第126回国会 本会議 第22号
平成五年四月二十二日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十六号
  平成五年四月二十二日
    午後一時開議
第一  協同組織金融機関の優先出資に関する法
    律案(内閣提出)
第二  皇太子徳仁親王の婚姻を記念するための
    五万円の貨幣の発行に関する法律案(内
    閣提出)
第三  特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する
    法律案(内閣提出)
第四  母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法
    律案(内閣提出)
第五  診療放射線技師法の一部を改正する法律
    案(内閣提出、参議院送付)
第六  視能訓練士法の一部を改正する法律案
    (内閣提出、参議院送付)
第七  商工会及び商工会議所による小規模事業
    者の支援に関する法律案(内閣提出)
第八  中小企業信用保険法の一部を改正する法
    律案(内閣提出)
第九  所得に対する租税に関する二重課税の回
    避及び脱税の防止のための日本国とトル
    コ共和国との間の協定の締結について承
    認を求めるの件
第十  所得に対する租税に関する二重課税の回
    避及び脱税の防止のための日本国とイス
    ラエル国との間の条約の締結について承
    認を求めるの件
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 協同組織金融機関の優先出資に関す
  る法律案(内閣提出)
 日程第二 皇太子徳仁親王の婚姻を記念するた
  めの五万円の貨幣の発行に関する法律案(内
  閣提出)
 日程第三 特定優良賃貸住宅の供給の促進に関
  する法律案(内閣提出)
 日程第四 母子及び寡婦福祉法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 日程第五 診療放射線技師法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第六 視能訓練士法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、参議院送付)
 日程第七 商工会及び商工会議所による小規模
  事業者の支援に関する法律案(内閣提出)
 日程第八 中小企業信用保険法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 日程第九 所得に対する租税に関する二重課税
  の回避及び脱税の防止のための日本国とトル
  コ共和国との間の協定の締結について承認を
  求めるの件
 日程第十 所得に対する租税に関する二重課税
  の回避及び脱税の防止のための日本国とイス
  ラエル国との間の条約の締結について承認を
  求めるの件
 皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日
  とする法律案(内閣提出)
 日本国憲法第八条の規定による議決案
 国会法の一部を改正する法律案(議院運営委員
  長提出)
 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を
  改正する法律案(議院運営委員長提出)
 児童の権利に関する条約の締結について承認を
  求めるの件(第百二十三回国会、内閣提出)
  の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 協同組織金融機関の優先出資に関する法律案(内閣提出)
 日程第二 皇太子徳仁親王の婚姻を記念するための五万円の貨幣の発行に関する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 日程第一、協同組織金融機関の優先出資に関する法律案、日程第二、皇太子徳仁親王の婚姻を記念するための五万円の貨幣の発行に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長藤井裕久君。
    ―――――――――――――
 協同組織金融機関の優先出資に関する法律案及
  び同報告書
 皇太子徳仁親王の婚姻を記念するための五万円
  の貨幣の発行に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔藤井裕久君登壇〕
○藤井裕久君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、協同組織金融機関の優先出資に関する法律案について申し上げます。
 本案は、協同組織金融機関の自己資本の充実に資するため、普通出資を補完するものとして優先出資を発行できる制度を設けようとするもので、その主な内容は、優先出資者には普通出資者総会における議決権を与えないこととする一方、剰余金の配当については普通出資者に対する優先権を与えることとし、また、優先出資証券の発行、優先出資者総会制度等についても所要の規定を設けることといたしております。
 なお、優先出資を発行できる協同組織金融機関は、農林中央金庫、商工組合中央金庫並びに全国を地区とする信用協同組合連合会、信用金庫連合会及び労働金庫連合会としております。
 本案につきましては、去る四月二十日林大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、質疑終了後、直ちに採決いたしました結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 次に、皇太子徳仁親王の婚姻を記念するための五万円の貨幣の発行に関する法律案について申し上げます。
 政府は、皇太子殿下御成婚を記念して、現行の通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律に基づく五千円記念銀貨幣及び五百円記念白銅貨幣の発行を予定いたしております。
 この法律案は、以上の記念貨幣のほか、特別に五万円の記念金貨幣を発行できることとするもので、本法律案に基づき発行される五万円記念金貨幣につきまして、現行法の関係条文を適用し、その素材、量目、発行枚数等を政令で定めること等とするものであります。
 本案につきましては、昨日、林大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、質疑終了後、直ちに採決いたしました結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 特定優良貨貸住宅の供給の促進に関する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 日程第三、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。建設委員長野中広務君。
    ―――――――――――――
 特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔野中広務君登壇〕
○野中広務君 ただいま議題となりました特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、中堅所得者等に良質な賃貸住宅を供給するため、民間の土地所有者等が作成した賃貸住宅の供給計画を都道府県知事が認定し、賃貸住宅の建設及び家賃の減額の措置に対して国及び地方公共団体が補助を行うとともに、その建設及び管理が公的賃貸住宅として適正に行われるようにするための措置等を講ずるほか、地方公共団体は、中堅所得者等を対象とする優良な賃貸住宅が不足している場合においては、その建設に努めなくてはならないこととする等所要の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る二月二十六日の本会議において趣旨説明が行われた後、同日本委員会に付託され、四月十六日中村建設大臣から提案理由の説明を聴取し、二十一日質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対して附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第四 母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 診療放射線技師法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第六 視能訓練士法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
○議長(櫻内義雄君) 日程第四、母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案、日程第五、診療放射線技師法の一部を改正する法律案、日程第六、視能訓練士法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生委員長浦野烋興君。
    ―――――――――――――
 母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案及び同報告書
 診療放射線技師法の一部を改正する法律案及び同報告書
 視能訓練士法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔浦野烋興君登壇〕
○浦野烋興君 ただいま議題となりました三法案について、厚生委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、母子家庭及び寡婦の福祉の一層の増進を図るため、都道府県の母子福祉資金貸付金に関する特別会計及び寡婦福祉資金貸付金に関する特別会計を統合すること等により、資金の有効な活用等を図るとともに、母子家庭及び寡婦に対する生活、生業等に関する専門的な助言、指導等を行う事業を社会福祉事業として位置づけようとするものであります。
 本案は、去る三月十日付託となり、四月十六日丹羽厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、昨日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 次に、診療放射線技師法の一部を改正する法律案及び視能訓練士法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 診療放射線技師については、従来の業務に磁気共鳴画像診断装置等を用いた検査を加えること、また、視能訓練士の業務については、医師の指示のもとでの眼科に係る検査を加えること等であります。
 両案は、去る四月十六日参議院より送付され、同日付託となり、同日丹羽厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、昨日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、両案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 三案を一括して採決いたします。
 三案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第七 商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案(内閣提出)
 日程第八 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 日程第七、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案、日程第八、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長井上普方君。
    ―――――――――――――
 商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案及び同報告書
 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔井上普方君登壇〕
○井上普方君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案について申し上げます。
 本案は、小規模事業者をめぐる最近の厳しい経営環境にかんがみ、商工会及び商工会議所がその機能を活用して小規模事業者の経営の改善発達を支援するための措置を講ずるものでありまして、その主な内容は、
 第一に、通商産業大臣は、小規模事業者の経営の改善発達を支援するための商工会等に対する基本指針を定めること、
 第二に、商工会等は、基本指針に則して基盤施設計画及び商工会等以外の者が商工会等と連携して実施する連携計画を作成して認定を受けることができること、
 第三に、認定を受けた基盤施設計画に従った事業の円滑な実施を図るため、全国団体に基金を設け、債務の保証を行うほか、税制上の優遇措置等の支援策を講じ、また、認定連携計画についても所要の支援策を講ずることといたしております。
 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、中小企業をめぐる金融環境悪化の現状等に対応し、中小企業信用保険の付保限度額を引き上げようとするもので、その主な内容は、普通保険、無担保保険、特別小口保険、公害防止保険及びエネルギー対策保険について、それぞれ付保限度額を引き上げるものであります。
 商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案は、去る二月十五日、また、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案は、去る三月二日、それぞれ当委員会に付託され、四月十四日森通商産業大臣から両案の提案理由の説明を聴取し、以来、一括し、日本商工会議所及び全国商工会連合会から参考人を招致し、中小企業政策各般について質疑を行い、参考人の人選等について委員長の見解が求められる等の慎重な審査を重ね、昨二十一日質疑を終了し、採決の結果、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきもりと議決いたしました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案については、日本共産党から修正案が提出され、採決の結果、同修正案は賛成少数をもって否決され、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第九 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第十 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とイスラエル国との間の条約の締結について承認を求めるの件
○議長(櫻内義雄君) 日程第九、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第十、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とイスラエル国との間の条約の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長伊藤公介君。
    ―――――――――――――
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とイスラエル国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔伊藤公介君登壇〕
○伊藤公介君 ただいま議題となりました両件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 トルコとの租税協定は、平成五年三月八日アンカラにおいて署名され、また、イスラエルとの租税条約は、平成五年三月八日東京において署名されたものであります。
 両件は、国際的な二重課税を可能な限り回避または排除することを目的とし、近年我が国が締結した租税条約とほぼ同様のものであり、OECDモデル条約に沿って作成されたものであります。両件は、条約の対象となる租税、企業の事業所得及び国際運輸業に対する課税、配当、利子及び使用料についての源泉地国の税率の制限並びに自由業者、給与所得者、芸能人、学生等の人的役務所得に対する課税原則等を定めております。
 なお、トルコとの租税協定においては、金融機関の受け取る利子に対する課税の軽減及び徴収共助について定めております。
 両件は、去る三月十二日外務委員会に付託され、四月十六日武藤外務大臣から提案理由の説明を聴取し、二十一日質疑を行い、討論の後、採決を行いました結果、両件はいずれも多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 両件を一括して採決いたします。
 両件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ――――◇―――――
○魚住汎英君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案、日本国憲法第八条の規定による議決案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 魚住汎英君の動議に御異議
 ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
 よって、日程は追加されました。
  皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休
   日とする法律案(内閣提出)、
  日本国憲法第八条の規定による議決案
○議長(櫻内義雄君) 皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案、日本国憲法第八条の規定による議決案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長牧野隆守君。
    ―――――――――――――
 皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日
  とする法律案及び同報告書
 日本国憲法第八条の規定による議決案及び同報
  告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔牧野隆守君登壇〕
○牧野隆守君 ただいま議題となりました両案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律案について申し上げます。
 本案は、来る六月九日に行われる皇太子徳仁親王殿下の御結婚を、国民こぞってお祝いするため、結婚の儀の行われる日を休日としようとするものであります。
 次に、日本国憲法第八条の規定による議決案について申し上げます。
 皇室が、財産を譲り受け、または賜与する場合、一定の額に達するまでは国会の議決を要しないこととなっておりますが、本案は、このたびの皇太子殿下の御結婚に際し、特に、社会福祉事業の資に充てるため五百万円以内を賜与し、また、婚姻を祝するために贈与される物品を譲り受けることができるよう、国会の議決を得ようとするものであります。
 両案は、四月二十日本委員会に付託され、本日、河野内閣官房長官から提案理由の説明を聴取し、一括して質疑を行い、採決いたしましたところ、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○魚住汎英君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 議院運営委員長提出、国会法の一部を改正する法律案及び国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案の両案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 魚住汎英君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 国会法の一部き改正する法律案(議院運営委
  員長提出)
 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部
  を改正する法律案(議院運営委員長提出)
○議長(櫻内義雄君) 国会法の一部を改正する法律案、国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員長与謝野馨君。
 国会法の一部を改正する法律案
 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を
  改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔与謝野馨君登壇〕
○与謝野馨君 ただいま議題となりました国会法の一部を改正する法律案及び国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 秘書増員問題は、長年の懸案事項であり、議院運営委員会においては、国会改革の一環としての重要課題であるとの観点から、その実現方について鋭意努力してきたところであり、本年度から政策担当秘書として制度化されるに至ったところであります。
 そこでまず 国会法の一部を改正する法律案でありますが、これは、議員の職務の遂行を補佐する秘書二人のほか、新たに主として議員の政策立案及び立法活動を補佐する秘書一人を付することができることとするほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。
 次に、国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案でありますが、これは、ただいま御説明いたしました国会法の改正に伴い、新たに付することができる議員秘書に適用する給料表及びその格付基準等を定めようとするものであります。
 以上、両法律案は、議院運営委員会において起草提出したものであります。
 何とぞ御賛同くださるようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 両案を一括して採決いたします。
 両案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも可決いたしました。
     ――――◇―――――
 児童の権利に関する条約の締結について承認
  を求めるの件(策百二十三回国会、内閣提
  出)の趣旨説明
○議長(櫻内義雄君) 第百二十三回国会、内閣提出、児童の権利に関する条約の締結について承認を求めるの件につき、趣旨の説明を求めます。外務大臣武藤嘉文君。
    〔国務大臣武藤嘉文君登壇〕
○国務大臣(武藤嘉文君) 児童の権利に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、趣旨の御説明を申し上げます。
 この条約は、平成元年の国連総会において採択されたものであり、児童の権利の尊重及び保護の促進を目的とするものであります。
 この条約は、我が国が締約国となっている経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約及び市民的及び政治的権利に関する国際規約において定められている権利を児童について広範に規定するとともに、さらに、児童の人権の尊重及び保護の観点から必要となる詳細かつ具体的な事項をも規定したものであります。この条約の目的は、基本的人権の尊重の理念に基づいている我が国の憲法とも軌を一にするものであり、我が国がこの条約を締結することは、我が国の人権尊重への取り組みの一層の強化及び人権尊重についての国際協力の一層の推進の見地から、有意義であると考えております。
 我が国は、平成二年九月にこの条約に署名しており、また、この条約は、平成五年三月現在、既に英国、フランス、ドイツ、イタリー、カナダを含む百三十以上の国により締結されております。さらに、近年、児童の権利の重要性に対する認識が世界的に高まり、この条約につきましては、子供のための世界サミット、国連総会等において、世界各国に対してこの条約の早期締結が勧奨されるに至っており、このような点を勘案いたしましても、早期にこの条約を締結することが重要であると考えられます。
 なお、我が国としては、この条約中の自由を奪われた児童の成人からの分離についての規定に関しては、その内容にかんがみましても、留保を付することが適当であると認められます。
 右を御勘案の上、この条約の締結について御承認を得られますよう、格別の御配慮を得たい次第でございます。
 以上が、児童の権利に関する条約の締結について承認を求めるの件の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 児童の権利に関する条約の締結について承認
  を求めるの件(第百二十三回国会、内閣提
  出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(櫻内義雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。佐藤泰介君。
    〔佐藤泰介君登壇〕
○佐藤泰介君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表し、ただいま提案のありました児童の権利に関する条約の締結について承認を求める件について質問をいたします。
 世界の歴史は、女性と子供の権利を軽視する歴史でありました。その権利の回復に国連が果たしてきた役割には極めて大きなものがあったと思います。本条約もその一つでありまして、女子差別撤廃条約に続く画期的な条約であります。
 女子差別撤廃条約は、日本の社会に大きな影響をもたらしました。本条約もまた、日本の社会に、日本の子供たちに大きな変革と希望をもたらすものであると確信をいたします。その意味で、私たちは、早くからこの条約を「世界の子ども憲法」と位置づけ、その一日も早い批准を求めてきたところであります。
 ところが、政府は、本条約の採択を祝って世界の首脳が集まった子供サミットに時の首相を送りながら、なかなか国会にその批准承認を求めることができなかったのであります。このことは極めて遺憾であったと申さねばなりません。しかし、本日、やっとその批准承認案件が本院で審議されることとなりました。私は、このことを率直に喜びたいと思います。
 そこで、まず総理にお伺いします。
 この条約の批准は、当然のこととして、日本の子供たちにかかわる諸制度の改善を伴うものでなければならないと考えますが、本条約の意義について御所見を賜りたいと思います。
 本条約は、多くの人々が待ち望んできたものであります。が、しかし、政府提案の内容には、日本語訳の不適切さとそれに伴う諸問題、並びに政府が一つの留保と二つの解釈宣言を行っている点など、そのまま承認することはできません。したがって、以下の諸点につきまして、政府の考えをただしておきたいと思います。
 まず最初にお尋ねしたい点は、本条約に用いられている「チャイルド」の用語を「児童」と翻訳したことについてであります。
 本条約は、「チャイルド」を未成熟で保護を要する者とのみ認識することから、独立した権利の行使者と認めることへの価値観の転換を求めるものであります。したがいまして、未成熟であり保護が必要な者という意味合いり強い「児童」の用語は、本条約にふさわしいものとは思えません。
 また、この「児童」という用語は、児童福祉法では条約の定義と同様に十八歳未満の者を指しますが、学校教育法では小学生を意味し、道路交通法では六歳以上十三歳未満の子供を指します。このように国内法の用法が不統一な点も、この画期的な条約にはふさわしいものとは申せません。
 さらに、条約は、その対象年齢の子供たちが、条約を自分たちのものとすることを求めているのであります。しかし、十七歳にもなる若者が、みずからを「児童」と呼ぶ条約を、自分たちのことを規定した大切な条約であると受けとめるでありましょうか。この点でも大きな疑問が生ずるのであります。
 したがって、本条約の批准促進を求めて運動している皆さんは、高校生なども含めて「チャイルド」は「子ども」と訳し、条約の名称も「子どもの権利条約」とすることを求めています。これに対し、政府は、法律用語には「子ども」という用語はないと拒否をしてきているのであります。しかし、現に国民の祝日に関する法律には「こどもの日」がございます。この「こども」も明らかに「成人」に対する対語として使われているものであり、この用語法の方が条約の趣旨によりふさわしいものではないでしょうか。(拍手)
 また、「児童」と「子ども」との比較で言えば、国民の祝日に関する法律の制定過程で、かつての総理庁が「子供の日」と「児童祭」とを選択肢とした世論調査を行った結果、圧倒的に「こどもの日」が国民の支持を得たという事実についても想起されるべきであります。
 私は、この際、「チャイルド」を「子ども」と訳し、条約名を「子どもの権利条約」とすることに特段の不都合がなければ、「児童」という翻訳は変えるべきであろうと考えますが、いかがでありましょうか。
 次は、本条約の留保及び解釈宣言についてであります。
 政府が留保するとしている本条約の第三十七条(c)は、十八歳未満の子供が犯罪を犯したような場合に、その子供を拘禁するときは成人とは分離しなければならないことを定めたものであります。その十八歳という年齢をとらえて、政府は、日本では少年法によって二十歳で分離することになっていると指摘し、留保するとしているわけです。
 成人の悪い環境から子供を保護するという本条約の趣旨からすれば、日本の少年法は保護の対象を二十歳までに拡大してより手厚く保護を加えているわけであり、私は、留保の必要は全くないものと考えます。したがいまして、政府がこの項を留保するその本当のねらいはどこにあるのか、実は代用監獄の現状の問題とも関係しているのではないかという点についても御説明をお願いします。
 次に、政府が解釈宣言を付すこととしている第九条第一項の規定は、出入国管理に伴って強制退去を要するケースにあっても子供は親から引き離されてはならないことを定めたものであります。政府の解釈宣言によって、強制退去の場合に子供は父母から引き離されることがあるということをあらかじめ宣言することは、条約の趣旨を骨抜きにするものであり、許されるものではありません。明確な答弁を求めます。
 また政府は、第十条第一項についても解釈宣言を付すものとしていますが、この条項は、家族が再統合するための出入国申請について、積極的かつ人道的に取り扱うことを求めるものであります。第九条第一項の、子供と親とを引き離してはならないという原則を堅持する限り、当然の規定であります。したがって、政府の解釈宣言は、第九条第一項で不当な宣言を行うがために新たな宣言を必要としているのではないでしょうか。
 さらに、法務省は、この規定について、締約国の出入国管理に関する権限に何ら影響を及ぼすものとは解されないとも主張しております。もしそうであるならなおのこと、この解釈宣言は不要のはずであります。
 以上によりまして、私は一つの留保、二つの解釈宣言はいずれも不要であり、それを付すことになれば条約の趣旨そのものがゆがめられることになると考えるものでありますが、政府の真意を説明していただきたいと思います。(拍手)
 次は、いわゆる非嫡出子についてであります。
 私は、本条約の二条に規定される出生その他の地位による差別の禁止は、子供の出生が婚姻内であるか婚姻外であるかを理由に、相続や戸籍上の差別をなくすことを求めているものと考えております。このことは、この条約の審議過程で議長を務めたポーランドのロパトカ氏が、この条約は非嫡出子という概念を否定したものであると述べていることによっても明らかであります。
 子供は親を選んで生まれてくるわけではありません。親の法的地位によって子供を差別することになる非嫡出子の制度は、本条約の趣旨に反するものであります。条約の批准に当たって民法の改正が不可欠であると考えますが、いかがでありましょうか。(拍手)
 次は、条約の第二十八条一項(b)の中等教育の無償化についてであります。
 この項は、すべての子供に中等教育を受ける権利の保障を義務づけておりますしかるに、日本政府は、本条項の義務一般を承認しながら、条文中の「サッチ・アズ」を「例えば」と訳して、高校教育の無償化や、必要な場合の援助については単なる例示規定であり、条約の例示には拘束されないとの立場を表明しております。しかし、アメリカやイギリスの法律における用語法としての「サッチ・アズ」は、単なる例示ではなく、より限定的な表現ではないでしょうか。
 また、政府は、日本の高校進学率は九五%に達しており、高校教育は制度的にはすべての子供に開放されているといいます。しかし、例えば、児童福祉施設の子供たちは、経済的な理由によって保護施設の教育に関する保護者義務が中学校で終わるという理由から、実質的に高校進学の道が断たれております。
 私は、条約の趣旨を尊重するなら、高校教育は無償化し、保護者の教育義務を延長し、これらに伴う国の責務を明確にすることが不可欠であると考えます。この条約の「サッチ・アズ」が求める努力もまた同様なものではないでしょうか。政府の御見解をお伺いします。(拍手)
 次は、子どもオンブズマンの制度化についてであります。私は、子供の権利を保障するには、その権利が侵害されると思われる場合には、子供の側に立ってともに考え、必要があればその権利をともに主張するオンブズマンの制度の創設が不可欠だと考えます。スウェーデンではこうした立場から、NGOが組織する子どもオンブズマンの組織に対しても国が援助を与える制度を設けたと聞きます。我が国においてもその実現を求めたいと考えますが、総理、いかがでありましょうか。
 最後に、条約の広報に関する予算措置についてお伺いします。
 この条約の意義を広く国民に伝えることは、条約自身も一条を設けて広報を義務づけております。そのためには一定の経費が必要となります。しかし、今年度予算ではその措置はとられておりません。批准の手続が終了したとき、広報に関してどのような財政措置をおとりになるつもりか、お伺いしておきたいと思います。
 以上、本条約にかかわって若干の問題点を指摘しましたが、条文の訳語にもまだまだ不適切な部分が散見されるのであります。これでは、せっかくの条約が、政府の旧態依然とした子供観によってその意義が薄らいでしまうと思われます。
 今後の委員会審議におきましても、私たちは多くの問題提起を行いたいと思います。政府も行政の都合に合わせた条約解釈を行うのではなく、まさに条約が求める「子どもの最善の利益」のために、我々大人には何ができるのかという真摯な態度で対応されますことを強く希望し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 最初に、この条約
が日本の子供たちにもたらす意義いかんというお尋ねでございました。
 児童は、その人格の完全かつ調和のとれた発達が確保され、社会の中で個人として生活するために十分な準備が整えられることが必要であります。これが児童の権利条約の基本的な考え方と思います。政府としては、この条約において認められております児童の権利の尊重、保護を引き続き図っていくことが重要と認識しております。
 また、この条約を締結することによって、児童の基本的人権の尊重や保護について、制度面ばかりでなく意識面、実体面で一層努力していく契機となるというふうに考えております。
 それから、オンブズマン制度の創設についてお尋ねがございました。
 児童に関する各般の問題については、既に児童相談所、児童委員、人権擁護機関などが、家族や児童本人からの相談に応じて各種の援助を行う体制が現に整備されております。したがいまして、子供の権利侵害の問題については、オンブズマンという新しい制度を創設することでなく、児童相談所、人権擁護機関等の相談活動の強化を図ることによって対処するのが適当であろうと考えております。
 残りのお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣武藤嘉文君登壇〕
○国務大臣(武藤嘉文君) 佐藤議員にお答えをいたします。
 私については大体三問ばかりお答えすればいいかと思っております。
 まず最初は、「チャイルド」の表現についての問題でございます。
 児童の権利条約の「児童」を「子ども」と訳すべきとの御指摘につきましては、政府といたしましては、我が国がこれまで締結した条約の訳例及び国内法令における用語との整合性にかんがみ、この条約の「チャイルド」の訳としては「児童」が最も適切であると判断したものであり、「子ども」に改める考え方はありません。
 次に、留保、解釈宣言の問題に関してお答えをいたします。
 まず、第三十七条(c)に関する留保についてお答えをいたします。
 この規定によれば、自由を奪われた十八才未満の児童が十八歳以上の成人から分離されなければなりません。他方、我が国の少年法は、二十歳未満の者を少年として取り扱うこととしております。仮にこの規定に留保を付さないでこの条約を締結した場合、国内法を改正し、保護の対象を現在の二十歳未満の者から十八歳未満の者へと縮小する必要があり、適当ではありませんので、留保を付すものであります。
 次に、この条約第九条1は、この審議経緯にかんがみましても、父母による児童の虐待または父母の別居などの特定の場合において、原則として、児童がその父母の意思に反して父母から分離されないことを確保するよう締約国に義務づけるものでありますが、これは、児童または父母の退去強制、抑留、拘禁等、この条約第九条4において、国がとり得る措置として認められている措置により、結果的に親子の分離が生ずることまでも妨げるものではないと解されます。ただし、このような解釈が文理上必ずしも明らかではないために、このような解釈を明らかにしておくとしたものであります。
 また、この条約第十条一は、締約国が出入国の申請を「積極的、人道的かつ迅速な方法で取り扱う。」旨規定しておりますが、これは、例えば出入国の申請を原則的に拒否するような消極的な取り扱いを禁止し、また出入国に関する申請の受理から申請を通じた手続の中で人道的配慮が必要と認める場合は、かかる配慮を行うべきであること等を定めたものであり、出入国の申請の審査の結果を予断し、拘束するものではないと解されます。ただし、このような解釈が文理上必ずしも明らかではないために、このような解釈を明らかにしておくこととしたものであります。
 このように、我が国の行おうとしておる留保、解釈宣言は、いずれも必要と判断したものでありまして、また、この条約の趣旨をゆがめるものではないと考えております。
 三点目は、広報に対する財政措置が必要ではないか、こういう御質問でございました。
 政府といたしましては、既に政府の広報誌等において、この条約の精神や内容について紹介、普及に努めているところであります。今後とも、各種メディア、講演会等を通じて広報予算の枠内で適切に対処していくこととしておりまして、この条約の広報のために新たな財政措置を講ずる必要はないと考えております。
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
○国務大臣(後藤田正晴君) 佐藤議員にお答えを申し上げます。
 嫡出子と嫡出でない子との取り扱いに関する我が国の民法等の規定がこの条約第二条に反するものであるとの御質問でございますが、この条約の第二条は、児童に対する不合理な差別を禁止する趣旨の規定でございますが、御指摘の民法等の規定は、婚姻関係にある両親から出生じた子であるか否かに伴って必然的に生ずる差異や法律婚を尊重しなければならないという見地からの合理的な差異を定めたものであって、本条約に反するものではないと考えます。したがって、この条約批准に当たって民法等の改正は必要はたい、かような考えでございます。(拍手)
    〔国務大臣森山眞弓君登壇〕
○国務大臣(森山眞弓君) 佐藤議員から条約第二十八条と無償化についての御質問がございました。
 第一に、条約第二十八条第一項(c)の規定は、中等教育の発展を奨励し、すべての児童に対して利用可能であり、かつ、機会が与えられるようにするため、締約国がその裁量によりとるべき適当な措置の例示として、必要な場合における財政的援助の提供等と並んで無償教育の導入を規定しているもので、無償教育の導入自体を締約国に義務として課しているものではないと考えます。
 高校教育を無償化することにつきましては、膨大な財政負担の増加等問題が多く、そのような方針をとることは適当でないと考えます。
 我が国では、高等学校教育については、必要な場合の財政的援助として、育英奨学、就学奨励等就学が困難な者に対する経済的な援助、私立学校の就学上の経済負担を軽くするための私学助成などを行っており、これらの措置によって本規定の趣旨とする中等教育の機会の確保のための適切な措置をとっているのでありまして、今後ともその推進に努めてまいる所存でございます。
 次に、高等学校に関する保護者の教育義務の延長につきましては、中学校卒業者の高校進学率は、平成四年度において九五・九%に達しており、高校進学希望者のほとんどが高等学校に進学している状況にあります。また、この段階の青少年の能力、適性、興味、関心、進路希望などは極めて多様化しており、それぞれにふさわしい進路選択が行われることが大切であると考えておりまして、一律に高等学校を無償化し、義務教育化することは適当ではないと考えます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 大野由利子君。
    〔大野由利子君登壇〕
○大野由利子君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議案となりました児童の権利に関する条約について、総理並びに関係閣僚にお尋ねをいたします。本条約は、一九八九年に国連で採択されましたが、この年は、世界史の中でもひときわ光彩を放っているフランスの人権宣言が布告されてちょうど二百年に当たります。折しも本年は、世界人権宣言が布告されて四十五周年を迎え、六月にはウィーンにおいて世界人権会議が二十五年ぶりに開催されます。今、国際社会の中では民族紛争が続発していることもあり、人権というテーマに対する関心は国際的にも急速な高まりを見せています。したがって、本条約についてお尋ねする前に、人権という課題に関し、より広範な観点からお尋ねいたします。
 我が国は、経済は黒字国でも人権は赤字国であると言われています。現在、国連で採択されている人権関係の条約は二十五を数えます。本条約を批准することで、ようやく我が国は二十五本中八本を認めることになります。中でも、一九六五年に採択された人種差別撤廃条約については、既に百三十四カ国が批准しておりますが、我が国はまだ批准しておりません。
 また、本年は国際先住民年であります。我が国政府は、いまだにアイヌ民族を先住民と認めていないぱかりか、明治三十二年に制定された北海道旧土人保護法という国家的差別法をいまなお存続させております。加えて、我が国では部落差別の問題も克服できず、在日韓国人・朝鮮人の人々とさえ円満に共存できていない現状にあります。近年は、外国人労働者にかかわる人権問題も多発しております。
 国連で採択されながらまだ批准されていない諸条約について、とりわけ人種差別撤廃条約については早期に批准するべきものと考えます。北海道旧土人保護法の撤廃とアイヌ新法の制定をも急ぐべきであります。品格のある国づくりを標榜する宮澤総理の御見解をお伺いいたします。
 さて、政府提案の児童の権利条約についてであります。
 本条約の生い立ちを振り返ってみると、第二次世界大戦を教訓として世界人権宣言が生まれましたが、その際、それまでの人権保障が男性中心に進められ、忌まわしい大戦まで引き起こすに至ったという反省から、今後はその犠牲にさらされてきた女性や子供の人権保障を各国の重要な政治課題にしようと決意したことに端を発していると言われています。
 したがって、本条約は、単に大人が子供を保護の対象として見おろしてきた従来までの発想からではなく、いわば子供と同じ高さの目線に立って、一体、子供にとって何が最善の利益であるのか見きわめつつ、子供の主体的な権利行使を積極的に援助し、子供の社会参加の確立を目指すものであると言われています。
 それだけに、我が国においても本条約の早期批准が強く求められていましたが、残念ながら、本条約の承認を求める政府案は、こうした期待に十分こたえていないのではないかと言わざるを得ません。条約実施のために国内法の整備や予算措置も不要であるという政府方針のもとでは、どこまで実効性が発揮できるのか、また、全国の子供や教育関係者、福祉担当者等々にどこまで本条約の精神を徹底できるのか、甚だ疑問であります。
 総理並びに外務大臣は、本条約の精神をどうとらえておられるのか、まず御見解を承りたいと思います。
 以下、具体的に質問いたします。
 第一には、本条約の名称を含む政府訳の問題についてであります。
 政府の訳文は、本条約の精神を十分に反映していないばかりか、子供の権利を制約する方向で訳されているとの指摘があります。例えば、英語の原文「チャイルド」は「子ども」ではなく「児童」と訳され、本条約の名称自体が「児童の権利条約」と訳されています。
 本来、「児童」という用語は、保護の対象といった色彩が強く、学校教育法では、児童は小学生を指しています。本条約が十八歳未満のすべての子供を対象にしていることを考えると、この「児童」という訳語では不適切であります。児童とい立言葉は、決して整合性のある言葉ではありません。しかも、高校生ともなると、自分たちは児童と呼ばれたくない、自分たちのことを子供とは言うが児童とは言いません、との意見を表明しています。
 鳩山前文部大臣も、委員会質疑で、子供と言った方が温かみを感じると言われておりました。また、先ほどの社会党議員の主張に対しましても、自席で拍手をして賛同を表しておられました。政府訳を再検討される用意はないか、外務大臣の御答弁をお伺いいたします。
 第二には、本条約を締結するに当たり、政府がつけた留保についてであります。
 政府は、完全批准を求める関係者の声が強い中、本条約を締結するに当たり、二つの解釈宣言に加え、三十七条(c)の規定を留保することとしています。我が国における少年の身柄拘束は、少年の保護を専門とする少年鑑別所への収容を原則としているにもかかわらず、現実は、大人の収容さえ問題とされている代用監獄への勾留が横行しています。こうした事実に照らして見ると、この規定の留保は、子供への権利侵害を温存するための口実ではないのかという懸念があります。
 もし政府がこうした懸念を否定するのであれば、この三十七条(c)の規定を留保にするのではなく、この規定で言う「成人」とは、国内法で言う二十歳以上の「成人」を指すものと解釈する旨の解釈宣言を行うべきではなかったのかと考えますが、外務大臣の明確な御答弁を求めます。(発言する者あり)ごめんなさい、法務大臣  いや、留保することですから、外務大臣の御答弁を求めます。
 なお、子供を拘束する場合は、成人と厳格に分離することが少年司法運営に関する国連の最低基準規則となっています。代用監獄における子供の勾留を速やかに禁止すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 また、この際、少年司法のあり方を規定した条約四十条の精神を実効あるものとするためにも、例えば少年事件の取り調べに際しては、付添人をつけることを義務づけるとか、あるいは弁護人の依頼権を法的に保障するなど、現行の少年司法のあり方についても抜本的に再検討すべきではないかと思いますが、法務大臣の御見解をお伺いいたします。
 第三には、条約第二条では、人種、性、言語、宗教、障害、出生などによるいかなる差別も禁じております。ところが、我が国の民法九百条では、非嫡出子の相続は嫡出子の二分の一に規定しています。また、婚姻届を出した夫婦の子供と出さない夫婦の子供では、戸籍、住民票の記載に違いがあって、結婚や就職の際、差別を受けているのが実情です。現在、結婚によって姓を変えることの不便さを避けるために、積極的に事実婚を選択するカップルもふえており、世論調査でも、夫婦別姓の選択の拡大に賛成する人が反対派を上回っています。現在の家族法は、もはやこうした時代の流れにそぐわないものとなってきています。
 この際、現行の家族法の体系を見直す必要があると考えますが、法務大臣の御見解をお伺いいたします。
 第四は、学校教育に直接かかわる問題ですが、条約第十二条に意見を表明する権利、第十六条には児童のプライバシー権などが規定されています。しかし、学校現場においては、いまだに頭髪の規則や持ち物検査、スカート丈の規制と、網の目のような細かい規則や体罰がまかり通り、校則に意見を述べる機会すら与えられていない現状もあります。子供の権利保障の推進に向けて具体的な手だてをお持ちなのかどうか、お伺いいたします。
 また、障害児が障害を理由に希望する学校に入学できなかったり、病弱児が病院内学級や訪問教育が不備なために義務教育すらも十分に受けられない実情も見受けられます。在日外国人の子供を含め、すべての子供に対し、教育を受ける権利を保障するべきではないかと考えますが、文部大臣の御見解を伺います。
 第五に、地球上には、戦乱、飢餓、疫病等によって生存権さえ脅かされている多くの子供が放置されている現実があります。国際的見地から考えてみると、この条約の批准を契機に、我が国は、地球的規模で子供の人権保障を推進し、途上国の母子保健や福祉、教育分野でより積極的な貢献を行う必要に迫られているのではないでしょうか。
 日本は、二国間及びユニセフ等に対するマルチの援助を行っていますが、ODAに占めるユニセフへの拠出の比率は、九三年度予算配分でわずか〇・一八%、国民一人当たり二十七円という状況です。教育等による人間の能力の開発と生活の向上を通して、人間自身が健康で豊かになれる国際貢献をより充実すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 第六に、国連では子どもの権利委員会が設置され、活動を始めていますが、我が国においても、子供の権利保障の状況を監視したり、必要に応じて勧告、提言するなどの活動を独自に行う行政機関として、子どもの権利委員会または子どもの権利オンブズマンを国、地方公共団体に設置すべきではないかと考えるものであります。この制度は、既に多くの国や州において設置されているそうでありますが、これについて御見解をお尋ねいたします。
 以上指摘してきたことからも明らかなように、本条約を実りあるものとするためには、単に批准すれば事足れりというものではありません。我が国も世界の将来も子供たちの手にかかっているわけで、いわば子供は未来からの使者であります。子供たちの健やかな成長を期す意味からも、この際、総理がリーダーシップを発揮し、政府として子供の権利をより総合的に推進するための年次計画、すなわち「子どもの権利保障推進十ケ年計画」を策定し、国内法の整備を含め、内外にわたる各種施策を充実していくお考えはありませんか。
 重ねて総理の御見解をお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 最初に、アイヌ新法についてでございますが、アイヌ新法の問題につきましては、政府としては、北海道からアイヌ民族に関する法律制定についての要望を受け取っておりまして、関係省庁から成る検討委員会を設けまして、ただいま鋭意検討を行っているところでございますので、どうぞその趣旨で御理解をお願いいたしたいと思います。
 次に、この条約の精神はどうかということでございますが、この条約は、先進国、開発途上国の別を問わず、世界的な視野から、児童の人権の尊重、保護の促進を目指すものと認識をいたしております。
 また、この条約上の権利につきましては、その内客の多くは、我が国憲法を初めとする現行の国内法制で既に保障をされておりますが、この条約を締結することによって、児童の基本的人権の尊重や保護について、制度面ばかりでなく、意識の面、実体面で一層努力をしていく契機になる、またそうでなければならないと考えております。
 それから、オンブズマンについてお尋ねがございましたが、児童に関するいろいろの問題について、既に、児童相談所、児童委員、人権擁護機関などが家族や児童本人からの相談に応じまして各種の援助を行う体制が既に整備をされております。したがって、子供の権利侵害の問題につきましては、新たにオンブズマンという制度を創設いたしますよりは、児童相談所、人権擁護機関などの相談活動の強化を図ることによって対応するのが適当であると思います。
 次に、子供の権利を保障するための総合的な推進計画ということについてお尋ねであります。
 児童の権利の保障につきましては、これまでも児童の健全な育成を目的とした各種施策の展開を通じて確保してきたところでございます。政府としては、引き続き関係行政機関の緊密な連携を保ちつつ、この条約の趣旨を踏まえました施策を総合的に推進してまいりたいと考えております。
 残りのお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣武藤嘉文君登壇〕
○国務大臣(武藤嘉文君) 大野議員にお答えをいたします。
 私に対しては、まず、この条約に先立ちまして、人種差別撤廃条約について早期に批准すべきではないかということでございました。この点についてお答えをさせていただきます。人種差別撤廃条約等の未締結条約についてお答えをいたします。
 我が国は、国際社会における基本的人権の尊重を一層促進し普遍化することの意義を十分認識しており、国連において作成された人権関係条約は重要な役割を果たしていると考えております。
 このような観点から、我が国は、一九七九年に最も基本的かつ包括的な人権に関する条約である国際人権規約を締結し、一九八一年には難民条約及び同議定書を締結し、また、一九八五年には女子差別撤廃条約を締結しております。
 未締結の条約については、人種差別撤廃条約を含め、これらの条約の目的、意義、内容、国内法体制との整合性等を十分勘案の上、その取り扱いについて関係省庁とともに検討を続けていく所存でありまして、その結果、締結することが適当と考えられるものにつきましては、締結するように努力をしてまいります。
 次は、この条約について、その精神をどうとらえているか。
 これは、今総理からも御答弁がございましたとおりでございまして、その目的とするところは、基本的人権の尊重の理念に基づいている我が国の憲法とも軌を一にしているものであります。児童の人格の完全なかつ調和のとれた発達のために、児童の人権が保障されるとともに、児童が特別な保護及び援助を受けるべきであるという精神に立脚してつくられたものであると認識をいたしております。
 それから三つ目は、先ほどもこれはお答えをいたしましたが、「チャイルド」の表現でございます。
 この条約の「児室」を「子ども」と訳すべきとの御指摘につきましては、先ほどと同じような答弁になりますけれども、政府といたしましては、我が国がこれまで締結した条約の訳例及び国内法令における用語との整合性にかんがみ、この条約の「チャイルド」の訳としては、「児童」が最も適切であると判断したものであり、「子ども」に改めるということは考えておりません。
 次に、この規定で言う「成人」とは、国内法で言う二十歳以上の「成人」を指すものと解釈する旨の解釈宣言を行ったらどうか、こういう御指摘であったと思います。
 この条約、第三十七条同は、「自由を奪われたすべての児童」すなわち、十八歳未満のすべての者は、「例外的な事情がある場合を除くほか、成人とは分離されないことがその最善の利益であると認められない限り成人とは分離される」旨規定しております。
 この条約上、「成人」についての定義はありませんが、「児童」という若年者を、それ以外の年長者から分離することによって保護しようとの条約の趣旨にかんがみますれば、ここで言う「成人」は児童以外の者、すなわち十八歳以上の者を言い、したがって、第三十七条(c)は、十八歳未満の者と十八歳以上の者の分離について定めていると解釈をいたしております。
 他方、我が国の少年法は、二十歳未満の者を「少年」として取り扱っておりますので、この条約の我が国への適用上、第三十七条同の法的効果を排除する必要がありまして、解釈宣言ではなく、留保を行うことが必要と考えております。
 最後に、この条約の批准を契機に、もっとODAの二国間あるいはユニセフ等に対するマルチの援助を充実をしていくべきではないか、こういう御指摘でございました。
 全世界の人々が健康で豊かな生活を享受できるような社会の実現は、人類共通の目標であると同時に、政府開発援助もかかる目標に沿って実施しているものであります。
 政府開発援助大綱においても、教育を初めとする基礎生活分野及び人づくりの分野を重点項目として掲げておりまして、このような分野において、これまでも二国間ODA及びユニセフ等国際機関を通ずる援助によって種々協力を実施してきたところでございます。我が国といたしましては、国際貢献の重要な柱の一つであるODAを通じ、より豊かな国際社会の実現に向けて努力をしていく考えであります。(拍手)
    〔国務大臣後藤田正晴君登壇〕
○国務大臣(後藤田正晴君) 大野議員にお答えを申し上げます。
 まず、代用監獄における少年の勾留に関する御質問でございますが、現行の少年法の規定によりますと、勾留は、やむを得ない場合でなければ行うことができない、こう規定しておる。その上に、この場合も成人と分離をして収容しなければならないと、かように相なっておるわけでございます。そこで、いわゆる代用監獄に勾留する場合においても、被疑者留置規則によりまして、少年は成人の被疑者と分離をして収容するというように相なっておるわけでございまして、現にそのように取り扱われておるものと私は承っておるわけでございます。
 次に、少年事件における弁護人の依頼権の保障あるいは付添人の義務づけ等、少年司法のあり方について抜本的に再検討をすべきではないか、こういう御質問でございますが、それについてお答えをいたしますと、少年は、被疑者として取り調べを受ける段階では、刑事訴訟法によって成人と同様に弁護人選任権が認められておるわけでございます。また、少年審判を受ける段階になりますと、少年法によって付添人を選任することが認められておるわけでございまするので、少年の権利は、現行法上、十分に保障されておるのではないか、かような認識でございます。御提案に係る少年の権利保障の強化についてのお考えは、条約第四十条の要請を大幅に超えているところでもあるように思いまするので、この問題については、他の密接に関連する問題とあわせて少年法全体の改正の中で慎重に検討すべきものである、かように考えます。
 次に、嫡出子と嫡出でない子との取り扱いの差異を含めまして、身分法の体系を見直す必要があるのではないかとの御質問でございますが、本条約第二条は、児童に対する不合理な差別を禁止する趣旨の規定でございますが、御指摘の民法の規定では、婚姻関係にある両親から出生じた子であるか否かに伴って必然的に生ずる差異や、法律婚を尊重しなきゃならぬという見地からの合理的な差異、違いを定めておるものであって、いずれもこ
の条約に反するものではない、そこで条約批准に当たって、民法等を改正する必要はないものと私は考えております。
 なおまた、夫婦の氏の問題、あるいは婚姻及び離婚に関する身分法制、これらの問題について御質疑がございましたが、これらは現在、法制審議会で見直しを、今その作業に取りかかっておるわけでございますので、その結果を見たい、かように考えておるわけでございます。
 以上でお答えといたします。(拍手)
    〔国務大臣森山眞弓君登壇〕
○国務大臣(森山眞弓君) 大野議員にお答えいたします。
 条約第十二条、第十六条に関連いたしまして、校則にかかわる質問と障害児教育に関する御質問がございました。
 まず、校則は、児童生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長発達していくための指針としての役割を持つものでございます。もとより、校則は日々の教育指導にかかわるものでありますから、児童生徒の実態、保護者の考え方、時代の進展などを踏まえまして、絶えず見直しを行い、教育的に見て適切なものとすることが大切であり、文部省といたしましても、かねてよりこのような観点に立ちまして、教育委員会等に対し指導してまいりました。
 なお、校則の制定や見直しに当たり、学級や生徒会等で児童生徒にみずからの問題として討議する場を設けるなど、指導上の工夫を行うことも一つの方法であると考えております。
 児童の権利条約は、児童生徒の心身ともに健全な発達のために、教育を含む各種の権利保障を推進しようとするものであると認識しておりますが、学校においては、児童生徒の人権に十分配慮し、一人一人を大切にした教育が行われなければならないのは当然でございまして、今後とも、この条約の締結を契機といたしまして、体罰の根絶も含め、より適切な教育指導、学校運営が行われますよう、一層の指導に努めてまいりたいと考えております。
 第二に、障害児教育などに対する御質問についてでございますが、日本国憲法及び教育基本法によりまして、すべて国民は「その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」ものとされております。これを受けまして、学校教育法では、心身障害児に対し教育の機会を保障するため、小学校、中学校等のほかに、盲学校、聾学校、養護学校を設けております。
 心身障害児に対する教育につきましては、その障害の種類、程度に応じまして適切な教育を行い、その能力を最大限に伸ばし、可能な限り積極的に社会に参加することができますようにすることが重要でございます。このため、障害の程度の重い児童生徒については盲、聾、養護学校で、障害の程度の軽い児童生徒については特殊学級などで、また、病気などのため療養中の児童生徒につきましては病院内学級または訪問教育により、それぞれ適切な教育を行っているところでございまして、これにより心身障害児に対し、教育の機会を実質的に保障しているものと考えております。
 なお、在日外国人につきましては、公立小中学校等への就学を希望する場合には、教育の機会を保障するため、日本人の児童生徒と同様に受け入れております。
 文部省といたしましては、このような施策を通じまして、すべての児童生徒の教育の機会を保障し、その充実を図ってきたところでございますが、今後ともその一層の充実に努めてまいりたいと考えます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 菅野悦子君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔菅野悦子君登壇〕
○菅野悦子君 私は、日本共産党を代表して、子どもの権利に関する条約について質問をいたします。
 一九二四年の児童の権利に関するジュネーブ宣言以来、国連の人権宣言や国際人権規約、児童の権利宣言を経て採択された本条約は、世界戦争の教訓から人類が学んだ人権思想の集大成をなすものとして高い評価を得ているものであります。
 世界の経済大国となった我が国において、それにふさわしく子供の権利保障が行われることは当然のことであり、政府が言うように、発展途上風の問題などと軽く片づけられる問題ではございません。私は、本条約が、二十一世紀に向けての平和と新たなる民主主義の時代を切り開く大きな力となることを確信するものであります。
 条約は、子供の「最善の利益」が第一義的に考慮されるべきことを前提に、これまでの国際人権規約に保障されてきた諸権利はもちろんのこと、さらに、子供自体を権利行使の主体と位置づけている点に画期的な深い意義がございます。(拍手)
 ともすると、子供は保護し、管理する対象として考えてきた我が国における子供観を、あるいは社会のあり方を、根底から問い直さなければならないほどの大きな問題を提起していると言えます。未成熟な子供の発達、成長段階に応じて権利行使を保障するという、極めて質の高い民主主義が求められていることを認識し、これにふさわしい社会の改革を図る責務が政府に課せられているのです。
 しかし、これまで明らかにされてきた政府の見解は、関連法規の改正はもとより、実施体制の見直しもせず、財政措置もなしというものです。こうした政府の姿勢には、形式的な条約批准で事足れりとする、実に無責任な対応と感じられてなりません。
 本条約のこうした根本理念に照らし、基本的問題に絞って、総理以下関係大臣に質問いたします。
 総理、子供たちの置かれている現状は余りに多くの問題を投げかけています。アトピーやぜんそくに苦しむ子供たち、あるいは乳幼児の虐待、小学校低学年から落ちこぼれを生み出す新学習指導要領、学ぶ権利さえ奪われている災害・交通遺児らの増加、長時間労働や過労死の増大などによる家庭生活の破壊などなど、子供たちを苦しめている深刻な現実は枚挙にいとまがありません。急激な出生率の低下なども、こうしたゆがんだ社会に対する女性たちの示す拒否回答の結果と言えるのです。
 総理、国際人権規約の加盟も形式の問題だったのでしょうか。こうした子供の権利侵害の実態が年々深刻に、かつ拡大していることをどのように受けとめておられるのでしょうか。また、本条約に基づき、子供の実態をまず調査することが重要ではありませんか。どのような見地に立って、条
約を受けとめ、実態の改善を図るつもりなのか、総理並びに外務大臣の基本認識をお伺いいたします。(拍手)
 第二は、本条約の最大の特徴をなす意見表明権の問題です。
 子供は、保護される立場にあると同時に、権利行使の主体として意見を表明する権利を保障され、また締約国には、子供の意見を正当に重視する義務が課せられているのです。髪型や服装まで校則に定め、管理、統制を図るなどは、明白に教育的範疇を超えていると言わなければなりません。過度な管理・締めつけ教育が、子供たちの意見表明の機会さえ奪い、時に、兵庫・高塚高校における校門圧死事件など、悲惨な事件を引き起こしている現実を、総理はどのように考えておられるのか。また、子供が権利行使の主体であることを、しかとお認めになりますか。国民への周知徹底はどのように進められるのでしょうか。意見表明権をあらゆる分野で保障するために、具体的な検討、対策が必要と思いますが、総理の見解を求めます。(拍手)
 文部大臣、大阪弁護士会が実施した「校則に関するアンケート調査」を見ても、多くの中学・高校生が校則の見直しを求めているところであります。教育的配慮と言うのならなおのこと、子供自身に納得のいくルールであることが肝要です。
 条約二十八条二項に照らし、子供たちの意見を校則や生徒心得に十分反映させるために、どのような対策を考えているのか。
 また、意見表明権を保障する上で、まず、高校生の自主的活動を制限、禁止している「生徒指導の手引き」や、一九六〇年の「高等学校生徒に対する指導体制の確立について」、「高等学校における政治的教養と政治活動について」などの各種通達を撤回すべきではありませんか。
 懲戒、停学、退学処分、体罰報告書等については、子供自身、または代理人の意見表明の機会を保障する手続規定を明文化することが不可欠の条件です。どのように対応されるのでしょうか。
 さらに、条約第十四条は、締約国は、子供の思想、良心及び宗教の自由の権利を尊重しなければならないことを義務づけています。日の丸の掲揚、君が代斉唱の押しつけは、本条約に反することを多くの識者がひとしく認めているところです。(拍手)日の丸、君が代についての子供の拒否権、意見表明権をどのように保障されるつもりか、それぞれについて明確な答弁を求めます。(拍手)
 第三は、教育全体の問題です。
 いじめ、体罰、不登校、中途退学者の増大など、教育の荒廃が年々深刻の度を増しています。新学習指導要領の撤回、見直しを求める地方自治体が百を超えていることに示されるように、覚えられない、わからないと子供たちが悲鳴を上げている、この現実が明白に示しているとおり、子供の人格や発達成長の段階を無視した新学習指導要領による詰め込み・能力主義教育にその大きな原因が指摘されているのです。多くの子供にわからない授業では、もはや教育ではあり得ません。教育行政の転換が求められているのではありませんか。文部大臣、こうした新学習指導要領は直ちに白紙撤回されるよう強く要求し、答弁を求めます。(拍手)
 また、私学助成の十年連続の実質削減、入学金や授業料の大幅引き上げ、私学にあっては月額十万円にも及ぶ教育費は、既に父母負担の限界を超えているのです。中等教育の無償または財政援助を求めている条約第二十八条に照らし、どのような対応をされるのか、文部大臣の認識を伺いたいと思います。(拍手)
 第四は、子供の生存権と健康、医療への権利に関する二十四条について伺います。
 乳幼児の三人に一人がアトピー性皮膚炎に苦しみ、ぜんそくや呼吸器系疾患などによる乳幼児の入院は、厚生省の調査でも一九六五年の一・八倍に増加しております。子供たちの健康破壊が急速に広がっているのです。最高水準の健康に恵まれる権利を子供たちに等しく保障するために、少なくとも乳幼児医療の無料化に踏み切るべきではありませんか。また、保育を児童福祉法の対象から外して措置費制度を改悪し、救貧対策に転換するかのような政策は、断じて採用すべきではありません。医療、福祉、教育をサービス産業として利潤追求の対象とするなどは、本条約の理念に反することは明白であります。
 公的保育の一層の充実、子供の放課後の安全を保障する学童保育の法制度化など、条約が求める政策の積極的推進を図る決意がおありかどうか、それぞれ厚生大臣の答弁を求めます。(拍手)
 次に、少年司法の問題について伺います。
 警察署内では、子供たちに対してさえ、殴る、けるなどの暴行が行われ、認めなければ少年院送りなどと脅迫され、自白を強要される実態がしばしば明らかにされているところです。特に家庭裁判所では、国選付添人制度が認められていないために、さまざまな不利益を受けていることが深刻な問題となっています。
 総理、司法職員を初め行政府職員に対する本条約の周知徹底及び研修、訓練等をどのように実行されるおつもりか。また、家庭裁判所における付添人の立ち会いを法制度化し、子供の救済、権利の確保を図るべきと思いますが、どうお考えか。さらに条約は、出生のいかんにかかわらず、いかなる差別も禁じているところです。非嫡出子の法定相続分に関する差別が認められないことは明らかであり、速やかに民法の改正を行うよう、総理の見解を求めます。(拍手)
 第五は、親の、子を養育する権利と企業責任の問題です。
 子供の権利を保障する上で、その両親の人権が尊重されなければならないことは当然のことであります。子供や家族の意向を無視した単身赴任の強要、女性の差別的低賃金や過労死の増大など、企業活動のあり方が子供を養育する権利を妨げる根本的原因となっていることは御承知のとおりであります。資本の利益追求最優先のもとで、子供たちが犠牲になっているのです。少なくとも一日拘束八時間の労働時間、週休二日の完全実施、最低二十日の有給休暇の保障が必要であります。総理、企業に対していかなる指導をされる保つもりか、また、父母が養育の権利を確保するためにどのような援助計画を策定するつもりか、具体的な答弁を求めます。(拍手)
 最後に、条約を遵守し、誠実に実行していくための体制の問題について伺います。
 国連子どもの権利委員会は、各国政府が子ともの権利条約の目的を達成するためにどのような改善と実態の進歩を実現させたのか、厳しい審査を
行っているところですが、総理並びに外務大臣、日本政府として批准後二年以内に求められている報告では、どのような実態の改善が報告できるとお考えでしょうか。
 まず、条約実施のための体制を整えることが重要です。一つは、必要な立法あるいは政策の提言及び調査、勧告する権限を持つ、行政機関からは独立したオンブズマン制度の創設、第二は、国及び地方自治体における子どもの権利を実現するための推進本部の設置等が緊急に求められているところであります。また、年次計画や国内行動計画の策定も急がれなければなりません。総理にその決意がおありかどうか、お伺いいたします。(拍手)
 幾百千万のとうとい命の犠牲の上に、平和と民主主義の原則を明確にした今日の憲法が制定されました。平和こそ子供の命を守り、子供の権利を保障できる最大の力であります。武力を保持せず、武力の行使を禁じた日本国憲法こそ、世界じゅうの子供たちの権利を保障し得る未来の方向を示していると確信いたします。憲法の平和理念をあくまで守り抜く決意がおありかどうか、総理の答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 大変たくさんのことをお尋ねになりましたので、一つずつお答えをいたします。
 近年の出生率の低下につきましては、家庭やあるいは子育てについて、若い人々が関心を失いつつあるのではないかということを心配いたしております。政府としては、内閣に関係省庁の連絡会議を設けて、出生率低下の要因を分析するとともに、子供を産み育てていくことに喜びや楽しみを感じることのできる社会づくりのための施策を総合的に推進をしているところでございます。
 次に、児童生徒は、一般に心身の発達過程にある、そういう年ごろでございますから、学校におきまして一定の規律が必要なことは申し上げるまでもないことだと思います。もちろん、行き過ぎた指導が行われませんように、今後とも児童生徒の基本的人権には十分配慮をいたします。
 条約第十二条の意見表明権は、児童の意見を年齢等に応じ相応に考慮すること等を求めているものであって、児童の意見を無制限に認めるものでないことはもとよりと思います。
 次に、この条約について国会の御承認をいただき、締結した際には、政府としては、条約の内容、考え方を、子供たちを初め関係方面に幅広く広報をいたします。
 それから、国選の付添人を法的に制度化することは、条約第四十条の要請そのものを大幅に超えるところでもございます。また、将来、少年法改正の条件が整った際に、他の密接に関連するもろもろの問題とあわせて検討すべき問題であると思います。
 嫡出子と嫡出でない子との取り扱いに関する我が国の民法の規定につきましては、先ほど法務大臣が再度にわたって御答弁になられましたが、民法の規定は、婚姻関係にある両親から出生じた子であるか否かに伴って必然的に生ずる差異、法律婚の尊重の見地等から合理的な差異を定めたものであると思います。もちろん、本条約に反するものではないと考えますから、改正を必要といたしません。
 それから、労働時間につきましては、年間総労働時間千八百時間の達成に向けて、完全週休二日制の普及促進、年次有給休暇の完全取得の促進、連続休暇の普及及び拡大、所定外労働の削減等に努めるとともに、週四十時間労働制への移行を実現するための労働基準法改正案を今国会で御審議をいただいているところでございます。
 子どもの権利委員会につきましては、この条約上の権利について、その内容の多くは、我が国憲法を初めとする、現在ございます国内法制で既に保障されております。この条約を締結することによって、もう一度そういう問題の意識を高める契機にいたしたいと思います。条約を締結いたしました後、この権利の実現のためにとった措置等に関する報告を国連事務総長を通じて児童の権利に関する委員会に提出いたしますが、その中において、我が国の児童を取り巻く諸状況の進捗ぶりについて言及をいたすつもりであります。
 オンブズマンにつきましては、先ほどもお答えをいたしましたが、児童に関する各般の問題につきまして、既に児童相談所、児童委員、人権擁護機関などがございます。これらの機関の相談活動の強化を図ることが適切な対応ではないかと思います。
 それから、関係諸機関のいわゆる推進本部等についてお尋ねがございましたが、現在あります関係行政機関の緊密な連携を保ちつつ、この条約の趣旨を総合的に推進してまいりたいと思います。
 それから、日本国憲法の基本理念は、これを将来にわたって堅持すべきものであることは申し上げるまでもありません。(拍手)
    〔国務大臣武藤嘉文君登壇〕
○国務大臣(武藤嘉文君) 菅野議員にお答えをいたします。
 最初は、いろいろな社会の現象から、いかなる見地からこの条約を受けとめているか。総理からも御答弁がございましたが、私からもということでございますので、お答えをさせていただきます。
 この条約は、児童の人格の完全な、かつ調和のとれた発達のため、児童の人権が保障されるとともに、児童が特別な保護及び援助を受けるべきであるという精神に立脚してつくられたものであると認識しております。したがって、この条約を締結することは、この条約の精神に基づき、国民の意識を高め、児童の法的保護及び福祉の向上等が一層図られていくと考えております。
 その次は、条約批准二年以内に義務づけられている児童の権利委員会への報告の中で、どのような実態面での改善を報告し得るのだろうかということでございますが、児童の権利に関する委員会に提出することになる報告書の記載内容は、この条約の国内実施状況に係るものが主になるものと予想されます。したがって、報告書の作成に当たっては、外務省が中心となりまして、条約の国内実施を担当する関係省庁との間で、事実関係の把握及び政策指針の両面において十分連絡調整を図っていく考えであります。
 もう一つは、これも総理から今御答弁がございましたけれども、オンブズマン制度の創設その他、いろいろとこれに対する対応をどうするかということでございます。
 総理の御答弁のとおりで、新しい体制をつくる必要はないと思っております。政府といたしまし
ては、児童の権利に関する委員会に対する報告を作成し、提出するに当たって、関係行政機関相互間の緊密な連絡を行うことによりまして、この条約の国内履行状況をチェックし、フォローアップしていくことができるものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣森山眞弓君登壇〕
○国務大臣(森山眞弓君) 菅野議員にお答え申し上げます。
 まず、校則との関係について御質問がございました。
 校則は、児童生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長発達していくための指針としての役割を持っております。これは日々の教育指導にかかわるものでありますから、児童生徒の実態、保護者の考え方、時代の変化などを踏まえまして絶えず見直しを行い、教育的に見て適切なものとすることが大切でございます。文部省といたしましても、かねてよりこのような観点に立ちまして、教育委員会等に対し指導してまいりました。その見直しに当たって、学級や生徒会等で、児童生徒にみずからの問題として討議する場を設けるなど、指導上の工夫を行うことも一つの方法であると考えております。
 続いて、第十二条に基づく子供の意見表明についての御覧町がございました。
 第十二条第一項の、児童の意見を表明する権利につきましては、児童に影響を及ぼすすべての事項について自己の意見を表明する権利を規定するものでございますが、この条文は、児童の意見を年齢等に応じ相応に考慮することを求めるものでありまして、児童の意見を無制限に認めるものではないと考えます。
 学校教育において、この条約の批准を契機として、より一層児童生徒の人権に十分配慮し、一人一人の個性を大切にした教育指導や学校運営が行われるようにしていくことが大切であり、指導の充実を図ってまいりたいと考えております。
 また、第十二条の第二項では、一定の行政上の手続について、児童は聴取される機会が与えられる旨規定しておりますが、これは、個々の児童に直接影響を及ぼすような行政上の手続、例えば教育関係で申せば、停学、退学等において、当該児童の意見が聴取される機会を与えられる旨の規定であると考えられます。
 退学・停学処分については、児童に懲戒処分を行うに際しての、教育上必要な配慮をするとの学校教育法施行規則第十三条の規定がございまして、その際、児童の意見聴取が望ましい旨の指導を行ってきておりますが、今後、条約締結後においては、さらに指導をしてまいりたいと考えます。
 次に、第十四条に基づく、子供の「思想、良心及び宗教の自由」に関してのお尋ねでございます。
 条約第十四条の思想、良心の自由は、既に憲法や国際人権規約に規定されているところでございますが、これは一般に、内心について、国家はそれを制限したり禁止したりすることは許されないという意味と解釈されるものと承知しております。
 我が国におきましては、長年の慣行により、日の丸が国旗、君が代が国歌であるという認識が広く国民の間に定着しているものでございまして、学校教育におきましては、学習指導要領に基づき、児童生徒が国旗、国歌の意義を理解し、それを尊重する心情と態度をしっかり育てるために、入学式や卒業式などにおいて、国旗掲揚、国歌斉唱の指導を行うこととしております。
 この学習指導要領に基づく指導は、児童生徒が将来広い視野に立って物事を考えられるようにとの観点から、国民として必要な基礎的、基本的な内容を身につけるために行われているものでございまして、児童生徒の思想、信条を制約しようというものではなくしたがって、本条約第十四条に反するものではないと考えます。
 さらに、学習指導のあり方についてのお尋ねがございました。
 新学習指導要領は、二十一世紀を担う子供たちが、これからの社会の変化に対応して、主体的、創造的に生きていくことができる資質や能力の育成を図ることを基本的なねらいとしてつくられたものでございます。
 学校におきましては、このような新学習指導要領が目指す教育を実現するため、学力を単なる知識や技能の量の問題としてとらえるのではなく、みずから学ぶ意欲と思考力、判断力、表現力などの能力の育成を重視する新しい学力観に立って、教材の精選を図るとともに、個々に応じた指導を一層充実することが課題でございます。したがって、学習指導要領自体が、子供の人格や能力を無視した詰め込み教育などを助長することにつながっているとは考えておりません。先ほど来申し上げた考え方が推進されますよう、さらに努力をしてまいりたいと考えます。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
○国務大臣(丹羽雄哉君) 乳幼児の医療の無料化についてのお尋ねでございますが、乳幼児の健虚を守り、増進させるため、厚生省といたしましては、これまで三歳児健康診断などさまざまな保健指導を行ってきております。医療費につきましては、医療を受ける者と医療を受けない者とのバランスという観点もあり、子供からお年寄りまで、受診者に一定の負担をしていただくというのが原則的な考え方であり、乳幼児医療費一般について、国としてその無料化を行う考えはございません。
 なお、難病の子供、未熟児、障害児といったお気の毒な方々については、既に治療費の公費負担を実施いたしております。
 次に、保育所についてのお尋ねでございますが、保育ニーズの多様化、社会の変化に対応した制度や費用負担のあり方など、保育のあり方全般について検討を進めるため、ことしの二月に保育問題検討会を設置し、幅広い検討をお願いいたしているところであります。
 昼間、保護者のいない家庭の小学校低学年児童については、平成三年度から、放課後児童対策事業を新たに創設し、その推進を図っており、いわゆる学童保育を制度化する必要はないと考えております。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(村山喜一君) 柳田稔君。
    〔柳田稔君登壇〕
○柳田稔君 私は、民社党を代表して、ただいま提案のありました児童の権利に関する条約について、総理、外務及び文部大臣に質問いたします。
 現在子供たちの人権は、国際的に見て、世界人権宣言や国際人権規約等の既存の人権規範でも規
定されております。しかし、実態としては大人の人権に埋没しがちであり、特にソマリアの子供たちやボスニアの子供たちが置かれておる悲惨な状況を目にするとき、これら子供たちへの人道に基づく緊急の援助が必要なことは論をまちません。また、発展途上国において恒常化しておる飢餓、内戦による難民化、少年兵の問題、親による暴力や性的虐待、読み書きができない子供たちやストリートチルドレンの急増、人身売買、麻薬の常習など、世界の子供たちを取り巻く状況は極めて深刻であります。
 翻って我が国の子供たちの現状を見るとき、途上国の子供たちが置かれているような、その生存を脅かすほどの極限状況にはないものの、過熱する一方の受験競争、陰湿ないじめ、体罰、不登校や少年非行などの教育問題や家庭環境、自然環境の改善などの諸課題につき、早急な解決が望まれています。
 以上のような観点から、私は、国際的な協力によって、困難な状況にある子供たちの生存権、人格権というべきものを尊重しようとするこの条約の趣旨を評価し、早期に批准する必要があるものと考えます。
 しかしながら、この条約は、一九八九年に国連総会で採択されてから、種々のメディアを通じて関心が高まってまいりましたが、解釈をめぐっては、既に世上いろいろなことが言われております。近年、一つの条約の批准を前にして、その解釈がこれほど先行したことはなかったのではないでしょうか。そこで私は、我が国において、この条約の趣旨を生かすために、政府がここで責任ある解釈を提示すべきだと考え、以下質問をいたします。
 まず、この条約で最も画期的と称されている十二条に言う児童の意見表明権の趣旨についてお尋ねいたします。
 この条項を、現在の行き過ぎた管理教育や、そこから派生すると言われる不合理な校則、学校運営上の諸問題を是正するための手段として、児童生徒に権利として発言の場を与えるものと解釈する向きがあります。
 私は、原則として、この条文が規定するように、自己の意見を形成する能力のある児童の意見は、その年齢や成熟度に応じて配慮されれば、殊さら権利性を前面に出さずとも十分確保、尊重できるものと思います。確かに今の校則のあり方や学校運営には大いに改善の余地があることは事実です。しかしながら、これらの課題に対してどの程度の児童生徒の関与を認めるのかという問題の解決を、即児童生徒に対し厳格な意味での権利を与えることによって図るというのでは、いささか短絡的な気がいたします。
 問題があれば、一定のルールに従って当事者が不断の改善を進められるのは、条約の規定をまつまでもなく当然のことです。しかし、ここで注意しなければならないのは、学校は本来的に、場合によっては懲戒権を行使せざるを得ないような教育の場であるということです。したがって、学校と児童生徒の関係は、教育に対しては一般社会における契約関係に見られるような対等の当事者である以上に、教育を受ける対象でもあることを十分念頭に置くことが必要だと考えます。
 私は、児童生徒の一人一人がその人格を尊重されるべきことは当然のこととしても、他方では教育を受ける対象でもあり、発育途上にあることを考慮するときは、いたずらに権利性だけを強調しても、国民が有すべき責務の面からすると均衡を欠き、誤解を生じやすいと思います。(拍手)学校教育を一般社会で妥当する法律的な権利義務関係で単純に割り切ることには疑問を持ちます。
 ただし、そうは言っても、対等な当事者である面もありますから、学校、教師と児童生徒、父母との間で見解の相違がある場合には、第三者的立場で双方の言い分を聞いて解決を図る役割を果たすような外部機関を設けることも検討に値すると思いますが、この点を踏まえて政府の見解を示していただきたいと存じます。
 第二に、十三条の表現の自由十四条の思想、良心及び宗教の自由、十五条の結社及び集会の自由に関連して、しばしばこれらの諸権利の実効性を確保するための例として、教科書選択に対する関与、生徒会活動等の政治的自由、学外の政治団体への加入等、児童生徒の政治活動が議論の対象となっていますが、その解釈についてお尋ねいたします。これらのいわゆる自由権は、既に我が憲法にも同様の規定がありますが、この条約の趣旨として、教科書選択や政治活動の問題まで踏み込んでいるのかということに思いをいたすとき、多分に疑問を持たざるを得ません。
 政治的な活動に例をとると、やがて子供たちも成長すると選挙権など国民の諸権利を行使するときが来ます。ですから、教育の任務として、将来のよき有権者を育成するという観点から、学校教育の段階で、政治、経済を理解するための自由と民主主義の精神に基づく教育を施すことについては、異論のないところであります。しかしながら、基礎的な教養を修得することを目的とする学校教育において、政治的活動をある程度制限することについては、不合理なものとは私は考えておりません。十分な社会経験のない児童生徒の政治的活動を放任すれば、実社会の政治的勢力の影響を受けるなど、学校や他の児童生徒に無用の混乱を持ち込むおそれがあります。したがって、政治についての教育を取り扱うのは、社会的に未成熟である初等中等教育段階では、よほど慎重な配慮が必要だと考えますが、これらの点につき政府はどのような姿勢で臨まれるのでしょうか。
 第三に、国内におけるこれらの議論を踏まえ、条約批准に当たっての政府の具体的取り組みについてお伺いいたします。
 政府は、この条約を批准しても現行の国内法で十分対処できるとの立場をとられ、何ら予算措置、法的措置を講じないおつもりのようでございます。これは、善意に解釈すれば、幸い我が国では、既に条約の趣旨を生かす法律の整備が進んでいるということなのでございましょう。しかし、形式的には新たなる立法措置が不要だとしても、実質的に見れば、これまで述べてきたように、子供たちの調和のとれた発達のために早急な解決を要する諸課題があることも事実です。したがって、単に法律の手当てが不要だということは、解決策を講じなくてもよいという理由にはならないはずであります。現行法の枠内においても、最大限に条約の趣旨を生かす措置を講じるべきであります。
 また、既存の法律の運用にかかわる問題として、少年司法における取り調べの過程で子供たち
の言い分が十分配慮されていないとも言われ、その意味で、法律の規定がありながら運用でゆがめられているような例も見受けられます。既存の法律の適正な運用が望まれますが、政府は、この点につきどのように取り組まれるおつもりなのでございましょうか、お答えをお願いいたします。
 最後に、私は、青少年行政を抜本的に拡充するための新たな行政措置として、対外的には、ODAの積極的な活用による途上国の子供たちの保健、教育のための多様な援助、国内的には、子供たちの健やかな発達のため、行政、学校、地域社会、企業、家庭が一体となった取り組み、特にボランティア活動を積極的に支援すべきだと思います。
 世界の何百万人もの困難な状況にある子供たちに対してどのような行動が可能であるのか、このような視点から政府の対応が問われるべきであります。ユニセフでも述べているとおり、いかなる時代にあっても、子供最優先の原則があらゆる機会に守られなければなりません。この条約が目指す、我が国の人権尊重への取り組みの強化及び人権尊重についての国際協力の一層の推進という趣旨からすると、条約で規定されている行政措置その他の措置の実施は、法律の規定の有無にかかわらず講じられるべきであります。既に法律の規定があっても、往々にして対策が不十分なことを考えると、条約の趣旨を実効性あらしめるのは、一に政府の決断にかかっていると言っても過言ではありません。日本の子供たちの行く末はもちろん、紛争地域や多くの発展途上国では、現にこの瞬間にも死に直面している子供たちのことを考えると、とても他人事として済まされないことは、国際貢献を持ち出すまでもなく自明のことであります。
 私たちは、憲法前文に言う「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認」している、このことをもう一度想起すべきであります。その上で、我が国が置かれている国際的な地位にかんがみると、今ほど具体的な取り組みが必要とされているときはないのではないでしょうか。冷戦の終結とともに、人類はより安全に、より人間らしく生きる権利がこれほど再認識されているときはありません。全世界の子供たちが未来に希望を持って成長できるよう、我々大人は今なすべき緊急の責務を改めて想起すべきであります。
 これらの点を踏まえ、この条約の趣旨を具現化する政府の確固たる方針を示していただきたいと考えます。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 児童の権利に関する条約上の権利につきましては、その内容の多くのものは、既に我が国が昭和五十四年に締結をいたしました国際人権規約に制定されているものでございます。我が国憲法を初めとする現行国内法制で既に十分に保障されていると考えております。
 ただし、児童の人権保護については、法制度の面ばかりでなく、国民の意識の面あるいはその実体面で、不断の努力によって一層の確保を図ることが必要かつ重要でございますから、本件条約の締結を契機に、児童の基本的人権の尊重に対する行政機関、国民を含めた国全体の意識の高まり、児童に対する非人道的な取り扱い、搾取、虐待等があってはならない、あるいは児童の法的保護及び福祉の向上など、一層努力をしていくべきものと考えております。
 次に、少年に対するいわゆる少年の刑事事件でございますが、少年法によっていわゆる保護優先主義が採用されているところであり、捜査当局においては、少年の取り調べ等に際し、少年法の精神を踏まえ、その言動に十分注意する等、温情と理解を持って事案の解明に当たってきたものと考えておりますが、今後ともこの法の趣旨等を外しまして、それらについて過ちがありませんように十分配慮をしてまいりたいと考えております。
 それから、ボランティア活動につきましてもお尋ねがございましたが、青少年自身がボランティア活動を行うことについては、青少年が健やかに成長していく上で大きな意義を持つものと考えます。また、ボランティアで青少年の育成に携わっている方々、この方々は、そういう立場から大きな役割を果たしておられるのでありますから、いずれの意味におきましても、ボランティア活動に対する支援は、政府としては極めて重要なことであると認識しております。現在、青少年問題審議会でも、この問題については審議が進められておりますが、その御意見を踏まえまして推進方策を検討してまいりたいと思っております。
 残りのお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣武藤嘉文君登壇〕
○国務大臣(武藤嘉文君) 柳田議員にお答えをいたします。
 私に対しては、条文の解釈でございます。第十二条でございますが、この第十二条の一は、児童がみずからの意見を形成し得るようになれば、児童といえども、どのような職業につくか、どのような学校を選ぶかなど、その児童個人に関するすべての事項についてみずからの意見を述べることが認められるべきであり、またそのような事項についての意見は相応に考慮されるべきであるという理念を規定したものと考えています。
 他方、第十二条2は、自己に影響を及ぼす事項について意見を表明するという児童の権利を手続的に保障することを目的として、個々の児童に対して直接影響を及ぼす司法上及び行政上の決定または措置に関する手続においては、当該児童に対して意見を聴取される機会を用意するように国に対して義務づけたものであると解しております。
 次に、十三条、十四条、十五条の解釈ということでございます。
 この条約の第十三条から十五条は、表現の自由、思想、良心及び宗教の自由並びに結社及び集会の自由という我が国の憲法によって保障されている基本的な自由権を児童について保障する旨規定しております。
 ただし、これらの規定は、教科書の採択に際し、児童の意見を聴取することを求めるものではないと理解をしています。また、これらの規定は、学校等の特別の目的を持った施設が、その目的を達成するために必要な範囲で校則などの内部規則を定め、この条約に定めた権利に一定の制限を課すことを禁じたものではないと理解をしております。したがって、学校において、その教育目的を達成するために必要な場合、児童の政治活動
に制約が加えられるようなことがあっても、これがこの条約に反するものではないと考えます。
 次は、対外的なODAの積極的な活用というお話でございました。
 政府は、昨年六月に閣議決定した政府開発援助大綱において、ODAの効果的実施のための方策の一つとして、児童を含め、社会的弱者にも十分配慮する旨掲げております。このような考え方のもとで、これまでも二国間援助によって、小中学校の校舎の建設や教材の供与、母子保健、子供の病院プロジェクト等への協力を行っております。また一方、ユニセフあるいはWHO、ユネスコ等の国際機関を通じまして、資金協力等も行ってきております。
 これらの協力は、児童の最善の利益を考慮しつつ、その権利を尊重することについて定めている児童の権利条約の趣旨にも沿ったものと認識しており、今後とも、ODA大綱を踏まえて、かかる協力の充実に努めてまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣森山眞弓君登壇〕
○国務大臣(森山眞弓君) 既に総理、外務大臣の御答弁の中にも出てまいりましたが、柳田議員からの御質問にお答えしたいと思います。
 まず、この条約の第十二条一項の、自己の意見を表明する権利につきましては、自己の意見を年齢等に応じ、相応に考慮することを求めるものでございまして、児童の意見を無制限に認めるものではございません。したがって、例えば校則やカリキュラムにつきましては、学校の判断と責任において決定されるものであると考えております。学校教育におきましては、この条約の批准を契機として、より一層、児童生徒の人権に十分配慮し、一人一人の個性を大切にした教育指導や学校運営が行われるようにしていくことが大切であると考えます。
 なお、御指摘の校則の改善につきましては、時代の変化や児童生徒の実態を踏まえました校則の見直し、その運用の改善について、一層指導の充実に努めてまいりたいと考えます。
 次に、学校と児童生徒の関係のお尋ねにつきましては、各学校は、学校の教育目的達成のため必要な合理的範囲内におきまして、児童生徒に対し指導や指示をしたり、必要な場合には懲戒等の処分を行うものでございます。この点につきましては、本条約の批准によって何ら変更されるものではないと考えます。
 また、学校教育でさまざまな見解の相違のある場合に、その解決のための外部機関を設けることの御指摘につきましては、何よりも学校にありましては、教師と児童生徒、保護者との間の共通理解の上に、信頼関係に立った学校運営や教育指導が行われ、学校が児童生徒の実態、意見や考え方などを十分把握しつつ、また保護者の意見なども聞きながら粘り強く適切に問題解決していくことが必要であると考えます。したがいまして、新たに外部機関を設けることよりも、教職員や教育行政など学校関係者が最善の努力をしていくことにより対処していくことが適切ではないかと考えております。
 次に、教科書の採択につきましては、個々の児童を直接の対象とした行政上の手続等ではなく、この条約に言う意見を表明する権利の対象となる事項ではないものと承知しております。
 また、表現の自由、集会、結社の自由につきましては、既に日本国憲法や国際人権規約の規定により児童生徒に保障されているものでございますが、この条約もこれらと同趣旨の規定であると考えております。日本国憲法等におきましても、学校は、教育目的達成のために必要な合理的範囲内であれば、これらの権利に制約を加えて指導を行い得るものとされているところでございまして、学校が、心身ともに発達の過程にある児童生徒の政治的活動等について一定の制約を加えることは、この条約に反するものではないと考えます。
 学校教育において、児童生徒の発達段階に応じて、将来、国家社会の有為な形成者として必要な資質を育成し、良識ある公民となるよう、政治的教養を豊かにするための教育を行うことは重要なことと考えております。しかしながら、児童生徒は、一般の大人とは異なりまして、心身ともに発達過程にあって、政治的教養の基礎を培うべき段階でありますから、その指導に当たっては特定の考え方、見方に偏ることがないよう十分配慮しつつ、民主主義の理念や日本国憲法の根本精神、民主政治の本質など、政治的事象を客観的に理解していく上で必要な知識を適切に身につけさせるとともに、将来、公民として正しく権利を行使し、義務を遂行するために必要な能力や態度を養うことが肝要と考えております。(拍手)
○副議長(村山喜一君) これにて質疑は終了いたしました。
○副議長(村山喜一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十分散会
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