第120回国会 交通安全対策特別委員会 第4号
平成三年二月二十日(水曜日)委員長の指名で、
次のとおり小委員及び小委員長を選任した。
 自転車駐車場整備等に関する小委員
      加藤 卓二君    片岡 武司君
      河村 建夫君    久野統一郎君
      鴻池 祥肇君    前田  正君
      増田 敏男君    柳沢 伯夫君
      上野 建一君    遠藤  登君
      関山 信之君    永井 孝信君
      竹内 勝彦君    辻  第一君
      和田 一仁君
 自転車駐車場整備等に関する小委員長
                加藤 卓二君
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平成三年二月二十日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 長田 武士君
   理事 加藤 卓二君 理事 片岡 武司君
   理事 久野統一郎君 理事 鴻池 祥肇君
   理事 柳沢 伯夫君 理事 山下八洲夫君
   理事 竹内 勝彦君
      石破  茂君    岩村卯一郎君
      河村 建夫君    浜野  剛君
      前田  正君    増田 敏男君
      御法川英文君    遠藤  登君
      北川 昌典君    関山 信之君
      三野 優美君    辻  第一君
      和田 一仁君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 村岡 兼造君
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)   吹田  ナ君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 佐々木 満君
 出席政府委員
        警察庁交通局長 関根 謙一君
        総務庁長官官房
        交通安全対策室
        長       徳宿 恭男君
        北方対策本部審
        議官      池ノ内祐司君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        総括審議官   大塚 秀夫君
        運輸省運輸政策
        局長      中村  徹君
        運輸省地域交通
        局長      佐々木建成君
        運輸省地域交通
        局陸上技術安全
        部長      松波 正壽君
        運輸省貨物流通
        局長      吉田 耕三君
        運輸省海上技術
        安全局船員部長 小和田 統君
        運輸省港湾局長 御巫 清泰君
        運輸省航空局長 宮本 春樹君
        運輸省航空局技
        術部長     加藤  晋君
        海上保安庁次長 豊田  実君
 委員外の出席者
        厚生省健康政策
        局指導課長   篠崎 英夫君
        建設省道路局企
        画課長     橋本鋼太郎君
        建設省道路局高
        速国道課長   荒牧 英城君
        特別委員会第一
        調査室長    直江 鷹郎君
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二月十八日
 交通安全施設等の整備充実に関する請願(井出正一君紹介)(第一三九八号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第一三九九号)
 同(小坂憲次君紹介)(第一四〇〇号)
 同(田中秀征君紹介)(第一四〇一号)
 同(羽田孜君紹介)(第一四〇二号)
 同(宮下創平君紹介)(第一四〇三号)
 同(村井仁君紹介)(第一四〇四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
 小委員会設置に関する件
 小委員会における参考人出頭要求に関する件
 交通安全対策に関する件
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○長田委員長 これより会議を開きます。
 交通安全対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柳沢伯夫君。
○柳沢委員 第百二十国会の交通安全対策特別委員会におきまして関係大臣の所信の表明が過日行われたわけでございまして、これに対しまして本日は、特に昨今一番我々の頭を悩ましております自動車交通の安全ということに問題を絞りまして質問をさせていただきたい、このように思います。
 今国会は我々の委員会にとりまして非常に大事な国会だと思っております。これは、御案内のとおり、昭和六十三年からまた我々の国におきます交通事故死が一万人を突破する、再び増高の傾向を示しておる、こういう時代を背景にする国会であるということが第一点。それから第二点は、昭和四十五年ですか、いわゆる交通戦争のピーク時におきまして制定された交通安全基本法に基づきます交通基本計画の改定時に当たっておる、こういうことも一つの背景であります。さらに、交通安全施設等整備事業の五カ年計画あるいは踏切道の改良計画につきましても改定時に当たっておる、こういうようなことで、いつもどの国会も大事でないということはございませんけれども、こういう背景を考えますと、この国会は殊のほか大事な国会である、このように考えるわけでございます。
 これらの問題につきましては、具体的な計画あるいは計画の基礎になる法律の改定につきましては同僚議員から後日系統的な質疑が行われる予定になっておりますので、私はきょうは、こういう背景を持って最近話題になっておる二、三の事柄について質問をいたしたい、このように思う次第であります。
 まず第一に、昨年の六月に我々は道交法と自動車のいわゆる車庫法を改正いたしまして、特に道交法につきましては既にこの一月から実施が行われておるわけでございますけれども、まずこの改正道交法の施行状況、特に使用主責任の追及ということを今回始めることになったわけですが、これにつきましてどんな状況になっておるか、わずかの期間の経験でありますけれども、その効果がどのようにこれから展望されるのかといったようなことにつきまして所見を承っておきたい、このように思います。
○吹田国務大臣 ただいまの柳沢先生の御質問でありますが、道路交通法の施行状況ということでありますけれども、これにつきましては警察庁の方も積極的な広報活動というようなものを進めておりますし、悪質な放置駐車違反というようなものにつきましても非常に厳しく取り締まりを一月から開始しておるわけであります。
 ちょっと例を申しますと、一月中に駐車違反の取り締まり件数というものは約十七万二千件に上っております。このうちで特に運転手がいないで放置されておる車、これが十万五千件になっておりまして、昨年の一月と比べてみますと、取り締まりが約一万五千件、いわゆる一割、一〇%増ということで取り締まり強化に入っておるわけであります。
 あるいは、そのほか民間における取り締まりについて自主的に御協力願う地域交通安全活動の推進委員というものをつくりまして、その委員の皆さん方が御協力いただくことに相なっておるわけでありますが、この一月末までに二十九都道府県におきまして一万二千六百五十四名という推進委員が委嘱されておりまして、さらにこの四月末までには全国的にこれができるわけでありますが、その際は約一万九千人という委嘱をいたしたい、このように考えておるわけであります。
 さらに、最も大きな二大都市であります東京と大阪、こういったところにつきましては、この違法駐車という問題につきまして抜本的な改善をやらなきゃならぬということで、違反駐車に対する要員を投入いたしまして強力な取り締まりにかかっていこう。東京におきましては、二月二十一日からというのですから明日からですか、明日から強力に人数も動員いたしまして取り締まりに入りますし、大阪におきましては三月一日からこれを実施するという運びになっておるわけであります。
 さらに警察庁におきましても、こういった道路交通法の改正に伴うプロジェクトチームというものをつくりまして、関係都道府県に対しまして、現状をよく視察し、調査してこれからの対応に資していこう、こういう考え方であるようでございます。
 以上であります。
○柳沢委員 公安委員長の方から最近の施行の、いわばスタート時点の状況の御報告をいただいたわけですが、これは言うまでもなく格別の注意を払ってしっかりやっていただきたい、このように要望をいたしておきます。
 さて、若干個人的な私の見解を申させていただきたいわけですが、私はこの道交法、車庫法の改正のときに、党内の論議に際して、モータリゼーションの本当に成熟期にあるという時代を考えますときに、どうもこの期に及んで気がついたことではあるけれども、要するに我々は車を走らせるためのインフラの整備、こういうものの整備には非常に熱心だった、これは技術の開発あるいはシステムとしての整備、そういったハード、ソフトの両面で非常に熱心だったと思うのですが、車をとめておく、このとめるということについてのインフラの整備、これはハード、ソフトともにどうも抜かっていたのじゃないか、こういうようなことを非常に強く所見として言ったわけであります。とまっているときの扱い方、これをどのようにしっかりインフラの整備をするかということがもっともっと本当は、これだけモータリゼーションが進んでいる中で車とのいわば共生というか共存というものを考えていくときに、これについてもっと力を入れてくるべきではなかったか、こういうことを強く意見として出したわけであります。
 路上の駐車場、これは高速道路の一部以外にはほとんど不在であると言っていいかと思うのですが、路外の駐車場、これも余り整っていない。それから出発点の保管場所、これは車庫法でまさに規制をしているのですけれども、我々の先輩というか先祖がやった馬と馬車のとまっているところの、特に都市部のことを申しているわけですけれども、そういう整備に比べても、本当に我々はシステムとしてこういうインフラについてハード、ソフト面での整備というものにどれだけ力をいたしてきたかということを反省させられるのではなかろうか、こう言って申したわけであります。
 これらについては徐々に、最近特に駐車場、車庫ともに整備を進めようという機運にあることは結構なことでありますけれども、私はやはり車の台数とかあるいは交通の分量とかに応じてもっとシステマチックに、本当は駐車場あるいは車庫はどのくらいこの地域になければならぬかといったようなことについて、やはり計量的な根拠を持ってしっかりやらぬといかぬのじゃないか。
 それからまた、いろいろな建築物ができるわけですけれども、こういう建築確認に当たっても、本当はもうちょっとそういったことを背景にして、あなたはこの地域についてはもう通常の戸建ての住宅を建てる場合にもそういうものを準備してもらわなければならぬですよ、本当はそれくらいのソフト面の整備も必要じゃないか、こういうように個人的な見解ではあるのですけれども思っておるわけです。
 そういうような観点から、問題を絞りまして、私は今回の違法駐車の取り締まりをする場合にも、一番恐らく問題になるのは荷物の積みおろし、物流に絡んだこういう積みおろしのための駐車スペース、これは路上、路外ともに非常に整備のありようというものが問題になるのではないかと思うわけでありますが、これはもう不可避なんですね。よく交通工学の先生方は、こういうものを、駐車場が整備されていないから余り駐車違反の取り締まりはできないんだということはこれはもうおかしな論理で、そんなものは自分の行き先に駐車場がどのくらい整備されているかということを考えて自動車に乗っていけばいいんだということを言うわけでありますけれども、しかしそういうことではできないのが物流に絡んだ積みおろしのための駐車、こういうことであろうと思うのです。この点についてどのような取り組みを、今の道交法改正に絡んで、これが厳しくなることに絡んでどのような考え方を持って対処されようとしているか、この点についてお答えを賜りたいと思います。
○橋本説明員 建設省の方からちょっとお答えさせていただきます。
 御指摘のように、路上駐車による交通事故や交通渋滞の防止のため、市街地においては商店街など沿道の土地利用の状況によっては荷物の積みおろしのためのスペースの確保が必要であると考えております。従来より、都市内の道路整備に当たりましては、このような地区において貨物の積みおろしにも利用できるよう停車帯の設置に努めておりますが、実態といたしましては、停車帯が設けられております道路というのは少ないのが状況でございます。また、駐車場への対応は基本的には路外駐車場の整備によってなされるべきものと考えておりますが、沿道の土地利用により、路外駐車場の整備のみでは対応できない短時間駐車需要が存在していることもまた事実であります。
 このため、このような短時間の駐車需要に対応し、秩序ある駐車を誘導し、安全で円滑な道路交通を確保するため、平成三年度から特定交通安全施設等整備事業において路上駐車施設の事業を導入することとしております。道路のスペース等の面から見まして可能な地域につきましては、このような事業を活用して整備を進めていきたいと考えております。
○柳沢委員 お答えはお答えとして承っておきますけれども、私の問題意識というのは質問の中で申し上げたように、要するに自動車というものをとめておくところについての配慮というかインフラの整備ですね、これについてはもう少し、これだけモータリゼーションで、走るところのインフラの整備はもう本当に熱心にやっているわけですから、やはりシステムとしては同様の力点を置いた施策の展開ということが望まれるのじゃないか。これは私は強くそのように思っておりまして、意見としてここでもう一度申させていただいておきます。
 そういうことでございますが、ついでにというか、建設関係の話に絡んで、私は最近の事故にもかんがみてつくづく問題を感ずる点について同様に御意見というか御見解を承っておきたいと思うのですが、一昨日ですか、幼稚園の園児と小学生の児童が歩道を隊列を組んで上級生が指導して登校、登園をしておった。そこへ追い越し禁止の車線でありながら無理に追い越しを試みようとした車が運転を誤って突っ込んでしまって、亡くなられる方はなかったのですが、大変な重傷を負うというようなことが起こったということであります。交通工学の先生方の提言で今度よく言われていることは、交通事故についてもっと具体的な事例について本当の情報を我々に知らせてくれ、そして詳細な分析をして、そこからどういう交通安全の施策をしていけばいいかということをもうちょっと具体的なケースから抽出したいんだ、こういうようなことが要望されておりまして、私もそれはそのとおりだと思うのであります。
 そういうこともありまして、私がここで感じたことを少し申させていただくわけですけれども、日本の町並み、私は東海道五十三次の宿に育った人間なんですが、これは道の両側にずっと家並みが並ぶ。これは通過交通ですね、明らかに。そしてコミュニティーとしては道を挟んで一つのコミュニティーになっている。ですから、しょっちゅう人はこの通過道路を行き来しなければならない。こういうコミュニティーというか町づくりになっているんですね。これは人馬の時代にはまさにこれでよかったのだろうと思うのですが、さて、モータリゼーションの世の中で車が通るというようなことで、こういう伝統的な日本の町並み、町づくりというものがモータリゼーションとの間ではやはり矛盾をはらんでいるのじゃないか。この町づくり自身が問題をはらんでいるのじゃないかという思いを強くするわけです。この幼稚園児あるいは小学校の学童の通園路、通学路もまさしくそういうところに位置しておりまして、この通過交通のところでこういう事故が起こったということであります。最近では町づくりに当たってそういう通過交通との隔離ということを考えていただいておるようでありますけれども、どうも、もう一段のこうしたことへの配慮が必要な事態ではないか、このように考えるわけであります。
 実は、この小学生、幼稚園児の事故だけではなくて、私の近周りでも全く同様のことが起こっておりまして、これはNHKの地方の放送局が取り上げまして分析をしたわけでありますけれども、その分析をしたリポートの一つの指摘としてもこのことが取り上げられておったわけであります。そういうところへ今言った事故が起こりましたので、私はその感をますます深くして今こうして御質問しているわけですけれども、このような町づくりと通過道路との観点、これは既存の町づくりにおいて道路の改修のときにどんなことをしておるか、あるいは町の新開地ですね、こういう新しいニュータウンの町づくりに当たってどういうことを考えているか、そういったことについてどんな御配慮をしておるか、ここでひとつ確認をしておきたい、このように思います。
○橋本説明員 我が国の道路が、歴史的に申し上げまして、確かに人の歩く道であったところに車が混入してきているというのは事実だと思います。御指摘のとおり、市街地、特に住宅地区内におきまして、地域に用のない通過交通が多数あるということは交通安全上の観点から好ましくないと考えております。
 このため、これまでも抜本的な対策といたしまして、通過交通が市街地に流入しないように、都市周辺部におきましてはバイパスや環状道路の整備、あるいは都市内におきましても骨格となるような道路の整備を推進してきております。また、このような道路に囲まれた地域につきましては、住宅地域において通過交通が中に入らないように、コミュニティー道路あるいはロードピアというような事業によりまして歩行者や自転車の安全な通行の確保、あるいは景観等にも配慮した快適な通行空間の創造に努めているところでございます。今後とも、このような人と車の調和した道づくり、暮らしやすい町づくりについて配慮をして、一層努力をしてまいりたいと思います。
 さらに、ニュータウン等についての御指摘もございました。こういうニュータウン等につきましては、通過交通が排除できるように、この中に流入してこないような道路網の考え方等もございますので、そういうものを十分活用して今後とも進めてまいりたいと思います。
○柳沢委員 お答えをいただいて、配慮をなされておることはよくわかりましたけれども、これは区画整理などについても、あるいは農林の関係の土地改良などについても、将来また転用などが行われていくことも最近の情勢だと予想されるということもありますので、これは総務庁に言っておきますが、そういう土地改良あるいは区画整理事業等々においても同様の配慮をするということをぜひ徹底しておいていただきたい、このように思います。
 それと、先ほど挙げました私の近くで起こった交通事案について、この放送のリポートで指摘されたことは、その事故が、被害者は老人、高齢の婦人なんですけれども、田舎のことで、つえがわりに乳母車で、それこそ通過道路を横断しておったときに若い青年が運転をした車にひかれてしまったということであるわけですけれども、実験をしてみたら、たまたま時間が薄暮であったということもあって非常に見にくかった、太陽の光線もかなり残っておるし、それから電灯もあるというようなことで、現実にここは非常に見通しがいいところなんですが、視覚で認識することがなかなか難しいというようなことが事後の追跡の調査でも確認されたということが大きく取り上げられておったわけであります。
 そこで、私はそのように思いまして、この交通安全対策基本法を見ても、歩行者に対しても一定の義務を課しているわけですね。もちろん法令の定むるところに従ってということでありますけれども、歩行者の方にもそれなりの交通安全への協力というものがなければ交通安全の我々の目的は完遂されないことは明瞭だと思うのです。高齢者の交通事故死というものが最近どの統計でも大問題として指摘されておるわけでありますけれども、高齢者に対して、特に歩行する高齢者に対して、特に夜間あるいは薄暮のときに見やすいような、識別のための何か工夫をするということがどの程度行われておるのか。小学生やなんかはヘルメットをかぶったり、ヘルメットに蛍光染料を塗った反射の鉢巻きをしておったりということでよくわかるのですが、高齢者に対して同様の配慮、ヘルメットをかぶせるわけにはいかないでしょうけれども、どんな配慮をされておるか、これはぜひ進めていただきたいという意味で御質問をしておきたいと思います。
○徳宿政府委員 御指摘のとおり、高齢者の歩行者の死亡事故がふえておりまして、平成二年におきましては歩行者の死者全体の四七・四%を高齢者が占めておるという状況にございます。そして、それを時間帯別に見てみますと、御指摘のように薄暮時であります十八時から二十時という時間帯が最も多く、次いで、十六時から十八時という同じく薄暮に近い時間帯が多く発生いたしておる状況にございます。
 こうした実態にかんがみまして、昭和六十三年九月、総務庁長官を本部長といたします交通対策本部におきまして、高齢者の交通安全総合対策を策定いたしました。この中におきまして、高齢者の交通安全に関する国民全般の意識を高めようということ、それから、一方において高齢者自身に対する交通安全教育をしっかりやっていこうということ、それからまた、高齢者が被害にかからないような道路交通環境の整備も図っていこうというようなことを決定いたしております。
 さらに、この交通対策本部決定を受けまして、平成元年二月に、高齢者に対する交通安全教育の基本的な指針であります高齢者交通安全教育指導指針を定めました。この中で、高齢者の交通安全に関する内容、あるいはどういうふうに教育を実施するかということを詳細に定めております。例えば、高齢者は夜間外出するとき、できるだけ黒っぽい服装を避けていただいて、かばんとか持ち物とかその他の物に反射材をつけていただく、あるいは交通安全帽というような反射材のついた帽子の着用なども心がけていただくというようなことも指導いたしております。それから、何と申しましてもお年寄りは反射神経と申しますか、これが加齢とともに鈍くなってくるということもございますので、特に夜間は車の速度あるいは遠近感というものがわかりにくいので、横断するときには車が来ないということを十分確かめてから道路を横断していただくというようなこと、あるいは横断する場合であっても、できるだけ運転者からよく見えるような道路照明のいいところを横断していただくというようなことをきめ細かく定めをいたしまして、この指針に従いまして関係の省庁あるいは地方公共団体においてその徹底を図っていただくようにお願いしておるところでございます。
○柳沢委員 中央でそういうことを決めることは、それは幾らでも細かく決められるのです。今も、夜間に道を横断するときは明るいところを通りなさいとか、歩道の印のあるところを通りなさいということなんですけれども、現実に起こっておることはどういうことかというと、非常に遠いところの横断歩道を一々行けないよということで渡ってしまったということであります。したがって、反射材をつけさせるというようなことも、どうやって徹底させるかということにもっと腐心をしていただきたい。反射材をつけさせると書いてありますよというようなことを幾ら言ってみても事は進まないのであります。それをどうやって徹底させるか、そのプロセスこそが大事なのであります。
 最後に、総務庁長官に伺います。
 日本の交通事故については、御案内のとおり、ピークを迎えたのが昭和四十五年、一九七〇年ですが、ちょうど十年かかりましてこれを半減させることに成功したのです。日本の交通安全施策の成功期と言われておるのです。そして、八〇年代の十年間はどういうものであったかというと、横ばいなんです。八千人台から九千人台と横ばいになっていた。こういうことで、もうちょっと成功を持続したいなという思いでみんなが過ごした時代が八〇年代です。しかし、八〇年代の最末期の昭和六十三年、このときからまた一万人に復活して、それが増加傾向にあるということなのです。
 ですから、交通安全の施策の展開ということから見ましたらこれはまさに挑戦期なんです。そういう施策への挑戦期なんです。つまり、我々の成功期七〇年代、八〇年代は横ばいで、施策と実際の増加傾向は恐らくダイナミックスがあったと思うのですが、そういうものとの格闘の時代でせいぜい横ばいにしか抑えられなかった、苦闘の時代でしょう。しかし、それがついに向こうの力が勝ってしまった。それが昭和六十三年からの一万人台への復帰であり、増加傾向なんですね。そういう意味合いで、この九〇年代というのはまさに大変な問題なんです。そういう意味合いで、これから策定される交通基本計画などについてもありとあらゆる角度からの検討を本当にして、私が先ほど言ったインフラとの関係などについてもそういう観点から指摘させていただいたのですけれども、そういういろいろな角度から考えられるあらゆる角度からの検討をした上でこの挑戦に我々はこたえていかなければいけない、それで成功しなければいけない、これが我々の今立たされている立場だ、このように思うわけであります。
 最後に総務庁長官から、これからの九〇年代の、この十年に向かっての決意をお聞かせいただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○佐々木国務大臣 いろいろお話をいただいたわけでありますが、まことにごもっともな御指摘だろうと思います。ここのところへ参りまして死者がまた一万人を超えてきておる、これは大変な事態だと思います。それには先ほど来いろいろお話がございますが、それなりの原因等が指摘をされておるわけでございますから、それに的確に対応をすることが必要だと思います。私は、基本的には社会経済情勢なり世の中のあるいは国民の生活の仕方、そういうものが基本的に変化をしてまいりますから、そういう大きな流れをとらえてそれにこたえるような対策が必要だろうと思います。
 例えば、高齢者の事故が多いと申しますけれども、それはそのとおりでありますが、これからの日本はまさに高齢化社会ですから、これはもう高齢者がふえるという前提で対策を立てていかなければなりませんし、あるいは夜間の事故が多いと申しますけれども、これも夜間生活あるいは活動をするという人たちがこれからふえてまいりますから、そういう世の中の流れというのを前提にして対策を講じていくことが必要だろうと思います。
 それから一番大事なのは、私どもも地方庁で本当に苦労するわけでございますけれども、いかにしてこれが徹底をするかと申しますと、これは官、民と申しますか、そういう幅広い人たちの御協力あるいは連絡がうまくなければこれはいけない。官、民、特に民の団体、あるいは御指摘ございました個人、こういう方々にも御理解と御協力をいただかなければならない、そういう意味で、的確な対応策をつくると同時に、常に国民運動的なものを継続してやっていく必要があるのではないか、こう私は思っております。
 今、次の五カ年計画に向けていろいろ検討中でございますが、専門家の皆さん方の御意見も十分踏まえて対処してまいりたい、このように考えております。
○柳沢委員 ありがとうございました。
○長田委員長 次に、北川昌典君。
○北川(昌)委員 二、三お尋ねをいたしたいと思いますが、昨年、平成二年でございますけれども、交通事故による死亡者は御案内のように一万一千二百二十七人、これは前年に比べますと百四十一人の増加であります。また、昭和六十三年から三カ年連続して一万人台を推移しておるところでございます。さらに、先ほどもお話がございましたが、昭和四十五年の一万六千七百六十五人に次ぐ高い数字を示しておるところでございます。まさに昭和四十五年に次ぐ第二次交通戦争と言われるゆえんだろうと思うわけでございます。
 こうした憂うべき交通事故の実態、これを総務庁長官はどのように受けとめられておるのか。さらにこうした交通事故を減少させるためにどのような対策を今後お立てになるお考えか、まずその基本的な方針をお聞かせいただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 御指摘ございますとおり、昨年も交通事故の死亡者の大変な増加でございまして、本当に残念に思っております。
 この原因としましては、いろいろ御指摘をいただいておるわけでありますが、道路交通量の増大、これは社会経済情勢の変化あるいは国民生活の多様化等によるものでございますけれども、そういう交通量の増大の問題あるいは国民生活の生活パターンの変化、先ほども申し上げましたけれども、夜間の生活、夜間の活動等が多くなってきておる、これが夜間の交通量の増大をもたらしておる。そして、夜間は致死率が高いと言われておりますが、そういうこと。あるいは先ほどもお話がございましたが、高齢者の事故が多い、あるいは二輪車の事故が多い、あるいはシートベルトの着用がまだ十分でない、着用しないとどうしても大きな事故が多い、こういう点がそれぞれ指摘されておるわけでありまして、私は、まことに適切な御指摘だろうと思っております。
 そういう御指摘に対しまして一つ一つ的確な対策を講じていかなければなりませんけれども、基本的には、これまた先ほど申し上げましたけれども、世の中の変化というものをよくとらえまして、そういう変化に即応した対策をとっていく必要がある、こういうふうに私は考えておるわけでございまして、現在新しい五カ年計画の策定中でございますけれども、各方面の御指摘、御意見を踏まえて、次の五年間の情勢の変化を見据えて、的確な対策を講じてまいりたい、こう思っております。
 そういう対策をつくるだけではいけないわけでありまして、先ほども柳沢先生から御指摘ございましたが、それが徹底をする、こういうことが大事だと思いまして、民間の関係の団体の御協力、それから歩行者と申しますか弱者と申しますか、そういう方々の御理解と御協力、そういうものを合わせて大きな国民運動的なものとしてこれを進めていく必要があるのではないか、こう思いまして、そういう方向で対処してまいりたいと思っております。
○北川(昌)委員 今長官がおっしゃったように、昨年出されました交通安全の手引と申しますか、これを見ましても、本当に多種多様にわたる原因が事故を生み出しておるということが言えると思うわけでございます。特にこの統計で見てみますと、死亡事故の一つの要因として、最高速度の違反とかあるいは安全運転義務違反、さらには交通三悪であります酒酔い運転とか追い越し違反、信号無視、こういったことが大きな原因をつくっておるわけでございまして、言うならば大半はドライバーが交通ルールを守らない、このことによって事故が多発しておることがうかがい知れるわけでございます。
 したがって、ドライバーに対する徹底した指導あるいは再教育、こういったものをすると同時に、やはり違反回数を重ねる者については、あるいはまた事故を起こした者については厳罰でこれに対応していく、対処していく、こういった厳しい姿勢というものもなければ、幾ら交通安全施設等の前進を見ましても事故は減少していかないのではないか、このように私は考えるわけでございますけれども、その点について長官いかがでございましょうか。
○佐々木国務大臣 これは全く御指摘のとおりだろうと思います。いろいろ、交通の安全を確保するためには施設面の対応も必要でございましょうし、またドライバーの対応も必要でございましょうし、あるいはまた全体から見ての規制も必要でございましょうし、あるいは歩行者の協力も必要でございましょうし、いろいろの各面からの協力、協調、御理解、こういうものが前提だろうと思いまして、その一環として、そういう悪質な者に対しては厳罰をもって臨むということも大変重要なことではないかな、こう私は思っておる次第でございます。
○北川(昌)委員 ただ反則金あるいは罰金を引き上げる、このことだけではドライバーの気持ちといいますか、交通安全に対する意識というものは必ずしもそう変化しないと思うのですね。そういった面、どのようにしてドライバーに交通道徳を守らせるか、こういった点についてもさらにこの次の五カ年計画の中で十分御留意いただいて、御検討し、織り込んでいただきたいと思うわけでございます。
 さらに、スピードの出し過ぎの問題でございますけれども、私は、これは素朴なといいますか、お笑いになる意見かもしれませんけれども、スピードは大体普通一般道路は六十キロ制限ですね、それから五十キロ、四十キロ、三十キロというような形で制限されております。高速道については八十キロ、百キロという形で制限されているわけですが、ただ、その車の速度については全く――速度といいますか車が出し切る速力ですね、これについてはまあ無法、できるならばメーカーはより性能のよいスピードが出る車をつくっていくという状況であります。したがって、やはり車がそういう能力を持つならば、勢いドライバーもその能力をできるだけ伸ばしていこうという心理になることもあると思うのですね。したがって私は、そういったスピード違反を、出し過ぎを抑制していくためには、自動車の側にも一定の制限をつけるべきではないか、このように考えるわけです。
 例えば、つくられた車をそう簡単に制限するわけにはまいりませんので、何といいますか、一般道を走る場合にはこれを七十キロぐらいにスピードが出るような形で何か仕組みをしていく。私、なかなかうまく言えないのですけれども、制御装置をして、七十キロ以上は出ないような制御装置をして、高速に乗る場合、高速に変わった場合にはこの制御装置は外していくという形で、これはもちろん事業用のトラックとかそれは別にいたしまして、一般乗用車等についてはそういった何らかの工夫というものがやはりされるべきではないか、このように考えるわけでございますけれども、その点についてどのようにお考えになっているのか。これは運輸省の関係でございましょうかね。
○松波政府委員 お答えをいたします。
 今先生、自動車構造、装置の見地から速度の制御ができないかという御質問でございますが、まず、一般的な考え方からお答えを申し上げたいと思います。
 先生も御承知かと思いますが、自動車は、今御指摘ございましたように、やはり交通の円滑化とかあるいは万が一の場合の事故回避の観点からは、自動車工学上から申し上げますとどうしても加速性能等の面によりまして動力性能上余裕が必要ではあるかと考えております。したがいまして現在、そのような性能を備えた自動車が生産され使われているのが実態でございますが、一方、外国について見てまいりますと、自動車の構造、装置に着目をいたしまして最高速度あるいは普通の速度を規制するという実態はないものと承知をいたしております。
 したがいまして、我が国独自で自動車構造上に関しまして最高速度を抑制するというようなことにつきましては、自動車は先生御案内のように国際的な流通商品でございますから、これからは基準の国際化という視点も十分考慮することが重要なポイントであろうかと思いますが、しかしながら、速度性能に関しましては、運輸省といたしまして従来より国内の自動車メーカーに対しましては過大な性能につきましては抑制するよう指導をいたしておるところでございます。
 現下の厳しい交通事故の状況にかんがみまして、先ほど来お話がございましたけれども、我々運輸省といたしましては、昨年十月でございますが、自動車の構造、装置につきまして、自動車の安全確保のための今後の技術的方策について運輸技術審議会に諮問をいたしたところでございますが、御指摘のような点につきましても、それを踏まえまして、その中で御検討を煩わしたい、こんなことを考えております。
 なお、当面の対策といたしましては、やはり安全運行上速度を守るということが非常に重要なポイントでございますから、運転者が法定速度を厳守するように我々、自動車関係団体を通じまして環境づくりに啓蒙等を通じて努力をしてまいりたいと考えております。
○北川(昌)委員 ただ、私が申し上げておるのは、何か一定の部品をアクセルの下に置くとか、一つの制御装置、これはディジタル式でもいいのですけれども、何かの形で、一般道ではそれで走る、これは運転者が取りかえるとかあるいはまた修理工場に行ってそれが取りかえられるとか、スノーチェーンのような、簡単にそういう機能が変更できるような構造を、構造といいますか車をつくり出すことはできないのか、こう申し上げておるわけで、それはすべてのそういう改造でなくて、そういう性能を持った自動車に対して一定の部品をちょっと取りつけることによって制御できるというようなことは考えられないのか。これは極めて素朴な考え方でございますけれども、そういったこともしないと、いつまでたっても、性能の範囲の中でアクセルを踏めばスピードがずっと出ていくという形で、スピードの出し過ぎ、そして事故につながっていく、こういうことがあるわけでございまして、速度を制限する以上、車にもそういった構造的なものの付加というものが考えられないのかということを申し上げておるわけで、車全体をそういう形で性能を制御しろということは申し上げていないわけなのでございます。私の考え方としてはそういうことでございますので、そのあたりはもう御答弁は要りません。
 それと、いろいろドライバーの問題を先ほどから申し上げておるわけですけれども、この前、昨年でございますか郵送してきまして、「これでいいのか」というトラック関係の労働組合の作成されたパンフレットが参っておるわけですけれども、「プロドライバーからの告発!」という内容になっております。それを見てみますと、これはそれぞれトレーラーの運転手の皆さん、さらには一般道路を走る路線トラックの運転手さん、こういった人たちを対象に聞き取り調査をされた結果がここに出てまいっております。
 まず、スピード違反についてどういう結果が出ておるかといいますと、百四十五人の人の中でスピードオーバーをする人が約七七%、時々する人あるいはいつもオーバーをするという人が七七%にも上がっております。これは高速道路の中ででございますけれども、そういったスピードを出すということは大変危険に、事故につながる大きな問題でもあるわけでございます。
 そのスピードを出す原因、要因についてはこのような結果が出されております。スピードオーバーの理由として、荷主の待ち時間の指定があるからというのが二四%、いわゆる発送側の出発時間が遅い、そのためにスピードを出さざるを得ないというのが二二%、大体四六%もそういった自分の意思でなくて他の理由から、荷主とかあるいは事業主の理由によってスピードを出さざるを得ない、こういう結果が出ております。
 これは、数は百人から百四十五人くらいのものでございますけれども、やはりこういった職業運転手の場合、これは全体的にまあまあ同じ傾向が出てくるのではないかというふうに私は見るわけでございますけれども、こうした自分の意思にかかわらず事業上の、仕事の関係でスピードを出さざるを得ないというところに私は大きな問題があると思うのです。そこら辺について運輸省では今まで業界に対してどのような指導をされてきておるのか、そしてまた、今後こういったことのないような状態というものをつくっていかなければならないと思いますけれども、これに対してどうお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○吉田(耕)政府委員 トラックの運転手がスピード違反などを起こさないよう交通の安全を守っていくというようなことにつきましては、従来から種々業界を指導しているところでございます。
 スピード違反ではございませんが、例えば過積載などにつきましては、その背景に荷主の問題というのもございますので、今度の物流二法の改正、新法におきましては、荷主のサイドでの問題が明らかになったような場合には荷主に対する勧告制度というようなことも設けられております。これはスピード違反ではなくて過積載の問題でございますけれども、そういうものを通じまして今後荷主の問題につきましても指導を万全を期していきたいと考えております。
○北川(昌)委員 スピードの関係は警察ですけれども、そういった違反をしたから捕まる、罰金を納めなければならないということでなくて、そういう違反を生ずる前の段階として、もちろん運転手の皆さん方も心しなければなりませんが、自分の意思ではどうにもならずに、時間に間に合わないということでついアクセルを踏み過ぎるということもあるわけで、そういった関係からいきますならば、もちろん運転者の皆さん方も十分な注意をしなければならないし速度を守らなければならないわけですが、そういう原因をつくる事業体等についても、ただ過積載があったからこれを指導するとかあるいは勧告をするとか、これだけでなくて、その以前に十分な指導というものを、徹底した指導というものをして、事業主の方もそういったことに十分留意するようなそういう方法というものをとるべきではないかと思いますが、そういったことが常にされているのか。例えば年に一回そういった人たちの研修会をやるとか指導会議をやるとか、こういったものがされているのかどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○吉田(耕)政府委員 いろいろな違反行為につきましては、今度の物流二法の改正におきまして、御存じのとおり参入についての需給調整などの経済的規制は緩和したわけでございますけれども、法令違反に対する問題などの社会的規制につきましては逆に強化いたしております。
 そういう中におきまして、具体的にはまず、新法により制度化されました貨物自動車運送の適正化事業実施機関、これは各県に一つずつあるわけでございますが、それによる指導と連携をとりながら、運輸省といたしましても計画的かつ重点的な監査を行っていくというように方針を固めております。また、法令違反に対しまして点数制度を導入いたしまして、これは例えば法令違反で自動車の使用停止日数が一車十日、十日車の場合を一点とするわけでございますが、そういう点数がある一定の点に達しますと事業の全部または一部を停止するとか、さらに高い点に達すると許可の取り消しをするとかということをあらかじめ明示しておきまして、その点に達しそうになれば少し注意をするという予防機能が働きますから、取り締まりそのものが目的ではなくて法令違反をさせないということが目的でございますので、そういう予防機能をも入れた点数制度なども導入いたしております。このようなことを適正かつ機動的に運用してまいりたいと考えております。
○北川(昌)委員 事故の原因のもう一つの大きな要因として、居眠り運転についての聞き取り調査もされておりますが、大体百人のうちしょっちゅう居眠りをしているというのが一九%、ゆゆしき問題ですね。時々あるというのが四六%です。これは自己申告でございますから無理して出してある数字ではないと思うのですけれども、こういう状況にございます。これは大惨事を起こしかねない大きな問題でございますし、またこの居眠りの原因としてはこういったことが言われております。
 これは労働省が発表したあれでございますけれども、年間の総労働時間で全産労、いわゆる一般の労働者は、六十二年には二千百十時間となっておりますけれども、道路貨物運送業の方たちの労働時間は二千六百十九時間、大変長時間労働になっておることが明らかになっておりますし、さらに昨年三月にトラック協会が発表いたしました労働時間の実態についても、運転者の年間労働時間は平均二千七百八十四時間、長い、こういう報告がなされております。そういったことが先ほど申しました居眠り運転につながるわけでございまして、これは大事故にさらにつながっていくということになるわけでございまして、そういった面では、先ほどのスピード出し過ぎとあわせて、こういった居眠り運転が起きないような、原因を除去するような対策というものも積極的に取り組んでいただきたい。
 対策というのは、やはり労働時間の短縮、今労働省見えていませんけれども、そういったことについて関係省に、総務庁長官とかあるいはまた交通安全に関する皆さん方が要求をする、要請をしていく、こういうこともぜひしていただかなければ、この管轄はおれの部分ではないからということで済まされる問題ではないと思うのですけれども、そこらあたり、運輸関係を担当されておる運輸省の方ではどうお考えでしょう。
○村岡国務大臣 今、北川先生の御指摘を聞いておりまして、局長からも御答弁ありましたけれども、違反あるいは事故前の防止の環境づくりが大切でないか、こういうことでございまして、私も大臣就任間もないのでございますけれども、先生の御指摘ごもっともでございまして、そういうような違反とか事故にならないような環境づくり、トラック業界ともそういう防止対策について今後協議を開始いたしたい、今までもしていると思いますけれども、さらに徹底的にしていきたい。また荷主の方の関係もあると思いますので、関係省庁とも打ち合わせてこの対策に万全を期していきたい、こう思っておるところでございます。
○北川(昌)委員 さらに居眠り運転の一つの原因としましては、高速道の駐車場の不足が言われております。これもまたこの聞き取り調査の中で出ておることでございますけれども、高速道路の中ではサービスエリア、パーキングエリアともにいつも満杯で困っているというのが九六%ございます。ほとんどですね。それでやむなく、駐車する場合には路肩にとめて休むとか通路に駐車している、これは一般道路のようでございますけれども、こういった大変危険な状況を冒しながら運転をしているという実態にあるようでございます。したがって、この高速道に関係する駐車場不足を建設省ではどのように把握されておられるのか、あるいはまたこれについてどう取り組むお考えなのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○荒牧説明員 お答えいたします。
 高速道路における休憩施設の整備については、過労運転の防止など交通安全の確保のためにも重要であると認識しております。特に近年の東名、名神など交通量の多い区間につきましては、休憩施設が混雑しているという現状でございまして、それに対応するために、駐車スペースの拡大あるいは休憩施設の改善を進めているところでございます。
 例えば東名、名神などの休憩施設の駐車升につきまして申し上げますと、供用当初には四千五十五台でございましたけれども、駐車需要の増大に対処するため整備拡大に努めてまいりまして、平成二年度末、今年度末には約一・九倍の七千六百三十一台になる予定でございます。特に大型車につきましては、供用当初の千二百七十四台から今年度末には三千二百三十八台分の駐車升、約二・五倍に拡大する予定でございます。平成三年度以降につきましても、混雑状況を把握いたしまして、サービスエリア、パーキングエリアにおきます駐車スペースの整備を計画的に進めていきたいと考えております。
○北川(昌)委員 続きまして、ヘリコプターの事故対策についてお尋ねいたしたいと思います。
 近年、ヘリコプターが大変増大をいたしておりますし、かつては農薬散布とか資材運搬、報道、こういったことに活用されておったわけでございますけれども、今日、レジャーとかビジネス、また自家用、こういったことで、高速交通に対応するような交通機関として大変便利で気軽な足、こういう点でございましょうか、年々大変増加しておるようでございます。このヘリコプターの需要の増加に伴いまして、ヘリコプターの保有機数もここ数年来毎年百機前後ふえておる、こう言われておりますし、現在の登録機数は一千機を超した、こういうことでございます。
 こうした保有機がふえることによりまして、自動車でもかつてそうでございましたけれども、ヘリコプターの事故もまた増加をしておるというのが今日の実態ではないかと思います。昭和六十年から平成二年、昨年までの六年間にヘリコプターの事故が八十二件起きておりますし、死亡者も四十七名、重傷二十五ぐらいですか、死傷者八十名近くが生じておるわけでございます。この死者と件数については若干、私がいただきました資料で、二カ所からもらったものですからこれが一致しておりませんので、間違っておりましたらこれはお許しいただきたいと思いますけれども、そういう状況にございます。
 特に昨年は、五月に札幌市で、デモ飛行中のヘリコプターが山林に墜落して六人死亡しております。また八月一日には、神奈川県の箱根で西武建設のヘリが墜落して二人、また八月の二十日には、沖縄でNHKのチャーター機が墜落して四人が死亡する、九月二十一日には、山梨県で朝日航洋のヘリが墜落して三人死亡する、さらに九月二十七日には、宮崎県の山中に旭化成がチャーターしたヘリが墜落して乗務員を含んで十人死亡する、こういう大惨事が起きております。一年間で十六件、二十七人の死亡、こういうことになるわけでございますけれども、こういったヘリコプターの事故の激増、この増加について運輸省はどのように受けとめておられるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○加藤(晋)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生、ヘリコプターの事故が増加しておるということでございましたけれども、お言葉を返すようでございますが、件数自体はそんなに多くはないのでございますが、ただ、今御指摘ございましたように大変亡くなられる方が多いという、先ほどおっしゃられましたように宮崎の事故におきましては一機で十名の方が亡くなられるというような、大変死亡者の数が多くなってきているということが最近のヘリコプター事故の特徴でございます。
 そういうことでございまして、今先生が御指摘になりましたように、従来例えば農薬散布とかそういう主に産業用に使われておりましたヘリコプターが、使われ方が変わってきているということがありますので、昨年私ども航空局の部内に関係者それから外部の専門家を招きまして、こういったヘリコプターの安全対策というものを検討しようということで、今鋭意検討を行っているところでございます。
○北川(昌)委員 件数はそうふえていないということでございまして、確かに横ばい的な状況にはありますけれども、保有機数からいっての発生件数というのは、やはりこれは少ないうちには入らないと思うのですよ。件数自体もやはりふえ、平成元年が九件、平成二年が十六件ですか、こういう形ですから、減っていると言えないと思います。そういう認識で物事をとらえていただかなくて、一機でも落ちないような対策というものが必要なんですよね。そこらあたりを一つ私は申し上げておきたいと思います。
 さらに、事故原因について見てみますと、その主なものが、大体七割が操縦者の過失、こういうことになっておるわけでございます。特に、事故原因については直ちに運輸省の方から調査に出向かれると思うのですけれども、操縦士の事故といっても、単なる操縦のミスとかあるいは操縦中に気象条件の急激な変化が生じるとかあるいは地理的な不案内とか、そういういろいろな状況があると思うのですけれども、この操縦者の過失といいますか責任というものをどのように分析されているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○加藤(晋)政府委員 お答えいたします。
 今先生、事故の大体七割程度が操縦者の過失というお話でございましたけれども、これは本来的には私どもの事故調査委員会、こちらの方で事故の場合には調査をいたしまして、それに対して調査の結果を発表するという形になっております。それを受けて私どもは行政的にいろいろな対策を講じるわけでございますけれども、今先生操縦者の責任というふうな形でおっしゃられましたが、この操縦者の過失という形でありますけれども、これはいろいろなファクターがございまして、その背景というのはいろいろな問題がございます。それについてもいろいろな検討をして、事故調査というのは事故の再発、これを防止するためにやっておるわけでございますから、そういったいろいろな面からこれを判断して今後の事故の再発防止に努めるわけでございますけれども、いわゆる操縦者の過失というのもいろいろな態様がございまして、その背景がどうであるかというのはなかなか一概にここで申し上げられませんけれども、やはり気持ちの持ち方と申しますか、安全運航に心がけるという点が背景に多少欠けているやに感じられるのもございます。
 したがいまして私ども、これはすべての交通機関同じでございますが、特に空の場合におきましては、安全の確保といいますか、安全というのは基本の原則でございますので、こういった操縦者の方たちに対しても、いろいろな機会を通じまして安全運航の確保というのをお願いしておるわけでございます。
○北川(昌)委員 確かに運航といいますか操縦桿を握っているのは操縦者でございますから、そこに過失というものは当然出てくるだろうと思うのですけれども、ただ操縦者の過失だけでとどめるべき問題ではないのではないだろうか、こういう点も私は思うわけでございます。
 今までの航空行政を見てみますと、やはり大型旅客機が優先で、これは今までの歴史からいきますと当然のことでございますが、そういったことに重点が置かれて、コミューターも含めてですが、こういったヘリコプター等に対する安全対策というものが十分とられてきたのかどうか、行政がそれに十分役割を果たしてきたのかどうかという疑問も私は持つわけでございますけれども、その一つとして免許取得のあり方をお聞きしてみたいと思うのです。
 ヘリコプターの免許取得、航空従事者ということでいろいろ出ているようでございますけれども、ここ数年間のうち、外国での免許取得者が多いのですね。これはちょっと読んでみますと、「わが国と同等以上の試験を行う外国政府の発行した自家用操縦士の免許についても、飛行経歴がわが国の基準を満たしている場合には試験が全部免除され、そのままわが国の免許への切り替えが行える。」こういうことになっているようですけれども、日本でも自家用操縦士の免許を海外で取り、我が国の免許へ切りかえた者が多い。特に、昭和六十一年には海外で免許を取ってきた人が三十人であったのが、六十三年には百三十人、平成元年には二百九十一人、こういうふうにふえておるようですね、これは運輸省が出された資料でございますから間違いないと思いますけれども。これに対して我が国でこの免許を取得したのは平成元年でわずかに二十一人。こういうことで、海外、外国での免許取得、ここに問題はないのか。確かに経済的に経費が安くつく、受験料といいますか、練習とかそういったものに経済的な問題があるかもしれませんけれども、むしろ技術的な面で外国での免許はかなりレベルが落ちることはないのか、ここらあたりどうお考えになっているのか。
○加藤(晋)政府委員 お答えいたします。
 航空従事者のうち特に操縦士の免許と申しますか、我々、操縦技能証明と申しておりますけれども、こういったものにつきましては、国際民間航空条約がございまして、その条約の附属書第一というのがございますけれども、そこにそういったパイロットの資格を与えるための基準が書いてございます。これについて、いわゆるICAOと私ども言っておりますけれども、国際民間航空条約を締約しております国が発給いたしましたそういった証明書につきましては、自家用操縦士につきましては試験等行っておりません。ただし事業用操縦士については、これは一部の免除をいたしておりまして、これは試験を行っておるわけでございますけれども、そういう形でやっております。
 したがいまして、国際的には一つの基準がございまして、各国ともこれに準拠しておりますので、技量の点では問題がなかろうと考えております。
 ただ、今先生おっしゃいましたように、我が国の特殊性と申しますか、例えば国土の中でほとんどを山岳部が占めておるとか、平野部にありましても高圧線等送電線がかなり高く張りめぐらされておるとか、気象が急変しやすい、こういった点もございまして、私ども、外国の免許を取って我が国で切りかえる場合には、それを付与するときそういったことを指導いたしまして、我が国の状況、特殊事情については説明をいたしております。
 また、社団法人でございますが、航空機操縦士協会というのがございまして、そこを通じまして、これは一般の操縦士の方が目的であるのですが、特に外国のライセンスを切りかえた方も一緒に講習会等を開きまして、この場でいろいろと安全について万遺漏なきよう指導いたしておるところでございます。
○北川(昌)委員 ちょっと納得いかないのですけれども、先ほど私は経済性ということを申し上げましたが、海外で取ってこられるのが非常に多いのですね、この理由は何でしょうか。
○加藤(晋)政府委員 お答えいたします。
 これはやはり経済性と申しますか、我が国で操縦訓練を受ける場合にはどうしても飛行時間当たりのコストが高くつくということが主たる原因であろうかと思います。
○北川(昌)委員 海外まで旅費を使って行きましてなおかつ安いということは、かつて自動車でも外国免許とか、とりわけフィリピン免許とか、こういう安易に免許が取られて国内で問題になったこともございました。そういう点から、このヘリコプターについてもそういう点がなきにしもあらずではないかということを私も思うものですからあえてお聞きしたわけです。
 そういうことがなければ幸いでございますが、ただ、そういうことで、事故の原因がほとんど操縦士の過失にあるという判断、調査結果が出ているということは、言いますならば操縦士の成熟度が低い、こういうことにもつながってくると思うのですね。技術的なレベルが低いからこういう過失につながっていくんだというふうに私どもは判断せざるを得ないわけなのです。
 例えば、この前私、自衛隊基地をずっと見せていただいてヘリコプターにも乗ったわけですが、そのときに聞いてみますと、いわゆる軍用機とか飛行機の操縦士よりもヘリコプターの免許を取るには技術的にも大変難しいんだ、こういうことを言っておりました。そういうお話を聞いたのですけれども、そのようにライセンスを取るためには大変慎重なことが必要だと思うのです。海外の場合は、そういう国際的なあれはありましても、本当に日本と同じような形で、先ほども出ましたけれども、気象条件、あるいは山岳とかいう地理的な条件、こういったものを十分頭に入れた訓練といいますか、資格を取るための手段がとられているのか、そこあたりどうなんでしょうかね。
○加藤(晋)政府委員 お答えいたします。
 航空機の操縦士になるためには、実技と申しますか、飛行機を操縦する技量のほかに、まずその知識として、飛行機というものはどうして飛ぶかとかいった航空工学的なものとか、管制のやり方とか、気象の読み方、天気図と申しますか気象の勉強とか、通信の仕方とか、いろんな学科がございます。こういったものを勉強いたしまして、それから航空情報と申しますけれども、もちろんこういった情報なんかについても、情報をどうやったら得られるかといったことも勉強いたします。これは、先ほど申し上げました国際民間航空条約の附属書に書いてございます。
 そういった知識にプラスして、今先生御指摘になりました飛行機を操縦しますいわゆる技量と申しますか、飛行機を離陸させたり着陸させる、ないしは空中でいろいろな方向に飛ばす、こういった技量を磨くわけでございますけれども、こういったものも、一応ある一定の飛行時間といいますか、何時間以上飛んだら試験を受けられるというような基準がございます。これに従って各国、基準に準拠してやっておるわけでございます。ですから、飛行機の、ヘリコプターの場合もそうですけれども、離陸したり着陸したりする、それから空中で飛行する場合、こういった技量につきましては各国とも同等と考えております。
○北川(昌)委員 これからさらに保有機数も増大していくだろうし、免許取得者もふえていくだろうし、こういった面についてはやはりしっかりとした免許制度をつくっていただくことを要望しておきたいと思うのです。
 さらに、旭化成のチャーター機の例をとってみたいと思うのですけれども、これが墜落したのがちょうど夜の九時ごろでございまして、その当日秋雨前線が参っておりまして、その関係で霧が深かった、そういう気象条件があって有視界飛行がきかなかったということなのですが、それで山に激突して事故を起こした、こういうふうに新聞では報道されております、結果的にはどうかわかりませんけれども。こうしたヘリコプターが、特に気象条件が変化する日本の空の中では、有視界飛行だけで将来やっていいのか。それと同時に、そういった状況のときに地上から情報を送る、気流の関係とか気象状況というものを地上から情報を操縦士に送って事故を回避するということが、今までヘリコプターにおいてはそういう体制はとられておるのかどうか、そこあたりはどうなんでしょうか。
○加藤(晋)政府委員 お答えいたします。
 ヘリコプターに限らず小型機が飛行する場合には、航空路情報提供施設、これはAEISと申しておりますけれども、一定の周波数がありまして、そこに問い合わせますと気象状況とかいろいろなことを教えてくれるようになっております。ただ、これはヘリコプターのように低いところを飛ぶについては余り、電波が必ずしもすべてをカバーしているわけではございませんので、場所によっては聞き取れないところがあるということはございます。
 それから、これは小型機全般でございますが、航空交通量が特に多い空港でございますけれども、例えば羽田の東京国際空港とか成田の新東京国際空港、それから名古屋の名古屋空港でございますが、こういったところでは、ターミナル・コントロール・エリアと申しまして、ある一定の区域について有視界飛行の飛行機に対してもいわゆるレーダーによる交通情報の提供を行っている、こういった形でやっております。
 ただ、先生が今御指摘になりましたヘリコプターについてはどうかということでございますが、これにつきましては、私ども、先ほど申し上げましたように昨年から、こういったヘリコプターの安全運航のための、どうしたらいいかという方策を検討しております。これについて目下鋭意検討いたしておりまして、これの結果、今年度末くらいに中間的な報告が出せるのではないかと思っておりまして、目下努力をいたしておるところでございます。
○北川(昌)委員 この旭化成がチャーターしたのは、阪急航空からチャーターして、常にといいますか、自家用機をビジネスのために購入して活用しておったわけですが、たまたまその機体検査といいますか、検査でありましたからチャーターをした、こういうチャーターをしてわずか一カ月足らずのうちにこういう事故が発生したわけでございますけれども、同じようにチャーター機、業界大手と言われております朝日航洋ですか、この会社のヘリコプターがこの二年間に八件、それから二十二人の死者を出しておるわけですね。これは偶然なのか、やはりそこに、どこかに何かの原因があったのではないかと私ども素人では考えざるを得ないわけでございます。
 そういった面で、先ほどから操縦士の過失ということになりますれば、当然のことながら過当競争といいますか、過当競争だと思うのですけれども、そういう競争の中で操縦士に無理がいっておるというようなことがあったのではないかというふうに私は考えざるを得ないわけなんですけれども、この点について、どのように朝日航洋の二年にわたる事故について受けとめておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○加藤(晋)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、朝日航洋株式会社は昨年、一昨年と死亡事故につながる事故を起こしまして、私ども昨年にこの朝日航洋に対して立入検査を行いまして業務改善勧告を行ったわけでございます。その中で、今先生おっしゃいましたように、パイロットに対する過労と申しますか、過労による事故があったんじゃないかという御指摘でございますが、まだこの朝日航洋の起こしました事故のすべてが事故調査委員会の事故調査の報告ということでまとまっておりません。まだ出ておりませんので、今直ちにここで事故の原因について申し上げるのは差し控えさせていただきたいのですが、ただ、私どもが立入検査を行った段階におきましては、過労を招くようなことはなかったというふうに理解しております。
○北川(昌)委員 過労とか、いろいろサービス過剰とかあるわけですよね。そういった点も十分あり得ることだと思うのですが、今後さらにこういったことについては、事故の起きないように、運輸省として指導監督を強めていただくことをお願い申し上げておきたいと思います。
 特に保有機数は、先ほどから申しますように今後さらに増大していくことが予想されるわけでございます。また同時に、安全対策についても万全を期さなければならない問題でもあると考えるわけでございますが、先ほどから申しましたような免許制度の問題、もう一遍精査を、点検をするとか、あるいは地上からの情報伝達、いわゆる地上支援、地上からの支援対策ですね、また有視界飛行でなくて計器による飛行も兼ねたヘリコプター、今後そういうものに前進をさせていく、こういった抜本的な対策がとられなければならないだろうと思いますし、それをまた急がなければならないと思うのですけれども、先ほどから御答弁いただいておりますと、まあ余り積極的でないようでございますので、そこあたり、もう一度そういうことについての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○加藤(晋)政府委員 お答えいたします。
 先ほど来の繰り返しになりますが、私ども航空関係の者は、安全確保というものはこれは本当に基本的な課題でございまして、やや口幅ったいのでありますけれども、安全確保ということに対しては、日夜どうしたら安全が確保できるかということを常に考えておりますし、またいろいろ検討しております。先生先ほど具体的な話がないという御指摘でございましたけれども、何遍も繰り返しになりますが、私ども今部内でいろいろ検討いたしております。この中間的な報告がまとまりますれば多少具体的な話が出るかもしれませんが、いずれにいたしましても、基本的に、安全確保というのは航空輸送に関する国民の皆様の信頼を確保する意味でも、これはどうしても安全は第一でございますので、安全ということを常に頭に置いて行政を行いますし、また、関係者の方にもそういうことでいろいろな努力をお願いしているところでございます。
○北川(昌)委員 次に、これは直接交通安全とは関係ないわけでございますけれども、旭化成のヘリコプターの墜落に関連して、建設省それから運輸省にお願いもかねて質問をいたしたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
 現在の交通体系では、高速道路、新幹線、空港、これが三種の神器といわれておるわけでございますけれども、旭化成は延岡市というところにあるのですけれども、この東九州には大分、宮崎、鹿児島、そこには高速道路もございません。新幹線もございません。空港に行くには宮崎まで三時間ぐらいかかるわけですね。そういったことから、旭化成の企業が自己防衛といいますか、そういう一つの手段としてヘリコプターを導入したわけですが、不幸にして先ほどのような事故が生じた、こういうことでございます。やむなくとった手段が裏目に出た、こういうことなんですけれども、このヘリコプターの墜落事故によって宮崎県民は大変ショックを受けております。と同時に、交通網の立ちおくれというものがこういった惨事を引き起こしたのだという主張もございます。そういう交通網の貧弱さといいますか、それがこういう本当に大きな問題にまで発展したと私どもは見ておるわけでございます。
 そこで、何としても県都から一時間か一時間半で行ける交通網の整備というものが県民の大変な願いであるわけでございますけれども、そういった意味では、東九州自動車道について、一応路線を決めていただきましたし、延岡から南について、清武までは基本計画にのせていただいてはおるわけでございますけれども、この早急な実現方をぜひお願いしたいと思うわけです。
 具体的に申し上げますと、国道十号線で参りますと延岡から宮崎の空港までは約三時間かかります。さらにJR日豊線で行きますと一時間半から二時間かかる、わずかに八十キロそこそこのところなんですけれども。そういう状況でございますので、できるならば、できるならばでなくて何としてもこの東九州自動車道というものに早く着工していただくことが私どもの地区の県民の願いであるわけです。この点についてぜひひとつお願いをしたいと思うのですが、建設大臣見えていますか、建設省の方から考え方といいますか、これは考え方というよりもぜひやっていただくという御答弁をお願いしたいと思います。
○荒牧説明員 北九州自動車道につきましては、北九州市を起点といたしまして大分市、宮崎市などを経まして鹿児島に至る延長約四百十八キロの路線でございまして、東九州地方の発展に資する重要な路線であると考えております。先般の国土開発幹線自動車道建設審議会におきまして、延岡市から清武町間七十九キロメートルなど、三区間百九十一キロメートルについて基本計画が策定されております。
 現在整備計画策定のために必要な調査を進めておるところでございますが、このうち、調査などの準備が整いました西都市から清武町間の二十七キロメートルなど含みまして三区間の八十二キロメートルにつきまして、整備計画策定に必要な環境影響評価手続を現在実施しているところでございます。
 また、今回手続を行いません基本計画の区間につきましては、引き続き地形や地質などの技術的な検討ですとか、開発計画との調整あるいはアクセス道路、インター位置等の検討などの調査を推進しているところでございます。
 また、その他の予定路線の区間につきましても、道路の整備効果など、あるいは採算性の双方を勘案しつつ調査を進めているところでございまして、今後とも高規格幹線道路の整備について積極的に努力してまいりたいと考えております。
○北川(昌)委員 東九州の、しかも十号線一本しかないのですよね、大分から鹿児島までの間。それも往復二車線でございますから。したがって、交通渋滞はもちろんのこと、交通事故も大変頻発しておるという十号線国道でございます。ぜひひとつ、全国でも珍しい高速道路が通っていない県でございますので、高速道路をつけていただいて交通安全のために資していただきますように要望しておきたいと思います。
 さらにこのJR日豊線でございますが、これはここで申し上げると大変恥ずかしいのですが、全国でも一本か二本くらいしかない単線なんですね。単線でございまして、今度は鹿児島から西回りの新幹線ができるのですけれども、リニアの実験がございましたが、これもまた大変寂しい状況でございます。そういう面で期待しておったリニアがほかのところに持っていかれましたので、これにかわるものとして何としてもこのJR日豊線を、複線化かあるいは少なくともスピードアップ化を県民は願っているわけなんですが、そうでないと経済活動も大変おくれていくわけなんですね。先ほども申しましたけれども、わずかに八十キロそこそこのところで特急で一時間二十一分なんです。普通になりますと二時間かかる。こういう状況でございまして、こういう電車というのはもうないと思うのですよね。ぜひ地域の実態というものを御考慮いただいて、ヘリコプターのような事故が起きないような体制のためにも、ひとつ日豊線の充実化、スピードアップ化をぜひお願いしたいと思いますが、運輸省としてはこの点についてどのようにお考えになっておるのか、計画があるのか、教えていただきたい。
○村岡国務大臣 日豊本線大分以南につきましては列車の増発等、利便の向上に努めております。例えば佐土原―宮崎間でございますが、六十一年十一月には六十三本を現在は七十八本、そしてまた宮崎―南宮崎間でございますが、六十一年には九十六本を百六十八本の列車増発等、利便の向上に努めているところであります。今後とも高性能車両の導入や列車の速度向上策の検討を行っていくことといたしております。
 日豊本線ばかりでなく、三つの新幹線、着工するようになっておりますけれども、従来の在来線の地域から、高性能の客車を導入したり、あるいはスピードアップできないか、こういうような要望もございまして、審議会にもそのようなことをお願いをして検討していただく、こういうことを思っております。
 なおまた複線化につきましては、将来旅客輸送量が増加し、専用線路の容量が限界に達した場合に検討する問題だと考えておりまして、現在のところまだ容量が限界には達していない、こういうような状況であります。
 以上でございます。
○北川(昌)委員 ひとつよろしくお願い申し上げまして、さらにこの交通安全対策、先ほどから出ておりましたが、官民一体となって総がかりで交通事故をなくするような運動にぜひ取り組んでいかなければならないと思いますし、担当の皆さん方もぜひ、交通安全対策については将来の五カ年計画に向けて、向けてといいますか、五カ年計画の中でよく効果が上がるような対策を立てていただくことをお願いしまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○長田委員長 次に、遠藤登君。
○遠藤(登)委員 私は初めてでありまして、日ごろ考えていることを端的に御質問をいたしますので、よろしくお願いをいたしたいというふうに思います。
 先ほどから特に事故の多発の問題についていろいろ意見の開陳なり答弁があったわけでありますが、年間一万人を超えてとうとい人命が失われるということは、被害者にとっても加害者にとってもまたその家族にとっても、これは大変な問題でありまして、当局それぞれ大変な努力を重ねられていることに深く敬意を表するわけでありますが、何とかこれを少しでも減らす方法はないか。むしろこれは人為的な人災であるということも言われているわけであります。
 平成二年では死者が一万一千二百二十七人も出ている、さらに負傷者、これは七十九万人を超えている、こういうような状況であります。特に市街地の交差点、あるいは先ほどからいろいろお話がありましたのですが、夕方の事故あるいは高齢者あるいは若い者のドライバーの事故、こういう事故の多発状況にあるわけであります。
 この交通事故の主たる原因などについて徹底した分析、あるいはその改善点、防止対策などについてそれぞれの立場から真剣な討議が、分析が行われて、その対応策についてそれぞれ方針が出されて、既に実施されているもの、あるいは特に重点的に留意をしていかなきゃならないというような問題について、あるいは五カ年計画の対応などについて現在整理、精査中だとも思いますが、事故の原因、特に主な原因あるいはそれに対する対応策、基本的な方針などについて、もう少し具体的にひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○吹田国務大臣 ただいま遠藤先生のお話がありましたことにつきましては、先ほどの北川先生からも出ておりましたし、この点につきましては、交通事故については、多発しておるということは私どもも非常に遺憾に思っておりますが、かいつまんで申しますと、今先生おっしゃるような事故件数でありますけれども、何と申しましても、運転免許の保有者数、車両の保有台数が非常に増加した、これが一つであります。それから、社会活動、経済活動が非常に活性化したということからの、多くの活動範囲が広がったということもその一つでありましょう。それから三つ目には、高齢化社会が非常に進んできた、しかも、お年寄りがたくさん外に出るようになったということも、これまた一つの原因であるのではないかと思います。それから、国民の生活環境というものが、夜間型と申しましょうか、夜も随分と外に出ておりますが、これはいろいろな理由がありますけれども、夜間型、こういったことも夜間の事故多発の原因ではないかなという感じがいたしております。さらに、レジャー化という問題が、最近の進展がその一つでもあるというような考え方で、大づかみで申しますとそういったこと。さらに加えて、シートベルトの着用についての、未着用というような問題が先ほども出ておりましたが、こういったこともその原因ではなかろうかなというふうに、極めて大ざっぱな話でございますけれども、そんなことを考えておるわけであります。
○遠藤(登)委員 特に若い層、いろいろ手元にいただいた資料においても、十六歳から二十四歳までが年々特に事故の死亡率はダントツに高い。これらに対する手だてというものを、これはスピードの問題を初めとしてあるわけでありますが、もっと徹底的な指導を強化する必要があるのではないかというふうに考える次第であります。もちろん高齢者の対策なども先ほどからいろいろお話がありますが、極めて重要な課題でありまして、これはそれぞれの立場から啓発活動とか総合的な対応というのが迫られているのではないだろうか。
 時間がありませんから、特に若い層に対する指導、あるいはお年寄りの問題については先ほどありまして御開陳を受けましたが、それから、去年の九月から、道路交通法の一部改正で特に青葉マークのドライバーに対する講習が義務化された、それは事故防止に非常に大きな成果を挙げられているという評価が、実施されてまだ時間が間もないのでありますが、それぞれの立場から一定の評価を受けて事故防止に大きくつながっている、こういう問題などについてどのような見解に立っているのか、これもあわせてお聞かせをいただきたい。
 それから、免許更新時の安全講習、教習というか、この件ももう少し徹底して、更新時の講習内容も変える、あるいは内容を充実するということが求められているのではないだろうか。それらに対する対応などについてもひとつお聞かせをいただきたい。
 それから、シートベルトの着用の問題なんですが、非着用者の死亡が七三・八%もある。シートベルトの着用が義務的な経過をたどってきておる中で、このシートベルトを着用しないという問題は、これは運転者のマナーというか法律を無視するというか、もっと指導が足りないというのか、この点は重大な死亡事故につながっておる。しかも、車両内の、いわば乗車死亡が非常に高いという点から見ても、この点についてももっと具体的な対応を強めていく必要があるのではないかと感じるのであります。
 今まで申し上げたような点につきまして、どういう状況なのか、そして、その対応方法などについてお示しいただきたいと思います。
○関根政府委員 まず、若年者の交通事故防止の施策についてでございます。
 先生御指摘のように昨年九月から、一昨年に道路交通法を改正していただきまして制度を設けていただきました初心運転者期間制度を施行しております。昨年九月からでございまして、まだ正確な統計資料を手元に持っておりませんが、私どももこの初心運転者期間制度の施行が若年運転者の事故防止に極めて効果のある仕組みであるということを確信いたしております。それから、そのほかの若年者対策といたしましては、学校、教育委員会等との連携によります高校における交通安全教育でございますとか、自主参加型、体験型の各種の講習会を開催するなどいたしまして、若年ドライバーの事故防止に努めておるところでございます。
 それから、お尋ねの二点目でございますが、更新時における安全講習の内容の充実強化についてでございます。
 更新時講習の目的及び内容は、道路交通法の規定及び道路交通法施行規則の規定によりまして、運転者としての資質の向上、それから自動車等の運転について必要な知識の習得等を目的として、それに必要な内容の講習を行っておるところでございます。現在、その講習の効果を上げるためにいろいろ工夫をしておるところでございますが、その一例といたしましては、例えば、年齢、車両等の態様に応じた特別学級の編成によりまして、共通の受講者、共通の性格を持つ受講者に密度の高い講習を行うことができるように工夫をしております。例えば、二輪運転者のための特別学級でございますとか、若年ドライバーのための特別学級等でございます。
 しかしながら、この講習制度も、必ずしもこれで十分であると思っておるわけではございません。さらに一層の充実強化を図るべく、講習カリキュラムの内容でありますとか、その講習方法、これも施行規則で教本及び視聴覚資器材等を用いて行いなさいといった規定がございますが、その方法等の見直し、それから講習の指導員の資質の向上等も図りまして、この講習が事故防止に直接結びつくように努力してまいりたいと考えております。
 それから、お尋ねの三点目の、シートベルトの着用義務を実施するための方法、施策についてでございます。
 昨年はシートベルトの未装着のドライバーがそれまでに比べまして一段と比率が高くなってまいりましたし、その傾向はまだ本年も続いているように思います。私どもは、努めて着用していただくべく指導、警告を行っているところでございますが、場合によってはシートベルトを未装着の方につきまして道交法の規定を適用して、その義務違反として点数を付するというような措置を考えているところでございます。
 昨年はベルト着用義務違反として九十七万八千件余りの事件を扱っておりますが、この件数は一昨年、平成元年が五十五万件余りでございますので、七六%ほど昨年は多くそのような取り締まりを行っているところでございます。しかしながら、それでもまだ未装着の方が多くて、未装着の方が多いために自動車乗車中の死亡事故の件数が上がっているように思います。自動車乗車中でシートベルトを着用された方の交通死亡事故というのは昨年も減っているのでございます。ことしも、一月中でございますが、シートベルト着用中の方は昨年の一月中の死亡者数に比べて減っております。しかしながら、シートベルトを着用されていない方の死亡事故が昨年も、三百二十八人だったと思いますが、一昨年に比べてそれだけ多くの方が亡くなっているということで、もしシートベルトを着用されていたらあるいは昨年は一昨年に比べて死亡事故が減ったかもしれないということを考えますと、私ども、この点さらに一層シートベルトを着用していただくように努力をしてまいる必要があると痛感している次第でございます。
○遠藤(登)委員 それから、原付自転車が最近非常にふえてきている状況があって、それがまた事故増につながるというような要素があるわけでありまして、原付自転車の技能講習等については十分配慮をされていく必要があるのではないだろうか。
 それから、日本の車、いわば車両の問題なんですが、これはドイツあたりと比較して、むしろドイツあたりにもっと学んでいく必要があるのではないだろうか。それは、乗車事故死が四〇%を超えている、それがますます拡大をするというような状況の中で、自動車の構造上にもっと配慮を加える必要があるのではないだろうか。それは車両の構造とか装置なども含めて、これは研究開発ももっと集中的にやるというようなことなども含めて、乗車中の死亡事故は、車の構造を変える、もっと強めるということによって相当大きなこれは効果をもたらすのではないだろうかというふうに思うのであります。この点について、これは通産省の対応ということになるのか、所信なり対応方向をお示しいただきたいなというふうに思う次第であります。
 それから、交通事故死あるいは救急体制の問題についてもっと強化をする必要があるのではないだろうか。これは人命にかかわる問題でありまして、ましてや、たらい回しなどということが地方あるいは中央を問わずしょっちゅう起きているというような問題は、これは問題なのではないだろうか。そのために、救急医療隊業務というものをもっと見直していく必要があるのではないだろうか。そして救急医療の医療士などの制度を含めてもっと体制あるいは制度の面から、装備の面からもこれは徹底して強化をする必要があるのではないだろうか。そういう点についてどのようなお考えに立って対応されていこうとするのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○関根政府委員 原付の技能講習の充実強化につきましてお答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、原動機付自転車の乗車中の方で亡くなる方がここ数年ふえてきております。昭和六十二年が八百七十七人、六十三年が九百三十二人、平成元年九百六十三人、平成二年、昨年が千人を超えまして千十五人というぐあいにふえてきておりまして、大変憂慮しているところでございます。
 この原動機付自転車はいわば市民の日常生活のための足として利用されているわけでございますが、現在は、これについては技能試験というようなものがございません。それで、それを補うべく、任意の形でございますが原付の技能講習を行っているところでございます。百五十分ほどでございまして、基本操作、基本走行、応用走行といった実技を中心とした講習でございます。しかしながら、これは任意の講習でございますから必ずしも一〇〇%の受講ということはございませんで、大体九〇%台の受講率でございます。そこで、私どもも何とかこの仕組みを改めまして、この技能講習の義務化といいますか法制化ができないものかということを現在検討しているところでございます。技能講習の法制化ができれば、それぞれ任意で行っております技能講習もその斉一を期することができますし、法令の規定によってその施設、教材等の整備、講習指導員の資質の向上等も図られるものと考えます。現在そのようなことを検討中でございます。
○松波政府委員 お答えをいたします。
 今先生御指摘の、西ドイツとの比較において車両構造の強化につきましてお触れになりましたが、お答えをいたします。
 先生も御案内のように、自動車の安全対策といたしましてはソフト、ハード両面ございまして、そのハードの一つといたしまして自動車の構造、装置について安全基準を策定して対応してきております。この自動車の安全基準につきましては、それぞれの国の交通環境等に応じまして基準の規定の仕方あるいは個別の技術的内容につきまして差異はございますが、今、西ドイツとの比較で申しますと、なかなか難しいのですけれども、基本的には同等のレベルにあると考えておりますし、さらに実際に使用されておりますところの自動車の安全性について構造、装置で比較しますと、これも純工学的には厳密な比較は難しい面はございますけれども、我々運輸省で得ましたデータによって比較をいたしますと、例えばエンジン総排気量あるいは車両総重量等がほぼ等しい、いわゆる車格が同じような車で比較しますと、安全に係る構造、装置につきましてはおおむね同等と考えております。
 しかしながら、先ほど来話がございますように、日本の現下の厳しい交通事故状況にかんがみまして、今後の自動車の構造、装置に係ります安全基準の拡充強化につきましては、御指摘の車両構造の強化も検討の対象にしながら、昨年十月でございますが運輸技術審議会に対しまして諮問を行い、平成三年度末の答申を目途に現在審議を進めていただいているところでございます。
○遠藤(登)委員 それから、時間がありませんから、特に私は山形ですから、雪国であります。歩道の除雪の関係ですね。これは、歩道空間の確保ということは、高齢化社会あるいは幼児あるいは学童を含めて、安全上極めて大事な課題であります。車道の雪を歩道に排雪をする、そうであってはならない、これは大変長期にわたる積雪地帯の願望で、それで、除雪帯を設けるとかあるいは雪を運ぶとか――歩道に雪を排雪してほったらかす、これは危険きわまりない問題なわけであります。したがって、これは建設省当局も歩行者空間確保パイロット事業などを創設をされて、それぞれ関係市町村と一体的に歩道の確保について対応されてきている状況もありまして、これに大きな期待を寄せている状況であります。したがって、これらの問題については十分な配慮をして対応すべきではないだろうか。それから、特に国道なども試験除雪、十年も超えて試験除雪などということで、県的にあちこちをするというような経過をたどってこのパイロット事業の導入という問題が出てきたわけでありますが、この点について非常に大きな期待を寄せておりますので、十分な御配慮を願いたい。
 それから、スパイクタイヤを規制するということで環境庁の指定が相次いでいるという状況があります。これは公害防止の立場からは極めて重要な事柄でありますが、この指定地域の、これはそれぞれ市町村が指定対象になる。例えば大きい都市、これは山間地帯の豪雪地帯と平地とはまるで違う環境があるわけですね。粉じん公害等あるいは道路車両通行の状況など、あるいは急峻な環境あるいは豪雪地帯、例えば同じ札幌市あるいは山形市にとっても、山の村と平地とはまるきり違うのですね。したがって、スパイクタイヤにまさるタイヤの開発研究なども含めて、当面はもっと地域的な実態、実情に立った温かい配慮をしていくべきじゃないか、このように思うのでありますが、ぜひ指定のあり方について検討をいただきたいな、こういうふうに思います。
 それから、高速交通網の時代で、高速道路あるいは新幹線、先ほどからも話がありますが、これはもう時代の要求なわけであります。その敷設された地域と敷設されていない地域とでは経済的にも大変な地域格差を生んでいるという状況であります。したがって、四全総の均衡ある国土の建設ということにはつながらない状況が拡大をしてきているという状況があります。これは莫大な財投も必要なわけでありますが、このJRの新幹線の整備促進とか高速交通道路網の整備などについて、経済大国にふさわしい財政投資を集中的に配慮をする必要があるのではないだろうかというふうに思うのであります。
 ちなみにこれは、山形的に言えば、奥羽とか羽越新幹線などというのは基本計画に計画化されているわけでありますが、いつどうなるのかさっぱり定かでない。路線の整備目標というものをぴしっと明確にして、計画的に、それにそれぞれの地域の人たちも国もそれぞれの関係者が挙げて協力をしていくという体制が必要なのではないだろうか。
 それは空港問題にしても、山形的に言えば、庄内空港が今秋開港をされるわけです。東京、大阪便など新しい路線の乗り入れなどについてはまだ定かでないというような状況について、これは羽田にしても大阪にしても大変な空港状況の中で新線を入れるということは大変な状況だと思いますが、これは地元的に言えば何とかその受け入れ路線を早く明確にして準備体制の万全を期したいというのが願望なわけであります。それぞれ大変な事柄でありますが、ひとつ十分な御配慮を願いたいなというふうに思うのであります。
 また、山形的に言えば、東北中央高速自動車道あるいは日本海沿岸高速自動車道、横断道酒田線の問題など一定程度の御配慮をいただいて進捗状況にあるわけでありますが、あるいは福島―山形新幹線の問題などについても来年の七月開業に向けて大変な御配慮をいただいておりますが、こういう高速交通網の時代に立って、財投を含めて新年度予算なども約五兆円を超えて予算化されているようであります。高速交通網の時代あるいは交通道路環境の整備問題を含めてぜひ十分な御配慮をお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
 いろいろ質問を申し上げたい項目があるわけでありますが、いずれかの機会にさせていただきたいというふうに思う次第であります。よろしくお願いいたします。終わります。
○長田委員長 午後一時二十分より委員会を再開することとし、この際、休憩をいたします。
    午後零時十九分休憩
     ────◇─────
    午後一時二十分開議
○長田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 まず三大臣に対して、所信の表明に関しましての一般の質問ということで、若干具体的な問題を踏まえて質問させていただきます。
 最初に、運輸大臣にお伺いしておきますが、昨年は一万一千二百二十七人の交通事故の死者、三年前から一万人を突破している。ここのところへ来て非常に交通事故問題が対応を迫られているというか、厳しい状況の中でございます。人命尊重、交通戦争と言われる中で、本当に人々の命を事故から守る、その対策をどうとっていくか、こういった面では私どもが最も力を入れていかなきゃならぬ、そういったところへ来ておるわけです。大臣も、安全の確保というのは運輸行政の基本なんだ、こういうように先般述べられ、そうして万一事故が発生した場合の救助体制及び被害者救済対策の充実も重要であると認識しておる、これは当然のことでございますが、そして、その施策を積極的に推進していきたい、こういうように述べているわけでございますが、この積極的にというところにどういうような具体的なものがあるのか、ひとつお述べいただきたいと思います。
○村岡国務大臣 所信でも述べましたように、安全の確保は運輸行政の基本でありまして、各般にわたる安全対策を推進し、事故防止に万全を期すことといたしておりますけれども、今先生がおっしゃったように一万一千人以上も交通事故で亡くなっておるということで、午前中のやりとりも聞いておりましたが、トラック業者あるいはタクシー、ハイヤー、今までもやっておりますが、特に私どもの分野としてもう一度いろいろ洗い直してひとつ防止策について一生懸命検討もしていきたい、こう思っておりますし、私も先般羽田空港等を視察をいたしまして、特に万一の事故の場合に備えた救助体制等も視察をいたしてまいりました。事故が発生した場合の救助体制及び被害者救済対策の整備が重要であると認識いたしております。
 このため、例えば海上交通に関してでございますが、巡視船艇及び航空機の増強等により広域的な捜索救助体制の整備を推進するとともに、自動車交通に関してでございますけれども、自動車損害賠償責任保険の死亡保険金額の引き上げ、平成三年の四月から従来の二千五百万から三千万と、被害者救済対策の充実についても積極的に取り組んでまいりたい、こう思っています。
 以上でございます。
○竹内(勝)委員 続いて総務庁長官にお伺いしておきます。
 運転免許保有者数とか自動車保有台数、これはもう年々増加の一途をたどっておりますね。そういう意味から考えてみましても、事故が起きる要因というものは、それは昔に比べればどんどん大きくなってきておる。こういう中で今まで努力してきた。そういった面は、では運転免許証保有数とそれから自動車保有台数に比例して事故がふえていっているかというと、そうではないですよね。そういう意味では政府といたしましても努力をしておる、そういうものは見られるわけでございます。しかし、これは人命尊重という意味でどうしても私どもが常に心がけてやっていかなければ、一瞬の油断もできないのがこの交通事故対策ではないか。まだまだ立ちおくれている点が幾つもあるわけでございますので、そういう意味から昭和六十三年以来、交通事故防止に関する緊急総合対策あるいは高齢者の交通安全総合対策、二輪車の事故防止に関する総合対策、そういったものを決定し交通事故防止対策の推進に努めてきたわけでございます。
 そこで今、平成三年度からこの五年間に講ずべき交通安全に関する施策といった意味から、第五次交通安全基本計画が策定されておるわけでございますが、今までのその経緯と、どのようなものにポイントを置いて進めていくのか、明らかにしていただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 人命を守るというのは、これは政治なり行政にとりまして一番大事な、一番基本的な仕事であるわけであります。それなればこそ今おっしゃられましたようなもろもろの対策というのを先生方の御指導をいただきながら政府では実施をしてまいりまして、平成元年には非常事態宣言に比すべきものも出したわけでございますが、残念ながら死亡者の増、これが年々ございまして、昨年、一昨年は一万一千名を超えた、大変残念に思っておるわけであります。
 そこで、私は来年度からの新しい計画をつくるに当たりましては、まずもって今まで政府が行ってきましたこの対策というものに落ち度はなかったのかどうか、それから、対策は立派だったけれども、これが第一線と申しますか現場と申しますか、関係者と申しますかあるいは国民全般と申しますか、そういうところへ徹底しておったのかどうか、こういうことを原点に返って点検をし分析することが必要だろう、こう思っておるわけでございます。
 そういうことで、現在新年度からの五カ年計画に向けて、今までの対策につきまして総合的な分析を専門家の皆さんにお願いをしてやってございます。関係の省庁あるいは地方団体、民間を含むその他の団体の専門家の方々、また学者の先生方等の学識経験者の皆さん方にこの分析を今徹底的にお願いをいたしておるわけでございまして、それに基づきまして近々新しい対策を決定してまいりたい、こう思っております。その新しい対策ができましたら、先ほど申し上げましたとおり第一線と申しますか、広く関係者、国民の皆様にどうやってこれを御理解いただいて御協力いただけるか、そういう点もあわせて検討いたしまして新年度から対処してまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○竹内(勝)委員 それでは、続きまして国家公安委員長にお伺いしておきます。
 同じく、交通事故の死者数の一万人突破、これは三年連続ですよね。そういう中で憂慮しておるわけでございますけれども、その解消というかそれの対策というものに最も大事な交通安全の確保という意味で、一つ一つの取り決め、いわゆる法律というものが重要になります。そういう中で、昨年六月道路交通法及び自動車の保管場所の確保に関する法律の改正を行ったわけでございますが、この問題に関して円滑かつ効果的な実施に重点を置いていきたい、こういうように述べておりますけれども、この対策といたしましてどういう方針で臨んでいくのか、その委員長の御所見をお伺いしておきたいと思います。
○吹田国務大臣 今、竹内先生がおっしゃいましたように人命を守っていくということがすべてでありますが、この交通事故の問題に関連しまして道路交通法の改正がどうしても必要であるという建前から、御承知のように、違反駐車等を含む駐車場問題、保管場所の問題等に絡まる法律の改正を昨年行ったわけでありますが、一月一日からそうしたことで道路交通法の放置駐車の違反の取り締まりの強化という点については鋭意努力しておるわけであります。また、使用者の責任追及の強化の問題、あるいはやはり理解と協力を地域の住民からいただかなければなりませんし、そういった面からも地域交通安全活動推進委員というものを民間からも自主的にお願いをして委嘱しておるというようなことで、これからの違法駐車という問題につきましても極力頑張っていこうというわけでありますが、特に違法駐車抑止システムというものを導入する、あるいは駐車の誘導システムというものも導入しよう、さらにはパーキングメーター等の増設を図りましてその施設の整備をしていこう、こういうふうに考えているわけでございます。
○竹内(勝)委員 そこで、交通事故防止のために、最近は特にまた若者あるいは婦人、お年寄り、そういった者の対策というものが非常に大事になります。そういう中で、若者の免許の取得者というものはかなり比率としては多くなってきております。また婦人もそうでございますね。そういう中で、特に交通事故防止という意味で若者あるいは高齢者の事故の防止に最重点を置く、そういう意味での交通安全施設の整備だとか交通安全教育の推進、そういうことをうたわれておりますけれども、特に若者と、それから高齢者対策というもので何か際立った施策を持っておるのか、そういったもので御所見を重ねて伺っておきたいと思います。
○関根政府委員 御指摘のように、現下の非常に難しい交通事故対策の状況下にありまして、特に私どもが力を入れなければいけないと考えておりますのは若者の事故防止と高齢の方々の事故防止でございます。
 若年者対策といたしましては、一昨年の十二月に道交法を改正していただきまして昨年九月から施行をしております初心運転者期間制度を効果的に運用して、まず初心運転者の事故防止を図ってまいりたいと考えております。それから、三ない運動の見直しというようなこともございます。若いといいますか、高校生ぐらいの方々で、車社会の適正なあり方についてそのころから十分熟知していただくような仕組みを考えた方が、そこから排除するよりも、交通事故防止のためにも、またそれらの方々自身のためにも効果があるのではないかということで、総務庁を中心としてそのような検討がなされております。この考えに従いまして、学校、教育委員会等との連携によります高校における交通安全教育の充実も図ってまいりたいと考えております。それから、従来から行っておりました自主参加型、体験型の各種講習会の充実も期してまいりたいと考えております。以上が若年者対策でございます。
 それから高齢者対策といたしましては、午前中に総務庁から御答弁申し上げましたが、何よりも、お年寄りの方々が夜間等に外出される際にそれが目立つようにということで、いろいろな反射材をつけた装身具みたいなものを開発して、これを気軽に身につけていただくように努力をしたいと考えております。それから、あわせましてゾーン規制でございますが、お年寄りの方々の事故はその生活範囲のごく近いところで起こっていることが多いものですから、シルバーゾーン等を設けまして大型車等が入ってくることのないようにとか、信号機の感応化を進めまして、身につけた器材に信号機が感応して青信号が長く時間をとれるようにするような施設を設けること等も考えております。それから、従来から行っておりました老人クラブ等における交通安全指導もさらに充実を期してまいりたいと考えます。それから、最近は高齢ドライバーの方々の自動車乗車中の事故というものもふえてきております。このような方々に対する安全運転指導ということで、高齢者の方々の反射神経等を自覚していただくような適性検査機器を活用して、安全運転を心がけるようにお願いをしてまいりたいと考えております。
 若年者、高齢者対策といたしましてはそのようなことを考えているところでございますが、共通的な問題といたしまして、シートベルトを装着していただくことに努めていただくということがございます。これにつきましては、広報啓発活動のみならず、街頭における私ども警察の活動を強化することによりまして、悲惨な事故を少しでも減らすことができるように努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○竹内(勝)委員 ぜひそういう教育の問題あるいは高齢者に対してのそういう対策、シルバーゾーンを設けたり反射神経がちゃんとなっていけるような、そういう意味での高齢者への対策だとか、私はそういう意味でいきますと、これはやはり行政というものは取り締まりで厳しくいろいろなことはやっていかなければならない、法律に基づいてやっていきますが、しかしその中に高齢者あるいは女性、全般にそうでございますが、そこがただぎすぎすした社会では、これはまた何にもならぬわけでございますよね。そういう意味で、その中でやはり温かみのある、そういう対策を持ちながら進めて、事故防止にちゃんと役立つものに持っていかなければならない。かといって、それがずさんで、何でも見逃していく、そんなものではこれは秩序が成り立っていかないわけでございますので、その辺の調和というものが非常に大事ではないか、こう思いますが、ひとつ温かみのある行政という意味で御所見を、委員長なりあるいは関係から一端を述べていただきたいと思います。
○吹田国務大臣 お話しいただきましたとおりでありまして、必ずしも強い姿勢のみが行政でもありませんし、また交通取り締まりでもありません。したがって、そこにはおのずと取り扱っておる警察官あるいは関係者の姿勢というものが必要になってくると思います。そういう点につきましては、十分これからそういう面についての指導を強化していきたい。それからまた、時に女性のそうした取り締まり官というものを派遣して、できるだけかたい男性でなしに女性もひとつそこに配置をして、極力地域の皆さんと融和のとれるような形をとっていかなければならない。そういう意味でも、さっき申し上げましたように、地域のそうした連帯感からの協力会というものがおのずとこれから全国的に組織化されて活動されていく、こう考えております。
○竹内(勝)委員 ぜひそういうような、行政というものはやはりその秩序を保ち、そしてその中に生きがいが持て、人間性にあふれた、そういうものでなければなりません。人命尊重、これは何よりも優先するものでございますが、今国家公安委員長が言われたように女性の取り締まり官、女性だから優しいかというとそうでもないからね、そこは現場で何か四角四面で、女性の方が何か一分でもとか、あるいはちょっとした、何というか幅というか、そういったものではいろいろ問題がある場合もあるわけですから、そこはもちろんわかった上で委員長は答弁されていると思います。
 そこで、ちょっと具体的な問題で一つお伺いしておきたいのですが、道路交通法の第二条十八の項は、これはどういうことですか。そしてこれはいつでき上がったものですか。できるだけ簡略にお答えいただきたいと思います。
○関根政府委員 道路交通法二条第一項十八号の規定は用語の定義に関する規定でございまして、十八号はそのうちの駐車に関する規定でございます。駐車というものが、車の停止の形態の中でどういう性格を備えると駐車という道交法が定める車の停止の仕方に該当するのかを定めた規定でございます。
 この規定は、正確な記憶ではございませんが、この道路交通法、昭和三十五年六月二十五日に法律第百五号をもって制定されておりますが、その時点から置かれていたものと記憶しております。
○竹内(勝)委員 そこで、ここにある「駐車 車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分をこえない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)」ここにはいわゆる貨物の積みおろしに関しては五分を超えなければいいぞということがうたわれておりますね。
 そこで私、あるトラックの運送業者、そこからいろいろと相談を受けたことでございます。これはこの法律を変えるとかあるいは全部この法律自身がおかしいんだという考えでは私はないのです。
 それは、例えば荷物の積みおろしというのは今宅急便でうんと多くなっているわね。そういう中で、私は京都ですが、例えば道路に五分間で、何とか相手のところへ持っていって、そして幾つもある荷物、場合によっては多い場合もありますね、そういうものが果たしてできるか。例えば道路があり、そしてそこには今度は路地のような、京都などは御承知のとおりでございまして、路地の奥の方に大勢また民家があるわけでございまして、そういうふうなことを考えると、時間のことを考えても物理的に無理な場合が出てくるのですね。だから、ではそれを、全部おかしいじゃないか、これを改正しなさいという考えじゃ私はないのですが、それこそ何かを設けて、そこに特例、こういうものこそ地域のことあるいは時間帯、道路の状況などを考えて、かといってそれが全然なし崩しで何でもええんだということになってしまうと悪用になってしまうわけでございますが、一生懸命こういう仕事をやっておる人たちに、その辺の緩和というか、先ほど委員長も言われたとおり温かみのある、そういうものでいきますと、温かみというものはそういう仕事の上においてもそれからまたすべての面においてもこれまた重要なものでございますので、その辺のものはそろそろ考慮に入れてもいいのではないか、こういうように私は思いますが、御所見を伺っておきたいと思います。
○関根政府委員 貨物の積みおろし等のためで五分間以内ということではとても無理だという、やむを得ない事情がある場合についての何らかの適正な措置を講ずべきではないかとのお尋ねでございます。この問題は、基本的には午前中柳沢先生が御質問になられました路外の荷さばき施設の問題でございますとか路上での荷さばき施設の問題でございますとか、そういったことに関する事柄であろうかと存じます。
 しかしながら、それが整備されていない現段階でそれではどうしたらいいかということでございますが、私どもといたしましても、必要やむを得ない短時間の駐車需要があることは十分認識しております。何らかの工夫をする必要があると考えている次第でございます。なお、建設省におきましても、午前中の御答弁の中で、短時間の駐車需要に対応するため道路上の駐車施設等の整備を促進されるように伺っております。私どもも関係省庁と一体となりまして何らかの措置を考えてまいりたいと存じます。
○竹内(勝)委員 それではもう一点ほかの面で、同じく京都にちょっと絡んでおりますので、それをお伺いしておきたいと思います。
 まず、全般的なことでいいですが、中型タクシーの申請状況、これはどうなっておりますか。全部言っても大変ですから、それと認可の状況、東京と京都と分けて概略御説明いただきたいと思います。
○佐々木(建)政府委員 今お尋ねの、東京と京都における中型タクシーの増車の申請状況というお尋ねでございますが、まず東京について申し上げますと、東京におきましては、都市の二十四時間化というような状況の変化に伴いまして、深夜輸送の需要が増大したということに対応しまして、昭和六十二年十一月以降逐次増車を認めまして、これで約千八百両ほど増車を認めまして、さらに昨年の六月にも、運賃改定を実施したことに伴いまして千八百八両の増車を認めたところでございます。この結果、約三千六百両の増車を行ったこともございまして、現在のところ新たな増車の申請は出されていないという状況でございます。
 それから京都につきましては、昨年の十二月一日から三十一日までの年末の一カ月間におきまして年末の臨時増車を認めたところでございますが、そのほかには現在のところ新たな増車の申請は出されていないという状況でございます。
○竹内(勝)委員 それでは、今後の問題になると思いますが、実はある京都の業者でございますが、御承知のとおり京都はもう観光客が年間約四千万ですね。それだけの観光客が年間通して、今はもうずっと冬でも夏でも多いわけです。大体が春と秋、これが一番のピークを迎えますよね。特にその中で修学旅行、御承知のとおりですが、昔私どもが修学旅行に行ったときは、みんなバスに乗って、観光バスでずっと決められたとおり観光していくということでしたが、最近は若干違ってきているのですよね。それは、おのおのグループに分かれてタクシーを利用して、そして自由に自分の行きたいところというか、自分がこういった面を勉強していきたい、そういうようなものを選んで行ける、非常に多様化の、そういうものになってきておりますよね。
 そういう中で、タクシーを利用してぜひやっていきたいということでその業者のところへ年間どれくらいの申し込みがあるかといいますと、まず平成元年で二百六十二校、約五万三千人の申し込みがございました。それから、平成二年は四百二十六校、約八万七千人、ぐっとふえています。ここのところずっとふえてきているのです、データといたしましては。平成三年、ことしも恐らく昨年のものを大きく上回っていくであろう。この業者でございますが、昨年にして三割断ったそうです。タクシーが間に合わない。そういう意味で、いわゆる中型タクシーをぜひもっと、こういったところは需要供給に応じてぜひ対応をしていただきたい、こういうような要望でございます。申請等のそういったものの手続がなされていくと思いますので、ぜひその辺の御配慮をお願いしたい。
 特に、業者の中でいろいろなところがありますけれども、例えば外人観光客が多い、そういうようになってきていますね。それで英会話で案内ができるように、運転手が毎日英会話の勉強までその会社でやっているわけですよ。そういうようにまじめに努力をしておる、いろいろとそういう努力をしてやっておるにもかかわらず、タクシーの申請をしてもそれが許可にならない、またなかなか満足なものになっていかないというのでは大変ではないか。昨年十二月の年末の臨時のものの対応は、私は非常によい対応ではないかと思います。そういう臨時に――それだからといって後遊ばせておくというわけにもいきませんわけですから、その辺の対応というものは非常によいものではないかと思いますので、ぜひこの修学旅行対策、そのほかまた観光旅行者の対策、そういった意味での対応をお願いしておきたいと思いますので、御所見を伺っておきたいと思います。
○佐々木(建)政府委員 先生今御指摘の、京都における修学旅行の際にタクシーを利用するというような形態がありまして、それがかなり利用されていることは私どもも承知しております。
 タクシーの需要につきまして、臨時の需要あるいは年間を通じての需要といろいろあると思いますけれども、そういった需要に対応しまして増車をどうするかということにつきましては、このケースの場合ですと近畿の運輸局で検討することになるわけでございますが、その対象地域におきますタクシーの輸送の状況、それから今御指摘の需要の実態等も含めまして、それを検討した上で必要性を判断していくというふうに考えておる次第でございます。
○竹内(勝)委員 それでは、もう一点お伺いしておきたいと思います。
 我が党がかねてより要望しております救急救命士法案、これに関してお伺いしておきたいと思いますが、救急に当たって早く処置をしたならば助かったであろう、いわゆる救命率という問題です。我が国はこの救命率がどうも低い状況にあるやに思いますが、その辺、諸外国と比較してどういうようになっておるのか、この救命率の状況、それから、救急車の出動回数というのはまた年々ふえておる、そういう状況だと思いますけれども、その面とあわせて、この救命率の問題、御答弁いただきたいと思います。
○篠崎説明員 お答え申し上げます。
 我が国は諸外国の救命率と比較いたしますと低いということが指摘をされておるわけでございますが、具体的に数字をもってどのぐらい低いというのはなかなか申し上げにくいところがございますが、考えられますことといたしましては、医師などの医療関係者が直接救急現場や搬送途上に関与することが少ないこと、あるいは諸外国に比べて救急患者の救命に必要な救急法の普及が必ずしも十分行われていないことなどが考えられるのではないか、このように考えております。
○竹内(勝)委員 時間があと五分かと思っていたら、何かもうないようでございますので、あわせてもう一問だけお伺いしておきます。
 この救急救命士法案というものは、今後、例えば救急車に救急救命士が同乗していって早い処置をしていったならば明らかに助かっている、あるいは医師が同乗していく、そういうような対策も練らなければなりません。それには、この救命士あるいはそういった医師をどうふやしていかなければならないのか、そういった体制と、この救急救命士法案はどういうような状況になっておるのか、私は、一刻も早くこれを成立させていって、そして命を救っていく、こういった体制をぜひつくっていかなければならない、こう思いますので、その辺もあわせて、もう時間でございまして申しわけございませんが、この辺は大事なところでございますので、御答弁はできるだけひとつよろしく御配慮をお願いしたいと思います。
○篠崎説明員 我が国におきましては、初期、二次、三次の救急医療体制はおおむね整備されてきているところでございますが、御指摘のように、救急現場そして搬送途上の医療の充実が今後の大きな課題でございます。
 救急医療体制全般のあり方につきましては、現在厚生省で、救急医療体制検討会からの中間報告といたしまして、ドクターカーの普及などとともに、搬送途上において救急救命処置を行う新たな国家資格として救急救命士制度の創設が必要である旨の御提言をいただいております。これを踏まえまして、厚生省では、搬送途上において医師の指示のもとに救命率の向上のために必要性の高い除細動、輸液、気道確保などの高度の応急処置を行うことのできる救急救命士制度の創設に係る法律案を今国会に提出することといたしております。
○竹内(勝)委員 終わります。
○長田委員長 次に辻第一君。
○辻(第)委員 昨年の交通事故死亡者は、昭和五十年以降で最悪の一万一千二百二十七人という深刻な状況になっております。関係省庁もいろいろと御努力をいただいているわけでありますが、一層総合的な事故防止対策が急務になっておるというのが今の現状であると思うわけでございます。
 そこで、昨年の交通事故死者の状況と特徴について御説明をいただきたいと思います。
○関根政府委員 昨年は、先生御指摘のとおり一万一千二百二十七人の死亡者が出まして、まことに心を痛めているところでございます。
 昨年の交通事故の発生状況でございますが、発生件数は六十四万件余り、負傷者数は七十九万人余りでございまして、一昨年に比べますとそれぞれ三%ぐらいずつ減少しているところでございますけれども、死者数のみ、百四十一人、一・三%の増加でございます。
 そこで、その特徴でございますが、昨年の交通事故は致死率が高かったということが言えると存じます。
 まず第一に、自動車乗車中の死者が増加したことでございます。自動車事故は致死率が高いということで、自動車乗車中の死者の全交通事故死者に占める比率が四〇%超えたところでございます。一昨年が三八・四%、さらに一昨々年、昭和六十三年は三六%という構成率でございました。昨年は四〇・一%ということで、四〇%台になってしまったということでございます。それから、その自動車乗車中の死者の方々の中でシートベルトを締めていなかったという方の比率が七〇%を超えたということも昨年の特徴かと存じます。昭和六十一年十一月にシートベルトの着用が義務化されましてから、非着用者の死者数の占める比率が七〇%台となりましたのは昨年が初めてでございます。
 それから、二点目と申しますか三点目と申しますか、特色は、高齢者の方々の歩行中の死亡事故がふえたということでございます。このところ、歩行中の事故死者数は少しずつふえてきておるところでございますが、特に高齢者の方々の歩行中の死者数が一昨年に比べて九十七人もふえたということでございます。
 それから、三点目と申しますか四点目と申しますか、もう一つの特色は、これは一昨々年とそう大しては違ってはいないのでございますが、依然として週末及び夜間の事故が多発したということでございます。
 以上が交通事故の発生状況及び昨年の交通死亡事故の特色かと存じます。
○辻(第)委員 ことしもまだ増加の傾向が続いておるのではないか、このように考えております。昨年の交通事故の状況の特徴であります、先ほどお話しになりました乗車中あるいはシートベルト、高齢者あるいは週末、夜間など、これらは昨年に限らず近年の傾向かと思うのです。
 そこで、こうした特徴的な事故に対する警察庁の対応についてお尋ねいたします。
○関根政府委員 確かに、若者や高齢者の事故、夜間、乗車中の事故が多発しておるというのは、昨年に限らず近年の傾向でございます。私ども警察といたしましては、一昨年の十一月二十八日に、総務庁長官を長といたします交通対策本部の申し合わせであります現下の非常事態における交通事故防止対策というものがございますが、これに基づきまして一連の事故防止の施策を講じておるところでございます。
 その柱となりますのは、一つは、効果的な指導取り締まり、二つ目は、交通安全施設等の整備であります。三つ目は、交通安全教育及び広報等、ドライバー及び歩行者の方々に十分注意をしていただくような自覚を促す努力をしてきたところでございます。そのほか特に若年者対策、お年寄りに対する対策としていろいろと努力をしているところでございますが、これからは事故分析をもっと一生懸命やりまして、私どもだけでなしに関係の省庁、関係の団体等の方々と一体となって、行政機関、団体総力を挙げて事故防止に取り組むことができるような分析、調査の体制に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○辻(第)委員 今、事故の分析の徹底というのですか充実というのですか、そういう点もお話しいただいたのですが、これまでもいろいろ御対応いただく、御努力をいただいておるのはよく存じ上げておるわけでありますが、依然として交通事故の死者が増加をしているという深刻な状況から見て、改めて真剣な対応といいますか、また効果のある対応をぜひやっていただきたいと思うのです。国家公安委員長の御所見を伺います。
○吹田国務大臣 ただいま交通局長から御答弁を申し上げておりますが、先生おっしゃるとおり、毎年一万人を超えるというようなとうとい命を事故で失っているということは、これはとんでもないことでありまして、私も憂慮にたえないと思っております。したがいまして、これにつきましては極めて重要な施策としてこれから取り組んでいかなければならぬ、さらに、今まで取り組んでまいりましたが、一層の力点を入れなければならぬ、こういうふうに思っております。
 そのためには、何と申しましても交通安全施設の整備をすることが必要でありますし、効率的な交通指導の取り締まりを進めていくということでありましょう。あるいはまた交通安全教育の充実、さらには一般的な我が国の非常に狭い国土の中における環境というもの、交通環境というものの問題をもう一度見直していかなければならぬという意味からの分析問題があります。したがいまして、交通事故の統計分析というものも科学的に進めてまいるということにさらに力を入れたいものだな、こう思っておるわけであります。
 そして、やはり最終的には地域の皆さん方の、お互いにこうしたものについては迷惑をかけないという理解と協力というものが基本でなければ交通事故の多発を防止することはできない、こう思っておりますが、一層ひとつ警察当局に対しましても私から十分今後の努力をお願いしていく、こういうふうに考えております。
○辻(第)委員 ぜひぜひ十分な御対応をいただきたい、お願いをして次に移ります。
 次に、運輸省にお尋ねいたしますが、交通事故対策で有効な対策の一つに自動車の安全装備の充実がございます。昨年十二月に日本自動車工業会が、ユーザーの希望による乗用車の安全対策強化の実施計画を発表いたしております。普通乗用車でほとんどの項目が一九九三年度、エアバッグについては一九九四年とされておるのですが、運輸省が関係業界に通達をし対応体制を整備をすること、それはユーザーの希望と負担によるものであるとは申しましても、それなりに前進だと思うわけでございます。それで、やはりこれらは安全基準に盛り込むなどもう一歩の前進が必要ではないか、このように考えるのですが、いかがですか。
○松波政府委員 お答えをいたします。
 ただいま本委員会で御議論がありますように、交通事故の死者の増加というようなことで大変厳しい状況にかんがみまして、昨年三月、我々運輸省といたしましては、当面の道路交通安全対策の推進につきましてソフト、ハード両面から三本柱に成りますところの行動計画と我々称しておりますが、いわゆるアクションプログラムをつくりましてやってまいりまして、その一環として、先ほど先生がお触れになりました自動車メーカーに対して自動車の構造、装置の安全性に係る研究開発を強化するとともに、あわせてお触れになりましたところの自動車の安全性の一層の向上に係る装置、例えばエアバッグとかあるいは後席三点シートベルト、これらにつきましてユーザーから希望があった場合にはそれに応じられるような体制を整備してくださいということで指導をしたところは先ほど先生がおっしゃったとおりでございますが、さらにまた我々、今後の自動車の構造、装置に係りますところの安全基準の拡充強化につきましては、昨年十月でございますけれども、運輸技術審議会に対しまして諮問を行い、平成三年度末を目途に御答申をいただくべく現在審議が精力的に進められているところでございます。
○辻(第)委員 次に、公共交通機関などの安全問題であります。
 昨年十一月に中国縦貫自動車道の下り線で、九州の昭和自動車の高速夜行バスが炎上いたしました。幸いにも乗客の皆さん、乗員にはけががなかったのでありますが、あわやという事故だったと思います。私は以前にも高速夜行バスの安全、利便性の問題などを取り上げたことがあるのですが、この事故を見てまいりますと改めて高速夜行バスの安全対策について、その運行体制、車両の点検整備、事故時の避難誘導体制、その他総合的に安全対策の強化、見直しが必要ではないのか、このように考えるのですが、いかがですか。
○松波政府委員 お答えをいたします。
 長距離高速バスの安全対策についてのお尋ねでございますが、運輸省といたしましてはこれまでも、多数の乗客を輸送し、安全対策上重要なバスの事故防止の徹底を期するため従来より、例えば運行会社につきましては研修の充実実施、あるいは運転者につきましては適性診断の活用、さらには車両につきましては適切な車両管理の実施等の諸施策を推進してきたところでございますが、今お尋ねの、特に最近長距離高速バスの路線の開設が相次いでおりまして、さらに今後も当該路線の増加が予想される状況にかんがみまして、平成元年七月でございますけれども、警察庁と連名で社団法人日本バス協会に対しまして事故防止の徹底対策の指示をしたところでございます。これに基づきまして高速道路安全運行要領が昨年六月に策定されまして、その成果を今後積極的に活用して高速道路における安全運行の確保を図っていきたいと考えております。
 この要綱におきましては、高速道路を安全に通行するために、例えば点検時におきましては特に乗務員の心身の健康状況を確認するなどの安全運行の確保、あるいは事故時におきますところの避難誘導等、先ほど先生もお触れになりましたが、高速道路運行に必要な事項につきましての運転者教育の実施、あるいは車両管理につきましては高速走行に対応いたしましたところの運行前点検とかあるいは定期点検の確実な励行、こんなことが盛り込まれております。
 さらに、これらの事項の徹底をこれまで図ってまいりましたが、先ほど質問の中にございました、残念ながら昨年十一月に高速バスの火災事故が発生しましたことから、これに対しましても高速道路等におけるバスの事故防止につきまして通達を発し、厳正な運行管理の実施あるいは適切な車両管理の実施につきまして関係団体を通じましてバス事業者を指導しているところでございまして、今後ともなお一層充実を図ってまいる所存でございます。
○辻(第)委員 次に、ことしの冬のスキーシーズンの初めにスキー場のリフトの事故が続発をいたしまして話題になりました。例えばリフトの事故は、苗場の第四シングルリフト四番線で強風による事故がありました。また、鰺ケ沢スキー場での高速リフトの宙づりの事故などもありました。運輸省はどのように御対応されたのか、お尋ねをいたします。
○松波政府委員 お答えをいたします。
 先生スキーリフトの事故防止対策についてお触れになりましたが、索道の安全輸送の確保につきましては、法令によりますところの索道施設に関します技術上の基準などを定めてまいりましてそれの遵守徹底を図ってきておるところでございますが、本シーズンでございます平成二年度におきまして、先ほども先生事故の状況触れられましたが、昨年に比べまして、気候、気象状況等の関係から突風が原因と思われますスキーリフトの脱索によりますところの搬器の落下などによります事故が少し多い状況にございます。
 こういうような状況にかんがみまして、我々運輸省といたしましても、同種事故の再発の防止を図るために、索道事業者に対しまして索道の運転事故防止につきまして電話警報を発するなどいたしまして、気象状況の的確な把握に努めるとともに、悪天候時におきますところの適切な運転規制の実施など、事故防止のための措置を講ずるよう指導いたしておるところでございます。
 また、ハード面、施設面からの安全確保につきましても、スキーシーズンの開始に当たりまして索道の設備の点検整備の確実な実施につきまして、従来から索道技術管理者研修会等、あらゆる機会を通じましてその徹底に指導をいたしておるところでございますが、まだまだスキーシーズン残っておりますので、今後とも索道の運行の安全確保を図るため、ソフト、ハード両面から適切な運転取り扱いあるいは施設の確実な点検等につきまして指導をしてまいる所存でございます。
○辻(第)委員 まだまだスキー人口もふえると思いますし、どうかひとつハードの面でもソフトの面でも十分な安全対策、慎重にも慎重を期してやっていただきたいとお願いをして、次に移ります。
 昨年目についたものに、自家用飛行機やヘリコプターの事故の問題がありました。ヘリコプターの事故では朝日航洋のヘリコプターの連続的な事故があったと思います。昨年のヘリコプターや自家用機の事故の状況を簡明に御説明をいただきたいと思います。
○加藤(晋)政府委員 お答えいたします。
 今先生の御質問の小型飛行機とヘリコプターの事故に関してでございますが、小型飛行機につきましては年間の事故発生件数は大体十件前後ということでございまして、近年ほぼ横ばいでございまして、特に増加する傾向は見受けられないのであります。ヘリコプターについても年間の事故発生件数自体は十数件ということでございますが、傾向的に見ますとやはり増加しているとは言えないのでありますけれども、実は昨年は大変死亡事故が多うございまして、これは例年より多発しております。死亡事故件数は九件ございまして、死亡者が三十二名と過去最高の状況となっております。
○辻(第)委員 これらの事故の背景には、航空機の用途の多様化という問題、また自家用機の増加というようなことがあると思います。小型機の飛行場あるいは機体の整備、運航管理、気象情報伝達システムなどが不十分ではないのかな、このように思います。また、パイロットの技量向上も必要だと思います。運輸省の航行援助体制なども充実すべきではないか、このように考えるわけでございます。運輸省はこのような問題にどのように対応されているのか、お尋ねをいたします。
○加藤(晋)政府委員 お答えいたします。
 小型飛行機につきましては、事故発生件数、先ほど申し上げましたように年間十件前後と少ないこともありまして、これは増加傾向に余りないのであります。したがいまして、小型飛行機の運航環境とか運航体制に特に問題はないと考えております。しかし、引き続き安全運航確保については万全を期したいと考えております。
 ヘリコプターにつきましては、事故発生件数自体は先ほど申し上げましたように傾向的に見ますと増加しているとは言いがたいところもありますが、先ほど申し上げましたように死亡事故多発ということでございまして、特に死亡事故が集中した、今先生御指摘になりました朝日航洋につきましては、立入検査を実施して同社に業務改善勧告を行いました。それから、事業者とか操縦士、整備士に各団体がございますが、こういった団体を通じまして注意喚起を行っております。
 それから、今先生も御指摘になりましたように、ヘリコプターの使用の態様と申しますか、従来の物資輸送とか農薬散布とかそういったもの以外に、今お話しになりました例えば宮崎県におきます事故のように社用で大勢の方を運んでいる、こういったような状況もございますので、私ども昨年十月にヘリコプターの運航に係ります外部の専門家とそれから私どもの内部の関係の課長を中心といたしましてヘリコプター運航の安全対策検討会というのを発足させまして、いろいろな観点から総合的に安全対策を今鋭意検討しております。今年度末をめどに大体中間取りまとめという形で何とか結論を得るように今努力をいたしておるところでございます。
○辻(第)委員 次に、運輸大臣にお尋ねをいたします。
 先ほども申しました公共交通機関などの安全対策の強化について、運輸大臣の御所見を伺いたいと思います。
○村岡国務大臣 辻先生の質疑のやりとりを聞いておりまして、各部長からもお答え申し上げましたが、自動車の安全装備の充実等あるいは長距離バスあるいはスキーリフト、ヘリコプター等も相当、千機以上にもなっているという現状で、今までも安全対策に怠りはなくやってきたと思いますけれども、もう一遍やはり見直して、この交通の安全ということをやっていきたい、こう思っております。
 申すまでもなく、公共交通機関にとりましては安全運行の確保が何よりも重要であると認識しておりまして、このため、総合的に交通施設、輸送機器、交通従事者、運行管理者等に関する各般の安全対策をさらに積極的に強化して推進してまいりたい、こう考えております。
○辻(第)委員 ひとつよろしくお願いいたします。
 最後に総務庁長官にお尋ねをいたします。
 第四次交通安全基本計画は平成二年度で終了になります。平成三年度から第五次交通安全基本計画が策定をされるということでございますが、そこで、第三次の交通安全基本計画は交通事故死者八千人が目標であったわけでございます。それから十年たつわけでございますが、逆に増加をしているというのが現状でございます。第五次計画は当然こうした深刻な状況を踏まえて策定をいただくことになろうと思うのですが、改めて、かけがえのない命でございます、かけがえのない人生でもあるわけでございますので、人命尊重最優先で本当に強力な対策を講じていただきたい、そういう立場で基本計画の策定をいただきたい、こう思うのですが、御所見を伺いたいと思います。
○佐々木国務大臣 先ほども申し上げておりますけれども、政治、行政いろいろな仕事がたくさんございますけれども、一番大事なのは人命を守ることだ、こういうふうに私どもは考えておるわけでございまして、そういう観点から、政府におきましても関係省庁知恵を出して、皆様方の御指導もいただきながら今日いろいろやってまいりました。しかし、残念ながらそういう、余り実を結んで予定した――予定と言うと語弊がございますけれども、死者の数も一万一千名を超えている。大変残念なことでございます。
 ですから、私はさっきも申し上げましたけれども、新年度からの計画をつくるに当たっては、今までいろいろやってきました対策というのが手抜かりがあったのかないのか、あるいは手抜かりはなかったけれども、これが十分国民の皆さんに浸透して御協力をいただけたのかどうか、こういう点を洗いざらい分析をしまして、これは人災と言われますからそれぞれ原因があるわけでございますので、そこの原点に立ち返って、そしてそこから新しい対策を生み出していかなければいかぬのじゃないか、そういうことで現在、関係各省庁、専門家一致協力して、今分析の仕事をやっていただいておりますので、それを踏まえまして来月には中央交通安全対策会議で決定をすることになると思いますが、全力を挙げて取り組みたいと思っております。
○辻(第)委員 最後に、関係省庁全力を挙げて、総力を挙げて頑張っていただきたいとお願いをして質問を終わります。
 ありがとうございました。
○長田委員長 次に、和田一仁君。
○和田(一)委員 きょうは三大臣おいでいただいた中で、先般表明された交通安全に対する所信に対して質問をさせていただくわけなんですけれども、交通問題とちょっと離れるのですけれども、まず冒頭に、三大臣いらっしゃるし、特に関係大臣としての総務庁長官に。
 きのうの閣議でのやりとりの一つが新聞に出ておりました。それは、左藤法相からきのうの閣議で、北方四島における在住ソ連人の法的地位についてもうそろそろ検討を始めてはどうかという御意見が開陳されたということでございました。これは新聞に出ておるのですが、そうであるかどうか、そうであるということであるならば法務大臣の言われた意味合いはどういうことであったのか、それに対して、同時に総務庁長官の談話等は何も出ておりませんが、長官は北方四島の返還運動の責任大臣としてどういうお考えを持っているか、このことをまず、ちょっと関係がございませんが、お聞かせをいただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 きのうの閣議におきまして、お話がございましたような御発言があったことは事実でございます。ただ、私はそれ以上の詳しいことをお聞きをしてございませんし、本問題につきまして総務庁として詳しく検討したこともございませんので、これから申し上げますことは私の個人的な見解に近くなろうと思いますので、お許しをいただきたいと思います。
 私は、今四月に向けまして一番大事なのは、北方領土の四島一括返還を実現することだ、少なくともそれに対するめどをつけることだ、こう考えておりまして、それに全力を挙げるべきだ、こう認識をしておるわけでございます。その領土が返ってきた場合の、あの領土四島をどうするか、その四島のあり方について今ここで勉強することは結構だと思いますけれども、政府としてこれを公式に検討をするとかということになりますと必ずしも適当ではないのではないか、こういうふうに私は考えております。
 ただ、四島というのは、これは日本固有の領土でございますから、その現状はどうなっているか、こういうことについては私どもはよく調査をしなければならないと思っております。何しろ戦前のことでございますので、現状について知るような、そういう資料も散逸をしておりますし、四十数年もたって余り資料も手に入らない。そこで、現状を知るための情報、資料を内外にわたって収集することは大事だな、私はこう思っておりますし、今御提案申し上げております予算案の中にも、衛星を使って現状をできるだけ把握したいなと思っておるわけでありまして、現状の把握は大変大事だと思いますが、返還後の四島のあり方については、私は、勉強することは結構だと思いますけれども、政府として今そういうことをやるのは必ずしも適当ではないのではないか、こういうふうに考えております。
○和田(一)委員 ありがとうございました。
 現実に四月にこの交渉が始まるわけなので、その前にまたいろいろ機会があろうと思いますが、そのときにまた長官のもっと細かい御意見を、私も意見を申し上げて、意見を聞きたいと思います。
 それでは、交通安全の問題についてお尋ねさしていただきますけれども、朝から同じような質問で大変恐縮なんでございますけれども、総務庁の長官は所信表明の中で、第五次交通安全基本計画、三年から五年間、これを策定しているところであるというふうに述べられました。昭和四十五年に交通事故死亡者が一万六千七百六十五人というピーク、大変なときがありまして、その年に交通安全対策基本法というものがつくられました。総理を長とする中央交通安全対策会議が設置されまして、そして四十六年を初年度とする第一次交通安全基本計画、そして何とか死亡事故を少なくしよう、半減しよう、こういう目標が立てられて、政府は総力を挙げてこれに取り組まれたわけですね。そして、五十年代にピークの約半数に減った、こういう成果が上がったと思うのですが、しかし残念ながら最近のこのモータリゼーションの爆発的な伸展と比例して、ここ三年また交通事故多発という状態になりました。そして、今また一万人を突破するという大変憂慮すべき状態にあるわけでございます。
 そこで、この第五次の基本計画の策定というのは結構なんですけれども、それは、かつてのように、半減にするというような具体的目標を掲げてその成果を上げた、同じように一つの目標を持って、これはゼロが望ましいことは間違いないですけれども、一つのきちっとした目標を設定して着実に近づいていこうということなのか、それとも、先ほど似たような質問の中で長官がおっしゃったのは、従来の対策に落ち度があるかどうか、あるいは対策はいいが、それが徹底していたかどうか、こういうことを分析、点検してこれからの資料にしていきたい、こういうような御答弁もございましたが、そういうことだけで、従来の、第三次が終われば第四次、第四次が終わったから今度は第五次というような延長線でこの計画を策定するというだけでは、もうこういう非常事態宣言を解消していくためには果たしてそれだけでいいかどうか、私はそういう思いを持っているのですが、この計画について長官の決意のほどと、それからいつごろ具体的な対策を発表されるかをお聞きしたいと思います。
○佐々木国務大臣 私もいろいろ交通対策の過去の経過について事務当局から詳細にお話を伺いましたが、今お話のございますとおり、本当にピークのときは一万六千の死者でございますか、これが、いろいろな対策を講じました結果、半数、八千名台まで落ちた、これは非常に対策のよろしきを得たものだ、ゼロになりませんでしたけれども、大変な成果だった、こういうふうに私も思っております。
 したがいまして、これからつくります計画に当たりましても、具体的な数字がどうなるかはこれからの検討ですけれども、やはりそういう具体的な目標というのを定めることが適当ではないかな、こう私は現在は思っております。昭和四十五年あるいは五十年代と社会経済情勢も違いますし、先ほど来いろいろ御答弁がございますとおり、国民の生活の仕方等も違ってきておりますから、これはそういう時代の変化というものを踏まえていろいろな対策を考えなければなりませんが、できればそういう具体の目標を定めて進みたい。そういうことも含めて、現在専門家の会議で検討をしていただいておりまして、三月の中旬には総理を会長とします中央交通安全対策会議で決定をいたしたいということで現在準備を進めております。
○和田(一)委員 もう一つお願いなんですけれども、ぜひそういった計画が効果を上げるというために、やはり総務庁というお役所の立場、これは非常に大事だと思うのですね。運輸、交通その他、いろいろな省庁が関連しております。通産は通産で自動車産業という面から非常に関係深いし、警察は警察でもちろん深いし、また運輸は運輸であるし、大蔵省は大蔵省で税制の面でもあるし、各省庁それぞれ関連を持ちながら、見ているとある意味では行政の総合調整という点でどうも欠けているのではないか、ばらばらな面も見え隠れするという感じがしてなりません。特に死亡者を減らそうというからには、この救急医療体制等も非常にこの委員会でも問題になっておるわけでございまして、そういう面でも厚生省あるいは消防庁、こういうところの連携というようなことも含めて、やはり総務庁という総合調整機能が、一人でも死亡者を減らそうという運動の中に、政策の中には非常に大きな意味合いがあると思います。そういう意味で、長官のこの新しい基本計画の中で果たすべき総合調整機能、これをどのように従来以上に発揮するか、その辺はいかがでしょうか。
○佐々木国務大臣 この交通安全対策というのは、政府部内だけを考えてみましても関係する部局が非常に多うございます。もう関係しない部局がない、そういうふうに申しても私はよろしいかと思うくらいでございます。それに地方団体は当然でございますし、あるいは関係する団体は、ほとんどあらゆる団体が民間団体も含めて関係を持っておられる。そうして、これはやはり国民全体で関心を持っていただいて取り組んでいただかなきゃならない非常に幅広い問題だろう、こういうふうに考えておりまして、従来からも政府部内の関係の各省庁からは大変な御協力をいただいておりますが、現在も先ほど申し上げた専門家の会議で、これは関係省庁の皆さん大変な熱意を持って取り組んでいただいておるわけでございます。
 そもそも総務庁というのは行政改革で総合調整をやろうということでできた役所なんでございますが、私は長官として、大変微力なんでございますけれども、そういう大それたことはできませんが、関係の各大臣と信頼関係を保ちながら、ひとつ総合調整と申しますか、政府としてのまとまった交通対策ができますように全力を尽くしてまいりたいと思いますので、よろしく御指導をお願い申し上げます。
○和田(一)委員 お聞きしたいことはたくさんあるのですが、与えられた時間が少ないので。
 今モータリゼーションがどんどん進んでおります。国民皆免許と言われるようになってまいりました。そこで、私は自動車教習所のこれからのあり方についてちょっと質問さしていただきますが、現在自動車の教習所、指定自動車教習所というのは、道交法の第九十八条の一項に準拠して一定の職員、設備等が満たされていれば指定を受けることができるようになっておるわけでございます。これは、比較的そういう条件さえ整えばうるさいことなくできる、こういうことではないかと思います。
 今申し上げましたように、新しく免許証を国民はどんどん取っておりますけれども、新しく免許を取得する人というのはほとんどが教習所を経て技術の講習を受け、そして検定を受けて免許証を取得するというコースを通っていると思うのですね。ですから、取得者の九五%ぐらいらしいですけれども、教習所の卒業生であるというのが現状ではないかと思います。そうなりますと、やはりこれは非常に社会的な責任というか与えられている使命、教習所の使命というものは高いのではないかと思うのですね。
 こういう実態を考えますと、私は道交法の九十八条の一項でこれを法的な根拠としている今の設置基準、これがそのままでいいのかどうか、もっとこの教習所というものを独立した法律でこうあるべきだという規定をしてもいい時代に来ているのではないかとすら感じておるのです。言い方はちょっと悪いかもしれませんけれども、今の教習所というのは、今申し上げたような規定さえあれば簡単にできる。パチンコ屋さんも余りうるさくなくできると思うのですね。同じように教習所もできる。やめようと思えば、もうあしたからでも嫌だよと言えばやめられる。教習所の方も別にそういうあれがないから、やめようと思えばやめられるという簡単な状態にあるように思うのです。
 私は、このモータリゼーションの中で、こういう社会に入っていく若い人たちあるいは新規にそういうモータリゼーションの社会に入っていこうという、若くなくてもいいですが、新しく免許を取得しようとする人が必ず通る教習所というものは、もう少し教習所の教員ですか、こういうものにきちっとした資格を与えて、その資質を高め、そして国民の運転技術の向上を図る。同時に、技術面は当然ですけれども、それ以前の交通安全思想の徹底であるとかマナーであるとか、こういうものの普及がここできちっと保証されるものでないといけない、私はこういう感じがしてなりません。国家百年の計は教育にあるように、交通の問題もここら辺をもっときちっと政府も取り組んでいくべきときに来ているんではないかという気が私はしておるわけなんです。
 というのは、ここに働いている人たちを今のような位置づけではなく、実技はもちろん適性もここできちっと見分けてもらう、あるいは法律的な、学科ですね、この検定は今ここではできませんけれども、これもここでやるというぐらいに、ここに一つのきちっとした格付をする。そうすれば、ここにいる人たちに一般の民間の自由な従業員ではなくて準公務員的なそういうきちっとした資格を検定によって与えていくということによって、こういう学校を通過して運転技術を習得してモータリゼーションの社会に入っていく人たちが、本当にもっともっときちっとしたものをここで身につけることができるんではないか、私はこういう気がしておるわけなんです。
 実はこういうことについて、私は十年ぐらい前に問題提起を一遍したことがあるのです。しかし、それはそのままになっております。その後だんだんとこういう現状を見るにつけて、またこれは真剣に検討すべきときが来たな、こう思っておるので、今私が申し上げたことは今ここでいきなりお聞きになった方が多いと思いますが、申し上げたことだけについて、ひとつそれぞれの大臣のお考えをお聞かせいただければありがたいと思います。
○吹田国務大臣 ただいま和田先生おっしゃるとおりでありまして、指定自動車教習所というものは非常に大事な施設であります。特に道路交通法によりまして設置基準、指導員の要件等の所定の規定を設けているわけでありますし、指定自動車教習所の制度は道路交通法と密接に結びついているわけでありますから、お説のとおりであります。
 指定自動車教習所に関する法律を単独法とすることは慎重に検討しなければならぬというふうに思っておりますが、特に今お話がありましたような運転免許の試験は、技能試験及び学科試験あるいは適性試験というような三種類に分かれておりますし、自動車の運転について必要な技能それから知識、適性について行われるわけでありますし、このうち自動車等の運転についての必要な知識、適性は公安委員会が運転免許を与える上で基本的な事項であります。
 私も実は運転免許を昭和二十七年にいただいたのですけれども、その当時から見ますと今日の教習所における運転免許取得者に対する教育あるいは指導、さらにはそういった者に対する適性、こういったものが非常に厳格になされつつありますが、さらに今後もこういう点につきましては、指定教習所の委託されておる道路交通行政というものの担当の上からも責任を全うしていかなければならぬ、かように考えておる次第であります。
○和田(一)委員 ほかの大臣ももし御感想があれば伺いますけれども、今の公安委員長のお話ですが、私はもっと具体的に申し上げると、地域地域に交通安全センターというような機構を設けて、そしてそこの傘下に各指定教習所を置くというような形をとりながら、その地域における安全センターが、そういう教習所を傘下に置くだけでなく、地域の学校や社会やそういうところの安全教育、交通安全対策についても貢献していく、そういうようなものも含めて、ただ単に教習所だけの法的な裏づけでなくて、そういう総合的なものを考えてもいいのではないかというふうに思うわけです。大臣も決して今のままでいいというお考えでなく少しずつ――大臣は二十何年ですか、私も昭和十八年に免許証を取りまして、そのころに比べれば本当に格段の違いではあるんですけれども、しかしそれでもなおかつこれだけふえている交通事故というものは、本当に基本のところで身につけておかないとマナーなんというものもだんだん崩れていくということもありますし、そういう意味では、いわゆるアダルトエデュケーション、そういうものも含めたことのできるセンター的なものを考えていったらどうか、こんなふうにも思っているわけです。これはまたいろいろと御相談をさせていただいて、これが安全の方向に近づくんだということであればぜひひとつ真剣に検討していただきたい、こんな思いできょうは申し上げておきます。
 それからもう一つですが、この前もちょっと交通安全対策に関する実態調査結果に基づく勧告の中でAT車の免許制度のことがございました。オートマチックですね。これの特別な免許制度を創設してはというような勧告に対して、検討せよというあれに対して今どんなふうになっておりますか。AT車がだんだんふえている現状だとは思います。しかし、このAT車だけの免許が取れる方向で検討されているのか、マニュアルな運転技術を習得した上でAT車の免許ということを考えているのかあるいはAT車の限定免許ということを考えているのか、どういうふうなお考えで今どんな準備をされているか、わかったらお知らせいただきたいと思います。
○吹田国務大臣 このAT車の限定免許制度につきましては、平成三年、ことしの秋の導入を目途に引き続き検討を進めているということでありまして、昨年六月以降の検討、実施している事項は実は次のような三点になりますが、実験教習による指定自動車教習所における教習時限や教習のカリキュラムの具体的な内容について検討しておる、あるいは運転免許試験に与える影響の調査、有識者、関係者等からの意見を聴取しておるということであります。したがいまして、このAT車に特有な交通事故自体の研究ということも含めて今鋭意進めているところでありまして、平成三年の秋というのを目途に引き続き検討を進めさせていただいております。
○和田(一)委員 AT車はやはり普通のマニュアル車と違った操作技術があると思いますので、AT車が普及してきただけに、これは必須で、今は必須ではないようですけれども、希望者だけのようですが、このAT車に乗る機会がふえるだけに、できるだけこれはきちっとしていただきたいと思います。
 それから、もうそろそろ最後の質問になるかと思うのですが、最近各方面で非常に人手不足が目立っておるわけです。特に輸送業界等についても人手不足ということが言われております。私も最近町を見ておりまして、ダンプの横にまた新しい、仕切り板というのですか何というのですか、高い荷台をつくって、過積載というのじゃないかと思うのですね。規定の重量以上の荷を積んで走っている、山のような荷を積んで走っておるというような状態を時々見るわけですけれども、これはひとえに人手不足だけではないかもしれませんが、いずれにしましても、物流がどんどん盛んになっていく状態の中でそういった深刻な状態があるらしいです。
 それに対して私、新聞で見たのです。こういう深刻な人手不足に陥っていることが背景にあると思うのですが、今ある大型トラックの重量制限値を二十トンから二十五トンに上げてくれとか、セミトレーラーの連結車についてはもっと長くしてほしいとか、車両総重量をもっとふやして自由な走行ができるようにしてほしいとか、普通運転免許で運転できるトラックの範囲を積載重量七トン以下にふやしてくれとか、車両総重量十トン以下にまで拡大してほしいというような大変具体的な要請が運輸省の方に出されているという記事でございます。こういった要請が出されていることに対して、大型化は効率輸送の一手段であるというような政府見解もこの新聞には書いてございますけれども、こういった要請に対して、今具体的にどのような検討をされ、そして将来どういうふうな結論を出そうとしておられるか、伺いたいと思います。
○村岡国務大臣 物流が増加する中で労働力不足深刻化に対処する上から、トラックの輸送の効率化を図るためにはトラックの大型化を進めることが有効である、諸外国との比較におきましても我が国の規制をもう少し緩和できないか、こういう意見が警察庁や建設省や、また我が省に対して出されております。一方また、先ほどの交通事故の増加という問題もありまして、安全上の観点から全面的な規制の緩和を直ちに実施するということも困難であるとの意見も出されております。このため、この問題につきましては関係省庁において相互の連携を密にしつつ、それぞれの所管事項について検討中であります。
○和田(一)委員 これからいよいよ物流も盛んになり、人手も足らなくなるという中でいろいろな要請が出てくると思います。ぜひ検討していただきたいと思います。
 きょうはもうちょうど時間がなくなりましたのでこれで終わりますけれども、航空関係についてのいろいろな問題についても大臣からいろいろお考えを聞きたかったわけですけれども、これはまたこれから後の委員会で機会があったらお尋ねさせていただくことにして、きょうはこれで終わります。
 ありがとうございました。
     ────◇─────
○長田委員長 この際、小委員会設置の件についてお諮りをいたします。
 自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する諸問題を調査するため小委員十五名よりなる自転車駐車場整備等に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 小委員及び小委員長は、追って指名の上、公報をもってお知らせをいたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可並びにその補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、小委員会におきまして参考人の出頭を求める必要が生じた場合には、出頭を求めることとし、その諸手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、明二十一日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時一分散会