第123回国会 本会議 第15号
平成四年四月二日(木曜日)
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  平成四年四月二日
    正午 本会議
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○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 東家国務大臣の国土利用の現状と課題について
  の発言及び山崎建設大臣の地方拠点都市地域
  の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関
  する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質
  疑
    午後零時三分開議
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
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○議長(櫻内義雄君) この際、新たに議席に着かれました群馬県第二区選出議員を紹介いたします。
 第四百六十六番、中島洋次郎君。
    〔中島洋次郎君起立、拍手〕
 第四百八十番、谷津義男君。
    〔谷津義男君起立、拍手〕
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 議員請暇の件
○議長(櫻内義雄君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 井上普方君から、海外旅行のため、四月三日から十二日まで十日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
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 国務大臣の発言(国土利用の現状と課題につ
  いて)及び地方拠点都市地域の整備及び産
  業業務施設の再配置の促進に関する法律案
  (内閣提出)の趣旨説明
○議長(櫻内義雄君) この際、国土利用の現状と課題についての東家国務大臣の発言及び内閣提出、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案についての趣旨の説明を順次求めます。国務大臣東家嘉幸君。
    〔国務大臣東家嘉幸君登壇〕
○国務大臣(東家嘉幸君) 最近の国土利用の現状と課題について一言御説明申し上げます。
 第一に、出生率の低下、国際化の進展等、国土をめぐる諸情勢について申し上げます。
 まず、人口の動向については、女性の社会進出に伴い、予想を超える出生率の低下が続いております。この結果、平成二年の国勢調査による人口は、五年前と比べ二・一%増となり、戦後最低の伸び率となりました。ここ数年の大幅な出生率の低下は、全国的に高齢化の進行を速めております。この人口増加の鈍化と高齢化の進行は、特に地方圏において顕著にあらわれています。
 次に、国際化について見ますと、近年、情報通信手段の発達等を背景に、政治、経済、文化など各方面で、国境を越えた交流が活発化し、各国間の相互依存が強まっております。このような中で、交流をより活発化するための国土基盤の整備の必要性が高まっております。
 特に、近隣諸国との交流においては、大都市圏のみならず、地方圏の役割も大きくなってまいりました。
 第二に、東京一極集中について申し上げます。
 近年、東京は世界都市としてその役割をますます高めており、東京圏への中枢管理機能、金融・情報等の高次都市機能等の集中が続いております。このような業務機能の集中に伴い、東京圏では昭和五十年代後半以降、人口の再集中が進みました。
 最近の動向を見ますと、東京圏の人口については、昭和六十二年を境に流入超過幅が縮小する傾向にあり、平成二年には十万人を下回っておりますが、その全国に占める割合は、やや上昇しております。工場や大学の立地については地方展開が進み、工業生産額や大学生数の全国に占める東京圏の割合が低下する傾向にあります。
 第三に、地方圏における活動の広域化について申し上げます。
 地方圏においては、予想を超える出生率の低下や東京圏への人口流出により、平成二年の国勢調査では、十八の道県で、五年前に比べ人口が減少いたしております。中でも、人口規模の小さい農山村等において人口減少、高齢化が著しく進行しております。しかし、地方圏でも人口規模の比較的大きい都市では、人口は着実に増加しており、特に、県内主要都市では、交通・通信体系の整備、都市環境の整備、都市型産業の成長などにより、人口集積が一層高まっております。
 また、これらの都市の成長は、圏域の拡大をもたらしており、都市と周辺農山村の交流が活発化し、お互いに便益を享受し合うことにより、定住を促進し、地域の活性化につながるという新しい動きが見られます。
 最後に、国土政策の当面の基本的方向について申し上げます。
 以上、申し上げた状況のもとで、国土の均衡ある発展を図るためには、東京一極集中を是正し、地方の自主性を尊重しつつ、その活性化を図ることが重要であります。このため、地方の自立的成長を牽引し、地方の発展の拠点となる地方都市と周辺農山村の一体的、総合的な整備、国内外を結ぶ高速交通体系の整備等を進めることがとりわけ重要であります。
 このような施策を初め、安全で潤いのある国土の形成、活力に満ちた快適な地域づくりの推進などの各般の施策を強力に推進し、引き続き、多極分散型国土の形成に全力を挙げて取り組んでまいる考えであります。(拍手)
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○議長(櫻内義雄君) 建設大臣山崎拓君。
    〔国務大臣山崎拓君登壇〕
○国務大臣(山崎拓君) 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 近年の地方圏における人口減少と東京圏における人口及び諸機能の過度の集中という状況の中で、地方の自立的成長の促進を図り、国土の均衡ある発展を実現することは、現下の内政上の大きな課題となっております。
 こうした課題に対処するため、地域社会の中心となる地方都市及びその周辺の地域の市町村から成る地方の発展の拠点となるべき地方拠点都市地域について、地域における創意工夫を生かしつつ、広域の見地から、都市機能の増進及び居住環境の向上を推進するための措置等を講ずることにより、その一体的な整備の促進を図る必要があります。
 また、これとあわせて、過度に産業業務施設が集積している地域から地方拠点都市地域への産業業務施設の移転を促進するための措置等を講ずることにより、産業業務施設の再配置の促進を図る必要があります。
 この法律案は、こうした認識に立って、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進を図るため所要の措置を講じようとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、主務大臣は、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する基本方針を定めることとしております。
 第二に、都道府県知事は、関係市町村及び主務大臣と協議の上、地方拠点都市地域の指定を行うことができることとしております。第三に、地方拠点都市地域の関係市町村は、共同して、当該地域の整備の促進に関する基本計画を作成して都道府県知事の承認を得るものとし、承認を行った知事は、関係行政機関の長にその旨を通知することとしております。基本計画においては、地方拠点都市地域の整備の方針、拠点地区の区域及び実施すべき事業、公共施設の整備、居住環境の整備、人材育成等の活動等について定めることとしております。
 第四に、産業業務施設の再配置の促進を図るため、移転計画の認定制度の創設等所要の措置を講ずることとしております。
 第五に、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進を図るため、地方行財政上の特例措置、都市計画上の特例の創設、税制上の特例措置、地域振興整備公団及び通信・放送機構の業務の追加等所要の措置を講ずることとしております。
 なお、本法律案の運用は国土庁長官、農林水産大臣、通商産業大臣、郵政大臣、建設大臣及び自治大臣が協力して行うこととしております。
 以上が、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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 国務大臣の発言(国土利用の現状と課題につ
  いて)及び地方拠点都市地域の整備及び産
  業業務施設の再配置の促進に関する法律案
  (内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(櫻内義雄君) ただいまの国土利用の現状と課題についての発言及び趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。松本龍君。
    〔松本龍君登壇〕
○松本龍君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいまの山崎建設大臣による地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案の趣旨の説明につきまして、宮澤総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 今日、我が国の人口動態は、東京圏において、国土のわずか四%足らずに全人口の四分の一以上の人々が住むという集中化が進み、一方で、八五年国勢調査で一県のみだった人口減少県が九〇年調査では一気に十八県に、また二千七十九に及ぶ人口減少市町村があり、その数は実に全体の市町村の六四%に上り、極めて深刻な状況にあります。「東京の不満、地方の不安」という言葉が聞かれるようになって久しくなりますが、事態は一向に改善する兆しを見せておりません。このことにかんがみて、東京一極集中を是正し「地方の振興を図っていくために、宮澤総理の決意をまずお伺いをしたいと思います。(拍手)
 本論に入ります前に、去る二月二十六日に国土庁の首都機能移転問題に関する懇談会の「中間とりまとめ」が出されております。ここでは、国会や中央官庁を含め、首都機能を東京から新首都に移すことを提唱しています。一昨年の国会移転決議を受けて出されたこの構想について、総理はどのように受けとめられておるか。また、今国会では首都移転基本法を成立させるとの動きもありますが、あわせて総理のお考えをお聞かせください。
 さて、本法案は、各省庁がそれぞれの構想を持ち寄り、地方都市を活性化させようと協力し合ってできたものですが、経過を見、中身を精査いたしますと、急ごしらえの感も否めません。といいますのは、それぞれがどのような町づくりをイメージしているのか、全体として見えてこないからであります。法案作成に当たって、地方が今何を望み何を悩んでいるか、生の声を聞かれた経緯があるのか、また、具体的にどのような都市をイメージしておられるのかを、関係各大臣にお尋ねをいたします。
 地方分権の観点から見ても、さきの第三次行革審では、地方分権特例制度、いわゆるパイロット自治体制度の導入が提案されており、地方制度調査会では、地域中核都市についての検討が進んでおります。これら権限移譲も含む制度の問題と今回の地方拠点都市との関係は、どのように考えたらよいのでしょうか。いずれの考えも、国から地方への権限移譲が大きな課題となっています。この法律によって地域に幾ら指定をされても、国の持っている行政権限を地方へ移していかなければ、創意に満ちた魅力ある都市にならないのではないかと思います。税財政上の特例だけではなく、大胆な権限の移譲がなければ実効性が上がらないと思うのですが、いかがでしょうか。(拍手)
 また、六省庁の協力事業と称しながら、具体的には各省庁の独自事業を寄せ集めたものであり、ある省が補助金を出す施設と、別の省の補助金がつく施設が大変似通ったものになるということも考えられます。類似する施設については、統一した補助事業とするなどの方策がなぜとれなかったのか。
 さらに、地方の自立的成長の促進ということが目的の一つとしてうたわれているならば、地方の自主性、地域の創意工夫を生かしていくためにも、地方単独事業の拡大を重点的に行っていく必要があるのではないでしょうか。元気のある自治体、知恵を出す自治体に対して、主体性を最大限尊重しつつ、しっかりと支援をするというボトムアップの考え方が取り入れられなければならないと考えますが、自治大臣の御所見をお示しください。(拍手)
 総理、この法律案と似た構想として、かって新産業都市、テクノポリス、頭脳立地地域、リゾート法などなど、これまでさまざまな地域振興あるいは産業振興策が打ち出されてまいりました。これらが真に地域住民の理解を得、実効が上がったのか、あらゆる分野からの検証が必要と思われます。すべての経過を熟知しておられるでありましょう総理の率直な御見解をお伺いをいたします。
 この法律では、どのような地域が対象となるのか、明示されておりません。今各道府県においても、大きな都市への人口集中の傾向が見られます。このことの是非は別として、指定をされる地域によっては、さらに一極集中を助長し、周辺部に一層の過疎化を招くことにならないかという懸念が出されております。こうした事態を防止するために、政府はいかなる手だてを考えているのか、お聞かせください。
 また、このような構想が打ち出されると、地価の上昇が引き起こされる危険性があります。これを防止する手段としては、監視区域制度の積極的な運用が予定をされていますが、しかし、八五年以来の地価高騰局面でも十分な抑制効果を上げたとは言えません。より積極的な防止策が必要だと思うのですが、国土庁長官の御見解をお尋ねをいたします。
 拠点都市づくりに当たっては、地域の指定、基本計画の策定など、地方に主体性が認められております。一定評価するものですが、実態は、市町村は知事と協議をし、知事は主務大臣と協議をしなければならないとあります。さらに、指定を受けようとする地域が予想以上に多くなると、その絞り込みの段階で、本当に地方の主体性が生かされる中身となるのか、疑問を持たざるを得ません。過去の例にあるように、陳情合戦を招来するようなことは避けなければならないと思うのですが、いかがお考えでしょうか。
 主務大臣が定める基本方針については、今後明確にされるでしょうが、この内容いかんによっては、よく金太郎あめの例えにあるように、どこを見ても画一的なおもしろみのない都市が全国的に出現することも予想されます。地方にはそれぞれの特質や歴史や文化があり、目指すものもそれぞれ違っています。したがって、私は、基本方針の中でそれらに縛りをかけるようなことは避けるべきであると考えますが、いかなる見解をお持ちなのか、お尋ねをいたします。
 町づくりについては、住民の自主性を尊重し、暮らしやすい活性化された都市づくりを目指すと言われています。ならば基本計画の段階で、地域住民への情報公開、計画決定への住民参加などがとりわけ重要でありますが、こうしたことに対する制度的な保証はどうなるのでしょうか。環境影響評価などの問題も含め、どのように考えておられるのか。また、拠点都市地域には公共投資の重点配分を行うとされていますが、この法律には触れられておりません。あわせて建設大臣の所見をお伺いをいたします。
 私は、この間、いろいろな人たちにお話をし、意見を聞いてまいりました。その中で、地域に指定をされても、いわゆる拠点地区だけがよくなるというのでは困るという不安の声が数多くありました。拠点地区以外の拠点地域ではどのような整備事業が行われるのか、自治大臣の答弁を求めます。
 さて、やれ一極集中と、諸悪の根源のように言われて少々気の毒な気がいたします東京の話に移りたいと思います。
 東京からの事務所移転については、別にペナルティーがあるわけではなく、事務所の移転が容易に進むとは考えられません。また、移転しようとするものが申請をすることになっています。そもそも移転をしようとするものがいないことが、実は東京一極集中の原因ではなかったでしょうか。公的機関、公的プロジェクトの移転も含め、もっと積極的で厳しい、移転の促進のための誘因となるものをつくり出す必要があると考えます。さらに、跡地について、民間と民間の売買は基本的に排除されているのでしょうか。もし公共だけとするならば、その財源の裏づけはあるのか。さらに、跡地の利用について、法案では「公共の用途その他住民の福祉の増進に資する」とありますが、そこがもし過度に集積しているのであれば、公園など非集積化の対応策が必要であると思われますが、お尋ねをいたします。
 また、産業業務機能を移転すべき地区は東京二十三区だけが指定されるようですが、現在行われている政府関係機関の移転でも、その移転先は大半が東京圏内に予定されています。近年の傾向を見ますと、工場や研究機関の立地も含めて、東京圏が東京百キロ圏に急速に拡大しつつあり、より広範な形での一極集中が進行しているのではないかと思われます。こうした動きにどのように歯どめをかけていくのか、お考えをお聞かせください。
 きょうは久々に晴れ間が見え、まさに春も盛りとなりました。総理、かって中国の杜甫は、「春望」という詩の中で、国破れて山河ありという言葉を残しました。戦後四十数年間、さまざまな人たちの努力で今日の日本を築き上げてまいりましたが、ここに来て、農業問題、森林伐採の問題あるいはリゾート乱開発に見られますように、もしかすると、国栄えて山河なしという状況をつくり上げているのではないかと危惧の念を持っているのは私だけではありません。さらに、雲仙・普賢岳、相次ぐ台風被害と、自然の厳しさを私たちは昨年来、痛いほど知らされました。環境と開発の問題は、これからの子供や孫たちにかけがえのない地球を残すという、我々の大きな使命の中で最も重要な課題と思われますが、最後に、総理の御決意をお伺いをして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 東京の一極集中を是正いたしまして、いわゆる多極分散型国土の形成を図ることは、国土政策上の重要な課題であると考えております。
 このため、政府におきましては、いわゆる四全総に基づきまして、地域主導による地域づくりの推進を基本としてまいりました。まず、ふるさと創生を契機として高まってまいりました自主的、主体的な地方の動きをさらに支援するとともに、全国一日交通圏の構築を目途とした高速交通体系の整備、また、テクノポリス法、頭脳立地法に基づく地域産業の高度化、多極法に基づく振興拠点地域の開発整備など各種の施策の展開に努めてまいりました。さらに、地方の自立的な成長と発展の拠点となる地方拠点都市地域整備のための法律案を御提案をいたしまして御審議をいただいておるところでございますが、これらを通じて地方圏の戦略的、重点的整備を図り、東京一極集中の是正に努めてまいりたいと考えております。
 次に、首都機能移転の中間報告をどのように受けとめているかというお尋ねでございましたが、国土庁において開催しております首都機能移転問題に関する懇談会が、国会等の移転に関する御決議を受けまして、検討の中間取りまとめを先般行ったところでございます。内閣総理大臣の主宰いたします首都機能移転問題を考える有識者会議においても、この「中間とりまとめ」について先般説明を受けたところでございます。
 首都機能を移転するための立法につきましては、移転の具体的枠組みの検討の進展に合わせて検討していくべき問題と考えておりますが、国会におかれましては、さきに移転決議をなされ、決議後も引き続き熱心にこの問題を検討をされておると承知しておりますので、その御議論も踏まえながら政府としても対応してまいりたいと考えております。
 自治体の自発性を最大限に尊重し、支援するいわゆるボトムアップの考え方をどう思うかとお尋ねでございましたが、本法案が掲げる地域の創意工夫を生かして「地方の自立的成長」を図るという目的達成のため、これまで進めてまいりましたふるさと創生施策などの実績を十分生かして対処する方針でございます。
 このような観点から、特に地域の創意工夫を生かした自主的な地方単独事業につきましても、ハード事業、ソフト事業ともあわせまして意欲的、積極的に支援をいたしてまいりたいと思います。
 従来より、社会経済情勢に合わせ、地方の振興のために各種の施策を講じてまいりました。これらの施策の推進に当たりましては、施策ごとにあらゆる分野からその実効性を十分に検証しながら、随時施策の具体的な実態に反映させてきておりますが、今後ともこれら各種の施策の有効な活用を通じて、地方の振興を推進してまいりたいと思います。
 地方拠点都市地域の整備に関して、環境保全についてどう考えるかというお尋ねがございました。
 魅力ある地方拠点都市地域の整備を行うに際しまして、貴重な自然を守り、環境悪化の防止に努め、また緑や水との触れ合いの場を拡大することなどは、御説のようにまことに重要であると考えております。
 このため、基本方針において環境の保全に関する事項を定めるとともに、また、事業の実施において、必要に応じ環境影響評価等を実施し、環境の保全に細心の注意を払うことといたしたいと存じます。御指摘になられましたように心がけまして、国栄えて山河ありという国土づくりに励みたいと思っております。(拍手)
    〔国務大臣東家嘉幸君登壇〕
○国務大臣(東家嘉幸君) まず、法案作成時の経過と具体的な都市のイメージについてでございますが、法案の検討過程において、参考とするため地方公共団体や学識経験者の意見を聞いたところでございます。また、地方拠点都市地域の具体的なイメージとしては、人口規模、経済活動から見て、自立的成長の可能性を有するとともに、県内の一極集中是正にも資するような地域を考えております。
 次に、本構想による周辺部の過疎化の御懸念についてでございます。
 地方拠点都市地域の整備を促進することにより、周辺地域を含む県土全体に適切な波及効果を及ぼし得るものであると考えております用地方拠点都市地域とその他の地域の交通体系の整備を進めるとともに、それとあわせ、農山漁村、中山間地帯の振興に積極的に取り組んでまいりたい。
 なおまた、次に、地価上昇の防止策についてのお尋ねでございますが、地方拠点都市地域の整備に当たっては、地価の高騰が生じないようにすることが重要な課題でございます。このため、本法案においては、国土利用計画法に基づく監視区域の指定の努力義務規定を設けているところであり、さらに、居住環境の向上を図る観点から、地方の特性を生かしたゆとりある良質な住宅・宅地の供給を促進することとしております。これらの措置を活用することにより、地価の高騰を招かないように努力してまいりたいと存じます。
 次に、いわゆる陳情合戦についてのお尋ねでございますが、今回の法案においては、地方の自主性を最大限に尊重することとしており、したがって、当該地域の人口増減、経済活動等の諸条件を熟知している都道府県知事が地域指定を行うこととしております。御指摘の陳情合戦を招来することがないように、国としても十分相談にあずかってまいりたいと存じます。
 次に、基本方針の内容についてでございますが、基本方針の具体的内容については今後検討することになるが、「地域における創意工夫」を生かすという本法案の目的を踏まえて、適切に対処してまいりたいと存じます。
 最後に、広範な一極集中の進行くの対応についてでございますが、昭和五十年代後半から国際化の急速な進展、産業構造の変化等を背景として、東京圏への諸機能の集中と人口の再集中が生じております。このような東京圏への集中に伴い、住宅問題、通勤問題等の弊害や地方における活力の低下等の問題が指摘されているところでございます。
 国土庁としては、国土の均衡ある発展を図るため、今後とも関係省庁との密接な連携を図りつつ、地方の自立的な成長を牽引し、地方の発展拠点となる地方都市と周辺山村の一体的、総合的な整備、高速交通体系の整備など、諸施策の推進に努め、一極集中の是正を図ってまいる考えであります。(拍手)
    〔国務大臣塩川正十郎君登壇〕
○国務大臣(塩川正十郎君) 松本さんにお答えいたします。
 まず最初に、この法案の作成に当たりまして、地方の意見を十分聞いたかということでございますが、自治省は地方の意見を聞くのが専門でございますので、これはもう十分に聞いております。特に、知事会あるいは市長会との間におきまして意見の交換もしっかりとやっておりますので、そのように御承知いただきたいと思うのであります。
 そして、具体的にどんなイメージを持っておるのかという、これはなかなか、この法案だけのことでは私はつかみにくいと思うのでございますが、知事会とか市長会とか、いろいろ相談いたしまして意見を聞いておりますと、最近はそれぞれの県におきましてもやはり一極集中が始まっておるのですね。それは県都を中心とした人口集中、産業の集中が起こっておる。
 しかしながら、県内広く見るならば、かつてそこにいんしんをきわめた都市がある。そしてまた、あるいはそこに社会的な経済的なそれぞれの要件は整うておるけれどもそこの財政力が弱いとか、あるいは周辺市町村との連携の問題等があってなかなか振興策がとりにくいというようなところ、そういう県内におきまして第二、第三の都市というようなところ、ここを中核としてひとつ目玉づくりみたいなことをやってもらえぬだろうか、こういう要求がございますので、今後につきましては、そういう意見を十分聞きながら進めていきたいと思っております。
 そこで、この法案に対するいわばもう一つのイメージでございますけれども、従来の地域振興法といいますと、いわばトップダウン方式で、政府の方でこういうことを要件にしてこんなことをやりなさいということをざっと押しつけていくというような傾向が強かったのでございますけれども、今度のこの法案は、それとは、従来とはちょっと方向が変わりまして、まあ私から言うならばボトムアップのような格好の法案でございます。したがいまして、これはあくまでも知事が地域を指定しているのでございまして、それを各省がみんな寄って応援しようという、こういう法案でございますので、その趣旨は、我々としても十分に堅持していきたい、こう思っております。
 それから、パイロット自治体制度とそれから地域中核都市、拠点都市、こういうようなものの相違はどこにあるのかという、こういうようなお尋ねだったと思っておりますが、この地域中核都市、今度の法案は、あくまでも地域振興のための方策を講じようということでございますし、パイロット自治体のプランというのは、あくまでも地方の権限の問題あるいは補助金の特例化等を通じまして自治体の自立性を図っていこうというそういうねらいがございますので、要するにねらっておる方向が、おのずから、相関連はいたしておりますけれども、その手法において若干違うというところでございます。
 なお、パイロット自治体のことでございますけれども、これはまだ第三次行革審で検討されておりますし、今後二十三次の地方制度調査会でございますか、ここでも議論されてくると思っておりまして、私たちも一つの方向が示されるのを期待しておるというところでございます。したがって、先ほど言いました拠点都市の方向とはちょっと違うということでございます。
 それから、陳情合戦になりはしないかということでございます。
 確かに法案の基本方針というものは、主務大臣、各省が協議いたしまして決めますけれども、この指定をいたしますのは、先ほど申しましたように知事そのものなんでございます。したがって、知事が自分の県内における協議を十分経た上でないと意思表示は上がってこないということでございますので、私は、そういう陳情合戦等は、従来の法案のように分捕りでいこうというものではなくして、まず自分らでやる気のある市町村を中心とした県の意見がまとまってくる、そういう順序をとると思っておりますので、陳情合戦については、私たちは、そういうことは起こり得ないし、またそういうことのないように十分な指導をしていきたいと思っております。
 それから、基本方針と地方の自立性を発揮することについての御質問がございましたが、この件につきましては、先ほど総理から答弁がございましたので、省略させていただきたいと思っております。
 最後に、一番気にしておられるのは、この中核都市を指定されたところは非常に振興策はとられるけれども、その中核都市の指定から外れたところはほったらかしにされるのじゃないのか、こういう御心配だと思うのです。これは、そんなことはもう我々いたしておりません。
 といいますのは、今までずっと全国ネットワークを見ましても、自治省では、既に中核的ないわゆる町づくりといたしまして広域行政圏構想を持って、これを中心に進めてきておりますのでございますから、そういう地域の振興を図りながら、なおかつ、先ほど言いましたように、文化的に、経済的に、社会的にそれぞれの力がありながら、現在振興策がとられておらない地域に対して目を向けようというのが今度の法律でございますから、それと相まって網に漏れのないようにいたしたい、こう思っておりますし、同時に、私といたしましては、そういう地域への指定から漏れたところにおきましても、なお単独事業を通じまして、これは今度は単独事業はソフトとハードと両方相合うて強力に推進したいと思っておりますので、それを通じまして地方の振興に一層力づけていきたいと思っておりまして、したがって、この指定が外れたからということでほっておくというようなことは絶対にないということで、御安心いただきたいと思っております。(拍手)
    〔国務大臣山崎拓君登壇〕
○国務大臣(山崎拓君) 松本龍議員の御質問にお答えいたします。
 まず第一点は、本法案の作成に当たって地方の生の声を聞いたか、また、拠点都市のイメージについてどう考えているかということでございますが、本法案の作成に当たりまして、地方公共団体の意向や考え方について、さまざまな機会にいろいろな角度で聴取しながら、関係省庁と協議をいたしまして本法案の作成に当たったところでございます。
 拠点都市のイメージでございますが、まず第一に、地方の自立的成長を牽引し、地方定住の核となる地域であること、第二に、若者が魅力を持てるような職・住・遊・学の生活空間をつくることにより、地方の発展の拠点となる可能性を有する地域であること、第三に、当該地域を拠点として育成、整備することにより、県内における一極集中の解決も図られるような地域であること等を考えております。
 次に、国から地方への権限移譲が必要と考えるがいかんという御質問でございました。
 この点につきましては、国の役割を地方拠点都市地域の整備に関する基本方針の策定にとどめているのでございます。従来の地域振興立法におきましては、複数の市町村にまたがる計画につきまして知事が策定する例が多かったのでございますが、本法案におきましては、計画策定の権限を市町村に与えまして、地方拠点都市地域の関係市町村が共同して基本計画を作成することにいたしております。さらに、国は知事からの通知を受けまして、その計画達成のために必要な支援措置を講ずることといたしておりまして、全体といたしまして、地方の自主性、創意工夫を尊重するという考え方に立った制度でございます。
 第三の御質問は、地域の指定に当たりまして知事は主務大臣と協議することになっているので、陳情合戦が避けられないのじゃないかという御質問でございますが、これは自治大臣が御答弁申し上げましたとおりでございます。
 次に、第四点は、国の示す基本方針は地方の独自性を尊重するものにすべきである、こういう御意見でございます。
 これはそのとおりでございまして、基本方針におきましては、地方拠点都市地域の指定、基本計画の作成及び産業業務施設の移転計画の作成の指針となるべきものを定めることといたしておりますが、具体的な内容につきましては必要最小限の記述にとどめまして、地域の特性を踏まえた創意工夫が生かされるように十分配慮してまいる考えでございます。
 第五点は、拠点都市の町づくりには、基本的に住民の参加、合意づくりが重要である、どのような制度的保証をするか、あるいは環境アセスメントのやり方はどうであるか。
 この点につきましては、総理もお答えになったところでございますが、基本計画は議会の議決を経て定められる市町村の基本構想に即するとされておりまして、住民の意思が反映される仕組みとなっております。また、住民参加につきましては、計画の策定主体である市町村の実情を踏まえまして、必要に応じまして適宜講じられるものと考えております。基本計画に定められました事業の実施につきましては、必要に応じ環境影響評価を実施するように指導してまいります。
 第六点は、公共投資の重点配分が法律に盛り込まれていないという御指摘でございますが、建設省といたしましても、地方の自主的な取り組みや意向をできるだけ尊重しつつ、地方拠点都市地域の一体的な整備に向け、道路、公園等の所管公共事業の重点実施に努めてまいる所存でございます。
 最後に、東京から事務所移転について、移転促進のためのインセンティブが必要ではないか、また跡地について民間への売却は可能か、公園など非集積化の対応策が必要ではないか等の御質問でございます。
 本法案におきましては、産業業務施設の再配置を促進するため、地方拠点都市地域における業務系の拠点地区を整備する等によりまして、これらの地域における事務所の立地を促進するとともに、東京からの移転企業に対します税制上の特例を講じているところでございます。
 この場合、移転跡地が再び事務所等の用に供されることがないように、移転跡地を私企業に売却いたしました場合には、税制上の措置の対象外といたしますとともに、移転跡地が公共施設等に利用されるよう、国及び地方公共団体に対し努力義務を課しているところでございます。
 また、地方公共団体等が跡地を取得する場合につきましては、都市開発資金等公共用地の先行取得に関する制度の活用に努めてまいりたいと考えております。(拍手)
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○議長(櫻内義雄君) 大畠章宏君。
    〔大畠章宏君登壇〕
○大畠章宏君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいまの国土利用の現状と課題についての発言に対し、宮澤総理大臣並びに関係大臣に質問いたします。
 最初に、政府より提出されております地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案の目的について、総理大臣にお伺いいたします。
 本法案に関する関連資料を調査いたしましたが、法案の題目にありますとおり、地方拠点都市の活性化を図ることを重点としているのか、それとも、ほぼ限界に達したと言われている東京の一極集中を解消させることを目的としているのか、明確ではありません。そこで、この法案の目的について、以下二点、お伺いいたします。
 第一点は、法案の題目にありますとおり、地方拠点都市整備を目的としているのであれば、次の点に対するお考えを伺うものであります。
 私は地方議会議員出身でありますが、かなり以前から、これからは地方の時代だという中央からの声を聞いておりました。地方ではそれを信じ、私自身も大変期待していたところであります。しかし、その具体的動きがさっぱり見えませんでした。そして、多くの権限が相変わらず国に集中しているし、逆に、中央集権をさらに強めている傾向すら見受けられました。
 このような情勢の中で、本法案が、従来のトップダウン型の地方振興策などとは異なり、各都道府県知事や各市町村に大幅にその権限をゆだねている点は評価するものでありますが、私は、今後、この考え方を一層推し広げ、政治・行政システム全般にわたり、国と地方自治体の予算や許認可権限の配分について、抜本的に見直すことが必要ではないかと考えるわけであります。
 毎年、予算編成期になりますと、中央官庁街で陳情合戦が繰り広げられますが、こういうことをやらなくても、各都道府県の独自の財源で、その地方の特色を生かした各種施策を行える体制を整えることこそ、すなわち、思い切った地方分権を強めることこそ、私は、地方活性化の根本的な推進策ではないかと考えるものであります。さらに、このことは、中央での大規模な政治腐敗を生む可能性を少なくする効果もあり、日本の政治風土を根底から変え、欧米並みの透明感のある政治風土を実現する一つの基本条件であると考えます。
 そして、この問題は、これからの日本の民主政治の原点にかかわる問題であると考えますが、総理は、将来の日本の政治・行政システムの展望を踏まえ、この地方分権についてどのような認識でおられるのか、決意も含めてお伺いするものであります。(拍手)
 第二点は、もし東京への一極集中を解消することを目的としているのであれば、東京の一極集中がなぜこのように異常と言われるほどになってしまったのか、その原因は何かという問題であります。すなわち、この原因を明確に分析せずして的確な解決策は考えられないからであります。私は、この東京の一極集中の一つの原因は、首都機能、すなわち、国会や官庁街を中心とした各界各層の最新情報の価値の集中にあると思います。
 最近のアンケート結果を見ましても、東京に企業を立地する主なメリットとして、関係官庁との接触や情報入手に便利、業界や他社情報が得やすい、市場や顧客情報が得やすい、さらに、技術情報が得やすいなどが挙げられております。したがって私は、東京の一極集中の解消のためには、国会と官庁街の移転を強力に進めることがまず不可欠ではないかと考えるものであります。
 総理は、この東京への一極集中の原因についてどのようにお考えでしょうか。さらに、この東京一極集中の原因を今回の法案の施行により解消することが可能であるか、その見通しにつきましてあわせてお伺いするものであります。(拍手)
 次に、産業立地政策の変遷と今後の総合ビジョンについて、通産大臣にお伺いいたします。
 我が国のこれまでの産業立地政策は、昭和三十年代から四十年代の拠点開発による工業集積や昭和五十年代の工業再配置策、さらに、昭和五十年代後半のテクノポリス政策や昭和六十年代の頭脳立地構想という変遷をたどってまいりました。これを支援するため、最近の例を挙げますと、テクノポリス法や頭脳立地法などの法律が制定されております。
 通産省がこれまで立案してまいりましたこれら既存の法律に基づく産業立地や地方振興策等は、どのような成果を上げ、どのような問題が生じているのかを伺うものであります。さらに、これらの検討結果から、既存の法律を見直しし、補完することも必要ではないかと考えます。これらの点を含めまして、今後の産業立地政策、全体のビジョンをお伺いするものであります。
 続きまして、本法案に基づく東京二十三区内からの業務機能移転の具体的見通しについて、通産大臣に二点、お伺いいたします。
 第一点は、本法案の支援策等の内容は、先ほど申し上げましたように、高付加価値の最新情報が集中している東京という立地のメリットを捨てて、地方都市への企業移転を決断させるに十分な、魅力ある法案内容になっているかを伺うものであります。
 第二点は、東京二十三区内にある事務所の床面積は、一九九〇年で延べ約五千ヘクタールであり、一九七五年からの十五年間で二倍に増加しておりますが、本法案により、これを具体的にどの程度まで減らし、もしくは増加をどの程度に抑制する効果を期待しているのか、その見通しをお伺いするものであります。
 次に、本法案にかかわる地域振興のための高度情報化や通信基盤の整備について、二点、郵政大臣にお伺いいたします。
 第一点は、郵政省はこれまで、地域振興のため、テレトピア構想など各種の地域情報化のための施策を展開してまいりましたが、これまでの施策がどのような効果をもたらしたのかをお伺いするとともに、これらの経験や反省を踏まえて、今回の法案の中で、東京の一極集中是正や地方振興を進推するためにどのような役割を果たそうとしているのかをお伺いするものであります。
 第二点は、情報化の時代と言われる今日、地方の産業経済の活性化や、東京から地方への企業の分散などを推進するためには、通信料金の問題はとりわけ重要であります。郵政省としてこの問題についてどのように考え、取り組んできたのか、さらに、今後どのように地域振興の情報面での環境整備をしようとしているのかを、あわせてお伺いするものであります。(拍手)
 次に、農山漁村の整備促進等への配慮について、農林水産大臣にお伺いいたします。
 本法案は、十七条第一項で「農山漁村の整備の促進及び農林漁業の健全な発展との調和に配慮する」とうたっておりますけれども、他方、同条二項は、農地法等の運用に当たって、拠点地区内での産業業務施設や住宅等の整備促進に配慮するとしております。
 最近の農業の実態について、農林水産省が先月三十日にまとめました「農業経営に関する担い手層の意向調査」によりますと、約半数の農家が、農業を続けているのは先祖伝来の農地を手放したくないためと消極的な理由を挙げており、さらに、今後経営規模を拡大したいとする積極派は一割強にとどまったとのことであります。また、後継者が決まっている農家は四五%にすぎず、農作業の委託や農地の賃貸、さらに、作付放棄を検討している農家が多いなど、厳しい実態が明らかになっているのであります。
 このような厳しい環境の中でこの法律が施行されることにより、実際には、拠点地区のみならず、周辺市町村に至るまでの農地が産業業務施設や住宅地の供給のために使われ、それでなくても深刻な農業離れをさらに加速させる心配があります。ガット農業交渉の場でも我が国がたびたび主張してまいりました食糧の安全保障の観点からも、農地の確保は、農林水産省として最も力を入れて取り組むべき重要な施策の一つと考えます。
 したがいまして、本法案の適用による農地の減少に対してどのような方策で農地の確保を図るのか、また、法律の規定による拠点地区の整備を除く周辺農地の転用に関しては、極めて慎重な姿勢が求められると思いますが、どのような対応策を考えておられるのか、さらに、周辺の農林漁業の振興のためどのような対応策を考えておられるのかを、あわせてお伺いするものであります。(拍手)
 最後に、私は、今回、六省庁が協力をし、足並みをそろえて本法案を取りまとめたことは評価するものでありますが、本法案の成否のかぎは、この各省庁間の緊密な協力関係を、法案の施行後の運用に当たっても継続することができるかどうかにかかっていると思います。
 本件に対する総理の決意をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 地方分権につきましてどう考えているかというお尋ねがございました。
 地域の活性化と国土の均衡ある発展を図りますためには、地方分権を推進していくことが欠かせない条件であると考えております。このような観点から、これまでも権限移譲、国の関与の是正等に努めてまいっているところでございますが、なお、まだまだ努力を必要とすることが多いと思っております。今回の法律案におきましては、地方の自主性を最大限に尊重するということを基本に考えまして、法律案の起草に当たりまして、そういう地方の自主性の尊重を基本的な仕組みといたしたところでございます。今後とも、一層の地方分権の推進に努めてまいりたいと考えます。
 東京一極集中の原因は何か、また、その原因をこの法案の施行によって解消することが可能かというお尋ねがありました。
 東京への一極集中は、いろいろ原因はございますけれども、近年における東京圏へのいわゆる中枢管理機能あるいは金融・情報等の高次都市機能が集中をした、国際的な影響もございましたけれども、それが根本の原因であろう。そのために、東京一極集中の是正のためには、地方への高次の都市機能の展開が必要である、つまり、地方の都市がそのような機能を備えることによって集中を分散することができるというふうに考えます。
 この法律案は、地方の成長を促しまして、地方定住の核となる地方拠点都市地域の都市機能の増進及び産業業務施設の再配置をねらいとするものでございますから、それが整備されることによって、東京に集中しておりましたそれらの機能を地方が担ってくれることができる、それによって集中の是正にも資すると考えておるわけでございます。
 なお、最後に、この法施行後における各省庁間の協力関係の必要について御指摘がございました。
 この法案作成に当たりましては、各省庁間でいろいろな調整を行いまして、ともかく一つの法案をまとめることができましたが、法の円滑な運用に当たりましてもそのような努力が不可欠であると思います。法の運用に係る関係事務につきまして、関係省庁間において十分な連携が図られますように努力をしてまいろうと考えております。
 自余の問題につきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣渡部恒三君登壇〕
○国務大臣(渡部恒三君) 私にお尋ねの三点についてお答えさせていただきます。
 御指摘のとおり、通商産業省においては、従来から、工業再配置政策、テクノポリス政策及び頭脳立地政策を産業立地政策の柱として推進してまいりました。
 まず、工業再配置政策については、最近五年間の全国の工場の新増設面積の約七五%が誘導地域において行われるなど、工業の地方分散は着実に進展してまいりました。
 次に、テクノポリス政策については、現在までに全国二十六地域について開発計画の承認を行ってまいりましたが、ハイテク工業の年平均立地件数、敷地面積の伸びがともに全国平均を上回るなど、これまでのところ、おかげさまでテクノポリスの建設もおおむね順調に進展をしております。今後は、地場企業の技術の高度化を図っていくことが重要な課題であると考えております。
 また、頭脳立地政策については、現在までに十八地域の集積促進計画の承認を行ってきており、各地域において積極的な取り組みがなされておるところでありますが、今後も、引き続いて地域産業の高度化のための諸施策を着実に実行してまいります。
 以上のように、通産省としては、東京一極集中是正を図るため、生産機能を中心とした各種の産業立地政策を進めてまいりました。しかしながら、東京一極集中の新たな要因として、従来の生産機能の過度集中に加え、業務機能の過度集中が問題となってまいりました。このため、今回の法案においては、業務機能の全国的な適正配置を推進することにいたしました。従来の産業立地政策とも有機的な連携を図りながら、今後とも、東京一極集中の是正と地域の活性化を図るべく、総合的に産業立地政策を推進してまいります。
 第二に、移転企業に対する支援策の効果についてでありますが、昨年八月に通産省が、東京に本社を置く上場企業を対象に実施した調査によれば、約四〇%の企業が、具体的な移転計画を策定中または検討中と回答しております。また、これらの移転検討企業の六五%が、新たなオフィス取得の際の税制面、金融面での支援を要望しており、移転コストを低減するための政策措置に対する企業ニーズの高さを示しております。こうした調査結果を踏まえ、本法案においては、産業業務施設を移転する者に対する税制、金融上の支援措置を講ずることにしております。
 さらに、地方における業務施設の立地環境を整備するため、地域振興整備公団による団地造成などの受け皿整備に加えて、都市機能の増進、居住環境の向上などの措置を総合的に講ずることにいたしております。
 このように、企業ニーズに対応した個別移転企業対策と、魅力ある地方拠点整備のための支援措置を一体的に講ずることにより、東京二十三区から地方拠点都市地域への円滑な産業業務施設の移転が図れるように努めてまいります。
 最後の点でありますが、東京二十三区における事務所床面積は、一九九〇年において五千百一ヘクタール、各種の調査によれば、このまま放置すれば、二〇〇〇年までの十年間に、新たにかなりの事務所床面積の需要が発生することが予想されております。
 この法案によって、地方拠点都市地域にどの程度の規模の業務拠点が整備され、そこにどの程度の産業業務施設が移転するかについては、具体的な地域指定がなされていない現段階では、予測が大変困難でありますが、いずれにしても、本法案に基づく産業業務施設再配置促進施策の積極的な展開によって、東京二十三区における業務機能の過度集中の是正に目に見えるような効果があらわれるように努めてまいりたいと存じます。(拍手)
    〔国務大臣田名部匡省君登壇〕
○国務大臣(田名部匡省君) 御質問が二点ございましたが、最初の農地確保の対策でありますが、この法案においては、農林水産大臣は、農業上の土地利用との調整、こういうことで主務大臣として参画をいたしております。そのために、拠点地区の設定、拠点地区における施設の設置等、地方拠点都市地域の整備に当たって、優良農地の確保に支障が生じないように、基本方針の作成あるいは基本計画の作成の指導等を行ってまいりたい、こう考えております。
 また、拠点地区の周辺市町村につきましては、今後とも、農業振興地域の整備に関する法律に基づく合理的な土地利用調整による優良農地の計画的な確保、農地法に基づく転用規制の適正な運用による農地の無秩序な壊廃の抑制に努めてまいりたい、こう考えております。
 周辺農山漁村の振興でありますが、地方拠点都市地域の整備に際しては、中心都市の整備のみならず、都市と農山漁村の均衡に配慮することが基本的に重要であります。このため、本法案においては、「農山漁村の整備の促進及び農林漁業の健全な発展との調和に配慮する」よう、特に規定を設けておるわけであります。
 農林水産省としても、地方拠点都市地域の整備に当たっては、農山漁村における定住条件の整備等のための各種施策を総合的に講じて、周辺農山漁村の振興整備に努めてまいる所存であります。(拍手)
    〔国務大臣渡辺秀央君登壇〕
○国務大臣(渡辺秀央君) 私につきましての質問は二つございましたが、第一点目の、郵政省が取り組んでいる地域情報化施策のこれまでの成果及び今回の法案における郵政省の役割についてでございますが、郵政省では、かねてよりテレトピア構想など地域の情報化を進めるための施策の推進に積極的に取り組んでまいったところでございます。
 テレトピア構想について申し上げますれば、これまでに百二の地域を指定いたしまして、二百を超える情報通信システムが構築されており、水害対策情報システムや在宅老人緊急通報システムなど数多くの地域密着型のモデルシステムが、地域が抱える課題の解決に役立ってきているものと思っております。
 他方、近年、東京一極集中はかえって進んでいるという御指摘がございましたが、私も同じ考えではございますが、この原因の中でもその大きな柱の一つとして、企業が情報を求めて東京に集中することが挙げられると思います。
 そこで、郵政省といたしましては、情報流通の面から、東京一極集中の是正と地方の振興を図るためには、地方の発展の拠点となるべき地方拠点都市地域に東京並みに情報が得られる環境を整備することにより、企業などの地方分散を促すことが必要であると考えまして、そのための措置を今回の法案に盛り込んだところでございます。
 次に、第二点目の御質問でございますが、通信料金の問題についてでありますけれども、産業経済の情報化が進む中で、企業などにとっては情報通信ネットワークの構築を急ぐことが重要な課題となっていることは御案内のとおりです。一方で、事務所を東京から地方へ移転しようとする企業などにとりましては、このことによって中央の情報が十分に得られなくなるのではないかとの懸念があることは御案内のとおりでございます。
 このため、地方への企業分散を促し、また地方の産業経済を活性化するためには、通信費用の問題を含めまして、中央と同様の情報通信サービスが利用できるような状況をつくっていくことが政策的に重要であると認識いたしております。
 これまでも料金問題につきましては積極的に取り組んでまいったところでありますが、今回、さらに三月三十一日に決定されました緊急経済対策にありますように、新規参入事業者の長距離電話料金の引き下げをこの四月中に実施すべく、準備をいたしているところでございます。
 今後とも、地域情報化の推進のためにも通信料金の低廉化を一層進め、御期待に沿いたいと思っておる次第でございます。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 小沢和秋君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔小沢和秋君登壇〕
○小沢和秋君 私は、日本共産党を代表して、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案、並びに先ほど行われました国土庁長官の発言について、総理並びに関係各大臣に質問をいたします。
 まず第一にお尋ねしたいのは、この法案によって本当に地方拠点都市に東京二十三区から産業業務施設が移転し、過密過疎が解消され、法案が目的として掲げる地方の自立的成長と国土の均衡ある発展が実現されるのかという問題であります。
 今や、大部分の農山漁村では後継者がなく、高齢化の一層の進行とともに地域社会そのものが崩壊しつつあるところが少なくありません。かつては栄えた多くの地方都市も、地場産業の衰退とともに若い人々が大都市に去り、人口減と高齢化による活力の低下が広がっています。
 一方、大企業の活動拠点となってきた東京などでは、オフィスや人口が急増し、交通渋滞、通勤地獄、地価暴騰、環境破壊など過密の弊害が重大な社会問題となっております。
 このような過密と過疎を引き起こした最大の原因は、一方で大企業の活動には各種の援助を与えながら、他方で地場の中小企業や農林漁業など地域経済を支える産業を衰退するままに放置してきたことであります。政府・自民党の責任はまことに重大であります。(拍手)
 総理、この法案を成立させたとしても、今指摘したような政策を続ける限り、今後も過密過疎の進行は避けられないのではありませんか。結局この法案は、今後十年間に公共事業を今の二倍以上、四百三十兆円にふやすという対米公約を実現する手段の一つになるだけではありませんか。明確なお答えをいただきたい。
 第二に、本法案に関連して、政府が東京へのこれ以上の大企業の集中を抑制する方策をほとんどとろうとしないのはなぜか、お尋ねをいたします。
 一九八七年、中曽根内閣時代に民間都市再開発特別措置法が制定されて以来、大企業の手による都心部でのビル建設がどんどん進められるようになりました。地価の暴騰と無法な地上げのため、庶民は長年住みなれた都心の土地と家から次々に追い出されたのであります。今バブルが破裂し、都心部の地価が若干下がっておりますが、従来の政策の枠組みが残り、さらに最近、公定歩合引き下げや土地取引への融資総量規制緩和などが相次いで行われたため、再び地価が上昇に転じるおそれが大きい状況であります。
 さすがに政府の中でも、これまでの政策の見直しが始まっております。しかし、それが大都市の用途地域制と容積率による規制強化などにとどまり、ビルラッシュの引き金となった民間都市再開発法の抜本見直しなどにまで進まないのはなぜか。
 また、首相の諮問機関である経済審議会二〇一〇年委員会は報告の中で、東京二十三区でのオフィス立地抑制のため「事務所に対する税・賦課金の導入、都市計画的手法の活用」「新・増設に対する規制」の三つをあわせて講ずることが重要との提言を行っておりますが、その具体化を行わないのはなぜか。
 さらに、一方で東京二十三区からのオフィス移転の法案を出しながら、他方で東京臨海副都心計画の進行を放置するのはなぜか。これが完成すれば、実に十一万人が集中する産業業務施設が都心部にまた新たに出現することになります。いかに東京都という自治体の事業であっても、これに対し政府が抜本的再検討を要請するのは当然ではありませんか。建設大臣にお尋ねをいたします。
 第三に、東京二十三区内への立地抑制策を抜きに、どれだけ実際に地方拠点都市へのオフィス再配置を進めることができるのか。結果は、地方に新たな幻想をばらまくだけ、またもや自治体を誘致合戦でくたびれさせるだけではないのかという問題であります。政府の計画では、一道県当たり一ないし二カ所、全国で約八十カ所の拠点都市をつくることになっております。しかも、一カ所が市とその周辺数カ町村ということになれば、それぞれがかなりの規模であります。その全部を満杯にするほどの大がかりなオフィスの移転が行われるという確実な根拠がどこにありますか。私は、東京都心に一たん立地した企業は、事務所維持費の高騰や交通難などにより活動に若干の困難が生じたとしても、郊外やせいぜい東京圏に研究開発、情報処理、教育研修などの部門を移転し、あるいは三大都市圏、政令市、県庁所在地の支店や営業所等を強化しようとするにとどまり、それよりさらに小さい、今回指定される地方拠点都市に移転しようとはなかなか考えないと思うが、いかがでしょうか。
 これまでも、これと似た手法で工場などの全国的再配置が試みられてきました。中でも新産業都市、工業整備特別地域などはスタートして既に四半世紀にもなりますが、日向・延岡、不知火。有明・大牟田、中海、むつ小川原など多くの地域は、今なお埋立地の大部分に工場が立地しないままになっております。今回のオフィス再配置は、実際に移転する数少ない企業に対し、関係自治体が当時以上に激しい誘致合戦を繰り広げ、過大な負担や約束をさせられる結果に終わるのではないか。国土庁長官にお答えいただきたいのであります。
 第四に、拠点都市整備にかかる膨大な費用は、結局、大部分が地元市町村の負担になります。もし整備したが移転してこなければ、新産・工特などで借金の元利支払いに今なお苦しんでいる自治体や住民の二の舞になるのではないかという問題であります。
 国や県も拠点都市の整備を援助することになっていますが、何といっても中心になるのは財政力の弱い市町村であります。ここが大規模な住宅、オフィス用地造成や建物の建設等を進めなければなりません。本来、大中都市でなければ認められぬ住宅供給公社の設立や中央卸売市場の設置が特に許され、地方債や都市開発資金などの借り入れも配慮されます。しかし、大部分は借金ですから、幾ら低利でたっぷり貸してもらっても、計画どおりいかないときは、最終的には住民の負担で元利を返済する以外にありません。建設大臣、そういう心配は要らない、大丈夫だと言うのであれば、その根拠を示していただきたいが、いかがですか。
 第五に、このような地方拠点都市づくりは、本来の町づくりとは異質なものではないかということであります。地方の振興は、その地域の歴史と文化、地場産業や農林漁業などを生かし、地域住民の下からの自発的創意によって進めるべきものであります。過密化した東京都心から産業業務施設を移転するために、区画整理をし、住宅、オフィスビル、中央卸売市場、テレビ電話施設等の建設を進めること等は、間接的には住民に役立つ部分があるにせよ、余りにも本来の地域振興策と縁遠い内容であります。これでは地方のあちこちにミニ東京がつくられるだけになりはしないか。
 しかも、このような拠点都市整備は、県から派遣された職員等が中心になり、関係市町村の協議会または一部事務組合が計画を作成し、それを推進することになっております。場合によっては、ここに県等の事務や権限の一部が委任されます。これでは一部事務組合が県の下請機関化することになりかねません。このような重大な問題をはらむ計画が、関係市町村議会や住民の意見を十分に聞くことなく強行されることは、まさに地方自治の侵害であり、将来に大きな禍根を残すことになりかねません。自治大臣はこれらの点をどう指導しようとしているのか、お尋ねをいたします。
 第六に、拠点都市づくりが地域の雇用にどれだけの影響を与えるのかという問題であります。過疎化した地域の最大の願いは、もともと働く場所が不足しているのでありますから、一人でも多くの安定した雇用の増加をということであります。しかし、移転してくる企業は人竜一緒についできますから、当面ほとんど期待を持てないのではないか。それでは地域の活性化にもつながらないと思いますが、総理の見解をお伺いいたします。
 第七に、これが最後の問題ですが、本法案で、移転する企業にオフィス施設の買いかえ特例、特別償却、地方税の減免等を認めようとしていることであります。移転する企業は、バブルがはじけたといっても、都心部の用地、ビルの処分等で、また移転先で格安の用地、ビル等を入手することによって、その面では十分に利益を得るのではありませんか。その上、このような税制上の優遇措置まで与えることは、必要以上の大企業へのサービスではないのか、総理にお尋ねをいたします。
 我が党も、東京都心から地方に大企業のオフィスを移転させることは、過密過疎の一つの解決策として望ましいことだと考えます。しかし、それを進推するために今緊急に実施しなければならないことは、先ほど指摘をした東京二十三区内へのオフィス新規立地への規制であり、経済審議会二〇一〇年委員会も提言しております「事務所に対する税・賦課金の導入」などであります。これらの手段を通じて、初めて大企業に都心からのオフィス移転を真剣に検討させることができるのであります。それを実施せず、税制や金融上の優遇措置という利益だけで移転を誘導しようとしてもなかなか進むものではありません。今こそ大企業への民主的規制という手段を有効に活用して、彼らにその経済力にふさわしい社会的責任を果たさせるべきだという我が党の考え方をもう一度強調して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 我が国の高度経済成長の過程を通じまして、国民の生活水準、所得水準が大幅に向上する一方、この過程の中で、大都市地域等への人口や高次の都市機能の集中が生まれたわけであります。過疎過密がそのようにして発生をいたしました。従来から、この問題に対処するために、各般にわたって地域振興のための施策を講じてきたところでございますが、地域振興は、当面する内政上の、したがいまして最重要課題の一つであると考えております。今後は、この法案に見られますような地域の自主性を尊重した形で、そういう精神のもとに施策を推進してまいる考えでございます。
 地方における若年層を中心とする人口の流出が地域活力低下の最大の原因となっておるのでございますから、地方における魅力のある雇用機会をつくるということは、重要かっ喫緊の課題と思います。このため、この法案に基づいて、東京から地方への産業業務施設の移転及び地方における産業業務施設の新増設を促進する措置を、地方拠点都市地域における都市機能の増進、居住環境を向上させるための措置と一緒に一体的に講じたいと思います。これらの対策によりまして、地域において、業務系を中心とした新たな雇用機会が増加していくものと期待をいたしております。また、若者の地域への定着等を通じ、地域の活性化が図られるものと考えるのであります。
 この法案においては、御指摘のように、特定の拠点地区内での産業業務施設の立地、東京二十三区からこれらの地区への移転等に対し、特別償却、買いかえ特例の適用等課税の特例措置を講ずることとしております。これらの措置は、地方の自立的成長の促進を図り、東京一極集中を是正して、国土の均衡ある発展を実現するという課題に資するために講ずることとしておるものでありまして、私どもは、適切な措置であると考えております。
 その他の問題につきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣山崎拓君登壇〕
○国務大臣(山崎拓君) お答えいたします。
 二点でございますが、まず第一点の、東京一極集中の抑制策と東京臨海部副都心計画の再検討等の問題でございます。
 四全総の中に、一極集中の是正と東京圏の役割というところがございまして、この中に書いてございますことは、「国際金融機能等の都心都での展開に伴う要請に対応し、都心部及び東京臨海部の総合的整備を進める。また、都心部に集中しからな業務機能等を圏域全体で適切に受け止めるよう、業務核都市等への諸機能の選択的分散等地域構造の改編を推進する」となっております。東京臨海部副都心計画は、いわばこの業務核都市に当たるものでございます。東京臨海部副都心の開発に当たりましては、居住機能の拡充、国際的な業務機能等の選択的立地、都心部から移転した企業跡地の住宅・公共用地等への活用等が図られるよう努めております。
 なお、民間都市開発の推進に関する特別措置法の見直し及び東京におけるオフィス立地に対する直接的な立地規制については、現在のところ行わない方針でございます。
 第二点の、地方自治体と住民への負担の転嫁の危険はないかという御質問でございますが、地方拠点都市地域の整備に当たりましては、所管公共事業の重点実施、地域振興整備公団の活用、地方単独事業の推進等の支援措置を総合的に講ずることによりまして、市町村の過度の財政負担が生じないように配慮してまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣東家嘉幸君登壇〕
○国務大臣(東家嘉幸君) 東京二十三区への立地抑制策を抜きにして、どれだけ地方拠点地域の振興が図れるかというようなお尋ねでございますが、一極集中をもたらしている今日の状況を抑止し、そして地方の活性化を図るために今度この法案を提案していることでございまして、基本的には、やはり今後、先ほどおっしゃられましたような、今までの施策はいろいろの問題点に実効性がなかったかというようなことについては、先ほど通産大臣もその成果は御説明なされましたので、私の方からは答弁を控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、地方の活力ある、そうした地方のこれからの我々のとるべき問題点は、やはり今までと違って各省庁が一体となって、六省庁が一体となって――聞いてください、六省庁が一体となって、地方の自治体の皆さん方とよく協議しながら、そして活力ある地域を目指そうという法律案でございますので、御理解を願いたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣塩川正十郎君登壇〕
○国務大臣(塩川正十郎君) まず第一点の、あっちこっちで、ミニ東京をつくることになりはしないかという御心配でございますが、ミニ東京をつくらないためにこの法案を出しておるのでございまして、その地方におきます一極集中を排除して多極化していこうという趣旨がこの地方拠点都市構想でございます。そういうことになりません。
 それから次に、住民の意見を十分聞いておるかということでございますが、確かに計画をつくります段階等におきましては、一部事務組合などによって作成するのでございますが、地方自治法第二条第五項の規定によりまして、基本構想は議会の議決を経なければなりません。このことは法に明記されておることでございまして、計画はこの基本構想に即したものとされておりますので、したがいまして関係市町村の議会や住民の意向というものはそれによって十分に反映され、聞かれておるものと思考しております。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(村山喜一君) 小平忠正君。
    〔小平忠正君登壇〕
○小平忠正君 私は、民社党を代表して、ただいま提案のありました地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案について、総理及び建設大臣、自治大臣に質問をいたします。
 初めに、私は、地方自治のあり方、国と地方との関係について、政府の基本的姿勢を伺いたいと存じます。
 フランスの政治学者アレクシス・ド・トックビル氏は、十九世紀前半、「地方団体の中にこそ自由な人間の力が宿る。地方自治制が自由に対して持っ関係は、初等教育が学問に対して持つ関係と同じである」と述べ、地方自治が民主主義の中で果たす役割の重要性を説きました。この言葉は、一世紀半の歴史を経ても今なお新鮮な響きを持っており、地方自治の健全な発展こそが、自由で民主的な国家を形成する源泉であると言えます。その意味で、地方自治を実効あらしめるための各地方の活性化こそが現在の政策的課題で最も大切なものであると言っても過言ではないと思うのであります。
 しかし、この地方の活性化という命題に、過去歴代内閣はことごとく挑みながら、これをなし得ることができなかったのではないでしょうか。
 例えば、昭和三十七年に策定された全国総合開発計画に基づく新産業都市構想の目的は、大都市における過度の集中を防止し、地方の開発発展の中核となるべき新産業都市の建設を促進するというものであり、まさしくそれは今回政府提出の法案の目的に等しかったのであります。また、昭和六十二年に策定された第四次全国総合開発計画がその基本的目標として掲げた多極分散型国土の構築の内容もまたしかりであります。
 しかし、一部の例外を除き、新産業都市の多くは、三十年を経た今なおはかばかしい成果を上げておらず、また、第四次全国総合開発計画も、策定以降、むしろさまざまの面で東京への一極集中は進行し、片や地方の活力の低下が強く叫ばれているのであります。
 人口が減少している都道府県数は、昭和六十年国勢調査時の一県から、平成二年には十八道県へと拡大し、また一人当たり県民所得の地域間格差も依然として拡大いたしております。
 総理、一体なぜそうした結果になったのでしょうか。それは、今日まで地方振興策がすべて中央の発想のもとに、中央によって行われてきたからではありますまいか。確かに、名目上は地方の自主性を尊重したものもありました。本法案による施策も、一見中央の干渉を極力抑えた形になっております。しかし、行政の仕組み自体が、国が地方を財源と権限で完全に縛る中央集権体制である限り、そこでは地方の自主性など発揮され得るはずがないのであります。
 また、現在の日本の悪弊である利益誘導型政治、陳情行政、縦割り行政なども、まさにこの中央集権体制がそのもとになっているのであり、このことは、自民党自身が政治改革大綱の中で指摘しているところであります。
 総理、何よりもまず総理みずからが先頭に立って行政の中央集権体制を改め、地方分権を大胆に実行することが先決ではないでしょうか。
 私は、機関委任事務、許認可事務の地方公共団体への大幅移譲と、国から地方に一括して交付し、その使途を地方公共団体に一任する第二交付税の創設などにより、一日も早く新しい地方分権の行政体系を確立することを強く求めるものであります。ここで、総理の地方自治に対する基本的認識と地方への権限・財源移譲の決意をお伺いいたします。
 次に、本法案に対して諸点お尋ねをいたします。
 その第一は、本法案が結局何を目指しているのか、具体像が見えてこないということであります。確かに、市町村が共同して作成する基本計画の中で、地域の整備方針と具体的な地域の計画が定まり、関係各省庁の支援措置が行われることとなり得ましょう。しかし、それらを合わせた国全体としての具体的な将来ビジョンが見えないのであります。主務大臣が策定する基本方針は、本法案の「目的」に基づくものであり、その「目的」自体が、字面だけの、具体性がないように思えるのであります。
 一体、本法案によって、どう地方拠点都市地域が定められ、公共投資を重点的に行い、その結果、日本はどう変わっていくのでしょうか。おおむね何年後に、人口の上では各都道府県の格差はどれだけ縮まるのでしょうか。また、経済の上ではどうなるのでしょうか。具体的なビジョンなくして国土の均衡ある発展は望むべくもないと考えますが、ぜひここで、ビジョンをお示しいただきたいのであります。
 質問の第二は、産業業務施設の移転についてであります。
 本法案においては、地方拠点都市地域の整備と並んで、産業業務施設の再配置の促進が大きな柱であり、地方の自立的成長に資する産業業務施設、すなわちオフィスを、東京二十三区内から拠点地区内にどれだけ移転できるかが本法案のかぎを握っているのではないでしょうか。そのために、国や県は、オフィスを移転する企業に対し、税制上の特例などを行うこととしているのであります。
 しかし、果たしてどれだけの企業がオフィスを地方に移転できるでしょうか。これらの税制上の特例は、いわばどこにオフィスを移転するかの刺激とはなり得ても、移転そのものを促す誘因とはなり得ないように私は思えます。つまり、移転の実を上げようとするならば、地方の受け入れ施策のみでなく、東京からの送り出し施策が同時に肝要なのではありますまいか。
 しかるに、国土庁の報告書によりますと、企業が東京に本社を置く第一の理由が、「他社や業界の情報収集に便利である」であり、第二が「国などの行政機関との接触に便利である」とあります。このように、企業があらゆる意味での情報を求めるべく東京に集中している現在、オフィスの地方への移転には大きな抵抗があるものと考えます。こうした現状をどう克服し、オフィス移転を実効あるものとしていくのか、政府としてのオフィス移転の見通しを伺いたいのであります。
 質問の第三は、地価対策であります。
 先般、国土庁より、平成四年の公示地価が発表され、地価は全国平均で前年比四・六%の下落を示し、十七年ぶりにマイナスに転じました。しかし、それでもなお地価は高水準であることに変わりはなく、勤労者が年収の四、五倍でマイホームを手に入れることは全く不可能なのであります。
 地価高騰の原因は幾つかありますが、その一つに、我が国には開発利益の還元制度が整備されていないため、土地のキャピタルゲインが莫大な不労所得に転じることが挙げられております。
 本法案のような地域を限定しての地方振興策を行う場合、十分なる地価対策がなされなければ、指定地域及びその周辺地域の地価が急激に上昇するであろうことは、火を見るよりも明らかなのであります。この機会に、開発利益の還元制度を積極的に導入すべきであると考えますが、政府の御所見を承りたい。
 また、地価の上昇を防ぐためには、監視区域制度も有効であります。現在、地価が下落傾向にある大都市圏では、指導価格が実勢価格を反映していないため、指導価格が下がるはずの地価を下支えしているとの弊害も指摘されております。しかし、本法案のように地価が急激に上昇するおそれのある場合は、監視区域の指定が不可欠であります。本法案では「監視区域として指定するよう努めるものとする。」とされておりますが、私は、本法案の実施に当たり、監視区域の先行指定の義務づけも必要かと考えます。この点に関しても政府の御所見を承りたい。
 質問の第四は、地方拠点都市地域の指定に関してであります。
 地方拠点都市地域には、各県一ないし二カ所の指定が予想され、今日既に多くの市、地域が指定を目指して名のりを上げております。過去、テクノポリス法、リゾート法が成立した当時も、各自治体が指定をめぐり陳情合戦を繰り広げました。今回は、その反省を踏まえ、こうした地域間の駆け引きや国や県への陳情に、各市、地域が労を費やすことのなきよう、指定に当たっては適切なる基準のもとに行うことを強く求めるものであります。
 また、地方拠点都市地域はおおむね県内第二、第三の都市を中心とした地域となるわけでありますが、その場合、指定をされなかった地域の問題が残っております。公共投資基本計画による四百三十兆円の公共投資が地方拠点都市地域に重点的に配分され、その結果、それ以外の地域の整備がおろそかになり、県内格差がますます広がるのではないかとの懸念が持たれておりますが、この点に関し、政府のお答えをいただきたいのであります。
 また、本法案が六省庁相協力し提出をされましたことは評価いたすところであります。今後もその実施に当たっては、各省庁密接な連携をとりながら、過去の地方振興策の失敗を戒め、同じ轍を踏むことのなきよう、心してもらいたいと強く願う次第であります。
 以上、諸点をお尋ねいたしましたが、総理及び建設、自治両大臣より明確なる御答弁をお伺いいたします。
 最後に、東京への一極集中の抜本的是正策として衆参両院で決議されました国会等の移転を速やかに具体化に移すよう政府に強く求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 地方自治に関しての認識をお尋ねでございましたが、御指摘のように、地方自治は民主政治の基盤であると考えております。また、内政におけるかなめでございます。地方の振興活性化のためにも、地方公共団体の自主性、自立性の強化を図ることが必要であると認識しておりますことは、御指摘のとおりでございます。今後もこのような観点から地方自治の充実発展に努力する所存でございます。
 地方への権限移譲の問題でございますが、政府は従来から、国と地方を通ずる行政の簡素効率化及び地方自治の尊重という観点から、住民に身近な行政はなるべく住民に身近な地方公共団体において処理するということを原則に考えてまいりました。臨調・行革審答申等に沿いまして、権限移譲に努めてまいっております。昨年の通常国会におきましても、権限移譲等についての一括法案を提出し、成立をお認めいただいたところでございます。もとより、機能分担を見直し、引き続き地方中央を通ずる行政改革を推進することを重要な課題と考えております。今後とも、多様で自立的な地域社会の実現を目指して権限移譲に努めてまいります。
 国と地方の財源配分のあり方については、国と地方の税源配分、地方交付税や国庫支出金等々、種々の制度のあり方にかかわる問題でありますので、国と地方の機能分担及び費用負担のあり方等を踏まえつつ、幅広い見地から引き続き検討を行っていくべき課題と考えております。
 それから、オフィス等のいわゆる業務施設の過度集中、これが東京一極集中をもたらしている原因の一つであると言われることはそのとおりでございますけれども、最近になりましてオフィスを維持するコストが非常に上がってまいりました。東京に本社を有する企業のかなりのものが真剣に移転を検討し始めておることはお気づきであると思います。この法案では、このような企業の新しい移転についての考え方をいわば促進させるために、移転コストを軽減するための税法上、金融上の支援措置などを講ずることとしておりますほか、地方への移転を誘導すべく、地方拠点都市地域においていわば受け皿の方の整備をいたしまして、都市機能の増進や居住環境の向上をいたしまして、移転を受けようという、出る方、入る方を一体的に講ずることとしておるわけでございます。これらを関係省庁の強力な連携のもとに推進して、業務施設の地方移転の促進に努めてまいりたいと考えております。
 それから、開発利益の還元の問題は、社会的公平を確保し、社会資本整備の財源を確保する上で不可欠な課題であるとともに、土地を持てばともかく有利であるという、そういう有利性をいわば縮減をしまして適正利用の促進を図るという土地政策の観点からも大事であると思います。平成元年十二月に制定されました土地基本法において、基本理念として、土地についての利益に応じた適切な負担が求められるべき旨を定めているのもこの考え方でありますし、昨年閣議決定されました総合土地政策推進要綱においても、開発利益の還元の検討の意義を述べております。開発利益の還元につきましては、なお具体的に、土地政策審議会において、昨年六月に開発利益専門検討委員会を設けまして、今後の検討課題の一つとして審議をお願いしているところでございますが、土地政策上好ましい開発利益の還元方法をいかにすべきかについて、検討の結果を今待っておるところでございます。
 それから、地方拠点都市地域の整備に当たりましては、地価の高騰が生じないようにすることが重要であると考えます。このため、本法案におきまして、国土利用計画法に基づく監視区域指定の努力義務を設けておりますほか、各般の措置を講じております。これらを活用いたしまして地価の高騰を招かないように注意をしてまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣山崎拓君登壇〕
○国務大臣(山崎拓君) 小平議員の御質問にお答えをいたします。
 二点でございます。
 第一点は、本法案と将来ビジョンの関係でございます。
 本法案におきましては、地方の自主性や創意工夫を生かすことを基本としつつ、若者が魅力を持てるような職・住・遊・学の生活空間をつくることによりまして、地方の発展の拠点となる地方拠点都市地域の整備を図るとともに、あわせて、東京に集中している産業業務施設の再配置を促進することとし、このため、地方行財政上の特例、都市計画上の特例等、多様な支援策を用意いたしているところでございます。本法案に基づく施策を積極的に推進することによりまして、地方における若年層を中心とした人口の減少が食いとめられ、かっ三大都市圏、なかんずく首都圏より地方への人口分散を促し、国土の均衡ある発展を図ることに資するものと考えております。
 また、生活大国づくりを目指す上におきましても、地方においてこそ居住水準の向上、快適な住環境の確保等、生活大国にふさわしい社会資本の整備を進める上でのフロンティアが大きいと考えております。
 第二点は、各省庁が密接な連携をとれ、こういう御意見でございますが、御意見のとおりであると考えております。今後とも、関係省庁間におきまして密接な連携をとりつつ、法の円滑な運用に努めることが必要不可欠であると認識をいたしておるところでございます。(拍手)
    〔国務大臣塩川正十郎君登壇〕
○国務大臣(塩川正十郎君) まずお尋ねの点は、陳情合戦にならないかということでございますが、これは陳情合戦にならないと私は思っております。それはなぜかと申しますと、この地方拠点都市地域というものは、都道府県知事が指定を行うものでございまして、したがいまして、地方の自主性を最大限に尊重することとしておりますことから、陳情するよりも、むしろその地域における合意づくりが優先するということでございますので、したがって、地方の自主性を尊重した上でのことでございますから陳情合戦にはならない、こういうことでございます。
 二番目の問題でございますが、拠点地域に指定された以外の地域の整備がおろそかになりはせぬかという御心配でございました。
 これはもうまことに私たちも、この点につきましては十分に配意していかなければならない、今から心しておるところでございますが、しかしながら、自治省といたしましては、近いうちにこの対策の一つといたしまして、一般標準の市町村がございますが、一般標準市町村の交付税におきますところの基準財政需要額を、これを増額してその財政基盤を強固にするとか、あるいは平成四年度の地方債計画におきまして過疎債の拡充を図る、あるいはまた、新たに若者定住促進等緊急プロジェクトを発足させるとか尊いたしまして、過疎地域並びに山村の地域におきます、あるいは離島、半島、こういう特定地域におきます地方を振興していきたい。それは、あくまでも地方単独事業を十分に配意いたしまして、これらの活性化に努めてまいりたいと思っております。(拍手)
○副議長(村山喜一君) これにて質疑は終了いたしました。
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○副議長(村山喜一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時七分散会
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