第126回国会 本会議 第29号
平成五年五月二十六日(水曜日)
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  平成五年五月二十六日
    午後二時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)
 平成五年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 児童の権利に関する条約の締結について承認を
  求めるの件(第百二十三回国会、内閣提出)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出)
 簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一
  部を改正する法律案(内閣提出)
    午後七時三分開議
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
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○魚住汎英君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)、平成五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 魚住汎英君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
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 平成五年度一般会計補正予算(第1号)
 平成五年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成五年度政府関係機関補正予算(機策1号)
○議長(櫻内義雄君) 平成五年度一般会計補正予算(第1号)、平成五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。予算委員長粕谷茂君。
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 平成五年度一般会計補正予算(第1号)及び同報告書
 平成五年度特別会計補正予算(特第1号)及び同報告書
 平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔粕谷茂君登壇〕
○粕谷茂君 ただいま議題となりました平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、補正予算の概要について申し上げます。
 一般会計予算につきましては、歳出において、去る四月に決定いたしました総合的な経済対策を実施するため、公共事業等の追加として二兆二千二百十八億円を計上し、また、中小企業等特別対策費等一千五億円を計上いたしております。
 このほか、地方交付税交付金について、当初予算において講じた地方交付税の年度間調整としての特例措置の縮減、ロシア連邦等に対する支援を行うための経費など、特に緊要となった事項につきまして措置を講じ、合計二兆四千三百五十一億円を追加計上いたしております。
 他方、地方交付税交付金の減額、予備費の減額により、合計二千四百六十四億円の修正減少を行うことといたしております。
 歳入においては、租税及び印紙収入について、今回の経済対策に盛り込まれた税制上の措置を実施することに伴う減収見込み額一千四百六十億円を減額計上する一方、その他収入の増加、建設公債の追加発行により二兆三千三百四十七億円を追加計上いたしております。
 この結果、平成五年度一般会計補正後予算の総額は、歳入歳出とも、当初予算に対し、二兆一千八百八十七億円増加して、七十四兆五千四百三十五億円となっております。
 特別会計予算につきましては、一般会計予算の補正に関連して、国立学校特別会計及び道路整備特別会計など十九特別会計について所要の補正を行うことといたしております。
 また、政府関係機関予算につきましては、国民金融公庫など八政府関係機関について所要の補正を行うことといたしております。
 なお、一般会計及び特別会計におきましては、一般公共事業等に係る所要の国庫債務負担行為の追加を行うことといたしております。
 この補正予算三案は、去る五月十四日本委員会に付託され、二十日林大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、同日から本二十六日まで質疑を行い、この間、二十五、二十六日の両日にわたりまして、PKO等及び経済一般等集中審議を行いました。
 質疑は、国政全般にわたって行われたのでありますが、そのうち主な項目を申し上げますと、まずPKO問題では、カンボジアの現状、パリ和平協定と停戦合意、PKO派遣要員等の安全対策と業務の中断、撤収、総選挙終了後の我が国の対応、次に経済・財政関係では、所得税減税の必要性と実施見通し、同一国会での補正予算提出、景
気動向と不況対策、貿易収支の黒字拡大と円高、日米経済関係、このほか、政治改革の進め方、我が国のロシア連邦支援のあり方、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉、年金一元化の見通し、少子化社会の環境整備、公共事業に係る入札制度の改善、捕鯨問題、大陽光発電の普及等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 かくて、本日質疑終了後、三案を一括して討論に付しましたところ、自由民主党から賛成、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党からそれぞれ反対の意見が述べられました。
 討論終局後、採決の結果、平成五年度補正予算三案は、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
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○議長(櫻内義雄君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。松前仰君。
    〔松前仰君登壇〕
○松前仰君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました補正予算案に対して反対の討論を行います。
 今般の補正予算案は、四月に決定されました総合的な経済対策を実施するために編成されたものでありますが、バブル崩壊後の経済不況に対する対策としては、昨年既に二度にわたって経済対策が決定され実施されております。ところが、景気はいまだに底を脱し切れてはおらず、九二年十月から十二月期の国民総生産の実質成長率は、前期比で〇・一%、年率換算で〇・五%の低成長となり、七月から九月期のマイナス成長からは抜け出したものの、当初見通しの三・五%を一・六%に修正した政府の九二年度のGNP実質成長率の達成さえ困難になっております。
 問題なのは、これまでの二度にわたる経済対策がいかなる効果を発揮して、経済状態にどのような影響を及ぼしたのか、その結果としての経済の現状について具体的にどのように認識しているのか、政府は明確に示し得ていません。ことし一月以来、政府は、「日本経済は調整過程にあり、引き続き低迷している。」という認識を示してきました。ところが最近は、「我が国経済は調整過程にあり、なお低迷しているものの、一部に回復の兆しを示す動きが現われてきている。」として、景気が底を打ったかのような表現をしております。これでは、なぜ「史上最大規模」をうたい文句にした経済対策を早急に実施する必要があるのか、全く理解できないのであります。電力、石油などを除くほほ企業種で投資意欲が減退して前年度比で減少を続ける民間設備投資の動向や、個人消費の実質的減少という事態を見れば、我が国経済が依然として厳しい局面に直面していることを否定できません。
 この経済情勢を踏まえれば、むしろ当初予算案を大幅に組み直すのが景気対策の観点からも適切な対応だったのであります。ところが政府は、予算審議中は、最善の予算である、景気対策としても万全であるとし、我が党などが共同で要求した、所得税の大幅減税を柱とした景気対策を重視した予算修正を無視し、原案のまま成立をさせました。そうした極めて硬直した態度をとりながら、予算が成立するや否や「史上最大規模」と銘打った新総合経済対策を決定し、それを具体化するため、早々と補正予算案を同一会期中に提案したのであります。国会を軽視した政府の態度は黙認できることではありませんし、その政治責任は重大と言わなければいけません。加えて、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」、その場合などに限り補正予算の作成と提出を認めた財政法第二十九条に照らしても、明らかに問題であります。これが補正予算案に反対する第一の理由であります。(拍手)
 反対の第二の理由は、教育減税と言われる特定扶養控除や住宅取得促進税制の拡充など千四百六十億円の政策減税は盛り込まれたものの、景気対策としての緊急の大規模な所得税減税が実施されていないことであります。
 パート労働や内職が削減され女子の就業者が減少し、有効求人倍率も一を割り込み続け、雇用調整も進展する中、賃金の引き上げも思うに任せず、百貨店の売り上げの減少に見られるように、内需の相当部分を占める個人消費が低迷を続けております。消費不況と言われる今日、雇用対策を拡充するのは当然のこととしても、個人消費拡大のためには大胆な刺激策が必要であり、大幅な所得税減税の早期実施は避けられないことと言わなければなりません。景気対策の観点からは、消費性向の高い中低所得者を重点にした相当規模の減税を早急に実施すべきでありますし、巷間指摘されておりますように、消費税増税とのセットで税制改革の一環として実施するというのは、全く観点の異なることであります。
 自民党幹事長は、我々の所得減税の要求に対して、責任を持って前向きに検討すると堂々と発言され、約束をされたのでありますから、協議機関で結論を出して景気対策の一つとして盛り込むべきでありました。協議は継続されておりますけれども、早急に所得税減税の結論を得るよう強く求めたいと存じます。(拍手)
 第三に、公共事業の内容や事業分野別、省庁別の配分比率、そして談合の原因となっている入札制度の改善などが十分に改善されないまま、事業費が増額されていることであります。
 今回の総合経済対策の柱は、相変わらず公共事業の拡大となっています。公共事業については、金丸自民党前副総裁の脱税事件に関連して建設業者・業界からの不正献金の実態が発覚し、事業の発注のあり方など、その全般にわたり、見直しの必要性に迫られています。私は、そうした公共事業の抜本的改革が行われないまま事業の拡大が実
施されることに疑問を禁じ得ません。
 今回、新社会資本整備の名のもとに、学術・研究や情報化関連投資などを重点的に推進しようとする構想が出てきましたが、従来の公共事業を具体的にどのように改革し、今後推進していくのか、いまだに判然としていないと言わざるを得ません。新しい公共事業の展開を建前では唱えながら、相も変わらずいわゆる族議員や省庁間の縄張り争いを継続しているとしか思われませんし、談合を助長してきた発注制度等の改善措置も全く不十分であると言わなければなりません。公共事業の抜本的改革は避けられないことであります。その硬直的な配分の見直し、そして発注の透明性、公正性の確立など、根本的な改善はもちろんのこと、生活基盤充実を最優先に構想し、実施するように強く求めます。(拍手)
 さらに リクルート事件 金融・証券不祥事、東京佐川急便事件、金丸脱税事件と、長らく続いてきた自民党一党支配に由来する政治腐敗問題は後を絶たず、政治改革が待ったなしであることは周知のとおりであります。我が党などが公職選挙法改正案や政治倫理法案など六法案を国会に提出して、それに対して自民党も政治改革関連四法案を提案して、政治改革調査特別委員会で熱心に論議をされております。
 それにしましても疑問に思うのは、自民党の総裁でもあります宮澤総理を初め、政府・与党の政治政章に臨む態度を拝見しますと、どうも金丸脱税事件等の政治腐敗に対する反省が乏しいのではないかと思えて仕方がありません。それは、政治疑獄の徹底究明に対する消極姿勢や、証人喚問問題等の対応などにも見られるわけであります。政治腐敗の根絶に向けて政治改革に本気で取り組むよう求めたいと思います。(拍手)
 最後に、カンボジアPKO問題について見られましたように、我が国がPKOにおいてでき得る任務の範囲について、国連から報告を求められていたにもかかわらず、その報告を怠ったなどの政府の国連への対応の不備の結果として、それが遠因になったとも考えられる、カンボジアから撤収せずして犠牲者を出すといったことに象徴されます無責任な政府の政治判断、政治姿勢は根本的に改めるよう強く求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(櫻内義雄君) 小杉隆君。
    〔小杉隆君登壇〕
○小杉隆君 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となりました平成五年度一般会計補正予算外二案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 今回の不況に対しまして、政府は、昨年三月に緊急経済対策を、八月には十兆七千億円に上る財政措置を柱とする総合経済対策を策定し、また、十月には補正予算を組み、その着実な実施により、景気の速やかな回復を図るべく全力を傾注してきたところであります。
 さらに、先般成立した平成五年度予算においても、国の公共事業等について近年にない高い伸び率を確保するなど、景気対策に最大級の努力がなされていることは既に御承知のとおりであります。
 こうした一連の努力によって、住宅建設に回復の動きが見られるなど一部に回復の兆しがあらわれておりますが、依然として我が国経済は調整過程にあり、いまだ予断を許さない状況にあります。
 政府は、このような状況にかんがみ、景気回復の足取りをより一層確実なものとするため、去る四月十三日、総事業規模十三兆二千億円という史上最大規模の総合的な経済対策を策定し、政府の並み並みならぬ決意のほどを示したところであります。また、この経済対策は、内需拡大による貿易黒字の縮小にも寄与するもので、経済大国としての我が国の国際的責務を果たし得るものと、対外的にも高く評価されるものであります。
 今回の補正予算は、この経済対策を実施するため、公共事業費の追加を行うほか、厳しい経営環境に直面している中小企業への対策、また、ロシア連邦等支援関係経費を盛り込むなど、特に緊要になった事項について所要の措置を講じようとするものであります。
 なお、本予算成立後、直ちに補正予算を審議することに異議を唱える向きもありますが、経済は生き物であり、異常なバブル後の景気回復のためには、時期を逸せず思い切った措置をとるのは当然のことであります。地方自治体でも補正を準備しているところも多く、速やかに補正予算を成立させる必要があります。以下、賛成する主な理由を申し述べます。その第一は、一般公共事業関係費及び施設費など公共事業等の追加が行われていることであります。今さら申し述べるまでもなく、公共事業は、その経済的波及効果が大きく、景気回復を図る有力な手段であります。国内需要が低迷している今日、公共事業費を追加して、効率的、重点的な公共投資を行うことは、即効性のある内需拡大策として極めて有効であります。
 今回の補正予算においては、一般会計において一般公共事業関係費災害復旧等事業費及び施設費等の合計二兆二千二百億町強の公共事業等の追加が行われているほか、公共事業等に係る国庫債務負担行為、総額一兆二千九百億円が追加されております。
 内容的にも、下水道等の生活関連施設に重点的な配慮がなされているほか、社会資本整備の新たな展開として、景気浮揚効果の高い電線類の地中化、あるいは教育、研究、医療、社会福祉などの各種施設の整備が図られることになっております。これらは、いずれも生活大国の実現といった我が国の将来に向けた政策課題に積極的にこたえるものとなっており、高く評価するものであります。
 その第二は、中小企業の経営安定を図るため、手厚い中小企業対策がとられていることであります。
 我が国経済社会の質的、量的な発展と安定に多大の貢献をしてきた中小企業は、現在、国際化の進展、技術革新等の急激な環境変化に直面しているのみならず、いわゆるバブル経済崩壊後の厳しい金融環境のもとで、その資金繰りが悪化しております。このような状況に対し、政府が中小企業の有する能力と企業家精神を十分に発揮できるような環境整備を行うことは、我が国経済の活力を維持し、さらなる発展を図る上でも極めて重要であります。
 本補正予算においては、このような観点から、中小企業の金融の円滑化を図るため、一般会計において、政府関係中小企業金融機関等へ合計八百七億円の出資金等が計上されております。また、政府関係機関予算においては、国民金融公庫等において貸付規模の拡大に必要な資金として、財政投融資計画の追加が行われております。これら一連の措置は、中小企業の置かれている現状に照らして、まことに時宜を得たものであります。
 その第三は、いわゆる政策減税が盛り込まれていることであります。
 すなわち、住宅取得者の初期負担を緩和するなどの住宅減税の拡充措置、また、教育関係の諸出費がかさむ中堅層に対し、特定扶養控除を引き上げる教育減税を実施して家計負担の軽減を図るほか、設備投資減税を行うなど、内需拡大に大いに資することは疑う余地のないところであります。
 討論を終えるに当たり、一言申し上げたいことがあります。
 当補正予算は、去る三月九日に、不況対策に関する各党協議会が設置され、各党間において合意されたものについて編成されたものではなかったのでしょうか。各党間で協議することによって生まれた当補正予算に野党がこぞって反対するということは、合意をないがしろにするものと言わざるを得ません。(拍手)
 所得税減税については、財源を含め、各党間で協議するとの合意があったはずであります。これをもって反対するということは、まさに不可解と言わざるを得ません。
 以上、私は、本補正予算が、現在、我が国が直面している景気回復、貿易黒字縮小という最重要課題に十分こたえ得るものと、全面的に賛成の意を表するものであります。その一日も早い成立を強く望み、私の賛成討論といたします。(拍手)
○議長(櫻内義雄君) 石田祝稔君。
    〔石田祝稔君登壇〕
○石田祝稔君 私は、公明党・国民会議を代表し、ただいま議題となりました平成五年度補正予算三案に対しまして、反対の態度を表明し、以下、主な反対の理由を申し述べるものであります。
 初めに、さまざまな妨害の中、UNTACによって進められてきたカンボジアの制憲議会選挙が、現在までのところ、大きな混乱もなく順調に行われていることを心から歓迎するものであります。このままスムーズに選挙が終わるかどうか予断は許しませんが、油断することなく、安全確保に全力を挙げる土とを強く要望するものであります。
 さて、国会は、会期末まであと三週間余を残すだけになってまいりました。焦点の政治改革は実現するかどうかのぎりぎりの段階に来ております。総理、宮澤政権発足時に、一年以内に政治改革を実現するとの公約は、既に一年がたち、一年半が過ぎようとしておりますが、実現を見ておりません。このままでは、政治改革の実現に向けての努力は水泡に帰すおそれが極めて大であります。そうなれば、政治腐敗の根絶や、政権交代が可能な政治の確立は不可能となり、禍根を百年に残すことは明らかであります。
 総理、今こそ、身を捨てて公約を実現すべきときであります。それには選挙制度について大胆な妥協を図るしか道はありません。総理は強力な指導力を発揮し、国民の期待にこたえるべきであります。
 次に、補正予算に反対する主な理由を申し述べるもめであります。
 反対する第一の理由は、補正予算には所得税減税が盛り込まれておらず、景気対策として不十分であることであります。現在の景気の低迷は、深刻な個人消費の落ち込みが大きな要因となっており、GNPの六割弱を占める個人消費の喚起なくしては景気を浮揚することは困難であります。しかし、企業収益の悪化、企業のリストラによる雇用調整の動き、さらには、今春闘の低賃上げ等を考えると、消費が拡大する要素は見当たらないのであります。
 鳴り物入りの政府の総合経済対策についても、民間経済研究機関の多くは厳しい見方をしており、平成五年度の実質経済成長率は二・五%前後となっており、政府見通しを大幅に下回る予測を蔵しているのであります。
 最近の急激な円高も、短期的には相当景気に打撃を与えることは避けられないと思います。こうした状況を勘案すると、政府経済見通しの三・三%を実現することは難しいと言わざるを得ません。したがって、冷え切っている消費を喚起する所得税減税の実施が強く求められるのでありますが、補正予算には盛り込まれていないのであります。
 また、所得税減税の見送りは、書記長。幹事長会談における梶山幹事長の誠意を持って前向きに検討するとの公党間の約束をないがしろにし、信義を踏みにじるものと言わざるを得ないのであります。(拍手)
 第二は、景気対策に十分配慮したベストの予算との説明にもかかわらず、当初予算成立後わずか一カ月余で景気対策のための補正予算を提出する
ことは、自語相違し、国会軽視に当たることであります。
 政府は、当初予算の審議において、「政府経済見通しの三・三%成長の達成は十分可能である旨の答弁を繰り返してきました。これに対し我が党は、資産デフレを伴う深刻な不況であり、当初予算では景気回復につながらないことを指摘したのであります。社公民三党の予算共同修正要求もこうした観点から提出したのであります。
 しかし、政府は、耳を傾けようとせず、予算修正を拒否しながら、当初予算成立後わずか一カ月余で、それも、三十数年ぶりに同一会期内に補正予算を提出したことは極めて異例であり、当初予算が景気対策として欠陥があったという証左と言わなければなりません。野党の修正要求を聞こうとしないこうした独善的なやり方は、同会軽視であり、到底納得できないのであります。
 また、財政法上も補正予算提出の理由が不明確であります。財政法第二十九条は、補正予算について、予算成立後生じた事由に基づき、「特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行なっため必要な予算の追加を行なう場合」と定めております。
 しかしながら、当初予算が成立した後のこの一カ月間に景気が特に悪くなったという事実はないのであります。むしろ、最近の政府は、景気はよくなりつつあると言っており、財政法に言う、予算成立後生じた事由は見当たらないのであります。しかし、景気対策は必要であります。そのために、我が党は、当初予算の修正を要求したのであります。
 第三は、補正予算では、税収見込みが当初予算のまま何ら変更されていないことであります。
 税収見込みは、予算の重要な柱であり、予算編成段階で正確さについて最善を尽くすべきものであります一しかしながら、平成四年度の税収は補正後の見込み額より約一兆円ほど減収になると言われております。四年度の税収が減額になれば、当然、五年度の税収も見積もりの基盤が約一兆円ほど減少するため、その分、五年度税収も影響を受けることは避けられないのであります。しかし、本補正予算には、税収の減額に触れられておりません。歳入予算は不備であり、こうした不備な歳入に基づく補正予算は認められないのであります。
 第四は、中小企業対策が不十分であることであります。
 補正予算では、総額七百六十億円が中小企業対策として計上されましたが、深刻な不況に直撃されている中小企業対策としては不十分であります。特に、貸し渋りなどで資金繰りに苦しんでいる中小企業に対する金融対策については、小企業等経営改善資金貸付金、いわゆるマル経資金は、わずかに六十三億円の追加にすぎません。
 また、売り上げや生産の減少に見舞われた中小企業に対する、低利の中小企業緊急経営支援貸付制度拡充のための出資金が計上されておりますが、不十分であります。
 以上、平成五年度補正予算三案に反対する主な理由を申し述べ、討論を終わります。(拍手)
○議長(櫻内義雄君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
○魚住汎英君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 第百二十三回国会、内閣提出、児童の権利に関する条約の締結について承認を求めるの件を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 魚住汎英君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 児童の権利に関する条約の締結について承認を求めるの件(第百二十二回国会、内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 児童の権利に関する条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長伊藤公介君。
    ―――――――――――――
 児童の権利に関する条約の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔伊藤公介君登壇〕
○伊藤公介君 ただいま議題となりました児童の権利に関する条約につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 児童の権利については、昭和三十四年の第十四回国際連合総会において、児童の権利に関する宣言が採択され、昭和五十三年に本条約の草案が国際連合人権委員会に提出され、十年間にわたって検討が行われてまいりました。
 その結果、児童の権利に関する宣言三十周年及び国際児童年十周年に当たる平成元年十一月二十日に国際連合総会において本条約は採択されたものであります。
 本条約は、児童の人権の尊重及び確保の観点から必要となる詳細かつ具体的な事項を規定したも
ので、生命に対する固有の権利、思想の自由、社会保障についての権利、教育についての権利等の児童の権利を定め、これらの権利がいかなる差別もなしに尊重され及び確保されるように締約国がすべての適当な立法措置、行政措置その他の措置を講ずることを定めております。
 なお、我が国は、本条約の締結に当たり、自由を奪われた児童の成人からの分離についての規定に関し、留保を付することとしております。
 また、児童の父母からの分離の規定に関し、出入国管理法に基づく退去強制の結果については適用されるものではないと解する旨の宣言及び家族の再統合のための出入国申請の取り扱いの規定に関し、申請の結果に影響を与えるものではないと解する旨の宣言を行うこととしております。
 本条約は、第百二十三回国会に提出され、今国会に継続されたものであり、去る四月二十二日本会議において趣旨説明及びこれに対する質疑が行われました。外務委員会におきましては、同月二十三日武藤外務大臣から提案理由の説明を聴取し、参考人から意見を聴取するなど、六日間にわたり慎重な審査を行いました。
 かくて、本五月二十六日質疑を終了し、討論の後、採決を行いました結果、全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ――――◇―――――
○魚住汎英君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 魚住汎英君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長藤井裕久君。
    ―――――――――――――
 租税特別措置法の一部を改正する法律案及び同
  報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔藤井裕久君登壇〕
○藤井裕久君 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、去る四月十三日に策定された総合的な経済対策に盛り込まれた事項のうち、税制上の措置を実施するためのものであり、その主な内容は以下のとおりであります。
 第一に、住宅取得促進税制について、住宅を居住の用に供した年及びその翌年の二年間については、住宅借入金等の年末残高一千万円までの部分に係る控除率を一%から一・五%に引き上げ、控除限度額を二十五万円から三十万円とすることといたしております。
 第二に、一年間限りの措置として、中小企業者等が取得をする機械装置及び事務処理の能率化等に資する器具備品について、特別償却率の引き上げまたは税額控除の選択適用を認めるとともに、事業の省力化または合理化に著しく資する機械等について、特別償却または税額控除の選択適用を認めることといたしております。
 第三に、特定扶養親族に係る控除額を、四十五万円から五十万円に引き上げることといたしております。
 本案は、昨日林大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、本日採決しましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○魚住汎英君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 魚住汎英君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出)
 簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の
  一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。逓信委員長亀井久興君。
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 簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び同
  報告書
 簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一
  部を改正する法律案及び同報告書
 簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一
  部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔亀井久興君登壇〕
○亀井久興君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、近年における保険需要の動向にかんがみ、簡易生命保険の加入者に対する保障内容の充実を図るため、保険期間の満了等により保険金の支払いをする養老保険と保険契約者が死亡した日から年金の支払いをする定期年金保険を一体として提供する簡易生命保険を設けること等を行おうとするものであります。
 次に、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、金融・経済環境の変化に適切に対応し、資金の一層の効率的運用を図るため、簡易生命保険特別会計の積立金の運用の範囲に、法人が事業に必要な資金を調達するために発行する約束手形等を加えるものであります。
 次に、簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、簡易生命保険の加入者の福祉の増進を図るため、加入者の福祉の増進を目的とする民法第三十四条法人が行う加入者の健康の保持増進のための事業に対する助成金の支給を簡易保険福祉事業団の業務に追加すること等を行おうとするものであります。
 三法律案は、去る三月五日本委員会に付託され、五月十九日小泉郵政大臣から提案理由の説明を聴取し、本日質疑を行い、これを終了し、採決の結果、簡易生命保険法の一部を改正する法律案は全会一致をもって、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案は賛成多数をもって、簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案は全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(櫻内義雄君) これより採決に入ります。
 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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○議長(櫻内義雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時四十八分散会
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