第120回国会 運輸委員会 第12号
平成三年五月二十三日(木曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 亀井 善之君
   理事 鴻池 祥肇君 理事 佐藤 敬夫君
   理事 武部  勤君 理事 二階 俊博君
   理事 左近 正男君 理事 山中 末治君
   理事 春田 重昭君
      坂本 剛二君    藤井 裕久君
      古屋 圭司君    増子 輝彦君
      宮崎 茂一君    山村新治郎君
      赤松 広隆君    緒方 克陽君
      小林 恒人君    関山 信之君
      常松 裕志君    細川 律夫君
      山元  勉君    浅井 美幸君
      草川 昭三君    佐藤 祐弘君
      高木 義明君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 村岡 兼造君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局捜
        査第一課長   石川 重明君
        林野庁指導部治
        山課長     弘中 義夫君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        総括審議官   大塚 秀夫君
        運輸省運輸政策
        局長      中村  徹君
        運輸省地域交通
        局長      佐々木建成君
        運輸省地域交通
        局陸上技術安全
        部長      松波 正壽君
        気象庁地震火山
        部長      小長 俊二君
        建設省河川局砂
        防部砂防課長  松下 忠洋君
        自治省財政局指
        導課長     中里 清敏君
        運輸委員会調査
        室長      長岡日出雄君
    ─────────────
委員の異動
五月二十三日
 辞任         補欠選任
  関山 信之君     山元  勉君
同日
 辞任         補欠選任
  山元  勉君     関山 信之君
    ─────────────
五月八日
 一、海上保安庁の留置施設に関する法律案(内閣提出第八九号)
 二、陸運に関する件
 三、海運に関する件
 四、航空に関する件
 五、港湾に関する件
 六、海上保安に関する件
 七、観光に関する件
 八、気象に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 陸運に関する件(信楽高原鉄道の衝突事故に関する問題)
 気象に関する件
     ────◇─────
○亀井委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ち、信楽高原鉄道の衝突事故でお亡くなりになられた多数の方々に哀悼の意を表し、御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
 御起立をお願いいたします。――黙祷。
    〔総員起立黙祷〕
○亀井委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
     ────◇─────
○亀井委員長 陸運に関する件、信楽高原鉄道の衝突事故に関する問題及び気象に関する件について調査を進めます。
 去る五月十四日午前十時三十五分ころ起きました信楽高原鉄道における列車衝突事故の重大性にかんがみ、同月二十日、同事故の実情を現地で調査するとともに、関係地方自治体及び西日本旅客鉄道株式会社から事故の概要、対策の経緯等を聴取してまいりました。
 その概要を私から御報告申し上げます。
 当日、参加されました委員の方々は、私のほか、武部勤君、二階俊博君、左近正男君、山中末治君、春田重昭君、佐藤祐弘君、高木義明君の八名であります。
 私どもは、まず、列車衝突事故の現場に赴き、献花を行い、次いで今回の事故原因の発端でもある小野谷信号場を視察いたしました。
 その後、信楽町役場において、滋賀県知事、同副知事及び信楽町長から同事故の概要、県及び町のとった対策等について説明を聴取した後、各委員から質疑が行われました。その主な質疑の事項は、一 同事故の原因、二 今後の補償問題に対する県及び町の対応と考え方、三 今後の信楽高原鉄道存続に関する考え方、四 JRの乗り入れに当たって講じた安全対策等についてでありました。
 なお、その際、滋賀県及び信楽町から、一 今後の同事故に対する補償等の諸問題につき、人的支援も含めた物心両面にわたり中央の力をお願いしたい、二 第三セクターである地方鉄道に対し、その育成のための各種支援をお願いしたい旨の要望がありました。
 次に、西日本旅客鉄道株式会社現地対策本部において、同社社長から同事故の概要、会社側のとった対策等について説明を聴取した後、各委員から質疑が行われました。その主な質疑の事項は、一 同事故の原因、二 今後の補償問題に対するJR会社の対応と考え方、三 今回の事故に対するJR会社の対応、四 乗り入れ乗務員に対する教育訓練の内容、五 乗り入れ協定等でありました。
 概要は以上でありますが、最後に、政府及び関係機関に対し、このような事故の再発防止のためにも、原因究明を可及的速やかに行うとともに、亡くなられた方々に対する十分な補償措置、負傷者に対する医療及び遺家族の今後の生活対策に万全を期していただくよう強く要請いたしまして、報告を終わります。
 この際、信楽高原鉄道の衝突事故に関する問題について運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村岡運輸大臣。
○村岡国務大臣 私は、輸送機関の最大の使命は安全の確保にあると確信して、従来から安全確保に最大限の努力を傾注するよう関係者を指導してきたところでありますが、去る五月十四日、信楽高原鉄道株式会社信楽線において列車の衝突により多数の死傷者が生じるという悲惨な事故が発生しましたことは、運輸行政を預かる者としてまことに遺憾に存ずる次第でございます。
 この事故により亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、御遺族の方々に衷心よりお悔やみを申し上げる次第であります。また、けがをされた方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げる次第であります。
 運輸省といたしましては、今回の事故の重大性にかんがみ、運輸大臣を本部長とする信楽高原鉄道事故対策本部を設置したほか、私自身が現場に赴き、事故の状況を調査するとともに、亡くなられた方々に対する弔問、入院中の方々へのお見舞い並びに関係機関への協力をお願いしてきたところであります。
 今後は、徹底的な事故原因の究明と同種事故の再発防止対策、さらには被害を受けた方々に対する支援に万全を期してまいる所存でございます。
 事故の内容及び対策の実施状況等については、地域交通局長より説明させますので、よろしくお願いを申し上げます。
○亀井委員長 引き続き、政府当局から説明を聴取いたします。佐々木地域交通局長。
○佐々木説明員 お手元の資料によりまして、去る五月十四日、信楽高原鉄道信楽線において発生しました列車衝突事故に関しまして、事故の概要と対策の実施状況につき御説明申し上げます。
 まず、事故概要につきましては、信楽高原鉄道株式会社からの説明によりますと、信楽高原鉄道の上り列車五三四Dは、信楽駅の出発信号機に進行信号が出なかったため、定刻より十一分おくれて十時二十五分同駅を手信号により出発しました。一方、西日本旅客鉄道株式会社から乗り入れの下り列車五〇一Dは、定刻より六分おくれて十時二十二分貴生川駅を出発した後、複線区間、すなわち小野谷信号場を通過し、さらに単線区間を進行しておりました。
 その後、紫香楽宮跡駅と小野谷信号場との間で、双方の列車とも対向列車を認めて、それぞれ非常停止手配をとりましたが、及ばず、十時三十五分ごろ貴生川駅より約九・一キロメートルの地点において正面衝突をしたものでございます。
 運輸省といたしましては、今回の事故の重大性にかんがみ、先ほど運輸大臣より説明のありましたとおり、同日付で、運輸大臣を本部長とする信楽高原鉄道事故対策本部を省内に設置したほか、運輸大臣、政務次官以下が現地に赴き、事故の状況を調査いたしますとともに、亡くなられた方々に対する弔問、入院中の方々へのお見舞い並びに関係機関に対する協力のお願いをしてまいったところであります。
 また、五月十五日には、第一回信楽高原鉄道事故対策会議を開催し、次の五項目について決定したところであります。
 @ 全国の単線の路線について、緊急に安全確保のための自主点検を行わせ、その報告を求めること。
 A 特定地方交通線転換路線及び地方鉄道新線について、運輸省係官の立入りによる総点検結果の確認及び必要な指導を行うこと。特に、直通乗り入れを行っている路線については、相互の連絡体制及び教育体制を重点として確認及び指導を行うこと。
 B 信楽高原鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社について、可及的速やかに、一週間以内を目途に保安監査を行うこと。
 C 今後の事故再発防止の見地から、本件事故の原因究明を徹底的に行うこと。
 D 亡くなられた方及び怪我をされた方に対する補償については、誠意をもって当たるよう関係者を十分指導すること。
 本対策本部決定に基づき、まず、各地方運輸局長に対し、五月十五日付の運輸大臣通達により、鉄道事業における人的側面、施設面両面の安全対策全般にわたって見直しを実施し、安全確保に万全を期するよう管下の鉄道事業者を指導するよう指示いたしますとともに、同日付の通達により、単線の路線を有する鉄道事業者に対する安全総点検の実施及び特定地方交通線転換路線及び地方鉄道新線に対する運輸局の職員の立ち入りによる安全総点検の結果の確認を指示したところであります。
 さらに、五月十七、十八日の二日間にわたりまして、信楽高原鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社に対し、運輸省及び近畿運輸局による保安監査を実施いたしました。現在、この監査結果等を踏まえ事故原因等の究明を行っているところであり、今回のような事故が二度と起こらないよう、鉄道事故再発防止対策についての最大の努力を行ってまいる所存でございます。
 また、亡くなられた方々及びけがをされた方々に対する補償問題につきましては、五月十七日に、信楽高原鉄道株式会社の筆頭株主である滋賀県に対し、被害者救済に全力を挙げて取り組むよう要請したところでありまして、今後とも、被害に遭われた方々に対する補償については、関係者に対し、遺漏のないよう指導してまいる所存でございます。
 経緯と対策は以上でございますが、ほかの資料で「信号保安システムについて」という資料がお配りしてございますので、簡単に御説明申し上げたいと思います。
 表紙をおめくりいただきまして、第一の「信号保安システム」でございますが、列車を安全に運行するためには、対向する列車や先行列車と続行列車とが相互に支障しないように、一定の間隔をあけておく必要があるわけでございます。そこで、鉄道信号保安システムは、路線を幾つかの区間に分割し、一つの区間内には一つの列車だけしか入れないような仕組みとしております。この区間を御承知のように閉塞区間と言っておりまして、閉塞区間の中に列車が存在する間は信号機が赤となるために、他の列車がその閉塞区間に進入することが禁止されるということになっているわけでございます。
 信楽高原鉄道では、全線を貴生川―小野谷信号場間と小野谷信号場―信楽駅間の二つの閉塞区間とし、かつ、貴生川駅、小野谷信号場及び信楽駅に軌道回路と呼ばれる列車検知装置を設け、自動的に閉塞区間内の列車の有無を検知して信号機を制御する特殊自動閉塞式の設備となっております。
 二番目に「自動列車停止装置(ATS)及び誤出発検知」でございますけれども、万一信号機が赤であるにもかかわらず列車を進めてしまった場合に、これが事故に結びつくことを防止するためにATSがあるわけでございます。列車が赤信号にもかかわらず進行した場合に自動的に列車を停止させる自動列車停止装置が設置されておりまして、ATSを解除しますと相手側の駅の関係する信号機が赤に変わるというような仕組みになっておるわけでございます。
 以上が通常の常用閉塞方式というものでございますが、こういったものが故障したというような場合のかわりの措置が、三番目に「代用閉そく方式(指導通信式)」ということで書いてあるわけでございます。
 右側のA駅というところから左側のB信号場まで行く場合を想定しているわけですが、まず指導通信式を施行する場合の条件の整備としまして、B信号場、ここは無人でございますけれども、そこへ閉塞取扱者をA駅から派遣する。その上でA―B間に列車がないことを確認しまして、それから一人の指導者、これは赤腕章を着用させるわけですが、そういった指導者を選定して、職種、氏名等を記録しておくという措置が必要でございます。
 それから、列車の運行上の条件としましては、A駅からS列車が出る場合に、A駅のS列車が閉塞区間に進入いたしますために、B信号場に到着しております閉塞取扱者の承認を受ける。その上でS列車運転室に先ほどの腕章をつけた指導者が添乗してB信号場へ向かって進行する。信号場にS列車が到着した後、閉塞取扱者が指導者の降車を確認する。こういったことで、故障等の場合は代用閉塞方式を採用しているということでございます。
 以上、御参考までに御説明申し上げました。
○亀井委員長 以上で説明は終わりました。
    ─────────────
○亀井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
二階俊博君。
○二階委員 去る五月十四日の信楽高原鉄道事故により犠牲となられた四十二人のとうといみたま
に対し改めて御冥福をお祈りするとともに、不幸にして重軽傷を負われた約四百名の皆様の一日も早い御回復を念じながら、以下、事故原因、今後の対策等についてお尋ねをいたしたいと思います。
 私はこの事故が発生した当時ちょうど海外出張中でありましたが、外国の新聞にも日本の列車大事故として大々的に取り上げられており、その後村岡運輸大臣を初め運輸省の幹部が相次いで現地に赴き、原因の究明等に取り組んでおられることをも知ることができました。
 私も去る十七日、自由民主党を代表して現地にお見舞いに参上いたしました。さらに二十日には、先ほど御報告がございました運輸委員会の調査団に参加をさせていただき、二度にわたって関係者の説明等をお伺いしてまいりました。
 まず、事故の原因やその後の経過等は既に先ほど御報告のとおりでありますが、新聞、テレビの報道以上に、まさに想像を絶するような大惨事の様子は、残骸となり果てた列車の無残な姿を見るとき、改めて事故の大きさと犠牲となられた人々の悲痛な叫びが聞こえてくるようなあたりの様相でありました。
 運輸大臣にお尋ねをいたします。
 運輸行政の最高責任者として、今回の事故の現場に立って、何を考え、この際まず運輸省が果たさなければならない役割は何であるとお考えになられたか、最初にお尋ねしておきたいと思います。
○村岡国務大臣 私が事故を知りましたのは当日の昼過ぎでございました。その当時はまだ負傷者、傷ついた者というような報道でございまして、直ちに近畿運輸局で係官を出しなさい、それから、当時はまだ詳細の状況がわかりませんので、本省からも二名の係官を出しなさい、二、三時間後に相当死傷者も出たというようなことで、今枝政務次官に直ちに担当官も連れて行きなさい、そして夕方でございますか、運輸省で事故対策本部をつくるように指示をし、私自身当日の夜十一時半ころ現場に到着をいたしました。
 その間、列車の中の電話で、まだ列車の中に私がいるときは車内に死傷者がいる模様、こういうような状況で行きましたけれども、京都へ到着して途中で連絡をとりましたときは、列車の中には死傷者の方がおらないということで、直ちに遺体の安置場所に参りました。
 もうごった返し、大変楽しみにしていた胸芸祭が一瞬にしてあのような悲惨な事故に変わり、家族の方々、御親戚の方々、悲嘆に涙しておりました。どうお慰めしてよいやら言葉もないような状況でございました。
 一体ずつ御冥福を祈り、そこを担当している方々へ万端遺漏なきようお願いを申し上げ、多数の傷つかれた方々が近くの病院にいるということで病院を二カ所ほど回りました。先生方から容体を聞きまして、ここの病院には大変重傷な方もいるけれども、まず命には別状ないだろう、こういうことで、どうぞひとつよろしくお願いしますと。また、傷つかれた方々からこういうことを言われました。このような事故について、従来のように事故原因をうやむやにしないように徹底的に原因を探っていただきたい、こういうような悲痛な叫びがございました。同時にまた、いろいろな問題についても運輸省として十分に指示、指導してもらいたい、こういうような声もございました。
 その後、衝突現場に参りました。今二階先生がおっしゃったように、一両目なんというのはもう三分の一弱に縮まったような事故の大変な状況を目の当たりにいたしまして、私といたしましては、行く前にはこれは今までの運行マニュアルをそのとおり守っておればあんな事故は起きなかったということを当局から聞いて行ったわけでございますが、その現場に行っているいろな事情を聞いておりますと、マニュアルどおりにはやっていなかったな、原因は今警察その他で調査中でございますけれども、我が省としてもこの事故の原因を徹底的に究明し、二度と起こらないように、従来のATS、これだけでよいのか、あるいはその間で間違いがなかったのか、落ちたところはなかったのか、二度と起こらないようにしなければならぬとかたく決意をいたしております。
 亡くなられた方々の補償、そしてまた傷つかれた方々へのいろんな対応等の点、御承知のとおり信楽鉄道は年間一億円ぐらいの収入しかなく利益も十八万というような状況でございますので、運輸省といたしましては誠意を持って十分に、まだ原因その他は明確ではございませんが、いずれにしても信楽鉄道あるいはJR、これが絡んで起きた事故でございますので、誠意を持って補償についてやっていかなきゃならぬ、こう思っているところでございます。
 以上でございます。
○二階委員 事故発生の原因等については捜査の状況が新聞、テレビ等で時々刻々伝えられているわけでございますが、今日現在、運輸省として事故の原因をどのように把握されているのか、簡単に御説明を願いたいと思います。
○佐々木説明員 ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、運輸省としましては、このような悲惨な事故が二度と起きないように今回の事故の原因の徹底的な究明を図る必要があるというふうに考えております。このため、五月十五日の事故対策本部決定に基づきまして、五月十七日、十八日の二日間にわたりまして信楽高原鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社に対しまして保安監査を実施したところでございます。捜査等との関係もございますが、今後とも引き続き事実関係の調査、関連情報の収集等、事故原因の徹底的な究明のための最大限の努力をしてまいる所存でございます。
○二階委員 保安監査を行ったということでありますが、保安監査の結果について今ここで御報告できることがあれば述べていただきたいと思います。
○松波説明員 お答えをいたします。
 このたびの信楽高原鉄道信楽線の事故の重大性にかんがみまして、先ほど来お話がございましたように、運輸省の中に信楽高原鉄道事故対策本部を設けまして、その中で、五月十五日でございますが、五項目を決定させていただきまして、その一つに保安監査を実施するという方針を決め、これに基づきまして十七日、十八日の両日にわたりまして信楽高原鉄道の保安監査を実施したところでございます。
 監査は、事故発生状況等を把握するために、事故当時の運転取り扱いの状況及び信号保安設備の状況等を中心にいたしまして実施し、結果といたしましては、会社全体として安全に対する意識の涵養の面で不十分な点が感じられたこと、信楽駅における代用閉塞方式の施行に関しまして規程どおり実施されていない可能性があるなどの問題点が見受けられました。また、信号保安設備の施設の概要について調査をいたしましたが、まだまだ明確でない点がございまして、今後さらに調査・解析が必要であると感じております。
 しかしながら、捜査との関係から十分な資料及び供述を得ることができなかったのでありまして、したがいまして、今後運転取り扱いの実態とか教育訓練の実施状況、信号保安設備の作動状況につきまして、さらに十分な調査・解析を行う必要があると考えております。
○二階委員 今回の事故についてJR側の説明及び信楽鉄道側の説明等を私自身もそれぞれ二度にわたって伺っておりますが、信号機の問題等については全くの素人でありますが、聞けば聞くほど不可解な点が次々に生じてくるような気がしてならないのであります。運輸省はどこにこの問題点があったと認識しておるか、もう一度お答え願いたいと思います。
○松波説明員 お答えをいたします。
 今先生御指摘ございました信号機の問題でありますけれども、事故時におきますところの信号機の作動状況につきましては、信楽駅を列車が出発したにもかかわらず、なぜ小野谷信号場の出発信号がJRの運転士さんが言うように青になったのか、先生今御指摘ございましたが不可解な点がございます。
 これらの原因につきましては現在鋭意調査中でございますけれども、信号関係機器の故障あるいは不適切な操作などが考えられますので、捜査の進展状況も勘案しながら、信号設備全般にわたり事故当時の信号の作動状況等につきまして今後さらに調査・解析を進める必要があると考えております。
○二階委員 この際、警察庁にお尋ねしたいと思います。
 警察庁は当然この問題について重大な関心を寄せておられると考えますが、捜査は相当長期間を要するとの報道もなされております。この際鋭意徹底捜査を期待するものでありますが、捜査の見通し等についてこの場で答弁のできる範囲で御説明を願いたいと思います。
○石川説明員 お答えいたします。
 本件につきましては、ただいま御説明がございましたように、五月十四日、単線上で列車が正面衝突をして、乗員乗客合わせて四十二名が死亡されて、私どものきのう時点の把握でございますと四百三十名が負傷されるという、通常では起こり得ない極めて悲惨な重大事故であるというふうに認識しておるわけでございます。
 滋賀県警察におきましては事故発生後直ちに警察本部長を長といたします対策本部を設置いたしまして、被害者の救出活動それから事故概要の把握、被害者の身元確認、検視といったような所要の初動活動を行いまして、同日夕刻、業務上過失致死傷容疑事件ということで滋賀県警察の水口警察署に捜査本部を設置をいたしまして、現在二百八名の捜査体制によりまして乗客あるいは列車運行関係者等からの事情聴取を行う、あるいは現場あるいは事故車両等の検証を行う、それから関係駅等に対する捜索と関係資料等の押収を行うといったようなことで、全力を挙げて事故原因究明等のための捜査を推進中のところでございます。
 今回の事故原因の解明につきましては、信楽高原鉄道の運行関係者が亡くなっておられるということが一つございます。また被害関係者が非常に多数に上られる。また、この解明につきましては鉄道交通特有の専門的な知識、技術というものが必要であるといったような関係がございまして、事実関係の解明にはなお相当の期間を要するであろうと思っておるわけでございます。しかしながら、当然のことながら今回の事故の重大性にかんがみまして、警察といたしましては刑事責任の有無、所在等について厳正に捜査を推進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
    〔委員長退席、鴻池委員長代理着席〕
○二階委員 原因の究明にはまだまだ時間を要するようでありますが、急がなければならないことは事故の補償の問題であります。もちろん原因の究明、さらに原因者が断定できない以上補償問題は進まないこともわかりますが、私は先日の運輸委員会の現地調査の際も述べてまいりましたが、今回の事故に際し被害を受けられた方々の立場から考えると、信号が赤であろうが青であろうが大惨事が発生したことには変わりはない、この原因をつくったのはいずれにしても信楽鉄道及び信楽町、そして第三セクターの大株主である滋賀県、あるいは場合によってはJR西日本、このいずれかの、どちらかというと公的な立場の者が加害者の立場に立つわけでありますから、捜査の状況をただじっと待っているだけではなく、解決に向かって積極的に補償問題については取り組むべきだと考えております。
 先ほど地域交通局長より御報告がなされましたが、運輸省がこれに対して果たすべき役割を含め、今後の運輸省としての補償問題に対して取り組む基本的な方針を伺っておきたいと思います。
○佐々木説明員 今回の事故の被害者の方々に対する補償につきましては、平成三年五月十五日の運輸省信楽高原鉄道事故対策本部におきまして、「亡くなられた方及び怪我をされた方に対する補償については、誠意をもって当たるよう関係者を十分指導する。」ということを決定しているところでございます。
 まだ原因は究明中でございますけれども、大変大きな被害を受けた方々がおられるわけでございます。そこで、五月十七日に、信楽高原鉄道株式会社の筆頭株主である滋賀県に対しまして、被害者救済に全力を挙げて取り組むよう要請をしたわけでございます。これに対しまして、滋賀県の方は誠意を持って当たるというようなお答えをいただいておるわけでございます。今後とも、被害に遭われた方々に対する補償につきましては、私どもとしましても遺漏なきよう指導してまいりたいと考えております。
○二階委員 今回の事故が特に残念に思うことは、地域の活性化、ふるさと創生、均衡ある国土の発展等の国の基本方針に基づいて信楽の町が陶器を中心に過疎からの脱却を目指し、鉄道も世界胸芸祭も町や県が挙げて協力し合って大成功をおさめようとしていたやさきの大惨事だけに、県及び地元の関係者は一様に言いようのない無念の思いをこらえているのであります。
 昭和八年から住民の足として大きな役割を果たしてきた信楽鉄道が再出発できるかどうかという点がこれまた重要な課題であります。鉄道の再開について、さらに補償問題について、今新聞等で報道されているとおり第三セクターに一方的に責任があると断定された場合、県及び町は直ちにこれらの問題に対処しなければならないのであります。
 この際、自治省にお尋ねいたしますが、これが解決のために県及び町から相談があると思われます。地方自治を守る立場から、さらに第三セクターによる地域活性化の芽を摘まないようにするという立場から、積極的に指導に乗り出されるものと考えますが、その意思がおありかどうか、確かめておきたいと思います。
○中里説明員 お答え申し上げたいと思います。
 信楽高原鉄道列車事故につきましては、ただい
ま運輸省あるいは警察庁の方からお話がございましたように、事故原因の究明を初めといたしまして調査中でございます。また、地元滋賀県におきましては、事故発生日の五月十四日に副知事を本部長とする信楽高原鉄道列車事故対策本部を設置いたしまして、職員を病院等に派遣するなど被災者対策を行っているところでございます。
 したがいまして、現段階におきましてはそれぞれの関係者が中心となりまして事故原因の究明あるいは遺族、入院者の方、負傷者の方、家族の方などへの対応がなされているさなかにありますので、御質問のような遺族の補償問題ですとか営業の再開の問題等々、今後における具体的なことは残念ながら申し上げる状況にないわけでございますが、今後、遺族等への補償問題などが信楽高原鉄道あるいは地元滋賀県、信楽町など関係者の間で検討がなされることと考えられますので、その後、滋賀県などから財政支援等を含めまして具体的な相談がありますれば、あると思いますが、そういう場合には関係省庁とも協議の上、十分検討してまいりたい、そういうふうに考えている段階でございます。
○二階委員 自治省におかれては地方自治を守るという重大な責任があるわけでありますから、路頭に迷うような状態になっておる信楽町及び滋賀県に対して格別の御配慮を私からも特にお願いをしておきたいと思います。
 次に、運輸省は第三セクターによる鉄道の運営について、全国三十八路線、三十三社に対しても同じように指導点検を行っていると聞いておりますが、私は、いずれの会社が事故を起こしても補償能力は失礼ながら信楽とそう大差はないと思っております。これらの会社がその体力に応じて何億円かに相当する保険を掛けて、そしてこれら三セクが共同の責任において補償に当たるなどの方法が工夫できないものかどうか、運輸省においてはこの点も既に検討されているやに伺ってもおりますが、見通し等について伺っておきたいと思います。
○佐々木説明員 先生御指摘のように、第三セクター鉄道会社は、程度の差はありますけれどもいずれも規模は小さい事業所でございます。
 補償問題については、基本的な考え方としましては、第三セクター会社及びその主要株主である関係自治体等の関係者が責任を持って対応すべきものと考えております。
 この場合、運輸省としましては、こういった経営基盤の脆弱な会社が今回のような大規模な事故を起こしました場合におきましては、より内容の充実した保険制度によって対応するというようなことが必要であるというふうに考えておりますので、これをどういうふうにやっていくかという具体的内容について検討を始めているところでございます。
○二階委員 ただいまの点について、これは大変重要な問題でありますので、大臣に御見解がおありになれば伺っておきたいと思います。
○村岡国務大臣 お聞きをいたしますと三億円程度しかない。しかも、一人最高三千万円だ。こういう保険制度をいろいろ調べてみました。大きな会社ですと五千万円。一人最高一億というのは一社ほどしかございませんでした。この第三セクターの方はほとんど三千万円程度。額にしても三億円程度。保険料金の額も調べてまいりましたが、信楽鉄道の場合は年間四十万円ぐらい。大会社の場合で四百万とか、あるいは数千万というのもございましたが、従来の例を調べてみますと、このような事故のことは全く考えてもおりませんし、保険料金の問題その他ございまして、いろいろ提案したこともあったようでございますが、これは保険でございますので、各社の第三セクターのいろいろな意見がそろわないとよりよい保険制度はできませんので、この事故の重要性にかんがみ、今地域交通局長が答弁したように、早急にこういう場合の保険を検討し、呼びかけて、賛成を得て何とか補償に対するそういうことを手厚くしていきたい、こういうふうに考えております。
○二階委員 第三セクターの鉄道会社もあるいはまたそうしたたぐいのバス会社等も私は同じような状況にあろうと思います。大臣から今積極的な御答弁がございましたが、これらの点について運輸省としてもこの際鋭意検討を重ねて、これらに対しての万全の体制を期するようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、第三セクターの社長のあり方でありますが、ふるさと産品のいわゆる物産の販売や温泉地等の宿泊施設等についての第三セクターの社長は別といたしまして、鉄道やバス事業のように、毎日毎日が現場から目が離せない、とうとい人命を預かる仕事の社長が、名前だけ出して実際にはほとんど会社には出られない状況であるよりも、社長は常勤の社長にするくらいのことを根本的に考え直す必要があるのではないかと私は思いますが、これについても、大事な問題でありますので運輸大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○村岡国務大臣 今二階先生の御意見ございましたけれども、従来第三セクターは、こちらで社長さんをだれにするというような状況でなく、向こうで相談されて、例えば今の町長さんが社長さん、あるいは地域によってそこの議長さんがなっているというような例もあるわけでございまして、今後この点も検討いたしますけれども、直ちにすぐというようなことができるかどうか。同時にまた、これらの点を検討して、その場所、その地域その他と相談しながらやっていきたい、こういうふうに考えております。
○二階委員 第三セクターの社長のあり方については、ただいま大臣が御説明のとおりでありまして、運輸省がだれにするとかかれに命令するとかという筋合いのものではないことは私も承知をいたしておりますが、こういう大事故を起こした場合に、社長が町長ではその第三セクターに勤務するということは事実上は難しいわけでありますから、町長本来の仕事もあるわけでありますから、私は、町長などは、例えば代表取締役会長程度の職にとどまって、専門の知識のある、安全運行等についてもある程度の知識を持っておる者が責任ある立場でこうした運行をするということは大変大事なことである。
 運輸省が免許を出すわけでありますから、そうした出す際に十分指導できるわけですから、その点については私も承知の上でお尋ねをしておるわけでございますが、現地に何回か足を運んで、あの状態を見て、このままの姿でいいのか、こういうことが他の第三セクターの会社にもいつか起こる心配があるのではないかということを危惧するがゆえにお尋ねをするわけでありまして、今後しっかりそういう面についても御検討を煩わしたいと思っております。
 次に、事故が起こるたびに再発防止への誓いがなされるわけでありますが、このような初歩的なミスでこんな大事故を引き起こす鉄道の安全性について、またさらに運輸省の所管する陸海空にわたる交通機関の安全性の総点検について、このことを他山の石として、運輸省がみずからの責任を痛感の上、国民の期待にこたえて重大な使命を果たしていただきたいと願うものであります。
 運輸大臣の御決意のほどを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○村岡国務大臣 先ほどの、こういう第三セクターの社長の問題でございますけれども、形式的な――何もおっしゃらなかったという町長さんからのお話もございます。二階先生の考え方も当然であろうと思いますので、従来は専門の常勤というのは常務ぐらいのところが多いわけでございまして、これらの点についても検討を始めたい、こう思っております。
 さて、先ほどからも申し上げておりますが、安全の確保は運輸行政の基本でありますので、これまでも交通事故の防止には最善の努力を傾けてまいりましたけれども、今回のような悲惨な事故が発生しましたことはまことに遺憾に思っているわけでございます。当日、現場で、存命している方々から概略聞きましたけれども、決められたマニュアルどおりやっていればああいうような悲惨な事故はなかったのではないか、こう思って、残念でなりません。
 運輸省は陸海空にわたる行政を担当しておりまして、おとといも実は仙台空港上空でニアミスが起こりまして、大阪から参りました方には二百何十名乗っていて、セスナ機がすぐ近くを六十メートル差で通った。こういうことで、実は原因を究明しておりますけれども、空港の九キロ以内に入ったら管制官の命令を聞かなければならないのが、誤認をしている、セスナ機が。
 今、原因はすっかりわかっておりませんが、こういうような、セスナ機の方は五マイル以上遠くにいるんだというような――今その原因を徹底的に洗って、その中で、あるいは今回の信楽事故、いろいろな問題が船の場合でも起きてまいりますので、二度とこのようなことが起きないように、起きるたびに謝っているだけでは済みませんので、今までのマニュアル、仕組みその他が本当に妥当なのかどうかということをこの事故対策本部で徹底的に洗い、ただ鉄道だけではなくて、各部面にも今指示をして洗わせているところでございます。
 こういう事故は二度と起きないように頑張っていくつもりでございますので、よろしく御指導を願いたいと思っております。
○二階委員 終わります。
○鴻池委員長代理 次に、山中末治君。
○山中(末)委員 私は、信楽高原鉄道の今回の大惨事で死去された四十二名の犠牲者の方々に対し謹んで御冥福をお祈りし、また四百五十名にも及ぶ負傷者の方々の一日も早い御回復を祈りながら、質問をさせていただきます。
 まず、地域交通の担い手として、切り捨ての運命にあったところの旧国鉄の赤字ローカル線が地元住民の非常に強い存続要望を受けて生まれ変わった第三セクターの鉄道、その中には、新しい車両の導入とか運転本数の増発の問題とか、今までの状況だけではうまくいかないので、旅行あっせんの業務を開始するとか旅客サービスの向上とかまた周辺事業への進出など、赤字体質からの脱却、これを目指して頑張っている第三セクターの鉄道もあるわけでありますが、何と申しましても鉄道というのは安全、正確、そして快適、これを
追求し、その三つとも何とか実現をしていく、こういうことで皆頑張っているわけでございます。
 この安全、正確、快適を追求する中で今度の事故を振り返ってみますと、旅客輸送の根幹であります安全性というものが軽んぜられていたのではなかったのか。この点について今後の指導をどう考えておられるのか、再び事故を発生させないという立場からの決意のほどを大臣からお聞き申し上げたいと思います。
 なお、あわせて、五月十五日の午前に今枝政務次官が滋賀県庁で、「システムの違うものが互いにあり、事故が起きないとは言い切れない」、そのような指摘があり、「これを機に全国の第三セクター方式の鉄道について、見直すことを含めて、十五日の夕方、東京で開く事故対策本部で対応を協議していきたい」、このような意味のことを語っておられます。
 それからその後、先ほど大臣からの御報告もございましたが、大臣も現地へいち早く行っていただきました。今日までの状況の中で、JRの方の車両の無線機の周波数と信楽高原鉄道の方の車両の無線機の周波数の問題、この周波数の問題を、この信楽高原だけとは言っておられませんけれども、将来、第三セクターの中で相互乗り入れをしているものについて、それを統一していくように考えていきたい、このような御発言もお聞きしたわけでございますが、この点もあわせてお聞かせをいただきたい、このように存じます。
○村岡国務大臣 鉄道事業を行う者は、事業を適確に遂行するに足る能力を有する必要があり、列車の運行の安全の確保のために必要とされる人員の確保が図られていることが免許を受ける条件の一つとなっております。
 国鉄当時のローカル線を第三セクター鉄道に転換する際には、運転のワンマン化や業務の兼務、専門的な技術分野の作業についての外注化などにより業務運営の効率化を行っておりますが、これらの措置は安全に支障を生じない範囲で認められているものでありまして、なお、免許後においても、これらの措置について、安全に支障を生じないよう、保安監査等の機会を通じて適切な指導を行っておるような状況であります。
 なお、御指摘の点と今回の事故の関連については今後の事故原因の徹底的な究明を待たなければなりませんが、安全性を軽んじることは鉄道経営においてあってはならないことでありますので、安全性の確保について鉄道事業者を強力に指導してまいる所存でございます。なおまた、事故対策本部で、先ほども御報告申し上げましたが、こういうような第三セクター、こういうAB線総点検を行うことにいたしておりますので、その際にいろいろな、こういうような採算性を重視して安全性を軽視していないのかどうか、その点も指示をいたしまして、総点検をさせることにいたしておるところでございます。
 第二のお尋ねの点でございますが、信楽線の周波数とJRの周波数が違う、こういうことで、信楽線については、あそこを私も夜と朝通りましたが、大変な山の中でございまして、自動車電話を据えつけましても、ちょっと出たと思えばすぐ切れる、こういうような、まことに無線の状況の悪いところであることは先生御承知のとおりであると思います。したがいまして、貴生川駅にJRの無線基地もあったそうでありますが、到達範囲は極めて近い範囲、信楽線の方ではそういう山合いでございましたので、五百メートル置きにそういう無線のあれば設置したけれども、両方の周波数が違って連絡できない、こういうような状況であったと思います。
 列車の運転、保安の確保は、本来、信号保安設備による常用閉塞方式に基づくことが原則でありまして、仮にこれらが故障した場合においても、代用閉塞方式を施行することにより従来は安全を確保するシステムとなっておるわけでございますが、これに対し、列車無線を設置すれば、客扱いの利便、異常時、緊急時の連絡等の場合における補助的な手段として使われますものの、その通信は地形や天候などに影響を受けるため、今までは必ずしも絶対的なものではないと考えておりましたので、その義務づけとか何かいたしておりませんでした。
 しかしながら、地下鉄や高架式構造の鉄道については、事故等が発生した場合には線路外への避難が困難であることから、走行してくる他の列車の早期停止並びに切断した電車線等の電気供給の早期遮断などを図る必要から列車無線を義務づけしているところでございます。
 列車無線があれば異常時、緊急時において列車との連絡手段として有効である。従来から見れば通信関係の周波数関係も相当改良、改善されてまいっておりますので、信楽高原鉄道を含め列車無線を有する第三セクターの線区にJRの列車が乗り入れる場合には、当該線区の列車無線を使用することができるよう、同じ周波数の無線機を搭載する等必要な措置について、今費用が幾らかかるか、短期間にできるかというような検討をいたしておりまして、周波数を同じにするというようなことを検討してまいりたい、こう考えております。
○山中(末)委員 わかりました。再発防止という立場から、今大臣のおっしゃったような方向で、できるだけ早く対応を実現していただきますように要望を申し上げておきます。
 次に、五月二十日に実は私どもも委員長のお供をいたしまして現地へやらせていただきました。さきの質問者の方もおっしゃっていましたけれども、本当に私もあんなに悲惨な状況の大惨事に立ち会ったということは初めてでございます。その中で、県並びに地元、信楽高原鉄道等のお話も聞かせていただきましたが、御報告等がありましたのでこれは省略をいたしますけれども、その一連の事情をお聞かせいただく中で、参加した委員の中から非常に強い意見が出されました。
 その一つは、JR西日本がJR側には責任がないということを盛んに言っておられた、こういうことでございます。これは私どもは、きょうの委員会でもそうなんですけれども、関係者にここへ来ていただいて、その関係者の方にもあわせて御質問をしていきたいというふうに考えておったわけですが、こういう事故が起こってまだ間なしでございますから、一週間ぐらいでございますので、それは遠慮して、まず現地の方の整理、対応というものを優先していこうじゃないか、きょうはそういう方に参考人に来ていただくということをやめてやろうじゃないか、こういうことで実はやっているわけでございます。その原因究明の真っ最中でございますが、そういう中でJR西日本側には責任がないという放送が盛んに行われている。これについては、余りにもJR西日本当局が不謹慎じゃないか、こういう御指摘がございました。
 この問題につきまして、当初は、そういうことを言った覚えはありませんという御発言も西日本側からありましたけれども、新聞等を調べてみますとやはり出ているんですね。JR側には責任がありませんということが出ています。私は、そういうことを今後改めてもらわなくちゃならぬと思います。自分の会社に責任があるのかないのかという問題をまず世間にアピールして、そして何か予備知識を一般の人に与えておいて、そして物事を自分側にうまく進めていきたいという気持ちはわからぬことではないんですけれども、そういうことをするのはおかしいんじゃないか、不謹慎じゃないか、そのように私も思いますので、質問を申し上げるわけでございます。
 実は、十四日に発生をしましてから、私ども委員の方へいろいろ運輸省の関係等から御連絡をいただいて、詳しい経過の報告をいただいたのが手元に六つあるんです。六回。そして、きょう理事会でいただいたものも一つありますから、七つあるんです。状況報告ですね。
 これはその都度有効な情報でして、ずっと綿密に読ませてもらっておるんですが、運輸省の方から出される文書は、大体前の経過の上にその後の経過をプラスしていかれて、日を追うて内容が充
実してきたといいますか、つけ加えてきているのでございますが、JR側から出ているのを見ますと、五月十五日に議員会館へJRの方が持ってこられた文書があるのですが、これを見てみますと、そのときに書いている内容がその次の二十日に現地でもらった内容からすぽっと抜けてしまっているという問題があったり、内容が変わっているものがあるのです。
 運輸省の方のものは内容は変わっていないのですが、JR側の文書を見てみますと、その一つを申し上げますと、五月十五日に議員会館へ持参をいただいた方からもらった書類では、例えばこの信号機は、「閉そく方式は、特殊自動閉そく式(軌道回路検知式)である。」こういう文章が入っています。そして、その次にもらったのにはすぽっとこれが抜けてしまっているのです。ないんです。ほかのことは同じように書かれていますけれども、この信号装置の型式だけがすぽっと抜けている。
 それからもう一つは、運輸省の方の発表の文書では、これは変わっておりませんと申し上げましたが、その内容は、「信楽発の上り第五三四D列車が十時二十五分(所定より十一分遅れ)に出発しようとしたが、」こう書いてあります。そして「第五〇一D列車は十時二十二分(所定より六分遅れ)に出発し、」と書いてある。次に来たのも全部運輸省の方ではそういうふうに書いています。それで、運輸省の方では丁寧にも、これは五月二十日の分ですが、括弧して(五月十五日における信楽高原鐡道(株)広岡総務課長の説明による。)ということも付記しています。
 私は、これでずっと一貫していますからこういう経過やなと思っていましたけれども、JRの方から来た文書を見てみますと、今のところの部分を読みますと「気第五三四D列車は、信楽駅の出発信号機故障のため手信号により約十四分遅れて信楽駅を出発した(信楽高原鐡道総務課長プレス発表から)。」こう書いてあります。その下に「一方、気第五〇一D列車の運転士は貴生川駅を二分遅発し、小野谷信号場を通過予定で場内信号機の警戒信号を確認し速度を低下して進入後、」こういうふうにずっと書いているわけです。そしてそれには(信楽高原鐡道総務課長プレス発表)ということは一切抜いているのです。
 運輸省の方は二つとも、これは現地でプレス発表されたときの報告ですと書いてあります。片一方のJRの方は、信楽高原列車の方はプレス発表やというふうにして、あとのJR側のことに関しては全然何も書いてないのです。これはJRの会社の主張だというふうに私はとっているわけですが、そういうことが実はあります。
 そして、こういう中で調査をしてみますと、JR西日本側と信楽高原鉄道株式会社側とがいろいろな協定書、契約書等をつくっているのです。これを現地でいろいろ聞いてみました。運輸省のものにはJR側の六分おくれということがずっと一貫して書かれておりますけれども、JR側の報告では、先ほどのようなことで二分おくれというふうな表現が使ってあるのですね。どうしてそんなに出発時間が違うのかというふうに思い調べてみましたら、今申し上げようとした、信楽高原鉄道とJR側との協定書とか契約書とかというものが三つほどつくられているわけです。それをよく調べてみますと、五分以上おくれた場合は、JRと信楽高原鉄道双方の駅へ、五分以上おくれて出発した側は連絡しなければならぬ、こう書いてあるのです。ところがJR側の文書でいきますと、それが六分おくれやなしに二分おくれで出発、こう書いてあるのです。そうすると、ああこれは五分がひっかかったのと違うかなという感じを私は持っているのです。
 こういうところから見まして私は、先ほど申し上げたように、現地へ視察に行かれた衆議院の運輸委員会の委員の方から非常に強く発言があった、余りにも一方的なことを言うのは不謹慎じゃないかということが思い当たるような気がしました。そして新聞もずっと調べてみたら、やはり十五日の夕刊にJR側は責任がないということが出ているのです。
 私は、大事故が起こって、会社の責任がどうのこうのという場合それはあると思いますけれども、こういう第三セクターとJR西日本とが共同で乗り入れをしている場所で、原因もまだわからないのにそういう発言を一方的にするということは、一般の国民の人から見ると、何か責任逃れをいち早くやっているような悪い印象を与えるのじゃないかということと、あわせて、非常に不謹慎だと思いますけれども、この点についてどのようにお考えでございましょうか。
    〔鴻池委員長代理退席、委員長着席〕
○大塚説明員 現在運輸省でも全力を挙げて事故原因の究明を行っている段階でございますので、このような時期において責任の有無を軽率に発言するのは極めて問題があると考えます。したがいまして、五月十五日の新聞の夕刊を見ました後も、私の方からJR西日本に対して厳しく注意を行ったところでございます。
 それからもう一つ、JR西日本の乗り入れ列車の貴生川駅発のおくれの問題でございますが、これは私どもの西日本に対する監査によりましても、亀山運転指令所の記録によりますと当日十時十六分発が二分おくれとなっております。しかし一方、信楽高原鉄道では六分おくれと言っておりますので、これはそれぞれの会社の主張でございますので、私ども運輸省の資料は、双方から聴取して、その双方の意見あるいは記録をもとに事実を確認するという手続が必要になります。現在究明を行っているところでございまして、この問題もできるだけ早期に結論を得たいと考えております。
○山中(末)委員 こんな事故は二度とあってはいかぬのですけれども、今大塚総括審議官がおっしゃったように、厳にそういうことは慎んでもらいたいということを徹底していただきたいと思います。
 それから、あと五月十七日、十八日に保安監査に行かれた課長さんの保安監査の結果等もお聞かせ願いたかったのですが、先ほど大臣がおっしゃいました中に含まれておりましたので、マニュアルの問題でございますから、これは時間の関係で省略させていただきます。
 そこで、再発防止と、それから今度の場合信楽高原鉄道の復興、再起といいますか、これについて先ほどの質問者も申されておりましたが、調べてみますと、第三セクターで、平成元年度の会計の決算が税引き後利益がようやく八万七千円ということでございます。何でこんなに少ないのかと思っていましたら、経常利益は百万円余りあるのです。その経常利益百万六千円、これは平成元年度でありますが、その黒字で、そこから法人税七十五万が引かれているのです。それで、あと少し経常外の損益等があって、結局税引き後の利益が八万七千円、冷や冷やしながら足を確保しているという状況であります。
 お聞きしますと、赤字が出た場合は、運輸省の方としてもそれに対する二分の一とか四〇%とか援助が出ているようでありますけれども、八万七千円といえどもこれは黒字でございますから、どうにも仕方がないということであります。
 こういう状況の中で事故が起こったわけでございますので、県、町、これは信楽町、水口町等も出資しておられますが、その原因の状況等によりましては、やはり債務負担行為のようなことをしてバックアップしていかなければいかぬのじゃないかという感じも実はいたします。これは原因の結論が出ておりませんのでどうこう言うわけにはいきませんが、私の前の質問者もおっしゃっていましたけれども、これらに対しましてまず自治省の方に、先ほど指導課長さんの方から、県から要望があると思うけれども、それがあれば対応していきたいということです。それは十分に対応していただきたいと思いますけれども、現在ある制度の中で、少しでも県、町等に財政的な援助ができる方法というのは何と何がございますか、お伺いしたいと思います。
○中里説明員 お答え申し上げたいと思います。
 信楽高原鉄道の列車事故につきましては、先ほども申し上げましたように、現在、運輸省、警察当局あるいは滋賀県などそれぞれの関係者が中心となって、事故原因の究明ですとか遺族の方、入院者、負傷者の方あるいは家族の方等への対応がなされているさなかであるわけでございます。したがって、御質問のように遺族の補償問題等今後における具体的なことは、まことに申しわけございませんが申し上げられる状況にないわけでございます。
 しかしながら、今後、遺族等への補償問題、大きな問題でありますが、こういった問題等を含めまして、信楽高原鉄道ですとか地元滋賀県あるいは信楽町など関係者の間で具体的な検討がなされることと考えられるわけでございます。滋賀県などから自治省等へ財政支援等含めて具体的に相談があると思いますが、具体的な相談があれば、私どもも現在あります諸制度を十分念頭に入れまして、さらに関係省庁とも協議の上よく検討してまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○山中(末)委員 今の状況では特別交付税で措置をするということぐらいがあるのではないかなというふうに私自身は思っています。
 しかし、今中里指導課長から、関係省庁とも十分協議をして、地元の県等の要望に沿って協議して、何とかこれを財政援助していかなければならないという気持ちをお聞かせいただきました。地方公共団体の財政事情を非常によく知っておられるのはやはり自治省だと私は思います。ですから、自治省の方がひとつ中心になって、財政援助につきましては十分御考慮、御配慮賜りたい、このように要望をいたしておくわけであります。
 それから、運輸省にいたしましても、先ほどの質問のときにありましたのでもう重複は避けたいと思いますけれども、やはりこういう第三セクターのような場合、共同で何とかやっていくという方法ですね、これを早くやっていただきたい。私もそういう経験が実はあるのです。各市町村の中でいろいろなけが人が出たりすることがありまして、どうしてもその市町村だけでは対応できないという問題で、よって共済的なものを全国的につくった経過がありますから、それを質問しようと思っていましたけれども、今そういう方向で御検討中だということでございますから、ひとつ鋭意努力をしてそういう組合あるいはまたそういう制度等をつくっていただきますように要望をしたいと思います。
 それから最後に、時間が来て申しわけありませんが、この問題につきましては、一番初めに申し上げましたように第三セクターということで、晩も寝ずに後片づけの問題について職員の皆さんが、これはJRの人も県も町も全部含めてやっておられます。これはやはり何とかこの痛手を軽くして、そしてこの問題をうまく乗り越えて、そして第三セクターを再開したいという意欲があるからだと私は思います。しかし、地元の信楽の町長さんはああいうふうにしゅんとしておられて、本当に元気がない、体が、精神が疲弊して気の毒なくらいでございました。しかし稲葉知事さんは、何とかこれを第三セクターとしてもう一回復興して県民の足を確保したい、こういう決意であったように私どもは聞きましたので、運輸省におかれましても、ひとつ大臣、できる限りの応援を、この復興、それからもう一回さらに頑張っていくという方についてお力添えを賜りたい。時間がなくなりましたので御答弁は要りませんけれども、強く要請をいたしまして、質問を終わります。
○亀井委員長 次に、山元勉君。
○山元委員 滋賀県選出の山元でございます。
 質疑に入ります前に、事故当該県の者として一言申し上げたいと思います。
 滋賀県が主催団体の中心となって四月二十日から信楽におきまして開催をいたしました世界陶芸祭は、予想と期待を大きく上回りまして、入場者にも示されますように、高い評価を受けながら成功をおさめておりました。しかし五月十四日、思いもかけなかった鉄道大事故が発生し、多くの死者、負傷者を出してしまいました。まことに遺憾のきわみでございます。事故により亡くなられた方の御冥福と負傷された方の一日も早い回復を心からお祈り申し上げるものでございます。また、事故発生以来、村岡運輸大臣の即日の視察を初め、関係諸機関の皆さんに大変温かい御理解と御支援を賜っておりますことに衷心お礼を申し上げます。
 私ども県民は、県議会においても意思表示をいたしましたように、県民力を合わせて、誠意ある補償、誤りない事後処理、そして今後の方策に万全を期してまいりたいと思っております。何とぞ、今後とも各位の御理解と御指導、御援助をまずもってお願いを申し上げておきたいと思います。
 この際、事故が発生いたしました信楽高原鉄道について若干申し上げて、御理解をいただきたいなというふうに思います。
 昭和八年に旧国鉄の信楽線として開通いたしましてから第三セクターに転換するまでの五十四年間、信楽住民の足として、また陶器産業の動脈として大きな役割を果たしてまいりました。この間、戦時中の昭和十八年には軍事用鉄材としてレールがはがされてしまいました。そして営業停止に追い込まれました。終戦後、町民の労力奉仕と二万五千本のまくら木の町民からの無償提供で、文字どおり町を挙げての協力で復活をいたしまして、昭和二十二年に再開業をいたしました。その後、当時起こりました大きな山津波の影響で線路の路盤が流れ去ったときにも町民が寝ずの作業をして復旧作業を行いました。文字どおり涙ぐましい努力で町民が守ってきた鉄道であったというふうに思っています。
 昭和二十五年に、乗車密度を基準にして廃線問題いわゆる国鉄の合理化問題が起こりましたときには、町を挙げて信楽線を守る会だとか住民の足を守る県民会議などが結成されて、全国でも注目されるような大きな運動、乗客の拡大の運動や廃止反対、存続の活動が展開されました。その効があって、一時、廃線が凍結になりました。しかし、第三次に最終的に廃止に追い込まれてしまいました。住民の暮らしと地域の生活を守るために、県や町や企業が一体になって第三セクターとして昭和六十二年に転換、開業をいたしました。それ以来、全国の第三セクター鉄道と同じように、厳しい経営環境の中で血のにじむような経営努力を払いながらどうにか運行が確保されてまいりました。
 このような信楽高原鉄道の歴史を思うときに、今回の事故はなおさら痛恨のきわみでありますし、私ども口惜しくてならないわけであります。事故の原因や責任の究明は警察等の捜査、判断等を待つといたしまして、どうしてもこの事故が防げなかったのか、あるいは補償、再建に万全を期したい、そういう思いで若干質問をさせていただきます。
 その第一は、JRが信楽鉄道に乗り入れる際の契約の問題です。契約は十分でなかったのではないかという思いがしてなりません。結果としてあの事故が起こったときに、信楽鉄道の方は、JRが待避線で待っていてくれるだろうというふうに思ってしまう、片一方JRは、信号が青だったから出ていないんだろう、そういうようなことで出発をして事故を起こしてしまう。そういう契約といいますか、そういうふうに結果を招く契約だったというふうに思うわけですけれども、運輸省がつかんでいらっしゃるこの契約の中での信号故障の際の対応についてほどのように確認をされていたのか、それは文書なのか口頭なのか。
 時間がありませんから固めて、そのことについての訓練はなされていたのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○松波説明員 お答えをいたします。
 今先生御指摘のように、西日本旅客鉄道の車両が信楽高原鉄道の中へ直通乗り入れをする場合に両社において運輸に関する協定を締結されておりまして、それには三つの柱がございます。一つは車両直通運転の契約でございますし、二番目には
直通乗り入れに関しますところの協定、三番目には運転作業協定書でございまして、これらにより運行の取り扱いを定めているわけでございます。
 先生今御指摘のございました、万が一故障した場合にどういう取り扱いになっているかというお尋ねであったかと思いますけれども、そういう場合におきましては、運転マニュアルといたしまして、通常の場合は信号の現示に従ってやることは先生も御案内でございますが、今申し上げたような故障があった場合には、先ほどの冒頭の説明にもございましたけれども、代用閉塞方式により運転されることになっております。
 そういう約束の中で、今またもう一つお尋ねの、これに基づく訓練はどうか、こういう問題等につきましては、今いろいろ調べている最中でございまして、我々といたしましては、これらの運転取り扱い方法つまりマニュアルにつきましては、特段安全運行上不十分であるとは考えておりません。
○山元委員 運転マニュアル上欠陥がない、しかし事故はこの契約に基づいて運行して起こっているわけですから、その契約上もどこかに問題があるんだというふうに私どもは思うわけです。
 私もこの契約書を読みました。しかし、御承知だと思いますけれども信楽高原鉄道は山合いをずっと走っていきます。そして隣を走っている国道三〇七と交差をしたり、あるいは高架になっていたりしているわけです。山合いを走り、あるいは国道と並行あるいは交差している。考えてみますと、大きな石だとか水だとか、あるいはトラック、車、そういうものが妨害をするということは可能性としては非常に高いといいますか、あるわけです。ところが、そういうことが起こった場合にということについてのマニュアルは明確でないというふうに思うのです。契約としては極めてずさんではないかという気がするのですけれども、その点についてはどうですか。
○松波説明員 お答えをいたします。
 今先生御指摘のマニュアルの中身についてでございますが、我々といたしましては、連行取り扱いにおきますところの内容については、一般的には常用閉塞、故障時には代用閉塞等々明記されておりまして、その限りにおきましては特に問題はないと考えております。
○山元委員 いずれこれも究明されるわけです
けれども、これはもう要請をしておきたいわけですけれども、多数の命を預かる、それも毎日預かる、そういう業務です。なれだとか横着があってはならぬわけですけれども、どうも私どもはそういうものがちらちらと見えるような気がしてならぬわけです。
 そこで、乗り入れ側のJRというのは技術的にもあるいは人材的にも非常に豊富で、格段の違いがあるといいますか、すぐれているわけです。そういうJR側が周到な準備をしておく必要があるのではないか。これは全国的にもそういうことが言えるのではないかというふうに思います。ですから、そういう立場でこの問題を調査をしていただいて、再発防止に努めていただきたいというふうに思います。
 次に、今も申し上げましたけれども、信号は確かに故障でした。この信号システムに欠陥があったかどうか、これもこれからの原因の究明だというふうに思います。
 しかし、はっきりとしていることは、JRが乗り入れるということで、実際に訓練は、まあ乗り入れの訓練はやっているわけですけれども、その際にも、新聞にも報道されていますようにはっきりと二回故障が起こっているわけです。しかも、それが単に瞬間的な、赤信号が出た、青信号が出たということではなしに、一回目は一時間三十八分間にわたって信号が故障している、二回目においては七時間五十分も信号が故障をして連休も出ている。そういう信号機能の欠陥といいますか、そういうものがあるというふうに私ども素人でも思うわけですけれども、そのことについて対応がJR側それから信楽鉄道側でどのようにされたのか、把握していらっしゃる点でお答えをいただきたいと思います。
○松波説明員 お答えをいたします。
 今先生御指摘の信号の問題でございますが、信楽高原鉄道の信号につきましては、特殊自動閉塞式ということでこの平成三年三月十六日から使用を開始されておりますけれども、その後、四月二十日からの直通の乗り入れのための訓練期間中におきまして、貴生川駅の出発信号機の故障が、今御指摘がございましたけれども、二件発生したとの情報を事故後実施した保安監査によりまして我々JR西日本から入手をいたしております。
 この故障の原因につきましては、リレー不良などと推定されますところの原因がございまして、これを取りかえるなどの対策が行われたと聞いておるわけでありますが、運輸省といたしましては、今後このような故障が発生した場合には、原因をしっかりと究明しまして対策を図るよう指導をしてまいりたいと考えております。
○山元委員 今、事故後報告を入手したとか対策がとられたと聞いているというふうにおっしゃいましたけれども、そこのところでしっかりと対策が練られ、あるいはそういうときの対応の仕方について練られていれば、この事故は起こらなかったのではないか。確かに複合ミスで、幾つかの段階でのミス、ただ、赤で出発したことから始まっているわけですけれども、このところでしっかりとこの対応の仕方についての協議がなされていれば事故は防げたのではないかというふうに私は思うわけです。
 現に、例えばJRの事故対策副本部長のコメントで、他社のトラブルと思って十分な報告も対策もとっていなかった、安全への関心が徹底していなかったと言われてもやむを得ない、この二回のトラブルについてこういうふうにコメントしているわけです。他社のトラブルと思って十分な報告も対策もとっていなかった。これは、自分が乗り入れている、そして訓練で自分のところのJRの運転士が乗っている電車でも起こっているわけです。そのときにこういう感覚を持っていた。あるいは信楽鉄道の方にももちろん問題がございます。信楽鉄道のコメントは、詳しく調べないうちに正常に戻ったので、総点検はせず、信号故障時の運行についてJRと再チェックをしなかった、こうあるわけです。やはりここのところは、先ほど申し上げましたように、なれあるいは横着があったのではないかというふうに思うわけです。
 その際に、私どもは地元のことをかばって言うわけではありませんけれども、技術的にも経験的にも豊富な格段の力を持っているJRが、なぜこのときに、こういうことではということにならなかったのか、そこのところが私どもは悔やまれてならぬわけですけれども、今申されましたような局長の答弁と若干違っているわけです。安全対策はとらなかった、あるいは再チェックもしなかったというコメントが出ているのですけれども、そのことについてはどういうふうにお考えですか。
○松波説明員 お答えをいたします。
先ほど先生に故障の状況については御報告申し上げましたが、この具体的ないろいろな対応につきましては、信号というのは大変輸送の安全の基本を支配しているわけでありますので、今我々監査等を含め鋭意調査中でありますので、そういう中でしっかりと対応してまいりたいと考えております。
○山元委員 事故が起こってたくさんの人が亡くなった、そういう原因を究明するわけですから慎重でなければならぬというふうに思います。しかし、今申し上げましたようなことは、今の新聞も早い時期の新聞です。本当のことがコメントされてあるのだろうと思うのですね。ですから、そういう点については、やはり他にも例はあろうと思いますので、しっかりとした調査をしていただきたいというふうに思います。
 その次に、こういう原因の究明についての立場についで、少しお願いというのですか、要請をしておきたいというふうにも思います。
 原因の究明というのは、体制上の欠陥だとかあるいは技術的な弱点だとかあるいは過失というも
のを明確にして責任を明確にするのだというふうに思います。しかし、この場合に非常に大事なのは、経営的にも大変脆弱な体質を持っている第三セクターの鉄道です。これの安全の確立、再発防止に向けて、この事故の背景といいますか、そういうものを究明することが大変大事だというふうに思います。そういう立場についてお考えになっていらっしゃるか、一般的な交通事故と考えていらっしゃるのか、それとも、今申し上げましたように、大変脆弱な体質を持つ地域の足としての第三セクターが事故を起こした、その背景について重大な関心を持っているというふうになっているのかどうか、お尋ねをしたいと思うのです。
○佐々木説明員 鉄道事業を行う場合に何といっても一番大切なものは、列車の運行の安全をきちっと確保するということで、そのための人員の確保が十分行われるというようなことが大切なわけでございまして、第三セクター鉄道といえども、その免許をしますときに、一つの条件として今申し上げたような要員の確保ということが基準になっておるわけでございます。
 ローカル線を第三セクター鉄道に転換いたします場合に、当然運転のワンマン化とか業務の兼務あるいは専門的な技術分野の作業についての外注化といったようなことによりまして、業務運営の効率化をやっていくということが起きるわけでございますけれども、これらはもちろん安全に支障を生じない範囲内で私どもの方でチェックした上で認めているものでございます。なお、免許後におきましても、これらの措置について、安全に支障を生じないよう、保安監査等を通じて適切な指導を行っているわけでございます。
 今回の事故が今御指摘のようなことに起因するものかどうかということにつきましては、今原因究明中でございますので、原因をよく早急に究明いたしまして、その上でまたしかるべき対応をしていく必要があると考えております。
○山元委員 私が申し上げたことがおわかりをいただいていないような気がするのです。
 具体的に言いますと、先ほども対策本部の方針として決定されたことは説明がありました。「補償については、誠意をもって当たるよう関係者を十分指導する。」こういうふうにございました。それで万遺漏なきを期する。そしてまた、全国にこれに伴って点検を指示していらっしゃいますけれども、そういう安全の自主点検を実施する、そして報告をさせる。そういうときに、私が申し上げているのは、これは単なる技術上の問題とか経営方針の問題ではなしに、第三セクターとして、具体的なことを申し上げますと、そういう経営上大変厳しい状況にある交通機関としてこういうことになっているんだ、そういう体質といいますか、置かれている環境としての弱点というものをえぐり出さぬと、事故は再発を防げないというふうに思うのです。そういう意味で、これからそういう過疎地あるいは僻地の交通機関を守る施策を十分にしていく、そういう観点での調査というものが必要なんではないか。少し回りくどい言い方ですが、わかりますか。お答えをいただきたい。
○村岡国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたけれども、事故対策本部におきまして、二番目として、「特定地方交通線転換路線及び地方鉄道新線について、運輸省係官の立入りによる総点検結果の確認及び必要な指導を行う。」こう決めております。「特に、直通乗り入れを行っている路線については、相互の連絡体制及び教育体制を重点として確認及び指導を行う。」こういう決めをしておりますが、特に私から、先ほど来先生方から指摘されているような人員とかいろいろな面についても、いいのか悪いのか、それもひとつ点検項目に入れてください、こういう指示をいたしておりまして、もちろんそういうところにも目をつけていかなければならない、こういうふうに考えております。
○山元委員 それではその次に、補償について申し上げたいと思います。
 先ほどからも出ております誠意ある被害者への補償というのは、事故を起こした者として当然の責務であります。会社もまた県当局もその誠意を示すことの意思表示を表明しています。
 しかし、残念ながら、御案内のように信楽鉄道にその能力はないというふうに考えざるを得ない状況にあります。例えば平成元年度の決算で見ますと、税引き前の利益は八十三万七千円で、法人税が七十五万円、税引き後の利益というのは八万七千円、まさにこういう人命を預かっている、地元でいえば大きな企業ですけれども、中小零細企業並みに年間収益が八万七千円という状況です。そういう会社が補償することは大変困難、保険金は三億円が限度となっている。
 そういう状況の中で、県は誠意を持って全面的に支援をすると言っていますけれども、大変難しいことだというふうに思っています。人員的には、先般知事は、県庁の部長クラスのOBの常勤としての配置だとか出向だとか、あるいは現職の課長クラスの派遣だとかいうことを決意をしました。こういうことはできるとしても、財政的には大変過重なことになってまいります。先ほど自治省が、具体的に要請があれば検討するというふうにお答えがありました。きょうの段階ではそれかもしれませんけれども、私は現実に自治省は、どういう事故が起こり、どういう財政規模のところでどういう補償が要るのかということについて御配慮をいただいて、検討をいただいて、幾つかの道があるということについてはお考えをいただきたいというふうに思うわけです。
 私は、地元代表というような気持ちや立場できょうは申し上げていますけれども、これは全国の第三セクターを持っているところは同じ心配だろうというふうに思うのですね。そういう意味で、ぜひ自治省の方にもう一遍、具体的な要請があったら検討するというような立場ではなしに、今考えられる道というのは何だ、実際に債務保証をしなければならない立場に県はなるのだろうと思うのですが、そういうことで自治省が今考えられることについてお答えをいただきたいというふうに思います。
○中里説明員 お答え申し上げたいと思います。
 信楽高原鉄道列車事故につきましては、先ほど来から申し上げておりますように、現段階におきましては、運輸省、警察、滋賀県などそれぞれ関係者が中心となりまして、事故原因の究明や遺族、入院者、負傷者の方々あるいは家族の方々などへの対応がなされているさなかであるわけでございます。したがいまして、補償問題等今後における具体的なことは申し上げられる状況にはないわけでございます。
 しかしながら、今後、遺族等への補償問題等が信楽高原鉄道、地元滋賀県あるいは信楽町等関係者の間で検討がなされることと考えられますので、滋賀県からの財政支援等含めて具体的な相談がありますれば、あると思っておりますが、自治省としては、地方団体が困っているときにいろいろ物心両面で手を差し伸べていくのが自治省の方針だ、役所だというふうに考えておりますので、そういった事態になれば関係省庁とも協議の上よく検討してまいりたいというふうに考えておりますので、御理解賜りたいと思います。
○山元委員 先ほどと同じ答弁しか返ってこないのは大変残念です。自治省というのは、押しつけがましく言うわけではありませんけれども、地方自治体が健全に運営される、あるいは健全な自治体の育成ということについては積極的な責任があろうというふうに思うのです。また、今のような地方の活性化を維持していくための交通機関、これを守るということもこれまた一つの自治省の責務であろうというふうに私どもは思うわけですけれども、そういう意味では、今おっしゃるように、ただ、地元が考えるだろうから、要請があれば検討するという答えだけでは、今本当に必死になってこれに対応している者としては、滋賀県の者が聞いたら、自治省というのは本当に地方の活性化だとかあるいは健全な地方自治体の育成ということについて考えてくれるのかということを思うだろうと思うのです。
 そういう意味でもう一回、例えば、そういうときに県が、何十億になるかわかりませんけれども、今申し上げたように資産も余りない、収入もほとんどないような会社の借金を債務保証をしなきゃならぬ、県がこれから償還していかなきゃならぬという場合に、交付税等で配慮する道があるのかどうか、そのことを入れて答弁をもう一遍お願いしたいと思います。
○村岡国務大臣 今自治省の指導課長さんでございますか、現状ではこういうことを想定しないから、今の答弁が精いっぱいだと私も答弁を聞いておりました。
 実は知事さんが二、三日前に来たときに、会社はこういう状況でありますし、ひとつ筆頭株主であります県の方でも十分誠意を持って補償に当たるようお願いをいたします、こういう要請をいたしました。知事さんは私に対しまして、県議会ともよく相談をして誠意を持って当たるようにしたい。原因者が今まだ確定はいたしておりませんが、いずれそういうふうになるであろう、こういうお願いをいたしました。
 昨日でございましたか、副知事さん、滋賀県の県会議員さん、生活環境部長さん、それから信楽町の議長さんが私のところに参りました。第一点の要請は、知事さんが来たときは、この信楽線を存続するかどうかと聞きましたら、まだこのような状況なので地元とよく相談をしたい、こういうことで知事さんは帰っていきましたが、昨日の段階では副知事さんが、地元でこういうようなことをしまして大変申しわけないんだけれども、通勤通学、今代替バス輸送をしているけれども、何とかこの信楽鉄道を運行するような方向でお願いしたい。
 第二点は、今の補償問題につきまして、県から近く、一両日と聞いておりましたが、OBの人あるいは現役の人を出向させて対策に当たりたい、しかし経験も余りありませんので、もしできるならばJRにもそういう補償を交渉する人とかなんとかいうことを、人員をどのような形でやるのかは別にいたしまして、お願いをしたいというような点がありましたので、早速JRの方に、事故の補償その他についての人員の不足その他、それをひとつ十分に面倒を見るようにと連絡も申し上げました。
 いずれにいたしましても、信楽町で、あるいは県で、あるいはまた信楽鉄道株式会社でどのようになるのか、これはまだ確定いたしておりませんが、その折にも運輸大臣からも自治大臣にひとつお願いするようにという要請がございました。
 私どもの方といたしましても、対策本部で誠意あるように指導すると申しておりますので、ある程度確定しました段階では、私も責任を持って自治省にお願いもしますし、またその点についても対処して遺家族の方々に遺漏のないようにやってまいりたい、こう思っておりますので、よろしく御了承願いたいと思います。
○山元委員 大変御配慮をいただいておりまして感謝を申し上げます。私は次にJRについて要請をしていただきたいということを申し上げたかったわけですが、今後とも、技術的にもあるいは人材的にも豊富なJRに協力をいただくように運輸省からもぜひお伝えいただきたいというふうに思います。
 最後に、時間が参りましたけれども委員長と運輸大臣にお願いをしておきたいわけです。
 本日の私の審議は信楽鉄道についてが中心の問題でございました。けれども、この事故が起こって、私の同僚何人かからも、私の県にも第三セクターがあって大変心配しているんだ、大変注目しているんだという言葉がございました。どうか事の進展に合わせて、きょう限りではなしにぜひ続けて、この問題について信楽だけではなしに全国の第三セクターの命運にかかわることだというふうに考えて、再度また引き続いてこういう審議の場をつくっていただきたいというふうに思います。信楽のことは全国からいえば小指の先のことかもしれませんけれども、やはり小指が壊死をしてそれが命取りになることもあるわけですから、そういう意味で、ぜひ全国の一生懸命になって維持に頑張っている第三セクターあるいは地域の交通機関の充実あるいはこれからの発展ということを目指す審議ということでの継続を心からお願い申し上げまして、質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
○亀井委員長 次に、春田重昭君。
○春田委員 鉄道事故史上大惨事となりました今回の信楽高原鉄道とJR西日本の衝突事故、私は、亡くなられた方の御冥福と、またたくさんの負傷者の方々の一日も早い御回復を心から祈っているわけでございます。また、悲しいことに、昨日は運輸省の近畿運輸局の若き職員が、今回の事故の調査によりまして、その疲労で自殺したという報道もされているわけでございまして、本当に悲しいことであると思っているわけでございます。
 それでは、私は質問時間が二十分ということでございますので、限られた時間でございますが、四点について御質問さしていただきたい。一つは事故の原因でございます。二点目は事故の責任の問題、第三点目は補償の問題、最後に第三セクターの問題、この四点につきまして御質問申し上げたいと思いますので、ひとつ簡潔に御答弁をいただきたい、こう思っております。
 私も、党の調査団、また当運輸委員会として、現地に二回足を運びました。したがって、事故の概況は大体わかっているつもりでございます。
 事故の原因でございますが、現在滋賀県警を中心として捜査中でございます。警察庁としては、断定はできないとしても、ある程度の今回の原因をつかんでいると思っているわけでございます。どういうポイントがこの事故の原因となったのか、ひとつ警察庁の御感触といいますか御見解といいますか、それをこの場で御報告いただきたいと思っております。
○石川説明員 お答えいたします。
 本件につきましては、滋賀県警察において捜査本部を設置をいたしまして、現在全力を挙げて捜査を推進しているところでございます。捜査中でございまして、現在の段階では特定してはっきりこれが原因であるということは申し上げられないわけでございますが、本件事故のように単線上で列車が正面衝突をするということは本来起こり得ないことでございまして、運行上等何らかの人為的なミスがあったのではないだろうかということで考えておるわけでございます。
 警察といたしましては、引き続き事故列車の運行関係者等からの供述をいろいろ聴取をしているわけでございますが、こういうものの突き合わせあるいは事故列車、信号制御システム等についての検証による信号系統の作動状況、そういったような事柄を事実として確定をしてまいりまして、また押収しております運行関係書類等がたくさんございます、そういうものを分析をいたしまして所要の捜査を推進してまいりたい。
 さらに、この問題は大変鉄道交通特有の専門的な知識、技術というものが事故原因の解明のために必要でございます。そういった意味で、部外の専門家に鑑定を依頼をするといったようなことを行いまして事故原因の究明を行いますとともに、刑事責任の有無、その所在というものを確定してまいりたい、このように考えているわけでございます。
○春田委員 今回の事故は機械的な信号の故障と人為的なミスが二重、三重に重なった事故であろうと思っておるわけでございますが、いわゆる事故の責任ですが、私たちが現地に行っていろいろな調査をする、いろいろな関係者の御報告を聞く、マスコミの報道等、これによれば九〇%は信楽高原鉄道側の責任みたいに感ずるわけでございますが、警察庁としては現時点でどうでしょうか。
○石川説明員 ただいまもお答え申し上げましたように、捜査を一つ一つ丹念に積み重ねまして総合的な判断をいたしませんと、刑事責任の有無、所在というものは確定しないわけでございまして、そういう総合的な判断を行えるような捜査資
料の分析等をこれから行っていくということで御理解いただきたいと思います。
○春田委員 運輸省にお伺いいたしますが、運輸省は安全点検を現地でなさいましたね。運輸省のその御見解はどうでしょうか。
○松波説明員 お答えいたします。
 我々といたしましても、二度とこういう事故がないようにというかたい決意のもとに、先生も御指摘ございましたが、今現在いろいろ調べておりまして、十七、十八日におきましても現地へ監査に行っていろいろ調べておりますが、限られた環境の中でございますので、資料とかあるいは物を見るのも難しい状況にございますけれども、これからも引き続き努力をいたしまして、この原因について徹底究明を今いたしているところでございます。
○春田委員 単線の信楽高原鉄道にJRが乗り入れたことによりまして、鉄道事業法や省令によりまして、協定書、三通りありますね、また運転取扱心得をお互いにつくりまして運輸省にこれが届けられております。運輸省は、これらの協定書また運転取扱心得、これらのとおりJR西日本も信楽高原鉄道も守っていたかどうか。先ほどから大臣は、いわゆるマニュアルを守っていればこういった事故はないとおっしゃっています。恐らく守ってなかったのでしょう。どういった点が守られてなかったのか、具体的にひとつ簡潔に御答弁いただきたいと思います。
○松波説明員 お答えをいたします。
 今時点でいろいろ調べている最中ですから断定的には難しいかと思いますが、我々といたしましては、今回の場合の一つとしましては、常用閉塞は一般的な運行でございますけれども、故障等があった場合には代用閉塞、先ほども冒頭で説明がございましたが、代用閉塞を使う場合には、必ず前に列車がいるかいないかを確認しながら、そのために人を派遣しまして確認した上で出さなければいけない、こういうルールがあるわけでございますけれども、例えばこういうようなルールをきちっと守っていたのかどうか今一生懸命調べている最中でございますけれども、そういうところから話が出るのではないかと思います。
○春田委員 代用閉塞はどこが守らなかったのですか。
○松波説明員 代用閉塞について具体的に申し上げますと、まず人を決めまして、そして……(春田委員「わかっているよ、どこが守らなかったかということだよ」と呼ぶ)はい、お答えを申し上げます。
 それは、信楽駅から出るときにその代用閉塞を使うと決めたとき、そちら側でございます。
○春田委員 ということは、信楽高原鉄道側ということですか。
○松波説明員 今申し上げました信楽駅から出た場合の例でございますから、したがいまして、その出るときの手続におきまして代用閉塞の基本的なルールに乗っかっていたかどうか、ここの点でございます。
○春田委員 わかっています。だから、今回それを守らなかったのは信楽高原鉄道側かJR西日本か、どっちかと聞いているのです。
○松波説明員 お答えをいたします。
 このケースが可能性としては非常に高いと、我々は現段階の調べではそう思っております。(春田委員「どっち側かと聞いているんだよ」と呼ぶ)大変失礼をいたしました。代用閉塞のルールを守っていない可能性の高いのは信楽高原側でございます。
○春田委員 代用閉塞は信楽高原側が守らなかったということは言えると思うのです。
 しかし、私はJR西日本にも、先ほど同僚質問があったように、これは「直通乗入運転に関する協定書」の中には、JRが列車で五分以上遅延が生じた場合には信楽高原側に連絡するようになっております。ところが、運輸省の報告では六分おくれとなっていますね。六分おくれたら、代用閉塞しなかった信楽高原鉄道側も責任があるけれども、JR西日本としても当然高原側に連絡すべきなんです。これがやられていない。これは私はJR側にも責任があるのではなかろうかと思いますが、どうでしょうか。
○大塚説明員 私どもの監査の際、亀山運転指令所もその対象といたしましたが、この亀山運転指令所の記録によりますと、当該列車の貴生川駅の発車時刻は、定時、これは十時十六分でございますが、これより二分おくれとなっております。ただ、信楽高原鉄道側では六分おくれと言っておりますので、その相違する原因については調査を行っているところでございます。
○春田委員 時間の点はこれから調査いただきたいと思いますが、JRの方から高原側の方には連絡は行っていませんね。
○大塚説明員 連絡は行っておりません。
○春田委員 五分以上おくれて連絡してなかった場合、それが認められた場合、その原因がはっきりした場合は、これはJR側の不法行為と見られますか。
○大塚説明員 報告をしなかったという義務違反になりますが、それがこの事故にどの程度結びつくかは、さらにその際に検討しなければならない問題だと考えます。
○春田委員 事故の最大の原因じゃないですか。連絡したら高原側は出ないじゃないですか。事故の最大のポイントですよ、これは。不法行為じゃないですか。
○大塚説明員 まだ双方の意見が違いますので、どちらが正しいか、これから調査をしなければならないと考えております。
○春田委員 だから、五分おくれたのが認められた場合は不法行為じゃないかと言っているんですよ。
○大塚説明員 報告義務違反でございますが、その報告がおくれたことによってどのような影響を与えたか、これはその際にまた調査をしなければ、現在ちょっと申し上げるわけにはいかないと思います。
○春田委員 だめですよ、そんな。大臣、どう思いますか。これは不法行為かどうかによって高原側が求償権があるんです。補償費の求償権があるかどうかは不法行為によって高原側がJRにあるのですから、大事なポイントですよ。大臣、どうですか。
○村岡国務大臣 大塚総括審議官はいろいろ慎重にお答えしたと思いますが、私今この協定書を見ますと、「直通列車について、次の場合は相互に連絡し合うものとする。」「列車に五分以上の遅延が生じたとき。」こうなっております。
 今のお話は、JR側が二分おくれだ、信楽高原鉄道側は六分おくれだ、このどっらが正しいか今調べておる、こういう状況でございますが、仮にまあ五分おくれたと仮定をした場合に、これはこの協定書違反だということは認められると思いますけれども、それがまた全面的な、これが状況でということが信楽鉄道側にもあるか、JRにもあるかというようなことについては、まだ警察あるいはまた我が方での調査が進まないとわかりませんので、五分以上もしおくれて報告をしてなかったということになれば、これは不法行為ということ、協定無視だということにはなると思います。
○春田委員 そうですよ、そうだと思いますよ、私は。
 時間がございませんから、次に第三点目で聞きたいのは、第三セクターの問題を先に聞きたいと思います。
 今全国に第三セクターは三十五あります。赤字路線から転換した路線が三十三あります。その三十三の中で、実際の黒字を出しているのは七つ、残りの二十六は赤字鉄道なんです。これからこの第三セクターは整備新幹線が着工されたらどんどん申請されてくると思うのですね。免許権者は大臣です。
 ところが、現在の免許基準には五項目ありますが、確かに「輸送の安全上適切なものであること。」と書いていますが、これがちょっと、やはりどうしても今第三セクターというのは今言ったように赤字になっているところが多いものですか
ら、いわゆる利益優先になっている面がございます。安全面の設備、人的な配備、教育、どうしてもなおざりになっておりますので、そういった面で私は、今回の一つの教訓として安全面を非常に充実する必要がある、そういったことで、五項目ありますが、これをさらに付加して安全面をやはり厳しくやっていく必要があるんじゃないか、こう思っております。
 それからもう一点は、これは新しく第三セクターを申請する関係です。現在、第三セクターがいわゆる経常損益を出した場合は、開業から五年間、損益の十分の五といいますか、二分の一を補助しておりますが、私は今回、こういったことでかなり赤字会社が多いものですから、補助の内容、また金額、さらに期間の面、こういった面もさらに充実していく必要があるんじゃないか、強化していく必要があるんじゃないか、こう思っておりますが、この二点について簡単に御答弁いただきたいと思うのです。
○村岡国務大臣 この第三セクターとかこういう地方の弱小の場合、利益を上げるよりも利益を出さないということだと思っておりますが、いずれにいたしましても、先ほどもお答えしましたが、立ち入りをいたしまして総点検をやる、安全面もおろそかになっていないかというようなことももちろんいたしますし、私自身も、いろいろこの事故にかんがみまして、全国にいろいろございますけれども、今二分の一の補助だ、しかし五年で打ち切りだ、この方法も、五年が間もなくやってくるところも順次出てまいりますし、この点についても、どういう方法がいいか、これを契機に検討
を始めたい、こう思っております。
○春田委員 新しく免許申請についても安全面をより充実するように基準を私は見直していただきたい、こう思っております。
 それから、補償の問題ですが、今おっしゃったように保険の総額は三億円です。今回のような大事故については、もうとてもじゃないがおぼつかない、一説によると二十億から三十億かかるんじゃないかと言われております。
 そこで私は、今回の事故を契機として大型の保険が必要になってくるんじゃないか、こう思います。現在、全国の第三セクター鉄道会社がことしから独自で災害共済基金の積み立てを始めたわけでございますが、これはあくまでも災害ですね、天災とか自然災害、こういったことでございまして、事故は対象にはなっておりません。そういったことで、今回のような不測の事態により廃線の危機に陥らないためにも、私は全国の中小鉄道のために事故と災害を兼ね合わせた補償保険制度等を創設するように、これは運輸省として具体的に検討するように特にお願いしたい、こう思っております。この点どうでしょうか。
○佐々木説明員 今お話にございました自然災害を対象にしました共済制度というのは、第三セクター鉄道等協議会で設けられておるわけでございますが、これは具体的には事業者の出資金によりましてそれを積み立てまして、それから限度額が六千万円を限度に融資をするというような制度でございます。対象はもちろん自然災害ということでございますので、直ちにこれを同じように事故の場合に適用するには、額の面、あるいは融資とそれから出しっ放しとの違いの面というようなことで差があるわけでございますので、直ちにこれを拡大していくことができるかどうかというのはかなり難しい点があると思います。
 いずれにしましても、現在の保険制度には非常に問題があると思いますから、三億円というようなことではなくてもう少し被害をカバーする範囲が大きくなるような方向で検討を始めたところでございます。
○春田委員 それでは、もう時間が参りましたので、最後に要望だけ申しておきます。二点ございます。
 同僚議員からもお話があったとおり、一つは第三セクターが存続するかどうかという問題でございます。私たちは地元に行きまして、関係者からは地元の足としてなるたけ廃線しないで残したいという希望が非常に強かったように思いますので、その点は地元の意向をよく聞いて運輸省としては対応していただきたい、こう思っております。
 それから、補償の問題につきましても、運輸省ができないならば、自治省としていわゆる高原会社または滋賀県に対しましてそういった十分なる交付金なりまたいろいろな面で援助していただきたい、支援していただきたい。このことを強く要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○亀井委員長 次に、草川昭三君。
○草川委員 十分間でございますので、簡潔な御答弁をお願いを申し上げます。
 国鉄の分割・民営の際の一番の議論は、安全性確保、人命軽視に陥らないようにというのが一番大きな課題だったと思います。そういう意味では、今回の事故発生で国の責任は基本的に非常に重要なものがある、私はこういう認識を持っております。その点をまず念頭に置いて運輸省も御答弁を願いたいと思います。
 事故当日、近畿運輸局は信楽高原鉄道を査察するために三人の担当者を派遣いたしております。問題は、一日一万人の陶芸祭、一万人の方が参加するので現地は大わらわですね。しかも、現業の働く方はわずか十四名の第三セクターになぜこういうときに運輸局は査察を行うのか、私は大変疑問があります。
 二番目。同時に、信号通信の故障ということは同僚議員がかなり指摘をいたしております。信号通信に故障があったということを近畿運輸局は当然知っているはずであります。でございますから、当然この三人の担当官の中に専門家がいなければいかぬはずでありますが、残念ながらいませんね。その理由は何か、お答え願いたい。
○佐々木説明員 まず第一点でございますが、この時期に査察を信楽高原鉄道株式会社に対してした理由でございます。
 近畿運輸局におきましては、春の全国交通安全運動の一環としまして、同局管内の鉄道事業者に対しまして、五月十八日から同月二十日までの間、踏切道の安全確保、それから鉄道妨害の防止、鉄・軌道の安全確保、広報活動の推進の四項目を重点実施項目としまして、事業者の安全運動の実施状況を査察することとしておりまして、信楽高原鉄道に対する査察はその一環として行うことを予定していたものでございます。
 なお、このほかに、春の全国交通安全運動の一環として査察を予定しておりますものは十三業者ございます。
 それから、第二点でございますけれども、信号機器の故障について知っていたではないかということでございますけれども、信号機器が故障をしたということにつきましては、その当時は報告がなかったわけでございますので、知り得ていなかったということでございます。
○草川委員 それは大変おかしいんです。実は私ども、五月十七日、現地の調査の上に公明党の運輸部会が運輸大臣に申し入れを行っております。その際、私は、この近畿運輸局の三人構成の査察は多過ぎるんじゃないか、世界陶芸祭の見学目的をあわせ持っていたのではないか、こういう指摘をしました。その際、松波安全部長は、それは違う、実は帰りにもう一つの近江鉄道の監査があるのでたまたま三人が一緒になったにすぎぬという答弁を私にいたしました。
 しかし、事実は、今局長の答弁がありましたように、五月十四日は信楽へ行き、そしてその帰りに近江鉄道へ三人がチームになって行っておるわけですから、過日の運輸大臣室における答弁は間違っていたのではないですか。お答え願いたいと思います。
○松波説明員 今先生御指摘ございました運輸大臣室に来られましたとき、私も立ち会っておりましたが、この問題につきましては、先ほど局長の方からも説明がございましたように、三人が、スケジュールといたしまして、午前中に信楽高原鉄道株式会社の添乗査察あるいは本社の査察をいたしまして、引き続きまして貴生川駅から近江鉄道
の方の添乗査察あるいは安全対策の実施状況等について行く予定になっていた、こういうふうに承知いたしております。
○草川委員 時間がないのでやりとりは別といたしまして、安全週間だから査察を行ったと言っていますね。他の陸運局、今でいうと運輸局、全国にたくさんの運輸局がありますが、安全週間中を理由に査察を行っているのは余りありませんよ、私は全国のことは知りませんけれども。
 本来ならばどういう査察をするかというならば、JRが乗り入れをする、じゃ乗り入れをするならどうすべきかというので、待避線もつくった、あるいは通信機材も新しい信号もつくりました、そのために査察を行うべきなんですよ。
 そのときに査察を行わなくて、安全週間だからといって三人チームで来る。しかも、信楽でいたのは、十一時十六分に貴生川を出て二十二分間の同乗をする査察、そして約一時間のヒアリング、そして食事をして、全部でトータル四時間ないんでしょう。三時間何分でしょう。三時間何分で本来の査察ができますか。よその運輸局は、少なくとも第三セクターで乗客を扱う場合は二日間くらいやっていますよ。そして、いわゆる臨海鉄道のような貨物の場合は五年に一回くらいだけれども、それでもやはり二日なり三日なりの査察を受ける。乗客の場合は二年に一回くらい二日なり三日なりの査察を受ける。近畿の場合は三時間くらいずつの、本当にこれは視察ですよ、形式的な見学にすぎぬ。
 こんなことを繰り返しておったって本当の査察にならぬと私は思うのですが、その点はどうですか。
○松波説明員 お答えをいたします。
 今、近畿運輸局におきましては、査察といたしましては、毎年春、秋の交通安全運動だとか安全運動推進月間あるいは年末年始の総点検、こういうような機会をとらえまして、チームを組んで関係事業所に、実際の実施状況等安全に関する取り組み状況を、重点項目を決めながら現場に入りまして御説明を聞くなり施設の状況を見てまいるわけであります。
 今回の場合にも、三人で行っておりますのは、それぞれ役割分担を決めまして、鉄・軌道等の安全確保あるいは踏切道の安全確保、鉄道妨害の防止あるいは広報活動の推進等、役割を決めながら、限られた時間ではございますけれども、現地へ参りまして実際を見てまいり、お話を聞いて、そして我々の安全確保のための業務の遂行をいたしているところでございます。
○草川委員 もう時間が来たのでこれで終わりますけれども、大臣に答弁を願いたいのですが、信楽高原鉄道というのは第三セクターですね。相撲でいうならば幕下ですよ。JRというのは、相撲でいうならば少なくとも横綱ですよ。運輸局というのは、相撲協会でいうなら理事長ですよ。理事長が現地へ調べに来るというなら、もう末端の方はびびるわけですよ。だから、びびるからこそ出発を焦ったんでしょう。出発を焦ったがゆえに信号点検中の赤であるにもかかわらず、運輸局の調査があるからといって急いで列車を発車させたんじゃないですか。そういう経過があるわけですよ。
 こういうことをしっかりとつかんで、第三セクターの点検をするならば、一日に一万人とか二万人とか集まるような大変なイベントがあるときには、わずか十四人でしょう、運輸局はほかの日に査察を避けるべきですよ。暇なときとは言いませんけれども、通常なときに点検してあげたらどうなんですか。そういう配慮なくして何が春の交通安全週間ですか。何が点検活動ですか。私はそういう今の運輸省の基本的な態度が問題だと言うのです。
 私も他の第三セクターの方々にお話を聞きました。今言ったように、JRは大変大きな力ですよ。まして運輸局なんというのは大変怖い存在ですよ。だからこそ常務が運転台に立って走ったんでしょう、わざわざ常務が先頭になって。そういうあり方というのをよく考えて、少なくとも大きなイベントのときには避けるというような配慮があってしかるべきだということを運輸大臣は行政指導をすべきだ、私はこういうように思うのですが、その点の答弁を聞いて私の質問を終わりたい、こう思います。
○村岡国務大臣 本来、業務が多忙なときの安全性の確保の状況を査察することが望ましいということを運輸省から聞いておりました。
 しかし、当日はもう六百人も三両に乗っていた、こういうような異常な混雑のとき、しかも、JRと違いまして従業員が十四名ほどしかいないというような場合に、先生おっしゃいますように、事業者の負担となる、あるいは安全上の問題も出てくると思いますので、今後、査察の実施方法等につきましては、先生の御指摘も踏まえて、そういうような状況で指示をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○草川委員 以上で終わります。
○亀井委員長 次に、佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 改めて四十二名の亡くなられた方の御冥福と、重軽傷を負われた方々の一日も早い御回復を祈りつつ、質問をいたします。
 今回の事故は、JR移行後最大の鉄道事故というだけではなくて、鉄道史上まれな大惨事ということであります。私も党の調査団として二日参りました。被害者の方のお見舞いや、関係者から詳しくお話をお聞きいたしました。また、委員会の調査でも参りました。やはり何といっても今度の事故は、国鉄の民営・分割に前後して、いわゆる赤字路線として切り捨てられ、第三セクターで運行されている、そこで起きた、しかもJRの列車の乗り入れの中で起きたという点に大きな特徴といいますか、重大な問題があるというように考えております。
 限られた時間でありますので端的にお聞きしていきたいと思っておりますが、直接的な事故原因の究明、刑事責任、こういう問題と同時に、そういう状態を余儀なくされたといいますか、そういう状態が生まれていった諸条件、要因ですね、そういった点につきまして、運輸行政、交通政策という角度からやはり十分に解明していくことが、本当の意味の事故の再発防止、国民の安全を守るという上で欠かせないことだというふうに私は考えております。
 その点でお聞きしてまいりますが、まず最初に、六分おくれ、二分おくれの問題でやりとりがありました。私もこれは大変疑問を持っておりまして、運輸省の発表は、当初から公式の文書で、しばらくは六分おくれということで発表してこられた。そのときには注釈がなかったんですよ。無限定に、信楽駅が十一分おくれで、貴生川駅の方は六分おくれということで発表してこられた。その後、JR西日本が二分おくれということを言い出した、途端に運輸省は注釈を加え始めた。その経過の中で私は釈然としないものを実は感じているのです。
 先ほどの大臣答弁で、これは明らかに協定違反だという点は認められました。協定違反ということだけでなくて、五分以上おくれの場合には連絡し合うこととするということが協定の内容ですから、むしろ六分おくれならば、その時点で連絡をしておれば、十時二十二分ですから、まだ信楽駅を高原鉄道の列車が出発していない前ですね。出発する前に連絡がつくということになるわけですね。もし六分おくれが事実で、連絡が行われておれば事故が防止できたという重要な問題なんですね。こういう重大な、これほどの大事故についての運輸省の発表文書がそういうものであった。後から何か弁明的、訂正的な発言をされるようなものであったというのは、私は大変奇妙なことだというように思うのですが、どうなんでしょう。
○大塚説明員 先ほども申し上げましたが、JR西日本側は二分おくれと言っており、また事実、私どもがJR西日本の亀山運転指令所を保安監査した際の同指令所の記録によりましても、定時より二分おくれとなっております。しかし一方、信楽高原鉄道では、総務課長等の言で六分おくれと言っております。この相違する原因につきまして
は、これが列車の遅延でございますので、乗客も確認することが多かろうと思われ、捜査当局でも調査中だと思われますし、私どもの方でもこれから調査をしていきたいと考えておりますが、今の段階ではどちらが正しいか結論が出ませんので、双方の主張について申し上げているところでございます。
○佐藤(祐)委員 私が言いましたのはそうじゃなくて、当初は六分おくれという発表を繰り返しやっておきながら、JR西日本が違う発表をしたら途端に、それに合わせるかのように注釈をつけ出した、こういうやり方はおかしいんじゃないか。運輸省の責任ある発表文書ですよ、当初の文書は。その段階で六分おくれと運輸省が発表したものは、JRの列車なんだから、当然一方から意見を聞いて記載するというんじゃなくて確認するのが当たり前じゃないですか。それもやってなくて、後になって訂正的にやる。大変疑問です。そのことを申し上げておきたい。
 さらに、けさの地元関西の方の新聞では、五分を超すおくれがあったという複数の証言が出てきている、JR側にも過失が強まるという報道が一面トップで大きく行われております。これは近江鉄道の職員の人の証言でありますとか数多くの証言が出てきているようです。ですから、この点も非常に事故防止にかかわる重要なポイントですから、厳正に運輸省は対応してもらいたいということを申し上げておきたいと思います。
 それから二つ目には、多くの関係者、国民が疑問に思っていることは、一つのポイントは、JRの列車が小野谷の信号所に入ってきたときに、待避線に当然入っておるべき高原鉄道側の列車が入っていなかった、だからJRの運転士さんも、変だな、おかしいなと思いながらも信号が青だったから進行していった、こういうことですね。こういうように言われている。信号が青だったかどうかの最終決定はまだ出ておりませんけれども、そう言われておる。私もその点大変疑問に思うのです。
ダイヤもいただきましたが、ダイヤ上は待避線に入っていなければならぬわけですね。それが入っていない。これは異常事態ですよ、本来は入っているべき列車が入っていないわけだから。そこですれ違う列車が入っていないわけですからね。だとするならば、見てきましたが、すぐ線路わきに電話もあるのです。そこでなぜ電話一本かけることができないのか。電話一本かければ事故は防げた。
 この点でも、現地で事情を聞きましたら、JR西日本の幹部の皆さんは、青なら走るのは当然なんだ、この一点張りですよ。青なら走るのは当然で、JRには一切落ち度がない、こういう言い分ですね。運輸省はどうなんですか。信号が青ならばどんな通常でない異常事態が起きておっても突っ走れというのが運輸省の指導方針ですか。
○松波説明員 お答えをいたします。
 今先生御指摘の小野谷信号場におきますところのすれ違い箇所における列車の運転のことでございますが、基本的には、乗り入れ列車につきましては信楽高原鉄道側の運転取扱心得、いわゆるマニュアルといいましょうか、これに従ってやることになっております。この運転マニュアルによりますと、通常の場合でございますと、ここは特殊自動閉塞方式になっておりまして信号の現示に従いまして運転をされることとなっておるわけであります。したがって、一般的には青信号の場合はそのまま進行するということになっておりますけれども、先ほど来先生いろいろ御指摘がございますが、今回の事故にかんがみまして、乗務員が何らかの異常を感じた場合に運転指令と連絡することの要否につきまして、御指摘のような方法も含め今後の課題として検討してまいりたいと考えております。
○佐藤(祐)委員 私は率直に言いまして、JRになってから収益性、採算性と安全性の問題で重大な変化が起きてきておるというふうに感じております。国鉄時代には安全が第一、重視するという立場がそれなりに徹底しておったと私は思うのです。きょうの冒頭の大臣の御発言でも、鉄道の「最大の使命は安全の確保にある」ということをおっしゃった。マニュアルどおりならば事故が起きないはずだと思っておったけれども、現実に事故が起きた、だからマニュアル、仕組みそのものの徹底的な洗い直しをやりたい、こうおっしゃっておられる。私はその姿勢は大事だと思う。
 国鉄の時代に安全の確保に関する規程というのがあったはずですが、もちろん御存じでしょうね。それがJRになってどう変化したか答えていただきたい。
○大塚説明員 運輸省令で運転の安全の確保に関する省令というものがございまして、これに安全の基本に関する綱領のようなものがございますが、これにほぼ準じた形でJRは定めております。
○佐藤(祐)委員 違うんじゃないですかね。大事な点が私は変化していると思いますよ。
 ここに持ってまいりました。国鉄時代に使われておりました運転取扱基準規程という割合分厚い冊子です。いろんな基準が詳細に書かれているというものですが、その冒頭に、安全の確保に関する規程、安全綱領というのが掲げられている。まず安全から始まっているわけです。いかに安全を守ることが大事かということです。
 五項目あります、安全綱領は。第一が「安全は、輸送業務の最大の使命である。」というところから始まりまして、五つありまして、五番目にこういうことがあるのです。「疑わしいときは、手落ちなく考えて、最も安全と認められるみちを採らなければならない。」これがあるのです。つまり、実際に列車を運行しておりまして、ちょっと異常がある、普通ではない、疑わしいという状況に遭遇したならば、よく考えて最も安全と認められる道をとらなければならぬ。実際にどういう訓練であったか、教育であったかということを国鉄の運転士をやられた方に聞きました。そうしましたら、今回のようなケースの場合ならもちろん一も二もなく電話連絡をするんだ。そうでなければどんな異変、異常が起きておるかもわからぬからこういう規定があったのです。安全綱領の一つの柱としてあったわけです。これに続きまして各条いろんな規定がありますが、十七条その他でも詳細にそういう場合にとるべき対応というのを定めているわけです。こういう五項目の安全綱領があった。
 JRになってそれに相応するものはどうなったかといいますと、そういう具体的な文言はありません。これはきのう役所からいただいたものです、それに照応するものを出してもらいたいということで。それでは、「安全の確保は、輸送の生命である。」「規程の遵守は、安全の基礎である。」「執務の厳正は、安全の要件である。」こういう抽象的な文言の三項目だけになっている。
 それで大臣、さっきおっしゃったように、本当にこの機会に徹底的に洗い直すといいますか、マニュアルを含めて、そういうことをおっしゃったわけですが、やはり私は国鉄時代の安全重視のこの観点、これを取り入れるべきだ。いかがですか、それは。
○村岡国務大臣 先ほども安全の確保は最大の使命であるということでお答えを申し上げました。したがいまして、先ほども答弁いたしましたように、いろいろな運転についてのマニュアルその他、従来これで十分だと考えておりました。それがまた、今推定いたしますと、その方法がとられていなくて残念ながらこういうような事故が起きた。マニュアルに対しても総点検をしなければいけないし、安全問題についても今御指摘のようなことを検討して、必要であればそういうふうに指示をしていきたい、こういうふうに考えております。
○佐藤(祐)委員 私は、運輸省自身がこの安全問題について本当に厳正に洗い直してもらいたいということと、JRに対する指導ですね。JRの態度は、さっきからの質疑でもありましたけれども、ともかく自分たちは規程は守っているから落ち度はないんだ、その一点張りなんですよ。あるいは
二分おくれの問題にしましても、六分おくれだと報告の義務が生ずる、それに違反することになるから二分おくれと言っているんじゃないかとか、JRは既に法廷対策に入っているというように指摘している人もいるような現状ですね。
 そんなことじゃないと思うのです。違反してないから落ち度がないんじゃなくて、現に本当に深刻な事故が起きたんだから、だからその事実からどう謙虚に学ぶか、反省すべき点はあるのかないのか、そういう姿勢が全然感じられないのです。現地で西日本の対策本部の社長以下安全対策部長、室長とかに事情を聞きましたけれども、そういう真摯な姿勢は私は感じられなかった、いかに自分たちのそごはなかったかを防衛するという一点張りです。こういう点について厳しく指導してもらいたいということを私は要請したいと思います。
 もう一つは運輸省にかかわる問題ですが、今回の事故で、やはり一つ流れの中で大きなポイントは、今度の陶芸祭が始まる以前は単線運転で一車両が往復していただけですから、信号も要らないし、衝突事故はもちろん起こり得ない、踏切の心配だけということだったわけですね。それが、待避線をつくり、信号システムを導入する、その中で今度起きたわけですね。ということは、その時点、新しいシステムと待避線ですね、行き違い線、これを設定したときに、そういう重大な設備の変更ですね、これをやったときに、どれほど入念に準備をし、また点検をしたか、これが問われるんだと思うのですよ。当然、大きな変更ですから、運輸省が監査といいますか点検といいますか入っているはずだと思いますが、どうですか。
○松波説明員 お答えをいたします。
 今先生御指摘の世界陶芸祭のために、輸送増強の見地等から、御指摘がございました貴生川―信楽間に列車の行き違い設備といたしまして小野谷の信号場を設けたわけでありますが、この信号場の両端に信号機を設けまして、かつまたATSの地上設備を設置いたしております。また、閉塞方式につきましても新しい閉塞方式への改良等が行われておりまして、設備の近代化が図られております。
 さらにまた、JR西日本との直通運転につきましては、信楽高原鉄道、それからJR西日本におきますところの……(佐藤(祐)委員「時間がないから質問に端的に答えてください。経過はわかっています」と呼ぶ)はい、わかりました。
 それで、ハードの面におきましては今御説明申し上げましたようなことになりまして、その変更がございました鉄道施設につきましては、手続をとると同時に検査を実施いたしております。平成三年三月七日、八日の両日にわたりまして検査が行われておりまして、その結果、信号機とかポイント等の構造及び動作状態につきましては異常は認められず、安全上には問題がなかったと聞いております。
○佐藤(祐)委員 ところが問題が起きたわけですね。
 しかも、今回の事故の前に、四月に、これは新聞報道でありますが、信号トラブルが二回起こっている。信号のトラブルです。今検査されたと。それは鉄道総合技術研究所が検査をしたようですが、問題なしという報告があった。ところが、四月に入って八日と十二日にやはり同じように信号が赤のままで変わらないということが起きて、いわゆる代行のやり方でやったということですね。タブレットがわりに人間が乗っていくというやり方ですね。これを二度やっているのですよ。二時間と八時間ですか、回復するまで時間を要している。重大な事故だと私は思うのですが、二回の事故についての報告はあったんですか。報告を受けてどうしたか。
○松波説明員 お答えいたします。
 今御指摘のございました信号の故障につきましては、最初は報告を受けておりませんが、これを我々知りましたのは、このたびの監査に入りましたときにJR西日本の方から資料を入手いたしまして故障の二件を承知したわけでございます。そのときの処置といたしましては、いろいろ原因を調べまして、リレー等の状況が悪く、それが原因かということで対策をとられた、こういうふうに伺っております。
○佐藤(祐)委員 そこで私一つ大きな問題があると思うのですね。
 三月七日、八日と監査に入って、点検に入って、よしと出た。その後二度トラブルが起きたということですね。それは今回のトラブルと大体同種のトラブルのようです。これは新聞報道ですから定かには言えませんけれども。その時点で再度点検が行われていればこれは防げた。そういういろいろな問題がこれはあるわけですね。積み重なってきている。これは運輸省にも重要な私は責任があるというように思います。
 同時に、こういう問題ではJRがやはり蓄積もあるしノーハウも持っているわけだから、これも高原鉄道任せにするんじゃなくて、JRがもっと私は積極的に設備変更の際にかかわっていくべきだったというふうに思うんですが、この点もどうもそういう姿勢ではなかったですね。聴取の中で社長に言いましたら、社長は困惑したような顔をしていた。高原鉄道の中で設備はつくりなさい、私たちは車両と運転士を貸しますというぐらいのこと。
 時間がなくなってまいりましたので、最後に、まとめた形になりますが、大臣に要望といいますか、申し上げたいと思います。
 今回の事故は、第三セクター、これはいわば国の方針のもとに起きたことですね。要するに国鉄から切り離されて、地元の人たちが必死に何とかふるさとの足を守りたいというので、信楽の町長さんは大阪駅の方まで行ってふるさとの足を守るための呼びかけをされたそうですよ。本当に懸命の努力であの線は守られてきたわけですね。しかし、いかんせん経営基盤は弱い。だから体制的にも非常に弱いです。肝心の今度問題になりました信号系統ですが、保安要員、保安担当の人は二人しかいませんね。しかも電気関係の担当の人は社員では一人もいないのですよ。下請の業者の方が、何とか電業というところの人が来てやっておられたというような状況ですね。これは、赤字を出さないために必死の努力をしている、多くの第三セクターが大同小異だろうと私は思うのです。本当にぎりぎりの要員体制で背伸びをしながら必死に頑張っている、こういう状況ですね。そういう第三セクターの人たちは、今回の事故は本当によそごとではないというふうに思います。
 ですから、補償の問題もありますし、再建問題、本当に課題がたくさんあるわけですけれども、私は大臣にぜひ要請をしたいのは、国の運輸政策、交通政策として第三セクターというのは生まれていったわけですね。必死の頑張りを地元でやっておられる、しかしそれにも限度があって、そういうことも大きな背景になって今回の事故が起きていると言っていいと思うのですね。それだけに、そういう国の責任という立場で、直接的ないわゆる刑事責任的事故解明だけじゃなくて、どうしてそうなったか、要員はもっと必要ではなかったかとか、その場合、じゃ赤字が出たらどうするのかとか、本当に安心して地方の足が守られるという方向でぜひ交通政策、運輸行政、これを見直すべきだ、見直してもらいたい。
 補償、再建については本当に国としても誠意を持って当たるという答弁もなさっておられますが、私は言葉だけでなくて、本当にあれだけの補償をするのは自治体は大変ですよ、とてもできない。国として本当に真剣に取り組んでいただきたい、そういうことを御要望したいと思います。大臣、いかがですか。
○村岡国務大臣 時間もありませんので、先生言われました補償の問題については先ほど来たびたび申し上げておりますが、誠意を持って指導に当たりたい、こういうふうに考えております。それから再建問題につきましても、既に昨日滋賀県側から参りましたので、JRにも相談に乗るように指示をいたしました。
 さらに、全国にはこういう第三セクターがござ
いますので、五年間二分の一の補助はあるわけでございますが、だんだん切れてまいりますし、税制改正の方も考えていかなければなりませんし、総点検の間で、本当に安全の確保の人員ができているのかどうか、こういうこともこの事故にかんがみ、その結果が出れば改善をしていきたい。
 こういうことで、二度とこのような事故が起こらないように十分な対策を立てていきたいと考えておりますので、先生方の御指導も今後お願いをいたしたい、こう思っております。
○佐藤(祐)委員 終わります。
○亀井委員長 次に、高木義明君。
○高木委員 まず初めに、信楽高原鉄道の事故についてお尋ねをいたします。
 私も、今回この事故によりまして亡くなられました四十二名のとうとい犠牲者の方々の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、負傷をされました四百四十九名の方々、そしてまた御家族に対しましても心よりお見舞いを申し上げたいと思うわけでございます。
 重複する点もございますけれども、この問題の重要性によりましてお許しをいただきまして、私たちの立場からも若干のお尋ねをしてまいりたいと思います。
 日ごろの、例えば新幹線を初めといたしまして都心におけるJR、民間鉄道あるいはまた地下鉄、こういった目まぐるしいほどのダイヤのスケジュールの中で鉄道業務が行われておるこういう世の中にあって、まさしく考えられない事故がこの信楽高原鉄道で起きたと私は思っております。今持っておる鉄道業務者のノウハウをもってすれば、恐らくこういう事故は考えられないというのが私の率直な実感であり、また今回の模様であったのではないかと思っております。
 特に大事な原因究明につきましては、私は早期の究明をお願いをしておきたいと思いますが、この真相究明につきまして今後さらに進んでくるものと思われます。またその過程の中でこういう機会もあると思いますので私は特に触れませんけれども、まず冒頭、運輸大臣に対しまして、事故が起こりましてきょうまで、五月十七日あるいは十八日の運輸省の保安監査等を踏まえて、この問題に対する御所見を賜っておきたいと思います。
○村岡国務大臣 今回、信楽高原鉄道におきまして、多数の死傷者が生ずるという悲惨な事故の発生を見ましたことは、運輸行政を預かる者としてまことに遺憾に存ずる次第でございます。本事故で亡くなられた方々に対しまして心より哀悼の意を表明いたしますとともに、けがをされた方々に対しましても一日も早い御回復をお祈り申し上げる次第でございます。
 運輸省といたしまして、この事故の重大性にかんがみまして、早速同日付で対策本部を設けまして、私自身が現場に参りまして、亡くなられた方々の弔問あるいは傷つかれた方々のお見舞い等、また警察、消防あるいは各お医者さんの方とか日赤の方々とか、県あるいは町の方にも御協力をお願いを申してきたところでございますけれども、帰りましてから、いろいろ状況にかんがみまして、徹底的な事故原因の究明と、そして二度とこのような事故が起こらないように、さらには被害を受けた方々の支援に十分遺漏なきよう指導してまいりたい、こう考えております。
 先ほど来のいろいろな質疑に対しまして、当初はこういうようなマニュアルをやればこんな事故はとても起こらないというように私どもは唖然としておったのでございますが、現実には起きておりますので、従来のマニュアル方法でいいのかどうか、あるいは通常、専門になりますとうっかりというか、こんなのは大丈夫だ、こういうようなものを二重、三重に防げることがないのか、こういうようなことも検討して、二度と起こらないように十分に注意してまいりたい、こう思っております。
○高木委員 原因究明もさることながら、私も大切なのは被害者に対する救済、補償の問題であろうと思っております。もちろんこの財源につきましては、先ほどからもるる論議があっておりますが、大変な額に上ることが予想をされております。したがいまして、今後そういうものに対して補償制度、保険制度の新設も大切な問題でありますが、もうきのう、きょう、あしたの問題として私はとらえていただきたいと思うのは、被害者に対するいろいろな物心両面にわたる手だて、そういった窓口、体制が今しっかりしておるのか、こういうことについては非常に私も心配するわけでございます。
 そういった被害者に対する窓口、体制、そしてまた手だて、当面の手だて、こういったものについてはどうしていくんだ、具体的にこの場で改めてお答えをいただきたいと思います。
○佐々木説明員 被害者に対する対応の窓口の問題でございますけれども、今信楽高原鉄道会社がああいう状況でございますので、JR西日本の方で見舞い金の交付とかあるいは葬式代の立てかえとかというようなことをやっていただいているわけでございますが、県の方で、信楽高原鉄道株式会社に対しましてOBなり現役の方なりを派遣して至急に補償体制を構築するということで、人事等にも入るというふうに伺っておりますので、それができるだけ早くなるように私ども関心を持って見守っていきたいと思っております。
○高木委員 委員長報告にもありますように、今お答えでは県が中心になってというふうなことでございますし、いろいろなお金の関係につきましては、JR西日本が立てかえる等いろいろ配慮しておるということがあっております。もちろん、県、町、そういったところが責任を持った対応が必要になりますけれども、やはり体制的に、あるいは日ごろの県政、町政のそういった仕事との兼ね合いの中でこういった予想だにしなかった事態が出てきたわけでございます。大変苦労されることが多いと思っております。したがって私は、国としましてもあらゆる角度からそういった被害者に対する万全の体制がしけるような一つの支援、援助、これを行っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○佐々木説明員 御指摘のような方向に従って指導してまいりたいと思います。
○高木委員 次に、地元の方々はこの事故で本当に沈んでおります。大変お気の毒なことだと私も思っております。同時に、やはり現実に信楽町あるいは沿線の住民は、学校に通い、あるいはまた仕事に通う、こういう生活もしなければなりません。したがいまして、信楽高原鉄道が今こういう状態でございますので、その代替の足の確保は十分なのか、こういうことがまず大きな心配事でございます。
 同時に、今後原因の究明あるいは責任問題等発展すると思いますけれども、それはそれとして、解決すべき問題がたくさんありますが、どうかしてこの信楽高原鉄道を存続をし再開をしてほしい、こういう強い願いがあるのも事実でございます。しかし、この事故によりまして信楽高原鉄道職員二十名おられました中で五名の方々がお亡くなりになられた。そして運転士六名のうち三名の方が死亡をなされた。車両におきましても、保有車両全四両のうち御承知のとおり二両が大破、あと残る二両は整備が必要でございます。
 そういう意味で、この立ち直りあるいは再開に対しまして、もちろん補償金の負担の問題もありますし、運転士、車両の確保の問題もございます。そういう意味では国等の特別な支援がないと、この鉄道というのはこれを機会に廃止をしてしまえ、そういう声に流されてしまう、このように私は憂慮するわけでございます。
 この信楽高原鉄道のいきさつにつきましては、国鉄時代から赤字ローカル線として再三廃止の対象になってきたわけでございますが、地元の熱意でこの鉄道が動き始めたわけでございます。そういう意味で、私は、ぜひ信楽町あるいは滋賀県、この町の住民の足を守るこの鉄道の再開について、格段の御配慮、御援助を運輸行政を管轄する運輸省としましてもしていただきたい、このように思っておりますけれども、いかがお考えでしょうか。
○村岡国務大臣 先ほども話をいたしましたけれども、事故当日から二、三日たちまして滋賀県知事が私のところに参りました。そういう点、運輸省の方で廃止するとかなんとかという考えは毛頭ございませんので、いかがいたしますかと言ったら、そのときは、もう今、事故の対策で手いっぱいで、いずれ地元に帰りまして存続するかどうか意見も聞いて考えたい、こういう話でございました。昨日副知事さん以下参りまして、地元としては、通勤通学の問題もあり、今バス代替輸送もやっているけれども、ぜひとも再開の方向でやっていきたい。つきましては、今お話しのとおり、四両のうち二両は使えない、あるいはまた運転士さんも亡くなられた。鉄道に関するいろいろな問題が、仮に県からOBあるいは現役の方を出向させるにいたしましても、その人方は補償の方に当たる、そういうような運転とかなんかの方は全然わからないので、ひとつ運輸省の方からJR西日本にそういう相談、協力を要請していただきたい、こういうお話がございましたので、とにもかくにもきのう連絡をいたしまして、信楽高原鉄道あるいは県とJR西日本と再開に向けてのいろいろな問題もあろうと思いますが、とにかく相談に乗るように、こういう指示をしたところでございます。
○高木委員 御答弁いただきましたので、ぜひそのようにひとつ御努力をいただきたいと思っております。
 時間も限られておりますので、私は最後に、この問題はほかの全国の第三セクターに及ぼす影響も大きいものがございます。それぞれ努力をいただいておる第三セクターが、この件によりましていささかのびびりもあってはいけない、今後さらに安全には十分注意をしながら、やはり健全な経営と、そして地域の足を守る、そういう任務を全うしていっていただきたいと思うわけでございます。
 そういう意味では、先ほどからも出ておりますが、特に安全施設に対する助成措置の拡充について、私はぜひこの際見直しをされて、お願いを申し上げたいと思っております。
 それから、先ほども自治省の方、御答弁がありましたし、既に運輸大臣から適切なお答えがあったようでございますので、私はあえて申し上げませんが、この世界陶芸祭、このイベントの開催は、滋賀県にとっても、あるいは信楽町にとっても、長い年月をかけてここまでやってきたと思うのですが、結果的にこの事故がありましたので喜ばれないものになった。しかし私は、同じ地方にある者として、一つの地方の地域の活性化を図り、これを起爆剤として今後に明るい町政、県政を進めていこうという大きな行事でございます。特にこういう行事を進めていく場合には、今日言われておりますマイカーでの交通渋滞による弊害を避けて、公共輸送機関を中心にしたこのような計画がなされることは、私は適切な判断であったろうと思っております。結果的にこのような思わぬ事故がありました。
 これは事故として冷厳な事実でございますので、県も町も今後成り行きによっては厳しいそしてまた重たい負担、責任もとらなければならないかもわかりませんが、しかし、こういうことで滋賀県なり信楽町が一般の行政に大きく影響を及ぼしてはならぬと私は思っております。民生、福祉の安定のためには、やはり地方自治体としてしっかりやれる、そういう財政基盤を含めた支援が必要だと思っておりますので、運輸大臣におかれましても、どうぞ自治大臣の方にもそういうことで申し添えていただきたい、このように思いますけれども、簡単で結構でございますが、いかがでございましょうか。
○村岡国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、県当局あるいは信楽町の方からもそういう申し出がございました。まだ原因者確定はいたしておりませんし、どういう補償額になるか、それも決まっておりませんけれども、先ほどお答えしましたように、県あるいは町がそういうことであれば、私自身もひとつ自治大臣にもお願いをいたしたいし、その前に補償その他について遺漏のないようにひとつしてまいりたいし、第三セクターにつきましても、先生の御指摘のとおり、この事故を契機として二度と事故が起きないような総点検もしてまいりたい、こう思っておるところでございます。
○高木委員 この問題はここで終わりまして、次に、いわゆる火山活動が時々刻々と進んでおります雲仙岳の問題について、この際お尋ねをしておきたいと思います。
 私の地元の問題でもございますが、二百年ぶりというこの噴火活動によりまして、最近ではまた新しい状況が生じておるというふうに言われております。特にまた、この問題に起因しまして、土石流の発生等もありました。付近住民には災害等の心配も出ておるわけでございますが、今日までの雲仙岳の観測状況、観測体制、そして今日の活動、そして今から一体どうなるのであろうか。特に、二十四日には火山予知連の下鶴会長さんも現地の調査をされるということになっておりまして、事態は極めて心配される状況でございます。そういう意味で、今の観測体制、今後どうなるのか、御見解を賜っておきたいと思います。
○小長説明員 お答えいたします。
 雲仙岳では昨年の七月から地震及びマグマの動きに原因があると考えられる微動が増加し、十一月十七日に百九十八年ぶりに山頂付近の地獄跡火口及び九十九島火口で噴火がありました。その後噴煙活動は次第に弱まり、地震及び微動の回数も減りましたが、二月十二日に再び噴火活動を始め、地震及び微動も増加し、三月中旬以降は頻繁に火山灰を噴出する等火山活動が活発化しました。
 さらに五月十三日ごろからは、これまで観測されていなかった火口直下の浅い地震及び微動が頻発するようになり、地殻変動それから地磁気の異常等もあらわれたために、五月十七日に火山噴火予知連絡会の幹事会を開きまして、会長コメントを発表し、溶岩流出等に触れた警戒を呼びかけたところであります。
 その後二十日には地獄跡火口の中にいわゆる溶岩ドームがあらわれ、二十一日にはそれが分離しているのが確認されました。本日も、ヘリコプターによる観測の結果は、ドームの急激な成長が見られ、地獄跡火口の縁まで達していることが観測されております。現在も地震、微動、地殻変動等活発な火山活動が続いており、今後も火山活動に対する警戒が必要であります。
 気象庁としても、関係機関と連絡を密にし、厳重な監視を続けていく考えであります。
 それから観測体制といたしましては、雲仙岳は全国十九火山の常時観測火山の一つとして雲仙岳測候所で常時観測を行ってきたところでありますが、昨年七月からの地震活動の活発化を踏まえ、地震計を増設するとともに、航空機による観測を行うなど、観測体制の強化を図ってきたところであります。
 また気象庁では、関係機関と連絡を密にし、一連の火山活動に対して、火山情報を四十回近く、それからお知らせというのを六十回近く、合わせて百回近く情報を発表するなど、関係機関に注意を呼びかけてきたところであります。また本日、昼前と一時五十分には、ドームの成長を踏まえて、火口の壁の崩壊などを含めた火山情報を発表し、警戒を呼びかけたところでございます。
 今後とも、関係機関と緊密に連携をして、火山活動を注意深く監視してまいりたいと思います。
 それから、先ほど御指摘もございましたように、火山噴火予知運の会長があすから雲仙岳の現地調査を行う予定であります。これは会長みずからが噴火活動の状況等を詳しく把握し、測候所、九州大学あるいは京都大学等の観測者や研究者と火山活動状況について意見交換を行うということを目的としておりまして、この調査結果は、この三十一日に予定されております、これは定例でございますが、火山噴火予知連絡会の総合判断に生かされるものと考えております。
 以上でございます。
○高木委員 もう時間が参りましたので終わりたいと思うのですが、せっかく今御努力いただいております林野庁も建設省も来ておられますので、私は防災体制について万全を期していただきたいと思っておりますが、一言御答弁をここでお聞きをしておきたいと思っております。
○松下説明員 建設省の砂防課長でございます。
 御説明申し上げます。
 昨年十一月の噴火以来、雲仙岳では火山灰の堆積が著しく、土石流発生のおそれが予想されましたために、土石流発生監視装置の設置、それから既設砂防ダムの除石等の対策を長崎県に指導して実施させております。それから、現地にも土木研究所の研究室長を派遣して調査をさせております。
 それから三月には、学識経験者から成ります雲仙岳の緊急火山対策検討委員会を開きまして、そこで検討した結果、土石流の発生監視装置を二基設置いたしました。それから四月には、既設砂防ダム二基の除石も完了しております。
 五月に入りましてから、十五日それから十九日に水無川に土石流が発生いたしまして、その際に土石流発生監視装置が作動いたしまして、島原市と深江町の住民に避難勧告が発せられました。十五日は百十七世帯四百六十一人、十九日には四百十六世帯千三百二十六人が避難しております。
 今回は砂防工事や河川改修工事の効果もございまして大きな被害には至らなかったわけですけれども、今後さらに万全を期すために、上流部につきましては既設砂防ダムの緊急除石をさらに行いたい、こう思っておりますし、また、災害関連の緊急砂防事業の制度を利用いたしましてさらに五つの砂防ダムを新設したい、こう思っております。
 それから、下流区間では河道の理塞が生じておりますので、これは河川災害復旧事業の制度を活用いたしまして、緊急に埋塞土砂の排除に着手して流下能力の確保に努めていきたい、こういうふうに思っております。
 今後も、災害の発生を未然に防止するために、土石流発生監視装置の増設を行います。それから、砂防事業等による砂防ダムの除石や新たに砂防ダムの建設等早期完成を図っていきたいと考えております。
 それから、下流区間につきましても、その都度、河川災害復旧事業制度に基づきました埋塞土の早急の排除というものを実施して万全を期していきたいと考えております。
○弘中説明員 御説明申し上げます。
 林野庁といたしましても、昨年十一月の噴火以来、火山活動に伴い堆積した降灰等による土石流の発生のおそれが多いということから、本年二月以降、担当官あるいは専門家などによる現地調査を行いますとともに、当該地域の適切な治山対策を検討するため、学識経験者、現地の熊本営林局、長崎県等によります雲仙岳・眉山地域治山対策検討委員会を三月二十三日に設置したところでございます。
 これらの調査結果あるいは検討結果を踏まえまして、四月一日に、災害関連緊急治山事業によります治山ダムを十基実施することを決定し、既に六基の治山ダムの工事発注を了しているところでございます。
 しかしながら、四月以降、現在もそうでございますが、火山活動が激化するとともに数回にわたり土石流が発生している現状にかんがみまして、昨日来、学識経験者、担当官等によります現地調査を現在実施中でございまして、この結果を踏まえ、今後とも関係機関と協議し適切な治山対策に万全を期してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○高木委員 終わります。ありがとうございました。
○亀井委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十一分散会