第120回国会 石炭対策特別委員会 第6号
平成三年三月七日(木曜日)
    午前九時三十六分開議
 出席委員
   委員長 麻生 太郎君
   理事 上草 義輝君 理事 金子原二郎君
   理事 古賀 一成君 理事 古賀  誠君
   理事 古賀 正浩君 理事 岩田 順介君
   理事 岡田 利春君 理事 東  順治君
      愛野興一郎君    北村 直人君
      坂井 隆憲君    坂本 剛二君
      野田  毅君    三原 朝彦君
      山下 徳夫君    渡辺 省一君
      佐々木秀典君    田口 健二君
      中沢 健次君    中西 績介君
      細谷 治通君    藤原 房雄君
      小沢 和秋君    高木 義明君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  中尾 栄一君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       自見庄三郎君
        通商産業大臣官
        房長      熊野 英昭君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  高島  章君
        資源エネルギー
        庁長官     緒方謙二郎君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   土居 征夫君
        労働省職業安定
        局高齢・障害者
        対策部長    征矢 紀臣君
 委員外の出席者
        厚生省社会局生
        活課長     浅野 史郎君
        建設省道路局国
        道第一課長   藤田 忠夫君
        建設省道路局地
        方道課長    榎波 義幸君
        建設省道路局市
        町村道室長   小野  薫君
        自治大臣官房企
        画室長     黒沢  宥君
        自治省財政局交
        付税課長    谷本 正憲君
        商工委員会調査
        室長      松尾 恒生君
    ─────────────
委員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  中西 績介君     渡部 行雄君
同月七日
 辞任         補欠選任
  渡部 行雄君     中西 績介君
同日
 辞任         補欠選任
  中西 績介君     渡部 行雄君
同日
 理事中西績介君同月六日委員辞任につき、その
 補欠として岩田順介君が理事に当選した。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)
     ────◇─────
○麻生委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 理事中西績介君の委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○麻生委員長 御異議なしと認めます。
 よって、岩田順介君を理事に指名いたします。
     ────◇─────
○麻生委員長 内閣提出、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三原朝彦君。
○三原委員 先回の石特委員会で、参考人の方にお出ましいただいて、私たち、いろいろな現場からの声を聞かせていただいたわけであります。そういう方々が今度の産炭地域振興臨時措置法の延長に関して大いに期待もし、希望もしておられるところでありましたが、この産炭法が三十年間にわたって施行されてきたわけでありますけれども、今回十年延長することになった基本的な考え方というのを、もう一度大臣からお教えいただきたいと思う次第でございます。
○中尾国務大臣 委員にお答えさせていただきます。
 過去三十年近くにわたります産炭地域振興対策の結果、多くの産炭地域におきまして、まずは基盤整備、企業誘致等の面におきまして相当程度の進捗が見られてきておるところでございます。しかしながら、いわゆる六条市町村、あるいはまた第八次石炭政策下で閉山・合理化の過程にある炭鉱の所在する産炭地域におきましては、今日なおまだ生活保護者の滞留、あるいはまた地方公共団体の財政の逼迫等の問題を抱えていることは否めない事実でございます。
 このために産炭法をさらに十年間の延長をすることといたしまして、そしてまた現行産炭法の対象地域の間で、経済力、石炭鉱業による影響等に相当な差が見られるというところにかんがみまして、そして地域指定の見直しを行うということをまず第一点に掲げなければならぬ。それからまた、地域指定の見直しを行うとともに、第八次石炭政策の影響地域等を中心とする政策の拡充に努めていかなければならない、こういう基本路線に沿いまして、先ほど申し上げたように十年延長ということに、三十年にわたり施行されたところではございますが、させていただきたい、このようなお願いでございます。
○三原委員 今度の一部改正の中で、ポイントは今大臣がおっしゃったように三つあるかと思います。十年の延長、それから、地域でいろいろな計画をするのに、ひとつ通産大臣の形から下の、もっと地元に密着した、知事を中心にして地方の方でいろいろなアイデア、意見、考えを出してみようということ、それが二番目かと思います。また三つ目が、今まさにおっしゃったように地域の見直しであろうと思います。
 その中で、先回の参考人の陳述の中で山本参考人あたりもおっしゃっておられたわけでありますけれども、対象地域の見直しに関して、今度の一部改正にも経済生活圏を大いに考慮してやります、ただただ市町村のバウンダリーだけじゃなく、境界線だけじゃなくて、経済生活圏というものを大いに考慮してやる、しかしそう言いながら二つの基準があって、人口の増加率とか、あと財政力指数あたりも勘案する、これによってまた評価し直して地域の見直しをしますということになっておりますが、私が地元に帰っていろいろ見てみても、それに関して、確かに人口増加率とか財政力指数、一応の基準になるでしょうが、そう言いながら、失業率だとか三十年間において誘致してきた企業の数とかまた生活保護世帯の数とかいうのを考えてみますと、なかなかその二つだけですべて、地域から外れるとか入れるとかいうことだけではいけないような感じが現地を見て私はするわけであります。
 それから考えますと、何とか経済生活圏というもの、もっと広い枠で物を見ていただいて、地域の実情を十分に把握していただいて、その中で地域指定というものを慎重に見直していただきたい。それが、何度も申しますけれども先日の参考人の陳述の中でもありましたし、また私自身もふるさとを、旧産炭地というものを抱えているところの出身の一人として今のような状況を思うわけでありますけれども、通産省の意見を承りたいと思います。
○土居政府委員 地域指定の見直しにつきましては、ただいま先生お話がありましたように産炭地域振興審議会の答申におきまして、閉山による疲弊から回復したと考えられる地域、それから閉山による疲弊が著しく希薄化したと認められる地域について、法廷長に際して指定解除をする等地域指定の見直しをすべきであるという旨の指摘がなされているところでございます。
 上記答申についての具体的な地域指定の見直し基準につきましては、今度のこの国会に提出いたしました産炭地域振興臨時措置法の延長法案が通過しました後、産炭地域振興審議会の審議を経て決定する予定となっておりますけれども、答申にも重々指摘されていますように、また先生御指摘ありましたように、その際には経済生活圏域の一体的振興の必要性など地域の実情を十分配慮して行うことが必要だということになっておりまして、この点につきましては事務当局としてもそういう観点で慎重に行ってまいりたいと考えております。
○三原委員 今部長さんから御説明いただきましたけれども、これは釈迦に説法でありますが、確かにここのところは広域行政というのが盛んでありまして、それは事務の合理化、コストを下げるために、じんあい処理とかし尿処理とか救命・救急、消防、できる限り広域行政でいろいろなことをやる、そういうことも含めて、広域的な物の見方、考え方が定着し、着実にそれがプラスであるということを地元の人たちも認識しておりますので、そういった面を大いに考慮していただいて、経済生活圏というものを尊重していただいて今後のこの見直しに対処していただきたいとお願い申し上げる次第であります。
 次に質問を進ませていただきます。
 これもまた私の地元にある問題に起因してお尋ねしたいのですが、北は北海道、南は九州まで炭鉱の跡地があって、そこが閉山していったり、そういうところはまた借財を抱えて管財人のもとで清算をしていったりとか、そういう状況がいろいろありますけれども、そのことによって、それはスムーズにいけばいいのですがなかなかいかない。つまり国側が、例えば開銀とか石炭鉱害事業団とかNEDOあたりが債権者になって、しかしながらそれが債権持って貸していったけれども閉山してしまった、それで担保などがそれに見合うだけのものがもう実際問題としてなくなったような状況とかあったりするわけですが、そういうような事情で、実際にそういう炭鉱があったところの市町村あたりがこれから先、町として開発していく、前進していくに当たって大いに困っておるような事情もあるわけであります。それを考えるときに、町自体がどうしようにもいかんともしがたい。ですから、債権者でもある国が大いに御指導、御鞭撻いただかなければいけないわけでありますけれども、そういうことに関して、北は北海道、南は九州までたくさん例もあるのではないかと思いますが、一応の指針とかこれからの方向づけみたいなものをどのようにお考えでありましょうか、お尋ねしたいと思います。
○土居政府委員 ただいま御指摘いただきました炭鉱跡地の再活用の問題につきましては、御指摘ありましたように非常に金融担保関係が複雑に絡み合っておりまして、それの処理が非常に難しいというのが現状でございます。本来、こういった処理につきましては債権者たる金融機関と担保所有者との間の私法上の問題ということになるわけでございますけれども、ただ、今回の産炭地域振興審議会の答申におきましても、それはそれとして、当該地域の活用が産炭地域振興にとって極めて重要な役割を果たすというような場合には、そういう単なる私法上の問題にゆだねずに国が介入して努力をせいという答申をいただいておりまして、そういう観点から、問題解決の促進に向けて一生懸命やっていかなければいけないと考えております。
○三原委員 今土居部長さんがおっしゃったようなことで、地域によっては、全くそこが炭鉱だけしかやれなかった、やっておらなかったような地域ですと、もう再開発しようといってもなかなか簡単にはいかないかもしれませんが、一方では、結構交通の要衝の地域の近所に閉山した炭鉱があってみたりとか、そういうところは大体広い土地を持っておりますし、人がたくさん住んでおるところの近所にあったりするようなことになりますと、より開発もしやすかろうと思います。私たちも思うのですけれども、できる限り利用可能性の高いところから今まさにお話ありましたように国が指導力を発揮していただいて、そして開発、その地域の発展、前進に大いにまた知恵も絞って汗も流していただきたいということをお願いする次第であります。
 次に質問を移りますけれども、これは私の隣県の人から直接陳情をいただきまして、ぜひともこのことを委員会の場でお願いしてくれということで、これは鉱害の問題なんです。
 鉱害復旧するに当たって、今はこれはもう科学技術的にこういうことをしてはいけないということになっているのですが、生ボタによって、鉱害の復旧に生ボタを使ってしまった、それが原因でいろいろな支障を来して問題が起こって、六十三年度に修復についての制度化され採択を受けた被害の家屋、被害地域あたりは復旧の工事を進めていただいておるのですけれども、採択基準が余りにも厳し過ぎるんじゃありませんかということで陳情を受けたものですから、その点、地元の方の不満といいますか、そういうのをちょっと代弁するような形ですけれどもここでお尋ねするわけであります。
 自分たちは鉱害指定していただいて大いにありがたいと思っておったところが、また再びそういう被害を受けて苦悩している、何とかよろしくお願いしますということを言われた手紙を、資料を添えて送られてきたものですから、ちょっとそのことをお尋ねしたい。
 もう一つは、隣県の佐賀あたりで軟弱地盤でも修復工事が行われているということなんだそうですが、その点ちょっとお尋ねしたいと思います。
○土居政府委員 今御指摘がありました生ボタ盛り土家屋、それから軟弱地盤地帯の家屋につきましては、一遍復旧した後再び問題が生じた案件につきまして修復工事が石炭鉱業審議会の答申に基づきまして制度化されております。
 これは、生ボタの使用については、それの使用した後の物理的、化学的な変化等からいろいろ問題を生じたということから、一遍復旧済みの案件でございますけれども、効用未回復の家屋の修理工事ということで制度が始まったわけでございますが、これにつきましては、佐賀県を初めとしました地元の御協力を得まして現地調査を行って、調査結果に基づいて慎重な審議を行いまして、昨年の六月に対象物件の採択手続をすべて終了したところでございます。
 修復工事の実施についてはそういうことでございまして、これはいずれにしても一遍復旧済みの案件の追加的な工事というような面もございますし、鉱害対策としての限度ということからいろいろと地元には御議論があるところはお聞きしておりますけれども、一応一定の基準に基づいて、基準を決めて採択をするという手続を踏んでおりますので、現行の採択したものについて今後計画的な実施に努力していくという状況にあるわけでございます。
○三原委員 被害を受けた人々の苦悩、苦痛をしんしゃくしていただいて、これからも大いに御努力いただきたいと思います。
 私どもの地元でも、鉱害で復旧してそしてまた問題が起こったというようなことでよく陳情にも来られるわけです。それは法的にもう一度やったものは行えない状況なんですが、しかしそうこう言いながら、いや一度やったけれどもまた再び被害が出ておるじゃないかということで、いろいろな地域で、特に我々の筑豊地域あたりでもあるようですけれども、そうそう現行の法律の中では無理な面も大いにあることは重々承知しておりますけれども、何かそういう被害者の人たちの苦悩もしんしゃくしていただくような方法なり考えなり、これから先みんなで努力してやっていかなければいけないのではないかと私も思う次第であります。
 それと、もう一つ鉱害に関してです。来年に向けて鉱害に関する法律が一応終わりますけれども、私どもは実際の現場を見て、鉱害というものがある以上は、それをまた延長という方向で大いに私も努力しなければいけないと思っておりますが、被害を申し出ておりながら認定というものが、認定、非認定の事務的手続がまだまだたくさん残されておる。もちろんそれは事務方の人たちに大いに努力していただいておることは感謝いたしますけれども、申請が多ければ多いだけ、それだけ事務的な面で御苦労も多かろうと思いますが、その認定、非認定というのが遅延しておるために、法期限内で復旧ができるのだろうか、してもらえるのだろうかというような現場の不安などもあるようです。それに関してはより迅速な調査もしていただきたいと思いますし、また認定に関しても大いに御配慮いただきたいと思いますけれども、その点お尋ねしたいと思います。
○土居政府委員 鉱害認定業務の促進の問題につきましては、かねてよりこの委員会におきましても重ね重ね御指摘をいただいているところでございますけれども、鉱害認定というのはいろいろと、採掘との因果関係とかあるいは被害物件の効用阻害の程度、それから鉱害賠償実績が過去にあったかどうか等々、かなり専門的、技術的な問題が複雑に絡み合っておりまして非常に時間がかかるということで、被害者の方には御迷惑をかけているということでございます。
 ただ、法期限ももう二年ということで迫っておりますので、現在通産局の人員体制の強化等によりまして、御指摘をいただいております申し出案件の処理について鋭意努力しているというところでございます。
○三原委員 産炭地域の振興対策に関していろいろ御配慮、御指導を賜っておること、大いに感謝しますが、例えば一つの例が、麻生委員長、私たちの地元にも今度天下のトヨタさんが来る、それも地域振興整備公団の土地を活用してトヨタが来るというようなことで大いに地元も期待もしておるところでありますし、それによって雇用の創出を図れる。もちろん、反面、天下のトヨタが来れば人件費あたりも上がって、地元の中小の企業の人にそのしわ寄せが来て逆にそっちの面で今度は雇用の問題が起こるのじゃないかというようなことがあっております。しかし、そういうことで着実に堅実に、皆さん方のおかげと御努力で産炭地域の振興対策も前進をしてきておる。それでまた、あと十年延長ということで、我々大いにそのことを進めていかなければいけないと思っております。
 それで最後の質問になりますけれども、これから十年進むに当たって、今までの三十年間の評価を最後に聞かせていただきたいと思っておるわけであります。
○緒方政府委員 冒頭の御質問で大臣からお答えしたとおり、昭和三十六年にこの産炭法ができまして以来三十年間、産炭地域の経済的、社会的疲弊の解消を図るためにいろいろな施策を行ってまいりまして、例えば地域振興整備公団によります事業の推進でありますとか地方公共団体に対します財政支援等各般の施策によりまして、産業基盤の整備でありますとか企業誘致、あるいは生活環境の改善等を進めてきたわけでございます。
 その結果、これまでのところ、産炭地域を全体として見ますと、閉山によって悪化した生活環境の修復あるいは企業進出についても相当の効果を上げてきているわけでございます。例えば、先生今企業誘致についてお触れになりましたけれども、地域振興整備公団の融資等によりますこれまでの、平成元年度までの企業誘致の実績は二千百四十九社ございまして、これによります雇用創出効果というのは約十三万人というふうに評価をされております。
 しかしながら、全体としてはそうなんでございますが、これも大臣が申されましたように、第八次石炭政策によりまして閉山・合理化の過程にあります産炭地域につきましては、今日なお経済的、社会的疲弊が著しく残っておりまして、なお相当程度、長期間にわたってこの産炭地域振興政策を継続する必要がある、こういう評価になっているわけでございます。
○三原委員 どうもありがとうございました。
 終わります。
○麻生委員長 中沢健次君。
○中沢委員 おはようございます。
 先月の二十一日の大臣質疑に続きまして、きょう約一時間ちょっと時間をいただいておりますので、産炭法問題につきましてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 まず一番最初に、前回の委員会でも簡単に触れましたが、五年ごとの国勢調査、平成二年の速報値が公表されております。そこで、数字としてお持ちであればということを前提にして、一つは北海道の空知管内の俗に言う五市一町、産炭地の人口の動向がどうなっているか。もう一つは、それを全国的に産炭地全体ということでの数字をもしお持ちであればそれも含めて、もしお持ちでなければ空知の五市一町の人口の動向だけで結構でございます、お答えいただきたいと思います。
○土居政府委員 昭和六十年と平成二年の国勢調査結果の比較でございますが、空知地区の五市一町につきましては、昭和六十年十二万五千人強であったものが、平成二年には九万七千人強ということで、約二万八千人の減少になっております。減少率は二二・四ということでございます。
○中沢委員 実は、全国的な産炭地の傾向も私も十分まだ調べておりませんが、今私の選挙区における、特に産炭地の五市一町の人口の動向をお答えをいただきました。特に私は、調べれば調べるほど、やはり産炭地というのは大変だなという実感を持っているわけです。
 全国の都市の中で、減少率順にずっと追っていきますと、一番が夕張三三・八%減、二番が三笠二〇・七%減、三番芦別一六・五、四番赤平一四・三、五番歌志内一三・九。夕張は二つの炭鉱の閉山があった。三笠は一つの炭鉱。芦別、赤平、歌志内は、炭鉱は残っていますが、大幅な縮小をやる。その象徴的な現象として、残念ながら大幅に人口が市外に転出をしている、こういう状況だと思うのです。もう一つ、町村はどうかということで調べてみましたら、高島町が実に七八・八%減っていますね。これは全国一です。高島炭鉱がなくなった。陸の孤島でありますから・まあしようがないといえばしようがないかもしれませんが、これはしかし高島の町にとってはもう壊滅状態。二番目は、ダムで水没をした町村のようです。三番目は五市一町の一町の上砂川、これも閉山がありまして三一・九%。こういう状況が具体的な結果として示されているわけです。
 そこで大臣、二十一日にもお答えをいただきましたけれども、この間は生産体制の問題も絡めて申し上げましたが、やはり人口がこれだけ減ったというのは、もうそこの市町村にとっては、財政問題もそうだし、社会的な、経済的な問題も含めて大変深刻な影響があると思うのですね。したがって、産炭法の具体的な議論はこれからやりますが、大臣としてどういう認識と、あるいはこれからの産炭地振興に対する基本的な決意、簡単で結構でありますから、お答えをいただきたいと思います。
○中尾国務大臣 委員には先般もこの問題で大変に御熱心な御討議も賜りましたし、私もそのとき以来もう、また通産省の中でも討議を重ねさせていただきまして、私なりに考えた基本的な認識、あるいはまた自分の持っている、現在考えているスタンス、こんなようなものも答えさせていただければ、こんなような気持ちでございます。
 まず、産炭地域の振興対策につきましては、これまでの地域振興整備公団というものによります企業誘致のための諸事業、あるいはまた地方自治体に対する財政支援等を通じまして相当程度の効果が上がったのではないかなと、まだこれは完全に十分とは申せませんけれども、考えておる次第でございます。
 今後の産炭地域振興対策のあり方につきましては、まず、昨年十一月の産炭地域振興審議会答申というものを踏まえまして地域指定の見直しがまず第一点であろう。それからまた、八次政策の影響地域等を中心とする施策の拡充もこれまた大変な課題であろう。また、産炭地域の振興そのものの実施計画の実効性の確保というものがこれまた完全になされなければならぬのであろう。こんなことを私どもも今日まで提示してきておるわけでございます。
 通産省としましては、この答申を十分踏まえまして、そして今回改正法案を提出いたしましたほか、三年度の予算案においても必要な措置を十分盛り込んでいく必要があるという認識に立っているわけでございまして、その盛り込んでいこうという認識のもとに、今後とも必要に応じて施策の拡充について、諸先生方からいろいろと今日まで提案されました問題点なども踏まえまして、それを織り込みながらも考えていきたい、このように考え、なおかつ、またその方向に向かって前進していきたいなと考えておる次第でございます。
○中沢委員 今、大臣の方から端的な御回答でありましたけれども、積極的にこれから産炭地振興についてはやるという決意の披瀝がございました。総論としては、その点については大変評価をして、ぜひひとつ全面的な努力を心からお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、次の問題は、産炭法が改正になる、これはさまざまな影響を予測しなければいけないと思うのでありますが、特に取り上げたいことは、法改正に伴いましていわゆる産炭地自治体、とりわけ関係市町村への財政の措置がどうなっていくか、少しく具体的にお尋ねをしたいと思います。
 まず、通産省にお尋ねをいたしますが、資料はいただいておりますけれども、臨時交付金という制度があります。これは釈迦に説法だと思いますから内容は一々申し上げません。基準額と調整額という二つの制度に分かれてそれぞれの計算方式が決まっておりまして、あるいは事業によってそれぞれ決められた内容で関係の市町村に臨時交付金、いわゆる臨交金が配分になっている、こういうことはずっと続いているわけです。実は、平成元年度の実績の資料は全部いただきました。ただ、八次政策が始まりましたのは昭和六十二年度からでありますから、六十二年度以降の全国的な臨交金の配分状況がわかればお聞かせをいただきたい。手持ちの資料がなければ、平成元年度の実績ということで基準額と調整額トータルの数字を改めてお答えをいただきたいと思います。
○土居政府委員 御質問ありました産炭地域振興臨時交付金制度の交付額の実績でございますけれども、今お話がありました六十二年度以来という集計がちょっと今手元にございませんが、元年度で申しますと、交付額が三十九億六千五百万でございまして、これにつきまして、基準額と調整額の内訳を申し上げますと、基準額の方が四億二千百万、調整額の方が三十五億四千四百万ということでございます。
○中沢委員 いずれにしても、平成元年度全国的には三十九億、これは関係の自治体にとっては財政措置としては大変ありがたいことだと思うのです。なお、私がちょっと中身を見てみましたら、例えばそのうち北海道が約半分の十八億、北海道関係市町村に配分になっております。
 さて、もう一つお尋ねしたいのは、自治省の方も来ておりますが、その前に通産省の方で資料をいただきましたので、地方税が、例えば六条地区だとかそういうところではかなり財政的な措置をされていますね。例えば固定資産税を誘致企業に対して減免をする、その減免に対して交付税措置がされる、似たような制度が幾つかあるわけです。
 そこで、これはできれば十年間さかのぼって、どういう交付税の減収補てん額があるのかという数字で結構でありますから、お示しをいただきたいと思います。
○土居政府委員 御質問ございました産炭地域振興臨時措置法第六条の地方税の減免補てん制度でございますけれども、これまでの実績を申し上げますと、昭和五十五年以来十年間で百十七億円という補てん実績になっております。年間十億強という状況でございます。
○中沢委員 きょうは自治省の方からも出席を求めまして、お尋ねをしたいと思いますが、これは先月の二十八日の地方行政委員会で私も取り上げまして、自治大臣からも御答弁もいただいておりますが、ぜひこの石特の中でも自治省の見解なんかもお聞かせをいただきたい、こんなことでおいでをいただきました。
 具体的にお尋ねをしたいと思いますが、交付税の措置としていわゆる産炭地補正という制度があります。これが現状どうなっているか。私の聞くところによると、平成四年度で事実上、仮に制度が残っても、具体的な財政効果は全くゼロになる、こういうような話も聞いておりますが、その辺の事実関係、平成四年度でそういうことになるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○谷本説明員 先生の方から御指摘がございました、いわゆる産炭地補正というものでございますが、この補正につきましては、いわゆる産炭地域を抱えております市町村の財政状況、こういったものを勘案いたしまして、いわゆる鉱業人口の減少、こういったものを指標に用いまして、その減少に伴います財政事情の激変を緩和する、そういう措置として実は設けられたという経緯がございまして、御指摘ございましたように、現行制度上は平成四年度まで適用するということにいたしております。
○中沢委員 もう一つ自治省の方にお尋ねをしたいと思いますが、これも私、地方行政委員会で取り上げまして、先ほど国調人口のときにもちょっと触れましたけれども、いずれにしても毎年毎年人口が急速に減っている、これはやはり短期的な財政のてこ入れが必要だ。昭和六十二年から、交付税の措置でありますけれども、短期人口急減補正という、これは単年度単年度でありますが、そういう制度を導入していただいたわけであります。これはまだ平成三年度どうするかということは、この間の大臣答弁では、とにかく現状はよくわかっているので単年度措置とはいいながら平成三年度もぜひ制度の充実を含めて検討したい、こういう御答弁がありました。
 そこで交付税課長、短期人口急減補正という制度の中身はいいのですが、六十二年度から全国的にどういう団体にどれだけ交付税措置がされたか、そのうち全国の産炭地に該当する部分はどれだけであるか、具体的にまずお聞かせをいただきたいし、同時に、平成三年度、単年度とはいいながら引き続きやる、こういう明確な御返事もぜひこの委員会でもお聞かせをいただきたいと思いますが、関連してこの二つ、お願いしたいと思います。
○谷本説明員 御指摘の短期急減補正でございますが、これは六十二年度におきまして単年度限りの措置として設けたものでございます。平成二年度におきましてもこの同様の措置を存続をしておるということでございます。
 対象市町村は、いわゆる炭鉱閉山あるいは造船不況等によりまして人口が短期間に急減をした市町村が対象になっておるわけでございまして、六十二年度から平成二年度までの四年間この措置を行っておるわけでございますが、その総額は約四十億円というふうになってございます。そのうち、いわゆる産炭地域市町村への措置額は約二十二億ということでございます。
 なお、この短期急減補正を、単年度の措置として行っておるわけでございますが、平成三年度も適用してはどうかということでございますけれども、先般の地方行政委員会でも同様の質問がございました。私ども、この平成三年度の普通交付税のいわゆる算定につきましては、現在、地方交付税法の一部改正法案を国会の方へ提出をさせていただいております。これから御審議をいただくということになっておりますので、具体的な算定方法の内容につきましては今後具体的に検討していくということになるわけでございますが、大臣も答弁をいたしましたように、こういう団体におきます財政運営につきましては、いずれにしても重大な支障が生じないように、この短期急減補正の存続というものも、私ども事務方としましても十分念頭に置きながら検討してまいりたいというふうに考えております。
○中沢委員 さて、もう一つ関連をいたしますが、私の出身の夕張の一つの具体的な例を申し上げて、数字を含めて間違いがないかどうかだけをお答えをいただきたいと思います。
 平成二年度の夕張における普通交付税の交付額というのは実に約六十七億、人口二万ちょっとの市にしては物すごく交付税が配分をされています。そのうち、今まで取り上げました産灰地補正というのは一千六百万、それから今取り上げました短期人口急減補正が一億九千五百万、それから交付税本体の中では人口が減った部分についても補正がありますから、これは数値急減補正というふうに言っているようでありますが、これが九億二千五百万、人口に関連をし、あるいは産炭地に関連をする補正で実に十一億三千万くらい六十七億のうちあるわけですね。これが仮に全部なくなったら、裸になると五十六億ということなわけです。この数字については、ちょっと課長、間違いがないかどうか念のためにお答えください。
○谷本説明員 先生が今御指摘になりましたのは平成二年度の算定結果であろうと思いますが、そういう数字になっております。
○中沢委員 それで大臣、私はなぜ一般的な問題に関連をして地元の夕張の例を引き合いに出したかというと、ほかの産炭地も大体似たり寄ったり、それだけやはり、自主財源はないし、結果的には交付税に大幅に依存せざるを得ない、これが実態だと思いますね。
 そこで、くどいようですが、いずれにしても産炭地補正という制度がある、しかし平成四年度でこれが終わってしまう、じゃ新しい何らかの産炭地に対する交付税の措置が必要ではないか、だれでも考えることだと思うのです。事実、全国の鉱業市町村会という団体がありまして、全鉱連といいますが、全鉱連はそのことを今真剣に考えておる最中です。この間の参考人で山本会長にも来ていただいていろいろ聞きましたけれども、本当に大変だ、何とかしてもらいたい、今内部でもいろいろ相談をしている最中だ、これが一つありました。
 それからもう一つは、短期人口急減補正、急速に減った部分についての補てんについていいますと、今まで四年間で四十億ある。夕張は平成二年度約二億ぐらいですね。これもやはり、制度としては非常に大事な制度だと思うのです。そして、全体的な数値急減補正についても、全国の過疎地帯なんかは全部関係がありますが、これも大事な制度だと思うのです。ただ問題は、この制度は、全部自治省のいわゆる交付税という制度の中で、もちろんそれは通産省から持ち込んだ、我々も持ち込んだ、あるいはきょう出席をされている産炭地の先生方が、それぞれ地元の意向を受けていろいろ持ち込んだ結果として、こういう制度ができ上がっているわけです。
 そこで、大臣にどんずばりお尋ねをしたいのでありますけれども、確かに自治省、自治大臣の権限かもしれませんが、通産大臣として、閣議かあるいは二人きりでいろいろな話をされる場合があるのじゃないでしょうか。もちろん私の方はまた別に地方行政委員会でもやりますけれども、ぜひひとつ通産大臣の方から、産炭地の自治体の財政は大変だ、そういう政治的な自治大臣に対するお話というのをお願いしたいと思うのでありますが、いかがでしょう。
○中尾国務大臣 中沢委員、この前の質疑から大変熱心に言っておられました。私も、自分ながらも書きとめながら、通産省へ帰りましても多少私自身もヒアリングもさせていただいたつもりでございます。
 今の吹田自治大臣、大変御熱心に、なおかつ前向きな大臣でございますから、閣議の席はまた別といたしまして、まず個々の立場で、この今現在置かれているステータス、交付金の問題等含めまして全般的な問題として、この問題はすべからくお互いに善処していく方向で考えていこうじゃないか、こういう持ちかけはしてみたいと私なりに考えております。
○中沢委員 今大臣の方から、産炭地の財政問題について非常に厳しいという受けとめ方と、自治大臣にそういうことを前提にして積極的に働きかけをしたい、こういう決意の披瀝がございました。ぜひひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。自治省の方はもう結構であります。ありがとうございました。
 さて、次は、閉山地区に対して、とりわけ第八次政策の閉山地区に対して企業の立地がどういう状態であるか。これは内容としては、通産の方からも労働省からも資料はいただいておりますが、まず事実問題として、各市別あるいは各山別で結構でありますから、どんな企業が立地をされているか、同時にその企業にどれだけの労働者が雇用をされているか、改めて通産の方と労働省の方にお尋ねをしたいと思います。
○土居政府委員 御質問のありました第八次石炭政策影響地域にあります十一市町村に対する企業進出の状況でございますけれども、地域公団の優遇措置を活用いたしまして昭和六十二年四月から昨年十二月までの間に新規進出した企業は六十四社ございまして、これに伴います新規雇用者というのが千四百八名という数字になっております。これにつきましては、先生のお手元の方に地域別の数字等も差し上げてございます。
 以上でございます。
○征矢政府委員 閉山時におきます各炭鉱の離職者数あるいは先生御指摘の新規企業等による雇用計画及び現在までのそれに基づきます採用状況を申し上げます。
 三井砂川炭鉱の離職者数は千百六十九人、雇用計画数百九十二人、採用者数、七六%の百四十五人でございます。北炭真谷地炭鉱の離職者数千二百十二名、雇用計画数二百五十四名、採用者数が六四%の百六十二名でございます。北炭幌内炭鉱の離職者数は千二百名、雇用計画数二百四名、採用者数は七二%で百四十六名でございます。三菱南大夕張炭鉱の離職者数は千四十四名、雇用計画数は四百二十六名、採用者数は一五%の六十三名でございます。
 なお、三菱南大夕張炭鉱につきましては、今後操業開始する新規事業が多いために、なお雇用の増加が見込まれるところでございます。
○中沢委員 今通産の方と労働省の方とお答えをいただきました。別に私は、数字の違いを指摘しようとは思いません。しかし、実際問題としては、石炭部長の方は雇用者の数が一千四百八、それから労働省の調べでは現時点の採用者というのはおよそ六百五十、計画でも千百程度、これはなぜ違うかということは事情があると思うのですよ。ですから、その数字の違いを改めては指摘をしませんが、私が指摘したいことはこういうことです。
 炭鉱が閉山になる、労使交渉でいろいろ話をして、最終的に労使交渉が妥結をすると閉山ということになるのですね。その労使交渉の柱はいろいろありますけれども、離職者の雇用について、石炭の会社の責任で地元にどれだけ新しい企業を起こして受け皿を用意をするか、これが一つ。それから、地元の自治体を含めて、地元の第三セクター方式も含めて行政が一定程度責任を持つ、受け皿をつくって、これで何人地元で雇用をする、こういう中身を含めて閉山交渉というのが最終的にまとまって閉山になるのです。
 さてそこで、現実の姿はその後どういうふうに推移をしているのかというと、例えば今労働省の方で出されました、各山別の離職者、就職者、あるいはそのうちの炭鉱離職者の数が、いろいろ紹介がありました。昨年の三月に閉山をした三菱南大夕張、私の地元でありますからよく閉山後も、まだ後始末のために礦業所が残っております。その当時の労働組合の三役も地元に残って就職あっせんの責任もやっております。ですから、三菱について言うと、閉山が昨年の三月で、立地企業も、準備中のもの、既に操業直前のものもありまして、まだ途中でありますから、例えば採用計画の四百二十六人のうち、三菱は六十六人の採用にとどまっている。これは現実問題としては、これからまだ採用がされるから大体順調にいくのかなという感じを率直に持ちます。ところが、それ以外のところは、人数そのものはそんなに大きくは落ち込んでおりませんけれども、計画どおり採用に至っていない、こういう問題が一つあるわけです。これ以外に、実は先ほど言いましたように、行政も含めて第三セクターの受け皿で企業立地をしている部分もこの数字に入っているところと入ってないところがあるわけなんでありますが、例えば夕張の真谷地の閉山の後、通産の担当者はよく承知でありますけれども、木炭工場というのを第三セクターで企業を誘致してやりました。経営そのものは余りうまくいっておりませんが、そういうことが背景になって、なかなか思うように、計画どおりに雇用者が再就職していない。結局、もう地元では仕事につけないから、長年住みなれたふるさとを後にして、どんどん市外に行ってしまう。これが人口の大幅減少という残念な状態につながっているわけですね。
 それで労働省、ここのところは特に労働省としてお答えをいただきたいと思いますが、やはり労働省というのは全体の労働行政を仕切っている省庁なわけでありますから、とりわけ炭鉱離職者対策というのはもう随分長い間ノーハウを持っているわけです。しかし、現状においてはやはり今私が指摘をしたようなことで、離職者の就職率も決して十分とは言えない、地元雇用も非常に大きな問題を抱えている。一方、全国的にはもう大変な労働者不足という非常にミスマッチが露呈していると思うのですね。
 したがって、労働省に具体的に尋ねたいことは、労働省としてこの炭鉱離職者、まだ未就職になっている人、あるいは企業との約束でまだ本当に計画どおり進んでいないところについてはやはり強力な指導をやっていただく、あるいは労働行政の中で全体的に重点を入れててこ入れをしていただく、これはぜひ必要だと思いますが、その辺いかがでしょう。
○征矢政府委員 先ほどお答え申し上げました数字は、先生御指摘のように、地元におきまして新規企業等により採用する、こういうような観点でございまして、これも私どもとしては強力に指導しなければならない課題でございます。あわせまして、求人につきましては地元が極めて重要でございますが、需給のバランスが合わない面も当然あるわけでございまして、そういう意味では、求人のあるところと就職を結びつけるという観点からの努力もいたしているところでございます。これは当然私どもの職業安定機関が連携をとりながら対処しているということでございます。
 いずれにいたしましても、閉山・合理化というような厳しい事態が生じました場合に、私どもとしましては、炭鉱離職者臨時措置法等に基づきまして、まず石炭会社の幹部の方に対しましては、おいでいただくなり、あるいは場合によりましては文書で、雇用対策に万全を期するようお話をする、中央におきましては。あるいは関係省庁におきまして産炭地域振興関係の連絡会議においてもお話をするというようなこととあわせて、現地におきましては、御承知のとおり公共職業安定所が中心になりまして、援護相談員の方々あるいは関係者で対策会議等を開催いたしまして、もろもろの対策を講じてきているところでございます。
 いずれにいたしましても、現在合理化に基づきます離職者はなおおられるわけでございまして、今後ともこの就職につきまして最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○中沢委員 それで大臣、決意も含めてぜひまたお聞かせをいただきたいと思いますが、今労働省の方から具体的なお話がございました。離職をした一人の労働者あるいはその家族、これはやはり死活問題だと思うのです。確かに労働省の所管でありますけれども、きょう労働大臣お見えでありませんが、従来から私は、山が閉山をしたということが一つの理由でそういう大変悲惨な影響が出る、ですから、とにかく労働行政をしっかりやってもらいたい、こういうことをかねがねお願いしてまいりました。通産大臣には初めてそのことをお尋ねするのでありますが、労働行政とはいいながら、ぜひひとつ通産大臣の決意として労働大臣にも、先ほど自治大臣にぜひこういうことをお願いしたい、こういう話をしましたけれども、次元は違いますけれどもやはり共通する問題だと思う。ぜひひとつ通産大臣の立場で労働大臣にも積極的に働きかけをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中尾国務大臣 委員もそうでございましょうけれでも、私も政治を志したのが二十数年前でございますが、政治というのは、お金持ちや力のある者あるいは組織のある者、これは政治の力をかりなくても立派に生きていけましょう。しかし、本当に政治の愛情といいますか政治の認識を特に必要とするのは、むしろ組織を持たない農民、組織を持たない労働者あるいはまた、そういうある意味における離職者のような恵まれない立場に家族が落ち込んでいく場合、こういうときこそが政治の力を必要とする、これは私の理念としていつも申し続けているつもりでございます。
 幸い、先ほどの吹田自治大臣同様に小里労働大臣も、そういう点では若いころから、小さいころから苦労を重ねた男(おのこ)と私も思っておりますし、しかも九州男児ではございます、そういう点で、私も仲間として、同僚閣僚として十分に話し合ってみたい。むしろ先ほど申し上げましたような、三人が集まってもその話はしたいな、このように、先ほどから中沢委員の話を聞きながら十分に私自身も胸にしまったつもりでございます。ありがとうございました。
○中沢委員 今大臣の方から非常に心のこもった御答弁をいただきました。地元に行きますと本当に大変深刻なんです。ぜひひとつ労働大臣にもそういう立場で今後とも積極的に働きかけをしていただきますように、特別にまた重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、次の問題に移りますが、第八次の石炭政策が始まってちょうど四年目が終わろうとして、あと一年残す、こういう状況の中で、八次政策の中でもやはり産炭地の振興策、それぞれ担当のところでも大臣のところでも御配慮もいただいて、それなりの知恵やあるいは制度や予算が新しく出てきております。
 まず最初に通産の方にお尋ねをいたしますが、第八次政策が始まってからの産炭地振興の新しい政策、制度、予算、その実績、全国的な一つのトータルで結構でありますが、お聞かせをいただきたいと思います。
○土居政府委員 第八次石炭政策が始まりました昭和六十二年度以来の産炭地振興施策における新規制度の概要でございますが、第一に、産炭地域振興臨時交付金という制度、先ほど御質問がありました自治体に対する交付金制度がございますが、特に閉山・合理化後の自治体の税収減少、財政需要の増加等を踏まえまして、これについて閉山基準額の単価を、昭和六十二年度予算におきまして百十五円から百七十八円に引き上げ、さらに平成三年度予算においてそれを二百四十円に変更したということでごさいまして、そういう閉山がございました自治体に対する財政支援を強化するという流れが一貫してございます。この関連の交付実績は、昭和六十二年度三億三千三百万、六十三年度二億一千六百万、平成元年度三億三千六百万という実績になっております。
 第二番目の新政策でございますが、これにつきましては、閉山・合理化地域だけではなしに、生産規模の縮小を行った炭鉱が所在する市町村に対する制度ということで平成元年度に新制度を設けまして、生産規模縮小基準額というのを設けた次第でございます。これに対します実績は、平成元年度八千五百万円ほどでございます。
 第三番目は、臨時交付金制度の中に産炭地域活性化支援事業という制度を創設いたしました。これは地元市町村の自発的な振興意欲を喚起するという趣旨でございますが、昭和六十一年度に創設をいたしまして、さらに制度の拡充ということで六十二年度には企業化調査、二年度には技術開発事業、イベント事業、こういった事業を産炭地の自治体が行う場合の交付金制度ということで制度の拡充をしてきたわけでございまして、実績は昭和六十二年度八千六百万円、六十三年度八千六百万円、平成元年度九千六百万円ほどでございます。
 第四番目は、地方自治体が行います大規模プロジェクト、星の降る里ワールドとか、いろいろと各自治体が大規模プロジェクトの事業化を行っておりますけれども、それをソフト面から支援する大規模プロジェクト事業化促進調整額制度というのを昭和六十三年度に創設いたしまして、これにつきます実績は六十三年度七千万、元年度七千万ほどでございます。
 そのほか、昭和六十二年度に炭鉱閉山地域における工業用機械の特別償却制度を創設する、あるいは昭和六十三年度には特定産炭地域拠点開発基礎調査を創設する、あるいは平成二年度からは地域振興整備公団によります四・三五%という特別の低利融資制度の創設をするということで、これによりまして八次策影響地域に対する特段の施策の強化を行ってきておるということでございます。
○中沢委員 今も部長の方からこれまでの具体的な中身を詳細にお聞かせをいただきました。
 私自身は、その都度その都度いろいろなことを申し上げながらも、それぞれ知恵を出していただいて、できるだけ通産の方としても地域振興ということに重点を置いて新しい制度を入れるあるいは予算もふやす、こういう努力は評価をしたいと思うのです。
 ただ、その評価をするわけなんでありますけれども、そういう産炭地振興策について言うと、この間も申し上げましたが、どうしても閉山後の後始末的な、政策そのものが後手に回る。政策を先取りをするということの観点がやはり非常に不足をしているんではないか。非常に残念でならないのですよ。ですからこれからは、後の質問にも関連をしますけれども、そういう地道な積み上げ、知恵を出し予算をつける、それはそれで結構なんだけれども、もう少しそれを早目に打ち出す。もっと言えばそれを規模をどんどん大きくして、本当に産炭地の自治体としてはこの制度があることによってすごく助かる――今も助かっていないとは言いませんよ、助かってはいますが、効果としては余り大きくないのですよ、正直言いまして。ですから、やはり政策を早目に出すということと、もっと地域振興に本格的に、規模を大きく、単に言葉だけではなしに予算をたくさんつける、こういうこともやはり一番肝心なことではないかと思うのですね。そこのところは大臣どうでしょう、私の言うことは乱暴ですか。
○土居政府委員 今先生御指摘になりました、産炭地対策について後手に回らずに先手を打った対策を講じるというお話につきましては、実は今石炭鉱業審議会でポスト八次の石炭政策を議論しておりますが、その中で特に産炭地対策についてそういう御指摘が強く委員の方々から出されておるということでございます。
 いずれにしても、今回の延長法案の前提になります産炭地域振興審議会の答申もございますけれども、今度の石炭鉱業審議会の六月に期待される答申を踏まえて、今のような方向が出てくるということであれば、そういったことに対して事務的にこたえていくということになるかと考えられます。
 予算の問題につきましても、実は財源問題ということでポスト八次の石炭政策の中で議論されておりますので、そこで最大限の努力をしてまいりたいということでございます。
○中尾国務大臣 各論に至りましては今の答弁のとおりでございますが、この間から中沢委員からじっくり承っておりますから、この問題を踏まえまして、私どもの通産省は、各省もそうでございましょうけれども、通産省は確かにいつも会議をしては即座に即応するという、委員も先ほど御認定賜りましたように、対策は素早くやらしていただいているつもりでございます。
 しかし、それにしましても、すべてが金目のものといいましょうか、予算というものはどうしても優先しなければならぬものでございますから、答申を受け次第こういう問題点についてもある意味において私どもも努力を続け、なおかつこれに、十分充足するまでとは言えませんけれども、最大限の努力はやってみたいものだ、このように決意をしております。
○中沢委員 今部長と大臣の方からもそれぞれお答えがありました。これからの産炭地振興の基本をなす部分でありますから、ぜひよろしくお願いをしたいと思うのです。
 さてその次の問題は、今のことにもちょっと関連をするのでありますけれども、今度の法案ではいろいろな問題も出されております。その一つの柱として、今までも少し議論してまいりましたけれども、八次政策で影響を受けた地域に対しては重点的に対策を講ずる、こういうふうに法案としても出されております。一部は平成三年度の予算にもそのことが見えるような予算も少しはあるわけです。
 さて、そこで具体的にお尋ねしたいのは、例の産炭地振興の計画をどうするかということ。従来はすべて通産省が責任を持って計画をつくっておりました。今度はもっと地元密着型といいましょうか、産炭地の市町村だとか道県だとか、そういう地元に密着をした実効性のある計画が必要だ、したがって実施計画についていうと、原案は知事につくってもらう、私はこれは非常にいいことだと思います。ただ問題は、率直に言いましてちょっと不安がありますのは、知事に実施計画をつくる権限を事実上与えてしまう。地元密着型だから、相当具体的な産炭地市町村の要望も含めて、いい内容で練り上がってくると僕は思うのです。しかし、これに対する財政的な裏打ちはやはり国がやらなければいかぬ。計画は地元でつくらせるけれども、国はやはり財政的な責任を持つわけでありますから、そこのところがうまくつながっていくのか。
 もっと端的なことを言うと、立派な計画はつくるけれども、それを保証するような国の財政的な手当てが本当に保証されるのかどうか。これは非常に大事なポイントだと思います。僕も選挙区をずっと回りますと必ずこの話が出されます。実は明日北海道の産炭地の市町村の代表が恐らく七、八十人ぐらい集まって我々に対する要請行動をやるわけです。恐らくその要請行動の柱の一つはこれになってくると思うのです。
 ですから、最初は部長で結構でありますが、部長としての、石炭部としての考え方をお聞かせいただきたいし、そうはいいましても非常に政治的なスケールの大きい問題でありますから、まだ法案審議が始まったばかりでありますけれども、大臣の方からひとつこの決意のほどをぜひお聞かせいただきたいと思います。
○緒方政府委員 先生今お述べになりましたように、今回の法律の改正案で産炭地域振興実施計画の原案の作成を道県知事にお願いをするということになったわけでございますが、これは産炭地域振興審議会でも意見が出ておりますし、先般当委員会の参考人の陳述でも、地元関係者の主体的役割の重要性ということが繰り返し指摘をされていたわけでございまして、それを踏まえたものでございます。したがって、道県知事が関係市町村の意見を聞きつつ実施計画の原案をつくる、そしてそれに基づいて主務大臣である通商産業大臣がこれまた関係各省庁と協議をして策定する、こういうスキームに変更したものでございます。したがいまして、この新しい法体系のもとでは、地元の主体性を十分生かしながら、そして先生今御指摘になりましたように、それに対する各省庁の連絡体制というものについては、主務大臣である通産大臣が策定をする際には関係大臣と協議をするわけでありますが、実務的にはその下に実務家レベルから成ります産炭地域振興関係各省庁等連絡会というものを設置しておりまして、この場を通じて関係省庁が一致協力をして緊密な連絡をとりながらこれを推進をしていく、こういう体制で臨むわけでございます。いわば各自治体の主体性というもの、それと連絡をとりつつ、関係各省との連絡をとりながら整合的にこの実施計画を推進していく、こういう体系に改めるものでございます。
○中尾国務大臣 私は、中央政治と地方政治、特に今回の産炭地域振興法の実施計画の原案というものを道県の方に移譲する、ある意味においてその権限を強化させてやるという方がもっと密接になりますし、同時にまたその内容のほども我々が査察するよりはよく知悉しているかもしれません。そういう意味においては、ある意味においてはメリットはあると思います。
 そこで、従来の、何といいますか私の若い議員のころというのは、一つの政党が一つの知事をとるということに鋭意努力をしたものでございます。これは今もってその政党意識としては変わらないでありましょう。私個人といたしましては、知事たるべきものあるいはそういうものは県民総参加であった方がよろしい。そしてまたなるべく政治色ということよりは、県民のそういう福祉厚生あるいはまたその向上あるいは生活の豊かさ、そういうものに直結していくことには、総参加県政であった方があるいは都政であった方がよろしいなといつも思っておるのであります。それだけに私も、そういう点を自分なりにも踏まえまして、私は主務大臣ではございますから、そういう点ではもう掛け値なく十分に、その地域の住民の方々の悩みというものを我々の国が吸い上げるということにおける努力と、それに対応して都道府県の首長に対して私どもは全面協力をする、この点においては私も、先ほど政府委員の答弁もございましたが、それにつけ足して私の意識のほどを申し上げておきたいと思います。
○中沢委員 それで、これもちょっと大臣の方にお願いをしたいと思うのでありますが、例えば三笠の幌内が閉山をした後、地域振興策の一つの大きな柱として国の大型の公共事業の誘導、直接は建設省の所管あるいは農水省の所管、北海道で言えば北海道開発庁の所管でありますけれども、通産大臣からもいろいろ働きかけをしていただいて、例えば三笠では幾春別の総合開発計画、平成二年度で約五百五十億円、長期にわたって大型の公共事業が既に予算化もされました。それと、昨年の三月の夕張の三菱の閉山のときに、これはやはりもう十年くらいいろいろ懸案事項で残っておりましたけれども、解決の潮どきであると、結果的にはシュウパロダムという今のダムの前に百メーターくらいのところにまた大きなダムをつくる。これは直轄では全国一だ、こういう規模で九百四十億。直接の所管は建設省であったり農水省であったりしましたけれども、当時の武藤通産大臣もそのことを受けていただいてそれぞれの大臣に、もうこういう非常事態だから優先順位その他があるのだろうけれどもとにかく頼む、こんなお話もしていただいたわけですね。
 それと同じようなことが、私は閉山ということは絶対回避をしたいと思います。しなければならないと思います。しかし、最悪の事態はいずれどこかの山ということも現実問題としては、何年先かは別にして、やはり新しい石炭政策が今度の審議会の答申で出てきてこの委員会でも議論をしてどうせ決まりますけれども、その政策の中身にもよりますが、最悪の事態も想定しなきゃならぬ。あるいは閉山だとか縮小だとかいうことを考えないにしても、産炭地の地域振興にとってはやはり大型の公共事業というものはぜひ必要だ、私はそう思います。
 それで、大臣、今まで武藤通産大臣あるいはその前の大臣のときからもいろいろそういう意味での橋渡しを随分やっていただきましたけれども、私はまだ具体的な材料は持っておりません、どこの市にどういうのをというのはまだ持っておりませんが、いずれそういうことになると思いますので、ぜひ大臣の決意といいましょうか、考え方も、基本的な問題で結構でありますからお聞かせをいただきたいと思います。
○中尾国務大臣 詳細にわたってではございませんが、武藤前通産大臣からも事務引き継ぎの折に、オフィシャルの場合とプライベートの場合とに分けましてじっくりと私も聞かしていただきました。それは私も、すべからく武藤通産大臣は非常に立派な功績を残されておりますから、それを引き継いでいこうという中で十分にそのことも承ったつもりでございます。そういう中にございまして、産業、地域の振興というものを図る上で、まず道路であるとか鉄道であるとかダムであるとか、こういうすなわちインフラの問題でございますが、そのインフラ整備が重要であるということは御指摘のとおりであろうと考えております。
 同時にまた、昨年十一月に提出されました産炭地域振興審議会の答申におきましても、道路等の基盤整備のための公共事業の推進といいますか、そのための関係省庁間の道路あるいはまたその他の協調という問題に対しては、一層連携を密にして緊密化を図ることが必要だな、余り縦割りでなく横のつながりというものによってこのインフラ問題やその他の問題も踏まえてこれはいそしんでいくということが格別大事である。先ほどから御質問をお伺いしても、そのような感じがいたします。一通産省だけでなく、そういうふうな問題も一生懸命取り組んでみたい。こんな中で通産省としましては、何はともあれ審議会の答申の趣旨を踏まえました暁には、今後ともそういう問題等を踏まえまして各省庁にも呼びかけながら、こちらの方も呼びかける側に回りましてそのような努力を最大限にやってみたいものだ、このように考えております。
○中沢委員 今インフラ整備ということでまとめていただいてお答えをいただきました。ぜひひとつそういう具体的な問題、たくさん出てまいりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 私の時間があと幾らも残っておりませんので、最後の質問に移りたいと思います。
 産炭法の対象地域の見直し問題、具体的にお尋ねをしたいと思いますが、これは法律の中では、明確に指定解除というところとそれから指定地域の見直しという、この二つの手法によって全体的には対象地域の見直しをやる、こういう内容が示されております。
 それで、私は北海道全体のことを当然考えるし、まあ日本全体のことも当然考えますけれども、例えば私の選挙区でいうと、実際の作業はこれからの産炭地の審議会で線引きをきちっと決めるわけでありますから具体的にはお答えができないのかもしれませんが、答えられる部分で結構でありますからお答えをいただきたいと思うのですが、私の選挙区は、いずれにしてもこの地域指定の解除だとか指定の見直しなんということはあり得ない、私はそう思うのです。それについてどんなものであるか。それから、恐らく同僚の佐々木委員の方からは、やはり佐々木委員の選挙区であります道北地帯、留萌だとか天北、この関係を恐らく取り上げられると思いますが、この辺は一体どういうような手法でやるおつもりなのか、あるいは泊周辺、これは一体どうするのか、くどいようですが、産炭審の作業で線引きをするということを承知の上で、一般論として聞いているつもりでありますから、一般論としてお答えをいただきたいと思います。
○土居政府委員 地域指定の見直しにつきましては、産炭地域振興審議会の十一月三十日の答申で基本的な考え方が示されておりますけれども、具体的には、この延長法案の国会通過後に産炭地域振興審議会の審議を経て決定するということになっておりまして、具体的な個別圏域とか市町村についてどうなるかということについては、現段階ではちょっと申し上げかねる状況にございます。
 ただ、産炭地域振興審議会の答申におきましては、この地域の見直しについて一定の基本的な考え方が出されておりますので、それについて申し上げますと、先生御指摘になりましたような夕張地区等々、空知地区につきましては八次策影響地域ということになるかと思いますけれども、八次策の影響を受けた地域につきましては、今回の延長十年法案の根拠でもございますし、特に重点的に対象にしていけという話でございますので、こういった地域については指定解除の対象になるということは、圏域としては、産炭地域振興審議会の答申を受ける限りは考えられないわけでございます。
 むしろ、産炭地域振興審議会の答申におきましては、こういう八次策の影響を受けていない、炭鉱の閉山からもう非常に時間がたっている、いわゆる旧産炭地域について見直しをすべきであるということが答申されておりまして、それにつきましては、その閉山による疲弊から回復したと考えられる地域あるいは回復していなくても閉山による影響が著しく希薄化したと認められる地域につきましては、一つは法延長に際して指定の解除をすべきであるということでございますし、それ以外の地域についても法延長後一定の期間、例えば五年が経過する時点で地域指定の見直しを行うべきであるという指摘がされておりまして、御指摘の道北の産炭地域につきましては、旧産炭地域ということでこの見直しの対象になる地域になるのではないかというふうに考えております。
○中沢委員 今のようなお話だとは思うのですよ、この委員会ではまあそれが答弁の限界かなということをあえて承知で聞いたのであります。
 それで、産炭審のこれからのスケジュールが一体どうなるか、つまり地域の見直しの最終結論がいつごろ出るか、つまりこれは法律の期限切れという、それは前だとは当然思いますけれども、その辺のスケジュールなんかはどうなっているんでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○土居政府委員 この延長法案につきましては、関係予算も提出しておりまして、早期に国会での成立をお願いしておるわけでございますけれども、成立いたしましたら、その後速やかに産炭地域振興審議会を開催して産炭地域振興基本計画を定めることになると思います。その基本計画の中で具体的な地域指定の見直しの基準あるいは圏域を設定することになりますが、個別圏域等についての具体的な内容が定められる予定でございまして、これを踏まえまして実施計画を、原案を道県につくっていただいて、それを審議会に諮って決定するという手続になるわけでございますけれども、いずれにしても平成四年度予算の要求等にも関係する事項もあると思いますので、可能な限り速やかにその手続を進めさせていただきたいと思っております。
○中沢委員 もう時間が参りましたのでやめますが、いずれにしても、再三にわたって大臣にもお答えをいただきました。産炭地域振興臨時措置法という法案そのものも大事である、同時にそれを裏打ちする自治体に対する財政的な措置、それから地域振興に必要な財政的な措置、つまり予算も非常に大事である、そのことを改めて強調して、ひとつ今後大臣の積極的な御努力を御期待申し上げまして終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○麻生委員長 岩田順介君。
○岩田委員 岩田であります。大臣の退席の時間があるようでありまして、せっかくの機会でありますから、ここであえて何点か質問をさせていただきまして、後ほど継続させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 今大臣並びに長官の御答弁がございまして、これから先の石炭に関する施策に対する熱意のある御決意を披瀝していただきましたが、そういった意味では重複するかと思いますけれども、せっかくの機会ですから幾つか御質問をさせていただきたい、かように存じておる次第であります。
 先ほどもお話がございましたが、この答申を受けまして、産炭法の改正につきましては、一つには、厳しい条件がありますけれども基本的には十年延長する。さらには、新しい手法でありますが、県がつくります実施計画につきましては、今のところ感じますには、地方の時代を尊重するといいますか地方自治を尊重する、こういった思想もかなり前進をしたお取り組みがあるのではないかというふうに期待を申し上げているわけです。さらには、振興の基本が、これまでは鉱工業の発展を中心に、言ってみればハードの部分を中心に行われてきた。これが経済や社会情勢の変化からソフト面に大きく門戸を広げる、こういう施策になっていくのではないか、こういうふうに思っているわけでありますが、いずれにしましても、大臣を初め関係者の方々のこれまでの御努力に感謝を申し上げる次第であります。
 私は旧産炭地の出身でありまして、そういう立場から御質問をさせていただきたいと思っておりますけれども、いずれにしましても、十年の延長というのは地元の関係者にとりましては、非常に喜んでおるわけでありまして、ひとまず安心というのが現実ではないかと思っている次第であります。しかし、一方では、先ほどもありましたように個別の見直し、地域の見直し、こういったものが行われておりまして、八次策影響地域、重点地域につきましてはなお厳しい環境と状況が続いていくことは当然考えられるわけです。しかしながら、十年の延長は十年で終わりかどうなのかということはございますけれども、この十年間で何とか一定以上の成果を上げていかなければならないという意味では、私どももやはり不退転の決意で取り組んでいくべきであろうという決意をしているわけであります。そこで、重複するかと思いますけれども、この際でありますから、ひとつ大臣の決意をお聞かせをいただきたい。
 なお、これも先ほどから御質問が出ているわけでありますが、確かに一定のもの以上の施策の効果は私の筑豊にも見えることは事実です。明るい材料も多くなってまいりました。なおかつ、それでもやはり重点地域としての指定をせざるを得ないという状況も、これは現実のものであるわけです。
 資料、統計などを拾ってみますと、福岡県内でも旧産炭地域、六条指定地域とそれ以外の地域の例えば生活環境の状況などを調べてみますと、一時、産炭地域の方が道路の整備だとか改修率だとか、上水道の普及率だとかというのは上回った面があるのですね。それは一つには炭鉱が残していった水道だとかいろいろなものもありますけれども、やはり施策の効用だというふうに思っております。しかしこれから先、先ほどもありましたように、そういったものができましたけれども、道路でも一応整備ができたというふうに思うのですが、肝心なところで詰まってしまっておる。いわゆる圏域を指定されておりますけれども、例えば、田川が北九州と本当に密着連動しておるかというとそうではない。それから、バイパスが来ておりますけれども、飯塚から田川に行っていない、小倉に行っていない、直方から田川についていない、こういうところで、肝心なところでストップしているという状況がありますね。そういった意味からは、どうしても主務大臣といたしまして通産大臣の調整に大きな期待がかかるというふうに思いますが、再度、この辺につきましても決意のほどをお聞かせいただきたい。
○中尾国務大臣 詳細にわたりましては事務方から後で答弁をまた補足するかと思いますけれども、決意のほどといいますか、実は私も余り行ったことはないのでございますが、私の父親は中小零細企業の零細の方に入っておりまして、洋服をやったり、同時にきれをたくさん外国から輸入して戦前販売しておりました。ところが何を思ったのか、北海道に松浦周太郎先生という代議士がおられました、その方のもとで高橋文蔵という道会議員がおられまして、これが私の父のいとこになりまして、それで父もその人から誘われたのでございましょう、私の幼いころでございましたが、炭鉱に手をつけまして、そして余りうまくいかなかったようでございます。そのときに、私も何とはなく父から炭鉱の話をいつも聞いておりましたものですから、私は全然炭鉱県ではございませんし全く関係もないのですけれども、非常にある意味における愛着心というか、ある意味で執着心と言った方がいいのか、そんな気持ちもないわけではございません。個人的にもそんな気持ちの中で、いつも、この間来、石特を初めといたしまして、関心を持ってこの問題を聞いておるわけでございます。
 まず産炭地域の振興に当たりましては、何にも増して、地元関係者を主体といたしました自立的な努力が重要であることは申すまでもないと思いますが、政府といたしましては、各産炭地域の状況等を踏まえまして、今後十年間に、関係省庁の緊密な連絡協調のもとに従来にも増して総合的なおかつ強力な振興策を実施していくことが必要であろう。なかんずく通産省はその主管省でもございますから、そういう点では御指摘のとおり横の連絡、縦の連絡も密にしながら、今審議会中ではございますけれども、その方向ができ次第、それに沿って私も本当に一生懸命努力もしてみたいな、このような決意で考えておることを申し上げたいと思います。ありがとうございました。
○緒方政府委員 先生の御質問の中で、筑豊の地域につきまして、よりきめ細かな、現地の状況に即した施策を講ずべきではないかという御指摘がございましたが、その点につきましてお答えをいたしますと、もちろん、従来からそのように個別の地域の疲弊の現状に応じましてきめ細かな施策を進めるように努力をしてきたところではございますけれども、先生御指摘のような点も確かにあろうかと思います。
 そこで、御案内のとおり、今年度の予算で筑豊地区につきましては、いわば総合的なビジョンづくりのための事業を現在地域振興公団に委託をする形で実施をしておるところでございます。拠点開発基礎調査という名前で実施をしてございますが、これを進めておるところでございます。この地域の総合的なビジョンをつくりまして、これを先ほど来御説明しておりますように、この改正法案が通りますと、いずれ福岡県が実施計画をつくって国の方に出してくることになるわけでございますが、県に策定いただく実施計画をつくる際に、そういうきめ細かな配慮がうまく盛り込まれるようにお手伝いをするということで、今その調査を進めているところでございます。それが実施計画という形で出てまいりました段階で、また関係省庁よく協議をして整合性のとれた施策を進めていく、こういう段取りで考えているところでございます。
○岩田委員 私は先ほども申し上げましたように、炭鉱の上で、石炭の上で育ってまいりました、石炭に携わったことはございませんが。今思い起こしてみますと、炭鉱の傷跡、石炭の傷跡が本当に深く残っているのは当然だなと思う次第でありますが、昭和三十年から三十五、六年にかけての記憶でございますけれども、夜寝ておりましたら、筑豊、私どものところは意外に斜坑の多い炭鉱でございまして、石炭のトロッコがずっと斜坑をおりていきますね。あれは振動が伝わるのですよ。寝ていると、寝れぬくらい伝わるのですよ。それから、ダイナマイトの爆発音がかなりの振動ですね。障子もふすまもガタガタいうのですよ。湯飲みも揺れるくらいの時期がございました。朝起きてみますと、きのうまでなかった亀裂が三十センチくらい裏庭に走るのですよ。たどっていきますと屋敷の中にも入っているのですね。座敷の下にも通っているのです。裏の畑を通りまして、隣の屋敷にいって道路も亀裂する、そういった状況がありましたが、それを炭鉱がボタを持ってきて生ボタを埋めるわけですよ。それで終わりなんです。終わったのですね。炭鉱への信頼度とか依存度が高かったものですから、意外にそういうことで終わったのです。したがって、近所の事件でありますけれども、一軒家でありましたが、屋根まで全部埋没するという事件もありました。したがって、相当乱掘をしたであろうと思われます。
 あれ以来三十五年、国の支援を受けていろいろな施策をやってきてもらっているのですが、一体、十年でできるかどうかというのは、今長官と大臣に決意をお聞かせいただきましたが、これはこれで進めていかざるを得ない、不退転の決意でしなければならぬ。ただ、その場合に、これも要望というかお聞きをしておきたいのですが、今の状況でいくと、心配される点は、確かに示されているような一定の基準をクリアするであろう、財政も人口も。クリアされるであろう。しかし、十年後には今の経済がどういうふうに続くかということはございますけれども、十年たって振り返ってみれば逆に格差が開いておった、一極集中の問題も今大変でございますが、いわゆる周辺の都市とその他の都市との格差はこんなに開いておる。これが今大変心配なのでありまして、そうしないように、今お答えいただきましたように、基本計画をどうするのか、実施計画をどうするのか、それから長官から御答弁いただきましたように、総合的なビジョンをどうするかということが重層的になっていくだろうと思いますけれども、なおかつ産炭地域、旧産炭地域が持っております資源だとか人的資源を含めまして考えますと、やはり心配になるわけですね。そういった格差が一方的に開かないようにどうするか、ぜひこの点につきましては御努力の中心に据えていただきたいと思っておりますが、いかがでございましょう。
○緒方政府委員 産炭地域の振興につきましては、審議会の答申あるいは今回の法律におきまして、先ほど来御答弁申し上げておりますように、疲弊の著しい地域、八次策影響地域を中心に疲弊の特に著しい地域に対して重点的に施策を講じていくということで、そのバランスをとりながら、その地域間のアンバランスが生じないように、特に疲弊の著しい地域に重点を置きながら地域振興策を講じていく、こういう考え方で進めていくわけでございまして、他の総合的な地域開発政策などと相まちまして、均衡のある国土の発展というものに貢献をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○中尾国務大臣 委員の御指摘のとおりに、八次策の影響地域を中心にいたしまして石炭鉱山の閉山あるいは合理化の過程にございますから、今日なお経済的な、社会的な疲弊というものが著しい市町村がある一方、また財政力等が相当程度回復した市町村もあって、産炭地域内でも確かに格差が生じている、御指摘のとおりだと私は思うのでございます。
 そこで、先般出されました産炭地域振興審議会の答申でも、八次策の影響地域等に対する産炭地域振興施策の重点的な実施というものが必要という考え方を打ち出されておりまして、通産省としましてはこのような考え方を踏まえて、今後八次策の影響地域等の疲弊し切った地域、特に著しい地域は、もうそういう疲弊した落差のあるところを中心に施策というものを講じていくのが順当な考え方であろう、このように思っておりますから、そのような方向で進めたい、このように思っております。
○岩田委員 ありがとうございました。
 あと一点御質問をして後ほどに回したいと思います。
 先ほどもお話がありましたし、また長い間この時限立法が続いたなというのが私どもの実感でもあるわけでありますが、しかしこの間、やはり経済情勢も社会構造も一変してまいりましたね。昭和三十五年前後から石炭は壊滅状態になっていくわけでありますが、いわゆるエネルギー政策の転換の時期と相まって、日本の産業というのは太平洋ベルト地帯、臨海地方にずっと移動集積をしていくという歴史をたどってまいるわけですね。石炭の後は繊維であるとか造船であるとか鉄であるとか、いろいろな不況が押し寄せてきて、そのたびに構造調整がなされてまいりましたが、基本的にはやはり内陸部から臨海地方に集積移動するという結果、まあこれは偶然かどうかは別にして、立地的な条件からしまして多くの産炭地域が、内陸部に存在している地域はとりわけそうでありますが放置される、日本の産業政策の推移の中で放置されるというように感じる一面があるわけですね。
 これは筑豊だけ、九州だけではありません。北海道もやはり資源が必要なときには政府が大きな手を当てて、あるいは木材であるとか石炭であるとか集中しましたけれども、その後は九州の内陸部と全く同じく放置されてきた。
 こういうことを考えますと、後ほども御質問をしようと思っておりますけれども、笹生参考人の先日の御意見ではありませんが、やはり国依存の体質があったのではないかという御指摘、それはそのまま受けますけれども、どうしようもない大きな現実があったのではないかということも思っているわけですね。であるだけに大変な施策がこれからも要ると思いますが、そういった観点につきましてはいかに御所見がありましょうか。
○緒方政府委員 内陸部の産炭地域、筑豊地域などはそうでございますけれども、道路でありますとか鉄道でありますとか、そういう交通ネットワークの不備が非常に大きな問題になるということは先生御指摘のとおりであろうかと思います。
 私ども通産省では従来から、公共事業に対する国庫補助率のかさ上げ措置などを通じまして道路等の公共基盤の整備を図りますとともに、税制上の優遇措置でありますとか地域振興公団による団地の造成、設備資金融資等によりまして企業誘致を進めてきたわけでございますが、こういう内陸部に立地をし、いろいろ総合的な施策を考えていかなければならない場合の対応といたしまして、総合的なビジョンをつくって、それに基づいていろいろ施策を総合的に展開していく必要があるだろうということから、筑豊地区につきましては、先ほど御説明しましたように拠点開発基礎調査ということで今年度予算措置をとりまして、現在調査を進めているところでございます。
○岩田委員 これで終わります。後ほどまた質疑をさせていただきます。
○麻生委員長 佐々木秀典君。
○佐々木委員 佐々木でございます。当委員会では初めての質問になりますが、よろしくお願い申し上げます。
 私は、北海道の最も寒いと言われる旭川市の生まれ育ちでございまして、子供のとき、少年時代というのは、私どもの生活あるいは学校でも、暖房というのはもう石炭一つでございました。石炭とは切っても切れないような生活をしてまいったわけであります。
 申し上げるまでもなく、石炭はかっては黒いダイヤなどとも呼ばれたことがあり、戦争中はもちろんのこと、戦後も、我が国における最も重要なエネルギー資源として私どもの生活あるいは産業に重要な役割を担ってきたわけであります。殊に国内の炭鉱業というものが戦後の日本の経済復興について大きな位置を占めた、これももう間違いのないところだったろう、こう思われるわけであります。炭鉱町などについても、旭川そのものにはございませんけれども、戦争中とにかく石炭を多く掘り出さなければならないということで、戦争が激しくなるにつれて労働力が非常に不足する中で、私の亡くなった父親なども産業報国隊などを組織いたしまして、歌志内の地域に同僚とともにこの石炭を掘るのを手伝いに行った。そのさなかに、私も子供だったのですけれども、慰問に行って炭住の状況をかいま見たり、あるいはその活気あふれる炭鉱地域の様子を見聞きしたことなども今思い出します。
 そして、これはきょう特に質問は予定しておりませんけれども、実は私、今社会党の中で朝鮮人の方々などの戦時中の強制連行の問題についての委員会の事務局長をしておりますが、御案内のように戦前、日本の若い方々の労働力が軍隊の兵力になって、それを補完するものとして朝鮮あるいは中国の方々が物すごい数、強制的に日本に連れてこられて、それでさまざまなところで強制労働に従事せしめられた。その中では特に炭鉱地域が多かったことは歴然とした事実でございます。
 私は弁護士としての立場で今から十七、八年前にその強制連行調査をやりました。北海道あるいは九州のさまざまなところで炭鉱地域もお訪ねをして、そういう調査に当たったのですけれども、その中には当時まだ生きている炭鉱もあり、あるいはもう既に廃鉱になったところもありました。ちょうど九州のいわゆる軍艦島というのが廃鉱になることが決まって、もう整理の段階でございましたけれども、あそこに参りまして、その規模の大きさに驚きながら、それがなくなったことについても非常に特殊な感慨を覚え、そしてまた、それがいかに惨めなものかということもつぶさに見た記憶がございます。
 何にいたしましても、それだけ重要であり、栄えていた石炭鉱業というものがこれほどまでにみすぼらしい状態になるということは当時だれも予測できなかったことではなかろうかと思います。そしてこうなったことについては、もちろん昭和三十年代に至ってからのいわゆるエネルギーの流体化革命、これは国際的な潮流になっておりましたから避けられないことではあったかもしれないけれども、しかしエネルギー政策の転換については国としても重要な責任を負っていたわけでありますから、このような趨勢になったその地域について、地域としてどうするかということを考えるために今問題になっている法律がつくられ、これが一定の役割を果たしてきたということはいわば当然のことであったろうと思われるわけであります。そして、先ほども事務方からもお話がありましたけれども、この産炭地域振興臨時措置法が当初の目的のもとでそれなりの成果を上げてきているのだというお話があったこと、これは私どもとしても否定はしないわけですけれども、しかし十全の効果を上げてきたかどうかということについてはやはり問題点が多々あるのではなかろうか。三十年たってまだこの地域の指定の解除に至らない。今、見直しの時期に来ているということだけれども、指定解除になったというのは、言ってみれば昭和六十二年のいわき地域ぐらいにとどまっているというあたりにも、それだけまだまだ問題点が山積しているのだろうということになるわけであります。
 そこで、今回のこの措置法の改正でさらに十年間の延長を決められてこれを活用していくということについては、私どもとしても賛意を表するところであります。そしてまた、従来と違って今度の改正点では、先ほどもお話がありましたけれども、地元の自主性を十分尊重する、関係の地域の市町村長の意見も踏まえて、そして知事に実施計画案をつくらせ、それに基づいて通産大臣が実施計画を決定される、こういうような方向を打ち出されたということについても、私は大変前向きなものと評価をするわけであります。しかしそうである以上、これは仏さんをつくって魂を入れなければならないわけですので、その点について若干の質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、本法の改正案の主要点であります産炭地域振興実施計画の作成手続の変更、これは第四条の一項、三項、四項ということになりますが、これによりますと、道県知事にあらかじめ関係市町村長の意見を聞いた上で実施計画案の作成、提出をさせるというのですから、これを義務づけることになるだろうと思うのですが、これは地方自治の観点からも結構ですし、法の趣旨あるいは自主性の尊重、そして十分に地元の意向に沿ったものにするという点では評価できるのですけれども、それにしても最終的な決定はやはり通産大臣がなされることになる。通産大臣はこれについても十分な、いろいろな御配慮をされるようになっておりまして、審議会の意見をこれまた聞いた上で決定をする、こういうことになっているわけですが、ここで言われている知事が作成し提出した原案に基づくということの意味内容ですが、これはどの程度の意味内容になるのでしょうか。
 結局、最終的には大臣が決定されるわけですけれども、そうなるとこれに拘束されるということではなかろうと思うのですが、ただこれを参考にするぞということなのか。しかし、何といっても、今度の改正の建前からすると相当程度に尊重されるものだろうとは思うのです。しかし、つくられ、出された実施計画案というものがこれまでの産炭地振興についての諸施策の上で、あるいは現実にある諸制度との比較において、そこまではまだ制度的に無理だというような具体的な計画なども入り込んでいる場合に、それについての変更の手続、これはどうされるのか、事前にどういうような調整をされるおつもりか、その点についてひとつお尋ねをさせていただきたいと思います。
○緒方政府委員 御質問の改正点の、第四条の改正のところでございますけれども、御指摘のとおり原案は道県知事が市町村の意見を聞いて策定をする、通商産業大臣は提出された案に基づき審議会の意見を聞いて実施計画を定める、その場合に関係行政機関の長に協議をする、こういう手続になっているわけでございます。したがいまして、原案が提出され、それに基づきまして審議会の意見を聞き、各省の意見と調整した上で通商産業大臣が定めるということになっておりますので、もちろん出されました原案どおりに決定されるということではないわけでございまして、同時に関係省庁との調整を要しますので、それぞれの省庁がつくっておりますそれぞれの地域開発などに関します基本的な計画との整合性というものはもちろんチェックをしなければならないということになろうかと思います。
 それ以上のことにつきましては、これからの運用の問題になってまいりますので、具体的に原案がつくられた段階、そしてそれが出てきた段階で対応してまいりたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、今回の改正の趣旨は、地元道県知事の意向というものを十分に反映したような実施計画を策定したいということでございます。地元の自主性を尊重したいということでございますので、他の条件が許すならば、極力これが尊重されるような、そういう運用を心がけてまいりたいと思っております。
○佐々木委員 従来と違ったやり方をしようという意欲のもとに行われるわけですから、私どもとしても、この知事から出される実施計画案というものは最大限に尊重されるであろう、またされねばならないものだというように期待をしているわけです。しかし、その辺の今お尋ねをしたようなことについて必ずしも明文上、手続的に明らかになっておらないものですから、やはり強権的なということでもいかがか、こういう懸念をいたします。これは出てきてみないとどんな計画案が出てくるかわからない、それを見た上でなければということがおありになることは重々承知をしておりますけれども、しかし、できるだけ地元からの意向を尊重していただきたいということを要望として申し上げておきたいと思いますし、できることならば、変更を要するような場合にはやはり事前に調整を十分図っていただいて、御納得をいただけるようにしていただきたいものだ、こんなふうに思いますので、その点御配慮をお願いしたいと思っております。
 それから期間的な問題ですが、一つには、道県自体で実施計画案をつくってくるというのは、これはもちろん先には大臣のおつくりになった基本計画というものがあって、その辺に基づいておつくりになるわけですけれども、しかし、実施計画案をつくること自体もなかなか大変だろうと思うのです。それが上がってくる、そうすると今度は、先ほどのお話じゃないけれども、関係省庁間の協議がある、そしてまた審議会の御意見も聞く、その上で大臣が決定するということになると、これまた相当な時間がかかるのではないだろうか。せっかく地元の方から練り上げて出てきたものなのでありますから、これまたいつまでも置いておいたということでは、せっかくの計画の実効性という点から問題が出やせぬか。地元としては早くその計画を得た以上、その計画に基づいて実効性のある実施をしてもらいたいということを心待ちにするだろうと思うのですね。この辺の期間的な目安といいますか、これもまた明文上特別の規定はないようですけれども、この辺についてはどのようにお考えになっておるのですか。
○緒方政府委員 実施計画の策定に先立ちまして陸炭地域振興基本計画というものを定めるわけでありますが、これは法案が成立後直ちに、速やかに審議会を開催して定めたいと思っております。その後で実施計画を決めるわけでございますが、道県知事が原案をつくりお出しいただくわけでありますけれども、それを審議会の意見を聞き各省と調整をして定めたものについて、先ほど来御議論ございますように、各省庁の施策の裏づけが必要でございます、平成四年度の予算要求の中にこれら必要なものを盛り込んでいただくことを考えなければなりませんので、平成四年度の予算要求の策定時期を勘案しながらこの実施計画を定めるというような方向で、極力早い時期に定めていくということで努力をしてまいりたいと考えております。
○佐々木委員 そうすると、予算との関連でいいますと夏に概算要求、それから暮れに今度は予算大蔵原案の策定、こういうことになりますけれども、もちろん諸施策は予算と関連することが多いわけですけれども、そのような概算要求の時期あるいは大蔵原案策定の時期、これなどと大体合わせていくというようなおつもりだということですか。その点いかがですか。
○緒方政府委員 御指摘のように、概算要求を出しますのが夏の段階でございますし、予算の政府原案ができるのは年末でございますが、そういう動きと合わせて、基本的な骨格は夏の段階に間に合わせ、正式に決めるのは多少後になるかもしれませんけれども、予算編成の動きとタイミングを合わせるような形で進めてまいりたいと考えております。
○佐々木委員 一応の目安をお聞きしたように思います。大変なことだろうとは思いますけれども、どうか地元の方とも十分に関係各省御協議をいただき、通産は主管省でありますから、鋭意御努力をいただいて、できるだけ早く実施計画ができ上がりますようにひとつ御努力をいただきたいということを御要望申し上げておきます。
 それから、この実施計画の中に盛り込む事項でございますけれども、現在の法律では第四条の中に実施計画に定める事項が列挙されてございます。これだけではどうもいささか足りないのではないだろうかという感じがするわけであります。先般、参考人の方々の御意見を拝聴いたしまして大変参考になりました。またその際の質問で、同僚の中西委員からも御指摘があったと記憶しておりますけれども、例えばこの実施計画の中に盛り込むべき事項として、四条二項の列挙事項のほかに教育だとか福祉だとか文化などというような事項についてもこの実施計画の中に盛り込むべき事項とすべきではなかろうかというように考えるわけであります。
 それと申しますのも、この教育、文化、福祉という問題は、その地域の振興、町づくりを新たに考えるという意味では大変大事なことになっていくのではないか。設備や物などがあってもやはり人のことを考えていかなければ、これはまた仏つくって魂入れずということになる、総合的な地域の振興策としては欠けることになってしまうのではないかということを心配するからです。そして、例えば昭和三十九年十二月、第二次石炭鉱業調査団では答申を出しておるわけですけれども、この中でも、産炭地域が経済的に疲弊する、その影響というものは、例えばその地域に非行少年を増加せしめるとかあるいはスラム街をつくり出すというような、社会状況を悪化させるような影響も無視するわけにいかないんだ、これを重視しなければいけないということが指摘をされております。
 確かに、炭鉱が廃鉱になる、あるいは縮小される、それによって非常に多くの方々が離職を余儀なくされる、私どももそういうニュースがテレビで流れるのを見るにつけても、本当にお気の毒な状況に心を打たれるわけでありますけれども、それは、ひとり働いていた労働者だけの問題でなくて、その家族を塗炭の苦しみに陥れることになる。ましてその子弟、特に子供たちに対する影響というものはどんなに大きなものがあるかはかり知れない。町全体も暗くなる、家庭の中も暗くなる、父親も母親も絶望の状況になっているようなことでは、子供たちもまたその心情においてむしばまれるということは当然あり得ることでありまして、その答申で指摘されておりますような非行少年の増加というのは、決してその子供たちの責めに帰すべき問題ではなかろうと思うわけであります。そういうようなときにこそ教育環境の整備、あるいはその子供たちを支えるような対策、これをしっかりやっていかなければならないだろうと思うわけであります。こういうことについて、特に今度は法律の中で、私どもとしても修正まで求めるというような時間的な余裕はないのが残念ですけれども、本来ならこの条項の修正まで求めたいとすら思っているような気持ちですけれども、これについてお考えがございましたらお示しをいただきたいと思います。
○緒方政府委員 産炭地域の振興にとりまして、施設だけではなくて教育、文化、福祉といったものの振興が非常に重要であるというのは御指摘のとおりでございます。したがいまして、従来から道路等のインフラ整備に関する事項などとあわせまして、教育、文化、福祉に関する事項につきましても産炭地域振興策の中で取り上げてきているわけでございます。
 法律の読み方でございますが、現在の産炭法の四条二項の第六号に「その他当該地域における鉱工業等の振興に関する重要事項」というのがございます。実はこの条項の解釈、運用によりましてこれらの教育、文化、福祉等に関する事項を読んでおりまして、これまでにも、その結果、教育、福祉、文化に係る施設等につきましては、同法十条の道県起債に係る利子補給制度の適用、あるいは十一条の国庫補助率のかさ上げ措置等が現に適用になってきているところでございます。
○佐々木委員 できることなら条文上の記載というのは、例示的であってもやはりなるべくはっきり明確な方がいいわけでありまして、四条二項の六号で「等」という中に入っているものとして読み込むというのは常識的にはなかなか難しいのですけれども、運用上はやむを得ないことかとは思います。これは、この間の予算委員会でもさんざん問題になった中東戦争に関しての例の自衛隊法の百条の五の読み方にしても、私ども法律家としてはいささかやはり拡大解釈のそしりを免れないのではないかと思っておりますけれども、それに比べれば、ここで「等」の範疇の中に今の文化、教育、福祉を入れ込むというのはまだ何とかなるかなというような感じはいたしますけれども、できることなら本当はこの辺の改正もお願いしたかったな、こんなふうに思います。しかし、いずれにしてもこれは重要なことでありますので、しっかりひとつ実施計画の中にも入れ込むように指導していただく、あるいは御指導なさらなくても当然地元からも上がってくるのだろうとは思っておりますけれども、特にインフラ整備の問題とあわせてこの点については力を入れていただきたいと思います。
 それと申しますのも、一つは教育のほかに福祉の関係でいっても、生活保護率が産炭地域は非常に高いですね。例えば昭和三十五年の全国市町村平均でこの生活保護の対象率というのは千人当たり十七・六人、それが昭和四十年にはむしろ全国平均では十六・三人に減っているにもかかわらず、逆に全産炭地域では、昭和三十五年で二十七・七人だったのが四十三・二人というように急速にふえている。そしてまた六条地域をとってみれば、これは三十八・五から六十九というふうに物すごい激増です。こういうことを見ましても、いかにここの疲弊の状況がそれぞれの生活に悪影響を与えるかということがうかがわれるわけでありまして、ソフトの面をどうか重視していただいて実施計画を立てていただくように、特にこれをお願いしておきたい、こんなふうに思います。
 それから、先ほど来局長の方からも、実施計画の決定については関係省庁間の協議を十全にやっていく、大臣の方からもそれについての意気込みの御説明があったわけですけれども、この実施計画の策定もそうでありますし、それからまた、決定された実施計画を今度は具体的に実施する、実効性ある実施に移すという段階でもこれまた各省庁間の協議、それからまた関係機関、これは審議会を含めてですけれども、あるいは公団もありますが、こういうところの御協力というのは従来にも増して非常に緊密なものにさせなければならないと思いますけれども、これもまた言うはやすく行うはなかなかかたいと思うのです。お聞きするところによると従来、関係十四省庁の連絡協議というものもあったようですけれども、これの計画案の策定、実施について、この関係機関間の協議、これについては何らかの特別な機関などを設けるような方策はお持ちになっているのかどうか、その点はいかがですか。
○緒方政府委員 関係各省庁間の連絡協調体制の緊密化が重要であるというのは御指摘のとおりでありまして、審議会の答申でも指摘をされており、私どももそのように肝に銘じておるわけでございますが、先生ただいま御指摘がありましたように、従来から各省間の連絡体制につきましては、産炭地域振興関係各省庁等連絡会というのを設けておりまして、これに基づきまして随時協議をしているところでございます。
 今度の改正後の実施計画の策定あるいは運用等につきましても、これらを必要に応じて随時開催をするとともに、もちろん必要がありましたら個別各省にも連絡をいたしまして、緊密な連絡協調体制のもとに進めてまいりたいと考えているところでございます。
○佐々木委員 先ほど実施計画をつくるについての一つの時期的な目安というのはお示しいただいたわけですが、今度は、できたものについて早急に実施に着手していただかなければなりませんし、またその計画を早急に進めていただかなければならない。その段階でもその都度の協議が必要になってくると思われます。その関係する施策、諸策というのは非常に広範にわたるだろうと思われるわけですし、従来から、どうも行政は縦割り行政の弊がこういう場合に出てくるということも指摘をされておるわけですけれども、総合的に、そしてまた一体的にこの計画の実施方を進めていただくことが特にこの地域振興策では必要だろうと思いますので、どうかこれについては特段の御工夫をいただいて、そういう縦割りだという弊害のために進まないということのないように積極的な推進策を考えていただきたいということを御要望申し上げておきたいと思います。
 それから、これもかねがねもう質問でも出ていることですが、八次策以後の石炭政策を一体どうするのかということ、これは現在審議会の方でも御検討いただいていると聞いておりますけれども、特に私はガットとの関係についての心配もあるものですからお聞きをしたいと思うのです。
 つまり、この石炭政策あるいは国内炭の位置づけ、こういうことについて政府としてこれからどう考えていくのか。第九次策をつくるということまではまだ開陳されておられないわけで、これは審議会の方の答申を得てということになるのだろうと思いますけれども、ただ、私ども懸念をしておりますのは、この平成四年度以降の総合的石炭政策について石炭鉱業審議会で検討中だということでありますが、これまでお聞きをするところによりますと、審議会の中ではいろいろな御意見がある。特にその中で、一部から、エネルギー政策上の国内炭の役割はもう既に終了している、最終的には国民経済の負担はゼロとすべきというような見解も開陳されておるやに承っております。これはかねての前川レポートなどにもこの趣旨の線が出ているのではないかと考えられるわけですけれども、したがいまして、これはガットとの絡みというものもこの辺との関連が出てくるのではないかと思われます。
 これに対して、北海道鉱業振興委員会というところで平成二年の十一月に答申書を作成しておりますけれども、この中では、国内炭というものは今なお重要なんだ、石油の代替エネルギーとして引き続き利用の円滑化を図るべきであるということ、それからまた、現存する炭鉱は非常に少なくなりましたけれども、これについては存続、安定を図るべきだということ、したがって国内炭の生産については継続し、需要の確保を図るべきだということ、そしてまた需給との関係では、一番問題になっているのは、やはり輸入炭との価格差に問題があるから、この価格差については補給金について検討すべきだ、あるいは国内炭の基準価格制度についても堅持すべきだ、あるいは輸入数量の割り当て制度というものも堅持すべきだというような意見が出されて対立をしておるわけであります。
 申し上げるまでもなく、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおいても、最大の石炭の輸出国であるオーストラリア、豪州あたりからは、この石炭保護政策の撤廃などについても日本に対しても要求が出されているようにも聞いているわけですけれども、これにどういうように対処していくかということは、やはり政府としても今後の石炭政策、特に国内炭についてどうするかということのお考えをお持ちにならないと、具体的な折衝の場でも非常に混乱をするのではなかろうかとも思ったり心配をしておるわけであります。私は農林水産委員で、お米の問題など、これまた市場開放の問題で大変心配されておりまして、昨年の十二月にもブリュッセルに私どもも行ったわけですけれども、このガットとの関係でも心配がありますので、現時点での政府としてのこの国内炭に対するお考え、いわば石炭政策というか、この辺についてを長官、あわせて大臣のお気持ちもお伺いをしておきたい、こんなふうに思います。
○緒方政府委員 今後の石炭政策のあり方につきましては、昨年の九月に石炭鉱業審議会に諮問をいたしまして、現在、六月ごろ答申をいただく方向で鋭意審議をしているさなかでございます。その議論の中で関係団体等からいろいろな意見の開陳がございまして、委員の方々からも意見の開陳がございましたけれども、審議会におきましては、エネルギー政策上の位置づけ、あるいはまた産業構造調整上の位置づけ、そしてまた地域経済社会における役割等多角的な観点から議論をしているところでございます。
 議論は大体三つぐらいに整理できるのではないかと思いますが、一つは、先生御指摘がありましたように、既に国内炭のエネルギー政策上の役割は終了したという認識で、最終的にはゼロまで持っていくべきだという意見でございます。第二は、これはやはり国内炭に一定の役割があるのだから、現存炭鉱の存続を図りながら諸施策を、多角的な地域づくりを目指した施策を講じていく必要があるというもの。第三の考え方は、国内炭の役割は減少しつつはあるけれども全く失われたわけではないという認識のもとに、九〇年代を構造調整の最終段階として位置づけて、八次策以降においても構造調整の過程を継続しまして、ある種の均衡点まで、経営の多角化あるいは新分野の開拓を図りながら国内炭生産の段階的縮小を図るべきだ、こんな考え方に類型化されようかと思います。
 こういう基本的な考え方に加えまして、石炭の需給・価格問題あるいは地域振興対策問題あるいは鉱害対策問題、離職者対策などを含めまして総合的に検討して、六月ごろに答申をいただくように現在鋭意検討している段階でございます。
○中尾国務大臣 まず冒頭に、先ほど佐々木委員から御尊父のお話が出まして、私も若い代議士のころに、大変に濶達にして尊敬すべき方だなと、いつも御指導賜っておりました。私も農水の委員もしばらくやっておりまして、そのときに農水の委員長もされておられまして、どのくらいお世話になったかわかりません。まず厚く御礼を申し上げたいと思っておる次第でございます。
 そのときにも、よく雑談の中で石炭の話を教えていただいたようなこともございまして、懐かしく思い出したわけでございますが、先ほどの国内炭の役割ということで、今長官も三点にわたって言われましたから、私の言うべきことを少しく簡潔にさせていただきたいと思います。
 第八次石炭政策の答申につきましては、なおまだ国内炭も相当の役割を果たすべきものがあるのではないかという観点から、他方ではまた海外炭の供給が安定化しておりますし、大幅な内外炭の格差等の存在も見過ごすことはできませんものですから、その役割の程度が従来に比べて変化しているということだけは私どもも考えていかなければならぬことだなと思っておるわけでございます。しかしながら、現時点においては、第八次答申時に比べまして我が国の石炭業をめぐる環境というものは極めてさらに厳しくなっているということは否めない事実でございます。すなわち、内外炭格差というものは依然として大きくて、二倍以上で定常化しておるということになりましょうか。そういう点、ユーザー業界の負担も含めまして国民経済的な負担というものが大きくなっていることは、まさに先ほど言ったように否定できないということでございます。現に、石炭鉱業審議会におきましては、ユーザー業界や財源を負担している石油業界からも、石炭政策のあり方については極めて厳しい意見が出されているところでございます。
 また、御指摘ありましたウルグアイ・ラウンド等の国際的な議論の場における我が国の石炭補助金に対する批判というものの動向も十分踏まえる必要があるかな、このようにも考えておるわけでございまして、これは特に先方いろいろと言っておりますが、ガットの問題等も踏まえまして、私どもの立場もございますから、言うべきことはきちっと言わしてもらう、日米構造協議の問題などでも、単なる出されておることをうのみにするということでなく、あくまでも私どもの立場を踏まえましてこの点は対応していくということには私なりに決意を持っておる次第でございますから、その点も御承知おき願いたいと思っておるわけでございます。
 いずれにしましても、今後の石炭政策につきましては、石炭鉱業審議会に本年六月を目途に答申をいただきまして、その内容を踏まえまして適切な施策というものを講じていくことをお約束申し上げたいと思っておる次第でございます。
○佐々木委員 時間が参りましたので一応、お尋ねはほかにも予定しておりましたが、この程度にしたいと思います。何にいたしましても、例えば緩やかで段階的な縮小をとうたっていた八次策のもとでも主要な炭鉱がばたばたといってしまったわけですね。そんなことを考えますと、国内炭をどうするのか、今残存している炭鉱をやはり守っていくのかどうか、そういうような政策がしっかりしていなければ、幾ら現にあるものは残したいのだと言っても残り切れない。八次策でもそうだったわけですから、もっと急速に、縮小だけにはとどまらず廃鉱にまで追い込まれる心配というのは一層深刻なものになってくるのではなかろうかと思われるわけです。
 ガットの関係でいけば、日本はほとんどと言っていいぐらい石炭は輸入しているわけですから、そんなことを考えますと、決して豪州あたりが言うように、オーストラリアが言うように石炭貿易を阻害するなどというようなものではない、今やっている補助政策にしても。しかしここのところは、それにしても石炭政策というものがはっきりしなければそうした無理難題にもきちんとした対応ができないのではないかということを非常に心配いたしますので、できるだけこの点については明確な姿勢を打ち出していただいて、それでまたガットなどにも対処していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○麻生委員長 田口健二君。
○田口委員 非常に限られた時間でございますので、幾つかに絞ってお尋ねをいたしたいと思いますが、最初に通産大臣に対しまして御所見をお伺いしたいと思います。
 私は今日まで約四十年近く自治体関係の仕事にずっとかかわってまいりました。そういう意味で、出身地であります長崎県の各自治体の状況というのはかなりつぶさに身をもって感じてまいりました。とりわけ長崎県の旧産炭地域というのは、県の北部の地域のほとんどの市町を含んでおりまして、二十二の市町、県の人口にいたしまして約三〇%という現状にあるわけであります。確かにこの三十年間さまざまな振興のための施策が実施されてまいりましたから全然変わらないというわけではありませんが、どうしても地理的な悪条件、そういうものもございますし、なお今日に至るまで、他の地域に比べましても、経済的にも生活的にも疲弊をしておるのが率直に言って現状だというふうに思っております。
 とりわけ八次策の中で、先日私も本委員会で申し上げましたが、ちょうど大臣は席を外されておりましたので、高島鉱が百五年の歴史に幕をおろしまして閉山となりました。私も閉山前からそのずっと後までこの問題にかかわってまいりましたが、先般も申し上げましたように、高島の場合には一島一町という立地的には大変悪条件でございました。そういう関係もあって今日、国やあるいは県、地元の町などが一生懸命努力をしてまいりましたが、例えば企業誘致にいたしましても、本当に小さな企業が六社、従業員にして全部で百二十人、こういう程度であります。閉山当時五千四百人おりました町民は現在千二百人ですから、四分の一以下になっている。まさに地域そのものが崩壊をするという状況にまで立ち至っておるわけです。
 今回、産炭地域振興法の一部改正が提案をされておるわけで、まあ十年間の期間延長ということでお考えになっておるわけですが、こういった産炭地域、旧産炭地域を含めて、これらの地域の振興にはやはり相当強力な援助がなければなかなか振興というのは難しいのではないかというふうに思っています。そういう意味で、この法案を提案するに当たってこうした産炭地域の振興について、ひとつ大臣の基本的な御所見をお伺いをしたいというふうにまず思っています。
○中尾国務大臣 田口委員にお答えさせていただきます。
 ただいま御指摘いただきました産炭地域の振興対策につきましては、これまでの地域振興整備公団によります企業誘致のための諸事業、地方自治体に対する財政支援などを通じまして相当程度の効果が上がったものとは考えておりますが、今後の産炭地域振興対策のあり方につきましては、昨年十一月の産炭地域振興審議会答申におきまして、地域指定の見直し、八次策の影響地域等を中心といたします施策の拡充、産炭地域振興実施計画の実効性の確保というものが示されてきたところでございます。通産省といたしましては、この答申をまず第一に踏まえまして、今回改正法案を提出したほかに、三年度の予算案においても、委員御指摘のような必要な措置を盛り込んでいるところでございまして、今後とも必要に応じて、先ほど委員の言われました財政の問題も十分にこれを踏まえたつもりで施策の拡充について検討していくという決意であり、またそのような方向で私も指導させていただければ、このように考えておる次第でございます。
○田口委員 次に、いわゆる実施計画の問題でお尋ねをしたいと思うのです。
 先ほども同僚委員の方からの質問もありましたのですが、新たに市町村長の意見を聴取をしながら道県知事で計画を作成をする、これは確かに私も、ある意味では地域の現地の実情に即した計画という点では大変いいことではなかろうかというふうに思っている。ただ問題は、実施計画といいますけれども、余りにも漠然として、一体どういうものになるのか、今大臣もおっしゃいましたが、実効性の確保ということになれば、もう全くわからないのですよね。これは県の担当者などに聞いても、一体どういうものになるのだろう。通産省だけでこの計画といいますか、その政策の中でやれるものであればもうわかるのですけれども、幾つかの省庁にまたがってこういう計画の中身というのが関係をしてくるわけですね。だから、道路整備の問題にしても水資源開発の問題にしても、あるいは工業団地の造成等の問題にしてもそうなんですね。その辺を、まあ今の段階ですからまだこうだとは言えないかもわかりませんが、少なくとも通産省の方でこれからそういう指導もされるわけでしょうから、どういうものを考えておられるか、ある程度アウトラインでも結構ですから、ひとつわかっておれば知らせていただきたいと思うのです。
 それから、一つは計画の区分ですね。これは例えば地域生活圏区分で計画を策定をするのか、それとも例えば県全体を一つの地域として策定をするのか、その辺についてもひとつお答えをいただきたいと思います。
○緒方政府委員 実施計画の策定につきましては、もちろん私ども通産省と県の担当者の間でいろいろ打ち合わせをし、意思のそごを来さないように十分事前の準備をしてまいりたいと思っておりますけれども、実は先生御案内のとおり、実施計画というものは今回初めてつくるわけではございませんで、現在までに通産大臣が定めました実施計画というものはあるわけでございます。それからまたこれに関連いたしまして、各道県知事は、法律に基づくものではありませんけれども、発展計画と称します計画をそれぞれの県ごとにつくりまして、国との間で意見交換をしております。ですから、見方を変えて申しますと、従来法律に基づかないで各県県知事がつくっておりました発展計画というものを今度の法律改正で正式に法律上位置づけをしたという言い方もできようかと思いますので、何か全く新しいものをつくってイメージが定着しないということではないのではないかというふうに考えております。いずれにいたしましても、担当者ベースでよく打ち合わせをした上で進めてまいりたいと思います。
 それから、二点目の御質問の実施計画の区分は、圏域ごとに策定をするということになってございます。
○田口委員 次にお尋ねをしたいのは、いわゆる地域指定の見直しという問題を大変地元の方でも心配をしておるわけですね。これは今後の検討事項になるのかもわかりませんけれども、ひとつ具体的に、例えば圏域についての見直しはどうする、あるいは市町村については、二条、六条、十条というふうにありますが、それぞれについてどういうお考えを今お持ちになっておるのか、そのことをお尋ねをしたいと思います。とりわけそれに関連をして出てくるのが、見直しということになれば、時期的な問題もありましょうが、やはり激変緩和というのはだれしもが考えることでありますし、それらについても現在の段階でどのようなお考えをお持ちなのか、お示しをいただきたいと思います。
○土居政府委員 地域の見直しについての基本的な考え方につきましては、先般の産炭地域振興審議会の答申においてその考え方が示されておるわけでございますけれども、基本的には、八次策影響地域等の重点対象地域以外の旧産炭地域につきましては、二つの考え方といいますか、先生から御質問がありましたように、圏域としての見直しという問題とそれから市町村としての見直しという二点から基本的な考え方が示されております。
 それで、圏域指定の見直しにつきましては、答申におきましては、閉山による疲弊から回復したと考えられる地域あるいは閉山による影響が著しく希薄化したと認められる地域について、法廷長に際して一定の基準に照らして指定を解除する、その解除の基準についての考え方につきましては、当該圏域の市町村の財政力指数、これをもって回復の程度をはかり、それから当該圏域におけ・ろ過去の閉山量とか閉山からの経過期間、これを勘案する、あるいは現在その地域に残っております閉山の影響等について具体的にしんしゃくして基準をつくる、そういう考え方で、圏域について一定基準以上のものについての指定の解除をすべきであるという考え方が出ております。それから、こういった基準に該当しない地域についても、先ほどのように重点対象地域以外の旧産炭地域については、法廷長後一定期間、例えば五年が経過した時点で地域指定の見直しを行うべきである、そういう考え方になっております。
 それから、市町村の見直しの問題につきましては、いずれにしても圏域の見直しとは別に、指定が継続される圏域につきましても六条市町村、十条市町村、二条市町村ごとに地域の見直しをすべきであるという答申になっておりまして、六条市町村につきましては、財政力指数等によりましてやはり一定以上の市町村につきましては六条市町村としての指定を解除する。十条市町村につきましても同様の考え方が示されております。二条市町村につきましては、むしろこれは当該経済生活圏域の広域的な発展のために必要であるかどうかという観点から、もう一度全体としての圏域の見直しという角度から見直しを行うということになっております。
 最後に御質問がありました猶予期間等激変緩和措置につきましては、答申の基本的な考え方におきましては、解除基準に該当することとなった年度の翌々年度末まで猶予期間を設けるという形で激変緩和措置を講じるということになっています。
○田口委員 それでは最後に、この六条関係で、地方交付税による補てん措置の中で、政令で改めて新たに追加をするという考え方が出ていますが、その政令の具体的な中身についてお考えがあればお知らせをいただきたいと思います。
○土居政府委員 ただいま御質問ありました地方税による減免補てん措置の対象業種、これは政令で新たに定めることになっておりますけれども、これにつきましては、今般の税制改正要求等におきまして、産炭地振興対策としての税制上の支援措置の対象業種、これを製造業からその他産業に広げていくという要求を出しまして、一応四業種が対象となることに決まっております。
 これにあわせまして、この地方税の減免補てん措置につきましても、政令では、当該四業種、すなわち情報処理サービス業、道路貨物運送業、こん包業、自然科学研究所、この四業種を指定する方向で現在各省と協議を始めているところでございます。
○田口委員 もう時間もなくなりましたからこれで質問を終わりたいと思いますが、大臣今ちょっと席を外されましたけれども、先ほども私申し上げましたように、第八次策の中で高島鉱が閉山をいたしまして、現地の皆さんとともに私どもも大変な苦悩を味わってまいりました。長崎県は最盛時には百十七の炭鉱がございましたけれども、現在は池島鉱ただ一鉱を残すのみというふうになっております。大変また地元の方々も心配をしておるわけです。
 間もなく九次政策についての答申も出てくるだろうというふうに思いますが、現行の体制を絶対に維持をしてもらう、こういう立場で今後とも通産省もひとつ頑張っていただきたい、このことを最後にお願いをいたしまして質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○麻生委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 質問に関連して若干、各党で今附帯決議の内容を詰めておりますので、これに関連して三、四点伺っておきたいと思います。
 今度の改正案は、旧法第四条第三項に二年以内に実施計画を定めるという期限があるのですが、この期限は削除されておるわけであります。私の解釈では、逆に二年以内に、二年かからないで実施計画をつくるんだ、別に二年なんということは必要ない、こういう意味で削除されたと思うのですが、この点どうかというのが一つです。
 もう一つは、これからの重点地域に対する産炭地の対策は極めて数が限られてきておるわけです。そうしますと、やはり通産省がある程度指導的にでき得る産炭地域振興政策というものが十分検討されなきゃならぬのではないのか。現在、産業構造の調整だとか、それには産業立地の調整も含んでくることは当然だと思いますし、素材産業などは今その対象業種としていろいろ検討されておる、こう思うわけです。これは通産省内の問題でありますから、そういう意味では、これらの産業立地の調整も通産省としてひとつ積極的に検討して進める、こういう御意思が含まれておる、こう理解しますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○緒方政府委員 第一点目の、法律の第四条三項の規定でございますけれども、これは昭和三十六年に法律を制定いたしましたとき、一番最初のときに、実施計画というものを法律制定から二年以内につくらなければならないんだということを決めたものでございます。今回は法律の改正でございますので、先生御指摘のように、二年待つまでもなくできるだけ速やかに実施計画をつくりたいというふうに考えてございます。
 二点目については石炭部長の方から答弁をさせていただきます。
○土居政府委員 御指摘のありました通産省の総力を挙げていろいろな行政を産炭地に集積すべきであるということで、例として素形材産業の移転の問題もお話ございましたけれども、先生御指摘のように、これまでも工業技術院その他関係原局の総合的な協力のもとに進めてまいりましたが、この素形材産業の産炭地への立地の問題等々、産業立地政策も含めて省内での協調を密にして今後努力してまいりたいというふうに考えております。
○岡田(利)委員 第八次石炭政策影響地域というのは第九次政策においても影響を受ける地域と全く同義語である、こう理解するのが当然だと思うのですが、そこで、今十九の経済生活圏があるわけですが、八次の影響地域の経済生活圏はちょうどそのうち六経済生活圏ということになります。そのうち五つがまだ炭鉱があって、一つは炭鉱が既に消滅をしておる、これはアンダーグラウンドの面で申し上げておるわけであります。そういう意味で、この重点施策をするという意味においては、当然これらの地域は第六条や第十条の指定等も受けてそれらの施策を受けることは当然でしょう。ただ、八次の政策影響を受けている地域外であっても極端に疲弊している地域があるわけですね。例えば筑豊のように鉱害もまだ残っておるというような地域があるわけです。これはやはり八次の影響地域に準ずる、こういうふうに、我々は八次影響地域等ということで各党で今話し合いも進めているわけです。したがって、そういう気持ちはこの八次政策を重点としてやるという場合と全く同じような認識ではないのか、こう思うのですが、この点はどうかというのが一つであります。
 もう一つは、産炭地の臨時交付金というのがあるわけです。だが、これは今はずっと広がっているものですから、一定の基準で支出されているわけでありますが、これらについても重点施策を実施するということになりますと今後検討の対象になる、その結論はどうかは別にしてそういう点も検討になる、こう理解してよろしいでしょうか。いかがでしょうか。
○土居政府委員 ただいま先生御指摘がございましたように、八次策影響地域、これはその大部分が、ほとんどが稼行炭鉱のある地域でございますが、これについては重点対象地域として施策を講じろというのが審議会の答申でございますし、それから先生御指摘がありましたように、八次策影響地域だけではなくて旧産炭地域であっても、閉山による影響がなお著しく残存しておって当該地域の発展をかなり阻害していると認められる地域については、八次策影響地域と同様の支援策を講じろという答申にもなっております。したがいまして、これを受けまして対策の強化を行っていくということでございますけれども、ただ施策の内容につきましては、やはり八次策影響地域とその他の地域では政策手段が違うところが出てくるかもしれませんけれども、その点を除きましては同様の対策を講じていくということになっております。
 それから、御質問がありました産炭地域振興臨時交付金の強化につきましても、これはやはりこういった八次策影響地域等についてさらに対策を強化していくという方向が指摘されておりまして、既に平成三年度におきまして閉山基準額の引き上げ等々、八次策影響地域への対策の強化に踏み出しているところでございます。
○岡田(利)委員 指定解除の問題について、これは現行制度でも指定解除が行われているわけですから、現行基準で指定解除が行われる圏域も当然あるでしょう。それから、二年間の猶予期間があるわけですから、二年間の猶予期間を置いて、今度は検討された基準において経済圏ごと、あるいはまた経済圏内の著しく財政力指数等が改善されておる町村が解除になる。二年の場合は経済圏だけなのか市町村も含めるのか、二年と五年は、今私が言ったように同じような考え方で指定解除が行われる、五年後は見直しが行われる、こういう理解でいいかどうか、この点を御答弁願いたいというのが一つ。
 もう一つは、今せっかく第九次政策が石炭鉱業審議会で審議されているわけですね。先ほど石炭部長もその点に触れて答弁しているわけです。そうしますと、当然炭産地振興に関連する内容も答申されると思うのですね。したがって答申されると、この法律は十一月ですから、答申を受けてから法を改正するというのが本当は一番いいんですよね。ところがどうしても四月一日にスタートしたいというものですから、そうすると六月に答申になって、合理化の方は来年になる、政策はできるものはすぐしなければならないということになりますと、第九次政策の答申で出てくる産炭地政策に関連する諸政策についてはこれに補完されるものである、こういう建前で今回の法の改正延長を提案しておる、こう理解していいかどうか、この点です。
○土居政府委員 二点お尋ねの、第一点の地域の見直し基準の適用の問題でございますけれども、先生御指摘がありましたように、法延長に際して見直しを行えということで一定の基準の考え方が出されておるわけでございまして、法廷長に際して指定の見直しを行う、その場合指定解除される地域についは二年、足かけ三年の激変緩和措置を講じろというのが答申の趣旨でございます。それから五年後に見直しを検討する、例えば五年ということになっておりますれども、この五年の考え方につきましては、法廷長から五年までの間についてはこの基準を順次適用するということでございます。旧産炭地域につきましては、原則として、例えば五年ということになっておりますけれども、例えば五年後に解除をするという考え方で見直しをしろというのが答申の趣旨というふうに理解しております。
 それから、今回の法廷長に伴います措置と、石炭鉱業審議会で現在検討されております今後の、平成四年度以降の石炭政策の中で検討されております産炭地対策、これとの関係でございますけれども、先ほど来御答弁しておりますように、この法律に基づきます基本計画、実施計画の策定作業というのも来年度の予算編成に向けてできるだけ早期にやっていくということになっておりますが、一方で石炭鉱業審議会の答申も六月答申ということを想定しております。したがいまして、その作業スケジュールがうまくかみ合えば、実際にその基本計画、実施計画に石炭鉱業審議会の答申が反映されて、さらに対策の中身について追加されていくことがあり得ることは考えられるところでございます。
○岡田(利)委員 私は既に縮小交付金制度の再検討という問題を提起しているものですから、今答弁のように当然検討されて強化されるものと理解いたします。
 最後に、これは答弁要りませんけれども、最近気にかかることが一つあるわけです。前回の鉱業審議会の中に出された石炭政策の財源の問題について、事務局は事務局案を出したわけですね。従来の石油関税の財源を廃止して輸入石炭に財源を求めるか、あるいはまた一般財源を充当するか、どういう形にしたらいいでしょうかというのを提唱しているわけですよ、これはもう報道されているわけですから。これは非常に重大な問題だなと私は思うのですね。審議会で出たわけじゃないのですから、エネ庁で出したわけでしょう。通産省として一応そういう試案を出した。
 二年前にそういうことがあったわけですよ。そうして一般財源から特別会計に金を入れるということで大問題になって、長い時間をかけて我々も大蔵省といろいろやって、最終的に現行制度が残ったというのが二年前のいきさつなんですね。これはそれだけ重要な問題なんですが、事務局がそういうものをぽっと審議会に出すということはいかがなものか、こう私は思うわけです。きょうは時間がありませんから答弁も議論も要りませんから、重大な関心を持ってこの問題については注目をしているということを申し上げて、終わります。
 ありがとうございました。
○麻生委員長 岩田順介君。
○岩田委員 先ほどに続きまして質問をさせていただきたいと思います。
 前回の委員会で参考人の方々の御意見を伺いまして大変参考になったわけであります。その際に幾つか、これまでの産炭地域振興施策において反省する点、欠陥の点があったのかどうなのか、こういう点についてもいろいろ御質問があってお答えになっているわけでありますが、私もひとつその点についてお伺いをしたいと思います。
 企業の社会的責任ですね。先ほども未利用地の問題等の質問がございましたが、やはりこの点はかなり大きな問題であろうというふうに思います。現実、私も昨年当委員会の視察に参加をして九州四県を回ってまいりました。知事を初め関係行政機関の方々の陳情を、要望を受けてまいったわけでありますが、おおむねやはり、鉱害の問題であるとかボタ山の問題であるとか住宅の問題であるとか、炭鉱の所有する未利用地の問題、これが非常に障害になっている。
 確かに平成三年度から一定の国の事業援助というものがありまして、これは評価をするわけでありますけれども、一体それくらいで現地の自治体が実施計画を今からつくっていく、振興計画をつくっていく上で果たしてイメージが変わるのかどうなのか。そして基本的には、市町村が考えておりますような、道県が考えておりますようないわゆる総合的な開発をする上に大きな障害になっているわけですから、そういった点を考えますと、評価はするんだけれども、もう一つやはり国の大きな力というものがなければどうしようもない、こういったことが現実問題であるわけであります。しかも一定の期限が、十年ということが限られているわけですから緊急を要する事態ではないかというふうに思います。何度も御質問がありますが、改めて地元の問題等も考え合わせてみますと、極めてゆゆしき問題と言わざるを得ないというふうに思います。
 北九州の労働組合の皆さんが、数年前でありましたが、鉄が不況になる、寂れていく、どうかしなければならぬ、それでピッツバーグに派遣をしたことがあるのですね、私は参加をいたしませんでしたけれども。その報告を聞いてみますと、USスチールからUSXに変わっていくのですが、筑豊や北九州、九州の場合を見てみますと、いわゆる経済が悪くなったら資本はずっと移動するか東京に帰ってしまうのですね。石炭はもう最たるところなんですよ。ああいう広大な土地を残す、炭住もそのままでありますけれども、USXの場合はそこに頑張って雇用の拡大をするということで成功した一例ではないかと思いますね。
 日本の場合は極めてそれが違う。ここに来てやはり大胆かつ力のある振興策の一つとしてその点についての改善をお願いしたい。いろいろそれはありましょう。先ほどお話がありましたような金融担保の問題もそれはあることは存じておりますけれども、そういったことでは前進をしないという現実をどうするかという問題ですね。まず、その点について再度お尋ねをしておきたいと思います。
○土居政府委員 旧炭鉱跡地の整備の問題については、今先生御指摘がございましたように、かねてより努力をしておるところでございますし、今回さらに答申に基づいて一段の努力をするということで、新政策も含めておるところでございますけれども、ただ非常に難しい事情がある。今度の街づくり基盤整備事業等におきましても、自治体の計画づくりの支援とか、あるいは土地購入資金の利子補給というような制度でございますけれども、基本的に自治体の財政が厳しいという状況からなかなか進まないという側面も非常に大きいと思いますし、それから先ほど来議論されていますような金融債務の担保の関係等々もございます。こういった面については、御指摘のように非常に厳しい面があって、難しい面があって、なかなか進まない状況にあるという現状を十分認識しながらも、その中で最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、企業の努力、ピッツバーグの例にございましたけれども、最近石炭協会も石炭鉱業審議会で協会長として発言しておりまして、やはり地域の振興に対する石炭企業の責任ということについても言及しております。そういった形で企業の努力もこれから期待していきたいというふうに考えております。
○岩田委員 今御答弁いただきましたように、例えば地方財政の問題でいきますと、時間がありませんから多くは申し上げられませんが、例えば五十五年と元年を比較してみました場合、国税は大体倍の伸び、地方税も大体倍の伸びという状況になっておりますね。それで、これは全国平均でありますが、全国の市町村の税収も大体八四%増というくらいのところになっている。そういった状況の中で、いわば産炭地域、六条市町村の状況というのを見てみますと、これはやはりかなり格差があることは現実問題ですね。後ほど質問の際に申し上げたいと思っておりますが、見直しの問題についても、財政力指数というものを大きなウエートにするということがこの際一体どうかという問題、私は基本的には疑問を持っているわけです。このいわゆる財政力指数というのは、交付税の配分基準として設けられた基準でありまして、この需要額が多少抑えられれば財政力指数はぐんと上がるわけですから、そういった点で一体どうかということがありますけれども、ここでは全国の税収の伸びにつきまして比較をしますと、やはり六条市町村は極めて格差があるというふうに指摘をせざるを得ないですね。したがいまして、今御答弁がありましたが、格段の御指導と力を、国の行政指導力を発揮してほしいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 また、昭和六十二年十一月に審議会によります建議がございまして、あれは立派な建議書であるというふうに私は福岡におるときに見させていただきましたが、つまり行政も地元も、いわゆる旧財閥といいますか、旧石炭関係の企業がやはりこれに協力しなければならない、これはまだ生きているんだろうと思いますけれども、あの建議が一層有効に、しかも企業の理解を得られてまいりますように期待を申し上げておきたいというふうに思います。
 それから、次に実施計画、基本計画に関連をして一、二お尋ねをしておきたいと思いますが、結局はやはり筑豊にどういう町をつくるのか、若い人たちが集まってくるような町づくりをどうするかということが基本的には言えるのではないかというふうに私は思うわけであります。
 それで、産炭地の状況は、もう多くは申し上げませんが、石炭がああいうふうに壊滅になって大量の労働力が集団で移動せざるを得ない。しかし、行くところのない人が相当いたことは事実ですね。しかも、行きたくても、関西や関東に行っても住宅の事情や何かということを考えた場合、炭鉱の特殊といいますか、特別な事情でもってありました炭住やその他の条件に居ついていくという状況はあったのですね。しかし、この数年間の現状を見ましても、若者の流出は依然として続いている。それからUターン志向は大都市においてはかなりふえたというふうに言われておりますけれども、Uターンの現象というのは比較的筑豊は少ない、これが現実なんですね。したがって、そういった状況をひとつ念頭に置かれた地域政策、地域基盤整備の推進をお願いをしたいというふうに思うのです。
 ところで、いわゆる一極集中主義、それから人手不足、こういったことで今大変な状況でありますけれども、労働省もこの国会に中小企業の労働力の確保に関する法律案を出されております。それからもう一つは、地域雇用の問題では一部改正の法案が出ておりますが、いずれにしてもこれは雇用政策なんですね。産炭地域振興施策も極めて密接な関係があると思いますね。
 考えでみますと、従来、いわゆる企業が動く、産業が動いて人が動くというスタイルなんです、日本は。本来ならば人に合わせて産業をどうするかというのが基本でなければならない、こういうふうに私は思うのでありますが、これから先、一定程度枠は示されておりますけれども、今後、産炭地域の振興につきましては、やはり人を中心とした企業をどうするのか、雇用政策をどうするのか、産業政策をどうするのか、個別じゃなくて一体的なものでなければならない、そういう意味では大きな転換が必要ではないかと考えておるわけであります。好景気の今でこそやれる部分があるだろうというふうに思いますが、この点についてはどういうお考えであるか、お聞きをしておきたいと思います。
○緒方政府委員 産炭地域に魅力ある雇用の場をつくり、地方における若年労働力の続出に歯どめをかける、それで地域の活性化を図る、こういうことが重要だというのは御指摘のとおりでございます。実は、これは産炭地域だけの問題ではございませんで、四全総でも指摘をされております一極集中を排し、日本の国土の均衡ある発展を遂行するという観点から、実は全国至るところで類似の問題があるわけでございます。
 通産省といたしましても、この産炭地域振興策だけではなくて、工業再配置政策でございますとか、テクノポリス策でございますとか、頭脳立地政策でありますとか、さまざまな地域振興策を多角的に打ち出しているわけでございます。また、通産省以外の関係の省庁におきましても、それぞれの立場からのいろいろな施策を打ち出しているわけでございまして、これらの政策を緊密に連絡、連携をとりながら、結果としてそれぞれの地域で地域が活性化をし、それぞれの地域に根づいた産業活動というものが行われ、国土の均衡ある発展が遂げられるようになっていかなければならない。私どもの産炭地域振興政策というものもその中の一翼を担っていくものである、こういうふうに私ども考えているところでございます。
○岩田委員 御答弁いただきましたように、確かに新全総以降は、人口、産業の大都市集中をどうするかということで、例えば地方への産業の分散を初め、いろいろな形で施策がとられておりますけれども、残念ながら、産炭地だけではなくてかなり取り残された部分があるという意味では、資源が乏しい日本では国際経済の影響をすぐ受けるわけですから、産業の調整をしなければならぬ、失業者が出る、それに対応して雇用調整をするということなんですね。これではいつまでたっても過疎は過疎、産炭地は産炭地だということを心配するから今申し上げているわけであります。
 次に、実施計画がつくられる、それにつきましてはるる御質問があっておりますから多くは質問をいたしませんけれども、今後のスケジュールについて詳しくお知らせいただいておけば結構だと思います。
○緒方政府委員 先ほどもお答えしたところでございますけれども、まずこの法律案が国会でお認めいただいて成立をいたしました後、できるだけ速やかに産炭地域振興審議会を開きまして振興基本計画を策定いたします。この中で具体的な地域指定の見直しの基準とか圏域の区分、産炭地域振興の基本方針が決められるわけでございます。この実施計画は、基本計画が策定をされ、地域指定の見直し及び圏域ごとの計画目標年度が明確になった後に、各道県知事が平成四年度の予算要求の策定時期等を勘案しながらできるだけ速やかにつくっていくということでございまして、平成四年度の予算要求、概算要求は夏の段階でございますし、政府原案は年末に決まるわけでありますので、そういうものとタイミングを合わせながら、実質的な骨格はなるべく早目に決め、形式上決めていくものはあるいは秋以降になっていくものもあろうかと思いますけれども、そういうタイミングで進めていきたいと考えているわけでございます。
○岩田委員 時間がなくなりましたから、要望を申し上げておきたいと思います
 先ほど六条指定地域の税収の全国平均の感想を申し上げましたが、それと同時に、六条指定地域の市町村の起債残高、つまり借金も他の地域に比べまして相当上回っておりますね。上昇傾向にあるということは歴然としているわけであります。
 先ほども申し上げましたけれども、指定解除に当たってはぜひ配慮してもらいたいと思いますのは、人口と財政力だけで、指数だけで基準をクリアするのか、卒業させるかという議論をするのは大変問題ではないかと基本的には思っています。やはり、その地方、地域、さらには自治体が有する独自の地力といいますか力というのは、この二つだけで基準を定めるというのは大変難があると思います。したがって、これにつきましては、地域の指定、個別の指定の見直しに当たっては極めて慎重、かつ仮にそういう措置をとる場合のいわゆる激変緩和措置につきましては、るる申されておりますけれども、重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。
 それから、時間がございませんからこれは次の機会に質問をさせていただきたいと思いますが、いわゆる篠栗線の電化、複線化の問題、それから新幹線のいわゆる筑豊駅の問題、例えば篠栗線の電化、複線化ができれば、関係の首長さんなどはもう何にもしてもらわぬでもいいというような御意見があるくらい重要なポイントになってきていることは私が言うまでもないと思いますが、この辺につきましてもぜひ今後の計画に当たっての配慮をお願い申し上げまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○麻生委員長 この際、休憩いたします。
    午後零時五十四分休憩
     ────◇─────
    午後二時二十四分開議
○麻生委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。中西績介君。
○中西(績)委員 産炭地域振興臨時措置法十年の延長については、この間政府におきましては大変な御努力をいただいたことに対して敬意を表したいと思います。
 そこで、産炭地域振興審議会の答申を得まして政府が措置法を十年間延長するということになったわけでありますけれども、なぜ十年を延長するかということについての問題点、整理をしてお答えをいただきたいと存じます。
○緒方政府委員 産炭地域振興法の十年延長の理由でございますけれども、昭和三十六年に法律が制定されて以来、過去三十年にわたりまして産炭地域振興施策を実施いたしまして、午前中にもお答えをいたしましたように、産炭地域を全体としてとらえますと、全般的な状況は回復基調にあるわけでありますけれども、地域的に見ますとまだ相当程度の疲弊が残存している地域があるわけでございます。特に第八次策の影響地域におきましてはこれらの疲弊が増大をしているということが指摘をされております。このような産炭地域の実情にかんがみまして、総合的な産炭地域振興施策を引き続き実施をしていくということが必要でありまして、産炭地域の振興の特性あるいはこれまでの経験など、八次策影響地域等の疲弊状況の深刻さを考慮いたしますと、法律の延長の期間は十年とすることが適当であるということが産炭審の答申で指摘をされているわけであります。
 なお、今後産炭地域振興施策を実施するに当たりましては、振興計画の実効性の確保あるいは重点地域への施策の重点的な実施等によりまして施策を一層効率的に進めることにしておりまして、これによりまして、十年間の法律延長の期間内に振興の目的を達成することが期待をされているところでございます。
○中西(績)委員 そこで、今言われました、特に八次策影響地域についてその落ち込みがひどいということ、さらにこれに加えて旧産炭地域の問題等を含めて十年ということになるわけでありますけれども、大臣にお聞きしたいと思います
 先ほどから論議の中でもるる御存じのように、財政的にも大変な状況に置かれておるということとあわせまして、第八次策による影響地域、そして旧産炭地域の疲弊の深刻さ、このことは、かつて五、六年前の鉄あるいは造船等が歴史的にも今まで類例のない落ち込みと言われておりましたけれども、五年経過することによって、三、四年を経過することによって、逆に今度は歴史的に空前の景気と言われるくらいに回復をしたわけであります。三十年間にわたる旧産炭地域あるいは八次策影響地域における状況と全く質的に異なるということを十分御認識いただけなければ、この施策というものはなかなか納得できないのじゃないかと私は思っておりますけれども、こうした点での質的な違いをまずご理解いただけるかどうか、基本認識をお聞きしたいと思います。
○中尾国務大臣 ベテランの中西委員でございますから、もう私がここでちょうちょうと申すまでもないことと思いますけれども、私どもの考え方の一端を述べさせていただきたい、こう思っております。
 まず、産炭地域振興対策につきましては、地域振興整備公団による事業の推進であるとか地方公共団体に対する財政援助等の各般の施策によりまして、現在までに相応の成果を上げてきたという認識に私どもは立っておるわけでございますが、この結果、旧産炭地域におきましても疲弊そのものから相当程度回復した地域も少なからずは見受けられるのではないか。他方、閉山から長期間経過していても炭鉱の閉山の影響がなお著しく残存しておりまして、地域の発展を相当程度阻害をしているという旧産炭地域が存在することもこれまた否定できないことであると考えます。
    〔委員長退席、金子(原)委員長代理着席〕
 このために、旧産炭地域につきましては地域指定の見直しを行う一方、閉山の影響が著しく残存している地域につきましては重点的、なおかつ充実した支援策を講じてまいりたい、こう思っておるのでございますが、今の御質問の中に質的な、ちょっと地域の問題と他の産業構造とは違うのじゃないか、こういう御質問がございましたのであわせて申し上げたいと思います。
 鉄鋼並びに造船というような業種、製造業と石炭のような第一次産業と申しましょうか、こういうものとの地域経済の波及効果が異なるということが考えられることに加えまして、鉄鋼あるいは造船等々のようなものは景気の波によって需要が回復する場合も極めて多くある場合がございます。それに比べますと、石炭鉱業の場合は縮小の一途であったことが地域の疲弊の回復をおくらせる大きな大きな要因となっているということも否めない事実として認めなければなりません。過去三十年間にわたります産炭地域振興対策によりまして、全般的には人口、自治体の財政状況あるいは工業出荷額、生活保護率等の観点から見ましても、回復が進んできてはおりますものの、こうした他産業の場合との相違点もございまして、なお八次策影響地域等につきましても疲弊から全く脱却できないでいるものであるな、このような認識をせざるを得ないと考えております。
○中西(績)委員 そうした認識の中で、旧産炭地域は特に三十年を経過してもその影響が著しく残存する地域が依然として残っておるということの問題点は、今まで三十年間にわたる振興策、特にこの十年間における基本計画あるいは実施計画に基づく対策はなされたかと思いますけれども、これが十分な効果を上げ得ていないのではないか、こう私は思います。したがって、その総括の仕方によってそうした問題点の認識がまた大きく違ってくると思います。
 そこで、この基本計画を設定する際に、経済生活圏域というものを策定をいたしましてやったわけであります。各圏域における発展計画あるいは実施計画等が持たれたわけですけれども、経済生活圏域をそのまま今度はまた存続していくわけでありますが、それが果たしてよろしいかどうかということをもう一度問い直しておく必要がありはしないか、こう私は思います。
 例えば筑豊でいいますならば筑豊東・中、それから西、こういうぐあいに分けられておるわけですね。ですから、十年前の討論の際に私は、こうした細分化することが果たしてどうなのかということ。特に北九州を控えて、当時北九州が落ち込みかけておった時期でありますから、これを含んだ圏域としてのあり方等について論議をしたことを覚えておるわけでありますけれども、この点についてどうお考えか、お答えください。
○中尾国務大臣 私も委員の御指摘の意味も非常によくわかりますし、過去の経緯がちょっと私もわかりかねるところがございますから、政府委員に答弁させたいと思っております。
○土居政府委員 経済生活圏域の問題でございますけれども、御承知のように今産炭地対策は、市町村単位の政策と同時に、圏域単位に一体的な発展ということで政策を進めておるわけでございまして、この経済生活圏域につきましては、それぞれの地域の特性に応じて鉱工業とか農業等の各機能の分担を図りながら、一体として発展を期するという観点で従来から設定されているものでございます。こういった広域的な地域発展の考え方につきましては、昨年の産炭地域振興審議会の答申の段階におきましても議論がございまして、自治体の関係の方の御意見なども踏まえまして、現時点でもこれはやはり有効であるというふうに審議会の中では判断されておりまして、政策の一体性、一貫性、継続性、こういった観点も含めて一応今後とも継続すべきものというのが今回の答申の考え方ではないかと存じます。
 ただ、いずれにしても、審議会の答申でも申しておりますように、今回の地域の見直しの中で、存続する地域につきましても十分自治体の意見を反映しながら圏域の範囲の見直しについては行っていくというような議論が出ておりまして、この辺につきましては、むしろ法延長後の審議会の中で、各自治体の意見を十分尊重しながら圏域の見直しが行われていくことがあり得るものと考えております。
○中西(績)委員 そうしますと、自治体なり地域の意見をということを言っておりますけれども、審議会で基本計画なり圏域区分について検討する際にそうした点についても触れていくということになるわけですね、変更等についても。
○土居政府委員 具体的には審議会の答申の地域の見直しのところで、特に二条地域というのが全体として圏域を構成しているものでございますので、広域的な発展の見地からこの二条地域について見直しを行うようにというのが審議会の趣旨でございまして、その趣旨は今先生おっしゃったように圏域の範囲自体についての見直しの議論も含んでいるものと考えております。いずれにしても、圏域につきましては産炭地域振興基本計画で定まっておるものでございまして、これを、今回の法延長後に審議会で新しい基本計画を策定する段階で、この圏域については新しい観点からきちっとした結論が出されるものというふうに考えております。
○中西(績)委員 それでは、この圏域を策定する際には十分な振興策、その欠陥なりなんなりを総括をしてもらった上で十分な検討をしないと、ただベースに乗ってやるような格好では、現状を見ただけでやりますといろいろ多くの問題が出てくるわけでありますから、十分な検討をしていただきたいと思います。
 次に、こうした基本計画あるいは実施計画に沿って対策がなされたわけでありますけれども、計画性と実効性は矛盾なしにこれが確保され、実際に移されたかどうかということが大きな課題であろうと私は思っています。したがって、この点について特に私は先般小委員長に問題点は何だということを聞いた際に、政策上の問題あるいは計画主体が地方自治体でなかったという問題、特に英知を集中する点について欠けておったとか、さらにまた、特にこの三問目は大事なんですが、財政措置が伴わないとアンバランスが起こってだめになるということを言っておりました。特に五十年代は財政抑制策が強化されたために、これがなかなか困難であったこと等を理由に挙げておりましたけれども、いずれにしても、この計画と実効というものがどううまく確保されていくかがこれからの大きな課題になるわけでありますから、この点について何かお気づきの点があればお答えください。
○緒方政府委員 計画を作成いたします主体の問題として、地元のニーズが反映されるようにということが非常に大事でございまして、地域の活性化に対します地元の主体的な意識というものがありませんと中央依存の体質に陥りやすいわけであります。また、財政上の問題といたしましては、御指摘になりましたように、財政抑制の影響等の要因がこれまでの産炭地振興施策上の問題点の一つとして指摘をされていることはよく承知をしているところでございます。
 私ども、これらの御指摘を踏まえまして、今回の法改正におきまして、実施計画原案の作成につきましては道県知事に作成をお願いするということにし、地元のニーズをより反映した、自治体の一層の主体的努力が期待できるようなものとして作成されることを期待しているわけでございます。
 また、財政的な問題につきましても、先ほど来答弁しておりますように、八次策の影響地域等に重点を絞りまして、これらの真に必要としているところに重点的に施策を展開するということで財政資金の効率的な運用を図っていくようにいたしたいと考えているところでございます。
○中西(績)委員 今御答弁いただいたことと大変関係があるわけでありますけれども、先ほどから言われておりますように、この四条の改正によりまして実施計画原案を道県知事が作成することになっております。今言われるように、地方のニーズあるいは主体を十分取り入れた計画をということになるわけでありますから、そうなってまいりますと、一番の問題は、何といっても道県知事が作成することの意味をもう一度検証し直して、私が特に指摘をしたいと思っておりますのは、財源確保まで含んでおらないと、道県知事から上がってきたものを今度は審議会の意見等を聞いて大臣がこれを策定するわけでありますけれども、ここで今度は財源とのかかわりでどんどん切り捨てていったりなんかし始めると、出された原案、実施計画はその主たるものが全部削除されてしまう可能性だってあり得るわけなんですね。そこら辺の整合性をちゃんとしておかないと、たとえ道県知事からの地域のそうしたものが入ったということを形の上ではつくり得たといたしましても、非常に問題が残っていくのではないかと私は思っております。
 したがって、そうした点についても、新しい発想で、しかも、その地域の実態に即応したものを考えなくてはならないわけですから、八次策影響地域を強調するということになってくると、じゃ旧産炭地域はどうなるかということになってくるのですね。そうすると、さっきからの答弁を聞いておりますと、これは三十年かかって不可能であったものを今度はさらに強調してやっていこうとするときに、八次策影響地域だけを取り上げてやっていくということになってまいりますと、じゃ旧産炭地域はどうなっていくのだということを言わなくてはならぬようになってくるのです。ですから、そうした点で、財政の確保とのかかわり、そうしたことをどうお考えになっておるのか、ひとつお答えください。
    〔金子(原)委員長代理退席、委員長着席〕
○緒方政府委員 先ほど八次策影響地域等と申し上げたつもりでおりますが、これは、八次策影響地域並びにいまだ疲弊から脱却できないその他の地域ということでございまして、要すればその考え方は、現在の産炭地域すべてにひとしく施策を講ずるのではなくて、重点的に施策を講ずべき地域について重点的にやり、その影響が薄れておるものについては地域指定の見直し等も含めて見直しをしていく、こういう重点化、効率化ということを申し上げたかったわけであります。
 そして、財政の問題につきましては、もちろん、先生おっしゃいますように財政的な裏づけというものが非常に大事だということは言うまでもございませんけれども、これは、実施計画を国がつくろうが地元がおつくりになろうが、財政上の裏づけというものは必要なものでございまして、これについて私ども最大限の努力をしていくことは申すまでもございません。ただ、先ほど申し上げましたのは、地元の主体的云々と申し上げましたのは、同じ財政負担をしてプロジェクトを進めていくにいたしましても、これが地元での真のニーズに見合ったもの、地元の主体性が確保されるようなものとして行われる場合には非常に効率的にまいりましょうけれども、そうではなくて、お仕着せと申しましょうか、地元の主体性が余り反映されない形でいくものということになりますと、効率は落ちますし、さらには何か中央依存の体質のようなものになっていって、全体としての地域の活性化をもたらしていくのに障害になるのではないか。そういう意味で、原案を道県知事におつくりいただいて、それをもとに国の側でバックアップしていくような体制を各省連携をとりながら進めてまいる、こういう体制で進めていきたいと考えておるわけでございます。
○中西(績)委員 ですからそうした点で、例えば法律なり政令なり、そうしたものの中で財政的な裏づけ、例えば社会福祉施設事業とか社会教育施設事業あるいは文化云々というようなこと等を含めまして、そのほか鉱工業関係、あるいは今度の場合には拡大されまして税法の面からもいろいろあるわけですけれども、それがあるからということによって一つの計画立案というものを考えていきますと枠の中での発想にしかならないのです。今までそうだったのです。そうでなしに、一つの事業を起こすという夢みたいなものでもいいじゃないですか。つくった上で、それじゃこの中でどれだけのものが出し得るかという発想の転換を求めないと、これからのこういう地域の発展計画というのは困難だろうと私は思うのです。今まで、およそそうしたものが余りにも多過ぎたと私は思うのです。ですから、そうしたことを考えてみますと、先ほど言うように、財源を先に当てはめていきますと、これも切らなければならぬ、これも切らなければならぬということになってしまうので、ここいらについては十分な御理解をいただいた上でどうするかということをこれからも慎重にやってほしいと思うのですが、私の考え方でよろしいですか。
○緒方政府委員 御趣旨は非常に正しく理解しておるつもりでございますけれども、それでは地元から出されたビジョンのとおり財政的な裏づけが必ずできるように措置できるかといいますと、現実の問題としてこれはなかなか困難も予想されるところでございまして、両者をすり合わせながら、現実的でしかし効率性のある計画を立て、それを進めていくということであろうかと思います。その一助ということで、先ほども御説明いたしましたように、例えば筑豊地区については今年度、総合的なビジョンをつくるというような作業をいたしまして、これはビジョンでございますからいろいろ夢を描いていただいて中に盛り込みまして、その中で実効性、実施できるものを極力体系的に実施していく、こんな進め方をしてみたいというふうに考えているところでございます。
○中西(績)委員 ですから、できるだけ今までの発想と逆転するぐらいに大胆にこれからもぜひ指導していただければと思います。
 そこで今度は、実施計画を策定いたしましても、今までの状況を考えてまいりますと、総合対策の欠如によって実効性に欠けるものが多々あったと私は思います。したがって、従来から我々主張しておりますように、関係各省庁間の協力体制が不十分であったということはもう何回も私たちが指摘をしたとおりであります。
 一番いい例が、私が十年前にこの論議をした際に、例えばインフラ関係で、道路関係を一つの例にとりますと、私の家のすぐ横を通っておる三百二十二号の場合、当時の予算額からいくと、法律は十年延長するというのに、そのときの予算額は、百年たたないと国道は十分な体制にならないという状況だったのです。ですから十年間の延長のときに、十年間でもう仕上げてしまおうというぐらいの、一挙にはできないにしましてもやらなければならぬのではないかということで、随分建設省とのかかわりだとかいろいろなことをやりまして、大体十年を目標にしてやりましたけれども、また今度は経費の値上がりだとかいろいろなことで、これがまだまだ達成されておりません。まだ、随分切れておるという状況があるわけです。
 そして、今度は建設省へ行きますと、どう言うかといったら、そこは全部自動車の通行量をはかって、それによってやるんだというようなことで、それが優先されていくということになっていく。そうすると、疲弊しておるから通行量は少ないわけなんです。それを起こすためにということになれば、それとは無関係にそこの開発をしていかなければならぬということになるだろうし、道路の建設だってやっていかなければならぬだろう、こう私は思うわけです。したがって私は、そうした意味でこの協力体制というのは非常に大事だと思っています。ですから、他の法案にあるように、総理が中心になって各省庁の長官なり大臣との間におけるそうした話し合いの中で決めていくという法律がたくさんあると思うのです。そういうふうな方式はとれないものかどうか、主管庁が通産省であることはいいと思いますけれども、そうしたことをお考えになったことはございませんか。
○土居政府委員 産炭地振興の関係につきましては、先生御指摘のように通産省一省だけではできませんで、関係各省と協調体制をつくっていかないといずれにしても進まない事業ばかりであるということは事実でございまして、その関係について、今先生御指摘がありましたような法体系自体を基本的に改めて、関係各省との関係も含めて総合的に見直したらどうかという御議論があることは承知しておりますし、産炭地域振興審議会の審議の過程あるいはその後の法律調整の過程でそのあたりについても検討した事実はございます。
 ただ、これにつきましては過去三十年間の政策、これまで進んでまいりましたそういった法体系の一貫性、継続性ということもございますし、石炭対策の一環として産炭地対策をやっているということで、その責任大臣である通産大臣がみずから主体的にこの問題に取り組むというような体系を今改める必要があるかどうかというような問題。それから一方では、各省とのこれまでのいろいろな協議の過程で、各省との協力関係については、十分産炭地域振興審議会の答申の趣旨も各省に伝わっておりまして、実効面、運用面で協力がさらに一層得られる見通しになってきている、そういう諾々の事情を判断いたしまして、関係各省の意見をもとに、現行の改正案、今お出ししてあるような改正案で足らざるところは運用で補っていくということにした次第でございます。
○中西(績)委員 そうなりますと、このように理解してよろしいですか。他の法律案と同等に、法制化はされておらないけれども、これにかわる体制が確立されるものだ、こういうように私たちが理解してよろしいということなんですか。
○土居政府委員 産炭地域振興計画において、鉱工業の振興に係る事項だけじゃなしに、その基盤になるような道路とか工業用水あるいは鉄道といったインフラ整備についてこれを計画事項としてきちっと定めて、さらにはお話がありましたような文化とか福祉とか、そういった事業についても総合的に産炭地振興の事業計画の中に定めて、これについて関係各省と意見調整をして計画をつくり上げていく、そういう点においては変わりはないということでございます。
○中西(績)委員 それで、先ほどから同僚の委員も指摘をしておりましたけれども、やはり法律としてのあり方が、今言うように体制的には協力体制というものができ上がるだろうということを言っておるのですけれども、私が当初から考えておったのは、四条の二項六に、当該地域における公共事業等の基盤整備及び教育、文化、福祉などに関する事項を明定化する、挿入するということですね。そして六は七にということにすべきではないかということを考えておったわけでございます。いずれにしましても、先ほどの答弁からいたしますと、長官は四条の二項六号並びに十一条等にそのことが云々ということを言っておりました。しかし、私たちが本当にこれから将来これをまたさらに延長するなどということが果たしてできるかどうかということを考えると、大変困難だろうということを私たちは予測せざるを得ないということになってくればくるほど、やはり法律なりなんなりで明定しておいて、そこで十二分の体制を組んでやっていくということが重要だろうと考えておりました。
 このことはまた、十年前の論争のときも大変な論争をしたわけです。しかし、それがとうとう入れられなかった経緯があるわけですね。ですから、こうした点についてぜひ、先ほどから申し上げるように、法そのものにかわり得るような体制、これをいかにとるかということが、もうこれが修正できなければ、この点で私、妥協しなければならぬわけでありますけれども、ぜひ大臣、その点についての御決意なりなんなりをお聞かせください。
○中尾国務大臣 中西委員の先ほどからおっしゃっていることは、私ども政治家の一員として全く同感の思いの点がたくさんございます。これは官庁の縦割り、横割りいろいろございまして、なかなか一つの省でこのような方法でもってやるということを決定しても、別の省は全く応じることができないというような、この問題と離れまして、郵政省の問題が通産省の問題を加味してみたり警察も加味してみたりというようなことで大変にもめる場合もよくあるわけでございます。それだけに、先ほど言うたような実効性を確保する上でということになりますると、やはり私どももより密度濃い連携というものが必要なのかなという感じはいたします。
 そこで、産炭地域振興審議会の答申におきましても、崖炭地域振興実施計画の実効性を高めるという必要性が指摘されておりますから、今回の産炭法の改正におきましては、このような点を十分に踏まえまして、なかんずくただいま中西委員から御指摘されたような問題点も十分に考慮の中に入れまして、産炭地域振興実施計画の原案を道県知事が作成するなど所要の改正を行ってきたわけでございます。
 また、今委員が御指摘のような、十年計画でやっていくことが、こんなやり方でいくなら百年かかってしまうじゃないかというような今具体的な話も聞きました。公共事業の問題としてもこれは確かにそのようなことがあるだろう、これは予算も当然計上されなければならぬことではございますが、それもいろいろ行政の中における食い違い、あるいはまたそれぞれの物の考え方、コンセプトの違い、いろいろあると思うのです。そこで、そういう意味においては産炭地域の実施計画の実効性を確保する上で関係省庁の協力による総合的な対策が極めて重要だということを考えておりまして、関係各省庁等連絡会などの場を通じまして関係省庁の連絡協調の緊密化をまず図らなければいけない、そして関係省庁に対しては積極的な協力、そのことも要請をしていこう、このように考えておる次第でございます。
○中西(績)委員 今大臣お答えいただきましたように、ぜひ今度の計画づくりから財源問題等、私一番最後にやりますけれども、中尾大臣のときにその一番根幹が決まるわけですから、ぜひその点について御配慮いただいて十分な成果が上がるようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで、先ほども出ましたけれども、実施計画が上がりまして、いよいよ基本計画づくりから始まりそしてその実施計画について確認でき、そうしてまいりますと先ほどの答弁では八月の概算までに大体つくり上げていかなくちゃならぬという、極めて短期間にこうした重要な問題を精力的に策定をするということになるわけでございます。これは大変なことだろうと思いますけれども、そこで、先ほどからるる申し上げておりますように、この前の参考人の意見の中にも交通ネットワークの問題だとか住宅の問題、上下水道の問題から全部出てきたのですね。また、この審議会の答申の中身を見ましてもあるわけでありますから、地方とのコンセンサスをどうとっていくのか、そしてやはり効果の上がる体制づくりということが今までより以上に問われておると思いますので、この点はぜひまた強化していただくように、もう答弁いただきませんけれども要請をしておきたいと思います。
 次に、地域指定の問題でありますけれども、多くの中身についてはもうここでは申し上げませんが、この指定解除の猶予期間二年間が適当なのかどうかという問題、特にその理由について簡単に御説明をいただければと思います。
○土居政府委員 二年間の猶予期間につきましては、これまであります産炭地域振興審議会が決めました解除基準、これは具体的には昭和六十二年度にいわき経済生活圏域が指定解除になったときのものでございますけれども、それにおきましても二年間の猶予期間を設けるということになっております。
 それで、この二年間の猶予期間の考え方につきましては、一年目は、一応予算との関係で、基準達成が確定した段階ではその年度の公共事業等について既に予算化されておるというようなことから、必然的に一年間という猶予期間は必要だろうという議論でございまして、二年目の猶予期間については、産炭地域から一般地域といいますか、他の一般的な地域対策の対象地域に転換するための政策的な猶予期間だ、そういう位置づけが現行の猶予期間についてはなされております。進出予定企業にとっても、意思決定から用地取得までの期間などについては最低二年間は必要というような議論もあったようでございます。
 こういった現行の二年間の猶予期間ということを前提にして、昨年の十一月末に出されました産炭地域振興審議会の答申においては、「解除基準に該当することとなった年度の翌々年度末」という言い方になっておりまして、これは現行の二年間プラスアルファといいますか足かけ三年といいますか、そういう形でなお猶予期間について格段の配慮がこの答申ではなされているのではないかと考えております。
○中西(績)委員 産炭地域における従来からのいろいろな実施計画に基づく各県における対策等が今まで私たちが期待をする状況になかったということもございますので、こうした猶予期間等につきましては、やはりその地域との関係等を十分勘案してやっていただくように要求しておきたいと思います。
 さて、今度は振興対策の強化策の問題でございます。特に、産炭地補正等による補正をしないと財政的にこの自治体は非常に落ち込んでしまっておるというのは、これはいろいろな資料をここでもう詳しくは申し上げませんけれども、財政力指数等におきましても特に六条地域では非常に困窮しておるというのが実情であります。この前から言われておりますように、この臨時交付金そのものが、事業を起こしたところに翌年にその補助金が行くわけでありますから、事業をやれないところには臨時交付金というのは作用しないということになるわけですね。したがって余りにもひどいということで、例えば北九州市だとかそういう財源を持っておるところではこの臨時交付金が十分使用できるわけでありますけれども、これができない地域では補正をしておったわけであります。そして、これがいよいよ来年度で終わるということになり、この金額を見ますと大体当初の半額ぐらいになってまいっています。ですから、こうした問題とあわせて別途これから後考える必要があると思うのですけれども、中央ばかりにということでなくて、どのように考えておられるかについてお聞きしたいと思います。
○土居政府委員 地方自治体、特に市町村の財政の問題につきましては午前中からいろいろ御議論いただきまして、通産省では、石炭勘定の財源的な制約はありますけれども、産炭地域振興臨時交付金制度ということで自治体に対して毎年三、四十億の交付金制度での支援を行っておるわけでございますが、今委員御指摘がありましたように、産炭地域補正制度だとかあるいは交付税制度等については自治省でいろいろと制度をお願いしてございますし、あるいは公共事業のかさ上げにつきましては公共事業所管官庁からいろいろと予算措置を講じていただいて自治体財政の強化を図っておるところでございます。
 今御指摘がありましたように、地元負担が前提になっているということでその市町村の財政力からなかなか事業が進まない、幾ら制度があってもそれを使えない、使えるところは裕福な自治体であるということになってしまう面が傾向としてあるわけでございますけれども、こういった点に配慮して、通産省としては平成三年度の予算で、産炭地域振興臨時交付金制度につきましては、従来からは地元の最低の義務負担率は二割ということになっておりましたけれども、これについて、八次策影響地域あるいは重点対象地域、こういったところに対しましてはこの最低の義務負担率を一割に下げるというような形で、少しでも財政力の弱い市町村に対する対策を強めていきたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 今言われますように、二割負担を一割へという、こうしたこととあわせて、先ほどちょっと申し上げましたように、特に六条地域で今なお疲弊著しいところ、これは大臣、例えば私、筑豊なんですけれども、筑豊でいいますと、北九州から全部峠を越えていかなくちゃならぬところですね。それで、峠を越えてなおかつ、近いところは割合にいいのですけれども、これが離れた地域、それから今度は、直方という市がございまして、飯塚市という市がございまして、委員長なんかはその飯塚市なんですけれども、それからさらに奥まったところですね。この県境に近いようなところ、こういうところがもう依然として求人倍率等からいたしますと、今高いところで言えば二を超えておりますけれども、こういう地域になりますと、依然として一番低い〇・三、〇・二から〇・三ですね。それが回復したとしても〇・五まで達しないという状況が依然としてあるわけです。そういう地域もあるし、したがって、この産炭地補正というものの持つ意味が、限定された補助金でありませんから、割合に有効に活用できるという面があったわけです。ですから、そうしたことを考えていきますと、何らかそうした措置を、これは通産省がとるわけにいきませんから、関係省庁、自治省なりなんなりに働いていただくということがやはり物すごく今の時点大事ではないだろうか、こう私は考えるわけですね。したがって、その点につきましてぜひ気にとめておいていただきまして、これから後の各省庁間の打ち合わせ等ございますときには、必ずそうした問題等についても触れていただくことをお願いをしておきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○中尾国務大臣 今、特別、飯塚の問題を言ったわけではございませんが、先ほどここを離れまして、そして予算委員会に出席をさしていただきました。そのときにちょうど自治大臣もおられましたから、実は今、こういうような討論の中で、各省庁の関連と連動的な我々の対話が必要になってくると思うよということを言うたらば、わかりましたと。ちょうどそこへまた小里大臣、彼も薩摩隼人の人間でございますからよく理解をしておりまして、私もすぐに呼びかけておきました。そのような意味で、まずそういう形で一回話し合ってみたいな、それも近くやってみたいなという気持ちがいたします。早速先ほどのことはやってみました。
○中西(績)委員 だんだん時間がなくなってきたのですが、産業振興の支援策強化の問題でございますが、私はこの点についてぜひお考えいただきたいと思います。
 それは、工業団地の計画的造成あるいは企業誘致、地場産業の振興などなど、たくさん挙げられております。そこで、この工業団地等につきましては、この前の参考人招致の際いろいろ御意見を聞きましたけれども、あれでは私はまだ不十分だろうと思っております。
 と申しますのは、今、中央、東京圏を中心にし、あるいは関西、中京圏を中心にいたしましたところは、労働力の不足それから土地の値上がりによって、地域にどんどん進出をしなければどうすることもできない、というのが今度の宮田団地におけるトヨタの進出だろうと私は思っております。そういうことを考えてまいりますと、やはり工業団地を計画的にどうするかということとあわせて、労働力との関係がまたありますから、来てもなかなか労働者がいない、若い労働者がいないという状況です。そこで今度は、中学卒、高校卒を育てていこうといたしますと、五年はどんなことがあってもかかるわけですね。
 ですから、十年内におけるそうした計画的なものとあわせてどうしていくか。労働力の問題、土地の問題、すべてがこれにかかってくるわけであります。それとあわせて今度は、工業団地だけでなしに、流通関係だとかいろいろなものの基地的なものだとかいうものも含めてやらなければならぬというところもありますから、この前から言っておる各省庁間の連携だけでなしに、こうした問題についての総合的な対応の仕方というのが物すごく大事になってきました。ですから、こうした点についてのこれからの計画、基本計画を初めとする実施計画等を含めまして、皆さんが衝に当たられるわけでありますから、その点をぜひ強調しておきたいと思います。答弁は要りません。
 それともう一つは、公共事業等基盤整備事業の拡充の問題であります。
 この中におきまして、先ほど申し上げたようなインフラ問題等特に指摘をしたいと思いますと同時に、街づくり基盤整備をする場合に、私たちのところにおきましては市のど真ん中にボタ山があるわけですから、そして町が二分されておるような状況等が出てきております。ですから、それのないところは割合に基盤整備もそれから計画も早く達成することができるのですけれども、そういう地域が依然としてある。ところが、ボタ山というのは御存じのとおり第三抵当まで入っておるわけですね。そうしますと、これを何とかしないと未利用炭鉱跡地というものについての活用ができないというのが今の一番の焦点になってきています。それと、依然としてやはり、そういう資産として持っておるためになかなかうまくいかないという点もあるでしょう。ですから、こうした問題等につきましてもこれから財界の皆さんなりとやはり十分関連を持ちまして話し合いをしていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○中尾国務大臣 私の政治的な問題でありますから、私から答弁させていただきます。
 そういう問題点は、経済界のメンバーも含めまして、そして話し合っていくという多角的な面でやっていくことが必要かなという感じがいたしますので、各省庁間の連携、さらには経済界のメンバーも加え、そういう格好で諸先生方の御意見を反映しながらやっていきたいな、このように考えております。
○中西(績)委員 特にそういう地域では、残っているのは鉱害問題でしょう。炭住の問題からボタ山問題等たくさんあるわけですし、それから生活保護者が多いのもそうした地域に多いわけでありますから、すべてがやはり総合的に行われなくてはならないわけだし、特に財界の皆さんにはそうした点で、例えば大企業の中ではそれを基盤にして大きく飛躍をしていった企業がたくさんあるわけですからね。そういう地域に対してやはり貢献策として何らかの形があってほしいというのが私たちの期待と願いなのですね。ですから、そうしたこともひとつお酌み置きいただければと思います。
 もう一つは、実施計画を実現していくためにはベースになる基盤整備が非常に大事だと思います。ところが、これが今度、こういう地域では鉱害とまたかかわりが出てくるわけです。旧産炭地域というのは鉱害との切り離しはできません。したがって、企業誘致が進みますと、先ほど申し上げるように土地の不足を来しておるのが現状です。工業団地あるいはいろいろな基地、そういうものの造成というものが鉱害のために遅滞するということになってくるわけであります。したがってこの点について、この前、参考人からの意見を聞く時間がございませんでしたけれども、十分な連携をとって、インフラ整備事業などと整合性のある鉱害復旧事業というものをぜひ促進をしていただかなければならぬと思っております。この点についてはもう私が申し上げるまでもないと思いますので答弁は要りませんけれども、ぜひこの点について、鉱害問題とあわせて一定の計画をつくり上げていただきたいと思います。これはまた後日、問題等について指摘をしていきたいというふうに思っています。
 いよいよ時間がございませんので、最後に、産炭地域振興臨時措置法は十年延長するということになりました。しかし、来年に向けまして石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法、あるいは石炭鉱業合理化臨時措置法、あるいは臨時石炭鉱害復旧法等々、たくさんの法律の期限切れが待ち構えております。したがって、これの再延長が問題として浮上してくるわけでありますけれども、その際に最も重要なのは、何といっても法律の裏づけとなる財源確保が最重要課題になってくると私は思います。したがって、安定的なものにするためにも、これから一年間の大臣の動向によってこれが決まるのじゃないかということを私は強く感じておるところであります。したがって、その決意をお聞かせいただきたいと思いますけれども、さっき午前中の、大臣のいないときに岡田同僚委員から発言がございましたように、石炭関係の財源をどこに求めていくかということがまた大きな課題になってくるわけであります。
 二年前を思い起こしますと、これを一般財源にということもございまして随分論議をいたしました結果が、またこの時別会計として残存するということになったし、財源確保も皆さんの御努力によって達成することができています。ところが、この財源をめぐって、輸入石炭の問題だとかいろいろな問題が論議されるということになってきますが、そうなると不安定な状況になってきます、必ず。そうすると、今度石油関連の皆さんから発言力が非常に強く出されることになるわけですから、こうした点について、今までのようやく確保しておるこうした特別会計なるもの、そしてその財源、これをやはり確保していくことが非常に大きな問題であるわけでありますから、この点についての大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 型どおり、形式どおりのお答えはいつでもできるのでございますが、私も皆様方と同僚議員でもありますから、議員の立場も踏まえながら、先ほど岡田先生も、私がちようど予算委員会出席中に御質問があったということにも関連いたしまして、ちょっと私の所感を述べてみたいと思うのであります。
 私は、そういう意味においては、先ほど来話題にもなっておりますように、むしろ日本の明治以来の、ある意味における伝統産業といいましょうか、農業でいえば養蚕であるように、ちょうど日本の国の勃興期に、明治維新を踏まえたあの佐藤一斎氏の言葉ではございませんが、まさに明るい次の日本の社会をつくっていくのは、金のある者は金を、力のある者は力を、勇気のある者は勇気を、また知恵のある者は知恵を、こう言ったことがございましたが、私も全くその言葉の意味の深いものはよくわかるわけでありまして、殖産興業、富国強兵時代、日本の勃興期というものに果たしたこの業界の大きな役割は否定すべくもありません。それがあったからこそ今日の日本の曙光があり、その安定性の上に立って日本のプロスペリティーがあったのだということを認識いたしますれば、これが今、どちらかといえば新しいエネルギーの代替が必要なことはわかっておっても、他のものができたからこれは駆逐されていくべきものなんだという認識には、全く私は立ち得ないのであります。むしろそれなるがゆえに伝統産業を保持したい、守りたい。
 先ほど私の貧しいおやじの話もいたしましたが、私の父親は、洋服屋でもあり、なおかつ、きれも売っておった商店でございました。その商店のおやじがたまさか、北海道の留萌の私の父親のいとこのところで来てくれということで、商売をしながらも、道会議員であった高橋さんという、松浦周太郎先生の弟子とともども炭鉱をやって、そしてどちらかというと失敗したようでございます。私が幼いころでございましたが、よくわかっております。そのときにも父親からも、先ほどの言葉ではございませんが、何回も何回も石炭話を聞かされました。かというて、私自身は一回も炭鉱の中にも入ったこともございません。それだけに、私もこの間から石特に出席しておりまして感ずるものが多うございますし、現在任に当たっているこの立場をさらに活用さしていただきながら、横、縦の連携の密度を濃くし、諸先生方からいただいたインストラクティブな言葉を十分活用さしていただきながら、実行面においてもこれを実行していこう、こんな気持ちで、私は燃えているような気持ちを一端吐露さしていただきまして、私のあいさつにかえると言うと場違いな話ですが、その認識の一端を述べさしていただきます。(拍手)
○中西(績)委員 終わります。
○麻生委員長 東順治君。
○東(順)委員 東順治であります。
 最初に、議論の中でるる出てまいったことではございますけれども、この実施計画策定につきましてまず第一点、お伺いをさしていただきたいと思います。
 この策定の原案作成については、道県知事が関係市町村の意見を聞きつつ作成をする、こうなっておりますけれども、地元の要望あるいは意見がより現実に即して反映されるということで、確かに一歩前進である、このように私は受け取っております。しかし同時に他方、逆に地元市町村の意見に耳をしっかり傾ける、こういうことから、それぞれの利害調整の難しさみたいなことがやはり出てくるのではなかろうか。そして、結果として計画が、下手をすると総花的になってしまって、実現性という面で薄れる心配が出てくるのではなかろうか、こういうふうなことも心配をいたします。こういったことにつきましてどのようにお考えになっておられるか、お伺いしたいと思います。
○緒方政府委員 産炭地域振興実施計画につきましては、審議会答申の趣旨を踏まえまして、計画の中身をこれまで以上に地域の実態、ニーズに即したものにするということから、地元の実情に精通した道県にその原案の作成をお願いするわけでございます。そういう趣旨からいたしまして、原案をつくる段階で道県が関係市町村の意見を聞くということは、実態、ニーズを正確に把握する上で必要な手続ということであろうと思います。審議会もそういうことで答申をしているわけでございます。
 そこで、先生御指摘のように、それは一面で総花的になって、かえって実効性が薄れるのではないかという御指摘でございますけれども、実施計画の策定は法律上、先ほど来何回も出ておりますように、道県から提出をされました実施計画の原案に基づきまして、通産大臣が関係省庁に協議をした上で審議会の意見も聞いて定めるということになっておりますので、そういう実施面につきましては、地元、関係省庁との連絡協調を緊密にやることによりましてそういう調整が行われるわけでありまして、御懸念のような問題点は、調整をされ、実効性が確保されるようなものとしてまとまっていくのではないかというふうに考えている次第でございます。
○東(順)委員 例えば筑豊を見ましても、筑豊東・中、西の各ブロックですか、これで実に三十八市町村あるわけでございます。例えば、道路一本を筑豊全域に通すこと一つ考えても、当然ここに各市町村の利害みたいなものが絡んでくるわけでございますので、この間の参考人の意見陳述のときにも、計画のための計画で、計画倒れというようなことが心配であるということが何度も強調されておりましたけれども、やはり現実的には大変に難しいことだと思います。ここがしっかりクリアされれば、また同時に今までよりもはるかに前進の実が上がるのではないか、このように思いますので、どうかひとつこの連携を密にというところを十分に留意されて御努力願いたい、このように思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それから二つ目でございますが、この答申で地方交付税の補てんの対象事業といたしまして道路貨物運送業、こん包業、情報処理サービス業、自然科学研究所、この四業種というものが考えられているようでございますけれども、この四業種を選ばれた背景、理由みたいなものをお聞かせ願いたいと思います。
○土居政府委員 この地方交付税による減免補てん措置の対象業種として、今先生御指摘の四業種を今予定しておるわけでございますけれども、これにつきましては、昨年十一月の産炭地域振興審議会の答申におきまして、国民経済のソフト化、サービス化の進展に応じて産炭地域対策としても鉱工業以外の産業、これを地域振興の核の一つとして包含していくべきだ、そういうことで対象を拡大すべきだという方向が出されたわけでございます。それと並行して、各種の産炭地対策については、進出企業に対する特別償却制度とかあるいは地方税についての減免措置、こういった国税、地方税で産炭地振興対策としての特別措置をいろいろ講じておるわけでございますけれども、税制改正要求の中でこれを実現すべく財政当局とも折衝をしたわけでございますが、最終的にこの四業種が税制改正面でもとりあえず平成三年度の対象業種となった、これに合わせて、実はこの法律に基づく政令でも、減免補てんの対象としてこの四業種を選んだ次第でございます。
 この四業種になった経緯につきましてはいろいろと予算要求段階での経緯がございますけれども、いずれにしても地元のニーズ、それから今の産炭地域におけるいろいろな立地の動向、こういうものを踏まえた要求になっておるわけでございます。
○東(順)委員 地元のニーズ、立地条件、国民生活のソフト化、サービス化というようなことでございますけれども、本法が十年延長される意味というのは非常に大なるものがあろうというふうに私は思います。したがって、この十年間というのが産炭地あるいは旧産炭地の二十一世紀の姿というものがどうなっているかということが問われる十年になるのではなかろうか。そういう意味では私は極めて重大な十年間だろう、このように思います。失敗はもうできないんじゃなかろうか。したがいまして、この抜本的な地域活性化のための施策が必要だ、このように思います。
 それで、ただいまの御答弁にございましたけれども、例えば筑豊地域全域は周辺の福岡あるいは北九州なんかと比べまして高齢化が非常に進んでおるわけですね。そういう高齢化地域でございます。したがって、高齢化社会、高齢化地域というニーズに応じたシルバー産業とかこういう業種、あるいはこの筑豊の中に、先ほどから名前が出ておりました、委員長の住んでいる飯塚市というのがございますけれども、これは筑豊の中の中核都市でございますが、この飯塚市なんかは、やはり住民の中から文化性とか芸術性、そういったものをより高めようとするような声や要望あるいは運動みたいなものがしっかりあるわけですね。そういうものが高まりつつある。
 そういった地元のニーズに応じて、例えばイベントの企画とかデザインといったような、そういう情報を核にしたソフト産業、あるいはまた筑豊のすぐ近くに、北九州市の八幡東区というところに、テーマパークでスペースワールドというのが開かれて今大変はやっているわけです。また西の方に行って、長崎に行きますと御存じのようにオランダ村というテーマパーク、これは今の時代に即した、非常に人が集まってくる、地域が活性化していくという、タイムリーな業種というか職種ですね。こういったこともやがて筑豊のニーズとして出てきた場合に、そういったすべてのいろいろなものに応じる幅あるいは含みを持った考え方なのか。つまりそういう地元のニーズに応じてこの四業種に加えた追加業種があり得るのか、こういったところはどうでしょうか。
○土居政府委員 来年度の予定ということで四業種のお話をさせていただきましたけれども、当然産炭地域振興審議会の答申を踏まえまして、今先生御指摘がありましたような経済全体が非常にソフト化、サービス化していく中で、いろいろなサービス関連の事業が産炭地振興の核になっていくという事情がございますので、そういった点につきましては、地元の意見等を踏まえながら、毎年毎年の制度改正に対処してまいりたいと考えております。
 ただ一点、今お話がありましたいろいろなプロジェクト、大規模プロジェクトにつきましても、実は法律上はこういうことになっておりますけれども、予算措置におきましては、例えば大牟田、荒尾地区におきますようなアジアランド構想とか、あるいは北海道における星の降る里ワールドだとか、そういった大規模プロジェクトにつきましては予算措置におきまして既に製造業対策から離れまして対応をとりつつあるわけでございますけれども、そういった点で将来筑豊から新しいアイデアが出てくることを御期待申し上げる次第でございます。
○東(順)委員 私の親しい友人なんかは、ぜひ筑豊に音楽大学を誘致したいみたいなことで、相当前から熱心に地道に地域の音楽性を高める運動を展開している友人なんかもいまして、これは直接、業種ということではないのですが、そういういわば地域の雰囲気、ニーズというものが自然に高まってきているというこの現実の上で、どうか柔軟性のある対応をお願いしたいと思います。
 大臣にお伺いしたいと思いますけれども、こういう多種多様の産業を今後とも地元で育成をするあるいは誘致をしていくということで、今の時代のニーズに応じたものをつくっていかなければいけない。そこで大臣、地域振興整備公団の開発する工業団地というこの名前ですが、工業団地というのは余りにも狭くハードにきちっと狭めてしまったような感じがあって、たかが名前といったって非常に重要ですからね。したがって工業団地という名前を、思い切って例えば産業団地というような、そういうような名称変更なんかを手がけていって、そういう中からより幅広く、今言った多種多様の産業を育成したり、あるいは誘致したりという、土俵づくりというのですか、そういうものを促進をしていく土俵づくりの一環として、どうでしょうか、こういう名称変更みたいなもの。
○中尾国務大臣 ちょっと今までの経緯のことは私わかりませんから、先に政府委員に答弁させます。
○土居政府委員 地域公団においてはこれまで工業団地の造成等を通じまして産炭地域への企業誘致を促進してきたところでございます。地域公団法におきましても、これはいわゆる工業団地ということになっておりますけれども、鉱工業等の用に供する土地の造成ということで、法律上は工業団地にかかわらず、流通団地その他「鉱工業等」、「等」につきましては午前中も議論がありましたけれども、振興の目的に資するいろんな目的の団地を、土地を造成するということが許されているわけでございまして、そういった方向で、地域振興整備公団も業務の拡大については意欲的でございますので、先生御指摘の趣旨を踏まえましていろいろと今後の検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○中尾国務大臣 今政府委員も答弁いたしましたが、実は私の県にも幾つか工業団地と称するものがあります。確かに、考えてみますと、工業団地というのはハードな面だけを物語るような感を受ける、全くそのとおりかもしれません。そういう点では、広く産業という分野でとらえていくというのも一考かと思いますし、今政府委員も答弁しておりましたように、私どもでも一回そういうものを考慮に入れた形の討議もしてみたいと思いますから、またその後報告できればありがたい、こう思っております。
○東(順)委員 ぜひまた御報告のほどをよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、今工業団地という話が出ましたけれども、今日まで整備公団を初め関係方面で大変な努力を払われて、産炭地浮揚のために長い歳月をかけて努力をなさってこられた、これに対しては大変な敬意を私抱くわけでございますけれども、こうした努力の反面、現実としてなかなか浮揚が困難という現状があるわけでございます。したがって、こうした努力の上にもう一つ、これは古くて新しい問題なんでしょうけれども、地域それ自体の中から活力を生み出していく、育てていく、そういう地域おこしのマンパワーの醸成というのでしょうか結集というのでしょうか、こういったことがまた今後の産炭地域のもう一つの大きな柱ではなかろうか、このように思うわけでございます。
 そこで、この二月の七日に、地域整備公団が通産省の委託で進めている、午前中も少しお話が出ていましたが、筑豊産炭地域拠点開発基礎調査の一環として「筑豊の未来を語ろう」という国際シンポジウムを直方市で開催されましたね。これは、フランスのアルザス公社理事長のアンドレ・クライン氏という人を招いて開いたようで、筑豊地域以外に、北九州あるいは周辺の中間、宗像、こういった町から、近隣からも千人ぐらいの人たちが集まって大変盛況であったということで、私も後から新聞等をしっかり読みまして、また参加した方たちのお話も伺いまして、これはすばらしいことだなというふうに実は思ったわけでございます。
 当日のパネリストの人たちあるいは参加者の声をちょっと紹介させていただきたいと思うのです。
 あるパネリストの方は、「筑豊はイメージが悪いと言われるが、恵まれている点もある。ゆとり、スペース、緑などこれから求められるものがあり、チャンスだ。自信を持とう。頼ったり、待ったり、うらやましがってはいけない。」「また首長の役割も大きい。難しく苦しいことだが夢を描き、若い人たちと考えをぶつけ合おう。そこからエネルギーが生まれる。」こういうことを言われておるようです。それからまた、「補助にばかり頼らず自立するため人づくりを進め、市民を舞台に上げ、脚光を浴びさせる受け皿づくりが施策には必要だ。住民に主役になってもらうことだ。」こんな発言がある。
 そうすると、今度は住民の側から、このシンポに参加した感想として、「シンポそのものが地域にインパクトを与えるとは思わないが、多くの人が地域のことを考える場づくりの契機になることを期待する。クライン氏の話を聞いて、子どもたちに手渡していける文化を、長い視点で醸成していく義務があることを感じた。」あるいはまた、「民間のボランティアだけでは、本当のムラおこし、町づくりにはならない。浮揚を具現化するためにはどうしたらいいか、行政内部の検討、勉強を求めたい。」こんな声が載っておるわけでございます。
 長々とちょっと引用させていただきましたけれども、こういう地域おこし、町おこしという雰囲気、意欲みたいなものは、旧産炭地とか産炭地であればこそなおさら必要であろう、私はこのように思うわけです。こういう意欲というものが地熱のように徐々に沸き上がってきて、そして国は国で、県は県で、当該市町村は市町村で的確な施策を打つ、この二つが上から下から見事にマッチして、私はこの十年間は勝負の十年と思っておるわけですが、この十年で本当に地域活性化というものが求められるのではないか、このように思うわけでございます。したがって、例えば通産省や整備公団が主催したこういうシンポジウムを断片的な一過性のものに終わらせることなく、定期的にしっかり開催をしていく、産炭地や旧産炭地をしっかりねらって定期的に開催をしていく。あるいは、マンパワーというものを育成していくための研修会みたいなものを企画をしていく。あるいは、いわき生活圏が指定都市を卒業されましたね、こういったところと現在の旧産炭地あるいは産炭地との意見交流の場づくりを考えていく。あるいはまた、産炭地と旧産炭地間の情報交換の場づくりというものを考えていく。こんなことをしっかり定期的に開催をしていくということを御検討されてはいかがか、このように思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○土居政府委員 今先生御指摘がありましたように、筑豊につきましては、地域振興整備公団の特定産炭地域拠点開発基礎調査によりまして国際シンポジウムが先日開催されたところでございますけれども、これ以外にも、実は筑豊地域におきましては福岡県の肝いりによりまして、例えば「田川を考える会」とかいろいろな形で、地元からのいろいろな意欲の盛り上がりが出つつあるところでございます。
 そういった面につきましては、いわゆる拠点開発基礎調査だけではなしに、これが実ってきたときには、産炭地域振興臨時交付金制度の中にありますような大規模プロジェクトの支援とか活性化事業の支援とか、次の段階へのステップを制度的には用意したいと考えておりますし、また、いろいろな情報交換等につきましては、例えば産炭地域に進出した企業につきましても全国産炭地域進出企業連合会というのが組織されておりまして、こういった中でも地域間の情報交換が始まっておるというふうに伺っております。あるいは産炭地ごとの、九州と北海道との交流なども自然発生的に今始まっておるというようなことを聞いておりまして、こういったソフト面での情報交換、人づくりといったものが産炭地振興の非常に重要なポイントであるというのは御指摘のとおりであると存じますので、こういった点を御支援する政策の枠組みというのをこれからつくり上げていく必要があるというふうに考えております。
 先日の産炭地域振興審議会の答申で提言されております地域振興の中核的な事業主体、こういったものを地域のリーダーのもとに育成していくというのも一つの課題であるかというふうに考えております。
○東(順)委員 そうすると、例えばこういうものを企画したり推進する、そういう専門機関みたいなものが公団の中にもあるのでしょうか。どこがやっていらっしゃるのでしょうか。
○土居政府委員 こういったものについての相談窓口は、例えば通産局の商工部それから産炭地域振興課といったところ、あるいは福岡県等でも行っておりますし、地域公団でもそういった指導を行っておるところでございますが、基本的にはやはり地元の盛り上がりということでございますし、今御説明しましたような地域振興整備公団による出資事業として新たに、そういう情報交換あるいは地域の振興のためのいろいろな企画とか実施を行っていこうという、事業主体を地元がつくろうという場合には、地域公団が新しく出資制度を設けましてこれを支援していこうというような制度もできておりまして、こういった点につきましては地域振興整備公団が窓口になっていろいろと御援助申し上げていくということになっております。
○東(順)委員 ひとつ積極的に推進方お願いしたいと思います。やはりどうしても地元からの盛り上がりを待つということになってくれば、盛り上がるところは盛り上がる、あるいはそのままのところはそのままというところが出てくるわけで、どこかがしっかりリードをして推進をしていくという、このエンジンの部分が必要になると思いますので、どうぞひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それから、圏域指定の見直しについての確認でございますけれども、この基準の問題でございます。
 一つは、当該圏域の過半数の六条市町村の財政力指数が相当程度高いと認められる場合、これがございます。これは、具体的には加重平均では〇・七五というようなことだろうと思います。それから二つ目に、すべての六条市町村の財政力指数が高いと認められる場合、これは単純平均で全国市町村の平均が〇・四三ということで、現時点でこの数字が財政力指数ということであるわけですけれども、この財政力指数そのものは変動性を持ったもので、変わるわけですね。したがって、この解除基準というものは、いつの時点の財政力指数というものをもとにして判断されるのか、この点はいかがでしょうか。
○土居政府委員 今御指摘になりました解除基準の財政力指数につきましては、具体的な指定の見直し基準につきましては、いずれにしてもこの法律が成立しました後、産炭地域振興審議会で審議して結論が出るということになっておりますので、結論を先取りするわけにはいきませんけれども、基本的に今考えられております財政力指数の用い方につきましては、今あります現行の指定解除基準と同様に、当該の見直し年度前三カ年の平均値を用いるというふうに現行はなっておりますけれども、これを踏襲することになると考えております。
○東(順)委員 わかりました。
 それから大臣、この十年間、さまざまに努力をして振興を図っていくということなんですけれども、不幸にも十年後、もしも卒業できない、指定解除できない圏域が生じた場合、本法の延長ということが考えられるのかどうか、この辺の御所見をお伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 その前に、私も先ほど来討論になっておりまする情報のネットワークの問題だとかその他の問題についても、ちょっと考え方もあるのでありますが、私の県にも一つの例がありまして、今は有名になっておりまするが、清里というところがあるのでございますね。これが、私がちょうど国会へ出たころといえば、二十四年くらい前でございましょうか、そのころには五万人くらいしか人が来たことがないんです。本当に山の奥の奥の八ケ岳の裏山脈みたいなところにございまして、一年間に五万人人が来たらいいというところで、そこの理事を私はずっとやっておりました。ところが、今二十四年を振り返ってみますると、二十四年の今日は、年間大体二百五十万という、青年男女だけで来るのでございますね。第二の軽井沢というよりも、軽井沢を追い越すんじゃないかと思います。それも、何とはなしに非常に閑静でいいということと、気候がいいばかりじゃなくて、夏にもまた場合によっては冬にも、スキー場なんか人工的につくっておりますから、そういうようなこととか、テニスとか、そんなふうな、リゾート開発が非常にうまくいった例でございましょうね。そういうような何か人知、知恵を出すと、いろいろ大きな意味の開発が生まれるんだなということを肌身にしみて感じたことがございました。
 そこで、ただいまの質問は、それとは関係なく、延長の十年を経過した場合に、段階的に疲弊が残っておる地域があった場合どうするのか、こういう問題でございますけれども、産炭地域の振興そのものに当たりましては、何にも増して地元の関係者を主体といたしました自立的努力が極めて重要なのではないか、こう考えるわけでございますが、政府としましては、各産炭地域の状況等を踏まえまして、今後十年の間に、関係省庁の緊密な連絡並びに協調のもとに従来にも増して総合的なおかつ強力な振興策を実施してまいることこそが必要なのではないか。そのためには、先ほど来いろいろと各委員から御指摘がありました各省庁、経済人、財界人あるいはまたマスコミ関係の方々、そういう御協力などを大いに賜る総合的な、何といいますか戦力になることが必要なのじゃないかなという感じがいたします。その結果、早期に産炭地域振興の目的が達成できることが私どもの一番大きな期待感として持ち得る要素ではないか、このように認識する次第でございます。
○東(順)委員 同じく見直しのことでございますけれども、六条市町村見直しの基準としまして、財政力指数が相当程度高い市町村、二番目に、財政力指数が高く、かつ財政力指数、人口ともに昭和三十五年の水準に回復したと認められる市町村、こうなっております。
 筑豊地域におきましては、六条から十条指定への移行をする対象として岡垣町という町が挙がっているやに伺っております。一つの例でございますけれども、この岡垣を例にとってみますと、この町の状況が、例えば失業率をとってみても、昭和六十年の国勢調査による完全失業率が全国平均三・四%に対して岡垣町は六・四%。また人口、特に高齢化ということを考えてみたときに、十年後は六十五歳以上の高齢者が総人口の二五%を超えるということを町として見込んでおるわけですね、これが二つ目。それからまた、生活保護なんでございますけれども、平成元年度末現在で全国平均の約四倍。それから工業出荷額なんですけれども、住民一人当たりの工業の出荷額が全国平均の約十五分の一。このほか鉱害認定が大変におくれている状況とか、あるいはまた炭住、現在町に三百七戸の炭鉱住宅があるけれども、このうち百七十九戸が老朽化している、こんな状況があるわけでございます。
 私は、ここで言うのは、岡垣について指定問題どうのこうのというよりも、それはまた後のことになると思いますので、今ここでは一つの例として紹介をさせていただいたわけでございますが、つまり、財政力指数、人口、この二つは確かに重要な基準ですけれども、やはり地域の実情を正確にはかっていく上で、もう一歩踏み込んで、外側の顔だけじゃなくて内側の顔というのでしょうか、内側から見た場合に、この財政力指数、人口に加えて、今挙げましたような失業率あるいは高齢化の問題あるいは基幹産業が欠如しているというような問題や住民一人当たりの工業出荷額等々、いろいろな諸条件というものをしっかり勘案をして、総合的にその市町村の見直しをするときに判断すべきではなかろうか、このように思うわけでございます。
 というのも、岡垣町という町は、先ほども同僚議員から出ておりましたけれども、内陸部というよりもむしろ海に近い、立地的には鹿児島本線という大きな鉄道が走っておりまして、国道三号線という主幹道路が走っておりまして、それが上は北九州市、下は福岡市、両方とも百万都市ですが、この百万都市を結ぶ鹿児島本線、それから国道三号線、その中間地点ぐらいに、中間地点というか、ちょっと上の方ですが、その途中にある町で、つまり北九州や福岡から人々が土地を求めて移り住んでくる、家を建てる、人口がふえる、固定資産税がふえる、それからまた働きに北九州市へ、福岡市へ出ていくというような町なわけですね。したがって、岡垣町そのものが内側から豊かになってきて指定の移行の対象になるというよりも、つまりそういう外因的な条件で財政力指数等々が少しよくなってきた、こういう状況の町なんです。したがって、もう一歩深く踏み込んでその町をのぞいてみると、依然として先ほど申し上げたようなことがるるあるわけでございます。したがって、こういったものを総合的に勘案してこの見直しの判断をすべきではなかろうか、このように思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○土居政府委員 個別の指定地域の見直しの問題につきましては、いずれにしても法律延長後の審議会で議論するということになっておりますので、ここでは一般論ということで御勘弁いただきたいわけでございますが、いずれにしても今回の法延長に際しましては、産炭地域振興審議会において、現行の産炭地法につきましては一応期限が来る、その範囲内で対策を講ずるということであったものを延長するに際しまして、いわば十年延長の条件といいますか、そういったことから基本的に今の地域について見直しを行えということになったというふうに理解しておりまして、財政力指数が全国平均を超える、あるいは人口が指定当時から比べて回復したといったところについては少なくとも過疎対策とかその他の一般対策にゆだねていくべきではないか、そういう考え方が答申の背景にあるのだというふうに理解しております。
 そういったことでございますが、ただ、今先生御指摘ありましたように、何も財政力指数、人口だけじゃなしに、その他の失業率、生活保護率、工業出荷額、こういった指数も考えたらどうかという御指摘だと思いますけれども、これらについても産炭地域振興審議会の中では大分議論も行われまして、いずれにしても、六条市町村に対する対策もかなり自治体への財政支援対策が基本になっておるというようなことからいたしますと、やはり自治体の財政力を端的に示す財政力指数が全国平均以上という計数が一つ大きな指標になってくるのではないかいう議論があって、現在の答申になっておるのではないかというふうに理解いたすところでございます。
 いずれにしても、この法律が通りました後、審議会で最終的に基準を決めるということでございますので、国会の審議の経過等も踏まえながら審議会で議論をしていただくということになるわけでございますが、基準につきましては、自治体、特に筑豊の場合には福岡県の判断というのも非常に重要な判断になってくると思いますし、そういった定性的な地域の判断につきましては、計数化できない問題等も含めまして、県の判断ということも踏まえて審議会の議論がこれからなされていくものと考えております。いずれにしても、そういうことで実態を十分反映した基準づくりが行われるように事務局としても側面的に努力をしてまいりたいと思っております。
○東(順)委員 ぜひとも細やかな判断基準と申しますか、そういったところを努めていただきたいと思います。
 それから次に、これは基本的なことかもしれませんけれども、圏域の目標ということなんです。当然、財政力指数、人口というもの、今お話に出たようなそういったものを中心として、十年後を目指して産炭地振興のためのそういう目標設定というものが各圏域でなされるのだろうと思いますけれども、何事も明確な目標設定のもとに力は生まれてくるわけでございまして、何となく指定解除をただ心配しつつ地域の振興に取り組むということよりも、五年後あるいは十年後というように目標を明確に定めて進むことが当然大切なことだろうと私は思います。
 したがって、地元の住民の皆さんやあるいは学識経験者等を交えて、そういう人たちの意見もよく吸い上げて実施計画をつくる参考にしていく。そしてその上で、例えば五年たってここまで来た、さあ次の目標はまた五年後ここだというようなことをしっかりと幅広く、意識を広げて取り組んでいく。そういう中から地域活性への意欲というものが高まってくるし、生きた実施計画もまた生まれてくるし、同時に市町村の枠を超えた広域性への地域のコンセンサスというものも生まれてくるのだろうと思います。
 したがいまして、市町村でもない、かといって県でもない、圏域という、行政的には何となく中間的な、そういう中途半端な圏域というところにおける十年間の目標設定というようなことについて通産あるいは県でどのように指導し、あるいはその目標達成の進捗状況というものをきちっと確認をしていくことについてどのようになされるのか、その辺をちょっと伺いたいと思います。
○緒方政府委員 財政力指数あるいは人口等につきましては、産炭地域振興基本計画で定めます圏域の指定解除基準に反映をされることになろうかと思います。したがいまして、各圏域ごとに定めます実施計画につきましては、その中で目標として財政力指数あるいは人口等について定めるまでもなく、何といいましょうか、卒業基準で、指定解除基準として基本計画に定められるわけでありまして、各産炭地域というものはいわばそこから、指定地域から卒業して立派に活力を持って育っていくようになることを目標にしているわけでございますので、自然に努力目標としてそれがなり得るのではないかと考えております。
 各圏域ごとの実施計画につきましては、先ほど来お話をしておりますように、道県知事が関係市町村の意見を聞いて地域の実態、ニーズに合わせて計画をつくるわけでありまして、この計画をつくる段階で地元の市町村あるいは道県の関係者というものが積極的にこれに参画をしてまとめ上げていただく、そしてそれが目標として決められた後、その実態、ニーズに向けて積極的に御努力をいただくもの、こういうふうに考えておる次第でございます。
○東(順)委員 そうすると、そういう目標に向かっての進捗状況みたいなものは、例えば何年単位ぐらいできちっと確認をされるということなんでしょうか。
○土居政府委員 ただいまの長官の答弁にありますように、指定の解除基準として設定されます財政力指数等の目標につきましては、これは計画の目標というよりも、要するに結果としての指標という要素が強いのではないかと考えます。産炭地域振興実施計画自身は、基本計画で定めます各項目、インフラ整備あるいは鉱工業の振興、こういった各事項についての個別具体的な目標を達成するということがこの実施計画の目標になるわけでございまして、そういった個々の事業の実施といったものが一つの達成管理の前提として各市町村なり各県の前提に置く事項になってくるのではないかというふうに考えております。
○東(順)委員 わかりました。
 最後に、炭住問題でございますけれども、今なお改良を必要とする炭住が一万八千五百六戸ですか、全体の四〇%を占めている状況で、特に福岡県におきましては約二万二千戸に及ぶ炭鉱住宅が存在して、そのうち六二%に当たる約一万四千戸が老朽化等のため改良を必要としているようでございます。財政状況の悪い市町村では改良のための財源確保が大変大きな問題となっているわけでございますけれども、今後の炭住の改良対策について御見解を伺いたい、このように思います。
○土居政府委員 炭住の改良につきましては、先生御指摘のとおり、自治体の財政力の問題もありまして十分な進捗を見ていないという点があるかと存じますが、産炭地域振興対策におきましては、産炭地域振興臨時交付金制度の中で、こういった自治体の炭住改良事業を応援いたしますとともに、今年度から新たに産炭地域街づくり基盤整備事業を設けまして、自治体がこういった炭住を含めた炭鉱跡地の再整備を行おうとする場合に、その計画づくりを支援する、あるいはそういった跡地の購入資金あるいはその土地の造成資金を借りるという場合の財政支援措置を平成三年度から講ずることとした次第でございます。
○東(順)委員 以上で私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○麻生委員長 藤原房雄君。
○藤原委員 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、若干の質問を申し上げたいと思います。
 過日、趣旨説明におきまして大臣からも、産炭地域の非常に疲弊した状況の認識の上に立ちまして諸施策を講じなければならぬ、これは大臣の所信表明にも、また過日の趣旨説明におきましても、そういう認識の上に立ちましてできるだけの法改正を伴うバックアップをしたいという意思のお話がございました。
 私も、十年間の延長ということや産炭地域振興実施計画の策定スキーム変更とか地方税の減免補てんの対象業種の追加とかいうことを大きな柱といたしますこのたびの法改正につきましては、まことに時宜を得たものであり、また、今日まで関係者の方々が心から願っておられたことを実施することになったという点では評価をいたしておるところでございます。
 しかし、過日の大臣のお話にありましたように、産炭地におきましては、どちらかというと都市から離れておるところにおきましては、新しい町づくりということで大変に疲弊といいますか苦悩いたしております。そういう観点からいいますと、さらにこれらのものを着実に進めるということとともに、産炭地域振興に対しましてさまざまなお力添えをいただかなければならぬと思います。そういう点から何点かお話を申し上げたいと思う次第でございます。
 先ほどもお話がございましたように、このたび産炭地域振興審議会の答申、四月に諮問いたしまして、それが暮れに答申という形になって出ておるわけでありますが、これに沿った形で出されておるわけであります。
 この中にもいろいろなことがございますが、その中の主な緊急を要する諸問題についての改正、一番大事なことは十年間の延長ということだろうと思うわけでありますが、この中で、具体的な問題になりますと地域見直しの手順とか段取りをどう考えるかということになるのでありますけれども、そのことの前に、三十年この方、地域振興のいろいろな施策をしてまいりました。それはなかなか卒業し得ない地域が非常に多かったわけであります。いわきは、私は何度も行ってよく存じておりますが、これは都市の中にあると言っても過言でない、都市に非常に隣接したところでありまして、環境は非常に恵まれておったという感じを持つわけでありますが、それからいたしますと、石炭というのは都市の近接というよりも山村といいますか、そういうところが多いのではないか。いろいろな問題点があろうかと思いますけれども、この三十数年の間、三十年代から閉山が始まりまして、その地域の産炭地振興のためのいろいろな施策を講じてきたわけでありますが、今日、この三十年近く施策を講じながら地域指定から卒業する町村がなかなかなかったということにつきましては、通産省としてはどういうようにお考えになっていらっしゃるのか。
 そういう中で、このたび、この地域指定の見直しをしようということでありますが、それは条件がある程度整ったといいますか、財政力指数とか人口とか、そういう一つの数字的なもので見ていくというのは一つの物差しとしてはわかるのでありますけれども、そういう基盤とかいうものができたというふうに、そうでなければそういう見直しはできないのだろうと思います。具体的な見直しの作業というのはいろいろ答申の中でも言われておることは存じておりますけれども、概括的なことで、三十年たって今日までなかなか卒業し得なかった産炭地域の振興策というものが、ここへ来て見直す、こういうことは、見直すべきだという文言が入って、そしてその作業が進められる、こういうことは通産省としてどうお受け取りになっていらっしゃるかということと、地域見直しの手順とか段取りとか、これからどういうように進めていくのか、この間のことについて御説明いただきたいと思います。
○土居政府委員 産炭地振興対策につきましては、先生御指摘のように昭和三十年代以来三十年間ということでございます。この三十年間につきましては、御承知のように昭和三十年代、四十年代、特に四十年代の石炭の合理化は非常に規模が大きいものでございまして、四十年代全体で四千五百万トンを超える閉山が行われてきて、年平均の閉山規模も昭和四十年代は四百五十万トンという時代であったわけでございます。したがいまして、産炭地対策はいろいろと講じられましたけれども、三十年代、四十年代はむしろ産炭地域は大きく言って疲弊に向かうという方向だったわけでございますが、昭和五十年代に入りまして、石油価格の高騰等もございまして石炭価格と石油価格の関係も改善するということから、五十年代は一応平穏な時代に入ったわけでございまして、昭和五十年代における閉山の発生というのは非常に少ないわけでございます。
 したがいまして産炭地全体も、昭和五十年代に入りまして人口の面でもその他の指数の面でも全般的には回復基調というのが状況でございます。したがいまして、そういう状況を受けまして昭和五十六年、前回の改正のときには、最後の十年の改正ということで解除基準を設けて、いわき産炭地が卒業するという経緯に至ったわけでございます。
 今回の延長に際しましては、そういう経緯にかんがみまして、旧産炭地における炭鉱の閉山というのは二十年以上のところがかなりございまして、そういった意味では炭鉱閉山のつめ跡というものも、地域の振興との関係ではかなり相対的な関係が薄れてきたということから、今回の延長に際しては崖炭地域振興審議会においてもかなり厳しい意見が出されたわけでございます。ただ、午前中来御指摘がありましたように、昭和六十年に入りまして六十二年からの第八次石炭政策、これは五年間でかなり厳しい生産の合理化が行われました関係がありまして、こういった八次策影響地域を中心としてやはりこの産炭地対策についてはなお十年の延長が必要だということになったわけでございますけれども、一方、旧産炭地域につきましては、そういった過去の長い経過等も踏まえまして地域の見直しを行うべきである、そういう答申に至った次第であると考えられます。
 次の、地域指定の見直しの手順、段取りについてでございますけれども、これは今国会に提出をしておりますこの法案の成立後、産炭地域振興審議会の審議を経まして、産炭地域振興基本計画の中で指定見直しの基準を確定して実施する、そういう段取りになっている次第でございます。
○藤原委員 先ほども同僚委員からもお話ございましたが、今度地域振興の計画をいろいろ立てるわけであります。この計画につきましては、さっきお話ございましたように産炭地域振興実施計画を策定するに当たりましては、私も一言言っておきたいと思いますのは、やはり今まではどっちかというとハードの面に非常に偏り過ぎたということで、先ほど音楽とか文化面のことはお話ございましたが、夕張に象徴されますように、産炭地ということから本当に思いを一新するようないろいろな計画が立てられたりなどしております。これは生き残り策として必死に、そういう人が地域におりますと、文化面のことや、それから最近、特に産炭地におきまして若い人たちをとどめておくためにはやはり文化面のこととかレクリエーションの施設とかこういうものが相伴っておりませんと若い人をなかなかとどめられないということがよく言われるわけであります。産炭地の振興策としまして、やはりそういうソフト面、情報を初めとしますそういうことも十分に勘案しまして、いろいろな対象品目とかいろいろなものの検討の中でぜひ緩和条項を加えていただきたいものだ、こう思うわけであります。
 確かに今部長のおっしゃるようにこの八次策の影響というのは非常に大きかったと思います。夕張などでも二十幾つか炭鉱があったのが全部なくなるという最後のとどめみたいな、八次策というのは本当に炭都が一遍に石炭の山が一つもなくなる、上砂川にいたしましても三笠にいたしましても、そういうことからしますとその影響というのは非常に大きかったと思います。しかし、それが今までの法体系の中での施策だけではなかなか大変だということで、通産省の皆さん方にも大変に御努力いただきましていろいろなバックアップをしていただいたことに対しましては心から感謝を申し上げる次第でありますが、やはり八次策で影響を受けた地域がこれからどう立ち直っていくかということになりますと、これは非常に難しいいろいろなことがあろうかと思います。
 それらの地域振興策ということで、これはいつも同僚委員からも言われ、私もいつも指摘してまいりましたが、やはり三笠などを見ますと、道路一本、高速道路一本できますと非常に地域の利便性というのが変わってくる。北海道も今企業誘致ということで道庁の東京事務所にも窓口を置きまして一生懸命やっておるわけでありますけれども、まず聞かれますことは、千歳飛行場まで何分ですかとか、旭川の飛行場までは何分ですか、こういうことから始まりまして、山紫水明とかそういうことではなくして交通の便という、そういうことからいいますと、高速道路、道路網、こういうものが非常に――ですから、今まで通産省が中心になってまいりました産炭地振興策、こういうものとともに他省庁との連携といいますかそういうことで、道路網のことやダムの建設、こういうインフラに関係するようなことで随分要望いたしましたし、またそういうことについて大変御努力いただきましたが、工業団地の建設ということとあわせまして、地域振興のためには、そういう他省庁との連携の上に、これは同僚委員も先ほど来いろいろお話ございましたけれども、そういう形が必要だ。
 そういうことからいいまして、ぜひ通産大臣、公共投資とタイアップした地域の振興策、これなくして地域の発展はないだろうと思います。きめ細かな地域振興ということでありますが、それとやはり他地域との結びつき、こういうことからいいますと交通網、特に夕張は横断道が今計画されておるわけでありますが、これが千歳からできますと、本当に今までは袋小路みたいな地形でありましたが、これは飛行場まで三十分足らずで行くようになる、こんなことも言われております。こういうことからいいまして、ぜひ各省庁間で連携をとり合って協議する、協議の上に地域の振興策というものを進める手だてをひとつお伺いいたしたい。
 これは、予算要望とか、また閉山になったとき我々がその地域をどうするかという苦し紛れにいろいろなことで御要望申し上げ、大臣も一生懸命やっていただきまして何カ所かはやはりそういう形をとっていただきましたけれども、この産炭地域振興というのは、何も夕張や三笠のことだけではございませんで、地域振興のためには道路網、こういう公共投資、インフラを整備するということはもう当然のことでありますが、こういう連携というものを恒常的な形で進めるシステムといいますか、そういうことをぜひひとつお伺いしたいと思います。いかがでしょう、大臣。
○緒方政府委員 産炭地域の振興を図ります上で、道路でありますとかダムでありますとか鉄道でありますとか、いわゆるインフラの整備が非常に重要であることは先生御指摘のとおりでございます。昨年十一月に出されました産炭地域振興審議会の答申におきましても、道路等の産業基盤の整備のための公共事業の推進とそのための関係省庁間の連絡協調の一層の緊密化の必要性というものが指摘されているところでございます。
 そこで、通産省といたしましては、この審議会の答申の趣旨を踏まえまして、今後とも産炭地域振興関係各省庁等連絡会の場を通じまして、関係省庁との連絡協調を一層緊密化をいたしまして、産炭地域の振興に資する公共事業等の推進を図るように努めてまいりたいと考えております。
○中尾国務大臣 先ほど来同僚議員からもいろいろと御質問を受けましたが、まず、先ほどのようなインフラの振興策というものも極めて大事である。それからまた同時に、ただいま委員が御指摘のとおり、横、縦の連絡、これの官庁同士の連携の密度ということもこれまた大きな要素になるのじゃないか。そういうようなことも踏まえまして、先ほどエネルギー庁長官から答弁したとおり、それを確実に私どもも実のある形で実行していく。一つ一つをこれは丹念にやっていきませんと、いかような形で審議会の答申が出ましてもこれはただ画餅に終わってしまうというのではなく、一歩一歩かたくなに私ども討議の上で、できるものから実行さしていただくということを念頭に置きながら、これをただいま委員の発言を尊重しながらやっていきたい、このように思っておる次第でございます。
 財源の問題もそれにあわせて当然付加される問題でございますけれども、これも先ほど申し上げましたように、財政当局とも、先ほど言った関連官庁とも連動しながらこの問題を討議していきたい、このように考えておる次第でございます。
○藤原委員 山村それから産炭地それぞれ、この産業といいますか、今均衡ある国土の発展ということからいいますと、なさねばならないことがたくさんあるかと思います。それらのことも結局、主要幹線道路といいますかそのネットが張られますとその距離が縮まり、そしてまた地域の大きな発展につながっていく。こういうことで、今まではどちらかというと日本列島の背骨、それをどうつくるかということで、大きなところは大体できておると思います。それからきめ細かにどうするかということでございますが、北海道はようやく室蘭から旭川まで高速道路が通るようになったということでありまして、これからこの主要幹線が進む。こういうことを考えますと、それに隣接する産炭地域につきましては非常に企業誘致がしやすいといいますか、企業の方々もやはり関心を持っていらっしゃる。芦別、赤平なんかに参りますと、あの地域ですと旭川の飛行場まで何分で行けるか、こんなことがよく言われるわけであります。確かに最近は、長大な産業ということよりも軽薄短小なものをつくる企業が非常に多うございます。飛行場まで何分かかるか、こういうことが非常に大きなあれになるだろうと思うのです。
 そういうことからしますと、今大臣お話ありましたように、ぜひこれは主要幹線という国土の基本的なことから取り組んでいかなければならないことじゃないか。その町に道路をつくるということよりも、一つの大きな地域づくりということからいいましても、こういうことを中心としまして道路網というものについてぜひひとつ深い関心をお持ちになって、国土庁、建設省、こういうところに対して、いろいろな計画を立てる段階から、また予算づけの段階から、通産省としましてはこの産炭地振興という観点の上からひとつ関心を持って推進していただく、こういう考え方をひとつ強烈に持っていただきたいと思うのです。いかがでしょう。
○緒方政府委員 御指摘の点を踏まえまして関係省庁と十分調整をしてまいりたいと考えております。
○藤原委員 それから工業団地ですね。これは昨年も予算を閉山後いろいろ御努力いただきまして、中空知、空知地域につきましてはやっていただきましたが、中長期的な取り組みによってこの団地の造成ということについてもこれは手順を踏んで進めていかなければならないことだろうと思います。地元の方々がそれぞれアイデアを出していかに生き延びるかということで一生懸命取り組んでいる中で、やはりこの道路網ということやそれから工業団地というものの整備、こういうことが地元にとりまして一つの大きな企業誘致のケースになるわけであります。これらのことにつきましても、産炭地域に対します、八次策影響下はもちろんのことでありますが、全体観の上に立って、こういうことについてもいろいろ御推進いただいておると思うのですけれども、これらのことについてのお考えをちょっと聞いておきたいと思います。
○土居政府委員 今先生御指摘になりましたように、工業団地の計画的な造成それから道路網の整備その他産業基盤施設の整備につきましては、昨年十一月三十日の産炭地域振興審議会の答申におきましても、今後の産炭地振興の中での極めて重要事項であるということで、これを実施計画に明示して各省庁との協調体制を一層強化して推進しろということになっておりまして、そういった方向で、答申を受けて一生懸命やってまいりたいというふうに考えております。
○藤原委員 午前中から同僚委員からも地域振興の諸施策についていろいろお話がありましたが、過日の参考人の方々のお話をお聞きいたしましても、地域の振興ということで国または都道府県、こういうところが携わるところと、やはり具体的にその地域に対して責任を持って後始末をちゃんとするのは地方自治体です。こういうことからいうと自治省の方に来ていただかなければならないのかもしれませんが、これは政務次官もいらっしゃることですから、ただ自治省の方々の説明ということじゃなくて、これは政治的なレベルでちゃんと政治決断をしていかなければならぬことだろうと思うのです。
 私が長々申し上げるまでもなく、今日まで地方自治体には固有のいろいろな事業があるわけでありますが、こういう固有の事業とそれから公共事業と地域振興のためにいろいろな施策をしなければならぬ。この公共事業をするに当たりましては大体裏負担ということで地方自治体は負担を強いられる。こういうことからいいまして、地方自治体への財政支援措置ということが非常に大事なことでありますし、この答申の中にもその辺のことについては抽象的でありますけれども書いておるわけであります。この地方自治体への財政支援措置、このことについては、通産省としてはよくわかりますということなのかもしれません、どうするかということになると、これは自治省かもしれません。しかし、その認識のほど、そしてまたこれらに対しまして、自治省とよく検討しながら今日までもやってきたことだろうと思いますし、その辺のことについて事務当局からお話を聞きたいと思いますし、ぜひこれは政治的な立場から、政務次官からも今後の取り組みについてお話をいただきたいと思うのです。
○土居政府委員 産炭地域の地方自治体の財政援助につきましては、産炭地域振興審議会の答申の中でも最重点事項として答申されておりまして、これにつきましては、午前中来審議がありますように、自治省におかれます交付税の特別措置の問題、あるいは法律に基づきます関係公共事業についての各種予算のかさ上げの問題、これは建設省その他関係公共事業を所管しております関係各省の予算になります。こういったことで、当省以外の各省にお願いしなければならぬところが非常に多いわけでございまして、これらについてはいろいろと関係各省にもお願いしていくということでございます。
 と同時に、通産省自身といたしましても、石炭勘定の中で産炭地域振興臨時交付金制度という形で直接自治体の財政を支援する制度を持っておりますので、こういったものの拡充という形で積極的に地方自治体の財政支援を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○自見政府委員 今先生からのお尋ねでございますけれども、私は、まさに地方自治体が今度の産炭地域振興法でも主役になるべきだと思うわけでございまして、御存じのように、この産炭地域振興法の基本計画あるいは実施計画の中でも、県知事は要するに町村の意見を聞かねばならないということで原案をつくっていただくわけでございまして、それを通産省に上げてくるということでございます。
 殊に何よりも、今申し上げましたように地方財政支援策というのは産炭地域振興対策の大変重要な柱でございまして、従来もこれらに係る各般の施策が講じられたところでございまして、今も石炭部長が申されたとおりでございますが、こういった方向性を積極的に、自治体の財政に対して通産省としても支援をしてまいるというふうな考えでございます。
○藤原委員 前の委員会にも自治省の方にも来ていただきまして、いろいろな――時間がありませんから詳しい論議はできませんが、閉山になりますと急激に人口が減る、それに対しての補正措置とか、自治省でも交付税につきましてはそれなりの係数は持っておるようであります。しかし、現場的に言いますと、地方自治体の固有の事務量ということからしますと、確かにいろいろなそういうことを計算して算入されておるのかもしれませんが、今まで継続的にやっておりました事業は事業として取り組まなければならぬ。そこへ、急激な人口減や、また民生的な支出、こういうものについても急増するわけでありますし、さらにまた次の段階として、地域振興のために何をどうするかという基盤づくりをしなければならぬ、こういうことで、閉山時点というのは、現在の法律的なことからいいますと確かにそれは精いっぱいいろいろなことを考えながらやっておるということなのかもしれませんけれども、去年の七月ですか、私ども北海道班は視察に参りましたが、やはり地方自治体から、それからまた各種それぞれの陳情する団体から言われますことは、地方自治体に対する財政援助ということについて非常にお話があり、特に地方自治体の首長さん方からは、極端な話、今まで炭鉱に交付をしておったお金をそっくり二年なり三年なり地方自治体にいただければ我々はこの難局を何とか乗り切る基盤をつくることができる、そう言うぐらい、この法律の制度、今の法体系の中でそんなことができるかどうか難しいことでありますけれども、そのぐらい閉山時点というのはなすべき、しなければならない財政需要というのは非常に多いということであります。行政的にはそれに急に対応する、そういう手だてというのはなかなかないということで、大変に苦労なさっていらっしゃる。
 そういうことで、いろいろな施策はしていただくけれども、裏負担とか、それから自分たちの地方自治体から支出をする、そういうもののない形で、そっくり国が来て何かしていただく、そういうことなら歓迎するけれども、事業に対して地方自治体が負担になりまたそれに対する支出を要請されるようなことですと、非常に広範な今までの継続的な仕事とともに、閉山時点で支出の多くなったものをカバーするということは非常に厳しい。自治省はその後についていろいろ検討しましょうとかなんとか言うのですけれども、そういうことを初めとしまして、閉山時点におきます対応ということや、それからその後の地域振興ということになりますと、これは少しぐらいのお金でできるわけじゃございませんし、公共事業投資を初めとしましていろいろな投資の金額はかさむわけであります。そこへ、ぜひしなければならないということで、当然増経費として投下しなければならないいろいろなものが出てくる。こういうことから地方自治体の財政というのは、閉山時点と、その後もずっと尾を引いて鉱産税や人口減、こういうことで交付税また税収が非常に減る中にありまして、需要が非常に大きい、こういうことですね。
 これは自治省の管轄なのかもしれませんけれども、しかしそういうこと等もあわせて対応していきませんと、先ほど申し上げましたように各省庁間の連携といいますか、こういうものをしっかりしていきませんと、通産ベースでいろいろな対応を考えておりましても、地方自治体としましては、財政ということで思うことの何割かは実行できない、こういう現実が出てくる。
 それから、芦別なんかもいろいろなことを計画してやっておるのですけれども、それにはやはり起債とかいろいろなことで、民間との第三セクターとかいろいろな形を組みましても、財政的にはその後非常に苦しい思いをしておるのが現実でありまして、財政面につきまして地方自治体レベルでの対応といいますか、こういうものをよく検討しなければならぬ。対応策をいたしませんと、先ほど来お話ございましたけれども、大体もう炭鉱といえば山間部にありますから、都市のように新しい産業によって蘇生する、こういうことはなかなか難しいことだろうと思いますが、それとともに、新しい産業が起きるまでの間というのは、地方自治体にとりまして財政ということで非常な負担を強いられ、その運営ということの苦しさの中におる、こういう現実は、今日までもいろいろ議論になっておりましたし、皆さん方もよく御存じのことだと思うのですけれども、それらのことについてはぜひひとつまた深い理解と対応策、こういうことについて御検討いただき、さらにまた自治省などに詰めるところは政治レベルでぜひひとつまたやっていただく。
 そういたしませんと、八次策影響地域はもちろんのこと、現在地方税でのいろいろな措置もあるわけでございますけれども、なかなか卒業でき得ない。長きにわたって少しずつ面倒を見ているということ、それから、今閉山になって、そこから何とかしようというときに手をかす、財政的な支援をする、それによって一つの方向性が見出される、こういう二者択一のどっちをとるかということですけれども、行政的にはやはりそんなに急激な援助というのはできない、そういう仕組みの中にあるわけですから、地方自治体の首長というのは大変な苦労の中で財政運営を強いられておる。そういう現状等をひとつ踏まえまして、ぜひ地方自治体の財政ということについて、この法案は法案としまして、今後考えなければならない重要課題だろうと私は思うのですけれども、通産当局としてどうお考えになっていらっしゃるのか、今後のことについてひとつお伺いしておきたいと思います。
○緒方政府委員 地方自治体の財政運営そのものにつきましては、午前中の御質疑でございましたか、出ておりましたように、主として交付税の問題であろうかとは思います。
 御指摘のように、地方財政の大変難しい問題に直面しているということであろうかと思いますので、私ども自治省にお願いすべき点はお願いをし、また御協力できる点は何かお手伝いをするということでやらしていただきたいと思っております。また公共事業等につきましては、先ほど来出ておりますように、道路等のインフラの整備につきまして、また関係の省庁と緊密な連絡をとって進めてまいりたいと思っております。
 ただ、さらに一点つけ加えさしていただきますと、そのようにいろいろ財政の基本あるいは公共事業のような大型の投資というのもあるわけでありますけれども、やはり地域振興を考えていく上で非常に重要なことは地元自治体の主体的な努力ということでありまして、そのために、例えば地方自治体でハードの大きな設備をつくるだけではなくて、先ほど来出ておりますようなソフト、例えば地域のビジョンをつくるとか企業化の調査をするとかイベントを行うというようなことをおやりになる場合に、これは通産省としても、産炭地域活性化支援事業調整額あるいは大規模プロジェクト事業化促進調整額等の予算措置を通じまして積極的に支援をしてまいりたいと考えております。また平成三年度の予算では、例えば地元の地方自治体が産炭地域の街づくり基盤整備の計画をつくるというようなことを自発的におやりになる場合には、これを財政的に支援をするための、ボタ山、炭鉱跡地等の地域開発の計画を支援するための予算措置を織り込んだところでございます。
 今後とも私ども、地方自治体が中心になりまして地域振興を主体的に図っていく場合に、積極的にこれを推進していくということでやらしていただきたいと考えております。
○藤原委員 もう時間ですからこれで終わりますが、確かにことしの予算の中にそういういろいろなことがあることも知っておりますけれども、イベントや何かにしましても、一回やってそれでいいというわけではございませんから、やはり継続的に見なきゃならぬということや、他省庁とのいろいろな連携とか、こういうこともございまして、通産省が一つの窓口になってまた地方自治体との連携をとりながら、地方自治体は地方自治体としてのこの交付税を初めとします諸問題についての検討をする、こういうふうになるんだと思います。政務次官、ひとつ地方自治体の財政運営ということを念頭に置いた今後の運営をしっかりお願いしたいと思いますが、一言。
○自見政府委員 今先生から大変的確な御指摘があったわけでございますけれども、先ほどからお話しになっておりますいわゆる道路、鉄道等のインフラ整備の実行計画に当たりましては、各関係省庁の連絡協調が重要であるということは言うまでもございません。私も旧産炭地の出身でございますけれども、いろいろな省庁に行きましても、今までも連携がよくなかったような点もあるわけでございますから、まさにこの地方自治体の自主性が非常に大事でございますけれども、今後とも産炭地域振興関係各省庁等の連絡会を、従来からあるわけでございますが、この機能を十分高めまして、地元の地方自治体が各省庁のはざまにはまらないように、やはり私も政治家としてきちっと、こういった法律が通れば督励をさしていただきたい、そしてそのためにはひとついろいろ御指導いただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
○麻生委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 質問に入る前に、議事進行上ちょっと確認しておきたいことがあるのです。
 今大臣が予算委員会に呼ばれて席を外しております。先ほどの連絡では私の質問終了の十分前までには必ず帰ってくるというお話でした。朝の理事会で私は、十年ぶりの法延長というのに大臣抜きでは困ると強く申し上げたわけでありますし、こういう無理な審議をすること自体が問題だと思いますけれども、それはこれ以上余り言いませんが、少なくとも私が十分間は大臣に間違いなく質問できるように保証していただくという点だけよろしくお願いします。
○麻生委員長 理事会で各党からの理事の方の御指摘のもとにお約束をしておりますので、そのとおりにさせていただきます。
○小沢(和)委員 では、質問させていただきます。
 産振法が制定されてからもう何回も振興基本計画とか実施計画がつくられたわけであります。特に前回は、今度こそ絵にかいたもちに終わらせないためにということで、実施計画をブロックごとにつくり、さらにそれを一層地域に具体化するために知事に発展計画をつくらせたわけであります。しかし、それでも結果は非常に不十分だったと思います。何が原因だったのか、また前回改善したはずの手法のどこに欠陥があったと考えているのか、まずその点をお尋ねします。
○土居政府委員 産炭地域振興計画につきましては、今委員御指摘のように、この十年間、圏域ごとに各道県によりまして発展計画がつくられまして、その道県の発展計画に基づきますというか、その発展計画をベースとして国が実施計画をつくるというような手順を踏んできたのは御指摘のとおりでございます。
 ただ、この発展計画と実施計画との関係につきましては、法律上もリンクしておりませんし、実質面でも必ずしも調整がとれていたとは言いがたい面がございます。一方基本計画、実施計画を通産大臣が定めるということになっていた関係からいって、何といいますか、雰囲気としましても地元の自主性が損なわれた面があるのではないかという感じもいたしまして、この発展計画が絵にかいたもちに終わったというような御指摘をされる方もおられますけれども、そういった面で県がつくった発展計画が十分生かされなかったという面はあるかというふうに考えております。
○小沢(和)委員 今回の改正で、産炭地域振興実施計画を作成する場合には、事前に知事が市町村長の意見を聞いて原案をつくり、これに基づいて審議して決めていくということになっております。これは私も従来より一歩前進した手法だと思います。しかし、地元がつくった原案をどの程度尊重するのか、これが先ほどから議論されておりまして、私も一生懸命聞いておるのですが、いま一つはっきりしないところがあります。
 そこで、確認の意味でお尋ねをしたいと思うのですが、地元から出された原案を変えようという場合には少なくとも地元と協議をして決めていただきたい、こういうことを運営上やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○土居政府委員 今御指摘ありましたように道県が原案を作成するわけでございますが、それについても市町村長の意見を聞かなければいけないということになっておりまして、当然道県と市町村との間でもそういう意見調整がされるというふうに考えられますが、この原案に基づいて国が計画をつくる場合にも、当然そういう意味では道県との意見調整が進められるというふうに考えられるところでございます。
○小沢(和)委員 だから、くどいようですけれども、いわゆる実施計画の原案を地元が上げてきた、それと違うような計画にしようという場合には地元と協議をしますね。そういう運営をしてくれますね。
○土居政府委員 具体的な手続につきましてはまだこれからでございますので定かではない面がございますが、道県がつくりました原案につきまして、通産省は関係各省に投げて、関係各省とも協議をしなきゃいけませんし、そういった意味で、国のそれぞれの行政体系、予算措置との関係で、いずれにしても国の方からも自治体の方とは相談しなければいけない事態になるのではないかと考えております。
○小沢(和)委員 建設省お見えでしょうか。建設省に一問お尋ねしたいと思うのです。
 地元で私たちが計画よりおくれているといつも言われるのが道路の問題なんです。特に、幹線道路である国道二百号、二百一号あるいは三百二十二号の整備がなかなか進まない、こういう経済的な大動脈がこれだけ時間がかかっても進まないということに非常に不満が大きいわけですが、どうして進まないのか、これからどういうふうに考えておられるのか、お尋ねします。
○藤田説明員 お答えをします。
 筑豊地域を通ります国道は、先生今御指摘のように、二百号、二百一号、三百二十二号というようなものがございます。いずれも、例えば二百号ですと直方市、飯塚市と北九州市それから筑紫野市を結ぶもの、あるいは二百一号ですと飯塚市、田川市と福岡市あるいは苅田臨海工業地帯を結ぶ、こういうようなことで非常に重要な路線でございます。
 そのうち、現在の整備の進捗状況をかいつまんで申し上げますと、例えば直方バイパスにつきましては、周辺部の交通混雑の緩和ということで、全体計画七・二キロのバイパスでございますが、これの北九州市側につきましては四・二キロほど直轄事業で実施しております。それから筑紫野市の側につきましては三キロほど、これは福岡県で施工するということで補助事業で実施しておる、こういうことで、県と直轄と一緒になりまして事業を進めてまいっております。それで、既に北九州市内側の一キロ部分につきましては高速道路との関係で一部供用している部分もございますが、残りにつきましては現在鋭意用地買収を進めておるというところでございます。なかなか地元の皆さんに御理解が得られなかったところもございまして、なかなか用地買収も進まない状態であったわけですが、構造、立体交差等の計画の変更も行いましてやっと進めることができるようになったということで、これから鋭意用地買収を促進したいと思っているところでございます。
 そのほかの部分につきましても、例えば二百一号で仲哀局改というのがございますが、これは平成二年度から事業に着手したところでございます。この仲哀局改と申しますのは、香春町と勝山町の間の仲哀トンネルというのが非常に幅員が狭かったものですから交通の隘路となっておりまして、これを解消しようということで、新しいトンネルを建設するというようなことで延長二キロの改良工事に平成二年度から着手した、こういうような状態でございます。
 こういうことで、現在用地買収を進めながら部分的には工事も並行してやるというようなことで鋭意努力してやっておるところでございますが、筑豊地域の産業の振興、生活基盤の充実、こういうことに果たしている役割が非常に重要であるというふうに認識しておりまして、今後も地元の皆様の協力を得ながら整備を進めてまいりたい、かように思っております。
○小沢(和)委員 物の順序としては、やはり道路などが本当に先行的に整備をされて初めて振興というのが進んでいくということになるんじゃないかと思うのですが、今名前が出ました二百号線の直方バイパスなどというのは、私が福岡の県会議員をしておった二十年近く前から計画が出ておって、今ごろようやく用地の買収を進めておるというような状況のようですし、さらに場所によってはまだ路線が決まっておらないというようなところもあるようです。こういうような現状を考えると、私は今度の十年を産振法最後の延長として立派に実を結ばせるためにも、本当にこの問題については相当な努力が求められているのじゃないかと思いますが、どういう努力をする決意でしょうか。
○土居政府委員 先生御指摘になりましたように、道路等のいわゆるインフラ整備、これは非常に先行的にしなきゃいかぬということでございますし、こういった点につきましては建設省とも産炭地域振興審議会の答申の過程からいろいろと御相談を申し上げてきたところでございまして、道路その他公共事業につきましてはそれぞれの採択基準で一つの長期的な視点からの事業を行われているところでございますけれども、一方では産炭地振興という角度からそれなりのまた要請もあるわけでございまして、その辺の調整をこの新しい、延長になります産炭地法の体系の中でいろいろと御相談してやっていくということで、通産省としては一生懸命やってまいりたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 次に、昨年の審議会の答申では、閉山による打撃から立ち直った地域については六条指定を外すことを提案しているわけであります。私の地元は全体としてはなお施策を継続する地域になるわけでありますが、先ほどからしばしば名前が出ております遠賀郡の岡垣町が指定を外す対象として報じられております。
 私も一、二だけお尋ねをしたいわけでありますが、この審議会の答申では、圏域全体を解除する場合には一、二で財政力指数の基準を示しておりますが、そのほかに三として累積閉山量や老朽炭住など当該地域に現在も残る閉山の影響をも考慮に入れることになっております。先日私が当委員会でこの答申をまとめた笹生参考人にこの点を質問いたしましたところが、市町村の解除についても同様のことを考慮すべきだという見解が示されましたが、政府もそのとおりお考えになっておられるでしょうか。
○土居政府委員 参考人の意見聴取については、私も今ちょっと手元に正確な記録がございませんので委員長の発言についてはコメントは差し控えますが、少なくとも委員長がまとめられて、それをもとにして最終的に答申になりました産炭地域振興審議会の答申におきましては、今御指摘になりましたように、圏域としての解除基準について今のように炭鉱の閉山による影響の希薄化の基準というのが設けられているわけでございます。
 この圏域による指定解除といいますのは、結局圏域の解除というのはその圏域に属します市町村の解除にもつながるわけでございますので、そういった意味では圏域と市町村というのは、角度は違いますけれども、圏域における解除というのも市町村による解除を意味しているということからすれば、そういった意味で、その圏域に属する市町村の解除については累積閉山基準を含めました炭鉱の影響の希薄化というものが適用されているというふうに考えられるのではないかと考える次第でございます。
○小沢(和)委員 そういう見解を示していただくと私は大変心強くなるわけです。岡垣町から私も資料をいただきました。先ほどからいろいろそれについては中身がここで述べられておりますから、私は重複してまた同じことを言おうとは思いませんけれども、財政力指数にしても、あるいは老朽炭住、鉱害、こういうものがいっぱい残っているという点でも、さらに失業率や生活保護率などの面で見ても、全国平均はもちろんのこと、全産炭池の平均をも上回っている、こういう数字を考えれば、岡垣町の指定を解除するということは、今のあなたのような見解を前提にすれば、これはできないということになりはしませんでしょうか。
○土居政府委員 具体的な町村の指定解除の問題につきましては法律制定後の審議会で議論するということになっておりますのでここでは差し控えさせていただきますけれども、一般論といたしまして六条市町村の指定解除につきましては、産炭地域振興審議会の答申では、財政力指数あるいは人口でそこの見直しの基準を定めている、基準についての基本的な考え方を定めているわけでございまして、それで、財政力が全国平均を超えるというような六条市町村につきましては、産炭地域の圏域としては解除になるということではございませんが、例えば六条地域から十条地域に移行するという趣旨であるかというふうに存じます。
 今御指摘の点でございますけれども、ここではそういった意味で、市町村の見直しにつきましては、あくまでもその財政力が全国平均を超えているかどうかという、市町村の財政の水準が非常によくなってきつつあるかどうかという点だけに着目した見直しでございまして、言ってみれば炭鉱閉山の影響がどうなっているかという観点は、むしろこの市町村の見直しの中には逆に入っていないということではないかと考えている次第でございます。
○小沢(和)委員 そういう影響は入っていないと考えるなどというようなことを言ってもらうと今度は心細くなるわけですよ。この点について今までさんざん議論されてきましたからこれ以上私言おうとは思いませんけれども、しかし財政力指数が若干は改善されても全体として産炭地のつめ跡が大きく残っているというようなところについて解除をしていいなどということは成り立たないということを、私は強くもう一度申し上げておきたいと思います。
 次の質問に入りたいと思います。
 次にお尋ねをしたいのは、トヨタ自動車の福岡県宮田工業団地への進出の問題であります。
 筑豊の真の振興のためには男子雇用型の企業の本格的な立地が必要だということが久しい以前から言われてまいりました。この点からすれば、今回のトヨタの進出は地元の大きな期待を集めているわけであります。トヨタがこの地元の期待にこたえて日本一の巨大企業にふさわしい社会的な責任を果たしてもらいたいというふうに私は願っておるわけであります。こういう立場から若干の質問をいたしたいと思うのです。
 まず一つは、この地域は産炭地域で、さらに工業再配置促進法の特別誘導地域にもなっております。そうすると、立地企業に対して国税、県市町村税などの減免措置とか工業再配置促進費補助金など優遇措置がいろいろあると思いますけれども、主な、トヨタにも適用される優遇措置としてはどういうようなものがあるのか、確認する意味でちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
○土居政府委員 産炭地域でございます宮田町への進出でございますので、産炭地域に進出する企業に対する企業誘致策というものが適用になるわけでございます。企業誘致策の中には中小企業を対象にするものもございますけれども、一般的には大企業も対象にするということでございまして、地域振興整備公団による設備資金の融資というのが一つございます。それからその他につきましては、今お話がありました産炭地対策ということではございませんけれども、産業再配置対策としての産業再配置促進費補助金、あるいは一般的には開銀の融資だとか、福岡県自身にも福岡県の立地企業に対する融資があるというふうにお聞きしております。
 それから税制の面では、国税では、産炭地に進出いたします製造業につきまして工業用機械等の特別償却制度あるいは資産の買いかえ制度の特例、地方税につきましても、特別土地保有税の非課税等の諸措置があるわけでございます。
○小沢(和)委員 日本一の大企業でも、産炭地に進出をするということになればそういう非常に手厚い援助の手が差し伸べられるわけであります。ところが、それでもまだ足りなくて、県や関係市、町に対して、道路の整備とか港湾施設の確保とか廃棄物埋立処分場の確保、さらに工業用水の確保、排水施設の整備等々の基盤整備を要望事項として出しております。これらに要する経費は二百五十億とも三百億などとも報道されており、道路整備だけでも二百億円かかると言われております。その道路整備でトヨタが示した要望事項というのは、高速道路のインターチェンジと工業団地を結ぶ町道を二車線から四車線に拡幅するとか、キャリーカーと呼ばれる車両運搬車など大型車のために町道や県道の右折レーンの設置など、ほとんどトヨタ専用のものばかりであります。
 そこで、建設省にまたお伺いしたいと思います。
 道路法の六十一条によって、地方公共団体は、条例を定めることによって、公共事業において特に利益を受ける者に対して受益の範囲内で負担金を課することができるようになっております。私は、今指摘したトヨタのケースなどは、ほとんど専用道路に近いような状況になるという点から考えても、この受益者負担をかけて当然ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○小野説明員 お答えを申し上げます。
 宮田工業団地周辺の町道上倉線は、鞍手町あるいは宗像市方面から九州縦貫道若宮インターチェンジに至るアクセス道路として重要な幹線町道でございます。沿線土地利用の進展あるいはインターチェンジの利用交通の増加などから町道の交通量が今後増大するということが予想されまして、現在町において道路の拡幅計画を検討中であるというふうに聞いております。町道上倉線の計画は、このように広域的な交通対策の観点から検討が進められておるものでありまして、道路の拡幅費用を工業団地に進出する特定企業に受益者負担金として負担させることは困難だと考えております。
○小沢(和)委員 建設省にもう一遍お尋ねします。
 今のお話というのは、インターチェンジなどもできたりしてこの道路を利用する人たちが随分ふえてきた、だから受益者負担をかけることは困難だということのようですけれども、それではそういう一般の通行者から、あの道路では足りないという具体的なニーズがあるのでしょうか。そういう話は私はほとんど聞きませんよ。具体的にトヨタが、あそこをキャリーカーなどという非常に重い、そして長いトラックを走らせる、そうすると、右折をさせるのにもレーンが特別に必要だとか、あるいはそういう重いトラックを走らせるためには厚い舗装をしなければならないとか、トヨタが要請をしているのはすべてそういうことなんですから、これはトヨタのためじゃないでしょうか。だから受益者負担をかけてもいいんじゃないですか。
○小野説明員 お答えを申し上げます。
 進出企業からそういう要望が出されていることは承知してございます。ただ、私ども町から聞いているお話ですと、町としては、沿線土地利用の進展、これからこの町道の沿線はかなり土地利用が進むというふうに考えておるようでございます。またインターチェンジの利用交通、これもだんだんこれから伸びるというような予想を立てているようでございます。そういうことから、現在の町道をさらに拡幅整備する必要があるというふうな考えのもとに拡幅計画を検討されているというふうに聞いております。
 それから受益者負担、道路法に基づく受益者負担金として負担させる云々ということでございますが、先ほど説明さしていただいたように、この計画は広域的な交通対策、そういう観点から町はいろいろ検討しているというふうに私ども聞いております。企業からの要請もあるというふうには聞いておりますけれども、町としては広域的な交通対策の観点から検討を進めておって、そういうもので進めようとしておる道路拡幅工事を特定の企業に道路法に基づく受益者負担金として負担させることは困難ではないか、そんなふうに考えておるわけでございます。
○小沢(和)委員 もう一遍建設省に聞きます。
 我が党の若宮町藤島議員あるいは宮田町田中議員らの調べによりますと、トヨタ受け入れのための当面の町道改良事業で、若宮、宮田両町の負担額は四十四億六千八百五十万円というふうに試算をされております。これでは炭鉱閉山の後さんざん苦労し、財政規模も小さい町財政の負担の限度をはるかに超えることになると思います。両町でこれだけの負担にたえられるとお思いになりますか。これに対して何らかの手当てを企業側に要請をすることは私はちっともおかしい話じゃないと思いますが、どうですか。
○小野説明員 お答えを申し上げます。
 道路の整備に要する費用でございますが、これは道路が一般公共の用に供される施設であるということから道路管理者である地方公共団体が負担するということになっております。また、本件のように企業立地によって町としても財政面あるいは地元の雇用面で地域振興上の効果も期待できるわけでございまして、本件のような場合には町道の道路管理者である町が負担するのが一般的には適当であるというふうに考えております。
○小沢(和)委員 建設省に最後もう一遍聞きますが、今私が指摘をしました道路法の六十一条によって受益者に対して負担を求めたということは、全国的にはそういうケースがあるのでしょう。
○小野説明員 お答え申し上げます。
 道路法第六十一条の規定に基づく受益者負担制度、これは道路に関する工事により一般的な受益をはるかに超えて特定人が特別に利益を受けるような場合に、当該特定人に道路に関する工事に要する費用の一部を負担させることができることとしたものであります。この場合の負担金の徴収を受ける者の範囲及び徴収方法については、道路管理者である地方公共団体の条例で定めることとなっております。しかしながら、実際の制度の運用については、具体的な受益者あるいは受益の範囲等を把握することが非常に困難でございまして、適用の事例は極めて少ないというふうになってございます。
○小沢(和)委員 だから、極めて少ないということはゼロじゃないわけでしょう、あるわけでしょう。端的にそういうふうに答えていただきたい。
 厚生省にも一言お尋ねをしたいと思います。来ておられますか。
 私、地元の商店街を回りますと、もしトヨタ生協が出てきたら、商店は潤うどころか壊滅的な打撃を受けるという不安をしばしば耳にするわけであります。私自身生協の組合員でもあり、その発展のためには協力してきておるつもりでありますけれども、これはそういうことと別にして、私はこの不安には根拠があるのじゃないかと思います。
 トヨタ生協は加入者が十数万というマンモス生協でありまして、年間売上高は六百億円、宮田工業団地の隣の直方市の小売店の総売上高に相当いたします。店舗数は三十店で、そのうち五百平米を超えるいわゆる大型店に相当するのが十二店あります。だから、会社と一緒にこのような巨大な生協が進出することに地元の商店街が不安を感じているのは当然だと思います。厚生省は消費生活協同組合の大型店舗の出店についてはこれまでどう指導してきたかをお尋ねをしておきたいと思います。
○浅野説明員 お答えいたします。
 消費生活協同組合、生協の店舗の出店につきましては、直接的にはいわゆる大店法の適用はございません。しかしながら、現実に出店をする場合に地元の方との摩擦が生じるということもあり得るわけでございますので、私どもといたしましては、行政指導といたしまして、まず第一に地元の中小の小売商の方と十分話し合いをして、そして協調的に出店ができるようにということを大前提として話し合いをする、その上で、話し合いがつけば出店をするという形になるように指導をしておるところでございます。
○小沢(和)委員 大臣がお見えになりましたので、あと二、三問大臣に質問して終わりたいと思うのです。
 今、私はトヨタが福岡県宮田工業団地に進出する問題について、トヨタに対して非常に手厚いいろいろな手が打たれてきているということを申しまして、それに対応してトヨタも真に社会的な責任を果たしてほしいという立場から幾つか既に質問をいたしたわけであります。
 お尋ねをしたいと思うのは、それだけ地元から手厚い援助を受けたりしながら、トヨタが今回我が国の自動車産業としては初めて組み立て工場を別会社、いわゆる現地法人化したわけであります。しかも、これについては地元の県や町なども新聞で報じられるまでは全く知らないというような形で、非常に大きなショックも受ける。特に、こういうことになると当面税収が期待できないのじゃないか、もし本社が直接これを経営することになれば、操業開始したその年から税収が期待できるけれども、当面ほとんど期待できなくなるのじゃないか、こういうような点でもこれは非常に大きなショックを与えたし、また失望感も与えたのじゃないかと思います。
 私は、これだけ手厚い援助を受けておきながら地元の県や町に相談もせずにこういうような態度をとって非常にショックを与える、こういうようなことは、本当に大企業は社会的責任を果たしているとは言えないのじゃないかと思うのです。国としてもぜひもっとトヨタが社会的な責任を果たすように指導をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○中尾国務大臣 私もきょうはちょうど全くヒアリングをする時間がなかったものでございますから、今また小沢委員が御質問なさっている間も予算委員会に出ておりましてちょっと抜けておったもので、実情のほどはちょっとわかりかねますので、先に政府委員に答弁をさせまして、そして私から答弁させていただきたいと思います。
○土居政府委員 現地法人化の問題につきましては、税収の面でどうなるかというような御議論もあるやに伺っておりますが、一方では、現地法人化によりまして地域の実情に応じた機動的な意思決定が可能になるとか、あるいは地元の取引企業との共存関係が深まるというような形で地元の活性化にもつながりますし、それから従業員の雇用等につきましても独自の会社運営を行うことが可能になるというようなメリットが期待できるということで、地元に密着したより効果的な経営形態であるというふうに聞いております。
 この問題につきましては、福岡県当局も進出協定の前後にいろいろと協議をされたように伺っておりますが、基本的には県当局もこういった効果に着目してこの進出を歓迎するというふうに伺っております。先ほど来の御質問も含めてでございますけれども、トヨタは大企業といえどもやはり立地条件で判断をするわけでございまして、そういった意味で通産省の産炭地対策あるいは地元、県による企業誘致策、こういったものが一つの判断材料になっている面もあるわけでございますから、そういった意味でこういった経済誘発効果がある企業の進出というのをまず歓迎して、今後の波及効果に期待するというのが我々の姿勢でございます。
○中尾国務大臣 どうなんでございましょうか、小沢委員の満足な答弁になるかどうかわかりませんが、いずれにしましても、先ほど来ずっと石特で聞いておりますると、何といいますか、産炭地域が非常に年々歳々だんだん人口も少なくなる、あるいはまたそれを活性化し、民生も安定させ、しかもそこのところに人々も満足して住んでいけるような状況をつくるのにはあらゆる可能性のものを考えたらいいという応酬がなされておりました。なかんずくリゾート開発であれあるいは企業誘致であれ、あるいはまた企業誘致を誘発するためのイベントであれ、ネットワーク、交通網であれ、情報産業であれ、そういうものが極めて必要なんじゃないか、こういう話が相当に応酬があったと思います。私もそういう意味においては、先ほどの政府委員答弁を聞いておりましても、また今ちょっとエネ庁の長官の方から聞きましても、県に全然相談がなくてぽこっとあれだけの企業体が出るということはちょっとあり得ないのじゃないかと思うのです。
 そこで、私も実態のほどがわからないままに言うことはできませんけれども、しかし、いずれにしても別法人としてそこに出ていったわけでございますから、天下のトヨタと言われている会社でございますから、当然その地域に連動するところの下請会社あるいは運搬会社その他にも大きなメリットを与えていることも事実でございましょう。そういう点では産炭地振興上で大きな効果のあるものとも考えておりましょうし、地元の方々の大きな期待が寄せられておるからこそそういう声もあるわけでございましょうし、現在通産省に伝わってきておるのは相当大きな期待が寄せられておるという民衆の声もあるようでございます。そこで、同社の建設、操業が順調に行われて地域振興に大きく寄与するような方向に、私も帰りましたらまたこれも一回調べてもみますけれども、なおかつそういう中でどういうような形でやられておるのか、また税制上の問題なども、これは現地法人でございましてもその地域には税が落ちることは間違いないわけですから、そういう点においては委員とは多少食い違いの発言になるかもしれませんけれども、このいい意味におけるメリットとデメリットをやはり十分に勘案しながら考えていくべき問題ではないかな、私はそのように解釈いたします。
○小沢(和)委員 誤解のないように言っておきますが、私はさっきから大企業にふさわしい社会的な責任を果たしてもらいたい、そういう立場から指導をしていただきたいということを言っているわけですよ。
 それで、自動車会社が新しく工場をつくる場合には今まで現地法人という形でやったことはないのです。福岡の場合にも直営ということで地元は信じ込んでおったし、そういう立地の協定も交わされておった。ところが、それが突如としてそういう話が新聞などで報じられて、県は知ってびっくりしたということを言っているわけです。メリットもあるじゃないかと言われるけれども、現地法人になれば、例えば賃金その他の労働条件だって別に定めることができるということで、むしろこれは本社工場よりも下がるのじゃないかということもまた問題になったりしている。だから我々としては、ぜひ直営でやるように指導していただきたいということを願っているわけです。
 もう時間も来ましたから、初めに私は大臣に伺いたいと思っておったのですが、この産振法の延長を契機にして、何としても筑豊の本格的な浮揚と発展を図りたいという大臣の決意を最後に伺って終わりたいと思います。
○中尾国務大臣 十年の延長、三十年間やったわけでございますから、この十年の延長というもの、私どもも特に二つばかり大きな問題点がきょうあったと思うのです。一つは、これを総括するところの所管庁がそれぞればらばらになっておってはいかぬ、連動しながらやってくれ、こういうことが一つの大きな要望点ではなかったかと思います。それからあと一つは、何といいましてもそれに財源を伴わなくちゃいかぬ、その財源のことは答申が出てから十分に私どももこれは最大限のことをさせていただきたいものだということで、今鋭意努力をさせておる次第でございます。
○小沢(和)委員 終わります。
○麻生委員長 次に、高木義明君。
○高木委員 先ほどから論議もかなり深まっておりますし、一部重複した点もあるかと思いますけれども、確認の意味を含めて、あるいはまた要請の意味合いを含めまして以下お尋ねをしてまいりたいと思います。
 まず質問の第一は、この法律の十年延長の意義と法の役割は一体何か、こういうことについて通産大臣のお気持ちを率直にお聞かせいただきたいと思うわけであります。
 まず、これまで全国の産炭地におきましては、御承知のとおり山の閉山とかあるいは合理化によりまして多くの離職者あるいはまた地元経済の沈滞あるいはまた自治体の財政危機、こういった影響が出てきたわけでありますが、そういう中にありまして、国を初め地方自治体あるいはまた地元関係者の努力によりましてそれなりの成果を上げて今日に至っておるわけでありまして、この点につきましては私も評価をするわけであります。しかしながら、今日では例の八次策の影響によりまして極めて生々しい事態が起こっておる地区もあれば、今なお人口減あるいは財政力、こういったことで全国的な水準からかなり下回った市町村が現実に存在しているわけであります。そういう意味でこの十年間の延長は自立のための最後の十年、そういう意味では、法の趣旨にのっとりまして実効ある施策が強く要望されるところでございます。そういう立場に立ちまして、この十年延長の意味合いあるいは役割につきましていかにお考えであるか、お尋ねをしておきたいと思います。
○中尾国務大臣 高木委員にお答えさせていただきます。
 過去三十年にわたる産炭地域振興法の実施というものに対する評価を大変賜りまして、まず厚く御礼申し上げたいと思います。
 産炭地域の全般的な状況というものは回復基調にあるとは言えると思います。しかし、まだ相当程度の疲弊が残存している地域が決して少なくはございませんで、特に八次策の影響地域におきましてはさらなる疲弊が増大しているような感じを受けているわけでございます。
 そこで、こうした産炭地域の実情にかんがみまして、総合的な産炭地域振興施策というものを引き続き実施していかないとこれまたいろいろな問題点を惹起する、こういうことからその必要性を認め、なおかつ産炭地域振興の特性あるいは今までの経験などの八次策の影響地域等の疲弊状況の深刻さを考慮するならば、法延長の期間は約十年という一つのスパンをつくりまして、そしてこれが適当と考えられる、そういう形において産炭審の答申では指摘されているわけでございますから、その方向で現在御審議を願っておる、こういうわけでございます。
 そこで、今後の産炭地域振興施策の実施に当たりましては、まず、産炭地域振興計画の実効性の確保、二点は重点地域の施策の重点的実施等、こういうものによりまして施策を一層効率的に進めてまいりまして、これによりまして法延長の期間内における振興の目標あるいは目的の達成というものに私どもは期待を寄せて全力を投球しよう、このような考え方から十年の延長という方向につながっていった、このように御解釈願いたいと思います。
○高木委員 八次策影響地区は除きまして、三十年という異例の経過をしながらもなお疲弊の状態が続いておる、今後、審議の中でこの点についてどう踏まえられておるのか、その辺の御所見をいただきたいと思います。
○土居政府委員 午前中にもちょっと御答弁いたしましたけれども、過去三十年間にわたる産炭地域振興対策でございますが、昭和五十年を境にしまして産炭地域全体としては回復基調にあるということでございまして、昭和四十年代までの厳しい状況に対しまして全般としては非常に明るさを見せておるという状況でございます。その中で、八次策影響地域が非常に疲弊状況が著しいということでございまして、この十年延長も八次策影響地域等の疲弊状況に着目して行われたものということでございまして、その他産炭地域につきましてはそれなりの回復が見られている、そういう判断が背景にあるというふうに考えられております。
○高木委員 この法案の大きなよりどころであります産炭地域振興審議会、この答申の中で今後に大きな問題を残すのは、何といっても地域の見直しの問題ではないかと思っておりますが、地域の見直しの背景あるいはそのねらい、これについてどうとらえておられるのか、お伺いします。
○土居政府委員 対象地域の見直しにつきましては、先刻来御答弁しておりますように、今回の法延長に際しまして八次策影響地域等疲弊の深刻な地域について十年間の延長が必要である、対策の強化が必要であるということの判断が下されたわけでございますけれども、その背景には、逆にそれ以外の旧産炭地域についてはそれなりの回復が見られる、あるいは炭鉱の閉山による影響がそれなりに希薄化してきている、そういう判断が産炭地域振興審議会にあるのではないかということでございまして、そういった後者の判断に基づきまして、今回の法延長に際しましては十年延長、と同時に一方ではそういった旧産炭地域について地域の見直しを行うようにということになった次第だというふうに考えております。
○高木委員 そのときの見直しの基準はどうしていくのか、あるいはどういう場で見直しがされるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○土居政府委員 見直しの基準につきましては、昨年十一月末に提出されました産炭地域振興審議会の答申におきまして基本的な考え方が示されておりまして、閉山による疲弊から回復したと考えられる地域、それから閉山による影響が著しく希薄化したと認められる地域については法延長に際して指定を解除する、それ以外の旧産炭地域については、重点対象地域を除きまして、いずれも閉山から長年月を経ていること、産炭地域振興対策が本来有する時限的性格等にかんがみれば、法延長後一定期間、例えば五年が経過する時点で地域指定の見直しを行うべきである、そういう指摘がなされているところでございまして、そういった考え方が提示されておりますが、具体的な基準自身は、この法律が延長になりました後産炭地域振興審議会で審議いたしまして、そこで具体的な基準が決まり、具体的な見直しの中身が決定する、そういう段取りになっておるわけでございます。
○高木委員 特に見直しを行う場合には、それぞれの対象地域におきましては激変緩和という意味での心配りというのが望まれるわけでございますが、例えば猶予期間とかあるいはまたその他の支援策、こういったことについてはどういうふうに現実段階お考えであるのか、お示しいただきたいと思います。
○土居政府委員 今回の法延長に際して地域の指定が解除される場合につきましては、産炭地域振興審議会の答申におきましても、一定の猶予期間を設ける等、激変緩和措置を講じるということが答申されております。具体的にはその審議会の答申の基本的な考え方の中で、解除基準に該当することとなった年度の翌々年度末まで猶予期間を設けるという考え方でございます。
 それと同時に、審議会の答申におきましては、こういった地域につきましては、地域指定の見直しいかんにかかわらず、地域振興整備公団による事業のアフターケア等、産炭地振興対策については十分その後のアフターケアを行うべきであるというような答申も出されておりまして、そういった答申を受けて、この法律が制定されました後具体的に対処をしてまいりたいというふうに考えております。
○高木委員 次に、地域振興実施計画の策定についてお尋ねしますけれども、この実施計画は今回は特に道県知事が原案を策定するというところに大きな特色があるわけでございますが、知事が原案をつくるその意義というものについてどう受けとめておられるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
○緒方政府委員 昨年十一月末の産炭地域振興審議会の答申で、この実施計画につきましては、より地域の実態及びニーズに即したものとすべく、その原案は道県知事が作成する、こういうような指摘になっております。
 この背景を考えてまいりますと、産炭法ができました当時と変わりまして、最近では産炭地域の自治体みずからが、地域の再生を図るために地元の産業界あるいは学界と連携をとりまして、石炭にかわります新しい産業の創出に積極的に取り組むようなところが出てきているということ、それから先ほども話が出ておりましたが、前回の産炭法の延長以来でございますが、実施計画の円滑な実施のためのプログラムでございます発展計画というものを道県が作成するようになっておりまして、それ以来、これら地元の自治体がこういう振興計画をつくるノーハウというものを身につけて蓄積をしてきていると考えられること、そして答申にありますように、地元の事情に精通した道県が実施計画の原案をつくることによりまして、その実施計画の中身がこれまで以上に地域の実態、ニーズに即したものになるだろうという、そんなようなことが考えられるわけでございます。
○高木委員 早急な取り組みと、また努力が必要でありますけれども、この計画策定に当たっていつごろどういうふうになるのか、そういうスケジュールについてはどうお考えですか。
○緒方政府委員 この法律が成立をいたしますと、産炭地域振興審議会に諮りまして基本計画というものを策定いたします。そしてその基本計画の中で地域指定の見直し、圏域ごとの計画目標年度などが明確になります。それを受けまして実施計画というものを策定するわけでありますけれども、平成四年度の予算要求の策定時期などを勘案しながら、それをできる限り速やかに策定をしていくようにしたいというふうに考えておるところでございます。
○高木委員 こういう実施計画ができ上がりまして、その中に例えば道路、そういうインフラ整備についての課題が出てまいります。
 例えば私の地元では、長崎県では御承知のとおり高島あるいは伊王島、池島、大島、崎戸町、こういった産炭地はほとんど離島でございますし、そしてまたその関連の町村は、半島地区という本土の中でも極めて厳しい状況のところにあります。もちろん離島振興法とかあるいは半島振興法という網はかぶっておりますが、こういう産炭地の振興という意味で、そういう実施計画に上がった場合には優先的にこういうのが採択されるのかどうか、その辺につきまして、建設省、来られていますか。
○榎波説明員 産炭地域の振興のためにインフラ整備、特に道路整備につきましては、産業振興の基盤としてだけではなくて住民生活の足として極めて重要な政策であると認識しております。
 建設省といたしましては、このような観点から産炭地におきます道路整備につきまして積極的に取り組んできたところでありまして、現在全国の産炭地域で約二千三百カ所、お金にしまして三千億円の事業を行っておりまして、一般国道から市町村道に至ります体系的な道路の整備を実施しているところでございます。
 この結果、道路の整備状況につきましては、一般国道と都道府県道の合計で見ますと改良率で七三・一%でございまして、全国の平均が六三・二%でございますのでこれを上回る水準まで整備が進んでまいっております。しかしながら、今後とも産炭地域の一層の地域振興のためには道路整備が必要でございますので、建設省といたしましては地域の振興施策に適切に対応しながら、地方公共団体とも相談しながら道路整備を進めてまいる所存でございます。
○高木委員 ぜひ重点的な配慮をお願いをしたいものだ、このように要望しておきたいと思います。
 次に、自治体関係の問題でありますが、自治体の財政支援の強化が特に言われております。例えば答申の中でもこの件については強調されております。地元関係者の主体的な役割が重要としながら、財政力の脆弱なところばかりがほとんどですから、そういう意味で今後財政支援の強化についてどのような見解をお持ちでしょうか。
○土居政府委員 自治体の財政支援につきましては、先ほど来御答弁しておりますように、産炭地域振興審議会の答申でも、重点事項として今後の対策の強化項目に挙がっておりまして、これにつきまして通産省といたしましても、平成三年度の概算要求では、例えば八次策影響地域に対する産炭地域振興臨時交付金の単価の引き上げ、これは具体的に言えば閉山・合理化地域に対する閉山等交付金の単価の引き上げでございますが、こういった措置を講ずる。あるいは特定公共事業に係る自治体の最低義務負担率、これは二割であったものを一割に引き下げるというような形で自治体の財政支援対策を講じておりますが、午前中来議論がございますように、自治体の財政問題というのは、自治省によりますいろいろな交付税制度の問題もございますし、それから公共事業実施官庁の関係各省の予算あるいはそのかさ上げ予算といったものもございまして、関係各省にもお願いをしながら、こういった点について通産省としてできる限りのことをやってまいりたいというふうに考えております。
○高木委員 いわゆる地方の地域の活性化ということで、御案内のとおりにふるさと創生事業というのがございました。これは産炭地域におきましても、とにかくその地域のイメージアップを図り、活力を呼び戻し、そして住民にやる気を起こそう、こういう意味では、これはふるさと創生事業でありながらも産炭地にとっては大変結構なことだったと私は思っておりますが、このふるさと創生事業が産炭地においてどういうふうな展開のされ方をしておるのか、そういう意味についてどう踏まえられておるのか、この際、お聞かせいただきたいと思います。
○黒沢説明員 お答え申し上げます。
 産炭地におきましては、産業構造の変動等に伴いまして地域経済の疲弊とかあるいは若者を初めといたします人口の流出等でさまざまな解決すべき課題を抱えておるわけでございまして、活力ある地域づくり、これが特に求められる地域であるというふうに私ども認識しております。
 自治省が実施しております「自ら考え自ら行う地域づくり」、いわゆる一億円事業でございますけれども、産炭地におきましても自主的、主体的な地域づくりが積極的に取り組まれておりまして、全二百四の市町村においてすべて事業計画が決定されておりまして、今熱心に実施されているところでございます。
 その決定された事業の内容を見ますと、雇用の場を創生するための新たな地場産業の育成とか若者に魅力のあるイベントの開催、産炭地域としての資源を活用いたしました観光振興、あるいは地域活性化のための人材の育成等、さまざまな事業が行われておるわけでございまして、こうしたふるさと創生の取り組みによりまして、住民の非常な参加を得ながら自主的、主体的な地域づくりが行われておりまして、地域の振興あるいは活性化のために十分役立っているというふうに考えております。
○高木委員 先ほどもお尋ねしましたけれども、建設あるいは自治、それからそのほか労働、運輸等々の各省庁にまたがる振興策というのが大きなかぎになるわけでありまして、大臣も先ほどからもそのことについて触れておられましたけれども、そういう強力なバックアップ体制づくりがとにかく今後はこれまで以上に重要になってくる、そういう意味で通産大臣の役割と力というのが大変なものが期待されるわけでありますが、その辺につきまして御所見をいただきたいと思います。
○中尾国務大臣 先ほど来これは大きな話題にもなっておりますが、そういう意味におきましては、ちょうど先ほども予算委員会に出ましたときに、小里労働大臣、あるいはまた吹田自治大臣にも話をし、さらに関連省にも大臣を通じまして話をしながら、一回会合を持とうというところまでたったさっきもなったくらいでございますから、皆さんそれぞれ関心が深いのだなということは、先ほど来私申し上げたとおりでございます。
 そういう意味におきましては、まず、産炭地域の振興実施計画というものに記載された事項、特に道路あるいは鉄道、先ほど委員言われましたインフラ整備というものに関してどうしても計画的な実行というものをやっていかなければいけない。それからまた、関係各省庁の連絡や協力というものが重要であることはたった今述べたとおりでございます。それからまた、昨年十一月に提出されました産炭地域振興審議会の答申におきましても、実施計画の実効性を高めるために関係省庁間の協調を従来にもまして緊密なものにしなければならない、こういうことを考えていくことが最も緊要な重要課題である、このように考えておる次第でございます。
 通産省としましては、こうした審議会の答申の趣旨を十分に踏まえながら、今後とも産炭地域振興関係各省庁等連絡会の場を通じまして、そして関係省庁との連絡あるいは事務レベルとの横のつながり、こういうものの密度をさらに濃くいたしまして、なお一層の緊密化を図っていくという考え方に立っておるものでございます。
○高木委員 八次策影響下への強力な支援がうたわれておりますけれども、この点につきまして具体的にどのような決意と、また施策を講じていくのか、この点についてお示しいただきたいと思います。
○土居政府委員 八次策影響地域等への対策の強化につきましては、審議会の答申におきましても各項目が挙がっておりますが、その第一は、そういう八次策影響地域等重点地域に属します自治体への財政支援の強化でございます。
 第二点は、産業振興の支援策の強化ということで、今回も一部改正を入れておりますが、対象振興事業を製造業から一般産業に拡大していくという問題、第二番目には、工業団地の計画的な造成、さらには企業の誘致、地場産業の振興、それから、平成三年度から新しい制度ができましたけれども、石炭企業等によります産炭地における新分野進出の支援。
 それから公共事業等の基盤整備、この中には新しく制度化しました産炭地域の街づくり基盤整備事業といったものも含まれております。
 さらには、産炭地振興の中核的な事業主体を地域振興整備公団の出資機能の拡充で育成していくということがうたわれているところでございまして、こういった方向で今後通産省としては中長期的に対策に取り組んでいくということでございますし、平成三年度からも厳しい予算事情の中で一部芽を出させていただいているということでございます。
○高木委員 そこで、今出ましたけれども、地域振興整備公団の機能強化という観点について、この際、お尋ねをしておきたいと思います。
 この企業立地の動向につきましては、時代の流れあるいは産業の変革等々でいろいろ違ってきておりまして、それに見合う対応というのがどうしても必要でございます。そういう意味で、この立地企業に対する優遇措置につきましてこれまで以上に拡充をするべきではないか、あるいはまた炭鉱跡地の整備とか再開発、こういったものについてもどんどん取り組んでいくべきではないか、そういうことが言われておりますが、いわゆる現状の整備公団の機能強化についてどう踏まえられており、また今後どう対応していこうとしておられるのか、お考えをお示しいただきたいと思います。
○土居政府委員 地域振興整備公団は、過去三十年にわたりまして工業団地の造成、分譲、全体で百二十七の団地を造成いたしまして、現時点では九〇%を超える分譲率になっておりますけれども、そういった事業、それから進出企業に対します長期低利の融資、第三セクター事業に対する出資あるいは工業用水道事業など幅広い事業を行ってきておりまして、こういった事業につきましては、今回の延長を踏まえまして今後さらに制度を拡充していくということでございます。
 特に、委員御指摘がございましたような立地企業に対する支援制度といたしましては、現在八次策影響地域等を中心といたしまして金利四・三五%の超低利融資がございますけれども、そういった融資の枠の拡大といった方向がございますし、さらには地域振興整備公団の出資機能の拡充によります中核的な事業主体の育成といった方向が考えられるところでございます。
 さらに、未利用旧炭鉱跡地の整備につきましては、産炭地域街づくり基盤整備事業がスタートするわけでございますけれども、今後さらに公団機能の活用について前向きに検討していく必要があるということでございます。
 さらに加えまして、当面の団地の造成計画につきましても、平成三年度においては、現在継続中の十一の工業団地の造成を促進するとともに、さらに新規五団地、その中には新規精密調査一団地を含みますけれども、この五団地の造成の着手が始まったところでございまして、こういった形で総合的に地域振興整備公団の機能の強化を期待していきたいというふうに考えております。
○高木委員 時間もそろそろ終わりに近づきますので、最後の質問にさしていただきます。
 ポスト八次石炭政策というのが今大きく注目されておるわけでありますが、これまでも産炭地域の振興につきましてはるるいろいろ論議があったところですけれども、現行炭鉱があるところにおいてはその存続が最大の地域振興策だ、こういうふうに私は考えております。この前の参考人の陳述の中にも、特に長崎県の高田知事からも述べられておりますように、例えば長崎県の松島炭鉱池島鉱のある外海町におきましては、今人口九千五百人でございます。このうち四千四百人が炭鉱に関係のある方々、外海町の徴税収入の七〇%が炭鉱関係から出ておる、こういうところでございますので、まさに、炭鉱の大きな動向次第ではその町そのものの基幹産業がなくなり、自治体の活動も危ぶまれる、こういう状況でございます。そういう意味で私は、何としても現存炭鉱の維持、存続というのを強く訴えたいわけでございます。
 今、確かに石鉱審におきまして石炭鉱業のあり方について熱心な御議論があっておるようでございますが、そういう意味では、今ここでどうのこうのというものは出てこないかと思いますけれども、しかし私は地域振興の原点はそこにある、このように確信しております。どうかそういう意味で、私が今述べましたものを踏まえていただきまして、大臣の決意なり、お聞かせいただきたいと思います。
○中尾国務大臣 私の基本的なこの問題点に対する取り組む姿勢というのは、先ほども申し述べましたが、また別の違う観点から申し上げましても同じことでございまして、はっきり申し上げて、言うなれば戦後四十五年の歴史を見守ってみましても、非常に伸びていった産業、また伸びていくであろう産業、あるいは、かつては伸びたけれども遅滞していく産業、例えば私の青春時代には鉄は国家でありました。そしてまた繊維はフロントでありました。ところが、それがもう今や、ずっと衰退ぎみになってきたという時期もございました。そのかわりにハイテク産業みたいなのがぐっと伸びている。またあるいは、チェーンストアみたいにぐっと伸びていった産業もありましょう。そういう中にあっても、日本の根幹をなした、明治以来の伝統である殖産興業の、あのときの次元であれだけのかがり火をつけて日本の国の今日までを築いてきたそのステータスの原点である、ただいま委員が原点と言いましたが、その原点を忘れて我々の将来の日本のビジョンもなければ、また伝統産業を重んずる心も生まれなければ、次の世代に与えていく我々自身の根幹的な精神構造も崩れていくんだということが私の初一念でございます。
 それだけに私は、今後の石炭政策のあり方につきましては、あくまでも現在石炭鉱業審議会において、国内石炭鉱業のエネルギー政策上の位置づけ、産業構造調整上の位置づけ、あるいはまた地域経済社会における位置づけなど多角的な観点から御審議をいただいているところでございます。現在、我が国石炭鉱業をめぐる環境は第八次策の答申時に比べましてさらに厳しくなっていることは事実でございます。内外炭価格差は依然大きゅうございまして、二倍以上で定常化しておりまして、ユーザー業界の負担も含めますと国民経済的な負担がまさに大きくなったものだなと考えざるを得ない、否定できない事実に立っているわけでございます。それだけに、現に石炭鉱業審議会におきましては、ユーザー業界や財源を負担している石油業界等からも、石炭政策のあり方の基本的なものについて極めて厳しい意見が出されているところであることも付言しなければなりません。また、ウルグアイ・ラウンド等、国際的な議論の場における我が国の石炭補助金に対する批判の動向もあることも事実でございまして、十分にこれまた踏まえなければならぬ点もあることも否めない事実でございます。
 いずれにしましても、今後の石炭政策につきましては、石炭鉱業審議会から本年六月を目途に答申をいただきました暁に、その内容を踏まえまして、きょうもずっと朝以来今まで、先生の発言に至るまで、その内容の適切な点は十分に私どもも取り入れる用意もございますし、私どもその考え方を十分にそんたくいたしまして、そして適切な対策を講じていくことをきちっとお約束させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○高木委員 今後の御努力をお願い申し上げまして、終わります。
○麻生委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ─────────────
○麻生委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案について採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○麻生委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ─────────────
○麻生委員長 この際、本案に対し、金子原二郎君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。金子原二郎君。
○金子(原)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、産炭地域振興諸対策を強力かつ計画的に推進するため、産炭地域振興基本計画及び実施計画を速やかに策定し、その実効性の確保を図るとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 道県が産炭地域振興実施計画の案を作成するに当たっては、関係市町村の意見を十分尊重するとともに、当該実施計画に教育・文化・福祉に関する事項、産業基盤の整備等に関する事項等についても定めるよう道県に要請すること。
 二 第八次石炭政策影響地域等に対して、地方公共団体への財政支援の強化、雇用創出型企業の誘致のための施策の充実等について、可及的速やかに重点的かつ強力な支援策を講ずること。
 三 地域指定の見直しに当たっては、経済生活圏及び市町村の実情を十分考慮するとともに、指定解除に際しては、合理的な基準に基づいて行い、激変緩和のため猶予期間の設定その他必要な措置を講ずること。
 四 産炭地域振興対策を着実に推進するため、必要な財源を確保し、当該地域における事業採択に関係各省庁が特段の配慮を加える等諸施策の充実に努めるとともに、中央・地方における関係各省庁間及び関係地方公共団体等との連絡協調体制を一層緊密化すること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○麻生委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○麻生委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。中尾通商産業大臣。
○中尾国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、万全を期する所存でございます。
 ありがとうございました。(拍手)
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○麻生委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○麻生委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
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○麻生委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十五分散会