第120回国会 本会議 第25号
平成三年四月二十三日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十六号
平成三年四月二十三日
    午後一時開議
 第一 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正す
    る法律案(内閣提出、参議院送付)
 第二 暴力団員による不当な行為の防止等に関
    する法律案(内閣提出)
 第三 大規模小売店舗における小売業の事業活
    動の調整に関する法律の一部を改正する
    法律案(内閣提出)
 第四 輸入品専門売場の設置に関する大規模小
    売店舗における小売業の事業活動の調整
    に関する法律の特例に関する法律案(内
    閣提出)
 第五 特定商業集積の整備の促進に関する特別
    措置法案(内閣提出)
 第六 民間事業者の能力の活用による特定施設
    の整備の促進に関する臨時措置法の一部
    を改正する法律案(内閣提出)
 第七 中小小売商業振興法の一部を改正する法
    律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 臨時行政改革推進審議会委員任命につき同意を
  求めるの件
 日程第一 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 暴力団員による不当な行為の防止等
  に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 大規模小売店舗における小売業の事
  業活動の調整に関する法律の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 日程第四 輸入品専門売場の設置に関する大規
  模小売店舗における小売業の事業活動の調整
  に関する法律の特例に関する法律案。(内閣提
  出)
 日程第五 特定商業集積の整備の促進に関する
  特別措置法案(内閣提出)
 日程第六 民間事業者の能力め活用による特定
  施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 日程第七 中小小売商業振興法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び
  合理化に関する法律案(内閣提出)
 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 借地借家法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物
  処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 臨時行政改革推進審議会委員任命につき同意
  を求めるの件
○議長(櫻内義雄君) お諮りいたします。
 内閣から、臨時行政改革推進審議会委員に西原春夫君を任命したいので、本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第一 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を
  改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 暴力団員による不当な行為の防止
  等に関する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 日程第一、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案、日程第二、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長森田一君。
    ―――――――――――――
 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律
  案及び同報告書
 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法
  律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載)
    ―――――――――――――
    〔森田一君登壇〕
○森田一君 ただいま議題となりました両案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、最近におけるけん銃使用犯罪の実情にかんがみ、これを防止するため、
 第一に、けん銃の銃身等のけん銃部品の所持及び輸入を、一定の場合を除き禁止するほか、けん銃等の密輸入の予備行為をした者及びけん銃等の密輸入に対する資金等を提供した者並びにけん銃等の密輸入の未遂罪及び予備罪の国外犯を処罰することとしております。
 第二に、芸能の公演、博物館での展示等に供するための銃砲または刀剣類については、けん銃等を除き、都道府県公安委員会の許可を得てこれを所持することができることとしております。
 第三に、猟銃の操作及び射撃に関する技能の向上等に資するため、都道府県公安委員会は、猟銃に係る指定射撃場のうちから練習射撃場を指定することができること等としております。
 第四に、美術品としての価値のある刀剣類の製作の承認に関する事務について、一定の場合を除き、都道府県の教育委員会に行わせることとしております。
 本案は、四月九日参議院より送付され、同日本委員会に付託され、四月十八日吹田国務大臣から提案理由の説明を聴取し、翌十九日審査に入り、法改正の趣旨、密輸入予備罪、同資金等提供罪の新設が地法よりおくれた理由、暴力団の対立抗争に係るげん銃発砲発生状況等について質疑応答が行われました。同日質疑を終了、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 次に、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律案について申し上げます。
 本案は、暴力団員の不当な行為によって市民生活の安全と平穏が脅かされている実情にかんがみ、国民の自由と権利の侵害を防止するため、
 第一に、都道府県公安委員会は、一定の要件に該当する暴力団を指定暴力団または指定暴力団の連合体として指定することとしております。
第二に、指定暴力団等の暴力団員が、指定暴力団等の威力を示して金品等を要求する等の暴力的要求行為を行うこと及び指定暴力団員に対して暴力的要求行為を依頼する等の行為を禁止するほか、暴力的要求行為の相手方から被害の回復に当たって援助を受けたい旨の申し出があったとき等には、都道府県公安委員会は一定の援助を行うこととしております。第三に、対立抗争発生時において、対立抗争に係る指定暴力団等の事務所が多数の指定暴力団員の集合の用等に供されているときは、都道府県公安委員会は、期間を定めて、当該事務所をこれらの用に供すること等を禁止するほか、指定暴力団員が少年に対して指定暴力団等への加入を強要すること等を禁止するとともに、事務所等において付近住民等に不安を覚えさせるような行為をすること等を禁止することとしております。
 第四に、暴力団員による不当な行為に関する相談、暴力団員による不当な行為の予防に関する広報活動等の事業を行う暴力追放運動推進センターを設けることとしております。
 その他、仮の命令、不服申し立て、審査専門委員、罰則等について所要の規定の整備を行うこととしております。
 本案は、四月十八日本委員会に付託され、同日吹田国務大臣から提案理由の説明を聴取し、翌十九日審査に入り、警察庁試案に含まれていた不正収益の剥奪及び暴力団員の一定営業からの排除規定の削除の理由、本案成立による暴力団抑制の効果、政治団体、市民団体等を規制対象とする懸念、暴力団の準構成員を規制対象とする必要、暴力団に利益供与した企業名公表の必要等について質疑応答が行われました。同日質疑在終了、採決の結果、本案は全会一致をもって可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 大規模小売店舗における小売業の
  事業活動の調整に関する法律の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 日程第四 輸入品専門売場の一設置に関する大
  規模小売店舗における小売業の事業活動の
  調整に関する法律の特例に関する法律案
  (内閣提出)
 日程第五 特定商業集積の整骨の促進に関す
  る特別措置法案(内閣提出)
 日程第六 民間事業者の能力の活用による特
  定施設の整備の促進に関する臨時措置法の
  一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第七 中小小売商業振興法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 日程第三、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案、日程第四、輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案、日程第五、特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案、日程第六、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第七、中小小売商業振興法の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長奥田幹生君。
    ―――――――――――――
 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調
  整に関する法律の一部を改正する法律案及び
  同報告書
 輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗
  における小売業の事業活動の調整に関する法
  律の特例に関する法律案及び同報告書
 特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法
  案及び同報告書
 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備
  の促進に関する臨時措置法の一部を改正する
  法律案及び同報告書
 中小小売商業振興法の一部を改正する法律案及
  び同報告書
    ―――――――――――――
    〔本号末尾に掲載〕
    〔奥田幹生君登壇〕
○奥田幹生君 ただいま議題となりました五法律案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、消費者利益の保護に配慮しつつ、小売業の正常な発達を図るため、大規模小売店舗についての種別境界面積を引き上げるとともに、調整に当たって大規模小売店舗審議会が意見を定める場合に、消費者等から広く意見を聞くこととするほか、地方公共団体の関連施策について本法の趣旨を尊重することを求めるものであります。
 次に、輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案について申し上げます。
 本案は、輸入を促進するとともに、消費者の利益の増進を図るため、千平方メートルまでの輸入品専門売り場の設置について、当分の間、大規模小売店舗法の特例措置を設けようとするものであります。
 次に、特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案について申し上げます。
 本案は、中小小売業の振興及び良好な都市環境の形成に資するような望ましい商業施設及び商業基盤施設の一体的な整備を行おうとするものでありまして、その主な内容は、その整備のために、通商産業大臣、建設大臣及び自治大臣が策定する基本指針並びに基本指針に沿って市町村長が作成する基本構想の作成手続を定めるとともに、商業集積と一体となった公共施設の整備及び産業基盤整備基金による債務保証等の支援措置を規定するものであります。
 次に、民間事業者の能力の活用による特定地設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、最近における小売業等をめでる環境の変化に対応して、本法の対象施設に商業基盤施設及び食品商業基盤施設の二施設を追加しようとするものであります。
 次に、中小小売商業振興法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、中小小売商業の一層の振興を図るため、店舗の集団化の事業を加える等高度化事業の範囲を拡大するとともに、高度化事業実施の円滑化のための助成措置を拡充しようとするものであります。
 以上の五法律案は、去る四月九日の本会議において大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案に対する趣旨説明並びに質疑が行われました後、当委員会に付託をされ、十二日中尾通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、以来、一括して審査を行い、十七日には参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行いました。
 かくて、昨二十二日五法律案に対する質疑を終了し、まず、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案及び輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案について討論を行い、採決の結果、両案はそれぞれ多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。
 次に、特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案及び民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について討論を行い、採決の結果、両案はそれぞれ多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。
 次に、中小小売商業振興法の一部を改正する法律案について採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案及び特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案の両案に対し、それぞれ附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 五案中、日程第三及び第四につき討論の通告があります。これを許します。鈴木久君。
    〔鈴木久君登壇〕
○鈴木久君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました大規模小売店舗法の一部改正に関する法律案並びに輸入品専門売り場の特例に関する法律案に対して、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 今回の政府改正案は、日米構造協議に基づいて提出されました。私どもも、今日の国際社会の中で諸外国と協力をしながら共存共栄を図っていくことは大変大切であると思っております。ところが、今回の政府案は、国際的な政策協調ということではおよそ説明のつかない代物であり、反対をいたすものであります。このように、外国の意向で国内政策を左右することが、果たして国益にかなうものでありましょうか。既に我が党の代表質問でも主張してまいりましたが、「世界に貢献する日本」を唱えるならば、我が国が世界に誇れる経済支援や最新技術の提供などによって国際貢献を果たすべきなのであります。アメリカの要求にこたえる国際貢献だから納得しろというのでは、我が国の主権さえ危ぶまれるのであります。また、諸外国に対しては、またもや日本政府の主体性なき政治哲学、否、哲学なき政治姿勢をさらけ出したものと映ることでありましょう。この点、私ども日本社会党・護憲共同が提出しております大店法改正案につきましては、我が国の自主的な国内流通商業政策として十分な検討を行ってきたつもりであります。
 さて、政府は昨年五月、法改正によらず規制緩和措置によって、大型店の出店調整期間を一年半にする通達を出しました。幾ら緊急措置とはいえ、このこと自体、議会制民主主義の否定であり、国会軽視との印象を免れ得ないのであります。そして、今回の改正案ではこれを一年に短縮し、さらに成立後二年以内に抜本的に見直すとなっております。したがって、今回の法改正そのものが二年後の廃止へ向けたワンステップにすぎず、反対する大きな理由なのであります。
 振り返ってみると、前回の法改正までは、大型店出店は規制の強化でありました。今回は一転して大幅な規制緩和、さらに二年後にもし大店法の廃止ということにでもなれば、余りにも無節操きわまりない行政であり、法的安定性を欠くものと言わざるを得ないのであります。
 これでは国民、とりわけ小売業者は安心して事業を営むことができず、著しい不安感を抱かざるを得ないのであります。委員会審議でも触れましたが、このやり方は、スピード違反の車が急カーブで急ハンドルを切るようなものであり、大きな混乱を生ずることは火を見るよりも明らかなのであります。
 既に、消費者利益の美名のもとに、大型店が全国の地方都市に向かって殺到し、巨大資本による小売業の全国的な系列化が進み、中小小売業者は閉鎖や廃業に追い込まれています。まさに弱肉強食そのものなのであります。このことは、規制緩和以来のこの一年間の出店ラッシュを見れば歴然といたしております。本法案のもとでは、個々の地域で独自の文化と歴史を持ちながら商いを営んでこられた地場の中小商店主の皆さん方の生殺与奪の権を通産省が握ることは明白なのであります。これでは、大店法の目的である消費者の利益を守りつつ大型店と中小小売業者の共存共栄は、到底図れないのであります。私は、大型店出店の調整については、国が一律に行うというよりも、地域の実情を熟知している自治体が行うのが本来の姿であると思うのであります。また、世界の趨勢も、自治体のゾーニング規制による町づくりへと大きく向かっているのでありますしかるに、政府案は、これに逆行して、自泊体による独自規制をも抑制するというのであります。政府の言う町づくりの視点から見ても、私ども日本社会党・護憲共同が提案しております改正案の方がはるかに理にかなっているのであります。(拍手)次に、出店調整の手続についてであります。
 現在、法律上の調整機関は大規模小売店舗審議会、いわゆる大店審でありますが、実際は、法律によらない商調協などによって行われ、大店番はその追認機関にすぎないのであります。法改正そのものではありませんが、利害対立の調整につきまとう裏取引などとかく評判の悪かった商調協を廃止し、大店審で調整することにした点は、異議を挟むものではありません。しかし政府案では、都道府県の大店審の設置義務はとっておらないのであります。またぞろ法律によらない調整機関が出現する余地を残しているということをここで強く指摘しておかなければなりません。出店調整においては公開と公平の原則が最も強く要求されます。審議会委員の身分を準公務員にするなどがしっかりと保証されなければなりません。
 今回政府が、みずから提出した大店法改正案によって打撃を受ける中小小売業者に対する救済と振興をもねらった特定商業集積法及び関連二法案を提案されたことは評価をいたします。ところが、規制緩和によって猛烈な勢いで大型店の出店が開始され、今回の法改正でこれに拍車をかけることになるのであります。こんな中、特定商業集積法による町づくりは、中小小売業者の育成振興に役立ち、大型店との共存共栄が図られるのでありましょうか、私は疑問を持っております。
 なぜなら、特定商業集積法による地場の中小小売業者のための商業施設の竣工は、国による基本指針の策定、それに続く市町村の基本構想の作成、都道府県知事によるその承認、そして政府の財政措置という一連の手続を要し、お役所仕事だけに権利者の利害調整をも含めると相当の年月を要するでありましょう。それでもこの特定商業集積法によって中小小売業者が生き残りをかけて町づくりに踏み切ったところに大型店の出店でもあったものなら、それこそ事業そのものがとんざしかねないのであります。このことは、せっかくの特定商業集積法による町づくりが大店法改正案の出店調整と何ら法的にリンクしていないゆえの悲劇なのであります。今回の政府提出五法案の構造的な問題と言ってもいいでありましょう。
 最後に、輸入品売り場特例法についても一言だけ反対の理由を申し述べます。
 本法案におきましては、何よりも輸入品というものの規定があいまいなのであります。つまり、日本企業や大型店経営者などが開発した自社製品を外国で生産し輸入することはもとより、逆輸入した商品をもこの売り場で販売することを排除いたしておりません。このことは、輸入品売り場特例法のぬぐいようのない欠点なのであります。もちろん本法案の問題点はこれに尽きるものではありませんけれども、ただいま申し述べましたことだけからしても、本法案は撤回されてしかるべきであります。
 最後に、改めて政府提案の二法案の撤回を強く要求し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(櫻内義雄君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) これより採決に入ります。
 まず、日程第三及び第四の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第五及び第六の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第七につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○北村直人君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 北村直人君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 行政事務に関する国と地方の関係等の整理及
  び合理化に関する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長近岡理一郎君。
    ―――――――――――――
 行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び
  合理化に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔近岡理一郎君登壇〕
○近岡理一郎君 ただいま議題となりました行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化を図るため、第二次臨時行政改革推進審議会が行った国と地方の関係等に関する答申の具体化を推進するとともに、許可認可等臨時措置法について所要の見直しを行おうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 まず第一に、国から地方への権限委譲に関する事項としては、答申で指摘された権限委譲を実施するため、森林法等五法律の一部改正を行うとと。もに、許可認可等臨時措置法を廃止し、実効性を有している権限委譲の措置について恒久化を図るため、民法等十五法律の一部改正を行うことといたしております。
 第二に、国の関与、必置規制の緩和等に関する事項としては、答申で指摘された関与の緩和等を
図るため、学校教育法等十三法律の一部改正を行うことといたしております。
 本案は、四月九日本委員会に付託され、十六日佐々木総務庁長官から提案理由の説明を聴取し、十八日に質疑に入り、本二十三日質疑を終了いたしましたところ、日本共産党の三浦久君から、農地法等六法律の一部改正規定を削除する旨の修正案が提出され、趣旨説明の後、採択の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○北村直人君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、鳥獣保護及狩猟二関スル法律の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 北村直人君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 鳥獣保護及狩猟二関スル法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。環境委員長小杉隆君。
    ―――――――――――――
 鳥獣保護及狩猟二関スル法律の一部を改正する
  法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔小杉隆君登壇〕
○小杉隆君 ただいま議題となりました鳥獣保護及狩猟二関スル法律の一部を改正する法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、猟法として禁止されているかすみ網による鳥類の違法捕獲の横行に的確に対応するため、特定猟具の鳥獣の捕獲目的での所持の禁止及び特定猟具の販売または頒布の禁止等の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、猟法として禁止されている網またはわなのうち、環境庁長官が構造、材質、使用方法等を勘案して鳥獣の保護繁殖に重大な支障を及ぼすものを特定猟具と定め、この特定猟具を鳥獣の捕獲目的で所持することを禁止することとし、特定猟具としては、かすみ網を定める予定としております。
 第二に、特定猟具の販売または頒布を禁止すること等であります。
 本案は、去る四月十二日本委員会に付託され、本日愛知環境庁長官から提案理由の説明を聴取し、質疑を行いました。
 特に本法の実効性を上げるため、関係省庁に対し、かすみ網の製造及び輸出等に関し必要な取り組みを要請する等熱心な質疑が行われましたが、これらの議論の詳細につきましては、会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくして採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 借地借家法案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(櫻内義雄君) この際、内閣提出、借地借家法案について、趣旨の説明を求めます。法務大臣左藤恵君。
    〔国務大臣左藤恵君登壇〕
○国務大臣(左藤恵君) 借地借家法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 現行の借地法及び借家法は、大正十年に借地・借家関係の安定を図るため民法の特別法として御定された法律でありますが、昭和十六年に改正された後は、今日まで基本的な枠組みが変わっておりません。この間に社会経済情勢は大きく変化し、土地建物の利用に対する需要は多様化してきておりますが、現行法は、このような変化に対応し切れていない状況になっているのであります。
 この法律案は、借地法、借家法及び建物保護に関する法律を統合した単行法を制定しようとするものでありますが、より利用しやすい借地・借家関係を実現するため、現行法の基本的な枠組みである借地権の存続期間、借地・借家契約の更新等の仕組みを見直し、より公平かつ合理的なものとするとともに、新しい借地・借家の類型を導入し、借地・借家関係の改善を図ろうとするものであります。
 この法律案の要点を申し上げますと、第一に、借地権の存続期間及び契約の更新後の期間中に建物が滅失した場合の法律関係を改め、当初の存続期間を三十年、更新後の期間を十年とするとともに、契約の更新後に建物が減失した場合に妥当な事前の権利調整が行われるよう、新たに建物再築許可の非訟事件の制度を設けることといたしております。
 第二は、借地・借家関係の解消の要件となっている正当の事由を明確にすることであります。
 現行法が、貸し主がみずから使用することを必要とする場合その他正当の事由がある場合としか規定していないのに対し、この法律案では、この正当の事由の存否につき、貸し主及び借り主が使用を必要とする事情を中心として、従前の経過、土地建物の利用状況等の基本的な判断要素を示し、具体的な実情に一層即した判断をすることができるようにいたしております。
 第三は、定期借地権の制度を設けることであります。
 これは、永続的な土地の使用を予定していない借地の需要に対応するためのもので、存続期間を五十年以上とする長期のもの、存続期間を十年以上二十年以下とする事業用のもの及び三十年以上経過した後に建物を土地所有者に譲渡する旨の建物譲渡特約によるものという三つの類型の更新のない定期借地権を認めることといたしております。
 第四に、借家関係について、転勤等のやむを得ない事情で生活の本拠を移転せざるを得ないような場合には、その持ち家を一定の期間に限って貸すことを認めるため、更新のない期限つき借家の制度を設けることといたしております。
 なお、この法律案の経過規定におきましては、法律の施行前から存在する借地・借家関係については、契約の更新に関連する規定を一切適用せず、その更新は従前の例によってされることとして、既存の借地・借家関係の借り主に無用の不安が生ずることのないよう配慮いたしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 借地借家法案(内閣提出)の趣旨説明に対する
  質疑
○議長(櫻内義雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。小森龍邦君。
    〔小森龍邦君登壇〕
○小森龍邦君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました借地借家法案及び民事調停法の一部を改正する法律案についての質問を行います。
 まず、この法案が今日提出されることとなった大きな条件の一つに、日米間の構造協議なるものが存在すると思います。日米構造協議の最終報告の土地利用の項において、「借地法・借家法の見直し」と記されている部分がございます。日米構造協議は、貿易不均衡から論議が始まり、その根っこが両国の社会経済の構造に起因しているとして、この協議に発展したもので、米国側は、日本の社会経済構造が近代市民社会としての内容を備えていないというところを指摘しているように思います。
 借地・借家法の見直しは、借りる側の権利よりも、強い立場の貸す側の力を利する方向に動いていると思われます。海部総理は、この基本的出発点のところをどのように認識されているのか、まずお尋ねしたいと考えます。
 本国会の冒頭、我が党土井委員長、さらに森井議員の方からお尋ねをした人権問題に対して、総理は抽象的に憲法上の重要問題と答えられましたが、借地・借家法によってこれまではその居住権なる生活と人権が守られてきたのであります。
 いみじくも人権問題の中心的課題である部落差別に関して、同対審答申は弱者の上に安逸な繁栄を築いてきた経済の二重構造なるものを指摘いたしております。総理並びに通産大臣の今日社会における経済の二重構造の社会法的是正と人権にかかわる基本的認識を承っておきたいと存ずる次第であります。
 次に、土地住宅問題解決の必要性と人々の居住権の安定を図るために、この法案との相互関連性についての認識を伺いたいと思います。
 今日の大都市を中心とする土地住宅問題の深刻さは、改めて指摘するまでもございません。どんなに一生懸命働いても家が買えない。無理に買おうとすれば、勤務先から遠く離れた場所に家を求めざるを得ない。中には、通勤の不可能な遠隔の地に家を求めて、一家の働き手は、別に通勤可能なところにアパートを借りて、月曜日から週末まで家族と離れて暮らすといった非人間的なケースさえ出てきているのであります。また、アパートを含む貸し家の賃貸料も相当なものでありまして、勤労者の家計を著しく圧迫いたしております。
 持ち家にしろ、借家にしろ、もっと勤労者が安価に確保できるようなものとならなければなりません。それゆえに、住宅の供給拡大、土地の有効利用が緊急な政策課題として時代の要請にこたえたものとならなければなりません。
 しかしながら、土地の有効利用という名のもとに、かつての中曽根民活路線の復活を意図し、借地・借家関係について、借地権の更新後の期間の短縮、明け渡し正当事由の大幅な緩和等を導入し、アパートや二戸建ての借家に住んでいる人たち等の居住権を軽んじ、地主や家主が土地の有効利用を行い太いとする場合には、借地人や借家人が立ち退かざるを得ないようにしようという考え方が、本法案の中に見か隠れいたしておるのであります。それは土地・住宅問題の真の解決にはつながらないものと言わざるを得ません。なぜなら、そのような方法で建てられたアパートやマンションに新しく入居する人々の居住権もまた、新原則の適用により弱いものとならざるを得ないからでございます。
 人々が住まいに関して求めるのは、何よりもまず追い立てられることのない安定感であります。少なくとも現行法においては、借家人の権利は相当程度の安定感を持っておりました。国民の持ち家志向に根強いものがあるのは、この究極の安定性を求めている姿でございます。
 土地の有効利用というそれ自体は、妥当な時代のニーズのごとくに見えます。しかし、借地・借家関係における新原則の導入が、借地人や借家人の居住権の安定性を損なう方法で現行法に手をつけるべきではなく、都市計画、都市再開発システムを改革し、従前と変わらない居住権の社会法的権利の保障と手だてを織り込む中で、人々の納得が得られる土地の有効利用が追求されるべきものと考えますが、総理はいかがにお考えでしょうか。
 次に、これらの論点を踏まえ、以下の諸点について総理並びに法務大臣に伺いたいと思います。
 まず第一に、正当事由の見直しであります。
 今回の法案では、地主、家主の立ち退き請求が裁判で認められるための要件たる正当事由の表現が現行法と異なってまいりました。
 法務省は、これについて、従来の判決における主な判断材料を書き出しただけと説明をいたしております。土地や建物の使用を貸す側、借りる側が必要とする状況や貸し借りについての従前の経過は、確かに従来の裁判においても大きな判断材料となっております。しかし、土地建物の利用状況が、土地や建物の使用を貸す側、借りる側が必要とする状況や貸し借りについての従前の経過と、これを並べて書くほどの大きな判断材料と
なっていたでありましょうか。土地建物の利用状況が考慮に入れられた判決もあるでしょうが、それはあくまでも貸し主と借り主のどちらの事情が逼迫しているのか、困窮度が大きいのかについて検討する際の一要素として考慮されているにすぎないのではないでしょうか。
 例えば、一九八六年十二月二十六日の東京地方裁判所の判決では、土地の有効利用、地域開発の見地からは高層ビル建築の方が望ましい地域にある老朽木造住宅に関する事件につき、地主が単に経済的資本的利用を目的として明け渡しを求めているのに対して、借地人は五十年以上居住し、移転先もない八十歳近い高齢者であることを理由といたしまして、立ち退き料を提供しても、なおも正当事由を認めるわけにはいかないと判断をされておるのでございます。土地の有効利用という点で貸す側に分がある場合でも、借りる側の困窮度が大きいときには借りる側に軍配を上げていると言わなければなりません。
 まさに、土地や建物の使用を貸す側、借りる側が必要とする状況の検討及びそこから必然的に派生するところの貸す側、借りる側の事情の逼迫の度合い、困窮度の比較検討を行い、それに従前の経過を加味する中で判断が行われているのであり、双方の事情を比較してより困っている側に有利な判決を出すというのが、これまでの判決の流れでございます。したがって、土地建物の利用状況といったことを法律の中に大きく書き出すことは、従来の判決の主な判断材料を書き出すということにはならず、むしろ、新法施行後の裁判において、たとえ借りる側の困窮度が相当に高い場合においても、土地の有効利用を目的とする貸す側の立ち退き請求を認める判決が出てくる可能性が大きくなると危惧するのであります。朝日新聞の論調もまた裁判所の慎重を求めるとしておりますが、ひとり私の杞憂に過ぎるものと言うことはできません。この点はいかがでございましょうか。
 また、この正当事由のところでは、立ち退き料についても大きなウエートがかけられております。従来の判決を見たとき、立ち退き料が正当事由を補完するものとして認められているのは事実でございますが、このように法律に大きく書き込むことになれば、これまた、正当事由本体はどんなに脆弱であっても立ち退き料を上積みしさえすれば立ち退き請求は正当であるとの判決を導きかねないのであります。また、いわゆる地上げ行為にも影響する問題でございます。この点についてはいかがお考えでございましょうか。
 さらに、ポイントの第二番目は、借地契約更新後の存続期間でございます。
 現在、借地人は更新のたびごとに高額の更新料を支払わされており、このことを考慮に入れますと、更新後の存続期間が、現行法で二十年もしくは三十年であるのに対し、新法では十年とするということは、さきに指摘した正当事由の拡大の意図と連動するものであり、借りる側からすれば不安定な状況にさらされ、更新のたびごとにそれなりの条件をのまざるを得なくなり、借地人の負担を過重にするおそれはないでしょうか、お聞かせをいただきたいところでございます。
 第三のポイントは、転勤等で本来の家が空き家になる場合を利用した確定期限つきの借家の特例であります。
 これはその本来の趣旨においては理解できますが、転勤等の「等」が限りなく拡大解釈されていけば、これは事実上定期借家権として作用し、新規に家を借りようとする場合の相当の部分において期限つきの契約を迫られるおそれなしとしないのであります。この点について歯どめをどのように考えているのか、お聞かせを願いたいと思います。また、定期借地権についても、法的な意味で既存契約における借地人の権利を後退させるものではありませんが、その心理的影響は小さくないと考えられます。この点への対応はいかがでしょうか。
 第四のポイントは、地代家賃紛争における調停前置主義の導入と、調停に服する旨の文書による事前合意制度の導入でございます。
 裁判にいくまでに必ず調停に付さなければならないという調停前置主義の導入においては、裁判を受ける権利という基本的人権の制約の問題があるだけにそれ相応の理由がなければなりません。
 現在、調停前置主義なるものは、家庭のいわゆるもめごとを扱う家事事件のごとく、法律で律し切れない、割り切れない場合もあり、いきなり公開の法廷で原告、被告として争わせるのは事柄の性質上なじまないということから、調停前置主義というものにもそれなりの意味がございます。しかし、地代家賃紛争は、まさに居住権と直結した問題であり、裁判と調停のどちらかを選択する自由は最初から認められるべき性質のものであります。ここに言う調停前置主義なるものは貸す側の利益に重点を置いたものと考えますが、いかがでしょうか。
 第五のポイントは、新原則の既存契約への不適用の問題でございます。
 このような二本立てが果たして本当に社会の現実的動きにおいて貫かれるでありましょうか。また、この規定が附則であることにかんがみ、従来からの居住権安定の歯どめとなっているこの規定も簡単に改められるようなことになるのではないか、この点についてもお伺いをしたいと思います。
 以上、指摘をいたしました諸点は、今回の法案をめぐって弱者のことに一層の社会政策的考慮を払わなければ、現今大きな問題となっているバブル経済の混乱の終息を見ることはできず、国民生活に重大な影響を与えるものであります。本法案は、にわかに賛成しがたい内容を持っているとの認識に立ち、十分な審議時間を確保し、その取り扱いについては与野党の公正な話し合いのもとに決定されるべきものであるとの考えを表明しまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 小森議員にお答えを申し上げます。
 借地・借家法の見直しの方向の基本的認識についてと申されましたが、私は、今回この法律は、約五十年にわたって基本的な改正がなかったものでありまして、その後の社会経済情勢の著しい変化に対応し切れないようになってきたと基本的に認識をいたしております。特に、借地・借家関係の存続を画一的に規定をしておりますことは、土地建物を貸そうとする者にとっても借りようとする者にとってもともに障害となっておるものであり、借地・借家関係の改善を図ることを目的とするものであって、貸し主の権利を一方的に強める
ものでもありませんし、借り主の権利を一方的に弱めるものでもないと考え、これによって国民生活の基盤整備に寄与するものと私は期待をいたしております。
 また、同対審の答申にもお触れになりましたが、その中にある経済の二重構造の是正の問題につきましては、これは中小企業は我が国経済の重要な担い手であり、その自立的発展を図っていくことは、我が国経済全体の安定的発展を図っていく上において極めて重要な存在であると考えます。このような認識に立って、政府としては、対象地域産業を含めた中小企業の振興のために種々の施策を講じてきたところでありますが、今後とも格差の是正に向けては努力を続けてまいりたいと考えております。
 また、基本的人権についての認識はとのことでございますが、私は、基本的人権の尊重は憲法の原則であって、政治の基本であると認識をいたしております。
 今回のこの法案の見直しは、貸し主と借り主の権利義務関係の合理的な調整を図ることを目的とするものであり、借地人や借家人の居住権の安定性を損なうものではないと考えます。この見直しによって、良好な借地・借家の供給が促され、国民生活の基盤整備に寄与するものと期待をいたしております。
 最後に、都市再開発の実施に当たって、居住者に対する配慮が重要であるという御指摘は、私もそのとおりと受けとめております。都市再開発のための制度の中には、現在、開発法による市街地再開発事業制度がございますが、御承知のように、この事業においては、地区内の権利者は従前の資産、権利などに対応して引き続き地区内に居住可能、また、事業の実施に当たっては、それらの権利者の意見について十分くみ上げる仕組みとなっております。今後ともこの事業制度の活用を図り、従前の権利者の権利を保障しつつ、都市の再開発を促進してまいりたいと考えております。
 なお、その他お尋ねの借地借家法案についての個々具体の論点など残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣左藤恵君登壇〕
○国務大臣(左藤恵君) 小森議員にお答えを申し上げます。
 この法律案におきます正当事由の規定は、事由の有無を判断する場合に、現に裁判実務で考慮されている要素を規定に掲げることによりまして、具体的な実情に即した判断をすべきことを法文上明らかにすることをねらいといたしておりまして、借り主の居住の困窮度が相当に高い事情のもとで、専ら土地の有効利用ということを理由にして貸し主が立ち退きを請求するような場合には、従来と同様、正当事由ありと認められることはございません。
 次に、現在の実務におきましては、貸し主からの立ち退き料等の提供の申し出がある場合には、それを考慮いたしまして、その支払いを条件として、あるいはそれと引きかえに借地関係の終了を認める扱いとなってきている状況でございます。そこで、この法律案におきましては、立ち退き料等の提供をする旨の申し出についても、正当事由の判断要素として法文に規定いたしております。ほかに正当事由を認める要素がないのに、立ち退き料のみで正当事由が認められるかどうかという点につきましては、現行法のもとにおける扱いと何ら変わるものではございません。立ち退き料の提供は補完的要素でありまして、他の要素の存在を欠く場合には、これのみをもって正当事由の存在を肯定するということはあり得ないのでございます。
 次に、借地権の更新後の期間を十年とする問題でございますが、事情の変化に応じまして貸し主と借り主との関係の調整をすることができるように、調整の機会を十年単位で設けるというのがこの趣旨でございまして、十年ごとに借地関係の存続の有無を判断する機会を設けるといたしましても、借地関係を解消するには、現行法と同様に貸し主に正当事由が存することが必要でありまして、借り主の立場は従来どおり保護されているということでは変わりがない、このように考えております。
 それから、期限つきの借家の制度は、持ち家のある勤労者等には強く望まれていることを考慮したものでありまして、この特約をするためには、当事者の合意のほかに、貸し主の側に転勤、療養、親族の介護等のやむを得ない事情があるという客観的な要件が必要でありまして、また、この特約はその事情を記載した書面によってしなければならないということにいたしておりますので、その要件の有無の判断は厳格に行われることになります。
 定期借地権の問題につきましては、新法によって初めて設定されることであって、既存の借地関係とは全く無関係で、この制度の創設が既存の借地関係に影響するものではないということは明らかでございます。
 地代家賃をめぐる紛争は、まずできるだけ当事者間の話し合いによって解決されることが望ましいことで、このような問題につきまして専門的な知識経験を有する者を調停委員として活用して紛争の解決を図ることが適切であることなどを理由とするものでありまして、迅速かつ適正な紛争解決を目指した合理的な措置である、このように考えております。この点の改正は純然たる手続的な改正でありまして、当事者の実体的な権利関係に影響を与えるものではなくて、ましてや貸し主の利益に重点を置いたものでは全くございません。
 最後に、既存の借地・借家関係には更新及び更新後の法律関係に関する新法の規定が適用されず、現在の借地法及び借家法によって規律されていることは法文の上で明確に規定しました。この規定は法案の附則に置かれておりますけれども、附則の規定であるからといって安易な改正が行われるということはございません。既存の関係には現行の法律の規定が適用されるということを十分理解していただくということが大切でございまして、こうした点につきまして、法務省といたしましても、これからあらゆる機会を通じて、この法案の趣旨、内容を国民の皆さんに十分御理解していただけるように努力をする考えでございます。(拍手)
    〔国務大臣中尾栄一君登壇〕
○国務大臣(中尾栄一君) 小森議員にお答えいたします。すべての人はひとしくその人権を保障されるべきであり、人種、信条、性別、社会的身分、または門地によって差別されてはならないものであると認識しております。
 また、経済の二重構造の問題は、既に総理が御答弁いたしましたので、私はそれ以上言うこともございません。
 通産省としましては、今後とも中小企業の振興に積極的に取り組んで、大企業と中小企業の格差の是正に努力してまいりたい所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 東祥三君。
    〔東祥三君登壇〕
○東祥三君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております借地借家法案に関し、総理大臣並びに法務、建設の両大臣に質問いたします。
 本法案は、従来の借地法、借家法に加え、建物保護に関する法律という三法を一本に統合したもので、基本的な枠組みの変更という意味では、昭和十六年以来の、実に五十年ぶりの大幅改正となっています。
 現在、借家住まいは全国で約四割近くを占めていると言われます。その意味では、借地・借家法が果たしている役割には今なお大きいものがあり、したがって、その改正についても極めて慎重な対応が必要であると言えます。それは、国民の安定した居住権の確保が国の責務であり、経済社会の健全な発展の基礎をなすものと考えるからであります。
 私は、こうした基本的認識に基づき、以下六点について質問いたします。
 まず第一点は、本改正案の趣旨、目的に関することについてであります。
 今、借地・借家人の多くは、更地価格の一〇%と言われる高い更新料や年々請求される地代や家賃の値上げ要求に悩まされているばかりか、建物を建てかえる際には、高額な建築費に加え、これまた高額な承諾料の支払いにおびえている実情にあります。
 こうした状況の中で、法務省は、今回の法改正は、借地・借家をめぐるニーズの多様化など社会経済情勢の変化に対応するための、貸し主と借り主の権利関係を調整しようとするものであるとしています。確かに、現行法は今日的状況に対応できなくなっており、その意味では、改正することの必要性を否定するものではありません。しかしながら、今回の法改正の見直し作業については、一九八五年に経済団体連合会が発表した土地政策に関する意見に端を発し、内需拡大、民活導入の名のもとに、地上げ屋やデベロヅパー等の要求に沿って行われ、弱い借地・借家人の権利を奪うための改悪ではないのかとする懸念もあります。
 総理並びに法務大臣は、借地・借家関係の現状をどう認識し、現行制度を基本的にどう変えようとされているのか、今提起した懸念への回答を含め、改めて法改正するに至った背景、法改正の趣旨、ねらい等について明確な御答弁をお願いいたします。
 第二点は、借地権の改正に関することについてであります。現行の借地法のもとでは、一たん借地として差し出してしまうとなかなか手元には戻ってこないようになっていますが、本改正案の大きな特徴の一つは、貸し出しても必ず地主の手元に戻る、いわゆる更新を認めない定期借地権という新たな借地権を創設していることであります。これは、サラリーマンが一家を挙げて転勤する場合、持ち家を安心して貸せる確定期限の借家制度の導入とあわせ、本改正案の中で特に評価できる内容の一つであろうと考えます。
 しかしながら、この定期借地権制度が導入されるならば、レストランや量販店など契約期間の短い事業用としての土地供給だけが増大し、宅地供給を減らすことにならないか、収益の高い事業用地における安易な地代の値上げが周辺の宅地の地代に影響を及ぼすことにならないのか。したがって、私は、この定期借地権については、地域、建物の利用目的等を限定して適用するようにしてはどうかと考えます。
 また、本法案では、普通借地権における最初の存続期間が一律に原則三十年、更新期間は十年へと短縮されることになっています。この契約期間の短縮化は、より短いサイクルで契約を見直すごとにより、時代の変化に合わせ借地関係を適正化できるようになる反面、借地権を弱め、更新料を支払う機会をふやすなど、借り主の不安を増長するところとなっています。こうした借地権改正に係る問題点に対し、法務大臣の御見解をお伺いいたします。
 第三点は、既存の契約関係への影響についてであります。
 我が党の法務部会では、今回の法改正に当たり、法務省に対し、借地・借家人の置かれた現状に十分配慮し、借地・借家人の地位と権利を損なうおそれのある改正案には反対である、とりわけ改正される新法を既存の契約関係に適用することについては、既得権の保障や居住権の長期安定性の確保という見地から見て大きな問題があるとの申し入れを行ってきております。
 その意味では、本改正案の決定段階において、既存の契約関係にある多くの借地・借家人や我が、党の強い要請等に配慮し、政府が、更新及び更新後の法律関係に関する新法の規定は、既存の借地・借家関係には適用せず、従前どおりとするとして、法制審議会の答申段階の内容を大幅に譲歩させたことは、率直に評価したいと思います。しかしながら、本改正案が成立し新法が存在すること自体が、既存の契約関係にもその解釈や運用において微妙な影響を及ぼすことにならないのか、法務大臣の御見解をお伺いいたします。
 第四点は、正当事由の明確化に関することについてであります。
 法務省は、貸し主が更新を拒否したり解約を申し入れることのできる正当事由について、本法案では、これまでの判例を明確化したにすぎないものと説明しています。しかしながら、このことは、多くのマスコミ等において、借地や借家の明け渡し、追い出しを容易にするものであると報道され、借り主を大きな不安に陥れています。この懸念にはどう答えられますか。
 私の手元には、こうした不安を訴える便りが数多く届いておりますが、ちなみに、その中の一通をここで紹介させていただきますと、
  前略、私は身寄りのない独り暮らしの六十九
 才の年老いた借家人です。いま、国会に提案さ
 れている借地・借家法の改正法案は私たち住民
 が追い出されやすくなる内容だと聞いていま
 す。大変心配です。たった一つの生き甲斐とし
 てペットを数匹飼って家族代わりとしているた
 めか、老齢のためか、移転先も見つかりませ
 ん。その上、地上げ屋に事実無根のことを並べ
 立てられて、訴訟に持ち込まれ、生きた心地も
 ありません。どうか私たち、借家人が安心して
 暮らせるようにして下さい。心からお願い申し
 上げます。というものであります。
 万一借り主の権利が弱められた場合は、借地関係者はともかく、契約期間の短い借家関係者は、家主による家賃の値上げのみでなく、明け渡し攻勢にも絶えず悩まされることになるわけであります。既存の契約関係には適用しないことになっているとはいえ、古い借家で建て直しか必要なケースにおいては、既存の契約関係は解消され、新法に基づく新しい借家関係への移行を余儀なくされることになります。
 今もお便りを御紹介いたしましたように、現在、借家人の高齢化が一段と進みつつあります。となりますと、よほど安い公共住宅や家賃補助制度のような助成制度が充実されない限り、これら年金収入のみに頼っている高齢者や低所得水準の方々は、そうした厳しい状況に耐えられなくなるのではないかと考えざるを得ません。これは大変重大な問題であります。法務大臣の見解とあわせ、公共住宅の増設、家賃補助制度実施の見通しについて、建設大臣の御答弁をお伺いいたします。
 第五点は、地代家賃の改定に係る手続についてであります。
 政府は、今国会に、本法案との関連で民事調停法の一部改正案を提出しておりますが、この一部改正案では、地代家賃の値上げ等をめぐり貸し主と借り主の間で合意できず訴訟提起の段階となっても、訴える前に調停に付することを義務づけようとしています。
 この調停制度は、裁判より時間や経費が大幅に節減できるようになることから、結果的に地代家賃の値上げが行われやすくなるおそれがあります。この点に関し、法務大臣の御見解をお伺いいたします。
 第六点は、悪質な地主や不動産業者への指導の徹底等についてであります。
 今回の法改正の動きが、これまでの各種マスコミで「借主の権利、大幅に制限」とか、「借地・借家の権利弱め、土地供給を狙う」とか、さらには、正当事由の拡大等で借り主の追い出しか容易になるといったように報道され、借地・借家人の不安を必要以上に増長させている嫌いがあります。また、こうした報道に便乗し、悪質な不動産業者等が、複雑な内容を理解できないお年寄りなどに対し、既存の契約関係にも新法が適用されるとか、あるいは、既存の契約には旧法が適用されるが、更新には新法が適用されることになるなどと言い、解約の申し入れや契約更新を拒絶するような事態があるように聞いております。
 したがって、こうした不正、不法な行為が横行しないよう、一体、現行制度がどう変わるのか、国民に正しい情報を伝えることが重要であり、関係業者への指導をも徹底する必要があると考えます。法務大臣並びに建設大臣のお考えをお伺いいたします。
 また、不安におびえている国民の皆様に対し、正確な情報を伝えたり、個別のケースに応じた適切なアドバイスを与えられるよう、この際、仮称「借地・借家一一〇番」といった無料の、いわゆるフリーダイヤルを設けてはどうかと考えるものでありますが、いかがでしょうか。
 ともあれ、近年の土地住宅政策の貧困、とりわけ地価の異常高騰が、借地・借家関係をも著しくゆがめ、今後の都市のあり方にまで大きな影響を及ぼそうとしています。まさに、地価の値上がりこそは諸悪の根源であります。この地価の異常高騰こそが、貸し主と借り主の権利関係をもアンバランスなものとし、その再調整を図るために今回の法改正が必要となったと言っても過言ではありません。政府の地価政策に対しては、強い怒り、憤りを禁じ得ません。
 最後に、政府が単なるポーズだけでなく、実効ある地価対策を講じることを強く要請し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 東議員にお答えを申し上げます。
 借地法及び借家法は、御指摘のように大正十年に制定されて、この五十年間基本的な改正がないまま経過いたしておりますから、この間の社会経済情勢の変化が著しくて、それぞれ対応し切れないような状況が出てきておると認識をいたしております。
 特に、現行法が借地・借家関係の存続を画一的に規定していることは、土地建物を貸そうとする者にとっても借りようとする者にとっても障害になっておることであり、今回の改正は、このような社会経済情勢の変化に対応し得るように、更新のない新しい類型の借地・借家関係を創設するなど、借地・借家関係の改善を図ることを目的としておるものでありまして、借り主の権利を弱めるものではないと考えます。今回の借地・借家法の見直しによって、良好な借地・借家の供給が促され、国民生活の基盤整備に寄与するものと期待をいたしております。
 なお、最後にお触れになりました地価対策につきましては、近年、東京、大阪等の大都市を中心に鎮静化の兆しか見え始めておることも事実であり、同時に、さらにこれを徹底させていくために、今後とも積極的に取り組んでまいりたい、と考えております。
 残余の問題につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣左藤恵君登壇〕
○国務大臣(左藤恵君) 束議員にお答えを申し上げたいと思います。
 第一点につきましては総理から御答弁がございましたので、第二点以降につきまして私からお答えを申し上げたいと思います。
 今回のこの法案の改正で大きな位置を占めるものは定期借地権制度の導入だと、このように考えます。定期借地権の導入によりまして住宅地の供給が減少するのではないかというような御心配の点につきましては、事業目的の短期の定期借地権は用途が事業に限られて、かつ期間も短いものでありまして、住宅地として貸し出されることが想定されない土地がその対象になる、このように予測をいたしております。この制度の導入が住宅地の供給の減少につながることは、したがってないという見込みでございますし、また、定期借地権の制度は広く利用されることが期待されますので、地域等によって限定を付するというのは適当でない、このように考えます。
 次に、借地権の更新後の存続期間を十年とすることでございますが、事情の変化に応じて貸し主と借り主との関係を調整することができるように、調整の機会を十年単位で設けるのがその趣旨でございまして、十年ごとに借地関係の存続の有無を判断する機会を設けるといたしましても、借地関係を解消するには、現行法と同様に貸し主に正当な事由が存在することが必要でございまして、借り主の立場は従来どおり保護されるものと、このように考えます。
 それから第三点でございます。既存の借地・借家の関係につきましては、更新及び更新後の法律関係に関する新法の規定が適用されません。そして、現在の借地法及び借家法によって規律されるということは、法文上にも明確に規定されております。新法の存在が既存の借地・借家関係についての解釈、運用に影響を与えるということは全くない、このように考えます。
 それから第四点でございますが、この法律案におきます正当事由の規定は、借地・借家関係の解消の要件であります正当事由の有無を判断する場合に、現に裁判実務で考慮されている要素を掲げたものであって、したがって、正当事由の有無の判断の実質は、現行法のもとでの倣いとは何ら変わるものではありません。
 また、借家住まいの高齢の方への影響などについての御指摘の点でありますけれども、既存の借家関係の更新につきましては、現行の法律の規定が適用されます。そして、借家に関する正当事由の改正も、借家住まいの方に不利な判断基準が示されるわけではございません。したがって、住居の移転に伴い新法のもとで契約をすることとなっても、これまでどおりその居住については法律的に十分保護されるものであります。
 それから第五点につきまして、民事調停法の改正は、地代家賃をめぐる紛争をより簡易迅速に解決するための純然たる手続的な改正でありまして、当事者の実体的な権利関係には影響を与えるものではございません。今回の改正によりまして、調停において専門家を積極的に活用して、公正な判断に依拠しました解決がなされることを大いに期待をいたしておるところであります。
 それから第六点につきましては、これは今般の借地・借家法の見直しによりまして、現在土地や建物を借りている人の権利が損なわれることになるというような理解をされている方が関係者の中におられるという報道もあるわけでありますが、この法律案におきましては、新法の借地・借家関係の更新及び更新後の法律関係に関する規定を既存の借地・借家関係には適用しないということでございまして、あらゆる機会をとらえて、この法律案の趣旨と内容を国民の方々に十分理解していただき、いやしくも誤解から無用な混乱が生ずることのないように努力をしてまいりたい、そういうふうに考えておるところでございます。(拍手)
    〔国務大臣大塚雄司君登壇〕
○国務大臣(大塚雄司君) お答え申し上げます。
 東議員の御質問の第一は、公共住宅の増設や家賃補助制度についてでございます。
 住宅に困窮する低額所得者の居住の安定を図ることは、重要な課題であると認識をいたしております。
 このため、公営住宅の供給を促進するとともに、所得の低い高齢者で住宅困窮度の高い世帯に対しましては、地域の実情に応じまして優先入居や単身入居等の優遇措置を講じているところでございます。なお、公共賃貸住宅の供給につきましては、平成三年度を初年度とする第六期住宅建設五カ年計画におきまして、第五期に比べまして四万戸増の三十八万七千五百戸の供給を計画いたしているところでございます。
 また、一般的な家賃補助制度につきましては、制度の実施に当たりまして必要となる家賃の評価、支出能力の把握等の検討課題があると考えております。平成三年度におきましては、一般的な家賃補助制度ではございませんが、地方公共団体等が良質な賃貸住宅を借り上げ、高齢者に対して公営住宅並みの家賃で賃貸する高齢者向け借り上げ公共賃貸住宅制度、また、公営住宅及び密集木賃住宅の建てかえ促進に資する家賃激変緩和のための補助制度などを創設いたしたところでございます。
 質問の第二点は、不動産業者等への指導をどうするかということでございます。
 新しい借地借家法の内容につきましては、不動産業者に対しても周知徹底を図りまして、適正な業務の遂行が図られるように指導をしてまいりたいと存じます。
 なお、仮に不動産業者の不正、不当な行為があった場合には、宅地建物取引業法に照らしまして厳正に対処をしてまいりたいと存じております。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 木島日出夫君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔木島日出夫君登壇〕
○木島日出夫君 私は、日本共産党を代表し、借地借家法案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 ことしは、長期の存続期間を定めた借地法・借家法が制定されてから七十年、期間満了による解約を大幅に制限する正当事由制度が導入された一九四一年の改正からちょうど五十年目に当たります。この法律は、借地人や借家人の居住と営業の安定のために重要な役割を果たしてきましたし、現に果たしています。
 ところが今、大都市部を中心とする異常な地価高騰、都市再開発のあらしは、借地・借家人の平穏な生活と営業を根底から脅かしています。暴力的な地上げによる立ち退き強要は、借地・借家人だけではなく、零細な地主や家主をも町から追い出し、町並みそのものが破壊されていっています。
 全国各地で、ラメン屋や喫茶店などのところに地上げ業者が毎日のように客として入り込み、嫌がらせを続けて追い出してしまうような例が後を絶たないばかりか、大阪では地上げのための放火事件まで発生しています。埼玉県蕨市の国道沿いの魚屋さんの例では、一カ月四万円だった家賃を一挙に四十万円にしろと請求されていますが、この値上げの本当のねらいは、追い出してマンションを建設するためでした。異常に高騰した家賃は、入居に差別と選別をもたらし、低所得者、高齢者世帯、母子家庭にとって借家探しさえ困難という状況も生まれています。
 ところが政府は、このような状況の中で、借地・借家人の保護を柱とした現行法を廃止し、経
済的弱者を切り捨てる方向で新法を制定しようとしています。これは地上げなどの事態に拍車をかけるものであり、みずからの土地住宅政策の失敗を棚に上げて、国民の居住権、憲法二十五条で保障された生存権を無視する態度であり、まさに憲法と時代に逆行するものではありませんか。政府は、現行法を廃止して、借地・借家人の居住権を一体どのように保護するつもりなのですか。今緊急に求められていることは、現行借地法・借家法の徹底によって借地人・借家人の権利を保護することであり、国民の住居を確保するための土地住宅政策の確立てはありませんか。総理の明確な答弁を求めるものであります。(拍手)
 次に、この法案が提出された経緯についてお聞きいたします。
 借地法・借家法の改正について、法務省は当初、借地・借家法は民事の基本法であり、見直す考えはない、むしろ地価の高騰を抑える方が先だと言明していました。ところが、民間活力の活用を旗印に掲げた中曽根内閣発足後、歴代自民党政府は、都市再開発事業を推進するため、一連の規制緩和政策を推進してきました。そのため、そこに住む住人たちは邪魔者とされてきました。こうした動きの裏には、臨時行政調査会や経団連が、現行の借地・借家人の権利を必要以上に保護している面を是正し、土地の賃借権の流動化を図るべきであるとあけすけに要求してきたことがあったことは、紛れもない事実であります。
 さらに政府は、昨年六月の日米構造協議で、借地法・借家法の見直しをアメリカに誓約しました。なぜ日本の賃貸人と貸借人との権利関係の調整を図る法律の改正についてまでアメリカに誓約しなければならないのですか。提案理由の「より利用しやすい借地・借家関係を実現するためことは、結局、大企業にとって利用しやすいものということなのではありませんか。借地・借家人の犠牲の上にアメリカや日本の大企業の利益を図ることが本当のねらいなのではありませんか。総理並びに関係大臣の明確な答弁を求めます。
 次に、法案の具体的な内容について質問をいたします。
 第一に、借地・借家の明け渡しの正当事由の拡大の問題です。
 これまでは、地主、家主がみずからその土地建物を使用することを必要とする場合などに限定して認められていた明け渡しの正当事由が、これからは、土地建物の利用状況や立ち退き料の支払い状況によっても非常に簡単に認められることとなります。これは金銭による立ち退きを法が認めるものであり、まさに、各地で重大な社会問題となっている暴力的地上げをあおるものと言わなければなりません。また、借地・借家人の居住や営業の現状と全く関係なしに、周辺の土地利用の状況の変化を理由として明け渡しを認めるものであり、土地の高度利用を口実とした大企業本位の都市再開発を進めるために、借地・借家人の生存権をすら奪うものではありませんか。明確な答弁を求めます。(拍手)
 第二に、地代家賃値上げの問題です。
 これまでは、地代家賃の値上げは、租税公課、土地家屋の価格、そして近隣の地代家賃相場の変動によって不相当になった場合にのみ認められていました。法案はこれに「その他の経済事情の変動」を加えています。「その他の経済事情」とは一体何を意味するのですか。最近の異常な地価の高騰を、そっくりそのまま地代家賃の大幅引き上げの理由として認めていくことになりませんか。答弁を求めます。
 同時に提出されている民事調停法の改正は、値上げに関する紛争の解決方法として、まず調停を申し立てることを義務づけた上、あらかじめ書面による合意がある場合には、借地・借家人の意に反する地代家賃の引き上げを調停委員会が強制的に押しつけることを可能にしています。このような制度がつくられるならば、市販の契約書に調停に従う旨の合意が書き込まれることは必至であり、改正法は、まさに地代家賃の値上げ迅速化、自由化法となることは明らかです。これでは、地代家賃は当事者の合意によってのみ決められるという民事法の大原則を破壊することになり、裁判を受ける権利すら奪うことになるのではないですか。国民が納得できる答弁を求めます。
 第三に、借地期間の大幅な短縮の問題です。
 借地人にとって最も大事なのは、居住の安定であり、営業の継続性ではないでしょうか。現在、堅固な建物は六十年、その他の建物は三十年が借地期間の原則です。ところが法案は、堅固な建物を含め、すべて借地期間を三十年とし、更新期間を十年としました。これは、鉄筋コンクリート構造の建物の法定耐用年数、事務所用は六十五年、住宅用は六十年、店舗用は四十年でありますが、これを無視しているばかりか、借地人は、三十年以降、十年ごとに明け渡しの不安にさらされ、多額の更新料を請求され、地代を大幅に増額されることになるのではないですか。また、このような短期間では、建物を保全するための増改築の意欲も失われるでしょう。なぜ借地人の生活と営業を脅かすこのような期間の短縮が必要なのですか。明確な答弁を求めます。
 第四に、定期借地権の問題です。
 この新たな制度の特徴は、借地期間満了後の更新を否定するところにありますが、それは現在の借地法の居住権保護の精神を全く失わしめるものであります。大きな経済力を持つ地主が新たに行う借地契約は、ほとんどこの定期借地権になるでありましょう。それだけでなく、既存の借地権も、更新時において定期借地権に切りかえられてしまうおそれが多いのではないでしょうか。まさにこれは日本の借地法制の根本原則を破壊し、借地権と借地人の安定した居住や営業を事実上否定するものと言わざるを得ません。この制度の創設は、正当事由の拡大と相まって、既存と新規とを問わず、借地人の権利を侵害する役割しか果たさないのではないですか。明確な答弁を求めます。
 最後に、既存の借地・借家契約に対する本法の適用の問題であります。
 法務大臣は、去る三月十九日の談話で、本法が既存の借地人・借家人の権利を後退させるものではないかのような説明をしています。しかし、現実には法務大臣談話や附則の規定が既存の借地・借家人の保護に結びつかないことは明らかではないでしょうか。一つには、明け渡しの訴訟になった場合、新法の正当事由の規定が実質的な判断の根拠とされるのではないですか。二つには、地代家賃の値上げについては、既存の契約関係についても新法と民事調停法改正法が適用されることとされているではありませんか。さらに三つ目には、既存の契約の合意解除、新契約の締結と
いう形式を踏めば、新法が適用されることとなるのではないですか。現に各地で、新しい借地法が制定された場合には、それに応じて改めて契約することとするなどの特約事項を契約書に書き込む事例が出てきているではありませんか。それでも、既存の借地・借家人の権利は将来にわたって確保されると明言できるのでしょうか。総理及び法務大臣の明確な答弁を求めます。
 政府は、憲法二十五条の生存権の保障に基づき、国民が健康で文化的な住宅を確保し、安定した平穏な居住を続ける権利を保障する責務があります。そのための土地住宅政策をこそ確立しなければなりません。
 日本共産党は、借地・借家人の生存権を脅かし、零細地主、家主を含めて住民を町から追い出し、大企業本位の再開発事業を助長する本法案の撤回を強く求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 木島議員にお答えをいたします。
 今回の地価高騰が住宅取得の夢を奪い、また我が国経済社会に深刻な影響を与えることは十分に認識しており、そのため土地住宅政策の確立に全力を挙げておるところであります。この事態に対処するために、需給両面にわたる各般の施策を実施してきたところであり、近時においては東京、大阪等都市部で地価の鎮静化傾向が見られるなど、土地対策の成果の兆しか見えてきております。今後は、土地政策推進要綱に従った土地対策、住宅についても建設五カ年計画に基づいて良質な住宅確保に努めてまいりたいと考えております。
 今回の借地・借家法の改正は、土地建物の貸し主と借り主の関係を時代に合ったものとするよう合理化することが目的であり、これは当事者双方の公平が図られるように配慮したものであります。これによって良質の借地・借家の供給が促され、国民の生活の改善に寄与するものと考えております。
 今回の改正案では、既存の借地・借家関係には影響を与えないように十分に配慮をいたしておりますし、既存の借り主の方々の権利は、今後ともこれまでどおり保護されるのでありますから、御指摘の御心配は当たらないと思いますし、法案を撤回する気持ちもございません。
 残余の質問については、関係大臣から答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣左藤恵君登壇〕
○国務大臣(左藤恵君) 木島議員の質疑にお答えを申し上げたいと思います。
 第一の借地・借家法の見直しの点につきましての趣旨のことにつきましては総理からお話がございましたので、私からはその他の点につきましてお答えを申し上げたいと思います。
 この法案で正当事由の有無を判断する場合に、現に裁判実務で考慮されている要素を規定に掲げることによりまして正当事由を明確にしよう、そういうのがねらいでございまして、正当事由の有無の判断の実質は、基本的には現行法のもとでの扱いと何ら変わるところはなく、借り主は従来どおり保護されるものと、このように考えるわけでございます。
 次に、地代家賃の増減額の請求の問題につきまして経済事情の変動を加えた趣旨というのは、広く物の経済的価値の変動を考慮すべきことを明らかにしたものでありまして、具体的には物価水準の変動等を指しておって、現行法でも土地の価格の上昇や低下は地代家賃の決定要素になっているところでございます。
 次に、契約書によります双方の合意があっても、調停委員会は、紛争の実態に照らしましてその解決に適当であると認める場合には調停条項を定めるものでありまして、その運用上調停条項が押しつけられるというようなことはございません。
 それから、更新期間を十年に短縮する問題につきまして、借地契約更新後の借地権の期間を十年にいたしましたのは、事情の変化に応じて貸し主と借り主との関係の調整ができるようにしよう、こういう趣旨でございまして、十年ごとに借地関係の存続の有無を判断する機会を設けるといたしましても、借地関係を解消するには、現行法と同様貸し主に正当な事由があることが必要でありまして、借り主の立場は従来どおり保護されるものと、このように考えるものでございます。
 それから、定期借地権の問題でございますが、借地に対する需要の多様化に対応することができるよう、一定の要件のもとに、更新のない新しい類型の借地関係を認めようとするものでありまして、また、定期借地権は、新法施行後に契約する場合に限って認められるものでありまして、既存の契約関係に何ら影響を与えるものではございません。
 既存の借地・借家関係には新法の更新及び更新後の法律関係に関する規定が適用されないということは、法文の上で明確に規定いたしておりまして、既存の関係は従来の法律の規定によってこれまでどおり保護されることを国民の方々に十分御理解をしていただくことが重要である、このように考えておりますので、今後とも積極的に広報を行うなど、あらゆる機会をとらえまして、この法律案の趣旨、内容を国民の方々に十分御理解していただくよう努力をしてまいりたい、このように考えているところでございます。(拍手)
    〔国務大臣大塚雄司君登壇〕
○国務大臣(大塚雄司君) お答え申し上げます。
 木島議員、再開発等に触れての御意見でありますが、今回の借地・借家法の改正は、土地建物の利用に対する需要の多様化等社会経済情勢の変化に対応いたしまして、賃貸借当事者双方の公平な利害調整の確保など、合理的な借地・借家関係の確立を図ろうとするものであると承知をいたしております。(拍手)
○副議長(村山喜一君) これにて質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
          廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄
  物処理施設整備緊急措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)の趣旨説明
○副議長(村山喜一君) この際、内閣提出、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生大臣下条進一郎君。
    〔国務大臣下条進一郎君登壇〕
○国務大臣(下条進一郎君) ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明します。
 我が国の経済規模の拡大とともに産業構造の変化、技術革新が進む一方、生活様式の多様化や消費意識の変化が進んでおり、このような状況を背景として、廃棄物の発生量が増大するとともに、その種類も多様化しております。一方、増大する廃棄物を適正に処理するために必要な最終処分場等の廃棄物処理施設の確保は困難となってきており、廃棄物の不法投棄等の不適正な処理が大きな社会問題となっております。
 このような状況を踏まえ、二十一世紀を目指した廃棄物対策を確立するために、現行の廃棄物処理制度を基本的に見直すとともに、現行の廃棄物処理施設整備計画に引き続き平成七年度までの廃棄物処理施設整備計画を策定するために、本改正案を提出した次第であります。
 次に、改正案の主な内容について御説明申し上げます。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正につきましては、第一に、法律の目的に、廃棄物の排出の抑制及びその処理の一形態としての分別、再生等を明記することとしております。
 第二に、廃棄物に関する国民、事業者並びに国及び地方公共団体の責務について所要の規定を設けることとしております。国民及び事業者につきましては、廃棄物の適正処理に関する国及び地方公共団体の施策への協力の責務を設ける一方、国及び地方公共団体につきましては、国民及び事業者の意識の啓発に努める責務を設けることとしております。
 第三に、廃棄物の計画的処理を推進することとしております。廃棄物の減量等の観点から、市町村の一般廃棄物処理計画及び都道府県の産業廃棄物処理計画の内容を充実するとともに、市町村長または都道府県知事は、多量に廃棄物を排出する事業者に対し、廃棄物の処理に関する計画の策定を指示できることとしております。
 第四に、廃棄物の減量化及び再生を推進することとしております」市町村の一般廃棄物の減量等の施策に協力するために、廃棄物減量等推進審議会、廃棄物減量等推進員制度及び廃棄物再生事業者の登録制度を新たに設けるとともに、市町村の処理手数料については、一般廃棄物の特性、処理に要する費用等を勘案して定めることとしております。
 第五に、廃棄物の適正な処理を確保するために、廃棄物処理業について許可要件の強化、許可の更新制の導入等を行うとともに、廃棄物処理施設については、設置の許可制、施設使用開始前の検査制の導入等により地域に信頼される施設の整備を推進することとしております。
 第六に、製造者等の廃棄物処理に関する協力であります。市町村における適正な処理が全国的に困難であると認められる一般廃棄物を厚生大臣が指定し、その一般廃棄物となる製品の製造者等に対し、市町村が協力を求めることができることとし、厚生大臣は、廃棄物となった場合の適正処理の観点から、製造者等がその製品に必要な事項を表示すること等を指導するようその事業所管大臣に要請できることとしております。
 第七に、爆発性、毒性等のため人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある廃棄物として、新たに特別管理廃棄物という区分を設けることとしております。特別管理産業廃棄物については、事業者に、特別管理産業廃棄物管理責任者の設置、処理を委託する場合の特別管理産業廃棄物管理票の発行等を義務づけるとともに、特別管理産業廃棄物の処理を業として行う場合には新たに特別管理産業廃棄物処理業の許可を要することとする等、その適正な処理を確保するための施策を講ずることとしております。
 第八に、廃棄物処理センター制度の創設であります。厚生大臣は、特別な管理を要する廃棄物等の適正かつ広域的な処理の確保等を目的とした民法法人を廃棄物処理センターとして指定し、特別管理廃棄物、適正な処理が困難な一般廃棄物の処理等を業務として行わせることとしております。
 このほか、不法投棄等により生活環境保全に支障が生じた場合の原状回復等の命令の発動要件の緩和、罰則の強化等の改正を行うこととしております。
 廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正につきましては、計画の期間を平成七年度までに改めるとともに、地方公共団体が行う廃棄物処理施設整備事業に、廃棄物処理センターが地方公共団体の委託を受けて行うものを加えることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して九カ月を超えない範囲内で政令で定める日としておりますが、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正のうち、計画の期間を平成七年度までに改める改正につきましては、公布の日から施行することといたしております。
 以上が廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄
  物処理施設整備緊急措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質
  疑
○副議長(村山喜一君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。岩田順介君。
    〔岩田順介君登壇〕
○岩田順介君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 一体なぜ廃棄物問題を我が国の重要政策課題として今取り上げなければならないのか。その量が急激に増大し、あるいはまた、その性質が極めて複雑に多様化したために、適切に処理することが困難になったからでありましょうか。確かにこれらが関連施策の見直しを促す大きな要因になったことは事実でありましょう。しかし、その背景には、人類の歴史が初めて直面する地球環境の悪化という深刻な事態があることを指摘しないわけにはまいりません。つまり、日本は世界有数の資源とエネルギーの大量消費国として、地球環境においても逃れられない大きな責任を背負っているのであります。
 そこで、日本としては、再生資源化を初め廃棄物の徹底した減量化はもとより、廃棄物対策を含め環境保全の分野に科学技術の粋を結集し、これによる国際貢献を積極的に果たすべきではないでしょうか。総理の基本姿勢をただしたいと思います。
 例えば、ハーグ宣言やアルシュ・サミットにおいて言及された国際的な環境構想の具体化のため、国連の意思決定機関として環境保障理事会を創設し、そのもとに地球環境を守るための技術者から成る実動部隊を設けるといった目標に向かって日本の国連外交を展開すること、その一方では、この国連の機構が発足すればすぐにメンバー登録ができるよう専門的な技術者を国内に養成すること、以上であります。
 さて、ソ連のゴルバチョフ大統領の来日は、国と国の対立による軍事的な脅威の時代の終わりを象徴するものでありましたが、地球の温暖化や廃棄物問題は、自然と人間のあつれきによる環境上の脅威の時代を迎えていると言えます。つまり、問題の解決には大量生産、大量消費という言葉に象徴される生活と生産の総体を見直すことが必要であります。その課題に取り組むためには、第一に、国の経済政策における環境保全の最優先、第二に、企業の責任による減量化、再資源化の徹底、第三に、自治体と市民によるリサイクル型の消費生活の推進というように、三つの方面から日常的な努力が合流し、一体となる必要があります。
 そこでまず政府は、国民参加による廃棄物減量化推進本部を設置し、これら三つの原則から成る廃棄物減量化のための国民総行動計画を策定することによって一億二千万人の参加、協力体制を目指すこと、また、国連統計局や世界銀行の協力のもとに現在OECDで検討されているいわゆるグリーンGNP、すなわち経済成長率に環境指標を織り込む作業に見合って、国内でも同様の研究を活発にすること、さらに、企業も自治体も今お手上げといった状況に直面している産業廃棄物の処理に国が乗り出すこと、これらが政府の責任として実行されなければならないと考えますが、総理の見解を伺いたいのであります。
 次に、企業はどのような責任を果たすべきかという問題であります。
 生活と生産のあり方を見直すということは、日常使用している製品が廃棄物となったとき再資源化しやすいかどうか、それを最終処分する際、環境にどんな影響を与えるかなどについて評価し直すことであります。この場合、製造物の性質や組成について生産者がだれよりも通暁しているため、製品のアセスメントは製造者責任によって実行されなければなりません。残念ながら、この点で生活環境審議会の答申よりもはるかに後退したと言わざるを得ないのであります。今後の方向について、政府の方針をお尋ねいたします。
 以下、当面緊急な問題について具体的にお尋ねいたします。
 まず、各地で頻発している産業廃棄物の不法投棄の問題であります。その多くは、不法投棄した会社に資力がないために、直ちに原状を回復させることが困難な状況であります。例えば、八九年に福島県いわき市で発覚した常磐炭鉱の廃坑に有機溶剤などドラム缶およそ四万本が捨てられた事件、さらに、九〇年に兵庫県警に摘発された香川県豊島に自動車裁断くず五十万トンが捨てられた事件などは、いまだにその除去作業にめどが立たず、環境への影響が極めて心配されております。
 そこで、不法投棄した者にかわって、とりあえず県が国の補助のもとに原状を回復すること、その後で県と国は不法投棄した者やそれに委託した排出業者にその費用を拠出させること、この二つが必要ではないでしょうか。この際、明確な方針を示していただきたいのであります。
 また、不法投棄者や排出者を正確に把握するためには、すべての産業廃棄物の積み荷伝票制度、それに運動した広域的な情報管理センターが必要でありますしかるに政府案は、特別管理産業廃棄物に限って積み荷伝票制度を適用した結果、不法投棄事件の過半数を占める建設廃材などの対策にはほとんど何も期待できないものになってしまいました。政府は、せめて積み荷伝票制度を段階的にすべての産業廃棄物に適用する方針を明らかにすべきと考えますが、いかがでありましょうか。
 ところで、自動車、大型家庭電器製品など処理困難なものや、空き缶、空き瓶のように散乱しやすいものが急増し、市町村は大変に困惑をしているところであります。これらについては、関係業界ごとに製造業者が共同して回収、解体し、再生資源化する事業を興すこと、そして国や自治体ができるだけこれを支援することが必要ではないでしょうか。
 政府案は、厚生大臣が指定した適正処理困難物に限って市町村長が製造業者等に協力を求めることができるとしております。そこでお尋ねしたいのは、厚生大臣はどのようなものを処理が困難として指定するのか、また、指定した製品について、通産大臣は当該業界が挙げて再資源化の共同事業を興すよう誘導するのかどうか、この際、明確にしていただきたいのであります。
 最近、廃棄物処理施設の跡地の安全管理に不安が大きいために、付近の方々の納得が得られないという傾向があります。これに対し政府案は、処理施設を知事の許可制とすること、最終処分場は災害防止計画の策定を許可の要件とすることなどを定めておりますが、この程度のことで住民の合意を得ることは困難ではないでしょうか。
 私は、少なくとも次の施策を推進しなければならないと思うのであります。その第一は、最終処分場には有害廃棄物の持ち込みの禁止、第二は、処理施設の設置者による環境アセスメントの実施、第三は、最終処分場の閉鎖時に知事による災害防止の措置命令、以上であります。これらについて政府の見解を伺います。
 なお、国連環境計画は、一九八九年に有害廃棄物の国際移動を規制するバーゼル条約を採択をし、現在、フランス、スイス、ノルウェーなど十カ国がこれを批准をいたしております。この条約において、四十その物質について有害とされているにもかかわらず、政府方針は、そのごく一部だけを有害廃棄物として扱おうとしていることは、どうしても納得できないのであります。この際、四十七品目すべてについて有害物として指定し、条約批准の条件を整えるべきではないでしょうか。また、同条約の早期批准に向けた外務大臣の決意も明らかにしていただきたいと思うのであります。さらに、私が憂慮するのは、産業廃棄物の海洋投棄の問題であります。
 アメリカは九一年に、イギリスは九二年に、これを全廃することを決定をしております。大国と
して残るのは日本のみと言われておりますが、政府の方針をお伺いいたします。
 ところで、最初に申し上げましたように、廃棄物問題の解決には、使い捨ての生活と文化全体にわたって見直さなければならず、さらに自治体と市民によるリサイクル型消費生活の推進が必要であります。例えば、分別排出の徹底やリサイクルマーケットなどについて、身近な市町村が住民と一体となって進めることがその第一歩であると言えるでしょう。その方向をさらに強めるためには、すべての市町村に一般廃棄物の収集や再資源化を担当する職員を置くこと、その自治体職員と住民とが協力して再資源化に取り組むリサイクルセンターを設置することなどによって、地域から暮らしを変えるようにしなければなりません。この際、積極的な政府の姿勢を示していただきたいと思います。
 最後に、もう一度申し上げます。廃棄物を減らすためには、国民すべての参加、協力を求めなければなりません。しかも、環境は子孫からの預かり物であります。したがって政府案は、内容はもとより、その審議の方法においても、できる限り多くり関係者の参加、協力を得るよう十二分に配慮されなければなりません。
 そこで、本案の審議に当たっては、分別収集と再資源化に取り組む地域や、不法投棄による環境汚染に脅かされる地域について、現地調査や現地公聴会を開催するなど、思い切って国民に開かれた審議の方法を採用するよう、先輩や同僚の議員各位に呼びかけ、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
○内閣総理大臣(海部俊樹君) お答えを申し上げます。
 地球環境問題は極めて重大な問題であり、我が国も、その国際的地位に応じて積極的に国際貢献を進めていくことが必要であるという基本認識はともにいたしております。
 国際連合の枠組みにおきましては、我が国は、国連環境計画を初め国連関係機関の活動を引き続き支援し、我が国も参加をするとともに、一九九二年に予定されております環境と開発に関する国連会議の成功に向けて積極的に貢献してまいりたいと考えております。
 廃棄物の減量化は、生産、流通、消費のそれぞれの段階において、関係者が協力し幅広い国民運動を総合的に推進することが重要と考えておりまして、廃棄物処理法の改正案では、市町村に廃棄物減量等審議会、廃棄物減量等推進員を置くことを予定しておるところでございます。
 地域環境保護の観点から、経済活動と環境のかかわりに関しましては、国連、OECDなどの場における議論を踏まえ、関連する分野の研究を進めてまいる所存であります。
 なお、産業廃棄物の処理は、まず排出事業者の処理責任に基づいて行われるべきものであるということ、この点はそうであります。しかしながら、近年、最終処分場の確保が極めて困難になっていることなどから、今回の改正法案におきましては、官民共同して産業廃棄物を処理する仕組みとして、廃棄物処理センターの制度を創設することといたしております。これによって産業廃棄物の円滑な処理に資していきたいと考えます。
 残余の御質問につきましては、関係閣僚より答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣下条進一郎君登壇〕
○国務大臣(下条進一郎君) 岩田議員にお答えいたします。
 第一点は、再資源化アセスメントの件でございます。
 再資源化アセスメントについては、これまでもガイドラインを定めまして、製造事業者等による自己評価の推進を図ってきたところでありますが、廃棄物処理法の改正案では、廃棄物の再生を明記するとともに、事業者の責務を強化いたしまして、減量等廃棄物の適正な処理に関する施策に協力しなければならない旨の規定を盛り込んでおりまして、これらの規定を活用し、製造事業者等による自己評価の推進に努力してまいりたいと考えております。
 次は、不法投棄の原状回復の問題でございます。
 不法投棄対策といたしましては、不法投棄の未然防止のための措置を講ずることが重要であります。このため、今回の廃棄物処理法の改正案においては、廃棄物処理業者に対する規制の強化等により不法投棄の防止に係る措置を強化することといたしております。
 なお、原状回復のための措置が必要な場合には、不法投棄等を行った者に対する措置命令、また行政代執行等によりまして対応してまいりたいと考えております。
 その次は、積み荷伝票制度についてのお尋ねでございます。
 このマニフェストについては、今回の改正法案において、欧米諸風の制度と同様、まず産業廃棄物のうち、人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある特別管理産業廃棄物についてその使用を義務づけることといたしております。また、その他の産業廃棄物についても、従前から行っている行政指導によりまして、引き続きマニフェストの普及に努めてまいりたいと考えております。
 次は、適正処理困難物についてでございます。
 適正処理困難物については、その製造、加工、販売等を行う事業者の協力を得ながら、ここは先生がおっしゃった共同というお話でございますが、その適正な処理を行っていくこととしており、その指定に当たっては、市町村の設備及び技術に照らしてその適正な処理が全国各地で困難となっている一般廃棄物について、市町村における処理の状況を調査した上で決定してまいりたいと考えております。
 次は、周辺住民の納得のための措置についてでございます。
 有害産業廃棄物の埋立処分、環境アセスメント及び最終処分場の閉鎖については、埋立処分基準や施設の維持管理の基準等により、所要の措置を講じているところでございます。これらの措置に加えまして、今回の改正法案におきましては、廃棄物処理施設用地確保について周辺住民の理解を得られるよう、産業廃棄物処理施設に係る規制強化を図ったところでございます。
 次が、バーゼル条約批准のための条件整備についてであります。
 今回の改正法案では、爆発性、毒性、感染性等、人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものを特別管理廃棄物として特別に規制を行うことといたしております。厚生省といたしましては、バーゼル条約の内容については、外務省等関係省庁とも検討を行っておるところでありますが、同条約が批准される場合には、その時点でバーゼル条約の廃棄物のうち必要なものを特別管理廃棄物に指定するなど、国内体制を整備してまいりたいと考えております。
 次が、海洋投棄の禁止についてであります。
 我が国では、陸上処分を原則といたしまして、例外的に一部の廃棄物に限り海洋投入処分を認めております。昨年十一月に開かれました国際海事機関ロンドン・ダンピング条約締約国会議における決議において、産業廃棄物の海洋投入処分を遅くとも平成七年十二月末までに禁止しなければならないこととされております。我が国といたしましても、この決議を踏まえ、諸外国の動向にも留意しつつ、必要な措置について検討してまいる所存であります。
 最後に、自治体と市民によるリサイクル型消費生活の推進についてでございます。
 廃棄物対策については、行政だけでなく住民等が参加した幅広い対策が必要であり、廃棄物処理法の改正案においても、リサイクルのため分別収集を積極的に推進していくこととしているほか、市町村に廃棄物減量等推進審議会や廃棄物減量筆推進員を置くことといたしております。
 市町村のリサイクル施設の設置については、廃棄物総合利用施設等の施設の整備を推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣中尾栄一君登壇〕
○国務大臣(中尾栄一君) 岩田議員にお答えいたします。
 製品のアセスメントを実行させるべきだという考え方についてどうか、こういう御意見ですが、通産省としましては、昨年十二月の産業構造審議会答申の「今後の廃棄物処理・再資源化対策のあり方」を踏まえるとともに、再生資源の利用の促進に関する法律の適切な運用を通じて、生産者に対し再資源化しやすい製品づくりに取り組むよう事業者の自主的努力をお願いしたいと思っております。
 また、再資源化をする事業を興すように誘導すべきじゃないか、この問いに対しましては、通産省としましては、事業者がその販売システムを活用する等再資源化へ自主的に取り組むことが重要であると考えております。しかしながら、メーカーにこれを強制することは、事業者に過大な負担を課す上に、使用した者の責任がなおざりになるおそれもありまして、適当とは思われません。このような観点から、通産省としましては、厚生省等関係省庁とも連携をとりつつ、必要に応じまして事業者の自主的協力を促すよう適切な指導に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣中山太郎君登壇〕
○国務大臣(中山太郎君) 岩田議員にお答えをいたします。
 有害廃棄物の越境移動及びその処分の管理に関するバーゼル条約は、有害廃棄物の国境を越える移動を管理、規制するために作成された条約であり、我が国としては、地球環境保護のための国際制度づくりの必要性に照らし、本条約の重要性を認識いたしております。
 第二に、条約の締結のためには、これに先立ちまして、我が国が負うことになる義務及びその履行を担保するための国内法令の整備等につき検討する必要があり、本条約が規制対象とする有害廃棄物の個々の品目も含めて、現在政府部内で鋭意検討中であります。
 外務省といたしましては、この問題に対する関心が国際的に高まっていることも踏まえ、国内制度の整備に関する関係各省庁の協力も得て、できるだけ早期に締結できるよう検討を進めていきたいと考えております。(拍手)
○副議長(村山喜一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(村山喜一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十五分散会