第120回国会 建設委員会 第7号
平成三年四月九日(火曜日)
    午前九時三十五分開議
 出席委員
   委員長 桜井  新君
   理事 金子 一義君 理事 木村 守男君
   理事 北村 直人君 理事 笹川  堯君
   理事 渡海紀三朗君 理事 木間  章君
   理事 三野 優美君 理事 吉井 光照君
      遠藤 武彦君    狩野  勝君
      金子原二郎君    瓦   力君
      塩谷  立君    島村 宜伸君
      武村 正義君    東家 嘉幸君
      中島  衛君    野田  実君
      村井  仁君    山本 有二君
      石井  智君    上野 建一君
      小川  信君    貴志 八郎君
      鈴木喜久子君    堀込 征雄君
      松本  龍君    山内  弘君
      伏木 和雄君    薮仲 義彦君
      辻  第一君    菅原喜重郎君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 大塚 雄司君
 出席政府委員
        国土庁土地局長 藤原 良一君
        法務大臣官房審
        議官      永井 紀昭君
        建設政務次官  杉山 憲夫君
        建設大臣官房長 望月 薫雄君
        建設省建設経済
        局長      鈴木 政徳君
        建設省都市局長 市川 一朗君
        建設省住宅局長 立石  真君
 委員外の出席者
        警察庁交通局交
        通企画課長   武居 澄男君
        大蔵省主税局税
        制第三課長   大武健一郎君
        農林水産大臣官
        房企画室長   日出 英輔君
        農林水産省構造
        改善局農政部農
        政課長     森永 正彬君
        建設大臣官房技
        術審議官    玉田 博亮君
        自治省税務局固
        定資産税課長  堤 新二郎君
        建設委員会調査
        室長      吉沢 奎介君
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委員の異動
三月十二日
 辞任         補欠選任
  鈴木喜久子君     戸田 菊雄君
  菅原喜重郎君     小平 忠正君
同日
 辞任         補欠選任
  戸田 菊雄君     鈴木喜久子君
  小平 忠正君     菅原喜重郎君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  遠藤 武彦君     志賀  節君
  野田  実君     浦野 烋興君
  上野 建一君     小野 信一君
  貴志 八郎君     田中 昭一君
  山内  弘君     有川 清次君
同日
 辞任         補欠選任
  浦野 烋興君     野田  実君
  有川 清次君     山内  弘君
  小野 信一君     上野 建一君
  田中 昭一君     貴志 八郎君
同月十四日
 辞任         補欠選任
  志賀  節君     遠藤 武彦君
同月十五日
 辞任         補欠選任
  野田  実君     宮下 創平君
  山本 有二君     梶山 静六君
  菅原喜重郎君     伊藤 英成君
同日
 辞任         補欠選任
  梶山 静六君     山本 有二君
  宮下 創平君     野田  実君
  伊藤 英成君     菅原喜重郎君
四月九日
 辞任         補欠選任
  高橋 一郎君     村井  仁君
  野田  実君     狩野  勝君
  鈴木喜久子君     堀込 征雄君
  山内  弘君     小川  信君
同日
 辞任         補欠選任
  狩野  勝君     野田  実君
  村井  仁君     高橋 一郎君
  小川  信君     山内  弘君
  堀込 征雄君     鈴木喜久子君
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三月二十九日
 総合保養地域整備法の一部を改正する法律案(木間章君外十名提出、衆法第一一号)
 住宅基本法案(村沢牧君外七名提出、参法第一号)(予)
四月八日
 河川法の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)
同月九日
 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第五六号)(参議院送付)
三月十一日
 尾瀬分水反対に関する請願(佐藤隆君外一名紹介)(第一八二一号)
同月二十日
 精神薄弱児・者に対する有料道路通行料金の障害者割引の適用に関する請願(小宮山重四郎君紹介)(第二〇二八号)
四月二日
 住宅・公園など国民生活関連公共事業の充実に関する請願(佐藤祐弘君紹介)(第二二一〇号)
 同(辻第一君紹介)(第二二一一号)
 精神薄弱児・者に対する有料道路通行料金の障害者割引の適用に関する請願(沖田正人君紹介)(第二二四四号)
 同(貴志八郎君紹介)(第二二四五号)
 同(吉井光照君紹介)(第二三二四号)
同月九日
 精神薄弱児・者に対する有料道路通行料金の障害者割引の適用に関する請願(北沢清功君紹介)(第二三四〇号)
 同(小坂憲次君紹介)(第二三四一号)
 同(中島衛君紹介)(第二三四二号)
 同(渡海紀三朗君紹介)(第二四一二号)
 同(村井仁君紹介)(第二四一三号)
 同(田中秀征君紹介)(第二四七九号)
は本委員会に付託された。
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三月二十二日
 下水道整備事業の促進に関する陳情書外九件(松山市一番町四の四の二愛媛県議会内野間赳外十九名)(第七三号)
 琵琶湖総合開発事業の推進に関する陳情書外一件(大津市京町四の一の一滋賀県議会内岩永峯一外八名)(第七四号)
 道路整備等国道網の整備推進に関する陳情書外三十四件(富山市新総曲輪一の七富山県議会内
渡辺辰男外百十名)(第七五号)
 首都圏の水資源対策に関する陳情書(東京都千代田区丸の内三の五の一東京都議会内小倉基外九名)(第七六号)
 国土保全対策の強化等に関する陳情書(宮崎県北諸県郡山之口町大字花木二〇〇五宮崎県町村議会内久保田忠義)(第七七号)
 総合保養地域整備法廃止に関する陳情書(盛岡市梨木町四の三〇藤瀬一馬)(第七八号)
 内部障害者等に対する有料道路料金の割引制度の適用に関する陳情書(東京都千代田区丸の内三の五の一東京都議会内小倉基外九名)(第七九号)
 公共賃貸住宅の供給促進に関する陳情書外十件(名古屋市中区三の丸三の一の二愛知県議会内野々山啓外十名)(第八〇号)
 市街化調整区域内における市営住宅の建設に関する陳情書(徳島市幸町二の五徳島市議会内桜木公夫)(第八一号)
 公営住宅入居資格収入基準の改定に関する陳情書(札幌市中央区南三条西一一の三三〇の二札幌市議会内吉野晃司)(第八二号)
 公共投資基本計画の実施に関する陳情書外十件(宇都宮市塙田一の一の二〇栃木県議会内野沢隆治外三十九名)(第八三号)
 東部大阪治水対策事業促進に関する陳情書(大阪府東大阪市稲葉一の一の一粟田宗一)(第八四号)
 駐車場建設事業促進に関する陳情書外十一件(大阪府茨木市駅前三の八の一三茨木市議会内小矢田幸雄)(第八五号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
 生産緑地法の一部を改正する法律案(内閣提出第五三号)
 道路法及び駐車場法の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
 河川法の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)
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○桜井委員長 これより会議を開きます
 内閣提出、生産緑地法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡海紀三朗君。
○渡海委員 生産緑地法の改正について質問をしたいと思います。
 今回、新たに改正案が提出されたわけでありますけれども、この法律の改正案の背景といいますか理由といいますか、考えてみますと、近年地価が大変高騰いたしまして、その中で特に首都圏を中心に、大都市周辺に住むサラリーマンが一生働いてもなかなか住宅を取得できないといったような住宅難、そういったものが一番大きな原因というふうに考えておるわけであります。私は昭和四十九年に、実は当時サラリーマンであったわけでありますけれども、仲間のうちで購入をしております住宅、主に関西圏でありますけれども、当時私の年収の大体三倍ぐらいかなと思っていたのが、今首都圏の平均を見ますと、たとえマンションであってももう既に八倍ぐらいというふうな、これは考えてみますと大きな社会問題でもあろうというふうにも思っておるわけであります。また、土地を持っている人と持っていない人の間でやはり資産格差が大変広がっておるわけでありますし、勤労意欲等を考えますと、こういったこともこれまた一つの大きな社会問題であろうというふうにも思っております。
 このような土地問題とか住宅問題を解決するということは、我が国の内政上の最も重要な課題であるということは言うまでもないわけでありますけれども、解決の一つの方法として、市街化区域農地についてもやはりこれから積極的にこの活用をして、場合によっては宅地化を図るなどして住宅供給のバランスを図っていくということは、非常に有効な方法の一つであるというふうに考えております。
 しかし一方、都市においては緑地が大変減少をしている、こういう一面もあるわけでございますし、同時に、公園等の計画を考えましても、世界の主要都市の中で我が国の水準というのはやはり大変低いというふうなことを考えましたときに、農地の緑地としての機能というものを、ある意味で、やはりこれはまた保全をしていかなければいけない。一見矛盾する二つの観点があるというふうに考えておるわけでありますが、こういった点について、これから町づくりを進めていく上ではやはりバランスのとれた良好な環境というものを考えていかなければいけないというふうに考えております。
 そこで、こういった点につきましてまず大臣に、大臣の基本的な現状認識なり基本的なお考えなりをお伺いをしたいというふうに思います。
○大塚国務大臣 冒頭、遅参をいたしまして恐縮でございました。
 きょうは、朝八時二十分から政府の部内におきまして土地関係閣僚会議を開きまして、今後の土地住宅政策について論議がございました。そのように海部内閣といたしましては、内政の最重要課題は土地住宅問題である、こういうことで閣内一致してこの問題に取り組んでまいりましたし、これからも取り組んでまいるわけでありますが、特に、御指摘のように大都市地域の地価の高騰に伴って、今お話しの勤労者の方々が一生働いても住宅の確保が難しいというようなことが聞かれる中にありまして、住宅宅地供給こそは本当に大事な問題と認識をいたしております。
 特に、この一月の二十五日に総合土地政策推進要綱を政府で決めまして、その中にもろもろの施策を盛り込んでおりますが、特に昨年の大都市法の改正によりまして、三大都市圏ごとに住宅宅地の供給に関する基本方針を定めまして、この夏ごろまでにまた地方公共団体に供給計画を立てていただこう、言うなれば一体となって推進をしていく方針になっておるわけでございます。
 特に市街化区域内の農地につきましては、今お話しのように緑化対策もございますし、また宅地の供給もある。両面で推進をしていく上で、今日までも随分御論議があったわけでございます。言うなれば、いわゆる大都市圏をめぐって既成市街地内での住宅供給、あるいはまた市街化調整区域における住宅供給、そしてこの周辺の市街化農地のいわゆる宅地化による住宅供給、この三本柱でこれから推進をしていく上におきまして、いわゆる周辺の農地の問題について、都市計画によって宅地化すべきものと保存すべき農地を区分をしてそれなりの対策を立てていこうというところに、今この法案の審議をお願いをしておるわけでありますが、このことにつきましては、我々としてはこの法案を通していただきますと、一層環境を守ることと住宅を供給することと両面で推進ができる。このことにつきまして我々は真剣に取り組んでまいりたい、ぜひ成立をさせていただきたい、このように考えておるところでございます。
○渡海委員 日本はよく都市計画がないと言われておるような実情も大臣よく御承知だと思いますけれども、特に良好な環境をつくるという意味では、これから大いに御検討いただいて、そして立派な町づくりをしていただきたいというふうに御要望をいたしておきたいと思います。
 それでは法律について質問をさせていただきたいと思いますけれども、現在の生産緑地法は昭和四十九年に制定をされております。しかしながら、現在までの実績を見させていただきますと、まだ七百ヘクタール程度しか生産緑地として指定をされておりません。必ずしも余り活用されているとは言えないのじゃないかと思うわけでありますけれども、これは今までの指定の適用に当たって、現実にいろいろな作業をされてきたわけでありますが、余り活用されていないという面について、どんなふうな理由があるかということを分析をしておられるか。
 私は一つの意見として、従来の考え方の中では都市における農業というものが余り積極的に評価をされていなかったのではないかな、そのような感じを持っておるわけでありますけれども、その辺についてどういう認識をお持ちか。また、今回の法律の中でそういった点について何か配慮がされているのであれば、その点を具体的にお答えをいただきたいというふうに思います。
    〔委員長退席、木村(守)委員長代理着席〕
○市川(一)政府委員 お答え申し上げます。
 現行の生産緑地地区制度は、御指摘のとおり昭和四十九年に制定された制度でございまして、法制定後数年間で六百ヘクタールぐらいまで指定が進んだのでございますが、五十年代の半ば以降指定が余り進まなくなりまして、現在は第一種及び第二種生産緑地地区両方合わせまして、御指摘がございましたように約七百ヘクタールの実績になっております。
 この程度しか進まなかった理由はいろいろ考えられるわけでございますが、一番大きな理由といたしましては、昭和五十七年に固定資産税の宅地並み課税に関係する税制上の特例措置といたしまして長期営農継続農地制度が設けられまして、同一市内に農地を合計九百九十平方メートル以上持つ方につきましては、市長の認定を受けることにより農地並みの課税で済むことになりました。これに対しまして、生産緑地も実は農地並み課税なのではございますが、現行の面積要件が一種でおおむね一ヘクタール以上、二種でおおむね二千平米以上ということでございまして、長営制度に比べまして相対的に条件が非常に厳しい、これが一番大きな理由ではないかと思っております。
 それから、あと幾つか考えられる理由の中の一つといたしまして、現行制度は五年ないし十年で買い取り請求が出てまいりますので、財政的制約もございまして市町村レベルで余り意欲的でないという部分もあったように思いますが、ただいまお話がございましたように、そもそも都市計画区域の市街化区域において都市農業として市街化区域農地を積極的に評価するという考え方が弱かったのではないかという御指摘も、私どもそのとおりの面があったのではないかと、同様の分析をしているところでございます。
 今回御提案申し上げております改正案におきまして、その都市農業としての位置づけということにつきましてはかなり積極的な規定を置いておりまして、まず法第二条の二に「国及び地方公共団体の責務」の規定を置きまして、農地の持つ多様な機能のうち公園、緑地等を補完する、いわゆる緑地機能というものに重点を置いた行政展開といったものを求めておりますとともに、指定要件につきましても、農林漁業と調和した環境の保全といったようなことを明記するなどいたしまして、都市の中におきます都市農業、都市農地といったものを緑地機能という観点から積極的に評価する必要があるという内容を、今回の生産緑地法の改正案の中に都市計画の中で位置づけたいということで御提案申し上げているところでございます。
    〔木村(守)委員長代理退席、委員長着席〕
○渡海委員 現行の生産緑地法においては、先ほども答弁の中でお話がございましたように面積要件、第一種が一ヘクタール以上、そして第二種が〇・二ヘクタール以上というふうにされておるわけであります。今回の法改正ではこの一種、二種を統合をして、なおかつこの面積要件を五百平米以上ということに改正をされております。都市農業の位置づけということで先ほど御答弁もあったわけでありますけれども、都市における農業というのは消費地に近いというふうなことも考えますと、軟弱野菜等大変効率的に行われているというふうな一面もあるわけでございますし、そういった点を考えたときに、随分多くの方々から、この五百というものについてもう少し小さくしてもいいのじゃないか。私は個人的には、余り小さいものを指定するということには多少疑問は持っておるわけでありますけれども、いろいろな要望の中には、そういうものも非常に強く出されておるわけでございます。
 そこで、この五百平米ということをお決めになった根拠についてお伺いをしたい。これはうまくやらないと、場合によっては小さなものというのは指定されないということで、どんどんと緑地が宅地化されたりミニ開発とかが進んでいくような、かえって都市の環境が悪化するというふうなことにもつながりかねないということも心配をしておるわけでございます。
 また同時に、この法律の三条に「一団のもの」という表現がされておるわけでありますが、「一団のもの」というのはどんな状況のことを言うのか、この点についてもお伺いをしたいというふうに思っております。
○市川(一)政府委員 今回の改正案におきまして、生産緑地の面積要件を五百平方メートル以上ということで、現行の最低二千平米に比べますとかなり大幅に引き下げることにしたわけでございますが、その理由につきましては、市街化区域内農地が法制定当時に比べまして大変減少してまいっておりまして、東京都の実態を見ますと、昭和四十九年当時に比べまして約半分に減少しております。そういったようなことで、先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、一方で宅地を求める要望とともに、都市の中に緑を求める国民の要望にこたえる必要があるという観点から、農地の持つ緑地機能を積極的に評価するという意味では、もっと小さな農地でも緑地として評価できるのではないかということで、いろいろ検討した次第でございます。
 しかしながら一方で、都市計画としてそれを位置づけるとしますと、何でもいいというわけにはいかない。そこのところをどのくらいにするかということは、私どもの苦心の存するところでございまして、農地の実態等の調査もいろいろ綿密に行いました。また、農地所有者の方々あるいは農業関係者の方々ともいろいろと意見調整も行いました。それから、都市計画の現在の制度の中で管理されている緑地の実態等も調べました。いろいろやりまして結論的に五百平米にしたわけでございますが、これは都市計画サイドでまいりますと、都市公園の最低規模として都市緑地というのがございまして、それに国が補助しているもので一番小さいのは五百平米でございます。それから、都市内で樹木の集団の指定をしておるのがございますが、それも面積要件最低規模が五百平米でございます。また、農業を経営する側からいきますと、先ほどの長期営農継続制度が約一反歩でございますが、一反歩の半分の五畝が約五百平米でございますから、この辺がぎりぎりのところ妥当な線なのではないかということで御提案申し上げた次第でございます。
 五百平米未満の農地は、場所によって違いますが、面積にいたしまして三ないし五%ぐらい存するわけでございますが、そういったものが生産緑地に指定されない結果、ミニ開発あるいはスプロール化するのではないかという御懸念でございますが、この辺に関しましては、まず実態としてかなりありますのは、宅地等に囲まれている小規模の農地がございます。それは区画整理済み地である場合がかなり多いわけでございますが、そういったような農地につきましては、むしろ農地所有者の方々みずからが賃貸住宅を建設する制度等もいろいろございますので、そういったようなことを活用して積極的に土地利用を進めていただきたい、そして建設省といたしましてもそれに対して積極的に支援策を講じてまいりたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。
 それから、一般的な小規模な問題につきましては、開発許可制度の適用は当然かかるわけでございますが、さらに地区計画の策定とか街路等の都市基盤施設の整備をきちっとやっていくということで、より積極的に対応していく必要があると思っております。
 それから、「一団のもの」という表現につきましてどういうことかということでございますが、これは基本的に、やはり都市計画で緑地機能として評価するためにはまとまった形で存在していただく必要がある。この辺が、長期営農継続制度はい
わば名寄せを認めておる点が基本的に違う点でございまして、そのためにはやはり一団としてまとまっておる必要があるという考え方でございます。ただ、実態といたしましては、間に小さな道路とか水路等が介在している場合もございますが、そういったような場合は全体の状況を判断いたしまして、いわゆる耕作されている農地だけではなくて、それらも含めまして一体性が評価できる場合には一団の農地として考えられる、「一団」という意味はそういったような考え方でよろしいのではないかと思っておる次第でございます。
○渡海委員 実際農業をやっておられる方々の御意見もお聞きをしたわけでありますけれども、やはり全体的な都市計画の面から今御答弁をいただいたようなそういう数字が出てきたようでありますけれども、やはりそれぞれの方に十分に納得をしていただくような努力をこれからも続けていただきたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。平成四年の一月から農地課税の改正が行われるわけでありますけれども、こういうことを考えますと、生産緑地地区の指定というのはできるだけ早く行わなければいけないのではないかというふうに思っておりますが、建設省としてはどのようなスケジュールで今後お進めになるおりもりなのか。また、先ほども少し詳細に検討したということでありましたけれども、宅地化する農地、そして保全する農地、おおむねどの程度の割合になると見込んでおられるのか、お聞きをいたしたいと思います。
○市川(一)政府委員 まずスケジュールの点でございますが、税制との関係もございまして、最終的には遅くとも平成四年の十二月までに指定を行う必要があると、私どもはまず基本的に考えておる次第でございます。
 新しい税制は、平成四年の一月一日現在の状況に応じまして平成四年度から税制がスタートするわけでございますが、とりあえずの経過措置といたしまして、平成四年一月一日現在において生産緑地地区の指定がされてない農地でも、平成四年十二月三十一日までの間に生産緑地地区として指定されれば農地としての課税がなされるという経過措置がございますので、その経過措置を求める方々への御期待にこたえていくということがまず最大の要件であるというふうに考えておるわけでございます。
 大体、生産緑地地区の指定で都市計画の手続に要する期間は、最低でも九カ月以上必要であるというふうに言われておりまして、私どもとしては大変焦っておる部分があるわけでございますが、今回法改正が成立いたしまして施行されることになりましたならば、地権者の方々への周知徹底、それから農地所有者の方々の意向把握などの準備がすぐ必要になってまいりますので、これを早急に行いますとともに、いろいろ都市計画の手続につきましても便宜スピードアップできるような、例えば臨時に都市計画審議会を開くとか、そういったようなことも含めまして何とかして対応してまいりたいと思っておりますが、三大都市圏の特定市百九十市くらいで行われるわけでございますので、平成四年十二月三十一日までに一通りの作業を仕上げるということに関しましては、非常な緊張感を持って臨んでおるところでございます。
 それから、どれくらいの農地が宅地化し、あるいは保全する農地となるかという見通しでございますが、御提案申し上げておりますように、都市計画上の必要性だけではなくて、農地所有者の方方の意向を尊重するという基本的考え方で同意を条件としてございますので、どれくらいの方々が生産緑地に入ることを希望されるかといったようなことがなかなか定かではないわけでございます。特に今回は五百平米ということで規模要件を大幅に下げましたから、大体の農地は対象となるわけでございますが、一方で、三十年間農業を継続しなければならないという厳しい要件もついておりますので、農業の方々もなかなか選択に迷う部分があろうかと思っております。一応私どもは、国土庁が行っておりますアンケート調査によりますと、例えば、今後十年間の三大都市圏の市街化区域内農地をお持ちの方々のおおむね六割の方が営農継続の意向を示しておられるということでございまして、恐らく全部の農地というわけではなかろうというようなこととか、あるいはそういう方々でも三十年ということでございますと、いろいろな事情があって生産緑地を希望されないという方もあるだろうということから、こういった方々の約半分程度の方々が手を挙げてこられるのではないかという観点から、現在市街化区域内農地に賦存しております量の大体三割ないし四割程度が生産緑地としての指定対象となるのではないかと見込んでおります。
 それから、住宅宅地として利用転換されるものにつきましては、首都圏におきましては西暦二〇〇〇年までの今後十年間におよそ三分の一くらいが住宅地に利用転換されまして、住宅戸数にいたしまして七十万戸相当、それから近畿圏におきましては二十五万戸相当の宅地供給が可能であると、建設省としては見込んでおる次第でございます。
○渡海委員 時間が余りないようですので、ちょっとまとめてお伺いします。
 今もお話がございましたように、三十年というふうに今回改正をされておるわけでありますが、現代は時代の移り変わりが大変激しい時代でもありますし、そういうことを考えますと、三十年というのは、農業をやろうというふうに決めておるにしてもこれはちょっと長いような感じもするのですけれども、三十年にお決めになった理由をお伺いしたいと思うのです。
 同時に、この買い取り制度でございますけれども、先ほども言いましたように、緑地の保全等も考えますと大変重要な意味を持っておるわけでありますが、市町村長等は積極的にこの場合は買い取る必要がある。しかしながら、問題は財源でございまして、この財源対策というものをどういうふうにお考えなのか、どういう支援策をお考えなのか、あわせてお伺いをしたいと思います。
○市川(一)政府委員 まず、三十年のお尋ねでございますけれども、今回、生産緑地法改正に当たりまして私どもが議論いたしましたポイントは二つございまして、一つは、やはり現行制度では対象となる農地が面積要件が厳しいその他がございまして狭いということで、これを広げる必要がある。それから一方で、生産緑地になりましても、現在五年ないし十年で買い取りの請求ができるようになっております。それから、税制上の優遇措置としてございました長営制度も、原則として五年たちますと一応免除される。こういったようなことがありまして、固定資産税あるいは相続税などの優遇措置が、他の格段に優遇されるというものに比べますと、五年ないし十年ということで変換ができることは極めて問題であるというところから、基本的には永続的、永久的に扱うべきではないかという御議論もございました。それに対しまして、やはり所有者の方々の権利制約的な要素もございますので、その救済措置ということも考えなければならないという議論もいろいろございました。法制局も含めまして、大議論が政府部内ではあったわけでございます。
 結局三十年というものに到達いたしましたのは、幾つかあるわけでございますが、ちょっと代表例を申し上げてみますと、一つは、期限を定めない永小作権というのが実際存するわけでございますが、それが法律上は三十年とされております。それから、非堅固の建物の借地権も三十年とされておりまして、通常土地の利用について、予測のつく範囲として三十年という期間が考えられているということ。それから、現在は農業従事者の方々の平均農業従事可能年数が約三十年ぐらいかなと。実は私どもも、社会に出ましてから現役で働けるのは約三十年ぐらいでございまして、そういったようなところが一つの議論としてあったわけでございます。
 それから、生産緑地の買い取りに関する財源対策でございますが、これは今すぐ買い取りが出てくるということはないとは思いますけれども、徐徐に出てまいってくるわけでございまして、請求
がありました農地を公共団体側が買い取るということが都市計画といたしましては極めて重要なファクターでございますので、私どもといたしましても、その財源措置を講ずることが極めて重要であるという認識をしております。とりあえず平成三年度に、公共用地先行取得等事業債の起債許可条件の改善、あるいは都市開発資金についての改善充実等を図った次第でございますが、今後とも、やや時間をおきまして、財源措置につきましては一つの重要な課題として取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
○渡海委員 もう時間がほとんどないようでありますから、最後に、今回の改正は税制も含めた総合的な土地対策というお話がしょっぱなあったわけでありますけれども、これは実効性が上がらないと意味がないわけでございまして、さらに今後は都市計画等広く全般に都市全体のあり方等について見直していかなければいけないというふうにも考えておるところでございます。
 そういった点につきまして、さまざまな諸施策に対する大臣のお考えなり決意を最後にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
○大塚国務大臣 ただいま数々の御論議をいただきまして、宅地化すべきものと保存すべき農地とを都市計画ではっきりと決めていこうというところに、今度の法案の大きな意味があると思います。
 特に、大都市地域におけるいわゆる都市計画につきましては、法の制定以来もう二十年を超えておるわけでありまして、例えば宅地化するにしても、それに伴うインフラをどうするかとか、あるいはまた、保存する農地をどのように保存していくかというもろもろの論議がこれから展開されると思いますけれども、そのためには、経済社会がこれだけ変わっておるわけでありますので、やはり建物が先にできて後から道路をつくるというような都市計画のあり方は変えていかなければいけないだろう。特に、この一月の二十三日に建設大臣から都市計画中央審議会に、これからの将来を展望した都市計画のあり方について諮問もさせていただいておるわけでございます。総合的に大都市のいわゆる都市計画がどうあるべきかというものをしっかりと踏まえて、そして真に保存すべきものと宅地化すべきものと、住宅供給も非常に大事でございますから、地方自治体ともよく協議をいたしまして、成果がある今後の住宅政策を進めてまいりたい、そしてまた公園、緑地等の環境の整備も進めてまいりたい、このように考えております。
○桜井委員長 渡海君、時間がなくなりました。
○渡海委員 時間がなくなりましたので、最後に、先ほども申し上げましたけれども、今町づくりというのはどこの地方におきましても大変大きな関心事でございますし、私は国会議員に出てまいります前に、しばらく建築と都市計画の仕事もやっておりましたが、日本はどうもやはり都市計画が弱いなという感じを持っておった一人でございまして、今大臣が決意を表明されたような姿勢でもって今後大いにお取り組みをいただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○桜井委員長 次に、松本龍君。
○松本(龍)委員 生産緑地法の一部を改正する法律案に対して質問いたします。
 提案理由の中に、市街化区域内農地についてその積極的活用による住宅供給の促進を図ることが求められているというまず一点目、それと、良好な生活環境の確保を図る上で残存する農地の保全の必要が高まってきているという二点目、これはその整合性を図るというのは非常に難しいわけであります。極端な話、生産緑地、この制度に同意した場合、宅地供給が極端に少なくなってくる、土地所有者が同意しなかった場合は保全する農地が極端に減少するということが考えられるわけですけれども、宅地の必要とされている供給量、あるいは緑地の保全されるべき量、将来的に確保される公共用地の量などは、全体的に見通しが立っているのか、まずお聞きをしたいと思います。
○市川(一)政府委員 お答え申し上げます。
 市街化区域内農地をめぐる御議論につきましては、先ほど大臣も御答弁申し上げたところでございますし、ただいま松本委員からも御指摘があったわけでございますが、私どもといたしましては基本的に、都市計画におきまして宅地化するものと保全するものとを明確に区分するようにという政府の基本的な方針のもとに、現在政策展開に取り組んでいるわけでございます。
 現在御提案申し上げている生産緑地法案が通りました場合の基本的な見通しといたしましては、現在三大都市圏の中で存在しております市街化区域内農地、生産緑地法の対象となるのは特定市に限られるわけでございますが、それの約三割から四割の農地が生産緑地として指定されることになるのではないかという見通しを持っております。それから、残りの六割ないし七割のうち約半分ぐらいになりますか、トータルといたしましては全体の農地のうちの約三分の一ぐらいが住宅地として利用転換されるということを私どもは見込んでおるわけでございます。しかしながら、住宅地として利用転換される場合は場所によるわけでございまして、平均してそれぐらいの数字になるということでございますから、市単位あるいは都市計画区域単位で見ますと、その辺はかなりばらつきが出てくるのではないかという見通しを持っておる次第でございます。
○松本(龍)委員 一九八八年度の国土白書によりますと、一九八三年度における全国の市街化区域内の農地面積は十九・六万ヘクタールであったが、八八年度には十七・一万ヘクタールと約二・五万ヘクタール減少している。とりわけ三大都市圏のそれは、七・六万ヘクタールから六・五万ヘクタールへと一・一万ヘクタールの減少となっている。さらに、著しく地価の上昇が起こった八七年から八八年にかけての三大都市圏の農地の減少率は、年率で五・三%とかなり高いものになっているという実態がございます。さらに、改正案の第二条の二で「国及び地方公共団体は、公園、緑地その他の公共空地の整備の現況及び将来の見通しを勘案して、都市における農地等の適正な保全を図る」云々かんぬんがありますけれども、とりわけ東京圏においてどういうふうな宅地供給を予測されているのか。市街化区域内農地で、その辺のところをお聞きしたいと思うのです。
○市川(一)政府委員 東京圏で現在、市街化区域農地は約三万三千ヘクタール存在するわけでございます。このうち東京都が七千九百ヘクタールでございます。私どもといたしましては、まず基本的な考え方といたしまして、生産緑地としてどのくらいの方々が希望するかといった作業に取り組む必要があるわけでございますが、並行いたしまして、それらの農地の良好な宅地化ということをも推進する必要があるわけでございます。
 実は、昨年都市計画法を改正いたしまして、住宅地高度利用地区計画といったような制度も創設させていただきました。これは、市街化区域農地をお持ちの方々がそこに住宅を建てようとする場合には、この地区計画制度を利用いたしますと容積率も大幅に緩和いたします。極端に言いますと、第一種住居専用地域という用途地域のままでも、この地区計画を使いますと中高層住宅が建てられるといったような新しい制度を設けました。
 それから一方で、今国会で既に通過させていただいております農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法ですか、ああいったようなものとか、そういった農地所有者の方々が賃貸住宅を建てるのに非常に建てやすいような優遇措置もいろいろ講じてございます。
 私どもといたしましては、今後、特に東京圏の市街化区域農地の住宅地化といたしましては、現行の地価の状況等も勘案いたしますと、やはり農地所有者の方々がみずから積極的にそこを宅地化して、もう御自分で賃貸住宅をお建てになっていただいてそれを賃貸住宅として市民の方々に供給していただく、これが一番家賃その他の面からいいましても合理的であり現実的なのではないかということで、いろいろな多角的な政策展開はいた
すわけでございますけれども、基本的にはそこのところに大きくターゲットを絞りまして、いろいろ政策上の優遇措置等も講じておるところでございます。
○松本(龍)委員 先ほど都市局長言われましたように、都市の形態によってさまざまな状況が存するというように言われたわけですけれども、緑が極端に少ないところもある、かなり十分に緑が保全をされている、あるいは比較的保全されている地区もさまざまな形態があると思うわけですけれども、その中でなぜ一律に面積要件でこれは決められているのかというところを、まずお聞きしたいと思うのです。
○市川(一)政府委員 その都市の実態、市街化区域内農地の存する状況等を勘案いたしますと、それぞれの都市の状況に応じまして、例えば面積要件等ももう少し弾力的であってもいいのではないかという御議論があることは私どもも理解できるわけでございます。ただ、しかしながら、やはり都市計画上保全し得る農地として考えました場合に、やはり一定の限界があるのではないかというようなところから私どもといたしまして議論したわけでございまして、五百平米未満となりますとやはりなかなか、今後かなり長期的に農地として肥培管理され、それが生産緑地として継続していく、それから将来はそれを公共団体側が買い取っていくということになるわけでございますので、その辺を勘案いたしますと余り小さなものは難しいのではないかという観点から、最低規模としての五百平米というものを考えた次第でございます。
○松本(龍)委員 各市町村レベルで、例えば面積要件を緩和をして緑地を保全しよう、農業を奨励しようという試みがなされているかいないか、ちょっとお聞きをしたいのですけれども、固定資産税の減額とかそういった措置を各市町村レベルでとられているところがあるかないか。
○市川(一)政府委員 長期営農継続制度の場合は同一市内に九百九十平米以上、ですから一反歩ですね、一反歩以上の農地を持っておる方につきましては、最小単位百平米以上の名寄せということが認められるということでございました。私ども今回御提案申し上げておりますのは、一反歩ではなくてその半分の五畝に該当いたします。そのかわり名寄せというような考え方はとってないわけでございますので、市町村レベルにおきましては、この制度が成立いたしましてこれから生産緑地を指定していく過程におきましては、その辺の制度上の変化もございますのでいろいろ議論があるのではないかと思いますけれども、ただ、私どもが得ている情報では、やはり余り小さなものでは、生産緑地として指定して今後、先ほど申し上げましたように長期的に管理していくといったようなことにつきまして、かなり神経質になっている部分もあるというふうに理解しておるところでございます。
○松本(龍)委員 先ほど言いましたように、都市の形態や実情によっていろいろ異なってくる、各自治体の実情に応じて面積要件が比較的柔軟になってくるということも考えられないわけではないというふうに私は思うわけですけれども、昭和四十九年の論議の中で、第二種生産緑地地区が〇・三ヘクタールで提案をされて、それが〇・二ヘクタールに修正をされた。その〇・三ヘクタールの提案の理由並びに〇・二ヘクタールになった経過などがわかれば、お話をお聞きしたいのですけれども。
○市川(一)政府委員 昭和四十九年制定当時は、第一種生産緑地が一ヘクタール以上でございました。第二種生産緑地地区は、土地区画整理事業等が済んだところの区域につきましてどれぐらいの規模で生産緑地として指定していくかというような議論でございます。〇・三は、結果的には一ヘクタールの三分の一ぐらいに該当いたします。
 当時いろいろな議論の中で、農地所有者の方々の財産管理といたしまして三・三・三方式ということがよく言われておりまして、御自分のお持ちになっている土地のうち三分の一は宅地化する、それから三分の一は農地として残す、それから残り三分の一は、いわばそのフレキシビリティーの高い保留地的なものとして財産管理していくといったようなことがございました。したがいまして、第一種生産緑地といいますのは、基本的にその農地を持っている方々がまとめて今後とも農業を継続したいということでございますから、最低限度一ヘクタール、つまり一町歩でございますが、一町歩の農地を持っている方々がそういう財産管理も含めました選択をなさるといたしますと、〇・三ヘクタールぐらいのところが一つの線なのではないかといったような議論が、すべての議論ではございませんが一つの議論としてあったように記憶してございます。
○松本(龍)委員 それが、その〇・二ヘクタールに論議の過程で修正をされてきた、その辺のお話をちょっとお聞きしたいのです。
○市川(一)政府委員 当時の議事録等を拝見いたしますと、第一種生産緑地地区一ヘクタール以上、それから第二種生産緑地地区〇・三ヘクタール以上ということでは、対象となる農地が非常に限られるのではないかという御議論がいろいろございました。それから一方、区画整理等が行われました中で、現に当時残っております農地の実態等を見ますと、やはり〇・三ヘクタールということではかなり条件が厳しいということから、これをもっと大幅に引き下げるべきであるというような議論がございました。そういった御議論の結論といたしまして、〇・三ヘクタールを〇・二ヘクタールに引き下げられたというふうに記憶しておる次第でございます。
○松本(龍)委員 昭和四十九年当時から、その〇・二ヘクタールをまた下方修正して〇・一ヘクタール、千平米にしようという話もいろいろな質疑の中で出てきたと思います。そして昨年の秋は千平米という話もちらほらありましたし、ですからその面積要件の、先ほどもお聞きになられましたけれども、なぜ五百なのかという話はあるのですけれども、なぜ千平米ではだめなのか、なぜ三百平米ではだめなのか、その辺のところをお聞かせ願いたいのです。
○市川(一)政府委員 都市計画行政上の観点から申し上げて大変恐縮でございますけれども、私ども、都市計画上最も代表的な公共空地としては都市公園という制度を持っているわけでございます。この都市公園はいろいろな種類の公園がございますが、その中で一番小さな公園が児童公園でございまして、大体市民の方々が歩いて二百五十メーターぐらいの距離歩けば必ずたどり着けるような公園を全国につくろうという考え方を持っております。
 生産緑地制度は、買い取り請求権を何年に設けるにしろ、長期的にはやはり公共団体側がそれを買い取って管理していくということも覚悟しなければならない制度でございます。そういたしますと、やはり児童公園程度の規模は欲しい。児童公園は現在千平米以上でございますから、私どもとしては、やはり基本的には千平米以上が必要であるというふうに思っておる次第でございますが、ぎりぎり議論いたしまして、先ほど申し上げましたように都市計画として、公園のように管理はしていないわけでございますが、いわゆる緑地とか樹林地とかいうことで、そこに存在するということだけで管理できるものとして五百平米以上のものがございますので、それが一つの視点になった次第でございまして、また一方で、現在の長営制度の実態等を見まして、大体五畝までにしますと残りはあと三%から五%ぐらいという実態も見たわけでございます。
 これを三百平米までなぜ引き下げられないのかということにつきましては、やはりそういった現在の私どもが行っております都市計画サイドの観点がかなり重要な要素となっておるということも一つでございますし、感覚的には、例えば三百平米といいますと百坪に足りないわけでございますので、この辺は都市の実は市民の方々に囲まれた農地でございますから、都市農業をおやりになっている方々、農地を所有している方々の要望とし
ては理解できないわけでもないわけでございますが、周りにぐるっと住んでおられます都市市民の方々の気持ちもいろいろ考えると、やはり百坪未満というのはどうかなとかそういった、ちょっとわかったようなわからないような議論で恐縮でございますが、いろいろ議論いたした結果五百平米ということにした次第でございます。
○松本(龍)委員 私は、その生産緑地法という名前が、先ほど言われたように、都市計画サイドから見られている。生産緑地という言葉が、例えば外国人にこの生産緑地法という言葉を言ったときに、どういう法律なのかという説明が物すごくしにくい。生産する緑地を保全をするのか、非生産的な緑地を排除していくのか、そういういろいろな視点があると思うのですけれども、このネーミングが非常に難しい。例えば緑地保全地区とか風致地区とか明日香村の法律とか、いろいろありますけれども、そういう意味では、どういう意図を持った法律なのかというのが言葉面から見ると非常にわかりにくいということ、これは私見で恐縮ですけれども。
 先ほど言いました話ですけれども、その五百平米という要件で該当しない農地、全国では難しいかもわかりませんけれども、東京都市圏だけでもわかれば、ちょっとお話を伺いたいのです。
○市川(一)政府委員 ちょっと記憶が必ずしも正確でございませんが、大体四%ぐらいと思っております。三大都市圏平均いたしました数字はございませんが、首都圏、近畿圏、中部圏と分けまして三%ないし五%でございます。
○松本(龍)委員 先ほどの渡海委員の話にもありましたように、宅地化も保全もできない、そういった結果、切り売りや乱開発などでスプロール現象が起きてくるということも十分に考えられるわけですけれども、その辺のところの配慮もこれからしっかりしていただきたいと思います。
 ちょっと具体的な中身に入ってまいりますけれども、複数の所有者で面積要件をクリアして指定を受けたとします。そういった中で、一部が営農不可能になって指定面積を満たさなくなった場合が考えられるわけですけれども、こういった場合は指定を取り消すのか、農家の意思を尊重して継続をするのか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
○市川(一)政府委員 ただいま御指摘のような事態は、現実にも起こり得るわけでございます。私ども基本的な考え方は、やはり都市計画の一般原則によりまして、生産緑地地区としての要件、いわゆる存続要件を欠くことになりますので、しかるべき機会に都市計画を変更する、そして廃止する必要があるというふうには考えておる次第でございますが、実際問題といたしまして、今のような事態を想定いたしますと、残った方々は五百平米未満であっても、やはり今までも農業を続けてまいったわけでございますし、今後とも農業経営を続けたいという強い希望がある方が考えられるわけでございます。こういった方々に対しましては、やはり何らかの形で農業経営が継続できるように、私どもといたしましていろいろな形でのあっせん等の努力を行う。市街化調整区域も含めまして、他の農地を取得する等のあっせんも必要なのではないかというようなことから、そういったような考え方が法律の中でも生かされ得るよう、いろいろな条文も入れさせていただいておりますけれども、一律的に即時都市計画を変更して生産緑地を廃止するという考え方は、現実的にはとれないし、とるべきではないという考え方で臨んでいく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○松本(龍)委員 今のお話は、その五百平米の面積要件を満たさなくなった場合は、いわゆる土地の広さではなく、農家の意思なり営農の意思を優先させていきたい、そういうふうに理解してよろしいのですか。
○市川(一)政府委員 基本的には営農の意思の尊重ということになりますが、ただ、その場所で農業をお続けになるということに関しましては、都市計画上はいかがかという考え方はやはりちょっと捨て切れない面があるわけでございます。
○松本(龍)委員 これから、これがもし通った場合にいろいろな事態が生じてくると思います。さまざまな難問も出てくると思いますけれども、そういうところは十分に配慮していただきたいと思っています。
 それでは、逆の場合ですけれども、指定要件をすべて満たして、いわゆる手を挙げれば自動的に生産緑地として認められるのか、認められない場合があるのかというところをお聞きしたいのですが。
○市川(一)政府委員 ただいまお尋ねの件は、かなりいろいろと議論のあるところでございます。私ども、生産緑地制度はやはり都市計画として仕組む制度でございますので、現行制度でもあるわけでございますので、いろいろ議論は既にされている部分があるわけでございますが、まず建前論を申し上げますと、やはりどうしても都市計画上、緑地機能ありとして評価できるものとできないものとがあるということは認めざるを得ないというふうに思っております。
 ただしかしながら、いわゆる生産緑地、先ほど先生からどうもわかりにくいというお話がございましたのですが、やはりその土地で農業とか林業とかあるいは漁業も含めまして生産活動が行われておる、その行われておる実態そのものが都市の中では緑地として機能しておるというふうに評価できるもの、これが生産緑地でございまして、どうしてもその生産を行っている方の意欲とか御希望が前提になるわけでございまして、そちらの方をとにかく尊重することが第一の条件でございますから、当然のことながら希望なさらないものにつきまして生産緑地に指定するということは、法律上も一切あり得ないように仕組んでございます。
 要は、希望したものがすべて生産緑地として指定され得るかどうかでございますが、これは私が実態を調べた感じでは、ほとんど生産緑地地区になり得るような農地が多いのではないか。非常に熱心に農業を継続されておられる方が多いというふうに思っておりますが、若干都心部もしくはその都心に近いところで、周りも非常に高度利用されておりましてその土地も高度利用を図るべきところ、東京の銀座のど真ん中には農地はないわけでございますが、場所によりましてはそれに該当するようなところに農地として存在するというところがございますが、そういったような場合。あるいは区画整理が済みましたところで、住宅が建っているところ以外はほとんどすべて農地として経営されておりまして、それをすべて農地として指定するということは多分ないとは思いますが、例えばそういったような議論が出てまいりました場合には、それから三十年間農地にするわけでございますから、何のための土地区画整理事業だったのかというような議論も、やはり地域レベルでは起こってまいると思います。
 この辺のところは、建設省の考え方といいますよりは、やはりそれぞれの都市の実態に応じて大分違ってまいると思いますので、市町村ごとのレベルで十分御議論いただきながら処理していただく。そういうことを考えました場合には、手を挙げたものがすべてすくわれるわけではないということは、言わざるを得ないのではないかと思っておるわけでございます。
○松本(龍)委員 自治体が明確な区分を行う基準に基づいて、土地所有者なり農家の意思に反して、指定要件をすべて満たしているけれども生産緑地に指定されない場合があるということですね。
○市川(一)政府委員 実態としてどの程度出てくるかということは定かではございませんが、考え方としてはあり得るというふうに思っておる次第でございます。
○松本(龍)委員 先ほど財源の確保の問題を言われたわけですけれども、やはりこの制度がなかなか機能してこなかった理由もそこに非常に大きな理由があると思うわけですけれども、市町村レベルでは非常に財源の確保が困難だというふうな話
も聞いております。国や県レベルで買い取り基金のようなものを創設するとか、そういうふうな知恵はこれから出されていくのでしょうか。
○市川(一)政府委員 建設省におきましても、将来の公共用地として取得する際の先行取得の際の資金手当てといたしまして、都市開発資金という制度がございます。それから、自治省所管でございますが、公共用地先行取得等事業債という、いわゆる地方債の制度もございます。現在のその制度は、資金量、条件等におきまして必ずしも十分であるとは言い切れない面が多々ございます。一応、平成三年度にもそれなりの改善策を講じていただくことにいたしました。自治省の方でも、相当積極的に地方債の活用について協力的でございますし、建設省の都市開発資金につきましても、いろいろ新しい項目等も設けるなどいたしまして対応することにしております。
 私どもといたしましては、基本的にはこれらの制度をより改善し充実していくということによりまして、買い取り資金の財源確保対策に取り組んでまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○松本(龍)委員 これから非常に大きな財源になってくると思うのですけれども、新たに買い取り基金みたいなものを創設されようとかいうお考えはないわけですか。
○市川(一)政府委員 生産緑地制度、現在もございますけれども、新しく改正されました場合には、平成四年の十二月三十一日までにとりあえず指定を開始するわけでございまして、私どもといたしましては、指定されてすぐ買い取り請求がどっと出てくるというふうなことにはならないと思っております。したがいまして、とりあえずは先ほど申し上げましたような制度で一応対応できるのではないかと思っておりますが、将来的に見まして、やはり財源の問題が非常に大きな問題になってくるといったような事態におきましては、ただいまのような先生御提案のようなお話も含めまして、いろいろと検討していく必要があるのではないかというふうに、現時点では思っている次第でございます。
○松本(龍)委員 「生産緑地の管理」の第七条に、農地等の所有者等は、市町村長に対し必要な助言、あっせん等の援助を求めることができるとありますけれども、自治体においてアドバイスができる指導員やいわゆる職員の養成について、何らかの方策を今のところ考えておられるのか、お尋ねいたします。
○市川(一)政府委員 地方公共団体レベルにおきましても、都市計画部局はちょっと弱い面があると思いますが、いわゆる農政部局もございます。そちらとの連係プレーは当然図ってまいることになりますし、そのほかに農業委員会あるいは農業協同組合等の農業関係団体との連係プレーその他を図りまして、トータルとしての行政チームが専門的知識のないままにこのような問題に対応するということのないように、いろいろと検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○松本(龍)委員 農地の認定とか農業従事者の認定並びに面積の確定とかいろいろ権利関係の紛争処理、大変な問題がこれからあると思うわけですけれども、これはやはり短期間でやっていくには非常に難しい状況がこれからあると思うのですけれども、それをただ単に今おっしゃったようなことだけで追いつくのかというところを、もう一度ちょっとお尋ねをしたいのです。
○市川(一)政府委員 現在の行政面での実態を申し上げますと、先ほどもお話し申し上げましたが、地方税法上、長期営農継続制度というのがございます。この制度の適用を受けますと、固定資産税が農地課税になるということでございます。この制度の適用を受けております農地が、これも都市によって違いますけれども、東京で八割五分ぐらいだと思います。したがいまして、今回の生産緑地制度の対象として外れる外れないも含めまして、議論になります市街化区域農地の大部分が長期営農継続制度の適用を受けてございますので、都市計画という意味では未経験の分野が非常に多いわけでございますが、行政分野トータルといたしましてはかなり突っ込んだ議論がなされておる分野でもございますので、何とかその辺との連係プレーも含めましてやっていけるのではないかという見通しを持っておる次第でございます。
○松本(龍)委員 それでは、私は時間が少なくなったものですからちょっとほかの質問をさせていただきたいのですが、三月十四日、大変な事故が起こったわけです。広島で橋げたが落下をして十四名が亡くなられ、また九人が負傷されるという大変な痛ましい事故が起こったわけですけれども、心から亡くなられた方の御冥福をお祈りしたいと思います。
 この事故のことに関してでありますけれども、その後の事故原因の究明なり現地の調査、建設省としてどう対応されてこられたのか、お尋ねをいたします。
○市川(一)政府委員 今回、広島市で広島新交通システムのけたの架設工事中に事故が発生いたしまして、十四名の方々が死亡するという大事故が起きたわけでございまして、私どもといたしましても、御遺族の方々に対しましてまことに遺憾でございまして、深く弔意を表する次第でございます。
 建設省といたしましては、事故が発生しました時点におきまして、事故の状況の把握、原因の究明を早急に行う必要があるという観点から、担当官三名を直ちに現地に派遣いたしまして調査をいたしました。それから、このような事故が再度起こらないように、類似の橋梁架設工事におきます施工状況等の緊急点検を指示いたしまして、これは翌日の朝すぐ指示したわけでございます。そういったようなこととともに、建設工事の施工に当たりまして一層の安全確保を図る必要があるという観点から、関係のセクション、道路管理者、あるいはこういった事業の事業主体、あるいはそれらの工事を請け負うことになる建設業者の方々に対しまして、一層の安全確保を図るように通知をいたしました。
 それから、事業主体であります広島市におきまして、事故原因を究明するための学識経験者等から成る広島新交通システム事故対策技術委員会というのを設けられておりますが、建設省からもその委員会の一委員といたしまして担当者を参加させておりまして、現在事故原因の究明に当たっておる次第でございます。こういった事故原因の究明を徹底的に行うことによりまして、このような事故が二度と起こることのないように取り組んでまいる必要があるということでございまして、大臣からも強くその点を指示されまして、関係者一同真剣に取り組んでおるところでございます。
○松本(龍)委員 この事故は非常に最悪のケースだと私は思っているわけです。先ほど、道路管理者、事業主体並びに仕事されていた方、いろいろなところでお話を聞きながら事故原因の究明をされていると言いますけれども、建設省が主体的にこの問題に、この事故の究明に取り組んでいく、それこそ不退転の決意で取り組んでいく、そういう決意をお聞かせ願いたいのですけれども。
○玉田説明員 お答え申し上げます。
 ただいま都市局長から御答弁申し上げましたとおり、私ども建設省ではかねてから建設工事の施工に伴います事故の防止を図るために、土木工事安全施工技術指針等を定めまして、その徹底を図ってきたところでございます。しかしながら、今般広島市におきましてこのような事故が発生したということにつきましては、私どもといたしましてもまことに申しわけなく、かつ遺憾に存ずる次第でございます。
 このような事故の再発の防止を図るために、先ほど御答弁申し上げましたとおり、直ちに関係方面に通達等を発しまして、このような事故が二度と起こらない、従来にも増して施工面の安全に配慮しなければならないということを関係機関を含めまして通達をして、指導を強化しているところでございます。
 さらに私ども、土木工事安全施工技術指針につきましては、最近、施工技術の多様化それから市
街地での土木工事の増大等、工事の諸条件の変化がございます。これらを踏まえまして、当然この技術指針の見直しが必要ではないかということで、建設大臣の諮問機関でございます建設技術開発会議の中にも、これに当たります安全を担当いたします専門部会を新設いたしまして、強力に今後とも事故の防止に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○松本(龍)委員 私はそういうことをお聞きしたいのじゃなくて、この事故の原因の究明に当たって、この事故を特定して、この事故の究明をどうやって建設省は主体的に担っていくか。もういろいろ、道路管理者とか事業主体とかいろいろあると思います。しかし建設省は、これにかかわってどう原因の究明をしていくのかという決意を聞いているわけですけれども。
○玉田説明員 お答え申し上げます。
 先ほど都市局長から御答弁申し上げましたように、私どもの担当官もこの事故究明委員会に参画をしてございます。それから私どもは、建設省の土木研究所その他、この道に関します研究機関も保有してございます。そういったことで、私ども各局総力を挙げてこの事故の原因の究明に御協力申し上げたいというふうに考えておるところでございます。
○松本(龍)委員 私は、この事故はすべての要素が絡み合って最悪の事態になったというふうに考えているわけです。つまり、交通規制をしてこなかった。警察としては、いわゆる交通渋滞をしないという作用がずっと働くわけですね。そして、事業主体としても第三セクターにしても、安くこれを上げていきたい、そして工期をしっかり守っていきたいということがある。それにはやはり安全がかなりおろそかになってくる。工事をしている人たちにとっても、何とか利益を出していきたい、安全対策にお金がかかる、何とか安全を逃れていきたい、つまりそういう大きな要素。さらには専門工事業者にしても、人手が足りない、次の仕事がある、しかし断ると後の仕事がなくなる。そういういろいろな要素が絡み合って、ああいう六十トンの大きな橋げたが落ちて痛ましい事故になったと思うわけです。
 ですから私は、この事故に関する本当の報告書、事故原因を徹底的に究明をしなければならない。そのことが私は、これから先の同じような工法なり、四百三十兆円の公共投資等大きないろいろなプロジェクトがあるわけですけれども、これから先の大きな、何といいますか、事故解明をすることによって、亡くなられた方の供養にも少しですけれどもつながっていくというふうに考えているわけです。
 突然ですけれども、ハインリッヒの法則という言葉を御存じですか。
○玉田説明員 率直に申し上げまして、存じ上げません。
○松本(龍)委員 アメリカの安全技師のハインリッヒという人が、一人の重傷者の背後には同じ原因で二十九人の軽傷者があり、さらに三百件の無傷の事故があるという法則なのですけれども、アメリカのハインリッヒという人が主張したわけですが、これは法則が正しいかどうかは別として、こういう事故の裏側にはたくさんの大きな、また小さな事故、人が傷つかないような事故がたくさん隠されていると思います。ですから、この事故の原因を究明をしていくことが、私はこれからの建設工事の災害、土木工事の災害を防いでいく大きな意味を持ってくると思っています。
 例えば飛行機事故にしましても、ツームストーン・セキュリティーとかいう言葉が飛行機事故の場合あるそうですけれども、一たび事故が起こらなければ事故原因がなかなか特定をできない。ですから、この事故はそういう意味で、事故の原因を究明をしていく、そしてその社会的な背景なりを究明をしていくことが非常に大きな意義を持ってくる。そして、これらのことがこれからの建設工事なり土木工事なりで作業される人、また亡くなられた、痛ましい事故に遭われた十四名の方々に対する私は供養ではないかと思っています。
 最後に、建設大臣、この事故につきまして御所見をお伺いしたいと思います。
○大塚国務大臣 一瞬にして生命を絶たれた十四名の方々、本当に心から御冥福をお祈り申し上げます。同時に、御遺族の皆様の悲しみも本当に大変なものだと思っておりますし、またけがをされた方々、けがをされたその家族の方々、本当に一つの事故によってこんなに大きな犠牲が出るということを心から痛ましく思っておるわけであります。
 当日、早速担当官を派遣いたしまして、その後もこの種の事故が二度と発生しないように、厳重に関係機関に連絡を申し上げまして対処をした次第でございます。したがって、本当にその尊い犠牲の方々のことを思いますと、原因をはっきりつかむということが何よりの御供養でもあるということも御指摘のとおりでございまして、その努力を積み重ねておるわけでありますが、捜査中の部分もございまして思うようにはかどっていない点もございますが、特に広島市や新交通システムの関係の会社にも、今後この原因を究明して二度と起きないような対策を建設省としてもしっかり立てていこう、こういう決意でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○松本(龍)委員 ありがとうございました。以上で質問を終わります。
○桜井委員長 次に、石井智君。
○石井(智)委員 生産緑地法の一部を改正する法律案について御質問を申し上げてまいりたいと思いますが、その前段で、今日までこの東京を中心とした大都市の形態そのものがいろいろな角度から議論をされ、いろいろな矛盾を醸し出しておるわけでございますが、そういう状況の中で、まず都市農業というものをどのようにとらえていったらいいのか。また、そういう点で農水省はこの都市の農業というものをどう位置づけされておるのか、そこからお伺いをしたいと思います。
○日出説明員 先生の御質問については、私どもとしても大変悩むわけではございますが、都市農業、都市住民に対します野菜等生鮮農産物の供給、これは例えば三大都市圏の特定市で見ますと、野菜でも一〇%、花やその他は一五%といったようなかなりのウエートが一方でありますほかに、市町村の希望等も強うございますが、緑とかレクリエーションの場の提供、そういったような環境保全などの役割も大変大きな役割を果たしているわけでございます。
 ただ一方、都市農業に供されております農地でございますが、農外の土地需要とどのように調和させていくのか、こういったことも大変大きな問題でございます。そういうことで、都市農業の果たします役割というものを十分考え、あるいは市町村その他の方々のいろいろな希望等も考えながらも、一方で都市計画法なり農振法といった法律をきちんと運用することによりまして、調和ある国土利用を図っていく、こういったことが大変重要だろうというふうに考えているわけでございます。
○石井(智)委員 都市農業の果たす役割は非常に大きいわけで、これを積極的に評価をしていかなければならぬというふうに思うわけです。都市で消費をされる生鮮野菜、そういうものが都市の近郊で生産をされる、その他農地の持つ緑地機能を考慮する、こういうようなことを考えていくと、農業政策、農政の面からはぎちんと都市農業を位置づけて、その後継者の育成などを含めた積極的な施策が必要ではないかな、こういうふうに思うわけですが、では一体営農の実態はどのようになっているのか、こういうことについてお伺いを申し上げたいと思います。とりわけ、市街化区域農地の営農実態についてどのように把握をされており、農家の総所得に占める農業所得はどんな状況になっておるのでしょうか。
○森永説明員 先ほど企画室長からも答弁いたしましたように、市街化区域農業もかなり多様な展開がされておりますけれども、統計的な数字としては、同じ都市化地域でもいわゆる市街化区域と調整区域とがかなり錯綜している地域もございま
して、市街化区域の農地だけに限った営農実態というデータがなかなかとれないものでございますので、そこは御勘弁いただきたいと思います。
 そこで三大都市圏の特定市、これはいわゆる首都圏、中部圏、近畿圏の特定市でかなり市街化区域が広範にあるわけでございますが、そこのデータで申し上げますと、先生お尋ねの所得に占めます農業所得の割合は、例えば販売を行っている農家といない農家に仕分けしますと、販売を行っていない農家というのが約二九%、その三大都市圏の特定市の農家がございます。これは全国は約一九%でございますから、やはり販売を行わない農家というのが全国平均よりもちょっと多いという面がございます。
 それからもう一つ、専兼別をとってみますと、やはり二種兼農家、要するに農外所得の方が農業所得よりも多い農家というのが約七三%ございまして、全国でも実は兼業が進んでおりまして六七%が二種兼農家でございますけれども、全国平均よりもやや二種兼農家が多い。そういう意味では、農業依存度が三大都市圏は全国平均に比べますと若干低いという状況でございます。
○石井(智)委員 そうしたら、主たる農業従事者というのか、そういう方たちとそれから今後の後継者について実態と見通しというのか、そのあたりはどういうふうにお考えですか。
○森永説明員 農業従事者の状況でございますけれども、農業に主として従事しておられる方の問題でございますが、実はこれも非常に高齢化が進んでおりまして、この三大都市圏の特定市について見ますと、六十歳以上の方が五八%以上という九〇年センサスの結果が出ております。これも、全国平均よりもやや高齢化が進んでいるという状況がございます。
 これに対しまして、後継ぎがいるかどうかというのが問題になるわけでございますけれども、統計的なセンサスのデータによりますと、実は七五%の農家に後継ぎがいるという答えになっております。ただ、これは農業を継ぐかどうかというところまでの明確な意思を、そこまで調べているわけではございませんで、現在家におられる後継ぎの数は七五%、これは全国平均の六五%よりやや高いというデータがございます。これは、在宅で兼業機会があるというような地理的な条件も反映していると思いますが、後継ぎについては、農業の条件整備によっては後継者が農業をやれる条件も、農家の条件としてはかなりあるのではないかなというふうに見ているところでございます。
○石井(智)委員 この法律を改正する理由についてでありますけれども、提案説明を伺ったところによりますと、農地の保全の必要性が高まっているから「市街化区域内において適正に管理されている農地等の計画的な保全を図る」、こういうふうに述べられていると思うのですが、そのように理解をしてよろしいかということと、背景として、住宅宅地需給が逼迫をしている現状で、本法改正の目的は農地等の保全を図ることを第一義とする、こういうふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
○市川(一)政府委員 市街化区域内農地をめぐる政策展開といたしましては、先ほども大臣が御答弁申し上げましたように、保全するものと宅地化するものとを都市計画で明確に区分すること。それで、宅地化するものにつきましては、都市基盤施設整備も含めまして計画的な宅地化を進める。保全する農地につきましても、生産緑地地区制度あるいは逆線引き等も活用いたしまして積極的に適正に保全する、こういうふうに政策展開をすることという基本方針を立てておるわけでございますが、今回御提案申し上げております生産緑地法の改正は、このうち保全する農地について適正に保全し得るような仕組みをつくるという意味でございますので、農地の保全が第一目的と理解しておる次第でございます。
○石井(智)委員 土地の有効利用を促進しなければならないということは当然ですけれども、住宅用地を確保することもまた一面重要なわけでありまして、市街化区域ですから、十年もたてば本来既に市街化されていなければならないという見方も、一面あっていいのではないかという気もするわけです。また、一方では土地税制の問題もありますし、長期営農継続農地制度による不合理が生じたからこの辺で営農を続ける者とそうでない者を峻別していこう、こういう側面もまたあっていいのではないか。こういうことから、この法改正の背景としていろいろ前提が、背景があろうと思います。いわば改正の目的が、農地等の保全を図っていく、本当にそのことだけにこの法律の目的があるのでしょうか。
○市川(一)政府委員 総合的な政策展開といたしましては、市街化区域はやはり計画的な市街化を図っていくべきとして、都市計画上位置づけたものでございます。特に大都市圏におきましては、地価の高騰等も含めまして住宅宅地問題が最大の課題になっておるわけでございまして、私どもといたしましては、それにこたえていくということが第一の条件であろうというふうに思っておる次第でございます。
 ただ、その際の農地の問題につきましては、従来からその農地に対する課税をめぐる問題その他でいろいろ議論がございまして、それをめぐります都市住民からの不満の声もございまして、いろいろな議論がなされた結果、今回の税制改正におきまして、市街化区域農地についても整然と区別いたしまして、宅地化するものと保全するものとをしっかりと区分けしようということになったわけでございます。したがいまして、生産緑地法は市街化区域内の中で都市計画として適正に保全するためにはどういった仕組みがいいかという観点から取り組んでおる制度でございますので、農地の保全だけを目的にするのかという意味では、まず基本的には都市の町づくりという観点において、都市農業が行われております農地をどのように保全するのが最も適切であるかという観点から取り組んでおるシステムということでございます。
 しかしながら、宅地化の問題という大きな命題の中で、それとの整合性をどういうふうに保っていくかという意味もあるいは御質問の中に含んでおられるのかと思いますが、その辺は、先ほどの私の御答弁では不十分かと思いますけれども、私どもが行っております総合的な政策展開の中で、生産緑地法はその一部を担うものであるというふうに御理解いただきたいと思う次第でございます。
○石井(智)委員 農地の保全が重要な目的である。
 私はここで、もう一つこだわってお聞きしたいのですけれども、生産緑地として一たん指定するからには、長い将来にわたってその土地が農地または緑地として必要であるという判断のもとでそれが指定される、農地として必要だから生産緑地にする、こういうことで、したがって将来いろいろな事態が予想されるが、原則として、一たん指定したものは何らかの形でその機能を残していくのだ、そういうふうにとらまえていいのかどうか。
 それから、個別のいろいろな事態が生まれるだろうと思いますが、それは後で個々にお伺いしていきますけれども、本来この法の理念というか、そのものの要旨というか、そういうものをもう一つこだわってお聞きしたいと思います。
○市川(一)政府委員 昭和四十三年に都市計画法が改正されまして、市街化区域、市街化調整区域といういわゆる線引き制度が導入されました時点におきましては、同時に農地法も改正いたしまして、市街化区域内の農地につきましては、農地法上の転用許可制度を届け出だけで済むというふうに改正いたしました。この基本的な考え方は、市街化区域内に入りました農地につきましては、基本的には農地転用の厳しい制約を撤廃することによりまして宅地化が容易になるようにいたしまして、計画的な市街化を進めていくという中にランクづけられたと思います。しかしながら、制度の適用が進展するに伴いまして、市街化区域の中に取り込まれました農地所有者の方々の中で、なお
継続的に農業を続けたいという御意向の方々がたくさんおられることも判明いたしました。
 そういったような状況の中で、昭和四十九年に生産緑地制度というものができたわけでございますが、その後現在に至る過程を見てまいりますと、例えば東京でございますけれども、市街化区域内農地の賦存量はちょうど半分ぐらいになっておるわけでございます。そして、一方で都市住民の方々は、都市の中に公園とか緑地といったオープンスペースがふんだんに含まれている都市を求める、そういう町づくりを期待する、そういった状況も強くなってまいりますと、目の前にあります農地が宅地化されていくということに関しまして、必ずしももろ手を挙げて賛成ということでもない実態も生じてまいっておりまして、つまり市街化区域の中の農地ではあっても、農地としての希少価値、緑地としての機能が都市住民の中から非常に高く評価されるようになってきた。
 また、さらに加えまして、市民農園というような制度もできておりますように、都市住民の方々自体がその生活の一環の中で農業に親しむというようなことを求める状況も出てまいった。そういったような状況から、やはり市街化区域の中ではございますが、現在存する農地につきましては、これはかなり長期間農地として位置づけていくということがむしろ都市住民の方々から求められている一つのシステムといいますか、傾向なのではないかという理解を私ども持ったわけでございます。
 ただ、都市計画で市街化区域、市街化調整区域と線引きいたしました中での市街化区域の中におきます農地の保全の問題でございますので、やはり法律のシステムその他によりましてきちっと制度的に位置づけてやっていく必要があるという観点から、今回の改正案を提案した次第でございまして、現行制度でございますと面積要件その他が非常に厳しゅうございまして、そもそも対象となる農地が非常に少なくて、実態として農業経営を希望されておる農家の方々の希望を必ずしも十分に吸収できないというところから、改正案を提出いたしたという次第でございます。
 十分お答えになっているかどうか、ちょっと自信はございませんが……。
○石井(智)委員 いろいろお話をお伺いしました。農地の持つ緑地機能を積極的に評価をして計画的に保全を図っていこう、こういう大きな意義があるのだろうというふうに、私もそのことについては大いに賛成をしたいと思います。
 地権者の都合で、例えば死亡なども含めてですけれども、この地権者の事情で営農を継続できなくなったときに農地が農地でなくなってしまったら、これは計画的な保全になっていかないわけです。将来にわたって本当に農地を残すということであれば、これは当座残しておきますということであってはならないわけで、都市計画の上で市街化区域内には一定の農地が計画的に長い将来にわたって保全をされていく、この法律を改正する意義はそこにあるんだろうと思うわけでございます。そういう意味において、本当に一たん指定をした生産緑地というのは、永久にそういう緑地として残っていくのでしょうかどうでしょうか、当座の状態であってはならぬと思うのですけれども。
    〔委員長退席、木村(守)委員長代理着席〕
○市川(一)政府委員 生産緑地に指定されます農地は、適正な緑地として継続するためには農業経営その他の適正な肥培管理が継続する必要があるわけでございまして、農家の方々のいろいろ病気その他の事情もございましょうし、それから、そもそも指定時点ではみなぎるような意思がございましても、営農の意思がある時点で失われるというような事態も、ケースによりましてはあり得るわけでございます。そういったようなものを、一たん生産緑地として都市計画で指定した場合にどういうふうにするべきかというのは、一つの大きな課題でございます。私どもは、今回の改正案によりまして、農地所有者の方々に三十年間の営農の継続を期待するわけでございますので、当然都市計画上は、三十年以上にわたってそこが緑地として存在するということを前提とした都市計画を組むわけでございます。
 そういう観点から立ちますと、そういう営農意欲が失われたような方々も含めまして農業の経営が継続できないようなものにつきましては、それにかわる営農希望者の方々をあっせんするというような形での委託管理の方法もございましょうし、あるいは市民農園として思い切って市民に提供していくという問題もございましょうし、さらには農業を希望する方々にそれを買い取っていただくというものもございましょう。最終的には、そういったようなことがない場合には公共団体が買い取る。その場合には、公共団体側といたしましては、当然公園とか緑地として適正に管理していくといったようなことの流れの中で、基本的には都市の中の貴重なオープンスペースとして管理していく手だてをいろいろと講じていく必要があるというふうに考えている次第でございます。
○石井(智)委員 まず宅地にするものと保全するものとを明確にするわけですけれども、保全する農地として指定するものが生産緑地ということになるわけで、一たん地権者の都合で宅地になってしまうということになってはやはり筋が通らない、こういうふうに思うわけですけれども、営農が不能になったら他の者にかわるか、それもなかなか難しいだろうと思います。
 そういう点で、地方自治体が緑地機能を果たせる範囲で活用していくのだということもまたうたわれている。確かに、制度としてはそのことも必要なのでしょうし、またそういうことをごあっせんをできるようなシステムも必要なんでしょう。しかし、先ほどの農水省の答弁にもありましたように、実際に農業を続けていくという人を求めるのは大変難しい状況ということもまた事実であります。
 そういう中で、市町村が優先的に先買いができるということにもまたなっておるわけですけれども、自治体の場合に、とりわけ財源という問題がつきまとうわけであります。先買いの権利を自治体が履行できない場合、そんな場合はどうなるのか。そしてまた、保全すべき農地として認定したものが合法的に業者によって宅地化されていくこと、そういうようなことが起き得るのだろうという予測をするのですけれども、その辺の歯どめはありますか。
○市川(一)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、農地所有者の方々の営農意欲の喪失といいますか、そういったような事態その他、いろいろ主観的な面も含めました事情の変更というのはあり得るというふうに私ども思っておる次第でございます。しかしながら、生産緑地に指定いたしました場合には、生産緑地法の中で、その地区内におきまして許される行為というものが限定されておりまして、基本的には農業そのものをやるか、あるいはその農業経営のために必要となる小屋とか、そういったものを含めました施設の設置ぐらいが限度でございます。市民農園にする場合には休憩施設も必要だそうでございますから、そういったものも許されるということになっておりますが、それ以外のいわゆる開発行為あるいは建築行為は一切許されておらないわけでございまして、都市計画を変更しない限りはそれは都道府県知事の許可が必要でございますし、都道府県知事は許可はしないということになりますので、歯どめは十分かかっておるというふうに思っておる次第でございます。
○石井(智)委員 歯どめがかかるというふうに理解をさせてもらっておきます。
 私は、この改正案で農地の緑地機能を積極的に評価をして都市の環境に位置づけていこう、こういうところは非常に評価をしておきたいというふうに思うのですが、そういう点では、今後緑地として機能をするにはどれぐらいの面積が一番いいのか、こういうふうに思うわけですけれども、今回の改正案では五百平米以上に一つにまとめてしまう、こういうふうになっておるわけですけれども、この程度の面積で本当に緑地機能が保てるの
かなという疑問がありますが、いかがでしょうか。
○市川(一)政府委員 都市の中の緑地機能とは何かということになるわけでございますが、実態等を見てまいりますと、都市緑地という制度がございまして、これは緑地そのものがその都市の中で貴重な存在の場合に、一応都市公園の大きな仕組みの中で、実は都市公園は「公園又は緑地」となっておりますから、都市緑地も都市公園に入るという意味でございますが、実際には公園と緑地は違いますから、人が利用するというよりは、そこに存在することに価値がある。同じような機能という意味では、いわゆる樹林地といいまして、都市の中で木があります場合に、一本一本の木を保存すべきものとして指定する制度もございますが、集団として保存する必要がある場合に、樹林地というもので樹木を集団的に指定するものもございます。こういったようなものの実態をいろいろ調べました。
 それから、制度上もそういうふうな仕組みがございますが、その中で五百平米以上というのが補助要綱等で決まっておりまして、国が補助し得るものは五百平米以上ということになっております。それで、実際に五百平米ぎりぎりのものが全国にも存在しておりまして、それらをつぶさに検討してまいりましたところ、都市の緑地としてそれなりに存在理由ありと、これはもちろん判断は当該市町村長の方々がやられているわけでございますが、我々が拝見いたしましてもその価値ありということが言えるように思っておりまして、五百平米はぎりぎりのところ都市の中の緑地として評価し得るというふうに私どもは判断しておるところでございます。
○石井(智)委員 私、もう少し生産緑地地区というのはこの指定条件、今補助基準からくるものの方にウエートがあるような言い方をされましたけれども、緑地機能そのものからいけば、こんな数字で本当に緑地機能が果たせるのかなという感がします。まあ大都市東京の中で空き地といえば本当に貴重な存在なんだろうから、それでもありがたいという気持ちは生まれるのかもしれませんけれども、児童公園ですら千平米以上というのが補助基準ですよね。そういうことからいくと、本当にそういう自然の緑地という意味合いを持った緑地がわずか百五十坪ぐらいの土地なんだろうかな。その辺の指定理由というものが、少し今の補助基準がウエートが高過ぎて、本当に機能面から見た基準になっていないのではないかなという気がしますけれども、そのあたり率直なところどうですか。
○市川(一)政府委員 先ほど私、生産緑地の行為の制限のところで、都道府県知事の許可と申し上げたようでございますが、市町村長の許可でございまして、大変失礼いたしました。行為の制約でも市町村長となっておりますように、生産緑地そのものにつきましては、大体基本的に市町村が定める都市計画でもございますし、市町村レベルでいろいろ御議論いただきたいと。
 それで、私どもが設けました面積要件は、最低面積としての五百平米でございます。ただいま、五百平米で本当に都市の中の緑地として機能し得るのかどうか甚だ疑問であるというような御指摘もあるわけでございますが、私ども率直に申し上げまして、児童公園も千平米以上でございますから、やはりその千平米以上あることが基本的には都市の緑地としては適正なのではないかと思っておるわけでございますが、何せ東京も含めまして大都市におきましては緑地そのものが非常に少なくなってまいっておるわけでございます。従来は、個人の庭というものも、統計上はあらわれない形ではございますが、非常に貴重な緑地として機能してまいってきたわけでございます。日本の都市の一つの大きな特徴でもあるわけでございますが、それが昨今の市街化の状況その他から失われつつあるというような状況等も勘案いたしますと、必ずしも十分であるとは言えないかもしれないけれども、五百平米というのは必要な条件を満たしておると評価し得るのではないかという判断を、これも率直に思っておるところでございます。
○石井(智)委員 五百平米という数字そのものは、いろいろとらまえ方によって差はあるのだろうと思いますし、お考えはよくわかりました。
 本当に五百平米のもし農家があって、離れたところに五百平米の農地が残っておる、それで農家の立場からしたら、それを何としても三十年生産緑地として指定をしておきたい土地だというふうに、私は思わないのです。それをあえてそういう形で、小さいところまで縛りつけることによって生産緑地の指定を受けることが、現行の税法上いろいろな、これからは固定資産税の税法上、要は小さいものまで全部縛りをかけることによって、縛られる側は縛られたら困るからという形で別の用途への道を促そうとしておる法律ではないかな、こういうふうに思うわけですけれども、まあそれは私の一面の見方であるかもしれません。
 そういう状況で今日までこの緑地法が施行をまた一面されてきて改正されるわけですが、その生産緑地がどういう状況で今日まで決定をしてきて、またその手続がどういうふうになされて、現在どういう状況になっておるのか、現在までの状況をお知らせいただきたいと思います。
○市川(一)政府委員 現行制度は昭和四十九年にできたわけでございますが、四十九年以降昭和五十年代の半ばぐらいまでは、大体徐々に生産緑地の指定がふえておりまして、約六百ヘクタールまでなりました。それから以降は伸びがとどまりまして、現在では第一種生産緑地地区、第二種生産緑地それぞれ半々でございますが、七百ヘクタールが存在しておるわけでございます。すべて市町村の都市計画決定でございます。
○石井(智)委員 従来、生産緑地の指定というのは今言われたように自治体が御対応してこられた。そういう中で、自治体自体が公共用地を確保するための一面大きな役割も果たしてきた、そういう面はございませんか。
○市川(一)政府委員 制度制定の基本的な考え方といたしましては、ただいま御指摘のような公共用地のいわば保留地、将来の公共用地としての確保という面も期待した面もあったわけでございますが、現実には三大都市圏、百九十特定市全体――失礼しました。全国すべての市街化区域の中での生産緑地地区がおよそ七百ヘクタールでございますので、機能的な面で大きな役割を果たしてきたとは必ずしも言えないのではないかなというふうな感触を持っておるところでございます。
    〔木村(守)委員長代理退席、委員長着席〕
○石井(智)委員 そういう目的でなかったことの証明に、また一面なるのかもしれませんね。
 八二年に長期営農継続制度が改正をされましたけれども、そのことによってこの生産緑地の指定がどのように影響されたか、そういう影響は出ておりませんか、出ておればお教えいただきたい。
○市川(一)政府委員 必ずしも十分御説明できないかと思いますが、昭和五十五年度、一九八〇年度でございますが五百五十ヘクタールでございました。五十六年度が六百二十二ヘクタールまで伸びましたが、五十七年度は六百二十八、五十八年度が六百三十、五十九年度六百三十五、それで六十年度は逆に六百二十四と減少してございまして、そういったような状況が続いておりましたので、この辺が長営制度ができたことによる影響なのかなという分析を、私どもしておる次第でございます。
○石井(智)委員 今回この法が改正されますと、生産緑地の指定はどのようになされていくかということになるわけですけれども、農家が希望しても自治体がそこを宅地にすると判断すれば拒否できるわけですから、結局制度の運用は自治体の姿勢にかかってくる、こういうふうになるわけですね。そういう点で、今度このあたりをどのように指導をされていくのか、自治体に対する指導についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
 順序から言うと、まず自治体が市街化区域で緑地のまま残しておくべきだというふうに判断する地区を指定をする、そして指定された地区内の要
件にかなった農地を生産緑地として指定をする、こういうふうにしていくのが、本来この法の趣旨からいけばなるのではないかなというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。複数の所有者が指定を受けて、またそういうところで農地が幾つもある、所有者が複数にまたがっておる場合の営農の許可とか、そういうようなところもあわせもって、自治体に対してどのように指導をしながら、また自治体がその役割を果たせる状況をどうつくり出していくのか、そんなあたりのお考えはいかがでしょうか。
○市川(一)政府委員 今回の生産緑地制度の改正が成立いたしますと、税制との関係で平成四年の十二月三十一日までにとりあえずの作業を終了しなければならないわけでございます。私どもといたしましては、これまでの都市計画決定手続等の実態から申しまして、極めてぎりぎりの日数しかないというふうに把握してございます。
 したがいまして、いわば拙速というような作業になってもいけないわけでございますから、作業をできるだけ迅速に進めると同時に、適正な都市計画決定が行われる必要があるというふうに思っておりますので、まず基本的には、ただいま御指摘のような順序も本来はあり得るわけでございますけれども、現実的には同時並行的にやっていく必要があるというところから、現況調査等の事前準備はもうすぐにでも開始してもらいまして、都市計画としての緑地の評価等をやってもらう。それとあわせまして、所有者の方々の意向の把握にも努める。都市計画部局だけでは多分十分な判断はできないだろうという観点から、農業委員会等の関連部局との調整も綿密にやるようにと。
 それから、最終的な都市計画の手続につきましては、通常、地方公共団体におきましては、都市計画地方審議会を定期的に開催しているわけでございますが、そういったものにつきましても、定期性にこだわることなく必要に応じ臨時に開催してもらうなどいたしまして、とにもかくにも平成四年十二月三十一日までに、特定市におきます生産緑地地区の指定はすべて終了させる必要があるという観点から指導してまいりたいと思っておる次第でございます。
○石井(智)委員 先ほど数字をお聞かせいただいたわけですけれども、現在までに長期営農継続農地として指定を受けている農地、今回の基準に当てはめると、仮に全部が生産緑地の指定を希望したとして、どれぐらいの農地が対象から外れますか。
○市川(一)政府委員 お答えになるかどうかわかりませんが、まず長期営農継続制度の対象となっております農地は八割五分ぐらいでございます。
 それから、生産緑地地区に指定されるであろう農地の見込みでございますが、これはなかなか予測が立たないわけでございますけれども、国土庁が行いましたアンケート調査では、市街化区域内農地を持っておられる方の約六割の方々が営農の継続を希望しておられる。ただし、もちろんそのすべての農地ではないと思いますけれども、そういう希望を持っておられる。それで、今回の制度と相まちまして、全体の市街化区域農地の大体三割ないし四割が生産緑地地区に入ってくる。それから、残りの農地のうち少なくとも半分ぐらいは今後十年間に住宅地として転換されていく、またさせる必要があるというふうな考え方で、建設省としては見通しを立てておるところでございます。
○石井(智)委員 生産緑地として指定をした後の問題ですけれども、緑地としての機能を果たしていくための管理はどういうような状態で行われていくのでしょうか。これは市町村がしていくということになるのでしょうけれども、実際に調査活動が、市町村はどういう部署でどういうふうにしなさいよというところまで指導がなされているのか。これはやはり市町村が全部対応するわけですね。そのあたりの市町村との連携というのか……。
○市川(一)政府委員 基本的には、生産緑地に指定されました農地が適正に管理されていくということは、やはり農地を持っておられる方々を中心といたしました農業として従事されている方々の意欲と努力の問題であろうと思います。
 そういった生産緑地が適正に管理されておるかどうかというような状況も含めまして、あるいは適正に管理され得るようにいろいろと御協力を申し上げるというような観点も含めまして、市町村レベルでいろいろ対応してもらいたい、対応していく必要があるということになるわけでございますが、第一義的にはもちろん都市計画部局が対応いたしますけれども、何さま都市計画部局、農業に必ずしも詳しいスタッフがそろっているわけではございませんので、市町村レベルにおきますいわゆる農政関連部局との連係プレー、それからさらには農業委員会、農業協同組合等の関係者との連係プレーも必要なのではないかというふうに思っております。
 農業委員会につきましては、今回の生産緑地法の改正の中で条文上もかなり明確に書かれておりますが、都市計画地方審議会等において議論をなされる場合におきましても、例えば農協の方々が委員として加わるとか、そういったようなことも含めましていろいろと参加していただき、御協力いただきましてやっていくというふうになるのではないか、また私どももそういう指導をしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○石井(智)委員 では次に、生産緑地の指定を受けて農業を継続していく、そういう状況でも将来どんなことが起こるかわからぬ。そんなときに、生産緑地のまま譲渡をしたいという農家が生まれた、そのときにどんな支援策が起こるのでしょうか。今のままでいったら、自治体が買い取るという話とかいろいろあります。しかし、農家が手放さざるを得ない状況になったとき、本当に今言われておる範囲で対応できて、農家がそのことで十分になり得るのか、ここがやはり将来、農家にしたら一番心配事だろうと思うのです。
○市川(一)政府委員 生産緑地に指定されました後でその農地を手放したいという場合に、農地を農地のままで手放すということにつきましては、私どもは基本的には、それは一切問題はないというふうに制度上も思っておるわけでございますが、別途、先ほど来御議論になっております買い取り請求権とは別の形で、いわゆる買い取りの申し出という規定も現行制度にもございます。それが生産緑地制度にあるわけでございます。これにつきましては、請求権というような強いものではございませんが、買い取りの申し出を市町村にやっていただくということの道も開いております。それで市町村といたしましては、その申し出がありました場合には、他の方をあっせんするとか、そういったようなことも含めまして農地所有者の方々の意向に沿えるように、現実的な対応をしてまいる必要があるというふうに思っておる次第でございます。
○石井(智)委員 営農が不能になった場合の農家が、そのまま緑地として三十年以上は続けていかんならぬ、そこでかえんならぬ。現行法からいったら、農地は農地としてその売買しかできない。そのときに、こんな大都市の中で五反歩以上の耕作をしていて農地を取得できる、そして営農をしていく、そんな形の農家の取得者が本当にあるとはちょっと私考えにくいのです。今農地を取得しようと思えば、五反歩以上耕作をしている人でないと農地は新たに取得できませんね。今放す人の方の話なんですけれども、それを買い受けて、引き続き生産緑地としての農地を維持していく農家が本当にあるのかといったら、私はないんだろうと思うのです。そこがやはり一番、そのときに生産緑地として機能をしていた、そのときに市へ申し出をして、何らかの買い上げをしてもらうという道等が生まれてくるんだろうと思うのですけれども、そのあたりの状況の決め手が、生産緑地として残してもらえるのか。生産緑地にしてしまったら都合が悪いぞという印象が残って、本来の都市計画上、こういうところにはずっと将来にわたって緑地として残していかなければならぬのだと
いう位置づけは体面上でありながら、おれの土地を手放せという催促の法案でしかないというふうに受けとめられるところがどこかにあらわれはしないんだろうかな、やはりその疑問が残りますが、農水省の側は、残す側としてどうですか。
○森永説明員 御指摘の点にございました農地のまま取得する要件でございますが、農地のまま取得する場合は、市街化区域でございましても農地法の適用がございまして、御指摘のように取得後、原則は五十アールという要件がかかってございます。ただ、これは地域の実態なりそこで行われております営農の形態に応じまして、都道府県知事がこれより低い面積を定めることができることになっております。そういう手だてで、必ず全国一律に五十アールでなければならないということではないということは、まず一点御理解をいただきたいと思います。
 それからもう一つは、確かに市街化区域、特に東京都二十三区のようなところで市街化区域の農地の所有者の方はかなり小面積の方がおられますけれども、一般的には、市街化区域内にも何カ所にもわたって持っておられる農家とか、それから調整区域と市街化区域と両方にわたって持っておられるのがかなりございまして、特に営農意欲の強い、しかも立派な農業をやっておられる方はかなりの面積を持っておられる方がございますので、そういう方の取得というのはかなり可能ではないか。
 それから、取得に際しましてのいろいろな手だてでございますけれども、農業委員会のあっせんとか農協の事実上のあっせんとか、そういった手だても含めまして、農林水産行政サイドでもいろいろな御支援を申し上げたいというふうに考えておるところでございます。
○石井(智)委員 時間ですので終わります。ありがとうございました。
○桜井委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時四十五分休憩
     ────◇─────
    午後五時開議
○桜井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小川信君。
○小川(信)委員 それでは生産緑地法の関係について御質問いたしますが、その前に、都市地域におきます緑地関係の今までの歴史的な経緯についてちょっと申し上げて、基本的なことについてお尋ねしたいと思います。
 昭和四十一年に首都圏近郊緑地保全法という法律ができております。それから次の年の四十二年に、近畿圏の保全区域の整備に関する法律という形で近郊緑地の保全が図られる手続がとられております。それから、四十八年に都市緑地保全法という法律が出されて、現在ございます。そうして、現在改正審議が行われております生産緑地法が四十九年に制定されておるわけでございますけれども、現在、市街化区域内の農地というのが約十六万五千ヘクタールぐらいあるわけでございます。しかし、その中で生産緑地、現行の第一種が三百七十二ヘクタール、第二種が三百三十二ヘクタールと非常に少ない。地域数にしても少ないということです。四十九年から今日まで生産緑地法というものが、この法律の基本的な考え方に基づいてどのように機能してきたのかということについては、そういうふうな歴史的な経緯から見ましても、また、現在の生産緑地の指定されておる地域の面積、箇所数等から考えて極めて疑問を感じざるを得ない、本当に機能してきたかどうかということは疑わざるを得ないような気がするわけです。
 そういうような中で、このたびこの法改正が提案をされておりますけれども、これはまさに土地の高騰、地価の高騰というような問題、それから都市圏における住宅事情等々からこれらの問題が浮上してきたというふうに考えざるを得ないと思います。言うなれば、生産緑地法の本来の目的とは違う目的、意義から出されてきた。さらにはこれが建設サイドからの強い要請で、地方税法の宅地並み課税の実施というような形にもなってきたというふうに思うわけです。現実、地方税法の方から考えれば、長期営農制度があれば、本当にそこで農業をやって農業を継続される方々についてはそこで救われると同時に、都市農業というサイドから対応は十分考えられるというふうに考えております。
 そういうふうなこと等考えてみまして、まずお尋ねしたいのは、約十六年間、生産緑地法というのが法の目的によって現在まで機能してきたのかどうかを、まず大臣からでもお伺いしたいと思います。
○市川(一)政府委員 生産緑地の制度の制定は昭和四十九年でございまして、具体的に指定が始まりましたのは昭和五十年度ぐらいから本格化したわけでございますが、現時点におきましては、第一種生産緑地地区及び第二種生産緑地地区の指定面積は、合わせまして約七百ヘクタール程度でございます。私どもといたしましては、昭和四十九年に制定されました生産緑地制度が、必ずしも十分にはその制度の趣旨が生かされてなかったのではないかという考え方を持っているところでございます。
○小川(信)委員 今はっきり言われましたように、せっかくつくられた法律が約十五年間実質的に機能しなかった。この生産緑地の対象は何も三大都市圏だけではなくて、全国のいわゆる都市計画を行っている市街化区域内において行われるものであるわけなんです。かく言う私も、十五年前にこの生産緑地法の法案についての説明会を私の出身県、地元の対象地域でもやったことがございます、農家の人たちを集めて。全然それは機能していないから、せっかくの説明会も意味のないものになってきて、現在こうなった。そして、三大都市圏の中の特定市に限って云々という形で議論が進められておる。生産緑地そのものは全国の都市計画地域における市街化区域を考えて行われるべきものであったのが、こうなってきたということです。まさにこれは都市からの農業追い出しであるということ。そして、その農地をいわゆる宅地として提供をせざるを得ないかするという建設省の方針が中心になって、そして税制に対する改正等も行われたということですけれども、現在、三大都市圏の特定市を対象に議論が考えられておりますけれども、これを将来、政令指定都市、五十万以上都市とかいうような形に拡大をしていくということを考えておられるのか。そういうことはない、税法上の、税制上の関係の中で建設省が再び自治省等に対して宅地並み課税の対象地域を拡大してほしい、そして土地の吐き出しをぜひしたい、こういうふうに考えておられるのかどうか。その辺をお答えいただきたいと思います。
○鈴木(政)政府委員 三大都市圏の特定の市街化区域内農地につきまして、税制の見直しに伴って今回の改正をお願いしているわけでございます。私どもといたしましては、大都市圏の勤労者に対する良質な住宅の供給ということが急務であるということから、今回宅地化する部分につきまして、いろいろこれから総合的な施策を打って宅地化を進めることに全力を挙げるつもりでございまして、それ以外の地区につきまして、ただいま御指摘の問題につきましては現在考えておりません。
○小川(信)委員 今の局長の御説明でも、宅地並み課税というか、地方税法の改正に伴って整合性を図るためにこれを変えるということのような御説明でしたけれども、実態は逆であって、建設省サイドから自治省サイドへの要求で、宅地並み課税のこのたびの長期営農制度の廃止とか云々というものが私は行われたというふうに理解をせざるを得ないと思います。昨年の地方行政委員会で、私の質問等に対する自治省の回答は、まさにそのように私は認識をしておるわけでございます。
 そこで、このたびの法律の改正は、その法律そのものは全国の市街化区域内の農地にかかわるわ
けですから、建設省は全国の都市計画地域におきます市街化区域内の農地に対して、保全農地とそうでない農地の区分をするように各都道府県なり市町村に対してそういうふうな指導をされるのかどうか、その辺をちょっと確認したいと思います。
○市川(一)政府委員 生産緑地法は、御指摘のとおり全国の市街化区域に適用される制度でございますが、今回生産緑地法を改正していただきました暁におきまして私どもとりあえず作業を急ぎますのは、地方税法との関係でございまして、平成四年の十二月三十一日までに生産緑地地区の指定を受けました農地とそれ以外の農地につきまして課税上の取り扱いが違ってまいりますので、そこに焦点を絞っておるわけでございます。
 翻って、一般的な土地問題の認識といたしましても、大都市地域における地価高騰によります住宅宅地問題が現下の内政上の最重要課題と考えておりますので、当面、この生産緑地地区制度の積極的活用につきましては、そのような大都市圏、具体的には三大都市圏の百九十に及びます特定市を中心に行政指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
○小川(信)委員 今おっしゃったようなことですけれども、とりあえず税法上の、税改正との整合性を図るために特定市について急ぐということで、将来はそれ以外のところにも引き続きやっていくというふうに今の御説明からは理解しますけれども、今までの過去の例で約七百ヘクタールぐらいしかやってないということを考えると、まさにこのたびの改正は三大都市圏の特定市をねらい撃ちといいますか、重点的に能率的に対象として考えておられると思いまずけれども、今おっしゃったような三大都市圏のそういうような地域こそ都市計画を進めていく上での非常に大きな問題を持っておる。特に、都市としての機能の中で必要ないわゆるスペースというものがあると思います。オープンスペースといいますか、特に防災機能としてのスペースというものが非常に大事なものではなかろうかというふうに私は思っておるわけです。
 四十八年にできました都市緑地保全法なんかを見ましても、無秩序な市街地化の防止と公害または災害の防止等に必要な遮断地帯、緩衝地帯、避難地帯、こういうふうなものを適切に配備する必要があるということを四十八年に既に言われておるわけですね。それ以来今日まで、今おっしゃった特定市はますます過密化してくる、スペースがなくなってきておるというような状況下にあるわけですけれども、そういうふうな緑地地域とか生産緑地というようなものの農地、いわゆるきちんと保全、管理がされておる、規模の大小は違っても、農地というものがそういうふうなスペースとして非常に重要な役割を持っておるということは都市計画の上では常識じゃないかと思いますが、それをさらにつぶしていくということがどうなのかということを考えざるを得ませんが、その辺の御認識を聞きたいと思います。
○市川(一)政府委員 都市計画法の制度上、市街化区域及び市街化調整区域の線引き制度を設けまして、都市の中を将来計画的に市街化していく場所と当分の間保全していく場所と、こう分ける考え方に達しまして、それで市街化区域内につきましてはその農地につきまして、農地法上の取り扱いもその際農地法を改正いたしまして変えてきた、こういったような実態があることは、先生も御存じのとおりと思います。そういったような基本的な考え方に立ちました場合には、やはり市街化区域内にございます農地も、他のそれ以外の土地とあわせまして、いわゆる都市に住む勤労者を中心といたします市民、住民のための住宅宅地の供給源として貴重な存在であるという認識がなされております。
 したがいまして、市街化区域をどれぐらい指定するかといったような場合には、その都市の将来の人口フレーム等も見きわめまして、それで市街化区域を設定するという考え方をとっておりますことも、ただいまの私の考え方を裏づけるものだと思っておりますけれども、ただしかしながら、線引き制度が導入されました昭和四十四年以降、実態を見ますと、市街化区域の中にある農地につきましても、農業をより長期的に継続的に行いたい、営農を継続したいという強い意思をお持ちの方も多く見られることが確認されまして、それで昭和四十九年に生産緑地法ができたわけでございます。
 ただいま御指摘がございました、都市の中でオープンスペースの確保は非常に重要なテーマではないかということでございますが、私ども全く同様の認識を持っているわけでございまして、長期的には市街化区域面積とその周辺も含めました数値でございますが、やはりおおむね三〇%程度の緑とオープンスペースを確保することが必要であるという考え方に立ちまして、個別の都市計画区域ごとに緑のマスタープランを定めるように指導しておるところでございます。この緑とオープンスペースの最もメーンになりますのは都市公園でございますが、ただいまお話しになりました緑地保全地区などもその中に入っているわけでございます。その際、市街化区域農地の位置づけにつきましては若干の議論がございまして、あいまいな部分もなきにしもあらずでございましたが、今回は、生産緑地法を改正いたしていただきますと、その市街化区域内の農地につきましてもその緑地機能を積極的に評価しようという考え方に立ちまして、それらも含めまして都市の中の緑とオープンスペースを確保してまいる、こういう考え方に立っておるわけでございます。
 冒頭に申し上げました、一方で市街化区域はやはり計画的な市街化を進める必要があり、また必要な住宅宅地の供給も図っていくべき場所でございますので、その辺との兼ね合いにおきまして、計画的にバランスのとれた整備を図っていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○小川(信)委員 るる御説明聞きましたけれども、やはり都市計画を計画的に進めていくのが、ハードな施設をつくることが都市計画じゃなくて、非常にソフトな空間というものも十分とっていく。それも単なる木が生えているというのではなくて、原っぱもあれば農地もある、こういうふうなものがあってこそ快適な都市としての生活ができるということを認識した上で対応を考えていくべきではなかろうかというふうに私は思います。
 そこで、今度は具体的なことに入りますけれども、平成四年末までに都市計画の全面見直しをしまして区分けをするわけでございますけれども、市町村は大変な作業になるだろうと私は思います。と同時に市町村は、当面は特定市の市長ということになりましょうけれども、この法律によって一定の責任を分担をしなければならないということになります。いわゆる「良好な都市環境の形成に資する」、これはあらゆる関係法律などに出ておりますけれども、特に農林業との調和した都市環境の保全ということについて市町村長の責任が出てきますけれども、市長としては極めて責任が重大である、こういうふうに考えております。そういうような中で、この農林業と調和した都市環境の保全、そしてそのための農地の適正な保全、こういうふうなことについて、文章はこういうような形で書いてありますけれども、具体的になると市町村長としての受けとめ方がほとんどわからない。今度は建設省が一方的に説明される。それも都市の都市計画部局に説明される。ただしかし、農林業という部門であれば農林部局、それから農地の適正保全といえば農地を管理しておる耕地とか農地部局、さらには農業委員会、こういうふうなところも一体となっての意見を聞いて首長は判断をするわけですけれども、この辺が極めてあいまいだというようなことではなかろうかと思います。
 特に、今から具体的にやっていきますと、農地の所有者なりそれからいわゆる権利者、小作をしておられる方々等も含めて、その方々の意向なり同意を得て、市町村長は調整をとりながらやって
いかなければならないわけですけれども、その場合に、市町村長の責任でやらなきやならないものを平成四年末までにやらなきゃならぬということになると大変だと思いますが、市町村に対する指導はどのようにお考えになっておられるか、教えていただきたいと思います。
○市川(一)政府委員 平成四年十二月末日までに一通りの作業を市町村レベルで進めていただかなきゃならないということを考えました場合に、残された日にちも余りございませんし、これまでの経験から照らしましてもかなり難しい作業をしなきゃならないということに関しますただいまの御指摘は、私どもも全く同感と思っておる次第でございます。
 この作業を第一義的に行いますのは市町村の都市計画部局ではございますが、市町村レベルにおきまして、農林行政部局もございますし、また農業委員会、農業会議所関係あるいは農協関係等専門の方々もおられます。また、長期営農継続農地制度の適用が市街化区域農地の約八〇%以上を占めてございましたので、その行政の経験もいろいろあるわけでございます。その辺のところを総合的に連係プレーをよくとりましてやっていただきたいということで、建設省といたしましても農林省と十分調整をとりながら、その結果をまた市町村の方にもおろしながら反映していきたいと思っておる次第でございます。
 何よりもかによりも私ども強調したいと思いますのは、この生産緑地の都市計画は市町村の都市計画でございまして、市町村こそその町をどうするかということにつきましての最も第一義的な責任を持ち、またそこにふさわしい自治体でもございますので、自分たちの町をよりよいものに発展させていくという観点から、真剣にかつ早急に取り組んでいただきたいという期待も込めまして、私どもの協力も徹底的にやってまいりたいと思っている次第でございます。
○小川(信)委員 今御説明ありましたけれども、市町村の都市計画であり市町村が中心になって主体的にやっていくということ、これは地方自治の原則であろうと思います。そうしますと、この法律の運用そのものも、現実的な運用は市町村の長の裁量といいますか判断というものをやはり最重点にされまして、法律の画一的な適用、運用を権力的に指導されないように十分お考えをいただきたいと思います。特に、今から何十万筆という農地の調査、確認をする。そしてその中には、地主と小作といういわゆる借地関係もあるわけですね。そういうふうな権利調整も含めて市町村長はやらなければならない。これは大変な作業だと思います。特に小作、地主の関係なんかになってきますといろいろなケースが出てくるわけでございますから、その辺は十分認識をしていただいて、そして四年末までにできないと、最終的に都市計画の手続を踏まなければいけませんので、その辺も十分考慮していただかなければならないというふうに思います。
    〔委員長退席、笹川委員長代理着席〕
 それからもう一つは、農地として適正な保全をという形になってくる。これは農地としての適正な保全というものは、いわゆる営農が継続して可能だということが基本前提になるわけですね。そういたしますと、面積要件五百平米ということではございますが、一つの団地五百平米ということですけれども、それだけで本当に営農が継続可能なのかどうかというところの問題が出てくるわけです。面積を下げれば下げるほどいいかといえば、それはいろいろの言動がありましょうけれども、五百平米未満の小面積の農地、これをどうするのかということになってくるわけなんですね。
 それと、保全すべき農地として外れたところ、いろいろな条件、袋地があるとか道がないとか、将来都市計画上必要がないといってはねられたところ、こういうところが出てきますけれども、しかしこれは保全すべき農地として外れますと、今度は固定資産税の関係での従来あった、坪三万円未満のものの、対象から外しますというものもなくなってくるわけですね。すべて宅地並みに税金がかかってくる。保全すべき農地としてもならない、要件にもされない、全然宙に浮いたような小さな面積の農地が出てくる。そして宅地並み課税だけをかけられるということになってくるわけですけれども、これはそういうふうなことを考えると、現在農業をやっておられる方々の営農の実態を考えて、五百平米というものは基本だということを前提にしながらも、税法上の関係との関連で弾力的に市町村で対応できるような措置というものを建設省は指導すべきではないか、このように考えますが、この辺いかがでございましょうか。
○市川(一)政府委員 営農の可能性と農地の規模の問題につきましては、いろいろ議論のあるところだと思っております。現在地方税法で採用されております長期営農継続制度につきましては、名寄せも含めまして九百九十平方メートル以上なければならない。つまり一反歩以上持ってなければ農業の経営の継続が難しいという観点から、そういう考え方が導入されておるわけでございます。そういう観点に立ちますと、私どもの五百平米といいますのはある意味では小さ過ぎるのではないかという議論もあるわけでございます。しかし、一方で五百平米未満の農地が現実に存在することも事実でございます。その辺のところをいろいろ勘案いたしまして、私どもといたしましては、最終的に都市計画の制度の中で緑地として評価できるものの最小単位はいかほどであろうかという議論を重ねまして、現在の農地の実態等も調べてみますと、首都圏、近畿圏、中部圏で若干の差はございますが、五百平米未満の農地の占める割合は、面積の割合でございますが三%ないし五%でございます。
 その辺の実態に着目いたしまして、五百平米以上ということで私ども提案させていただいているわけでございますが、そういったような状況からいたしますと、できるだけ弾力的に考える必要はあるとは存じます。例えばただいまお話がございましたように、間に道路があったりしているような場合を一団の農地としてどう見るかとか、そういったような問題も含めますと、やはり市町村レベルでかなりその辺は実態に即した判断をしていただいてよろしいのではないかと思っておりますが、法律で一応五百平米と決めましたいろいろないきさつからいたしますと、それにはそれなりの重みが出てくるというふうに私どもは理解しておるところでございます。
○小川(信)委員 私が申し上げたいのは、先ほどもおっしゃったように計画は市町村が原案をつくる、そして知事がこれを認定する、承認するというものですから、原案をつくる者のサイドの意見というものを最大限に尊重する、これを法律の具体的執行の原則として取り上げていただくということが必要だ、このように思うわけなんですね。そうでないと、結局生産緑地法によって、この法律によって結果的に虫食い状態に農地がむしばまれてくるというようなことにもなってくる。そして、計画的な都市づくりというものが現実的にできなくなってくるという危険性があるということを特にお考えをいただきたいと思います。
 そのことは何かというと、市町村に買い入れ申し入れがあったときに、市町村が時価で買うというのがございますね。そうすると、市町村は時価で買うということで買いたいと思いましても、市町村の現実というのは、具体的に議会の承認を得なければならない。理解をとらなければいけない。将来何に使うかはっきりしないものを買い入れるといっても、時価で買い入れるといったってできないわけです。そうすると、結果的にこれは自由に売買にゆだねられるというようなことになってしまうと、これまた現実的な計画的な都市計画というのはできなくなってくる。そういうようなことを考えますと、時価で買い入れてもできるような仕組みを、市町村が対応できるような仕組みを財政的にも制度的にもぎちんとしなければ、いかに時価で買い入れるということを法律で書いても現実に不可能だろうと思うのです。市町村長さんのポケットマネーから出すわけじゃないですからね。議会の承認を得る、将来こういう計画で
やりますよということで買い入れることができるわけです。そして財政的な裏づけはこういう裏づけがありますよということがあってこそやれるわけなので、その辺を建設省としても考えていただかなければ、現実に市町村長は困る。買えないということになって、無計画な都市開発が結果的に行われていく。快適な都市生活なんて夢のまた夢になってしまうということにもなりかねぬと思いますが、その辺についてどのようにお考えなのか、お尋ねしたいと思います。
○市川(一)政府委員 生産緑地制度を適正に執行するためには、市町村レベルで買い取り申し出がありましたような場合にそれを的確に買っていけるというような、そういう意味での財源対策が極めて重要であると私ども思っておる次第でございます。とりあえず、指定してすぐ買い取り請求がたくさん大量に出てくるということはないとは思いますけれども、漸次発生してくることも考えられます。私どもといたしましては、とりあえずでございますが、平成三年度から公共用地先行取得等事業債、地方債でございますが、それの起債許可条件の改善も行いました。また、建設省の方で持っております都市開発資金、これは将来の公共用地につきまして、地方公共団体が先行取得する際に貸し付ける低利の資金でございますが、これにつきましても、今回の生産緑地法の改正に合わせた形での改善充実を図りました。まだまだ不十分でございまして、そういったような考え方も含めまして、やはり生産緑地買い取りの財源対策はしっかりと講じていくことが、それによりましていい町づくりを目指す都市計画の基本でもあるというふうに考えておる次第でございます。
○小川(信)委員 時間が来ましたので終わりますが、要は、地域の農林業との調和した都市環境の保全と、地方自治体の自主性、主体性をあくまでも尊重した形でこれを執行していただく、こういうことを特にお願い申し上げまして、質問を終わります。
○笹川委員長代理 堀込征雄君。
○堀込委員 まず、基本的な点をお伺いいたします。今度の法案は、税制改革全体の議論の中で、地価税法案、今提案されていますけれども、そういうものとの絡みで出されてきた、そういう意味から、まず大臣に土地住宅政策の基本についてお伺いをするわけであります。
 昨年末、総合雑誌「世界」の十一月号で、大臣は社民連の菅直人衆議院議員と対談をされて、特に土地問題について議論をされていまして、その中で、東京の一極集中あるいは地価の高騰をもたらしたのは中曽根民活のときの政策であった、農地については宅地並み課税をしてもほとんど効果がないだろうし、あるいは問題もかえって出てくるのではないかという意味のことをおっしゃっています。市街化区域の宅地並み課税論を強力に推進しているのはむしろデベロッパーとかそういう人たちであって、計画的に農地の宅地化を進めないと都市の環境が悪くなって大変な問題になるであろう、こういう趣旨の発言をしていらっしゃいますけれども、私もその考え方に大変賛成でありまして、今日の土地高騰をもたらしたのはやはり都市農地が存在をするためではないわけでございまして、大臣おっしゃるように、いろいろな、中曽根民活以来の首都圏への異常な集中がバブル経済と言われるような状態になって、土地の異常な高騰をもたらしている、そこには法人だとか土地ブローカーなどもいろいろ介在をしていたという経過がやはりあったと思うのですね。
 したがって、そういう中で善良な市民と申しますか、農民だとかあるいは中小商工業者が固定資産税や相続税に耐えられないというような事態もいろいろ出てきている、こういう事態になっているわけでございまして、今度の税制論議を通じて、サラリーマンが特に首都圏で住宅を持てなくなった、だから土地の供給をふやせば何か住宅が建つようになるのではないかというような議論が行われて、農地でも何でも税制を強化して吐き出させよう、こういう議論が当初あったように私は思うのですね。これは悪循環でございまして、土地問題の解決にならぬ、こういうふうに私は思いますが、大臣は非常に造詣の深い方でございますけれども、土地税制、住宅問題に対する基本的な考え方について、大ざっぱで結構でございますけれども、お聞かせいただきたいと思います。
○大塚国務大臣 地価対策はあくまでも総合戦略でやらなければならない。税制もございますけれども、このような異常な地価の高騰はやはり金融政策も非常に大事でございましたし、また、なかんずくいわゆる土地の有効利用というものは非常に大事であるということで、一月二十五日の総合土地政策推進要綱もまとめておるわけであります。その中で、このたび生産緑地法の改正をお願いしておるわけでありますが、それでは宅地並み課税によって土地の供給が一遍に出てくるかといえば、必ずしもそうではないということも私は申してまいりました。
 それよりも、やはり大都市における、あるいは一般中小都市も含めてでありますが、都市環境をどう守っていくかということが非常に大事でありますし、また営農をされている方々の農業を守ることも非常に大事である。そういう観点からいたしますと、午前中からずっと論議がございましたが、今回の改正は、あくまでも営農をする方と宅地化をするものと都市計画で区分をして、特に営農をされる方の将来も見守ってまいりますし、また宅地の供給に資するような都市計画を進めていく、両々相まっていくべきものと考えておるわけであります。しかし、何といいましても、それぞれの農地を持っておられる方々の立場を尊重して、この法案が改正されますと、当然都市計画地方審議会の議を経て決めていくわけでありますから、まさに市町村がいろいろな計画をお立てになって、農地を今日まで守ってこられた方の立場にも立っていただくと同時に、一方では、やはり宅地供給も非常に大事でありますから、都市計画との整合性の中で供給にも資するような御協力を賜りたい。どちらかというと、どうも今までは無秩序にうちを建てて、後から都市計画で道路やあるいはそういうようなものを整備していくということが長かったように思います。しかし、この法案を通していただけますと、むしろその辺、きちっとした将来の都市計画というものが位置づけられていくという意味では評価をしていただけるものではなかろうか、その延長線で宅地対策をやっていきたい、このように考えております。
○堀込委員 もう一点、今の答弁でおおよそ言い尽くされているわけでありますけれども、やはり同じ「世界」の中で、大臣、今も御答弁ございましたが、自治体こそが町づくりの主体で、自治体が住民合意の上で計画的に宅地化を進める方策を考えるべきだ、こういうこともおっしゃっているわけであります。つまり町づくりの主体は自治体であり、自治体が住民の要望と期待を受けて、住みよい、緑豊かな都市環境を計画的につくっていくべきだ、こういうふうに思うのです。どうも土地税制や住宅問題の議論の中では、そういう意向よりも中央だけで税制の強化をしたりあるいは住宅の供給政策が議論をされる、こういう傾向が今まであったと思うのですが、今度の法案は、やはり自治体が主体で、それに国が応援をしていく、こういうスタイルあるいは姿にすべきだ、こういうふうに思うのです。したがって農地転用を国家が権力で、税制で吐き出させるとかという姿勢ではなくして、あくまで自治体を主体に置いた考え方でやるべきだ。今度の法案も私はそういうふうに理解していますし、今大臣もそういうふうに御答弁なさいました。
 そこで、この法律の運用でございますが、この種の法の運用につきましては、できる限りしゃくし定規な運用は避けて市町村の自主的な裁量の範囲というものを運用の中で残しておくべきではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
○大塚国務大臣 お話しのように、地方自治体の御意見を尊重するということについては全く同じでございます。しかし、地方自治体の市町村という範囲になってまいりますと、やはり住宅宅地政策ということを全般的から見ますと、住宅には必
ずインフラが必要であり、水の供給あるいは下水道処理、ごみの処理等々を考えますと、広域で処理をしなければならないというものもございますから、そこはまさに自治体の御要望に沿って国が理解を示しながらフレキシブルな対応をして、そして理想の環境を守っていくということは非常に大事だと思うわけであります。したがいまして、今回の法律で上からかぶせるのではなくて、いわゆる自治体の意見を尊重しながら、また一方で、自治体の方も我々のいわゆる国の施策にも御協力をいただく、そういう車の両輪と申しますか、お互いの理解の中で進めていくということが非常に大事である、このように考えております。
○堀込委員 もう一点基本的なことをお尋ねしておきますが、今度のこの法案の改正で、農地を都市計画上明確に位置づけた、これは初めてなわけでありまして、その適正な保全を国及び地方公共団体に義務づけた、こういうことは大変前進だというふうに評価をするわけであります。ただ、農家側から見ますと、その土地でもう何十年も何百年も先祖伝来農業を続けている農家もあるわけでありまして、非常に都市が膨張して、農業をやっていること自体肩身が狭くなっている、そういう状況もございます。甚だしい議論ですと、農業は都市にとって邪魔だから出ていけみたいな議論もなきにしもあらずだ、こういう風潮があるわけであります。
 土地基本法もできたわけでございまして、土地に対する公共の規制というのは憲法上も許されるし、そういう範囲でそういう公的規制が公共の福祉のためになされていく、こういうことは必要だろうというふうに思うんです。しかし土地所有権にも、やはり偽装農地といいますか、財産権的側面で持っているそういうものについては、私は厳しく税制の強化やいろいろ行われるべきだ、こういうふうに思いますけれども、生存権的側面、所有権における生存権的側面といいますか、その土地を頼りに生存している、こういう場合にはできるだけ規制は、つまり利用を主体に置いた土地利用がなされる、そういう場面においてはできる限りこの規制は緩やかであるべきだ、憲法上解釈しましてそういうふうに理解をするわけであります。そういう意味で、今度の法案の思想、土地基本法の精神とあわせてそういう思想に立っておる、こういうふうに理解してよろしいですか。
○市川(一)政府委員 現に農業を営んでいる方につきまして、その営農が継続できるかどうかということは極めて重要な問題でありまして、私ども、そこは十分認識しておるつもりでございます。
 今回の生産緑地制度は、もう既にるる申し上げる必要はないと思いますけれども、現に営農をされておる農地につきまして、今後とも営農の継続を希望するという農業者の方の同意を得たものにつきまして生産緑地に指定するわけでございますから、その限りにおきましては、ただいまの御指摘の生存権的な考え方と矛盾する点はないと思う次第でございますが、あえて申し上げますれば、面積要件等が定められておりますので、それに該当しないけれども営農は続けたいといったような方々についてどういうふうに考えるかといったところが問題になるのかなというふうに思うわけでございます。
 この辺につきましては、私どもといたしましてはなお農業の継続を希望する方もおられると思いますので、市町村レベルでの農林関係部局あるいは農業委員会等の協力も得まして、例えば他の農地の取得をあっせんするとかいろいろなことを含めまして、営農の継続が図られるような方向で努力してまいりたいと思っておる次第でございます。
○堀込委員 そこで、今答弁でいみじくも面積要件の五百平米の問題が出されたわけであります。今の答弁で、五百平米以下の土地であるけれども営農継続を希望する農家への対応については、市町村や農業委員会などと相談をしながら対応する、そういうことで、ある程度私どもも了解をできるわけであります。
 そもそも五百平米という議論は、私もけさから答弁を聞いておりましたけれども、都市公園の最低の五百平米の面積だとか、あるいは農業面から見ても、一反歩の半分で五畝というようなそういうところから議論をして五百平米ということを出した、こういうふうにけさ以来答弁をされておるわけであります。そういうふうに考えますと、もともとこれは、今度の法案、五百平米というものはあるけれども、きっちりした根拠というものはない、まあ大体いろいろな事情や情勢を勘案して五百平米として出した、こういうふうに理解をするわけですね。したがってこの運用につきましては、五百平米というのは要するに一つの基準的考え方、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
○市川(一)政府委員 五百平米につきましては、午前中から議論があるわけでございまして、ただいま御指摘があったような議論をしてまいってきているわけでございますけれども、私どもやはり都市計画として緑地機能を評価するものということになりますと、ある程度長期的に管理し得るものということを考えなければいけませんし、また、将来その土地をどういうふうにして有効に活用していくかといったようなことも考えてまいる必要があるというところから、現在、都市計画の中の都市緑地あるいは樹木の集団等の要件等を例示として申し上げておりますけれども、やはりそういったような考え方が一つの支えになっておることは事実でございます。翻って、都市公園として有効に活用するということでございますと、児童公園の千平米あたりが一つの考え方なのではないかという根強い議論もあるわけでございまして、その辺のところも御理解いただきたいと思う次第でございます。
○堀込委員 しかし、そうはおっしゃいますけれども、例えば都市計画法三十三条の開発許可基準に関連する建設省令、五ヘクタール以上の開発行為の場合一カ所三百平米以上ということもございますし、いろいろ考えますと、今の答弁、けさ以来聞いておりまして、いろいろ議論はあったけれどもまあ五百平米、都市計画上その程度は必要だろう、こういうところで決めた。
 しかし現実問題として、一定の土地が、例えば四百五十平米だけれども市町村はそこを緑地として残したいというものも出るでありましょうし、それから、営農をする方からいいますと、例えば三千平米の営農をしている、しかし、そのうち四百平米ぐらいのが二筆か三筆あって、合わせて三千平米ぐらいの営農をしている、こういう農家もいますから、そういう人たちを切ってしまうと、五百平米で切ってしまうと、さっきの憲法論議ではありませんが、その人たちはまさに生存権が保障されなくなるという現実が出るわけですよ。ですから、やはりこれは、いろいろ答弁をお聞きしてきましたが、そういう市町村の事情もあるでしょうし、営農する方の事情もあるでしょう。先ほどの答弁で、これはかなり弾力的に運用してもいいというような意味の答弁もございましたけれども、そういう事情も勘案して、やはり運用に当たっては、五百平米というのは一つの基準であって、市町村の要望だとか営農する者の要望だとかそういうものの意見を入れて、実態に即して運用する、こういうふうにすべきだと思いますが、いかがですか。
○市川(一)政府委員 私ども生産緑地の面積を考えます場合には、その土地の権利主体別の分類には着目しておりませんで、トータルとして、それが一団として物理的に五百平米以上のまとまったものであるかどうかということに着目いたしますから、一つの設例としてございました、お一人の方が五百平米未満ずつ持っておるけれどもまとめて五百平米を超えているものは、私どもは要件に該当するものとして理解していいというふうに思っておるわけでございます。その辺は、やはり都市計画上は、所有権が分化いたしましてもそれ自体まとまってある限りにおいては緑地としての機能は同じでございますので、評価し得るというふうに思っておるわけでございます。
 それから、五百平米につきまして弾力的な運用が大体考えられるのではないか、考えておるのではないかというような御指摘でございますが、やはり法律上五百平米以上といたしましたのは、何も規模を決めないことを想定いたしますと、ある意味で弾力的な運用が可能であると同時に、ある意味で市町村レベルにおきまして大変な混乱が生ずるというようなこともございまして、決めさせていただくという御提案をしているわけでございます。そういったような実態からいたしますと、税法上の扱いとかその他もろもろの扱いも参ってございますので、五百平米というものをそういう形で弾力的に運用していくということはなかなかできないのではないかというふうに私ども思っておる次第でございます。
○堀込委員 ちょっと答弁が、さっき小川議員も質問しましたけれども、弾力的運用という表現を使うとそれはきちっといかないという面で今の答弁はわかりますけれども、現実に五百平米以下の農地を合わせて例えば専業農家で一定の営農をしているという農家はあるわけですね。これは、さっき私申し上げましたように、憲法上生存権的な保障として、もうその土地がなければ、農業所得が例えば六百万あったものが四百万になってしまうとか、そういう農家は現にあるわけですよ。先ほど局長、五百平米以下三ないし五%だ、こういうふうにおっしゃいましたけれども、そういうやっと土地を合わせて営農している農家というのはあるわけですから、これはやはり先ほどの憲法の生存権的所有権といいますか、そういうものだというふうに理解をして、この法の運用に当たっては、やはり市町村なり農業委員会なりよく話をして弾力的な運用をしないと、これは切ってしまうということになりますと、もうその人の営農がいけない、飯が食えない、こういうことになるわけです。その辺いかがですか。
○市川(一)政府委員 面積要件につきましては極めてこの制度の根幹になる制度でございまして、これにつきまして、先ほど来申し上げておりますような経緯を踏まえまして、五百平米以上というふうに決めることになりました。そうなりました場合に、五百平米未満のものまで弾力的にいろいろと取り入れられるということになりますと、そもそも五百平米というものを決めた法律的意味は一体何だろう、そういったような問題もあるわけでございます。私どもは、五百平米以上と決められた法律の運用におきまして、いろいろとその間に小さな道路が介在しておるとかあるいは水路があるとかいうようなことで、厳密に考えますと耕作している農地だけ合わせますと五百平米にはなりませんが、それらの水路等も含めて合わせますと一団のものとして五百平米以上ある場合に、それがその都市におきましてやはり緑地として機能しており、それを保全することが都市計画上も評価できる、しかも営農を希望しておられる方も強く希望しておられるといったような場合に、余りそこのところを厳格に解釈するのはどうかとか、そういったようなことは検討しておるわけでございますが、法律で五百平米以上と決められましたものをほとんど無視するような形での運用というものはちょっと難しいし、やるべきではないのではないかというふうに思っておるところでございます。
○堀込委員 まあ法律でそういうふうに定義をしているわけですから、答弁はそういうことだと思うのです。しかし、先ほど申し上げましたように、現実に何筆か合わせて、四百平米の土地も二筆ぐらい持って営農しているという農家が中にはあるわけでありますから。これは、先ほどの答弁ですと、ほかに土地をあっせんするとかいろいろなことをしながら努力する、こういうこともありましたから、この農家の生存権というのはきちっとやはり守ってもらう、そういう努力をこの法の適用、運用に当たってはやってもらうということをぜひ要望しておきます。
 もう一つ、次の問題に移ります。買い取り申し出ですが、現行の五年、十年という制度が三十年になっていく、これもある意味で、けさ以来答弁を聞いておりましてわからぬわけではありません。永久という議論もあったということもありますし、これもその根拠を言いますと、三十年というのは、まあ永小作権の云々とかいろいろな答弁がございました。しかし、民法の百六十二条の所有権の取得時効二十年だとか、あるいは不動産について平穏、公然に占有した場合十年とかいろいろありますから、これ、三十年というものは適切なのかどうか、何が基準なのかということをけさ以来答弁もお聞きしていますが、もう一度ちょっと根拠を聞かせてください。
○市川(一)政府委員 三十年という数字を考えましたいろいろな例示がありまして、それをけさほど来ちょっと御紹介したわけでございますが、まず一つは、期限を定めない永小作権というのがございまして、これが法律上は三十年とみなされます。それから、非堅固の建物の借地権が三十年とされております。そういったようなことから、通常、土地の利用について予測のつく範囲は三十年が一つの考え方であろうというようなことでございます。もちろん背景には、現行制度が五年ないし十年ということになっておりますし、あるいは長期営農継続制度が基本的に十年、五年たてば免除されるというようなことになっておりますから、それに対する評価から出てまいった議論でございまして、やはり市街化区域内の農地というものはおのずと限度がある。農地法上も、それ以外の農地は転用が許可制でございますが、市街化区域内の農地に限ってはいつでも転用ができるように、単なる届け出でできるような法律上の位置づけになっている農地でございますから、やはりその農地につきまして税法上いろいろと優遇措置を講ずるという場合、例えば相続税でもそういう措置があるわけでございますけれども、そういったような議論がいろいろなされました段階で、五年ないし十年ではいかにも短過ぎるというところから、やや半永久的にしたらどうかというような議論もありました。それを受けました上で、三十年というものを持ち出したということでございます。
○堀込委員 そこで、今度の法案で新たに買い取り申し出のできる事由に、当該農林漁業に一定割合以上従事している者の死亡等の場合を加える、こういうことになっておるわけでございます。それはそれで私は一つの考え方だろうというふうに思うし、加えてもらわなければ困るわけでありますが、もう一つ、やはりやむにやまれぬケースというのが、善意のケースというのがどうしても出てくると思うのですね。営農しておって、三十年に足らなくてもその営農をやめざるを得ない善意のケース、こういうものは出てくると思うのです。天変地異あるいは著しい経済変動とか、例えばつくっている野菜とか花が経済事情が変化してもう三年も四年も暴落したままだ、農産物の輸入等によってそういう事態が出ないとは限らない。そうなりますと、営農が立ち行かなくなるケースというのは善意のケースとしてあり得る、こういうふうに思いますが、この辺はどう考えていますか。
○市川(一)政府委員 私どもが救済措置といたしまして制定しておりますいわゆる買い取り請求権につきましては、主たる従事者あるいは従たる従事者につきまして死亡または営農を不可能にさせる疾病等が生じた場合ということを掲げてございまして、ただいま御指摘になりましたような社会的事情あるいは経済的事情の変化等による理由は、法律上定められてないところでございます。したがいまして、そういったような事態が発生いたしまして、今御指摘のような形で農業経営の継続が困難になるような現実的な状況が生じた場合にどういうふうにして対応するかということは、一つの課題でございます。
 一応私どもが用意してございますのは、一つは買い取りの申し出ということによりまして、結果として地方公共団体が買い取るか、あるいは他の方にあっせんをするといったようなことの道も一つ開かれているわけでございますが、ただいま御指摘がありましたように、かなり大きな経済上の変化で農業経営が続けられなくなる場合といたし
ましては、その辺一帯の農業が継続できなくなるといったような事態も生ずると思います。そういったような場合には、都市計画の変更とかそういった町づくりの根幹につきまして、今後三十年以上にわたって長期にどういう町づくりをするかということで生産緑地地区を指定したわけでございますけれども、やはり極めて大きな事情の変更が生じているわけでございますから、その都市計画そのものをもう一度改めて見直すといったような作業も、場合によっては生じてくるのではないかというふうに思っておる次第でございます。
    〔笹川委員長代理退席、委員長着席〕
○堀込委員 よく、この法の運用に当たってその辺は政省令までに検討をしてやっていただきたいと思います。
 あと、時間が来ましたので要望だけ申し上げておきますが、今度の税制改正で長期営農継続制度、それから相続税納税猶予制度が廃止されて、生産緑地法の指定以外の農地は宅地並み課税、こういうふうになったわけですね。そこで、一つだけ要望しておきますけれども、三・三平方メートル当たりの評価額が三万円未満の市街化区域農地については、これは今まで農地課税であったわけでありまして、これが宅地並み課税になるわけであります。これは、お聞きをしますと愛知県などは非常にあるようでございますので、この法の適用に当たって、ぜひよく農家に知らしめていただきまして、知らないうちに宅地並み課税になったということのないように、そういう作業を怠りなくやっていただくように要望しまして、質問を終わります。
○桜井委員長 堀込征雄君の質問は終わりました。
 三野優美君。
○三野委員 本論に入ります前に、まず、国土庁の御出席をいただいておりますので、少し地価の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。
 近年、大都市中心の地価上昇が大変議論になってきたわけですね。それに対してさまざまな措置をしたけれども、なかなか歯どめがきかずにかなり上がっちゃった。上がり詰めたところで、金融の融資その他の引き締めによって一定程度鎮静化してきた。鎮静してきたといっても下がっているわけじゃないわけです。ところが、それが地方都市に波及しまして、地方都市の地価の上昇というのは目をみはるような状況ですね。これまた、大都市に目を奪われているうちに地方都市にこういう事態が起きてしまって、後追いになっているわけであります。これらについて、一体こういう事態が起こるということを国土庁は予測されておらなかったのかどうか、あるいはまたこの事態に対してどう対応しようとしているのか、この点をお尋ねしておきたい。
 なぜかというと、いや、地方はまだ大都市から見れば安いよと言うと、地方で住む者から見れば、土地が安くて緑が多くて空気がうまくて水もきれい、そして人柄がいい、だから地方におるのであって、地方でも地価が上がれば地方におる意味がなくなっちゃうんですけれども、国土庁はこの地方の地価上昇というのはどういうふうに見ているのか。
○藤原(良)政府委員 お答えいたします。
 御指摘のとおり、平成三年地価公示結果から見ましても、昨年一年間、名古屋圏、地方圏における地価の上昇は、年間通じて見ますと相当高い上昇になっております。幸い、昨年の後半に入りましてやや上昇率は鈍化しておりますし、秋以降はその傾向が一段と顕著になっております。ただしかし、依然として地価は強含みなところもございますし、なお予断を許さない状況であるというふうに認識しております。地方に地価上昇が波及した原因といたしましては、東京、大阪圏が上昇いたしましたので、やはり地方部に割安感が出て投資的な資金が流れた。また、それぞれ地方の中枢、中核都市におきましても都市の整備が進んでおりますし、そういった都市発展の将来性等も買われた、そういう面もあったのではないかというふうに認識しておるわけでございます。
 私ども、そういう事態に対しまして、昨年から、まず監視区域の厳正的確な運用でできるだけ地方部への上昇の波及を抑制する、そういう観点から、監視区域の総点検の実施とかあるいは運用指針を通達いたしまして、できるだけ先行的にかつ厳しくこれを運用していただくという対応をとってきたわけでございます。また、土地関連融資につきましても、御案内のとおり、昨年の春以降総量抑制に踏み切りまして、以後月を追って厳しく抑制をしてきておるわけでございます。そういうことも相まって、秋以降鎮静化の兆しが生じておることと思いますが、冒頭申し上げましたように、まだ安心できる状態ではございませんので、今後とも構造的、総合的な対策を一層強力に進めていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
○三野委員 局長、こういう事態が起きたから早目に手を打ったと言うけれども、これはもうよそのことを言ってもなんだから、私のところですけれども高松。高松というのは片田舎で島国だけれども、平成二年が一四・一%、平成三年が三〇・七%でしょう。これでもう二年間で四五%、住宅で。それから、商業地だと二年間でもう六十何%でしょう。これは積み重ねていくわけですからね。で、鎮静したといったって、鎮静したところでも六%か七%上がっているわけですね。そうしますと、とてもじゃないけれども五年か七年たったらば、土地というのはもう市民には手が届かない、こういうことになっちゃうわけです。
 しかも、おたくが出しているこの公示価格、これを見ますと、例えば平成三年度で、高松の栗林公園北口から九百メートル北というのですが、これは、例えば市道の端でこういうのを出しているわけです。それなら、ここに出ているのは三十六万五千円と出ている。そうすると、我々がよく言う坪当たりだと約百万余りですね。ところが実際に新聞広告を見ると、二百五十万から三百万出ちゃうわけです。どんなに住宅でも二百万を出ちゃうわけです。これはもう県は、そういう新聞を見てぼうっとしているわけです。
 ですから私は、実際にはこの規制をかけてみても、県がかけているけれども、実際の取引の認めるのは、実勢よりはかなり高いところで出してきても認めているという現状があるんじゃないか。それが地価をだんだん押し上げていく。あるいは特定の小さい面積が突然高くできた、それを基準にしちゃう、こういう形になって結果的には押し上げる機能を果たしている。役所がこれだけ認めているんだからいいじゃないかというような傾向になってしまうんじゃないかという気がするわけですね。
 したがって、この規制をかける場合の考え方として、やはりもとに戻すという、下げちゃうんだという構えがなければ――鎮静化したからいいわなんという回答ばかりなんです、大分秋ごろから鎮静しましたという。鎮静したというのは五、六%値上げだ、こういうのですね。東京でもそうなんです、大都市でも。ですから、下げるという構えは国土庁にはないのかどうか、そこらをひとつ聞いておきたいのですがね。
○藤原(良)政府委員 確かに、御指摘がございました高松市等が、地方都市の中でも特に昨年一年間上昇が目立ったところでございます。そのほかにも、本四連絡架橋の関連があったのだと思いますが岡山市、それに北海道でも函館市とか、あるいは三大都市圏の周辺の栃木、群馬あるいは兵庫の西部地域、そういったところではかなり上昇の激しいところがございまして、私どもとしては非常に懸念を持っておった地域でございます。それで、香川県当局ともよく相談しまして、高松市につきましては、昨年の十月に、先生御指摘の監視区域を届け出対象面積百平方メートルに引き下げさせていただきまして、厳正にひとつ審査をしていこう、そういうふうな対応をさせていただいております。
 ただ、それとても、やはり窓口で厳正的確な対応が必要ですし、脱法行為的なものについては厳正に対応しないといけないと思いますが、そうい
うことで監視区域の運用についてはしっかりやっていきたいと思っております。最近も県の方と情報交換しておりますが、秋以降は県の方では間違いなく鎮静化しつつあると、私の方はまだ油断はしておりませんが、そういう情報もいただいておりますので、今後もよく連絡をとりながら対応してまいりたいと考えております。
 それと、地価の引き下げでありますが、去る一月二十五日に総合土地政策推進要綱というのを、基本法を踏まえて閣議決定させていただきました。その中でも、やはり地価上昇に伴う一番大きな問題は住宅問題でございますので、中堅勤労世帯が年収の五倍程度で住宅が確保できるような地価水準をどこの地域でも実現していくんだ、そういうことでございますので、上がり過ぎたところは下げないといけない、そういうふうに考えております。
○三野委員 せっかく政務次官御出席なんで、今のような議論なのですが、実はこれは勤労者は非常に困るわけ。実は今ここに出されたのは私の家のそばなんです。これほど、実際はこれよりもっと、取引はもうないのです。実はもう取引できなくなっちゃったわけ、上がり過ぎちゃったものだから。土地が動かないわけ。買う人がないわけ。しかし、そのまま高いままで、売買件数は非常に少ない。時たまあるという程度ですわね。そうしますと、これ実際に困るのは、こういう公示価格がだんだん上がっていくでしょう。そうしますと、一般勤労者は固定資産税にも困るわけ。相続税にも困るわけ。実はこれは追い出される結果になっちゃうのです。これは、恥ずかしながら、うちの息子なんかでも皆さんと違うて月給が安いものですから、おやじが死んだら困るがと言いよる。実は地価問題というのはそれほど深刻な事態、おる人さえ追い出す結果になっちゃうのですから。この点について下げる手だてをやはりしなければならぬ。
 高松で、一般勤労者が住む一般住宅が、しかも表通りじゃなくて、坪当たり二百方、二百五十万なんというそんなばかな話はないですよ、これはどう考えてみても。もう四国で住む意味がなくなるわけ。東京の汚いところに住むのと一緒になっちゃうのですから。我々は、そういう意味でひとつぜひそういうことを考えてもらいたいと思うのですが、政務次官どうですか、この辺。本気になって、下げるためにどういうことを考えますか。せっかくだからひとつ答えてください。
○杉山(憲)政府委員 委員にお答えになるかどうかわかりませんが、私の考え方を申し上げたいと思います。
 確かに、地価問題は一番大切なものだと思います。と同時に、地価問題があらゆるものに左右される、建設関係または仕事の関係からいっても左右されるというように思うわけでございますが、今度は税の問題、またはいろいろな施策の中で、地価の引き下げという形の中で今努力しておるわけでございます。
 そういう中で、確かに、地方都市まで及ぼした影響というものほどこから来ているかというと、やはり首都圏が中心になって、それが波及してきたというものに対して政治的にこたえるならば、都市圏の拡大を図るということが一つは大きな課題ではないか。つまり都市の分散も必要でございますが、都市圏をもう少し幅広く拡大するというようなことも考えながら、中都市もそのような考えを持っていくというようなことはどうかなというように考える次第でございます。
○三野委員 本論に入ります。
 さて、この生産緑地法ですけれども、けさからの議論をいろいろと聞きおってみて、私が頭が悪いからか、ようわからぬ。結局、この生産緑地法というのは、本当のねらいは都市における宅地化の促進なのか。いやそうではなしに、二つ目、かなり都市が過密化しているから、そういう意味では緑と空間を確保するための緑地を確保するのか。三つ目は、いやいや、もっと農業を大事にせにゃいかぬから農業生産をより高めるためのこの生産緑地法なのか、三つのどれですか。ようわからぬ。
○市川(一)政府委員 総合的な土地対策を進める上におきまして一番問題になっておりますのは、やはり大都市における住宅宅地問題だと思います。したがいまして、市街化区域農地につきましても、宅地化すべき農地につきましては計画的な宅地化を進めるべきである、それによりまして勤労者の方々にとりまして手の届くような住宅宅地を供給する必要がある、これがまず一番基本的な命題になっておるわけでございますが、その際、現在あります市街化区域内農地を、都市計画におきまして宅地化するものと保全するものとをきちっと明確に区分する、その区分する際に、保全する農地の区分の手だてが現状では必ずしも十分ではないのではないか。
 一つには、市街化区域に入った農地ではあるけれども、いわゆる永続的に保全するということであるならば、そもそも調整区域に戻すべきなのではないかという意味で、逆線引きの考え方が一つあるわけでございます。
 それからもう一つは、逆線引きには一つの限界がありますので、もう少し規模的な要件も含めて小回りのきく制度として何か必要なのではないか。現行の生産緑地制度はあるけれども、それは面積要件等が厳し過ぎてなかなか十分対応できない。そこで今回の生産緑地法の改正を提案しておるということでございますので、第一義的には、やはり農地の保全を目的とするものが今回の生産緑地法の改正でございますが、都市計画によりまして市街化区域農地が宅地化するものと保全するものと明確に区分される、そのための手だてということによりまして最終的には市街化区域内においても求められる宅地が実現するといった側面も持っておるというふうに思う次第でございます。
○三野委員 そうすると、局長の今の答弁は、主たる目的は農地を保全するための法案なんですよと、これでいいですね。そう言ったのですね、この法律ですよと。わかりました。
 自治省から出席していただいておりますが、いろいろと今日までの議論の中で、大都市の中で市街化区域内農地が点在している。しかもそれは熱心な農業とは言えない部分もある。逆に言うと、いわば農地としておいて隣の土地との税の不均衡をもたらしておる、こういう意見もありましたね。したがって、今度の法案について自治省の立場からいうと、税の不均衡を是正するためにこの法案は自治省としては積極的に進めていく、そういう考え方がありますか。
○堤説明員 お答え申し上げます。
 市街化区域農地に対する課税のあり方については、これまでもいろんな経緯があるわけでございますけれども、税の方から申し上げますと、やはり市街化区域農地とその周辺の宅地との課税の、あるいは負担の公平の確保という点も一つの大きな要素でございます。
○三野委員 さて、そうなっちゃうと、大都市に市街化区域内、本来、市街化区域というのは、いわば都市化していく。さっき建設政務次官が言ったように、もっと都市化を拡大していく、都市化していく。それで住宅宅地、あるいは住居なりあるいは事務所用地なり宅地をつくっていく、そうすることによって鎮静化するだろう、こう言うのですが、さて、今度の法律は税制上からいえば大都市に最も適用されると思うのですね。全体にこの法律は適用されるけれども、税制上からいえば大都市、三大都市ですわね。三大都市に実は目に余るほど農地が残っておる、しかも安い税金でけしからぬ、自治省はこう思っている。だから税金をかけなければいかぬ、こんな状況。大都市になぜこれほど農地が市街化区域の中に残ったの。
 例えば、平成元年一月の調査では、市街化区域内農地の面積は、愛知県が一位、二位が埼玉、三位東京、四位神奈川、五位茨城、六位大阪、七位兵庫、八位が静岡、九位千葉、栃木、こう続くわけね。大都市にばかり農地が残っているわけ。いいですか、市街化区域内の農地の面積の残っておる部分は。ところが日本列島全体を見て、市街化区域内で最も農地の少ないのが、四十七位が島
根、四十六位が鹿児島、四十五位が岩手、そして福井、秋田と続く。いわば人口の少ない過疎の進んでいるところに実は市街化区域内の農地は少ないのですよ。大都市に人口が集中して、そういうところに市街化区域内農地が余計残っておる。
 これはなぜかというと、もう率直に言いまして、かつてこれを線引きしたときに、昭和四十年代の前半だと思うのですけれども、いわば高度経済成長をねらって、ますます三大都市を拡大しようというねらいのもとで、市街化区域の面積を必要以上に拡大しておったのですね。したがってここに農地が余計残っておるわけ。むしろ地方都市には市街化区域内の農地は少ないのですよ。こういう矛盾についてどういうように考えますか。
○市川(一)政府委員 市街化区域農地の賦存状況でございますが、いわゆる面積で見ますと、ただいま先生が御指摘のような順番になるわけでございます。しかしながら、これを市街化区域の中で残されている農地の割合として見ました場合におきましては、一番多いのが岐阜、二番目が山梨といったような状況でございまして、首都圏の東京、神奈川、千葉で見ますと、面積割合では東京は第三位、神奈川第四位、千葉第九位でございますが、市街化区域の中に占める農地の割合という点で見ますと、東京が四十四位、神奈川が四十二位、千葉が三十七位でございます。要するに、東京、神奈川、千葉は市街化区域の面積が極めて大きいという結果からそういうことになるわけでございますが、それが、ただいま御指摘ございましたように、いたずらに市街化区域の面積が拡大された結果市街化区域が多くなったのではなくて、やはりこれらの大都市圏が人口も多く、したがいまして必要な市街地面積も大きいというところから、市街化区域面積が必然的に広がっておるというその結果であると私どもは分析しておるわけでございます。
○三野委員 それで、あなたの言うようなことも今あると僕も思うけれども、拡大されて、実は大都市に農地面積が余計残っておるわけ。残っておるにもかかわらず、この一番多い愛知県で、最近豊橋市、岡崎市、三河地区で五百二十ヘクタール、今度市街化区域に組み込んだわけね。これは今度の法案を予測してなんですか、それとも何の意味があってこういうように拡大することにしたの。農地は余計残っておるのですよ。これは農地の整備、市街開発、例えば区画整理事業その他はそんなに進んでいませんわね。にもかかわらずこうやって広げていったのは、どういう意味があるのですか。
○市川(一)政府委員 線引きの見直しによりまして市街化区域を拡大するといったような結果は、随時行われておるわけでございます。基本的には、将来の人口フレームを想定いたしまして、それを適正に適切に収容するために必要な市街化区域の面積を算定して市街化区域のトータルを決めるわけでございますが、その際、土地区画整理事業等の計画的な市街地整備の見通しが立ちました場合には、市街化調整区域内の地区につきまして逐次市街化区域への編入を行うということもやっているわけでございます。したがいまして、農地が存在する、したがってこの農地を全部宅地化すると考えればそのような作業は要らないのではないかという御指摘も一つの御見識だと思いますけれども、基本的にはやはり、ある一定の期間のもとでどれくらいの宅地が見込まれるかというかなり長期に及ぶスパンの問題でございますので、ある時点で切りますといろいろとそういう問題も生じてくる場合もあろうかと思いますが、そういうふうに理解しております。
○三野委員 これは局長、ますます私は大都市集中を拡大すると思うのですね。むしろ逆に言うならば、さっきも言ったように、地方の都市の活性化を図る、そういう意味ではいわば地方の都市の市街化区域内農地は少ないわけですね。ここのところをもう少し拡大して、都市整備をしていくということによって労働力がそこに定着できるように、それに基づいて労働力を創出するから企業がそこに配置されるという形の、逆の面をとらないと、大都市にこういうことをやっちゃうとますます大都市に集中されるわけですわね。その点はぜひひとつ御検討いただきたいと思うのですね。
 さて次に進みますが、この法案を見る限りにおいては、生産緑地に指定された農地は公園等公共用地に将来使われるものとして三十年という制度を置きましたね、さっきから出ている。三十年というのはほかの事例を勘案したと言うけれども、法のねらいは、半永久的にこれは緑と空間の土地として、農地として置く。それは将来公園になるし、公共用地に使われると。したがって、この生産緑地は公共用地の予備軍、こういうように考えていいのかどうか。そして、農業をもう経営できない、家庭の事情あるいは経済的な事情でという場合に、買い取り要求があった場合には、地方自治体には買い取り義務はないのですね、これは。買い取る義務はないけれどもできるだけ買ってもらいたい、こう言うのですけれども、この財政的な確保について、少しさっきからも出ておりましたけれども、今の制度の中で地方自治体は対応できないと私は思う。別に例えばこの法案を出した建設省自身が、買い取り請求があった場合にはそのための財政的な確立制度というものを改めて設けないと、私は必ず出てくると思うのです、実は。
 例えば、あなたが言われたように、農業を経営している、もううちはやれないわねと。自治体は買い取りをしてくれない。他の農業経営者にあっせんするといったって、市街化区域内でさらに農業を経営していけないわけでしょう。減反政策は続くわけ、今の農業の実態からいって。しかもかなり高い価格と見なければならない。買う人いますか。それを自治体が買う場合、あるいは第三者が買う場合、この緑地の地価評価は農地なんですか、宅地なんですか。宅地とみなして買うのですね、自治体が公共用地として買う場合に。農地なんですね。もう永続的に、ずっと未来永劫に農地なんです。農業以外やらさぬわけ。農地としての地価評価で買うのですか、宅地見込み地として買うのですか。
○市川(一)政府委員 宅地見込み地の時価ということでやっております。
○三野委員 そうなると、やはり未来永劫に農業以外やれないのですよ。それを宅地見込み地として買う理論的な論拠はどこにありますか。
○市川(一)政府委員 生産緑地地区制度におきまして現在御提案申し上げておりますのは、三十年以上たちますと買い取り請求権が生ずるわけでございます。その買い取り請求権が生じて、買い取り請求権を行使されて、買い取りの申し出をされました場合に、地方公共団体がもし買い取ることができませんと、それは農地所有者の方が自由に開発行為等ができるような形になってまいります。もちろん、開発行為の許可は必要でございますけれども、生産緑地法上の行為の規制は外れるわけでございます。そういったような時点で買い取る価格でございますから、宅地見込み地で買い取るべきものと私どもは理解しておるわけでございます。
○三野委員 もし三十年、さっきも少し出ておりましたけれども、三十年以前に農地所有者、生産緑地所有者が事実上農業経営を放棄している、農地としてあっせんをする、自治体は財政上買わない。農地としてあっせんするという点でも、宅地見込み地であればこれは農地として買う必要はないわけですね。そうしますと、その場合に罰則規定はあるのですけれども、その場合にどういう措置をされますか。それは、自治体はもうそういう場合には買うのか、あるいは生産緑地というものの指定を外すのか。実際はもう生産していない、そういう事態が起きた場合にどうなりますか。
○市川(一)政府委員 いろいろなケースが想定されるわけでございまして、私どもといたしましては、三十年以上営農の継続を希望される方々を限定いたしまして、しかもなおかつ、ある事情が生じた場合には、営農の継続が困難になる事情が生じました場合には救済措置も設けておりますから、いろいろな場合が想定されますけれども、必
ずしもそれは多くある事例ではないのではないかと思いますが、しかし想定される事実であることは事実でございます。そういった場合には、先ほど来御答弁申し上げておりますように、農地を農地のままでほかの方にあっせんしたり、あるいは公共団体が買い取りまして、それを何らかの形で市民農園に供するとか、あるいは場合によってはもう少し別な形で利用するとかいうことを考えますが、基本的には生産緑地に指定した場所は公共団体が買い取りました場合でも公共空地として、同じ公共施設の中でも公共空地、その代表は都市公園等でございます、公園用地でございますが、そういったような形でやっていくことになろうというふうに思っておるわけでございます。価格面につきましては、その場合と先ほどの場合とではちょっと場合は違うのではないかというふうに思っております。
○三野委員 私は、途中で放棄することはあり得る、三十年という年月になると途中で農業経営を放棄するという人が出てくると思う。家庭の事情その他、構成上の問題で出てくると思うのです。その場合に、自治体に買い取り義務があればいいですよ。あるいは、資金的な保証も国がするというならいいです。ところが、そうでない場合に、農地として第三者に、農業経営者に譲るといってみた場合に、その価格は宅地見込み地となると農地ではなくなってしまう。宅地見込み地でも都市公園に買うならばいいですよ、道路用地に買うならばいいですよ、地方自治体が。農業経営としては、やはりあくまでも宅地見込み地ではないわけなんです。ある意味でいったら、三十年という設定がありますけれども、これは本来的には未来永劫に空間あるいは公共用地の予備軍としての、それは主として公園その他でしょう。そういうことで置くとすれば、これはやはり農地でずっと経営してくれればいいのだけれども、してくれない、放棄した場合にどうするかという措置が残念ながらこの法律にはないのです。例えば私が放棄します、いや、もうつくりません、実際上つくっていない。土地は持っておるけれども、行ってみたら農業経営をやっていない。それも十年も十五年もしていないという場合には、これは生産緑地とは言えないわけです。その場合にはそれを外してしまって、外しても宅地並み課税で市街化区域に入れるのか入れないのか、ここのところは、そうはできない、そうはできないということになると非常に問題点が出てくるのではないか、こういう気がしますから、この点ひとつ、後でいいですから、ぜひお答えをいただきたいと思うわけです。
 さて、そういう過程の中で五百平米というのが出ましたね。私は五百平米が狭いとも時には思うし、広過ぎるとも思う。これは必ずしも五百か三百かあるいは七百かというのは、その人の考え方でいろいろとあると思う。農業経営する場合に五百が適当なのかどうか、現実には私はあると思う。五百というのは一つある、おたくのこの法案は。
 さて、五百平米という場合に、これは緑と空間を確保するために農地が五百平米でしょう。しかし、農地には水路がつくわけです。道路もついているわけですね。これが民地でやった場合に、これは五百平米の中に含まれますかどうですか。これも聞いておかぬと、いずれ出てくるものですから。農地は四百八十平米しかない、しかし農道、水路がある。それを含めれば五百平米を超す、こういう場合はどうなりますか。
○市川(一)政府委員 その農地との一体性の問題でございますが、基本的には、ただいまの御設定のような場合には私どもは一体的に見るべきものではないかと思っております。
○三野委員 わかりました。農道、水路は農地と一体なんです。離れて農道、水路というのはない。そこへ水を入れる、そこへ行く通路ですから。一体性ということになると、農道、水路は含まれる、こういうように理解していいですね。議事録にちゃんとしておいてください。これはもう必ず問題になりますから、そうしておいてください。
 さて、その次にお尋ねしておきたいのでありますが、今度の指定をする場合に地方審議会を置くでしょう。各町、区なりに置きますね。この地方審議会の構成、これは行政区単位に置くのだろうと思いますが、構成の中身はどういうふうになるのですか。もちろん自治体の側は提案する方ですね。例えば農業委員会、それから農協、それから自分たちの町づくりの問題の計画ですから住民代表、学識経験者、この住民代表なり農協もその審議会の構成に入りますかどうですか。
○市川(一)政府委員 都市計画の決定手続の中で、都道府県レベルでは都市計画地方審議会というのは法律上義務づけられている仕組みでございまして、生産緑地地区の都市計画決定に当たりましては、現行制度におきましても農業者の代表の方を加えるように、それから市町村レベルにおきましては都市計画審議会の設置は任意でございますが、できるだけ審議会を設置して生産緑地部会を設置するように指導してまいってきております。
 今回の改正につきましては、農地の持っております緑地機能を都市計画上積極的に評価するという内容も含まれておりますし、またいろいろと、永続的に保全していくという観点から、指定の段階でかなり的確に農地所有者の方々の意向の把握から農地の状況からしっかりと見きわめる必要があると考えておりますので、私どもといたしましても、農業委員会とか農業協同組合などの、営農につきましてその実情を熟知している方々の御協力を得ることが必要であるという考え方に立ちまして、関係市町村等を指導してまいりたいというふうに考えております。
○三野委員 そうすると、さまざまな代表が入るわけですね。だから、市民代表も入ると考えていいですね。市民代表も、住民代表も入る。自分たちの町づくりですから、やはり住民の意見も聞いてもらわなきゃいかぬ。住民代表はどういう方たちが入るのか、それを確認しておきます。
 もう一つは、けさほどからの議論をいろいろ聞いてみると、農地の所有者、その人が農業を永続的に経営する意思があるのかないのか、宅地化する意思があるのかないのか、これが優先される、土地の所有者の意見が優先するのでしょう。審議会の意見と土地所有者の意見が、違った意見、見解が出た場合、あくまでも土地所有者が、私は田んぼつくりますよ、いや空間として置いておくと言ったら、それは宅地化してくださいと意見が食い違った場合に、土地所有者の意見が優先すると考えていいのですか。けさからの議論を聞いているとそんなふうに聞こえるのですけれども。
○市川(一)政府委員 まず、先ほどの市民代表の方々の件でございますが、都市計画地方審議会にはそういった観点から議会の代表の方々が入っておるわけでございまして、私どもといたしましては、そういった意味では市民の意思を代弁する方が委員の中に含まれておるというふうに理解しておるわけでございます。
 それから、所有者の意見と審議会での結論とが違った場合という御想定でございますけれども、生産緑地につきましては、あくまで農地所有者の営農継続の意思が基本的に前提となるわけでございますから、それが第一義的には尊重されるわけでございますが、それではすべての農地が、農地所有者の方が営農の継続を希望するとすれば皆入るかというような意味におきましては、やはり、レアケースだとは思いますが入らないものも出てくるというふうに私どもは理解しております。
○三野委員 いわば保全すべき農地、これは農業経営が何らかの形で行われていなきゃだめですね。それは、市民農園もあるでしょう、あるいはみずからが生産する場合もあるでしょう。ただ、保全すべき農地として指定された以降も国の政策で休耕地となった場合、これも依然として農地なんですが、やや連続的に休耕地になった場合にもこれは生産緑地として認められるのかどうか、これを聞いておきたいと思います。
 それから、時間の関係でまことに恐縮なんですが、自治省と大蔵省にもお尋ねします。
 けさも出ていたように、これは平成四年十二月までにちゃんとする、こう言うんですね。言うんだけれども、かなり時間がかかる。地主、小作の問題もあったり、かなり時間がかかって、果たして十二月までにできるかどうかもわからない。その場合に、区分ができて生産緑地に指定された以降、例えば六カ月なら六カ月、相続の場合、親が死んじゃった、六カ月以内に申告しなきゃならぬ、けれども今なお区分されないということもあり得るわけですね。したがって、あくまでも正式に区分されて決定してから、それから六カ月内に申告すればいい、こういう運用はできますか。あるいは固定資産税の場合も、宅地並みに課税する場合に、区分されて一定の期間を置く、こういう形でできるようにしてもらいたいという意見が出ているのですが、これはどうでしょうか。
 と同時に、これはちょっと違って申しわけないのですが、自治省にお願いします。よく風致地区というのがありますね。これに対する税制の特別な措置はされておるのでしょうかされていないのでしょうか。私はされていないように思うのですが、これについての考え方はどうなのか、これについてもお聞きしておきたいと思います。
○市川(一)政府委員 休耕田の問題についてお答えしたいと思います。
 休耕田は、私どもの一応の理解といたしましてはいわゆる永久的なものではございませんので、それをもって直ちに生産緑地に関する都市計画の変更に結びつくとかそういったものではないというふうに理解しております。しかしながら、やはり減反政策等の農業政策と密接に関連している問題でございますので、建設省といたしましては、そういった農業政策の展開あるいは農地の利用状態等について精通しております農業委員会等と緊密な連絡調整を図りつつ対応するように市町村を指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○大武説明員 お答えさせていただきます。
 ただいまの御指摘の関係につきましては、相続税自体は申告期限までに納税猶予の特例の対象農地であるかどうか確定しておりませんと相続税の税額が計算できませんので、少なくとも申告期限までには生産緑地の指定が行われるということが必要であるということでございます。
 ただ、今の相続税の申告期限六カ月と言われた点に関してなんでございますが、今回の土地税制の見直しの一環といたしまして、土地の相続税の評価を適正化するということの一環といたしまして、今般平成四年度の税制改正のときに、御指摘の相続税の六カ月というところの取り扱いについても実は延長について検討されることになるというふうに考えております。税制調査会の答申でも「相続税の申告期限を延長する等制度面を含めた環境整備を図ることがその前提として必要である」というような御答申もいただいているところでございます。
○堤説明員 お答え申し上げます。
 平成四年度から宅地化すべき農地につきましては宅地並み課税が始まるわけでございますが、そうしますと、平成四年度の固定資産税の賦課期日は一月一日でございますけれども、一月一日において生産緑地の指定がなされておりませんと宅地化すべき農地として宅地並みの課税がなされるわけですけれども、平成四年の十二月三十一日までに、平成四年末までに生産緑地の指定を受けていただきますと、さかのぼったような感じで宅地並み課税額と農地課税相当額との差額は減額することにいたしております。
 それから、風致地区につきましてのお尋ねでございますが、風致地区として都市計画決定された地域内に所在する土地につきましては、いろいろ都市計画法上の行為制限がございます。そういう意味で、これらの制限に伴います土地の価格の事情につきましては十分売買実例価額で配慮されておると思いますので、固定資産税の評価は売買実例価額をもとに評価いたしておりますので、それ以上の特例の措置は講じておりません。
○三野委員 今のはいいあれですけれども、時間がないからまた今度にします。
 最後に、ぜひひとつ大臣に確認しておきたいと思うのです。実は私ども事前に五つの問題について通告しています。これは実は農業団体の要請もあって、ぜひ大臣自身からという意見もありますので、帰ってきたものですから、ひとつ大臣にお願いしたい。
 一つは、生産緑地制度は市街化区域内農地の税制度と密接に関連した制度であり、生産緑地地区の指定に当たっては農家が不利益をこうむることのないよう、税制上の取り扱いも含めて周知徹底を図るべきである。二つ目、生産緑地地区の指定要件の適用に当たっては、営農を希望する農家の意思を尊重し、都市計画の責任者である市区町村長の裁量を認めるべきではないか。三番、生産緑地地区の指定手続は、小作権を初め権利関係の調整をも含めて相当な期間を要すると思われるので、経過措置上の配慮など十分な対応が必要である。特に平成四年中に相続が発生した場合には、相続税の申告期間との整合性を図るべきではないか。四番目、市区町村が農家からの農地の買い取りの申し出に対応できるように国や都道府県に財政的援助を求めるべきではないか。この点については建設省として特別の財政的措置をつくるべきであるということです。五番目、生産緑地に指定されなかった市街化区域内農地については、無秩序な市街化など乱開発が行われないよう万全の措置をとるべきだ。いわば一種のところですね、これはもう希望があれば全部農地で置いておく、そうでなければ後、都市計画ができなくなる、乱開発になる、こういうことなんです。
 以上、これについて回答をいただきます。
○市川(一)政府委員 五項目でございますので、まず事務的に局長の方から答弁させていただきます。
 まず第一点でございますが、農家の方々が不利益をこうむることのないように、課税上の取り扱いも含めまして周知の徹底を十分に図ってまいりたいというふうに思っている次第でございまして、具体的にはパンフレット等も作成いたしまして、周知措置をあまねく早期に行うようにやってまいりたいと思っている次第でございます。
 それから二番目でございますが、都市計画の責任者である市区町村長の立場でございますが、生産緑地地区制度は、再三御答弁申し上げておりますように市町村が定める都市計画でございます。しかも、「農林漁業と調和した都市環境の保全」というものを今回追加していただきまして、規模要件の大幅な引き下げも行ったところでございますので、このような点も十分把握いたしまして、農家の方々の意向を尊重し、市街化区域内農地の実情や地域の特性を十分に勘案しつつ、的確な通用が市町村レベルでなされるものと考えておるところでございます。
 それから、第三番目の相続税との関係につきましては、税法上六カ月間の猶予期間しかございません。特にこの制度が最初にスタートいたします平成四年におきましては、私どもの生産緑地地区の事務が、目標が平成四年十二月三十一日ということになっておりますので、ケースはそう多くはないとは思いますけれども、それ以上前に死亡が発生いたしまして相続税上の手続を必要とするような場合にそごを来さないように万全の体制をとってまいりたい、この点につきましては税務当局とも連携を密にしながら対応してまいりたいと思っておる次第でございます。
 それから、第四番目の買い取りの財政的支援につきましては、建設省におきまして都市開発資金、それから自治省におきまして地方債等がございまして、その制度の改善充実も図っておりますが、先ほど来三野先生から新しい資金等の御提案もございましたけれども、いろいろな制度の拡充の中でそういったことも含めて検討してまいりたい。いずれにいたしましても、買い取りの財源対策は極めて重要な課題であるというふうに認識しておるところでございます。
 それから五番目の、生産緑地に指定されなかった市街化区域内農地が、いわゆる乱開発されない
ように万全の措置をとるべきであるということにつきましては、私どもも基本的には都市基盤施設の整備を進める、そして計画的な市街地整備を図るということで対応してまいりたいと思っております。区画整理事業等もその中に入るわけでございますが、そのほかに、新しく設けました地区計画制度の活用等も図ってまいりまして、生産緑地に指定されなかった市街化区域内農地がその都市の中で良好な町づくりに十分貢献できるような形で市街化が図られるように、これも万全の体制で臨みたいというふうに思っている次第でございます。
○大塚国務大臣 ただいま先生御指摘の五つの問題は具体的に局長がお答えしたとおりでございますが、今回の改正に当たりまして、もろもろの御指摘がございましたように、営農されている農地所有者の皆様方の意向を踏まえてこれから都市計画によって決めていくわけでございますから、市町村も農地所有者の意向を尊重するということは当然のことでございます。また一方、住宅宅の供給も、これは地価対策を初めとする問題として非常に重要でございますので、今後この改正後、生産緑地の指定に当たりましては、供給の方面にも配慮をしながら、また営農される方の農地は緑地機能も持っておる、大都市におけるあるいは都市計画区域における農地がいわゆる公園や緑地の役割をするという観点も含めまして適正に対処をするようにやってまいりたい、このように考えております。
○三野委員 終わります。ありがとうございました。
○桜井委員長 三野優美君の質問を終わり、薮仲義彦君の質問に入ります。
○薮仲委員 大臣が所用のようでございますので、かわりに杉山政務次官、副大臣に御答弁いただきますけれども、大臣と同じ責任と立場で御答弁いただけるものと確信をして質問をさせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。
    〔委員長退席、笹川委員長代理着席〕
 私は、生産緑地に関連しまして、生産緑地そのものは、この法律にもございますように公共施設には公園が入っておるわけでございますが、交通公園について質問をさせていただきたいと思います。
 私の地元、副大臣にとっても同じ地元でございますけれども、静岡県は、東海道メガロポリスと言われますように東西交通の要衝の地でございます。ということは、非常に残念でございますけれども交通事故の多発の県でもございます。例年全国のワーストテンに近い大変痛ましい交通事故が起きておるわけでございまして、我々非常に心が痛んでおります。この静岡で人生を交通安全にかけている一人の方がいらっしゃるわけでございます。現在お年は九十二歳でございますが、恐らく政務次官も御存じの平井新作さんという方でございます。この方は静岡県の交通安全協会静岡中央支部の支部長を四十四年から六十四年まで二十年間続けられております。また、静岡県警察友の会の静岡支部長として頑張ってこられました。その間、交通事故を何とかなくしたい、あらゆる努力をして、その中で、小さい子供やお年をとった方が事故に遭うたびに心を痛めておられまして、やはり交通事故は、ドライバーの問題もあるけれども、我々通行人のマナーも大事だ。そういうことで、この方は交通公園をつくってほしいということに執念を燃やして今日までずっと頑張っておられました。
 この方は、支部長当時を通じて静岡県庁に足を運ばれ、交通安全の重要性を絶えず訴えて、事故防止と交通安全の確立のために歴代の県議会議長に陳情を続けておられました。機会がありまして、私も御本人の御依頼を受けて県庁の議長室へ参りました。そのとき議長だったのは、現在の政務次官の杉山政務次官でございます。議長も、非常に同感である、その平井老人の前で、私も議長の在職中に何らかの形で必ずめどをつけていきたい、こういう御答弁がありまして、その方は今でも口癖のように、当時の議長のお約束を鮮明に思っております。当時から十数年がたちました。当時、静岡市の総合計画は第六次でございました。現在第七次、いまだに実現の姿が見えておりません。先日もこの方は、自分もよわい九十二歳であるけれども、静岡県民を交通事故から守るために何としても、老いの一徹といいますか、執念を実現したい、こういうお話もございました。これは非常に大事なことだ。
 ここに四月八日の静岡新聞、これは政務次官も御承知と思います。「県内交通死百人に 昨年より六日早く高齢者が三分の一」である。お年をとられた方が痛ましい事故に遭われているわけでございます。ここに警察庁の資料もあるのでございますが、昭和三十二年から昭和六十三年、三十二年間、この間静岡県がどうであったかといいますと、ワーストテンがほとんどでございます。ワーストテン以内が三十回、一番ひどいときはワースト四位が四回ございます。この中で十位を超えたのは二回だけ、十一位が二回。静岡県は非常に痛ましい交通事故死亡者が多発している県でございまして、やはり私は県民の一人として、あの平井さんがおっしゃって執念を燃やしていらっしゃること、小さな子供のうちから交通ルールやマナーを学ばせて、将来静岡県がワーストテンの中に入らない、事故のない県にしたい。この希望を私はどうしてもかなえさせてあげたい。第七次の総合計画の中で実現させてほしい、こう思っております。
 警察友の会の支部長としても頑張ってこられたこの方、警察としても事故についてはやはり非常に心を痛めていらっしゃると思いますが、警察庁はこの交通公園の必要性についていかがお考えか、最初にお伺いしたいと思います。
○武居説明員 お答え申し上げます。
 警察庁といたしましても、交通事故防止ですとか、交通安全対策というものに大いに力を注いでいるわけでございますが、長い目で見た場合に、交通安全教育というものが非常に大切であるということはまさにおっしゃるとおりでございまして、そういう観点から、児童ですとか幼児等が楽しみながら交通マナー、ルール、こういったものを身につける場所としての交通公園、こういったものが非常に有効であるというふうに考えております。そういう観点から警察といたしましても、例えばこういった交通公園等の施設を活用いたしまして、交通安全運動のときに、いろいろな意味での安全指導等を行っておるという状況でございまして、またことし五月に茨城の勝田市の方にオープンします自動車安全運転センターの中央研修所におきましても、その併設した機関として、児童、小学生、中学生等に対する体験的、参加的な交通安全研修を実施するという意味での交通公園を開設するというようなことにもしておるところでございます。そういった意味で、警察としてもぜひ積極的に整備を図っていただきたいというように考えておるところでございます。
○薮仲委員 今申し上げましたその第七次の総合計画というのは、一九九一年から二〇〇〇年でございます。ちょうど二〇〇〇年、どういう時代が来るかわかりませんけれども、せめてそのころにはそういうものができてくる。私は、この交通公園が交通事故防止のすべてではないと思います。しかし、そういうものができたことによって、今警察庁の幹部の方も申されましたように、県民全体に交通ルールあるいは交通マナーについての意識の啓発には大きな意義づけになると私は思いまして、これは建設省に第七次総合計画の中でぜひとも実現を図っていただきたいと思いますが、建設省の御見解をお伺いしたいと思います。
○市川(一)政府委員 交通公園は、児童の健全な遊戯の用に供しまして、あわせて児童に交通知識及び交通道徳を体得させることを目的としてその設置を推進してきたところでございます。ただいま御指摘ございました静岡市の交通公園につきましては、静岡市の第六次総合計画におきまして設置すべく位置づけられておりましたが、予定する公園の用地の確保等、諸般の事由により計画期間中に実現できなかったものであると聞いておりま
す。
 しかしながら、ただいま御指摘がございましたように、静岡県は交通事故発生件数が極めて多いところから、静岡市では交通公園の設置が必要であるといたしまして、第七次総合計画におきましても交通公園を計画したものであると聞いておる次第でございます。建設省といたしましても、体験を通して交通マナーや交通安全意識を高めることにより交通事故の防止に資する交通公園の設置を進めてまいっていることにつきましては、先ほど御答弁申し上げたところでございまして、静岡市の交通公園につきましても、その計画の実現に向けまして積極的に協力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○杉山(憲)政府委員 薮仲先生にお答えいたします。
 確かに私が議長当時、薮仲先生が御同道で平井さん等が一緒に陳情に参りました。私もそのお話を聞きまして、先生の誠意または情熱に打たれまして、協力し推進、見通しをつけるというようなことを言ったことも事実でございます。それから、御承知のように静岡市も市長がちょうど単年度でかわりまして、静岡市の対応が、諸般の事情、今答弁のあったとおり土地の取得等も含めまして非常にはかばかしく進まなかったというような状況でございまして、また立場が変わっておりますが、その当時の気持ちと今も全く変わっておりません。今後、薮仲先生の御協力を得つつ、また私も一緒になって市長等にも話をして、協力し、推進してまいりたいと思います。
○薮仲委員 平井さんは杉山議長が政務次官になられたことを非常に喜んでおる一人でございますから、どうかこの第七次総合計画の中で、政務次官の政治活動の実力が増すと同時に、実現へ一歩一歩近づくことを私は心から期待しておりますから、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、生産緑地法の本法の方へ質問を変えさせていただきますけれども、この生産緑地法を今回改正されるわけでございますが、現在のこの住宅事情といいますか宅地供給という観点からしますと、市街化区域内農地を何とか宅地にするものと保全するものとを明確に区分する、この考え方は私は必要であろうと思っております。特に三大都市圏においては住宅事情が逼迫しておりますので、その重要性は一段と高いことは論をまちません。本日はこの問題を、全国の生産緑地ということではなくして、三大都市圏の市街化区域内農地を念頭に置きつつ、私は質問を展開させていただきたいと思います。
 まず問題の第一点は、三大都市圏の特定市における長期営農継続農地制度が平成三年で廃止されることに伴いまして、その農家の方々は平成四年度には生産緑地にいくかあるいは宅地化するかということで、そこで分かれるわけでございますが、やはりここで考えなければならないのは、この生産緑地制度を見直すという趣旨は一体何か。市街化区域に存在する農地の位置づけ、また生産緑地にすべきもの、これを都市計画の中できちんとしなければならない。都市計画の中でこれは生産緑地です、これは宅地にすべきです、きちんとした立法の趣旨にのっとって主体性のある区分をしないと、あいまいとしておかしくなってくると思います。
 そこで、極端なことを聞くようでございますが、特に三大都市圏の農地は、政府の総合土地対策要綱の中でも、土地の有効利用という観点から保全すべきものと宅地化すべきものとをきちんとした上でいかなければいけませんということになっておりますが、もしもここで長期営農農家の方が、ほとんどの方が営農を希望して生産緑地に指定してください、今長期営農を行っていらっしゃる方が全部生産緑地に指定していただきたいというようなことになった場合に、これは極論を言った方が考え方がわかるものですから、建設省としてはどういうふうになさるか。
 ということはどういう意味かといいますと、都市計画上の位置づけと農家の方が私は営農したいというお気持ち、これは必ず両者の意見が食い違うと思うのです。そのときにどちらをとるかという言い方は非常にまずいわけですが、やはりこれは双方で調整をして好ましい結果を得なければなりませんけれども、極端に全部の営農する方が生産緑地に指定してくださいと言ったときに建設省はどういう態度をおとりになるか、それから都市計画上の位置づけと営農なさる農家の方のお気持ちとどちらを優先なさるか、非常に難しい問題かもしれませんが、現在の建設省の考え方をお聞かせください。
○市川(一)政府委員 農地が都市計画上緑地として評価できるためには、その農地が適正に肥培管理されておる必要があるわけでございます。したがって、その農地で営農を続けていく意思があるかどうかということがまず基本的な条件であるということは言わずもがなだろうと思います。そういった意味におきまして、農地所有者の意向がまず第一義的に優先されるというふうに私どもは考えているわけでございますが、ただいま先生が御設定なさいました試問はなかなか難解な試問でございまして、現実にそういう事態が発生するのかどうかという面も含めまして、私どももかなり真剣に検討してまいったテーマの一つでございます。
 極端な場合の想定といたしまして、現在長営制度の対象となっている農地あるいはその市街化区域内に存する農地の中にいわゆる土地区画整理事業が済んだ区域内でまだ宅地化が進まないところがございまして、そこで農地が存在するといったようなところがあるわけでございます。そういったようなところで、すべての農地をお持ちの方々が今後とも永久的に農業を続けたいという希望が参りましたとするならば、ではそこで行いました土地区画整理事業とは一体何であったのかといったようなこともございますので、私どもといたしましては、やはりそういう意味では都市計画上の一定の限界がある、あってしかるべしというふうに考えておる次第でございます。
○薮仲委員 私は個々具体的なケースがない段階で非常に無理な質問をしておるなと自分でも思っておるわけでございますが、私の言いたいのは、要は営農したいという希望の方もいらっしゃる。その方をむげに切り捨てるということなくして、その営農したい方の希望というものを生かすために代替の農地を提供できないかどうか。いろいろな手法、あらゆる手法を考えて、農家の方がこのことによって自分の人生の基盤、生活の基盤を失わないような配慮をいただきたいと思うのでございます。
 そこで、もう一つ具体的に伺っておきますけれども、同じように、今度は一団の五百平米の農地としてこれが生産緑地に指定されますけれども、これより小さい面積の場合もやはり同じだと思うのです。その方が営農を希望した場合に、その方の営農の意思というものをそんたくしながらどうするか、尊重しながらどうするか、それはどういうお考えか、ちょっとお聞かせください。
○市川(一)政府委員 面積要件につきましては、やはりいろいろな御議論の中で最終的に確定するものでございまして、確定されました以上、それを尊重することは極めて重要なファクターであると私どもは認識しております。したがいまして、面積要件が不足する場合、つまり具体的には五百平米未満の農地につきましてなおかつ営農の継続を希望される農家の方々につきましては、他の農地をあっせんするとかいろいろな問題、どういうやり方が最も現実的であるかどうか、なかなか私どもも今苦心しているところでございますが、地元の農業委員会や農業協同組合の方々とも協力いたしまして、何とかひとつその辺のところの組み合わせをうまくやる方法はないものだろうかといったような方向で検討しておるところでございます。
○薮仲委員 こういう今までの生活の基盤ががらっと変わるわけでございますから、どうかその辺は血の通ったといいますか、ぬくもりのある行政の中で農家の方の将来を十分配慮していただきたい、私はこのことをお願いしておきます。
 それから、買い取りの申し出について何点か確認をしたいと思いますが、いわゆる三十年を経なくても主たる従事者の死亡もしくは従たる従事者の問題もあるわけでございますが、これは建設省省令で具体的に決めるというふうになっております。例えばどういう例をお考えなのか。また、先ほど来も論議されましたけれども、営農の意思といいますか、営農の自信といいますか、いわゆる今つくっている農産物について将来の見通しが立たない、経営に不安を感じてどうしても営農を断念しなければならないケースも出てくるのではなかろうかと私は思います。そういうことも買い取りの対象に加えられておくということもあってよろしいのじゃないかと思いますが、どのようなことをケースとしてお考えですか。
○市川(一)政府委員 生産緑地法での買い取りの規定は二種類ございまして、一つはいわば権利救済的な意味を含めました買い取りの申し出でございます。私ども買い取り請求と称してございますが、現行制度では第一種生産緑地は十年、第二種は五年たちますとそれが生じてまいるわけでございますが、それを三十年に延長したわけでございます。それから、三十年の期間経過前でございましても、主たる従事者もしくは従たる従事者の方が死亡し、または農林漁業に従事することが不可能になる故障が生じた場合にも買い取り請求の申し出ができるようになっておりますが、その場合、いわゆる回復不可能な病気等、両眼の失明とか上下肢の喪失等が想定されておりますけれども、回復は可能ではございますが長期の療養を要する場合には、事実上営農は不可能であるというところから、そういったものは救済する必要があるということで省令に追加することを考えておるところでございます。
 それから、意欲を失った場合どうするのかということでございまして、これも設けるべきではないかということでございますが、買い取りの申し出の事由といたしましては、最終的な意味合いにおきまして農地所有者の方々の権利救済的な意味がございますから、いわゆる営農の意欲を失った場合をそれに加えるということにつきましては、なかなか難しい面がございます。したがいまして、生産緑地法では第十五条という規定を設けまして、そういったような場合に、請求権という強い意味ではございませんが、買い取りの申し出ができることとなっておりまして、市町村長といたしましては、もし申し出がありました場合には、場合によってそれを買い取る、あるいは他の希望する方へのあっせんに努めるとか、そういったことで対応するということをやってまいりたい。いずれにいたしましても、市町村レベルにおきまして具体的なケースに即しまして、市民農園としての活用その他、今後いろいろなケースが考えられるわけでございますので、農地所有者の方々及び農業委員会等の農業行政サイドの方々との連携を密にとりまして、現実的な対応が図られるよう指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
○薮仲委員 その次にお伺いしたいのは、生産緑地法の改正されない部分といいますか残る部分として、いわゆる買い取りの申し出があってから一カ月で買い取るか買い取らないか、その地方自治体との協議を続けるわけですが、三カ月以内に協議が調わない場合は制限解除ということが法律上うたわれておるわけでございます。従来は地方自治体との協議が調わないからということで生産緑地の指定が解除されますから、後は自由に転売あるいは利用できるということになるわけですが、私は、今回の生産緑地の一部改正ということは決してそういうことを考えてはいないのだろうと思うわけです。
 そこで一つは、この法律には土地の価格を「時価」と書いてあるのですが、時価というのは非常にうまい表現ですけれども、この時価で、恐らく土地の価格で農家の方と折り合わない、買い取りに折り合わない場合が出てくる。そのときに、以前はこれがそのまま協議調わずということになったわけでございますが、そうしますと、せっかく将来は生産緑地を宅地化していこうとかあるいは公共施設のための保留地にしようということが薄らいでいくわけです。この協議調わずという段階で値段が合わなかったときに何らかの措置、ここでは生産緑地法の施行令の方には収用法の問題も書かれてあるわけでございますが、やはり価格認定、収用価格を決定しても買い取る意思がそこまでおやりになるのかどうか。あるいはまた買い取りの財源は、先ほどもお話ございましたように、決して買えなかったということのないように、買い取りができなかったということのないように私は十分な手当てをすべきだと思うのですが、この二点いかがでしょう。
○市川(一)政府委員 まず買い取る場合の価格の問題でございますが、価格につきましてなかなか折り合いがつかないということは現実的には想定されるものでございますので、生産緑地法におきましても、その前提としてもちろん買い取りの申し出が農地所有者から市町村長にあった場合でございますが、そういった場合で価格が折り合わなかった場合につきましては、収用委員会に対しまして価格についての裁決をお願いすることができるような仕組みはできてございます。価格についての裁定でございますのであるいは活用も可能なのではないかとは思っておりますけれども、やはり何といいますか、日本人の基本的な考え方からいいまして、最終的には具体的な市町村レベルにおきます非常に具体的な話でございますから、大体周辺の価格というものはおのずと相場が決まっておるわけでございまして、極端に折り合いがつかないということはまずないのではないかと私どもは思っておる次第でございますが、最悪の事態におきましてはただいまのような規定も存在しておりますので、その活用も図っていく場合があるのではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、地方公共団体が買い取りを行いますことは、生産緑地制度を適正に執行するためにおきましても、またそういった形で公有地を拡大することはその都市の都市計画をよりよきものにするためにも大変重要なテーマでございますので、財源の関係で買い取れないといったような事態が生ずることのないよう、建設省といたしましても万全の措置を講ずるよう今後とも取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
○薮仲委員 今の点で念のために確認をしたいのでございますけれども、私もできる限り、収用の価格ということで収用法を適用して買い取り価格を決定していただくというようなことに至らなければいいなと思っておるわけでございますが、これは最終的には、そのような事態に立ち至った、その場合には、買い取りを申し出た者は、収用価格に従って土地を買い取ってもらうという行為以外にそれを他に転売するとか、それをだれかに買ってもらうとか、そういうことを認めないのか認めるのか、その辺どうでしょう。
○市川(一)政府委員 価格につきまして収用委員会による裁決を申請できますのは、市町村長だけではなくて農地所有者の方もできる制度でございまして、そういう意味では、言葉からくる印象よりは極めてやわらかい制度であるということも言えると思いますけれども、一番最後で御質問ございました点に関しましては、地方公共団体がそこで買い取らないと基本的には宅地化その他の自由な行為ができるようになるわけでございますから、地方公共団体といたしましては極力買い取るように努めるということであろうかと思っております。
○薮仲委員 この問題は非常に重要な問題を含んでおりまして、もしもこれがこじれてまいりますと、幾ら法律を改正しても土地は公共の手元には残らないでまた民間の手に渡って、そして国民全体としては良質で低廉な住宅の提供をしてもらえなかったという非常に残念な結果になってまいります。今この審議をしていることは、住宅そして土地対策上非常に重要なことであって、どうかそれが国民の良質な住宅の提供になるように、そこのところが非常に重要ですから、買い取りが完全に行われるか行われないか、農家の方の希望する
価格と折り合わないということではなくして、何とか公共の手にせっかくの農地が公共用地として入るように意を尽くし、力を尽くしていただきたいと思うのですが、この点、大臣、いかがでしょう。
○大塚国務大臣 先ほど来いろいろ御論議のある中でたびたび申し上げてまいりましたが、営農をされておるいわゆる農地所有者の方々に対しまして、今回この改正によって生産緑地としての指定をしていただく。これから三十年先のところまでは完全に保障をするわけにはいかない問題もありましょうと思いますが、今御指摘のように土地を仮に売らざるを得ないというときの評価につきましては、権利制限がある土地でございますけれども、実際には近傍類地の価額で買い取るということになろうかと思いますし、今日までも都市計画決定のある道路用地なども、実際には民間で売買をするとほとんど安いものになってしまいますけれども、実際に公共事業としてやる場合は近傍類地の価額で買っている、こういうこともございますから、将来にわたってそのような心配は余りなかろうというふうに私は判断をしております。
○薮仲委員 それでは、生産緑地に入るところではない、いわゆる宅地化される方についてお伺いをしておきたいと思います。
 宅地化される農地、今度は宅地の方へ移っていくわけでございますけれども、宅地化される方についても、良好な都市環境を形成する、しかも良質で低廉な住宅を提供してほしい、私はこれが今度の生産緑地にかかわる一番重要な政策の目的だと思うのです。
 そうしますと、私はかねてから主張しておりますように、都市計画というものの基本精神は、計画のないところに開発はしない、もう一歩進めて、都市基盤が整備されていなければ開発しないというぐらいまできちっとした計画、いわゆる土地利用について計画があって初めて開発が行われるというきちんとしたルールづくりをこの際やる必要がある。
 今まで日本の国が一番失敗したのは、都市計画あるいは地区計画といいますけれども、土地の使用が原則自由ですから、しかし、この第一種あるいは第二種農地というのは原則非常に使いにくい。建設省がこれを良好な宅地あるいは良好な生活環境にしようと思えば最も都市計画決定しやすい、あるいは地区計画を確定しやすい。言うなれば純白のキャンバスに絵をかくみたいなものですから、このかき方を失敗したらまたスプロール化が起きてきて、何のためにきょうこれだけ真剣に論議しているか、わからなくなってくる。この生産緑地というのは、建設省が最後に都市計画の中で最も理想的な土地利用を確立する一番大事な、最も大事なときだと思うのです。ですから私は、宅地化する方についても都市計画なり地区計画なりきちんとした、土地利用については原則計画がなければ開発はいけませんよ、いわゆる計画に沿った好ましい開発であり転用をしていっていただきたい、こう私は思うのですけれども、ここが一番大事なところです。これはどう考えます。
○市川(一)政府委員 現在我が国の都市計画制度におきましては市街化区域、市街化調整区域という線引きを前提といたしまして、市街化区域につきましては、開発行為を行います場合に開発許可の基準といたしましていろいろと技術的基準が定められております。また、建築行為を行います場合には建築確認という制度があるわけでございますが、用途地域等の都市計画に従った建築行為に限り確認を受けるという仕組みになっているわけでございます。したがいまして市街化区域におきまして、道路、公園等の都市基盤施設、もちろん下水道も入るわけでございますが、そういったものの整備が計画的に進みまして、あるいは土地区画整理事業が積極的に実施されている地区におきまして、このような開発行為なり建築行為がなされる場合には、そのこと自体が良好な市街地形成につながるというふうに思っているわけでございますが、やはり、御指摘がございましたように、必ずしも都市基盤施設整備との整合性のとれた開発がなされない場合もあり得るわけでございます。
 この辺につきましては、我が国の都市計画のあり方も含めまして今いろいろと御議論をいただいているわけでございますが、昭和五十五年に制定させていただきました地区計画制度、これは詳細な計画を内容とする制度でございます。これにつきまして、昨年度の都市計画法、建築基準法の一部改正の際に、住宅地高度利用地区計画制度を創設させていただきました。これも一つの地区計画制度でございますが、特に市街化区域内農地の宅地化の際に有効に使ってもらえるということで、この地区計画制度を適用いたしますと、基本的には、公共施設の整備が条件となりまして高さの制限あるいは用途、容積率等の緩和も行いますから、農地所有者の方々にとりましても極めてメリットのある制度でございます。そういったようないわば優遇措置とあわせ講じまして、計画的な開発を誘導していくという考え方を私どもとっているわけでございまして、何とかこういったシステムの総合的な活用によりまして良好な市街地形成を図ってまいりたいというふうに思っている次第でございます。
 ただいま先生から御指摘がございました基本的な都市計画のあり方につきましては、私どもも感ずるところがあるわけでございまして、ことしの一月になりまして、大臣の方から都市計画中央審議会に経済社会の変化を踏まえた都市計画制度のあり方につきまして諮問されておりまして、その際こういったような問題につきましても、今後改めるべき点があるならば改めてまいろうといったようなことも含めてただいま検討しておるところでございます。
○薮仲委員 私は、これは大臣にどうしてもお願いをしておきたいのです。
 いつも私申し上げますけれども、土地利用ということは非常に重要です。地価の高騰を抑える上においても、土地利用が適正であればこれほど完全なことはないわけでございまして、ですから私はどうしてもこの土地利用を的確にやっていただく。そうしますと、今言われたように都市計画をきっちりつくらなければ開発できない。特にここはほとんどが一種住専ですから、絶対高度が決まっているわけですから、これを開発しようとしても、今局長がおっしゃったように住宅地高度利用地区計画をかけなければ高さは上がってこない。これほど建設省が理想的に使えるところはないわけです。やはりこれは大臣、農地が宅地化されてくるという最高のチャンスですから、これはひとつ本腰を入れてやっていただきたいと思いますけれども、ここは大臣に、計画なければ開発しないということをもう一度確認をさせていただきたい。
○大塚国務大臣 先ほど来の御論議でも、今回この生産緑地法の改正によって都市計画で宅地化すべきものと保存すべき農地とを区分するということで、果たしてどのぐらいの住宅地が供給できるだろうか。いろいろ御意見もありますし、また建設省としてもいろいろな想定をいたしておるわけであります。私は東京でございますけれども、いわゆる東京圏の農業委員会の方々や農業協同組合の方々とお会いをしますと、主としてやはり保存すべき農地のためにしっかりやってほしい、こういう御要望もかなり多いのでありますけれども、中には住宅経営をやりたいという方もおられるわけでございまして、大体首都圏三万三千へクタールのうちの八千ヘクタールぐらいは住宅地として十年間に供給できるだろう、あるいは近畿圏は一万六千に対して三千、中部圏は一方五千に対して二千というような想定はいたしておるわけでありますが、果たしてその供給ができるかどうか、これはこれからの我々の取り組む姿勢にかかっておると思います。
 当然のことながら、スプロールすることが今日までのいろいろな弊害であったわけでありますから、今御指摘のように、せっかくこの都市計画で決められるという絶好のチャンスでありますので、環境の良好な住宅供給というのはいかにある
べきか、市町村にも都道府県にもこの際はしっかり御協力をいただいて、やはり今後三十年あるいは百年という将来の大きな計画の中で良好な環境の住宅を供給していく。そしてまた緑地機能を持った農地も、まあ公園の整備も五カ年計画をお願いしたばかりでございますが、大変残念なことにまだ一人当たり五・八平米、これは五年後に七平米という目標で公園整備もいたしますが、やはり緑地の機能を持った農地も広い意味ではそのような役割を持っているわけでありますので、そのようなところを志向して頑張ってまいりたい、このように考えております。
○薮仲委員 ここでちょっと相続税について重ねて確認をしたいのでございますが、大蔵省お見えだと思いますので確認をさせていただきたい。先ほども御答弁いただいておりますが、もう少し具体的にお伺いしたいのでありますけれども、やはり長期営農から生産緑地に指定されるかされないかという瀬戸際の問題があるわけでございます。
 もう少し具体的に言いますと、ちょうど平成四年、指定が始まる。その前から指定も始まるかもしれませんが、仮に、大変、例としてこれは申しわけないのでございますが、平成四年の一月早々に主たる従事者が亡くなられた。そこで相続が発生する。そうしますと、いわゆる税務申告というのは、相続税は六カ月以内にということになっておるわけでございますが、これが例えば六月以降でございますと、ちょうど六カ月間で平成四年の十二月三十一日になりましてぴったんこ合うわけですが、問題は六月以前の相続発生について多少の懸念があろうかと思うわけでございます。先ほどの御答弁にもございましたけれども、いわゆる相続税路線価の評価の適正化ということで、調査と公開の時期がいろいろと環境整備をしていただいているというふうに伺っております。そうなってまいりますと、相続税の申告期限についても延納という先ほど御答弁がございましたけれども、もうちょっと具体的に言いますと農家の方の不安も解消するのではないか。例えば調査の開始と公開というのは、大蔵当局としては大体いつごろのめどで考えていらっしゃるのか。それによって申告納税の路線価がはっきりわかるわけでございますから、その辺をもう少し具体的に教えていただきたいと思います。
○大武説明員 お答えさせていただきます。
 ただいま先生御質問ありましたとおり、一昨年末に成立いたしました土地基本法の中で、土地評価の適正化が求められたわけでございます。これを受けまして、今回の土地税制の見直しの一環としまして土地の相続税の評価につきましても、その評価をする時点が実は毎年前年の七月一日という時点で路線価の評価をしていましたのを、当年の一月一日、できるだけ直近に近い時点で、しかも地価公示の調査と合わせるということで一月一日にいわば合わせるということを行いますとともに、評価割合の引き上げも図るということで、全国的な適正化、均衡化を図るということを今回の相続税の見直しの一環として考えているわけでございます。
 そういたしますと、実は従来七月一日の調査で、その路線価の公開が翌年の四月末ぐらいまで事務作業として要したわけでございますが、これが一月一日にいわば調査をするということになりますと、相当の期間、少なくとも八カ月とかそのぐらいの期間を要するというのが現在の国税庁の考え方でございまして、そういたしますと、今先生の御質問の、一月にお亡くなりになったような方について六カ月の申告期限では、路線価地図そのものがまだ用意されていないというようなことも生じますことから、この場合、御指摘の相続税の申告期限の取り扱いにつきましても、政府税制調査会の答申の中でも、延長につき検討することが必要だという御答申をいただいているということでございます。
 したがいまして、今の御質問のようなケースにつきましても、当然この評価の適正化に伴います相続税の申告期限の延長という制度面を含めました環境整備の中で取り扱いを検討していくということになると思っております。
○薮仲委員 大変具体的な御答弁をいただいて、ありがとうございました。建設省当局としても、指定が早ければ早いにこしたことばないのでございますが、ただいまお話しのような事態でございますので、税務当局と協議をしていただいて、農家の方の不安のないような対応だけは、どうかよろしくお願いしておきます。
 それから、この生産緑地でもう一点お伺いしたいのは、良質な住宅ということでございますけれども、さっき都市局長は住宅地高度利用地区計画等とおっしゃいました。先般私も、町田の方をちょっと生産緑地を拝見させていただいて、農住組合法の住宅も見させていただきました。私は、今建設省がやろうとしていらっしゃるというか、積極的に取り組んでいらっしゃる中堅勤労者ファミリー向け、我が党ではこれをコミュニティーパブリックと言いましたけれども、長期営農から宅地へ転用される方の地域については、やはりこういうような中堅サラリーマン向けの住宅、いわゆる中堅勤労者が入居可能な良質で低廉な公共住宅を積極的に建てるべきだ、こう思いますが、これについて建設省積極的に取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○立石政府委員 先生御承知のとおり、大都市地域を中心に中堅勤労者が新しく住宅を取得することが非常に難しくなっている状況でございます。こういうようなことから、良質な賃貸住宅の供給を促進していくことは重要な課題であるというように認識しております。
 御指摘のコミュニティーパブリック住宅は、土地所有者と連携して中堅勤労者向けの賃貸住宅を供給するものというように認識しているところでございます。建設省としましても、高地価を顕在化させずに、適正な家賃で良好なコミュニティー形成に資するような公共賃貸住宅の供給を推進することは重要なものであるというように考えているところでございます。平成三年度より地域特別賃貸住宅制度につきまして、大都市地域におきましては入居者の収入基準を引き上げる、それと同時に定期借地方式あるいは借り上げ方式、そういうような制度を導入したところでございます。これらの方式によりまして、一般住宅地に溶け込むような住宅団地の建設に配慮しながら、中堅勤労者に対します公共賃貸住宅の供給を促進してまいりたいと考えております。
    〔笹川委員長代理退席、委員長着席〕
○薮仲委員 どうかよろしくお願いいたします。
 ここでちょっとほかの問題に移らせていただきたいのですが、会期もあと残すところわずかになってまいりました。残された会期の中で、重要法案があるわけでございますが、我々建設にかかわる者にとって看過できない法案が一つ出てきておるわけでございます。それは借地・借家法の改正でございます。
 借地・借家法といいますと、法務省きょうお見えでございますが、法務省当局に伺いますと、これは私権のいわゆる権利の調整であるとか利害の調整にかかわることであります、こういう御答弁でございます。しかし、この借地・借家法が一度改正という言葉がアナウンスされますと、これはまさに土地住宅問題そのものになってくるわけでございます。そういう観点から私はお伺いしたいわけでございますが、建設省は今度のこの新しい借地・借家法の見直し、定期借地権というのが入ってまいりましたけれども、短期では二十年、長期で五十年ということでございますけれども、こういうアナウンス効果、あるいは正当事由の中にいろいろと今まで判例の中で出てきたことを集約しただけですということで出てまいりました。そうすると、このことが果たして住宅政策上どういう影響が出てくるのかということを、きょうはもう余り時間もございませんが、何点か確認したいと思うのです。
 法務省の説明を私も何回かお伺いいたしました。でも、このことを正確に処理しておきませんと私は非常に心配ですので、建設省のお立場と法務省の見解をここでお伺いしたいわけですが、建
設省は何回か説明する中で、この借地・借家法の改正は、住宅宅地の供給が図られます、ですから成立を期待しておる、こういうような説明はいただいております。私は建設行政に少なくとも十数年、いろいろなところでかかわり合ってまいりました。果たして、借地・借家法を改正して良質で低廉な住宅を提供できる民間の住宅地が提供できるか、私は非常に疑問があるわけです。三百代言のように、風が吹いたらおけ屋がもうかるというような説明は私は聞きたくないわけです。そんな話は私には全く用をなしません。この借地・借家法の改正によって、民間の方が低廉で良質な住宅を建設できる宅地が出てくるという可能性が本当にあるのかどうか。私は計算してございますので、これからそのことを具体的にただしてまいりますが、このことをまず建設省にお伺いしたい。地価がこれだけ高騰しておるときに土地を借地でということが果たして可能かどうか。
 その前に、法務省に私は聞いておきたいのですが、法務省はこの借地・借家法の主務官庁であります。御説明では、裁判の判例を追認したような形である、こういうようなお話でもございました。当然、そこの中に出てくる争われた裁判も数多く知っていらっしゃると思うのです。そこで私は伺いたいのですが、我々がこの借地・借家法と聞いたときに、私は法律の専門家ではありませんけれども、少なくとも借地・借家法の法律はどうなっておるのかという基本的なことは我々は学ぶのです。同じように法務省の担当者の方も当然、借地・借家法の制定によって住宅宅地がどうなるか、しっかり考えていただかないと困るわけです。これは単なる私権のいわゆる利害調整であるというような話で事は済まないのです。このことを言われるだけで借家人や借地人に影響してくるわけですから、その影響をはっきり踏まえなければならない。であるならば、この借地・借家法ということを法務省は本当にどの程度御認識なのか、私は担当の審議官にお伺いしたいわけでございます。
 借地というからには、貸す地主さんと借りる側とあるわけです。それで、本来地価はどうなるか。収益還元です。収益還元というのは、我々が古典的に習っているのは、借家をつくって地代家賃の収入に見合うような価格を収益還元と言うような古典的な考えです。しかし今、自治省や何かは、その土地に対してウエルユースでなくてベストユースでこの収益還元を考えていこうとしております。ならば、私はお伺いしたいのですが、土地を借地ということをおっしゃるのですけれども、今土地を借りて、そこで何らかの事業をやって収益を上げることが可能なのか。例えば東京のように、こんな坪何千万、億という言葉が乱れ飛ぶような土地を借りて、そこでどのような事業をやったら収益が上がるか。これは事業ならばいいのです。しかし、今問題になっているのは、借地・借家法というのはまさしく住宅なんです。これは審議官も御承知のように、例えば銀座の収益還元価格と実際の売買の地価とはそう離れていないのです。しかし、これが田園調布とか松濤町とかの住宅地にいったら、収益還元価格と地価というのは物すごく乖離しております。ということはどういうことかというと、今地価高騰は、住宅地にオフィスビルが入ってくるということに問題があるわけです。ということは、オフィスビルの方が収益性が高いから、立ち退きあるいは地上げ屋が来て住居系をビルやオフィスビルにしていくわけです。ということは、土地を借りて良質で低廉な住宅ができるかどうか、これが私一番問題だと思う。少なくとも、この借地・借家法を改正、定期借地権をやれば借地が出てくるとおっしゃるのであるならば、例えば東京圏で本当に土地を借りて低廉で良質な、建設省がおっしゃる例えば七十平米、収入の一五%の家賃で入れるような住宅がつくれるかどうか。こういうことをお伺いするのは非常に失礼で恐縮なんですが、事がまさしく住宅宅地でございますので、そういうことも踏んまえてこの法案に取り組んでくださったのかどうか、その辺ちょっとお伺いしたい。
○永井政府委員 お答え申し上げます。
 このたび法務省が提出しております借地借家法案といいますものは、明治四十二年の建物保護ニ関スル法律、それから大正十年の借地法及び借家法を一本化した改正をしております。これらの法律は、ただいま委員も御指摘のとおり、実は借地・借家関係の安定を確保して、当事者間つまり貸し主と借り主との権利調整を公平に行う、こういう法律でございまして、実はこれは民法の特別法ということになっております。そういう性質のものでございますので、借地・借家法そのもので住宅政策をどうこうするということには限界があるわけでございます。ただ何分古い法律でございまして、時代の変化あるいは需要の多様化に対応できていないという批判がたくさんございます。
 それで、この借地・借家法は、御承知のとおり昭和十六年に正当事由条項というのが入りまして、土地でも、貸したら正当事由がない限り返してもらえないということからほとんど返ってこない、いわば半永久的な権利というふうな形態になってきたわけでございます。貸したら返ってこないという半永久的な権利になってきますと、地主さんが、およそ貸す人が非常に少なくなっている、現に少なくなっているわけでございます。それで、もし貸す場合ですと地価の七割というような高い権利金を取るというようなそういう形でありまして、実際にはなかなか貸したり借りるということがやりにくくなってきている、こういう問題がございます。これは、実は借地法、まあ借地法に限りますが、借地法が非常に画一的な規律をしておりまして、いわばワンパターンしかないんです。(薮仲委員「質問に答えてください。だったら結構です」と呼ぶ)はい、わかりました。これに対してやはり批判がたくさんございまして、現在の現行法に反する契約はすべて無効である、法律的に無効であると規定してしまっているものですから、現在の非常にニーズが多様化しているところに対応できない、そういうことでございます。
 そこで、私ども、借地・借家法の改正は各界から要望されておりまして、五年前から審議をやっておりますが、どの程度の住宅数があるいは良質なものが提供されるかということについて私どもがこうこうこういう数字であるということは申し上げるわけではございません。行政法規でもございませんし、ゾーニングのそういう法律でもございません。いわばこれは建設省等のそういう関係の法律と両々相まって、少なくともそういう画一的な規制あるいは規律というものをもう少し柔軟にしようという、そういう原則論を変えるということにしているわけでございます。
○薮仲委員 そういう私の質問外のことは答えなくて結構です。借地をして良質な低廉な借家を提供できますかと聞いたのですから、それに答えればいいんです。
 私は、これは本来なら土地局長にお答えをいただこうと思ったのですが、一問だけでお呼びするのは気の毒ですからやめました。いわゆる借地によって賃貸住宅を建設し、収益還元可能な地価は大体どのぐらいとなりますかということを私は土地局に計算してもらいました。それで、前提条件は、建設省がよく標準的に使われる、住居専用面積七十平米、RC耐用年数七十年、一戸大体二千万、年収六百万の方が一五%程度の家賃で入れる賃貸住宅を建てるとしたならば大体地価はどの程度になりますかと、これはいろいろと計算をしてもらいました。いろいろな前提条件はなるべく省いてありますが、結論だけ申し上げますと、何と出てきた答えが平米七百三十円です。七百三十円でなければできないのですよ。ということはどういうことかというと、できないのですよ、これは。民間が土地を借りて、借地で住宅を建てて貸すなどということは不可能なんです。
 ここで住宅局にお伺いしたいのですけれども、これは住宅局に聞くのも大変気の毒なんですが、私はやはり問題の本質をはっきりするためにお伺いしたい。これは、建設省の前提条件、例えば専用面積、共用部分入れて八十平米、標準建設費は、建設省は大体平米二十五万です。それで建設
費が二千万、償却条件が三十五年の六%、これで例えばいわゆる年収六百万の方の一五%の家賃で住宅を提供することができるかできないか、できるかできないかだけ答えてください。もう時間ありませんから。
○立石政府委員 先生お示しのとおりでございますが、二千万円で住宅を建設した場合には、大体家賃として取りますときに、通常の計算ですと十八万円ぐらいの家賃になるものと見ております。しかしながら、通常地代抜き等の家賃が多くございますので、償却費と修繕費だけにとどめても十三万五千円ということになるわけでございますので、六百万円の年収の人が一五ないし二〇%で住むことは難しいのではないかと思います。
○薮仲委員 きょうは結論だけ言っておきますけれども、これは大臣、いわゆる公共が、さっき住宅局長がお答えいただいた公共が、借地もしくは借り上げ方式で建設費補助等住宅対策補助を入れればできるのです。しかし、民間が、建設省が目的とするいわゆる年収の一五%もしくは二〇%の家賃で提供することができるかといったら、今の地価高騰の折には東京圏ではできないのです。これはもう大臣は土地の御専門でございますから私はあえて申し上げませんけれども。
 こうなってまいりますと、この借地・借家法の何が問題かというと、これは建設省の平成二年六月二十二日の「経済社会の発展に対応したゆとりある住生活を実現するための住宅・宅地政策についての答申」、これは住宅宅地審議会の答申ですね。ここに借地・借家法の見直しが書いてあるのです。「土地税制や借地借家関係の制度的枠組みを」ここからです大事なのは、「住宅・宅地供給に寄与することとなるように改善していくことが重要である。」これは、今のあれでいきますと、住宅宅地供給を民間がやろうとしてもできないのです。やれば何百万という家賃を取らなければできないのです。しかも、これは平成三年一月二十五日の閣議決定の総合土地政策推進要綱の中でも「借地・借家法の見直し」「土地のより適正な利用及び優良な賃貸住宅の供給をも考慮して、」とあるのです。優良ということは、これは永井審議官も、我々がやるときには公共だけではありません、民間も同じところでとらえて、これやりますと。そうなりますと、「優良な賃貸住宅の供給をも考慮して、」と言いますけれども、これは高くて民間が賃貸住宅を提供できないのです。ですから私は、この借地・借家法の改正ということを十分慎重にやっていただきたいと思うのです。
 なぜ私が言うかというと、選挙が終わって帰ってきまして、国会図書館に社会面でこの借地・借家法をどういう書き方をしているかというのをざっともらったのです。こういう書き方なんですよ。まず、法務大臣がこの法案提案のときにわざわざ説明して「「既契約除外」を明記」、わざわざ法務大臣が記者会見でこんな説明するなどというのはおかしいのですよ。しかもこれに対して各紙がどういうとらえ方したか、きょうは時間ありませんから見出しだけ読みます。「貸主の権利強化盛る 定期借地権を創設」あるいは「膨らむ一途の立ち退き料 「正当事由」で一方通告も」、「正当事由に立ち退き料 紛争の増加招くか」、「定期借地権で供給ふえるか 懐疑的意見が大半」、「土地対策に有効か 利用促進は疑問視も」、「借地・借家法改正案の波紋 貸し借りバランスとったというが 高額になる?値上げ幅 借地人が攻められる」、「「今なら立ち退き料が…」 首都圏近郊で攻勢 早くも暗躍する”地上げ屋” 零細貸主側にも悩み」、「”追い出し”の不安いっぱい ある日突然、土地売られ 風体よくない男が」、「理由正当なら「立ち退き」 気の毒な「高齢化世帯」」、ずっと書いてあるのです。
 それで大臣、その中の一つだけ私、読みますけれども、これは読売新聞ですから、読売新聞がまさかいいかげんな記事を書いてあるわけじゃないのです。
 「正当事由」に「土地の利用状況」を加えたことなどについては、「今まで判例で認められて来たものを具体的に列記したに過ぎない」という。
これは法務省民事局です。
  しかし、実際には、要綱試案が公表された平成元年以降、首都圏では、高齢の借地、借家人に対し、地主側が建物の老朽化や土地の高度利用を理由に、明け渡しの調停を求めるケースが多発している。中には、代行の不動産業者などが「改正されれば、そのまま住めなくなるんだよ」と、誤った説明をしているケースもある。
  また、昨年からは、法改正を見越し、今まで地主側がなかなか勝てなかった、他に行き所のない高齢の借地人に対しても、土地明け渡しの訴えが出されるケースが増えている。「より影響力を強めるため、うちは簡裁でなく、地裁へ訴えることにしている」という地主もいるほどだ。
  こうした状況に法務省側も最近になって、「高齢者などが追い出される可能性は残る」(民事局参事官室)と説明を変え始め、地主側の攻勢についても「誤った説明をしないようPRを徹底する」という。
  だが、こうした動きは予想されたこと。改正が十分な意味と効果を持つためにも、「これらの高齢借地、借家人が安心して入れる安い公営住宅の受け皿作りが不可欠」という指摘は、同省によると、改正を決めた法務省の法制審議会民法部会のメンバーの座談の席で出ていたという。
  同部会には、こうした住宅政策を担う当の建設省が、幹事として出席していたが、試案以後、改正に伴う老人世帯の動向についてのシミュレーションなどは行われていず、対応策は遅れている。逆に、改正問題を担当して来た住宅局では「法務省が「一切、影響は出ない」といったから、こちらも対策を考えていなかった。それを今になって、追い出される可能性があるというのは、おかしい」と弁明する。
この新聞記事が全部正しいなどと私は言わないのです。ただ、今ざあっと読み上げたように、マスコミが、法務省が借地借家法と言った途端に、一つもこれを好ましい方向で受けとめていない。これはやはり慎重でなければならないし、このことは私は非常に懸念しておるのです。
 特に、今高齢者に対してと言ったのですが、これは大臣も東京都ですから、東京都の政策を調べて、私、大臣に申し上げます。「東京都住宅政策懇談会報告」です。「生活の豊かさを実感できる住まいをめざして」、東京都がやったものですね。これは大臣も御承知だと思うのです。ここの中で一番何が問題になっているか。影響を受けるのは高齢者なんです。高齢者が最も影響を受けるのです。きょう資料はやめますけれども、このところだけ読みます。「居住継続の支援 高齢者世帯や障害者世帯は定住の希望が高いといわれるが、民間賃貸住宅に入居している高齢単身世帯についてみると、最近五年間で住居を移転した世帯の比率が三割を超える。」というのですよ。「移転理由も、「立退き要求のため」が他の理由を大きく引き離し第一位であり、居住の不安定性がうかがわれる。」東京で一番困っているのは、お年寄りが三割なんですよ。ここに東京都の住宅実態調査を私、持っていますから、これは大臣も御承知だと思うのですけれども、この数字から私が申し上げているように、一番影響を受けているのはお年寄りなんです。
 こういう問題を考えますと、だったら私は、高齢者が入れるような住宅対策や公営住宅や――一番直近の住宅宅地審議会の大都市圏における住宅対策はどうあるべきか、これは平成三年三月二十五日の大臣に対する答申です。ここの中に、住宅宅地の提供に借地・借家なんというのは一行も書いてないのですよ。大都市において、今土地を借りて家を建てて商売になるということはないのです。ですから、この問題についてはパブリックの立場では必要性を認めなくても、やはり良質で低廉な住宅を提供するということについては、法務でおやりになる借地借家法のときには、これは委員長にもお願いしておきますけれども、私は理事会で、連合審査をやっていただきたい。建設委員
の我々の意見もきっちりやってもらわないと心配でございます。
 最後に、大臣の御答弁を聞いて終わります。
○大塚国務大臣 まず最初に、借地借家法が提案されましてこれから審議に入ろうというときでございますので、これからの御論議にまつところもかなり多いわけでございますが、借地借家法が提案されたというだけで、いわゆる民間の土地建物の取引で、将来を予測してこれで権利を持っている賃借人等に御迷惑がかかるような取引は現に厳しく監視をしよう、宅地建物取引業法の定めるところで厳重な監視をしていこう、こういう姿勢でおることをまず冒頭にお答えをしておきたいと思います。
 借地法あるいは借家法の改正でございますが、今日までも随分いろいろ論議を積み重ねてきたことも事実でございます。そしてまた、今後の住宅宅地供給に借地・借家法の改正が必要だという意見もございますし、ただいまの御論議のような御意見も当然あるわけでございます。しかし一方、借地・借家と貸し家・貸し地と申しますか、お互いに利害が相反するわけでございますけれども、公的な住宅の供給や公的な住宅の事業につきましては、この問題は今お話しのようなことでありますが、それじゃ新たに借地をして住宅の供給が、いわゆる年収の二〇%以内の家賃で供給ができるかというと、これはもちろん場所にもよるわけで、大都市などは大変に苦しいことは私も承知をいたしております。しかし一方で、いわゆる公的な賃貸住宅以外に、民間の賃貸住宅によって住宅供給に資するという面もあるわけでございまして、我々のところに入ってくる話の中には、いわゆる建物の賃貸につきまして期限の定めがありましても、実際に現実は建てかえ等でお話をしていきますと、今までいただいた家賃の百年分も出さなければこの建てかえができないというような事態があることも、一方で事実でございます。
 したがいまして、良好な民間賃貸住宅を促進するという意味から考えますと、その辺の問題に一定のいわゆる定期的な確定期限を定めた建物賃貸借を導入するような制度をつくることも非常に大事であるという認識も一方にはあると思いますし、逆にまた、そのことによっていわゆる弱小の権利者と申しますか、高齢者とか母子家庭とかそういう方々が必要以上の負担でお困りになるということも想定されるわけでございますが、少なくとも今の法律のもとでは、それぞれの権利はもちろん守られていく仕組みになっておりますので、実際にこの法律が通った後のことについては、当然のことながらそういう弱者の権利を守っていくという運用をすべきだという認識に立たなければならない、こう思っておるわけであります。その辺は、住宅宅地の供給という立場と、また第六期住宅五カ年計画の中でも七百三十万戸を五年間にこれからつくっていくわけでございまして、つくっていくというか供給する戸数を確保する。そういう中で、公的な住宅を三百七十万戸にしたというのも、そういう方々のために考えておるわけでございまして、それぞれの守備範囲で住宅政策を進めていくということになろうかと思います。
 お答えになったかどうかわかりませんが、当面私が考えていることを申し上げました。
○薮仲委員 終わります。どうもありがとうございました。
○桜井委員長 薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。
 次に、辻第一君の質疑に入ります。辻第一君。
○辻(第)委員 皆さん夜遅くまで御苦労さまです。きょうは私が最後の質疑者でございますから、いましばらくよろしくお願いをいたします。
 今回の生産緑地法の改正は、宅地並み課税に関係した長期営農継続農地制度の廃止など、土地税制の改正に深くかかわったものであります。したがって、市街化区域内農地に対する課税に関して、長期営農継続農地制度が廃止された後の受け皿がこの生産緑地法の改正による新しい生産緑地制度であると言えるわけであります。
 さて、今回の法改正でいわゆる農地等の持つ緑地機能の積極的な評価が行われたわけでありますが、これは私どもも評価するところであります。どのような理由から市街化区域内農地の持つ緑地機能を評価されたのか、まず最初にお尋ねをいたします。
○市川(一)政府委員 先ほど来御答弁申し上げておりますように、近年の大都市地域を中心といたします地価高騰によりまして、大都市地域における住宅宅地供給の問題は内政上の最重要課題となっておるわけでございまして、この際、市街化区域農地につきましても、その積極的活用による住宅宅地供給の促進を図ることが求められておるわけでございます。
 しかしながら一方で、市街化区域内における市街化も相当に進んでおりまして、市街化区域内農地の総量も減少してまいっております。例えば東京都におきましては、昭和四十九年の制度創設時に比べまして、都区部と郊外とで若干の違いはございますが、約半分ぐらいという形で減少してまいっておりまして、私どもが良好な都市環境の整備の中で都市公園等の整備を大きな目標と定めまして取り組んでおることは御案内のとおりでございますが、そういったような観点から、現在残っております農地の持つ緑地機能につきまして、良好な都市の環境形成という観点から無視できない実態ではないかという考え方もあるわけでございます。それらの両面相まちまして、今回このような提案をさせていただいたということでございます。
○辻(第)委員 都市農地を評価する規定の新設は、従来から農業関係者の中からも要望のあった点であり、改善措置であると思います。
 そこで、都市計画中央審議会が一月二十三日にまとめた「市街化区域内農地の計画的保全を図るための方策はいかにあるべきかについての答申」の中で「市街化区域内における市街化の進行も制度創設当時(昭和四十九年)に比し相当に進み、都市計画からする緑地機能の観点からみた農地等の保全の意義は、質、量ともに当時には予想し得なかったほどに高まってきている」と述べています。計画的保全の必要性を述べているわけでありますが、さて、市街化区域内農地の現状、先ほどちょっとお触れになったようでありますが、どうなっているのか、もう一度お尋ねをいたします。
○市川(一)政府委員 市街化区域内農地の現状でございますが、先ほど東京都の例をかいつまんで御紹介いたしましたけれども、三大都市圏では、平成元年でございますが六万三千ヘクタール余でございます。このうち、東京圏は三万三千ヘクタールでございます。
○辻(第)委員 次に、新しい生産緑地の面積要件ですが、五百平方メートル、買い取り申し出の期限は三十年ということでありますが、関係農民から厳し過ぎるとの意見が出ております。都市農地の保全は、農民のみならず都市住民一般にとっても願いであります。都市農地が都市における緑地として保全されることは好ましいことであります。しかし、保全するにはまず生産緑地に指定されることが肝要であります。基準を厳しいと感じる農民の皆さんが生産緑地として指定を受けなければ、出発点からつまずくことになります。
 現在、長期営農継続農地の相当部分が新たに生産緑地の指定を受ける見通しなのか、あるいはそうでないのか、建設省の見通しを伺います。
○市川(一)政府委員 現在、長期営農継続制度の対象農地につきましては、かなりの割合で適用されておりまして、約八五%ぐらいでございます。私ども今回御提案申し上げております生産緑地の改正が成りました場合には、ただいま大変厳しい内容であるという御指摘がございましたが、現行制度に比べますと飛躍的な改善が図られるわけでございまして、例えば面積要件につきましては五百平米以上ということになりますので、まあほとんどの農地が対象となる。三%ないし五%くらいが対象から外れるということでございますから、相当程度が対象になり得るわけでございます。しかし一方でまた、三十年間農業を継続しなければならないというような事情もあるわけでございま
す。
 そういったようなこと、あるいは現在市街化区域内で農業をやっておられる方が、どの程度将来とも営農を継続することを希望しておりますかというようなアンケート調査の結果等も総合的に判断いたしまして、私どもといたしましては、現在の市街化区域農地の約三割ないし四割ぐらいが対象になると考えておりますから、そういう観点では、長営制度は八〇%を超える対象でございますので、そのような関係になるというふうに理解しております。
○辻(第)委員 やはり三十年というのは長いですね。けさからの御議論、御答弁の中にも、平均年齢が高い、五十を超えたみたいにおっしゃったのでしょうか、そういう方から、それから後継ぎの問題なんかを考えますと、三十年というのはこの時代大変長いと、私それは非常に厳しいというふうに思うのですが、その点を指摘しながら次に移りたいと思います。
 五百平米の面積基準は、一団の土地で五百平米ということでありますが、一団の土地とは具体的にどのようなものか。可能な限り一団の農地として指定できるように基準を設定すべきであると考えますが、いかがですか。
○市川(一)政府委員 「一団」の解釈の仕方でございますが、基本的には、その農地がどういう権利状況であろうとも、物理的なまとまりとして一団として五百平米以上あるということが面積要件として求められているわけでございます。ただその際、間に道路とか水路等が介在している場合につきましても、農地の実態等から見まして、それを一体性あり、実質的に一体性が保たれていると認められるものであれば、それは一団の農地等として取り扱うことは可能であるということは、先ほど来御答弁でも申し上げているところでございます。
○辻(第)委員 それでは、複数の農地所有者の農地で一団の土地を構成していて、そのうちの一人が抜けた場合のことについて伺います。
 一人が抜けた残りの土地の面積としては基準をクリアをするが、その抜けた人の土地がなくなった場合、一団の土地ではなくなるということがありますね。そういう場合はどのようになるのか、どのように対処をされるのか。また、一人が抜けたために、残りの土地が面積要件が不足をする、こういう場合もあると思うのですが、生産緑地地区として都市計画決定した土地の都市計画上の処理はどうなるのか、この点についてお尋ねをいたします。
○市川(一)政府委員 農地の実態にもよるわけでございますが、現在複数の所有者になっております一団の農地につきまして、一人の方が抜けました場合には、私どもの理想といたしましては、その後をどなたかが埋めていただくということができれば一番よろしいわけでございますが、そういったようなこともかなわず、しかも残ったものが五百平米を割る、しかも持っている方はなお農業経営の継続を希望するといったような事態が出た場合につきましては、やはりその農業経営継続の意思をできるだけ尊重いたしまして、他の農地をあっせんする等の措置も考えなければいけないのではないかと思っております。
 いずれにいたしましても、そういったような事態がどの程度発生するかにつきましては、私どもは余り多くはないのではないかと思いますけれども、具体の発生状況に応じまして、市町村レベルで具体的に一つ一つ対応してまいることによりまして、トータルとしてその町が良好な都市として環境整備が図られるようにやってまいる必要がある、そういう方向で指導してまいりたいと思っておる次第でございます。
○辻(第)委員 買い取り申し出期間の延長のことでありますが、関係者の中で過度な権利制限だという意見が強うございます。このことが指定をちゅうちょさせかねない要素となっているように思います。買い取り申し出のできる期間を定めることは必要ですが、先ほども申しましたが、今例えば五十歳代の人であれば三十年先は八十歳代でありますから、後継者問題ともかかわってちゅうちょが起きることはもっともだと思います。また、農業経営上の問題も出てくることもあるでしょう。
 さて、買い取り申し出開始期間以前に買い取りを申し出ることができる事由は、具体的にどうなっているのか、お尋ねいたします。
○市川(一)政府委員 当該生産緑地にかかわります主たる従事者に加えまして、今回従たる従事者も改正案では加えておるわけでございますが、それらの方々が死亡し、もしくは農林漁業に従事することが困難となるような病気に陥った場合、こういったような場合につきましては、いわゆる買い取りの申し出開始期間ということでございましょうか、指定後三十年たつ前でございましても買い取りの請求権が生ずるというふうになるわけでございます。
○辻(第)委員 もう少しそのことで立ち入ってお尋ねいたしますが、申し出事由については、例えば農林漁業に従事することを不可能にする事由という、今病気というお話がありましたが、高齢化は入るのかどうか。高齢化というのは病気と言えぬかもわかりませんね。しかし、高齢化してもう農業ができないということも当然あり得ます。あるいは、農地周辺の変化による、例えば水利用の問題などにより農業継続が不可能になった場合などの問題もあります。これらについての考え方はどうなのか、お尋ねいたします。
○市川(一)政府委員 まず、高齢化の問題でございますが、最近は高齢の方でも大変元気な方がおられる時代でございまして、単なる高齢化によりまして、それを理由に営農の継続は不可能というふうに断定することは難しいのではないかと思っております。ただ、一般的に高齢の方はやはり病気になる確率も高いわけでございますから、長期的に営農の継続が困難となるような事情の中に、高齢化によりましていわば病気になった場合といったような事例は十分考えられるわけでございます。
 それから、水利権等の水利上の理由など、いわゆる農地の周辺の状況の変化による問題につきましては、これも先ほど来御答弁申し上げておるところでございますが、基本的には買い取り請求の要件にはなっておらないわけでございますけれども、やはりその地域全体が農業の経営が継続できないというような事態が生ずる場合も、場合によってはあり得るわけでございますから、そういったような場合には都市計画そのものの変更といったような面も含めまして、具体的に対応していくということになるのではないかと私どもは想定しているわけでございます。(発言する者あり)
○桜井委員長 ちょっと静かにしてください。
○辻(第)委員 生産緑地は、緑地として保全すべきものとして定めるわけでありますが、買い取り申し出があったとしても、当然緑地として保全されていくことが好ましいと思います。協議が調わないからといって制限が解除されるのではなく、自治体が買い取れるよう財源措置その他を十分にして、また農民の皆さんにもその趣旨を十分理解していただいて、公有地として保全されるようにすべきであると思いますが、いかがでありますか。
○市川(一)政府委員 買い取りの申し出がありました場合に、市町村長がその申し出に応じまして、特別な事情がない限りは極力買い取りを行うべきであると法律上もされておりますし、私どももそう考えているわけでございます。
 しかしながら、御指摘ございましたように、いろいろと財政上の事情等によりまして買い取れないという事態が生ずることも想定されますので、私どもといたしましては、そういった財源対策も含めまして、買い取りの申し出に対しまして地方公共団体が極力それに応ずるような方策をとることがこの法律の趣旨にも合致しますし、そもそも都市計画を良好なものとして執行していくためには、やはり公有地の拡大ということも重要な要件でございますので、そういう方向で検討してまいる所存でございます。
○辻(第)委員 そういう点について、本当に十分な対応をしていただきたいということを重ねて要望しておきます。
 次に、生産緑地地区の指定は平成四年末までに指定すると言われておりますが、固定資産税は毎年一月一日が賦課期日でありますから、平成四年度分の固定資産税ほどのような扱いになるのか。また、平成四年中に生産緑地に指定されれば農地課税でよいのか。法制定後直ちに準備に入ったとして、指定が平成五年にずれ込むと、平成四年度分の固定資産税は宅地並みに課税されることになるのか。こういうことを含めて、平成四年中に完了する保証があるのかどうか、お尋ねをいたします。
○市川(一)政府委員 平成四年中に生産緑地地区の都市計画決定を急がなければならないわけでございまして、その保証はございません。しかしながら、実態面におきましては、私どもは全力投球をいたしまして市町村レベル、具体的には百九十市におきまして、平成四年十二月三十一日までに生産緑地地区に指定できるよう頑張ってまいりたいと思っております。
 お尋ねの件でございますが、平成四年一月一日の時点で判断されるわけでございますけれども、一年間に限り経過措置がございまして、平成四年十二月三十一日までに生産緑地に指定されればさかのぼって農地課税となります。したがいまして、平成四年の十二月三十一日までに、いわゆる平成四年中に生産緑地地区の指定が行われなかった場合には、平成四年度分の固定資産税は農地課税とはならず、宅地並み課税となるわけでございます。
○辻(第)委員 最後に、相続税の問題でお尋ねをいたします。
 先ほど固定資産税などでお尋ねしたのですが、相続税の場合は別な問題があります。相続税の納税猶予の特例の適用廃止は、平成四年一月一日以降の相続から適用されることになります。生産緑地の指定が完了するのが平成四年末といたしますと、固定資産税のように後で還付することになるのではないか。制度としてはそうならないはずだと思うのですが、そういうことが考えられます。
 さて、生産緑地の指定が完了する時期を法律で規定しているわけではありません。農地の区分を平成四年末までに完了するとしながら、一方関連した制度である相続税納税猶予の特例廃止の適用をそれ以前から始めるのは、政府の政策として一貫性に欠けるのではないか、このように思います。相続が発生した時点で、当該農家について生産緑地の指定を他の農地より先に行うのかどうか。農家の方の側の事由でなく、行政手続上の問題でそのようなことになることは防ぐべきではないかと思いますが、責任ある答弁を求めます。
○市川(一)政府委員 相続税の納税猶予の適用に関しまして、死亡の日より六カ月以内という規定が設けられてございますが、これは税務当局の御説明では、すべての相続税に関しましての考え方の一環の問題であって、生産緑地だけ例外的に扱うわけにいかないということでこういうふうになった次第でございまして、そういうふうに私どもは理解しているわけでございます。したがいまして、御指摘がございましたように、平成四年十二月までを目標としております私どものスケジュールの間に合わない段階で死亡が発生し、しかもその間に六カ月が経過してしまうという事態が起こることは、数は少ないと思いますけれども考えられるわけでございます。
 この点につきましては、先ほども大蔵省の方から御答弁がありまして、やや弾力的な扱いができるような答弁があったように聞いておりましたが、私どもといたしましても、そういったような扱いも含めまして、何とか農地所有者の方が不利益をこうむることのないように指導してまいりたいと思っております。
 そういう観点に立ちますと、トータルとしては平成四年十二月までに生産緑地を指定することになりますが、個別具体の農地につきまして少し早めて指定をしてまいるということも、ケースとしては考えられると理解しておる次第でございます。
○辻(第)委員 農家の方の不利益にならないように、ひとつ十分な対応をしていただきたい。
 要請をして質問を終わります。
○桜井委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
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○桜井委員長 この際、本案に対し、辻第一君から修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。辻第一君。
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 生産緑地法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○辻(第)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました生産緑地法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案理由及びその趣旨を説明いたします。
 今回の生産緑地法の一部を改正する法律案によりまして、都市計画制度の中で、農地の持つ緑地機能を評価する内容が盛り込まれたことは、都市住民、農民の要求とも合致する前進面であるとともに、都市的利用のみを追求してきた制度が実情に合わなくなったことを示すものであり、今後は市街化区域内の農地の保全の必要性にこたえ、積極的に保全を図るべきであります。
 しかし、長期営農継続農地の制度が廃止された中で、政府案では、面積要件は、従来と比較して改善されたとはいえ、五百平方メートルであり、長期営農継続農地の基準と比較して、外れる農地が出ることや、買い取り申し出の開始期間が三十年に延長されたことにより、生産緑地の指定を受けがたくし、保全に逆行することになりかねないのであります。
 今日、市街化区域内農地が、生鮮野菜の供給のみならず、貴重な緑の場として、防災用地として、子供たちの生きた教材として持つ意義は高く、都市における残存農地の保全の必要性の高まりの中で、農地の持つ緑地機能を積極的に評価した本法の趣旨を生かすためには、要件を緩和し、生産緑地への門戸を広く開いておくべきであります。
 これが本修正案の提案理由であります。
 次に、本修正案の要旨を御説明いたします。
 第一に、生産緑地地区の面積要件を三百平方メートル以上に引き下げております。
 第二に、生産緑地の買い取りの申し出ができる開始期間を、生産緑地地区に関する都市計画の告示の日から起算して十年を経過したときとしております。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○桜井委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
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○桜井委員長 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 生産緑地法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、辻第一君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○桜井委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。
 次に、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○桜井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ─────────────
○桜井委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、木村守男君外三名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。木間章君。
○木間委員 ただいま議題となりました生産緑地法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    生産緑地法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 生産緑地地区の指定要件の適用にあたっては、市街化区域内農地の実情や地域の特性を十分に勘案すること。
 二 生産緑地地区の指定にあたっては、生産緑地制度改正の趣旨の徹底を図り、農業に従事している者の意向を十分に尊重するとともに、農業委員会等の関係部局や農業協同組合等との十分な協力の下に行うこと。
 三 市街化区域内農地の課税について、農地所有者等が不利益をこうむることのないよう十分に配慮し、早期の指定に努めること。
 四 国は、地方公共団体の生産緑地指定事務が円滑に行われるよう、情報やノウハウの提供、財政的支援措置などをとるよう努めること。
 五 国及び地方公共団体は、生産緑地の所有者からの買取りの申出に円滑に応じることができるよう、必要な財政上の措置を講じること。
 六 生産緑地に指定されなかった市街化区域内農地については、無秩序な開発が行われないよう、農地所有者等による優良な賃貸住宅建設など自主的、計画的な土地利用について、金融、税制、都市基盤整備などの支援を行うこと。
以上であります。
 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○桜井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○桜井委員長 起立総員。よって、木村守男君外三名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大塚建設大臣。
○大塚国務大臣 生産緑地法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございます。
    ─────────────
○桜井委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
     ────◇─────
○桜井委員長 次に、内閣提出、道路法及び駐車場法の一部を改正する法律案及び河川法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。大塚建設大臣。
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 道路法及び駐車場法の一部を改正する法律案
 河川法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○大塚国務大臣 ただいま議題となりました道路法及び駐車場法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、都市化、モータリゼーションの進展等により自動車交通が著しくふくそうし、これに伴い自動車の駐車需要も大きく増加しているのに対し、駐車場整備がいまだ十分でないことから、路上駐車が蔓延しており、交通渋滞や交通事故の増大等の道路交通環境の悪化や地方都市における中心市街地の活力の低下を招いている現状にあります。
 他方、自動車駐車場の整備につきましては、政府におきましても従来から、公共と民間との適切な役割分担のもとに、種々の施策を講じてきているところでありますが、地価の高騰等による用地取得の厳しさや採算性の悪化等から、自動車駐車場の整備の促進にとって困難な状況が生じてきております。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、自動車の駐車のための施設の整備を総合的かつ計画的に推進するとともに、道路の構造の保全と安全かつ円滑な道路交通の確保を図るため、道路法及び駐車場法の一部を改正しようとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、道路法におきまして、道路管理者が自動車駐車場に自動車を駐車させる者から駐車料金を徴収することができる制度を設けるとともに、道路管理者による違法放置物件の除去、長時間放置された車両の移動等の措置を講ずることといたしました。
 第二に、駐車場法におきまして、都市計画において定める駐車場整備地区の対象区域を拡大し、市町村は当該駐車場整備地区における駐車場整備計画を策定しなければならないこととするとともに、駐車施設の附置を義務づける建築物の範囲を拡大すること等所要の措置を講ずることといたしました。
 その他、これらに関連いたしまして、関係規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 次に、河川法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 背後地に人口及び資産が集積した大河川の堤防が計画の規模を上回る洪水により一たび破堤した場合には、その被害は極めて甚大なものとなりますことから、これらの河川においては、従来より、堤体上で土地が通常の利用に供されても、計画高水流量を超える流量の洪水の作用に対して耐えることができる高規格堤防の整備を推進しているところであります。
 しかしながら、現在、高規格堤防の敷地である土地の区域のうち通常の利用に供することができる土地の区域につきましても、すべての工作物の新築等について河川管理者の許可を要するとする厳しい規制がかかっておりますことから、その規
制の緩和が要請されているところであります。
 この法律案は、このような現状にかんがみ、高規格堤防の整備の円滑な推進を図るため、高規格堤防に係る一定の区域における工作物の新築等に対する規制の緩和等を行おうとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、河川管理者は、高規格堤防については、その敷地である土地の区域のうち通常の利用に供することができる土地の区域を高規格堤防特別区域として指定するものとすることとしております。
 第二に、高規格堤防特別区域内の土地においては、一定の工作物の新築等の行為については、河川管理者の許可を受けることを要しないものとするとともに、河川管理者は、許可の申請に係る行為が高規格堤防としての効用を確保する上で支障を及ぼすおそれのあるものでない限り、これを許可しなければならないものとすることとしております。
 第三に、河川管理者は、高規格堤防特別区域内における高規格堤防の部分が損傷し、河川管理上著しい支障が生ずると認められる場合においては、他人の土地において、高規格堤防を原状に回復する措置等をとることができることとしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○桜井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る十二日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後八時四十五分散会