第126回国会 本会議 第32号
平成五年六月八日(火曜日)
     ―――――――――――――
議事日程第二十四号
  平成五年六月八日
    午後二時開議
 第一短時間労働者の雇用管理の改善等に関す
    る法律案(内閣提出)
 第二 平成元年度一般会計歳入歳出決算
    平成元年度特別会計歳入歳出決算
    平成元年度国税収納金整理資金受払計算
    書
    平成元年度政府関係機関決算書
 第三 平成元年度国有財産増減及び現在額総計
    算書
 第四 平成元年度国有財産無償貸付状況総計算
    書
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件
 両院協議会協議委員の選挙
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件
 両院協議会協議委員議長の報告
 公正取引委員会委員任命につき同意を求めるの
  件
 土地鑑定委員会委員任命につき同意を求めるの
  件
 中央更生保護審査会委員長任命につき同意を求
  めるの件
中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を
 求めるの件
日程第一 短時間労働者の雇用管理の改善等に
 関する法律案(内閣提出)
日程第二 平成元年度一般会計歳入歳出決算
     平成元年度特別会計歳入歳出決算
     平成元年度国税収納金整理資金受払
     計算書
     平成元年度政府関係機関決算書
日程第三 平成元年度国有財産増減及び現在額
 総計算書
日程第四 平成元年度国有財産無償貸付状況総
 計算書
自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整
 備に関する法律の一部を改正する法律案(交
 通安全対策特別委員長提出)
行政手続法案(内閣提出)及び行政手続法の施行
 に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣
 提出)の趣旨説明及び質疑
    午後三時三十二分開議
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(櫻内義雄君) 本日、参議院から、平成五年度一般会計補正予算(第1号)、平成五年度特別会計補正予算(特第1号)、平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)はいずれも否決した旨の通知を受領するとともに、返付を受けました。よって、国会法第八十五条第一項により、本院は、平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二案について両院協議会を求めなければなりません。
    ―――――――――
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件
  両院協議会協議委員の選挙
○議長(櫻内義雄君) つきましては、これより両院協議会協議委員の選挙を行います。
○魚住汎英君 両院協議会協議委員の選挙は、その手続を省略して、議長において直ちに指名されることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 魚住汎英君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、協議委員は議長において指名するに決しました。
 直ちに指名いたします。
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件両
 院協議会協議委員
      佐藤 信二君    石川 要三君
      粕谷  茂君    小杉  隆君
      中川 昭一君    鴻池 祥肇君
      野呂田芳成君    桜井  新君
      衛藤征士郎君    谷垣 禎一君
 ただいま指名いたしました協議委員諸君は、直ちに議長応接室に御参集の上、議長、副議長各一名を互選されることを望みます。
     ――――◇―――――
○議長(櫻内義雄君) この際、暫時休憩いたします。
    午後三時三十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時四十三分開議
○議長(櫻内義雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件
  両院協議会協議委員議長の報告
○議長(櫻内義雄君) 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会協議委員議長から報告書が提出されました。よって、この際、協議委員議長の報告を求めます。佐藤信二君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔佐藤信二君登壇〕
○佐藤信二君 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会の経過及び結果を御報告申し上げます。
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二案は、御承知のように去る五月二十六日衆議院において原案のとおり可決されましたが、本日参議院において否決されましたため、両院協議会を開くこととなったものであります。
 両院協議会協議委員は、先ほどの本会議において議長より指名されました後、直ちに協議委員議長、副議長の互選を行いました。その結果、議長には私が、副議長には石川要三君が当選いたしました。
 引き続き、両院協議室に両院の協議委員が参集いたしまして、くじにより、参議院側において議長を努めることになりました。
 両院協議会においては、平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二案について、まず最初に、衆議院側から可決した趣旨について説明を聴取し、続いて、参議院側から否決した趣旨について説明を聴取した後、各協議委員から意見が述べられ、協議が行われましたが、意見の一致を見るに至らず、両院協議会としては、成案を得るに至らなかったものとして、これを各議院にそれぞれ報告することとし、両院協議会は終了いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(櫻内義雄君) ただいま両院協議会協議委員議長から報告されましたとおり、平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきましては、両院の意見が一致いたしませんので、憲法第六十条第二項により、本院の議決が国会の議決となりました。(拍手)
     ――――◇―――――
 公正取引委員会委員任命につき同意を求める
  の件
 土地鑑定委員会委員任命につき同意を求める
  の件
 中央更生保護審査会委員長任命につき同意を
  求めるの件
 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意
  を求めるの件
○議長(櫻内義雄君) お諮りいたします。
 内閣から、
 公正取引委員会委員に植松敏君及び佐藤勲平君を、
 土地鑑定委員会委員に新井清光君、枝村利一君、川井健君、高橋敏君、中嶋計廣君、中村清君及び横須賀博君を、
 中央更生保護審査会委員長に石原一彦君を、
 中央社会保険医療協議会委員に金森久雄君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、公正取引委員会委員及び中央社会保険医療協議会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えるに決しました。
 次に、土地鑑定委員会委員及び中央更生保護審査会委員長の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。
 
     ――――◇―――――
日程第一 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律案(内閣提出)
○議長(櫻内義雄君) 日程第一、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。労働委員長岡田利春君。
 
    ―――――――――――――
短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    
    ―――――――――――――
    〔岡田利春君登壇〕
○岡田利春君 ただいま議題となりました短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律案につきまして、労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、短時間労働者が我が国の経済社会において果たす役割の重要性にかんがみ、短時間労働者について、その雇用管理の改善等に関する措置、職業能力の開発及び向上等に関する措置等を講ずることにより、短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もってその福祉の増進を図ろうとするもので、その主な内容は、
 第一に、この法律において「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者に比し短い者をいうものとし、事業主は、その適正な労働条件の確保及び教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること等、関係者の責務を規定するものとすること、
 第二に、労働大臣は、短時間労働者の雇用管理の改善等の促進、職業能力の開発及び向上等に関する施策の基本となるべき短時間労働者対策基本方針を定めるものとすること、
 第三に、労働大臣は、事業主がその雇用する短時間労働者について講ずべき雇用管理の改善等のための措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めるとともに、指針に定める事項について必要な指導及び助言を行うことができるものとすること、
 第四に、事業主は、常時一定数以上の短時間労働者を雇用する事業所ごとに、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項を管理させるため、短時間雇用管理者を選任するように努めるものとすること、
 第五に、国等は、短時間労働者等の職業能力の開発及び向上を促進するため、職業訓練の実施について特別の配慮をするとともに、短時間労働者になろうとする者に対し、雇用情報の提供、職業指導及び職業紹介の充実等必要な措置を講ずるように努めるものとすること、
 第六に、労働大臣は、公益法人を短時間労働援助センターとして指定し、事業主等に対する給付金の支給、雇用管理の改善に関する相談援助等に係る業務を行わせることができるものとすること等であります。
 本案は、去る五月十一日に付託となり、同月十四日に村上労働大臣から提案理由の説明を聴取し、昨日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、自由民主党、日本社会党、護憲民主連合、公明党、国民会議及び民社党四党共同により、事業主が短時間労働者の適正な労働条件の確保及び雇用管理の改善のための措置を講ずるに当たり、通常の労働者との均衡等を考慮すること及び短時間労働者の雇い入れの際に労働条件に関する文書を交付するよう努めること、また、政府は、法律の施行三年後に、必要があると認めるときは検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること等についての修正案が、また、日本共産党より、短時間労働者の通常の労働者との差別的取り扱いの禁止等についての修正案がそれぞれ提出され、原案及び修正案を一括して討論を行い、採決の結果、日本共産党提出の修正案は賛成少数で否決され、本案は四党共同提出の修正案のとおり、多数をもって修正議決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
日程第二 平成元年度一般会計歳入歳出決算平成元年度特別会計歳入歳出決算
      平成元年度国税収納金整理資金受払計算書
      平成元年度政府関係機関決算量
 日程第三 平成元年度国有財産増減及び現在額総計算書
 日程第四 平成元年度国有財産無償貸付状況総計算書
○議長(櫻内義雄君) 日程第二、平成元年度一般会計歳入歳出決算、平成元年度特別会計歳入歳出決算、平成元年度国税収納金整理資金受払計算書、平成元年度政府関係機関決算書、日程第三、平成元年度国有財産増減及び現在額総計算書、日程第四、平成元年度国有財産無償貸付状況総計算書、右各件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。決算委員長貝沼次郎君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔貝沼次郎君登壇〕
○貝沼次郎君 ただいま議題となりました平成元年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、各件の概要を申し上げます。
 まず、平成元年度決算についてでありますが、一般会計の決算額は、歳入六十七兆二千四百七十八億円余、歳出六十五兆八千五百八十九億円余、差し引き一兆三千八百八十八億円余の剰余を生じております。
 特別会計の数は三十八で、その決算総額は、歳入百七十五兆三千三百九億円余、歳出百五十二兆八千十六億円余となっております。
 国税収納金整理資金の収納済額は五十七兆七千六百六十七億円余、一般会計等の歳入への組入額等は五十七兆七千五百七十億円余となっております。
 政府関係機関の数は十一で、その決算総額は、収入五兆九千四百五十九億円余、支出五兆四百二十二億円余となっております。
 次に、平成元年度国有財産増減及び現在額総計算書でありますが、総増加額は三兆九千六百六十七億円余、総減少額は八千五百二十一億円余で、年度末現在額は五十五兆九千二百七十五億円余となっております。
 次に、平成元年度国有財産無償貸付状況総計算書でありますが、総増加額は一千二百三十五億円余、総減少額は一千百五十二億円余で、年度末現在額は八千五百五十一億円余となっております。
 なお、平成元年度決算検査報告において指摘されました事項は、不当事項百九十二件、意見を表示しまたは処置を要求したもの十一件、会計検査院の指摘に基づき改善の処置を講じたもの十七件となっております。
 決算及び国有財産関係の二件は、第百二十回国会に提出され、委員会には、平成三年四月二十五日、同年一月二十九日にそれぞれ付託されました。
 委員会におきましては、第百二十二回国会の平成三年十一月二十五日、各件について羽田大蔵大臣から決算の概要説明を、中村会計検査院長から決算検査報告の概要説明を聴取いたしました。
 その後、各省庁別に十四回にわたり慎重に審査を行い、質疑は、予算の執行状況と行政運営に関する重要な問題等を中心に行われました。その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。
 かくして、昨七日宮澤内閣総理大臣の出席のもとに締めくくり総括質疑を終了し、決算については、委員会審査の内容をまとめて、委員長より議決案を提出いたしました。
 以下、その内容を申し上げます。
  平成元年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につき、左のごとく議決すべきものと議決する。
 本院は、毎年度決算の審議に際し、予算の効率的執行並びに不当事項の根絶について、繰り返し政府に注意を喚起してきたところであり、政府もこれに対し特に留意して対策を講じてきた結果その効果が見受けられるものの、なお改善を要するものが認められるのは遺憾である。
 一 平成元年度決算審査の結果、予算の効率的使用が行われず、所期の成果が十分達成されていないと思われる事項が見受けられる。
 左の事項がその主なものであるが、政府はこれらについて、特に留意して適切な措置をとり、次の常会に本院にその結果を報告すべきである。
 1 政府開発援助に当たっては、開発途上国が必要とするところを的確に把握した上で、適切かつ有効に実施されるよう、引き続き努めるとともに、実施後の評価活動の充実についても検討すべきである。
 2 公共事業の発注におけるいわゆる談合の防止や入札制度等の改善に努めるべきである。
 3 製品に係る消費者被害の防止や救済策のあり方について検討を進めるべきである。
 4 従軍慰安婦問題について、引き続き真相の解明に努めるべきである。
 二 平成元年度の決算検査報告において、会計検査院が指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。
 政府は、これらの指摘事項について、それそれ是正の措置を講ずるとともに、綱紀を粛正して、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。
 三 決算のうち、前記以外の事項については異議がない。
 政府は、今後予算の作成並びに執行に当たっては、本院の決算審議の経過と結果を十分考慮して、財政運営の健全化を図り、もって国民の信託にこたえるべきである。
 以上が議決案の内容であります。
 次いで、決算外二件を一括して討論に付したところ、自由民主党は、決算を議決案のとおり議決することに賛成、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び日本共産党は、決算を議決案のとおり議決することに反対の意見を表明されました。
 次いで、採決の結果、決算は、多数をもって議決案のとおり議決すべきものと決しました。
 次に、国有財産関係の二件については、いずれも多数をもって是認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) これより採決に入ります。
 まず、日程第二の各件を一括して採決いたします。
 各件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、各件とも委員長報告のとおり決しました。
 次に、日程第三及び第四の両件を一括して採決いたします。
 両件の委員長の報告はいずれも是認すべきものと決したものであります。両件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
○魚住汎英君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 交通安全対策特別委員長提出、自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
○議長(櫻内義雄君) 魚住汎英君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。 よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律の一部を改正する法律案(交通安全対策特別委員長提出)
○議長(櫻内義雄君) 自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。交通安全対策特別委員会理事鴻池祥肇君。
    ―――――――――――――
 自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔鴻池祥肇君登壇〕
○鴻池祥肇君 ただいま議題となりました自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 本案は、最近の駅前広場等における自転車及び原動機付自転車の放置の実情等にかんがみ、これらの駐車対策の総合的推進を図るため所要の改正を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 まず第一に、鉄道事業者は、鉄道の駅の周辺における地方公共団体等による自転車等駐車場の設置が円滑に行われるように、地方公共団体等との協力体制の整備に努めることとしております。
 第二に、駅前広場等の良好な環境を確保し、その機能の低下を防止するため、市町村長が、撤去した放置自転車等の保管、処分等に関する規定を整備することとしております。
 第三に、市町村は、自転車等の駐車需要の著しい地域等において、自転車等の駐車対策を総合的かつ計画的に推進するため、自転車等の駐車対策に関する総合計画を策定することができることとしております。
 第四に、市町村は、自転車等駐車対策に関する重要事項を調査審議させるため、道路管理者、都道府県警察及び鉄道事業者等の駐車対策に利害関係を有する者で組織する自転車等駐車対策協議会を置くことができることとしております。
 第五に、原動機付自転車の駐車対策についても、自転車と同様の措置を講ずることとしております。
 第六に、自転車を利用する者は、その利用する自転車について、防犯登録を受けなければならないこととしております。
 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
 交通安全対策特別委員会におきましては、本案について鋭意検討を重ね、本日、自転車駐車場整備等に関する小委員長からその報告を受けた後、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決した次第であります。
 何とぞ議員各位の御賛同をお願いを申し上げます。
 なお、当委員会において、「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する件」について、決議が行われたことを申し添えます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 行政手続法案(内閣提出)及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(櫻内義雄君) この際、内閣提出、行政手続法案及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣鹿野道彦君。
    〔国務大臣鹿野道彦君登壇〕
○国務大臣(鹿野道彦君) 行政手続法案及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 まず、行政手続法案について御説明いたします。
 行政手続の法的整備については、昭和三十七年に行政庁の処分に対する不服申し立ての手続を定める一般法として行政不服審査法が制定されておりますが、行政庁の処分の事前手続についてはこれまで一般法がなく、個別の法律による措置にゆだねられてきております。このため、従来から、事前手続における不備、不統一が生じていること、必要な手続規定が欠如しているものがあること等の指摘がされております。また、近年においては、行政運営において行政指導が多用される傾向があること、あるいは処分によっては審査の処理や基準が明確にされていないこと等の指摘がされるなど、国内のみならず諸外国からも公正で透明な行政運営の確保を求める声が高まっております。
 このような情勢にかんがみまして、政府におきましては、さきに臨時行政改革推進審議会に対して行政手続法制の統一的な整備について諮問し、審議を求めておりましたところ、一昨年十二月に答申を得ましたので、これに基づきまして、このたび行政手続法案として取りまとめたものであります。
 以下、法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 この法律案は、行政庁の処分、行政指導及び届け出に関する手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とするものであります。
 この法律案の要点は、第一に、申請に対する処分に関しまして、その迅速かつ透明な処理を確保する観点から、必要な規定を整備するものであります。すなわち、申請の処理に通常要すべき標準的な期間を定めるよう努め、これを定めたときは公にしておくとともに、申請が到達したときは遅滞なく審査を開始し、形式上不適合なものであっても速やかに応答することとしております。また、申請に関する審査基準を定め、これを原則として公表するとともに、申請により求められた許認可等を拒否する場合にはその理由を示すこととし、さらに、第三者の利害を考慮すべきことが許認可等の要件とされているものについては当該第二者の意見を聞くよう努めることといたしております。第二に、不利益処分につきまして、行政運営における公正の確保を図るとともに、処分の相手方の権利利益の保護を図る観点から、必要な規定を整備するものであります。すなわち、不利益処分をしようとする場合には、相手方に意見陳述の機会を与えるため、あらかじめ通知するとともに、許認可の取り消し等の処分については聴聞手続、その他の不利益処分については弁明の機会の付与の手続をとることとし、それぞれについて所要の規定を整備することといたしております。また、不利益処分をするかどうかの判断の基準を定め、公にしておくよう努めるとともに、不利益処分をする際には、その名あて人に対し、原則として、その理由を示すことといたしております。第三に、行政指導に関しまして、その透明性及び明確性を確保する観点から、基本原則及び方式等を明らかにしたものであります。すなわち、行政指導は所掌事務の範囲を超えて行ってはならないこと及び行政指導の内容は相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならないこととしているほか、申請に関連する行政指導や許認可権限を背景に行われる行政指導について規定を設けております。また、行政指導をするときには、相手方にその趣旨、内容及び責任者を明らかにするとともに、相手方からの求めがあれば、原則として、これらを記載した書面を交付することといたしております。さらに、複数の者に対して行政指導をしようとするときは、あらかじめ、事案に応じ指針を定め、原則としてこれを公表することといたしております。
 第四に、行政は極めて多岐にわたるものであるため、本法案の規定をすべての分野に一律に適用することは適当でないことから、一定のものについては適用除外とすることとしております。すなわち、行政分野の特殊性に応じた独自の手続体系を有しているもの、あるいは行政庁との間で特別な規律に基づく関係にある者や、特殊法人などの特別の地位を有する法人に対して行われる処分など行政手続法案の規定を適用することが適当でないものについては、これを本法律案の対象から除外する規定を設けております。
 次に、行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について御説明いたします。
 この法律案は、行政手続法が行政庁が処分を行おうとする場合の手続に関する一般法として施行されるのに伴いまして、関係法律三百六十一件について必要な規定の整備を行おうとするものであります。
 以下、法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一に、行政手続法の規定と重複する手続規定を削除したことであります。このうち、行政手続法において、不利益処分をする場合には、原則として、聴聞手続または弁明の機会の付与の手続をとることとしたため、関係法律において既に存在している同趣旨の規定を削除しております。
 第二に、聴聞手続または弁明の機会の付与の手続をとるべき場合の区分の特例その他行政手続法の規定の特例となる事項について、必要な規定を定めたことであります。
 第三に、行政手続法において、不利益処分をしようとする場合に行われる聴聞手続についての規定を整備することに伴い、関係法律に規定されている聴聞という名称を整理したことであります。
 第四に、それぞれの行政分野において独自の手続体系が定められており、それによることが適当と認められるもの、あるいは、処分の性質上、行政手続法に定める手続になじまないもの等につきまして、行政手続法に定める関係規定の対象から除外することとしたことであります。
 これらはいずれも、行政手続法の趣旨及び現行制度の運用の実態等に照らし必要とされる関係法律の改正であります。
 以上が、行政手続法案及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の趣旨であります。(拍手)
 行政手続法案(内閣提出)及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)の極言説明に対する質疑
○議長(櫻内義雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。山中邦紀君。
    〔山中邦紀君登壇〕
○山中邦紀君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、政府提出の行政手続法案及び同法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対して質問いたします。
 国民の権利利益に資するため、公正、透明な行政手続法制を整備しようとする本法案については、行政における法治主義貫徹に一歩を進めるものとして、一定の評価ができるものであります。しかし、この法案の取り扱う範囲は、申請に対する処分、不利益処分、行政指導の三分野にとどまり、他の広範な行政分野には及んでおりません。
 法の支配のもとにあるべき行政について、我が国では、逆に権力が法を支配して行政をゆがめている、果たして日本は法治国家かと問われてきました。政治腐敗、不正献金事件の温床として不透明な許認可行政が問題化し、政財官癒着の行政に対する国民の厳しい批判が相次いています。この批判を前にしたとき、本法案は、行政に対する国民の信頼を回復するためには不十分だと言わざるを得ません。
 本法案作成のもととなった第三次行革審答申は、諸事情を考慮して、今回は、行政手続の相手方である国民の権利利益に直接かかわる分野の手続法制の整備にとどめたとしています。一九六四年の第一次臨時行政調査会意見書は、公正で民主的かつ能率的な行政実施のため、一九八三年の第二臨調答申は、行政の公正かつ民主的な運営のためとして、それぞれ広範な行政手続法整備の必要性を述べています。行政の全分野にわたる民主的統制、国民参加を確立することこそ、行政における法治主義の立場から必要なことであります。
 そこで、まず総理にお伺いをしたいのであります。
 第一に、行政における法治主義の要請をどのように解しておられるか、その中で、今回の手続法案をどのように位置づけておられるのか、この法案が成立したとして、その後どのような施策を講ずべきと考えておられるのか、明らかにしていただきたいと思うのであります。
 さらに、お尋ねしたいと思います。本法案提出まで、第一次臨調答申から約三十年、第三次行革審答申から一年半、ようやく今国会の終盤になって法案提出がなされたのであります。自己の省庁の権益に執着する独善的官僚主義の結果であります。憲法は滅びるが行政法は存続するとはよく言ったもので、戦前の国民軽視の官僚気質の幻を見る思いであります。
 行政手続法は一歩前進ですが、手続はあくまで手続であります。真に国民のための行政を実現するためには、政財官の癒着を断ち切り、独善的官僚主義を改めることが不可欠であります。この点について、総理の所見と決意を伺いたいのであります。(拍手)
 第二に、第三次行革審答申で検討課題とした行政立法に関する手続法整備についてであります。
 法律が政省令など行政機関に委任した立法行為、命令等制定手続については、広く国民の意見を聴取するなど、統一的な手続を早急に定めるべきです。政省令以外の通達等の形式であっても、行政運営の重要な基準となるものについては同様であります。さらに、本法案により策定し、公表することになる許認可等の審査基準についても、基準策定のプロセス自体に公正、透明な手続が求められます。事業者や官僚OBだけでなく、広く生活者である国民の参加を保障する形で、行政立法に関し、統一的な手続を法定すべきではないか、総理の答弁を求めます。
 第三に、計画行政に関する手続法整備についてであります。
 行政機関が策定する諸計画について、住民参加の権利を保障した手続の法制化を急ぐ必要があります。本法案では、許認可等に関し、法令上、申請者以外の利害を考慮すべき場合には、公聴会の開催等を努力義務として定めています。この考え方は、民主的計画行政においては本質的なものであります。この分野の個別法令が、公聴会の開催等を規定していることはあっても、統一性に欠け、公聴会の方式に関する定めが不足しており、関係地方自治体の議会の議決との関係も不明確であります。計画行政においても、住民参加を図り、対立する利害調整の場を確保する観点から、統一的な手続の法制化を行うべきではないか、総理の答弁を伺いたいと思います。
 第四に、これまで臨調、行革審も提言してきた情報公開制度、オンブズマン制度の早期導入についてであります。
 国民の知る権利に基づく情報公開なくして、国民参加の行政は実現いたしません。我が党及び他の野党は、何度も情報の開示手続を定めた情報公開法案を国会に提出しましたが、政府・与党に熱意がなく、不成立に終わりました。このため、さらに今国会において、昨日、野党共同の法案を参議院に提出したところであります。情報公開法の必要性、情報公開に関する国の責務についてどのようにお考えになっておられるのか、また、オンブズマン制度についてどう考えておられるのか、総理の所見を伺います。(拍手)
 次に、総務庁長官にお伺いいたします。
 第一に、本法案は、行政手続法と銘打っておきながら、適用除外がいかにも多く、一般手続法の名を失わしめるところがあります。こうした多くの適用除外を設けた理由はどこにあるのか、お尋ねをいたします。
 第二に、法案の内容についてでありますが、聴聞手続が原則非公開とされている理由、さらに、聴聞を公開することを行政庁が相当と認める場合とはどういう場合を想定しているのか、明らかにしていただきたい。
 例えば、事業者に与えた許認可の取り消しが問題になる場合、その事業者の事業活動によって生じている公害の被害者など、生活上の利害を有する地域住民が処分の成否に関心を持つのは当然であります。この法案には、利害関係人の聴聞参加が規定されていますが、参加できる利害関係人の範囲は不明確で、参加の成否は行政庁の許可いかんにゆだねられています。参加とは別に、国民の知る権利の観点からも、処分の公正さを担保する観点からも、聴聞は公開を原則とすべきであり、むしろ非公開の場合を限定すべきであります。
 また、聴聞の公正さを保つ意味で、当該不利益処分案件について調査検討に携わった職員を聴聞主宰者から除外することは当然と考えますが、所見を伺いたいと思います。過去において、聞き置けば足りる式の聴聞がたびたび行われてきましたが、公正、透明な実質的な意味を持った手続として聴聞は行われるべきであります。
 第三に、申請に対する審査基準、不利益処分の処分基準、複数の相手方に対する行政指導の基準については、原則公開を徹底すべきであると考えますが、どうお考えでおられるのか、伺いたい。
 法案では、それぞれについて非公開の場合を留保し、行政庁の判断をまつことにしていますが、公開性が行政庁の恣意に左右されてはならないのであります。特に、複数の者に対する行政指導は、通達、要綱、ガイドラインという形で業界全体になされ、その影響は国民生活全般にとっても大きいものがあります。そうであれば、その基準は、生活者たる一般の国民にも明らかにされるべきであって、非公開のまま、官僚と事業者だけで行政指導が続けられていくことは認めがたいところであります。
 第四に、行政指導の書面交付であります。
 法案は、「求められたとき」に「行政上特別の支障がない限りこの交付であります。一昨年の証券会社の損失補てん問題で、大蔵省が補てんを黙認していたのではないかという疑いが生じたように、法律の裏づけのない通達行政や行政指導が、今後も責任もあいまいなまま、証拠も残らない形で継続していくことがあってはなりません。少なくとも相手方から書面の交付を求められたら、例外なく応ずべきではないのか、長官の見解をお伺いしたいのであります。(拍手)
 第五に、国民の権利利益に直接かかわる分野にとどまるとはいえ、統一的な法制のもと、聴聞等の行政手続が充実することは画期的なことであります。当然、官庁の事務量の増加が予想されますが、これを職員の負担強化といった犠牲のもとに解決することは許されません。この点をどう打開し、解決していくおつもりか、長官の所信をお伺いします。
 最後に、自治大臣にお伺いいたします。
 行政手続法における国民の権利行使も、手順と形式を踏んで行われるものであります。そうした意味においては、現在の行政書士制度を充実させて、国民の権利行使を援助させていくことが考えられてよいと思いますが、この点についての大臣のお考えを伺いたいと思います。
 また、本法案は、国の、地方公共団体もしくはその機関に対する処分及び行政指導については適用しないこととされています。それならば、国が行う処分や行政指導が地方自治の侵害とならないよう、別途、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るための措置を講ずべきではないかと考えますが、この点についての大臣の考えを伺いたいと思います。
 我が国は、行政手続法の整備のおくれた行政法の後進国と言われてきました。今や、政治腐敗を一掃し、公正、透明な行政を確立して、行政に対する国民の信頼を回復していかなければなりません。そのために行政手続法を整備するのであれ一は、後発の立場から、少なくとも将来の展望を明確に持った上での立法でなければならないと思うのであります。このことを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 最初に、この法案の位置づけというようなことについてお尋ねがございました。
 近年の行政機能の高度化、複雑化に伴いまして、公正で民主的な行政運営を実現し、国民の権利利益を保護するためには、行政手続を整備することの必要性が一段と高まってまいっておると認識しております。
 このような統一的な手続整備の要請にこたえるため、我が国におきましては、既に事後救済手続については一般法として行政不服審査法が制定されておりますが、処分等を行う際の手続については不十分な面があることをずっと指摘されてまいりまして、このたび、行政手続法案を国会に提出したところであります。この法案は、国・地方を通じまして、行政のすべての分野に関連しておりまして、法の円滑な施行に向けて遺漏がないよう万全を期することといたしたいと思います。
 それから、政財官の癒着あるいは官僚主義の是正についてお話がございました。
 真の国民のための行政を実現するため、政府は従来から、臨調・行革審答申等に沿って行政改革の推進に努めてまいりました。特に規制緩和につきましては、その重要な柱の一つとして、これまで許認可等の整理合理化を行ってまいりました。
 行革審第三次答申におきましても、国際化の対応あるいは国民生活重視といった観点から、各般にわたる規制の緩和等に関する提言が行われました。これを受けまして、昨年十二月、いわゆる平成五年度行革大綱を政府としては閣議決定をしたところであります。また、現在、行革審におきましては、いわゆる縦割り行政の弊害是正の観点から、総合的な政策展開が可能な行政システムの構築について審議が行われております。
 今回の行政手続法案の策定に当たりましては、行政手続の相手方である国民の権利利益に直接にかかわる分野につきまして、審査基準の明確化でありますとか聴聞手続の保障など、いわゆる手続法制の整備を優先したものであります。政省令制定手続につきましては、法制化に当たりましては、なお検討すべき課題が多うございまして、統一的な手続法の制定は早急には困難な様子でございます。
 また、計画策定手続につきましても、法制化に当たりましてはなお検討すべき課題が多く、今後の検討課題と考えております。
 情報公開法の問題でございますが、行政情報の公開については、公正で民主的な行政運営を実現し、行政に対する国民の信頼を確保する観点から、積極的に取り組むべき課題であると認識しております。文書閲覧窓口制度の一層の充実、行政情報公開基準の策定などによりまして、国民の必要とする行政情報の公開に努めております。
 なお、情報公開の制度化の問題につきましては、検討すべき課題も多く、引き続き調査研究を進めております。
 また、いわゆるオンブズマン制度については、臨調・行革審の答申等を踏まえ、行政相談等既存の苦情救済機能の活性化を推進するとともに、その実情を踏まえ、我が国の実情に適合したそのあり方につきまして、さらに具体的な検討を進めることといたしております。
 残りの御質問につきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣村田敬次郎君登壇〕
○国務大臣(村田敬次郎君) 行政手続法案等についての山中議員の御質問についてお答え申し上げます。
 まず、行政書士制度につきましては、自治省としても、行政書士法の趣旨にのっとり、これまでもその適正な運営に努めているところでありますが、今後とも御意見の趣旨を踏まえて、行政書士制度の充実等に向けて検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、地方公共団体に対する国の処分等についてのお尋ねでございますが、行政手続法は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ることによって、国民の権利利益の保護に資することを目的としており、国や地方公共団体の行政機関相互間の処分や行政指導については、行政手続法の直接の目的ではないことから、適用除外としたものと認識をしております。
 ところで、地方公共団体の自主性、自律性を確保するという観点から、地方公共団体の行政運営や事務処理に関する国の許認可等の関与の整理合理化も必要であると認識しております。
 国・地方を通じた行政が公正に行われ、また、地方公共団体の自主性、自律性が確保されていくよう、今後とも各般の施策を講じてまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣鹿野道彦君登壇〕
○国務大臣(鹿野道彦君) 私に対する質問についてお答えいたします。
 まず、多くの適用除外を設けた理由は何か、こういうことでございますが、行政は極めて多岐にわたるものでありまして、一般法であります行政手続法をすべての行政分野に一律に適用するということは必ずしも適当ではないのではないか、このように考えておりますことから、行革審答申の指摘に沿いまして、同法の規定の適用になじまないものと考えられるものについては、必要な適用除外措置を講じたものであります。
 なお、行政手続法案におきましては、刑事事件に関する法令に基づき検察官等が行う処分など、本来の行政権の行使と見られないもの、刑務所内で受刑者に対して行われる処分など、特別の規律で律せられる関係が認められるもの、人の学識技能に関する試験の結果についての処分など、処分の性質上、行政手続法の諸規定の適用になじまないものにつきましては適用除外規定を設けますとともに、租税の賦課徴収に関する処分や工業所有権の設定等に関する処分など、特定の行政分野について独自の手続体系が形成されているものにつきましては、必要な見直しを行った上で、個別法におきまして、行政手続法の適用除外措置を講ずることとしたわけでございます。
 また、地方公共団体の機関がする処分のうち、条例または規則に根拠を有するもの及び地方公共団体の機関がする行政指導につきましては、地方自治の尊重の観点から、本法を直接適用することはせず、本法の規定の趣旨にのっとりまして、各地方公共団体におきまして、必要な措置を講ずる努力義務規定を設けることとしておるところであります。
 次に、聴聞を非公開とする理由、聴聞の公開を「相当と認めるとき」とはどういう場合か、こういうことでございますが、聴聞の期日における審理を公開することにつきましては、処分の相手方や参加人のプライバシーが侵害されるおそれもあるので、行政手続法案においては、公開を原則とすることとはしなかったものであります。
 行政庁が「相当と認めるとき」につきましては、例えば、当該事案につきまして、公衆による監視が必要、社会的関心が強いなどの場合のほか、相手方が公開の請求をしたときなどが想定されるわけでございます。
 次に、不利益処分事案の調査検討に携わった職員を聴聞の主宰者から除外すべきではないか、こういうことでございますが、聴聞の主宰者の指名は、公正中立的な聴聞の審理の確保の観点から行われることが望ましいところでございますが、行革審答申におきましては、当該不利益処分に係る事案の調査検討に携わった職員と、主宰者となるべき職員とを分離する、いわゆる職能分離の制度を導入することとしてはいないわけであります。
 なお、聴聞の審理の結果として、聴聞の経過を記載した調書及び主宰者の意見を記載した報告書が作成され、かつ、これらの調書等は当事者等の閲覧に供されることとなるので、聴聞の審理の公正中立性は担保されることとなると考えているところであります。
 次に、審査基準等につきまして、原則公開を徹底すべきではないか、このような御質問でございますが、行政手続法案におきましては、審査基準につきましては、「行政上特別の支障があるときを除き、」「公にしておかなければならない。」ものとしてあります。処分基準につきましては、「公にしておくよう努めなければならない。」としております。行政指導の基準につきましては、「行政上特別の支障がない限り、」「公表しなければならない。」ものとしております。
 これらの規定につきましては、行政庁が恣意的に運用してよいものではなく、行政運営における透明性の向上という趣旨に沿って、合理的な理由がある場合に限られるべきであるものと考えるところであります。
 次に、行政指導の書面交付は例外なく行うべきではないか、この点につきましては、行政手続法は、行政分野全体に適用される一般法といたしまして、広範多岐にわたる行政分野において、さまざまなレベルの職員によって、さまざまな場面で行われる行政指導を対象としていることから、中には対外交渉に関し、外交上の配慮が必要とされるような場合などがあり、これらにつきましては、「行政上特別の支障がない限りこという一定の留保条件をつけたものでございます。
 次に、行政手続法の制定に伴う事務量の増加にどう対応するかという件につきましては、行政手続法の制定によりまして、例えば、新たに手続をとることが必要となる処分等につきましては、行政事務といたしましては、一定程度増大することはあり得るわけでございますが、行政手続法の制定によりまして、国民の理解と納得が得やすくなりますならば、行政上の紛争が未然に防止され、長期的には行政の効率化が十分期待できるものと考えるところでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(櫻内義雄君) 山田英介君。
    〔山田英介君登壇〕
○山田英介君 私は、公明党・国民会議を代表し、ただいま議題となりました行政手続法案及び行政手続法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について、総理並びに関係大臣に対し、質問いたします。
 行政手続法案は、行政手続の基本法ですが、私は、この法案の質問に入る前に、この法案の対象たる行政自体が抱える諸問題に触れておきたいと思います。つまり、本法案を実効あらしめるためにも、現在の官主導と言われる行政の現状を変革していく必要があると考えるからであります。
 第一に、行政改革の推進についてであります。
 我が国は、これまで欧米先進国へ追いつくことを目標に権限を中央に集中してきました。欧米先進国と肩を並べるようになった今日では、国の行政は硬直化、既得権化して、その弊害が目立つようになっています。
 一方、国内的には、高齢化の急速な進展、経済の停滞などの問題、対外的には大幅な国際収支の黒字を背景とした経済摩擦、国際貢献のあり方など、問題が山積をし、我が国を取り巻く内外の状況は大きく変化をしていると考えます。
 この際、こういった問題に適切に対応していくためには思い切った行政改革が必要であり、そのためにまず地方分権への具体化とあわせ、国の役割分担を思い切って見直す必要があると思います。私は、将来、外交・安全保障・国際貢献、マクロ経済対策、食糧・エネルギーなど国民生活の安全確保、地方行政間の調整など、より基本的で重要な課題に絞る方向で検討すべきであると考えますが、総理の御見解はいかがでありましょうか。
 第二には、公的規制の問題であります。
 公的規制には、規制が制定されて以来、長い年月が経過をし、制定当時と比べてその必要性が十分チェックされないまま存続しているものが相当あるのではないか。このような許認可が極めて広範な行政分野に存在するがゆえに、自由な競争が行われず、経済の活性化や国民生活の質の向上を図っていく上で大きな障害となっており、国際的にも我が国への市場参入が困難であるなどの批判を受ける原因になっています。また、膨大な許認可の存在が、本来、強制力のない行政庁の行う行政指導に実質的に強制力を持たせている主要な原因になっており、これが行政の公正・透明性確保の重大な阻害要因の一つであることは論をまちません。
 したがって、この際、一万一千件に上る許認可等の公的規制の緩和、削減を思い切って進めるべきであると思います。私は、国で取り扱うべき許認可等の件数は今後五年間で半減させることを目指すべきではないかと考えますが、総理の御見解を伺います。
 第三には、地方分権の問題であります。
 中央の行政が硬直化、既得権化している中で、豊かな暮らしと生活者重視の行政を行っていくためには、従来の中央集権的な意思形成や資源配分のシステムを、個人、地域などの選択と責任で、主体的に参加決定していくものに転換する、自立と参加による地方主権の確立が不可欠であります。
 このような観点から、地方への権限移譲などをもっと積極的に進めることが不可欠であると考えますが、地方分権についての総理の御見解を伺いたいと思います。
 さて、今回提出されましたこの行政手続法案は、国民と行政の関係に新たな時代を画す非常に重大な法案であります。公の権力が行使される際には適正な手続によらねばならない、これは歴史が示すところの真実であります。近代国家の成立以来、国民の権利保護の歴史は、この適正な手続を定め、これを法典化し、法律によって保障することにありました。
 我が国におきましては、公の権力の行使のうち、刑事手続については、憲法第三十一条以下に規定される法定手続の保障及び刑事訴訟法により手続が統一的に定められております。他方、行政手続につきましては、一般法はなく、個別の法律にゆだねられてきました。そのため、不備不統一の状態にあります。
 手続が定められている分野がある一方で、全く規定の置かれていない分野も存在するといったように、行政の対応がばらばらであり、また、それぞれの法律に手続に関する規定が置かれていたとしても、それに従った手続によらず、行政指導という手法を多用し、より一層行政の作用をわかりにくくしているという側面もあります。
 さらに、行政へゆだねられた裁量権が余りにも大きいことから、政治の介入をも許し、これまで相次ぐ構造汚職の温床ともなってきております。
 その意味では、公正で透明な行政運営を目指す行政手続法の制定は、当面する政治改革の一環をなす重要な課題でもあります。また、その実効性の確保は、日米構造協議でも指摘されているように、諸外国からも強く要請されるところとなっています。
 もとより、こうした統一的な行政手続法を制定しようとする動きは古くからありました。中でも、一九六四年の第一次臨時行政調査会の答申及び一九八三年の第二次臨時行政調査会の答申では、それぞれ行政手続法を制定すべき旨を提言し、さらに一九九一年十二月には、第三次臨時行政改革推進審議会が「公正・透明な行政手続法制の整備に関する答申」を提出しております。
 このように、長年の懸案でありました行政手続法案が上程されましたことは、意義深いものがあると思います。また、法案が行政手続の相手方である国民の権利や利益に直接かかわるものであるだけに、慎重な審議が求められるわけであります。
 そこで、私は、行政手続法案の内容についてお伺いいたします。
 第一に、行政手続法案は、行政機関の行為のうちの三つに限って立法化しようとするものであります。すなわち、「申請に対する処分」、「不利益処分」及び「行政指導」の事前手続を対象とするわけですが、しかしながら、行政機関の行為には、このほかにも行政立法手続、計画策定手続など重要な分野があります。今回の法案ではこれらが除かれたのはどのような理由によってなのか、お聞かせ願いたいと思います。
 次に、適用除外であります。
 事柄の性質上、行政手続法になじまないものは当然存在すると思います。そのようなものは適用除外となるわけでありますが、この法案において適用除外とされる項目について若干疑義があります。
 その第一は、補助金の交付等に関する処分です。
 補助金につきましては、従来より、交付手続が複雑であること、補助の基準があいまいであること、交付等に伴い国が地方自治に介入することなどが指摘されております。このような分野にこそ公正と透明性が要求されると思うわけでありますが、なぜ補助金を適用除外としたのか、その理由をお聞かせ願います。同様に、福祉の措置等に関する処分があります。我が国が急速に高齢化社会に移行している現在、福祉行政は、国民の大きな関心事であると同時に、国民一人一人の権利にかかわる問題であります。この分野においても、手続の整備が強く求められております。そこで、法案において福祉を除外しましたのはどのような理由によるのか、また今後、立法化の方向で検討すべきと考えますが、御答弁をいただきたいと思います。
 次に、行政手続法案の対象となる行為についてお尋ねをいたします。
 第一に、「申請に対する処分」ですが、この処分についての「審査基準」を定め、それを公表することを義務づけたことは率直に評価したいと思います。しかしながら、義務づけられた行政庁があいまいな基準を定めることになれば、その実効性が危ぶまれるのではないでしょうか。伺います。
 また、「申請に対する処分」について、その公聴会の開催などを、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが、法令で許認可等の要件とされているものに限定している点、及びその開催を「努めなければならない。」とし、いわゆる努力目標としている点、この二点については疑問があります。この場合、開催を義務づけるべきではないかと考えます。また、この場合、利害関係人について開催を申し出ることができるようにすることをあわせて規定すべきではないかと思いますが、いかがでありましょうか。
 第二に、「不利益処分」でありますが、まず、処分基準の公表が努力目標であることについてです。申請の処分では、審査基準の公表が義務的であるのに対しまして、「不利益処分」ではなぜ努力目標にとどめたのか、その理由を伺います。
 次に、聴聞には「文書等の閲覧」が認められております。これは、不利益処分を受ける者にとってその主張を根拠づけ、証拠を提出するのに極めて有効な制度であります。しかしながら、弁明には閲覧が認められておりません。権利の保障という観点からは、同等に認められるべきであると考えますが、この点をお尋ねいたします。
 さらに、文書を閲覧するだけではなく、その複写も認めるべきであると考えます。また、弁明の付与の形式は、原則として書面で行うこととされていますが、行政庁が認めれば口頭でもできるとしています。この場合の基準を明らかにしていただきたいと思います。
 第三に、行政指導についてであります。行政指導の位置づけは、非常に難しいものがあります。行政の機敏な対応、弾力性の確保、円滑な運営にとっては有用な手段となりましょうが、他方、一たん乱用の事態となれば、法の空洞化を招きかねないおそれがあります。この意味から、行政指導を行う場合に遵守すべき手続を明文化することには意義があると思います。
 しかし、特に指摘しておきますが、行政指導の方式について、法案では、「当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。」としつつも、「書面の交付を求められたとき」は「行政上特別の支障がない限り、」「交付しなければならない。」としており、最も肝心な点が行政庁の裁量にゆだねられております。この「書面の交付を求められたとき」「特別の支障がない限り、」「交付」の規定は、場合によっては、本法案の空洞化をもたらす危険があります。この点の明確な答弁を求めます。
 同時に、行政指導は、口頭による行政指導のあいまいさや密室性の側面を利用して、ロッキード、リクルートなどの疑獄事件や近年の証券スキャンダルが引き起こされた経緯から見ましても、原則として書面を交付して行うとすべきと考えますが、あわせてお答えいただきたいと思います。
 私は、行政指導に初めて法の枠がはめられることを評価しつつも、他方、行政指導に初めて法的根拠が付与されるという側面を看過できません。いやしくも、法的に認知されたとして行政指導の拡大強化につなげては決してなりません。
 特に、行政指導は、一定期間の運用の実態を検証し、改めて考える必要があると考えます。したがって、五年ないし三年後の法律の見直し条項を盛り込むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、行政指導については、相手方が不測の損害をこうむった場合の救済手段が欠落しています。不服申し立てを保障する規定を置くべきであると考えますが、あわせて答弁を求めるものであります。
 行政手続法案の運用次第では、実際の行政のあり方が大きく変わり得るものと思います。しかし、行政庁側に、努力目標にとどめられた多くの規定があり、依然として裁量の余地が残されている点を考えますと、総理の強いリーダーシップが発揮されなければ、実効性を失うことは言うまでもないと思います。また、行政庁側の不利益な取り扱いをおそれて、国民の側がその権利を生かさなければ、せっかくの立法によっても改善の実が上がらないおそれもあります。
 かような事態を防ぐためには、国民の側の意識の変革が重要でありますが、同時に、これを運用する行政庁側の相当な努力が必要と考えます。本法案に対する総理の決意のほどを伺いたいと思います。
 行政手続法の制定は、今まであいまいであった事務手続を明確化する反面、行政事務の拡大も予想されます。長期的には、行政手続における紛争を抑止し、効率化に寄与することになろうと思いますが、当面、行政の肥大化の防止に留意しなければなりません。
 また、行政手続の整備と充実の前提として、つまり公正と透明性を実現するためには、行政情報が公開されることが必要となります。この意味で、次の目標は、情報公開法の制定であると考えます。これに加えて、冒頭指摘しましたように、この法案では、三つの分野に限定して制定を図るということですが、残された行政立法手続、計画策定手続等の分野につきましても、早急に立法化の方向で省庁間の調整を図るよう、あわせて要請したいと思いますが、総理いかがでありましょうか。
 これまで行政は、行政の処分の対象となる国民を対等な相手として認めてこなかったのではないかと思います。今回の行政手続法案は、この国民と行政との関係を他の先進諸国並みに近代化をさせる最初の一歩で考えると同時に、以上指摘しました課題の実現を強く要請しまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 最初に、地方分権を前提として、この際、国の役割を見直して基本的な問題に集約すべきであるという立場から、幾つかの政策課題を述べられました。私は、そのお考えの方向には基本的には同感でございます。
 次に、行政改革の断行についてでございますが、簡素で効率的な行政の実現を目指して、臨調・行革審の答申等に沿いまして、国から地方への権限移譲、行政組織の再編合理化、許認可等の整理合理化による規制緩和、補助金等の整理合理化など、行政全般にわたって改革を推進してまいりました。昨年末には、平成五年度行革大綱を策定をいたしまして、着実な実施を図ることといたしております。なお、現在の行革審におきましては、政府部門の果たすべき役割や、総合的な政策展開が可能な行政システムの構築について御審議をお願いいたしておるところでございます。
 それから、規制緩和の問題でございますが、従来から、国・地方を通ずる行政改革を推進するとともに、規制緩和を行革の重要な柱として考えてまいりました。臨調・行革審答申等に沿って、許認可等の整理合理化など改革に努めてまいっておりますが、行革審の第三次答申におきましても、国際化への対応あるいは国民生活重視の観点から、各般における規制の緩和等に関する提言が行われております。
 それから、去る四月に総合経済対策を決定をいたしました際に、公的規制の目的、内容を緊急に見直して、その結果に応じて許認可等の大幅な整理を図ることを決定いたしたところでございます。この点は、総合経済対策ではございますけれども、やはりいわゆる規制緩和というものが経済の活性化に役立つという観点を踏んまえてのものでございます。
 地方分権につきましては、一極集中を是正する、そして国土の均衡ある発展を図って生活大国を実現することが現下の重要な課題と考えておりまして、地方分権を推進しまして地方団体の自主性、自律性の強化を図らなければならないと思っております。行革審の答申もございまして、権限移譲、補助金等の整理合理化に努めてまいりましたし、また、昨年暮れには、いわゆるパイロット自治体制度を閣議決定したところでございますが、今後とも、地域社会が活力に満ちて繁栄をしていきますために、権限移譲等、地方分権の推進にはぜひ努めてまいらなければならないと思います。
 本法案の運用についての心構えでございますが、行政手続法に定める諸事項は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、行政に対する国民の信頼の確保に資する上で重要なものと考えておりますので、この法案が法律になりました際、その施行の準備に万全を期しますとともに、施行後におきましても、この法律案の体現しております精神の定着を図るべく、私として行政を指導してまいる考えであります。
 行政情報の公開につきましては、公正で民主的な行政運営を実現し、行政に対する国民の信頼を確保する観点から、積極的に取り組むべきものであると考えております。文書閲覧窓口制度の一層の充実、行政情報公開基準の策定などにより、国民の必要とする行政情報の公開に努めているところでございますが、この情報公開を制度化すべきかどうかということにつきましては、なお検討すべき問題が残っておりますので、引き続き研究を進めてまいりたいと思います。
 残りのお尋ねにつきましては、総務庁長官からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣鹿野道彦君登壇〕
○国務大臣(鹿野道彦君) 残された質問につきましてお答えさせていただきます。
 まず、行政立法手続、計画策定手続が除かれた理由、どういうことかということでございますが、今回の行政手続法案の策定作業は、第三次行革審の「公正・透明な行政手続法制の整備に関する答申」に沿って行われたものでございます。この答申におきましては、行政手続の相手方である国民の権利利益に直接かかわる分野につきましては、手続法制の整備を優先させることが適切であるとの考え方がとられておりまして、行政手続法案におきましても同様の観点から、申請に対する処分、不利益処分、行政指導及び届け出の手続のみを対象としたものであります。
 命令制定手続や計画策定手続につきましては、答申においては、「どのような一般的な手続を導入するかについては、なお多くの検討すべき問題があり、将来の課題として調査研究が進められること」が期待されるとされているところでありまして、早急な法制化は困難であると考えておるところであります。
 次に、補助金を適用除外とした理由を問うということでございますが、補助金等の交付に関する処分は、大部分が地方公共団体に対する金銭に関する処分でありますが、行政手続法案におきましては、地方公共団体に対する処分は、同法案の適用除外となっておりまして、また、金銭に関する処分は、弁明・聴聞手続の適用除外となっているところであります。すなわち、補助金等の交付に関する処分の大部分は、行政手続法案本体におきましても適用除外となるものであります。
 一方、補助金等の交付につきましては、当該分野の一般法として、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律がありまして、独自の手続体系が形成されているものであるため、同法の体系等に則して所要の規定の見直し等を行い、交付決定の取り消し等に係る理由の提示に関して所要の規定を整備した上で行政手続法の適用を除外することとしたものであります。
 次に、福祉を適用除外とした理由ということでございますが、福祉の措置に関する処分につきましては、ケースワーカー等の専門職員が本人の意向や心身の状況、家庭環境等を総合的に勘案いたしまして調整して行うものであることから、事前手続の保障といたしましては、行政手続法の手続とは別に、ケースワーカーの日常的な活動の中で行われる」とがふさわしいと考えるところでございます。
 このため、今回、福祉各法におきまして、施設退所等に当たっての本人等への説明及び意見聴取を新たに法律上義務づけたところでありまして、今後、これらの代替規定によりまして、行政手続法に相当する手続を行うこととしているわけであります。
 次に、あいまいな審査基準では実効性が危ぶまれるのではないか、こういうことでございますが、行政手続法案におきましては、審査基準の作成に当たりまして、当該許認可等の性質に照らして、できるだけ具体的なものとしなければならないことと規定されているところであります。また、審査基準は公にされることとなっておりますので、行政庁は、国民の批判を受けることのないよう適切な措置を講ずるものと考えるところであります。
 次に、公聴会の開催等を限定、努力義務としている理由は、この点につきましては、行政手続法第十条は、社会経済情勢の複雑化、多様化に伴いまして、申請者との関係のみならず、申請者以外の者の利害にも十分配慮した的確な行政運営を確保するために定められたものでありますが、本法案を立案する趣旨が申請者の権利保障を図ることを主眼としていることにかんがみ、申請者と利害を異にする者からの意見聴取に努める場合を、「申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているもの」に限ることとしたものであります。
 また、申請者以外の者の利害を考慮するに当たりましては、専門家の知見に基づいて判断することが適当なケースなど、関係者から直接に意見を聞く実益に乏しい場合もあることなどから、行政庁に一律に公聴会の開催等を義務づけるのではなく、努力義務とすることが適切と判断したものでございます。
 なお、利害関係人に対して一律に公聴会の開催請求権を認めることにつきましては、申請に対する迅速な処理の要請があること、関係者から直接に意見を聞く必要が乏しい場合もあることなどから適当でないと考えるところでございますの
 次に、「不利益処分」の基準の公表を努力目標にとどめた理由は、このような御質問でございますが、処分基準につきましては、その性質上、これをあらかじめ具体的な基準として画一的に定めることが技術的に困難な面がありますので、その設定については努力義務としているところであります。
 処分基準の公表を努力義務としたのは、このように処分基準を設定できない場合もあることに加えまして、これを公表することにより、脱法的な行為が助長される場合も想定されるからであります。
 次に、弁明手続と文書閲覧、文書閲覧と複写、口頭による弁明の基準、この御質問につきましては、弁明手続につきましては、行政運営上の行政効率とのバランスにおきましてもいろいろ配慮をいたしまして、原則といたしまして書面を提出して行うなど、行革審答申においても、簡易迅速な防御手続として位置づけているところであります。
 また、弁明手続相当の処分につきましては、当該処分による相手方の権利利益の侵害の程度も一般に大きいものではなく、もしくは、行政庁が相当と認めるときには、聴聞を行えば足りると考えられるものでありまして、弁明手続において相手方に文書等の閲覧を認めることはしていないところであります。
 また、聴聞手続におきまして閲覧文書の複写を認めることにつきましては、行政庁側の事務負担の問題もありますので、これを一律に認めることはしていないところであります。ただし、複写を禁止しているものではないわけでございますので、必要に応じ、行政庁の裁量により行えばよいものと考えるところであります。
 さらに、弁明手続につきましては、弁明内容を明確にするなどの観点から、原則として書面を提出して行うこととしておりますが、事案により、口頭による弁明の方が相手方の主張を把握しやすいような場合がありますので、弾力的な運用を認めているものであります。
 なお、弁明手続は、聴聞手続とは異なり、当該事案につきまして行政庁との間でやりとりを行うことまで想定しているものではなく、当該事案につきまして、自己の立場を明らかにするための弁明を行うものでありますので、書面または口頭のいずれの方法によっても手続保障の程度は変わらないものと考えているところであります。
 次に、行政指導と書面の交付についてのお尋ねでございますが、行政手続法は行政分野全体を規律する一般法でありまして、広範多岐な分野におきまして、さまざまなレベルの職員によりさまざまな場面で行われる行政指導を対象としていることから、一律に書面の交付を義務づけすることが適当でない場合もあり得ますので、「行政上特別の支障がない限りこという一定の留保条件をつけたものであります。
 これに該当するものといたしましては、対外交渉に関して、外交上の配慮が必要とされるような場合など、合理的な理由がある場合に限られるものでありまして、これが乱用されて本法案が空洞化されることはないものと考えるところであります。
 行政指導は、広範多岐な分野でさまざまなレベルの職員によりさまざまな場面で行われており、その中には、相手方としても、わざわざ文書にしてもらわなくても十分と考えるものもありまして、そういったものについてまで一律に文書主義をとることは、行政事務のいたずらな増大につながりかねない、このような点にも勘案いたしまして、相手方から求められたときに交付することとしたものでございます。
 見直し条項、行政指導に関する救済措置につきましては、行政手続法におきましては、行政指導を行う場合に行政機関の職員として当然に遵守すべき原則等を規定したものであり、特に行政指導につきまして五年ないし三年後の見直し条項を盛り込む必要はあるとは考えていないところであります。
 行政指導を受けた場合には、行政指導の性格上、これに従うことが義務づけられるものではなく、行政指導に不服があれば、行政機関に不服を申し立てるまでもなく、これを拒否すれば足りることから、あえて不服申し立ての仕組みを設ける必要はないものと判断したものであります。
 なお、行政指導に従ったことにより不測の損害をこうむった場合につきましては、国家賠償法による損害賠償を請求することも可能であるわけでございます。(拍手)
○議長(櫻内義雄君) これにて質疑は終了いたしました。
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○議長(櫻内義雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時十一分散会
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