有効・高度利用の促進及び市街化区域内農地の計画的な保全と宅地化のための制度の整備充実が図られているところでございます。
 土地税制につきましても、適正な利用の確保、投機的取引の抑制、利益に応じた適切な負担の基本理念にのっとった総合的見直しについて、税制調査会に設置されました土地税制小委員会において検討が開始されたところでございます。
○小山説明員 お答えいたします。
 大蔵省の土地関連融資に対します行政指導の考え方でございますけれども、これまで銀行が土地関連で貸し込み過ぎているという観点としては二つあろうと思うのです。
 一つは、土地の買い占めに手をかすとか土地転がしに融資をするとか、そういう投機的な土地取引に対して融資を続けていく、それはやはり地価を上げる要因になります。これにつきましては、特別ヒアリングと称しまして、一件一件、これは怪しいなと思います件については、銀行局が銀行を個別に呼び出しまして、定期的に、ヒアリングと称する形でございますが実際には行政指導をいたしております。
 次に、それだけでとどまればそれはよかったのでございましょうけれども、地価の高騰はやまないということで、実に十七年ぶりでございますが、列島改造論のときに地価が高騰し、昭和四十八年にやりました量的規制、つまり金融機関が不動産業に対して貸せる金というのはもう量的にこれまでという形で決める規制に踏み切ったわけでございます。その決め方といいますのは、不動産業向けにつきまして総貸し出しの増加率の範囲内におさめるように、そういう規制にいたしたわけでございます。しかし、不動産業だけでありますと、その隣に例えばノンバンクという産業もございますし、あるいは建設業という産業もあるわけでございますから、そこにつきましては四半期ベースで計数を徴求する、計数次第では今後さらに強い行政指導を打つことあるべし、こういう考え方でございます。
 時間がございませんので、最後の不動産担保融資、これをどう考えるかという点でございますけれども、金融機関におきましては不動産担保融資についてかなりかた目の掛け目により担保評価を行っておりまして、そういう点で、私どもの目から見て、そこはそう問題はないのではないか。ただ、地価そのものがバブル現象的に上がってきておりますので、そこで担保の価値が上がり融資の枠が大きくなる、こういう悪循環があることも事実でございます。こういうものについては私どもは総量規制という最も強い形の規制で対応している、しばらくはこれで様子を見たいと思っています。
 なお、つけ加えますと、アメリカにおきましては不動産担保融資という形態は余り使われておりません。担保をとらない。それから、ドイツ、イギリスにつきましては、日本よりもさらに一層強く不動産担保融資、担保は何でとるかといいますと不動産でとっております。国によってまちまちでございます。とらなければそれでいいわけでございますけれども、その場合には貸し倒れが起こります。アメリカの場合には、実に五百億ドルぐらいの預金保険でカバーできない貸し倒れが生じておりまして、預金保険でカバーできておりませんので、これは税金で賄う。五百億ドルと称しますと七兆五千億ぐらいの貸し倒れのツケが国民に回ってくる。こういうバランスもいかがなものかと考えておりまして、全体を見ながら行政を進めている、こういう状況でございます。
○穂積委員 残りの時間、私は、NTTの組織のあり方、今後の経営のあり方、これをめぐる最近の論議等に関して、まず基礎的なことから公正取引委員会にお伺いし、それから郵政省、NTTさんにお伺いしたいと思います。
 まず、繰り返しておりますけれども、公正かつ自由な競争によって合理化が進み、そして国民生活向上、消費者へのサービス向上等が図られる、これはもう基礎的な事柄と思っておるのですが、その公正かつ自由な競争を守るのが独禁法であり、これを所管し仕事をなさっているのが公正取引委員会だと思うわけであります。
 そこで、公正取引委員会のこれまでのいろいろな問題への関与の状況の中で一つ思い出していただきたいのは、新日鉄の誕生に際しての巨大な企業体の問題、公正かつ自由な競争との関係、こうしたことだったと思うのです。この新日鉄が、同意審決というような国民のなじみのないような言葉なども出て合併が認められ今日に至っているのですけれども、新日鉄としては、企業体としてそれなりに随分と企業努力をし、コストダウンを図り、そしてひいては国民経済への寄与もしてきたというふうに評価できるのではないかという感じもするのですが、それでは、官業から民営化されたNTTという大組織が、とにかく大きいからというだけで分割せざるを得ないのかどうかという単純な議論で済まされるとも思えない。要は、企業の巨大さだけでなしに、その企業体が、その組織のもとで競争を通ずる合理化あるいは利用者へのサービスの向上といったことが実現されている状況にあるかどうか、こういうことこそが肝心な問題だと思うのです。
 そうしたことを考えますと、これまでNTTについては当面五年間分割論議は凍結というような政府・与党の決定がありますが、しかし、五年後どうするかという時点に向けての、世論を含めての議論の中でどうするかという話があるかと思います。
 今全部申し上げましたけれども、第一に、公正取引委員会は、自己の責務をどのように考え、自由経済社会の中での経済の発展、国民生活の向上のためにどう寄与していくか、そういうことを踏まえた、私が今申し上げた新日鉄の評価、それからNTT問題への対応をお答えいただきたいし、それから郵政省は、同様に、私の申し上げたような趣旨からしてNTT問題についてどのような姿勢でいるかをお話しいただきたい。
 また、当事者のNTTは、これはいろいろ言い分もあろうかと思います。一生懸命自分たちなりに努力していくんだという気持ちもあるかと思うのですが、これ以上分割論に結びつくような企業努力への疑問あるいは利用者サービスの向上ということに対する疑問というようなことのないよう
な努力をしていって、分割するまでもなく消費者、利用者のためになっていくんだという覚悟があるかどうか。それと、NTTに対する今の行政の関与について、これは日米構造協議の中でもいろいろな規制を解き放って合理化していくというようなことなども並行して議論になっているわけですが、その規制緩和によって自由な企業活動をさせてほしいというようなこともNTTとしては要望があるやに聞いておりますけれども、その辺を踏まえまして、それぞれお答えいただきたいと思います。
○野坂委員長 答弁者は、時間がありませんから簡潔にお願いします。
○糸田政府委員 ただいま穂積委員から御指摘のありましたとおり、自由経済のもとで公正かつ自由な競争を維持するあるいは促進するということは、最大の基本的な事柄であると思っております。これは独占禁止法の目的規定にも書いておるところでございますけれども、公正で自由な競争を維持、促進するということによって国民経済の健全で民主的な発展を図っていく、それがひいては一般消費者の利益にもつながっていくということでもございますので、私どもはその精神を常に持ちながら独占禁止法を厳正に運用していく、あるいは競争政策を適正に運営していくことをその使命としておるところでございます。
 今お尋ねのありました中で、例えば合併の問題などもございましたけれども、これはもう委員御承知のように、一定の取引分野における競争を自主的に制限することとなる場合が、その合併を独占禁止法で禁止している一つの類型でございます。したがって、大きいとか小さいとかということだけではなくて、その業界における競争の状況、そういったいろいろな点を考えながら法運用を行っていくということでもございます。その結果が先般の旧八幡製鉄、富士製鉄の合併、それによる新日鉄の誕生といったようなことになったわけでありまして、その経緯は時間もございませんので省略いたしますが、そういったようなことでございます。
 それから、NTT問題につきましても、私どもはまだこのNTTを中心とする我が国の電気通信事業分野の競争の状況というのは流動的であると考えておりまして、いましばらくこの推移を見きわめる必要があると思います。その一方で、ともかくこの分野における競争が、それこそ公正で自由な形で行われるようにということで、注意深くNTTの行動その他を見きわめていかなければならないと考えているところでもありますし、他方で、最後に先生お触れになりましたとおり、いろいろな法的規制というものにつきましても、その必要性その他について見直しをしていくといったようなことが、それは電気通信事業分野においても大事なことではないかなというふうに考えておるところでございます。
○有村説明員 お答えいたします。
 NTT問題の経緯につきましては五十七年の臨調答申以来の経緯がございますけれども、これにつきましてはちょっと省略をさせていただきまして、電気通信の分野でNTT問題を検討するスタンスなりこれからの進め方と申しますか、それについてちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 検討するスタンスにつきましては、先生の御質疑にもあったわけでありますけれども、この六十年に制度改革をいたしました最大の目的といいますのは、この電気通信分野の競争というものを活発にいたしまして、NTTを民営化をして効率化を図り、そういうことで料金の低廉化とかサービスの多様化を図っていくということでございますので、これが私どもとしては追求していくべき最大の眼目だと思います。
 そういった中でNTTのあり方も検討していくということでございまして、電気通信分野の事情と申しますか問題を申し上げますと、百年の歴史というものが電電公社にあるわけでございまして、その中で新規参入が認められて参入しておりますけれども、ほかの産業と違いまして、新しく参入してきた事業者はNTTの市内網に接続しないと事業ができない、つまり、いわばライバルの設備に依存しないと事業が成り立たない、そういうことを通じて競争を行うという非常に特殊な市場構造になっておりまして、そういった中でのNTTのあり方、巨大な存在というものをどうしていけば、先ほど申し上げましたような競争を通じての料金の低廉化とかサービスの多様化というものを図っていけるかということがテーマであるわけでございます。単にNTTが大きいからとか独占であるからとかいうことではないのだろうというふうに思っております。
 そういった中で検討してまいりまして、先般、三月三十日でございますけれども、政府の措置というものを決定をしたわけでございます。
○穂積委員 それで結構です。
 時間がないので、NTTにお願いします。
○草加参考人 お答えいたします。
 いろいろ申し上げたいことはございますが、時間がございませんので二点に絞ってお答えさせていただきます。
 まず第一点は、今回の分割の議論が起こりましたのは、私どもといたしましては、公正有効競争の問題、また巨大企業とか、サービス向上、合理化が十分でない、こういう観点からいろいろと疑問が呈され、そして議論が行われた、このように認識しております。
 私どももこれらの問題についていろいろと努力はしてきておりますが、もちろん万全ではないというふうに考えているところでございまして、今回、先生御承知のように五年の猶予をいただいたというふうに認識いたしておりますので、この五年の間に、合理化、効率化の実施、例えば集約化、分社化、地方分散を積極的に推進する、料金の低廉化、多様化、多彩なサービスの開発、例えば最遠距離通話料を二百円以下に値下げするとか、選択的料金制、パッケージ割引料金のような諸外国であるようなものをどんどん導入していくとか、ISDNをどんどん進めていくというようなこと、さらに公正有効競争の推進、いろいろございますが、時間がございませんので省略いたします。さらには株主への利益還元、このようなことを五年間徹底的に実施いたしまして、世論の期待にこたえていきたいというのが第一点でございます。
 それから第二点の行政の関与でございますが、私どもといたしましては、今の規制の緩和につきまして、例えば市外電話サービスのような競争的サービス、それから付加機能サービスに対する料金規制というものを緩和していただきたいとか、外国人の株式保有、政府株式保有義務などの株式に関する規制緩和をしていただきたいということが幾つかございます。これらにつきまして、これから関係方面に粘り強く要請していきたい、このように考えているところでございます。
 以上でございます。
○穂積委員 それでは、私の質問を終わります。
○野坂委員長 次に、竹内猛君。
○竹内(猛)委員 先般の長官の施政方針、それに関連するいろいろな説明に関連して若干の質問をいたしますが、その基調にあるものは、アメリカの大統領も海部総理も、これからはゆとりのある生活、そして消費者を大事にする、その利益を守る、こういうことを言われています。まさに内外価格差の問題あるいは構造協議の中心もそこに問題が絞られているように思いますが、そういう点から質問をしていきたいと思うのです。
 先ほど前任者の質問がありましたが、最初に、経済の見通しの問題について質問します。
 年初来の株安、円安等が今後も続いた場合、個人消費の冷え込みや企業の資金調達などから設備投資に影響を与え、経済成長率を引き下げる可能性があると思うが、今後の経済の運営をどのように考えているか。また、現在続いている景気というものは、これからはどういうふうになるのかということを、かいつまんで要領よく説明をしていただきたいと思う。先ほどは余り説明が長過ぎたものですから、説明に三十分も時間をとっているわけですから、それはまずいのです。
○相沢国務大臣 現在、確かに為替相場が経済見通しの時点よりも円安になっておりますし、債券安、それからまた、株価も昨年末に比べると一万円以上も暴落するというような現象が起きておりますけれども、鉱工業生産、卸売物価、消費者物価あるいはまた雇用状況、雇用者所得等々各般のデータから判断いたしまして、経済の基調においては大きな変化はないということでありまして、平成二年度の経済成長実質四%という見込みは、おおむね現在の時点におきましては達成されるものというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 予算を組む場合に、円ドルの関係は大体どういうふうに基調に置かれたか、その点ちょっとお伺いしたい。
○相沢国務大臣 これはやや機械的な計算でありますけれども、平成二年度の経済見通しを作成いたしましたのが昨年十二月のたしか二十二日現在であると思いますが、十一月の中ごろから十二月の中ごろまでの約一月間におけるところの各日の為替の中心相場の平均をとって、これを一応の平成二年度における為替の相場の前提にいたしております。その数値は、一ドル百四十二円五十銭であります。
○竹内(猛)委員 一ドル百四十二円五十銭という、これはいわば円高ですね。ところが今は百六十円前後で非常に厳しい動きをしている。百四十二円に下がるという保証はありますか。
○相沢国務大臣 その後、御案内のように円安の状況が続いております。数日前に百六十円を超えましたが、きょうは寄りつきが百五十八円三十五銭でありまして、昨日のニューヨークの終わり値が百五十八円十銭ということでありますので、どうも百六十円の大台に乗るということはないんじゃないかなというふうに考えておりますけれども、それにいたしましても、百四十二円五十銭に対しまして百五十七、八円というのは、一〇%以上の円安ということになっております。
 この円安が経済に対して、例えばこれが続きますと、卸売物価で一%、消費者物価で〇・五%程度の影響が出てくるのではないかと思っておりますが、いずれにいたしましても、この状況が今後どうなるかということにかかってくるわけでありますので、今の段階でいろいろな大きな変化が出るというふうに予測することも困難ではないかというふうに考えています。
○竹内(猛)委員 平成二年度の政府経済見通しというものと、それから民間でいろいろ調査をしているものの見通しとの間にもそれぞれ問題があるようです。最近は特にトリプル不安という形で、円安、株安、それから債券も下がる、こういうことで非常に不安がある。こういう不安に対して、金利を引き上げるとか上げないとかということも日銀が行っておるようですが、それはどのように考えられていますか。つまり、政府の見通しと民間との間に、あるいは現実の動きの中にいろいろな不安がある。
○相沢国務大臣 民間の各種の調査機関がどういうふうに見ているかということにつきましては政府委員から答弁をさせますけれども、おおむね政府の見通しと大差がないというふうに承知いたしております。
 なお、トリプル安につきましては、御承知のように、これは経済の実勢に影響が全くないというふうに申し上げるわけにはまいりませんが、ただ、経済の基調としては大きな変化がありませんので、これらのいわば現象面の状況というものについてはしばらく推移を見る必要があるのではないかというふうに考えております。
○勝村政府委員 お答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、最近、民間機関が平成二年度につきましての見通しをやや下方修正をしているということは、そのとおりでございます。現在のところ、主な機関のデータを集めますと、大体七つの機関が見直しを最近行っておりますが、その平均値を出してみますと、GNPの実質の伸びにつきましては四・二%となっております。これは三・九%から四・五%までにばらついておりますが、平均いたしますと四・二%であります。昨年末に出しました民間機関四十一機関の平均をとってみますと、これが四・四%と見ておりまして、したがって〇・二%程度の下方修正という形になっております。
 国内需要につきましては、特に設備投資の見方がやや控え目になっているか、これは昨年末ですと九・三%と見ておりましたのが、最近の修正では平均が八・三%というふうになっております。それから、円安を見込みまして、やや輸出が逆にふえるかというような見通しをしているところもあるようでございますが、ただいま申しましたように、下方修正をしたと申しましても、ほぼ政府見通しと大差のない数値に現在民間機関は見ているというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 経済成長率の見通しにおいても、昭和六十二年、三年の経済成長実績は政府経済見通しを大きく上回っており、平成元年度の実績見込みも当初の見通しを大きく上回っておりました。そして今度、二年度においても、今も話があったように、政府見通し四%程度は意図的に過小見通しとなっているのではないか。それとも偶然にこれが一致をしたのかどうかということでございますが、今年度は政府の見通し四%程度になるということに対して安心をしていられるかどうかということで、今のところちょっと動きがあるようですけれども、それは大丈夫ですか。
○相沢国務大臣 よく、政府の経済見通しの中におきまして実質成長率を少し低目に見ているのじゃないかという御意見があるようでありますが、実は過去の実績を見てみますと必ずしもそうではないのでありまして、例えば五十年から五十七年にかけては、いずれも当初見通しを実績が下回っている。五十八、五十九は政府見通しよりも実績が若干上回った。六十、六十一がまた下回って、六十二、六十三は上回り、また平成元年も、四%が四・六%程度になるのではないかと見ているわけです。
 したがいまして、そう大きく見ているわけではございませんから、私は、平成二年の四%というこの見通しは、先ほど政府委員から答弁いたしましたように、民間もおおむね四%台というふうに見積もっておりますし、まず現在の経済のファンダメンタルズに大きな変動がない限り実現をできるのではないかと思っています。
○竹内(猛)委員 経済企画庁は、豊かさを実感できる国民生活をつくっていきたい、こういうことになっていますが、最近、日米交渉あるいはウルグアイ・ラウンド等々の問題もありますけれども、特にアジア・太平洋地域においてどのような国際的協力をされるか。あるいは、国内においてはゆとりのある、今までは何か生産を中心に考えてきたようですが、これからは消費者を中心にしていくというビジョンをどういうふうに考えられているのか。この二点についてお答えをいただきたい。
○相沢国務大臣 日米の構造問題協議につきまして、四月六日に閣議了解が行われました中において、「政府としては、世界経済とより調和のとれた姿の中での国民生活の質の向上及び消費者利益の重視の観点から、」この協議に対しまして最大限の取り組みを行うという基本的な方針を決めているわけであります。
 日米構造協議におきましてはいろいろな問題が挙げられておりますけれども、例えば公共投資の問題にいたしましても、あるいは大店法、独禁法の問題にいたしましても、このような観点から、従来日本の政府としても大きな課題として取り組んでいかなければならない問題点を掲げられているというふうに受けとめて、そしてこのような構造協議を一つの契機としてその対策を進めていく、また進めていかなければならないというように受けとめて、目下真剣な取り組みをしている状況でございます。
 それから、豊かさが実感できるところの生活を実現していかなければならないというのはまさにそのとおりでありまして、日本の国の経済も戦後非常に順調な発展をいたしてまいりまして、今や、為替の関係もございますけれども、国民一人当た
りの実質所得も最高の水準に達しておるということであります。しかし、居住の問題にいたしましても労働時間の点にいたしましても、本当にこれが世界の中でも威張れるような豊かな生活になっているかというと、いろいろな点において問題がある、そういうような問題を私どもはこれからも解決をして、本当に豊かさが実感できるような姿にしていかなければならないというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 今までのところは質問の序の口でして、入り口です。
 それで、やはり人間が生活していくためには衣食住、この三つが大事ですね。着るものは大分豊富になっている。それから、食べる方は、これは危険ですね。カロリーの自給率で五〇%を割った、穀物に至っては三〇%、政府の見通しが、十年先の二〇〇〇年、それでもカロリーは五〇%、それから穀物で三一%、十年間不動の状態でやろうというのですね。社会党が穀物自給率六〇%と言ったら、そんなことはできっこない、土地がない、金がないと言って一蹴した。
 ところが、参議院選挙では、二十六の一名区で二十三議席自民党は失ったのですね。そして、社会党と連合で二十三議席を得た。それを批判した堀之内農林大臣もついに落選をしてしまった。いや本当なんです。東北方面では全滅ですね。元農林水産委員長の岩手県の玉沢徳一郎さん、それから宮城県の菊池福治郎さん、秋田県の笹山さん。鹿児島の方へ行くと、畜産の神様と言われた山中貞則さん、二十八票差。その隣の堀之内農林大臣、その隣が江藤隆美さん、横の方の熊本県にいけば松野元農林水産大臣、それから北口さん。それから声の大きい松田九郎さん。中部でいうと、農林省出身の若林さん。みんな落ちちゃった。
 こうなってくると、農業問題というのは、構造政策、構造協議の中でも実際これは極めて重要なんですね。アメリカの五十分の一の農地、そしてまた四十倍もあるような広いアメリカ、そこからいろんなことを言われてくる。そして、それはごもっともだごもっともだと言って、ブッシュ大統領あるいは政府の周辺の人たちの言うことを聞き、日本の政府もそれに迎合をしているような形をとっている。農村の方々は、これじゃとても自民党はだめだ、こう言うことは当たり前なんだ。
 そういう中から、私は、農民というのは消費者なのか生産者なのかということを聞きたいんですね。消費者を大事にする、一方においては農業は過保護であるという議論が行われている。実際、六十二年のGNPが三百四十九兆、そういう中で農業の純生産は、中間投資を加えると十二兆になりますが、二・一%しかない。農業はその中で十二兆何ぼあるわけですけれども、その中の五兆円というのは、農業や農機具や生産をするために必要なものを買っているわけだ。実際は七兆二千億というものが農林水産業で売っているものですね。
 こういうような状態で、専業農家と兼業農家がありますけれども、専業農家の方は、所得が六百二十三万円、その中で農業では四百四十七万円。ところが第二種兼業農家の場合には、八百六万円の所得の中で三十九万円しか農業所得がない。全農家の平均からすれば、七百四十五万円の所得に対して九十五万円にしか農業所得はなっていない。勤労者の平均収入が五百八十万円ですから、ある面では高い所得を得ているということになるかもしれませんが、いずれにしても、農業によって所得が得られない、他産業で仕事をしなければできないというような状態で、本当に生産者と言えるかどうか、農民でも消費者じゃないのか。
 会社がつくった農機具にしても、肥料にしても農業にしても、それらは採算を度外視して農民に売っているわけではない、やはり一定の利潤というものを見込んでそれを売っている。まけてくれと言ってみても農家には絶対に応じてくれない、こういう状態ですね。
 それで、自分の方で今度売るものは、米が中心ですけれども、それも、外国に安いものがあるからそれを輸入しなければいけないといって農家を抑えつけている。その他の畜産物にしても何にしても政策価格で、要求した価格についてはそれはなかなか見てくれない。そして、安い原料をつくって、それに付加価値をつけたものを逆に買わされる。米をつくって酒を、葉たばこをつくってたばこを、ビール麦をつくってはビールを、あらゆるものがそういう形になっているのですね。これは消費者じゃないですかね。農業者は生産者とは言えないじゃないですか、そこのところを、長官、どうです。
○相沢国務大臣 私の県、鳥取県も農業県でございまして、委員長もまた農業の権威者でありまして、農業のあるべき姿について非常に思い悩み、また苦労もしている一人でございます。
 私は、昭和三十五、六年ごろに農林担当の主計官を長いことやらせていただきまして、ちょうど農業基本法を制定し、従来の米麦中心の食糧増産対策から、さらに果樹及び畜産を中心とするところの農業の選択的拡大に向けての転換を図らなければならないということで、果樹振興法の制定あるいは畜産物価格安定法の制定、畜産振興事業団の設立、農業近代化資金の創設、あるいはまた農業構造改善事業等の事業をスタートさせたころのことを思い起こしているのでありますけれども、その間におきまして、御案内のように農業生産の占める比率というものは大変に低下し、また、食糧自給率も今おっしゃるように非常に低くなってまいったのであります。
 農家は生産者か消費者かというお話でありますが、無論農業に関しましては生産者であり、と同時に、農機具、農業、肥料その他生活の必需物資に関しては無論のこと消費者ということになるわけであります。そういう両面の立場を持っているわけでありますが、私どもも、これから農家としての、あるいは農業としてのあるべき姿をどのように考えるかについては、これは非常に慎重に考えなければならないというふうに思います。
 多少私見にわたりますが、申し述べますと、昭和三十年代は、専業農家よりもむしろ兼業農家の育成ということに農林省の考えがあったのではないか。農業だけではなかなか、特に現金収入は得にくい、したがって農村に工業を導入する、そして、一家を挙げて農業と工業によるところの、工業に従事することによる収入とを合わせて農家の収入を確保するということが一つのあるべき姿ではないかというようなことを真剣に言われた時期が私はあったような気がしているのであります。そういうことでいろいろな試みも行われました。
 ただ、その後における状況を見ますと、今委員がおっしゃいましたように、農業の相対的な生産のGNPにおける比率も非常に下がってまいりましたし、また、農家経営といたしましても、現在のような耕作面積ではとても自立ができない。そこで、考え方としては耕作の規模を大きくして専業農家としての育成も図っていかなければならないというようなことで、また、例えば米価の算定に際しましても、将来一・五ヘクタールの耕作面積を一つの基準として米価を考えるというような考え方もございました。その辺のところが、私、正直に申しまして、どうも農業の政策として一貫したところが必ずしもなかったのではないか、その面で、受けとめる農家としてもいろいろな面において迷いもあったのではないかということを率直に言いまして感ずるのであります。
 それでは本当の意味における農業政策にはならないのでありますので、この辺のところは、近視眼的ではなくて、もう少し遠い将来のことも踏まえて、真剣に農業の、また農家に対する対策を考えていかなければならないということを思っております。いささか私見でございますけれども、申し述べさせていただきました。
○竹内(猛)委員 長官、古い話を大変されて、私見を述べられて、これはなかなか難しいことですね。
 それで、さっき三つのうちの住宅問題を抜かしたけれども、住宅に至ってはまことにこれはどうにもならない、今の賃金ではもう東京には住めないということですね。だから、先ほどもちょっと話があったけれども、この住宅問題というのはま
さに日本においては最大の課題になっている。これはしかしここでは触れない。
 そこで、またその続きに行きます。
 先ごろOECDがある発表をしました。この発表はまことにけしからぬ発表だと思っているのです。これは、日本の農業は過保護である、農業補助を撤廃すれば云々と、こうなっていますね。その中で、
 加盟二十四カ国のうち、日本、米国、カナダ、豪、ニュージーランド、欧州共同体(EC)十二カ国の計十七カ国。そのうち、日本については、農業保護として、コメ輸入が事実上ゼロにつながっている食管制度や、関税、数量制限などの輸入障壁に加え、転作奨励の補助金、かんがい用水施設への助成などを指摘している。報告では、そうした保護がもたらす総合的な効果を「農業補助等価(PSE)」に換算したうえ、このPSEをゼロにした場合の波及効果をモデル計算した。
  それによると、まず農業部門では、生産(付加価値額)が平均二四・二%減り、農産物の生産者価格も六・九%下がる。農業貿易については輸入数量が二四・八%増えるが、もともと少ない輸出数量の方も、輸出補助金などの撤廃による国際価格の上昇が予想されるため、二・一倍に増える。
  また、農産物加工品は、生産(付加価値額)が一三・九%落ち込むのに対し、輸入、輸出はそれぞれ三・八倍、二・六倍と急増する。云々のことが報告されている。
 これに対して、企画庁長官の所見並びに農林省の担当官の意見をちょっと聞いてみたい。
○相沢国務大臣 私も、今のOECDの報告というのは新聞で見まして、早速事務当局に聞いてみたのでありますが、これは「OECDエコノミックスタディーズ」という報告の十三号に載っているところの論文でございまして、「OECD諸国の農業政策の経済全体への影響――シミュレーション結果」ということになっております。これは、聞きましたら研究者五人の共同論文でありまして、OECD加盟国により正式に承認された報告書ではないということであります。
 ただ、この研究はかなり大規模なシミュレーションを使って算出をしたというふうに承知をいたしておりますが、その内容につきましては、今委員がおっしゃいましたようなことを私も承知をしている程度でありまして、どういうような計算過程からこういうものが出ているのかよく調べてもらいたいということを、事務当局に実は今朝話をしておいたところであります。
○高橋説明員 お答えいたします。
 この報告書は、今先生御指摘もございましたように、経済モデルを使いまして、農業保護をゼロにした場合どのような波及効果が全体にあるかということを分析したものでございます。そのやり方といたしましては、経済協力開発機構が開発いたしましたPSEという概念を使いまして、このPSEというのは内外価格差に補助金等を加えたものというふうにお考えいただけばよいかと思いますが、それを使用いたしまして、それをゼロにした場合に経済全体がどうなるかということを分析したものでございます。
 ただ、まだ詳細に検討してみる必要があるとは思いますが、このPSEという概念そのものは、まさに農業の経済的な側面だけを取り上げた概念というふうに考えられておりまして、そういう観点から見ますと、農業の持つ多面的な機能と申しましょうか、そういったものに配慮が払われていないのではないかという点が考えられるわけでございます。
 なお、詳細につきましては、検討を続けてまいりたいと思っております。
○竹内(猛)委員 この問題については、経済企画庁についても農林水産省についても、いずれも黙ってこれを見ているということはおかしい。何かの反論なりなんなりをして、日本の今まじめに農業をやろうとしている者に対して政府としてのちゃんとした答えを出してもらわない限りは、これはやはり黙っているわけにはいかない。
 試みに、米国農務省の発表した一九八九年から一九九〇年の輸出援助計画、TEAによると、米国の米を輸出するための補助金の金額は前年度に比べて大幅に上がっている、これは昨年の八月二十一日のアメリカの発表ですね。そして、日本を中心とする海外市場の開拓活動が一段と活発になりそうだ。九〇年度のTEAの総額は二億ドル、前年に比して横ばいだが、米の業者には八百五十万ドルが割り当てられており、前年度の五百七十万ドルに比べて四九・一%も増している。大豆、牛肉にも同様の措置がとられている。また、昨年の十一月十二日のニューズウイークによれば、アメリカ政府は米をつくる農家に一戸当たり一千万円の補助金を出している。
 生産者にも補助金を出し、輸出する者にもこうやって補助金を出して一生懸命自国の農業は守っている。日本については、裸になってなお保護も取ってしまえ。こんなことを黙って聞いている政府というのは、これはおかしいですよ。どこか狂っている。そう思いませんか。どうですか。
○相沢国務大臣 黙って聞いているのはおかしいということでありますけれども、実はこのお話はきのうかきょう新聞紙上で私も見まして、何でこんなものがぽんと出てくるんだろうかというふうに思ったのであります。
 日本の農業生産におきまして自給率が極めて低いということは、これは広い意味における国の安全保障の観点からいっても問題でありますし、やはり何としても自給率は維持し高める方向で考えていかなきゃならないというふうに私ども思っております。
 このシミュレーションにおきましても、実質国民所得が一・一%程度上がると言いながら、農業部門では生産が二四%も減るということでありますから、これは私どもの考え方にも沿わないことであります。確かに農業に関しましては、委員がおっしゃいましたように各国ともそれぞれの事情がありますけれども、やはり農業保護、農民保護の観点から各種の保護的な施策をとっていることは明らかであります。日本だけを裸にしろというような要求に対して私どもがこたえられないことは明らかであります。
 この報告につきましては、先ほど申し上げましたように、さらに詳細取り寄せて検討し、しかるべき意見をまた言わせていただこう、このように考えております。
○竹内(猛)委員 過ぐる二月十九日と二十日にスイスのジュネーブで、元欧州共同体の委員長マンスホルト博士を中心にして、EC、米国、日本、その他から約四十人が出席して、次のようなジュネーブ宣言を採択した。その中で、世界の食糧、農業を守るための運動を展開することを確認した。
 その中心になっているものが、
  1 各国は@食糧の自給および品質について、自国が適切と考える水準を達成する権利A農村社会の経済的・社会的持続可能性を保護する権利B生態学的に持続可能な農業システムを奨励するため適切な行動をする権利――を保有しなければならない。
  2 食糧の安全保障は、途上国の最優先事項でなければならない。農業政策もガット協定もこの目標を促進すべきであって、妨害すべきではない。
  3 環境への配慮が、いまだウルグアイ・ラウンドの農業交渉に具体化されないのを遺憾とする。
  4 非集約な農法は、生態学的な多様性を維持するのに不可欠な役割を持つ。このような農法は、有効な価格支持および輸入からの保護によってのみ維持され得るものである。
 こういう会議をやっております。
 このように、私はやはり農業というものは単に米や果物や野菜をつくるだけの仕事ではなしに、先ほど農林水産省の方から言おうとしたのをとめてしまったわけだけれども、国土の保全、環境の浄化、こういう社会的な役割がある。そして消費者は、外国から来るものの安全性に、怪しい添加
物やあるいは農薬を極度に使ったものに対して不安を持っている、これはもう総理府の調査でもわかるとおりですね。さらに、国土の保全の役割、そして長い文化と伝統、こういう農業の持っている社会的な役割というものがある、だから、そういうことも考えなければならない。単に経済的に損か得か、物でさえあって安くさえあればいい、こういう考え方の中に、農業を否定し粗末にするという思想が生まれる。農業に対する哲学が不足をしているわけだ。
 そういう点について、私は強く、農村県御出身の大蔵省の大本山の相沢長官にもう一度決意を求めたい。いかがですか。
○相沢国務大臣 全く委員の御意見に私も同感でございます。農業は単に経済的なサイドのみから考えるべきではない。社会的にもいろいろ問題はございますし、私はやはり農業を守る、農村を守るという観点から農業問題に取り組んでいかなければいけないというふうに考えております。全く委員と同じ意見でございます。
○竹内(猛)委員 次に、私は当面する問題で二、三伺いますが、まず最初に、タクシーの料金値上げ問題について御質問をします。
 既に各地からタクシー料金の値上げの申請が出ている。既にビールが値上げをし、授業料が値上げをし、国民健康保険、厚生年金、もうあらゆるものが続々と値上げをした。二月の総選挙が終わったら、何のことはない、去年の消費税の導入に加えて今度は生活物資が、物価が値上げをするという、まことにけしからぬことが行われている。そういう中で、今度は公共料金にも等しいタクシーの料金を値上げをするという申請が出てきて、それもまた実施されようとしておりますけれども、いつ、どれくらい値上げをするかということについて、まずお伺いします。
○山下説明員 お答え申し上げます。
 ただいま委員から御指摘のとおり、東京を初め幾つかの地域でタクシーの運賃改定の申請が出てまいっております。
 東京について申し上げますと、現在申請が出ておりますのは一一%から一六・九%、平均いたしますと一三%程度の申請でございます。これにつきましては運転者の労働条件の改善ということを理由といたしておりまして、私どもといたしましては、現在、改定の中身、経営状況等、具体的な事項につきまして審査を行っておるところでございます。慎重に対処してまいりたいと思っております。
○竹内(猛)委員 今全国では四十二万のタクシーの運転手、しかもこの労働条件というものは極めて悪い。一般の所得者が先ほども言ったように五百四十万から五百八十万というときに、四百七十四万ということですね。しかも、労働時間は大変長くて、今まで週二休制というものを要求をしてきているが、実際は二千百時間で、それを千八百時間にするためにはよほどの努力をしなければならない。特にこのタクシーの場合には、三年間の猶予期間があってそれが切れるわけですから、今度はいよいよ実行しなければならない、こういう点に来ておりますけれども、どうしても労働時間はさらに長引いているという状況、しかも賃金は悪い。こういう中で、値上げを同意するわけじゃないが、仮に値上げをした場合に、一体労働条件というのをどういうふうによくするという保証があるのか、いかがですか。
○山下説明員 今御指摘のとおり、労働基準法の改正が行われて労働時間の短縮が既に実施されておるわけでございますが、タクシーの運転手などの道路運送関係につきましては三年の猶予が認められております。しかしながら、なるべく早く移行するということが政府の方針でございまして、労働省からも強くこの実現方を要望されておるところでございます。特に、東京地区におきましては、全国への波及効果も考えまして、早く移行ということで強く要請をされておるところでございます。
 運輸省といたしましても、その環境づくりということに鋭意努力をしてまいりたいと思っておるところでございますが、特にこの問題につきましては、ことしの四月から移行するということで業界を挙げて取り組んでおるところでございまして、私どもが調べましたところでは、現在ほとんどそういう四十六時間体制への移行ということは完成しつつあるというふうに聞いております。
○竹内(猛)委員 タクシーの運転手さんは、東京の場合は一カ月に十二日あるいは十三日仕事をする。そして、これは交代をしていくわけですから、だから労働組合をつくってもなかなか交渉のしにくい状態がある。しかも、組合のできていないところも多くあって、値上げをした部分についてはほとんど経営者が懐に入れてしまう。それで、経営者は働く運転手の労働条件や賃金の値上げをしないでよそに投資をする。これは、ホテルをつくったり、いろいろなものを、別荘をつくったりしてもうけをする、こういうことで、値上げに便乗してよくない状況をつくっていくということは非常にまずい。こういう監視をしなければいけない。これが経営者に対する一つの注意ですね。
 一方、運転手の場合においても、乗って、行く先を言っても物も言わない、金を払ってもありがどうも言わない、こういうちょっと常識に欠けたのが、これは僕の経験だけでも十人のうちに二、三人はいますね。これは労働条件が悪いから、おもしろくないから抵抗しているのかどうかわかりませんが、じゃ、これは労働条件をよくすれば直るかということになると、これも言えない。
 その点は運輸省担当者はどういうふうに把握をされ、どう指導されようとしておるのか。
○山下説明員 最初に、労働条件の改善方策でございますが、確かに非常に特殊な勤務形態の労働でございまして、長時間労働、また、賃金もその割には非常に他産業に比べて低いというようなことにつきましては、私どもも十分改善の必要があるということは承知をいたしておるところでございます。
 これらにつきましては、特に今回東京におきましては、経営者側と労働側が十分そこらあたりを話し合いまして、今回の運賃改定によります増収分は先ほどの時間短縮を含めました労働条件の改善に向けるということで合意を見ておりまして、その実現を図っていきたいということで非常に自主的な運動が出てきておるということは私ども高く評価をしておるところでございます。私どもがそういったことを認める、こういう理由により認可をするということになりますれば、その実現を図っていくのは申請者といたしまして当然の義務でございます。これらにつきまして、運輸省といたしましても十分な関心を持って注視をしていきたいと思っておるところでございます。
 それから、マナーの問題を御指摘になったわけでございますが、タクシー事業も当然サービス産業でございますから、良好な接客マナーを保持するということは当然の義務だと思っておるわけでございます。残念ながら、私どもが行いましたアンケート調査などによりましても、やはりまだ接客態度に対する希望というものがかなり出てきておりまして、機会があることにその指導の徹底ということを要望しておるところでございます。しかしながら、少しずつではございますけれども接客態度の向上ということについてそういったアンケート調査等でも評価をされておるところでございまして、その一層の向上ということに努めてまいりたいと思っております。
 現在、東京では笑顔であいさつする運動等の実施を行う等いたしておりまして、こういった面で運輸省としても協力できるところはできる限りの推進を図っていきたいと思っておるところでございます。
○竹内(猛)委員 これは、ぜひそういうふうに指導してほしい、要望します。
 長官がお立ちになる前に、一つだけ閣議で相談してもらいたいことがあります。
 それはどういうことかというと、週二休制が進んでいって休みが多くなる、そうすると、レジャーをどうするかという問題になって、その一つとしてゴルフをやる方がいらっしゃる。このゴルフの
人口が大変ふえてきました。そこで、この間、私は環境委員会にも属していますから、環境委員会として別な角度から、農薬を使うという点であるゴルフ場に行きましたら、そこの会員権というか施設利用権といいますか、九千五百万円、これは大変なものですね。ところが、神奈川県の相模のゴルフ場は二億四千万円という。こういうような価格というのはちょっと気の遠くなるような話だ。これでは一般の庶民の楽しむような場所にはならない、特定のお金を持っている人でなければ出入りができない。そういうゴルフ場を我々は求めているわけじゃない、一般の人がだれでも一定の金を持って行けばそこで十分に楽しめる、そういうゴルフ場こそ必要だ。
 ところが、現在千七百を超えるゴルフ場が全国にあり、さらに三百幾つかが今建設中であり、そのほかに申請しているのが千ぐらいある。こうなってくると、これは大変なゴルフ場の数になる、が、これを指導したりあるいは連絡をとるのを、今までは縦割りで、土地については農林水産省、建てることについては建設省、それから環境は環境庁、そしてその運営に関連をしては通産省、こういうように多くの縦割り行政であって横の連絡がとれなかったが、最近、四、五日前に通産省の方からこれを七つくらいの省庁が一つになって連絡をして何事かをしようという方向に行っておりますけれども、これは長官、これだけの全国の何千というゴルフ場で、しかもこういう内容を持ったものについて、もう少しこのゴルフ場というものに対する統一した窓口をつくって、そしてそこへ行けばいろいろなことが連絡がとれるようなものがなぜできないか、これをつくってもらいたいということを閣議でひとつ物を言ってもらいたいというのが私の要請でございます。いかがですか。
○相沢国務大臣 委員の御意見に私も賛成でございます。
 実は、私は、自民党のゴルフ産業振興議員連盟の幹事長というのをやっておりまして、この目的は、今まさに委員がおっしゃいましたように庶民のスポーツとしてゴルフが普及してきている、ゴルフ人口一千万と言われております。ところが、年間のゴルフのプレーの回数というのは約七千万というのですね。ですから、一人平均七回ということになっていますが、確かにゴルフ場の数が少ないということがあの会員権のばか高の原因にもなっているわけであります。そこで、私どもは、議員連盟をつくりました趣旨は、一つは、ゴルフ場の建設をできるだけ促進をする、しかしそれを野放してはいけない。そしてまた、会員権が相当インチキなものがありまして、だまされた人も少なくない。したがいまして、そういう利用者に対する保護ということも考えていかなければならない、こういうことでそういうような議員連盟をつくったのであります。
 その議連におきまして、農薬の問題もこれは我々としても研究しなければならないということで、昨年でございましたか、関係省庁を呼んでこの問題を実は検討したのであります。
 時間がございませんからもうはしょって申し上げますけれども、当時、農林省であったと思いますが、の説明では、とにかく全体の農薬の中で占めるゴルフ場において使用される農薬の量は少ない。私、手元のこの表を確かめたわけじゃありませんが、六十三年度で五十四万トンだそうであります、農薬は。ゴルフ場に使われている分が一カ所当たり二トン程度ということでありますので、一%以下ということであります。その農薬の種類としては一般の農薬と変わりはございません。違いはないようであります。
 ただ、私はそのときに聞きましたことで一つ記憶に残っておりますのは、本当は、その農薬を芝に散布する際に、希釈した薄いものを何回にも分けて散布するというふうにいたしますと雨が降っても比較的下流の被害が少ない。ところが、その農薬散布を請け負った会社などが、人手を省く意味もありますし、面倒くさいものだから、濃いのをばっとまとめてまくんだそうです。その後に雨が降ったりしますと非常に農薬の被害が大きくなる、こういうことがございます。
 農薬を使わないでということを条件にしてゴルフ場の設置を認めようというような話も新聞等で耳にいたしております。しかし、全般的には私は確かに農薬の被害というものが現にあるということを聞いていますので、それに対しましては、私はもう少しいろいろな使用する農薬の面あるいはその使用するやり方等につきましても指導できるような体制が必要であるというふうに思っておりますので、今通産省のサービス産業室というものが窓口といいますか担当になっておりますが、なかなか広範な範囲のサービス産業のごく小さい一環というような形でこの問題を考えるわけにはまいらない状態になっておると思います。委員の御意見を踏まえまして、いろいろと検討させていただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 時間が来たからまとめて質問します。
 まず、通産省が今七省庁をまとめて連絡をしているが、これはこれからどういうふうに指導されるかということがまず第一。
 それから、今長官からもお話がありましたが、農薬散布の問題で千葉県の知事は絶対にだめだと言っている。農林水産省はそれについて異議があると言っているが、どういう異議があって、どうやろうとしているのか、まず農林水産省。
 それから大蔵省は、このべらぼうな会員権というものをどういうふうに把握をされ、これに対してどのような形で課税をしているのか。消費者には三%の過酷な消費税を強引に押しつけておきながら、二億数千万もするあるいは一億にも近いようなこういう会員権に対しては、それを温存している、高ねの花のようなそういうゴルフ場では非常に困るわけだ。
 この三つについてそれぞれお答えをいただきたい。
○桑田説明員 私ども通産省は、ゴルフ場事業というものをサービス産業の一つとして、先ほど相沢長官からお答えになりましたように所管をしておりますけれども、ゴルフ場の建設、開発並びに農薬の使用等につきましては、各省庁、地方自治体がそれぞれ関係法令に基づきまして規制を担当されております。
 御承知のように、こういった関係省庁が多岐にわたるということでございますので、私ども、通産大臣のイニシアチブのもとに、現下のゴルフ場に係る諸問題につきまして、従来にも増してやはり関係省庁間での連絡をまず密にしなければいかぬのではないか。
 第二点目は、やはり各省庁における協力の充実を図っていこうということで、四月の十七日に第一回の関係省庁の局長で構成されますゴルフ場関係省庁連絡会議を開催させていただきまして、今後さらに幹事会というものを設けまして、課長クラスで実態の把握等々に努めていくということにしておるわけでございます。
 この会議におきましては、ゴルフ場に係る開発、農薬の問題、さらに地域振興といった諸問題につきまして意見交換を行いますとともに、各省庁におきますこうしたゴルフ場を取り巻く問題についての共通認識を醸成いたしまして、各省庁が連携して必要な施策の推進に努められるようにという場にしていきたいと私ども存じております。
 それから、先ほど会員権の問題がございましたけれども、御承知のように日本のゴルフ場の約九割が会員制のシステムをとっておりまして、ゴルフをプレーするには、一部のパブリックのようなゴルフ場を除きまして、どこかのゴルフクラブに所属しなければならないということになっておるわけでございます。
 ゴルフの会員権の取引には、新規のゴルフ場の開設時に募集をするという点と、もう一つは、既設のゴルフ場におきます会員権の売買ということがございますが、この既設のゴルフ場の会員権の売買の方は、相対で直接取引されるというケースもありますけれども、多くの場合にはやはり会員権の取引業者の仲介を通じて取引をされております。
 価格の問題につきましては、マーケットメカニズムといいますか、売り方、買い方双方の希望価格が折り合ったところで決まっていくということでございます。ゴルフ会員権につきまして、例えば株式市場のような特段の市場というものは現在のところございませんけれども、各取引業者がそれぞれの扱っております会員権につきまして持っております相場の相対という形で、高騰とか下落というものが一般的に言われておるところでございます。
 私ども、今後会員権の所有者を、各ゴルフクラブの中でそれぞれどういう会員が何人いるか等々の問題がございますので、平成二年度におきまして、ゴルフ場につきましての実態調査をさせていただきたいと存じております。
○宇井説明員 御説明申し上げます。
 農林省でゴルフ場の農薬対策についてどういうことをやっているかというお尋ねと、千葉県の知事が無農薬の方針を打ち出されておるわけですが、それに対してどういうふうに考えるかという二点かと思います。
 農林省のとっております対策といたしましては、基本的に我が国は御承知のとおり高温多湿ということで、病害虫、雑草の発生が極めて多い気象条件下にございます。このため、ゴルフ場におきましては、このような病害虫や雑草の発生にいかに対処いたしまして芝を適切に管理するかに苦労しているというふうに聞いております。農薬を使用しない場合には極めて多大な労力を要するというような問題もあり、多くのゴルフ場におきましては農薬を使用しまして芝の管理維持等を行っているというふうに承知しております。
 農薬散布に当たりましては、いろいろ御指摘がありますように、人畜や周辺環境に対する安全を確保することが極めて重要でありますから、農薬は、農薬取締法に基づきまして、作物にまきますと残留するわけですが、残留性等の多岐にわたる膨大な試験データをもとにいたしまして環境庁長官が定めております基準に対しまして、厳正に検査し、安全性を確認した上で適正な使用方法を定めて、登録されたものでなければ販売できないということにしておるわけでございます。したがいまして、農林省といたしましては、登録されました農薬が適正な方法によりまして使用されるということが何よりも肝要ではないかというふうに考える次第でございます。
 このために、ゴルフ場におきます農薬の使用に当たりましても、都道府県と連携いたしまして、登録農薬の使用、使用方法の遵守等、農薬の安全使用に関する指導を推進しているところでございます。平成二年度からは、御審議いただいているところでございますけれども、新たな予算を計上いたしまして、ゴルフ場におきます芝等の安全防除指針というものの策定、それから、周辺環境に影響を与えない農薬の適正使用の徹底をねらいといたしました農薬適正使用緊急対策事業というのを推進することにしておる次第でございます。
 なお、農薬の適正使用に関しましては、昨年八月に、民間の関係者によりまして、ゴルフ場等における農薬の安全対策を推進する団体ということで緑の安全推進協会というのが結成されておりますので、こういう団体と連携をとりながら、今後とも指導の強化に努めてまいる所存でございます。
 それから、千葉県の知事の方針に対してどうかという御指摘がございましたが、千葉県の最近の方針につきましては、千葉県という地域の独自性、そういう事情によりまして出てきたものというふうに考えておりますので、それの是非のコメントは避けさせていただきたいと思いますけれども、農薬を使用しない場合の病害虫や雑草の防除の現実的な困難性、これは多大な労力がかかってくるとかそんなような問題もあるかと思いますが、また、無農薬という名のもとに相当危険が懸念されるような物質等が利用されかねない、それから、先ほど申し上げましたように農薬は適正な使用により安全性が確保されるということ、以上のようなことを勘案いたしますと、ゴルフ場における農薬の不使用を全面的に全国画一に強制していくということはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。
 なお、先ほども申し上げましたように、無農薬の名のもとに無登録の農薬が横行するということになりますと、これは脱法行為ということになりますので、個別ケースについて十分実態を把握しつつ適切に対処してまいりたいと思っております。
○竹内説明員 委員の御質問は、課税がどういうふうになるかということと、どういう方針で臨んでおるかという二点だと思いますので、お答えいたします。
 いわゆるゴルフ会員権といいますのは、預託金方式と株式の方式、あるいはこれの混合した方式があるようでございます。個人がこのゴルフ会員権を譲渡いたしました場合には、いずれの場合の方式の会員権でございましても、通常の場合には総合課税の譲渡所得ということで所得税を課税することになります。
 総合課税の譲渡所得といいますのは、その譲渡をされた収入金額から取得費あるいは譲渡に要した費用、そういうものを除きまして、さらに五十万円の特別控除というのがございますので、この金額を差し引いた金額が課税の対象となる譲渡所得ということになるのですが、課税の対象となる譲渡所得といいますのは、お売りになった会員権の所有期間が五年であるかどうかによって違います。五年を超えておるような場合には、今申し上げました譲渡所得の二分の一を課税対象とする、五年以下の場合にはその全額が課税対象になる、そのような課税の仕組みになっております。
 もう一つ、こういう会員権の譲渡が最近非常に多いようでございますので、私どもといたしましては、一般的に、いろいろの業者の方々の情報等と資料の収集にまず努めております。さらに、法人とか所得税の調査というものを行っておりますので、そういう過程でその売買の事実の把握に努めるようにしております。そういうように資料を総合いたしましてわかった譲渡の方々には、申告の案内というか申告をするようにということで御案内を差し上げて申告をしていただくようにする、さらに、必要な場合には調査を実施いたしており、今後とも適正な課税に努めていきたいと思っております。
 なお、一般的に、最近そういう譲渡がふえてまいりましたので、個人の方がゴルフ会員権を譲渡された場合には譲渡所得の申告と納税が必要であるという広報にも最近非常に積極的に取り組んでおるところでございます。
 以上でございます。
○竹内(猛)委員 超過して恐縮です。もうこれでおしまいにしますが、今のお答えの中にもう少しただしたいことがあるけれども、これは来る二十七日に、今度は環境委員会の方でまた農林省その他にあれしますから、十分に準備をしておいていただきたい。
 以上で終わります。
○野坂委員長 次に、土肥隆一君。
○土肥委員 せんだって、十三日でございますけれども、野坂委員長とともに花博の視察に行ってまいりました。私ども、桃太郎委員長のもとに、短時間でございましたが、万博会場を視察してまいりました。
 その後の反響が新聞に出ておりまして、まずいきなり「「先生」の一声、値下げ 大阪市のレストラン」と書いてありまして、私どもが視察に行ったのはこういう目的であったのかと思って改めて自分の役割に戸惑っておるわけでございますが、私自身としては別に値切りに行ったわけじゃありません。
 しかし、この花博の会場で万博協会の係の方から「国際花と緑の博覧会における会場内営業について」という詳しいブリーフィングを受けまして、資料には、物販、飲食等については「国際博にふさわしい施設、商品、演出、サービスに努めておる」、そのために会場内営業基本方針を定めて、飲食店二百五店舗、物販店二百店舗、合計四百五店舗に
対して適切な競争入札を含めた指導を行っておると書いてあるわけです。そして、焼きそばが幾らだの、ジュースが幾らだの書いてあります。適切に営業基本方針も決めたというふうに聞きまして、なるほどと思っていた。そうしたら百円値下げになったということでございます。
 そうしますと、この花博におけるいろいろな物販、商品というのはいつも値段は流動的なものなのかどうかということ、そういうことがこれからも起こるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○曾田説明員 御説明いたします。
 花博会場におきますレストラン等の営業の選定に当たりましては、先生御指摘のとおりのやり方で協会で実施しているものでございます。会場内のレストランの品目等につきましては、営業参加の契約時に協会が承認したものでやっているわけでございますが、価格につきましても、適正な価格になるよう、協会から営業参加者に対しまして要請したところでございます。
 ただ、会場内のレストラン、売店での営業品目の価格につきましては、それぞれの売店、レストラン等の立地している場所、あるいは最近のグルメ志向というものを踏まえまして、それぞれの営業者でもって個々に適正な価格と判断した値段で営業しているわけでございまして、一般市場価格と変わらない価格のものも多いというふうに聞いているところでございます。
○土肥委員 そうしますと、適正な営業方針、基本方針に従って恐らく単価を計算し、テナント料や敷金その他を計算して、一物品当たり八百円とか千円とかというような値段をつける、そして許可を得てそういう値段で出発した。今後も、例えば私どもがもう一回行きまして、ここは高いのじゃないかと言えば安くなるというような話ではないのではないか。
 特に私が心配しますのは、パビリオンの中でも物販が行われておりますが、その辺の値段についても営業基本方針に基づいて値段が審査されてきたのかどうかをお聞きしたいと思います。
○曾田説明員 売店等で売られておる価格につきましては先ほどお答えいたしましたとおりでございまして、価格そのものを協会で許可するというものではございません。営業者がそれぞれの判断をいたしまして決めておる。協会としては、周辺等のことも考えてできるだけ安くなるよう要請をしておるというところでございます。
○土肥委員 そうすると、要請であって指導はしてないわけですね。要するに自由に価格をつけてよろしいということですね。
○曾田説明員 博覧会会場におきます。そういう価格等につきましては、先ほど申し上げましたように一応要請という形をとらざるを得ないということでございます。価格について幾らにしろという形になりますと、独禁法の問題とかいろいろ出てまいりまして、そういう形はとれないということでございます。
○土肥委員 そうすると、これからも安くなったり高くなったりすることも可能性としてはある、そのように理解してよろしゅうございますか。
○曾田説明員 私どもとしては、高くなっては困ると思っておりまして、安くなることは一向に構わないのではないか、営業者が営業できるような範囲においてできるだけ安くしていただくということは私どもも願っているところでございますので、そういうことであると思っております。
○土肥委員 そうしますと、例えば、百円値下げしてもらったわけですが、決算をしましたら大損した、あのとき物価対策特別委員会がやってきて百円値引きされたので大損したなどということになって恨まれないように願いたいと思いますが、それはまた九月になればわかることでございますので、そのときにまた検討したらいいと思います。
 さて、私は、この花博の中で気がかりになるパビリオンを一つ知っているわけであります。それは「の〜んびり村」というパビリオンでございます。ちょうど私どもが視察いたしました後に、追っかけるようにして四月十七日の朝日の夕刊にこういう記事が小さく出ております。ちょっと読んでみますと
  国際花と緑の博覧会の出展パビリオン「一〇〇年先のの〜んびり村」が、「入村カード」を備え、入館者に住所、名前などを記入してもらっていることについて、花の万博協会は十六日、「集めた名簿の利用や管理方法が明確でなく、悪用される恐れもある」として、中止を要請。の〜んびり村側は「通信販売などの案内に使うつもりだった。悪いことではないと思っていた」としながらも、名簿集めの中止を決めた。
私ここに「入村カード」というのを持っているわけですが、これに住所、氏名、電話、生年月日、何歳、職業、趣味、好きな花、血液型まで書くようになっているわけです。大体血液型なんというのはプライバシーに属することでありまして、まあそれはそれとしていいのですが、それを廃止した。廃止したんだけれども、何に使うかというと、通信販売などの案内に使うつもりだったと言っているわけです。
 こういうことについて万博協会が指導したわけですが、中止を要請したわけですけれども、通信販売などに使うということは御存じだったのでしょうか。
○曾田説明員 今御指摘の「の〜んびり村」というパビリオンにおきます「入村カード」の件についてでございますが、「入村カード」そのものについては協会として承知はしておりました。しかし、それを通信販売に使うというようなことについては協会としては承知しておりませんでした。
○土肥委員 どうなんでしょうか、パビリオンというのはいろいろな人が入ってくるわけでありまして、例えば大きな電機会社がパビリオンを出す、そうすると、その会社の電化製品を買ってほしいと思って、全体としてはそういう思いも込められているかもしれませんけれども、しかし、直接通信販売の名簿づくりに使うというようなことは、ほかでもあるのでしょうか。
○曾田説明員 そういうことは全然聞いておりません。
○土肥委員 そうしますと、実はこの朝日新聞の夕刊の続きにちょっと気になることが書いてありまして、
  の〜んびり村の催しについては「国際ハイウエイ構想」をテーマにしたアニメーション映画などに対し、全国霊感商法対策弁連(代表世話人・伊藤和夫弁護士)が「霊感商法の被害拡大につながる恐れがある」として、十一日に花の万博協会に調査と指導を申し入れた。
十一日に申し入れてあるのです。私どもは十三日に参りまして、十七日にこういう記事が出ているわけですが、私どもはそういうことは何も予想しないで万博会場に行ったわけでございます。
 通信販売というのは、この朝日の記事では霊感商法とくっつけて出ておりますが、これはそういうふうないわゆる霊感商法の通信販売の名簿集めだったのでしょうか、その辺の建設省の御理解あるいは見解をお聞かせいただきたいと思います。
○曾田説明員 先ほどお答えいたしましたとおり、通信販売等に使われるということについては承知していなかったところでございます。
○土肥委員 そうすると、霊感商法とのつながりはどうなんでしょうか。
○曾田説明員 承知しておりません。
○土肥委員 承知してないということは、関係がないというふうにお考えでしょうか、それとも、これから調査をしてみなければわからないというような意味でしょうか、お聞きしたいと思います。
○曾田説明員 先生の御指摘の点については私ども承知していなかったところでございますが、御指摘のようなことがあるかどうかは調査してみたいと思っております。
○土肥委員 実は「入村カード」を禁止いたしますと、この博覧会のパビリオンのシステムからいきますと、これで実は若い男女のマッチング、つまりお見合いをさせるようになっておりまして、そしてそのお見合いをする場所がございまして、一種の模擬結婚式みたいなことが行われるわけです。その後、披露宴まで行われて、そしてこれが二
十一世紀の新しい愛の表現だと書いてあるわけです。したがって、このカードを取らないということになりますと、そういうプログラムはみんな消えていくわけですね。消えざるを得ないだろうと思うのです。それは内部の問題でありますが……。
 ついでに、この「入村カード」にはくじが当たるということになっておりまして、ヨーロッパ旅行にペアで御招待します、こう書いてあるわけですね。こういうこともなくなってしまうわけです。ですから、万博協会が「入村カード」の禁止を申し入れられたならば、この先はずっとその「の〜んびり村」のパビリオン独得の一連の流れをとめてしまうことになるわけです。
 そうすると最初の、万博協会の「国際博にふさわしい施設、商品、演出、サービス」、こうなっておるところに全部触れてくるわけですが、その指導をなさったということと、その中で行われる一連のプログラムについては御承知だったのでしょうか、それも考えた上で中止を申し入れられたのでありましょうか、お聞きしたいと思います。
○曾田説明員 先生今御指摘の「入村カード」の中にいろいろ住所等を書く、こういうことについては、当初は、その出されておるパンフレットによりますと、要するに任意で書く、強制的なことになっていないわけでございまして、それぞれが御希望なら書くという形になっていたと思います。ところが実際にやってみると、その入り口で全員に書かせるというようなことをやっているようなことがわかりまして、そして入場者の方から不満が出てまいりました。そういうことから、それは問題ではないかということで調べますと、なるほどそういうことをやっておるということで、そういうことはやっちゃいかぬということで中止を求めたわけでございます。全体のパビリオンとしての夢といいますか、そういう流れそのものをとめようという意図ではございません。
○土肥委員 実際は、これで夢といいますか夢の流れがとまってしまうというのが私の認識でございまして、このパビリオンはこれから先どうするのかなというふうに心配――心配というか、プログラム自体の骨格がなくなってしまうというふうに思います。
 さて、もう一つこのパビリオンで気になりますのは、「一〇〇年後に届く手紙」というのがございます。これは、「もし……今あなたに“一〇〇年前の先祖”から手紙が届いたら……。きっとあなたは驚きと感動にうちふるえるのではないでしょうか?」というキャッチフレーズで、「の〜んびり村郵便局のきまり」というのがございまして、手紙を書くわけです。百年後のいわば自分の後輩に、孫、ひ孫ぐらいに手紙を書くというアイデアなんです。その百年後の子孫に手紙を書く、そこでもまた住所、氏名を書かせるわけです。そしてそれは差出人になりますから、差出人の住所と氏名、それから今持っている電話番号を書くようになっています。そしてそれが差出人の住所、氏名になるわけです。そうすると、表では「入村カード」を書かせないけれども、「一〇〇年後に届く手紙」ということになればもう一遍住所を書かせるのですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
○曾田説明員 通常、手紙を出す場合にはどうしても住所を書かなければいけないわけでございまして、これは百年先に出した手紙が届くという非常に夢のある企画を計画したものでございまして、そういったことから届け先を書かないと届かないわけでございまして、そういった点では、その点での住所を書くということは、先ほど言いましたように強制でなければ適正ではないかというふうに思っております。
○土肥委員 今、夢のあるという言葉を申されましたけれども、さて、夢があるのかどうかということでございますが……。差出人であるならば住所、氏名を書かなければいけない。それはすべて任意でありますから、その人その人の判断で、出さない人は出さないでいいわけです。
 この手紙は二千円かかるということは御存じだと思います。百年後の子孫に手紙を書くときに、その二千円というのは高いのか安いのか。夢を買うというのですから、安いとも高いとも言えないわけですが、私の友人がここを見たときに、割に小さい子供が喜んで書いていたというわけです。今の子供にとって、小学生、中学生ぐらいにとって二千円なんというのは大したお金じゃないのかもしれません。また、万博協会もそのようにお考えなのかもしれませんが、この二千円をキープしまして百年後に手紙を差し出すという、これが夢であるならば、夢をお金で買うというふうな形として理解していいのか。いやむしろもっとうがった見方をすれば、百年後の二千円、このパビリオンに百五十万人入るというふうに予想しているようでございますが、二千円を掛けますと三十億というお金が出てくるわけです。全員書かないにしても、この二千円を取るということについて、これは夢を買う値段としてはふさわしい額、あるいはこういう形でお金を取ることは妥当であるとお考えでしょうか、お聞きしたいと思います。
○曾田説明員 御指摘の手紙の件についてでありますが、この手紙が出されて二千円が適正であるかどうかというのは、それぞれ人の価値観によって違うのではないかと思いますけれども、どういうふうにそれを管理していくのかというのが問題だろうと思っております。私どもの調べたところによりますと、二千円というものを取って、それを株式会社一〇〇年クラブ一口オーナー、というのはこれは出資グループのことなんですが、そちらが管理をすると言っておりまして、どうも今のところでは信託にすることを検討している、こういうようなことを聞き及んでおります。
 こういう百年先に手紙を届けることも含めて、それぞれのパビリオンで行われておりますイベントというのはそれぞれの出展者の責任においてなされているところでございまして、私どもとしましては、協会を通じてそれぞれの出展者に対して責任ある対応をするようにという指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○土肥委員 信託にする予定であるというふうな話ですが、私はこれは決して安いお金ではないというふうに思うのです。しかも、お聞きしますけれども、「未来指向型企業グループ・(株)一〇〇年クラブ」、こうなっております。この未来指向型企業グループというのは存在するのでしょうか、お聞きしたいと思います。
○曾田説明員 この未来指向型企業グループと申しますのは、花博に出展することを目的といたしまして、日本電気保安協会、株式会社コスダン、それから東邦パーライト株式会社など十七団体によって構成されているものでございます。
○土肥委員 そうしますと、この未来指向型企業グループ十七団体が一〇〇年クラブという株式会社を起こして、その会社が責任を持って信託として、百年後に必ずこの手紙を投函する、そういうふうに課長は理解していらっしゃるのでしょうか、もう一度お聞きいたします。
○曾田説明員 ただいまお答えいたしましたように、相手側としてはそういう信託にすることを検討しているということでございまして、信託にするということではないと思っております。そういうことにつきまして、先ほど申し上げましたとおり、いろいろ問題があるということであるならば調査をしてみたい、こういうふうに思っております。
○土肥委員 この未来指向型企業グループというのをずっと追っかけてまいりますと、このパビリオンを建設するに当たって出資募集をしているわけです。「パビリオン共同オーナー募集」「一口オーナー」ということになっておりまして、それは一口三万円。そのことによって、パビリオンへの参加意識を高めるのだ、このように言っております。
 そして、その出資を募集しておりますのが財団法人亜細亜技術協力会 花の万博出展実行委員会、住所は渋谷区宇田川三七−一三 スリーエスビル一F、こうなっております。この財団法人亜細亜技術協力会というのは財団法人として登録されているのでしょうか、お聞きしたいと思います。
○曾田説明員 財団法人亜細亜技術協力会につき
ましては、昭和四十九年度に設立された外務省の認可に係る公益法人というふうに聞いております。
○土肥委員 そうすると、外務省が認可した正式の公益法人ということですね。そういう亜細亜技術協力会が、このパビリオンをオープンするに当たって、共同オーナーになりませんかと言って一般に募集をしたということは御存じだったでしょうか。そして、そういう形のパビリオン出展も可能性としてあるのでしょうか。万博協会の規定に従っていえばあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○曾田説明員 三万円の募集をしていたということは存じておりませんでした。
○土肥委員 そうしますと、余り御存じなかったということですね、このパビリオンに関しては。
 そして、このPR誌を読みますと、もし三万円出資をいただきましたら、VIP待遇でいつも横から入りまして、そしてお昼を提供いたしまして、それから今度はほかのパビリオンにもVIP待遇で入ることができます、こう書いてあります。
 こういうことは、パビリオン同士で、VIPというのはだれか知りませんけれども、そういう人が来たときに、パビリオンが、募金をして一口三万円もらったら、お昼を提供して、それからVIP扱いだということができるような機構になっているのでしょうか。
○曾田説明員 先ほどお答えいたしましたのは、先生の御指摘について、技術協力会が三万円を募集しているというふうに私は理解したのですが、私どもはそういう技術協力会としてそういうものを募集していることは存じないということでございまして、「の〜んびり村」のパスポートという形でそういうオーナーを募集しているということは承知しておりました。
 その中で、先生御指摘のように、オーナーになると実際にパビリオンに優先的にはいれるとかいうようなことをうたっておるわけでございます。当省の知るところでは、自分のパビリオンに優先的に入れるというふうに理解できるような形になっていたわけでございますが、それなら、自分たちのパビリオンに自分たちで選んで入れるわけですから何ということはないわけでございますが、他のパビリオンについても優先的に入れるような形でのペーパーを配布するということが行われたために、それは問題だということで、それについては協会を通じて「の〜んびり村」に中止を求めた、それはいけない、こういうことを指摘したということでございます。
 それで、先ほどおっしゃいましたVIPの対象ということにつきましては、民間パビリオンの場合は、それぞれの民間同士で、それぞれのお客さんに見方があるでしょうから、それぞれで相談をして扱いをしているようでございまして、それで相互に入れているという実態はあるようでございます、その規定といいますか、定義というのはないと思いますけれども。
○土肥委員 しかし、このパンフレットにも、明らかに市民出資のオーナーを募集していて、すべてのパビリオンにVIP待遇でコンパニオンが案内しと書いてあるのです。ですから、それは中止を申し入れたということでございますが、その辺については新聞等には出ていなかったわけでございますが、そうすると若干の指導をしておられるということでございますね。
 さて、この亜細亜技術協力会は外務省が認可した財団法人であるということでありますが、その財団法人亜細亜技術協力会というのは別名を、別名といいましょうか、いつも並行的に出てくるのですが、「日韓トンネル委員会」と書いてあるのです。その日韓トンネル委員会というのは、韓国の釜山から佐賀県の唐津に海底トンネルを掘ろうという構想でございます。それをずっと今度は朝鮮半島を北上いたしまして、南下してもいいのですけれども、そして中国大陸に及ぶという「国際ハイウェイ構想」というのがあるようでございます。だから、財団法人亜細亜技術協力会はいつも日韓トンネル委員会と一緒になっているのですが、国際ハイウェイ構想」あるいは「日韓トンネル」というのは、建設省としては承知していらっしゃるプロジェクトなんでしょうか、お聞きしたいと思います。
○曾田説明員 御指摘の構想につきましては、建設省としては承知いたしておりません。
○土肥委員 承知していらっしゃらないということは、そうすると、例えば佐賀県の唐津に既に現地事務所ができていて、調査斜坑を掘削中である、そして第二期工事に入っているとまで書いてあるわけです。そして、私のところにあります資料にはその事務所の写真まで出ているわけであります。佐賀県の唐津市に事務所が置かれて、一九八三年二月五日には事務所が新築されたというふうに書いてあります。そして、試掘が行われている。
 もし私たち民間人がどこかの土地を試掘しようとすれば、必ず開始申請だとか、家を建てようと思えば宅造だとか、いろいろな役所との手続が必要になるわけでありますが、御存じないということは、そういう試掘や調査の申請も建設省あたりの地元事務所にも出ていないというふうに理解していいのでしょうか。
○曾田説明員 御指摘のとおりでございます。
○土肥委員 そうなりますと、この「の〜んびり村」パビリオンというのは一体何のために、そしてだれがつくっているのか、建設主体なのか、漠としてわからない、非常に摩訶不思議なパビリオンだというふうに私は考えざるを得ないわけでございます。
 そうしますと、今度の万博会場にパビリオンを設定するというときに、恐らくその内容、規模、建築等の図面あるいはその申請書が出ていると思いますが、そういう万博協会と契約を結んだときの契約書は提出いただけますでしょうか、お聞きしたいと思います。
○曾田説明員 花博協会と出展者との間でなされた契約でございますので、私どもとしては今すぐにお答えすることはできないということでございます。
○土肥委員 その契約書は花博協会と結ばれたので、建設省としてはそれを提出を命ずることはできないというふうにお考えだということですか、お聞きしたいと思います。
○曾田説明員 協会と出展者の間でなされた契約行為でございまして、建設省から命令するというようなものではないというふうに思っております。
○土肥委員 そうすると、例えば私ども委員会の名前で花博協会、万博協会に申し入れたら、そういう契約書類等が公開される可能性はあるのでしょうか。建設省の御見解は。
○曾田説明員 御要請があればそういうことになろうかと思います。
○土肥委員 今建設省ではそういう指導はできないということでございますから、ひとつ野坂委員長、私ども委員会の名前で契約時における――政務次官、じゃちょっとお願いしたいのですが、契約時の写しを御提出いただくようにできませんでしょうか。
○末木政府委員 今政務次官というお声がありましたのですが、事務的にお答えさせていただきますが、この花博の協会につきましては、私ども全く関与してないわけではございません。関係の閣僚会議等のメンバーになっているというような関係もございますけれども、今のような、個別具体的な問題でございますので、直接経企庁経由でということはお許しいただきたいと思うのでございます。
○土肥委員 この件については理事会で話し合っていただきまして、ぜひとも御提出をお願いいたします。
○野坂委員長 追って理事会で相談いたします。
○土肥委員 話を続けさせていただきます。――もう予鈴ですね。
○野坂委員長 続けてください。そして至急終わってください。
○土肥委員 そういうことで、の〜んびり村、そしてこの亜細亜技術協力会、日韓トンネル、国際
ハイウェイ構想、こうつながってまいりますと、万博協会が、パビリオンを出展するに当たって、本当にその一つ一つのパビリオンなり、あるいはその提供、出展なさる企業グループなり企業なりの審査、あるいはその中身、プログラム等にわたって御検討なさったのかどうかということを非常に疑問に思うわけでございます。
 その辺について、予鈴も鳴りましたので、総括的に私がお尋ねしたいのは、一体万博協会というのはその程度のものなのかどうか、それとももう少し内容にわたって検討したものかどうか、建設省としてはどの程度おかかわりを持たれたか知りませんけれども、課長の御意見をお聞きしたいと思います。
○曾田説明員 花博への出展参加につきましては、出展させる基準といいますか、そういうものが一応ございます。そして、花と緑に関する技術あるいは自然と人工を調和させる技術、及び生命科学につながる産業技術の最新の成果や可能性、並びに花と緑に関連する科学知識と文化活動について広く訴えまして、そして、あわせて世界の衣食住を含む生活文化を体験できる展示等を行い得る者で、さらに、国際博覧会条約に基づきまして博覧会国際事務局の総会において承認されました一般規則及びその他の規則、規定を守り得る者であることを条件としているわけでございます。そして、それぞれの出展企画者から出されたものにつきまして協会として判断をいたしまして決定しているものでございます。
○土肥委員 大変立派な御趣旨だと思いますが、その御趣旨に合うかどうか私は大変疑問に思うことを申し上げて、終わります。
○野坂委員長 この際、休憩いたします。
    午後零時五十四分休憩
     ────◇─────
    午後二時五十八分開議
○野坂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小野信一君。
○小野委員 経企庁の皆さんに経済論など申し上げるのは釈迦に説法ですけれども、皆さんを激励したいという意味で、まくら言葉として聞いていただきたいと思います。
 我が国の財政金融力は、西ドイツ、フランスの合計額に匹敵しますし、その生産力、経済力は、この二カ国にイギリスを加えた三国の合計額に匹敵すると言われております。人口二・七%で地球上の総生産高の一五%以上を占めるわけですから、経済大国日本であることは間違いございません。それだけに我が国の経済のかじ取りは世界の経済に大きな影響を持つわけですから、皆さんの一層の御精進並びに慎重なる配慮とともに、適切に政策を提起することを心からまず御祈念申し上げます。
 絶好調と言われた我が国の経済も、ことしに入ってからトリプル安の現象が出てまいりました。つまり、株、円、債券の値段が下がったわけです。このトリプル安は果たしてどういう意味を持っているのでしょうか。短期的な、短い時間の変化として日本の経済にあるいは金融財政に何ら影響を及ぼすものではないとお考えになるのか、それともやはり我が国の経済に大きな何かをその背景に持っておると分析しておられるのか。まず、その辺の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○勝村政府委員 大臣が予算委員会に出席しておりますので、かわりまして私からお答えを申し上げます。
 トリプル安の解釈というのは非常に難しゅうございまして、民間の間でもあるいは政府の中でも必ずしも定まった見方というものがあるわけではございません。したがいまして、ある程度経済企画庁なりの意見ということで申し上げさせていただきたいと思います。
 トリプルメリットと言っていましたときは、石油を加えて言っていたわけですけれども、現在、石油価格は一時上昇いたしましたが、最近はやや安定した水準になっている。したがって、トリプル安というのはおっしゃったとおり、株、為替並びに債券市場の問題だろうかと思います。
 それで、これらの背景といたしましては、けさほどもちょっと申し上げたのですが、国際的に金利水準がかなり高くなってきているということが一つあろうかと思います。現在、ヨーロッパでは大体九%台、長期金利でございますが九%台、アメリカで八%台半ば、それから日本では、これは物によって違いますが、例えば長期プライムレートをとりますと七・九%という状況にございまして、特に日本の長期金利は昨年夏ごろに比べますと総体的にもやや高目になっているということが申せます。それからヨーロッパ、これは普通西ドイツの金利をとりますが、西ドイツの金利が昨年後半からかなり急速に上昇いたしまして、それまではアメリカの長期金利をやや下回っておったのですけれども、現在はむしろ西ドイツの方が上回るという状況になっております。こういうような国際的な金利の上昇というのが一つの背景としてあるのではないだろうか。
 それで、日本の金融政策といたしましても、もちろん国内の、例えばマネーサプライの高い伸びというようなことを配慮いたしましたのと、それから、市場実勢に追随したという形で公定歩合が引き上げられておりますが、市中の金利の実勢としてはただいま申し上げましたような背景があろうかと思います。
 それで、この三つの関係は一体どうなっているのかということでございますが、これは非常に難しゅうございまして、はっきり申し上げるといいますか、これも定説はないわけでありますのでやや個別になるかと思いますが、株式市場について申しますと、昨年末に三万九千円近くまで上昇いたしました。きょうはまた一時二万九千円台、たしか前場の終わりが二万九千六百円台だったと思います。一応そういうような水準で推移をしている。我々は株については全く素人でございますので、株の実際市場内での変動がどうなっているかということを御説明する能力はございませんが、やや理論的な見地に立って申し上げますと、一般に株式価格というのは、一つは企業収益の状況、それからいま一つは金利、特に長期金利でございますね、金利の水準、それからいま一つ言われますのはリスクプレミアムという、ちょっと日本語で何と申しますか、英語を使って恐縮ですがリスクプレミアムという、大体この三つが基本的に、長期的に株価を説明する要因だというふうに言われております。
 リスクというのはちょっと計測しがたいものですから、企業収益と金利ということに着目して申しますと、日本の企業収益の状況は現在なお極めて堅調でございます。これは先日発表されました日銀の短期経済観測によりましても明らかなとおりでございます。ただ、金利の方は、先ほど申しましたように長期金利がかなり上昇をしてきた。ですから、これは株価にマイナスに効くのは当然だろうというふうに考えられるわけであります。
 さらにもう一点、株についてつけ加えますと、昨年末の三万九千円に近い水準、これはよく言われておりますが、かなり思惑的な、ちょっと言葉は適切でないかもしれませんが、かなり上げ過ぎなと申しますか要因があったと考えられるわけでございまして、ある意味では六十二年の十月の東京市場の状況に似ていたのではないだろうかというふうに考えられます。したがって、その三万九千円を基準にして、今三万円近くの水準にありますものをこれだけ下がったというふうに言うのは必ずしも適切ではない面があるのではないか。もちろん、何円ぐらいが適切だということはちょっと私どもも申し上げかねますけれども、三万九千円のときと比較して大幅に下がったということを必ずしも言う必要はない。むしろ、現在の健全な企業収益、それから上昇してまいりました長期金利の水準、これを考慮いたしまして現在の株価水準を判断すべきであろうというふうに考えております。そういう意味では、企業収益が堅調であるという現状から申しますと、株価がさらにこれ以上の崩落状態を続けるということは、少なくとも理論的に申しますとあり得ないことであろうとい
うふうに考えております。もちろん、経済外的な要因等いろいろございますから、それは一応おくといたしまして、少なくとも株価を説明する一般的な理論から申しますと、そういう状況ではないだろうか。
 それから、為替はさらに説明が難しゅうございまして、なぜ今百六十円か、きょうはたしか百五十八円台だったと思いますが、いずれにいたしましても一時に比べますと相当な円安状況でございます。これは、私といたしましても一般的に言われていることを並べて申し上げる以上のことはできないわけでございますが――二時過ぎ現在で百五十八円〇五銭だそうでございます。それから株価は二万九千八百三十九円で、昨日に比べますとやや上がっている、こういうことのようであります。それで、為替レートの問題でありますが、一つは、日本の経常収支黒字というのは、黒字幅としてはこのところかなり顕著に縮小してきております。そういうことが円安の方向に動く一つの要因ではないかというふうに言われておりますのと、それから現在直接対外投資の水準が非常に高こうございまして、暦年で昨年の経常収支の黒字は五百七十億ドルでありましたが、上半期で対外直接投資が三百億ドルございました。下半期は恐らく同様かあるいはそれ以上の水準だろうと思います。そういたしますと、現在は経常収支黒字以上の対外直接投資を行っているというような状況でありまして、そういう対外直接投資はかなり長期的な計画に基づいて実際の資金の支出が行われますものですから、そのときそのときの為替レートの状況を見ながらドルを買うということではなくて、一定時期になれば必然的にドルを買わざるを得ない、こういうことのようでございまして、それもドル需要を強めているのではないかということが言われております。
 それから、そういうフローの面だけではなくて、もう既に日本もかなりの、四千億ドル近い対外債権を抱えておりまして、それがいろいろな形の外貨として保有されているわけでありますが、日本以外にももちろんそういう外貨としてのストックというのは非常に大きいものがございます。そういうストックのいわば各国通貨間のポートフォリオの選択というのが相当激しく行われるのではないかという、これは一つの説でございます。したがいまして、さっき申しましたようなフローの面だけじゃなくて、ストックにおける国際通貨の選択、ポートフォリオの選択というものが相当国際通貨間の変動をもたらすのではないか。それで、ここのところ円に対する評価が相対的に弱まっているということがそういうことで強められているのではないかという一つの説明もございます。
 それから、ある程度の思惑的な動きというのもあるわけでございまして、例を申しますと、昨日アメリカの消費者物価が発表になりまして、これが前月比〇・五%、エネルギー、食料費を除きますと〇・七%、かなり強い物価の上昇でありました。ところが、これで逆にドルが一時的でありますが強まった。なぜ強まったかというと、アメリカにインフレ懸念があるので金融緩和は行われないだろう。したがって、内外の金利差というのは縮まらないというような、これは全くどっちで判断するのか、本来インフレぎみの通貨というのは安くなってしかるべきだというのがファンダメンタルズ的な考え方なのでありますが、そういうことでむしろ金利差に着目して逆に動くとか、それから本日アメリカの国際収支が発表されましたが、これは三〇%赤字が減っているわけであります。それ自体はむしろドルの評価を高めるものでありますが、これが予想よりも赤字の減り方が小さかったというので逆にドルがやや弱含みになるとか、こういう卑近の例を見ましても、相当な思惑で為替市場が動いているということは否定できないのだろうと思います。
 では、本来為替レートというのはどれぐらいが正当なのかという御議論がございますが、これについてはちょっとお答えすることはできません。ただ、我々も勉強といたしましていろいろなモデル等を使いまして、こういう説明の仕方、ああいう説明の仕方、いろいろ考えておりますが、そういう考え方から申しますと、やはり百六十円というのはかなり円安の方向にぶれているのではないかと考えざるを得ないということは申し上げてよかろうかと思います。そういうような背景がございまして、日本のみならず国際的な金利水準の高まり、株式市場につきましてはさっき申しましたような状況、それから為替レートの背景としましては今申しましたような条件がいろいろ重なってこういう状況になっているのだと思います。
 ただ、ではトリプル安は何だとおっしゃいますと非常に当惑するのでありますが、一つの解釈といたしましては、円安の方にぶれますと、普通の状態でありますと円安というのは景気刺激的な作用をいたします。これは円高になって輸出が減って不況になったということの裏返しと考えていただけばいいのですが、通常であれば、円安になればむしろ輸出がふえて景気はよくなるというのが過去の考え方でございました。ところが最近は、円安になったからといって急に輸出がふえるという状況ではございません。あるいは国際環境からいってそう輸出をふやせないという環境もあろうかと思いますし、直接投資の効果もある。現に輸出数量がふえるという状況にはございません。そういたしますと、円安になりますと結局、国内では輸入価格の上昇によりますコスト高の方が国内経済にマイナスの影響をしてくる。そういうことから企業収益にはマイナスの効果として響いてまいりますし、景気に対してもむしろマイナスの見方が強まる可能性があるということがございます。そういうことも株式市場の方に反映して、両方が安くなるというような現象があるいは起こっているのかなというふうに考えております。
 以上、くだくだといろいろ申し上げました。的確なお答えができませんで恐縮でございますが、考えられる条件としては以上のようなことでございます。
○小野委員 トリプル安の原因を聞きまして、その後に三つの要因の因果関係を聞こうと思いましたら答弁していただいたので、局長、三つの要因の中で、安くなったものの中で、最も注目して最も重要だと考えているものは何ですか。序論、本論、結論とありましたら、できるだけ序論と本論は省略いたしまして、結論の方だけで答弁をお願いしたいと思います。
○勝村政府委員 大変難しい御質問でございまして、それぞれに経済実態にはそれなりの影響はあろうかと思います。
 株式につきましては、いわゆる逆資産効果というのが多少なりともあり得る。六十二年のときは幸いにしてほとんど出ませんでしたし、現在は個人消費も堅調でございますからそれほど大きな影響は出ると思いませんが、あり得る影響としては、株式の問題としては逆資産効果。
 それから為替レートにつきましては、これはタイムラグがございますからいつということは言えませんが、国内物価への影響が避けられないだろう。
 それから国際収支の問題につきましては、先ほどちょっと申し上げましたけれども、通常であれば、円安になればまた黒字がふえる、それで国際的にもう一度摩擦現象が拡大するおそれがあるということが考えられますが、昨年の春からずっと円安状態が続いてまいりまして、その後輸出数量の伸びというのがむしろ弱まっているわけでございます。したがって、相当日本の輸出構造には構造変化が起こっているのではないかという考え方もございまして、直ちに経常収支黒字がどんどんふえていくということではないのかなと思っておりますが、これは十分注意して見ていかなければいけないことだろうかと思います。
 それから金利につきましては、これは当然のことながら国内需要、特に設備投資、住宅投資への影響ということが考えられるわけでございますが、けさほどもお答えしたのでありますが、経済見通しにおいて想定しております設備投資、住宅投資の伸びというものをさらに弱めるというような金利の上昇では少なくとも現段階まではないの
ではないだろうかというふうに考えているところでございます。
○小野委員 円と株の下げ幅を比較してみますと、株の方がかなり大きい下げ幅になっております。本来、円の下落は輸出産業を潤して企業収益にプラスの要因になるはずであります、我々がそう考えておりますと今局長が答弁しました。一般的には、円安は株価を押し上げる要因として見るべきだと思っておりましたが、ところがそうはならなかった。では、株を下げた大きな理由は何だったとお考えになりますか。
○勝村政府委員 お答え申し上げます。
 株式市場についての判断というのは非常に難しゅうございまして、先ほど申しましたように我々は全く素人でございますから、さっき申しましたような、理屈からいえばこう考えられるということ以上のことを申し上げかねるわけでございます。
 ただ、為替レートの下がりよりも株価の下がりが大きいとおっしゃいましたのは、恐らく先ほど申しました三万八千九百円の段階から現在までの下がりをごらんになって言っていらっしゃるのかと思いますが、一昨年の暮れにちょうど今と同じぐらいの株価の水準でございまして、二万九千円台で、三万円になったのはいつだったかちょっと正確に記憶しておりませんが、一昨年の終わりから昨年の初めにかけまして三万円に乗せたという状況でございます。年末には急激に上昇いたしまして三万九千円近くいったのですが、昨年中の平均株価をとりますと大体三万四千円ちょっとでございます。仮に大ざっぱに言いまして現在が三万円程度の水準といたしますと、これは一二、三%の下落ということで、通してみますとむしろ為替レートの下落の方が幅としては大きいのではないだろうかと思います。
 と申しますのは、一番高いときが一昨年の秋の百二十五円ぐらいだったでございましょうか、それから昨年の春に百三十円ぐらいになりまして、昨年の平均が百四十円ちょっとでございますから、その間通して見ますと、二〇%を超える為替レートの下落になっております。ですから年間の平均同士を比較いたしますと、むしろ為替レートの下落幅の方が大きいのではないだろうかというふうに思います。ただ、今申しましたのは単純な数字の比較でございまして、為替市場の価格下落が何かということにはお答えしてないわけですが、それは先ほどの繰り返しになりますが、一つは、やはり昨年末の株価が思惑的な要因もあって、ややと申しますか、かなり高過ぎたのではないだろうか。そういう思惑的な動きは、今回は六十二年と違いまして、ニューヨーク市場ではほとんど見られませんでした。したがって、今回は東京市場だけが下落をしたという形になっておる一つの理由もそこら辺にあったのかなというふうに考えているところでございます。
 企業収益自体は、先ほど申しましたように非常に堅調でございますから、企業収益面から、あるいは今後の企業収益に対する予測の面から株価が下落するということはちょっと考えにくい。ただ、御指摘になりましたように、極端な円安が続きますと企業収益を圧迫する要因が出てこないか、これはおっしゃるとおりだと思います。そういう要因は、あるいは予想として入っているかもしれません。けれども、企業収益自体は現在非常に高水準で推移をしておりまして、企業収益面から株価が崩れるというようなことはまずあり得ない。そういたしますと、やはり金利の上昇というのがある程度影響はし得るのではないかというふうに考えるところでございます。
 それ以上のことはちょっと私としてお答えしかねます。
○小野委員 生産活動といいますか、経済活動を反映するのに鉱工業生産指数があります。この数字を見ますと、八八年は八七年に比べて年平均八・八%も伸びましたけれども、八九年の十月から十二月までは四・一%しか伸びておりません。約半減です。さらにことし、九〇年の一月は一・九%とさらに半減をいたしております。このままの趨勢を見るならば、やがてゼロになり、次はマイナスになるのだろう、こう予想できるわけであります。大勢としては伸び方は鈍化している、経済の実勢は着実にスローダウンしている、私はそう見る方が正しいのじゃないかと思うのですけれども、経済の実勢と、日本経済が最高潮であるという意識のずれが今あるのではないだろうか。経済は明らかにスローダウンしている、そう私は判断するのですけれども、いかがでしょうか。
○田中(章)政府委員 お答えいたします。
 現在の日本経済の局面は、景気拡大が既に本年四月で四十一カ月続いているわけでございまして、その中で昨年十−十二月のGNP統計を見ましても、経済成長率として対前年同期比で四・七%の成長というのが確認されました。また、その後のいろいろな経済の指標を見ましても、個人消費は家計調査あるいは百貨店売上高等々非常に堅調でございます。また、設備投資も製造業、非製造業とも増勢を続けておりますし、住宅建設も高い水準を続けておる。そういう意味で内需が非常に堅調な動きをしている。これは変わりません。
 委員御指摘の鉱工業生産につきまして、確かにやや鈍化という感じがございますが、これもいろいろな事情がございます。原因としてはいろいろございますが、一部の産業、例えば紙・パルプであるとかあるいは半導体というところで、生産調整も在庫調整ということで行われておりますし、また非常に好況な業種であります工作機械であるとか自動車産業というところでは、既に供給能力いっぱいまで来ているというようなこともございます。こういろいろございましてやや鈍化がございますが、基本としましてはやはり内需の堅調さに支えられまして、引き続き我が国の経済が拡大局面にあるということになります。
 ただ、おっしゃるように最近の経済成長をちょっと上って見てみますと、六十三年度で五・三%、そして元年度の実績見込み、我々は四・六%と見込んでおりますが、そういう点を見てみますと、やや鈍化しているということは委員御指摘のように事実であると思うのです。しかし、これも持続可能な成長への移行ということで、例えば巡航速度四%とよく言われておりますが、そういった成長率の方に移っているわけでありまして、我々は殊さらスローダウン、こういうふうに呼ぶのは当たらないというふうに考えてございます。
○小野委員 私は、景気がスローダウンすることを必ずしも悪いとは思っていない人間であります。誤解を恐れず、私はそう申し上げます。
 その理由は、日本の景気水準は三年半、先ほど答弁いただきましたけれどもかなりの上昇をし、さらに伸びていくとすれば、必ず天井にぶつかるだろうと私は思います。ぶつかった場合に、その反動が非常に大きい、私はそう思います。人手不足が激化する、賃金が高騰する、物価が上昇するという心配が必ず出てくるはずであります。私はその意味で、余りにも長期の好景気、長期の経済成長が好ましいものだとは考えていない人間であります。局長の所見をお伺いいたします。
○勝村政府委員 お答え申し上げます。
 我々も基本的には小野委員と全く同じ考え方に立っていると思います。先ほど調査局長が申しましたように、五・三から四・六、暦年で申しますと昨年は四・九%の成長でございまして、年度で四・六%程度と見込んでおるわけですが、この中で御指摘のように一つの問題は、労働力需給というのが非常にタイトになってまいりました。これまでは特に婦人労働力の供給がかなりふえてまいりまして、雇用の伸びは三%ぐらいがとにかく維持されてきたわけでありますけれども、やはり全体としての労働力不足あるいは労働力のミスマッチという問題は相当深刻になってきておりまして、これまでのようなテンポで景気拡大を、あるいは経済成長を続けていくというのは相当無理になってきているのではないだろうかという点が一点ございます。
 それから、先ほど申しました設備投資につきましては、これで過去三年間二けた台の伸びになっておりまして、大体GNPの二〇%が民間設備投
資に向けられるという、高度成長期に似た形になってきているわけでありますが、やはり現在の四%程度の経済成長ということから考えますと、設備投資の比率がまだどんどん上がっていく、あるいは二けたで伸びていくというようなことはちょっと考えにくいわけでございます。
 そういうようなことがございますし、外需につきましては、やはり一定の黒字減らしというのは、程度の問題はございますが、これからも続けていかなければならないだろう。そういたしますと、先ほど調査局長が申しましたように、今年度経済見通しで行っております四・〇%程度というのはいわば安全運転の巡航速度と見ていいのではないだろうかというふうに考えておりまして、そういう意味で、これまでやや強過ぎた経済成長のテンポがここで安定的な成長テンポに移ってきているというふうに我々は考えていいのではないだろうかと思っております。
 そういう状況を前提にいたしますと、これからの経済政策の最大の課題は、四十一カ月続いてまいりました景気でございますが、さらにこれを長く安定速度で持続させていく、失速はさせないということが何より大事な政策課題になってくるのではないだろうかというふうに考えるところでございますが、そのためには内需の伸びをしっかりさせていくことと同時に、国際的な経済環境にも、先ほど申しましたような意味も含めまして、さらに注意深くその状況あるいは日本経済への影響というものを注視しながら政策運営を進めていくことが何より大事でございますし、また物価の安定ということがこれまで長期の景気拡大を続けてきた最大の、これは日本のみならずアメリカ、ヨーロッパにおきましても同じでありますが、物価の安定というのが何より景気を持続させる最大の要因になるのではないだろうか、こういうふうに考えているところでございます。
○小野委員 実物経済を示す指数が先ほど申し上げましたように激減し、株、円、債券の価格が下がり、マネーサプライが常時二けたを維持し、この要素を見ますとインフレーションを起こすだけの要素が十分たまっているのじゃないか、私はこう感ぜざるを得ません。この現状にかんがみて、そうなってまいりますと、日本経済のかじ取りは何を最も注意深く見ながら政策を適切にしなければならないかということが、皆さんの最大の課題になるだろうと私は思います。
 そういう意味で、今経企庁は、現在の内需の堅実さを維持しながら外国との摩擦をなくしていく、なおかつインフレーションを起こさせない、こういう場合に何が最も大切な中心課題になるとお考えになっていますか。
○勝村政府委員 何か一つだけを取り上げてこれが最も大事だと申し上げるのは非常に難しい局面にあろうかと思います。もちろん、先ほど申しましたように物価の安定を維持していくということは、最大の基礎条件でございます。ただ、物価さえ安定していればいいかというと必ずしもそういうばかりのものでもない。やはり景気の維持ということを同時に考えなければならないわけでございますから、物価と景気の両立ということが政策としての最大の課題になろうかというふうに考えるところでございます。
○小野委員 余りにも時間をとり過ぎましたので、大蔵省おいでになっておりますか。
 地価高騰の原因に銀行の過剰融資があるのではないか、今こう批判を皆さんは受けておるところであります。都市銀行が不動産取得のために融資した残高は今どれほどあるのか。ノンバンクと言われる生保関係を含めましたそれらの融資残高は幾らあるのか。ちなみに建設業者あるいは運輸業者であっても、不動産を取得するために銀行から、金融機関から金を借りるという場合も多くあるわけですから、その融資残高は幾らあるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○大久保説明員 お答え申し上げます。
 銀行の不動産業向けの融資実績を、全国銀行のベースで平成二年一月末の実績ということで申し上げますと、約四十七兆円というふうになっております。なお、ノンバンクの不動産業向け融資実績につきましては、統計がございませんで不明でございます。
 もう一つの御質問でございます、銀行及びノンバンクからの建設業、運輸業への融資残高、また、そのうち土地取引への融資残高は幾らかという点でございますけれども、銀行の建設業向け融資実績を全国銀行、同じベースで見ますと約二十兆円となっております。銀行の運輸業のみに対する融資実績につきましては、適当な統計がございませんために申し上げられないわけでございますけれども、これに近い数字といたしまして運輸・通信業に対する融資実績というものを申し上げますと、全国銀行、同じベースの平成二年一月末実績で約十四兆円となってございます。銀行の建設業、運輸・通信業に対する融資残高のうち土地取引への融資残高につきましては、そういうものもあろうかと思いますけれども、これが統計がございませんで不明でございます。
 なお、ノンバンクの建設業、運輸業への融資残高につきましても、あるいはそのうちの土地取引への融資残高につきましては、統計がございませんで不明でございます。
○小野委員 不動産の需要というのは、人口とGNPの伸びの範囲でしかあり得ないんだ、私はそう考えるものであります。短期間に需要が異常に増大するのは投機か在庫が拡大したにすぎない、こう考えるものであります。したがって、経企庁として、この約五十兆円の不動産への融資残高は実需としては余りにも膨大ではないか、私はそう考えるのですけれども、物価をつかさどる皆さんとしてはどういうお感じをお持ちになりますか。
○田中(努)政府委員 近年の日本経済の動向を見ますと、もちろんフローとしてのGNPも伸びておりますけれども、それ以上にストックとしての土地あるいは金融資産の伸びが非常に著しくて、フローに対するストックの比率が年々上昇している。昨年の白書でもその点分析いたしましたが、十数倍になっていて、それ以後さらに上昇しているというふうに思われます。そういう意味におきましてストック化が非常に進んでいるわけで、この一部は、人口の増加あるいは所得の増大に伴いましてストックも増大する面があるとは思いますけれども、やはり地価の上昇による部分というのが非常に大きいわけであります。地価の上昇のそのまたかなりの部分が、日本におきましては将来のキャピタルゲインの獲得を目指してその取得あるいは保有が行われているというふうな実情にあることは否定できないのではないかと思います。
○小野委員 都市銀行、一般銀行の不動産への融資残高が四十七兆円、まず五十兆円といたしまして、この資金で一平方メートル当たり百万円の住宅地を購入する。要するに、一坪三百万円です。すると、この五十兆円で五千ヘクタール買うことができます。融資残高ですよ、五千ヘクタール。世田谷区の全住宅地の一・五倍になります。一平方メートル当たり一千万円の商業地なら、これは坪三千万円です。五百ヘクタールの面積を買うことができます。この五百ヘクタールというのは、千代田区と中央区の商業地の面積に匹敵いたします。どう考えたって五十兆円の土地融資、不動産融資の残高を回収することは不可能だと私は考えますけれども、いかがですか。
○田中(努)政府委員 お答えさせていただきます。
 地価の上昇に伴いまして、やはりこれがいろいろな形で資産効果を発揮いたしておりまして、個人消費も増大する、それに伴いまして生産活動も拡大をする、あるいは企業におきましては土地の資産の価値を抵当といたしましてそこからさらに融資を受ける、そのことによって設備投資を拡大いたしまして、これまた経済活動を拡大をするというようなことで、フローの実物的な拡大もストックの蓄積に伴って起こっているということも、これまた否定できない面であると思います。したがいまして、こういったストックの蓄積というものをうまくフローの拡大に結びつけていくことによって、将来的にこれが、先生のお言葉をおかりすれば、回収可能な形で吸収されていくとい
うようなことも考えられないことではない、そういうふうに考えます。
○小野委員 この問題を別な角度から見てみますと、最終消費の消費者の住宅購入能力は、日本の場合せいぜい三千万円から四千万円の間だろうと言われております。そのうちの建築費が二千万円だといたしますと、土地代となるのは一千万円か二千万円だろうと思います。五十兆円の土地在庫をさばくためには五百万戸の家を建てなければならないという計算になります。五百万戸ですよ。現在、海部内閣の目標は百万戸です。こういう実情を前提にする限り、五十兆円の貸出残高は、私は絶対に回収は不可能だと考えるものです。この問題を解決する、回収するとするならば、大インフレーションを起こす以外に回収は不可能だろう。そんなことを今経企庁が許すはずはありませんから、絶対に回収は不可能だ、こういうことを私は考えます。この問題だけでいつかの日、ゆっくりと議論をしてみたいと思います。
 そこで、アメリカとの貿易で、我が国の黒字は現在幾らになりますか。
○勝村政府委員 たしか昨暦年の数字で、日本側の統計によりまして四百五十億ドル、アメリカ側の統計で四百九十億ドルであったと思います。
○小野委員 今あなたの答弁は、日本国民に対する皆さんの答弁として行われたはずであります。日本の国民に向かって対米貿易黒字を説明するのに、約五百億ドルだという説明が行われました。自国の通貨を使わないで国際収支を国民に説明するという国は世界にないのではないだろうか、私はこう思います。したがって、西ドイツ、イギリス、フランス、イタリーの先進国と言われる国の貿易黒字額、あるいは赤字額を調べてみました。すべて自国の通貨で表現をいたしております。私はこのことが、今日本が経済大国として、世界のリーダーとしての役目を果たさなければならないような国になっているにもかかわらず、日本の持っている国際性が国民の皆さんに理解されない一つの典型的な例ではないだろうか、こう思われてならないわけでございます。
 私は、おふくろとか自分の家内とよく話をするときに、何で一ドルが百五十円になり百六十円になり百七十円になるのが円の価値が下落したのだ、なぜそうなるんだという質問を受けることがたびたびであります。恐らくそれは一ドル百五十円という、ドルを単位とした円相場を表現するからだろうと思います。日本の皆さんがわかるためには、一円は百五十分の一ドルだ、こういう表現であれば、百五十円が百六十円になり百七十円になることは円の価値が低くなったのだということで、数字と実感が一致するだろうと思う。私は、世界経済に大きなウエートを占める日本の経済運営なり財政運営なり金融運営を日本の国民の皆さんによく理解してもらうためには、こういうところから改善しなければならないのじゃないかという感じがするのですけれども、いかがですか。
○勝村政府委員 大変失礼をいたしまして、ついドルの数字を申し上げてしまいましたけれども、ただいま御指摘の点は我々としても随分以前からおっしゃるとおりの考え方であろう、すべきであろうということで考えてきております。したがいまして、例えば今年度の経済見通しの資料をごらんいただきましても、国際収支はまず兆円で表示をしてございます。二年度につきましては、経常収支が約八・〇兆円程度というふうになっているわけであります。
 ただ、残念ながら普通一般の方あるいはジャーナリズムの方もそうでございますけれども、八兆円の黒字といってぴんとくる方はまずない。ただ、これをドルに直しますと五百六十億ドル程度であるという参考資料を別につけておわかりになりやすいようにしているということでございまして、これは月例経済報告その他でも円表示を建前にいたしまして、ドル表示のものを参考としてつけるという形には当然いたしているわけでございます。
 各国はどうやっているか、私、詳しくは記憶しておりませんけれども、例えばポンドとドルの関係なんかは、一ドル何ポンドでなくて一ポンド何ドル、これはかってポンドが基軸通貨であったという時代からの歴史的な経緯もあると思います。ポンドの場合だけは普通ひっくり返しの数字になっておりますが、マルクその他は、例えば一ドル一・六七というような数字が通常市場でも使われているようでございます。御指摘の点は十分留意してやってまいります。
○小野委員 政務次官、この問題は世界国家日本として、日本国民の皆さんに日本の経済力なり世界経済に与える影響を十分理解してもらうためには、自分たちの使っている通貨の単位で日本の力がどれだけあるのだということを表現することがどうしても必要だと私は思いますので、どうか経企庁の皆さんをそのような方向に努力をしていただくように御指導願いたいし、マスコミの皆さんにもそのような方向で指導していただきたい、こう思います。
○高橋(一)政府委員 小野委員の御質問を拝聴しながら、私も同感でございます。大臣によく伝えまして、善処方を求めます。
○小野委員 最後に、一つお尋ねをいたします。
 昭和四十八年のオイルショックのときには、当時のマネーサプライの伸び率を勘案しないで金融緩和をいたしまして、インフレーションを起こしました。今度は円高不況で、デフレとはいかなかったまでもデフレに近い経済状態を経験いたしました。どちらも国民生活に大きな影響を持っております。要するに、この二十年の間に私どもはインフレーションもデフレーションも経験したわけであります。したがって、デフレーションにもならない、インフレーションにもならないような経済政策を運営するためにはどういう条件をきちっと備えておかなければならないとお考えになりますか。それを答弁いただいて、質問を終わりたいと思います。
○勝村政府委員 自信ございませんが、お答え申し上げます。
 インフレにもデフレにもならない経済を維持するというのは、教科書で申しますとこれはいわゆる均衡成長路線、一般的な言葉でいえば長期安定成長路線ということでございまして、理論的にはもちろん可能な、あるいは最も望ましい成長パターンであるというふうに一般に理解されていると思います。なかなかこれを実現するのは難しいのでありますけれども、最近の事例をとって申しますと、日本はちょっと円高不況という六十一年の中断がございましたので、現在でその後四十一カ月の景気拡大もしておりますが、アメリカ経済を中心といたしまして世界経済全体はこれで七十カ月以上の、六カ年を超えます景気拡大が続いている。その中でいろいろな波動はございました。途中の小波動というのはいろいろございましたし、現在アメリカ経済がややスタグナントになっているのも、六十二年の株式クラッシュの後の金融の緩和の反動が来ているというふうに申し上げることができるかと思いますが、そういう小さなサイクルは絶えずありますけれども、とにかく第二次大戦後をとってみますと、平和時で最も長い景気拡大を続けることができているわけであります。
 その前に、六〇年代の百二カ月続いた拡大期がございますが、これは最後の段階は、ベトナム戦争にアメリカが巻き込まれて、それとそれ以外の要因もございましてインフレ的なものになって中断されたという状況がございましたが、幸い今回は、昭和で申しますと五十六、七年にアメリカが金融政策を転換いたしまして、最もインフレに弱かったアメリカ経済がインフレのない、ないというのは間違いでございますが、従来のような高いインフレを避けながら、とにかく七年近く景気拡大が続いてきた。それとあわせまして日本もヨーロッパも、これも国によって違いますけれども、基本的には物価の安定を維持しながら需要の拡大あるいは国際貿易の拡大に成功してきたということが、今回の長い景気拡大局面から得られました最大の歴史的教訓であろうというふうに考えるわけであります。その間全くデフレもインフレもな
かったかといいますと、やや部分的な現象は確かにございました。ただ基調としては、これだけ長い景気拡大期間を続け得たというのは、今後の政策運営にとって恐らく最大の教訓になるのではないだろうか、こういうふうに考えているところでございます。
○小野委員 終わります。
○野坂委員長 次に、大野由利子君。
○大野(由)委員 公明党の大野由利子でございます。
 生活者の立場から、また消費者保護の立場から、最近よく耳にいたします機能性食品のことについて御質問させていただきたいと思います。
 初めに、機能性食品というのはどういう食品なのか、これは健康食品とどう違うのか、薬品なのか、また食品なのか、定義はどういう定義になっているのか、またどういう目的で販売されるのか、こうしたことについてお尋ねしたいと思います。
○野村説明員 お答えを申し上げます。
 まず、健康食品の方から定義につきましてお答え申し上げたいと存じます。
 健康食品につきましては、制度化されたものではございませんが、厚生省の組織令におきまして、「栄養成分を補給し、又は特別の保健の用途に適するものとして販売の用に供する食品」であって、「食品として通常用いられる素材から成り、かつ、通常の形態及び方法によつて摂取されるものを除く」食品として定義されております。おわかりにくいかと存じますので、少し砕いて具体的に申し上げますと、例えばビタミンでありますとかクロレラという緑藻がございますが、これらの素材を錠剤の形でありますとかあるいはカプセルの形など、普通食品の形態では用いられないような形、いわば医薬品類似の形にしたものでございまして、これが健康に何らかの寄与をするものとして販売されている食品であると考えておるところでございます。
 一方、機能性食品の定義についてでございますけれども、これにつきましては、六十二年に厚生省に設置をいたしました機能性食品懇談会において検討をいただいたところでございますが、この報告によりますと、機能性食品とは、食品に含まれる栄養成分のうち、生体防御、体調リズム調節、疾病の防止と回復等の体調調節機能に着目して、健康の維持増進に役立つように加工された食品をいうとされているところでございます。しかしながら、機能性食品がその安全性等について科学的な評価を受けることなく広く流通した場合には、公衆衛生上の問題を生ずるということも考えられるわけでございますので、その安全性を確保しつつ、そのような機能を表示した食品が適正に消費者に利用されるように制度化を検討しているものでございます。
○大野(由)委員 公正取引委員会にお尋ねをいたします。
 この十年来、健康食品が大変ブームを呼んでおります。また、健康食品、機能性食品が大変活発になりまして、薬事法や栄養改善法、また不当表示防止法、割賦販売法など各法律に抵触してくるものが出てきております。非常に紛らわしいものがたくさん出回ってきている現状でございます。
 そこで、特に不当表示と申しますか、強調表示により消費者に混乱が生じておりますが、公正取引委員会といたしましてこれらの問題にどのように対応していらっしゃるか、今まで健康食品に関しましてこうした問題はなかったかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○土原政府委員 食品につきまして健康といった表示が行われておるものが多いわけでございますけれども、健康といった表示は一般的あるいは抽象的な表現でございますので、それだけで直ちに景品表示法上の不当表示になるということはなかなか難しいのではないかと考えているところでございます。しかしながら、いわゆる機能性食品を含めまして体調調節機能等の効能、効果についての表示が行われまして、それが事実に反するというような場合には不当表示になってこようかと思います。
 公正取引委員会といたしましては、食品につきましてそういった不当な表示といったものに対して厳正に対処いたしますことなどによりまして、適正な表示が行われるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
○大野(由)委員 先ほどの中間報告にございましたように、体調を整えるとか病気予防のためというふうに、そのような特定の効能を期待して機能性食品が開発をされているというようでございますが、健康に自信がないということであれば、長期間にわたってそれを服用する、薬品のように厳密に用量が守られない、そのようなことが考えられるのではないか、そのように思っております。
 私も、我が家の冷蔵庫に一ダースいただいたものを入れておきましたら、ジュースがわりに一日で子供が飲んでしまった、そういうふうなことがございます。食品は自由に食べられるし、そのような危険性がございますし、薬品と併用して食べたときの弊害というふうなものとか過剰摂取によります弊害、このようなものを厚生省はどのように考えていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
○野村説明員 機能性食品につきましては先ほども申し上げましたが、公衆衛生上の問題の発生防止の見地から、昭和六十三年度に学識経験者から成ります機能性食品懇談会を設置いたしまして、今後の方向づけにつきまして検討をお願いしたところでございます。それで、その中間報告が昨年の四月に示されたところでございまして、その報告の中で、機能性食品につきましては、食品として通常用いられる素材や成分から成ることなどその範囲を示すとともに、栄養改善法の第十二条に基づくところの特殊栄養食品として規制をするということが適切であるというように指摘をされておるところでございます。
 厚生省におきましては、この中間報告に基づきまして、今申し上げました栄養改善法第十二条に基づく特殊栄養食品として許可をする場合の許可基準、安全性確保対策、さらには適正利用対策等につきましてさらなる御検討をお願いするために、本年の三月に機能性食品検討会を設置をしたところでございます。ここでの検討結果を待ちまして、適正な対策を今後とも進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○大野(由)委員 これはどのようなところで、どのように販売をされるのかお尋ねをしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○野村説明員 今御質問になられた今後の販売方法等につきましても、この検討会でいろいろと御指摘をいただいた上で、厚生省といたしましても判断をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○大野(由)委員 昨年の六月に発表されました総理府の世論調査でも、機能性食品につきましては効果や栄養成分よりも安全性について知りたいという、そう答えた人が四七%でトップを占めております。半数近くがこの安全性に非常に懸念をしております。
 また、厚生省から機能性食品の検討を委託された学者の方が、全体を取り入れたときに健康にプラスの作用をする食品でも、特定の成分だけを取り出すともとの働きをしなくなり、時に有害になることもあるので、機能性食品は研究の段階である、商品として市場に出すのは人体実験のようだ、このように警告をされておりますが、これに対する厚生省の見解をお尋ねしたいと思います。
○野村説明員 お答え申し上げます。
 食品の有用性はもちろんこのようないわゆる機能性食品の場合に大切かと思いますけれども、先生御指摘のとおり、安全性の担保ということがそれ以上に重要であるという認識を私どもは持っておりますので、この検討会での検討につきましても、私どもはそういう立場で先生方に御検討いただくことをお願いいたしているところでございます。
○大野(由)委員 ことしの三月ごろに最終答申が出るように伺っておりましたけれども、それがおくれておりますが、そのおくれております理由、
またその答申と申しますか基準はいつごろできるものなのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
○野村説明員 私ども、公式にいつごろまでにこの機能性食品の制度化を図るということは申し上げていないわけでございますけれども、今先生御指摘の安全性への配慮ということにつきましても、慎重に御検討いただくということでございますので、拙速に走らないように私どもとしては御検討をお願いいたしたいと考えております。
○大野(由)委員 昨年の春、厚生省の呼びかけで機能性食品連絡会という企業の集まりができておりますが、この連絡会はどのような性格を持っているのでしょうか。
○野村説明員 御指摘の連絡会でございますが、これは食品業界あるいは薬品業界等、この機能性食品について注目をしておる企業が集まりまして、学問的な立場からいろいろ情報の交換を行っているというように聞いておるところでございます。
○大野(由)委員 厚生省が音頭をとりまして、日本のトップ企業二百六十社が集まってこの機能性食品の連絡会が持たれている、そのように伺っておりますけれども、この大変な飽食の時代に、また加工食品がはんらんしておりますときに、厚生省が音頭をとってこうした機能性食品の検討を進める、こうした状況の中で各ビジネスはもうともかく乗りおくれては大変だという感じで、ますますそれに拍車をかけている状況ではないかと思いますが、そのことに対する御見解をお聞きしたいと思います。
○野村説明員 お答えを申し上げます。
 各関係企業がばらばらにこの問題に対処するということよりは、行政との関係につきましては窓口を一本化してほしいということで要請をしたわけでございます。やはり行政といたしましては、先ほど先生が御指摘になりましたような安全性への配慮ということにつきましても、窓口を一本化して指導をいたさなければならないということもございまして、このような連絡会ができたということでございます。
○大野(由)委員 健康によいということを国で認めますと、学校給食や病院、また各種の施設で利用をするようになるということが考えられます。また、業者が大量に安い値段で栄養補給ができるということで飛びついてくるということが考えられるわけですが、厚生省はこのことに関しましてどのように思っていらっしゃるでしょうか。
○野村説明員 先ほどもお答え申し上げましたが、この機能性食品の制度化に当たりましては、有用性、さらには安全性に十分配慮した食品が製造されるということを期待して検討をいただいているわけでございますけれども、その後の利用のあり方あるいは普及のあり方につきましても、この検討会におきまして十分御検討いただきたいと考えておる次第でございます。
○大野(由)委員 今のお話を伺っていまして、まだ規格基準ができていない、また本当に安全性の確認はまだできていない、そのように受けとめていいのかどうか。また、そういう状況の中で厚生省が、国が機能性食品を大々的に宣伝また推進するということがいかがなものか、そのように思いますが。
○野村説明員 規格基準につきましては、この検討会でこれから御検討をいただくということにいたしております。
 それから、厚生省が機能性食品について音頭を取っておる、あるいはPRをいたしておるというようなことはございませんので、その点については誤解のないようお願い申し上げたいと存じます。
○大野(由)委員 今宣伝をしているということはない、誤解をされないようにという御発言でございましたけれども、ここにございます日本児童福祉給食会発行の六十三年一月一日付の「給食会だより」の一面全段を使いまして、厚生省の生活衛生局食品保健課健康食品対策室の衛生専門官が寄稿をしていらっしゃいます。これを少し読ませていただきたいと思います。一面に載っておりますが、その後半の最後の部分に、
  食品機能を積極的に活用し、多くの社会的要請に答えることが急務であり、そのためにも「機能性食品」を行政的監視のもとで適正に表示させ、保証を行い、さらに日常的に摂取される食品として普及啓蒙の促進を図ることにより、疾病の予防、治療さらには健康の増進といった健康で快適な生活を享受することが可能となります。
  さらに、これらの波及効果は医療費の低減化、そして快適な長寿社会の実現に大きく寄与するものです。
  それが食べ物によって実現できるとすれば、すばらしいことではないでしょうか。
こういうことが出ております。また前の方にも、
 機能性食品という言葉を聞いたことがありますか。二十一世紀の新しい食品として社会的に注目を集めています。
本当に機能性食品が新しい時代の大変いい食品なんだということがこの文面ににじみ出ている原稿になっておりますが、このことについて御見解をお聞きしたいと思います。
○野村説明員 機能性食品の制度化に当たりましては、先ほどからたびたび申し上げておりますように、有用性の担保、それから安全性への十分な配慮をしなければならないという注意喚起も含めまして、担当の者が寄稿をいたしたものと考えております。
○大野(由)委員 今のお話を伺っていまして、機能性食品の安全性は今の段階では確認をされていない、そういう厚生省の御見解だったのではないかと思いますが、安全性が確認されてない段階で、子供の給食を扱うこういう「給食会だより」に六十三年の一月、もう既に二年前にこういう文章が載せられております。これを読んだ学校給食を扱う人たちは機能性食品を前向きに取り入れたいという思いになることは当然でございますし、また給食というのは、子供たちは拒否することができない、前に出されたものは嫌でも食べなければいけない。そういう大変な、選択できない給食の中に、厚生省の肩書きのもとにこういう原稿を出されることはどんなものかと思いますが、もう一度御見解をお願いします。
○野村説明員 学校給食におきましてこの機能性食品を積極的に利用ということで、現段階で私どもとして積極的にこれをお勧めしているという趣旨ではないわけでございまして、私どもとしては、この機能性食品の有用性につきましてはこれまでの研究の実績から科学的に実証されたということで、これについて今後制度化する際には、有用性が本当にあるのかどうかということと、安全性が十分配慮されているのかということを規格基準の上できちんとしなければ、消費者に適正に利用されないだろうという立場でお話を申し上げているところでございます。
○大野(由)委員 では、この「給食会だより」に出ていますこういう文面は、厚生省としましては本意じゃない、そういうことでございましょうか。
○野村説明員 その「給食会だより」につきまして、私細かいところまで承知しておりませんけれども、少なくとも先ほどから私が申し上げているような趣旨で担当の者が寄稿したというふうに理解をいたしているところでございます。
○大野(由)委員 今の御答弁を伺っていまして何となく納得ができないのでございますけれども、本当に最も大事な子供たちが食べる給食のこの便りにこのようなことが書かれている。本当に今の段階でこういうことが書かれていいのかどうか。こういう段階でなければ、こういうことを撤回する、その辺のはっきりした厚生省の態度が望まれるのではないかと思います。
 また、この「給食会だより」にもございますし、中間報告の中にもありますが、高齢化社会の中で医薬品の占める割合が非常に大きくなって、それを少しでも減らしたい、そういう願いも込めてこの機能性食品に力を入れていらっしゃるというような厚生省の姿勢が書かれております。しかし、医薬品が非常に多いということをこういうことに
するということは大変なすりかえでございますし、百歩譲って、医薬品の使用が少しでも減ったと万が一仮定をいたしましても、かわりに食品の分野がその分高くなるわけでございますし、高齢化社会の中にあってこれで医薬品が少しでも削減ができるというふうに思っていらっしゃるのかどうか、その辺のことももう一度念のために伺いたいと思います。
○野村説明員 直接的に医薬品の消費が減るかどうかということについては何とも申し上げられませんけれども、これは日本人が薬好みだという一般的な風潮もないわけではございませんけれども、薬の消費が多いということは国際的にも言われているわけでございます。したがいまして、健全な食生活を送ることによって多少間接的にでも薬の消費が減るということについては、ある程度効果といいますか、関係があるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○大野(由)委員 ともかく食品というのは毎日食べるものだけに、非常に大事なものでございます。そうした意味からも、もし何かがあれば厚生省は責任を持てるのか。厚生省のお墨つきの食品を出すことがどれほど影響力が大きいかということの観点に立って、こうしたことに取り組んでいただきたいと思います。
 大変ありがとうございました。
○野坂委員長 次に、日笠勝之君。
○日笠委員 まず、一つ御提案を申し上げたいと思います。
 実は、経企庁の方では、いろいろマクロ的な指標は統計上たくさん出るわけでございます。国民生活センターを抱えたり国民生活白書を出されたりということで、大変国民に親しまれている官庁だと思います。そこで、私が思いますのは、ミクロ的な生活実感に即した資料をひとつ国民の前に公表したらいかがかということでございます。それは、毎会計年度、毎年予算が出ます。当然それは税制改革等が裏打ちされた予算になっておるわけでございます。そうしますと大蔵省は、五分位でいきますと明年度は所得税がこれだけで、そして住民税がこれだけで、消費税の影響はこれだけ、トータルこれだけの増減税になります、こう言います。片一方、厚生省の方は、社会保険料は若干の改正があればこうこうこうなります。これがばらばらに発表されたり、全然ばらばらの資料なんですね。これを一つのものにする。すなわち五分位なり、また二百万円、三百万円、四百万円云々、一千万円という刻みでも結構でございます、一体私たちは来年度可処分所得は幾らあるんだろうかな、こういうことが国民に広く知れるということは、いろんな意味で私はいいのではないかと思うのですね。
 そこで、いろんな前提条件が要るとは思います。例えば標準家庭また共稼ぎ家庭、いろいろあります。何パターンかというのは経企庁にお任せしなきゃいけないわけでございますが、何パターンかに分けまして、五分位なり、また先ほど言いました二百万、三百万、四百万、五百万、一千万ぐらいまでの刻みで、いろいろな膨大な資料、数値はあるわけでございますから、それを駆使していただきまして、国民に、私は今度は給料ベースアップで三百万円近い、そうすると税金はこうで社会保険料はこうで、結局これだけ使えるんだな、こういうふうなものをぜひひとつ今後公表されたらいかがかな、かように思いますが、まず次官にお聞きをいたしましょう。
○高橋(一)政府委員 恐れ入ります。大臣が間もなく参ると思いますが、私自身も、国民生活の資質の向上というのが大事な経済企画庁の使命だと思いますので、先生の御説も踏まえながら、局の中で討議をしまして、善処方も求めたいと思います。また、今の御発言については大臣によく伝えたいと思います。詳しくはまた局長の御見解もお聞き取りいただきたいと思います。
○末木政府委員 大変御示唆に富むお話だと思います。
 私も御質問を通告いただいたものですから、早速その家計調査年報をいろいろ見てみたわけでございますが、正直申し上げまして、従来、これだけ分厚いデータが入っているわけでございますけれども、十分これを使いこなしていたのかどうか、これはあるいは専門家がおりますのでうまく使いこなしていたんだと思いますけれども、さらにもっと使い方はないか、あるいは今おっしゃったような従来にない目的意識あるいは使われ方を考えて一工夫してみたらどうかという御示唆、御指摘かと思います。専門的にはこれはかなり難しい要素がございます。もとのデータが総務庁でございまして、ちょっと手始めに少しいろいろなグラフをつくったりして分析してみましたのですけれども、なお相当勉強しなければならない。しかし、勉強する価値がある問題だと思いますので、少し時間をいただいて研究をさせていただきたいと思います。
○日笠委員 ぜひひとつ御努力をお願い申し上げたいと思います。
 さて、きょうの新聞を見てみますと、昨日新行革審が海部総理に最終答申を提出したようでございます。実はその中に、断片的な言い方になってしまうのでございますけれども、規制緩和、デレギュレーションのことでございますけれども、規制緩和を大いに進めていこう。これは新行革審のスタンスでございます。その中に実は切り文でございますけれども、こういうところがございます。「公的規制の廃止・緩和を進めるに当たっては、個人・企業の自己責任の考え方を確立することが必要である。」これは早速総務庁さんの方に聞きますと、いろいろな製品、製造物、テレビだとか自動車、何か事故が起こればこれは業者が悪い。しかし、そういうものを発売してもいいと安全基準を認めた国も悪いということで、すぐ国家賠償になる。そういうことではいけないのではないか。これからどんどんデレギュレーションで、いわゆる規制緩和をしていく。外国からもそれが障壁になっていかぬと言われておるわけでございますので、障壁排除もしていかなければいけない。
 そういうことで、今後は個人、企業がともに自己責任の考え方を確立しなさいという意味は、総務庁さんにお聞きしますと、いわゆる製造物責任法というか、これは略称で英語でPL法と言いますから、これからPL法と言いますけれども、PL法なんかのことが念頭にある、このように言われました。実は経企庁の方も私いろいろお聞きいたしますと、一九八五年でございましたか、通産省、経企庁それぞれ製造物責任法、いわゆるPL法について勉強会を始めた、このように聞いておるのでございますが、現況、どこまで勉強会が進んでおられるのか、お聞きしたいと思います。
○末木政府委員 経済企画庁に限って申しますと、実はもう少し古くから問題意識は持っておりまして、勉強はしております。なかなか難しい問題がたくさんあります。いつまで勉強していたら結論になるのかと言われると困るのでございますけれども、最近のところでは、例えば仮にPL法ができたとして、訴訟が行われて消費者サイドが勝訴したとしても、負けた方の企業に消費者の損害を支払うだけの資力がなければ、これは絵にかいたもちになりますので、それには賠償能力を常々持たせておけるような措置を伴わなければ実効がない。通常その場合の措置としては、損害賠償責任保険の制度の活用が考えられるわけでございます。
 この問題の先進国のアメリカでも保険によっておるわけでございますが、日本の場合にそういう制度を果たして保険会社が、仮に民営でやった場合に、どういう条件のもとにどう受け入れられるか、そういう保険の可能性、フィージビリティーについての勉強は行いました。いろいろな前提を置いてのことでございますが、この例について申しますと比較的前向きな感じが得られております。そのほか、例えば企業ではどういう受け入れ態勢があるかとか、どういう意識を持っているか等々の勉強を重ねてまいりました。
 なお、もう少し詰めなければならない問題がございますけれども、経企庁としましては、これは基本的に前向きにずっと一歩一歩取り組んできて
おりますので、なお残った問題について引き続き着実に勉強を進めていくつもりでおります。
○日笠委員 海部総理もよくおっしゃっておりますように、これからは企業、生産優先から消費者優先重視ということは、これは経企庁さんも同じお考えだと思います。殊に消費者を保護する担当の官庁でもございます。
 先ほどアメリカのことをちょっと局長言われましたけれども、私は法律家ではございませんので詳しいことはわかりませんが、仄聞いたしますのに、アメリカは非常に私訴が多い。これは弁護士さんの場合、着手金も要らない、成功報酬も三割、五割。ですから大きく金額を吹っかけて、多分一億円とか何億円というような金額ですね。もしうまくいけば、そのうちの三割も五割ももらえる。弁護士さんも多いから、どんどん訴訟するんだ。それからまた陪審制度でございますから、陪審員の方は一般国民でございますから、あなたちょっと、企業が大きいのだし、賠償金をしっかり払えばいいんじゃないかというようなことで、アメリカも困っているわけですね。
 そこで、御承知かと思いますが、日米構造問題協議、SIIで日本がアメリカヘ指摘をした、指摘と言うと怒られるのだそうでアイデアと言わなければいけないのですが、日本がアメリカにアイデアを提供した、その中に実はこのことが入っておるようですね。もちろん、局長は御存じかと思います。ひょっとしたら経企庁さんがアメリカへアイデアを出したのかななんて思ったりするのですが、これはいわゆる製造物責任の改善は、アメリカはこうしたいと言っております。企業が非常に大変だ。訴えが多い、賠償金も大きい、莫大である。こういうことで、アメリカはこのようにしようと考えておるようでございます。ちょっと読みますと、
 行政府は、また、米国の製造物責任関連法改善のために米国経済の全分野の諸団体との協力を行っている。行政府としては、被害者の保護を依然確保しつつ、新規開発に対する負担を除去し、米国の競争力を強化するために改革が必要と認識している。
どっちかというと、さらに強固にしていこうというのじゃなくて、緩和をしようという感じでございますね。ですから、EC型とアメリカ型とこの製造物責任法というのはできておるようでございますが、その一番右翼の、一番厳しいのがアメリカでございます。それをヨーロッパ型ぐらいにしようかな、こういうふうに考えているのではないかと思うのですが、もし日本の国でPL法をつくろう、立法措置してこれを、国民の皆さんの保護になるわけでございますから、やろうとなれば、局長の頭で、アメリカ型、ヨーロッパ型、今のところ二つほどあるようでございますが、どの辺をターゲットに今後勉強会を進められるのか。アメリカ型かヨーロッパ型か、まあその中間かあるかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○末木政府委員 限られた時間でございますので、余りはしょってお答えをしますと、こういう法律問題、後に誤解を残してはいけないかという心配もあるのです。したがいまして、一言でアメリカ型あるいはEC型というのはなかなか難しいのですが、ただいま先生お挙げになりましたSII、日米構造協議に出てきた言葉に「新規開発に対する負担を除去し、」という言葉がございます。これはこのPL法の議論のときに常に出てくる重要項目の一つでございまして、アメリカではそこが非常に企業の負担になって、新製品開発にブレーキをかけることになっているのではないかという反省に立ってこういう結論になっているわけでございますが、ヨーロッパの方は逆に多くの国、具体的にはルクセンブルクを除いて、ほかの国ではいわゆる開発リスクの抗弁を認めるということで緩くしているわけでございます。
 そのほかにも、いろいろなニュアンスがあろうかと思いますし、さらにまた別の項目、もう一つだけ例を挙げますと、懲罰的な賠償を課すかどうかという点についても、アメリカは非常に厳しく、ヨーロッパはそういう制度はないということでございます。この二つのタイプのほかに、私ども公明党要綱というのも拝見させていただいておりまして、そのほかまた東弁連、東京弁護士会の案もございます。いろいろな案がございますので、個人的な意見をこういう委員会で申し上げるのはいかがかということもございますし、そこまでの自信もございませんので、そういった点が大きな問題点であるということは御指摘のとおりだと、この辺について広く各界の皆様方の御議論をこれからいただいていくべきだ。そして、これは民法の基本問題に触れるものでございますから、余りむちゃくちゃにえいやっと決めるのではなくて、十分議論を尽くしていくべき問題だと考えているというお答えにとどめさせていただきたいと思います。
○日笠委員 既に通産とか法務省なんかとの合同の勉強会というのでしょうか、研究会というのでしょうか、こういうことはやっておられるのですか。経企庁さんだけで単独で今のところは地道に勉強されているのか。
○末木政府委員 何らかの形で制度のような形をとった合同勉強会というものはございませんけれども、この問題はしばしば話題になりますし、日常いろいろなことで会う機会もございますので、折に触れて話題にはなっているということでございます。
○日笠委員 これは古くて新しい問題でございます。古くは一九五五年でございましたか、森永砒素ミルクからカネミ油症からスモン病から、最近はカラーテレビが火を噴くとか、こういう問題はずっと続いているわけでございます。国民生活センターでございましたか、危害情報収集件数というのが、聞きますと十年間ほど毎年二千件以上だそうでございます。そして、これも危害とか危険発生の一、二%しか届けてはいないのじゃないか。あとはわからない、誤って使用したと自分で思い込むとか、もしこれが正当な科学的な根拠があるとすれば、何と十年間で百七十万件くらいと推定されるという一方の考えもあるわけです。これは国民生活にとりまして非常に重要な問題でございます。
 先進国は、懲罰的な損害賠償を含めて、いいか悪いかは別ですけれども、ほとんど法が整備されているわけですね。フランスが今ちょっと草案中でございますか、そういうことになれば、何回も申し上げます、これからは企業とか生産重視から消費者重視、消費者保護ということが非常に大切でございますので、私はこのPL法、製造物責任法というものを一刻も早く各省庁ともすり合わせをして、私たちが要綱を出して法案を出すのもいいのですけれども、これまた非常に手間暇かかりますので、専門の経企庁さんが消費者保護の官庁でございますから、音頭をとって精力的に研究を進められて、他省庁との調整をされて、先ほど申し上げました新行革審もそういうことを言わんとしておるそうでございますので、早くぜひ督促をしたいと私は思うのですが、御決意をお聞きしたいと思います。
○末木政府委員 アメリカ、ECとは、この問題をめぐる環境が必ずしも同じではございませんけれども、そういう点はあるにせよ、PL法のいく方向というのは一つの世界的な流れであることは間違いないと思っております。そういう流れを十分踏まえて、本日御激励いただいたこともよく頭に入れまして、取り組んでまいりたいと思います。
○日笠委員 物価の問題をちょっと最後に御質問申し上げたいと思います。
 消費者物価の八九年度の上昇率は、当初見通し二・〇%、途中で修正されて二・七%、こういうことでございます。既に東京都の速報値が出ておりまして、東京都の消費者物価は八九年度は三・二%、こう言われております。もう四月中旬でございますけれども、そろそろ八九年度の日本のいわゆる消費者物価の実績が出るんじゃないかな。また、東京都の三月度の上昇〇・四%でございます。こういうものを踏まえて、過去いろいろなデータが蓄積されておるわけですが、今までの慣例でいけば、東京都の三月が前月比で〇・四%上
がっておれば全国的に最終的にはこうなるだろうというお考えといいましょうか、一つの推定はベテランでございますからできると思うのでございますが、一体どのくらいになりそうなんですか。
○田中(努)政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、東京の三月の数字で年度計算いたしますと三・二になるわけでございまして、東京と全国の動きの過去を比較いたしますと、〇・数ポイント全国の方が低目に出るということが大体経験的に見られるわけであります。したがって、三月の全国の消費者物価指数はもうちょっと――二十日過ぎになると思いますので何ともわかりませんが、私どもとしましては実績見込みの二・七におさまってくれればいいなというふうに思っておりますけれども、多少きつい感じがいたします。そういう状況かと存じます。
○日笠委員 それで、相沢長官の所信をこれまでお聞きいたしますと、引き続き物価は安定的に推移しておるということですね。平成二年度は一・六%程度、こうあります。しかし、最近の新聞情報でございますが、ビールは上がりましたし、NHKの受信料も上がりましたし、授業料は上がりましたし、またハムだとかソーセージだとか食用油だとか建設資材とかいろんなものが、今人手不足ということもこれに相乗的な効果というのでしょうかありまして、非常に物価は上がろう、上がろうとしておりますね。この「一・六%程度になる見込み」という長官の所信でございますけれども、これは公共料金の値上げラッシュとか物価が値上げラッシュ、総選挙が終わったのを待ち構えたように今一斉に上がっていきつつありますし、お詳しいので具体的には申し上げませんけれども、これは本当に上がろう、上がろうとしております。これは当然そういう公共料金の一斉値上げラッシュだとか、そういうものを踏まえた上の一・六%、こういうふうにとらえていいんでしょうか。それとも、そういうことは想定していない、公共料金なんかこんなにいろんなものが上がるとは思ってなかったとおっしゃるのでしょうか。ちょっとお聞きしたいと思います。
○田中(努)政府委員 新聞等で伝えられております民間の一般商品、サービス等の値上がりの動きは、かなり目立ったものがあるというふうに考えられます。ビールを初めといたしまして、ファーストフード、旅館、ホテルとか、そういうもの、いろいろ上がっております。また公共料金も、NHKの受信料を初め若干のものが上がっておるわけでございますけれども、また逆に公共料金の中では実は下がっているものもございまして、ことしの初めから米の政府売り渡し価格、麦の政府売り渡し価格、それから三月には国内の電話料金、四月には国際電話料金、こういうものを下げておりますし、六月一日からは国内の航空運賃についても値下げを予定しているということで、上がるものもあります、他方におきまして下がるものもあるということでもございます。
 また、例年四月ごろになりますと、値上げラッシュが起こるのが常でございまして、ことしだけに限ってこの時期に集中しているというわけではないわけでございます。したがいまして、こういうふうなものも当然織り込みまして私どもの見通しを立てているわけでございますので、最近の動きから、特に物価の動きが上昇に向けて動いているというふうな、そういう印象は持っておりません。したがって、午前中にも申し上げましたように、安定的な推移を今後も遂げるのではないか、そういうふうに期待をいたしております。
○日笠委員 長官、やっとあと一分になっていらっしゃいまして、質問する時間がないのですけれども、一つだけ。
 今公共料金のお話をしているわけですけれども、長官の所信表明を見ても、公共料金は極力抑制するとかいうことが一言も出てまいりませんですね。公共料金が下がるのは、局長いいんです、大いに歓迎です。上がる方を何とかしなければいかぬわけですから。それでなくとも内外価格差で高いと言われております。可処分所得に比べて生活実感が豊かというのは余りないですからね。そういう意味では、長官、公共料金値上げを待ち構えているものが、タクシーも先ほどありましたけれども、何点かあるわけですね。こういうものに対してはどういう基本的な態度で臨もうとされておるのか。これを最後にお聞きして、終わりたいと思います。
○相沢国務大臣 予算委員会に入っておりまして、失礼いたしました。
 今御質問でございますが、私どもも、順調な日本の国の経済成長という中にありまして、やはり一般の国民が生活の豊かさというものを実感できるためにも、何といいましても物価が安定をしているということが大事だと思っております。
 御質問の公共料金等につきましても、民間の全く自由な決定に任されるものにつきましてはなかなか力が及びませんけれども、少なくとも企画庁が関与いたしまして決定されるような公共料金につきましては、委員の御質問の御趣旨にも沿いますように、私どもも極力その値上げを抑えてまいりたいし、また仮に認める場合も、その値上げの幅については極力合理的なものであるように努力をしていきたいと思っております。
○日笠委員 終わります。
○野坂委員長 次に、菅野悦子君。
○菅野委員 先日当委員会で花博の視察に出かけまして、会場内の飲食代金が高いのではという指摘に、早速大阪市の出展館が対応いたしまして、三つの品目の値下げというふうなことなどやったと報道されております。現地では、高いという世論にこたえたものだということで歓迎されているようですが、そういう点ではお役に立ったのかなと思っております。
 話は変わりますけれども、こちらは逆に歓迎されない方の話でございまして、消費者泣かせの悪徳商法、霊感商法というものの被害が後を絶ちません。あの例の印鑑とかつぼなどを法外な値段で売りつける、ああいうものであります。お年寄りをだましてとらの子を巻き上げる、こういうふうなものに本当に私は腹が立つわけです。
 この統一協会の霊感商法による被害の実態につきましてどのように把握しておられるかということと、あわせて長官のこの統一協会及び霊感商法に対する認識をお伺いしたいと思います。
○相沢国務大臣 委員御質問の、いわゆる霊感商法というものはどういう範囲のものになるのか、一つ問題があると思いますが、私どもも確かに、例えば新聞広告などを見ますと、まあ全紙を使って判この宣伝なんかをして、こんなすごい広告料を払って果たしてうまく商売ができるのかなという感じがしないでもありませんが、そういうようないわゆる霊感商法と言われる中にいろいろなものが含まれていると私は思うのであります。ですから基本的には、やはり一般の国民と申しますか、消費者の方々の自覚にまつ点が多いのではないかと思いますが、ただ、そのいわゆる霊感商法が、あるいは詐欺に該当したり、あるいは訪販法の違反になったり、あるいはまたそれが恐喝とかその他の刑法に触れるようなものに該当するようなおそれがあるものにつきましては、関係の省庁に連絡をする、その他の処置をとってその是正を図ってまいらなければならない、このように考えております。
 なお、政府委員から若干補足した説明を申し上げます。
    〔委員長退席、竹内(猛)委員長代理着席〕
○末木政府委員 基本的には今の長官のお答えのとおりでございますけれども、せっかくのお尋ねでございます。
 数字で申しますと、全国の消費生活センターあるいは特殊法人でございます国民生活センターに寄せられました苦情相談の件数で申しますと、六十一年度三千二百九十件、六十二年度二千六百九十件、六十三年度一千二百八十件、平成元年度一千二百二十件、件数はこのところ六十二年度にかなり警察が取り締まりをやっていただいたようなこともあったのかなと思いますけれども、こういう経緯をたどっておりますが、なお相当数あることは間違いございません。
 それから品物につきましては、これはたまたま今印鑑の話が出ましたが、印鑑の商売全部これだと言うと印鑑をやっていらっしゃる方に御迷惑がかかるので、もちろんそういうことじゃありません。何をもって霊感商法というかというのは、長官も申しましたとおり難しいところでございますけれども、印鑑を初め数珠ですとかつぼですとか仏像ですとか、例によって大分前からあるもののほか、占いとかその他非常に多様化してきているというのが、最近の状況でございます。
○菅野委員 今の例を挙げての御説明もありましたように、相当数に上っている。平成元年は千二百二十件というふうなお答えもございましたが、昨年一年間の弁護士相談の総額だけでも二千四十件、約二十億円ということで、相当なものだというのがこのことでもおわかりいただけると思うのです。
 ところが、このような反社会的、反国民的集団であるいろいろな詐欺商法なんですけれども、その一つ、統一協会が花博に関係しているということで国民のひんしゅくを買っているという事実について、若干述べてみたいというふうに私は思うのです。
 問題になっておりますのは、先ほどもこの委員会で取り上げられております未来指向型企業グループのパビリオン、百年先の「の〜んびり村」、ここの問題でございます。この映像館で、統一協会の教祖文鮮明の提唱によるとされております国際ハイウェイ、日韓トンネルに関するアニメーションが上映をされているということなんですね。
 そこで、外務省にお伺いしたいのですが、海底トンネル構想、アジア大ハイウェイ構想というふうに打ち上げられておりますけれども、日本、韓国、中国、これを結ぶ海底トンネルというふうなものだということなんです。こういうことになりますと相当な大規模なものになりますけれども、各国を結ぶということになるわけですから、日本政府はもとはり、韓国、中国の政府間での合意なども本当にやるとすれば得なければならないという性格のものだと思いますが、そういうふうな合意があるのかどうか、そういうことについてお伺いしたいと思います。
○今井説明員 具体的な現実性があるようなものとして、先生の御指摘のようなハイウェイ構想があるとは承知しておりません。
○菅野委員 ではあわせて、建設省にも先ほど委員の方からお尋ねがありまして、こういうふうな大ハイウェイ構想など承知していないという御答弁があったと思うのですけれども、試掘がされているというその中での指摘もありましたので、現実的な問題としてこれが今後建設されるような見通しがあるのかどうか、この点を建設省に重ねてお伺いしたいと思います。
○曾田説明員 御説明いたします。
 先ほどもお答えいたしましたように、建設省といたしましては、この構想につきまして全く承知いたしておりません。
○菅野委員 ところが、今のお答えによりますと、全く実現性のない幻の構想だということになるわけなんですが、花博の会場ではこれが上映されている。こうした実現性のないハイウェイ構想をいかにも国が力を入れて取り組んでいるかのような印象を与えかねないような、そういう現実があるわけです。
 それで、私はこの関係でいろいろとちょっと調べてみたのですけれども、先ほどお尋ねした霊感商法との関係がここで出てくるわけです。朝日ジャーナルの記事の中でそういうものがあるのですけれども、先祖の供養だなどということで印鑑やつぼを売りつける、このときに、お金の使い道は何なんだというふうに聞かれたときに、売った側の販売員たちが何と言っているか。いや、実はこれは日韓トンネルに使うのですというふうに、ここでこういう商法と日韓トンネルが結びついているという事実などがあるということが報道されているわけなんです。こういうことがあるわけです。そして片や花博では、会場でそういう状況があるということですね。先ほど来の委員とのやりとりの中でも、ここで言われていましたけれども、会場では共同オーナーとして入場者に一口三万円の出資を要請するとか、さらにタイムカプセルに入れて百年後の人たちに手紙を出そうということで発送料二千円を取っている。こういうことなどが先ほどからこの委員会の中でも事実問題としてやりとりされておりますけれども、この手紙はアジアハイウェイの日本側の起点になるところに埋設をするのだというふうなことも言っているということなんですね。
 ここまで来ますと、一体だれがだれに百年後責任を持てるのかということにもなるわけです。全く現実性のないこういうことをやって、しかも霊感商法にもそのことが利用されている。そういう人たちが実はこの出展に関係しているのだということになるわけですけれども、これは本当に大変なことになるなというふうに思うわけです。先ほど来のやりとりを聞いておりますと、このパビリオンの出展の中で「の〜んびり村」のこれらの企画について、夢のある企画なんだから強制でなければ適正だというふうなお答えもありましたけれども、このように全体像がはっきりしてくると、本当にとんでもない代物だというふうに思うわけです。はっきり言って、これは詐欺商法以外の何物でもないのではないかというふうに思いますけれども、消費者を守るという経済企画庁としては、この点どうお考えになるか、ぜひ見解をお伺いしたいというふうに思います。
○末木政府委員 私ども、花博については多少の関係がございます。しかし、私自身あるいは長官もまだ現地へ、少なくとも私は行っておりません。長官もまだとは思いますが、――いらっしゃいましたですか。私、そういう意味で自分でそこをしかと見たわけではございません。
 今回の御議論をいただいたのが初めてでございまして、知らないことを前提でお答えするわけでございますけれども、いわゆる霊感商法とそもそもどこでつながるのかということが今のお尋ねでは必ずしもよくわかりませんし、それから俗に霊感商法と言われるものも、先ほど数字で申し上げましたのも、例えば国民生活センター、消費生活センターが一々警察権をもって事実を確認して違法性の有無を調べた上での数字ではないわけでございまして、建前上苦情をそのまま受け付けて整理しているというものでございますから、私どものそういう仕事の体系から申しますと、申しわけないのですが、ただいまの御質問に的確にお答えする立場にないと申し上げざるを得ません。
 しかし、その花博の問題を離れて、一般に典型的に問題のある霊感商法というのがある、従来からあった、今もあるということは事実でございますから、その一般のうちの一部に該当するようなことがあれば、従来対処してきた手法を――当然この花博の中は治外法権というわけじゃないわけですから、それは当然対処していかなければなりませんけれども、今具体的な事実を承知しないという立場で詰めたお答えは遠慮させていただきたいと思います。
○菅野委員 こうしたイベントなんですけれども、特に大きな、国とかあるいは地方自治体がかかわるようなそういうものになりますと、それに反社会的団体の参加が認められるということ自体、客観的にはやはり国がそういうものに手をかすということにならざるを得ないというふうに思うのですね。
 実は先般、幕張メッセの方で「90健康博」というのがございまして、そこにもこの霊感商法の元締め業者と言われておりますハッピーワールド、これが出展していたのです。このことが問題になりまして、農水省の方では、これはえらいこっちゃ、やめさせるべきだというふうな見解が論議になったというふうに聞いておりますけれども、こういういかがわしい団体、これが政府や地方自治体のイベントに参加させるということは本当に大問題だというふうに思うわけでね。ですから、本当に霊感商法がどの程度かかわっているのかわからぬということなんですけれども、かかわりがあれば
問題だという意識は多分共通して今のお答えでおっしゃられたというふうに思うのですが、大阪の地元でもこれは非常に問題になっておりまして、花博協会に対し出展中止を求める動きが出ているのです。ここまで事態は来ているということですね。ですから、そういう点で今までこういう霊感商法に引っかからないようにというふうに指導してきた経済企画庁でございますし、長官の所信表明の中にも、悪質な商法による被害の防止等には努めるというふうにありますので、そういう点でやはりこれはもっと踏み込んで、出展をやめさせるというふうなことで考える必要があるんではないかと思うのですけれども、そういう点での御見解をお伺いします。
○末木政府委員 先ほど申し上げたことの繰り返しで恐縮でございますけれども、従来、例えば長官の答弁にもありましたように、刑法違反だとか訪問販売法違反だとか薬事法違反だとか、そういう法令に触れるものがあれば、法令に照らして対処してきたわけでございます。
 今回の花博の中の出展につきましては、事実はわかりませんけれども、まず第一次的には、これは決してしり込みするとかいうことじゃございませんけれども、公的な機関がやっていることでございますので、その施設内のことについてはまず公的な機関が、今日の御議論もありますし御調査なさると思います。私どもは、そういった情報をいただいた上で、従来の行政の体系に即して臨んでいきたいと思います。
○菅野委員 るる、このパビリオンの中の百年先の「の〜んびり村」、ここでやられている一口三万円の出資の問題とか、それから全くどうなるのかわからないという二千円を取っての手紙の問題とかいうふうなことに対するこの商法が、実際詐欺商法であるかどうかがわからないということからお答えしかねるんだというふうな言い方だと思うのですけれども、この母体である海底トンネル、大ハイウェイ構想なるものが全く幻の構想なんだということが外務省、建設省の答弁の中であるわけですから、それに乗っかっての種々の企画、こういうことが、一体どこが責任を持つのかということも含めて、非常にいかがわしい問題であるということについては多分お考えいただけるんじゃないかと思うのです。それでもなおおわかりにならないということであれば、ぜひ引き続き実態について調べていただきたいと思うのです。
 あわせて、外務省の方にちょっとぜひお尋ねしておきたいと思うのですが、先ほど午前中のやりとりの中で、この出展団体の名前、財団法人亜細亜技術協力会というものが、日韓トンネル委員会ということも含めて出ているのですね。ところが、財団法人亜細亜技術協力会というのは、これは外務省がもう認めている団体だ、認可されているというふうなお答えがあったのですけれども、これはそういうことになれば、全く幻の計画をでっち上げて、それでもってお金を集めているということにもなりかねませんので、この亜細亜技術協力会というものの実態、そしてそれがこの日韓トンネル委員会とどういう関係があるのかというふうなことについて、ぜひ調べていただきたいと思うのです。もう時間がありませんので、ここでお答えいただくわけにはいかぬかと思いますけれども、調べていただけるかどうか、このことについてぜひ要請をしておきたいので、お答えいただきます。
○今井説明員 亜細亜技術協力会は、外務省の認可団体ではございますけれども、補助金も出ておりません。したがって、必ずしも十分、特に先生の御指摘の構想については詳細を承知しているわけではございませんので、この場では何とも申し上げられません。御了承願いたいと思います。
○菅野委員 もう時間がありませんので、そうしたら、今調べてないからお答えしかねるということだったですから、後でまた調べてぜひお答えいただきたいということを要請して終わります。
○竹内(猛)委員長代理 次に、柳田稔君。
○柳田委員 民社党の柳田稔でございます。
 きょうの質問、最後になりましたのですけれども、私、実は国会に参りまして初めて質問させていただきます。こういう質問の機会を与えていただきました委員長初め先輩議員各位にお礼を申し上げたいと思います。また、大臣初め政府委員の皆様におきましては、今後とも御指導をよろしくお願いしたいと思います。
 時間も限られておりますので、早速質問させていただきたいと思うのですけれども、長官の所信の中に触れられておりました内外価格差の問題についてですけれども、経企庁の物価レポートにも報告がありますが、御存じのとおりに我が国の物価はほかの国に比べると非常に高い。そういうことで、これを正そうということで政府・与党内外価格差対策推進本部のもとで問題解決に積極的に取り組んでいきたいというふうなことでございまして、これについて今後の方針、どのような考えを持っていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
○相沢国務大臣 内外価格差の問題につきましては、政府・与党の内外価格差対策推進本部というものがこの問題の解決に取り組んでおります。で、企画庁、私長官は、この本部の副本部長ということでお役目をちょうだいいたしておりますが、ことしの一月に五十二項目にわたるところの「内外価格差対策について」ということを決定いたしました。この決定に盛られました各項目について、今各関係省庁が鋭意取り組みをいたしているところであります。
 その対策は、まず内外価格差と言われるけれども、どういう実態なのかということの調査が必要でありますので、この調査を行う。これをまた公表する。また、内外価格差の原因となっておるところが、各般の規制がある。その規制の緩和の方法あるいはまた独禁法の厳正な適用等によるところの競争条件の整備。また、問題が税制にありますれば、その税制についての検討、関税等もございます。そういうような各般の施策を取り上げまして、これからも物価差の解消に努めてまいりたい、このように考えているのであります。
○柳田委員 どうもありがとうございました。
 具体的に取り組んでいかれるということでお願いをしたいと思うのですが、いつごろまでにこれをやってみたいというふうなものがあれば、教えていただきたいのです。
○相沢国務大臣 これはなかなか簡単にいかないものもございますし、それから内外価格差の実態についての調査も現在引き続き行われておるところでありますので、時期はいつということは今の段階で申し上げられませんが、今後ともできるだけ早い期間にこれを実施してまいりたい。と申しますのは、一つは日米の構造協議におきましても、内外価格差解消の必要がうたわれております。私どもも、そういう意味におきまして、ただのんべんだらりんとやっていくつもりはありません。できるだけ早急にひとつこれを進めてまいりたい、このように考えております。
○柳田委員 どうもありがとうございました。
 次に、平成二年度の消費者物価についてお尋ねしたいと思います。
 昨年平成元年は、全体の総合卸売物価は三・五%の上昇、五年ぶりの上昇だというのは御存じのとおりだと思います。それで、ことしを見ておりますと、円安が急に進んだ。そしてそれにつれて原料の価格上昇、そして人件費のコスト増などいろいろな問題が出てまいりまして、インフレ懸念といいますか、これが徐々に高まってきているような状況にもあるのではないかと私は思っております。
 これをひとつ例を言いますと、一ドル約百六十円といたしましてこの状態がことしいっぱい続いたとした場合、物価上昇が本格化していくのではないかというふうなこともありますし、これも民間調査機関ですかの試算も何か出ておるような感じもいたします。それと、ことしの春の賃上げが非常にいい結果に終わった、これも物価上昇の懸念があるのではないかというふうな話も聞いております。
 そこで、ここでお尋ねしたいことは、こういう
状況にあるわけですけれども、長官は所信で、平成二年度の消費者物価を一・六%の上昇にとどめたいというふうにおっしゃっておられましたが、この目標の達成、ぜひともやりたいという決意をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○相沢国務大臣 平成二年度の消費者物価の上昇割合は、確かに今委員御指摘のように一・六%というふうに見込んでおりますが、これは消費税の見直しを本年十月から実施というふうに見込みまして、その見直しによるところの物価への影響、マイナス〇・四%の半年分、つまり〇・二%を差し引いたものが一・六%というふうに見ております。ですから消費税を除外して考えますと、大体一・八%の上昇というふうに見込んでおります。
 それがそのとおりになるのかという御質問でありますけれども、今御指摘のように、春闘によるところの賃上げあるいは円安によるところの影響、その他もろもろの要素が考えられます。円安の影響について申し上げますと、為替レートが一〇%程度安くなりますと、これが年間フルに作用した場合において消費者物価で〇・五%の上昇になる。ただ、これが平成二年度中に行われたということになりますと、年度内の影響としては〇・二%程度というふうに見ております。でありますので、もろもろの要素がありまして、必ずしもすべてが物価上昇につながっていくものではありません。無論、活発な民間設備投資というものが背景になりまして労働生産性が顕著に伸びる、この状態も当然変わっておりませんし、ですから総合的に見ますと、これは今後のことでありますから、私がここで一・六%にするというふうに申し上げるような性格のものではないと思いますが、見通しといたしましてはそう大きな狂いはないのではなかろうか、このように考えております。
○柳田委員 私も経済学者ではないので、エンジニアなので余り詳しくはよくわからないのですが、昨年、卸売物価の方が三・五%で消費者物価の方は二・七%上昇、このうち消費税の影響が両方とも多分一・一%ぐらいあるのではないか。ですから、昨年の状況で消費税の影響分を除きますと、卸売物価の方が二%前半ぐらい、消費者物価の方が一・六%ぐらい、そういう状況で推移したのかなというふうに思うのです。
 こういう状況を踏まえまして、ことしがどうかな。長官もおっしゃいましたように、ことしも景気は去年と引き続き変わらずよいだろう、物価もそれほど上がらないかなという前提のもとですけれども、そういうところで円安、一ドル百六十円、これを通年通した場合に、昨年どおり卸売物価の方が二%上昇で消費者物価が一・六%という実態を踏まえますと、百六十円を考慮するともっと上がるのではないかなというのが私の気持ちなんです。正直言いまして、物価が上がってほしくないので、できるだけ抑えてほしいという気持ちを込めながら、ここで質問させていただきたいと思うのです。よろしくお願いします。
○田中(努)政府委員 先ほど大臣からの御答弁にございましたように、〇・五%というインパクトは円レートが一〇%円安になった場合のトータルのインパクトでございますが、初年度ではこれよりもっと低い影響しか出ないだろう、こういうこともございますし、それから今の御想定にあった百六十円というレートでございますけれども、これが今後一年間続くという場合の仮定計算といたしましては、〇・二%あるいは〇・三%くらいの上乗せ的な影響が出るということは計算上は出てまいるかもしれません。しかし、ただいまの円レートが今後一年間続くというその仮定それ自体がこれから現実の推移の中でどういうふうな動きになっていくかということは、まだ確たる見通しを立てることができない段階でございますので、今後為替レートの動きについて十分注意をしてまいらなければならないというふうに考えます。
○柳田委員 どうもありがとうございました。
 次は、消費税導入後についてお尋ねしたいと思います。
 まず、消費税導入の昨年の四月でしたか、便乗値上げが非常に心配されました。その際に、政府の方は、消費税導入による物価上昇は大したことがないというようにおっしゃられたというふうに思っておるのです。一方、昨年の消費者物価上昇率は、当初見通しで二%、これは消費税による物価の値上がりも含めて二%という見通しを立てておられたのでしょうが、結果的には二・七%になる。経済が一年間安定して進んできたということを考えますと、消費者物価が当初見通しよりも〇・七%上回った。その原因はいろいろあるかと思うのですが、一つには消費税導入による便乗値上げがあったのではないか、そういう気持ちを持っております。
 そこで、お尋ねしたいのですけれども、消費税導入による値上げ、これは正確にといいますか、三%行われたのか、それから物品税廃止等による値下げ、これもきちんとなされたのか、経企庁としてどのような判断をされておるのか、お尋ねしたい。また、実態の調査で何かまとめた報告書がありますれば、後日で結構ですのでお見せいただきたいと思います
○田中(努)政府委員 消費税導入の影響につきましては、三%の転嫁が行われるという前提のもとで一・二%の影響が出るだろうというふうに想定いたしたところでございます。その影響は、昨年の四月に大部分出たというふうに見ておりまして、五月にも多少残った、六月にはほとんどなくなっておるというふうに見ております。消費者物価の実際の動きを見ましても、生鮮食品は除きまして昨年四月の動きを見ますと、これは前月比で一・八%の上昇となったわけでありますけれども、五月には〇・五%、六月には〇・一%というふうに収れんいたしまして、七月、八月には対前月比マイナスとなったというふうな動きが、今申し上げたようなことを裏づけておるというふうに考えております。したがいまして、便乗値上げの動きというのは、全くなかったというわけではございませんけれども、特定業種、その中でも一部の事業者に限定されていたというふうに認識いたしております。
 それから、物品税廃止による税負担の軽減分が適正に価格低下として実現されたかという点でございます。
 これも、物品税の値下げ品目につきまして流通マージンの部分等を勘案いたしまして、物価指数の上でどれだけ税負担の減少が価格の低下となってあらわれるかというふうな仮定計算をいたしまして、これと現実の低下状況とを対比して見ておりますけれども、かなりの品目におきましてほぼ適正な価格の低下が行われた、物によりましては仮定計算の低下率よりも上回る低下が実現されたというふうな状況でございますので、この点も適正な引き下げが行われたというふうに考えております。
○柳田委員 もう時間がなくなりましたので、最後に、私の先輩議員である塚田先生が昨年六月に本委員会で質問したことについてのフォローに質問を移らせていただきたいのです。
 ちょうど導入時期に、やみカルテルといいますか、いろいろな品目についてあったかと思うのですが、今お話があった部分に入るのかと思うのですが、その際に質問をされましたその答えが、警告するというだけでなく、そういう行為もやめさせるように周知徹底するというふうな、非常に力強い答弁をいただいたわけですが、消費税導入時のやみカルテル、豆腐とかあったかと思うのですけれども、六月十五日の委員会の際ですが、それの後どうなったのか、ちっょとお聞かせ願えればというふうに思います。
○柴田(章)政府委員 私ども、昨年の三月中旬以降、便乗カルテルが行われるんではないかということで、カルテル一一〇番を設置いたしまして、消費者等から情報収集に努めてまいりました。これらの情報をもとにいたしまして、消費税の実施前、特に先取りの値上げカルテルがあるのではないかというふうに心配されまして、このときにいろいろな接しました情報をもとにやみカルテルの疑いのある事案六十七件の調査をいたしまして、独占禁止法に違反する疑いが認められた行為につ
いて警告あるいは注意等を行っております。この警告、注意を行うに当たりましては、カルテル等の疑いのある行為を取りやめさせることはもちろんのこと、その旨消費者等への周知徹底、またさらに、その後同様の行為を行わないように万全の措置を求めてきております。
 私どもが承知をしている限りでございますけれども、消費税が実施された昨年四月以降におきましては、便乗値上げのカルテルは顕在化していないのじゃないかというふうに見ております。
○柳田委員 どうもありがとうございました。終わります。
○竹内(猛)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十三分散会