第123回国会 建設委員会 第2号
平成四年三月六日(金曜日)
    午前九時二十一分開議
出席委員
  委員長 古賀  誠君
   理事 片岡 武司君 理事 金子原二郎君
   理事 北村 直人君 理事 杉山 憲夫君
   理事 渡海紀三朗君 理事 三野 優美君
   理事 山内  弘君 理事 吉井 光照君
      植竹 繁雄君    川崎 二郎君
      木村 守男君    久野統一郎君
      塩谷  立君    島村 宜伸君
      野田  実君    萩山 教嚴君
      光武  顕君    山本 有二君
      石井  智君    上野 建一君
      貴志 八郎君    小松 定男君
      渋谷  修君    松本  龍君
      伏木 和雄君    薮仲 義彦君
      辻  第一君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 山崎  拓君
        国 務 大 臣 東家 嘉幸君
        (国土庁長官)
 出席政府委員
        国土政務次官  前田 武志君
        国土庁長官官房 藤原 良一君
        長
        国土庁長官官房 佐野 徹治君
        審議官
        国土庁計画・調 田中 章介君
        整局長
        国土庁大都市圏 西谷  剛君
        整備局長
        国土庁防災局長 鹿島 尚武君
        建設政務次官  金子 一義君
        建設大臣官房長 望月 薫雄君
        建設大臣官房総 斎藤  衛君
        務審議官
        建設大臣官房審 足立穎一郎君
        議官
        建設省建設経済 伴   襄君
        局長
        建設省都市局長 市川 一朗君
        建設省河川局長 近藤  徹君
        建設省道路局長 藤井 治芳君
        建設省住宅局長 立石  真君
 委員外の出席者
        環境庁自然保護 菊地 邦雄君
        局野生生物課長
        文化庁文化財保 吉澤富士夫君
        護部記念物課長
        農林水産省構造
        改善局建設部防 岡本 芳郎君
        災課長
        運輸省港湾局防 戸嶋 英樹君
        災課長
        参  考  人
        (住宅・都市整 安仁屋政彦君
        備公団理事)
        参  考  人
        (本州四国連絡 岡田 哲夫君
        橋公団理事)
        参  考  人
        (首都高速道路 渡邊純一郎君
        公団理事)
        参  考  人
        (日本道路公団 木内 啓介君
        理事)
        参  考  人
        (日本道路公団 山田 幸作君
        理事)
        参  考  人
        (日本道路公団 山下 宣博君
        理事)
        建設委員会調査 杉本 康人君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
 辞任         補欠選任
  永末 英一君     菅原喜重郎君
三月六日
 辞任         補欠選任
  木間  章君     小松 定男君
同日
 辞任         補欠選任
  小松 定男君     木間  章君
    ―――――――――――――
二月二十七日
 尾瀬の水の広域的運用に関する請願(小渕恵三
 君紹介)(第二九四号)
三月二日
 尾瀬分水反対に関する請願(伊東正義君外一名
 紹介)(第四四二号)
 建築設備士の資格創設に関する請願(粟屋敏信
 君紹介)(第四五五号)
 同(小沢辰男君紹介)(第四五六号)
 同(尾身幸次君紹介)(第四五七号)
 同(木村守男君紹介)(第四五八号)
 同(小坂憲次君紹介)(第四五九号)
 同(古賀一成君紹介)(第四六〇号)
 同(杉山憲夫君紹介)(第四六一号)
 同(鈴木俊一君紹介)(第四六二号)
 同(田辺広雄君紹介)(第四六三号)
 同(中西啓介君紹介)(第四六四号)
 同(野呂田芳成君紹介)(第四六五号)
 同(牧野隆守君紹介)(第四六六号)
 同(増子輝彦君紹介)(第四六七号)
 同(山口敏夫君紹介)(第四六八号)
 同(綿貫民輔君紹介)(第四六九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第六号)
 建設行政の基本施策に関する件
 国土行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○古賀委員長 これより会議を開きます。
 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として日本道路公団理事木内啓介君、同理事山田幸作君、同理事山下宣博君、首都高速道路公団理事渡邊純一郎君、本州四国連絡橋公団理事岡田哲夫君及び住宅・都市整備公団理事安仁屋政彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○古賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。貴志八郎君。
○貴志委員 建設大臣が閣議等のために若干出席がおくれるということでありますので、一極集中の是正から多極分散に対して積極的な意見をお持ちになっております理解ある道路局長さんの方から、質問を先にいたしてまいりたいと思います。
 所信表明の中でも述べられておりますように、一極集中を是正して多極分散を行うという一定の建設省の方針が示されたわけでありますが、その方針に基づくことについて、道路の問題をひとつ取り上げてみたいと思うのであります。
 全国の高規格幹線道路の地図を拝見いたしますと、どうも全国四十七都道府県の中にはかなりのでこぼこがあるような気がいたしてならないのであります。そこで、資料をちょうだいいたしまして数字を拾ってみます。そういたしますと、国土開発幹線自動車道の整備計画延長は七千八百八十七キロメートル、一般国道自動車専用道路の事業区間は九百二十五キロメートル、合計八千八百十二キロメートルということに相なります。
 それで、これらは高規格幹線道路と呼ばれると思うのでありますけれども、先ほど申し上げたように、都道府県別で数字を拾ってみますと、まず少ない方から読んでみますと、合計で申しますと奈良県では二十四キロ、鳥取県で三十二キロ、和歌山県では五十七キロ、続いて沖縄の六十七キロ、長崎八十二キロ、こういうふうに下の方から勘定いたしますと、五つの県は二十四キロから八十二キロまで。これに対しまして、北海道の九百二十九キロメートルはこれはまあ別格といたしまして、新潟の四百十二キロ、福島の三百三十六キロ、そういうところに比較いたしますと、いかに先ほど申し上げた五つの県が低いところにランクされておるかということが、数字によって一日にして瞭然であります。そして、この道路延長の計画の少ない県の活力と申しますか、そういうふうなものを知る一つの手段として鉱工業生産指数などを見てみます。あるいは人口の増減率などを見てみますと、大阪経済圏下、大阪圏の中にある奈良は特別といたしまして、その他の県はやはりかなり活力に強力な影響を受けている、ダメージを受けているということがはっきりとわかるわけであります。
 そういう点から申しますと、私は均衡ある国土の発展といううたい文句が、仁の道路行政の中で果たしてどれほど生かされているのだろうかということを、かなりの疑問を持たざるを得ないのであります。このように幹線道路に対する投資と申しますか実施の状況、計画の状況に大きな不均衡を生じているが、一体その原因は那辺にあるかということについて、まずお尋ねをいたしておきたいと思います。
○藤井(治)政府委員 今先生御指摘の、和歌山県を例にとられまして非常に幹線道路がおくれている、これが地域活性化の非常に足かせになっているではないか、こういう御指摘だと思います。
 そこで、和歌山県を一つの例にとりまして申し上げますと、我が国の道路整備、前にも申し上げましたが、例えば東海道のあの鉄道が明治二十二年に開通したのに、東海道という国道一号が一次改築が終わったのが昭和三十六年でございます。この和歌山県には、国道四十二号というのがまず最初の幹線道路でございました。これは、一次改築は実は昭和四十四年にでき上がっております。比較的国道四十二号という国道は早くできたわけでございます。ところが、昭和四十一年に確定いたしました高速自動車国道、このときに和歌山県の分は二十五キロしかございませんでした。そこで、昭和六十二年に全国的に一万四千キロという計画に組み直した段階で、和歌山県の二十五キロを一気に二百二十七キロと、こういうふうにその段階でやっと調整ができたわけでございます。
 そこで、私どもそういう段階でこれを整備するのに、従来は年間二百キロペースでやってまいりました。そこで、この六十二年の一万四千キロの計画を立てた際に二種類の整備手法で、いわゆる高速自動車国道では二百キロを二百五十キロにしようということで二百五十キロペースに上げました。さらに、それだけでは間に合わないから一般国道の自動車専用道路ということで、例えば和歌山県の場合でいいますと海南湯浅道路という事例がございますがこういったもの、あるいは京奈和自動車道におきまして和歌山県の場合にはかなりのものがもう既に事業化をいたしております。例えば橋本道路、こういうものなどは一般国道の自動車専用道路で事業化しているわけでございますが、こういうもので年間百キロ供用させていこう、こういうことで、おくれてはまいりましたが今から一生懸命スピードを上げよう。しかも高速自動車国道、先ほど先生が御指摘いただきました数字は整備計画延長でございます。高速自動車国道、国幹道の整備計画を出して整備していくその数字でございますが、こういう手法だけでは間に合わないと思いますので、いろいろな手法を組み合わせて、そして早く開通させる、こういう工夫で、先生の御指摘のような今までおくれたところをなるべく早くするための努力をいたしたいと思っております。
 なお、和歌山県の場合の例をもう一つとらせていただきますと、内陸部に至る国道等がかなりございます。こういうものは確かに和歌山県のように山岳地域の非常に多い地域ではいろいろな、トンネルが必要であったりなんだりしておくれているのが実情ではございますが、これらについても少しでも間に合うように、これからスピードを上げさせていただきたいと思います。
○貴志委員 ただいまの御答弁で私どもの考えておることをおっしゃっていただいたように思いますが、なお念のために申し上げますと、年間例えば二百五十キロメートルのペースで進んでいくとして、それにしても整備計画の延長、計画に組み入れられた延長が大変少ないということは、これは大変おくれているということを数字の上であらわしておると思いますので、一日も早く方針どおりに追いつくようによろしくお願いをいたしたい、このように思います。
 それから、引き続いて国道の計画についてちょっと申し上げて、お尋ねをしておきたいことがあるわけでございます。
 大阪湾の環状交通体系につきましては、早くから四全総で明記をされておるところであります。そういう観点から申しますと、紀淡海峡の国道延長はどうしても必要な路線ということになってくると思うのでありますが、この間ちょうだいいたしました国道の道路地図を拝見いたしますと、例えば豊予海峡あるいは伊勢湾などについては、海上のところにも一般国道地図の中には点線でもって国道予定としての表示がなされておるのでありますけれども、ここ数年間にわたりまして調査が行われてまいりました紀淡海峡につきましては、いまだその図面上の表示も行われていないわけでありまして、果たして我々が期待いたしております紀淡トンネルというふうなものが、夢のトンネルに終わるのではないかというふうな心配をいたしております。四全総の言う大阪湾の環状交通体系から申しましても、また四国、和歌山の関係から申しましても、どうしても必要なこのルートに対する見通し等につきまして、積極的な御意見をお持ちになっているのかどうか、展望をお持ちになっているのかどうか、ぜひお尋ねをいたしておきたいと思います。
○藤井(治)政府委員 先生御指摘のこの大阪湾地域に関連いたしまして、既に本州四国連絡架橋あるいは関西国際空港等の基盤的なプロジェクトが整備されておりまして、四全総におきまして「長期的な視点から大阪湾における環状交通体系の構想について検討する。」こういうふうになっております。現実に、和歌山方面と淡路島あるいは四国との間は、いろいろな形でふくそうした交通がございますが、民間により深日−津名あるいは和歌山港−小松島港間等々、一日三十六往復の船のサービスが提供されている状況にあります。
 私ども、この紀淡海峡、実は海峡幅が十二キロ、最大水深百十メーター、こういうことで、かなり多くの技術的課題がございます。しかし四全総における位置づけを踏まえまして、実は関西経済界等におきましても、大阪湾ベイエリア開発整備のグランドデザインの中で交流ネットワークの形成の必要が叫ばれていることは承知いたしております。そこで私ども、昨年の六月に大阪湾圏域整備連絡協議会というものをつくらせております。そしてその中で、この大阪湾圏域整備についての検討を始めさせております。これをつくったときに、私も現地に出向きましてあいさつをいたした記憶がございます。この圏域協議会だったか、あるいは別の会議だったか忘れましたけれども、こういう会合のときに私も出向いて、こういうものを一生懸命前向きに議論しようじゃないか、こういうことを申し上げたことがございます。
 昨年十二月には、大阪湾地域の総合的な開発推進を目的とした大阪湾ベイエリア開発推進機構も設立されておりますし、こういったもののそれぞれの密接な連絡の中で、私ども既に、土木研究所等の技術陣においても地道な検討を始めておりますので、全体の検討の中でこの問題について対処してまいりたいと思っております。
○貴志委員 検討をしていただいておることはわかりますし、大変結構なことだと思いますが、先ほど申し上げたように、この地方のおくれを取り戻すというふうな意味を含めまして、ぜひこれを早い機会に計画の中に組み入れ、実行、実施に移せるように、格別の御配慮を特にお願いをいたしておきたいと思います。
 さてここで、特に今国会に提出予定になっております都市計画法の改正あるいは拠点都市法と呼ばれる新しい法律の提出、そういったものが予定をされておるようでありますので、これらの問題のすべてを、限られたわずかな時間できょうは質問申し上げるわけにはまいりませんが、その中で重要と思われる幾つかの点につきまして、その基本的な姿勢並びに具体的な対策などについてお尋ねを申し上げてみたいと思います。
 今回の都市計画法の大改正の主要なポイントには、私は二つある、このように見ております。その一つは、誘導容積制と呼んでおるようでありますが、マスコミなどではダウンゾーニング、こういうふうな呼び名をつけております。もう一つの柱は市町村のマスタープラン、それは住民の民主主義、そういったものを採用する、こういうところではないかと私は見ておるわけであります。
 我が国の都市計画のルーツと申しますか経過から見てみますと、東京の都市美観というふうなものが出発点でありまして、どうしても上から下へ流していくという、そういう都市計画のあり方であったというふうに見ております。それが戦後になりまして、あの税制勧告などをやりましたシャウプ勧告の中に都市計画の勧告があって、そこでは市町村をベースに行うような勧告がなされておりましたけれども、結果的に今行われておるのは、やはり国が最終権限を持つ、県に機関委任事務を行うというふうなことで、もちろん若干基礎自治体の意見は聞くというふうな制度にはなっておりますけれども、結果的には国の権限、国の出先である都道府県の委任事務、そういうふうな形で運営をされておりまして、シャウプ勧告のときに出された基礎自治体、すなわち市町村への権限移譲というふうなものは今日なお行われていないというところに、我が国の都市計画法の一つの問題点があるんじゃないかということをまず思うわけです。
 その成果もあれば欠陥もあるわけでありまして、私は欠陥の方だけを申しますと、例えば全国の都市公園、計画公園の例を見ますと、全国どこへ行っても公園があって、ぶらんこがあって、子供の遊び場所があってというふうな感じの、もう本当に規格化されたような公園に至るところでお目にかかるわけです。大阪の衛星都市でも鹿児島の付近の都市でも四国の都市でも、どこでも同じような公園風景というものがあるわけでありまして、その町の顔の見える公園、その町にあるがゆえの特徴ある公園というものは極めて少ない。それは、先ほど申し上げたような我が国の都市計画の制度そのものにあるのではないか、こういうふうなことを思うわけです。その後、六八年でございますか、都道府県を前面に出した形になってまいりまして、当該の自治体の議会や住民の参加などは実質的には行われない、そういうふうな形で運営がされてまいりましたから、ますます個性的な部分が失われている、こういうことになってきております。
 そこで問題が起こるわけであります。というのは、バブルが始まります。バブルが始まりまして土地が急騰する、そしてそのために利潤を追求する各企業やディベロッパーは、どんどん値上がりを期待して地方の都市へ進出をしてまいります。そしてまた、新しいリゾートの候補地を目がけて一斉に殺到していく。バブルは全国的に、その言い方はどうか、魔手を伸ばしていった。これには現行法で、末端の地域における町づくりなどに有効な制限や規制がなされていなかった、こういうところにバブルが全国に及んでいき、そして計画的な町づくり、そして住民の期待する文化や歴史やそういったものに調和をする町づくりというふうなものが、守られずに破壊をされていく方向にあったということはやはり認めてもらわなければならぬと思います。
 そこで、質問をするわけです。バブルが地方へ波及し全国に広がったのは、そういった環境保全だとかあるいは計画的な町づくりだとか、そういったところに現在の法体系では対応し切れなかった、それが主たる原因であると思うが、どのようにお考えになるか、まずお答えをいただきたいと思います。
○市川政府委員 今回の地価高騰の問題につきまして、私ども都市計画行政の観点からいろいろと取り組んでおるわけでございますが、ただいま御指摘がございましたバブルの問題を、私どもの観点ではそういう観点からどういうふうに考えているかということでお答えを申し上げたいと思います。
 今回の地価高騰によりましていろいろな問題が生じました。その結果、政府といたしましては金融対策、それから税制改正等でかなり緊急措置も含めまして施策を講じたわけでございますが、その際の御議論といたしまして、金融、税制の面の対応だけでは不十分である、我が国の都市計画制度、いわゆる土地利用規制をもう少し、欧米諸国と比較してみても少し緩い面があるから強化していくことをとらないと、基本的な土地対策、また同じような地価高騰ができた場合の予防対策としても不十分なのではないかというような御議論がなされました。
 現在の都市計画法の持ちます問題点につきましては、ただいま先生の方からもいろいろ御指摘がございました。私どもとしても、いろいろな認識を持っているわけでございますけれども、その中で、確かに土地利用規制に関しましては、特にヨーロッパ諸国の規制に比べますと我が国の規制は緩い面があるということは否めない事実であろうという観点から、規制の強化といった問題につきまして、どのような対応をすべきかにつきまして検討をしたわけでございます。
 昨年ほぼ一年間かけまして都市計画中央審議会で御議論いただきまして、それで用途地域の細分化の問題とかそういったテーマにつきまして御答申をいただきましたので、現在その方向で法改正等の問題に取り組んでいるわけでございますが、私どもの基本的考え方はそういうわけでございますので、やはり土地問題は大変難しゅうございますが、それが大都市問題だけではなくて地方にまで波及するという観点から、その対策をどう講ずるべきかにつきましては、やはり総合的な対策が必要であるというところで、その全体的な土地対策の一環として、都市計画法も含めた土地利用規制問題につきましても対応していく必要があるという観点で現在、法改正に取り組んでおるところでございます。
○貴志委員 私が聞きたかったのは、地方自治体に権限がなかったからそういうふうなバブルの全国波及をもたらしたという、そういうことについてどうやら完全にはお答えいただいていなかったようでありますが、後の質問でも関連がありますので、そういった点についてもこの後でお答えをいただきたいと思います。
 地方自治体がその地方や町の住宅計画や歴史的、文化的あるいは景観などの快適環境を守るために、自衛手段として、各ディベロッパーや企業がどんどん地方へ進出してまいりますから、現行の都市計画法や建築基準法だけではどうにも対処できない分、地方自治体が条例を定めて議会の議決を経て、そして規制や制限を設け、かさ上げをする、そういうふうな手法を講じまして、自衛上の手段をとったわけでございます。こういう文化、歴史、景観、それと施設、そういったもののバランスをとる、そしてそこに住む人間との調和を図るという、そういう感覚、思想、そういうものをアメニティー、一口に言えば快適環境でありますが、アメニティーを要求する方向というのは、新しい都市に対する思想、方向として理解をしなければ、これからのいわゆるアメニティー思想というものを理解しなければ、それが正しいものだという原点に立たなければ、これからの都市政策というのはあり得ないと私は思うが、そういうアメニティーに対する基本的なお考え方はどういうことをお持ちになっておるかということを、お尋ねをしておきたいと思います。
○市川政府委員 都市計画法、建築基準法等によりまして町づくりに関します基本的な制度等は国レベルで定めておるわけでございますが、これを執行するに当たりまして、都市計画決定権者であります市町村あるいは都道府県知事におかれまして、それぞれの地方の実態に合うようにいろいろと創意工夫を凝らして適用していくということは、私どもの口から言うのも何でございますが、現行の法体系の中でもかなりそれは柔軟にできるような仕掛けになっていると思います。
 最も特徴的なものを一つ挙げますと、昭和五十五年に創設いたしました地区計画という制度は、市町村が住民の総意に基づいて定める制度でございまして、かなり小規模な街区単位から決められるようになっておりまして、そこではトータルとしての一般的な都市計画で決まっている建ぺい率とか容積率に関しましても、その街区、地区単位で必要な範囲内において相当程度変更することもできるような仕掛けになっておるわけでございます。しかし、そういった法律の体系だけではそれぞれの市町村で考えておりますきめ細かな町づくりには十分対応できないというところから、別途条例を設けましてそれぞれの市、町に合うような形での行政をいろいろ展開しておるわけでございまして、私どもそういう努力というのは大変重要なことであるというふうに思っております。
 その際、御指摘ございましたアメニティーの問題、これは横文字でございますので私も十分理解しているとはちょっと自信がないわけでございますが、基本的に、今後私どもが町の中で住んでいく過程におきまして最も大切と考えていかなければならない景観の問題とか自然の問題とか、そういった問題を含んだ総合的塗言葉だと思いますが、そういった問題につきまして都市計画法、建築基準法という法体系の中で、もういろいろ工夫してございますが、そこで不十分な点につきまして、各公共団体におかれまして条例でなおさらにきめ細かくその土地の風土に合うような形でいろいろと講じていくということは、私どもも必要なことではないかというふうに思っております。
○貴志委員 アメニティーに対するお考え方を拝聴いたしまして、そういう考え方でこれから進めていっていただくということは大変結構なことであるというふうに私は思います。
 ただ、お話にありましたように、実態に合うように現行法でも各市町村が対応できる、例えば地区計画というふうにおっしゃっていただきましたが、残念ながらこの現行法では対処し切れない部分がございまして、それが今日問題になっております。それは、バブルが崩壊した、民間の業者の皆さん方は大変運営が厳しくなってきた。そういう状態の中で、地方自治体のいわゆる規制の強化、制限の強化などに対して一斉に反撃が始まるわけです。バブルの崩壊とともにその反撃が目立つ。例えば訴訟という手段によって訴え、自治体が敗訴をしていく、こういう事例が出てきておるわけであります。大変なことであります。その地方の計画なり、その地方の住民の要望なり、そんなものを取り上げて、民主的なルールである議会を通過した条例が、法解釈の上でこれは違法だというふうに判断をされてくるということは、これはもう大変な問題だという問題意識を持たなければならぬと思うのです。
 そこで私は、三つの具体的な問題を出しながら、それぞれ御見解を聞いた上で、私のまとめの質問をしなければならぬと思うのであります。
 まず第一番目、本年二月十三日の判決言い渡しで、福岡県志免町が敗訴となりました給水契約上の地位確認等の請求事件は、開発行為または建設で二十戸を超えるものには給水しないとする同町の規則に基づきまして給水申し込みを拒否したところ、敗訴した。結局、四百二十戸分という建物の建設を受け入れざるを得なかったということになりました。志免町の町づくり計画による水の供給計画、人口の急増対策などは正当な理由にはならないという判断が、司法の手によって下されたわけでございます。この法の判断が下された以上、国は今後もあるであろう無限の給水要求にこたえるため、志免町の受本給水の施設のため資金援助をするか、法の見直しをするか、いずれかの手当てをしてやらなければ第二、第三の志免町の問題が起こってくる、こういうふうに思われますが、いかがお考えでしょうか。
○立石政府委員 お答えいたします。
 志免町の給水拒否に関する福岡地裁の判決でございます。この件は、まず事実関係でございますが、マンションの業者が四棟四百二十戸の建築計画をもとに志免町に給水契約を申し込みました。これに対しまして同町は、水資源の確保が困難であるという理由によって、二十戸を超える集合住宅には給水しないことを定めた水道事業給水規則を理由に給水を拒否したところでございます。これが、水道法第十五条の給水拒否についての正当な理由に当たるかどうかということが争われた件であると承知しております。
 判決におきましては、町が通常の努力を怠らない限りマンションの給水が不可能とは言えないから、今回の拒否は正当な理由には該当しないとしてマンション業者が勝訴したという件でございまして、これは建築基準法等との関係におきましては、完全に開発許可、建築確認とは無関係でございまして、水道法上の問題であるということでございますので、私の方からはこの件については事実関係の御報告にとどめて、見解を述べることについては差し控えたいと存じます。
○貴志委員 いずれにいたしましても、その町が自分のところの現在住んでおる住民に対する給水の責任を負わなければならない、それが急速な都市膨張の形で処理し切れないからということで水道規則によって膨張を防いだ、そういうことに対する判決が申し上げたような判決になったわけでありまして、こういった問題についても地方自治体の一つの判断というものが生かされないというふうなことについての問題提起として、今ここで住宅局自身がそのことに対して意見を述べる立場にないということはわかるにいたしましても、問題の提起としてひとつそれは受けとめておいてもらいたいと思います。町はそこに住む住民のためにあるということを、常に原則に置いていただかなければならぬと思います。
 さて、それでは次に、山梨県の景観条例を盾に建築確認を県が留保いたしましたところ、業者側が留保することは違法であるということで提訴をいたしまして、違法判決を下されました。山梨県の場合も、景観や給排水あるいはごみ処理等のその町のバランス、先ほど申し上げましたアメニティーを考慮した地方自治体の気配りというものは、ここでも否定をされたわけであります。建設省は、先ほど都市局長もお認めになられましたように、自治体が自主的かつ民主的に決めたそういう規制を行うことができないようになっておる事態に対してどのように対処するお考え方か、お伺いをいたしておきたいと思います。
○立石政府委員 お答えいたします。
 最近、地方公共団体におきまして町づくりあるいは景観等の保全、整備等の目的から、都市計画法、建築基準法によらない条例等を制定している事例が多く見られることは承知しております。これらの条例等につきましては、地域の特性に対応して、個性ある町づくりあるいは景観等の保全、整備等を図る上で一定の効果があるというように考えられるわけでございますが、建築物に係る制限等を伴う場合には、その根拠あるいは制限の内容等が適切であるかどうか、そういうものについての種々の議論があることも事実でございます。
 山梨県の例にも見られますように、これらの条例等の施行に当たりましては、建築基準法の建築確認を行わない、あるいはまた確認申請を受け付けない、そういうような運用をその手段として利用することがあるわけでございますが、山梨県の例ではそれが敗訴したことでございます。こういう事例につきましては、地方公共団体が都市計画法、建築基準法に基づかない条例等によって景観の保護等のさまざまな行政目的を実現していく中で、建築基準法の運用をその実現手段として利用することの難しさを改めて示したものと受けとめているところでございます。
 地域特性に対応したきめ細かな町づくりを図る制度といたしましては、現行の都市計画法、建築基準法等に基づく地区計画、特別用途地区、風致地区等種々の制度が設けられておりまして、基本的にはこれらの制度の積極的な活用を図るべきものと考えております。さらに、都市計画区域外あるいは都市計画区域内の用途地域の指定のないいわゆる白地地域におきまして、御指摘のように例えばリゾートマンション等の規制につきましては、昨年の建築審議会の答申においても、これらの地域において建築規制の拡充を図るべきであるという指摘がなされているわけでございますが、これらの指摘を踏まえまして、これらの地域についても地域の特性に応じた建築規制が可能となるように、制度の拡充を検討してまいりたいと考えております。
○貴志委員 やはり今の法制上の問題がここでもはっきりすると思うのです。制限の根拠や内容が適切かどうかというふうなことが問題だとおっしゃいますけれども、その地域が、その県なり市町村が、町民、住民、県民の最も必要だと思われる手段を講じても、それは違法だというふうに判断をされてしまうということになってまいりますと、縦割り行政からいっても、そういう司法の判断が、別な判断が出てくることを片一方がやるというふうなことになってまいりますと、これは困ったことだと思うのですね。いかにして整合性を図っていくかというふうなことを考えるべき、そのために私は、すべて国の最終的な権限というのではなしに、下から、基礎自治体からボトムアップしていくという物の考え方をとらなければ、これからの近代的な開発、都市の計画というふうなものはあり得ない、こういうふうなことを申し上げるために例を挙げたわけであります。このことについての論議は、これからもなおしばしばやらなければならぬと思います。
 続いてもう一つだけ聞いておきたいと思いますが、東京都内では、たしか千代田区、中央区、港区などに開発協力金を要請するというふうな行政が行われておるわけであります。これは開発利益金の還元と呼んでいいでしょうか、千代田区では住宅基本条例を受けて定めようとしたいわゆる開発協力金、これは新聞報道等によりますと、業界の圧力と申しますか、業界の要望によりまして四割から九割を減額せざるを得なかったとあるわけであります。開発協力金という手法は、ここではいいことか悪いことかというふうなことは問いませんが、他に財源が、開発をされたことによってインフラ整備を行うための財源が出てこない以上、町並みを保存し、町並みを美化しようとする自治体はその財源を求めざるを得ない、原因者であるところの開発行為者に開発利益金の還元を求める、そういう協力金を求めていくというのも一つの方法ではないかと思われます。そういったことについても、法的に争われれば実はかなり難しい問題が出てくるのではないかというふうに思われるわけでございます。
 そこで、余り時間もございませんようでございますので、総合的な考え方として、ぜひ建設大臣のお考えをいただいておきたいと思うのでございます。現行法は、先ほども局長さんが、確かに緩やかでもう一つ厳しさが足りない部分がある、私に言わせればあいまいな部分が現行法では多い、こういうふうに思うわけであります。それともう一つは、先ほど申し上げたように、地方自治体に、基礎の自治体にいろいろな住民の顔の見える町づくりというふうなことに対する権限を持たせておりませんから、地方自治体のそういう制限などについての違法な判決が下されるというふうなことになっておることにかんがみまして、国が決めるべきものは、国が持つべき権限はシビルミニマム、要するに最低の条件を定め、それ以外は地方自治体あるいは地方自治体の連合がいろいろなプランを、基礎方針を確立して、そうしてそれが実行されていく、そういうふうな法体系の整備を急がなければならぬ、私はそのように考えておるのでございますけれども、先ほど来申し上げましたアメニティーの思想をぜひ生かすという立場、それがなければこれからの都市計画はあり得ないというふうなことを何遍も申し上げますけれども、そういう考え方に対する建設大臣の御見解をぜひ賜りたいと思います。
○山崎国務大臣 貴志先生がおっしゃっております、都市計画の権限は基礎的自治体である市町村に与えるべきではないか、こういう御議論だと思いますが、それはそのとおりだと考えております。そして、現行の都市計画の考え方はそのとおりになっているのではないかと私は認識をいたしております。と申しますのは、都市計画は原則として市町村が決定をいたすところでございまして、地域に密着した都市計画制度である地区計画、特別用途地区、生産緑地地区等はすべて市町村が行っているところでございます。ただ、都市が広域化している実態等にかんがみまして、広域的、根幹的なもののみ都道府県知事が決定する、そのような仕組みになっていると存じます。
 先ほどおっしゃいましたアメニティーの問題でございますが、これは、例えば生活大国の指標の一つとして考えられるところでございますので、アメニティーの確保のために現行法の中でできる限りの努力が行われるべきだと考えております。
○貴志委員 建設大臣は、建設行政に対するベテランだというふうに思いますが、しかし我々、実態として地方自治を経験してきた者から言いますと、現実には都市計画に対して、例えば町議会、村議会、市議会が議決に参加しておるか、ないのですよ。それはないのです。ですから、おっしゃられるように、基本は地方自治体、基礎的自治体であるべきだという御意見は私と全く同じです。しかし、現実の法がそのとおりに運営されていると思うというのは、私は現実の認識の違いではないかと思います。そのことは、今ここでただしてどうということではございません。いずれ新しい法律改正が行われますから、これはその話の中で大いに論戦をしていいことではないかというふうに思いますから、そのことだけを私は申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つの問題点、これはちょっと難しい問題でありますが、誘導容積制の導入についてでございます。これによりますと、私の見方では、ダウンゾーニングと呼ばれておりますけれども、これはひょっとしたらダウンゾーニングではなしにアップゾーニングになるのではないだろうか、そういう危惧を持つわけです。というのは、この誘導容積制によって都市の拡大をコントロールするというのが表向きの考え方であるように受け取っておりますけれども、実際には、仮に標準土地利用基準を決められてあるところ、現在もう既にそれを超えて使っておるところはどうするか、これはどうにもしょうがない。それから、先ほど言われたように都市計画、地区指定をとって都市計画を立てて許可を得れば、計画ぎりぎりに容積率を利用できる。自分のところはもう平家でいいんだ、上は使わないというふうなことになると、その使わない部分をその地域内であれば移転することができるということになります。要するに、今まで常識的には考えられなかった空間を売買することができる、そういう制度になるということになってまいりますと、これは大変なことではないか、そのように私は思うわけです。
 私の数字の間違いかもしれませんけれども、昭和七十年ごろに東京都の有効利用できる土地面積が三万ヘクタールというふうに試算されたと聞いておりますが、今度の容積誘導制を採用いたしまして満席に容積率を活用したとするならば、土地の高度利用という意味ではあるいはそれは成功かもしれませんが六万ヘクタール、約倍使えるというわけです、現在の東京都。そうなってまいりますと、一体インフラはどうする。今でさえ道路は各所で停滞、下水の問題もあるだろうし、ごみの処理の問題もあるだろうし、あるいはコンクリートの面積と緑の面積との問題も出てくるでしょうし、あらゆる問題が派生するわけであります。土地の高度利用は結構であります。しかし、そのことによってますます一極集中に拍車をかけていくのではないかという心配を私はするわけです。まず、その点についてお考えを示していただきたいと思います。
○市川政府委員 ただいま法改正で検討しております中の一つに、誘導容積制度と呼ばれるものがあるわけでございますが、これにつきましては、基本的な考え方は、やはり土地の有効・高度利用を図ることが期待されているにもかかわらず、現実にはそれが有効利用されていないところの対策というのが、土地対策として極めて重要であるというところから出発しているわけでございます。
 二年前に法改正させていただきまして、その際、遊休土地対策制度を創設させていただきました。これはほとんど利用されていない土地の有効利用でございますが、今回検討しておりますのは低利用のところでございます。イメージ的に申し上げますと、容積率が現行で既に三〇〇%とか四〇〇%と定まっておるにもかかわらず、実際にはそこが二階建て程度にしか利用されておらないところがあるわけでございまして、もちろん基本的に我が国の憲法の体系からいきますと、土地所有者の自由に土地利用はできるわけでございますから、それをどういうふうに利用しようと勝手といえば勝手ではございますけれども、御案内のとおり、土地基本法が制定されまして、土地の利用は公共の福祉に従うという基本理念が確立されました。そういう観点からまいりますと、主として都市の中心部におきまして高度利用、有効利用を図るべきだということで、図ることが期待されて高い容積率が定められておるにもかかわらず、そこで有効・高度利用がなされていないところについて、何とかひとつ有効・高度利用を図っていただきたいという観点から検討されておりますのが誘導容積制度でございます。
 その際、容積率につきましてのいろいろな変化もできるように、つまり、現実的に活用しやすいような制度を工夫してございますが、ただ、ベースにあります容積率の総量につきましては、既にその都市の将来を見越して、トータルとして定められております容積率の総量の範囲内で変化させるという考え方でございますので、この制度の創設、導入によりまして、都市がいたずらに膨張する、集中が拡大するということにはならないようにいたしたいというふうに私ども考えておりますし、そういった制度でなければならない、またそういった改正案にしたいというふうに思っておりますので、なお一層の御指導をいただきたいと思う次第でございます。
○貴志委員 ここでちょっと申し上げたいのでありますけれども、まるで違う話なんですが、先般都市の国有地、国有地を農地として貸し付けてある分が、それが農地として使われていないで別な目的に使われていたというふうなことが新聞報道されたときに、一体日本の土地利用対策なんというのはどうなっているんだというふうなことをかなり強い不満を、私はもちろん、土地に悩んでおる一般のサラリーマンの人々は日本の土地行政のあり方について厳しい批判を持った、私はそう思います。それはさておきましても、今のお話で、やはり例えば東京都の中心部、高度利用という名においてぎりぎりまで全部が使うというふうなことになると、まだかなりの人の集積がそこに始まってくるということはもう目に見えておると思うのです。
 ここで最後に、もう時間もございませんから国土庁、せっかくお越しいただいて待機していただいておりますので、政務次官に見解をお伺いいたしたいのでありますけれども、先ほど来、都市計画の問題について地方の声がいろいろな形で生かされていない、いや逆に争われてそれが否定されておるというふうな問題が片一方ではある。片一方では、都市の集中を是正しなければならぬとされながら、土地の高度利用ということで、その高度利用が完全に行われるということになるとますます都市への集中を進めることになりはしないか。そういうことをあれこれ考えておりますと、日本の国土を本当にどうすればもっと国民のものにすることができるのか、土地基本法で定められた土地は公共のためにあるという精神を完全に具現することができるのか、そういうふうなことについての積極的な国土庁の御意見をぜひ承っておきたいと思います。
○前田政府委員 お答え申し上げます。
 まさしく貴志委員の御発言のとおりかと思いますが、先ほど来アメニティーの議論等をお聞かせいただきながら、非常に示唆に富んだお話だと感銘を受けたわけでございます。いずれにしろアメニティー、快適性と申しますか、そこに地域のアイデンティティーというようなものも含めての総合的な快適性、そういったものをいかに確保していくかということが基本であろうと思います。これは国土利用計画あるいは第四次全国総合開発計画等にも、快適で美しい国土を二十一世紀に残していくということが大きく掲げられているわけでございまして、そういった基本方針のもとに国土庁も国土行政を展開してまいりたいと思う次第でございます。
 ちなみに、アメニティーというのを辞書で引いてみましたところ、もともとの意味は人間の温雅さ、人柄のよさというのが載っておりまして、まさしく貴志委員のことかなと私は了解をした次第であります。
○貴志委員 ありがとうございました。終わります。
○古賀委員長 松本龍君。
○松本(龍)委員 早速ですが、質問に移らせていただきます。
 二月の建設委員会で、建設大臣並びに国土庁長官の所信をお伺いしました。時間を少々オーバーしてのお二人の所信でありましたので、昨年よりも長い所信、両大臣ともそれだけ気合いが入っているというふうに私は理解するわけですけれども、よく読ませていただきますと、言葉としては非常にわかるわけですけれども、なかなか実感として伝わってこない部分があるわけであります。生活大国あるいはゆとりとか潤い、豊かさということが何度も出てまいります。実は、生活大国という言葉に対して、私は生活大国ということはどういうことなのかということを常々考えておりまして、国は豊かになったけれども、一人一人の生活にその豊かさやゆとりが実感できているかどうかということを思っているわけであります。
 かく言う私も、一昨年の選挙のときにそういうことを皆さんの前で訴えて国政に上がってきたわけであります。しかし、二年間この国政の場にありまして考えてきたことは、実は、生活の豊かさは確かに大事であります。生活大国、目指さなければならないということも十分わかるわけでありますけれども、戦後四十数年間、今日に至りまして物は非常にあふれていつでも手に入るようになった。いろいろなものが大量に消費をされるようになった。流通の問題等々ありましょう。赤いトマトがいい、真っすぐなキュウリがいいというふうなことも、私は言ってみればこれが本当の豊かさなのか、生活大国なのかということを若干考えているところであります。
 一方では労働時間の問題あるいは賃金の問題、さらに通勤に二時間、三時間かかるようなところがある。住宅は相変わらず狭い。そういった意味で私は、建設省としては生活大国も結構だけれども、実はインフラの整備等々で社会の豊かさということをしっかりと全面に出して、機関車になっていくということを言うべきではないかと思っているわけです。つまり、社会の豊かさから個人の豊かさを誘導していく、その責任が非常にあると思うわけです。私も選挙で個人の豊かさということを言いましたけれども、少しこの二年間で物の考えが変わってまいりまして、豊かさは大事だけれども、実は本当の豊かさはその辺にあるのではないかということを今考えています。その辺の大臣の所見をお伺いしたいのがまず一点。
 さらに、今高齢者が一二・五%と言われています。二〇二〇年には二五%になるというふうにも言われているわけであります。一方で出生率が一・五三であるとか一・五四であるとかということも言われています。そういう時代にあって、現在でも過疎の村や町では二五%を超えている、あるいは三〇%に近くなっているところもあるやに聞いています。そういった意味で、高齢者対策ということはまさに今の問題であるというふうに考えるわけでありますけれども、そういう高齢者対策についての、二点の所見を大臣にお伺いしたいと思います。
○山崎国務大臣 ただいま松本委員が御提起されました社会と個人の関係でございますが、これは社会の構成員が個人によって成り立っておりますので、密接不可分の関係であると存じます。個人個人が豊かになりまして社会全体が豊かになりますし、また社会全体の豊かさが個人の豊かさをもたらす、そういう相互関係になっていると思うのでございます。
 そこで、住宅・社会資本の充実を私ども建設行政として目指しているのでございますが、社会資本というのはこれはまさにその接点にあるものでございまして、個人個人がやれない、民間のやれない分野でございます。したがって、これは政府あるいは地方自治体がこの社会資本の充実の責任を負っているのでございまして、道路、下水、公園等々、社会資本の充実が個人の豊かさ、社会全体の豊かさを支えていくと思っておるのでございます。その責任を自覚いたしまして、幸い一九九〇年代、四百三十兆円の膨大な公共投資、その中で国の公共事業の七割を分担いたしておる建設省といたしましては、住宅・社会資本の充実に一層努力をしてまいりたい、そのような決意を所信表明の中で申し述べさせていただいた次第でございます。
 それから高齢化社会の問題は、松本先生御指摘のとおりでございます。これから社会資本あるいは住宅を充実させていく上におきまして、高齢者が快適な老後の生活を送れることに特に重点を置きまして整備を進めていくべきであると存じております。それともう一つは、二十一世紀になりますといよいよ高齢化社会が、先生の挙げられました数字のとおり高齢者率が高まっていくのでございますから、特に今のうちに財政面で資源配分の見地から、社会資本の充実をなし得る余裕がある間に早急に住宅・社会資本の充実を行うべきである、そのような側面もあると存じております。
○松本(龍)委員 今お聞きをしたわけでありますけれども、まさに建設省としてどういう高齢化社会がこれから到来をするのかという、先の方かも見て現在を動かしていく、そういうふうな政策をぜひこれからもいろいろな関係機関と協議をしながらとっていただきたいというふうに強く思うわけであります。
 住宅局にお伺いをいたしますけれども、高齢者対策いろいろ施策が載っておりますけれども、具体的に、例えば住居の構造あるいはいろいろなところでどういう高齢者対策を今後推し進めようとされているのか、お聞きをします。
○立石政府委員 お答えいたします。
 住宅政策におきましても、今後の高齢化社会の進展を踏まえまして、高齢者が可能な限り住みなれた地域社会で安心して生活ができるように、そういうような住宅及び住環境の整備を進めていくことが重要な課題だと認識しております。このために、これまで公営住宅、公団住宅等におきまして、高齢者の同居する規模の大きな住宅の供給、あるいは高齢者の身体特性に配慮した規模、設備等を有する住宅の供給、さらには入居面での優遇措置等を講じてまいりました。また、住宅金融公庫の融資におきましては、高齢者同居住宅、高齢者や身体障害者用のトイレ・バスユニット等を設置した工事に対する割り増し貸付制度を行っております。さらに、福祉施策との連携によりまして、公的住宅の供給とあわせまして、福祉サービスの提供をあわせて行うシルバーハウジング・プロジェクト等の施策を推進してきているところでございます。
 さらに、平成四年度の政府予算案におきましては、まず高齢者向けの借り上げ公共賃貸住宅制度につきまして、入居対象者に障害者世帯あるいは母子世帯を追加する等の拡充を行いたい。また、第二点としましては、住宅金融公庫融資におきまして、先ほど申し上げましたような高齢者用の設備等を行った場合の工事について、割り増し貸付額を引き上げること。さらに、新しい制度といたしまして、高齢者が安定した住生活を営めるように、医療・福祉サービスの提供あるいは住居費の一括払い方式の採用などの特別の措置を講じたシニア住宅の供給の推進を図っていきたい等の施策を盛り込んでいるところでございます。今後とも施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
○松本(龍)委員 私が今お聞きをしたのは、例えば住居の構造を、これから先を見据えてどういうふうな構造にしていくのか。例えば段差をなくすとかいろいろなことが講じられていると思うのですけれども、金融面の優遇措置とかいろいろなことは現在の問題で、これから先のお話を私は住宅局にしたいというふうに思っているわけであります。
 今、住宅局では、家庭内事故による死亡者の数とかは把握をされておるでしょうか。
○立石政府委員 お答えいたします。
 高齢化に伴いましてさまざまの面で身体機能の低下が生じてくるわけでございまして、これに対応するためには、高齢者が安全で快適に生活できるように配慮した構造、設備、設計の住宅を整備することが重要だと考えております。昭和六十二年の厚生省の人口動態統計によりますと、家庭での事故死の総数といいますのが全年齢で五千七百四十六人、そのうち六十五歳以上の方が三千四百八人、約六割を占めるところでございますが、これらのうち住宅の構造等による事故といたしましては、大体四割が住宅の構造等によって事故死しているところでございます。特に、それらの要因のうち、ふろの中の浴槽等で溺死した人、それからスリップとかつまずき等、同一平面上での転倒によって事故死した人が両方とも約四割程度でございまして、さらに、階段またはステップから落ちてあるいは転がって亡くなった方が一三%、建物から墜落された方が七%等というようになっている統計があるところでございます。
 こういうように、家庭内の事故というのが特に高齢者に多いのでございますので、つまずき等による転倒を防止する、あるいは浴槽内での安全を図る等の、住宅内の構造を高齢者を配慮したものにすることが非常に重要な課題になっていると考えております。
○松本(龍)委員 今、昭和六十二年の統計をおっしゃいましたけれども、私、この間取り寄せた資料によりますと、平成二年厚生省大臣官房統計情報部が出した資料によりますと、家庭内事故の死亡者は総数で六千百四十人、その中で六十五歳以上が占めるのは三千八百三十六人、六二・五%になっています。私はこれを見て驚いたんですけれども、交通事故が一万数千人という状況の中で、家庭内事故がその半分以上ということになろうかと思います。
 家庭内事故というものの定義もいろいろあるかと思いますけれども、住宅局にお伺いしますけれども、例えば住宅の段差をなくすというふうなこともやられていると思うのですけれども、ちょっとこれは基本的というか、もう聞くのも恥ずかしいのですけれども、なぜ段差をなくすのか、そこの一点だけお聞きをしたいと思います。
○立石政府委員 家庭内で段差がありますのは、玄関等もございますが、それ以上につまずきの事故が起こりやすいのは部屋と部屋の間、部屋と廊下の間等でございます。一たんそこでつまずいて転び、何らかの形で肢体等が不自由になりますと寝たきりになる等を招くことも多いわけでございますので、やはりつまずきをなくすために、かつ日常生活の中でのうっかりしてつまずくことをなくすようにすることが、段差をなくすことの重要な目的であると思っております。
○松本(龍)委員 今、段差をなくすその理由を、つまずき、転倒というふうに言われました。私もよくそれは理解できるわけですけれども、実は車いすのためになくすということは想定をされてないのか、あるいはなかったのかということを一点だけお聞きします。
○立石政府委員 車いすで屋内で、住宅の中で生活するためには、さらに廊下の幅を広げるとか、あるいはいろいろな構造、設備等を車いす用に直すとか、そういうことが必要になろうかと思っております。それは高齢者あるいは特に障害を持っている高齢者、障害者に対する対策として、今後大きな課題になってくるかと思っております。
 段差をなくすと申しますのは、障害には至らないけれども、高齢者一般の方全体に当たるわけでございますので、例えば公営住宅の設計に当たりましては、今後はすべての住宅について高齢化を意識して段差をなくす等を行う、しかしそれと同時に、障害者の利用を配慮した住宅については、別個の目的としてまた整備を進めていきたいというように考えているところでございます。
○松本(龍)委員 今、私が車いすと申し上げましたのは、これから想定をされる高齢化社会に向けて、欧米と日本のライフスタイルは非常に違うわけです。言ってみれば、日本は畳の上に座る、欧米はいすに座る。ですから、車いすに座るということも、お年寄りになって体が不自由になったら、欧米の方ではそういうことが盛んに行われている。日本はなかなかそれができてこない。そのことが、ある意味ではいわゆる寝たきり、寝かせきり老人の問題につながってくる。ですから、その辺ぐらいのところまでを想定してこれからの住宅政策を考えていかなければならない。実に三十年後では、三十年後といいますか二〇二〇年には二五%になんなんとする高齢化社会が到来するということをやはり前面に押し出してきて、その住宅政策なりを考えてほしいというふうに思うわけであります。
 なぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、例えば総務庁発表の一日当たりの行動の種類別平均時間ということを見ますと、「高齢者では住居内での滞在期間が長くなるために、転倒事故の発生頻度も屋外に比較して住居内では相対的に高まることが予想される。」こういうレポートがあります。さらに、「公衆衛生情報」という雑誌に載っておりました東京都老人総合研究所の調査によりますと、「住宅形態別に問題の指摘率をみると、どの項目を取り上げても住宅形態との間に有意な関連性がみられる。一戸建て持家、集合持家は低い指摘率を示すが、公営住宅、公団・公社の借家、民間借家は大変高い指摘率となっている。」つまり公団、公社、公営住宅、なかなか住みにくいということを老人総合研究所というところが指摘をしているわけです。
 いろいろなところから、今住宅政策に対する問題に対して、これからの老人対策、高齢者対策に対しては、非常に熱い視線が送られていると私は思っているわけです。いろいろな文献を読みましても、住宅対策あるいは都市対策、道路対策等々がこれから非常に大きなウエートを占めてくる。ですから、そういうものを想定をされて、いろいろな方々の知恵、いろいろな縦割り、横割りの垣根を取っ払って、これからどういう社会をつくっていくのかということを想定をしていきながら頑張っていただきたいというふうに思っています。
 同じような問題で道路局の方にお尋ねをいたしたいと思うのですけれども、私は昨年九月に国道三号線を七キロほど歩きました。これは、いわゆる道路行政をちょっと調査しようという高尚な思いで歩いたわけではありません。いろいろな記念行事がちょっとありまして、その中で七キロ歩いたわけでありますけれども、七キロ歩いたその短い距離の中で、実は歩道を歩いておりますと十回近く歩道が通れない。車道におりて歩かなければならない。そこには段差があるとかいろいろな障害物がある、電柱がある、いろいろな問題があると思うのですけれども、とても通れるような幅がないところも実際上ありました。私、四十になりますけれども、私のような男でも車道に出なければならない。つまり、これが障害を持つ人や高齢者にとっては大変な負担になってくると思うわけです。そういう意味で、これからの歩道のあり方ということに関して、道路構造令の見直し等々、どういうことを今考えておられるのか、局長にお尋ねをいたします。
○藤井(治)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のように歩道、これはいろいろな意味で大事でございます。交通安全の面から見ましても、事故の四割が自転車及び歩行者の段階で起きております。そういう意味で、私ども歩道を重要視しておりまして、これをつくる際に、まず新設とか改築とかいうような場合には道路構造令の規定に従ってつくらせていただいております。ただ、現実に既存の道路で緊急に歩道空間を確保したいという場合について、あと五十センチ本当にあればいいんだがなと思ってもなかなか譲っていただけません。そういう場合に、だから歩道という通行空間をそこに指定することができなくなるとまずいものですから、交通安全法施行令の第一条第二項の規定によって、構造令によらなくともつくることができるという一種の弾力規定を設けさせていただいて、その地域の状況に応じて歩道というのをつくっております。
 しかし、例えば今先生が御指摘いただきました車いす利用の方々、車いすの幅が六十三センチでございます。したがって、どんな空間であっても六十三センチぎりぎりでは通れません。なるべく広くしなければいけません。また、段差といいましても、車いすは二十五ミリ以上は越えられない構造になっております。したがって、どんな段差も二十五ミリ以下ということで、私どものこういう場合の通達といたしましては、段差については二十ミリ以下にしなさい、どんな場合でも二十ミリ以下にしなさい、こういうようなことを入れながら、また歩道が狭い場合にどうしても電柱が邪魔になります。ですから、なるべく電柱は地中化させる。特に、例えば身体障害者の学校がそばにあるというようなところでは、積極的にそういうものの地中化を図るような指導、電柱の地中化あるいは不法占用物件については、これはなかなか言うべくして難しいのですけれども、協力いただいて撤去していただくというようなこと。それからもう一つ大事なのは、車いすを例にとるのが一番いいのですが、歩いていきますと、今先生がおっしゃったように、動線としては歩行者の動線がつながりません。したがって、これをつなぐということがまず大事でございます。
 それからもう一つは、この車いすがおりたり上がったり、要するに歩道を切り下げておるわけです。よく車庫のときに、家の車庫の人は歩道を切り下げて、車道からずっと車庫に入れるように構造をつくっております。これはどう考えても車優先の歩道の切り下げというような気がいたします。そこで、私ども今やろうとしておるのは、歩道に車道を合わせる、言ってみれば歩道を切り下げなくて車道のところにすりつけて、車の方はエネルギーでもって上がるのですから、車いすの方は人間の力でもって行くわけですから、車いすの方が真っすぐ平たん性を保って歩けるような、そういうふうな構造に切りかえていかなければいけないというような形。あるいはガードレールにいたしましても、手すり機能のついたような防護さくをなるべく採用していくといったように、なるべく細やかにこういった歩道の質の改善をしていくというようなことで、今物の考え方の切りかえを始めさせて、その指導をいたしている最中でございます。今後の新しい五カ年計画を立案する際には、さらに一層そういう点を強調しながらやってまいりたいと思っております。
○松本(龍)委員 今お伺いをして、大変細かくお話をされて、私も全然知らないことをお答えをいただいて今勉強になったわけでありますけれども、先ほど住宅局にお話をしました。また、道路局にお話をいたしました。
 今、寝たきり老人の原因の二番目に、家庭内の事故ということが挙げられています。一九八六年では六十万人、二〇〇〇年には百万人のオーダーで寝たきりあるいは寝かせきり老人がおられるというふうなことが、今想定をされているわけであります。人に優しいといいますか、老人に優しいあるいは身障者に優しい歩道づくりということは、これは言ってみれば我々の責任でありますし、これからそういうものを想定していきながら、細やかな行政の策定が要るのではないかというふうに思ったわけであります。そして、そのことはこのレポートにも書いてあるんですけれども、家族の負担や老人医療費、社会福祉に要する経費など、国民レベルの経済負担の軽減も期待することができる。つまり寝たきり、寝かせきり老人を少なくすることが、実はそのための施策が、これからは経済的負担を少しでも低めてくる、そういうインセンティブになってくるというふうに私自身も思うわけであります。
 さらに、今局長が言われましたけれども、電柱の地中化の問題であります。今地中化工事の実情あるいはどの程度のキロ数で行われているか、簡単にお答えを願いたいと思います。
○藤井(治)政府委員 お答えいたします。
 電線類の地中化につきまして組織的に開始しましたのが、実は昭和六十一年からでございます。それまでは、単発的にはございましたけれども、私ども政策として六十一年から行いまして、いわゆる企業者という、電力あるいは電電といったような方々と一緒になってこの六十一年から平成二年までの五カ年間、そのときに立てた計画は十年間で千キロという計画を立てたわけでございますが、円高差益等々にも恵まれまして、この五年間でキャブ方式、いわゆる地中化の共同溝みたいなものでございますが、そういうものと単独地中化、合わせて千キロすることができました。さらにことしから、平成三年度から平成七年度までの間に、この経験をもとにさらに五カ年間で千キロさせていただきたいというふうに思っております。
○松本(龍)委員 私は、地中化工事は大変重要な意味を持っているというふうに思います。さまざまなものの障害になる上に、また、防災の面あるいは交通安全の面、あるいは例えば今道を歩いておりますと、電線があるために緑が切られている、そういうところも見受けられます。そういう意味で、これからの地中化工事の推進というのは、さまざまな意味でいろいろな効果を生み出してくる、むしろ非常に望まれているというふうに理解をしているわけであります。
 さらに、昨年台風十九号の被害が全国各地でありました。大変な被害があったわけでありますけれども、とりわけ中国地方を襲った塩害の被害であります。電線に塩がかかって、いわゆる機能ができなくなったという被害でありますけれども、昨年のちょっと取り寄せました資料によりますと、十九号の被害で配電設備、中国電力では電柱の折損が五千六百八十六本、電線断線等が七千七十四条というふうに報告をされています。そういう意味では、こういう災害に対しても私は地中化、非常に推進をしなければならないというふうに思っているわけでありますけれども、こういう日本という国は災害立国といいますか、火山、地震、風、雨、いろいろな意味でそれを克服する形で日本という国が技術をつくり上げてきた、まさに災害大国が技術立国を生んできたというふうにも私は思っています。そういう意味で、これから公共投資四百三十兆円ということも言われております。また、道路行政の中で機関車役としてこの地中化工事をぜひとも推進をしてほしい、私自身応援をしているところであります。
 さらに、いろいろな意味でこの地中化工事の問題は、先ほど言いましたように、道は道路局でありますけれども、道路の下は例えば通産マターであるとか郵政マターである、上も郵政マターであるとか、いろいろな縦横の関係が私は障害になっているということもあると思います。そういう意味で、生活に密着したこういう事業は、やはりそういう縦割り、横割りの行政を取っ払った形でこれから推進をしていく必要があると思いますけれども、今建設大臣うなずいていらっしゃるんで、お答えをいただこうとは思っておりませんでしたけれども、大臣の御答弁をお願いしたい。
○山崎国務大臣 ただいま松本委員は、台風十九号の影響による、中国地方において塩害が発生したということを例としてお挙げになりまして、電線の地中化を進めるべきではないか、そう御指摘になりましたのでうなずきました次第でございます。
 電線類の地中化は、御説のとおり塩害を防止する観点からも有効であると存じますので、縦割り行政の弊害を極力避けまして、積極的に推進してまいりたいと考えております。
○松本(龍)委員 ありがとうございます。
 私、今時間の半分いただいてこういうお話をさせていただきました。なぜこういう質問をしたかといいますと、「老人の居住環境として重要な条件は、住み慣れた住宅と居住地に住み続けることである。見慣れた風景、気心が知れ何でも頼める隣人、顔見知りの商店や医者、真暗闇でも動き回れる勝手知った家、こういう環境が生活を支えている」というレポートが、年金総合研究センターというところから出されています。また、デンマークの例でも、高齢者サービスの三原則ということで、自己決定の尊重、つまり自分で物事を決めていくということですけれども、さらに二番目に継続性の尊重、つまり住みなれた家、日常なれ親しんだものを継続をさせていく、そのことが必要であるというふうに言われています。三番目には残存能力の活用、つまり寝たきりにしない、寝かせきりにしないという、そして自分が持っている、難しい言葉で言いますとADLと言いますけれども、そういう残存能力を引き出すことによってお年寄りを活性化していく、そういう施策がデンマークあるいは欧米の福祉先進国ではやられているわけであります。福祉のあり方についてはいろいろな議論がありましょう。また、私自身も福祉の専門家ではありませんのでここでは多くは述べませんけれども、そういうものが必要であるということでお話をさせていただきました。
 実は、都市局にもお話をお伺いしたいと思っておりましたけれども、都市の問題ということに関しても、これからは非常に大きなウエートがこの問題に対してもかかってくるだろうというふうに私は思っています。一つの例を挙げますと、先般、私ども都市の問題の勉強会をしておりましたら、学校が今、子供たちが少なくなることによって統廃合が行われている、そういったときに、学校を老人ケアの拠点にしてはどうかという意見も出ました。さらには、ここ二十数年間、いろいろな箱物が各地で建っています。その箱物の維持管理が大変だということも、いろいろな報告で出ています。ですから、そういうものの再利用、拠点をどこに置くか、いろいろな意味で、これからの問題として関係各局あるいは各省と連絡をとり合って、十分推進をしていただきたいというふうに思っているところであります。
 話は変わりますけれども、昨年三月十四日は広島で橋げたの落下事故が起こりました。松戸の大きな事故、トンネル事故もございました。今回、二月の十四日でしたか、海上自衛隊の厚木で事故が起こりました。この間の委員会でも取り上げられたところでありますけれども、私は口を酸っぱくして事故の問題を取り上げてまいりました。その中で、建設省としての見解、建設省としての事故の反省をしっかりやるようにということを申し上げたところですけれども、そのことについてもう一度建設省にお伺いをしたいと思います、どういう反省をされているか。
○伴政府委員 特に建設業の労災事故、特にその死亡事故が絶対数としてはなかなか減らない、割合としても減らないという状況にあります。加えて、今御指摘のとおり大事故が続いているわけでございまして、これにつきましては、本当に発注側も含めた関係者がそれぞれ自覚を持ってこれに取り組む必要があるのである、それでないと事故が減ちないのではないかという反省を、絶えずしておるわけでございます。特に、こうやって事故がたびたび起こっていることもありまして、それでこれもまたいろいろな工種がございます、専門がございますので、それぞれに分けて省内でも一生懸命に検討してまいりました。その結果の集大成が、実は先般も御紹介申し上げましたけれども、建設工事安全対策委員会というのを事務次官ヘッドで設けまして、この一月二十九日に取りまとめたわけでございます。
 その中にもうたっておりますけれども、一つは、建設工事に従事している者一人一人が安全意識を高めるということが大事だと思っております。それから、いろいろな大事故の経験から見ましても、やはりそれぞれが、その現場におります技術者、作業員がそれぞれ責任を持ってその安全対策を講じ、しかもそれが強制的でなくて、自主的にしかもチームワークよく安全施工ができる体制とか環境を整える必要があるのではないかといったことも、その基本方針として考えております。それから発注者の方のサイドも、現場ごとにいろいろ諸条件が変わるわけでございますので、その計画、設計の段階からそういうことを十分配慮いたしますとともに、適正な工期あるいは安全対策費用、そういったものについても十分見ることが必要だ。それからあわせて、事故も余り厳しいことばかりではなくて、できれば安全に対して一生懸命努力すれば、それをプラス評価するようなことも考えなければいかぬというようなことでございまして、そんなことを基本方針として、具体的な今後取り組むべき安全対策を幾つか出したわけでございます。これをこれからの建設省の取り組む工事安全対策のバイブルといたしまして、建設省のみならずほかの発注者にも、あるいは建設業界にも普及徹底していくような形に進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○松本(龍)委員 建設省が出しておられる工事安全対策というものが一月二十九日でしたか、これは私も拝見させていただいたのですけれども、これをつくって、どういう時期にどういう人たちにどういうふうに公開をされるのですか、お聞きをします。
○伴政府委員 これはいろいろな形であれしておりますが、一つは、まず直轄の工事もみずからこれについてはやるということがございます。それから発注者サイドから先に申し上げると、ほかの発注者に対しても建設省はこういう方策をとった。その中に、特に例えば工事の安全基準のようなこともございますので、その改定も急ぐというようなこともございますから、そういうこともやっていきたいと思っております。それから、業界団体の方にもこれをもちろん普及していきたいと思いますが、そのときに特に必要なのは業界団体、元請、下請いろいろな立場がございますので、専門工事等がございますので専門工事団体と、したがって元請と下請の関係でいろいろ元請、下請問題を協議します建設生産システムの合理化推進協議会というのがございますから、そこでもこの安全対策をメーンテーマとして取り上げて、元請、下請それぞれこれを指針として責任を持って安全対策に取り組むようにいたしたいと思っております。
○松本(龍)委員 私もこの工事安全対策というものを読ませていただきました。確かに今までにない観点からの安全性ということがうたわれているということで一部評価をいたしますけれども、この中身は、やはり従来いろいろな事故があったものの反省から生まれたのは私はわかるのですけれども、これから先手先手ということをやはり安全の場合は追求をしていかなければならない。そのことが、この中身では余りうかがえないな。言ってみますと、ここに書かれていることは実は五年ぐらい前から書かれていなければならなかったのじゃないか。そのことが実は、安全に対する方針をきっちり打ち出すことではなかったかというふうに私は今思うわけです。つまり、先読み先読みをしていきながらリスクファクターを除去していく、いろいろな意味でそのことがこれからの安全施策に対して非常に大きな意味を持つというふうに私は思っています。
 その中で、示唆に富む文献がありましたのでちょっとお話をさせていただきます。昨年の「JRイースト」の十一月号という中に柳田邦男さん、いわゆる民俗学の柳田さんではなくて、有名なNHK出身でいろいろな安全や災害について研究をされておられる方ですけれども、「人間には、動物としての限界があるわけです。それに対して、技術の進歩はものすごいですね。しかも、システムが大きくなると、新しい技術と古い技術が共存する。そこに、さまざまな錯覚が生じる。人間と機械は、もう古典的といってもいいくらい、昔から同じ過ちを繰り返している間柄なのです。」中略しまして、「安全というものは現場の人間を叱咤激励すれば向上すると考えられていたんです。つまり、「事故を起こすな!」と口を酸っぱくして教育し、事故を起こした者を処罰すれば、安全は実現できると思っていた。しかし、そうした考え方は、見事に破られた」と書いてあります。さらに「安全を確保するためには、もっと人間を研究しなければいけない」ということも書いてあります。さらに私、昨年の橋げた事故で言いましたいわゆるハインリッヒの法則、「死亡事故一件の背景には、怪我をする程度の中くらいの事故が二十九件、怪我に至らなかった小さな事故が三百件ある」ということもここで述べられています。「大事故というのはこここ非常に重要なところなんですが、「何か一つの特殊な原因があって起こるのではなく、日頃起こっている小さなトラブルや小さなミスが、悪条件の重なり合いの中で不幸な結果に転がり落ちていくという構造をもっているんです。」つまり「危険要因を洗い出し、先手、先手で改善する」必要があるというふうにここでは書かれています。まさに私はそのとおりだというふうに思います。
 そういう意味で建設大臣、これからの安全対策について決意のほどをお伺いをしたいと思います。
○山崎国務大臣 数々の大事故がございました。とりわけ二月十四日の自衛隊厚木基地での重大事故が発生したばかりでございまして、まことに残念至極に考えております。お亡くなりになった方の御冥福をお祈りをいたしておるところでございます。
 そこで、先ほど建設経済局長からお話を申し上げ、また委員もよく点検していただいておるようでございますが、総合的な工事安全対策、一月に公表したばかりでございまして、もっと早く徹底をしろという御指摘ではないかと受けとめておるのでございます。この点、さらに一層徹底いたしますように尽力する方針でございます。建設工事の安全確保は何よりも重要な事柄であると存じますので、小さな事故の積み重ねが氷山の一角として大きな事故になる、なるほどと思って承っておりましたが、そのような見地で、さらに安全対策を今後とも全力を尽くしてやってまいりたいという決意でございます。
○松本(龍)委員 頑張ってやっていただきたいというふうに思います。
 それでは、公共事業の労務費調査の実情についてお伺いをいたしますけれども、おととしぐらいでしたか、年に二度ということになってまいりました。そのことは評価をいたすわけでありますけれども、今調査の結果が実勢を反映しているかどうか、また調査の実態等々もあわせてお尋ねをしたいと思います。
○伴政府委員 公共事業の労務費調査の問題でございますが、公共工事の特に予定価格を算定するときに、大変重要な要素になっているわけでございます。それで、その公共工事の予定価格は予決令がございまして、予決令の規定でもって、予定価格というのは取引の実例価格等を考慮して適正に定めなければならない、だから実勢はどうだということを反映させてやれ、こうなっております。その予定価格の要素の中でも、この労務単価というのはウエートも大変高いわけでございまして、実勢をきちんと正しく把握して決定する必要があるというふうに心得ているわけでございます。そこで、どうやって実勢をとらえるかということで過去いろいろ検討されたのだと思いますが、現在たどり着いておりますのは、実際の賃金台帳を見まして、それでもってそのときの実勢価格を見て、もちろん実際に価格を出すときには時点がずれておりますので、時点修正をするというようなことをしておるわけでございます。
 これはもう御案内のとおりでございますけれども、公共工事を発注する主要官庁が農水省、運輸省、建設省、三省庁でございますので、三省庁が共同いたしましてこの労務費調査をやっているわけです。やり方は、三省が所管しております公共工事の中から工事現場を選びます。これはもう抽出して選びますので、全国で一万三千件程度の工事を選びます。対象労働者数にしますと十五万人ぐらいになります。この現場に参りまして実際の賃金台帳を見せていただきまして、しかもそのときに、大蔵省の財務局の方も立ち会っていただいて、それで厳密に審査していただいておるところでございます。その賃金台帳も、それを見るときに、対象労働者が確かに賃金受領印を押しているかどうかといったようなことも確認いたしまして、賃金が支払われているという実態を把握してからやるというようなことをしておりまして、現時点で考えられる最も公正な方式かな、実勢を正しく反映したデータではないかなと思っております。
 実際とは違うじゃないかという御指摘を受けることが多いわけでございますが、何といいましても賃金台帳をもとにしておりますので、この調査の基礎となる賃金台帳のデータが正しくなっていなければいかぬということが一番大事だと思っております。したがって、賃金台帳を正しく書いてもらうということを繰り返し申し上げておりますし、言っているだけでもあれなので、建設業団体ともう毎年のように賃金台帳の整備の推進キャンペーンというのをやっておりまして、そういうことでもって賃金台帳の整備をきちんとやるということを運動して、正確を期しているというところでございます。
○松本(龍)委員 今、実勢をある程度反映しているというふうに言われました。実は、いろいろなところからのお話を聞きますと、いろいろなところで変化がある。言ってみれば、総合工事業者から専門工事業者に、いわゆる第一次の賃金であるのか第二次、第三次の賃金であるのかがよくわからないというふうなこともあります。そういう意味で、言ってみればこれが第何次の賃金なのかということを、例えば調査の中で調べる、これはできることなのではないかと思うのですけれども、お尋ねをしたいと思います。
○伴政府委員 実際には、現場で働いておられる方のそれぞれいろいろ職種がありますので、その方々の賃金ということでありますから、そこで働いている方が、例えば元請に直接雇われた方、あるいは二次、三次の下請の方というようなことで、それも全部ひっくるめてやっております。そのデータはすべて同じ扱いで、とにかく同じ現場でもってどういう層の業者の方であろうとみんな同じように扱うという意味で、同じ扱いにした方がより適当ではないかというふうに私どもは考えております。
○松本(龍)委員 私が今申し上げましたのは、例えば構造改善推進プログラムでも、先ほどの工事安全対策の要綱ですか、ああいうのを見ましても、今の建設業が分業が進んでいる、重層化が非常に進んでいることがあるから、やはり構造改善をしなければならないということをおっしゃっているわけです。つまり、その中でやはり重層化が進んでいる結果、言ってみればその結果がこの労務費調査にあらわれてくるということも実際あると思います。
 つまり、私は余りこれは言いたくなかったのですけれども、福岡の労務費調査を調べてみますと、九州八県の中で福岡が、いわゆる十業種の中で六つぐらいが最下位なんです。その中で格差といいますか、二千円、三千円の格差があったりする、これは非常に大きいと思います。つまり、その調査がどういうふうに設計単価等にはね返ってくるかは私は調べておりませんのでわかりませんが、やはりこれは――私は福岡の賃金を上げよとかいう狭い了見で今話しているのではありません。つまり私が言っていますのは、重層化が進んでいるから、総合工事業者、次の専門業者、次の専門業者ということになって、そこの最後の業者のいわゆる価格に反映をされてくる、そしてそれがまた設計の単価に反映をされてくる。そうすると、やっぱりまたこれは下がってくるわけです。そうして今度は、またそこで調査をされて低い価格が出てくる、そしてまたそれがはね返ってくる。これはどう考えてもそういうふうにならざるを得ないと思うわけです。言ってみれば、重層構造が悪いということを建設省は多分おっしゃると思います。企業の努力が足りない、健全ではないということをおっしゃると思いますけれども、実際そういうことがあるということの救済措置といいますか、そういうものがやっぱりこれからあってしかるべきではないかということを私は申し上げたいというふうに思います。もう時間がありませんので、これはそういうことを要望していきながら、実勢に近いような、本当に実勢が反映できるような労務費調査をこれからも鋭意行っていただきますように、努力をお願いをしたいと思います。
 最後になりましたけれども、国土庁にお伺いをいたします。
 昨年の十二月の質問で雲仙・普賢岳のことをお尋ねをいたしました。その中で私は、昨年の六月三日の火砕流の発生で大変な人たちの人命が失われた、さらにはもう長い期間避難を続けておられる方が今八千名おられるということも聞いています。そういった中で、災害対策基本法の中にあります警戒区域のあり方について、現場に行きまして非常な疑問を持ちました。つまり、災害対策基本法の中では、第六十三条で「災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、人の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、警戒区域を設定し、災害応急対策に従事する者以外の者に対して当該区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該区域からの退去を命ずることができる。」とあります。こういった中で、市町村が警戒区域を指定をするということは非常な勇気と決断が要ります。まさに目の前に災害が来ないと警戒区域を指定をされない。しかも警戒区域に指定をすると、すべてのものをそこに置いていきながら、土地を手放しあるいは家を手放し、商売をされている方は品物を手放して避難をしなければならない、そういったことが島原では、あるいは深江町では行われてまいりました。
 そういった中で、現地の人に聞きますと、法で避難をしたんだから法で措置をしてくれというふうな声がありまして、それも一理あると私は今思っています。そういった意味で、第二次災害が怖いんだというふうに現地の人は言われたのです。つまり、なかなか警戒区域に指定をされない、警戒区域に指定するとあれだけ厳しい思いを住民の人たちがするということを、目の当たりにしたわけです。ですから、災害対策基本法あるいは警戒区域のあり方について、これからせめぎ合いのところで何らかの協議をされているかというところを、やはりお聞きをしたいと思います。
○佐野(徹)政府委員 お答え申し上げます。
 警戒区域の設定に対しまして個人補償のようなものを行うことができるかどうか、こういうお尋ねであろうかと思いますけれども、まず基本的な問題でございますが、個人の方が災害によりまして被害を受けられた、こういう場合にはやはり自助努力で行っていただく、これをまず基本に考えております。特に、災害対策基本法に基づきまして警戒区域を設定する、これに関します災害対策基本法の現行の制度の趣旨でございますけれども、やはり住民の方の生命なり身体なり、こういうことの安全を確保するというのがこの警戒区域設定の制度の趣旨である、私どもこういうように理解をいたしております。したがいまして、ほかの方々だとかほかの公共目的、こういうために設定をしておるものではないという考え方に立っておるわけでございますので、まあ補償と申しますか、これを行うというのはやはりなかなか難しいということにつきましての御理解をお願いしたいと思います。
 それから、設定権限の問題でございますけれども、現行法では市町村長が警戒区域を設定する、こういうようになっております。これは、現場の実情と申しますか、こういうことにつきましてはやはり市町村長が一番熟知しておられる、こういうことで、やはり設定権限は市町村長にお持ちいただくのが一番適当なのではないかと考えております。ただ、今回の島原市、深江町の警戒区域の設定にかかわりましても、やはり長崎県の知事が島原市長や深江町長と十分に御相談と申しますか相談に乗っておられまして、まあ現行の制度がうまく活用されておるのではなかろうか、こういうようにも感じておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○松本(龍)委員 私がお伺いしたのは、補償の問題とかそういう問題ではなくて、まさに三月の初めにまた普賢岳の近くで土石流が発生をしました。あそこは避難勧告区域だったと思いますけれども、そういう状況で、その避難勧告区域とか警戒区域とかは、この長い間の、これだけの警戒区域というのが想定をされてあの災害対策基本法ができたと私は思っていません。そういう意味、これほど長いものがある、しかも住民の人たちは立ち入りたいと言っている、しかし市町村は人命第一ということで立ち入ってはいけないと言う、そこのところのせめぎ合いがずっとこの間続いてきている。そして、私は火砕流を実際見ましたけれども、やはり目の当たりにすると怖かったのです。そういう意味で、なかなか市町村はこれだけ厳しい警戒区域という指定ができない、そこのところの警戒区域というもののあり方の見直しの検討です、私が言っているのは。やはりこれから、これほど長く警戒区域が発令されると想定をされていなかったということを教訓として、決してもう二次災害は起こさないというものを検討してほしいと思います。
 雲仙・普賢岳のことで、政務次官おられますので、これからの対策に対する決意をお聞きして終わりたいと思います。
○前田政府委員 松本委員御指摘のとおり、確かにこういった災害は我々といたしましても初めての経験といった面があります。こういった経験を踏まえて我々も勉強をさせていただいて、さらなるいい方向に持っていきたいと考えておるところでございます。
○松本(龍)委員 終わります。
○古賀委員長 石井智君。
○石井(智)委員 大臣、連続の予算委員会等でお疲れのことと思いますが、この後また予算委員会の方へ出向いていただかなければならぬということでございますので、最初に大臣の御所見を賜っておきたいというふうに思います。
 宮澤内閣が発足をいたしまして、生活大国を目指そうというのが大きなメーンでございます。その中で、建設省の役割というのは非常に大きなものがあるわけでございます。今日まで経済大国と世界から言われて、日本も言葉だけは歩いているような気がしますけれども、なかなか私たちの実感の中にはそのことが生まれてこない。結局為替が三倍になったというだけで数字がひとり歩きしている形で、このことが生活のところへまで及んできていない。そして、そのことが実感の中で、生活レベルの問題、物価もありましょうし生活空間もありましょうし、夫婦共働きでなければ食べられないような社会構造になってきておる。まあ女性参加はいい方向ではありますけれども、結果的にそのことがお互いの生活を窮屈にしておるのではないかな、そういうような思いがしておるわけでございます。
 その中で、社会資本をいかに整備をしていって、そして心のゆとりを実感のできるような社会整備というものは何だろう、それを今いろいろ考えておるわけですけれども、昔は何らかの、整備ができていない中にも生活の環境の中に情緒ある生活というのか、そういうものが心をいやしているというか満たしているところがあったのではないかな、そういうような気がするわけです。それが今日まで、戦後復興の中で住宅難だなんだという形で、何とか提供をするという立場で今までの公共施設というのか社会資本整備というのが行われてきて、その中にそれぞれの個々の思い、選択肢が取り入れられる余裕がなかったのではないかな、そういう気がしておるわけです。
 それで、これから幸いにして、この日本の社会資本整備というのは非常に立ちおくれておる、その立ちおくれが結果的にこれから整備をしていくことによって世界に誇れる新しい社会資本整備の形態というものを見つけ出していく一番最大のチャンスを日本はいただいておるのだな、そういう思いがいたしておるわけでございます。そのことを生かしていくには、やはり個々がいろいろな角度から、年齢別、性別、地域の特性、いろいろなものを加味していろいろな角度からの選択肢が生かされてくる、そういうような立場での社会資本整備というのをこれから方策の中に主題的に取り入れて考えていかなければならないのではないかな、そういう思いがいたしております。そのあたりのこれからの、大臣として、宮澤内閣の主要閣僚としては将来は内閣総理大臣となって日本を動かそうと意気込んでその御努力をいただいておる大臣に、ひとつ御所見を賜りたいというふうに思います。
 時間がないので、ちょっとあわせてあと二つほどお伺いしておきたいと思います。
 一つは、日米構造協議の中でも経済摩擦という問題が非常に大きな中に置かれております。そういう中で、公取委が独禁法の談合問題を少し規制をしていこう、こういうことを一つの指摘の事項として今取り組んでいるわけです。それで、その談合の最大の分野というのが建設業界にあるということもまた一つの要因でもあろうと思いますが、そういう中で、日本の今までの談合がいい面と悪い面と両方持ち合わせていたとは思うのですけれども、そのことが日本が世界の中で生きていく、そしてまた日本の業界を公正な業界にしていく、そういう立場で談合問題というのを掘り下げて検討をする必要があるのではないかな、そういうふうに思います。そういう中で、この建設業界の談合問題というのはこれからやはり少しメスを入れなければならない、そういう思いがいたしております。
 そういう中で先ほど、閣僚の中では大臣がお一人だったと思いますが、独禁法の罰則強化について、やはり業界を守るためにはその罰則は重過ぎる、こういう立場での、この談合を一面容認をして、あって当然、だが罰則がきつくては業界がもたないんだ、こういう立場のようにお見受けをしたわけですけれども、談合を解消していく方策というのかそのあたりと、それから指名競争入札そのものが談合を生んでおる、いわゆる本則に戻って一般競争入札の方向への議論を深める必要もあるのではないかな、こんな思いがいたしておるわけですけれども、ひとつそのあたりの御所見を賜りたいと思います。
○山崎国務大臣 まず第一点の、生活大国づくりに関する石井先生の御提案と申しますか、非常に示唆に富んだものであると存じます。情緒ある生活というお言葉もお良いになりまして感銘を受けたところでございますが、今日までお話のとおり経済大国と日本は称して、自他ともに許してきたと思うのでございます。それは、国民の一人当たりの所得が世界最高水準に達しましたこと、GNPが世界の中で一五%を占めるに至りましたこと等をもってその根拠といたしておるのでございます。だがしかし、国民の生活実感といたしまして、どうも欧米諸国に比べまして必ずしもゆとりがない、豊かさが相対的に乏しいというような点がございましたことは間違いないと思うのでございます。
 そこで、これはいろいろな原因がございましてそうなったと思いますが、例えばウサギ小屋に住む働き中毒とかそういうやゆも受けたのでございますが、この狭隘な国土の中で、住宅の面積が非常に小さいというようなこともあったと思うのでございます。そこで、一九九〇年代は住宅・社会資本の充実を行っていく一番大切な時期、時代ではないか、そう考えておるのでございます。宮澤政権も、生活大国づくりを標榜いたしておるのでございます。
 一例を挙げますと、下水道の整備は、これはかねてから言われておったのでございますが、まだ人口普及率が四四%にとどまっておる。イギリスのような国では九〇%をはるかに超えている。これはもう随分以前からそういう格差がございまして、我が国はキャッチアップすべく努力をしてきたところでございますが、どちらかと申しますと、いわゆる我が国の産業力を高める方向でシフトしておったと思うのでございます。産業活動のインフラ整備の面にかなり国民の意識もございましたし、政策としてもそういう点にウエートがあったように思いますが、これからは国民生活の充実の方に、生活重点化枠という予算の措置が講ぜられておりますように、できるだけシフトしてまいりたい。そして、いろいろな指標が示しておりますような住宅、公園、下水あるいは地域の道路整備等々に重点を置いて生活大国づくりを目指してまいりたいと思いますので、一層の御指導をお願いしたいと思います。
 それから独禁法のことでございますが、談合を容認する立場から独禁法改正について意見を言ったのではないかという御指摘がございましたが、全くそのようなことはございません。建設業界におきましても公正な競争が確保されるということは当然のことでございまして、今後ともいわゆる談合のようなことがないように行政としては指導してまいりたいと思っております。容認する考えはございません。ただ、私が申し上げましたのは、我が国の独禁法は世界に例を見ない点がございまして、それは課徴金とそれから罰則と申しますか罰金と、二つの両建てに実はなっておるのでございます。課徴金は昨年の七月に改定されたばかりでございまして、大企業で六%、それから中小企業で三%の当該売り上げに対する課徴金が科せられるということになったのでございます。
 ところが建設業界、建設業におきましては、それだけの利益率を実は上げておりません。この六%というのは、大体平均五・九%という統計数字を基礎としてつくられたと聞いておりますけれども、実際は建設業では三・四%程度、中小では二・四%程度でございまして、この課徴金自体がいわば負担能力を超えております関係から、実は罰金的な性格もあわせ持ってしまったというのが実態ではないかと思うのでございます。したがって、新しく罰金を強化するということであるとするならば、現行の五百万円はいかにも低いということは私も認めております。ただ、これを数億円に引き上げるということになりました場合は、そういう業界の実態に照らしまして、負担能力のある水準までの引き上げを検討すべきではないかということを申し上げたわけでございます。それから、大企業と中小企業におきましては、また負担能力に大きな差があるということも指摘をさせていただいた次第でございまして、先生が御指摘されましたような、談合を容認する立場からこのような発言をしたわけでは決してございませんので、その点は御理解いただきたいと存じます。
○石井(智)委員 どうも大臣、ありがとうございました。
 それでは、今日本は経済大国といいながら、やはり生活実感がなかなか生まれない、そのための生活大国を目指すんだ、大臣の御決意も非常に大きなものがあるというふうに感じたわけでございますが、そういう中で建設省が占める役割はたくさんあろうと思いますが、その中でとりわけ住宅・社会資本整備、そういうものの整備を今後どういう方向で取り組みをなされていこうというのか。いわゆる、先ほども申し上げましたように、いろいろな角度からいろいろな選択肢を見つけ出していく、設けていく、そういうような方向もお考えいただいているのかどうか。今、おくれを取り戻すための社会資本整備をするんだということのみで、今後の方向というのはいかがなものだろうかというふうに思うわけですけれども、そういう点で、社会資本整備についてお考えをお伺いをしたいというふうに思います。
○金子(一)政府委員 石井先生今御指摘いただきました多様な選択という中で、やはり私たち建設省のやっておりますのはいわば空間の豊かさ、これは住宅の居住水準といったような広さの問題、また時間的な豊かさ、これは道路整備といったような問題であります。こういったような切り口以外に、石井委員がおっしゃられたような多様な選択という点でいえば、やはりその他の切り口、その他の豊かさ、例えば教育の豊かさですとか福祉の豊かさですとか、また自然の豊かさですとか、いろいろな意味でのそういったような切り口というものがこれから総合的に必要になってくるのであろうと思っております。
 ただ、そういう中で、御指摘の建設省がやっております公共投資、特に住宅面でございますけれども、委員御承知のとおり、第六期の住宅供給計画、五カ年計画に基づきまして、三本の柱を中心として今重点的に取り組んでおります。一つは、公営・公団等の公共賃貸住宅の的確な供給でございますし、二点目が、利子補給ですとか融資を活用しまして良質な民間の賃貸住宅の供給を促進していこう、三番目に公庫融資、住宅税制等によりまして住宅取得の、これは持ち家でございますけれども促進を行う、こういったような総合的な対策を推進してまいりたいと思っております。
 また、特に大都市地域におきましての地価の高騰問題、これによりまして勤労者が良質な住宅を確保することが非常に難しくなってきている。この住宅問題が深刻であること、その解決も重要であることは大変重要な課題として認識をしております。このためにも、大都市地域におきます住宅宅地供給の基本方針に基づきまして、国そして地方公共団体が一体となりまして各般の施策を強力に推進してまいっておるところでございます。
○石井(智)委員 豊かさを実感するのには、住宅政策というのは一番大きなウエートを占めるだろうと思います。そういう中で、今日まで住宅を供給していく中で、公営住宅というのは一種、二種という形での提供がなされてまいりました。それと個人の住宅というのは、より自分の嗜好に合った建物というものが非常に欲しいのだろう、こういうふうに思うわけですけれども、そういう中で個人の住宅を、持ち家を建てる。その中でも住宅公庫の融資を利用して建てようと思うと、一定の制約の中での対応しかできない、こういうようなところで何となく住宅政策そのものにもいろいろな分野での枠組みというものが形骸化してしまって、その枠の中でしか物事が考えられないような、そういう社会風潮というものが生まれてしまっているのではないかな。個性豊かな住宅をつくろう、自分の生活の実態に合った住宅をつくろう、そういう方策が今後やはりフリーハンドで選択のできるような、自分の個性が生かせる設計ができるような、そういう政策が取り入れられていってもいいのかなというふうに思いますので、ひとつ今後御検討をいただければというふうに思います。
 次に、とりわけ都市の生活というものを営んでいく上で、非常に都市計画というものが今後大き
な意味合いを持ってくるだろうと思います。そういう中で、今都市計画法がいろいろな分野で検討をされて、今後一部改正をしようという方向で議論がなされておるわけですけれども、今後やはり今までの方策というのか、本当のまちづくり――今までどうも都市計画というと経済活動を助長をするための都市計画という形で、生活というものがその圏外へ圏外へと追いやられる形での状態を生んできたのではないかなという気がするわけですけれども、そういう点で都市計画を今後どのように進めていかれようとしておるのか、御所見を賜りたいと思います。
○金子(一)政府委員 今度の都市計画の見直しの法案を提出をさせていただくわけでございますけれども、今度の計画そのもの、法案そのものが税制面、また金融面の施策とあわせまして地価高騰による土地問題、これが生じないように土地の利用を一方で規制する、そしてまた一方では誘導をしていこう、こういう制度を構築しようと考えておるところであります。
 特に重要な課題としましては、今おっしゃいました地価が高騰をしてしまう、そしてその結果事務所ビルが住宅地にずっと入ってきて、委員が御指摘されましたように外に追い出されてしまうといったような問題が現にあったわけでございますけれども、こういうような事務所ビルの住宅地への無秩序な進出、そしてその結果夜間人口が著しく減少してしまうという人口の空洞化、こういった問題に対処するために用途地域をさらに細分化していきたい。もう一つは、容積率規制を活用しまして、公共施設を伴った優良な市街地の整備を図りながら土地の有効利用をあわせて促進をしていこう。これは誘導容積制度と言っておりますけれども、これを創設すること、こういったようなことを検討しておるところであります。
 こうした土地問題を初めとして、土地利用上の諸問題、こういうものを解決を図りながら良好な環境の町づくりを推進すること、これが御指摘されましたゆとりと豊かさを実感できるような都市生活を実現する上で重要なことであると認識しております。
○石井(智)委員 次に道路の渋滞対策、駐車場という問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 今、旧ソ連邦が解体をして、経済的に非常に困難な状態がテレビで連日報道をされております。その中で、パンを買うのにあんなに列をつくって、長くよく待っているなという思いで日本の方々は皆見たと思うのですけれども、そういう中で、ある評論家が一点指摘をしておりました。日本の人の方がもっと忍耐強いよ、高速道路へ乗って三十分も一時間も待ち時間を平気で文句を言わずにいるんだよ、どちらの方が忍耐強いんだよ、そういう提起がされておりました。そういう点で、それほど日本の交通渋滞というのは大変な問題であろうというふうに思うわけであります。高速道路ばかりでない、一般道路というのは本当に道路であるのか待機場であるのかわからないような状態で、また、生きるために仕事をする、それにも二時間も三時間も通勤時間をかけて酷使をする、そういう状態が本当にいいのだろうかという思いがしております。
 そういうことも、いろいろな分野からやはり都市計画の中で考えていかなければならぬと思いますが、当面の道路の渋滞対策、そしてまた駐車場を、一応道路をより有効に使おうということで、路上駐車の追い出しを図る法案ができたわけでございます。そういう中で、いろいろな問題点を今醸し出しております。そういう点で、渋滞対策それから駐車場対策というか、そのあたりでの都市機能を麻痺している部分をどう回復させるのか、そういう点での御方策を賜ればというふうに思います。
○金子(一)政府委員 御指摘いただきましたとおり、交通渋滞問題というのが大変な社会的問題でございますし、この解決を図らなければいけないというのは国民的な課題であるということで認識しております。
 特に、単に時間的にロスをするということだけでなく、環境問題ですとか、またエネルギー問題、特に東京都内でいきますと委員御承知のとおり、今自動車の平均速度十七キロ前後でございますけれども、これを三十キロにスピードアップいたしますとエネルギーの効率が三〇%アップする、ガソリンが三〇%少なくなるということでございますけれども、こういうことで環境、エネルギー、また交通安全といったことでも大変大事な問題であると思っております。特に都市部におきます緩和、これに対しましては、抜本的には環状道路をつくっていく、バイパスをつくるというような体系的な道路交通網の整備、また緊急的な対策として渋滞交差点の改良、それから非常に狭くなってくる隘路部分の部分拡幅といったような既存の道路ストックを活用していこう。
 建設省で今やっておりますのは、六十三年からプランとして、渋滞の特に著しい都市圏について短期的な対策、中期的な対策、そして長期的な対策、三つに分けて取り組んでおります。短期的な問題としては、例えば交差点の改良でございますとか、中期的なものでは交差点を立体化しよう、さらに長期的なものでは、これはバイパスの整備といったようなものでございます。今アクションプログラムないしは推進計画というのを、渋滞対策緊急実行計画でございますけれども、三十その都市圏でつくりまして、平成四年末で八八%着手の予定でございます。また渋滞対策推進計画という意味では、これも約八〇%の着手が見込まれております。
 駐車場対策でございますけれども、これも今の渋滞問題と絡めまして、特にこういう渋滞問題というのが既存の中心商店街に対する活力の低下、駐車場がないから行かなくなってしまうといったような問題でございますとか、路上駐車によりまして交通渋滞を引き起こしている、交通事故を誘発している、こういったような問題から解決されなければいけない重要な課題として、計画的にまた総合的に推進をしていくということで今進めておるところでございます。
 特に平成四年度につきましては、駐車場法に基づき、市町村によりまして駐車場の整備計画をこの平成四年度に策定をしていただこう。二番目といたしましては、道路事業によります駐車場の整備を進めていこう。もう一つは、民間によります駐車場整備への助成及び既存駐車場、例えば土曜日、日曜日にあいております役所、役場ですとか、また銀行の駐車場を活用していこう。こういったような総合的な駐車場対策を、建設省として積極的に推進をしているところでございます。
    〔委員長退席、杉山委員長代理着席〕
○石井(智)委員 では次に、地方の活性化の問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 今日まで東京一極集中が叫ばれてまいりました。その弊害を最近、いろいろな角度から指摘をされてまいりました。しかし、その方向が一向にとどまりを見せないというのか、さらに加速をしているような状況にあるわけです。そういう中で、地方の活性化ということで地方拠点都市の整備をしていこうという形で今回郵政省、通産省、五省庁ですか、いろいろ協議の上で新しくその方策を提起をされようというように伺っております。今日までいろいろな角度でその御議論がなされていまして、その地域の新たな地域活性化へのモデルになるのではないかなと、非常に期待をするところもまたあるわけでございます。しかし一面、その事務所部門を地方へ移転をさせようというのが主眼のようでございますけれども、今ある東京、大都市の中心にある事務所部門というのは、その事業所にすれば心臓部であります。その心臓部が東京を離れ得る状況というのは、できればこれは大したことだというふうに私は思っておるわけですが、その辺はどのようにお考えをいただいて、この地域整備法というもので今後移していこうというのか。それが全国五十から八十という数に分散をしていこう、そしてまたそこでいろいろな都市機能を満たしていこう。総論としてというのか発想は非常にありがたい、いいお話だな、しかしそのことは本当にどうやってすればでき得るんだろうなという難しさみたいなものが先に考えられますし、形としてリトル東京というのかミニ東京が地方にできるような形であってはまたならないというふうにも思うわけであります。そういう点で、その地域地域の状況に合った、特性を生かした地域の整備というものをしていくために、今後どういう方策でどういうふうに取り組まれていこうとしてみえるのか。それぞれ地方自治体、知事にその指定権を与えるぐらいの役割を今回は持たしていくんだというような意味合いのお話も伺っておりますが、そういう点での地域整備、拠点整備法というもののひとつ新たな発想の視点というのをお聞かせをいただければというふうに思います。
○足立政府委員 地方拠点都市地域の整備の関係でございますが、平成二年度の国勢調査の結果、全国で人口減少県が十八に増加するなど、東京への人口及び諸機能の一極集中が進み、地方におきます活力の低下が見られる一方で、県庁所在地に人口の集中が続いているなど、地方部におきましても中心市への人口集中が見られるところでございます。御指摘のとおりでございます。このような現状を踏まえまして、地方拠点都市地域の整備と産業業務施設の再配置を促進することによりまして、地方の自立的成長の促進と国土の均衡ある発展を図ることを目的としまして、ちょっと長い名前でございますが、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案を国会に提出したところでございます。
 この法案におきましては、地方の自主性や創意工夫を生かすことを基本といたしまして、国は連携してこれを支援する立場に立つという考え方に立ちまして、手続面におきましては国は基本方針を示すにとどめまして、地方拠点都市の指定は知事が、基本計画の策定は市町村が行うということにしているところでございます。建設省といたしましては、今後、土地区画整理事業、市街地再開発事業の実施、あるいは道路、公園、下水道等の公共施設の整備、住宅宅地の供給等各種の支援措置を重点的に講ずることにより、地方拠点都市の整備を積極的に推進していきたいというふうに考えております。
 特に、東京から事務所を移すことはそう簡単にいくのかというような御指摘がございました。これにつきましては、そういう受け皿となります地方拠点都市地域を魅力ある地域として整備いたしますとともに、他方で、例えば地域公団が産業業務用の団地を造成するというような新たな業務を地域公団に追加する、さらにそこにおきます東京との間の通信機能を拡充するための施設への支援というようなことで通信・放送機構業務の拡充、それからまた税制上の特例といたしまして、二十三区から拠点地域へ産業業務施設が移りましたときの特別の買いかえ特例、それからその他特別償却、地方税の特例等諸施策を町づくりとあわせて、直接的な政策とあわせて地方への移転が誘導されるように努力していきたいというふうに考えておるところでございます。
○金子(一)政府委員 石井委員が御指摘されました、本当にこういう仕組みができてそれでもってうまく東京からの事務所なり、こういう想定されるような事業所というものが本当に行われるものだろうかということについての御指摘というのは、私たちもいろいろな議論をこれからもしていかなければいけないし、これまでもしてきたところであります。それだけ難しさを持っておると思っております。
 ただ、私の地元の例を引き合いに出して大変恐縮なんでございますけれども、私の市の隣町に、全く因果関係がないのですけれども絹の縫製工場ができた。何でこれができたのかなといいましたらば、やはり気候風土が合っているというところが出てきたのが一つであります。もう一つ、廃鉱というか非常に生産の落ちました、埋蔵の落ちました炭鉱が私の地域にもあるのですけれども、そこで従来やっていた事業所が人がいる、それから技術もあるということで、炭鉱から今度はいわゆるコンピューターのソフトの会社を東京からそちらに持っていってそこへ移転している、新しい会社をつくっているといったようなことが出てまいりました。
 やはり既存の、何かそれぞれの地域に合った、人という資源、それから風土という資源、それが多分全国で、それぞれいろいろな地域でこういうような仕組みを講じて行われていけないだろうか、またいけるだろう、それができるような仕組みというのを今回の拠点法の中でいろいろ準備していきたい、そういう基本的な考え方でございます。難しさは委員御指摘のとおりであると思っておりますけれども、我々としては大きく育てていきたいと思っております。
○石井(智)委員 いろいろそういう具体的な例も挙げて、取り組もうという御意欲は十分酌み取れます。具体的に配置をしていく場合に、どういう基準でどういうところへどういうふうに配置をしていくんだという一つのパターンを早く示してやらないと、今全国で五十から八十という範囲で、おれのところもおれのところもという形で、リゾートと同じで手だけ先に挙げておけばという風潮を今感じておりますけれども、そのあたりが本来の趣旨というのか、目指された方向というのが調整の方で分散をしてしまって、中身がばらまかれてしまうような結果になって、結果は何をしたのかわからないというようなことになってしまっては大変だというふうに思いますので、早くそのあたりの基準を設定をしていくというか、指定都市を位置づけていくということも早い時期に必要だろうというふうに思います。
 そのあたりの考え方と、その中でこれを施行していくのに、今も言われた、どこかに空き地というか公共の用に供する土地というものがやはり非常に大きなウエートを占めてくる。そういう点でJR、国鉄の操車場跡とか貨物の跡地とか、いろいろなところが指定の一例として想定をされている部分もあろうと思います。例えば三重県で見てみますと、伊勢市というのはその中で貨物の非常に大きな拠点でありましたし、非常に大きな空き地を持っておるわけです。しかしそういう中で、やはりほかのところも、県庁所在地以外の二番手はおれのところだ、三番手はおれのところだという形で今せめぎが始まっている。再三あちらからもこちらからも、おれのところだよ、おれのところだよという話が今もう出てきておるわけです。
 そういう点で、そういう事業所を誘致するための用地というものがまたどういうふうに確保をされていくのか、条件とかいろいろな基準というものがあっていいのではないかな。そのことで、おれのところは該当するな、しないなというところで、地方はそれぞれ自分のところに何とか活力をつけたい、何とかそういう施策を誘導したい、そしていろいろな補助、いろいろな国の施策の恩恵をこうむって、おれのところは何とか生き延びたいという思いで地方自治体はそれぞれ四苦八苦しておるわけですから、そのあたりの無用な競争というか争いに発展をしないための基準というのか方策というのが示されていいのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
    〔杉山委員長代理退席、北村委員長代理
    着席〕
○金子(一)政府委員 本法案の手続面におきましては、委員御案内のとおり、あくまでも地方の自主性を尊重していくということで、この拠点都市の指定というものは知事が行っていく、主務大臣は協議を受けることとしておりまして、法律上もそういう意味では極めて基本的な要件のみを規定していくこととなっております。しかしながら御指摘のとおり、この基本的な考え方は何なんだ、それを早く示せ。基本的な考え方は、やはり地方におきまして行政、経済、文化等の中心となる都市及びその周辺の市町村から成る地域ということでありまして、今委員がおっしゃられました第二、第三の都市ということだけには必ずしも限らないという考え方であります。
 ただ、その地域が指定されたところが、整備を促進することによりまして、何といいましても当該地域を含むその地方の発展につながらないということになっては意味ありませんですから、それだけはやはり発展していかなければ意味がない。そういう中で、今お話ございましたJR操車場跡地等々の要件といったようなものも、その判定をする一つの判断材料には多分なっていくだろう。ただ、ワン・オブ・ゼムでありまして、それだけにとどまらず、またその県における第二、第三の都市ということでなく、県全体として、またその県の地域経済圏として発展させる必要があるという判断があれば、それはまた一つの尺度になってくるであろうというふうに考えております。
○石井(智)委員 いつかの機会にもお話をさせていただきましたけれども、道路網の整備という問題がやはりこれと絡むというふうに思うわけですが、今までは東京一極集中、東京へいかに短時間でという形での高速道路網というのが整備をされてまいりました。そのことが東京一極集中を加速させた一面もありましょうし、また地方との経済交流が豊かになったという一面もあるわけでございますけれども、その地域地域の経済が損なわれていって今の十八県も人口減少県が生まれてきた、こういう状況も生まれておるわけでございます。
 そういう中で、拠点地域の高速道路網の整備をしていこう、こういう新たな発想をいただいておるわけでございます。この前、私もそういう点で、それぞれの地方の拠点にひとつ環状の高速網というのか環状の道路網を整備して、そこにそれぞれの都市機能を発展をさせて、周辺の過疎地域まで網羅できるような範囲で経済圏をつくり上げるべきだという意味での道路網の整備の必要性をお話しさせていただいて御理解をいただいた。その方向での施策が出されたのだろうというふうに喜んでおるわけでございますけれども、そのことと、今度の五十か八十か、どのようなものに最後はなるのか知りませんけれども、そのことがその地域の拠点になって環状的になっていくのか。それとはまた別個に、大枠で中京圏、東北圏、仙台を中心とした大きな分野でというのと、それから各県の中でもう一つ拠点になる市町村、周辺の農村部を囲んだといういろいろな角度での拠点の置き方、そういう地域の位置づけというのか発想というのはいろいろあろうと思うのですけれども、そのあたりが今度の地方の整備での基本になっておるのか、そのことと、地域の活性化にどう生かされていくのだろうかというところでのお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
○藤井(治)政府委員 お答えいたします。
 先生今御指摘のとおり、今全国で各県レベルでもいろいろな計画が出されております。あるいは、ある市を中心にした計画も構想されております。そういう地域ごとあるいは県ごと、それぞれのそういう計画をまず踏まえる、これが第一点目でございます。その中で、私どもが今回政策として御提言申し上げております地方の今回のこの都市構想、それに全国、今までのネットワークといいますのがやはり東京とかあるいは大都市圏、こういうものとの密接性が強過ぎたということに対する反省、こういうことから、地方圏と地方圏がうまくつながっていくという中で、その地域における交流圏といいましょうか、広域的な生活交流圏といったものをそこにつくり上げる、こういう思想のもとでやる場合にどういうネットワークが必要かとなったときに、やはり質の高いものでなければその集積効果が得られないだろうということから、地域高規格幹線道路という概念を実は導入いたしました。
 したがって、この地域高規格幹線道路というのは、基本的には全国的な高速道路網と一体となった機能をするのが一つの前提ではございますが、地域に三十分交通圏といったような、あるいは一時間交通圏といったようなもう一つの別の役割をそこで果たさなけれ拭いけないということを目的といたしておりますから、その構造としては自動車専用道路という形もありましょうし、あるいは交差点は連続的に全部立体化していく、そういろ形での質の高い高速性を確保する、そういうネットワークもあろうかと思います。それは地域地域の実情に応じたネットワークになるかと思いますが、それは生活圏を集積生活圏としての機能を果たすようなネットワーク、それを前提に考えて計画を立ててみたいと思っております。
 そういう意味で、もう既に全国から二、三の御要望も出ております。私ども、これから調査をしながら国民的なコンセンサスを得られる形で計画を立案しようと思っておりますので、具体的に今現在これをもって地域高規格というふうに断定する気持ちはございません。要望を踏まえながら、その中からみんなが願う一つの姿を描いて、それを次の五カ年の柱としてみたい、このように考えている次第でございます。
○石井(智)委員 今お話をいただいて、何となく東京一極集中が、地方の経済圏をつくり上げようという思いが満たされるような思いがするわけでございます。そういう点で、今何とかその方向が、おれのところからそのモデルにしてみるべよという思いがみんなあろうと思います。そういう点で、さらに夢が実現をするような方向で早急な対応をお願い申し上げたい、こういうふうに思うわけでございます。
 次に、社会資本整備についてお伺いを申し上げたいと思います。先ほども申し上げましたけれども、今日の社会資本整備というのは、立ちおくれの部分をどう早く充実をさせようか、こういう立場で取り組んでこられました。そしてまた、当面そういう方向でしか対応のしょうがないのかなという思いもいたしておりますけれども、二十一世紀の日本の都市計画、社会資本の整備という大きなゆとりを持った、世界に最たるというのか、世界の中でやはり日本の国土というものの豊かさというもの、そして国民の心の豊かさ、そういうものが社会資本整備を通じて実感をできるような、そういう社会資本整備というものが望まれていくのではないかな。こういうような意味で、今財政的にも非常に苦しい、きょうが精いっぱいであるというのが、日本国じゅう同じ思いでうなされておるわけでございますけれども、その中にいかに将来を展望して百年の計というのか、そういう中でゆとりを持った社会資本整備というのはどういうものがあるんだろうか、そういう分野をウエートを持って議論を進めていっていただきたいというふうに思うわけでございます。そういう点で四国の、名前は忘れましたけれども、百何年前にここへ橋をかけたらという、あのことが今実現をしたわけでございまして、ああ先人はしっかりしていたな、そういう方策が見つけ出せないものだろうか、そういう議論が、その当時もこういう議論がされていたのかということが生きてくるような、そういう社会資本整備の体系を議論の中に大いに取り入れていっていただきたい、こういう思いがしておるわけでございます。
 そういう中で一つ、今日自動車の社会であります。渋滞も大変な問題であります。そういう中で、今テレビが非常に普及をいたしまして、その性能も非常に高度になってまいりました。情報システムも非常な確度で進んでおります。今地図の上で、現時点でどこを走っておる、あと何キロですよというのが画面に出てくるような状況になってまいりました。そういう中で、歩行者と車というものの連携が今完全にとれていないというのか、そういう点でいろいろな道路網を通じての生活空間の生かし方というのか、情報が相互交流があればもっと別の角度の新たな文化が生まれるのではないかな、そういうような気がいたしておるわけでございます。そういう点で、いろいろな角度からの情報システムというものを今後どのように取り組んで御検討をいただいておるのであろうか、こういうことでお伺いを申し上げたいと思います。
    〔北村委員長代理退席、委員長着席〕
○藤井(治)政府委員 先生御指摘のように、道路は、単に動くだけではなくて、そこに生活の動きがあり、いろいろな動きがあるわけでございます。そこで私ども、道路をこれからも無限にどんどんつくっていく、こういうわけにはいかないだろうと思います。そうなるならば、今まで得られたストックを最大限に活用しながら、しかも安全で選択性のある社会をつくっていくというふうに考えております。そうなりますと、従来は道路案内標識であるとか道路情報板とか路側放送とか、今までで考えられるものはそれなりに手がけてまいりました。しかし、これからはそれだけでは若干足らないのではないかというのが、利用者からの御要望として出てきております。
 そこで、例えば現在どこを自分が走っているのか、あるいはこれからどんなものが出てくるのか、あるいは目的地に行くのにどうしたら一番スムーズに行けるのか、あるいは道路を通りながらいろいろな情報を得られる仕組みはないのかといったようなことを、実は私ども研究をしてまいりました。特に六十一年からこういう研究を精力的にやってまいっております。その結果、実は平成二年度に首都圏、大阪圏、名古屋圏で若干幹線道路にビーコンというものを設置いたしまして、そういう仕組みができるかどうかの実験をやってまいりましたら、うまくいくという方向が出てまいりました。そこで、これは建設省だけでやるものではなくて多くの関係者と一緒にやるべきものだという視点に立ちまして、警察庁あるいは郵政省とも一緒になって、VICSと言っておりますが、いわゆるビークル・インフォメーション・コミュニケーション・システム、道路交通情報通信システムというのを略称でVICSと言っておりますが、VICSの連絡協議会をこの三省庁でつくりました。そして、ここで一緒にいろいろなことを考えていこう、こういうことを今手がけております。
 今後さらにいろいろな各界からの御要望を受けながら、道路空間を利用しながら生活活動、いろいろな活動ができるための仕組みを求めてまいりたいと思っております。
○石井(智)委員 次に、これからいろいろな分野で社会資本を整備していく、その中でやはり最大のネックになるのは、公共用地をいかに取得していくかということが何としてもつまずく一番の最大の課題であろうというふうに思うわけでございます。そういう点で、やはりこれから四百三十兆いろいろな投資をしていく、その中で用地費にその大半が吸い込まれていったという形で事業が残っていかないということになっては大変でございます。そういう点での公共用地をどういうふうにこれから確保していくのか。まず当面、この四年度の予算を執行していくに当たって、公共用地費をどういうふうに確保していこう、いろいろな施策をお考えだろうと思いますけれども、公共用地費対策についてお伺いをしたいと思います。
○伴政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおりでございますが、公共用地の確保は大前提ということで、おかげさまでそういう御理解があちこち進みまして、大変いろいろな形で御支援、御協力いただいておるところでございます。現状を申し上げますと、大変用地ストックが減ってきておりまして、かつて昭和六十年代初めごろまで一年半分ぐらいの用地があったわけでございますが、今は年によっては一年を切るというようなこともございます。加えて、最近大変代替地要求が高まっておりますので、それに対応するということも大きな問題になっております。したがって、我々としては、事業用地それから代替地の先行的確保が一番大事かなと思っておるわけでございます。
 四年度でございますが、一つは、特に直轄、公団の事業予定地、代替地につきまして何とか取得していただこうということで、これは既に県等にできております土地開発公社、そこを活用いたしましてそこに低利の資金を融資するという、特定公共用地等先行取得資金制度というのが今の予算原案に入っております。これは法律改正を要しますので、この建設委員会にも付託しておりますのできる限り早く御審議いただいて、それが御採択いただければと思っております。
 それから、同じように先買い制度でございますが、公有地の拡大、これもなるべく公有地をたくさん幅広く拡大したいということで、今の法案の中に一緒に盛り込んでおりますけれども、そういった先買い制度の拡充をしたいと思っております。それから、代替地に関してはいろいろな情報がございます。例えば宅建業者等も持っておりますので、そういった情報を一括プールいたしまして活用する代替地情報バンクを設けたい。その他開銀を利用した融資制度とか、税制もかなり充実してきております。特に、公共用地を取得する場合には税制の恩典がきくというようなところが、非常に充実してきております。あわせて土地収用制度の積極的な活用というようなこともございまして、こういったいろいろな万般の施策を総合的に、しかも計画的にとっていくということにしていきたいと思っておるところでございます。
○石井(智)委員 あと五分ということのようですので、あわせて二つお伺いしたいと思います。
 一つは、河川の活用でございます。河川敷というものが今たくさんのところでそのままあるわけでございますが、その中で災害対策、いろいろな分野で河川敷をどう活用していくのかというところ、そしてまた社会資本整備、その中で木曽三川公園とかああいう形での大きな整備もあわせて行っていただいておるわけでございますが、あらゆるところで、地域でそこが有効に活用できれば、何か公園にすれば、スポーツ公園にすればいろいろミニで使えるところというのか、生活の中に取り入れられるところというのは非常にたくさんあるように思うわけでございます。
 そういう点で、この河川敷をいかに有効に活用していくのか、そういうところも今後の課題になろうと思いますし、先般の高規格堤防、スーパー堤防というのが今取り入れられて防災とその堤防周辺の有効な活用というものが、実用化というかこの方向が実現しつつあるわけでございますけれども、このスーパー堤防を今後どう生かしていくのか、そういう状況というのは現状どうなっておるのだろうかということを、あわせてお伺いできればと思います。
○近藤(徹)政府委員 まず第一点の、河川空間をこれからどう活用していく方針なのかということでございますが、河川は本来洪水がはんらんすることを防ぐことを前提に私ども河川工事を営々として積み上げてきておるわけでございますが、一方で、平時においては水と緑のオープンスペースという、いわば河原として地域住民の憩いの場でもございます。そういった意味で、とりわけ近年都市化の進展に伴ってこのオープンスペースが大変貴重になっていることに意を込めまして、この管理のあり方を私どもの大きな課題としております。
 このため、建設省におきましては、安らぎと潤いのある河川環境の保全と創造に係る施策を一元的、総合的かつ計画的に実施するために、その管理の基本的な事項として河川環境管理基本計画を策定しております。これは大体、一級河川の直轄管理区間についてはほぼ策定を終えたところでございますが、この策定に当たりましては一地域の市町村長さんたちの参加も得、また学識経験者の参加も得た上で、河川環境のあるべき姿を追求し、それをこの計画として定めたところでございます。その内容といたしましては、地域の住民の皆さんが憩える場とすべきところについては、例えば運動広場なりいろいろなレクリエーションゾーンとして指定もし、またそこが生態系として貴重なところについては、そのような保全のゾーンとして指定する等によりまして、国民共通の財産として河川環境管理をしてまいりたいとしておるところでございます。
 次に、高規格堤防の関係でございますが、これは大都市を貫流する大河川は、一たん破堤いたしますと壊滅的被害を及ぼす。単にその地域の被害にとどまらず、国民の経済活動にも大きな影響を及ぼすところから、現在我々が進めております計画内の洪水に対するはんらん防止はもとよりでございますが、計画を超えたような洪水においても絶対に破堤させることのないような構造に改築をしていくということを目的として定めた事業でございます。この事業は昭和六十二年度に事業を創設いたしまして、荒川、利根川、江戸川、多摩川、淀川、大和川について事業着手をして、一部については完成している区間もできておるような状態でございますが、この事業を円滑に推進するために、昨年の通常国会で本委員会で御審議をいただき、河川法の一部を改正いたしまして、平成三年十一月から執行しているところでございます。
 この高規格堤防整備事業は、超過洪水によるはんらん防止、破堤を回避するという大きな目的がございますが、同時に、都市部における水辺と地域の皆様の憩いの場ともなることから、この治川地域における都市再開発事業や区画整理事業等の都市整備事業と一体となって整備してまいりたいと考えておりまして、目下この関連の河川においてそのような企画のあるところにつきましては、関係者と協議を重ねつつ漸次具体化を図り、事業の促進を図っておるところでございます。
○石井(智)委員 最後になりますが環境問題、国際貢献、そういう分野での建設省の役割というのは非常に大きいわけだろうと思うわけでございます。ブラジルで近く環境サミットが開かれるようになってもおります。そういう点で、今地球環境の問題というのは非常に大きな問題でございます。そういう中で、日本の建設省が持った大きな技術というのは世界にも誇るものがあろうと思うわけでございます。そういう点で、建設省として地球環境を守るために世界にどういう貢献策があるんだろうか、そしてまた東欧、ソ連の復興というのか再建を図っていくための日本の協力はどういうものをお考えをいただいておるのだろうか、こういうような気がするわけですけれども、もう時間が迫っておりましてまことに申しわけありませんが、お伺いをしたいと思います。
 それともう一つ最後に、この予算が四年度執行された段階で、日本の経済、今非常に下降ぎみでございます。それを何とか経済活力を与えてほしいという経済界の要望、非常に強いわけでございます。そういう点で、建設省が占める施策が日本のGNPにどういう影響力を持つんだろうかという、総枠的な建設省の経済への貢献度というのはどんなものでしょうか。
○伴政府委員 まず環境問題でございますが、御指摘のとおりでございまして、建設省も長年蓄積してきております技術あるいは政策、ノウハウ等を最大限に活用いたしまして、この大事な地球環境問題に取り組みたいと思っております。
 例はいっぱいございますけれども、地球温暖化の防止のためにCO2の排出の少ない町づくりだとか交通体系づくり等をやっております。また、今後とも進めていきたいと思っております。それから、熱帯林の減少の防止で、例えば今熱帯木材が使われた合板製型枠を使っておりますが、そういうものを使わないような工法に転換するとか再利用するとか、あといろいろオゾン層の保護とか、それから発展途上国への技術協力等々をやっておるところでございます。それから東欧、旧ソ連につきましては、これは建設省独自でもやっておりますし、それから国際協力事業団等を通じまして東欧、旧ソ連それぞれについて必要な交流をやっておるところでございまして、専門家も派遣しておりますし、それから向こうからのいろいろな専門家の方も受け入れて技術移転等もやっているところでございます。今後とも、協力可能な分野について関係省庁と十分調整を図りながら、所要の協力を行っていきたいと思っております。
 それから予算の関係につきましては、ちょっと私も専門ではございませんので、申しわけありませんが正確な数字等を持ち合わせておりませんので、後ほど答弁させていただきます。
○石井(智)委員 いろいろどうもありがとうございました。
 これできょうは時間が切れましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○古賀委員長 山内弘君。
○山内委員 政府は、国民一人一人が豊かさとゆとりを実感できる生活大国の実現を目指すとされておるわけでありますが、経済大国となった我が国にとって、国民の視点、生活者の視点に立った国土づくりの推進は、まさに我が国の内政上の最重要課題であります。この点に関しましては、一昨年の公共投資基本計画が策定されたところでありますが、この着実な推進を図り、立ちおくれの目立つ住宅・社会資本の面についても先進国として恥ずかしくない水準を達成していくことは、国民の豊かさとゆとりの達成にとって必要不可欠なものであります。しかしながら、このような公共投資の推進は今一つの大きな問題に直面しております。道路、河川の整備を初め、各種の事業の実施を受け持ち、公共投資の中核を担う建設産業であります。ところが、現在建設業になかなか人が集まらないという状況が存在し、後継者をどのように探し出すか、優秀な技能工をどのように確保するかということが、建設業とりわけ中小建設業にとって悩みの種となっております。
 そこで、建設業の雇用改善問題についてお伺いをいたします。御承知のとおり、建設産業は就業人口の約一割を超える基幹産業でありますが、今日では新規学卒者のうち、建設業に就業する人は五%程度しかいないのが現状であります。このままでは、建設業がその役割を果たしていけるのかどうか、疑問を抱かざるを得ません。若者に建設業に入ってもらうためには、建設業者自身の努力が不可欠であるということは言うまでもありませんけれども、建設省としてもこの点についてしかるべき方策を講じていくことが極めて重要であります。公共投資基本計画の達成、ひいては地方の活性化や生活大国の実現を図っていく上で必要であると考えます。そこで、建設省として若手の建設従業者の確保についてどのように認識しておられるのか、またどのような対策をとっておられるのか、お伺いをいたします。
○伴政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおりでございまして、特に建設業においては若年、若手の労働者を確保するというのが最も大事なことだと思っております。そのためには、いろいろ建設業のイメージアップ等も図る必要があろうかと思いますし、また特にその雇用、労働条件、特に最近若い方は自由時間を確保することを非常に重視しておりますので、そういった労働時間の短縮の問題を含めていろいろな施策を講じることが必要かと思っております。
 幸い、建設業界も人手不足を目の前にいたしましていろいろな方策を講じておりまして、賃金の改善もかなり進んでいると思っております。また、週休二日制の導入が必要じゃないかというような認識も広がっておりまして、時短やあるいはそれを契機とした月給制の導入というようなことの動きも広まっておるわけでございまして、新規学卒者の建設業への入職率は、昭和六十一年には三・五%でございましたけれども、最近は先生今お話しのように、三・五から五・二になったということでアップしておるわけでございます。
 それから、若手の入職者をふやすというような意味で、現在各県で建設業界とそれから教育関係者、特に高校の先生方と学識経験者が入りまして、若年建設従事者入職促進協議会というのを設けまして、そこでいろいろなPRをいたしまして、入職の促進を図っているところでございます。いずれにいたしましても、若者にとりまして魅力ある就業の場をつくるというようなことで、入職促進を図ってまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○山内委員 今、答弁の中にありましたけれども、労働時間の短縮、これは極めて重要であります。今若者が仕事優先から生活優先へというふうな意識の変化をしている中で、極めて労働時間の短縮の問題は重要であります。最近の若者が、特に休日を満足にとれない、こういう職場に入ってくるはずがありません。若者にとって魅力ある職場環境を整えていくためには、賃金同様に、彼らが自分自身の生活を楽しむために自由な時間を十分に確保することが大切であります。この点につきまして、昨年四月に建設業の法定労働時間、週四十八時間から四十六時間に短縮されたところであります。さらにまた、来年の四月には四十四時間の短縮が予定されているところであります。若者の入職の確保のために、建設産業の労働時間の短縮についてどのような対応をとっておられるか、お伺いをいたします。
○伴政府委員 時短の問題、お話のとおり業界が意欲のある若手の労働者を確保していく上に大変大事なことだと思っております。それで、官民挙げて労働時間の短縮の推進に取り組んでおりまして、御指摘にありましたように、ちょうど去年の四月から週四十八時間が四十六時間ということになりました。四週五休制になったわけでございますので、それをきっかけに全国的に大キャンペーンを張りまして、その結果、現在建設業の年間総労働時間は、平成二年に比べまして平成三年は四十九時間短縮されまして、今までは二千二百十三時間でございましたけれども二千百六十四時間となったわけでございますが、しかし全産業平均に比べるとまだまだ十分ではないわけでございます。
 そこで、これを何とかきっかけをつくりたいということでございまして、たびたびここで申し上げております総合工事業者と専門工事業者の協議の場でございます建設生産システム合理化推進協議会、昔で申し上げますと元下協議会と言っておりましたが、その協議会でこの時短の問題を取り上げておりまして、ここの決議といたしまして、本来ですと先生御指摘のとおり来年、平成五年四月から四十六時間が四十四時間になる、すなわち四週五休が四週六休になるわけでございますが、来年を待たずして、ことしの四月からひとつ四週六休制、すなわち週四十四時間制を実施しようというふうなことで決議いたしました。そこで、業界のこういった機運を大いに広げていこうということで、四週六休のこの先行実施を各県あるいは業界団体その他、いろいろな発注者のところにこれを協力依頼していこうというふうに考えているところでございます。
 そのほか、建設省の直轄では率先して完全週休二日制のモデル工事を今やっておりまして、平成二年度は五カ所でございましたが、平成三年度、今年度は全国で百カ所ほどそのモデル工事現場をやっております。こういう形で、時短の問題につきまして不断の努力を重ねていきたいというふうに考えているところでございます。
○山内委員 次に、地方の活性化の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 さきにも申し上げましたように、政府は総理以下、生活大国の実現を大きな政治課題として、政策課題として掲げておられます。しかしながら、現在のような東京一極集中の進展、国土構造の不均衡の是正なくしてはこの目標の達成は不可能であります。我が郷土青森県について見ましても、前回の国勢調査では過去五年間に二十人に一人が故郷を去り、その結果、新たな出生による人口増加分を差し引いても四万人を超える人口の減少に見舞われております。こうした状況に対処するために、政府は、地方を拠点とし、地域の整備を初めとする新たな施策を展開されようとしておるわけであります。しかしながら、地域の活性化を図っていく上で不可欠な高規格幹線道路網、これを初めとする根本的な基盤の整備についてすら現段階では十分と言えないのが現状であります。
 そこでまず、高規格幹線道路の整備についてお伺いをしたいと思います。東京一極集中を是正し、多極分散型の国土を形成していくために道路ネットワークの体系的な整備が重要でありますが、特にその骨格をなす高規格幹線道路の整備は、国土の均衡ある発展を促し、国民生活の向上に直接つながるものとして非常に重要なものであります。私は、この高規格幹線道路のより一層の整備促進を願うものでありますけれども、まずこの高規格幹線道路の整備に当たって建設省の取り組み方針について、大臣にお伺いしたいところでありますがおりませんので、政務次官にお尋ねをいたします。
○金子(一)政府委員 山内委員にお答えを申し上げます。
 まさに委員御指摘のとおりの趣旨から、広域的な国土利用を可能にしていくために、高規格幹線道路網一万四千キロメーターの整備が必要ということで今進めておるところであります。
 この整備につきましては二つございます。国土開発幹線自動車道、これにつきましては、年間の供用ペースを、従来年間二百キロの水準としておったのでございますけれども、これを二百五十キロの水準に引き上げて実施をしていく。また、もう一つでございます自尊道と言われております一般国道の自動車専用道路、これにつきましても早急に年間百キロの供用水準に引き上げていきたい。合わせまして年間三百五十キロ、従来のほぼ二倍近いペースでこれの整備を進めていきたい。現在、五千四百八十五キロメーター高規格幹線網の供用をしておりますけれども、二十一世紀の初頭までにこの一万四千キロ全線完成を図っていきたい。とりあえず西暦二〇〇〇年、平成十二年でございますけれども、おおむね九千キロの供用を図っていくことを、整備をしていくことを推進をしてまいりたいと思っております。
○山内委員 通告の質問事項はまだまだたくさんございますけれども、本会議の時間があと十五分に迫っておりますので、あと一つ質問して終わります。
 この高規格幹線道路に関係してでございますけれども、この整備促進について基本的な考え方は今の政務次官の考え方で大体わかるわけでありますが、この問題について、特に私は我が郷土青森県に対してお伺いをさせていただきたいと思うわけでございます。青森県における高規格幹線道路については、青森市と津軽の鯵ヶ沢、これを連絡する津軽自動車道路があるわけであります。この整備の推進については地元の期待は極めて大きい。そこで、この津軽の自動車道について整備の進捗状況というもの、それから今後の整備の方針について具体的にお伺いをさせていただきたい。これはただ単に経過説明ではなくて、私の納得するような答弁が欲しいわけであります。時間をはしょって質問しておりますから、内容の充実した答弁をいただきまして、質問を終わります。
○藤井(治)政府委員 では、簡単に申し上げます。
 まず、東北縦貫自動車道から津軽自動車道に直結させるということで、浪岡インターチェンジから五所川原市までの十七キロを基本計画を出しました。これは平成元年に出しました。それで、この東北縦貫自動車道から浪岡インターチェンジの間は二キロほどありますが、これは直接東北縦貫自動車道としてつなげようということで、これはもうめどが立っております。そこで、浪岡インターチェンジから五所川原インターチェンジの間の十五キロ、これは平成三年に事業化をいたしました。現在、測量と詳細設計をやっておりますので、終わり次第、ルートも明確に決まりますから、地元に入って発表してそして用地交渉に入っていく、こういうことでございます。
 問題は、これを今国道の補助事業で、一〇一の補助事業でやっておりますけれども、事業の進捗の関係からもう少し早くできる方法がないかということで、今青森県と詰めをしております。場合によりますと直轄事業として最初から入っていくことが可能かもしれません。この辺についてはどういうやり方でするか、とりあえず県の補助事業で入りましたけれども、これを切りかえるということは技術的に可能かどうかといういろいろな問題もありますが、要は早くできる方法を何かとりたいということでやっております。こういうことでやります。
 それから先、五所川原から鯵ヶ沢までは基本計画をまず出さなければいけませんので、その調査をしております。その段階でルートなども決めていきたいと思っております。まず最初の五所川原までを急いでやると同時に、並行してやりますが、これ以上のことを今申し上げますと、私ども多少今後の進展に支障が来ますのでお許しをいただきます。一生懸命やることでお許しをいただきたいと思います。
○山内委員 その議論は時間のあるときにゆっくりやるといたしまして、さらに一つだけ道路局長に要望しておきたい、こう思うわけでございます。
 それは、鰺ヶ沢までで終わるわけではないわけです、私の要望は。しばしば言っているように深浦まで延長させてもらわなければならない、こういう要望を含めて、質問を終わります。
○古賀委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時五十分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十三分開議
○古賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小松定男君。
○小松委員 最初に山崎建設大臣に質問をしたいと思うのですが、住宅の件に絡んで、特に今いろいろと首都圏では問題になっておるのですけれども、公団住宅が政府やあるいは住宅整備公団でいろいろと力を入れて建設をされているのですが、この住都公団の問題で質問をしたいわけなんですが、私どもが今問題を持っておるのは、約三十年ないし三十五年たちました公団住宅がちょうど今建てかえの時期になってまいりました。そうなりますと、今の現在の家賃と、それからこれから建設される新しい家賃の制度が、大幅にこれが引き上げられる問題が出されているのですけれども、一体政府は、いわゆるこの収入に対して家賃の状況というのをどの程度に一応平均として見ているのか。いろいろ政府からの資料では示されておる点もありますが、まずその点について大臣にお聞きしたいと思います。
○山崎国務大臣 家賃の負担限度につきましては、中堅勤労世帯の場合、年収の約二割程度であると考えております。
○小松委員 そういたしますと、実は埼玉で、大臣も一月十三日に埼玉へいろいろ視察に来てあの地域の状況というのはよく御存じだと思うのですけれども、今建てかえが具体的に提示をされております埼玉県の富士見市における鶴瀬団地というのがございます。これがちょうど三十五年近くになりまして、ぜひ建てかえたい。これについては、建てかえることは結構なんですが、これに対して三DKで十四万六千円という新家賃が提示をされました。これはもちろん七年かけての、傾斜的に上げていって、そして最終的に十四万六千円とこういうことになるのですが、しかしいずれにしてもその価額になるわけなんです。そういたしますと、今の給与の実態で、私どももその団地の住民の収入というものを調査をさせていただきました。そうなりますと、十四万といいますと、仮に年収が七百万あった人でも、七百万というと月五十万ぐらいになりますか、ボーナスやなんか入れるから五十万としても、二〇%というと十万円ということになりますね。ところが、五十万以上の収入者というのはほとんどおりません。年収で計算しますと七百万以上の人が、現在住んでいる人ではわずか一・四%ぐらいしかいないわけです。あとはそれ以下、さらに四百万円くらいというのが一番多くて六四%ぐらいになりますか、六割強になるのです。そうなりますと、四百万ないし五百万くらいの収入では、月収にすれば大体三十万くらいなんですけれども、そうしますととてもではないけれども、十四万というと、もちろん現在の賃金の状態ですけれども約半分、収入の二分の一になる。こういうことではとても払える状況ではないということなんで、この点について今度公団から示された、後で公団にはいろいろと細かいことを聞くのですけれども、大臣の感想としてこの点をどういうふうにとらえたらいいか、この点を伺っておきたいと思うのです。
○立石政府委員 まず、住都公団の建てかえ後の住宅の家賃の決定の仕方でございます。建てかえ後の住宅の家賃は、御指摘のように従前のものに比べて高くなるわけでございますが、これは建てかえ後の住宅が床面積が広くなる、あるいは設備も新しくなる、そしてまた全く新しい住宅として供給されることになるためでございまして、住宅・都市整備公団の供給する住宅としては、基本的には建てかえ後の住宅の家賃についても、通常の新規住宅と均衡のとれた適正なものとする必要があると考えているところでございます。
 しかしながら、御指摘の点でございますが、従前から居住されている方々につきましては、家賃の激変緩和を図るために、まず第一番目には、当初の家賃は従前の家賃相当の近いところで設定しまして、その後も急激には負担を上昇させずに段階的に本来の家賃となるように、七年間の激変緩和措置を講じております。委員の御指摘のとおりでございます。そしてまた、特に七十歳以上の高齢者の方々に対しましては、十年間に限って家賃を住宅扶助限度額以内に抑える特別措置等を講じる。さらに、地域の公共賃貸住宅の建てかえを円滑に進めるための移転用住宅に国が補助を行う制度である地域リロケーション住宅制度を活用する等の措置を講じているところでございます。
 また、平成元年度におきまして、建てかえ事業に伴う公営住宅への優先入居の取り扱いについての制度が創設されたところでございますが、この制度を使いまして、平成三年三月末までには十九公共団体において入居実績が出ている状況でございます。さらに、居住者の中には引き続き同じ場所に居住を希望される方があるわけでございますので、大規模な公団団地の建てかえにおきまして、この公団の敷地の一部に高齢者等で特に収入の低い方を対象とする公営住宅の併設を可能とする措置を講じ、公団建てかえ事業の円滑な推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○小松委員 私は大臣の方にちょっと伺っておきたかったのは、そういう今の公団から示された新家賃の提示なんですが、先ほどの収入の二〇%、こういうことが大体政府の考えている基準だということですから、それにしては余りにも高いじゃないか。現在どうかというと、三Dですけれども現在、三十五年前に住んだ人は四万四千円くらいで住んでおります。四万四千円から四万六千円ぐらいだと思うのですけれども、大体そういうところですね。ところが、それが今度十四万六千円ということです。
 しかし、この七年の傾斜と言いますが、最近の経済の状況を見ますと、そんなにベースアップで大幅に上がるという状況は、政府の見通しでもないのじゃないですか。したがって、そういう中においては、これは十年後を目指してもそんなに賃金の上昇というものは期待できないというのがありまして、これについて大臣の感想を最初に聞いておきたいわけです。今の点については、私の方では随分言いたいことがあるのですが、十分今の説明については聞いていきたいと思います。
○山崎国務大臣 先生の御心配の点が、これは住宅政策を進める上で留意しなければならない一つのポイントであると思います。
 そこで、ただいま立石住宅局長がるる申し上げましたとおり、激変緩和措置でございますとか、現住宅と同程度の家賃の他の公団住宅へのあっせんでございますとか、低所得の高齢者等、いわゆる社会的弱者とされておられます方に対する公営住宅等の供給、その他いろいろな配慮を行っているところでございます。
 七年間では余り所得は上がらないというお見通しも言われたのでございますが、先ほど私が、中堅勤労世帯で大体年収の二割程度が家賃負担能力の目安となるということを申し上げたのでございますが、それから申し上げますといろいろな計算の仕方があると思いますけれども、月収五十万というのは全く賞与等を考慮してない数字になりますので、あるいは四十万円強ということになろうかと思います。大変厳しい数字になるのでございますが、七年間の激変緩和措置もございますし、また今のままの状態で三十年もたちました公団住宅をそのまま放置できるかということになりますと、やはり総合的な住宅政策の見地に立ちますと、建てかえを行いまして新しく、広く、より快適な住宅を供給していくという政策を選ばざるを得ないのではないか、かように考えている次第でございます。
○小松委員 それでは住宅局長にお伺いしたいと思うのですが、今度は具体的にお伺いします。
 今提示されております鶴瀬団地、そして説明の中では、この新家賃の設定に当たっては付近のいろいろな状況をもちろん勘案して定めた、こういうことを言われております。そういたしますと、例えばちょうど時期を同じくいたしまして新所沢団地の建てかえがあります。これについて、新所沢団地で新しく提示されたのが三DKで十一万五千円でございます。これは新所沢団地の一つですね。それから、もう一つの新所沢団地に提示をされておりますのが十二万四千円ですね。これが片っ方十一万五千円と、それからもう一つは十二万四千円。ところが今度鶴瀬団地に提示されているのは、同じ三DKなんですが十四万六千円で、新所沢団地から比べると三万一千円の差が出てきております。したがって、この点についてはどういうふうな理解をしたらいいのか、この点が住民としても納得がいかないということが大きな一つの理由なんですね。
○立石政府委員 公団住宅の家賃につきましては、住宅・都市整備公団法に基づきまして、原価を基準として、そのほかいろいろな諸条件を勘案して公団が決定しているところでございまして、基本的な考え方としては、私としても適正なものであるというふうに考えているところでございます。
 具体的な事項につきましては、住宅・都市整備公団の方からお答えいたしたいと存じます。
○安仁屋参考人 ただいま先生からお話のありました鶴瀬団地と新所沢第一団地との比較でございますが、これは実は規模等が違っておりますので、同じ面積、平方メートル当たりに直しますと、鶴瀬の方は千七百八十八円、新所沢第一団地につましては千六百三十円ということで約一割程度、したがいまして、仮に最終家賃が十四万ということになりますと一万四千円程度の差が出てくる、こういうことでございます。
○小松委員 ちょっとそれ違うんじゃないですか。今公団側から提示されているのは、その部分でいいますと、新所沢団地のいわゆる十一万五千円の方は三DKで六十平米ですよ。よく覚えておいてください。それで、鶴瀬団地の方に同じ三DKで提示されたのが六十四平米十四万六千円ですよ。四平米多いんです。そうすると、これを割ると一平米当たり幾らになります。一平米当たり二千二百八十円、二千三百円いかないでしょう。そうすると、四平米ふえても八千円か九千円の差なら、その面積の広さわかるんですよ。ところが、三万一千円も違う、第一ブロックで。第二ブロックでは二万二千円違うんです。いずれにしても、今部屋の広さと言いましたが、部屋の広さで換算したって一平米当たりに割ると二千二、三百円なんですよ。四平米でしょう、広くなるのは。そんなに十平米も十五平米も広いものをつくるわけじゃないんでしょう。私は、同じ三DKでこれだけ差があると言っているんですよ。その点を答えてください。
○安仁屋参考人 私の手持ちの資料でございますが、鶴瀬はおっしゃるとおり六十四平米の三DKの住宅でございます。それから、新所沢第一は六十一平方メートルということで、約三平方メートルの差がございます。それの平方メートル当たり、私ちょっと説明が足りなかったんですが、これの初年度家賃の平米単価を申し上げますと、鶴瀬は先ほど申し上げましたように千七百八十八円、それから新所沢第一は千六百三十円ということで、その差は一〇%足らず、こういうことを申し上げた次第でございます。(小松委員「最終じゃなくて初年度」と呼ぶ)はい。それで、こういうことで一〇%の差はずっとそのまま持ち越しますので、最終家賃が仮に十四万だとしますと、一万四千円程度の差が出てまいる、そういう趣旨で申し上げた次第でございます。
○小松委員 ちょっとよく、要するに最終家賃は、鶴瀬団地の場合は十四万六千円、片っ方の新所沢の場合には十一万五千円が最終家賃じゃないんですか。そうすると、この差は三万一千円ありますよ、単純に計算して。それから、第二ブロックの方でいつでも二万二千円の差が出ているんですよ。これははっきりしているんじゃないですか。ただ、おたくが先ほど言ったのは、要するに部屋の広さが違うからと言うから、私が、それは部屋の大きさをじゃ四平米、今三平米と言いましたが、三平米仮にふやしてもそんなに差はないんじゃないか、だからほかに理由があるんじゃないかということを聞いているわけです。その点を答えていただきたいのです。だって、家賃がそういうふうに提示されているんだから。
○安仁屋参考人 数字につきましては、いろいろなとり方があったものですから、先生との間で食い違いが生じておりますが、確かに新所沢第一団地に比べまして平方メートル当たりの単価も高くなっております。ただこれは、近傍の新規の公団住宅、例えば鉄道の同一沿線、こういったものが典型的になるわけですが、こういったものとの比較におきまして、規模、供給時期、都心までの交通時間、あるいは日常生活に必要な施設の状況、住棟の配置、住宅の性能、こういったもろもろの要素を総合的に勘案して決定しておるわけでございます。そういうことで単価におきまして約一割の差が出ている、そういうことでございます。
○小松委員 その点になりますとまた言いたくなるんです。私は所沢に住んでいるから、所沢の例よく知っているんです。新所沢団地、今これから建てかえしようとするところは、駅から歩いたってすぐもう目の前で一等地なんです。今度、今言った家賃の高くなる鶴瀬団地の方は、駅からは、新所沢団地から比べるとまあ少しは遠いんですね、しかも不便ですね。それで、例えば今度は都庁が新宿へ移りました。新宿へ仮に行くにしたらどちらが早いかといったら、所沢の方が早いんですよ。急行もとまるんです、新所沢は。片っ方、鶴瀬というところは急行とまらないんですよ、池袋まで行くんですが。ただ、永田町から有楽町線が東上線と並行して入ってますね、それだけなんですよ。だけれども、都心にどちらが便利かといったら、これは私は住んでいるからよくわかっているんですが、所沢の方がまだそういう点では便利なんです。
 その証拠に、今までの家賃比べてみたらはっきりするんじゃないですか。今までの、建てかえる前の新所沢団地の三Dで四万六千三百五十円から六万二百五十五円じゃないですか。鶴瀬団地は、同じ三Dで四万四千円から四万八千円ですよ。その差が一、二万あるんです。新所沢団地の方が今までは高いんです。これはやはり、新所沢の団地の方が鶴瀬団地よりはそういう環境から見てすぐれている。まあ医者も国立の病院もあるし、いろいろな面から見て、駅から見ても近い、だから恐らくその差があったんだろうと思うのです、同じ三Dで。なぜ今度建てかえになったらそれが逆転しなければならないのか。これはおかしいと言うんですよ。ひとつ答えてください、そこまで。納得しませんよ。やり直せと言うんだ、私は。
○安仁屋参考人 どちらが都心部へのアプローチに便利かという点でございますが、先生おっしゃいましたように、鶴瀬は駅までは確かに七分かかりまして、新所沢第一は三分でございます。しかし都心まで、これがいろいろなとり方があります。先生は副都心の新宿ということに着目されておりますが、私どもとしましては池袋、これも非常に重要な副都心でございますけれども、これに行く電車の所要時間は約二十八分、それから新所沢の場合は新宿に出るのに約三十九分かかるということで、そういう意味で鶴瀬が決定的に劣っている、通勤と申しますか交通状況その他でそういうことではないと思っております。
○小松委員 では安仁屋さん、もっと具体的に言いましょうか。私の方で調査したのです。おたくの方に調べてくれと言ったってちっとも調べてくれないから、こちらで独自の調査をしました。そこで、国税庁から全部資料をもらいました。
 それで富士見市、この今つくろうとするところ、国税庁が資産として土地の評価をした一平米当たりの単価、これが今度つくろうとするところは平米当たり三十二万円、だから坪当たり大体約百万円です。それで新所沢団地、今度つくろうとするところ、これは国税庁で四十四万円、片方四十六万円、この評価額が違うということは、すべてのものを網羅してそうでしょう。商業地と住宅地は、土地だって値段が違うでしょう。それから、田舎の方に行くのと都心との評価額というのは、国税庁で見た価額は違うでしょう。この国税庁で見た価額が、これだけの平米当たり十万からの差が出ているのですよ。はっきりしているじゃないですか。池袋に近いとか新宿に近いとか、そんなごまかしたって納得できませんよ、あなた。国税庁ではっきりちゃんと出しているのですよ。私の方で調査しましたよ。これ、答えてください。
○安仁屋参考人 公示価格を見ましても、確かに新所沢の方が高いという、近傍の土地でございますが、そういう結果は出ておりますが、私どもとしましては、その土地の利用状況とか環境、形状あるいは接面道路の状況、こういったことで、単純には比較できないのではないかというふうに考えております。
 私どもは、この建てかえ後の家賃は、公団法の施行規則の第四条の規定に基づきまして、これを基準として他の新規公団住宅の家賃と均衡を図る。この場合に、鶴瀬の団地につきましては、同じ東上線の沿線でございます西大和団地でございますか、最近供給されました住宅でございますが、それとの均衡を図って決めたのが、今度の鶴瀬の建てかえ後の家賃でございます。
○小松委員 全くこれは積算の基礎が、おたくの方に言っても数字で出さないのです。ただ均衡だ、漠然だ、抽象的なことを言うから、これは計算がなかなかしにくいのだけれども、一番わかりやすいのは、今言ったようにもう国税庁で評価しているのですから、これで見れば大体判断つくとは思ってはいるのですが。
 ただ、公団に私は聞きたいのは、国会決議があるのですよ、委員会の。一九九一年の四月二十五日、建設委員会で、この委員会で委員長が決めているのじゃないですか。これ国会の要望決議でしょう。ここにもちゃんと出ているじゃないですか。「建替えについては、引き続き建替え後の家賃の抑制に努力するとともに、入居者の理解と協力を得るよう」に努めるとか、「改定が公正かつ円滑に行われるよう配慮」すべきとか、その「引上げ限度額に配慮する」とか、いろいろあるのです。この国会決議について、きょう時間がありませんから、私これ以上持ち時間がないので、後でまたそういう機会をつくっていただきたいと思いますが、この問題はぜひしっかり公団側も十分検討して、もう切実な問題ですから、この国会決議をどういうふうに思っていますか。
○安仁屋参考人 昨年の家賃改定の際の建設委員長要望につきましては十分尊重してまいりましたし、適切に対処してきたというふうに考えております。
○小松委員 では、時間も参りましたので、以上で終わりたいと思います。
○古賀委員長 薮仲義彦君。
○薮仲委員 両大臣に質問に入る前に、質問でのぼせ返って忘れると困りますから言っておきますけれども、両大臣とも予算委員会に御出席の御予定がおありだそうで、どうぞその時間が参りましたら、予算委員会に迷惑のかからないように御退席いただいて結構でございます。建設大臣は行かれてもまた戻ってきてくださるそうでございますが、なるべく向こうの質問は単純にして早くお戻りいただくようお願いをいたしておきます。
 それでは私、きょうは両大臣に対しまして、先般両大臣の熱意のある所信表明をお伺いいたしましたので、所信に関連いたします幾つかの建設、国土行政について質問をさせていただきたいと思うものでございます。
 冒頭、やはり一番両大臣が心にかかっておられますのは、あの雲仙・普賢岳のいまだにおさまらない噴火の状況であろうと思うわけでございます。平成二年の十一月噴火が始まったわけでございますが、それから二年を経て、これほどまで災害の避難が長期化するとは両大臣とも想像はしていらっしゃらなかったと思います。しかし直近の状態でも、御承知のように、まだ応急仮設住宅に避難していらっしゃる方々が五千三百四名、世帯数でも約千三百八十世帯、多くの方が避難の生活を余儀なくされておるわけであります。確かに、あの雲仙が一瞬にして噴火活動をとめてくれればどれほどか、大臣もそしてここにいるすべての委員が同じ気持ちでおるわけでございますが、しかしここまで参りますとなかなかおさまらないのかなという懸念も心をよぎってまいります。
 そこで私は、やはり早く終わればいいという願望を持ちながら、あるいは続くかもしれないということに対しての対策もここで立てておかなければならないんじゃないか。やはり政治というものは、最悪の状態を考えながら最善を尽くしていくのが行政のあるべき姿であり、また政治の場にある者の責任であろうと私は認識しております。そこで、最悪でございますが、このまま長期化するのかなということも前提にした対応をどうしても考えていかなければならないんじゃないか、このことについてお伺いしたいわけでございますけれども、国土庁長官はこのような長期化しております避難の状態に対して、何らかの決断と新しい生活への取り組みを勇気を持って、また避難していらっしゃる方に勇気を与えるような施策が必要ではないか、こう思うわけでございますが、長官、いかがでございますか。
○東家国務大臣 お尋ねの、長期化する今日の状況の中で被災者の皆さん、とりわけ仮説住宅で窮屈な思いで毎日活動するその状況の中に、精神的にも肉体的にも大変な御苦労をなさっていること、よく承知いたしておりますし、なお、私は対岸の住民でございますから、灰も降ってまいりますし、また火砕流の煙を見るたびに御苦労さんだなという思いで今日まで、この状況をどう早く解消してやるかということの、自分たちの役目はここの住民のためにあるんだということの基本的な姿勢は持っているわけでございます。なおまた、食事供与の問題でもなかなか当初、やはりそうした言葉には出すことのできない苦しみを私は味わいました。しかし、早くこうした皆さん方のそれぞれの、更生していかれる方もおられるし、しかし今申し上げるように、体は丈夫であっても精神的になかなかできない、そういう皆さん方に余り強要すべき問題ではないという基本的な政治家としての見地からも、私はそういう考えを持っています。
 そういうことで、とにかく個別の調査をやるということで長崎県当局でもおっしゃられますので、早くひとつその個々の調査実態を示してくださいと再三にわたってお願いをこちらからしてきたわけでございますから、このことについては四月三日ですか、もう切れますから、そういう時期を迎えておるだけに、早急にそういう精神にのっとって取り組んでいかねばならないと私は思っております。
 なおまた復旧復興計画、まだこれからの長期的な希望を与えるとおっしゃられる、まさにそのとおりでございます。しかし、長期的にわたる活動は、今日まだ状況が状況だけに、非常に今までその計画の実施についてはちゅうちょした嫌いがありました。しかしこれはなかなか、将来とも活動のやむことを期待しての計画ではもういかない現状にあろうということで、県がやはり政府に対しこのようなことでの計画の中で取り組むということで、先般も復旧復興計画について、当面の問題についてお示しをなされました。しかしまた、具体的に各般にわたる問題点はまだ承知いたしておりませんので、どうかひとつ、私は重ねて先般もこの場で申し上げましたが、やはりこういう問題は、地域から選ばれたそれぞれの代表の国会の先生方も超党派でひとつぜひ意見の統一の中に、私たちにもかくあるべきということの具体的なことをお示しいただければありがたいことだ、きょう参議院の災特の場でもそのような発言をいたしております。
 具体的なことは、防災局長もおりますので、また先生の御質問によってお答えをさせたいと思います。
○薮仲委員 長官おっしゃられましたように、今現地では避難していらっしゃる方の被災者実態調査ということで、これはA調査票、B調査票になっているようでございますけれども、一つには、これはサラリーマンの方、あるいはあそこでは非常にすばらしい営農を続けていらっしゃったたばこ農家の方もいらっしゃるわけで、サラリーマンの方にはこれからの生活設計をどうなさるかという調査も出てくるでしょうし、たばこ農家の方については降灰の、またそれを除去すればできるという農水省の考えもおありでしょうし、あるいは別のところへすばらしい耕作適地を探しますよというようなこともやってくださっていると思います。
 そこで、私は建設大臣にお伺いしたいのは、先般予算委員会でうちの市川書記長が厚生大臣に質問いたしました。現在建っておりますのは、大臣御承知のように厚生省の応急仮設住宅でございます。どこまでもあれは応急の仮設の住宅でございますから、住環境としては、たびたび指摘されますように非常に好ましくはない。プライバシーの問題、これから夏に向かってあのようなところでいいのかな、暑苦しいだろう、風通しはどうなんだろうということを考えますと、ただいま国土庁長官がおっしゃった調査結果が三月中にはまとまるだろうという報告も仄聞はいたしておりますが、これがまとまったら、いよいよ私は建設大臣の本格的な出番だと思うのです。
 現地には、建設省が所掌なさるあの水無川というところにスーパー砂防堰堤をつくろうということで、大体どの辺までおたくはひっかかりますよということを提示もなさっていらっしゃるようでございます。そうしますと、おのずからそこに住んでいらっしゃる方の生活設計も立てなければならない。そこに住み続けることが困難であれば、新しい決断で新しい人生を歩む――人生というよりも、新しい家屋をつくっていかなきゃならないケースも出てくるかもしれません。これはいろいろ具体的な手法が出てまいりますが、出てまいりますのは、あの農地の価格で土地をいわゆる買収してもらえないかな等々がこれからは出てくると思います。きょうはそのことをお伺いすることはいたしませんが、私は大臣にお願いしたいのは、やはり人間が住むその居住環境だけは、今のままではもう好ましくはないと私は思うのです。いずれにしても決断しなきゃならない。そのときに、公営住宅にお入りになりたい方には、快適な居住環境である公営住宅をきちんとつくってあげていただきたい。お年をとられた方あるいは母子家庭の方には、あるいは公営二種等の住宅をきちんと手当てをしてあげて、元気をもって新しい生活に臨んでほしいと。
 また、予算も通っていない段階でこういうことを言うのは非常に不謹慎でございますけれども、建設省の住宅局は、地域活性化住宅という新しいスキームの分譲住宅も考えております。これは、いろいろな手当てをして、サラリーマンがUターンしたときに分譲住宅を求めやすいようなスキームになっておりますが、地域の指定があってあそこにはきかないのです。でも、予算が通って、これは仮定ですけれどもね、通った後でこれも島原に適用できるように、建設大臣の御配慮で何とかできないか。そうしますと、分譲住宅を取得するのに非常にやりやすくなる。しかも、県の持っていらっしゃるあの基金を利用して――今、公庫融資の金利も下がっております。基準金利五・五でございますが、それがさらに下がっております。さらにこれを資金手当てをすれば、金利の負担が非常に低い、極端なことを言えば一%、二%というようなことで、あるいは三%でというところで家が建てられるということになれば、また家も建てようという勇気もわいてくると思います。
 これは建設大臣のその決断で、また本気になっておやりになっていただければできる問題ですので、ここにいらっしゃる建設委員の諸先生は絶対に反対はしないと私は思うのです。あの人力に、立ち上がってくれと全部祈っているのですから。私は大臣に、もしも調査結果ができて、具体的に公営住宅あるいは分譲住宅、必要な住宅については、大臣としてしっかり建ててあげる、生活頑張れ、こういう御決意を聞きたいのですが、いかがでしょう。
○山崎国務大臣 長崎県、島原市、深江町の実態調査の結果を踏まえまして、公営住宅の建設あるいは住宅金融公庫の融資の活用等、先生御提案ございましたが、各種の施策を総合的に検討してまいりたいと存じます。
○薮仲委員 大臣がそうおっしゃれば、しっかりとやってくださると私は信じておりますので、どうか島原の人が勇気を持ってできるようによろしくお願いをいたします。
 それで、農水省がお見えだと思うのですが、やはり農業を継続なさる方にとって、あそこはたばこ産業、非常に収入、収益の上がる農業を経営していらっしゃいますのですので、新しい農耕地で農業を始めたいとおっしゃる方もいると思うのですが、さしあたってはやはり災害復旧になりますと激甚災害、通称激特といいますけれども、これはいずれの機会がにまた建設大臣と論議をしたいと思うのでございますが、現在の激特は、公共事業に関しては非常にききにくくなっております。しかし幸いなことに、いわゆる農業施設に対してはある部分では非常にきくのかな、こういう言い方はよくないのでございますけれども、特に局地激甚の方はあそこに適用される可能性があるのじゃないかなと私は思うわけであります。局地激甚が指定されますと、いわゆる補助基準が、補助率がぐっと変わってまいりますので、農家の方がまた勇気を持って農業を再開するのに非常に重要な事柄でもあろうかと思うわけであります。
 農業あるいは農業施設の復旧には大切なことでございますので、農水省さん、細かいことは結構でございますが、局激の指定基準ですと、島原、深江両市町、当該市町村の農業所得推定額等から推計して、大体この程度の被害額ですと局激が適用されると、今般あれほどの大きな災害を受けていらっしゃる島原、深江両市と町について私は、局激が適用されるのではないかなという可能性について、まだ調査をしてない段階でどうかと思うのでございますが、数字の上でははっきり見通しが立つわけでございますし、航空写真もあるわけでございますからわからないわけではないと思いますので、農水省の現時点における局激の判断をお聞かせいただきたいと思います。
○岡本説明員 農地、農業用施設の激甚災害の見通しについてお答えいたします。
 激甚災害の指定は、あくまでも災害復旧事業費が決まりましてそれに応じて行うものでございます。今回の雲仙岳噴火に係る農地、農業用施設、林道の災害復旧事業費につきましては、現在、警戒区域等の設定によりまた調査できない段階でございます。確定的な数字がまとまるにはいましばらく時間を要すると考えております。
 そこで、局地激甚の基準でございますが、これにつきましては、当該市町村の年生産農業所得全体の一〇%以上あれば局激の基準に該当するということになっております。島原市でいえば、平成三年の推定農業所得ちょっとわかりません、今集計中でございますが、平成二年のものでいけば約二十六億円ということになっております。したがって、これの一〇%を超す被害、二億六千万円以上あれば局激の指定基準をオーバーするということになります。したがって、今の状況を航空写真等から判断しますと、いけるんではないかというふうに考えられます。
○薮仲委員 正確じゃないとかなんとかというわけじゃございませんけれども、私のところにはそちらから来た資料があるのですよ。十七億三千二百万、これは島原市、深江町が七億七千三百万、ですから両方での金額だと思うのですね。これは、細かいことはきょうやる気はありません。今おっしゃったようにいけると思うということで、これは局激が当然採択になると思いますので、農家の方また復興に勇気を出して頑張っていただきたいと思います。農水省の方、結構でございます。ありがとうございました。
 きょうは、ちょっと大臣が途中でいなくなるということですから質問を大幅に変えました。道路の問題を、いつも藤井局長に厳しい御指導をいただいておりますから、きょうは逆に我々も庶民の立場から聞かせていただこうと思って、どうか局長も国民に答えるつもりでわかりやすく穏やかにお答えいただくよう、冒頭でお願いしておきます。素朴な質問からいたします。
 我々静岡県民は東名高速、大変恩恵にあずかっております。私もほとんど連日のように地元におりますときには使わせていただいておりまして、この道路の有効性、便益というものを非常に享受しておる一人でございます。ただ、今日いろいろなところで言われておりますことを国民の側からの意見としてお聞きいただぎたいのですが、静岡県民は、東名高速が昭和四十三年に完成、供用開始になったわけでございますが、開業を始めたとき我々がひとしく理解し、期待しておりましたのは、この建設費は相当かかったけれども、我々が乗って料金で支払いすると、その建設費分だけ料金で支払うとこれはただになるんだよということが、我々の一つの楽しみといいますか夢でございました。しかしそれは、御承知のように昭和四十七年の道路審議会の答申によりまして、料金プール制という制度が導入されました。その夢ははかなく消えたと言っていいのかどうか、これはまた議論になるところでございますが、いずれにいたしましてもプール制の導入になりました。日本の国土の均衡ある発展、道路というものは果てしなく続く一貫性のある道路でなければならない、いわゆる一体性、一貫性という論理からプール制が導入されたわけでございます。
 このことについてきょうは何点かお伺いしたいわけでございますが、御承知のように東名が建設されたとき、その建設費の総額、いわゆる供用開始のときでございますけれども、今から思えば夢のような値段でできているわけでございます。東名の建設費は承知する金額では三千四百二十五億、名神は千二百十四億、こういう金額でできておるわけでございます。ちょっとここで局長に聞きますけれども、この金額でよろしゅうございますか。
○藤井(治)政府委員 先生の方に私どもから事前に御説明したとおりでございます。
○薮仲委員 これはまた県民の立場でちょっと聞きますけれども、平成三年でございますけれども、では我々の方でいただいている資料でいきますと、平成二年までの累積の東名の収益が入っているわけでございます。東名、平成二年でざっと二兆六千億ですね、それから名神が一兆四千四百八十億というのが平成二年までの収入でございまして、これをざっと庶民的な計算で割り戻しますと、建設費の七・五六倍払ったな、名神は十二・〇六倍払ってるな、こういう野蛮なことを言うと局長は大分からんときていらっしゃると思うのでございますけれども、現実これだけの料金の収入があったわけでございます。そうしますと、東名、名神ともに当初の、料金で建設費をペイできればただになりますよというのは一体何年ごろだったろう。これは、東名はちょうど八年目、昭和五十一年、約四千億払っておりますので、ちょうど八年目でペイできたのかな、名神は十年目、昭和四十八年、この時点で千三百七十九億払っておりますから、これで大体支払いが終わったな、こういうふうになるわけでございます。
 そこで局長、これは私も余りしたくない質問でございますけれども、そうすると東名、名神の方は、名神の方は昭和四十九年、東名の方は五十二年から、他の道路の支払いにこの収益が回っているのかなという意見が現実にあるのは事実です。しかし、私は冒頭申し上げましたように、この料金プール制ということについては基本的に理解はいたしております。
 そこで、今後どうするかということで、もう一歩突っ込んで局長そして大臣にお伺いしたいことがあるわけでございます。高速自動車国道は、もう大臣も御承知のように、道路整備特別措置法第十一条にうたわれておりますのは、簡単に言えば償還主義の原則と公正妥当の原則です。この二つの原則で高速自動車国道はつくっていきなさい。この償還主義ということはどういうことかというと、料金収入によって、一定の料金収入期間で総費用を償いなさい、それでできる道路はつくってよろしい、この総費用というのは工事費と用地費、維持管理費、利息等ですよ、こう法律にきちんと書いてあります。第二の原則は公正妥当である。公正妥当ということも非常に大事だと思うのです。料金というものは、利用者の支払い能力を勘案し、すなわち負担能力を考慮して決められなければならない。そしてこの場合は、高くてもいけないし低くてもいけない、これが公正妥当である。この二つが法律の精神であろうと私は思うのです。
 そうしますと、料金プール制導入の必要性を私は認めているわけでございますが、今の二つの原則で本当にこれから道路をつくっていけるのかなということを、きょうはしっかりと大臣と局長にお考えをお聞かせいただきたい。
 私は、何回も言うようですが、このプール制は必要だ、これがなければ道路はできない。すなわち、道路というのはいわゆる公共事業で税金でつくるか、あるいは料金でつくるか、この二つのつくり方しか道路はつくられないわけですから、どうしても税金でつくれない、じゃ料金でつくりましょう。しかし、この料金でつくるについて無原則、無定見でやっていったのでは非常に問題があるんじゃないか。ここに持っておりますけれども、建設省の高速国道二十一世紀のハイウエー、いわゆる高規格幹線道の一万四千キロの日本の骨格をなす道路をつくっていこうということでこれを出されております。私は、この一万四千キロの道路ができることを非常に期待もし、一日も早く完成してほしいと願っている一人でございますけれども、ここで一番大事なことは何かといいますと、やはりそうなってまいりますとこの高規格幹線道に採択していく線区、これは予定路線でございますが、絶えずこの線区を採択していくわけです。道路審議会の答申にありますように、今東名、名神から始まって、採算のいいところから採択していきなさいとなっております。いよいよこれから北海道であるとか、あるいは日本の横断道へ入っていくわけでございます。
 そうしますと、どうしても私は、料金で、三十年というこのタイムスパンの中でペイできる道路なのかな。これは後ほど一般有料道路の問題点も指摘いたしますけれども、三十年で果たして利用者の料金でできるのだろうかということが私は非常に大事だと思っております、だめだというのではなくて。ならば、前々から言われておりますように、償還主義といわゆる公正妥当というこの二つのことを前提にするのであれば、国幹道として採択する道路がこの二つの原則に合うか合わないかは提示しなければならない。私は、何が大事かというと、これからの行政、政治というものは国民が同意して、賛同して協力を求めないとつくりにくくなってくると思うのです。つくったけれどもこんな道路要らないとか、使いにくいんじゃなくて。やはりあの道路審議会の答申、私は四十七年答申からずっと読まさせていただいておりますけれども、あそこの中であってほしいのは、国民が共感して、賛同して待望してこの二十一世紀の繁栄をつくるような、その応援の中で私は道路はつくってほしい。
 そうなってきますと、こういうことはできます、こういうことはできません、このことをきちっと私は言わなければならない。そうしますと、今国幹審として一千四千キロの中の高規格幹線道の自尊道の部分は置いておいて、国幹審で取り上げた道路がすべてこの十一条の償還主義、公正妥当主義に大丈夫なのかどうか。といいますと、単線ごとにできなくてもプール制の中ではできるとはいっても、最近の状況を見ておりますと私はちょっといかがかなと思うのです。
 そこで、最初にお伺いしておきたいのは、やはり線区別の路線別収支ですね、予定路線になった段階で大体路線別の推計の収支を国民の前に明示するということが必要ではないのかな。ということは、安易なプール制の採択をしますと公団自体が参ってくると思うのです。そこで、路線別の収支を提示したらどうですかという意見があるのですが、これはいかがでございますか。
○藤井(治)政府委員 先生からいろいろとお教えをいただいておるわけでございますが、先生が前提として料金プール制をお認めいただいておるごと、非常にありがたく思っております。そういう中で、今先生御指摘のように、料金に過大な負担をかけないような形で、しかもプール制のよさを利用して、かつ個々の路線におけるいろいろな矛盾をチェックしながら、そして高速道路全体としての安定を図るためのそういう仕組みをつくりなさい、そういう場合に個別の、個々の路線の採算というものもちゃんと見なさいよ、こういう御指摘だと思います。私どもも、この点につきましては道路審議会等の過去の答申においても、そういうことをよく勉強するようにというふうにも御指摘受けております。
 ただ、個別路線の採算というこのとり方というのは非常に難しゅうございまして、どういう形でプールの中における個別路線の採算性を表現していくかということ、これを今技術的に検討をいたしております。ただ言えることは、今までの考え方としては、公的な負担を高速道路全体の採算性の中に入れる際の物の考え方といたしまして、個別の路線においてその路線から得られるであろう料金の収入と、そこで必要となる建設費総額の収入との比率を見ながら、それがちょうど半分半分になるように国費等々の公的資金を投入して、過大な負担がそれぞれにかからないような工夫を今まではいたしてきております。そういうことも含めて、現在道路審議会においてもろもろの検討を、この一月大臣の方から御諮問いただきまして、今その勉強をしていただいている最中でございます。
○薮仲委員 もう少し論議を深めるために、今国費とおっしゃいましたので、じゃここでずばり今日まで国費をどの程度、パーセントで結構でございますが、ずっと昔から言うとおっくうになりますから、昭和六十年から以降国費が総事業費の何%入っているか、数字だけで何%、何%、六十年以降おわかりになる時点までで結構ですから、パーセントだけおっしゃってください。
○藤井(治)政府委員 お答えいたします。
 例えば昭和六十年、これで一〇・四%入っております。それから現在、平成四年の予算では七・八%と相なっております。このようになっている理由は、資金コスト、これが毎年変動いたします。長期プライムレート等々、公定歩合によって変動いたします。そのときに、全体の調達コストが六・五%の路線と三%の路線に合わせて全体の資金コストの調整をいたします関係上、国費がそれぞれの年度で変わってまいるということでございます。
○薮仲委員 おっしゃられたとおり、国費が六十年度が一〇・四、六十一年九・五とずっと来ているわけでございますが、平成に入っては七・〇、七・〇、七・八、二年、三年、四年とそういう七%推移で来ておるわけでございます。これは確かに、じゃこれをもっと庶民的に平たい言葉で言いますと、約九〇%以上は料金でつくられている道路ですねということに、裏返せばそうなるわけです。国費が約七%台ということは、九三%は料金収入で建設されております。こういうことをはっきりした上で私は賛成しているわけでございますけれども、この一番問題なのは、やはり採択する路線というものをきちっとしておく必要があるな、今道路審議会で審議していらっしゃるということであれば結構でございますが。
 私はなぜこれを懸念するかということを、これは大臣に御意見を伺いたいわけでございますけれども、日本道路公団というのを考えてみますと、かつて日本国有鉄道、中曽根総理が見事あれを分割・民営化なさいましたけれども、国民はあの分割・民営化に対して非常に好ましい立場で受け入れていると私は思うのです。あのことによって国鉄がよみがえった。じゃ、国鉄はなぜああなっていったのだろう。これは、今の道路公団は、さっき局長もおっしゃいましたけれども、一つ一つ道路審議会で歯どめをかけております。採択の基準とかいろいろかけておりますけれども、もっと具体的に言いますど、これは今質問させていただきますが、いわゆる国鉄のときに何が悪かったかというと、不採算の地方ローカル線、赤字ローカル線がどんどん出たのです。あれをどうするかということで、民族自決じゃございませんけれども、その地方で生かすか殺すか考えなさい、これをローカル線として第三セクターをつくって生かすのなら生かしなさい、だめならば廃線にして代替のバスを通しなさい、その地域の責任において決断して、残したところは残した。だめなところは廃線にして不採算のところは切っていったのです。
 今、この日本道路公団が料金だけでやっているわけでございます、九〇%以上。もしもこれで国民の方が払うのが嫌だと言うと、途端にこの道路はストップせざるを得ない。これからだんだん不採算がふえてくるわけです。今のところはいいんです。でも、今いいといいますけれども、果たして本当にいいのかどうかということを大臣に御理解いただきながら私の考えていることを申し上げますと、確かに東名、名神から始まりまして沖縄自動車道まで、この高速国道は国幹審の総括表にありますようにこれだけ走っておるわけです。じゃ本当にこれだけの道路が、すべて収支がどうなんだ。今申し上げましたように路線別の収支が出てこないのです。
 これ見ますと、東名高速道路、名神高速道路、中央自動車道富士吉田線、中央自動車道西宮線、長野自動車道、東北自動車道、八戸自動車道と全部路線が書いてあるのです。ですから、私は本当はここに出ている路線別に収支を出せばいいと思うのです、始点と終点があるわけでございますから。そこで出せばわかるのですが、これは出せない事情もおありだろうと私は思うのです。なぜかならば、これだけの路線の中で果たして生きのいい道路はどれなんだろう。生きのいいと言ったらおかしいですが、非常に料金収入がいいのはどうだろうと考えますと、非常に論議は分かれるわけでございますけれども、東名、名神、中央それから常磐、関越と、一番国民が使うであろう道路だけを足しますと、これだけの五つの路線ですよ。今申し上げたのは東名、名神、中央、常磐、関越、これだけの道路で日本道路公団の収入の四八・八七、これは平成二年の料金の総括表ですけれども、いわゆるたった五路線で五割持っているわけです。そうすると、あとどうなのかなという懸念があるわけです。これはあくまでも懸念であって、実態がわかりませんから、私はこう申し上げるしかないのです。
 と同時に、もう一つのこの資料は道路公団が提示いたしました高速自動車国道の路線別収支、これ一回だけ出したのです。これは平成三年ですかね、お出しになったやつがあるわけでございますが、これでいきまして収支率五〇%以下、これはどういうことかといいますと、百円お金を稼ぐのに幾らかかるかという路線です。ちょうど国鉄がこの論議をしたのですけれども、国鉄のときは東海道新幹線と山の手線と、あの関西を走っている電車ぐらいしか黒字にならなかった。あとは全部、あのローカルの東海道線も赤字の最たるものだったのです。その国鉄が何をやったかというと、内部補助です。いわゆる新幹線と山の手線の黒字をほかへ回して何とか赤字を糊塗していったのです。それであの最悪の事態になったわけでございますけれども、じゃ日本道路公団の道路の中で勢いのいいのはどうかといいますと、この公団の資料にありますように、収支率五〇%以下の道路というのは二本だけです。第一東海自動車道、いわゆる東名ですね。それから名神高速道路、いわゆる東名、名神が一番いいわけです。これは収支率で三五%と三八%、百円もうけるのに三十五円でいいということなんですね、逆にいいますと。五〇%前後の道路はどれかというと、東関東自動車道、中央自動車道、それから近畿自動車道、関越、常磐、このあたりはどうやら黒字なんです。どんどんこれは下へ行きまして、東北縦貫、中国縦貫、九州縦貫、北陸自動車道、こうなりますと百円稼ぐのに百六円とかあるいは百二十八円かかるとか、もう百円の収入を上げるのにそれ以上のお金を投資しないと入ってこない。沖縄とか北海道へ行きますと、沖縄で二百二十三円、北海道で二百四十五円、百円の収入を上げるのに倍のお金を投資してやっている。こういう道路が、先ほど道路局長は採択に厳格でありますと言うけれども、ちょっとこの公開された路線の実態を見ても、私はこのままでずっとこの料金でいくことに、どうなのかなという感じがするわけです。
 これは専門的ですから局長に伺いますけれども、素朴に聞きます。北海道の道路あるいはこれからつくる横断道、これは今の償還の原則で大丈夫ですか。
○藤井(治)政府委員 私ども、先ほど申しましたようにプール制という前提の中で、かつ、今先生がおっしゃったような百円の収入を得るのに幾らかかっているかというような意味でいえば、比較的採算性のいい路線、これからプール制ですからいろいろと御協力をいただくわけです。しかし、その御協力も限界を設けてやるために、昭和五十八年に資金コストを三%に下げました。そして、そういうことでそういう過大にならないようにしようということの道路を当時四道七路線使いました。さらに今現在では、この三%路線が徐々にふえておりまして、平成元年度で八道十二路線、こういうふうなぐあいにだんだんふえてきておるわけでございます。
 今言いました北海道とこれからつくる道路でございますが、正直言いまして、昭和四十七年には建設費の単価が全国で大体五、六億円キロメーター当たりかかっております。それが現在では、平均いたしますとキロメーター三十億から四十億ぐらい、非常にかかっております。これをそういう状態の中で、かつ料金への転換をできるだけ抑えながら、国民の共感の中で抑えながらやっていくための、こういう総合的な資金コストの中でいろいろな組み合わせをし、かつ、さらにそういう意味の採算性の確保のための諸施策はほかにないだろうかということを、先ほど言いましたように道路審議会で検討していただいております。その中には、具体的にいろいろな検討対象も生まれてきております。そういうことを前提といたしますと、先生が御指摘の北海道にしろ、その他これから出てくるであろう、やっとこれから日の目を見て地方活性化の旗頭になる高速道路は、必ず一万四千キロでき得るというふうに確信をいたしております。
○薮仲委員 ぜひともそうあってほしいんで、これからもう少し論議を深めたいと思うのですけれども、これは四十七年の道路審議会の答申です、四十七年三月二十四日。この中でいわゆるプール制の導入ということをここで初めて言い出したわけですが、四十七年の十月からプール制になりました。非常に重要なことがここに書いてあるのですが、さっき申し上げましたように「採算性もあり、投資効果もすぐれている路線から順次採択し建設を進めてゆくべきでありこそれから「その路線は、路線別採算に従えば供用開始後おおむね三十年以内で償還が可能であると推定されるものであるか、あるいはプール全体の採算に余裕のある場合に限り、路線別採算に従えば供用開始後おおよそ三十五年以内に償還可能と推定されるものまでをこれに含めるという範囲にとどめる」べきであると。償還が三十年を三十五年、五年間延ばす範囲にとどめなさいと、これは歯どめがかかっているわけです。
 ただ、その後を私はさっき聞いたわけです。「ただし、この基準によるときには、――少なくとも建設省の行った試算による限り北海道および四国においてはプールに組入れられる路線がまったくなくなることになるし、また日本列島を肋骨状に横断する路線もそのほとんどがプールから」外さなければならない、このように指摘されているのです。私は、この指摘は非常に正しいと思うのです。でも、我々はこの指摘がある限り、じゃこれをクリアして、今局長が力説なさったように何とか一万四千キロに持っていかなきゃならない。そうなりますと、冒頭から申し上げるとおり、現実を厳しく見きわめて、そこからどうしたらつくれるかということを本気になってこの委員会で論議をして、そして国民の合意の中でやっていかなければならない。料金値上げをしようとすると国民から総スカンを食う、私たちはただになるはずだったと。こんなことをやっておったのでは、もう本当に高齢社会を迎えるのにあと十年しかないのに、大臣がいつもあと十年、四百三十兆というこのインフラ整備をどうしてもやっておかなきゃならないときに、国民が背を向けたのではますますつくりにくくなってきます。
 そこで私は、最終的にはどうしたらいいかということをお伺いしたいわけでございますけれども、その前にもうちょっと指摘をしておきたいことがあるのです。これは、行政監察の指摘があるのですが、それを云々する気はございません。ただし、そこで指摘されておりますのは、いわゆる値上げは困難ですよという指摘なんです。これはやはり傾聴に値すると思うのです。それは、社会経済情勢というのはなかなか厳しいものがあって、絶えず動きますから厳しいですよという指摘がなされております。
 もう一つ私は、そうじゃなくて、先ほど申し上げたように庶民の側からいいますと、果たしてこれが公正妥当な料金であるかどうかというのは、一つは消費者物価指数ですね。消費者物価指数の動向というのは非常に大事なことがあるわけであります。先ほど来資料とおっしゃるから、私がいただいた建設省の資料、この資料が、大型車と普通車でありますが、きょうは余り細かい点は言いたくないのですが、大ざっぱに申し上げまして、いわゆる昭和四十七年プール制を導入したときの料金、例えば私の住んでおります静岡−焼津、普通車でキロ当たりが十二円、インターのチャージも入るかもしれませんが、私は料金百五十円で静岡−焼津へ行けるわけでございます。それが平成元年の時点で五百五十円、普通車でこれは四倍までいかない、約三・七倍の値上げになっております。それから静岡−菊川、これでいきますと五百円が千六百円、三・一四倍。ずらっと読み上げるのは差し控えますけれども、大体三倍め値上げなんです。四十七年から平成元年までの料金値上げは三・五倍、三・一四倍、いわゆる三倍台の値上げでずっと来ているわけです。ところが、これを総務庁に聞きまして消費者物価指数、いわゆる消費者物価の動向を聞いてみますと、三倍はいっておらぬですね。昭和四十七年から平成元年まで物価上昇はどのくらいか。物価上昇は二・五二倍、三倍を下回っているわけでございます。そうしますと、消費者物価を上回る料金値上げというのは、今局長は国民の賛同の中でとおっしゃったけれども、これはなかなか賛同を受けにくいんじゃないか。これは、これからも物価上昇の変動を考えておきますと、上げにくい要因がなと感ずるわけでございます。
 それから、これはきょう御答弁はいただかなくても結構ですから、局長、私の問題意識として御理解をいただいておきたいのですけれども、例えば大型車、普通車、こうあるわけでございますが、公団は料金別納を採用しているわけです。料金別納を採用しますとどういうことが起きるかというと、いわゆる六百万となりますと、これは三〇%の割引になってくるわけであります。運送会社の大きいところはほとんど三〇%割引になります。これを単純に三〇%割り引いてみますとどうなるかというと、大型車両と普通車両と料金格差がほとんどなくなっちゃうのです。これは数字を申し上げるのはちょっといかがかと思ってやめておきますけれども、差はほとんどありません。これは局長も技術屋ですから御承知のように、道路の損耗は軸重の四乗にどうのこうのというあの論理があるわけでございまして、道路の損耗からいきますと、大型車両の道路に与える被害が一番大きいわけです。ところが、普通車両と同じ料金になっちゃうのです、三〇%も割り引きますと。ですから、我々が地元で言われるのは、薮仲さん、大型車両と私たちは料金同じですよ、こう言われるときに答えにくいのです。やはり我々が答えやすいような料金改定を、この次の改定のときにきちっと考えていただきたいと思うのです。きょうは御答弁は結構です。これを申し上げると局長がまた頭が痛くなって困りますから、これはやめておきますけれども。これはどなたかに、三割割り引かせてみますと普通料金と同じになると思うのです。
 そこで、もう余りこれをやっていてもしょうがないですから結論を急ぎたいと思うのですけれども、これは結論ですので大臣にもお答えいただきたいと思うのです。ではこの問題をどうするか。今申し上げましたように、諸般の問題を全部理解した上でこのまま放置して、つくりにくい道路を建設省あるいは道路公団がつくっていくということは困難じゃなかろうか。ではどうしたらいいのだ。料金が九〇%を超える、こういう負担の限界を変えていかなきゃならない。しかし、これは法律の中に決まっておりまして、高速自動車国道法第二十条「費用の負担」、これは全部国費で賄いなさいと書いてあるのです。ですから、国費でやらざるを得ないことになっているのです。しかし、果たしてこれでできるかどうかということを考えますと、今一般有料道路、もう高規格道路と合併方式で、国費を入れてそしてつくりやすくしています。あるいは本四公団も地方自治体のお金が入ってきているのです。ですから、道路のつくり方は違います。私は、本四公団も後ほどやりたいと思うのでございますけれども、今のような料金だけでつくれということが非常にこれは無理がある。そうすると、私が考えられるものの中に幾つかあるわけです。
 一つは、これは道路審議会でも言われておりますように、総費用から用地費を償還の対象から外したらどうですか、そうすれば償還が非常に楽になってきて料金の方へ反映しできますよ、これが一つです。これはもう道路審議会で、何回も検討課題と書いています。二つ目には、やはり国費だけというのを見直して、地方自治体も参加してくださるような、地方もそれに協力しますという方向への法律の改正はできないのだろうか、これが二つ目です。それから三番目に、限りなく資金コストをではゼロにしちゃって、公共事業に近い状態で、料金ではつくっていくけれども、資金コストがゼロになればこれは非常につくりやすいわけですね。しかしその利子補給金はどんどん膨らんでくるわけですから、この辺をどう考えるかということです。ちょうど今の住宅局の公庫融資に対する利子補給金と同じような形になるかもしれませんが、しかしこれをゼロにしないと、償還年数を三十年を三十五年にするとかというと、大変だろうと私は思うわけでございます。あるいは、これはまた野蛮な方法かもしれませんが、国幹道へ取り入れたところを、採算が合うところはぷつんと切って一般有料道路のような形にして、そこに国費をほうり込んで大体プール制料金と合うぐらいで料金設定して、あと国幹道の中へ取り込んでいくとか、そういう手法ができないのか。
 以上、四つ挙げましたけれども、何らかの方法で、今の料金に一〇〇%頼っている状態を変えて、本当に国民が望んでいる一万四千キロの理想とするハイウエー時代をつくっていただきたい、こう思うわけでございます。まだたくさんありますけれども、そのくらいにしておきます。余りやると嫌われそうでございますから。いかがでございますか。
○山崎国務大臣 ただいま薮仲先生の、まことに本問題のみならずあらゆる問題でございますが造詣の深いお話を承りまして、傾聴していた次第でございます。また、御提案も含めてのお話であったと思っております。私は就任して最初に、十二月の初めでございましたか、広島浜田線が開通いたしまして、これが横断道路のいわばはしりということではないかと思いまして、そういう時代が来たんだなと痛感をいたしましたのでございます。
 そこで、問題は採算性だということも指摘されたところでございまして、これから我が国土の高速道路一万四千キロ整備を目指して進んでいくわけでございますが、その肋骨となるべきあるいは骨格となるべき道路がこれから整備をされていくということになれば、先生御指摘のような問題が出てまいるのでございます。さすれば、道路整備をやらないでいいかということになれば、これも先生が強調されましたとおり、一万四千キロの高規格道路を目指しておる。西ドイツでは、八千七百キロほど現状高速道路があるようでございます。アウトバーンに代表されるものと思いますが、我が国はまだ五千三百キロ程度であるということでございます。アメリカの八万数千キロというような膨大な水準は別といたしまして、ヨーロッパ諸国とも比べまして、我が国が生活大国を目指し、あるいはもっと国土の均衡ある発展、多極分散型国土の形成を志していく上におきまして、道路の整備はなお必要である、どうしても目標達成をいたしたい。
 そういうところで、先生のお話のとおり、今後道路公団等が第二の国鉄化するのではないかということが心配をされておるということでございます。まさにその点につきまして、先生からも御指摘はいただきましたし、先ほど道路局長がお答えをいたしましたとおり、道路審議会に諮問をいたしておるところでございます。その答申の中に、恐らく先生の御提案が必ず生かされてくると確信をいたしておりますが、本日の御提案も含めまして、これからの道路行政につきまして中長期的な視点に立ちまして検討を加え、成果を上げてまいりたいと思っております。御指導、いろいろありがとうございました。
○薮仲委員 これは余り長くやらないで、簡単にやります。有料道路の方もちょっとだけ意見を言わしていただきたいと思うのです。
 余り暗い話はもうやめまして、この一般有料道路、これは非常に重要だと思っております。平成二年収支状況出ておりますのは、四十七路線いただいておりますが、この間二路線ですか三路線ですかありますから、五十路線ぐらい今走っておるのかなと思いますけれども、ただ、手元にいただいたこの収支でいきますと四十七路線。このうち、いわゆる本来その路線の上を走るであろう計画交通量があるわけでございます。その計画した交通量に足りませんと収入が赤になってくるわけでございますが、四十七路線のうち、現実は二十六路線が赤ということでございます。五割強赤字なのかなということでございます。しかし、これにはそれなりの事情があるということは私も十分わかっております。このことは、年々道路局のその衝に当たる方が努力して、非常に改善されているということも、その努力を私は多としております。
 しかし現実、この道路をつくるときには、どうしても必要だ、そしてまた当然これはペイできる。この有料道路の方はまた、先ほど申し上げました償還の原則と公正妥当ということもございますけれども、これでは便益性ということを道路審議会ではうたっておるわけでございます。やはりこれだけの高規格の道路を走ってこれだけの便益があるから乗るんだということでこの道路はつくられておるわけでございますが、やはり私は、こうやって半分以上が赤字ということは、必要があってつくられたんですけれども、国民が受け入れてはくれなかった、国民が余りそれを乗ってくれなかったということは非常に残念だと思うのです。私はやはり建設する側が、この道路をつくれば利用していただける、利用する人はこれだけの便益がある、そうすれば償還できる、こういう建設する側のお立場でこれは十分検討しておつくりになったと思うのです。しかし、実際供用を開始してみますと国民が乗ってくださらない。ということは、端的に言うならば、建設側の認識と道路を使っていただく利用者、国民の側との認識に相当な乖離があった。つくる側は乗ってくれると思ったけれども、つくられた側は乗ってくださらなかった。この辺は、私はやはり非常に重要な問題だと思うわけでございます。
 私のお願いは、これから有料道路が必要でございます。しかし、国民が受け入れる、受け入れてくださる料金の限界ということについて、これらの有料道路の推移の中から研究をして結果を得ていただいて、そして国民が喜んで利用してくださる道路にしていっていただきたい、こう私は思うわけでございます。これどうするかといいますと、これも同じことでございますけれども、私はこの全体像の中で、赤字があるということは道路をつくった方にとって非常に残念で、このことについての指摘だけにとどめておきますけれども、これは何とか改善できないかな、こう心から思うわけでございます。これもやはり、国民が使いやすい道路にするためにはそれだけの便益を享受できることだと思うのです。ただ、料金について言っておきますと、高くても乗っているんですよ、道路によっては。これは便益さえあれば乗るんだなと、国民は素直に受けとめてくれておりますので、この辺の解析をお願いしたいと思うのでございます。
 そこで私は、将来のために道路局長、これはちょっと御意見を伺わしてください。今、建設省が最も重要な路線として平成七年供用を目途として、静清バイパスを一生懸命やっていただいております。私は大変感謝をいたしておりますが、ただ、ここで一番問題になりますのは、それに接続しております東海四バイパス、これについて少し使いやすくしていただけないかなという希望がございます。これはもう局長も中部のことはたなごころにおわかりでございますから、私が今さら申し上げるわけではございませんけれども、この静清バイパスが供用を開始いたしましても、御承知のように一たん丸子で現道に出るわけです。現道は二車なんです。静清は四車で来るわけです。現道へ来ると二車になるんです。よく首都高を批判する人が、二足す二は二、こういうことを言いますけれども、これも同じようなことで、現道二に入るものですから束帯にぐあいが悪い。特にここには宇津ノ谷トンネルというトンネルがやはり現道二車です。それからまた、途中から岡部バイパスに今度乗るわけです。今度藤枝バイパスにはストレートで通じますけれども、今度藤枝バイパスをおりますと、また現道へおりるんです、掛川へ。これ現道二車です。そうすると、現道二車からまた今度掛川バイパスにというふうに、ところどころ現道二車のところを通らなければならない。特に一番問題は、この宇津ノ谷トンネルとか、静清バイパスからどんと出たところでこれがボトルネックみたいにこうなっているわけです。そうしますと、平成七年で供用を開始しますけれども、七年にこの宇津ノ谷トンネルとかこの現道が拡幅していれば非常にスムースになるのですが、これはどうなんですかと、ここで質問と書いてあるのですけれども、ちょっとこれもやめておきますが、これも非常に問題点なんですよ。これはちょっと現道の方がおくれていると思うのです。ですから局長、これをテークノートしておいていただきたいと私は思うのです。
 それで、なぜ私がこれを申し上げるかというと、もっと大事なことをこれから申し上げたいのですが、これは警察庁ともちろん局長のところで、一号線全体の交通センサスを持っていらっしゃるのです。交通センサスでいきますと、これは警察庁、県警の交通センサスですけれども、例えば静岡の南安倍、これはインターへ通ずるところでございますが、昭和五十九年と平成三年の交通の渋滞実態に載っておりますが、では昭和五十九年から平成三年に変わったかといいますと、一日平均の渋滞時間、これは二十四時間ですが、昭和五十九年が八時間、平成三年が八・五時間なんです。ますます一号線は渋滞を増しているのです。建設省の交通センサスはそういうとり方でなくて、いわゆる渋滞のときの走行キロで出ておりますけれども、静岡県内、昭和六十年度三十五・八キロ、昭和六十三年度三十五・〇キロ、平成二年度三十二・八キロ、これは建設省の交通センサスも、年々静岡県内の一号線の流下交通量は非常に悪くなっているわけです。
 そこで、私がさっき東海四バイパスを申し上げたのはなぜかといいますと、これは当時の、私はトラック協会なんかの陳情書をみんな持っておるのですが、きょうはやめておきますけれども、あの東海田バイパスをつくったときに何が問題かというと、国道一号を走っておる大型車両を何とか有料道路へ乗っけて、そして現道の騒音公害あるいは振動を避けたいということであの四バイパスができたはずなんです。ところが、四バイパスの実態はどうかといいますと、これも数字で申し上げますと、これは藤枝バイパスだけ例にとりますと、我々は大型車両が藤枝バイパスに乗ってくれると思ったんですよ。ところが現在どうかというと、その前からずっと持っておりますが、平成二年の時点での資料でいきますと、普通車が一日の合計が一万一千百五台です。大型車は何と八百二十九台です。さらにこれを、一号線を走っております大型車両との比率を出してみますと、これまたびっくりするほどの数字になるわけです。国道一号を走っております平成二年度の、これはやはり建設省の資料ですから局長御承知のように、国道一号か走っております大型車両は八千二百五十台です。ところが藤枝バイパスへ乗ってくれるのは八百二十九台、約一割ですね。乗ってくれないのです。
 では大宗は藤枝バイパスは何が乗っているかというと、今申し上げましたように藤枝バイパスの一日の交通量の総合計は一万二千六十七台、大体そのうちの九二%が普通車なんです。大型車両が、乗ってくれと言っても乗らないのです。本当はこのバイパスは、大型車両が乗ってくれてこそ我々県民はよかったのです。でも一般国民はどういうことかというと、さっき申し上げましたように県内は渋滞が激しいのです。私も島田へ行こうとしますと、一号線は物すごく渋滞するのです。焼津のインターでおりてバイパスを通るのです。これは悪い言い方ですけれども、すうっと行けるのですよ、全く渋滞なしで。走っていらっしゃらないと言えば悪い言い方ですけれども、行けるから乗るわけです。これは何で乗ったかというと、一号線を行ったら込んで物すごい時間がかかるのです。バイパスに乗ればわずか十数分で行けるのが四十分近くかかるのです。それで乗るのです。やむを得ずこのバイパスに乗っておりまして、今バイパスを支えておるのは普通車が九二%、大型車は乗ってくれないのです。
    〔委員長退席、杉山委員長代理着席〕
 ですから局長、これは開通して十年たっているのです、この四バイパスは、その中にはちょっと早いのはありましたけれども。何をきょう申し上げたいかというと、一号線はこのように渋滞です。やむを得ずこのバイパスを使っているのは普通車で、もうからないということで乗ってもらいたい大型トラックは乗らない。今度静清バイパスが供用されて、今使いにくいですけれども、仮に宇津ノ谷トンネルも通ってずうっと通った。そのときに私は局長にお願いしたいのは、今度大型車両がどんとこのバイパスへ入ってくる。もしも全通すれば入ってくると思うのです、これは東名より料金が安いから。これはもう商売をする人は賢明ですから、そっちへ入ってきます。いつも苦労をして隅にやられて危ない思いをするのは弱い庶民です。
 この藤枝バイパスについても、全通したときに、この間も私は御説明をいただいた方に申し上げたのです。もっと使いやすくして、今五百十円を百五十円とか二百円にできないの、もっと安くしてほしい。私は逆に言うんだったら、本当に乗ってもらいたい人が乗らなかったのですから、今度大型車両をこのバイパスに乗っけて、普通車の料金は少し下げてあげます、それでもこれが本当に便益性があれば十分ペイできると私は思うのです。今はほとんど利用率は悪いのです、申しわけないけれども。パーセントでいえば五〇%の利用率です、四バイパス平均して。ですから、これを八割、九割、一〇〇%以上に持っていけば償還は決して不可能ではございません。そのために、大型車を乗っけて普通車両の人をもう少し優遇していただく方向へ、いろいろ申し上げました。
 全体の有料道路の問題も言いたいこと多々ございますが、大変皆さんが努力していらっしゃって御苦労してやっていらっしゃることを十分承知しておりますので、細かいことはきょうはやめますが、ただ地元の道路についてはもう少し地元に便益を、我々は、本当に苦労しながら通勤しているサラリーマンに利用しやすい料全体系にしていただきたいと心から思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○藤井(治)政府委員 先生、今るるお教えいただきましてありがとうございました。
 この東海道のバイパス、静清バイパスから潮見バイパスまで十一バイパスが連続しております。その中で、今先生御指摘の藤枝、掛川、磐田、浜名、これが最初に有料道路で先発されました。以後、その間を結ぶバイパスは、結果として無料のバイパスといいますか、無料でもって事業化をし、これをつないでいる最中でございます。したがって、当時有料でしか事業化できなかった、こういう事態ではございますが、現在は静清から潮見の中で四つが有料で七つが無料ということで、この全通に向けて今一生懸命やっております。
 確かに、平成七年度に静清バイパスが一応開通いたします。これに合わせてほかも全部一斉にできればよろしいわけですが、若干何年かずつずれがあるかと思いますが、これをなるべく縮めるという努力をこれからすることが一つ。それから、つながったことで利用者がもっと利便性を持って使っていただくようないろいろな道路の誘導政策といいますか、標識やPRを初めいろいろなことを現道対策とあわせてこれからやってみたいと思います。
 そういうことで、我が国のほかの地方においてはまだまだ有料でしか事業採択ができないところもありますし、それぞれいろいろな工夫をこれからもしてまいりますが、一つだけ最後に言わしていただきたいのは、昭和四十七年に一般道路事業が道路予算の半分ございました。一般道路でただで使える予算が、道路の全体の半分でございました。現在は四一%しかございません。こういうことで、一般道路事業の国費が非常にしわ寄せされながら、だけど何とか全体の要望にこたえるために、多少何といいますか、かたい御飯ではなくて多少おかゆっぽい、おじや的な御飯も食べていただきながら、みんなで一緒に早く食べれるような工夫をさせていただいているありさまでございます。ただ、そのことが有料道路の料金の負担という形で大きな負担をいろいろな利用者にかけないような工夫をすることが前提でございますので、今後ともそういうことに気配りながらやってまいりたいと思います。
○薮仲委員 道路局長、ちゃんと使いやすくしてくださると信じておりますので、重ねてよろしくお願いをいたしておきます。
 それから、これは本四にちょっとお伺いしたい。これは、私の妻が四国の高松でございますので、地元の女房の実家へ行くといつも言われるものでございますから、これはどうしても何とかしてほしいというような希望もございますけれども、将来性を聞いておきます。
 あそこにある瀬戸の中央横断道、坂出等にいる方はもう少し安くなってほしいな、こういう希望を持っておるわけでございますが、三ルートすべての橋が供用できるようになりますとプールが完成するわけでございます。そうしますと料金がさらに上がるのかという懸念もございますが、私は本四はそんなことはしないだろうと期待しておりまして、今の料金から徐々にプールが完成すれば使いやすくなっていくんじゃないかと期待しておりますけれども、本四の方、いかがですか。
○岡田参考人 現在、瀬戸大橋を供用してございます。そのほか部分的にところどころ供用してございますが、これから明石海峡大橋とか来島海峡大橋、多々羅大橋とか、こういう残った大きな橋も今工事を逐次進めておりまして、また準備もしているところでございます。
 そういうことで、三ルート一体として本四道路は建設していく。これまでも、道路審議会でもそういう御指示がございましたし、そういうことで三ルート全線を対象にして料金もまた設定するということでございまして、既に工事をやっておりまして逐次できてまいりますけれども、これはできるという前提で今の料金が設定されているということでございますので、今後交通量とか極端な経済情勢の変動で事業費が急に膨らむとか、そういう特殊なことがない限り現在の料金で今後とも進めてまいりたい。料金の改定ということは、今のところ考えてございません。
○薮仲委員 プールが完成したら下がるのですか、上がるのですか。
○岡田参考人 料金は変わらないということでございます。
○薮仲委員 私は変わると思うのですよ。それは、建設費がなくなりますのでメンテナンスが主体になってまいりますから、メンテナンスの経費はきょうやりませんでしたが、資料は持っておりますが、天下の日本道路公団のメンテナンスは現時点においてはそう大した金額ではございませんから。長大橋がありますから、相当大変だと思いますけれども、そんな簡単にぶっ壊れるような橋は岡田理事もつくっておらないでしょう。そんな心配ない、プールが完成したらだんだんメンテナンスの方向だけでいいんじゃないかなという感じが私はいたしますけれども、お帰りになって、いずれいろいろと御意見を皆さん方から聞いてみてください。
 きょう最後の道路の問題、首都高の方にお伺いしたいのですが、細かいことは一切結構です。ただ、これをおやりになれるかどうかということで、私、前の建設委員会でお話をしたわけでございますが、今の首都高が使いにくいという批判もございますのでも、使いやすくするのは簡単であって、極端なことを言えば、適正な通過交通流量の車しかランプから入れなければあれほど快適な有料道路はないわけでございまして、ただ通過交通量以上に入っているので非常に使いにくいのかなということもございますが、それはそれといたしまして、ではどうしたらいいか、この間も申し上げました。
 この高度情報化時代の交通管制というものを、もっと考えたらどうでしょうと私は言っているわけです。例えば、この間私申し上げましたように、自宅から出るときにあれだけのランプの中で自分の使いたいランプの渋滞状況が大体わかる。それからランプの入り口に近づいたときに、自分が上を行こうか下を行こうかという判断が路側通信なり何らかの方法で得ることができる。それからランプを入って走行中に、例えば車が渋滞した、完全にとまった、そのときに、これは事故による渋滞なのか、それとも自然渋滞だから自然と走れますよ、そのときに、あなたの目的とするどこそこには、今渋滞しておりますが大体これぐらいで走っていって何分ぐらいでランプから出られますよというような情報が少なくとも入ってくる。
 と同時に、今警察庁といろいろと御苦労していらっしゃるようでございますが、あの首都高速全体をもう少し、システムエンジニアの方等のいろいろな専門家の意見を聞いて、道路交通の本当の専門家を集めて、どういう管制をしたならば最も快適な状態で走れるのだろう。経験や勘ということも大事かもしれませんけれども、やはりこれだけの時代ですから、大型コンピュターの中にいろいろなファクターをきちっと入れて、将来は首都高速を本当に快適な交通管制の中で、嫌だったら乗らなければいいのですよ。渋滞を避けるのだったら乗らないでこちらをというような、選択の余地を与える方向で改善していくべきだと私は思うのでございます。文字板を何個つけて何をつけて、こういう細かいことの御説明は後で資料でいただいても結構ですから、おやりになるかならないかだけお答えください。この点は、できないならできない、やるかやらないかだけ簡単にお答えいただければ結構です。
○渡邊参考人 ドライバーに対します的確な情報提供については、公団といたしまして最重要課題の一つとして考えておりまして、御指摘の各種整備に加えまして、どのようにしたら快適で渋滞なくドライバーの方が走行できるかについて今後なお一層の検討を重ねてまいりたい、かように考えております。
○薮仲委員 どうか皆さん方、しっかりやってくれるのを信じてますから、頑張ってください。きょうはたくさん問題あるもので、そのぐらいにしておきます。道路の関係の方、もう道路の質問はいたしませんから、ありがとうございました。
 今度は、河川の問題を少しやらさせていただきたいと思います。
 先般も河川局長は、非常に豊かな自然といいますか、自然を大切にする自然に優しい川づくりであるとか、いろいろと自然を守りながら治水をしっかりやっていくということを御答弁いただいておるわけでございます。最近いただいた河川局のパンフレットを見ますと、「まちと水辺に豊かな自然を 多自然型川づくり」とか「さかなにやさしい心豊かな河川を」、非常に心のなごむ言葉がたくさん出てくるわけでございます。「美しい川のあるまちは優しさにあふれたまち」「美しい川のあるまちは、うるおいのあるまち。」等、こういう言葉を聞きますと私も本当にほっといたします。建設ということはそういうことだと思うのです。決して破壊ではないと思うのです。
 これからの河川管理、治水ということに、やはり防災であるとか治水ということは非常に重要でございますが、そこにこのような温かい心の通う自然とのつながりの中で河川事業というものをやっていっていただけないか。特に最近は、スイスやドイツを初めとしていろいろ言われておるようでございますけれども、日本の国でも決しておくれているわけではないと思うし、積極的に取り組んでいくと思うわけでございます。そういうことで、多自然型というのか近自然型というのか、こういう豊かな、心のなごむような広報を進めていただきたいと思うのでございますが、局長のお考えをお伺いしたい。
○近藤(徹)政府委員 たびたび貴重な御意見をいただきまして、厚く感謝を申し上げます。
 河川は、国民の生命財産を守るために治水施設を整備していくことが、河川管理者に課せられた最大の責務でございます。また同時に、河川はさまざまの魚類、水中生物の豊庫でもございますし、これらとの共存共生ということが大きな課題と考えております。
 建設省では、各種河川事業において、従来より生物の生育環境に配慮しつつ事業を進めてきたところでございますが、平成二年度からは特に生物の良好な生育環境に配慮し、あわせて美しい自然景観を保全あるいは創出する多自然型川づくりに積極的に取り組んできたところでございまして、また今後一層の充実を図る所存でございます。
 さらに、豊かな水域環境の創出をより積極的に推進するため、平成三年度から魚が上りやすい川づくりとして、魚の遡上、降下に支障となっているせき、床固め、ダム、砂防ダム等とその周辺の改良改善、急遽流量の確保等を行い、魚類の遡上環境の改善を積極的に行うための施策に取り組んでいるところでございまして、今後モデル河川での具体的な検討を進めたいと考えており、その研究期間を経た後に、全国の河川にその成果を生かしてまいりたいと考えております。
○薮仲委員 どうかその考えで、全国の自然そして河川をすばらしいものにしていただきたいと思うのでございます。
 きょうは具体的な問題で何点かお伺いをしたいと思うわけでございますが、私の地元に大井川がございます。東海道中膝栗毛、弥次さん、喜多さんのころから言われております「越すに越せない大井川」、あるいはまた広重の絵にも出てまいりますように、宿場町として栄えている大井川流域でございますけれども、この大井川は、現在御承知のように発電ダムが随分建設されておりまして、表流水が非常に少ない。私も当選して初めてのときに、塩郷の堰堤の下は砂漠じゃないかと言って、当時の建設大臣に改善を要求した経緯もございます。
 あそこには川根のお茶といってすばらしいお茶もできるわけでございますけれども、川根三町、下が川根、中川根、本川根と上がっていきますが、中川根あたりまでは帆かけ船が昔は通っておった。しかも、いかだ流しも語り継がれておるようなすばらしい渓流であったことは間違いございませんし、朝な夕なの川の霧がすばらしいお茶の生育に役立っておったわけでございます。今その大井川には水がほとんど見られなくなってしまった。これも貴重な水資源で発電をしなければならないという日本の国の必然性であって、私はそのことも心を痛めながら理解をいたしておるものでございます。
 しかし、先般も私この大井川、ずっと本川根町まで行ってまいりました。そこで川根町の部落の皆さんが集まってきておっしゃっておったのは、ちょうど笹間という小さな部落、塩郷のもっと下でございますが、笹間川という小さな支流でございますけれども、そこも発電ダムができておりまして、昔はアユがもう群がるほど遡上してきた。今アユが、ほとんどそういう自然の遡上をすることができなくなってしまった。ここに何とかアユを取り戻すことができないのでしょうかね。笹間ダムは、大井川の中では河口に最も近いダムでございますので、何とかここにアユをという希望がございますが、今モデル河川というお話もございました。しかし、我々静岡県民にとって大井川というのは非常に歴史的な大事な河川でございます。ここにアユが戻ったといえば、建設省の今局長のおっしゃったことが具体的な課題として、私は非常に県民として喜ばれることでございますが、一番下の笹間のところにアユを上らせるような御努力はいただけないものかどうか、いかがでしょう。
○近藤(徹)政府委員 先ほど言いました魚が上りやすい川づくりにつきましては、モデル河川として現在長良川等三河川を考えておるわけでございます。
 大井川についてのお尋ねでございます。大井川につきましては発電ダムが多数ありまして、確かに維持流量が非常に不足した状態になっております。それで、大井川を一つのモデルといたしまして、発電ダムについては関係機関と協議をいたしまして、発電所の水利権の更新に際しましては維持流量を確保するように要請をし、着々と進んでおるところでございまして、大井川についても維持流量の改善を行っているところでございます。
 それから、ダムに魚が上れる問題につきましては、現在外国等で幾つかの実例があるようでございますので、ぜひそういうものを我が国でも実現したいと考えておりまして、まだ研究段階でございます。フィッシュエレベーターというのが大変効率がよいと聞いておりますので、外国の先例を勉強いたしまして我が国でもぜひ実現を図りたいと考え、現在のところはモデル河川で考えようとしておりますが、大井川につきましても発電者とのいろいろな協議の中で、ぜひ実現するべく研究してまいりたいと考えております。
○薮仲委員 どうか、河川に清流が戻りというのが一番の期待でございますが、今おっしゃられたように、発電という重要な国家的な事業でもあったことでございますので、そのダムに今おっしゃったようにフィッシュエレベーター等ができてアユが上っていければ、アユにとっても幸せ、周辺の住民にとっても最高の喜びでございますので、何とかこれが夢が夢でなくなるような時を築いていただきたいと、重ねてお願いをいたしておきます。
 それから、私はいつもこの大井川を歩きながら思うのでございますけれども、あれだけの大河の大井川が、ダムによってせきとめられておるものでございますから、海岸に供給する土砂の量が非常に少ないわけです。そうしますと、局長も御承知のように、西駿河湾一帯であるとかあるいは久能海岸であるとか、いわゆる海岸に砂の供給が少なくなっているのかなという現象が見られております。私は、この河川のああいうダムによってせきとめられた堆砂といいますか、ああいうものを何とか海岸へ供給するような方法がとれないのだろうか。供給することによって海岸もまた保全されますし、ダムもまたこれはプラスになると私は思うわけでございまして、しかしそれが、防災の上から非常に難しい技術を要するであろうとは思うのでございます。しかし、ダムのデッドの中にいろいろありますが、ダムの中も堆砂は百年ぐらい見ておりますというお話も聞きますけれども、特に砂の多い部分などは流出することができないのだろうかということも素人考えでいつも考えながら大井川を上っておりますが、こういうダムによってせきとめられた堆砂を海浜へ流す方法はあり得ないのかどうか、局長の御見解をお伺いしたいと思います。
○近藤(徹)政府委員 河川にダムを建設しますと、その上流からの土砂はダムでストップして堆積するわけでございまして、その結果、下流においては河床の低下が起こるわけでございまして、河床の低下は、一面では洪水のはんらん防御としては極めて有効な施策ではございますが、一方では海における海浜がだんだん失われるという意味では、結果的にはデメリットということになるわけでございます。
 おっしゃるように、大井川の下流の海浜においては海岸線が後退しているという現象も発生しているわけでございまして、そのような観点から、適切にダムに堆積しそうな土砂を下流に放流するということは有効な施策であろうと思います。ただ、この問題は、ダムの極めて高圧の水圧の下で適切に土砂を放流し排砂門を開閉するということで、技術的には相当困難を伴う問題と存じますが、今後検討してまいりまして、実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
○薮仲委員 ダムの堆砂は全国的に非常に重要な課題だと思いまして、おっしゃられたような安全を十分考慮しませんとできないということもよくわかりますので、どうかこの技術開発に鋭意御努力いただきたいことをお願いいたしておきます。
 そこで、私は今のことに関連して申し上げたいのでございますが、静岡にはいろいろな海岸があるわけでございますが、特に三保松原、この三保松原は天下の名勝と言われたところでございます。なせ名勝に指定されたかといいますと、白砂青松のところであったわけでございますが、その白砂も今は姿を消し、松も姿を消しつつあります。きょうは文化庁お見えだと思うのでございますが、私はこの白砂青松を守っていきたい、守ってほしいと心から願っておるわけでございます。全国で六カ所名勝が指定されておるわけでございます。三保松原は指定が一番古いわけで、あの小学校唱歌に歌われた「羽衣」の歌にあるあの三保松原でございます。天女が舞いを舞ったという言い伝えがあるすばらしいところであったのが、今は砂浜や松がどんどんなくなっている。松の場合で申し上げますと、全国に虹の松原とか入野松原、慶野松原とかいろいろ指定された六カ所がございます。
 そこの中で、では指定されてから現在まで松がどうであったかといいますと、この静岡の三保松原は、現在残っているのが五八%、四二%の松がなくなりました。当時九万三千本あった松が今は五万四千本と、減衰率で四二%減少しておるわけでございます。ほかのところはどうかといいますと、例えば虹の松原とか入野松原ございますが、ほかはほとんど減っておりませんで、そういうところは残っているのが〇・九七でございますから減少したのは〇・〇三、あるいは入野松原は一つも松が減っていない、〇%。このように、他の地域では全然松原が減っていないのに静岡は松が減ってきてしまっておる。しかもまだ、砂浜についても汀線後退というのが非常に大きくなっておりまして、これはいただいた資料によりますと、清水市は三十五メーター最大汀線後退量が出ておるわけでございますけれども、いずれにしましてもこの砂浜がやせていってしまっている。白砂青松のその姿が見る影もなくなっておるわけでございまして、これについては文化庁、あるいはこれは海岸でございますので建設省の御意見もお伺いしたいわけでございますが、同時に、やはりあそこは港湾区域にも指定されておりますので運輸省もかかわっておると思いますので、まず最初に文化庁、この松の保存、育成のために現在どういうことを県、市を通じて指導なさっているか、お伺いをしたいと思います。
    〔杉山委員長代理退席、委員長着席〕
○吉澤説明員 先生の御指摘のように、三保松原というのは、古来日本の国民に親しまれてきた羽衣の松によって世に知られている景勝地でありますけれども、大正十一年に全国に先駆けて最初に指定されております。当時は九万三千本あったと言われておりますが、現在五万四千本になっております。この名勝としての管理は、文化財保護法上清水市が行っておるわけでありまして、これに対して文化庁がいろいろ指導したり、事業に対する援助を行うという形で進められております。
 昭和五十一年に、清水市が文化庁と一緒になりまして保存管理計画をつくって、それに基づいて現在行われておるわけでありますけれども、一つは、現状変更の処理をきめ細かく行うということで、従前やはりこれが若干甘かったというようなことの結果として現在こういう結果になっているんじゃないか、そういう反省を含めまして、この現状変更の処理をきちっとするということ。それから巡視員による見回り、ときどき無断で行われるということも聞いておりますので、この見回りをする。それからシロアリ防除、どうしてもシロアリがありますので、これの防除を指導しております。それから、ただシロアリ防除だけではなく松の環境整備、雑木とか雑草の刈り払い、こういうようなものについて清水市に対して行うように指導してまいりまして、特に現在、それに対して国では二分の一の補助金ということで交付をいたしております。毎年補助金をふやしております。平成元年は四百万でありましたけれども、五百万、六百六十万とふやしてきております。
 今後とも、よく清水市と県をも含めまして相談して、松の育成ということについては積極的に努力したいというふうに思っております。
○薮仲委員 じゃ港湾局と河川局、白砂の方の対策はいかがでございますか。
○戸嶋説明員 清水港の三保真崎海岸のことでございますけれども、確かに砂が侵食を受けておるということは承知いたしております。このために、海岸管理者であります静岡県と地元の清水市が主体となりまして、平成二年度から平成四年度までの三カ年の予定で、自然条件調査及び対策工法の検討を実施しているところでございます。
 平成二年度におきましては、海水浴シーズン前の海浜整正を兼ねた試験養浜と追跡調査、冬季における漂砂調査と波浪観測を実施し、また三年度におきましては、台風期における漂砂調査と波浪観測、対策工法を検討するためのシミュレーションモデルの作成を実施いたしております。これらの現地調査の結果については、今後詳細な分析を要しますけれども、現在までのところ、港外側から港内側に向かって砂の移動が見られるなどのことが明らかになっております。平成四年度におきましては、県としてこれらの現地調査の結果をもとに対策工法に関するシミュレーション等を行い、当海岸の安定化工法を取りまとめる予定でございます。
 運輸省といたしましては、当海岸が外海に面しまして極めて条件の厳しい海岸であることなどから、これまでも港湾技術研究所が中心になって調査に関し技術的な指導助言を行っているところで
ございますが、今後、これらの調査結果をもとに、技術的な実行可能性が明確になり、海岸管理者である静岡県から事業化の要望が出されれば、現在推進中の第五次海岸事業五カ年計画に取り入れ、支援していく考えでおります。
○近藤(徹)政府委員 管理者は静岡県でございますが、建設省所管区間につきましては二千七メートルになりますが、高潮、波浪、津波対策として、TP九・五メーターの緩傾斜堤を全体計画として策定しております。現在は、平成三年度までに暫定天端高、TP六メーターの堤防高を確保するための緩傾斜堤事業を推進しておりまして、一応概成を見たところでございます。
 さらに今後は、まず九・五メーター相当の堤防厚となるべく、堤防拡築事業に着手したところでございまして、逐次これを推進してまいりたいと考えております。その上で、さらに九・五メーターへのかさ上げを実施することとしております。
○薮仲委員 この辺の養浜についてはいかがですか。
○近藤(徹)政府委員 養浜につきましては、たしか前通常国会で先生からの御提言もございまして、平成三年度に一千立米の養浜を行ったところでございます。平成四年につきましては、そのおさまりぐあい、状況等を観察して、成果を見守ってまいりたいと考えております。
○薮仲委員 その成果を踏まえて、この養浜をさらに進捗していただくようお願いをしておきますが、道路局長、重ねて御答弁いただきたいことが出てまいりました。
 これは前の国会でもちょっと私、お願いをしておいたわけでございますけれども、今のこの三保の海岸に関連して、久能の道路が、前にいろいろ写真をごらんいただいたと思いますが、非常に台風が参ります、あるいは低気圧で破堤いたします、ここに道路をつくって護岸を強固にしていただけないかという要望を申し上げました。都市計画決定等の推移を見ながらというお話がございましたけれども、その辺の決定も着実に進んでいるようでございますので、現在道路局としてこの道路に対してどのようなお考えか、進捗状況等をお伺いしたいと思います。
○藤井(治)政府委員 先生御指摘のこの久能海岸の海岸道路、これは全長十一・八キロ、清水市の駒越から静岡市の中島に至る間でございますが、これが六十二年の三月に四車線道路として都市計画決定をいただきました。この中で、静岡市の方の二・三キロ、これは平成元年度より事業着手して今用地買収を進めておりますし、先生御承知のように、一部工事にも着手をさせていただきました。それから、清水市内の二・五キロについては、今年度測量を行っております。この結果を踏まえて、海岸堤防と隣接いたしますので、海岸保全事業の進捗とあわせて具体的な施行をしたいと思っております。
 ただ問題は、その間およそ五・五キロ、ちょうど真ん中でございますが、越波対策がどうしても必要な区間がございます。毎年二回ぐらい越波によっていろいろとめてしまう、車が通れないという箇所がございます。これにつきまして、実は私ども何とかならないかということで、いろいろな検討をいたさせております。例えば現在の離岸堤をかさ上げする方法、あるいは堤防の天端高をかさ上げする方法その他でございますが、お金はもちろん相当な規模かかりますが、問題は、海の方にやりますとどうも漁業従事者の御了承との関係で非常に困難で、どうしたらいいのか、今それの検討が一つあろうかと思います。それから、山側の方にいろいろと手を打とうかといたしますと、今度はここは例の石垣イチゴのイチゴ園がございます。山もいけない、海もいけない、その間でどうするかというので、まあ知恵を絞れば何とかなるんじゃないかと思って、今一生懸命何とか検討してみる、こういうことで指示を出して検討させているわけでございますが、いずれにしましても、このままでいいというふうに私どもも思っておりません。
 そこで、その問じゃどうするのかということですが、先生が前回の委員会のときに御指摘いただきました、情報というものを大事にしろということがございました。そこで私ども、情報にもいろいろとございますが、いわゆるこういう気象情報とかいろいろな情報を道路の利用者に一般情報として提供していくということが、単にそこが渋滞しているとかどうだとかいう情報以外に重要じゃないかという御指摘をいただきました。私どもこれを非常に教訓といたしまして、この平成三年度にこの場所において波高計とか監視カメラ等の整備を行って、いわゆる道路以外の情報も道路利用者に提供できるような工夫をしてみたいと思って、今いろいろな対応を図っているところでございます。
○薮仲委員 局長おっしゃるとおりに、あそこの道路は非常に困難な道路であろうと思います。何とぞ困難を乗り越えて快適な道路をおつくりいただくようにお願いをいたしておきます。
 ちょっと、さっき申しわけありませんでした。環境庁お見えだと思うのでございますが、今度環境庁が絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律をお出しになろうということでございますけれども、やはり野生動植物といいますとどうしてもこの建設委員会といいますか、建設省の所掌いたします河川であるとか道路であるとか、それをつくろうとするとそういう生息するところに万が一影響を及ぼしてはいかぬということもございますし、あるいはその考え方、体系等についてどうなっているのか、概略をちょっとお話しいただきたいのですが。
○菊地説明員 御説明いたします。
 現在、私どもで成案を得ようと思いまして関係省庁と御相談をいたしております制度は、極めて数が少なくあるいは生息地も限られているという限定されたものにつきまして、それを守ることによって良好な自然を守る。もちろん私どもの観点は、人にとって住みよい環境にそういった野生生物というのは不可欠ということでございますが、極めて限定されたものがまず法律上定められる絶滅のおそれのある野生動植物の種というふうに考えております。
 それを守るために私どもの今考えておりますのは、捕獲あるいは流通を抑える。それから、そういった生物を守る上で生息地を守るということが不可欠でございますので、そういった制度を設けたい。さらに保護増殖という観点で、できる限り人手をかけてでもふやしていくということで絶滅から救っていきたいというふうに考えております。
 先生御指摘のとおり、こういった制度を設けます上で、国土の保全あるいはその他関係の公益との調整というのは全く不可欠でございますので、私ども今鋭意調整をいたしておりますが、そういったいろいろ人の生命を守るとか、そういったこととの調整は十分行われるということの前提の上で成案を得たいというふうに考えております。
○薮仲委員 ちょっと重ねてお伺いしたいのですけれども、私は静岡に住んでおるものですから、例えば東海四県の中で絶滅のおそれのある種といいますか、特にこれは大事だというようなことを何種類がお決めになると思うのでございますが、東海四県の中で何かございますか。
○菊地説明員 具体的な種をどうやって選ぶかというのにつきましては、法律上の仕組みができた後、地元の御同意あるいは関係省庁との調整、もちろん地方の都道府県との御協議というのを経て選びますので、現段階で余りどれがというふうには考えておりませんけれども、先生の地元でいらっしゃるもので強いて申し上げれば、例えばベッコウトンボとか、これは橋ヶ谷沼というところに限られておりますが、そういったものが対象になろうかと思っております。
○薮仲委員 木曽川流域にいるイタセンパラなんか入りますか。
○菊地説明員 河川におきますそういった魚類につきましては、もとより私ども今後十分な調査というのも必要だと思いますが、既存の河川の中で十分な保護あるいは対策が図られているというふうにも理解しておりますので、今先生おっしゃられました点につきまして、今の段階で私どもそれを入れるとか入れないとかいうふうには考えておりません。いずれにしても、地元あるいは関係省庁と十分お話をしたいというふうに考えております。
○薮仲委員 きょうはなるべく時間を短縮してくれという御要請もおありでございましたのでやめることにいたしますが、最後に、本当は住宅の問題入れてきたのですが、これはやめますが、住宅局長、せっかく先ほどからお待ちいただいておりますので一つだけ。
 先般、私、大井川町をずっと歩いてまいりまして、本川根町で台風十九号で公営住宅が浸水いたしました。大島団地と桑の実団地というところでございますが、これは建設が昭和三十七年供用開始でございますから、当然これは建てかえ対象の団地だろうと思うのでございます。私も現地に行ってまいりまして、非常にこれはもうという感じがいたしました。これについて、やはり私は、建設省、市の指導よろしきを得て建てかえの推進、そしてこれは河川局長にも聞いておいていただきたいのでございますが、その周辺に、公営住宅がちょっと高くなったものですから、居住環境の非常に悪い方が出ていらっしゃいます。その方は、個人的な家に住んでいらっしゃる方もあるわけでございますが、このことはただテークノートしておいてください。どうか住宅局長、公営住宅の建てかえの方の推進を図っていただきたいと私は思いますが、いかがでございましょう。これを聞いて、私の質問を終わります。
○立石政府委員 三十七年に建設された団地で、かなり老朽化していると聞いているところでございます。町において建てかえを検討していると聞いておりますが、建てかえの準備としては、四年度に計画を行いまして五年度から従前居住者を一回移して、そしてまた六年度には具体的に建てかえに着手すると聞いております。円滑に進むよう、私たちの方から支援していきたいと思っております。
○薮仲委員 では、これで終わります。
○古賀委員長 では、速記をとめて。
    〔速記中止〕
○古賀委員長 速記を起こしてください。
     ――――◇―――――
○古賀委員長 次に、内閣提出、琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。東家国土庁長官。
    ―――――――――――――
 琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法
  律案
    〔本号末尾に掲載〕
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○東家国務大臣 ただいま議題となりました琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 琵琶湖総合開発特別措置法は、琵琶湖の自然環境の保全と汚濁した水質の回復を図りつつ、その水資源の利用と関係住民の福祉とをあわせ増進するため、琵琶湖総合開発計画を策定し、その実施を推進する等特別の措置を講ずることにより、近畿圏の健全な発展に寄与することを目的とし、昭和五十七年三月三十一日までの時限立法として昭和四十七年に制定されましたが、昭和五十七年に有効期限が十年間延長され、本年三月三十一日までとなっております。
 政府としては、琵琶湖総合開発計画に基づき、鋭意、琵琶湖総合開発事業の推進に努めてまいったところでありますが、諸般の事情により、法律の有効期限内に完了できない見込みであります。
 そこで、琵琶湖総合開発計画を変更して、引き続き、琵琶湖総合開発事業の推進を図るため、同法の有効期限を延長する等の必要があります。
 以上が、この法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の要旨について御説明いたします。
 この法律案は、琵琶湖総合開発特別措置法の有効期限を平成九年三月三十一日まで延長することとし、これに伴う所要の改正を行うものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○古賀委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十五分散会
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