第121回国会 決算委員会 第1号
本国会召集日(平成三年八月五日)(月曜日)(
午前零時現在)における本委員は、次のとおりで
ある。
  委員長 渡辺 省一君
   理事 魚住 汎英君 理事 北川 石松君
   理事 萩山 教嚴君 理事 藤井 裕久君
   理事 森  英介君 理事 後藤  茂君
   理事 時崎 雄司君 理事 北側 一雄君
      伊藤宗一郎君    加藤 六月君
      粕谷  茂君    長谷川 峻君
      藤尾 正行君    水野  清君
      渡辺 栄一君    阿部未喜男君
      上田 卓三君    小川 国彦君
      長谷百合子君    東  祥三君
      寺前  巖君    藤波 孝生君
―――――――――――――――――――――
平成三年十月三日(木曜日)
    午後一時開議
出席委員
  委員長 渡辺 省一君
   理事 魚住 汎英君 理事 北川 石松君
   理事 萩山 教嚴君 理事 藤井 裕久君
   理事 森  英介君 理事 後藤  茂君
   理事 時崎 雄司君 理事 長谷百合子君
   理事 北側 一雄君
      伊藤宗一郎君    岩村卯一郎君
      加藤 六月君    河村 建夫君
      中村正三郎君    町村 信孝君
      水野  清君    渡辺 栄一君
      阿部未喜男君    上田 卓三君
      新村 勝雄君    東  祥三君
      寺前  巖君    藤波 孝生君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  海部 俊樹君
        法 務 大 臣 左藤  恵君
        外 務 大 臣 中山 太郎君
        大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
        厚 生 大 臣 下条進一郎君
        農林水産大臣  近藤 元次君
        通商産業大臣  中尾 栄一君
        労 働 大 臣 小里 貞利君
        建 設 大 臣 大塚 雄司君
        国 務 大 臣
       (経済企画庁長
        官)      越智 通雄君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      山東 昭子君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 西田  司君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      大森 政輔君
        公正取引委員会
        委員長     梅澤 節男君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 糸田 省吾君
        経済企画庁調整
        局長      吉冨  勝君
        経済企画庁総合
        計画局審議官  太田 道士君
        科学技術庁長官
        官房長     林  昭彦君
        科学技術庁科学
        技術政策局長  須田 忠義君
        科学技術庁研究
        開発局長    井田 勝久君
        科学技術庁原子
        力局長     石田 寛人君
        環境庁企画調整
        局長      八木橋惇夫君
        国土庁長官官房
        長       藤原 良一君
        国土庁土地局長 鎭西 迪雄君
        国土庁地方振興
        局長      小島 重喜君
        国土庁防災局長 鹿島 尚武君
        法務省民事局長 清水  湛君
        法務省刑事局長 井嶋 一友君
        法務省人権擁護
        局長      篠田 省二君
        法務省入国管理
        局長      股野 景親君
        外務大臣官房領
        事務移住部長  久米 邦貞君
        外務省欧亜局長 兵藤 長雄君
        外務省経済局長 林  貞行君
        外務省経済協力
        局長      川上 隆朗君
        外務省条約局長 柳井 俊二君
        外務省国際連合
        局長      丹波  實君
        大蔵大臣官房長 篠沢 恭助君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    小川  是君
        大蔵大臣官房審
        議官
        兼内閣審議官  三宅正太郎君
        大蔵大臣官房審
        議官      金子 義昭君
        大蔵省主計局次
        長       涌井 洋治君
        大蔵省証券局長 松野 允彦君
        大蔵省銀行局長 土田 正顕君
        国税庁課税部長 坂本 導聰君
        厚生省保健医療
        局長      寺松  尚君
        厚生省生活衛生
        局長      玉木  武君
        厚生省薬務局長 川崎 幸雄君
        農林水産大臣官
        房長      馬場久萬男君
        農林水産省構造
        改善局長    海野 研一君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    上野 博史君
        農林水産省食品
        流通局長    武智 敏夫君
        水産庁長官   鶴岡 俊彦君
        通商産業省貿易
        局長      高島  章君
        通商産業省産業
        政策局長    山本 幸助君
        通商産業省立地
        公害局長    鈴木 英夫君
        気象庁長官   立平 良三君
        郵政大臣官房経
        理部長     山口 憲美君
        労働省労働基準
        局長      佐藤 勝美君
        労働省職業安定
        局長      若林 之矩君
        建設省建設経済
        局長      伴   襄君
        建設省河川局長 近藤  徹君
        自治大臣官房審
        議官      田中 宗孝君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        管理局会計課長 千葉 真一君
        公正取引委員会
        事務局官房庶務
        課長      平林 英勝君
        警察庁長官官房
        会計課長    石川 重明君
        北海道開発庁総
        務課長     天本 俊正君
        防衛庁経理局監
        査課長     字田川新一君
        防衛施設庁総務
        部会計課長   水口 道夫君
        経済企画庁長官
        官房会計課長  三田 義之君
        科学技術庁長官
        官房会計課長  岡崎 俊雄君
        環境庁長官官房
        会計課長    井上  毅君
        国土庁長官官房
        会計課長    森   悠君
        外務大臣官房会
        計課長     阿南 惟茂君
        大蔵省主計局司
        計課長     設楽 岩久君
        文部大臣官房会
        計課長     泊  龍雄君
        農林水産大臣官
        房経理課長   大日向寛畝君
        通商産業大臣官
        房会計課長   伊佐山建志君
        運輸大臣官房会
        計課長     相原  力君
        建設大臣官房会
        計課長     近藤 茂夫君
        会計検査院長  中村  清君
        会計検査院事務
        総局次長    山本  正君
        会計検査院事務
        総局第一局長  安部  彪君
        会計検査院事務
        総局第二局長  小川 幸作君
        会計検査院事務
        総局第三局長  中北 邦夫君
        会計検査院事務
        総局第四局長  白川  健君
        会計検査院事務
        総局第五局長  中島 孝夫君
        参  考  人
        (水資源開発公
        団理事)    野沢 達夫君
        参  考  人
        (東京証券取引
        所理事長)   長岡  實君
        参  考  人
        (東京証券取引
        所常務理事)  鶴島 琢夫君
        参  考  人
        (日本証券業協
        会専務理事)  関   要君
        参  考  人
        (日本銀行総裁)三重野 康君
        決算委員会調査
        室長      小島  敞君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月五日
 辞任         補欠選任
  東  祥三君     斉藤  節君
十月三日
 辞任         補欠選任
  加藤 六月君     町村 信孝君
  粕谷  茂君     岩村卯一郎君
  長谷川 峻君     河村 建夫君
  藤尾 正行君     中村正三郎君
  小川 国彦君     新村 勝雄君
  斉藤  節君     東  祥三君
同日
 辞任         補欠選任
  岩村卯一郎君     粕谷  茂君
  河村 建夫君     長谷川 峻君
  中村正三郎君     藤尾 正行君
  町村 信孝君     加藤 六月君
  新村 勝雄君     小川 国彦君
  東  祥三君     斉藤  節君
同日
 理事後藤茂君同日理事辞任につき、その補欠と
 して長谷百合子君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
八月五日
 昭和六十三年度一般会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求め
 るの件)(第百十八回国会、内閣提出)
 昭和六十三年度特別会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求め
 るの件)(第百十八回国会、内閣提出)
 昭和六十三年度特別会計予算総則第十二条に基
 づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額
 調書(承諾を求めるの件)(第百十八回国会、
 内閣提出)
 昭和六十三年度特別会計予算総則第十三条に基
 づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額
 調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百十
 八回国会、内閣提出)
 平成元年度一般会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの
 件)(第百十八回国会、内閣提出)
 平成元年度特別会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの
 件)(第百十八回国会、内閣提出)
 平成元年度特別会計予算総則第十二条に基づく
 経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書
 (その1)(承諾を求めるの件)(第百十八回
 国会、内閣提出)
 平成元年度一般会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの
 件)(第百二十回国会、内閣提出)
 平成元年度特別会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの
 件)(第百二十回国会、内閣提出)
 平成元年度特別会計予算総則第十一条に基づく
 経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書
 (承諾を求めるの件)(第百二十回国会、内閣
 提出)
 平成元年度特別会計予算総則第十二条に基づく
 経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書
 (その2)(承諾を求めるの件)(第百二十回
 国会、内閣提出)
 平成二年度一般会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの
 件)(第百二十回国会、内閣提出)
 平成二年度特別会計予算総則第十二条に基づく
 経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書
 (その1)(承諾を求めるの件)(第百二十回
 国会、内閣提出)
 昭和六十二年度一般会計歳入歳出決算
 昭和六十二年度特別会計歳入歳出決算
 昭和六十二年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和六十二年度政府関係機関決算書
 昭和六十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和六十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和六十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和六十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和六十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和六十三年度政府関係機関決算書
 昭和六十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和六十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和六十三年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書
 平成元年度一般会計歳入歳出決算
 平成元年度特別会計歳入歳出決算
 平成元年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成元年度政府関係機関決算書
 平成元年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成元年度国有財産無償貸付状況総計算書
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 参考人出頭要求に関する件
 閉会中審査に関する件
 昭和六十二年度一般会計歳入歳出決算
 昭和六十二年度特別会計歳入歳出決算
 昭和六十二年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和六十二年度政府関係機関決算書
 昭和六十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和六十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和六十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和六十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和六十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和六十三年度政府関係機関決算書
 昭和六十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和六十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
     ――――◇―――――
○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 まず、理事の辞任及び補欠選任についてお諮りいたします。
 理事後藤茂君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、長谷百合子君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
○渡辺委員長 次に、昭和六十二年度決算外二件及び昭和六十三年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、各件について締めくくり総括質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として東京証券取引所理事長長岡貴君、常務理事鶴島琢夫君、日本証券業協会専務理事関要君、水資源開発公団理事野沢達夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○渡辺委員長 質疑に入るに先立ちまして、質疑者各位に申し上げます。質疑時間は申し合わせ時間を厳守するようにお願いいたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北川石松君。
○北川(石)委員 二年ぶりと申しますか、六十二年度、六十三年度の決算の審査に当たりまして、この機会を与えていただきましたことに、神に深く感謝の祈りをささげますと同時に、関係各位にありがとうを申し上げます。
 まず私は、決算の重要性が近時薄らいでおるのじゃないかという思いをいたします。予算委員会とともに、院の構成において、国民の血税をいかに各省が期待にこたえるようにこれを形づけたかどうかを審査することが、二年間も総括がなされなかった、しかしながら、今日こうして六十二、六十三年度の総括が審査できることを深く敬意を表しておきたい。そんな意味合いの中で、各大臣全部お越し願うことはこれもむだと思いまして、必要な大臣だけを御出席願い、逐次各省における大臣の職責を全うしておられることに感謝を申し上げながら、その職員の中において、各省が十分に国民の期待に沿うところの予算執行をやっておるかどうかという点についての御質問をいたしていきたいと思います。
 まず最初に、これは衆議院の院の諸経費というもの、衆議院における諸経費と参議院における諸経費との差というものが必然的にできておることも否めないと思います。さりながら、今日、院の中にある代議士の皆さんが昔のままの政治活動でなくなってきておる。非常に急速に地球が狭くなったというほどスピード化されてきておる。その中においての衆議院の中にそれぞれ備えつけるものもまたたくさん出てきておる。しかるに、この衆議院の予算編成においてはいまだ十分とは言えない面があるのじゃないかということを思いますが、こういう点について大蔵大臣はどのように思っていらっしゃるか、御見解を問いたいと思います。
○橋本国務大臣 衆参両院の必要とされる経費というもの、予算編成の中で私どもとしては最大限御要望に沿う努力をいたしてきたつもりであります。同時に、国家財政全体が、本年度末には百六十八兆円を超えると言われる国債残高を抱えており、さらに国債費が予算の二割を占めるといった状況の中で、極めて厳しい状況にあることも当然のことながら御認識をいただいた上の御質問と思います。これから先におきましても、衆参両院それぞれのお立場において御要求をいただきます経費というものについては、十分精査をさせていただきながら御相談をしてまいりたい、そのように思います。
○北川(石)委員 十分に相談をしてとおっしゃるので、この点に含みを持っていただいたと思っております。
 ただ私は、政治家は常にやはり謙虚でなくてはいけない、そして質素でなくてはいけない、この点は院に決して裕福な形づけをしろということを申し上げておるのじゃありません。私は、政治にタッチする者は常に権者でなくてはいけない、それは権力者の権力を持っておるだろう。と同時にまた賢者でなくてはならない、その賢者は英知であり、また賢くなくてはいけない。と同時にいま一つ、謙者でなくてはいけない、謙虚な人でなくてはいけない。この三つをやはり政治家というものは常に心しなくてはいかぬのじゃないか、こんな思いをいたしますので、決して院がぜいたくになれとかそういうことは言わずに、私は十分な活動ができるところの体制を大蔵省は考えるべきじゃないかということを申し上げた次第であります。大蔵大臣、よくわかっていただけましたかな。どうぞ。
○橋本国務大臣 私の立場からこうしたことを申し上げることが適切かどうか、内心じくじたるものがございます。しかし、御承知のように、国会に対しまして極めて強く政治改革というものが求められておる状況であることを委員もよく御承知であります。国民の目は、政治に向けられるもの、非常に厳しいものがございます。私は、そうした国民の声も一万十分お互いが考慮に入れながら、必要な経費は当然のこと政府としても支弁をいたさなければなりません。お互いに十分御相談をしながら、国家財政全体の中において必要な予算を計上していくという考え方は今後ともに変わらないものと思います。
○北川(石)委員 院についてはいろいろの角度から検討してもらうということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、農林大臣も出ていただいておるが、私は、日本が敗戦後、今日の繁栄を来すまでに終戦当時から日本の国土が安全に今日までの形をつくってきたのは、農地の大きな安定性にあったと思っております。そういう中で、休耕田という一つの形を農業行政でとってきた。東北あたりへ行って、私はアシが生え、草が生えておる、ああここの主人は病気じゃないかと心配をした、そうじゃない、休耕田だった。これは農業行政に対するところの当事者である農林大臣、また建設あるいは大蔵省あたりがその予算の中においての農家に対する思いやりが少なかったんでないかという思いを私はいたしております。こういう点について、農林大臣、いかがですか。
○近藤国務大臣 常に農業に温かい御理解と御指導をいただいてきておる北川委員からのただいまの質問、総論的には現状、そういう状況というものが続いておるわけであります。私が大臣に就任して、厳しい農業事情でありますけれども、それなりに構造改善なり基盤整備なり取り組んでこられる農家の皆さん方と、あわせて今日耕作放棄面積というのがふえてまいりました。これは一つの農政の責任だとそう感じまして新しい食糧、農業、農村という一体的な見直しを今スタートさせていただいたわけであります。
 休耕田につきましては、昭和六十二年ごろまで実は存在をいたしたわけでありますけれども、そのようなことでは、この狭い国土の中に一億二千万の人口の食糧を賄うには農地面積そのものが極めて乏しい農地であるだけに有効に使わなければなりませんので、これは営農ができるように。一時期農地を休耕するという人がいても保全管理というシステムをつくりまして、再営農ができないようなことはあってはならないということで強く指導もしておりますし、総体的には今日見直し、検討を始めて来春までに政府としてのこれからの農業の取り組み方について答えを出したい、こう思っておりますので、よろしくお願いします。
○北川(石)委員 時間が限られておるので、答弁は簡潔にお願いをするということと、私は農林大臣にお願いしておきたい。それは、農は国の大本であるから、私は農に従事する人がそこに生気と希望とそして大きな推進力を持っていく農業行政にしていきたい、こういうことで宅地並み課税とかいろいろ他の省によって追いやられることなく農業行政の確立のために頑張っていただきたい、このことをお願いをしておきたいと思っております。
 次に外務省にお聞き申し上げますが、ODAというものが非常に諸外国、発展途上国いろいろな中にもう一兆円を超す大きな規模になってきておることは御承知のとおりであります。これについての円滑であると同時にその国に感謝してもらえる、そういうことをやってもらわなくちゃいかない。発展途上国の中で希望しないものができ上がっていくというようなことでは、せっかく国民の血税をこれに使うのでありますから、その国の者がみんな喜んでもらえるところの執行をしてもらわなければならぬ、こう思っておりますが、大臣、いかがですか。
○中山国務大臣 ODAにつきましては、委員お示しのように、国民のとうとい税金を使ってやるわけでありますから、この相手国の国民から感謝をされるといったことが原則であろうと思います。ただこの場合に、相手国の自助努力ということが一つの大きな条件でございますし、また地域の環境破壊をしない、あるいは文化財を破損しないといったようなことも踏まえながらこれらのODAを実施していかなければならない、このように考えております。
○北川(石)委員 文化財という外務大臣のお言葉の中で、積極的にこれには援助の形をもってその国の文化を高めるということにも努力をしていただきたい、こう思っております。
 いま一つは、ゴルバチョフ大統領が日本にお越しになって、その節に総理に私はこれは唯一の機会ですよ、佐藤元総理が沖縄の返還なくして日本の平和はない、世界の平和はないと言って沖縄を返還せしめていただいた、このことを踏まえて北方四島の返還なくして日ソの平和はない、ソ連に対する経済援助もできない、これぐらい強いことを言ってほしいということを申し上げたのを今思い出すのですが、なぜあのときにゴルバチョフさんが何の形もできなかったかということに思いをいたしましたら、それは敗戦後から今日までのプロセスというか、そういう形を見るときに、やはりアメリカの力というかアメリカの動きというかアメリカの形づけというものを事前に怠っておったんじゃないかと言わざるを得ないんじゃないか。
 外交というものは非常に難しいものでありますから、今や日本の外交というものは外務大臣だけじゃない、あるいは通産大臣が、あるいは大蔵大臣が、G7とかいろいろありますし、あるいは農林大臣が米の問題でウルグアイヘ、あるいは環境庁長官が、科学技術庁長官が、世界の国々との話し合いというものが必要でありますから、そういう点について、私は、外務省のこれからの任務の重さの中にあって、いろいろの各省の協調というものと理解と、その上に立って外交姿勢というものをやっていかなくちゃいかぬのじゃないかと思います。そういうアメリカに対する対処はどの程度に行われたかということをお聞きしたいと思います。
○中山国務大臣 北方領土に関するアメリカとの交渉といいますか、アメリカ側への説明というものは、日米外相会談等を通じてあらゆる機会にやってきております。それで、アメリカも十分、この北方領土問題が第二次世界大戦後に残された残滓の一つであり、これを解決しなければ真の戦後は終わらない、こういう考え方で、今日、御案内のようにブッシュ大統領がモスクワを訪問された七月にも冒頭にこの発言をされておりますし、また先般のベーカー国務長官が訪問した際のときにも北方問題の解決の重要性というものが言われておるといったような状況を見ましても、アメリカ政府はこの北方領土問題が単なる日ソ二国間関係だけの問題ではなくて、世界的な一つの解決すべき問題であるという認識を得ていると承知をいたしております。
○北川(石)委員 せっかくのこれからの外務省関係の努力をお願いをしておきたいと思います。
 次に建設省に対してお伺いしたい土思います。
 六十二年度、六十三年度の決算の歳入歳出を見まして、私は水資源公団の予算執行状況というものを見さしていただいたのですが、いろいろの形の中で長良川の河口ぜきということについては私は昨年環境庁長官になって初めて知った。これではいかないということでいろんな角度から調査をいたしました。反対だという漁業組合、シジミがなくなっちまう、アユが、サツキマスが、こういう大切なことを建設省も考えておられると思うんですが、この反対の空気の中で予算を執行された額というものが出てきておると思う。例えば漁業補償あるいは町村の補償、この額をお示しを願いたいと思います。
○大塚国務大臣 長良川の建設事業にかかわります補償でございますが、漁業補償は、二十二の組合がございまして、そのうち十九組合につきましては補償契約を締結済みでございます。残る三組合について目下折衝をいたしておるところでございますが、この漁業補償の内容等につきましては特に財産や営業行為に関するプライバシーに関することでございますので、従来公表を差し控えておりますし、また、残る三組合に対する補償の交渉にも支障を来すという判断でございますので、委員の御指摘でございますけれども、どうぞお許しをいただきたいと存じます。
○北川(石)委員 プライバシーに関するから公表を避けたい、それはおかしいよ、建設大臣。決算委員会で、委員の名において、委員会の名において御質問を申し上げておる。国民の血税じゃないですか、補償に使われたのは。それが今、プライバシーに関するからといって公表を避けたいと言われるならば、きょうの決算委員会で何を質問するために資料を出せと。私は過般の決算委員会で、水産庁長官に漁業補償はどうなっていますかと聞いた。これはなかなか図られて発表できなかった。理事会においても、それはけしからぬ、本委員会をなめとるじゃないかという声もありました。しかし私は、もし総括があるならばその場でこのことをちゃんとしておきたい。それは水産庁の所管じゃない。その予算を執行されたのは水資源公団、そうでしょう。その監督にあるのは建設省じゃないのでしょうか。そういう意味から私はどのような補償をされたか。こんなもの、見てみなさい、国民の血税を使いながらそれは公表できぬと言われたら、決算委員会、どうしますか。大臣、いかがです。
○大塚国務大臣 その内容についてでありますが、実際に水資源公団が補償をした詳細までは把握いたしておりませんが、実際に総枠でどのような補償をしたか申し上げれば、十九組合ですから大体類推をされるわけでございまして、現在三組合とも交渉をいたしておるところでございますので、公表については差し控えさせていただきたい、こういうお願いをいたしたわけでありますが、一般的な基準はどういうことであるかということにつきましては担当局長からお答えをさせたいと存じます。
○近藤政府委員 長良川河口ぜきにかかわる補償の内容につきましては、先ほど大臣から申し述べましたように、被補償者の個人情報等にかかわるもので公表しておりませんが、補償額の算定につきましては、昭和三十七年六月二十九日の閣議決定、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱等に基づきまして適正に行っているものでございます。
○北川(石)委員 局長は適正に行っていると言われるならば、公表するのは、何ら隠すことないじゃないの。適正に行っているならこの委員会で発表しなさいよ。そういう本院をなめるようなこと言ってはいかぬよ。なあなあ、まあまあで済ましてしまった、それでいいということが、証券法とか銀行融資とかいろんな問題が惹起されてきておるのじゃないですか。適正に行っておるんだったら建設大臣、あなたは総大将だ、ここで発表しなさいよ。
○近藤政府委員 長良川河口ぜきに伴う補償のみならず用地補償の問題につきましては、従来から被補償者の個人情報等にかかわるものでございますので公表しておりません。河口ぜきに特定したものではございませんので、御了承願います。
○北川(石)委員 水資源公団が一つの事業を起こそうとされた、四十三年に閣議決定した。そうでしょう。それから四十八年に見直しをやった。五十七年に見直しをやってきた。四十八年に二百三十五億でやろうと言った。五十七年に千五百億で見直すようにしたですね。これは大蔵大臣も建設大臣もお認めになりますね。このことはどうです        か。
○近藤政府委員 長良川河口ぜきの事業費につきましては、昭和四十六年十二月に事業実施方針を建設大臣が水資源開発公団に指示した段階で二百三十五億円でありました。昭和六十三年十二月に事業実施方針の変更を行った際に、その後の物価の上昇、設計の具体化に伴う計画内容の変更、漁業補償等あるいは地域振興に必要な補償費等の具体化等により事業費を千五百億円に変更したものでございます。
○北川(石)委員 五十七年に供給目標の達成のためにいろいろ見直しを一遍しておる。今六十三年に千五百億と言われたのですね。局長、六十三年と言われたね。今までに消化した予算の額を言ってください。
○近藤政府委員 平成三年度までに約七百三十億円、六一%でございます。
○北川(石)委員 それ、間違いないか。そのようなことを言っておって間違いないのか。七百三十億円と言って間違いないのか。平成三年までに消化した予算は七百三十億と今ここで言ったじゃないか。間違いないならない、あるならある……。
○近藤政府委員 失礼申し上げました。平成二年度までに七百四十一億円でございます。これは四九%でございます。
○北川(石)委員 いや、その当事者である方が、平成三年度と言って、平成二年度と言って、まあ人間だから間違うことがあってもいいですよ、間違うことがあってもいいにしてもだ、先ほどは七百二十億と言って、今度は七百四十一億と言うんだ。平成二年度で今度は七百四十一億と言うのだね。さっきは平成三年度で七百三十億と言った。おれは何も言葉じりをとらえて言うことは大嫌いな男なんだ。しかしながら、いやしくも決算委員会において当事者である局長がこのような答弁をしておって、それでまあまあ、なあなあでいいということで済むのならば、私は何をか言わんや。それは決算委員会に対する、私はどう言おうか  建設大臣、答弁してくれ。
○大塚国務大臣 決してその内容を隠ぺいするようなつもりはございませんし、局長もうかっに数字を間違えた単純ミスだと思います。しかし、先ほど来御指摘の補償の内容についてということになりますが、これは長良川の河口ぜきのみならずいわゆる公共事業全般につきまして、従来その補償の内容等については公表をしてこなかったということも事実でございまして、この問題だけに限ってどうこうということではないことはぜひ御理解を賜りたい、こう思うわけでございます。
○北川(石)委員 きょうは水資源公団からも来ていただいておるから、どうでございますか、今の質問応答を聞いておって、当事者である水資源公団の理事はどうお考えになっているか、ちょっと聞かせてください。
○野沢参考人 御説明申し上げます。
 長良川河口ぜきにかかわる漁業補償の内容でございますが、これにつきましては、先ほど来大臣を初め建設省の方からお答えがございましたとおり、そういった漁業補償の内容につきましては、被補償者の財産なり営業行為、そういうプライバシーに関するものである、あるいはまた関係二十二組合ございますが、そのうち十九組合について補償が解決している、残り三つございます。こういったことで今後の補償交渉にも支障を来すおそれがある、こういったことで公表を差し控えさせていただきたい。
 これは一般的に、別に長良川に限りませんでいろいろなほかのダム等でも漁業補償をやっておりますが、そういったものを通じて、そういった個人情報に関するもの等でございますので、交渉を公表することにつきましては差し控えさせていただいております。そういった事情にございますので、ぜひ先生の御理解をいただきたいとお願いする次第でございます。
○北川(石)委員 ここに出されているのに、水資源について開発事業費で二百七十三億五千八百万、また六十三年度で百七十五億三千三百万五千円、こういうふうに出ているのだな。ここにこういうふうに出していながら、その内容について――これだけじゃないよ。この長良川河口ぜきというものに建設省が閣議決定の中においてやってきた中で、物すごい反対が、私は今考えるとあのときはあったんだ。それは、農林大臣もいらっしゃるが、あの辺の漁業組合があるいは海津町が本当にすごい反対をしたんだよ。これは長良川が危ない、生態系のすべてがなくなってしまって我々の漁業組合もつぶれてしまうということで物すごい反対があって、これをおさめるためにいろいろな手当てをしたと思う。それは政治の中だからそのことにどうのこうのについては言わない。
 しかし、手当てをしたなら、この手当てをしました、これは国民の血税でございますから、この決算委員会において御報告する義務を感じますので御報告しますといって、個人のプライバシーの侵害になるとは私は思わぬ。建設大臣、いかがですか。あなたがきょうは来られたから、このことを言いますよと言っておるのだから、御答弁を願いたい。
○大塚国務大臣 先ほど来お答えを申し上げておりますように、それぞれ相手方がおるわけでございまして、あらかじめ契約をするとき以来そのような今日までの経過の中で、公表は差し控えておるという上で契約をしておるわけでございまして、その信義ということもございますので、差し控えさせていただきたい、重ねてお願いをしておるところでございます。
○北川(石)委員 差し控えると建設大臣はおっしゃる、その気持ちもわからぬことはないにしても、私の調査したところではずっといろいろなものが出てきておるのですよ。そしてある組合においては、補償は要らぬと言っておる。それは掌握しておるでしょう。そんな補償は要りませんといって宙に浮いておる、七十億か八十億もあることも御承知でしょう。御承知じゃない。御承知じゃなければ何のために行政に対しての国民の信頼があるのですか。
 本院が国民の血税をこれに使ってくださいといって各省に予算化するのでしょう。これは大蔵省が根幹になってやるのでしょう、予算を編成するのは。農林省に、建設省に、通産省に、いろいろな予算をやるじゃないですか、予算を編成するじゃありませんか。どうですか、建設大臣。
○大塚国務大臣 公共事業の補償につきましては、例えば用地であれば周辺の公示価格を中心としたものを基準として補償基準があるわけでございますし、営業につきましてもそれぞれの今日までの営業実績等を見てそれぞれのまた基準に従ってやっておることと思います。したがって、私はその補償の内容について差し控えさせていただいておるわけでありますが、公正な基準のもとで補償をしておるということでございまして、従来ともそのようにやってきたはずであります。加えて、当然のことながら会計検査院の検査も受けるわけでございますので、特に意図があって差し控えるということではございません。今日までの経過の中でそうなっておったものを踏襲しておるということで御理解を賜りたいと思います。
○北川(石)委員 私のもとへでも、今言ったように七十か八十億要らないと言って漁業組合でその補償を受け取らないものも出てきておるような、こういう予算編成なんでしょう。これは私の方で入手したところの情報。それから、ある組合には何億と、いろいろ出しているじゃないですか。あなたが公表しないというならば、私の方で公表せざるを得ない。しかし、いやしくも建設大臣がその長にいらっしゃる、大蔵大臣もいらっしゃる。その事業が国民のためになると、血税を使うんだから。
 ある人は私に、大阪だから何も岐阜県のことやかましゅう言うなと言う人もあった。しかし、国会議員は、その予算編成とその予算の執行の中にあって、大阪だけのことを言っておって国会議員は勤まらぬ。今日、世界も見なくちゃいけない。そんなことを思いますと、万博のときに吹田でごみ焼却場をつくると言うたときに、私が万博でつくるべきだと言って、府会議員全部反対の中でだった一人机をほうり上げてたたきつぶした。煮ても焼いても食えぬ男やと言われた。それでも私は万博のときに、流れ作業でそこで焼却したからあの吹田の万博はできた。そういうことを思えば、私は大阪であっても、長良川、歴史がありますよ、先人たちの歴史がある。薩摩藩士の割腹自殺もある。そして明治二十年に背割り堤をつくったんじゃないですか。みんなこれ国民の血税じゃないですか。
 では、なぜ今まで長良川は決壊してきたの。たびたび決壊したり、長良川のいろいろな歴史があるじゃないですか。これは建設大臣、どのように把握していらっしゃる。
○大塚国務大臣 長良川を中心とする三川の流域は、まさに日本列島三十七万平方キロの中のゼロメートル地帯千百平方キロのうちの四割を占める地域でございます。昭和三十四年の伊勢湾台風では五千人の生命が失われ、多額の財産が流失をしたという歴史がありまして、その後、三十五年、三十六年、五十一年、五十七年、たびたび破堤をしましたり被害を受けてきたことも事実でございます。これに対してどう対処をするかということでは、地元の地方自治体はもちろんのこと、建設省も真剣に取り組んでまいりまして、昭和四十三年に今の計画の閣議決定をいたしたわけでありますが、それに先立ちまして、その環境を守るということも非常に大事だというので、三十八年から五年間にわたってそれぞれの環境の影響を、今の制度の評価はいたしませんけれども、それにまさるとも劣らない調査をした上で昭和四十三年に閣議決定をした、こういうふうに私は調べておるわけでございます。そして今日粛々と工事を進めておるわけでございます。
 先ほどの補償の問題につきましても、七十億宙に浮いておるというような御指摘につきましては私は承知をいたしておりませんが、いずれにせよ、補償をする以上は国のお金、国民の税金でありますから、その執行に当たりましては、当然のことながら近傍類似の土地の価格であるとか、営業補償についても基準をしっかり設けてありますから、その範囲内でやっているものと思いますし、それぞれの担当をしてきた人たちを信頼をするという以外に私は方途がございません。そうでないものをお示しになるというのであれば、それは私も拝聴する必要があろうと思いますけれども、実際にその出どころが一体どこであるのか、少なくとも私は関係のその補償の十九組合と要するに公団と、お互いに話し合いで契約をしたものでございまして、その内容については公団側は一切公表をしないということでありますから、どこから出てきたかわかりませんけれども、ともかく御信頼をいただく以外に方途がないので、ぜひ御理解を賜りたいと存じます。
○北川(石)委員 いや、あくまでも発表せぬとおっしゃるんですね、あくまでも。
 それは、先ほど七百三十億を何か言ったけれども、私の資料に、それよりたくさん使ってしもうているんだよ。その七百三十億というのは補償費だけに使った金、そうじゃないでしょう。いろんなものを含めて七百三十億使ったという……。
○近藤政府委員 もちろん補償だけではございませんで、地域の治水条件の悪いところを直すものあるいは河道のしゅんせつ、堤防の補強、それから調査計画、すべてに投資してきた額でございます。
○北川(石)委員 すべてに投資した金が七百三十億ということは、私はうなずけない、千億を突破しておるじゃないの、ここに、私にデータを出しただけで。狭義の補償費は三百四十二億円使うているんじゃないの。このことははっきりデータに出ておる。内訳は言わないと言うから私も言わない。言いたいよ。どこそこに何十億、どこに何ぼと全部ある。しかし、それは言わない。トータルだけをここで申し上げておる。建設大臣、これははっきりと決算委員会で私がこれを提起しておるんだから。一千億以上使うているんだよ、既に。それで使うてないと言われるならば、使っておりませんと明細を出しなさい。
○近藤政府委員 先ほど申し述べましたように、平成二年までに七百四十一億円でございます。
○北川(石)委員 時間がないのだが、このことについてまだまだ追及をしなくちゃいけない、当然のことである。国民の名において私は申し上げる。本院決算委員会の名においてこれを私は審議し、そして大臣にその答弁を求めておる、このことを申し上げておきたい。
 それから、大塚大臣、あなたは「中央公論」に、時の内閣総理大臣中曽根さんが地上げの元凶だと言ったのは覚えていらっしゃるでしょう。あの勇気があるならば、私は、この長良川河口ぜき問題に責任者として厳しくメスを入れると同時に、国民の血税をいかに使うべきかということは大臣も御承知だと思う。
 もう一つ言っておきたい。それは、新幹線が上野から東京駅まで連絡できた。この工事費は一千百三十億ぐらいだと承知しておる。これは孫子末代まで、二十一世紀にわたるまでみんなが利用し、みんなが喜ぶものである。しかし、長良川河口ぜきは、今千五百億と言っておる。千五百億でできますか。まずそれを聞きたい。
○大塚国務大臣 千五百億でできるか否かということになりますと、私も専門家ではありませんからなかなかお答えができないわけでありますが、今日まで四九%で七百四十一億ということでありますから、そういうことから類推しますと、あと残りをやるのにはそのぐらいということですが、物価の上昇やその他いろいろございますから、的確に今千五百億ということでここで断定はできませんけれども、あくまでも予算としてはそういう枠組みでやっておるということで御理解をいただきたいと思います。
○北川(石)委員 まああなたを矢面にといって、あなたが当事者だからね。これを受けて、よく真心を持って答えてもらわなければいけない。私は、政治というものは、先ほど権者であり賢者であり謙者であってほしいということを申し上げた。私はやはり、国民不在の政治というものはあっていいものじゃないと思います。きょう、鯨岡先生からこのようなものをちょうだいした。ここに書いていますよ。「民を貴しとなし社禝これに次ぐ」となっておる。
 こういうことを思いますと、大臣、あなたは東京であるから、地元の長良川周辺の人たちのことはいいんだということは言えない。この長良川河口ぜきは、水の利用で閣議決定したのを、その水はもう必要でないと言っておる、これははっきり把握していらっしゃるでしょう。愛知県も三重県も、もう水は必要ではありませんと。また、現在の経済情勢、いろいろなものを見るときに、この水は必要じゃありません。はっきりと申し上げておきたい。そういう中で、この長良川河口ぜきが治水のためだと言っている。何の治水ですか。幅五メーターの、長さ二十メーターのくいを十三本も打ってその間にダムをつくる。治水になりますか。
 私は、今建設大臣に特に申し上げておきたいのは、昔七時間かかって長良川に水が出てきた、今二時間で出てくるといって危険だ、こう言う。だれが二時間で水が出るような危険な要因をつくったんですか。それは、リゾート開発によるところの上流において、この間イトマンもあったでしょう、あのゴルフ場の設置あるいは材木をつくるための木の伐採、それによって二時間で出るようになったんじゃないですか。どうですか。
○大塚国務大臣 先ほど来いろいろな御意見をお述べになられましたが、実は私も、北川委員が環境庁長官になられたときに、覚えておられると思いますが、いよいよ地球規模で環境を守る時代になりましたね、御活躍を期待していますと申し上げたわけであります。
 そう申し上げましたのは、確かに環境を守ることは大変に大事であるという認識でございますから、私も、今度長良川の所管大臣になるに当たりましては、いろいろと勉強もさせていただきました。そして、できるだけいろいろな多くの方の意見も伺いたいと、今鯨岡元長官のお話も出ましたが、実は、一月の二十二日に、鯨岡元長官と中西一郎参議院議員、それから、たしか田英夫議員、お三人と約一時間半、いろいろと御意見も伺わせていただきました。
 それは、このことについては、全国レベルで川を守れという見地からいろいろと御意見を述べる方もございます。そしてまた長良川の町長のように、あの伊勢湾台風のときに、大洪水に見舞われて奥様から子供からを失って、ただ一筋に治水対策のために命をかけたいといってやっておられる町長もおられるわけであります。そして、あの治川の三市七町一村の代表の方々とも私は何回もお会いをしましたし、また、そのそれぞれの自治体の議員の皆様とも十分話をさせていただきました。そして今日までの工事の概要等も伺いましたが、確かに、先生の御指摘になる、自然を守ろう、環境を守ろうということは、反対をする人も、そしてあの治川でどうしても工事をやってくれという住民の皆さんも、全く環境を守ることについては同じであります。
 ただしかし、それは御意見の違いもありましょうが、今当面、生命財産を守るということに絞ってまいりますと、それぞれの自治体の方々が長い間の御苦労の結果で決めたことに従って事を進めるというのが民主主義のルールでもありますし、私はそのように進めておるのでございます。
○北川(石)委員 時間がないので、建設大臣、環境を守り民主主義のルールだと言われるならば、長良川の河口ぜきは、先ほど言ったように、水圧を呼びこそすれ、何ら治水に役立たないということをはっきり申し上げておきたい。この席上ではっきり申し上げたい。みずからの責任において、みずからの調査研究によってこれを申し上げておきたい。
 それから、人命はとうといと言われるならば、せきはつくっても堤防を補強しなければ、二時間で水が出てきたときに、六百ミリの雨が降ったらどうなりますか。堤防は一遍に破堤して、濁水は人家を覆い、人命をのみ、田畑を侵すではありませんか。これほどのとうとい人命を失うことが諾々としてなされるならば、私は、それは民主主義ではない、このことも申し上げておきたい。そういうことにおいて、私は、建設大臣の英知と、先ほど申し上げた権力と、そして謙虚さの中に、私の質問になるほどとお思いになるかならないか、それだけを聞きたい、簡単に言ってくれ。
○大塚国務大臣 ただいまのお話の中で、環境を守るのも民主主義だというふうに私は申し上げておりません。この工事を進めるに当たって各界各層の意見を聞き、環境を守ることを第一義に考えて、なお私は各市町村長、議会の皆さんの意見を尊重して事を進めておるということを申し上げたのでありまして、環境を守ることは、御指摘のとおり、それぞれのお立場からも数多くの御意見を聞いておりますので、今再調査をしているものもございますし、粛々と工事を進めながら、それがもしも問題があれば十分その対処をしていこうということでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○北川(石)委員 対処していこうと言われても、環境アセスについて対処しておらないんだから、建設省は。またこれに、言うなら、日本生態学会、日本陸水学会、日本魚類学会、日本自然保護協会、世界自然保護基金等々のたくさんの学者の意見も、みんなやってはいかぬと言っているんだ。しかも、アメリカのニューヨーク・タイムズでもうたっている。それから、この間は、総理のもとへ来ているはずですよ、WWFのイギリスの委員会からも長良川を転換しなさいという書類が来ておるはずです。こういうことは一つの輪の中にいらっしゃるから、総理を中心に大蔵大臣も建設大臣も全部が一つの政治の輪の中でお互いが大きな閣議をなさり、そして総理がそれの決裁をなさる。その意味において、このことについて今一応院の名において、決算委員会の――本院は、恐れ多くも陛下が、最高議決機関であり国民の負託にこたえよと言われておるんだ。政治は国民のためにあり国家のためにあるとしても、民意のことを忘れては政治はできない。だから、このことを建設大臣に強く要望すると同時に、あなたに神の心をもってこれの判定をしていただきたい。このことを申し上げ、総理の御出席があったのに待ってもらって恐縮でございますが、総理に質問を持っていきたいと思います。
 海部総理、御苦労さまであります。総理が内外ともに非常に激動しておる二年有半総理の座に着いていただいて、その場その場でいろいろと対処してこられた。湾岸戦争あり、いろいろあり、百点満点という点は、これは神様だけがつけるものであって我々はつけ得ないにしても、その御努力に、あるときには耐え忍び、あるときにはいろいろの圧力とか恫喝とか、いろいろなことが総理なるがゆえにあったと思いますが、今日この形の中で無事こういうふうに政治が来れたことも一つの私は感謝をしなくてはいかない、こんな思いをしておるものでありまして、それがあなたに対しての国民の支持率の高まりであろう。だれが出たから支持率が同じだ、そんなことはない。昨年選挙のあのとうとい支持率の中で衆議院は回復した、これもあなたの功績と言っていいでしょう。そういう思いをいたしながら、今ちょっと総理も聞かれたでしょうが、長良川の問題については、この際、総理の決断をお願いしたい、こんな思いを持っておるのです。
 先ほど私は他の大臣の皆さんにも申しましたが、政治にタッチする者は権者であり賢者であって謙者であってほしいと言った。その権者というものは権力者でありますからパワーでしょう。また、英知も伴わなければいかぬでしょう。と同時に、国民に対して謙虚さを持つ政治家でなければいかぬ。こんな思いで私は権者であり賢者であり謙者であってほしいということを言ってきた。
 総理、先ほど建設大臣に私は声を大にしてお願いをし反省を促したのは、国民の血税というものをいかに使われたかということを決算委員会において審査をし、これを公表しなければいかない。そのために会計検査院が出してきておるのだから、この六十二年度、六十三年度決算を見、水資源開発公団に使われた予算、そしてこれの補償に使われた金、こんなものは公表をしなさいと言うんだけれども建設大臣はできないと言うんだ。プライバシーだと言う。そういうプライバシー、プライバシーといって本委員会に答弁でき得ないようなことでは困る、こう思うのですが、まず総理にこのことの所見を聞かせていただきたい、こう思います。
○海部内閣総理大臣 北川議員が今ここで御議論なさっておりますが、海部内閣のスタートのときに、あなたは環境庁長官として閣議でも御協力いただき、いろいろこの問題について御意見があったことを私も今思い出しながら聞いておりました。同時にまた、あの三県三市八町村の地方公共団体や治川住民の皆さんのことを考えての作業であったことも、これはよく御理解をいただいておると思います。
 たしかあのときに、環境庁と建設省と十分話し合いをして、所要の連絡の場所を設けるなど、河口ぜき設置に伴う水質や自然環境への影響に関し追加的に調査検討すべきであるとされた事項については調査検討もする、また学識経験者の知見を踏まえて調査検討を行い、所要の取りまとめを行う、また関係自治体、地域住民に説明し、その意見を十分反映させた環境保全上の措置を講ずるという環境庁長官の見解も皆さんに示していただき、皆それを了としながら、さらに中部圏の将来の発展を支える水資源確保のために、本事業の重要性にかんがみて進めてきておるところでありますが、環境保全には十分配慮をして事業を推進してまいる考えでございます。御理解いただきたいと思います。
○北川(石)委員 十分配慮してまいる考えとおっしゃっていただいたのは大変ありがたいと思うのですね。大変、十分配慮してもらうという言葉に、含みもあるという意味も含んでおきたい、こう思います。
 それは、環境アセスを閣議決定されましたね。四十三年に水利用で決定されたずっと後に、四十七年、環境アセスについて閣議決定されておる。だから、私は閣議決定の見直しということは当然あってしかるべきだ、これがなかったら時代に即応する政治はやっていけない。今日のスピード化時代に応じられない。世界の急変する情勢に応じていけない。ただ金科玉条のように、二十何年前に決定したからこれを守れ。国民の血税はどうあろうとも、地域のこういう形だから、これはごり押しで進めていかなかったらいけないという各省の我利我欲の中に政治が行われたら国民はたまったものじゃない。
 例えば、そういう自分の省の中に置いたらもう放さないんだ。建設大臣、総理の前で一つ言っておきましょう。第三条第十号に、皇居も、御苑も、京都の御所も、これは建設省が維持管理しているのか、どうですか。
○大塚国務大臣 環境庁が所管をしておるわけでございます。
○北川(石)委員 にもかかわらず、建設省の中にちゃんとうたっておるのだから、こういうことは早く改めなさいよ。それが私は各省の我利我欲の中に政治が行われておると言わざるを得ない。
 そういう意味から、総理、申し上げたいのは、私は、総理のもとにWWF、英国の王室からも来ておるでしょう、長良川について見直しなさいと。また、ニューヨーク・タイムズもこの点を取り上げておる。今や長良川は世界の問題になっておる。
 また、エジンバラ公が見えたときに総理官邸で総理とともにお話を承りましたね。これは御記憶があるでしょう、エジンバラ公と。そういうときに、何が大事だ、環境アセスが大事だと言われた、こう思っておるのですが、いかがですか。
○海部内閣総理大臣 環境アセスメントが大事であるということを私もそれはそのとおりに受けとめて感じておりますし、また、先ほどちょっと引用しました、必要に応じては学識経験者のいろいろな知見を生かして調査をしていくということも平成二年にこれは議論をし、お決めいただいたことでありますし、そのように今後とも取り計らっていきたいということを先ほど御答弁申し上げたところであります。
○北川(石)委員 エジンバラ公のときには私も一緒におりました。それで、環境の重要性で、信頼する北川に環境庁長官をさせておると総理は指さしておっしゃった。記憶しておるんだ。そのときに欧州の例をとられて、環境アセスを十分にやらずして工事をやれば、途中で中止にしたときに膨大な損失になりますよということも言われた。そういうことで私は、環境アセスというものを並行してやるというのはそれはおかしい。この際、私はそういう点について総理が――今や日本のこの長良川というものは世界的問題になっていますよ。来年のブラジルだって、日本の環境における、長良川のサツキマスやアユやらシジミなんかはどうなった。
 この間、何か知らぬけれども、曽野さんが、おれがぼんくら大臣や、こんな者を任命した海部総理はなっとらんと書いておったな。御存じない。僕はそこに書いておるのに非常な疑義を感じた。建設省、だれがこういうのを持っていったか知らぬ。傷つけるようなことをしてはいけない。おれは何も芦田川が漁獲があるとは言ってないんだ。芦田川はヤマトシジミの三大漁場の一つだったと言っておるんだよ。それをあの方は、第三位に芦田川がありながらそんな間違うたことを言っておる環境庁長官はなっておらぬと、あなたまで名前を出した。
 こういうことまで環境について言われておるということは、これは世の中はまやかしになっていく、まやかしをしてはいけない。真実の上に立つ政治でなければいけないんだ、真実の上に立つ政治。それは何だと言うと、先ほど来建設省はその補償の額を発表されない。私はただここでちょっと申し上げた。データは全部ありますよ。各漁業組合に何十億、何十億、何十億。これは出さない。出さないと言われるのをおれが出したらいかぬから遠慮しておる。しかし、反対側をなだめるために膨大な金を積みながら、ある漁業組合ではそれは要らぬと言って、まだ八十億ほどが宙に浮いておると言われる。こういうずさんな予算編成の中に国民の血税を使ってこの工事をやろうとしておる。しかもその工事が完成したときには、私は、水圧を呼んで長良川が一朝破堤するならば、明治二十年に先人がつくってくれたこの背割り堤をいかにするかということになってくるじゃないか。総理、もう一度答弁を願いたい。
○海部内閣総理大臣 御議論を念頭に置きながら、今後の河川対策、特にあの地域の治川住民あるいは地方公共団体挙げての要望というものもこれは無視できないものであると私は受けとめておりますし、同時にまた、北川環境庁長官も熱意を込めてつくってもらった建設省と環境庁との間の合意事項、それに基づいて調査検討、必要となった事項については行いながら、関係自治体や地域住民に説明をして、環境保全上の措置を十分意見を反映して取り上げていきたいということについてはこれを大切に考えて行ってきておるわけでございますから、今後一層御指摘の趣旨を尊重しながら進めていきたいと考えております。
○北川(石)委員 時間が来たのでやむを得ないまだようけ質問したいけれども、終わります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 長谷百合子君。
○長谷委員 ただいまの北川委員の長良川河口ぜきに対する御質問に敬意を表します。
 後ほど総理にも、この見解で私の方からも何点か御質問させていただきたいと思いますが、まず最初に、平成四年度、一九九二年度、来年度ですね、この地球環境保全関係予算概算要求の状況について何点かお伺いしたいと思います。
 来年度の地球環境保全関係予算、これは五千六十四億円で、前年度に比べまして五・三%ふえておるということになっております。これが十七省庁に振り分けられているわけですけれども、この内訳を見ますと、通産省に千三百三十四億一千六百万円、それから、科学技術庁に二千九百九十億八千八百万円と大きな部分を占めておりまして、本来地球環境保全ということを統括するところの環境庁の予算がわずか五十三億五百三十万円、こういった配分になっておるわけですけれども、そこで、科学技術庁と通産省のそれぞれにこの内訳についてお伺いしたい、このように思います。
 まず科学技術庁の方ですけれども、原子力関連の予算額というのがどれだけございますでしょうか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。
 平成四年度概算要求中の科学技術庁内の原子力関係の予算にして地球環境関連絡みの経費でございますけれども、合計二千六百七十四億円でございます。
○長谷委員 予算額二千六百七十四億円、これは科学技術庁予算の何%を占めておるでしょうか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。
 この額は、科学技術庁の全体の予算、これは一般会計及び特別会計を入れまして合計五千五百六十一億円でございますので、この額は、科学技術庁のトータルの額に比較いたしますと、そういうことで五〇%近い額ということになっておるわけでございます。
○長谷委員 トータルに対して五〇%。それでこれは、環境庁が総括しております地球環境保全関係費の中では何%ということになりますでしょうか。
○八木橋政府委員 御質問の、平成四年度の概算要求額におきまして、地球環境保全経費全体の中で原子力関係費が幾らになるかということでございますが……(長谷委員「何%」と呼ぶ)パーセンテージは六一・六%でございます。
○長谷委員 それから、原子力関連のうち高速増殖炉関係、これについての科学技術庁予算は幾らであって、それが地球環境保全費の中に占めるパーセンテージはどれだけありますでしょうか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。私の方からは、科学技術庁の中におきます高速増殖炉の開発に計上いたしております要求中の経費を申し上げますと、平成四年度概算要求ベースで合計六百六十二億円でございます。
○長谷委員 この六百六十二億円というのは、パーセンテージはどれくらいになりますでしょうか。計算されましたでしょうか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。
 科学技術庁の中全体におきます六百六十二億円の割合は、一般会計、特別会計含めまして二一%でございます。
○長谷委員 済みません。私が今質問いたしましたのは全体の予算ではなくて、この地球環境保全関係における経費の何パーセントを占めるか、こういうことでございますので、もう一度答え直してください。
○石田政府委員 お答え申し上げます。
 地球関係予算全体の中におきますパーセンテージは約一三%でございます。
○長谷委員 ありがとうございました。
 今の数字、通産省の方にかかわるものについてはどうなっておりますでしょうか。地球環境保全関係予算の中に占める原子力関連の予算額とパーセンテージ、こういう形でお答え願いたいと思います。
○鈴木(英)政府委員 当省におきます平成四年度の地球環境関連予算の概算要求総額は、先ほど先生御指摘のように千三百三十四億円でございますが、このうち原子力にかかわります部分につきましては四百五十二億円を計上しておりまして、全体の約三三・九%でございます。
○長谷委員 ありがとうございました。
 そういたしますと、環境庁にちょっと全体を統括して、地球環境保全関係予算、こういうものが出ておりますけれども、この中に占めます原子力関係、これが一体幾らで何パーセントになっているか、これをお答え願いたいと思います。
○八木橋政府委員 平成四年度の概算要求額ということで申し上げますと、原子力関係経費の額は三千百二十一億円でございまして、私どもが取りまとめました地球環境保全関係予算にかかわる概算要求額が五千六十四億円となっておりますので、先ほど申し上げましたように六一・六%になっております。
○長谷委員 そうしますと、先ほどの六一・一というのは、私が伺ったのは科学技術庁の中における原子力関係予算が二千九百九十億円の中の幾らになっておるのか、こういうふうに私は伺ったと思いますので、もう一度答え直していただきたいと思います。
○石田政府委員 その辺の関係につきまして、もう一度整理してお答え申し上げます。
 科学技術庁の平成四年度概算要求をいたしております予算の総額は、一般会計、特別会計合わせまして合計五千五百六十一億円でございます。そのうち科学技術庁の中で原子力関係分といたしまして含んでおりますものは、先ほど申し上げました二千六百七十四億円ということになるわけでございます。
○長谷委員 そうしますと、これが六一・一%ということになるわけですね。
○八木橋政府委員 御質問の趣旨が必ずしも正確に受け取れたかどうか、ちょっと心配でございますが、地球環境保全予算として政府の各省が大蔵省に概算要求をしている数字を私どもが取りまとめておるわけでございますが、その総額は五千六十四億円ほどございます。その中で原子力関係経費が幾らあるかと申しますと三千百二十一億円になっておりまして、このパーセンテージが六一・六ということでございます。
○長谷委員 そうしますと、私が一番最初に申し上げた、これは環境庁の方から出されたものですけれども、平成四年度の概算要求額が五千六十四億円、これをあちらこちらに振っていっているわけですけれども、この数字はどうなるのですか、ちょっと説明していただけますか。
○八木橋政府委員 環境庁におきましては、地球環境につきまして総合調整を任務といたしておりますことから、毎年度、地球環境保全にかかわる予算額がどのくらいあるかということを調べておるわけでございます。
 来年度の概算要求額、またこれは政府部内における数字であるわけでございますが、それを便宜私どもの方で八月の下旬の時点におきまして調査してみましたところ、全体で五千六十四億円、前年度の予算額に対して五・三%の増の五千六十四億円があったということでございます。それで、そのうち原子力関係経費としてみなされるものが幾らあったかということを見ますと、三千百二十一億円ございまして、これが六一・六%になっているということでございます。
○長谷委員 そういたしましたら、環境庁にちょっとお伺いいたしますけれども、地球環境保全関連ということでやっておられるわけですけれども、その中で環境庁も原子力関係というものが大変クリーンだというような、そういう主張をしておられて、来年のブラジル会議に向かってもそういったことを堂々と言っている、こういう状況でございます。
 その根拠というのは、恐らくCO2の排出量を減らすことができるだろう、こういう論点であるというふうに理解いたしておりますけれども、この原子力関係、こういったものについてチェルノブイリの事故を持ち出すまでもなく日本でも昨年は美浜で大きな事故がございましたし、あちらこちらで事故という形が起こってきておるわけでございます。そうしたときに、放射能が漏れるといった問題、それからもちろん原子力を燃料とするわけですから、この六弗化ウラン、原料のウラン自体に対しても厚生省がさきの国会答弁の中でもやはりこれは劇物であるというふうにも答えておられますし、廃棄物の処理等についても幾つか大変困難で危険な状態がございます。そういったところで、青森県の六ケ所村の方でも地元では非常な不安というものも広がっておるわけですけれども、こういった放射性の廃棄物について、これについてもクリーンだというふうにお考えなんでしょうか。
○八木橋政府委員 私どもが地球環境保全関係予算として各省にこういう数字を教えていただきたいということをお願いします際にどういう概念をとっておるかということでございますが、地球環境保全を直接の目的とするもの及び地球環境保全を直接の目的としないものの地球環境保全に特に資すると認められるものということでお願いしているわけでございまして、ただし、日本国内の問題の解決のための施策または国内の行政需要に対応することを主たる目的とした施策にかかわるものを除くということでお願いするわけでございます。
 そこで、先生御指摘の原子力についての考えでございますが、以上のような考え方に立ちまして、原子力についても安全性の確保を前提として二酸化炭素等の排出量の削減に寄与する代替エネルギーの一つとして考えられるということからこの対象に取り組んでいるところでございまして、昨年私どもが作成しました地球温暖化防止行動計画におきましても同じような考え方をしているところでございますし、また先般、ロンドン・サミットの経済宣言におきましても、原子力発電はエネルギー源の多様化及び温室効果ガスの排出削減に貢献するという意識を持っております。ただし、これには先ほどの安全性の確保という限定はついておりますけれども、同じような考え方を世界的にもとられているところでございます。
○長谷委員 それから環境庁にお伺いしたいのですけれども、地球環境保全ということでございますので、これについてどんなことが――今原子力を非常に大きな比重を占めて原子力関連ということでやっておるわけですけれども、ほかに自然エネルギー、それから省エネルギー、いろいろな技術があるかと思うのですけれども、そういったものはどんなものがありますか、そしてどういうような研究、どの程度研究されているのか。それも、環境庁とそれから通産省、科学技術庁の方からも、予算的には一体どの程度を占めているのか、こういうこともお伺いしたいと思います。
○八木橋政府委員 先生の御質問は原子力関係以外のエネルギー対策関係施策ということでの御指摘だと思いますが、私ども地球環境保全関係予算を集計するに当たりまして、そういったものとしてどういうものがあるかということを引いてみますと、例えば太陽とかそれから風力、地熱等の新しい、また再生可能エネルギーの技術の開発を内容といたします通産省のサンシャイン計画でございますとか、または下水道資源エネルギーの活用に関する建設省の調査研究などがございますが、詳しくは関係各省からお願い申し上げます。
○鈴木(英)政府委員 私ども通産省の地球環境関連予算の概算要求額につきましては、先ほど全体で千三百三十四億円と申し上げましたけれども、そのうち原子力の四百五十二億円を除きましてそのほかの主な項目を申し上げたいと思います。
 第一に、地球環境保全のための革新的な技術開発ということで、先ほど御指摘もありましたCO2、つまり二酸化炭素の固定化をするような極めて基礎的な技術、そういうものを含みまして約八十五億円の要求を行っております。それから省エネルギーあるいは新・再生可能エネルギー、その中には特に風力でありますとかそういうクリーンなエネルギーといいますか、サンシャイン計画も含めましてこの分が六百六十二億円ございます。そのほか、発展途上国に対します環境保全経済協力約十五億円、さらに加えまして四番目に、酸性雨対策、オゾン層保護対策等百二十億円等々が含まれておりまして、全体で千三百三十四億円になっております。
○長谷委員 原子力につきまして、先ほど国際的にも認められているということですけれども、そこには各国の事情等でやはり経済的あるいは安全性の問題等含めて、全体的にはストップをしていく、スローダウンしている、こういった状況であるということを今つけ加えまして、ひとつ今省エネ、それから自然エネルギー、こういった研究に関してやはり先ほどの自然環境保全、特にエネルギー関係の費用におきまして原子力関係の占める割合が大変多いわけですけれども、こういったものに関して、かわるエネルギーとして大きな期待を持っておるのが自然エネルギーでございます。
 きょうの読売新聞にも「産業用リパワリングシステムの構成」という記事が出ておりますけれども、これを使いますと全国で現在使われている蒸気タービン型の自家発電装置を、これをそのまま使いましても三千万キロワット以上の電気を生み出せる、そうすれば原発を三十基減らすことができるだろう、こういうような試算も始まっているわけでございます。こういったことも含めて新しい省エネ、自然エネルギーについての検討を進めていくべきだ。
 それからもう一つ、私がこういうふうにここで主張しておるもう一つの根拠は、これは総合エネルギー調査会の報告にもあるのですけれども、日本はこれから二〇〇〇年に向かって、そして二〇一〇年に向かってエネルギー需給の割合ですけれども、原子力に非常に頼っておるわけですね。一九八九年が八・九、二〇〇〇年が一三・二、二〇一〇年が一六・七、こういう形で試算しておるわけですけれども、この試算が、やはりこの同じものにも書いてあるくらいですけれども、美浜原発等諸状況、世の中の移り変わり、原発の安全性、こういったことを含めまして、とても達成することは不可能だ、こういうような状況になっておる。
 このような今申し上げた事象を比べていただいた上で、これからのエネルギーの問題について、原発偏重ではなくやはり自然エネルギー、省エネ等、そういったものについて積極的に運用をしていくべきだ、むしろそちらに力を入れていくべきじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、これに対する御見解を通産大臣にお願いしたいと思います。――長官で結構でございます。
○山東国務大臣 今長谷委員が、やはり未来に向けてこれからは自然環境保全のためにも原子力だけに頼るのはどうかというようなお話がございましたけれども、エネルギー資源の約八割を海外からの輸入に依存し、そして御承知のように日本は島国でございますので、欧州のようによその国からエネルギーというものを輸入できないというようなそうした環境の中で、今後とも国民のニーズというものに対応してエネルギー需要の伸びというものが予想されているわけでございますけれども、そのためにはエネルギーの安定供給ということが何よりも大切であるわけでございます。
 このため、先ほどお話もございましたけれども、原子力の開発利用を推進するとともに、太陽、地熱、海洋、そして風力などのエネルギーに関する研究開発を進めているところでございますけれども、原子力は、今申し上げましたように供給安定性あるいは経済性の面ですぐれていることとともに、二酸化炭素あるいは窒素酸化物などを排出しないことから、地球的規模の環境問題の解決においても重要な役割を果たしていくものだ、そのように考えているわけでございますが、今後とも今までどおり原子力を我が国の重要なエネルギー源と位置づけまして、安全確保に最大限の努力を払いながら、国民の理解と協力を得つつその開発利用を私ども着実に推進していきたい、そのように考えている次第でございます。
○長谷委員 日本が大変資源が少ないからというような御発言がございましたけれども、資源があるなしてはなくて、やはり安全かどうか、これは危険ではないか、こういうことを私は申し上げておりますので、そこのところを資源がないから日本はやるんだ、こんなことではだめだと思っております。そういうことをつけ加えて、さらに安全な自然エネルギー開発、省エネの推進に向けて一層努力をしていただくということをお願いして、この質問は終わらせていただきます。
 続きまして、長良川に関して総理に御質問したいと思います。
 ちょっと時間が押してまいりましたので、幾つかしていきますけれども、長良川河口ぜき、長良川というのは総理の地元のことですので、なかなかいろいろなところでお答えにくい点もあるかと思いますけれども、ぜひはっきりとお答え願いたい。
 まず、巨大公共事業に対しては環境アセスメントをする。この環境アセスメントでございますけれども、これは環境に及ぼす影響について事前に評価する、こういうものですね。したがって、本来その評価が出てからその結果に基づいて事業の是非を考えるというものだというふうに思います。この点についてはどうお考えでしょうか。評価が出てからやるものである。
○海部内閣総理大臣 長良川の河口ぜきの問題につきましては、御指摘のように昭和四十年に建設大臣が基本計画を策定をし、昭和四十三年に内閣が閣議決定をしておるものでございますけれども、これにつきましては、事業に着手する以前から環境調査を実施して、地元にも御説明を申し上げ、了解を得て事業を進めてきておると、私はそのように承知をいたしておりますし、その後も引き続いて環境調査を進めるとともに、必要な環境保全のための措置もとってきたところであります。
 なお、念のため、建設省及び水資源開発公団において現在追加調査を鋭意進めておるところと承知をいたしております。ただこれは、昭和五十一年の長良川の堤防決壊問題を見るまでもなく、治川住民の生命財産を守る治水対策の早期完成は大切なものであると、私は地元の一員としてもそのように受けとめさせていただいております。
○長谷委員 丁寧にお答えいただいたわけですけれども、今私がお伺いしたのは、環境アセスメントというものは影響について事前に評価するものという、事前に評価するというここのところを伺ったのでありまして、それはどうか、そうだとか違うとか、こういうお答えがよろしいかと思います。
 ついでに言いますと、このUNCEDに向けてのところにはそういうふうに書いてあるというふうに私は理解しておりますが、どうでしょうか。
○八木橋政府委員 環境影響評価は、一般の場合、開発を行うに当たりまして、それが……(長谷委員「大臣にお伺いしているのですけれども、総理にお願いします」と呼ぶ)それが環境に与える影響を調査するということで、開発事業を行うに当たってということで、事前に行うことが原則でございます。
○長谷委員 はい、ありがとうございました。何か総理もそのとおりという御見解だというふうに理解いたします。
 それで、長良川の問題は今や日本じゅうの関心事でございます。そして、世界の人々から今では注目されている事業になっておるわけでございますけれども、八月二十日に、先ほど北川委員の方からもありましたけれども、WWF英国委員会から総理あてに河口ぜきの建設をこれ以上進めないことを保証されるようにという要請があったと私は伝え聞いておりますが、総理におかれましては、その事実を御存じでしょうか。
○海部内閣総理大臣 それは知っております。
○長谷委員 そうしますと、日本生態学会、日本魚類学会、日本陸水学会、日本自然保護協会、WWF日本委員会、日本野鳥の会などから一時中止及び環境アセスメントの要請が建設省や総理に出されているのを御存じでしょうか。
 それと、ついでに、ちょっと時間がありませんので、もう一つ伺いますと、東海三県の学者、研究者二千二百七名が一時中止と環境アセスメントを各県知事に対して要請している、こういったことを御存じでしょうか。事実について御存じでしょうか。
○海部内閣総理大臣 そういう懸念を表明される御意見、いろいろな立場の御意見があることは、私は承知をいたしております。同時にまた、東海三県の知事、市町村長、そういった人から、必要があるから促進してほしいという要望が来ておることも、そのとおりでございます。
○長谷委員 長良川河口ぜきは、もう三十二年前の計画でございます。その目的というのは、伊勢湾コンビナートヘの工業用水利用、それから三重県、愛知県及び名古屋市などへの水道用水利用、こういうことでございましたけれども、こういう意義が時代の流れとともに薄れてきております。
 もう一つの河口ぜきの目的は、治水、こういうふうに言われておりますけれども、その治水とは河口ぜき本体そのものが洪水調整をするのではないということを総理は御存じでしょうか。すなわち、建設省の言っております治水論は非常に複雑で、それが今、国会でこの問題が論じられるとき、多くの議員を混乱に陥れている原因となっていると思います。
 建設省の言い分ですと、長良川は洪水を流下させるに十分な河積が足りない、こう主張されておるわけですけれども、カセキとはさんずいへんの河に容積の積と書き、川の断面積のことでございます。河積をふやすにはいろいろな方法があるわけですね。堤防を高くするとか川を広げる、川を掘る、こういった方法がございます。建設省は、長良川は川を掘る、しゅんせつするのが有効と、そういう主張でもって治水と言われておるわけです。しかし、これは岐阜市より二十キロ下流より約二十五キロメートル下流へ川底を掘るという計画ですけれども、治水のために川を掘るとすると海水が今より上流に上がってきます。その結果、塩害が発生する。そこで潮どめのための河口ぜきをつくる。こういうふうに説明をされているのですけれども、ここは非常に問題のあるところでございます。
 私の祖母が河口ぜきの建設現場である三重県長島町の出身者であって、私もたびたび長島町を訪れたりいろいろな方から話を用いたりしておりますので、大変よく事情を知っておるのですけれども、今現在長良川流域で塩害というものが発生しているのはこの最下流部の長島町だけだ、こういうことだと思います。
 それで、この塩害の状況でございますけれども、現在では水稲の作付面積の大体〇・三%程度、金額にして二百五十万円程度の被害があるということになります。長島町というのは木曽川、長良川に挟まれているところですから、単純に長良川と木曽川分というふうにいいますと、長良川分の計算は百三十万円程度ということになるかと思います。この程度の塩害であるということを一応御理解願いたい。それに向けまして一千五百億円もかけた河口ぜきをつくる。
 もちろん河口ぜきをつくるということはこれだけではありませんという、また水かけ論になってくるわけですけれども、長島町は一番低いところでマイナス二・六メートル、平均マイナス一・七メートルという海面下の町でございます。そんなところでさえ塩害はこの程度というのに、仮に治水のためのしゅんせつだけをして河口ぜきをつくらなくても、塩害が建設省の言うほど上流部で甚大になるとはなかなか考えにくいわけですね。したがって、治水を望む岐阜県の方々のだ、めにはしゅんせつだけをすればいいんじゃないか、このようなことを私たちは主張しておるわけでございます。
 私は、親類縁者などから伊勢湾台風の折にも長良川の流域では大変大きな被害が起こったと聞いております。総理御自身も、国政を目指されたのは伊勢湾台風の大惨事を目の当たりにしたことがきっかけであったというようなことも聞いております。
 そこで総理、河口ぜきは水面下平均一・七メートルの長島町につくられる、このことが非常に問題でありまして、長島町は自分たちの治水上の危険を背負っておるということをこの間の選挙の中でも町長あたりが、しかし今は泣いてくれというようなことを実際選挙の中でも言われるなどという、なかなかこれは人権上も問題があるような状態になっているということですね。実際、川幅六百六十一メートルの長良川の河口部にせき柱を十三本も立てる。随分これは流れが阻害されるわけです。
 大変な危機感を持って、不安を持って、この間の統一地方選挙は、河口ぜき問題だけを掲げたずぶの素人の町長候補が三割もの得票率をとってしまった、こういった状況になっておるかと思うのです。十二月に行われたアンケートでは中止と一時凍結が六二%、長島は危険になるのじゃないかと思っていらっしゃる方が四一%。これは朝日新聞の同じような調査でも六八%が凍結、中止を求める、こういったことにもなっております。
 そこで総理にお尋ねいたします。これだけ多くの学識経験者の一時中止、環境アセスメント要求の声、そして建設現地においては建設が災害を引き起こすと不安がる住民の声に対して、先ほども答弁がありましたように、建設省がどうしても強行するという態度について、信頼しているのだというそっけない一言ではなくて、どう思われるのか、このことと、それからもう一点、これは大変大切なことなんですけれども、環境調査の追加をいただいているかと思うのですね。これの結果がことしの末、十二月の末に出るというふうにこれははっきり言われておるわけですから、その調春結果が出るところまで、先ほどのアセスメントではないですけれども、環境調査は予断を持ってやるわけではなくて、予断を持って大丈夫だから調査をやるということではなくて、大丈夫かどうかということを見きわめるために調査をやるわけでありますから、そのことですね。結果が出る前に工事が一方的に進んでいる、こういうことについて、これは常識的に考えてもなかなかわかりにくい、おかしいんじゃないかというふうに考えるのですが、総理の御所見はいかがなものでしょうか。
○海部内閣総理大臣 いろいろな角度の御意見や御批判のあることは私も十分承知をいたしておりますし、しかし、あの地域の県、それから市町村からは治川住民のためにこの作業は進めてほしいという強い要望があることもまた事実でございます。そういったことの議論を踏まえて、これは二十年来の仕事ではありますが、平成二年の十二月に、先ほど御質問をいただいた北川石松議員が環境庁長官のときに環境庁長官の見解というものを述べてもらい、現場も視察をしてこられた上に立って、「長良川河口堰事業は」「長良川の治水上の緊急性が高いことを踏まえつつ、良好な河川環境の保全の要請に応えて、現段階において採りうる最善の環境保全のための努力を払うことが関係者に求められている。」こういう書き出しで環境庁長官の見解が出、それを私どもが皆そのとおりだということで、実施をしなさい。今御指摘の追加調査等もそれを踏まえて行われていることである。十分将来に向かって配慮をしながら、関係自治体、地域住民に御説明をして、その意見を十分反映させた上で環境保全上の措置を講ずるということも具体に決めて行っているわけでありますので、どうかこの点は御理解を賜りたいと思います。
○長谷委員 せっかくやっていただく環境調査でございますので、工事を一時中止して、環境アセスメントだけではなくて、防災アセスメント及び事業評価なども含めた総合的な調査の実施を御配慮いただきますように最後にお願いいたしまして、総理大臣に対しての御質問を終わらせていかだきます。
 続きまして、リゾート法に関して国土庁にお伺いしたいと思います。
 これは、一九八七年に成立した法律でございますけれども、その後四年目に入りまして幾つかの変更、見直しというような事態が伝えられております。これにつきまして国土庁ではアンケートをとられたというふうにも伺っておりますが、そのようなことをアンケートをしなければいけなくなった、それから、進捗が思ったようにはいかなかったんじゃないか、そういった原因についてどういうふうに考えておられるのか、お答え願いたいと思います。
○小島政府委員 お答え申し上げます。
 今お話しございましたように、全国で三十の基本構想の承認をいたしております。それで、過般、今お話しのような調査をいたしましたら、幾つかの府県から基本構想を見直したい、こういうお話がございますが、その一々について見てみますと、いわゆる基本構想全体というものを見直して、そして基本構想そのものに致命的な影響のあるような、そういうものではございませんで、今出ております例えば宮崎県の例で申し上げますと、基本構想を承認した後にたまたま温泉が出た、温泉が出ましたものですから、せっかくの温泉をこれに利用しないことはないだろうというようなことで変更承認申請が出ているとか、あるいは承認後、今まで個々の企業がばらばらにやっていた、こういうことではどうも全体のコンセプトができないというようなことで、第三セクターを関係者とつくって、そして計画的な整備をしようというようなことでやっておられまして、特に今申し上げましたような、計画全体に大きな支障を及ぼすような変更ではございませんで、施設の規模とか位置とか、そういうものについての変更が大部分であると私どもは今、調査した段階では承知いたしております。
○長谷委員 三十のうちの二十九に、やはり基本構想を変更したい、こういう希望があるというふうに聞いておりますけれども、今のお答えの小さな変更だけというようなことだけでしたらこれだけ大がかりなアンケートをとる必要がなかったんじゃないか、こういうことを一点申し上げます。
 それから、基本構想についてこうした形で変更申請が出た場合、これはやはりもう一度その変更申請に従って環境のアセスメントをやるということになりますですね。
○小島政府委員 先ほど環境庁からもお話しございましたように、具体的に事業化を進めるに当たりましては、各地方団体それぞれ環境影響についての要綱等を定めてやっておられると思います。
○長谷委員 環境影響評価をまたして、さらにやっていくとなりますと、この計画がなかなか思ったようにはいかない。これにつきまして、この「月刊自治」という自治省の関係の方から出たものにも、環境保護団体の動きとか環境の問題、それから経済的な状況、いろいろなことが事由となって、このままリゾートをつくるということについて今までどおりやっていくというのは非常に難しいというようなことが言われておるわけです。
 私は、こういったリゾート法という開発優先の法律を、こういういろいろさまざまな問題が出てきて環境保全の観点からもぎ、起したものをつくっていく、こういう要求が出てきて、この変更の希望ということがかなりあるんじゃないかと思うわけですけれども、この際、現行のリゾート法、環境庁長官が主務大臣に入っていないとか、それから自然公園の適用地域に重点設備、ゴルフ場やスキー場、マリーナ、こういったものをつくってもいい、それに対して国や地方自治体が基本的にどんどん援助していっちゃうよというような開発優先の法律をやはり見直していく。環境庁もこの法案に対して、国立公園の普通地域のゴルフ場は幾ら何でも林地を六〇%以上は残さなければいけないだろう、こういう規制も設けました。私は、六〇%ではちょっと問題だというふうに思うのですね。国立公園というのは本来自然環境保護を目指しているところですから。
 やはりこういうところにはゴルフ場あるいはスキー場をつくらないというようなことを主張いたしますけれども、こうしたゴルフ場による乱開発問題は、日本全土に大きな自然環境の危機感を広げておりまして、社会問題となっておりますので、この際、リゾートの基本構想を見直す、こういうことになってきたわけでございますから、国土庁からもこの法律についての見直しというようなことを検討していかれる、このことをぜひやっていただきたいと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○西田国務大臣 お答えを申し上げます。
 総合保養地域整備法が制定をされました背景には、御存じのように、大変余暇時間というものがふえてまいりました。それからまた、半面、国民のリゾートに対するニーズも高まったわけであります。また、半面におきまして、地方においても、特に過疎地帯あるいは山村地域、おくれておる地域、そういう地域においても何とかひとつ町づくりをやりたい、村おこしをやりたい、そういうような機運の高まりで、ひとつ地域活性化の目玉にしたい、こういうことが背景にあったと思うわけであります。
 しかしながら、同法の施行状況について見ますというと、昭和六十三年七月に最初の承認を行ったわけでございます。ですから、まだ非常に日が浅い、こういう問題があると思います。全体として総合保養地域の整備は、現在緒についたといった段階だと思っておるわけでございます。
 構想の具体化に向けて各地で整備が進められておるわけでございますが、御指摘のように、一面、開発優先、開発オンリーという考え方でなくて、自然を壊さないようにしながら、自然との調和の中で質の高いリゾート地域をつくっていく、これが非常に大事でございますし、行政的にもそういう問題に強い配慮を払っていかなければいけない、このように考えておるわけでございます。
 今後、関係各省庁との連携を密にいたしまして、承認基本構想のフォローアップ等を行い、法のより適正な実施を行ってまいりたい、このように考えております。
○長谷委員 環境保全について十分な配慮をしていかれるということを期待したいと思います。そして、基本構想の見直しとともに、法案自体の見直しも検討していただくことを望みまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○渡辺委員長 時崎雄司君。
○時崎委員 日本社会党の時崎雄司でございます。
 私は、途中、総理の出席の関係で質問の時間が中断をされるわけでございますが、約二時間余時間をいただきましたので、主に大蔵省にお尋ねをさせていただきます。また、きょうは私の質問のために三名の方に参考人としてお忙しい中出席をいただいておりますけれども、おいでになっておりますか。後ほど御指導のほどをお願いいたします。
 今申しましたように、大蔵大臣を含めて大蔵省を中心に質問をさせていただきますので、冒頭総理大臣にお尋ねをいたしておきます。
 橋本大蔵大臣は、午前の参議院本会議で辞任をされたということが先ほどテレビなどで報道されておりました。きょうここにおられる橋本大蔵大臣は、それはどういう立場の方であるのか、大蔵大臣としてまだその位置にあるのかどうか、そのことを最初に総理の方からはっきりさせていただいて、その上で質問したい、こう思います。
○橋本国務大臣 大変失礼でありますが、事実について正確に申し上げたいと存じます。
 本日の参議院の本会議において証券取引法改正案が通過、成立をいたしました後、私は総理官邸に総理をお訪ねし、確かに辞任をいたしたいということで辞表を提出いたしました。しかし、私にとりましては残念でありますが、それを総理は認めていただけませんでした。ですから、私は現在大蔵大臣としての職務においてこの席におります。
○時崎委員 最初に総理大臣にお尋ねをいたしますが、今臨時国会で、証券、さらには金融問題で本会議、さらには予算委員会、そして特別委員会等でるる審議されてまいりましたが、これらの証券・金融の不祥事の全容が十分解明された、そのように総理はお考えになっておるのか、それとも、いまだ不十分な点がある、このようにお考えになっているのか、冒頭感想をお聞かせいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 証券不祥事件に関しましては、損失補てんの実態について補てん先の企業名等が公表され、またその手法についても、代表的な補てんの手法やその具体的な事例等について政府より御説明をしてきたところでございます。また、大蔵省において証券四社に対する特別検査を実施し、事態把握の状況について国会に中間的な御報告をさせていただいたところであります。そして特別委員会が設置され、真相の解明に向けて、証人喚問も含め精力的な御審議が行われてきたところでございます。政府は、証券会社をめぐる諸問題の真相解明について今後とも努力をしてまいる所存であります。
 また、金融機関職員による一連の不祥事件につきましても、国会の特別委員会等で、参考人招致を含め、事態の解明に努められたところでありますが、これらの事件は、刑事事件として御承知のように既に告訴されておりますし、逮捕者も出ておりまして、政府としては現在司法当局による事件の全貌解明を強く期待しておるところでございます。
○時崎委員 まだこれからもその解明に努力をされる、こういうことですから、十分解明されたというふうには理解していないようでございますが、後ほど大蔵大臣に尋ねますけれども、私はまだまだ不十分ではないか、このように考えております。
 そこで、大蔵大臣にお尋ねしますが、一連の金融・証券の不祥事で、この解明のために大蔵大臣以下大蔵省も大変努力をされてきた、こういうふうに思いますし、また国会でも同じようにその解明のために努力をされてきたと思います。ところで、今回の臨時国会のみならず、次の国会を想定して考えますと、まだまだこれらの証券・金融問題については、その全容の解明に当たって努力をしていかなければならない、こう思うわけでございますが、これからの国会のそのような行動について、大蔵省は持てる力を十分発揮して国会での真相解明に協力をしていく、このような決意がありやなしや、ひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○橋本国務大臣 先ほどの総理の御答弁に多少の補足をさせていただきますならば、現在、証券大手四社に対しての特別検査が続行中であります。その一事を見ましても、全容が解明したという状況にないということは、私自身がそう考えておりますし、大蔵省全員がそのように考えております。
 また、本日の参議院の本会議における証券取引法の改正案の成立をいわば目に見える再発防止策の第一歩として、今後多くの仕事を我々はやっていかなければなりません。その中には、再び院に御審議をいただきますような事案もございます。また、院において独自に御論議になります場合に、行政当局としてでき得る御協力をいたすことは当然であります。
 同時に、大蔵省が再発防止に向けて努力をしてまいります過程において、どうぞ国会としての御協力も十分に賜りたい、心からお願いを申し上げます。
○時崎委員 それでは、具体的課題についてお尋ねをさせていただきます。
 私は、新規上場に伴う株価操作の疑惑についてただいまから質問させていただきますが、大蔵大臣、あなたは東証二部に昨年の八月十日上場されたセザールという会社を知っておりますか。そして、知っているとしたら、今この会社の業績がどうなっているのか、そしてまた上場後今日までこのセザールの株価はどう変動してきたのか、御説明願いたいと思います。
○橋本国務大臣 閣僚に就任いたしましたときの資産公開の際にも申し上げましたが、私はかつて紡績会社に職を求めましたとき、その会社の株式を自分で社員株主として購入いたしました。それ以来、株の取引というものをいたしたことがございません。ですから、大変恐縮でありますが、どういう状況にあるのか今お尋ねをいただきましたが、私は全く知識がありません。
○時崎委員 私は、あなたが株をやっているとかやったことがあるということは、それは余り関係のないことで、実はこの東証二部に上場するときは大蔵大臣が承認をするということになっておるわけですね。あなたの権限なんですよ。あなたが去年の八月十日にセザールという会社の株を東証第二部に上場することを承認された、そういうことであるからお尋ねをしているので、私が株のこと知らないとかという個人的なことを聞いておるわけじゃないのです。どうぞもう一度。
○橋本国務大臣 大変質問の趣旨を取り違えて失礼をいたしました。
 確かに大蔵大臣の権限なのかもしれませんが、恐らくそれは事務方に委任をし、事務的にとり行われている行為の一つであろうかと存じます。
○時崎委員 大蔵大臣がその内容をわからなければ、証券局長、おわかりになりますか。
○松野(允)政府委員 御指摘のセザール、現在東証二部に上場されている株式でございます。
 この二部上場に際しましては、まず取引所にその会社が上場申請をいたしまして、取引所において上場審査基準に照らして慎重な審査が行われるわけでございます。その結果、取引所が上場することが適当と認められたものにつきまして証券取引法に基づいて大蔵大臣に承認申請が参ります。大蔵省といたしまして……
○時崎委員 質問にだけ答えてくださいよ。私はこのセザールという会社の業績はどうか、その後の株価はどうかと聞いておるのです。それだけで結構ですよ。
○松野(允)政府委員 わかりました。
 このセザールの業績でございますが、平成二年九月期で申し上げますと、営業利益が七十一億七千万円、経常利益が五十七億六千九百万円、純利益が二十三億三千三百万円ということになっております。
 それから株価の推移でございますが、平成二年の八月十日に上場されまして、その日の終わり値は五千九百六十円でございます。その後、株価が下がりまして、現在、昨日でございますか、十月二日の終わり値が八百九十五円ということになっております。
○時崎委員 業績については九月期の決算についてだけ言われましたけれども、この三月期はどうなっておりますか。
○松野(允)政府委員 この三月、中間期でございますが、営業利益が十一億二千五百万円、経常利益が二億一千五百万円、それから純利益が三億四百万円ということになっております。
○時崎委員 大蔵大臣、あなたが昨年の八月十日に東証二部上場を認めたこのセザール、今言われるように株価が、上場してすぐが五千九百――たしかこれはその後さらに上昇して、六千七百円まで上がった株でございまして、今八百九十五円、こう言われております。こういう株がなぜ上場されるのか、私大変疑問なんであります。
 私は、この株が上場されたのは、幹事証券会社である野村が強引に二部に上場を急いたのではないかという疑問を持っておるわけです。後で詳しくその点については質問さしていただきたいと思いますが。もしこれが一、二カ月上場がおくれるようなことになれば、私は上場できなかったと思うんですよね。そうなれば、この上場を図った野村が特定のお客に安い時点で株を買わせて、そして今回のように、今では信じることもできないような六千七百円という高値で売り逃げるようなこともできなかったと私は思います。そういう点では、私はこの上場を簡単に認めてしまった大蔵省にも、そしてまたその前段でこの株式上場に向けて審査をした東京証券取引所にも重大な責任がある、このように考えております。
 若干申し上げますと、セザールは上場がうわさされていた時点から、特に昨年の四月、そしてことしの八月の最高値まで、何と二・三倍も急上昇したのでございます。そして同じ時期に、不動産の企業であります店頭銘柄の、先月倒産したマルコー、さらにはMDIというような、同じような会社も実は異常に高騰したのであります。これらの店頭銘柄についても、私は株価操作の疑いがあるんではないか、このように思っております。
 今回、大蔵大臣も言われておりますように、野村証券等を含めて特別検査に入っているということでございますが、これら三銘柄についてもぜひとも大蔵省の特別検査を行っていただきたい、このように思うところでございます。その際には、このセザールが二部上場するどいラインサイダー情報が事前に特定の者に流れている可能性もございますので、この点についても厳正に調査していただきたい、このように思います。いかがですか。
○橋本国務大臣 御意見は私も今拝聴をいたしました。事務方もここで拝聴をいたしております。特別検査の中においてどのような問題点があるのか私にはわかりませんので、必要がありましたなら事務方から補足をさせます。
○時崎委員 大蔵大臣、あなたは二十日の本会議で、東急電鉄株をめぐる野村証券の株価操作疑惑については、不特定多数の顧客が参加しており、証取法違反の認定は難しいと述べていますね。しかしセザールとかマルコーなどは小型株です。特定の者が参加している可能性が十分にあります。
 さきに朝日新聞で投資家の方からの新聞投書を見ましても、野村などの幹事証券が活発な勧誘活動というものを行っている、そしてこれらの行為は明白に百二十五条に違反するのではないかとも言われているのですね。ところが、なかなか百二十五条を適用するようなことを大蔵省はやらない。そして事実上この条文をお蔵入りさせてしまっている。私はこのような姿勢が、我が国内だけではなくて、外国の市場などではもう株価操作として当然このものの取り締まりが行われてもいいのではないか、こういうことになっているわけですから、今回証券・金融の信頼回復のためにもぜひともこの問題の解明を急いでいただきたいし、そしてこのような大蔵省の姿勢というものについて、私は総理大臣に、行政府の長としてどのようにお考えなのか、見解をいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 確かに現在までの特別検査の進行過程におきまして、今委員が述べられましたように、東急電鉄株について野村証券の相場操縦、すなわち証取法百二十五条違反の立証をするに足る事実をいまだ確認をできておらないということは私は申し上げてまいりました。同時に、なお検査を続行しつつあるということも御報告を申し上げております。また本院におきましても、参議院の御審議に際しましても、この百二十五条ばかりではございませんけれども、よりそれらの条文を運用しやすくするための方法はないか、証券取引審議会不公正取引部会に御検討を煩わせたいと考えておる旨も申し上げております。
 御指摘の幾つかの銘柄につきましては、事務方の諸君が当然ながら職務としてチェックを行うと私は思います。
○時崎委員 二十分という時間でございましたので、持ち時間が終了いたしましたから以上で終わりますが、後、三時四十五分から、またさらに一時間四十分ほど持っておりますので、大蔵大臣を初め、その他参考人の方々、またよろしくお願いいたしますということを申し上げまして、私の質問を終了します。どうもありがとうございました。
○渡辺委員長 東祥三君。
○東(祥)委員 公明党の東祥三でございます。
 昨年の六月に引き続きまして、外国人労働者問題並びに難民問題について御質問させていただきます。
 本題に入る前にちょこっと気になったことがありまして、昨日の夕刊、読売新聞でございますが、衆院の外務委員会でカンボジア和平実現後のPKO、平和維持活動に関連して、今審議中でございますPKO法案が早期に成立した場合であったとしてもPKFを派遣することができない旨の報道がされていたのですけれども、この真意についてここでもう一度ただしておきたいと思いますが、外務省、よろしくお願いいたします。
○丹波政府委員 先生にお答え申し上げます。
 カンボジアのこの国連PKOにいかなる貢献を行うかという点につきましては、国連からいずれ各国に対して協力要請が行われることになろうかと思いますけれども、その時点で日本としては、現在国会にかかっておりますPKO法案の状況、その他国内の準備状況をも総合的に勘案した上で具体的な検討が行われるという性格のものであろうと思います。
 この点に関しまして、昨日、衆議院の外務委員会におきまして、カンボジアのPKOへの参加に間に合うかどうかという質問があったものですから、今後のいわゆるカンボジア暫定機構、行政機構と呼ばれておりますけれども、その活動が現時点での一般の予想では来年の前半に開始されるのではないかという見通しがありますということを申し上げたことが一つ。
 それから、他方、防衛庁当局は自衛隊を部隊としてこの平和協力隊に派遣するには訓練等の準備期間がかかるという趣旨のことを言っておりまして、例えば半年とか一年内外という、そういうことをあわせて御説明申し上げたということでございます。
 そもそも、この将来のPKO活動につきましては、今からその参加するしないという議論を行うことは必ずしも適当とは考えませんで、カンボジアにつきましては、この現在の法案を早急に国会に御承認いただき、また国連側から具体的な要請があった場合にその時点で判断するということであろうかと思います。いずれにいたしましても、我が国といたしましては、できるだけの対応ができるように関係当局に対し諸般の準備青お願いしたい、そういう気持ちを表明したつもりでございます。
○東(祥)委員 それでは、本題に入らせていただきますが、昨年の六月の時点におきましては、不法外国人労働者、あるいは不法外国人滞留者というふうに言ってよろしいのでしょうか、この方々が約十万人いらっしゃると聞いておりましたが、現在はどのくらいになっているんでしょうか。まず、法務省の方からお答え願いたいと思います。
○股野政府委員 ただいまのお尋ねの我が国における不法就労者については、法的に許された滞在期間を超えて滞在をしている不法残留者というものを中心に私どもは統計を推測で行っております。これは実態が実態だけに正確な数というのは無理でございますが、私どもの現在の推計でも現時点において 。やはり十万人を上回る数が依然あるものと考えております。
○東(祥)委員 昨年の段階でも推定だったのですが、聞くところによりますと、入出国ともにコンピューターでもって管理しているということであります。時間の関係でどのようなシステムを使っているかということについては割愛させていただきますが、まずコンピューターを使っているならば、期限内、要するに滞留許可期限内にいる人とオーバーステイしてしまっている人との差し引きをすれば、今おっしゃられた不法残留者の数が基本的には出てくるのだろうと思うのですが、それができないということですか。
○股野政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、入国してくる人の数の統計と出国する人の数の統計を突き合わせまして、そして私どもは算定をいたしております。その算定に当たってはコンピューターを使って算定しているわけでございますが、出国する者の数につきまして必ずしも当局に十分把握できないで出国する例というものも、これはいわゆる通常の出入国のルートを通らずに、例えば米軍関係の人が出国する場合の統計というのは別になりますので、そういうようなことであったり、それからタイムラグがどうしても統計を収集する上で出てまいりますので、その上で正確な算定になかなか困難があるということでございますので、どうしても推計によらざるを得ないということでございます。
○東(祥)委員 それでは、その推計でいきますと、昨年の六月と現時点を比べてみた場合、基本的にはふえているというふうに考えてよろしいですか、それとも昨年の数と大体同じくらいである、また若干減っているのか、その点についてお答えください。
○股野政府委員 先ほど委員御指摘の昨年の数字というのは昨年の夏の時点で約十万と算定しておりまして、私ども、その後改正入管法の施行とともに不法残留者の摘発に努めていろいろの努力を重ねてまいりましたが、残念ながら最近の時点においてはその昨年の約十万の数を上回る数になっているものと推計されます。
○東(祥)委員 ふえている。昨年の六月一日に入管法が改正されて、基本的にはただ単に被雇用者のみならず雇用者、そしてまた仲介した人までも不法就労に関しては罰せられるという、ある意味でこの入管法を改正することによって不法滞留されている方々が吐き出されるのではないのか、そういう予想も一面にあった。しかし、今法務省の御説明を聞きますと、現実にはそれがふえている。今、日本の国際貢献の一つのものとしてPKO法案というのを今国会中ずうっと議論しておるわけでございますが、この外国人労働者問題あるいはまた不法滞留者問題、こういったものはある意味で日本のもう一つの国際化という視点から考えた場合、一つの大きな爆弾を抱えているのではないのか、このように私は認識しておるのですけれども、この問題に関してどのような方向性を総理大臣としてお考えになっているのか、どうぞ御所見を賜りたいと思うのです。
○海部内閣総理大臣 外国人労働者問題に関しましては、御指摘のとおりの国際化時代であって、人の往来も非常に多くなっておりますが、労働者として受け入れるには、日本としてはただいま専門的技術等を有する労働者についてこれを可能な限り受け入れていこうという方向で対処しておりますし、また、改正入管法のもとでは、専門的技術等を有する外国人を幅広く受け入れていることは御承知のとおりだと思います。いわゆる単純労働者と申しますか、そういった専門的技術や知識のない労働者の方の受け入れに対しては、いろいろな問題が伴っております。これを国民的コンセンサスを確保するためにどう対処するかということについては、これは政府として今後ともいろいろな角度から検討を続けていかなければならない問題であると受けとめております。
○東(祥)委員 多分、昨年のお立場と基本的に変わらないのだろうと思うのですが、この問題、今単純外国人労働者と言われましたけれども、基本的には二者択一の問題なんだろうというふうに思います、筋論としては。受け入れるのか、それとも受け入れないのか、二つに一つだろうというふうに思うのですね。
 ところが、今惹起している問題というのは、日本の政府の政策として受け入れない、こういう選択肢をとっているにもかかわらず、現実に十万人を超える不法就労者、滞留者が出てきてしまっているというところに問題がある。そしてその期間が長ければ長くなるほど、日本にいる期間が長くなればなるほどいろいろな問題を惹起せしめてきている。
 一つは人権の問題。例えば、不法就労でたまたまそれが摘発される。そしてその人が捕まえられるけれども、そのときに言葉がうまく通じない。日本語で対処される。本当に人間が人間としての権利をちゃんと与えられた上での捜査がなされているのかといったこと。
 さらにまた、先日も報道されておりましたけれども、現実には殺人事件等も起きている。また、七月の上旬、上野に多くの外国人が集まっているということで、私自身も直接その現場に行って、一つの例としてそこにいらっしゃったイラン人の数人の方々とお話しさせていただきました。当時、五日ほど前に日本に入ってきた。御案内のとおり査証免除協定が結ばれておりますので簡単に日本に入ってくることができる。何しに来られたのですか、このような質問をしたときに、もちろん私は働きに来ましたと。しかし、働くことは許されていないのじゃないですか。あなたは本当にイランの貧しさを知っているのですか、私たちが観光で日本に入ってくると思いますか、三カ月間は許されていますのでは、その後もし捕まってしまったらどうなるのですか。私は腹をくくっております、このように言っておりました。
 そのときに、もちろんイランの人であったとしても観光客としてちゃんと入ってくる人もいる。それを入管時において区別するというこをは極めて難しい作業だろうというふうに思いますけれども、現実にはそのように日本に入ってくるときには、たとえ観光ビザであろうが、あるいは査証免除協定を有している国の人であるならば、やはり日本で働きたいという思いを持っている人々がどんどん入ってきている。その人たちがどんどんふえていけば、先ほど申し上げましたように、まさに陰湿な問題がどんどんふえていくのではないのか。この問題に対してどうするのかということがまさに今問われているのではないのか。
 総理、もう一度この点に関して、どのようにこの問題を解決していったらいいのか、方向をもうそろそろ出さなくてはいけないのじゃないか、単純外国人労働者問題に関しても十七省庁の一つの連絡協議会があるということを十分承知しております。基本的にはもう決断を迫られている、そういう時期じゃないのか。各省庁の方々といろいろお話しします。それぞれの立場をよく聞けばその立場はよくわかりますけれども、それはある意味で政治決断をしなければならない時期が来ているんじゃないのか。つまり、もうある程度受け入れざるを得ない、そのような時期に来ているんじゃないのか、と私は思うのですが、総理、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、我が国も改正入管法によって専門的な技術を有する人や、またその専門的な技術を有しておると想定されるところの範囲を広げたり、それらの方々については積極的に受け入れるようにしておりますし、それから全くそういったものがなしで、ただ日本へ行っていわゆる不法な滞在をしたり、あるいは単純労働者として入ってきて働きたいという方は、いろいろな社会のコンセンサスがまだでき上がっておりませんので、今後の問題として検討中であり、ただいまのところはそれを何というのでしょうか、どんどん迎え入れるという状況ではございません。
○東(祥)委員 どうも総理、納得することできません。お立場はよくわかるのですが。
 基本的に問題は、技術を持っている人、それは入管法に当てはめてそして入れる人は問題ないと思います。合法的です。今問題になっているのは、それ以外のいわゆる単純外国人労働者という方々です。そして、今総理がおっしゃるとおり国民的コンセンサスがない、そういうことをおっしゃっているわけですが、現実には十万人以上の人々がもうここに入り込んできて種々の問題を惹起してしまっている。不法就労していますから、何か問題を起こす。労災がもらえるのかといえば、雇用者はそれを表に出すことができない。したがって、陰湿な形でもって何らかの形で解決せざるを得なくなる。この問題に対してどうしたらいいのかという質問を私はしているわけです。
 国民的なコンセンサスがないというふうにおっしゃいますが、基本的には十万人以上の不法就労者が日本にいる。その人々が日本にいることによって社会的あるいは経済的、教育的、こういうコストがどれぐらいかかるのか、そういう調査すらされてないのが現状だと私は理解しております。そうしたならば、そういう経済的なコストも社会的なコストもわからないでどのように国民的コンセンサスを得ることができるのか。基本的にその実態が明確でないわけですから、その実態が明確でないところに対してどういうふうにしなければならないのかというのが私の質問でありまして、総理がお答えしているのは国民的コンセンサスがないから、これは昨年の六月の入管法によって基本的には禁止されているから、事態はそうであればあるほどますます悪化していく方向に行ってしまうのではないのか、それをどのようにしてとどめるのかというのが私の質問なわけです。
○股野政府委員 先ほどのコンセンサス、国民的合意の問題点でございますが、これはもう委員が十分いろいろな点で御存じのとおりでございまして、コンセンサスの対象となるものはいろいろございます。その中に、まずいわゆる択一ということについて先ほど御指摘がございましたが、労働者といってもいろいろな態様がございます。そこで、改正入管法において、現在この範囲で受け入れられるものということについての国民的合意がある部分についてこれを合法化しておるわけでございます。
 そこで、残るところは議論が分かれております。議論が分かれている際には、これはまず、ただいま委員も御指摘のとおり、実態を調査する必要がある。これはお言葉ではございますが、私ども当局としては実態の調査のためにいろいろな努力を現在重ねております。そして、そのような実態をしっかり把握した上で、かつ、いろいろな形で外国人の労働者が入ってきた場合の影響というものも十分測定して、そこで国民的な合意を得るという努力を今重ねているところでありまして、その意味では、この問題についてある程度お時間をいただいて検討を続けていく、また結論が出ない間はやはり現行の法律による、これが政府として国民の御支持をいただける方向であろうかと考えております。
○東(祥)委員 期限は決められておりますか。いつまでにそのような調査結果を出されるのか、お答えください。
○股野政府委員 特定の期限というものは定めておりません。ただ、現行の改正入管法の運用上、現実の問題に照らし合わせまして、その運用の中身についても適時に見直しを行っていくという考え方ておりますので、今後は調査結果の判明次第またいろいろな点での御議論をいただく、こう考えております。
○東(祥)委員 本年一月に、外国人労働者が労働面等に及ぼす影響等に関する研究会の報告書が出ました。説明していただきたいのですけれども、やはり時間の関係で割愛させていただきます。
 私も読ませていただきましたが、今後の検討課題ということで三点指摘されておりました。一つが、二十一世紀までの十年間は労働者需給予測から生産性の向上で日本の労働市場は対応できる。二番、単純外国人労働者を受け入れた場合の社会的コストを含めて、受け入れについての国民的コンセンサスの形成の必要性がある。三番目、ODAや研修を通じての援助、協力と三つ挙がっております。
 しかし、これはあくまでも将来のことであって、二十一世紀までの十年間の労働需給予測にしても基本的にはマクロで調査しているにすぎないわけで、現実に不法就労されていること、単純労働分野であって不法就労されている方は非合法的ですから、当然ここの中にはカウントすることができない。ある意味でまずそういう調査の欠陥がここで露呈されるわけですね。
 第二番目の国民的コンセンサスの形成の必要性、それは先ほど総理からもお話しありましたとおり、その必要性というのは十分わかる。しかし問題は、今何年間か不法滞留されている人々が東京都内でもいろいろなところにいらっしゃいまして、その地域においていろいろな問題を惹起させる要素になっていることも事実です。さらにまた、その近くに住んでいる方々が、ある意味でたむろされている人々を見て御両親に、あの人たちだれなのと言ったときに、御両親の方々が、多分あの方々は合法的に入ってきていない人なのよと子供に言ったら、その子供に対する心理的な影響度というものはどういうふうなものになっていくのか。一方において国際化というのを叫んでおきながら、他方においては国内的にそういう問題を抱えているがゆえに、逆にそういう人々とおつき合いする機会も逸してしまうのではないか、偏見を持ってしまうのではないか。そういう意味で大変な問題をはらんでいるのだろうというふうに私は思うわけですね。
 今現実に起こっているこういう問題に対してどのようにしていったらいいのかという方向性は、ことしの一月に出されたあの報告書を読ませていただいたとしても、不法就労、非合法的滞留者ということで残念ながら一切カウントされていない、ある意味で意味をなしていないわけですね。そういう意味で、再度、ある意味で政治的な決断をとらなければいけないのではないのか。その方向性で考えていくためには一体何が必要なのか、先ほど申された実態的な調査なら調査をいつまでにやるのか、こういうことを提示しない限り、いつまでたったとしてもこの問題は解決することができないのではないかと私は思うのですが、総理並びに外務大臣、どうかその点について御所見を賜りたいと思います。
○股野政府委員 改正入管法の御議論をいただきました際にこの問題が非常に議論された経緯がございまして、改正入管法を現在運用している立場から一言だけ申し上げさせていただきますと、基本的には改正入管法は、先ほどの総理のな言葉どおり、専門的な技術等を有する人についての受け入れの道を拡大したということで、現にその実績は上がっております。
 他方、そうでない人たちの問題に関連して不法就労の問題があり、これについては、例えばそういう問題の対応策の一つとして、これを利用するような悪質なブローカー等を取り締まるための新しい法的な措置も講じたところでございまして、その意味で不法就労を防止し、抑制していくということが改正入管法のもう一つの精神になっておりますので、大変残念でございますが、先ほど申し上げましたように、確かにまだ昨年を上回る規模の不法残留者がおるということは事実でございますが、政府の立場としては、こういう人たちについて今後いろいろな措置を講じながらまず今後の増加を防止し、また現在いる人についても適正な法的措置を講ずることによって国外への退去を求め、不法就労を減じていく、他方、我が国の労働市場の問題等につきましては、先ほど申し上げましたような観点から今後さらに検討を続けていく、こういうことで、いろいろな措置を複合的に講じさせていただくということで臨んでいる次第でございます。
○東(祥)委員 日本は四万を海で囲まれておりますから、ヨーロッパにおけるような形での、あのような動きというのはある意味で起こらないで済んだのかもわかりません。ところが現実には、八九年以来の急激なる変化というものは、ある意味で外国人の出稼ぎを目的にした、経済的目的のための移民活動というものが必ず活発化するのは歴史を見ていても明らかなわけです。そういったことを考えますと、もし隣国に激しい動きが起きたときに一体どうするのかということを常に私たちは考えておかなければならないのじゃないでしょうか。その単位というのは、十万あるいは二十万ということではなくて、何百万という単位で来るかもわからない。
 今のお話を聞いていますと、そういった問題に関しては、一切入ってこないんだ、または入らせないんだという前提で話を展開されていっているわけですけれども、一体どうなってしまうのでしょうか。それが最大の問題なんだろうと私は思います。外務大臣、いかがお考えですか。
○中山国務大臣 今委員がお尋ねのように、大陸で存在している国家というのは絶えず隣国からの難民というものが入ってくる可能性を持っているわけであります。たまたま我々は海に囲まれておって、そのような現実性というものが今のところはないということは恵まれている国家だと思います。
 しかし、いつ、どういう形でか周辺国に大きな政治的異変というものが起こる可能性がないとも言い切れない。そういう中で、そういうことが起こった場合は、国連難民高等弁務官というものがおりまして、これは委員が一番よく御存じですが、政治的な難民あるいは宗教的な弾圧を受けた人たちを受け入れる場合と経済難民、こういうものは区別されることは当然のことでございまして、我々の国が、今入国管理局長がお答え申し上げましたように、現在、日本にいるいわゆる不法就労外国人、これと、これから新しく起こり得る政治的な難民あるいは宗教的な弾圧を受けた難民、この扱いについては国連のこの方針を堅持していかなければならない、このように理解をいたしております。
○東(祥)委員 難民の問題に関しては後から入ろうと思ったのですが、時間がなくなってきてしまったのですけれども、基本的には今いわゆる経済難民を対象にして私は質問させていただいておるわけです。
 例えば、今起こっているこういった問題に対してどのように対処するかというその処方せんすらないわけです。さらにまた、その人たちが入っていることによってどれだけの社会的なコストがあるのかということもわかっていないわけです。これすらも調査されていない。であるとするならば、ある意味で、百万人なら百万人、二百万人なら二百万人入れた場合社会的、経済的コストはどれくらいになるのかということを前もって調査研究しておかなければならないのじゃないのか。その上で、これだけの人々を入れてしまうとこのようなことになりますということを国民の皆さんに情報公開してあげて、そしてその上で国民的コンセンサスというものが多分得られていくのだろうと私は思いますけれども、そろそろそのときが来ているのではないのですか。労働省に言っても労働省の管轄分野のものだけをやりますから、これでは何ら答えになっていない。十七省庁で何を協議されているかわかりませんけれども、政治家がお集まりなんですから、政治的な決断が必要なのではないのか。
 ここで提唱させていただきますが、総理、例えば百万人もし入れた場合どれだけの日本への社会的、経済的コストがあるのか、このような調査をせよということを命令することできないのですか。ぜひしていただきたいと思うのですが。
○股野政府委員 ただいま御指摘の調査の問題は、実はこの問題に関連いたしまして関係省庁の連絡会議、さらには関係の閣僚懇談会というものがございまして、そこの場での御議論で既にそういう問題についての御提起をいただいております。
 そこで、私どもとしては、そういう場での既に御提起をいただいたことについて各省がそれぞれの力を合わせでそういう作業を行わなければいけないと考えておるところで、既にそういうものに着手しておるところでございまして、今後も、調査の中身が非常に大事であるという点は十分私どもとしても認識してこのことに臨みたいと存じております。
○東(祥)委員 期限はいつなんですか。期限のない形で調査研究するというのはやらないということに等しいと私は理解しているのですが、いつまでにその結果が出てくるのか、この質問を最後に終わらせていただきます。
○股野政府委員 具体的に時期を特定することは作業の性質上大変難しい点でございますが、事実がいろいろな点で明らかになってくるにつれて、それを適宜取りまとめてまた国民の前で明らかにさせていただく、こういうことで臨ませていただきたいと存じます。
○東(祥)委員 関係省庁の方、きょうは済みません。お呼び立て申し上げまして、時間が足りなくなってしまいまして質問できませんでした。どうもありがとうございました。
○渡辺委員長 寺前巖君。
○寺前委員 暑い夏、わざわざ臨時国会を開いたわけですけれども、その中心はいわゆる政治改革三法、これを御審議してしていただきたいんだと議運で話がありましたよ。さて、それが特別委員会をつくって、結果は審議未了、廃案だ。理事会でだれも継続せいと言う者がなかった。さあ、こういう結論を出した国会が悪いのか、それともそんな案を持ってきた総理が悪いのか、どっちやと思いますか。
○海部内閣総理大臣 御指摘のように、政治改革三法案を、政府は二年間に及ぶ党の政治改革審議会の議論やあるいは政府の審議会の答申を踏まえて法案化作業をし、三法案を通していただきたいという願いを込めて国会で御審議をいただきました。
 ただ、証券不祥事件が絡んだり、あるいはこの臨時国会の始まるや否やいろいろな問題が起こりました。例えばソ連の予期せざる反ゴルバチョフ・クーデターなんかもそうであったと思います。そのために熱心に御議論いただき、たしか九月に入ってから衆議院にようやく趣旨説明のお許しをいただきました。本会議においても三日間にわたる異例の御質疑もいただきました。委員会に入ってからも三日間連続各党の御質疑もいただきました。政府としては、通していただきたいという強い気持ちでお願いをし続けたわけであります。
 最善を尽くして努力をいたしましたが、結果は御指摘のようなことになりました。政治改革は、これでもってなくするわけにはまいりません。新たなる努力のために、新しい枠組みを求めて今鋭意努力をし、引き続いて政治改革はなし遂げていかなければならない重要な問題であり、内閣としてはこれに向けて最善を尽くしてまいります。そのような気持ちでおります。
○寺前委員 ちょっとも答弁、答えてもらってない。どっちが悪いんやと。継続の声すら起こらない。引き続き審議しようやないかという声すらだれからも出ない。それやったら、自分のやったことが悪かったな。四割台の得票で八割の議席、そんな横着なこと考えたのが悪かったな。私は、総理大臣というのは率直にそういうふうに反省されるという姿勢が大事なんじゃないだろうか。御意見具申し上げておきます。
 最近、九月二十七日に、核兵器削減に関するブッシュ・アメリカ大統領の発言がテレビを通じて放映されました。アマコスト米駐日大使がこの大統領の親書を持ってこられたようです。そしてコメントを求められたようですけれども、そこで総理大臣はどんなコメントをされたんだろうか。
 一日も早く核兵器を全廃しなさい、もっと積極的に提起されたんだろうか。あるいはまた日本には嘉手納とか三沢とか核兵器を持ってきている飛行機がおるんじゃないかと疑惑を持たれている、この疑惑を全部取っ払ってしまう、このときのチャンスだとばかりにそういう問題を提起されたんだろうか。被爆国の総理ですから、どう言われたんだろうかということを注目して私は見ているんですが、いかがですか。どういうコメントをされましたか。
○海部内閣総理大臣 ブッシュ大統領の核政策に関するイニシアチブについては、御指摘のように、日本時間でいうと前日の夕方、親書の形で私のところへ届けられました。
 私は、一方的なアメリカの核に対する態度発表、大幅に削減し、ソ連も同様の措置をとるよう呼びかけることを内容としたもの、これについては、ブッシュ大統領の大胆な勇気のあるイニシアチブを世界の平和と安定に資するものとして高く評価をし、核兵器の究極的廃絶に向けての大きな一歩前進であると歓迎をいたしました。ソ連指導部がこれに対して迅速かつ的確に呼応することも強く希望をいたしました。そして、米ソの核兵器の均衡のとれた削減が行われることを、これは期待をするとともに、またそのことによって米ソ関係の一層の安定化がもたらされ、アジア・太平洋地域を含む世界の平和と安全がさらに高められることを、これをあわせて期待すると言いました。
○寺前委員 新聞を通じてこのテレビ放映の内容を見ておりましたけれども、「メージャー英首相やミッテラン仏大統領、コール独首相ら同盟国首脳との価値ある協議を通じここうなって、唯一の被爆国日本の総理大臣の積極的提起が、名前も出てこない。それはそうやと僕は思う、積極的に新しい問題提起をやらない限り。これは情けないなと正直私は思ったんです。
 そこで、聞きますが、きのう、衆議院の外務委員会で中山外相が、ソ連は一万発の核兵器を保有しており、隣国日本としてはこの国の安全保障を確保するためには日米安保条約を堅持しないといけないと述べておられるんです。アメリカの核抑止力を支持する発言をこうやってやっているんだから、私は実はちょっと驚いたんです。なぜかというと、ブッシュ米大統領のこの放映では、ソ連の西欧への侵攻の脅威はもはや現実的ではなくなったんだ、だからこの対応措置をしなければならぬということをこの際に提起しておられる。総理は、ソ連は西欧へ侵攻する脅威はもはやない、だけれども日本の方にはまだあるんじゃないか、そんなことでも考えているんでしょうか。どういう見解をお持ちになります。
○丹波政府委員 昨日の外務大臣の衆議院外務委員会における答弁に関係いたしますので、私の方から答弁させていただきたいと存じます。
 アメリカも、その他の国もと申しますか、世界が依然として核の抑止力というものによって平和が維持されているというふうな考え方をとっていると思います。この問題につきましては二つあると思います。一つは、人類の目標として核の究極的な廃絶というのはどなたも異論がないと思います。しかしながら、今申し上げましたように、現実には依然として核の抑止力というものによって平和が保たれている。結局問題は、この二つの中でいかに現実的に一歩一歩究極的な核の抑止力に向かっていくかということであろうかと思います。
 外務大臣が申し上げましたのは、日本としては依然としてアメリカの核の傘にそういう意味では依存しているということを申し上げようとしたものでございます。
○寺前委員 何でこうまともに答弁せぬ風習が政府にはあるんでしょうね。
 私が聞いたのは、ソ連の西欧への侵攻の脅威はもはや現実的ではなくなったとブッシュ大統領は言っているんだから、それじゃ日本の総理は日本は別だ、侵攻の脅威を受けているんだとおっしゃるのか、おっしゃらないのかと聞いているのです。総理、そこはどうです。
○海部内閣総理大臣 具体的に侵攻の脅威を受けているかどうかということにつきましては、それは相手側の意思というものもある、そして情勢の変化というものもある、能力というものもある、そういったものを総合的に判断して言うべきでありますけれども、今ユーラシア大陸の西のヨーロッパでは、冷戦構造の発想を乗り越えつつある流れが出ておりますが、アジアでもそのようなことは方向性として打ち出されてきておるという、好ましいものであるということは認めますが、しかし現実に、いろいろ御説明しておりますように、この地域における軍事的な能力というものには質においての高まり等も行われておる。もう少し目にきちっと見えなければ、それについて全然何もないというような態度は国家としてとることはできません。
○寺前委員 ブッシュ大統領は、ソ連の核脅威はもはやないと言っている。核兵器の米ソ共同管理まで提言しているときに、ソ連には核兵器がまだあるからということで核抑止力が必要などと言っている日本の政府の固執主義の根深さというのは、これは私はどうも納得はできませんな。大胆な転換を積極的に被爆国の総理大臣としてはやるべきだということを申し上げたいと思うのですが、時間の都合がありますので……。
 総理は雲仙にお行きになって、現行法で対処できないときは新たな措置をとるんだと積極的な姿勢をお示しになったし、いろいろ対応策も、現地の人たちもいろいろ努力もされてきました。
 そこで、私は時間の範囲がありますので端的にお伺いしますけれども、災害救助費の当初予算は厚生省は二億円、ところが長崎県ではもう既に八月までだけでも十八億円もかかっている。半分負担するとしても、もうとうに足らなくなってきている。国土庁が今度実施する食事の供与など特別措置の関係でも、私の計算したところではもうとりあえず二十五億円ほど金がかかってくる。さあ、総理は本会議でも委員会でも予算不足で対策がおくれるというようなことはさせぬということをおっしゃっていた。
 だから、僕もいよいよ国会も最後の段階になってきたからあえて言うんですが、予備費をこの際に使ってでもこういう金がないからということでおくれをとらすことのないように早急に予備費の支出を検討しなければならぬときに来ているんじゃないだろうか。総理か大蔵大臣になるんですか、お答えいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 先般決定をされました食事の供与、生活安定再建資金の貸し付け及び災害救助法に基づく避難対策に係る経費につきましては、御心配をいただくまでもなく予備費を使用すべく現在鋭意準備を進めております。
○寺前委員 鋭意御検討いただくだけではなくして、もう今国会中にも、今週じゅうにでも処理をしてもらえませんか。私、現地へ行ってきてつくづくそう思った。それがまたどれだけ大きな激励になるだろうか。これについて総理にお答えいただきたいのと、もう一つ、いろいろな緊急対策が要るのです。
 しかし、何といったって、現状、どこへどう流れて、また火砕流が流れてくるかという不安に対する問題もあります。それから、生活を毎日これからどうするかということと、長期にわたって、ああ自分が住んでおった地域、今は仮住まいしておりますけれども、あそこの中の人たちは、さて畑ももう使い物にならぬな、売るのにももう値打ちは落ちてしまったな、移転せざるを得ないなといったってもとの財産が値打ちがなくなった。
 だから、こういうことを考えると、そこには、総理がおっしゃったように、現行法で対処できない問題について、新たな対策を組んででも、御心配いただきません、特別立法も含めて考えさせてもらいますんやと、これも大きな激励になると思うのです。今後もそのことを考えておられるのか。この二点を総理からお聞きして終わりたいと思います。
○海部内閣総理大臣 地元の県、市、町の御要望等も十分踏まえて、政府はあらゆる角度から二十一分野九十項目にわたる救済対策を決定し推進していることは御承知のとおりと思います。特にそのうち三十項目については、新たに政令をつくるとか省令をつくるとか、適用の基準を広げるとか、もうでき得る限りの新規の対応策もこの項目に組み込んでやってまいりましたし、食事の供与事業及び長崎県が災害対策のために基金を設置する場合、国が所要の地方財政措置を講ずることなどが含まれており、これは地元の市町村からも評価をいただいております。
 ただ、今後とも火山活動の鎮静化を待って被災施設の復旧等を行っていくとともに、地方公共団体と連携しつつ、この地域の防災、振興、活性化等の施策については地域づくりにも積極的に配慮してまいらなければならないと考えております。
○寺前委員 約束の時間が来ましたので、残念ですが、ここで終わらせていただきます。
○渡辺委員長 時崎雄司君。
○時崎委員 参考人の方、できるだけ近いところにお座りいただきたいと思います。――先ほどの質問に続いて、特に二部上場されたセザール、店頭取引の、先般倒産いたしましたマルコー、さらには、同様の業種でございますMDI等々についてお尋ねいたします。
 具体的に質問に入る前に委員長に一言申し上げておきたいのですが、きょう、三人の参考人の方においでいただいたのですけれども、先ほど開かれた理事会においてもさらにもう一名、弁護士の有志の方々が今回の証券・金融不祥事について電話での相談業務、すなわち一一〇番というものを開設されました、その主宰者であります弁護士の武井共夫さんを参考人としてお招きしたいとお願いしたわけでありますが、自民党の理事の方々の反対等もあって今回お呼びできなかった、こういうことは私は大変残念に思うわけでございます。少なくとも、本委員会の運営についてみずからの審査権を弱めるようなこういうことはまことに遺憾だと私は思うわけでございまして、以後このようなことのないように委員会の中で一言申し上げておきたいと思います。
 そこで、参考人を呼べないことになりましたので、この一一〇番の内容について急遽ファクスで送っていただきました。
 冒頭、若干申し上げておきたいと思いますが、先月十七日、十八日の二日間、東京、横浜、京都、大阪の四カ所で、先ほど申し上げました武井弁護士を中心に相談業務を行ったところ、何と六百四十三件の相談があったということでございます。そして、その男女の別も男性三百二十九人、女性三百四名ということで、そして何と六十五歳以上の老人が百六十一人、全体の約四分の一が相談に電話をかけられたということでございます。
 そして、その特徴的なことについて若干申し上げておきますが、一一〇番の実施に際しては、株式を念頭に置いてこの相談を行ったが、結果は何と投資信託が全体の半数近くを占め、二百九十六件で第一位を占めた、予想外の結果だと言っている。そして続いて、ワラントも九十九人と約六分の一を占めた。投資信託に対する相談は「主婦や無職の老人が多いのはある意味で理由のあることと思われるが、ワラントについて六十五歳以上の老人の被害が目立ったのは証券会社の営業姿勢に極めて問題があると言わざるを得ない。」こう分析しているわけでございます。
 それから、被害の額型についても言われておりますが、不当勧誘が五百四十人と圧倒的多数を占めた。いかに証券会社が不当な勧誘でこのような事態を引き起こしたかというのが、この電話相談でおわかりいただけるのではないか。「不実の表示の中には投資信託の元本保証のない仕組みやワラントの危険性を説明せず、若しくは反対の説明をしているものが多く見られる。」さらにまた、損失負担、利益保証等の違法な約束をして勧誘をしたものも何と八十三人に及んだ、こういうことなんですね。
 そしてある件では、「銀行預金のありかを聞き出して同行して、定期預金を解約させ、投資信託を購入させるなどの強引なもの」も見受けられた、こういうことなんですね。
 それらを総合して、これを主宰いたしました代表の方の私への手紙によれば、電話をかけてきた多くの方々が大口投資家への補てんに大きな怒りを持っている、十月一日には公正取引委員会へ補てん先からの補てん金の返還を求める申し立てをした、国会においてもぜひ補てんの返還を要求してほしい、こういうのであります。第二点、大蔵省と証券会社の癒着ぶりや証券業協会の業界寄りは当然ながら、強力な独立の行政委員会としての外部監視機関の設置をぜひ国会で決めてほしいと、主宰した武井弁護士からのお手紙でありました。
 大蔵大臣、今の一一〇番のすべてを申し上げることはできませんでしたが、概要と、そして主宰した方の手紙の内容についての御感想を冒頭にいただきたい、こう思います。
○橋本国務大臣 証券会社の行き過ぎた営業姿勢というものに対する御批判また事実問題の御提起は、本院並びに参議院の証券・金融の特別委員会におきましても幾つか具体的な事実をもってお話しをいただきました。また、たしか御堂であったと思いますが、県本部段階において同様の企画を行われた結果のお話も伺わせていただいております。そして、その営業姿勢というものに対しての厳しい世間の御批判、それを受けての本院における御論議というものに対しても、私はその事実を率直に認めてまいりました。そして、私どもがこうした一連の証券の問題に対して努力を傾け大蔵省自身の信頼を回復すると同時に、証券市場というものに対する信頼を取り戻していくためには、証券業に携わる方自身の厳しい反省の上に立った行動が求められることは言うまでもありません。
 ただ、今委員から御引用になりましたその代表の方の御意見の中で、私の立場から一点申し述べたいと思いますのは、その検査・監視体制につきまして、私どもはこの事件が明るみに出ました直後、たしか七月の十日前後であったと心得ますけれども、大蔵省自身の手で再発防止に向けての努力を開始いたしますとともに、今日までの検査・監視のあり方自身についてもみずからの手で正そうと思い、作業を開始いたしました。しかし、その後総理から行革審に対してこの問題を諮問され、大蔵省としては、たしか八月十九日であったと記憶をいたしますが、それまで検討いたしておりました内容のすべてを行革審に御説明をいたすとともに、行革審にその作業のおゆだねをいたしました。
 結果として出てまいりました行革審の御答申というものは、実は私どもが考えておりましたものに比べて極めて厳しい内容のものでありました。例えば八条委員会をつくれという内容一つをとりましても、所管閣僚の立場といたしますと、今後強制調査権限を新たに付与されましても、これは完全にこの委員会に委任をいたすことになります。その機能に対して大蔵大臣は全く介入ができません。また、通常の検査の基本計画等につきましても、この委員会の統括を受ける仕組みになっております。
 こうした点を考えますとき、大蔵省として極めて厳しい内容のものとなっておりますが、行革審の御答申をいただきました以上、その内容に従って体制を整備すべく、先日、大蔵省として準備の室を設け、作業に取り組んでいくことになりました。この内容は、技術的にはなおさまざまな問題点を含んでおると思いますが、行革審の答申を受けて全力を挙げて実現の方向に努力をしてまいりますので、当委員会におかれましても再発防止に向けての努力に理解と御協力を賜りたい、心からお願いを申し上げます。
○時崎委員 それでは、セザール株についてお尋ねをいたします。
 先ほど、冒頭大蔵大臣に、あなたが昨年の八月十日に二部上場を承認したのでその内容を知っているかと言ったら、余り知らない、こういうことでしたから、しばらく大蔵省の局長その他、また東証、日証協の参考人の方々にお尋ねをいたします。
 先ほどの答弁にもありますように、九月期の決算では二十六億、そして六カ月後の三月の決算期では何と三億。セザールは八月十日に上場したわけです。たかだか六カ月ちょっとの間に経常利益が何と八八%もマイナスになってしまったということです。そしてさらに、上場後四カ月を過ぎたところで見ても、何と五分の一に株価が大暴落をしている。このような会社を東証二部に上場した立場の方々は重大な責任があると私は思うんです。
 聞くところによると、この株の上場するに当たっての中講は東証の審査部が行って、大蔵大臣に承認申請をした、このように聞いておりますが、東証はこのセザールの審査に当たってどういうことを行ってきたのか、明らかにしていただきたい。これは参考人にお尋ねします。
 なお、その後、大蔵大臣の承認でございますから、東証の審査をうのみにしたとは思われませんので、大蔵省においてもどのような審査を行ったのか、具体的にお伺いをしたい。
○長岡参考人 お答え申し上げます。
 新規上場の場合の審査は、私どもの上場審査基準に照らして行われます。また、会社が申請をした場合に、その申請を受けて行うことになっております。
 具体的には、私どもの上場審査基準第四条に定められております上場株式数、株主教、株主資本及び利益の額などの数値基準を満たした会社につきまして、同じく上場審査基準の二条の規定に基づき、公益または投資者保護の観点から、企業内容等について上場審査を行っております。この上場審査の内容は、企業経営の継続性があるかどうか、経営管理組織が整備されているかどうか、また企業内容の開示が適正に行われているかどうかなどといった点につきまして慎重に審査を行い、上場の適否を決定いたしております。
 そこで、セザールについて見ますと、最初に申し上げました数値の基準でございますけれども、これにつきましては、必要上場株式数六百万株以上に対しまして千四百七十万株、必要株主数二千人以上に対しまして二千二百四十三人、設立後経過年数五年以上に対しまして十八年、必要株主資本十億円以上かつ一株当たり百円以上という基準に対しまして、必要株主資本百二十九億円かつ一株当たり八百七十七円、最近三年間の必要利益の額が三年前から二年前、一年前と二億円、三億円、四億円という基準がございますが、これに対して二十四億円、四十二億円、四十八億円、最近三年間の必要一株当たり利益が各期十五円以上に対しましてそれぞれ二百七十七円、四百二円、三百四十六円など、数値基準はすべて合致いたしております。
 次に、実質の審査につきましては、企業経営の継続性があるかどうかについては、過去五年程度の業績動向、業界環境、利益計画の達成状況など、また経営管理組織の整備状況につきましては、社内規定の整備状況、実際の社内伝票類の記載内容の確認など、また企業内容の開示の状況については、有価証券報告書の開示内容、社内的な利益計画進捗状況の管理などをチェックすることによって行っております。
 セザールの審査時点での上場後の収益見通しにつきましては、平成元年十月から平成二年四月までの七カ月間の経常利益が十億円と、前年同期の四億円と比べ大きく上回っていることなどを考慮し、平成二年九月期の会社作成の利益計画の達成が十分見込めるものと判断し、その他のチェック項目についても特に投資者保護上問題となる事項が見当たらなかったことから、大蔵大臣に対し承認申請を行った次第でございます。
○松野(允)政府委員 大蔵省の方に証券取引所から証券取引法に基づいて上場申請が出されてまいります。上場承認申請でございます。これにつきましては、私どもは、証券取引所におきます上場審査基準に基づく審査が適正に行われているかどうかという点を中心に証券取引所からその内容を聞きまして、適正に行われているという判断をいたしますとその承認をするということになるわけでございます。
○時崎委員 今答弁した方、何というのですか。今の方、何という方でしたか。
○渡辺委員長 証券局長。
○時崎委員 ああ局長さんね。私の聞いていることに答えてくださいよ。以降そういうことでお願いしたい。私はセザールについて言っているんですよ。一般論は教科書に書いてあるから聞く必要はないの。余りむだな時間とらせないようにお願いしますよ。
 それじゃ、引き続いて参考人並びに大蔵省にもお聞かせをいただきたいのですが、実質審査と形式審査がある。そして、実質審査の第一番にはこういうことが書いてあるんですね。「上場審査の観点 経営基盤が安定しており、継続企業として上場後も収益をあげ、株主に利益還元できる業績見通しであること。」と書いてあるんです。
 六カ月後に八八%も経常利益が下がっちゃった。午前中大蔵省から聞いたら二十六億の利益を出したんだ、そうしたら何と三億だという。この三億だって、その前の二億から三億に上がるんですから、最終一億ふやしておるんですから、何か別のものを処分してやったんでしょうが、こういうところに見通しの甘さがあったのではないかということを言っているのですよ。それはそうでしょう。六百何十万株が必要だとか、株主が二千人以上必要だとか、それが千八百人とか、株数が五百万だったらだめでしょうよ。
 私はそんなこと聞いているんじゃなくて、上場したのが八月の十日、三月の決算期に何とこういう状態ですよ。そして、いいですか、株価も最高値がついたのが六千七百円、これは上場してすぐですよ。十二月ごろ千六十円になったことあったですね。何とこれは五分の一以下になってしまった。六分の一がな、こんな状態だ。投資家保護の立場からいった重大な責任がある、私はこう言っているんですよ。それについてお答えを願いたい。責任感の問題ですよ。
○長岡参考人 私どもが審査をいたします場合には、やはり一番基準になりますのはその企業の過去の実績を評価し、しかもそれが将来に向かってどういう趨勢を描いていくであろうかということを考えながら審査をいたすわけでございまして、先ほど申し上げました三年間の必要利益の額が、過去の方から申しまして二億円、三億円、四億円と着実に利益を上げていくような企業という基準があるわけでございますが、これを見ましても、過去の数値から見ますと相当程度この企業は上回っておりますし、またマンションの発売につきましても、この企業は、契約までの平均月数が三カ月程度で推移しておりました。また、平成元年九月期において発売後一年を超える未契約物件は一件にすぎなかったといったようなこともございまして、当時としては極めて順調な営業状況にあるものと判断した次第でございます。
 今委員の御指摘の点につきましては、私どもといたしましては、平成二年の秋以降にマンション業界を取り巻く環境とかが予想以上に悪化してきた、これは御承知のように、不動産融資に対する総量規制もこの春から行われまして、八月ごろから大変強く効いてきたんだと思いますけれども、そういったようなことが大きく影響したのではないかというふうに考える次第でございます。
○時崎委員 参考人の揚げ足をとるつもりはないのですが、過去の実績を重視する。私、ここに上場基準の教科書を持ってきているのです。上場基準には、形式基準と実質基準があって、実質基準の方には過去のことなんかどこにも書いてないのです。そうでしょう。今から株を市場で売る、大衆投資家がそれに参加をする、こういうことですから、将来に向けての方が私は重要だと思うのですね。
 それならもう一度伺いますが、東証はダイア建設一部昇格を見合わせた、待ったをかけたじゃないですか。何ですか、これは。過去のことを言うのなら、なぜ待ったをかけるのですか、堂々と一部に上場したらどうですか。しかし、現在もぐあいが悪いし、将来もぐあいが悪くなるから待ったをかけているのですよ。違いますか。そういう言い逃れは、私は嫌いですね。どうしたら証券問題や金融問題の信頼を回復して、健全なルールをつくっていくかということで国会も努力しているわけです。故意に、なぜそういう逃げのような答弁をするのですか。あなたがお客さんだったらどうします。大蔵大臣の認可のもとに、八月十日に市場で株を売ってもよろしい、それも、東京証券第二部に上場したのじゃないですか。厳重な審査をされていると思うから、あなたが顧客だったらば安心して買うんでしょう。六カ月たったら二十六億が何と二億か三億になってしまったというんだ、利益が。見通しが余りにも甘いのじゃないですか。
 それなら、ちょっと別な角度でお尋ねしますが、私、国会図書館へ行って当時の新聞の経済版をずっととってきたのです。これは株上場前のものです。平成二年六月二十日というのは、株上場が八月ですから、これは前ですね。既にそのときに、日銀は貸し出し増加額を規制をする、「予防引き締め徹底」「七−九月も二ケタ圧縮」を書いてあるのですね、これは。長プラ〇・二から〇・三引き上げ、これは七月の二十四日です。ここで日経の株価と、それから公定歩合がどうなったか。もうあなたに答弁していただかぬ。
 私の方から、時間もありませんから言いますが、一九八九年の五月三十一日に公定歩合引き上げ、さらにまた十月十一日に引き上げ、さらに十二月二十五日引き上げ、そして昨年三月二十日にさらに引き上げる、八月にまた引き上げとこうなるんですよ。五回、最初の公定歩合引き上げ前は二・五〇、何と五回目は六%となっている。金利が高くなり、貸し出しか規制され、こうして公定歩合が引き上げられるというのは、もうその時点ではおわかりでしょう。不動産取引会社というのは、こういうときには一番厳しい経営環境にあるというのは、これはもうだれでもわかることですよ。そういう状況の中で、なぜこの会社の二部上場をしたのかということなんです。私は、そこに疑問を持っているのですよ。
○長岡参考人 私が今御説明申し上げると大変言いわけがましくなるかもしれませんが、私どもが上場申請書類を受け付けましたのが平成二年の一月でございます。それから約半年近く審査をいたしまして、役員会で決定をいたしましたのが六月の末でございます。
 それで、七月には大蔵大臣に承認を申請しているのでございますが、業界、いわゆるマンションの業界でございますが、これに月間契約率というものがございます。月間の売り出しに対して月間にどのくらいの契約が成立するか、これが平成二年の一月に八八・三%でございましたものが六月まで八〇%台で推移いたしております。それで、私どもが申請をいたしました七月でも七九・二%と、それはじわじわと落ちてきてはおりますけれども、非常に強く月間契約率が落ち込んでまいりますのが、平成二年の九月ぐらいからでございます。
 そういったようなことで、私どもの将来に対する見通しが甘かったのではないかという御指摘はお受けするといたしましても、私どもは、当時としては私どもなりの審査は十分に尽くしたというふうに考えております。
○時崎委員 野村証券を初めとして証券会社は大変大きな研究所を持っておりますね。当然のように不動産企業が経営の環境が厳しくなってくることは、当時初めから予想できたと思うのですよ。これは野村が幹事証券でしょう。なぜこんなに急いで上場しなければならなかったかというのは、私は別な理由があるからだと思うのですよ。上場をえさにして株価操作をやろうとしたからこういうことになったのではないかと思うのです。
 先ほどの答弁では、今からはとても信じられないような、今八百円台ですね、六千七百円という膨大な値をつけたのですよ。もう少し時間をかけて、例えば九月期の決算まで見て、それから上場させてもよろしかったのじゃないか。そこまで見ていれば、あなたがおっしゃるように、これはいかぬ、すなわち実質審査基準のところの将来の経営というものがどうも危ないよということがわかるわけですよ。なぜこんなに急いたのですか。私はそう思うのです。
 逆に言えば、野村から働きかけがあって、あなたのところも、そして大蔵省もこれを認めたのではないのか、私はこう思うのです。そこで、当時野村が急いだといううわさは、これは業界では公然と伝わっておった、こういう話を聞かなかったですか。
○長岡参考人 お答え申し上げます。
 私は、そのようなうわさは承知をいたしておりません。
 それから、先ほど申し上げました上場申請書類を受け付けましたのが一月の末で、大蔵大臣に承認申請をいたしましたのが七月の半ばごろというのは、ほかの場合と比べましてこれが特に非常に期間が短いということはございません。
○時崎委員 大蔵省にお尋ねしますが、幹事証券である野村がセザールの上場を急いだといううわさ、これについて大蔵省、耳にしなかったですか。
○松野(允)政府委員 私どもも、特にそういううわさは耳にしておりません。
○時崎委員 こんなことでは、私は大蔵省の適切な指導はできないと思うのですよ。そしてまた、東証も私は重大な責任があると思いますよ。こういううわさもキャッチできないようではですよ。事実が物語っているじゃないですか、こんないいかげんな会社の上場を認めて。
 それでは、次に移りますが、セザールは去年の七月の二十七日、店頭での、この当時はまだ株を上場しておりませんから、店頭での終わり値が六千二百五十円であった、これは当時の日経新聞、コピーがありますから疑問ならお渡しします。ところが、翌日発表されたところによると、五千二百円で実は株が大量に売られているという新聞報道がされている。六十五万株、これほどなたが売ったのか、どういう方が買ったのか、おわかりになったらお知らせを願いたいと思います。
○長岡参考人 セザールの上場に際しまして六十五万株の売り出しか行われておりますが、売り出し人は同社社長滝井治仁氏でございます。
○時崎委員 二十七日の終わり値が六千二百五十円で、なぜ社長さんが六十五万株を五千二百円で売ったのですか。だれがどういうふうに値段を決めるのですか。
○関参考人 このセザールという会社は、東証二部上場の手続をやる前には私ども証券業協会が管理をしております店頭登録銘柄ということで取引がされていたわけでございます。一般に、この店頭登録銘柄の会社が新しい売り出し等を行うということにつきましては、これは当時の幹事証券、売り出し人は先ほど理事長が御報告いたしましたようにその会社の社長さんでありますけれども、それを投資家に分売をする、いわば売り出しの取り扱いをしますのはその売り出しについての取り扱いをする証券会社でございまして、証券会社と会社がそのときの状況を判断して価格を決めたものというふうに理解をしております。
○時崎委員 これは株についており知識のない人でも疑問を持つのですよ。私も株はやったことはありませんがね。
 店頭での二十七日の終わり値が六千二百五十円、これは経済新聞にそう載っていますよ。ところが、翌日発表されたところによる売り値が五千二百円であった。社長さんが六十五万株を売り出した、こういうことなんだ。ここに千五十円の開きがあるのですね。よくわかりませんが、売る方の会社と、幹事証券会社が野村さんですから、野村さんで決めた、こういうことですか。
○関参考人 店頭登録銘柄につきまして、そういう売り出しというような行為があります場合には、今申し上げた考え方で行うわけでございますけれども、そういう職務をいろいろな証券会社がいろいろな企業の発行に当たって取り扱うことになりますので、一応のガイドライン的なルールはございますが、その場合には、例えばその前の一週間の平均価格といったものを参考にいたしまして、それについて例えば一〇%のディスカウントとかそういうようなことをしてその価格を決めるというのをガイドラインにいたしております。
○時崎委員 参考人にもう一度お尋ねしますが、この六十五万株が一日から二日にわたって売り出された。一般の投資家が証券会社の店頭で買おうとしたがだれも買えなかったようだった、こう言うのです。八月の一日、一番乗りしたつもりなんだがこの株が売り切れたのかないと言われた。その前に証券会社は好きな人にもう売っちゃっているんですね。私はそう理解するのですが、それは違いますか。
○関参考人 今先生御指摘の問題、個別のセザールの銘柄のときがどういう状況であったか私は存じませんけれども、一般論でお答え申し上げますと、先生の御指摘の問題は、一定の発行量、売り出し量を取り扱う証券会社がその仕事をやるに当たって、投資家に分売するときにどういう基準で分売していくか、こういう問題になるわけでございます。これはあくまでその売り出しの取り扱いをする証券会社の判断に任されているわけでございます。
 しかし、これは行政もそうだと存じますけれども、私ども協会も、そういった仕事をするときにはできるだけ多くの投資家に行き渡るように販売の努力をするようにということは常々指導しているわけでございます。
○時崎委員 今の参考人のお話ですと、それは各証券会社に任されているので、証券会社があらかじめこの販売の前あたりでも話つけて六十五万株を特定の者に売ることは可能だというふうに私は理解いたしました。
 そうしますと、先ほど来言いますように、その七月二十七日の店頭での終わり値よりも千五十円の差があるわけですから、もう確実にもうけることができる。これはリクルートのときと同じですね。どなたが買っても確実にもうげるような上場の前の株をいただく。ここにも、例えば証券会社で補てんを必要とするような、補てんしたいと思うような人がいれば、この株を何万株か持っていただいて、この後でさらに六千七百円という最高値をつけるのですから、二十七日の六千二百五十円よりもっと高い値で売る、そういう人もいるわけですから、私が言うのは、これは随分もうけることのできる、手段というのですか、そういうものに使われる可能性はあるわけですね。
○関参考人 店頭の取引をされている株式というのは、先生も御存じのように、そもそも発行されている株式数が少ないわけでありますし、また、流通量も比較的少ないということで、一般的な傾向として値段にかなり振れがあるということが言われているわけでございまして、先ほど、いろいろなディスカウント等を加味いたしましてそういったときの価格を算定していく、そういったガイドラインを設けていると言ったのも専らそういうことでございます。今先生が個別に御指摘されたような実情で利益が上がったというケースもあるかもしれませんが、状況次第によりましては、割り当て直後に株価が非常に下がってしまう、こういうケースもあるわけでございまして、そういったことは一概に言い切れないのじゃないかと思います。
 ただし、既にもう今度の損失補てんの問題で国会でもいろいろ御議論になったと承知いたしておりますけれども、そういった新しい株式の割り当てというようなことが損失補てんの手法に使われないように、今後どうすればいいかということは私どもの自主ルール検討の一つの課題に今なっているわけでございます。
○時崎委員 それでは国税庁にお尋ねをいたしますが、今聞いたところこの六十五万株は社長の滝井さんという方がお売りになったということですが、これは大変膨大な金額になるのですね。六十五万株を五千二百円で売ったら三十三億八千万円。最近の値段で売ったらどうなるかといったら、これは六億にならないのですね。五億何千万です。これは膨大な金額ですね。国税庁にお聞きしたいのは、この方に対する課税はどうなっているのか。
 もう一つ。私は、一般投資家が今八百円台で大変犠牲になっていると思うのですね。その上でこういうことが成り立っているのですよ。そういう点では私は不当に得た利益ではないかと思うのですね、先ほどの前提で言えば。私は、これは野村証券を初めとして、株価操縦によってこういうことができたと判断しているわけですから、どうも不当利益ではないかと思うのです。その場合の課税について国税庁にお尋ねいたします。
○坂本(導)政府委員 お尋ねの件は、個別具体の事例でありますので、国税庁としてはお答えは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げますと、株式の譲渡による所得に対する課税方式は二つございまして、申告分離課税と源泉分離課税とがございます。
 申告分離課税は、他の所得と分離して株式の譲渡益に対して二〇%の税率により所得税が課税されるものであります。一方、源泉分離課税は、上場株式等を証券業者等への売り委託等により譲渡する場合に、納税者の選択により申告分離課税にかえて譲渡価格の五%に対して二〇%の税率により源泉徴収され、これによって課税関係を完了させるというものでございます。
 今委員御指摘の、異常な高値で譲渡されたということでございますが、一般論としてこれも申し上げれば、高値で売ったそれ自体に対して課税がなされる、こういうことでございます。
○時崎委員 大蔵省か東証かわかりませんが、セザール、マルコー、MDIなど、冒頭申し上げたこの不動産関連株、どれをとっても野村証券が幹事証券会社なんです。自己売買を行った事実があるのか、またあったとしたら利益をどの程度上げていたか、これを説明いただきたい。
 また、野村などの幹事証券の売買シェアはどのくらいであるか。そして、自己の指し値による下支えをした事実はないか、これも明らかにしていただきたい。
○松野(允)政府委員 御指摘の三銘柄の野村証券の自己売買の量でございますが、八九年十二月から九一年一月までにおきます自己売買の株数と売買損益を申し上げますと、マルコーにつきましては、自己の売りが一万株、買いが一万株で、売買損益は三十万円の利益でございます。セザールにつきましては、売りが六万六千株、買いも六万六千株で、これは九百八十万円の損失になっております。それから、MDIにつきましては、売りが五十一万八千株、買いが四十一万四千株で、千三百三十万円の利益が出ております。
 なお、この期間におきます自己売買につきまして、これは顧客の売りつけ注文に対するものがほとんどでございまして、下値支えとなっているものはないというふうに報告を受けております。
○時崎委員 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、これまでの審議を聞いて、ぜひ私はこの三つの会社を、現在野村証券を特別検査をしているということですから、あわせてこの三つの会社の株取引等についても検査をしていただきたい、こう思うのです。
 その際には、この株価操縦によって利益を上げている、売り逃げた方が相当数いると思うのですが、それらの氏名を検査結果でぜひ当委員会に資料として提出していただけないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○橋本国務大臣 私は、今ちょっと特別検査の進行状況を存じませんので、できることかどうかとっさに判断ができません。事務当局からお答えをお許しいただきたいと思います。
○松野(允)政府委員 御指摘でございます。検査中でございますので、検査の中で調査をさせていただきたいと思います。
○時崎委員 検査の結果、相場操作を禁止する証券法百二十五条違反が明確になった場合は、当然これは告発をすべきだ、私はこう思いますし、また行政処分としても三カ月の行政処分くらいは当然だと思うのですが、局長の見解をお伺いしたいと思います。
○松野(允)政府委員 百二十五条の株価操作に該当する行為がございましたら、これは罰則が適用になる規定でございますので、私どもとしても当然告発ということを考えるということになると思います。また、百二十五条違反行為ということが確定いたしますと、これは証取法違反行為でございますので、行政処分の対象になるわけでございまして、行政処分は免許取り消し以下、六カ月以内の業務停止等々がございます。それはその具体的な事案の内容に即して判断するということになろうかと思います。
○時崎委員 法務省について私の方から若干質問等をさせていただきますが、相場操縦を認定した判決というのはこれまでに何件あったのか、それから相場操作を行ったということでどのような証拠を認定して判決をしたのか、これについてまず一点お伺いをしておきたい、こう思います。
○井嶋政府委員 お答えをいたします。
 委員御指摘の証取法百二十五条違反、これは一般的には株価操縦と言っておりますが、構成要件としては幾つか類型がございます。中心的なものは二項一号に規定をしておりますいわゆる変動操作というものであろうと思いますけれども、いずれにいたしましても、証取法百二十五条で起訴されました事件は現在までに五件ございます。そのうち、最近起訴しました小谷に関する藤田観光株を除きますと、三件が確定をいたしておりまして、一件が最高裁に係属中であります。この最高裁に係属中の協同飼料事件、これがいわゆる中心的な変動操作事件でございます。
 さらに、確定しましたもののうちに、いわゆる変動操作事件として日本鍛工事件というのがございます。これは東京証券金融の役員をしておりました者が証券会社と共謀をいたしまして株価操縦をした事件でございますが、昭和五十六年十二月七日に東京地裁で確定いたしました判決の認定事実を申し上げますと、東京証券金融会社の社長でありました被告人と証券会社の外務員らが共謀いたしまして、日本鍛工株式会社の株式につきまして、市場における同株の売買取引を誘引する目的をもちまして昭和五十五年六月二日から八月十九日までの間に約四百万株に及ぶ仮装売買や他人と通謀したいわゆるなれ合い売買をするとともに、徐々に買いつけ価格を上昇させるといういわゆる買い上がり買いつけの方法で現実の買いつけなども行いまして、一連の取引を行うことによりまして同株の株価を五百円前後から千七百円前後高騰させたという事実につきまして、いわゆる百二十五条二項の変動操作及び仮装売買、なれ合い売買の事実を認定したものでございます。
 それから、協同飼料と小谷の事件がやはり変動操作事件でございますが、これは確定しておりませんので、紹介は省略させていただきたいと思います。
○時崎委員 件数について、そしてまたその内容について伺ったのですが、株価操縦によってのそのような問題について大蔵省からの告発に基づくものは、私の記憶では一件もない、こういうふうに理解しているのですが、それでよろしいですか。
○松野(允)政府委員 御指摘のように、現在までのところ、私どもから百二十五条違反で告発をした事例はございません。
○時崎委員 大蔵大臣、大蔵省は行政指導、通達、そしてまた検査等々をやりながら、これまでに今言われるように一件も告発してないのですね。日本の証券界で株価操作の問題、いろいろなうわさがあったり問題があったりしていたと私は思うのです。ところが、一件も告発もしないですべて指導で済ましてきたんじゃないだろうか。そのことが百二十五条を死文化させてしまったんではないか。いみじくもあれはたしか予算委員会ですか、局長が死文化したと、こう言ったら大臣はそれを訂正しましたね。これら経済法規の解釈が官僚の一方的な恣意に任されているのが私は問題だろうと思うのですね。
 これではどんなに証券法を改正したって、運用の姿勢が問題だろうと思うのですね。それを改めない限り、きょう参議院で通った証券法、そしてまた今後改正のために努力されると思いますが、幾ら立派な法律をつくったって、一方的に法解釈を行って告発すらしない。私は疑わしいものは告発をして正しい判定をいただくものだ、こう思うのですね。大蔵大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 同様の御指摘を証券・金融の衆参の特別委員会における御論議の中でもしばしば私はちょうだいをいたしてまいりました。私は、確かに証券市場というものを登録制の中から現在の免許制に切りかえました後、相当の期間、市場を育成保護する必要があったということは委員にもお認めがいただけるものと思います。問題は、その育成保護という必要性の中で次第次第に育ってまいりました証券市場というものが世界有数の市場になりました今日、その市場に対する行政の姿勢は変わらなければならなかったのではないか、そしてその変わるためのかじの切り方が遅かったのではないかということであります。
 私は、別に事務方をかばうわけではありませんけれども、例えばインサイダー取引の規制にいたしましても、ディスクロージャー制度の導入にいたしましても、行政がそれに気づいていなかったとは思いません。ただ、思い切った切りかえがおくれ、その中で今日御指摘をいただいたようなさまざまな問題を発生させ、特別委員会までおつくりをいただくような事態を惹起したということについて、行政の責任がないとは決して申すつもりはありません。そして、その中で確かに今日まで活用されてこなかった条文について、その適用を考えるとき、その運用に問題のあるケースというものは、確かに御指摘の百二十五条を含めて存在をいたします。
 そして、今委員は疑わしきは告発するということを言われたわけでありますが、例えばこの証取法百二十五条というものを考えますとき、終局的には罰則の適用を伴う刑罰法規でありますから、その認定に当たりまして慎重を期す必要があることは御理解がいただけると思います。十分な証拠が得られないにもかかわらず行政として軽々に法律違反行為ありと認定し、告発することには問題があると思いますし、今日までの法運用の中ではその立証ということに極めて困難を感じてきたということも事実であります。
 ですから、先刻申し上げたと思いますが、この百二十五条にいたしましても、より運用のしやすいようにするためにどうすればいいか証取審の不公正取引部会に御意見を承りたい。私どもが検討をお願いしたいと考えております理由もまさにこうした条文が活用され得る状況をつくり出す、それは行政の市場に対する姿勢が今日の巨大化した市場にふさわしいものに変えていくための一環であるということはぜひ御理解をいただきたいと思います。
○時崎委員 大蔵大臣に答弁を求めるとどうもお話が長くなるようですから、じゃ少し別な方に……。(橋本国務大臣「済みません、別にわざと長くしているわけじゃないんですけれども」と呼ぶ)
 法務省にお尋ねしますが、東急株操作について、大蔵省は百二十五条ではどうしようもないということであきらめたようですが、引き続き……(橋本国務大臣「今まだ継続中、検査を続けている」と呼ぶ)そうですか。刑事局長は引き続き東急株についても捜査をされる、こういうことでございます。東急株に比べたらこのセザール株というのは本当に株数が少ないわけでありますから、立証するのには早いだろうと思うのですね、捜査は。ぜひとも急いで捜査をしていただきたい、こう思うわけでございます。
 そしてまた、清水民事局長は衆議院の証券特別委員会で、証券会社の株価操作によって損害をこうむった投資家の損害賠償請求権について訴訟手続の見直し作業に着手していると述べているが、どの点に留意して見直し作業をしているのか説明願いたい、こう思います。
○井嶋政府委員 今委員のお尋ねは、セザール株についての捜査をしろ、こういうお尋ねでございましょうか。――今、私初めてこの問題をここでお聞きをいたしました。今後、これが事件がどうかも含めましてどういう対応をとるかということは、捜査当局の考えることでございますので、私の立場からは申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○清水(湛)政府委員 お答えいたします。
 実は、法制審議会の民事訴訟法部会というところで、昨年の七月から民事訴訟法のいわば全面的な見直し作業というものに入ったわけでございます。昨年がちょうど民事裁判制度の百周年に当たるということも一つの契機となりまして、国民に利用しやすくわかりやすい訴訟制度をつくろうということでこういう作業が始まったわけでございます。
 そういう作業の中で、現在いわばその出発点とも言うべき民事訴訟手続に関する検討事項の取りまとめをしているところでございますが、その中で、重要な問題として証拠収集手続の充実強化ということが一つ挙げられているわけでございます。例えば、薬害や医療過誤に関する損害賠償訴訟など、その訴訟に関する証拠が被害者の側にはなくて主として加害者の側にあるということで、そういう資料を法廷に出そうとしてもなかなか出せない、こういうようなものにつきまして、相手方や第三者の手中にある証拠を入手するための手段というものをもう少し改善すべきではないか、こういうような指摘があるわけでございます。
 そこで、相場操縦による損害賠償請求訴訟でございますけれども、具体的にこの訴訟事件というのは本当に例が少のうございまして、どういう問題があるのか必ずしもはっきりしない面もあるわけでございますが、被害者の方で立証しようとしてもなかなか難しい訴訟の一つの類型ではないか、こういうふうにも思われるわけでございます。そこで、民事訴訟法部会では、このような問題点の指摘というようなものも踏まえまして、民事訴訟手続における検討事項を現在も取りまとめつつあるわけでございますけれども、これを公表しまして各方面の意見を求め、さらにこれに基づいて調査審議を続行したい、こういうふうに考えているところでございます。
○時崎委員 再三セザール、マルコー、さらにはMDIの質問をさせていただいているのですが、セザールの高値というのは去年の八月十七日六千七百円、安値がことしの九月十一日七百七十九円、何と下落率八五%。マルコー、高値が去年の八月三日七千三百五十円、安値は、これは計算できないですね、倒産ですから。MDI、高値が去年の八月二日一万三百円、安値がことしの八月二十八日六百五十円、下落率何と九一・八%、こういう状態なのですね。
 ところで、MDIという会社についてお尋ねをしたいのですが、これはたしか昨年四月でしたか、公募増資によって五百五十万株を公募したわけですね。三百六十一億三千五百万円の資金調達を市場からしたのですね、このMDIという会社は。しかし、十月一日現在の株価は八百十円ということですから、同じ株数で今公募したら四十四億五千五百万円にしかならない。いいですか、去年の四月三百六十一億、ひどいものですね。買った人はどういうことになります。千株買って、当時六百五十七万円払っているのですよね。そして途中で若干の増資がありました分を含めても、今現在八百十円で試算してみたら百五万円だというのです。何と五百五十二万円の損失をこうむっているのですね。
 皆さんも知ってのとおり、私の選挙区ではありませんが、茨城県高萩市の茨城カントリークラブ、百八十万円から三百万円で十年に一遍しかやれないようなゴルフ会員権を売りつけられた。この方がまだかわいいでしょう。これはだれが買ったのですか、この五百五十万株というのは。これはだれが公募することを認めているのですか、大蔵省、教えてください。
○松野(允)政府委員 御指摘のMDIは、これは店頭登録銘柄でございます。店頭登録銘柄でございますけれども、公募増資をする、つまり募集を行う場合には大蔵省に有価証券届出書というのを提出いたしまして、その公募増資する証券の内容あるいは企業の内容を一般の投資家に投資判断の材料として情報を提供するというような仕組みになっております。しかし、大蔵省として特定の公募増資についての適否を判断するということはいたしておりません。あくまでも投資判断のための情報を提供するという届け出制度、いわゆるディスクロージャー制度を管理して十分な情報が提供できるようにということをやっているわけでございます。
○時崎委員 一般投資家に正しくそして早い情報提供をする任務がある、こういうことですが、あなた方の情報によって買ったら千株で五百五十二万円も損した、こういうことです。大蔵省がそれをやっているのでしょう。大蔵省の情報を信用したら、何と一年もたたずに五百五十二万円損した、茨城カントリークラブの百八十万円ぐらいの問題ではない、こうなるのですか。大蔵省というのは何をやっているのですか、これは。
 それじゃもう一つ。マルコーというのは店頭ですよね。参考人の方でおわかりですね。この株が店頭に出回るようになったのはまだわずか五年ですよね。聞くところによると、店頭取引で倒産したのはこれが初めてだというふうに新聞にはありましたが、私は、そんなに倒産したのはなかったのかなと思っておりますが、昨年の八月七千三百五十円という値段をつけたのです。一年たったら倒産だというのですね。これが最高値なんですね。これが五年間で最高だったのですよ。一年たったら倒産ときた。これはひどいものですよ。
 ところで、日本証券業協会の中には、当然業績審査体制というのもあるでしょうし、時期を得た情報公開、すなわちタイムリーディスクロージャーの不十分さからこういう実態になっているのではないか、私はこう思うのです。そういう点では、ぜひ、店頭で行われるこのような株についても、先ほど言いましたような業績の審査体制は今どうなっておるのか。新聞によれば、審査体制の名に値しないほど貧弱で、最近は史上空前の店頭希望企業がたくさんある、こう言われておる。東証の第二部を追い越したですね、店頭取引が。こういう状態の中で、これはもともと業者の団体ですから、こういうところが業績審査をするというのも果たしていかがなものかというものもありますが、その体制が全く不十分だとも言われている。そしてタイムリーな情報の公開ができない。これは一般投資家保護にはならないでしょう。
 この二点について、今後どう直していこうとするのか、お聞かせをいただきたい。
○関参考人 先ほどもお答え申し上げましたけれども、店頭市場につきましては、これは昭和五十八年の証取審の報告書にも出ておりますが、中堅中小企業の資金調達の場を提供する、その際に、一般的に上場企業よりも投資者サイドとすればリスクが大きいけれども、全体として比較考量して、やはり日本経済の中にそういった店頭市場というものを設けた方が全体としてプラスになる、こういう考え方でできている市場でございます。
 したがいまして、その店頭銘柄を投資者に勧誘することについては、私ども証券業協会でも相当神経を使っておりまして、店頭市場というものがそういうリスクが大きい市場であるということをよく確認して投資をしてください、確認書をそれぞれの投資家からいただく、それからまた、証券会社が投資勧誘をするときに、やはり証券投資に相当経験がある、理解をしている、そういういわば精通した投資者に限って勧誘をする、そういう社内規則をつくりなさいとか、そういうことでいろいろ神経を使って動かしている市場でございます。これは先生ももう十分御承知のことだと思いますけれども、我々そういう配慮をいたしました。
 また、先ほど大蔵省の方の有価証券のいろいろな届出書、それから私どもも証券業協会の規則でいわゆるタイムリーディスクロージャーと称しまして、いろいろな状況の変化についてはなるべく発行企業の方が頻繁に投資者にディスクローズをしなさい、こういうことで指導をし、規則をつくり、それを運営しているわけでございます。しかし、そういうことは、あくまでその投資者のリスクを解消するものではございませんので、株式投資におきましては、特に店頭登録銘柄の投資につきましてはそういうリスクがございまして、場合によっては、今度のように非常に高値があったけれども不動産業界の状況変化が非常に急激に来れば倒産の憂き目に遭う、こういうこともあるというのが、やはり株式投資の基本にそういうことがあるんだということだと思います。
 そうは申しましても、私どもは、今先生の御指摘のタイムリーディスクロージャーをさらに効率的なものにするようにいろいろ努力はしなければいけないと思っております。
 それから、御指摘のいろいろな売買審査あるいは今いろいろ御指摘がございました新規の登録銘柄が大変出てまいっております。その審査の体制ということについても、極力充実をするように図っていきたい、こういうふうに考えておりますけれども、そこはあくまで投資についてはその投資家の自己責任原則というものが基本にあるんだということだけは御理解いただきたいと思います。
○時崎委員 業績の発表について協会の中にも決まりがあるんでしょう。協会として、店頭に株を出しているところの会社に対して調査をする力もあるはずですよね。そういう規定もありますよね。ちょっとマルコーの例で申し上げますが、マルコーはことしの二月の決算発表でも、九一年十二月決算の予想を一年前の九〇年十二月期の決算よりも増益になると発表しているんですよね。おわかりですか、ことしの十二月ですよ、まだ先の話。去年の十二月期よりも増益になるとことしの二月に発表しているんですよ。十二月が来ないうちに倒産だよ。そうでしょう、八月倒産ですから。ようやく半分たどり着いたらぱたりですよ、これは。これは日証協としてどうするんですか。
○関参考人 先ほども御答弁申し上げましたように、企業情報のタイムリーな公開、タイムリーディスクロージャーについては、規則をつくって運営をいたしております。
 このマルコーの問題につきましては、ただいま先生の御指摘になりました業績予想の修正通知というのが平成二年の十一月二十一日に出ております。しかし、その後平成三年に入りまして、五月の十四日に、これがマルコーの幹部の人事異動があった、金融機関から役員を迎えるというようなディスクロージャーが行われております。それから六月十三日に、この会社は中間配当していたわけでございますけれども、中間配当を見送らざるを得なくなったということのディスクロージャーをいたしております。それから、八月二十二日になりまして業績予想の修正通知、前の予想をかなり下回ったというディスクロージャーをいたしております。そういうことで、私どもの規則に基づくタイムリーディスクロージャーには十分配慮をしてきたと思っております。
○時崎委員 倒産寸前の八月ごろに業績が悪くなりましたと発表してタイムリーなディスクロージャーをやってきた、これで納得しますか。八月に倒産して、八月に業績が悪くなってきましたといって発表したら、これがタイムリーなディスクロージャー、そういえばそうか、事実かもしれないね。これがタイムリーなディスクロージャーなんですか。
 私が聞いたのは、二月段階でこういういいかげんなことを発表してもあなた方にチェック能力があるんですかとこう言っているんですよ。ないんでしょう。その八月に危なくなってきたというのも、マルコーの会社からいただいた資料によって公表したらば、いや、これはタイムリーなディスクロージャーだ、私はそういうことを言っているのじゃなく、皆さんの力で審査をして、そして会社に対してもいろんな書類を出させたり、皆さんの方が会社に赴いていろんなものを調べて、それで一般投資家保護のために敏速な情報公開をしていく、こういうことを聞いているんですよ。
 会社の方から、いや八月ごろうちの会社危ないよとあなたのところへ持ってきて、あなたのところがそれを新聞社に発表したら、それがタイムリーな発表だなどと言ったんでは、これはちょっとおかしいと思うよ。じゃ、倒産してから発表したら何、これもタイムリーなど言うんですか。
 茶化すつもりはないが、私の聞いているのは、今証券や金融でいろんな問題がある。その実態を正しく国民の前に明らかにして、そういうものを一つずつつぶして、法の網をかけるか何かして対策を考えないと、もしくは内部の自主的な努力もあるでしょうし、それぞれの業界だってあるだろう。大蔵省を筆頭にしていろんなことをやっていって、他から批判をされないような、大きく言ったら諸外国から日本は特殊だなどと言われないような、そういう証券なり金融市場にしていかなきゃならないのではないかというんで聞いているんですよ。何、あなたの言っているのは。
 倒産が八月だってさっきから言っているでしょう。八月に業績が悪い、八月のあなたが言うときに、この会社はあと十日もすれば倒産するよといって教えてくれれば、これはタイムリーなディスクロージャーかもしれないですよ。業績が悪くなってきました、それは会社からもらった書類をあなたのところが新聞発表しただけでしょう。こういう体制でこれからもいったのでは、十分な情報開示にはならないのではないかと私は心配しておるのです。
 セザールだってそうでしょう。先ほどから聞いているように、九月期では二十六億、三月期では二億か三億だというんです。そして今厳しい不動産業界の経営環境にあるということで、どんなことを情報をお客さんに流しているんですか。もしこのセザールがあと一、二年たって倒産でもしたら、東証の理事長さん、大蔵大臣、あなたらが上場したんだもの、審査やって承認したんだもの、全く責任感じないんですか。そこをちょっとお尋ねします。
○長岡参考人 私ども東証の市場の運営につきましては、投資家保護及び公益を維持するということを念頭に置いて運営をしていかなければいけないというのが鉄則でございまして、そのつもりで取り組んでいるつもりでございますが、個別の上場会社がもし経営が悪くなったときに、それじゃ一体東証として何ができるか、株の取引を停止するとかそういうわけにはいかないと思うのでございます。
 やはりこれは何といいましても、その会社に適時適切な開示と申しますか、こういう状態になっているというディスクローズを求める、それによって投資家がそれをごらんになって判断していただく、そういうことに尽きるのではないかという気がいたしております。私はそういう意味で、タイムリーディスクロージャーの徹底には全力を挙げてまいりたいというふうに考えます。
○橋本国務大臣 今委員からの御指摘でありますが、たとえ仮定のお話といたしましても、一つの民間企業の業績というものについてお答えをすることは適当ではないと私は思います。お答えは控えさせていただきたいと思います。
○時崎委員 大臣とここでやり合うつもりはないんですが、私の言わんとするのは、何もセザールだけのことを言っているんじゃなくて、これからも第二部に上場し、また一部になるところだってあるし、それはいろんなのがありますよ。それから店頭にだってこれからどんどん株が出てくるわけですね。そのときに、少なくとも二部上場は大蔵大臣の承認事項なんですよ。そして、その前段で東証が審査をして申請をしてくる。しかし、それであっても、大蔵大臣が承認するとき、東証の審査がイコールではないはずですね。すなわち大蔵省も審査をして、これは十分上場しても大丈夫だと思うから上場するんですよ。
 ところが、上場したら一年か二年でぱたり倒産ということになったら、審査体制にも問題があったのかな、やはりそのぐらいの気持ちを持たねばならない、責任も感じなければならないと思うのですよ。そうでなかったら一般大衆はどうします。大蔵大臣の承認のもとに上場しておいて、紙くずも同然になるようなものを高値で買わされたり、倒産したということになったら、これは先ほども法務省に尋ねたように、果たしてそれは損害賠償をするということができるのかどうか、こういうところまで今来ているわけですよね。そこを尋ねている。しかし、あなたにまたしゃべらせると長くなりますから。ところで、日本証券業協会の中に苦情相談室というのがあると聞いているんですね。セザールとかマルコー、MDIなどの株に対する相談もあったと思うのですが、どうも私が聞いているところでは、これは苦情相談とは名ばかりで証券会社の代弁ばかりしている、こう聞いているのです。果たしてそうなんですか。この三社の苦情相談が何件ほどあったのか、そしてそれをどのように苦情処理されたのか、お尋ねします。
○関参考人 御指摘のとおり、協会の一つの機構として苦情相談室というのを設けてございます。この苦情相談室には、平成二年でございますと全国で八百六十三件の苦情相談が寄せられております。ただ、苦情相談と申しましても、この中には非常に一般的な問い合わせとかそういうものも含んであるわけでございますが、いずれにいたしましてもそういう件数がございます。
 それで、今先生大変厳しい御指摘で証券会社の代弁だけしているというふうにお話しになりましたけれども、苦情相談室は、投資家からの申し出がございますと、それに対してその相手方の証券会社の言い分もあわせて聞いて、その両者の間の言い分を何とか、普通距離があるのが多いわけでございますが、その間に思ってその溝を薄めるように努力をするというのが苦情相談室の本来の仕事でございますし、そういう精神で運営しているつもりでございます。しかし、どうしてもその言い分の溝が埋まらない、こういうことになりますと、苦情相談というやり方ではもうそれは処理できないということで、あとは正式の司法手続とかそういうことをとっていただきたいということでそれは終結せざるを得ない、こういう性格のものでございます。
 それで、御質問のマルコーについてどういうケースがあったかということでございますが、(時崎委員「ケースじゃない。何件あったと聞いている」と呼ぶ)直近でマルコーについてそういった苦情相談室に申し込みがあったのは、東京地区で三件あったそうでございます。
○時崎委員 苦情相談室というよりも、何と言ったらいいのかね、私のところに入っている情報では、これは苦情相談室が証券会社の代弁ばかりしているということですから、そんなのを置いたというポーズに過ぎない、こう言っているんですね。今もいみじくも薄めるということもなかなか、こういうものは余り私も期待できない。この種の相談室ということになると、証券業協会の中に置くのですから、身内のもののようですから、余り効果はないんではないか。まあ実態がよくわかりました。
 大分時間をとってセザール、マルコー、MDIなど、中には一部倒産、そしてまた厳しい環境に置かれてこの三月期の決算でもほとんど赤字すれすれのところまで来ている会社などを取り上げ、そしてその株が一年前と比べたり六カ月前に比べて異常に上昇しておったことを例に挙げて申し上げたのですが、私はどうも推測では、これは野村証券の大口顧客に対する補てんに使ったのではないか、こう思っております。たしかおととしの十二月に日経平均が三万八千九百円、これまでの天井をつけたんですね。わずか三カ月でそれが一万円も暴落してしまった。これはもうみんな記憶に新しいと思うんです。
 この時点で既に証券会社にとっては上客であるところの大口投資家は大損をしているんですよね、これはもう当然予想できます。この損を少しでも埋め合わせたい、こういう発想で、セザールやマルコー、さらにはMDIなど、すなわち余り市場では目立たないと言われる二部上場、さらには店頭、こういう株を使ってつり上げたんではないかと私は思っております。私のこの推論が正しければ、調査の結果そういうことになれば、大口顧客が補てんを受けるために大衆投資家が利用された、こういうことになると思うんですね。
 朝日新聞で以前、銀行・証券ファックス一一〇番ということをやりまして、それが記事になりました。ここに私その新聞の切り抜きもありますが、偶然にセザールのことも書いてございました。この新聞に記事になっているような強引な勧誘というものを、皆さんも新聞をごらんになって、証券業協会、どんな印象をお持ちですか。まず最初に協会の方にお尋ねをし、次に大蔵省にもお尋ねをいたします。
○関参考人 証券会社が投資勧誘に当たり適正な姿勢で行うようにということは当協会の規則に明記してあるところでございまして、この問題についてはそれぞれの取引に合わせましてさらにそれを補完する、例えば先ほど申しましたように店頭銘柄に対する投資勧誘についてはそういう手続をとれとか、細かい規則を定めているところでございます。
○松野(允)政府委員 私どもも、特に店頭、二部銘柄は非常に値動きが激しいわけでございまして、その勧誘については十分注意するようにということを言っているわけでございます。特にセザールのような二部株の場合には非常にリスクが大きいということがあるわけでございます。
 一般的に、証券会社の営業姿勢については種々御批判がございます。これは私どもも非常に強く認識をしているところでございまして、いかにしてこういう営業の勧誘態度を適正にできるかどうか。個々の外務員の問題だというわけにはいきません。これは何かの制度的といいますか、あるいは会社の成績評価とか、いろいろな問題について総合的な対策を立てないといけないというふうに感じているわけでございます。今回の事件を契機に各証券会社においてもかなり反省をし、真剣に社内の検討を始めておりますけれども、行政としても今申し上げたような問題意識で、組織的といいますか社内の組織づくり、営業優先あるいは過当勧誘を防ぐための何らかの効果的な方法を考えて行政としても指導してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○時崎委員 大蔵省に尋ねますが、証券会社が自己売買できる制度になっているわけですね。これは禁止ということにはなっていません。私は、これも証券・金融等の全体の取引の信頼を回復するためにはひとつ検討していただきたい課題だと思っているのです。証券会社自体が投資家から売り買いの委託を受けて売買の仲介に入って手数料をいただく会社だ。同時にみずからも自己売買をする。これは、小さい会社の場合、私はさほど影響はないと思うのですが、野村のように大きい会社、ビッグ企業になれば、一日の取扱高の相当数を野村が受け持つ場合もあるわけですね。そのときにみずからの自己売買を認めたのでは公平な価格形成にはならないと私は思うのですよ。これは何らかの規制をする必要があるのではないかというのが第一点です。
 第二点は店頭取引。先ほど来言ってきたセザールの上場前の状態、マルコー、MDI等々の店頭株の価格操縦がはっきりと立証されても、証券取引法百二十五条に違反をしないというのは本当ですか。大蔵省にお尋ねいたします。
○松野(允)政府委員 最初のお尋ねでございます証券会社の自己売買、これにつきましては、確かに証券会社は同時にブローカー業務をやっております。そういうことで、ブローカーのお客の注文を執行する業務と自己売買をする業務の間には利益相反というようなことも起こり得るわけでございます。そういうことで、免許制でございますが、その免許の条件として、自己売買業務については、公正な市場を維持し、かつ有価証券の流通を円滑にするために必要な限度を超えないようにするものとするという免許の条件がついているわけでございます。
 具体的な自己売買の実情というものにつきまして私どもも注意をしているわけでございますし、またこの免許の条件、かなり抽象的な表現でございますが、これをいかに運用するかという点については、やはり運用のあり方についてより具外的な考え方を検討していく必要があるというふうに考えているわけでございます。特に、御指摘の大手の証券会社の自己売買というのは市場に与える影響が大きいということもございます。やはりその点についても勘案して検討をしてまいりたいというふうに思っております。
 それから百二十五条でございますが、これは店頭登録銘柄には現在の法律では適用ございません。
○時崎委員 そろそろ時間もございませんので、私からも幾つか提起をしたい。
 私、二時間ほどいただいて、今回、証券・金融不祥事問題、まあ金融は時間がなくてまたの機会にさせていただきますが、質問をしてまいりました。私は決して、大蔵省を批判だけして終わって何もしないという意味で、また証券会社をいじめようということで質問してきたわけではないのです。私は、先ほど来言うように、あらゆる不正と言われるようなものはどんなささいなものであってもすべて検討の材料にして、それを一つ一つつぶしていくというのか対応策を考えていく、こういうことをやらなければいけないというので、いろいろな観点に触れて質問をしてまいりました。
 そこで、証券問題で幾つか申し上げたいのですが、まずその第一点は、ことしは店頭市場が新規公開ブームだと言われているのですね。年末には四百五十社も新規公開されると言われています。しかし、現在のような業績審査体制やタイムリーな情報公開という制度が不十分のままであるならば、私は、第二のマルコーのような会社をつくり出してしまうのではないか、こう思うのです。早急に制度を改正して審査体制を強化し、そして情報の開示を厳格に行わせる必要がある。そして、価格形成に当たっていやしくも株価の操作が行われるようなことのないように厳重に監視体制を確立していかなければならぬ、疑わしい場合には敏速に特別監査に入る、そのようなことを考えなければならないと思うわけです。
 第二点、証券会社が店頭株を利用して不当に株価操縦をしようとしても、これは百二十五条に違反をしない、今こう言われました。先ほど来言うように三つの株、セザールは八月以降は上場されましたからそうはいきませんが、そうでない株の株価操縦を幾らやったって、これはやりほうだいなのですね。こんなことで大口投資家に補てんをするような手段に使われたり利回り保証の材料に使われたりするようなことを私は一日も早く直すべきだ。そういう点では百二十五条の中の「上場」というあの文言を除いていただいて、店頭も対象になるように法改正を急ぐべきではないかと思うのです。
 第三点、証券会社の自己売買についてであります。大手の証券会社は、今言われたように投資家の注文をいち早く知り得る立場にある。それを知り得たら当然この株価がどうなるか予測が立つ。その前に自己売買で何百万株でも買えて、そして後で注文した方を買ったらどういうことになりますか。これは立証がなかなか難しいのですよ。こんなことをやっていたら何とでもなるでしょう。そう思いませんか。そういう点では私は、ぜひ証券会社の自己売買を、今一挙に禁止というところまでいかないならば規制する方向で検討いただきたい、こう思うわけでございます。
 そして、最後に大蔵大臣にも申し上げておきますが、大蔵省はぜひ国民の側の立場に立って仕事をしていただきたい。さきの大蔵大臣の答弁の中にもありました、大蔵省内で対策を考えようとしたが、総理大臣から、それは行革審にお願いしようと、こういうことだった。私はそのとおりだったと思いますが、しかし、行革審に対するいわゆる大蔵省の根回し、連日新聞に報道されたのが事実だとすれば、私は大変遺憾に思うのであります。そういう点で、今後本気になって証券なり金融の正常化、そして信頼回復のため、これは国内だけではなく、諸外国に二度と再び特殊な国だなどと言わせないためにも共通したルールをつくっていただくようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○渡辺委員長 長谷百合子君。
○長谷委員 先ほどの地球環境保全関係予算の中で、私の質問に対して一部的確な御答弁がいただけなかったものですから、もう一度この一点聞かせていただきますけれども、科学技術庁における地球環境保全関係予算二千九百九十億八千八百万円のうち、原子力発電にかかわる予算は何%になっておりますでしょうか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。
 科学技術庁分の地球環境保全関係予算概算要求額合計約二千九百九十一億円のうち、原子力関係分は、先ほど申し上げましたように、二千六百七十四億円でございます。なお、この中には放射線化学によります排煙脱硫の経費が四、五億円入っておりますことをつけ加えさせていただきます。(長谷委員「パーセンテージでお答えください」と呼ぶ)パーセンテージは、科学技術庁分二千九百九十一億円に対しまして、約八九%でございます。
○長谷委員 このことにつきまして、八九%という大きい比重ということに関して先ほど私は申し上げましたので重ねて申し上げませんけれども、省エネあるいは自然エネルギーの開発等を積極的に進めていく、このバランスの悪さ、比重の悪さをやはりこれから科学技術庁の方でも検討していっていただきたい、このように申し上げておきます。
    〔委員長退席、魚住委員長代理着席〕
 続きまして、放射線照射食品についてお尋ねいたします。
 放射線照射食品といいますのは、御存じのように、放射線を食品に当てましてはい菌を殺したり植物が芽を出さないようにする、こういった技術でございます。日本ではジャガイモの芽どめというものだけに使っておるわけでございますけれども、やっておる場所は北海道の士幌農協だけということになっておるかと思います。
 この照射をする目的でございますけれども、これは春先のジャガイモの端境期に芽どめをしておいて市場の混乱を防ぐということになっておるかと思いますけれども、この士幌から出てまいります照射ジャガイモというのは、いろいろな市民団体の皆さんの要望で大変少なくなっておりまして、現実に流通しておるのは既に〇・二八%と言われておるわけでございます。しかも、この安全性を確保する、担保するという調査報告書というものにつきまして、私も昨年のやはりこの決算委員会で質問させていただきましたように、非常にデータの重要な部分についての欠落がある、こういったことにもなっておるわけです。
 今申し上げたように、照射ジャガイモをこれからも維持していくという理由、緊急性、それから必要性ということについてもうほとんどないんじゃないかということを感じております。少ない量ではありますけれども、日本でこの照射ジャガイモを許可しておるということにつきまして、これが不許可であれば、外国から照射したジャガイモあるいはポテトチップなどの加工品が入ってきても、日本はこれは文句は言えない、こういうことになってしまうわけだと思います。事実、最近の情報によりますと、アメリカやヨーロッパ諸国それからタイ、カナダ、日本に食料を輸出しているこういった国々が商業用の照射設備を完成しております。
 そこでお尋ねしたいと思うのですけれども、それらの国々から日本に対して申し入れ、それから情報の提供、または照射施設を持つ企業からの文書等を受けているかどうかということだけを厚生省、科学技術庁、農林水産省、外務省、通産省、順次お答え願いたいと思います。
○玉木政府委員 放射線で照射される食品の輸入についてでございますが、現在のところ、先ほど御質問の中にございますように、日本ではジャガイモだけしか許しておりませんけれども、諸外国からの要請という点につきましては、厚生省としては具体的なものを受けていないということでございます。
○石田政府委員 お答え申し上げます。
 科学技術庁といたしましても、御指摘のような事実はないものと承知いたしておるところでございます。
○武智政府委員 農林水産省におきましても、他省庁と同様でございまして、外国政府ないしは外国企業からそういうような要請があったというふうには聞いておりません。
○林(貞)政府委員 外務省におきましても同様でございまして、諸外国からそのような要請があったということは承知しておりません。
○高島政府委員 通産省におきましても、これまでのところそのような申し入れを受けた事実はございません。
○長谷委員 ありがとうございました。
 私がこちらの方でいろいろ調べましたところ、先月、アメリカの照射施設を持つ企業からアメリカの日本大使館の一等書記官に文書を送った、こういった情報を得ております。実はこういった動きというのは、諸外国の情報から、外圧、日本はたくさん食料を買うべきだ、もっといろいろ買え、こういう外圧を利用して日本政府に放射線照射食品を全面的に解禁せよ、こういった動きが活発になっております。それというのも、日本で放射線照射食品であるジャガイモの芽どめを許しておる、このところに私は一番大きな問題があるのじゃないか。士幌の照射ジャガイモが政治的な意味を持ち出しているということに大変大きな危機感を持っております。諸外国が着々と準備をしている、こういう状況を政府の方でもよくお調べになりまして、必要性のなくなった照射ジャガイモを一刻も早くやめ、日本の食料の安全ということについて各省庁直ちに検討されることを要望したいと思います。
 続きまして、MMRワクチンに関する質問に移りたいと思います。
 MMRワクチンと申しますのは、一九八九年四月より定期接種に導入されたワクチンでございます。その導入半年後には、当初予想されなかった無菌性髄膜炎という副作用が多発するということがわかり、切ない子供を持つ親に大きな不安を与えております。この問題に関しまして政府の認識と今後の対応について幾つか御質問させていただきます。
 MMRワクチンというのは、はしか、麻疹ですね、おたふく風邪、風疹の三種混合ワクチンでございます。これを一歳から三歳ないしは六歳の子供たちに対して定期接種として積極的に接種が勧められているものでございます。ところが、この開始半年後には副作用として、無菌性髄膜炎という副作用が出てきて問題になったのですが、おたふく風邪のワクチンとして中に使われております占部株、これが原因ということも明らかになりつつあります。
 私はこういう問題につきましていろいろなお母様方から御相談を受けるわけですけれども、ここにちょっとその代表的なものがあるものですから、簡単に骨子だけ読ませていただきますけれども、「息子がお医者さんに行ったときに、MMRをしないなんて常識不足だ。おたふく風邪のワクチンをしなければ家から葬式を出すんだよなんて言われてMMRをいたしました。その二週間後、いきなり三十八度の発熱。その医者には風邪と診断され解熱剤と吐き気どめをもらいましたが、噴水のように何回も吐き、熱も四十一度、四十二度と上がるばかり。三日目になってもよくならないので、大きな病院へ。髄膜炎の疑いで検査を三回も受けました。完全看護の病院だったので、まだよくしゃべることもできない息子に付き添ってやることもできず、いたたまれない毎日でした。二週間後に退院いたしましたが、痛い痛いと何かにつけて言うし、食も進まず体重もふえません。医者からは念のために脳波は定期的にとった方がよいと言われ、不安です。健康そのものだった息子がMMRを受けたばっかりに、こんな大変な思いをし、しかも将来ずっと影を落とすことになりはしないかと、母親としてはやりきれない思いでいっぱいです。」このようなお手紙ですけれども、こういったことがあちらこちらで聞かれておるわけでございます。
 私も人の親でございますので、健康でよかれというふうにしてやったものによって副作用が出て入院するような事態、これは大変な事態だと思います。自然感染に比べて軽いじゃないか、あるいは後遺症の報告例がない、こんなようなことを言っているような事態ではないと思います。この問題に対しては厚生省も大変重大だという認識を持っていられるということは国会答弁等でも確認いたしております。
 ところで、無菌性髄膜炎の発生頻度ですけれども、厚生省の方の通達で出していただいたもので、八九年九月、この段階では十万から二十万人に一人だろう、それから同じ年の十月には数千人から三万人に一人だ、そして、何と十二月には数千人に一人、そしてことしの六月には千二百人に一人だ、こういう数字にはね上がってきているわけですね。これにつれまして、MMRを導入した当初は積極的に接種すべきだと言っていたものが、慎重接種、それから希望者のみの希望接種、そして同意書をとるというような同意接種というふうに順番に変わってきているわけですね。この千二百人に一人というのは大変厳しい数字であります。ただし、これは去年の十月までの集計結果ですが、その後このデータ、調査の結果はどういうふうになっておりますでしょうか。
○寺松政府委員 お答えいたします。
 今先生御指摘のように平成元年の四月から二年十月までの数字につきましては、おっしゃっておりましたように千二百人に一人ぐらいでございました。そこで、私どもはこの事態をいろいろ真摯に受けとめまして、公衆衛生審議会の伝染病予防部会に諮りまして御意見を聞いたわけでございます。
 ちょっとそこを申し上げたいと思うのでございますが、そこで、おたふく風邪の自然感染によります無菌性髄膜炎の発生頻度というのは二・四%ぐらいございまして、合併症といたしましては脳炎でございますとか、あるいは後遺症といたしましては御承知のように聴覚障害、難聴を起こすというようなこともございます。MMRワクチンは、おたふく風邪に自然に感染した場合と比較しまして、倍率から申しますと低いわけでございまして、しかもさらにそのとき後遺症というようなものを残さない一過性のものだというような御判断のもとに有用である、こういうふうに言われかわけでございます。
 そこで、私どもその後またいろいろ調査をいたしまして、六月の末でございますけれども、都道府県に対しましてその後の発生状況等を報告するようにという通知を出したわけでございます。それに伴いまして各県から今報告が集まっておりまして、できるだけ早い時期にそれを取りまとめまして、やはり伝染病予防部会におかけして御意見を伺いたい、このように考えておりまして、その数につきましてはちょっと現在段階ではお答えすることはできませんが、先ほど申し上げましたように、できるだけ早くまとめまして御報告するようなことになるかと存じます。
○長谷委員 まだということで、これも大変重大な問題でありますので、いち早い対応をしていただきたいというふうに思っております。
 そういたしますと、諸外国におけるMMRワクチンの接種の副作用の発生頻度はどのくらいになっておりますでしょうか。
○川崎政府委員 海外での占部株を用いましたMMRワクチン接種の場合、無菌性髄膜炎が発症する率は数万人に一人以下と言われております。
○長谷委員 数万人に一人以下と。
 それから、MMRワクチン以外の定期接種、おたふくとか風疹、こういったものの入院事故の発生頻度はどうなっておりますでしょうか。
○寺松政府委員 今先生御質問いただきましたMMRワクチン以外の定期接種ワクチンにおきますいろんな、入院とかというようなお話でございましたが、私ども入院というような形では統計をとっておりません。それで私どもが把握いたしますと、いわゆる保健所報告というような形でどのくらい接種したかというふうな数字は私ども承知しております。
 それで、今おっしゃった中で、直接先生の御質問にはお答えしてないんでありますけれども、一つの目安として御紹介いたしますと、御承知のように、予防接種の健康被害救済制度というのがございますが、それに基づきましていろいろ認定された被害者の数というようなものはございます。したがいまして、保健所報告ということで被接種者数はわかりますので、それで割ってみますと、したがって相当重篤な方ということになるかと存じますけれども、例えばジフテリアワクチンによりますと七万から十二万人に一人ぐらい、それからポリオワクチンでございますと六十万から百四十万人ぐらいに一人、それから風疹ワクチンによりますのは五十万人に一人というような状況でございます。
 今無菌性髄膜炎と申しますのは、先生も御承知のとおりでございますが、一応一週間程度の入院あるいはせいぜい二週間ぐらい、こういうふうなことでございまして、一過性のもので、入院は必要とする場合が多いようでございますが、そのようなことでございます。
○長谷委員 ほかのワクチンと比べまして、このMMRワクチンによる副作用という率が大変大きいわけでございます。それと、今のお答えの中で一過性というふうに言われて、ちょっと軽いんじゃないかというような認識であるとするならば、これは重大なことだろうというふうに思います。
 私が調べました資料で、アメリカで使用されておりますジェリーリン株ですが、この髄膜炎の発生頻度は百万人に一人以下、こういうふうに言われております。それから、国内で定期接種しているものも大体それに続いて今お答えにあったように百万人に一人以下、こういうことになっておりますので、何としてもけた違いの副作用を持つMMRワクチン、このことについての認識を改めてはっきりさせていただきたい、こういうふうに思っております。
 それからカナダ政府、これは外国の例なんですけれども、日本製MMRワクチンを打ちましたところ、これが何と六万二千人に一人の無菌性髄膜炎を出した、この段階で認可を取り消しておるわけです。この措置について、日本は千二百人に一人というところまで来てしまったわけですけれども、これにつきまして同意をとってまで接種を続行している。カナダのケースに比べて何と件数で百倍、発生頻度にして五十倍、こういう事故が発生しておりながら、なおかつやらなければいけない、認可を取り消せない、あるいは接種を中止できない。この辺の事情について、どういったことがあるのか、お答え願いたいと思います。
 もう一つつけ加えますと、おたふく風邪の自然感染で四十人に一人というようなことで、だから打っていいんだということを私は伺いたいのではなくて、諸外国に比べましても他のワクチンに比べましても頻度がけた外れに大きい副作用の発生率を持っているMMRをなぜ打つか、こういう質問でございます。
○寺松政府委員 今先生、外国の事例を御紹介いただきました。私ども、今回のいろいろな、無菌性髄膜炎等のいわゆる副反応といいましょうか、そういう問題につきましては、御承知のようにモニタリングシステムでいろいろと把握をいたしておるわけでございますが、私ども、やはり定期的にあれを監視いたしまして、そのことによってそれぞれ専門的な御意見をいただくべく伝染病予防部会、これは公衆衛生審議会の中にあるわけでございますが、それに御意見を伺いながら、それを尊重して対応してまいりたい。先ほどから申し上げておりますように、次回いろいろ集計をやりまして、その席でまとめた上でまた伝染病予防部会の御意見を伺いたいと思っておりますので、今先生の御指摘のカナダの事例も御紹介してみたい、このように考えております。
○長谷委員 そうしますと、今許可を取り消さない、接種も中止しない、公衆衛生審議会で検討しながらと言うんですけれども、この公衆衛生審議会のメンバーにも、このワクチンの開発に当たった方が含まれておるということも知っていただいた上で、許可を、今千二百人に一人というところまで出ているわけですけれども、一体何人に一人出たら、これはもうやめなければならないというふうに考えておられるのか、お答えを願います。
○川崎政府委員 MMRワクチンの評価は有効性と安全性の兼ね合いで考える必要があろうかと思います。
 MMRワクチンを接種しない場合には、先ほど説明がございましたように、おたふく風邪等に自然感染しやすく、その結果、重い後遺症が残るといったような場合もございます。ワクチンは、これを効果的に予防するという効果があるわけでございます。それでまた、公衆衛生審議会におきましてもMMRワクチンは自然感染した場合と比較して有用なワクチンであるというようにされているところでございます。こういったことでございますので、副作用があるといたしましても、現在MMRワクチンの存在を否定しなければならないというような状況にあると考えてはおりません。
○長谷委員 私、それは本当にあきれたものだ。だから私は先ほども、ちょっと時間がかかりましたけれども、お手紙を読んだのです。やはり健康な子供がかかるわけですね。四十一度、四十二度の熱が出て、それを重要ではないまだまだ有効性があるのだというような形で乗り切っていかれる。この姿勢が私はとても問題だと思うのですね。本当に私はあきれます。日本では本当に子供の人権というのは何にも考えられていないのかということを今強く感じて、大変悲しい思いをしております。
 さて、それでことしの秋からこういったことに対して、占部の入った統一株からメーカー各社の独自株、これは自社株と申しておりますけれども、こういったものについても解禁して出回るということになっております。この安全性について、これは十分に確められているのでしょうか。
○川崎政府委員 MMRワクチンの承認に当たりましては、申請者から安定性試験、毒性試験等の基礎試験データ、さらに臨床試験データを提出いただきまして、これらのデータをもとに医学、薬学の専門家で構成されております中央薬事審議会におきまして品質、有効性とともに安全性につきましても十分審議をいただいたところでございます。
 その際、承認申請に添付されました臨床試験成績におきます副反応を見ますと、発熱、発疹を主とするものでございまして、いずれも軽度なものでございました。なお、自社株の全部のものにつきましても、ワクチンに由来すると判断される無菌性髄膜炎の発生は報告されておりません。
○長谷委員 今言われたお話は、一九八八年に認可を受けたとき、統一株を選ぶというときにやられた試験だと思うのですね。その一九八八年までに行われた自社株の臨床検査で今統一株として使われております千二百人に一人という副作用が出るワクチンも同様にやりまして、その中で一番安全ということで今の統一株、千二百人に一人というものを接種しておるわけです。ということは、ほかのあと三種類あるわけですけれども、それは今のものよりも悪いというような疑いは十分あるわけです。それから、このときの試験の規模ですね。規模が大体千というふうに聞いております。
 それから、副反応について、これも接種後大体二十日前後が症状の最も激しくあらわれるピークだということは、これはお医者さんのお話でも明らかなのですけれども、接種後二十一日までで打ち切っている。この臨床試験では無菌性髄膜炎が見逃されていた、こういう可能性が十分あるわけですね。実際この試験をクリアしたところの統一株というので千二百人に一人の無菌性髄膜炎が多発をしてしまったわけです。こういったことを考えるならば、今の御答弁の中で臨床試験をクリアしただけで自社株でも同様の事態が発生することは十分に考えられます。ですから、この秋から解禁になります自社株につきましても無菌性髄膜炎に関する安全性をやはりきちっともう一度確認し直す必要があるのじゃないでしょうか。
○川崎政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、自社株につきましてもそれぞれ必要な審査を行いまして、提出されたデータをいろいろ検討した結果承認をいたしたものと思います。ただ、今後厚生省におきましてはこういった使用の状況につきましてもう少し幅広いフォローを行いまして研究を進めるというふうに考えております。
○長谷委員 そうすると、これからまた調査を少しするということだと思うのですけれども、これからまだ調査をしてみなければやはり不安だということは同じ見解だと思うのですけれども、そういったことがまだ確認されていない段階で引き続きMMRワクチンを打ち続けるといいますか、これから中止しないでやっていく、このことについてはどうお考えですか。
○寺松政府委員 お答えいたします。
 今先生御指摘で、安全性に問題があるというようなお話でございますけれども、先ほど業務局長から御答弁したようなことで、今それぞれの法規に照らしまして許可されたものでございます。
 そこで、私ども一応自社株のMMRワクチンにつきましては、先ほども業務局長から説明いたしました臨床試験を経て医薬品として認可されておるものでございまして、安全性は確認されていると考えているわけでございますが、MMRワクチンの接種を行う際に、私どもはあらかじめ医師から保護者に対しまして無菌性髄膜炎の症状、発生頻度等の副反応につきまして説明を十分行うようにということをしておりまして、それをさらに徹底してまいりたいと思います。
 それからまた、統一株ワクチンと自社株ワクチンの選択につきましても、それぞれのワクチンについての十分なデータを医療機関向けのパンフレットの中で示しまして、選択して接種できるよう体制の整備を図っていくこととしたいと思います。
 それから、先ほどもちょっと御紹介しましたが、公衆衛生審議会の伝染病予防部会でも、御答申の中に、やはり自社株をこの際使用するように、そういう体制を整備したらどうかというような御意見もございました。それから、小児科医会、あるいは小児科学会、その辺の学会の御意見も、ぜひこの自社株の方も使用できるようにしたい、こういうふうなお話がございまして、そのような方向で今準備を進めておるところでございます。
○長谷委員 一九八八年に一番よいということで統一株を選ばれた、そうしますと、ほかの自社株でやっていくとなりますと、自社株のMMRでも無菌性髄膜炎が出る可能性はあるんですね。
○寺松政府委員 先ほどもお答えを申し上げたんでございますが、一応安全性が確認されておるということで医薬品として許可されておる、それを使用するわけでございます。それから、私どものところの国立予防衛生研究所でも、今、私手元に詳しくは資料を持っておりませんが、その辺のフォローアップもやりまして、単味のワクチン、単味のおたふく風邪の株の接種の後のいろんな副反応等についても調査をしておりまして、統一株と同等ないしはそれ以下というふうな報告をいただいております。
○長谷委員 だから可能性はあるんですねということを伺っているんですけれども。それで、今お答えの中で、私はちょっとあれですけれども、統一株よりも自社株の方が頻度が少ないというのはどこで調べられたのですか。私の方にはそういう資料は全然いただけなかったんですけれど。
○寺松政府委員 先ほどお答えいたしました中に入っておったわけでございますが、国立予防衛生研究所というのがございますが、そこで先ほど申し上げました単味のおたふく風邪のワクチンにつきましてそれぞれ調査してある、こういうわけでございます。(長谷委員「可能性はあるんですか」と呼ぶ)
 可能性の問題は私からとやかく申すあれはないと存じますが、先ほども申し上げましたように、ワクチンというのは有用性ということもいろいろ考えてまいらなきゃなりませんし、もちろん後遺症の問題あるいは副反応の問題も考えて、その兼ね合いでもっていろいろ専門的な立場から御議論されまして、そして子供たちのおたふく風邪によります自然感染によりますいろいろな後遺症でございますとか副反応をできるだけ少なくするというようなことのために用いるわけでございます。
○長谷委員 単味でやられたということですけれども、単味でやったとき、一つ一つでやったときと三種を混合したときとはやはり違う結果が出る。これは非常に当たり前のことですし、実際、単味ワクチンでは見られなかったものが、三種を混合するとストロフルス様の発疹が出る、こんなことも報告されているわけです。だから、単味で安全だから別に三つまぜても大丈夫ですよ、こういうことには絶対ならないというふうに私は思います。
 こういうことを明らかにしないで、一九八八年に一番いいというもので物すごくたくさん副作用が出てしまったのだけれども、それでそれ以外の二番目、三番目、四番目のをやっていく、単味で一応調べたからいいじゃないかという形で現場で打ち続けていくということは、これはやはり国や自治体が中心となって子供に人体実験をしているんじゃないか、こういうふうに言えるのじゃないかと私は思うのですね。ですから、やはりこれはきちっとやり直して、国が責任を持ってこれを中止すべきだ、中止をして安全性を担保していく、このことをぜひやらなければいけないだろうというふうに私は思っております。
 先ほども申し上げましたけれども、公衆衛生審議会のメンバーでは、つくった方がたくさんおられるわけですから、やはりなかなかこれは難しい審議になるかと思いますけれども、こういうことを考えた上でも、このまま行けばさらに副作用率も上がって恐らく予防接種史上最悪の事態、こういうことになるということも予想されております。いろいろ今御答弁の中でも、MMRの開発、それから安全管理に引き続き努力を重ねていたがく、これは全く結構であって申し分ないのですけれども、やはりそれが確認されない間に打ってしまうということは非常に無責任だ、一刻も早くこれを中断して安全性を確立していく、このように思っておりますけれども、厚生大臣、子供の人権等も含めまして御答弁いただきたいと思います。
○下条国務大臣 今委員御指摘のMMRのワクチンのいろいろな反応の問題でございます。もちろん、この問題について、全くそういう反応がないということが一番望ましいわけでございますけれども、これはやはり接種の効果とその副反応との関係をどのように見ていくかということで、ただいま政府委員から御説明申し上げましたように、その判断の中で継続させていただいておるわけでございます。
 しかし、それだからといって問題がないわけではございませんので、統一株と自社株との関係など重要な問題を含んでおりますので、これまで公衆衛生審議会等の御意見を伺いつつ、保護者の生息向の確認の徹底はいつも十分図るようにということをやっておりますなど慎重な対応を講じてきたところでございます。
 私といたしましても、この問題の重要性につきまして十分認識いたしておりまして、今後とも、専門家等の御意見を踏まえ、総合的な判断に立ちまして適切に処理していくように努力してまいりたいと思っております。
○長谷委員 この問題は既に八九年以来国会で何度も審議されて、その都度慎重に、事態を重く見ておる、こういう御答弁があるわけです。それからもう三年にもなるわけですから、一刻も早く子供の人権を侵すことのない最大限の配慮をしていかれることを心よりお願いして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
○魚住委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま議題となっております各件につきまして、参考人として日本銀行総裁三重野康君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
○魚住委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
○魚住委員長代理 質疑を続行いたします。北側一雄君。
○北側委員 三重野総裁、大変お忙しい中、委員会の方に来ていただきまして大変ありがとうございます。最初に、三重野総裁の方にまとめて二問御質問をさせていただきます。
 まず土地問題なんですが、六十一年から始まりました近年の地価高騰の原因、背景と言った方がいいのかもしれませんが、それを総裁がどのように認識されておられるのか。特に、長期にわたっての低金利政策が結果としては続けられたわけでございまして、そうした金融緩和のもとでの大量の資金が土地や株取引の投機的行為に向けられたのではないか、そういう意味で、総裁のこの近年の地価高騰の原因また背景についての認識をお聞きいたします。
○三重野参考人 お答えいたします。
 委員はもう御高承のとおりだと思いますが、昭和六十年のプラザ合意以降の政策の流れをごくかいつまんで申し上げますと、昭和六十年のプラザ合意で日本経済は大きな宿題をいただいたわけで、それは大幅な国際収支の黒字をどうやって減らすか、そのためには、円高をてこにして内需主導型の経済構造に変革するということでございます。そのため、いわゆる円高による不況を克服するために、さっき委員御指摘のとおり、六十一年から一年間、五回にわたり公定歩合を下げたわけでありますけれども、その後も、物価は、いわゆるフローの物価はゼロインフレが続きましたけれども、国際収支の黒字の減少というのははかばかしくなかったものですから、そのまま金融緩和が続きまして、一昨年の五月からようやく金融を引き締めに転じたわけでございます。
 こういうことのために、今イザナギ景気を超えようとする長い景気の拡大が続いたわけでありますけれども、その副次的な作用として、委員御指摘のようないわゆるバブル現象が起きたわけでございます。もちろんこれは、例えば土地の上昇というのは金融緩和だけで行われたものではございませんけれども、この長期にわたる金融緩和が背景にあったことは疑いもない事実でございまして、これは否定することはできないと思います。したがいまして、一昨年の年央からの金融引き締めに際しましては、それだけをねらったものではございませんけれども、それを横目ににらんでの金利の引き上げをいたしました。
 これはやはり私どもにとって大きな反省材料でございまして、今後の金融政策運営については、これをよく反省材料にして運営してまいりたい、かように考えております。
○北側委員 そこで、もう一問だけお聞きいたします。
 九月十九日に全国の都道府県の基準地価が発表されました。東京圏平均で昨年に比べまして一%の下落、大阪圏では平均一五・三%も基準地価が下落をしておる。三大都市圏平均で四・二%の下落となっております。この数字をどういうふうに評価するかということも一つの問題ではあるかと思うのですが、この数字などをごらんになられまして、地価は鎮静化の傾向にあるのだから金融規制を緩和すべきではないかと、非常に短絡的な言い方でございますが言われるような方もいらっしゃいます。財界の方とか与党の政治家の人たちの一部からそういう声が聞こえてまいります。その中で、金融規制の緩和の一つとして公定歩合の問題が話題になっておりまして、公定歩合の利下げのアナウンス効果を期待して、ぜひこの利下げを実施すべきではないかというふうな声も出始めております。現段階での公定歩合の引き下げの問題、私はもう少し慎重であるべきではないのかなというふうに思っているのですが、この点についての総裁の御意見、お考えを聞かせてください。
○三重野参考人 お答えいたします。
 今の御質問にお答えするためには、私どもの現状判断をこれまたごくかいつまんで申し上げてみたいと思います。
 日本経済、景気はここのところ引き続き緩やかな減速傾向をたどっておりますけれども、かなり高いところからの減速でございますので、現在の経済活動のレベルはまだかなり高いところにございます。いわゆる需給も、一時に比べれば緩んでおりますが、まだタイトさを失っておりません。先行きにつきましても、これはやはり設備投資と個人消費が大事でございますが、これもひところのような非常な力強さはございませんけれども、まだ底がたさは失っていない。したがって、私どもとしてはここで景気が急速に失速するようなことはないと思っております。
 物価でございますが、幸いにして国内の卸売物価は落ちついてまいりましたけれども、国民生活に関係のある消費者物価、これはごく最近に至るも前年比三%前後でまだ下げ渋っておりまして、その背景はやはり雇用が非常にタイトである、その結果として人件費、物流コストのプレッシャーがまだある、そういったことがありまして、まだまだ手放しで楽観は許されないと思っております。
 それから地価、これは今先生が御指摘になったとおりでございまして、ある意味ではようやく鎮静化傾向は出てきておりますが、過去数年の上昇幅が非常に大幅でございますから、これをもって安心というわけにはまいりません。今一番大事なのはそういう地価の鎮静化傾向をより定着させることが必要だというふうに考えています。
 最後でございますが、この間、金融市場の動きでございます。七月一日に公定歩合を下げました。その後、その公定歩合の水準とそれから減速傾向にあるということを見て、市場金利は低下をしております。市場金利が低下してまいりますと、当然に市中銀行の貸出金利も低下するわけでございます。七月一日に比較しますと、長期も短期もプライムレートは約一%下がる、これは今月から下がるわけであります。したがって、これが下がったことがどういうふうに影響するかはまだこれから注意深く見ていかなければならないと思っております。
 こういうことを総合的に勘案いたしますと、私どもはやはりまだここでは内外の金融情勢をよく注視して、特に先生の御指摘された土地の値段等も注視して、物価安定を基準にした慎重な経済政策を引き続き続けてまいりたい、かように考えております。
○北側委員 どうもありがとうございました。
 地価の問題なんですが、先ほど私が申し上げました基準地価の数値をどういうふうに評価しているのか。まさか本格的な下落があったとは私はごらんになっておられないとは思うのですが、今後の地価の動向も含めまして、国土庁は今地価をどう見ておられるのか、その辺についてお聞きいたします。
○西田国務大臣 お答えをいたします。
 平成三年、都道府県の地価調査が行われたわけでございますが、全国の地価の状況は、昨年後半からあらわれ始めた地価上昇の鈍化傾向がことしに入ってさらに強まった、こういう見方をいたしております。大阪圏を初めといたしまして、大都市圏を中心に下落を示す地域が広がっているほか、地方圏においてもブロック中心都市等において鎮静化が認められる等、鈍化を示す地域が広がりつつあるものと考えております。しかしながら、三大都市圏の周辺地域やブロック中心都市等の周辺地域では、年間変動率で見るとかなりの上昇になっておる地域があるわけでございます。
 そのような状況の中で、大都市圏を中心に地価が鎮静化傾向にあるのは、各般にわたる土地対策の進展あるいは買い控え傾向の拡大等によるものと考えられるほか、大都市圏の地価水準は依然として高水準にある、このように考えております用地方圏ではまだかなりの上昇を示す地域が見られることから、地価についてはなお予断を許さない、こういう認識をいたしておるわけであります。このため、地価動向について引き続き慎重に注視いたしまして、土地対策を推進する必要があると考えております。
    〔魚住委員長代理退席、委員長着席〕
○北側委員 高水準ではあるけれども、鎮静化傾向が見えるということなのです。確かに、昨年、一昨年の本当に著しい高騰に比べますと、先ほどの数字もそれを端的に物語っておるかと思うのですが、このような地価鎮静化の傾向が出てきたその原因が一体どこにあるのか。特に、政府のとられている土地対策が効果が出てきたというふうに認識をされておられるのかどうか。できれば大蔵大臣に御答弁を……。
○西田国務大臣 お答えをいたします。
 地価の鎮静化傾向は昨年後半から、先ほども申し上げたように、一部の地域であらわれ始めました。秋以降、広範囲に認められるようになってきたわけであります。
 その理由というのは幾つかあると考えるわけでありますが、まず一つは、今回の地価上昇の背景となっていた金融状況が大きく変化をしたということが挙げられると思います。また二つ目には、監視区域の指定の拡大強化等が進んでまいりましたので、地価動向に応じた引き下げ指導に努めたことなど、各般の土地対策の効果が総合的にあらわれ始めたのではないか、このように思っております。
 そして、これに加えて、昨年夏以降、地価税の創設を初め土地税制の改正の論議、総合的な土地対策の実施に向けての本格的検討等が行われてまいりました。よく言われておりますいわゆるアナウンスメント効果が発生して、値下がり期待による買い控え等が起こってきたのではないか、その後もこの傾向が強まっているもの、このように見ておるわけでございます。
○橋本国務大臣 基本的には、今国土庁長官がお述べになりましたように私どもも考えております。特に、金融、税制を主管する私どもの立場からいたしますと、ようやく頭を打ったあるいは多少の低下傾向が見られ始めたこの機会に、国土利用計画なり都市計画なりというものが進行し、今国土庁長官も述べられましたような、適時適切な監視区域の設定等が相まってこの傾向をより強めてくれることを願っております。
○北側委員 今回のこの鎮静化傾向というのは、金融政策、また国土庁の方で一生懸命やられました地価監視制度とか、さまざまな施策が効果が出てきたのではないかというふうに私は評価をするのですけれども、ただそれをなぜもっと早くできなかったのかなというふうに私なんかは率直に思うわけでございます。
 六十一年からこの東京圏の地価高騰は始まっております。実際、総量規制等がなされたのは去年の四月からでございます。監視区域制度なんかも強化をされてきたのは、やはり去年の初めくらいではなかったのかなというふうに思います。そういう意味では、近年の地価高騰の責任、やはり政府の対応の遅きというのは指摘せざるを得ないのではないかというふうに私は考える次第でございます。
 そこで、お聞きしたいのですが、大蔵大臣、今申し上げましたこの不動産融資の総量規制、これは九〇年の四月からなされております。この不動産融資の総量規制を、これは四半期ごとになされておるのですが、これを今後どうされていくのか。人によっては、先ほどの公定歩合と同じで、不動産融資の総量規制も撤廃をすべきではないかというふうな御意見をおっしゃる方もおられます。大臣、どう今考えられているのか、御意見を聞かせていただきたいと思います。
○橋本国務大臣 先ほど委員からも御指摘がありましたし、国土庁長官からも御答弁がありましたように、今ようやく全般的な土地政策の進展によりまして大都市圏を中心に地価の鎮静化傾向というものが見え始めております。その中には、昨年の四月導入をいたしました総量規制というものが先月末で約一年半経過をするわけでありますが、こうした効果も出てきたのであろう、確かに金融機関の不動産向け融資の貸し出しの伸びというものが大幅に低下しております。こうした意味から申しましても、着実にその効果が浸透してきたと思います。
 しかし同時に、それじゃ今すぐにこれが手が放せるかといいますと、まだやはり地方圏ではかなりの上昇を示す地域がありますし、大阪圏は確かに相当程度の、先ほど委員も引用されましたように一五%台の地価の低下を見せておりますけれども、逆に前年の上がり幅というのは非常に大きかったわけであります。そうした状況から見ますと、地価の動向というものはまだ予断を許さない状況と考えるのが妥当ではないでしょうか。そうしますと、やはり地価動向というものは引き続き注視を必要とする状況であると考えておりますし、今すぐ総量規制を解除できるという状況ではないと私は思っております。
 ただ、同時にこれはやはりある意味では創業を処方したわけでありまして、常時活用すべき手法でないということも間違いありません。それだけに、本来ならば、私は実はここでも何遍か同じように税制とかあるいは金融というものは地価政策の中の重要な柱ではあるけれども主役ではあり得ないということを申し上げてまいりました。その本来ならわき役であるべきものがある程度主役を演じてきたわけでありまして、私どもとして今この総量規制を解除すべき状況であるとは考えておりませんけれども、副作用が出てきていることも確かです。むしろ総量規制に名をかりて末端の金融機関で貸し渋りが起きているといったような御指摘も現に受けております。こうしたことに対しては、きめの細かい対応を業界団体等を通じ各金融機関に指導しながらも、この方向はなおしばらく継続ぜざるを得ないのではないだろうか、私は今そのように感じております。
○北側委員 同様にここで国土庁にお聞きするのですが、この地価監視区域制度は非常に拡充強化をされました。この現行の拡充強化された制度をこれからも維持していくべきであると私も考えておるのですが、その点、いかがでしょうか。
○西田国務大臣 今回の地価調査の結果では、大都市圏を中心に地価は先ほども申し上げましたように鎮静化しつつある、こういう認識をいたしております。しかし、大都市圏の地価水準というのは非常に高水準にあるわけでございます。その上にもっていって、地方圏におきましてはまだかなり上昇している地域があるわけでございます。監視区域制度につきましては、今回の地価高騰の一つの対策として大きな役割を果たしてきた、私はこのように認識をいたしております。今後とも地価動向を十分見詰めながら適切な運用を図ってまいりたい、このように考えております。
○北側委員 いずれにしましても、先般の基準地価の数値が発表されたが、これは決して楽観的な数字ではないと私は思います。バブルははじけたとは言えない、投機的な様相がいまだ土地の価額に残っている、地価がゆがめられているというふうに考えますので、さらなる土地対策をとっていただきたいというふうに要望する次第でございます。
 そこで、土地問題を終わりまして証券問題に移りますが、きょうの私の質問のポイントは、損失補てんされたとされている事例の中で利回り保証の疑いのある、また損失保証の疑いのある事例が相当あるのではないか、この辺を少しお聞きしたいと思っておるのです。
 利益が出ているのにさらに利益を供与して補てんをする、また損失額を上回って補てんをする、こういういわゆる過剰補てんの事例の実態、それから事例数、簡単で結構でございますので答弁していただけますか。
○松野(允)政府委員 私どもの報告を受けたもの、あるいは検査で見つけたものでございますが、昭和六十三年九月期から平成二年三月期までの分について見ますと、損失の出ていない顧客に補てんが行われた例が五十九件、補てん額合計で九十九億六千八百万円ございます。それから特別検査で見つけました三年三月期につきましては、損失額を超えて補てんが行われた例というのが十二社ございまして、補てん金額合計で九十億七千三百万円でございます。
○北側委員 次に、八九年の暮れに大蔵省の指導によって顧客との間で補てんをしないとの確認書を交わしたにもかかわらず営業特金への補てんがなされた事例、こういうのも指摘されております。これの実態と事例数、これも簡単で結構でございます。
○松野(允)政府委員 これは私どもの特別検査で把握したわけでございますが、平成二年四月以降の損失補てんのうちで確認書を徴求後補てんが行われたものは二十六件ございまして、その補てん合計は百二十九億六千三百万円ということになっております。
○北側委員 次に、八八年九月期から九一年三月期までの補てんのうち、連続して、もしくは複数回補てんを受けている企業、団体の実例というのがどの程度あるのか。
○松野(允)政府委員 連続して、あるいは複数期にわたって補てんを受けております件数は、私ども、大手四社の数字をとらえておりますけれども、六十三年九月期から三年三月期まで四期ございますが、二事業年度にわたって行われておりますのが三十五社、それから三事業年度が十四社ございます。四事業年度のはございません。
○北側委員 今の過剰補てんの例、それから補てんをしないとの確認書を顧客との間で交わした後の補てんの事例、そしてあと連続、複数回補てんを受けている事例、こういう事例が今御答弁いただいたようにこんなにたくさんある。これは単なる事後の損失補てんというのではなくて事前の利回り保証もくしは損失保証の合意があったのではないか、そういう疑いが非常に濃厚であると見ざるを得ないというふうに私は考えますが、大臣、いかがですか。
○橋本国務大臣 今局長からお答えを申し上げ申したような事例について、心の中でどう思うかということは別にさせていただきますが、私片も、例えば現在四社に対して行っております特別検査の中におきましても、例えば利回り保証あるいは損失保証、事前に約束があったといった事例を把握するに至っておりませんということ以上に今申し上げられません。私どもとして、なお検査の中でそうした事例を把握できるのか、検査の相当者は真剣に目を光らせていると思っております。
○北側委員 事前の合意をある程度立証しようと思いましたら、これは単に証券会社だけを検査してわかることではないと思うんですね。当然顧客の側、少なくとも今言った過剰補てんの事例とか確認書を交わした後の事例とか複数回の事例とか、こういうところについては顧客側の検査についてもしなければいけないんじゃないか。証券取引法の五十五条では、大蔵大臣は、証券会社もしくはこれと取引をなす者に対し、報告、資料の提出を命じたり、もしくは検査をすることができるという規定があるわけでございます。
 ここまで利回り保証の疑いがあるんじゃないかというように実際指摘をされておるわけですから、当然顧客側への検査もなされておるかというふうに私は思うんですが、現在まで検査をなされた顧客の数、そしてできれば名前、そして今後少なくともこの範囲の顧客に対しては大蔵省としては検査をやるぞと、どの範囲を検討されておられるのか、その辺についても御答弁をいただきたい。
○松野(允)政府委員 御指摘のように、私どもも今申し上げたようなケースにつきましては特に保証行為がなかったかどうかという点を中心にして検査の中で調査を進めているわけでございまして、幾つかの件については五十五条を発動いたしまして、取引先――これは取引先を検査するということは法律上はできないわけでございまして、報告を求める、あるいは資料の提供を求めるということでございますが、そういうようなことをやっております。
 特に、確認書徴求後の補てんが行われている先ほど申し上げました二十六件につきましては、まず重点的にその中で五件、現在反面調査を実施したわけでございます。あと、この件あるいは多事業年度にわたって行われているような件、こういったものを中心にして反面調査をさらに続けたいというふうに思っておるわけでございます。
○北側委員 今私が申したような事例につきましては、常識的に考えましてこれはもう事前の損失補てんの合意があった、利回り保証の合意があったというふうに考えざるを得ないんじゃないかというふうに私は思います。
 そこで公正取引委員会の方にお聞きしたいんですが、委員長、連日御苦労さまでございます。委員長のこれまでの御答弁を読ませていただきました。委員長の御答弁では、今回のいわゆる損失補てんという形での利益供与が行為の態様によって不公正な取引方法に該当するということは十分考えられます、これは一般論だと思うんですが、こういうふうに述べられております。また、九月二十五日ですか、大蔵省からも中間報告を受けておられるかと思いますし、また、今私が申した過剰補てんの事例とか確認書を交わした後の営業特金への補てんの事例とか複数回補てんを受けている事例とか、こういう事例が明らかになってきております。
 そういう中で、独占禁止法で禁止をしております不公正な取引方法に当たる疑いのある事例があるんではないかというふうに私は考えるんですが、委員長、いかがでしょうか。
○梅澤政府委員 先般大蔵省から国会に御報告になりました中間検査の内容につきましては、同日、公正取引委員会にも御連絡がございました。
 そこで、今回の一連の証券会社の取引についての独占禁止法上の問題でありますが、これは今委員が御指摘になりましたように、正確に申し上げますと、正常な商慣習に照らし不当な利益を提供して競争事業者の顧客を誘引して取引する行為、こういうことでございます。
 そこで、前段の正常な商慣習に照らし不当な利益というのは、これは証券法令上許されない行為ということで、現在所管庁で検査をし、措置等について既に検討されている問題でありますから、当然これの要件には該当するわけでございます。
 ただ問題は、この委員会でも申し上げたと思いますが、証券取引法令の中では、まさにこの損失保証ないし損失補てん自体、先ほど不公正取引方法の行為類型で申しました前段それ自体を規制するという立場で、したがって所管庁で一義的にこれを規制なさるのが行政効率の点からも有効適切であるということを従来申し上げてきたわけでございます。今日の時点で私どもは大蔵省からの検査もちょうだいいたしました。これは行政効率の点では我々が今までそういう立場をとってきたということは決して間違ってないと考えておるわけでございますが、こういったものも一つの重要な手がかりといたしまして事態を究明するということに相なると思います。
 そこで何を究明するのかというと、それぞれの証券会社の行った行為というものが、不公正な取引方法の後段に該当する部分ですね、顧客を獲得するための行為であった、かつそれが証券業者間の正常な競争関係を阻害したという認定をする必要があるわけでございます。
 ただ、十分考えられると申し上げてきましたのは、こういった有力な証券会社がそういった手段をとった場合に、これは競争上の影響というのは当然考えられるわけでございまして、そういったことを従来申し上げてきたわけでございます。現在、この事態の究明を急いでおるところでございます。
○北側委員 委員長、これは一般論で結構かと思うのですが、今のお話を聞いておりまして、例えば連続して三回も、三期にわたって補てんを受けている、そういう関係にあるような証券会社と顧客、そういう人というのは今委員長がおっしゃった競争者の顧客を自己と取引するように誘引しているというふうに認定できる、その疑いが非常に強いんじゃないかというふうに私は考える次第でございます。また、顧客との間で補てんをしないという確認書を交わしているにもかかわらず営業特金への補てんがなされた。これだって今委員長がおっしゃった競争者の顧客を自己と取引するように誘引するためにそういう確認書に反してやっているんじゃないかという疑いが強いんじゃないか、過剰補てんだって同じじゃないかと言えるんじゃないのかなというふうに、一般論としてですよ、一般論としてはそういう疑いが強いんじゃないかというふうに、独占禁止法のこの不公正な取引方法に該当する疑いが強いと言えるんじゃないかと私は考えますが、委員長、いかがですか。
○梅澤政府委員 そういった利益供与によって顧客を誘引し、取引をするということに該当するのではないか、一般論としてそういうことを推認する状況にある、ポイントは、具体的に各証券会社のそういった行為によって、どういった状況で行われたのか、これは受け取った方の認識の有無等も問題になっているわけでございますね。
 だから、その点については独禁法上の独自の立場から事態を究明しなければならない。あくまできょうの段階ではまだ作業を始めたばかりでございますので、具体的なことをお答え申し上げる段階にはございません。
○北側委員 今の御答弁は、一般論としては今申し上げた三つの例なんかは不公正な取引方法というふうに認定される可能性が非常に高いのではないか、そういう可能性があるのではないかというふうな御答弁ではないかというふうに私はお聞きいたします。
 そこで、普通こういう独禁法違反の事件があった場合には、まず最初に端緒となる事実が出てまいります。そこで立件なされる前に普通は予備調査が行われるのではないかというふうに思うのですが、公取で今この予備調査が行われているのかどうか。行われているとすればどの程度なされているのかどうか。
○梅澤政府委員 先ほど申し上げましたとおり、大蔵省の中間検査の連絡がありまして以降、事態の究明の作業を急いでおるということを申し上げたわけでございます。具体的にどういった段取りでどういった調査スケジュールで進んでいるかということは、今日の時点ではまだ国会に御報告申し上げるということは御勘弁願いたいと思います。
○北側委員 少し話題を変えますが、公正取引委員会ですね、私は非常に今公取の役割というのが飛躍的に高まっている時代ではないのかなというふうに思っております。経済のグローバル化、国際化の中で経済の仕組みとかルールがより自由公正な取引、自由な市場、公正な市場というのが保障されるようなシステムが今要請されているわけでございます。そういう中で、公正かつ自由な競争の守り手であるところの公取の役割というのは非常に高まっておる。その公取への期待というのは非常に高まっているのではないか。だから私は公取については、これまでもなされてきたと思いますけれども、さらなる権限強化、また組織の拡充、人員の拡大ということをすべきではないかというふうに考えております。
 ところで大蔵大臣、一点お聞きしたいのですが、一昨日の大臣の御答弁があるのですが、我が党の白浜参議院議員の検査・監視機関の設置に関連しまして、その委員には、大蔵省出身者が入らないようにすべきではないかという質問に対しまして、大臣が、発足時には大蔵省OBが入ることはないと信じておるというふうな御答弁がなされたかなというふうに思います。
 同様の趣旨で、私は決して公取の委員長が大蔵省出身のOBだから非常に不公正などとは思いません。思いませんけれども、ただ公正らしさとか、また国民から見てそういうのを担保していくというためには、やはり公取の委員長についてもまた委員についても同様に大蔵省のOBの方が入ってこられるというのはいかがなものかというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
○橋本国務大臣 大変この点は委員と見解を異にいたしますけれども、私は、公正取引委員会の場合、適任者でありますならば、大蔵省の先輩でありましても全くそれは何ら恥ずるところなくその職についていただきたいと考えております。
 これは衆参両院の同意を得て内閣総理大臣から任命されるものと承知をしておりますが、当然のことながら、それだけの人格、識見というものを院としても御承認をいただいた上で御了承をいただくものと思いますし、内閣総理大臣もまたその見識をもって評価し、任命をいただくものと思います。
 今委員から述べられました今回の証券不祥事に関連し、行革審の答申で設立を、命ぜられたという言い方は不適切ですね、答申をちょうだいした中にあります委員会、この八条委員会、私はその際にも申し上げましたけれども、未来永劫ここに大蔵省出身者を置かないとは申し上げるつもりはない。ただ、現在大蔵省の置かれている立場、そして大蔵省自身が国民の信頼を取り戻さなければならないという時期において、少なくとも新たに発足する委員会に大蔵省が委員を推薦することはない、委員を送ることはないと私は信じる、それは確かにそう申しました。これは、それだけの慎みを持つべきだと私は考えるからでありまして、法的、制度的に大蔵省OBを起用してはならないということではないと思います。
 これは証券業界に対する強制調査権限を有する非常に大切な委員会です。適材がある限りにおいて、本来なら私は大蔵省の出身者であってもここに起用されることがいかぬとは思いません。しかし、今これだけ……(北側委員「委員長」と呼ぶ)いや、私はそのとき委員長だけではなく委員にもと申し上げたのです。今これだけ世間から厳しい御批判を浴びているときに、どれだけ適材であるといっても大蔵省OBが発足時にその委員に入るべきではない、私はそう信じますからそのとおり申し上げました。公正取引委員会の場合とは私は問題を異にすると考えております。
○北側委員 終わります。
○渡辺委員長 寺前巖君。
○寺前委員 わずかな時間ですが、先ほどの雲仙・普賢岳の災害の問題について引き続き関係大臣にお伺いをしたいと思います。
 現地の方々の不安というのは、さっきも申し上げておりましたが、現実の毎日の生活の問題があります。それから将来の問題があります。新しくどのように火砕流が発生するだろうか、新しい地域はどう広がるだろうか、こういう不安があります。いろいろな不安があります。だから、私は残された時間を予測する問題についての能力をもっと発揮することはできないんだろうかという問題について聞きたいと思うのです。
 この間、本院の委員会調査が行われていましたが、その中で九州大学島原地震火山観測所の先生の御意見が報告書の中に書かれています。「世界的にも優れた技術と学識を持つ国の研究員の英知を結集するなど観測監視体制の強化を図るため、特段の配慮をいただきたい」という報告が出ています。私も現地へ行きましてそのことを直接訴えられましたし、またそう思いました。
 私ごときものが、科学的な水準がどういうことになっているのか全然知る由もなかったわけですが、現地で直接見せつけられるとつくづく思いました。例えば、私はここに科学技術庁で写された写真の写しを持っているのです。これは何かというと、熱量がどの程度出てくるかというようなのは飛行機からはがれる。その熱量の発揮の仕方によってどういう事態が発生するか、かなり確度の高い能力を発揮することができるようですね。そういうものがそれではどうするんだといったら、ちゃんと防災研にそういういい機械があるんだ、そういうことを考える能力もあるんだ、力もあるんだ、問題はそれをもっと常時力になるように提供してもらえぬだろうかというのが大学の先生の意見なんです。同じことは建設省の国土地理院の方にも、火砕流の堆積物がどういうふうになっているのか、ちゃんと調べる能力も持っているのですね。
 問題は、そこでそれぞれの能力を発揮させてもらうために、現状どうなっているんだろうかということをこの間行って聞いて見たのですよ。そうすると、科学技術庁についていいますと、火砕流以後、六月と八月に二回調査をやらせてもらっている。あとはことしの予算で十一月に一回やったらどうなんだろうかという計画しかない。恐らくそれはお金の都合だろう、いろいろやりくりをやらなければならぬだろう。大学の先生は言うのです。私ら研究者は、どちらかといったら、ともかく自分の研究のために身一つで飛び出していきますよ、いろいろな予測をやります、お役に立つように自衛隊のヘリコプターを使わせてもらっていろいろなことをやりますと。だが、建設省なり科学技術庁の研究所の場合には、出張旅費をきちっとつけて派遣してあげないと、そう簡単に出られるということにならないんだ。だから、これはやはり上の方で十分に対応するように、現予算の中で執行に足らなくなったら、ちゃんと後始末は予備費を使うように大蔵省にお願いしてでもやる、そういうことで考えてもらえぬだろうか。
 私は、やはり予測の活動というのは非常に大きな位置を占めますので、科学技術庁としてこの問題についてどういうふうに大臣は見ておられるのか、今のままでいいんだろうか、お答えをいただきたいと思います。
○山東国務大臣 今委員がお示しになりました防災科学技術研究所が開発いたしました火山専用の空中赤外映像装置は、雲仙岳の温度分布調査におきまして有益な成果を上げております。今後とも、火山活動の状況や天候条件を的確に把握して、装置の効果が十分に発揮できるようにしつつ、この装置による観測研究を行ってまいりたいと思うのでございます。
 ただ、先ほど予算の面であるとかいろいろおっしゃいましたけれども、この観測研究につきましては必要に応じて実施したいと考えておりますけれども、火山活動の状況であるとかあるいは天候の条件によっては、雲のぐあいなどによりまして、実施いたしましても必ずしも所期の成果が得られない場合もあるのでございます。
 いずれにいたしましても、今後の実施に当たっては、十分な成果を上げられるよう着実な実施を図ってまいりたいと思います。また、この赤外映像装置の精度向上にも努め、御期待にこたえてまいりたい、このように考えております。
○寺前委員 大臣、六月と八月におやりくださって、非常に有効だった。聞いてみると、天候の都合で月のうちで二、三日だというのですね、あく日は。なかなかとれないというのですね、それは。それだけに、出張させでいつでも対応できるようにしてやらなあかん。そうすると、六月、八月でしょう、次はもう十一月ごろまでその準備に入っていない、こういうことになると、大学の先生がぜひ頼むよと言われるのわかるでしょう。だから、限られた日にだあっとやれるようにしようと思ったら、お役に立つようにしようというのだから、もう少し派遣することをひとつ検討してくださいね、十一月まで待つというようなことでなくて。よろしいですか、大臣。
○井田政府委員 お答えいたします。
 ただいま委員御指摘のように、この装置、大変いいデータが出ております。
 今御指摘、二回と言いましたが、九月にも一回飛んでおりますけれども、このとき雲の状態が悪くて、まだ成果が未公表ということでございます。
 いずれにしても、研究所でございますので、その準備にはいろいろかかりまして、どんどんやるというわけにいきませんので、そういうことも十分考えながら今後のこういった調査を進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○寺前委員 知った上で言っておるのですよ。だから、九月は雲であかんかった。そうなったら、十月は、計画なかったらぐあい悪いでしょう。だから、研究所であったってもっと積極的に、今現に起こっているのだから、そこの能力が物すごい重要だ、こうおっしゃっているのだから、その能力を最大限に発揮するように、大臣、ひとつ手を打ってくださいね。お願いします。どうです。いいですね、それは。別にむちゃなこと言ってると私思いませんけれども、どうですか。
○山東国務大臣 今後ともできるだけ充実に努めてまいりたいと考えております。
○寺前委員 それで、建設大臣も同じことで、五月、六月、七月とやって八月はなかったんです。それで九月二十二日に撮影しているということで、これもせめて毎月一回ぐらいはどんどんやってもらう、それはあなた、堆積している状況が、火砕流がだあっと流れるのがどうなるかという問題なんだから、これは非常に今期待されているんですよ。だからそれももっと積極的に毎月でもやるということで、ひとつ出張費やらその他も十分考えてやってくれるかというお願いなんです。どうです。
○大塚国務大臣 雲仙・普賢岳のこの活動は昨年の七月に微動が始まりまして、昨年十一月に小規模の噴火がございました。そのときに、国土地理院としましては、火山基本図を緊急修正いたしまして配付をしたところでございますが、その後、この六月の大規模な火砕流の発生、土石流の発生後、雲仙岳火砕流災害現況図やあるいは土石流現況図を作成しまして関係機関に配付をいたしたところでございます。また、堆積土石量の計側も土木研究所と一緒に実施をいたしております。
 さらに今後、有珠山の噴火におきましても大変な土石の移動があったことにかんがみまして、常時観測を続けるためにいろいろなシステムを活用しまして、特に監視カメラは東側と西側のそれぞれの水無川に四カ所、中尾川に一カ所設置しまして、衛星を通じてそれぞれの機関にその映像を送り、常時監視をするようにいたしております。また、私の建設省の部屋にもその状況はテレビで放映されることになっておりまして、ワイヤセンサーあるいは監視カメラの報告を見ながら対処をいたしております。
 御指摘のように非常に重要なことでございますから、今後とも一層前向きに取り組んでまいりたいと思っております。
○寺前委員 気象庁、来てくださっていますか。お見えになっていますか。
 火砕流というのは、今どう対応するか、経験がなかったものだから大変な事故も起こっているわけですよ。ところが、この間、雲仙のおたくの方の、あそこの測候所というのですか、何かありますね。そこへ行きましてこのパンフレットをくれはったんです。これ見たって、火砕流の話一つも出てこないんですね。火砕流といったら大変な問題だから、せっかくパンフレットをおつくりになったらやはりその問題をぱんと入れなあかんと思う。これは九〇年版でした。その前の八五年版を見てもやはりそうなんだ。大体、火砕流という問題に対する認識の不足というのか対応の経験のなさというのか、これはぜひ改善してもらわないかぬというのが一つ。
 それからもう一つは、火山情報というのと臨時火山情報という呼びかけがあるのです。これは町長さんが言っておったのだけれども、火山情報という方が何というか値打ちのある情報らしい。ところがいろいろな情報を臨時火山情報で流すと、戦争中から我々体感しているように、臨時ニュース、臨時ニュースと言われると、あ、そっちの方が重要や、警報やと思うから、だからこの呼び方も実態に合うように、警報だとか何かわかりやすいものに改善をする必要があるんじゃないだろうかということを町長さんは要求してはったんですけれども、どうです。
○立平政府委員 先生の最初の御質問でございますが、パンフレットの一番後ろに、このパンフレットの要約としまして、「火山防災の心得」ということをまとめております。その中では、火砕流、噴石、溶岩流、こういうふうなものは噴火現象であるということで一括して噴火に対する注意ということで書かれてございます。そのほか、噴火と直接結びついていない現象がございまして、例えば火山ガスとか泥流とか津波とか、こういうものはつい忘れられがちというふうになることもありますので、特に注意を喚起するために最後のまとめの中に書かれてあるわけでございます。しかし、今後とも火砕流のみならず各種の噴火現象につきまして解説、啓蒙に努めてまいりたいというふうに存じております。
 次に、二番目の御質問でございますが、臨時火山情報というものと火山活動情報という二種類がございまして、火山活動情報というのは特に生命、身体に被害が生じた場合または生ずるおそれがある場合に関係都道府県知事に通報するというふうになっております。さらに、地方公共団体、報道機関を通じて一般の住民に伝達されているところでございます。
 しかし、先生御指摘のように、これらの情報の名称、それから重要度につきまして一部誤解を生じていたというふうなことは聞いております。こうした誤解がないようにどういうふうに対応したらいいかということで現在検討しているところでございます。
○寺前委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、さっき大蔵大臣にちょっとお伺いしましたけれども、こうやっていろいろな手を打っていくにしてもお金がかかることだし、特に自治体がやはり物すごいいろいろ手を打たなならぬものだからお金かかっています。だから、そういう意味からいったら、やはり予備費執行というのは緊急に、第一線でやっている人に物すごい大きな激励になる。だから鋭意検討中というよりも、もうこれで何カ月になるのでしょう、四カ月になるのですかね。ですから、この際に本当に思い切って私はもう即刻、国会を終わるまでに、今週中にも検討して手を打ってあげるということを腹決めてもらえぬやろか。これもお願いですわ、本当に。そういうときに来ているとお思いになりませんか。
○橋本国務大臣 まず、一言お礼を申し上げたいと思いますが、自衛隊のヘリコプターが役に立っておることをお認めいただきましてありがとうございました。
 政府は、国土庁長官が対策本部長として全般を指揮しておられます。先刻も申し上げましたとおり、政府自身既にその検討に入っております。
○寺前委員 要らぬことを言われるとまた論争せんならぬことになるさかい、それはやめます。時間が来ましたので、これで終わります。
○渡辺委員長 これにて昭和六十二年度決算外二件及び昭和六十三年度決算外二件についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○渡辺委員長 昭和六十二年度決算及び昭和六十三年度決算についての議決案は、理事会の協議に基づき、委員長において作成し、各位のお手元に配付いたしております。
 これより議決案を朗読いたします。
    議 決 案
  昭和六十二年度及び昭和六十三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につき、左のごとく議決すべきものと議決する。
  本院は、毎年度決算の審議に際し、予算の効率的執行並びに不当事項の根絶について、繰り返し政府に注意を喚起してきたところであり、政府もこれに対し特に留意して対策を講じてきた結果その効果が見受けられるものの、なお改善を要するものが認められるのは遺憾である。
 一 昭和六十二年度及び昭和六十三年度決算審査の結果、予算の効率的使用が行われず、所期の成果が十分達成されていないと思われる事項が見受けられる。
  左の事項がその主なものであるが、政府はこれらについて、特に留意して適切な措置をとり、次の常会に本院にその結果を報告すべきである。
 1 政府・日銀の円高不況からの回復をめざした経済運営がいわゆるバブル経済を生み出す背景の一つとなったことをも踏まえつつ、地価の引き下げ、証券市場の公正さの確立などの施策に誤りなきを期すべきである。
 2 最近、金融機関をめぐる不祥事が相次いでいる。金融機関に対する国民の信頼を回復するため、監督責任を果たすべきである。
 3 現在不法就労している外国人の実態並びにいわゆる外国人単純労働者を受け入れた場合の経済的、社会的、文化的影響及び社会的コストについて、引き続き、調査、検試すべきである。
 4 原子力発電が我が国の電力需給上大きなウェイトを占める電源となっていることにかんがみ、その開発利用に当たっては、安全確保に万全を期すべきである。
 二 昭和六十二年度及び昭和六十三年度の決算検査報告において、会計検査院が指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。
  政府は、これらの指摘事項について、それそれ是正の措置を講ずるとともに、綱紀を粛正して、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。
 三 決算のうち、前記以外の事項については異議がない。
  政府は、今後予算の作成並びに執行に当たっては、本院の決算審議の経過と結果を十分考慮して、財政運営の健全化を図り、もって国民の信託にこたえるべきである。
以上が議決案の内容であります。
    ―――――――――――――
○渡辺委員長 これより昭和六十二年度決算外二件及び昭和六十三年度決算外二件を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。魚住汎英君。
○魚住委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和六十二年度及び昭和六十三年度の両決算につき、ただいま委員長が御提案になりました議決案のとおり議決することに賛成の意見を表明するものであります。
 当委員会は、予算の効率的執行、行政運営に関する諸問題について、各省庁別に順次審査を行ってまいりました。
 ただいま委員長から委員会審査の内容を取りまとめて御提案になりました議決案に示されている事項として、政府・日銀の円高不況からの回復を目指した経済運営がいわゆるバブル経済を生み出す背景の一つとなったことをも踏まえつつ、地価の引き下げ、証券市場の公正さの確立などの施策に誤りなきを期すべきであることなどの四項目について、政府は、速やかに改善の措置をとるべきものであります。
 また、昭和六十二年度決算検査報告において、不当事項百七十件、不当金額にして四十一億三千九百九十九万円、昭和六十三年度決算検査報告において、不当事項百六十六件、不当金額にして四十八億四千百二十七万円の指摘が行われていることは遺憾であります。政府は、不当事項が繰り返し指摘されないよう努めるべきであります。
 政府は、議決案の指摘事項及び会計検査院の指摘事項については、今後の予算編成に反映させるとともに、予算の執行に当たっては効率的かつ厳正に行うべきであります。
 また、議決案には指摘されておりませんが、省庁別審査の過程において、我が党委員から各種の問題を提起してまいりました。これら提起した問題につきましては、鋭意検討を加え、今後の行財政運営に生かしていくことを要望いたします。
 次に、昭和六十二年度の国有財産関係二件及び昭和六十三年度の国有財産関係二件につきましては、いずれも是認すべきものと議決することに賛成をいたします。
 以上をもちまして、賛成討論を終わります。(拍手)
○渡辺委員長 時崎雄司君。
○時崎委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、昭和六十二年度決算及び昭和六十三年度決算につき、ただいま委員長より提案された議決案に反対することを表明し、以下、その理由を述べさせていただきます。
 具体的には、議決案の一つである不当支出の根絶と効率的執行を促す特別の措置を要求した指摘事項及び会計検査院が指摘した不当事項については、我が党も賛成であります。しかし、「前記以外の事項については異議がない。」として、決算すべてを是認することとなる議決案には、我が党は賛成することはできません。
 顧みますと、昭和六十二年度及び六十三年度は、公約違反の売上税、これに続く消費税及びリクルート疑惑をめぐって政局が大混乱に陥った時期であり、両年度の税財政運営には極めて多くの問題があります。
 第一に、円高不況対策を名分に、節度のない超金融緩和政策をとり続け、株と土地を中心にバブル経済をつくり出したことであります。こうしたバブルの膨張が、大都市周辺のサラリーマンからマイホームの夢を奪ったばかりでなく、今日の証券・金融不祥事に代表される経済のバブル化、腐敗を生み出したのであります。
 第二に、税収見積もりの大幅な誤りについて指摘しなければなりません。当初予算の税収見込みと比較すると、昭和六十二年度決算では年度途中の減税額も含めて七兆四千億円、六十三年度でも年度途中の減税を含めて七兆七千億円余りの増収と、二年続けて意図的にとも言える大幅な見込み違いとなりました。
 第三に、財源難と財政再建を理由として歳出の抑制を図り、社会保障費を初め国民生活にかかわりの深い経費に大なたを振るう一方で、世界的な緊張緩和の潮流に逆行して防衛関係費を突出して増額させ、軍事大国化を進めたことであります。
 最後に、会計検査院は六十二年度決算検査報告において、二百九件、総額百七億九百四十七万円、同じく六十三年度検査報告では二百二件、百五十一億一千五百六十七万円のむだ遣いを指摘しております。政府はこうした指摘事項については、毎年再発防止を約束していますが、実効が上がっているとは言えません。
 このような欠陥を多く含む昭和六十二年度決算及び昭和六十三年度決算は、到底是認することはできません。
 なお、両年度の国有財産関係の計四件についても反対いたします。
 以上で、私の反対討論を終わります。(拍手)
○渡辺委員長 北側一雄君。
○北側委員 私は、公明党・国民会議を代表して、昭和六十二年度、六十三年度決算外二件に対して、これを是認できないことを表明し、ただいま委員長より御提案がありました議決案に対L、反対の意思を表明するものであります。
 以下、反対の主な理由を申し上げます。
 まず第一は、議決案に「前記以外の事項については異議がない。」とされていますが、この事項以外にも数多くの指摘と異議があるからであります。
 反対の第二は、会計検査院の指摘事項が昭和六十二年度決算報告によると二百九件、百七億九百四十七万円、昭和六十三年度決算報告では二百二件、百五十一億一千五百六十七万円の国費のむだ遣いを指摘しております。毎年、会計検査院より指摘されているにもかかわらず、国費のむだ遣いは年々増大の傾向にあります。政府が財政再建の名のもとに、国民から反対の声が強い消費税を導入し、税収の増加を図った反面、指摘されたような行政の不公正、税金のむだ遣いの姿勢がある限り、国民としては、政府の財政運営に対して到底納得、支持できるものではありません。
 第三の理由は、昭和六十二年度、六十三年度が景気の上昇期にあったが、長期にわたる公定歩合の引き下げなどを背景とした金融緩和を大きな原因として土地、株等の価格の暴騰をもたらし、国民生活に大きな影響を及ぼしたことであります。地価の高騰は土地の投機的取引を助長すると同時に、住宅の取得価格や家賃の上昇を招来した。その結果、今や土地住宅問題が国の緊急課題となっていることは周知の事実となっております。さらに、株取引の面におきましては、インサイダー取引や株価操作などの疑いが強い不公正な取引が横行し、昨年からことしにかけては大手証券会社、金融機関のみならず日本を代表する大手企業を巻き込んだ証券・金融スキャンダルが発覚し、国会の焦点の一つになっております。
 このような土地、株等の暴騰に対し、何ら適切な金融財政政策を行わないままに放置し、今日のバブル経済の崩壊をもたらし、国民に大きな不安と不信を与えた政府の責任は重大であると言わざるを得ません。
 本委員会におきまして、毎年、我々が数多く指摘しております問題に見られるような、国民の血税が生かされずに依然として国費のむだ遣いがなされている実態を重視し、政府は今こそかかる指摘を真剣に受けとめて、予算の効率化、適正化に最大限の努力を払い、速やかな対策の実施を図るべきであることを強く主張し、以上をもって反対討論といたします。
 以上でございます。(拍手)
○渡辺委員長 寺前厳君。
○寺前委員 私は、日本共産党を代表して、昭和六十二年度及び六十三年度決算を議決案のとおり決するに反対の意を表明します。
 まず、六十二年度決算についての反対理由です。
 本決算は、中曽根内閣の悪名高い戦後政治の総決算の仕上げとも言うべき内容を持っています。
 すなわち第一に、軍事費のGNP一%枠の突破に見られる歯どめなき大軍拡に足を踏み出したこと、アメリカ有事の自衛隊参戦体制づくりを進めたもの。
 第三に、空前の異常円台同を追認し、対米公約の前川リポートに基づく産業構造調整の強行、農業や石炭産業、中小企業の切り捨て、国民生活と地方自治への攻撃を進めたものであります。
 続いて六十三年度決算についての反対理由を述べます。
 反対理由の第一は、本決算がINF全廃条約の締結に示された核軍縮への世界政治の流れに逆らい、軍事費のGNP比一%突破を固定し、実質世界第三位の軍事費でアメリカのレーガン核戦略を補完するものとなっていることであります。
 第二に、NTT株売却益を財源とする民間活力プロジェクトヘの無利子融資など、巨大企業にはたっぷりと奉仕する一方、国民に対しては新たな福祉・教育切り捨てと狂乱地価を強要する国民総我慢の内容を持つからであります。
 第三に、アメリカに双子の赤字の責任を一言も求めずに、それを肩がわりし異常円高と産業空洞化の一層の推進、不当な農産物の輸入自由化でレーガンの核戦略を補完する歯どめなき大軍拡を推し進めました。軍事費は、政府計画に格上げされた中期防整備計画の初年度として最優先されるなど、軍縮平和と国民生活向上を求める国民の願いを踏みにじるものとなっているからであります。
 以上、ごく限られた指摘事項のほかは異議がないとする本議決案には、到底賛成することはできません。
 また、国有財産増減及び現在額総計算書は、国有財産の純増加要因として、軍拡路線を反映した防衛庁の艦船、戦闘機などの新造を含むものであり、このような国有財産管理のあり方を示す本計算書を是認することは断じてできません。
 また、同両年度の国有財産無償貸付状況総計算書については、制度自体の意義は否定しませんが、その実態を示す資料は必ずしも国会に提出しておらず、管理運用の一部に重大な疑義がある事態が残されたままとなっており、これは是認することはできません。
 以上で私の反対討論を終わります。(拍手)
○渡辺委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○渡辺委員長 これより順次採決いたします。
 昭和六十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和六十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和六十二年度国税収納金整理資金受払計算書及び昭和六十二年度政府関係機関決算書並びに昭和六十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和六十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和六十二年度国税収納金整理資金受払計算書及び昭和六十三年度政府関係機関決算書を議決案のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○渡辺委員長 起立多数。よって、議決案のとおり決定いたしました。
 次に、昭和六十二年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和六十二年度国有財産無償貸付状況総計算書の両件は、これを是認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○渡辺委員長 起立多数。よって、両件は是認すべきものと決定いたしました。
 次に、昭和六十三年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和六十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の両件は、これを是認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○渡辺委員長 起立多数。よって、両件は是認すべきものと決定いたしました。
 なお、ただいま議決いたしました各件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○渡辺委員長 この際、各国務大臣から順次発言を求めます。橋本大蔵大臣。
○橋本国務大臣 ただいま御決議のありました地価問題につきましては、御決議の趣旨を踏まえ、適切な経済運営を図りつつ、土地政策全般の枠組みの中で今後とも適切に対処してまいりたいと存じます。
 次に、証券市場の公正さの確立等の問題につきましては、御決議の趣旨を踏まえ、法制上、行政上の総合的な対策を誠実に講じてまいりたいと存じます。
 また、金融不祥事につきましては、再発防止及び金融システムの信頼回復が図られるように関係方面と緊密な協力態勢をとりつつ最大限の努力をしてまいりたいと存じます。ありがとうございました。
○渡辺委員長 越智経済企画庁長官。
○越智国務大臣 ただいま御決議のありました経済運営につきましては、その趣旨を踏まえ、過去の経験を生かしつつ、今後とも適切かつ機動的な経済運営に努めてまいる所存であります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 西田国土庁長官。
○西田国務大臣 ただいま御決議のありました地価問題につきましては、これまでも需給両面にわたる各般の施策を実施してきたところでありますが、今後とも御決議の趣旨を踏まえ、去る一月二十五日に閣議決定いたしました総合土地政策推進要綱に従い、適正な水準への地価の引き下げ等の土地政策の目標を実現するため、構造的かつ総合的な対策を一層強力に展開していく所存であります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 左藤法務大臣。
○左藤国務大臣 ただいま御決議のありました不法就労外国人の実態及びいわゆる外国人単純労働者を受け入れた場合の各般の影響等に関しましては、従来からその調査検討に努めているところでありますが、今後とも御決議の趣旨に沿って努力してまいる所存であります。
○渡辺委員長 小里労働大臣。
○小里国務大臣 ただいま御決議のありました不法就労外国人の実態及びいわゆる外国人単純労働者を受け入れた場合の経済、社会など各般への影響及び社会的コストに関しましては、従来からその調査検討を実施してきたところでございますが、今後とも御決議の趣旨に沿って努力してまいる所存でございます。どうもありがとうございました。
○渡辺委員長 山東科学技術庁長官。
○山東国務大臣 ただいま御決議のありました原子力発電の安全確保対策につきましては、従来から所管行政庁と原子力安全委員会のダブルチェックにより所要の安全規制を講じているところでありますが、今後とも御決議の趣旨に沿って努力をしてまいる所存でございます。
○渡辺委員長 中尾通商産業大臣。
○中尾国務大臣 ただいま御決議のありました原子力発電の安全確保につきましては、従来から所要の措置を講じているところでありますが、今後とも御決議の趣旨に沿って努力してまいる所存であります。ありがとうございました。
○渡辺委員長 以上をもちまして各国務大臣からの発言は終わりました。
     ――――◇―――――
○渡辺委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 すなわち、決算の適正を期するため、お手元の印刷物にありますとおり
 平成元年度決算外二件
 昭和六十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾 を求めるの件
 平成元年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外六件の承諾を求めるの件
 平成二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外一件の承諾を求 めるの件
 昭和六十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書
 歳入歳出の実況に関する件外四件
以上各件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時三十九分散会