第121回国会 議院運営委員会 第5号
平成三年九月六日(金曜日)
    午前十一時三十二分開議
出席委員
  委員長 森  喜朗君
   理事 与謝野 馨君 理事 谷垣 禎一君
   理事 額賀福志郎君 理事 野呂 昭彦君
   理事 中川 昭一君 理事 阿部未喜男君
   理事 森井 忠良君 理事 小林 恒人君
   理事 貝沼 次郎君
      浅野 勝人君    北村 直人君
      鴻池 祥肇君    野田  実君
      福永 信彦君    松浦  昭君
      山口 俊一君    山本  拓君
      小林  守君    渋谷  修君
      竹村 幸雄君    堀込 征雄君
      山口那津男君    東中 光雄君
      伊藤 英成君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)坂本三十次君
 出席政府委員
        大蔵省主計局長 斎藤 次郎君
 委員外の出席者
        議     長 櫻内 義雄君
        副  議  長 村山 喜一君
        事 務 総 長 緒方信一郎君
        衆議院法制局長 和田 文雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月二十一日
 辞任         補欠選任
  伊藤 英成君     神田  厚君
同日
 辞任         補欠選任
  神田  厚君     伊藤 英成君
九月六日
 辞任         補欠選任
  岡田 克也君     松浦  昭君
  須永  徹君     渋谷  修君
  平田 米男君     山口那津男君
同日
 辞任         補欠選任
  松浦  昭君     岡田 克也君
  渋谷  修君     須永  徹君
  山口那津男君     平田 米男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 国会法改正等に関する小委員長の報告
 国会法の一部を改正する法律案起草の件
 裁判官弾劾法の一部を改正する法律案起草の件
 本日の本会議の議事等に関する件
     ――――◇―――――
○森委員長 これより会議を開きます。
 まず、議員請暇の件についてでありますが、魚住汎英君より、九月七日から十四日まで八日間、田名部匡省君より、九月七日から十七日まで十一日間、それぞれ海外旅行のため、請暇の申し出があります。
 本件は、本日の本会議において議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○森委員長 次に、本日厚生委員会の審査を終了する予定の老人保健法等の一部を改正する法律案について、委員長から緊急上程の申し出がありましたたらば、右法律案は、本日の本会議において緊急上程するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○森委員長 次に、国会法の一部改正の件についてでありますが、国会法改正等に関する小委員会の小委員長であります私から御報告いたしたいと思います。
 御承知のように、常会の一月召集につきましては、多年にわたり国会改革の一環として論議されてきた問題であります。
 昨年十一月の議会制度開設百年を契機として、議会制度に関する協議会等におきまして、国会改革についての総合的な協議を続けてまいりましたが、このたび、国会の審議期間をできるだけ多くし、審議の充実を図ろうという考え方に立って、常会の一月召集について各党が合意し、参議院側とも協議が調いまして、お手元に配付してあります国会法の一部を改正する法律案の成案を決定するに至りました。
 その内容を御説明申し上げます。
 第一に、常会は毎年一月中に召集するのを常例とするものであります。
 第二に、常会の召集詔書は、少なくとも十日前にこれを公布しなければならないものとするものであります。
 第三に、本案の附則で、財政法第二十七条の規定を改め、内閣は、毎会計年度の予算を前年度の一月中に国会に提出するのを常例とするものであります。
 なお、本案は、公布の日から施行することになっております。
 以上、御報告申し上げます。
    ―――――――――――――
 国会法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○森委員長 それでは、ただいま御報告いたしました国会法の一部改正の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 この際、申し上げます。
 今回の、常会は一月中に召集するのを常例とする等の国会法改正は、多年にわたる国会改革の検討事項でありました。
 時あたかも、今国会は政治改革が大きなテーマであります。この政治改革の一つの柱である国会改革も、多くの国民から求められているところであります。
 議会開設百年を経た本年、常会の召集を一月に改正することは、極めて意義のあることであります。各党が、国会の審議期間をできるだけ多くし、審議の充実を図ろうという考え方に立って合意した画期的なものであります。
 この際、理事会の協議に基づき、私から憲法との関係及び予算の提出時期につきまして、衆議院法制局長並びに内閣官房長官に対して確認をいたしておきたいと思います。
 まず、ただいま本委員会提出とするに決定いたしました国会法の一部を改正する法律案では、常会の召集が「十二月中」から「一月中」に改められることになりますが、憲法第五十二条では、「国会の常会は、毎年一回これを召集する。」と規定されております。この国会法改正案の審議に当たり、改正案と憲法第五十二条との関係を明確にしておかなければならないと思います。
 この際、この点について衆議院法制局長の見解を求めたいと存じます。和田衆議院法制局長。
○和田法制局長 お答え申し上げます。
 国会法第二条を改正して「常会は、毎年一月中に召集するのを常例とする。」というふうに改めました場合、改正の最初の年には常会が開かれたいことになりますが、これは「国会の常会は、毎年一回これを召集する。」と定めた憲法第五十二条に反することにならないか、経過措置を設けて、今年十二月中においても常会を召集するようにする必要がないかどうかが問題になります。
 憲法第五十二条についての学説は、より多く常会の召集の機会を保障する立場から、文字どおり毎年一回召集すべきであると解する説と、国会の会期が開かれていない時期が一年以上にわたってはならないと実質的に解する説の二つに大別されます。ただ、前者の説でも、毎年一回召集するということを原則としつつも、例えば衆議院の解散のような特別の事情がある場今ないしやむを得ない場合には例外を認めるというのが多数であって、絶対に例外を認めないとする説は極めて少ないと理解しております。
 こうした点から考えますと、憲法第五十二条の趣旨は、国会はその機能、特に予算、法律案の審議、議決といった重要な機能を行使するために、定期的に毎年相当の期間活動できる状態に置かれるべきであるという見地から、建前として常会を毎年一回召集することを定めたものであり、今回のような制度改正に伴う経過的な場合についてまで全く例外を認め赴い趣旨ではないと考えられるところであります。この点につきましては、政府側の見解も同様であると承知いたしております。
 仮に、附則に経過措置を設けまして、その年の十二月に常会を召集することといたしましても、その召集された常会は、会期が極めて短期間のものになり、予算等の審議を行うために召集される本来の常会とは全く異質のものとならざるを得ません。このような変則的でノミナルな常会をあえて召集しなければ憲法に反するものと考えるのは、余りにも形式的過ぎるものと思われます。さらに、仮にその年の十二月に開かれなくても一月後の翌年一月には常会が召集されるのでありますから、なおさらそのようなことが言えるかと思う次第であります。
 したがいまして、附則に経過措置を設けなくても、憲法に反することにはならないと考えております。
 以上でございます。
○森委員長 次に、今回の国会法の改正案の附則において財政法第二十七条の改正についてもあわせて行うことになっておりますが、従来、財政法第二十七条では、「内閣は、毎会計年度の予算を、前年度の十二月中に、国会に提出するのを常例とする。」と規定されております。
 財政や景気その他経済指標等の見通しの判明する時期等からいって、十二月中に提出されていないことは事実であります。
 今回の財政法の改正によって、内閣は、毎会計年度の予算を前年度の一月中に国会に提出するのを常例とするものとすることに改められるわけですが、改正案を作成するに当たっては、各党から、「一月中」と規定すると従来の提出時期よりおくれることを容認することにもなりかねないという疑問が提起されました。
 暫定予算は、予算が国民生活に直接、密接に関係することからすれば、国会ができるだけ避けなければならない事態であると私は考えております。改正案の審議の過程では、「一月中」という規定よりもっと時期を明確にすべきではないかという意見もありました。
 本日は、内閣を代表して官房長官が当委員会に御出席されておりますが、今般の常会の一月召集、財政法第二十七条の改正に伴い、予算の提出時期について、政府から、その基本的姿勢、今後の方針について明確な説明を求めたいと存じます。また、政府においても、ぜひ、予算編成時期について十分な考慮をいたすよう要望いたします。
 坂本内閣官房長官。
○坂本国務大臣 お答えいたします。予算書は、御高承のとおり、千九百ページ強ものページ数に上ることから、その作成のために膨大な作業を要するものであります。これまでも、その作成に当たっては、大蔵省関係職員はもちろんのこと各省庁の予算関係職員は、休日を返上し連日徹夜に近い状態で作業を行っているとともに、合理化のため種々の努力を払ってきているものの、予算書の性格上正確を期する必要があることから、計数整理、予定経費要求書等の作成、計数の総突合、校正、印刷、製本等の作業のそれぞれの段階において遺漏なきを期しており、その作成には相当の時日を要しているところでございます。
 したがって、年内編成の場合には、従来と同様、予算書の国会提出は一月二十五日ごろとならざるを得ないことを御理解いただきたいと存じます。
 今後における常会の一月召集に際しても、予算書の提出時期が従来よりおくれることのないよう誠心誠意努力してまいりたいと思います。
○森委員長 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 官房長官、お伺いしますが、確かに予算書ができて、印刷に回して、かなりの日数が必要である、そのことについては私どもも理解をしております。しかし、今委員長が今回の国会法の改正の趣旨について申し述べましたように、なるべく予算の審議の日程の時間をたくさんとりたい、そういう趣旨が改正の大きな項目でございます。したがって、少なくとも今までよりも早く、今官房長官は二十五日以前には出せないのだ、こういう趣旨の御発言でございましたが、それでは、従来どおりではこの改正の意味が半減されますから、少なくとも私どもは一月の中旬という言葉を入れたかったのです。しかし、それでは縛り過ぎるだろうということで、遅くとも二十日ごろまでには出してもらいたい。
 ネックがどこにあるかといいますと、これは大体閣議決定に至るまでの間、例えば大臣折衝等必要なことでございましょう。しかし、閣議決定に至るまでの間に余りにも時間をとり過ぎておる。閣議決定が早くできればそんなに心配しなくても二十日ごろには私は予算書を提出してもらえるもの、そう理解をしてこの改正に賛同したわけでございまして、今官房長官の二十五日ごろまでは出せないのだ、そういう趣旨であるならば、これは賛同しかねることになりますので、もう一回よく考えて、今申し上げましたように閣議決定の時期を早める、閣議決定の時期を早めることによって予算書の提出を、遅くとも一月の二十日ごろまでには出せるように努力する、政府の方にそのくらいの決意がなければ、これは簡単に賛成できません。
○坂本国務大臣 予算書の編成については、基本的に要求から査定に至るまで膨大な作業を要するものであること、内外の経済情勢の動向等と密接不可分の関係にあるため、翌年度の経済情勢の動向等をでき得る限り的確に見通して編成する必要があること、また政府部内を初めとする関係者の理解をでき得る限り得つつ円滑な予算編成を進めていくことが望ましく、そのためには多大の時間を要することだと、政府予算案の決定はどうしても十二月末になってしまうという実態でございます。
 このような事情から、概算の閣議決定を年末から一週間程度早めることは困難であり、政府として最善の予算を編成すべくぎりぎりの日程で作業を行っていることをどうぞ御理解をいただきたいと思います。
○阿部(未)委員 そういう政府の態度ならば、そう簡単にこの国会法の改正に賛成するわけにはまいりません。
 委員長、ちょっと休憩してください。
○森委員長 この際、暫時休憩します。
    午前十一時四十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十九分開議
○森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、坂本内閣官房長官から発言を求められております。これを許します。坂本内閣官房長官。
○坂本国務大臣 先ほどの私の発言を撤回し、改めて議院運営委員長の質問に答弁いたします。
 予算書の提出時期につきましては、従来より可能な限り早めるよう誠心誠意努力をいたします。
○森委員長 阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 この国会法の改正に伴いまして、国会の召集の時期について官房長官にお伺いしておきたいのですけれども、まず、さきに人事院から勧告をされた国家公務員の給与等を改定するための給与法を審査する国会は、この臨時国会中に処理をされるおつもりでございますか。
○坂本国務大臣 政府におきましては、給与に関する人事院勧告の取り扱いにつき、これまでも人事院勧告制度尊重の基本姿勢に立って対処してきたところであり、今年度についても、国政全般との関連を考慮しつつ検討を進めてきており、引き続き最大限の努力を尽くしてまいります。
 給与法の改正法案につきましては、勧告の取り扱いについての結論を得次第、所要の法案作成作業を行うこととしており、成案を得れば、その段階で国会審議の段取りについて相談させていただくことになると思います。
○阿部(未)委員 そこでお伺いしたいのですけれども、従来ならば、十二月中に通常会が召集をされるという憲法上の規定並びに国会法上の規定があった。しかし、今回の改正によって、今年中に通常会が召集をされることはあり得ない。そうなりますと、今質問をいたしましたこの臨時国会中に給与法の改正が行われなければ、場合によると人事院の勧告はそのままたなざらしになって、給与法の審査ができないことになってまいります。したがって、国家公務員はもとより地方公務員にも及ぶ給与の改定は極めて重要でありますから、もしこの臨時国会中に給与法改定の提案ができない場合には、準備でき次第臨時国会を開いて、給与法に対する審査、決定ができるように努力を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○坂本国務大臣 差額の年内支給の問題ででざいますね。
○阿部(未)委員 そうなります。
○坂本国務大臣 今私がこの場で、どの国会で、どの時期でと申し上げるということは甚だ難しいということは、どうか御理解を賜りたいと思います。
 公務員の給与改定については、従来から差額の年内支給をしてきたという経緯、実績を十分踏まえ、今後においても人事院勧告尊重の立場から、世論の納得を得られる結論を得るよう、できるだけ早期に検討を進めたいと思います。
○阿部(未)委員 私がお願いしておるのは検討ではなくて、その検討の結果に基づいて、今官房長官おっしゃったように、従来の慣行どおり、年内に公務員に差額の支給ができるような国会召集による処理をお願いしたい、このことを強く要請をしておきますので、政府においても必ず年内に支給できるようにしかるべき国会、もし国会を召集される予定がなければ、臨時に召集してでも処理をするという決意をお聞かせ願っておきたいと思います。
○坂本国務大臣 御趣旨を体して、最大限努力いたします。
    ―――――――――――――
○森委員長 次に、裁判官弾劾法の一部改正の件についてでありますが、国会法改正等に関する小委員会の小委員長であります私から御報告いたしたいと思います。
 裁判官弾劾法第四十四条は、裁判官弾劾裁判所及び裁判官訴追委員会における証人の不出頭等の場合の罰則を定めており、現在一万円以下の過料とされておりますが、経済事情の変動及び議院における証人に対する罰則等の例にかんがみ、過料の最高額を十万円に引き上げようとするものであります。
 なお、本案は、公布の日から施行することになっております。
 以上、御報告申し上げます。
    ―――――――――――――
 裁判官弾劾法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○森委員長 それでは、ただいま御報告いたしました裁判官弾劾法の一部改正の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
○森委員長 次に、ただいま本委員会提出とするに決定いたしました国会法の一部を改正する法律案、裁判官弾劾法の一部を改正する法律案の両法律案は、本日の本会議において緊急上程するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
○森委員長 次に、本日の本会議の議事の順序について、事務総長の説明を求めます。
○緒方事務総長 まず最初に、議員請暇の件についてお諮りをいたします。
 次に、日程第一につき、野中逓信委員長の報告がございまして、共産党が反対でございます。
 次に、動議により、ただいま御決定いただきました国会法の一部改正案及び裁判官弾劾法の一部改正案の両案を緊急上程いたしまして、森委員長の趣旨弁明がございます。両案を一括して採決いたしまして、全会一致であります。
 本日の議事は、以上でございます。
    ―――――――――――――
議事日程 第四号  平成三年九月六日
    午後零時三十分開議第一 日本放送協会平成元年度財産目録、貸借
    対照表及び損益計算書
    ―――――――――――――
○森委員長 それでは、本日の本会議は、午後二時二十分予鈴、午後二時三十分から開会いたします。
○森委員長 次に、次回の本会議の件につきましては、後刻理事会において協議の上、公報をもってお知らせいたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十六分散会
     ――――◇―――――