第125回国会 予算委員会 第7号
平成四年十二月一日(火曜日)
    午前九時一分開議
出席委員
  委員長 高鳥  修君
   理事 中山 正暉君 理事 原田昇左右君
   理事 町村 信孝君 理事 村岡 兼造君
   理事 村上誠一郎君 理事 串原 義直君
   理事 野坂 浩賢君 理事 松浦 利尚君
   理事 草川 昭三君
      相沢 英之君    愛野興一郎君
      甘利  明君    粟屋 敏信君
      池田 行彦君    内海 英男君
      小澤  潔君    越智 伊平君
      越智 通雄君    鹿野 道彦君
      金子原二郎君    唐沢俊二郎君
      倉成  正君    後藤田正晴君
      志賀  節君    戸井田三郎君
      浜田 幸一君    原田  憲君
      原田 義昭君    松本 十郎君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      柳沢 伯夫君    阿部 昭吾君
      井上 普方君    伊東 秀子君
      加藤 万吉君    小岩井 清君
      新盛 辰雄君    関  晴正君
      筒井 信隆君    戸田 菊雄君
      楢崎弥之助君    日野 市朗君
      水田  稔君    和田 静夫君
      石田 祝稔君    北側 一雄君
      日笠 勝之君    冬柴 鐵三君
      小沢 和秋君    児玉 健次君
      伊藤 英成君    中野 寛成君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  宮澤 喜一君
        法 務 大 臣 田原  隆君
        外 務 大 臣 渡辺美智雄君
        大 蔵 大 臣 羽田  孜君
        文 部 大 臣 鳩山 邦夫君
        厚 生 大 臣 山下 徳夫君
        農林水産大臣  田名部匡省君
        通商産業大臣  渡部 恒三君
        運 輸 大 臣 奥田 敬和君
        郵 政 大 臣 渡辺 秀央君
        労 働 大 臣 近藤 鉄雄君
        建 設 大 臣 山崎  拓君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     塩川正十郎君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官
        )       加藤 紘一君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 岩崎 純三君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)     
        (沖縄開発庁長
        官)      伊江 朝雄君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 宮下 創平君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      野田  毅君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      谷川 寛三君
        国 務 大 臣 
        (環境庁長官) 中村正三郎君
        国 務 大 臣 
        (国土庁長官) 東家 嘉幸君
出席政府委員
        内閣法制局長官 工藤 敦夫君
        内閣法制局第一 
        部長      大森 政輔君
        国際平和協力本
        部事務局長   柳井 俊二君
        警察庁刑事局暴
        力団対策部長  廣瀬  權君
        警察庁警備局長 菅沼 清高君
        総務庁行政管理
        局長      増島 俊之君
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        防衛庁経理局長 宝珠山 昇君
        防衛庁装備局長 中田 哲雄君
        防衛施設庁総務 
        部長      竹下  昭君
        科学技術庁原子
        力局長     石田 寛人君
        科学技術庁原子
        力安全局長   佐竹 宏文君
        環境庁長官官房 
        長       森  仁美君
        環境庁企画調整
        局長      八木橋惇夫君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 松田  朗君
        法務省刑事局長 濱  邦久君
        法務省矯正局長 飛田 清弘君
        外務大臣官房審
        議官      須藤 隆也君
        外務省アジア局
        長       池田  維君
        外務省北米局長 佐藤 行雄君
        外務省経済局長 小倉 和夫君
        外務省条約局長 丹波  實君
        外務省国際連合
        局長      澁谷 治彦君
        大蔵省主計局長 斎藤 次郎君
        大蔵省主税局長 濱本 英輔君
        国税庁次長   瀧川 哲男君
        文部大臣官房長 吉田  茂君
        厚生省生活衛生
        局長      柳沢健一郎君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部長 藤原 正弘君
        厚生省保険局長 古川貞二郎君
        農林水産大臣官
        房長      上野 博史君
        農林水産省経済
        局長      眞鍋 武紀君
        食糧庁長官   鶴岡 俊彦君
        水産庁長官   川合 淳二君
        通商産業省立地
        公害局長    堤  富男君
        資源エネルギー
        庁長官     黒田 直樹君
        中小企業庁長官 関   收君
        運輸大臣官房長 豊田  実君
        運輸省鉄道局長 秦野  裕君
        運輸省自動車交
        通局長     土坂 泰敏君
        運輸省海上技術
        安全局船員部長 長尾 正和君
        海上保安庁次長 後出  豊君
        郵政大臣官房財
        務部長     新井 忠之君
        労働大臣官房長 七瀬 時雄君
        労働省職業安定
        局長      齋藤 邦彦君
        自治省行政局選 
        挙部長     吉田 弘正君
        自治省財政局長 湯浅 利夫君
 委員外の出席者
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月一日
 辞任         補欠選任
  鹿野 道彦君     原田 義昭君
  原田  憲君     金子原二郎君
  松永  光君     甘利  明君
  楢崎弥之助君     阿部 昭吾君
  石田 祝稔君     市川 雄一君
  日笠 勝之君     北側 一雄君
  木島日出夫君     小沢 和秋君
  中野 寛成君     伊藤 英成君
同日
 辞任        補欠選任
  甘利  明君     松永  光君
  金子原二郎君     原田  憲君
  原田 義昭君     鹿野 道彦君
  阿部 昭吾君     楢崎弥之助君
  北側 一雄君     日笠 勝之君
  小沢 和秋君     不破 哲三君
  伊藤 英成君     中野 寛成君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成四年度一般会計補正予算(第1号)
 平成四年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成四年度政府関係機関補正予算(機第1号)
     ――――◇―――――
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 この際、申し上げます。去る十一月二十六日、竹下登君に対する証人喚問において、私自身の委員長として委員会運営上の発言について不適切な発言がありました。深くおわびいたします。
 平成四年度一般会計補正予算(第1号)、平成四年度特別会計補正予算(特第1号)、平成四年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、締めくくり総括質疑を行います。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。串原義直君。
○串原委員 本国会は臨時国会ではありますけれども、佐川急便事件、政治改革等、憲政史上特筆さるべき政治課題が議論をされてまいりました。本委員会もいよいよ本日締めくくり総括質疑となりました。私は、日本社会党・護憲民主連合を代表し、若干の質問をいたしたいと思います。
 昨日、社会党、公明党、民社党共同による所得減税実施に関する要求を自民党政務調査会の森会長に提案をいたしました。この際、朗読をいたしますが、
  今回の補正予算案においては、一〇兆七〇〇
 〇億円の総合経済対策の実施を目的に、公共事
 業費等が追加されてはいるものの、これだけで
 は有効な景気対策とは言えない。堅調と言われ
 ていた個人消費の停滞が明らかになっている今
 日、景気対策として欠くことができないのは、
 所得減税の早急な実施であり、それはまた、公
 平な税負担を実現するためにも必要なことであ
 る。
  今回の補正予算審議を通じて、所得減税の必
 要性そのものについては、与野党及び政府の共
 通認識となっていることが明らかになってい
 る。それを踏まえ、左記の事項の実現を求め
 る。といたしまして、
  われわれは、今年度当初予算審議に際して
 も、パート収入等を主な対象とした所得減税を
 要求したが、その後の景気の動向を踏まえれ
 ば、それを超える所得減税を実施する必要があ
 ると考える。したがってわれわれは、中・低所
 得者に配慮した相当規模の所得減税を早期に実
 施するよう強く求める。
 これに対しまして森会長よりは、自民党の税調と政府に御趣旨をお伝えいたしますという回答があったようであります。この回答では、自民党は所得減税には熱意も誠意もないと言わなければなりません。
 政府は自民党よりどのような要請を受けたのか。社会党、公明党、民社党と同様に、国民総意と言えるほどの多くの国民、団体がこれを強く求めているのであります。
 例えば、労働組合のナショナルセンターである連合の調査によれば、八八年度から九二年度までの五年間において、所得は平均二三・五%上昇しているが、物価上昇率が一一・九%であると同時に、年収五百万円台の層で所得税は二九・三%、住民税は一〇%アップしている。これは所得六百万円台ではそれぞれ三五・八%、二〇・〇%のアップ。所得七百万円台では、所得税が五六・六%、住民税は一六・四%アップとなっている。所得税減税は八八年の消費税導入以来実施されておらず、二兆円程度の所得減税を実施しても足りないくらいであると主張しております。
 また、所得減税の必要性は、経営者の団体もその必要性を指摘しております。日経連は来年度二兆円程度の減税を実施すべきだとし、経済同友会は消費マインドを刺激するためにも減税は必要として、二兆円程度では効果は薄いとまで指摘しているのであります。日本商工会議所、日本百貨店協会、日本チェーンストア協会など、軒並み所得減税の必要性を説いていることを、大蔵大臣、総理もよく御承知でございましょう。この国民的要求にどう政府は対処するか、大蔵大臣それから総理の明快なる答弁を求めます。
○羽田国務大臣 ただいまお読みいただきました、自民党政調会長に各野党の皆様、三党から共同の申し入れがあったということにつきまして、大変熱心な御要請があったというお話を私ども承っております。そして今、まあ自民党の方はこの問題についていささかも考えてないという、冷ややかな姿勢であるというお話があったわけでありますけれども、政調会長初め我が党の皆さん方も、それはでき得ることであれば、これはぜひそういうことでもやりたいという気持ちはありますでしょう。ただし、財源のないという中にあって、財源が厳しいという中にあっては、これはできないんだというのが率直なみんなの気持ちであろうというふうに私どもは理解いたしております。
 いずれにいたしましても、現在、家計におきましては、ここ数年間の耐久消費財の需要が極めてやっぱり好調であったということの反動といった現象が見られますし、またやっぱりバブル経済が崩壊したという中にありまして、いわゆる国民生活というのが非常に堅調な消費性向といいますか、そういった方向に今動きつつある。ですから、貯金の方なんかについては貯金の額はふえましても、消費の方はやっぱり停滞しておるということがあろうというふうに考えております。
 そういうことで、今お話がございましたようなお話が巷間いろんな組織にあっても、あるいは国民の声の中にあることも私ども承知しておりますけれども、こうした消費の現状、こういったものを考えましたときには、いわゆる消費刺激策としての所得税効果、これは余り大きく期待することはできないであろうということと、やはり一方、財政赤字をこれ以上つくるということは非常に危険である、将来の国民生活というものを考えたときに、国民経済というものを考えたときに、やっぱり非常に危険であろうということを申し上げざるを得ないということであろうと思っております。
 それから、今お話がございました中で、中低所得者層を中心にして重税感がある、あるいは負担の累増感があるというお話があったわけでございますけれども、ちょうど平成元年の給与収入は六百十三万、平成四年が六百九十一万円になっております。税負担の額が四十一万円が五十二万円、あるいは税引き後の手取り額が五百七十二万円から六百三十九万円ということで、負担率も六・七%から七・六%になっておるということで、少し上がっておりますけれども、しかし、中低所得層にとりましては、例の所得減税、五兆五千億円に上る所得減税、これをやったときの効果というものがまだあらわれているんじゃなかろうかと思っております。
 そして、課税最低限につきましては、もういつも申し上げますけれども、日本が三百二十万に対してアメリカが二百五万、イギリスが百十五万、ドイツが百八十六万ということを私ども比較いたしましたときに、日本の課税最低限は相当やっぱり高いところにあるということを申し上げることができまして、中低所得層にとりましては、私は重税感というものよりは、ある程度皆様に御理解をいただけるものじゃなかろうかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、非常に財政が厳しいという状況の中にありまして、お気持ちはよくわかりますけれども、ひとつこの厳しさ、そして後代にツケを残さないという我々の考え方を御理解いただきたいということを重ねて申し上げさせていただきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 ただいまの大蔵大臣のお答えに尽きておりますが、国民負担を機会があれば減らしたいということは、やはり私ども常に考えているところでございますし、三党のお申し出に対しても、それを支持する世論も少なからずあるということも存じております。
 しかしながら、ただいま大蔵大臣も説明をされましたが、そのために歳入補てん公債を発行するということは、将来のことも考えますとちゅうちょせられるところでございますので、そうであるとすれば、所得税減税にかわる別途の増税を考えるかあるいは所得税減税に相当するだけの歳出の削減を行うかということになるわけでございますが、減税幅が相当大きくなければ意味がないということを考えますと、いずれの選択もどうも現実的な選択とは言いにくいということがございまして、減税そのものの本来的な意味、それからそのメリットを決して否定するものではございませんけれども、ただいまの財政状況の中では、今大蔵大臣が御説明を申し上げましたような結論にならざるを得ないというのが私の考えでございます。
○串原委員 ただいま答弁をいただいたんでありますが、余り熱意が見えない、こう受け取らざるを得ないわけでありますが、財政事情の厳しいことは、それはわかりますけれども、我々は対策のやり方によれば可能であるという理解に立っているわけであります。今国会もまだ会期はあります。と同時に、来、つまり平成五年度予算編成に向けて積極的に、この問題は前向きに取り組んでいかれますように強く要請をいたしておきます。
 次に、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉につきまして伺います。
 我が国国内では、一部マスコミを中心に、日本は米の関税化を受け入れざるを得ない状態に追い込まれている、こういう主張がなされておりますけれども、しかし、アメリカ、ECは次のような情勢を伝えており、日本の雰囲気とは全く異なるようであります。若干これに触れてまいります。
 一つ。アメリカでは、クリントン次期大統領がラウンド問題に関してほとんど沈黙を守っている中で、ゲッパート下院議員やボーカス上院議員など、民主党の大物議員がECとの農業分野の基本合意に大きな不満を表明いたしまして、さらに、農業以外の分野での問題が全く決着していないことを明らかにしております。
 二つ目。アメリカ下院は本年八月に、国民の健康、安全性、労働、環境に関する合衆国の法律を弱体化するようなガット合意は議会で承認しないとの決議を全会一致で可決いたしました。現在のガット合意の内容では、根本的な修正をしなければ議会の承認を得られないことは明らかであります。ブッシュ政権はファストトラックでラウンドの合意を議会で一気に承認させようとしているようでありますが、このままでは議会が否決する可能性が強い。
 三つ目。一方、十一月二十五日、フランス議会が、アメリカ、ECの合意は域内農政改革の範囲を逸脱しているといたしまして、場合によっては拒否権の行使を政府に認める決議を採択した。本年末のEC経済統合、マーストリヒト条約の批准問題、来年三月のフランス総選挙を控え、ECがラウンド合意に達するには相当な紆余曲折が予想されます。
 四つ目。一部マスコミは、十一月二十日のアメリカ、ECの基本合意発表、二十六日の貿易交渉委員会を受けて、ジュネーブでの多国間交渉が一気に進展するとの報道をしておりますが、ダンケル・ガット事務局長は今後の日程を全く示さず、今週に入っても交渉は再開されていない。
 これらの情報を総合いたしますと、何か焦っているのは日本だけというふうに私には見えてなりません。このまま日本だけが一方的に譲歩いたしまして、アメリカやECが自国の農業保護をあのままで維持する結果になるとするならば、我が国政府は外国から笑い物にされ、国内の政治不信はもはや修復不可能なものになるのは必至と考えるのであります。
 政府は、このようなウルグアイ・ラウンドをめぐる国外国内の情勢をどのようにとらえていらっしゃるのか、この際明確にお答えをいただきたいと考えます。
○田名部国務大臣 お答え申し上げますが、米国内でも議会あるいは関係団体がいろいろとやっぱり問題があるという指摘をいたしておりますし、フランスでも報道によると今おっしゃったように議会が大変強硬な意見。まあいろいろありますが、どこの国においても国内においてすらいろいろな問題を抱えている。ましてや、これが国際的な交渉となるともっと難しい問題を抱えておるというのが農業分野における交渉であろう、こう私は考えております。アメリカ、EC、それぞれ国内問題ですので、今後の見通し等については明確なことを申し上げることはできませんが、いずれにしても、この困難な問題をそれぞれに抱えておることだけは間違いない。
 したがって、おっしゃるように、焦っているのは日本だけではないか、決して焦ってはおりません。あくまでも冷静に交渉をしようということで、従来から一貫した方針で私はお答えしておるつもりであります。したがって、ただ、米、ECが基本的な合意を見たというのは一体どういうことをやったのかというのは定かでありませんので、この情報を的確にとらえて、これはどうも一部修正という可能性があるということでありますから、それに応じて私どももこれからどういう交渉で従来の方針を貫いていくかという検討をしなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでありまして、決して、マスコミ等で報道されているように、方針を変えたとかこうしたとかいうとは全くありませんから、従来の基本方針どおりに冷静に対処していきたい、こう考えております。
○串原委員 十一月二十日に、アメリカ、ECが農業分野等で基本合意に達した旨を発表したわけですね。先ほども私このことは触れましたけれいも、しかし、この具体的な内容についてはアメリカ側の記者会見以外にほとんど明らかにされていない。ところが、この合意の内容を本当によく齢府は熟知されているのか、内容を知っておるのか。また、この合意では、ECの生産者に対する直接所得補償は保護削減対象の例外扱いすることが盛り込まれているというふうに聞くのですけれども、これは一体事実なのだろうか。
 三つ目。さらに、アメリカ政府の関係者によりますと、日本などの極東地域においてECが牛肉輸出に補助金を使わないとの合意、つまり極東地域の牛肉市場はアメリカに任せるとの取引があったと伝えられているのでありますけれども、これは事実なんだろうか。もし事実であるとすれば、これは輸出市場というパイを輸出大国同士で分け合う密約に等しい、こう私は思う。政府はこれに対して、多国間貿易の原則から逸脱した約束だ、そうであるとするならば、今申し上げたように、多国間貿易の原則から逸脱した約束だとして厳舌に抗議すべきではないかと思う。
 いかがですか。
○田名部国務大臣 後段のお話ですが、アメリカ、ECの合意に含まれているという報道があったことは、私も承知いたしております。
 しかし、この内容はどうも定かでない、確認ができないというのが現状でありまして、これがもし、恐らく、大筋合意という中には本当にもつし別なものもあったのかどうかということがなかなか表に出てきてない。大体一週間程度たつと、それぞれの国でいろいろな話し合いがされるもの外すから、出てくるのが通例ですが、今回に限り一向に報道された以外のことは出てきておりません。あったのかないのかもこれはわからぬし、あるいはそれが出ることによってうまくいかない問題等も話し合いになったのか、その辺が定かでありませんので、これ以上申し上げられませんが、いずれにしても、多国間交渉の場でこれは十分説明を聞く必要があるわけです。そこで言われたことがこれは正式のこととして私どもは受けとめて、適切に対応していかなきゃならぬ、こう思っておりますが、まあいまだにどういう日程かという日程も実は詰まっていないという状況でありますので、いま少しこの状況の把握をしていかなきゃいかぬ、こう思っております。
 いずれにしても、アメリカとECだけがおさまればおさまるという話ではない。あるいは、もともとダンケル・ペーパーというものは十分な根回しをし、議論してできたものでないものですから、出てみるとやはり各国にそれぞれの不満が残ったという形で、いろいろと二国間で交渉しておるという状況にあるということであります。
○串原委員 総理に伺いましょう。
 今農林水産大臣から答弁がありましたように、実はなかなかEC、アメリカの合意というものの内容が明らかでまだないですね。それから、先ほど私は四点ほど指摘をしましたが、アメリカの議会、EC内部においてもなかなか厳しい動きがある、そう簡単なものではない、こういうふうに私どもは受けとめておるし、現実はそうである。その情勢を踏まえまして、何かもうすぐ市場開放をやらなきゃならぬみたいな報道が一部されているわけでありますけれども、そこで伺うわけでありますが、関税化は受け入れられないとする従来方針でガット交渉に臨む立場に変わりはないかどうか。最近の米問題に関する、特に外務大臣の発言や今回のようなマスコミ報道を見ていると、どうも政府内部で方針が統一されていないように思われる節がある。総理はリーダーシップを発揮いたしまして、三たびにわたる米市場開放反対の国会決議は今も生きているということをきちっと肝に銘じてもらって、政府としての毅然とした統一見解、基本姿勢を明確にしてもらいたい。
 総理の明確な答弁を願いたいのであります。
○渡辺(美)国務大臣 結論は総理大臣が出しますから。
 アメリカ議会の問題あるいはECの、フランス議会の動き、それぞれ国によっていろいろあります。これはもう御指摘のとおりです。
 しかし、アメリカの中でも、このウルグアイ・ラウンドを成功させましょうというのに、これは反対だと言うのはいないんです。みんなさせましょうと言っているんですから。厄介だということもみんな知っています。そこで、これは我々の考えといたしましては、新政権も、厄介なお荷物をそっくり持ってこられるのもこれはかなわぬわけですな。旧政権も、せっかく八、九分どおりまとまったんですから、ブッシュ政権としても何か、これだけの立派なことをやってきたんだから、実績は、まだ二カ月余あるので残していきたい。そこでこう一緒になる可能性が非常に強いんでして、ですから、どうしたってそれはまとめていこうという空気になると私は思います。
 それからECの方は、ECとアメリカの間で話がついたといっても、フランスがこれは大反対しているというのでありまして、拒否権発動の云々というような新聞記事が載っていますが、まだ理事会にかかったわけじゃないし、ダンケル案として提出されたわけじゃないし、裏話ですから、今のところは。だからこれだって、よくわからない話であります。
 そういうようないろいろなことを眺めながら、日本だけが一人になることは困るんでありまして、日本は一番有利な道を選択をしていかなきゃならない。どういうふうにするか、ここから先は、今までどおりの考え方で、これは交渉はやってるんですよ、やってるんです。そこまで、そこまでです、私の方は。
○宮澤内閣総理大臣 先般のアメリカとECとのいわゆる妥結の内容というものは、串原委員の言われますとおり、全貌は必ずしも明らかでありません。が、発表せられたところだけを見ましても、昨年の暮れにいわば交渉のたたき台として出されましたダンケル・ペーパーというものについて、幾つかの点を変更しなければならない。例えば補助金の削減の率の問題でありますとか、あるいは国内における所得補償というものを認めていくかどうかといったような点についてでありますが、そういう点では、ダンケル・ぺーパーというものをあのままにしておくわけにはいかない、直さなければならないということは、発表されたところから見まして事実であろうと思います。
 そういたしますと、我が国としても、あのダンケル・ペーパーについては、我が国の主張から申せば、やはり一部を直してもらわなければならない、そういう考えを持ってまいったわけですから、この際、昨年の十二月のダンケル・ぺ−パーというものは、やはり各国が主張するところに従ってこれを少しずつ変更しなければならないではないかというのが、ただいま我が国のこの段階における主張になっておるわけであります。それは、仰せのように、関税化に関する点がその一つの焦点になるわけですが、今そのような交渉の段階にある。アメリカとECは、十カ月余りもこの問題について時間をかけてまいったわけですが、我が国はまだそういう主張を交渉の場においていたす機会はなかったわけでございますので、我が国としては、そういう主張をやはりいたすべき場にかかってきた、こういう判断をしておるわけであります。
 先ほども言われましたように、アメリカにおいても、恐らくウエーバーの品目をめぐりましては、農業団体の中には不満の者もあろうと思われます。また、ECの中におけるフランスの立場というものは、必ずしも、おっしゃいましたように、明白でございません。
 が、結局、このウルグアイ・ラウンドというのは各国の譲り合いでございます。こちらが譲った分は、こちらが損をいたします。向こうが譲った分は、こちらが得をいたします。そういう譲り合いの中で、結局貿易の壁というものが低くなっていくというのがこのウルグアイ・ラウンドの目的でございますから、そういう目的には我が国も替成をして、お互い譲歩の中でこのウルグアイ・ラウンドを成功させなければならない、そういう其本方針は持っておるわけでございますが、ただいまの交渉の段階は、前段に申し上げたようなことになっておるというふうに考えています。
○串原委員 それぞれ御答弁願ったんですけれども、ぜひ、先ほど私が強調いたしましたように、米の市場開放はしないという三たびの国会決議を踏まえて、重要な時期に来ておりますだけに、対処をしてもらうことを強く要請をしておきたいと思います。
 そこで、次にJR問題について伺います。
 このJR問題につきましては、十一月二十五日、本委員会で同僚の筒井議員より質問したところでありますが、さらに伺っておきたいのであります。
 運輸大臣も答えておりますとおり、経営やサービス面など大きな成果があったことはそのとおりでありまして、社員の努力なども評価されてよいと思っております。JR東日本、北海道などのように、労使で、身体障害者、交通遺児の皆さんやいわゆる交通弱者と言われる人々をお招きして塗しんでもらうなど、人間味あふれる催しなどができるまでに成長したことも、国鉄時代には見ら七なかったことでありましょう。
 そこで、政府も、五年を一区切りと考えて報告などを行っております。ここに「国鉄改革後五年間の成果と課題」、運輸省鉄道局出版の小冊子があります。私もこの冊子に関心を持っているわけでありますが、そこで、次期通常国会で国鉄改革五カ年の総括、検証について総合的に議論し、よりよく、充実したJRにする課題というものは宙要であると考えるのであります。運輸大臣の所見を伺いたいのであります。
○奥田国務大臣 今先生お示しの小冊子という、とでございますけれども、これは先般来、五年間を節目にいたしまして内部の勉強資料として取りまとめたものでございまして、政府の公式見解という形には至っていないということを、まず御認識いただきたいと思います。
 しかし、絶えざる献身といいますか形は必要でございますし、この資料でお示ししたように、もし民営化をしなかった場合一体どうなっておるだろうかという形の大胆な、そこの資料では試算を行っております。結論を簡単に申しますけれども、確かに、労使一体体制の中でよく頑張ってきた、成果はあったという形ははっきり数字によっても示されてきておるわけでございます。
 もちろん、反省の材料点もたくさんあるわけでありますが、それはさておき、私は、今先生のお示しいただきましたように、国会における御批判、御指摘、今後のあり方等々の指針のための政府の公式見解というものをまとめよと仰せられるなら、その方向で努力したいし、また国会においては、もう絶えずこういった形で、総合論議の形の中でよりいい成果を上げていくべく前進することは、まことに有意義であろうと思っておりますので、もしそういった形で御提案あれば、それに対応すべく私の方でも当然準備させていただきたいと存じます。
○串原委員 今御答弁願いましたが、次期通常国会で大いに総合的に議論、審議をいたしましょう。
 そこで、緊急に処置すべき点について伺いたいのでありますが、大臣は、二十五日の答弁で、最近のJR東海とJR西日本の無資格運転に関して、原点に返れ、運輸行政の基本は安全が第一である、こういうふうに厳しく指摘されたところでありますが、だが、当日、JR九州とJR四国が、それに近鉄を含めまして、同様の事件が報道されているのであります。これらについては直ちに実態を調査して、徹底した指導を行うべきであると考えるのでございますが、大臣の見解を伺いたい。
○奥田国務大臣 大変、先般のJR東海をきっかけにいたしまして無資格運転の実態がはっきりいたしまして、まことに遺憾でございます。しかし、JR東海の問題から、鉄道局長をもって全国の鉄軌道業者に周知徹底を命じた結果、申しわけないわけでありますが、あっちからもこっちからもぽろぽろと出てまいりまして、JR東海ばかりでなくて、JR西日本も、そしてまた、JR各社ばかりでなく、民間の民鉄の大手に至るまでそういった研修実態をやっておるという形の中で、指導監督すべき立場にある運輸省の責任者としては、大変申しわけないと反省をいたしております。
 これは、旧国鉄時代、動力車の操縦免許が必要だったわけですけれども、国鉄は適用除外という形で、そういった旧国鉄時代の甘えの中からそういった研修をそのままやっておったという形で、民営化の意識改革が徹底しておったかどうかということでは御指摘の面もおありだと思いますけれども、そういった古い慣行実態に甘えておったという事態の中で派生したもので、大変申しわけないと思っております。
 そういった意味で、特に安全、昔の汽車と違いまして、今のこのスピードにおいても、施設においても、大変難しい、ちょっと私らでは考えられないくらいのスピード、安全という形については特別な配慮をしなきゃいかぬ、そういったことでもございますから、周知徹底の上、今後の研修においてはそういった面で、全国のJRのみならず、鉄軌道事業者にも意識改革を強く命じたことだけは、御理解賜りたいと存じます。
○串原委員 厳しく点検しながら指導をしていただきますように要請しておきます。
 次に、東京佐川急便事件につきまして伺います。
 本国会で相当時間をかけてこの問題を審議したわけでありますけれども、この事件は表に出ているという部分というのは疑惑の一部にすぎないのではないかという印象を多くの国民は持っておりまして、真相究明はいまだしの感がするのであります。それだけに、国会における佐川疑惑解明への期待は、国民の期待は非常に大きい。今回の臨時国会で、本院では、我々野党の強い要求を一部受け入れる形で、条件づきながらも、竹下元総理の証人喚問、金丸信氏の臨床尋問、渡邉元東京佐川急便社長に対する拘置所での出張尋問が実現をいたしました。結果として、疑問が一層深まったというのが私の感想です。しかし、疑惑が解明されないまでも、問題点が鮮明になったことは証人喚問の大きな成果と言っていいのではないか。こうした矛盾点について、なお、金丸氏から渡された五億円の行方について、検察当局も再度徹底的に調査する責任と義務があるのではないか。
 法務大臣は、今後佐川急便疑惑についてどのように対処する決意でありますか、伺います。
○田原国務大臣 お答えします。
 本件について、検察当局は適正にその職責を果たしてきたものと私は考えております。検察当局は種々の告発を受理し、これまでの捜査結果を踏まえてさらに引き続き捜査を行っているところでありますが、検察は、犯罪の嫌疑があるものは嫌疑を解明するまでやるものと思いますし、徹底的究明という言葉がございますけれども、私は初めから検察に任すということでまいっておりますが、これを徹底的究明せよというふうに命令することも一つの指揮権の発動であり、するなということと裏返しになるわけでありますから、検察に任せて検察が適正にやることを見守っていくことが、私は極めて大事なことであるというふうに思っております。
○串原委員 総理に伺いましょう。
 総理は、今国会での審議、証人喚問や集中審議などを通じ、政治家関係の疑惑解明についてどう受けとめられておりますか。私は、まことに今回の審議では不十分だと考えています。参議院における審議、場合によれば閉会中審査もあるでしょう。次の通常国会においても継続して、国民の納得を得るまで疑惑の真相究明を行わなければならないと思う。行政府の長としての総理の所見を伺いたいのであります。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま法務大臣が答えしれましたとおり、検察当局が適正にその職務を執行してまいったことに疑いはございませんけれども、また国会は国会として、国政調査というお立場から、本件につきまして喚問あるいは尋問等のことをやっておいでになられました。このことは、国民に対しても、民主主義におけるいわば自浄作用とでも申しますか、みずからを清めるという意味でございますが、そういうものとして国中は理解をし、また大いな関心を示されたというように私は考えております。
 今後、この問題につきまして、国会がどのように国政調査のお立場から処理をせられますか、これは行政府としては申し上げるべきことでございませんが、国民としては、国会におけるそのよ上な御努力に対して、非常な関心と、また理解を二しておるものというふうに考えております。
○串原委員 竹下氏などの証人喚問等を通じて思いますことは、どうしても再喚問が必要であると思う。また、偽証の疑いありと私は考えているのであります。竹下氏や金丸氏が、結果として、竹下政権誕生の際、暴力団が関与していたことを認めていることを踏まえれば、国民の政治への信頼を回復し、政治改革を進めるためにも、竹下氏口議員を辞職すべきである、こう考えるのであります。竹下氏は、議員を辞職すれば暴力団との癒着を認めることになるから辞職しないと言っているのでありますけれども、これはまさに責任逃れであり、論理の逆転であると私は思うのであります。到底容認できません。
 この点について総理の見解を伺います。
○宮澤内閣総理大臣 ただいまの段階におきましてお答えをすることは適当であるかどうかという点もございますが、物事の考え方の問題といたしましては、私は、お互いにそうでございますが、有権者から支持を受け、委託を受けて、負託を受けてこの仕事をやっておる立場として考えますと、自分が有権者から信頼を失った、あるいは負託をせられた任務についてこれを遂行する能力を失った、そのような判断をいたしました場合には、これは有権者に対してやはり責任を果たせないというふうにみずから思わざるを得ない。その一人一人と有権者との関係はそういう意味では極めて厳粛かつ神聖なものであって、これが民主主義の一番の根幹でございますから、そのような判断は有権者から選ばれた一人一人がすべきものだというふうに基本的には私は考えております。
○串原委員 自民党の領袖、政権の中枢にある国会議員が不正献金や暴力団との癒着の張本人であったことは、重大な悪影響をもたらしております。このような重大な問題に対して、宮澤総理の顔が見えない、それが内閣に対する低い信任度となって各種の世論調査に示されているのではないか。自民党と政府の最高責任者である宮澤総理の責任も重大であり、毅然とした態度を示すべきであると思うのであります。厳しいけじめを示すべきときだと考えるのでありますが、総理の決意をこの際伺っておきます。
○宮澤内閣総理大臣 このような事件が起こりました場合に、行政府の立場としては、検察、警察、つかさつかさがございますが、そのおのおのが適正にその職務を行うことが大事である。先ほど法務大臣が言われましたように、私どもといたしましては、これをもちろんとめることはあり得ません。しかし、あふるということもあり得ないことである。消極的にも積極的にもその職務が適正に行われるということが私どもの職責である、そういうことを誤らないことが大事なことだというふうに思っておりまして、その点について私ども、欠くるところは今日までなかったと思います。
○串原委員 私は、ただいまの総理の答弁、まことに不満であります。国民の世論はそこにない。総理が先頭に立って、指導性を時には発揮しながら真相究明に汗を流してもらいたい、流すべきである、こういうことであろうと思っています。今後の徹底究明に対する国会の審議、あるいは検察の捜査等に期待をしながら、この問題は終わっておくことにいたします。
 PKOについて一言伺います。
 カンボジアをめぐる現況は、PKO協力法が定める参加五原則を満たしていないと考えるのであります。紛争当事者の停戦の合意は効力を失い、実質的に存在しないと言わなければならない。カンボジアの一五%を支配し、なお最強の軍隊を擁するポル・ポト派は、和平プロセスの第二段階である国連カンボジア暫定統治機構監視下の武装・動員解除に応じていない。去る十一月八日北京で行われた、行き詰まったカンボジア和平の打開策を探るカンボジア最高国民評議会特別会合でも、ポト派代表のキュー・サムファン氏はベトナム兵の残留などを理由に武装・動員解除と総選挙参加を拒む姿勢を変えず、説得は不調に終わりました。政府はこの現況をどう見ておられますか、御回答を願います。
○渡辺(美)国務大臣 カンボジア和平について、パリ協定に賛成をしたポル・ポト派が、武装解除の段階になっていろいろ注文をつけて、これに応じないでごたごたしておるというのが現状でございます。
 これに対しまして、UNTAC、また国連といたしましても安保理事会は、ポル・ポト派の言うことは事実と違うところも多いので、よく説得をして武装解除に応ずるように話をしておるところでありますが、なかなかそれが徹底をされない。しかしながら、パリ協定が破られたわけでなくて、彼らはパリ協定の実施、その第二段階を有利に展開しようという駆け引きでやっておるというように我々は見ておるのであります。今後ともポル・ポト派に対しては積極的に働きかけて、そして来年の選挙には参加するように仕向けていきたい、さように考えております。
 けさの未明、安保理におきましては、決議をもちまして、ポル・ポト派に対しては、門戸を開いておくけれども、しかしながらさらに一層強い態度で接触をしていくということを決められたわけであります。
 我が国といたしましても、それらの線に沿いまして、今後粘り強くポル・ポト派を孤立しないようにしながら働きかけてまいりたい、そう考えております。
○串原委員 私の予定しておりました時間が参りましたのでこれで終わることにいたしますが、以下私の残余の時間は新盛辰雄議員、関晴正議員、小岩井清議員に譲りまして、これで終わることにいたします。
○高鳥委員長 これにて串原君の質疑は終了いたしました。
 次に、新盛辰雄君。
○新盛委員 政治改革への最大なる使命は、佐川疑惑を踏まえた政治資金改革と腐敗防止の強化であるはずであります。政府が今回緊急政治改革として、特に政治改革協議会、与野党で一致しました政治資金規正法の罰則強化、あるいはさらにそれに十八項目、追加の八項目、野党が提出をしました企業・団体献金などの禁止、このうち三項目が一応合意に達したという形の中で二十一項目、いわゆる緊急政治改革の一環をなした。ある意味では小出しにしているというふうにも推測される内容であります。
 この間における政治改革への意欲は、私は、余り見られないのではないか。ましてや今回の違憲状態解消の緊急是正として、六年前の八増七減同様に、抜本改革をするんだという六十一年五月の第百四国会における国会決議をも何らの打つべき手は打たないで、ここでまた九増十減という、ある意味では三倍以上の違憲状態をより二倍に近づけたいということで、二・七七倍でここは当面乗り切ろうとされているわけでありますが、これでは抜本改革はますます遠のくのではないか。あわせて、自民党内部における政治改革本部では、今十一月末までに抜本改正を出すと言っておられました。それが、今回の定数是正の論議をやっているさなかであるから、この成立がまた怪しくなるということで十二月に持ち込もう。
 次々に政治改革の本体が変わってきているというこの状況について、総理はどういうふうに認論をされておられるのか。また、政治改革、抜本改正に対してどういうふうに決意されているのか、お聞かせをください。
○塩川国務大臣 この問題につきまして、またいずれまとめて総理からも御答弁があると思いますが、今までの経過並びに昨日公職選挙法特別委員会等において議論されましたものを集約いたしまして御説明させていただきたいと存じます。
 おっしゃるように、抜本改正を急ぐべきであるということはこれはもう私たちも当然のことでございますが、一方におきまして国会決議という広のも尊重していかなければならないということでございます。そして、現在の九増十減の提案をいたしておりますこと、このことに対しましても、我々行政側から見ましても非常に前進であるということを解釈しておるのでございます。
 そもそもこの議員の配分とそれから区割りの問題等につきましては、これはまさに国会に専属すべき権限でございますだけに、各党間におきますところの協議を待って初めて法制化されていくべき、そういう性格を持った法案だと認識しております。そうでございますので、今までの実務者会議並びに政治改革協議会等を経て成立いたしました、合意された案件でございますので、私たちは九増十減を、この案を含めまして、さらにおっしゃった二十一項目の合意というものは相当な前進であり政治改革である、こう思っておるところであります。
 なお、お尋ねの中にございました九増十減というものと、それと抜本改正との関係についての御意見でございますけれども、坂田議長のときにでされました見解の中に、定数の配分については山選挙区制を基本とするという趣旨のことがございまして、その部分につきましては、六増六減の問題等もございまして一応それはそれなりに済んでおるのでございますけれども、やはりそういう見解が出たということが、一つは我々としても国会の意思として見ていかなければならない、こう思っております。
 一方におきまして、一対一の理想に近づけるべく、少なくとも一対二の定数内におさめるということにいたしますならば、現行選挙区制度のもとにおいては非常に困難を伴うものであるということも事実でございますので、そこらにつきまして、抜本改革についての御意見をいろいろされる中で、その間におきますところの大きい思想の統合というものが非常に難航しておるのではないかと我々思っておるところでございますが、一刻も早く抜本改正につきましての各党の合意が得られますように、心から期待しておるものであります。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま自治大臣がお答えになられたことに尽きておりますが、政治改革について政府・与党が不熱心である、事をおくらせておるというような御指摘がありまして、それは私は事実に徴してさように思っておりません。
 すなわち、十八項目等々の改革は、前国会において事実上、これは共産党は入っておられませんけれども、各党の御相談においてほとんど合意ができておったものでございます。したがいまして、私どもは前国会においてこれが成立することを期待をいたしておりました。国民もそうであったと思います。それがそうならなかったことは残念でございますけれども、そのための準備が整っていなかったわけではございません。
 この国会に、したがいまして、事は持ち越されたわけでございますが、その間に何項目かの追加をまた各党で御協議がございました。そういうことの中で、公選特等において今御審議を願っておるところでございまして、何とぞ一日も早く成立をさせていただきたいというふうに考えております。
 九増十減につきましても、現在の格差というものは、最高裁等々の従来の判決から推測をいたしますと、放置できないものというふうに考えましたので、いわゆる緊急の是正としてこれも御審議をお願いをいたして、緊急の対応をいたしたいと考えております。
 これは、しかし御指摘のように、抜本改正というものを背景におきましての緊急是正でございますから、抜本改正につきましては、私どもの党内におきまして政治改革本部というものを設けまして、ほとんど議論は煮詰まってまいりました。それが何かおくれるのではないか、またじんぜん日を費やすのではないかとおっしゃいますことは、そうではございませんで、先ほど申しましたように、十八項目等々の改革が前国会で成立をしておれば抜本改革というものはすぐ次に登場し得る状況にあったわけでございますけれども、御承知のような事情で十八項目等々の改正が行われなかった、今日現在国会で御審議をしておられる状況でございますから、そういうことの中で抜本改革というものが私どもの党内で今議論をしておりますわけで、両方が混同されませんことは大事なことでございますから、議論を今一生懸命集約をしておりまして、間もなく政治改革本部としての結論は出てくるであろう、またそうしなければならないと思っております。
○新盛委員 結局この抜本的な改正という、今は確かに政治資金規正法などの罰則強化だとかほか十八項目、それにプラス三項目、これで当面の問題として緊急改正の役をなさしちゃう。しかし、じゃ抜本改正はいつまでにやろう。言うなら六年前に、これまで八増七減をやって、その間何にも手をつけてないわけです。国会決議では二名区・六名区はつくらない、そうした決議がなされているのにそれもやっていない。そして、今回はこれも棚に上げて、当面緊急改革として定数是正では九増十減。この形をとるなら、恐らくこれは、自民党の森喜朗政調会長が十一月二十九日、同党の宮崎県連の政経文化パーティーで発言をした内容で推測できるわけですが、九増十減案は世論の批判をかわす便法に過ぎない、まさに的を射ていると思うんです。
 結局、自民党が今選挙制度の単純小選挙区制度を出そうとされている、まとめようとされている。それには野党が猛反発をするだろうから、まとまりっこない、いつまとまるかもわからない。だとすれば、緊急避難的に今回の九増十減で、もう当面また二十一世紀まではこれでおやりになるんじゃないか。こういうことがなぜ今拙速にやらなきゃならないのか、ここに問題があるんです。
 違憲状態の解消とおっしゃいますが、確かにこれ、違憲状態の解消については私どもも既に法案を提出をして、二倍以内というので、あのさきの政治改革三法案の際にも提案をしております。しかし、自民党の提案されたのは、これは廃案になりました。したがって、それらの作業がいわゆる国民の世論形成をしなきゃならない今日の段階でこういうふうに一つの、まあある意味では宮澤総理自身の解散権に対するフリーハンドを与えたんじゃないかというふうにも言われているときです。
 だから、抜本改正と言うけれども一向にこれが進まない、そのことの前提で、それを今度の問題は定数是正としてまくらにしているんじゃないか、こう思われるから、ここのところをきちっとお答えをいただきたい。私はこの後公選特委で具体的な問題で質問する予定にしておりますから、ここは大筋で総理のそうした考え方をひとつ承っておきたい。
○宮澤内閣総理大臣 先ほども申し上げたわけでございますけれども、十八項目あるいは十減九増というようなことは今この国会でにわかに申し上げているのではなくて、もう既に前国会で成立し得べかりしものであったわけでございまして、何も今になって急にお願いをしているわけではございません。
○新盛委員 いずれにしても、この問題は今後の抜本改正という問題等も踏まえて、今後の議論をさらに続けていきたいと思っています。
 次に、今この補正予算の中に組まれております国際漁業の再編成対策という、いわゆる公海流し網、大規模なこの流し網漁業問題について。
 国際社会における一連の我が国に対する外洋の遠洋漁業を初めとする規制が極めて厳しくなってきている。こうしたことを踏まえて、もう既に出際的な漁業再編成という、さきに政府が打ち出しておられます救済対策ではもうとてもじゃないが救済できない状況に来ている、そういうふうに思われます。この問題について、これからの漁業外交を初めとして、国際漁業の日本のあり方として総理はどういう認識をしておられるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 農水大臣からお答えを申し上げます。
○田名部国務大臣 お答え申し上げますが、全般的に非常に厳しい環境になっております。特に共洋漁業等は非常に、公海ですら規制をするという時代に入ってまいりました。
 このイカ流し網でありますが、昨年の国連総会で、本年をもって、十二月をもって停止するということが決まったわけでありますが、まあこの山容でいろいろもっと、補償等の要求、そういう寸のはあったわけでありますけれども、アカイカの漁獲そのものが否定されたわけではないんです。イカはとってよろしいが、混獲がけしからぬというので、これは問題になってきた。
 御案内のように、大目流しにしてもイカ流し網にしても、五十キロから六十キロ引くわけでありますから、広い海から見れば大したことはないしこう言いつつも、それだけの大きな網ですのでいろいろなものがひつかかります。イルカとかそうしたものが入ることによってこれが国際問題になってきたということでありますから、私どももイカのとれる代替漁法、これを開発しようということでいろいろやってみました。やってみましたが、まあ中にはとれるものもありましたけれいも、全般的に見ると、これで漁業が成り立つ程度のものにはならない。
 しかし漁業は、御案内のように、サバでもイワシでもそうでありますが、とれる年ととれない年がありまして、さらに引き続きやってみようということでありますが、漁民の皆さんの中にはもう撤退したいという希望もございまして、従来から国際漁業再編対策、こうしたときには一つのルールを決めて、そうしてそのときどきの状況によって補償をしていこうということで決めていただいておるわけであります。十月八日に公海流し網漁業に関する減船漁業者救済措置の骨格を決めまして、平成四年度の今の補正予算に所要の予算を計上しております。これを通過させていただければ、実施の細目を定めて早急に減船交付金を交付したいと考えております。
○新盛委員 減船と、またそれに伴う交付金の問題に入っていきますが、確かに今お話しされたように、公海のイカ流し網あるいは大目流し網の漁業というのはイルカや水鳥が混獲されるから、国際的な環境の問題を初めとして、我が国も一面では提案者となってこの国連決議を、本年十二月までに完全に、しかも強制的に廃業させられる、こういうことになっているわけですから、当面、その救済として出てきます減船救済金の問題が今回の補正予算に組まれているわけです。国の総額は百六十四億、そして地方の自治体を初めとして七十億ぐらい、恐らく総額二百三十億ぐらいになるのではないか。減船の数は二百九十二隻、そして三千六百人の離職者が生じてくるわけです。
 こういう厳しい環境の中でございますから、これからどういうふうな手法をもってやるかということになります。今、具体的な交付金の水準は、新しいトン数として百三十トン以上のイカ流し網漁の専業船で一億三千四百四十万円と計上されています。聞くところによりますと、この程度の水準では円滑な減船措置はできないだろう。現に船主の借金は毎年膨れ上がって、二億から三億抱えていると言われています。こういう状況の中でまた、イカの加工業界、関連業界への多額の未払い金なども抱えていらっしゃるというように聞いています。
 こうしたことですから、関係地域では関連倒産がどんどんどんどん出てきている。したがって、こういうことから見て、従来方式と異なる減船交付金の算出、これが必要になってきたんじゃないか。今までは自主的に減船する。あの日ソ漁業交渉での沖取り禁止等で減船もございました。あるいは、二百海里設定のあの際には、莫大な減船措置をして救済資金を出したわけですけれども、今回の場合は強制的にやられたのでありますから、それに伴う措置は当然負担をすべきではないか。
 しかも、これは自治大臣の方も関連があるのでしょうが、この一億三千四百四十万円のうち二千四百三十万円が都道府県の何か持ち分になっているようですね、負担分。こういう状況ですから、今地方交付税交付金などが削減をされていくという状況の中でも、大変これは困っているのではないのかと思うのです。
 したがって、こうした救済について方式を少し変える必要があるんじゃないかと思う。この点は、農水大臣、どういうように考えていますか。
○田名部国務大臣 先ほどもお答えしたとおり、従来の漁業はもう全面撤退という条件のもとで、三年間なら三年間でやめていくというものに対してやったわけでありますが、今回は、やってもよろしいが漁法を変えるという一つのことはありました。
 しかし、そんなことはそれとして、実際に救済措置については経営の実態をよく調べました。おっしゃるように、赤字を大分抱えておるというのはこればかりではありません。全体に漁業が厳しいものですから、赤字を抱えておる。そうすると、どれで抱えた赤字を補てんするのかということになると、これはいろいろ議論があります。お願いする方は多い方がいいし、しかしそれにはおのずから限界がありますけれども、操業実態等もこれは踏まえたんです。いろいろな角度から、ルールはルールとしてありますけれども、十分それらのことを踏まえて、厳しい財政事情ではありましたけれども、でき得る限りの配慮をしたつもりであります。
 いずれにしても、地方、都道府県の負担をどうするかということでございますが、何といってもこの流し網漁業というのは、私の青森県も相当の影響を受け、特に八戸が影響が強かったわけでありますが、それが地域の経済を担ってきたことは確かなんです。そういうことも踏まえまして、従来もこの種のものについて関係都道府県において自主的な判断で所要の財政措置をお願いしてきた。これは自治省にもお願いもしなければならぬことでありますが、いずれにしてもそれぞれの県の独自の判断というものがここにあるわけでありますから、そういうことをあわせてやっていきたい、こう考えております。
○新盛委員 交付金の早期支払いを要望しておきますが、特別交付金などは、減船を決めてすぐ支払われるという仕組みになっているわけですから、漁業者の必要に応じては農林水産大臣、分割払いもひとつぜひ考慮に入れていただきたい。
 次に、離職者対策、退職金。
 今回の減船によって三千六百人が離職をするわけです。したがって、これにはいろいろな問題がございます。船主にしてみれば、のれん代、退職金、網代、漁具、こういうもろもろのものを抱えているわけですから、この交付金が来たことによって一応それを支払いしなきゃなりませんが、政府からの一定限度の救済金が支払われる方式はもちろん承知しておりますけれども、この際、漁船員の統一的な気持ちといいますか、要求は「にんしろ」で十カ月分、約百七十万円ということなんです。
 しかし、政府交付金は、先ほど議論したようにこれに対応できるだけのものとはなっておりませんから、この際、政府の算定、この不足の分はみんな船主が払うわけですから、借金を抱えている経営不振の船主としてはもはや夜逃げでもしなきやどうにもならぬ、そんなことにもなるので、この辺の指導は明確にしていただかなきゃなりません。同時に、船主負担がこんなに増大をしてまいりますと、借金づけの中でさらに自前でやろうということはとてもできない。そういう面では乗組員もその経営内容を知っているわけですから非常に不安を持っているわけです。
 ここで重要なのは、この救済費交付金のうちにいわゆるのれん代というのがあります。減船する漁業は、これは船主ももちろんですが、乗組員広一緒なんです。したがって、こうしたのれん代の一部負担は、これは船主だけじゃなくて乗組員にも同じ性格のものとして配分する必要があると思うので、この点はどういうふうにお考えですか。
 それともう少し。それと、この地元の方で船主が退職金をお払いになります。ところが、金がないですから、結局印鑑だけは漁船員の印鑑を預かっていって、自分で捺印をして、支払いが非管に不正常になっているという現実があるわけです。こうした解消をぜひやっていただきたい。号ういう面では直接政府が支給における関与をすベきではないかという強い希望がありますから、号の点を踏まえて御回答いただきたい。
○川合政府委員 お答え申し上げます。
 この救済金につきましては経費の補てん金、これは例示的に申しますと、漁具の費用あるいは退職金とそれから特別交付金、先ほどのれん代というふうにおっしゃられましたものから成っているわけでございます。
 基本的に、この退職金に見合う部分につきましては、操業実態に応じまして一定額について補てんするということをいたしております。これは、従来もその例があるわけでございます。そうしたことからこの一定額を定めたものでございます。しかしながら、具体的な退職金の支払いは、申すまでもなく基本的には労使の間で決定すべきものでありますので、私どもの立場としては、これが円滑に行われるように指導をしていかなければいけないと思っております。
 なお、のれん代についてでございますが、これも御承知のように営業に関する救済あるいは今後の転換その他に充てる費用として漁業者に交付されるものでございますので、この使途につきましては私どもの方から具体的に申すわけにはいかないと思っております。
 最後にお触れになりました退職金が実際に渡るかという点でございますが、これにつきましては、私どもはこれが渡るということを確認の上こうした救済措置をやるということにしておりますので、そこについては十分注意してまいりたいと思っております。
○新盛委員 次に、今社会的な問題になっております水俣病の問題で明確なお答えをいただきたいと思うのであります。
 水俣病は、公式発見以来三十六年が経過をしました。二千三百人の被害者、もう既に高齢化し、そしてまた救済を受けるはずの皆さんも死亡していくという極めて深刻な状況になっております。原告らの被害者たち、生きているうちに救済をと血の叫びを上げて今日まで来ております。もう政治的にも人道的にも早急な完全解決が必要である。そうした面で、県、チッソ及びこの水俣訴訟原告団の間では、ここ二年間の間に何とか和解協議ができないものかと懸命な努力をされて、それが積み重ねられてきたわけです。
 そして去る八月十九日には、福岡高等裁判所の事実上の和解案が示されました。症状に応じてA、B、Cの三グループに分けて、基準額それぞれ四百万円、六百万円、八百万円、一時金の所見を示されたわけでして、現在、この和解による早期解決を図ろうということで百万人署名運動も行われました。現に八十五万の署名が野党の方に手渡されて、皆さんのところにお届けされていると思います。
 そうした中で、また一面では、国連の方にお出かけになってノーモア・ミナマタと、国連採択で求める、この百万人署名を持っていわゆるニューヨークの方に参られてガリ事務総長に提出をするという国際話題になっている。しかも、さきに行われました地球サミット、ブラジルでの会議でもこの問題は議論としてなされていたはずであります。
 こういう状況から見て、政府は、事の推移はもう相当に進展をしている、状況が変わった、こういうふうに認識をしておられるのかどうか。そしてさらに、和解拒否の関係閣僚会議、いわゆる皆さん方が、既に水俣問題については和解にといってもなかなかそうはいかないというのが、平成二年十月二十九日に行われました水俣病に関する関係閣僚会議で、水俣訴訟における国の責任論、病像論、「当事者双方の主張には大きな隔たりがあって、」「当事者双方が容認し得る和解の合意が得られるとは到底考えられない」「したがって、現時点において和解勧告に応じることは困難である。」というこの了解事項のもとで、現時点においてはどうしてもこれは解決できないんだということで和解のテーブルに着くことを拒否をされていました。私は、前回の予算委員会でも、昨年の予算委員会でもこの問題を取り上げたんです。
 それで、もうおわかりですから中身でぜひとも考えていただきたいのは、もはや責任論とか病像論だとか、当事者間のこの主張の隔たりというのはもうなくなっているんじゃないか、クリアできているんじゃないか。したがって、今回のような、この公式見解発表以来三十六年もたっているんですから、この際、新しい段階に来た、こういう認識をしておられるのかどうか、また、本当にこの問題の早期解決をお図りになろうとしているのか。
 総理もよくお聞きになっていると思います。これほど国内の公害問題としてクローズアップされている問題はないのです。いわゆる環境を語る前に、まず日本の内部におけるこの水俣のこうしたいわゆる公害を除去しない限り前に進まないんじゃないか、こういうふうに思いますので、この際、明確なひとつお答えをいただきたいと思います。
○中村国務大臣 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、水俣病問題は環境行政の大変重要な課題だという認識のもとに取り組んでいるわけでありまして、これまで公害健康被害の補償等に関する法律というのに基づきまして三千名近い方の患者の方を認定して、医学的知見に基づいて公正な救済を推進してきたところでございます。
 また今年度から、平成四年度からでございますが、新たに中公審からの答申に基づきまして、水俣病総合対策事業というのを講じておりまして、既に三千名近い方々がこの対策に基づいて医療費や医療手当の支給を受けるということになっております。これらの行政施策を推進することによりまして、水俣病の早期解決が図られるように最大限の努力を払ってまいりたいと存じております。
○新盛委員 いや、同じような答弁を私は聞こうとは思わないのですよ。
 今確かに三者の間においては、熊本も鹿児島も、この関係、熊本県では県議会でこのことに対する決議をされています。早急に国がテーブルに着いてほしい。いわゆる裁判所の勧告に基づいたこれからの早期解決は、国がその意を示してもらえば何とかなるんだ。その市町村長、そして議会、七十数市町村が全都市長を初め、町村長を初めとして決議をされて皆さんのところへお持ちになっているでしょう。こういうことなんですから、この際、三者は一致している。せっかく四百万、六百万、八百万の和解の所見が出ているのですから、それを受けよう、チッソ側もそのことを努力をしますということをお答えになっておられます。
 問題は、国がどういうふうにこのことに関与するか。ーテーブルに着いて話を聞くだけでもいいじゃないですか。現にそういうふうに動いているのに、まだ対立点がある、到底現時点では応ずることにはならない。もう何年たちましたか。平成二年からだってもう二年たつのですよ。そういう状況を皆さんの方でもやはり真剣に受けとめてもらわなければいけないのですよ、これは。どうするのですか。
○中村国務大臣 裁判所からいろいろな見解、幾つかの見解が示されているということは存じております。その中には新潟地裁、東京地裁の、国には損害賠償の責任がないという判決もあるわけ弧あります。
 そして委員、和解ということでございますけれども、この本件の訴訟の争点というのは、究極的に考えますと、何らかの損害が生じた場合に、どこまで国全体、すなわち国民全体、すなわち国民の税金で、全体で負担して賄うかということでございまして、行政のあり方の根幹にかかわる問題を含んでいるわけでありまして、裁判所からいろいろな判断が出されたということで、この重要の法律問題を一気に解決できるという問題ではないというわけだと思うわけでございます。
 交渉等によって妥協を図るということが大変離しい、こうした根本問題がある。その中で、先ほどから申し上げていますように、水俣病の周辺の方まで含めた総合対策というのを実施をして、早期解決を図っていきたいという、最大の努力をしているところでございます。
○新盛委員 確かに水俣病総合対策ということで、この六月から政府が新規事業としておやりになっていることも承っています。現実、そのことが大きな成果も上がっているわけですが、総理、ここでぜひ、この問題は、感情論だとかあるいは各裁判所の、東京地裁あるいは福岡高裁等、意見が違うじゃないかという判断がいろいろと言われておるわけですけれども、前向きに早期解決をすることに努力をするということはできませんか。総理の最後のお答えをいただきたい。
○宮澤内閣総理大臣 事情は先ほどから環境庁長富から御説明を申し上げたとおりでございます。なお、よく検討をいたしたいと思います。
○新盛委員 どうも。
○高鳥委員長 これにて新盛君の質疑は終了いたしました。
 次に、関晴正君。
○関委員 私は、今日、あかつき丸が懸命にプルトニウムの輸送に携わっていることを思いながら、我が日本が何のためにこのプルトニウムを使わねばならないのだろうか、つくづくこの問題についての我が国の取り扱い、我が国の方針、以前と変わりのないことを実は残念に思うわけであります。
 と申しますのは、この年の六月二十九日であります。フランスの首相が、これまで、それこそ花形であると言われた、燃料として燃やした以上の燃料が生まれる、そういう高速増殖炉のスーパーフェニックス、このスーパーフェニックスは百二十四万キロワットの電気をつくるという世界にない最大の、フランスの誇っておる実証炉であります。我が国は今「もんじゅ」をせいぜい二十八万キロワットやろうということで努力しておるのですが、この秋の臨界の予定が来春に延びた、さらに来春の予定が来秋に延びた。このことの原因はどこにあるのだろうかということについても後でお答えをいただきたいと思うのですが、とにかくフランスがなぜ高速増殖炉の道を挫折しなきゃならなかったのか、このことであります。
 随分金をかけました。随分年数もかけました。このスーパーフェニックスが誕生して五年間、五年間の間に動いた日数というのはわずかに五カ月であります。六十カ月のうち五カ月より動いておらない。さらに、とまってしまってからこの二年間、また動きは全然できない。フランスでは二年間の間に運転再開しないというとやり直し。そうするとやり直しであります。やり直しをしても、またできるというならば別であります。まさにフランスは高速増殖炉から退却した、こう言ってもいいと思うのであります。
 そういう意味において、私はことしの二月にプルトニウムの社会をつくることはどんなものかということを取り上げて、いろいろと申し上げましたし、しかしながら、今の政府の考え方は、予定どおり進むばかりだというのがさきの総理の私に対する答弁でございました。何でも予定どおりすればいいというものではない。事態が変わったら変わったなりに即応するものがなきゃならないと思うのです。
 そういう意味において、私は、ことしの六月の二十九日におけるフランスの首相の決定というものは、大きな変化をもたらしたものだ。いつまでも我が国もプルトニウムで、この計画によりますというと、二〇三〇年ですよね、もう四十年後です。そのときに使うんだというものについて、望みを持っておるんでしょうけれども、ここから退却していいんじゃないだろうか。
 そうして、それよりは、とにかく太陽電池を使う道を選んだらいいじゃないか。太陽電池は今から二十年前までは一ワットのコストが三万円もしました。それが二十年たった今日、一ワットのコストがどのくらいかというと、七百円まで下がったのですよ、七百円。あと十年たったら恐らく百円台にいくでありましょう。またそうさせなければならない。それは、今そこに座っている通産大臣としての最後のお務めになるんじゃないだろうか、こう思いますので、お答えの中にはひとつそのことも含んでやっていただければと、こう思うのであります。
 何としても私は、我が国のエネルギー政策、このエネルギー政策のあるべき道というものは、誤った道をやめること、そうして正しい道に入ること。誤った道というのは、プルトニウムヘの道であります。正しい道というのは、今輝いている太陽の光を利用する道であります。
    〔委員長退席、町村委員長代理着席〕
 太陽の光がP半導体とN半導体の接全部分に当たりますというと、電気が湯水のようにわいてくるのですよ、皆さん。こんなありがたい発明をしたのは日本人です。特に三洋の桑野さんの働きというものはすばらしいものがあります。科学技術庁の長官賞もいただいているでしょう。日本の太陽電池が世界にそれぞれ売られているじゃありませんか。おくれている国々はこれを享受して喜んでいるでしょう。私は、原子力発電所を売るよりは太陽電池を売って、おくれている国に貢献することである。また、我が国がCO2を排除するためにおいても、あるいはNOxを排除するためにも、太陽光発電、太陽電池、これを徹底して大量生産に道を開いてやることです。
 ことしの予算、三分の二の補助をすると言って八億四千万を組んだけれども、何です、この金。来年はどのくらいになるのか、まだわからぬけれども、これだって大幅に広げて、とにかく家庭にまで及ぶようにしたらいかがです。三分の二の助成制度というものを広げることです。せめてこの年に一千億ぐらい、来年度において予算を盛ったらいかがです。何兆円減税とか何兆円対策というのもあるけれども、私は、この太陽光発電の方向に、太陽電池の方向に一兆円計画を立てて進むということがどんなに大事なことかな、こう思っているのです。
 そういう意味において、とにかく今プルトニウムの輸送の問題で各国は大変な懸念です。外務大臣だってこんなことになるとは思っていなかったでありましょう。我が国を取り巻くところの諸外国、特に太平洋に浮かぶ島々の国々、これらの方々は先般日本に来て何と言ったか。小さな島に住んでいるけれども大きな海は汚さないでください、この言葉は本当に頭に入りました。日本がこれらの国々にそういう太陽電池でも送ってあげて光を与えることがいいことじゃないでしょうか。プルトニウムを持ってきて、そうしてできもしないエネルギー生産への道に入るなんということはよした方がいいと思うのです。
 この間、我が党の水田君の質問に、とにかく科技庁長官答えておりました。やめたんじゃない。この認識はまた直してもらわなければならない。やめたのです。やめたのですよ。いずれ再開するかもしれぬ。再開じゃないのです。もし今度やるとすれば出直しなんですからね。再開というものじゃないのです。ですから、スーパーフェニックスを断念した、どんなに苦しんで断念したかということも、またあの報告を見ればわかります。安全報告書を恐らくよく読んだと思うのです。
 それらに照らし合わせまして、日本のエネルギーの道というものは私はやはりここで変えていかなければならない。これまでの既成計画に基づいてここに執着して動きのとれないままにいくのか、今私が申し上げた正しい方向へ突き進んでいくのか。サンシャイン計画にしてもNEDOの計画においても立派に取り組んでいるじゃないか。あるいはまた、太陽光発電所が実験として成功して、西条の知見もあるじゃありませんか、この間行ってみましたけれども。あるけれども何らこれが活用されていないじゃありませんか。せっかく千キロワットも生産するのに成功していながら、ただ保管しているということでしょう。何のためにこういう実験をし、何のために成功して、そして使わないままにしておるのですか。
 そういう意味において、各国に不安を与えないためにも、特に核武装を日本がするのではないかという懸念を払拭するためにも、こういうものは入れませんよ、また、つくりませんよ、こういう方向での道を私はここでつくり上げるようにしからどうだろうか。それがためには、宮澤総理に、前のときには、プログラムどおりに進むんだ、こうおっしゃったけれども、そうでなくて、やはわこれは少しは考えなければならぬかな、少しけじゃない、おれの最後の仕事に、じゃ、これに向かおうかな、このくらいのことで私は取り組んでしかるべきじゃないか、こう思います。
 そういう意味において、総理、それから外務大臣、通産大臣、科技庁長官、それぞれからお答えをいただければと思います。
○谷川国務大臣 太陽電池等のお話は通産大臣からお答えすると思いますが、まずプルトニウムの利用の問題についてお話を申し上げます。確かに、お話のように、フランスは高速増殖炉実証炉のスーパーフェニックスの運転再開を総理大臣、六月二十九日ですか、お話のとおり延期する旨の声明を出されました。ところが、七月に入りまして担当のキュリアン大臣から私あてに手紙が参りました。それからまた、私自身も八月と十一月に二度同大臣にお会いしまして、いろいろ話をしました。その中で、手紙の中にも書いてありますが、谷川さん、報道されているようにスーパーフェニックスやめたわけじゃありませんよ、これははっきり申し上げておきます、総理大臣から安全性につきましてさらに念査をするようにという指示がありましたので延期をしておるだけでございます、こういうお話でございました。それから、カーンというフランスの貿易産業大臣ですか、私の留守中に科学技術庁に来られまして、いろいろお話をされたようでございますが、その中でも同様の話をしておりました。
 それから、私、大変重要だと思いましたのは、八月にキュリアンさんにお目にかかりましたときに、谷川さん、ひとつ協力してくれないか、総理から高速増殖炉実証炉スーパーフェニックスでできるだけ廃棄物が出ないように、核種転換と申しておりますが、その方面でスーパーフェニックスが寄与できないか研究してくれということで研究しているので、日本の原子力技術、大変高く評価しているから専門家をひとつ派遣してもらえませんかという提案がありました。これは私喜んでお引き受けして、ただいまスーパーフェニックスの方へ専門家を派遣しておるところでございます。そういうことでございまして、これはやめたわけではございません。
 また、今、日本のプルトニウム政策のお話がありました。プルトニウムにつきましては、フランスなどはもう軽水炉で燃しておりまして、十年ぐらい日本よりも先を行っている状況でございます。実証炉につきましては、今お話しした。
 日本は「もんじゅ」でやっておりますが、御承知のとおり、原子力発電で全体の電力需要量の三割まで賄っておるのですけれども、燃料のウラン、これは全部輸入でございます。世界のウラン資源の二割を使っております。年々それはシェアが膨らんでいっております。今の状態で世界で使いますと、ウラン資源は四十年でなくなると言われております貴重な資源でございます。それを将来にわたりまして日本が余り多く使うわけにはいかぬということで、原子炉で燃しまして新たに生ずる貴重なプルトニウムを使おうじゃないかということで高速増殖炉の検討をしておるところでございまして、この方針は今後とも私どもやめるつもりはございません。また、今度の輸送につきましてのお話も出ましたから申し上げますが、当初から基本的には、在外公館を通じまして、今度の輸送の必要性とか安全対策、核物質の防護対策等につきまして、関係資料を提供いたしまして説明をしておるところでございます。また、特に心配を示してこられました国々に対しましては、要すれば、科学技術庁それから動燃事業団の専門家を現地に派遣いたしまして、詳しく説明をいたしまして御理解を得ているところでございます。
 私自身も、九月に国際原子力機関の会議がウィーンでございましたから、その際に、日本は原子力の平和利用、これは国是であるという旨、それから輸送の安全性についてはあらゆる措置を講じておる旨を説明いたしました。特に各国から何らの発言はございませんでしたことを申し上げさせていただきます。
    〔町村委員長代理退席、委員長着席〕
○渡部国務大臣 関先生、大変太陽光発電に御熱心で、いつも御指導をいただいておることに敬意を表します。これは言うまでもありませんが、クリーンな自給エネルギーとして力を入れていかなければならないということで、昭和四十九年から始めまして平成四年までで既に八百五十億のお金をかけて、これの技術開発また大量生産による低コストということで努力をしてまいりました。またこれからも、先生からいつも励ましていただいておりますけれども、私ども力を入れてまいりたいと思います。
 そういう意味では先生と全く同じ考えなんですけれども、ところが、今いろいろ力を入れておりますけれども、大体二〇〇〇年で十万キロぐらいに、力を入れて頑張ってなるかなと、こういうことでありますから、これは原子力発電の場合と比べて、こっちを一生懸命やれば原子力発電の方はやらなくていいということには全くならないんで、私など子供のころ、私の郷里の猪苗代はまさに水力発電の宝庫だと言われて、東京の電灯、猪苗代の送電線が切れれば真っ暗くなるんだという誇りを持っておりましたけれども、これが二十万キロですから、今原子力発電の場合、小さいのでも一基百万キロですから、まるで今日のエネルギーに対する国民生活の需要度が変わってしまったわけですから、また先生も私も努力して、もうテレビも見ないことにしましょう、電化製品も使わないことにしましょう、あの霞が関ビルも一生懸命八十階でも六十階でも歩いていきましょうと、これならば原子力やめて水力や光発電でいこうということになるわけですけれども、もちろんなかなかそういうわけにはこれはまいりません。ますます国民生活も経済も豊かになっていく場合はエネルギー需要がふえるし、今日国民生活が非常に経済面で安定しておるのは、いわば経済、国民生活の血液であるともいうべき電力料金が非常に安い価格で、しかも安定して……(「高いじゃないですか」と呼ぶ者あり)いや決して。下がっているんですから、この十年間の間。他の物価と比べては極めて安定して供給されていることで国民の生活が安定しておるということを考えると、光発電も一生懸命やりますから原子力発電にも御理解を賜りたいと存じます。
○渡辺(美)国務大臣 せっかくの名指してございますが、私があんまり長々と答弁すると時間がなくなっちゃいますので、一言だけ。
 世界の国々の理解を得られるように努力します。
○宮澤内閣総理大臣 関係閣僚からお答えを申し上げたことで尽きますけれども、確かに太陽の熱、光の利用というのは非常に大事なことと思いますが、長期的な需給あるいはコストということについてはっきり見通しが立ちませんと、やはり原子力発電というものを重視せざるを得ないというふうに思います。
○関委員 時間があと少ししかありませんが、ただ通産大臣、私は何も、原子力発電のうちでもプルトニウムの話をしているんですよ、あなた。あなたは今使っている原子力発電のことで私に答えているけれども、だれもテレビやめろの電気をしめろなんて、そんな愚かな話してませんから。あなたの答弁、先の方は幾らかよかったけれども、後の方は全くよくなかったと思っています。
 その次は、谷川長官、あなた、フランスがやめたということは、あなたにどんな手紙が来て、何を書いているかそれは知りませんよ。知らないけれども、少なくともフランスの政府が、五年かかって五カ月しか稼働しない、このものは、そうして二年待ってもやらないものだから、もう死亡宣言したんですよ、死亡宣言。いずれ不死鳥だから、フェニックスだから戻ってくると思っているかもしれぬけれども、そういうふうにはならないんです。これはなかなか。名前はフェニックスだけれども、そうはいかない状態になっちゃったんです。その点はあの報告書よく読んでください。そうして、フランスがそこへ思いをいたすため片は、総理大臣が決めたんですよ、向こうの。我が国であれば宮澤さんが決めたようなもの。ツルの一声というまではいかないけれども、とにかくこれはいろいろ苦労したんです。今やめればとにかくやり直しをせざるを得ない。七月三日というのが期限だったんです、ことしの。それまで何とか再開しようと、再開しようと、再開しようと努めたけれども、どうにもならなくて、五日前の六月二十九日に決断したんですよ。この決断は重いものなんですよ。その手紙でごまかしたってだめですよ、あなた。
 そこで、第二の質問に入りたいと思います。
 第二の質問は、これは本当に不思議なことだと言わなきゃなりません。等価交換というけれども、ちっとも等価交換でない等価交換を等価交換と言っている不等価交換の話なんです。
 これは、青森県の十和田市の三本木畜産農業協同組合というところがございます。ここは町の真ん中にあるんです。この町の真ん中にある土地と、同じ市ではあるけれども田んぼの中にある土地と交換をしたんです。十年前ですよ。面積の比率からいけば一対二ぐらいの比率で交換していますよ。価格を見ますというと、固定資産税の評価額を見ますというと一対二十ですよ。一対二十。ですから、一町歩と二十町歩と交換するというのが等価交換ですよ。あなた方に一つの許容範囲とかというものがあって、二割ぐらいまでは認めてやるかというので――二割認めたって及ぶものじゃないでしょう、あなた、一対二十の状態。しかも、あなた方の方の評価の相続税の財産における中身を見てもきちんと書いてますよ、それは。
 ですから、私は、こういうような等価交換といってごまかして、税務署が何も調べない。当該の十和田の税務署に資料あるかと言えば資料がないと言う。国税局に尋ねれば、国税局は守秘義務でございますというんで答えない。国税庁長官に聞けば、国税庁長官も口裏を合わせたように、これは守秘義務でございます。守秘義務というのは秘密を守ることですよ。おのれの非を守ることじゃないんですよ、これは。何です、このやり方は。こんな税務官僚の上に、私は、知らないで羽田大蔵大臣がおるんだろうと思うんです。羽田大蔵大臣だって、言われたらはたと困るでしょう、これは。
 こんなことを何で、役人の諸君たちは守秘義務ですといって逃げている。説明しなさいとあなた言ったはずですよ。説明に来るというから、じゃ何と答えるのと言ったら、守秘義務の説明だ。こんなことには私は時間がありませんよ、こう申し上げて、とにかく今日まで何らかの説明があるかと思ったら何もない。日本の税務署というのはこんないいかげんなことをしているのかなと思うと、この財政不如意のときにとんでもないことだと思うんです。
 この等価交換の不当性についてきちんと調べて、そうして、これはやはり間違いであった、何でそんなことになったんだろうかということについて、十二分に調査をして一つの結果を報告いただければと、こう私は思いますので、せめて今知っているところの範囲内で答えるものがあったら答えてください。
○瀧川政府委員 またおしかり賜るかもしれませんけれども、お尋ねの件は個別の事柄でございますので、具体的に答弁することは差し控えさしていただきたいわけでございますが、ただ、法人が固定資産を交換した場合につきまして、一般論でお答え申し上げたいと思います。
 そういった場合には、まず交換取得資産の時価とそれから交換譲り渡し、譲渡資産の帳簿価額との差額は、まず譲渡益として課税の対象となるというのが原則でございます。それに対しまして、法人税法第五十条というのがございまして、これは先生今おっしゃったことですが、同じ種類の固定資産を交換した場合には、例えばその交換取得資産の時価と交換譲渡資産の時価とが等価である、あるいはまた時価の差額が二〇%以内である、かつ同一用途に供しているというような一定の要件に該当するものにつきましては、その交換による譲渡益を圧縮記帳によりまして損金算入するということが認められております。
 また、これからがポイントでございますが、時価につきましてでございますが、交換取得資産の時価と交換譲渡資産の時価の差額が二割を超えている場合でありましても、法人税基本通達十−六−五の二というのがございまして、これは、交換をするに至った事情に照らしまして、正常な取引条件に従って行われたものであると認められたときには、交換資産の時価は当事者間において合意されたところによる、こういう取り扱いがされているところでございます。したがって、法人がこの圧縮記帳の措置を適用している場合には、こういった要件を十分に満たしているかどうかというものについて調査を通じて確認している、こういうところでございます。
○関委員 今のような答弁は、全く一般論の話であって、この実態に即していません。現実にこの交換の後、その土地がわずか一カ月足らずで十億で売れています、十億で。一億で交換した人の方が差し引きされたら九億もうけたということなんです。
 しかも、それは二年後税務調査が入っております。その税務調査は何を調べたのかわかりませんけれども、これには何にも触れていかない。青森県出身で大蔵官僚上がりの政治家が介入したなどという話が随分出てまいります。真実のほどはわかりません。普通の人であれば直ちにやられるものを、税務官僚上がりの政治家が入ったなどということになれば、税務署の職員というのはみんな縮まってしまうのだろう。ちょうど政治家が検事に対して圧力をかけているのと似ている姿がここにもあったのかな、こう思わざるを得ないわけであります。
 ただいまの答弁は、私は納得いたしません。話にもなりません。当時の税務署長はどういう調べをしたか、持ってこい、こう言いたいのです。
 しかも、こういう交換をする前には、当然前もって交換の話があるのです。ありましたよ、今回も。ありましたけれども、これに携わった税務職員は、これは問題にならない、こう言って断っております。おかしなことに、その断った方が間もなく転任された。転任された後に来たら不問に付されてこの仕事が進められていった。こんなおかしなことはないでしょう。こんな間違ったあり方というのはないでしょう。
 ただいまの次長の答弁は何です。よく当たったかどうかということについて調べもしないで、現場について行ってみるもしないで、下の者のやることに間違いがないだろうという信頼で言っているかもしれないけれども、言われたらどうかなあと思って調べに行ってみるべきです。私は国税庁長官に現地へ行ってこいと言いましたよ。ところが、この方は電話には出たけれども、顔も見せろわけではない。部下を差し向けますからと言って、その部下が何にも言いませんという説明に来ると言うんだから、用がないから来なくてもいいと言いましたよ。
 ただいまの答弁を聞いてもわかるとおり、これは不正事件だと思います。不正事件だと思うけれども、ある程度時効もあるでしょう。時効があるからどうでもいいというものじゃないと思う。事実はどうであったのだ、これだけは明らかにしてもらって、私は今後の税務行政のやはり戒めに、こうしたことはあってはならないんだから、そういう点についてはちゃんと指導すべきだし、ちゃんと行政が進められるようにすべきだと思うのです。
 大蔵大臣、ここで一言あればいいと思いますが、大蔵大臣。
○羽田国務大臣 今の御指摘のありましたことを私ども踏まえながらも、国税当局といたしましてはやはり常に適正公平な課税の実現、これに努めるようにさらに努力をしていきたいというふうに申し上げたいと思います。
○関委員 終わります。
○高鳥委員長 これにて関君の質疑は終了いたしました。
 次に、小岩井清君。
○小岩井委員 私は、刑法第百九十七条ノ四について最初に伺います。
 「公務員請託ヲ受ケ他ノ公務員ヲシテ」「不正ノ行為ヲ為サシメ又ハ相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク」、この「請託ヲ受ケ」については、要するに依頼を受けて承諾をすることであり、依頼も承諾も明示、黙示を問わない、すなわち暗黙の了解であってもよいということに学説、判例上なっております。最高裁判例では、昭和二十九年八月二十日の判決でこの判例が出ているわけでありますけれども、まず百九十七条ノ四について、このことについてお答えいただきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。
 今委員が御指摘になられました刑法百九十七条ノ四のあっせん収賄罪の罪は、もう委員御指摘のとおり、贈賄者において請託をなし、収賄者たる公務員においてこれを了承したということ、それから請託の趣旨が、収賄者が他の公務員の職務に関して当該公務員にあっせんをするというものであること、それから贈賄者と収賄者との間で利益の授受またはその要求、約束があったこと、それからその利益の授受の趣旨が、収賄者が他の公務員をして当該公務員の職務上不正の行為をさせ、または相当の行為をさせないようあっせんをし、またはあっせんをしたことに対する謝礼という点にあること、こういう要件が認められる場合に成立するものというふうに理解しているわけでございます。
○小岩井委員 私の質問だけに答えてくださいよ。今私が挙げたことは間違いないですかと聞いたのですよ。いわゆる暗黙の了解であってもいいのですね。その点が答弁から落ちております。いわゆる黙示を問わないということ。
 続いて伺いますけれども、この条文における構成要件については、「職務上不正ノ行為ヲ為サシメ又ハ相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク斡旋ヲ為スコト」の「報酬トシテ賄賂ヲ収受」することになっています。「職務上不正ノ行為」とは、判例上、職務行為そのものに限られず、職務の密接に関連する行為でもよいということになっています。これはいわゆる職務密接関連行為、判例では、同僚の職務公務員に働きかける行為について報酬的な金品をもらった場合、あっせんの報酬性を持つものにはあっせん収賄罪が成立する、これは最高裁昭和四十年九月十七日判決、ということになっておりますけれども、先ほどの黙示、いわゆる暗黙の了解とあわせて、このことについてもそのように解してもよいかどうか。それはイエス、ノーで答えてください、中身は結構です。
○濱政府委員 お答えいたします。
 今委員が仰せになったことは、一般論としてそのとおりでございます。
○小岩井委員 黙示もそうですね。――はい。
 私が今二点にわたって刑法百九十七条ノ四について確認をいたしました。そのとおりだということに御答弁をいただきました。私は岡村検事総長の出席を要求をいたしましたけれども、出席をされていないのは極めて残念でありますけれども、このことについて法務省当局に質問をいたしたいと思います。
 金丸信氏の臨床尋問で、東京佐川から十数億円の献金の申し出があり、一たんは断った。しかし、後に生原秘書が五億円受領した件について、東京佐川と金丸氏とはなぜ十数億円献金を申し入れする関係にあったかについて次のように答えています。これは速記録六十四ページ。
 「○金丸証人 私はそのとき考えました、何でそんな金をくれるんだろうかと。」「いろいろ労働条件が何だかんだというようなことで国会で問題になったというような問題もあるし、」途中省略いたしますが、「何かあってこういうことを私のところへ来られたんだ」「それを断って行かなかったということは、最初はもらいたくないという考え方だったが、持ってきてくれちゃった。それを右から左に、いわゆる政治団体に入れて、それを配っちゃったと。後の祭りと考えたが、」ということがあるわけであります。
 ということは、この五億円の金の性格について金丸氏は、労働基準法などの違反が国会で問題になったとき、東京佐川に都合よく取り計らってほしいという渡邉氏の意図を暗黙の中に金丸氏が了解していたと解されるのではないか。
 検察庁は、略式起訴に当たって、このような金丸氏の認識について、本証人喚問以外に金丸信氏の取り調べをしたかどうか、この点について伺いたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。
 まず、委員が仰せになっておられます金丸証言につきまして、法務当局の方から御意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
 金丸前議員が渡遣元社長から五億円を受領した件につきましては、既に政治資金規正法上の量的規制違反の寄附の受領罪に当たるものとして、金丸前議員を罰金二十万円に処する旨の略式命令が発せられて、一方、寄附者である渡邉元社長は、その寄附が起訴済みの特別背任事件の余罪に当たること等を理由として起訴猶予処分に付されていることは、既に御報告したとおりでございます。
 したがいまして、お尋ねのあっせん収賄罪も含めまして、このほかに犯罪の嫌疑が認められたとは聞いていないわけでございます。それも昨日の御報告で申し上げたとおりでございます。
○小岩井委員 ということは、もう一度申し上げますよ。労働基準法などの違反が国会で問題になったとき、東京佐川に都合よく取り計らってほしいという渡邉氏の意図を暗黙の中に金丸氏が了解していたということに解されるわけです、金丸証言は。その略式起訴に当たって、検察庁、この認識について金丸氏の取り調べをしたかどうかと聞いたわけですけれども、今このあっせん収賄罪には相当することはないというふうに答弁がありましたけれども、これは調べもしないでそういう結論がどうして出るのですか。金丸信氏を調べたのですか、どうして出ているのですか。
○濱政府委員 お答えいたします。
 昨日の御報告でも申し上げましたように、この五億円の収支につきましては、想定される犯罪につきましてその成立可能性等を含めまして、それまでに収集した証拠を吟味、検討した結果、公訴を提起した以外の罪については訴追するに足る事実は確認できなかった、こういう結果であったということでございます。
○小岩井委員 公訴を提起した事実以外には該当しないということでありますけれども、調べないでそういう結論が出るというのはおかしいですね。全然調べないじゃないですか。その点指摘をして、後ほどもう一度答えてください。
 そして、速記録の第七十一ページ、金丸信氏は、ほとんど佐川は、私の問題は、五億円という金は多分、いろいろな負債もあるし、背任罪もあるというような問題が、私をして何とか利用したんじゃないかと解釈していると証言をしております。
 検察庁は、五億円の略式起訴に当たって、このような金丸信氏の内心の認識を知っていたのかどうか。知っていたとすれば、どんな方法で知っていたのか。先ほどの取り調べもしないで略式起訴をしたということとあわせて、この点についても伺いたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。
 先ほどもお答えいたしましたし、また昨日の御報告でも御報告いたしましたように、この金丸前議員に対する五億円の献金事件につきましては、その収支につきまして、収支に関して想定される犯罪とその成立可能性につきまして捜査を尽くしたわけでございまして、それまでに収集した証拠全体を総合して先ほど申し上げたような結論に達したということを申し上げているわけでございます。
○小岩井委員 これは捜査上の常識ですね。調べもしないで想定をしたというのはどういうこと外すか。取り調べもしないで想定をしたということはどういうことですか、はっきり説明してください。
○濱政府委員 先ほど申し上げましたように、この金丸前議員に対する五億円の献金事件につきまして想定される犯罪、その成立可能性について証拠上吟味、検討した、こういう趣旨でございます。
○小岩井委員 調べないで想定をするということについて、これは極めて検察の取り調べの常識としておかしいと思うんですね。この点についてもきちんと答弁をしていただきたいわけでありますが、時間がありませんから、後ほど答弁してください。その次も含めて、質問いたします。
 渡邉廣康氏に対して、五億円を献金した意図を調べたかどうかですね。百五十万円の制限を三百倍以上超えております、量的制限の。何らかの見返りを期待していたことは当然推定をされる、当然わいろ性の認識があるわけでありますけれども、この点について伺いたいと思います。
○濱政府委員 先ほどお答え申し上げました証拠、それまでに収集した証拠全体を総合検討したということの中には、もちろん渡邉被告人の供述をも聴取しているということは当然のことでございます。
○小岩井委員 それでは伺いますけれども、何の見返りも期待をしていなかったというふうに供述しているんですね。その点について、今あなたの答弁、そういう答弁ですか、確認をしておきます。
○濱政府委員 お答えいたします。
 個々のその証拠の内容についてはお答えはいたしかねるわけでございます。しかし、先ほど委員からもお尋ねがございましたように、被疑者を取り調べなくてもいいのかというお尋ねでございますけれども、これは被疑者の取り調べということは、その事件を担当しております検察官が、その具体的事件のそれぞれの事情を勘案し、それぞれの状況を踏まえて、例えば証拠の集まりぐあい、あるいは捜査の進展状況、あるいはその事件に適用しようとしている罰則の重み、軽み、そういうようないろんな状況を勘案して、そのそれぞれの具体的事件の具体的状況に即した捜査方法をとるわけでございます。被疑者取り調べということもその捜査方法の一つの方法であるということでございます。
○小岩井委員 贈収賄について、本人を調べないでわかるんですか。贈収賄について、本人調べないでわかるんですか。これ、明確に答えなさい。
○濱政府委員 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、本人を調べるかどうか、被疑者本人の出頭を求めて取り調べるかどうかということは、今委員御指摘の贈収賄罪をも含めまして、それは証拠の集まりぐあい、捜査の進展状況等を勘案して、それぞれの具体的事件に応じて考えるわけでございます。
 それからもう一つ、若干、今委員がお尋ねになっておられることに関連して、これは一般論としてお答え申し上げるわけでございますが、例えば政党の役職員としての立場であっせん行為をしたという場合を想定いたしました場合に、委員がおっしゃっておられるようなあっせん収賄罪は成立しないし、また、あっせんする事項が公務員による正当な行為である場合や、あるいは公務員以外の者による行為である場合にも成立しない、これは一般論としてお答えしているわけでございます。
○小岩井委員 質問だけ答えていただきたいということを申し上げておきます。
 なぜ何ら見返りの期待のない通常の個人政治献金と認定したかということについては、今の答弁でも非常に不明確ですね。なぜ何ら見返りの期待のない通常の個人政治献金と認定したのか、非常に理解ができません。この点についてもう一度答弁していただきたい。
 さらにもう一点、同僚の職務公務員、これは大臣、政務次官に働きかける行為にもあっせん収賄罪が成立するという判例、学説に立てば、五億円の配付先に大臣、政務次官がいれば、金丸信氏はあっせん収賄罪となります。五億円に関するこのような疑惑について捜査をいたしておりますかどうか、これもあわせて答弁してください。
○濱政府委員 お答えいたします。
 先ほどからお答え申し上げておりますとおり、それまでに収集した証拠全体からそういう判断をしたということでございます。
 それから、先ほど申し上げた渡邉被告人の供述というのも、これはその証拠全体の中の一つのものであるということは先ほどお答えしたとおりでございます。
○小岩井委員 ちゃんと質問に答えてください。というのは、金丸信氏のこの速記録の二十五ページ、「大臣やった者にはくれぬでもいいというけれども、大臣した者の中にも貧乏している者もいるから、それはやらなければならぬというのもあるかもしらぬ。」とありますね。ということは、まあ大臣で貧乏している人はいないと思いますけれども、職務公務員、大臣、政務次官にも働きかける行為についてあっせん収賄罪が成立をする、五億円の配付先に大臣、政務次官がいたとすれば、これは金丸信氏のあっせん収賄罪となる、この点についての捜査はしたのかどうか。というのは、金丸証言で出ているのですから。
○濱政府委員 お答えいたします。
 今再々委員の方から金丸証言を引用してのお尋ねでございますけれども、金丸証言自体について法務当局から御意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、今委員がお尋ねになっておられますあっせん収賄罪をも含めまして、この五億円献金、金丸前議員に対する五億円の収支含めまして、想定される犯罪についてその成立可能性というものを証拠に照らして判断して結論を出したというふうに聞いているわけでございます。
○小岩井委員 本人がこのように言っているのですよ。したがって、金丸信氏のあっせん収賄罪ですよ。これは政治資金規正法じゃなくて、あっせん収賄罪となるということになるのですけれども、この点について捜査をしていますか。
 それともう一点つけ加えますが、竹下氏は平成三年六月に二回、東京佐川の救済について話し合いの回数を持って、これについて金丸信氏、渡辺秀央氏も同席したと証言しています。竹下登氏は渡辺氏に対して、大蔵省に顔がきくから協力してやってくれと話をして、渡辺秀央氏はできる限りのことはしますと答えたと渡邉調書の中にあります。とすれば、これは金丸証言からいって、五億円の金はいろいろ大きな負債もある、背任罪もあることから、私を何か利用しようとして献金した。竹下氏、渡辺秀央氏の両人が佐川から献金を受けていれば、これはあっせん収賄の可能性も出てくると思うわけであります。この点について取り調べるべきであると思いますけれども、この点はどうですか。
○濱政府委員 お答えいたします。
 今委員たびたび金丸証言を引用してお尋ねになっておられるわけでございますが、金丸証言自体につきまして法務当局から御意見を申し上げることは、先ほど来差し控えさせていただいているわけでございますが、先ほど来委員がお尋ねになっておられますあっせん収賄罪等の罪をも含めまして、金丸前議員に献金された五億円の収支につきまして想定される犯罪については捜査をして、その結果、昨日御報告したような結論であったというふうに聞いているわけでございます。
○小岩井委員 質問に答えてください。取り調べもなしに想定をするということについてずっと一貫してそういう答弁だけれども、質問に答えてください。次に時間がありませんから移りますけれども、その点について、終始一貫した答弁について改めるように要請をして、次からきちんと答えてください。
 十月五日、金丸、竹下、小沢、渡邉の四人で、東京プリンスホテルで会ったと竹下氏が証言をしております。渡邉廣康氏の証言は、補佐人と相談の上、「ただいまの質問の、やはり自民党の問題だと思いますが、」と答えています。証言を拒否する理由として、十月五日、彼の会合が自民党の問題につながることを補佐人を含めて認めたことになるのではないか。竹下登証言の、十月五日には一切自民党の問題は出ていないというその証言と反するのではないか。この一点からいってもこれは偽証の疑いにつながりますし、竹下氏の再晩問の問題にもつながってくると思いますけれども、この点についてお答えをいただきたい。
 さらに、田中邸への訪問を丁寧に勧めた意図は何かとの渡邉廣康氏に対する問いに対して、竹下証言は、自民党との関連性はないと証言しておりますけれども、渡邉廣康氏は、私の起訴事実と直接関係があるとこのとき回答いたしております。故石井進氏への恩義を感じて債務保証したということでの自民党への依頼、これは起訴事実と直接関係があるということで裏づけられるわけでありますけれども、この関連性があることを消極的なことで認めております。この点についても偽証もしくは再喚問の必要があると思いますけれども、この点について法務当局の考え方、見解を伺っておきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。
 今委員お尋ねになっておられますのは、結局竹下証言と渡邉証言との違いについておっしゃっておられるんだろうと思いますが、これは結局そのような証言が偽証罪に当たるかどうかを論ずることにつながる問題であろうと思うわけでございまして、この点は国会が、自律権に基づいてまずもって国会が御判断される事柄であろうというふうに思うわけでございます。
○小岩井委員 偽証罪につながるというふうにお認めになったようでありますな。ということは、国会で決めるということでありますから、これは今後国会の問題にいたしたいというように思います。
 続いて伺いますが、長谷川信氏が十月六日田中邸に行き、竹下氏の訪問の仲介をする段取りを渡邉廣康氏がとったということでありますけれども、それについて否かの問いに対して、これも背任の目的の一つであり、自民党問題、竹下問題とかかわり、裁判に不都合なので控えると証言をいたしました。すなわち、長谷川信氏が竹下氏に田中邸行きを勧めた件も自民党問題にかかわっていることを客観的に認めたことになります。竹下氏は、あくまでも長谷川氏は先輩としての配慮からと証言をいたしております。この点についても偽証の疑いを強めたことになりませんか。この点も指摘をし、答弁をいただきたいと思います。
 続いて、渡邉証言の二十七ページ、竹下氏と故中尾宏氏を通じて会った件について補佐人に相談したのは、特別背任罪、故石井氏に自民党事件を通じ恩義を感じ、債務保証をせざるを得なくなった動機と関係のあることをはっきり認めております。この点についても竹下氏の偽証の疑いがあります。
 さらに、二十九ページ、問い四を再確認したところ、故中尾氏を通じた竹下氏との会合は、背任目的、石井氏への恩義、自民党問題と補佐人も判断した上であることを証言をいたしました。これについても竹下氏の偽証の疑いがあります。
 さらに、三十ページ、総理就任後の十一月中旬の吉兆での会合で、竹下氏がテーブルに両手をついてありがとうございましたと礼を言った件も、特別背任罪の目的と関連があることの証言であります。
 そしてもう一点、三十一ページ、一九九一年六月十三日と十六日、竹下氏が二回渡邉氏に会ったと証言をしている点について、これは背任の目的の裏づけになっていると、これまた渡邉廣康氏が証言をいたしております。このことについても、この会合が自民党事件、すなわち石井進氏への恩義、債務保証へつながった件の裏づけであるということを証言が物語っていると思います。
 以上は指摘をいたしておきます。
 最後に、今後刑法百九十七条ノ四のあっせん収賄罪についての取り調べを行うかどうかについて伺いたいと思います。
 さらに、この一連の問題を通じて見て、生原秘書の証人喚問の必要性がますます強くなってまいりました。この点についての生原秘書の証人喚問を要求いたしておきたいと思います。
 さらに、総理大臣に伺います。
 竹下氏の疑惑がますます強まってきたということは御認識になつでいると思います。さらに、竹下氏関与の疑いもますます深まってきたというふうに思います。この際、自民党の総裁としての総理大臣、竹下登氏に辞職勧告をするお気持ちがあるかどうか、この点について伺いたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。
 まず、委員の前段のお尋ねでございますが、要するに証言の間に食い違いがあると見るか否かということは、これはもう証言の趣旨……(小岩井委員「そんなこと聞いてないでしょう、私は」と呼ぶ)前段のお尋ねはそうであったと理解いたしましたが、したがって、それはそのような証言が偽証罪に当たるか否かを論ずることにつながる問題でありますから、国会が御判断いただくことであるということを申し上げるわけでございます。それは先ほどもお答えしたとおりでございます。
 それから、あっせん収賄罪等の点も捜査するのか、こういうお尋ねでございますが、もちろん検察当局におきましては、いつもお答え申し上げておりますとおり、刑法その他の罰則、刑事罰則に触れる事実があると思料いたしますれば、これは厳正に捜査を進めていくというふうに考えております。
○宮澤内閣総理大臣 先ほどもお答えを申し上げましたが、政治家の進退は、選挙民との関連において受けた負託、その負託を実行しなければならないための信頼、そういうことを中心にして、基本的には御自身が、一人一人自身が決定すべき問題だというふうに私は考えています。
○小岩井委員 終わります。
○高鳥委員長 これにて小岩井君の質疑は終了いたしました。
 次に、冬柴鐵三君。
○冬柴委員 公明党・国民会議の冬柴鐵三でございます。
 昨日、法務大臣及び法務省刑事局長から、佐川事件に関する中間報告がなされました。その中で、金丸前議員が佐川急便の渡邉元社長から受領した五億円の使途について、約六十名の国会議員の収支報告書の不記載罪または虚偽記入罪等について告訴をされていることにかんがみ、東京地方検察庁において、従来の捜査を踏まえつつ今後も捜査を続けていく、このような報告をされた点でありますが、ただ、この点につきまして、早くから日刊新聞各紙は落選中の議員について既に捜査を進めているということを報道しているのでありまして、そういうことを踏まえた報告でなければ誠実でないではないか、このように思うわけであります。
 いろいろ言いにくいところもありましょうけれども、こういう新聞報道、国民がみんな知っているわけですから、踏まえた報告、その点について再度その報告を補充していただきたい、このように思います。
○濱政府委員 お答えいたします。
 今委員御指摘になられましたように、お尋ねの事件につきましては、東京地検におきまして告発を受理して、なお捜査を続けているところでございます。したがいまして、今お尋ねの点は捜査の秘密に属することでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。
○冬柴委員 捜査の秘密ですけれども、周知の事実ですね。新聞に、十数名の落選中の議員を取り調べている、五億円の使途について取り調べている、これはもう周知の事実です。重ねて御答弁を求めます。
○濱政府委員 重ねてのお尋ねでございますのでお答え申し上げるわけでございますが、検察当局におきましては、今委員が御指摘の点を含めまして、約六十名の者の特定のために幅広く捜査を続けているものというふうに承知しているわけでございます。
○冬柴委員 もう一度重ねてお伺いしたいと思います。
 捜査を続けている、そういうものも、私の指摘したことも含めて続けている、こう私は理解するのですが、それでいいかどうか、お答え願いたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。
 今委員がおっしゃられたこともあえて否定する立場にはございません。否定するわけではございません。
○冬柴委員 そうすると、国会議員約六十名と、こう書いていらっしゃるわけですから、その中には落選中の方もありましょうし、もちろん当選して今議席をお持ちの方も含まれるわけであります。検察は特別の人を特別に扱わないというところであります。落選中の人と当選した人と区別することは絶対に許されません。したがいまして、今臨時国会が開催中でありますから、国会に議席を持つ人を取り調べるということは控えられることは理由があると思いますが、国会が閉会となりましたら、やはりそういう捜査を進められるものと私は今の答弁から論理的にそのように考えるわけでありますが、そのような理解も肯定されますか。答弁をいただきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。
 今委員が仰せになられましたように、国会議員であるかないかということで捜査をする上で差別をするようなことはもちろんないわけでございます。
○冬柴委員 そこで、この収支報告書の不記載罪、収支報告書に書くべき事項を書かないという罪は、政治資金規正法第二十五条に規定されていると思います。この法定刑は「五年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金」、このように規定されております。これの公訴時効はいついっと考えたらいいですか。
 これが平成二年一月、いわゆる平成二年中のことであるということを前提にいたしますと、その届け出義務は平成三年一月一日から三月三十一日までと規定されていると理解しております。したがいまして、平成三年一月ないし三月から五年間、すなわち平成八年一月から三月、それぞれに出した日に、対応する日に公訴時効が完成する、このように私は理解しているのですが、この理解には誤りはありませんか。刑事局長、御答弁をいただきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。
 今委員お尋ねの、政治資金規正法上の不記載罪についての公訴時効について仰せでございますが、そのとおりと理解しております。
○冬柴委員 それじゃ、総理にお尋ねいたします。
 総理は今、これは佐川急便国会の観を呈しておりますけれども、最も国民がその結果求めているところは、政治改革の各関連法案を成立させることである、このように思うわけでありますし、その前に政治家一人一人が政治倫理、政治家としての自己規範、そういうものを深く認識をして政治というものの浄化に努めなければならない、このように理解しているわけでありますし、総理の所信表明演説も私はそのようにお聞きをした次第でございます。政治家は最高の倫理が求められていると思うわけであります。
 ところで、同僚議員ももうこの国会、再三に尋ねたことでありますけれども、竹下登元首相に関する問題でありますが、総理は自由民主党の総裁でもあられますからお尋ねするわけでありますが、竹下登元首相は現在自由民主党の最高顧問の地位にいられるのではありませんでしょうか。その点についてお尋ねをしておきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 そのとおりでございます。
○冬柴委員 このような高い地位にあられる方、元総理であり、そして政権政党の最高顧問であられる方が、暴力団あるいは右翼と関連を持ったという強い、結果責任ですけれども、疑いを持たれております。
 また、検察が、他の人に対する刑事事件ではありますけれども、証拠として提出をいたしました検察官面前調書、この中に、具体的に申しますれば、プリンスホテルの会談の中で、日本自民党の行ういわゆる褒め殺し、これをやめさすための条件が暴力団の組長のあっせんによって引き出された、その内容が田中邸に対する訪問である、このような趣旨が書かれているわけでありまして、それを受けてその翌日、十月六日早朝八時に田中邸を竹下元総理が訪問されたということは、これは客観的な事実であり、本人も認められていることであります。要するに、訪問する前にそのような暴力団が関与していたかどうかという認識があったかどうかということで、この道義性というものが強く問われるわけであります。この調書では、竹下さんはそのことを知っていたということが大前提になって組み立てられております。
 このような調書だけではなしに、この予算委員会での竹下さんの証言、また金丸さんの証言、総合いたしますと、この検察官面前調書は相当裏づけをされた、補強をされた、このように私は考えるわけであります。
 さすれば、少なくとも議員辞職ということは、もちろんそこまでいくべきだという論は強いわけでありますが、とりあえず最高顧問について辞退を求める、当然ではないか。私どもは、この調書が検察官によって公開の法廷で読み上げられたときの日本国民の衝撃、外国マスコミにもこういうものが報じられたという事実、こういうことを総合いたしますと当然のことではないか。政治改革を今不退転の決意で進められる宮澤総理がとってしかるべき行為ではなかろうか、私はこのように思うわけでありますが、総理の所信をお尋ねいたします。
○宮澤内閣総理大臣 冬柴委員は、かねて極めて厳密に、慎重に御発言、御質問をなさることをよく存じておりますし、ただいまのお尋ねは、基本的にはまず法律的な基礎に立ってのお尋ねでございますので、そういうまず平面から最初にお答えを申し上げたいと思います。
 供述調書にこれこれのことがあったということ、供述調書というものが本来どういうものであるかについては私が申し上げるまでもないことでございますが、その中に御指摘のようなことがいろいろ言われておって、いわゆるあっせんであるとか、それについての条件としての田中邸訪問であるとかいうようなことが言われておるということでございました。
 そこで、当委員会におかれまして御当人を証人として喚問をされて、その点について御調査がございました。ございましたが、その結果として、この供述調書に述べられておるようなことに関して、それが事実であるという、そういう御発言は証人からはなされていないと私は承知をいたしております。これをどのように御判断をされるかは、これは院のお立場でございますけれども、御本人はそういう証人としての発言はされなかったというふうに存じます。
 したがいまして、残りました問題は、結局、冬柴委員が最初に言われました、いろいろな疑いというものが存しているではないかということに返るわけでございますが、これはもう申し上げるまでもない、人はすべて確定判決があるまでは無罪であると考えるのが我が国憲法、民主主義の原則でございますし、また、そのために冬柴委員御自身が非常な努力をなすっていらっしゃることを私はよく存じております。そのことは、法律的な議論としてはやはり動かせない、軽く考えてはいけないのではないかというふうに思っておりまして、ここまでのところは法律の観点からお答えを申し上げました。
 さてそこで、しかし、それにしてもこういう疑いが残っている、このことをどうするかというお尋ねでございます。
 ただいまこの問題につきましては、国会におきまして証人としての御喚問があり、また御調査も継続中である。本院におきましてそうでございますが、また参議院におきましても、一般的にはこれらの事件について御調査が行われるであろう、一般的にはそう考えることでございますので、そういう段階と並行いたしまして、いわゆる法律以外の考慮からただいまおっしゃいましたような最高顧問の問題を今考えるべきかどうかということについては、私は実は多少のちゅうちょを持つております。
 それは、世間的に見ますと、厳密な法律的な問題と実は切り離れているはずのことであっても、それはしばしば混同をされやすい。そのことは、誤りますと御本人に非常な迷惑をかける結果にもなりやすい。人はだれでも法のもとに平等であり、だれでも無罪を推定される、無実を推定されるべきものでございますから、そういう誤解が生じることは実は余り適当なやり方ではないのではないかということを私はひそかに実は思っておりまして、この法律問題とは別に、しかるべき時間がたちましたときに今おっしゃいましたような問題が考えられないかどうかということでございますと、これはまた別のことでございますけれども、ただいまとしてはそのように思っておりますことを御理解いただきたいと思います。
    〔委員長退席、町村委員長代理着席〕
○冬柴委員 総理が非常に慎重にそういうことを考えていらっしゃるということは非常によくわかるわけです。けれども、ただ国民の目から見ると非常に、もう少し政治改革を進めるべき責めを負った内閣として、その最高の地位にあられる方の言葉として余りにも慎重に過ぎるのではないか、このような感じがするわけでありますし、私もそのように思っているわけでございます。これは総理と違う判断でございますが。
 それでは、それは是といたしましょう、それは私も、総理がそうおっしゃるわけですから、このように世の中、世界まで巻き込んで騒がしている人が最高顧問の地位にあっていいのかな、こういうことを私は思っていることを指摘しまして次に移りますけれども、それでは、これも総理は自民党総裁であられますからお尋ねいたしますが、金丸信さんはすべての公職を投げ出されましたが、党員、自由民主党員としての党籍は離脱されたんですか。その点についてお尋ねをいたします。
○宮澤内閣総理大臣 そのことを私はつまびらかにいたしませんので、調べましてお答えを申し上げます。
○冬柴委員 何分ぐらいで返答、金丸さんが離党されているかどうか。
○加藤国務大臣 できるだけ早く、すぐこれから調べてみたいと思います。
○冬柴委員 それじゃそれは、その点につきましては、返答、この私の、もうあと、六分までですから、もう十分ありませんけれども、その間にひとつよろしくお願いしたいと思います。
 時間、これだけにとってしまいました。たくさん通告したんですが、非常にその意味では、法務省あるいは自治省、おわび申し上げます。
 ただ、自治省に一つお伺いしたいのは、政治資金規正法の中で、政治家個人、法律用語で言えば公職の候補者という政治家個人の立場でお金をもらった場合は、保有金としての届け出義務が政治資金規正法上あります。それから、政治団体が受け取った場合、当然あります。それから、指定団体、これは政治団体ですけれども、その上にもうちょっとつけ加えて届け出をする義務があります。
 いずれもこれに書いて届け出るべきことを書かなかった場合、あるいはそれを故意に虚偽に、うそのことを書いて出した場合には罰則が、先ほど挙げました政治資金規正法の二十五条というところで「五年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金」となっているわけでありますが、この個人の場合は、個人が受け取って、義務があるのに届け出をしなかった場合には罰則がないんですね。どういう立法理由ですか。立法趣旨を説明を簡単にしていただきたいと思うんですが。なぜ個人の場合は罰則がなくて、政治団体あるいは指定団体の場合には重い罰則があるのか、その差について答弁をいただきたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 保有金と罰則との関係でございます。
 御案内のように、保有金制度の趣旨は、政治家個人に対する政治献金の扱いについて公私の別を明らかにして、政治資金についてはその他の資金と明確に区別をして、その収支の報告を義務づけようとするということにあるわけでございます。この規定は昭和五十五年の政治資金規正法の改正によって新たに設けられた規定でございます。
 この五十五年の改正当時の、立法当時の考え方でございますが、これは収支のすべてを報告の対象とされている政治団体の場合と異なりまして、私人としての立場と、それから政治家としての立場の両方の側面を持っている政治家個人につきましては、政治資金とその他の資金の区別の客観的基準を法律上明確に定めにくいということなどがありまして、保有金の収支報告に係る義務違反については罰則は設けられていなかったというふうに承知をしているものでございます。
○冬柴委員 これは総理も本当に大変な問題ですから読み合わせていただきたいわけですが、政治資金規正法第十二条というのと、それから十九条の七というのを読み合わせますと、ほとんど文言が同じことでございまして、十二条は政治団体、それから十九条の七はいわゆる公職の候補者となろうとする者、そういう者がお金を受け取った場合には、こういう事項を、日にちも一緒でして、その年の翌年の一月一日から三月三十一日までにきちっと届け出をしなさい、こういうことが書かれているわけですが、片っ方の政治団体だけは、その届け出書を出さなかったとか、あるいは書くべきことを書かなかったとか、あるいは虚偽のことを書いたという場合には、その会計責任者ですけれども、その人に対して実に五年以下の禁錮という法定刑がある。それで、保有金の方は全く罰則がない。これは非常に奇妙な法律でして、ぜひ総理、問題意識を持って見ていただきたい、このように思います。
 時間が迫っていますが、まだわかりませんか。――じゃ、その点について法制局長官、こういう法律というのはあるんでしょうか、一言ちょっと、もったいないですから。同じ行為で片っ方は罰して片っ方は罰さない。
○工藤(敦)政府委員 お答えいたします。
 政治資金規正法の規定の構造がそのようになっていることは私存じておりますけれども、このような構造のものがほかにあるかと言われますと、私、今直ちにこれといって思い出すものはございません。
○加藤国務大臣 金丸前副総裁の党籍の問題でございますが、非常に短時間でありましたので、音の事務局で今調べた範囲ですと、党籍を離脱する手続がされたということの確認は今とれておりません。したがって、それ以上、より正確に調べるとすると、ちょっと時間が必要だと思います。
○冬柴委員 総理、実は私は質問事項をいつも全部書いてきて、全部通告をいたしております。昨日、通告をだれにしたかはもう申しませんけれども、通告をいたしておりまして、こういうふうに書いてあります。総理は自民党総裁でもあられるので伺うのですが、金丸信氏は自民党を既に離脱されているのですか、されたとしたら何月何日付ですか、このように質問しますということを通年をいたしておりますので、北側さんの質問の最後に一言だけ。委員長、北側さんの最後に私に一言だけその点について。その間また調べてください、三十分ありますから。どうぞよろしく。
○町村委員長代理 この際、北側一雄君から関連質疑の申し出があります。冬柴君の持ち時間の範囲内でこれを許します。北側一雄君。
○北側委員 公明党の北側一雄でございます。
 私は、主に自民党事件について質問をさせていただきます。
 まず、自民党の動きについて警察庁の方に最初にお聞きをしたいと思っております。日本自民党が、今回問題になっておりますのけ八七年の竹下当時の幹事長に対する街宣活動、攻撃でございますけれども、それ以前にも全く同じような手口で、これは八二年五月に森政調会長、自民党の現在の森政調会長への褒め殺しの街宣活動が行われておりました。これは右翼団体の国誠会の代表が森喜朗輝励会を結成いたしまして、森氏を総理にしようという街宣活動を行ったわけでございます。これは八七年に当時の竹下幹事長に対して日本自民党が行った攻撃と全く同じ手口であり、八二年五月の森政調会長への攻撃に日本自民党が関与をしておらなかったのかどうか、これが一点です。
 もう一点は、この街宣、森政調会長への街宣が終了した経緯について掌握をされておられますか。
○菅沼政府委員 お答えいたします。
 お尋ねのございました昭和五十七年五月中旬ころから同月末までの間、石川県下で国誠会という右翼団体の街頭宣伝車一、二台が、森喜朗輝励会という名称で、森喜朗議員を総理にしようという内容の街頭宣伝活動に取り組んだことは承知いたしております。この間、日本自民党の街頭宣伝車一台が、五月十六日の一日のみ国誠会とともに街頭宣伝を行ったものと承知いたしております。
 両者の具体的な関係等につきましては、承知いたしておりません。
○北側委員 今の御答弁で、今問題になっておる自民党事件の五年前に既に日本自民党が森政調会長に対する攻撃を、今一日というふうにおっしゃいましたけれども、国誠会という団体と一緒に街宣活動をしておった、そういう事実が判明したわけでございます。
 今回のこの自民党の街宣活動に対しまして、竹下氏側からもさまざまな働きかけがあったと思います。先日の竹下氏の証言によりましても、警察当局と相談をした。また、これは決算委員会での奥田運輸大臣の御答弁でございますが、「非常に憂慮しておった」「これに対して何とか対策の手だてがなかろうかということで悩んでおった」、このように御答弁されております。さらに、「私らの仲間も、同志もやっぱり何かいい手だてで話し合いがつけられないだろうかという形でおったことも事実でございます。」そのように御答弁をされております。さらに、羽田大蔵大臣も、十月十三日、ことしの十月十三日の閣議の後の記者会見で、当時しかるべき機関に抗議をしたんだ、そのように記者会見で述べられておるようでございます。
 警察庁の方にお聞きいたしますが、この八七年の六月から八月の間、東京都内で自民党が街宣活動をしておった際に、自民党のメンバーが九人、九件検挙されている事実、さらには八七年の九月の十九日にダイナマイトに似せた物品等が竹下氏の私邸等に当時送付されていた事件があったとか、さらにはこの九月の二十九日に、今度は議員会館の竹下事務所の方にけん銃とか薬きょう等が送付をされていたとか、これは日本自民党ではございませんけれども、ある団体からこういうものが送られてきた、こういうものがあって、それぞれ同日届け出によって捜査を開始していた、このような事実があったかどうか、確認をさせていただきます。
○菅沼政府委員 お答えいたします。
 お尋ねがございました日本自民党が、当時、東京におきます街頭宣伝活動期間中に、九人、九件を検挙いたしておりますこと、それから、昭和六十二年九月の十八日と十九日に模擬爆弾送達事件なるものが発生いたしましたこと、それから、六十二年の九月の二十七日にけん銃送達事件がありましたことは、御質問の中にありましたとおりでございます。
○北側委員 この八七年の自民党総裁選の前には、多くの右翼団体が竹下氏への攻撃をしておったというふうに理解しております。その中でも、この日本自民党の攻撃というのは非常に執拗で、かつ激しかった、そのように私は理解しております。この点、当局の認識がどうなのか。
 また、私、警察庁の方にお聞きしたいのは、こうした自民党の動き、街宣車がどう動くのか、また当時の総裁である稲本氏等の幹部がどう動いているのか、こうした自民党の動きについて、警察庁また警視庁が、私は相当な情報を保有をしておったというふうに思います。
 特に、先ほどの九月のダイナマイトを送付した事件ですね、ダイナマイトに似せた物品を送付した事件、これ以降は特に詳細な情報収集を行っていたと思います。稲本総裁の九月下旬から十月上旬の動きについてどのように掌握しているのか、御答弁をお願いいたします。
○菅沼政府委員 お答えをいたします。
 当時、自民党の総裁選挙をめぐりましては、日本自民党のほかにも、関東、中部、関西地区の右翼団体が竹下氏を批判する街宣活動やビラ配布等の活動に取り組んでおりましたし、また先ほどの模擬爆弾の送達事件やけん銃の送達事件などの事件が発生いたしましたことから、警察といたしましても、自民党総裁選をめぐる右翼の動向には強い関心を払っていたところでございますが、前述の事件と日本自民党との関係を特に裏づける事情はなくしたがいまして、これらの事件の発生を理由として日本自民党について特別に視察活動を強化したということはございません。
 また、警察は、一般に右翼団体の車両による街頭宣伝活動等につきましては、不法事案の未然防止の観点から所要の視察を行っておりますけれども、その構成員個々の動向の詳細までは把握いたしておりませんので、お尋ねの稲本総裁のことにつきましても、個々の行動については掌握はいたしておりません。
    〔町村委員長代理退席、委員長着席〕
○北側委員 それでは、先日の竹下氏の証言、また金丸氏の証言、この証人喚問の結果をどう読むかということを総理にお聞きをさせていただきたい、そのように思います。
 委員長、総理の方にこの金丸証言の速記録をぜひごらんになっていただきたいと思いますので……。
 総理もこの金丸証言、お読みになられたと思います。また、竹下証言についてもお聞きになられたというふうに思います。金丸氏はこの証言の中で一貫しておっしゃっておりますのは、私は自民党事件には余り関心がないんだ、総裁選挙の方はもう竹下で決まっているんだ、このような趣旨の御答弁がずっと続いておるのですね。
 そこでお聞きをしたいのですが、総理、十二ページをちょっとごらんになっていただきたいのですが、この速記録の十二ページのところで、村岡委員の質問に、質問が、
 昭和六十二年の十月五日、東京プリンスホテル
 において会合を持たれたと聞いておりますが、
 どなたが出席されていたかというその氏名を状
 べていただきたい。こういう質問をされておるのですね。(宮澤内閣総理大臣「十二ですか」と呼ぶ)はい。よろしいですか。そして十三ページで金丸証人の御答弁があるわけでございます。後ろから八行目からこういう言葉があるのですね。
 たまたまそのときはパーティーで下で、私も酒
 は強い方ですから、水割り三杯ぐらい飲んだと
 思うよ。それから十六階か何かに行って、そこ
 でも水割りが出た。そこで二、三杯飲んだ。そ
 ういう状況で、またその問題は、私はこんな話
 は何度聞いたって大事な話じゃねえやと、えら
 い関心がなかったということで、そのときの状
 況は余り詳しく覚えていないのですよ、実際
 は。酒に酔ってという意味でもないが、その程
 度では私は酒は酔わないんだ。このように証言されておるのです。総理、この証言からは、ここの「その問題」「こんな話」というのは、これはまさしく自民党対策でございます、自民党の問題でございます。この十月五日の東京プリンスホテルでの会合では、まさしく自民党対策が会合のテーマであったことを金丸氏自身が私は認めておられるところだと思うのですが、いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 お尋ねの意味はよくわかりましたが、ちょっと私にそこまで判断いたしかねます。
○北側委員 ここは、なぜ覚えていないかという理由は、お酒を飲んでいたからじゃないんだというふうにおっしゃっているのです。お酒を飲んでいたから覚えていないのじゃなくて、そのときの話が自分にはほとんど関心がない自民党の話だったから自分は覚えていないんだ、このように証言されておることは非常に重要な部分だと思います。まさしく十月五日の会談というのは自民党対策について話し合われた会合であることを金丸氏が認めている部分である、私はそのように思います。
 そこで、それを踏まえまして、竹下証言によれば、竹下証言を私整理しますと、何度も読んでみまして整理しましたら、こういうふうな流れになります。
 竹下氏の証言によれば、竹下氏は渡邉氏から、東京佐川急便の渡邉氏から田中邸訪問を丁寧な言葉で勧められた、竹下氏は、渡邉氏の話を聞きながら、田中邸訪問は街宣活動停止とかかわりがあると印象を受けた、そして自民党の街宣停止の条件なら従うべきでないと認識した、このように述べられているのですね。さらに、竹下氏の証言によれば、いずれ田中邸にもあいさつに行かねばならないという気持ちだったので、渡邉氏には明確な回答はしなかったのです、拒絶しなかったというのですね、明確な回答はしなかった。そして、自宅に帰った後、長谷川氏から六日の朝二時ごろに、中曽根氏のところに行く前に田中邸にあいさつに来るように竹下氏の自宅に電話があり、明朝の田中邸訪問を決断した、しかも、長谷川氏からこのような電話があったのは、恐らく渡邉氏から長谷川氏に連絡が行ったと思う、このように証言され、結局翌朝の六日の朝八時に田中邸を訪問をされているわけですね。
 私は、以上のことから、以上の金丸氏の証言、竹下氏の証言から言えることは、第一点目ですけれども、竹下氏は、田中邸訪問が自民党からの街宣停止の条件であるかもしれないと認識しながら、結果としてこれを実行した、この事実です。これを私は、竹下、金丸証言からはそう言わざるを得ないというふうに思います。いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 この竹下証人の証言は当委員会でなされたものでございますので、その証言をどのように解釈するかということは、有権的にはそれは当委員会の御任務であろうと私は思います。行政府としてそれにかれこれ申すことは差し控えたいと思います。
○北側委員 今国民が一番関心を持っておるこの佐川事件、国会で証人喚問がなされたその証言、それをどう読むか、それについて総理が御答弁できないというのは私はおかしい、そのように思います。
 さらに言わせていただきますと、同じく金丸証言の四十七ページをごらんになっていただきたいのですが、この四十七ページで、草川さんの質問に対しまして、草川さんが、「渡邉氏から稲川会の石井会長に頼もうと思うがいいかと。頼んでほしいと言われたのですか。」これに対して金丸証人が、「いや、それは私が言う前に、死んだ人間を持ち出すことはちょっと非礼だと思うが、その問題はいわゆる中尾宏と、いわゆる青木君との話の中で話が決まったんじゃないですか。」このように御答弁されています。証言されています。
 これは非常に重要な証言でございまして、竹下氏の秘書であるところの青木伊平氏が、自民党問題の処理を渡邉氏が、東京佐川急便の渡邊氏が石井氏に依頼していたことを知っていた、そのように読めます。今のが二点目。
 さらに三点目には、竹下氏の証言の中で、稲川会の前会長の石井氏がこの自民党事件に介在していたことを昭和六十三年の十二月以降に承知した、そのようにおっしゃっています。また金丸氏の方も、昭和六十三年十二月二十三日の石井氏との会合がこの自民党の褒め殺しについてのお礼の会合であることを証言の中で明確に認められております。ということは、総理、客観的な事実として、このお二人の御証言からは、自民党の街宣活動の中止、自民党問題の処理に広域暴力団の稲川会の石井氏が介在をしていた、こういう事実は認められますよね。いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 同じことを申し上げますけれども、こういうことについて行政府の責任者として私はコメントを申し上げる立場にないと思います。
○北側委員 もう時間がないから次に行きますけれども、今のが三点目。
 最後に四点目に、やはり竹下証言から、自民党の街宣停止に石井氏が介在したことを竹下氏は八八年十二月に知った、今述べました。それ以降の九一年六月に、多大の負債を負った東京佐川の再建について、二日間、竹下氏が渡邉氏の相談に乗ってアドバイスをしたことは、これは認めておられます。この九一年の六月時点で、竹下氏は、私は次の二点を知っていたと。
 一点目が、自民党の街宣停止に石井氏が介在をしていた。二点目に、東京佐川急便が石井前会長側に対して八十億円の資金提供をしていたという事実が、その二週間ほど前の新聞に大きく出ております。この二点を知っていたと言わざるを得ない、竹下氏は。
 竹下氏は、要するに、東京佐川急便の渡邉氏が石井氏に自民党対策の処理を依頼した張本人であることを知りながら、渡邉氏の会社再建の相談に応じたと、こう言わざるを得ないわけでございます。これは非常に重大な事実でございまして、渡邉氏のこの行為、石井氏に依頼したこの行為ですね、広域暴力団稲川会の石井前会長に自民党対策の処理を依頼したこと、この事実を少なくともこの時点では竹下氏は容認をしていたからこそ、東京佐川の再建という渡邉氏の相談に応じたと言わざるを得ないわけでございます。
 私は、以上の四点、両証言から読めます四点、一つは、竹下氏は田中邸訪問が自民党からの街宣停止の条件であるかもしれないと認識しながら、結果としてこれを実行した、二点目に、竹下氏の秘書である青木伊平氏は、自民党問題の処理を渡邉氏が石井氏に依頼していたことを知っていた、三点目に、客観的な事実として、自民党の街宣活動の中止に石井氏が介在した、四点目に、渡邉氏が石井氏に自民党対策の処理を依頼した張本人であることを知りながら、渡遣氏の会社再建の相談に応じていた、この四つの事実は、私は少なくともこの二つの証言からははっきりと言えると思うのです。
 としたら、私は、竹下元総理の責任は非常に重大と言わざるを得ない。竹下元総理は、私は、書任をとって議員辞職をすべきである、そのように考えます。総理、いかがでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 北側委員の御分析と御解釈はよくわかりました、伺っておってよくわかりましたが、私はその当否を判断すべき立場にはありませんし、また、当否について申し上げるべき立場にないと思います。
○北側委員 少し話を変えまして、金丸氏の受領した五億円の問題ですね、これについて、この課税関係について国税庁の方にお聞きをさせていただきます。
 これからお話しすることは一般論でございます。一般論として先日も国税庁の方がこのように答弁されておりました。一般論として、政治家個人が受けた政治資金は雑所得、政治活動に使われた分を控除して、残額が課税対象になると答弁されました。一般論として、私もこれから一般論としてお聞きをしますので、政治活動のために支出をした、使ったかどうかの判断は、当該政治家が単に政治活動に使いましたよ、そのように述べているだけでは根拠にはならない、このように考えますが、いかがですか。
○瀧川政府委員 もちろん、ただ言葉だけがあるわけではありませんで、当然私どもはそれに対して裏づけの調査をするということになります。
○北側委員 裏づけが必要である、要するに、政治活動に具体的にこのように使ったと証明できる資料を提出しなければ雑所得として課税されるべきと、このように考えてよろしいわけですか。
○瀧川政府委員 政治活動のために費消されたかどうかというものにつきましては、単に、今おっしゃっている例えば領収証等の書類というものが必ずなければいけないというわけではございませんで、ない場合であっても、その支出の有無であるとか、あるいはその支出されたものが実際に政治活動のために支出されたものであるか、そういったことを、私的消費の状況等も踏まえまして、個別のケースにおいて総合的に判断する、こういったことになります。
○北側委員 要するに、政治活動に具体的に使われたことが証明をされないといけないのですよね。
 金丸氏が受領した五億円については、金丸氏個人が受領した政治資金であることを法務当局は認定しながら、この五億円について、金丸氏の保有金の収支報告もない、金丸氏の政治団体にも収支報告がない、金丸氏が配ったという六十数人の国会議員も不明、これでどうして政治資金と認定できるのか、甚だ私は疑問であると思います。政治活動のため支出をしたとも認定できず、私は、当局は厳正にこの五億円の問題について課税をすべきである、そのように考えます。
 総理に質問なんですが、この五億円の使途の問題でございます。
 これは非常に国民が関心を持っております。現在捜査中であるということも当局から聞いております。私は、法務当局は、この五億円の使途について真相をきちんと明らかにして、捜査が終わった段階で真相を明らかにして、一体どのように使われたのか国会で報告してもらいたい、明らかにしてもらいたい、そのようにお願いをいたします。いかがでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 法務当局が厳正な調査をいたすものと考えております。
○北側委員 今私は、国会に報告をしていただきたいと、そのように質問したんですが。
○田原国務大臣 御指摘の件については、ただいま検察当局が政治資金規正法違反等の告発を受けて、これまでの捜査結果を踏まえつつ引き続き捜査を行っているところでありますので、現時点で国会への御報告の見込み等についてはなかなかお答えできませんが、その点は御了承いただきたいと思います。(北側委員「将来、捜査が終了した時点で」と呼ぶ)将来捜査が終了した時点からする間際の時点で判断さしていただきますが、一般論として、国会からの御要望があったときにその時点でいろいろ判断さしてもらっておりますので、同様に考えたいと思います。
○北側委員 私の方から最後に一問だけ委員長にお願いをいたしまして、冬柴議員にもう一問質問さしていただきたいと思っております。
 きょうは衆議院での予算委員会の総括の質問でございます。私は、まだまだこの佐川事件の真相解明というのは始まったばかりであると思うんですね。そういう意味で、一つは竹下氏の再喚問。また生原氏の、金丸さんがおっしゃっているように、生原さんに聞いてくれというふうにおっしゃっているわけですから、生原氏の喚問。さらには小沢氏の喚問。小沢氏は十月五日に立ち会われておられました。小沢氏の証言もぜひ聞かしていただきたいです。こうした竹下氏の再喚問、生原氏の喚問、小沢氏の喚問が真相解明に不可欠だと考えます。
 それとともに、佐川清元会長の喚問も必要であるというふうに思うんですね。なぜかといいますと、一つは自民党との関係。佐川清元会長が稲本氏らと相当親しくされていたことは間違いないというふうに思います。例えば例の京都府警の事件、平成二年の京都府警の事件で、自民党の行動を、街宣をやめさせたのは佐川清さんだというふうに言われています。また、猪木さんが、参議院の猪木さんがイラクに行ったときに稲本さんがついていっているんですが、稲本さんを連れていけと言ったのも佐川清さんだというふうに聞いています。さらには、これは複数から私が聞いた話ですが、稲本さんが亡くなる一カ月前に、わざわざ佐川清さんは稲本さんが入院されている病院にまでお見舞いに行かれている、こういう事実なんかも聞いてます。非常に親しくされておった。こういう自民党の問題を明らかにするためにも、また新潟知事選での献金の問題を明らかにするためにも、この東京佐川急便事件の全体像を解明するために、佐川元会長の証言をぜひ聞かせていただきたい。委員長にぜひお願いを申し上げる次第でございます。
○高鳥委員長 ただいまの問題につきましては、理事会において協議中でございます。
 何か御発言がございますか、宮澤総理。
○宮澤内閣総理大臣 先ほど冬柴委員からお尋ねの件を調査いたしましたところ、自民党県連の確認したところによりますと、今日現在までのところ、金丸前議員の離党届は受理していないということでございます。
○高鳥委員長 冬柴鐵三君。
○冬柴委員 総理、この金丸信さんは有罪の確定判決を受けた方であります。これはいろいろ弁解とか何かは当人もありましょうけれども、しかし、もう有権的、最終的に有罪判決を受けました。
 そうしますと、総理は判決があるまでやはりということを竹下さんのときにおっしゃいました。金丸さんはもう判決確定しました。やはり離党をお勧めになるべきだと思いますけれども、総理の御所見をお伺いしたいとともに、私は、ここでけじめをつけなければ政権政党である自由民主党がそういうものについて意識を国民とともに一緒にしていられない、そこに大きな乖離がある、こういう評価をせざるを得ないと思うわけであります。重大な問題でありますので、総理、一言御答弁をいただきたい。
○宮澤内閣総理大臣 金丸前議員は、副総裁を辞任せられるに当たりまして、私に対して大変自民党に迷惑をかけたという意味のことを言っておられました。またその後、ただいま言われましたような略式命令が確定をいたしまして、衆議院議員を辞任せられたわけでございます。
 長いこと、一生政治に命をかけていた老政治家として衆議院議員を辞任するということは、よほどの決意でなければ起こらないことであるということは十分に察せられます。その間金丸氏が、したがいまして、党に対しても感じておられる責任ということも十分私にはわかりますが、恐らく、あるいはこの今の離党の問題、こういう忽忙の間にあって、その問題について私どもも金丸氏御自身も思い至らなかった点があったかもしれません。金丸氏の心境というのは私は十分よくわかっておりますので、冬柴委員の御発言につきましては、重く受けとめさせていただきます。
○冬柴委員 終わります。
○高鳥委員長 これにて冬柴君、北側君の質疑は終了いたしました。
 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 私は、まず佐川急便疑惑解明について、総理にお尋ねをいたします。
 総理、あなたは竹下氏の証言後、竹下氏は極めて誠実に、はっきり答えておられたと思うと語ったと伝えられております。私だけでなく、ほとんどの国民が竹下氏、金丸氏らの証言でますます疑惑が深まっていると思っておるそのときに、驚くべき発言だと思います。あなたは今回の証言によって本当に竹下氏の疑惑が晴れたとお考えなのかどうか、まずお尋ねをいたします。
○宮澤内閣総理大臣 竹下氏の証言を私はテレビ等で拝見をいたしましたが、誠実に証言をされたという印象を私は持っております。ただ、この証言をどう評価せられるべきかは、これは本院の有権的にお決めになることであって、行政府がとやかく申すべきことではありません。
○小沢(和)委員 今の答弁を伺いましても、総理には、佐川疑惑を解明し、金権腐敗や暴力団との癒着をきっぱり断ち切る何の熱意も感じられません。
 あるテレビの世論調査では、九割以上が竹下氏はうそを言っている、再喚問すべきだ、直ちに辞職せよという意見でありました。総理の今の認識とは余りにかけ離れております。だから、十一月二十七日発表された時事通信の世論調査では、宮澤内閣支持はさらに低下し、一六・九%まで落ちております。こんな熱意のない総理はやめろということだと思います。私は、あなたが国民のこのような厳しい批判に謙虚に耳を傾け、佐川問題に対する姿勢を直ちに根本的に改めることをこの機会に要求いたします。
 次に総理にお尋ねしたいのは、カンボジア問題についてであります。
 私たちが憲法違反として反対いたしましたPKO法によっても、現地で停戦が成立していることが自衛隊派遣の大前提だったはずであります。ところが、カンボジアヘの派兵後、この二カ月余りの間に事態は決定的に悪化をいたしました。ポル・ポト派は総選挙を武力で阻止すると言い、本格的な内戦の準備を急ぐ。これに対し、プノンペン政府側も各地で武力で反撃に出るという状況になってきております。今やパリ協定の停戦合意の崩壊は明らかであります。
 こういう状態になった以上、総理は当然自衛隊を撤退させるべきではありませんか。お尋ねをいたします。
○加藤国務大臣 カンボジアにおける状況についてはいろんな見方があろうと思います。確かに、そういう若干局地的な小競り合いが散発しているということも事実でございます。ただ、これが果たしてどういう性格のものであるのかということは、UNTACを中心に調べておりますけれども明確でないところがあって、ポル・ポト派にいたしましても、それからプノンペン政府におきましても、それぞれの思惑でその事実関係を公表しているところがございます。
 そういう中で、私たちは、パリ協定の大枠は、委員の御指摘とは意見を異にいたしますが、守られていると思っております。停戦合意というものの前提は、私たちは守られていると思っております。そして、いかにして、いろいろな難しい点もございますけれども、このカンボジアの和平をUNTACを中心につくり上げていくか、そういう点について我々も必死に考えていかなければならない。また、国連も今般、安保理の決議をいたしましたけれども、そういう中で必死に今その道を探っているところでありまして、もうここでパリ協定の停戦の合意は全部崩れた、そしてもう戦いに入るのだということは、我々は今そういう認定をいたしておりませんし、またすべきではないと思っております。
○小沢(和)委員 私は総理に伺ったんですが、官房長官がかわって答弁されたから私はあえて総理にもう一度お尋ねをすることはしませんけれども、最後に今、官房長官がそういうふうに認識すべきではないというようなお話がありましたけれども、これは事実の問題なんですよ。
 実際、この二カ月余りの間にカンボジアの情勢というのは非常に悪化してきておる。だから、けさのテレビのニュースなどでも、国連安全保障理事会では、限定的にせよ、制裁措置をとるということも決議をしたりしているわけです。ですから私は、これ以上今のような立場に政府が固執をするならば、今後自衛隊員の生命や安全を危険にさらすおそれが急速に増大すると言わざるを得ません。実際、ポル・ポト派は自衛隊に対しても、その道路補修をプノンペン政府を利するものと非難し、攻撃の対象にしかねない状況です。政府もポル・ポト派の反発を恐れ、国道二号の補修工事を見合わせる方針と伝えられておりますけれども、自衛隊を現地に置く限り、内戦に巻き込まれ被害を受ける危険があります。犠牲者を出したりする前に自衛隊を撤退させる決断を下すよう、重ねて要求をいたします。
 さて、本日は、私は特にお伺いをしたいのは、不況で苦しむ中小業者に対する緊急融資と官公需確保対策であります。
 まず、通産大臣にお尋ねをいたします。
 今回の総合経済対策では一兆二千億円の貸付規模の追加を行ったということでありますけれども、こういう苦境にある中小業者が実際に利用できるのは、その中の緊急経営支援貸し付け二千億円だけではありませんか。
○渡部国務大臣 お尋ねの点でございますが、政府としては、従来から、中小企業の経営安定を図るため、中小企業金融公庫等の一般貸し付け及び各種特別貸し付け、国と都道府県等が協調して融資する中小企業体質強化資金助成制度により、所要の融資を実施しております。
 加えて、厳しい中小企業の景況にかんがみ、先般の総合経済対策において、中小企業の経営安定を一つの大きな柱とする中小企業金融対策を行うことを決定しており、このうち、中小企業金融公庫などの貸付限度の大幅な別枠の追加、さらに小企業等経営改善資金融資制度、いわゆるマル経制度と言っておりますが、この限度額の別枠追加について既に実施をいたしております。
 さらに、今般の補正予算においては、中小企業体質強化資金助成制度に、経営に不安定を生じておる中小企業者に対する新たな低利融資制度の創設などに必要な政府関係金融機関などに対する出資等を盛り込んでおるところでございます。
 また、年末の金融繁忙期を迎え、中小企業の金融の一層の円滑化を図るため、政府関係金融機関などに対し、適時適切な貸し出し保証を行うように指導をいたしました。
 これらの施策により、現下の情勢における中小企業に対する支援が有効かつ十分に機能するものと確信しております。
○小沢(和)委員 今、いろいろな施策を講じているというような答弁でありましたけれども、私も調べてみたわけです。中小企業公庫などで貸し付ける制度、これは金利が五・五%で、緊急貸し付けの四・四%より一%以上高い。国民金融公庫が扱うマル経資金というのもありますけれども、利率は五・三%で、やはり四・四%よりかなり高い。だから、こういうようなものはいろいろ制度をつくったといってもなかなか利用できないのが現実なんです。だから私は、実際上利用できるのはこの二千億円ぐらいしかないじゃないかと言っているわけです。
 私は地方自治体のこの問題についての取り組みも見てみたんですけれども、苦しい業者たちの要求が直接ぶつかってくる地方自治体は、対応が相当に違います。
 私はここに東京都の中小企業緊急特別資金融資の実績を持ってきておりますが、東京都は六月から緊急融資を始めております。当時の利率が既に四・四%。この低利が大変な反響を呼んで、六月だけで申し込み九百七十六億円、七月も九百八十八億円、当初の枠の二十倍にも達したわけです。都としても、預託金を次々にふやし、十月からは第二次の申し込みを受け付けております。十一月二十日までに、申し込みが三千八百七十億円に対し、融資決定額二千三百五十九億円に達しております。都では、第二次分から利率をさらに四・一%に引き下げております。
 国がこれから補正でやる緊急融資が四・四%、全国でわずか二千億。これに対し、東京都だけで既にやったのが二千三百五十九億円の融資額、利率が四・一%。恐らく三千億円に達するだろうと言われておりますけれども、これで国と対比してみれば国がいかに立ちおくれているかということがよくわかると思うのですが、大臣、どうお思いになりますか。
○渡部国務大臣 お尋ねの東京、大変財政も豊かでございますから、そういうことをやっていらっしゃることは大変いいことだと思いますが、また、地方自治体それぞれで中小企業対策、独自の御努力をいただいておること、これも大変いいことだと思います。
 また、政府も、今お話を申し上げたように、これは各種の面で、年末を控えて、中小企業の皆さん方がこの不況のために御苦労なさっておるわけでありますから、かりそめにも金融が円滑に受けられないために倒産するというようなことのないように、制度資金の面で充実するとともに、常に私は大蔵大臣にも、市中銀行でも貸し渋り等ないように、また公定歩合がせっかく引き下げられておるのでありますから、これができるだけ低い金利のお金として中小企業等に貸し付けられるようにということをお願いをいたしておるところでありますし、また、今度の一兆二千億の財政投融資、これも今までかつてないことでございますし、また、今度の補正予算でこれは七百四十五億という中小企業対策、これも大蔵省にかなりこの厳しい財政の中で奮発をしていただきまして、これを通していただければ、これを原資として、できる限り制度資金も金利を引き下げるようにさらに努力をしてまいりたいと思います。
○小沢(和)委員 今大臣は、東京都は財政が豊かだからというふうに言われたんですけれども、私が調べてみると、全国の自治体が、直接そういう業者からの声がぶつかってくるものですからもうじっとしていられなくて、みんなそれぞれ努力をしているんですよ。例えば埼玉県などでも、年利四・一%の緊急融資が追加に次ぐ追加で既に四百十億円まで枠を拡大しましたが、これも十月二十一日までに申し込みが五百十億円に達して、ついに受け付けをストップ、十二月県議会でさらに三百億円追加するというような努力をしているわけです。大阪も愛知も、皆調べてみるけれども、そういう状況です。
 そこで、総理にお尋ねをいたします。
 我が党は去る十月二十六日、政府に対し、国として中小業者に対し激甚災害並みの三%の低利で二兆円の緊急融資を実施するように申し入れましたが、そういう思い切った施策をこの機会にやる気がありませんか。お尋ねいたします。
○宮澤内閣総理大臣 先般の総合経済対策におきましても、政府系金融機関、中小企業金融公庫、国民金融公庫、場合によりまして開発銀行もございますが、等から中小企業のために特に有利な条件をもって融資をするということを決定をいたしまして、このたびの補正予算でもその関連の予算措置について御審議をお願いいたしております。
 過般のお申し出、そのとおりではございませんけれども、私どもとしては中小企業に対してこの際十分な融資をやはり考えていかなければならないと思っております。
○小沢(和)委員 中小業者のための金融の問題で私がしばしば耳にするのが、無担保・無保証人融資の改善の要求であります。
 一つは、今せっかくこの制度があるのに、相談に行くと窓口で保証人をつけろなどと言われ、実際にはなかなか利用できないというのであります。この融資の対象者となるものには積極的に貸し出すよう金融機関や保証協会などを指導すべきではありませんか。
 第二に、今はこの制度による融資限度額が四百五十万円でありますが、これをもっと引き上げてほしいという声であります。四百五十万円になってから既に五年以上たっております。先日の大蔵委員会では、我が党正森議員の質問に対し、銀行局長が中小企業庁とも相談してみたいと答えておりますが、通産大臣はどうですか。
    〔委員長退席、村上委員長代理着席〕
○関政府委員 お答え申し上げます際に、一言先ほど来のお話を補足させていただきたいと思いますが、先生、四・四%とおっしゃいましたけれども、実際はそのベースにいたしまして各都道府県で、ある程度御判断で金利水準を決めることができるような仕組みを考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
 次に、保険のお話がございました。先生御案内のとおり、現在、特別小口保険というものと、それから無担保保険という制度がございます。御指摘のとおり、特別小口保険は四百五十万円まででございます。そのほかに無担保保険というのがございまして、原則として四百五十万円までのものにつきましては無担保、無保証人ということにいたしておるわけでございます。しかしながら、信用保証協会におきましても準金融的な審査をさせていただくわけでございまして、その際に、四百五十万円の借り入れの保証の御希望があった場合に、その資金計画あるいは返済計画等に、もうちょっと考えた方がいいのじゃないか、にもかかわらず、さらに四百五十万円をお借りしたいというような場合、金融審査的なあれでいくと二百五十万円がいいのじゃないかという場合に、なお四百五十万円を保証してほしいとおっしゃるようなケースにつきましては、これは先ほど申し上げました無担保保険という制度に移行するわけでございまして、その場合には保証人をつけていただくことがあり得るというのが今の制度の仕組みになっているわけでございます。
 それから、この今の四百五十万円でありますとか千五百万円でありますとか、これについてもう低過ぎないかという御指摘がございました。この制度につきまして、今日の四百五十万円というレベルに決められましたのが昭和六十三年度でございまして、それ以降据え置かれていることもございますので、現在、各信用保険制度の保険限度をどの程度にするかにつきまして政府部内で御相談をさせていただいているところでございまして、まだ結論を得ていないという状況であることを御理解いただきたいと思います。
○小沢(和)委員 次に、中小業者のもう一つの切実な要求である仕事の問題として、官公需をふやす問題についてお尋ねをいたします。
 ここに政府が発表した官公需の実績額推移表があります。これを見ますと、この十五年間で発注の目標を達成したのはたった一回で、あとは皆未達成に終わっております。特にここ三年は三九・七%から三七・三%へと、二・四%も下がっております。しかも、これさえ見かけ上高い数字になっております。それは、中小企業への発注率が非常に低かった電電公社が昭和六十年度から民営化によりこの統計から外されたからであります。
 通産省、その六十年度の実績に前年度の電電公社の実績がそのまま継続したとして加えたらどういう発注率になるか、試算した数字を示していただきたい。
○関政府委員 官公需の実施実績でございますが、昭和五十九年度、これは電電公社がカウントされていたときでございますが、それが三六・八%でございます。それで、昭和六十年度におきましてこれは電電公社がこの対象から外されたわけでございますが、このときの中小企業の受注実績が三九・四%ということでございます。
 これをもし電電公社ありせばという先生の御指摘でございますが、このときには実際にどれくらい電電公社あるいは電電株式会社が発注したかつまびらかでございませんので、仮定の計算として五十九年度と同額を入れたといたしますと、そのときの実績は三六・八%ということになろうかと存じます。
○小沢(和)委員 だから、三九・四%というふうに出ている数字が、実際には三六・八%にしか、電電公社がそのまま入っておったら、ならない。だから全く横ばい。
 それで、ずっと私が調べてみますというと、三木首相が官公需の発注についてはできれば五〇%にこれを持っていきたいというふうに答弁をさあた昭和五十一年度の実績三四・〇%と平成三年度の実績がまあほとんど同じということになる、今の二・六%引けば。だから、十五年間かかっても発注率は実質的に横ばい、ほとんど上がっておらないということになります。この動かしがたい事実を通産省も否定できないと思いますが、どうでしょうか。
 その反省の上に立って、本年度は不況対策としても何としてでも三九・九%の目標を達成していただきたいが、どうでしょうか。
○渡部国務大臣 中小企業者の官公需受注機会の確保を図るため、今お話しのように、政府としてはいわゆる官公需確保法に基づいて、毎年度、国等の契約の方針を閣議決定するなどの努力を続けてまいりました。
 平成三年度における国などの中小企業者向け契約比率の実績は、これは今先生お話しのように三七・三%となっておりますけれども、地方公共団体の官公需を含れめば五五・六%となっておることも御承知いただきたいと思います。
 また、平成四年度においては、中小企業者向けの目標比率を今お話しのように三九・九%にし、今後とも各省庁と協力をしながら、平成四年度の契約目標額の達成に向けて、各省庁等に対する一層の努力の要請などを通じて、これが実現のために最大限の努力をしてまいります。
○小沢(和)委員 そこで、総理にお尋ねをいたします。
 お聞きのとおり、三木首相の五〇%という約束は、実質的にこの十五年間ほとんど前進しておりません。我が党はこういう不誠意な態度を絶対に認めることはできません。ここで改めて中小企業への官公需を五〇%に緊急に持っていくと明言をしていただきたいが、いかがでしょうか。今これを実現できれば、中小企業に対し直ちに一兆四千百二十七億円の新規需要をつくり出すことができます。総理の姿勢、決意をお伺いをいたします。
○関政府委員 総理から御答弁申し上げる前に、私からちょっと申し上げたい、お聞きいただきたいと思います。
 御存じのとおり、官公需法では、中小企業の事業機会の確保に努めるということを書いてございますが、同時に「予算の適正な使用に留意しつつ、」ということでございまして、例えば一件当たりの金額の規模、あるいは実際の指名競争をいたしました場合のその入札の状況等々でいろいろ変わり得るものであるということを御理解いただきたいと思いますが、その中で、私どもとしては、関係省庁に最大の御努力をいただきまして、実績におきましてもこれの目標を達成するように努めてまいりたいということだけは申し上げておきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 御指摘の御趣旨にはもとより反対をする理由はないのでありますけれども、現実に国の場合には三七%であるそうですが、地方公共団体の官公需を合計しますと、発注比率は五六%ぐらいになっているそうです。ですから、中央も地方も大いに努力をして、中小企業の比率を少しでも高めていくように大いに努力をしなければならないと思います。
○小沢(和)委員 今地方自治体の官公需の話が出ましたけれども、地方自治体の官公需の発注率の低下というのは、これは国の低下よりもさらにすごいのです。この七、八年の間に一〇%近く下がっているのですよ。私は時間が乏しくなってまいりましたから、地方自治体に対してどのようなさらに指導を強めるかということについてはきょうはお尋ねはいたしませんけれども、ここでその努力を要請しておきたいと思います。
 最後に、厚生大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 それは、入れ歯に対する診療報酬の改善についてであります。本年四月から高齢者の白内障に保険を適用して眼内レンズを挿入することが認められるようになり、大変喜ばれております。この高齢者たちから訴えられるのが、次は入れ歯を何とかしてくれということであります。今入れ歯を使用している人が一千万人もいるといいますけれども、政府の調査でもその五一%が合わないと不満を訴えております。
 入れ歯には保険が適用されておりますけれども、問題は、その保険点数が余りに低く抑えられていることであります。入れ歯は一たんつくっても、後のかみ合わせの調整などが微妙で難しい。ところが、それを丁寧にやっていたらますます赤字をふやすばかりという仕組みになっております。最近は入れ歯の作製に携わっている歯科技工士が減るという深刻な事態さえ生まれております。本年四月の診療報酬改定でも、入れ歯に関連する点数はほとんど据え置かれ、やるほど赤字という状態がますますひどくなっております。来年の改定では緊急課題としてこの関係の診療報酬を大幅に引き上げ、安心して入れ歯を入れられるようにしていただきたいと思いますが、厚生大臣、いかがでしょうか。
○山下国務大臣 歯科診療報酬の中で技術料をより評価することについては私ども同感でございまして、診療報酬の改定の都度、技術料を逐次他の部門より余計に評価をして改定してきたわけでございます。
 そこで、御案内のとおりいよいよ高齢化社会を迎えまして、お年寄りにとって食生活において十分そしゃくをするということは最も大切なことでございますから、この点も十分配慮しながら、これからの改定の都度、私どもは入れ歯につきまして、義歯につきましては適切な配慮を講じてまいりたいと思っております。
○小沢(和)委員 終わります。
○村上委員長代理 これにて小沢君の質疑は終了いたしました。
 次に、伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 総理、まず減税と財政運営のあり方の問題についてお伺いをいたします。
 民社党は、今回の大変な不景気の中で、減税を柱とする対策を既に六月の時点から提唱をしてまいりました。特に今回の不況の状況は、消費拡大策がぜひとも必要である、そういう観点からでありました。御承知のとおりに、七七年以来本格的な減税は行われておりません。今サラリーマンは年間約二兆円もの税金を余分に取られている、こういうふうに思っております。
 政府は、本日の総理の答弁でも、財政難を理由にして減税を拒否していらっしゃいますけれども、私は、減税ができないというのは経済財政運営の基本そのものを誤っているんではないか、こういうふうに思うのですね。私は大学のときには専攻は財政学でありまして、卒業論文も財政政策の問題でありましたけれども、今の状況はいかにも硬直的、固定的な財政運営のやり方をしていると思うのですよ。
 最近の日本の状況を見てみましても、八七年から九〇年の状況を見ましても、税収は大変な伸びをいたしました。じゃ、そのときにどういう行動をとったかといいますと、当時税収の見積もりは、当初の見積もりに対して実際の税収額は、八七年度が五兆六千億円増、八八年は五兆七千億、八九年は三兆九千億、九〇年は二兆一千億という大変な増であったわけですね。
 じゃ、そのときにどんな補正予算を組んでいるかと申しますと、そのときの補正予算の規模は、八七年に四兆一千億、八八年五兆二千億、八九年五兆九千億、九〇年三兆四千億というふうに、税収が非常に上がるときに、いわばそれを使ってしまおうという基本的な運営の仕方をしておりますね。私は、そういうことをしているから、今のように財政が本当に景気調整の役割を果たさない状況になっていると思うのです。こうした財政運営のちぐはぐといいましょうか、あるいは機能不全に陥っていると私は思うのですが、総理は財政運営について基本的にどういうふうに考えられますか。
○宮澤内閣総理大臣 これは大蔵大臣あるいはさらに専門家からお答えすべき部分が実はあると思いますのですが、事実に徴して考えますと、今お話のありました昭和六十二年、六十三年あたりの自然増収、この時代は実は我が国が歳入補てん公債をまだ発行しておる時代でございます。おかげによりましてそこで歳入補てん公債はやまりましたけれども、そういう状況でございましたから、まず赤字国債をやめるということに、いわばそういう自然増収が貢献をしたということになると思います。
 その次に、事実に徴しますと、赤字国債の形ではないが、実はいろいろな形で、当時本院でもツケ回しというお言葉があったのですが、そういう隠れた債務を完済するということにも使われました。
 そういうことでございましたので、あのときの自然増収はそういうふうに使われて、したがって、これは事実なんでございますけれども、今回のような事態になって我が国が十兆七千億という大きな総合経済対策をとれたのは、あの時代にそういう債務をきちんと処理しておったからだということは、羽田大蔵大臣が海外で非常に実は評価を受けて帰ってきておられる。また、事実そういうことはあったわけです。
 ですから、今までの我が国の財政は、とにかくそういう過去の債務を、あるいは新しく債務を負わないということでやってまいったわけですが、これからの問題としますと、私は伊藤委員の言われるような問題があると思うのです。つまり、好況のときにはそれだけのものを全部使わないで持っておる、不況のときにむしろそれを使うなり減税財源に充てるなり、財政がそういう景気に対しての、どう申すのでしょうか、逆に不景気のときには好況のように、景気が少し過熱しそうなときには逆のように、そういう作用をすべきであるという考え方はずっと伝統的にございますが、そのためには実は財政の単年度主義というものがやはり一つ問題になる。
 これは恐らく財政学を御専攻になられましたので申し上げるまでもないことですが、単年度主義に対して、そのような一種の資金をいろいろなときのためにプールをしておくという考え方がどういうものとして可能かという問題が実はあるのではないか。おっしゃる意味は、そう本当はあるべきものであろうという感じは私もいたしますけれども、そういう問題があるように聞いております。
○伊藤(英)委員 今総理も考え方は賛同していただきましたけれども、それをいわゆるフィスカルポリシーと、こう言うんですよ。
 それで今、日本も決算調整資金という制度があります。五十二年度につくられたわけですが、これはある意味ではそういうことが可能な制度だと私は思うのですね。したがって、今後、好景気のときにはいわば金をプールする、そして不景気のときにはそれを使う、あるいは減税に向けるというようなことをぜひ検討していただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。結論だけで結構ですが。
○羽田国務大臣 この問題につきましては、決算上不足が生ずることの場合にこれを補てんをするということでございまして、好景気時に資金をプールして、不景気時にそれを取り崩して使用するといった性格のものではないということで、これはなかなか困難であろうということを申し上げざるを得ません。
○伊藤(英)委員 先ほど総理が単年度主義のときにどういうふうにという話をされましたけれども、私は今の決算調整資金は、これは運用の仕方もあるでしょう。それから、必要に応じてこれは変えればいいと思うのですね。羽田大蔵大臣は、つい先日来、改革フォーラム21ですか、そういうことで、極めて、日本の現在の国会の状況も含めて、改革の意向を持って事に当たっていると私は思うのです。そういう意味でも、こうした問題につきましても、私はこれはやればできる話だと思うのですね。したがって、そういうふうにぜひやっていただきたいと思います。
 その次に、さらに現在のこの財政の問題ということを考えたときに、これは今までも何度も我が党からも申し上げておりますけれども、いわゆる概算要求基準方式によって行われていることの問題点といいましょうか、これが問題になっているんだと私は思うのですが、今までも、例えば一般会計の公共事業の予算配分を省庁別に見れば、例えば八三年度と九二年度を比較してみても、建設省が六八・二五%と六八・六二%、農水省が二一・九五%と二一・五六%、運輸省が六・二四%と六・二五%というふうに、ほとんど配分比率は変わっておりません。
 今総理は、生活大国をつくろうということで、私は本気になって取り組んでいると思うのですが、もしもそうであるならば、これは来年度予算以降ということになると思いますが、例えば道路とか下水道、公園、住宅等の建設省の予算、あるいはごみだとか高齢化対策等々の厚生省の予算等は、かなり重点的に配分をするお考えでしょうか。実は今私の地元の方からも、例えばごみの問題等についてもいろいろな陳情があるんですよ。ところが言ってくるのは、幾らこういうのを言っても認めてくれないと、こう言うんですね。いかがですか。
    〔村上委員長代理退席、委員長着席〕
○宮澤内閣総理大臣 そういうことをしたいと思っておりますし、実は既にこの補正予算におきましても総合経済対策でそれはかなり努めておるつもりでございまして、今ごみのお話がございました。じんかい処理は本当に地方からたくさん問題が出ておりまして、今回もできる限りそれに応じるように地方にもお願いし、また補正でもそれを考えておる次第でございまして、確かにそういうものがこれから非常にたくさん需要が出てまいります。
○伊藤(英)委員 実はきょう私は、時間があれば防衛費の問題等についても、あるいは防衛のあり方の問題につきましてもいろいろと申し上げようと思ったのですが、この問題は別の機会に譲りますが、今の日本を取り巻く状況等について防衛庁は本当にどう考えているかなというような意味も含めて、私は大きな関心を持っております。そういう意味で、またの機会にこれはさせていただきますが、防衛庁それから政府、ぜひよろしくお願いしたいと思っております。
 それから、最初に申し上げました所得減税の問題でありますけれども、私は、本当にこういう不況のときに所得減税もやって、そして消費を拡大をするというふうにしなければ今の不況はよくならない、これはどういうふうに考えてみてもそういうことだと思うのですね。そういう意味で、改めてお聞きするわけでありますけれども、そしてまた、今まで所得減税をやってこなかったがために、ある試算によりますと、例えば年収七百万円のサラリーマンの場合には、八八年、八九年の減税を含めても、八八年から九二年の五年間の所得税が五六・六%増、ふえている。そのときの賃上げ率は二三・五%ということであります。要するに賃上げ率の倍以上、こういう所得税がふえているということなんですね。こういうことも認識をしていただいて、ぜひとも所得減税を実施をしていただきたい。そして、今回どうしてもできなければ、来年度にはぜひこういうことを検討をしていただきたいと思います。
 昨日も、民社党を初めとして野党三会派が森自民党政調会長に減税実施について申し入れを行いました。森会長はこの趣旨を自民税調、政府税調にも伝えると約束をされたと聞いております。この約束を踏まえて、政府・与党は遅くとも来年の税制改正には所得減税を実施すべきだと考えますし、そのための検討をぜひやっていただきたい、こういうふうに思います。総理、いかがですか。
○羽田国務大臣 ただいまの御指摘につきましては、森政調会長の方から私どもにも、三党の方から大変強い御要請があったというお話は私ども承っております。
 ただ、これはもう何回も申し上げておることでございますけれども、現在、この数年間の耐久省費財、この需要というものは大変好調であったということがあります。また、この反動といった現象がやはり見られますし、また、非常に消費そのものが、いわゆる国民生活というものが堅調になってきているということがあろうと思っております。その意味で、消費刺激策としての所得減税の効果というものは余り大きく期待することができないであろうというふうに思いますし、これはもう何回も申し上げておりますけれども、やはりその財源となるもの、これを私ども考えなければならないということを考えますと、やっぱり将立に大きな禍根といいますか、ツケを残すということは、今私たちは避けなければいけないんじゃないのかな、効果とあわせてそのことを改めて感ずるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今いろいろとお話があったわけでございますけれども、課税最低限につきましては、我が国はやっぱり各国と比較いたしましても大変高いところにあるということで、中低所得者につきましては、私どもは課税のあれというのはいいところにいっているのじゃないのかなという思いをいたしておることを申し上げざるを得ないことをお許しをいただきたいと思います。
○伊藤(英)委員 少なくとも今の日本の不況というのは、基本的には在庫調整がなかなか進まない。そして、何といったって日本のGNPに占める個人消費の割合は六割弱までいっているわけでずよ。そこが拡大しなければ景気がよくならぬというのは事実ですよね。今のような状況のときに、じゃ設備投資とか供給力を拡大するような方向に経営が向かうだろうかと思いますと、そんなことは断じてあり得ないと私は思うのです。もしもそんなふうに思っていたら、日本の経済の実態を私はよく知らないんじゃないかというぐらいに思いますよね。ということでありますし、ぜひこの消費拡大の意味の大きさというのは認識をしてやっていただきたいと要望をしておきます。
 次に、東京佐川急便に関連をいたしましてお伺いをいたしますけれども、濱刑事局長は、きのうもそうでしたでしょうか、先般もこの委員会で答えていらっしゃいましたけれども、渡邉元社長が松沢被告から受けた十七億円の裏金について捜査、検討したけれども、金丸氏への五億円以外に犯罪の嫌疑のあるものが確認されなかったと述べていらっしゃいます。これは、金丸氏への五億円は松沢被告が裏金として用意したことが前提となっております。
 この件について雑誌の文芸春秋が十一月号で、平和堂グループの元代表の松沢泰生氏がこういうふうに言っております。検事調書では「政界に流れた金が全部、自分のところから出たことになっている。本当は違う。自分はあのように供述をしていない。」と述べて、検事調書が東京地検特捜部の作文であるというふうに告白をしております。
 また、松沢被告はこういうふうに言っているのですね。この検事調書はすべて、ある検事の名前を言っていますが、私はきょうはA検事と言いますが、A検事及びY検事の作文だと。その作文にサインと拇印をしなければ、何年でもこの拘置所に置いてやる、「お前一人をずっと拘束するくらい非常にたやすいし、公判でひっくり返せば、一切保釈はさせない」とおどされて、仕事の関係もあって、どうしても保釈許可が必要なために自分はサイン、拇印したと述べております。
 この文芸春秋の記事は、松沢被告が獄中で六法全書に記述した日記に基づいて、東京拘置所内で行われた担当検事との詳細なやりとりを述べております。今私のここにあるのがそのコピーであります。平成四年二月十四日のお調べの状況が六法全書千七百七十ページに出ておりますし、次の二月の十五日分は千七百六十九ページというふうにここに出ております。
 そしてまた、この松沢日記というのは、松沢氏が拘置所にいた期間の六月八日に確定日付もとられておりますし、十月の二十九日、東京地方裁判所はこれを認められたというふうに聞いております。
 また、同じように、松沢被告の弁護士である角田弁護士から報告書も申請をされ、これは認められているのでしょうか、されておりますが、この報告書は、松沢氏の陳述書がどのようにして作成されたかということを書いてありまして、十四項目にわたって書いてありますが、十四項目中一項目を除いて十三項目は作文であり、真実ではないと述べております。
 こういうことですと、私は、検察当局の完全な見込み捜査なんではないんだろうか、ある意味では冤罪のパターンではないかと思うのですが、いかがですか。
○濱政府委員 お答えいたします。
 松沢被告人は、第一回の公判におきまして、特別背任の公訴事実を認める趣旨の認否を行っておりまして、この点は保釈後の現在におきましても基本的には維持されているところでございます。
 委員が御指摘のように、検察当局が調書を捏造したというようなことは考えがたいところでございまして、現に松沢被告人の検事調書は、第二回公判におきまして、任意性、信用性のあるものとして、弁護人の同意を得た上で裁判所が取り調べを行ったものでございます。この点からも、松沢被告人の取り調べを担当した検事において供述の任意性あるいは信用性に疑いを生じさせるような取り調べを行った事実はないということを確信しているわけでございますし、そのような事実は現実にもないということでございます。
○伊藤(英)委員 先ほど私が申し上げたようなことがもしも事実であるならば、今保釈の身になっているわけでありますけれども、本当に保釈をしておいてもいいんだろうかという気さえ実はしますよね、もしも先ほどのが正しければ。
 改めてもう一回聞きますが、保釈を取り消すとか、そういうような必要性は全然ないというふうに考えられることでありますか。
○濱政府委員 お答えいたします。
 保釈の取り消しは、保釈された被告人が保釈の条件に違反する行為を行った場合、あるいはその他の罪証隠滅行為等があったときに行われるものでございます。御指摘のようなことに関連して、それに対する反論と申しますか、あるいはそういう観点から保釈の取り消し云々ということは問題にならないというふうに理解しているわけでございます。
 いずれにいたしましても、委員が御指摘になっておられます松沢日記は、松沢被告人の供述調書の信用性を否定する内容のものに当たるわけでございますけれども、検察官としましては、これまでの公判経緯やこの松沢日記の公表経緯等をも踏まえまして、この松沢日記と申しますのは、被告人が公判の冒頭で当然その公訴事実あるいはその争点になっている事実についてこれを認める陳述をした段階、そういうことが争点になるはずの内容のものであるという松沢日記は、その段階では何ら言及されていない、証拠調べ請求されていない。公判の途中で突如として法廷外でそういうことを公表されたというふうに聞いているわけでございまして、この事件の公判経緯やこの松沢日記の公表経緯等も踏まえまして、これが虚偽のものであることにつきまして、現在、公判手続の中で立証活動を行っているものというふうに聞いているわけでございます。
○伊藤(英)委員 繰り返しますけれども、この松沢日記として書かれている内容は、これは偽りであるということでしょうか。もう一回確認いたします。
○濱政府委員 そのように理解いたしております。
○伊藤(英)委員 私が聞いておりますのは、文芸春秋社からは、もしもいろいろ反論なり考え方があるならば、誌面を提供しますからどうぞ書いてくださいと言っているように聞いておりますが、事の性格上、どういうふうにということはあるかもしれませんが、しかし、いわゆる国民は、こういうのを見ますと、ますます検察に対して不信感を抱くことになるんではないかと私は思うんです。そういう意味で、反論といいましょうか、意見なりそういうものは全然出さなくてよろしいんでしょうか。
○濱政府委員 もう委員も御案内のとおり、今御指摘になっておられる問題は、つまるところ松沢被告人の供述調書の信用性に関する問題であるわけでございます。したがいまして、この供述調書を含めまして証拠書類等、証拠の信用性の問題につきましては、これは当該訴訟手続の中で反論がなされるべきもの、最終的には裁判所が判断すべきものというふうに考えているわけでございます。
○伊藤(英)委員 先ほど申し上げたように、十月の二十九日に東京地方裁判所が松沢日記を証拠書類として認められたというふうに聞いておりますけれども、その後で検察庁は、拘置所への持ち込みの物品について制限したり、あるいは物品やその他のチェックの仕方等について内規を変更したというふうに聞いておりますけれども、これは事実でしょうか。あるいは、もしもそういうことがあったときに、被告人等、拘置所に勾留された人たちへの権利侵害になるというようなことはないでしょうか。
○飛田政府委員 先ほどの御質問の中で、検察庁というふうな御質問があったかと思いますが、拘置所を所管しているのは矯正局でございますので、矯正局長から答弁させていただきます。
 拘置所への物品持ち込みの取り扱いにつきましては、監獄法令に基づいて処理しているところでありまして、当局におきまして従来の取り扱いを変更するよう指示した事実はございませんし、また、東京拘置所においても従来の運用を変更したということは聞いておりません。
○伊藤(英)委員 法務大臣はいらっしゃいますね。法務大臣並びに総理にお聞きしたいと思うんですが、今回、この予算委員会でも何度も議論もされたりしてきているわけでありますけれども、私は、いわゆる検察に対する不信ということについてなかなか今大変な状況にあるのではないかと思うんですね。それはひょっとしたら事実を誤解して思っている部分も国民にあるかもしれません。そういう部分もあるかもしれませんが、そうでもなさそうだと思われる部分も多々あると思うんですね。金丸氏の略式起訴の問題にしても、あるいは自民党に関する検事調書なるものが出されたりした部分でもしかり。そして、この松沢日記なるものも、これだけの、私は文芸春秋というのは大変なクオリティー雑誌だ、こう思っていますが、こうしたものにこれだけ丁寧に書かれている状況を見ても、私は検察に対する不信というのは大変な深刻な状況にあると思っております。
 そこでお伺いするわけでありますが、一体、現在の検察不信と言われる状況について、どんなふうに認識をされていらっしゃるのかですね。そして、どういうふうにこれからしようと考えられているのかをお伺いいたします。
○田原国務大臣 お答えします。ただいまのお話にありました検察の不信という点でございますが、検察官は法の定めるところに従って、検察官独自に、指揮などを外から受けることなく、独自の判断でやってきておって、何ら私は問題はないというふうに見ております。特に中から見ておりますと、私自身が指揮権を持っているわけでありますが、一度も指揮権というものに触れたこともないし、検察官独自でやってきておるし、ただ、いろいろと報道等で言われておることも承知しておりますけれども、いろいろ誤解が実務の上であるような気もいたします。
 私は、現在のまま検察官に任かせておいていいんではないか、干渉することこそむしろいけないんではないかということで沈黙を守っておるわけでありますが、その点御理解いただきたいと思います。
○伊藤(英)委員 総理は。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま法務大臣が言われましたように、検察官というのは独任制の官署でございますから、その独立性というものは普通の行政よりももっともっと尊重されなければならないものである。その点は、したがいまして、法務大臣の言われたようにまさに一番大事なところでございますが、同時にまた、そうでありますだけに、おのおのの職務遂行については、いろいろな批判等については、謙虚に常に反省をしてもらっておることと思います。
○伊藤(英)委員 時間も参りましたので、最後に二点だけ強くお願いをして終わりますけれども、一つは、私は、今のその検察不信云々と言われる問題に関連するわけでありますが、今の日本の保釈制度というものに、あるいはその実態に原因があるのかもしれませんが、やはりもうちょっと事実なり証拠なり、そういうものを積み重ねた上で捜査等が行われるようにぜひする必要があるのではないかという印象を禁じ得ません。それで、そのためにどちらかといえば検察あるいはマスコミファッショと言われるような状況が起こったり、状況が起こるというか、そういうような感じを持たれることもあるだろうと思いますし、非常にいわばムードでといいましょうか、そういう話になりかねない。もしもそうだったらそれは極めて重大なことだ、こういうふうに思いますので、ぜひこの点については留意をしていただきたいということが一つ。
 それからもう一つは、再三昨日の集中審議でも我が党の代表から申し上げたことでありますけれども、証人喚問の問題につきまして、特に生原秘書の証人喚問を強く要求をして、質問を終わります。
 以上です。
○高鳥委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして三案に対する質疑は終局いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午後一時四十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後七時開議
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、日本共産党児玉健次君外一名から、平成四年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
 本動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。児玉健次君。
    ―――――――――――――
 平成四年度一般会計補正予算、平成四年度特別
  会計補正予算及び平成四年度政府関係機関補正予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
   〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○児玉委員 私は、日本共産党を代表して、平成四年度一般会計補正予算、平成四年度特別会計補正予算及び平成四年度政府関係機関補正予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。
 まず、撤回、編成替えを求める理由についてです。
 補正予算は、中小企業融資の拡大などの施策も含まれているものの、その主な内容は、アメリカからの外圧とこれに呼応した財界の要求にこたえ、大企業、大銀行に奉仕するものです。さらに、生活保護費四百三十三億円、私学助成二十億円の削減など国民生活関連予算の容赦ない削り込みを行うなど、国民の願いと大きくかけ離れたよのとなっています。このような予算案に賛成できないことは明らかです。
 日本共産党は、政府に対し、この補正予算を撤回し、次の方向で再編成することを要求します。
 組み替えの概要について述べます。
 第一は、中小企業の不況対策として、低利緊急融資制度を創設し、融資枠は二兆円、金利は激甚災害並みとし、既往債務の返済猶予と金利引き下げ、地方自治体の無担保・無保証人融資を拡充するなど、政府案に中小企業対策費を五百億円増額します。公共投資は生活向上につながる生活密書型の内容に転換し、追加規模を一兆円程度に抑えます。
 不況打開のかぎは、国民の購買力向上であります。消費税の廃止を目指しつつ、食料品等の非課税を直ちに実施し、戻し税方式による約一兆円の所得税減税を行います。国民生活関連予算の削減をやめ、不況の中で国民健康保険料滞納者の減免制度を大幅に拡充します。
 また、地方交付税の減額分は、国の責任で全額補てんすべきです。
 第二は、軍事費の削減を行うことです。正面装備の新規発注の停止など、軍事費の未執行分のうち四千億円以上の削減を行うとともに、憲法に反する自衛隊のカンボジア派遣をやめ、即時撤退させるべきです。
 補正予算の財源は、軍事費や大企業補助金など不要不急経費の節減とともに、高金利時代に発行された国債の低利借りかえ、大企業の減価償却の適正化、不公平税制の是正に着手することなどによって確保すべきです。
 以上が動議の概要です。
 委員各位の御賛同を期待し趣旨弁明とします。
 以上です。
○高鳥委員長 これにて本動議の趣旨の弁明は終わりました。
○高鳥委員長 日本共産党から討論の通告がありましたが、理事会協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、さよう御了承を願います。
 これより採決に入ります。
 まず、児玉健次君外一名提出の平成四年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○高鳥委員長 起立少数。よって、本動議は否決されました。
 次に、平成四年度一般会計補正予算(第1号)、平成四年度特別会計補正予算(特第1号)、平成四年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○高鳥委員長 起立多数。よって、三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。〔報告書は附録に掲載〕
○高鳥委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時五分散会
     ――――◇―――――