第126回国会 農林水産委員会 第8号
平成五年四月七日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
   委員長 平沼 赳夫君
   理事 金子徳之介君 理事 萩山 教嚴君
   理事 御法川英文君 理事 簗瀬  進君
   理事 柳沢 伯夫君 理事 佐々木秀典君
   理事 前島 秀行君 理事 宮地 正介君
      岩村卯一郎君    上草 義輝君
      内海 英男君    大原 一三君
      久間 章生君    久野統一郎君
      高村 正彦君    鈴木 俊一君
      住  博司君    中谷  元君
      鳩山由紀夫君    保利 耕輔君
      星野 行男君    松岡 利勝君
     三ッ林弥太郎君    宮里 松正君
      村岡 兼造君    山口 俊一君
      有川 清次君    石橋 大吉君
      遠藤  登君    北川 昌典君
      志賀 一夫君    田中 恒利君
      辻  一彦君    野坂 浩賢君
      鉢呂 吉雄君    堀込 征雄君
      山口 鶴男君    倉田 栄喜君
      藤原 房雄君    藤田 スミ君
      小平 忠正君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  田名部匡省君
 出席政府委員
        農林水産大臣官
        房長      上野 博史君
        農林水産大臣官
        房経理課長   蛎灰谷 操君
        水産庁長官   川合 淳二君
 委員外の出席者
        総務庁行政監察
        局監察官    美山  清君
        防衛庁装備局開
        発計画官    安江 正宏君
        科学技術庁原子
        力局調査国際協
        力課長     白尾 隆行君
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全課防災環境
        対策室長    折田 義彦君
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全課放射性廃
        棄物規制室長  塚腰  勇君
        環境庁企画調整
        局環境管理課長 熊谷 道夫君
        外務省欧亜局ロ
        シア課長    小町 恭士君
        外務省条約局国
        際協定課長   山中  誠君
        外務省国際連合
        局原子力課長  岸野 博之君
        厚生省生活衛生
        局乳肉衛生課長 伊藤蓮太郎君
        資源エネルギー
        庁長官官房原子
        力産業課長   細谷 孝利君
        農林水産委員会
        調査室長    黒木 敏郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月七日
 辞任         補欠選任
  大原 一三君     久野統一郎君
  加藤 紘一君     住  博司君
  谷  洋一君     山口 俊一君
  堀込 征雄君     北川 昌典君
同日
 辞任         補欠選任
  久野統一郎君     大原 一三君
  住  博司君     加藤 紘一君
  山口 俊一君     谷  洋一君
  北川 昌典君     堀込 征雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第四〇号)
 水産業協同組合法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第四四号)
 漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第四五号)
 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第六〇号)
     ――――◇―――――
○平沼委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案、水産業協同組合法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。有川清次君。
○有川委員 漁協は、漁民の協同組合といたしまして、水産業の振興、漁民の経済活動の助成、福祉の向上、漁業資源や漁業の管理、漁村地域の活性化等を図るための役割を果たしております。しかし、水産業協同組合の多くは総じて規模が零細で、事業取扱量が減少、伸び悩み、固定化債権の増大など、極めて厳しい経営状態にあるため、事業内容の充実を図り、執行体制の強化を図るなどして漁協の活性化を図るため、今回、水協法と漁協合併助成法の一部改正案を提示されたということになっております。
 まず、漁協の現状認識と、今後漁協にどのような役割を期待をされておるのか、漁業、漁村の将来展望と漁協の育成方針等について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○田名部国務大臣 率直に申し上げまして、漁協は大変規模が零細でありますし、あるいは近年の漁業をめぐる環境、そういうものが非常に厳しい環境にある、あるいはまた経営も同じょうに厳しい、そう私どもはとらえております。
 しかしながら、漁業者の協同組織として何といっても漁業、漁村の発展に大きな役割を果たしてきたことは事実でありますし、今後もこの漁協の役割を維持強化をしていく必要があるというふうに考えております。漁協は漁村地域の活性化の中心にもなっておりますので、今後婦人の皆さんでありますとか青年の組合運営の積極参加、こういうことも必要であろう、それは高齢化等への対応、そういうことにも漁協の組織として取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
 したがいまして、漁協が漁村地域における中核としてその期待される役割を十分に果たしていけるように、今回の水協法及び漁協合併助成法の改正を、この機会により一層の指導と支援、そういうことをしていきたい、こう考えております。
○有川委員 今おっしゃったように大きな役割を果たしておるし、将来充実した漁協に発展をするように期待をされてこの法案は出されたと思います。そういう意味では極めて重要だと思いますし、意義があると思いますが、問題は合併の促進のことでございます。
 将来到達すべき規模についてでありますが、全漁連は一県一漁協を目指すというふうにしております。昭和四十二年に合併助成法が制定されて以来、議員立法で四回にわたり延長を重ねてきましたが、いまだに十分な合併促進ができずに市町村未満の区域の漁協が八割を占めておる、また、一組合当たりの組合員数は百六十九人、職員は九・七人と、規模は極めて零細なままでございます。信用事業もまた他の金融機関と比較いたしまして零細で、力を発揮する状況ではありません。
 漁協の場合は漁業権を保有、管理するという役割を持っておりますし、農協等とは違って特殊な条件下にあると思います。そうした意味から、一概に規模拡大だけが漁業本来の使命を達成、充実できる道とは考えられないところもあると思います。生活基盤に直結した活動がなければならないと思うし、また、日常生活に密着した活動と協業活動が求められていると思います。一県一漁協では第一線で仕事をする漁民との乖離が生ずることも心配をされますが、合併促進に当たりまして将来目標をどこに置いておられるのか、実現の見通し等を含めて明らかにしていただきたいと思います。
○川合政府委員 今お話がございましたように、率直に申しまして今の漁協の規模はかなり零細でございます。系統組織では昨年十一月に全国の漁協大会を開きまして決議をいたしておりまして、そこでは、一県一漁協を含む広域漁協への統合を将来の目標としつつも、まず一市町村一漁協の早期実現を目標に合併の推進ということで取り組むということでございます。水産庁としても、こうした目標に向かっての系統組織の御努力を積極的に支援してまいりたいということでございます。もちろん、御承知のように、漁協の置かれます立地的な環境あるいはその漁業活動など全国区々でございますので、一概に一つの規模というものを示すのはなかなか難しいわけでございますが、先ほど申しましたようにやはり現状が余りにも零細だということでございますので、一市町村一漁協というような取り組みというのは私どもも妥当ではないかと思っております。
 しかしながら、組合員との結びつきというものは大きくなればやはり懸念されるところがあるわけでございますので、地区別の総代会とか地区の連絡協議会とか、あるいは最近盛り上がりつつあります青年とか婦人のそれぞれの単位の協議会とかいうようなもの、あるいは場合によっては支部あるいは支所というようなものを残しながらその関係も維持していかなければいけない、あるいは促進していかなければいけないというようなことは当然配慮すべきと思っておりますが、やはり今の状況では今後基盤の強化というようなことからいってもとても無理があると思いますので、今の系統が掲げております目標というのは私どもは妥当であり、これは応援していくべきものであるというふうに考えております。
○有川委員 将来一県一漁協ということについては、一つ一つの現在非常に困難な一市町村一つというような、そういうものの合併を促進して問題点を克服して、その積み上げの中に将来の展望を、もっと力をつけるためにはどうするかということを考えるべきなのではないか。今すぐ一足飛びに一県一漁協といってみても、零細な漁協ほど山が海に迫っておりまして、中山間の谷間と海に迫ったそういう状況の中の小さな漁村がたくさんあるわけであります。その辺を身近に相談ができ、力になっていける、そういう体制、さらには指導員の充実、普及員の充実、こういうことなど県全体でつくり上げるというような目標、そういうものをぜひきちっとした上で、積み上げ方式で進めるべきだと思います。その辺についてはまだ御意見があればお伺いをいたします。
 次に、今回の法案を審議するに当たりまして、私は幾つかの漁協を回って現場の声を聞いてみました。その中で、漁協合併については、職員は生活が安定をして待遇改善にもつながるので必要だと思うけれども、漁民や理事等は必要性を感じていないのではないか、こういう職員の御意見がありました。あるいはまた、他の漁協では理事の方が、職員のための合併で漁民のための合併ではない、合併のメリットはあるのか、後継者の育成等にも役立つのか、こうした極端な意見も聞かされたところでございますが、こうした合併についての阻害要因をどのように除去していくのか、そのことが必要であって、理論的、観念的問題提起だけでは決して前に進まない、このように思えてなりませんでした。
 都道府県の調査結果から見ましても、組合役員の合併意欲の弱さが第一位で、三十六県、九二%ということになっておりました。そうしたことを考えますと、合併に当たっての今後の課題は、一つには組合員及び役員の理解と意欲づくり、二つには財務内容の格差対策、三つには組合員間の漁民感情の対立の除去、四つ目には経営指導体制の拡充強化など、こういうことがさしあたって極めて重要な課題だと思いますが、その辺の御見解を簡単でよろしいので御回答願いたいと思います。
○川合政府委員 今御指摘の点は、私どもが行いましたアンケートあるいは系統が行いましたアンケートなどにもあらわれているものでございます。やはり何と申しましても、現状の置かれている環境についての危機感と申しますか、それが漁協関係者の中に必ずしもコンセンサスができていないということが一つあろうかと思います。
 しかしながら、先ほど来先生も御指摘のように、今のままではこれは決して先行きの見通しが立たないわけでございますので、やはり意欲を持ってこの問題に取り組んでいただきたいということで、昨年来、従来と異なりまして各地でこうした盛り上がりも出てきておりますので、私どもは、個々の問題、先生御指摘につきましては後ほどまた御質問があろうかと思いますが、そうした系統内の組織的な盛り上がりを形として積み上げていく、それに私ども行政も応援していくという体制をとって、今回合併助成法の改正をお願いするわけでございますが、私どもは、これは最後のチャンスというふうに受けとめまして取り組んでいきたいというふうに、系統とも今のところいろいろと連絡をとり合っているところでございます。
○有川委員 これが最後のチャンスというふうに受けとめてということでありますが、昭和四十二年から合併促進の努力をされて法律をつくり、助成をしながら、今日ほとんど進んでいない。しかも、組合員の間からは合併の必要性について危機感もないとおっしゃいましたが、それが一番阻害要因になっておる、こういう状況がアンケートで出ておるわけですね。
 今まで政府としては、そうした方向を出しながらどのような努力をされたのか、そして今後そのことについてPRを含めてもっと踏み込んだ、実現可能な合併対策をされようと考えていらっしゃるのかその辺をもう少し、これまでの問題点と反省の点も含めて明確にお答えください。
○川合政府委員 これまで数度にわたりましてこの合併助成法の延長がなされてきたわけでございます。その都度、それぞれ担当者は意欲を持ってこの問題に取り組んできたと思っております。しかしながら、御指摘のように、実績は必ずしも芳しくないという状況でございます。
 私どもはこの問題に取り組むに際しまして、やはり今までの取り組みにつきましては、組合の置かれております状況というものについて組合員なり役員の方々が必ずしも十分に把握していたかどうかということについて、もう一度考えるべきではないかと思っております。
 昨年来、この合併助成法の延長をお願いしようという検討に入りまして以来、私どもも系統組織ともどもこの問題について、かなり深刻な事態であるということ、そしてこの必要性について私どももいろいろな形でいろいろな機会をとらえましてお話をしてまいりました。今回系統でも、全国段階、市町村段階、そして地区段階に協議会をつくって取り組むことになろうかと思います。私どもも新たに今回、今まで議員立法でお願いしておりましたものを政府立法という形にしまして提出いたしましても、そうした取り組みを強化したいということでございますので、今回につきましては系統組織もそういう機運が醸成されてきておりますので、私どももともども最大限の対応をしていきたいというふうに思っております。
○有川委員 私が現場を回って、先ほど申し上げましたように、職員のための合併だ、このくらいの認識ですね。それは職員は非常にいいと思います。そのとおりだと思いますが、漁業振興そのものの基本的な課題としてとらえ切ることができていなかった、あるいは目先の、今日持っている漁業権とのかかわり、こういうのにかなり拘泥して進まなかったという問題もあろうかと思いますが、最後のチャンスとおっしゃるように、せっかくここに思い切った施策をしよう、力をつけよう、こういうことで提案をされる限りは、そのような実のある施策を十分に指導されるように強く要請をしておきたいと思います。
 次に、組織整備と財政確立に向けての努力でございますが、そうした財政確立に向けての努力をしている組合では、今日までの努力を認めて、相手もそうした基盤をつくり上げた上での合併でないと、むしろ負の財産を背負ってマイナスになると心配をしておる、こういう漁協もございました。
 鹿児島県の場合ですが、養殖漁業が盛んであります。家族漁業で零細な経営体の漁協に対して、大手企業の経営体が多く乗り込んでいる漁協と合併したらたちどころにのみ込まれてしまうのではないかという、合併に対する不安があるとのことでもありました。漁民のための漁協ではなくなるとの意見も聞かれましたが、こうした阻害要因、漁業の内容が違うあるいはそういう経営体が違う問題の取り扱いなどを含めまして、合併促進に当たって指導体制をどのように強化をされようとしておるのか、政府の指導方針をお聞かせください。
○川合政府委員 合併する組合がやや異なる漁業を営んでいるというようなケースも当然想定されるわけでございます。過去に合併をされております例、特にそのうちの優良事例などを聞きますと、それぞれの漁業の協議会なり部会なりをその内部につくり、それぞれのまた協議を行うというようなきめ細かいやり方をしておりますが、総じて言えば合併後の漁協になって活性化したというような例の方が多いと私どもは承っているわけでございます。
 今、先生がちょっとお触れになりました、大手の資本などが入って養殖を行っている例がございますが、むしろ、漁協の組織は御承知のように議決権が平等になっておりますので、一部のそうした者が合併した後の運営を支配するというような事態にはなりにくいのではないかと私は思っております。具体的な事例を私ども承知しておりませんので、それはそれで、そうした懸念があるような場合には十分指導していかなければいけないと思っております。具体的な事例に即して、そうしたものについては今のような御心配が起こらないように十分注意していかなければいけないと思いますが、制度としては議決権が平等でございますので、今のような形は必ずしもそう心配することはないのではないかと思っております。具体的な事例で私どもも対応していきたいと思っております。
○有川委員 議決権は一緒でも、大手企業の経営体が入りますと、皆さん、自営業の経営体で、養殖の場合は買い付けをしたりいろいろする回転資金がないと非常に困るわけです参っています。ところが、大手であれば幾らでもそうした資力があるわけでありまして、それにのみ込まれるという心配です。具体的な名前で言っていいのかどうかわかりませんが、同じ垂水市にありながら、垂水漁協と牛根漁協、牛根漁協には大手が入っている、のみ込まれるという心配がある。あるいはまた佐多漁協の場合はほとんど大手だ、あそこと合併したら大変だ、こういう声が現実にはあるわけです。
 それは議決権は一緒だかもわからぬけれども、運営そのもの、その辺は金が物を言う世の中ですから心配をするということがあるわけでありまして、この辺の取り扱いについてやはりきちっと整備をしながら、家族的な、各漁民の皆さん方を温かく支える、そういう体制を確立した上で、自信を持って合併に踏み切るような条件をつくらなければならぬのではないか、このように思うところです。
 じゃ、次に漁協の欠損金と固定化債権の問題について質問をいたします。
 昨日も参考人にお伺いしたわけでありますけれども、特に神奈川県信漁連で、株取引に失敗いたしまして三十五億円の欠損金を出したことが三月三十一日に明らかになったとして新聞に報道されました。結果として多くの支店と不動産を処分した、また、再建のために、異例の措置で県のOBが乗り込んで再建に臨んでいるという報道でした。さらに山口県信漁連の場合は、先物取引の失敗で七十九億円にも上る欠損金を出した。これも異例の金融支援に乗り出して、再建期間十五年と想定しながら、県が公金で年間五億円を拠出することや、本所と六カ所の支所を売却するなどの方策をとったなどと報道されておりました。
 またある県では、県漁連が荷受け人で、一千万円の保証金を積んだ買い手に対しまして、規定でいけば三倍以内の三千万円という限度額に対して三億円以上の買い付けを許し、その企業が倒産して現在欠損金も出しているという事例を伺いました。しかも、それはダミー会社なるものを通じまして、買ってもいないのに荷が入ったと漁連に回していたらしい。しかも、一年前に大体その内容はわかっていたにもかかわらず、放置していたために倒産したというふうに伺いました。今後恐らく大きな問題に発展するだろうということが憂慮されるところでありますが、全国的にはこうした多くの事故、問題があるのではないでしょうか。漁協の民主的運営、理事や組合員、あるいは理事間などの民主的な問題等極めて重要な課題を残していると思います。
 また一方では、役員は地域の名誉的な傾向にもありまして、思い切った発想の転換や活性化を図らなければならない、そうした保守的状況もあるのではないかと思いますが、全国の状況を含めて今申し上げたような事例に対してどのようにお考えなのか、このことを大臣にお伺いいたします。
○川合政府委員 幾つかの具体的事例のお話がございましたので、それについて私の方から先にお答えさせていただきます。
 神奈川県の信漁連の問題でございますが、昨年私どもが実施した検査におきまして、有価証券運用に失敗いたしまして多額の損失を発生させていたことが判明いたしました。このため私ども、県あるいは全漁連などの指導のもとで経営刷新委員会を設けまして、再建計画の策定につきまして検討を進めてまいりました。本年三月に、今ちょっとお触れになりました信漁連自体の自助努力も含めまして、再建期間十年ということで計画を取りまとめまして、臨時総会におきまして会員の承認を得ております。
 山口県の信漁連の場合につきましては、これは一昨年になりますが、私どもの実施した検査におきまして、やはり多額の損失が発生していることが判明したものでございます。これにつきましても再建委員会を設けまして検討を進めてきておりまして、本年二月に計画の骨子案を取りまとめております。この骨子案につきましては組合長会議におきまして承認を得ております。この件につきましては、さらにこれを計画として具体的な案を策定していくことになろうかと思います。こうした事例があるわけでございます。
 それから三番目にお触れの点につきましては、私ども具体的にちょっと承知しておりませんので、また後日いろいろ教えていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、経済の流れの中でこうした事例が起こったことはまことに遺憾なことでございます。ほかにこういうことがないかというお尋ねでございますが、私どもはその後検査などを通じまして点検を行っておりまして、こういうことが再び起こらないようにそれぞれ指導してきているところでございます。
 こうした状況の中で、今回私どもは水協法の改正の中にも、こうした事態を未然に防止できるような管理体制の強化ということを一つのテーマにいたしまして、改正点としてお願いしているわけでございます。一般的な経済の流れの中で、いわゆるバブルの崩壊、そのバブルの時点での運用に失敗したというようなことでございますので、それはそれで、今後の運営に傷が大きいところも今の具体的な事例の中にはあるわけでございますが、今後こういうことがないように、それからそうしたことを起こしたところにつきましては再建計画が着実に実施に移されるように、私どもは指導していかなければいけないと考えておるところでございます。
○田名部国務大臣 今長官から答弁ありましたように、どうすることが一番いいのかということをいろいろ考えてみまして、やはり実態に即して検討しなきゃならぬ。ただ、今回のような問題はまことに残念だと思います。こういうことが起きないようにするためには、理事会のあり方でありますとか執行体制を強化する、あるいは学識経験者等を理事に登用する、いろいろなことを考え、内部牽制もできる体制というものがしっかりしていなきゃならぬ。ただ基本的には、みずからこの組織の人たちがしっかりしてもらう以外ないわけでありまして、そういうことをいろいろ考えました。今回の場合は、まあ再建計画というものを立てられたから、これを見守りながら指導していかなきゃならぬ。ただ、失敗しておったら一体どうなったのだろうか、再建計画が立たなかったらこれは大変な事態になっただろうなということ等も考えながら、よりよい指導体制というものを我々も今後進めていかなきゃならぬ、こう考えております。
○有川委員 今私が申し上げた三つの事例は、一つは特に名前を秘したわけでありますが、いずれにいたしましても非常に厳しい漁業、漁協運営、そういう中で、大型化することによって、規模拡大することによって漁民の生活を守っていく、漁業の振興を図る、そして福祉の充実を図るなど目標は立派なんだけれども、それを取り扱う中枢部門でこういう事故が起こってくれば、大きいことはいいことだというだけの皆さんのPR、説得、これについてこない現状がどうしても生まれてくるのではないだろうか、このように思えてなりません。
 私が県議時代に、鹿児島県で農協の使い込みがありました。これは七百億に達しようとする大変な問題だったのです。もちろん県の農協も中心になりましたけれども、県自体も金を二十二年間にわたって補てんをするような措置をしなきゃならなかった。特定の人の間違いで、私利私欲で、結果としては単協の農協が全部負担をし、県民の税金が使われるという不測の事態まで起こったのです。
 今後またこのような問題が、あるいは起こっているかもわからぬ。徹底して問題が起こらないような措置、役員体制の確立、特に役員と組合員とのパイプ、本当に思ったことが自由に言えるそういう風通しのよい体制、体質という漁協をつくり上げてもらわなければ、こうした問題はなかなか解決し得ない問題ではないのか、このように危惧されてなりません。ぜひそうした全国調査、検査体制など充実をされ、民主化を含めて努力されるように要望したいと思いますが、もう一つぜひ大臣、決意のほどを言ってください。
○田名部国務大臣 基本的には、企業でも会社でも何でもそうですが、トップに立つ人の責任感、そうしたことがあって、立派な人を選ぶというのはまた組合員の責任であろうと私は思うのですね。ですから、そういう意識をどんどん変えていく。あるいは、新しい時代に即応して、二十一世紀に組合、漁業というものは一体どうなっていくかという見通しの中で、今委員おっしゃるとおり確かに大きければいいものではないかもしれませんけれども、しかし、現状のままでいいかというと、これはとても乗り切っていけるような状況にな
 それはもう高齢化あるいは後継者が少なくなっているわけですから、漁協の経営自体にもう問題が出てきているわけですから、そういうことをやりながら、大きくてしっかりしていればこれは一番いいわけでありますから、きめ細かに手の届くためにはどうするかというのはまた別の問題でありますから、基本的なところはしっかりしながら、そこがしっかり支えるだけの体力があるという中で、それはもう私どもも十分注意をして見ますけれども、経営の仕方でありますから、毎日の経営のあり方というものは、やはり責任者の皆さんが責任を持って組合員のためにやるんだという意識がなければ、これはもう何回でもそういう事件というのは起きる可能性というものはあると思うのです。それを何とか防ぎながら、そのためにはやはり会員一人一人がしっかりと目覚めて、常日ごろから組合経営に関心を持つということも非常に大事であって、任せきりにして後からわかったということでもいかぬと私は思います。
 おっしゃることは私どもも、いろいろ考える段階で、こうした方がいい、ああした方がいいという中でありましたが、一つの結論としては、やはり立派な運営をしてもらうためには立派な組合をつくるということが大事ではないだろうか、こう思っております。
○有川委員 今国会を取り巻く情勢、国民の世論が非常に厳しくなって大きな課題になっておるのは、金丸信のあの脱税事件だと思うのです。あってはならないような事件が政治の中枢部で行われておった。今からまた明らかになるだろうけれども、九百箱の段ボール箱の中から、一人や二人でないという報道もされておる。
 私はそうしたことなど考えるに、漁協の合併をして力をつけるんだけれども、その力をつけた漁協が、漁民とのパイプがガラス張りで通じながら、本当に信頼がおける体制をどうつくるか、チェック機構をどうつくるか、こういうことを基礎から積み上げながら合併という充実したものに発展させる、このことが極めて大事だと思う。マンモスになってからそのうみの部分、弱点を直そうとしてもなかなか困難でしょう。積み上げる段階でそうした基礎づくりをどうしてもこの際努力してつくり上げる、信頼性の高い漁協をつくる、こういう構えを強く要請をしておきたいと思います。
 次に移りますが、欠損組合が平成二年度で全国漁協のうち二三・四%あるというふうに言われております。これらも合併を阻害する大きな要因ではないでしょうか。これらはどこに欠陥があるのか。経営不振だけではなくて監査指導体制が極めて不十分である、そういうことではないでしょうか。小さな漁協では監査がしっかりできない、名目だけの監査人を決めておく程度の組合も多く、内部の自主監査どころではない状況もたくさんございます。検査体制、監査体制についてどこまで実効あるものにされようとしておるのか。積み上げの問題としてもいいわけでありますが、お答えください。
 また、常勤組合長のいない漁協がたくさんございます。これでは意欲的、計画的な漁協強化、組合員の利益増進を図ることができないのではないでしょうか。非常勤ではどうしても漁協の振興発展のために頑張ろうという条件が生まれないというふうに心配をされます。また、こうしたところにも不祥事を生み出す温床もあるように思えてなりません。
 漁協の規模拡大が進めば財政力もついて全部の問題も解決するでしょうけれども、現在では合併を阻害する要因であるわけでありまして、漁協本来の役割の遂行にも支障が生ずる。こういうことを考えますと、漁協の経営改善と財務状況の改善のために、その施策のあり方についてもどうすればいいのか。これは卵が先か鶏が先かという問題がありますが、当面するのは専従の常勤理事長がいないという問題等もあるわけでありますから、その辺の考え方を基本的に明らかにしていただきたいと思います。
○川合政府委員 今御指摘がございました常勤の役員がいない、あるいは監査体制が十分でないというような点は、やはり何と申しましても組織体制、組織の規模にかかわる点だろうと思います。確かにどちらが先かというお話はあろうかと思いますが、現状の規模のままでそうしたものを求めることは非常に難しいと思います。
 今御指摘のようなそうした組合は、漁協の場合は御承知のようにどうしても販売事業が経営の基盤でございますので、規模が小さく、また活性化も行われていないというような状況でございますので、どちらが先かという議論は地域によっていろいろあろうかと思いますが、やはりここまできてしまうと、合併ということは、これは計画を立てていくわけでございますが、今先生が御指摘のような点も含めてどう改善していくかということを、合併の一連の計画の中で対応していくということが必要ではないかと思っております。それぞれの置かれた事情はあろうかと思いますが、今はまさにそういうところから取り組むべき時期ではないかというふうにとらえております。
○有川委員 特に監査体制の問題、県漁連等があるいは県当局あたりが監査もするわけでありますが、まだまだ極めて不十分だ、抽出的な検査に終わるとか、こういうような状況があるわけですが、本来なら常時内部監査をすべきですが、その力もない。とすれば、漁連あたりの監査指導体制というのを強化する必要があると思いますけれども、その辺の手だてをこの際やりながら、内部充実を図り、合併を促進する、こういうことにしなきゃならぬと思いますが、その辺ちょっと考え方をお聞かせください。
○川合政府委員 都道府県の検査体制、それは必ずしも十分でない、今の数からいいまして頻度が、どうしても長くなることは否めないわけでございます。
 そこで、私ども現状で考えておりますのは、県漁連の監査体制と県の検査体制を有機的に結びつけまして対応していくということだろうと思います。それと同時に、合併計画を具体的に持っているところは、それはそれでまた重点的にやっていかなきゃならない面があろうかと思います。今までもやってきておりますが、具漁連の監査体制と県の検査体制、これを相互補完的に機能させていくということが、当面今の体制でできることではないかと思っております。
○有川委員 鹿児島県の漁協の場合もありまして、県漁連の監査が従来に増して事後の指導まであるようになって非常にいいことだと感謝をされておりました、そういうことをある漁協が言っておりましたが、全体的にそういう充実と後の指導まで、そういうことを強く要請をしておきたいと思います。
 時間がありませんので、次に進みます。
 次に、水産資源管理についてでありますが、指導事業を担当する職員が全国で一組合平均で〇・六人ですね。四分の三の漁協に専任の職員が置かれていない。鹿児島県の場合は、きのうもありましたけれども、指導員がわずかに三人、極めて広範な業務内容であるわけでありますが、資源管理と言える状況では決してないというふうに思います。また、普及員も鹿児島県の場合は三人ということでありますが、この指導員をどう養成していくのか。そういう立場で単協の中で努力をされているところは、国の教育機関に三カ年間漁協負担で派遣をして勉強させながら頑張っておる。ところが、零細漁協ではそういうことはとてもできません。
 こういう実態にあるわけでありますが、こうした実情の中で漁協がどのような資源管理を行うことを期待をされているのか、指導員、普及員等の養成について必要な援助、財政対策など考えていらっしゃるのかお伺いをしたいと思います。
○川合政府委員 これからの沿岸漁業は資源の管理ということが今まで以上に重要になってくると思っております。そうした資源の管理の中核になりますのは、やはり漁協であり、若い担い手の方々であろうと思っております。
 今御指摘がございましたように、漁協の指導関係に携わっている職員は全国で千二百人弱ということでございまして、一組合当たりにしますとかなり小さいものでございます。これは、先ほど来お話がございますように非常に零細な組合が多いわけでございますので、当然そういうことになるわけでございます。そういう意味からも合併ということが非常に大事になってくると思っております。
 既に合併した漁協におきましてはこうしたことが十分可能になって、私どもが言っております資源管理型漁業ということに取り組んでいるところがかなり出てきているわけでございますので、国と県で改良普及職員などを設置しておりますけれども、これとタイアップするという意味では、私どもの役割あるいは努力も必要ではありますけれども、やはり何と申しましても漁協のそういう担当職員の充実ということが非常に大事だろうと思っております。そういう意味からも今回の合併ということは、それがうまくできますれば非常にその面でも充実した指導ができるのではないかというふうに私ども考えているところでございます。
○有川委員 合併が今日までなかなか進まなかった。今度やるから、今度は早くどんどんいくだろう、そういうことにはいかぬでしょう、簡単には。そのことを考えると、それがあるまでは、指導員とかそういうものを期待しているという現状で、それでは水産資源の管理をこうしょう、そういう方向を出しても実のあるものにならぬと思うのですよ。もう少し前向きに水産資源管理という問題を考えながら、指導員、普及員等の養成、そういうものに政府が今どう直接、助成、タッチをしていくのか、こういう点が非常に大事だと思うのですが、ちょっと考え方をもう一回お伺いします。
○川合政府委員 今回もう一つの法律でお願いしております経営改善資金の改正につきましても、私どもは今先生がまさに御指摘になりました点につきまして視点を置いているわけでございます。担い手の育成、私ども従来も、例えば指導漁業上とか漁業上とかいう制度をつくりまして、中核となるあるいは指導者としての漁業者の育成に努めてきているわけでございますけれども、こうした人たちの指導をするのがいわゆる普及関係の職員でございます。
 したがいまして、確かに合併がなかなか難しい状況におきましてはこうした職員のあるいは指導漁業士などの役割というのは非常に重いと思っておりますので、こうした人たちの育成あるいは研修ということにつきまして、私どもなりの対策それから予算措置というものを講じているところでございます。
○有川委員 特におっしゃったようなことに力を入れてやってもらうように要請いたしまして、時間がありませんので、あとちょっと質問を続けて申し上げてみたいと思います。
 漁業権と操業ルールの問題でありますが、鹿児島湾の例で恐縮ですけれども申し上げますが、今栽培漁業が新しい時代を迎えて非常に努力されておる。そうした中で稚魚を放流しながら一定の成功をおさめつっあるわけですが、ここに他県の底びきとか延べ縄漁など周年操業に入ってこられまして、ようやく生育してきたヒラメなどが稚魚を含めて船に持っていかれてしまう、こういう問題があるわけです。網の目を大きくしてもらいたいという要請等もしておるけれども、なかなかうまくいかない。そうしたことを考えますと、協力要請のあり方やこうしたルールについてどのようにお考えなのか、漁民同士でけんかをして、やるのを待っておるという状態で済ませようとするのか、ちょっとその辺を指導も含めてお伺いしたいと思います。
 それからもう一つは、きのうの質問の中で屋久島におけるサバ漁の問題を申し上げました。前にも私申し上げたのですが、かつてサバ漁で首折りサバというふうに言われて、一湊の漁協は非常に景気がよかったわけですが、現在は稚魚がほとんどいなくなって例年収獲が落ち込んでおる。沿岸から三千メーター以内には底びき、まき網漁船は入ってはならぬ、こういうことで、去年、おととしも漁業調整などを要請して何とかうまくいっているふうに聞きましたが、きのうの深田さんに後でお伺いしましたら、やはり問題が出ていろいろトラブルがありますよ、入ってきておるよというお話もありました。この辺の漁業調整のあり方、もっと実のあるものにするような対策はないのか。
 続いて密漁の問題でありますが、どこも密漁については頭を痛めており、みずから監視に携わるなどやっておるようでありますが、漁業者の身分保障制度の普及とか捜査、取り締まりなど、もっと密漁に実効あるものがあってほしい、こういうことを皆さん強く要請されておるわけですが、政府の方針をお聞かせ願いたいと思います。
 また、湾内で、志布志湾のある高山漁港は三千メーターの漁業権がある、そこに宮崎の漁船がどんどん入ってくる。ところが、その線を、青年等が走っていってその範囲内に入っておるのじゃないかと言えば、いや入ってない。この境界がはっきりしない。海の上ですから当然なんです。それで双方とも何らかの目印が欲しいなというのがあるんだそうです。そういう場合には二、三カ所境界らしいところにブイを浮かすとか、そういうポイントの明示をすることによってトラブルを避ける、あるいは密漁と言われる状態をなくする、こういうことが大事だと思うのですが、考え方をお伺いします。
○川合政府委員 漁業調整のルールでございますが、これは先生もう御承知ですので簡単に申し上げますが、沿岸と沖合との関係は歴史的に見ましてもなかなか難しいところがあると思います。まず一義的には両者が話し合ってそのルールをつくる。これは県によりまして最近非常に進んできておりまして、例えば先ほど例を引かれましたヒラメなどにつきまして、三十センチ未満のものはもうとらないということが沿岸も沖合も約束事としてできているところもございますが、なかなか調整がつかない場合には私どもも積極的にその間に入って調整を図るべくやっております。また、そうしたルールづくりのための計画、それに伴う予算措置なども用意しております。
 それから密漁につきましては、これは密漁監視員などを各県に置いておりまして、県によりましては県の非常勤の嘱託員として位置づけまして、対外的な権威づけ、あるいは活動中の事故に対します公務災害の適用などを図っている例がございます。こうしたものを一つの例として各県に普及させていきたいというのが私どもの立場でございます。
 それから、境界のブイのお話でございますが、これは一つ懸念されますのは、ほかの船舶の航行との関係でございます。その点についての幾つかの法令がありますので、それとの調整がありますが、具体的な問題がございますれば、私ども、そうした問題につきまして関係省庁と打ち合わせをすることにいたしたいと思っております。
○有川委員 さっき言った最後のブイですね。志布志湾の高山漁港ですから、これはひとつ具体的な例として、高山漁港は三千メーターなんです。隣の内之浦漁港は四百メーターなんですね。海の上の境界ですから、その境界が非常に難しいのですよ。その辺、ぜひ具体例として御検討願いたい。
 それから、時間がありませんので、二つだけ要望を含めて申し上げておきたいと思います。
 市町村管理の漁港というのがありますね。いわゆる市町村がかなり負担をしなければならぬ漁港。ところが、そういう市町村管理の漁港ほど零細で力が弱いというのがございます。具体的な例をちょっと申し上げますが、鹿児島県内之浦町の岸良という漁港ですが、四十数人おって船も四十隻ぐらいある、昔から浜に揚げておったので、すぐ太平洋だからなかなか漁港ができない、二十数年運動するけれども今日までそのまま、やむを得ず内之浦漁港とか船間漁港というところに遠くまで船を持っていって係留しなければならぬ、こういう状況で非常に参っています。
 ところが、町管理の漁港をつくるとすれば町管理になるわけでありまして、町の金がないということで放置されておるのですが、こういう問題については、資格の問題やら含めて、弱い漁港に対してもう少し力をつけるような考え方を再検討願いたいということが一つの要望です。これはまた個別に御相談をしていきます。
 それからもう一つは漁村整備事業の問題でありますけれども、くみ取りやいろいろな水の問題もあります。山間地域で海に面しておるために、土地代もほかの都会地より高いところがたくさんあるのですね。それほど土地が貴重なんです。ところが、行ってみると、消防自動車も入らないような狭い間口を通って家に行かなければならないという状況のところがたくさんございます。くみ取り車を頼もうにもくみ取り車が中に入らぬというところもあります。
 ところが調べてみると、明るい漁村づくりということで環境整備の充実強化というパンフレットができておる。こういうものを改善するのがずっと図面も示されておるのですが、私の選挙区の中ではそういう改善がされたのを見てない。どこに隆路があるのか。もっと指導して実効あるような明るい漁村づくりというものが進むように検討願いたいと思うのですが、この問題については今までどのように対応されておるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○川合政府委員 私ども、漁村環境につきましては、ほかの地域に比べてかなりおくれがあるということを認識しておりまして、漁港事業の中で対応することにしております。私どもは、それについてはかなりPRしていると思いますので、今後なおこうした事業をやっている、しかも力を入れているということを各地域によく周知させたいと思っております。
○有川委員 時間が参りましたので終わりますが、今最後の部分で、農業の問題では今地域活性化、若者の定住化、高齢化社会をなくする、集落ごとの充実を図ろうということで、道路網の整備や何やいろいろやられておる。それでもまだ不十分で残っているところがたくさんあるわけですが、しかし漁村はとてもその投じゃない。非常に悪い。思い切った助成をしないと、対策をしないとこれは解決しないのではないかと思いますが、特段のこれからの配慮を要請申し上げまして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○平沼委員長 鉢呂吉雄君。
○鉢呂委員 まず私は、予算が通りまして農水省も多種多様な公共事業を抱えております。今度の前自民党副総裁の金丸被告のあの巨額の脱税事件、その不正蓄財の多くのものがいわゆる大手ゼネコンの発注元である行政に影響力を残そうという形でのやみ献金によるところであるという観点で、国民の政治不信は本当にまさに地に落ちた、たび重なるこのような事件であります。
 国民の多くは、これらのやみ献金は職権いかんにかかわらず、これはわいろである、まさに政、官、財の癒着構造であるというふうにとらえておるわけでありまして、そういった意味で、農水省もさまざまな直轄あるいは補助の公共事業を抱えておるわけでありますけれども、今回の金丸脱税事件のあの大手ゼネコン十九社は、いわゆる農水省管轄の事業の発注元になっておるのか、まず第一点、このことをお聞きいたしたいと思います。
○上野(博)政府委員 私どもの工事の中にもやはり大きなものがございまして、発注をしているところがあるということでございます。
○鉢呂委員 今の官房長の御答弁は、いわゆる金丸脱税事件、十九社、二十社と言われておりますあの大手ゼネコンが農水省の直轄の公共事業に、直接農水省が発注をしておったということで理解をしてよろしいのですね。
○上野(博)政府委員 大手のゼネコンといいますとどこまで言うのかという問題はいろいろあろうと思いますが、私どもの直轄工事等、数は少ないのですけれども、かなり大きなものもございますので、そういう大手のゼネコンが受注をしているというケースもあるというふうに考えております。
○鉢呂委員 あの十九社は、私の地元でもその業者が入っておりますから、大型のダムでありますけれども受注をしております。したがいまして、農水省として、これらの大手のゼネコンに対してのこのようなやみ献金あるいは談合等について、省内で調査をしておりますか。
○上野(博)政府委員 この建設業者の指導監督の問題につきましては、建設業法で定められておるところに従って行われているというふうに考えておワまして、私どもも工事の適正な発注等につきましてはもちろん十分に注意をしながらやっておりますけれども、今お話ございましたようなそういうことの問題につきましては、我々の手でタッチしておる問題ではないということでございます。
○鉢呂委員 報ぜられるところによりますと、建設省では既にこれらの土木建設業者に対して、その事業の内容あるいは経理の方法、団体会費の納入等について、業界に対する聴取並びに調査に入ったというふうに言われております。
 今官房長の話では、建設業法に基づくからそれはそちらの方でというようなニュアンスに聞こえますけれども、私は発注者である農水省がそれらに対してみずから、これは農政局がどこか、やっているところは、事実上の発注者はわかりませんけれども、直轄でありますから、このことについて、建設省が行っているような調査についてみずから行うという意思はありますか。
○上野(博)政府委員 現在建設省で調査内容についていろいろ御検討いただいているところというふうに承っています。その内容がはっきりしたところで、私どもとしてもそれの内容に従ってやることについて検討してまいりたい、かように考えております。
○鉢呂委員 これは農水省は発注者ですよ。みずから発注しているその業界についてみずから調査をするというのは当たり前ではないですか。農水大臣、答えてください。
○田名部国務大臣 建設業全般の話でありまして、この役所、この役所という話でありませんので、ゼネコン全体がどうあったか、その中でどの部分がどうかというのは調査しなければわからぬことでありますから、一応調査はいたしますけれども、ただ、私のところでの問題だという指摘でありませんので、全体の工事量の中でどういう献金をしたかということでありますので、どこがやっても問題が公共事業であったということになればそれは区分けはできませんけれども、そういう問題であろう。
 したがって、そういう問題が起きたということでいろいろと、入札制度でありますとか指名制度でありますとか、そういうことの検討を建設省がやっておる。これは入札、そういう問題は全体の問題でありますから、検討結果を踏まえて私どもはどういうふうにするか、大体そう変わったようにするわけには国としていかぬでしょうから、各省庁とよく連絡をして、そうして問題の起きないような体制というものは、これは当然とっていかなければならぬ、こう考えております。
○鉢呂委員 私は、一般的に建設業に関する調査ということでなくて、発注者として、農水省は発注しますね、補助事業もありますけれども、直轄事業については発注者でありますから、この発注者としての、いわゆるこれまでの過去数年間の入札行為についてどのような実態であったか、そのことについてきちんとしていただきたい、これはみずから検査をしていただきたい、そういうふうに思います。
○上野(博)政府委員 建設工事の発注につきましては、我々としても、建設省が中心になっていろいろ発注方式、指名入札の方式であるとか、具体的な事業、事務の取り扱いを決めたところに従って、歩調を合わせながら同じ様式で対応をいたしておりますので、今回の件につきましても、建設省がどういう内容で調査をするかというようなことを十分に見きわめた上で我々としての対応を考えてまいりたい、こういうふうに申し上げているわけであります。
○鉢呂委員 横並びということでなくて、みずから発注をしているわけです。発注したこれまでの数年間、例えば十九社のやみ献金をされた大手ゼネコンについてみずからどういう仕方であったとか、やはりそのことをすべて皆さんの中で、省内で調査をするのは当たり前ではないですか。
○上野(博)政府委員 調査をしないと申し上げているつもりはございません。どういうような調査の仕方をするのか、これは、私どもの農林水産省の工事のその特別なところから問題が起こっているということではないというふうに考えているわけでございまして、全体としての扱いを見てそれに従ってやってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○鉢呂委員 非常に甘いのですね。今地元に帰りましたら、例えば農業土木でも盛んに工事をやっております。これは直轄と言いながら五%、一〇%の受益者負担があるのですね。そうすると、いわゆるそういうものの中から、受注を受けた落札価格から一定額、一定割合をピンはねして、都道府県の政治連盟を通じて行っておるのではないか。まさに、皆さんの農業土木の土地改良の事業そのものに対して大きな不信感を農家は持ち出しましたね。今までも農業土木、建設会社のための工事ではないかという広がりはあったのですけれども、まさにそういうものは、いわゆる公共事業、何%かの自己負担がある中でのこういう事業についてそういう疑いがある。大手ゼネコンの中にも、我々の事業の中でやっていますよ、農業土木。そうすると、今物すごい不信感ですね。
 そのことに対して、今新しい年度、予算も通った段階で、皆さんが執行していく、発注もするという段階で、どういうあり方をするのかということについて、建設省との横並びということではなくて、みずから主体的に早急に検討、調査をして、どういう執行をするのかということをみずから打ち出すべきではないでしょうか。
○上野(博)政府委員 建設省の対応の問題としましては、そういう実態の調査の問題もございますけれども、入札方式の再検討みたいなこともございまして、先行きに対する問題と過去の問題に対する問題、両面を眼中に入れながら検討を進めているというふうに考えております。
 私どもとしましては、現在の入札方式等々事務処理のあり方というのは、やはり建設省が今までも主体的にいろいろと考えてまいったところを十分に参考にして対応してまいっておりまして、我々、主体性を持って対応しないということを申し上げているつもりは全然ないのでございますけれども、やはり全体としてのあり方というものも十分に考慮に入れながら対応しなければならぬところもあるだろうというふうに考えて、今申し上げたわけでございます。
○鉢呂委員 やみ献金等で建設業法等の違反の事実が明らかになった場合、大臣、これらの業者については指名停止という措置をとりますね。
○上野(博)政府委員 そういう事実が確定をしましたら、そういう措置をとるということになるのが決まりだというふうに考えております。
○鉢呂委員 実は、入札制度についての質問もさせていただきたいのですけれども、農水省の直轄、直営事業として、これらについてはどのような入札制度をとっておるのか、このことをまず質問させていただきたいと思います。
○上野(博)政府委員 大きな工事につきましては、大体が指名競争入札の方式をとっているというふうに申し上げてよろしいかと思います。
○鉢呂委員 指名競争入札制度、このことが今大変大きな問題を出しているわけでありまして、建設省関係も、従来の指名競争入札制度を改善していきたい、会計法においても一般競争入札制度をとるというふうに言っておるのですけれども、この点についての改善をする考えがあるのかどうか、このことについてお答え願いたいと思います。(発言する者あり)
○平沼委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
○平沼委員長 速記を始めてください。
 田名部農林水産大臣。
○田名部国務大臣 質問の趣旨というものが、どうも私どもと食い違っておるようでございますが、公共事業の入札とか契約制度については、中央建設業審議会、これは建設省に設置しておりまして、この建議を踏まえて建設省と関係省庁、公共事業をやっている役所、それぞれあります、そういうところと連携をとりながら、今建設省が主体になって改善をやっているわけですね。
 ただ、献金の問題、こうお話しになりますと、献金はどこの省の仕事で問題になったかということではなくて、業者がそれぞれ民間の工事もやりました、公共事業もやりました、その中から献金があった、こう言われておるわけでありまして、農林省でここの工事で問題があったということであれば調査はできますけれども、全体の問題でありますので、それをどこまでやるか。直轄か。直轄は私の方は比較的少なくて二〇%しかありません。そうすると、末端の県、市町村まで全部調べるのかということになりますと、なかなかそれはどこまでできるのかわかりません。業者に言って全部調べて、帳簿等の調べをして出すまでやるのかどうか、そういう問題なのかどうかという問題のとらえ方でありまして、献金がけしからぬとおっしゃるのであれば、全体の工事をやったゼネコンの入札のあり方とかそういうことが問題であるというふうに私どもは受けとめるものですから、明確に答えろ、こう言われましても、制度の改正をしていくということで今政府挙げてこれに取り組んでおるわけでありますから、その措置については、検討の結論が得られ次第、私どもとしても所要の措置をとるということでお答えにしたい、こう思います。
○鉢呂委員 それでは次に移ります。
 きょう私、沿岸漁業改善資金の法案改正、これに重点を置いて質問をさせていただきます。大変時間を食いましたので、少し早くやっていきたいと思います。
 まず、このもとになります沿岸漁業振興法が施行以来三十年経過いたしました。この中身については言いません。平成三年度の漁業生産量は大台の一千万トンを下回る。これまで四十六年以来ずっと、これは水産全体でありますけれども、日本の生産量は一千万トンの上に行っていたのですけれども、これを下回る。あるいは担い手の問題、あるいは漁村全体の社会経済の問題を含めて大変困難な状況にあると私ども認識をしております。
 そういう意味で、これまで三十年間の沿岸漁業についての法の経過を踏まえて、農水省として基本的にどのようにとらえているのか。時間がありませんので、同時に、三十年たちました沿岸漁業振興法、農業基本法と同じょうにこれらについては見直しの時期に来ているのではないか。資源管理の問題、さまざまな問題について三十年前では考えられないような状況を呈しておると思いますので、この法の改正の意図があるかないか、この点について御答弁を願いたいと思います。
○田名部国務大臣 委員も御案内のように、高度成長期には大変順調に進んでおりまして、所得の格差も他産業に比べて縮小したわけでありますが、ただ、二百海里と石油危機、二度あったわけでありますが、そのあたりからだんだんおかしくなりまして、所得の格差も非常に開いたということでございます。水産資源は底魚類を中心に悪化をしておる、あるいは就業者の減少、高齢化が進展をするということで、漁村の活力が低下をしておるというふうに私どもは認識をいたしておりまして、このため、資源管理型の漁業やつくり育てる漁業を施策の柱に置いて進めておるわけであります。
 その一つには、まず漁港を整備しよう、沿岸漁場の開発、あるいは沿岸漁業構造改善事業、そういうものを基本的な方向として明らかにし、これによって進めていくということにいたしておるわけであります。水産資源の培養殖、培養、その高度利用を図っていく、あるいは何といっても他産業と比肩して魅力ある漁業経営の確立、所得の確保、そして漁村の活力ある形成をしていこう、良好な海洋環境、そういうことを進めていかなければならぬというふうに考えております。
○鉢呂委員 法の改正についてはどうですか。
○川合政府委員 御指摘のように三十年経過しているわけでございますが、この沿岸漁業等振興法は、今日私どもが課題としております点についてかなり網羅的に触れてその方向を示していると私どもは思っております。その方向は今でも十分私どもの指針となり得るものというふうに意識しておりまして、この段階で沿振法を見直しするというような必要は今のところ感じておりません。
○鉢呂委員 前回の農水委員会で辻委員の質問に答えて農水大臣は、いわゆる農業の新政策の水産版は考えられないんだという趣旨の御答弁をしたと思いますけれども、どうして水産関係についていわゆる新政策というものを提示できないのか、その辺について、その原因、理由をお述べ願いたいと思います。
○田名部国務大臣 漁業は農業と異なって資源の動向によって生産が大きく左右されるわけですね。したがって、なかなか農業のようにはいかないという問題が一つございます。また種類も多い。加えて、地域によって置かれた状況もさまざまであります。したがって、漁業においては固定的、画一的な将来像を示すということは現実の問題として非常に難しいですね。現に従来の、例えばサバでありますとかイワシというものも去年から不漁になった。ときどきによっては、魚種によってはそういう状態が起きるわけですから、なかなか難しいと私どもは考えております。
 また、現下の我が国漁業を取り巻く諸情勢、資源動向についても、国際漁業の情勢が変わると基本的に変わってきますので、そういうことが不透明であることから、今後の推移を見きわめながら、どのような形で将来ビジョンを示し得るものかを含めて、幅広い観点からいろいろな可能性について勉強を積み上げていく必要があろう、こう考えております。
○鉢呂委員 いわゆる長期ビジョンを立てる場合の魚種ですとか地域の多様性、さまざまな形でなかなか立てにくいということを大臣は言ったわけでありますけれども、私もそのとおりだと思います。
 しかし、立てにくいからといって必要がないということにはならないだろう。例えば農産物には、閣議決定の生産の長期見通しというものをつくっております。水産関係にもあるかのようでありますけれども、きちんとしたものがない。このように輸入水産物が急増しておる中で、やはり水産物の中長期の需給計画、あるいはまた漁家も多種多様でありますけれども、一定の方向、地域のさまざまな多様性はありますけれども、漁家経営なり漁家所得についての長期ビジョンをつくる必要がある。このことについて省内に研究グループというか、そういうものをきちんとつくってやる必要があると思いますけれども、再度この辺について前向きの御答弁といいますか、大臣の御見解をお願いいたしたいと思います。
○川合政府委員 大臣からお話し申しましたように、農業と異なりますのは、今お話がございましたように、需給問題一つとりましても、生産事情はまさに資源問題に左右されまして一つの見通しというものが非常に立てにくい、というよりも、ある意味では宿命的に資源に依存せざるを得ないという面がございます。一方需要の面につきましては、これは需要が先か供給が先かという問題はありますけれども、やはり資源の動向によりこれも動かざるを得ないということで、農業のように、かなり幅はあると思いますけれどもある程度計画的なものと、環境あるいは置かれた与件と申しますか、それが違っているのではないかと私ども思っております。
 大臣から御答弁申し上げましたように、どのような形で示し得るかということについて私ども勉強は続けておりますけれども、どうも農業とはかなり異なるのではないか。特に地域によって非常に違いますので、一つビジョンを示しても、それはどこの地域のビジョンたり得るかというような点についてかなり問題があるのではないかということで、勉強を続けているところでございます。
○鉢呂委員 国で画一的につくるということはもちろん難しいと思いますけれども、都道府県単位、いわゆる現場からのそういう長期計画、それを集約する形で国の指針をつくる必要がある。
 今、沿岸漁業の改良資金の質問をさせていただきますけれども、この資金についても、農業改良資金の場合は農水省内に検討委員会をつくって数回の検討を加えまして結論を出してきた。この漁業改良資金についてはそういったものがない。これは農業改良資金に匹敵するものでありますから、もっと都道府県の段階あるいは町村の段階の声を聞いて、もっと使いやすくする、そういう姿が今度の改良資金には見えないのでありますけれども、そういうことを含めて、漁業の振興について羅針盤がない。ずっとこの間二百海里あるいは遠洋、沖合という姿はありましたけれども、沿岸漁業についてやはりもっと国として基本的な指針を定めるべきであるというふうに私は思います。
 そこで、中身に入らさせていただきます。
 この沿岸漁業改良資金の貸付対象者の問題でありますけれども、「沿岸漁業従事者等」というふうにこの法律ではなっております。沿岸漁業従事者というのは、沿岸漁業法でも無動力船及び総トン数十トン未満というものをいうことに政令で定義づけられておりますけれども、漁業の構造変化も大変激しいわけでありまして、既に当初から本資金の貸付対象者というものを十トン未満に限定をしているわけでありますけれども、これを十トンから二十トン未満の船に拡大することはできないのかどうか、これが一つであります。・
 それから、研修教育資金等の貸し付けができることになっておりますけれども、これはあくまでも漁業従事者ということであります。今日、漁業の実態を見ますと、あるいは漁村の実態を見ますと、漁協の役割は非常に大きい。むしろ漁協にこの研修教育資金を貸すことによって資金の需要を高めることができるのではないかというふうに思いますから、漁協への貸し付けができるかどうか、このことについても質問をしたいと思います。
 同時に、生活改善資金の貸付実績というものが非常に低いわけであります。このことについてもさまざまな原因があろうと思いますが、むしろ、もっと需要が喚起できるような、もっと借りる魅力のある資金にするべきであるというふうに思いますけれども、どうも今回の法改正によってもそこまで至っていない。先ほど言ったようにもっと現地の実態に合わせて、例えば漁村の生活環境を改善するためということであればもっと多様なニーズがあるだろうという点で、この点についての検討を加えていただきたい。この三点についてお伺いをいたしたいと思います。
○川合政府委員 十トン未満とそれ以上の件でございますが、御承知のようにこの資金は無利子資金でございます。ある意味では補助金と融資の中間的な性格を持つ資金でございまして、そういう意味ではかなり優遇した政策的な資金でございます。したがいまして、私どもは、かなり規模の小さい、今後改善を一番要しているところに集中的に融資したいということでやってきておりまして、この十トン未満の階層は、五十五年、制定当時のことを考えますと、大体全体の九四%台でございます。今なお、平成三年の数字などを見てみましても、この階層が九五%を占めておりますので、こうした無利子資金という性格からいっても、やはりそこに重点的にまずやるべきではないかというふうに考えておるところでございます。
 それから、研修の資金の対象として漁協を対象とすべきではないかというお話でございますが、これも今申しましたような資金の性格からいって、やはり漁業者あるいは後継者たる青少年というところに限定すべきではないかというふうに思っております。ただ、この研修資金につきましては、従来が若干借りにくいという面がございましたので、その点につきましては今回かなりの改善を加えまして、例えば研修要件の緩和などを図りまして借りやすくいたしたと私ども思っております。
 それから、生活改善資金でございますが、これは見方によりますが、平成三年度は若干ふえております。ただ、まだ十分でないということはございます。これは一つは、先ほどちょっと御議論かございました漁村の環境という問題もございます。これはやはり基本的な基盤、例えば下水道の問題などがありますので、そういうこととタイアップしてやらなければいけない面があると思います。しかしながら、この生活改善資金につきましては、私ども決して固定的に考えているわけではございませんので、必要に応じてその改善を図っていきたいと思っております。
○鉢呂委員 時間がないので質問通告の一部を飛ばしまして、資源管理型の漁業推進資金、これを創設しておるわけでありますけれども、これは資源管理協定等を締結して、一つは資源管理措置の実施、これとあわせて低利用、未利用の資源の開発、そして付加価値をつけるという、この三つを総合的に行う合理的な生産方式に対して資金を貸し付けるということでありますけれども、この三つを総合的にすべて具備するということは大変なことでありますから、このそれぞれを促進することに必要な施策として弾力的に運用することができないかどうか、そのことが一つです。
 それからもう一つは、環境対応型の養殖業推進資金を創設されたわけでありますけれども、これも同じように、中身の説明は省きますが、一つは、これらの一つの湾全体の関係者がこれらの締結をして、その後においてこの資金を貸すということでありますけれども、なかなかこれは難しいことでありまして、独自にその漁業者それぞれがこういう方向に向かう、こういう改善措置をみずから行うということに対してこの資金を借りることができないかどうか。それからもう一つは、これらの管理協定を結ぶことになっておりますけれども、その管理協定の具体的な内容というものはどのようなものを備える必要があるのか。この二つについても御質問をさせていただきます。
○川合政府委員 この資金は、先ほど申しましたように無利子資金ということで、ある意味では新規性あるいはリスク性というような性格のある事業、施設あるいは機械というようなものについて、それを取り入れる場合に貸すというような考え方で成り立っていたわけでございます。それをもう少し拡充できないかというのが今回の改正の視点でございまして、従来は新しい設備あるいは機械というようなものの導入ということにとどまっていたものを、資源管理型あるいは環境対応型ということで、一つの生産方式と申しますか、そういうものに取り組む場合にそれに必要な、これは一つ一つは新規性あるいはリスク性という点では欠けているとしても、それの導入に必要な資金はこれで対応しよう、こういうふうに考えたわけでございます。したがいまして、そうした合理的な生産方式と全く無関係の形で導入することはこの資金の性格からいって困難ではないかと思っております。
 しかしながら、資源管理措置あるいは低利用、未利用の資源開発、それから付加価値向上との組み合わせというものは、これは地域によっていろいろな形が考えられるわけでございますので、そうした具体的な適用についてはかなりの応用範囲は考えられるのではないかと私どもは思っております。これは具体的にいろいろと検討していく必要があろうかと思っております。これは環境対応型についても言えることだと私は思っております。
○鉢呂委員 時間がありませんので続けます。
 この改良資金の資金枠であります。この数年間ずっと見ましてもほとんど低率の伸びであります。農業改良資金に比べて格段の差があるわけであります。今回、さまざまな個別の資金については限度額を相当、例えば漁業経営開始資金等については、従来三百二十万というものを千五百万に拡充いたしました。ところが、昨年のこの融資枠が五十四億、本年度、平成五年度の予算枠は五十五億であります。本資金の改正とは予算が非常に裏腹の関係にある。この辺について水産庁はもっと力を入れるべきである。貸し付けの需要者は相当おるようでありますから、最低でも五年程度の原資の造成計画といいますか、それをこの場で示していただきたい。
○川合政府委員 お話しのような過去の状況から、私ども、もう少し前向きの資金にならないかということで今回改正を検討したわけでございます。
 五十五億という枠につきまして、これでは十分ではないのではないかということでございますが、今までの実績から申しまして、五十四億という枠がありましたけれども、それに達していないということは御承知のとおりでございます。したがいまして、私ども、今年度は五十五億ということでスタートいたしますが、当然のことながらその実績を見てこの枠については検討していかなければいけないというふうに思っております。
○鉢呂委員 どの範囲を見ておりましても、これまでほぼ満足に使われてきているのですね、出入りはありますけれども。やはりそれだけの資金需要はあるというふうに私見ますから、これはぜひ、農業関係はさまざまな、畜産でも負債整理資金などは三年間で何億積み上げるかとかいうことをやっておるのですが、どうも水産関係は、まさにこういう法律改正はするのですけれども、資金が伴っておらない、予算が伴っておらない、そしてまた計画的でない。こういう資金をせっかく改善したのですから、五年でどのぐらいを積み上げるというぐらいのことは、やはり大臣、これは出すべきである、そのことを強く要請をしておきたいというふうに思います。
 次は、漁協の合併問題であります。
 一つは、合併の阻害要因について、よく言われておるところでありますけれども、組合役員の意欲が弱いからというのが都道府県庁の担当者の聞き取りでも第一番目に挙がっております。ところが、例えば漁業白書を見ましても、合併や事業統合の推進は漁協みずからの自主的な努力に負うところが大きく、漁協の役職員が指導的な役割を果たすべきである、こういうふうに書いておるのでありますけれども、先ほど来話もありますように、もう既に二十五年たっておるのですけれども、はかばかしく合併が進んでおらない。しかしそこで、水産庁は相も変わらず自主的な努力ということを漁業白書でもうたっておるのでありますけれども、もちろんそれは当然そのとおりでありますけれども、役職員みずからの意欲が弱いということが事実であれば、水産庁の合併促進にかける考え方について転換を図るべきであるというふうに私は思うわけであります。
 この合併助成法の法律の目的を見ますと、この自主的な促進を図るということは一項目も入っておりません。法律の目的には、適正な事業経営を行うことができる漁協を広範に育成していく、そのために助成等を考えるということを目的としておるわけでありまして、この点について、漁協合併に対する水産庁の決意といいますか、考え方をお聞きをいたしておきたいと思います。
○川合政府委員 お話しのように、アンケートなどによりますと組合役員などの意欲の弱さということが指摘されているわけでございます。県も含めまして私ども行政がどういうふうに対応すべきかということでございますけれども、やはり漁協というのは自主的な組織でございますので、自主的に合併をするという盛り上がりあるいは意欲というものが出てこないことには何とも対応のしょうがないということはまず言えることだと思っております。ただ、それがなかなか出にくいというような環境が潜在的にあるということであれば、そういう環境について私どもが働きかけるということは必要だと思っております。
 幸いなことに、昨年来そういう意欲が出てきておりますので、行政といたしましても、行政と系統が一緒になりまして各種の組織や運動体などをつくりまして力を入れていこうというふうに考えているところでございますので、今まで以上にそうした取り組みを強くしていくということが必要であろうと思っております。
○鉢呂委員 昨年はそういう形が若干あらわれても、私は大きな困難もさまざまにあるというふうに思います。
 そこで、今回の法律改正、従来の議員提案から政府提案に変えたわけでありますけれども、政府提案に変えた考え方、そして同時に、水産庁として合併の具体的な目標計画を持つべきである、例えば五年でこういう重点地区あるいは重点合併数、そういうものをきちんと定めるべきであるというふうに私は思いますけれども、そのことについてお答えを願いたいと思います。
○川合政府委員 政府提案にいたしましたのは、私どもといたしましては、法律技術的な点からいえば新しい項目、例えば漁業権の扱い等についての規定を充実したというようなこともございますが、やはり私どもといたしましても、この問題は避けて通れないと申しますか、本腰を入れてやらなければいけないということの意欲のあらわれというふうにおとりいただければ幸いに存じます。
 目標でございますが、私どもは、これはまさに系統組織がつくるべき問題だと思っております。ただ、系統組織は、具体的に数字としては今回の延長期間中に千というような漁協を目標としているようでございます。私どもも、こうした系統が持っている目標につきまして実現が図られるように協力し、指導していかなければいけないというふうに思っております。
○鉢呂委員 水産庁が行っているさまざまな補助事業との関連であります。
 このことについては総務庁の監察報告でも指摘をしておるように、水産関係の施策の計画、実施に当たっては、合併計画との関連性を十分検討する、同時に地方自治体に対しても指導する、あるいは関連事業の採択に当たっては漁協の合併に資するものに重点を置くべきであるというふうに指摘をしておるわけでありますけれども、水産庁として、これらの合併計画との関連で、水産庁管轄の事業の実施に当たってどのようにこれを取り込むのか、具体的な基準をつくって庁内でこれを示すのか、その点について具体的にお答えを願いたいと思います。
○川合政府委員 水産関係の諸施策はそれぞれ政策の目的がございまして、それに沿って計画あるいは実施が行われてきているところであります。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、漁協の合併ということは今や待ったなしの非常に緊急な状況になっていると思います。したがいまして、こうした計画、これは、合併計画の中に盛り込まれます必要とされている諸事業につきましては積極的に取り組む、特にこうした合併に資するような事業につきましては優先的に取り上げるというような考え方を打ち出せないかということで、今部内で検討しているところでございます。
○鉢呂委員 きのうの参考人の意見聴取でも全漁連の菅原専務さんは、合併についてさまざまな要因があるけれども、今日的に最大の課題は、やはり財務内容の格差、これに起因するところが大きいというふうに意見陳述をされました。役職員の意欲の弱さとか漁業権の問題、さまざまありますけれども、つまるところにいきますと、各漁協さんの財務内容、この格差があってどうしても最終的に合併に動かない、組合員一人一人にかかわっていくことになりますから。
 そこで、時間もあと十分しかなくなりましたので、すべてはしょりまして、やはり財務内容の格差というものは非常に大きいのでありまして、細かく実例を挙げて御意見を伺いたいというふうに思っておったのですけれども、私の北海道の漁協は、平成三年度末を見ましても、百二十九組合あるのですけれども、総債権額におけるいわゆる固定化債権は非常に大きいものがあります。固定化債権、いわゆる償還到来日が来ても償還できないということが一年以上続いているものについても二五%ある。あるいは十年以上回収にかかる、十年以上回収にかかるというのは、ほとんど回収ができないというような、国等の事業にのって十年以上になっておるのですけれども、それらについても一八%ある。六十五の漁協、半数がこれらの回収不能の額を持っておるということであります。
 一つは、北海道の漁協の財務内容の弱さ、これがどこに起因しておるというふうに水産庁は見ておるのか、そのことについてまず御質問したいと思います。
○川合政府委員 北海道の漁協が今お話しのような状況に至った原因といたしましては、サケ・マス漁業を初めとする北洋漁業の縮小、あるいは底魚を中心といたしました資源状況の悪化、はえ縄あるいはイカ釣り漁業の不振というようなものがその要因として考えられると思っております。
○鉢呂委員 まさにそのとおりでありまして、その根源は五十二、三年の二百海里経済水域を設定した当時にさかのぼる。同時に、資源の枯渇でありますとかあるいは魚価の低迷というものが複合的に合わさって今日の漁協の欠損金あるいは財務の弱さを呈しておるというふうに思うわけでありまして、まさに慢性的なものになっておる。しかし同時に、この十四、五年で合併ケースは三ケースという弱さであります。
 北海道庁は大変意欲的に、今回の漁協事業の総合事業というものがありまして、それを目指して合併を十四、事業統合を一、十五の合併、事業統合をマスタープランをつくって今全力を挙げてやっておるのです。しかし、先ほど言いましたように、固定化債権、とりわけ回収不能額が大変大きい。漁協の事業総合計画に基づいて行ってもこれがなかなか回収していけない。これは水産庁の担当所管ではよくわかっておると思いますけれども、これらについて抜本的な改善策が今必要になっておるのではないか。
 とりわけ北海道の日本海側というのは、先ほど言ったような原因をもろにかぶっておるところでありまして、どう試算をしてもこれはやっていけない。現状の利子補給という措置をとってもやっていけないという姿があらわれてくるわけであります。きのう全漁連の菅原専務さんも言っておりましたけれども、地域によっては抜本的な解決策がなければやっていけないということを陳述しておりましたので、この点、水産庁としてはどのような考え方をしておるのか、お答えを願いたいと思います。
○川合政府委員 御指摘の北海道あるいは北海道の日本海側の漁協につきましては、先ほど申しましたような漁業自体の不振というところにその遠因があるわけでございます。したがいまして、いろいろな経営再建を図ります前に、そこの地域におきます地域の漁業の振興ということが一番大事なわけでございます。基盤の強化を図るという意味から、現在抱えている、例えば今御指摘の固定化負債というものについての対策も、これはこれで必要だとは思いますけれども、その地域におきましてどういうふうに地域の漁業を再生していくかということが非常に大事だと思っております。それがうまくできない場合には、幾ら一時的な措置をしたとしても長期的に立ち行かなくなるわけでございますので、そうした視点も入れて考えていく必要があると思っております。私どもも、そういう意味では特定の海域というふうにとらえまして、そこについての各種の整備事業なども進めておりますので、合併に際しましては、こうした事業の推進とあわせて行っていくということが必要ではないかととらえております。
○鉢呂委員 もちろん、漁業振興が伴わなければ経済事業は拡大していかない、したがってこの固定化債権を償還していくこともできないということはわかるのです。しかし、やはり漁業振興をする核は漁協であるということは、きのうの参考人の陳述でもそのとおりでありまして、そのことがますます管理型漁業、沿岸漁業にとっては必要になっておる、漁協の役割は大きいというふうに私も思います。
 したがって、漁業の指導事業をやる場合においても漁協の経営改善というものが必ず伴わなければならないという点では、今の水産庁の対策では当該する漁協の再建には結びついていかない。もちろん、それは当座十年程度のものは何とか先送りをすることはできるのでありますけれども、抜本的な改善策になっていかない。やはりここは都道府県あるいはまた地方自治体あるいはまた系統の上部団体と十分協議をして、抜本的な改善策を水産庁が主体的に入ってつくり上げるべきだろうと思うわけでありますけれども、再度御答弁を願いたいと思います。
○川合政府委員 私どもが平成四年度に発足させました漁協事業の基盤強化総合対策事業というものがございます。先生がお触れになっている利子補給事業は当然その中に入って、御承知の点でございますが、この事業自体は今先生がお話しになりましたような地域に対する備えとして準備したものというふうに私は考えております。末端二%以下というような資金を利子補給という形でやるということ自体、これは国の政策としてはかなり特別の事業でございまして、当然のことながら農協の合併についてはこういう事業は用意されておりません。したがいまして、この事業を最大限に活用することによって、それと私が最初申しました漁業振興のための事業と並行して行うことによって何とか改善策をつくっていく、このためには国と、それから今のお話であります北海道と協力してやっていく面が非常にあろうかと思いますが、そうした形で今後進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。
○鉢呂委員 今言いました漁協事業基盤強化総合対策事業、この事業は平成四年は三百億、ことしは三百五十億ということでありますけれども、昨年のこの実績は何億でありましたか。
○川合政府委員 平成四年度はまだ十分な実績になっておりません。私どもは金額的には八億四千百万円を計上いたしておりまして、まだ終わっておりませんので実績……(鉢呂委員「計上分はどういうことですか」と呼ぶ)これは利子補給ですので、利子補給額を含めまして、今のところ利子補給対象額で申しますと二億三千万という低額にとどまっております。これはまだ発足当初ということでございますので、私どもは当然のことながら、これはこれからかなり需要のある資金だというふうに考えております。
○鉢呂委員 三百億用意をして二億程度と、これは大変まだ使われておらない。先ほど言いましたように、この資金自体をすべて使っても、しかし道庁あたりに聞きますと、これを全部使うのは改善計画上なかなか難しいところもあるということもございます。
 問題は、それでこの利子補給を、二%程度に下げて、その間の利ざやについて漁協運営に資することができるということでありますけれども、その元本自体は残っていくわけですね。元本自体を返せるような状態に、これは幾ら計画を立てても立たないわけであります。この元本を償却をしなければ、これは五年後、十年後に必ずそれは残っておるわけでありまして、この点の抜本策を私はぜひ必要としておる。
 もちろん、この長たらしい事業ですけれども、総合対策事業というふうに言わせていただきますけれども、これ自体の意味合いはあるのですけれども、しかしこれではもう到底はしにも棒にもかからぬという漁協の実態である。
 水産庁長官、それはそのとおりでありますから、きのうも詰めてありますから、そういう漁協が日本海には多い。きょうはもう質問する時間がありませんけれども、私の地元の檜山管内というところは入漁協が今全部まとまって、これは七町村で入漁協ですから一町村一漁協大体あるのですけれども、これを八つ全部まとめて統合しようというマスタープランで総力を挙げておるのですけれども、なかなかこれは大変だ。
 この中身も詳しく言いたかったのですけれども、時間がありませんから言いませんけれども、今言った総合対策事業だけでは、この間だけは何とかやりくりしていけますけれども、これは残っていく。しかも、それが財務内容の格差ということで、事業統合でなくて合併をする場合に、これは何としても問題になるわけですね。全部が全部固定化債権を持っておるのです。負債を回収不能な額を持っておるのですけれども、あの漁協が一番多いとなるとやはりそこに抵抗感を覚えて合併が進まない。それをやはり均質化をするということの措置が最低限必要にならなかったら、合併は実際の問題としてなかなかやれないということが、今日まで繰り返し繰り返し行われておるわけでありまして、こういった点について、水産庁として具体的な、その地域地域によって違うと思いますけれども、地域ごとの問題について、水産庁も指導的な役割を果たしながら、系統上部団体とも十分連携をとってぜひこの合併をなし遂げていただきたい、この点について最後に質問をし、水産庁の決意を聞かしてもらって、終わりたいと思います。
○川合政府委員 合併に際しましては、地域によりましていろいろな状況があろうかと思います。そうした状況は県あるいは市町村ともよく相談して対応していかなければいけないと思っております。私は、この対策事業をうまく実施することによってかなりの合併ができ得るのではないかと、楽観的と言われるかもわかりませんが、思っております。よく地域の実情を踏まえまして対応してまいりたいと思っております。
○鉢呂委員 終わります。
○平沼委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○平沼委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。石橋大吉君。
○石橋(大)委員 私は、きょうは水産三法の審議をする大事な委員会ですが、その法案に関係をして準備をしておりましたけれども、御承知のとおり、四月二日の朝日新聞の一面トップで、旧ソ連の日本近海における放射性廃棄物の大量投棄について大きく取り上げられたわけであります。
 そこで、私ども日本海沿岸に住む日本の国民、もとより日本海を生活の場にしておる漁業関係者などからいえば、これが今後の展開いかんによってはまさに死活にかかわる重要問題でありますので、この問題に少し重点を置いて、以下幾つか質問をさせていただきたいと思うのです。
 まず第一の質問は、政府はこういう実態に対して、現状どういうふうに実態把握をしておられるのか、この点について伺いたいと思うわけであります。
 さっき言いました四月二日の朝日新聞の記事によりますと、「原子炉二基など大量投棄 旧ソ連、日本近海に放射性廃棄物 三十八隻、船ごと沈める。66−91年捨て場十カ所指定」こういう大きな見出しのもとに極めてショッキングな事実が報道されているわけであります。
 さっきも申し上げましたように、このことは日本海における漁業あるいは周辺沿岸諸国の住民にとって、事と次第によっては死活にかかわる重大問題であります。そういう意味で、私たちは非常に事態を深刻に受けとめているわけであります。そういう意味で、外務省が主たる窓口かと思いますが、現状をどういうふうに把握をされているのか伺いたいと思うのです。
 それで念のために申し上げておきますが、この問題は、今言った四月二日、ことしになって突如として、大きく報じられたのは初めてですが、ニュースとしては相当前から新聞、マスコミでもちょいちょい報道されてきた経過があるわけであります。私が知り得た新聞、雑誌の情報でも、平成二年、一九九〇年の三月三十日、マヤーク通信、共同通信の資料ですが、CIS関係情報、平成二年十一月十九日のグリーンピースレポート、新聞では平成三年、一九九一年の十月十五日の朝日の夕刊、十月二十六日の毎日新聞、以下四年、五年と年を経るにしたがいまして情報が多くなりまして、ことしになってからは非常にたくさんのこれに関する新聞による情報が流されているわけであります。
 そういう意味でありますので、かなり政府当局としては、それなりにしっかりした情報の把握と現状分析ができておるのではないかと考えますが、この点についてまず伺いたいと思います。
○小町説明員 お答えさせていただきます。
 ただいま先生御質問の件でございますけれども、この件につきましては、今御指摘のとおり、何度か新聞報道等を通じて報ぜられたこともございまして、ことしの初めから累次にわたりましてロシア政府側に状況について説明方を求めるとともに、事実関係の確認を行う努力をしてまいりました。
 ロシア側は、今先生御指摘の四月二日の新聞報道と同じ日でございますけれども、四月二日にロシアのこの問題に関します政府委員会が報告書を発表いたしました。同日、この政府委員会が報告書を発表されたその日に、枝村大使よりコズイレフ外務大臣に、それまで累次事務方に申し入れておりましたことと同じでございますけれども、この本件海洋投棄を即時中止するように申し入れをいたしました。
 同時に、この政府委員会の発表いたしました報告書を入手いたしまして、今関係省庁の間でその内容を分析中で、その分析に従いまして関係省庁の間でどういう対策をとるか、鋭意今検討中でございます。
○石橋(大)委員 あとの質問の都合もありますので、次に、一九七二年に採択をされ、七五年に発効した廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約、いわゆるロンドン条約が核廃棄物の海洋投棄を禁止している理由を、具体的、ごく簡単にお答えいただきたいと思います。
○山中説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、ロンドン条約、これは七二年に採択されたものでございますが、この条約は海洋環境の保護を目的といたしまして、廃棄物等の海洋投棄について原則を定めて規制することを内容とする条約でございます。
 この条約の第一条には、その目的がうたわれておりまして、「締約国は、海洋環境を汚染するすべての原因を効果的に規制することを単独で及び共同して促進するもの」とするという規定でございまして、これがまさにこの条約が作成されるに至ったときのその関係国の共通の認識であったということが言えようかと思います。
 したがいまして、そのすべての原因を対象にするということでございますので、放射性廃棄物につきましても、その性質、危険性等にかんがみまして、例外扱いすることなく、この条約の対象にして禁止をしたということでございます。
○石橋(大)委員 もう少し具体的に話をしていただくとありがたいのですが、余り具体的な答えもできないようですから、次に進みます。
 三番目は、この放射性廃棄物の海洋投棄の方法あるいは安全確保の方法などについて伺いたいと思うのですが、今の四月二日の朝日の記事によると、こう書いてある。原子炉は鉛で覆われた金属コンテナの中に入れて捨てられた。原潜の原子炉の遮へい機器は、放射能は二兆六千億ベクレルであり、金属コンテナに入れて捨てられた。こう報じられているわけです。こういう方法で十分に安全確保がされていると言えるのかどうか、これは科学技術庁かと思いますが、政府の見解を伺いたいと思います。
○塚腰説明員 お答えいたします。
 放射性廃棄物の海洋投棄に関する国際的な基準につきましてはロンドン条約によって定められておりまして、高レベル放射性廃棄物の海洋投棄については禁止されているところでありますが、低レベル放射性廃棄物につきましては、国際原子力機関、IAEAによって定められております技術的要件、例えば放射性廃棄物の濃度基準を超えないこととか、その比重が一・二以上あること等を満たせば海洋投棄が認められるということになっております。
 ロシアは、今先生の御質問のように、原子炉を金属性のコンテナに詰めまして廃棄しているとされておりますが、どのような状態で投棄されたのか等はなお不明な点がありますことから、安全を確保する方法として妥当であるかどうかにつきましては、一概に現時点では申し上げられないということでございます。
 なお、かつて我が国で低レベル放射性廃棄物の海洋投棄を検討した際には、コンクリートで固化した廃棄物の海洋投棄を対象としておりまして、原子炉をコンテナに詰めて投棄するような方法は検討の対象とはいたしておりませんでした。
○石橋(大)委員 今の答えに関連してさらに伺いますが、ロンドン条約は、御承知のとおり廃棄物を三つに分類をしてそれぞれ次のように取り扱いを決めている。
 「第一のカテゴリーのものは、有機ハロゲン化合物、水銀、カドミウム等危険性の高い物質等(条約上は、附属書1に掲げられている)であり、海洋投棄は禁止される。」これは、第一のものは禁止されておる。それから、「第二のカテゴリーは、ひ素、鉛、ふっ化物等を相当な量含有する廃棄物(条約上は、附属書Tに掲げられている)であり、海洋投棄のつど当局による特別の許可を必要とする。」日本の場合であれば日本国政府の許可を必要とする、こういうことだろうと思うのです。「第三のカテゴリーは、第一、第二のカテゴリーに含まれるもの以外のものであり、それぞれ各国が定める条件に従って海洋投棄が行われる。」こうあるわけですね。
 そこで、このことに関連して専門家の所見をちょっと聞きたいのですが、さっき言いましたように、ソ連は原子炉は鉛で覆われた金属コンテナの中に入れて捨てた、こう言っているわけですね。このロンドン条約のカテゴリーに言う砒素、鉛というものについては特別の許可が必要だ、こうなってくるということは、これは鉛で被覆をしたからといって安全とは言えない、鉛自体にかなり問題がある、こういうことを意味しておるのではないかと思いますが、まずそれが一つ。
 それからもう一つは、「国際原子力機関(IAEA)が「ロンドン条約附属書I及Uの規定に基づく放射性廃棄物その他の放射性物質に関する改定された定義及び勧告」を定めているほか、OECD・NEAが、放射性廃棄物の海洋処分用パッケージに関する指針を定めている。」こういう国際基準があるわけですが、この国際基準を見ると、まず一つは、「投棄物の放射能濃度は、」さっきちょっと話がありましたが、「例えば、α核種であれば、一キュリー・トン以下であること(これ以上のものは、高レベル放射性廃棄物として投棄が禁止される)。」二つ目は、「投棄海域は、水深四〇〇〇メートル以上の深さであること一したがって、日本海等には投棄できない)。」三番目は、「投棄物の比重は一・二以上であること。」等が定められているわけであります。
 こういう基準からすると、今明らかなように水深四千メートル以上ということですから、日本海には投棄をしてはいけない、こういうことになっているわけですが、この鉛と、日本海に投棄をすることについて、この基準との関係で専門家の意見をちょっとお聞きしたいと思います。
 以上です。
○小町説明員 お答えいたします。
 前段の部分で、先生今御指摘になりましたレベル、いわゆる低レベルの放射性廃棄物の問題でございますけれども、これはロンドン条約に関連いたします諸決議等に違反するということで、この点もロシア側に説明してございます。
○石橋(大)委員 どっちにしても、この国際基準や国際的な取り組みに違反をした投棄をやっている、こういう事実はこのことからもはっきりしている、こういうふうに思います。
 次に、原子力潜水艦の関係ですから、防衛庁来ていると思いますが、防衛庁にちょっと聞きたいと思うのです。
 原子力潜水艦の廃棄に関連をして出てくる固形廃棄物あるいは液体廃棄物、こういう場合具体的にどういう廃棄物を意味するのか、この点をお聞きしたいと思うのですね。廃棄をされるものと、それの放射線による汚染度はどういうふうになるのか。我が国は原子力潜水艦を持っていないということですから、あるいは直接余りわからぬということがあるかもわかりません。しかし、そうは言ったって、この日本の国や沿岸海域を守るというのも大きな任務でしょうから、そういう意味で何か見解があるのじゃないかと思いますので、あったらちょっと聞きたいと思います。
○安江説明員 お答えいたします。
 旧ソ連、ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、先ほど答弁がありましたように、政府として事実関係を確認中であるというふうに承知しております。
 防衛庁としては、先ほど先生も述べられましたように原子力潜水艦を保有していませんから、原子力潜水艦の具体的な廃棄方法等については残念ながら承知していないところでございます。民間で使用されている通常の発電用の小型原子炉の運用から推測すれば、原子炉のタイプにもよりますが、一般的には放射性物質に汚染されている炉心などの本体とか、それから冷却水等が、廃棄の結果排出されるものと考えられます。
 いずれにしましても、今般の旧ソ連、ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄の具体的な事実関係については、防衛庁としては承知しておりません。
○石橋(大)委員 原子力潜水艦に関しては、さっき言いましたように我が国は原子力潜水艦を持っていない、そういうこともあって答えられない。一般的な原子力発電所などに関係する廃棄物に関連をして、今防衛庁の見解がありました。
 それで、さらにこの問題に関連してもう一つ伺っておきたいのですが、今の問題は、廃艦処分された原子力潜水艦の固形廃棄物あるいは液体廃棄物の処理の問題ですが、衝突事故などで沈没した原潜の場合はどうなのか。こういう問題になってくると、もう防衛庁以外、科学技術庁といえどもそう簡単にタッチできないと思うので、あえて聞きたいと思うのです。
 攻撃型原子力潜水艦が衝突をして沈没をした。当然核弾頭つきミサイルだとか核機雷だとか核魚雷だとか、こういう核武装をしてそのまま沈んだとすれば、そういう核兵器が沈んでいるわけです。こういう場合にかなり危険性があると思うのですが、こういう場合の危険性について防衛庁はどういうふうに受けとめ、または考えておられるか。さっき言いましたように、日本には原子力潜水艦がないけれども、安全保障あるいは軍事的な知識の面など含めて、アメリカなどの研究結果なども踏まえて、日ごろそれなりに研究や検討をされているのではないかと思いますので、あえてもう一つ、この点だけ防衛庁に伺いたいと思います。
○安江説明員 お答えいたします。
 原子力潜水艦とかそういうものが衝突した場合の想定でございますが、衝突の仕方にもいろいろあるでしょうし、具体的にそういう事実に即して判断しなければいけないと思いますし、また、先ほどお答えいたしましたように、防衛庁としては、日本政府は原子力潜水艦を保有しておりませんので、どのような安全装置とか保護装置があるのかも具体的にはわかりませんので、的確にはお答えできないような状況でございます。
○石橋(大)委員 あえて念のために申し上げますが、ということは、原子力潜水艦の沈没にかかわる核の汚染、あるいは原子力潜水艦の廃艦に伴う核汚染物質の海洋投棄などに関しては、防衛庁は全く知識もなければ対処能力もなしと判断していいですか。
○安江説明員 先ほどお答えしましたように、例えばどのような安全装置なり保護装置なりが旧ソ連の潜水艦に施されているか、それから衝突の仕方等によりましてその被害等はいろいろ異なると思いますので、的確にはお答えできる状況にはございません。
○石橋(大)委員 後で衝突事故の関係について幾つか事例を挙げながら聞きますが、とりあえず防衛庁さん、忙しいようですから、この辺で結構です。
 科学技術庁の専門家は、この点についてはどういうふうにごらんになりますか。
○折田説明員 直接ロシア云々ということではございませんが、米国原子力潜水艦の例を申しますと、我が国への寄港に伴う放射能調査は、科学技術庁、海上保安庁、水産庁、寄港地の地方自治体の密接な連携のもとに行っております。
 具体的には、放射線監視についてはモニタリングポストによる空中及び海中における放射線レベルの常時測定を行うとともに、寄港時においてはモニタリングボートにより一日一回、艦周辺及び港内の空中及び海中の放射線レベルの測定を行っております。
 また、環境試料中の放射能調査につきましては、定期的に海水、海底土、海産生物中の放射能の分析を行いまして、平常時の放射能レベルを把握しておりまして、異常のないことを確認しております。
○石橋(大)委員 今、定期的に海水その他のモニタリング調査をやっているということでしたが、事この問題に関しては定期的な海水の調査だけでは非常に不十分だと私は思うのですよ。ある意味では海水の中にかなりの放射能物質が、汚染されたものが見つかったときにはもう遅い、こういう関係にもなるわけですからね。
 まあそれが全然無意味だとは言いませんよ。それはそれで大事ですが、やはりもっと早く、そこに来るまでのところで何とか手を打つ。例えば海洋投棄された危険なものについては引き揚げて処分をするとかなんとか、ほかの方法で適切な安全な処理をするような手だてを講じておかないと、投棄されたもの、沈んだものをそのまま放置しておいて、非常に強力な核汚染物質や毒物が海中に流出をするというようなことになってからでは遅いと思うのですが、こういう問題についてどのように対処したらいいか、この点もちょっとお伺いいたします。
○折田説明員 旧ソ連、ロシアによる放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、ロシア政府から公、表された白書を入手したことを受けまして、四月五日に関係省庁を構成員とする放射能対策本部の幹事会を実施したところでございます。
 当該会合において、必要な海洋放射能調査については科学技術庁、海上保安庁、水産庁及び外務省等で早急に協議することが申し合わせられたところでございます。
○石橋(大)委員 関係省庁で協議をして適切な対処をするということは当たり前のことですし、私の今の質問に対する答えにはなってないのですよ。海水中に放射能汚染されたものなどが出てくるようになってからでは遅いから、もう少し根本的な手段方法を講じるべきではないかということですから、それに対する答えはありませんが、この点だけは非常に重要なところですから、十分に検討して対処していただきたいということだけをここでは申し上げておきます。
 次に、新聞記事によりますと、液体廃棄物については直接的に海洋投棄されているというふうに思われるわけですが、この液体廃棄物については、主として原子力潜水艦の場合ですが、原発のいつも出ている冷却水とはちょっと違うのではなかろうか。同じょうなものだと思っていいのだろうかという感じもしますが、この点ちょっと専門家の意見を聞いておきたいのです。
○塚腰説明員 お答えいたします。
 放射性廃棄物の海洋投棄による安全性の評価だろうと思いますけれども、これにつきましては、放射性廃棄物が海洋で拡散されますとともに、食物連鎖等によりまして海洋生物中で濃縮されることを考慮いたしまして、放射性廃棄物を含んだ海産生物を人間が摂取すること等による影響を評価するものであります。
 投棄する放射性廃棄物が人間に与える影響については、放射性物質の種類あるいは濃度等により異なってまいりますために、コンクリート固化した場合と、今先生がおっしゃいました廃液をそのまま海に投棄した場合が考えられるわけでございますけれども、そのどちらが影響が大きいかというのは一概には申し上げられないところでございます。
 なお、我が国におきましては、放射性廃棄物を海洋投棄する場合にはコンクリートで容器に固型化したものについてのみが想定されておりまして、周辺監視区域外へ放出限度濃度を上回る液体放射性廃棄物をそのまま海に投棄することは認められておりません。また、固化された低レベル放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、関係国の懸念を無視して行わないとの従来の方針のもとに、その実施については慎重に対処することといたしております。
○石橋(大)委員 次に、同じ新聞記事の中にこういうことが書いてあるわけですね。科学技術庁の見解として「国民生活に直接の影響はない」、あるいは原子力関係者の見解についても同じような見解だ。国民よ安心せよ、こういうことかもしれませんが、それは私のつけたりですが、そういうことが書いてある。詳しく言いますと、「「日本沿岸の観測結果から、原子炉が投棄されていても、国民生活に直接の影響はない」と見ている。」こう科学技術庁では言っている。また、原子力の専門家は、原子炉が「核燃料ごと投棄されても、人間に影響するような事態はまず考えられない」、こう言っている。
 私は、これは非常に楽観に過ぎるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、念のために、新聞が書いていることですから正確に伝えているかどうかはちょっとわかりませんが、あえて科学技術庁や原子力の専門家がこう言っている、こういうことが書いてありますから、念のためにちょっと伺いたいと思います。
○折田説明員 我が国におきましては、従来より科学技術庁を中心に関係省庁、国立試験研究機関、都道府県等の協力を得て、大気、土壌、陸水、海水等の自然環境及び食品等の生活環境について全国的に常時放射能調査を実施しているところでありますが、一九八六年にチェルノブイリの原発事故の影響が見られた以外には、特段の異常が検出されたことはございません。したがいまして、現時点においては我が国の国民生活に直ちに影響を及ぼすものではないと考えられるとの認識が報道されたものではないかというふうに考えております。
 ただ、なお旧ソ連、ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、四月二日にロシア政府により調査結果を取りまとめた白書が公表され、我が方としてもこれを入手の上分析中でございます。分析の結果、必要があればロシア政府に対し、さらに詳細な情報提供を求めるなど情報収集に努めるとともに、関係省庁と連携して適切な対応を図ってまいる所存でございます。
○石橋(大)委員 現時点では国民生活に重大な影響を与えるような状況は見られていない、しかし、今度の旧ソ連の核廃棄物投棄全体が全く国民生活に影響がないなどとは言っていない、こういうことですね。そういうことでいいですね。
○折田説明員 先生の御指摘のとおりというふうに考えております。
○石橋(大)委員 将来、このことによって深刻な影響が出ないように、ひとつ万全の対策を講じていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、海流による放射能汚染の拡大について伺っておきたいと思います。
 これも朝日の記事の中にあることですが、「原子炉の燃料は被覆されているうえ、仮に漏れ出たとしても、海流による拡散は速度が遅い」、したがって、人間生活に影響するような事態はまず考えられない理由とされている。
 この場合、海流による拡散の速度、仮に旧ソ連の沿海州に近い投棄場所である海域から日本海沿岸に放射性汚染物が流れ着くとすれば、あるいはそういう海水が流れ着くとすれば、どれくらいの時日を必要とするものかどうか。それとも、日本海における海流の状況から、日本列島沿岸に汚染物質が流れ着く心配は全くない、こういうふうに判断をされているのかどうか、海流の関係で放射能汚染が拡大するおそれはないのかどうか、ちょっと承りたいと思います。
○塚腰説明員 先生の御質問に直接お答えする形にならないかもしれませんが、ちょっとわかっている時点で御説明いたしますと、容器に投棄されました放射性廃棄物の挙動等につきましては、投棄された海域における海流それから深さ、深度とか、投棄されました放射性廃棄物の比重等の物理的特性等を総合的に加味いたしまして評価しております。
 今回のロシアにおける海洋投棄の状況につきましては、現在ロシア政府が作成しました白書を入手して分析中でございまして、評価のために必要なデータ等、具体的な内容についての情報が現時点では十分得られていないために、投棄されました放射性廃棄物の挙動については、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 ちなみに、放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、先ほど言いました国際原子力機関によりまして、一定放射能濃度以下の放射性廃棄物などを容器に固型化しまして四千メートル以上の深海に投棄するなど、海洋投棄の際の基準が示されておりまして、これらの一定条件のもとでは安全が確保されることが示されております。
○石橋(大)委員 これは固型物に被覆をされて、それで安心できるかどうかということについては後で申し上げますが、今の答弁は、そういう被覆保をされているから安全だ、こういう答弁ですね。
 それはそれとして一応承っておきますが、もしその容器が壊れてプルトニウムだとかその他汚染物質や核物質が流れ出たときに、日本海の海流からいって、日本海全体が汚染されたり、日本列島の沿岸が汚染される、こういう心配はないのかどうか。海流との関係で、もし専門家がおられたらちょっと聞いておきたいのです。私はそのことを聞いているわけですよ。
○塚腰説明員 海洋投棄されました放射性廃棄物が海水中に流出するなどの可能性につきましては、一般的には否定することができませんけれども、旧ソ連が投棄しました放射性廃棄物について具体的に放射性廃棄物が流出するかどうかなどにつきましては、今回ロシア側の白書を入手したものの、放射性廃棄物が投棄された状態など不明な点がございますので、お答えすることは困難でございます。
○石橋(大)委員 私は、投棄をした仕方についてはおたくの方の説明を一応是なら是としておいて、もし万一容器が壊れたときに、海流との関係はどうなるかということを聞いておるわけでしょう、その点についての答えになっていませんよ。
 しかし、時間がありませんから、先に行きます。
 次に、深海底の原子炉等核廃棄物の保存性あるいは安全性と放射能の流出問題について、さらにちょっと聞きたいと思うのです。
 これも、日本海を含む極東海域には水深千百メートルから三千七百メートルの計十カ所の投棄海域に投棄された、こう言われているわけですね。
 この場合、今話がありましたが、これもこういう質問をすると、また容器の状態がわからぬから答えられぬということになるかもしれませんが、私、準備しましたのであえて聞きますが、この容器が海水の圧力によって破壊されるおそれはないか。また、腐食によって容器が破損し、放射能やプルトニウムなどの有毒物質が流出するおそれはないか。これが一つ。
 二つ目は、仮に容器が破壊されたり腐食したりして有毒物質が流出したとして、深海底にずっと滞留したまま未来永劫に海水面にあらわれないものかどうか。深海底の海流と核物質の危険性の関連について、御見解を承りたいと思います。
○塚腰説明員 お答えいたします。
 放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、廃棄物その他の投棄による海洋汚染防止の例のロンドン条約でございますけれども、これにおきまして、低レベル放射性廃棄物につきましては、先ほど申しましたように、一定の放射能濃度以下であること等幾つかの条件を満たせば、海洋投棄が認められるということになっております。その具体的な放射能濃度につきましては、国際原子力機関、IAEAによりまして示されているところでございます。
 その基準値でございますけれども、水深が平均四千メートル以上の海域において、容器に固型化された、または固化の廃棄物が深海底に到達直後、瞬時に放射性物質が放出されるなどの仮定のもとで評価されたものでございまして、一定の条件のもとでの放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、たとえ放射性物質が流出したといたしましても安全確保がなされているということが示されておるわけでございます。
○石橋(大)委員 答弁になってないな。質問に対する答えに一つもなっていないと思うんですね。投下をした直後、破壊されないということを前提にして評価をしておる。僕が聞いておるのは、何年かして容器が破損をしたり、腐食をしたりして汚染物質が流れ出たときに深海底の海流との関係でどうなるのか。もし海洋投棄が安全だということになれば、未来永劫に、何万年でもずっと海の底に沈んだままで表に出ない、こういうことなら、ある意味で安全だという理屈はわからぬでもないんだが。そういうことを聞いているわけですよ。
○塚腰説明員 直接お答えできなくて残念でございますけれども、今回のロシアにおける海洋投棄につきましては、投棄された廃棄物の放射能濃度等が、先ほども申し上げましたように不明な点がございますので、これを即IAEAの基準に従ったものでどうかということは承知してないわけでございますけれども、一般的に申し上げますと、放射性廃棄物というのは半減期というものがございまして、だんだん減衰してまいります。深海ですと、流れが緩やかとかいろいろ条件もそういうのを加味しますと、ある意味では広範囲に拡散しないんじゃないかということは考えられると思います。
○石橋(大)委員 まあいいですわ。時間がありませんから次に行きます。
 それで、こういう事実についてどう思うかということですよ。廃棄物をおさめるコンテナは金属製で十年、セメント製で三十年、こう言われておるわけですね。そのとおりだとすれば極めて危険性が高いと私は思うのですよ。
 これは四月五日の日本経済新聞の記事ですが、こういう記事がある。「ずさんな管理浮き彫り 旧ソ連の核廃棄物海洋投棄ーロシア政府報告書から」という記事ですが、その第三章にこういうことが書かれておる。「〈第三章〉沿岸での放射能汚染 固形放射性廃棄物を投棄した地点の海面を調査したが、汚染が著しく高まったとの結果は出ていない。」これは今答弁にあったとおりだ。「これらの海域でのきちんとした放射能観測の実施と、廃棄物の引き上げを講ずるべきだ。廃棄物を収めるコンテナは金属製で十年、セメント製なら三十年で破損する。」これはロシア政府の報告書がそう書いているわけですよ。
 この容器だって、金属製で十年、セメント製で三十年という破損の年限ですが、これは陸上なのか海底なのか、この辺はちょっとはっきりしませんが、一応海洋投棄を前提とした記事ですから海中でしょうね。かなりの海水の圧力もあるし、海水による腐食もあるだろうし、いろいろあると思うのですが、この寿命についてどう考えますか。こういう寿命などを考えると非常に危険だ、こう言わざるを得ない。どうですか。
○塚腰説明員 お答えいたします。
 容器につきましては、確かにコンクリートとか金属製等あるわけでございますけれども、先ほどもちょっと御説明いたしましたようにIAEAの基準がございまして、それによりますと、現在の安全評価というのは、放射性廃棄物が瞬時に漏れるということで、その容器の健全性といいますかそこは無視した評価をしておりまして、それが、さっき言いましたように瞬時に放出されたというものを仮定して評価しても大丈夫だということになっております。
○石橋(大)委員 とにかくそれじゃ困るわけですよ。今の段階はそういうことで判断するとしても、そういうことでちゃんと未来ずっと安全だなんと思ってほっておかれたのではかなわぬですよ。日本海の漁場もだめになるし、沿岸住民の生活も場合によっては重大な危機に襲われるわけですから、やはりそういうことにとどまらないで、場合によっては引き揚げその他の措置をちゃんととってもらわなければいけない、こういうことを申し上げて、次に行きます。
 次に、原子力潜水艦の沈没事故と海洋汚染の関係について念のために聞いておきたいと思うのです。
 朝日新聞の平成三年七月二十三日の解説記事ですが、「海洋汚染に深刻な不安 事故多発・ソ連の原潜、核搭載艦」こういう大きな見出しのもとに解説記事が書いてありますが、その中で、英国の核問題研究家ジョン・ラージ氏の見解としてこういうことが紹介されている。「原潜が深い海底に沈んだ場合、どういう事態になるのか。同氏は「搭載されている核機雷や核魚雷は、かなりの水圧に耐えられる。巡航ミサイルや弾道ミサイルも、まず爆発しない。しかし、数年かけて壊れたり分解したりし、その中核であるプルトニウムはゆっくり海洋に拡散していく。拡散期間は百年近くに及ぶだろう」」これは大変なことですね。「「百年近くに及ぶだろう」と指摘する。 原子炉はもっと危険だ。「核兵器は通常、五キロから二十キロのプルトニウムなどを含むが、原子炉は約千五百キロの核燃料を積んでおり、汚染はミサイルなどとは比較にならない」 その上で同氏は、原潜が大陸棚など比較的浅い海底に沈没した場合、沿岸で魚を食べる住民への身体的影響は、数年から十数年で現れる、と警告している。」こう書かれているわけです。
 極東海域におけるソ連原潜の日本海を含む事故の記録を見ますと、これもこの日の新聞記事に載っていますが、全部申し上げると長くなりますので幾つか代表的な事例だけ申し上げますが、まず一つは一九七〇年の六月、「日本海または日本の領海近くで、ソ連エコーU級巡航ミサイル搭載原潜が米スタージョン級攻撃型潜水艦トートグに衝突して沈没。」した。これは海域はどこかはっきりしませんが、日本海または日本海の領海近く、こう言われている。
 それから、七一年の三月に「米スタージョン級原潜がソ連沿岸から約三十キロでソ連潜水艦と衝突。ソ連艦の状態は不明。」これは不明というのは、人間の場合行方不明といった場合は大体死んでいますが、軍艦も恐らく沈没をしている可能性の方が高いと私思うのですが、一応不明と書かれている。
 それから七四年の五月、「カムチャツカ半島のペトロパブロフスク海軍基地近くで、米スタージョン級原潜ピンタドがソ連ヤンキー級弾道ミサイル搭載原潜と正面衝突。ソ連艦の被害は不明。」これも不明。軍事機密もあると思いますが、非常に危険な状態で放置をされてしまっているのではないか、こう心配をするわけです。
 それから七六年の十月、「カムチャツカ半島沖で、日本漁船がソ連チャーリー級巡航ミサイル搭載原潜に乗り上げ、原潜は漁網に絡まり浮上した。被害は不明。」
 ちょっと飛ばしますが、あと近いところでは、八五年五月「ドゥナイ潜水艦基地でこれはウラジオストクの近くだと思いますが、「核燃料補給中の原潜が爆発、炎上。原潜は沈没した。」こういう事件があっております。
 九一年の二月に太平洋沿岸で、これはちょっと遠いからやめておきますが、こういうふうにいろいろな原潜の沈没だとか衝突事故が、日本海ないしは日本沿岸でたくさんあるわけですね。こういう原子力潜水艦が沈没等でたくさん沈んでいる、このことに対して、日本政府として今までどういう措置をとり、あるいはどういう見解を持っているのか、念のために伺いたいと思います。
○折田説明員 旧ソ連の原子力潜水艦が日本近海に沈没または行方不明になったということについて、今まで新聞等で報道がなされていることは承知しておりますが、詳細は承知しておりません。
 なお、我が国においては、現在科学技術庁を中心に関係省庁、都道府県の協力を得て定常的な放射能調査を実施しているところでございまして、その結果によれば、一九八六年のチェルノブイリ原発事故による影響が見られた以外には異常は検出されておりません。
 ただ、原子力潜水艦の事故は軍事上の機密のため、情報入手は困難な状況でございますが、御指摘の新聞報道等のうち、一九八〇年の八月のエコーT級原子力潜水艦及び一九八六年一月の工コーT級原子力潜水艦につきましては、報道のとおり事実を承知しておりまして、海上保安庁、防衛庁等と連携を保ちまして追跡調査を行ったわけでございますが、異常のないことを当時確認しております。
○石橋(大)委員 そろそろ私の時間の終わりが近づきましたので、最後に農林水産大臣に、きょう出席の政府関係の中では一番偉い人ですので、権威ある、ちゃんとした見解を承りたい、こう思っております。
 けさの毎日新聞によると、二日の日に今のソ連政府の報告書が明らかになって、日本だけじゃなくて世界各国からいろいろと抗議やら何やらあって、中止の申し入れもある。このことについてロシアのヤブロコフ大統領顧問、環境・保健担当が六日、核廃棄物の海洋投棄は続ける、中止しない、陸上に適当な処理施設がないということが理由のようですが、続ける、こう言っているわけですね。
 今言いましたように、政府の各省も正確なデータをまだ全然持っていないし、また、そういう意味では対処方針も決まっていない。その意味では安全保障上も非常に問題もありますが、今までのことでも明らかだと思いますけれども、とにかくソ連のやっていることが、処理の仕方が非常にずさんなんですね。
 大臣、例えばさらに一つ二つ申し上げますと、これは平成四年二月二十六日の朝日の夕刊ですが、「北の海に眠る汚染の時限爆弾=v「旧ソ連投棄の核廃棄物全欧の脅威に 英TV報道」、こう言っていますが、その中にこういうことが書いてある。このイギリスのテレビ報道によると、投棄した核廃棄物が「沈むまで、兵士がライフル銃で容器を撃ち続けた。また、核燃料を積んだままの潜水艦も極秘に海洋に廃棄された」「金属容器が海中で劣化し、核燃料などが海水に浸る恐れがある。極めて危険な状況だ」こういうことが書いてある。
 それから、一九八九年五月にノルウェーの沖でソ連の最新鋭原子力潜水艦コムソモーレッツ、これが火災のため炎上して沈没した、放射性物質が漏れているのが探知をされている、このままでは九四年あるいは九五年には極めて毒性の強いプルトニウムが原潜内の核魚雷の弾頭から漏れ出し、海洋生態系を汚染するなど重大な結果を招く恐れがあると報じている、こういうわけです。
 どっちにしても、大臣も青森の出身ですから、もし日本海で魚がとれなくなったり日本海が汚染されたら、青森県民の半分が恐らく脅威にさらされる、こう思います。私の島根県の場合は全面的に日本海、二百キロにわたって海岸が追っていますから、深刻な状態になるわけです。この際、何としても日本国政府をして万全な措置をとってもらわなければならぬ、こういうふうに思う。
 そこで一つは、政府は速やかにロシア政府に対して、この実情について正確かつ詳細なる報告を求めるべきである。さっきの答弁を聞いておりますと、そのことは大体やられておるようですから、ちゃんとやってほしい。第二に、報告の結果を踏まえまして、引き続き行われている核汚染物質の海洋投棄を直ちに中止をするように求める。これも大体されておるかもしれません。第三は、これが非常に大事なところですが、関係諸国、とりあえず日本海沿岸諸国あるいは我が国単独で、深海調査船なども使って直接的な調査を行って、安全対策に万全を期してほしい、こういうようなことを考えるわけです。
 きょうは農林水産委員会で、農林水産大臣が閣僚としておられるわけですから、内閣としてそういう対応をしてほしい、こういうことも含めて、最後に農林水産大臣の所見を伺いまして、終わりたいと思います。
○田名部国務大臣 専門的な話ですので私もよくわかりませんが、ただ、おっしゃるとおりずさんであることは私もよく認識をしておりますし、先ほどからお話がありますように、海洋投棄問題については、外交ルートを通じてまず事実を確認するということと、投棄の即時停止を申し入れたところであります。
 こんなにずさんだとは私も思いたくないのですけれども、チェルノブイリの原発のときも、あれは科学者がこぞってこういう原発は危険だと再三申し入れたにもかかわらず、予算的なこともあってああいう原発を建設した、そのとおりになったということを、ソ連の科学者談として何かのときに私も読ませていただきましたけれども、あのことを見て、これをまた実際に投棄したことを見ておりますと、本当にずさんだな、全く無責任だと私は思うのですね。何も関係国ばかりではなくて、自分の国にとってもこれは大変なことでありますから、そういう意味では私どもは万全の態勢をとっていかなければならぬ。
 ただ、調査をするというのは、向こうの領海の中のようですのでこれはちょっとできないと思うのですけれども、いずれにしても、私ども放射能対策本部の幹事会を開催したりいろいろ検討しておりますが、今後とも関係省庁あるいはまた関係国ともいろいろ御相談しながら、まず的確な情報を得ておかないといかぬ、こう考えております。
○石橋(大)委員 これで終わりますが、どっちにしても軍事機密で真実の報道がされない、冷戦体制が崩壊しましたから以前に比べればこういうことはかなり薄れておるかもしれませんが、しかし今日段階でいうと、余りにも大量に、しかも危険な汚染物質を投棄をしたがために、周辺諸国に非常に大きいショックを与えるというようなこともおもんぱかって真実の発表に手かげんを加える、これはあり得るわけですから、そういう意味で、日本が一国だけで調査はできないという面はあると思いますが、さっき言いましたように、関係周辺各国共同ででも、事実がちゃんとつかめてちゃんとした処理ができるようにソ連に対して働きかける、そういう意味では国際的な対応も非常に大事だと思いますので、ぜひひとつ安心できるような対応をしていただきますように繰り返しお願いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○平沼委員長 北川昌典君。
○北川(昌)委員 既に三名の先輩から質問ございましたので、ダブる面があるかと思いますけれども、その点をお許しいただきながら質問をいたします。
 日本の漁業は、今大変厳しい環境にあると言えると思います。かつては、沿岸から沖合へ、沖合から遠洋へと発展を遂げてまいりましたし、世界でも有数な漁獲高を誇りました。水産国日本としての名をはせてきたところでございます。しかし、世界各国の二百海里水域の設定、さらには相次ぐオイルショックによる燃油の高騰、また開発途上国の漁業への進出、こういった点から、日本の漁業は北洋あるいは南洋からの撤退を余儀なくされております。
 そして今、漁業経営はまさしく深刻な厳しい状況に置かれておると言えると思います。漁獲量をとってみましても、海水面の漁獲量でございますが、昭和六十二年に千二百二十六万七千トンであったものが、平成三年九百七十七万三千トンです。一九%も減少いたしております。中でも遠洋漁業は、昭和六十二年に二百三十四万四千トン、これが今日では百十七万九千トン、五〇%の落ち込みを見せております。漁船の乗組員につきましても、ここ四年間のうちに六万人近くが減っておる、こういう状況でございますし、漁船自体も相次ぐ大型船の減船、これによりまして、今は中型あるいは小型船に変わりました。漁場も沿岸、沖合、こういうふうに狭められてきているのが今日的状況でございます。そういう中で、漁業は大変危機的な状況にある、このように思うわけでございます。
 こうした実態を見ましたときに、今後さらに漁業が縮小されていく、そういう推移になっていくのではないか、こういう危惧をせざるを得ないのでありますけれども、これに対しまして大臣は日本の漁業の現状をどのように認識され、また漁業の将来の位置づけをどのようにお考えになっておるのか、お伺いいたしたいと思います。
○田名部国務大臣 今お話しのように、最近、漁業の生産量は三年連続して減少いたしておりまして、平成三年には二十年ぶりに一千万トンを下回るという状況にあります。
 確かに、国際漁業の規制の強化、この影響を受けたことはもちろんでありますし、周辺水域の方もだんだんおかしくなってきておる。特に底魚類やマイワシ、そうしたものの資源が悪化しておる。あるいは昨年はサバも大分減少をして、全体的にやはり低下傾向にあります。これは周期かなんかあってまた回復するのかどうか、これは別といたしまして、いずれにしても、このような問題を抱えておるところへもってきて、戦後復興期に多数漁業に就業した世代の人たちが引退の時期を迎えておるということが一つあります。
 それからいま一つは、漁業経営体、就業者ともに年々減少しておりまして、高齢化が進むことと同時に、漁業生産力が低下する、あるいは漁村の地域の活力、こういうものが低下すると懸念をいたしておるわけでありまして、このため、資源管理型漁業でありますとか、つくり育てる漁業というものに積極的に取り組んでおりまして、こういうことを通じて若い担い手、そういう後継者の養成確保、バランスのとれた就業構造の実現、そういうものを図りながら、長期的に漁業生産力や漁村地域の活性化を図るというふうに考えて、今鋭意努力をいたしておるところであります。
○北川(昌)委員 こういう厳しい中で経営をいたしております漁業者が今直面している問題が幾つかございますが、特に外国からの水産物の輸入というものが年々増加をしている。そのことによって魚の値段が安定をしない、上がらない、こういう状況でございます。例をとってみますと、昭和五十五年に百三万八千トン、この輸入でございましたが、平成三年には二百八十五万トン、まさに倍増以上、三倍近くになっております。この増加率は毎年一〇%台で増加をしている、こういう状況でございます。
 こうした輸入増加はまさに供給過剰になってまいりますし、そのことによって価格が低落する、国内の漁業を圧迫する、こういう状況がこれまでも起きておりますけれども、この輸入問題を何とかしなければさらに漁業は危機に追い込まれていく、こういう状況にあると思うのです。この輸入問題について水産庁はどのようにお考えになっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○川合政府委員 今御指摘のように、最近の水産物はかなりの量が輸入されてきております。これは、一つには国内の資源状況、それから先ほど来お話がございました国際規制などによる生産の減少ということで、国内の需要に国内生産では応じられない部分について輸入が入ってきておるということもございますし、また、加工面での供給体制というところから輸入のウエートが高まっているというところもございます。
 しかしながら、今先生御指摘のように、このことによりまして需給バランスが崩れて価格の低落を来し、生産者に影響が出ているという例もあるわけでございます。私ども、現在の国際情勢の中で輸入規制ということは非常に困難な状況にありますので、何とかこの需給につきまして、秩序ある輸入により安定した需給関係がもたらされないかということで、いろいろな場面で関係者の協議の場を設定いたしまして、秩序ある輸入に努めているところでございます。このバランスを崩すことは、結果的に国内だけではなく海外における供給者にとっても決してプラスではないということをよく説明いたしながら、私どもこの需給協議会の場を極力活用して、秩序ある輸入を求めていきたいというふうに考えているところでございます。
○北川(昌)委員 秩序ある輸入と申されますけれども、大体どの程度が限度なんでしょうか。このままいきますと、無制限にどんどん輸入がふえていく、こういう傾向にあるわけなんですが、その点はどういうふうにお考えなのですか。
○川合政府委員 その限度ということはなかなか難しいと思いますが、現在私どもが試算しているところによりますと、量で申しまして約三割から三分の一ぐらいが輸入量になっております。
 国内の資源状況によって入ってくる輸入の水産物の内容も変わっておりますし、その年々の需給関係によっても影響いたしますので、どのぐらいということは言えないと思いますが、平成三年まで伸びてきました輸入量が、平成四年では、またこれは試算、速報値の段階でございますけれども、やや伸びが鈍化しているという傾向がございます。国内の生産事情によりますが、物によってはそろそろ天井に来たのではないかというような状況もありますので、その辺の動向につきましては私どももこれから注意深く見守っていかなければならないと思っております。
○北川(昌)委員 将来の日本の漁業の存亡にかかわる問題でもございますので、やはり調和のとれたといいますかバランスのとれた輸入、それ以上は制限をする、こういった規制をする、これくらいの施策というものはとっていただかなければならないと思います。これは一つの提言としてお願いを申し上げておきたいと思います。
 二番目に、魚の価格の問題でございます。
 先ほどから話を出しておりますように、輸入が増大しますと価格が下がる、また漁業の場合は、農業の場合でもございますが、豊漁の場合は安くたたかれるという極めて不安定な価格の中で漁業者は経営をしておる、こういう状況にございます。
 私の地元の漁協での、これはカツオとマグロが中心でございますが、この価格を調べてみますと、カツオの場合、昭和六十年にキロ三百八十六円であったものが平成三年には二百九十九円と下がっております。また若干持ち直しまして、これは年平均でございますけれども、平成四年には三百七十五円。またマグロにつきましても、これははえ縄船でございますけれども、昭和六十年に六百八十五円、これが平成四年わずかに上がりまして七百七十五円。これは十年以上、この価格というのはわずかな線を描きながらほとんど変わらない、こういう状況にあるわけであります。したがって、こうした魚価の不安定が漁業の経営を悪化させておるというのも実態であるわけであります。
 したがって、魚の価格の安定策というものがとられなければならないと私は思うのですが、その点についていかがでございましょうか。
○川合政府委員 水産物の価格はやはり生産の状況によってかなりの影響、しかも生産が変動する、これは資源の状況あるいは海況によって変わりますので、生産の変動によって特に産地価格が影響を受けるという、ある意味では水産物特有の宿命的な性格があるわけでございます。
 こうした状況を、何とか安定的な価格を維持するということに腐心しているわけでございますけれども、一つはやはり需要の拡大ということが非常に大事だと思っております。それから、これは非常に難しいことでございますが、魚種によって、しかも限られた魚種でございますが、生産調整によりまして需要に応じた適正規模の供給を行うというようなことについても試みられているわけでございます。なかなか難しい問題でありますが、もう一つ、私どもは調整保管ということを通じまして価格の安定を図っております。
 ただ、非常に水産物の難しいのは、やはり水揚げが時によって集中する、そうすることによって需給バランスが著しく狂う、在庫がふえる、なかなかその在庫が減らないというような状況が続きます中で、若干の調整保管ということではなかなか価格が維持できないというようなこともございまして、非常に難しい価格対策の状況にあります。一つだけの手段でなかなかやれないわけでございますので、いろいろな形での対応が必要ではないかというふうに思っております。
○北川(昌)委員 先ほど申しましたように、カツオ、マグロの例だけでございますけれども、これは十年も同じようなところを動いているのですよ。一方では操業費は上がっているのです。これでは漁業経営が、操業ができない、こういう状況にあるわけなんですね。
 かつて鈴木元総理、この魚価の価格保証制度というものを、正式な名称は忘れましたけれども、何か私案としてつくられたようなことを記憶しておるわけです。政府の中でもそういった動きがあったというふうに私は受けとめておるわけでございますけれども、そういう、漁業は大変だ、価格を何とか安定させなければならないというお気持ちがあるのかどうか、もう一度お聞かせいただきたい。今この価格でいいのかどうか、漁業が存続できるのかどうか、これも含めてお聞かせいただきたいと思います。
○川合政府委員 価格制度と申しますか、今お触れになりました価格保証制度というものにつきましては、過去いろいろな私案あるいは検討というものがあったことは承知しておりますが、例えば農産物などに比較いたしまして非常に難しい面は、先ほど来申しておりますように、漁業生産が漁模様によりまして大きく左右される、あるいは同一魚種につきましても規格に乗りにくい、あるいはその生産、いわゆる漁法でございますが、これも異なりまして、生産コストもそれぞれの産地によりまして異なる、それから魚種間の需要の代替性も大きい、あるいは生産調整そのものが非常にしにくい、これは農産物価格の場合は計画生産というものが価格制度には側面的にありませんとなかなか運営しにくいというような面もありまして、水産物につきまして価格保証制度というのは非常に困難であるということでございます。そうした中から一つの案あるいは対策として現在行われておりますのが調整保管ということでございまして、この事業につきましても、一方で生産調整ということを何とかやれないかということと並行して実施されているものでございます。
 私ども、水産物価格の安定ということは非常に大事でございますので、生産者の間におきましても価格が非常に低落しておるときにおける生産についてはそれぞれ自粛するとか、そういう形での話し合いが必要だと思っておりまして、そういう安定を図るための対策をいろいろな形で試みてはおりますが、なかなか難しい状況にあります。一つは、やはり需給バランスということでございますので、その点についての関係者の意識というのを高めていく、それによって生産なりその他の輸入などの行動についても秩序立ってとっていただくということを心がけているところでございます。
○北川(昌)委員 やはり価格の問題、輸入の問題あわせまして、これは漁業の存立にかかわる問題でございますので、さらに、難しいとおっしゃいますけれども、難しいところをひとつ検討いただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、もう一つ漁業で問題になっておるのが後継者、いわゆる担い手の不足でございます。私、先ほど申しました地元の漁協では、この七年間に三百人ぐらいベテランの船員が船をおりました。これはどこに行くかといいますと、内航船、鋼船に乗りかえるわけなんです。なぜか。漁業ですから、海の上ですから休養がなかなかとれない、休日がとれないということ、さらに、賃金が極めて前近代的でありまして不安定、固定したものが入ってこない、中には前借りして赤字がどんどんふえていくという状況、こういう雇用体系なのです。それが船をおりる原因であります。同時にまた、水産、いわゆる専門学校を出た高校卒業生で漁業に就業しておるのはどういう状況か、お答えいただきたいと思います。
○川合政府委員 新規学卒者と申しますか漁業就業者でございますが、平成三年で申しますと、水産高校の新規卒業者のうち漁業に直接従事するという者が三百三十四人、卒業生の約八%という状況でございます。高校全体で見ますと七百二十五人ということでございますが、例えば昭和五十三年には千七百七十四名というような数字でございましたので、半分以下の減少になっているということでございます。
○北川(昌)委員 このように既に船に乗っておる人が船をおりる、そしてまた新しく水産関係の高校を卒業した人が船に乗らない、これではもう操業できなくなる、そして船をつながざるを得ないという実態も出てきてるわけであります。これは深刻なんです。こうした雇用対策といいますか、船員対策について、今まで水産庁はどのような指導をされてこられたのか。これは水産庁だけの責任とは私は申しませんけれども、やはり漁業を守るという立場での官庁でございますから、どのようなことをされたのか、それからまた、今のこういう状況を踏まえて今後どのような指導をされるおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○川合政府委員 今先生御指摘のように、特に沖合あるいは遠洋の漁業に就労しておられた方、この中には減船その他によって船をおりざるを得ない、そういう状況にある地域もあるわけでございます。一方で、今先生御指摘のカツオ・マグロその他の漁業によっては、担い手の不足に悩んでいる地域もあるわけでございます。
 沿岸につきましては、これも資源等の状況によりまして過剰な地域、それから担い手の足らない地域というのがございます。総じて高齢化が進む中で担い手の不足が言われておりますが、全国的に見ますと、そういう意味でのばらつきがあるわけでございます。
 私どもといたしましては、県とよく相談しながら、特に今年度からは情報交換のセンターを主要な地域につくりまして、そうしたある種のミスマッチを少しでも解消するというようなことも含めまして、担い手対策に資していきたいと思っております。
 それと同時に、今回法律改正などでお願いしておるわけでございますが、後継者あるいは担い手対策といたしまして、例えば資金の融通あるいは研修その他の育成対策を充実することによって、この問題に対応していきたいと思っているところでございます。
○北川(昌)委員 魚価が低迷する、操業費は上がる、もうけはないということで、船主、いわゆる経営体も乗組員に十分な手当が出せないという実態、これが今の漁業なんですね。したがって、そういった漁業が存続できるような体制というものが今必要なんです。そこを十分念頭に置いていただいて、今後この問題についてはお取り組みいただきたいと思います。
 次に、漁協の合併についてお尋ね申し上げたいと思います。
 今度の法案が出されておりますが、漁協の合併助成法が施行されましてから、四十二年の施行でございますので平成四年までに二十五年間を経ておりますが、その間に合併した漁協が五百三十六組合、資料からそういうふうにいただいております。現在二千七十一組合が日本列島の沿岸地域に存在しておる、こういうようなことでございますけれども、二十五年間で合併が進まなかった理由というのは何かございますでしょうか。
○川合政府委員 今御指摘ございましたように、四十二年にこの法律が制定されて以来百八十八件、五百二十六組合の合併が行われたという実績でございます。しかしながら今なお零細な漁協が数多く存在しておりまして、市町村区域に到達しないものが約八割という状況にあります。
 この原因は地域によっていろいろあろうかと思いますが、私どもが調査した結果によりますと、やはり一番大きいのは組合役員の合併に対する意欲の弱さと申しますか、意欲がないということでございまして、そのほか、組合間の漁民の感情の対立、あるいは漁業権行使についての利害の対立、あるいは財務内容の格差というようなことが指摘されております。しかしながら、私どもといたしましては、こうした問題に対する今までの意識あるいは危機感と申しますか、そういうものが必ずしも十分ではなかったのではないかというふうに思っております。
○北川(昌)委員 今御答弁のありましたように、確かにそういったような問題はあったと思います。しかし、それはまだ漁業が落ち込みをしてない時代、今まさに、先ほどから申しますような危機的な状況にあるんです。こういう中で、零細、しかも赤字を多く抱えた漁協が存在するということは、漁業の振興にとっても大きな阻害になるのです。やはりまとめて、合併を促進して、その漁協が経営体を十分指導できる、そしていろんなお世話ができる、そういう体制というものをつくることを急がなきゃならないんじゃないかと私は思いながら、あともう一つ質問いたします。
 漁協があるのは大体沿岸地域でございますね。漁協のある市町村は幾つあって、その中に漁協が幾つあるのか、そこをお聞かせいただきたいと思います。
○川合政府委員 大体の数字で申しますと、沿海市町村が一千市町村ございまして、漁協が約二千百ある、大観するとそういう状況でございます。
○北川(昌)委員 大体一市町村に二ないし三の組合ということになるようでございます。
 一行政区の中での合併というのは、いろんなことを抜きにしまして、比較的簡単にいくのではないかと思うんですけれども、合併の目標をどのように立てられておるのか、お聞かせいただきたい。
○川合政府委員 系統組織が昨年秋に基本方針を立てられました。そこでは、行く行くは一県に一漁協という目標を掲げながら、早急に一市町村に一漁協という姿に持っていきたいということを目標にいたしております。私どもも、今の状況下からすれば、そういう形で持っていくということは非常に妥当なことではないかと思っておりますので、そうした目標に向かって系統組織が努力することを応援していこうというふうに考えているところでございます。
○北川(昌)委員 一県に一つというのはなかなか難しいと思うのですね。当面、この合併法が実効あらしめるために、一市町村一つの漁協を目指して指導いただくように要望しておきたいと思います。
 それと、漁協は零細規模だとおっしゃいましたが、全体の漁協の経営実態というものはどうなんでございましょうか。
○川合政府委員 先ほど申しましたような規模でございますので、どうしてもその活動と申しますか、運営も横ばいないしはやや停滞ぎみに推移しているわけでございます。
 特に、御承知のように、漁協の場合は農協などと異なりまして、その経営の基盤は販売事業にございます。販売事業が昨今のような消費形態の中にありますと、小さな漁協の販売体制では今の流れについていけないというようなことがございまして、どうしても先細りの傾向にあるわけでございます。
 それから、一方で信用事業などの事業も営んでいるわけでございますが、これは、御承知のような自由化の流れというような中にあって、今の規模ではとても対応し切れない、一市町村一漁協というようなことでも対応が難しいわけでございますので、こちらはこちらで、一方で合併ということも考えながら、一方では事業統合というようなことを並列的に実施していくということも必要な状況になっております。
 いずれにしても、率直に申しまして、今の体制は余りにも零細過ぎるということではないかと思っております。
○北川(昌)委員 そういう零細な漁協が合併をするわけですから、今の財務状況では合併してもなかなか運営がうまくいかないというところも出てくるだろうと思います。そういった面で、合併を進めるに当たりましてどのような助成措置をお考えなのか、お伺いしたい。
○川合政府委員 私ども、今回助成法を延長していただき、ある意味では背水の陣で合併対策に対応したいと思っておりますので、新しい二十一世紀に向けた漁協の事業基盤の強化を目的といたしまして、漁協事業基盤強化総合対策事業というものを平成四年から準備しております。
 これは幾つかの柱になっておりますが、一つは、先ほど来お話を申し上げておりますけれども、財務内容の格差があったり負債を抱えたりしているということで合併が必ずしも十分進みにくい、そういうところにつきまして、利子補給の形態をとります低利融資制度をつくったりいたしておりまして、この制度はかなり画期的な制度だと私どもは思っておりますので、本年度はその対象額を三百五十億準備しておりますので、こうした資金を活用して合併を進めてまいりたいと思っております。
 それと同時に、経営基盤の強化のために、水産関係の各種事業もこの合併に向けて集中的、効率的に実施することによって合併を応援していきたいというふうに考えております。
○北川(昌)委員 合併と同時に、漁協体制の基盤を確立するためには、やはり漁協自体が命度は経営体、各漁業者に対するいろいろな指導というものが必要だと思うのです。今までの例からいきますと、漁協対漁業者、余りそういった面での指導というものがなされていない、したがって経営が放漫になっていく、こういう経過のあるところもあったわけであります。したがって、その漁協がそういう組合員、いわゆる経営体に対しての十分な経営指導もできるような体制というものが漁協の中には備わってこなければならない、こう思います。そして、そのことが漁協そのものの経営基盤を確立していく、こういうふうにつながってくると思いますので、こういった面で、合併に当たってのそういう体制というものを十分御指導いただきたいと思います。いかがでございましょうか。
○川合政府委員 私ども、漁協がその地域の漁業振興に果たす役割は非常に大きいと思っておりますし、従来からも、その地域が振興しているところには立派な漁協があるというふうに考えております。
 しかしながら、今の零細な規模の漁協では、なかなかそういう指導に取り組むという人的余裕あるいは経済的余裕もありません。したがいまして、合併を進めるに際しまして、そうした将来の計画、指導事業あるいは漁業の振興に対する取り組みの計画も十分立てまして、それに向けて県、市町村あるいは国も一体となって、そうした漁協の合併に取り組んでいくという体制をとっていくことが必要だと思っております。全国段階、県段階そして地区段階にそうした合併の取り組みの協議会あるいは組織体をつくって応援していきたいというふうに現在考えております。
○北川(昌)委員 確かに市町村の役割というものは大きいのですけれども、これまで実際言うと、私の地元の例をとりますと、近かつ協、遠かつ協と、その団体がございますね。県には確かに水産課がございます。ところが、そこをかすめて直接中央と結びついていきます。したがって、県もその内情を十分、監査に行ってもその不正を発覚できないという状況もあったと思います。とりわけ市町村では、漁業が中心の町でも水産課というのはない。一人が水産商工課とか林務水産課とかいう形で担当をして、漁港の整備とかそういった面での事務的なことはできますが、漁協の経営の実態とかあるいは漁業が今どうなっているのか十分把握していないというのがこれまでの実態だろうと私は思う。これからそれではいかない、やはり行政、市町村が十分組み込まれて漁業経営というものを安定させていくようなことは必要だと思うのです。そういった面での市町村への指導というものも、ぜひこれはお願いをしておきたいと思います。
 次に、先ほど申しましたけれども、遠洋からずっと撤退しまして今まさに沖合と沿岸漁業、そこに集中しておるわけです。そうなりますと、やはりこの資源の確保といいますか資源を守るということが今大事なときではないかと思うのですけれども、そういう中で密漁が大変横行しておる、こういうことでございます。
 きょうは水産庁もお見えになっておると思いますけれども、この密漁というのは資源の枯渇につながりますし、お互いの漁業者同士の紛争も起きる可能性も持った問題でございます。私のところの日向灘では非常に密漁が多いということで、なかなかこれもまた逃げ足も速い、巧妙で捕まらない。自警団を組織いたしましてこれをみずから守るということもおととしにはあったわけなんですけれども、この密漁取り締まりの状況とこれまでの実態というものをお聞かせいただきたいと思います。保安庁の報告によりますと、暴力団もかなりかんで、非常に悪質な密漁が行われている、こういう報告も出ているわけです。何としてもこの密漁をなくさなければならないと思うのですけれども、その実態と状況についてお聞かせいただきたいと思います。
○川合政府委員 最近の、資源を大事に管理しながら漁業を続けていく、そういう考え方に立って進めていく上で、この密漁対策というのは非常に重要だと思っております。
 なかなか具体的に密漁を定義し、その実態というものを把握するのは難しいのでございますけれども、一応沿岸地域におきます密漁の検挙などの件数を見てみますと、年間一千四百件前後、平成三年では若干減りまして千二百件程度、こういう状況でございます。
 しかしながら、最近は機材と申しますか、船あるいは無線機などもかなり高性能のものが出てきているものですから、非常に巧妙な、あるいはお触れになりましたような暴力団などによる組織化されたようなものも出てきているようでございます。私どもこうした事態は非常に憂慮をいたしておりまして、水産庁といたしましても密漁の防止対策を事業としても取り組んできております。各地でいろいろな形で取り組みは行われておりますが、やはりこの問題はいずれにいたしましても水産関係者だけではなかなか十分な対応ができませんものですから、都道府県の警察あるいは海上保安庁などとの連携を密にいたしまして、また、隣接都道府県間の連携も強めるというような形でこの密漁対策を進めてきております。
 一部私どもも、例えば密漁の監視レーダーとか監視船などにつきます助成の制度などもつくっておりまして、こうした対応に備えているところでございます。
○北川(昌)委員 これは密漁される漁船も、暴力団は別にしましてもそれぞれどこかの漁協に所属していると思うのです。したがって、そこの所属する漁協に対してのやはり徹底的な、ペナルティーとまでは言いませんが指導というものもしなければ、個人的にその船独自で動いてきて密漁する、そこの所属する漁協には全く関係ないということではいかないと思います。そういった意味で、所属する漁協への対策というものも検討すべきではないかと思いますが、その点いかがでございましょう。
○川合政府委員 この問題は、今お話しのように非常に微妙なところがないわけではございません。漁業関係者が自分のところではなくほかのところへ入っていって違反行為をするというような状況もあるわけでございます。これはまさに漁業者間のルールの、どういうふうに守るかという問題でございますので、その県の中で、それぞれの漁協の中でそういうことについてきちっと対応していくということ、それから、先ほど申しましたような隣接の都道府県間での連携というものも深めていくということが必要ではないかと思っております。系統組織内部の問題でそういうことが起こることはまことに遺憾なことでございますので、それはそれできちっと対応をしていかなければいけないと思っております。
○北川(昌)委員 そのほかの資源保護という立場で、沿岸漁場の整備に力を注いでいただかなければならないと思います。近ごろ沿岸水域の海藻が非常に少なくなっている、そのために貝類とかエビとかウニとか、こういったものが減少しているというのも報告されております。そういった藻場の造成とかあるいは魚礁さらには築いそ、こういった面に資源確保という立場でぜひ力を注いていただきたい。それとあわせて、漁港も合併をしたそこに基づくところの城になるわけでございますから、漁港の整備等もぜひ力を注いていただきたいと思いますが、簡単にお答えください。
○川合政府委員 やはりこれから周辺水域におきます資源の造成ということは、非常に大事になってまいっております。
 藻場は何と申しましても魚介類の揺りかごと言ったらよろしいでしょうか、幼稚仔の生育場として非常に良好な場所でもございますので、私どもこの藻場づくりに力を入れていきたいと思っております。それと同時に、そういうところで育った魚がさらに大きくなり、ふえていくというために魚礁あるいは培養殖場というような地域あるいは場所の整備ということも非常に大事だと思っております。藻場とか干潟の造成、それから今申しましたような魚礁の設置などということにつきまして、十分力を注ぎたいと思っております。
 同時に、それの基盤になります漁港でございますが、これも最近のつくり育てる漁業ということで、その機能も少しずつ変わってきております。今第八次の漁港計画を実施しているところでございますが、その計画にも、今先生からお話がございましたようなつくり育てる漁業に通ずるような施設の整備をつけ加えて実施してきているところでございますが、第九次が来年度から始まるわけでございますので、そうした計画づくりには、今言ったような考え方を十分取り入れて対応していきたいと思っております。
○北川(昌)委員 それから、漁協の経営基盤を根底から揺るがすこういう危険性といいますか、おそれがあるものの一つに海難、漁船の事故がございますね。
 三年ほど前、私のところの地元の勇元丸というのが大島沖で衝突されて沈没しました。この前は玄界灘で網船が沈没しました。大小足すと今非常に漁船の海難事故がふえておるというふうに聞いておりますけれども、こういった海難事故の状況、それからこれに対する防止策についてどのようにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○川合政府委員 やはり何と申しましても、海難事故というのは確かに生命そのものに関係する非常に重大な事故でございますと同時に、その経営にとってははかり知れない影響を与えるものでございます。昨今、過去に比べれば海難事故が若干減っているというふうに聞いておりますが、しかしながら、今依然としてかなり重大な事故が起こっていることも事実でございます。
 これの対策というのはなかなか難しいわけでございますが、やはり一つは、無理な操業をなるべく慎むということだろうと思っております。これも経営状況とかかわる話でございますので、つい無理をするというようなことはございますけれども、そうしたことの指導を、最近の事例などを考えまして、もう一度徹底すべきだと思っております。
 それから、起こってしまってはこれは問題の解決にはならないわけでございますが、しかしながら、保険制度というものについても、やはりこれはこれできちっと対応していかなければいけないと思っております。幸い漁船関係の保険制度は長い歴史を持って、今健全な運営をされておりますので、これを引き続き十分対応できる形で確保していかなければいけないというふうに思っております。
○北川(昌)委員 今漁業振興の一つの対策として、できるならば国際技術の協力をしたいという考え方が地方自治体にも、また漁業関係者にもあるわけでございますが、そのためにはやはり外国人の研修生を受け入れて、そこで日本の水産技術を教える、そしてまた向こうに帰って漁業振興のために頑張ってもらいたい、こういう気持ちがあるわけですけれども、この外国人研修制度に対して水産庁はどのような方針といいますか、対応を持っておられるのか、最後にお聞きしたいと思います。
○川合政府委員 我が国の水産関係の技術、あるいは経営能力と申しますか経営のいろいろな実績というものは、これは国際的にも高く評価されるべきものだと思っております。
 そういう意味で、そうした実績を発展途上国などの人々に広く均てんしていくということは必要なことでございまして、私どももこの漁業分野におきまして研修生の受け入れ、あるいはこちらから出向いての研修というようなものに従来から力を入れてきております。こうした国の段階の協力ということのほかに、地元、地元市町村あるいは地元の団体を核とした研修の受け入れということも必要になってきていると思っております。
 従来、水産関係では、こういう外国人研修の受け入れについて必ずしも今まで実績が十分でございませんでしたので、ややうまくいかない例などもあるわけでございますが、私ども、最近こうした点を関係団体からもいろいろと要請を受けておりますので、関係の省庁とも十分連携をとりながら、この適切な受け入れということについて指導し、かつ私どももいろいろな形で応援していきたいと思っております。
○北川(昌)委員 時間が来ましたので終わりたいと思いますけれども、今まで漁業の厳しい状態というもの、実態というものを申し述べてきました。ひとつこれから日本の漁業がこの苦しさから脱却して再建できるような、そういう漁業にぜひしていただきたいと思いますし、そのためには、何遍も繰り返しますが、輸入の問題あるいは適正な漁業はどうあるべきか、こういった点を十分御検討いただいて、その方針というもの、展望というものを漁民に示していただきたい、そのことが日本の漁業を守る、そして再建する道だと思うのです。
 そこで大臣、漁業大変厳しい、御苦労をいただいておりますけれども、ひとつ決意をお聞かせいただきたいと思います。
○田名部国務大臣 今委員いろいろとお話がありましたように、確かに難しい状況にあります。私も水産都市を抱えておる、八戸でありますからよく状況を把握しておるつもりでありますけれども、やはり漁業の皆さんは初期の投資、船を買うわけですから大きな投資をするわけでありまして、そのことを考えると、後継者が一体おるだろうかとかあるいは何とか後々のことを考えると一緒に購入して共同でやろうとか、いろんな創意と工夫というものを漁業も凝らしていかなければならぬということを痛切に実は感じております。
 そのためには、漁業経営というものは一体どうかということがきちっと把握できる、あるいはみずからもこうすることによってやっていけるという基本的なことをしっかりと踏まえて、私どもの支援策と相まってやっていくということが非常に大事だというふうに考えております。
 いろいろ今まで申し上げておりましたが、資源管理型の漁業をどうするか、つくり育てる漁業をどうするか、あるいはそのための漁港とか沿整、沿構、そうしたものをきちっとやりながら、基本的な方向を明らかにしながら、現在それぞれの長期計画を策定いたしておりますので、いずれにしても大事な漁村でありますから、これを守っていくための努力を今後とも続けていかなければならぬ。
 そのためには、やはり経営が安定して所得が確保される、あるいは活力のある漁村の形成をしていく。私は、都市と漁村の交流ということからいたしますと、非常に夢のある漁村あるいは漁業、そういうことは言えるんだろうと思うのです。それをうまく生かす方法、そうしたことをこれからも努力して、誇りを持って漁業にいそしみながら、そして多くの国民の憩いの場として成り立っていくような夢のある政策を展開していきたい、こう考えております。
○北川(昌)委員 御苦労さんでした。終わります。
○平沼委員長 宮地正介君。
○宮地委員 最初に、総務庁にお伺いしたいと思います。
 昨年六月二十二日に、漁業経営の近代化等に関する行政監察の結果が発表されております。この結果について、今回、水産四法が具体的に法案として改正で出てきたわけでございますが、まず、この行政監察の結果報告について重点的に御報告いただきたいと思います。
○美山説明員 先生御質問の漁業経営の近代化等に関する行政監察につきましては、昨年六月二十二日に勧告をいたしたわけでございますけれども、この監察の基本的な考え方をまず御説明いたしますと、水産物というのは我が国の国民の食生活上、動物性たんぱくの供給の面から非常に重要な機能を果たしておる、一方、我が国の漁業をめぐる環境を見ますと、外国の二百海里水域内における漁獲規制あるいは公海における操業規制等によって非常に厳しい状況にある、こういう中で、周辺水域の漁業につきましては、漁業資源の培養と合理的な漁業生産、それから漁業経営を支える漁業協同組合の経営基盤の強化が非常に重要になっておるという観点から監察をいたしたわけでございます。
 具体的に申し上げますと、一つは「つくり育てる漁業の振興」、この中に「栽培漁業の推進」あるいは「さけ・ますふ化放流事業の効果的実施」、それから大きな二つ目といたしましては「漁業生産基盤の整備」ということで、「沿岸漁場整備の効果的推進」あるいは「漁港及び漁業近代化施設等の整備の効果的推進」、それから大きな三つ目といたしましては「漁業協同組合の経営基盤の強化及び運営の適正化」、この中には「漁業協同組合の経営基盤の強化」あるいは「漁業協同組合の運営の適正化」、大きく言いましてこのような点を勧告いたしたわけでございます。
○宮地委員 具体的に、「合併助成法等により漁協合併推進が図られているが、進んでいない。」こういう勧告を出しておりますね。その漁協合併の大きな阻害要因は漁業権調整問題等にある、こういうふうに総務庁としては勧告しているわけですが、もう少し具体的に、どういう内容で、さらに、この問題について農水省に対してどのような手続で勧告されたのか、御説明いただきたいと思います。
○美山説明員 先生御指摘の「漁業協同組合の経営基盤の強化」のところでございますけれども、私どもが全国十八県等で実態を調査いたしましたところ、漁協経営の現状は非常に小規模零細で、経営基盤が非常に弱いという実態がありますとともに、従来から農水省の方で合併助成法等により漁協の合併の推進を図られてきておるのですが、なかなか進んでいないという実態がございます。
 それで、私どもは現地で、漁協合併はどういう阻害要因でなかなか進まないのかというのを、関係者の意見も含めまして調査したわけでございますけれども、この要因といたしましては、例えば財政基盤の違いあるいは漁民のいろいろな感情問題等もございますが、私どもの結果によりますと、漁業権の調整、共同漁業権が合併後どうなるのだろうかという漁民の不安感というのが一つの阻害要因になっておるという実態もございましたので、こういう点を含めまして、漁協のところにつきましては、農水省に対しまして、「漁協の各種事業が社会経済情勢の変化に対応して組合員のニーズに適ったものとなるよう、その事業展開・組織等の在り方について抜本的な見直しを行うこと。その際、漁業権調整問題が漁協合併の大きな阻害要因となっていることを踏まえ、従来の合併方式に加え、信用事業等の経済事業について事業統合を行う方式等新たな経営基盤強化方策の推進を図るとともに、漁業権調整問題の具体的解決方策についても検討すること。」こういうふうな勧告をしておるところでございます。
○宮地委員 水産庁長官、総務庁が今指摘された勧告内容の中で、漁業権調整問題が障害となって合併が進展しないことを踏まえ、従来の漁協合併以外の新たな経営基盤強化方策を推進する必要がある、この「新たな」という、ここが大変重要だと私は見ております。
 今回の法案でも、特例事項で、いわゆる漁業権の既得権というものを一応十年保証するというような形になっておりますが、水産庁としては、この総務庁の勧告を受け、具体的にどういうような新たな措置を検討され、この法案の中に盛り込んできたのか、御質問したいと思います。
○川合政府委員 私ども、先ほど御説明がございました勧告を受けまして、この漁業権問題が合併の一つの阻害要因であるという御意見のところがかなりあることを受けまして、漁業権の放棄あるいは変更手続に関する特例措置の新設を今回の合併助成法の改正に盛り込ませていただきました。
 これは、漁業権の放棄、変更の取り扱いが合併の阻害要因とならないように、合併する組合が持っております第一種共同漁業権の放棄あるいは変更の手続に関する事項を合併のときの計画の記載事項に追加いたしまして、当該事項を合併後の定款に記載しなければならないというようなことをすることによりまして、従来の、合併前の漁業権を持っている人々の権利と申しますか、意見を十分尊重して合併後も運営が行われるということを担保しようとしたところでございます。
○宮地委員 総務庁に伺いますが、漁業協同組合の運営の適正化の問題についても指摘されておりますけれども、この点について簡単に御説明いただきたいと思います。
○美山説明員 御質問の漁業協同組合の運営の適正化については何点か申し上げておりまして、一つは、「総会及び理事会の運営の適正化」ということでございますが、これにつきましては、私どもは漁協の「総会が漁協の最高意思決定機関として十分その役割を果たすよう、総会運営の適正化を図るとともに、正組合員本人の出席率の向上を図ること。」それからもう一つは、「理事会が日常の漁協運営に係る意思決定機関として適正にその役割を果たすよう、理事会運営の適正化を図ること。」等々の指摘を行っているところでございます。
○宮地委員 具体的に、実際には実施していない事業を定款に記載している漁協等が見られた。調査対象九県八十一漁協のうち、信用事業が二十二漁協、販売事業が二十八漁協。中には、設立当初から当該事業を実施していないとする漁協も見られた。
 あるいは九県四十二漁協について、総会、理事会の運営状況等を見ると不適切な事例が見られた。例えば、特別決議事項(三分の二以上の議決が必要)である漁業権行使規則の変更を過半数で議決していたとか、定款で総会の議決事項とされている他団体への出資を理事会で決定していた。
 また、資格審査を実施していない漁協が見られた。定款に定める必要漁業従事日数、九十日から百二十日を満たしていない組合員がいるが、離漁、死亡等形式的な資格審査にとどまり、実質的な資格審査未実施などがあった。
 こういう勧告をされているわけですが、具体的にこうした県や漁協の名前を挙げて、農林水産省に対して勧告をされたのかどうか、この事実関係についてお伺いしておきたいと思います。
○美山説明員 お答えいたします。
 先生おっしゃいましたような内容を勧告いたしておるわけでございますけれども、私どもの勧告は、具体的な県名なり固有名詞というのは掲げておりません。といいますのは、一つは私どもの監察調査というのは、個別の非違の摘発という趣旨ではなくて、行政運営の実態を見せていただいて、そこの全体的な運営なり制度の改善につなげるということを目的にしておるものですから、個別の県の名前とか市町村の名前とか、そういうものを掲げて農水省に通知はいたしておりません。
○宮地委員 水産庁は、こうした漁業協同組合の運営の適正化の問題について勧告を受けて、総務庁としては具体的な県とか漁協の名前を挙げるのは差し控えている、こういうことですが、例えば全漁連等に対して、こうした勧告を受けてどういうような適正化について御努力いただくように要請をされたのか、あるいは今回の法案の中で、こうした適正化の問題について具体的にどのように反映をされたのか、この二点についてお伺いをしておきたいと思います。
○川合政府委員 今御指摘がありましたような指摘につきまして、私どもは早速その是正方を県それから系統組織を通じて図っております。
 今お話しのような、例えば定款に実施していない事業を記載している漁協に対しまして、これは具体的には総務庁のお話のように、私ども固有名詞でいただいてはおりませんけれども、そうした点について定款の変更手続をとらせることをいたしました。また、先ほどちょっとお触れになりました資格審査の点につきましても、資格審査委員会を設置するなどによりまして、厳正な資格審査を実施するように、これは都道府県を通じて指導をいたしたところでございます。
 それから、今回の改正につきましては、特に理事会の運営ということにつきまして、理事会制の法定化あるいは代表理事制の導入、それから員外理事枠の拡大などの規定の整備を行うこととして、現在お願いしているところでございます。
○宮地委員 水産庁長官に私お願いを申し上げたいのは、やはり今回の法案の審議の中でもいろいろ議論されてまいりましたが、やはり漁協の規模が非常に中小、零細の規模である、また、今後の日本の水産業の中で、漁協のいわゆる経営面における大変厳しい状況、こういうものがあるわけですね。そういうものについて、これから改善をして水産業の活性化、二十一世紀に向けての発展、これをいかにするかというのが今回の法律案の基本の哲学でなければならない、こう思っているのです。
 しかし、やはり正すべきことはこれはしっかり正していかないと、国民の信頼と負託の中で反映をさせていかなければいかぬ、そういう点でやはり総務庁の昨年六月の勧告というものは、きちっと精査して厳正に受けとめて、今後の活性化、発展の重要な勧告として受けとめていかなくてはならない、また、そこがあってこそ国民の信頼をから得るし、またそうした漁村なり漁業組合なりあるいは漁業を営んでいる人たちに対する国の助成措置も思い切ってできる、こう思っているのです。
 そういう点について、やはり水産庁としても、今後この勧告を厳正に受けとめ、今後の活性化に生かしていくべきである、こう思っておりますが、長官としての御決意と今後の対応について確認をしておきたいと思います。
○川合政府委員 先生御指摘のように、ここに行政監察として出されている点は、私ども十分拳々服膺して対応していかなければいけない点だと思っております。
 私どもも、従来からこうした方向で進むべきものと考えていることと大略方向は同じでございますし、私どもがこれから対応していかなければいけないと考えていた点も多々あるわけでございます。今回の法律改正で、すべて対応したということにはもちろんなりませんし、これからの対応ということがさらに重要だと思っておりますので、この報告に基づきまして、また先生が今御指摘の点を十分踏まえまして、今後遺憾なきを期してまいりたいと思っております。
○宮地委員 そういう中で、私は少し具体的に、日韓漁業問題についてもお伺いをしてまいりたい、こう思っているのです。
 これから、資源管理型漁業あるいはつくり育てる漁業、こういうことで日本の漁業の方向性というものを今政府が示しているわけであります。そういう中で、特に沿岸漁業の中で、日本と韓国との間で自主規制の区域を取り決めておりながら、この二百海里問題が出てまいりまして、日本の自主規制区域に韓国の違反操業が非常にふえてきた。我々日本政府としては、資源管理型漁業というものを推進していこうということで、資源を守ろう、保全していこう、こういうことで一生懸命漁民の皆さんにも御協力をいただきながら、新しい日本の漁業の活性化を目指しておる。しかし、韓国漁船がこの自主規制区域に入り込んできて、底びきの大きな漁のやり方でごそっと資源を持っていってしまう。
 ところが、同じ旗のもとで指導監督するというこの旗国主義が日本の提案で行われましたが、今、逆にこれがある意味ではなかなか韓国当局に届かない。厳しい。私はまさに、沿岸漁業をこれから活性化し、資源型漁業を推進する上において、こうした韓国漁船の違法行為については、政府としても積極的に韓国政府に物申していかなければならない、こう考えております。
 この問題について、水産庁長官も、ことし三月六日に水産庁長官会議等に出られて、直接韓国政府ともいろいろと話し合いをされたと伺っておりますが、この点については前進は見られたのかどうか、今政府はどういう対応をされているのか、今後の見通しはどうなのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
○川合政府委員 お話しのように、日韓の漁業関係につきましては、日韓の漁業協定、これは御承知のように昭和四十年に締結されたわけでございますが、それを基本として、その後両国の周辺水域におきます操業問題、これはまさに先生おっしゃったような韓国漁船の日本周辺での操業違反というようなことが端緒になっているわけでございますが、昭和五十五年以降自主規制措置を取り決め、双方で実施しているということでございます。
 しかしながら、今御指摘のように、この自主規制措置を決めた後も、我が国周辺水域におきます韓国漁船の違反は後を絶たないわけでございます。物によっては悪質化しているというような例もあるわけでございます。現在の自主規制は平成四年三月から新たに実施されているわけでございますが、この新たな自主規制実施直後の昨年六月あるいは七月などにおきましても、かなり悪質な違反があったわけでございます。また、年が明けましてことしの一月、二月にも、そうした例が見られているわけでございます。
 私どもは、両国間で幾つかの段階での会議を定期的に持つことになっておりまして、その一つが、先生お触れになりました三月の会合でございますけれども、そうした中でその都度違反につきましての是正を求めるとともに、韓国政府の取り締まり船の派遣あるいは連携巡視あるいは共同乗船などの取り締まりの強化、これが今回の自主規制の中に盛られておりますので、これの履行を求めております。
 韓国政府はかなりの程度取り締まりを強化してもらっておりますが、ただ、どうしてもその取り締まり船がいないところで違反が続くというのが実情でございます。私ども非常にこの点なかなか是正が図られないということで苦慮しているところでございますが、やはり何と申しましても、強く何度も申し入れ、その是正方を図るということが必要だと思っておりますので、あらゆる機会をとらえてそうした形でやっているところでございます。
 なお、新たな自主規制を平成七年から実施することになっておりまして、それの見直しの話し合いが来年一月から始まります。これに向けて私どもはどういうふうに今後対応すべきか、関係の皆様方と現在協議を開始しているところでございます。
○宮地委員 基本的な解決の重要なポイントは、二百海里の全面的な適用の問題であろうと思うのですね。これをいかに速やかに実現するか。しかし、この問題の実現の前に、当面する暫定措置といいますか、そういうものとして今検討されておるのがいわゆる資源管理水域、仮称でございますがこの制度、こう言われておりますが、この点については政府としてはどのように今検討されておるのか、お伺いしておきたいと思います。
○川合政府委員 両国間の水域は共通のお互いの財産とでも申しますか、そういう資源水域であるわけでございますので、そこを適正に管理し利用するということは、両国の国益にも沿うことでございます。
 そういうところから、共通の管理水域という考え方は従来からもございまして、この考え方にのっとっていろいろな議論も過去にも行われてきているわけでございます。現在、我が国の民間の団体におきまして、次善の策といたしまして、この共通管理水域の設定という考え方が出てきております。この考え方に基づきまして、両国の民間間での話し合いも持たれております。
 私どもは、この考え方は決して否定すべきものではないと思っておりますし、長い経過の中で出てきた案でもございますので、これも今後の対応の一つの案として、私どもも含めまして、総合的にいろいろと検討していきたいと思っております。
○宮地委員 そうすると、現行の共同規制水域、韓国周辺の海に設定しているようでございますが、おおむね四十海里、こう聞いておるのですが、これとの関係はどうなるのか。やはり両国間の協議に基づきまして、領海の外に資源の保護管理、操業秩序の維持のために管理措置を講じる必要があるのではないか。そういう意味合いのいわゆる資源管理水域を設定すべきではないか、こう思っているわけですが、この点との違い、この辺をどういうふうに今考え、政府としては新たな、私が今申し上げたような資源管理水域、仮称でございますが、そうした方向に向けて検討されているのか、この点について確認しておきたいと思います。
○川合政府委員 この考え方は従来からあるわけでございますが、やはりその基本になりますのは現在の日韓漁業協定でございます。これとのかかわりをどうするかという問題があるわけでございまして、そうした中で、こうした案は一つの案として出されているわけでございますが、両国間でこうした案について検討しようというような機運が必ずしもあるわけでもございません。
 先生、今御指摘のような点は幾つかあろうかと思いますが、私どもそれについて今言及する段階にございませんし、それについて私どもがコメントするのは適当ではないと思っておりますので、御容赦をいただきたいと思っております。
○宮地委員 さらに、この操業条件ですね。現行では我が国周辺水域における両国漁船の操業条件には格差がある。我々は新たな資源管理水域については、資源の保護、相手国操業条件の遵守、相互入漁を前提として、両国の協議に基づいて操業条件を定めていくべきではないか、こういう感じがしているんですが、この操業条件については今後どういうふうに考えておられるのか、お伺いしておきたいと思います。
○川合政府委員 先生のおっしゃるような考え方というのは当然あり得ると思うのでございますが、現在の枠組みを前提とすると今のようなお話はなかなか出てこないわけでございまして、今後のお話し合いの中でどういうふうに展開するかということもございますけれども、私どもは現在では、今の案についてコメントする用意がないわけでございます。
○宮地委員 もう一つの重要なことは、いわゆる取り締まり権の問題だと思うのです。現在は、先ほど申し上げたように旗国主義、これは日本政府側から提案をしたものでありますが、これがかえって今大変大きなネックになっておる。両国で合意された規制の遵守を担保するためには両国が取り締まり権を持つものである、これはもう基本的にはそうであろうと思うのです。北太平洋の公海漁業の国際条約などでは、公海での取り締まり権については、臨検、拿捕権はすべての締約国が、裁判権は旗国のみが行使する仕組み、こうなっているわけですね。
 この取り締まり権についても、新しい二百海里時代に来て、日本が提案した旗国主義とはいえ、やはり今後見直しをしていく、今そういう時期に来ているんではないか、こう思っておりますが、この点については、韓国政府としては当然、日本が提案したものを今さら何だ、こういう考えもあろうと思いますが、時代は生き物ですから動いているわけですね。やはりその時代その時代の適切な対応というものが当然求められてくると思いますが、この取り締まり権の問題についてはどういうふうに対応されておるのか。今後、この旗国主義を見直すように努力されているのか、また努力しようとしているのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
○川合政府委員 この点につきましても、まさに日韓漁業協定の基本の部分に触れる問題でございます。
 この問題につきましては、私どもは、確かに歴史的経過として今先生がお触れになったような、我が国が主張したという点はございますが、最近におきます国際情勢の変化を踏まえましてこの見直しを主張しているわけでございます。
 これは昨年取り決められました自主規制の際にも、私どもはその交渉におきましてはこの主張を続けたわけでございますが、残念ながら受け入れられるところまで行っていないということでございますので、この点については我々は今後とも主張していきたいと思っているところでございます。
○宮地委員 具体的に、豊かな漁場のある例えば竹島を中心とした水域ですね。ここは昔から領土問題等を含めまして大変に日韓の意見の違うところでございますが、例えばこの辺の地域について資源を守る、保存する。また、二百海里問題の中で、今申し上げたような漁業の管理水域に設定をしていく。そして日本も韓国もお互いにここはしっかりと資源を守って保存していく、こういうようなことについては検討されているのか。また、こうした問題が日韓の協議の中でテーマとして上ってきたことがあるのか、この点はいかがでしょう。
○川合政府委員 私どもは、この問題につきましては竹島周辺におきます日本漁船の安全操業問題という観点から、かねてから外交ルートを通じて安全操業確保のための努力を重ねてきております。今後とも現実的に、関係漁民の利益を確保するという見地からさらに努力していかなければいけないと思っております。
 ただ、領有権にかかわるという事柄の性格上、外交ルートを中心に努力していくべきだというふうに考えておりまして、この点については外務省とも、従来とも十分連絡をとりながら対処してきているところでございます。
○宮地委員 きのう、きょうとソウルで日韓の漁業共同会議が、第二十七回と聞いておりますが行われておりますが、ここでは今どういうことが議論されているんでしょうか。今私が申し上げたような日韓問題の懸案事項について議論されているのかどうか、政府としてはどういう取り決めをされているのか、この点についてお伺いしておきたい。
○川合政府委員 今回の会議で、私どもの次長が参っておりますが、ここでは当然のことながら、先ほど来先生お触れの違反問題、言いかえますと、自主取り決めにつきます履行状況について双方の考え方、そしてこちらからの主張というものをやっております。
 私どもといたしましては、今の自主規制が必ずしも十分に守られていないということを、今回の会議でもその主要なテーマとして取り上げるべく今対応しているところでございます。
○宮地委員 農林水産大臣、この問題はこれからの日本の漁業の発展、活性化のためにクリアしなければならない非常に重要な課題であろう、私はこう思うのです。二百海里時代が来た、そして特に日本と韓国との漁業協定が結ばれ、日本の自主規制区域が設定された。しかし、日本が提案した旗国主義が一つのあだになっているかのように、韓国の違反操業が大変に多発をしている。大体一千件を超えているわけですね。会議でいろいろ強く要請するとまた極端に減るという過去の現象もあるわけです。何か大きく物申したら、大きい声を出すとこの数が減って、ほうっておくとまた数がふえてくる、こういうようなことはやはり不条理だと思うのです。
 日本と韓国との間は友好関係も今大変に深まってきておりますし、特に日韓議連などもできまして、経済問題等を中心として両国の関係は非常にいいと私は思うのです。金泳三新大統領も誕生いたしまして、この機会に農水大臣も、日韓問題は今水産庁長官から御報告ありましたように、大変重要な漁業に対しての懸案問題があるわけですから、一度時期を見て金泳三大統領などにもお会いしていただいて、日韓問題の突破口を切り開くのは政治家だ、また農水大臣だと私は思うのです。我々も日韓議連のメンバーの一人として今後汗をかきたいと思っておりますが、これだけの重要な課題をまさか水産庁長官に任せ切りにしているとは私は思いませんが、新大統領誕生を機に、大臣みずから汗をかいて切り開いていく御決意があるかどうか、この辺確認しておきたいと思います。
○田名部国務大臣 私も、これは長いことかかわってきたものですからいつも気になる事項でありまして、機会あれば一度訪問して話し合いたいと思っております。ただ、おっしゃるとおり政治的に解決しないと難しい問題ではあります。
 そのため、委員おっしゃったように、私ども日韓議連を通じて経済委員会でこれは随分とやりました。この議連の方にだけお願いするわけでもないわけでありますから、しかるべきときにお会いして話をしてみたい、こう思っております。ただ、事務レベルで相当詰まりませんと、お会いしても、よく事務的に相談して、こういうことになるものですから、やはり下の段階でも相当ぎりぎりの詰めをやる。
 おっしゃるとおり、なかなか過去のことがあって難しい問題もありますけれども、ただ、漁業資源は悪くなっているということは韓国もわかっているのです。ですから、後世にも残す大事な資源であるから、資源の問題でまた一生懸命取り組みをしていることも事実でありまして、なかなかこれにも乗ってこないということで本当に苦慮をいたしておりますけれども、いずれ機会を見て私も交渉に当たりたい、こう考えております。
○宮地委員 ぜひ大臣が先頭を切って汗をかいていただきたい、このように要望しておきたいと思います。
 そこで、次のテーマに参りますが、ロシアの核廃棄物の海洋投棄の問題につきましてお伺いしていきたいと思います。
 まず、外務省に伺いますが、今回のロシア政府が発表いたしました白書、この背景と内容について御報告をいただきたいと思います。
○岸野説明員 お答え申し上げます。
 四月二日に、今問題となっております海洋投棄を調査してきましたロシアの政府委員会がプレスブリーフを行い、白書という形でこの海洋投棄の調査結果を発表いたしました。
 白書自体は大部にわたるものですが、まとめれば四点に整理できると思います。
 第一点目は、ロシアは一九五九年から九二年までの間、バレンツ海等の北部海域それからオホーツク海、日本海それから太平洋公海において、放射線総量で一万二千三百キュリーの液体廃棄物、それから六千二百キュリーの固体放射性廃棄物の投棄を行ってきた、これが第一点でございます。
 第二点目は、核燃料を抜いた後の原子炉三基が極東海域に投棄された、しかしながら、沈められた原子炉の放射線レベルについては、現在正確には把握されていない。したがって、白書に掲げられているデータについては、将来再確認する必要があるということでございます。
 第三点目は、ソ連時代から存在し現在もロシアで有効である海洋投棄に関する国内法規は、ロンドン条約等の国際条約に矛盾している、これが第三点目でございます。
 第四点目は、この海洋投棄は、沿岸貯蔵施設それから処理企業が存在しないような現在の状況では即時に停止することはできない、これが第四点目の内容でございます。
 背景でございますが、エリツィン政権のもとで、従来行われてきました廃棄物の処理について全面的に調査をして、それを明るみに出そうということで調査が行われたようでございます。
○宮地委員 一つは、この白書の出された背景ですね。私は、これも重要な問題であろうと思う。一つは、やはり大韓航空機のああした事件のデータがさきに発表された、あのときも大変ショッキングな発表ということで旧ソ連時代には考えられないことである、こういうことで我々もびっくりしたわけですが、今回の原子炉、核廃棄物の海洋投棄、日本海にも、我々の能登半島北上、ウラジオストク三百キロ南地点に二基投棄された。三千メーターの深さとはいえ、これは大変なものです。核燃料は抜いてあるといいますが、事実関係はまだ調べないとわからない。北極海においても相当な数が捨てられて、ここは核燃料が入ったままのものも捨てられておる。これは大変ショッキングな白書の発表ですね。
 エリツィン大統領の時代になって、こうしたショッキングなデータの公表が続いているわけです。やはりこの背景の分析も、外務省として、今後の対ロシア支援の問題もありますので、的確に分析をする必要があると私は思うのです。この点については、今どういうふうに検討されておるのか、お伺いしておきたいと思います。
○岸野説明員 背景について補足説明申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、過去行われてきた廃棄物投棄といった行動をもう一度見直してそれを明るみに出す、これは、言ってみれば旧ソ連邦時代の秘密主義からの脱却、そういう意味合いを持つものだろうというふうに考えております。
 そこで、取り組みでございますが、私どもといたしましては、まず実態の解明ということが第一であろうというふうに考えております。この点につきましては、本年当初より再三にわたりロシア側に対し、どこにどれだけのものがどういうふうに投棄されたかということについて詳細を承知したいということで、データの公開等を求めてきたわけでございます。それから同時に、これについて、このような海洋投棄が即時停止されるようにということも申し入れてきたわけでございます。
 そのような背景のもとで、四月二日に白書という形で発表があったわけでございますが、私どもといたしましては、今後とも引き続き実態の解明に努めるとともに、また善後策についても検討を続けていきたいというふうに思っております。
○宮地委員 きょうは課長さんの担当でないところもあるので、また新外務大臣との機会があれば御質問したいと思いますが、やはり今いみじくもあなたが、秘密主義、旧ソ連時代の秘密主義のベールがはがされた一つの端的な実例である、まさに今のエリツィン大統領とソ連の旧保守派と言われる方々の内部の葛藤というものが浮き彫りにされた一つの問題であろうと思うのですね。この今後の日本政府がロシア支援をしていく中において、この問題は決しておろそかにできない重要なテーマであるということで、さらに外務省の適切な分析、そして適切な対日支援に対する対応についてもお願いしておきたい。
 もう一つの大きな問題は、今回外務省が四月二日に、白書が発表された、そして数時間後に枝村大使がコーズィレフ外相に抗議を申し出た。私たち大変スピーディーな措置としては評価したいと思う。しかし私が得た情報では、それ以前にグリーンピースにこの資料が流れていた。また、日本国内においてもNHKを中心にして大変早い時期から報道されました。グリーンピースにこの白書が公式発表前に流れたという事実も、これは大変重要な課題である。
 この点について、外務省としては事実関係を把握しているかどうか、またこうしたことについてはどういうふうに考えておられるか、お伺いしておきたいと思います。
○岸野説明員 お答え申し上げます。
 白書は四月二日に発表されたわけでございますが、私どもはその日のうちに白書を入手したわけでございます。他方、その前に民間団体が白書を入手したという報道も流れていたわけでございますが、これについて、ロシアの政府委員会は二日以前の白書提供の事実については明確に否定しております。したがって、いかなるルートで入手したかについては、私どもよく存じません。
○宮地委員 これも先ほどの背景と相関関係はないとは言えないというふうに私なりに判断をしております。こうしたロシア政府の対応というものについても、我々は大変理解に苦しむところもあるわけですね。そういう点も、外交でございますからやはりどうか的確に情報を入手し、分析をし、今後の対応というものはやっていくべきである、この点だけは押さえておきたいと私は思います。
 時間もありませんから、そこで、四月の二日に厳重抗議を枝村大使がされた。コーズィレフ外相も四月十二日には来日ということが検討されているようです。そしてこの四月十四日、十五日には先進七カ国の外相・蔵相会議が行われる。新外務大臣出席されますので、コーズィレフ外相に対して、四月二日に抗議をされた。そして十二日たつのですね、抗議をしてから十二日。この十四、十五日の外相・蔵相会議において、まず政府としてこの問題を取り上げ、ロシア政府としてこの十二日間どういう対応をしてきたか。先ほどの御報告のように、今後も継続して海洋投棄をする、即時停止はできない、これが四項目目に入っているのですね。これはもう大変な問題なんです。今後も日本海に海洋投棄されたのでは、今はまだ被害は出ておりませんが、これはまさに今後漁業に対する影響だって心配なんです。それだけでなくて日本国民の健康と生命にも及ぶ重大な問題ですね。
 この十四日、十五日のG7で政府として、この十二日間どういうふうにロシア政府が対応してきたか、一説によればエリツィン大統領の大統領令によって何らかの措置をする、こういう情報も流れておりますが、この点について外務省としてはどういう対応をされようとしているか、お伺いしておきたいと思います。
○岸野説明員 お答え申し上げます。
 この海洋投棄の問題は、海洋環境の保全それから原子力安全といった観点から、外務省としても極めて重視しております。また、投棄の場所が日本の近海であるということから、特別な関心を持ってフォローをしてきております。
 そこで、今後コズイレフ外相の訪日あるいは十四、十五日のG7閣僚会議をにらんでどう対応していくかということでございますが、私どもとしては、まず実態の解明、それからロシアが今後海洋投棄を続けることのないよう申し入れていくこと、それから、より中長期的な視点からの対応策の検討といったことを今議論しているところでございます。
 そこで、具体的にどういう言い方をするのか、あるいはどういうふうに取り上げていくのかについては、まだ政府部内で検討中の段階でございますので、具体的なコメントは控えたいと思います。
○宮地委員 きょうは科学技術庁と通産省も来ていると思いますので、今後日本政府として対日支援の中で、一つは経済協力の問題がある、もう一つは技術協力の問題であろう、こう思うんですね。その中でできることとできないこと、当然あるわけでございますが、先ほどの報告の中にあるように、ロシアには沿岸貯蔵所とか再処理企業が存在してない、こういう状態なんですね。日本には六ケ所村で再処理の工場とか、問題等があるのですが、まず科学技術庁は、技術協力として何ができるか、また通産省、再処理企業がないこうした実態の中で、日本の企業としてどうした協力ができるのか、この点について両省からお伺いしておきたいと思います。
○白尾説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘の再処理施設がある、ないにつきましては別途御答弁があるかとは思いますが、先生御指摘のとおり、本件につきましては大変重大な関心を持って科学技術庁としても取り組んでいきたい、かように考えておりますが、海洋投棄されました廃棄物、放射性物質の汚染の現状の把握とか汚染の拡大を防止するといったことにつきましては、基本的にはロシア側が十分責任を持って実施すべき問題、こういうふうに基本的に思っております。したがって、詳細な情報の提供とか、あるいはそもそも汚染を拡大しないようにいろいろ防止策を講ずるよう、これからもロシア側には強く要請していくことが基本的に重要と思っております。
 しかし、ただいま先生御指摘になりましたように、投棄場所が日本に近い、近海ということもございまして、私ども科技庁といたしましても、ロシア側が実施する海洋放射能調査等について、可能な限り、技術協力ができるかどうか、あるいは今後海洋投棄が行われざるを得ないという事情がどうも参酌されるところもございますので、そのもとでございます陸上におきます放射性廃棄物処理処分設備、これにつきまして何らかの協力ができるのかできないのか、こういった協力の可能性、さらに具体的な協力のあり方をどう進めていくか、こういうことについて、ただいま検討を行っているところでございます。
 いずれにしましても、捨てられた放射性廃棄物の性質等々、我々としてはまず詳細な実態を十分把握したい。その上で、陸上の施設のことを言及いたしましたが、そもそも本件にかかわる放射性廃棄物の管理の状況はどうなっておるか、こういうこともまず十分情報を集めて詳細に分析をした上で、我が国が行い得る技術協力あるいは支援の方策を積極的に検討を進めていく。また、来週のG7の対応につきましては、私どもこういった内部の検討を進めておるものの、対外的な取りまとめにつきましては、外務省とよく相談の上取り組んでいくべきものと考えております。
 以上でございます。
○細谷説明員 通産省の原子力産業課長でございます。
 私ども通産省といたしましても、原子力発電を中心といたしまして、原子力の開発利用及び規制を担当いたしておりまして、原子力を何とか進めていきたいという観点から、本件に対しましても非常に重大な関心を持っておるところでございます。
 こういったことから、関係省庁と今後の取り組みについて現在鋭意協議をさせていただいておるところでございまして、協力策を含めた今後の取り組みにつきまして、引き続き外務省、科技庁等々と連携をとって対処してまいりたいと考えている次第でございます。
○宮地委員 農林水産大臣、今回の十四、十五の東京会議はロシア支援のためのG7なのです。これはやはり政府としても、対ロシア支援をするに当たって今回の核廃棄物の海洋投棄問題というものは大変重要な問題です。特に水産庁を抱えている農水省におかれましても、今後日本海における漁業に与える影響が出てきたら、これは大変な問題なのですね。もし三千メーター下の鉛の中の原子炉から放射性物質の漏れが出たとしたら大変な汚染になる、こう言われているわけです。
 特に、昨日ヤブロコフ大統領顧問、環境・保健担当者のようですが、現在でも極東地域では液体廃棄物の投棄が続けられ、投棄を中止する計画はない、こういうふうに語っておるわけですね。それも放射能値については百キュリー、約三兆七千億ベクレル、エリツィン大統領としても、その対策として液体廃棄物の集積施設の設置をする大統領令の発布を検討している、こういうようなことも言われておるわけでございます。
 しかし、まだロシアの海軍は六十隻以上原潜を保有している、こう言われているわけですから、その措置に今大変困っている、こういうことで、どんどんこれからも海洋投棄が続けられては、これはまさに日本海は大変な危険水域になるわけで、また、それは日本海で魚をとる漁民にとっても大変な不安であるし、今後汚染の状況というものがもし出たら、これは魚は一遍で食べられない、また売れない、日本海の漁民は絶滅するのではないか、こういう重大な問題も抱えているわけでございます。
 今、科学技術庁等は事実関係を詳細に調査する、こう言っておりますが、政府としてはロシア支援を目的とした東京会議は絶好のチャンスだ。農林水産大臣も政府の要人の一人ですから、宮澤総理に督促をしていただいて、新外務大臣には全権大使というくらいの気合いで、この東京会議でロシア政府に、海洋投棄を即時中止する、それをやらなければ、対日支援について先進七カ国としても地球環境保全の立場からもう考え直さざるを得ないぐらいの強い姿勢が必要だ。
 また、エリツィン大統領も七月には来日をされるわけですから、この際には宮澤総理から当然物申していただきますが、まず水産関係の、漁業の安全確保、漁民を守る、こういう立場のリーダーである農林水産大臣、この十四、十五の東京会議に対する政府の対応について、宮澤総理、外務大臣に対し、どうか直接強く要請をして対応されんことを望みますが、大臣の御決意を篤とお伺いしたい、こう思います。いかがでしょうか。
○田名部国務大臣 おっしゃるとおり大変な問題でありますので、私から総理、外務大臣に強く要請いたします。
○宮地委員 それでは、次にまいりたいと思います。時間も迫ってまいりましたので、少し具体的な問題についてお伺いをしておきたいと思います。
 最近、北海道の北見、サロマ湖のホタテの養殖、カキの養殖が流氷によって大変な被害を受けておる、こういうふうに現地から報告を受けております。一昨年、平成三年には約二億一千七百万の被害、昭和四十九年には二十二億七千万の被害が出ておりまして、今回も平成三年度並みになるのではないか。まだ被害状況は調査中のようでございますが、これに対して農水省としては、現段階においてどういう対応をされておるのか、この点について御報告いただきたいと思います。
○川合政府委員 今お話しのサロマ湖でございますが、ここではホタテやカキの養殖を行っております。湖の中で養殖した稚貝を外海の前浜で放流して収穫するということをやっております。このサロマ湖の入り口のところ、二カ所ばかりあいたところがございまして、そこから流氷群が入ってくるということによる被害でございます。
 本年の状況につきましては、二月十日以降流氷群が入ってまいりまして湖面を覆ってしまいまして、ホタテの養殖とかカキの養殖などはそれを予測しましてかなりの深さのところまで沈めてはおりますが、流氷によりまして、その上の部分が被害を受けるというようなことでございます。今先生の御指摘のように、四月下旬にならないと施設を浮上させることができないものですから、被害状況を把握するのはそのころになるということでございます。
 この問題につきましては、私どもは基本的に防水対策を進めなければいけないと思っております。二つの湖の口、特に第一の方が広いわけでございまして、ここから入ってくることをどうやって防止するかということでございまして。外側に防水堤を設置し、これを六十二年度からは漁港事業で実施してきております。第二の方につきましては、水深が浅いというようなことから、こちらは被害が少ないことと、まだ入り口が狭いということで、これは別の方式で何らかの防水施設をつくることができないかということを考えております。
 現在、北海道開発局と道庁で検討が進められていると聞いておりますので、私どもその状況を聞きまして、水産庁としても適切な措置を講じていかなければいけないと思っております。
○宮地委員 今長官おっしゃいますように、このサロマ湖のホタテガイの養殖あるいはカキの養殖、これは、第一湖口、ここは幅が二百五十メーター、深さが二十七メーター、こういうことで、昭和の初期にできたようでございますが、ここは今西サイドに、漂砂、砂の流れ込みを防ぐために防波堤をつくっているということで、これが結果として流氷の入り込む一つの防波堤にもなれば一挙両得で非常にいいかな。ただ、第二湖口の方は幅が五十メーター、深さ五メーターということで、ここは今ワイヤーロープ式を検討しているようなのですね。
 いずれにしてもこの二つの第一、第二の湖の口があいていますから、特に最近は温暖化現象、これによって湖の氷がだんだん緩んでまいりまして外から入ってくる。今までは凍っていましたから入ってこようにも入ってこれなかった。ところが、これが緩んできましたために、二つの湖の口から入ってきておる。まさにこれは自然災害だと私は思うのですね。
 流氷が流れ込んだことについての認識として、いわゆる天災なんだ、自然災害なんだ、まずこういう認識できちっと国としての助成が必要だ、こう私は思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
○川合政府委員 この点については、状況は今先生まさにお話しのように、結氷していた時期には。確かに氷は入ってこなかったということでございます。最近の暖冬の影響が出ていると思っております。
 私どもといたしましては、自然災害と申しますか、災害であることには変わりございませんので、そうした対応を考えております。実際の被害は年によって違いますけれども、やはり被害が生じておりますので、今、先ほど申しましたような基本的な対策をなるべく早く講ずべく道庁も開発局も検討をしていただいておりますので、私どもも積極的にそれに対応していきたいと思っております。
○宮地委員 問題は、漁具共済に加入している方の場合はそれなりの共済によって救済される、ところが、漁具共済に加入されている方は非常に少ないようですね、実際は。まさか流氷が入ってくるなんということは、今までは結氷ですから、今おっしゃったように、まさか暖冬異変だとかそういうもので結氷していた氷が解けちゃって、外から大きな流氷が入ってくるなんということは考えておりませんから、養殖漁民はみんな漁具共済にほとんど入っていないようです。ですから、まずまともに漁具がやられますと自己負担、救済措置なし。そういうことで、今度は金融の低利でやると四・四%。
 私が得た現地からの報告によりますと、大体三百万から五百万ぐらい今回やられている漁民が非常に多いようです。これはやはり、漁民の所得の中から三百万とか五百万というのは大変大きな比重でございますので、今長官が自然災害である、こう認めておるわけですから、こうした漁民の方に国として何らかの救済措置、これは考えてあげるべきである。今後やはりこうした暖冬異変、温暖化現象というものが続いていきますれば、当然今後ともこうした流氷がサロマ湖に入ってくることは十分考えられるわけですから、根本的な対策もあわせて講ずるべきである、こういうふうに私は思っておりますが、長官、この点について御確認をしておきたいと思います。
○川合政府委員 基本的な対策といたしまして、先ほど申しましたような防水施設というものを整備していかなければいけないと思っております。それと同時に、災害ということでございますので、公庫融資、今先生お触れになった資金がございます。これの円滑な融資については私どもも図っていかなければいけないというふうに現在考えているところでございます。
 それから共済については、先生御指摘のとおり、共済に入っている人がいないということでございます。これもお入りいただくということも一つの方法ですし、私どもも奨励したいと思っております。そうした方法で、この対策に対応してまいりたいと思っているところでございます。
○宮地委員 最後に農林水産大臣、今のサロマ湖の問題、これはいわゆる地球温暖化現象の中で起きてきた新しい漁業の被害でございます。このサロマ湖の養殖についても、こうした温暖化現象によって新たな被害が出ておるわけでございますので、恐らくこれからは流氷がどんどん入ってくるということであれば、長官がおっしゃるように、啓蒙していただければ漁具共済等も恐らく加入者はふえてくると思いますが、今まで結氷していて、温暖化現象などまさか想像もできなかったことが起きて、それによって大変な被害を漁民が受けているわけでございます。政府としても特段の助成措置をして救済をしていただきたい、私はこう思いますが、大臣の決意を伺って、終わりたいと思います。
○田名部国務大臣 実態をよく調べ、現地の状況等を見まして適切に対応したいと思います。
 共済のお話も今お話しになっておりましたが、いずれにしても、四十九年に被害が発生して後は少ないようでありますが、やはりある制度は利用していただきながら、我々もまた十分な対応をしていくということでこれからもやっていきたい、こう考えております。
○宮地委員 終わります。ありがとうございました。
○平沼委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 私は、魚の消費拡大を大変強く願っています。水産庁も同じように魚の消費拡大を願っていらっしゃるだろうと思います。しかし、魚屋さんならともかく、特にスーパーなどに参りますと、それが輸入品なのか国産品なのかさっぱりわからない。水産物が輸入品なのかそれとも国産品なのかわからないというのは、これはもう消費者にとっては大変な不満であります。スーパーなどの量販店においては輸入品表示と原産国表示を義務づけるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○川合政府委員 魚の表示につきましては、一部の水産加工品につきましてはJASなどが適用されております。輸入水産物を含めた鮮魚について産地などの表示をどうするかということにつきましては、これは先生御承知のとおりでございますが、なかなか難しい問題がございまして、産地といいましても水揚げ他あるいはとれた場所などいろいろございます。輸入品の産地につきましても、現実に適用すると、これまだかなり難しい問題がございます。
 私どもは、現在、この問題につきまして消費者の方々それから関係業界というところとお話し合いを進めて、どういうことができるかということについて検討しているところでございます。
○藤田(ス)委員 その検討は、もう平成三年、四年、そしてことしも進められるというふうに私は知っておりますが、いつまで待てば結論が出るのかという点では本当にじりじりしているわけです。一体、今年度検討の結論が出て、その方向でいくわけですか。
○川合政府委員 やはりこれは流通のそれぞれに携わる方、それから例えば輸入品でありますと輸入業者、さらには輸入先の御協力もいただかないとなかなかできないことがございます。
 私どもは、試行的に何らかの形で取り組みたいと思って今検討を行っておりますけれども、今のところいつごろからそれを始めるということまで熟度が来ているというふうには思っておりませんので、どの程度のことからまず始め得るかということで今検討しているところでございます。
○藤田(ス)委員 これ以上やりとりしてもおっしゃらないというふうに思いますが、本当にこんなことというのは困るのです。魚を見て、おまえどこから来たと聞くわけにいきませんし、そういう点では大臣、こういう問題にもっと力を入れて、魚の消費拡大のためにやはりもっと積極的に対応していただきたいわけであります。
 それでは、法案の中身に入ってまいります。
 水協法及び漁協合併助成法の改正は、一県一漁協構想の推進のためになされたものと判断できるわけでありますが、この一県一漁協構想について言えば、昨年七月に全漁連が全国の漁協正組合員三千人を対象に行った漁協系組合員意識調査というのによりますと、事業統合に対して賛成一二・五%、反対一七・二%、一概に言えないが三四・五%、こういう結果になっておりまして、末端にまで支持されているというふうにはとても思えないわけであります。さらに一層の規模拡大を追求することだけが合理的な出口ではない、こういうふうに非常に強力な批判も出ております。
 他方、漁協の経営管理体制を商法を準用する改正は、漁協と組合員との関係を希薄化する作用を果たして、一県一漁協とも相まって組合員からますます遊離する漁協になっていくのではないか、こういうふうに考えます。もう既に現在の体制でも、山口県における県信漁連や神奈川県の県信漁連など、多くの不祥事が起こっております。そういう事態が一層進行することにならないかと心配するわけであります。
 山口と神奈川の事態に対する水産庁の対応と責任、さらに一県一漁協になってもそのような事態が起こらないとの保証がどこにあるのか、まず明らかにしてください。
○川合政府委員 私ども、漁協系統が掲げております昨年の大会の決議を見ますと、一市町村一漁協の早期実現を目標、将来的に一県一漁協ということでございます。
 御承知のように、現在漁協は新市町村よりも小さい規模のものが八割という段階でございます。私どもは、こうした段階はいかにも零細であって、今のいろいろな漁協を取り巻く状況にこたえることができないという認識のもとに進めてきているわけでございます。一県一漁協というその段階を云々することもありますけれども、まず現状を見据えて合併を進めていくということが非常に大事なことだというふうに考えておりまして、この合併助成法をお願いしておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 今の私の質問にもう一つ答えてください。
 これまでの漁協の合併というのは、この合併助成法を見ましても、その先の一県一漁協なんというようなことは言われていませんよ。そうでしょう。長官の諮問機関ですか、そこでも一県一漁協というのを打ち出しているのです。だから、この前とは明確に質が変わっている、こういうふうに理解をしています。
 ところで、その神奈川県と山口県の問題に答えてください。
○川合政府委員 私どもは、今回のまず着手すべき問題につきましては、一市町村一漁協を早期に実現するというふうに考えております。これについてまず取り組むというのが漁協大会の決議だというふうに私どもは理解しております。
 したがいまして、このことと、先ほどお触れになりました山口県あるいは神奈川県のお話とは結びつかない、あれはあれで、現在の状況の中からああいう不祥事が起こったことでございますので、今回進めようとしております合併問題と直接的にはああいう問題がかかわりがあるというふうには私どもは考えておりません。
○藤田(ス)委員 国際先物取引で山口県は何と七十九億、それから株のオプション取引で三十五億の穴をあけた、この問題についての認識、責任、そして再発防止の保証、それを聞いているのです。
○川合政府委員 私どもは、神奈川県あるいは山口県の事例は、決してああいうことが起こってはならない、そういう事件であるというふうに認識しております。それぞれの信漁連は、そうしたことを踏まえまして再建委員会をつくり、再建対策に乗り出しているわけでございます。その際、自主努力をいたしますとともに、組織あるいは大事などの刷新を図りまして取り組んでいるところでございます。
 私どもといたしまして、今後こういうことのないように、組織体制あるいは事業運営についてさらに徹底を図るべく、指導あるいは検査、監督というものを強めていきたいと思っております。
○藤田(ス)委員 全国の漁港課長会議で、長官は、公共事業の執行に際しても次期漁港整備計画策定に当たっても、漁協合併に十分留意していきたい、そういうふうに述べられておりますが、こういう上からの押しつけは許せないというふうに思うわけです。
 合併助成法では、特に漁業権の保障、保護の問題であります。今回の改正では、第一種共同漁業権の放棄または変更の手続に関する事項を合併及び事業経営計画の記載事項にすることで合併に伴う漁業権の保護を図る、こういうふうにしておりますけれども、しかし、これは限界がありませんか。共同漁業権が存続する十年間に限っているわけですから、十年たちますと、その漁業権は保護できなくなるわけであります。いわば時限的な保護であって、権利を保護するという点ではこれは不十分ではないか。特に、特定区画漁業権については全く特例規定が措置されておりませんが、これでは依然として漁業権の問題が残るのではないかというふうに考えますが、いかがですか。
○川合政府委員 合併を進めるに当たりまして、従来の漁業権をどの程度尊重するかということは一つ議論になるところと思っております。私どもは、今回それが弊害があるということで、従来の漁業権をなるべく尊重した形で合併を進めるという制度に取り組んだわけでございます。
 しかしながら、合併する以上、その合併の中で今後どのようにそうした漁業権の問題等を含めまして漁協問題を進めていくかということは、まさにその中で議論し、最も望ましい形が自主的に計画として打ち立てられていく必要があろうかと思います。
 漁業権は、今御指摘のように五年ないし十年という長い間は従来のままいくわけでございますので、その間に今後のあり方を考えるということを私ども考えているわけでございます。もし、それから先も従来の漁業権をそのままで進めていくということでありますと、合併そのものの意味がどこにあるかということにもなってくると思います。その辺はある種の兼ね合いの問題であろうかと思いまして、特定区画漁業権についてお触れになりましたが、これにつきましてもその点をどの程度まで尊重すべきか、完全に従来の形を尊重するということは、そのまま合併の意義をそれだけ相殺することにもなりますので、そこの兼ね合いとして、私どもは今の御提案しているようなところの制度ということで、まず踏み切ったわけでございます。
○藤田(ス)委員 漁業権の尊重が合併そのものの意味を問うといみじくもおっしゃったことに、私は、今回の法改正が極めて不備を残したままになった、その根拠もまた示したというふうに受けとめました。
 今回の改正で、漁協の漁業自営事業の実施要件を、漁業経営に従事する者のうち組合員または組合員と世帯を同じくする者が占めなければならない割合を、これまでの二分の一から三分の一以上に緩和するとしているわけですが、こうなると、例えば多くの漁協が合併して一県一漁協になった場合、合併する前の漁協の自営事業については当該漁協の漁民を雇っていても、合併後は必ずしも当該漁民を使わなくてもいい、あるいは外国人労働者を多く使っていっても差し支えないということになりはしませんか。そのことは翻って、地元の漁民に重大な不利益をもたらすことになりはしませんか。
○川合政府委員 先生の御懸念というのもわからないわけではないのでございますが、私どもがこうした形で改正をお願いしていますのは、むしろ実態がこういう形に動いているということでございます。それぞれ漁業自営を営んでいる漁協が、実際問題としてこの二分の一という形の制約のもとではなかなか困難になってきている、そういう現実を踏まえて私どもは改正をお願いしているわけでございまして、今の漁協の自営の実態により沿った形での改正だというふうに私どもは考えております。
○藤田(ス)委員 それでは次の問題に移ります。
 私の地元の大阪湾ですが、昔からちぬの海というふうに呼ばれていました。大変豊かな漁場であります。現在でもイワシの有数の漁場であって、クロダイだとかマコガレイなど築地の市場にも出荷されるというようなことで、瀬戸内海でも一番漁獲量を誇っている海であります。もちろん海底の汚染が深刻でありまして、貝とかヒラメとかそういう魚は打撃を受けています。しかし、栽培漁業センターなどの漁業資源確保のための懸命な努力で、現在までこうして魚の宝庫として維持されてきました。しかし、これ以上大阪湾埋め立てによる海域汚染が進めば、重大な打撃を漁場に与えていくことは言うまでもありません。
 ところが、昨年の十二月に国会審議だった二時間で成立しました大阪湾臨海地域開発整備法は、我が党だけが強く反対をいたしました。その後マスコミも、例えば朝日新聞は、「大阪湾岸開発はこれでいいか」という社説を載せまして、この法律案が瀬戸内海の環境保全を定めた瀬戸内法と相反するような理念に基づくというふうに指摘しておりますし、毎日新聞も、地域社会の主役に住民を据えることができるのだろうか、そういう懸念を示しているわけであります。
 その後、京大農学部の藤原助教授の研究で、海洋観測衛星もも一号の映像解析で大阪湾に巨大な双子の渦が存在していることが初めて判明したわけであります。そして、その渦は、播磨灘から狭い明石海峡を通り、広い大阪湾に秒速四メートルの高速で海水が流入して発生し、酸素を多く含み、湾内の酸素濃度を高める役割も果たしていると言われております。重大なことは、大阪湾内の開発でこの渦の形が崩れれば生態系が変化するおそれがあると、この研究でも指摘されているわけであります。
 この新たに発見された事実について、環境庁来ていただいておりますが、どういうふうに受けとめていらっしゃいますか。この新しい事実をきちんと評価して、そして民間の開発事業も含めた総合的な計画アセスを大阪湾地域について行う、その際、こうした研究もアセスメントの重要な柱にするまでは、少なくとも環境庁としてはベイエリア開発は認められない、こういう立場にあなた方は立つことができますか。
○熊谷説明員 お答え申し上げます。
 大阪湾臨海地域開発整備法に基づきます環境への影響の調査研究につきましては、今後整備計画の策定段階で、広域的及び総合的な観点から実施されることになります。そのような検討の際には、一般的には現時点での最新の科学的知見に基づいて行われる、このようになっておるわけでございます。
 ただいま先生の御指摘のありました双子の渦、私どもも新聞で承知している段階で、まだ詳細は承知してないわけでございますけれども、この大阪湾臨海地域開発整備法に基づきます開発事業に係ります環境保全上の検討におきましては、どういったような事象を考慮する必要があるのかといった点につきましては、行われます事業の位置、規模、性格といったものに関連いたしますとともに、個々の事象が大阪湾の、今御指摘のございました潮流でございますとかあるいは水域生態系の中でどのような役割を果たしているか、こういったような科学的解明によることが大事ではないかと考えておりまして、環境庁といたしましても、そういった御指摘の点も含めてよく検討してまいりたい、このように考えております。
○藤田(ス)委員 同じく京大の今本教授が、大阪湾の五千分の一の模型を使った水理模型実験で、神戸空港、関西新空港の拡張、大阪北港沖埋め立て、泉北洋埋め立てなど予定されている六カ所の大型埋め立て計画を前提に実験を行ったところ、海流が大きく変化し、中でも大阪湾の東半分では潮流がほとんどなくなる時間帯ができるケースが出たわけであります。
 大体日本というのは、海を埋め立てるときに模型実験も非常に粗っぽいのです。五千分の一というのは今度注目をされておりますが、大体諸外国では千分の一の模型を使って厳密な調査をいたします。いずれにしても、今本教授の今回の実験で、こういうふうなことでまさに大阪湾の生態系を大きく変化させ、重大な環境破壊をもたらすことが明らかになりました。この点についてどう受けとめていらっしゃるのか。
 それで、本来瀬戸内法で開発行為は厳格に抑制されているわけであります。これだけの事実が明らかになれば、ベイエリア開発は厳しく抑制されるべきであります。それが、ベイエリア法によって規制が弱まる、ここにベイエリア法そのものの本質があるわけでありますが、環境庁、もう一度重ねてお伺いします。潮流の変化をもたらすような大型埋立計画は環境保全のためにやめさせる、そういう厳格な対応がなければならないと思いますが、いかがですか。
○熊谷説明員 お答え申し上げます。
 先ほどお答え申し上げましたように、環境調査につきましては最新の科学的知見に基づいて行われるべきである、私どもはこのように考えておりまして、今御指摘のありました潮流の関係あるいは水の流れ、そういったような諸研究がなされていることは私どもも承知しておりますので、そういった点をよく検討させていただきたいと考えております。
○藤田(ス)委員 最後に、前回に引き続いて、旧ソ連海軍による核廃棄物の日本海などへの海洋投棄問題について、一問だけお伺いします。
 ロシア側から資料の提供があったことは先ほどからも紹介されておりますが、国民は、迅速で国民の立場に立った対応を強く求めているわけであります。外務省にお願いしていると思いますが、ロシアは、提出された白書でも、核廃棄物の投棄の即時停止はできない、こんなことを言っているわけです。何としてもエリツィン大統領に直接停止を申し入れるべきであります。また、日本海における当該水域の海水及び水産物と輸入水産物の放射能検査を実施するべきであります。関係省庁の対応を明らかにしてください。
 さらに、きょう報道されたトムスクにおけるウラン貯蔵器の爆発についても、農畜水産物に対する放射能汚染の可能性があるわけでありまして、日本政府としても、厳しい水際の検査体制をとるべきであります。いかがでしょうか。
○小町説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の旧ソ連軍の核廃棄物海洋投棄につきましては、ことし初めから累次申し入れてきておりますけれども、特に二日、このロシア側の報告書が明らかになった段階、同日に、枝村大使の方からコーズィレフ外務大臣に対して直接、こういう投棄が日本海で行われていることから、我が国としては特別の関心を有している旨を伝達するとともに、そのような投棄を直ちに停止するよう厳重に申し入れた次第でございます。今後とも、しかるべくかかる投棄の即時停止を申し入れていく所存でございます。
 また、このロシア政府委員会の報告書の分析を現在急いでおりまして、関係省庁と本件の実態の解明及びこれからの善後策について協議中でございます。
 同時に、御質問のございましたトムスクの核施設の件のことでございますけれども、これについては、今事故の状況について確認中でございます。状況が明らかになるまでは、なるべく早期に状況を把握すべく、今鋭意努力中でございます。
○伊藤説明員 お答え申し上げます。
 輸入食品の検査をするべきではないかというような御指摘かと思いますが、ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄、これについては、まず事実関係の確認が最優先というふうに考えております。今般公表されました白書について、関係省庁とともにその内容を解析、調査、評価していくことをまず進めていきたいというふうに考えております。
○折田説明員 旧ソ連、ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、四月二日にロシア政府から公表された調査結果を取りまとめた白書を入手したことを受けまして、四月五日に海上保安庁、水産庁、外務省等関係十省庁を構成員とする放射能対策本部幹事会を開催したところでございます。
 その中で、以下の点を申し合わせております。「白書の内容に関し、不明な事項について関係省庁において検討し、科学技術庁において取りまとめ、必要に応じロシア政府に対してさらに詳細な情報提供を要請する。
 必要な海洋調査について、科学技術庁を中心に、海上保安庁、水産庁及び外務省と早急に検討する。 科学技術庁においては、専門家からなる技術的評価検討を行う場を設ける準備を行う。」今後とも関係省庁と連携をとりつつ、本件に対して迅速かつ的確に対応してまいりたいと思っております。
 それから、先生御指摘のトムスクの事故でございますが、本日報道されたロシア・シベリアの核燃料施設の事故については、現在外交ルート及びIAEAルートを通じて鋭意情報収集方努力中でございます。我が国に対する影響は現時点においては不明でございますが、本日念のため、従来より環境放射能調査を実施している地方自治体等に対して、異常が発見されたら直ちに報告するよう改めて要請したところでございます。
○藤田(ス)委員 私は、最初に魚の消費拡大のことを申し上げました。今回こういうふうな問題が起こると、すぐに消費に響くのが現実なのです。だから大臣、私は答弁求めませんけれども、しかし、エリツィン大統領に強く申し入れていく、大臣こそまさにその先頭に立って頑張っていただきたい、そういうふうに申し上げまして、終わります。
○平沼委員長 小平忠正君。
○小平委員 私からは、まず漁協関係の二法案に関連してお伺いいたしたいと思います。
 この両法案に共通して重要な問題というのは、漁協の基盤をいかにして今後強化をしていくかということではないかと思います。漁協の規模が農協と対比いたしますと、その規模からいいましてもおよそ十分の一ぐらいの規模である、また、漁協の経営もまさしく零細で脆弱である、こういうところはもう既に御指摘があったことでありますが、その対策として、合併の促進によって規模を拡大していくということは私も必要ではないかと思います。
    〔委員長退席、御法川委員長代理着席〕
 しかしながら、今日まで漁協の合併が遅々として進まなかった原因を解明してこの阻害要因を取り除かなければ、合併は思うようには進展しない。この漁協合併の阻害要因として、一つには漁業権の行使の問題とか漁民感情の対立とかの問題がよく言われておりますが、私は、やはり最大の問題は各組合の財務状況ではないかと思います。欠損漁協の平均の固定化債権を見ますと、全国平均で約一億円程度、北海道の場合には四億五千万円ぐらいと言われております。そして、この解消には今後数十年を要するだろう、こんなことも思うわけでありますけれども、この固定化債権の原因は、北洋漁業の漁場環境の悪化とか韓国漁船の問題とか漁業環境の悪化、さらには水産物輸入の増大に伴う魚価の低迷によるものでありまして、大半は漁業者や漁協にその責任があるのではなくて、漁業外交や漁業政策の結果によるものだ、こう言わざるを得ません。
 政府は、漁協の財務改善対策として固定化債権見合いの借入金に対する利子補給をしていることも伺っております。しかし、これだけでは漁協の基盤は強化できないのではないか、さらにもっと工夫を凝らしていく、そうしなければ漁協系統全体がおかしくなっていく、そう思います。そんな意味におきまして、漁協の財務改善対策の強化についてはどう対処されるのか、まずこれについて御答弁をいただきたいと思います。
○川合政府委員 漁協の合併が進まない理由は幾つかあろうかと思いますが、財務内容の格差などがその要因になっているところもあろうかと思います。今先生いろいろ御指摘のように、漁協の固定化負債というものがその阻害要因になっているところもあろうかと思います。
 私どもは、そうしたこと、今先生御指摘の漁協の事業基盤強化総合対策事業を昨年度から発足させております。この制度は、私どもとしてはかなり思い切った制度としたつもりでございまして、固定化負債の解消のために今年度は三百五十億円の資金枠を用意しております。いろいろな計画の実行とともに、これを有効に使うことによって財務内容の改善が図れるのではないかと思っています。
 確かに先生おっしゃるように、これだけでは今後の問題として十分でないということもわかります。やはり基盤として漁業経営、漁業の振興ということが一方で進展することによって合併の効果もより出、今までのそうした不振の払拭もできるわけでございます。そうしたことで、私どもが種々やっております事業も、この合併計画の推進のために資するように集中的あるいは効率的に使うということもあわせ行うことによりまして、この合併推進を図っていきたいというふうに現在考えているところでございます。
○小平委員 私も先ほど申し上げましたように、漁協の規模は、農協から比べればわずか十分の一程度と小さいわけであります。そういう状況で、先ほどから御答弁がありましたように合併を進めていって、一町村一漁協といいますか、そんな規模にしても、おおよそ農協の規模には及びもつかない、そういう状況ではないかと思います。
 しかし、それをさらに将来に向かって一県一漁協というか拡大していくということになりますと、今度は漁協と漁民との関係、そういうことも問題があり検討もしなければならぬ。いずれにしましても、農協や他の金融機関との規模で競争するということは非常に困難である、こんなこともありますので、合併の促進も理解はできます。しかし、そういう状況の中で漁協が健全に運営されるには、ほどほどの規模でも生き残っていける、そういう道を見つけ出すこともやはり必要ではないか、こんなふうにも思うわけであります。
 いろいろと阻害要因等も挙げられておりますけれども、裏返して言いますと、生産活動と漁協が非常に密接に関係ある、私はこのことは農村以上に漁村と漁協というか、この関係は密であって、これらのこともやはり注意しなければならない、そういう漁協の特性というか優位性というか、こういうものを生かしながら健全な漁協をつくり上げていくことが必要だと私は思います。
 こんな意味において、この観点でどう検討されていくのか、これに絞ってお答えをいただきたいと思います。
    〔御法川委員長代理退席、委員長着席〕
○川合政府委員 確かに漁協の場合は農協と異なりまして、その置かれた立地条件も漁協によりましてかなり特色があるわけでございます。それと同時に、漁協の基盤は販売事業でございまして、農協が信用事業にその基盤があることと異なっております。
 それから、今先生おっしゃったように、規模からいいましても、例えば一市町村一漁協という形になったとしても、その規模は農協などに比べるとまだかなり小さいものでございます。したがいまして、合併を進めると同時に、あるいは合併の前段階として、私ども事業譲渡という制度を今回水協法の改正の中に取り込ませていただいております。例えば信用事業などにつきましては、合併とは別にもう少し大きな規模にする道も開いておくべきではないかというようなことを考えたからでございます。
 漁協の場合は、それぞれの置かれた条件の中で漁業活動を営んでおりますし、その漁業活動はいろいろと多様でございます。そうしたことが漁協の合併によってかえって生かされるというような、そういう姿になっていくことが必要だと思っております。したがいまして、画一的な方向ではなく、それぞれの地域に応じた合併が進められることがより望まれるというふうに考えておりますので、そうした面についての指導を市町村あるいは県ともども、私どももやっていかなければならないというふうに考えております。
○小平委員 私の地元、北海道なんですが、例えば旦局地方、これらでは半農半漁というか、昆布業また畜産、こういう兼業が結構ございます。そういうところでは半農半漁、組合員の方が農協、漁協両方に組合員として加盟しておられる。その場合に、農協が漁業関係であっても融資をする、また逆のこともあり得る、そういうことが現に行われております。こんなこともその地帯の特殊性を考えてのことでもあると思うのですが、私は、このケースは北海道のみならず全国にもあると思います。
 そういう中で、今後合併を進めていく上においても農協と漁協とのそういう地帯における連携はどう考えていかれるのか。また、将来これをさらに進めて農協と漁協との合併も一つの視野に入れていかれるのか、ここらのところについての御意見を伺いたいと思います。
○川合政府委員 漁協と農協との、今の言葉で言うと業務提携と申しましょうか、そういう形で行われている事例もございます。販売事業の一環として産地の直売を同一建物で行うとか、あるいはこれは婦人部の交流がその端緒になっているわけでございますが、販売事業を相互で乗り入れてやるとか、そういうことから両方の関係が深まっているような事例はございます。
 それから、先生一歩進めてお話がございました、将来漁協と農協を一緒にするような、そういう異業種というとちょっと何か適当かどうかわかりませんが、そういう協同組合の合併ということも考えられないかということでございます。これは例えば離島などの地域は、端的に言ってそういうことが必要だというような声もないわけではございません。今回私どもも若干そうした点についても検討はいたしましたけれども、まだそういうところまで時期が熟しているというふうには考えられないということで、今回はそこまでは踏み込んでおりませんけれども、私どもが内部で研究会などをつくって議論した中では、そういう御意見の方もおられました。やはり今後そういう地域、これは一般的な問題ではないと思いますが、そういうことが望まれる地域というのも出てくるのではないかと思いますので、今後の長期的な検討課題として私どもは研究を続けていかなければいけないというふうに考えております。
○小平委員 私は先ほど、合併を阻害しているのは漁協の財務状況だ、これらについて指摘いたしましたが、同様に、やはり大きな問題は漁業権の問題ではないかと思います。これは確かに、これがあるがゆえに権益を守っているということもまた大きなことでもありますけれども、しかし、いろいろなほかの業種とのことを考えますと、現にトラブルも起きておる。特に、いろいろな工事を推進する場合には、そういう工事の実施者側から漁業権が邪魔になっているというようなことも出てきたり、あるいは漁業補償も高い。また、一部レクリエーションとしてヨットの航行あるいは係留等にも定置網がそれに邪魔になるとか、こんなことも前に国会でも議論があった、そんなこともお聞きいたしております。しかし、これらのことはやはり漁業に対する国民の無理解というか、そういうことも原因の一つじゃないかと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、水産庁としても反省をしなければならないことは、過疎地帯で漁協が漁業権だけを保有して合理的に使われていない、こういう例も見られます。また、漁業者が漁業権を安易に放棄する傾向も見受けられる。言うならば漁業補償目当てに漁業権を持っている、こんなこともあるようでございます。漁業権をめぐるこのような状況を放置しておきますと、我が国の沿岸漁業の基盤であります漁場さえおかしくしてしまう。要するに、単にお魚は輸入をすればいいんだ、こんなふうになっていったのではやはりまずいと思います。
 したがって、今回の沿岸漁業改善資金助成法の改正案は、これらのことを十二分に考えながら、また、今後の担い手であります青年漁業者等確保資金という後継者対策の資金も用意する、こうなっています。この漁業権についての漁業外の世論がこのように厳しい面がある中で、今後の漁業を担う漁業後継者、言うならば漁業権があり、それが実際に運用されるように、そのためにやはり担い手、これを確保することはなかなか難しいこともわかりますが、これらについての十二分な対応も必要である、こんなことをどう考えておられるか、お聞きしたい。
 それから、あわせて、言うならば種苗放流というか、資源管理などのつくり育てる漁業、これらのことも国民に見えるような形というか規模で進めていくことも、漁業に対する理解を深めることにも意義や効果がありますし、こんなことも含めて御見解を伺いたいと思います。
○川合政府委員 最近の二百海里体制の定着からまいりまして、我が国の周辺水域の再開発と申しますか、再利用というのは非常に大事なことだと思っております。そのためにはやはり漁業権制度というのが一層重要な役割を果たす必要がありますし、それを核に、例えば今お触れいただきました資源管理型漁業などの推進ということも非常に重要だと思っております。
 しかしながら、今御指摘がございましたように、漁業権のあり方につきまして外側からさまざまな指摘がなされていることも事実でございます。これはやはり漁業権のその本来の役割と申しますか機能というものを十分に発揮していない、そういうところから出てくる問題であろうかと思います。
 実は、本年の九月が漁業権の一斉切りかえの時期に当たります。私ども、今お話がございましたような御指摘があるということを踏まえまして、この漁業権、特に第一種の共同漁業権、これが一番普遍的な漁業権でございますが、こういう漁業権につきましては、真に漁業権として今後利用される、漁業権というのは端的に言いますと利用権でございますので、そういうことが確保されるということを十分見きわめた上で改めて一斉切りかえを行っていくということにいたしたいと思っております。
 そのためには、資源の増殖あるいは管理計画というものがきちっとある必要がありますし、また、最近のもう一つの批判であります養殖などの区画漁業権についての環境問題などもありますので、この辺の環境保全というようなことにも十分意を用いる。そういう本当の意味での漁業利用の漁業権ということを確保できるような形でこの漁業権制度が運用されるということが、今おっしゃられたような批判にこたえる一番の方法であると思いますので、そういうことに十分意を用いながら、この漁業権制度の運用に対応してまいりたいと思っております。
 それからもう一つの種苗放流でございますが、これは国営、都道府県営そしてこの下に協同組合などがやっております種苗放流、種苗生産の機関があるわけでございます。
 平成四年度におきましては、恐らく都道府県栽培漁業センターを中心に約十種類、一千万尾オーダーの種苗生産、放流が行われることになっておりますけれども、必ずしもこれが十分国民の目に知られてないという点はございます。こうしたことが地道に行われているということを私ども十分PRもいたしたいと思いますし、周辺水域の資源の回復を図る意味でこの事業は非常に大事でございますので、私ども今後とも資源管理型漁業の推進と、もう一方の柱としてこの事業を進めていきたいと思っております。
 今回の改善資金の改正にも資源管理型漁業を据えておりますけれども、その背後にはこうしたっくり育てる漁業、放流事業というものが進行することによってそれが成り立っていくという面もありますので、車の両輪という形で両方を進めていきたいと思っております。
○小平委員 資源管理型、今そういう御答弁をいただきましたが、長官、こういうことを御存じでしょうか。
 北海道で、全道漁協婦人部というのがございまして、その婦人部が創立三十周年というのを記念して昭和六十三年にその記念行事といたしまして、魚をふやす植樹運動というのをスタートしました。言うならば森林を育てることが魚をふやすことにつながるという、このことは水産業、林業、また国土保全、いろいろな意味からいいましてもやはりリンクしているということでは、御婦人方いい発想をされたと思うのですね。この事業がスタートして、現に北海道では御婦人方が各支庁別にこのことをされております。そういう婦人の活動というのは、本当に自然の生態系を大切にして、そして資源管理型漁業を進め、また漁村やその地域の環境を整えるという非常によいことだと思います。
 そこで、この沿岸漁業改善資金の中の生活改善資金には婦人・高齢者活動資金という項目もございますね。ところが、この融資実績は極めて低い。これを利用するいろいろな基準等もおありでしょうけれども、しかし、こういう点に着目して、これらがもう少し有効に活用されて、そしてそれがこの御婦人方、またその地帯の進展に資するなら大いに結構だと私は思うのです。したがって、水産庁としては今後これについてどのように進めていかれるのか、お伺いしておきたいと思います。
○川合政府委員 今お触れになりましたお魚をふやす植樹運動という運動を漁協の婦人部を中心にやっておりまして、私は、この運動は自然の生態系あるいはそれぞれの一次産業の関係を理解する意味で、非常にいい運動だと思っております。
 もちろん、北海道では、例のえりもにおきます多年にわたる植樹活動で無資源がよみがえったといういい実例があるわけでございますけれども、私どもも、この点は婦人部の運動を非常に評価いたしまして、「森林と魚」というようなパンフレットもつくって普及をいたしております。それから平成五年度では、より詳しく、森林や水田と水産資源との関係などをもう少し究明してみょうというようなことの調査などもやりたいと思っております。
 今先生お触れの、改善資金の中で今のような試みをどうかということでございますが、直接的にこの森をつくるというような運動とこの資金とのかかわり合いをどうするかというのはなお勉強させていただきたいと思いますが、この資金が最近の婦人グループによりますいろいろな活動とのリンクで、もう少し使われるのではないかということで、婦人による加工活動などを補助対象に加えて今回拡充を図ったところでございますので、今先生のおっしゃるようなことも参考にしながら、今後この資金の活用を図ってまいりたいと思っております。
    ―――――――――――――
○小平委員 まだ質問残っているのですが、時間が来ましたので、残念ながら、終わります。
○平沼委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
○平沼委員長 ただいま議題となっております各案中、まず、沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○平沼委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○平沼委員長 この際、本案に対し、金子徳之介君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。佐々木秀典君。
○佐々木委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表して、沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  国際的な漁業規制の強化に伴い、我が国沿岸漁業の果たす役割がますます重要となっている一方、周辺水域の漁場環境は悪化し、漁業資源は総じて減少傾向にある。
  このような中で、沿岸漁業の就業者の減少と老齢化は、漁村社会の維持や漁場の総合的・合理的利用に重大な影響を及ぼすものと懸念されており、水産物の安定供給や所得・雇用機会の確保、さらには国土の均衡ある発展等を図る観点から、沿岸漁業を職業として選択し得る魅力ある産業として確立することが喫緊の課題となっている。
  よって政府は、本法の施行に当たっては、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。
     記
 一 生産基盤の整備、沿岸漁業の構造改善等基幹的な水産政策について、でき得る限り、中・長期的視点に立った施策の展開方向を明らかにすること。
 二 沿岸漁業改善資金制度が、沿岸漁業経営の健全な発展、沿岸漁業従事者の福祉の向上等に十分な役割を果たし得るよう、今後とも、資金内容の充実、資金枠の確保、制度の積極的活用並びに水産業改良普及制度の充実・強化に努めること。
 三 漁村の生活環境の整備が立ち遅れている現状にかんがみ、沿岸漁業従事者等の資金需要を的確に把握し、生活改善資金が十分に活用されるようさらに検討を行うとともに、漁港等の整備と併せ行う生活環境の向上に資する事業の促進を図ること。
 四 沿岸漁業への新規就業者の著しい減少に対処し、青年漁業者等養成確保資金の積極的活用に併せ、漁業後継者の円滑な定着を支援するための施策の充実に努めること。また、漁業外からの新規就業については、その進出が漁村社会に混乱をもたらすことのないよう十分配意すること。
 五 経営等改善資金に新たに追加される合理的な漁業方式の導入に必要な資金については、漁業の実態に即し、制度の弾力的運用を行うこと。
 六 物的・人的担保制度の運用に当たっては、沿岸漁業改善資金を借り受ける沿岸漁業従事者等の意向を十分尊重するよう指導すること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○平沼委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 金子徳之介君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○平沼委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田名部農林水産大臣。
○田名部国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
    ─────────────
○平沼委員長 次に、水産業協同組合法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより両案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 私は、日本共産党を代表して、水産業協同組合法の一部を改正する法律案並びに漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 まず、水協法の一部改正案についてであります。
 反対の主な理由は、今回の改正案が漁協合併助成法の改正案とともに、今日の金融自由化による漁協経営の危機とあわせ、遠洋漁場の急速な喪失、リゾート開発などによる沿岸漁場の破壊と汚染、水産資源の乱獲、枯渇、そして無秩序な魚介類の輸入拡大政策に基づく漁業、漁村の荒廃、漁協の経営基盤の弱体化を、漁協の広域的な事業統合と企業的経営の導入などで乗り切ろうとするものであり、漁協運動の主人公は組合員であり、漁協活動は主人公である漁民の協同的な活動であるとする基本原則と、その民主的な運営を後退させるものであるという点です。
 反対の第二の理由は、漁協の組織再編につながる事業譲渡の規定を新設することです。
 この規定は、これまで漁協、県連合会、全国連合会の三段階で進めてきた事業を、県連と全国連の二段階にするために、末端の漁協の信用、共済、購買、販売の各事業を県連に譲渡するための規定であり、このことは漁協を単なる漁業権を管理するだけの経済基盤のないものにしようとする中央集権的な再編であり、組合員のための漁協という本来の目的から離反するものになりかねないものであります。
 第三に、経営管理体制の変更についてです。
 これは、これまでの模範定款例や民法に準用してきた総会中心の運営を、株式会社等の運営を規定する商法の準用に移して理事会中心のものに変え、その結果起こる組合員の意向とかけ離れた運営を、監事の機能拡充や内部牽制機能の強化で補おうとするものです。このことは、漁協の事業、組織全体を企業化し、それを運営面にも持ち込むもので賛成できません。
 次に、漁協合併助成法の一部改正案についてであります。
 反対の第一の理由は、本法の改正が水協法の改正と歩調を合わせ、広域合併を上からの行政指導型で推し進める役割を担うものであるからです。
 私は、漁協の合併すべてに反対するものではありません。組合員の意思と地域の実情に基づき、一市町村一漁協といった合理的な規模の範囲であれば十分認められるものであるわけでありますが、しかし今回の改正案は、水協法の理念にも漁協合併助成法の目的にも反するものであり、質的にも規模的にも漁協を一気に変質させるものであり、認めるわけにはいかないわけであります。
 また、今回新たに漁業権の変更、放棄手続に関する特例措置を講ずるとしていますが、この措置は、次の更新時期には効力を失い、定款の変更が可能になること、また漁協等が保有、管理する特定区画漁業権については特例措置がなく、依然として不備な点が残っていることを指摘しておきます。
 以上、反対の理由を申し上げ、討論を終わります。
○平沼委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○平沼委員長 これより採決に入ります。
 まず、水産業協同組合法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○平沼委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○平沼委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○平沼委員長 この際、両案に対し、金子徳之介君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。志賀一夫君。
○志賀(一)委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党を代表して、水産業協同組合法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読します。
    水産業協同組合法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  近年、我が国漁業・漁村をめぐる情勢は、国際漁業規制の強化、周辺水域の資源状態の悪化、担い手の減少及び高齢化、金融自由化の進展等、大きく変化している。このような中にあって、水産業協同組合の多くは、経営規模の零細性、取扱事業量の減少、固定化債権の増大等により厳しい経営状況に直面している。
  よって政府は、水産業協同組合が組合員の負託に応え、水産業の振興、漁村地域の活性化等の役割を的確に果たし得るよう、両法の施行に当たっては、左記事項の実現に努めるべきである。
     記
 一 漁業協同組合の自主性を尊重しつつ、合併及び事業統合等をさらに強力に促進するため、国及び地方公共団体の取組みを強化するとともに、漁協系統自らの合併推進体制をさらに整備するよう指導すること。また、合併後の組合が適正な事業経営を継続することができるよう適切に対処すること。
   また、漁協の組織整備に当たっては、漁協事業の特性と専門性を発揮し得るように努めること。
 二 漁業経営の不振等に伴う漁協の財務の実状に対処し、漁協の経営基盤の強化促進はもとより、欠損金等の負担を軽減するための対策の推進に努めること。
 三 組合の事業の譲渡に当たっては、譲渡組合の組合員をはじめとする漁協事業の利用者に不利益が生ずることのないよう適切に指導すること。
 四 信用事業機能の拡充については、漁協信用事業の零細性にかんがみ、その能力に応じた事業が適切に実施されるよう慎重に指導すること。
 五 水産資源の現状にかんがみ、資源管理規程制度の適正な運営を推進するとともに、密漁防止対策を強化し、また、資源管理のために遊漁者の一層の協調が得られるようにさらに努力すること。
 六 漁協自営事業の実施要件の見直しに当たっては、自営事業から組合員等が排除されることのないよう、また、適正な漁利の配分に支障が生ずることのないよう指導すること。
 七 漁協経営の適切な業務執行を確保するため、本改正の趣旨の周知徹底を図り責任ある執行体制を確立するとともに、全漁連をはじめ系統組織の内部監査体制の整備・充実につき指導すること。
   また、青年層や婦人層の幅広い意向を反映した組合運営と併せ、職員の処遇の改善、人材の育成につき適切に指導すること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○平沼委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 金子徳之介君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○平沼委員長 起立多数。よって、両案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田名部農林水産大臣。
○田名部国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
○平沼委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました三法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平沼委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    〔報告書は附録に掲載〕十
○平沼委員長 次に、内閣提出、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。田名部農林水産大臣。
○田名部国務大臣 農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 農業災害補償制度につきましては、昭和二十二年の制度創設以来、災害対策の一環として、保険の仕組みを利用して災害時の農家の損失を補てんすることにより、農業経営の安定のために多大の寄与をしてまいりました。
 しかしながら、近年、各地域における農業生産の実態の変化を反映して農業者の保険需要が変化してきており、これに対応して、制度運営の効率化を進めつつ、農政の展開方向も勘案して制度内容の改善を図っていくことが必要となっております。
 このような状況にかんがみ、政府におきましては、共済掛金に係る国庫負担の見直しを行いつつ、てん補内容の充実等各共済事業の内容の改善を図るとともに、農業共済団体の活性化に資することを旨として農業災害補償制度の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、各共済事業の内容の改善であります。
 最近の農業生産の実態の変化等に伴い、農業者の保険需要はさまざまに変化してきていることに対応して、農作物、果樹、畑作物及び園芸施設の各共済事業において、てん補内容の充実、共済事業対象の拡充、引き受け方式の改善等を行い、農業者の保険需要に適合した補償を行うこととしております。
 第二に、生産組織を単位とした共済加入方式の導入等であります。
 近年、農業生産組織による集団営農が各地で進みつつあること等にかんがみ、こうした農業生産組織について共済加入を認めるとともに、大規模な経営体に農作物共済の支払い開始損害割合の低い補償方式が幅広く適用できるようにすることとしております。
 第三に、保険、再保険の割合を定める責任分担方式の改善であります。
 近年における農業共済団体の財政基盤の充実等にかんがみ、農業共済団体の事業推進意欲の向上と活性化を図る観点から、農作物、果樹、畑作物及び園芸施設の各共済の責任分担方式を改善することとしております。
 第四に、共済掛金に係る国庫負担の見直しであります。
 農業事情の変化等にかんがみ、農作物共済の国庫負担方式の簡素合理化等共済掛金国庫負担の見直しを行うこととしております。
 以上が、この法律案を提出する理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○平沼委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る十三日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十三分散会