第123回国会 商工委員会 第8号
平成四年四月二十二日(水曜日)
    午前十時三分開議
出席委員
  委員長 武藤 山治君
   理事 逢沢 一郎君 理事 井出 正一君
   理事 自見庄三郎君 理事 額賀福志郎君
   理事 山本  拓君 理事 竹村 幸雄君
   理事 和田 貞夫君 理事 森本 晃司君
      甘利  明君    新井 将敬君
      岩屋  毅君    上草 義輝君
      植竹 繁雄君    浦野 烋興君
      尾身 幸次君    奥田 幹生君
      梶山 静六君    佐藤 信二君
      佐藤 守良君    斉藤斗志二君
      谷川 和穗君    中山 太郎君
      仲村 正治君    増田 敏男君
      武藤 嘉文君    赤松 広隆君
      有川 清次君    大畠 章宏君
      岡田 利春君    加藤 繁秋君
      後藤  茂君    鈴木  久君
      田中 昭一君    安田 修三君
      安田  範君    吉田 和子君
      権藤 恒夫君    二見 伸明君
      渡部 一郎君    小沢 和秋君
      川端 達夫君    江田 五月君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  渡部 恒三君
 出席政府委員
        通商産業大臣官 内藤 正久君
        房長
        通商産業大臣官 渡辺  修君
        房総務審議官
        通商産業大臣官
        房商務流通審議 麻生  渡君
        官
        通商産業大臣官 榎元 宏明君
        房審議官
        通商産業省立地 鈴木 英夫君
        公害局長
        通商産業省機械 熊野 英昭君
        情報産業局長
        通商産業省機械 牧野  力君
        情報産業局次長
        中小企業庁長官 南学 政明君
        中小企業庁次長 新関 勝郎君
        中小企業庁計画 桑原 茂樹君
        部長
        中小企業庁指導 春田 尚徳君
        部長
        運輸大臣官房総
        務審議官    土坂 泰敏君
        兼貨物流通本部
        長
        運輸省自動車交 水田 嘉憲君
        通局長
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局官房参事 鈴木  満君
        官
        農林水産省食品 後藤 和久君
        流通局商業課長
        労働省労働基準
        局賃金時間部企 朝原 幸久君
        画室長
        商工委員会調査 山下 弘文君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十二日
 辞任         補欠選任
  佐藤 守良君     上草 義輝君
  大畠 章宏君     田中 昭一君
  加藤 繁秋君     赤松 広隆君
  後藤  茂君     有川 清次君
同日
 辞任         補欠選任
  上草 義輝君     佐藤 守良君
  赤松 広隆君     加藤 繁秋君
  有川 清次君     後藤  茂君
  田中 昭一君     大畠 章宏君
    ―――――――――――――
四月十七日
 計量法案(内閣提出第七五号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 中小企業流通業務効率化促進法案(内閣提出第
 六三号)
 計量法案(内閣提出第七五号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、中小企業流通業務効率化促進法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩屋毅君。
○岩屋委員 おはようございます。きょうから中小企業流通業務効率化促進法案、中小物流法案の審議に入るわけでございますが、景気後退が続く中、通産行政を取り巻く環境が大変厳しい中にありまして、日夜御尽力を賜っております、私の大学の大先輩でもいらっしゃいます渡部恒三通産大臣に心から敬意を表するところであります。
 また、きょうは法案の関係で、物流ということで運輸省の皆さん方にもおみえいただいておりますので、せっかくの機会ですから、運輸省の方にもいろいろ伺ってまいりたいと思います。
 我が国の物流の実態は現在極めて深刻な状況にあると言われております。近年、我が国の物流事業は、国民生活の向上や産業構造の変化に対応して、日本の企業経営の効率化の代名詞ともなりましたジャスト・イン・タイム方式、このジャスト・イン・タイム方式に示されるように、多品種小口化、高頻度輸送、定時性の確保など、産業界や消費者のニーズに対応して質的に多様化するとともに、量的にも拡大してきたところであります。さきの産業構造審議会流通部会の物流問題小委員会の報告におきましても、「物流量が経済成長を上回る勢いで急増している」というところに象徴されていると思うわけでありますけれども、この物流における多頻度化、小口化、時間厳守というのは、必然的に多くの労働力を必要とするものでありまして、さらにエネルギーを多く使い、道路を混雑させる、環境の悪化にもつながるという面があるわけであります。
 私の手元にあります資料によりますと、とりわけこれは東京都のお話でありますが、東京都特別区におきます窒素酸化物、NOxの排出量の中で、トラック、小型、中型、大型といろいろあるわけでありますが、とにかくこの貨物輸送に携わるトラックによります排出量が全体の七一・九%に上っている、交通混雑によりまして環境悪化というものもかなり進んできているという実態があるわけであります。しかも、これは運輸業界に限らないことでございますが、とりわけ運輸業界におきましては人手不足の問題が深刻化しております。このジャスト・イン・タイム方式の是正についても、さまざまな観点から今論議がされているところであります。こういう状況のもとで、我が国の物流問題の改善に総合的一体的に関係各省庁が取り組んでいくことが、今後の我が国経済の一層の発展のために極めて重要であると考えております。
 今回の物流法案は通産省の所管でございますけれども、本来物流問題といいますと、通産、運輸、建設、労働、環境等々の各省庁が関係をしておるわけでありまして、これは一体的な取り組みが必要なわけでございます。今回の中小企業流通業務効率化促進法案は、この物流問題の中でも、中小企業の流通業務の効率化をねらいとするものだということでございます。確かに中小企業は全体の物流量の八割を担っているということでございますから、大変重要な問題でございます。
 そこで、まず通産大臣に、中小企業が抱えております物流問題について基本的にどのような御認識をお持ちか、お伺いをしたいと思います。
○渡部国務大臣 お尋ねの点でございますが、我が国の物流量は昭和四十七年から昭和六十一年の間はほぼ横ばいであったのでありますけれども、ただいま岩屋先生から御指摘がありましたように大きく変わってまいりました。内需主導型の景気拡大等を背景として、昭和六十二年以降、物流量が急速に増加してまいりました。昭和六十年以降は、おっしゃるとおりGNPの伸び率を上回ってまいりました。また御指摘のごとく、物流の内容も多頻度小口配送の進展を初めとして、一層高度化する傾向にございます。これらは我が国の物流量の約八〇%を占めておる中小企業の物流にも当てはまる傾向でございます。
 このように、中小企業に求められる物流事業の増大及びその内容の高度化にもかかわらず、中小企業は運転手などの物流作業要員の確保が困難であり、また都市部の道路混雑の激化による輸送効率の低下も加わり、多くの中小企業者が深刻な影響を受けておる状況でございます。
 具体的には、物流コストが急上昇し、物流対策が進んでおる大企業との間で物流コスト面での格差が急拡大しており、また膨大かつ高度な物流需要に対応し切れない中小トラック業者、卸売業者などにおいて配送や取引を停止せざるを得ない事態が発生するなど、物流問題の深刻化が中小企業の事業活動そのものに大きな支障を与えております。まさに先生と私の考えは共通の認識に立っておると思います。
○岩屋委員 ただいまの大臣の御認識にお示しいただきましたように、この物流問題というのは景気変動に伴う一過性の問題ではなくして我が国経済の中長期的な課題であると私は思います。今回の物流法をそういう意味で皮切りにしていただいて、これからさまざまな施策を実施していっていただきたい、こう思うわけでございます。
 法案の中身について質問に入らせていただきたいと思います。
 これまでの中小企業における物流効率化の取り組みは必ずしも積極的なものとは言えなかったのではないかな、こう思うわけでございますが、その原因といいますか背景といいますか、そこら辺は役所としてどういうふうに認識をされておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
○南学政府委員 先生御指摘のとおり、中小企業における物流効率化への取り組みはこれまで必ずしも十分ではなかったと私どもも認識いたしております。その背景でありますが、我が国では物流は一般的に製造、販売等に付随する行為とみなされてきたわけであります。とりわけ中小企業においては製造、販売等そのものに目が向きがちで、付随的なものとみなされる物流にまで着目しましてこれを一生懸命合理化、効率化しようという発想がなかなか生まれづらかったというのが基本的な要因であります。これに加えまして、中小企業におきましては、第一に商品の取扱量、ロットが小さい、このために単独では機械化による省力化が難しいというようなこと、第二に、仮に物流効率化投資を行おうとしても資金調達力が脆弱なために投資を行うことが難しいというようなこと、こういうことから、物流効率化への取り組みが十分に行われてこなかったと私どもは認識をいたしております。
○岩屋委員 機械化の問題ですとか中小企業者の資金調達力の問題ですとか、そういう背景があるということは私もよく承知をしております。そこで今回この物流法案が出されたわけでありますけれども、今回の法案の中身によりまして物流効率化が今日まで進まなかった原因に的確にどのように対応をしているのか、そしてこれまでの施策との相違点というのはどういうところにあるのか、その辺を御説明いただきたいと思います。
○南学政府委員 この法律案は、これまで中小企業における物流効率化の取り組みのネックとなっていた要因、すなわち商品の取扱量が小さいというようなこと、あるいは資金調達力が脆弱であるというようなこと、そういうことに着目して、これを補うために中小企業が共同して流通業務の効率化を図る取り組みを支援しようとするものであります。したがいまして、私どもは、物流効率化が進まなかった原因に的確に対応している内容になっているものと思います。近時、先ほど大臣が御説明いたしましたように物流問題が深刻化する中で、中小企業におきましても物流問題は大変重要な経営問題という認識が深まってきております。したがいまして、こうした法案を柱とする支援策を講ずることによりまして、今後中小企業の流通業務の効率化、共同化が大いに促進されるものと私どもは期待をいたしております。
 また、従来施策との関係でございますが、既存の中小企業施策は、それぞれの法律に基づきまして、例えば業種ごとの構造改善、技術開発の促進、下請中小企業の近代化、中小小売商業の振興等々の施策を講じてきたわけであります。しかし、これらの施策につきましては、その目的が達せられれば流通業務の効率化に結果として資することはありましても、流通業務の効率化を直接の目的としたものではございません。したがいまして、昨今の中小企業の物流をめぐる状況の変化にかんがみ、今般中小企業の流通業務の効率化への取り組み自体に着目し、新たな立法措置による抜本的、積極的な支援策を講ずることとしたものであります。
○岩屋委員 この物流法案が主に対象にする中小企業というのはどういう業種になるのかということなんですね。それは基本的にはありとあらゆる業種が対象になる、こういうことだと思うのです。
 例えば私の地元の大分県でございますが、これは御案内のように一村一品運動ということが随分前から盛んに展開されておりまして、農協や物産協会等が農林水産品を生産して村おこしや町づくりに積極的に役立てていこうという運動が進んでおります。けれども、これはやはり物をつくっても売れて何ぼの世界でございますから、今日までは交通網の問題でありますとか流通の未整備の問題などがありましてつくった物がなかなか順調に売れていかないという壁にぶつかってきたわけであります。そこで大分県では、農協や物産協会等が共同出資会社を設立しまして、一村一品株式会社というのをつくりまして生産品の販売や物流を行っていこうという事業がスタートしております。現在では一村一品をさらに通り越しまして一人一品運動という形に展開をしつつあります。これは、例えば今までは名産品というのは市町村単位で大体ブランド名がついておったわけでありますが、これが大分県何とか郡何とか村の大字何とか字句とかの何のだれべえさんがつくった無農薬のイチゴであるとかブドウであるとかいうようなことで、生産者の顔写真がついたような形でブランド化していこう、こういうことになってきておりまして、余計冒頭に申し上げた多品種多頻度化、小口化というような形に変わってきつつあるわけでありまして、現在は宅配便に頼っておるというのが実情でございますが、できれば、こういうものが共同発送体制というのをつくれるようになりますならばいわゆる地域振興の上にも大きく役立っていくんではないかな、そんなことも考えておりますが、この手の事業というのは対象としてお考えいただけるわけでしょうか。
○春田政府委員 お答えいたします。
 本法案の支援対象となります中小企業者についてでございますけれども、物流に携わる数多くの中小企業において物流問題が経営上の深刻な問題になっている点を考えますと、このような中小企業者が共同して行う物流センターの建設等の取り組みに対しまして積極的、抜本的な支援策を講じ中小企業における流通業務の効率化を図ろうとするということでございますので、支援対象は物流に携わる中小企業者全般でございまして、業種、地域等によって特に限定されるものではございません。業種については、例えば小売店に納品する中小の卸売業者の方々でございますとか荷主の貨物を運送する中小トラック業者の方々といったさまざまな業種の中小企業者が考えられまして、また地域につきましても都市部の中小企業者あるいはまた地方の中小企業者ともに考えられるところでございます。
 御質問の具体的な事業についてでございますけれども、各中小企業者が生産した物品あるいは産品についての保管、出荷、輸送業務といったいわゆる物流にかかわる業務の効率化を図りますため事業協同組合等によって共同物流センターの建設等の事業を実施するものでございますれば本法案の支援を受ける、あるいは御利用いただけるというふうに考えております。
○岩屋委員 もちろん支援対象になるということでございますので、できれば、既存の業界の流通をこの法律によって支援をして効率化を図っていこうということだけでなくて、さまざまな試みがなされている問題につきましても、今私地元の一村一品株式会社の例を引かせていただいたわけでありますが、他の県でも同じようなケースもあろうかと思いますから、ぜひ大いに御研究をいただいて支援方法をお考えいただきたい、お願いをさせていただきたいと思います。
 そこで、今回の物流法の支援措置によりましてその期待される効果というのはいかほどのものか。これは予測がなかなか難しい問題だと思います。やってみなくちゃわからぬということだろうと思うんですね。けれども、何かモデルケースがあるということで、実験といいますか試していただいたケースもあるそうでございまして、それによりますと、共同配送事業以前は、つまりそういう共同配送をやる前は平均三〇%ぐらいだったトラックの積載率が、実施後は八〇%にアップして、当然のことながらトラックの台数も減らすことができたというような事例もあるようでございますが、どのくらいの物流量、物流コスト、トラックの台数、トラックの走行量等の削減効果があるのかどうか。これはなかなか難しい問題だと思いますが、通産省としてはどのようにお考えでございましょうか。
○春田政府委員 先生御指摘いただきまして、また御理解いただいておりますように、この効率化事業の内容や規模は事業者によってさまざまでございまして、発注者と受注者がそれぞれ相互に大変緊密に絡み合っている問題でございますので、そういうことでございます。
 そこで、本法案の効果としまして、物流の効率化の進む度合いを具体的な数値をもってお示しすることはできなくてまことに恐縮なんでございますが、いずれにいたしましても、この法案の支援措置を受けまして流通業務効率化事業を実施することにより、物流事業に対する各中小企業者の作業能力、それから輸送効率といったものが、対応能力が向上いたしまして、より高度な内容の物流の提供、物流コストの低減等が期待できるものであると思います。
 今先生御指摘いただきましたように、例えば、一例でございますが、中小企業者だけが集まりまして着実に進めております、ちょうどこの法案が意図しております流通業務効率化事業に該当する共同物流事業を実施した卸団地組合の具体的な例で申しますと、事業実施前にはトラックの貨物積載率が約三割程度でありましたけれども、事業実施後には約八割程度まで向上しましたほか、共同配送用の大型車両も使用できるようになりましたために、トラックの台数も全体として相当減らすことが可能になったということでございます。
○岩屋委員 なかなか予測しがたいことで、やってみなければわからぬということだと思いますが、この物流法によります支援措置によりまして、具体的には共同配送センターがどのくらい整備できるかということが一番のポイントだろうと思うのです。それについては、多分通産省さんも既に、各業界に当たっていただいている、中小企業団体に当たっていただいているんじゃないかな、こう思うわけでありますが、その共同配送センターの設置もしくは整備、これは現段階でどのくらいの具体的なニーズがあるんでしょうか。
○春田政府委員 お答えいたします。
 この法案のもとで認定される効率化計画により整備される共同配送センターの数を全体として想定することは大変困難であるのでございますが、現時点におきまして流通業務の効率化のための取り組みを検討している中小企業者の実態につきまして、各都道府県を通じて調査いたしましたところ、既に約五十程度の事業協同組合や社団法人が、これは卸業者もあればトラック業者もございますし、あるいはまた、メーカー、製造業等もございますが、五十程度の事業協同組合や社団法人が本法案の流通業務効率化事業を実施することを検討しておりまして、今後、これらの事業協同組合等が共同配送センターを整備していくものと見込んでおります。
○岩屋委員 現段階で五十程度は事業協同組合からそういうニーズがあるということでございますが、全国での話でございますから、五十ぐらいでは所期の成果はなかなか上がらないのじゃないかなと思います。これは、今後積極的に宣伝、普及に努めていただいて、ぜひ所期の成果が上がるように御努力をいただきたいと思います。
 それから、この問題に対する根本的な問題でございますが、中小企業が流通業務の効率化を行っても、問題は取引の相手方にあるんだと思います。取引の相手方が取引関係においては当然優位にあるわけでございますから、効率化をした分だけ単価引き下げ要求を受けるということが当然予想されるわけであります。中小企業の流通業務の効率化のためには、このような取引方、相手方との取引関係の改善というのが私は何よりも重要だと思っておりますが、この点に関する御認識をいただきたいと思います。
○南学政府委員 御指摘のとおり、中小企業は、どうしても取引における力関係で取引の相手方に劣後しからでありまして、場合によっては、コスト面その他の取引条件の面で、取引の相手方から不利な条件を強いられることがあるわけであります。このために、中小企業庁あるいは公正取引委員会におきまして、これまでも、物流コスト負担の適正化、取引条件の明確化を推進するために、商慣行改善指針、下請中小企業振興法の振興基準、下請代金支払遅延等防止法の運用基準、流通・取引慣行に関する独占禁止法の指針等に基づきまして、所要の指導あるいは取り締まりを行ってきているところであります。今後とも、そうした努力を続けていきたいと考えております。
 一方、先生御指摘のとおり、流通業務効率化事業を円滑に推進していくためには、取引の相手方との協力関係の構築というのが極めて重要だと私どもも認識をいたしております。したがいまして、この法律案におきましても、まず計画策定段階において組合等が取引の相手方の協力を得るよう努めなければならないということを法文第四条第三項で明記いたしておりますし、また、事業実施段階におきまして取引の相手方は事業協同組合等に協力するよう努めなければならないということを第十三条で明記いたしております。
 したがいまして、各事業者が、これらの規定の趣旨に則しまして協力関係を構築し、中小企業者の流通業務の効率化が円滑に図られていくことを期待いたしております。
○岩屋委員 ぜひともその点は特段の御配慮を賜りたいと思うのです。せっかく効率化を図ったのに、それがまた中小企業者にしわ寄せがいくというようなことにならないように、適切な指導をお願いをしておきたいと思います。
 次に、冒頭に申し上げましたように、今運輸業界は大変な労働者不足、人手不足の状況にあるわけでございます。私の手元にあります資料によりますと、旅客・貨物自動車運転者の不足数というのが平成二年の資料で約十三万人、某大手トラック事業者の場合は、六十三年度の中途採用者一万二千人のうち半数が退社、トラック運転者の五八・五%は転職を希望している、こういう資料もあるわけでございまして、大変人手不足ということが深刻な問題になっているわけであります。そして、多頻度小口配送、ジャスト・イン・タイム配送といった物流形態は、このままいきますと大変困難になってくるのではないかということが指摘をされておりますし、さっき申し上げた、環境問題という観点からも国民の皆さんの関心は非常に高まってきておりますから、見直しが求められていると私は考えます。消費者の皆さんのニーズにこたえるということは大変すばらしいことではありますが、このようないささか行き過ぎとも言える現在の多頻度小口配送等の物流形態について、政府としては、今後どのように指導もしくは対処していくんでしょうか。これはなかなか難しい問題だとは思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○麻生政府委員 多頻度小口配送の問題、あるいはジャスト・イン・タイム配送という物流形態でございますが、これは今先生も御指摘になりましたように、一番根底には、所得がずっと高まりまして消費者のニーズが非常に多様化しておるということがあります。これに対応いたしまして、生産段階の方では、技術革新が非常に進みまして多品種小量生産が可能になっておるということがございます。また、小売段階では、POSというようなものが導入されまして非常に精密な在庫管理が行われる。そういうものが重なりまして、このような多頻度小口配送ということが一般化しておるということでございます。したがいまして、この問題には、根底には消費者のニーズということにこたえるということがございますものですから、それ自体は一つの経済の発展の方向であるというふうに考えられます。
 ただ、問題は、今先生が御指摘になりましたように、これが行き過ぎてしまいますと物流上非常に大きな負担になるということでございます。このために私どもが今対策として行いつつありますのは、大きく三つございます。
 一つは、何といいましても、生産段階あるいは小売段階では非常に情報化が進んだわけでございますが、物流段階では情報化がおくれておるということがございますものですから、いわゆるコンピューターによる物流段階の情報化ということを大いに推進しようということでございまして、このための情報伝達手段の共通化、いわゆるビジネスプロトコルの共通化を図っていくということでございます。
 第二番目は、ジャスト・イン・タイムをやっていく、あるいは小口配送をやっていく、緊急配送をやっていくという場合に、当然コストがかかっておるわけでございますが、そのコストの意識あるいは計算方式というものにつきまして、まだ荷主側あるいは物流側に共通の算定方式がないということがございます。したがいまして、その共通の算定方式を開発いたしまして、かつそれを普及し、そしてそのコストの負担の適正化を図っていくということが第二番目でございます。
 第三番目は、物流の効率化投資、この法律もそうでございますが、あるいは物流拠点インフラの整備ということを図っていくというような対策によりましてこの問題に対応していきたいと考えている次第でございます。
○岩屋委員 今度は運輸省さんにちょっとお伺いしたいのですけれども、平成二年の十二月に運政審の物流部会で答申が出されております。その内容を踏まえて、運輸省側の物流政策について、余り時間もありませんのでポイントだけかいつまんでちょっとお聞かせいただきたいと思いますが。
○土坂政府委員 ポイントだけ申し上げますと、仰せのとおり平成二年の十二月に運政審の答申が出されました。
 答申の柱は二つございまして、一つは、労働力の確保を進めていくために魅力のある職場をつくっていくようにしようということが一つでございます。それからもう一つは、やはり労働力の不足が深刻になっておることにかんがみまして、やはり物流の効率化ということを進めるようにというのが柱でございます。
 運輸省といたしましては、この答申を受けまして、運輸省全体で物流についてどういう基本的な考え方に立って各局がそれぞれ具体的にどういう措置を講じるかということを定めました推進計画というのをつくっております。
 具体的には、これから物流の効率化を進めていかなければいけないということ、あるいは、それは物流事業者と生産や販売側が一緒になってやっていかなければいけないんだというようなこと。そういった考え方に立ちまして、モーダルシフトであるとか積み合わせ輸送、一貫パレチゼーション、物流拠点の整備、その他いろいろなことにつきまして具体的な措置を決め、それを全省を挙げて取り組んでやっているところでございます。
○岩屋委員 ポイントだけおっしゃっていただいたわけですが、とりわけ、さっきも申し上げましたが、運輸業界の労働力不足、人手不足のやはり一番の原因は労働環境にあろうかと思うのですね。よく三Kと言われる建設業界よりもさらに労働時間も長いし、そして賃金の面でも既に建設業界にも追い抜かれている、こういうことでございますから、そこら辺は労働省その他ともよく連携をとっていただいて早急に対策を、ぜひ講じていただきたい、こう思います。
 特にトラック運送業におきましては、本当に長時間労働が大変厳しいために労働力不足が深刻な問題になっておるわけでございますが、その労働力確保ですね。今いろいろ私も申し上げましたけれども、なかなかこれは言うはやすし行うほかたし、難しいところだと思いますが、労働力確保についての施策、この辺についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○土坂政府委員 トラックの労働条件が厳しい。具体的には、全産業平均が二千時間程度でございますが、トラックは二千四百時間程度になっておるわけでございます。改善の傾向にはあるけれども、やはり格差は厳しいと思います。したがいまして、そういう状況を反映して、仰せのように労働力不足の状況も厳しいわけでございます。
 そのために運輸省として考えておりますことは、第一に、やはり先ほど申し上げましたが、運政審の答申にもありますように、魅力のある職場をつくっていくということが大事であろうと思っておりまして、具体的には時短に取り組むということを指導しております。本年の一月一日に、いわゆる二・九告示の改正が行われました。来年の四月からは法定労働時間が四十四時間になるわけでございます。こういったようなことを受けまして、運輸省として時短を進めるために、例えば地域別の一斉休日の導入、こういったようなことを初めとした指導を業界に対して行っておるところでございます。
 それからもう一つは、福利厚生施設の点などを含めた労働環境の面でも、今業界ではトラックステーションであるとか保養所の整備を進めておるわけでございますが、こういったものの充実をするようにという指導もしておりますし、それから、物流業全体のイメージというものについてやはりもう少し国民にいいイメージを持っていただけるようなそういう広報活動、こういったようなこともやっていかなければならない。
 それから、あわせて、いわゆる魅力ある職場づくり以外にも、先ほど申し上げた物流効率化対策、この法律もその一つであろうと思いますが、そういったようなことも含めてあらゆる方法でこの問題に取り組んでまいりたいと思ってやっております。
○岩屋委員 運輸業界の人手不足の問題、労働力不足の問題、これに対処するためには、やはり今まで運送業というのは、トラック野郎じゃありませんが、ともすれば男だけの仕事、こういう印象があったわけでありますけれども、これから先は、女性でありますとか高齢者でありますとか、高齢者にももちろん限度があろうかと思いますが、こういった方々にも参画をしていただけるような環境の整備もしくは車両の改良といいますか、そういうようなことも含めてぜひ積極的に今取り組んでいただきたいと思います。
 最後になりましたけれども、最後は大臣にちょっとお伺いをしたいと思いますが、物流問題の解決のためには、中小企業のみを対象とする今回の法律案による対策だけではなくて、総合的な物流対策をしていただく必要がどうしてもあろうかと思います。
 先ほどの御説明にもありましたように、例えば、モーダルシフトというのですか、トラックだけではなく鉄道やフェリー等を使って物流形態を変えていこうということも、これは進めていただいているようでありますが、例えば東海道本線一つとっても、一日に二百本以上の列車が走っているというような状況にもあるわけでございまして、これも、インフラの整備がもっともっと進んでいかないとなかなかそう簡単には実現しないだろう、こう思いますし、例えば環境問題の観点からは、環境庁が先般、大都市圏におけるディーゼル車の規制というようなことをおやりになっているわけでございますけれども、これも実は原案の段階から比べますと、いろいろ各省庁間の調整が余りうまくいかなくて、骨抜きになったのではないかということでかなり不評を買っているわけでございます。ですから、もう実力者大臣でいらっしゃいます渡部大臣にぜひ指導力を発揮していただいて、この物流問題に関する関係各省庁大いに連絡を緊密にしていただいて、いわゆる縄張り争いということにならないように、体系的、一体的な施策をぜひ講じていただきたいと思います。
 私ごとですけれども、私は先般、国会議員というのはなかなか家庭人としては失格者が多いわけでございますが、たまには子供の会に出ていってビデオでも撮ってやらなくちゃいかぬと思いまして、パスポートサイズという小さいビデオを買ってきたのですね。私は機械は大体苦手なんですが、説明書を読めば読むほど、本当にこの小さな機械がよくできているな、これだけ多機能なものがコンパクトな形におさめられている。ソニーの盛田さんが外へ出ていって大きなことを言われるのもよくわかるな、これは日本経済の底力だな、こう思ったわけでありますが、実は、実際に使うとなりますと、なかなか本体だけでは使えないということが多いのですね。私は、電化製品は特にそんなものがふえていると思うのですね。アクセサリーだけで説明書を見たら四十種類ぐらいあるのです。そして、これとこれとこれとこれをくれと電気屋さんに頼んでも、なかなか在庫がそろっておらない、一つずつ届けてくるというようなことが続きまして、結局品物がそろうまでにかなり時間がかかった。これがもしかすると今度私が質問しようとしている多品種、多頻度小口配送のまさに実態なのかな、こう思ったわけであります。そういう生産方式、販売方式そのものについても、今後は大きな意味で見直していく必要があるのではないだろうかと私は思います。
 よく引き合いに出されるのがデパートの過剰な包装の問題ですね。これなんかもやはり一つのライフスタイルの転換という意味合いを持つものだと思いますし、そういうことも含めてこの物流問題を考えていかないと、なかなか一朝一夕には解決をしていかないのではないかな、こう思うわけでございます。
 日本経済の今後の発展のために、物流問題は何としても解決を図っていくことが必要だと思いますが、渡部大臣の御所見を最後に承りたいと思います。
○渡部国務大臣 大変貴重な御意見を岩屋先生から賜りました。
 御指摘のとおり、近年、商品の多品種少量化、ライフサイクルの短縮化が急速に進む中で、配送の多頻度化、小口化等がまことに顕著になってきております。しかも、これに対して、運転手不足や輸送インフラの整備のおくれから物流需給が逼迫化し、物流コストが急騰し、さらに、大都市圏においては道路混雑やNOx問題等が深刻化してまいりました。このように、物流問題の解決は、我が国経済社会の安定にとって先生御指摘のとおり当面する大変大きな問題であると私は考えて、今回の法案の御審議をお願いしておるわけであります。
 今先生から数々の貴重な御意見を賜りましたので、これを参考にして、通産省としてはこの御審議をいただいておる法案を通していただくと同時に、物流の効率化投資の支援とか、物流、情報規格の標準化の推進、物流インフラの整備、一貫パレチゼーションの推進、物流コスト算定方式の開発、普及など、物流の効率化を図るための各般の施策を総合的に推進してまいらなければなりません。それには、先生御指摘のように各省庁にかかわる問題でありますから、緊密な連絡をとって、総合的にこの法律を生かして問題の解決に万全を期す覚悟でございます。
○岩屋委員 終わります。
○武藤委員長 赤松広隆君。
○赤松委員 赤松広隆でございます。
 限られた時間ですから、関係いたします通産省、運輸省、中小企業庁、それぞれの皆さん方にあらかじめ質問項目についても詳しくお話をしてありますから、お聞きをすることだけに端的にお答えをいただいておきたいと思います。まず最初にお願いをしておきます。
 まず最初は、本法案の提出の背景についてお尋ねをしたいと思います。
 この法律の提案理由として「最近の物資の流通をめぐる経済的社会的事情の変化及びこれにより中小企業の事業活動に支障が生じている状況にかんがみことありますが、まず一つとしてお伺いをしたいのは、今日の問題点は一体何なのか。二つとして、効率化を促進しなければならない背景は何なのかについてどのように認識をしておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○南学政府委員 まず背景でございますが、最近の我が国の物流は量、質両面において大きく変化を遂げております。すなわち量につきましては、先ほど大臣が御答弁されましたとおり、昭和六十三年以降GNPの伸び率を上回る勢いで物流量が拡大をいたしてきておるわけであります。また質の面、すなわち物流の内容につきましても、多頻度小口配送が進展をいたしまして一層高度化する傾向にあります。
 そして、このような物流量の増大とその内容の高度化という状況の中にありまして、多くの中小企業は物流効率化投資がおくれているということ、運転手などの物流作業要員の確保が難しいということ、都市部の道路混雑による輸送効率が低下しているということなどによりまして、深刻な影響を受けているわけであります。
 影響のまず第一点は、物流コストの急上昇による中小企業の経営悪化であります。大企業におきましては、物流問題にこれまでも積極的に対応してきているわけでありますが、中小企業におきましてはこの対応がおくれがちでありまして、中小企業と大企業の間の物流コストの格差というのはますます拡大する傾向にあります。
 第二の影響は、膨大かつ高度な物流需要に対応し切れない中小トラック業者あるいは卸売業者等におきまして、配送や取引を停止せざるを得ないという事態も発生しているということであります。
 このように、物流問題の深刻化が中小企業の事業活動そのものに大変支障を来しているのが現状でありまして、私どもは、この問題をこれからの政策の重点課題の一つとして積極的に取り組んでいく必要があると考えております。
○赤松委員 それでは次にお尋ねをしますが、今御答弁があったように、この物流問題の効率化については各方面でいろいろと議論がされておるところでありますけれども、通産省所管でも「物流効率化対策の総合的推進について」ということで産業構造審議会で報告が出されておるところでございます。
 その報告の中身についてお尋ねをしますけれども、その内容における効率化方策の特徴なり、具体的推進計画というようなこともうたわれているわけでありますけれども、これについて、ポイントだけでいいですけれども、簡単に答えていただきたいと思います。
○榎元政府委員 お答え申し上げます。要点だけお答えしたいと思います。
 この中間答申の主な成果は、今回お諮りいたしております本法でございます中小企業流通業務効率化促進法案にあらわれているということでございますが、そのほかに物流効率化の投資への支援、さらには物流や情報規格の標準化の推進、物流拠点のインフラの整備、一貫パレチゼーションの推進、そして物流コストの算定方式の開発、普及などの物流の効率化を図るための各般の施策を総合的に推進していくということが提言され、私どもこれらに沿って重点的に施策を進めてまいりたい、このように思っている次第でございます。
○赤松委員 通産省からはそういうお答えをいただきました。
 同じく運輸省でも、運政審の中でいろいろ御討議をいただいて、答申も出ました。「物流業における労働力問題への対応方策について」というようなことで、一つとしては物流効率化方策の内容、労働力問題も含めてですね、関連してそういう問題も提起をされておるわけでありますけれども、運輸省としては、では具体的にこれをどうやって推進をしようとしているのか、その推進計画についてどのように考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。
○土坂政府委員 先生仰せのように、運政審の答申で物流の効率化なり魅力ある職場づくりなりについて御指摘をいただいたわけでございます。私どもとしましては、それを受けまして、運輸省全体で貨物流通政策をどういうふうに進めていくかという推進計画をつくって、これで全省挙げて取り組んでいるところでございます。
 具体的な内容は、やはり制約条件が厳しくなる中で物流の効率化を進めていくべきこと、あるいはそれを荷主側と物流側で一緒に力を合わせてやっていくべきこと、それを踏まえてモーダルシフト、積み合わせ輸送、一貫パレチゼーション、物流拠点の整備その他それぞれの項目につきまして当面具体的にどういう措置を講じるかということを定めまして、各局それぞれの分担関係において取り組んでやっておるところでございます。
○赤松委員 今通産と運輸からそれぞれ各審議会等での審議内容についてあるいはこれからの向かうべき方向について御答弁をいただいたわけですが、このほかにも、ここに手元にありますが、経済企画庁の方でも二十一世紀への総合交通の在り方に関する研究会ということで、かつての四六方針が既に二十年ぐらいたっているというようなことで、新たな今日あるべき総合交通についてということで、それぞれ中身も出ておるわけであります。いずれもその内容からいたしますと、物流の効率化の重要性を指摘しながら、その方策についても共通点があり、かつ多岐にわたって対策が必要だという点では共通をしておるわけであります。
 このような状況からいたしますと、今回提案をされておる立法措置の必要性について、私どもといたしましても十分理解をしたといたしましても、これだけ多岐にわたっている効率化方策について、果たしてこの法律による立法措置だけでこれらのいろいろな課題や問題について達成することができるのかどうか。この法律だけでは、もっとはっきり言ってしまえば、すべてを解決するということは困難ではないかというふうに思うわけであります。
 そこで、そのような観点から、効率化事業推進に関して、次の点についてどのように認識をしておるのか、お伺いをしたいと思っております。
 まず一つは、この法律によりますと、流通業務効率化事業を実施する事業協同組合等が具体的な効率化事業を進め、どの程度の効果を上げ得るのか、非常に疑問に思っておるわけであります。
 先ほど岩屋委員の質問にもありましたが、どのような業種、業態において、どの程度の数の事業協同組合が、どのような効率化事業を推進されるものとして想定をしているのか。もう既につかんでおられると思っておりますので、その点についてお尋ねをしておきたいと思います。
 たまたま「カーゴニュース」の一月十日付の記事だったと思いますけれども、これはたしか運輸省が答えていまして、引き合いは多く予定額はほとんど埋まった、一月段階で。こういうようなことが記事として出ておりますし、先ほどの答弁ですと、全国で既に五十程度の卸、トラックあるいはメーカー等からそれぞれ引き合いが来ているというようなお話でございましたので、果たして本当にこれらの事業協同組合が、当初目的としておりましたこうした成果を上げ得るのかどうか、そういう中身になっておるのかどうか。また、実態としてどういう業種、業態においてこれらの事業協同組合が取り組もうとしておるのかということについて、現在把握をしておる中身で結構ですから、報告をいただきたいと思います。
○土坂政府委員 先ほどからも御答弁がありましたが、中小企業の物流問題というのはややもすると製造、販売に付随するというような位置づけになっておりまして、必ずしも今まで十分でなかった。それからまた、現実に取り組もうとしても物流量がある程度大きなロットにまとまりにくいとか、あるいは資金調達の面でいろいろな制約があるとかいうようなことがありまして、必ずしも十分に進まなかったという状況であろうかと思います。しかしながら、いわゆる労働力の問題であるとか道路混雑の問題であるとか、非常に厳しい状況になってまいりました。中小企業にとって物流の改善を図っていくということが根幹的な重要問題になってきておると思います。そういうふうに皆様方が御認識をなさるようになりました。
 この法律は、そういう中小企業が物流の効率化に取り組むときの基本的な方向性というものを国として示し、それに取り組む中小企業に対して資金面あるいは税制面の支援をしてお手伝いをするという内容でございます。いろいろ御希望の向きもおありのようでございますが、今の情勢からしてこの法律というものが十分に生かされてその効果が発揮されるようになっていくものと私どもは考えておりますし、そのために努力をしたいと思います。
 また、これは具体的にどういう業種でなければならないというようなことではございません。業種、業態を問わない流通業務の効率化のための施策でございます。中小企業がこういう格好で流通業務の効率化に取り組むときに御支援をしよう。したがいまして、トラック側から見た場合にはトラックだけで組合をおつくりになる場合もありましょう。トラックと荷主と御一緒につくられる場合もありましょうし、荷主さんのおつくりになった組合にトラックが協力するという場合もありましょう。いろいろな形態があると思いますが、どういうパターンでもこれは対象になるわけでございまして、運輸省としてはこの法律が生きるように全日本トラック協会その他関係の団体によく指導をいたしまして、トラック事業者が創意工夫をもってこの法律を活用して、積極的に物流の効率化に取り組むように指導に努めてまいりたいと思っているところでございます。
○赤松委員 物流の効率化を促進するためには、関係する製造業あるいは販売業、流通業、運送業等における事業者を広く結集して連携を図って推進をしていくこと。また、それぞれの事業者団体が個別自主的にあるいは相互連携のもとで共同対策を推進することが必要であると思いますが、いかがですか。
    〔委員長退席、和田(貞)委員長代理着席〕
○土坂政府委員 物流の効率化につきまして運輸省は、例えばモーダルシフト、積み合わせ輸送、いろいろなことを考えておりますが、どれ一つとりましても物流事業者だけの力でできるということではございません。先生仰せになりましたとおりでございまして、物流事業者と生産や販売側が協力をして力を合わせて取り組まないと物流の効率化は達成できないと考えております。こういう意味で、生産、販売あるいは物流、こういう事業に携わる方が、個別にせよあるいは事業団体を通じるにせよ、相互に連携をしていくということが極めて大切であるというふうに思っております。
 運輸省はそういう意味で、いわゆる運輸関係の事業者団体を指導いたしますが、それと同時に運輸関係の事業者団体を横断した組織もできておりますので、そういった組織なども随分活用いたしまして、仰せの趣旨に沿って連携が図られるように指導に万全を尽くしてまいりたいと思います。
○赤松委員 今土坂総務審議官からお話があったように、各業態をまたいだ組織、例えば物流連のような陸海空を網羅した新しい団体もできておるわけですから、それとの連携のもとでぜひ事業が所期の目的を達成するように推進をしていただきたいと思っております。
 一点ちょっとはっきりさせておきたいことがあるのですが、この法案第二条に規定する中小企業者のみによる効率化事業、一応そういうことで、先ほど御説明があったように、中小企業者だけではなかなか資本力も弱い、いろいろな業務のノウハウも個々にはないというような中で共同化を図っていくんだという中で効率化事業を進めていくんだということは理解をするわけですが、しかし果たして中小企業者のみによる効率化事業で実効を上げることができるのかどうか。私が考えますにはこれは極めて難しい、絵にかいたもちになるのではないかという気もいたすわけであります。
 そこで、私の意見も申し上げながら言うわけでございますけれども、この定義を超えて、いわゆる大手事業者も巻き込んだ形での事業推進も当然あってしかるべきではないか。例えば大手業者でありますと、物流に対するノウハウでありますとか、あるいは長年のそうした業務の知識の蓄積といいますか、そういうこともありますし、わかりやすく言えば、例えばショッピングセンター、中小の店舗がつくる、それだけではなかなかお客は集められない。そこにダイエーだとかユニーだとか、そういう核店舗が一店入って、そして地元の中小の業者と一緒にショッピングセンターを形成するなんということは、そういう分野ではあるわけですけれども、それと同じような形で、いわばノウハウを持った大手業者を巻き込んだ形で、中小がその周りに集まって事業協同組合をつくって、こうした事業を積極的に、しかも中身のある形で推進をしていく必要があるのではないかと思いますが、それに対する考えはどうか。
 その場合のいろいろな、例えば取得税に対する減免措置だとか、保有税のいろいろな措置がありますけれども、そういうときの扱いはどうなるのか、説明してください。
○土坂政府委員 中小企業の方が流通業務の効率化に取り組むときにどういうやり方でおやりになるかということは、これは第一義的に中小企業の御判断であるわけでございますが、今御提案がありましたように、大手のトラック事業者というのはいろいろな物流のノウハウを持っておるわけでございますから、大手のトラック事業者を関係者としてそのノウハウを使わせてもらいながらやっていく、これは一つの有効な方策であると私どもも思います。
 この法律の中でも、法律の条文で、効率化計画を作成するときはやはり関係者の意見を十分に聞くように、それからまた、効率化計画の実施については関係者は十分に協力をするようにというふうになっておるわけでございますが、そういう関係者として大手を考えていくということも大事な方法であろうかというふうに思います。そういう考え方もあるということでこの物流の効率化に取り組むように、運輸省としても指導に努めてまいりたいというふうに思っております。
○赤松委員 税制措置だとか補助だとか、それについて。
○土坂政府委員 この法律は、中小企業がいわゆる協同組合方式などをとって、共同してその物流の施設を整備をする、それを活用して効率的な流通業務を行う、これに対して税制あるいは金融の支援をいたします。したがいまして、大手のノウハウを使った場合であっても、そういう要件を充足している限りにおいてはこの法律の適用を受けるものでございます。
○赤松委員 確認をしておきますが、そのとおりであればもう答弁必要ありませんが、大手もそのノウハウを持って事業協同組合の一員として入った場合には、事業全体は中小企業だけでやっているそういうのと同じ扱いでやっていくんだ、みなすのだということでいいですね。
○土坂政府委員 いわゆる中小企業者が構成する事業協同組合、そしてその事業協同組合が一定の設備をつくったり、あるいはそれを活用して中小企業者が流通業務の効率化をやる、そういう場合に、その中小企業者に対して支援が行われるということで、支援の対象そのものは中小企業でございますが、関係者として大手を、いわゆるノウハウをお使いになるということ自体は、それはそういう場合もあり得る、大手のノウハウを使いながら中小企業が助成を受けるということは可能であるというふうに思います。
○赤松委員 主体が中小企業者であれば、事業全体としてはそういうものとして、そういう場合もあり得るという御答弁でしたので、そのように理解をしておきます。
 次にいきます。
 物流の効率化を促進をするためには、これら事業者の努力のみならず、行政の果たす役割もまた極めて大きいと考えるものであります。その点に関連して質問をいたします。
 まず第一点、法案においては関連施設整備に対する資金面と税制面の支援助成策が講ぜられることになっていますが、これによる誘導政策だけで、効率化事業計画の認定申請を待っていたのでは実効を上げ得ないので、関係省庁が所管する事業者団体、例えばトラック協会のようなところですが、事業者団体に対し、効率化事業推進について積極的に指導していく必要があると思いますが、どうですか。あるならある、ないならない、簡単にそういうふうに答えてください。
○土坂政府委員 先生仰せのとおり、そういう必要があると考える次第でございます。
○赤松委員 はい、ありがとうございました。
 第二に御質問いたしますが、物流の効率化を促進をするための課題が多岐にわたっていますことから、今般の立法措置のみならず、例えば共同配送、共同輸送、モーダルシフト、一貫パレチゼーション、情報システムなど、個別課題についても具体的な施策として構築しながら、所要の実施体制を確立することをこれからも継続して措置をする必要があると思いますが、どうですか。
    〔和田(貞)委員長代理退席、委員長着席〕
○土坂政府委員 先生仰せのとおりでございまして、一貫パレチゼーション、モーダルシフトその他各般の対策につきまして、現在先ほど申し上げたような取り組みをしておりますが、今後とも継続して努力をしてまいりたいと思っております。
○赤松委員 特に運輸省は、今後の物流体系のあるべき一つの方向として、主な課題二つ挙げていると思うのですね。一つは、大都市圏内を結ぶ幹線のモーダルシフト、そして都市内における、この法案にあらわれているような積み合わせ輸送を促進をしていく。この二本柱を中心にして輸送体系を切りかえていこうというふうにされていると思うのですね。その点については私どもも賛成をするところでありますけれども、肝心な、先ほども岩屋委員からもインフラの整備がおくれているじゃないかというようなお話もありましたが、モーダルシフト、モーダルシフトという言葉はいいのですが、海運に、あるいは鉄道にトラックの荷物を移しかえていくんだというようなことなんですね。
 例えば一例を挙げますと、今JR貨物、実際にその運転をしている人たちに聞きますと、東の方からずっと、東北から関東を通ってどんどんと西へ下ってくる、非常に順調に貨物鉄道は走って、効率的に線路の上を走っていく。ところが、東海地域といいますか、名古屋圏の地域へ入るとがたがたにとまっていくというのですね。これは貨物のダイヤが優先ということになっていないものですから、旅客中心のダイヤが組まれている。しかも、関東、関西と違って、貨物専用線なんというのはあの地域だけがないものですから、せっかく有効な形で貨車で運んできても、東海地域でずたずたにされてしまって、そしてあの東海地域を抜けると、また関西の方は貨物専用線があるからスムーズに西の方に走っていけるということがよく指摘をされておりますし、指摘をされるけれども、ちっともそれは変わってこないというようなことで、そこで一つお尋ねをするわけでありますけれども、今後の特に鉄道貨物の見直しをしていく中で、この地域の貨物専用線についてやはりきちっとした形で国として取り組むべきではないのか。特に、あそこには南方貨物線という線路がありまして、高架でほとんどできてしまって、あとはそこにレールさえ引けばいつでも走らせるということになっているわけですけれども、その帰属について、今一応清算事業団にありますけれども、貨物はやりたいと言うけれども、自分のところでは買う力がない。JR東海にといえば、JR東海はそんなお荷物はしょいたくない等々のことで、前にも運輸委員会で私は質問したことありますけれども、運輸省としては何とかしなければいけない線なんだ、ぜひ前向きに考えていきたいということを答弁すると、次の日にJR東海の社長が急いで記者会見して、いやいやうちはとてもそんなの受ける気持ちありませんというようなこと宣言うとか、なかなか進まない。ここはもう鉄道貨物のネックになっているというのがありますから、この点について、南方貨物線の活用を考えるべきであると私は考えますが、運輸省としてどうなのか、お答えをいただきたいと思います。
○土坂政府委員 南方貨物線でございますが、名古屋と大府の間の複線化によりましてあの地区の客貨の分離をするということで整備をしてきた路線でございます。ただ、いろいろな事情がございまして凍結をされて、ほとんどできた姿でございますが、清算事業団が持っておるわけでございます。
 ただ、路盤の下はもう九割以上できておりますし、処分をするといいましても、処分をすればまた費用もかかります。やはり鉄道として活用できれば一番いいわけでございますが、そのためには追加の投資も要るし運営のコストも要ります。したがって、やはりどの程度需要があるのか、あるいはそのための採算はどうなるのかといったようなことが慎重に考えていかなければいかぬ問題であるわけでございます。それも貨物だけということでなくて旅客も含めて、そういう需要なり採算性についての検討が必要であろうというふうに思います。
 この点につきましてはいろいろ紆余曲折ございましたが、ことしの一月に運輸政策審議会の答申が「名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について」ということで出されたところでございます。それによりますと、これは地域も含めた合意でございますが、「鉄道貨物輸送力の増強の必要性と併せ、今後の旅客輸送動向等も総合的に勘案して引き続き検討を行う。」ということになったところでございます。運輸省としましては、いろいろ難しい問題はございますが、この答申の趣旨を踏まえまして、関係者の御意向などもよく聞きながら検討に取り組んでまいりたいと思っております。
○赤松委員 最後のところだけちょっと聞こえないのですが、要は運政審答申を受けて運輸省としてこの南方貨物線の活用を図るべきと思っているのか思っていないのか、そこを聞きたいのですよ、もじょもじょで最後のところがよくわからないから。活用しなくていいのか、いいならいいで壊せばいいんだから、そうなのか。あるいは活用すべきだ、いろいろな難しい問題はあるけれども関係者を集めて活用する方向で一回検討してみたい、その音頭取りをやってみたいということなのか、その辺を聞きたいのですよ。
○土坂政府委員 先ほど申し上げましたように、ほとんどが完成した鉄道であり、処分をするといっても費用もかかるし適当な使い道もすぐあるわけではありません。やはり活用していくことが望ましいという考え方でございます。ただ、難しい問題がございますので、いろいろ慎重に検討していきたいというふうに申し上げました。
○赤松委員 活用していく方向でということが出たので、これでよしとしていきたいと思います。
 時間がありませんから、ちょっと途中はしょりまして、肝心な点だけに絞って、せっかく通産大臣お見えでございますから、ぜひ通産大臣にこれはお尋ねをしたいと思うのです。
 今私がずっと質問をしてきましたように、今回の立法措置に伴いまして、いろいろな不十分な面がまだまだこれから残っていく。やはり物流の効率化施策というのはこれからも総合的に推進をしていくという姿勢が政府としても必要だろうと思うのですね。特に、先ほど言いましたように、経済企画庁は経済企画庁で、通産省は通産省で、運輸省は運輸省で、それぞれの審議会等を持ちましてそれなりの方向を出しているのですが、おおよそ一緒のような方向で、検討事項についてもいろいろ列挙をし、改善すべき点は改善すべき、求めるべき方向は求めるべき方向ということで出しているわけであります。
 そこで私が必要だと思いますのは、やはりこれから将来に向けて関係行政機関等が一つのところに集まって、物流のあるべき姿について、方向について何らかの総合的な指針、本当は大綱でもつくってぐらい言いたいのですけれども、大綱というと大げさになるかもしれませんので指針でいいですから、それぞれ関係官庁が集まって物流に関する指針を策定すべきだ、その指針に従って効率的な施策というものを関係省庁が連携をして遂行していくべきだというふうに思いますが、いかがでございますか。
○渡部国務大臣 先生から今御指摘がございましたように、これは御審議をいただいておる法律は大きな前進になる、私はこう思っておりますけれども、それならこの法律一本で今社会が複雑化する中で起こっておる問題のすべてがこれで解決するかというとそのような生易しいものではないと思いますが、この法律が当面する問題解決の大きな前進になることは間違いないと思います。
 また、これを御審議いただき、これを通していただきましたら、先生今お話しのようにこれはそれぞれの省庁に関係する問題でありますから、この法律を十二分に生かして、さらに当面する問題を解決するための一つの方向を見定めて、関係省庁と緊密、十分な連絡をとって実効あるものにしてまいりたいと思います。
○赤松委員 大臣の御答弁、わかるのですが、この法律を実効あるものにしていくために各省庁が相談してきちっとやっていく、それはそれでいいのです。ただ、先ほどから言っているようにこの法案だけですべて問題が解決するということにはなりませんでしょう。だから、もう一つ大きな形で物流に関する指針のようなものをつくって各省庁が協力をしてやっていく、そういう体制をつくった方がいいのではないですかというのが私の質問の趣旨なんです。だから、指針がどうかわからぬけれども、そんな一つの方向みたいなものを指し示すものを何かつくってみようということであればそれでいいのですが。その点お伺いしたいのです。
○渡部国務大臣 今御答弁申し上げましたように、新しい時代の中で今日起こっておる問題でありますからこれを解決するためには総合的な方向というものをお互い共通認識の中に見出していかなければならないと思います。そのため、各省庁で緊密な連絡をとって今後協議してまいりたいと思います。
○赤松委員 それでは土坂総務審議官、今通産大臣から各省庁協力して総合的なものをというような言い方があったのですが、運輸省として、一員として、こうした物流に関する指針のようなものをつくる考えはないかどうか。通産の考えは出ましたから、運輸の考えを聞いておきたいと思います。
○土坂政府委員 運輸省としては、所管する物流政策について全力を挙げて取り組んでまいりたいと思いますし、それが他省庁に関係するものである場合には十分他省庁とも連携をとりながら、例えばこの法案がそうでございますが、その都度必要に応じて関係省庁と密接不可分の関係をつくりながら取り組んでまいりたいと思っております。
○赤松委員 審議官、指針のようなものをつくる必要があるのかないのかということを私は聞いているのです。つくる必要がないならないと答えればいいし、それに類したものをつくりたいならつくりたいと答えてもらいたいし、どっちでもいい。
○土坂政府委員 将来そういう指針のようなものができれば非常に望ましいと私どもは思います。
○赤松委員 ありがとうございました。それでは次に行きます。
 この法案の中に、貨物運送取扱事業法の特例の規定というのがありますけれども、これは特に事業者資格ということで非常に重要な意味を持っていますので、この点について、業界秩序を乱すことになるのではないかという心配もあるものですから、一点確認をしておきたいと思います。
 法案にある流通業務効率化事業の認定の際に、取扱事業法による利用運送事業と運送取次事業の事業者資格等について審査する体制はどのようにしていくのか、どのように体制確立をするのかについて尋ねます。
○土坂政府委員 効率化計画の認定をもって貨物運送取扱事業法によりますところの参入許可などとみなすという措置をとっておりますのは、貨物運送取扱事業法と同様の観点から、効率化計画の認定に際して必要な事項を審査するということによるものでございます。したがいまして、効率化計画の認定に当たりましては、法律に定められておりますところのいわゆる計画の適切性なり事業の遂行能力、欠格条項、こういったことにつきまして地方運輸局長において審査をすることにしたいと思います。
○赤松委員 私どもが心配をしておりますのは、この特例によって取扱事業法による許可または登録を受けたものとみなすという者であって、特に製造業や流通業の事業協同組合等に対して、取扱事業法施行規測第二条に定める「貨物運送取扱事業の適正な運営の確保等」の規定について周知徹底し、指導することをどのように考えておられるのか。例えばこうした新規参入した業者が、過積の問題だとか運賃ダンピングの問題だとか、こういうようなことで業界全体の足を引っ張るということにならないように、そういうことをどうやって担保していくのかということをお尋ねしたいわけであります。
○土坂政府委員 貨物運送取扱事業法施行規則の今仰せになりました二条では、取扱事業は実運送の正常な運営を阻害しないようにということが定められております。したがいまして、これはだれに限ったことではございませんが、新しく貨物運送取扱事業の資格を取って参入してこられる方に対しましては、その趣旨が十分に徹底することが大事であると思っておりまして、この法律に関して申し上げれば、そういったことも含めてPR等を行うと同時に、運輸局の審査の段階でもそういうことについて十分指導をしたいというふうに思っております。
○赤松委員 私どもが心配をいたしておりますのは、例えば今度のこのみなし業者の場合は、卸とトラック業者とか、トラック業者ばかりでつくるときもありますし、販売をする人、業者とトラック業者とかいうような形で協同組合をつくったりするものですから、実際にはその貨物運送取扱事業法の特例を受ける者が、実運送事業者、というのは現にあるトラック業者、実運送事業者に対して不当な運賃料金の引き下げを要求することのないようにということで、実際にはそういうことが起こり得るんじゃないか。荷物はそこから出るわけですから、これぐらいでやれというようなことで引き下げられることがあってはいけませんので、そういう点について関係事業法の適正な運用を図るようにこれは要望をしておきます。
 時間の関係がありますので、もう一点これも要望に変えておきますが、効率化計画の認定に当たって、その手続の簡素化等の措置をとっていただきまして、効率化事業の実施の促進を努められたいということで、とかくお役所の書類ということになりますといろいろ煩雑で、一字、一句違うためにまた何度も足を運ばなければいけないというようなことで、いろいろな弊害もあるわけですから、その意味でぜひ手続の簡素化に御努力をいただきたいということで、これは要望として申し上げておきたいと思います。
 さて、時間もだんだん迫ってまいりましたので、最後に一点お尋ねをしたいと思うのですが、実は、けさの新聞に「佐川急便グループ連休前後に合併認可 運輸省が見通し」という記事が出てまいりました、今し方私がずっと質問してきましたように、やはり今運輸業界で一番問題になっておるのは、輸送秩序をどうやって守っていくのか。人手不足や公害の問題やいろいろな問題ありますけれども、輸送体系全体を見直す中で、見直しはする、しかし今乱れに乱れ切っておるこの業界秩序というのを何とかまともな秩序ある方向に向けていきたいというのが、すべてのトラック運送事業者の願いであります。
 そんな中で、例えば佐川あたりについては夜中でも何でも荷物をとりに来る。そうすると、佐川は夜中の十二時に荷物をとりに来るのに、何でおまえのところはとりに来ないんだとかいうようなことで、これは一例ですけれども、まだまだいっぱいいろいろなことがありますが、非常に業界秩序を乱してきたのが、残念ながら東京佐川に限らず全国の佐川急便の実態であった。その意味で、今回いろいろな問題が佐川に出てきましたけれども、これを機会にやはり佐川急便にももうちょっときちっと会社の姿勢をしていただいて、そしてトラック業界、運輸業界全体が秩序ある形でどの会社も共存共栄していけるような、そういう体制にぜひ変えていっていただきたいというのが私どものまた願いでもございます。
 そんな中で、これはもう運輸委員会でも奥田運輸大臣に私どもが質問をいたしまして、当初三月二十一日までに佐川は六社の合併を認めてほしいというようなことで話があったけれども、例えば負債総額についても、一体幾ら債務保証をしているのか。あるいは直接融資もある。その総額さえもはっきりつかんでいない。しかも、それを支援する銀行団といっても、幹事の住友やそういうところはオーケーと言ったかもしれないけれども、その他の多くの信用金庫や中小の銀行団はまだオーケーも言っていない。本当に最後まで佐川を支援していく態勢になっているのかどうか。そんなことがはっきりしないのに認可するんですかということでいろいろと申し上げてきまして、運輸大臣からは、やはり軽々に今認可すべきでないと思います、三月二十一日は無理です、その後三月末という話もありましたが、三月末も無理です、もうちょっときちっと佐川もしてもらわないとというようなことで、今日なお六社の合併認可については出ていないわけであります。
 私どもとしては、やはり今回の今申し上げたような関係金融機関との同意、協力、これらのことがきちっととれていない、あるいは負債総額、融資総額等についてもまだまだはっきりしないし、しかもその中については、ここは焦げつきになってしまう部分で、ここは大丈夫、資金回収できるというような区分けも本当にできているのかどうかはっきりしないこんな段階で、しかも、暴力団新法も今施行されましたけれども、一部のこういう人たちとのつながりもいろいろと指摘をされておる企業、果たして今回の事件でその辺との関係はばさっときれいになったのかどうか、それさえもはっきりしない中で今回運輸省が六社の合併を認めていくというようなことになれば、これは大変大きな問題だと私は思うわけであります。
 これはあえて言うつもりじゃなかったのですが、例えば運輸省の役人の皆さん方が異動するたびにせんべつを佐川からもらって、そんなことも常識の範囲内という答弁が運輸大臣からありましたけれども、こんなことが問題解決しない前に合併認可をするなんていうようなことになれば、やはり佐川から金をもらっているから運輸省の役人は弱いのかというふうに言われかねないと私は思うわけであります。その点について一体どういうふうに考えているのか、だれがこんなことを記者会見して言ったのかということをはっきりこの委員会の場で明らかにしていただきたいと思います。
○水田政府委員 お答えいたします。
 佐川急便グループの合併の申請につきましては、昨年の十一月二十五日に出てきておりまして、現在審査をいたしているわけでございますが、ハード面の問題がひとつありますが、そのほかに、新会社の財務面の基礎がどうなっているか、あるいは会社の事業遂行のための運行管理等の体制がどうなっているか、こういうソフト面の審査を行っているわけでございます。こういう問題につきましては、私どもは十分整理をして審査して、結論が出れば案件を処理すべき問題であるというふうに考えているわけでございます。
 現在、佐川急便から出していただきます資料の提出あるいは関係者からの説明が一応終わっておりまして、現在運輸省内での検討というものもある程度進んできて、詰まってきつつあるところでございます。そういうことは事実でございますが、案件の処理をいつ行うか、現在具体的には詰まってないわけでございます。新聞記事のように、具体的に月内とかあるいは連休前後とかいうふうな話については、具体的には私どもは決まっておらないということでございます。
○赤松委員 それじゃ、具体的にお尋ねをしますが、あと五分しかありませんから端的に答えてもらいたいと思うのですが、じゃ、佐川の職場の実態、例えば長時間労働、労働基準法を超える勤務の状況等、これは今改善されたんですか。現状、どう認識しているか、これが一つ。それから、稲川会を初めとするやくざとの関係はきっちりきれいになったんですか、これが二つ目。三つ目、負債総額の金額は一体総額で幾らと把握したのか、直接融資も含めて、これが三点目。四つ目としては、銀行団すべてから協力の要請をきちっと確認をしているかどうか、この四点について答えてください。
○水田政府委員 お答えいたします。
 財務の問題あるいは安全の関係、特に労務面の問題、さらには金融機関の支援の問題、こういうことにつきまして、整理して認可するという考え方でございます。やくざといいますか、暴力団との関係は本来的にはこの審査の事項ではございませんが、私どもは審査に際しまして、会社の方に指導をいたしているところでございます。
○赤松委員 今暴力団との関係について、審査の項目じゃないけれども会社にいろいろ言いますという話ですが、じゃ場合によってはそのまま、暴力団との関係が断ち切れないままでも六社の合併を認めて、そして実質的に佐川のそういう関係を維持させる、場合によってはもっと深まるかもわかりませんから、それを国が、運輸省が応援をするということになるんですが、それでもいいんですか。はっきり答えなさい。
○水田政府委員 私どもは、暴力団とのつながりがあったというふうなことを含めます社会から指弾されているような問題につきまして、問題である、遺憾であるというようなことを会社側に言いまして、会社側からは率直に反省して対応してまいりたいということで、新聞にも出ておりますが、会社側としては体質改善につきまして抜本的な改革を図るというふうなお話も聞いておるわけでございます。そういうふうなことを現在報告をさせております。そういうような内容につきまして、報告の内容を我々なりによくチェックしてみたいと思っております。
○赤松委員 じゃあと二分ですので、最後に一言だけつけ加えさせていただきますが、ここは商工委員会でありますのでこれ以上佐川問題はやりませんが、万が一にも、私が今挙げたような主な四項目のこれらの問題がきちっとしないのに、きちっと何にも変わってないのに運輸省が独自の判断で、みずからの判断で合併認可を認める、進めるというようなことであれば、これはもう社会党としてもその責任を追及せざるを得ない。その中身についても公の場で、皆さんとの佐川との関係も含めて明らかにしてもらわざるを得ないというふうに思いますので、その辺を覚悟して認可に当たっての結論を出してもらうように、そのことだけ申し添えて質問を終わります。
○武藤委員長 安田範君。
○安田(範)委員 ただいま同僚の赤松議員から大分厳しい諸般の質問があったわけでありますが、そのほかに幾つか重複する部分もありましたものですから、できるだけ重複を避けて質問を申し上げたいと思うのであります。
 法案の審議に先立ちまして通産大臣にお伺いをしたいと思うのでありますが、今回の中小企業流通業務効率化促進法案の提案につきましては、これは何遍か読ませていただきましたけれども、どうもちょっと視点が欠落している部分があるのではないかな、こういうふうな率直な印象を受けたわけであります。
 と申しますのは、今日まで通産行政ということになりますると、それぞれ産業の振興あるいは事業の活性化あるいは業界の育成強化だとかたくさんの問題を抱えて努力をされてまいった、こういう事情がずっと続きまして今日の日本の経済の発展というものを実現し得た、こういうふうに考えるわけでありますが、もうこれは言わずもがなでありますけれども、今そういう中で日本の政治の方向というものを大きく転換をしなければならない、こういう時期に来ていると思うのですね。これはもちろん経済政策についても同じだと思いますし、とりわけ今日提案されている法案の問題等についても決してかかわりなしというわけにはまいらない、かように考えるわけでございます。
 そういう面で、実はこれ通産と運輸の共管、こういうことで提案をされてまいりましたけれども、今日の日本の流通実態というものを考えてみた場合に、もうちょっと別の視点でこの流通というものを見る必要があるんじゃないのかな、かように思うわけです。というのは、流通というものは一体何だろうか、このことでじっくりと本当はお伺いをしたい気持ちなんですけれども、流通とは何ぞやという問題で。が、しかし、通常流通ということで業務が行われているわけでありますから、そういう一般概念の中でとらえていきたいとは思いますけれども、ただこれを立法化をして、そして流通の円滑化を期する、こういうことになりますると、もちろん経済面におけるとらえ方、流通の円滑化あるいは事業の活性化、こういう面におけるとらえ方、さらには今日のNOxですか、あるいは交通の混雑化、こういうもの等々、環境面についての考え方、こういうものも当然視野に入れていかなきゃいけない。これは当然なんでありますが、そういう中でさらにこの物流の問題で欠かすことのできないのは、他の製造業などと比較をいたしまして、人の力、人間の力ですな、こういうもののウエートというものは非常に高いんだろうと思うのです。そういう面で考えまして、まさに今日の物流、特に運送業界なんかの労働者というものは、二年ぐらい前では年間の総労働時間二千八百時間だなんという数字さえ出ているわけですな。そういう面から考えて、なかなか人手不足なんというものも連動してくる問題だ、こういうふうに考えられるわけでありますから、本来ならば今回の法案というものは通産と運輸とせめて労働省ぐらいは入れて三省共管ぐらいで出す必要があったんじゃないか、こんなふうに考えているわけであります。
 そういう面からしますると、流通業務の効率化促進、こういう形での、対症療法と言っちゃ悪いんですが、そういう側面だけで今後の日本の流通全体について円滑化を期するということについては、今日の提出をされている分ではなかなか不十分な気がしてしょうがない、こういうふうに考えてこの法律というものを読ませていただいたわけなんですが、この点、大臣いかがですか、所見をお伺いしたいと思うのですが。
○渡部国務大臣 先生御指摘のように、最近の経済、いろいろの面で変革が行われ、またこれに対するニーズも変わってきております。特に、内需主導型の経済によって最近物流量は急速に大きくなっております。ところが一方、これに対応する面では、道路交通上の問題もございますし、今御指摘のあった労働力の非常な不足が急激にきております。そういう意味で、物流コストというのもどうしても高くなる。生活大国日本の一つのネックとして、よく内外価格差で日本のものが高いというようなことをすべて関税障壁等にとられておりますけれども、実際は、アメリカと日本の比較をいたしますと日本の方がはるかに低い関税になっておる。そういう中で、総合的に今考えていきますと、産業界の人たちにとっても、また消費者にとっても今の物流問題の効率化というのは非常に大きな問題になっております。私どもも地方の商工会議所等を歩きますと、どこに行っても物流効率化の問題が陳情を受けます。それだけ社会の要請が大きい、私どもはこれにこたえなければならないということで今回の法律を提出し御審議をいただいておるわけでございます。かといって、この法律がオールマイティーか、これで一遍に何もかも解決していけるのかといえば、これはまた次にいろいろの問題が出てまいりますけれども、少なくとも今当面する大きな問題に対して我々がチャレンジし、そしてこれを突破口としてこの問題を解決するための大きな前進にこの法律がなることは間違いないと思います。
 また、御指摘のありましたように、これは運輸省に非常に深いかかわりのある問題でありますし、また労働省にも深いかかわりのある問題でありますし、また物流センター等を思い切って大きくつくっていくというと、これは農地の壊廃が必ず大きなネックになってまいりますし、これはいろいろの役所に関係してまいりますから、私どもはこの法律を成立させていただきましたならば、各省庁と緊密なる連絡、相談をして一つの方向を定めて、またこの法律を各省庁の関係の皆さん方の積極的な協力を得て実効あるものにしていくために密接な連絡を図って補ってまいりたいと思います。
○安田(範)委員 御答弁のように、それぞれ関連する省庁におきまして、先ほど赤松委員も指摘をしておりましたが、ぜひ綿密な連携を深めていただいて、私は、今回の法案は相なるべくは実効のあるものになってもらいたい、こういう期待を持っての話でありますので、それぞれの省庁に精いっぱいの協力をしていただけるような体制というものをとってもらうようにお願いしておきたいと思うのです。
 今、物流とは何ぞやという話をちょっといたしましたけれども、これは難しい話だと思うのですが、それと効率化という話が、話というよりはそういう言葉が文言上出ているわけで、効率化とは何だろうかということについて私もちょっといろいろと感ずるわけであります。と申しますのは、確かに事業の円滑な推進あるいは活性化、そしてまた経済の発展といいますか、そういうものも含めてこの効率化というものは欠かすことのできないものだということについての理解はするつもりです。
 ただ、効率化というものをどんどん進めていくということになりますると、効率化を進める人が要るわけです。これは例えば先ほどのお話に出ておりましたけれども、ジャスト・イン・タイムの問題だとか多頻度小口の運送であるとかそういうことになりますと、これはなかなか機械化をするというわけにはまいりませんから、他の事業種と違ってすぐれて人の力というものが大変重いウエートを持つ。これは効率化の問題、切って離せない大変な問題だと思うのですね。そういう面から考えますると、効率化効率化ということでただ経済面を中心にして物を考えていった場合に、言うならば人間疎外のようなそういうものが起こりはしないかなという心配を非常に強く持つわけなんです。例えば、ジャスト・イン・タイムで月曜日の朝持ってまいりなさい、こういう話になれば、日曜日返上で準備をしなければならないという問題がありましたり、たくさんの問題が想定されるわけです。
 そういうものを考えますると、今日、これはもう国民的な合意になっているでしょう、ゆとりと豊かさという問題があるわけなんですが、片方ではゆとりと豊かさを求めでいろいろな形でそれぞれの作業を進めている、片方ではどんどん追い詰められた全くゆとりも豊かさも感じられない、さらにはもっと条件の悪い労働を強いられるというようなことだって想定できると思うのです。よほど綿密に法的な、法規制と申しまするか、そういうものでも考えていきませんと、これはどうしても反面大変な問題があるなということを非常に強く考えるわけなんですよ。その辺の調和というものは一体どこに見出そうとしているのか、この辺はいかがお感じになられますか。
○渡部国務大臣 これは大変難しい問題で、またこれから我々がやっていかなければならない一番大事な問題と思います。人間生活が進歩発展していくためにはやはり便利さというのは非常に大事なことです。それからまた豊かさというのが大事なことであります。ついせんだってまではスキーあるいはゴルフ、電車に乗ってあれを運んで電車がいっぱいになって大変だったのですが、最近はほとんどそういう姿は見られません。非常にゆとり、豊かさを感じられるわけですが、しかしその一面ではそういうゴルフのバッグあるいはスキーの道具を一生懸命働いて日曜日でも土曜日でも運んでおる人たちの苦労があるわけでありますから、これを調和させるということがこれからのいわゆる豊かさを求めていく我々の生活をつくるための大きな課題であろう。今回お願いしている法律はいわばそういう便利さと豊かさと、またこの物流関係の仕事に働いておられる人たちの労働環境をもよくしていくとか、そういう一つの私どもが願っておる、非常に難しい問題ではありますけれども、やらなければならないことに挑戦したものであると私は考えております。
○安田(範)委員 今御答弁の内容、私も理解はできるわけなんですが、ぜひ今回の法案提出を契機にしまして、本当の意味で便利さや豊かさ、そういうものを創造していくためには、その反面大変厳しい状況にさらされると申しまするか、そういう方々もおられる。そういうものとの調整と申しますか調和というものをどういうふうに図っていくか、これをひとつこの法案の出発点にして十分な行政対応というものをやってもらうように、これは強く要望しておきたい、かように考えるわけでございます。
 時間が短いものですから、あと率直にいろいろとお聞かせをいただきたいと思うのですが、この法案が成立をするということになりますれば、当然のこととして期待さるべきものは事業の共同化、こういうことになろうと思うのですね。先ほど来の説明の中で、全国的に大体五十カ所くらいはという話がございました。五十カ所でいいのか悪いのか、これは論議のあるところだと思いますけれども、その五十カ所という中で、もうちょっと詳細に話をお聞かせいただきたいと思うのであります。
 例えばトラック業界だとかあるいは製造業の流通の関係であるとか卸売関係の流通の関係であるとか、たくさんの分野があるわけですけれども、こういうそれぞれの分野ごとのニーズと申しまするか、そういうものは大別してどのような状況になっているか、言うならば五十カ所の中でどういう状況になっているか、これについて明らかにしていただきたい、かように思います。
○春田政府委員 お答えいたします。
 現時点で把握している限りでございますが、五十カ所程度ございまして、その中身を見ますと、中心になりますのはやはり物流でございますので卸売業者が中心になりますけれども、そのほかにもトラック業者でございますとかあるいは製造業者でございますとか、物流の問題は複数のいろいろな異業種が密接に絡み合うものですから、そういった感じになって出てきております。
 例えば、具体的に申し上げてみますと、卸売業者にとりましては、取り扱い商品の保管や出荷、納品等を共同することによりましてこれらに要する経費の低減を図ることができますし、また納品先事業者からの物流に関するさまざまな要求に対してより的確にこたえることが可能になってまいると思います。
 次に、今度は小売業者をとってみますと、卸売業者の物流にかかわる業務処理能力が向上することによりまして、例えば店頭における検品を省略できまして、朝から晩まで車が店の前にとまるというようなこともなくなってまいりますし、あるいは商品への値札づけ、ラベル張りといった作業を卸売業者に依頼することができますと物流サービスの向上のメリットを受けることができるようになってまいると思います。
 また、トラック業者にとりましては、他の中小トラック業者と共同で空きトラックを融通いたしましたり帰り荷をあっせんし合ったりということによりまして、トラックの積載率、実車率を改善し、輸送効率を高めることが可能になってまいる。
 あるいはまた、荷主業者にとりましては、トラック業者の輸送能力が増強されることで、輸送を拒否されるといった事態は解消され、トラック業者に対しましてみずからのニーズにより適合した配送を依頼できるようになる。
 こういったそれぞれ物流に絡みます複数の当事者たちがそれぞれのメリットを得るべくなってまいると思う次第でございます。
○安田(範)委員 何か最後のところは明らかでありませんでしたけれども、まあまあにして聞いておきましょう。
 それで、この共同化をされる、言うならば事業に参加をしてくれる企業があちこちに出てくるということが期待されるわけでありますけれども、その期待された結果、例えば五十カ所がそれぞれ共同化できだというような状況になった場合に、これは先ほどもちょっと話が出たようでありますが、やはりそれなりのきちんとした見返りと申しまするか、結果と申しまするか、そういうものが出てくるはずだと思うのですね。
 通産省、中小企業庁でしょうか。こういうものをつくってどういう効果をということになりますれば、当然のこととして、特に先ほど来申し上げておりますように、例えば一つはコストの上昇でたまらない、これを何とか解決していきたいという一つの大きな眼目があるわけですな。コストの低下というものが実現できるのかどうか。あるいはもう一つは、人手不足がこれによって解消できるのかどうか。さらには、環境を十分に保全をする、こういうような方向というものはしっかりと確保できるのかどうか。たくさんの関連する問題があると思うのですね。
 こういうものについても、賢明な通産省でありますから、それぞれの角度から十分な検討をされているんだろうというふうに思うのですが、今日段階ではこれらの問題についてはいかが分析をしておられますか。
○春田政府委員 ただいま全国で零細な中小企業者だけでやっておりますものもなかなかうまくいっておるものもできてございますし、あるいはまた今申しましたように異業種のものが寄り集まって非常に多数の配送を効率よくやり始めているものもございますという形で、先進的な事例が幾つか日本の中で既に出てきております。それは、非常に大変なる長年にわたる努力の積み上げでそういうふうに動いてきておるわけでございます。
 その結果を見ますと、この法案作成の過程でもるる御説明したりしてまいったわけでございますが、例えば東北地方の地方都市の総合配送センターの例を見ますと、積載率が三割から八割ぐらいまであったり、それからコストもある程度確実に削減してきておるという結果が出ておりまして、また先生御指摘の労働環境でございますとか環境の問題は、直接この中小企業の振興を目的としました法律の目的ではございませんけれども、結果としまして、先ほど申しましたように例えばトラックの台数がかなり減るとか、そういうことによりまして、あるいはまた職場環境が改善されてくるという形で、結果としていい効果を持ってくるというふうに確信しておる次第でございます。
○安田(範)委員 指導部長、例えば労働環境の問題だとか福祉の関係、こういうものについては目的ではありませんけれども、こういう御答弁がありましたけれども、やはりそれは目的ではないにしても、ただ結果としてということだけでとらえる感覚というものはもうちょっと訂正してほしいなという気持ちがあるのですよ。だから、冒頭大臣に私は質問したわけでして、そういう考え方ではなくして、もうちょっとやはりその部門に働いている従事者、これについての配慮というものをさらに重く見る、尊重する、こういう立場でこの問題については対処をしていただきたいと思うのです。
 だから、例えば協同組合をつくった、その場合に当然のこととして休憩所であるとか諸般の福祉施設なんかも併設をする、こういうものがなければいけませんよ。このくらいの行政指導というものがなきゃいけない。同時にまた、労働時間にしましても、やはり一つのガイドラインをきちっとつくって、それで強く指導してまいる、こういう認識というものは極めて重要であろう、かように思うのです。
 したがって、これは南学長官、ひとつ決意のほどを述べてください。
○南学政府委員 中小企業が流通業務の効率化を図るために共同配送センターを設置するというような場合、この共同配送センターで働く労働者の労働条件に配慮していくということは極めて重要なことだと私どもも認識いたしております。時短を進め、あるいは休憩室などの福利厚生施設を設けるということは、職場環境の改善、作業効率の向上といった効果も期待できるわけでありまして、経営者にとってもメリットがあり、労働者にとってもメリットがあると私どもは認識をいたしております。
 したがって、私ども実際にこの流通業務効率化事業を実施していく際には、時短の推進あるいは休憩室等の福利厚生施設の設置について必要に応じ指導助言を行っていきたいと考えております。
 なお、これまで設置された共同配送センター等の例を見ますと、多くの場合に休憩室など福利厚生施設の整備が行われているのが実情であります。
○安田(範)委員 さっきの話に戻りますけれども、大体全国で五十カ所ぐらいという話がたびたび出てまいっておりますけれども、目安として五十カ所がいいのかどうか。五十カ所で甘んじようという気持ちはないんだろうと思うのですが、相なるべくは、数多くの共同化というものが推進できればよろしいんだろう、かように思うのです。
 そこで、この法律ができたところで、言うならば施行されたという段階になりまして、私は実効性の面で非常に難しさがあるんじゃないかと思うのですよ。と申しますのは、今日までの物流関係に携わっている事業者、これは相当部分荷主と直結をしている業者というものが多いわけですね。会社から契約をしてその契約に基づいて運送業務や何かに携わっているこういう部分の業者というのは非常に数多いのであろうと思うわけです。そういうことから考えますると、今までのそういう契約関係とは別に、今度は共同の事業体にして改めてこの仕事をやる、こういう形に変化をしてまいることだと思うのですね。あるいは継続性があるかどうかは別にしましても、事業体としては別の形にならざるを得ないわけですね。その際に荷主の方でどういうふうな対応ができるんだろうか。言うならば、隷属型と言っていいのかどうかよくわかりませんけれども、従来の直結型ですな、製造業と直結をした流通業務の事業者、こういうものと今度は断ち切った形になるという場合に、製造業者からすれば、従来の方がいいよ、そんな面倒くさいことをやらないで従来どおりやってほしいというような強い要請があった場合、これは経済地位の上位のものがといいますか、そういうような関係からするとなかなか共同化に踏み込んでいけないんじゃないのか、こういう心配を非常に強く持つわけなんです。
 したがって、いつもフリーであちこちの流通に携わっているという業者の場合は、あるいは共同化ということでコストの低減やなにかについて魅力を持って入ってくることになるかもわかりませんけれども、そうでない、言うなれば直結型の流通業者というものはなかなか参入できないんじゃないのかな、共同化に踏み切れないんじゃないかな、こういう印象を非常に強くしているんですが、その辺についてはどのように御認識なされておられるか。特に事業者への啓蒙といいますか、この辺が一つのポイントになろうかなというような気もするわけなんですが、その辺も含めて答弁をいただきたいと思うのであります。
○春田政府委員 先生御指摘いただいたとおりでございまして、我が国の物流につきましては、先ほど来、製造、販売等に付随する行為とみなされてきたことなどもありましてということをるる申し上げてきたのでございます。また、今おっしゃられましたように、取引関係が、生産ラインの中に中小企業者が組み込まれておりまして、そしてそこのところで、中小企業者が共同して合理化、効率化しようというふうな試みもまた十分になされづらい状況もあるというようなこともまた分析されておるわけでございます。
 そこで、この法案では第四条並びに第十三条におきまして、関係者の協力というものを大変強く打ち出しておるわけでございます。特に、この関係者の物流効率化事業を進めますに際しましては、投資と並んでやはり関係者の協力というものが中小企業者の側からも、また取引先等の関係においても重要であるということを強く打ち出してあるわけでございます。
 次の、先生の、いろいろな具体的な例を示すことによって参考にする、あるいはその普及に努めるべきでないかという御指摘につきましては、この効率化を促進するためには、物流に関する事業運営のノウハウや物流コストの算定方法等につきまして……(安田(範)委員「そのことはいいよ、さっき聞いたからいいよ、それは」と呼ぶ)はい。具体の事例を十分啓発、普及してまいりたいと思います。特に、また中小企業大学校、全国に今七つございまして、そのすべてでこういった観点の研修方法もやってまいりたいと思っている次第でございます。
○安田(範)委員 もう一遍申し上げますけれども、荷主に直結をした、言うならば専属の流通業者ですね。さらにはまた、別の形で言うと、荷主主導で流通業者が動いてきている今日までの経過があろうと思うのですね。そういう面におきましては、せっかくこの法律が施行されたということになりましても、どれほど効果的に実効が上がるのかということになると極めて難しい面があるのではないか、こういう心配を、私今率直にいたしておりますから、いろいろ審議をして、議論をして法律が施行されるということになれば、やはりそれに対する期待というものは私ども強いわけですから、後になって、さっぱり共同化ができなかったよなんということのないように、ひとつ精いっぱいの御努力をいただきたい、このことだけは申し上げておきたいと思うのであります。
 もう一つ心配なのは、大型の物流業者、今回は中小物流業者を対象としての法律ですね。大型の物流業者が、今度できる、例えば協同組合の物流分野にまでどんどんシェアを拡大してこないのかな、こういう懸念を実は持つわけであります。これは今日の経済の原理といいますか、市場原理というような事態があるわけですし、さらにまた競争の経済でもあるわけですな。そういう面を考えますると、大企業がより広く事業分野を確保していきたいあるいは事業も拡大をしていきたい、当然の成り行きになってくるんじゃないのかな。その場合に協同組合にせっかく結集したものが大変な圧迫を受けるというような事態になりやしないか。その場合に自分の持ち分を守り切れるのかどうかという問題が出てくるのだと思うのですね。もし守り切れなくて、せっかくできた共同化が運営不能というような事態になりますると、いろいろ法律的に、例えば税制の面であるとかあるいは金融の面でも特別の対策を立てたにもかかわらずそれが無に帰すということもあり得るわけですから、そういう面で大型の物流業者と今日考えておられる中小の物流業者の接点といいますか、そういうものはどういうふうに考えておられるか。あるいは大変圧迫をされるようなそういう状態というものは心配しなくて済むのかどうか。これについてもはっきりしていただきたい。相なるべくは、何らかの規制までいくのかどうかわかりませんけれども、法的な措置というものはとれぬかどうか。ただ独禁法やなんかの関係もありますから、そういう意味では非常に難しい話かなとも思いますけれども、それらについての説明をおひとついただきたい、かように思います。
○春田政府委員 この法案はあくまでも中小企業者が共同でということを支援する法律でございまして、大企業は、このような中小企業者の対応能力の向上あるいは流通業務の効率化の便益を結果として享受することはありましても、みずからが直接支援対象となることはできないわけでございます。(安田(範)委員「いや、そんなこと聞いてないよ、何答えているんだ」と呼ぶ)はい。中小企業流通業務効率化促進法でございまして、中小企業が支援の対象となっておるということでございます。
○安田(範)委員 聞いているのはそうじゃなくて、今この法律で中小企業の流通関係を支援しようということで、例えば税制や金融とかその他の関係、運輸省の関係についてもいろいろと施策を施そう、こういう話なんでしょう。その場合に、今日の市場原理の中で考えた場合には、きょう審議をしておりますこの流通法案、物流法案の枠外のいわば大型の物流業者、これによってシェアを圧迫されるようなことはないのかということ。わかりますか。今日の市場原理の中で大型はどんどんどんどん自分の持ち分を、活動分野をさらに拡大をしていきたい、そういうものとの競合というものはいかがなものだろうか、あるんだろうか、こういう話なんですよ。その競合によって、今日の状況ですとやっぱり資本の大きいものに必然的に負けちゃう。その場合に一体どうするんですか。したがって、そのときにはどういうふうな手だてでこの今日の共同化を守っていくんだろうか、こういう問題意識なんですよ。わかりますか。
○南学政府委員 先生御指摘のとおり、共同配送センター等を事業協同組合がつくって営業を行っていく場合に他の大型の企業からの事業の圧迫というのはあり得るとは我々思っております。しかし、むしろ今回の我々の目的は、中小企業者がそうした組合組織をもとにして共同化をやることによって大企業の圧迫にも負けないようなそうした体質の効率的な形態にしていきたい、このように考えているわけでありまして、それゆえにいろいろな支援措置も用意しているわけであります。
○安田(範)委員 長官、言うならば団結して頑張ろうみたいな話なんで、まあ気持ちはわかると思うんですよ。ただ期待に反するということもあり得るわけです。今日の市場原理やなんかの関係からするとなかなか思惑どおりに進まない、こういう事態も考えられるものですから、そういう面についてよほど行政官庁としては綿密な対策というものを樹立をしないと、思惑外れということに陥る可能性もありますよという指摘をしているわけなので、その辺、大臣おわかりかなと思うのですが、ひとつ十分理解をいただきたいうなずいているので返事はいただきません。理解をしてもらった、こういうふうに私は考えます。
 もう時間がなくなりましたので、運輸省せっかく来ておりますものですから、一言お尋ねしておきますが、先ほどの質問を聞いておりましたら、何かひどく歯切れが悪い。率直に言うと、相当決意を込めた通産省の、あるいは共管であるはずのこの法律というものが、先ほどの説明ですと、言うならば今日までの運輸秩序といいますか、こういうものを乱してはいけないとかなんとか、いろいろ説明しておりましたけれども、もうちょっと積極的にこの法律に対して運輸省も支援をする、こういう態度というものは出せないものかな、かように思うのです。というのは、昨年の暮れごろでしたか、大分運輸省と通産省がぎくしゃくしていますよなんという話も仄聞をいたしておりました。お互いの役所の縄張り根性というのはもう持つべき時期ではないのではないか、こういうふうに率直に思うのです。したがって、手続の二重排除の問題についてはわかりますけれども、それ以外の問題等についても、物流ですからでき得る限り法の趣旨を十分に生かすような態度というものを必要とするであろう。このことについての決意を述べていただきたいと思うのです。
○土坂政府委員 物流の効率化に取り組むに際しまして、物流事業者だけでなくて、いわゆる荷主側と一緒に取り組んでいかなければいけない、そういう時代だと思います。したがいまして、運輸省としましても、通産省と十分連携をとってやっていかなければいけない、そういうつもりでこの法律につきましても十分相談をしてまいりました。長い間議論をいたしましたので、それは意見の違うときもございましたけれども、基本的にこういうことについて力を合わせて一緒にやっていこうという意識、あるいは相互の信頼関係、こういうものについては、私は全く欠けるところはないと思います。今後ともこういう考え方に立ちまして、全力を挙げて、この法律の趣旨の合うに尽くしてまいりたいと思います。
○安田(範)委員 決意はしっかりと受けとめさせていただきたいと存じます。
 それではもう時間がありませんから、最後になると思うのですが、今回の法案によりますると、相当思い切った施策をということで決断をしておられると思うのですね。中小企業の共同による物流効率化の取り組み自体に着目して手厚く支援する施策はこれまでなかったため、新たな立法措置による抜本的な支援策を講ずることが重要であるというようなことで、そういう発想からやられている。その場合に、中小企業が今日の日本の経済を支えているという状況の中で、たくさんの中小企業、それぞれの分野における支援策というものが実行されてまいった。今日まで残念ながら物流分野については大変おくれを来していた。ただ、変遷がありますからやむを得ないかもわかりませんけれども、今日の段階で際立って物流の問題を取り上げざるを得ないという状況になったことについては理解を示すわけでありますが、今回のこの税制の問題とかあるいは金融の問題とかその他の関係の措置、そういうものと、他の、従来の中小企業分野において支援されたそれぞれの政策との整合性というものは一体いかがなものかな、こういうふうに考えるわけなんです。これはそれぞれの業界の十分な合意といいますか、そういう理解がなされてまいる、あるいは既になされた、こういうことで考えてよろしいのかどうか。今後の問題としても、この整合性の問題については、いろいろな場合、いろいろな法律ができるわけですから、そういう面では整合性というのは非常に大切だと思いまして、この辺についての考え方をちょっと明らかにしておいていただきたいと思うのであります。
○南学政府委員 これまでも中小企業政策といたしましていろいろな法律に基づきまして各種の施策を講じてまいりました。しかし、中小企業の物流効率化ということを直接目的とした法律はございませんでした。結果としてそれが物流効率化に結びつくようなことはあったかもしれませんが、直接目的とするものはなかったわけでありまして、現下の物流問題の深刻化にかんがみ、今回総合的、体系的に支援措置を講ずるために、こうした立法措置をお願いしているわけであります。これまでの法律のない段階でのいろいろな支援策もありますが、今回用意いたしております支援策というのは画期的に拡充していると我々は自負をいたしておりまして、よろしくお願いしたいと思います。
○安田(範)委員 時間が参りましたのでこの程度にいたしますけれども、通産大臣も中小企業庁の南学長官も押しなべてそうでありますが、冒頭に申し上げましたように、物流には人間の力というものが欠くことのできない問題であるし、同時にまた、今日の社会全体が人間優先、まずは人間だ、こういう気持ちを法律の基本に置いていただきたい。さらに、今後立法措置をするに当たってもその考えというものは底流にいつも据えておく必要があろうということを御理解いただきたいと思うのであります。
 以上申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○武藤委員長 午後零時四十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時四十一分開議
○武藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。安田修三君。
    〔委員長退席、和田(貞)委員長代理着席〕
○安田(修)委員 それでは、まず初めに質問いたしますが、産業構造審議会流通部会、それに中小企業政策審議会流通小委員会合同会議の物流問題小委員会の中間報告、「物流効率化対策の総合的推進について」という文書、先ほどからもいろいろ引用されておりますが、この中の「我が国物流の現状と問題点」の中で、一つは物流量の急増、二つ目に物流の質的変化、三つ目に物流供給面の変化、四は物流の需給不均衡、五は物流コストの上昇、六、外部不経済・エネルギー消費の状況等、六点にわたって実は分析しております。大体これを見たり、あるいは昨年三月の通産の研究会報告等見ますと、大体皆さんの、政府側の答弁がみんな出てきてしまっているということになるのでありまして、これでは本委員会、審議しても余りおもしろくございません。それから先、どのように立法措置や行政措置、指導等含めて行われるかということを本法案の審議の中で言ってもらわないと、これは何にもならないわけであります。
 そういう点で、我が国の物流量というのは、今日まで各研究機関とも大体三期に分けて見ておりますけれども、今回の場合は、経済成長を上回る勢いで急増している要因は、消費者ニーズの多様化等を背景とした商品の多品種少量化あるいはまた発注態様の多頻度化、一商品当たりロットの小口化、リードタイムの短縮化等が進行しているからだと言われていることは、午前中の審議の中にもあらわれているところでございます。したがって、従前のような流通業務の効率化だけでは解決できない社会性、公共性など多方面にわたる施策が必要でありまして、午前中の答弁を聞いておりましても、トータルな社会的システムの一環として物流を評価していくということが言われておりますけれども、その中身は、効率化の側面だけのように見受けられるわけであります。
 そういう点で、政府として総合的に進める具体的な施策というものを示してもらいたい。総合的という言葉は幾つも出ておりますけれども、それでは一体何と何とどうやるのかということを、やはりポイントを示してもらわないとこれは意味がございません。そういう点で、そのことをまず大臣にお聞きしたいと思います。
○麻生政府委員 近年の物流問題、この根底には、今御指摘がございましたように、一番先に消費者の所得が上がりまして、それに伴って需要が非常に多様化し、またそれに対応した形で多品種少量化が進んでおるということによる物流量の増大ということがございます。このような実態に対しまして、今御指摘がございましたように、産構審の答申でございますが、総合的に進めていこうということでございます。
 第一は、何といいましても物流をまず物理的に処理をする、効率的に処理するということが大切でございます。その意味で、効率化に対する支援投資、これが第一でございます。
 それから第二番目は、現在の物流の問題点はまさに生産段階あるいは小売段階、これが非常に情報化が進んだわけでございますが、物流段階におきましてはなかなか情報化が進んでいないという、情報化社会における一種のギャップが起こっておるというところに大きな問題点があるわけでございます。その意味で、この情報の促進、特にそのためには業際を通じての情報機器あるいはいろいろなソフトの標準化の推進ということが非常に大切でございますから、それを進めていこうということでございます。
 また三番目には、いわゆる一貫パレチゼーション、これもなかなか企業を越えて進まないという実態がございますが、これは省力化効果あるいはコスト効果も非常に大きいわけでございますから、このようなものを全国的に進めていこうということでございます。
 さらに、非常に根底的な問題は、物流コストという概念、これが非常に現在あいまいでございます。したがいまして、物流コストの算定方式、これが単に一企業ではなくて、業界を通じて共通に使えるようなもの、これの普及を図っていく、それに基づきまして、物流コストのいろいろな関係者間の適正な負担というものの定着に努めていく、このような方向で考えておるわけでございます。
○安田(修)委員 そこで、まず物流関係全般のことでお伺いしますけれども、建設省は新物流システムの開発を行っておられるようであります。運輸省はモーダルシフトの展開を構想しておられる、こうした物流対策をいろいろと各省でやっておられることは午前中もまたお話があったとおりでございますが、問題は、それを総合的に政府は進めるとおっしゃっておるのですけれども、これを統括していく主管官庁というのはないようでございます。
 そうしますと、例えば皆さん方が、いわゆるそれぞれの省庁のそれぞれのシステムの建屋ができてきてからいろいろと問題が出てくるけれども、その以前の段階では、一つもトータルな物流対策というのは進めてこられないのじゃないだろうか、そういう点でまず、共管ではあるけれども、一体どこが主務官庁としてやるような体制になるのか、ならないのか、まずその点、お伺いいたします。
    〔和田(貞)委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生政府委員 この物流問題でございますが、今まさに先生もおっしゃいましたように、建設省あるいは運輸省、また通産省、それぞれその責任を持っておりまして、対策を実施しておるわけでございます。これを全体といたしまして、どこが主務官庁であるかということでございますが、これは各省それぞれの分野でそれぞれの責任でやっていくということでございまして、それを統括する責任官庁というのは形式的には現在ないわけでございますが、実態といたしましては、今回の法律に見られますように、各官庁関連のところ、おのおの連絡をとりながら具体的な政策の実施に当たっておるということでございまして、いわばこのような各省間の率直な協議あるいは意見調整あるいはそれに伴う政策の調整ということが非常に重要であるというふうに考えている次第でございます。
○安田(修)委員 私は、極めて無責任な話だと思うのです。というのは、それほどうまく各省庁が共管でいくものなら今まで日本の行政はそう苦労は要らなかったはずでありまして、例えば今から二十年前の物流問題のときには、専ら運送を主体にした効率化を求めた時代であったわけですね。ところが、今の場合も確かにそれはあるのですよ。ですから、皆さんは三月に既に研究をやっていらっしゃるが、昨年以来の資料をずっと整理してみますと、運輸省の方がどちらかというと先行しているように私たちの目には見えるのです。ですから、例えば共同センターも三十カ所やりますと、運輸省は去年の夏から言っておるでしょう。そして、ずっとやっておるのですね。ところが、皆さんもやっている、やっているが、それは向こうの方がちょっと先行したように我々には見えたわけです。そこで今ドッキングして、そして全体が審議の場になってきた。
 私たちの目からすれば、二十年前の物流問題と違って、今の場合は通産が主体だと思うのです。なぜか、ジャストイン問題を解決しろとかあるいは問屋さんの共同配送問題を整理しろとか、これはみんな通産なのですね。それは、多頻度、多品種の品物問題をどうしようかといっても、みんな通産の問題なのですよ。以前と違って通産が主体の物流問題が今出ている。だが、建設省のような、いわゆるトラックを今度は省エネ問題で、しかもNOxを排出しないようなやり方もやろうという開発もこれも必要。それからまた、運転労働者が少ないから、そしてこれらの解決のために運送の合理化もやるという運輸省の方針もこれも必要。だが、以前と違って、今いわゆる通産が主体のような物流問題に来ておるというところですね。ところが、みんな共管でやりましょうと言っておるから、建設省はまたここでデュアルモードトラックの開発だといって一つの問題、六年以内に実験線をつくると言う、こうやっておるこれらができてきたときにどうなるか。結局、下で拾うのはまた通産なのですよ。だから、政府の中に、例えば交通は総務庁に、あれは余り大した機能もないけれども、本部があるわけですね、対策本部が。これも物流対策の閣僚会議ができるのか、あるいはまたそれらを統括する次官会議があるのか、あるいは何らかのそうしたものの締めくくりがなければ、お互いの顔色を見たり、お互いの競争では、非効率的で何にもならないということです。
 そういう点で、これはもう大臣、政治の問題です。これは行政サイドでできるわけではございません、それぞれの縄張りがありますから。これは通産大臣として、この際、日本の物流問題、これは将来にわたって重要問題ですから、これを解決するためには、やはりそれらが総合的にまずちゃんと、大臣御存じのように、答申の中にはそのことを指摘しておるわけですね、最後。行政の対応策、一番最後のところにいみじくもその点に関しては、「政府全体として物流問題に取り組む体制を整備し、対策を策定していくことも必要である。」こういうことを、多くの省庁の行政に深く関係する問題であるから、最後は政府全体として取り組む体制を整備しようということを言っているのです。ここだけが皆さんの方は、いわゆる食わないのですね。やはりそこに今の省庁の縄張りがあると私は思うのです。
 ですから、大臣、このことはやはり真剣に閣議で議論して、そしてそういう締めくくりをやるような、別に私、対策会議もなくてもいいですよ。締めくくりをやるようなものをやってもらわないと、これは進まないと思うのです。どうでしょうか。
○渡部国務大臣 御指摘の問題、大変大事な問題だと思います。私ども、地域社会の経済発展、また今日の新しい消費者のニーズに対応していかなければならない。その中で、環境の問題も起これば、また近年は特に労働力不足が目立ってきておる。特に中小企業の場合、この問題をもろに受けておる。いろいろの総合的な観点の中で、地域経済の発展、ひいては国民生活の発展のために物流問題が大きな問題になってきたという観点から、今回の法案の審議をお願いしておるわけでありますけれども、今先生からお話がありましたように、これは各省にまさに、輸送、こういう業務についてはこれは運輸省が今日まで大変な努力をし、その担当をし、勉強をしておられるわけであります。今私のところで物流ネットワーク、物流センターをつくっておりますけれども、これは高速道路のインターチェンジに期待して、そこから大きなものをつくろうということになると建設省、また農地壊廃で農林省と、これはそれぞれの各役所に関係してまいります。それぞれの役所の皆さん方、大変仕事熱心でありますから、これがまた一面とり方によっては縄張りに固執するというふうにも受け取られるわけでありますけれども、しかし今回のこの問題は、関係する各省庁の積極的な協力なしには、これは通産省だけの力ではできるものではございません。
 私どもがこの法案をお願いをしたというものは、新しい時代のニーズの中で、交通渋滞また輸送の小口化あるいは環境の問題、労働力不足の問題、またそのために物流コストが高くなれば内外価格差の問題が指摘される。もろもろの今日抱えている問題の中で、私どもの社会に対する責任から今回の法案を取りまとめて御審議をお願いしておるわけでありますから、この法案を成立させていただきましたならば、私どもが中心になって、関係省庁に呼びかけて密接な連絡をとって、一つの方向を見定めてその方向に向かって、各省庁緊密な連絡と協力の中にこの法律が実効あるものに、現在抱えておる問題を解決するための大きな前進になるように努めてまいりたいと思います。
○安田(修)委員 今回の法案は物流問題の中のほんの部分的な立法措置ですよね。ですから、私が言っておるのは、日本の将来の物流問題全体を考えたときに、大臣も今さばさばといろいろなことを言いにくいでしょうし、今おっしゃったように、通産がひとつ音頭をとって積極的に各省庁が話し合っていくということでございますので、それがぜひひとつ物流問題全体をまとめていくような、その中で、別に通産がおれのところの縄張りだと言う必要はないのでございまして、ぜひひとつこれがまとまるような行き方をしてもらいたいと思います。
 そこで、運輸省の方にお尋ねいたします。
 モーダルシフト構想と、その効果、行政効果としてはどの程度上がるものか。
 なぜ聞くかといいますと、皆さんの方のいろいろな発表されたものを聞きますと、例えば小口配送を共同化した場合に三〇%の効率が八〇%になるとかというデータも出しておられます。ですから、これはなかなか予測しがたいでしょうけれども、鉄道輸送あるいは内航、それらがどのような形にいくと物流はどうなるかということ、簡単で結構でございます。
○土坂政府委員 モーダルシフトと申しますのは、いわゆる幹線の部分でトラックよりも効率のいい大量輸送機関を使っていこうということで、具体的には鉄道なり海運を想定しているわけでございますが、トラックの場合は積載量が、多い場合に約十トンでございます。しかしながら、鉄道になりますと、これは五トンのコンテナを一貨車に五個積むことができますから、それを二十両つないで走りますので、五百トンの貨物を運ぶことができます。それから船は、これは大きさいろいろございますが、大きいものになりますと、二千トン、三千トンということでございます。したがいまして、端的に言いまして、鉄道はトラックの五十倍、船の場合は大きさにもよりますけれども、三百倍というような格好になるわけでございまして、それだけより効率の上がった姿で物流量を、逆に言えば、同じ物流量を確保するときにそれだけ効率が上がっておるということでございます。労働力の面でも、環境の面でも、道路混雑の面でもその分負担が少なくなる、そういう意味の効果があるというふうに考えておるわけでございます。
○安田(修)委員 そこで、これはちょっと、次はこういう一つの理論的な予測ということになるのでしょうが、例えばメーカーは収益重視の経営戦略から、これまでの多種少量生産を見直して、そして売れる商品の生産品目に絞り込んでいる一方、卸売業者でも販売効率向上のための取扱商品を減少させる動きが最近出ておりまして、そして景気の減速とも相まって、多頻度小口配送を促進した従前の背景とは異なった変化が見られるようでございます。これについていろいろな見方もありますが、こうしたことから研究者の中には、物流には限界まで来ると販売、生産はそこでとまって歯どめがかかってくる、今度はそれとは反対の方向に動く傾向もあるのじゃないか、したがって物流は集約化したり、あるいはまた分散化したり、こういうことを繰り返すのではないかという見方もあります。こうしたサイクル性があるとすれば物流対策もおのずと適切に対処する方策が変わってくるわけでありますが、この点どのように見ておられるのか。これによって、例えば物流センターのつくり方でも、あるいは道路網整備、いろいろなことで全部対策が変わってくるわけですね、十年サイクルなり二十年サイクルで。そういう点で皆さんの見方をお聞かせいただきたいと思います。
○麻生政府委員 物流問題は確かに時代によって随分変わってまいっております。例えば、昭和三十年代から四十年代の後半にかけましては、これは日本が高度成長期でございました。この成長に伴いまして物流量はずっと増大したわけでございますが、ただその場合、GNPに対する物流量の弾性値、これは〇・九五でございまして、大体経済成長に見合って物流量がふえたということでございます。昭和四十七年から六十年まで、この期間は物流量が非常に安定をした期間でございます。これは産業構造が随分この期間は変わっておりまして、それまでのいわゆる重厚長大型から知識集約型へ変わっていったということでございます。このため、物流量は大体年率五%ぐらいしかふえておりませんで、GNPに対する弾性値も〇・一四というようなことでございました。また、六十年代に入りますと、これは再び物流量が急増するわけでございまして、大体年率七・六%、弾性値にいたしましても一・三というようなことで、成長率でも非常に高い伸びになっております。これはこの時期におきまして、今御指摘がございましたように多品種少量化ということで、またそれに対応しまして輸送頻度も非常に多頻度化したということでございます。
 したがいまして、今後私どもが考えますこの物流対策といいます場合には、このような市場におきます多品種少量化それから多頻度化というようなことの根本原因に立ち返った対策が必要であろうと考えております。特に、非常に重要なのは、やはり情報化ということに対応いたしまして今後のいろいろな流通関係の諸施設を整備いたします場合におきましても、これに対応できるような機能の高度化を図っていったものでなければならないというふうに認識をいたしておるわけでございます。
○安田(修)委員 そこで、多品種少量輸送に対処して、その陸路を解決するための方法としまして、荷主と物流業者との協力ということがまず必要でありましょう。そしてまた、具体論としては、一つは庭先待機時間の削減をする、あるいはまた出荷時間を早める、あるいは計画的出荷による計画的な配車を行う、あるいは発注オーダーの平準化を行う、これは皆さん方も午前中もよくおっしゃっていたとおりであります。他の業者の混載化、これも既に業界では進められております。こうした輸送効率を高めることが必要となってくるのでありますけれでも、今度の法案ではそのうちの一部分であります。これに付随した全般の施策について、通産省の進められる施策については、先ほども冒頭にお話がありましたが、さらに具体化した今のような私の指摘に対しましてどのように行われるか、お聞かせいただきたいと思います。
○麻生政府委員 物流の効率化を考えます場合に、やはり荷主と物流業者が協力し連携をするということが非常に重要であります。この点は、過去もそうでありましたが、今後も変わらない非常に重要な側面でございます。そのためにいろいろな対策を講じていくわけでございますが、今回の法律に加えまして私ども今進めています点、四点、御説明させていただきたいと思います。
 第一点は、発注の計画化とか発注量の平準化というようないわば取引慣行を、これは何としても合理的なものあるいは価格メカニズムがきくものに変えていくということが必要でございます。このためにはいろいろなアプローチの仕方があると考えますが、やはり業界ごとに一つのルールをつくっていくということが非常に大切であろうと考えておりまして、現在各業界ごとにこのような主要点につきましてどういうふうに改善をしていくかということでガイドラインをつくる作業を進めておるわけでございます。
 また、そのようなことに加えまして、いわば広義の意味の基礎的な条件整備ということが大事でございます。そのためには、輸送、保管、荷役にわたりましていろいろな機械が使われておるわけでございますが、このような機械が標準化され、お互いに使いやすくなっておるということが大事でございまして、これは現在JISを中心に標準化の作業の推進あるいはその普及ということに鋭意努めておるわけでございます。
 また、加えまして情報システム、これはソフトウエアにまたがる部分でございますが、これも非常に大切でございまして、特にビジネスプロトコルと言われる、いわゆるソフトウエアの共通化ということ、インターフェースを合わせるということでございますが、これも現在進めております。
 さらに、広い意味での物流拠点の整備ということがございます。これは民活法などをいろいろ利用してやっていくという施策を講じておるわけでございますが、この面での対策の強化にも努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○安田(修)委員 そこで、今機械化の話も出ましたが、荷主側の機械化あるいはまた一貫パレチゼーションを広げていくという、今度の法案の中身の措置からしますと、これは皆さんの他の予算要求の中にも出ておるようでございますが、今度の措置だけでは万全を期せないのではないかと私は思うのですが、その点はどうでしょうか。
○麻生政府委員 パレットの問題でございますが、これはパレットがうまく使われるということになりますと、機械化もいろいろな形で進んでまいりますし、省力化効果あるいはコスト削減効果というのは持つわけでございます。そういうことで四十年代よりこの推進に努めてまいっております。具体的には、全国的なパレット・プール会社をつくりまして、このパレットを使ってもらうということでやってきておるわけでございます。
 ただ、実態から見ますと、残念ながらなかなか各会社を越えてのパレットというのが思うように普及をいたしておりませんで、中心はやはり自社工場内での荷役とか保管のためにパレットを使うということでございます。これがさらに一つの会社を越え一貫パレチゼーションということになりますと、これは関係者の非常に広範なコンセンサスあるいは支持、またそのためにパレットの回収システム、あるいは規格の統一、料金問題ということを解決していかなければならないと考えております。
 そのような考え方のもとに立ちまして、現在いろいろな形で関係者の意識を高め、またいろいろな規格の統一に努めておるという状況でございます。
○安田(修)委員 先ほど機械化に関連しましてOA機器その他の関係も出ました。そこで、流通インフラの進展を図るためにパソコンやソフトを利用することが大々的に必要になっていることは先ほどの説明のとおりでございます。そこで、中小企業におけるコンピューター教育や新しいソフト開発を含めましてこれらを推進する教育体制づくりというものが必要になってくるのではないか。中小企業庁の方の見解をお聞きしたいと思います。
○春田政府委員 お答えいたします。
 中小企業が現下の厳しい環境変化に適切に対応していくためには、大企業との情報格差をまず克服しなければなりませんし、コンピューターの導入や情報ネットワーク化によりまして流通業務の効率化を初めとする経営管理の合理化、高度化を促進することが喫緊の課題だというふうに認識してございます。しかしながら中小企業におきましては情報化のための人材育成が十分に行えない状況にありまして、先生御指摘いただきましたとおり情報化推進にかかわる人材育成の支援等が極めて重要と考えております。このため中小企業庁といたしましては、中小企業事業団、中小企業大学校におきまして情報コースの研修、また都道府県等におきましても情報短期研修など各種研修制度を整備いたし、多数の中小企業者に活用してもらうべく支援しているところでございます。また、各都道府県に設置されました中小企業地域情報センターというのがございますが、各種情報化相談に応じる中小企業ソフトウェアアドバイザー事業あるいは企業間のネットワーク構築について指導するネットワーク化指導事業、また電子計算機利用促進診断など、各般の支援策を実施いたしまして中小企業者の情報化への対応能力の向上を図ってきております。今後とも、流通における情報化を含めまして中小企業の情報化が一層促進されますよう中小企業情報化支援施策を積極的に推進してまいる所存でございます。
○安田(修)委員 そこで、少しトラック産業の関係で、労働力の確保問題が午前中も再三話が出ました。人口増加率の低下があり、高学歴化の進展があり、労働価値観の変化によって確かに運送関係の労働力不足というのは長期的であり、これは完全に構造化されてしまっております。この解決のために、先ほどからの物流の機械化なり一貫パレチゼーションの推進などによって何とか打開策ということが出てきておるわけであります。しかし人の確保ということになりますと何としましても、例えば人の休むときには休めるということが必要であります。そういう点では祝日あるいは日曜、土曜日の輸送を抑制する出荷変更ということが必要になってまいりますし、まずは大手業者から垂範して国民全体のコンセンサスを得るようにしなければなりません。これは国全体の休日に対する取り組みの姿勢そのものが弱い現状ではなかなかうまく進みません。そういう点で、通産省の方ではどのように進められるのかお伺いしたいと思います。
○榎元政府委員 確かに物流産業関連の部門におきましては御指摘のように人手不足の状況が著しい傾向にございます。その解決のためには、先ほど来御指摘いただいておりますとおり各般の物流の業務の効率化等を進めていくことが基本だと思っておりますけれども、同時に現在、ゆとりと豊かさを実感できる国民生活を実現するという観点から時短の推進を重要課題として私ども掲げております。そういった観点からも、この部門における週休二日制の導入を初めとする時短の推進は非常に重要だと考えている次第でございます。また、この部門は総体的に時短の推進という観点からはおくれている部分がございますので、人手不足の解消という観点からもいち早くその解消が進められることが必要だとも思っている次第でございます。
 そういう意味で、週休二日制の導入につきまして全体としてどのように進めていくのかということになるわけでございますが、これも発注企業あるいは関連企業等々、この部門は非常に多くの部門にかかわっているわけでございますので、みずからの努力と同時に、取引先の企業あるいはこの部門の時短に大きな影響を及ぼす企業の時短の推進が同時にあわせて進められていかなければ、この部門もなかなか進まないという状況にあるのは御指摘のとおりでございます。そういう観点から、私ども一昨年の時短問題懇談会の御報告を受けまして、産業界に対しまして関連業界の時短にも十分配慮しつつ、特に休日のシステムを決定するような段階で取引先への配慮を十分にするようにといったことも含めまして、業界の二十数企業、数団体に対しまして時短への取り組みを要請してきているところでございます。
 これに対しまして、これまで自動車業界であるとか鉄鋼業界であるとかあるいは印刷業界、チェーンストア業界等々十四の団体におきまして時短推進のための検討委員会の設置が行われてきておりますし、また労働時間に関する実態調査を実施するという形で九団体が研究調査を始めてきている、こういう段階に達しております。引き続きこの努力を私ども行い、環境づくりに努力をしてまいりたいと考えておりますし、また今国会に労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法を提案さしていただいております。お認めいただきました暁にはそれを活用いたしまして、関係省庁とも連携をいたしまして産業界の時短の一層の推進に努めてまいるようにしてまいりたい、このように思っている次第でございます。
○安田(修)委員 流通業務効率化事業についてお伺いいたします。
 この認定計画に基づく共同配送センターの設置に当たって、共同配送センターで働く労働者の労働時間短縮などの労働条件の向上を初め、休憩室など福利施設の充実などについても十分配慮しなければならぬわけでありますが、この点どのような措置をされていますかお伺いしたいと思います。
○南学政府委員 流通業務効率化事業の実施に当たりまして、各中小企業が御指摘のような労働環境の改善等の観点にも配慮していくということは極めて重要なことだろうと思います。先ほど安田委員からも御指摘がございましたが、私どももこうした観点を踏まえまして、必要に応じ中小企業協同組合等を指導助言していくこととしたいと考えております。
○安田(修)委員 そこで、本当に流通業務というものの効率が実効あるようにするために、事業協同組合、個別企業の相応のレベルで、事業主だけではなくてそこに働く労働者もこの事業内容をよく知りまして、そして労働条件改善の見通しについても十分な理解を持ちながら協力していくということが必要ではないかと思われます。そこで、こうした効率化事業の実施に当たりまして関係労働者からも意見を聴取するということが必要ではないかと思うのですが、その点どうでしょうか。
○新関政府委員 中小企業者がみずからの流通業務の効率化を図ろうとする際に、そこで働く労働者の理解と協力が得られておりますことが事業の円滑な実施のためにも重要であるものと認識しているところであります。各事業協同組合とか中小企業者は当然のことながら労働者の理解と協力を得るように自主的に取り組むことが期待をされておりますが、行政といたしましても、この法律案の十四条二項に規定がございまして、国なり都道府県は認定組合とか構成員たる中小企業者に対してその認定計画に係る流通業務効率化事業の適確な実施に必要な指導とか助言を行うものとするという規定がございますので、その規定に基づきまして必要に応じて指導助言を行っていくことにしたいと思います。
○安田(修)委員 今次長の答弁された趣旨は、先ほど私が長官にお伺いしました福利施設ですとか労働時間だとかその種の労働条件の関係もひっくるめて、この十四条の「国及び地方公共団体の措置」という中にある必要な指導及び助言ということに該当する、こういうことでございますか。
○新関政府委員 ただいまのお話で全くそのとおりであります。
○安田(修)委員 それではぜひひとつその点、地方公共団体にもこの法の趣旨が徹底するように、また国は率先してそのように指導そして助言をしていただくことを要請しておきたいと思います。
 そこで大臣にお伺いするのでありますが、中小企業のこの物流業務の効率化を促進するに当たりまして、物流業務に携わる労働者の労働時間短縮や、あるいはまた職場環境の改善にも配慮をするということについて、先ほどこの事業計画等について答弁がありました。さて、通産大臣とされまして、これらをぜひ推進していただくために格段の決意をひとつお聞かせいただきたい、こう思いますが、どうでしょうか。
○渡部国務大臣 私は、今日の日本の繁栄は、産業は人にあり、また我が国の産業が人を大事にして、ある意味では企業はそこで働く人たちのためにあるとさえ言えるぐらい、これが今日の発展の原動力である。ただその中で、これは中小企業の皆さん方、大きな企業に比較して職場条件、賃金、それらの問題等で残念ながら差がある。これはやはり、日本が本当の立派な経済国になるためにはこれはなくなっていかなければならないものだ、こういう考え方を持っております。
 特に運送業務に働く人たちの職場条件とか、これは非常に今時短が、あるいは働く人たちの生活環境の改善が生活大国日本のために議論される中で大きな問題でありますから、今回のこの法律を御審議いただき、成立させていただきましたなら、この流通面でも受注者、発注者ありますけれども、これらのそれぞれの関連の場所で働く人たちの職場改善というものにとって、これは私の役所でそれができるというものではありませんが、関係省庁と密接な連絡をとって、我が内閣の大きな政策課題でもありますので、努めてまいりたいと存じます。
○安田(修)委員 さて、公正取引委員会の方にお伺いいたしますが、現行の下請代金遅延等防止法は、物品の製造、修理における下請取引に適用しております。そして、運搬あるいは建設原料資材等の納入、各種用役提供等は含まれておりません。本法が改正されました昭和四十年五月十八日の本商工委員会では、附帯決議をもちまして、運搬等を法の適用対象にするように実は決めておるわけです。流通改善策の一環として、下請代金遅延等防止法をこの附帯決議の趣旨に沿って運送業等に適用することは大切ではないか、私はこう思うのですが、その点どのように検討してこられたか。二十六年間たつわけですから、何か成果があるものだと思いますが、どうでしょうか。
○鈴木説明員 ただいま先生御指摘のように、下請代金支払遅延等防止法の一部改正法案が議決されました昭和四十年五月に、「下請取引の範囲の拡張については、現在の製造委託、修理委託に限らず、運搬、土建等も、その実態に即して適用するよう速やかに検討すること。」という附帯決議が行われております。
 これを受けまして、公正取引委員会では、運送業につきまして、昭和四十五年四月に貨物自動車運送事業、昭和四十六年九月に港湾運送業、昭和四十八年十一月に通運業及び内航運送業、この四つの業種につきまして一般的な調査を行いまして、実態把握に努めてまいりました。その結果でございますが、当時の状況におきましては、大手の運送業者が中小の運送業者を下請として利用するという形は一般的には認められなかったわけでございます。
 その後、昭和六十年十一月から六十一年八月にかけまして、貨物自動車運送業の委託取引について実態調査を行いました。その結果によりますと、外注をしておる、運送業者が他の運送業者に運送を委託しておるという状況でございますが、資本金五百万円以下の小規模の運送業者でも七割を超える業者が同業者に委託をしております。逆に、資本金一千万円超の比較的大きな事業者でも八一・五%が同業者から受託をしておる、つまり下請をしておるという状況でございまして、先ほど御紹介しましたように、大きな運送業者が中小の運送業者を下請として利用するという状況は一般的には認められなかったということでございます。
 しかしながら、六十年の調査結果では、荷主が運送業者に、例えば運送代金を減額してしまうとかあるいは押しつけ販売をするとか、そういった行為が見られましたので、独占禁止法違反のおそれがあるということで是正指導をいたしております。
 また、昭和六十年以降公正取引委員会では、現行の下請法の対象とならない役務、サービスの委託取引につきまして調査をほぼ毎年やっておりまして、その実態把握に努めてきております。必要とあらば、取引の適正化の要望を行っているところでございます。今後とも同様の対応を行っていきたいと考えておりまして、独占禁止法上の問題がある行為が認められた場合には所要の是正方を指導してまいる所存でございます。
○安田(修)委員 流通業務市街地の整備に関する法律の抜本的な改正を行って、大都市から地方への流通業務の移転ということが物流全体の中で必要になってくるわけでありますが、この法律の改正ということについて、通産の方ではいつ着手されるのか、また検討されているとすれば、今どういう状態になっているか、お伺いしたいと思います。
○麻生政府委員 この法律に基づきまして既に全国では二十一の流通業務地区ができて、それなりの効果を上げておるというふうに考えております。しかし、最近の物流事情は、先ほどもございましたように、いろいろな点で質的な変化を遂げております。したがいまして、この流布法も、新しい時代に合わせて改正をするということを検討しなければいけないということでございます。このために現在、これは五省庁の共管の法律でございますが、五省庁の間で連絡協議会をつくりまして、どのような方向に持っていくかということを鋭意検討しておる最中でございます。私どもといたしましては、現状のような状況でございますものですから、できるだけ速やかにこの具体化を図っていくという方向で関係省庁と相談をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○安田(修)委員 だから、いつごろ皆さんが――改正する方向で今やるというのですか。
○麻生政府委員 改正する方向でこのあり方を現在検討いたしておりまして、速やかに関係省庁と調整をしてまいりたいということでございます。
○安田(修)委員 速やかということはいつのことかわかりませんけれども、まあ速やかは速やかか……。
 それでは時間が来ましたから、これで終わります。
○武藤委員長 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 この法律が提案されて、質問の一端を担うことになりましたので、法案を読ませていただけばいただくほどわからぬ。読めば読むほどわからぬ。この法律を出してきて、この目的のように、流通業務の効率化、物資の流通の円滑化、そのためにこの法律を提案しているんだ、この法律の目的なんだというふうにうたっておりますが、果たしてそのようになるのかどうかということが疑問であります。
 確かに流通面では各種の共同化事業を今日まで進めてこられたわけでございますけれども、おくれておることも事実であります。中小企業者が期待をしていることも事実であります。その中小企業者の期待にこたえて、そうしておくれた中小企業者の流通事業を、この法律によってまともにこの目的を達成することができるというように思っておられるのか、思っておられないのか。まずそのことを一つお聞きしたい。
○南学政府委員 先ほどから説明をさせていただいておりますが、今、中小企業をめぐる物流問題というのは極めて深刻な事態に相なっておりまして、差し迫った解決すべき問題になっております。
 なぜ中小企業の物流効率化がおくれてきたかと申しますと、何といっても取引量が中小企業においては少ないとか、あるいは物流効率化投資をやろうと思っても資金調達がなかなかできない、そういうことも原因でありまして、そうしたネックを考えながら、私どもとしては今回、中小企業者が共同化をしながら物流センターをつくるとかいうことを大いにこの法律で進めていきたい。これによってすべてが解決するわけではありませんが、かなりの中小企業における物流効率化が進展するものと私どもは期待をいたしております。
○和田(貞)委員 具体にお聞きいたしますと、今申し上げましたように、中小企業者が大企業に打ちかっていく道というのは協業化、共同化しかないわけでございますので、中小企業庁が中心になって、政府の政策として共同化のためにいろいろな面にわたって進めてこられたということはよくわかるわけです。それがまた政府の中小企業施策のかなめであります。私もまたそのとおりと思うわけであります。
 しかし、この法律が出される一つの理由として、流通面が非常に弱かった、確かにそうでありましょう。ということでこの法律を出してこられたわけでございますが、運送業の中小企業、これは運送業というその同業で協業化して、共同の事業で成果を上げておるわけでございますけれども、そのような運送の事業あるいは卸売業というものを除きますと、流通面での分野が非常におくれておる。そのおくれておる理由というものは、原因というものは一体那辺にあるとお考えになっておるのかということをお聞きすることが一つであります。
 もう一つは、この共同化事業の助成策であります。この共同化事業の助成について各種の助成策がございます。今度のこの法律の中でもそれぞれ助成のための法律の特例というものを設けるなり、あるいは国の方で支援策として予算措置を講じたりしておるわけでございますが、今回、この流通面だけをとらえて、一つの核として助成策の体系をこのように法制化しようとしたのは一体どういう理由なのかということが二つ。
 三つ目は、この流通面での共同化というのは、後でその分析をお答えいただきますが、従来からの他のすべての共同化の事業以上に手厚い助成策というものを講じなければ実のある成果は上がらないのではないか、こう思うわけでございますが、今回のこの法案によって、従来進まなかった共同化というものを、その原因を取り除いて、的確に対応する法律の内容になっておるのかどうか。
 三つについて、ひとつ詳しく説明してください。
○南学政府委員 まず御質問の、なぜ物流の共同化が中小企業において進まなかったかという点でありますが、先ほどお話ししましたが、中小企業においては取引量が小さいあるいは資金調達力が脆弱であるということに加えまして、まず一つは、物流というのがこれまで基本的に、大企業もそうでありますが、製造販売等に付随する行為とみなされてきておりまして、必ずしも真剣にこの合理化、効率化に取り組む姿勢が見られなかったということもあろうかと思います。加えて、共同化を進めようとする場合には、共同事業の内容の決定に当たりまして中小企業者間の利害の調整等が非常に難しかったというようなこともあろうかと思います。しかし、今物流問題が非常に深刻化いたしておりまして、中小企業経営者にとりましてもこの物流問題の解決は重要な経営上の問題という認識が深まってきておりますので、今回この法律を通していただければ、物流の共同化、共同配送センターの設置などは大いに進むものと期待をいたしております。
 第二の御質問であります法制化の理由でありますが、昨年の秋から産業構造審議会及び中小企業政策審議会の合同部会でこの物流問題について審議をしてまいりまして、昨年の十二月に「物流効率化対策の総合的推進について」という答申をいただいたわけであります。その答申の中で、中小企業の共同による物流効率化の取り組みに対し、新たな立法措置による抜本的な支援策が必要というような提言がなされたわけであります。最近の物流問題の深刻さ、そして、中小企業が大変な苦難に直面しているということを踏まえてこうした答申が出されたわけでありますが、この提言を踏まえまして私どもは、中小企業者の共同物流センターの建設等を積極的、抜本的に支援をしながら計画的、総合的に推進していきたい、このような考え方に立ってこの法案を御審議いただいているわけであります。
 第三の助成策の比較でありますが、製造業分野等においても中小企業共同化を進めることによってその政策目的を達しようとしていろいろな支援策を講じておりますが、私ども今回用意した物流面における支援策というのは、そうした製造業分野における支援策にもすぐるとも劣らない立派なものであると思っております。
○和田(貞)委員 時間があったらゆっくりやりたいのですが、ないんですよ。それで困っておるのです。
 これは今言われた、物流分野での共同化が進まなかった理由、そのこともあるでしょう。しかし、流通面だけでなくて、協業化あるいは共同化がおくれているのは、製造業というのは非常におくれているでしょう。あるいは、製造業だけでなくて建材業もおくれていますね。印刷業もおくれているのです。縫製業界もおくれているのですよ。一番おくれているのは確かにこの物流面です。総じて言えるのは、今言われたこととは別の角度から、企業が共同事業に参加することによって、自分たちが今持っておるいわば企業秘密というのは保持できるだろうかという、団体に対する個々の企業の信頼度の問題を解決するということがどうしても保障されておらないということが一つとして挙げられるのじゃないですか。あるいは、共同事業をすることによって果たして経費が節減できて合理化の効果というものが上がるのだろうか。あるいは、自分のやっている事業を共同にすることによって将来にわたって自己の独自の事業が拘束をされるのではなかろうか。こういう不安というものを共同事業の中で払拭するような施策、指導というのがないということをあなた方率直に認められませんか。
 あるいは、いろいろな助成策について、中小企業という形で十把一からげです。地域の中小企業の産地へ行きましたら、その七〇%、八〇%、多いところでは九〇%までがまさに小規模であり零細の業者。そういうようなところにまで手の届くような、微に入り細にわたった助成策、施策というものを打ち出してきたかどうかということ、考えられませんか。そういうようなところを度外視をして、おくれた物流面をこの際この法律で効果を上げていこうと思っても無理なところがあると私は思うのですよ。お答えいただきたい。
○春田政府委員 お答えいたします。
 先生今御指摘いただきましたとおり、確かに物流は製造、販売の取引と密接に関連しておりますために、同一の得意先や仕入れ、調達先を持つことの多い同業種の中小企業の共同による物流対策におきましては、ともするとお互いの取引内容が相手に知られてしまうのではないかといった懸念が生じがちでございます。したがいまして、私どもとしましてもこの点につきましては特に慎重な配慮を行い、物流を共同化する場合におきましても、個別事業者の取引内容がその意に反して他の事業者に知られることのないよう工夫を行うことが必要であるということはよく認識しておるつもりでございます。
 このような取引内容のセキュリティーについての具体的な工夫の仕方についてでございますが、個別の共同事業の内容によりましてさまざまであろうと思います。例えば本法案の流通業務効率化事業に該当する共同物流事業を実施しました卸団地組合の経験で申し上げますと、構成員たる卸売業者の取引内容が他の業者に知られることのないように幾つか工夫をしておりまして、一つは商品単価が記載された伝票類は封筒に入れ密封して商品とともに送る、あるいは商品は段ボール箱に詰めて配送し、種類や個数がわからだいようにする、そしてまた、受発注、配送情報を管理するVAN事業を初め共同配送に携わる事業者に対しましては守秘義務を徹底する、そういった工夫、配慮をしているところでございまして、これも一つの参考になるものと考えて、今後十分御趣旨を体してやっていきたいと思っております。
 またもう一つは、特に零細な中小企業者の方々でございますけれども、現に私ども都道府県を通じて効率化事業に対する希望を募っておりますところ、零細な卸売業者の集まりからも実際に要望が出てまいっておるところでございます。また、先ほど申しました先進的な事例におきましても、地場の零細卸売業者も多数参加して一緒にやっておるということでございます。
○和田(貞)委員 これは繰り返し質問していたら時間がありませんのでまた別の機会にゆっくりと議論したいと思いますが、具体的に申し上げますならば、例えば助成策、ずっと法律を見てみますと、従来からの助成策をちょっと手直ししたにすぎないじゃないですか。それだけのものでしょう。私の言い方が気に入らぬというのであれば、例えば高度化資金、具体的に従来と比較してどのように変わっているか出してくださいよ。それが一つ。
 それから、効率化計画の認定申請が出た場合に、法律では書いていますよ、基本指針がどうだとか効率化計画を出すためにはこんなことを書かなければいかぬとか書いていますけれども、とにかく何やらに照らしてこうだというようなことですが、どのような判断基準で認定しようとしておるのか、もっと具体的にその中身をこの際お知らせいただきたいと思うのであります。申請があれば個々の申請者によって個別にそれぞれ主務省が自分の裁量で判断するというようなことはやってほしくないのです。申請者が申請を出せば効率化計画に認定してもらえるということを前もってきちっと申請者にわかるような内容の判断基準を示してやることが親切じゃないですか。お答えいただきたい。
○春田政府委員 お答えいたします。
 まず支援措置でございますけれども、単刀直入に申しまして、例えば高度化融資につきましては、これまでこの分野では卸売業を対象にいたしまして、卸売団地の造成に関して二・七%、融資割合六五%という高度化融資がございましたけれども、今回ある要件を備えましたこの共同施設事業に関しましては融資割合を六五%から八〇%に上げ、また二・七%を無利子にするという格段の努力をしておるわけでございます。
 それからもう一つの特徴は、予算措置でございますが、事業の手順に従って申し上げますと、中小企業者でございますのでなかなか一番最初の取っかかり、立ち上がりの部分で調査研究をしたり計画をつくったりというお金が不十分なところがございまして、それに対しまして、事業協同組合等に関しては今年度六十二カ所、それから都道府県が中小企業者の連携を促進する事業に対して二十四カ所、合わせて八十六カ所勉強代という形でもってこの立ち上がりのところを支援する形にしております。
 それからもう一つは、予算措置、金融面と話してまいったわけでございますが、税制面におきましても、共同配送施設等に対して初年度百分の八の特別償却を用意しておるわけでございます。
 それから、先生御指摘いただきました効率化計画の認定基準についてでございますけれども、この法律でもって基本指針に照らして適切であることとされておりまして、基本指針の内容につきましては、本法案を御成立していただいた上で施行させていただき、中小企業近代化審議会の御意見を伺いながら定めていくこととしておるわけでございます。
 ちょっとお時間をおかりして申し上げさせていただきますと、一つとしまして、まず我が国における物流の現状等るる述べることはございますが、その後中小企業が健全な発展を遂げるためにはみずからの流通業務を効率化することが重要である旨をまず書きます。それから二番目としまして、その上で共同配送センターの建設、物流機器やコンピューターの導入などの流通業務効率化のための設備投資内容の例示をいたします。また、道路運送、保管等共同事業として行う流通業務内容の例を挙げることで流通業務効率化事業の内容をより具体的にわかりやすく提示させていただきたいと考えておるわけでございます。さらに、共同事業のために必要となる主体的な責任体制の確立てございますとか物流機器の規格の統一、それから事業の実施方法に関する事項、また取引の相手方の協力や国、専門家等の指導助言を得るべきであるというような配慮事項をあわせて記載する予定でございます。
○和田(貞)委員 私が言いたいのは、せっかくこの法律をつくって、今読まれた基本指針に照らしてどうだということを言うたところで、これを申請しようというような者が、あなた方の腹というのは何やわからぬ。せっかくこの法律ができたら親切に、中小企業の皆さん方が確かにおくれた流通分野を合理化してひとつ効果を上げよう、効率化しよう、一体どういうような程度のことを考えたらいいのかなということを中小企業者は知りたいわけですよ。そうすることによって具体にどういう助成が受けられるのかということを知りたいわけなんです。それがなければ、これは計画を出せ、申請せいといったところで、無理な話じゃないですか、効果が上がらぬのじゃないですか。やはり、認定を受けるためにはどういうような事業の規模であったらいいんだ、あるいはその内容はどういうような内容だったらいいんだというような例示も含めて親切に知らせてやるべきではなかろうかと思うわけであります。そうなければ、なるほどこの法律ができて、この法律は中小企業庁長官が冒頭に申されたように確かにいい法律だ、期待できる法律だというように評価ができないじゃないですか。そういうことを私はぜひとも言ってほしかったわけでございますが、時間がありませんのでまたの機会にしたいと思います。
 それから、運輸省にこの際一つ質問しますが、朝からの質問者に対しまして、この法律の四条によって具体的な効率化計画の申請があった際に認定をするその尺度、これは運輸の立場から質問しておりましたが、お答えになった内容というのは、これは運輸業務の秩序を乱すようなことになってはいかぬ、業界の秩序を乱すようなことにしてはいけないということで、いわゆる取扱業法の第六条の許可基準と同じことだというのを先ほどお答えになられましたね。そうすると、わざわざこの法律をつくって新しいこの効率化法の四条に基づくところの認定申請をしなくても、取扱業法の六条による許可申請をしても同じことじゃないですか、変わらないじゃないですか。こういうような変わらないのをわざわざ共管事項だということでこの法律の中にうたって、十一条、これ読んでみなさいよ。先ほど大概読んだが読めば読むほどわからぬというのはそこを言っておるのです。ここで「みなす。」とか別に許可を与えたものとみなす、何々とみなすと書いておるけれども、ちゃんと初めの四条でチェックしているじゃないですか。チェックするものはまた同じものをするのですよ。そういうようなことでこの効率化を促進することだというようにまともに運輸省はお考えになっておられるのですか。お答え願いたい。
○土坂政府委員 効率化計画の中身としまして、例えば共同配送をやるというようなことをお考えになった場合にはやはり法律上の手続としまして貨物運送取扱事業法の許可をとらなければいけないというような場合があるわけでございますが、効率化計画の中身としてそういうことをお考えの場合には、二回手続をとっていただくということよりも、効率化計画の中身そのものでございますし、ほかの部分とも密接に関連いたしますので、効率化計画の中で全体の一部として取扱事業をこういうふうにやりたいと思いますということを書いていただく、それを私どもは効率化計画の認定の際にチェックをする、それによって認定と同時に許可を受けたものとみなすことにしようというのがこの趣旨でございます。
 端的に言いますと、これは二重規制、手続面でそういうトラブルというか煩瑣を避けようというところでございまして、ほかの金融面、税制面で言うところの助成措置、支援措置とはちょっと性格が違うものでございますが、こういう格好で一括して処理をさせていただくことによって効率化計画全体がきちんとした姿で認定される、仕事もできていくということになるようにしていきたいと思っておりますし、私ども実際には運輸局でいろいろな仕事をいたしますが、申請にお見えになった方には懇切丁寧によく御説明をして、迅速な処理が図られるように、先生の御趣旨も体して十分注意してやってまいりたいと思っております。
○和田(貞)委員 これは特例措置というように言えないのですね。だれが考えても特例措置というように言えないですよ。大臣、これどう思いますか。今私が言いましたように法律がなくても、例えば取扱事業をやろうと思ったら、今は取扱業法の六条で示された基準に合ったら許可がおりるんです。それでこの法律の十一条では、効率化計画の認定を受けた場合にはこの許可を受けなくても受けたものとみなす、こうなっている。そうかなと思って四条で効率化計画の認定を受けようと思ったら、この業法の六条に照らしてその基準に合わなければ認定しないのです。これが特例と言えますか。これは特例と言う人がちょっとおかしいのじゃないかと思うのです。
 例えば、これはいろいろな難しい問題があると思います。一つの協同組合が、あるいは一つの共同団地が流通事業によってその効果を上げよう、合理化しよう、効率を上げよう、こういうことになったならば、例えば十人の業者が一軒一台ずつ貨物自動車を持っておった。これをその十人が、十企業が一緒にやることによって五台で済む、あるいは事によったら三台で済む。自分の企業の荷物を運んで配送しておったのを、協同組合という団体に置きかえて、そして三台に縮小した自家用の貨物自動車が、あるいは五台の貨物自動車がいわゆる白ナンバーで配送するということができるように特例措置を運輸省が認めるということがあれば文字どおりの特例であり、この法律の恩恵というか効果というものがあらわれてくると私は思うのですね。そういうような法律であれば、私は評価するのです。そういうことではないでしょう。
 そんなような法律で、大臣、私が今お話しましたからおわかりになったことだと思うわけでございます。そういうような考え方に、どうですか、運輸省、なられないですか。
○土坂政府委員 先生の仰せのとおりでございまして、この法律でねらっております共同輸送といいますのは、端的に言いますと、物流量というのをちゃんと確保しながら、走るトラックの台数を減らそうということでございまして、したがいまして、トラックというのは本来、荷主さんが、あるいはトラック会社がそれぞれお話し合いをされまして、ばらばらに自分の好きなときに好きなところへ好きなだけ荷物を運ぶという使い方をなさるわけでございますが、それが非常に非効率になってまいりましたので労働力不足とかいろいろなことを言われておるのです。やはりそういうやり方ではまずいだろう。やはりそれぞれの荷主さんのお荷物を一回配送センターに集める、そこで方面別に仕分けをいたしまして一つのトラックにたくさんの方の、荷主さんの荷物を積み合わせる、それによって積載効率を上げる。そうすると、端的に言いますと、実例では、例えば百台あった車が七十台で済むということになるわけでございまして、そういうことをねらってこれをやろう。そのときにいろいろな方々の、トラック会社と荷主さんとの間を取り次ぐ仕事が出てまいりますので、それが取次事業でございます。この取次事業を、認定計画の際にあわせてちゃんといけるように調べて、一緒に許可とみなしてやっていこうということでございまして、手続的にはそういうことでございますが、ねらっていることは仰せのとおりのことをねらっているわけでございます。
○和田(貞)委員 いや違うのは、やはり取扱業法によって許可を受けるか、あるいは取次業者については登録を受けるか、あるいは四条によってこの団体が、協同組合が効率化申請をやって認可を受けた場合には、別段その認可を受けなくても、登録を受けなくても登録を受けた、認可を受けたというようにみなす、こういうことなのですね。私はそこが何ら特例措置ではないのではないかということを言っておるのです。まして、みなされておっても、事業計画を変更したり、あるいは集配事業計画を変更した場合には、みなされた業者は認めてくれない、認可がおりない、こういう矛盾したことがあって、これは特例だというふうに言えないと私は思う。できた法律、いつでも改めることができるわけでございますから、早急に、これはもうあなたの方の立場で縄張り的な根性でなくて、やはりこの際これだけ具体的に共同事業を進めようとするならば、効率化を進めようとするならば、これは白ナンバーでもいいからそれを認めるというようなところまで踏み切って特例措置が講じられるようなことをひとつ検討しておいてもらいたい、こういうように思うわけでございます。
 大臣、私はきのうおとといの建設省所管の地方拠点都市の連合審査の審議をじっと見ておったのです。一人の大臣の塩川自治大臣、我が党の鈴木委員の質問に対しまして、地方自治というものは、今日は非常に形骸化しつつある、しかしもっともっと地方自治の本質というものを進めていかなきゃならぬ、しかし団体の委任事務がだんだん少なくなってきておるけれども、どんどん法律ができて、これも法律ができてきっちり委任ということになってますね。法律ができて、どんどん機関委任を自治体に押しつけておる、そういうようなことは国会もひとつ考えてもらわにゃいかぬという発言があったのです。それは、その法律を出してくるのは内閣やないかというようにやじりよりましたら、いやそれは賛成する国会にも責任あるのやという答弁があったのです、これは。自民党の方から問題発言やということで、取り消しましたけれどもね。だとすれば、塩川大臣というのは非常に正直なことを言ってくれたんです。あってもましな法律となかってもいい法律とやはりあるのですよ。私はどちらかといえば、ここで余り言いませんけれども、これはあなた、なかってもいいような法律はもう少し考えて、出してきてほしくないのです。
 そういうものを含めまして、せっかく出した法律でございますからないよりましたというふうに私は思いませんよ。なかってもいい法律なんです。もう少し、次の国会におきましてはぜひとも中小企業が今期待をしているような内容、政策の内容も充実し、助成の内容も充実して、そして具体的に、なるほどこの法律によって今困っておる中小企業が、今おくれておる中小企業の流通効果が上がる法律だということで、中小企業者が手をたたいて歓迎するような法律の内容に一日も早く改めてほしい、こういうような意見を言わせていただきまして、ひとつ大臣の決意のほどを述べていただきたいと思います。
○渡部国務大臣 物流効率化の問題、また中小企業の問題、それぞれの地域経済繁栄の問題、これは非常に大事な問題であり、今経済の変革の中に、これらに対する政策のニーズも大きく変革しつつあります。今回御審議をいただいておる法律は、こういった地域経済や、中小企業の皆さん方の強い御要望、また今当面する問題解決に対する私どもの意欲ということでお願いしておる法案でありまして、ないよりましはちょっとひどかろうと思いますけれども、いずれにしても、これは、法律というものは決してオールマイティーではありません。
 また今塩川自治大臣の話が出ましたけれども、法律がとにかく多過ぎる、だれが一体この法律みんな見ている人がいるだろう、やはりどんどん整理していって、国民の皆さんに法律というものがわかるようになっていかなければならない、これは閣議でも議論されまして、先生がおっしゃるとおりの考え、私も思っております。
 ただ、なかなか我々でも、部屋の整理をしているのでも、要らなくなったものでも、きれいにどんどん捨てていければこれは整理ができるのですが、これは執着が残っていろいろたまってしまう、なかなか現実は、言うはやすく、難しい問題ですが、しかし先生の御趣旨に沿うような方向で我々努力をしてまいりたいと思いますし、この法案の意欲を買っていただいて、もちろんこれは議会民主政治においては、足らざるもの、不十分なものはまた次の国会でどんどん新しい時代に合うように直していくために国会があるのでございますから、そういうことで御理解を賜りたいと思います。
○和田(貞)委員 法律の成立後は、ぜひとも運営に当たっては効率が十分に生かされるような内容にひとつ努力してもらいたいことを意見として申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 以上です。
○武藤委員長 森本晃司君。
○森本委員 中小企業の物流効率化について朝からいろいろと議論をされているところでございます。
 今物流分野における状況については、朝から議論されているようにジャスト・イン・タイムや多頻度小口化の要請等々が多くなってまいりまして非常に物流コストが増大している、あるいはまたそれに伴って労働力不足が起きてくる等々、中小企業の経営にこの物流という問題が多大の影響を及ぼしているわけであります。さらに、中小企業の経営の問題だけではなしに、道路等のインフラの整備のおくれ等々で大変な交通停滞を発したり、あるいはNOx等の環境問題、あるいはエネルギー問題等々、いろいろと社会的にも多くの問題を引き起こしているだけに、いずれもこの問題を早急に解決しなければならない。そういう点で、今回中小企業に焦点を当てた物流効率化を図られる法律が出されてきた。これは、私は、一つは社会の大きな要請でもあり、中小企業経営者の要請でもある。これを効率化しない限り、今度はそのかかったコストはひいては消費者等々にはね返ってくる、さらにまた大きな社会問題を起こす。そういう意味で、今回の法律が提案されましたことについては、私は大いに期待するところであります。我が党としても、かねてから多頻度小口配送という問題の見直し、あるいは共同配送センターの設置や共同配送及び計画的配送システムの構築等々、通産大臣に強く要望をしてきたところであります。
 先ほど和田先生からも発言がありましたけれども、さて、こういった法律ができたときに、どこまでそういったものが実行されるのか、効率化されるのか、その法律自体はどこまでの効果を出すのかという問題が多々ありまして、そういった点について私も質問していきたいと思います。
 そこでまず最初に、本法案の基本的な考え方とその目的について、これは法律の中にうたわれているわけでありますけれども、この場で確認の意味も含めてお尋ねしたいと思います。
    〔委員長退席、竹村委員長代理着席〕
○渡部国務大臣 森本先生から、私どもの当面する問題に対する努力に対して御理解ある御評価を賜りましたことをまずお礼申し上げます。
 近年の物流量の拡大及び多頻度小口配送に見られる流通業務の高度化の進展という状況の変化は、先生御指摘のごとく数多くの企業経営に大きな支障を与えております。中でも、我が国の物流量の約八〇%を担う中小企業においては、大企業と比べて効率化、投資化が大幅に立ちおくれており、流通業務にかかわる経費の高騰が経営上の深刻な課題になり、またこれは先生先ほどお話がありましたように、消費者にも大きな影響をもたらすものであります。
 本法案は、このような状況に対応するために中小企業者が共同して行う物流センターの建設等の取り組みに対して積極的、抜本的な支援策を講じ、中小企業における流通業務の効率化を図ろうとするものでございます。
○森本委員 そこでお尋ねをしたいのですが、既にこれまで物流に関するいろいろな施策がなされてきた、しかしそれは余り効果的でなかったというところから今回の法律が出されてきたと思いますが、従来の支援策と本法案に基づく関係についてはどのように考えておられるのか。
 中でも、これは「商工金融」という雑誌に載ったわけでありますけれども、協同組合津卸商業センターの理事長さんの「中小企業の目」ということで「中小企業物流の効率化」、数カ月前に述べられているところでありますが、一つは、地域でVANをつくることも計画したが小売業の方々を説得することが非常に難しかったという問題、さらにまた特に、「中小企業庁へ商店街振興組合等がやって居られる共同事業−八〇%、無利子の高度化資金を使えないものかと何度もお願いした。小売商業振興法といった法律の適用を受けない卸業の共同事業は現行法ではむつかしい」ということで、この今の法律ができることを大変期待しておられた。今日まで何度も要請したけれどもなかなかそのことが実現されなかったということでありますが、今法律に対して多くの期待を寄せられておりますが、こういった卸業に対してどういった施策を講じられたのかもお尋ねしたいと思います。
○春田政府委員 お答えいたします。
 中小企業の物流に関する従来の施策を整理させていただきますと、中小卸売業者、物流業者の物流施設の設置に対する中小企業金融公庫の融資がありましたほかは特段の施策はございませんで、個別業種の活性化施策や事業の共同化施策の一環として物流対策が講じられるにとどまっていたわけでございます。また、法律面を見ましても、大企業まで含めました施策といたしまして、流通業務団地の造成、分譲を行います都市計画事業について規定する流通業務市街地の整備に関する法律がございますが、中小企業の流通業務の効率化を直接の目的とする立法措置はこれまでございませんでした。
 これに対しまして今般の法案を柱とする支援策でございますが、物流に携わる中小企業者全般を対象といたしまして流通業務の効率化のための取り組みを積極的、抜本的に支援するものでございますが、本法案による認定を前提とした金融面及び税制面からの各般の助成措置を用意いたしました。
 このうち、金融面についてでございますが、本法の認定を受けて行う高度化事業につきまして、ただいま先生から御指摘ございましたように、無利子融資その他の優遇された条件による貸し付けを行うことができるようになりまして、御質問の中小卸売業者の組合も本法の認定を受けることで高度化事業に関する無利子の融資を受けることが可能になるわけでございます。
    〔竹村委員長代理退席、委員長着席〕
○森本委員 今回のこういった予算であり、あるいはまた金融、税制でそれぞれの措置を講じられてまいったわけでございますが、こういった施策を講じ始めたのは何も通産省だけではないわけでございます。既に農林水産省もこういった施策を今日まで講じてこられた。
 農水省にお伺いしますが、食品流通等の分野で流通の効率化に御努力いただいているわけでありますけれども、今日までどのような施策を講じてこられたのか、そして今日まで農水省が講じてこられた施策と本法案とはどういう関係を持って、全く別々のもので、農水省の法律と違うものがまた出てきたのか、それはお互いに補えるものなのか、そういった点について、本法案との関係についてお尋ねしたいと思います。
○後藤説明員 農林水産省といたしましては、昨年の五月に食品流通構造改善促進法というものを公布いたしまして、八月に施行したわけでありますけれども、その視点といたしましては、食品流通の観点からでありますが、これが非常に基礎的な役割を担っている物資である、こういう観点に立ちまして、特にその特徴といたしましては、保存性が低い、品質管理、温度管理が重要であるといったような点、あるいは流通の中で卸売市場が重要な役割を果たしている、あるいは最寄り当用買いといったような購買行動がある、こういうような点に着目いたしまして、それが最近の食品流通を取り巻く情勢の中で、非常に変化が大きい中で課題を抱えている、これに対応するという形で法律をつくったわけでございます。
 その重要点といたしましては、品質、鮮度等が非常に重視されている、あるいは多頻度少量消費、そういったような消費者ニーズがある、あるいは供給の事情も変わっておりますし、今回問題になっておりますような人手不足あるいは配送コストのアップといった流通コストの上昇といったような問題もございます。このような諸問題に対しまして、食品流通という観点に立って、私どもとしてはそのような法律を施行して、現在その運用を図っている、こういうことであります。
 したがいまして、その中身としましては、生産と販売の提携関係を深める、あるいは卸売市場の機能の高度化といったようなことを図る、それから食品の小売・卸売業の近代化を図る、あるいは商業集積施設を整備する、こういったようなことにつきまして、金融あるいは税制、さらには予算措置、こういったようなもの、さらにそれに加えまして、法律で特に指定しまして食品流通構造改善促進機構といったような民法法人を活用する、こういうような手法を講ずることにしたわけでございます。
 そういうことで、今回ここで議論されております法律との関係につきましては、いわゆる切り口が違うという点を踏まえまして、両方の利点、メリットを十分に生かしながら両方協議を十分に調えて進めていく、こういうような考え方で臨む所存でございます。
○森本委員 大臣、これは一つの法案でも他省庁にかかわる場合には問題となってくるところでございますけれども、今御説明があったのは、去年、平成三年八月一日にできた食品流通に関する法律であります。この食品流通に関する法律で非常に手厚いものになったなと思っているときに、また別の、今度は通産省管轄のものができてくる。そうすると、今日まで例えば、農水省、組合というのは何も通産省のもとの組合だけではありませんね。農水省が管轄している食品に関する組合がある。さらにまた厚生省が管轄している組合がある。さらにまた運輸省が管轄している組合等々がある。今回の法律は、そういった業種をすべて超えて、どの組合でもその適用を受けることができるというわけであります。
 ところが、それぞれの省庁に、一つの組合をつくるときにいろいろとお世話いただき御指導をいただいている。例えば農水省にずっと御指導いただいていた組合は、どちらかというと県の農林水産省関係のところとつながりを持って理解をいただいているわけです。それで、例えば今回のこの、平成三年の法律の適用を受けていたところが、通産省からこういう法律が今度通った、そうすると、その中に非常にいいものもあるというときに、例えば農水省の人が、農水のそれを指導していた人が、あなた今までこうこうこういうことがありましたが、さらにまた今度こういった新しい法律が出てきましたので、この分野も利用することができますよ。あるいは厚生省管轄のもとにあった組合が、今まで厚生省関係の指導を受けていたところが、今度こういった法律ができましたので、厚生省の法律ではここまでだったけれども、今度の中小企業の効率化の法律ではこの分野も使用できますよという、各省が連携を持ってそれぞれの組合によく教えてあげる必要があるのではないだろうか。
 通産省管轄の組合においても同様でございます。通産省管轄の組合で、今回の法律が通った、あなた方これを利用しなさいよ、しかしあなた方の食品流通の部分、もしそこがかかってくるのであれば、農水省のこういった手当ての方法もありますから、こちら側も利用したらどうですか。重なって受けるということは、これはできないわけでございますけれども、それぞれのメニューのいいところがある、そういったことも省庁を超えて指導できるようにしないと、今回の法律は生きたものになってこないんではないだろうか。この法律が各県へ行きまして、商工担当だけが知っているということじゃなしに、商工担当の人も知っている、農林の人も知っている、それぞれの組合を抱えているそれぞれの担当のところが、こういった効率化が今度できたんだよということをよく知って、教えていくようにしていかなければ実効は上がりにくいし、それぞれ別の服があって別々にやるというのは、私は効率が極めて悪いのではないかと思いますが、その点についてどう思いますか。
○南学政府委員 先生御指摘のとおり、この法律を有効に活用していくためには、その当該業種の所管省庁がそれぞれの分野において大いにこれを活用していただくことが重要だと思っているわけであります。その前提として、まず法律案第三条で基本指針をつくるわけでありますが、私どもこの基本指針というのをつくるに際しまして、関係行政機関の長に協議をいたします。もちろん近代化審議会の意見を聞くわけでありますが、関係行政機関とは密接な連携をとりながら、この基本指針というのをつくり、大いにPRをしてまいりたいと思いますし、また各都道府県における商工部あるいは他の部局、こういうものとの連携も密接にとっていくようにいろいろ指導をしてまいりたいと思います。いろいろな所管の業種の組合に対してもいろんな機会を通じて、こうした施策の活用方を働きかけてまいるつもりであります。
○森本委員 農水省の方に。
 農水省、こういう法律を昨年つくられて、そして今また中小企業効率化法案ができた。これは通産省と両方関係しているなど、それぞれの組合の人が相談に来たら、どうぞ今度できた法律の中で通産省の方ではこんないいのがありますよというふうに、よき指導もあわせてやってもらいたいと思う。どうも利用する組合の方々というのは、自分の日ごろお世話になっている省庁の人に対して、それ以外の省庁のことのお願いをするということは非常につらい感じだ。逆に、僕はこれは役所の方からそういったことを言っていくべきではないかと思いますが、農水省いかがですか。
○後藤説明員 先生御指摘のとおり、中小企業者であります食品販売業者が共同で業務の近代化あるいは効率化を図る、こういう場合におきましては、両方の見ている側面あるいは手法が違うということがありますので、両方を利用するということが可能な場合が当然考えられるわけでございます。そういうことで、この法律におきます協議規定等を十分活用いたしまして、それぞれが有効に生きるように努めてまいりたいというふうに思っております。
○森本委員 それをしっかりとやっていただいた場合の、中小企業の組合の人たちがどれほどお喜びになるかという例を、役人にしっかりやれよばかりじゃなしに、役所の人でこんなすばらしいことをやっていただいたという例がございますので、ちょっとそれを紹介しておきたいと思うのです。
 これは、関西にある飲食事業協同組合が設立するときに、一番最初に、食品関係だから厚生省の管轄だということで厚生省に足を運びます。最終的にそれは、卸売市場との関係もあるから農水省の管轄であるということで、農水省の認可を受けられます。これに対して厚生省の当時の担当者も、あるいは農水省の担当者も自分の省庁の縄張りを越えてこの組合設立に応援し、組合の理事長を激励した。それで、そのことで大変喜びまして、今その組合はすばらしい組合に発展して、こんなすばらしいパンフレットをつくっているのです。そのパンフレットの中でこういうふうに書いています。
 「昭和六十年十二月 協同組合書類申請のため厚生省を訪ねる」。そのときのことが書いてあるわけですが、
  厚生省担当者からの好意的なご指導
 誠に有り難いことに担当係長から「本省で直接
 指導することはできないがこ厚生省から農水省に行くわけですから
 「中小企業法に基づく協同組合組織は組合員に
 とっても、社会にとっても有益な状況が見出せ
 るので、ぜひ設立させてほしい」との励ましの
 お言葉をいただきました。国の行政をあずかる
 高級官僚からの励ましは、当協同組合設立の趣
 旨が、社会的にいかに切望されているか再確認
 する。組合員を募集するところのパンフレットの中に理事長はわざわざそういうことを書いている。このときに担当してくださった厚生省、農水省の方々の配慮があったなればこそ今感謝しているわけですけれども、往々にして、それはうちの省庁は違うからそっちへ行け、それはよその省庁だからまたそこへ聞きに行けということが行われがちなんです。この点、今の私が読みましたこういった事例を含めて大臣はいかが感じられるか。
○渡部国務大臣 今具体的な問題を取り上げて、これからの日本の政治、行政のあるべき姿を森本先生から教えていただいたような気がして、大変深い感銘を持って聞いておりました。そのときの厚生大臣が私でなかったかななどとも今感じておったのでありますけれども、これは厚生省にしろ通産省にしろ農林省にしろ、あるいは運輸省にしても、これは国民の皆さんのためにあるのでありますから、ただいまのことを教訓にして、私ども常に、国民のために役所はあるということで、今後仕事を進めるように指導してまいりたいと思います。
○森本委員 そこで、運輸省にお伺いいたします。
 先ほど来和田先生から運輸省に対して、何が特例かというお話がありました。私も全く同感でございます。今回の法律の中で、本法案における貨物運送取扱事業法の特例措置というふうに書いてあるわけでございますけれども、私も一体何が特例なんだろうか、法律用語として特例という言葉を使わなきゃならないから特例なのかと思うのです。何が特例なんですか、今回の特例。
○土坂政府委員 今回の法律の適用を受けて、例えば共同輸送をやろうとした場合に、いろんな荷主とトラック事業との間の取り次ぎをする取次事業の資格が要るという場合が出てくるわけでございますが、そういう場合にこういう特例措置がないということを想定いたしますと、効率化計画の認定はこの法律で受ける、取扱事業の許可は取扱事業法で受ける、こういうことになるわけでございます。
 そうしますと、場合によっては効率化計画の認定の方はマルというか合格になったかもしれないが、取扱事業法の方はうまくないというようなことも起こるかもしれません。しかし、この効率化計画の中で結局共同配送をやっていくために必要になったことでございますから、片っ方はいいけれども片っ方は悪いなどという結果が起きるのは好ましくないことだと思います。したがって、効率化計画の中で、全体の一部として取扱事業についてもうまくいくようにあわせて見るということが必要であり、大事であろうと私どもは思ったわけでございます。
 そうなりますと、効率化計画の認定に際して、取扱事業法のいろいろな見地からの審査をいたしまして、必要な指導もいたしまして、効率化計画の認定が合格になったときにはもう取扱事業法の規制は一切かけません、こういうことを言っているわけでございます。そういう意味で、普通ならば取扱事業の許可が要るのに対して、別途の法律で認定を受けたら要らないよという意味での特例というふうに書いたものでございます。
○森本委員 そういう話を聞くと、何か物すごくもうけたような気がするのですが、実際はそうじゃないでしょう。
 それでは、これはまず通産省に聞きます。効率化計画の申請書を出すときに、取扱事業法の許可を得、あるいは登録を得るための書類は要るのですか、要らぬのですか。
○春田政府委員 お答えいたします。
 先生、こういう場合をお考えいただきたいと思うのでございますが、事業協同組合等やその構成員が今おっしゃいましたように貨物運送取扱事業者となって構成員の貨物の運送を一体的に処理する場合が考えられます。その場合、貨物運送取扱事業の許可、登録を受けるための手続が本法案の効率化計画の認定手続と重複する部分がある点にかんがみまして、この二重手続を排除するための特例措置を設けたということでございます。
○森本委員 二重手続を排除するためのものですね。ということは、書類は出さなければならないのでしょう。取扱事業法の書類はいずれにしても出さなければならないのでしょう。これは運輸省でも結構です。
○土坂政府委員 効率化計画の認定の際に取扱事業法で言われておりますところの必要な審査をするということを申し上げておるわけでございますから、それを見るために必要な限度での書類を出していただくことになると思います。
○森本委員 運輸省、それではその書類は、通常の取扱事業法に出している書類と今回の中小企業の効率化法で出す書類と、様式は変わるのですか、一緒ですか。
○土坂政府委員 様式についてはこれから省令その他で決めてまいりますが、全く同じものになるとかそんなことは考えておりませんで、要は、必要最低限の範囲で取扱事業がきちんとやっていけるかどうかがわかるようなものをできるだけ簡素な姿でいただくようにしたいと思います。
○森本委員 それでは通産省、私が組合をつくるとして、その計画の書類は、通産省へ行く書類はどこへ出すのですか。県のどこですか。
○春田政府委員 都道府県並びに地方支分部局に委任する予定でございます。
○森本委員 都道府県並びに地方陸運局ですか。例えばこの組合を設立するために商工課へ訪ねていって、そして書類申請をお願いする。そのときにその取扱事業の書類も一緒につけて出していけばそれでオーケーなんですか。
○春田政府委員 おっしゃるとおりでございます。都道府県の商工担当部局というふうに考えていただければよろしいと思います。
○森本委員 運輸省、ではその場合、商工課へ取り次ぎの登録に関する書類が行ったならば、運輸省へ届ける必要はないですね。
○土坂政府委員 効率化計画の認定は通産、運輸両省でやるということになっておりますので、申請書類がどういう経路で来るかということはいろいろ今仰せになったようなやり方があると思いますが、やはり運輸省としても一応見せていただくことが必要であろうと思います。
○森本委員 運輸省として見る必要性はあると思うのだけれども、私が組合をつくる立場に立って具体的に聞きます。
 申請書類は、計画については県の商工課へ行き、取扱事業の書類は地方の、我が県でいうと県の陸運支局へ持っていかなければならないのではないですか。一カ所さえ出せば、県の商工課からは陸運局へ送ってくれて、私たちは再び陸運局へ行かなくてもいいのですか、それとも行かなければならないのですか。
○土坂政府委員 申請者の便宜ということから考えますと、一カ所に出して、そこを経由してほかの官庁が必要なことを見るというのが一番いいやり方であろうと思います。したがいまして、運輸省としても通産省としても、両方とも同じように全体を見ていく立場にあるわけでございますが、窓口につきましては、今仰せになりましたように一本化する方向で検討したいと思います。
○森本委員 これはぜひやってくださいよ。県の商工課へ事業の計画化の申請を持っていく、そして取次事業に関しては陸運局。法律だけ見ますと、通産省または地方陸運局、こう書いてありますから、二カ所へ行ってくださいということにならぬようにしていただきたいのです。中小企業の経営者というのは役所へ持っていく書類をつくるだけでも大変です。それを届け出る先が二カ所、三カ所、しかも同じ建物の中にあるわけではない。別の建物へまた日にちを書いて持っていかなければならない。もし仮にそれを持っていかなければならないとしたならば、特例も何もない。書類一枚つくって二枚コピーしなければならないのを一枚で済んでいるというだけのことで、そんなのは当たり前のことで、何の特例でもない。今度窓口一本化というのは、これは当たり前のことであって特例でもないと私は思う。その当たり前のことが、きょう質問しなかったら、二カ所行かなければならない。運輸省はそれでよろしいですね、一本化ですね。通産省どうですか。
○南学政府委員 先生御指摘のとおり、事業協同組合等の便宜を考えれば、当然のことながら申請書類は一カ所であることが適切であろうかと思います。したがいまして私ども、運輸省ともお話ししまして、一カ所に申請すれば関係のところに回るように、そのような方向で考えたいと考えております。
○森本委員 ぜひこれはやってもらいたい。中小企業の経営者は書類をつくるだけでも大変ですから、役所へ行くだけでも大変ですから、その点についてはくれぐれもよろしくお願いしたいと思います。
 同時に、先ほど和田先生からもお話がありましたけれども、組合でそういったことをやるようになれば白ナンバーでもいいのではないかなと私も思うのです。それぐらいやって初めて特例と言えるけれども、書類二カ所へ持っていくものを一カ所にしたということぐらいで大げさに特例ということは何もないと思うのです。その点も私は申し上げたい。
 それから、変更のときも同様ですね。運輸省への取次事業の変更も、申請のとき窓口一本ですから、当然変更のときも窓口は、一本化でしょうね。
○春田政府委員 同様でございます。
○森本委員 今回の法律ができることで私も何人かの人々に会っていろいろ意見を聞きましたけれども、一番大変だと言っているのは書類づくりですね。組合設立に賛同者を得るためにその中心者は駆けめぐり、説得をし、そしてやっと設立にこぎつけたときに今度は役所へ行って、特に私の方の奈良からもわざわざ東京の本省へ来て、そして、ここの書類はだめだから書き直せ、そのたびにまた関係の設立者の印鑑を全部もらい直してやらなければならない。こういったことを推進する一番最初の入口で、書類づくりでもう嫌気がささないように、どうぞよきアドバイスを与えてもらいたいと思います。同時に、書類づくりを簡潔にして、目的は書類ではなくて効率化を進めることであります。中小企業の物流効率化といいながら、書類づくりが一番効率化ではない。書類づくりの効率化もあわせて今回の場合はやっていただきたいと思うのです。
 それと同時に、書類作成に当たって書類づくりの相談窓口を設けるとともに、今回のものは輪郭として中小企業の経営者がなかなかつかむことができない。どんなものが、自分のどういったことができるのだろうかということがつかむことができないわけでございまして、しかも組合をつくった場合に、組合の定款によるいろいろな規制もありまして、今度はなかなか思うようにいかない。
 昭和二十年代から三十年代にかけて組合がいっぱい設立されました。しかし現在、組合の状況を見てみますと、三分の一は実際は休眠状況です。これは通産省もよくわかっているはずです。そして三分の一は親睦団体になっている。残り三分の一が何とか当初の組合の目的を達成しようとして組合がある。実際は三分の二が本来の組合の目的と違うことで形骸化して残っているというのは、その組合のあり方に弾力性がないところは経営として効率を発揮していかないのではないだろうか。そういった休眠組合の点検、それから組合のあり方については、きょうは時間がありませんからまた別のときに、一体組合活動というのはどうなっているのかということを、それはそれで議論をさせていただきたいわけであります。
 私の非常に親しい人が飲食の協同組合を設立いたしました。昭和五十八年六月に組合をつくるための呼びかけを開始しました。六十年に第一回説明会を開催しました。六十年十一月に設立のための促進員を増強しました。六十年十二月、先ほど申し上げました厚生省を訪ねました。六十一年五月に十人の有志が集まってやろうということになった。六十一年八月に設立総会を行いました。六十一年九月にやっと関西飲食事業協同組合という許可を受けました。その後、六十一年十月一日に共同購買事業が始まりました。設立のときに二十七人の組合員でスタートいたしました。今二百六十名の組合員になっています。
 これはどういう組合かというと、単に共同配達をするのではなしに、共同仕入れをやろうというところから始まった。この理事長が自分で割烹店を営業していまして、毎朝五時に起きて市場へ仕入れに行く。そして、市場の中を駆けめぐって仕入れて帰ってくる。三時間かかる。へとへとになって帰ってきて、それからその一日の割烹料理店としての事業が始まる。どこの料理店も飲食店も仕入れについては同様だ。これは何とかならないだろうか。もし仕入れを共同でできるようなシステムにすれば、飲食店の経営者は朝の五時に起きなくてもいいし、そしていい品物を安いコストで買えるのではないだろうか。ここにかかっていた時間を自分の休養あるいは本来の経営のために割くことができるのではないか。
 これは、この理事長が自分の体験から発想したために、それを何とかしなければならないという大情熱を持っていたから設立にこぎつくこともできましたし、今二百六十名の組合員になろうとしているわけであります。それだけの情熱をその人が持っていて、また同時に、話を聞きますとよきアドバイザーも得ていたということでありますからうまくいったのですが、この法律だけ見て、法律で何とかできるだろう、こう思って安易に取りかかったところは、結果的にそんなに効果を上げないで、そして休眠組合と同様の状況に追い込まれかねない。何のための法律であったのかということが言われる。したがって、よきアドバイザーが要る。書類のアドバイザーと同時に、指針をなし遂げるための本当によきアドバイザーが要るのではないだろうか。
 この組合はさらに将来全国的展開を考えていますし、さらにこの組合で料理学校をつくって、そして今飲食店の人々が人手不足に悩んでいる問題も解決しようとする高い高い理想に燃えて今やっているすばらしい組合です。これはぜひ通産省も農水省もこの組合を一度視察に行っていただいて、この理事長から設立から今日までの大変な苦労というのをお聞きになって、そういう経験ある人をうまく生かして、そういった事例を挙げて、これから発足しようとする組合、発足しようとするこの制度を利用するという人々にアドバイスをしていく必要があるかと思うのですが、その点についてどう思いますか。
○春田政府委員 ただいま先生からお話を承りまして、私どもも、中小企業者も集まって努力しますとこんなすばらしいことができるということを頭に置きながらこの法案を準備してまいったわけでございますが、本法案に基づく流通業務効率化事業が円滑に実施されますためには、御指摘のとおり、一般的、形式的な指導だけではございませんで、事業運営のノウハウや物流にかかわる情報の提供、また流通業務の効率化に携わる人材の育成が重要であると十分承知しておるつもりでございます。
 これらの点につきましては、例えば中小企業大学校、全国に七カ所、この秋には八つになりますけれども、そのすべてに中小企業の経営者に対しまして効率的な物流システムの設計方法に関する研修を実施したいと思っております。また、都道府県に公設試験研究機関がございますが、ここの研究者と中小企業者が共同で物流システムに関する研究開発を行うことによりまして技術者の育成を図ってまいりたい。こういうことを初めといたしまして、物流対策にかかわりますノウハウを有する専門家のあっせんや必要な情報の提供等、中小企業者の要望に沿えますよう十分御趣旨を体しまして支援を進めてまいりたいと思っております。
○森本委員 そういった点については、事例を数多く挙げて、例えば中小企業大学校の担当の講師の先生も各地へ気楽に出向いて、講演をしながらそういった希望者にアドバイスを与えるとかいう形をどうぞ積極的にやってもらいたいと思います。私はこういったものをつくるときにいつも例に挙げるわけでございますけれども、異業種交流のときのカタライザーのような人たちをつくっていかないと、組合は設立したわ、中身は何もないわ、補助金だけは使ってしまうということになりかねないと思います。
 それから、同時にもう一つ、組合設立のところで、これはここで結論は出せないかもわかりませんけれども問題点として挙げておきたいわけでありますが、組合を設立したときに一番大変なのは出資金の問題であります。組合を設立したメリットはメリットでたくさんあります。一人一人が平等であるということがメリットでありますが、反面、議決権及び選挙権が出資口数にかかわらず平等という点がこれまた経済活動を大変阻害している場合もある。
 それから出資の問題でありますけれども、この組合の場合も、当初設立発起人が中心となって経済事業実施のための経営基盤を確立し構築せねばならないということで資金集めを始めます。総勢二十六人で、必要な資金はそのとき二億円。したがって、発起人一人当たりの出資要求額は七百六十九万円となります。そこで、組合設立参加者に対して均等出資を仰ぐことが前提とされているものの、現実には参加者の経営規模に格差があって均等出資は求めにくい、さらに出資負担率が高い、共同化事業の実施後確実にメリットを受けることができるのか等々、こういった問題をめぐって二転、三転することとなった。結果的に、設立時の組合員の均等出資要請は断念せざるを得ない状況になった。したがって、設立出資金は形式だけにとどめ、一名当たりの額は一口から五口、一口五万円として集めた。そして別の法人会社を設立して、そこで資本金の募集に当たる。もしそうしなかったならば、共同経営者が二十六人、組合経営に当たる執行部は船頭多く、常に困難な場面に直面し、さまざまな要求にこたえなければならなかったと思われる。この法律ができて、組合をつくって、皆さんどうぞこれで効率化のためにスタートしてくださいよということだけでは、船頭が多くなってしまって船は進みません。こういったさまざまな問題がある。
 それからもう一つは、一番資金が要るのは組合の設立時であります。あるいは事業計画をしたときに、計画をした段階で資金が要るわけであります。高度化資金を受けようと思えば、そういった計画をつくった後に資金が融資されてくるのに一年くらいかかるのじゃないだろうかと言われる。これは何も、審査しないで何でもかんでも金を出せとは私は言いません。しかし、必要なときに、制度としてはあっても実際使うことができない。この辺が組合を設立した人たちの切実なる思いであります、特に事業をやるのですから。この点について、融資制度についてどう考えておられるか伺いたいと思います。
○新関政府委員 高度化の融資制度でございますが、中小企業構造の高度化に寄与する事業等について長期低利の融資を行うものでございます。したがいまして、融資条件が優遇をされたものであるわけでございますが、反面、事前の診断の実施等、一般の金融とは異なる要件とか手続を満たすことが必要とされているところでございます。
 高度化融資制度につきましては、こうした前提はありますものの、中小企業庁としては、できるだけ制度を使いやすくする、こういうことでいろいろ努力をしてきたところでございまして、例えば、診断手続の簡素化でありますとか提出書類の部数の削減、こういうことで制度の改善に努めてきたところでございまして、その他いろいろ制度の改善がございますが、今後ともこのような方向で私どもは改善に努力をして使いやすいように、そしてできるだけ、何と申しますか、簡素化という方向でやってまいりたいと思います。
 効率化計画の申請が出た、それだけでもって高度化融資ということは、診断、指導等の手続があるので難しいわけではございますけれども、私ども、いずれにいたしましても、高度化融資の迅速な実施ということで今後とも努力をしてまいる所存でございます。
○森本委員 必要なときに融資ができるように迅速な処置をお願いしたいと思います。
 それから、本案に係る支援措置の中で、地域中小企業物流効率化推進事業、補助金の問題でありますが、実験的事業運営事業、モデル実験事業、これが地域中小企業物流効率化推進事業とそれから卸売業活性化推進事業にありますね。これは都道府県内の組合に対する補助としてあります。これはどういうところをモデル実験事業と考えておられるのかということを伺いたいのと、全国単位、ブロック単位の組合等に対する補助、広域中小企業物流効率化推進事業の中には、都道府県の組合に対する場合にはモデル実験事業に対する補助金が考えられているわけでございますが、全国単位やブロックになるとそれは抜けているのは一体どういうことでしょうか、これは。県内でないとできないのか。こういう物流の効率化となりますと広域がいっぱい出てきますよ。先ほど挙げた例の例えば関西飲食の場合も、全国的な規模を展開したい、これは理事長の一つの念願でもありますから、この点についてお尋ねしたいと思います。
○春田政府委員 お答えいたします。
 予算の箇所づけ等につきましては、まだただいま都道府県などから十分情報をとっている段階でございまして、これから検討いたすことでございますが、まず第一点、モデル的な事業に関しますものにつきましては、非常に先進的な事例でございまして、相当困難と努力を乗り越えてやっておる、先鞭をつけておるものがございますので、そういったことにつきましても私どもがそのノウハウをお聞かせいただくという形の中で今後考えていきたいと思っておるわけでございます。
 それから、全国レベルのお話でございますが、今はまだ地域が中心でございますので、今後御趣旨のようなことができますかどうか、なお検討させていただきたいと存じます。
○森本委員 ぜひ全国単位、ブロック単位の組合に対するそういったモデル実験事業に対しても予算の補助をしていくように、これはぜひ今後大きな展開となってくることは間違いありませんからやってもらいたい、このように思うところであります。
 それから、せっかくこうして効率化を図りました、ところが、いろいろとこういう配送の順番を決めるものですから、ジャスト・イン・タイムというのが崩れていくことになりますね。今非常に効率が悪いというのはジャスト・イン・タイムがあるからなんですが、こういったジャスト・イン・タイムや多頻度小口配送を要求する声が大きい状況では、中小企業がせっかく流通業務の効率化を実施したのに、かえって納品業者から取引を停止されたり、あるいは値下げを要求されたりする事態が起きてくるのではないかと危惧しているわけでございますが、その点に対する見解を伺いたいと思います。
○春田政府委員 御指摘いただきましたとおり、中小企業者が従来個別に行っておりました出荷、配送等の流通業務を共同して計画的、システム的に実施する場合、納品先事業者が、それまで対応されていた急場の発注やそれから厳密な定時配送の要求にこたえてもらえないことなどを理由に、当該中小企業者との取引を中止しようとする動きも予想されないわけではないと存じます。
 そういった場合、取引関係のあり方は、基本的には各事業者間で決められるべき事項でございまして、取引先事業者の側におきまして、中小企業者が流通業務を効率化しようとする趣旨や必要性、また、みずからも物流コストの低減の効果を享受できるといったメリットなどを全く踏まえずに、一方的な理由をもって取引を停止するなど、流通業務効率化事業の実施に非協力的な対応をとることが望ましくないことはそのとおりでございます。
 したがいまして、この点につきまして本法案では、流通業務効率化事業の実施に当たりましての中小企業者と取引の相手方その他の関係者との協力関係の構築が重要である旨の規定を第四条第三項並びに第十三条で設けておりまして、法の施行に関しましても、この規定の趣旨に沿いまして適宜指導を行ってまいりたいと考えます。
○森本委員 時間が参りましたので最後に申し上げたいわけでございますけれども、これは大臣の方にお答えをいただきたいわけであります。
 この法律が、ぜひ中小企業の経営者の皆さんが共同で集配送を行うということにかかるについて非常に利用しやすいものであっていただきたい。私は、これはどの法律についてもそのことを感じるわけでありますけれども、殊にこの点については、どうぞ利用しやすいものにしていただきたいし、相談の窓口に乗っていただきたいと思います。
 先ほど申し上げました関西での飲食の組合のメリット、これは、単に物流が効率化されたというだけではなくて、中小企業の経営者にとって大変大きなメリットがございました。一つは、従来購入するときの価格より大体五%ぐらい安く購入できるようになった。さらにまた、早朝仕入れの苦労から解放された。さらに、仕入れに関する煩雑な伝票処理業務が不要になった。仕入れ担当者不要で、安心仕入れが実現するようになった。購入ロスのない必要最小限のロットで購入できるようになった。新商品の紹介や新しい情報がいち早く入手することになった。経営者相互の意見交換が活発で、経営センスが磨かれるようになった。私は、この組合の組合員さんの先へも行って、私がどういう立場であるかということを何も言わずに客として行きまして、組合に入られたそうですけれども、メリットはどうですかと言ったときに、今申し上げたようなことをおっしゃっておりました。
 私は、この今回の法律が、繰り返して申し上げますが、単なる物流の問題だけではなしに、中小企業の経営者の大きな役に立つ、そういった視点からもどうぞこの法律を積極的に進めていただきたいと思うところでございますが、大臣の決意、所感をお伺いしたいと思います。
○渡部国務大臣 大変に貴重な御意見を賜りましたことをまずお礼申し上げます。
 中小企業は、我が国経済の活力の源泉でありますけれども、物流の分野においても我が国の八〇%を占めており、まさに物流をめぐる経済活動の主たる担い手であります。しかし、先生御案内のように、中小企業は経営基盤が脆弱であるため、近年の物流をめぐる厳しい状況変化の中でとりわけ深刻な影響を受けております。したがって、今般、本法案を柱とした抜本的な支援策を講ずることにいたしました。この法案に基づいて、中小企業が共同して行う物流センターの建設などの取り組みは、各事業者にとっては、投資内容、規模、いずれの面でもその後の事業活動の成否にかかる重大なものであるため、行政としては財政面、金融面、税制面からの支援とともに、事業の実施内容や方法、実施時期、資金調達方法などに関するきめ細かな指導助言に努めてまいりたいと思います。このほか、物流の効率化に関する人材の養成や情報の提供など、各般の施策をあわせて総合的に行っていくことにより、我が国経済の発展基盤である中小企業が物流問題に円滑に対応して、健全な発展を遂げるように努めるとともに、今先生から御指摘のありましたこと等を踏まえて、血の通った中小企業政策に努めてまいりたいと思います。
○森本委員 質問を終わります。
○武藤委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 この法案は、物流に携わる中小企業の共同配送を促進しようとするもので、我が党としても賛成をいたしたいと思っております。
 さて、先ほどの答弁で、卸売などで全国に五十カ所くらいこの法を活用して早速共同化に取り組む動きがあるという話でありました。私が意見を聞いた業者は、共同化に賛成しながらも、そうなるとライバルと配送で手を組まねばならず、お互いに顧客など相手の手のうちがわかってしまうので実際にはなかなか踏み切れないと言っておりましたが、まずこういう心配について、どうお答えになるでしょうか。
○春田政府委員 特に御指摘いただきましたとおり、中小企業の分野におきます問題点は、今おっしゃられましたように、商取引の中身がお互いに知られてしまうのを大変嫌うというようなことがございまして、そういった心配がございますものですから、私どももその点を十分に配慮してやっていきたいと思っております。
○小沢(和)委員 配慮していきたいなんというようなことを言ったって、実際のライバル関係をどう解決するのですかと聞いているのには全然答えにならないということをもう一遍言っておきたいと思います。
 次の質問をいたしたいのですが、国はこのような共同配送施設をつくったりする場合、低利資金の貸し付けなどで援助することになっておりますが、中小企業にとってはそれだけの援助を受けても大きな負担になります。やはり一定の規模以上の企業でないと参加できないのではないか、結局参加できない企業は切り捨てられていくことにならないのか、この点が業者たちから出されたもう一つの不安でありますが、これについてはどうお答えになるでしょうか。
○春田政府委員 お答えいたします。
 本法案は、物流に携わる中小企業者全般の物流業務の効率化を促進することによりまして中小企業の振興を図ることを目的としておるわけでございますので、支援対象は企業規模の大小によって限定されるものではございませんで、中小零細業者による共同物流事業への参加も考えられるところでございまして、現に零細な卸業者の集まりからも要望が出てきているところでございます。
○小沢(和)委員 時間がないから次に行きますが、私は先日、この法案の勉強のため、最近福岡県大牟田市にオープンした大牟田物流センターに行ってまいりました。ここは初め卸流通センター、工業団地、貨物輸送センターの三協同組合で物流センターをつくろうとしたのでありますが、建設地が工業専用地域であったため卸売業者たちが入ることができず、工場とトラックターミナルだけという形でスタートしました。私が見ても、これだけでは今後の発展が難しい、早く卸売関係も参加するようにしなければと思いました。隣接する三井三池炭鉱の貯炭場を準工業地域に用途変更すれば用地も確保できるし、国としても早くそういう方向に進むよう積極的に援助する必要があると思いますが、見解を伺いたいと思います。
○南学政府委員 中小卸売業は、物流コストの増大、流通構造の転換など、非常に厳しい環境変化の中で流通の効率化に資するという重要な役割を担っているわけであります。したがいまして、このような環境変化に対応しようとする中小卸売業の活性化を支援していくことが我々として大変重要であると考えております。このために高度化融資あるいは税法上の優遇措置等を講じまして、卸商業団地の建設支援等をこれまでもやってきたわけでありますが、今後ともそうした努力を続けてまいりたいと思っております。
○小沢(和)委員 では、その点は積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、物流問題を深刻にしておりますのはジャスト・イン・タイム方式や多頻度小口配送であることは先ほど来の議論のとおりであります。親企業などの勝手な都合に合わせて夜間や休日などとんでもない時間に配達させられるようなことは直ちに改める必要があると思います。
 昨年二月八日、下請中小企業振興法の振興基準が改正され、週末発注・週初納入、終業後発注・翌朝納入等を改めることなどが親企業の義務として新たに追加されました。その後これらの基準が守られているかどうか、最近の調査の結果を示していただきたいと思います。
○桑原政府委員 御指摘のとおり、昨年二月、下請中小企業振興法に基づきまして振興基準を改正いたしたわけでございます。趣旨は、下請取引にかかわる親企業の発注方式等、取引条件の改善というものを目的としたものでございまして、この結果というものを把握するために、昨年秋に調査をいたしまして、ことし二月に調査結果を取りまとめ、我々が発表させていただいたところでございます。
 内容的にいろいろな点があるわけでございますけれども、全体として親企業の発注方式等が改善されたかどうかというところに関しましては、やや改善された点もございますが、やや改善がおくれている点もございまして、全体として見ますと、必ずしも十分振興基準というものの効果が我々の期待したとおりにはいっていない、これからこの振興基準が徐々に浸透いたしまして、大きな効果を上げることを我々は期待しておりますけれども、このアンケート調査の結果だけ見ますと、必ずしも十分な成果が上がっていないということは残念なことでございます。
○小沢(和)委員 必ずしも所期の効果が上がっていないことは残念だとおっしゃったわけですが、そうすると、それを改善するために当然取り組まれていると思うのですが、それはどういうことになっておりましょうか。
○桑原政府委員 こうした結果が出たものでございますから、我々としてやりましたことは、いわゆる親企業団体、親事業団体というのがございます。中小企業庁長官と関係局長の連名によりまして約三百六十の親企業の団体に対しまして通達を出し、振興基準を守るということについて協力を求めたところでございます。今後ともこの振興基準の普及、啓発というものが進みますように、いろいろな手段を講じていきたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 先ほど、公正取引委員会だったと思いますけれども、同僚議員の質問に対して、最近もいわゆる運送業について下請関係を調査してみたら、余りそういうような関係の存在が認められなかったというような趣旨の発言をされております。私は、法律上下請関係というのがどういう定義になっておるのかということはよく知りませんけれども、少なくとも今の中小運送業者がほとんど特定の企業に丸抱えで従属しているということは否定できないのではないかと思うのです。こういう関係を下請関係と呼ぶかどうかはともかく、積極的に保護しなければならない関係だという点を改めてこの機会に確認しておきたいと思いますが、いかがですか。
○桑原政府委員 先ほどから御説明しております振興基準というものは、下請中小企業振興法に基づいて作成されたわけでございますけれども、この下請中小企業振興法の定義によりますと製造業等を中心に対象にいたしておりまして、流通とかサービスとか、そういうものはこの法律上の対象にはなっていないわけでございます。どうしてかといいますと、従来恐らく経営的に守るべき下請企業というものが存在していたのは、多くの場合製造業を中心としていたから、この下請中小企業振興法の対象事業が製造業に限られておったというようなことになっておったのではなかろうかというふうに思うわけでございます。
 そこで、振興基準自体については、いわゆるこの流通は適用対象にならないわけでございます。しかし、同様な問題もあるということは認識をいたしておりまして、通産省といたしましても、この流通に関しましては従来から、例えば商慣行の行政指導というようなことを去年やりまして、流通についても振興基準と同じような通達を出したわけでございますし、また、公正取引委員会も所要の行政指導というものを関係業界にやっているというふうに考えておるわけでございます。
○小沢(和)委員 次に、運輸省の方にお尋ねをしたいと思います。
 私が本法案について中小トラック運送業者の意見を聞いたことは今も申し上げましたが、それでその際、大変印象的だったのは、地元で聞いても、東京で聞いても共同配送についての意見はほんの一言、二言で、彼らが最大の関心を示したのはトラックの運賃問題だったのであります。どの業者も特定の荷主を持ち、その荷主から厳しい値引きを要求されて、届け出運賃の六、七割しかもらえていないというのです。コストの方は、トラックの購入費も人件費も大幅に上がっているのに、運賃は十年前より低いというのではやっていけるはずがありません。
 運輸省はトラック運賃の最近の状況をどう把握しておられるのでしょうか。
○水田政府委員 お答えいたします。
 トラック事業の運賃あるいは料金につきましては、先生今値崩れの問題を御指摘いただいたわけでございますが、最近の趨勢について見ますと、深刻な労働力不足あるいは労働時間の短縮等によります人件費の上昇というような理由によりまして、トラック事業の実勢運賃は引き上げられてきているというふうに趨勢としては見ております。
 例えば日本銀行が本年の二月に発表いたしました企業向けサービス価格指標というものがございます。これによりますと、道路貨物運送、トラック事業のことでございますが、道路貨物運送の実勢レートというものは、平成三年の十月から十二月にかけての数学でございますが、前年同月に比べまして四・九ポイント上昇いたしておるわけでございます。トラック運賃というのは運輸関係のいろいろな調査項目の中で比較的高い上昇が目立っているわけでございます。
 これはあくまでも平均的な指標でございます。先生、九州の話をおっしゃったわけでございますが、地域によってもあるいは貨物の種類によっても違うと思います。いろいろな場合があると思いますが、一応の趨勢としてはそういうことではなかろうかという認識をいたしております。
○小沢(和)委員 私は九州だけの話をしたのじゃないのです。東京でも何軒かですけれどもトラック業者の人に聞いてみたら全く同じ反応だったと言っているわけです。だから、あるいは大小取りまぜるとそういうような傾向になるかもしれないが、私が知っているのは大体零細業者ばかりですからそういうことになったのかもしれませんが、事実は事実なんですね。
 これまでトラック運賃は国の認可を受けて決定され、比較的守られてきたけれども、平成元年に制定された貨物自動車運送事業法によって運賃が届け出制となり、荷主と運送業者の話し合いで、いわば今までより大幅に自由化されたわけであります。荷主と運送業者は建前の上では対等であり、自由に値を決められるということになったとしても、実質的には先ほど来言っておりますように荷主に従属し、下請関係にある業者が大部分ですから、力関係で運賃がぎりぎりまで切り下げられることになるのは当然ではないでしょうか。
○水田政府委員 お答えいたします。
 トラック事業につきまして、先生御指摘のとおり、平成二年の十二月に道路運送法が改正されまして貨物自動車運送事業法というものになって施行されたわけでございます。この法律におきましては、運賃あるいは料金を従来の認可制から届け出制に移行するというふうなことを含めまして、事業の活性化を図るためということで経済的規制を緩和いたしているわけでございます。
 ただ、過積載あるいは過労運転の防止等の問題につきましては、他方において社会的規制を強化するということによって対応するという考え方をとっておるわけでございます。したがいまして、この面の対策につきまして私ども新しい法律のもとで取り組んでいるところでございます。
 しかし、先生御指摘のとおり、過労運転とか過積載とかいろいろな問題につきましては、トラック事業者が荷主に対して比較的弱い立場にあり、適正運賃が収受しにくくなる面もあるということも事実だと思っております。したがいまして、トラック業界全体として過労運転とか過積載とかいうことを行わないという姿勢を明確にいたしまして、荷主に対しまして協力を求めていくということが重要ではなかろうかと思っております。
○小沢(和)委員 運賃を三〇%とかあるいはそれ以上も切り下げられたら、ほかの面で無理をしなければやっていけないわけであります。それが制限以上に積んだり、労働者への長時間労働の押しつけとなってあらわれておると思います。
 それで、昭和六十一年と平成二年でトラック業者の違反事業者数、過労防止違反、過積載防止違反、それぞれ件数はどう変化したか、お尋ねをします。
○水田政府委員 急な御質問でございまして資料を持ってきておりませんで、先生の方に後でお届けさせていただきたいと思います。
○小沢(和)委員 そんなこと言ったらいけません。きのうわざわざそちらの方から資料を届けていただいて――うなずいているでしょう、私の手、元にその資料があるのですから。それが急なお尋ねだなんて、冗談言ってもらっちゃ困りますよ。
 まあ時間がないから、それでは私がかわって答えますよ。処分を受けた事業者数は、昭和六十一年が二千九百二十八件だったものが、平成二年が六千三百三十二件と二・一六倍。過労防止違反が、二百二十件から四百三十一件へと一・九六倍。過積載防止違反が、千九百三件から五千百七十八件、二・七二倍というふうにふえているわけです。とりわけ、過積載防止違反が激増しておる。過労や過積載が直接事故の原因になることはもうどなたも否定できないと思うのです。
 そこで私は、昨日警察庁に事業用トラックの交通事故件数の推移についての資料をいただいてみました。昭和五十七年一万八千四百九十件だったものが、平成三年二万五千四百五件へと三七%もふえている。同じ期間の事故件数全体の伸びよりも五%も高くなっているわけです。労働者がこのように事故を覚悟で命がけで走らなければならない原因になっている運賃の切り下げ状態を緊急に改める必要があると思うのです。そのためにも私はトラック運賃の実態について把握するために調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○水田政府委員 お答えいたします。
 違反の問題については大変失礼いたしました。今数字を見ました。確かに昔と比べまして大分ふえておるということでございますが、他方におきまして、先ほど私申し上げましたが、新しい法律ができまして私どももこういう問題について積極的に取り組んできている、いろいろな違反はできるだけ見逃さないようにする、それからこの法律によりましてできました適正化事業実施機関等を活用しまして対応しているというふうなこともあって数字がふえているということではなかろうかと思います。
 そこで、先生の御指摘のお話でございますが、こういう運賃の収受につきましてはなかなか適正な運賃が収受できないという問題があるわけでございまして、そういうことは否定できないと思いますが、これは第一義的にはトラック事業者と荷主の関係の問題でございますが、私ども運輸省といたしましてもできるだけ適正な運賃の収受が行われますよう荷主との懇談会というのを実は開催いたしておりますが、そういうような場、あるいは先ほど申し上げました貨物運送の適正化事業の実施機関、こういうものを通じまして荷主あるいはその団体に対します啓発活動等を行ってきているところでございます。そういうところで荷主とトラック事業者との協力関係を確立していくということを私どもは指導いたしているわけでございますが、さらに機会あるごとに荷主の協力を求めているところでございます。
 今後そういうようなことをさらに積極的に行っていきたいと思いますが、先生、これとあわせて運賃収受の実態についてもということでございますが、私どもこの貨物運送適正化事業実施機関によります事業者指導という場で具体的に先生御指摘のような運賃の問題もよく勉強しながらやっていきなさいということ、あるいは運輸省自体が監査をやっておるわけでございますが、監査の場でこういう運賃の問題もできるだけ解明していくことによりまして実態把握に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 今の点は今後見守っていきたいと思います。
 次に、労働省にお尋ねをいたします。
 運賃がまともに支払われなければトラック労働者の労働条件も確保されるわけがないわけです。この十年間に彼らの労働時間がどう変化したか。他産業平均と比べてどうなっているか。十年前と現在の数字をそれぞれ出してみていただきたいと思います。
○朝原説明員 お答えいたします。
 道路貨物運送業におきます過去十年間の労働時間の推移を見ますと、昭和五十七年の年間総実労働時間が二千五百七十四時間でございまして、その後増加していきまして、六十三年には二千六百八十七時間にまで増加いたしました。しかし、それ以後はだんだん減ってきておりまして、平成三年には前年より九十七時間減少いたしまして二千四百四十一時間というふうに減ってきております。しかしながら、平成三年におきます全産業平均の年間総実労働時間が二千十六時間でございますから、これに比べますと相当長いという実情にございます。
○小沢(和)委員 いずれにしろトラック労働者の労働時間がけた外れに長いということはもう世間の常識だと思います。こんなひどい長時間労働がまかり通っておるのは労働省自身が初めからトラック労働者は他産業より長時間労働で当たり前という立場に立ち、二・九告示という特別の彼ら用の基準を設けているからではないかと思いますが、いかがですか。
○朝原説明員 労働基準法自体はすべての雇用労働者に適用になりまして当然トラックの運転手にも適用になっております。しかしながら、それだけでは労働時間が非常に長いということでございますので、労働基準法に加えまして今先生のおっしゃられました二・九告示によりまして、長時間労働の実態が見られます自動車運転者については、特に労働時間以外に例えば拘束時間に対する規制等を行いましてそういう長時間労働の実態をなるべくなくすという努力をしているところでございます。
○小沢(和)委員 私は、トラック労働者も同じ労働者として他産業並みに労働時間を短縮し人間らしい生活ができるようにしなければならないと思います。そのためにも、二・九告示のようにトラック労働者を別扱いすることを一刻も早くやめるべきだと思います。今のお話では何か二・九告示でむしろトラック労働者に対して特別に配慮しておるかのような話ですけれども、実際には逆じゃないでしょうか。午前中もこの二・九告示を改定したという答弁があったので、私すぐ調べてみたわけであります。確かに運転実時間については週四十八時間を四十四時間にするということになっておりますが、これ自体も基準法の改正を受けて一般より一年おくれだと思います。何よりも週七十八時間の拘束はそのままにしておる。実働は四十四時間に短くしても拘束は七十八時間というそのまま、これを認めるという告示をわざわざ今の時点で出しておいて一体これでトラック運転手が人間らしい生活を回復することができるのか。こんなような立場では絶対できないと私は思うのですが、もう一遍答弁していただきたい。
○朝原説明員 まず、労働基準法上、トラック運転者の労働時間でございますが、これは昨年週四十四時間労働制になりました。ただし、トラック運転手、そのほかにもいろいろな業種等とか規模によって違うんですけれども、猶予措置が二年ついております。来年の三月三十一日までは週法定労働時間がトラック運転手につきましては四十六時間ということでございます。
 それで、この二・九告示について申し上げますと、これは直接的に労働時間を規制するものではございませんで、自動車運転者の労働時間等の現状、特性を考慮いたしまして、運転者の労働時間と休憩時間の合計時間である拘束時間の上限を定めたものでございます。その上限が二週間について百四十三時間、四週については二百七十三時間ということでございます。これは、先ほど先生おっしゃられましたように昨年改定されていまして、その前は二週で百五十六時間ということでございますから、そういう拘束時間、これは、休憩時間は労働時間でございませんから、それを含めたものが改正になって短くなったということでございます。
 以上でございます。
○小沢(和)委員 だから、ほかの産業の労働者には拘束時間七十八時間などというようなことはどこにもないでしょう、こんな長いものは。だから、トラック運転手についてはそういう長いのが当然であるかのようにあなた方が思い込んでいることが問題だというふうに私は言っておるわけであります。
 残念ながら時間が来たようです。それで、大臣にやはりどうしても一言お尋ねをしたいわけであります。
 私はこれまで、ジャスト・イン・タイム方式の是正とか適正運賃の確保、トラック労働者の労働時間の短縮等についていろいろ述べてまいりましたが、これらの問題の解決なしに中小の物流問題は解決しないし、とりわけ深刻な人手不足は解消しないと思います。大臣はこういう点についてどうお考えでしょうか。
○渡部国務大臣 中小企業では物流内容に応じたコストの算定が必ずしも的確になされていない状況、このため物流コストが運賃や商品単価に十分に反映されていないことが中小企業の経営を圧迫する一因となっており、労働者の福祉の向上、職場環境の改善を図る余裕がない中小企業も少なくないと思われます。
 したがって、労働時間の短縮や職場環境の改善のためのコスト、緊急配送が行われた場合などの増加コストを含め、物流コストが物流内容に応じて的確に算定され、明確化されることが重要であると考えます。
 これらの点を踏まえて、各中小企業者が流通業務の効率化を図るに当たっては、労働時間短縮、職場環境の改善といった観点にも十分配慮しつつ事業を推進することが期待され、また行政としても、本法案の施行に関し、労働者の立場が十分反映されるように努めてまいりたいと思います。
○小沢(和)委員 終わります。
○武藤委員長 江田五月君。
○江田委員 本日審議されております中小企業流通業務効率化促進法案、これは私たちも賛成法案でございますし、また先日の特定債権法案、リース、クレジット、ああいう問題点も余りないと思います。もちろん、我が国の物流問題は、既に同僚委員からいろいろ御指摘があったような大変な問題を抱えていることは、これは私も承知をいたしておりますし、いずれ改めて議論したいと思いますが、本日は視点をちょっと変えまして、現在の不況、そしてこれに対して中小企業対策を一体どうおとりになろうとしているのか、こうした質問をしてみたいと思います。
 まず大臣に伺うのですが、現在の日本の経済の実態というものを一体どうごらんになるか。日本経済は、昨年来の政府の見通しと大きく違って不況だということになりました。株価は暴落する、地価は下落をする、これはいいことだと思いますが、百貨店の売り上げはダウン、在庫はたまる、設備投資は進まない、そういうようなことで日銀が公定歩合を〇・七五%下げて、また政府は緊急経済対策を発表された。ところが、発表直後に株価はさらに下がった。これはもう考えられないことだというわけですが、これはどうも政府の政策は信用されていないのではないかという議論が出てまいりました。経済不振は政治不信が原因なのではないか、同じフシンですが、経済の方は振るわない不振で、政治の方は信じられない不信ですけれどもね。あるいはもっと進んで宮澤不信ではないかとか、景気対策のためには総理大臣を取りかえる必要があるのではないかという、こんな議論まで行われている。まあ取りかえてどうかなるものなのか、いや、それはちょっと違うということなのか、それはいろいろ議論があると思いますが、しかし政府不信ももちろん私あると思いますが、もうちょっと角度を変えた議論をしてみたい。
 それは、不況ですが、不況のすべてが悪いということになるのか。不況の中のこれこれこういう部分は、これは例えばさっきの地価の下落のように、これは当然のことであるんだとか、あるいはこれは経済を健全なものにするために耐えていかなければいけないことであるんだとか、そういうようなこと、あるいは時代の大きな変化が一見不況というように見える形であらわれているんではないかとか、いろいろあって、一種の複合不況だと私は思います。
 一つは、言うまでもなく、バブルの崩壊、これはある意味で必要なことなので、バブルにまた戻るような、そして景気がよくなったと喜ぶようなことではいけないんで、バブルが崩壊していく、それはそれで必要である、副作用が起きないようにしていけばよろしいですということだと思う。もう一つは、通常の在庫循環、これはある意味で時間が解決するという面がある。もう一つは内需の不振だ。財政出動、公共投資の前倒し、あるいは補正予算に有効性がある。そしてさっきの政治不信、証券不信、これは政治改革とか市場改革とかで社会的な公正を確立する必要がある。
 さらにもう一つあるんじゃないかと思うのです。それは消費者の意識の変化、消費行動の変化、こうしたものがあるんだろう。百貨店の売り上げがダウンした、こういうわけでもちろんバブル時代の高額商品が売れなくなったのはこれは当たり前ですね。そんな変な、やたら高いものばかりがいいというのが続くわけがないので、バブルの崩壊による消費行動の変化もあるけれども、それだけではなくて、消費者が求めているものが大分変わってきつつある。例えば車。新車がよろしいというんで、今は最初の車検三年ですから、二度目の車検五年ごとに買いかえるとか、あるいは三年でもう買いかえるとか、しかしどうもそういう消費のあり方というのは違うんじゃないかというので、しばらく自分の愛車として七年なり九年なり乗ってみようという方向に消費者の行動が変わってくるとか、あるいはデパートヘ行ってとにかくいいものを、ブランド商品なんといって、いろいろあるわけですが、そうでなくて、ちゃんと使えれば、そして長もちすればいいじゃないか、そういう選択に変わってくる、いわば地味ではあっても堅実な消費行動に変わってくる。これはある意味で本当の生活の質の高さを求めようという消費者、生活者の態度の変化でもあるわけで、どうもその辺で何か不振だ、景気が不況だ、これを何とかしてもう一遍景気よくしなきゃならぬという、そういう政府やあるいは我々や、それと実際の日本経済の中での消費者の求めるものと、その辺がミスマッチがあるんじゃないかという気がするのですね。そのミスマッチをそのままにして、公定歩合を引き下げるとか公共事業を前倒しするとか、それだけで果たしていいのだろうか。例えば四百三十兆円の公共投資はこれからやっていかなければならぬ。大きくこれも見直して、生活中心に思い切ってこの公共投資の配分の比率を見直さなければいけないんじゃないだろうか。建設省予算ばかりではなくて例えば厚生省とか文部省とか農水省とか通産省とか、最終的に消費者に買ってもらわなければいけないわけですから、消費者が真に求めているもの、生活者が真に求めているものにマッチした公共投資でなければならぬ。消費者が真に求めているものをつかまないと減税をしても設備投資をしても効果が上がらない、こういうことになっていく。
 いろいろ申し上げましたが、こういう消費者の意識の新しい変化、消費行動の新しい変化というものについて、大臣はどういう認識をお持ちになり、これをどう評価をしておられるかということを伺いたいと思います。
○渡部国務大臣 今先生からいろいろお話がありましたが、これはまさに先生御指摘のとおり現在の我が国の経済は過去、明治以後も、また戦後四十六年経験したことのない状態で、恐らくケインズもヒックスも予測できなかったであろうと思います。一般的に不況ということを我々物の本で読んでおるのでは、まずレイオフが行われ、失業者が町にあふれるという状態であります。ところが現在、不況の中で時短が叫ばれ、また人不足が最大の政策課題にもなっております。しかし一方、基幹産業、主要産業のほとんどが減益、減収、在庫がたまる、また御指摘の中小企業も残念ながら前年より売り上げも落ちる、収益も落ちる、こういうことですから、商売をしている者にとって去年より売り上げが減って在庫がたまって収益が減れば、これは不況でないと幾ら説明しておったってそうですかということになるはずのものではありません。また、今日本の経済そのものがもう一国経済では成り立たない。成り立たないというよりは、世界全体の経済に対して日本の大きな責任、もっと言うならば日本の経済が世界の経済に大きな影響を持っておるわけであります。
 こういう前提に立って今後の経済運営を考えますと、まず三・五%の成長率は達成させなければなりません。輸入の促進も図っていかなければなりません。そのために私どもは今御指摘のようないろいろの景気対策をやっておるわけでありますけれども、先生御指摘のようになかなかそれが目に見える形でまだ反映してない状態で、一番大きな問題はやはり昨年の金融、証券等に対する不祥事、しかもその後の状態として今の株式の大幅下落。戦後の日本の資本主義経済が、あの厳しい円高あるいは円安といった為替相場の変動、あるいは第一次、第二次のエネルギーショック、そういうものを越えて今日まで来れたのは、いわば大衆の証券市場への投資が企業体質を強くして、技術開発が行われ、設備更新が常に行われて強い国際競争力も持つことができたわけであります。ところが、三百万円で奥様方がへそくりをはたいてやっと買ったNTTの株が六十万前後になってしまうということになれば、これは株式市場に対して大衆の気持ちが冷え込んでしまう。金融も、私がいつも言っておるのですけれども、本来は企業の将来に対してお金を貸すということは銀行として褒められるべきことだったわけでありますけれども、一連の不祥事件から、何か銀行に金を貸すことが悪いことだ、何か株を買うことが悪いことだ、こういうような雰囲気が出てまいりました。やはりこれは健全な形に直して、証券市場あるいは金融、こういったものの信用を取り戻して、やはり投資環境、金融環境というものは取り戻していかなければならない。
 先生から政治に対する不信も大きな原因だというお話がありましたが、私はあえてこれも否定するものでありません。ただ幸いにこの方はおかげさまで、昨年の十一月、十二月ごろまでの時期は、一体予算がいつごろ通るものか、内閣もいつまで続くものか、私なんかも今ごろ通産大臣としておるものかというような雰囲気の時期もありましたけれども、おかげさまで予算も通していただき、国会も順調に審議をさせていただいて、ようやく政局は安定しつつありますので、これらの政局の安定を踏まえこれからどうしていくか、こういうことで、今先生の最後に御指摘になった消費者の求めるニーズの変化、まさしくこれはそのとおりで、かつて食べることに精いっぱい、着ることに精いっぱいという時代から今この国の国民の皆さん方は豊かな生活環境、これは公の面でも個人の面でもゆとりのある生活環境というものを求めてきておるわけでありますから、こういう消費者の新しいニーズにこたえて、例えば住宅環境をもっと快適なものにしていく、あるいは豊かな生活環境と福祉、教育あるいはレクリエーションの場、スポーツ、こういった面で豊かさを求める国民の消費ニーズにこたえる中で、残念ながら不振を続けておる経済にこれから新しい意味での活力をつくり上げて、国際社会への我々の責任も果たし、また国民の皆さん方の二十一世紀の新しい時代への生活のニーズにもこたえていくという方向での経済政策を進めてまいりたいと存じます。
○江田委員 ちょっと私の質問も長過ぎたのですが、答弁の方が委曲を尽くしていただきまして、若干ミスマッチもあったような気もするのですが、私が言いたいのは、やはりサプライザイドの景気運営、経済運営の考え方だけでなくて、ディマンドサイドといいますか、消費者、生活者の方から見て景気という経済の状態をどう見なければいけないのかという問題があるだろうということ、消費マインドが冷え込んでいるからこういう消費にしかならないというのではなくて、何か新しい志向というものが消費者の中に起きてきているんじゃないかといったこと、これは割に大切なところじゃないかということを指摘したかったわけです。だから、例えば建設省主導の公共下水道をだあっとつくるというのもいいけれども、そうでなくて、例えば消費者の皆さんに合併浄化槽に対する補助金をもっとどんと出せば、そういうところで消費がふえていくとか、いろいろあると思うのですが、最近中小企業が、やはりそうはいってもなかなか大変なことになってきている。
 BIS規制をクリアするために銀行の貸し出しか極めて厳しくなって、しかも地価の下落で担保価値の評価も厳しくなる。もしかしたら夏のボーナスに影響が出てくるかもしれないということが言われ、その中で政府の緊急経済対策でも中小企業の金融についての対策も盛り込まれているわけですが、銀行の貸し出しか難しくなる一方で、郵便貯金が個人貯蓄に占める割合が増加していて、そして財政投融資の意味が大きくなっておる。予算にもそれがあらわれておるわけですが、ところがなかなかこの郵貯の資金が産業界に適切に活用されていないのじゃないか。
 現在、私も実は余りよく知っていなかったのですが、中小企業金融公庫、国民金融公庫、こういうところで事務が停滞をしてなかなかさばき切れない。一方で、これは何というのですか、代理店制度というものがあって、市中のさまざまな金融機関を中小企業金融公庫などの代理店にして、いろいろ郵貯の資金なども流すような方法はあるということなんです。したがって、そっちの方で郵貯の資金も十分産業界に流れるようになっているということではあるのですが、しかしどうも実際を聞きますと、なかなかこれが活用されていない。
 一方で国民金融公庫の方は、もう今申し込んでも話を聞いてもらうまでに一カ月ぐらいかかってしまって、そうしておると、これはボーナスに間に合わない、こんなことにもなりかねない、そんな不安が今ずっと中小企業者の中に広がっておるというのですが、これは、例えば代理店制度をもっと拡充するとか、もっと活発に利用するように指導するとか、あるいは国民金融公庫その他の窓口の手続をもっと何かいい指導をするとか、いろんな指導がきめ細かく行われる必要があるんじゃないかという気がするのですが、いかがですか。
    〔委員長退席、竹村委員長代理着席〕
○桑原政府委員 まず、政府系中小企業金融機関の代理貸してございますけれども、かなり利用されているのではないかというふうに我々は見ているわけでございます。これは言うまでもなく政府系金融機関が少ない店舗数しかございませんので、それを補って中小企業者の利便の向上を図るということも目的として設けられているものでございます回最近の代理貸しの伸び率も相当高くなっておりますし、中小公庫の場合をとらせていただきますと、直接、直貸しと代理貸しというものの比率でございますけれども、代理貸しの比率が四二・五%ということでございますので、半分弱でございますが、これが代理貸しを通じて中小企業に融資されております。
 国民公庫と商工中金に関しましては、いろいろな事情がありまして、この率が一〇%以下になっているということでございますけれども、我々は、この代理貸しにつきましてはこれからも有効に活用していくように指導していきたいというふうに思っているわけでございます。
 また、この政府系中小金融機関が中小企業に対してきめ細かい配慮をした貸し付けというものをやっていくべきではないかという御指摘でございましたけれども、これは我々も全く同感でございます。先般決定されました緊急経済対策におきましてもこういう点がうたわれておりまして、我々はその中小政府系金融機関に対しまして、既往の貸付金の返済猶予であるとか担保徴求の弾力的な運用というものを行うように通達を既に出しておりますし、また同時に、民間金融機関につきましても、大蔵省と一緒に同じような細かい配慮をするようにということで通達を出したところでございます。
○江田委員 時間が参りましたが、日本経済の中で中小企業が占める役割というのは、どんなに強調してもし過ぎることがないという状況です。流通業務効率化促進法、これも一つのそうした対策のあらわれだと思いますが、ひとつ大臣、これからも決意を持って中小企業の育成のために努力をしていただきますようお願いをして、質問を終わります。
○竹村委員長代理 川端達夫君。
○川端委員 大臣、御苦労さまでございます。よろしくお願いします。
 先般、四月十五日に経済審議会の運営委員会が、「新しい経済計画の基本的考え方と検討の方向」というのをお示しになりました。読ませていただきますと、重点課題の第一番目に「労働時間の短縮」ということが示されておりまして、労働基準法改正による法定労働時間週四十時間制への移行、所定外労働の削減のための法定割り増し賃金率の引き上げ等々が盛り込まれておりまして、それなりの見識だというふうに理解をいたします。
 宮澤政権は発足以来、いわゆる生活大国というものを公約の真っ正面に据えられて、軌を同じくするものだというふうに思います。私たち民社党も、大国という言葉はいかがかなということで、生活先進国という表現を用いております。考えは同じだというふうに思います。
 しかし、政権発足以来、経過をいたしまして、こういういろいろなことは提言として出てきつつはあると思うのですが、宮澤政権の政策として国民が見ている範囲で、こういう生活大国というものに期待は非常に大きい。しかし具体的に、こういうことが実現しそうだな、今すぐよくなったというまでいかないと思うが生活がよくなりそうだな、あるいは生活に豊かさが感じられるようになってきそうだな、そういう具体的なことには実感としてまだ至っていないのが正直なところ現状だというふうに思います。
 これからそういうことが実現していくためには、国のいろいろな施策において、とりわけ通産省なんかでもおやりになる政策が、いわゆる経済優先から生活優先という視点を忘れてはいけないということだと思います。そういう意味で、今回の法律も、出てきた基本的な観点でいうと、いわゆる経済の効率化、その中で物流の効率化というものを図っていこうということで出てきた法律だというふうに思います。
 しかし一方で、生活という観点でいったときに、同時にこの法律が、この業界、特にこれは物流業界と、それからその利益を受けるといいますか、物流をしてもらう業界と両方ありますけれども、そこで働く人たちの労働時間の短縮あるいは職場環境の改善というものにつながっていくものでなければいけない。これが宮澤政権のおっしゃっている生活大国を実現していくという基本的なスタンスだというふうに思います。
 そういう意味で、この法律が業務の効率化だけを優先しているのではなくて、幅広く、とりわけ今いろいろな問題で言われたときに、集配をしていただく業界にとって、そこで働く人にとってはかなり効率化を促進するということは、私は率直に認めたいと思いますが、実際の運送業というものにかかわる人たちを中心として、業務の効率化には非常に徹底したけれども、働く者から見れば余り大したことないではなくて、かえって非常におもしろくないなというふうなことであってはいけないということに関して、そういう配慮をしながらこれからやっていくということに対しての大臣の御所見をまず伺っておきたいというふうに思います。
○渡部国務大臣 先生のお考え、私どもが今回御審議をいただいておる法律の目的と共通するものと思います。時間が長くなるといけませんから簡単に申し上げますが、中小企業の省力化、これも時短とか中小企業で働く人たちの生活環境をよくすることにつながっていくわけでありますし、今回の物流効率化案、これは地域のまず産業の発展に役立ちますし、また物流センターには働く人たちの生活環境をよくする施設等をつくってまいりますから、これまで厳しい環境で働いておった、この面でも働く人たちの明るい生活環境をつくることにも役立ってまいりますし、また物流コストの低減によって広くは消費者の皆さん方のためにも役立っていくものと考えております。
○川端委員 まず初めに、とりわけいわゆる物流業に携わる労働者の観点から御質問をしたいというふうに思います。
 今、大臣おっしゃった部分は主に、物流センターを通じて荷物を集配する仕事をしていただく業界にとってはいろんな効率があるということは、これはもう間違いなくそうだと思います。平成二年の運送業における年間総労働時間が二千五百三十八時間、全産業平均は二千五十二時間ということで五百時間以上長い、五百時間というのは大変な時間でございます。この法律をやることが直接的にこの部分にかかわることでない、直接的にはそうではないかもしれませんが、物流の効率化、不必要な積載率の低いものを効率化していこうということでは、結果としては運送業の効率化、そしてそこに働く人の労働時間短縮ということにかかわってくるんだと私は思いますが、五百時間も長いという部分を何とかしなければいけないというときに、この法律によって物流関係の勤労者の労働時間というものがどのように短縮されていくと見通しておられるのか。五年、十年、そういうレンジも含めて御検討されているのであればお聞かせをいただきたいというふうに思います。
    〔竹村委員長代理退席、委員長着席〕
○土坂政府委員 全産業に比べて道路貨物運送事業の労働時間が大変長いということは御指摘のとおりでございまして、こういう状態のままではやはり若い人に来ていただくことができないし、そういうことであればこの産業の将来もないわけでございます。そうなれば、やはり物流という大事な仕事をやっておりますので、いろんな面で影響が出てまいります。したがって、これに対してはやはり時短の推進ということを進めていく必要があると私どもは思っております。
 時短の推進のためには、やはりまず基本的に経営者が考えていかなきゃいかぬことでございますが、例えば先ほどからお話がありました二・九告示であるとかあるいは法定時間の短縮であるとかいうようなことが進んでおりますので、それを受けまして運輸省としても一斉休日の導入を指導するとか、あるいは計画監査に際しても過労運転の防止などについては最重点で見るとか、あるいは運賃改定に際して時短のための原資を見る、それに対してそれをばねにしてさらに指導するとか、いろいろなことをやりまして時短の推進を図っていくということが必要であろうと思います。それと同時に、今のこの法律がやはりちゃんとワークをいたしまして、流通業務の効率化というものが進んでまいりますと、これはやはりより効率的な仕事の仕方ができることになるわけでございますから、そういう意味でやはりこの法律も時短の推進というのに大きな効果があるものと思っております。具体的に何年までに何時間というのはこれはなかなか難しいことでございますが、法律で定められております平成五年までの四十四時間、こういうふうなものについてはきちんと対応できるようにその都度対応してまいりたいと思っております。
○川端委員 具体的な数字というのはお示しになれなかったのですが、非常に遺憾に思います。法定労働時間を四十時間に移行していこう、その期限を決めてやっていこうという時代に二千五百時間もの労働実態であるということ。それを、今いろんな施策をおっしゃいました。おのおの大事なことです。そしてこの法律もその一助になるというふうに思います。そういう中で、具体的にどういう目標で現実に減らしていくのかという数字もなしに果たしてできるんだろうかなというのを非常に不安に思います。そういう意味では、これはいろんな働く中の、業界の中でも非常に労働時間の長い業界でございまして、ぜひともそういう部分での御努力をしていただきたいというふうに思います。経済成長率あるいは物価上昇率等々、いろいろな要因で変動するものでも政府はそれなりの見通しをお出しになって数字をお出しになるわけですから、まして生活大国とおっしゃる宮澤政権においてこのような業界の労働者に対してこういうふうにやっていきましょうというビジョンを当然お示しにならなければ、まさに宮澤政権、姿が見えないと言わざるを得ないというふうに思います。
 そういう中で、一つは労働時間が長過ぎる。それで、運輸政策審議会の見通しで、輸送業界でいわゆる今の全産業の二千五十時間、二千時間程度に五百時間時短をするということに計算をすると、労働供給量で需要量は二十五万人ドライバーが不足すると言われているわけですね。二十五万人も人手不足になる。しかも今審議官がおっしゃいましたように三Kのイメージがあってなかなか人が来手がない。時短をしないとまして来てくれない。しかも時短をすると余計たくさん人が要る。二十五万人も要る。いわゆるワークシェアリングで計算すればそういう数字になる。大変なことなんですね。平成二年度の東北運輸局の調査で、一年間に一事業所当たり八・二人の採用をして六・九人が離職をする、歩どまりという言葉は適切かどうかは知りませんが二人くらいしか残らない、結果として二割ぐらいの車両が遊休化しているようなケースもある、こんな実態になっているわけですね。こういう実態の中で、時短が一つあると同時に労働力不足ということに対して、今少しお触れになりましたけれども、どういう認識とどういう手を打とうとしておられるのか。物流問題というのは本当に経済の根幹をなす問題でありますが、その御認識と対策に関してお聞かせをいただきたいと思います。
○土坂政府委員 労働力不足のゆえに時短が進まない、時短が進まないから労働力も足りないというようなことを繰り返しておるのではこれは本当に物流産業の発展というのはないし、それは国民経済的にも非常に大きな問題である、そういうことがないように我々はしていかなければいけないというのが基本認識でございます。
 そのために一応二つ私どもは考えておるわけでございまして、一つは、職場というものを魅力のあるものにしていく、若い人に来ていただけるようなものにしていくということでございます。時短を初めとする労働条件の改善あるいは職場環境の改善、こういったようなことを進めてその条件を整備するということが一つ。それからもう一つは、やはり物流というのは労働集約的に人手のかかる産業でございます。それは基本的に現場を抱えているがゆえにそういう特性を持っておるわけでございますが、その中でも作業の機械化、省力化、こういったようなことを進めていただく、そのためのお手伝いを財政その他でさせていただく。それから、物流はそういう特性がございますので、システム全体として例えばモーダルシフトにするとか積み合わせ輸送をするとか、そういうより人手のかからないシステムをつくっていくということも大事であろうと思っております。そういう労働力確保の面、労働力をより少なく使ってやっていけるような効率化の面、両面からこの問題についてあらゆる対策を講じていこうと思っておるところでございます。
○川端委員 大臣にお伺いをしたいのですが、通産省で今のことにも関連して、要するに、若者が三K職場を嫌がる、結果として外国人労働者がその部分を受け持つというふうな構図ができてくる。日本語のわからない人に三Kと言っても通じないで、三Dと言うらしいですね。ディフィカルト、デンジャラス、それからダーティーと言うらしいですけれども、そういうことで通産省も、ニューファクトリー構想というのですか、ニューファクトリー推進委員会調査報告、四月二十三日――あしたですか。ちょっと新聞で調べましたので……。「製造業の三K(きつい、汚い、危険)イメージの払拭、人材確保及び地域への工場立地の円滑化を図るため、@工場内の作業環境の整備、A工場外観の地域景観への調和等周辺環境との調和、B工場内福利厚生施設等の地域開放、工場見学コースの整備等による地域社会への貢献を柱とする「ニューファクトリー」の整備を支援するため、」いろいろ検討して報告がまとまったということでやられています。読ませていただきます
と、いろいろな角度からよりいいイメージでという、先ほど審議官もお答えになったのと関連をすると思うのですが、職場として若者にとって魅力があるというふうにしていこう、これは結構なことだと思うのです。
 ただ私は、この三Kを忌避するという部分に関して、大臣、どういう御認識をお持ちなのか。先ほども言いましたように、労働時間が非常に長いというのは問題外なのですね。しかし、例えば運送業というものは確かに非常に長距離夜遅く走らなければならない部分がどうしてもある、あるいは工場であれば油にまみれるいろいろな仕事もある、交代勤務もある、これは日本の経済を根幹で支える大変大事な仕事なんですね。その部分に関して、若者だけではないのかもしれませんが、そういう仕事が嫌だというこの社会的な風潮というものをどういう問題意識で御認識をされているのか。いろいろな対症療法的に職場をきれいにしましょうとか格好よくしましょうとかいうふうなことは、まあそれは大事なことではあります。そして前提として、労働時間が非常に少なくなるような工夫とか賃金の水準がある程度維持されているとかいうこと以外に、私は、日本の社会の中でそういう世の中をはかる物差しが、お金というものが非常に大きなウエートを持ってしまった。同じお金を得るのだったら楽な方がいいと。労働の価値というものが非常にウエートがある、日本の産業は物流が動かなかったら全く動かなくなるのだ、あるいは工場で油にまみれて物をつくるということをしなかったら日本の経済はつぶれてしまうのだ、その大変大事なものを私たちは支えているのだという価値観が非常に希薄になってしまったというところに、私は日本が抱える非常に深刻な問題があるというふうに思います。
 そういう部分で、この三Kを忌避するという風潮に関して大臣がどのような御認識をお持ちなのかということと、ただ単に通産大臣ということではなくて、日本のかじ取りをしていかれる大変重要な役割を持つ政治家の一人としてどのようなことをこれからやるべきだとお考えか、これはただ産業、経済政策だけではなくて、政治家としての御見識もひとつお聞かせいただきたいと思います。
○渡部国務大臣 これは大変難しい質問でございます。
 意識の面も、私が国会に二十年前初めて出たころは、先輩の竹下さんから、汗は自分で流しましょう、手柄は人にあげましょうというようなことを言われて、早く大臣になりたかったら人の嫌がることを進んでやれ、こういうようなことを言われて一生懸命頑張っておったものであります。しかし、今若い人たちに、人の嫌がることをやることが美徳である、世の中のためであると演説して歩いてすぐ素直に聞いていただけるか。やはり今新しい時代の中で若者たちの意識が変わってきておるわけでありますから、それを我々の古い道徳観でただ説得するだけでこの問題を解決することにはなりません。
 しかし、このことも私は非常に大事なこと、日本がなぜここまで発展してきたかということを若い人たちに知っていただくことも大事なことだと思いますが、同時にやはり今日の若者たちのニーズに我々が政策としてこたえていかなければならないということで、先生今御指摘のニューファクトリーの推進を通産省で勉強しておるわけであります。
 これは製造業における三Kイメージを解消し、また製造業における人材を確保し、地域への工場立地の円滑化を図ることは極めて重大な課題である。したがって通産省としては、工場内の作業環境の整備、工場の周辺環境との調和、工場内施設の開放などによる地域社会への貢献を柱とするニューファクトリーについて本年度から政策融資制度を創設する等、その推進に努めてまいりたい。また、御指摘の人材の製造業離れの問題に対応するためには、労働時間の短縮、職場環境の改善などを積極的に行い、製造業における魅力ある職場を形成することが重要であるという観点から、これらの改善を行う企業に対して積極的な支援等を図る。一言で言えば、この問題の解決のためには物心両面の努力が大きな課題であろうと思います。
○川端委員 若者のそういう最近の風潮というものを是として、そういうものだという中でいろいろな対策をとりながらやっていくということではないと思います。なぜそういう風潮になったのかということに対する議論、それから、これは非常に長年にわたるものですからそう簡単な話ではないということですが、簡単な話でない、長年かかるからこそ大事だというふうに思います。
 そういう意味で私は、三Kということがもともと解消可能な部分に関して可能な限りそういうものをなくしていくのは当然のことでありますが、そういう労働に対する価値観というものは、やはり教育も含め大人の社会も含めていろいろな角度からそういうものは本来はきっちりとあるべきものだという中でいろいろな施策を考えていっていただきたい、御努力もいただきたい。どうも最近そういう議論と姿が見えない中に、何か三Kというものは避ければいいという同じラインに政治が乗っているのではないかなという気がいたしますので、御要望を申し上げておきたいと思います。
 もう時間がほとんどありませんので、あと各論を少しお伺いしますが、この法律によって、物流関係に関していろいろな合理化といいますか改善がされるわけですが、一般的に言って、取引関係というものは、いわゆる上位者と下位者、強い者と弱い者という部分でのいろいろな取引上の問題が、大企業と中小企業、あるいは中小企業ともう少し小さい企業というのでよく問題になります。そういう意味で、この法案で中小企業における流通の効率化ということは、随分効率がよくなったな、だから運送業さん、あなたたちも大変便利になり楽になっただろう、だから効率よくなった分まけろとかサービスよくしろとか、そういう部分が変に過大な部分でエスカレートするということがあってはいけないと思います。そういう部分で、発注あるいは取引条件の改善ということの中でこういう施策を打たれたときに、特段に何か御配慮をされるのかどうかに関して、中小企業庁にお尋ねしたいというふうに思います。
○春田政府委員 お答えいたします。
 御指摘いただきましたとおり、中小企業は実態上どうしても取引における力関係で取引の相手方に劣後しからでございましたり、場合によっては、物流サービスの内容やその他の取引条件の面で取引の相手方の理解、協力が得られないこともあろうかと思われるわけでございます。したがいまして、このような取引の相手方との協力関係の構築が流通業務効率化事業の成否を左右する上で極めて重要であると考えておりまして、このため本法案でも、まず計画策定段階におきまして、事業協同組合等の側から取引の相手方その他の関係者の協力を得るよう努めなければならないことと第四条でしておるわけでございます。また次に、事業実施段階におきまして、取引の相手方その他の関係者、事業協同組合等は協力するよう努めなければならないとすると十三条で規定したわけでございます。各事業者がこれらの規定の趣旨に則しまして適切な協力関係を構築し、中小企業者の流通業務の効率化が円滑に図られることを期待しておる次第でございます。
○川端委員 中小企業庁で発注取引条件改善調査というのを平成四年二月二十七日にやっておられるわけですが、これを読ませていただきますと、一年前と比べて全体的に発注方式等には著しい改善は見られない、休日前発注・休日直後納入等は減っていないのが現状である。また、発注内容の変更がしばしば、あるいは時々あるという下請企業は実に全体の四一・九%、こういうような報告を中小企業庁はされておるわけですが、みずからお調べになって、こういう結果というものをどういうふうに認識しておられるのか。それと同時に、今回こういう物流の効率化という法律を運用していくときには、こういう問題に対してどういう影響、あるいはこれに関連して指導していこうとしておられるのかということについてお聞かせをいただきたいと思います。
○桑原政府委員 ただいま御指摘のございました調査でございますけれども、昨年我々がつくりました下請中小企業振興法に基づく振興基準が遵守されているかどうかということで調査したわけでございます。振興基準そのものに関しましては製造業が対象でございまして、本件のような流通なりサービスには適用がないわけでございますけれども、このアンケート調査によりますと、御指摘のとおり発注方式等の取引条件の改善については必ずしも十分ではないということでございます。我々といたしましては、製造業に関しまして今後下請振興基準が守られて取引条件等が適正なものになるように今後とも努力していきたいと思っておりますし、また、振興基準の対象にならない流通なりサービス業に関しましても、この下請基準の精神にのっとりまして、そういうような改善の努力が行われることを大いに期待しているわけでございます。
○川端委員 今回こういう形で法律的に大変いろいろな手当てを講じて共同化を推進していただくということでございますが、今までどうしてそういうものが進まなかったのかな、自助努力ということで資金的な問題等々があったことは事実だと思うのです。そういう中で、いわゆる流通業務を共同化するというところが自助努力を含めてなかなか機能しなかったということを分析してみますと、一緒にやるということでメリットはあるなというのは理解をしても、不安もある。例えば、営業上の秘密が守られるのか、あるいは将来の事業展開を規制されないだろうか、自社の独立性、特徴が埋没してしまわないだろうか、いろいろな不安があったということだと思います。営業上の秘密という問題に関しては非常にセンシティブな問題でもあるということで、顧客の名簿というのは財産でございます。そういうことに関して、どういう形でこういう個々の事業者の企業秘密が守られるような仕組みを考えておられるのかについて、お伺いをしたいと思います。
○春田政府委員 先生御指摘いただきましたとおり大変重要な問題でございまして、物流は製造、販売の取引と密接に関連しておりますし、中小企業の共同による物流対策におきましては、ともするとお互いの取引内容が相手に知られてしまうのではないかという懸念が生じがちでございます。したがいまして、この点につきましては特に慎重な配慮を行い、物流を共同化する場合におきまして、個別事業者の取引内容がその意に反して他の事業者に知られることのないよう工夫を行うことが必要であると考えております。
 このような取引内容のセキュリティーについての具体的な工夫の仕方でございますが、個別の共同事業の内容によりさまざまでございますが、例えば本法案の事業に該当する共同物流事業を実施しております先進的な卸団地組合の事例などを参考にいたしまして、配慮、工夫をしてまいりたいということでございます。
○川端委員 せっかくの御苦労の法律でございます。実効が上がるように期待を申し上げたいと思います。とりわけ、申し上げました労働時間の短縮、人手不足の解消、そしてもう少し日本の健全な社会をつくるということに格段の御努力をお願いして、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
○武藤委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○武藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 中小企業流通業務効率化促進法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○武藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○武藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、額賀福志郎君外五名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    中小企業流通業務効率化促進法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 中小企業による本法の助成策の利用を促進するため、基本指針の策定に当たって共同化計画を検討する際の適切な判断基準を示すものとなるように努めるとともに、推進されるべき共同事業の内容を多様な具体的事例として判り易く周知させるための努力を払うこと。
 二 認定計画の実施に当たっては、労働時間の短縮、職場環境の改善等の労働条件の向上につながるよう配慮すること。
 三 多頻度小口配送、ジャストインタイム配送等の顧客の要請が、貨物運送業も含め供給側の中小企業に不当に過重な負担を課することとならないよう関係者への指導を強化するとともに、総合的な流通業務の効率化を促進するために、関係省庁の円滑な連携・協力に努めること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○武藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本動議について採決いたします。
 額賀福志郎君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○武藤委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、渡部通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡部通商産業大臣。
○渡部国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいります。
    ―――――――――――――
○武藤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○武藤委員長 次に、参議院送付、内閣提出、計量法案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。
    ―――――――――――――
 計量法案
    〔本号末尾に掲載〕
○渡部国務大臣 計量法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 計量法は、明治二十四年に、その前身である度量衡法が公布されて以来百年間の長きにわたり、計量単位の統一、計量標準の供給、計量器の適正な品質の確保等を通じ、単に商業取引の秩序を保つのみならず、我が国の産業の発展、文化の向上に大きく貢献してきております。
 しかしながら、近年、我が国の経済社会は、国際化と技術革新の大きな流れの中でさまざまな変化への対応を迫られており、経済社会の発展の基盤として、計量制度の果たすべき使命はますます重大となる一方、時代に即した計量制度の構築が求められているところであります。
 このような要請に対応するため、国際化、技術革新への対応及び消費者利益の確保の三つの視点に基づき、広く計量法全般にわたり所要の見直しを行うために、今般、本法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず第一に、計量単位について国際的な整合を図るため、計量法上取引・証明に使用することが認められている法定計量単位を、原則として今世紀中に国際単位系に統一することとしております。
 第二に、最近における工業生産技術の向上を踏まえ、製造、修理、販売事業者に係る登録制を届け出制とするとともに、計量器の検定については、型式承認制度を活用することにより、一定水準の製造・品質管理能力を有すると認められた指定製造事業者の製品については検定を免除する制度を導入する等、計量器に関する規制の一層の合理化を図ることとしております。
 第三に、先端技術分野を中心とした高精度の計量に対応するため、工業製品の生産に欠かせない計量器の校正に用いられる計量標準を国から産業界に確実に供給し、かつ、国とのつながりを対外的に証明する制度を創設することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○武藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十四日金曜日午前十一時二十分理事会、午前十一時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十五分散会