第123回国会 土地問題等に関する特別委員会 第3号
平成四年三月五日(木曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 薮仲 義彦君
   理事 狩野  勝君 理事 中谷  元君
   理事 萩山 教嚴君 理事 星野 行男君
   理事 前田  正君 理事 安田  範君
   理事 和田 貞夫君 理事 平田 米男君
      井奥 貞雄君    小澤  潔君
      佐藤 守良君    坂本 剛二君
      鈴木 恒夫君    長勢 甚遠君
      西田  司君    真鍋 光広君
      村田 吉隆君    柳本 貞治君
      山本 有二君    網岡  雄君
      小川  信君    小野 信一君
      輿石  東君    佐藤 泰介君
      斉藤 一雄君    常松 裕志君
      松本  龍君    近江巳記夫君
      佐藤 祐弘君    伊藤 英成君
      菅  直人君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 東家 嘉幸君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       藤原 良一君
        国土庁計画・調
        整局長     田中 章介君
        国土庁土地局長 鎭西 迪雄君
        国土庁大都市圏
        整備局長    西谷  剛君
        国土庁地方振興
        局長      小島 重喜君
 委員外の出席者
        総務庁行政監察
        局監察官    藤井 昭夫君
        経済企画調調整
        局調整課長   新保 生二君
        法務省民事局第
        三課長     山崎  潮君
        大蔵省主計局主
        計企画官    佐藤 隆文君
        大蔵省主計局主
        計官      松谷 明彦君
        大蔵省主税局税
        制第三課長   窪野 鎮治君
        大蔵省銀行局銀
        行課長     福田  誠君
        国税庁課税部資
        産評価企画官  篠原 靖宏君
        建設省建設経済
        局宅地開発課長 橋本 万里君
        建設省建設経済
        居宅地開発課民
        間宅地指導室長 中山 啓一君
        建設省都市局都
        市計画課長   林  桂一君
        建設省住宅局市
        街地建築課長  那珂  正君
        自治省税務局固
        定資産課税課長 堤 新二郎君
        土地問題等に関
        する特別委員会
        調査室長    杉本 康人君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 土地問題及び国土の利用に関する件
     ―――――・―――――
○薮仲委員長 これより会議を開きます。
 土地問題及び国土の利用に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。狩野勝君。
○狩野委員 私は、自由民主党の狩野勝でございますが、自由民主党を代表いたしまして、土地問題及び国土利用に関する件につき、東家国土庁長官並びに関係部局長に質問いたしたいと思います。
 東家長官におかれましては、土地対策に熱心に取り組まれる中、その成果が着実にあらわれておりますことに深くまず敬意を表する次第でございます。
 国土の狭い我が国にありましては、土地は限られた資源であり、土地が国民の生活や生産の基礎をなす貴重な資源はもとより国民的財産であろうかとも思います。こういう中にあって、土地は数年来異常な高騰を見たわけでありますが、大臣の所信にも述べられておりますように、「土地問題の解決は現下の内政上の重要な課題の一つでありこ政府においても、土地基本法を踏まえての地価対策に取り組み、その成果があらわれているところでもあります。
 東京都が去る二月の二十六日発表したことし一月一日時点での地価動向調査でも年率一〇%を超えるほど地価が下がっていると言われますが、最近の地価の動向は鎮静化の傾向にあるのかどうか、どのような状況にあるのか、また今後の見通しについてまずお伺いをいたしたいと思います。
○鎭西政府委員 地価の動向につきましては、委員御指摘のように、公的なものといたしまして、毎年一月一日時点の価格について公表しております地価公示及び七月一日時点の都道府県地価調査というものがあるわけでございますが、平成四年一月一月時点の地価公示につきましては現在取りまとめ作業中でございまして、三月末には公表できる運びになろうかと考えております。
 したがいまして、私どもといたしましては、昨年の十二月一日時点で臨時に地価の動向につきまして調査をしたところでございますが、それはただいま委員がおっしゃいましたような各都道府県の詳細動向調査と言っております四半期ごとの調査、これも十分参考にいたしておるところでございますが、その十二月一日調査の結果を見ますと、大体本年の一月の動向がわかるんじゃないかというように考えております。それによりますと、基本的には大都市圏におきます地価の下落傾向が強まっておりますし、下落地域も拡大しておるというように認識しておりますし、昨年の七月調査ではまだ若干の上昇が見られました地方圏におきましても、鎮静化ないしは一部地域で下落しているという状況になっているというように認識しております。
 今後の動向でございますけれども、これを的確に予測するというのはいろいろ難しい事情がございますけれども、私ども各方面にヒアリング等もやっているわけでございますけれども、その結果を踏まえまして申し上げますれば、最近の不動産市場は引き続き弱含みで推移しているということでございますし、あるいはエンドユーザーの先安感というものもまだ依然として強いということのようでございますので、こういうことを勘案いたしますと、当面は現在の傾向が続くのではないかというのが、大体実業面あるいは実務面、専門筋の一致した意見ではないかというように考えているところでございます。
 ただ、委員も御指摘がございましたように、大都市圏の地価はピーク時に比べまして相当下落はしておりますけれども、今回の地価高騰以前の、例えば昭和五十八年ごろの水準に比べますと、国民の関心の非常に深い住宅地について見てみましても、依然二倍以上の水準でございますので、私どもとしては、総合土地政策推進要網に従いまして、引き続き構造的かつ総合的な土地対策を着実に推進していくということが必要であろう、かように認識しているところでございます。
○狩野委員 今お話しのように、東京近郊などは特に土地対策はなかなか難しいと言われておるわけでございますけれども、私どもの千葉県も地価が下落傾向を見せておりますし、県下全域に及んでおります。大変いいことだなと思います。しかし、地価の暴騰が始まった、今お話しのように、昭和五十年代の後半に比べますと、今二倍というような話がございましたけれども、私たちの地域では三倍以上になっていると宣言われるわけであります。そういう意味では高とまりしていると言えるわけで、地価が安定成長になったからといって、決して喜べない、楽観することはできないわけであります。
 地価が高いために、一生働いても都市部では自分の家を持てそうにないという事態は、大変残念なことでもあるわけであります。政府がさきに決めた総合土地政策推進要綱は、二度と地価高騰を引き起こさないことと、中堅勤労者でも住宅の持てる水準まで地価を引き下げるという二つの目標を掲げてまいったと思いますが、鎮静化してきた今こそ、目標達成のための施策の推進をより図ることだと思います。
 そこで、土地対策はあらゆる角度から総合的に実施することが重要と考えますが、今後どのように推進をしていくのか、国土庁長官の御所見をお伺いをいたしたいと思います。
○東家国務大臣 お答え申し上げますが、その前に、国土行政の各般にわたり、きょう土地委員会に御出席の各先生方、大変お世話になっておりますが、とりわけ土地対策、大変難しいこれからの課題、皆さん方と、この総合的な構造的対策を我々ともどもに皆さん方の意見を賜りながら、役所も一丸となって取り組んでいきたいということをまず申し上げておきたいと思います。
 土地問題の解決のためには、これまでも需給両面にわたり各般の施策を実施してきたところでございますが、今局長が申し上げましたように、大都市圏を初め、土地の鎮静化はかなり今日なおまた今後とも続く方向で取り組んでいかねばならないというふうに思っております。年収五年分で中堅サラリーマンが持てるようなという一つの目標を持っております。これがまだまだ達成をしていない状況の中にございますので、これからさらに土地政策については、各般にわたる土地基本法の理念を踏まえ、そしてまた、特に総合土地政策推進要綱の閣議の決議に基づくその基本理念を踏まえていきたいというふうに思っております。
 先生、千葉でございますけれども、御出身の、千葉ニュータウンのこと等が、ちょうど私が当選しまして二期目のときでございました。住都公団が先行投資しまして、ちょうど不況時になりまして、そして投資効率が悪いというようなこと等で決算委員会、建設委員会等でも大変論議されて、それがひいては住都公団の民営化をもというようなことまで至ったことを、私は当時理事で、双方の理事をしておりました関係で、大変勉強させられたわけでございますが、今考えてみますと、やはり今回のこの高騰時にあのニュータウンがいかに鎮静化に役立ったか、高騰の歯どめに役立ったかというようなこと等を考えますならば、これは一つの事例でございますけれども、やはり今後は公有地というものは、ある程度の保有をしながら、そしてそのときどきの対応できるようなことまで突っ込んだ国の施策というものが、私はそれぞれの地域に必要ではないだろうかということを、そういう経験からも踏まえて考えるときもございます。
 そういうことで、限られた土地、そして再生産できない土地、なおかつまた、土地つきの住宅の要望が大変高いわけですから、それをさらにどう有効に国民のために生かしていくかということは、今後の大きな課題だと思っておりますので、そういう一つの経験を踏まえながら、皆さんの御指導の中に今後取り組んでいきたいというふうに思っております。
 長くなりましたけれども、お答え申し上げます。
○狩野委員 今、大臣がサラリーマンが年収の五倍程度で家が持てるように努力したいということでございますが、ひとつ一層努力をお願い申し上げたいと思うわけでございます。そこで、現在の地価鎮静化傾向は、いろいろな施策の総合として下落または鈍化していると思いますが、その中の一つであります監視区域制度が地価高騰の鎮静化に大きな役割を果たしたと私は考えるわけであります。
 そこで、この監視区域制度は、今後どのように運用していくのか、長期的にはどうなるのか。特に地価下落のこの下支えとならないようにすべきと思うかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
○鎭西政府委員 ただいま委員がおっしゃいましたように、地価監視区域制度、これは昭和六十二年に国土利用計画法を改正いたしまして導入した制度でございまして、今回の地価高騰に対応するためにいろいろな充実をやってきたのでございますが、現在千百八十市区町村で、都市計画の市街化区域の大体八割をカバーするというぐらいに、非常に充実してまいっているところでございます。
 地価の動向につきましては、先ほど御説明したような状況になっておりますけれども、現在の監視区域制度の運用について見ますと、直接運用をされております県、政令市でございますけれども、なお的確な運用が必要であるという気持ちのもとに、非常に熱心にこの監視区域制度のための人員、体制の整備強化を図ってまいっておるところでございますし、それから具体的に届け出に対しまして価格の引き下げの指導、窓口指導でございますが、指導率と言っているのでございますけれども、その指導率もまだ依然として相当高いという状況でございますので、私どもといたしましては、この監視区域制度の的確な運用というのは、当面都道府県、政令市の意向を十分尊重し、よく連絡をしながら対応していく必要があろう、かように考えております。
 それから、監視区域の運用が地価下落の下支えにならないようにしなければならないのではないかとおっしゃったわけでございますけれども、まことにもっともなことでございますが、ひとつ制度論として言わせていただきますと、価格審査はあくまでも著しく不相当な価格について御遠慮していただくということでございまして、当事者間の通常の取引の価格、これがそれ以下であれば全く支障がないわけでございますので、制度的には監視区域制度が価格の下支えをするということはないわけでございますけれども、何となく国土法のいわゆる指導価格の水準というものが取引に当たりまして一つのいろいろな要素になっているということもこれは事実でございますので、私ども、現下のような地価の下落局面、ここにおきましては、価格審査を行います時点におきます的確な時点修正、マイナス時点修正、こういうことを言っておりますが、そういうものの指導というのを何回か各県に通達も出しておりまして指導させていただいているわけでございますけれども、こういう面にも十分注意を喚起しながら、今後も的確な運用に努めていきたい、かように考えているところでございます。
○狩野委員 戦後から今日まで、昭和三十六年、昭和四十八年、昭和六十年と三度、くしくも十二年ごとに地価高騰があるわけでございますが、これが見てみますといずれも金融緩和に伴うものであるようであります。土地が高くなるのも金融でありますし、また、安くするのも金融政策でもあるかと思います。そして、今回の地価高騰における地価対策としても、不動産業向け融資の総量規制が私はそういう意味では大きな役割を果たしたとも考えられます。
 そこで、昨年末をもって不動産業向け融資の総量規制が解除されたが、総合的な土地対策を所管する国土庁としては、どのような判断をしたのか、御所見をお伺いいたしたいと思います。
○鎭西政府委員 昨年の末をもちまして、いわゆる不動産融資に対します総量規制を解除するということにいたしたわけでございますけれども、これにつきましては、先ほど来御説明いたしましたように、昨今の地価動向、これがおおむね鎮静化、下落傾向にある、かつ、定着しつつあるという状況、それに加えまして金融経済情勢、あるいは金融機関の不動産向け融資に対します窓口の融資の対応、それと総合土地政策推進要綱の策定等によります土地対策全般の推進状況等につきまして総合的な判断を行いまして、政府として、あくまでも非常緊急の措置でございます総量規制を解除するということにしたところでございます。
 しかしながら、先ほど来御説明いたしておりますように、土地対策につきましては、引き続き政府一丸となって構造的かつ総合的な対策を推進する必要があるという認識では一致いたしておりまして、このことを昨年の十二月二十日でございますが、開催いたしました土地対策関係閣僚会議におきまして確認していただきますとともに、内閣官房長官と国土庁長官からその旨の談話を特に発していただきまして、広く国民に政府の姿勢というものについての周知を図ったところでございます。
 私どもは、先ほど御説明いたしましたように、大都市圏の地価水準は依然高い水準にあり、その適正な水準へ引き下げるということが引き続き土地政策の目標として極めて重要でございますので、今後ともこの対策の着実な推進ということを進めていく必要があるというように認識しているところでございます。
○狩野委員 関連いたしまして、そこで、今後金融緩和や好景気が異常な地価高騰に結びつかないような抜本的な施策が必要だと思いますけれども、ひとつ御所見をお伺いいたします。
○鎭西政府委員 確かに今回の地価高騰の局面を見ますと、超低金利、超金融緩和という金融、経済状況のもとで、大量の資金が土地市場に流れ込んだということが一つの大きい要因になっていたということは否定できない事実であろうと思います。したがいまして、そういうことを認識されまして、銀行当局におきましても六十二年七月ごろから特別ヒアリングの実施等を通じます土地取引等に係ります融資の排除の御指導、あるいは平成二年四月から、ただいま御議論になりました総量規制を実施するというような施策を実施されてきたところでございます。
 総量規制につきましては、先ほど御説明したようなことで、あくまでも臨時、応急の措置ということで解除はいたしましたが、十二月二十日付で銀行局長通達を改めて出し直していただきまして、引き続き金融検査の活用あるいはヒアリングの機動的実施等を通じまして、投機的な土地取引に係ります融資を厳に排除していくという指導にはいささかも変わりがおいわけでございますし、それから、相当厳しい発動条件によりますトリガー方式というのもセットされておりますので、私自身といたしましては、金融機関によります土地関連融資につきましては、今後とも厳正な指導が行われるのだろうというように理解しております。
 なお、委員が御指摘になりました、土地対策あるいは地価問題というのは、すぐれてマクロの経済金融政策と関連があるのではないかという御指摘でございますが、私どももそういう認識をしておりまして、昨年の一月に策定いたしました総合土地政策推進要綱の中には、「土地政策の目標等」の中に一項目、「経済政策等における土地問題への配慮」という項目を設けておりまして、「土地問題が経済や金融の動向と密接に関係していることにかんがみ、経済運営において地価の安定に対して十分に配慮する。」という旨の意思決定をしているところでございますので、政府全体のマクロの経済金融政策の運営に当たりまして、地価問題、土地問題の配慮というものは十分なされるということになっているわけでございます。
○狩野委員 今いろいろ伺いましても、地価が鎮静化したのは、不動産向け融資の総量規制と監視区域制度の導入というこの二つの方策が大きな効果をもたらしたなあと思うわけでもおりますが、またしかし、いつ値上がりするかわかりません。今は景気低迷で不動産業者による取引が少ないし、また、個人にとってはもう少し時間がたてば安くなるのではないかなというような買い控えもあるかと思うわけでありますが、いずれにいたしましても、この情報化社会と言われる中にありまして、土地の動きというもの、あるいはまた情報というものが、私はこれからは大変大事かなあと思います。そういう意味では、的確かつ機動的な土地対策の発動のためには土地情報の整備が重要と思いますけれども、どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたしたいと思います。
○鎭西政府委員 これからの土地政策を的確に実施いたしますためには、ただいま委員御指摘のように、土地の所有、取引、利用、地価等に関します情報を総合的、体系的に整備することが非常に重要でございますし、また、そういう情報の収集、整備、利活用のための体制の確立ということが極めて必要でございます。
 現在の土地の情報の多くは、登記部局あるいは税務部局あるいは地価なり地籍という我々の国土部局、そういうところでそれぞれの行政目的に応じて一応整備はされておりますけれども、それが土地政策上必要な形で必ずしも円滑に得られるという状況にはなっていないわけでございます。
 このため、私どもといたしましては、土地政策審議会に情報に関します専門検討委員会というものを設けまして、土地情報整備のあり方につきまして審議、御検討をお願いいたしまして、昨年十二月に情報整備に当たりましての留意すべき事項あるいは当面の課題、中長期的課題という分野につきまして中間報告をいただいたところでございます。
 この中間報告の考え方を踏まえまして、我々といたしましては、関係省庁との御協力を得ながら、当面の課題につきましては、平成四年度予算案におきまして、例えば新たに土地基本調査を実施するというような土地情報の総合整備のための各般の予算措置というものを講ずることにしておりますし、中長期的課題につきましては、特に国の段階あるいは地方の段階におきます土地情報の収集、整備、利活用のための組織の確立等につきまして今後引き続き検討していくということにしておりますので、この問題については、これから鋭意取り組んでいく必要がある、かように考えております。
○狩野委員 相続税評価や固定資産税評価の基準となる地価公示についてどのように充実を図っていくのか、また地価公示とあわせて、よりきめ細かい地価動向の把握が必要ではないかと思いますが、お伺いをいたします。
○鎭西政府委員 公的土地評価でございますけれども、まず公的土地評価につきましては、国民の信頼を得るということが非常に重要でございますし、また、適正な地価の形成あるいは課税の適正化等に資する観点からも大変重要な課題でございます。したがいまして、総合土地政策推進要綱におきましても、公的土地評価の均衡化、適正化を推進するということを定めておりまして、その中でも特に地価公示につきましては、公的土地評価の基準であるという性格を明確にいたしているところでございます。そういうことでございますので、より一層地価公示の信頼性の確保と適正な評価というのが必要になってまいるわけでございまして、先ほど御説明いたしましたように、平成四年度予算案におきましても、大幅な地点数の増、約二割強の増でございまして、二万五百ポイント強というものをお願いしているところでございまして、引き続き地価公示の充実強化に努めていきたい、かように考えているところでございます。
 それから、こういった公的土地評価を適正化、均衡化すると同時に、ただいま御指摘のように短期的な地価の動きというものも的確に把握するということが非常に重要でございますので、同じく私どもといたしましては、平成四年度予算案におきまして、特に地価の動向が敏感にあらわれると考えられます三大都市圏なりブロック中心都市等の住宅地、商業地等につきまして、四半期ごとに短期の地価動向を調査するという新しい予算も計上しているところでございまして、こういうことによりまして、基本的な調査のほかに、短期の動向というものの的確な把握に努めていきたい、かように考えているところでございます。
○狩野委員 関連しまして、国土法価格が通常の土地取引の際の指標として事実上大変大きな機能を果たしていると私は思うわけでございます。そこで、よく聞かれるわけでございますが、いわゆる国土法価格を第三者が知り得ることはできないかということ、これはどうでしょうか、伺います。
○鎭西政府委員 国土法価格の性格について若干御説明いたしますと、国土法価格は先ほど御説明いたしましたように、著しく相当を欠く高い価格という価格として届け出当事者に御指導をお願いする、いわばアッパーリミットの水準でございます。それの基準になるのが、地価公示なり地価調査から導かれます当該地域の適正な地価の水準、適正価格、これがその基準になるのでございますが、それに一定のアローアンスを上乗せいたしまして指導の上限ということにしている性格のものでございます。したがいまして、その上限が表に出ますと、土地対策部局の内部の判断基準というものを明らかにするわけでございますので、例えば、地価が高騰するような局面におきましては届け出価格が天井に張りつくという懸念がございますし、国土利用計画が目的とする適正な価格審査というものが徹底できないわけでございますので、この水準自体を外部にお示しするということはできないわけでございます。
 ただ、具体的なケースにつきましては、届け出がありました場合にその価格について個別の判断をするわけでございますので、例えば、その価格が上限価格以内におさまっておれば不勧告通知という形でパスいたしますし、上限価格以上の場合には指導価格という形で価格の指導が行われるということになるわけでございます。
○狩野委員 時間もだんだん迫ってまいりましたので、一極集中対策について若干伺いたいと思います。
 東京一極集中は、東京の過密はもとより、日本の国土構造をいびつにもしているわけであります。狭い住宅や遠距離通勤、道路の大渋滞、まさにパンク寸前のごみ対策、加えて多くの機能、職域が集積しているため、大震災等が発生すると、まさに日本の社会経済システムが完全に麻痺する状態になるわけでございます。そういう意味では、今こそ業務機能や職域等を地方に移転し、こうした諸問題を解決することが二十一世紀の日本の国土づくりの根幹であるかと思います。
 そんな意味で、国の首都圏基本計画等では、首都圏を東京都心一極集中構造から多核多圏域型の地域構造に再編することが示されております。このためには、地域構造再編をリードし、戦略的な拠点となる業務核都市の育成整備をさらに積極的に推進する必要があると私は思います。
 そこでまず第一に、業務核都市整備の進捗状況及び今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○西谷政府委員 一極集中問題、先生の御指摘のとおりかと存じます。一方において、全国土にわたって多極分散型国土形成を図っていく。
 東京圏を見てみますと、一都三県の中で東京都区部における集中が極めて著しい。これを一都三県全体の広域にわたって秩序ある展開を図っていく、これが実は業務核都市という戦略であり、六十三年に制定されました多極分散型国土形成促進法の中にも明確に位置づけられた法制度でございます。私どもとしては、この業務核都市制度というものをフル活用いたしまして、東京圏全体のバランスある発展を図っていく、これは極めて重要であろうと思っております。
 現在は、業務核都市はおおよそ東京圏内に五つ設けることを予定しておりまして、現段階では千葉市の業務核都市が昨年三月に基本構想承認という段階になりましたが、あとのものにつきましては、現在、地元において鋭意計画の原案の策定中ということで、その承認が申請されてまいりましたら積極的に対応していきたい、このように考えております。
○狩野委員 千葉県におきましては、今お話しのように千葉、さらにまた木更津、成田もそういう中での業務核都市としての位置づけがなされておるわけでございますが、常磐新線の建設とこれに伴う沿線整備が進められております柏市、流山市を含む東葛北部地域は、県内四番目の業務核都市として位置づけることを目指しまして、単なるベッドタウンではなく、事務所機能や高度なサービス機能を導入した町づくりへと今計画をいたしております。一極集中の打破とは、業務機能や職域等を移転し、職住一体となっての地域の活性化につながる都市づくりでなければならないと思うわけでございます。
 そこで、次の二点についてお尋ねをいたしますが、昨年来、業務核都市のあり方等について若干いろいろ議論が生じておりますけれども、どのように受けとめているのか。業務核都市の果たす役割をどのように認識しておるかを、もう一度伺いたいと思います。
 もう一点、これがまた大事なことでございますが、地元に関しますが、今お話しの千葉県の東葛北部地域、常磐新線もできます、それに伴っての大変な開発を今進めているわけでございますが、この東葛北部地域を業務核都市として位置づけることについて、その見通しはどうかをお伺いをいたしたいと思います。
○西谷政府委員 先ほども申し上げましたが、業務核都市は東京圏にかえって集中をもたらすのではないかという御批判も一部にあることは承知しております。しかし私どもは、全国から見た多極分散と東京圏の秩序ある整備とはいわば車の両輪として、両々整備していくものだと考えております。
 それから、御指摘の東葛地域でございますが、これにつきましては、首都圏整備計画におきまして、単なるベッドタウンではなくて、商業、業務、文化、物流等の複合的な都市機能の集積を図るべき地域として位置づけを行っております。今後この方向で整備を推進すべきものと思っております。
 ただ、その地域を直ちに業務核都市として位置づけるかどうかということにつきましては、現在千葉県内には御指摘のように、千葉市と木更津市と成田市と、既に三市の位置づけがございます。そういうわけでございますから、それらの整備の状況等を見ながら今後の研究課題として考えていくべきものかと存じます。しかし、先生のせっかくの御指摘でございます。先生の御指摘の趣旨を踏まえまして、積極的に研究をしてまいりたいと考えております。
○狩野委員 前向きの答弁をいただいたと思いますけれども、これは例えば絵でいいますと、全く白紙の画用紙に新しくデッサンする、まさに念願でありました常磐新線をいよいよ建設するわけであります。それに伴いまして、例えば柏市は九百へクタール、流山市は七百四十ヘクタールの区画整理が計画され、駅も五つできるという新しい新線計画ということでございますし、そういう意味では、画期的な新線建設整備と相まってのこれからの新しい都市づくりでございますから、単なるべッドタウンとしての住宅供給地であっては絶対にならない。
 まさに一極集中排除のためにも、業務核都市的な明確な位置づけを期待をいたすと同時に、今お話しのように、商業とかあるいは情報や文化がふえた職住一体となった町づくりでなければならないとも思うわけであります。ぜひともひとつ新都市づくりにつきましては、二十一世紀にふさわしい、そして地元にとっても、協力した人たちも、本当によかったなと言えるような町づくりであるよう、私は一層の配慮や御指導を強く要望いたしたいと思います。
 時間も余りないようでございますけれども、これは後からお話があるでしょうけれども、一点簡単に、首都機能移転問題についてでございますけれども、これはさきに、国土庁長官の私的諮問機関であります首都機能移転問題に関する懇談会が、二十一世紀の日本にふさわしい新首都を目指しての中間報告をまとめたようであります。首都機能移転問題についての取り組みにつきましてお伺いをいたしたいと思います。
○西谷政府委員 首都機能移転問題につきましては、二つ議論がございます。首都機能、つまり立法、司法、行政関係の機関と考えますと、実は既にやっておりますものに行政機関の移転ということがございます。これはいわば中央省庁ではございませんで、地方支分部局その他の施設でございますが、これについては既にもう動きが出ております。詳しくは申し上げませんが、七十六機関、自衛隊の十一部隊、これの移転先を決め、既にもう事業の実施段階に入っております。
 それからもう一つ、中央省庁、国会、まあ大きな意味での首都機能移転ということになりますが、これにつきましては、御指摘もいただきましたが、去る二月二十六日に国土庁長官の諮問機関であります懇談会であえて中間報告を出していただきました。これは国民生活に重大な影響を及ぼす重要な課題でございます。国民各界各層の合意形成を図りながら、あるいはその議論を喚起しながら進めていく必要があるということで、その中間報告をばねにしながら、国民的合意形成に向けていろいろな行為を起こしていく必要がある、このように認識しております。
○狩野委員 もう時間がありません。建設省等にも来てもらいましたが、これをもって終わります。ありがとうございました。
○薮仲委員長 以上で狩野委員の質疑は終わりました。
 次に、斉藤一雄君。
○斉藤(一)委員 長官は所信表明において、「大都市圏の地価水準は依然として高水準にあり、これを適正な水準にまで引き下げなければなりません。」と強調されましたが、そのためには、よほどの決意と実行力が必要だと思います。まず長官の決意のほどをお伺いいたします。
○東家国務大臣 お答え申し上げます。
 大都市圏を中心に地価の鎮静化傾向は強まりつつございますが、現在の地価の水準というものは、大都市圏を中心としてまだ依然として高いということは否めないことでございます。そういうことで、去る昨年の一月二十五日に閣議が決定されました総合土地政策推進要綱の基本に従って土地政策の目標という一つのものを掲げて、土地の利用の価値に相応した適正な水準までにどう地価を引き下げるかということを我々の基本的な目標とせねばならないと思っております。
 特にまた、先ほども申し上げましたように、やはり住宅地においては、中堅勤労者の年収五年分で取得できるような地価の水準まで、どうこれから地価の安定を図るかということが目標でなければならないということは、言うまでもないことでございます。そのためには、構造的、総合的、そうした推進を図るための対策に着実に今後取り組んでいきたいというふうに思うわけでございます。
○斉藤(一)委員 総合土地政策推進要綱の中で「地域の諸条件に応じ、緑の確保等による生活の快適性の視点に配慮」するとありますが、この点についての長官のお考えをお尋ねいたします。
○東家国務大臣 土地の利用については、やはり土地基本法の第三条の基本理念で示されておりますように、「その所在する地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に応じ」た適正な利用というものが必要であるわけでございます。その際に、緑の確保等による生活の快適性の視点にも当然配慮をしていくべきことでございますし、このような土地基本法の考え方を受けて、申し上げます総合土地政策推進要綱、土地の政策の目標として、やはり土地の神話の打破ということは当然なことでございます。地価の水準の実現と並んで、ゆとりのある、潤いのある生活環境を確保することを含めた、適正かつ合理的な土地利用の確保というものを進めていかねばならない。先ほども答えましたように、私のかねがねからの……(斉藤(一)委員「簡単でいいです」と呼ぶ)いいですか。ではそういうことで、基本的な考えで進めてまいりたいと思っております。
○斉藤(一)委員 土地利用の高度化に伴って生ずる日照障害、電波障害、景観上の対策については、実は国土法、都市計画法、建築基準法、いずれも極めて不十分で、環境との調和がとれておりません。この点は非常に問題ではないかというふうに思いますが、この点についての見解をお聞きいたします。
○林説明員 都市の土地は大変限られた貴重な資源であるわけでございまして、諸活動の基盤としての土地の重要度は極めて高いということから、土地の有効・高度利用を図るということが一般的にも求められているわけでございます。しかし、その場合に、先生御指摘のように、良好な都市環境の形成あるいは確保といったことに十分配慮することが重要であるというふうに認識しております。
 このため、都市計画法、建築基準法におきましては、用途地域制度によりまして、おのおのの用途地域の目的に従った用途、容積率あるいは建ぺい率の制限といったものの組み合わせによりまして良好な市街地環境が形成できるような規制を行うことにしておりますし、また、必要に応じまして、地区住民等の意向も踏まえながらきめ細かい町づくりを図るために、地区計画制度を活用いたしまして、地域の特性に応じて土地利用の規制を行い、良好な市街地環境の形成に努めているところでございます。
 また、現在、都市計画中央審議会及び建築審議会の答申を踏まえまして、都市計画法、建築基準法の改正について検討中でございますけれども、その中でも、良好な居住環境の形成を図るための地区計画制度の拡充を行う、あるいは用途地域制度の見直しを行うというようなことについても検討を進めているところでございます。
○斉藤(一)委員 都市計画中央審議会答申において、「市町村による都市計画のマスタープランの策定に当たっては、住民や土地所有者の意向が計画内容に十分反映されるよう、住民参加の仕組みを導入するべきである。」と大変重要なことを指摘しておるわけでありますけれども、どのような手法を考えているのか。
○林説明員 昨年十二月二十日に都市計画中央審議会の答申が出されたわけでございますが、この中で、都市計画は住民の合意の上に進められるべきものであるという御指摘があります。そのために、都市計画のマスタープランの中で地区ごとの将来のあるべき姿をより具体的に明示しで、また、地域における都市づくりの課題と、それに対応した整備等に関する方針を明らかにすることが必要であると指摘されております。
 このような答申を踏まえまして、住民の合意のもとに市町村の都市計画に関する基本的な事項を明らかにすることを目的としまして、市町村の都市計画のマスタープランを創設することを検討しているところでございます。このマスタープランの作成に当たりましては、市町村が地域の実情に応じて住民あるいは土地の所有者等の意向が十分に反映されるように、公聴会の開催あるいは説明会の開催等、必要な措置を講ずるように現在検討しているところでございます。
○斉藤(一)委員 公聴会の開催、説明会の開催などということが、住民の合意ということにはならぬと思うのですね。この点は、後ほど関連して質問してまいります。
 各自治体がそれぞれの地域の特性から宅地開発指導要綱などをつくっていることに対して、国がいわゆる行き過ぎ是正などとやかく言うのは、地域の特性を無視し、各自治体に与えられた機能を否定することにならないか。
○中山説明員 お尋ねの点は、昭和五十七年以来数次にわたりまして宅地開発指導要綱の行き過ぎを是正するための通達等を発してまいりました。このことについてだと存じますが、周辺住民、自治会との関係につきましては、いろいろな問題を説明会を通じて明らかにして、それを解決していくという趣旨で出しておるものでございまして、周辺住民の同意が得られなければ開発許可が前に進まないということは、いろいろ問題がありますので、そういう趣旨で出しておるものでございま
して、周辺の自治会等との関係を全く断つものではございません。
○斉藤(一)委員 今お話がありましたが、住民の合意が得られなければということだけではないのですね。私は必ずしも住民の合意ということでなくて、これまでの地域の特性に応じてそれぞれ自治体が汗をかき、苦労をして、自然を守り、あるいは環境保全のためにいろいろ条例をつくったり、あるいは指導要綱をつくって努力してきている。そういう中で、先ほど申し上げたように、都市計画法、建築基準法を問わず、こうした住民参加、住民の意見が全く無視されてきている、行政と企業の都合だけで進められてきているというところに問題があるわけでありますから、この点は彼ほどまた関連して質問したいと思います。
 そこで、国の方が考えている通達の本旨というのは、いろいろおっしゃいましたけれども、結局は建築確認手続の迅速化、確認申請を出したら二十一日以内に確認をおろしなさいよ、住民が何を言おうが、いろいろ環境問題があろうが、とにかく確認をおろしなさいよ、こういうところにあるわけであります。なぜ自治体なり住民の意向というものを無視してまでこの確認申請の迅速化ということを最優先しなければならないのか、いま一度お尋ねいたします。
○中山説明員 法律上は届け出、申請があってから二十一日以内ということになっておりますが、現在の日本の自治体の行政実務上は、申請書を突然持ってきて役所に置いて帰るというふうなことではなくて、大体事前に担当官のところへ御相談に来られるなり打診があり、そこでいろいろ調整をして、不備なところなどは直したりいろいろしておるわけでございます。したがいまして、先ほどの通達でありましても、いろいろな問題があれば事前にそれをよく話し合いをする、住民の方々も不安や懸念があるわけでございますので、そういうふうなものは、説明会等を通じて事前にやっていただくということを前提としております。
 したがいまして、その申請が出てまいりますれば、法律上一定の期間で処理しなければならないわけでございますが、実務的には、事前に十分そういう調整を図るようにということも自治体を指導しておるところでございます。
○斉藤(一)委員 事前審査とおっしゃいますけれども、これは役所と企業の間の話であって、住民は参加できないのです、していないのです。したがって、先ほど申し上げたような欠陥が残っているというわけでございます。
 そこで、きのうの新聞報道によりますと、「都市計画区域外建築規制を強化 九二年度施行く「景観条例」後押し 地方の乱開発防ぐ」こういうふうになっています。ここで言っていることは、結局都市計画区域外地域を対象にしているということでありまして、都市計画区域内の問題は全く無視されているわけです。そして、都市計画区域外については、なるほどリゾートマンションなどの乱立て景観の悪化や環境破壊が起こるのを防ぐことを特にねらっている。自治体にとっては、景観、環境などに配慮した建築行政の責任範囲が広がる、こういうふうに評価をされているわけであります。都市計画区域外を対象にした場合には、今お話ししたようなことが尊重されるけれども、都市計画区域内についてはなぜ無視したままでいいのか、この点をお尋ねいたします。
○林説明員 今回の都市計画法、建築基準法の改正につきましては、近年の地価高騰に伴います土地問題の総合的な対策の一環といたしまして、土地利用計画あるいは土地利用規制の面から現在の都市計画制度あるいは建築規制の制度について見直しをし、必要な改正を行うという観点でございます。
 それで、その中には、先生御指摘のような都市計画区域外におきまして地方公共団体が条例によりまして建築物の建築等に関します。定の制限を行うことができるような、そういうような見直しの内容もございますが、そのほかに、都市計画区域内におきましても用途地域の詳細化あるいは地区計画の活用といったような、そういった既存の制度の改善充実を図ることによりまして、土地利用規制の合理化をしていこうということもございますし、また、用途地域の指定のない……(斉藤(一)委員「同じ答弁を繰り返さなくていいんだよ。質問に答えてください」と呼ぶ)はい。そういうこともございますので、都市計画区域内についても必要な改正を行いながら充実させていきたいというふうに検討しているところでございます。
○斉藤(一)委員 結局、都市計画区域内についての住民参加というのは、先ほど来言っているように、用途地域をつくるときに住民の意見を聞いている、地区計画をやるときに住民が参加できるというようなことをもって、間接的に住民の意見が取り入れられているんだということを一貫して言っているわけですよ。
 それで、ここで言う、これは新聞の報道でもありますし、評価でもあるわけですけれども、区域外の場合には景観条例を後押しするというようなことが指摘されていますが、そういうことになりますか。
○林説明員 都市計画区域内におきますいろいろな建築の形態等に関する規制につきましては、建築基準法でその規制の内容が決められておりますが、そういったことの制度の活用によりまして適正な土地利用が実現するようにしていくということが原則だろうと考えております。しかしながら、それの建築規制あるいは都市計画法の開発規制、そういったものに触れられていない事項につきまして、地方公共団体がそれを補完する意味で条例あるいは指導要綱といったような形態でもって土地利用の誘導を図っていくという手法も、これは現実のものとしては認められるところでございまして、そういったようなことも可能ではあろうかと思います。しかしながら、また法律とそういった条例、要網との関係ということもございますので、その辺の関係については適切に処置される必要があるだろうというふうには思います。
○斉藤(一)委員 いま一度お尋ねいたします。
 都市計画区域外においては、地方のこうした景観条例などの自主性をできるだけ尊重していくのだ、しかし区域内においては、既存の法律制度によって運営されるので、この種の条例等については区域外と区別をして取り扱っていくのだ、こういう考えですか。
○林説明員 都市計画区域内におきます。そのような条例でもって、公共団体が自主的に都市計画法あるいは建築基準法によります規制を補完していくという仕組み自体を否定しているわけではございませんが、都市計画区域外におきましては、そういった都市計画法あるいは都市計画区域を前提とした建築規制というものは実際上は規制されない、働かないということでございますので、そういう意味で……(斉藤(一)委員「質問に答えてくれ。区別しているのかしてないのかということを聞いているんだ」と呼ぶ)そういう意味で、地方公共団体が地域の特性に応じた条例の規制を行うということについて、建築基準法の規定の見直しによりまして、公共団体がそのような条例で規制を定めるようなことにしているわけでございます。
○斉藤(一)委員 質問に的確に答えてくれないと困るのですよ。区域内においては、都市計画法、建築基準法で対応しますということを言っているわけでしょう。区域外については、このような景観条例など地方のこういうことについては認めていきましょう、尊重していきましょう、こういうふうにおっしゃっているのじゃないですか。いま一度、そうなのかそうじゃありませんということを答えてください。
○林説明員 建築基準法を今回改正をいたしまして、条例で建築規制を行うことができるようにしているところは、都市計画区域外の地域についての土地利用の規制でございます。
○斉藤(一)委員 同じ日本国民でありながら非常に差別を受ける、大変矛盾したことになるだろうと思います。この点はぜひ改めていただきたいということを強く要望しておきます。
 結局、こういう問題とも関連するのですが、東京都などが言っているのは、都市計画の分野においても地方分権を進めてもらいたい、こういうことについてどういうお考えを持っていますか。
○林説明員 都市計画は町づくりの基本的な方向を決めるものでありますので、地域の住民の意見を十分反映させながら進めることが必要でありまして、中でも、地域住民に密着した市町村の町づくりにおける役割、責任は、非常に重要なものがあるというふうに考えております。
 しかし、一方におきまして、実態上の都市の地域は行政区域を超えて発展しているということも事実でございまして、広域的な観点から都市計画上の調整が必要である、あるいは都市計画の中では国道あるいは空港等の根幹的な都市施設に係ります都市計画もあるわけでございまして、国の施策との密接な関連があるということもあるわけでございます。
 こういった点を勘案しまして、現行の都市計画の体系につきましては、都市計画は原則として市町村が決定するということになっております。広域、根幹的なものについては、都道府県知事が決定するということにされているところでございます。
 そういった都市計画の権限の基本的な考え方ということは、おおむね妥当なものであろうかというふうに考えておりますが、市町村の地位といいますか、市町村の重要性が大きいということを考えまして、今回の都市計画法の見直しの中では、先ほども触れました市町村の都市計画のマスタープランの制度を創設することによりまして、市町村が、地区の住民の合意のもとに、地区ごとの都市計画の将来のあるべき姿を明示しまして、主体的に都市づくりが行えるような仕組みを創設していきたいというふうに考えているところでございます。
○斉藤(一)委員 今回誘導容積制度という聞きなれない話が出てきたわけでありますけれども、簡単で結構ですが、この制度の中身について説明してもらいたいと思います。
○林説明員 今回の地価高騰によりまして、一般のサラリーマンの住宅の取得の困難あるいは職住の遠隔化、通勤難等の問題が生じておりまして、職住の近接を図るという意味におきまして、都心部あるいは周辺部におきます土地の有効・高度利用の必要性が高まっているわけでございますが、大都市の既成市街地におきましては、まだまだ低層高密な木造住宅等が密集するなど低利用で残っている地域が多く存在するわけでございます。このような土地につきましては、地区内の道路等の公共施設の整備に合わせた、めり張りのきいた容積率の規制を行うことによって有効・高度利用を図っていく必要がある、それによりまして良好な市街地の整備をする必要があるということと考えております。
 このため、都市計画中央審議会で提案された制度でございますけれども、公共施設の整備の状況が低く、有効・高度利用の条件が整ってない土地につきましては、地区内の公共施設の整備状況を踏まえた範囲での容積率を適用する、これは暫定容積率というふうに申しておりますが、それから道路等の公共施設が整備された場合は、その地域の目標とする市街地像に合わせて定める容積率、これは目標となる容積率でございますが、そのような容積率を二重に決めて土地の有効・高度利用を進めていくという制度として誘導容積率制度ということが都計審で提案されておりますが、そういうような答申も踏まえまして、現在制度の法制化に向けて検討を進めているところでございます。
○斉藤(一)委員 これは一言で言うと、将来の市街地像に合わせて誘導容積を決めていくということだろうと思うのです。この将来の市街地像を一体だれが描いて、だれが決めていくのですか。
○林説明員 将来の市街地像をだれが決めるのかというお尋ねでございますが、都市計画の制度でございますので、都市計画を決定する者が関係の調整を図りながら決めていくということが手続的には言えるわけでございますが、しかし実質的な意味では、市町村あるいはその市町村の住民の方々等の合意といいますか、その都市におきます都市づくりのビジョンというものを、先ほど申しました市町村のマスタープランということで決めていく等の手続によりまして明らかにされていく、そういうビジョンに従って現実の都市計画の決定が行われていくというものであろうかと思います。
○斉藤(一)委員 これまでの都市再開発の手法を見ておりますと、これは前にも質問した問題ですが、初めに再開発誘導地区というのをつくって、そして今度はそれを再開発促進地区に格上げをしてその上で事業を進めてきているわけです。そこへ今度は新たに誘導容積制度、誘導容積がそれに重なって、進出企業にとってはこんな願ってもない制度はないと思うのです。こういうような将来の市街地像を当て込んで、結局は土地の騰貴あるいは地上げ、こういうものが必ず起きてくる、私はこういうふうに認識しておりますけれども、その辺、いかがですか。
○林説明員 誘導容積制度につきましては、先ほど申しましたように、公共施設の整備の状況のもとで暫定的に低い容積率を決める、そして公共施設の整備が整って良好な市街地の環境、条件が整いましたときに目標とする容積率を決めるというものでございます。
 したがいまして、都市開発、土地の有効・高度利用を進めるに当たって、公共施設の整備されたような、そういう条件を整えながら土地の有効・高度利用を進めるということでございますので、非常に合理的なものではないかと考えております。
○斉藤(一)委員 いずれにしても、この再開発誘導地区にしろ、促進地区にしろ、誘導容積制度にしろ、住民は全く参加できないのです。住民は参加してないのです。企業と役所の方の都合だけでこういうことが決められていっているというところに、根本的な問題があります。こういう点について、さらに法改正に向けて制度の運用に当たってひとつ十分検討してもらいたいということを申し上げておきます。
 次に、長官の所信表明にもあるのですが、先ほども若干議論がございました。東京一極集中を是正し、多極分散型国土の形成を促進するということからいいますと、今東京で進められている臨海部開発あるいは東京駅周辺の開発、汐留駅周辺の開発、こういう開発プロジェクトというのは、凍結をするかあるいは見直しをするかということが伴ってないと、これはいろいろおっしゃっていることと実際行政を通してやっていることが、全く相反することになってしまうのではないでしょうか。この点についてお尋ねいたします。
○西谷政府委員 東京一極集中問題、全国のレベルで見ますと、地方圏の整備を図って全体的な分散を図っていく、これが一つ、一方で重要かと存じます。他方で、東京は東京として世界に冠たる金融都市、経済都市あるいは環境にすぐれた都市として発展していかなければならない、これも事実かと存じます。
 その際、東京が発展していくために、区部の現在の過密状態というものを土地利用上整序していく、これは極めて重要なことではないだろうか。東京臨海部等のプロジェクトにつきましては、東京都が現在計画中の七つの副都心計画と相まって区部の土地利用の混乱を整序していくという観点から、意義のあるものと考えております。
○斉藤(一)委員 東京駅の再開発にしろ、汐留駅の再開発にしろ、これは業務関係が中心じゃないんですか。
○西谷政府委員 そういう意味におきまして、これらのプロジェクトを実施する際に、職住のバランスをとっていくという……(斉藤(一)委員「質問に答えてくださいよ」と呼ぶ)業務中心ではありますけれども、私どもの観点からしますと、住宅との接近、職住のバランスということに十分配慮した計画となるよう東京都とも相談をしてまいりたい、こう思っております。
○斉藤(一)委員 これは大臣にお聞きするのですが、一極集中を排除する上で、業務機能の集中はできるだけ抑制していこう、住宅を中心に進めていこうということが基本なんじゃないでしょうか。一言大臣からお答えいただきたいと思います。
○東家国務大臣 先ほどからの質問を聞いておりましても、一極集中を排除するというような首都移転等々の問題ございますが、六十万規模程度の移転でございますから、この東京、首都圏、これは三千三百万想定いたしておりますが、今後の日本の経済の繁栄、商業都市としての、また機能都市としての観点からしましても、双方が相入れる、より調和のとれたこれからの開発というものが必要ではないだろうかと私は思っております。
○斉藤(一)委員 結局従来どおりということだと思います。口先では、業務機能の集中を抑制するとか、多極型を目指すとかおっしゃっていますけれども、結局は東京を中心とした都市政策のあり方は従来どおり。調和のとれた都市ということで開発はどんどん進めていく、業務機能の一極集中も進めていくということだろうということがはっきりしたと思います。これでは、長官が所信表明でいろいろおっしゃっておりましたけれども、東京一極集中の排除などということは、全く絵にかいたもちでありますのできっこありません。このことを指摘しておきます。
 次に、市街化区域内の宅地化する農地、今いろいろ自治体を通して申請が行われておりますけれども、この市街化区域に残された農地、これについては貴重な開発適地である、こういうふうに指摘されておりますけれども、一体どうするお考えなんですか。
○橋本説明員 御指摘の市街化区域内農地でございますが、平成四年末までに、都市計画におきまして保全するものあるいは宅地化するものという区分をすることとしておりますが、宅地化するものについては、やはり計画的な宅地化ということが非常に重要であるというふうに思っております。そういう意味で、いわゆるスプロールとか乱開発を防止するためのいろいろな事業を行うこと、あるいは税制等によりましても良質な基盤整備を伴った賃貸住宅の建設を行う等、いろいろな措置を現在考えておるところでございます。
○斉藤(一)委員 そこを自治体が、例えば区民農園であるとかあるいは公園緑地にして環境のいい町づくりを進めていこうという考えもあると思うのですが、そうした場合に国の方はどういうふうに考えておりますか。
○林説明員 都市の市街化区域の中の農地につきましては、残存する農地が非常に少なくなってきておること等によりまして、緑としての保全を図るという趣旨で生産緑地法を改正し、現在その必要な手続を進めておりますが、この生産緑地というのは基本的に農地ということが前提でございますが、(斉藤(一)委員「生産緑地を聞いているんじゃないんだ、質問に答えて」と呼ぶ)はい。その中で、そういったものが市民農園という形で活用されるということも当然予想しておりまして、そういった形での緑地としての運営ということも望ましいものだというふうに考えております。
○斉藤(一)委員 生産緑地の質問をしているんじゃないのですよ。それ以外の市街化された農地、その場合に、先ほどのお答えでは、計画的な宅地化を進めていくというお答えがあったわけです。それに対して私が先ほど質問したわけです。自治体がそういうところを借り入れて農園にするとか、公園にするとか、環境をよくするために努力していくというようなことを希望した場合に、国の方はどういう対策をお持ちなのかということを質問しているわけで、その質問に対して答えてください。
○橋本説明員 現在のところ、公共団体からいろいろお聞きしておりますが、宅地化する農地の中でとりあえず緑地として残しておきたいという希望もかなりあるというふうに聞いております。そこにつきましては、現在、基盤整備という観点から、国では建設省、国土庁、農水省あるいは農協の方々あるいは公共団体の方々、いろいろ参加いたしまして連絡会議をつくっておりまして、そういう中で、今の市民農園というような提案も一つの提案ではございますが、どういうふうに良好な町づくりをしていくかということについて、現在非常に急ぎながら協議を続けているところでございます。
○斉藤(一)委員 ぜひ国が財政的にも行政的にも積極的に自治体を支援していくべきだというふうに思いますので、強く要望しておきたいと思います。
 次に相続税の問題について、大蔵省の方、来ていますね、お尋ねいたします。
 御承知のとおり、相続税が支払えないで困っている人が大変多いわけであります。今回評価額が現行の公示地価の八割程度の水準に引き上げられるということになるわけでありますが、特に二百平米以下の小規模宅地等に与える影響は極めて大きいというふうに私は思います。
 二百平米以下の小規模宅地の場合、この評価額の変更によって相続税がどの程度引き上げられるのでしょうか。わかりやすく、簡単で結構ですから、御説明いただきたい。
○窪野説明員 御説明いたします。
 相続税におきましては、二百平米以下の小規模な居住用あるいは事業用の宅地につきましては、居住の安定あるいは事業の継続に配意いたしまして、特例が設けられております。現在、居住用につきましては、通常評価された価額から五割、事業用につきましては六割。具体的に申し上げますと、例えば平米当たり百万円の土地で二百平米をお持ちという方は、通常の評価ですと二億円になるわけでございますが、それが五割でございますから一億円になるということでございます。
 今回、土地の相続税評価の適正化に伴いまして相続税の負担調整の必要があるということで、別途租税特別措置法あるいは相続税法の一部改正法案を御審議いただいている次第でございますが、そこにおきましては、特に近年の地価高騰に伴い、大都市圏を中心といたします。そういう小規模な宅地の相続税負担が過重となる心配があるのではないかということで、今申し上げました減額割合を、居住用につきましては現在の五割から六割に、事業用につきましては六割から七割に引き上げる改正につきまして御審議をいただいているところでございます。
○斉藤(一)委員 固定資産税の引き上げについても、平成六年度から現行公示地価の七割程度に引き上げるということが決められておるようであります。この場合の二百平米以下の小規模宅地などに与える影響について説明してください。
○堤説明員 お答え申し上げます。
 次回の平成六年度の固定資産税の土地の評価がえにおきまして、今委員御指摘のように、地価公示価格の七割程度を目標に土地評価の均衡化、適正化を図ろうとしておるわけでございますけれども、現在の地価公示価格に対します固定資産税の評価水準が、これは地域的なばらつきがございますけれども、全国的には三六%ぐらいでございますので、これを七割まで持っていきますと、評価は二倍になるわけでございます。これはほっておきますと税負担が二倍になるわけでございますが、御指摘のございましたように、評価は評価として適正化を図るわけでございますけれども、これに伴います税負担については十分慎重に検討しなければならないと考えておりまして、現在、二百平方メートル以下の小規模な住宅用地につきましては、固定資産税におきましてその評価の四分の一にするという特例措置を講じておるわけでございますけれども、こういった小規模住宅用地の特例措置につきましても、さらにその拡充を図っていかなければならないと考えておるところでございます。
○斉藤(一)委員 例えば東京都の場合に都市計画税、これは都民、議会の強い要望がございまして、税額で二分の一に抑えている。つまり、税額の面では現状よりも上がらないということを政策的にやっているわけです。都市計画税と固定資産税、相続税は違いがありますけれども、少なくとも今お話がありました特例措置の拡大という場合に、こうした自治体ができる範囲で税負担を軽減するあるいは現状維持に凍結している、こういう点。東京を初めとした大都市圏、地価高騰の著しい地域につきましては、少なくとも私は、事業用を含めて二百平米以下の小規模宅地の税負担は、現状もしくは現状以下になるように十分措置を考えてもらいたいということを強く要望しておきたいと思います。
 時間も大分たってまいりましたが、最後に、監視区域制度についてお尋ねをいたします。
 監視区域制度が発足してから今日まで、国土庁は国土庁なりにいろいろ苦労があったと思いますし、これを担当している各自治体、実は大変な苦労をしながら努力を続けてきているわけです。そういう経験から、時間があればひとついろいろ問題点等を指摘していただきたいと思ったのですけれども、余り時間もありませんので、私の方からかいつまんで質問をさせていただきます。お答えは簡単で結構ですから、お願いをいたしたいと思います。
 東京の場合には五万件、六万件というような受理件数を持っているわけですけれども、これを国土法で言う六週間の期間内に審査をやれというのはどだい無理じゃないでしょうか。どうお考えですか。
○鎭西政府委員 確かに、監視区域の運用につきましては、各都道府県、政令市に大変御努力願っておるところでございます。東京の場合は、今委員御指摘のように、監視区域の第一期生ということで相当これは経験もございますし、東京都、区の努力によりまして相当の人員強化というものを図っておる中で、私どもといたしましては、やはり、この六週間の期限の考え方といいますのは、国民の私法契約に介入するということで、申すまでもございませんが、なるべく短い方がいい。それから、審査に当たって十分な期間があるかどうかということの調和の上で設定された期間であるというように考えておりまして、六週間については、東京都はそういう期間の中で大変努力をしていただいているということを申し添えたいと思います。
○斉藤(一)委員 担当者の話では、六週間ではとても無理だと言っているわけですよ。それを無理やり六週間以内に審査を終えようと思えば、これは人がやることですから、どうしてもそこにあいまいな部分が出てくるということなんです。したがって、そういう実態をさらに正確に把握して、運用に当たって今後とも万全を期してもらいたい、こういうふうに思うわけです。
 いずれにしても、この法令なり規定が非常に簡単で、運用については通達以下でやられているわけです。先ほどお答えで簡単にしているというようなことですが、これはある意味ではその趣旨はわかりますけれども、実際自治体はこれで困っているわけです。何と言っているかというと、もっときめの細かな規定が欲しい、あるいは対応ができるように国はちゃんとしてもらいたい、こういうふうに言っているわけでありまして、この点を今後とも十分検討をして、改正すべきところは改正して、改善すべきところは改善をしてもらいたいということを強く申し上げておきます。
 今の問題ですけれども、これは国の機関委任事務であるわけですが、それであるならば、少なくともその事業費については全額国庫交付金で賄うべきではないかというふうに私は思っているわけですが、その点どうお考えですか。
○鎭西政府委員 国土利用計画法の施行事務、確かに機関委任事務でございます。ただ、この国土利用計画法の施行に関する事務を初め、土地対策、地価対策といいますのは、申すまでもございませず、国政のみならず、各自治体にとりましても大変重要な事務である、このことは土地基本法にも明定しているところでございます。したがいまして、従来から国、各都道府県、政令都市とが相応の経費負担あるいは人員の提供という形で実施してきたところでございまして、地財法の規定をまつまでもなく、これは私どもとしては、その経費、体制につきましては、国、県、政令市が応分の協力をしながらやっていくという性格であろうと理解しております。
 ただ、ただいまおっしゃいましたように、大変重要な事務でございますし、その事務に当たります職員はかなり知識経験を要するものでございますので、私ども国土庁がみずから各自治体の職員に対する研修というものも定期的にやっておりますし、あるいは主務課長会議等の場で質疑応答等におきまして十分ケーススタディーについての疑念を晴らすという努力もやってまいっておるわけでございますので、これからも引き続きこの適正な執行につきまして努力はしていきたい、かように考えておるところでございます。
○斉藤(一)委員 次に、規制区域の問題でお尋ねしたいと思います。
 これは私も前回から強く要望してきたところでございますけれども、幸い総合土地政策推進要綱において、地価高騰等が予想される大規模プロジェクトの予定地において規制区域を積極的に活用する、こういうことが公に明らかにされたわけでありまして、私は高く評価をしているわけであります。この点について、まず長官の決意をお伺いしておきたい。
○鎭西政府委員 私の方から若干御説明させていただきますと、ただいま委員御指摘のように、今回の地価高騰の局面の中で、国土庁長官が率先いたしまして地価高騰が著しい関係県の知事さん、政令市長さんを直接お呼びいたしまして、監視区域の先行的な指定、場合によっては規制区域の指定についての検討ということにつきまして、こちらからの要望あるいは意見の交換というのをやって積極的に取り組んでまいったわけでございますが、そのとき各自治体の首長さんの御意見は、当時まだ、金融政策等々について国として全般的なことをやっていただかないと、これだけ全国的に波及する地価高騰を特定の地域でなかなか対応するのは難しい、こういうような御意見が多うございまして、そのときはどちらかというと制度の仕組みについては特段問題があるというような御意見ではなかったというように承知しております。
 ただ、私ども今回の地価高騰の経験も踏まえまして、例えばただいま御指摘のような大規模プロジェクト予定地等におきましては、これから一定のエリアにおいて相当の地価高騰というのが考えられるわけでございますので、これは土地政策審議会の専門検討委員会の場において今後の問題として検討していただいておりますので、三度目の経験を踏まえまして、これからはこういう地価高騰は決して起こさせないという決意の中の一環として位置づけております。
○斉藤(一)委員 今の御答弁、長官そのとおりお考えですね。
○東家国務大臣 解除に至るまでは、相当研究、勉強させていただきました。そうした総合判断の中で、これは解除しても下落傾向は続くであろうという前提に立つに至ったことは、私たちはそうした勉強の成果で報告申し上げてそうした結論が出たことだけは御承知いただきたいと思っておりますし、そういう決意のもとに今後とも取り組んでまいります。
○斉藤(一)委員 ぜひ国土庁長官として、この方針を実効あらしめるように格段の決意、決断をお願いをしたい、こういうふうに思います。
 時間が余りありませんので、最後に私の意見を申し上げて、それについての総括的な御答弁をいただきたいと思います。
 今のこの規制区域の適用については、先ほど来申し上げているように、東京一極集中の面からも、あるいは地価を引き下げるという点からも、ぜひこの大プロジェクトを対象にして直ちに実行していただきたい、まず東京から始めてもらいたいということを強く要望しておきます。
 そして、先ほどお話がありました、当初は各自治体の意見が非常に消極的であった、私もそれは承知をいたしております。しかし、その中身というものをいろいろ聞いてみますと、今の国土法のままでは、先ほども内容幾つか指摘しましたけれども、残念ながらまともに適用できる仕組みになっていない。規制区域をやる場合には、特に土地取引が許可制になるわけです。審査件数もふえるわけです。詳細な地価調査が必要になってくるわけです。さらに、処分に対する不服審査、訴訟が起きてまいります。新たな事務が発生してくるわけです。そこでは土地取引業務に精通した職員の増員も必要になってくる。不許可処分の土地に対する買い取り請求権の問題も出てきます。買い取り経費は当然起債か何かで国にこれを手当てしてもらわなければならない、こういう問題も出てきます。
 こういう点を、少なくともこの運用の面で、通達なり、指導指針というものではっきりさせていかないと、結局は自治体がやる気がないのだという、問題をそらしてしまって、自治体のせいにしてしまうということが、今までの御答弁の中にもありましたので、そういうことのないようにしてもらいたい。
 今私が指摘をしました点は、規制区域を設ける場合の問題点です。総合的な見解で結構ですからお聞きをして、私の質問を終わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○鎭西政府委員 ただいま委員の御指摘の規制区域につきましては、申すまでもございませんで、監視区域制度を導入する前から、議員立法で国土利用計画法をつくられたその当初からある制度でございまして、私ども、当然国土利用計画法の的確な運用という場合には、規制区域の指定というのも現実の問題としてあり得るということを前提にいたしまして、従来から関係自治体と検討を重ねてまいっております。
 その中で、ただいまおっしゃいましたような研修の問題あるいは具体的に実施する人員の確保の問題、それから、ただいまおっしゃいました買い取り請求というものが当然考えられるわけでございますので、公共用地先行取得事業債等といったものについての予算計上というようなこともやっておりますし、基本は、交付金という形での財政面での支援、それと国、地方公共団体一緒になった的確な推進体制への取り組みということでやってまいっておるわけでございますので、引き続きこれからも、先ほど申しましたように、第四回目の地価高騰は何としても招来させないという決意のもとで、この規制区域が実効性がある形で発動できるような、そういう体制というものをつくっていくという覚悟でやっております。
○斉藤(一)委員 どうもありがとうございました。
○薮仲委員長 以上で斉藤委員の質疑は終了いたしました。
 次に 小川信君。
○小川(信)委員 大変時間が経過しておりますが、できるだけ十二時四十分には終わるように努力しますので、答弁の方もそのようなつもりで適切に御答弁いただければ、このように思います。
 先般長官の所信表明を聞かしていただき、また文書でもいただいたわけでございます。その中で、地価の問題が非常に大きなウエートで出ておる。特に大都市圏における地価問題が大きな問題として所信表明の中で提起されておりますが、まさに狂乱的な地価の上昇というものは、バブル経済の中で行われてきた土地投機が一つの原因である。言うなれば、超金融緩和の中での金余り現象が株式とか土地投機というような形に振り向けられてきたということと、もう一つは、大都市に余りにも人口、そして経済、情報、文化、あらゆるものが集中し過ぎたことによって起こってきたものだ、このように思われます。
 そういうような中で、長官は所信表明の中で、「大都市圏の地価水準は依然として高水準にありこのように位置づけておられます。そして、「これを適正な水準にまで引き下げなければなりません。」このように言われていますが、この「適正な水準」とは具体的にどういうふうな水準なのか、一般の庶民で理解できるような具体的な形で御説明をいただきたい、このように思います。まず第一に、そのことについて。
○東家国務大臣 大変今後の地価対策についてポイントとなる御質問をいただいたわけでございますが、確かに今日まだ高い水準にあるわけでございます。その原因はやはり投機の対象になったということから始まったと私たちは心得ております。もちろん一極集中のこともあったであろうと思いますが、しかし今後とも決して投機の対象にしてはならないということがまず一つでありましょうし、また、今日先安感等もございまして、確かに鎮静化方向に向かっていることは事実でございます。
 また、適正な地価水準は、先ほどから申し上げておりますように、中堅勤労者がやはり年収五年分で取得できるということを推進要綱の中にもうたってあるわけでございますが、これが土地の基本法の基本だと私たちは心得ておりますから、今後ともその対策に努めてまいりたいと思っております。
○小川(信)委員 今大臣抽象的で、「適正な水準」というのを、具体的にこれが適正な水準ですよということがやはりなかなか現実に示されない。この前の質問のときに、サラリーマンの年収の五倍程度で家が、住宅が取得できる、それじゃ、どのくらいの敷地のどのくらいの規模の住宅が取得できるのか、そしてサラリーマンの年収というのは、三百万円の年収なのか七百万円の年収なのか、これはわからないわけなんですね。具体的には、これはどういうふうな規模の宅地で、どのような家を、そしてどの年収で買えるのかということなんですね。例えば、戦前といいますか、昭和の一けた時代、我々が生まれた時代だったら、大体年収の二倍か三倍で百坪ぐらいの敷地で四十坪ぐらいの家が買えたわけなんですよ。それが今言うものなのかどうか、その辺いかがでございましょう。
○鎭西政府委員 確かに委員おっしゃいますように、みんながわかりやすいイメージということでございますが、ただいまもお話しのように、三大都市圏と地方では相当違いますし、三大都市圏の中でも特に東京圏が一番厳しい条件でございます。今まで一般的に都市の中堅勤労者が年収の五倍程度ということについて具体的なイメージはどう考えたらいいのかという御議論が、国会でも何度がございました。
 そのときに、私どもが一応こういうことを念頭に置いておるということを申し上げましたのは、一番厳しい東京圏の場合でございますけれども、中堅勤労者でございまして、総務庁等々の統計によります世帯主の平均年齢は大体四十五歳でございます。それから世帯人数が三・八人程度でございまして、一世帯当たりの年間所得、これは個人当たりではございませんが、一世帯当たりでございまして、これは昨年の額でございますけれども、七百六十万円ぐらいのそういう家族というものを考えて、大都市圏でございますので二戸建てというのはなかなか難しゅうございまして、中高層、平たく言いますとマンションでございますが、そういうものの現在東京圏で一般的に売られている平均的な規模、これは大体六十五平米か七十五平米でございまして、そういうものを、一時間から一時間半程度の通勤時間で取得できる、そういう土地価格に持っていきたいというのが、私どもが描いている一つのイメージでございます。
○小川(信)委員 今一番条件の悪い東京圏でということでございましたけれども、条件が厳しい、悪いよりは厳しいという意味でしょうね。そうすると、一平米当たりの単価というのはこれだ、そして現実そこでの単価というものはこれだけだ、この差をどうやって縮めるかというのが、具体的な施策になってくるだろうと思いますね。それがいわゆる土地政策であるわけですけれども、それらの接近する具体的な政策を展開していって、いつごろまでにそこに接近をしていくのか、このあたりの具体的な計画のイメージというものをお持ちなんでしょうか。
○鎭西政府委員 そういうような水準といいますのは、例えば我が国の場合におきましても、今回の地価高騰が始まります前の昭和五十年代後半ぐらいにおきましては、一番条件の厳しい東京、大阪圏におきましても大体五、六倍で取得していた、地方はもっと条件がようございました。そういう幾つかの民間の調査というのもございまして、私どもは絶対価格の水準を高騰前に戻すということを考えているのではございませんで、その間に国民所得が上昇する、それから勤労者所得が上昇するということでございまして、当面地価高騰前の相対関係に持っていきたいということが率直な私どものイメージでございまして、それからいたしますと、これはいろいろ地域によって条件が異なりますので一概になかなか言えないのですけれども、若干乱暴に申しますと、今回の地価高騰で東京圏の住宅地、三倍強ぐらいに上がったわけでございまして、それを現在、恐らくかなりピーク時に比べて下がってまいっておりまして、二倍強にはなっているだろう。そうしますと、できますればあと二、三割下げるということによって高騰前の相対関係には持っていけるんじゃないか。
 このことは、私が考えておるところによりますと、昨今の地価の趨勢、それから先ほど申しましたように、関係方面のヒアリング等を通じましてまだ当面この趨勢が続くということのようでございますので、土地政策を着実に推進していきますならば、この目標の到達というのは現実的な期間において可能ではないか、かように考えておるところでございます。
    〔委員長退席、狩野委員長代理着席〕
○小川(信)委員 私いろいろ御説明聞いてよくわからないのが、本当に大臣がおっしゃった「適正な水準に」という、所信表明の「適正な水準」というイメージがわかないわけなんですよ。サラリーマンは年収三百万円ごろからずっと少しずつお年をとるに従ってふえていって、八百万円か九百万円、よくて年収一千万円ぐらいで一サイクルが終わるわけなんですね。そういうふうな中で住宅を取得していく、そしてローンを払っていくということの中で、確かに支払うことはできるかもわからぬけれども、勤労者がその住宅を取得したことによって生活が非常に圧迫されてくる、こういうようなことであれば、その地価水準というのは、本当の意味で適正な水準ではないんじゃないかと私は思うわけなんですね。
 実は私自身、地方の出身なので、まず東京へ来て、二年前に来まして新聞をとって、新聞の広告に住宅の不動産会社の広告が入っています。私は本当に今までの自分のイメージと一けた違うイメージだ、ああ三千万円の住宅を売り出したんだ、こう思って見ると、間に小さな字で億と入っているわけですね。そういうふうな状況の中で適正な水準といえば、もっともっと下げて、言うなれば四十七、八年の狂乱物価以前の土地価格水準に下げるのが適正な土地価格ではないか、このように私は思いますけれども、その点いかがでございましょうか。
○鎭西政府委員 ただいまお話がございましたように、私どもが五倍程度と申しておりますのは、先ほど申しましたようなそういう平均的な年齢、平均的な世帯構成のそういう中堅勤労者の世帯が購入可能な水準でございまして、それがただいま委員御指摘のように五倍程度で取得いたしますと、毎月のローンを支払っていきましても通常の生活を圧迫しない限度、かように考えていただいて結構なんだろうと思っております。
 ちなみに参考までに申しますと、昨今不動産市場が相当価格の鎮静化ということになっておりますけれども、例えば東京圏で四千万円から五千万円ぐらい、これはマンションでございますが、そういうものにつきましては、いわゆる一次取得者と申しまして、初めて自分の家を持つ層の実需というのは非常に強うございまして、そういうものの月間契約率はやはり依然として相当高いということでございますので、このくらいの価格帯というものが、都市勤労者の年間世帯所得から見ると、実需に見合う価格ではないかなというようにうかがえるわけでございます。
○小川(信)委員 この水準論という議論は、それぞれの考え方で、とり方の基準で違ってくるかと私は思いますけれども、言うなれば都市の勤労者、地方におる勤労者と年間所得というのは、そんなに違うものじゃないんですね。ですから、そういう意味では、都市におる勤労者は住宅等々に対する負担、家計の中での負担は非常に大きいというのが現実だと思います。それをやはり下げていくことが、負担が可能だからそれでいいんだというのじゃなくて、負担を下げていくことが必要ではなかろうか、そのための住宅政策であり、土地政策があってしかるべきだ、このように私は思っております。
 そういう意味のことを、まず所信表明で「適正な水準」ということをはっきりおっしゃっておりますので、適正な水準についての議論をもっと深めていって、本当に日本の国民、勤労者全員が納得できる適正な水準はこうだというものを国土庁は示していただいて、それが実現できるような総合的な土地政策を進めていただきたいというのがまず第一でございます。
○鎭西政府委員 一言だけ念のために御説明させていただきますと、私どもも、先ほど申しましたように、現在の地価水準がこのままでいいというふうには考えておりませんで、取得能力あるいは収益価格に見合う価格に引き下げるということを、土地政策の目標として引き続き諸般の対策を進めていく必要があるというように考えております。
 ただ、率直に申しますれば、一人当たり国民所得あるいは勤労者所得も伸びておる中で、絶対価格を高騰前あるいはもっと極端に狂乱物価の時代に戻すということは、これは非常に難しい問題ではなかろうか、かように考えるところでございます。
○小川(信)委員 まだこの問題は続いて議論させていただきたいと思いますが、時間がございませんので、次に移らせていただきます。
 先ほど斉藤委員の方からも話がございましたが、三大都市圏の宅地供給を促進するという考え方を基本にして、昨年生産緑地法の抜本改正が行われたわけです。実はこの生産緑地法というのは、昭和四十七年か八年だったですか、この制度ができておるわけですけれども、その間約十五年間、生産緑地法という法律はできたけれども全国的に生産緑地の指定を受けたのは約七百ヘクタールくらいしかない。全国ですよ、三大都市圏の特定市だけじゃないわけです。北陸の金沢市なんかも一部地域が受けているわけですけれども、法律ができて十五年間、七百ヘクタール指定はしたけれどもそのまま何も手を加えずに放置をして、昨年突然、何か急遽この生産緑地法を抜本改正をして、いわゆる長期営農継続制度を廃止して宅地並み課税をするということで、地方税法の改正も求められる。
 言うなれば、何か急に慌てて生産緑地法という法律があったからこれを引っ張り出して、何とかして宅地供給を促進しようじゃないかというような感じが非常にしたわけですけれども、これは建設省が中心でやられたんですが、国土庁長官、いかがでございますか、昨年のこの一連の宅地並み課税を云々という生産緑地法の抜本改正のあの動きについての長官の御感想を聞かせていただきたいと思います。
○西谷政府委員 先生十分御承知のように、現在東京圏で三千万以上の人々が現に生活をしております。この方々は、住居と職場とが非常に遠隔化していて非常な通勤難、それからまた居住環境、居住水準も非常に悪化している、これは御承知のとおりでございます。こういう状況の中では、居住環境の水準向上という観点から、どうしても健全な市街地、住宅供給をしていくということは極めて重要なことだ。これは東京圏に限りませんで、関西圏、名古屋圏も大同小異の問題を抱えていると存じます。そういう意味で、市街化区域内農地を健全な市街地として開発していく、これは極めて重要なことではないかと考えております。
○小川(信)委員 今模範的な御回答があったんですけれども、長官は熊本の御出身で我々と同じように田舎育ちですけれども、昨年慌てた形で生産緑地法を大幅に変えて宅地供給を生むんだ、今おっしゃるように、三千五百万人にふえたというのは事実ですけれども、三千五百万人の人間を抱えておると言うけれども、それは急ではなくて、ずっと十五年間の中においてもこれは進めてきたわけですから、その辺の認識がどうもお役所の皆さん方、特に建設省を中心にして、この宅地並み課税を強行することによっての生産緑地法を大幅に変えて、市街化区域内の農地を住宅地として吐き出させようとした意図というものが、極めてつけ焼き刃というんですか、泥縄的な対応でなかったかというような感じが私はするわけです。
 そういうふうな感じがするから、現実法律はできたけれども、我々社会党も賛成したけれども、今現場で非常に困っている、混乱をしているという。そしてそれぞれの自治体が工夫を凝らして何とかこれを乗り切ろうとしておられるという事実があるから、私はそのように申し上げるわけですけれども、その辺を、これはもう一遍確認させていただきたいと思うが、どのように国土庁は認識されておられるのか。それから建設省、きょうは課長さんですけれども、どのように建設省は考えておられるのか、聞かせていただきたいと思います。
○鎭西政府委員 市街化区域内農地の計画的な宅地化につきましては、委員御承知のとおり、日米構造協議でも土地政策の中の一環として相当御議論がなされました。それから土地基本法の御審議及び昨年の一月に策定いたしました土地政策推進要綱、これにも位置づけておるところでございます。
 私どもは、やはり市街化区域内農地を都市計画上きちっと保全するものと計画的に宅地化するものを位置づけまして、保全するものについては、都市緑地あるいは都市空間という形で都市のあり方との関連でそれを生かしていく、それから計画的な宅地化の必要なものについては、基盤整備というものが当然必要でございますけれども、そういう基盤整備のもとで所期の目的が達成できるような宅地化を整然と進めていくということは、土地政策の観点からも基本的には非常に重要なことであろうというような認識をいたしておりまして、今年末にその仕分けの作業というものが行われるというように承知しておりますので、この方向に沿って適切な対応が行われることを期待しているところでございます。
○林説明員 市街化農地につきましては、住宅供給の素地としての機能あるいは都市内の貴重な緑としての機能、いろいろな機能がございますので、そういった機能に着目した適切な対策が必要であろうというふうに考えられているところでございます。また、特に大都市を中心にします近年の地価高騰によります住宅難等の問題を考えますと、やはり市街化区域内の農地について、これを有効に活用して住宅宅地供給を進めていく。もちろん市街化農地だけではございません、都市内の工場跡地あるいは低・未利用地等の活用ということも重要でございますが、そういったこともあわせ講じながら、市街化区域内農地についての有効な宅地としての供給策ということが求められているわけでございます。
 そういう市街化農地のいろいろな意味での要請にこたえますために、昭和六十三年の六月に総合土地対策要綱が定められました。その中で、市街化農地につきましては、都市計画で宅地化するものと保全するものとに仕分けをし、その保全するものにつきましては、生産緑地法を改正して、そして適切な保全のための措置を講ずるというふうに定められたところでございます。そういった六十二年の総合土地対策要綱に基づきながら所要の法改正を進め、現在は都市計画の指定の手続を進めているというようなところでございまして、継続的にこのような対策を進めてきているということでございます。
○小川(信)委員 私、昨年の四月建設委員会でこの問題について御質問をしたときに、はっきり言って、四十九年に制定した生産緑地法は実質的に十五年間機能しなかった、それで改めてこういうような状況になったので、機能しなかったものを手直しして活用しよう、こういう意図で、建設省が中心になって進められたというふうに思っております。そして現実、保全すべき農地を選択するかそうでないかという市街化区域内の農家の人たちの選択を今やっておる最中で、もう大体終わりに近づいておりますけれども、現在まで特定市で生産緑地の指定を申請されておられる状況ですね。どのくらいの面積で、関係農地のどのくらいの割合が出ておるか、その現状をちょっと教えていただきたいと思います。
○林説明員 生産緑地の指定につきましては、農家の、農地所有者の方々の意向を十分把握して指定に努めるということにされておりまして、現在多くの地方公共団体で意向の把握に努めているという段階でございます。当初、昨年の十二月末までという締め切りを設けて意向把握をされておられた公共団体が多かったわけでございますが、地元からのいろいろな要望もあり、現在三月末を目途に意向の把握を完了するという形で作業を進めている公共団体が多うございます。
 そういう意味で、現在どの程度の生産緑地が指定される見込みかということにつきましては、公共団体の把握が十分でないということもございまして余り確定的なことは申し上げられませんけれども、三大都市圏の特定市の市街化農地、約五万四千ヘクタールございますけれども、おおむね三、四割前後の指定になるのではないかというふうに建設省としては予想しております。
○小川(信)委員 特定市で相当差があるように聞いております。五〇%超えるところ、二〇%しかないようなところと、いろいろ差がありますけれども、これは関係土地所有農業者が出して、その同意を得て、今から計画して夏ごろに都市計画審議会等を経て決められるだろうと思いますけれども、農業者の申し出と同意と、こういうふうな形になりますと、いわゆる計画的な都市計画、都市計画全体の中で、ここは緑地として保全する地域、ここは宅地として開発する地域、ここはこういうふうなオープンスペースとして防災上必要な地域と、計画的にきちんと都市計画の修正、見直しする中で、そういうふうなきちんとした形というものが実現できる、そういうものをきちんとやれる、このようにお思いでございますか。
 個々に持っておられる農地がそれぞれ、私は保全をする農地として、私はもう宅地化をしてもいいですよ、こういうようにばらばらに出てくるというけれども、実際は都市計画の上では、ここの地域はこういうふうな形で緑地として保全をしたい、ここは防災上のオープンスペースとして確保したい、ここは宅地として開発したい、ここは公共的な用地として利用したい、こういうふうなのが都市計画じゃないかと思いますが、その辺との整合性というものはきちんととれると思っておられますでしょうか、どうでしょうか。
○林説明員 今回の生産緑地制度の改正は、市街化区域内農地の持つ緑地機能を都市計画として積極的に評価して、これを区域を指定することによりまして保全していこうというもので」ざいます。そして、改正の一つのポイントとしても、従来、面積要件というものが二千平方メートル、種類によって少し違いますが、最低それぐらい必要だということだったわけでございますが、これも五百平方メートルという形で引き下げまして、緑地としての評価をぎりぎりのところまで行うという形での改正になっておるわけでございます。したがって、そういうような要件を満たすものについては、農家の営農継続の意向というものがあれば、それを尊重して指定を進めていくというふうにお願いしているところでございます。
 一方、先生おっしゃいますように、やはりこれも一つの都市計画でございますから、都市内の土地のいろいろな動向とかいろいろ見通しまして、合理的な土地利用というものを実現するという観点もあるわけでございまして、そういう意味での調和を具体的に公共団体の都市計画なりの皆さん方で考えながら、指定を進めていただくということではございますけれども、しかし、基本は、前に申しましたように、都市の緑地が非常に不足しているという現実を踏まえての生産緑地法の改正でございますので、意向の尊重に十分努めるということで生産緑地の積極的指定をお願いしているところでございます。
○小川(信)委員 そこで、仮に今、五万四千ヘクタールの三〇%とか四〇%がいわゆる保全すべき農地として出てくるか、二〇%出てくるかわかりませんけれども、この残ったところ、いわゆるもう宅地等で活用します、都市的機能としての活用に提供しますという農地が何万ヘクタールと、ワン、ツー、スリーで出てきたときに、関係特定市がこれを計画的に都市計画を立て、そして計画的にその開発利用をするということが現実可能だろうかどうかという心配があるわけです。
 それで、そういうときに、時価で買い上げる、そしてそこに何らかの計画を立ててやっていくというときに、関係市町村、財政的にそれが耐えられるのか、都市計画が計画的に進められるのかどうなのか、いろいろな問題が集積、山積してくるのではないかと思いますけれども、この都市的な部分の活用が円滑に進められるという可能性があるのか、そういうふうな中でその地域の土地価格というものがどのような動きをするのか、その辺の見通しはいかがでございましょうか。
○橋本説明員 西暦二〇〇〇年までに、現在三大都市圏、市街化区域内に約六万四千ぐらい農地がありますが、これが一万三千ぐらい出てくるという見込みでございます。先生御指摘のように、関連公共施設の整備を通しまして良好な市街地をいかにしてつくっていくか、大変重要な問題だと認識しております。
 具体的には、農地所有者自身によりまして計画的宅地化を促進する、そこへ公共団体、国がいろいろ協力していくということになると思いますが、土地区画整理事業の活用がしやすいように面積要件を緩和いたしております。あるいは地区計画をできるだけ活用したい。それから、固定資産税あるいは都市計画税の税制におきましても、開発許可とか地区計画を決めたもの、あるいは土地区画整理事業を施行しているもの、いわゆる良好な環境、基盤整備を行うものにつきましては、平成四年から六年度まで固定資産税を大幅に軽減するというような誘導策をもちまして、何とかそういう良好な町づくりに向かっていきたいというふうに思っているところでございます。
○小川(信)委員 思いどおりに進めば結構ですけれども、約五万四千ヘクタールのうちの一万三千ヘクタールを都市的な部分として活用していこう、その大部分がいわゆる民間による住宅開発というような形に仮になったら、まさにこの特定市の都市開発というのはスラム街をつくるような形になりかねないんじゃないかというような感じが私はするのです。そして、三大都市圏という大都市圏にさらに集中が進んでいく。大都市圏への一極集中を是正したいというのが国の基本的な政策だと思いますけれども、こういうふうなことをすることによって集中をさらに促進していくということ、国土政策とこの考え方とは整合性がないのではないかと思いますが、その点、国土庁、いかがでございましょうか。
○西谷政府委員 繰り返しになって恐縮でございますが、大都市圏、現に人口が相当集積しているということがございます。したがって、全国レベルで見ての分散ということは一方で重要でありますけれども、現にある東京圏なり大都市圏なりの秩序ある整備、こういう観点は、どうしても抜きがたいものであろうと思います。そういう場合に、市街化区域内農地というものを活用してその整備を図っていく、大都市圏全体の整備を図っていく、これは極めて重要なことではないかと存じております。
○小川(信)委員 現にあるから、仕方がないからやるというのであれば、政策じゃないと思うのですね。これは現実に対応する、ただ対応であって、政策でもなければ何でもない。そういうふうなものでは困るというのが特定市の自治体の皆さん方の声だと私は思うのです。
 現実にそういうふうな声を踏まえながら、法律が改正されてから新たな申請を現在受け付けてやって、その最終時期になっておりますけれども、市町村の現場、市町村というか特定市の現場は、非常にたくさんの問題を抱えておられます。それと同時に対応策も講じておられます。例えば都市計画部署と、農林とかいわゆる農地を確認する農業委員会とか、そういうふうなところとの連携が十分いかない、それから、関係農家に対する説明が適切にされてないためによって生ずる混乱、こういうふうなものが各地で起こっているというのが現実であるわけです。
 それから、そういうふうなことで出てくる結果を見ると、自治体として都市計画を考えた上で、例えば四〇%は緑地として残したい、こういうふうに考えておったけれども、出てきたものは二〇%くらいしかないから、何とか考えた面積ぐらいは確保したいといって、行政の長はさらに重ねて農家、土地の所有者の人たちに働きかけをやる、こういうふうな取り組みをやられる。片一方では、ディベロッパーといいますか、不動産会社とか建設会社とか住宅供給業者等が農家のところへ行って、宅地並み課税になって大変ですよ、それから相続税が今度は取られて大変ですよ、三十年間は動かすことができませんよ、もし動かしたときの買い取り価格は農地価格でしか買ってくれませんよというようなことを言って吐き出させようと片一方でやる。こういうのが現場でどんどん起こっているのが事実なんです。
 こういうふうなことについて、建設省、まあ国土庁は調整官庁でしょうけれども、自治省とかいうのが十分調整をとって現場の市町村なり関係農業団体にきちんと問題を提起して指導していかなければ、現場の自治体は大変なんですよ。その辺についてどのようにお考えになっておるのか、その考え方を聞かせていただきたい。
    〔狩野委員長代理退席、委員長着席〕
○橋本説明員 限られた時間の中で大変な作業を、現在都府県、特定市町村を初めとしてやっているのは事実でございます。
 そういう関係で、さきの二月にも国は、建設、国土、農水、それから十一都府県、六指定市、十一都府県の農協中央会、それから全中、全農の代表の方々が集まりまして、先生御指摘のようないろいろな問題点をできるだけまとめて協議していこうということで進めております。
 また、農地所有者の方々、いろいろな相談があると思いますが、役所の中でいろいろな部局へたらい回しみたいになって時間ばかりかかるというのも困るということで、地区レベルでそういう役所あるいは公社、農協、一緒になって受け皿づくりというか、そういうことも現在各都府県にお願いして、現実にそういう協議会ができているところもございます。
 そういう中で、とにかく限られた中でできるだけスムーズに手続を進めていきたいというふうに思っております。
○小川(信)委員 そうすると、今おっしゃるようなことですけれども、現実、例えば業者がこういうキャッチフレーズで働きかけるのです。「宅地並み課税、こうすれば怖くない 土地活用と節税対策のヒント」というようなことで、農家の家に行って話をする。「事例に見る宅地化農地の節税と活用対策」とかいって、もう農地として持っていたらだめですよ、これはこっちでやって、そしてここへこういう家を建てなさい、アパートを建てなさい、マンションを建てなさい、それを私たちがっくってあげます、こういうふうな形でどんどんやるわけですね。そういうときに必ず説明するのが、三十年農業をやらなければだめなんですよ、おたくはそれができますかと。買い上げ制度はあるけれども、それは農地価格なんですよ、死ぬまであなたはやらなければなりませんよとか、そういうふうなことを盛んにアプローチする。誤った情報を業者がどんどん提供する。
 片一方、行政はなかなかそれに対応できない。農業団体、農業委員会とか農協組織がやっておるでしょうけれども、そういう攻勢がどんどん進んでいる。そして限られた時間しかないわけです。もう夏ごろには審議会を開いて、十二月までにはきちんとしなければならぬ。片一方で、固定資産税とか相続税等の問題が進んできておるというような状況下に置かれておる。じっくり落ちついて選択する余裕がないような状況に追い込まれた形で農家は選択を求められておるというのが現実だということです。その辺を十分考えていただきたい。
 そこで、国ではどうせやってくれないから自治体独自でやらざるを得ないと言って、あちらこちらの自治体がこの問題について取り組んでおられるということです。
 例えば藤沢市とか関西の豊中市などは、生産緑地を選択しなくて一般の普通の農地、いわゆる生産緑地でない農地も、十年間そこで農産物をつくれば固定資産税の三分の一は行政が見てあげましょうというような、宅地化する農地に対して独自の特定地域農業経営安定資金制度というような融資をする。十年間農業をやってください。片一方は三十年ですけれども、十年間農業をやってください。そこで野菜や果樹をつくったら固定資産税などの一部分を行政が見ましょう、こういうふうな制度をやっているところがある。こういうふうに、それぞれの自治体が自衛をされる。
 それから、生産緑地を選択された農家がずっと緑地としてそれを持ってもらうために、川崎市や横浜市や名古屋市では、その生産緑地農地に対していろいろな支援をすることによってそれを持ってもらうということで、一般の不動産業者の攻勢から守るように、そして地域の農業を守るようにする。それぞれの地域でいろいろな組み合わせをやっておられるわけです。
 これはまさに国の行政が法律はつくったけれども、あと何もしてくれぬから、自治体が仕方なしに自衛のためにやっておると思いますが、この辺についての、国土庁も含めて、建設省も含めて、自治省も農林省もみんな一緒だと思いますけれども、本当に涙の出るような自治体のこういう努力をどのように評価されるのか、お尋ねしたいと思います。
○林説明員 市街化区域農地を都市計画によりまして宅地化するもの、保全するものに仕分けをして、それぞれの農地に対して適切な措置を講じていくということが今回の基本的な考え方でございますが、その場合、保全する農地として生産緑地地区に指定された農地につきまして、営農継続を支援するために措置を講ずることが重要であるという考え方のもとに、市の単独でそういった施策を設けられることにつきましては、それは望ましいことであり、そういった制度の実施を期待しているということではございます。
 しかしながら、具体的な公共団体がどういう制度を設けているかにつきまして完全に調査しているわけではございませんが、一般論といたしまして、今回、一部の特定市で宅地化する農地を対象に農地の保全のための制度を設けるというような考え方で進めておられるところがあるというふうにも聞いております。
 しかし、こういった宅地化する農地の中で保全するための措置を講ずるということにつきましては、現在生産緑地地区の作業をしておる、こういう段階でのことでございますので、そういった作業への影響ということを非常に懸念しておりますのと、長期にわたって農地の保全を奨励するということは、宅地化する農地につきまして、住宅用地等への宅地化を推進していこうというような今回の制度改正全体の趣旨にそぐわないということも考えられます。
 また、この宅地化する農地につきましては、宅地並み課税というものが平成四年度から実施されるわけでございますけれども、こういった助成の結果として、実質的にそのような宅地並み課税の一部軽減が図られる、つながるというおそれも否定できないわけでございまして、そういう意味で、今回の税制改正の趣旨ということからも、その趣旨にそぐわないものではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。
○小川(信)委員 今の御答弁は、結局地方自治体の現場の皆さん方の物差しが国の物差しに合わないからいかぬというのじゃなくて、現場の物差し、現場で必要なものを国が認め評価をするという姿勢があってこそ、地方自治といいますか、地方の自治が守れるのじゃないですか。どんなに法律があっても、地方の物差しに合わなければ、地方がその中で努力をし、工夫を凝らしてやっていくということは当然だと思いますが、そういうふうな評価をしていかなければ、こういうふうな土地をきちんと計画的に守っていこうというようなものはできないのじゃないか。建設省がそういう姿勢をとっていただかなければ、建設主導型で、効率万能型で、地方の土地をどう守っていくかという自治体の努力を評価されたのでは私は困る、そういうふうなことを思っております。課長さん、きょうお帰りになられたら、大臣その他局長に十分そのことをお伝えいただきたいと思います。
 そこで、時間もありませんので、もう一つ次の問題に行きます。
 大臣の所信表明の中にもありますが、多極分散型の国土形成ということで、今度地方拠点都市整備法なる法律がたくさんの省庁の共管で出ます。これはまさに、東京一極集中是正、そして地方における、これまた地方の一極集中も進んでおるというような形で、分散した地方の拠点都市、拠点的な都市をつくっていこうというのが法律のねらいですけれども、どうもこの法律が出る前、国土庁は地方都市圏整備法という法律をつくろうかという御検討をされた。それから、通産省は産業業務機能再配置促進法という法律をつくろうかと検討された。それから、建設省は地方拠点都市の開発整備の促進に関する法律というのをつくろうという御計画をお持ちだった。郵政省は情報拠点都市圏整備法という法律を御検討、考えておられた。農水省は農業支援機能集積促進法という法律を考えておられた。これらの法律がそれぞれ、それぞれの関係省庁が自分のところで地方の何とかをという形で言われた。
 これはまさに多極分散型都市、国土形成をというこの国の基本政策の流れに乗りたいという形でおつくりになられたと思いますが、これが行革審から、それぞればらばらでつくられたのじゃおかしいじゃないか、一つにまとめてやるべきだというあの行革審答申を受けて、知恵を絞って結局こういうふうな法律になったのだろうと思います、これは褒め過ぎかもわかりませんけれども。
 この法律の中身を見ますと、相当規模の大きな土地区画整理事業というものが、事業の中で非常に大きなものとしてかかわってきておるような感じがするわけです。せっかく地方の新しい拠点となる都市を開発していこうという形の中で、こういうふうな事業が進められることによって、私はある意味では非常にいいことだと思いますけれども、事業を展開することによって、その拠点的な都市とその周辺になる計画地域の町村の地価が高騰するようなことがあったのでは、たまったものじゃない、この辺についての配慮が必要だろうと思います。まだ法律ができる前ですから、とやかく言うことはないと言われればそうかもわかりませんが、そういうふうな配慮をも私は含めて、この新しく今から審議される法律、この法案をつくられる過程の中で議論されたと思いますが、その点、国土庁でも結構ですが、代表して御説明いただきたいと思います。
○小島政府委員 今回六省庁が関係いたします御指摘の法律案を国会に提案させていただいたわけでございます。地方の拠点となる都市並びにその周辺の市町村を一体的に整備することによりまして、今御指摘のようなねらいを私どもは持っておるわけでございますが、その際に、今御指摘のように、そういうことによって地価の高騰というようなことが生ずるということは大変ゆゆしい事態でございます。私ども六省庁の中では、当然そのような議論もいたしました。今、法律の中には、これから御審議いただくと思いますが、そういうことも予定というか予想いたしまして、地価についての配慮と同時に、いわゆる監視区域の指定をするというようなことに努めなければならぬとい
うことを、関係の市町村と知事は十分連絡をとりながら、そういうことに言うなら配慮義務を規定いたしてございます。
 と同時に、良好な居住環境の整備というようなことも今回の法律の目的でございまして、その中には当然、ゆとりのある宅地と申しますか、あるいは住宅といいますか、そういうものの供給の促進ということも一方ではねらいといたしておりますので、今御指摘のようなことの御懸念のないように、私ども、あの法律ができましたら十分を期してまいりたい、かように考えております。
○小川(信)委員 私が考えておる、頭の中にある地方拠点都市というのがどのぐらいの規模かというのと、それぞれ皆が描いておるものが違いがあるだろうと思いますけれども、私は、まさに地方の拠点都市ということですから、余り規模の大きくない都市とその周辺だというふうに思っておるわけなんです。そうすると、現実的には地価というものは相当安いし、周辺地域は農山漁村地域だろう。そういうようなところでいろいろな開発活動をやっていこうということですから、そういうふうなことを考えたときに、まず第一に公的な土地の積極的な活用を先に考えることが必要じゃないか、区画整理事業も必要でしょうけれども。
 例えばどんなものがあるかといいますと、旧国鉄用地というようなものもありますね。国鉄清算事業団が持っておる例えば操車場とか駅前の用地というようなものもあるかもわかりまぜんし、それから、農水省等が農地開発のために取り上げたけれども、食糧事情等やら変わってやめて置いてあるようなもの、それから国の出先機関が統合したことによってあいている土地、こういうようなものが地方の都市にはたくさんあるわけなんですね。
 そういうふうなものの積極的な活用、それから地方ではよくあるのが、これはいろいろ問題があるかもわかりませんが、今地方におります自衛隊の相当部分というのは、昔の、戦前の軍隊が持っておった師団とか連隊とかの跡を使っておられるところがあるわけです。そうすると、これは地方の旧都市の町の中にあるわけなんですね。そういうふうなものを移転することによって、都市開発にその用地を活用する。地方の大学の移転、統合というのは相当行われておりますが、同じような形も考えられる。いろいろなことがあって、それからもう一つは、大企業が保有しておる遊休用地、そういうふうなものがいろいろある。
 そういうふうなものを積極的に活用して地方の拠点をつくっていくということを基本にして、そしてさらに不足するものを区画整理事業等で計画的に開発をしていくというような、地方の物差しに合ったやり方をやっていくことが必要ではないか。それが、やはり地方における計画的な土地政策でもあるし、土地の高度な利用、活用の方法ではなかろうか、このように思っております。国土庁も、調整官庁としてこの事業に法律的に参加されるわけですので、十分その辺を踏まえて取り組んでいただきたいし、調整の機能としてその役割を果たしていただきたいと思います。
 私、地方行政委員会に所属しておりますので、先般も自治省についても同じことを言ったわけです。まさに地方拠点都市整備法というこの法律は、地方における新しい町づくりなんだから、自治省とか国土庁というような調整官庁が力を持って、建設省とか通産省とか郵政省とかいうところをリードしていく、こういう姿勢で取り組んでこの法律を進めていただくことが必要ではなかろうか、このように思っておるところです。これについて、大臣の御所見をいただきたいと思います。
○東家国務大臣 地方の活力をどう見出していくかということから、今日の拠点都市整備の法案を六省庁でひとつ提案しましょうということになったわけでございます。国土庁といたしましては、総合的な、投資効率のいい、どういうふうな都市をつくるかということになりますと、やはり各省庁がそれぞれの持ち味とノウハウを持ち寄って、そして地元の皆さん方がまずこういうことをしてほしい、こういうことが一番いいんだという地方の声を十分吸収しながら、取り組むべき問題だと私どもは解釈いたしております。
 なおまた、その省庁問の調整については、やはり地方振興局長初め各担当それぞれ本当によく鋭意話し合いながら今日に至ったという経過は、私は大変今度は意義あるものだというふうに考えております。
○小川(信)委員 私、この法律はある意味では画期的なものだと思っているのが、国と協議をして知事が地域を指定する、それも複数の自治体にわたって計画地域ができるということですね。各関係自治体が知恵を出し合ってつくった計画を知事が承認して事業が進められていくことです。しかし、進める事業はそれぞれ関係省庁が許認可と予算を持っておられるということですから、これまでもこの事業にかかわるものについては、例えば財源は一般財源化してしまう、そしてこのもとにこれにかかわる事業についてのやるかやらないかの許認可は、知事なりに全部権限を移譲する、これがまさに行革審の考えておる考え方に一致するのではないか。地域指定と計画まではあなた方おやりなさいと言うけれども、肝心かなめの事業展開を中央省庁がお持ちになられるということは、これは結局今までとそう違わないというものになりかねないから、この辺も手放すように、お金と権限も地方に移譲するようにすることがこの法律の基本の、魂を入れることになると私は思います。
 大臣、この辺を最大限に努力していただきたいということをお願いし、また、大臣の任せるという声を聞かせていただいて、質問を終わりたいと思います。
○東家国務大臣 運用の点についてはまだまだ細かく双方で協議しながら、より国民の、地方のそうした活性化のためになり得るようなことでの今後の協議は、よく煮詰めていく必要があろうというふうに私は思っております。要は、地方の活性化、居住環境をどうよくするか、そこに定住する皆さん方が地方分散につながるかということが基本でありますから、そのことを十分踏まえて今後とも私ども努めてまいりたいと思います。
○小川(信)委員 終わります。
○薮仲委員長 以上で小川委員の質疑は終了いたしました。
 午後一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十五分休憩
     ―――――・―――――
    午後一時十一分開議
○薮仲委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。平田米男君、
○平田(米)委員 まず長官にお伺いをしたいわけでございますが、長官は所信表明の中で、大都市圏を中心に地価の鎮静化傾向が強まっている、しかし大都市圏の地価水準は依然として高水準にあるという大変正しい分析をされておいでになるわけでございます。ここで考えてみたいのは、なぜこう地価が下落をしないのか、いろいろな理由があるかとは思います。まだ都市計画法は成立をしていない、地価税も十分に効いていないという理由を述べることはできるかもしれませんが、それについて大臣はどのような御認識を持っておいでになるのか、お伺いをしたいと思います。
○東家国務大臣 お答え申し上げます。
 ポイントだけ申し上げますが、地価の水準は基本的には依然として高い水準にございますが、土地対策は引き続き政府一丸となって取り組むべき必要があろうと思っております用地価税のことについての問題については、土地の資産としての有利性の縮減等もやはり必要であろうということでございますし、また、有効利用の促進、適正な地価水準の実現にも資するものでございますし、土地政策上意義あるものというふうに評価し、今度の税制と相なったわけであろうというふうに踏まえております。また、今後とも土地の資産としての有利性は、今申し上げましたように、やはりこれを何としてでも減らしていかなければならない。なおまた、土地の有効利用の促進、今申し上げましたように、やはりそういうさまざまな長期的な視点に立って地価水準というものを実現するためには、どうしても必要な措置であるというふうに考えております。
○平田(米)委員 大変抽象的な御答弁でございますが、それはそれといたしまして、今お話しの中で土地の資産としての有利性というお話がございました。今政府を初め、国会議員こぞってと言っていいかもしれませんが、また国民もこぞってこの地価の鎮静化といいますか、あのバブルで上がった地価を何とかもとに戻したい、こういう思いでおるわけでございますが、しかし、どうも資産としての有利性という認識は、これまでバブルの中で踊ってきた人たちの頭からはまだ消えていない、こういう印象を非常に受けるわけでございます。
 一つの例として最近言われておりますのが、金融機関が土地を抱えてしまっている。抱えているというのはいろいろな形がございまして、金融機関自身が抱えているというよりも、融資先が土地を処分することを抑えている、こういうケースが多いかと思いますし、また、それを処分したとしても、従前の、本来のあるべき地価ではなくて、バブルで上がった地価そのままで売買を行っている、移転を行っている、こういうようなことが巷間よく言われているわけでございますが、それについて、そのようなことが現在の地価がまだ高水準のままにあるという一つの大きな原因になっているのではないか、私はそのように思うのですが、長官はどういうお考えでございましょうか。
○鎭西政府委員 今回の地価高騰の過程で、確かに超低金利、超金融緩和というものを背景にいたしまして、土地関連融資が土地需要に相当流れたということは、否めない事実であろうと思います。ただ、先ほど来いろいろと御議論がございますように、東京圏では六十二年の秋ごろから、大阪圏でも一昨年の秋ぐらいから鎮静化、下落の傾向にございます。これは私ども、やはり総合的な土地政策の成果が見えつつあるということと、総合的な土地税制の見直し、あるいは金融に対するいろいろな御指導、そういったものの効果であろう、こういうように考えておるわけでございます。
 ただ、しかしながら、ただいま委員が御指摘のように、かなりの担保評価をして融資を受けた土地というのが市場になかなか出てこないのではないか、こういうことでございますけれども、私どもも詳細に掌握しているわけではございませんが、いろいろ関係方面のヒアリング等を通じて仄聞いたしますところによりますと、やはり金融機関といえども、これから中長期を考えたときに、不良債権と優良債権というのはきちっと仕分けをして、なるべく不良債権については圧縮と申しますか、そういう行動をとらざるを得ないというような対応も考えておるやに聞いておりますので、これから地価は相当期間再騰することはないということが関係者の認識として定着いたしますれば、それは経済原理としてもそう長く持ち続けるわけにはいかないわけでございますので、市場にいろいろな形で出てくるということは期待されるんじゃないか、かように考えているところでございます。
○平田(米)委員 局長が御答弁されましたが、局長としては、私が申し上げたようなことは事実あるという前提で答弁されたわけでございますが、しかし、それも長く持ってられないので、これからは出てくるんだろう、こういう御認識も伺わさせていただきました。
 不動産融資についての総量規制は撤廃をされたわけでございますけれども、その不動産融資の状況は、総量規制のあったときと現状変わっていない、伸びが少ないという言い方をされておるわけでございます。しかし、このバブルが始まってから土地に対する融資というのは相当な勢いで伸びたわけでございまして、それがバブルとともに消えるためには、融資がふえないのではなくて、不動産融資が減っていくという事態がなければいけないと思うのですが、今の不動産融資の停滞状況について、伸びていない、また減ってもいない、この停滞状況については、どのような認識を持っておいでになりますか。
○福田説明員 お答えいたします。
 金融機関の土地関連融資につきましては、御案内のとおり、総量規制を導入いたしました平成二年の四―六月期以降総貸し出しの伸び以下に抑制されております。特に昨年、平成三年の四―六月期以降は、不動産業向け貸し出しの伸びは、三期運続して前期比マイナスとなっております。そういう意味で、抑制基調が定着してきていると認識しております。また、金融機関内部におきましても、土地関連融資に係る審査、管理体制の充実ないし強化が図られておりまして、投機的な土地取引の排除についての趣旨はかなり浸透してきたものというふうに考えております。
○平田(米)委員 それは私も認識をしているわけですから、それは前提でもはや申し上げましたが、要するにバブルで土地に対する融資というのは急激に膨れたわけです。これがもう一遍しぼまない限りは、本来のバブルの崩壊というのは私は出てこないと思うのです。だから、現在高水準にあるわけです。その点についてどういう認識を持っていますかというふうにお伺いしておるわけです。投機的な融資があってはいかぬはずですから、それはなくなりました、それは結構なことでございますが、しかし、それだけでよしとしておったら、バブルの解消というのはあり得ないわけで、大臣がおっしゃっているような適正な地価水準というのは望むべくもないと私は思っておるわけでございまして、その辺、大蔵省の御意見も、大臣の御意見もお伺いしたいと思います。
○福田説明員 総量規制の趣旨にもなるわけでございますが、地価が上昇していたころの金融情勢を申しますと、一般的に緩和基調にございましたので、金融機関の貸し出し総体もかなり伸びておりました。私どもの総量規制の趣旨は、金融機関の貸し出しの中で不動産業向けの貸し出しかいわば配分として極端に偏っていた、総貸し出しはそれ相応の金融緩和で伸びていたわけですが、その中でも不動産業向けに特別偏在していたといいますか、配分し過ぎていたという点を直すために総量規制をいたしたということで、伸び率自体を、伸び率と伸び率を比較したものが総量規制でございます。今現在どうかと申しますと、金融の基調自体がかなりさま変わりになっておりまして、全体の貸し出しの伸びも低くなっているわけでございます。そして、投機的な土地融資については、そういうことで厳に抑制する指導をしてまいったわけでございますが、やはり経済の中で不動産融資というものは投機的な要素も確かに一時期否定できなかったわけでございますが、例えば内需拡大のための、あるいは実需に基づく本来の資金需要も当然あるわけでございますから、一概に絶対額が減少する必要があるというふうには考えておらない。やはり総貸し出しとのバランスが偏らないことが重要なのではないかと私どもは考えておるわけです。
○平田(米)委員 それはそういう考え方もあるかと思いますが、先日の新聞の記事によりますと、全金融機関では不動産産業向けの貸し出しは、十二月末現在九月比、三カ月で伸び率ゼロとなっています。しかし、詳細などを見ますと、在日外銀、要するに外国の銀行の状況はどうかと見ますと、マイナス七・四になっているのですね。これは確かに総貸し出しか四・六減っているということでありますが、しかし四・六減っている中でさらに不動産貸し出しか七・四、大きな位置を占めているというわけです。外国の銀行はもうバブルはきちっと清算しようということで不動産業に対する貸し出しを実質減らしている、金額として減らしているわけでありますが、しかし日本の銀行、邦銀は伸びているところもあるわけです。
 こういうデータから見ますと、日本の金融機関がまだまだ不動産に対する資産としての有利性という、土地に対する不動資産としての有利性という観点から脱却していないのじゃないか、こんなふうに思うわけです。今大蔵省がお答えになった言い方もできますが、しかし現実に外国の銀行はそのような対応をしていないわけであります。この辺どう説明されるのですか。
○福田説明員 各業態別のお尋ねにつきましては、なかなかそういう分析をしたことはございませんが、やはり業態により事情が異なる。例えば地域金融機関であります地方銀行とか信用金庫などになりますと、やはり外国銀行とは違った地元の基本的な資金需要というものにこたえなければならないる面もあるでございましょうし、そういうことで業態別にそれぞれ異なるのは、ある意味では不自然ではないというふうに考えているわけでございます。
○平田(米)委員 よく検討しなくておっしゃること自体が、極めて無責任だと思うのですよ。
 今地元の融資に対して云々という説明がありましたが、信用金庫の方はマイナス一・五になっているのですよ。だから、大手の銀行が維持しておるわけです。今おっしゃったような説明は、全然説明にならないですよ、実態に合っていないわけです。そういうような甘い認識を持っておられるからまだまだだめなんであって、これ以上議論はいたしませんが、もう少し金融機関を監督する大蔵省としては、大蔵省自身の意識変革をしていかなきゃいかぬと思うのです。大臣もおっしゃっていたような高水準の解消というのはないんじゃないでしょうか。
 昨年から新聞で何度も出ておりますが、大手銀行の系列のリース会社が競売で百人町の土地、約二千六百平米でございますが、これを落としたというのです。なぜこれが話題になったかといいますと、最低入札価格というのが競売にはございますが、これが二百二十六億五千万円、これも大変なお金でございます。しかし、落札した金額がその五割増しの三百六十億円。私も長年弁護士をやってまいりまして競売事件は関与してまいりましたが、最低入札価格の五割増しの落札なんというのは大変珍しい。これは非常に激しい競争があった、そういうようなことがなければ、こういう高い落札はないんです。
 しかし、聞いてみましたところ、応札をした企業は一社である。このリース会社がつくった、一〇〇%出資をした会社のみが入札をして落札をしている。全く競争関係になかった、こういう事実があるわけです。二百二十六億五千万円が最低入札価格でございますので、それに一円でも上乗せすれば十分なわけでございます。それは極端としましても、二百二十七億も出せば十分な落札価格なわけでございますが、しかし実態は五割も高い金額で買っている。こういうやり方で、本来地価が下落するのを表面化しないようにしている。
 これは、たまたま競売手続という過程をとったものですから最低入札価格という金額が明らかになりました。これは、裁判所が不動産鑑定士等に依頼をして適正な価格は幾らか、そういうことで出された金額でございます。通常、入札で、競売でこういうものが行われなければ、実態が幾らで、取引が幾らで、この差が明確じゃありませんので、このような不可思議な、国民の気持ちを逆なでするような取引をしている実態というのは我々の目に見えてきませんけれども、たまたまこれが競売という手続であったがために、国民の目の前に白日にさらされてしまった。このようなことをやっているわけです。
 やっているのはリース会社、そしてその一〇〇%出資の会社であるという言い方ができますが、しかしこの一〇〇%出資の会社、資本金一千万円です。すると、そのお金は一体どこから出たのか。聞いてみましたならば、リース会社が出した。リース会社のお金はどこから来ているか。これは銀行から来ているわけです。銀行がこのような実勢価格に合わないような落札に対して融資をしている。これが実態じゃないでしょうか。大蔵省、その辺、どうお考えになりますか。
○福田説明員 今、リース会社についてのお尋ねでございますけれども、委員御指摘の点は、銀行の取引先であるノンバンク、この場合はリース会社でございますが、が、裁判所の手続を経て落札したものと承知しておるわけでございます。大蔵省といたしましては、ノンバンクに対する一般的な指導監督権限を有しているわけではございませんので、当局としてのその件についてのコメントは、差し控えさせていただきたいと存じます。
○平田(米)委員 そういうふうなお答えしか返ってこないのだろうと思っておったのですが、まさにそのとおりでございましたけれども、しかし、このお金は、結局は銀行から出ているということを私は質問のときに最後に申し上げました。銀行が背後でやっているわけですよ。その点はどうお考えになりましょうか。
○福田説明員 重ねて恐縮でございますが、リース会社等ノンバンクにつきましては、銀行とは別人格でございます。またリース会社はリース会社で本業たるリース業を営んでいるわけでございまして、銀行の融資あるいは銀行が直接そのノンバンクについてすべてを、何と言いましょうか、指導する立場にはないということで、御理解いただきたいと思います。
○平田(米)委員 確かにノンバンクを間に置いてはいますが、結局は銀行の実質的な不動産融資になっているのじゃないですか。違いますか。
○福田説明員 お答えいたします。
 ノンバンクに対しましては、そういう一般的な監督権限がないということでございまして、したがって、金融機関に対しまして、ノンバンクに対する貸し出しについては投機的な取引に使われることのないように注意するような指導は、ずっとしてまいっておるわけでございます。
○平田(米)委員 では、この件については何らかの指導はされたのでしょうか。
○福田説明員 本件についていかがかということでございますが、一般論として申し上げれば、繰り返しになりますが、裁判所の手続を経て落札したということでございまして、このノンバンクの取引については、私どもとしては、コメントを差し控えさせていただきたいということでございます。
○平田(米)委員 そういう姿勢ばかりであっては、本来のバブルの解消というのは私はなかなかできることじゃないと思います。いろいろな経済に対する配慮があるということは私もそれなりにわかっておるつもりでございますけれども、しかし、バブルでこれだけ国民に大きな苦しみを与えたその責任者の人たちが、やはりきちっと責任を感じて対応してもらわなければいかぬわけですよ。それは、銀行であり、その銀行が多額な融資をしてきたノンバンクなのです。それを監督するのが大蔵省なのでございまして、ノンバンクは違う、だから私どもは何も言えませんということでは、私は、国民に対してこれまで怠ってきた責任のきちっと示しをつけるということにはならないんじゃないかと思うのです。
 聞くところによると、最近は銀行系のノンバンクが非常に経営悪化している。それは、大蔵省が銀行系のノンバンクはできるだけ救いなさいということを銀行に指示をしているというような話もあります。そんなことはないというふうにお答えになるかもしれませんが、しかし国民はそう見ておるわけです。また、そのような報道もあるわけです。ノンバンクだから知らない、そういう言葉は国民には通じないということを理解しておいてもらいたいのですよ。もう一遍どうですか。
○福田説明員 若干一般的に申し上げますが、私どもといたしましては、委員御指摘のような、ノンバンクを含めて経営不振に陥った取引先に対する金融支援につきましては、金融機関、基本的にはみずからの経営判断により対処すべきものと考えております。
 また、一般論でございますが、それらの取引先、ノンバンク等が財務内容の改善を図る場合には、そのノンバンクのさらに先にあります貸出先に対する担保処分等を含めまして、貸国債権の縮減を行っていくというのが通例であるというふうに承知いたしております。
○平田(米)委員 最後にお伺いしますが、いろいろそちらの立場での御説明はそれとしてお伺いいたしますが、しかし、銀行を監督する立場として、銀行が早期にこの不良債権、バブルによって担保価値の著しく下がった不動産をいろいろな形で抱え込むようなことをさせないような不良債権のきちっとした整理を指導していただきたい、これについてお答えをいただきたいと思います。
○福田説明員 金融機関に対しましては常日ごろ健全な財務内容の維持ということを要請しているわけでございますから、当然不良債権の処理につきましても適正に行われるよう常日ごろ指導してまいっているつもりでございます。
○平田(米)委員 では、質問を次に移ります。
 最近、地価税が導入されたばかりなのに、地価税廃止論ということが巷国言われるようになりました。それは特に不動産業界の皆さんからそういう声が強くなってきたわけでございます。不動産協会の理事長を初めとして、大手の不動産会社の経営者から、地価税は廃止をすべきだ、こういう意見がどんどん大きくなってきておるようでございます。
 先ほども申し上げましたが、このバブルで国民に大きな負担、不安、そういうものを与えたのは銀行であり、またノンバンクであり、そして不動産業界の皆さんであると言っても過言ではないと思うのですが、先ほども申しましたように、銀行は裏でいろいろなことをやってなかなか地価の下落に協力しようとしない。今度は、不動産業界から地価の下落を図る手段として導入されたと言われている地価税に対して、もう廃止をしるなどという意見が出ている。国民から見たら、一体これは何事だという話だと思うのです。大臣、このような動きに対してどういうお考えをお持ちでございますか。
○東家国務大臣 先ほどからお聞きしておりまして、融資の問題等について、若干私なりの意見も言わしていただきたいと思いますのは、宅地供給というものは、やはり長期的にちゃんとした整備されたものが非常に必要度を高めてきているわけでございますから、そういう健全な住宅投資等についてはぜひひとつやってほしいというぐらいの姿勢が、土地政策としては必要ではないだろうかということだけは、ひとつ私の方からも言わしていただきたいと思うわけでございます。
 なおまた、土地税制の総合的な見直し等のことにつきましては、重要な一つとして創設された地価税でございますし、土地の保有税については、一定の負担を求めることにより土地の資産としての有利性を減らし、そしてまた土地の有効利用を促進し、長期的な適正な地価水準をいかに実現するかという点にあろうと思っておりますので、土地政策上重要な意義を持っているというふうに思っております。
○平田(米)委員 私の質問にまともに答えていただけないという感じがするわけでございますが、土地政策全般に対してお考えになる立場、そういうお立場で、今のような少し斜めで答えていただくと国民は落胆するわけです、国民は怒りを持っておるわけですから。
 今まで奥さんは頭金一千万円ためれば何とか家が建つと思っておったら、あれよあれよという間に二千万でも足りない。到底自分の家は持てないというところに追い詰められたのが、今回の地価高騰なわけでございまして、一般国民からすれば、マイホームを一つ持つということは、一生涯の夢なわけです。その一生涯の夢を奪ってしまったのが今回の地価高騰なわけでございまして、その責任者とも言うべき方々が、地価がまだこのような状況にありながら、地価税廃止などというとんでもないことを言っている。それに対して国民は怒っていますよ、そういう声が、大臣、聞こえませんかというふうに私は申し上げたいわけです。大臣も一緒になって怒っていただきたい、そんなふうに私は思うのですが、いかがですか。
○東家国務大臣 今おっしゃられることを先ほどからのものとあわせて申し上げますが、地価が高騰したことによってのひずみ、今下落していることのひずみ、これはもうはかり知れないものがあるわけです。だから、不動産融資等についても担保割れしておる現状の価格、そこらあたりが大変今ぎくしゃくしているというふうに私どもは聞いておりますし、やはりこれだけのひずみを起こしたのでございますから、都市部については、特に是正されるまでには若干の時間がかかるであろう。
 しかし、長期的に見ても私たちは鎮静化するであろうという前提に立って、これからさらに地価政策というものは今後ともに決して怠ることなく、そしてまた、少しでも上がるようなことがあったならば、これはトリガー方式によって、直近のそうした地価対策という見地からも今後は検討していくべきであるということの方式を取り入れながら進めていくわけでございますから、今委員のおっしゃられるように、地価対策が非常に手ぬるいじゃないかというふうに聞こえますけれども、決して私たちはそういうふうには考えておりません。そのことだけはひとつ御理解願いたいと思います。
○鎭西政府委員 大臣が御答弁いたしましたのに若干補足させていただきますと、地価税の法案の成立に当たりまして、特に国土庁長官談話も発していただきまして、「土地政策上も大きな前進と評価しているところである。中長期的な地価高騰の再発防止のためにも、地価税の円滑な実施が行われることを期待している。」という談話を特に発していただいたところでございます。
 私どもといたしましては、地価税法案につきましていろいろな御議論があった中で、立法府でああいう形で成立をさせていただいたわけでございますから、土地基本法にいいます事業者の責務あるいは国民の責務というものを引用するまでもなく、この適正な実施、運用というものについて、関係者が一丸となってこれを守り立てていくという姿勢が非常に重要であるというように考えております。
○平田(米)委員 局長がいろいろおっしゃっても、最高責任者である大臣から地価税は断固維持するのだ、とんでもない、こういうような発言を私は期待しておるわけです。また国民も期待をしているのじゃないでしょうか。大臣、どうですか。
○東家国務大臣 今見直し等を考えておりません。
○平田(米)委員 この地価税の廃止論の主張の中で、不動産業界の面々は、二つ理由を言っております。一つは、もともとは法人、個人すべてに課税をするはずだった、それが法人四万、個人一万人に対する課税になってしまった。もう一つは、税収は土地対策で使われる、こう言われておったのが、一般財源に入れられてしまった、私は後段はそのとおりだと思っておりますが、この点について、こういう批判に対して、どのようにお答えになりますか。
○鎭西政府委員 土地政策の推進に寄与するために土地税制の総合的見直しをどうするかという議論の中で、いわゆる土地保有税のあるべき姿についてはいろいろと御議論がございましたし、私どもも私どもなりに非公式の考え方を勉強した経緯というものも、委員御承知のとおりでございます。
 ただ、ああいういろいろな立法府におきます議論を経まして、こういう形で土地税制の総合見直しの重要な柱の一つとして現在の地価税が成立したということについては、土地政策の前進のためには大変評価できるものである、こういうように私どもは考えておりますので、対象者の問題あるいは基礎控除の問題、議論の中で現在のフレームというものができたということを十分尊重して、まず今年から施行されるわけでございますので、この的確な実施というのが必要だろう、こういう認識でございます。
○平田(米)委員 税収が土地対策に使われるはずだったという批判に対しては、どういうふうにお答えになるのですか。
○鎭西政府委員 失礼いたしました。
 それで、そのときのいろいろな御議論、地価税法案の両院の御議論もございました。政府税調の答申を踏まえた税制改正大綱にも、土地政策に充てるということを配慮して、具体的には四年度の税制改正において検討する、こういう方針が出たというように承知をいたしております。
 こういう考え方を受けまして、私どもといたしましては、平成四年度予算におきまして、新しく土地基本調査の実施を初めといたします土地情報の総合整備ということについて、相当大幅な増額というものがなされておる、これはこの考え方を踏まえた一環であろう、かように理解をいたしております。
○佐藤説明員 地価税の創設に伴う増収分の使い道についてのお尋ねでございますが、ただいま国土庁の方から御答弁がございましたけれども、若干補足をさせていただきますと、地価税の創設に伴うネットの増収分については、昨年末の税調の答申で以下のような提言がなされているわけであります。すなわち、「極めて深刻な状況に陥っている財政事情等を考慮すれば、土地対策等に資するという観点から歳出を通じ国民生活に還元することが現実的には適当である」、こういう提言をいただいております。これを受けまして、四年度予算案におきましては、税調答申の趣旨等を踏まえ、土地対策等に資するという観点から、歳出面においてこれらの経費に適切な配慮を行っておるところでございます。
 若干具体的に申し上げますと、例えば公共用地の先行取得のための経費、あるいは住宅宅地の供給の促進のための経費、さらに土地の有効・高度利用の促進のための経費、また土地情報の総合的整備の充実のための経費といったようなことで、四年度予算は、委員御承知のように、甚だ厳しい財政事情のもとではございましたけれども、地価税の純増収分を上回る土地対策等を確保いたしまして、さらにその中において各般の施策の充実強化を図っているところでございます。
○平田(米)委員 今年度は二千億円ぐらいの地価税収だと言われておるわけですが、今おっしゃられたようなことは一々私は理解はしておりますけれども、しかし、二千億全部が新たに土地対策として使われたというわけではないわけですね。それはお認めになっておるのだろうと思うのです。確かにことしは財政が厳しい、こういう状況にあってやむを得ないのだ、私もそれなりに理解はいたしますが、しかしこれが、やむを得ないやむを得ないが、来年度も再来年度も、平成五年も六年も続いていくようであったならば、やはり国民に対する裏切りになるんじゃないかなと私は思うのです。このようなやり方は、平成四年度限りにしていただきたい、平成四年度限りの対応であるというふうに伺ってよろしいわけですね。
○佐藤説明員 地価税のネットの増収分二千億円と、それから土地関連施策の経費の関係でございますけれども、先ほど例示いたしました経費を大体合計いたしますと、六千五百億円程度になるわけでございます。御指摘の点は、そういった経費の増加額と地価税のネット増収分の関係についてのお尋ねであろうかと思いますけれども、そもそも土地対策に資する経費といいましても、これを一義的に特定することは大変難しゅうございます。先ほど申し上げましたのは、いわば例示ということでございまして、二千億円というネット増収分を上回る六千五百億円の土地対策関連経費というのが少なくとも計上されておるということが、一つでございます。
 それから、もう一つは、四年度予算の編成に当たりまして、あらゆる歳出項目について洗い直しをするとか、制度、施策の見直しをするといったようなことをやっておるわけでございますし、また、その中で土地対策等の充実のために新規の施策を盛り込むといったこともしておるわけでございまして、また、いずれにせよ、繰り返しになりますけれども、極めて厳しい税収動向、財政事情でございましたので、こういったことを勘案いたしますと、単純に経費を前年度と比較するということは、必ずしも適切ではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、四年度予算において、税調答申の趣旨等を踏まえまして、厳しい財政事情のもとでそういう配慮をしておるということにつきましては、御理解をいただきたいと思います。
 それから、今後につきましては、これまでの国会での御論議、税調答申の提言の趣旨、財政事情等を踏まえて、適切に対処してまいりたいということでございます。
○平田(米)委員 その程度のお答えしかできないのだろうとは思うのですが、国民の期待を裏切らないでいただきたい。再度強く申し上げたいと思います。
 それからもう一つ、地価税に関連しまして不動産業界の皆さんがおっしゃっておるのは、地価税の性格があいまいだ、だから、これはやめろと言っておるわけです。土地の保有コストを大きくする、こういうことで地価税は導入されました。確かにそういう機能はありますが、それだったならば、固定資産税を上げればいいじゃないか、こういうまた反論が返ってくるわけであります。地方税と国税という差があるだけじゃないか、それをついてきた地価税廃止論の一つの理由でございます。
 私は、地価税の論議の中でも申し上げましたが、土地に対する税の負担の公平化ということをしっかりとらえなければいけない。そこで申し上げたのは、個人は固定資産税、都市計画税、そして相続税を土地に対して課せられる。しかし、法人は固定資産税と都市計画税のみである。それは法人は死亡ということがありませんから、相続税というのは観念できないものでございますけれども、しかし税の公平な負担という観点から考えるならば、個人が土地に対して相続税を負担すると同じように、土地に対する負担を法人が負うべきではないか、こういうように申し上げました。法人土地保有税が最適である。これは国土庁の当初の案でもございました。
 このようにきちっと理論づけ、性格づけをはっきりすれば、地価税の性格があいまいだ、こういうような批判は私は出てこないと思うわけであります。その辺、大蔵省、どうお考えですか。
○窪野説明員 御説明いたします。
 委員御案内のように、地価税の性格でございますが、大変広範な御議論を経た上で創設されたものでございます。その基本的な考え方は、公共的な性格を有する土地、これに対します適正公平な税負担を確保しながら、一方で土地の資産としての有利性を縮減する、こういう観点から、土地の利用状況でありますとか、地域あるいは所有主体、こういうものを限定することなく、保有土地の資産価値に応じた税負担を求める、こういう性格のものであると考えております。
 また、こういう趣旨からいたしまして、幾つかの非課税、課税最低限の設定がございます。具体的には、公共、公益的用地でありますとか、一般の居住用地あるいは地価の低い土地、さらに資産価値が一定水準以下の土地、こういうものが非課税あるいは課税最低限の設定によりまして課税対象から除外されております。この辺のことを委員御指摘のところであろうかと思いますが、こういった措置によりまして、地価税は実質的には資産価値の高い大規模な土地保有を中心に相応の税負担を求める、こういう機能となっております。これはまさに地価税の趣旨に沿い、本来の目的がすりかえられてしまっているということはないと考えております。
 また、このように課税対象が一見限定されているように見えるわけでございますが、我が国の宅地の所有状況を勘案いたしますと、土地政策上十分その役割を果たし得るものと期待しておりまして、私どもこの一月一日からスタートいたしました地価税の定着、円滑な実施に努めていきたいと考えております。
○平田(米)委員 公平の問題はどうですか、税負担の公平というのは。
○窪野説明員 公平の問題でございますが、そこは土地税制全体、まさに御案内のように、国税、地方税を通じまして、かつ、保有税の形あるいは取得課税の形のものがあるわけでございます。また、委員、個人と法人の関係、個人の場合には相続税がある、法人の場合はというお話もございましたが、間接的ではございますが、法人が土地を所有している場合には、その価値というのが、特に法人所有の土地資産の価格の上昇、これは間接的ではございますが、株価の評価に反映されまして、最終的に、その株式を保有している個人、その方について相続が発生した場合には、その相続税という形でも、間接的ではございますが、一定の負担がかかっている、そう見ることもできるのではないかと考えております。
○平田(米)委員 これはまた別の機会に改めて議論していきたいと思いますが、地価税始まったばかりでございますから、これはこの辺にしておきます。
 次に、生産緑地法の改正に伴って今生産緑地の申請が行われておるところでございますけれども、生産緑地法の改正によってどの程度の土地が住宅地になるのか、また公共用地になるのか。この辺の推測と根拠を明らかにしていただけますでしょうか。
○橋本説明員 三大都市圏、平成元年時点で約六万四千ヘクタール、市街化区域内農地がございますが、我々の見通しといたしましては、二〇〇〇年までにおおむね一万三千ヘクタール程度の宅地供給が見込まれると思っております。公共施設の割合は、まあ主要な公共施設ということでございますので、いわゆる細街路的なものとか公益施設的なものを除きますと、約二割ぐらい。ですから、一万六千ヘクタールぐらい。主要公共施設を入れて一万六千ヘクタールというふうに見込んでおります。
 その根拠でございますが、まあこれもいろいろ推計をしているわけでございますが、六万四千ヘクタールのうち十年間で約四割が農地以外へ転用されるだろうということで、二万八千ヘクタールぐらいが農地以外へ転用される。そのうちの約六割が住宅地へ転用されるだろうという見込みで、先ほど申しました主要な公共施設を入れて一万六千ヘクタール、そのうち約二割を除きまして一万三千ヘクタールという計算をしておるところでございます。
○平田(米)委員 そうすると、公共用地になるのは、農地以外へ転用された二万八千ヘクタールのうちの二割というふうに考えられるのではないかと思うのです。二割ですと五千六百ヘクタール。これだけの大量の公共用地にいかに対応していくかということを考えていかなけりゃいけないかと思うのです、公共用地がきちっとしていかない限りは優良な住宅地というのはできないわけでございますので。
 で、五千六百ヘクタールの土地が一体幾らかと考えてみますと、平米十万円で五兆六千億円、平米二十万で計算しますと、十一兆二千億円かかるわけです。大変な金額になります。これをいかに公共用地としてきちっと整備をするかというと、その用地代、さらに道路にすれば舗装しなければいけませんし、等々の工事費がかかります。これは一体幾らかかるのか全く予測がつかないわけでございますけれども、当然生産緑地法の改正をして市街化区域内の農地の何割かが放出をされるということになれば、出てくる土地をどのように受けとめて、そして優良な宅地としてなすためには、どのような対応をしていかなければいけないかというのは、十分考えるべきことだと思うのですが、それについて、建設省なりあるいは自治省でその受け皿といいますか、今考えている受け皿、それはどういうのがあるんでしょうか。
○橋本説明員 住宅宅地の供給に伴いまして必要となる関連公共施設あるいは公益施設の問題でございますが、いわゆる大都市法という法律が平成二年に改正されまして、二〇〇〇年までを目標に大都市圏でいわゆる宅地の供給量、また住宅の供給量というものを目標を定めております。これは、基本方針は昨年三月建設大臣が定めたわけでございますが、それに基づいて各都府県が昨年秋までにそれぞれ住宅宅地の供給目標を定めております。
 これに伴いまして必要となる関連公共施設につきましては、各都府県の言うならば住宅部局と公共施設部局、非常に綿密な連携をとりまして、やはり昨年の九月の時点で、建設省といたしまして必要な公共施設の量というものを、いろんなそういう連携をとりながら、関連公共施設の基本計画というのを定めております。そういう、二〇〇〇年までに一つのどのくらい必要かという量は定めておりまして、具体的には、平成四年度関連公共施設の促進費ということで予算要求をまたしているわけでございますが、平成四年度におきましては、関連公共施設の促進費といたしまして、前年度比一〇%の伸びということで確保しておりまして、今後とも関連公共施設用地の予算獲得に一生懸命やっていきたいと思っております。
○平田(米)委員 もう時間がありませんので、最後にお伺いしておきますが、いろいろ伺いますと、細かい対応は伺いましたが、しかし、その全体的な対応というのを伺っても出てこないわけです。一体幾ら予算がかかるのか。土地区画整理でやるとか、あるいは優良宅地としてやるとか、そういうことが、どこの範囲でどれだけやるかということをきちっと考えておいでにならない。そのための予算づけはどれだけかかるのか、それもお伺いしても出てこないわけでございます。土地代だけでも、先ほど申し上げましたような莫大な金額になります用地価税は、その使途については、先ほど申し上げたようなありさまでございます。これはきちっと対応していかないと、土地はどんどん出てきても、不良な宅地ばかりで、後追い後追いになってしまって、結局最終的にはいい町はできない。そして公共事業費はさらに大きなものになってしまう。こういう後追いの政策をしておってはいけないと思うのです。
 ですから、この出てくる土地に対していかなる手法で対応して公共用地を確保し、またそれを整備していくのか、その対応方法と、それに見合った予算というのは幾らかかるのか、これを一遍私は出すべきではないかと思うのですが、出していただけないかどうか、出していただけるかどうか。これは建設省、または自治省もやられるならばやっていただきたいと思います。特に建設省、お願いをしたいと思うのですが、いかがでございますか。
○橋本説明員 住宅宅地の供給に伴いまして関連公共施設、非常にこれが、御指摘のように、確保されないと絵にかいたもちになるという御指摘でございます。まことにそのとおりでございまして、先ほど申し上げましたように、二〇〇〇年までのそういう各都府県におろしたその横の連携による推計、関連公共施設が二〇〇〇年までにどのぐらい要るかという推計はいたしております。我々としましては、後は各年度ごとに必要な公共施設の整備の促進費の予算をぜひ確保してまいりたいというふうに思っております。
○平田(米)委員 以上で終わります。
○薮仲委員長 以上で平田委員の質疑は終了いたしました。
 次に、佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 リゾート開発をめぐる問題でお聞きをしたいと思っています。
 総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法が施行されまして五年になります。私たちの党は、このリゾート法による大規模な開発、これは深刻な自然破壊、環境破壊をもたらす、また、地方自治体への大きな負担、こういうものが押しつけられる結果になるというようなことから、法案には反対をいたしました。この間、私たちが危惧したような事態があちこちで起きておるというように考えております。
 まずお聞きしたいのは、五年経過した現時点、いろいろ問題も多いということでは、所管の国土庁として問題点を十分に整理をして、新たな対応をすべきだ、そう考えます。そういう点に関連して、リゾート開発の現状についてどう認識をしておられるか、どう問題点に対応しようとしておられるか、その点まずお聞きをいたします。
○小島政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘ございましたように、昭和六十二年に総合保養地域整備法が制定をされました。御案内のとおり、将来二十一世紀に向かって国民の余暇時間がふえるだろう。そういうところに即座に対応することはなかなか難しいものですから、あらかじめそういう地域の整備を図っておこうということと同時に、そういう地域は、御案内のとおり、どちらかといいますと、高度成長の時代に言うならば余り光が当たらないといいますか、大変良好な自然が残っている地域が多いわけでございまして、そういうところの地域の振興、この両者を目的といたしまして法律が国会で御議決をいただきまして、その後政府において基本方針等々を策定いたしました。そして、これに基づきまして各道府県が中心になって基本構想というものを策定をして、順次地域の実態に即して策定をしてまいっております。現在三十五の地域で基本構想が承認をされて、その基本構想に基づきまして各種のリゾート地域づくりというものが行われております。
 その間、今御指摘ございましたように、いろいろと経済社会情勢が変化をしたということも事実でございます。当時は、将来に対しての余暇のスピードというものも、余暇時間の増加というものも、かなり早まるんじゃないかというようなことも含めまして、余暇施設に対する需要等も地域によってはかなり大幅に見込んでいた、こういうところもあろうかと思います。そういう意味では、地に足がついてないといいますか、そういう点もあることは、率直に認めざるを得ないと思います。
 それから、今御指摘ございましたような環境の問題でございますけれども、私どもは、当時自然環境の保全あるいは自然環境との調和ということには最大限の配慮をしなきゃならぬというのが、私どもの政府六省庁を含めまして、環境庁も含めた中での合意事項でございました。ぜひこの環境、よい環境が保たれてこそ初めてリゾート地域というのはそこで国民の皆さん方がゆとりある生活を楽しんでいただける、こういうことでございまして、私どももそういう点には重々配慮をいたしたつもりでございます。しかし、現実にいろいろとリゾートの名のもとに、例えばこの法に基づかない地域、そういう地域でも同じようにリゾート、リゾートということになっていまして、私ども現在の認識といたしまして、いわゆる承認基本構想に基づいて、と申しますのは、要するにこれは県なり自治体が主導になってという意味でございますから、そういうところでは、適正な自然環境の管理ということは当然行われるべきことでございますし、そのようなことで行われているんじゃないか。一部いろいろと住民の皆さん方の反対等もあるということも、私ども承知をいたしております。
 ただ、基本的には、これは地域づくりでございまして、そういう意味では地場優先、こういうような、ただ単にホテルが来て、そしてゴルフ場ができたら、これがリゾート地域じゃないんでございまして、要するに、そこは地域にお住みの住民の皆さん方も含めた、そういう意味での地域づくりという観点は、ぜひ忘れてもらっても困りますし、そういう方向で進めていただいていると思いますけれども、いろいろと御指摘もいただいているものですから、関係六省庁寄り合いまして、これから各県のフォローアップも、実はこの二月現在でどうなっているかという報告もいただくということになっておりますものですから、そういうことも含めて、問題点なり、あるいはどうやって進めることが国民の皆さん方の幸福につながるかということも含めて、関係省庁の間では十分検討をしてまいりたい、かように考えております。
○佐藤(祐)委員 御答弁でしたが、地に足がついてない面があるとか、率直にお認めになった点もあったと思います。それで私は、しかし「まあ全体としては大きな問題なく進んでいるかのような認識のようにも聞き取れるわけですが、そこは少し違うというふうに思うんですね。
 例えば、あれは伊藤忠でしたか、裏磐梯の方の会津フレッシュリゾート、撤退するとか、ついそこの千葉の館山では大林組が断念するというようなことが起きていますね。そういうことで、地方自治体では相当途方に暮れているというようなところもあるわけですよ。館山は私もいろいろ調査もいたしました。地方自治体、市町村の方は、国がリゾート法ということで大いに宣伝をし、県が計画を立てる、それに対して市町村は、過疎対策でありますとか、雇用対策とか、いろいろな点から期待をしてこの計画に参加していくということが、全国的にある意味であおられたんだと僕は思うんですよね。
 しかし、なかなかすんなりといかない、スムーズにいかない、いろいろな問題点が出てきているという状況だと思うのです。計画の変更なども、先日いただいた資料では五カ所だという説明でありましたけれども、例えば日経新聞などの調査では、撤退、見直しは三十四件あるというような報道もあるんですね。ですから、これは相当大きな問題がそここで起きている。環境問題を理由にした反対運動もあるということもありましたけれども、それ以外に、どうもこのままうまく進まない、土地の買収がうまくいかないとか、いろいろな問題が起きている。ですから、全般的に今御答弁はあったんですが、私は、もっと深く立ち入って、十分調査、問題点の把握、そういうことをする必要があるんじゃないかという点を申し上げたいが、いかがですか。
○小島政府委員 私ども、あの法律をつくります際にも、例えば外国の例とかそういうことも見まして、いわゆるリゾート地域として一人前と申しますか、そういうふうになるには、すぐ十年くらいの時間がどうしてもかかるわけですね。ですから、そういう意味では、やはり地域主導型といいますか、土地で地の人らが、ある意味で地に足のついた、そういう仕方をしていただきたいというのは、私どものかねてからの念願でございますが、今お話ありました点につきましても、私どもは率直に、いいことはいい、悪いことは悪いということで、やはりこれによって立派なリゾート地ができると同時に、地域の振興に役立つ、こういう視点から、十分御指摘の点も踏まえて、少し時間がかかるかもわかりませんけれども、実態に即して検討はしてみたい、かように考えております。
○佐藤(祐)委員 総務庁に来ていただいていると思います。
 北海道管区の行政監察局で、北海道におけるリゾートの状況について報告をされたと聞いております。北海道のリゾート開発に関する実態調査ということを、去年の暮れですか、北海道当局がやりました。そうしますと、道内二百十二市町村のうち百一、約半分の百一市町村が百十八の構想を持っている。大変な数になっているわけですね。当然そこにはいろいろ問題が起きているということでありますが、行政監察局で調査あるいは集約された結果について、問題点は主にどういうものであったかという点を御報告いただきたいと思います。
○藤井説明員 ちょっとまず先にお断り申し上げたいわけなんでございますけれども、今御指摘のございました北海道管区行政監察局長による道内のリゾートの開発についての報告と申しますのは、実は私どもの部内に管区行政監察局長会議というのがございまして、そこで各管区局長から管内の最近の行政動向について報告をするというようなことをやっておるわけでございますが、その中で北海道管区局長が、多分地方紙等だろうと思うのですが、そういうマスコミ等の材料をもとに整理されて、御自分なりの考え方を述べられたものというふうに承知しております。
 したがいまして、その報告なるものは、行政監察という調査をやった結果ではないということでございますので、私、実は行政監察局から来ておるわけでございますが、行政監察局からどうのこうのということは、ちょっと意見は差し控えさしていただきたいと思います。
○佐藤(祐)委員 ちょっとおかしいんだな。行政監察局の管区局長会議で報告がされたわけでしょう、去年の十一月二十日に。ですから、行政監察局の立場だから答弁できないというのはおかしいんじゃないですか。報告されて、私はその際のメモ資料もいただいておるんですよ。何か非常に、
マル秘の悪いことでもやったんですかね。そうじゃなければ、これは大事な問題なんだから、要点を報告していただきたい。
○藤井説明員 ちょっとくどいようであるかもしれませんが、行政監察局としての意見は、あくまで従来、行政監察という調査をやった上で報告書を作成して、その中で必要なものは勧告するというシステムの中でやっておるわけでございます。したがいまして、行政監察局としての見解ということになれば、やはり行政監察をやった上で、その上で述べさしていただきたいということでございます。
○佐藤(祐)委員 どうも何だか、私は納得しませんが、言っておられる、行政監察をやって、結果をきちっとしたものを報告する、それは当然ですよ。でも、それをやるまでは一切何も言えないということではないんでしょう。国民のための役所なんでしょう。そして、状況を把握するための全国会議も開いているわけですね。そこで公に発言もされているわけですから、それをそういうふうに答弁を回避される理由は、私はないと思うのですよ。行政監察局の公式の見解を述べよと言っているわけではないのですよ。そこで出された北海道からの報告、その問題点のポイントを報告していただきたい、こう言っているんです。
    〔委員長退席、狩野委員長代理着席〕
○藤井説明員 これは総務庁内部の話になるのかもしれませんが、実は行政管区局長会議と申しますのは、官房主宰の会議でございまして、行政監察業務についての情報交換というよりは、あくまで総務庁全体の情報交換をする場であるということで、実は私、監察局の担当監察官なんでございますが、私自身その資料なるものをきょうもお持ちしておりませんし、私のところへ来ることにもなっておりません。そういうこともございます。
 それと、これは御質問の趣旨に答えることになるのかどうかわかりませんが、行政監察局といたしましても、実はリゾート開発については、国民の余暇時間が増大するという中で国民生活の豊かさを実現するという観点からは、国民ニーズに即したリゾートというものに対する要請は非常に強いものだというふうに考えておりますが、ただ一方では、先生先ほど御指摘のように、社会経済情勢の変化の中で、マスコミその他各方面から、いろいろリゾート開発について問題点が指摘されているということは、十分承知しております。したがいまして、そういうことも含めまして、リゾート開発に関する行政制度運営について円滑に推進するという観点からになるかと思いますが、行政監察を実施するということも検討しておるところでございます。
 したがいまして、行政監察局としての見解をお断きになっていらっしゃるということでありますれば、やはり行政監察をやった上での見解を述べさしていただくのが一番よろしいのではないかというふうに思っております。
○佐藤(祐)委員 中身、内容についてはもう私の方から申し上げます、大変時間をとってしまいましたので。非常に大事な点が報告されているわけです。公式の会議です。管区局長会議です。
 そこでは、北海道の現状についていろいろ調査をされて、例えば、いわゆる金太郎あめと言われている問題ですね。大体決まっているわけですね。ゴルフ場、マンション、場所によってはスキーあるいはマリーナ、こういういわゆる三点セット。金太郎あめの三点セットとして有名なんですが、北海道の場合にも同様の問題がある。あるいは地域産業の振興との結びつきが弱い、これは私大事な点だと思うのですよ。地域振興といいながら、この計画の中では、むしろ農民の方が農地を手放して離農していくとか、かえって地域、地場産業が裏側で破壊されるというような事態もあるのですね。そういうこともありますし、ここでは地域産業の振興との結びつきが弱いというような点も指摘されている。
 その他いろいろありますが、五点、六点言われているわけですが、「開発計画が民間企業の融資疑惑事件とのかかわりで中断し、推進が危ぶまれている事例も起きている。」これは浦臼のことですね。こういうのもあります。これはいわゆる富士銀の不正融資と絡んで今立ち往生になっているのですね、浦臼のリゾート開発は。あるいは、ついでに関連して申し上げれば、佐川急便が妙高のゴルフ場建設で規制をクリアしたいというようなことがあったようですが、一億円寄附するとかというような画策をやっているということもありますし、北海道では問題の共和がリゾートに手を出す計画を立てたというようなこともあります。それはまた今別の問題ですが、そういう問題も起きている。
 特に私がさらに一点注目している点は、この報告の中でも、国民が安価なリゾートサービスを享受できる諸条件が未整備だという点なんですよ。大臣、本来、国民の余暇利用、豊かな自然の中でスポーツ、レクリエーション、文化活動ということをやって、あすへの活力を養っていくというのが趣旨ですよね。ところが現実には、リゾートマンションが建ちますと、非常に豪華な分譲何千万というものが建つ。だから、気楽に勤労者が家族そろって一定期間遊びに行くというようなものにはなっていないという点の指摘ですね。これは大変重要な指摘だというふうに私は思うのです。ぜひ国土庁としても、こういう視点は持って調査なり一―ただ基本計画が出てまいりました、それから変更届が幾つありましたというようなことではなくて、本来のそういう趣旨に合うような計画になっているのかどうか、ここのところが大事だと思うのですね。こういう点はどう考えていますか。
    〔狩野委員長代理退席、委員長着席〕
○小島政府委員 今、行政監察局長会議での指摘でございます。正直申し上げまして、私はその指摘の大部分は当たっていると思います。ただ、例えば金太郎あめにならぬようにというのは、私どもの当初の考え方でございましたが、これを裏返しますと、結局日本人の余暇生活というのが極めて貧弱だということだと思うのですね。結局は一泊二日くらいしかそういうことができない。やはりこういうものは、需要と供給の関係がどうしても出てまいりますものですから、こういう点につきまして、要するに、それじゃ、全部それは企業で持ちなさいといっても、企業の採算ということを考えますと、なかなか難しい。ですから、そういうギャップがやはりありますので、そのギャップを一体どうやって埋めるのか。それは国民的なコンセンサスが得られて、そういうものについては一定の税金というか公的負担、そういうものもしてもいいとか、こういうことについての基本的なコンセンサスをこれからつくっていかなければならぬだろう、こういうように私は思います。
 それから、あと今いろいろお話ありましたのは、私よく申し上げるのですが、少なくとも県が計画をつくって、そして基本構想に基づいてやっているそのいわゆるリゾートの中には、御指摘のような妙高とか、知りませんけれども、こういうところは入ってない。この点が、何かリゾートというと全部この法律に基づくものだ、こういう非常な誤解を生むおそれがあるものですから、この点だけは、ぜひそこのところは区分をしていただかないと大変ではないかなというように思います。
 それから、皆さんが利用できる、これはまさにおっしゃるとおり、大変重要なことです。というのは、同時に、これは先ほど申し上げましたように、こういう中で例えば四百三十兆円の公共投資というのがあるとした場合に、こういう余暇時間のためにどれだけみんながそこに税金なりそういうものが配分できるかという問題でございますので、こういうことも含めて、私ども今後検討してまいりたい、かように考えております。
○佐藤(祐)委員 国土庁が承知しているリゾートでないところの問題もあるんだというお話でしたが、承認しているというのは一つの面で、国土庁というのは全国土にいるのでしょう。だから、知らぬぞということではやはりまずいんだと思う、そこは。そういうふうに考えてもらわなければならぬと思います。
 これはまた別の調査といいますか、意見になるのですが、日本開発銀行というのがあります。これも御承知かと思いますが、大阪支店などが加わって瀬戸内のリゾート開発について研究会をつくっていろいろなレポートをまとめておられるというのもありますが、もう時間がありませんから、そちらは省略して、一体今どういう事態になっているか、大臣聞いておいてもらいたいのだけれども、関西圏で試算をしているのですよ。関西圏で総額三十五兆五千億円のプロジェクトが進行している。しかし、当面事業化されている、確度の高いプロジェクト、これだけで見る。これだけで見ても、一兆五千億円に及ぶ。これに人が来る期待は五千二百万人となっているということですね。そういう計数を挙げまして、しかし、これではとても採算に合わないというのですよ、それだけ投資をしても。一兆五千億円分の当面具体化しそうなものだけですよ。これだけ投資をして採算がとれるには、国民、勤労者がこれまでの三倍の頻度でリゾートに行かなければならぬ、また二倍から三倍の金を落としてくるようにならないと採算が合わない、こういう試算が、日本開発銀行によって行われているのですね。だから、法律がつくられて、どんどん計画が立案されているという状況なんだけれども、全体として見た場合、それは大変過大な、乱立といいますか、そういう状況にもなっているという指摘があるわけですね。
 私、この点が重要だと思いますのは、これは企業に対する融資の側面もあるから、銀行さんはこういう研究をされていると思うのです、こういう危険性もあるのに融資をどれだけしていいのかどうかという問題が起きてきますからね。結局大きな問題点としては、あの法律でも民活、民間活力を大いに生かして民需拡大をやるんだということになっていますが、結局大企業中心といいますか、大企業サイドのものになっているというふうに私は思うのです。だから、企業がこれは投資効果があると踏めば出かけていく、しかし、どうも採算に合わぬなとなれば、市町村がどういう意向であれ、さっさと引き揚げてしまうわけですよ。跡には荒れ地だけが残るということになってしまう。ここに私は根本的な問題点があるのだろうと思うのです。
 あるいはまた、企業が中心ですから、ゴルフ場にしても何にしても、これは先行投資の多いものですよね。だから、先行投資をできるだけ早く回収するためにはまずゴルフ場。ゴルフ場なら事前に会員権の販売で莫大なお金を入手することができる。それだけで四十億円以上余したところもあるというのですよ。あるいはマンションなら分譲できるということで、そういう採算性、利潤第一の考え方から、構想自体がまずゴルフ場、リゾートマンションというところにいってしまうのです。だから、国民のための余暇利用にふさわしいのはどういうリゾートかというのが抜けるのですね。だから、こういう法律の趣旨からいってもそぐわないものになっているし、いろいろな問題が残っている。それは企業に引き揚げられた自治体はたまったものじゃないですよ。そういうことで、そういうことも含めて、私は何度か申し上げている感じもしますが、抜本的な調査検討を国土庁にぜひやってもらいたい。
 時間がないので続けますが、その点に関連して、総務庁、せっかくお見えいただいて、さっき御答弁もいただいたのですが、総務庁としては、リゾート開発についても行政監察をやることにしているとおっしゃっておられました。私たちのお聞きをしているところでは、平成五年度ということを聞いているのですが、そうではなくて、今申し上げたような、まだ十分語り尽くせませんけれども、相当深刻な事態が全国に広がっているという状況ですから、もっとそれを早めて行政監察もやるべきではないかと思うのですが、いかがですか。
○藤井説明員 先生御指摘のとおり、現在、中期行政監察予定テーマにおいて、平成五年度にリゾート開発に関する行政監察を実施するということを予定しておるわけですが、現在その実施年度の見直しも含めて検討中というところでございます。
○佐藤(祐)委員 建設省も来ていただいていますね。いらっしゃいますか。――リゾートの開発で今自然破壊の問題、乱開発といいますか、非常に私は重視しているわけですが、たしかけさもテレビで湯沢のルポをやっていました。大変なことですね。マンションがあの自然豊かなところにばんばん建つちゃってどうにもならぬ、住民の皆さんは甚だ迷惑だと言っておられる状況がテレビに映っておりましたが、この点に関連しては、開発の規制が非常に緩過ぎるという問題があるといいますか、逆に緩いところをねらって不動産業者がマンションを建てでいっている。典型が湯沢だと思うのですね。
 いわゆる白地地域ですね。地域指定のない、こういうところで、ですから容積率が四〇〇%とか、何か六十階建てのマンションが今計画されているという、あんなところにですよ。とんでもないことだというふうに思うのですが、こういう点で建設省としてはどう考えておられるのか。白地地域についての規制、これは私は当然検討されてしかるべきじゃないかというふうに思っていますが、いかがですか。
○那珂説明員 現在の建築基準法では、先生御案内のとおり、未線引き、都市計画区域内の用途地域指定のないいわゆる白地地域におきましては、容積率が四〇〇%並びに建ぺい率が七〇%という一律の規制がなされているところでございます。しかしながら、御指摘のように、リゾートマンション等の建設がこれらいゆる白地地域内において大変活発に行われ、土地利用上の混乱を招く等の問題が生じていることは、十分承知しております。
 こうした区域につきましては、基本的には用途地域指定の拡大を行って適切な土地利用を実現するということが重要だと思いますが、昨年十二月の建築審議会答申におきましても、適正な容積率制限、建ぺい牽制限の設定が可能となるような白地地域内の建築規制の充実を図るべきというような指摘がございましたことを踏まえまして、今後適切な対応方策を検討してまいりたいと存じます。
○佐藤(祐)委員 時間になってしまいました。きょうは、あとの問題があるのでやめなきゃなりませんが、大臣に最後に御見解をお聞きしたいので、ちょっと申し上げます。
 さっきのような北海道の状況から、北海道議会、これは道議会レベルでは初めてですね、抑制決議というのを去年やっています。日本弁護士連合会、日弁連は、このリゾート法は自然環境破壊をもたらす、このまま続くと子孫の代に十分な国土は残せない結果になるというようなことから、去年、これは反対決議ですね、法律の廃止を求める決議というのをなさっている。私たちはもともとこれは反対をしたわけですが、五年間の経過から見ても、根本的に問題がある、法律自体に。これはもう廃止以外にないというふうに考えております。
 本当に、リゾートそのものは私たちは必要だと考えているのです、国民のためのリゾートですね。余暇利用、豊かな生活、そういう点では、大企業、開発業者本位のものではなくて、住民参加のものにしなければならぬ。それから、自然破壊ではなくて自然を生かすような開発ですね。大臣もよく飛行機に乗られると思うのだけれども、空から日本列島を見ると、本当に胸が痛む思いがしますよ。列島じゅうひっかき傷だらけだよね、ずっと飛んでいくと。本当にそういう状況をなくす。それから、地元の雇用拡大につながるものでなければならぬ。今までの開発では雇用の拡大になっていませんね。開銀の調査でも効果は〇・六%だという。こういう実態がある。
 そういう点を踏まえて、本当に勤労者が安い費用で楽しめるようなそういうリゾート、レクリエーションのネットワークといいますか、そういうものこそ私は進めるべきだというふうに考えておりますが、大臣の御見解をお聞きして終わりにしたいと思います。
○東家国務大臣 御意見は大変参考にもなりましたし、耳を傾けながら、是正すべきはやはり是正していくべきであるというふうなことは、かねがねから思っておりましたけれども、おっしゃられることは、十分今後ともその御質問の趣旨を我々はさらに検討して取り組んでいかねばならないと思っております。
 ただ、もう御案内のとおり、地方の活性化と、都会の人たちにどのようにして活力ある余暇時間を楽しんでもらおうかということから始まったわけでございます。五年を経過いたしておりますが、緒についたばかり。がしかし、地域によっては見直しは出てきておりますし、なおまた高度成長のときでございましたので、採算的にも大企業といえどもこれは撤退せざるを得ないというような状況にもあること、そしてまた、自然環境というものがとかくいろいろと言われていること等、十分私たちは今内輪内輪として役所の中で話し合っているところでございます。がしかし、地元の活力のために、地元のやはり意見として今日まで取り組んできたわけでございますから、都道府県から見直しが求められるならば、それは当然各所管の関係官庁と協議しながら、そのことはやはりこたえてやらねばなるまいというふうに思っております。
 なおまた、リゾート地域のみならず、全体的にゴルフ場の話も出ましたけれども、実際とれだけ要るのか、どれだけ求められているのか、どれだけ必要であるのか、これは通産省の所管でございますけれども、実際に総合的にそうした国土利用というものを、私ども国土庁としても、やはり当然責任ある官庁でございますから、そこらあたりも今後ともとらえていく必要があるのではなかろうかというふうに思っておりますから、御質問の趣旨については、勉強をさらにさしていただきたいと思います。
○佐藤(祐)委員 終わります。
○薮仲委員長 以上で佐藤委員の質疑は終了いたしました。
 次に、伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 まず、不動産業向けの融資の総量規制解除の問題と今後の問題についてお伺いをしたいと思います。
 国土庁長官の所信表明を聞いておりまして、私の率直な感想は、大変苦しい所信表明だなという感じを持っております。長官は、昨年の末に発表し、本年の一月から実施をいたしました不動産業向け融資の総量規制解除に関する政策の妥当性については一言も触れておりませんが、これはなぜでしょうか。
○東家国務大臣 最近の地価動向に加え、金融、経済、または融資動向と土地対策全般の推進状況等については、総合的なそういうことの判断を行って、政府としては非常緊急処置であった総量規制というものを解除をいたしたわけでございます。しかし、土地対策については、引き続き政府一丸となって構造的かつ総合的な対策を推進していく必要があろうということは、痛感いたしております。十二月二十日に開催した十七回土地対策関係閣僚会議においても、その旨を確認し、そして内閣官房長官と私から、それぞれその旨について談話を発表させていただいた次第でございます。
○伊藤(英)委員 これは、いつの国会だったでしょうか、私は、国会の委員会の場でも申し上げたんですけれども、この解除の問題は、政府あるいは自民党では、もう実質二カ月ぐらい前から既成事実のようにどんどん報道したりしておりましたですよね。本来ですと、これもその委員会で申し上げましたけれども、国土庁の地価動向調査が発表されて、それを分析をして、その上でその政策の継続について検討をする、そして決定をするということが筋であったはずでありますね。にもかかわらず、今回はそういうことではなくて、私の印象では、政府・自民党と不動産業界の利害が優先されたんではないか、こういうふうに思うのですね。
 なるほど、統計的に見れば、不動産業の倒産件数等は非常に多いわけでありますけれども、どのくらい本当に深刻なのかなあということなんですね。それと、国土庁は、今の経済情勢の中で、本当にだれのための政策を実行しているんだろう、まじめに働く勤労者が本当に家を持ちたいという気持ちに対して、どういうふうにこたえようとしているんだろうかということを思うわけでありますが、いかがですか。
○東家国務大臣 いろんな角度から総量規制解除について御質問がございましたが、私が大臣に就任しましてからそのことが早速議題として取り上げられたわけでございます。それは、党からも、また閣僚それぞれの御意見がいろいろ新聞紙上に出ました。私は、閣議の席で、今、国土庁土地局長初め、この総量規制の解除が今後の地価動向にどう影響するかということに真剣に取り組んでいるときに、そのような、党といえども、閣僚それぞれの皆さん方の立場といえども、私は、まことに一生懸命取り組んでおります私の立場からはまことに遺憾でありますということを申し上げたときがございます。
 まあ、随分とそれはいろんな角度から実態論も私たちは調査いたしました。がしかし、我々は、当時解除の報告をするときに、国土庁の首脳と、このことによって地価の鎮静化はするのかしないのかをもう一遍確認し合おうということで、お互いにその鎮静化を確認し合って私たちは報告を申し上げたという、そのことだけは、ひとつ御理解いただきたいと思いますし、今後ともまた鎮静化に向けていろんな方式をとりながら、政策的な大きな課題として頑張っておりますことだけは、御理解いただきたいと思います。
○伊藤(英)委員 今のお言葉は、他の閣僚あるいは政府関係者が無理やり解除しようとしていることについて、国土庁長官としては極めて遺憾だということで、御自身としてもいろいろ努力されたという、そのことを言われたんだと思うのですが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 経済企画庁の方にお伺いしたいと思うのですが、私は、この総量規制解除の問題、その背景にあるものが、バブルの崩壊ということが不況をもたらすということに、そういう考え方にあるんじゃないかというふうに恐れるのですね。むしろ逆に、バブルを消滅させて初めて日本の健全な経済成長というのは可能になっていく、こういうふうに考えるべきだと思うのです。バブルが清算できないうちは、日本経済というのは将来の展望を持つことができないと考えるべきだと思うのですね。そういう意味で、日本経済全体の立場からもバブル消滅が要請されていると理解すべきだと考えるのですが、こうした考え方が全くなかったのか、あるいは無視されたのか、その辺のことについて、お伺いをいたします。
○新保説明員 お答えします。
 先生御指摘のように、最近の経済というのは、これまでのやや過熱ぎみの高い成長から、もう少し安定した、インフレなき持続可能な成長と我々申しておりますが、そういうものに移行する調整過程にあるというふうに認識しております。そういう中で、このところ住宅投資が大きく落ち込んだり、さらには設備投資の伸びが非常に落ちてきたりということで、在庫調整ということで、景気の減速感が非常に広がってきておるわけであります。
 これを放置しますと、かなり成長の停滞が続いて、やがては雇用面にも影響が出てくるということも全くあり得ないことではないわけでありまして、この調整過程を円滑に行うためにも、減速が企業家の心理を過度に冷え込ますことがないように、十分景気に配慮した施策を行う必要があるというふうに考えております。
 そういうことで、平成四年度の予算編成では、公共投資を国、地方を通じて思い切って拡充するという内容になっておりますし、金融面でも三回にわたって公定歩合を引き下げるという施策をとってきておるわけであります。当面はこの政策の効果をしっかり見きわめていきたいということでありますが、御指摘のように、やはりバブルを再燃するというようなことがあっては元も子もないわけでありますから、そういう先生の御指摘の点には十分注意しつつ、持続的成長に戻っていけ
るよう、適切かつ機動的な政策運営を今後ともやっていきたいということであります。
○伊藤(英)委員 今のお話は、バブルを消滅させようというふうに思っているかどうかということについては、今のお話では全然わかりませんね。全然わかりません。むしろ余り、これは表現の仕方はいろいろあるかもしれませんが、バブルをいわゆる消滅させると大変な状況になるんじゃないかという印象の方が、今のお言葉には私は強く受けます。ありますか。
○新保説明員 バブル経済の清算、バブルの清算ということは、株式市場と土地価格と両面に特に大きな問題があると思うのですが、株式については、御承知のように、ひところに比べれば相当大幅に下がってきておりまして、もう完全にバブルの清算は済んだという面に見てもほぼ差し支えないだろうというふうに見ております。
 ただし、土地の価格については、御承知のように、現在がなり下がってきているとはいえ、まだ水準としてはかなり高いという見方もできるかというふうに思っております。これが景気回復の過程でまた頭を持ち上げていくということになっては、やはりいけないわけでありまして、これは急激に落ち込むとまた景気にマイナスになるということで、今地価が徐々に低下しておるわけですが、この低下が、緩やかな低下傾向が今後とも続いていくことが重要でありまして、そういう緩やかな低下を通じて、徐々にバブルが是正されていくということは必要であるというふうに思っております。
○伊藤(英)委員 土地については、バブルの崩壊なるものはそういう状況にはなっていないということですよね。こういうことであります。
 今の経済情勢で、これからますます、例えば金融緩和がされたときに、では、バブルという問題についてはそのまま残っていくというおそれは、十分にあると私は思います。それは、先ほど課長も言っておられましたけれども、いわば経済の在庫調整の局面にありますよね。こうしたときに、金利を下げるといたします。それがどういう効果をもたらすかといいますと、それは投資の刺激効果というよりは、これはどちらかと言えば、あるいは円安になるかもしれません、そして外需をふやすことになるかもしれません。したがって、今この総量規制解除がなされて、そして金融緩和等をいたしますと、これはむしろバブルということをそのまま残していくことになる。
 今必要なのは、バブル崩壊ということを優先させるべきだと思うのですね。特に、これは国土庁長官、土地担当大臣として考えて、そして、本当に働く人のことを思う、そういう立場からすれば、これは、今の金融政策なんかについて言うと、現時点で言えば、日銀総裁が頑張っていますよね。日銀総裁、頑張っていらっしゃる。他からはいろいろな力があるのですが、今私が申し上げたような立場に立ては、むしろ国土庁長官としては、日銀総裁に応援団としてエールを送るべきだと私は思うのですね。この間、労働大臣と話していました。そうしたら、労働大臣は、私は労働省の立場から、労働者を守る立場から、こういうふうにこの間も経済閣僚会議で頑張りましたという話をされております。これは新聞にも一部報道されていましたけれども、本当にまじめに働いている人たちの土地のことを思い、そしてそれを引き下げることを思うならば、国土庁長官としては現在のスタンスでは日銀総裁を応援すべきだと思いますが、いかがですか。
○東家国務大臣 地価を再び高騰させてはならない、長期的に安定的に勤労者の皆さん方に宅地として供給できることの政策はどうあるべきかということが、私どもの方の担当でございますし、まあいろいろと投機的に走ったことがひずみとなったことでございます。しかし反面、今そういうことで、経済は大変落ち込んでいる、中小企業も苦しんでいるということ等もございますけれども、私の方で、金利の問題の動向に、私の立場はとても日銀総裁にあれこれ申し上げる筋のものではないと私は思っておりますので、これはお許し願いたいと思います。
○鎭西政府委員 大臣の御答弁、若干補足いたしますと、先ほどの御議論でも御説明したわけでございますが、私ども、内閣といたしまして昨年の一月に決定いたしました総合土地政策推進要綱、この中の「土地政策の目標等」という中に、「経済政策等における土地問題への配慮」という一つの項をあえて入れているわけでございまして、この考え方は、「土地問題が経済や金融の動向と密接に関係していることにかんがみ、経済運営において地価の安定に対して十分に配慮する。」こういうことでございまして、個別にいつの時期の金利をどうするかということは、これはなかなか申し上げにくい問題でございますけれども、一般的に申しますと、マクロの金融経済政策というものが、これからの土地問題、地価対策に極めて密接な関係を有するから、その経済運営に当たっては十分配慮する必要があるということを、内閣として意識統一をしているわけでございまして、この考え方に基づいて、これから適正な経済運営が行われていくというように承知しております。
 それから、先ほど来総量規制の撤廃の経緯についていろいろ御議論がございましたが、誤解のないように一言だけ補足をさせていただきますと、委員御承知のとおり、この閣議決定をいたしました総合土地政策推進要綱、これにも総量規制というものが、あくまでも臨時応急の措置であるということにかんがみ昨年一月に策定したわけでございますけれども、その中におきましても、昨年一月時点では当面継続はする、しかし今後、総量規制が実施されていない間においても、今回のような地価高騰の背景の一つとして金融問題があったということにかんがみまして、いわゆるトリガーというものを発動する体制というのを創設するというように書いているわけでございますので、当時、去年の一月に閣議決定した時点におきましても、あくまでも臨時応急の措置で、それはいずれ解除される、トリガー方式に移行するんだという認識を持っていたわけでございます。
 したがいまして、先ほど大臣が申しましたのは、そのための総合判断として、地価の動向、土地政策の推進状況を全般的に見ております我々国土庁、それから金融機関の融資態様、あるいは金融経済情勢全体を見ております大蔵省、それと、住宅宅地供給というのも中長期的に着実に必要なわけでございますので、そういうものに責任を持っております建設省というものが、十分連絡協議をいたしました上で、土地対策関係閣僚会議の場において、総理の指導も受けまして、解除をするということにしたわけでございまして、その決定をする以前に予断を抱かせるような発言は慎んでいただきたい、こういう趣旨で大臣は申されたんだと思いまして、その過程でいずれのサイドからも無理やりないろいろな御要請、圧力等々があったということではございません。
○伊藤(英)委員 先ほど大臣のお話を聞いておりまして、地価を長期的に安定させていく云々という話がございました。国務大臣の一人としても、そして土地担当大臣としても、経済政策についそ意見を述べることは全然問題ないし、むしろ言うべきである、あるいは言うことが任務だというふうに私は思います。
 それから、今必要な話は、これは政府の考え方でもあると私は思っているんですが、土地の価格を安定させるというよりは、下げることだと思うんですね、下げる。ところが、いろいろ本日の答弁でも、聞いておりますと、下げるというつもりがあるかなというような印象さえ私は受けるんですね。今度の平成四年度の予算から見ても、本当に下げるための予算になっているかなというふうに思うんです。だから、例えばこの間の総量規制解除のときでも、国土庁からは、もしも解除するときには、その条件として、土地対策予算をどういうふうにする、どういうふうに増額するというようなことを約束させて解除をするべきではなかったかとさえ思うんですが、いかがですか、本当に下げるのかということも含めて。
○鎭西政府委員 先ほど来の御議論でも私ども御説明いたしておりますように、現在の地価の水準自身は、大都市圏を中心にいたしまして、土地政策推進要綱で目標としております適正な地価の水準から相当高い水準にあるという認識をはっきり持っておりまして、この目標とすべき水準に向けてますます構造的、総合的な対策が必要である、こういう認識でございます。
 それから、土地対策関係予算の充実の問題でございますが、これは御質問ではございますが、総量規制解除をする、しないということと関係なく、私どもといたしましては、昨今の内政上の重要な課題の一つとして、従来から国土庁あるいは建設省を中心といたします関係省庁におきまして予算面の充実の努力を図られてきたところでございますが、今平成四年度の予算におきまして、例えば国土庁におきます土地対策関係予算を見ますと、平成三年度に比べまして約一五%の伸びということで、新しい土地基本調査の実施等を中心にいたしまして、相当充実強化を図っているというように考えているところでございます。
○伊藤(英)委員 今、例えば土地基本調査だとか土地情報課を新設したりとかいうような施策をされていることは、私も承知しております。
 じゃ、それは本当に下げるものかなというふうに考えますと、そうは言えませんよね。むしろ安定するものであるかもしれません。そんなに下げるための努力というふうに胸を張って言えるほどかなという気がいたします。多分それは――局長、ありますか。
○鎭西政府委員 先ほど来何人かの委員の御質問に対して御説明いたしておりますように、今回の地価高騰も、例えば土地税制の総合的見直し、あるいは金融面におきますいろいろな指導、あるいは監視区域の積極的活用等によります土地利用規制、それから累次にわたります都市計画法あるいは大都市法等々の改正によります利用問題の前進、あるいは供給促進策といったようないろいろなことが一定の効果を上げてまいりまして、幸いにいたしまして、傾向としては大都市圏を中心にして鎮静化、下落の傾向にある。
 これからの問題につきましては、確定的にはなかなか難しいわけでございますが、私ども関係方面のいろいろなヒアリングを通じて聞いてみるところによりますと、大方の意見といたしましては、この趨勢は当面続くだろう、こういうように見ておられますので、この趨勢を定着させる努力というものを各般にわたりまして継続していくということが、非常に重要なんだろう。おかげさまで一定のフレームについての品ぞろえというのは大体できましたので、今後はこれを息を抜かずに着実に推進していくというのがまず第一点に必要なんだろう。
 それと、地価税の議論のときもいろいろあったわけでございますが、土地政策を的確に推進するために、とにかく現在の土地情報の整備の状況というのが非常に不十分なものがある。いろいろな部局に分散していて一元的な利活用の体制がなかなかなっていないという問題。それから、基本的な情報あるいはフローの情報を初め、もう少し新規に調査をしなければならない項目も多々ある。こういうことで、これから的確に土地政策を推進していく上で、まず土地情報の整備というのをきちっと、しかも早急にやる必要があるだろう、こういう認識のもとに私どもとしては予算要求をしたわけでございますので、こういう体制ができますと、目標とする地価水準へ向けて着実に前進するのだろう、かように理解いたしているところでございます。
○伊藤(英)委員 きょうは時間も余りありませんので、この問題についてはこのくらいにいたしますけれども、今国土庁が問われているのは、勤労者のためにやってくれるのか、あるいはどこかの業界を見ていてやっているのか、どちらの味方なんだろうかということだと思うのですね。それが問われていると思うのですよ。ぜひ、これから地価の引き下げのために全力で取り組んでいただきたい、こういうふうに思います。それから申し添えれば、いろいろなことが言われますけれども、今の日本の労働の需給関係は、今なお極めて逼迫している状況であることは確かですよね。だから、そういうことは十分に認識をしていただきたいと思います。
 それから、今局長が地価税の問題に触れられましたので、地価税のその使い方の問題についてお伺いしたいのですが、この地価税の問題は、これはもう御承知のとおりに、税制調査会でもその基本答申の中に、地価税は増収を目的とするものではなく、その創設の際には、所得課税の減税をあわせて検討することが適当である、こういうふうに述べられております。そしてまた、昨年の国会の審議の中でも、私の質問に対して、当時海部首相も、そして橋本大蔵大臣も、地価税収の使途については、政府として税制調査会の答申を踏まえて適切に対処していきたい、こういうふうに答え、そして地価税法案の可決のときの衆参両院の附帯決議においては、「地価税の創設に伴う増収分の使途については、所得課税の減税、土地対策等に配慮」するというふうに書かれていますよね。ところが、地価税収について、所得減税はもちろん、土地対策等にも資するための歳出を通じて国民生活に還元するという措置はされてない、こういうふうに私は思うのです。今回の政府予算案の地価税収の一般財源化というのは、国会審議の信頼性を失わせるいわば公約違反だと私は思うのですが、この問題についてどういうふうに考え、そしてまた来年度以降地価税収はどういうふうに扱うつもりですか。大蔵省、いらっしゃいますか。
○松谷説明員 地価税の創設に伴います純増収分につきましては、昨年末の税調の答申におきまして、「極めて深刻な状況に陥っている財政事情等を考慮すれば、土地対策等に資するという観点から歳出を通じ国民生活に還元することが現実的には適当である」、こういう御提言をいただいたところでございます。平成四年度予算編成に当たりましては、こうした税調答申の趣旨を踏まえまして、土地対策に資するという観点から、歳出面でさまざまな経費につきまして適切な配慮を行ったところでございます。具体的には、例えば特定公共用地の先行取得でありますとか、あるいは住宅宅地関連の公共施設等整備促進事業の増額あるいは土地の有効・高度利用の促進、さらには、先ほどから御議論ございます国土庁に計上いたしました土地基本調査の新たな実施等のことで、平成四年度予算、極めて厳しい財政事情のもとではございますけれども、地価税の増収分を上回る土地対策等を確保いたしまして、さらにその中において、税調答申等の趣旨を踏まえて各般の施策の充実強化を図っているところでございます。この点を御理解賜りたいと存じます。
○伊藤(英)委員 国土庁にお伺いしますけれども、私は今の大蔵省の説明は極めて問題だな、こう思っているのです。地価税収の見込みは四千二百億ありますよね。本当に減税やらあるいは土地対策としてその税収を使われたんだろうかというと、そうじゃないと思うのですね。国土庁としては、ああ、今回は国土庁の考えているように、あるいは地価税の附帯決議に書いてあるように、適切に使われたという認識をお持ちですか。
○鎭西政府委員 地価税の増収分の扱いについての経過は、ただいま大蔵省の方から御説明があったとおりでございまして、私ども昨年末の税調答申あるいは地価税法案の両議院の議論の経過というのも十分承知しております。私どもといたしましては、このような考え方を踏まえて、平成四年度の国土庁におきます土地対策関係予算につきましては、先ほど御説明いたしましたように、新しく土地基本調査を実施する等の土地情報の総合的整備に要する経費等を中心にして、相当大幅な充実強化を図っている、かように考えているところでございます。
○伊藤(英)委員 時間が参りましたので、きょうはここまでにいたしますが、国土庁は、今の局長の話も含めて、私は本当に地価を下げる、地価対策をやろうとしたときには、今の状況は非常に不十分だと思っておりますので、この次は、まだい
つかの機会にと思っていますが、国土庁としては真剣に取り組んでいただきたいということを申し添えて終わります。ありがとうございました。
○薮仲委員長 以上で伊藤委員の質疑は終了いたしました。
 次に、菅直人君。
○菅委員 きょうは大臣、予算委員会の方もあるそうですから、最初に大臣に幾つかお尋ねをして、その後事務当局の方にお尋ねをしたいと思います。
 土地の値段が、特に最近国土庁から出されたこのデータによりましても、首都圏においてかなり、これは東京都の地価動向ですか、東京都の地価動向についてもかなり低下の傾向を示しております。これは、きょうの議論の中でもありましたように、平成元年の土地基本法の制定、さらには金融の引き締め、さらに昨年来の土地税制の創設などによってその効果が順次あらわれたものと、私もその点においては高く評価をいたしております。しかし、今なお、ピーク時の二、三割は下がったかもしれませんけれども、それまでの水準、いわゆる二倍から三倍になったと言われているこの高騰の前の水準にはほど遠い状態にあることも、これもまた御承知のとおりであります。
 そこで、土地基本法の一条にも「適正な地価の形成」ということを目標にして進めていこうということがあるわけですけれども、大臣としては、「適正な地価」というものの水準をどのように考えられているか、まずお尋ねをしておきたいと思います。
○東家国務大臣 今お尋ねの、大都市圏を中心に地価の鎮静化の傾向はかなり強まってきておりますものの、現在の地価の水準は大都市圏を中心として依然として高い水準にあるということは認識をいたしておりますし、特化昭和五十八年度からしますとピーク時のときは三倍までなりましたし、それが今やっと、まあ若干のでこぼこはございますけれども、三大都市圏の中では二倍程度まで落ちつきはしましたものの、やはりこれはまだ高い水準と言わねばならないというようなことで、給与の高くなった面と物価の問題等も勘案しても、それはまだまだ地価の鎮静化という傾向を今後とも続けさせなければ、私はやはりその政策が果たせたということには相ならないというふうに思っております。
 特にまた、先ほどから水準のことでございますが、やはり宅地は中堅サラリーマンの所得水準で五年間で取得できるような地価水準というようなことを基本的に考えていかねばならないと思っております。
○菅委員 今、大臣の言われた中堅サラリーマンの年収の五倍程度で適正な位置に住宅は持てるというのは、これはもう歴代総理も言われておりますし、また私たちも含めて野党の多くの党も一致をしているところだと思います。まさに大臣の言われたとおり、東京の実感でいえば、まだ二倍からあるいは三倍ぐらいこの水準よりは高いんではないだろうか。そういった意味では、手を緩めることなく、地価の抑制といいましょうか、低下に力を注いでいただきたいというふうに思っております。
 そこで、きょうはそのベースになります土地情報について幾つかの点でお尋ねをしておきたいと思います。これも土地基本法の十七条に「調査の実施等」ということで、土地情報の整理、収集、提供を義務づけたわけであります。地価税議論のときも、地価税をこのぐらいやったらどのぐらい税収になるのですかと大蔵なりに聞きましたら、わからないという答弁が出てきたわけです。当時は知っててわからないと言うんだろうと思っておりましたら、実際にだれがどのぐらいの土地をどの程度持っているというのを大蔵当局が持っていない。じゃ、一体どこにあるんだといえば、自治省の固定資産税評価の台帳はあるけれども、これも名寄せができていない。つまり、自治体がばらばらであれば、それもわからない。そういうまさに基礎データすらないというのが明らかになって、私などもびっくりした一人であります。その点、土地政策審議会のもとに三つの専門委員会をつくられて、その中でかなりのことを今準備をされているということも伺っております。そういう中で幾つか多省庁にわたる問題がありますので、その点についてお尋ねをしておきたいと思います。
 土地情報を一番持っているのはどこかというふうに考えますと、一つは登記簿を、不動産登記を管轄している法務省、それから税の面では、固定資産税の自治省ないし自治体、そして今回地価税を含む大蔵省、あるいは公示価格の国土庁、あるいは経済企画庁なども、日本の土地資産なんというものは総額幾らになるなんということをデータを出しております。
 その中で、きょうは法務省にも来ていただいておりますけれども、法務省の不動産登記をもっと他の面でも活用できないのか。私は、古くは林田法務大臣の当時から、予算委員会でもこの問題を取り上げてまいりました。例えば取引価格を登記簿の中に記載することを義務づける。これだけやっただけでも、いわゆる原野商法なんというのは不可能になりますし、あるいは地価調査なども非常にやりやすくなるわけであります。あるいは名寄せなども、今コンピューター化を法務省も進めているようですが、きちんとやれば可能になるはずでありまして、そういうことについて、法務省としてどのような形で土地政策上の、何といいましょうか、一貫した情報として提供しようとする姿勢をとっているのか、まずその基本的なスタンスを聞いておきたいと思います。
○山崎説明員 お答え申し上げます。
 議員には既に十分に不動産登記法の制度、その趣旨あるいは目的について御理解をいただいているところだと思いますけれども、もともと不動産登記法の登記制度の趣旨、目的は、現実の物理的状況あるいは権利の内容を公簿にあらわして公示をするということによりまして、取引の安全を図るということにございます。その中に公的な情報をどの程度加えていくかということにつきましては、この不動産登記制度の趣旨あるいは目的、これを逸脱しない範囲で今後検討していきたいということが基本的なスタンスでございます。
 ところで、売買価格の点でございますけれども、これにつきましては、私どもの方の不動産登記制度は書面審査主義あるいは当事者申請主義という構造をとっております。その関係で、売買価格が正確なものかどうかという点について必ずしも保証がないという点が、非常にネックになっているところでございます。ただいま御指摘のように、原野商法の問題がございました。これにつきましても、ある二人が非常に安い土地を高いものとして売買をして登記簿に登載するということになったときには、かえってその値段が周りの取引を誘致するという問題も、そういう側面もあるわけでございまして、なかなか難しい問題かなというふうには考えておりますけれども、なお御指摘の点、今後どのような方法があるか、十分検討していきたいと考えております。
○菅委員 私もその答弁は何度もお聞きはしているのですけれども、例えば今言われた取引価格の記載の問題一つとってみても、それはうそをついた場合は罰則規定を設けて何らかのペナルティーを科せればいいわけで、あるいは税務当局とも連携すれば、高く売れば必ずそれだけ譲渡益課税がかかるという問題もあるわけですし、あるいはほかのやり方もあるわけです。
 たしかドイツかどこかでは、売買のときには必ず一種の公正証書のようなものをつくらせて、契約書をきちんと弁護士さんをつけて届け出る。もしそこで偽証的なものがあれば、いわゆる虚偽記載があれば、弁護士さんの資格にも及ぶというようなやり方だって、幾らでもあるわけです。これはまさに法務省の専門だと思うのです。
 あるいは、中間登記の省略なんというのを今認めているようですが、あれもAからBからCに行ってまたAに戻ったなんてわかりはしないのです、途中がなくて。まさに先ほど物理的状況、権利の内容、取引の安全と言われましたけれども、これらを含めてまさに日本の土地政策の大きな枠組みの一つの柱なんであって、この登記簿の問題を私は長年言っておりますけれども、法務省が自分の役所のためだけにしか使えない制度なんだということで頑張るのであれば、この制度をどこかにもっと大きな見地で融合する必要があるのじゃないか。
 これは固定資産税でも、地価税でも同じです。固定資産税のデータがそれしか使えない、地価税のデータがそれしか使えない、国土庁のデータをそれしか使えないというのだったら、まさに土地基本法の十七条なりの考え方、あるいは後に出ます十六条なりの考え方とは、明らかに相反するわけなんです。ですから、私は、別に法務省だけをターゲットに言っているわけじゃなくて、そういう大きな土地政策上の観点の一つとして、法務省にももっと前向きな対応をしていただきたい。いかがですか。
○山崎説明員 お答え申し上げます。
 ただいま冒頭に申し上げましたように、土地基本法の十七条の問題は私ども十分承知しております。ですから、公的情報を登記簿の中にどれだけ取り入れていくかということにつきましては、十分検討の余地があるというふうにお答え申し上げ左のです。ただ、売買価格の点に限っていえば、いろいろ問題がある。私どもの制度だけではなくて、刑事罰の問題あるいは民法の問題、そういうものをすべて変えていかなければならないということにもなるおそれがございますので、そういう点は十分に、いろいろ問題がないかどうかよく詰めて考えたいということを申し上げているわけでございます。
○菅委員 大臣は予算委員会の方へどうぞ行ってください。
 あと残り時間、そうありませんが、これとも関連して自治省にお聞きをしておきたいと思います。
 自治省の方は、平成六年度から固定資産税の評価を公示価格の七〇%にしたいということを表明されておりますけれども、そうなりますと、今の公示価格のポイント数も限られていますので、それに連動させるためにいろいろと努力が必要になるのではないか。あるいはこれも予算委員会等で何度も指摘をしたのですが、その固定資産税評価そのものの公開の問題、基本的には公開しますという約束を当時の奥田敬和自治大臣からもいただいておりますけれども、その二点について、自治省の見解を伺っておきたいと思います。
○堤説明員 委員御指摘のように、平成六年度の次回の固定資産税の土地の評価におきまして、地価公示制度の適正化とも相まちまして、地価公示価格の七割程度を目標に評価の均衡化、適正化を進めたいと考えておるわけでございます。御指摘のございましたように、地価公示価格のポイント数が非常に限られておりますので、私どもは全国の市町村の約一億六千万筆にわたる全筆、また約四十万ポイントの標準宅地につきまして評価を行っていかなければなりませんので、そういう意味で、地価公示価格を補完するものといたしまして、都道府県知事が行っております地価調査価格、またそれもポイントが限られておりますので、私ども今考えておりますのは、市町村におきまして不動産鑑定士あるいは鑑定士補の方にお願いをいたしまして、全標準宅地について鑑定評価をとって、その均衡を図りながら、その七割程度を目標に評価の均衡化、適正化を進めたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、固定資産税の評価額そのものは、これは秘密でございますので、明らかにはいたしておりませんけれども、それにかわるものとして、いわゆる路線価の公開ということで、標準地の公開でございますけれども、これにつきまして、委員御指摘がございましたように、平成三年度から初めて標準地の路線価の公開を始めまして、平成三年度は初めてでございましたので、四十万ポイントのうちの約四万ポイント、約一割につきまして、これは地価公示の二・三倍か四倍だと思いますけれども、公開をいたしましたし、次回の平成六年度におきましては、私どもはできたら、全標準宅地につきまして路線価を公開したい。また、平成九年度、さらにその先におきましては、標準宅地だけじゃなくて、全路線価の公開ができるように市町村を指導していきたいというふうに考えております。
○菅委員 かなり前進が見られているということを評価しておきたいと思います。
 大蔵省、国税庁にも来ていただいておりますが、路線価が、今回から相続税や贈与税だけではなくて地価税のベースとしても使われることになり、これも公示価格の八〇%ということで作業が進んでいるというように聞いております。これについても、同様にどういう形で進んでいるのか、ごく簡単でいいです。
 それと、たしか納税額一千万円以上になれば公表されるというふうに伺っておりますが、その場合例えばだれがどの土地を持って、総額これだけだから、〇・二%を掛けたらこれだけになったという、そういう所有地もあわせて公表をすべきではないかと私は思っているのですけれども、その点についてはどうなる見通しが、お聞かせをいただきたいと思います。
○篠原説明員 まず最初に、私の方から路線価の作業状況等について御説明いたします。 路線価等の土地の評価の事務につきましては、平成四年度から、四年分から標準地を約二倍に増設いたしますし、また路線価地域を約五割程度拡大するということをしております。また、各標準地間のバランスを確認するための現地調査につきましても、一層充実していくということにしておりまして、現在各国税局ごとに、それぞれの管内の状況に応じまして、これらに関する事務を実施しているところでございます。
 また、公示価格との関連でございますけれども、路線価等の土地の評価に当たりましては、地価公示価格、それから売買実例価額及び不動産鑑定士などの地価事情精通者の意見価格、これをもとに評価することにしております。この三月末に公表される地価公示価格を基準といたしまして、先ほどおっしゃいました評価割合八〇%を目途にいたしまして、地価動向を適切に反映した適正な評価を行うということにしております。
○窪野説明員 地価税に係る申告書の公示制度のお尋ねについて、御説明いたします。
 地価税につきまして、所得税、法人税等と並びまして、公示制度を活用いたしまして第三者によるチェックという牽制的効果、これを通じまして正しい申告の方に誘導促進するという点につきましては、委員に十分御理解いただいている点であると思います。ただ、その公示の中身でございますが、地価税額が一千万円を超える者について、その者の氏名または名称、それから納税地、地価税額を公示することとしているところでございます。
 さらに、お尋ねのように、納税者の所有する土地の明細こういったものを公表できないかというお尋ねでございますが、そこには税務当局の有します守秘義務、これをあえて例外としてこの仕組みを通じて開示しているという制度の仕組みからいたしまして、申告書の内容の開示については、おのずと限界があると言わざるを得ないと考えております。
○菅委員 時間も少なくなりましたけれども、国土庁が先ほど来、土地基本調査というものをやるんだ、予算も十億円余りついたんだということで、土地センサスを実施するというふうに説明を受けているわけです。今伺いました法務省や自治省や大蔵省が持っているデータ、あるいはさらにいろいろな役所に蓄積をされているデータを組み合わせるだけでも、相当のものにはなり得るとは思うのですけれども、国土庁としては、そういう他省庁のデータを含め、あるいは独自で実施しようとしているこの土地センサスというものを含めて、この土地情報の今後の収集なり公開なりについて、どういう展望を持っているか、聞かしていただきたいと思います。
○鎭西政府委員 私どもといたしましては、委員ただいま御指摘のとおり、まず平成六年度を目途に土地センサスを国勢調査としてやりたいということでございまして、これは土地に関します基本的な事項につきまして、いわゆる調査員に委嘱をいたしまして、面接方式によって詳細な調査票に記載をしていただく、こういう方式でやりたいということを念頭に置きまして、平成四年度におきましては、その土地センサスの準備、基本設計というものをやって、これは指定統計になりますので、その後統計審議会等々の御議論を経て実施するという運びになろうかと思いますが、これを一つ考えております。
 それからもう一つは、ただいまお話がございましたように、地価税の議論のときも、本当に基礎的な情報すら非常に不整備である、こういうことが痛感されましたし、これからの土地政策を的確に推進していく上では、基本的な情報、それからフローのリアルタイム的な生きた情報、この両面が非常に必要なわけでございますので、これにつきましては、関係各部局にございます既存の情報、それから民間等々の信頼のできる調査を保管して活用するというようなことを通じまして、私どもとしては、できるだけ土地政策に有効に活用できるようなそういう体制に持っていきたい。
 これは国、自治体を通じてでございますが、その中で私どもとしては、当面欠けております土地の基礎的な情報、これを四年度中におおむね全都道府県について、具体的なイメージといたしますと、固有名詞を挙げて恐縮でございますけれども、東京都さんが担当詳細な土地の情報というのを持たれておりまして、「東京の土地」ということで公表もされておりますが、ああいうものを全国ベースでつくり上げたい。
 そのために、十億円の基本調査費を中心にする総合整備に要する経費を平成四年度予算にお願いをしているところでございますし、推進体制として土地局に土地情報課というものを設置いたしたい、かように考えているところでございます。
○菅委員 それでは時間ですので終わりますが、順次前進しているというふうに見ておりますけれども、ぜひ各省庁とも一緒になって、この土地情報が国民的な政策情報として完備されるように努力をお願いして、質問を終わりたいと思います。
○薮仲委員長 以上で菅委員の質疑は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十四分散会