第120回国会 本会議 第18号
平成三年三月十二日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十一号
  平成三年三月十二日
    正午開議
 第一 運輸省設置法の一部を改正する法律案
    (内閣提出)
 第二 地方税法及び国有資産等所在市町村交付
    金法の一部を改正する法律案(内閣提出
    )
 第三 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正す
    る法律案(内閣提出)
 第四 オゾン層を破壊する物質に関するモント
    リオール議定書の改正の受諾について承
    認を求めるの件
 第五 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正
    する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 北海道開発審議会委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
 日程第一 運輸省設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 日程第二 地方税法及び国有資産等所在市町村
  交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出
  )
 日程第三 産炭地域振興臨時措置法の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 日程第四 オゾン層を破壊する物質に関するモ
  ントリオール議定書の改正の受諾について承
  認を求めるの件
日程第五 都市公園等整備緊急措置法の一部を
 改正する法律案(内閣提出)
罰金の額等の引上げのための刑法等の一部を改
 正する法律案(内閣提出)
地価税法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後零時十二分開議
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 北海道開発審議会委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
○議長(櫻内義雄君) 北海道開発審議会委員及び日本ユネスコ国内委員会委員の選挙を行います。
○北村直人君 北海道開発審議会委員及び日本ユネスコ国内委員会委員の選挙は「いずれもその手続を省略して、議長において指名されることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 北村直人君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。
 議長は、北海道開発審議会委員に
      阿部 文男君    町村 信孝君
      中川 昭一君    五十嵐広三君
   及び 藤原 房雄君を指名いたします。
 次に、日本ユネスコ国内委員会委員に吉田正雄君を指名いたします。
     ――――◇―――――
 日程第一 運輸省設置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 日程第一、運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長近岡理一郎君。
    ―――――――――――――
 運輸省設置法の一部を改正する法律案及び同報
  告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔近岡理一郎君登壇〕
○近岡理一郎君 ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。本案は、最近における我が国の運輸行政をめぐる国際的な諸情勢の推移等にかんがみ、運輸省の所管行政に関する重要な政策の企画立案及び実施に関する事務を総括整理する運輸審議官一人を設置しようとするものであります。
 本案は、二月五日本委員会に付託され、二十一日村岡運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、三月七日質疑を行い、採決いたしましたところ、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二地方税法及び国有資産等所在市町
  村交付金法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
○議長(櫻内義雄君) 日程第二、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長森田一君。
    ―――――――――――――
 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔森田一君登壇〕
○森田一君 ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、住民負担の軽減及び合理化等を図るため、個人住民税の税率の適用区分の見直し及び基礎控除額等の引き上げ、土地の評価がえに伴う固定資産税及び都市計画税の負担の調整並びに特別地方消費税の免税点の引き上げ等を行うとともに、土地に関する税負担の公平適正化を図りつつ、土地政策に資するため、市街化区域農地に対する固定資産税等の課税の適正化、特別土地保有税の全般的見直し及び遊休土地に対する課税の強化並びに住民税の土地譲渡益課税の見直しを行うこととし、あわせて、国有資産等所在市町村交付金等について所要の措置を講じることといたしております。
 本案は、三月五日本委員会に付託され、去る七日吹田自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、審査を行い、固定資産税を中心に、土地に係る評価の適正化、税負担の激変緩和、路線価の公開方法等について質疑が行われました。同日質疑終了後、討論を行いましたところ、日本社会党・護憲共同から賛成、日本共産党から反対の意見がそれぞれ述べられ、次いで、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。
 なお、本委員会において、固定資産税に係る評価等の適正化について決議が行われたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 産炭地域振興臨時措置法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 日程第三、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長麻生太郎君。
 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律
  案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔麻生太郎君登壇〕
○麻生太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、石炭対策特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、産炭地域及び旧産炭地域が直面している経済的社会的困難の実情に照らし、本法の有効期間を十年延長する等の措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、産炭地域振興実施計画の原案を道県知事が作成すること、
 第二に、地方公共団体の行う税制上の特別措置に対する支援措置の対象事業を拡充すること、
 第三に、本法の有効期間を十年延長すること等であります。
 本案は、去る二月八日当委員会に付託され、同月二十一日中尾通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十八日に参考人から意見を聴取する等慎重に審査を行い、去る三月七日質疑を終了し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 オゾン層を破壊する物質に関する
  モントリオール議定書の改正の受諾につい
  て承認を求めるの件
○議長(櫻内義雄君) 日程第四、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受諾について承認を求めるの件を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長牧野隆守君。
    ―――――――――――――
 オゾン層を破壊する物質に関するモントリオー
  ル議定書の改正の受諾について承認を求める
  の件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔牧野隆守君登壇〕
○牧野隆守君 ただいま議題となりましたモントリオール議定書の改正の受諾につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 モントリオール議定書は、オゾン層の保護を目的とする国際協力のための基本的枠組みを設定するオゾン層の保護のためのウィーン条約のもとで具体的な措置を定めたものであり、昭和六十二年九月にモントリオールで作成され、我が国も締約国となっております。
 しかしながら、その後の調査研究の結果、同議定書の定める措置のみではオゾン層の破壊の進行を阻止することは困難であり、オゾン層の保護のためには一層強化された措置を早急に実施することが必要であることが国際的に認識されるに至りました。
 かかる認識のもとに、平成二年六月二十九日ロンドンで開催された締約国の会合において同議定書の改正が採択されました。
 本改正は、オゾン層の保護のために規制すべき物質の範囲を拡大し、その生産及び消費を段階的に削減して今世紀中または二〇〇五年までに全廃すること、開発途上国が規制措置を実施するに当たり生じる困難に対応するための措置を整備するとともに、多国間基金を含む資金供与の制度の設定及び技術移転の促進等について規定しております。
 本件は、去る二月十八日外務委員会に付託され、同月二十二日中山外務大臣から提案理由の説明を聴取し、三月六日及び八日質疑を行い、引き続き採決を行った結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第五 都市公園等整備緊急措置法の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 日程第五、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員長桜井新君。
    ―――――――――――――
 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法
  律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔桜井新君登壇〕
○桜井新君 ただいま議題となりました都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、都市公園等の緊急かつ計画的な整備を促進することにより、都市環境の改善を図るため、建設大臣は、現行の都市公園等整備五カ年計画に引き続き、新たに平成三年度を初年度とする五カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものとするとともに、国は、平成三年度以降五カ年間は、特定地区公園事業に要する費用に充てる資金の一部を無利子で貸し付けることができるものとするものであります。
 本案は、去る二月十二日本委員会に付託され、三月六日大塚建設大臣から提案理由の説明を聴取し、三月八日質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対して、三項目の附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○北村直人君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、罰金の額等の引上げのための刑法等の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 北村直人君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 罰金の額等の引上げのための刑法等の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 罰金の額等の引上げのための刑法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長伊藤公介君。
    ―――――――――――――
 罰金の額等の引上げのための刑法等の一部を改
  正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔伊藤公介君登壇〕
○伊藤公介君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、経済事情の変動等に伴い、刑法その他の刑罰法規の罰金及び科料の額を改定するとともに、これに関連する手続的な整備を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、刑法を改正して、罰金の寡額を一万円に、科料の額を千円以上一万円未満に引き上げた上、刑法の罪について定める罰金の多額を原則的に現行の二・五倍に改定すること、
 第二に、刑事訴訟法を改正して、同法に定める罰金及び過料の多額を十万円に引き上げ、あわせて勾留及び逮捕が制限される罪の基準となる罰金の額の限度額等を二・五倍に改定すること、
 第三に、罰金等臨時措置法を改正して、刑法外二法の罪以外の罪で罰金の多額が二万円に満たないものについては一律にこれを二万円に、罰金の寡額が一万円に満たないものについては一律にこれを一万円に引き上げるほか、命令への罰金の委任の限度額についても二万円に引き上げること、
 第四に、地方自治法を改正して、条例に罰則を設ける際に定め得る罰金の最高限度を百万円に引き上げること等であります。
 委員会においては、去る二月二十二日提案理由の説明を聴取した後、慎重審査を行い、本日質疑を終了し、直ちに採決を行った結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 地価税法案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(櫻内義雄君) この際、内閣提出、地価税法案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣橋本龍太郎君。
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました地価税法案の趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、土地税制改革の一環として、土地基本法に定められた土地についての基本理念にのっとり、土地に対する適正公平な税負担を確保しつつ、土地の資産としての有利性を縮減し土地政策に資するため、土地の資産価値に応じて負担を求める地価税を創設するものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、地価税の納税義務者は、国内にある土地及び借地権等を有する個人または法人としております。
 第二に、課税の対象は、個人または法人がその年一月一日の課税時期において有する土地等としております。
 第三に、非課税とされる土地等については、国、地方公共団体その他の公共法人が有する土地等及び公益法人等がその業務目的に関し有する土地等のほか、自然・国土保全、医療・社会福祉、文化・教育、交通・通信、水道・エネルギー等に関する一定の公益的な用途に供されている土地等を非課税としております。
 また、みずから所有し居住している住宅や他人に貸し付けられている住宅の用に供されている千平方メートル以下の部分の土地等を非課税とすることとしております。
 以上のほか、一平方メートル当たりの更地の価額が三万円以下である土地等について非課税とすることとしております。
 第四に、課税価格は、個人または法人が課税時期において有する土地等の価額の合計額としております。
 なお、優良住宅分譲予定地等については、課税価格に算入する金額を土地等の価額の五分の一とし、また、協同組合等の有する土地等その他一定の土地等については、二分の一に軽減する特例措置を諸ずることとしております。
 第五に、課税価格から控除する基礎控除は、資本の金額が一億円を超える法人にあっては十億円とし、個人及び中小法人等にあっては十五億円としております。なお、非課税とされるもの以外の保有土地の面積に三万円を乗じて計算した金額が十億円またぼ十五億円を上回る場合には、この計算した金額によることとしております。
 第六に、税率は、千分の三としております。なお、平成四年については、千分の二としております。
 第七に、土地等の価額の評価については、相続税と同様に、課税時期における時価によることとしております。
 第八に、地価税の申告、納付については、その年の十月一日から同月三十一日までの間に申告し、地価税の額の二分の一に相当する金額を申告書の提出期限までに、その残額を翌年三月三十一日までに納付することとしております。なお、平成四年の申告書の提出期限については、平成四年十一月十六日から十二月十五日までとしております。
 その他、税務署長等に対する固定資産課税台帳等の供覧規定など所要の規定を設けることとしております。
 さらに、地価税の負担のあり方については、少なくとも五年ごとに、固定資産税の土地の評価の適正化等を勘案しつつ土地の保有に対する税負担全体の状況等を踏まえて検討するものとし、必要があると認めるときは、地価税の課税対象及び税率等について所要の措置を講ずるものとすることとしております。
 なお、この法律は平成四年以降の課税時期において個人または法人が有する土地等に係る地価税について適用することとし、施行に当たり所要の経過規定を設けております。
 以上、地価税法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げました次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 地価税法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(櫻内義雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。仙谷由人君。
    〔仙谷由人君登壇〕
○仙谷由人君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました地価税法案につきまして、この法案が不十分な改革にとどまっているものの、各党の意見に配慮しつつ、一定の修正を経た上、速やかに成立をさせるべきであるとの立場に立って、総理並びに関係各大臣に質問いたします。(拍手)
 まず最初に、総理にお尋ねをしておかなければならない点は、地価税法案が必要となった地価高騰の原因についての総理の認識についてであります。
 私は、戦後三度目の一昨・昨年をピークとする今回の地価高騰は、一九八五年のプラザ合意以降の金融緩和が直接のきっかけとなり、これを日本の制度的欠陥、すなわち、現行土地税制が土地の資産としての有利性、とりわけ金融的資産価値を極端に高めているという欠陥にその構造的要因がある、少なくとも地価高騰を助長、増幅させたと認識をしているところでありますが、この点につきまして総理の御見解を伺いたいのでございます。
 そして、今回の地価高騰のもたらした社会的経済的悪影響は極めて大きく、資産格差を拡大し、額に汗して働く普通の市民の持ち家願望を打ち砕くとともに、その勤労意欲をそぎ、大都市における遠距離通勤の苦痛を強い、都市部における福祉施設の建設をほとんど不可能とし、企業におきましても、研究技術部門に投資をして創意と工夫を重ねて商品開発を行って利潤を上げるという堅実な企業経営が、あたかも愚かしい経営であるかのような風潮を生み出し、加えて社会資本の整備さえ困難とするなど、総理が常々主張される消費者中心社会、公正で公平な社会とは全く逆の経済社会構造いすなわち、投機経済社会、不公正で不公平な格差拡大の社会をつくってしまったのではないか。税制のみならず、土地政策、都市政策に関する政治の無策が引き起こしたこのような結果に対する政府の責任は重大であると考えます。この点につきまして、総理の真摯な反省と御認識を伺いたいのであります。(拍手)
 今、平成元年十二月十四日に成立をいたしました土地基本法に基づき、土地の保有コストを高め、土地の資産としての有利性を縮減し、投機的土地取引を抑制し、もって土地神話を打破し土地の有効利用を促進するといたしまして本法案が提案されているのでありますが、より質の高い生活を求めるという国民の立場から検討いたしますと、この法案は不十分であると言わなければなりません。
 一部に、こんな不十分な法制では土地の有効利用が図れないし、土地供給促進にも無益であるとの論や、地価税の導入がマクロ経済に悪影響を与え、増税分が価格に転嫁されてインフレを招くといった主張、はたまた土地税制改革が湾岸戦争による経済成長の鈍化を加速するとの牽制、あるいは、土地は信用製造の基盤であって日本経済に深くビルトインされており、土地税制改革は金融恐慌につながり、国際経済の不況を生む、あるいは高金利政策のもとで地価は下落して、地価税は必要ないといった消極論が聞こえてまいるのであります。
 しかし、これらの論理は、経済理論としても誤っておると考えられますし、一部業界や、土地投機の中で甘い汁を吸った者たちの個別利害を代理する、ためにする主張でしかないのであります。日本経済を健康体に回復させ、まじめに働く国民が勤労意欲を持続し、良質の住宅を保証されて、ゆとりのある生活を実現するという政治課題からはほど遠いところにあると言うべきであります。
 地価が下がれば、値上がりを見込んで土地投機を行った者が打撃を受けたとしても当然でございます。土地投機をした者の救済のために、地価を引き下げる政策努力をせずに、投機に関係のない消費者に住宅価格の上昇やインフレとしてツケを回すことは許されないと考えますが、これら消極論並びに先ほど申し上げました転嫁論につきまして、大蔵大臣の御意見を伺いたいと思います。
 理論上、地価が地代収益と期待値上がり益と節税益を加えたものを利子率で割ったもの、除したものとの数式であらわされるといたしますと、地価税を課すことによって地代収益を縮小し、地価税及び譲渡益課税を適正化して期待値上がり益を圧縮し、さらには節税効果を失わせれば、地価は低下するのであります。協調、共存が要求される国際経済のもとでは、日本の経済政策、とりわけ金利政策は、日本の国内的要因によってのみ決定することは困難でございます。また、民間の設備投資資金の必要性は、金利政策を専ら土地投機対策として使用することに限界があることを明らかにしております。
 この前提を承認いただけるならば、現下の高騰した地価を引き下げ、次の金融緩和時に四度目の地価高騰を引き起こさせないために、今こそ制度改革、すなわち適切な土地税制改革が必要であることは疑いを入れません。
 この点につき、総理並びに大蔵大臣の本法案成立に向けての真意をお伺いしたいのであります。
 資産としての有利性減殺のためには、民間研究機関の研究結果や漏れ聞こえてきました政府税調の意向でございます地価税の税率一%、この一%の税率が必要ではなかったかというふうに私は考えます。税率〇・三%では理論上の地価は六%程度しか下がらないという試算もございます。また、一%の税率は地代収益が年五%の割合で得られるという前提に立ちますと、他のもろもろの資産の保有コストと土地資産からの収益率を均等にするという公平の観点からも首肯し得るのではないでしょうか。
 資産の規模が大きくなればなるほど、保有コストは安くなり、相続のコストも低くなり、逆に収益性は高くなるという、まさに持てる者と持たざる者の格差拡大の制度からこれを是正する必要があることは明らかであります。地価税の税率の修正、例えば〇・五%、法人の短期譲渡益課税も超短期のそれと同様の分離課税とすべきではないかと考えております。大蔵大臣の御意見を伺います。
 さらに、本地価税法案は、税率を〇・三%とするほか、自己居住用の住宅敷地については千平方メートル以下の部分を非課税とし、所有土地面積すべてに一平方メートル当たり三万円を乗じた額か十億円(個人、中小法人にあっては十五億円)の多い金額を基礎控除とする、加えてこの税の納付は、事業者にあっては損金算入を認めるとしております。
 私は、この非課税措置と基礎控除はいささか過大に過ぎ、庶民感覚とはずれていると考えます。百万社の法人のうちの一万社で五〇%の土地を、千社で三〇%の土地を有しているとの現実、日本国内の一九九〇年度土地価格総額がGNPの五倍強となる二千百二十八兆円という額に達しているとの事実を前にして、地価の低下、資産格差是正、土地供給の促進という要請に誠実に対処するとすれば、住宅用敷地の非課税範囲を五百平方メートル以下とし、基礎控除を一平方メートル当たり一万円として、面積を無制限とするのではなくてしかるべき範囲、例えば三千三百平方メートルとする、加えて損金算入は認めるべきではない、そのような提案をいたしたいのであります。
 総理及び大蔵大臣は、非課税範囲、基礎控除、損金算入について、ただいま述べました提案につきいかがお考えなのか、所見をお伺いいたします。
 また、大蔵大臣は、本税率等では地価低下に効果的でないことが判明したとき、本法案附則第八条による所要の措置として、五年を待つことなく、そして時期を失することなく税率等の是正を提案する用意はあるのか、そのお考えを質問をしておきたいと思います。
 続きまして、税収の使途の問題でございます。
 税収の使途につきまして、政府税調は、地価税が増収を目的とするものではないとしまして、主として所得課税の減税財源とすべきだと指摘しております。私は、この税収こそ、自治体が公的土地を取得し、良質の公的賃貸住宅を建設することに優先して充当することが本税の目的によりかない、あわせて多極分散にも資することになると思料いたします。税収の使途につき、総理並びに大蔵大臣の答弁をお願いをいたします。
 自治大臣に対してお尋ねをいたします。
 地価税法案第三十八条による市町村の協力義務を土地基本法第十八条との関連でどのように解して、いかなる指導をされようとしておるのか、御意見を賜りたいのであります。
 また、私は、固定資産税に係る土地評価につきまして、その均衡化、適正化を図るべきであって、さらに土地評価を公開することが緊急に求められていると考えますが、自治大臣はいかなる施策をとろうとなされておるのか、御所見をお伺いしたいのであります。
 今政治に求められておりますのは、国民の前にどのような地価水準に持っていくかという政策の目標を提示することであります。そのためにどのような税率や基礎控除を設定するのかということが、私どもに課された課題であると考えます。
 国民から問われておりますことは、地価を引き下げるという国会の強い意思があるのかないのかということでございます。議員各位の国民的立場に立った真摯な議論と、本法案の修正による成立を訴えまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 仙谷議員にお答えをいたします。
 地価高騰の原因をどう思うかとのお尋ねでありましたが、大都市圏都心部中心に業務用地需要の急激な増大があったこと、それに端を発しました金余りの状況のもとで住宅地の買いかえ需要の増大、これらの需要増大を見込んだ投機的取引、これらが主な原因でこのような事態になったと私は受けとめますが、また顧みて、土地を持っていれはもうかるという土地神話があったり、税制自体か土地の資産としての有利性を助長しているとの指摘があることも、これはそのまま受けとめております。今回のこの高騰が資産格差の拡大による不公平感の増大をもたらすなど、我が国経済社会に深刻な影響を与えていることは、そのとおりと認識をいたしておりますし、このような事態に対処するため、これまでも土地取引の規制、あるいは土地関連融資の規制、住宅宅地供給の促進、土地の有効高度利用の促進などの需給両面にわたる各般の施策を行ってきたところでございます。最近においては東京、大阪等で地価の鎮静化傾向が見られるなど、土地対策の成果の兆しか見えてきているところでございますが、今後とも総合土地政策推進要綱に従って政府一体となった取り組みを展開していく考えでおります。
 土地問題の解決には適切な土地税制改革が必要であるとの御認識は、まさに御指摘のとおりと私も受けとめております用地価税の創設は、固定資産税の評価の適正化と相まって、土地の保有コストを引き上げ、地価の抑制、低下、土地の有効利用促進など土地対策に資するものと考えております。
 地価税は、公共的性格を有する土地という資産に対する適正公平な税負担を確保しつつ、土地の資産としての有利性を縮減する、その観点から、一定水準以上の資産価値を有する土地保有に対し、その資産価値に応じた負担を新たに求めるものであります。地価税の創設は、固定資産税の評価の適正化と相まって、土地の保有コストを引き上げ、地価の抑制、低下、土地の有効利用等土地対策に資するものであると考えておりますので、内容の変更は考えておりません。
 地価税の税収の使途については、平成四年度の予算編成時までに検討すべき旨提言されております税制調査会の答申を踏まえて、政府は適切に対処してまいりたいと考えております。残余の問題については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 仙谷議員にお答えを申し上げます。
 まず第一点は、消極論、転嫁論といったものについてでありました。
 地価税の負担の転嫁によりまして一部の財・サービスの価格が上がるかどうか、どの程度上昇するかといった点は、市場が競争的か否か、それぞれの市場の状況に依存することでありますが、いずれにいたしましても、全体として見るなら二回限りの価格上昇ということでありまして、一般的なインフレに結びつくものとは考えておりません。
 また、土地保有者に対してコストの増となる。しかし、新税は増収を目的とするものではありませんで、税収が何らかの形で国民に還元されることなどを考えますと、地価税の導入が経済に悪影響を及ぼすという懸念は当たらないものと私は考えております。むしろ、地価税は、土地の収益性の低下や過大な値上がり期待の縮小、あるいは中長期的な土地の有効利用促進などを通じて地価の抑制、低下というものをもたらす効果があると考えられますので、経済に対しては好ましい影響を持つものと期待をいたしております。
 また、制度改革についての決意というお話でありました。
 四度目の地価高騰を引き起こさないために適切な土地税制改革が必要という御指摘は、私もそのとおりだと思います。地価税は、土地基本法の理念を踏まえ、土地に対する適正公平な税負担というものを確保しながら土地の資産としての有利性を縮減する観点から、その資産価値に応じた税負担を求めるものでありますから、地価が上昇すればそれに応じて土地保有コストが増加することから、地価高騰の防止のために有効な仕組みと考えております。したがって、今回の土地税制改革の中で、地価税は極めて重要な柱をなすものと考えておりまして、速やかな実現を図りたいと心から願っております。
 また、税率についての御指摘がございましたが、地価税に係る税率につきましては、税制調査会土地税制のあり方についての基本答申におきまして、土地保有そのものに担税力を認めながら毎年保有土地の資産価値に応じて負担を求める観点、土地の資産としての有利性を政策的に縮減する観点などを総合的に考え、適正な水準を設定すべきである。その際、税率は、事業経営の継続に配意すると同時に土地の資産としての有利性を縮減する程度であることが望ましいと指摘をされております。
 政府といたしまして、税率を設定するに当たりましては、この指摘を踏まえながら、基礎控除の水準や今般の土地税制改革において固定資産税の評価の適正化も行われることなど、そうした要素も総合的に勘案し、〇・三%とすることにしたものでありまして、私どもとしては適切な水準のものと考えております。
 また、短期譲渡課税についての御指摘がございました。
 今回の土地税制改革で、超短期所有土地等に係る譲渡益の重課制度につきまして、通常の法人税率に三〇%の税率を加算した税率による分離課税方式に改めることにいたしましたのは、土地の投機的取引の抑制効果を高めると同時に、赤字法人を利用した税負担回避防止に資することを目的としたものであります。こうした分離課税制度は、赤字法人に極めて重い負担を求めるものでありまして、また、土地譲渡の個別事情のしんしゃくが困難でありますので、土地等の譲渡益一般について分離課税とすることには無理があるのではなかろうか、そう考えております。
 また、非課税範囲、基礎控除、損金不算入等について、議員のお考えを述べられた上でその感想をただされました。私は、一つの御見識と承っております。
 しかし、同時に、政府としては、居住用地については、国民生活の本拠として不可欠のものという点に配慮をし、原則として非課税という方針をとりました。この場合、大規模な邸宅の敷地を除いてほとんどの居住用地の所有者が非課税になるような水準として千平米までの部分を非課税とすることにいたしました。
 また、基礎控除につきましては、土地の資産価値に応じた税負担を求めるという地価税の趣旨に照らしまして、資産価値の小さな土地保有は課税対象から除外することが適切である、そう考えて設けたものであります。その水準については、土地の資産としての有利性を縮減するという観点とあわせ、個々の納税者に対する負担や我が国経済に与える影響を配慮するという視点にも十分考えながら設定をいたしました。
 また、個人事業者や法人が保有する事業用地につき納付した地価税額につきましては、事業遂行上土地を保有し、その土地保有に伴って生じたコストであり、収益に対応する費用であると見るべきものでありますので、固定資産税等の租税公課と同様、個人の事業所得等あるいは法人の所得の計算上、損金に算入することとしたものであります。
 私どもは、以上申し述べたような理由から、今回御提案申し上げております地価税の具体的仕組みにつきましては適切なものと考えております。
 また、この効果を見ながら、必ずしも五年という時間を待たず見直す意思はあるかという御指摘でありました。必要があれば、機動的、弾力的にその見直しを行っていくことは可能である、そのように考えております。
 また、地価税の税収の使途につきまして御意見がございました。税制調査会の基本答申を引用して総理が御答弁いただきましたとおりでございます。(拍手)
    〔国務大臣吹田ナ君登壇〕
○国務大臣(吹田ナ君) 仙谷議員のお尋ねが二点ありまして、まず第一点は、地価税法案の市町村の協力義務についてのお尋ねでありました。
 これは、土地基本法第十八条の趣旨というよりも、国と地方公共団体との税務協力関係について定めようとするものでありまして、自治省といたしましてもその趣旨に沿い、市町村に対し適切な指導をしてまいりたいと考えております。
 次に、固定資産税に係る土地評価についてのお尋ねでありますが、平成六年度以降の評価がえにおいては、土地基本法の趣旨を踏まえて、地価公示制度の改善とも相まって、その一定割合を目標に評価の均衡化、適正化を推進すべきものと考えております。また、評価の均衡化、適正化に資するためには、路線価の公開を積極的に進めることといたしておるわけであります。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 北側一雄君。
    〔北側一雄君登壇〕
○北側一雄君 ただいま議題となりました地価税法案に対し、私は、公明党・国民会議を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 土地は、有限で公共性を有する貴重な資源であり、国民の活動に不可欠な基盤であります。土地問題の解決は、国民生活にとって最も重要な課題であります。資産格差の拡大をこのまま放置すれば、勤労意欲の減退にもつながりかねません。実効ある土地対策によって地価を引き下げ、また土地の有効利用を図らなければ、住宅、社会資本の充実などおぼつかず、豊かな国民生活の実現は全く不可能と言わねばなりません。
 国土庁の土地白書によれば、昭和三十年から平成元年の三十年余りの間に地価は実に五十四倍、六大都市においては何と百二十八倍にも上っております。一方、この間の勤労者の収入の伸びは十七倍であります。大都市圏における勤労者の収入と地価とは伸び率においておよそ十倍近く開きがあり、普通のサラリーマンが住宅を持つことなど夢のまた夢と思うのも当然であります。
 なぜこうした異常な事態となったのか。それは政府・自民党が的確な地価抑制策を何ら講ずることができず、いつも後手後手の地価対策であったことに大きな原因と責任があると指摘せざるを得ません。(拍手)こうした政府の責任は極めて重大だと考えるものであります。
 総理は、近年のこうした著しい地価高騰の原因をどう考え、政府の責任についてどのように認識されているのか、まず伺いたいのであります。
 また、総理は、土地問題を内政上の最重要課題と常々言われておりますが、総理の土地対策へ取り組む基本姿勢について、改めてその見解を伺うものであります。
 さて、地価対策を進めるに当たって、まず政府が地価引き下げの目標を明確にすることが重要であります。目標なき施策は無意味であります。政府が大都市における地価をどの程度まで引き下げようと考えておられるのか、その目標を具体的にお聞かせ願いたい。
 総合土地政策推進要綱では、「土地政策の目標」として次のように述べられております。すなわち、「地価については、土地の利用価値に相応した適正な水準まで引き下げる」とされ、特に住宅地については、第一に「中堅勤労者が」、第二に「相応の負担で」、第三に「一定水準の住宅を確保しうる地価水準の実現」と、目標を定めております。同じ趣旨を総理御自身今国会の施政方針演説で述べられておられます。
 そこでお尋ねいたしますが、住宅地の地価引き下げの目標として掲げられている「中堅勤労者」とは、どの程度の所得の人を指しているのか。「相応の負担」とは、年間所得の何倍を想定しているのか。「一定水準の住宅」とは、例えば四人家族でどの程度のスペースを考えているのか。さらに、都心からの通勤時間がどの程度かかる住宅地を想定しているのか。そして、こうした大都市における地価引き下げの具体的目標をいつまでに達成しようとするのか。以上の五点、国民の最も関心のあるところでございますから、総理の明確かつ具体的な御答弁をお願いしたいと思います。(拍手)
 次に、地価税法案の問題点について具体的にお伺いします。
 まず第一に、今回の地価税法案を中心とした土地税制改正案で地価対策の所期の目的は十分に達せられるのかということであります。すなわち、地価税創設の趣旨は、土地の保有コストを引き上げて、土地の資産としての有利性を縮減し、その結果地価を引き下げ、また土地の有効利用を促進させようというものでありました。国民も、土地問題に対処する切り札として、土地の保有課税の強化に大きな期待を寄せました。ところが、税制改革の舞台が政府税調から自民党税調へと移るにつれて、議論の中身は、土地対策としての税制のあるべき姿についての議論から、専ら負担する側へのまことにきめ細やかな配慮へと重心が大きく傾き、相も変わらず生活者を軽視し企業を優遇する姿勢を如実に示したのであります。地価税の税率は、当初予想された一%程度から大きく引き下げられ、基礎控除もさらに引き上げられるなど、その内容は大幅に後退いたしました。これでは国民の期待からはほど遠いものと言わざるを得ません。総理はどうお考えでありますか。
 自民党税調での議論の過程で、自民党の塩川会長案として税率〇・五%、基礎控除五億円、単価控除一平米一万円という具体案が提示されましたが、せめてこの程度の案でないと土地の資産としての有利性の縮減という所期の目的は達せられないと考えますが、総理、いかがでありましょうか。
 次に、地価税法案の単価控除制度につきお伺いをしたい。すなわち、一平米三万円以下の土地は非課税、さらに三万円以上の土地も三万円まで基礎控除されるとの制度であります。路線価一平米三万円というのは、一坪当たりにしますと時価で二十万円以上する土地であります。坪二十万円の土地というのは、東京圏、大阪圏など大都市を除く地方都市では宅地の平均的な価格とも言われております用地方に大規模工場、大規模敷地を多く持つ企業やゴルフ場などは、どんなに広大な土地を持っていようと非課税となるわけですが、これで土地の有利性の減少や税負担の公平確保という地価税の目的が達せられるのでしょうか。また、地方での土地の買い占めを助長する結果となるのではないか。こうした疑問に対し、明確なる御答弁を求めるものであります。
 以上のように、税率の低さ、基礎控除の高さ、単価控除の高さ、さらには非課税とされる土地の範囲の広さなど、地価税が骨抜きにされたとの批判がなされていますが、こうした批判に対しどうこたえられるのか。私は、地価税を実効性ある内容に改めるべきであると考えますが、その用意があるのかどうか、あわせてお伺いするものであります。
 次に、地価税創設に当たっては、同じ土地保有税である固定資産税と地価税との関係を明確にすべきであると考えます。総理は、固定資産税と地価税との関係をどうお考えになっているのか、お伺いしたい。
 固定資産税は、市町村の行政サービスの対価であって、資産格差の是正や地価対策というような政策税制にはなじまない、また土地の使用収益価値に応じた負担であるというのが、これまでの一貫した政府答弁でありました。だからこそ、別途国税としての地価税を創設するということになったはずでございます。ところが、このように地価税と固定資産税とでは課税の目的が全く違うにもかかわらず、本法案は、固定資産税評価の適正化との兼ね合いで、五年後に見直しを検討するとの規定がなされております。この規定をどう理解すべきでありましょうか。総理の明快なる答弁を求めるものであります。
 これに関連してお尋ねいたしますが、平成六年度以降の評価がえにおいて、地価公示価格の一定割合を目標に固定資産税評価を引き上げると言われておりますが、どの程度の引き上げを検討されているのか、具体的にお答え願いたい。
 最後に、地価税の税収の使途についてお尋ねいたします。
 本法案では、平年度三千億から四千億円の税収と言われておりますが、これは税の目的からしても土地問題の解決に利用されるべきではないか。例えば地方自治体の土地の先買い権行使のための財源や、我が党がかねてから主張しております家賃補助制度の財源にすることなどを検討すべきであると考えますが、総理の御見解をお伺いいたしたい。
 以上、総理並びに大蔵大臣の明確な答弁を求め、私の質問といたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 北側議員にお答えをいたします。
 今回の地価上昇の原因についてのお尋ねでありましたが、大都市圏都心部等における業務用地需要が近年急激に増大してまいりました。同時に、金余り状況のもとで、これが住宅地の買いかえ需要の増大、これらの需要増大を見込んだ投機的な取引を招いたことが主たる原因になっておると私は受けとめておりますが、このため、これまでも需給両面にわたる各般の施策を実施してきたところであり、近年においては東京、大阪等で地価の鎮静化傾向が見られるなど、土地対策の成果の兆しか見えてきているところであります。
 また、去る一月二十五日には、土地基本法を踏まえた今後の総合的な土地政策の基本的な指針として、総合土地政策推進要綱を閣議決定したところであり、今後は一層強力な展開を図ってまいりたいと考えております。
 土地政策へ取り組む基本姿勢は、これまでも申し上げてきたように、土地取引の規制、土地関連融資の規制、住宅宅地供給の促進、土地の有効高度利用の促進などの需給両面にわたっての各般の施策を実施してまいりましたが、土地対策の成果の兆しか見え始めてきておるところでありますので、今後とも、総合土地政策推進要綱に従って、税制、金融、土地利用計画などの構造的、総合的な対策を進めて、政府一体となって取り組みを展開すべきものであると考えております。
 また、地価水準の目標については、総合土地政策推進要綱、その中で土地の利用価値に相ふさわしい適正な水準にまで地価を引き下げるべきものと唱えておりますが、去る一月二十五日に閣議決定して、その後、平均的な給与水準の勤労者の方が、年収五倍程度で、規模の上でもあるいは御指摘になった通勤時間の上でも快適な住生活を享受し得るよう、これからもこれを一つの目標として一層強力に推進を図ってまいりたいと考えております。
 地価税は、公共的性格を有する土地という資産に対する適正公平な税負担を確保しつつ、土地の資産としての有利性を縮減する観点から、一定水準以上の資産価値を有する土地保有に対して、その価値に応じた負担を新たに求めるものでありまして、固定産税の評価の適正化と相まって、土地の保有コストを引き上げ、地価の抑制、低下、土地の有効利用促進など土地対策に資するものと考えておりますので、内容の変更は考えてはおりません。
 また、地価税の負担のあり方については、少なくとも五年ごとに検討を行うという規定を設けておりますが、この検討の際には、土地に対する適正公平な税負担を確保しつつ、資産としての有利性を政策的に縮減するという地価税の趣旨を踏まえて、負担のあり方について考えなければならないと思っております。こうした観点から、見直し規定においては、固定資産税評価の適正化の状況も考慮しつつ、土地の保有に対する税負担全体の状況等を踏まえてあり方を検討するということを明らかにしたところであります。
 なお、平成六年度以降の固定資産税評価がえについてお尋ねがありましたが、土地基本法の趣旨を踏まえて、地価公示制度の改善とも相まって、速やかにその一定割合を目標に評価の均衡化、適正化を推進することとしておりますが、具体的な数値については今後検討を加えていくべきものと考えております。
 また、税収の使途についてもお尋ねがありましたが、平成四年度の予算編成時までに検討すべき旨提言されております税制調査会の答申を踏まえて、政府としては適切に対処してまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 北側議員にお答えを申し上げます。
 一点は、地価税法案の内容が骨抜きにされていないかという御指摘でありました。
 地価税の税率、基礎控除などの具体的な仕組みにつきましては、土地の資産としての有利性を政策的に縮減するという観点と、我が国経済に与える影響や個々の納税者に対する負担に配慮するという観点とを総合的に勘案して適正に設定したものでありまして、この地価税の創設は、土地の保有コストを増加させ、保有コストに対する意識を高め、地価の低下、抑制、土地の有効利用の促進など土地対策に資するものであり、内容は十分実効があるものと考えております。
 また、地価税と固定資産税の関係につきましてのお問い合わせがありました。
 固定資産税が、土地保有と市町村の行政サービスの間の受益関係に着目をして、居住用地も含めて基本的にすべての土地を課税対象としているのに対し、地価税は、土地の公共性や資産としての有利性に着目をし、一定水準以上の資産価値を有する土地保有に対して、その資産価値に応じた負担を求めるものでありますこと、また、地価税は、居住用地の原則非課税、課税最低限の設定によりまして、広く土地保有全般に負担を求める固定資産税に比べて納税者数が非常に限定されたものになっていること、こうした点で地価税と固定資産税は基本的に趣旨、仕組みを異にする税であります。
 むしろ私は、議員の御指摘には逆らうかもしれませんけれども、地価税の創設は、固定資産税の評価の適正化と相まって、土地保有コストを高め、土地の有効利用の促進など土地政策に資するものと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 吉井英勝君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔吉井英勝君登壇〕
○吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地価税法案に対し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 土地問題は、言うまでもなく、今日の政治に課せられた最重要課題の一つであります。海部首相は、さきの施政方針演説で、豊かな国民生活の実現をしていくと言われました。そのためには、まず欧米先進国に比べて著しく立ちおくれている住宅、公園、下水道など生活基盤の整備充実を急ぐことであり、その根幹である土地問題を解決することが緊急の課題であります。
 地価は鎮静化してきているとはいえ、超高値安定であり、大都市部を中心とした住宅難は深刻な事態と言わなければなりません。事実、一月に発表された国税庁の最高路線価を見ましても、三年前に比べて東京、横浜、大阪、札幌は約三倍、神戸、名古屋、千葉は約四倍、京都は五倍、全国平均で約二倍となっているのであります。一九八六年ごろ東京都心の商業地から始まった戦後三番目の地価高騰は、東京周辺の住宅地に波及し、やがて地方都市、リゾート開発地までそれが及び、瞬く間に全国に広がりました。この異常さは国土庁の土地白書でさえ認める異常なものであると言わざるを得ません。
 この結果、どういうことが起こったか。大企業と大土地所有者への土地所有が集中した一方で、大都市に住む勤労者は、一生かかっても住宅を持てなくなったではありませんか。都心部には地上げ屋がばっこし、お年寄りが、商店が住みなれた町を追い出され、古都京都でも高層マンションが次々と建ち、伝統的な町並みや貴重な文化遺産にも少なからぬ影響が出てきているのであります。これらが異常であり、あってはならないことだという認識を持っておられるのかどうか、まず最初にお伺いいたしておきたい。
 問題は、この異常な事態がだれによって引き起こされたかです。自然現象ではありません。中曽根内閣以来の民活路線による東京一極集中政策に基づく大企業中心の都市再開発と、その推進のための都市計画や建築の規制緩和政策等、大企業への手厚い優遇措置の推進、それに金余り現象の中での超低金利政策のもとでの銀行、生命保険会社等による湯水のような不動産業向け過剰融資、そして大企業、大不動産会社等の土地投機、土地買い占めなどにあったことは明白な事実であります。一般の庶民は、その一方的な被害者、犠牲者ではありませんか。さらに、土地基本法の強行と計画中の借地借家法の改悪により、住民が都市から追い出されようとしていることは重大であります。
 今求められているのは、国民の立場に立った総合的な土地政策であり、それに役立つ土地税制であります。そのためには、土地をぼろもうけの種として買い占め、投機に狂奔した元凶である大企業、犬不動産会社などの加害者と、マイホームの夢を無残に絶たれ、緑を奪われ、重税にあえぎ、住みなれた土地を追い出されている一方的な被害者である一般庶民とを明確に区別することが必要不可欠であります。
 ところが、政府は、この加害者と被害者を意図的にか混同し、客観的には加害者に加担してきたみずからの責任を放棄しているではありませんか。一体、総理は、地価高騰の根本原因とその責任についてどのように考えているのですか。土地神話ということで、住む家さえ買えなくなった庶民にも責任をおっかぶせるつもりですか。責任ある答弁を求めます。(拍手)
 この土地投機は、巨額の資金なしには不可能です。政府の総量規制等にもかかわらず、金融機関の不動産業向け融資残高は増大を続け、最近はノンバンクを経由して不動産業へ流れた融資額が問題になっています。ノンバンクに対する規制を直ちに検討すべきであります。答弁を求めます。
 また、大手都銀の土地、株式への過剰融資をめぐる不祥事件の続発は、イトマン、光進関連など目に余るものがあります。これらは、地価暴騰や株投機など経済実体と関係ないバブル経済を発生させました。そしてこれらは、地上げ等ですべて庶民を犠牲にしたものであります。政府、大蔵省は、これら金融機関に対し厳しく対処するとともに、超低金利緩和を長期にわたって継続して、これら不祥事の背景をもたらしたみずからの責任を深く反省すべきであります。大蔵大臣の答弁を求めます。
 本論に入る前に、さらに一言伺いたい。
 政府は、今後の中長期的な土地政策の指針としてこの一月に閣議決定した総合土地政策推進要綱で、地価を適正な水準まで引き下げると初めて地価引き下げをうたいましたが、肝心の裏づけがあいまいなまま、逆に固定資産税の評価額を地価公示価格の一定割合に引き上げると明示しています。もしこの引き上げが行われるならば、都市部では現在の四倍から五倍もの引き上げにもなり、庶民の負担の限界を超すことは明らかであり、撤回を求めるものであります。
 次に、政府の地価税法案について具体的に質問いたします。
 さきに述べた加害者、被害者の論理に立ては、加害者には強力な土地保有税を課し、被害者には固定資産税を含む保有税を軽減することこそ必要であると考えます。
 ところが、政府提案の地価税法案は、これにどういう答えを出しているか。まず、加害者については、財界の圧力を背景にしてか、何重もの負担軽減措置がとられ、事実上、大企業、大土地所有者にとって骨抜きになっています。
 第一に、税率の問題です。当初、政府税調の土地小委員会は、新土地保有税の税率は〇・五%から一%を想定していましたし、マスコミでもそのように広く報道されていました。ところが、政府の今回の地価税法案は、金融資産課税とのバランスで考えられていた一%はおろか、地価引き下げ、資産格差是正の効果を実効たらしめる最低水準の税率とされていた〇・五%さえ採用せず、〇・三%と大幅に引き下げられ、初年度はもっと低い〇・二%としたのであります。
 このため、例えばこの間の地価暴騰で巨額の含み益と内部留保を得た鉄鋼業界を例にとりますと、その税負担は、税率が一%なら九百五十億円と試算されていたものが、〇・三%課税で約二百八十五億円、初年度の〇・二%課税で約百九十機円と、これだけで三分の一から五分の一に大きぐ軽減されたのであります。全く骨抜きではありませんか。何ゆえに〇・五%以上一%の範囲で税感を決めなかったのか、どういういきさつでこのようになったのか、明確にされたいと思います。
 第二に、非課税の範囲に一平方メートル当たりの評価額が三万円以上の土地等の項目を入れ、十企業が地方に所有する膨大な土地等をほとんど非課税にしたことであります。
 第三に、基礎控除に単価控除を加え、大規模か土地所有者ほど大幅な負担軽減にしたことであります。これによって、一平方メートル当たり三万円を超える土地を約三万三千四百平方メートル以上所有する大企業は、その保有面積が大規模なほど恩恵が巨大なものとなることは明らかであります。
 第四に、こうして大企業、大土地所有者に対して思い切って税額をまけてやった上に、その地価税負担額を法人税の面で損金算入できることとしたことであります。これにより、さらに地価税の実質負担額は半分に減少してしまうのです。まさに三重、四重の負担軽減措置と言わなければなりません。
 こうした幾重にもわたる大企業への手厚い負担軽減措置により、例えば七千四百万平方メートルもの膨大な土地を所有し、一平方メートル当たり四万円で相続税評価額約三兆円と言われる新日本製鉄の場合、一%の税率で地価税額三百億円だったものが、単価控除方式による基礎控除が約一兆五千億円に達し、その結果、課税対象額は半減します。初年度の〇・二%課税で何と税額は三十億円、さらにこれを損金算入できるため、法人税との差し引きで実際の税負担は半分の約十五億円に減ってしまうのであります。これでは、地価高騰の原因をつくり、かつ利益を得た大企業、大不動産会社にはほとんど痛みがなく、この地価税法では、買い占め地の吐き出しも、地価引き下げ、資産格差の縮小も期待できません。
 政府は、税負担に応じて土地の収益性を低下させ、過大な値上がり期待を縮小させ、その分だけ地価の引き下げ効果を有すると述べていますが、当の政府税調土地税制小委員長を務めた石弘光氏は、政府案について、骨抜きだ、失望した、〇・三%は期待外れなどと、実効性が乏しく期待できないことを明言しているではありませんか。どうですか。土地の資産としての有利性を減殺する効果も甚だ疑問であります。
 このような措置ではなく、この間の地価暴騰で巨額の含み益を得た大企業、大土地所有者に対する真に実効ある課税を行うべきであると考えますが、総理はどのように考えておられるのか、答弁を求めます。以上、土地投機、地価高騰の加害者である大企業には大幅な負担軽減措置をとりながら、その一方、被害者、犠牲者である大都市圏の中小企業や農家などへの配慮が全く不徹底であります。
 まず、中小企業には十五億円の基礎控除がありますが、現在の地価水準では東京二十三区、とりわけ山手線内の中小企業の場合、相当部分が課税対象となることは間違いなく、さらに、政府によれば、三大都市圏、政令指定都市では中小企業の約二割弱が課税されるのであります。都心のしにせ、町工場は追い出すというのでしょうか。少なくとも、このような中小零細企業の保有土地については非課税措置をとるべきではありませんか。
 さらに、重大なのは農地の扱いであります。本法案によれば、農地一般は確かに非課税とされていますが、三大都市圏の市街化区域内農地や雑木林などは非課税範囲から除外され、五年後には確実に課税対象にされるのであります。これらの農家に対する新税課税は、営農意思を無視した宅地並み課税化と相続税の納税猶予制度の廃止等の相続税強化とあわせ、文字どおりトリプルパンチとなり、営農困難な状態に追い込まれることは必至であります。新たな農地破壊税、緑破壊税となる危険性が大と言わなければなりません。三大都市圏の市街化区域内農地も非課税とすべきではありませんか。明確な答弁を求めるものであります。(拍手)
 最後に、私は、国民本位の土地税制確立の見地に立ち、土地に寄生する大企業への真に実効ある課税の強化とともに、地価暴騰の犠牲者である勤労者への増税の中止を目指し奮闘する決意を表明し、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 吉井議員にお答えをいたします。
 地価高騰が我が国経済社会にさまざまな深刻な影響を与えていることは、私もよく認識をしております。今回の地価上昇は、特に大都市圏都心部等における業務用用地需要の増大、金余り状況、これらを受けての需要の増大を見込んだ投機的取引を招いたことが主たる原因であったと受けとめております。
 このため、顧みて政府は、土地取引の規制、土地関連融資の規制、住宅宅地供給の促進、土地の有効高度利用の促進などの需給両面にわたる施策を実施してきたところであり、近年においては東京、大阪等で地価の鎮静化傾向が見られるなど、土地対策の成果の兆しも見えてきておるところでありますが、今後は、税制、金融、土地利用計画等の一層強力な展開を図ってまいりたいと考えております。
 また、平成六年度以降の固定資産税評価がえにおいては、土地基本法の趣旨を踏まえて、地価公示制度の改善とも相まって、速やかにその一定割合を目標に評価の均衡化、適正化を推進することとし、この方針に沿って取り組んでいくべきものと考えております。
 地価税に係る税率につきましては、土地の資産としての有利性を政策的に縮減するという観点と、毎年保有土地の資産価値に応じて負担を求めるため事業経営の継続に配慮するという観点とを勘案して適正な水準に設定すべき旨、税制調査会答申においても指摘を受けておるところでありまして、政府としては、今般の土地税制改革において固定資産税の評価の適正化も行われることなどの要素も総合的に勘案して、〇・三%とすることにしたものであります。
 また、地価税に係る基礎控除等の具体的仕組みについては、土地の資産としての有利性を縮減するという観点と、我が国経済に与える影響や個々の納税者に対する負担に配慮するという観点とをあわせ考えて適正に設定したものであり、結果的には、地価税の納税義務者は主として大規模に土地を有している法人が中心となっているものと思われます。また、資産価値の小さな土地保有に対して、基礎控除により配慮するとともに、資産価値が基礎控除を超える土地保有に対しては、大企業であるか中小企業であるかを問わず負担を求めることが適当であろうと考えますが、中小企業や個人については、基礎控除を十五億円と、すなわち一般法人よりも割り増しすることによって特別な配慮をしておることも御理解をいただきたいと思うわけであります。
 三大都市圏の市街化区域農地については、農地を原則非課税とするとともに、森林法上の森林については非課税としておるところであります。三大都市圏の特定市の市街化区域農地については、保全すべき農地を除き五年後の平成九年から課税することになりますが、都市計画上いわば宅地化すべき農地として明確に位置づけられていること等にかんがみ、一般の宅地と同様に取り扱うことが負担の公平の観点からいって適当であると受けとめて、このような処置になったものでございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 吉井議員にお答えを申し上げます。
 まず第一点は、ノンバンクについてでありますが、ノンバンクが行う不動産向け融資につきまして規制することは、現行の貸金業規制法のもとでは困難であります。
 しかし、土地問題の重要性にかんがみ、資金の供給者であります金融機関を経由する間接的な方法で、可能な限りその適正化を図るべく努めているところでありますが、先般、閣議で決定をいたしました総合土地政策推進要綱におきまして、いわゆるノンバンクたる貸金業者の土地関連融資についても、その実態を把握し、より実効ある指導が行えるような方策のあり方について検討すべきであるとされているところでありまして、ノンバンクに対し直接的に指導を行うため、貸金業規制法等の法的整備を行うことの適否についても検討したいと考えております。
 また、一連の金融機関の不祥事ということで御指摘がございました。
 金融機関の基本的な業務運営のあり方や不祥事件の未然防止については、従来から数次にわたり通達等により指導してきたところでありますが、御指摘のように、最近、金融機関に関連する不祥事件や土地、株式資金への融資等について種々の御批判があることは、当局としても十分承知しており、遺憾に思っているところであります。
 金融機関は、その業務の公共性にかんがみ、社会的責任を自覚した業務運営を求められております中で、第一義的にはみずからが業務の健全かつ適正な運営のための努力をすべきものと考えておりますが、当局としても、公共性の適切な発揮の実を上げ、社会の期待にこたえるよう、引き続き厳正な指導並びに深度ある検査の実施に努めてまいりたいと考えております。
 また、先般の金融緩和局面におきましては、内需主導型経済への転換が進む中で、金融自由化に伴う競争激化もありまして、金融機関の融資構造が大きく変化し、金融機関が安易に業容拡大、収益第一主義に向かいやすい状況にあったことも事実と思われます。しかしながら、金融機関はその公共性にかんがみ、金融の繁閑にかかわらず不祥事件の防止等に努めることは当然であると考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(村山喜一君) 伊藤英成君。
    〔伊藤英成君登壇〕
○伊藤英成君 私は、民社党を代表して、ただいま提案のありました地価税法案について、総理及び関係大臣に質問を行うものであります。
 我が国は、一人当たり国内総生産が世界の先進国の中でスイスに次いで第二位を占める経済大国でありながら、国民の日常生活には、それにふさわしい豊かさが全く感じられません。その最大の原因は、異常な地価高騰による劣悪な住宅事情にあります。
 戦後の我が国においては、これまで数回にわたって地価高騰の波が押し寄せています。八〇年代の終わりから今日に至る狂乱地価に先立って、高度成長や列島改造を契機とした地価の異常な上昇もありました。これは、過去の教訓を生かさず、国民の利益を後回しにし、利益誘導と官庁の縄張り優先の行政を許してきた結果であります。物づくりよりも投機やマネーゲームを助長するバブル型経済財政運営を展開してきた歴代自民党政府による哲学、理念なき土地政策が残した禍根は、極めて大きなものと断ぜざるを得ません。今になってようやく土地税制改革に海部内閣が本腰を入れ始めていますが、遅きに失した感は免れません。今回のチャンスを逃せば、二度と地価引き下げはできないかもしれません。失敗は絶対に許されないことを強調しておきたいと思います。
 我が党は、都市計画の再構築、土地本位の金融構造の見直し及び土地税制改革の三つを有機的に結びつけ、これらを三位一体として土地神話を崩壊させ、地価を半分に引き下げるよう提言しております。
 土地税制については、とりわけ手ぬるくなっている保有課税を強化することが求められています。ある試算によれば、土地総額に占める資産保有税の割合は、米国の三・七%に比較して日本はわずか〇・三%となっており、我が国の土地保有課税がいかに低いかを如実に示しております。その意味で、政府が今回、地価税の創設、固定資産税、特別土地保有税の適正化など土地保有課税の強化を打ち出した方向は妥当と考えますが、その内容について問題があることも事実であります。
 まず第一に、既存の土地保有税の中心である固定資産税についてお尋ねいたします。
 昨年十月の政府税制調査会の答申は、固定資産税については、「土地の収益価格を目標として評価の均衡化・適正化を計画的に行い、最終的には評価水準を収益価格のレベルに引き上げることとしこ「段階的に引き上げ、中長期的にその強化を図っていくべき」との方向を示しました。これを受けて、自民党税制調査会は、平成三年度の評価がえは激変緩和措置を講じながら予定どおり行うが、増収分は住民税減税に充てるとの方針を決定しました。
 この方向は間違っていないと考えますが、しかし、平成六年度以降の固定資産税の評価がえについて、相続税評価額との均衡を図るため、土地公示価格の一定割合を目標に評価の均衡化、適正化をするとの方針は本当に実行されるのか、懸念を抱いております。
 自治省では、平成六年度からの評価がえでは、地価公示価格の七〇%程度を目標に評価額を引き上げる予定だと伺っております。しかし、地価公示価格に対する平成三年度の固定資産税の基準宅地評価額はわずか三六・三%となっており、これを七〇%に引き上げることは容易ではないと考えます。固定資産税の評価がえは各市町村が行うものであり、自治省の思いどおりになるのか疑問があります。本当に地価公示価格の七〇%程度までの引き上げが行われるのか、例えば地価が高く、また財政力のある富裕自治体などはあえて評価を高く引き上げることに汗をかかないのではないか、きちんと評価がえをしない自治体に対して政府はいかなる手段をとるのか、自治大臣の明確な見解を伺いたい。(拍手)また、評価額算定の基準となる路線価の公開に係る今後のスケジュールについてもあわせて示していただきたい。
 さらに、急激な負担上昇を防ぐ緩和措置や追い出しを求められるおそれもある小規模宅地、事業用地の負担軽減措置が必要になると考えますが、具体的にどのような措置をとるのか。しかし逆に、これらの措置を拡充し過ぎれば固定資産税の適正化が骨抜きになってしまうとの批判もあります。
 以上の諸点について、自治大臣の明確なる答弁を求めます。
 第二に、地価税についてお尋ねいたします。
 政府税制調査会は当初、土地保有に対する負担り公平を確保し、土地の有利性を縮減するため、基本的に土地の利用状況を区別せず、地域を限定せずに、時価に相当する、資産価値に応じて負担を求める国税としての保有税を想定していました。したがって、当初は、広く薄く土地保有に課税する税として位置づけられておりました。しかし、既に申し上げたように、その後、固定資産税をより重要視する方向が固まり、固定資産税評価額を公示価格の七割に相当する評価額にまで引き上げることとなりました。したがって、地価税については、固定資産税分を除いた資産価値に課税するとの目的から、当初の広く薄くという課税のあり方が見直され、課税ベースの狭い、限定された土地を対象とする税に改められました。このこと自体は論理的に一応整合性がとれているとも考えられます。
 しかしながら、固定資産税がきちんと見直しされるのは平成六年度からであり、しかも本当に実現されるのかどうか、さまざまな障害が予想されます。このように不確定な固定資産税の引き上げを前提として、初めから地価税の課税ベースを狭くすることは本末転倒であり、問題だと考えます。
 固定資産税の評価が適正に行われていない段階で、課税ベースの狭い地価税を導入しても、資産価値はおろか、利用価値に対する課税さえも不十分になってしまうと考えます。したがって、当初は地価税の課税ベースを広げ、政府が広く薄く課税したいとする固定資産税が適正化された時点で課税ペースを見直すのが正しい道ではあり省せんか。
 この見地から、例えば、十億円または一平方メートル三万円に面積を掛けた額の大きい方との基礎控除を、五億円または一平方メートル一万円に面積を掛けた額の大きい方に改めるなどして地価を強化すべきとの主張もあります。また、二十八項目にまで広げられた非課税範囲を、国、地方公共団体、公益法人、病院、社会福祉施設、居住用土地など政府税制調査会が当初示した程度にまで圧縮すべきなどの意見もあります。また、地価税の見直しも、五年ごとではなく三年ごとに改めて、例えば、平成六年度の固定資産税の評価がえを見て直ちに行うべきではないのか。地価税の課税ベースの拡大については、この政府案にこだわらず、柔軟に応じる姿勢なのか、海部総理及び橋本大蔵大臣の御所見を求めます。
 また、地価税の課税対象となる土地の評価は相続税評価額を採用することとなっております。しかし、現行の相続税評価水準は国税局によってもばらつきがあり、地価公示価格に対する比率は、全国平均で六五・三%となっており、札幌国税局六四・大%、熊本、高松局六三・四%、大阪局五四・九%、東京局五六・二%となっています。国税庁は、平成四年度を目途に相続税の評価水準を、平成三年度ではとりあえず地価公示価格の七〇%程度とし、地価税が適用される平成四年までに八〇%程度にすることも検討していると伺っております。この問題についても、固定資産税の適正化と同様、本気でやるのか疑問を持っております。また、評価水準が引き上げられた場合を想定して〇・三%の地価税率が妥当と考えているのか、大蔵大臣の見解を求めるものであります。
 さらに、地価税は、異常に高い地価を引き下げるとの明確な目的のために実施するのであって、増収策ではありません。また、地価税は、所得、消費、資産等に対する課税のバランスを図るとの理念に欠けています。したがって、地価税収を中堅サラリーマンを重点とした所得減税や法人税減税に充てるべきだと考えますが、海部総理及び橋本大蔵大臣にこの場で約束をしていただきたい。
 第三に、不動産向け融資規制についてお尋ねいたします。
 地価を引き下げるためには、冒頭申し上げましたように、土地税制改革はもちろんのこと、都市計画や金融政策も含めた総合的な対策が不可欠であります。都市計画法の改正による用途地域の細分化、建築基準法の改正による用途規制の純化などを進め、先進国にふさわしい美しい都市づくりを図るべきであります。
 また、土地本位の金融構造を是正しなければなりません。ロシアの文豪トルストイは、金のないのは悲しいことだ、だが、あり余っているのはその二倍も悲しいことだと語りました。今日の日本の現状を見れば、あり余っている金が土地投機に優先されて使われていることはその三倍も悲しいことだと追加するかもしれません。(拍手)国民が額に汗して稼いたお金は、社会全体の利益のために使われるよう、抜本的な金融政策を講じるべきであります。銀行はもちろんのこと、ノンバンクも含めた金融機関の不動産向け融資の規制を恒久措置として厳正に行うべきと考えますが、今後の計画も含め、橋本大蔵大臣の御所見を伺いたい。
 最後に、地価引き下げにかける海部内閣の政治姿勢についてお尋ねをいたします。
 いずれにせよ、異常な地価を引き下げ、サラリーマンが年収の四倍程度で快適なマイホームが取得できる社会をつくらなければなりません。今日、土地問題は国内最大の課題であります。この解決のいかんによって、国民のまじめに働く勤労意欲も左右をされます。海部総理が後世に名を残すかどうかは、この土地問題を解決ができるかどうかにかかっていると言っても過言ではないと考えますが、総理のこの問題に対する取り組み姿勢並びに決意をお伺いをして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 伊藤議員にお答えを申し上げます。
 地価税は、公共的性格を有する土地という資産に対する適正公平な税負担を確保しつつ、土地の資産としての有利性を縮減する観点から、一定水準以上の資産価値を有する土地保有に対して、価値に応じた負担を新たに求めようとしたものでありまして、固定資産税の評価の適正化と相まって、土地の保有コストを引き上げ、地価の抑制、低下、土地の有効利用促進など土地対策に資するものであると考えております。
 地価税の税収の使途につきましては、平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべき旨提言されている税制調査会の答申を踏まえて、政府としては適切に対処をしてまいりたいと考えております。
 土地問題につきましては、伊藤議員御指摘のとおり、厳しくきょうまで受けとめてやってまいりました。土地取引の規制、土地関連融資の規制、住宅宅地供給の促進、土地の有効高度利用の促進などの需給両面にわたる各般の施策を実施してきたところでありますが、近年においては東京、大阪等で地価の鎮静化傾向が見られるなど、土地対策の成果の兆しか見え始めてきているところと思っております。
 去る一月二十五日には、土地基本法を踏まえた今後の総合的な土地政策の基本指針として、総合土地政策推進要綱を閣議決定したところでありますが、この要綱においては、御指摘のように土地神話の打破を土地政策の目標の一つに掲げているところであり、今後はこれに従って、御指摘のように税制、金融、土地利用計画などの三位一体となった総合的な対策の展開を図り、土地神話を打破し二度と地価高騰を生じさせないためにも、政府一体となった取り組みを展開してまいる決意でございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 伊藤議員にお答えを申し上げます。
 まず第一に、今回の地価税についての政府の姿勢ということでありました。
 地価税の税率、基礎控除などの具体的仕組みにつきましては、土地の資産としての有利性を政策的に縮減するという観点とともに、我が国経済に与える影響や個々の納税者に対する負担に配慮するという観点とを総合的に勘案しながら適正に設定したものであります。地価税の創設は、固定資産税の評価の適正化等と相まって、土地の保有コストを確実に増大させ、また、土地の保有コストに対する意識を高めることから、地価の抑制、低下、土地の有効利用の促進等土地対策に資するものでありまして、その内容は実効ある適切なものであると考えております。
 また、相続税評価についての御指摘がございました。
 御承知のように、今年一月二十五日の総合土地政策推進要綱におきまして、土地の相続税評価につきましては、「地価公示価格を基準として評定する考え方に立って、平成四年分の土地の評価から評価時点を地価公示価格の評価時点にあわせるとともに、評価割合を引き上げ、その適正化・均衡化を図る。これに伴う相続税負担の調整等については、平成四年度税制改正において検討する。」これが閣議で決定されたところでありまして、その趣旨に沿い、相続税評価の適正化、均衡化を図ってまいりたいと考えております。
 また、評価水準が引き上げられた場合を想定し、地価税率はという御指摘でありました。
 地価税に関する税率につきましては、税制調査会の土地税制のあり方についての基本答申の中に考え方は示されておりますが、御承知のように数字は示されておりません。政府といたしましては、税率の設定に当たりまして、この土地税制のあり方についての基本答申の中で求められている幾つかのポイントを踏まえながら、基礎控除の水準や今般の土地税制改革において固定資産税の評価の適正化も行われることなどの要素も総合的に勘案し、〇・三%としたものでありまして、適切なものであると考えております。
 また、地価税の税収の使途についての御指摘がございました。
 この税収の使途につきましては、税制調査会土地税制のあり方についての基本答申の中におきまして、御承知のように、増収を目的とするものではなく、新税を創設する折には所得課税の減税とあわせ検討することが適当、なお、新税の税収について、一部は所得課税の減税とあわせ土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが適当、こうした意見が出されておるわけであります。また、平成三年度の税制改正に関する答申におきましては、基本答申の考え方に沿い、平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべき旨が提言されておりまして、政府としては、税制調査会の答申を踏まえ適切に対処していきたいと考えております。
 また、土地開運融資についての御指摘がございました。
 金融機関の土地関連融資につきましては、昨年四月、当面の措置といたしましていわゆる総量規制を導入するなど、かねてよりその適正化に努めてまいりましたところでありまして、現在、その効果は着実に浸透しつつあると考えております。大蔵省といたしましては、今後とも金融機関の厳正な指導に努めてまいりますとともに、将来において再び金融が地価高騰の原因の一つ主なることのないよう、いわゆるノンバンクに関する法的整備を行うことの適否についての検討も含めまして、先般閣議決定された総合土地政策推進要綱に沿い対処してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣吹田ナ君登壇〕
○国務大臣(吹田ナ君) 伊藤議員にお答えいたしますが、三点ありまして、まず、平成六年度以降の評価がえについてのお尋ねでありますが、市町村長は、自治大臣の定める固定資産評価基準によって固定資産の価格を決定するものとされており、また、この評価基準において自治大臣は、都道府県庁所在市の最高路線価の調整や平均価額の指示等を行うこととされておりまして、したがって、これらの仕組みや手続を通して国の方針に基づいた全国的な評価の均衡化と適正化が確保されるものと考えております。
 次に、路線価の公開につきましては、評価の均衡化、適正化に資するため、積極的に進めることといたしております。
 次に、評価がえに伴う措置につきましては、平成六年度以降の評価がえにおける評価の均衡化、適正化により税負担が急増すると見込まれる場合は、負担調整措置、住宅用地の特例措置など、適切な課税のあり方について総合的に検討する必要があると考えております。
 以上でお答えといたします。(拍手)
○副議長(村山喜一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(村山喜一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五分散会
     ――――◇―――――