第119回国会 石炭対策特別委員会 第3号
平成二年十一月二十日(火曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 渡辺 省一君
   理事 麻生 太郎君 理事 古賀  誠君
   理事 鳩山由紀夫君 理事 三原 朝彦君
   理事 中沢 健次君 理事 鍛冶  清君
      愛野興一郎君    北村 直人君
      古賀 一成君    古賀 正浩君
      坂井 隆憲君    坂本 剛二君
      渡瀬 憲明君    岩田 順介君
      岡田 利春君    佐々木秀典君
      細谷 治通君    藤原 房雄君
      小沢 和秋君    高木 義明君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  武藤 嘉文君
        労 働 大 臣 塚原 俊平君
 委員外の出席者
        通商産業大臣官
        房参事官    松田 憲和君
        資源エネルギー
        庁長官     緒方謙二郎君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   土居 征夫君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 川田 洋輝君
        労働省職業安定
        局高齢・障害者
        対策部長    征矢 紀臣君
        自治省財政局調
        整室長     香山 充弘君
        参  考  人
        (石炭鉱業審議
        会政策部会長・
        (財)日本エネルギ
        ー経済研究所理
        事長)     生田 豊朗君
        参  考  人
        (日本石炭協会
        会長)     河原崎 篤君
        参  考  人
        (石炭労働組合
        協議会会長)  藤原 福夫君
        参  考  人
        (産炭地域振興
        審議会小委員
        長・日本大学生
        産工学研究所顧
        問)      笹生  仁君
        参  考  人
        (全国鉱業市町
        村連合会会長・
        添田町長)   山本 文男君
        参  考  人
        (全国鉱業市町
        村連合会副会
        長・夕張市長) 中田 鉄治君
        商工委員会調査
        室長      松尾 恒生君
    ─────────────
十一月九日
 一、石炭対策に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 石炭対策に関する件(今後の石炭政策及び産炭地域振興策に関する問題)
     ────◇─────
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 石炭対策に関する件、特に、今後の石炭政策及び産炭地域振興策に関する問題について調査を進めます。
 本日は、参考人として石炭鉱業審議会政策部会長・財団法人日本エネルギー経済研究所理事長生田豊朗君、日本石炭協会会長河原崎篤君、石炭労働組合協議会会長藤原福夫君、産炭地域振興審議会小委員長・日本大学生産工学研究所顧問笹生仁君、全国鉱業市町村連合会会長・添田町長山本文男君及び全国鉱業市町村連合会副会長・夕張市長中田鉄治君の御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。参考人各位におかれましては、本問題につきましてそれぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からそれぞれ十分程度の御意見をお述べいただきました後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきを願います。
 それでは、まず生田参考人にお願いいたします。
○生田参考人 石炭鉱業審議会の政策部会長を務めております生田でございます。
 まず初めに、本日当委員会に出席の機会を与えていただきまして、意見陳述をさせていただきますことを厚く御礼を申し上げます。
 私は、石炭鉱業審議会の政策部会長の仕事をしておりますので、最近の石炭鉱業審議会政策部会におきましての審議の状況並びにそれに関連する問題点について申し上げたいと思います。我が国の石炭鉱業の現状でございますとか、現在進行中のいわゆる八次策の状況でございますとか、それにつきましては先生方十分御承知のことと思いますので、省略をさせていただきたいと思います。
 その八次策でございますが、御案内のように、明年度平成三年度末をもちまして終了することになっておりますので、それから先の石炭鉱業政策をいかにしてつくり上げていくか、どのような方向で進めていったらいいか、そういう点が問題でございます。それに基づきまして、先般通産大臣から石炭鉱業審議会の斉藤会長に対しまして諮問がございました。それを受けまして、九月の二十五日でございますが、石炭鉱業審議会の総会を開きまして、今後の石炭政策についての基本的な考え方につきまして自由な討議を行いました。その場におきまして斉藤会長から、今後の具体的な検討につきましては政策部会において進めてもらいたいというようなお話がございましたので、それを受けまして十月の二日に第一回の政策部会を開催いたしまして、引き続き全般の問題について総括的に論議をいたしました。
 第二回は十月の十八日でございますが、それまでの、それまでと申しますのは主として第一回の政策部会並びに九月二十五日の総会でございますが、それまでの各委員の意見を踏まえまして、特に関係の深い各団体、すなわち電気事業連合会、石炭労働組合協議会、地方自治体としまして北海道、福岡県、さらに関係の業界団体といたしまして、石油連盟並びに日本石炭協会、この各団体から意見陳述をしていただきました。その中で、既にお聞き及びと思いますが、本日も御出席の石炭協会の河原崎会長から、九〇年代を構造調整の最終段階と認識しているということ、そして、適正な生産水準への移行と経営の多角化、新分野の開拓に新たな決意を持って臨むという御意見が表明をされました。これは石炭産業といたしまして新しいお考えだと私は受けとめております。
 以上のような経過でございますが、これまでの部会で出された議論を整理いたしますと幾つかの点に絞られるわけでございます。
 第一はエネルギーの安全保障、いわゆるエネルギーセキュリティーの問題。これに関連して我が国の石炭鉱業をいかに位置づけるかという点が第一点でございます。
 第二点は技術活用の観点。我が国の炭鉱、これはほとんどすべてが坑道掘りでございますが、この点の技術についてすぐれたものがございますので、その技術を今後国際的に広く活用していきたい、そういう点をどう評価するかという点が第二点でございます。
 第三点は産業構造政策上の位置づけ。つまり国内の産業全般の構造ないし動向の中で石炭鉱業をどう位置づけていくかという点が第三点であります。
 第四点は地域経済社会における位置づけをどう考えるか、これが第四点でございますが、このような論点を中心にいたしまして各団体から意見が述べられました。
 それぞれの団体からどういう意見が出されたかということよりも、むしろそれを整理いたしまして幾つかの類型に分けた方がよろしいかと思いますが、まず第一に、エネルギー政策上の位置づけでございますが、エネルギーセキュリティー、安全保障の観点から考えますと、一方におきまして、現在国内炭が我が国の一次エネルギーの総供給に占める比率は一・五%にすぎないわけでありますので、エネルギーセキュリティー上の意味はもう存在しない。したがってエネルギー政策上の国内炭の役割は終了してしまったのであって、最終的には国民経済的な負担はゼロにすべきであるということが一方の意見としてございます。言いかえますと、マーケットメカニズムに対応して進めていくのがベストであるという考え方でございます。
 それに対しまして、国内炭のエネルギーセキュリティー上の位置づけは現在でも依然として変わっていない、石炭の需要量あるいは消費量は今後も全体的にさらに増加するという見通しがありますので、国内炭を一定の供給源として存続していくことはエネルギー政策上不可欠である、こういう御意見が他方存在するわけでございます。
 そして、その中間的なものといたしまして、第八次策が策定された当時に比べまして国内炭のエネルギー政策上の位置づけはさらに変化しているけれども、最近の中東情勢に見られますように世界のエネルギー情勢が大きく流動化しつつあることを考えますと、エネルギーセキュリティーとしての国内炭の役割は、減少はしているけれども全く失われたわけではない、中間的な御意見でございますが、そういう御意見が出されております。
 それから、第二点の技術活用の問題でございますが、同じく両極端それから真ん中の御意見があるわけでございまして、一方の御意見としまして、技術温存のために国内炭の生産を継続していくべきであるという主張はもう本末転倒である、これは国内炭の生産を継続していく論拠とはなりにくいという御意見が一方にございますが、その反面、国内炭の技術温存は極めて重要であって、そのためには国内に炭鉱を存続することが必要だという御意見がございまして、対立をしております。中間的な御意見としまして、石炭の生産関連技術の基盤を国内に維持するということは、海外の技術協力、経済協力を通じて我が国エネルギーの安定供給を促進する一助となると考えられる、海外の石炭開発による石炭供給に情報面あるいは技術面で国際的に貢献し得る基盤は十分にある、こういう中間的な御意見も出されております。
 次に、産業構造政策上の位置づけでございますが、これも同じように二つの相反する御意見と中間の御意見があるわけでございますが、まず一方におきまして、経済原則を無視した現在の国内炭引き取り水準を維持することは今後困難である、構造調整をさらに進めて国内炭は最終的にゼロとすべきであるという御意見、先ほど申しましたようにマーケットメカニズム、国際競争力を中心にして考えていくという御意見でございます。
 他方、現在の炭鉱の生産量は均衡点、バランスのとれたポイント、生産量だと考えられる、八次策で構造調整は終了したので、この均衡点である現在の生産水準を今後とも維持すべきであるという、その反対の御意見がございます。
 そして、中間の御意見といたしまして、石炭鉱業の経営を取り巻く状況などを考えると、九〇年代を構造調整の最終段階として位置づけ、八次策以降においても構造調整の過程を継続し、適正水準までは経営の多角化、転換を図りながら国内炭の生産の段階的縮小を図るべきであるという中間的な御意見がございます。つまり、ゼロにしてしまうということでもないし、現在の生産水準を維持するというものでもなく、さらに段階的に縮小を図っていくというお考えかと私は理解しております。
 最後に地域経済社会との関係でございますけれども、一つの御意見としまして、産炭地域の経済基盤はその大部分を石炭産業とそれに関連する関連企業に依存しているので、炭鉱が崩壊するということはすなわち町の崩壊につながる、したがって、現存の炭鉱地域については、炭鉱の存続を図りながら、石炭の町から石炭もある町へ多角的な地域づくりを目指した諸施策を講じることが必要であるという御意見がございます。
 他方、現存炭鉱が地域の経済社会に重要な役割を果たしていることは十分配慮されなければならない、したがって、産業構造調整に当たっては、地域における雇用の安定、経済の発展、社会の安定等に十分配慮することが不可欠である、かかる観点から、将来の合理化に備えて、あらかじめ石炭企業の経営多角化を通じて地域対策、雇用対策を講じるよう努めるとともに、産炭地域振興対策については八次策影響地域の重点的な支援を図るという御意見があります。
 この問題点につきましては、そのほかの三つの問題点と比べまして、比較的御意見の相違の幅がやや小さいのではないかと考えております。
 以上が政策部会におきましてのただいままでの論議を整理したものでございます。
 次に、今後の検討のスケジュールでございますけれども、先ほど申しましたように、政策部会での二回の論議、その前の総会での論議におきましてほとんどそれぞれの委員のお立場からの御意見は出尽くしてしまったのではないかと考えております。したがいまして、今申し上げましたような論点の整理をベースにいたしまして、実は明日第三回の政策部会を開催する予定でございますが、その第三回におきましてもう一段掘り下げた議論を進めたいと考えておりますが、それには、もう各委員のお立場からの御意見、御主張を伺いましても重複してまいりますし、あるいは堂々めぐりの議論になってしまうかと思いますので、でき得ればもう少し議論を進めるために何らかのたたき台を出しまして、そこでそれに基づいて議論を進めていきたい、そう考えまして、第二回の議事が終了いたしますときに、私から、部会長といたしましてそういう方向に持っていきたいということを発言しております。
 その後の予定でございますが、月一遍くらいのテンポで政策部会を開いてまいりたいと考えておりますが、十二月以降におきましては、合理化対策、産炭地振興対策、離職者対策、鉱害対策、それからさらに石炭対策の財源の問題、そういう具体的な対策のあり方につきまして、いわば各論でございますが、検討を重ねてまいりまして、仕上がりは、これもまあ先のことでわかりませんが、一つの目安といたしまして来年の六月ごろに最終的な結論をまとめて政策部会から総会に報告をし、総会の会長でございます斉藤会長から通産大臣に答申をするというようなスケジュールはいかがかと考えております。これは先ほど申しましたような八次策の状況、つまり平成三年度末で終了をいたしますので、平成四年度以後の石炭政策あるいはそれの裏づけとなる予算措置などを用意いたしますためには、来年の六月ごろまでにまとめないと、政府の中での予算案の作成作業にあるいは間に合わないのではないかということを危惧いたしますので、現在のところそういうことを考えております。
 そういうことでございますが、先ほど御報告申し上げましたように、現実の状況といたしましては、政策部会の中でも大変大きな意見の隔たりがあるわけでございます。これを何とかまとめていかなければいけないということで、正直に申し上げまして大変難しい仕事がこれから残っていると考えておりますが、私といたしましては、できるだけ公平に審議を進めてまいりたい、さらに、通り一遍の論議だけではなくて徹底的に論議をしていただいて、つまりもう論議を尽くしたという形で何とか結論を見出したい、かように考えている次第でございます。
 以上でございます。
○渡辺委員長 ありがとうございました。
 次に、河原崎参考人にお願いいたします。
○河原崎参考人 日本石炭協会会長の河原崎でございます。
 本日は、当委員会におきまして石炭鉱業界の立場から意見を申し述べる機会を与えていただきまして、まことにありがたく厚くお礼を申し上げます。
 先生方には常日ごろ国内炭について深い御理解と御支援を賜り、改めてお礼を申し上げる次第でございます。
 さて、去る九月二十五日開催の石炭鉱業審議会総会において、通商産業大臣から今後の石炭政策のあり方について諮問があり、その後同審議会政策部会において審議が開始されております。その審議の状況につきましては先ほど生田先生の御説明のとおりでありますが、現在のところ、私ども石炭鉱業界を含め、関係各界からエネルギー政策上並びに産業構造政策上等の観点から意見が陳述され、審議はいまだ緒についたばかりでございます。今後具体的な検討がなされるものと存じますが、そのためには基本認識と考え方を確立することが必要であります。以下、私ども石炭鉱業界の考え方とお願いを申し上げ、御理解を賜りたいと存じます。
 顧みますと、戦後四十年間、石炭鉱業は我が国の経済発展とエネルギー政策の激変の中で、戦後の傾斜生産、昭和三十年の石炭鉱業合理化臨時措置法の施行、とりわけ昭和三十八年の第一次から現行の第八次策と、それぞれ節目節目で、必ずしも十分とは申せませんが、全力を傾注して対応してまいりました。
 特に最近の十年間は我が国の国際協調型経済構造への対応に努力し、第八次策においては産業構造調整の一環として明確に位置づけられ、厳しい対応を迫られたわけでございます。この間、大手五炭鉱が閉山し、また、三年連続の三池炭鉱の規模縮小を初めとする各炭鉱の合理化を実施してまいりました。こうした生産体制の集約は労使一体となって努力した結果ではございますが、関係各方面の御理解と御協力があって初めて可能となったものでございます。
 この結果、石炭協会傘下の炭鉱は十一炭鉱から六炭鉱と半減し、生産水準は昭和六十二年度の約一千二百万トンに対しまして平成元年度は九百万トン強に減少いたしました。また、雇用人員は約一万三千四百人から八千五百人と約三分の二に減少いたしております。
 次に、現在の生産の諸条件について申し上げますと、開発深度は平均約六百メートルで中深度でございます。西ドイツと比較いたしますと我が国の方が若干浅うございます。平均運搬距離は約六・九キロメートルでございまして、往復所要時間は一時間三十分ないし二時間でございます。従業員の平均年齢は約四十二歳、生産性は百二十五トン・パー人・パー月でございます。この四十年間で生産性は十倍以上になり、技術の大幅な進歩、改善がございました。さらに、蓄積された採鉱、生産、保安、輸送等の技術とノーハウは集積量が膨大であり、かつ、まだまだ発展する可能性がございます。また、技術者、経営者につきましても相当な人材を確保しております。したがいまして、海外の石炭開発による石炭供給と、情報、技術の面で国際的に貢献し得る基盤があると考えております。
 しかしながら、このたびの構造調整に対する対応に関して二つのひずみと申しましょうか、問題点が生じております。その一つは雇用、産炭地域問題への対応が遅延したことでありまして、現在その対策に苦慮いたしております。その二つは、石炭各企業の経常収支は従来から赤字基調ではございましたが、それが一段と悪化したことでございます。また、特別退職金、地元対策費等、新たな負担のため財政状態が以前に比して予想以上に悪化したことでございます。このため、かつてのように安定・拡大生産を基調とする経営でありましたならば当然負担し得た病院、上下水道等の維持に対する協力が不可能な状況になっております。これらのひずみは企業の多角化により事前に吸収すべきであったとの御批判もございますが、経営多角化におくれをとったことは反省いたしておりますものの、物心両面でその余裕がなかったことも事実でございます。
 以上、経過と現状について申し述べましたが、このような現状を踏まえまして、今後の石炭鉱業のあり方について意見を述べさせていただきます。
 まず、産業構造調整について申し上げますと、国際経済情勢、為替レートの動向等考えあわせますと、第八次政策策定時とその基調には全く変化がなく、九〇年代は構造調整の最終段階になると認識せざるを得ないのでございます。また、先ほど申し上げたとおり、石炭各企業の経営体質は極めて脆弱化しており、政府の御支援とューザーの御協力をいただいても、親会社の支援にも限界があるため、石炭鉱業の経営のみでは経営改善は望むべくもなく、このまま推移するならば崩壊の道をたどると言っても過言ではございません。
 このような認識のもとで、石炭各企業・親会社は今後の構造調整への具体的対応と経営の多角化について検討を続け、業界としてその方向性と基本的な考え方について意見の一致を見るに至りました。その内容について御説明申し上げます。
 第八次策の構造調整の路線に沿って引き続き対応し、適正な生産水準に移行する努力を継続する考えであります。なお、適正水準につきましては、物的エネルギー資源の安定上の観点に加え、技術の蓄積資産の一層の開発と内外の技術者等の教育訓練、さらには国際的産学協同の研究が可能となる程度の規模を考えております。このような形で石炭技術の国際的な交流拠点を維持することは、一次エネルギー供給に占める割合は極めて微々たるものになりましたが、海外協力を通じて我が国エネルギーの安定供給の一助となると考えております。
 次に、経営の多角化でございますが、経営資源を活用し国内外に展開することとしております。国内では山元、その周辺地域において新規事業分野への進出、既存事業の拡大等を図る考えであります。また海外においては、石炭の開発と技術協力を行い、石炭の供給安定に貢献することとしております。これにより、私企業としてその自立、安定を図るとともに、雇用の確保、従業者とその子弟を含みます雇用の確保と地域の活性化に協力していくつもりであります。なお、この目的の一環として、去る十月十六日、主務大臣の許可を受け、財団法人石炭開発技術協力センターを設立いたしました。
 このような目的を追求することにより、関係業界の御負担を順次軽減する努力を傾注する所存でありますが、私どもにとっては大きな変革であり、考慮すべき条件が多々ございます。
 まず、目的達成のためには、各企業でそれぞれ異なりますが猶予期間を必要とします。そのため、各企業の構造調整への対応の決断を業界全体として結集し、具体的には中長期的に実施、実現することを考えております。この場合、構造調整を混乱なく進めるためには、少なくとも各年ごとの需給の安定を図ることが絶対不可欠であります。需要の確保について格段の御配慮をお願いいたします。
 また、目的達成のためには相当の資金を必要といたします。つきましては、石特会計の維持とその財源を確保していただきたくお願い申し上げます。また、これによる助成策につきましてもよろしく御配慮を賜りますよう、あわせてよろしくお願いを申し上げます。
 最後になりますが、産炭地域関連、土地等に対する税制につきましても、資金の効率的運用と産炭地域振興に資するよう減免措置等につき御配慮をお願い申し上げる次第でございます。
 以上、るる申し上げましたが、私ども石炭業界は、自助努力を第一とし、石炭企業とその親会社一体となって努力いたしますので、重ねて御理解と御支援をお願いする次第であります。
 以上をもちまして私の陳述を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○渡辺委員長 ありがとうございました。
 次に、藤原参考人にお願いいたします。
○藤原参考人 石炭労働組合会長の藤原でございます。
 今後の石炭政策のあり方につきまして、労働組合を代表して意見を述べる機会を与えていただきましたことにつきまして、深く感謝を申し上げます。
 私は、まず、第八次石炭政策につきまして若干申し上げたいと思います。
 第八次石炭政策においては五山が閉山し、現存する山も大幅に縮小いたしました。この結果、一万二千七百名が解雇され、いまだに三千百名が未就職のまま残ってございます。また、このほかに求職取り消し者、大半は年金に移行した方が多いのではないかと思いますが、こういった方が二千三百名ほどになっております。
 また、現行の各炭鉱における労働者の賃金、期末手当、退職手当、労働時間などの労働条件は、他産業を大きく下回っております。さらに、全国の生産量は、大手炭鉱で七百九十万トン、中小炭鉱で五十万トン、合わせまして八百四十万トンとなっていることは御高承のとおりでございます。
 すなわち、第八次石炭政策は、生産量において一千万トン程度を大きく割り込み、企業の脆弱化はとどまるところを知らず、離職者対策、産炭地域対策も芳しくないのでございます。第八次政策の最終年度である平成三年度においては、原料炭並びに一般工業用炭の需要がゼロの計画になっているなど問題がありますが、少なくともこれ以上の閉山・縮小等の困難が増幅しないように、第八次政策の仕上がり体制についての具体的な施策をお願い申し上げる次第でございます。
 次に、今後のあり方について申し上げます。
 まず、国内炭の必要性についてでございます。
 御承知のように、我が国の総需要量は一億トンを超え、今後、十年以内には一億四千二百万トンまで増加することが見込まれております。この大部分は輸入によって確保されなければなりませんが、国内炭についても大きく言って次の三点からその必要性が存在すると考えます。
 その第一は、資源の有効活用であります。世界各国から大量の石炭を輸入するに当たっては、まず、自国の資源を最大限に活用することが道理であろうと思います。
 その第二は、技術の温存、開発であります。我が国の石炭技術は世界トップクラスというのが技術識者の一般的な見解であり、たとえ先進諸国に対しても一定の役割を果たすことは可能でありますし、開発途上国に対しては、石炭を探す技術から燃焼する技術まで、多面的な役割が期待されております。
 その第三は、雇用、地域対策であります。炭鉱離職者援護臨時措置法、産炭地域振興臨時措置法などによる援助措置があり、他産業より恵まれているという意見もあります。しかし、炭鉱は大方において辺地であり、企業にも活力がありません。閉山させるよりは残す方がベターであろうというふうに考える次第であります。
 以上の考え方から、国内炭につきましては、今後とも一千万トン程度は確保し、現存するすべての炭鉱の維持、存続を図ることを強く要請する次第であります。
 次に、国内炭存続のための基本的な施策についてであります。
 国内炭存続のためには、需要の確保、生産費を償い得る販売価格の設定、技術を継承し得る若年労働力の確保が何としても必要でございます。
 特に、この中でも販売価格が最も重要でございます。もし輸入炭と同額程度の販売価格ならば、ユーザーが国内炭需要に難色を示すことはないでありましょうし、もし生産費を償う販売価格が保障されるならば、労働時間短縮を含めて若年労働力の確保は可能と判断されるのであります。
 御承知のとおり、我が国の石炭産業は明治維新以来この方、国営による炭鉱の開設、民間払い下げ、販売価格の値上げによる増産体制の確立などを経て、今日では原重油関税による補助とユーザーによる内外炭価格差の補給を受けております。すなわち、逆に言いますと、地下採掘の石炭はいつの時代もコストをカバーできなかったのであります。また、このような構図は、西欧諸国を初め諸外国においても、地下採掘に限って言えば、基本的には同様であろうというふうに考えます。
 したがいまして、今後の施策におきましても、何らかの補助、補給が必要でありますし、私ども労働組合といたしましては、全く別な発想や施策があるのなら別といたしまして、基本的には、現在行われております、原料炭、一般炭を含めた割り当て引き取り制度、基準炭価制度、石特会計制度等々を存置するとともに、石炭関係諸法の改善、存続を要請申し上げる次第でございます。
 何とぞ、石特委員会の各先生におかれましては、私ども労働組合の意見についても十分参考資料とされて御審議いただきますよう心からお願い申し上げる次第であります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 ありがとうございました。
 次に、笹生参考人にお願いいたします。
○笹生参考人 御紹介にあずかりました日本大学の笹生でございます。
 産炭地域振興問題につきましては、これまで専攻しております地域計画論の立場から研究を進めてまいり、また、産炭地域振興審議会に関しましては、前回、十年前の昭和五十六年の産炭地域振興臨時措置法の延長の際に、小委員会の座長として答申を取りまとめました。その産炭地域振興臨時措置法が明平成三年の十一月に期限切れを迎えることから、現在、産炭地域振興審議会におきましては、通商産業大臣の諮問を受け、今後の産炭地域振興対策のあり方について審議を進めているところでございますが、私、同審議会の小委員会の委員長を再び仰せつかり、その中で各委員及び関係者などの意見を十分拝聴いたし、意見の集約に努めているところでございます。
 本日、図らずも本石炭対策特別委員会におきまして参考人として意見を述べることの機会を与えられましたこと、まことに光栄に存ずる次第でございます。
 産炭地域振興審議会小委員長としては、去る十一月の十五日に第十回の小委員会を開催いたしましてそれまでの議論の取りまとめを行っておりますので、ここでは、小委員会の経過状況及びそこでの議論の概要を中心に述べさせていただきます。
 まず、小委員会の審議経過でございますが、小委員会といたしましては、産炭地域の実情と政府の施策の実施状況等につきまして総合的な調査を行いますとともに、これらの調査結果を踏まえて、今後の産炭地域振興対策のあるべき姿を検討してまいりました。
 具体的には、平成二年の五月よりこれまで十回にわたり小委員会を開催いたし、関係道県、関係省庁、関係団体などの意見を拝聴しつつ検討、審議するとともに、北海道、九州の産炭地域において現地視察を行い、地元の実情の調査もあわせ行っております。
 次に、小委員会での議論の概要について述べさせていただきます。
 小委員会での議論の主要な点についてでありますけれども、まず第一に、産炭地域振興対策は今後とも継続することが必要と考えております。産炭地域の状況は、国、関係地方公共団体、地元住民など関係者の御努力によりまして、人口、財政力など全般的には回復基調をたどっておりますものの、全国水準と比較いたしますとなお低い水準に推移しております。特に八次策影響地域におきましては、新たな閉山・合理化の影響を受け、経済的、社会的疲弊が増大しております。このような状況にかんがみ、小委員会としては、今後も産炭地域振興臨時措置法を延長の上、総合的な振興対策を実施していくことが必要と考えたわけであります。また、法延長の期間は、産炭地域の特性や既往の経緯、特に八次策影響地域などの疲弊の深刻さを考慮いたし、十カ年とすることが適当と考えております。
 第二に、小委員会としては、今後の産炭地域振興施策の実施に当たっては幾つかの点に留意しつつ対応することが必要だと考えております。
 その第一点は、八次策影響地域などを中心とした施策の重点的な実施と産炭地域振興対策の対象地域についての見直しの問題であります。
 まず、第八次石炭施策によって深刻な影響を受けております地域及び旧産炭地域のうちで閉山の影響がなお著しく残存し当該地域の発展をなお相当程度阻害していると認められる地域につきましては、重点対象地域として対策の重点的実施を図ることが必要と考えます。
 その一方、旧産炭地域はいずれも炭鉱の閉山から二十年余の長年月を経過しており、その中には財政力、過去の閉山による影響などから判断いたし、閉山による疲弊から回復あるいは影響が著しく希薄化したと認められる地域もございます。こうした地域につきましては、一定の猶予期間を置きつつ産炭地域の指定を見直すことが必要と考えます。特に産炭地域振興対策が総合的な石炭政策の重要な一環として位置づけられることにかんがみますと、石炭鉱業の不況という特殊な要因による影響が著しく希薄化したと認められる地域につきましては産炭地域の指定を外し、他の一般的な地域振興施策にゆだねていくことが妥当と考えるわけであります。
 留意すべき第二の点は、産炭地域振興実施計画の策定方法及び計画の実効性の確保であります。
 産炭法に基づいて策定される産炭地域振興計画には、産炭地域振興の基本的な方向を定めるいわゆる基本計画と、その基本計画で定められた地域ごとに、具体的な当該地域の振興の方向を定める実施計画の二つがございますが、現行法では両方とも通商産業大臣が定めることとなっております。産炭地域の振興のため国が担う役割はもとより重要でございますが、同時に、地域の振興のための地元関係者の主体的な努力と役割が必要不可欠と考えます。こうした考え方に立ち、今回の小委員会の議論では、実施計画について、計画をより地域の実態及びニーズに即したものにすべきとの観点をも踏まえ、その原案は道県知事が関係市町村の意見を聞きつつ作成し、通商産業大臣が当該原案に基づき関係省庁とも協議の上決定することが適当であるとしております。
 また、産炭地域において諸産業の振興を図る上で、道路、工業用地などの基盤整備が極めて重要であります。このため、実施計画の中で道路などのインフラ整備に関する事項につきましてはできる限りこれを明示するとともに、関係省庁間の連絡協調を従来にも増して緊密化することによって、実施計画に盛り込まれた公共事業等の計画的、重点的な実施を図ることが必要と考えます。
 第三の留意点は、国民経済のソフト化、サービス化の対応についてであります。
 近年、国民経済のソフト化、サービス化が進展しつつありますが、産炭地域におきましても例外でなく、流通、情報、リゾート産業などの産業も幅広く取り入れようという動きが活発となりつつあります。これらの中には産炭地域の自然条件その他の条件を巧みに生かした事例も少なくなく、今後の地域活性化に大きな役割を果たすことが期待されております。これまでの産炭地域振興対策におきましてもこのような動きにある程度対応しておりますが、今後はさらに積極的な取り組みが必要と考えております。
 以上、産炭地域振興審議会小委員会における議論の概要を中心に述べさせていただき、私の陳述とさせていただきました。御清聴まことにありがとうございました。
○渡辺委員長 ありがとうございました。
 次に、山本参考人にお願いいたします。
○山本参考人 御指名をいただきました全国鉱業市町村連合会の会長を務めさせていただいております福岡県の添田町長の山本でございます。
 まず最初に、産炭地域の振興など石炭に関係いたしますもろもろの施策につきまして、平素から先生方には格別な御支援とそして御尽力を賜っておりますことに対しまして、心から御礼を申し上げさせていただきます。なお今後とも一層御支援賜りますことをお願い申し上げたいと思います。
 私も、二十年間産炭地域の振興のため、と言ってはちょっと語弊がございますけれども、現場の第一線で活躍をしたと思っておりますが、そういう立場から御意見を申し上げさせていただきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思います。
 まず最初に、これは私ども、直接関係がある市町村と関係のない市町村がございますけれども、第九次石炭政策については、もうぜひともひとつこれはつくってほしい。とにかく石炭政策というのは決めてほしいということを最初にお願いを申し上げたいと思います。具体的な詳しいことにつきましては、政策部会長さんからのお話がございましたので、あるいはまた、それぞれ石炭協会、労働組合の代表の方から御意見もございましたので省略をさせていただきますけれども、とにかく第九次石炭政策は絶対に必要である、こういうことでお願いを申し上げたいと思います。
 さて、次に産炭地域振興のための法律の関係でございますが、今、笹生委員長先生からいろいろと審議の内容、経過等についてお話がございました。それと関連する部分あるいは重複する部分も出てくるかもしれませんけれども、一応現場の人間として意見を申し上げたいと思います。
 まず最初に、この法律はまだまだ必要であるということでございます。したがいまして、最低限十カ年の改善延長をお願い申し上げたい、こう思っているところでございますので、ぜひ御理解をお願い申し上げたいと思います。
 この延長をしてくださいというお願いをする主な理由なんですけれども、先ほども委員長先生からお話があったと思いますが、インフラがまだまだ不足ですから、それを解決しない限り産炭地域の市町村として一般市町村並みに浮揚することは不可能である、こういうことでございます。私は筑豊の出身でございますが、特に筑豊地域には第八次石炭政策の影響市町村と同じように重点地域としてこれからも施策を実施していかなければならないのはなぜかということなんですが、さっき申し上げたように、何といっても基盤整備がおくれているからなんです。もともと産炭法には振興計画あるいは実施計画等をつくって、そして地域の浮揚振興を図っていくということになってはおりますけれども、その計画だけは十分つくってきたと思いますが、その計画が計画で終わってしまったということは否めない事実だと私は思います。したがって、基盤整備ができないために、地域の振興浮揚がそのために障害になって足引っ張りといいますか、そういう格好になって、地域の沈滞感から全然脱却できなかった、こういうことだろうと思いますので、最小限、これから十カ年かけてでも果たして予定しているような、あるいは私どもが思っているような浮揚振興が図れるかどうかについては甚だ危惧するところがございますけれども、しかし、これからの施策の実施の仕方によっては早い時期に振興浮揚が可能になっていくのじゃないだろうか、こういうふうに私は思っているところでございます。したがいまして、法律の延長をぜひともひとつお願いを申し上げたい、こういうことでございます。
 さて、先ほどもお話があったのですけれども、産炭地域の振興施策は三十年間近く続いてまいりました。これも事実でございまして、その結果成果が上がっていると認められるところ、言うならばそういうふうに認定をされる地域もしくは市町村についてはもうこれでいいのではないか、そういう意見が大勢を占めるのはやむを得ないことだと思いますけれども、この指定の解除、見直しを今度行ってはどうかという意見があるのでございますが、先ほど委員長先生からのお話のとおりでございますが、この指定解除をすることには私ども市町村としては原則的に余りと、こういうところでございます。でき得るならば、解除をするあるいは見直しをするならば、解除する、見直しをするだけの支援措置の充実強化を図って解除をしてほしい、こういうふうに思っておるところでございますので、その点十分ひとつ御理解をいただければと思います。
 さて二番目なんですが、何といいましても、地域の浮揚振興を図る事業が進まなければ地域の振興浮揚はできるわけではございません。と同時に、もちろん、その市町村の自助努力が最大限発揮されなければならないことは私どもも十分承知をしておるところでございますが、先ほどもお話がございましたが、振興計画は国かつくって実施計画は道県が市町村の意見を聞きながらつくっていくということでございますが、さて実際に実施をしていく面のところには触れていないのです。ですから、だれが実際に実施していくのかということでございます。これらもひとつ十分御検討いただければと思っておるところでございます。
 もう一つは、基幹的なもの、すなわちインフラ的なものについてはあるいはその地域の市町村ではなくて国、県の実施によるものが多いと私ども思っておりますが、その国、県が実施するものの採択順序を高めていただかないと、国、県の実施といっても現実にはそれが施行されないということも数多く過去には見られましたので、そこらあたりの採択の順序を高めていただくということもお考えいただきたいと思います。
 もう一つは、この基幹的な基盤整備事業ができても、市町村が補完をしなければならない事業も出てくると思います。あるいは基幹的な事業だけでなくて、現在私どもに、次の事業、すなわち教育とか福祉、そういった事業が住民の方から非常に要求をされているのも事実でございます。これらの事業もやらない限り一般市町村並みに浮揚することは難しいのだ、こういうふうに私どもはだんだん考え方が変わってきておるのです。もちろん、それは二次的なものですから、ここで強調すべきものではないかもしれませんけれども。基幹的な事業を国、県がやっていただいた残り、補完をすべきものあるいは市町村独自で地域振興のためにやらなければならない事業があった場合に、やれるだけの財政力があるかということなんです。すなわち、十カ年のこの法律の延長をしてくださいというその背景には、産炭地域の市町村の財政力というのが脆弱である、非常に弱いということでございますから、いかに立派な振興計画、実施計画ができても、一緒に実施をしていくだけの力を産炭地域の重点地域と思われる市町村は持っていない、こういうことがあると思います。
 それで、私はかねがね思っておるのですけれども、今の事業というのは、市町村が実施するもので全額が国、県の負担によって行われるものはほぼありません。したがって、市町村自体の義務負担がございますので、その義務負担に耐え得ない財政力の市町村もあるということを忘れてはならないと思うのです。そういう場合に国もしくは県が市町村の負担すべき義務負担額についてできるならば負担をしていただけるような制度はできないものだろうか。今度の小委員会の中で検討されましたように、自治体の財政力の強化援助ということについては随分と御配慮を皆さん方がしながら議論をされてきたと私は思いますけれども、それだけでは従来のものから際立って市町村の財政力を強化していくという議論にはなっておりません。
 ですから、そういう限られた時間の中で地域が振興していくためにはその市町村に財政力をつけることが必要であると私は思いますので、願わくは産炭債などの新たな措置を設けていただければと思っております。この場合は、産炭債といっても、後で全額をその市町村が返済をするということになりますと、これまた逆に足引っ張りとなってきますので、地方交付税である程度の補てんをしてくださるような産炭債を設けるなどの措置によって市町村の財政力の強化を図るというふうにしていただければ、計画の実施についてもより計画的なものが一〇〇%遂行できるのではないだろうか、こういうふうに思っておりますので、格別な御配慮をいただければと思っておるところでございます。
 次でございますけれども、もう一つは、今は市町村を十九の圏域によって指定をしております。この指定でございますけれども、圏域を指定し、かつその中の市町村をそれぞれの法律の条項に基づいて指定をされておるところでございますが、圏域は大変必要であることは私どもも十分理解をしておりますけれども、この指定が、指定を圏域でしているからその圏域内の経済的な効果が上がってくるというようなことは単純には出てこないのです。そういうふうに考えられますけれども単純には出てこないので、そこらあたりの、圏域の指定をしておるわけですから、市町村の半数以上に何かのインパクトが与えられたときに全圏域に影響が出てくる、すなわち波及効果が上がるような政策が必要である、こういうふうに思いますので、市町村の指定についても十分配慮をする必要があるのではないだろうか、こういうふうに思っておるところでございます。
 次でございますが、来年度の石炭勘定の概算要求につきましては、エネ庁の方で大変な御努力と先生方の御理解で出されておりますけれども、この概算要求が満額確保できますよう、あるいは先生方で御承認をいただきますようお願いを申し上げたいと思います。
 私はいろいろ申し上げたい点もございますけれども、産炭地の振興については今申し上げましたような幾つかの主な点をお願いを申し上げたいと思います。なおまた、予算につきましても格別な御配慮をいただきますことをお願いを申し上げまして私の意見とさせていただきます。ありがとうございました。
○渡辺委員長 ありがとうございました。
 次に、中田参考人にお願いいたします。
○中田参考人 夕張市長でございます。
 夕張市長でございますので、昭和六十四年の北炭真谷地炭鉱、さらにまた今年は、夕張の二十四山の最終の山でありました三菱南大夕張炭鉱が三月二十七日に閉山をいたしました。大変いろんなところから御支援を賜りましたことを、この場をかりまして厚く感謝を申し上げたいと思うわけでございます。
 さらに本日は、この三十年間、閉山に続く閉山、災害、そういった経験をいたしました夕張市長といたしまして、こうした機会に参考人として意見を述べさせていただく機会を得ましたことをまず感謝を申し上げたいと思います。
 今まで参考人の皆さんからお話があったことと重複を避けて、委員長先生からは忌憚のない意見という話もありましたので、若干ぶしつけな意見等も含めて陳述をさせていただきたいと思います。
 まず、第八次石炭政策によりまして、先ほどもありましたが、この四年以内に五山の閉山がありました。特に夕張は、そのうち二山の閉山をしたわけであります。かつて夕張は人口約十二万人、今は、今度の国調で二万人をちょっと上回った程度でありまして、すなわち六分の一の人口になるわけであります。しかもこの三十年間は二十四山の閉山でありますから、まさにことしも閉山、ことしは災害、そしてまた翌年も閉山、産炭地振興対策にいろんな手を打っても、次から次と合理化や閉山によりまして大変な苦惨をなめてきた体験の町であります。したがって、その間大変な失業者続出、生活保護者増大、地域の崩壊、すなわち地域経済に与えた影響ははかり知れないものがあるわけでございます。しかし、何とか他の市町村並みに自治体みずから努力をして立ち直らなければならないということで、一生懸命これまで頑張ってまいりました。しかし、財政力その他から、地域の産業、経済が立ち直ることは非常に限界があるわけでございます。
 そういう意味で努力をしておる経過があるわけでございますが、私はそうした経験を体して、平成四年に期限切れとなる第八次政策の後、第九次政策はぜひ樹立をしていただきたいと思いまするし、特に炭労の委員長が、藤原参考人が出された意見と私同意見を持っておりまするので、ぜひその点をひとつ充実されて第九次政策をつくっていただきたいと思います。
 ただ、私は閉山に次ぐ閉山を体験した立場から、石炭企業に対するいろんな財政援助対策の問題は、第八次政策は需要を前提とする生産計画というふうに変貌した、したがってこれは需要がなければ生産をしてもだめな政策に変わったということは身をもって体験したわけであります。したがって、需要家、いわゆるユーザーが引き取れる援助政策を何とかしていかなければ需要はどんどんどんどん――この八次政策ができた時点でもう需要はゼロと考えておかなければならない、私はそう考えました。それに対抗することをどうしていかなければならないか、これに大変頭を悩ましたところでございます。したがって、今後の石炭政策は石炭特別会計ではなかなか無理な問題があろうかと思いますが、日本のエネルギー確保という関係を考えて、また地域経済を考えて、地域の崩壊を考えて、ユーザーが引き取りやすい援助対策というのをつくっていただかなければならないのではないかという意見を私は持っておるわけでございます。
 次に、産炭地の振興対策でありますが、措置法の延長問題、それらにつきましてはこれまで他の参考人の方から御意見がありましたので、私は顧みて、前回の五十六年、十年延長の際には、産振法はいつまでも時限立法ではないのではないか、さらに十年ということは三十年になる、だからこの際もうやめるべきでないかということ、いろんな意見があったことは諸先生には釈迦に説法でありますがそのとおりであって、最終的に答申案では、この十年で終わりであるというような条件つき的な意見があって延長が決定したということを記憶しているわけであります。しかし、現実の問題としてはこの十年間で、いや三十年間で、二百五の産炭地で卒業できたのは、いわき一地域だけであります。いまだに二百四残っておる。それは、他市町村並みまでいかなくても、他市町村並みに近い地域の振興策を立て得られなかったという現実であると思うのでございます。
 したがって、今後十年間を単純延長では、とてももう十年たってもこれは卒業できる地域がどんどん出てくるということにはならないと思うのでございます。私は産炭地の首長といたしまして、これは何も十年かかる必要はない、五年でもいい三年でもいい、抜本的な援助策をして、五年以内三年以内に立ち直って産振法の援助を受けない自治体になりたいという心情であります。しかし、今の援助方法では、また、みずからの発想や努力では卒業できるものではありません。日本国じゅう景気に沸いている時代に私どもの産炭地だけ、特に八次政策で閉山になっていくであろう影響地域は大変な大不況であります。したがいまして、この点を抜本的な対策をしていただきたいと思うのであります。
 私は、その抜本的対策をしたからといって基本的に立ち直ることができるかといえば、できない地域もある、自治体の努力が不足であれば。しかし、自治体の努力がなくてできないのは、私、自治体の首長でありますが、これは自治体として失格だ、やはり相当の決意を持って回復する努力をしていかなきゃならぬ、そう考えているところでございます。すなわち、それで卒業できない自治体は失格だと思っております。いつまでも甘えは許されないのではないか。ですから、今後十年延長しても、その中で抜本的なことは何か、抜本的援助は何をしてもらえばいいかということだと思うのでございます。
 したがって、産炭地振興とは一体何かということについては、私はまず何といっても地域経済の活性化にある、公共事業に投資して地域の環境整備を行うことである。環境整備を行わなければ企業の立地もあり得ない、誘致もあり得ない。ですから、環境の整備が第一であります。
 第二に、その環境整備をするためには自治体財政の確立、こう私は思うのでございます。ところが、先ほどもありましたが、都市改造のための公共事業を促進する、また今回の、また前回の産振法や石炭政策の中にありましても、国や道、県の公共事業の傾斜配分、重点的に配分してやろうという意見があっても、一部負担金の財源がないためにこれはやらし得ないわけでございます。
 そういうこと等を考えてまいりますと、大変財政問題が重要であります。したがって、閉山後五年間このようなことをしてもらいたいという意見を率直に申し上げたいと思いますが、これは余りにもぶしつけがましいことでありますが、閉山後五年間は、その企業に、石炭企業に補助して援助していた補助金相当額を、その企業があったと見て自治体に交付をして、自治体が新しい町づくりに五年の間に努力をするというような財政援助策、または税収の減となったものに全額補てんするという制度をやっていただけないものでしょうかと思うわけであります。
 それから、私の町でいえば、三十年間かかって六分の一になるまでに公共事業へ投資しなければならなかった起債の残金、起債償還金等を合わせますと、閉山に対応する公共事業に投資した起債の元利償還金が一年間に二十五億であります。そういう財政力ではとても新しい町づくりに公共投資をすることは不可能であります。その元利償還金に相当する、またはその一部を新しい起債を発行して、何とか財源不足とならない、公債費率が高まらない方途をつくってもらいたい、こう思うのであります。先ほど話のありました産炭地振興債というのは、長年お願いを申し上げましたが、新しい制度をつくることは難しいわけでありますが、もしそれが不可能であれば、過疎債の大幅産炭地枠をつくって公共事業をやれるような体制をやっていただければ幸いだと思うのでございます。
 それからもう一つは、地域振興整備公団の事業でありますが、かつていわき地域に対しましてニュータウンの方式をやりました。五百億の投資であります。それが大きく地域活性化に役立ったという実例があります。でありますから卒業ができたと私は思っているわけであります。五百億の投資、どこもここも五百億という必要はないかと思いますが、何とかやはり、元産炭地域振興事業団であったこの地域振興整備公団は、地域振興のための整備を、この産炭地に対して産炭地振興事業として公共事業をやっていただくことができないでしょうか、これをお願いしたいと思うわけであります。
 最後に、先ほどお話のありました実効性ある具体性のある振興計画、実行計画を、実効性のある具体性のある計画を樹立をされる、その中に必ず財政支援策――公共事業をやる計画はいいが、財政支援策がなければそれをなし得ない、どんな計画をつくっても。でありまするから、財政支援策を含めた振興計画、実行計画をつくりたいと思っておりますし、それをお認めいただきたい、こう思っているわけであります。
 最後に、私たちはそういう意味におきまして、自治体みずからいろんな意味での発想をして勇気を持って実行する決意であります。どうかそういう意味で、この産振法の延長、石炭政策、第九次政策の充実を期していただきまして、特段の御援助をいただきますことをお願い申し上げて終わりたいと思います。
○渡辺委員長 ありがとうございました。
    ─────────────
○渡辺委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鳩山由紀夫君。
○鳩山(由)委員 それでは、最初に御質問をさせていただきます。
 参考人の皆様方から貴重な御意見を賜りましてありがとうございます。私は、まず生田参考人に御質問をさせていただきたいと思っております。
 私の立場をまず御説明さしていただきたいと思いますが、御承知のとおり全欧安保が開かれましてアメリカ、ソ連を含む欧州の二十二カ国が今度不戦宣言を結ばれる、大変に世界平和に向けての輝かしいことであることは間違いないと私は信じておりますが、ただこれは、単純にこれによって世界全体の平和が確立されたということを保証するものでは決してありませんし、まして世界全体の経済の安定がこれで確保されるというようなものでもないと言わなければならないと思います。現にごらんのような状況のもとで、まだイラクのクウェート侵攻による中東問題が解決を見ておらない状況でありまして、その中で石油に対して過度に依存をし過ぎている日本のエネルギー政策というものに対して、やはり今、一考を要する時期が来ているのではないか、むしろそう思うわけでございます。
 御承知の、今お話にございましたエネルギーのセキュリティーという問題、私も、エネルギーのセキュリティーに関してはこれからもっと力を入れて私どもが考えていかなければならない議論だと思っておりますが、その中におきまして日本でどのようなエネルギーの安全保障政策をとらしていただくことができるか。例えば、原子力という問題になるとこれからもある程度の伸びは期待できるとは思いますが、自国の中でエネルギーの確保という話になった場合に、これは再処理の施設ができるかできないか、どうもすぐにはまだ政策的に難しい部分も残念ながら存在している中で、原子力が急速に伸びることもまだエネルギーのセキュリティーという部分では難しいのではないか。また自然エネルギー、太陽あるいは地熱発電さらに水力等々といった自然のエネルギーに関しても急速な発展は望めない。そんな中で、やはり国内の石炭というものに関していま一度私どもは光を当てていかなければならないのじゃないか。ただ一・五%であるから、もうこれは一・五はゼロに近いから無視してもいいんだ、マーケットメカニズムを尊重すべきだという議論は余りにもこれは短絡的ではないかと私は感ずる次第でございまして、私どもが例えば食糧安保という問題を米の輸入自由化の局面に立たされておる中で強く主張させていただいておるのも、ある意味で同じ立場からの議論だと私は理解しておる中で、生田参考人にお伺いさせていただきます。
 このマーケットメカニズムというものを超えた発想の中に私どもは政策を見させていただきたいと思います。そこに人間の存在に関する英知があるのだと私は信じておりますが、部会長の立場から参考人の御意見を伺いたいと存じます。
○生田参考人 エネルギーの安全保障、セキュリティーにつきましては、ただいまの鳩山先生のお考えと私も同じような考え方を持っております。
 エネルギー政策は申し上げるまでもなくいろいろの側面がございますが、私は、エネルギー政策につきまして安全保障、言いかえますとセキュリティーでございますが、これは一番大事な柱の一つだと考えております。ただ、いかにしてセキュリティーを確保するかという具体的な方策につきましていろいろの考え方があるわけでありまして、先般、ことしの六月に総合エネルギー調査会から通産大臣に答申をいたしました長期エネルギー需給見通しがございますが、これでも、エネルギーの安全保障を重要な政策の一つとして挙げておりますが、これは必ずしも国内のエネルギー資源の確保でありますとか、あるいはそれの利用の拡大などに絞っているわけではございません。総合的な形でエネルギーの供給の安定化、いわゆる安全保障を確保するということでございます。
 十分御承知のことでございますので余り細かいことは省略させていただきたいと存じますが、例えば経済成長とエネルギー需要の増大との関係をよりエネルギー需要の増大を抑制する方向に持っていく、いわゆる省エネルギーでございますとか、先生からも御指摘の、石油依存度をできるだけ下げる、これは紀元二〇一〇年には四六%まで石油依存度を下げるという目標を掲げておりますし、そのためには石油代替エネルギー、いわゆる新エネルギーはまだ実用化に相当の時間がかかると思いますので、当面石炭、原子力、日本の場合は天然ガスをLNGの形で利用しておりますが、この三つをできるだけ拡大するということでございます。
 その中で国内炭の位置づけをどうするかという点でございまして、これが先ほど御披露いたしましたように政策部会におきましてもいろいろの議論が出ているところでございますが、問題の焦点は、その一・五%という今や極めて低い比率になってしまった国内炭の供給を確保することがエネルギー全体のセキュリティーにとってどれだけの意味を持つかという、この点をもう少し詰めてまいりたいと思いますし、その反面、国内炭と輸入炭との内外価格差が非常に大きいものがございますので、マーケットメカニズムに、例えば現在、今直ちに特別の政策を講ずることをやめまして、全くマーケットメカニズムに一〇〇%依存してしまうというのは、これは仮説でございますが、そういうことをいたしますと、これは国内炭の需要量ほぼとんど即時にゼロになってしまうわけであります。そうではなくて、エネルギーのセキュリティーを考えるためには、先生も御指摘になりましたような、マーケットメカニズム・オンリーではなくて、それを補完し、ある意味では強化していくような形の政策が必要ではないかということでございますが、その政策を進めるに当たりまして予算措置が必要でございます。
 政策部会におきましてもこの点いろいろの御意見がございまして、労働組合の方あるいは石炭産業の代表の方からは、価格差補給金を出すことによって内外価格差を補てんしたらどうか、そうすれば、内外価格差が解消されることによってマーケットメカニズムに依存しても国内炭の需要は確保される、こういう御意見が出されております。これも一つの考え方ではございますが、価格差補給金を出すということはそれなりの財源の確保が必要でございますので、国民全般、納税者の協力を仰がなければその価格差補給金を出すことは不可能であるということであります。一方で、エネルギーの安全保障は全国民的な問題でございますので、その中での国内炭の位置づけを国民全般としてどのように評価してもらえるのか、その評価に基づいてどれだけの国民的な負担に耐えていただけるのか、この辺がこれからの検討、論議の中心ではないかと考えております。
○鳩山(由)委員 ありがとうございました。私もかなりそのように感じております。ただ、一・五%といえども私は無視できる数値では決してないと今でも思っておりますし、また、石炭の輸入国としては最大の国が日本である、その日本が例えば国内で石炭を一切掘らなくなるということになった場合に、国際的な価格がどのように変動していくかということも若干懸念される話でもございますし、その意味でも一・五%に私はぜひこだわりながら石炭政策を大所からまた考えていただきたいと存じます。その一環としての価格差補給金の問題等々熱心にまた御議論賜れば大変にありがたく存じます。
 続いて、河原崎参考人に一つだけ御質問させていただきたいと存じます。
 私は、昨今自民党の中で、また全国民的な議論になっております土地税制の問題を議論させていただいております。参考人のお話の中にも、最後に土地の税制に関する御配慮ということがございました。その中で、御承知のとおり、土地税制というものは地価高騰が起因してごらんのような問題になったわけでございまして、その地価高騰と無縁の石炭鉱業の地域において特にたくさんの土地を持っておられる石炭の企業に対しては、新たな新土地保有税等々が創設されることも大変なダメージを与えてしまう可能性もあるし、むしろそれ以上に、土地の譲渡益課税に対して総合課税方式から今度は分離課税方式に変えてみるのも大きな議論になりつつあるわけでございまして、むしろ石炭鉱業にとりましては、大幅な累積赤字を持っておられる中で経営多角化を大変な御努力をされておられる、そしてそれによって雇用の対策とかあるいは地域振興を図っていかれる御努力をこれからも続けていかれると伺っておりますが、その主たる財源を保有土地の譲渡益というものに依存しておる石炭鉱業といたしまして、譲渡益課税が課税方式が変わるということがどのくらい深刻な問題であるのか、御説明いただければと存じます。
○河原崎参考人 お答え申し上げます。
 御高承のとおり、石炭生産各社は、安価な輸入炭の増加によりまして、政府の各種助成政策にもかかわらず恒常的な赤字経営を続けており、大幅な累積損失を抱えております。石炭生産各社の親会社は、生産子会社の経営維持に懸命の支援を続けておりますが、その主たる方法として、石炭生産子会社の所有する余裕土地を外部へ売却するとか、買い手がございません場合には親会社が当該の土地を買い上げて生産子会社を損益、資金両面で援助している状況でございます。
 しかるに、今回伝えられまする譲渡益の完全分離課税制度では、仮に当該土地の保有期間が十年を超えておりましても、法人税、地方税が分離課税されますために譲渡益の半分以上を税金に充当するということになりまして、支援効果は半減することになってしまいます。従来の税制でございますと、保有期間が五年を超えますと土地の譲渡益につきましては損失との通算が認められておりましたので、実質上の課税は発生いたしておりません。
 しかも、石炭生産各社は、八次政策下に既に五山の閉山を見たごとく、構造調整の一環として残存炭鉱についてもさらに閉山を余儀なくされる懸念も存在するところでございます。石炭企業は炭鉱存続をかけて鋭意努力を重ねておりますが、もし閉山となった場合には、親会社に生産子会社の鉱業用地等を買い上げてもらうことによって得た資金で従業員の退職金を含む巨額の閉山損失を賄う以外に方法がございませんが、土地の譲渡益に分離課税されますと、その分親会社の負担は増大することになります。かてて加えまして、親会社が生産子会社の整理損失を償却いたしますために親会社所有の土地の売却益で賄うケースも多々ございますが、これにも課税問題が発生するわけでございます。これは従業員の再雇用、地元振興に努力すべき親会社の企業体力を弱め、円滑な閉山業務の達成を著しく阻害することになると思っております。
 したがいまして、土地譲渡益に対する完全分離課税制度の導入はぜひとも見合わせていただきたいところでございます。
 次に、特定事業用資産の買いかえの特例制度の廃止に関することでございますが、伝えられるところによりますと、既成市街地等の中から既成市街地等の外への土地の買いかえと長期保有土地から減価償却資産への買いかえ、これはいわゆる圧縮記帳でございますが、例えを申しますと、東京都内の土地を売って地方に土地を求めた場合、あるいは保有期間十年超の土地を売りまして償却資産を買いかえた場合等でございますが、いずれも売却益の八〇%が免税または課税の繰り延べとなっております。これらは、いずれも新規事業を起こす場合極めて有効な方法でございまして、借入金を調達して行った場合に比べてはるかに有利であることは自明でございます。我が石炭業界も、親会社が中心となりまして、経営の多角化、地域活性化、雇用の確保などのためにこの方法を利用して、従来多数の産炭地企業を育成してまいりました。しかし、この制度が廃止になりますと、今後は新規事業の起業化は極めて困難になると言わざるを得ません。したがって、多角化により構造転換を努力中の石炭企業に対しまして、これは親会社、子会社含めましてでございますが、この制度の廃止は極めて大きな足かせとなりますので、上記二項目の圧縮記帳制度はぜひとも存続をお願いいたしたいところでございます。
 三番目に、新保有税の導入でございますが、新保有税は路線価に基づいて一律に課税されると伝えられております。石炭各社は、事業所用地としてはもちろんのこと、そのほかにも広大な閉山炭鉱跡地を数多く抱えており、しかもそれらのほとんどはいずれも過疎地でございまして、早期に売却または有効活用いたしたくともできない状況でございます。したがいまして、やむなく保有しているのが実情でございます。こうした土地にも一律に保有税が課せられるということは、石炭各社の経営内容を一層悪化させることにほかなりません。したがいまして、一律課税についてはぜひとも再検討をお願いいたしたいところでございます。
 以上でございます。どうもありがとうございました。
○鳩山(由)委員 持ち時間が終了いたしましたのでこれで終わりますが、私も九次策の重心はこれから産炭地域の振興にむしろシフトしていくものだと存じておりますので、その意味で、本来ならば山本参考人そして中田参考人に御質問させていただこうと思っておりましたが、時間が終了いたしました。どうぞ両参考人の御意見を十分傾聴させていただきながら審議を進めていただくことを強く期待いたして終了いたします。ありがとうございました。
○渡辺委員長 古賀一成君。
○古賀(一)委員 私は、福岡県の実は大牟田地区を抱えます福岡三区からことし選出をいただいた者でございます。そういう面で、まさに産炭地を横に置きまして育ったわけでございまして、そういう意味から、私は、地元の一人だということで御質問させていただきたいと思います。
 その前に、産炭地をめぐる現状というものに対して基本的な認識をまず御披露申し上げたいと思うのです。
 ことしですか、出ました産業構造審議会の九〇年代の通産政策というのがあるわけでございますが、そこに「豊かさのパラドックス」という一つのフレーズがございまして、いわゆる日本経済がここまで来た、しかしながら国民生活、あるいは地方は豊かさというものを享受し得ずに、パラドックス、矛盾があるということがるる指摘されておるわけでございます。そうしたときに、日本経済について実はそういう問題があるわけでございますが、とりわけ産炭地域あるいは旧産炭地域というものは、日本の繁栄の結果、日本が繁栄をしたために、日本が豊かになったために逆に経済的な疲弊を強いられたという一つの重大なパラドックスを持っておるのではないか、私はこう思うわけでございます。
 私のところには、大牟田が隣でございまして、いわゆる八次策影響地域というものが有明地域そして筑豊地域と二つあるわけでございます。そういう中で、今申し上げましたような、何とかこれまで日本経済を支えたこの地域が高度化によって逆に疲弊をしておる。これはやはり今後の日本の政治のあり方あるいは経済の発展のあり方といいますか、そういう面で原点に戻って、もう一回この矛盾というものを問い詰めてみるに値する問題ではないだろうか、かように思っておる次第でございます。
 ところが、先ほど来参考人の諸先生方のお話でよくわかりました。いわゆる石炭をめぐる状況というものは、需要側、労働者側あるいは生産者側、地域側それぞれ利害が絡んでおりまして、先行きがなかなかこれは一本でまとまるという策が見出しがたい状況にあるように思ったわけでございますが、その中で私特にここで強調したいところがございます。これを御質問申し上げたいわけでございますが、主に笹生参考人にお願いしたいと思うのです。
 先ほど来、石炭産業の問題とあわせまして、いわゆる地域の問題、とりわけインフラの問題というものが強調をされておったように思います。添田町長さん、夕張市長さんからもるるお話があったわけでございます。今後の九次策というものを策定していくに当たってやはり、石炭はもちろんでございますが、それとあわせまして、あるいはそれより重要かもしれないことだと思うのですが、いわゆる地域の強化といいますか、石炭プラスインフラを中心といたしました地域振興施策というものにもっと戦略的な、もっと具体的なそういう仕掛けというものを打っていかないと、産炭地域、石炭をめぐる状況は非常に厳しいわけでございまして、産炭地域あるいは旧産炭地域、二十一世紀に入ったときにやはり今度のようにあと十年、こういう話になるんじゃないかと私は思うわけでございます。
 そこで御質問でございますが、まず、今度の産炭地振興の実施計画を地域主導といいますか県知事主導でやる、これはこれで結構だと私は思うのですが、今までの流れを見ておりますと、インフラ整備につきまして、いわゆる地域側と各省庁といいますか、通産省及びプラスアルファの幾つかの省庁があるわけでございます。ここでの連携というものは私は弱かったのではないか、かように思うわけでございますが、まずはこの点につきまして、審議会の方でどういう御議論があったかちょっとわからないのですが、笹生参考人の現状認識といいますか、まず御質問を申し上げたいと思うのです。
○笹生参考人 お答えを申し上げます。
 先ほど来古賀先生から、石炭政策の中で地域政策が極めて重要であり、とりわけ今後の産炭地域問題につきましてはその点が大変不可欠な問題であるという御認識につきましては、私も全く同感であります。
 今回の小委員会での議論の中で、産炭地域の現状についてさまざま我々なりの検討を進めてまいりましたけれども、過去、とりわけこの十数年の間に産炭地域の中で大変地域間の差というのが出てきたということをしみじみ実感をしております。私自身は、基本的には産炭地域という地域の素質というものでは大変ポテンシャルの高い地域が多くあるというふうに思っておりますので、施策のよろしさを得れば十分一般の他の地域並み以上な活性化が期待できるというふうに考えておりましたが、この十数年の間にいささか地域の持っている素質、いわば産炭地域になる前の状況というものが、戦後の日本経済の産業化の過程の中で一層差というものがあらわになってきたというふうに考えておりまして、それのやはり一番典型的な例というのが、今回の八次策影響地域並びに回復が著しくまだ残っておる地域にそれがあらわれておるというふうに考えています。
 特に旧産炭地の中で回復がおくれている地域というのにつきましてはこれまでかなりな公共投資が行われたことは、これまたそれなりに御認識いただけることではないかと思いますけれども、振り返ってみますと、それらの投資というのは今の産炭地域の施策の建前としますと市町村単位でそれが行われるということから、結果としては市町村相互間におけるインフラの効果を上げるような点についていささか不十分であるという点が幾つか出てまいりました。この点は、地域活性化において交通、通信条件が最も鋭敏に関係をするということから考えますと、大変重要な課題であるというふうに考えております。そういったことの認識につきましては五十六年の、さきの法延長の際も、特に広域的な観点から条件整備を図る必要が不可欠だ、そのために生活圏という概念を新しく持ち込んだ形で図ろうというふうに進めてまいったところでありますけれども、期間が十年というのが、インフラ整備を行うという観点からするとまだ必ずしも十分でなかったというところが、とりわけ先生の周辺の産炭地域において端的にあらわれているというふうに考えております。
 そういった認識は、先ほど御説明を申し上げましたようにこれからの実施計画の中には、とりわけインフラ整備を中心とする公共事業等の事業計画、それから実施ということについては格段の努力をするということが不可欠だ、今回の小委員会の考え方の新しい施策展開というものの最も大きなものの一つとしてそれを挙げております。
 これにつきまして小委員会の中で、しかしそれを具体的に進めていく手がかりは一体どこであろうかという議論がいろいろ出ました。それで、私は産炭地域の各省庁間との関係につきましては、他の地域政策にも関係省庁間との連絡協議会というのがございますが、これらと比較いたしますと、産炭地域の場合はやはりこれまで格段の努力を行政面ではなしているというふうに認識しておりますが、先ほどの、旧産炭地の地域経済を浮揚させるに足るだけのインフラ整備を行うというためには、やはり格段の強化というものが恐らく必要であろう。ただ、今回の議論では、ではそれはどういう組織でどれほどの機能をどうすべきであるかということについては議論をまだ詰めておりません。やはりこれから検討すべき課題だというふうに考えておりますが、私自身は、これは組織の変更をするということよりは、むしろ内容の面で考えていくということの方がより重要だ、その意味では実施計画の中にインフラ整備についての事業それから遂行を明記するというにとどまらないで、もっと国なり地元なりの行動計画をあわせて盛り込むというあり方というのが重要であろうというふうに考えております。
 以上でございます。
○古賀(一)委員 ただいま小委員長の方からお答えがございました。私も、これからの振興政策、振興策というものはやはり具体的な、そういうより広域的でより多様な、各省庁、そういうものをいかに組織化と言ったら変でございますが、論議する、実行していく、行動を起こしていく場を設定するというのがこれからの重要な課題と思います。ぜひそういう面で、小委員長としてのお立場でまた今後ともその推進に御尽力を賜りたいと思います。
 あと二、三点と思っておりましたけれども、時間でございますか。――あと、地域公団の話がたくさん出ておりました。きょう添田の町長さんもお見えでございますが、筑豊地域もたくさん工業団地ができておったわけでございまして、それが今度宮田を機にまたそのこれまでの努力というものが実らんとしておるわけでございますが、実は旧産炭地域のみならず産炭地域につきましてもそういうニーズは極めて高いと思いますし、現に通産省の方でも新規五カ所の要求をされておるように聞いております。これはもうお答えをいただく時間がございませんけれども、いわゆる地域公団の工業団地造成の戦略的な意味というものもこの際しっかりと認識をしてその政策を推進すべきじゃないかというのが私、産炭地域及び県内を回っての最近の強い印象でございます。
 これはまた後ほどどなたかおっしゃるかもしれませんが、もう答えをいただく時間ございませんので、これで私の方からの質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○渡辺委員長 参考人各位に申し上げたいと思いますが、答弁は明瞭に簡潔にということで、ちょっと時間が、聞いているとないような感じになっておりますので、よろしくお願いします。
 中沢健次君。
○中沢委員 私の持ち時間は岡田委員を含めて二十六分でございますので、全員の参考人の皆さんに質問ができないと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 私は北海道の四区が選挙区でございまして、八次政策以降四山が閉山になった文字どおり現場で政治活動をやっておりましたから、いかに八次政策の中で石炭産業や産炭地が大変な被害を受けてきたか、参考人の皆さんもそうだと思いますけれども、特に私はそういう地域でいろいろやってきた経験からいいまして、直接体験をした、そういう人間でございます。そこで、三人に予定としてはお尋ねをしたいと思いますが、まず一番最初に河原崎参考人にお尋ねをしたいと思います。
 十月十八日の政策部会で、石炭協会の会長として部会で発言をされました。その後の記者の取材に応じまして、いろいろお話をされた内容も含めて、北海道新聞、地元の新聞でありますから私はよく見ますけれども、大変ショッキングな見出しで報道がされておりました。石炭協会としては九次政策に対する基本的な考え方は、事実上の縮小もやむを得ない、閉山も避けて通れない、こういう報道であったわけでございます。協会長の真意が正確に伝わっていたかどうかは私はちょっと疑問でありますけれども、通産の方から十八日の発言内容の全文についても資料としていただきました。そして、きょう改めてまた会長から具体的な意見陳述がございました。
 確かに石炭をめぐる客観的な状況、非常に厳しい、私もそのことは承知をしているつもりであります。しかし、厳しいだけに、今の国内炭を大事にしようということを前提にして、生産の責任を持つ石炭協会として、なぜ一千万トン程度の国内の生産体制を維持をしよう、そのことに全力を挙げないのか、ややそこのところが私にとっては不満であり、そして疑問点でございます。
 一千万トンの生産体制を維持するには、今の八次政策も含めて不十分である、私はそう思うのですね。そうすると、九次政策を見通した場合に、例えばやはり一千万トン体制が必要だ、石炭協会としてそのことを基本にした場合に、不十分な政策をどう補完をしてもらうか、国に対してあるいはユーザー側に対して、そういう積極的な国内炭を守るという観点での意見陳述、今までもそうだし、これからもそうだと思いますが、私はやはりそういう立場での意見を申し上げていくべきではないかと思うのです。とにかく先月の十八日のあの記事というのは、北海道的に言うと大変な波紋を呼んでおりまして、産炭地全体には大変な危機感が広がっている、危機感以上に恐怖感が広がっていると言っても決して過言でないくらいであります。
 したがって、せっかくの機会でありますから、改めて協会長として、私の今申し上げたような観点で、一体どういうことを基本的にこれから九次政策の政策展開の中で意見を申し上げていかれるのか。私としては、国内炭の一千万トンという具体的なことを一つだけ申し上げましたけれども、それをしっかり守るためには、政府に対してもユーザー側に対しても、こういう積極的な政策展開を希望する、こういう立場での発言をぜひ期待したいのでありますけれども、いかがでしょうか。
○河原崎参考人 お答えを申し上げます。
 ただいま一千万トン体制の維持ということでお話がございましたが、国内炭を取り巻く諸情勢は第八次政策策定時とその基調が全く変化しておりませんで、むしろ悪化している状況でございます。加えて各企業の経常収支は、従来からの赤字基調が一段と悪化しております。こういう状況でございますので、第八次策の構造調整の路線に沿って引き続き対応するとともに、経営の自立、安定を図るため経営の多角化を強力に推進して、あわせて産炭地域の活性化と雇用の確保を図るほかに方法はないと考えております。別な言い方をいたしますれば、現在国からも大変な御援助をいただいており、またユーザーさんからも大変な御支援をいただいておるわけでございますが、現行の助成は継続いたしましても現体制を維持することは不可能でございます。すなわち、国内炭のみでは赤字が累増して経営の破綻を来すという状態になることは必至だと思っております。したがいまして、私どもといたしましては構造調整に対応しながら多角化を進めていくということに将来を求めていく以外にない、こういうふうに思っておる次第でございます。
○中沢委員 改めてお答えはいただかなくて結構だと思いますが、いずれにしても石炭協会側としては、政府の支援だとかユーザーの協力、それがあっても現状においては自立はもう不可能である、そういう現実的な判断はされたと思うのです。私は、そういう現実的な判断の是非もいろいろありますけれども、やはりもう少し新しい政策の充実、かさ上げ、ユーザー側に対してももっと具体的な協力の要請、こういう余地があるのではないか、そのためにこういう委員会を開いたり、あるいは審議会をやっている最中だと思うのです。ですから、言葉としては非常に乱暴かもしれませんが、後ろ向きな姿勢じゃなくて、前向きの積極的な姿勢を特に石炭協会の会長としてお願いを申し上げておきたいと思います。
 時間がありませんので、次に石炭労協の藤原参考人にお尋ねをしたいと思いますが、政策部会でも終始一貫国内炭を守れ、そしてきょうは三つほど具体的な根拠につきましても御披露がございました。私自身も全く同感でございます。したがって、これ以降政策部会が一月に一回ぐらい通例的に開催をされるようでありますが、ぜひそういう立場を終始堅持をしていただいて頑張っていただきたいと思います。特に今石炭協会長の方から話があったことに関連をして、やはり今の政策では企業としてはなかなか成り立たないんだ、こういう現実について、しからばどういう政策を九次政策に補完をして新たな政策として充実をさせたらいいか、具体的な考え方があれば一つ、二つお聞かせをいただきたいと思います。
○藤原参考人 お答えいたします。
 私どもも、今の石炭企業が国内炭を生産しているだけでは企業としては存立しないという認識は持ってございます。したがいまして、今度の審議に当たりましては、一つは、石炭企業自身がもっと国内炭以外に何らかのいわゆる黒字になるといいますか、石炭の赤字を補てんできるといいますか、そういう事業をやるべきである、あるいはやらしてもらうべきであるという認識に立って、海外炭と国内炭とを一緒に扱うという考え方、これはもちろん海外炭から一定の利益が得られる、こういう構図を考えての上でございますが、もちろんこれは現在輸入しているユーザーの皆さんなりあるいは消費者の皆さんなりございますし、また石炭の親会社が輸入しているという問題もございます。あるいはまた、先ほど言いましたように約三千万ほど今後十年間に輸入がふえるわけでございまして、このふえる枠から石炭企業にそういう外炭枠を与えてもらいたいというようなことを含めて、基本的には外炭を扱わしてもらって、それで国内炭の赤字を幾らかでもとにかく埋めていくということで、やはり補助だけでは問題があろうというふうに考えております。
 ただ、そう言いましても、現在の内外炭価格差約二倍とか二倍半とか言われますけれども、その大部分は為替レートに関係した問題でございます。かつてドル換算で三百六十円とか二百四十円とかいう時代にはこんな格差はございませんでした。今百三十円、百二十円という時代になりましてこれが大幅に拡大したということですから、やはり石炭企業が幾らいろいろなことをやったとしても全額穴埋めをするということはできないでしょうから、そういった意味では、先ほどお願いしたとおり今までの基準炭価制度、ユーザー負担あるいは石特会計制度等々についてやはり基本的には存続をせざるを得ない、こういう考え方でございます。
○中沢委員 ありがとうございます。
 さて、最後に中田参考人にお尋ねをしたいと思いますが、私も夕張の人間でありますので市長の意見陳述についてはもう全面的に全くそのとおりだ、こういうことをまず申し上げたいと思いますが、特に具体的にお尋ねをしたいことが一つ、二つございます。
 産炭地振興について言えば基盤整備がまず第一、何といっても必要不可欠である、私ももっともだと思いますが、問題は、基盤整備というのは、通産行政サイドは一つの分野は責任を持ちますけれども、例えば公共事業だとか、自治体財政で言えば各省庁に大きく依拠しなければいけない、こういう実態だと思います、釈迦に説法だと思いますが。そこで、閉山地区の場合は石炭部が事務局になりまして各省庁連絡会議、これを持っていろいろな対策をやってまいりました。私はその都度指摘をしておりますが、決して不十分だとばかり言いませんが、まだまだ努力の余地はあるのではないか。
 ですから、各省庁の連絡会議の機能の充実という点でもっと具体的に言えば、今のところは各省庁は大体担当の課長クラスしか出てまいりません。ですから、場合によっては次官だとか局長だとかそういうレベルも含めて、今度の産炭法の議論の具体的な中身、あるいはそれが各省庁にどういう協力を必要とするか、非常に密接不可分な問題があると思いますので、例えばそういう方法論について中田参考人としてはどういう御意見をお持ちなのか、これが一つ。
 もう一つは、せめて五年間ぐらいは企業に出した補助金を今度は自治体に特別措置をしてもらいたい、こういう新しい提言が先ほどあったわけでありますけれども、これについての全国的な鉱業市町村会あるいは全国的な産炭地自治体としての意見がどういうふうに煮詰まっているといいましょうか、意見がどういうことでまとまっているのか、この二つ、お聞かせをいただきたいと思います。
○中田参考人 まず各省庁の連絡会議に望むことでありますが、各省庁連絡会議では、建設省、厚生省ともに自治体が要望することは一〇〇%ぜひやってやりたい、こういう意向で取り組んでいただいておることに感謝したいと思うのです。
 問題は、先ほど申し上げましたように、各省庁の連絡会議が、自治省も入っておりますし、公共事業はやってやるにしてもその自治体が財政の一部負担金を出せるかどうか。だから、そういうことは現実にはなるほど必要性は認めるが、これは財政的に無理ではないだろうか、もっともっと先へ延ばして、こういうことになるわけであります。もちろん大蔵省の強い意見もあり、いわゆる財政力がない。ですから、制度上、根本的に産炭地の活性化のためには特別の援助措置を、制度の積み重ねはやっていただいておるわけでありますが、特別の援助措置をやっていただくという対策がなければ政策的に各省庁もやりづらい、やれない、こういう部面があるわけであります。ほかの自治体から見ると随分いろいろ御配慮はいただいておりますが、現実の問題としてやれない。ですから、その方途について政策を立てていただきたいと思うのでございます。
 それから、五年間くらいの問題については各自治体と話し合いはしておりません。しておりませんが、この提言に対しては、それは現実は無理だろうという印象を皆さんお持ちで、私は必ずしも企業にやった補助金ということではなくて、そのくらいの金を自治体でなくて企業に出していたのだから、そのくらいの資金があれば五年間で立ち直れる。例を挙げますと、真谷地と南大夕張でしたら最高のときは五十億でした。これを五年間では二百五十億、そんなことは無理だと思いますが、何にしましても税の減収になった分くらいの財源を全額補てんをしていただく道を開いていただければ幸いだ、こういうふうに思います。
○中沢委員 ありがとうございました。
○渡辺委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 私は生田参考人にお伺いいたしたいと思います。
 私は、国内石炭産業の政策は、エネルギーに対する思想と意識と構造に関する問題ではないか、こんな感じがするわけです、言うなれば自国の唯一の国内エネルギーに一体どう対処するか。この国内炭鉱をつぶして、いや原発だ、あるいはまた別な電力会社に送る電源をほかの地域で開発をする、こういうことではならないと思うのですね。今我が国の長期エネルギー見通しの中でも若干ニュアンスはありますが、国民の、あるいはまた供給地や消費者のエネルギーに関する意識をどう変革するか、これが九〇年代の最大の課題ではないでしょうか。そういう立場でこれからの第九次政策を考えるべきではないかな、こう私は思っておるわけです。
 そういう意味で、先ほどまずスケジュールが発表になりましたけれども、議論がどうも上の段階だけの議論が多いのではないかなと思います。北海道の場合は、今度石炭鉱業の安定策についてようやく中間案をまとめ、大体素案がまとまって近く提出されるわけですね。そういう議論の積み重ねがなくて余りにもスケジュールが早過ぎる、こういう点はいかがなものだろうか、悔いを残すのではないか、私はこんな感じがするのですが、こぅいう北海道なんかの専門会議をつくってやっている意見というものはどういうぐあいに吸い上げていくのか、この点もお聞かせ願いたいと思います。
 第二は、我が国のエネルギー政策は、私も第一次政策以来この政策に携わってまいりましたが、単に我が国の立場だけではなくして、国際的な関係というものが常に作用いたしておるわけです。今回ガットの場合もレッドになるかイエローになるか、あるいはまたグリーンか、ついにグリーンになったわけですね。そこにやはりそれぞれのエネルギーの問題というものに対する国際的な認識もかいま見るような感じを私はするのであります。
 そういたしますと、政策は西ドイツの政策を学び、我が国の政策が西ドイツに影響したこともあります。西ドイツの電力会社は確かに今コールペニヒ制度をやっていますけれども、当然なんですね、三百数十社もあるわけですから。日本はテリトリーになっているわけですから、結局今やっていることは西ドイツと同じようなコールペニヒ方式なんですよ。電力は原価主義で国が認可するわけですから。そういう建前になっているわけですね。
 あるいはまた、フランスの炭鉱を見ますと、日本とフランスの産炭構造は歴史的に同じなんですよ。むしろ戦後はフランスの方が六千五百万トンも出していた。六〇年代になって、大体五千五百万トンの五千三百万トン、そして昨年フランスは千百四十万トンまでになりました。日本は九百四十万トンになっておるわけです。フランスの石炭公社のベルナール・バッシュ総裁は、フランスの炭鉱はもう競争力がない、オーストリアに比べて生産性は実に七分の一です。また価格についてもこれは二分の一以下ですね。あんまりフランが上がっていないのにこういう状況で、フランスの炭鉱は日本と同じように歴史的産炭構造にされているわけです。こういう視点というものを忘れて国内だけで議論をして結論を出すことはいかがなものか。先ほど言ったように、エネルギーに対する思想と意識の変革を求めていく重要な段階でありますから、このことも注意されるべきではないかな、私はこのように考えるわけであります。
 そういう意味でエネルギーは、確かに一%とかなんとかという議論もありますし、また、石炭に関しては一〇%だ、現状は電力用炭に対しては四〇%、四割のシェアを持っておるのであります。しかし新エネルギーは一・五%であります。十年たって一・五%にウエートがなるわけです。だから私は、エネルギーに対するそういう意識変革を求められておる段階においては、特に国内炭について留意を払わなければならない、言うなれば我が国の石炭産業の使命を間違いなく全うさせるというきちっとしたものがないと、これは政策立案がなかなか難しいのではないか、こう思うのであります。
 参考人はエネルギーの専門家でありますし、私のそういう意見について御感想をお聞かせ願えれば幸いだと思います。
○生田参考人 まずエネルギー政策あるいはエネルギー問題についての基本的な物の見方、それから現在の国民の受けとめ方でございますが、その点につきましては私は先生と全く同感でございまして、特に最近のように中東情勢が大変緊迫化しておりまして、石油の価格も高騰している、将来の供給も不安だというような情勢に対して、エネルギーの供給の安定化についての国民の認識が著しく立ちおくれているという点につきまして、私も深い憂慮を感じております。全く同感でございます。
 それから第二点でございますが、そういうことを前提にいたしまして、国内炭の出炭量をどの程度確保するのがエネルギーの供給の安定化、安全保障に対して意味があるのか、意味があるとすれば、それを確保するのにどのような方策を講ずれば確保できるのかという具体論の段階でございまして、この点は政策部会におきましても、先ほども御報告申し上げましたようにただいままで主として総論の段階でございますので、各論に移りましてもう少し詳しく詰めてみたいと思います。
 特に先ほど来出炭量のお話がいろいろございましたけれども、これは需要がなければ出炭が確保できないわけでございますので、需要を確保するのにどうしたらいいのか、ただいま諸外国の例の御披露もございましたが、私も同じようなことを考えておりますけれども、果たして我が国におきましてヨーロッパと同じような対策をこれからとり得るのかどうか。これは国民全般の判断でございますし、電力用炭につきましても、電力は申し上げるまでもなく認可料金制でございます。コストにプラス適正利潤で料金が決まるわけでございますが、割高な国内炭を利用するということはひいては電気料金の引き上げをいたしませんと電力会社の経理、採算が成立しないわけでございます。日本のように一〇〇%電化が実現しております国では電気料金の引き上げというのは税金と同じような国民の負担になるわけでございますので、エネルギー全般の重要性、特にその安全保障の意味と国民全般にわたっての税金あるいは電気料金という形での負担の増大、これを国民がいかに判断されるかということが一番基本だと思いますので、その点もう少し詰めてまいりたいと考えております。
 最後に審議の日程でございますが、先ほども申し上げましたようにそれほど急いでいることはございません。私としましては、大事な問題でございますので十分論議を尽くしたいということを基本にして進めたいと思っておりますが、平成四年度の予算編成などを考えますと、ある程度デッドラインと申しましょうか最終的な仕上がりの時期を頭に置いていかなければいけないのではないか、かように考えております。
○岡田(利)委員 二分以上ありませんからもう答弁をいただく時間がないのですが、大変どうもありがとうございました。
 そういう意味で国民に対して了解を求めなければならないわけです。国内炭を維持するということになると、競争力がないのですから、国民にやはりその合意を求めなければなりません。求められる限界も当然あるでしょう。ただその場合に、もう既に原料炭と一般産業向けは本年で終わるわけですね。そうすると来年の八次施策の最終年次の五年目は発射台になるわけです。国内炭は坑内掘りと露頭炭と並べて今年度は八百四十万トンですから、来年一年経通しますと減ってもふえないのですから、来年は八百五十万トンという電力の需要があるのですけれども、生産規模はもうそれを下回るわけなんです。これが再来年の九次政策の発射台になるわけなんです。そういう意味で、数字が小そうございますから慎重に扱わないと問題を残す、また、答申の内容いかんによっては前倒れで閉山が起きる。八次政策がそうでしょう。そのことも特に従来の政策以上に留意をしなければならない問題点ではないかな、こう思います。
 私がフランスの例を挙げましたのは、フランスはGNPで我が国の四割ですね。エネルギーの消費では五三%ぐらいなんです。一人当たりではフランスが多いんですね、エネルギー消費は。そして、フランスの国内エネルギーと我が国の国内エネルギーは非常に似ているのですよ。あそこも水力が大分ありますから。そういう意味で、フランスの場合には公社運営ですが、それでも構造調整をやっているわけです。ですから構造調整は全くいかぬという機械論は言いません。だがしかし、そういう注意深い方向というものがエネルギーに対する国民の理解、あるいはまた協力とか説得力を持つんだという意味で、大変御苦労なことでございますけれども、今後の御検討を賜りたいということを希望申し上げまして終わります。以上です。
○渡辺委員長 細谷治通君。
○細谷委員 細谷でございます。
 まず私の基本的な立場といたしましては、エネルギーセキュリティーの立場からも、それから地域経済をしっかり守っていくという立場からも、そして雇用も守っていく、こういう立場から考えますと、もう既に一千万トンを切る生産体制になっているわけでありますけれども、一千万トン体制を軸とした第九次石炭政策、そして産炭法の延長というものは両者不可分の関係でありますし、また不可避の施策である、政治の重要な課題としてこの問題としっかり取り組んでいかなければいかぬという基本的な立場を持っておるわけでございます。そういう観点から、時間もございませんので、石炭協会の会長さん、それから石炭労協の委員長にお尋ねを申し上げたいというふうに思います。
 まず、先般の十月十八日に行われました政策部会での石炭協会長としての御発言、じっくり読ませていただきました。本日の御発言も伺ったわけであります。その中で、特に協会長という立場でユーザーなり、それから財政当局なり、政府なり、いろいろの気配り、御配慮もあろうかと思いますけれども、私は非常に残念に思いました。やはり石炭企業の代表者としてもっとしっかりとした、もっと石炭を守っていくという、そしてそのための問題点というのは何なんだということを積極的に提示していただく、そういう発言であってほしかったというふうに思うわけであります。そういう観点から、多少、言粟じりをとらえるわけではございませんけれども、お話を申し上げたいと思います。
 その御意見の中に、今後の構造調整への具体的対応について八次策以来検討してきました、そして、構造調整については、第八次政策策定時とその基調には全く変化がなく、九〇年代は構造調整の最終段階と考えております、こういう御発言がございました。とりようによりましては九〇年代で石炭終わるのだよというふうにとれないでもないわけであります。それとの関連で、具体的な対応というのは何をおっしゃっているのか、その辺についてある程度イメージが描けるとするならば御発言を賜ればと思います。
 それから、さらにこういう発言がございました。将来、石炭企業の経営の活力は順次低下するものと考えている、社会的負担については猶予期間内に極力解決する、構造調整への対応を進めるため猶予期間が必要であるということを言っておられました。この猶予期間というのは一体どんなことを意味するのか、そしてまた、どんな期間、どの程度のインターバルの期間といいましょうか、どういう期間を描かれているのか、考えておられるのか、その辺について、大変危惧をすることでございますので、ぜひ御発言をお願いしたいと思います。
○河原崎参考人 細谷先生の御質問に対しましてお答えを申し上げます。
 構造調整について八次策の策定時とその基調は全く変化かない、こういうふうに申し上げておるわけでございますが、昭和六十一年四月に提言されました前川レポートでは、構造調整は国際協調型経済構造への変革を図るものであり、調整過程が中長期に及ぶため、息長く努力を継続しなければならないと指摘されております。八次策は構造調整の一環として策定されておりますが、現在もその基調には全く変化がございません。引き続きこれを継続する、少なくとも九〇年代には調整は終わることになろうという意味で、国内炭は九〇年代は構造調整の最終段階となる、こう考えておると申し上げた次第でございます。
 それから二つ目の御質問でございますが、将来、石炭企業の経営の活力は順次低下する、社会的負担については猶予期間内に極力解決する、それから構造調整への対応を進めるために猶予期間が必要である、こういうようなことを申しましたが、それに対する御質問であったかと思います。
 石炭企業の経営状況は、先ほど申し上げましたとおり赤字基調が一段と悪化している状況でございまして、その概略を申し上げますと、現存炭鉱については、八次策前の昭和六十一年度の経常損益はトン当たり三百二十四円の赤字でございましたが、その後の合理化の努力にもかかわりませず、平成元年度はトン当たり五百七十円の赤字となっております。また、繰越損失も六十一年度二百三十九億でございましたのが、五百四十八億と急増をいたしておる状況でございます。これらは生産体制の集約に伴う特別支出、固定資産の除却等が主たる要因でございますが、今後も、合理化効果が徐々にあらわれるとは考えておりますが、金利並びに物価上昇等マイナスの要因が既に出てきておりまして、苦しい経営が続くものと考えられます。したがいまして、経営の多角化にも努力をいたしておりますが、資金面等でなかなか思うようにいかないのが現状でございます。私企業として自立、安定をいたしますためには相当の期間がかかる、この期間を猶予期間と申した次第でございます。
 なお、企業の活力の低下は、先ほど申しました財務面ばかりではございませんで、新規の雇用が困難でございますために、従業者の平均年齢が年々上昇しておることも一つの大きな要因でございます。
○細谷委員 いずれにいたしましても、石炭協会長の御発言が国内炭の閉山・縮小、撤退ともとられかねない発言でございまして、地域住民並びに自治体に大変深刻な衝撃を与えているということをまず御指摘しておきたいと思います。それから、この発言で、将来展望が持てないということで、労務倒産といいましょうか、そういうおそれすら出てくる可能性があるとまで言われているわけでございます。どうかこれからの審議の中でぜひそうした地域の声も反映していただきまして、経営サイドとしてもぜひ石炭を守っていくのだという姿勢を貫いていただきたいということを申し添えておきたいと思います。
 それから最後に、石炭労協の藤原参考人にお尋ねしたいと思いますけれども、先ほど労働条件の問題に触れられました。国内炭鉱労働者の諸労働条件は他産業に対して大変大きく下回っているのだ、賃金水準、ベア率、各種手当、労働時間、そういうことでございまして、具体的にどんな感じになっておるのか、お教えを願えればというふうに思う次第であります。
 そして同時に、御承知のように一人当たりの採掘量なんかどんどんふえているわけです。そういう意味においては労働生産性というものはそれなりに私は向上してきているというふうに認識しているわけでございます。ところが、商品の値段であります基準炭価というのは決められておるわけでありますから、結局、コストの上昇分というのは全部労働生産性の中で吸収するという形になっていると思うのです。それがひいては、例えば労働条件の改善ということの大変障害になっているのじゃないかというふうに考えるわけです。したがって経営改善効果もなかなか出てこない、こういうのが実態ではないかというふうに思うわけですけれども、労働条件の面ということについてどういうふうにお考えになっておるのか、御意見を聞かせていただきたいと思います。
○藤原参考人 お答えをいたします。
 まず労働条件でございますが、賃金でいいますと、平成元年の労働省調べでは、月収で全産業平均が三十一万六千三百八十二円、石炭平均が二十九万五千八百六十四円で、決まって支給される賃金でいいますと九三・五%でございます。ただ、時間当たりで見ますと、全産業平均が千七百四十円、これに対して石炭平均が千五百十一円で、八六・九%でございます。
 それから、最近五年間の賃上げ状況、いわゆる第八次政策の検討をされた昭和六十一年度から今年度までの五年間をトータルをいたしますと、全産業平均では五万五千五百六十六円の賃上げがございました。ポイントでいいますと二三・三ポイントぐらい上がっているわけですが、石炭の場合は一万九千三百九十五円で八・四ポイント、五年でこれだけで、大体全産業平均に対して石炭はこの五年間は三五%程度の賃上げでしかなかった、こういう状況でございます。
 また、期末手当でいいますと、これも、平成元年の日経連の調べでございますが、全産業は年間で百三十三万五千七百七十七円の期末手当でございますが、私ども石炭は七十万一千円、五二・五%水準でございます。
 それから、労働時間で申し上げますと、これも、平成元年の労働省毎勤統計調べでございますが、全産業で二千百十二時間でございますが、石炭につきましては二千三百五十時間、二百三十八時間ほど労働時間が多い、こういう状況になってございます。
 それから、退職手当でございますが、これは平成元年の六月に中央労働委員会が調べた勤続三十年で定年になる人の平均でいいますと、全産業八十二社の男子平均が一千六十四万七千円、これに対して石炭の坑外の男子が九百五十二万一千円、八九・四%水準でございます。
 このほかに、御承知のように平均年齢が約四十二歳ということがございます。こういったこと、あるいは働いている場所が地下労働であるということを勘案いたしますと、かなりの格差があるというふうに私どもは認識をしております。
 問題は、地下産業労働者、八次政策あるいはその前の政策でも地下産業にふさわしい労働条件という表現では政策上も表現をされてきているわけですが、実際に労使交渉を進めてまいりますと、先ほど来協会長から言われておりますとおり、石炭は赤字である、加えてユーザー負担あるいは国の援助、こういったことがある中でという制約条件で、いろいろお願いしてもなかなか思うように上げてもらえない、他産業水準よりも毎年上がり幅が少ない、こういうことになってきましたので、結局は、石炭の炭価というもの、あるいは炭価で補えないとするならば他の方法でやはり補うというようなことが基本的には必要であろうというふうに考えておりまして、ひとえに、炭鉱労働者の労働条件についても石炭政策そのものであるという認識でございます。
○細谷委員 これで終わりますけれども、いずれにいたしましても、他産業に比較して相対的に大変劣悪な労働条件の中で頑張っているということでございまして、その辺の労働条件の改善の問題についてもぜひ政策部会の中で議論をしていただくことをお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○渡辺委員長 岩田順介君。
○岩田委員 岩田であります。
 私も筑豊で生まれまして筑豊で今日まで生活をしてまいりまして、炭鉱の盛衰を体験をしてきた者の一人でありますが、各議員の先生方におかれましても、この間の石炭政策に対しまして多大な御尽力と御努力をいただいておりますことを感謝申し上げておきたいと思います。
 時間がございませんから、山本先生に三点御質問をさせていただいて、一括してお答えをいただければ幸いだというふうに思っているわけであります。
 先ほど笹生先生のお話にもございましたが、産炭法の答申の過程における御発言がございました。それから、八月には産炭法の小委員会の中間取りまとめも出ております。また、十六日には各紙が産炭法十年延長というふうにいたしておりますが、こういった点を参考にし、これを認識して、御質問を三点したいと思います。
 まず第一点でありますけれども、筑豊はこの十年の延長になるという重点地域というふうに議論されておるやに聞いておりますが、この産炭法のいわゆる強化、延長の問題と同時に、これには概して入らないというか、例えば残存鉱害量の問題をどうするか、さらには炭鉱跡地の問題をどうするか、それから膨大なボタ山が課題として残っておりますけれども、こういったことをやはり同時に並行して進めていく、いわゆる基盤整備の基本である。従来の経過から見ますと、こういった未処理の問題が産炭地域の活性化の阻害になっているというふうにも思いますけれども、これらについての山本先生の御認識を現地の立場からひとつお伺いしておきたい。
 二点目の問題でありますけれども、先ほども産炭地域振興に関する各省庁間の理解の問題、協力の問題が出ておりましたが、恐らくこれも中間取りまとめ等の内容からいきますと、一層強力に進めていくということが出ると思います。しかし、過去の実態からいたしまして、必ずしもそれは、理解は示されるけれども実効性あるものとして果たして進行したかどうか、非常にこれは問題が残るところではないかと思います。言い方をかえますと、縦割り行政の弊害をやはり超えてもらって、産炭地域振興問題につきましては一層の実効性ある理解を示してほしいということがなければ、時間の浪費というのは言い過ぎかもわかりませんけれども、時間だけがたっていく、こういうふうに認識をいたすわけでありますが、これにつきましてはどういうふうに御見解をお持ちであるか、お聞きをしておきたいと思います。
 それから三点目の問題でありますけれども、いわゆる産炭地域は、先ほどからも意見の中にもありましたが、比較的というよりも随分脆弱な財政基盤である、過疎地である、こういうことが幾重にも重なりまして振興策を阻害しているという要因もあります。したがって、公共事業も他の地域に比べて比較的少ない、こういう実態にありまして、離職者対策としてとられてまいりました例えば緊就だとか開就、これらが果たした地域における公共事業への貢献、さらには雇用対策としての効果も随分上がっていると思いますが、これらにつきましてもやがて見直しという状況にあるわけでありますが、現地からのこれらの就労事業等に対する見解と、今後要望がございましたらお聞かせをいただいておきたいと思います。
○山本参考人 順序を追ってお答え申し上げたいと思います。
 筑豊には、特に筑豊なんですが、さっきの重点地域に入っていること、重点地域としてこれから施策を実施していくということに、そういう考え方で大勢がまとまっていると私は思いますが、この鉱害、鉱害の一つ一つを言いますと時間がかかりますので、ばばっとお話を申し上げます。鉱害については今、残存鉱害量の調査をやっておりますから、この残存量が出てきますと、これからどうするかというのが恐らくまた石鉱審の方に諮問されてこれからのことが検討されていくだろうと思いますが、ただ問題なのは、ことしの石炭勘定で五十億、来年度も五十億減額をして、ベースを落としてやっていこう、こういうことでは地域の振興にはならないと思うのです。ですから、昭和六十三年度の復旧額をそのまま、今度は法を延長した場合にそれに返っていただく、事業費ベースで七百億ぐらいでいっておりましたから、今度は法律が、あと残存量が多いからさらに法律を延長しなければならないということになった場合に、この六十三年度ベースに戻していただいて、今後早い時間内で、法律を延ばせばそれでいいんだというものではなくて、鉱害復旧というのは短時間の間に完了させていただく、こういう考え方で対処していただきたいというのが私どもの願いでございます。
 次に、ボタ山なんですけれども、福岡県は全部で約三百くらいあると言われておりますが、筑豊の中に二百五十三と言われております。全部が全部手当てをしなければならないとは考えられませんけれども、三分の一ぐらいはどうしても手当てをしなければならぬだろう、こういうふうに思っておるのです。ところが、これだけ膨大なボタ山があるにもかかわらず法制化されていないのですね。法律でこれを対策をしていくんだというのがないわけですから、毎年この手当てをしていく予算額というのも、怒られるかもしれませんが、私は非常に少ないと思います。ですから法制化をして、国土保全の立場から考えても、法律をつくってボタ山対策というのはやっていく必要があるのじゃないだろうか、こういうふうに思いますので、これもぜひひとつ今後取り上げていただきたい、こういうふうに思っております。
 それからさらに、老朽炭住がまだ一万三千七百戸くらいあるわけでして、この老朽炭住、これもまた今のペースでいきますとまだ十年やそこらで全部解消してしまうということにはならないわけですから、これをもっと制度を変えて、そして一年間当たりの改良数をぐっと上げていく、こういうことを考えない限り、いつまでも炭鉱の後の悪いイメージだけが残っていく、こういうことになると思います。これらについてはやはり早急な手当てをしないと、一方で振興計画をつくって、あるいは実施計画をつくってこうやるんだと言っても、これを引きずっていくようになっていくわけですから、暗い影を引きずりながら筑豊の産炭地は歩いていくということになりますから、これらをまず片づけると同時に、片一方では前向きの振興計画を立て、それを完全に実施していく、こういうことでなければならぬと思うのです。
 そこで、これはまだ正式な数字じゃないのですけれども、この筑豊というところですが、二十五市町村ございますが、今度の国勢調査、昭和六十年のに対して九千人以上の人口減になっているのです。二十五市町村ある中で六つしか人口増になっていない。一番多いところで千人ちょっとなんですけれども、あと多くなっているのは、何十人台が二つ、百人から二、三百人があと三つある、こういう状況で、あとの残り十九市町村というのは全部人口減で、トータルで、筑豊全体で、中遠地区を除きまして九千九十五人の人口減なんです。これは恐らく正式に発表されると思いますが、私どもが聞いた範囲内ではそういう数字なんです。ですから、筑豊が活性化へ向かって前へ進んでいるとは到底言えないだろう、こういうふうに思います。
 したがって、今度の産炭審の中でも振興策について新たな施策も考えているようです。なかんずく炭鉱の跡地の未利用土地をどう活用していくか、これが一つの眼目みたいになっておるわけなんですけれども、この炭鉱跡地の未利用地の利用というのは非常に難しいいろいろな障害があると思うのです。まず第一に、担保物件になっている。一つは、操業中に財団を組んで、操業用の資金の必要のために担保として借りておって、それがそのまま残っている。それからもう一つは、鉱害復旧のための借入金の担保になって、そのまま担保に入っているということになって、担保に入っているものは、私どものような市町村の場合はその担保に入っている用地を購入することは不可能です。抹消しなければだめなんです。なぜかといいますと、その担保をそのまま市町村がかぶっていくことになりますから、その担保を抜けることが可能かどうかというのが非常に難しい、こういうふうに思います。今度は、もう一つは、全く担保に入ってない土地のある場所もございますけれども、こういうのは、価格が市町村が購入するに妥当な価格なのかどうかという問題もございます。ですから、炭鉱跡地の未利用地をうまく活用していくためには、かなり思い切った施策がない限り活用化は非常に困難ではないだろうか、こういうふうに思いますので、それらについても御配慮をしていただくことが大事だと思うのです。
 なかんずく、特に先生は御承知だと思うのですが、国鉄のボタ山、志免町、それから須恵町、宇美町にまたがってありますが、あのボタ山を、福岡の周辺ですから、もしあれを、言うならば国鉄の清算事業団が手を離して造成することになりますとどれだけの利用度があるか、利用地があるかということはもう想像してもわかると思うのです。そういうように、同じような類似したような例がまだたくさん筑豊にある、こういうことでございますので、跡地の利用については思い切った施策が必要である、こういうふうに思います。
 次に、二番目なのですけれども、この振興計画、実施計画でいろいろやっておりますが、筑豊はさっきの話のように基盤整備が一番おくれておると思うのです。国道なんか、御存じのとおりだと思いますが、二〇一、二百号、それから三二二、こういったものがまだ途中までしか、筑豊にやっと入ってきている、のぞいているという程度で、まだ二〇一も入っておりません。二百号については中心部については全く手つかず、三二二についてもわずかしかまだできてないという状況ですから、国道の整備も行われないでどうして地域浮揚ができるか、こういうことになるわけで、基盤整備が非常におくれているというふうに思いますので、基盤整備がおくれを取り返し、あるいは整備ができるように促進するためには、実現可能な、しかも核になる振興計画を立てることが必要であると私は思います。そして実施をする場合は、先ほども申し上げましたように実施が必ず実現できるように配慮することが必要だ、こういうふうに思っております
 ところが、この法律の枠内ではもう限界がございますから、どうしても地域振興でいろいろなことを考えて事業を実施しようとしましてもこれは難しい。そこで、私は先ほども申し上げようと思ったのですが、この機会があると思ったので譲ったのですけれども、地域整備公団の業務運営を拡大することです。うんと拡大する。そして、市町村がやろうというさっき申し上げた炭鉱の跡地の利用なんかに、その地域整備公団の業務運用の方法でその中に入ってこられるようにすることが大事だと思うのです。これは議論になっています今度の答申の中にも出てくると思いますけれども、ではどういうふうにして入っていくのか、導入するのか、あるいはどういうふうにして利用していくのか、そこまでは詰めが行われておりませんが、ぜひそれは地域整備公団の業務拡大を行って、そういう市町村の手の届かないところ、法律の限界のあるところなどをそれで補完をしていただくというやり方をしていただければ、二番目の点についてはかなりの実効性を上げることができる、私はそういうように思います。
 三番目でございますが、まだまだ私どものところには失業滞留者が六千人おります。六千人の皆さんたちがそれぞれの失業対策事業に就労しておることは御承知のとおりでございまして、開就、緊就を石炭勘定で措置されておりますけれども、我が福岡県は、全国の有効求人倍率が一・五八に対してまだ〇・九五、一に達しておりません。なかんずく筑豊では飯塚地区がやっと一・〇三を超えた程度で、直鞍が〇・八一、それから田川については〇・六二ぐらいしかまだなっておりませんので、適当な就労の場所がないわけです。すなわち、公共事業も先ほど申し上げたようにずっと財政力が落ち込んでおりますからなかなかできません。したがって、この就労事業に皆さんたちを吸収して、そして一時しのぎをやらざるを得ない。もちろん高齢化や滞留化が非常に長いじゃないか、ひどいじゃないか、こういう御意見もありますけれども、現在の筑豊の実態としては、この緊就、開就を、見直しはしなければならないけれども、そういう制度として存続をしていかなければならない実態にある、こういうことでございますので、今後とも先生の格別な御尽力をお願い申し上げまして、お答え申し上げたいと思います。
 終わります。
○岩田委員 ありがとうございました。
○渡辺委員長 鍛冶清君。
○鍛冶委員 本日は、参考人の皆様方には本当に貴重な時間おいでをいただき御意見を述べていただきましてありがとうございました。私も与えられました時間の範囲で各参考人に御質問を申し上げたいと思います。
 私に与えられた時間が十九分でございますので、これから先に質問を各参考人にさせていただきます。後、ひとつ各参考人から、恐らくそれぞれ三分以内くらいになるだろうと思いますが、後の時間もございますので、大変恐縮でございますがそういう範囲内で簡潔にお答えをいただければと思っております。
 生田参考人、それから河原崎参考人、笹生参考人、山本参考人、中田参考人、五人の方にお願いいたしたいと思います。
 最初に、生田参考人にお尋ねを申し上げますが、エネルギー関係については生田参考人は大変深い見識をお持ちだということばお聞きいたしておりますが、石鉱審におけるいろいろな経過並びに今後のことについてお話をいただきました。その中で、国内炭の今後の位置づけ、あり方ということについていろいろ意見があって分かれておるというふうなことの御説明もいただいたわけでございますが、もう端的に、生田参考人としては国内炭の今後のあり方についてはどういうような形が一番いいというふうにお考えになっていらっしゃるのか、ひとつお尋ねをいたしたいと思います。
 次に、河原崎参考人にお尋ねをいたしますが、先ほどからも多少やりとりがございました。私も、河原崎参考人がいろいろ御意見をお述べになっておるのを読ませていただきましたけれども、その中で一番やはり気になりますのが、九〇年代は構造調整の最終年次に当たる、こういうふうにおっしゃっていらっしゃいますし、これは先ほども細谷委員もちょっとおっしゃったように、そうなるとこれは、石炭は、もう国内炭は要らなくなるのだ、もう掘るのはやめるのだというふうにも聞こえますし、しかし反面また、先ほどのお話の中では適正水準を今後も維持するというふうなお言葉もありました。ここらあたりで、非常に私たちは具体的な内容というものも十分検討された上での御発言だと思うのでございますが、ひとつ差し支えなければ、率直なこれに対する御意見、場合によればもうこれは国内炭は掘らなくなるという可能性もあるのだというようなことも含めて、もし御意見がおありならばこの際率直にお答えをいただければというふうに思います。
 次に、笹生参考人にお尋ねを申し上げますが、以下、山本参考人、中田参考人にも似たようなお尋ねになりますので、恐縮でございますが、それぞれの立場でお答えもいただきたいと思っております。
 笹生参考人は、先ほどからのやりとりの中でもおっしゃっておられましたが、産炭地域についてはポテンシャルの高い地域が多いので、施策のよろしきを得れば非常に復興はきちんといくのだというような意味のお話がございました。私もぜひそうなければいかぬというふうに思っておりますが、この点について、どういう形で具体的に施策を講じていけばそういう形が達成できるのか、これは笹生参考人の考えをひとつぜひお聞かせをいただきたい。
 さらに、一番大きな問題の一つとして指定解除の問題があるのですが、これにつきましては笹生参考人としてはどういう具体的な形で解除というものを考えておられるのか、お答えをいただけるようでございましたらぜひお答えをいただければ、こういうふうに思っております。
 山本参考人にお尋ねをいたしますが、先ほどからの御答弁なりお話の中で大分具体的にお考えもはっきりはしてまいりましたけれども、さらに重ねてのお尋ねです。
 十年間での施策のあり方では何とかいけると思う、裏返せば、今までの延長線上では十年間延長してもなかなか片づきませんよというふうな意味もあると思いますが、しかし、やはり十年間延ばすならばその中できちんとけじめはつけていきたいし、してもらいたいというふうな御意向もあるのだと思います。本当に地元のために東奔西走して御苦労願っておる山本町長さんでございますが、この十年間の施策のあり方では何とかいけるということについて、今までお答えいただいたものは外していただいても結構ですが、触れていただく必要があれば触れていただきながら、率直に、こういうふうに国にはしてもらいたい、こういうふうに具体的にやってもらいたい、多少あたりに差しさわりがありましても構いませんので遠慮なく御意見をおっしゃっていただいて、今後私たちがいろいろ進めていく上での参考にさせていただければ、こういうふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
 中田参考人にも大体同じようなことでございますが、お立場がそれぞれございまして微妙な違いもございますので、抜本的な対策をしてほしいということもおっしゃっておられますし、また、いろいろなあり方についても若干お答えいただいております。これも、具体的にこの産炭地域の振興ということについてひとつ率直な御意見をお伺いをしたい、こういうふうに思っております。
 それぞれよろしくお願い申し上げます。
○生田参考人 お答え申し上げます。
 私もエネルギーの専門家でございますので、エネルギー政策、エネルギー問題から考えた国内炭のあり方について考え方がないわけではございませんが、私、政策部会の部会長、いわば部会の議長でございますので、予見、予断を持って審議に入るということは極力避けたいと思いますので、いわば頭を白紙にいたしまして、ほかの委員の方の御意見を十分お聞きし、論議を尽くしていただいて妥当な結論に持ってまいりたいと考えております。したがいまして、余り具体的にこうこうということを申し上げるのは避けさせていただきたいと思いますが、ただ一つ申し上げられることは、経済的な競争力を失った産業を維持しようと思えば、それを経済原則以外の方策で支えるための全国民的な合意がなければまず不可能である、これはもう大原則だと思います。その原則を中心にいたしまして具体的にはいろいろのことが考えられるわけでございますので、その点で十分論議を尽くしてまいりたいと考えております。
    〔委員長退席、麻生委員長代理着席〕
○河原崎参考人 お答えをいたします。
 ポスト八次の生産水準等につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、適正な生産水準に移行する努力を継続するということでございまして、適正な水準につきましては、先ほども御説明申しましたとおり、物的エネルギー資源の安定上の観点に加えて、技術の蓄積と一層の開発と内外技術者等の教育訓練、さらには国際的産学協同の研究が可能となる程度の規模を考えておるわけでございます。
 なお、その具体的な規模についての御質問があったかと存じますが、ポスト八次策につきましては、関係各界の考え方、意見が述べられて、これから具体的な事項について検討に入る段階でございます。したがいまして、生産、需要、経営の多角化、産炭地域対策、鉱害対策、財源等の枠組みがまだ決まっておりません。さらに、私ども石炭業界の考え方で政策の方向が決まるか否か全く不明でございます。このような段階でございますので、現在のところちょっとお答えすることができない次第でございます。
○笹生参考人 お答えをいたします。
 御質問は二点あったと思います。第一点は産炭地域のポテンシャルをいかに振興するかということについての見解ということだったと思います。が、第二点は指定解除についての条件といいましょうか、それでよろしゅうございますか。
 第一点の産炭地域のポテンシャルをどうするかという場合に、産炭地域振興問題というのは、一つは影響をいかに回復するかという問題と、それからあわせて地域のポテンシャルをいかに高めていくかというふうに、概念的には二つに分かれると思います。それで、第一点の影響の回復という問題については、これは地域独自ではなかなか難しいという問題がございますので、これの施策というのはやはり外からプッシュをするというようなことが当然不可欠になってまいりますが、ポテンシャル、地域が本来持っているポテンシャルというものをいかに顕在化するかということは、地域自体のァビリティーというものをいかに高めていくかということに尽きるわけでございます。
 日本の地域政策が昭和五十年代以降、四十年代までと非常に変わったことというのは、それまでは外発的なといいましょうか、そのために物と金というものを地域に投入することによって浮揚力を高めていくという施策が主流であったわけですけれども、五十年代以降の、特にオイルショック以降の社会経済状況の変化の中で際立った特徴としては、そういった場面とあわせて内発的な力をいかに高めていくか、内発的な力というのは、外発的なものが物と金というものだといたしますと、内発的なものはどちらかといえば私は事と人であるというふうに考えております。したがって、先ほど古賀先生の御質問にもお答えいたしましたが、これからの実施計画の中には物と金というものの基幹的な政策と並行して、事をいかに考えていくか、それを支える人材というものをいかに育成していくかという行動計画的な面が非常に不可欠な問題で、これが両々相まつことによって振興の実というのは上がるというふうに考えております。
 それから、二番目の指定解除の件については、これは小委員会のこれまでの議論としては具体的な形でどういうふうな指標が望ましいかということについては検討しておりませんが、これまでの現行の指定解除基準の財政力指数というものだけでは不十分であるということだけについては皆さんの認識がほぼ一致をしておるというもうに考えております。
 特にそれの欠くるところは何かというと、恐らくそれは閉山の影響の残存しているものをいかに評価をするか、それは量なり質の面で一体どうするかというところが、やはり財政力とあわせて考慮しないと適正な見直しというものに理解が得られないであろうということでございます。これについては、法延長前後にできるだけ早い時期に具体的な指標の検討と、それから地元市町村との調整ということが早急に努められるべきだというふうに考えております。
 以上です。
○山本参考人 端的に申し上げたいと思います。
 地域振興というのはいろいろな策を施すことによって成り立っていくわけですけれども、私が常日ごろから考えておりますのは、地域の価値観を高めていくことが一番大事だと思います。したがって、各市町村とも、あるいは圏域でも同じだと思うのですけれども、これだけはやらなければならないという核になる計画を立てられていると思うのです。これを完全実施が、実行ができるならば地域の振興は図っていくことができる、こう思うのですが、それがなかなか障害があってうまくいかないというのが現実じゃないでしょうか。ですから、言いかえますと、いわき方式をそれぞれの圏域に実施をしていただくならば、恐らく私は、ある意味では地域振興が成って産炭法からの卒業になっていくのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、これが実現不可能であるとするならば、それにかわるべく何かいい策を考えていく必要がある、こういうふうに考えております。具体的なことは申し上げられないのがまことに恐縮でございますけれども、そういう考え方でございます。
○中田参考人 端的にずばり申し上げたいと思います。
 先ほど五年でもいい、三年でもいいと申し上げましたのは、私は、やはり今度の小委員会の答申によりまして、これからの産炭地振興のあり方が今度大きくと言っていいかどうか、とにかく単純延長ではなくて充実した対策が望まれていくと思うのです。これまでも、第八次の石炭政策の答申の中でも「脱石炭化に向けて主体的な取組みを行う地域に対し、」「所要の支援を行うべきである。」ということが答申されておりましたが、なるほどその後この十年間にいろいろな対策を、新しい対策をやっていただきました。しかし、それでは十年間で卒業できない現実であります。
 ですから、五年と申し上げましたのは、五年くらいのうちに地域の環境整備をすることによって、あとの五年、今から並行していきますけれども、企業の立地、雇用の対策、雇用の拡大、財政力指数が高まる、こういうことの対策ができる、でき得る自信があります。それに臨む決意があります。したがって、これからつくられるであろう振興計画、実施計画は、実効性のある、現実性のある実行計画――現実性と言えば、財政力がないからこれはできないであろうとして、これはヒアリングで削られる問題がある。しかし、この計画さえやれば産炭地の活性化ができますという計画をつくらなければ、これはまた十年たっても同じ結果になる。ですから、その十年間でこれをやればこの町は必ず活性化できる、そのためには裏づけとなる財政をこのようにという具体的な実施計画をつくって、これを実行に移す。企業の誘致は国がやるのではありません、道県がやるのではありません。もちろん、お手伝いはいただきますが、やはり地域がやらなければならない。やってきています。これからもやらなければならない。そのためには、環境の整備が条件であります。こういうふうに考えております。
○鍛冶委員 ありがとうございました。
 生田参考人それから河原崎参考人には、お答えしづらいだろうということをあえてお尋ねいたしましたが、本当に各参考人、ありがとうございました。これで終わります。
○麻生委員長代理 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 参考人の皆さん大変御苦労さんでございます。私は、時間が余りありませんので、石鉱審の生田参考人には私の方から要請をしておきたいと思います。
 一つは、今後の石炭政策についてでありますけれども、私たちは貴重な国内資源である国内炭をもっと積極的に活用すべきだというのが基本的な立場であります。そのために、国策会社である電源開発も含めて、北海道や九州に国内炭専焼の火力発電所を確保するというようなことをぜひ検討していただきたい。国内炭のコスト高ということについては日本経済全体で吸収していくようにすればほとんど問題にならないというふうに私どもは考えておりますので、御検討いただきたい。
 それから、二番目の問題としては、石特財源の確保も石鉱審で議論をしていただくというふうに伺っておりますが、今石特会計は御存じのとおり借金を抱えておりまして、このままの状態で行ったのでは、幾ら産炭地振興のいろいろプランを立てても財源的には非常に困難です。ぜひ、この石特財源の確保の問題についても抜本的な検討をお願いしたいと思っております。
 さて、笹生参考人にまず御質問を申し上げたいと思います。
 一つは、ここ十年の振興策をどう評価して、そこからどういうふうに教訓を学んで今度の答申の中に反映をさせるのかということであります。私どもが産炭地の市町村を回ってみて一番言われることは、いろいろ計画をつくってみても、例えば先ほども出ましたような基幹道路一つにしても、なかなか進まないということであります。どうしていろいろ計画を立てたことが進まなかったのか、今度はどういうふうにするからそれが進むような仕組みになるのかということについてのお考え方を一つは伺いたいわけであります。
 もう一つは、市町村の六条指定の解除の問題であります。私どもは、立ち直ったところについては解除するということについて何も異論を申そうとは思いませんけれども、その立ち直っておるという指標として、新聞の報道などでは、いわゆる財政力指数と人口が昭和三十五年に比べてそれを上回っておるというようなケースを想定しておるようです。しかし、先ほど参考人も、それだけでは不十分で、閉山の影響をどう克服しておるかということを考えなければいけないと言われましたが、私も全くそのとおりだと思うのです。
 私の近くでこの解除の候補になるとすれば岡垣町という町ではないかと思って、その町にどうかと言って意見を求めてみましたら、すぐ言われたことは、炭住などにつきましても、未改良でぜひ改良しなければならないところが百七十九戸ある。ところがこれを全部改良するとなれば五十億もかかるような大事業になる、こういうのが残っている。あるいは鉱害復旧などにしても、これを申し出ている人だけでも現在四百六十名もおるということだそうでありまして、私は、そういうような閉山の影響をもう十分に克服したということを見きわめなければ、財政力や人口だけではだめだと考えますので、その点についてもう一度伺いたいと思います。
 それから、質問を全部してしまいたいと思いますが、あと一人、山本参考人にお尋ねをしたいと思います。
 産炭地市町村が、ただでも財政的には非常に困難な中でこれまでいろいろな振興策に取り組んでまいりました。その結果、先ほどのお話では、その起債の償還で今大変な状態だ。そうすると、これからまたいろいろ振興策をやらなければいけないというときにもう財政的にはどうにもならないという状況では、それが文字どおり絵にかいたもちになってしまうわけであります。先ほどのお話では、いわゆる産炭債なども希望しておるということだったのですが、これまでも何遍もそういう話は出てきたと思うのですが、これまでそういう話が出てもどうして実現できなかったのかという経過も含めて、どうしたらいいかということについてもう少し御意見を伺いたいと思います。
 私の質問は以上であります。
○笹生参考人 お答えいたします。
 この十年間の期間にいろいろな経験を持ったわけでありますが、その前とそれからこの十年間とを比較して一番目立って変わってまいりましたことは、各産炭地域の市町村自体が地域おこしと言っていいようなさまざまなプロジェクトを発案し、進めてきているという点ではなかったかと思います。それは前回の法延長の際に、産業の振興について国は、地域がそういう意欲を持つならばそれについてできるだけの助成をするというような制度を強化しておったことのあらわれであろうと思います。この点は今後さらに強化を進めていくべきであろうと思っております。
 しかし、その一面において基盤整備の問題というのは、国全体の財政状況がこの十年間かなり厳しい状況にあったということが最も影響があって、産炭地に特段な配慮ということについていささか問題が残っておると考えておりますので、これも先ほど御説明いたしましたように、今回の実施計画の実効性の確保に当たっては、何よりも第一番目に基盤整備の問題についての実効性をいかに図るかということを重点的に考えてまいりたいと思っているところであります。
 それから、指定解除につきまして閉山の影響、とりわけ鉱害等の後遺症というものをどう見るかというお話でございまして、これは先生の御見解に私、全く同感でございます。小委員会のこれまでの論議では、財政力指数以外に、地域の閉山の影響を考えるために少なくとも次の二項については十分配慮する必要がある。そのうちの一つは、一般論として、累積閉山量が閉山後の期間を母数としたときにどの程度の量としてそれぞれの地域に残っているかという一般的な評価であります。もう一点としては、先生御指摘のような広い意味の鉱害ということは産炭地の特有の条件でございますので、これは個別によく評価をし、そしてそれとあわせて質的な部面を補強せねばいけないというふうに考えております。
 以上です。
    〔麻生委員長代理退席、委員長着席〕
○山本参考人 お答え申し上げます。
 私のお答え申し上げることが的確であるかどうかについてはちょっとわかりませんけれども、私どもが今まで運動してきて、その感じでお答え申し上げますので、御了解をいただきたいと思います。
 御承知だと思うのですけれども、この現行の産炭法というのは財政的な支援もするような仕組みになっております。したがって、十一条の十七業種ありますから、その事業を行うと、こういうふうにして補助金のかさ上げをしてあります。だから、財政的な援助、そのほかにもいろいろありますけれども、そういうふうに財政援助を行うようになっているという理由で、産炭債についての、言い方をかえますと、この制度を設けようという気にならなかったという点が一つではないかと思います。
 それから対象が、当時は八道県の二百五市町村でございましたけれども、現在は二百四の市町村になっております。もちろん県も一つ、福島県がなくなりましたから、一つずつなくなりました。ですから、対象地域、市町村が少ないという点もあるのではないでしょうか。
 それからもう一つは、新しい制度をつくるのに適当でなかった、こういうことではないかと思うのです。しかし、産炭地の実態というのは、最近ようやくそういう仕組みの中でやらなければならぬのではないかという若干の認識を得ておりますので、先ほど中田参考人から意見を申し上げたように、産炭過疎というのですが、福岡県の場合だけ申し上げますと、たしか過疎市町村が二十三だったと思うのですが、あるいは一つぐらい違うかもしれませんが、そのうちの三分の二ぐらいが産炭過疎なのです。ですから、産炭地域であるがゆえに過疎市町村の指定を受けることになったわけでございますから、したがって産炭過疎という固有あるいは特有の条件を備えておるということで過疎債の枠を少し広げてやってもというようなこともでき得るのではないかな、こういうふうに思っておりますが、産炭債はそういう意味も含めて私どもは先ほども申し上げたような次第でございます。
 以上、答弁にならなかったかもしれませんけれども、御理解いただきたいと思います。
○小沢(和)委員 ありがとうございました。
○渡辺委員長 高木義明君。
○高木委員 参考人の皆さん方には大変お疲れでございます。今後の委員会活動におきまして私なりに貴重な御意見を聞いたと思っております。心からこれまでのいろいろな御意見に対しまして感謝を申し上げながら、私は、時間もございませんのでまとめて御質問をしていきたいと思います。実はすべての方々に御質問をしたいわけでございますが、限って御三方にお尋ねをしたいと思います。
 まず、石鉱審の生田部会長にお尋ねします。
 先ほどのお話では、既に政策部会のスケジュールについてもお話がされております。それぞれ意見は出尽くした感がある、したがって、今後は部会長さんとしてのたたき台を示して議論を進めていくことが来年の六月に結論を得るための大切な要件ではないか、こういう意味合いのことを申されました。私が聞いたことによりますと、実はあした、政策部会が開催をされまして、その場でも会長さんとしてのある意味のたたき台が出される、こういうことで私は理解をしたわけですが、そういう理解でいいのか、これがまず第一点です。
 それから、たたき台が出されますと、かなり議論がそれに沿いながら展開をされていくわけでありますが、その基調といいますか、そういうものがどの辺に置かれておるのか、もしよかったらお述べいただければ幸いでございます。
 それからもう一つは、会長さんもお話しされましたように、やはり石炭の位置づけに対する国民の合意の形成というのが大きな課題になるのではないかと思っておりますが、この国民の合意の形成を得る手だてあるいは方法、そういったことについてお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
 先ほどもお話が出ておりましたが、このように世界の情勢が大きく変わってまいりまして、中東の危機というのも出ておりますし、石油の逼迫というのも今後十分予想されております中で、いわゆる石炭、国内資源の問題というのは、これはただ単に採算性のみで片づけることができない、私は重要な問題をはらんでおると思います。同時に、四十年間において生産性が十倍以上に高まってきたといういわゆる労使の努力というのも十分に考慮に入れなければならぬのではないか。そういうことを部会の中で御配慮いただければという、これは私の要望でございます。
 次に、石炭協会の河原崎会長にお尋ねしますが、石鉱審での発言につきましては、これは政府やあるいはユーザーに対するいわゆる決意表明といいますか、こういう配慮をされた発言だと考えたいと思うわけでありますが、とりわけ需要拡大についてどうしていくかというのが大切でございます。したがいまして、電力業界だけではなくて鉄鋼業界を含めた需要拡大についてどういう働きかけをしていこうとお考えをしておるのか、その辺のことについてお尋ねいたします。
 最後に、石炭労協の委員長にお尋ねをしますけれども、いわゆる石炭協会の会長さんの適正水準発言につきまして労働組合の立場からどのような御見解を持っておられるのか、その辺をお尋ねをしておきたいと思います。
○生田参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生がおっしゃいましたように明日の午後に政策部会を開催する予定でございますので、その場でたたき台と申しますか問題点をまとめたものを出しまして論議を進めていただこうかと考えております。その内容でございますが、先ほど冒頭に私が意見陳述をさせていただきましたときに、四つの項目について三つの立場があるということで整理をして御説明申し上げましたが、大体ああいうようなものを出しまして論議の種を提供しようかと思っております。
 それで、これまでの議論、これはいわば、何と申しますか、全く黒と白、百八十度の違いと申しますか、極端に意見が違うわけでございます。このままいきましてもそれぞれのお立場で同じようなことをおっしゃるのの継続になると思いますので、先ほど申し上げましたような形で問題点をかなり絞りまして整理をいたしまして、例えばエネルギーのセキュリティーについてどう考えるかということを各論で詰めてまいりたいというように考えております。
 それから、全国民的な合意の形成で、これは再三私も、それがないと国内の石炭生産を支えていく、経済性を無視しても支えていく必要があると言うことは難しかろうということを申し上げたわけでございますが、これはぜひ石炭産業あるいは石炭関係の労働組合がイニシアチブをおとりになって国民全体に訴えていく、国民の世論形成ができるように、あるいは世論のあり方を尋ねていただくということをやっていただくのが適当かと考えます。なかなか難しいことではないかと思いますが、やはりぜひそういうステップを踏んでいただきたいと考えております。
○河原崎参考人 お答えいたします。
 需要について、鉄鋼その他一般産業にもお願いをすべきではないか、どういうふうにお願いするつもりだという御質問でございましたが、原料炭及び一般産業向けの一般炭につきましては、第八次政策策定のときに構造調整の一環の観点から、業者間で決定し、現在終結した案件でございます。再度お願いするということはちょっと不可能ではなかろうか、こう思っております。また、鉄鋼さん、一般産業さんにおかれましても、既に所要の海外炭の手当てを済んでおられまして、これをキャンセルしていただいて価格差が二倍以上の国内炭の引き取りをお願いをいたしましても、ちょっとこれは御了承が得られないのではなかろうかというふうに考えております。御了解をいただきたいと思います。
○藤原参考人 石炭協会が申し上げている内容につきまして、私ども労働組合としては、後ろの方にあるいわゆる企業の多角化あるいは企業の自立、安定ということについてはあえて反対するつもりはございません。ただ、前段にある適正水準に移行ということについては、労働組合としては反対でございます。既に企業サイドには抗議も申し上げましたし、現在も引き続きこれの修正方、訂正方をお願いするということで折衝中でございます。
 これには二つの理由がございます。一つは、先ほど申し上げましたとおり、今後十年以内において一億四千二百万トンまで石炭の需要がふえる、その中で国内炭がどうして一千万トン程度確保できないのか。縮小といっても技術的に必要だとかいろいろなことを言っておりますが、その量は先ほど河原崎参考人がお答えしましたように定かではございません。しかし、どうも無限にゼロに近づく、百万トンや二百万トンの国内炭が残っても、これは政策にもならないし残ったことにもならない。では五百万トン残ったら残ったことになるのか。一億四千二百万トンのうちの一千万トンというのは、やはり、すなわち現状というものは最低規模ではないのか、あるいは六つしか山が、主要地下掘り炭鉱はなくなりましたが、現在残っているこの六つを確保していただくということが最低ではないのかということが第一点でございます。
 それから第二点は、八次策でも明らかなとおり、縮小・閉山をして率直に言って炭鉱だけが生首を飛ばされております。もちろん他の産業でもこの間いろいろな困難がございました。しかし、基本的には出向であるとか移籍であるとかあるいはいろいろな方法で雇用は守る、食うに困らない、そういう対策が基本的には行われております。しかし、炭鉱に限っては、閉山をされあるいは大幅縮小をされて、解雇あるいは希望退職等々で結局仕事がない。しかも、確かに現在の雇用情勢の中で、中央圏においてはかなりの雇用があるわけですけれども、これにはまたいろいろな弊害があって、来る立場から見ると来づらい、そういう問題があって、どうしても現地滞留型になる、したがって失業者が現地にたまっている、こういうことになっておりますが、ではこれからまたこの八次策に上積みして九次策において閉山あるいは大幅縮小ということを進めたら雇用が本当に確保できるのかどうか、こういったことを考えますと、なかなか今の状態ではそういうふうにならない。あるいは、先ほど労働条件を申し上げましたが、確かに他産業平均から見れば格差のある労働条件でありますが、閉山をされたり縮小されたりした暁の労働条件というのは、これをさらに下回る労働条件というのが一般的でございます。したがって、私どもとしては縮小あるいはなかんずく閉山ということについては、何としても食いとめたい、そういう考え方でございます。
○高木委員 ありがとうございました。終わります。
○渡辺委員長 これで質疑は終わったわけでございますが、参考人の皆様に一言お礼を申し上げたいと思います。
 きょうは、非常にお忙しいところを時間を割いていただいて御出席を賜って、特に貴重な御意見など賜ったことを心から厚くお礼を申し上げる次第でございます。
 これで参考人からの御意見を開陳していただくのは終わりましたが、心からお礼を申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
○渡辺委員長 次に、政府に対する質疑を行います。細谷治通君。
○細谷委員 六月二十二日のさきの国会の当委員会におきまして、私が御質問を申し上げました。もう細かい発言の内容を申し上げませんけれども、通産大臣から基本的な国内炭を守る姿勢についての御発言がございました。その後、御承知のように中東情勢の激変、特に原油依存に対するいろいろ不安定さというような問題も出てまいりました。そういう中から、石炭を利用する、再見直しという機運も出ておるわけでございます。さらに、その後、石鉱審の中でもいろいろ各先生方から御議論をいただいておるわけでございます。
 そういう状況の変化を踏まえまして、通産大臣として現時点において、国内炭、海外炭を含めた石炭の利用の問題、それから、なかんずくその中で国内炭の位置づけというものをどういうふうに認識されておるかどうか、それをまず冒頭お聞きしたいと思います。
○武藤国務大臣 実は、六月以降、私どもエネルギーの長期見通しをした後、今お話しのとおり中東の情勢がああいう形で八月に変化をいたしまして、その後私ども、もう一方においては地球温暖化、いわゆる化石燃料によって炭酸ガスの排出があり、炭酸ガスの排出量が多くなってそれが地球温暖化させ、海水が隆起したりあるいはそれによって熱帯林がやられたりいろいろするではないか、こういうことから地球温暖化を何とか防止をしなければいけないということが出てまいりまして、九月でございますか、私ども代替エネルギーのまた見通しの中で六月に行われました長期のェネルギー見通しを多少改善をいたしまして、今御指摘がございました石油に対する依存率、これを二〇一〇年には長期見通しでは四六%にしておりましたのを四五・三%に低くいたしたわけでございます。
 そういう形で石油に対する依存度は極力低くしていこうという努力をいたしておりますが、一体石炭はどうかということでございますけれども、石炭も実は化石燃料でございますので、地球温暖化の考え方からいけば、やはりより多くの石炭を消費するということは私ども考え方としては必ずしも賛成いたしかねるわけでございます。しかし、石炭と石油と比べれば、同じ化石燃料でどちらが日本の国にとっていいかといえば、日本の国で石油の方はほとんどとれるわけではございませんし、石炭は今でも炭鉱で採掘していただいているわけでございますから、おのずからそこにおいては、石油と石炭と比べれば、石油へ依存するよりも石炭に依存する方がいいということは私は考えられると思います。
 ただ問題は、その石炭が国内炭の場合には非常に今合理化を進めていただいておりますが、まだまだコスト的に高いものでございますから、この需要の面からいくと、なかなか石炭をお使いいただける需要業界が必ずしも、そういう高い石炭をお使いをいただくには、喜んでお使いいただいているわけではないわけでございます。そういう面からいさますと、今お話しの海外炭を含めてということになれば、ある程度、石油と石炭と比べれば、国内炭並びに海外炭、これは石油よりは、日本の安全保障という点からいけば、特に石炭を日本へ輸出しておられる国々はまあまあ政治的にも安定している国が多いわけでございますから、そういう面では、石炭というのは安全保障の面からいけばこれは確かに石油よりは安全ではないかということは言えると私は思います。今御指摘ございました、現時点で石炭に対してどう考えているかということにおいては、そんなようなことではないかと思うわけでございます。
○細谷委員 総合エネルギー調査会の長期エネルギー需給見通しによりますと、石炭の需給が二〇〇〇年までは、数字で申し上げますと一億四千二百万トンということで、現状よりもふやしていくという計画になっておるわけでありますけれども、二〇〇〇年から二〇一〇年の間は全く横ばいという計画になっておるわけですね。
 ところが、先ほど大臣も言われましたけれども、九月段階で、石炭の積極的な活用を図っていこうという観点から、新石炭政策づくりというものにどうも取り組んでおられるわけです。こういう動き。それから、せんだってはエネルギー調査会の稲葉会長の修正やむなしの発言もあったわけでございまして、こういう中で、この長期エネルギー需給見通しの見直しをこの時点でどういうふうにお考えになっておるのか、その中において石炭の利用というものをどういうふうに位置づけるお考えがあるのか、それについて再度お伺いしたいと思います。
○緒方説明員 ただいま御指摘の長期エネルギー需給見通しでございますけれども、これは将来の資源制約あるいは地球環境問題なども踏まえまして、二十一世紀の初頭を見据えて、エネルギーの需給について官民挙げての最大限の努力を傾注して達成すべき目標を決めた、こういうことでございます。稲葉会長が、新聞報道によれば見直しを示唆されるような御発言をされたょぅに報ぜられておりましたけれども、御真意を伺いましたところ、今申し上げましたように、この総合エネルギー調査会の目標というのは、その数字を決めればそれで達成されたというものではなくて、その目標を実現するために全力を挙げて官民努力をしていかなければならない、そのためのフォローアップをしていかなければ何もならない、そういうことを強調したかったのだというようなことをおっしゃっておられました。したがいまして私どもとしては、もとより数字の見直しということではなくて、これを実現するために最大限の努力をこれからもしていきたい、こう考えておるところでございます。
 その中で石炭の需要でございますけれども、御指摘のように、一億四千二百万トンという数字、二〇〇〇年、二〇一〇年、同じ数字を掲げてございますが、この需給についてやや詳細御説明いたしますと、原料炭でございますが、これはその大部分を占めます鉄鋼業については原単位の改善が見込まれるなどの事情がありますので、今後緩やかに減少傾向に推移をするだろう、こう見ております。
 他方、一般炭でありますが、この中では、電力用の需要の伸び、それから一般産業における石炭需要の増加というのが当面は非常に着実に増加をしていくわけでありますけれども、もう少し長期で見てまいりますと、電気事業においては、やはり地球環境問題もあり原子力の導入促進ということが進展をしてまいりますし、また、石炭についての発電の位置づけがミドル及びベース供給力としての位置づけであること、さらに、熱効率の向上について、抜本的な向上を期待するような新技術の開発、実用化を今努力中でございますので、これらによりまして緩やかな伸びにとどまるということを見込んでおりまして、そのために、八八年の実績一億一千五百万トンから二〇〇〇年に一億四千二百万トンにふえはするわけですが、その後は同量程度で推移をする、こういう見通しを立てたわけでございます。
 御指摘のように、湾岸情勢、大変不透明な状況が続いておりますけれども、今申し上げましたように、この長期エネルギー需給見通しは、いろいろな要件を踏まえて中長期的な観点でつくったものでございますので、今回のイラク情勢に基づきまして直ちに見通しを改定しなければならない、そういう性格のものではないというふうに考えておるところでございます。
○細谷委員 もともとこの見通し自体につきましては、供給面でも需要面でも大変問題が多いというふうに言われておった。その後に新しいこういう状況が出てきたということでありますので、それは幾ら目標であってもやはり全く空理空論ではいけないわけなんで、そういう状況に合わせて見直していくということが必要ではないかというふうに私は思います。その指摘をしておきたいと思います。
 続きまして、国内炭の石炭政策のあり方をめぐっていろいろ今石鉱審で議論していただいているわけでありますけれども、どうも環境を見ていると騒々しい、雑音、騒音が余りにも大ぎ過ぎるんじゃないか。あたかも一定の結論に導こうとしているような動きというものが散見されるわけでありまして、多少御紹介をしておきたいと思いますけれども、例えば、九月段階で、九月二十五日でありますか、通産大臣から諮問が行われた。ところがその前に既に通産省の中では、石炭は使っていくわけでありますけれども、海外炭に依存する、国内炭への依存を減らすという方向のいわば新石炭政策なるものを検討し始めているということが報じられておるわけであります。
 それから、さらに今度は、十月十八日の政策部会において石炭協会の会長が発言をなさったわけであります。そのこと自体も大変問題であるわけでありますが、その前にどうもエネ庁の緒方長官のところに行かれまして、先ほど来お話がございましたように、国内炭の生産水準を縮小するという意向表明をし、これに、新聞報道によりますと、新聞報道ですよ、緒方長官は、業界の方針転換を歓迎するとともに、いろいろの政策を税制措置まで含めてこれから検討していくんだということを表明されたという報道がされております。だから、片一方では、国内炭の縮小を前提として石炭企業の経営の多角化なりリストラ、そういうものを進めていくための具体的措置についてもう既に検討に着手している、まだ国内炭第九次策がどうなるかわからない時点でもうそういうことを議論しているということは、私は大変重大な問題ではないかというふうに受けとめているわけであります。
 この辺について、一体どんなことが石炭経営者側と話されたのか、この辺の取り組みについて御見解を賜りたいと思います。
○緒方説明員 十月の十八日でございましたか、石炭鉱業審議会の政策部会で、その日は石炭協会の会長を含め各団体の方々から意見をお聞きをするということになっておった日でありますけれども、その日の朝、河原崎会長が私のところに参られまして、きょう午後から審議会で意見を述べることになっているけれども、その内容はかくかくしかじか、こういう意見を述べるつもりであるということで、いわばあらかじめそういうごあいさつに見えたというのが真相でございます。したがいまして、話をされました内容は午後から石鉱審の第二回政策部会で話された中身でありますし、その結果については、終わった後でございましたけれども、大臣のところにも後日、河原崎会長が参りまして、こういう意見を石炭協会として述べましたという報告をしたところでございます。中身は繰り返すまでもないかと思っております。
 それで、新聞報道で、その見えたときに長官が評価したとか、いろいろ政策を検討しているというようなことが書かれておったようでございますが、通産省でもちろん日ごろからいろいろな政策をあちこちで、関係するところで勉強し、研究しているわけでありますが、それらのものを組み合わせて総動員して書かれた記事もあったようでございまして、私の方では当日はその趣旨を承りまして、河原崎会長、石炭協会として、経営者として非常に積極的な対応をされる、つまり国内の石炭業について経営の多角化をされ、また海外の事業まで考えられて、経営を積極的に展開をしていこうという御決意を述べられたものというふうに私受けとめましたので、そういう積極的な姿勢については私としては評価をさせていただいた、こういうことでございます。
○細谷委員 いずれにいたしましても、国内炭をどうするか、今後どうしていくかという大変重要な岐路に立った、まさにそういう問題をここで今、石鉱審の場で議論していただいているわけでありますから、静穏になって、静かな雰囲気の中で、本当に国民合意が形成できるような雰囲気、環境の中でぜひ議論を進めていただくように、余り議論を誘導するような雰囲気が出ないように気をつけていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、これはうわさ程度であれば結構なことでありますけれども、巷間、関連業界紙によりますと、第九次策初年度において残存する大手炭鉱は恐らく、三井三池、太平洋炭鉱、松島池島の三鉱のみであろう、現在稼働中の三井芦別、住友赤平、空知炭鉱の三鉱は来年度末までには閉山に踏み切るものと見る、したがって、その時点での生産規模は恐らく三鉱合計でせいぜい五百万トン前後であろう、各炭鉱の、三山の生産量も挙げております。こうした見方がある業界紙、ユーザー側と言われているのですが、業界紙を通じて盛んに流れておる。こういうことについてどういう御認識、御感想でも結構でございますけれども、聞かせていただきたいと思います。
○土居説明員 ただいま先生の御指摘になりました業界紙における記事につきましては、以前に私も読ませていただいたことがございますけれども、いずれにしても、いろいろ最近国内炭の関係者、ユーザー業界あるいは流通業界含めましてふえてまいりまして、いろいろな見方をする方がおられるなというふうな感じを持っております。
○細谷委員 私が先ほどちょっと指摘しましたけれども、例えば地球を救う新石炭政策研究会というものを開いていろいろ政策を勉強されているこの一連の動き、それから産炭地振興の目的で、それもありましょうけれども、石炭会社の経営多角化とかリストラとか、そのためのいろいろの優遇措置を考えているというようなことがどんどん伝えられてくる。こういうことを見てみますと、どうも通産省としては、私は今これはうわさということで、ぜひそうであってほしいと思いますけれども、こういうものが下敷きになって、ある程度こういうものが前提になってこの政策の勉強が進められているのじゃないかということを私ども大変心配するわけなのです。その関連について御質問したいと思います。
○土居説明員 先生御指摘になりました新石炭政策研究会、これにつきましては、先生の言われるような国内炭を減らす前提での議論では全くございませんで、現在一億トンを超える海外炭を輸入しているわけでございますが、エネルギーとしてのこういう海外炭についての安定供給確保あるいは流通問題、あるいは技術開発、こういった問題は非常に重要な問題になってきております。したがいまして、こういった問題につきましては石炭鉱業審議会でも国内炭の問題とあわせて議論していただくことになっておりますので、そういう下勉強をしておるということでございます。
 それから、産炭地対策等におきまして経営多角化の問題が出ておりますけれども、これは午前中にも石炭労協の会長からも話がありましたように、関係者を挙げて、いずれにしても産炭地対策については、何かその生産合理化が終わった後いろいろ対策をやっても意味がないんだ、したがって先取りした対策をぜひやっていかなければいけないということで、必ずしもこれは生産の縮小を前提としたということではございませんで、むしろ石炭企業の経営多角化という形での産炭地振興という形で、従来の産炭地振興にプラスした対策が必要だという議論もなされておるというふうに承知しております。
○細谷委員 ぜひそういうことであってもらいたいと思いますし、いやしくも石鉱審の議論をある程度誘導するような形は厳に慎んでいただきたいというふうに思う次第であります。
 それから次は、この石鉱審のメンバーでございますけれども、この石鉱審の委員は一体どういう基準で選ばれるのか、もし基準みたいなものがあるとすればちょっとお話を承りたいと思います。
○土居説明員 石炭鉱業審議会の委員につきましては、従来から委員が任命されているわけでございまして、任期が来てからその都度メンバーの入れかえということもあり得るわけでございますが、基本的には、要するに石炭対策について国民的なコンセンサスを得るという観点から、非常に石炭関係に近い、石炭産業それ自身と同時に組合の方々とか、あるいはユーザー業界の方々、あるいはユーザーを離れて一般的な産業界の方々、あるいは中立の学識経験者、こういった方々に均等にバランスのとれた形で入っていただくというようなことになっております。
○細谷委員 この審議会の構成はもうあれですけれども、政策部会は二十九人、そのうち鉄鋼代表と言われる方が政策部会に二人おられます。石鉱審全体の中では四人おられます。先ほど河原崎会長も八次策のところで、鉄鋼は引き取りはゼロだということでもう決着がついているんだというお話がありましたけれども、九次策をこれから議論しようというのに、業界代表として鉄鋼の人たちがこんなに多数入っているというのは一体どうなんでしょうか。私は、公正な議論を引き出すために決していい方策ではないというふうに思うのです。もし、鉄鋼の方々にもお入りいただいて第九次策以降についてもぜひ鉄鋼でも引き取りをしていただこうという決意の表明ならば、それはわからぬでもありませんけれども、この辺については私は大変問題だというふうに思っているのですけれども、これはどういうふうに見たらよろしいでしょうか。
○緒方説明員 鉄鋼業界の国内炭の引き取りにつきましては、八次策を策定する段階で両業界ぎりぎりの話し合いの結果といたしまして、平成三年度にゼロにするということになっているわけですけれども、その間、漸減をさしているわけで、平成二年度までは最大限の引き取りを実施をしていただいておりまして、本年度も御案内のとおり原料炭については三十五万トンの引き取りを見込んでいるわけであります。そんな背景もありまして、鉄鋼業界につきましては国内炭のユーザーとして石鉱審の委員として従来から御参加をいただいているわけであります。
 今後の石炭政策について議論をしていくわけですが、こういう鉄鋼業界の代表の方々も含めまして関係者の意見を広くお聞きをして、いわば鉄鋼も従来ユーザーであったわけでございますし、またユーザーを離れても日本の産業界を代表する一つの大きな業界でございますので、先ほど部長も言いました国民的なコンセンサスを得る場としての審議会の議論に参画をしていただいている、こういうことでありまして、引き取りを続ける、続けないという問題とは別の問題と考えております。
○細谷委員 国民的コンセンサスを得るために広く国民の意見を聞くというなら、やはりもっと一般の消費者とか一般の市民といいますか、地域の代表、そういう方をもっと入れるべきであって、もう引き取らないと言っている人間を何でこんなに入れて一生懸命議論してもらわなければいかぬのか、私は納得できないということを指摘しておきます。
 次に、過剰貯炭解消の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 過剰貯炭、御努力いただきまして少しずつは減っているようでございます。まあ最終的にはどうしても八次策の終了時点においても若干残るんじゃないかということが言われております。ぎりぎりぎっちょん努力していっても百二十万トンから百三十万トンは残るんじゃないかという一部の見方もあるわけであります。当然、今の計画、八次策においては、最終時点において過剰貯炭はゼロという計画で進められておると思うわけでありまして、ところが、百二十万トン、百三十万トンなんというのが残るということになると、例えば三井三池の半分ぐらいの生産量に匹敵するものが残る形になってしまうということだと思うのですね。だとするならば、八次策の最終年度に向かって過剰貯炭問題についてはなお一層拍車をかけて努力をしなきゃいかぬというふうに思うのです。打つ手は限られていると思うのですね。そのぎりぎりに限られた中においてこの過剰貯炭問題というものをどういうふうに考えていくのか、その辺についての御見解を賜りたいと思います。
○土居説明員 過剰貯炭の解消につきましては、平成二年度の実施計画におきましては、平成二年度中に過剰貯炭の取り崩しを行いまして、百六十五万トンを目標に約百五十万トン、百五十一万トンの貯炭の取り崩しを行うという計画で鋭意過剰貯炭の解消に取り組んでいるわけでございますけれども、平成三年度、八次策の最終年度の需給につきましてはこれから検討するという状況ではございますが、いずれにしても過剰貯炭の解消については需給バランス上かなり困難な情勢があることを認めざるを得ないという情勢にございます。しかし、それにもかかわらず、過剰貯炭の解消につきましてはさらに一層の努力を続けていくという状況でございます。
○細谷委員 この過剰貯炭処理に関連して、仮に生産量をまださらに切り込むんだという話になると大変な話になっちゃうのです。例えば三池の場合ですと二百五十万トンだとぎりぎりなんです、生産体制というのは。これをさらに落としていく、二十万トンでも三十万トンでも落としていくという話になると、これは固定費を回収できない形になってますます採算が悪くなってくることが心配されているわけであります。そういう意味において、いやしくも過剰貯炭があるがゆえに生産をカットしていくんだという方向は私はとるべき道ではないということだけ御指摘をしておきたいと思います。
 それから、一つの問題として、石炭企業のいわば多角化といいましょうか、経営の多角化という観点からもいえましょうし、先ほど藤原会長からも御指摘ありましたけれども、石炭企業の経営をよくしていくために何ぼか足しになるように石炭会社に輸入炭枠を持たせてはどうだということなんですね。現在御承知のようにIQ制度をとっているということでありますから、具体的には数量割り当てを石炭会社にやる。例えばこれから一億四千八百万トンにするということになれば伸びていくわけですから、増加量分について、既存の既得権を侵すということではなくて、増加分についてぐらいせめて石炭生産会社にこの輸入割り当ての枠を与えて、そして何がしか経営改善の足しにするということも当然考えてしかるべきじゃないかと思うのですけれども、もしこういうことを考えたら、これは政策判断としてはできると私は思うのですけれども、現行制度でいったらどういう問題点があるのか、お聞かせいただければと思います。
○土居説明員 石炭業界によります海外炭開発への取り組みにつきましては、石炭会社自身がこれからそういう動きを活発化していくという状況でございますので、これについては積極的な対応姿勢を当庁としてはとっていきたいと思っております。ただ、御指摘のIQ制度のあり方につきましては、石炭鉱業審議会においても検討項目の一つとして御審議いただくことになっておりますけれども、いずれにしても、現行の制限を緩和する方向での検討をすることはともかくといたしまして、現在の輸入枠の運用について新しい制約を加えていくという方向での検討は、ウルグアイ・ラウンド等現在の国際情勢から考えて極めて難しくなっているというふうに考えております。
○細谷委員 ウルグアイ・ラウンドにおきましても産業構造調整上はある程度輸入制限というものは認めていく方向が出されてきているわけですから、これは政策判断としてやるかやらないかということだと私は思うのです。
 時間がございませんから最後になりますけれども、私のラフな試算をしてみました。間違いがあると思いますけれどもお聞きをいただきたい、そして大臣の御感想をお聞きしたいと思います。
 内外炭の価格差によって、これからもほとんど中心は電力になりますが、電力の負担増は私の計算だと大体九百六十億、一千億弱という感じだと思うのです。御承知のように、電力の全部の売り上げ、収入というのは十一兆六千八百億、これだけございます。直接これと比較するのはなんでございますけれども、単純に比較してみますと〇・八二%に相当し、一%を切っているという状況なんですね。仮に、家庭の電気代というのは大ざっぱに年間七万七千円ぐらいであります。そうするとこれは〇・八二%の割合ではじいてみても六百円ぐらい、月にすれば五十円ぐらい、こんな感じだと思います。それから、原油が一バレル一ドル上昇いたしますと電力業界では六百五十億の持ち出しになると言われております。そうすると一・五ドル。石油が乱高下している状況の中で一・五ドル上がれば、こんなもの、九百六十億吹っ飛んでしまう、こういうことだと思います。それから、為替レートが仮に十円円安に振れたらこんなものは飛んでしまうのです。もう一つあえて言いますと、これは乱暴な意見かもわかりませんけれども、輸入炭に仮に千円の関税を乗せたとすれば、この問題は、消えるというとおかしいですが、解消する問題です。私は大体そういうウエートづけじゃないかと思うのです。ここで政策判断として本当に国内炭をどうするのかというのは、この辺とのバランスで考えていかなければいかぬと私は思うのです。これはきょう質問通告しておりませんからあれでございますけれども、御感想で結構でございますので大臣の御見解を賜りたいと思います。
○武藤国務大臣 事務当局もいろいろ計算をいたしておるようでございますが、私詳しい数字はまだ把握をいたしておりません。ですから、今御指摘の数字についても間違っているとは申しませんで、それはきっと間違いのない数字だと思います。
 そこで、そういうことからいけばそんなに大した金額ではないか、それだったら国内炭をやはりしっかりと育て、維持していくようにしていったらどうか、こういう御指摘かと思うのでございますが、確かに金額的にいえば今の御計算どおりでいけばそんなに大きなものでないということは言えると思うのでございます。しかし、きょうのここの皆様方の御意見は石炭産業を守ろうというお立場の方ばかりでございますからだれもそれに対して異議を唱える人はないと思うのでございますけれども、やはりこういう問題は私どもとしては一般国民の御理解も得なければならないのじゃないかな。一般の国民の皆さんが、日本の石炭産業をやはり守っていかなければならない、そのためには自分たちがある程度の電力料金の負担もやむを得ない、油が上がればそれよりも安いじゃないかというようなことで国民の御理解が得られれば、もちろん私ども一つの大変貴重な御意見としてぜひ参考にさせていただきたいと思っておりますが、何にしてもこういう問題は国民一般の方々の御理解もいただかないといけない問題ではないか、こういうふうに思っております。
○細谷委員 もちろんそうでありまして、私が今言いましたような負担というものを、石炭を捨てる、国内炭を捨てることとこの社会的な負担というものを国民の皆さん方がどういうふうに考えるか、私は国民の皆さん方の合意がもちろん必要だというふうに思われるわけであります。今後とも国民合意を求める努力を我々もぜひしていかなければならぬと思いますし、大臣からもぜひそういう方向で御努力を賜りたいということを要請いたしまして私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○渡辺委員長 岩田順介君。
○岩田委員 午前中に参考人の意見陳述もございまして、その中では笹生先生の方からも産炭法の延長について概略、小委員会の御説明がございました。八月の末にも中間取りまとめの小委員会の報告を拝見をさせていただいたわけであります。その経過に携わってこられました各位には敬意を表するわけであります。
 感触でいいますと大体十年間延長という答申がなされる予定ではないかというふうに感じておりますけれども、しかし、新聞にも報道されておりますように、必ずしも単純延長ではないということのようであります。参考人からも説明がございましたが、幾重にも卒業だとか見直しだとか、こういったことが組まれておりますし、さらに重点地域とその他の地域、十年、五年ということも段階的に記載をされているやに聞いております。
 延長そのものは歓迎するわけでありますが、しかし炭鉱の傷跡を、石炭の傷跡を知っております者からいえば、これは大変である。しかも、三十年という長ぎにわたって延長されてきた産炭法の今後の行方を考えますときに、果たして体系的にこのように整備された答申や法律というのが今後どうかということを考えますと、確立されたものというのはこれが最後ではないかという気もするわけであります。それだけに、今後の関係者の努力というのは一層の決意が要るのではないか、これは当然でありますが、私どもも含めて決意をするわけでありますが、とりわけ政府、通産大臣におかれましては、今後の石炭政策、とりわけ産炭地域振興についての御決意を冒頭承りたいと思います。
○武藤国務大臣 今お話しのとおり、この十一月末には答申がいただけそうでございますから、その答申を踏まえて私どもはこれから産炭地振興対策を考えていかなければならないわけでございますが、今お話がございましたけれども、従来、八次策においてもやはり集中閉山はこれは回避をしていく、しかしながら生産の集約化というものは、その地域における雇用の問題であるとかその地域における経済の動向であるとか、その辺を踏まえながら、十分その辺は考えていかなければならないけれども、やはり集約化ということは一つの方向として既に八次対策でも行われているわけでございまして、今後においてもそのような考え方というのは、今度は九次になったらそれは全く必要ないというものではないのではないかと思っておるわけでございます。
 しかしながら、同時に、それは生産部門でございますが、産炭地域振興でございますから、やはりその産炭地の地域経済が停滞をしていかないように、あるいはまた雇用が確保されていくようにということは十分これからも考えていかなければならないわけでございますし、あるいはまたいろいろと言われておりますのは、産炭地域における公共投資、これがまだまだ十分ではないのではないか、そういう社会基盤整備をもっと進めていかなければいけないのではないかということも言われておるようでございまして、それらのことが出てきた場合には、私どもそれぞれ十分努力をして、その実現に邁進していかなければならない、こう考えておるわけでございます。
○岩田委員 九次策については、先ほどからの質問もありますように、ぜひとも一千万トン体制をどう確保するかということについて御努力を願いたいと思いますが、なおかつ基本的な、九次策に向けての石炭政策がどういう方向にいくかということにつきましては、いわゆる稼行炭鉱を持たないわけでありますけれども、その他の産炭地域にも大きな影響を与えていくことは、これはもう当然でありまして、ぜひとも御指導の強化をお願いをしておきたいというふうに考えるわけであります。
 そこで、幾つか具体的な質問をさしていただきたいと思いますけれども、中間見直しに出ておりましたことを中心に御質問をさしていただきたいと思います。
 指定解除、それから六条の見直し等が幾重にも出されておりますけれども、いわゆる卒業させるだとか解除するだとかいうことが出ておりますが、逆に石炭の影響によって著しく財政逼迫等の影響を受けるという新たな自治体も出てくるのではないかというふうに思います。そうしたところに対する引き上げというのは、ここには考えられてないみたいでありますけれども、もし仮にそういう状況が起きた場合にはどうするのか、お尋ねをしたいと思います。
○土居説明員 このたびの産炭地域振興審議会における審議におきましては、法律の延長の問題と同時に地域の見直しが議論されておりまして、特に八次策影響地域につきましては重点的な対策が必要という考え方が打ち出されております。
 地域の見直しにつきましては、今御指摘のありましたように、いずれにしても過去の、旧産炭地域についての卒業といった方向での見直しがかなり大部分になりますものですから、そういった方向での考え方が審議会で議論されておりますけれども、御指摘のように、逆にその後八次策の影響を受けてその市町村の疲弊が非常に激しくなってきているという地域も例外的に見受けられないことはないわけでございまして、この辺につきましては、従来から逆にそういった地域についての地域の指定の追加といったこともやっておりますので、審議会の中も含めまして、当然そういった問題については今後慎重に検討してまいるということになっております。
○岩田委員 ぜひ御配慮のほどをお願い申し上げておきたいと思います。
 それから、圏域ごとの見直しが出されておるようでありますけれども、いわゆる経済生活圏域が設定をされたそもそもの目的というのは一体何であったのか、お伺いをしたいと思います。
○土居説明員 午前中にも参考人の方からお話がありましたように、産炭地振興対策につきましては、市町村単位で行うということでも必ずしもなくて、市町村を超えた広域的な発展のためにいろいろな施策が必要であるという観点から設けられているというふうに考えております。
○岩田委員 そうだと思うわけでありますが、圏域の設定というのは、地域を一つに見まして、地域を一つの組織として、その組織全体を系統的にというか、地域活性化を図っていくということで設けられた圏域ではなかったかというふうに思うわけでありますが、例えば重点圏域に残るであろうというふうに思われる地域を見てみますと、その圏域の中で、ごく特定少数の自治体が六条から卒業というか、十条なりに変更させられるというケースが出てくることが考えられますけれども、こういったことは今後の地域全体の振興政策にとってはどうか。午前中にも議論がありましたけれども、例えば圏域内の過半数以上の自治体が活性化をする、そういうインパクトが与えられていれば別なんですけれども、例えば一つだとか二つだとか特定の自治体がいわゆる財政力指数がよくなった、人口がかなり増加した、こういったことだけで六条を見直すということは、地域全体にとって今後の地域振興策としてどうであるか、これについて御意見を伺いたいと思います。
    〔委員長退席、麻生委員長代理着席〕
○土居説明員 産炭地域振興審議会におきますこれまでの議論におきましては、六条ないし十条の個別の市町村についても見直しの議論がされておるわけでございますけれども、いずれにしても一番広い圏域概念であります二条を含めまして、広域的な産炭地域の発展のために必要と認められた場合につきましては、当該地域の状況を勘案して指定の継続を行うべきであるというような議論も出ております。したがいまして、例えば六条市町村が卒業する場合でも十条市町村での指定を継続するといった形で、いってみれば十条、二条というのは、広域的な地域の発展の観点からいたしますとサポート地域という形で、むしろそういう広域発展になじむ地域指定にもなりますものでございますので、そういった形で御指摘の趣旨は生かされていくんではないかというふうに考えております。
○岩田委員 それは理解をしておるわけでありますが、示されておりますある一定の基準に基づいて、例えば筑豊地域を見てみますと遠賀郡の岡垣町、先ほども出ておりましたけれども、これなどがいわゆる六条から卒業する。おっしゃいますように、これは産炭地域からの指定を外すわけではもちろんありませんけれども、そういったごく一部、一カ所だけを卒業させる、見直しをする、こういったことが今後地域の連帯や横のつながりや地域全体の活性化にとって一体得策であるかどうかということを私は聞いているわけであります。
 例えばこの岡垣町をとってみましてもそうでありますけれども、ほかにも一、二、それに類するところが出てくると思いますが、共通するところは、例えば工場がたまたまそこに幾つか少数あって順調に稼働している。しかし、よくよく考えてみると、その工場に働いている方々は周辺から来ているわけであって、必ずしも同一自治体の住民が働いているわけではない、こういったこともあるんですね。それから、筑豊全体を考えてみた場合にこれまた共通するところは、人口の増加というのは土地の安さで全部流入してきている、こういったことが共通をするわけで、あながちこれは独自もしくは市町村の財政基盤や基盤整備の上に立ってきちんとした活性化ができているというふうには必ずしも思えないところがあるんですね。これは、先ほど午前中の笹生先生の話でも、財政力指数だけでは見ることはできないというふうにもおっしゃっていましたが、まさに私もそういうふうに思うわけですね。したがって、そういった点で今後の見直しについて危惧の念を申し上げているわけであります。
 したがって、これは要望でもあるわけでありますけれども、つまり、今回の産炭審小委員会の答申案の議論に当たりましては、経済のベースというか、これは現在の順調な経済ベースを基本に考えられているわけで、多少でもこれが緩むと一番影響するのは過疎だとか産炭地であることは御承知のとおりであります。そしてまた、申し上げましたようなごく少数の、少数というか特定した自治体だけをくしの歯を抜くようにぽつんと抜くことが果たしてどうなのか。これはまあ、財政援助の問題からいってもそう大した問題ではない。むしろ、いわゆる同一生活圏域内の実態の中でやはり見ていくということが必要じゃないかというふうに私は申し上げているわけであります。したがって、要望でありますけれども、いわゆる具体的な詰めの段階では、十年間、五年間、二年間というランクを設けて見直しがありますけれども、できればやはり産炭地域の実態にかんがみて、いわゆる五年ぐらいの経過をもってこれを見直すというふうにした方がやはり適当ではないか、こういうふうに思うのでありますが、一言御見解をいただきたいと思います。
○土居説明員 指定の見直しにつきましての猶予期間の議論につきましては、産炭地域振興審議会の審議におきましても激変緩和のための一定の猶予期間を設けることが適当という考え方が検討されておるところでございます。この猶予期間の長さにつきましては、現在ある解除基準における猶予期間の考え方、それから他の地域立法についての同様な措置、この辺を比較考量しながら検討されているところでございます。
○岩田委員 次に、同じく、実効性の確保ということが答申される予定になっておりますけれども、道県の役割というのがかなり重要視されておるわけであります。これは当然だろうと思います。午前中の議論にもるるありましたように、国の責任の重いことは当然でありますが、関係自治体の努力も当然であることは承知をしておるわけであります。
 ところで、従来からも道県は発展計画を策定して、これに基づいて国の協力を得て産炭地振興をやってきたわけでありますが、その意味で今後これをどういうふうに強化をされるかというのは大きなポイントではないかというふうに思うわけであります。つまり、今回の中間見直しでいきますと、道県がつくる計画を国の基本計画の中にどれくらい従来と変わった形で組み込まれるのか、しかも保障された形で組み込まれていくか、これは重要な課題ではないかと思いますが、この辺についてお尋ねをしたいと思います。
○土居説明員 現行は先生御指摘のとおり産炭地域振興の基本計画及び実施計画を通産大臣が策定するということになっておりますが、それと別に各産炭地域道県におきまして、道県の計画としての発展計画というのが事実上つくられているわけでございます。ただ、この発展計画につきましては、いずれにしても国との調整が十分なされていないということから、必ずしもその実効性が確保されていないというふうな実態にあるところでございますけれども、今回の産炭地域振興審議会の議論におきましては、いずれにしても各地域振興の問題でございますので、市町村の意見を聞いて道県がまず実施計画の原案をつくって、それを国に提出して、通産大臣が関係各省とも相談して、地元、各省一体となった計画づくりをやっていこう、それによって計画の実効性を高めていこうという趣旨であると理解しております。
○岩田委員 関係道県の陳情や何かを随分いただいておりまして、それによりましても、国としての責任体制が本当に各省庁に認識されていたかといえば、残念ながらノーと言わざるを得ないというような、地元道県の国に対する認識はこういったことで一致しているわけです。したがって、この辺のいわゆる計画の一致、しかもその一致した計画がどういう形で保障されて実効性あるものとして実践されていくか。十年、五年というふうになっております残り少ない期間の中で成果を上げていくためにはこれが極めて大きなポイントだというふうに申し上げているわけです。
 今部長がおっしゃったように、従来のことはよくわかっているわけです。それを超えて、いわゆる各省庁が単なる認識じゃなくてこれをどうするかという決意を含めて、これをどう実効あるものにするかということが必要なわけでありまして、そういった意味では特別枠、優先枠でも設けて財源の措置をする。これは他の地域の皆さんからいえば大変御意見があるところだと思いますけれども、それくらいの決意をやっていかないと、十年間で一体何ができるか、どういう見通しがあるのか、一体これはどういうことでしょう、そういう意味で御質問しているわけです。
○土居説明員 申しわけありませんでした。
 いずれにしても、そういう審議会の今議論されておりますスキームができ上がりますことによりまして産炭地域振興実施計画の中身がより具体的なものになり、具体的になった計画について法律の規定に基づいて通産大臣が関係各大臣に協議するという手続になっております。そういう手続を通じて、要するに中身について地元、国が一体となった厳密な審査が行われ、それについての実効性が担保されてくるというふうに期待しておりますし、そういった方向での運用をぜひ期していきたいというふうに考えております。
○岩田委員 もっと明確な決意をお聞きしたいわけでありますが、詰めの段階それからその法律実行の段階で、ぜひともこれは地元の期待にこたえられるような体制をとっていただきたいというふうに思うわけであります。
 重ねてお伺いをしたいと思いますが、先ほどの御説明でもありましたけれども、ソフト化、サービス化、こういったものへの新しい、斬新なアイデアが提起されることも予測されております。これはまあ否定するものではございませんが、いずれにしてもやはり基盤整備をどうするかということが一定順調に進まないと、いわゆる文化面の拡充だとか、こういったソフト面の拡充というのはなかなか達成できないということを経験上感じるわけであります。したがって、そういった意味では、各省庁間の連絡会議というのが従来ございましたが、これを超えて、やはり各省庁が利害を超えてどう実効性が高まるような体制をつくっていかれるのか、これがまさに通産大臣にかかってきている責務ではないかと思いますが、大臣の御決意をひとつお伺いしたいと思います。
○武藤国務大臣 先ほど部長からも御答弁をいたしておりますけれども、今の御指摘は、そのような連絡会議があって従来連絡会議でやってきたけれども、それを超えて私の方でもっと思い切ったことをやったらどうか、こういう御指摘かと思うのでございますが、これはなかなか、今国の財政御承知のような状況でございまして、いわゆる財源が非常に乏しい中で、やらなきゃならないことはたくさんあるわけでございます。この産炭地振興対策についても、当然重要な柱の一つであることは間違いございませんけれども、先ほど来お話のあるように特別枠をつくっていくとかいうようなことになりますと、なかなか私はコンセンサスが今のところは難しいんじゃないかという感じでございまして、やはりそういう点においては、せっかく連絡会議を従来持ってまいりましたので、その連絡会議においてほかの省庁の理解を求めて、そしてこれはもう国の政策として非常に重要なものだから、これに対しては重点的に予算配分ができるように我々も努力するから、あなた方もひとつそれだけは理解をしろよというようなことでとりあえずいくのが、やはり私は今与えられた私どもの賢明な策ではないか、こんなように考えておるわけでございます。
○岩田委員 それから、その他の問題について幾つか御質問をさせていただきたいと思いますが、例えば、この筑豊の産炭地域の活性化を考えた場合に、幾つかその基本戦略があるわけでありますが、これまで一貫して地元から政府に対して要望もしくは陳情が続けてこられた大きな問題として、例えば国道三百二十二号線をどうするか、二百号線、二百一号線の完成をどうするかということを再三にわたって要望してまいったわけであります。
 これは、御承知のように筑豊は、この産炭地は陸の孤島でありまして、ようやく飯塚地域まではこの福岡からの交通網の体系が整備されておりましてやや明るくなった状況がありますけれども、その他の地域は比較的やはりそうでない。どうしても戦略的には筑豊を北九州と福岡県内にどういうふうにジョイントするかということが大きな課題になっているわけですね。したがって、言ってみますればこの三百二十二号線、二百号線、二百一号線というようなこの交通体系が、名実ともに筑豊活性化の最大の課題であるというふうに理解をするわけであります。さらに、JR篠栗線の電化、複線化という問題が同様な立場で大きな筑豊浮揚の基本計画というふうになっておりまして、重要性を帯びておりますが、これらいわゆる活性化の基本課題についてぜひとも政府におかれまして取り上げていただき、早急な十年間、五年間のスパンの中でこれを達成するという重要な問題として認識をいただきたい。これは国の基本計画、実施計画がどうなるかという難しい問題はありましょうけれども、ひとつ認識を新たにお願いをしたいと思います。いかがでしょう。
○土居説明員 産炭地域振興審議会における審議におきましても、各地方の調査を行いまして、今先生御指摘がありましたように産炭地域振興、企業の誘致等を中心とした産業開発のみならず、その基盤にあります道路、工業用地その他の基盤整備というのは非常に重要になってきているという御指摘がございまして、その辺が今後の産炭地対策の重点事項であるという議論になりつつあります。したがいまして、そういった方向でいろいろとこれから役所の方も検討させていただきたいと思っております。
○岩田委員 残存鉱害量の問題につきましては、先ほど調査中であるというふうにおっしゃっていましたけれども、これにつきまして要望があります。いわゆる石鉱審の鉱害部会の先生方の現地調査をぜひやっていただきたい。現地を実地に御視察いただきまして、いわゆるこれのための指針にしていただきたいというふうに思いますが、先生方の現地調査の計画があるかどうか、お聞きをしたいと思います。
○土居説明員 石炭鉱害の問題につきましては、現在、石炭鉱業審議会の鉱害部会の意見を踏まえまして残存鉱害量の調査を通産省で行っておるところでございますが、この結果を年内に取りまとめる予定にしております。それを踏まえまして、石炭鉱業審議会の鉱害部会で具体的な対策のあり方について審議がなされます。御指摘の現地調査団につきましても、この鉱害部会での審議を経て今後検討していく課題であるというふうに考えております。
○岩田委員 ぜひお願いをしたいと思いますが、第二次鉱害が新たに問題になってきつつある情勢もひとつ御認識をいただいておきたいと思います。
 それから、鉱害の問題について、先ほど九次策で石炭をどうするかという非常に議論がございましたが、例えば三井三池の石炭がどういうふうに推移していくのか。八次策では、これまた言われておりますが、緩やかな縮小が言ってみれば雪崩的な縮小になっていった。こういう形で八次策が終わって九次策というふうになってまいりますと、筑豊に延々として残っております鉱害というのは一体どうなるのか、これは心配であります。とりわけ田川市郡を中心として残っておりますこの鉱害問題との関連も直出てくるわけでありますが、そういった意味でも九次策との関係でぜひとも鉱害問題についての取り組みの強化をお願いを申し上げておきたいというふうに思います。
 さらに、最後になりましたけれども、炭鉱跡地問題、ボタ山問題、これにつきましては午前中も地元の山本参考人にお伺いをしたわけでありますが、福岡県の産炭地を考えてみますと、遠賀川流域と大牟田を中心とした三池郡一帯、ごく限られた地域で石炭が掘られている。しかもこれまで五億トン以上の石炭が掘られているわけですから、これは想像を絶するところがありまして、理解いただけると思いますけれども、こういった地域にボタ山が恐らく二百六、七十くらい残っているんじゃないか。ボタ山の跡地だけでも千三百ヘクタールくらい、それから未利用地、炭鉱の跡地を入れますと二千ヘクタールくらい、二千ヘクタール以上に上るのではないかというふうに思いますけれども、これらは言ってみれば、産炭地域活性化の方策はいろいろ公共事業の投資などもやられておりますけれども、一方では大きな阻害要因になっているわけですね。これは明確な事実だろうというふうに思いますが、これをどう進めていくのか、これが課題であると思いますので、ぜひとも政府、通産におかれましては一層の御努力をいただきますように要望を申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○麻生委員長代理 中沢健次君。
○中沢委員 きょう、私の持ち時間は十分でございますので、大臣に二つほど具体的な、あるいは基本的な問題についてお尋ねをしたいと思います。その前に、大臣に一言お礼を申し上げたいと思います。
 この委員会でも取り上げてまいりましたが、三月の三菱の閉山の後始末、とりわけダムの問題につきまして、おかげさまで概算要求に入れていただきました。十二月の大蔵の査定がどうなるかまだわかりませんが、この間、直接の所管ではございませんでしたけれども、通産大臣として関係大臣にいろいろ働きかけをしていただいてここまで来ておりますので、まずお礼を申し上げて、まだ若干の詰めがございますので、今後よろしくお願い申し上げたいと思います。
 実は、大臣、国勢調査の速報値が出てまいりまして、私の選挙区の産炭地の五市一町、想像はしておりましたけれども、五年前に比べて人口の減少率が平均で二二%。私の夕張は人口の減少率が恐らく全国最大ではないかと思いますが、三三・八%。つまり、八次政策で四つの山が閉山になる、各山とも大幅な合理化をした、その非常に悪い意味での象徴的な数字ではないかと思うのですね。
 それからもう一つは、若干感度が違いますけれども、中東紛争で大変な石油関連の製品が値上がりをしております。北海道は、ことし少し雪が遅いのでありますけれども、間もなく本格的な冬将軍。調べてみましたら、昨年の十一月は灯油は一リットル三十九円で買えました。ことしの十一月は六十円を出さなければ買えない。これも、もっと高いところもありますけれども、比較的安値のところで六十円なんですよ。
 国勢調査で人口がこうなった、灯油がこういう状況であるということを、大臣も専門家でありますからよく頭の中に入っていると思いますが、それらを一つの背景にして二つ質問させていただきたいと思います。
 一つは、八次政策というのは、まだ再来年の三月まで約一年と六カ月ぐらい残しております。先ほどの細谷委員の質問にも若干関連をするのでありますけれども、どういうニュースソースかは別にいたしまして、一部業界紙では、九次政策を待たずして私の選挙区の内陸の三炭鉱が全滅をするのではないか、これはとんでもない話だと思うのですね。特に、八次政策は、大臣も十分御承知のように、九百七十万トン、電力八百五十万トン、こういう政策需要を付しての政策の骨格が既に国会レベル、関係業界レベルで合意に達している。そうすると、具体的には平成三年度の需給計画にも関連をしますが、まあ余り正確な見通しはなかなか出ないのでしょうけれども、会社側が閉山をするとか合理化をするという直接の権限を持っているのはよくわかりますが、その背景には、石炭政策、通産省のいい意味での政策指導が当然あるわけでありますから、通産省としては、通産大臣としては、少なくとも八次政策ではもうこれ以上の閉山だとか大幅な縮小は避けたい、基本的には緩やかに緩やかにやってきてここまでの生産と需給の現実的な問題があるわけでありますから、そこのところをまた改めて大臣の決意としてぜひ聞かせてもらいたい。あす、石鉱審の政策部会もあります。ですから、なかなかお答えしにくいかもしれませんが、あえて大臣の決意を含めてお聞かせをいただきたいと思います。
○武藤国務大臣 八次策においても、たしか平成二年度は八百四十万トンということになっておるわけでございます。既にもう最初の計画から見ると狂ってきているわけでございますし、今後あと一年半足らずあるわけでございますが、できるだけせっかくの八次策の中でそれが実現をしていくように努力をしていくのは、私ども当然のことだと思っております。
 ただ、今御指摘の点は、八次策が終わるまでは一つたりとも企業が閉山をしないようにおまえ指導しろ、こういうことのようでございます。これは、閉山されるかされないか私は全くわかりませんけれども、私どもとしては、せっかくそういう八次策で需要供給の関係でできてきた数字が達成できるようにぜひお願いをしたいと言って業界を指導していることは当然でございますけれども、企業の経営まで私どもがタッチをするということは、少なくとも今の自由主義経済体制の中ではやはり私どもはできない。例えば、今までだって閉山をされるときに一々私どもが、あなたのところ閉山してよろしいよというようなことは言ったわけではございませんので、閉山をお決めになってからは、後の対策については我々いろいろと御相談をさせていただくわけでございますが、閉山をお決めになるまでは企業の経営者の考え方でこれはお決めになるものでございます。
 我々としてはできるだけその数字を達成していただきたいということでお願いをいたしておりますけれども、やはり会社の経営のことまではなかなか私ども介入できませんので、私としては、八次対策で決められたことができるだけ実現をしていくように努力をしていく、業界にもそのような方向で努力をしていただくようにお願いをしていくということは当然でございますが、企業の経営そのものまで私どもが介入をするということはできないということだけは事情をおわかりいただきたいと思うわけでございます。
○中沢委員 大臣の方から今のような御答弁があったわけでありますけれども、確かに会社の社長の権限を侵して具体的な閉山問題に直接タッチはできない、それはそうだと思います。ただ、今までのいろいろな経緯の中で、通産大臣やエネ庁の長官や石炭部長の政策的な責任とその影響力というのは非常に大きいわけでありますから、大臣が最後に申されました八次政策の政策的な計画が達成できる、そういう範疇におきまして今後とも努力をお願いしたいと思います。
 さて、いま一つは、大臣も思い出していただきたいと思いますが、八月十一日に赤平市にお見えになりました。今ちょっと委員長、席を立たれておりますけれども、渡辺委員長と私が一緒に行きまして、五市一町の首長、いろいろな関係者三百人ほど、つまり集団陳情したわけですね。大臣としてはいろいろなことをおっしゃっておられましたけれども、私の受けとめ方としては、とにかく通産大臣をやって石炭問題を直接いろいろ手がけてきた、今までと違った意味で石炭について理解、認識が深まった、環境は厳しいけれども石炭を守るために一生懸命頑張る、そういう石炭を守る決意表明があのとき大臣からあったように私も思いました。その後いろいろな方にお会いして、あのときの大臣のごあいさつどう思ったかと言ったら、やはり同じような受けとめ方をされているわけですよ。
 九次策はこれから石鉱審を中心にいろいろ審議会は審議会で議論をしていただく、それはもちろん我々としては静観をしなければなりませんが、やはり一番の問題は、これ以上山の閉山だとか大幅な合理化・縮小はさせない、私はそうすべきだと思うのです。そうしますと、勢い今の八次政策の範疇では、午前中の石炭協会の会長もおっしゃっていましたけれども、今の政策では企業としては自立ができない、自立をするのであれば、山を残すのであれば、今の政策に相当な上積みをした新しい政策が必要だ、裏返しをすればそういうことだと思うのですね。
 問題は、それじゃどういう政策のかさ上げをすべきか、いろいろ意見があると思うのです。先ほど細谷委員が、例えば電事連について、業界全体は大体年間で一千億程度の持ち出しではないか、私も大ざっぱにそのように把握をしております。それについて政策的な判断、政策的な手だて、私はやはりいろいろあると思うのです。それはいろいろある。そのいろいろある中で、やはり石炭を大事にしよう、国内の山をこれ以上つぶさない、そういうことを骨格にした九次政策をつくった場合、それに必要な政策的な新しいものを導入してくる、これは当然必要になってくると思うのです。今の時期ですから、大臣としては余り基本的な問題や明確な問題については触れづらいのかもしれませんが、あえて、赤平発言なんかもございましたので、ぜひひとつ九次政策についての大臣としての今日的な見解、基本的なことで結構でありますからぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○武藤国務大臣 私が赤平で申し上げましたのは、正直私は従来余り石炭には関係がございませんでして、逆に党においては商工関係の仕事をずっと続けてやってまいりましたので、どちらかというと割高の石炭よりは、同じ化石燃料でも石油の方がいいじゃないか、しかも石油の原油に対して関税をかけて、それを石油の競争相手である石炭に回すなんというのはとんでもないことだというようなことを私は正直言ったことがあるわけでございます。
 その私がこういう立場になりまして、特に就任早々三菱の南大夕張炭鉱、この閉山という場面に直接私は遭遇いたしまして、いろいろそのときにお話を聞いて、これはなかなか石炭というのは大変だ、それぞれ一生懸命今日まで御努力なされてきた方々もたくさん、本当に御苦労なさっているし、またその地域社会に貢献されてきた石炭産業の貢献度は非常に大きいものがあるし、しかも、その石炭が閉山すればそれによってその地域社会が非常にお困りになるということがよくわかってまいりましたものですから、これはやはり石炭というものもこれから日本の国内で、ただそういう、何というか計算だけでいけないものはあるんだということを私も認識いたしまして、そういう意味では石炭についてもこれから十分配慮して努力をしていかなければならない、こう思っておるものでございますから、それを率直に申し上げたわけでございます。
 そこで、今のお話の第九次策、一体おまえはどうするのか、こういうことになりますと、これはお答えしたくても今おっしゃるとおりで、せっかく今審議会に私お願いをして御審議願っておるわけでございますので、石炭鉱業審議会においても多分石炭産業の将来を願ってのいい答申が出てくるものと期待をいたしておりまして、その答申を踏まえて、その答申を尊重してやはり石炭産業の将来に向かって努力をしていくということではなかろうか、今日ではそこまでしか御答弁ができないことはお許しをいただきたいと思います。
○中沢委員 ありがとうございました。きょうはこれで終わります。
○麻生委員長代理 岡田利春君。
○岡田(利)委員 先ほど細谷委員が総合エネルギー調査会の長期需給見通しについて質問をいたしておるわけです。今回の需給見通しについては稲葉さんも自己批判ということで、果たしてこれが安定的に供給できるか、また需給の見通しについては甘かった、こんな自己批判をいたしておるわけです。したがって、これを受けた通産大臣として今回の長期需給見通しについてどのように評価をされておるのか。また、私は多くの問題点があると思いますね。そういう点についてはどう理解をされておるのか、まず見解を承っておきたいと思います。
○武藤国務大臣 稲葉さんがこの間おっしゃったようでございますが、私どもが承知をしておるのは、稲葉さんのお話は決して今見直しをすぐしようということではなくて、とにかくあれは大変な努力が必要だ、あの目標を達成するためには大変努力が必要だということを自分は言ったつもりだというふうに報告を受けておるわけでございまして、直接私は稲葉さんにお目にかかって確かめたわけではございません。ただおもしろいことに、あの日はたまたま私はある会合で実は稲葉さんにお目にかかったのです。お目にかかったのですが、私には何もそういうことをおっしゃらなくて、どこでああいうことをおっしゃったのか、新聞に出ておったわけでございます。ですから、私としては事務当局からそういう報告を受けましたので、そういうことであろうというふうに今は理解をいたしておるわけでございますし、長期見通しにつきましては、先ほど申し上げましたが、代替エネルギーの問題が地球温暖化等の問題で出てまいりまして、石油の依存度はある程度あの長期見通しよりも減らしましたけれども、いずれにしても相当の努力を必要といたします。せっかくつくっていただいた見通しでございますので、これについては官民挙げて、私どもも努力をし、国民の御理解もいただき、御協力もいただいて、とにかくその達成に向かって努力をしていくということの私は今決意でございます。
○岡田(利)委員 私は、きょう時間がありませんから詳しい議論ができませんけれども、今度の需給見通しの場合には多くの問題点があると思いますね。この問題点を一体どう解決をしていくのかということは非常に重要であろうかと思います。
 地球温暖化の問題も、国際的に分析をしますと、何かある意味では原子力を進めるために地球温暖化、二酸化炭素の問題が特に大きく取り上げられておる、こんな気さえ私は実はいたしておるのであります。そして、一次エネルギーと二次エネルギーを見ますと、原子力というのは二次エネルギーで代替できるのであって、それ以外のエネルギーには代替できないのであります。そして、高らかにベストミックスということをうたい上げておるわけなんですが、これもまた私は疑問があるのですね。ベストミックスというのは一体何を前提にして、何を基準にして我が国はベストミックスと言っておるのか、こういう疑問も実は素直に出てくるわけです。何か確たるものがあるのでしょうか。
○緒方説明員 長期エネルギー需給見通し、ベストミックスということを言っておるわけでございますが、これは将来の資源の制約、それから温暖化などの地球環境問題等、エネルギーをめぐります今後のいろいろな課題というものに対しまして、一つの観点はエネルギーのセキュリティーを確保するということ、そして人間活動と環境保全の両立という観点から適切なエネルギー供給構造を構築していこう、こういうところが基本的な考え方になっているわけでございます。
 何か理論があるのかという御質問でございますけれども、何か計算をして出てくるということではなくて、こういう観点、基本的考え方を踏まえまして、エネルギーごとに、供給の安定性でありますとか経済性、環境に対する負荷、それから導入の可能性、これらの諸要素を十分に踏まえまして策定をしたわけでございます。その結果、この見通しでは、御案内のとおり、エネルギーの供給構造の面のポイントといたしまして、石油依存度を低減させていく、そして原子力等の非化石エネルギーへの依存度を向上させていくということになっているわけでございます。
○岡田(利)委員 私は、ベストミックスというのはそういう意味で非常に問題がある表現だなと思うのです。
 IEAで一九九〇年代のエネルギー政策の合意が閣僚会議でなされているわけです。この内容を見ますと、電力は将来のために石油依存度を減少させ、電力部門においては他のエネルギーに代替しなさいと明確に述べているわけですね。これは我が国も合意しておるわけです。確かにウエートは若干下がったとしても問題があるわけです。まして今石油危機という問題が、中軽質油の構造が非常に大きくなって、まごまごしていると八〇%になってしまうわけですね。そのぐらい変化をしておるわけです。それなのに公害対策という名目で依然として原油の生だきをやる。一千八百万トンを超える原油の生だきをやるわけですね。こういう感覚はエネルギー政策上極めて問題があると思うのです。こういうものの是正を図らない長期需給見通しというものがあるのでしょうか、こう私は素直な疑問を持つわけです。
 あるいはまた天然ガスの問題もそうでしょう。天然ガスだって、ここに書いてあるように、大幅な天然ガスの需要増はIEA域内の天然ガス資源の枯渇を早める。供給増は、できる限り多様の供給源から獲得すべきだということで、電源としての石油なり天然ガスは日本の場合消費量がもともと高いのですから、こういう点なんかもまだまだ努力しなければならない問題点があるんではないでしょうか。そういう意味では基本的な問題が私はあると思います。
 あるいはまた、消費構造の問題でも、確かに夜と昼の昼夜間電力の料金の立て方は変更いたしましたけれども、問題はやはりピーク時でしょう。北海道電力は十二月がピークで、沖縄電力は七月がピークで、あとは全部八月ピークですから、そのピークが延びていったらこれはもうどんどん投資をしなければならぬわけであります。そうすると、これはピークを抑えるということになれば、当然労働時間の問題や、あるいはまた夏季休暇の問題を積極的に取り上げないで対策はできないんではないでしょうか。今度の需給見通しの場合には、一応サマータイムとか国民の意識変革をねらうようなものも若干ありますけれども、やはりそういう点では日本の特殊性の、最もピークが高いわけですから、これを思い切って対策をするという姿勢が前面に出ないで、何が一体二〇〇〇年代の長期エネルギー需給計画なのか、こう私は言わざるを得ないのですね。
 まだまだありますけれども、時間がありませんから、これはやはり素直に、できるだけ早い期間に見直しをするか、そうでなくても今各論についてさらに深い検討を速やかに始めるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○緒方説明員 初めに電力について御指摘がございましたけれども、御案内のとおり、第一次オイルショックのございました一九七三年に、発電電力量で電力の七一%は石油火力で行われておりました。それがその後、先生御指摘のようなIEAの考え方なども踏まえ、日本としての政策展開もあり企業の努力もあって、昨今では発電電力量の中で石油火力の占めるウエートというのは二七%まで下がってきております。これをさらに原子力発電その他のウエートを高めてまいりまして、さらに安定化を図っていこうというのが今の考え方になっているわけでございます。生だきによる発電というのは行われておりますけれども、全体のウエートはそういうふうになっているということをぜひ御理解いただきたいと思います。
 それから、電力のピークの問題でございますけれども、昼夜間電力について新しい制度を設け、これはまだテスト的なものでありますので、直ちにそれによって電力の需要が夜に変わるというわけではございませんけれども、一つの試みとしてやっていることは御案内のとおりでございます。そして、夏ピークあるいは電力についてのいろいろな家庭用あるいは業務用の需要を中心とする冷房需要などについての考え方でございますけれども、これは一つは省エネルギー対策というものを強力に推し進めていくということ、これが第一であろうと思います。それからもう一つは、従来の意味での省エネルギーとは違いまして、これまで利用されていなかったエネルギーというものを有効に活用して、エネルギーの利用効率を向上させるという方向でございます。これによって、冷暖房のエネルギーというのは化石燃料を燃焼させて非常に高い温度を得るまでもなく、ヒートポンプなどの技術を活用いたしますともっと低い温度の熱を利用することが可能でありますので、そういう従来捨てられていたような低い温度でのエネルギーというものを有効に活用して冷暖房に利用していく、こんなことをやることによって増大をしていきます家庭用、業務用などのエネルギー需要というものを賄っていくのも一つの有力な手段ではないか、こんなふうに考えているところでございます。
○岡田(利)委員 私は、例えば電力の熱効率が国際的に見て非常に高いとか、そういう正しく評価はいたしておるわけです。あるいはまた公害対策の面では、SOxの対策は日本は九〇%の施設があるのにアメリカは二〇%よりないわけですね。あとは全部吐き出しているわけです。あるいはNOxの場合でも、日本は約七割の施設を火力発電所は皆持っているわけでしょう。アメリカは全然ないわけですから、対策はゼロでありますから。西ドイツの場合だって二〇%よりないわけですから、そういう点でも私は高く評価をいたしているわけです。だがしかし、ベストミックス論からくる、言うなればこの程度ウエートが下がったからベストミックスなんだというのが、ある程度、四分の一ぐらいずつのウエートになる、こういうことであってはならないということを言いたかったわけです。
 そういう意味では、石油の、特に電気を起こすために石油を使うということはできるだけ避けなければならぬわけでしょう。天然ガスについても同様だと思うのです。原子力だって、これはエネルギー収支をやった場合に、原子力だったら恐らくエネルギー収支は一番高いでしょう。説はいろいろありますよね。四対一とかなんとかありますけれども、我々の得ている、勉強している範囲ではまだ高いのじゃないかと思うのですね。一番エネルギー収支が低いのは恐らく石油じゃないですか。そういう面で考えますと、日本は余りにも油に依存し過ぎたのですよ。この脱皮がなかなか思うようにいかないのでしょう。ですから、相当テンポを速めるという努力をしなければならないのではないか、こういうことを強く指摘をしたいために、ベストミックス論というのはどうも手前みそではないかなということを一つの批判として申し上げた。きょうはこれが本論じゃありませんから、ここで議論する気持ちはございません。
 そういう意味で、エネルギーの問題はまず我々自体が意識を変えていくということであり、政策者もそうですし、消費者もそうでなければならない、こう思います。そして、相互補完的にエネルギーを確保する、こういう視点で国内エネルギーの問題を考えなければ今後エネルギー政策上多くの問題が出てくるということを、先ほど生田参考人にも私の意見として申し上げたわけであります。国内エネルギーが高いから全部簡単につぶしてしまう、そして、原発をつくるのにぜひ協力してくれ、あるいはまた、もうテリトリーを超えて電源を他の地域につくらなければならない状況が今日続いているわけでありますから、そういう面から考えても、特に国内エネルギーについては慎重な扱いをすることがあらゆるエネルギー政策を進める場合において非常に重要であるということをぜひ理解をしていただぎたいものだ、こう私は思うのです。
 そういう意味で第八次政策を考えてまいりますと、どうでしょう、この八次政策というものを正しく総括をしなければ第九次政策は成り立たないと思うのですね。第八次政策、もう既に原料炭の生産は五年間のうちで三年で終わったのですよ。四年間原料炭はちゃんと需給があるというのを三年間で終わっちゃったのですよ。これなんかは一体どういうところから出て三年間で終わったのか、問題なんですね。原料炭だけは半減、半減、半減でどんどん減らして、そして急速に炭種の転換をさせる、こんなむちゃなことをやってその炭鉱が安定するはずがないのじゃないですか、幾ら縮小交付金を出したって。原料炭は手取りは高いのですから、一般炭は低いのですから、原料炭をぶった切って一般炭にしたら手取りは下がるのですから。縮小コストはかかるのでありますから、鉱害があれば鉱害コストは上がるのでありますから、これを急激にやるということに間違いがあったわけですね、第八次政策は。
 私は、そういう意味では第八次政策は前倒しで進められてきたと思うのです。だから、今年の需給は八百四十万トンでしょう。そのうち百二十四万トンは露頭でしょう。七百十六万トン程度が坑内掘りでしょう。来年になったら七百万トンを切るでしょう。来年の政策需要は電力は八百五十万トンでしょう。もう生産構造ははるかに割っているわけですよ。この八次政策四年目にして八百五十万トン以下になっているのですよ、生産構造は。これはやはり正しく考えないと、今度は九次政策を下手にやると、また前倒しで縮小してしまうのじゃないでしょうか。混乱が起きるのではないでしょうか。私は、そういう意味でこの八次政策をきちっと総括をすることが大事だと思うのですが、第八次政策の私が今指摘をした点について総括はどうなさっておるのでしょうか。
○土居説明員 昭和六十二年度からスタートいたしました第八次石炭政策につきましては、今先生から一部御指摘がありましたように、集中閉山の回避を基本としながら、地域経済、雇用に及ぼす影響をできるだけ緩和して生産体制の集約化を円滑に行うという考え方に沿いまして、供給規模をおおむね一千万トンを目指して推進されているものでございます。この間、六十二年度以降現在まで四炭鉱の閉山を初めといたします生産体制の集約化の結果、国内炭の生産量は八百四十万トンまで縮小しております。
 一方、炭種ごとに見ましても、八次策下におきまして原料炭の引き取りにつきましては最終的にゼロという答申になっておりまして、平成三年度には引き取りがゼロになるという段階でございますし、一般産業用の一般炭につきましても同様の傾向をたどることになっております。
 さらに貯炭につきましては、過剰貯炭対策について所要の措置を講ずべきこととされているところでございますが、これにつきましても、昭和四十二年度末に三百四十九万トンに増加したものを現在解消に努力いたしておりまして、平成二年度末には百六十五万トンまで減少する見込みでございます。
 いずれにしましても、集中閉山の回避を基本といたしまして、地域経済、雇用に及ぼす影響をできるだけ緩和して生産体制の集約化を円滑に行うという考え方に立って推進されております第八次石炭政策につきましては、おおむね基本的な枠組みを崩さずに進捗しているものというふうに考えております。
○岡田(利)委員 原料炭というのは第八次が始まる前にもほぼ半減方式で減産させたわけですね。そして、それをまた半減させたわけでしょう。半減、半減方式でやっているんですよ。そして、三年で生産をとめちゃったんですよ。そしてその貯炭のうち今度代替で原料炭を出して、そしてこれを第四年目の平成二年は供給しているということでしょう。こんな無理なことをやるからしわ寄せがいくことは当たり前じゃないでしょうか。こんなわかり切っていることをやっているわけですよ。しばしば指摘をするのですが、半減方式で、力の強い方の言い分が通るのですね。しかも鉄鋼の方の状況は当時の説明以上で、むしろ粗鋼の生産はここ数年一億トンを超えたわけでしょう。だから、これは調整も何もないのですよ。そういう厳格な反省がなきゃ九次政策はいいものができないのではないかと私は思いますね。減るなら早い方がいいのだ、減る場合は何ぼ減ってもいいのだ、私はまさしく八次政策はそういう手法ではなかったのかなという感じがします。だから、逆に貯炭がふえたわけでしょう。貯炭がふえたから、後に貯炭を消化をするためには生産を減らさなきゃならぬわけですよ。だから、客体がもう既に八百五十万トンの電力の需要があるわけでしょう。これがスムーズにいったなんて思ったら大間違いだと思うのですよ。ぜひそういう点については、この八次政策の総括をきちんとやっていただきたいなと思います。
 同時に、第九次政策に当たっては、過去三十年間の我が国の石炭政策について総括をしなきゃならないと思うのですね。一定の流れがあるわけでありますから、そして第九次政策に対して経営者の方は九〇年代の産業調整という視点で対応すると言っているのでありますから。そうしますと、過去三十年間の石炭政策の流れを一体どのように総括をされた上で今回の第九次政策の立案に当たろうといたしておるのでしょうか、この点はいかがですか。
○土居説明員 昭和三十年代以降の石炭政策につきましては、大きく言って三つの曲がり角があったというふうに考えております。
 第一点は昭和三十年代から四十年代にかけての炭主油従から油主炭従へのエネルギー革命でございまして、この中で大規模な炭鉱閉山等を伴います大きな構造調整が行われてきたということでございます。
 第二の時期は昭和五十年代でございまして、二度にわたります石油危機によりまして石炭の見直し機運が生じまして、この間おおむね二千万トン体制で生産は前後してきたという状況でございます。
 第三期につきましては、昭和六十年代に入りましてプラザ合意によりまして日本経済の体質が変わったということもございまして、再度の構造調整の時期に入りまして第八次石炭政策が立案され現在に至っているということでございます。
 以上のようなことでございますけれども、これを大きく考えますと、価格面で最初は石油、次いで海外炭に対して競争力を失ってきた国内石炭鉱業が過去三十年間にわたる構造調整の歴史であったというふうに見ることができると考えております。
○岡田(利)委員 昭和二十年代は日本の経済復興のために石炭の増産の時代。ようやくエネルギーの流体化の傾向が出てきた。だから昭和三十年に石炭合理化法が制定をされた。昭和三十六年には石油と石炭のエネルギーが我が国ではフィフティー・フィフティーであったわけですね。しかし、始まったいわゆるスクラップ・アンド・ビルドというのは、ビルドは本当にビルトインをやったわけですよ。だから三千六百万トンの生産が五千四百万トンまで伸びたわけですね。一方、スクラップ・アンド・ビルドでスクラップをやった。それで昭和四十年代は企業ぐるみ閉山があって、大幅なこの縮小。だが、昭和四十年代は単なる縮小じゃないのですよ。原料炭を厳重確保するという前提に立って縮小したのですよ。だから一般炭を切り捨てる。だが、併産一般炭が出るから電力は引き取りしなさいと、こう鉄鋼は言って、四十年代は原料炭を確保するために今閉山した南夕や夕張新鉱をわざわざ開発したのですよ。縮小の中にも開発したのです。そして昭和五十年代は、第一次オイルショックが始まって、石炭が我が国の経済に大きな貢献をしたわけでしょう。電発があったおかげで、これが大変な支えになったということは五十年代、十年間続いたわけですよ。初めて昭和六十年代に入って構造調整の段階に入ってきた。そして円が急速に上がる。だからこの格差が出てきた。西ドイツだってマルクは強くなって産業構造は変わっているわけですから、だが日本のような急激な変化はないのじゃないでしょうか。そして、ウルグアイ・ラウンドでもいろいろ問題になったけれども、先ほど言ったようにそう簡単にできるものではないわけですから、今度の場合もグリーンの認定を受けて徐々に慎重に調整をしていこうということになっておるわけでしょう。そして、我が国と非常に構造の似ているフランスの場合には今でも一千百七十万トン程度の生産を維持しているわけです。ですから、そういう点に整合性を持った政策を進めるというのが過去の石炭の流れからいって当然ではないでしょうか。
 そういう意味で、今後の第九次政策の視点をどこに置いていくのか。もちろん、石炭経営の実態や自然条件もあるでしょう。だが、我が国の石炭だっていかなる輸入炭よりもサルファの少ない一般炭だってあるわけでしょう。いかなる輸入炭のサルファよりも少ないサルファの一般炭を生産しているところもあるわけでしょう。あるいはまた、かつて九電力が石炭を切ったときに、出資をして五二年に電発が始まったわけでしょう。磯子の一号ができて、そして今年は百万キロの火力があの松浦にできたわけでしょう。その間ずっと火力発電所をつくって、我が国の石炭火力の二十五万だ、五十万だ、七十万だ、百万だといって技術を蓄えてきたのですね、電発は。そういうときには常に国内炭なるがゆえに、例えば磯子の発電所は地方自治体と話をして、我々も行って、そして話がついて建設が認められた、ただし国内炭をたくという条件ですよということになっているのですよ。あるいはまた、竹原の三号だってそうじゃないですか。七十万キロの火力をつくるときに現地は反対をしましたが、我々が説得に行きましたよ。あるいはまた、松島だってそうじゃないですか、五十万、二基。これだって長崎の石炭を引き取るということで地元の了解も得て、賛成を得てでき上がり、その実績が今松浦の九電七十万、そして電発が百万、これがやがて倍になるというところまで行っているのであります。
 こういう点を大事に考えないとこれからの石炭政策というのは成り立たないと思います。いさぎよくどんどん撤退ということになってしまうのじゃないでしょうか。今までの石炭政策をまず正しく総括した上で、委員の皆さんも十分理解した上でこれからの政策を議論してもらう。それは電力であろうと鉄鋼であろうと生産者であろうと労働者であろうと、ある程度立場を超えてこれからを十分見通しながら素直に議論をすべきじゃないか、僕はこういう気がするのですが、どうも最近の石鉱審の動向を見ると、それはさすが卒業したような顔で議論しているというのは、この重大な段階で一体いかがなものかと思うのですが、いかがでしょうか。
○土居説明員 石炭鉱業審議会の審議の状況につきましては、午前中にも生田参考人の方からお話し申し上げましたように、現在、国内石炭鉱業のあり方について基本的な考え方を、エネルギー政策の観点あるいは産業構造調整政策の観点、あるいは地域経済社会に与える影響等の観点から多面的に検討いたしておりまして、明日にもさらにその政策部会が開かれる状況でございます。
 先生御指摘の海外の石炭政策との関係あるいは過去の三十年間の石炭政策の流れの中での位置づけの議論、こういった議論はこれまでも一部行われてまいりましたし、これからも行われるという段取りになっております。
 ただ、石炭問題につきましては、この後財源問題を含めまして非常に大きな問題を抱えております関係でございまして、来年の予算要求に間に合わせるということからいたしますと、審議の方もそれなりのテンポで進めなきゃいけないという情勢になっていることを御理解いただきたいと思います。
○岡田(利)委員 生田参考人にもちょっと申し上げましたけれども、私は常にドイツとフランスの問題を提起しているわけです。一九六〇年で見ますと、フランスの場合は五千五百九十六万トン、日本は五千二百六十万トンでした。七〇年は三千七百四十万トンに対して日本は三千八百三十二万トンでした。一九八〇年は二千十九万トンに対して千八百九万トンでした。八九年、昨年は一千百四十七万二千トンに対して九百六十三万五千トンでした。こういう生産規模の移り変わりであります。
 そして、国内産エネルギーでフランスと日本を比較しますとどうなっているか、こういいますと、フランスの場合と日本の場合は非常に似ておるのでありまして、石油の生産は、石油百万トン換算でいいますと、フランスは三百七十万トン、日本は七十万トンですね。石炭は七百十万トン、石油換算で。フランスは七百九十万トン。ガスは日本は百九十万トン、フランスは二百六十万トン。水力は日本は千八百九十万トン、フランスは千五百六十万トン。そしてトータルしますと、二千八百六十万トンに対してフランスは二千九百八十万トン。非常に似ているんですね、フランスの国内、日本の国内で生産されているエネルギーで見ますと。そして、経済力は日本の半分ですよね、GNPは。エネルギーの消費量は五五%切っていますよ。ただしかし、一人当たりのエネルギー消費量は、日本は三・一トンであって、フランスは三・六トンなんですよ。そして、一次エネルギーの動向から見ても非常に似ておって、ただ問題は原子力がフランスは七〇%を占めているのです。日本のエネルギーの需給型は、どっちかといえばフランス型ですね。電力で油をたいておるなんという国は珍しいんです。ほとんどないんですから。フランスだってイギリスだって、カナダだってアメリカだって。ちょっとたいておるのはイタリーだけでしょう、先進国家で油をたいて電気を起こしているなんという国は。ほかにはないですよ、そんな国は。
 そういう点で見ますと、やはりそういった点きちっとやらないと、簡単に高いからといって切ってしまって、あとは原子力だ、立地は言うこと聞けと言ったって、どうして国民の意識改革をお願いすることができるのでしょうか。もう少し思想的に考えなきゃいかぬですね。そういう意味では、国内エネルギーの場合、エネルギーの供給を超えた次元で物事を考えなきゃならぬのではないでしょうか。構造調整の手法でいうなら、農産物なんか問題にならないわけでしょう。私は、そういう意味で、石炭産業や資源産業は二次産業であるけれども、一次産業もしくは一・三次産業、一・三産業とか、そういう受けとめ方をしなきゃならないと思うのですね。そういう認識がお互いに共通的に理解し合えるかどうかということが大事だと思うのですが、大臣はこの点どうですか、私の意見に対して。
○武藤国務大臣 石炭を一次産品と同じ扱いにしろというのも、これは国際的に見てそこまではなかなかいきにくいんじゃないかという、今お話を聞いていて率直に私は感じております。
○岡田(利)委員 農産物と同じくいかぬでしょうけれども、国内のエネルギーというのはやはりそういう思想というか考え方ということはある程度大事ですよね。構造調整で、我が国は産業構造が違うんだからといって簡単に切り捨てるなんということは、これだけの経済力を持っている国としてはいかがなものか。そして、一生懸命やっている新エネルギーは、これは安いものじゃないでしょう、新エネルギーなんというのは。それもやらなきゃいかぬわけですから、そういう点で慎重の上に慎重を期して、日本の石炭の使命というものを間違いのないように果たさせる、もちろんその情勢、情勢で対応しなければなりませんけれども、こういう素直な気持ちで臨まないと、どうも審議会の議論のように、一方は輪をかけて全面撤退せいと言うし、一方は力に押しまくられてにっちもさっちもいかぬというような状態、組合は一千万トン原則で物を言う。しかし、生産構造がここまで落ち込んで、新鉱を開発せいと言ったって、こんなのはむちゃですよ。私はそこまでは言わない。そういう意味で、やはり現に生きている炭鉱を大事にすることが極めて重大だということを強調いたしたいわけであります。
 そこで、先ほど言いましたように、これまで石炭の果たしてきた役割の中で特に注意深く検討しなければならぬのは、電源開発株式会社が我が国の石炭火力の開発で果たしてきた役割と評価、このことはきちんとしないとならないと私は思うのであります。この点については、通産省はどういう評価をしておるでしょうか。
    〔麻生委員長代理退席、委員長着席〕
○土居説明員 先生御指摘の電源開発株式会社の揚げ地火力発電所につきましては、国内炭需要確保のための石炭火力発電の推進を目的といたしまして昭和四十年代に建設されてきたものでございます。電発におきましては その後逐次海外炭を用いました石炭火力発電所の建設を実施しておりますけれども、特に国内炭車焼火力発電所につきましては、運開以来定常的に国内炭の引き取りを行ってきておりまして、政策的に設立された火力発電所としての国内炭需要確保に大きく貢献してきたものというふうに評価しております。
○岡田(利)委員 この評価が、部長の評価では極めて簡潔な総括でありますけれども、ここはやはりきめ細かく味のある総括をしておかなければいかぬのじゃないでしょうか。私はそう思います。
 先ほど言いましたように、昭和四十二年五月に磯子の一号ができて、ことしの六月に松浦の一号が百万キロワットまでできたわけですね。今度は原子力と比較したときに、今までは七十万限度で百万の石炭火力はなかったのですけれども、百万の石炭火力と百万の原子力とを比較してコストを見なければなりませんね、今後日本の比較論の場合には。フランスなどはそんな大きい火力がないですから、二十万か三十万の火力と百四十五万キロの原子力を比較してコストを出すのですから、フランスの場合は。そして、どちらが高いかということをやるわけなんですよ。そういう点で随分変わってくるんだと思うのですね。そして、竹原に、高砂にそれぞれ設置をされてまいったわけであります。
 ただ問題は、私はこの石炭火力の技術をここまで高めたという一つの功績を高く評価しなければならない、こう思います。九電力で石炭の火発の技術を持っていないところもたくさんあるでしょう、北電は別にして。それをあと電発が今日の百万キロワットまで技術を開発した、こう申し上げていいのではないでしょうか。そして、立地においてもすぐれていますね。地点を見ますと、非常にすぐれた地点を、ああいういいところを電発が電源開発の立地点で成功したということは、何か当該の電力会社の面当てのような感じがしないではないくらいすばらしい立地のところに位置している。それはやはり公的な傾向の強い会社だからですよ。だから、信頼が強いのです。フランスの原子力だって公的な会社だから、あの原発の政策というのは日本と違うのですよ。日本の場合には全部私的な九電力でやっているわけであります。そういう違いもあるくらい、やはり日本でも電発についてはそうなんです。理解が非常に強いんですね。そして、これはどうでしょう。その結果、料金的に見てもコスト的に見ても決してマイナスだとは言えないと思うのですが、そういう点の評価はいかがでしょうか。
○川田説明員 国内炭、現在時点で約九百三十一万トン、全体の石炭使用量の中で、二千五百四十四万トンでございますから、三十数%が使われておるところでございますが、どうしてもやはり海外炭と比べるとコスト高に相なっておるという状況はあるようでございます。関係の業界はそのコストの負担ということをいろいろ言っておるようでございます。
 今後の国内炭の位置づけ、先ほど来お話ございますように議論が始められたところでございますので、これから私どもとしても注意深く見守らせていただきたいというふうに思っておりますが、公益事業所管の立場から見ますと、やはり何と申しましても電気の低廉かつ安定的な供給の確保というのが基本的責務でございますので、安定的供給の確保というのが図られる範囲内で、その燃料につきましてできるだけ低廉であることが望ましいというのが基本的立場かと存じております。
○岡田(利)委員 磯子の場合には卸売電力料金が十一円九十五銭ですから、それ以下の発電原価ということになるわけです。国内炭も若干使用している松島の場合には八円四十四銭が卸売電力料金ですね。そして、松浦の今度の百万キロ単基で十円六十七銭、これは外炭使用ですね。ですから、早くそういう設備をつくってきたということはそれなりに、今日でも高いと言われる国内炭を使っていても十一円九十五銭でキロワットアワー当たり卸すことができるのですね。そういう点で見ると非常に長い功績があるのだと私は思うのですね。
 ですから、今こういう状況で見ますと、例えば松島はもう少し国内炭を引き取ったってそんなに値段が違うわけではないのじゃないですか、これは。しかも、長崎の石炭を引き取る、こう言って約束しているのですから。そしてバースはどちらもあるのですから、五千トン着きのバースもつくってあるのでありますから、そういうようなことも考えられます。だから、では逆に今の九電力、雷発を含めて、火力発電所で五万トン以上の船が即着いて揚炭できる発電所というのは何カ所あるのですか。
○川田説明員 現在石炭火力発電所二十五カ地点、四十七基ございますけれども、この中で五万トン以上の船の着くところというのは、ちょっと手元に持ち合わせておりませんので、後ほど調べさせて御報告させていただきたいと思います。
○岡田(利)委員 外炭専用の火力発電所は大体着くわけですね。そうでない場合には難しいわけでしょう。したがってコールセンターという問題が提起をされてまいったわけであります。そうしますと、今国内炭をやめて外炭に切りかえるといっても、これはコールセンターを通るもの、あるいはまた近くの専用埠頭を通ってくるもの、例えば大村なんという場合は、湾の中には小型船しか入れませんから、完全に変えなければなりませんね。北海道の内陸だって大量の石炭を消費しておりますけれども、苫小牧に揚げてとことこっと持っていかなければならないわけでしょう。まして、かまに合う石炭かどうかなんというのは見当つかないでしょう。こんな簡単に石炭が、五千カロリーのサイズのそろったものがあるなんというふうにならぬわけですから。カロリーの高いものを持ってきて、じゃ、混炭するといったって混炭
の金がかかるでしょう。混炭して果たしていい炭種ができるかどうか、これまた疑問があるわけです。そういう多くの問題があるのですよ。ですから、一概に一万円違ったら何ぼ違うというのは、ちょっと乱暴な議論だと私は思うのです。もちろん、最近また円がフロートして高くなってきていますよ。しかし、そういう議論は、今の場合ちょっと私は乱暴じゃないかなと思うのです。
 そう考えてまいりますと、一体バースはどうなっているのか。コールセンターを通れば二千五百円ないし三千円かかるということはちゃんと公表されている数字であります。あるいはまた、例えば竹原ならば、一号はあれですけれども三号が外炭をたいているから三号から回すというのは、回しても若干かかりますから。そういう点をずっとやってまいりますといかがなものかということなのです。
 そこで、今の問題と同時にもう一つは、では昨年の九百三十一万トンの電力消費量のうち五千カロリー以下のローカロリーの石炭はどのくらいのウエートを占めておるのでしょうか。
○土居説明員 先生御指摘の、全体としての電力の引き取り九百万トン強に占めます五千キロカロリー以下の低品位炭の割合は約三割、三百数十万トンというふうに考えております。
○岡田(利)委員 そうですね。三六、七%になるんですね。九百三十一万トンに対して三百五十七万トンが五千カロリー以下なんですよ。ですから、六千カロリー以上というのは引いた数字でありますから、五百七、八十万トンしかないのですよ。これが今の電力向けの石炭の内容でしょう。しかも、この中身は全部坑内掘りと露顕で掘った石炭だけではないのですよ。雑炭も入っているわけでしょう。ですからそういう点で、今の産炭構造というのは、議論は一千万トンでいっていますけれども、実質は半分近いのですよ。
 もう一つ、平均カロリーで計算して換算すると、生産規模は大体一割違うのです。今まで例えば一千八百万トン掘っていたものが今のカロリーで計算すると生産がその一割落ちているのと同じ理屈なんです。数字だけ何万トンと言うけれども、平均カロリーが六百カロリーも下がってごらんなさい、一〇%違うのでありますから。今そうでしょう。六百カロリー下がっているのでありますから。ですから、八次政策はぎりぎりぎっちょんのところまで来て、そして最終年度、来年を迎えようとしているというのが八次政策の現状なわけであります。
 ですから、例えば大村さんの場合でも北電さんの場合でも、発電所やめてしまえば別ですよ。やめないで外炭をたくとなれば、そんなにべらぼうに違うものじゃないでしょう。例えば電力会社では一・五倍ならいいという発言をした方もあるように議事録で拝見しましたけれども、そうであるならばおさまるのではないでしょうか。
 そういう意味で、そういう綿密な分析の上に立って我々は今この最後の政策と言われる九次政策を検討する責任があるし、約三十年近く続いた衆議院の石炭対策特別委員会としてもそのくらいの権威と、そして努力をしなければならない問題だと私は思いますね。きのう、おとといできた特別委員会ではないのですから、まごまごしたら、三十年近くにもなるのですから。石炭のために一つの委員会があってそういう議論がきちっとできていないとするならば、私は後世に笑われると思うのですね。
 そういう意味で、この問題についても、通産省でなかなか資料をくれないから、しょうがないから私は私で全部計算してみたのですよ、各電力別にトン当たり。例えば、電発の場合には全部ウエートが分かれていますからね。十のうち五は九州電力だ、中国電力だ、四国だと、松島なんかは分かれているでしょう。その内容で国内炭も全部分析をして比較検討してみて数字を出すと、そんなめちゃくちゃなものではないのではないですか。石炭産業を今全面撤収するのではなくして、有限産業でありますから、資源がなくなればやめなければならないですからね、これは。ないところを掘るわけにいかぬわけですから。そういう点も考えながら、なおかつ慎重に国内石炭の位置づけというものを図っていくというところに、国民の皆さん、この程度はひとつここは御了承願えないだろうかといって、国民の皆さんがやはりその程度なら我が国に残さなければならぬというならば、炭鉱を残すことに我々は努力しなければいかぬのではないでしょうか、私はそういう気がしてならないわけであります。
 海底炭鉱というのは、大臣、世界にないのですよ。日本だけなんですよ。荒海の怒濤逆巻く太平洋の下を掘っているとか、東シナ海の下を掘っているとか。三池の場合は湾の下だから別ですけれども。川の下を掘っておるところはありますけれども、ないのですよ。しかし、シドニーの湾も全部石炭ですから。今ドーバー海峡でトンネルを掘っていますけれども、あれはフランスのパドカレー炭田から向こう側はイギリスまで全部炭田ですから。私は両方の炭鉱の坑内に入ったことがありますけれども。
 そういう意味で私は第九次政策の行方について非常に心配しておるわけでありまして、今言っていることも、問題点を指摘しながら、素直にそういう分析の上に立ってこの九次政策をやってください、こう訴えて、意見も多く交えながら質問しているというのが私の考えなのですけれども、私のこういう話を聞いて、今、大臣、どういう感想をお持ちでしょうか。
○武藤国務大臣 第九次対策を前にして、もっとこの委員会も含めて真剣に考えるべきではないかというお話、私自身大変傾聴すべき御意見だと承りました。
 ただ、私の今の立場でいきますと、やはり先ほどもお答えをいたしましたように、今九次策をどういう形でつくっていくかということを前提にしながら石炭鉱業審議会にいろいろ諮問をさせていただいているわけでございまして、せっかく審議会の皆様方に御議論いただいているときに私の方で具体的にどうこう申し上げるというのは、やはりちょっと差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。
○岡田(利)委員 私のこの調査、いろいろな資料を集めて調査した結果はじき出してみたわけですが、電力料金で国際比較をしますと、カナダの電力料金に対して日本は四・一三倍ですね。アメリカに対して二・三九倍になりますね。オーストラリアに対して二・三九倍になります。イタリアに対して一・八五倍になります。フランスに対して一・七五倍になります。ドイツ、イギリス一・二二倍、いずれも同じであります。こういう国際比較、これは私の集めた資料で私が計算して出したものです。もちろん、レートは百三十円で計算をしてみました。電力は輸出できませんからね。もちろん、それぞれの条件も違いますから一概に言えませんけれども、やはり国際的に見て日本の電力料金は決して安いというわけでもないのです。円が高くなると、当然ある程度の値段は高くなっていくのですから、石炭だって同じなんですよ。料金は八次政策のときに千円と五百円下げたのです。その前から据え置きですから、もう七年間石炭の単価を上げていないのです。むしろ途中で下がっているのですよ。原料炭千円と一般炭五百円下がっているのです。それでずっとやり通して、そして賃金とかその他についても努力をしながら、この八次政策の最終年を来年迎えようとしているわけです。そしてまた、この一年で上げるなんて言っているわけではないのですね。
 私は、そういう意味で考えますと、やはり円高というものが及ぼす影響というのは、直接輸出輸入のないものについては温かくて、外国から入ってくるものに対しては非常に冷たく切り捨てられるということになってしまうわけですね。そこなんです。そういう国内産業間の調整をどうするかということも産業調整ではないでしょうか。構造調整ではないでしょうか。私は大事なポイントだと思うのです。ですから、決して電力会社がどうのこうのと言っているわけではないのです。そういう静かなる、冷静な調整というものが努力されなければならないし、それが政治ではないかな、こう思うのですね。いかがでしょうか、大臣。
○武藤国務大臣 何遍も申し上げておりますように、今の段階で私がいろいろ意見を申し上げることだけは差し控えさせていただきたいと思います。
○岡田(利)委員 終わりますが、これからまだ時間のあることですから、ぜひそういう私の意見も十分御参酌願った上で慎重に第九次政策を立案してくださいますように希望を申し上げて終わります。以上です。
○渡辺委員長 藤原房雄君。
○藤原委員 きょうは、午前中から参考人の質疑を初めといたしまして、今一番石炭産業につきまして大事な時点にかかっておりますので、諸問題についてわずかの時間ではございますが御質問をいたしたいと思います。
 今何といいましても問題なのは、産炭法が明年十一月で切れるということであります。それに伴いましてまたポスト八次といいますか、八次策もいよいよ大詰めに来ておるということ、いわゆる石炭六法と言われておりますそれぞれの法律につきましても、三年度末になりますと期限の来るものが多うございまして、そういうことからいいますと、現在、石炭産業というものがどういう位置にあるか、そしてまた、現状はどうなのか、こういうことをしっかりお互いに認識をし、そして誤りのない施策を実施しなければならぬ、こういう点では、きょうの午前中からの参考人の質疑や各同僚議員からの質疑、これらのことにつきましては、非常に意義のある重要な時点での質疑だ、こう認識をいたしているところでございます。
 さて、それらの課題の中で一番問題になりますのは産炭地域振興臨時措置法、この問題につきましていよいよ大詰めに来ておるということであります。この審議が、諮問いたしまして今中間取りまとめ、やがてまた議論を深め答申がなされるという現時点にあります。先ほどからいろいろな質疑がございましたが、大臣という立場からいたしますと、これらのことについて予見を持っておっしゃることのできない部分もございますので、何か禅問答みたいな話になっておるのですが、私は、大臣は大臣といたしまして、事務当局がお答えになれる問題についてはぜひお答えいただき、正しい認識の上に立ってまたお互いに議論を深めて、今後の、日本の国の唯一の国内エネルギーとしての石炭のあり方等について、はっきりとした認識を持っていきたいものだと思うのであります。
 これらのことについてまず端的に申し上げますが、現在、八次策の途上にあるわけでありますが、八次策を策定するに当たりまして、何としてもその一つの大きな柱はなだらかな縮小といいますか、こういう方向であったろうと思うのであります。これは、地域とか業界に急激な変化を招かないようにという配慮の中でのことでありました。こういうなだらかな生産の縮小といいますか、これは審議をする六十一年当時としましては日本全体の産業構造の転換ということと不況下の中でありまして、特に石炭産業も非常に危機的状況の中にあって、私どもはまた、そういう時点におきましてはやむを得ざる政策なんだろう、こんな受けとめ方もしたわけであります。
 この八次策が始まりますと、次々と閉山が相次ぎまして、果たしてこれはなだらかな閉山ということになるのかどうかということについて、大きな疑問を抱かざるを得なかったのであります。これは需要に応じた生産体制ということからいいますと、確かに業界の中でのいろいろな数字や何かを見ますとそういう方向にあるのかもしれませんが、生産規模の段階的な縮小ということは、需要に見合った生産体制ということでは、八次策というのは今までの政策とは違って大きな一つのポイントであったと思うのであります。
 ただ、これは需要と供給の問題だけではなくて、地域経済ということも当然勘案しなければならぬということになっているわけでありますが、果たして地域経済というものが相次ぐ閉山の中で対応し切れているかどうかということは、非常に問題であろうかと思うのであります。少なくともあの閉山によりまして一万以上の方々が職を失い、また、再就職やいろいろな手当てはあったといたしましても、大きな変化があったわけでありますし、また、その中で今日なおかつ相当数の方々がまだ未就職であったり、数字的なことはいろいろございますが、時間もございませんからはしょりますが、そういう中にありまして、また地域の地方自治体の、産炭法からいいますと今ある石炭産業にかわる鉱工業以外の産業の立地、こういうことをバックアップするぞということにはなっておるわけでありますが、しかし、それは単純にできるわけではございませんし、今その途上にある。
 幸い六十二年、六十三年ごろから景気が上向いてまいりまして非常にいい状況の中にありましたが、しかし、それでもなおかつ産炭地域におきましては思うような進展がないというのが現状でありまして、こういう地域経済また地域の自治体を初めとします状況等を見ますと、これは本当になだらかな閉山という言葉が当てはまるのかどうか。まだまだ未整備、努力をしなければならない問題が、そしてまた早急にしなければならないことがあるのではないか。大臣も随分御努力いただきまして、公共事業を初めとしまして他省庁のことについても随分お力添えをいただいたのでございますが、しかしそう一年、二年で地域に根づくようなことがすぐできるわけではございません。
 こういうことからいいますと、この八次策というのは、当初予定しておりましたおおむねの需要に見合った生産体制、生産の縮小ということはかなえられたといいますか、地域経済に今後は力を入れる、地域の発展の計画、実施計画を初めとしますそれらのものが根づくようなことに力を入れなければならないのではないか。これをきちっとしないで次の施策、次の段階に踏み込むということは各地に非常に大きな問題を残すことになるのではないか、こう思うのですが、大臣いかがでしょうか。
○武藤国務大臣 御指摘のとおりで、八次策をやるについては需要と供給に見合った形でするということでまいりましたが、そしてできるだけ集中閉山は避ける、こういう考え方でまいりました。そして、今御指摘のとおり、地域経済社会にはなるべく悪い影響が出ないように、雇用についても余り多くの失業者が出ないように、こんなようなことを配慮しながらやってきたわけでございますけれども、現実には、しかしそれが一〇〇%うまくいっているとは正直言えないわけでございまして、この点については、今八次策を推進している中にあっても、よりその辺は努力をしていかなければならないというのは当然でございます。
 私どもといたしましても、例えば来年度の予算の概算要求を大蔵省に提出をいたしましたが、その中でも産炭地域のそのような面については、石炭勘定非常に厳しい中ではございますけれども、平成二年度と比較すれば多少なりともプラスの要求を出しておるわけでございまして、その点は、私どもできるだけそういう努力をしていかなければならない。
 しかし、私どもは思い切って努力をしようにも限界があるわけでございまして、地方自治体の御協力も得なければなりませんし、また公共事業を進めていくにはその地域住民の御協力も得なければならないわけでございまして、そういう点は今後とも地方自治体あるいはその地域の住民の皆様方の御努力を得ながらより一層充実をしていく、こんなことでやってまいりたいと思っておるわけでございます。
○藤原委員 先ほどもいろいろ議論ございまして、時間がございませんから私もそこまで言及することはできませんが、国内の唯一のエネルギーであります石炭をどう位置づけるかという非常に重要な問題がございます。経済性とか国際環境の中やまたいろいろな観点からいたしまして、ここへまいりますと、最低限、日本の安全保障という立場からいたしまして、石炭産業というのは私もあるところで守らなければならないところにきているのではないか、こんな感じがしておるわけでありますが、それとともに産炭法によりまして地域の計画が進むようにバックアップをしなければならぬ、このことを強く感ずるわけであります。
 中間取りまとめによりますといろいろなことがございますが、これはまた改めて法案になったとき、また答申が出てはっきり決まったときにいろいろ議論しなければならぬことだろうと思いますので、先走って今いろいろなことを言うつもりもないのですが、一つは圏域指定というか、経済圏とか、こういう物の考え方もございます。各地方自治体の圏域という、地域の状況はどうかという、財政力指数とかいろいろなことで見るわけでありますけれども、北海道の場合は町村といいましても非常に大きゅうございまして、夕張と近隣町村、ですからこれは圏域という大きな目で見る。都市に隣接したようなところですといざ知らず、大多数山間部を抱えております北海道の炭鉱等におきましては、圏域という見方も大事なことでありますが、それとともに各地方自治体の財政力指数を初めとします諸問題についても十分に勘案いたしませんと、今ある政策対象地域の見直し云々ということが言われているわけでありますが、こういう問題については少し現状に合った形で見てもらいたい。町村といいましても、面積の非常に大きい、そしてまた都市に隣接している隣接の度合いの密度の濃いそういういろいろなところがありますから、そういうことでもっと現状にかなった形でこれは考えていっていただかなければならぬのではないか、このように一つ思うわけであります。
 二つ目には、八次策の影響地域については当然稼行炭鉱も対象にして考えていかなければならないのではないか。現在、もう合理化で、それぞれの地域におきます炭鉱も、現在あったといたしましてもそれはひところとは随分違う状況の中にあるということ等も考えますと、これはぜひこういう形で見ていかなければならないのではないかという感じが私するのですが、この二点について事務当局ちょっとお願いします。
○土居説明員 第一点でございますが、圏域を考えるときに、地域の実情によっては市町村が非常に大きくて、市町村自体が一つの圏域的な機能を果たしているところもあるじゃないかというお話は全くそのとおりでございまして、そういった実態に即して地域の見直しをするということが審議会の中での議論でございまして、具体的には今度通常国会にお出しします法案が成立後、審議会で決まるということにはなっておりますけれども、いずれにしても今各自治体の意見なんかも聞きながら、その辺の考え方を先生おっしゃったような趣旨も含めて検討をしておるところでございます。
 それから、八次策影響地域につきまして、稼行炭鉱も存在するので、そちらを中心にというお話でございますが、いずれにしても今回の産炭地域振興審議会の審議は、これまでの八次政策までの産炭地の実情をもとにした答申ということになっておりまして、この五年間の八次政策の影響というのはそれなりの深刻さを保っておりますので、これをもとにして今対策の検討をいたしております。稼行炭鉱地域の今後の問題につきましては、むしろポスト八次策の問題として現在石炭鉱業審議会で審議が始まっているというふうに考えております。
○藤原委員 当初申し上げましたように、閉山に伴いまして、それにかわる鉱工業以外の産業の振興、これを国からもいろいろなバックアップをいただきながら地方自治体懸命の努力をいたしておるわけでありますが、公共事業、それから補助事業とか、こういうことでいろいろ施策はやっていただいているのですが、これは地域によりまして、大きなダムをお願いしたいとか、それから国道が通っておる、その国道をぜひしていただきたいとか、道道でありますが、これをひとつ昇格していただきまして広域的な観光を初めとしますそういう地域活性化のために国道昇格、こういうことでひとつ進めていただきたい、こういうことをいろいろお願いもし、またそういうことについてもいろいろ御配慮いただいておるわけでありますが、歌志内なんという町は、これは国道の一本も通ってない、また一級河川もない、こういうところがございます。地域によって随分いろいろな現状があるということを私は申し上げたいわけでありますが、こういうこと等もひとつ実態に合わせた形で公共事業等については考えなきゃならぬ。そのためには交付税の措置ですね。
 私ども七月には渡辺委員長を中心に北海道の各地を回っていろいろな陳情をいただきましたが、やはり各地方自治体の方々が一斉に言うことは、自分たちが財政力がないということのために公共事業が来てもその裏負担ができない、そういうことで上下水道、特に下水道なんかも進めなきゃならないのですけれども、とてもそこまでできない。またいろいろな公共事業等につきましても裏負担ができない、こういうことで財政的な困窮といいますか、あれもこれも面倒見ましょうということを一斉に言われてもとてもそれに対応できない。そんなにたくさんあるわけじゃないのですけれども、例えばのことでありますが、そういうことで、こういうところにつきましては臨時交付金等でいろいろ面倒は見ていただくのですけれども、実態的には今までの地方自治体の財政の運営上からいたしますといろいろ問題がある、そこはひとつもっときめ細かに見ていただかなきゃならないのじゃないか。
 自治省につきましては、自治省の方もいらっしゃると思いますが、普通交付税の基準財政需要額の測定単位に対する人口数値急減補正措置、こういうものについてもある程度御配慮いただいておると思うのですけれども、こういうことについてぜひひとつまた充実強化をいたしていただかなきゃならぬ。それから、短期急減補正の継続とか、こういう自治省として地方の財政に対することについての十分な御配慮、こういうこと等もあわせ、さらにまたその地方自治体の財政の現状に合わせた形でやりませんと、公共事業についてはかくかく考えておりますというお話は、御答弁はいただくのですけれども、現場へ参りますと、その何割も実際的にはでき得ないような現状にある、こういうことなんですが、自治省の方。
○香山説明員 お答えいたします。
 炭鉱の閉山等がございますと、先生御指摘のとおり自治体財政は大きな影響を受けることになります。基本的にこのような団体につきましては、地方交付税の算定を通じまして必要な財源が付与される仕組みになっておりますけれども、自治省といたしましても、先生御指摘がありましたような、人口が短期に急減した場合の緊急の財政需要に対しましては、昭和六十二年度に新しい交付税措置等も創設させていただいたところでございまして、これはもともと単年度限りの措置ではございましたけれども、平成二年度におきましても継続するように改正をさせていただきました。また地方債の配分等につきましても、元利償還費に措置がなされます過疎債等を重点的に配分するなどいたしておりますし、また特別交付税の算定に当たりましても、関係市町村の財政事情をよくお聞きさせていただいた上で、閉山に伴います特別な財政需要を的確に反映できるようできるだけの努力をいたしてまいりたいと考えております。
○藤原委員 制度はそういう形であって、その中で精いっぱい頑張っておるということだと思うのでありますが、各町村ごとに現在申し上げる時間もございませんからあれですけれども、町村によりますと、非常に流出の度合いの大きいところと、それから国調もございますのでできるだけ人口を減らさないようにということで頑張っているところもありまして、非常にそこらあたりは難しいところだと見ておるわけであります。ぜひひとつ実態に即した形で、自治省は自治省の地方交付税、そういう一つの方式のもとにやっておるわけですからあれですけれども、通産、ひとつよく連携をとりながら、地方自治体でこの産炭法が本当に生きていくような形でバックアップをしていっていただきたいものだと思うのであります。
 何といいましても人口減それから財政力の低下、こういうことでなかなか思うことが進まないというのが現状でして、決してむだ遣いしておるとか何かでございません。地方自治体によりますと企業からある程度のバックアップもあるところもございますし、非常に焦げつきのままで閉山になっておるようなところもあったり、それから土地問題、町村でいろいろな計画を立てましても、その町のちょうど大事なところがほとんど会社の土地であるという、担保に入っておったり何かいたしましてなかなか計画が進まない、こういうこともございます。また工業団地を初めとしまして企業誘致を考えますと、農地、案外農村に隣接をいたしておりますから、これが非常に規制の厳しい網をかぶっておるということがあったり、こういうこと等につきまして財政力とまた規制緩和、こういうことである程度面倒を見ませんと幾らしりをたたいても前に進めないという、こんなことから、現在既発行の起債等につきましては償還年限を延長するような措置をぜひとってもらいたいということや、少なくとも元金は五年程度、二十年償還というような、こんなことで新しい年度年度新債に切りかえるような制度があればとか、それからきょう夕張の市長からございましたが、今まで通産省が各炭鉱に補助をいたしておりましたものをぜひ五年間でも見ていただければ何とか見事に立ち直るような施策もできるのだけれども、財政的な裏づけがなくて実際思うことがなかなか進まないのだというようなお話がございました。
 今までの枠の中で今までの方式でやっていますと今までのことしかできないということで、この八次策がここに参りますといろいろな問題があって、一回ここでそういう問題を整理をいたしまして、今新しい明年度の予算の時期にもなっておるわけでありますが、ぜひひとつこれは進めていただき、今までの殻を打ち破っていただきたい、これはぜひ通産大臣にお願い申し上げたいと思うのであります。
 それから労働大臣に。せっかくきょう来ていただいておりますので、もう時間もございませんが、現在まだ未就職の方々もたくさんいらっしゃいまして、全国的にですと二千何ぼかいらっしゃるわけですし、また職業訓練ということでなさっておる方も二千人ほどいらっしゃる、こういうことで、労働省としましてもいろいろな施策についていろいろな御努力を賜っておることは私どもも十分に知っております。
 ただ、これは今までの方式で今までのとおりやっていたのではちょっと時代にそぐわないのではないか、こんな感じがするわけであります。サービス化、ソフト化、こういうことで、通産当局もこれからは今までの鉱工業じゃなくて新しいそういうものもひとつ考えていこう、今度の中間とりまとめの中にもございますが、労働省としての対応としまして、やはりそういうことを受けましてサービス化、流通化、ソフト化、こういうことからいいますと、職業訓練等におきましてももう少し現実に合った形で考えなければならないときに来たのではないか。今までは景気のいいところがありますとそこへ行くということでありますが、最近はそうではなくて、やはり地元で働きたい、地元で何かしたい、こういう志向が非常に強いということ等、数年前とはずっと人の心もそれから地域の現状も変わっておる、こういうことで、労働省としてもぜひひとつ新しい時代に即した、中間取りまとめの中にもございますし、現在もいろいろ御検討なさっていることだと思うのでありますが、お考えがあったらぜひお聞かせいただきたいものだと思いますし、明年度の予算の中にもそういうものが反映されることを心から願っておるわけでありますが、いかがでしょう。
○塚原国務大臣 御指摘のように、第八次石炭政策実施以来四年間で約一万二千名の方が離職されました。その後、私どもも一生懸命努力させていただきまして、二千六百人が現在求職活動中でございます。
 先生から何か新しい方法をということでございますが、現在のところ労働省は、まず手帳制度の活用、それから職業訓練の実施、地域における雇用機会の開発ということ、これを三大重点に置きまして、今後とも促進に全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
 また、平成四年度以降の石炭政策のあり方につきましては、石炭鉱業審議会が現在御審議いただいておるわけでございます。炭鉱離職者対策も含めて御審議が行われておりますので、適切に対処いたしてまいりたいというふうに考えております。
 具体的ないろいろ新しい方策というものを今ここで御提示ができないわけでございますが、ただいま申しました三点を基調にいたしまして、できるだけ実績を積むように頑張ってまいりたいというように考えております。
○渡辺委員長 鍛冶清君。
○鍛冶委員 時間をいただいて質問をさせていただきます。藤原議員に続いてでございますが、私は、最初に産炭地域臨時措置法の延長問題でお尋ねをいたします。
 これは、産炭地域振興審議会の小委員会での中間報告のまとめの中で法の延長が必要であるということは報告されているわけですが、それ以後、新聞報道等も、延長は当然のことであるし、期間についても十年間は延長するというようなことで報道される中で、何となく事実化されたようなことで今日論議が交わされているわけですが、私は、ちょっと大臣から法延長についての御答弁を直接お聞きしたような記憶がないものですから、大変恐縮ですが、最初にまず、この産炭地域臨時措置法の延長についてぜひやっていただきたいし、また十年間の延長は少なくともやっていただきたい、こう思うのでございますが、大臣のお考えをお伺いをいたしたいと思います。
○武藤国務大臣 審議会から十一月三十日に御答申をいただけると承っておりますので、今ここで私がはっきりと、延長いたしますとか、十年間いたしますとかいうようなお答えをちょっと申しわけございませんがいたしかねるわけでございますが、今の審議会の審議状況から見れば、まあ延長は当然の方向にあるだろうということだけは申し上げられると思います。
○鍛冶委員 一応大臣のそういうお答えを聞いておかぬと、後の話が続きませんから。
 あわせて、こういう機会ですからお尋ね申し上げますが、臨時石炭鉱害復旧法等を初め石炭関連の法についてもいろいろと調査もなさったり、審議会等でいろいろと検討する中で、延長するかどうかの審議をなさっておられるわけでございますが、我々、これもぜひ延長する中で、産炭地域臨時措置法と並行して今後十年間しっかり取り組みをお願いしたいという思いでございますが、これについてもいかがでございましょうか。
○武藤国務大臣 きょうは私は歯切れの悪い答弁で大変申しわけございませんが、いずれにしても、私どもせっかく審議会に御審議を願えるように御諮問申し上げているわけでございますので、答申が出る前に私自身からはっきりした私の考え方を申し上げるのはやはりちょっと、大変恐縮でございますけれども差し控えさせていただきたいと思います。その点は御理解いただきたいと思います。
○鍛冶委員 延長されるという含みだということで御理解をしておきたいと思います。
 そういう前提に立ちながらの議論にどうもなるのでございますけれども、産炭地域振興審議会の小委員会中間取りまとめを見ますと、法の延長をする必要があるということを言っておるわけですが、それに伴って、法を延長するからには、地域指定の解除ということについて触れております。これは、地域指定の解除というのは一応現在でもあるわけですけれども、その内容だけではだめで、さらに立ち入った形の中できちっと今回は決めるべきだろうということが言われているわけでございますが、この問題は私どもの地元を含めて、やはり大変大きな産炭地域の問題になっておると思います。
 これについて私どもは、やはり一方的にぱっとやるのではなくて、そこの地域が、仮に解除をするにしても、軟着陸ができて、見事に地域振興が達成されているということが見届けられるような形で当然やるべきであろう、またそういう形での工夫もされてしかるべきである、こう思うのでございますが、この点についていかがでしょう。
○土居説明員 現在、産炭地域振興審議会におきましては、地域の見直しに関しても議論が進んでおりまして、閉山による疲弊から回復したと考えられる地域、あるいは閉山による炭鉱の影響が著しく希薄化したと認められる地域について、これを見直すという考え方が検討されております。この辺の審議の状況につきましては非公式に地方自治体とも相談をしておりまして、その意見をまた審議会に反映するというステップを踏んでございます。
 今回の法延長に際しての地域の見直しの考え方につきましては、審議会においても一定の猶予期間を設けることが必要であるというような指摘がなされておりまして、最終的には十一月の末の答申でこれが明らかになるわけでございますが、当省としてもこれを踏まえて激変緩和のための措置についてはできる限りの配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
○鍛冶委員 産炭地域の振興対策については、今度法が延長されるとすれば最後の法延長になるのではないかということが言われておるわけで、私もそういう可能性が極めて強いのかなというような思いもいたしておりますけれども、仮にそういうことであるならば、特にこの地域指定の見直しという、今お尋ねしました問題を含めて行うということでの法延長であるならば、なおさらのこと引き続き指定される地域については振興対策というものを大幅に拡充する必要があるというふうに私は思っておるわけでございます。
 また、午前中の参考人の皆さんの御意見、また質疑の中でのお答え等を聞いておりますと、やはり特に現場の九州、北海道の市長、町長さんはその点を大いに強調されておられました。私も全く同感でございます。今までと同じ形での延長であるとやはり大変なことになるのではないか。
 午前中の答弁の中でも、やりとりの中でも、まあ大臣はお聞きになられたかどうか知りませんが、中田夕張市長さんは、単純延長ではなく充実した延長をすべきである、十年延長ならば、最初の五年で地域の環境整備を行い、後の五年で振興対策を講ずるようにしてほしい、こういうふうなことを言っておられました。
 それから山本添田町長は、地域の価値観を高めることが大切で、核になる地域の計画を完全に実施してもらいたい、そういうことによって振興が可能である。さらにはいわき方式というようなことも言われました。指定解除になった地域でありますが、それを実施してほしい。後でもいろいろお聞きしてみましたら、いわき方式というのは特定の方式ではないようではありますけれども、やはり相当財源をつぎ込んできちっとそういう対策をやったということは事実のようでありますし、環境も、いろいろな形で、いい形のものが重なったということもあるようでございますが、大幅な財源を投入して振興を行ったということは事実のようでございます。
 そういうふうな痛切なお話がありまして、私も本当にそうだと思うのです。ですから、これで法は本当に最後であるというようなことでやるのならば、繰り返すようでございますが、今関係の市町村の町長さん、市長さんからお話があったような形で、特に前半五年の中で基盤の計画とか民間の問題とかいろいろなことはがっちりとやり上げる、そういう意味でひとつ財源は十分これにつぎ込んで、財源の手当ても願いながら対策を講ずるということが基本的に大切である、私はこういうふうに思いますが、この点についての大臣のお考えを伺いたいと思います。
○武藤国務大臣 きょうは参考人の御意見を私は承っていないのでございますが、審議会の中にも関係市町村の代表はお入りをいただいておりますので、きっと審議会の中でそのような御意見は強くお出しをいただいているものと私推察をいたしております。そういうものを踏まえて審議会の答申が、この産炭地振興に伴いますものは、この三十日に答申が出てくるわけでございますので、きっとそういうことが出てくるものと期待をし、そういうことが出てきたというときには、私としては、地方自治体への財政支援あるいはその他のいろいろの事業に対して積極的な支援をさせていただくというのは当然のことだと思っております。
○鍛冶委員 力強くおっしゃっていただいて大変私も安心しておるわけですが、さらに今申し上げた趣旨のことをやるには、私は石炭勘定という財源の中で果たして足りるのかなという気もするわけです。そういうことを思いましたときに、これはことしの初めに日米構造協議の中で合意されました、我が国において十年間で四百三十兆円でしたか、公共投資をやるというような合意事項がなされておるわけでございますが、こういった計画のものを含めてうんとこっちの方に財源を引っ張ってきてもらう。また、産炭地域の振興をこの中に大臣のお力で組み入れていただいて、これを大幅に持ってきてその産炭地域の振興にがんと充てる。それできちっと打ち切るなら打ち切るということに、蘇生した中で打ち切るという形をやはりする必要があるのではないか。一歩踏み込んでそこまでやる必要があるんじゃないかな、こういうふうに思うわけでございます。また、そういうようなことをすることが、もし国の政策上、方向転換で、まあある地域がまたその犠牲、犠牲と言ったら悪いですが、ならざるを得ないというふうなときになっても、こういうことを前例としてやっておきますと、国に対する信頼があって、国民の皆さんが政府が行政上いろいろなことをやるときにも信頼を置いて、じゃ、それに協力しようというような形も出てくるだろうというふうな気もします。
 そういう意味も含めて、法延長やるからにはそこまで取り組みをやって、がっちりとひとつ地域振興に当たっていただきたい、こういうふうに思うわけですが、これについていかがでございましょうか。
○武藤国務大臣 今回の日米構造協議に伴います公共投資に関連いたしましては、これは一つは均衡ある国土の発展、いま一つはそれぞれの国民の皆様方の生活にゆとりと潤いを与えるというのが大きな一つのテーマになっておりますので、この産炭地域につきましてはどちらかといえば均衡あるという点からいけばおくれているところだろうと思いますので、そういう点では重点的に当然そういう公共投資については配分がなされるものと、私はそう思っておりますし、そのように努力をいたしたいと思っております。
○鍛冶委員 これはもうぜひそういうふうにお願いをいたしたいわけです。いろいろちまたで聞きますと、各大臣でも、予算分捕りと言ったらおかしいですが、予算獲得には非常に腰の強い方とそうでない方といらっしゃるというふうに伺っております。通産大臣はどうも腰の強い方のお方ではないか、こういうふうに思っておりますが、ひとつこういう点については、そういう範疇にも入っておりますし、大臣御在任中にことしの予算からそういうことを大いに声を大にしていただきまして、道を開いていただきたい、そして産炭地域の振興に大きくひとつ点を打っていただきたい、こういうふうに思います。強く御要望を申し上げておきたいと思います。
 次にお尋ねをいたしますが、これは先ほどからも若干ありまして、午前中も随分やりとりがございましたが、先般石炭鉱業審議会におきまして石炭協会の会長から、九〇年代が構造調整の最終段階と思っておる、そしてそのためにも経営の多角化等を図るとともに、適正な生産水準への移行を図るといった意味の、ほかにもいろいろ内容がありましたようでありますが、発言があり、またエネルギー庁長官にも、そういう考え方があって、直接いろいろとまた述べられているようでございます。これを受けて、通産省としてはどういうふうな対応をなさるというお考えがあるのか。これは先ほどからも多少議論は行われておりますが、ここで大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○武藤国務大臣 これは先ほどからいろいろお話がございましたが、私どもといたしましては、そのような経営者の代表の御意見は御意見なりとして、積極的なそれは御発言であろうと評価をいたしておるわけでございます。いずれにいたしましても、これも石炭鉱業審議会の中での御発言でございますので、最終的に審議会の答申が出てまいりました段階においてそういうことが出てくれば、それはそれなりに評価をし、私どもはとにかく審議会の答申に沿った形で積極的に対処してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○鍛冶委員 この評価なさり、対応というのは、私は後半、後段の部分はいいと思っておるのですが、ただ国内炭の生産縮小ということがあるわけですね。やはりこれは九次策との関連の中で先ほどから随分議論されて、現状維持でいってくれというような御要望が非常に強いわけですが、これは十月二十日の日本経済新聞に三段見出しでこういうふうに出ているわけですね。「国内炭の生産縮小対策 官民が共同研究」、こういう見出しで報道がなされております。
 そして最初に、「通産省・資源エネルギー庁と石炭業界は共同で、国内炭生産を縮小するための対策づくりに乗り出した。」こういうふうに書いてあるわけです。その途中は飛ばしまして、「日本石炭協会の河原崎会長はこのほど、緒方エネ庁長官を訪ね「業界の構造調整を円滑に進め、第九次石炭政策の期間に相当水準まで国内炭の生産水準を縮小する」との意向を初めて表明した。」また飛ばしまして、「これは、「国内炭生産は一定量を確保するのが望ましい」という石炭業界の従来の立場をはっきり転換したもの。これに対し緒方長官は、業界の方針転換を歓迎するとともに、エネ庁としては、第九次策の策定と並行して海外炭の利用促進や、二酸化炭素排出を抑制するための新技術開発などに優遇措置を検討していることを明らかにした。」こういう報道なんですね。
 だから、後半は私はこれはこれでいいだろうと思うのですが、生産縮小の方も、どうもこの新聞を見ていると、エネ庁長官ですからまあ通産省は、業界の代表が来ての話にもう待ってました、よく言ってくださいました、さあ一緒に縮小やりましょう。やりましょう、やりましょうと言って官民共同で始めたというようなえらい、大変もうそういう感じの報道に受け取れるわけですけれども、やはりこういう、後半はもう繰り返すようにともかくとして、前段の国内炭の生産縮小ということをもうこの時点でそういう形で報道なされるような対応というものがなされていいのかどうか、大変私は疑問に思っておるわけですが、この点についていかがでございましょうか。
○緒方説明員 ただいま先生お述べになりました新聞報道につきましては、先ほどもお答えを申し上げましたけれども、通産省の中でいろんな局面で政策の議論をし勉強しているようなものと、この河原崎会長が私のところに、その日の午後石炭鉱業審議会の政策部会でお述べになることのいわば事前のごあいさつに来られたものとが一緒に書かれておりまして、あたかもそれらが全部総合的な政策として打ち出されているように読めるわけでございますが、そういうことではございませんで、河原崎会長は、先ほども申し上げましたように、会長としての、石炭協会としての意見を述べるための事前のごあいさつに見えたわけでありますし、エネルギー庁で海外炭の開発云々について後押しをするというふうなところは、それは国内炭の規模とは関係なく従来から進めております海外炭についてのいろいろな施策についての研究について述べているものでございまして、その両者の間に直接の関係はないわけでございます。
○鍛冶委員 それはひとつ、関係団体等含めていろいろございますので、どうか、そういう意見も聴取されながら、審議会の意見も尊重をされながら九次策については慎重に検討をお願いいたしたい、こういうふうに思います。
 もう時間が参りましたので、質問を用意しておいたのをちょっと飛ばしまして、最後でございますが、労働大臣おいででございますので一つだけ御確認の意味も含めて御質問申し上げます。
 私の地元は田川地区を含めて旧産炭地域に入るわけですが、まだまだ大変な状況が残っておる中で、就労事業の問題が今一つの大きな焦点になって、働く方々が動揺もしているわけです。この就労事業について今後とも存続をしながら、ぜひこれを生かしていただきたい、私どもこういうふうに思っておりますが、大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○塚原国務大臣 御指摘の就労事業でございますが、現在失業対策事業制度調査研究会において検討が行われているほか、石炭鉱業審議会においても、これは炭鉱離職者の対策も含めて、今後の石炭対策のあり方について審議が行われております。労働省といたしましては、これらの検討の結果を踏まえまして、ただいま先生の御質問の趣旨も十分に理解しながら、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○鍛冶委員 ぜひ前向きによろしくお願いいたします。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 きょうは余り時間もありませんので、鉱害問題に絞ってお尋ねないたしたいと思います。
 最初に、まず通産大臣にお尋ねをしたいのです。
 今年度、来年度と二年続けて鉱害復旧の予算が五十億円ぐらいずつ削減されまして、合わせて百億円も削減されるというような状況になっております。そのために、産炭地住民の間では鉱害復旧はなし崩しに打ち切られていくのではないかとの不安や不信が強まっております。
 そこで、大臣にお尋ねしたいのですが、鉱害復旧は産炭地の文字どおり土台を復旧する仕事であり、これなしに産炭地振興、復興はあり得ないと思います。大臣は、鉱害復旧は最後まで責任を持ってやり上げる決意だと思いますが、いかがでしょうか。
○武藤国務大臣 鉱害復旧をきちんとするまでは、私どもは責任を持たなければならないのは当然だと思っております。
○小沢(和)委員 今、鉱害の残存量の調査が行われております。先ほども、年内にはまとまるというようなお話があっておりましたが、およその見通しももう今十一月も終わりに近づきつつあるわけですから立っておるのではないかと思いますが、どういう状況か。地元におりますと、まだ相当の残存量があるのではないかというふうに私は感じますが、いかがでしょうか。
○土居説明員 現在各通産局ごとに管内の実態を調査しているという状況でございまして、まだ本省では概括的な状況しかつかんでおりません。いずれにしても、この春から始まりました調査でございますので、年内に調査がまとまるように現在努力しているところでございます。
○小沢(和)委員 先ほどいただいたエネ庁の方の資料では、今一万五千件近い未処理があるということになっておりますが、これを残存量調査ではどう評価するのか。この分も一件一件検討して残存量の評価の中に入れるのかどうか。この一万五千件に近い未処理分も入れればいよいよ大きくなってくると思うのですが、予算をこのように合わせて百億も削って、今度こそ文字どおり最後の延長ということで、鉱害復旧の完成に責任が持てるものなのかどうか、この点明確にお答えいただきたいと思います。
○土居説明員 現在残っております未処理案件につきましては、かなり以前のものから回答を留保しているものも多いわけでございまして、かなりの多くのものが否認案件に近いものではないかと考えられます。いずれにしても、今回の鉱害量調査におきましては、申し出されておって未処理の案件につきましても一応全体を対象にしまして、改めてそれらについて採掘等の因果関係等について現在調査をしているところでございます。
○小沢(和)委員 だから私は、そういうことでちゃんとそれまで含めて評価をして、今度こそ最後の鉱害復旧の完成に責任が持てるような状況になると考えているかとお尋ねしているわけです。
○土居説明員 石炭鉱害につきましては、いろいろとその要因が複雑に絡まっておったり、鉱害の認定については非常に難しい質的な問題がございます。したがいまして、そういったことで、石炭鉱害ということで判定されましたものにつきましては、今大臣が申し上げましたとおり、適切に鉱害復旧をしてまいるという方針に変わりはございません。
○小沢(和)委員 地元で私が一番相談を受ける事件は何かというと、鉱害復旧問題なんであります。認定を申請しても何年も待たせられておるとか、調査にも来ずに、あげくの果て、鉱区外とか掘ったことがないとか影響線外とか、全く通り一遍の通知が来て否認をされる、こういうような訴えが非常に多いわけであります。先ほどいただきました資料でも、大方三年半か四年ぐらいは待たないと処理できないような状況にこの数字からいってもなるのじゃないかと思うのです。平成元年度で繰り越しが一万五千件近くあるのに対して、処理された件数というのが三千五百件ぐらいということになると、三、四年は十分にかかる、こういう計算になると思うのです。だから、何年も待たせられて本当に困る、こういう苦情には根拠があると思うのですが、どうしてこんなふうになるのでしょうか。
○土居説明員 石炭鉱害につきましては、採掘等の因果関係とか金銭賠償の有無、過去の復旧事業の有無、あるいは実際に起こっている被害が効用を阻害しているかどうか等非常に多面的にわたって複雑な認定を要する問題でございまして、御指摘の現在繰り越しになっている案件につきましては、かねてから非常に難しい案件として留保されているものでございまして、毎年毎年そういう形で期間がかかっているということではございません。
○小沢(和)委員 しかし、全体として見れば、今言った件数の関係からいけば、平均すればそれぐらいかかるということになるのでしょう。しかも、私がこの表をいただいて非常に重大だと思いますのは、認定の件数が昭和五十九年を境にして激減をしておるということなんです。これは何か認定の基準が変わりでもしたということなのでしょうか。
○土居説明員 認定につきましては、申し出件数に対します認定の比率という意味ではそれほど大きく変わっているとは考えられませんけれども、最近の鉱害はかなり浅いところの採掘に伴うものが多くなっております。そういった意味で、二次被害現象などを中心といたしまして認定の認否の判定に極めて難しい案件がふえておりまして、ボーリング調査とかその他の科学調査をするというようなことで慎重な検討が必要ということになっております。そういった意味で従来に比べて認定処理に時間を要するものがふえているという状況であることは御理解いただきたいと思います。
○小沢(和)委員 私がこの表を見てすぐ思い出したのは、五十九年にいわゆる鉱害屋の問題というのが大問題になったということなんです。私自身も大きな問題にするようにここでも取り上げたことがあるのですけれども、その結果、鉱害屋を一掃するようになったということは私は大変結構なことだったと思うのです。それで一般の住民の人たちはやれやれこれで我々の声をちゃんと聞いてくれるようになるかと思っておったら、実際には一般の住民の陳情などについても、前々からちゃんと連絡をしてこいとか人数がどうだとかいうような枠ばかりはめて、言うことを聞いてもくれないようになってきた。そしてこういうふうに激減した。だから、むしろ鉱害屋の問題というのを利用して一般の人たちの鉱害被害の訴えも届かないようになった、その結果がこういうような激減ということになったのではないかというふうに地元ではみんな思っているわけですけれども、いかがでしょうか。
○土居説明員 今御指摘がありましたように、五十九年度に不祥事が発生いたしまして、それに対する反省という観点から、担当者の恣意によることなく公平適切な認定審査を行うという観点から、内部的には審査について客観公正を期する運用をしておるのは事実でございます。いずれにしても、被害者の実態を的確に把握するためには、それに対して、一方では公平適切な認定を実施するということが極めて重要であるというふうに考えておるところでございます。
○小沢(和)委員 公平適切な認定をしなければならないというふうに言われたし、私も全くそのとおりだと思うのです。で、今公平適切な認定が行われているというふうに地域の住民が信頼できるか。というのは、私は非常に重大なことだと思うのですけれども、認定するかどうかの基準とか、あるいはどこを掘ったというその採掘跡の図面とか、こういうようなものは住民には全く公開されていないのですね。そうじゃないですか。だから、公開されておらない、そうすると、一般の人たちにしてみれば、何が基準でこういうふうな結論が出たのかということがわからないままに結論を押しつけられるということになるのじゃないでしょうか。
○土居説明員 今お話がありました例えば採掘図、坑内実測図等につきましては、鉱業法の法体系上、鉱業権者、採掘権者等に対しまして、あくまでも鉱業監督上の観点からその提出の義務が課せられているということでございまして、なかなか目的外使用ということが難しいということから原則非公開の取り扱いをしているところでございます。いずれにしても、石炭鉱害の実態は利害関係者も含めて非常に複雑な状況でございまして、そういう観点から通産省といたしましては、内部において厳正な審査体制をつくりまして、公正適切な認定を実施していきたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 あなた方が幾ら自分たちは公平厳正にやっているとかいうふうに言われても、それが客観的に証明されるものはないわけでしょう。認定の基準などというのはみんなに知らさない、どこを掘っておったかというようなことも知らさない、これでどうしてみんな納得することができるでしょうか。
 今、採掘跡についてはいわゆる目的外使用というような制約があるようなお話だったと思うのですけれども、確かにそれは鉱業権者が自分たちはこういうところを掘るというようなことの届け出のために出した書類かもしれないけれども、そのことが鉱害であるかどうかにとっては極めて重大な判断の材料になるわけでしょう。だから、それを住民の人たちにどこが掘られているかというようなことを明らかにしたところで、何の差し支えもないどころか、むしろそうしなければ住民から納得を得られないのじゃないでしょうか。
○土居説明員 認定の諾否につきましては、最終的に、申請があった案件について、それがどういう理由で認定されたかあるいは認定されなかったかということについては、理由を付してお返ししておるということでございまして、例えば採掘の影響線の外であったのかどうか、あるいは効用の阻害というのが認め得るものかどうかといった判定の内容についてお示しするということで住民の御理解を得たいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 だから、そういうような、例えば影響線の外である、それだけで一般の人が納得すると思いますか。第一、どこを掘っているかというようなことについてもあなた方は知らせないというわけでしょう。そうしておいて影響の外だという結論だけを出されても、あなただったらそれ納得できるでしょうか。
○土居説明員 確かに客観的な基準が公表されるのにこしたことはないわけでございますが、例えば坑内実測図等につきましては、先ほど申し上げました理由によりまして、むしろ守秘義務といいますか、鉱業法上の建前から目的が制約されているということでございますし、またその基準が公表されたことによりますいろいろな悪影響といったことも比較考量して考える場合には、ある程度御受忍いただける範囲ではないかというふうに考えております。
○小沢(和)委員 だから、そういうようなょらしむべし知らしむべからずで、とにかく結論だけが、影響線外だとかあるいは鉱区外だとか掘ったことなしとか、こんなようなことだけ示されても納得いかない。だから納得いかないからまた申請をするというようなことで、あなた方もいつになっても件数が減らないので音を上げているというような結果にもなっているのじゃないでしょうか。だから私は、本当に地域の住民が納得をできるようにするためには、この認定の基準とかあるいは採掘跡の図面とか、こういうようなものを公表して、ガラス張りで事が進むようにしていただきたい。この点については、ここでにわかに結論を出せというふうに言っても、これ以上は押し問答になるかもしれないから、私は一応宿題にしておきたいと思うのです。
 これに関連もするわけですけれども、私はよく、今認定の申し出がなされているものはもう非常に微妙なケースが多い、だから時間がかかるというような話を聞くのですけれども、回ってみると、微妙なケースどころかこれはひどい、これはもう明らかに鉱害として認めなければならぬのじゃないかというようなケースは、まだまだあっちこっちにあるんです。
 それで、私はそういうような特にひどい方々から、自分のところへ見に来てくれというふうにしょっちゅう言われておったものですから、この間何軒か見せていただきました。それで、先ほど質問に先立ちまして、その中の一軒、福岡県鞍手郡宮田町本城の斉藤さんというお宅の鉱害の状況、私も見たのですが、これはひどいと思ったから写真でも撮って送ってくれというふうに言いまして、送られてきたから、あなたにも見てほしいと思って、さっきお渡ししておいたのです。見ていただいたですか。
○土居説明員 事実関係につきましては、ちょっと昼休みもないという状況でございましたので、まだ見ておりません。
○小沢(和)委員 せっかく渡したのに見ておいてくれないのじゃどうしようもないですね。私、親切のためにしばらく時間を置いたつもりだったんですよ。これは、じゃ後で見ていただくようにお預けしておきますけれども、床下に大きな穴、鉱害特有の地盤沈下が見られる、そして、そういう穴だけでなく床下には大きな亀裂が幾つも入っている、そのために床下の柱が土台から浮き上がっております。だから、畳の上を私も歩きましたが、ふわふわして恐ろしいような状況ですよ。しかも、家も傾いて戸のあげ閉めも満足にできない。だから、私の今までの知識からすると、こういうような現象というのは、微妙などころか最も典型的な鉱害がそこの家にもう集中的にあらわれているんです。
 ところが、これがさっきお話がありました影響線外ということで否認をされているのですね。道路一つ隔てた向こう側は田んぼで、ちゃんと鉱害だと認めて復旧しているのです。どうしてこういうような典型的な鉱害ではないかと思われるようなものが影響線外という一言で片づけられるでしょうか。
○土居説明員 今先生御指摘の個別の具体的なケースにつきましては、ちょっと今ここでお答えを差し控えさせていただきますけれども、一般論といたしましては、要するに地盤沈下とかいろいろな影響が地表にあらわれるものにつきましては、石炭の採掘以外に、一般的な公共事業による開発行為、あるいは地盤そのものの軟弱性とかいろいろな要素もございます。したがいまして、対策についてはいろいろな対策体系があり、国、自治体、いろいろなことをやっているわけでございます。その中で石炭対策として石炭鉱害に起因する石炭鉱害の復旧というものもやっているわけでございますので、限界的なケースにつきましてもいろいろとあるかと思いますけれども、どこかで一線を引かなければいけないという点についてはぜひ御了解をいただきたいと思います。
○小沢(和)委員 いわゆる影響線外というふうに言う根拠として被断角の理論とかいうようなものがあるということは私も教えていただいたことがあるのですよ。しかし、その破断角の理論というのは、実験的に、あるいは計算上一つの数値が出てきておるかもしれないけれども、地層とかあるいは地表の形状などによって、それがもう一度も、一ミリも違わないというようなものではないと思うのですよ。そういう生きた状況によってある程度の幅が当然ある。我々素人が考えてみてもそういうことになるのじゃないですか、あなたもうなずいておられるけれども。だから、もうそこで線を引いて、たった一つ道路を隔てただけで、向こうでそういう状況があるということならば、破断角がどうだというようなことでこれを機械的に拒否してはならないのじゃないかという立場から私は今申し上げているわけです。やはり破断角の理論というようなものは絶対的なものだとあなたは言い張れる確信がありますか。
○土居説明員 いずれにしても、先ほど申しましたように、いろいろな要素を判断して石炭鉱害を認定するということで、機械的と申しますか、一定の基準によりまして諾否を決定するということは避けられない状況だというふうに考えております。
○小沢(和)委員 だから、一定の基準があるにしても、それを生きた現実に適用するときにはよく現実を研究しなければならない。さっきも言いましたように、見に来もせぬでもう却下、否認というようなことは通用しないんだということを私は申し上げたいわけであります。
 この斉藤さんのケースでもう一言申し上げたいと思いますのは、貝島炭鉱の鉱区内だということです。貝島炭鉱の場合には、この鉱区内で鉱害が起これば、貝島の会社が鉱害かどうか見て、会社の方が申請をして、そして認められたら会社が施行するというような仕組みになっているはずですよ。私が聞いておるところでも、そういう貝島の専門家が見て、これは確かに鉱害だというので申請したけれども認められなかったというのですね。専門家の人たちが見てそうだというふうに言っているものさえ切る。やはりここに、先ほどから私が申し上げておるような鉱害全体として復旧を切り捨てていこうというような姿勢が特徴的にあらわれているのじゃないか。だから私はこのことを一つの事例として挙げたわけです。いかがでしょうか。
○土居説明員 今お話しいただきました貝島炭鉱の跡の鉱害の問題につきましては、個別、具体的な問題として、私も今ここで内容について何も申し上げる資格もございませんので、検討さしていただきたいと思います。
○小沢(和)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、この鉱害復旧は国民の税金でやられるわけでありますから、厳正公平にやって、どなたもが納得できるようなものでなければならないというのは、私は全くそのとおりだと思いますけれども、同時に、そういうことを理由にして、今申し上げたような、だれが見ても鉱害ではないかというようなことが一刀両断で切り捨てられるようなことがあってはならない。ぜひそういう立場から、もう一度、今の鉱害行政がそういう切り捨て行政になっておらないかということを謙虚に反省していただきたいということを、私、最後に申し上げて質問を終わります。
○渡辺委員長 高木義明君。
○高木委員 私は、通産大臣初め政府当局に対しまして、石炭問題に関する若干の点について質問をしてまいります。
 御案内のとおり、今我が国の石炭鉱業も一つの大きな曲がり角といいますか、一つの重大な転機といいますか、そういうものを迎えておるわけであります。それは何といいましても、ポスト八次策以降の石炭政策についていかにすべきかという論議が今石炭鉱業審議会等で続けられておるわけでありますし、また、来年度あるいは再来年度、石炭関係法につきましても時限切れを迎えるというふうな時期に立っておるわけであります。加えて、イラクのクウェート侵攻等によります中東危機の問題、あるいは世界の経済、政治情勢の中で、資源小国の日本がエネルギー問題を国民的な課題として真剣に受けとめて論議を深め、そして国民の合意を得なければならないときは今ほどないと私は思っております。そういう立場に立ちまして、お忙しい中でありますが、まず通産大臣にお尋ねをしてまいります。
 先般の衆議院総選挙におきまして、福岡県において海部総理が、選挙の演説の中と思いますけれども、これら石炭関係六法につきましては地域の皆さん方に心配をかけない、きちっとして対応をいたします、この趣旨の発言をしたと言われておるわけでありますが、国の最高責任者がこのような公の場で公言をしたこの言葉というのは大きな重みを持たなければならないし、当然通産大臣としてもその発言には重大なかかわり合いがあると私は思っております。この海部総理が述べました、石炭六法については地域に心配をかけないようにきちっとする、このことについて通産大臣としてはどのように受けとめられておるのか、まずその点からお聞きをしたいと思います。
○武藤国務大臣 総理は選挙の応援に行ったわけでございますから、多少オーバーな表現もあったのじゃないかと私は思うのでございますけれども、いずれにいたしましても、その地域の住民、特に産炭地域にいらっしゃる方々が将来に希望が持てるということをぜひ言いたくてそういう表現をされたのではないかな、私はそう受けとめております。いずれにいたしましても、私どもも、今後とも産炭地域にいらっしゃる方々ができるだけ希望を持っていけるような地域社会にしていきたいという念願で今努力をいたしておるわけでございます。
 ただ、今六法全体の延長そのものがいかにも当然であるかのように受けとられたという点がもしあるとするならば、これは今私どもも審議会で延長の要否を含めて御議論いただいておりますので、ここで六法ともすべて延長いたしますということまではちょっと明確なお答えができないというのはまことに残念でございますが、ただ、産炭地域振興法につきましては、これが一番早く参りますので、来年の十一月には期限が参りますから、早くこれは決めなきゃなりません。そういう面におきましては、この十一月三十日に答申が出てくる中では、多分延長の方向で答申がなされるであろうと私は今のところ推察をいたしておりまして、そういうことになれば、当然それを踏まえて、法律の自動延長になるのか、あるいは多少改正をするのか、早速私どもはそういう議論に入っていかなければならぬと思っておるわけでございます。
○高木委員 今後の審議にまたれる問題でありますので、ここで極めて重大な発言はなかなかしにくいと思いますけれども、ひとつ今の大臣答弁にありましたような方向になるように、ぜひ地域のそういう期待感あるいはまた希望といいますか、こういうものに対してこたえるような方策が出てくるように、最大限私は要望いたします。
 次に、生産量の問題であります。第八次政策は御承知のとおり平成三年度末まででございます。八次策で決定されました生産量はおおむね一千万トン、こういうふうになっておるわけですが、現実には既に生産量八百四十方トンと言われておりまして、もう一千万トンを大きく切っておるわけでございます。したがって、平成三年度中にこれ以下のことはない、こういうことで考えていいのか。そういう生産量の見通しについてはどうお考えになっておるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○土居説明員 御指摘のとおり、平成二年度における国内炭の生産数量は八百四十万トンという実施計画上の計画になっておりますが、平成三年度の生産数量につきましては、これから、今後の需給動向を勘案いたしまして、平成三年度の合理化実施計画を定める際に検討するということになっております。
 いずれにしても、現在、基本的に第八次石炭対策の枠組みに沿って対策を進めておりますので、そういった枠の中で新しい実施計画もつくられるものというふうに考えております。
○高木委員 ぜひ生産量がこれ以上落ちることのないように政府として十分な対応をしていただきたいことを、私は強くこの際要望しておきたいと思います。
 次に、ポスト八次策、いわゆる九次政策につきまして、これは午前中も参考人の方からいろいろ陳述がなされておりますし、議論が交わされておったわけでございますが、この中からでも、石鉱審の部会長の話では、いわゆる生産量は、一千万トン程度というような意見もあれば、ゼロ、こういうふうな意見もある。大変極端なところまで幅が広うございます。
 そういう中で、この調整といいますか、論議というのが今から始まっていくわけでございますけれども、その八次策、このときに一千万トンの生産量を確保する、こういうことを一つの大義名分にしまして、とりわけ合理化あるいは設備削減、そういう中で大きな血を流してきた事実もあるわけでございます。これは、言うならば、一千万トンからゼロということにはなり得ない、一千万トンまである程度我慢、辛抱してやれば国内炭は生き残れる、こういう一つの希望があり、この生き残りのいろいろな努力がなされてきたのではないか、私はこのように思うわけでございます。私は、まかり間違っても、国内炭をゼロにする、そういうことはないと確信をしておるわけでございます。この策定に当たりましては、予断は許しませんけれども、そういう気持ちに立ってひとつ通産当局、エネルギー当局におかれましても対応していただきたい、こういう強い要望を私はこの際したいわけでありますが、その点についていかがお考えなのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○緒方説明員 ただいま御指摘の点につきましては、先ほど来大臣からも申されておりますように、石炭鉱業審議会で、諮問をいたしまして、現在御審議をいただいているところであります。中身につきましては、先生も今お述べになりましたようにいろいろな観点から、すなわち、エネルギーセキュリティーあるいは石炭に関する技術の活用といったエネルギー政策上の位置づけの観点、あるいはまた、産業構造政策上の位置づけという観点、また、地域社会における位置づけといったような視点から非常に多角的に審議をしていただいているわけでございます。その過程で皆さんそれぞれ大変御熱心にかつ真剣に御議論をいただいているわけでございまして、その中には今先生がお述べになったようないろいろな御意見があるわけでありますが、これをこれから時間をかけて御議論いただいていくわけであります。
 さらに、審議会では、そういう基本的な考え方に加えまして、国内における需給の問題それから価格の問題、これらにつきましても具体的な施策のあり方について御検討をいただくわけでございまして、少し時間をかけて議論をさせていただきたい、こう思っておるわけでございます。私ども、真剣にこれらの議論に耳を傾け、検討の結果を踏まえて所要の施策を講じていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○高木委員 ここで少しくただいまの件につきましてお尋ねいたしますが、これまで石炭業界がこの第八次策の中でとってきた業界としての対応について関係当局としてはどのような評価をしておるのか、この点についてちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○土居説明員 ただいま御質問になりましたこの八次策における石炭業界の対応につきましては、きょうも午前中河原崎参考人から石炭業界を代表してお話もございましたけれども、非常に厳しい環境の中で大変な努力をして八次策の実施を推進してこられたというふうに考えております。ただ、その過程で、非常に厳しい状況であったがためになかなか、経営の多角化だとかあるいは新分野の開拓、こういった面で十分な対応ができなかったというところが一つ業界として反省の種であるということも申されていたようでございますが、我々の方もそういうような見方をしておるところでございます。
○高木委員 次に、私はこの石炭の関係者の御努力に対しては高く評価し、そして敬意を表するわけでありますが、特に言われておるのは、我が国の石炭鉱業における採掘技術あるいは保安、あるいはその他の機器、設備、ノーハウ、そういった技術、技能については今やもう世界のトップクラスではないか、特に地下あるいは海底炭鉱でのそのような技術についてはもう世界に誇るべきものがあるのではないか、こういうことで認識をしておるわけであります。いわゆる海外炭が今価格のメカニズムによりまして大きく需要がなされておるわけでありますが、これまで日本で蓄積されておるそういった石炭技術、技能が、今後海外に対してどのような技術協力、こういうものができ得るのかというのも一つの大きな問題事であろうと私は思っております。この点について関係当局としてはいかがお考えであり、そしてお見通しを持っておるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○土居説明員 日本の石炭の採掘あるいは保安に係る技術につきましては、これまでの蓄積によりまして、関連機器の分野も含めまして世界的に見ても比較的高い水準のものであるというふうに理解をいたしております。
 ただ、海外における石炭の開発は主としてオーストラリア、アメリカを中心といたしまして、露頭炭が非常に大きなウエートを占めております。坑内についても採掘条件が極めてよくて、日本の採掘条件がそのまま適用されるというような状況にはないようでございますし、そういった状況もかなり将来にも続くというふうに議論がされております。したがって、そういう意味ではそれなりの限界はありますけれども、今のような水準の技術でありますので、これからの海外炭の供給源の多角化等を考えていった場合には、それなりの、海外炭の開発の面での日本の技術の貢献という余地はあるというふうに考えております。
 ただ、いずれにしても、この辺の議論は、先ほど長官申しましたように、我が国石炭鉱業の今後のあり方の一環として、現在まさに政策部会で議論をしておる最中でございますので、その議論の結果を踏まえて今後検討していきたいというふうに考えております。
○高木委員 日本の技術につきましては、早晩そういう海外への貢献ということでは大切な課題になってくるのではないかというふうに私は思っておりますので、今後にそれは期待をしておきたいと思います。
 次に、地域の活性化の問題についてお尋ねをいたします。
 これまで、この八次策によりまして、合理化とかあるいは削減とか、そういうものについてはもうかなり急ピッチ、順調といいますか、順調過ぎるほど進んでおるわけであります。これはひとえにそれぞれの働く方々が大きな汗を出し血を流しておるということにもつながってくるわけですが、これに比較しましたら、やはりこの地域の活性化とかあるいは雇用対策、こういうものがどうも実効性が上がってないような気が私はするわけであります。もちろん、それなりの手だてはしていただいておりますし、また十分な努力も私は否定はしません、むしろ敬意を表するわけでありますが、今の制度がなかなか実効性あるものにはなっていない、これが今の真相ではないかと思います。
 とりわけ、私は雇用の問題で、離職をしていった方々が地元に残って仕事ができる、こういうことをすることが真の活性化ではないか。中央の方、都市圏が非常に人手不足だからといって地方からどんどんそういうところに出ていく、これによって産炭地が過疎化をする、あるいは若者が少なくなる、これは本当の意味の地域の活性化ではないと私は思うわけでありますが、これまでの制度をさらに実効あらしめる充実したものに改善していく必要があるのではないか、このように思っておりますが、この点につきまして当局のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○土居説明員 これまでの地域振興対策について十分効果が上がってないのではないかという御指摘も含めてでございますけれども、いずれにしても、八次策における急激な影響をいろいろと受けた地域はございますけれども、産炭地全体といたしましては、これまで地域振興整備公団による団地も百三十の団地が完成いたしまして、二千を超える企業が誘致され、十三万人を超える雇用も創出されておるということでございます。そもそも立地条件が非常に厳しいところで閉山が行われたということで、なかなかその影響を回避するというところまでは至っておりませんけれども、これまでの対策も、決して十分ではなかったという面はありますけれども、それなりの効果は上げてきたということはぜひ御理解いただきたいわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、八次策影響地域を中心として今後の対策の重点といたしましては、地域の見直しを行った後における重点対象地域についてさらに対策の強化をすべきであるというのが産炭地域振興審議会の議論の趨勢でございますので、そういった方向を踏まえまして、ぜひ努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○高木委員 持ち時間も来ましたので要望を申し上げて質問を終わりますが、それは、何といっても、今の地域の活性化の問題一つとりましても、特にいわゆる八次策で影響を受けた地域というのはいよいよ大変な実情でございますので、とりわけ力を入れた国の措置が図られるべきだ。また午前中もよく言われておりましたが、何といっても地域の活性化はその基盤整備、インフラ整備にあると私は思っております。そういう意味では、公共事業の傾斜配分、これまでも言われておりましたけれども、それ以上の配慮をすること、同時に通産、労働のみならず全省庁間のこの問題についての振興策というのが今後大事になると私は思っておりますので、この点も含めてひとつ強い努力をお願いをしまして私の質問を終わります。
○渡辺委員長 北村直人君。
○北村委員 大臣にお尋ねしようと思っておりましたけれども、大臣がおいでになれませんので、長官並びに部長さん方にお尋ねをしたいと思います。
 第八次石炭政策がある程度の成果を受けて終わろうとしております。私の選挙区にも炭鉱がございます。先日、その地域の三千名の方々が集まって、ポスト八次策、石炭と産炭地域を守る釧路市民大会という大会を行ったわけであります。集まった市民の方々、そしてまた石炭に従事している方々、特に婦人の方々は大変悲壮感を持ってその大会を行ったわけでございます。
 今のこの状況を見たときに、現在の内外の石炭の価格差を見たときに、需要に見合った生産を上げていこうということであれば、これはもう結果は見えているわけであります。ですから、そういう現実性を踏まえた中で、政府の皆さんは、あるいは通産省は、国内の石炭産業が、言葉は悪いですけれども自然死をしていくのを見守るという、そんなような姿勢をとっていくことになるのだろうか、それともまた、電力を中心とした需要業界に国内炭の引き取りを強く求める、あるいはまた別な施策をとりながら国内の石炭産業を維持していこうという姿勢をとっていくのか、この際、ポスト八次策の前にぜひ明らかにしていただければ大変ありがたい、こう思うわけであります。
○緒方説明員 先生お述べになりましたように国内の石炭をめぐります情勢、大変厳しいものがあるわけでございます。そして八次策 平成三年度までということで残り少なくなってきた状況のもとで、これから先をどのように考えていくのか、御指摘のように大変難しい問題が幾つもあるわけであります。そこで、九月の終わりに石炭鉱業審議会に諮問をいたしまして、現在その政策部会を中心にいたしまして非常に多角的にそこの議論をしていただいているところであります。
 おっしゃいますように、これは幾つかの視点がありまして、国内石炭鉱業をエネルギー政策としてどのように位置づけていくのかという視点、あるいは産業構造政策上どのように考えていくのかという視点、そしてまた、産炭地という地域経済をどのように振興していくのかという位置づけの問題、これらの観点がございまして、それらがまた複合的にかみ合ってくるわけでございます。したがいまして、こういう議論を審議会の場で十分尽くしていただいて、その議論の推移を見た上で、私どもその御答申に従いまして政策を進めてまいりたい、こういうことで今考えているところでございます。
○北村委員 大変模範的な答弁で、私もちょっと余り納得はしないところでございますけれども、その産炭審議会あるいは石鉱審でポスト八次策についても今審議を行っているところでございますし、また、産炭地域振興審議会の御答申が今月の末には出てくる。私の聞き及んでいるところでは、基本的な方針としては産炭法は十年くらいは延長するのが適当である、こんなようなことも聞き及んでおります。また、産炭地域振興実施計画の実効性の確保の中には、道路、工業用地等のインフラ整備については実施計画上明記するとともに、実施計画に盛り込まれた事項の実効性の確保のための関係省庁間の協力体制の強化をすべきである、こういうようなことが盛り込まれていると私は聞いております。
 それで、きょう本当は大臣にお尋ねをしたかったのですけれども、ぜひ長官のお考えと、そしてまた大臣にお伝えをいただきたいと思いますが、先ほど言ったようにこの産炭法を十年間延長する。くしくも日米構造協議で決定された四百三十兆円の公共投資もちょうど十年間である。私は、先ほども聞き及んでおる答申の案の骨子の中にも、いわゆるインフラ整備をすることが産炭地域、旧産炭地域の振興を図るのに絶対必要である、こう思います。そうしますと、石炭対策の予算、石炭勘定は大変またこれから厳しい予算の確保に当たるわけであります。ですから、この日米構造協議で決定した十年間で四百三十兆円の公共投資の枠を、これは何とか一定の割合をこの産炭地域に振り向ける、いわゆる特別枠みたいな、これを設定すべきである、私はこう思うわけであります。
 それで、長官のお考えとともに、大臣にはぜひ大蔵大臣あるいは建設大臣と実現に向けて最大限の折衝をすべきである、私はこう思いますけれども、長官のお考えをいただいて、ぜひ私の意のあるところを大臣にお伝えをいただきたい、こう思うわけであります。
○緒方説明員 産炭地域の振興を図ります上で、道路その他のインフラ、これを公共事業で整備することが非常に重要であるということは先生御指摘のとおりでございます。産炭地域振側審議会の議論の中でも、このように道路等基盤整備のための公共事業の推進、そのための関係省庁間の連絡、協調を一層緊密にする必要がある、こういう意見が出ているのも事実でございます。これらの意見を踏まえて十一月三十日に最終答申が出るわけでございますので、私どもそれを踏まえて来年度予算などについても頑張っていきたいわけでありますが、先生御提案のありました四百三十兆円の中に特別枠を設けるという点、これは大臣には早速伝えますけれども、現段階で残念ながらその特別枠という要求は出してないわけでありますけれども、来年度の要求については、石炭勘定の予算、全体枠が大変厳しい中でこの産炭地域振興関係については特に重点的に予算要求を出しているところでありますので、今後とも関係各省とも連携をとりながらぜひこれを強力に推し進めてまいりまして、あわせて、関係省庁との協力によりまして産炭地域の振興に貢献をいたします公共事業の推進についても努力をし、また、大臣にも頭張っていただくようにお願いをしたいと思います。
○北村委員 もう一つ予算に関係をするわけでありますけれども、産炭審で八次策の影響地域等に対して重点的施策を講じる旨これを提言をしているわけであります。具体的なものについては私自身もわかっておりますので、ここで御答弁は要りませんけれども、それらを実行するに当たっての予算措置、特に、平成三年度の概算要求でこれはもう本当に十分なのかどうか、そこら辺をお聞かせをしていただきたいと思いますし、また、ここで当該対象市町村がどのぐらいあるかというのは聞くことはちょっと不可能かなとは思いますけれども、もしここで、おおむねこのぐらいになるかなというようなことがお聞かせをいただけるのであれば御答弁をいただきたい、こう思います。
○土居説明員 現在の八次策影響地域に対します予算要求はこれで十分かという御指摘の点につきましては、御承知のように、この産炭地対策も石炭勘定の中で、第八次石炭政策の枠組みの中で実施しておるということから、平成三年度の予算要求につきましては、二百八十三億の資金運用部への資金の返済ということも含まれておりましてなかなか厳しい状況の中でございますが、その中で最大限の要求をしております。そういうことでぜひこの実現を図ってまいりたいといるふうに考えております。
 それから、もう一点の八次策影響地域の範囲の問題でございますが、これにつきましては、産炭地の生活圏域は現在十九圏域ございますけれども、おおむね現在の石炭の稼行地域があります六圏域がこれに該当するというふうに考えております。
○北村委員 今のところは圏域ぐらいのお話しかできないと思いますが、圏域の中には市町村があるわけでございます。見直し等がこれからなされると思いますけれども、ぜひ、よく地元の市町村長さん方の御意見を聞いていただきながら、その圏域の中の市町村の指定についてはこれは十二分に配慮をしていただきたい、こうお願いを申し上げる次第でございます。
 この際ですから、一言というよりもお伺いをしたいと思いますし、また、ぜひこれはみんなで考えていかなければならぬことではないかな、こう思います。実は、十一月十六日の毎日新聞には、この報道が本当かどうかこれは新聞社に聞いてみなければわかりませんけれども、長期エネルギーの需給の見通しということで、総合エネ調の長期需給見通しについて諮問機関の稲葉会長が自己批判した、こういう大きな見出して、供給は無理である、需要の予想も甘い、直ちに再検討をすべきである、こんなような、見出しだけ見ると私なんかびっくりしてしまって、これは大変だと思いまして中を見ていきますと、稲葉会長の言うのも無理はないかな、しかし、真意のところはそうじゃないというようにして安心はしております。しかし考えてみると、長期エネルギーの見通し、一九八八年から二〇〇〇年あるいは二〇一〇年に向けて、例えば原子力を、九・〇%の構成比率を二〇〇〇年には一三・二%、二〇一〇年には一六・七%という夢のような、夢でなく実現されればいいのでしょうけれども、到底今の現状からいったら不可能に近いというんでしょうか、そういうような見通しであります。あるいは石炭、石油の供給もふやすというような見通しを持っているわけであります。
 確かに政治家であれば、政治家というとおかしいですが、夢を売るのもこれは一つの仕事でありますから、こういう世の中になりますよ、これも私は許されることだと思いますけれども、しかしきちっとした長期エネルギーの需給の見通しを出すということになれば、そこらをしっかり踏まえながら、そしてまた今回の中東のような、石油がひょっとするとというようなことを考えてきたり、あるいは石炭の関係も、ましてや国内炭鉱を激変緩和をしながら、ひょっとするともう日本の炭鉱は北海道の釧路の太平洋炭鉱さんとあと本当に一鉱ぐらいしか残らないんじゃないかというふうな、そんなような状況の中で、それも一千万トンをゼロにしたいなんという状況の中で、果たしてこの長期見通しが本当に達成でき得るのかどうか、やはりこの際、この中東の問題を契機にこれは見直しをしなければならないんじゃないのかなという気が私はいたします。ですから、稲葉会長さんの発言も、真意は別としてあるいはこの新聞の報道もうなずけるような感じもするわけであります。今後の方針も含めてぜひ長官の率直な考えをお聞かせいただき、私の質疑を終わらさしていただきたい、こう思います。
○緒方説明員 稲葉さんの御発言につきましては、先ほども申し上げましたけれども、この長期エネルギー需給見通しを取りまとめられた責任者のお立場で、要するにこの目標が数字を決めれば自動的にといいましょうか、非常に安易に容易にこれが達成できるというものではなくて、大変な努力をしなければこれが達成できない、したがってそういう努力をしているのか、するのかということを大変気にされて、いわば役所を叱咤激励するという、叱曹フ点が多少強く出た御発言であったように受けとめております。御真意はそういうことでございまして、数字を見直せということではなくて、見直さなくても済むようにしっかりやれというところにあったと私どもは理解をしておりまして、しっかりやりたいと思っております。
 なお、原子力などの数字について大丈夫かという御指摘でありますが、西暦二〇一〇年に原子力の発電規模で七千二百五十万キロワットというのは、現在稼働中あるいは建設中、計画中のものまで全部含めて現在計画がありますものが四千五百九十万キロワット程度でございますので、それからさらに二千六百万キロワット程度のものを新しく二〇一〇年までにやらなければいけないということでありますから、容易ではないものであることは重々わかっておりますけれども、長期的にエネルギーの需要を考え、経済の発展、国民生活の豊かさというものを考え、省エネルギーを最大限にやってエネルギーの需要を極力抑えて、しかも中東問題でありますように化石燃料、特に石油に対する依存量をふやすことなく、しかも地球環境を考え、二酸化炭素等の温暖化、温室効果ガスの排出を抑えながらこの目的を達成していくというのは、稲葉先生が御心配になるように本当に非常に難しい連立方程式を解くようなものでございます。難しいからといって投げてしまうことは、そういう選択肢もあるわけでありますけれども、それをやったんではどれかが犠牲になるわけでありまして、豊かな国民生活になりますか、地球環境でありますか、何かを犠牲にしなければ解決をしないわけでありますから、私どもとしては大変難しい目標であることは重々覚悟しておりますけれども、何とか官民挙げて努力をすることによってこの目標を達成するようにこれから努力をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
○北村委員 ありがとうございます。今長官の言われたとおり、稲葉さんに叱糟励をされたということですので、ぜひ我々も努力をいたしますし、皆さんの今まで以上の努力を心からお願いを申し上げまして終わらせていただきます。ありがとうございます。
○渡辺委員長 坂井隆憲君。
○坂井(隆)委員 坂井でございます。
 私の地元は佐賀県でございますけれども、佐賀県ではいまだに大量の鉱害が残存しております。先日、佐賀県の鉱害対策連絡協議会が通産省に陳情いたしましたけれども、そのときも私も同席いたしましたが、その席においても佐賀県の当局から約三百八十億円の鉱害が残存しているという指摘がありました。鉱害対策については、佐賀県民において産炭地域振興対策の中で最大の関心事項になっているわけでありまして、現在政府において鉱害調査が行われていると聞いておりますけれども、今回の調査は今後の鉱害対策のあり方を占う上で大変重要なものだと思います。地元でも今回の調査について大変関心を持っているところでありますので、まず現在の調査状況、進捗状況と今後のスケジュールについて最初にお聞かせ願いたいと思います。
○土居説明員 鉱害復旧につきましては、昭和五十七年に策定されました鉱害復旧長期計画に基づきまして事業が進められているところでございます。鉱害二法の法期限を二年後に控えまして、現在残存する鉱害量を正確に把握するために、ことしの六月から鉱害量の調査に着手したところでございます。
 進捗状況につきましては、必要な現地調査につきましては六月から九月にかけて実施しておりますが、特に賠償義務者及び地方公共団体等のヒアリングを七月から八月にかけて実施しておりまして、現在各通産局の管内の取りまとめ作業を行っております。したがいまして、本省として取りまとめが終わるのは年内というふうに考えております。
 いずれにしても、石炭鉱業審議会の鉱害部会におきまして、この調査結果を受けて今後の二法の扱いの問題を含めて検討を行っていくというスケジュールになっております。
○坂井(隆)委員 先ほど申し上げましたように、佐賀県においてもいまだ復旧すべき相当量の鉱害量を抱えているわけでありまして、これらを法期限内に復旧できるよう努力しているところですけれども、法期限内の復旧は厳しい状況にあると受けとめているわけであります。そういう意味におきまして、鉱害対策予算の確保と同時に、平成三年から四年にかけて、産炭地域振興臨時措置法を初め各種の石炭関係諸法がいずれも平成三年から四年にかけて失効をいたすわけでありますが、鉱害の復旧を完全に実施するためには臨時石炭鉱害復旧法の延長を絶対に行ってもらわなければ困る状況にあるわけであります。その点についてぜひ通産省当局の御見解、御認識をお伺いしたいと思います。
○土居説明員 石炭鉱害の復旧につきましては、現在の十年間の鉱害復旧長期計画におきまして復旧すべき目標を五千九百億円と定めて、この期間に完全に処理するということで実施しておるわけでございまして、現在存在します鉱害につきましても法期限内で完了することを目指して努力しているところでございます。ただ、法期限まで残すところ二年となったという状況でもございますので、残存鉱害量、この法期限内の残存鉱害量も含めまして現在調査をやっているところでございまして、調査の結果、法期限内完了を目途としておりますけれども、仮に法期限内にすべての鉱害が解消が困難であるというような状況になりました場合には、いずれにしてもこの鉱害は適切に処理するという基本方針に変わりはございませんので、これらの結果を踏まえて、審議会の意見を聞きまして適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○坂井(隆)委員 鉱害対策について本当に十分当局として熱を入れてもらいたいと思いますし、鉱害復旧の延長をぜひお願いしたいと思います。
 佐賀県の場合には鉱害の問題は、今申し上げましたように鉱害量自身がまだ残っているということのほかに、内容的にも非常に難しい問題を抱えているわけであります。
 一つは、ボタ山の問題がありまして、無資力の危険ボタ山については関係者の努力によって災害防止工事も順調に推移しております。本県でも一応安全面での確保が図られるめどがついてきまして、通産省当局からもいろいろと御配慮いただいたことを非常に感謝するところでありますけれども、一方、最終鉱業権者が有資力の危険ボタ山、これについては十分な防災措置がとられないまま放置されている状況にあります。有資力といいながら実態がはっきりしないところも多いようでありますけれども、これら有名無資力の鉱業権者の危険ボタ山についても、災害防止事業の制度化をするとかあるいは予算化を図るとか、鉱害処理の促進をぜひ図っていただきたいと思います。
 危険ボタ山が残存していることによって地域住民は今なお災害発生の不安におびえながら生活をしているところでありまして、これら住民の不安を解消し、生活の安全を確保するためには早急な防災対策が必要だと思います。その点について通産省の基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思いますし、前向きな対処を要望いたします。
○松田説明員 今先生の御指摘の有資力のボタ山でございますが、基本的には原因行為者が旧鉱業権者でございまして、これが措置を講ずるべきものというのが鉱業法の観点であり、このため鉱山保安監督局におきまして有資力の鉱業権者に対して必要な措置を講ずるべく指導を行ってきているところでございます。
 なお、この鉱業権者の措置を有効ならしめ、また助成していくという観点から、その工事を実施するに当たりまして資金面については石炭鉱害事業団の資金の貸し付け等で行っておりまして、できるだけ鉱業権者が必要な措置を早急に講ずるよう要請をし、またそれを促進していきたい、そういうふうに考えております。
○坂井(隆)委員 ボタ山の問題は佐賀県でも極めて特有な問題でありますので、ぜひボタ山災害防止対策の推進については今後とも十分努力されるように心からお願いいたします。
 なお次に、佐賀県において特徴的なことですけれども、佐賀県においては、石炭採掘に伴う被害現象として家屋の沈下、傾斜等、鉱害が発生したということでこれらの復旧を、昭和三十二年から平成元年度まで三千八百十七戸の復旧をいたしました。これらのうち、盛り土工事に鉱滓の一種である生ボタを使用して復旧された家屋が七百戸ありまして、ところが、この生ボタから発生する硫酸イオン等の化学変化によってコンクリートの基礎とかその他構造物の腐食、亀裂、悪臭が発生して、日常生活にも支障を来すような被害が発生しているわけです。
 しかし、昭和六十三年からこれら二次被害の家屋を効用未回復の家屋として修復工事に着工しているわけですけれども、復旧対象として通産省が採択したのは生ボタ使用の家屋七百戸のうち百五十二戸、二二%にしかすぎないわけであります。また、佐賀県は非常に地盤が軟弱なところでありますから、この地盤が軟弱な地帯については盛り土にかえてコンクリートパイルを打ち込んで打ち込み基礎として復旧しております。ところが、軟弱地盤という特性から、周辺の地盤がさらに沈下したため、パイルを基礎とした家屋が抜け上がって、周辺地盤との段差が極端な場合には六十センチにも及んで出入りにも支障を来すというような症状も生じております。このような工法で復旧した家屋が三百八十一戸ありまして、そのうち被害が著しい家屋が六十九戸、一八%あります。そのうち採択された家屋がわずか三十八戸、一〇%にすぎないわけでありまして、このように採択数が少ないのは、聞き及ぶところによりますと、昭和五十六年に石炭鉱業審議会が、被害の程度が著しく、受忍の限度を超えているものに限定すべきであるという答申をしている、そういうことから採択基準が厳しいことが原因しているというように伺っております。
 このため、同じような被害状態にありながら、同じ町で、同じ部落のところで一方は採択されて、一方は採択されない等の事態が生じておりまして、従来の良好な相隣関係、地域連帯感、その町の地域の連帯感を損なって住民感情にも非常に問題を生じております。かえって鉱害復旧の実施によって住民の不信感を生んでいるようなこともありまして、このようなことから、佐賀県なんかでは自治体の中には復旧工事の実施をためらっているところもあります。民生安定を目的として発足した事業がこのように住民間の不信を招くようでは国民のための行政とはちょっと言いがたいのではないか、そういうようにいろいろな問題を抱えているのではないかと思うわけであります。
 通産省は、生ボタ及び軟弱地盤地帯家屋の復旧工事の対象として採択しながら未着手となっている家屋、平成二年の十月現在で九十三戸ありますけれども、その早期着工、早期完了を図っていただきたい。そして、未採択となっている家屋に対しても早急に復旧対象として採択することによって被害の住民に対して展望を抱かせて、あわせて不信感がこれ以上醸成されることがないように努めるべきではないかと思います。この点についてはなかなか、効用未回復家屋の復旧問題についてはいろいろと難しい状況もあると思いますけれども、ぜひこの点について重ねて要望して質問を終わりたいと思います。一言通産省からも御意見を伺わせていただきたいと思います。
○土居説明員 先生から御指摘になりました佐賀県の生ボタ盛り土家屋、軟弱地盤地帯の家屋についての対策でございますけれども、昭和六十三年度から開始されたところでございますけれども、平成三年度末までに全採択物件、今お話がありました九十三戸の問題だと思いますが、これにつきましては修復工事が完了するように努力しているところでございます。
 ただ、先生お話がありました未採択の問題についての基準の緩和につきましては、これは民生の安定のための事業というのは何も石炭鉱害事業だけではございません。先ほどから申し上げておりますように、どこかで一線を引かなければいけないという基準の問題がございまして、なかなか難しい状況があるということは御理解いただきたいと思います。
○坂井(隆)委員 生ボタの問題と効用未回復の問題は佐賀県にとって極めて重要な問題であります。ただいまお示ししましたような、地域の中でもいろいろな現象が生じておりまして、そういう意味でぜひ石炭の対策の予算を十分確保しながら、できる面については今後とも十分配慮していただくことを心から要望しまして質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○渡辺委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十分散会