第126回国会 安全保障委員会 第7号
平成五年六月一日(火曜日)
   午前十時二分開議
出席委員
  委員長 志賀  節君
   理事 池田 行彦君 理事 魚住 汎英君
   理事 江口 一雄君 理事 佐藤謙一郎君
   理事 山崎  拓君 理事 上田  哲君
   理事 山中 邦紀君 理事 北側 一雄君
      麻生 太郎君    石井  一君
      石原 伸晃君    今津  寛君
      上草 義輝君    衛藤征士郎君
      木部 佳昭君    北川 正恭君
      久間 章生君    鈴木 宗男君
      谷垣 禎一君    中谷  元君
      中山 正暉君    浜田卓二郎君
      町村 信孝君    山下 元利君
      赤松 広隆君    池田 元久君
      小澤 克介君    大出  俊君
      川崎 寛治君    川島  實君
      佐藤 恒晴君    斉藤 一雄君
      松原 脩雄君    吉田 正雄君
      和田 静夫君    斉藤  節君
      玉城 栄一君    山口那津男君
      渡部 一郎君    東中 光雄君
      神田  厚君
 出席国務大臣
        外務大臣臨時代
        理       河野 洋平君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 中山 利生君
 出席政府委員
        国際平和協力本
        部事務局次長  萩  次郎君
        防衛庁参事官  高島 有終君
        防衛庁参事官  河路 明夫君
        防衛庁参事官  三井 康有君
        防衛庁参事官  太田 眞弘君
        防衛庁長官官房
        長       村田 直昭君
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        防衛庁教育訓練
        局長      諸冨 増夫君
        防衛庁人事局長 秋山 昌廣君
        防衛庁経理局長 宝珠山 昇君
        防衛庁装備局長 中田 哲雄君
        防衛施設庁総務
        部長      竹下  昭君
        防衛施設庁施設
        部長      江間 清二君
        防衛施設庁労務
        部長      荻野 貴一君
        外務政務次官  柿澤 弘治君
        外務大臣官房領
        事移住部長   荒  義尚君
        外務省アジア局
        長       池田  維君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   小原  武君
        外務省条約局長 丹波  實君
        外務省国際連合
        局長      澁谷 治彦君
        外務省情報調査
        局長      鈴木 勝也君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    衛藤 英達君
        安全保障委員会
        調査室長    下尾 晃正君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十五日
 辞任         補欠選任
  筒井 信隆君     赤松 広隆君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  山口那津男君     坂井 弘一君
同日
 辞任         補欠選任
  坂井 弘一君     山口那津男君
六月一日
 辞任         補欠選任
  中尾 栄一君     上草 義輝君
  額賀福志郎君     衛藤征士郎君
  松原 脩雄君     川島  實君
  山口那津男君     斉藤  節君
同日
 辞任         補欠選任
  上草 義輝君     中尾 栄一君
  衛藤征士郎君     額賀福志郎君
  川島  實君     松原 脩雄君
  斉藤  節君     山口那津男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 第百二十三回国会閣法第六一号)
     ――――◇―――――
○志賀委員長 これより会議を開きます。
 第百二十三回国会、内閣提出、自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山中邦紀君。
○山中(邦)委員 日本社会党の中山邦紀でございます。
 本日議題となっております自衛隊法の一部改正法案、これは、外国における緊急事態に際して、生命等の保護を要することとなった邦人について自衛隊機を用いて輸送する、こういう内容であります。防衛庁が所管する自衛隊法の改正とはいえ、在外邦人の保護を目的とするものであります。
 そこで、最初に外務省にお伺いをいたしたいと思います。
 邦人保護を所管する官庁、これは当然外務省でありますけれども、その根拠法である外務省設置法、これは、在外邦人の保護の事務が同省の所掌事務であるということを示すわずかな条文しかないというふうに思います。他に邦人保護にかかわる詳細を規定した法律、政省令はあるのかどうか、お伺いをいたします。
○荒政府委員 海外における邦人保護の法的根拠でございますけれども、ただいま御指摘のように、外務省設置法第三条、これは外務省の一般的な任務としまして海外における邦人の保護を定めております。それを受けまして、具体的な所掌事務としまして第四条に、「海外における邦人の生命、身体及び財産の保護に関すること。」、さらに所掌事務を遂行するための権限としまして第五条七号、八号に規定がございますが、それ以外に具体的な政令、省令等、直接定めたものはございません。ただ、外務省組織令におきましては、これも御案内のとおりでございますけれども、外務省で邦人保護を担当するものとして領事移住部ということが定めてございます。
 それから、これは御質問の趣旨とはちょっと別でございますけれども、広い意味の海外における邦人の保護につきましては、実は、国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律、これは我々、国援法と略称しておりますが、これがございます。これも御案内のとおりでございますけれども、海外で困窮のために帰国できない者に対しまして、在外公館が貸し付けを含めて支援することを定めた法律でございまして、それ以外は特にございません。
○山中(邦)委員 海外に邦人がたくさん出ていく、あるいは国際化という事態におきまして、外務省の邦人保護の職務ということはわかるのですけれども、外国へ出た邦人が、外務省あるいは出先の公館に対してどういうことを求めることができるかというような点については、これは明確になっていなければならないのではないか、そういう感じがしてならないわけでありますけれども、実際問題として、外務本省並びに在外公館の邦人保護の体制、通常的にはどういうことになっておりますか。
○荒政府委員 海外における邦人の保護について数量的にというお尋ねでございますので、まず定員的に申しますと、これはあくまで定員でございますけれども、海外における領事担当の定員はおおむね二百六十名程度でございまして、これが増員につきましては、従来からいろいろお願いしているところでございます。
 それから、海外におきまして邦人の方がいろいろな事故であるとかトラブル等々に巻き込まれることが最近特に多くなっておりますけれども、こういう問題につきまして、我々在外公館が御相談にあずかったり、あるいは可能な場合には助言を与えている。もちろん、事故の場合には本国への帰国につき、いろいろ側面支援をするわけですが、こういった案件はおおむね一年間に一万件程度ございます。
○山中(邦)委員 最近の在外邦人の人数、それから増減の傾向、あるいはどの地域にたくさんおられるか、分布の実際、あるいは特徴点についてはどのように把握をしておられますか。
○荒政府委員 海外における在留邦人の実態でございますけれども、私ども外務省としましては、毎年十月一日現在で、全在外公館に訓令を発しまして、当該管轄区域における在留邦人の正確な実態の把握に努めております。
 現在のところ、平成三年十月のものでございます。昨年度につきましては現在いろいろ集計しておりますけれども、平成三年十月現在で、全世界で在留邦人というのは約六十六万でございます。これは三カ月以上の長期滞在者と永住者でございます。これは、平成二年に比べまして約七%アップ、五年前と比べますと三〇%増ということで、御案内のとおりに、年々増加の傾向にございます。
 一般的な傾向を申し上げますけれども、全世界的に永住者、これは中南米等への移住の方が大宗を占めるわけですけれども、そちらは一般的に横ばい、他方、いろいろビジネスその他で長期滞在される方が増加している、こういう一般的傾向でございます。それから、地域でございますけれども、数としましては北米が大体四割、それから続いて南米が二割、その他西欧、アジアという順番になっております。
○山中(邦)委員 緊急事態に関する意見として、これはもう外交青書の要約をそのまま申し上げるわけでありますけれども、九一年六月の海外移住審議会の緊急意見書、これには、現在の体制の不備をついて、通信体制の整備、安全確保に必要な情報の国民への提供、輸送能力の拡充、在外公館施設とその設備や人員体制の拡充などを提言をいたしております。また、同年十二月の外交強化懇談会、ここでは、邦人保護・危機管理体制、それから施設整備など在外公館の機能、体制の強化を早急に推進すべきであると提言をしております。
 現在の邦人保護の体制、特に緊急時の体制については、外務省はどういう点を問題点として考えておられるか。また、これらの意見書、懇談会の提言、これに沿ってどのような対処をしておられますか。
○荒政府委員 私ども外務省としましては、ただいま御指摘ございました提言等に沿いまして、現在、危機管理体制及び海外における邦人のための安全対策の整備に最大限、鋭意努力をしているということでございます。
 それで、一つは、先ほど申しましたように、何といっても在外における領事担当要員の人数が少ないということで、こちらの方はおかげさまで若干ずつふえておるということでございます。
 それから、もう一つは安全対策でございますけれども、これにつきましては、海外の在外公館におきまして、各地で大使館とその土地における邦人の団体との間で、安全対策連絡協議会というのを昨年の四月以降設置しておりまして、現在、全世界で百十カ所以上そのような連絡協議会、これは官民相集って、安全に関する情報の提供及び情報交換、それから緊急事態における対応ぶりも含めたいろいろな安全対策の策定をやっておるということでございます。
 それから、これも御案内でございますけれども、そういった安全対策の中で、我々としてはやはり連絡体制の整備ということが大変重要だろうという問題意識でございまして、こちらの方につきましては、一つは大使館におけるパラボラアンテナの増設、それから邦人のためには、長距離及び短距離用の無線機の整備に今努めております。
 そういう状況でございます。
○山中(邦)委員 実際に海外におられる邦人の把握ということからスタートしなければいかぬと思いますけれども、先ほどのお話では、三カ月以上の滞在者とそれから永住者ということでの数字のお話があったかと思うのですが、三カ月以上というのは旅券法上の在留届の提出義務にかかわっての数字だと思いますけれども、これが実際に徹底をしているように見えないのですね。三カ月以上の義務に従って、届け出はどの程度の割合で行われているか。届け出で表にあらわれている数字と届け出をしていない方について、どれくらいの暗数といいますか、比率になっているとお考えでしょうか。
 また、三カ月という期間は、これは今の状況で妥当なものと考えられるか。三カ月未満の邦人の場合についてはどうお考えでしょうか。
○荒政府委員 最初の御質問は、一言で言いますと、私どもが先ほど御披露いたしました海外における在留邦人の実態調査についての信頼度ということについてお尋ねかと思いますけれども、これにつきましては、正直に申しまして、本当の、本当というのもいかがかと思いますけれども、そういう数字と我々の調査との間には、数字的には把握しておりませんが、ほとんど乖離はない。この在留邦人調査、戦後ずっとやっておりまして、もちろん御案内のように、旅券法では在留届をしなければならないという義務が書いてあるわけでございますけれども、強制力がないというようなことで、必ずしも届け出ていない方もおられたわけですけれども、次第にふえております。それから、各在外公館におきまして、在留届以外に、その当該地域における日本人の関係団体の協力を仰ぐとか、特に把握の難しい留学生等につきましては、それぞれ工夫しまして、大学等に定期的に照会するというようなことで、精度の向上に努めておるというところでございます。
 それから、第二のお尋ねは、三カ月以下ということでございますけれども、これは大変把握が難しゅうございます。それでも、我々としましては、例えばその土地の邦人がよく利用するホテルとか、いろいろな施設と日ごろから連絡をよくしておりまして、そういうことで、可能な限り邦人の実態把握に努めておるということでございます。
○山中(邦)委員 法律、政省令とは別でもよろしゅうございますが、部内の邦人保護の準則のようなものとして、危機管理に関するマニュアルのようなものは備えているでしょうか。地域により、あるいは緊急度の段階に応じて、ふだんから対処方法について検討し、文章化しているということがあってもよろしいかと思うのですが、この点はどうでしょう。
○荒政府委員 緊急事態における対処方針、マニュアルでございますけれども、これにつきましては作成しております。
 中身は、平時と緊急事態というふうに分けておりまして、簡単に申しますと、平時につきましては連絡網の整備、通信網の整備、それから日ごろの安全対策についての周知徹底といったことでございます。緊急時につきましては、いろいろ、場所によって違いますけれども、その土地に合った緊急時の対応方法につきまして、民間の方とも常日ごろお互いに意見交換し、研究して、それなりの、英語で言いますとコンティンジェンシープラン、緊急事態の対応方法ですけれども、これを定めておるということでございます。
○山中(邦)委員 我が国の在外公館がない国の場合には、非常に問題が多いのではないかというふうに思います。こういう場合はどういう対処になっておりますか。
 また、続いてもう一つお尋ねをしますけれども、先ほどの海外移住審議会の緊急意見書の中には、いろいろ貴重な提言があるというふうに思いますけれども、「邦人支援体制の強化」の項では、輸送手段の確保について触れております。その中に、政府専用機、それから政府専用の多目的船舶、それから陸上移動手段としての四輪駆動車、小型バス等を順次配備するのが望ましいというふうにしております。もっともな意見ではないかと思いますけれども、この提言についてはどうお考えであるのか。現在の実情、そして将来の計画についてお聞かせを願いたいと思います。
○荒政府委員 最初に、在外公館がない場合の邦人に対する保護体制につき、お尋ねがございました。
 これは大変難しゅうございますが、実館がない場合でも兼轄公館というのを必ず決めておりまして、そこからできる限り定期的に出張をして、必要な場合の邦人に対する指導あるいは助言をやっておるということでございます。万一緊急事態が起きた場合には、これは一例を申し上げますけれども、先般、シェラレオネだったかと思いますが、その邦人の救出のために友好国の協力を仰ぐ、外交ルートで協力を仰ぐというふうなことをやっておるわけでございます。
 それから、先ほどの提言での輸送手段の充実拡充でございますけれども、私直接所掌をしておりませんが、多目的な船舶は、引き続き政府部内で検討中であるというふうに理解しております。それから、通信機材については先ほど申しました。それから、四輪駆動車、小型バスでございますが、四輪駆動車につきましては、そのための予算を従来から若干お願いしておりまして、道路事情が悪い、あるいは治安的に必要と思われる公館に、現在少しずつでございますけれども、整備に努めておるということでございます。マイクロバスにつきましても同じでございます。
○山中(邦)委員 今の自動車関係については、数字的に今ここでお知らせを願えますか。
○荒政府委員 ちょっと申しわけございませんけれども、車両につきましては今正確な数字をちょっと持ってまいりませんでしたので、失礼いたします。
○山中(邦)委員 それで、目下非常に問題になっておりますカンボジアの場合、これもPKO本部あるいは防衛庁が掌握をしておられる邦人以外にも、民間の在留邦人の方がおられるというふうに思います。事態の変化に応じて商社の方なんかはお帰りになった方もあるように聞いていますけれども、どの程度の人数を把握しておられますか。また、緊急事態に対してどういう準備をしておられますか。在留邦人の人数、氏名、所在の確認の実態、それから緊急事態における退避の方法をどのように検討しておられますか。
○荒政府委員 御質問は、カンボジアにおけるPKO関係以外の、いわゆる一般の民間の方についてお尋ねかと思います。
 私ども、現在掌握しております人数は、一部推定が入る部分もございますが、民間の企業関係者がおおむね二十名、それから国連以外の我が国のNGO関係者が三十名おられます。それから邦人のプレス関係者、これは一般在留邦人といっていいかどうかわかりませんが、現在おおむね二百名程度行っておられるというふうに承知しております。それ以外に若干の邦人がおられまして、プレスはとりあえず別にしますと、いわゆる在留邦人はおおむね六十人程度ということになっております。
 これの安全対策でございますけれども、現在、在カンボジア大使館が、日本人会、商工会あるいはNGOの代表者の方々と安全対策連絡協議会を定期的に開催し、お互いの情報交換あるいは緊急時の対応についていろいろ協議、意見交換をやっておるということでございます。
 なお、緊急の通信網につきましては、短距離の携帯用の無線機を邦人の方々にも、重立ったグループの責任者に対して現在配備済みでございます。そのほか、緊急用としまして、大使館に若干の備蓄を備えておるという状況でございます。
○山中(邦)委員 そのほかに、航空機や船舶あるいは自動車を利用して退避をするというようなことについては、考えておられないのですか。そういう用意、準備。集結地点とか、空港、港湾の施設のあり方とか、どこへ出国をするかとか、そういう指導についてはどうですか。
○荒政府委員 御指摘の点につきましては、現在内々に検討しておるということでございます。ちょっと内容はまだ申し上げる段階には至っておりませんけれども、いろいろな場合を想定して検討しておるというふうに御理解いただきたいと思います。
○山中(邦)委員 その内容については諸事情もあって公にできないという部分もあるかもしれませんが、現在検討中という点については、ちょっと時期におくれているんじゃないかという気がいたします。
 そこで、今までずっと伺ってまいりましたけれども、常識論として外務大臣臨時代理にお伺いをしたいのですけれども、在外邦人の保護については、現在の体制は十分ではないのではないかというふうに思います。先ほどの緊急意見書などもその点は指摘をいたしております。ぜひこれは早急に、地域の特性その他に応じて整備をすべきものではないか。計画的に、そしてどういう地点を目標に整備をするかということをやらなきゃいかぬじゃないかということを考えます。これが一点であります。どうお思いになりましょうか。
 それから、邦人保護の仕事の性格については、外務省においても、国民においても、もう少し内容を詰めて、相互の理解が深まるようでなければならないのではないかというふうに思います。単に設置法に所掌事務として書いてある、そしてできる範囲でやるというようなことでありましょうけれども、昔のように国の恩恵的な仕事である、あるいは国の体面的な仕事である、その国の仕事の反射的な利益とでもいいますか、その対象として在外邦人が国の保護にあずかる、こういうことではないのではないかというふうに思います。
 在外邦人が公館にどういう保護を求める権利があるかというような、まあ法律論ではないでありましょうけれども、一体どういうことを期待できるのであるか、国はどういうことをしてくれるのであるか。広い意味でタックスペイヤーという観点からいえば、これは恩恵の問題ではないのじゃないか。保護の具体的な内容に従った法規や基準の整備というのが必要ではないか。そして、それが学校教育の中でも、将来の社会生活に備えて理解させるような手だてをしておくべきではないのかという感じがいたします。難しい点はいろいろあろうと思います。外国の状況が定型的ではない、あるいは邦人の移動の把握が難しいとか、相手国の事情とか、いろいろありましょうけれども、根本的には設置法の数条によっているという事態についてはもっと改善をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 極めて常識的に申し上げますと、近年、海外に出かける邦人の数が飛躍的に多くなっております。先ほど政府委員からも申し上げましたように、外国におります邦人あるいは旅行者、いずれを見ましても、過去の数字から見ますと、大変大きな数字になっているわけでございます。一方、このお世話をいたすべき在外公館のスタッフは、その飛躍的に伸びている邦人の数とは比べものにならぬほどその伸び率は低いわけでございます。したがいまして、まず最初に、こうしたことについて外務省として深刻に考えなきゃならぬということはあると思います。
 さらにまた国際情勢は、冷戦構造は終わりましたけれども、逆に個別的な紛争と申しますか、いろいろな問題があちこちに散見されるようになりました。一方で、さらに天変地変もございます。こういったことを考えますと、在外公館の果たすべき役割は極めて多岐にわたり、大変多くの仕事をやらなければならぬことになっております。
 こうしたことを踏まえまして、外務省それ自身の能力をもっと強化する必要がある、あるいは在外邦人の方々の一時的な緊急避難のための対策をとる必要がある、これは通信施設もそうでございましょう、あるいは緊急の食糧その他の備蓄もそうだと思います。もっと言えば、これほど多くなった地域の邦人の方々に一時的にでも集まっていただけるだけのスペースがあるか、あるいはそういうものにたえ得るだけの在外公館が整備されているかどうかということなどもございます。
 外務省は、ここ数年、湾岸戦争その他の経験にかんがみまして、そうしたことに対する予算の要求もお願いをいたしまして、徐々に徐々に整備しつつございますけれども、しかしまだ、山中委員おっしゃるように、それは十分とは決して申せない状況であることはまことに申しわけないことでございますが、しかし、今後とも一層努力をいたしまして、邦人の保護のための施策を充実させるべく努力をいたしたいと考えております。
○山中(邦)委員 実は、長官にはもう一つ問題を申し上げたわけでありますけれども、邦人保護の、国と邦人の関係、設置法によって外務省の職務として規定する、これにすべてが発するような言い方については、問題があるのではないか。邦人が国に対して何を期待することができるのか。それから、広い意味で国の義務として在外邦人に対して何をなすべきか、現在の世界情勢に照らして、もっと詰めた、法規的にも内容を充実したもの、相互の関係においても恩恵的なものを超えたあり方が必要ではないか、いかがでしょう。
○荒政府委員 海外における邦人の保護につきまして、設置法にとどまらず、もっと法令的に整備すべきであろうという御意見かと思いますけれども、私ども、設置法以外に特に政令等はないと申し上げましたけれども、先ほど御説明しましたように、緊急事態の対応につきましては、詳細な訓令を在外公館に送り、また、それをベースに現地の邦人の方と意見交換をするということもやっております。
 また、国内におきまして、御指摘のように、海外において邦人はどこまで何を自分でやり、何を在外公館に期待するかという点につきましては、国内における広報の一環としまして、私どもとしては、一つは、やはり海外においては何といっても国民のそれぞれ一人一人がより自助努力と申しますか、という意識を持っていただきたいということをいろいろ申し上げております。それと同時に、我々在外公館、外務省としましても、海外において、邦人の方がいろいろ相談に来たり、あるいは側面援助を求めてこられる場合には、積極的に対応するよう、具体的な指令といいますか、訓令を発出しておるという状況でございます。
○山中(邦)委員 外務大臣臨時代理のお話を伺いたかったわけでありますけれども、通達、訓令がある、それはそうかもしれませんが、内容は余り公にされていないのではないかというふうに思います。先ほど来のお話を聞いていると、そのように思いますのできる範囲でこれを公にして、そして、国民が在外公館に対して期待できる内容をもっと明確にすべきでないかという意見だったわけでありますが、これはこの程度にして、次、法案自体についてお聞きをしたいというふうに思います。
 今まで本会議、それから前回の委員会において質疑がなされておりますので、最初、防衛庁長官に確認をさしていただきたいと思います。
 本改正法成立の際の使用機種、これは主として政府専用機が考えられる、しかし、政府専用機が他の目的で使用中または整備中の理由により使用できない場合、C130を使用することを考えている、こういうような答弁がございました。一つは機種の問題ですね。
 それから、武器の関係については、用いる自衛隊機が武装していない輸送機であることはもちろんである、ただ搭乗警務官がハイジャック等、機内の秩序維持のため自衛隊法九十六条に従ってけん銃を携帯するということはある、こういうことであったかと思いますけれども、これを確認させていただいてようございますか。
○中山国務大臣 お話しのとおりでございます。
○山中(邦)委員 そうしますと、これまでと重複する質問をすることになるかもしれませんが、しからば自衛隊機を用いることの意味、どうして自衛隊機でなければならないのかという点についてであります。
 これまでの御答弁は、政府専用機の管理運用を含め、自衛隊の有する組織的な機能、経験等を活用することが適切だ、こういう御答弁でありますけれども、要するに管理運用という点で自衛隊がこの仕事をするのが適切だ、これに尽きますか。それ以上、邦人輸送の場合による危険性ということは考慮されていないのか、どうでしょう。
○中山国務大臣 緊急時における在外邦人の救出ということにつきましては、これまで民間機あるいは外国の航空機、その他あらゆる手段を講じてきたわけでありますが、先生お話しのように、自衛隊にも今回政府専用機の運用が任されまして、従来の民間機あるいは外国の飛行機、その他の航空機とあわせて、航空機を排除して自衛隊だけでやるということではなくて、これまでの運用の仕方にプラス自衛隊の航空機も使えるのではないかということでお願いをしているわけでありますし、武器使用につきましても、非常な厳しいマニュアルを厳しく守っていく、しかし、最小限度の機内の保安ということも考えなくてはならないであろうということで、今回のような法案をお願いをしているところでございます。
○山中(邦)委員 実は本会議における宮澤総理の御答弁の中には、自衛隊機を用いることの必要性として、民間機を念頭に置いた場合は「パイロットやクルーがそのような危険な業務を拒否をする、現実に拒否をした」例がある、これが一点。それからあとは保険料のお話をなさっておられるのですけれども、民間機の行けないような危険な業務ということも予想しているというふうにも考えられますが、いかがですか。
○畠山政府委員 前回のこの委員会でも繰り返し御答弁申し上げておりますように、今回の政府専用機による、あるいはその他の機種によります自衛隊機による邦人輸送という場合につきましては、基本的に在外の空港あるいは飛行経路等におきます安全が確保されない場合には、安全な輸送そのものの目的が達成できないことになりますので、そういう場合には運航しないということでお答えをしてきているところでございます。
○山中(邦)委員 大臣にお答えを願いたかったわけでありますけれども、先ほどの引用は本会議の会議録であります。総理が、やはり民間のパイロットやクルーは危険な業務を拒否をする、そういうことに備えてと言わんばかりのお話であるように私は受け取ります。また、そう受け取る人が多いのではないか。運用の実態として、安全を確かめて行く、これは当然であろうと思いますが、例えばカンボジアのPKOのごとしであります。どういう事態が起きるかという問題は出てくるわけであります。
 それはそれとしまして、政府専用機、これは問題のボーイングの二機が盛んに取り上げられておりますが、総理府にお伺いしますけれども、一九八六年五月の東京サミットに向けて、同様に政府専用機としてフランスからスーパーピューマ三機を購入した事実があろうかと思います。当初総理府で運用して、現在陸上自衛隊の木更津の第一ヘリコプター団の中の部隊が運用しておる、こういうことだと思いますが、総理府が運用しておった時期にはどういう組織をつくって、どういうメンバーで、実際にどういう運用をしておったか、実際にも要人を乗せて運航するということがあったのか、その辺をお伺いいたします。
○衛藤説明員 先生お尋ねのスーパーピューマの件でございますが、まず購入の件につきましては、関係省庁から成る機種検討委員会を設置しまして、VIP使用として、十二人程度の搭乗可能性、それから居住性、それから災害時の視察等にも使用できることを考慮した上で代表的な機種を比較検討した結果、その要件を満足している、先生お話しのフランスのアエロスパシアル社のスーパーピューマAS332L型三機を購入することに決定いたしました。これは総理府が昭和六十年に予備費を要求しまして購入しまして、購入契約は防衛庁調達実施本部にお願いしたということでございます。
 なお、今先生お話しの運用につきましては、総理府に防衛庁の職員の方を併任かけまして運用したというふうに聞いております。
○山中(邦)委員 航空自衛官四十一名を総理府の職員と併任の形で総理府が受け入れて、このサミットに集まってこられた要人を実際に総理府の段階で輸送といいますか、ヘリコプターに乗って移動していただいたという事実があるというふうに思います。そのとおりですか。
○衛藤説明員 そのとおりでございます。
○山中(邦)委員 これが今陸上自衛隊に移管をされているわけでありますが、特別の部隊を編成しているか。そのメンバー、隊員はどれぐらいの人数の方がおられますか。それから、専ら国賓等の輸送だけに従う部隊であるのか。自衛隊の本来的な業務にこのヘリコプターを利用し、あるいは隊員を携わらせているという事実がありますか。
○畠山政府委員 スーパーピューマを運用しております陸上自衛隊の部隊の内容でございますが、御指摘のとおり陸上自衛隊の第一ヘリコプター団の隷下に特別輸送飛行隊というのがございまして、その隊の管理運営を行う隊本部と、航空機を運航します飛行班、それから航空機の整備を行う整備班ということで、定員で約三十名から成る部隊編成を行っているところであります。
 それから、第二の点は、スーパーピューマを百条の五以外で運用している例があるかということでございますが、そういう例はございます。
○山中(邦)委員 そういう例があるというのであれば、実際にどういう事例があるのか。機材の運用だけでなしに、要員の関係でも、このヘリコプターの運用に要員の皆さんは専念をしているのか、ほかの仕事もしているのか。要するに、自衛隊の本務の傍らこのヘリコプターの運用をしているのか、むしろ要員の皆さんあるいは機材は、国賓等の輸送自体が本務で、ほかのことはやっていないということになるのか。いかがですか。
○畠山政府委員 スーパーピューマを百条の五の「国賓等の輸送」以外の任務に使用した例はかなりございますが、例えば内閣総理大臣が観閲式に行かれるときに、赤坂プレスセンターから朝霞を往復する、あるいは防衛庁長官が視察をする、あるいは米国の陸軍参謀総長が部隊訪問するときの赤坂からキャンプ地への訪問といったような事例がございます。それらは、いずれも先ほど申し上げた三十名の飛行隊によって運用されておるということでございます。
○山中(邦)委員 ところで、今度はボーイングの政府専用機二機の関係で伺いますが、本日、臨時が取れて、特別航空輸送隊となるという旨のお話がこの前委員会でございました。この輸送隊の編成、所属、要員の人数、どういう職種といいますか職務分担、操縦士ほか、どういう方々がこの部隊を構成しているか、そして、この輸送隊は専らこのボーイング二機の運航にのみ専念をしているのか、お伺いをいたします。
○畠山政府委員 御指摘の特別航空輸送隊は、航空自衛隊の航空支援集団というのがございますが、この隷下に置かれまして、隊司令のもと、隊の管理運営を行います隊本部、それから政府専用機を運航します第七〇一飛行隊、それから航空機の整備を行います整備隊というものから成りまして、定員は約百十名でございます。それで、これがその政府専用機、現在二機、これを専ら運航するということでございます。
○山中(邦)委員 この運航に関しましては、専用機委員会というのがございますね。その委員会が決定をすることになるのでしょうか。この点はいかがでしょうか。
○畠山政府委員 この運航の実際の調整につきまして、政府専用機委員会が決めるということになっております。
○山中(邦)委員 前の検討委員会が委員会になって、継続的になお委員会があるということは、その運用にかかわってのことではないかというふうに思いますが、委員会の所属は総理府になりますか。
○衛藤説明員 委員会は内閣官房に設置されて、その庶務も内閣官房でやっております。
○山中(邦)委員 この二機の購入経費は、既にいろいろ言われておりますが、経常経費ですね、年間どれくらいの経費がかかり、そのおおよその内訳はどういうものであるか、教えていただきたいと思います。
○畠山政府委員 平成五年度の予算におきまして、燃料費、運航及び維持、整備に必要な修理費、それから必要な機材の購入費等運航の実施、それから運航体制の維持、整備に要します経費を積み上げまして、歳出額約四十五億円、後年度負担額で約十七億円を計上しているところでございます。
○山中(邦)委員 点検修理は航空自衛隊で自分でやっておりますか。民間航空会社に依頼をして行い、これに支出をしているということはないんですか。
○畠山政府委員 この747型機を、同じ機種を日本航空が保有しておりまして、基本的な修理あるいは年の定検みたいなものはこれは日本航空に委託をする、しかしながら、この運航を実際に行いますときの細かいチェックといったようなものは自衛隊において行うという形を考えておるところであります。
○山中(邦)委員 日本航空に年間支出する金額も予算化されているというふうに思いますが、どれぐらいですか。
○畠山政府委員 一応これ、見積もって予算に必要額を計上しているところでございますけれども、実は、実際委託をしますときの商議に差し支えるということがございますので、日本航空との間でその都度経費算定を行いますので、それに影響がありますので、ちょっとそれの答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○山中(邦)委員 年間の維持経費のかなりの部分を占めているというふうに承知をいたしております。ここでおおよその数字ぐらいは明らかにすべきものだというふうに思います。再考を促します。
 それはそれとしまして、専用機の機数について、この前防衛局長は、私的にはもっと要るんじゃないか、こういうお話がありましたけれども、政府部内で少なくとも三機目、一機は購入する方針を固めた、こういうことが伝えられておりますが、そのとおりですか。
○畠山政府委員 結論から申しますと、三機目を調達することが決まったという事実は全くございません。ただ、三機が必要であるかどうか、本来必要なのではないかという御質問が先回ございましたので、一般論として申し上げれば三機が必要であるという考え方もあり得るけれども、いずれにしても、本格任務を開始してから、その運用実績を踏まえて、今後検討すべき事柄であるという答弁を申し上げたところでございます。
○山中(邦)委員 予算関係もあって、入れるのは次の次期防衛力整備計画でであるというふうに伝えられております。普通三機体制とよく言うわけでありまして、入れたからにはそういう議論が出ても当然ではないか。むしろこの法案の審議の関係からいえば、率直にその辺は明らかにすべきではないかというふうに思います。決定したのではないとしても、議論はされているはずだというふうに思います。また、その議論の中には、外国の政府専用機が通常装備をしているミサイルの対抗装置を搭載する、これは決定ではないでしょうが、議論されていると聞いております。この点はいかがでしょうか。
○畠山政府委員 現在のところ、ミサイル警戒装置を装備する具体的な計画はございません。
○山中(邦)委員 緊急時に邦人の生命身体の保護のために出かけていくということになれば、その局面だけ見れば、むしろそういう装置も必要だという議論が出て、私は当然だというふうに思います。そういう議論は相委員からさらにきょう後で質疑があろうというふうに思いますので、今までの経緯を前提に中山長官にお伺いをしたいのですけれども、先ほどの、防衛庁が専用機ほか輸送機を用いて在外邦人の輸送に当たるという理由について、むしろ、例えば総理府に任せるというやり方があってもいいのじゃないか、あり得るのじゃないかということを考えます。幾つか理由を挙げますので、御意見をいただきたいと思います。
 ヘリコプターも含めてある程度の人数に部隊が達している、まとまった組織として考えていいという段階に達したと思います。第二に、過去において、スーパーピューマの例に見るごとく、総理府で管理をして実際に運航した実例があります。自衛隊の方が併任をしたということがあるようでありますけれども、そういう人的な面も含めて、併任というやり方があるのではないか。それから第三に、ボーイングの大きな点検修理は民間がやっているように承りました。これは、日本航空も同種の機材を持っているということの絡みがあるのではないかというふうに思います。この点では、自衛隊所属のメリットは特にないというふうに思います。さらに邦人輸送についてのイニシアをとるのは、対外関係もあって外務省であろうかと思います。結局、政府が決めるということになりましょう。防衛庁が独自に決するということではないというふうに思います。また、政府専用機なるものは防衛大綱の別表外だというお話がこの前防衛庁の方からありました。政府の見解によっても、専守防衛という自衛隊の本務からは外れている。有無相通じて、ある場合には防衛庁、自衛隊の本務に従い、ある場合は専用機として国賓や邦人の輸送に従うということではないのでありまして、独立した機能を持っているというふうに思うわけであります。危険を予想して出かけていくということでないのであれば、あえて軍用機というふうにみなされるやり方をとる必要はないのではないか。邦人を乗せた場合に、紛争地域で一つのグループが攻撃をかけてくるということがあり得ると思いますね。それから、拿捕されれば、邦人は捕虜のような扱いを受けるのではないかという気がいたします。そういう意味では、国の航空機という資格は与えてもいいと思いますけれども、あえて軍用機という挙に出る必要はないのではないかというふうに思います。
 以前、サハリンのコンスタンチンという男の子が大変ひどいやけどで札幌に急送されたことがありました。これは海上保安庁の飛行機であったと思います。こんなことを考えていきますと、かなりの人数が運用するのでありますから、むしろ以前のスーパーピューマのような形での運用をすべきではないか。我が国の自衛隊機の武器の使用などは非常に限定されているというお話もありますので、この辺はどうお考えになりますか。どうして自衛隊機でなければならないのか、総理府が運用していいのじゃないか、場合によって海上保安庁はどうか、民間に委託をしてやるという方法もあるのではないか、お伺いをいたしたいと思います。
○中山国務大臣 政府専用機の導入につきまして、自衛隊が持っております飛行機の運用あるいは整備、管理等の能力ということを配慮して、自衛隊にこれを任じていただいたということであろうと思います。それによるいろいろなプラスマイナスというものも当然あろうかと思いますが、政府の御判断に従って自衛隊がそれをお引き受けしているということでありますし、緊急事態に自衛隊機ということになりますと、かなりの危険ということが前提になるような感じがいたしますけれども、考えてみますと、航空機の運用、自衛隊機であれ民間機であれ、出発から到着までの航空路の安全というものが確保できなければ、これは運用ができないわけであります。また、ケース・バイ・ケース、自衛隊機を使う場合と民間機を使う場合といろいろあろうかと思いますが、そういうことを配慮しながらこれからこの自衛隊機の邦人救出ということについての運用がなされるものと思っておりますので、危険についての御心配、これはもっともだと思いますが、余り大きな御心配をなさらないでもよろしいのではないかというふうに感じております。
○山中(邦)委員 時間が来ましたから終わりますけれども、ただいまの長官のお話は楽観に過ぎてうなずけない。どうして政府専用機を中心に運用しないか、どうして自衛隊機でなければならないか、この辺の説明は十分でないというふうに思います。私どもは、こういう点を非常に危惧するわけであります。
 終わります。
○志賀委員長 斉藤一雄君。
○斉藤(一)委員 今回の自衛隊法改正案は、PKO法あるいは日本国憲法と密接な関係を持っており、もし一たん過ちを犯すというようなことになりますと、国内はもとより、国際的な問題に発展をするおそれがあります。そうした観点から、何点か具体的に質問をいたします。
 まず初めに、カンボジアの総選挙が終わって、宮澤首相は、成功した、誇りに思っていると言われたそうですが、果たしてそのような評価ができるのでしょうか。なるほど総選挙は確かに終わりました。しかし、日本国民からは、政府と自衛隊がとった行動について多くの疑問が寄せられております。
 そこで、お伺いするのですけれども、パリ和平協定の目標である停戦は事実上崩れ、各派の武装解除が手つかずのまま、総選挙だけが先行したわけで、パリ協定の面からは依然として内戦の危機をはらんでおり、和平協定全体として見れば、必ずしも成功したとは言えないのではないか、この点についてお答えをいただきたい。
○河野国務大臣 宮澤総理が今回のカンボジアの選挙を成功したということをおっしゃったわけですが、これは、そのとき総理がおっしゃったように、今回の選挙が自由かつ公正に行われた、そして成功に終わったという判断は、UNTACがそうした判断をするということが最も正しい判断をするのであって、総理御自身、UNTAC特別代表の明石さんがそういう判断をし、そういうことをおっしゃったということを受けておっしゃっているわけでございます。確かに、我々一人一人がUNTACの選挙が自由かつ公正であったかどうかを個人的に判断をするデータは十分にはないわけでございまして、この判断は、UNTACが行う、UNTACの特別代表の声明を受けて判断をするということが今我々の判断できる一番いい判断であろうというふうに思うわけでございます。
 確かに、私どもは貴重な二人の日本人の命を失うという極めてつらい経験をしたわけでございます。そういう意味におきましては、手放しで今回のこの選挙がよかったよかったと言えるかどうかということになると、これは問題があると思います。しかし、UNTACの明石特別代表がおっしゃるように、今回の選挙全体を眺めてみて、もちろん明石さんも、総理に対します親書の中でお二人の犠牲を出したことはということをおっしゃっておられますが、全体を見てみて、九〇%近い投票率、そして大きな混乱もない投票ということを考えて、成功であったとおっしゃることについて、我々も同感できるものと思います。
 もう一つ申し上げれば、今回の選挙を急いでやろうと考えているのは国連ではないかというような指摘が一部にございましたけれども、結果として九〇%近い投票率が示すように、決して今回の選挙を急いでやることを一番望んでいたのは国連ではなくて、やはりカンボジアの国民であったということをこの数字が示していると考えます。
    〔委員長退席、池田(行)委員長代理着席〕
○斉藤(一)委員 国連のガリ事務総長が、選挙の状況はパリ和平協定が想定したものではなかったと発言をいたしております。ここで言う当初の選挙、どういう選挙を想定したとお思いですか。
○河野国務大臣 ガリ事務総長のおっしゃったせりふは、今斉藤委員がおっしゃることと――正確ではないのではないかという感じがいたします。ちょっと私も調べたいと思いますが、私の記憶では、プトロス・ガリ事務総長がおっしゃったのは、選挙に至るプロセスが当初想定していたプロセスと違う、その違いはどこにあるかといえば、武装解除が十分に行われなかったこと、そしてまた、一部が選挙のボイコットを行うということ、この二つは当初想定していたプロセスとは違った、こういうことをおっしゃったのだというふうに承知しております。失礼しました。正確に言うと、選挙のための諸状況ということをおっしゃった……。
○斉藤(一)委員 ガリ事務総長は、UNTACが攻撃を受けた場合、激しく反撃することを許可するということにしておると思いますが、その場合、自衛隊はどのように対応いたしますか。
○河野国務大臣 自衛の範囲内ということが正しい意味であるというふうに解釈をしております。
○斉藤(一)委員 恐らく外国軍隊の場合は、指揮官の命令で応戦することになると思うのですが、日本の自衛隊の場合は、だれの命令で応戦するということになりますか。
○畠山政府委員 カンボジアに派遣されております我が国の施設大隊が仮に武装集団から攻撃を受けた場合でございますけれども、施設大隊長の判断によりまして、業務を一時休止をして避難するなど、部隊の安全確保のためにまず措置を講ずるわけであります。
 そうした場合、そういう状況の中で、仮に国際平和協力法二十四条三項の要件を満たすという場合には、個々の自衛官の判断によりまして、武器を使用することがあり得るということでございまして、いわゆる御想定のような応戦という概念ではございませんで、自分の生命を守るという意味におきまして、個々の自衛官の判断で武器の使用をすることもあり得るということでございます。
○斉藤(一)委員 これまで政府は、派遣の前提が崩れた場合、独自の判断で撤収できる、日本が最終的には有権的な判断をできると答弁してまいりましたが、今も変わりありませんか。
○河野国務大臣 今も変わりありません。
○斉藤(一)委員 文民警察官四名が体調を壊して帰国したのは、日本政府がUNTACに要請したものではなく、医師の診断によってUNTACが独自に帰国を認めたと報道されておりますが、事実でしょうか。
○萩政府委員 文民警察四名というのは多分フォンクーの四名の方であろうと思いますが、けさほど全部で七名が帰国をいたしました。このフォンクーの四名は、攻撃を受けましたアンビルの五名とともに、現場において大変つらい状況を過ごしたわけでございまして、その後、けが人を伴ってバンコクへ出て、プノンペンで傷をいやしていたというものでございますが、日本側の医官、ドイツの医官それぞれから、帰国をして療養をすべきであるという診断書が出まして、UNTACがそれに基づいて帰国を指示した、こういうことでございます。
○斉藤(一)委員 体調を壊したりけがをしたりして、本人たちは、一刻も早く日本に帰りたい、日本の政府よ何とかしてくれというような場合に、日本政府はUNTACに対して、そのようにしてほしい、本人の希望どおりしてほしいということを要請できないのですか。
○萩政府委員 七名のうち重傷あるいはかなりの傷を負いました三名につきましては、私どもも、当初から、動かせる状態にあれば、日本に帰国をさせて療養に専念させたいという申し入れをしておりました。四名の体調を崩した者については、なお医師の判断が必要であるということで、我が国の医師、それからUNTACのドイツの医師双方の診断書の結果、帰国をして療養することになった、こういうことでございます。
○斉藤(一)委員 いや、お聞きしているのは、診断書をどっちがやったかということじゃなくて、日本政府の要請に基づいて帰国することになったのか、UNTACの許可によって帰国することになったのか、日本の主権はどうなっているんですかということを質問しているのです。
○萩政府委員 先ほど申しましたように、フォンクーの四名につきましては、結果的には医師の診断書に基づいてUNTACが判断をして、帰国せしめたということでございますが、もちろんその過程におきましては、私どもの本部の事務局、現在カンボジアの大使館付になって出ております人間が先方とも絶えず接触をいたしまして、できれば帰国させた方がいいのではないかというような話し合いをしていたということも、また一方の事実でございます。
○斉藤(一)委員 そうしますと、日本独自の判断で、そういう場合に帰国させることはできないということですか。
○萩政府委員 ケース・バイ・ケースであろうかと思います。明らかに外見上もかなりの傷を負った者については、我々としても、その帰国の要望をするということはかなり妥当かと思われますが、なお医者の診断を要するというような場合は、医者の診断がまず一義的に出てくるのではなかろうか。それに基づいて、UNTACなり、あるいはもちろん我々政府なりが、そのときそのときに応じて、いろいろ相談をして決めていくということもあろうかと思います。
○斉藤(一)委員 それでは次に、モザンビークでは、昨年十月のローマ包括和平協定によって、なるほど停戦は合意されたものの、武装解除、新統合軍の編成、総選挙の見通しも全く立っておりません。そういう状況で自衛隊を派兵するということがあっていいのでしょうか。見解をお聞きいたします。
○河野国務大臣 モザンビークにおきますPKO活動でございますが、確かに武装解除は現在まだ実施されておりません。この武装解除は、PKO活動が行われまして、モザンビークの中にPKOによって信頼感が出てくるということができて、初めて政府軍、反政府軍双方の武装が解除されるわけでございまして、PKO活動が全く行われないままに武装解除が行われるという状況にはないわけでございます。お話しの統合軍その他につきましても、これはPKO活動が進む過程においてそうしたことが、新統合軍ができ上がるということと承知をいたしております。
 選挙の見通しにつきましては、当初考えておりました状況が、事態が全体的に少しおくれてきているということを踏まえて、考えられている投票の日時が、集中的な雨季のシーズンに入るということもあって、この雨季が明けてから投票日を設定をすることがいいのではないかなどという議論があって、まだそうしたことが固まっていないというふうに承知をいたしております。
○斉藤(一)委員 つまり、和平協定があって、その次に形式的な停戦協定ができておりさえすれば、武装解除などの一連の和平プロセスが実現していなくても、政府の判断で自衛隊は派兵できるんだ、こういうお答えだと思うのですが、私は、この和平協定、それから形式上というのは、カンボジアでもそのとおりだから申し上げるわけですが、停戦協定ができさえすればというのは、大変危険ではないか。事実上の停戦が合意されていないところへ自衛隊を派遣するということから、カンボジアでもいろいろな問題が起きているわけです。ポル・ポト派の問題も起きたわけです。そういう実質的に停戦が実現されてないところには、いかにPKO法といえども、自衛隊を派遣すべきではないのではないかというのが私の考えなんですが、いま一度お答えいただきたいと思います。
○河野国務大臣 確かに、武装解除は停戦の合意をさらに補強するものだというふうに私も思います。今回のカンボジアの経験にかんがみましても、武装解除の重要性というものは、まことに先生おっしゃるとおり、私も極めて重要なものだということを認めるものでございます。
 しかしながら、停戦の合意は、あくまでも当事者間によって合意がなされるという事実でございます。この停戦の合意がスタートとなりましてPKO活動がそこに始まるということは、すなわち停戦の合意がそこで行われ、武装解除も行われ、統合軍もできということであれば、これはPKO活動そのものはそう大きな意味をなさないわけでございます。残念ながら、停戦の合意ができた後にも双方が武装解除するための双方の信頼関係というものが十分にできる必要があるとすれば、その信頼関係をつくり上げることがPKO活動の一つの重要な役割であることは、だれもが認めるところであろうと思います。
 しかしながら、私どもはこの武装解除に対する見通しというものはでき得る限り慎重に行うということが必要だということは、私も先生の御指摘のとおりであろうというふうに思いますが、武装解除が行われない限り、派遣をしないということではないわけでございます。
 繰り返しになりますが、私どもが派遣をするかどうかを判断する最初の材料は五原則でございます。この五原則が確認をされた上で、政治的判断をその上で行うということでございまして、私どもも政治的判断を行うに当たって、我が国から派遣をするPKO要員が、その本来の仕事が十分に効果的にできるかどうかということを考えなければならないわけでございまして、そのためにも武装解除の可能性といいますか、確実性といいますか、そういったものについては慎重に見きわめる必要はあるということは、私もそのとおりかと存じます。
○斉藤(一)委員 モザンビークの司令部に自衛隊員の五人が個人の資格で加わったと言われておりますけれども、PKOに、個人の資格で加わる場合と、部隊で加わる場合と、二つの参加方式があるわけですか。
○萩政府委員 結論から先に申し上げれば、そのとおりでございます。
 国際平和協力法第十二条二項によりまして、任期を定めてモザンビーク国際平和協力隊に派遣をされ、そして国際平和協力本部長、内閣総理大臣ですが、その指揮監督のもとに国際平和協力業務を行うというものがいわゆる個人派遣と言われているものでありまして、現在のカンボジアですと、自衛官といっても停戦監視要員、それから文民警察、それから今般の選挙要員、これらが平和協力本部長の指揮監督のもとに業務を行う人々、いわゆる個人派遣の人になるわけであります。
 他方、国際平和協力法第三条三号タに掲げる業務、これは輸送の業務、今般のONUMOZでございますが、これは部隊として防衛庁長官の指揮監督のもとに国際平和協力業務を行うということで、これは部隊としての参加ということでございまして、先生のおっしゃられるように、いわゆる二通りがあるということでございます。
○斉藤(一)委員 実施計画では、協力隊に司令部業務分野における業務を行わしめる、たしかこうなっておると思うんですが、これはどう見ても隊としての業務というふうに読み取れるんですが、しかも一名を隊長として指名する、隊長は隊務を掌理するということになっているんですね。違いますか。
○萩政府委員 今のお話は、恐らく国際平和協力隊といういわゆる全体の隊をつくる場合に、政令の系列におきまして隊長を設ける必要があるということで、それぞれ現地に派遣されております、個人派遣であろうと部隊派遣であろうと、その中のいわゆる先任者を協力隊の隊長ということにしておるわけでございます。
 カンボジアにおきましても、文民警察の隊長が協力隊の隊長になったり、それから停戦監視の一番の先任者が隊長になったりということをしておるということでございまして、そのことと、その派遣している人が個人派遣であるか部隊派遣であるかということとは、また別のことでございます。
○斉藤(一)委員 モザンビークでは既に難民が百七十万人も出ており、飢餓と貧困に苦しむ人々が百二十万人と宣言われております。こうした人々に対する人道上の支援、食糧とか衣服、医療などの救援について日本はどのような役割を果たしましたか。
○小原政府委員 お答え申し上げます。
 モザンビークにおきます和平の進展と並びまして、内戦によって疲弊しているモザンビークの人々の基礎的な生活を改善するということは、モザンビークのみならず、周辺諸国の平和と安定にとって極めて重要であると認識しております。このような認識のもとに、政府としましては、昨年度だけをとりましても、食糧援助、難民支援、それから医療援助など、人道上の援助を含む約六十五億円の援助をモザンビークに行ってきております。
 具体的には、二国間援助としましては、ノンプロ無償、食糧援助、食糧増産援助などを約四十九億円やっておりますし、また、国際機関を経由する援助としましては、国連難民高等弁務官事務所あるいは赤十字国際委員会、ユニセフ、世界食糧計画などを通じまして、各種の人道援助を約千二百万ドル行ってきております。また、本年に入りましても、既に九億円の食糧増産援助を与えることを決定しているところでございます。今後も人道的援助、さらには事態の進展に応じまして、モザンビークの復興援助などにつきまして、御指摘の点を踏まえて、できる限りの協力を行っていくという方針でございます。
○斉藤(一)委員 次に、日本の安保理常任理事国の問題でありますけれども、内外から批判が出ているのは、日本は常任理事国になるために無理をしてPKOを出しているのではないかということであります。それほどまでして常任理事国になりたい、どうしてもなりたいというその真の理由は何なのですか。
○河野国務大臣 常任理事国になりたいからPKOに参加しているのかという趣旨のお尋ねだと思いますが、そうしたことはございません。私が少なくとも承知をいたしております限りにおいては、直接的な言い方で日本が常任理事国になりたいと公式の場で言ったということを私は承知しておりません。PKO活動、つまり国際的な役割を果たす、日本にとってふさわしい国際的な役割を果たすべきだという国内の方々の御理解、御支持、そういったものを受けて国際的な役割を果たすべく努力をしているのであって、常任理事国に入りたいためにやっているなどという誤解を受けることは、甚だ迷惑でございます。
○斉藤(一)委員 どうして常任理事国でなければならないのですか。また、常任理事国に入った場合に何をしようとしているのでしょうか。全くそういうことは考えてないというようなことでは、ちょっとこれは納得できないのですが。
○河野国務大臣 現在、国連そのものが果たして今の形そのままでいいかどうか、つまり、いわゆる国連改革について議論がなされているところでございます。
 私どもといたしましても、今後の世界の平和秩序維持というようなことを考えましても、国連の果たすべき役割は極めて大きいというふうに考えておりまして、国連が、国際社会が納得する形になっていってほしいという大きな気持ちは持っております。その際に、常任理事国という今の制度そのものについても検討がなされるのではないか、またなされるであろう、そういうことは我々も考えておりますし、そうした点については十分議論をしているところでございます。
 一方、ただいま申し上げましたように、これから先国際社会が平和秩序を維持する、あるいは開発途上国を初めとして恵まれない国々に対する果たすべき役割を国連の場で議論をし、また国連の名において行動をするということがあるとすれば、我が国もまた我が国の果たすべき役割というものを考えなければならないわけでございまして、そうしたときに国連の場において我々も発言をし、また国連の名において行動することもあるべしということは当然考える、主張するところでございます。
○斉藤(一)委員 今後のPKOのあり方をめぐる報告書が国連PKO委員会で採択されたそうですが、そこで従来の伝統的PKOと大きく変わった点はどこでしょう。
○澁谷政府委員 御指摘の報告書は二つの部分から成っております。第一の部分が一般討論及び作業グループの考察、それから第二の部分が結論と勧告事項、この二つの部分から成っておりますが、第一の部分におきましては、今後国連の平和活動を伝統的な原則、つまり当事者の受け入れ原則から若干外れても平和維持活動をやるべきではないかという意見と、それから、伝統的な原則を守るべきであるという意見も出されまして、これを両論併記の形でまとめております。
 ただ、結論と勧告事項の後者の部分におきましては、予防的展開につきまして従来の事務総長の努力を歓迎するとともに、さらにこの点について安保理が考察を続けるようにという勧告を行っております。
○斉藤(一)委員 聞くところによりますと、中国やインドなどの非同盟諸国からは、従来のPKO原則を変えるべきではない、そういう意見が出たそうですが、その背景は何だとお考えですか。
○澁谷政府委員 確かに、中国などは従来のPKOの原則を重視すべしという立場に立っております。途上国の多くも中国と似たり寄ったりの立場をとっておりますけれども、その最大の原因は、やはり場合によっては内政干渉ということが起こり得るのではないかという懸念をこれらの諸国が持っているということからくるものだと思われます。
○斉藤(一)委員 その中で、日本は武力行動の適切な基準を整備するように主張したと言われておりますけれども、その意図と理由について説明してください。
○澁谷政府委員 確かに、日本といたしましては、伝統的なPKOの原則が守られるという形で、平和維持活動が行われることが望ましいという立場には立っておりますけれども、現実には、ソマリアあるいはマケドニアというところで、必ずしもその原則が守られないという現実が出ております。これは、それぞれの状況をかんがみればやむを得ない事態ではなかったかということでございますけれども、現実にこのような事態が起こっておりますので、こういった新たな試みにおいても、武器の使用は一定の枠内にとどめるべきだ、やはりある程度の基準を設けるべきである、武器の使用をできるだけ抑制すべきであるという観点から、そういった提案を行ったわけでございます。
○斉藤(一)委員 国連PKO情報室というのがありますね。この任務と活動の状況を簡単に説明してください。
○澁谷政府委員 四月末に国連本部のPKO局の一部といたしましてこういった情報室が設けられました。スタッフは現在十五名で、ソマリア及び旧ユーゴの軍事情勢に関する情報を取りまとめて、事務総長及び関係者に報告するというのがその任務になっております。
○斉藤(一)委員 現在は武官だけが仕事に当たっているということですか。
○澁谷政府委員 軍事情勢の分析ということから、武官だけでございます。
○斉藤(一)委員 近くカンボジアにも設置されると聞いておりますけれども、その場合、日本とのかかわり合いはどうなるんでしょう。
○澁谷政府委員 カンボジアについて設置されるかどうかは、私どもはまだ承知いたしておりません。したがって、日本との関係が具体的にどうなるかということについても、承知いたしておりません。
○斉藤(一)委員 新聞報道ではそういうふうになっているわけですね。全くそういう要請もなければ、検討も準備もしていないということですか。
○澁谷政府委員 これは独立の情報室を設けるということではなくて、現存する情報室の任務に、現在はソマリア及び旧ユーゴの軍事情勢ということでございますけれども、カンボジアの軍事情勢を加えるということではないかと思いますけれども、それはまだ具体的な案を私どもは聞いておりません。
○斉藤(一)委員 近い将来、その情報室が指揮所に組織がえされるということも聞いておりますが、この情報室と指揮所というのは、どこがどう違ってくるのですか。
○澁谷政府委員 先ほども申し上げましたとおり、情報室は指揮の業務はやっておりませんし、そういった計画が具体的にあるということも、私どもは承知いたしておりません。
○斉藤(一)委員 政府は、本年六月を目途に国連の改革案をまとめているようでありますが、現在検討している課題、主なものは何ですか。
○澁谷政府委員 これは、昨年の国連総会における決議によりまして、安保理の構成につきましてそれぞれ各国は意見を出すということでございますので、安保理の構成等につきまして検討を行っているということでございます。
○斉藤(一)委員 最近、いわゆる改憲派の諸君から出されている議論に、PKO法が想定する従来型のPKOと、急速に変質する現実のPKOの落差を埋めるためと称して、ガリ構想の平和執行部隊あるいは国連防護軍まで含めて検討すべきだ、こういう意見が出ているのですが、それについて政府はどうお考えですか。
○澁谷政府委員 ガリ事務総長の平和のための課題は、現在国連の中において検討されております。その検討の過程において、私どもとしても、積極的に議論に参加していくということでございます。ただ、平和執行部隊もその中に入っておりますけれども、それを検討するということと、日本がこの平和執行部隊に現実に参加するということは、全く別の問題というぐあいに心得ております。
○斉藤(一)委員 何でもかんでも既成事実をつくり上げて、そして法律が現状に合わないから、現状に合わせるために法律を変えていく。PKO法を決めて、カンボジアに派遣をしてみたらいろいろ問題点があった。特に、人命救助等の点で弱点なり欠陥があった。だから、PKFを凍結解除する必要があるとか、あるいはさらに武力行使ができるように変えていく必要があるとかいう議論が一部で出てきております。
 こういう論理というのは、憲法についても出ておるわけでありまして、現行憲法が現状にフィットしなくなったとか、現状に沿わないから改正する必要がある、これも全く同じ論理ですね。既成事実をどんどんつくっていって法律を変えていく、既成事実に合わせて憲法まで変えていこう、こういう流れが非常に強まってきていると思うのですよ。こういうことについて、私の立場からいえば、歴代政府はそれでやってきたわけですが、今日、政府として、今私が指摘した点についてどうお考えになっていますか。
    〔池田(行)委員長代理退席、委員長着席〕
○河野国務大臣 カンボジアにおきますPKO活動は、我が国が国際社会に対する貢献を行うための初めての本格的な参加でございました。初めての本格的参加ということもございまして、我々が想像し得なかった状態が起こり、大変痛ましい、お二人の貴重な生命を失うという状況が出てまいりました。まことに申しわけないことと考えております。初めてのことでございますから、こうした貴重な命を落とすという経験を踏まえて、この経験を踏まえて、二度とこうしたことを起こさないような何らかの検討を加えるということは、これは必要なことであろうと思います。
 しかしながら、先生今御指摘のように、法律、法令の範囲から踏み出して、事態にそのまま対応するような行為、行動があったかといえば、私は、そうしたことはなかった、これは断言してよかろうと思います。自衛隊の諸君は極めて厳密に法令を守って行動をされたということを私は信じているわけでございます。したがって、既成の事実をつくってどうするという御心配があるのかと思いますが、そうしたことは事実ではないということをまず最初に申し上げたいと存じます。
 また、憲法の問題にいたしましても、宮澤内閣は、発足当時から現行憲法を厳しく守っていくということを繰り返し言っておられるわけでございまして、それは宮澤総理のかねてからの主張でもございます。私ども、内閣においては、こうした点を厳密に考えながらやっていかなければならない、こういうことでございます。しかし、一方で憲法をめぐる議論がいろいろあるということについては、これは憲法について議論が行われるということまで妨げるものではございません。議論は議論として十分に行われ、それらを国民がどう判断なさるかということは、これはまた別のことでございますが、繰り返して恐縮でございますが、宮澤内閣において、現行憲法の改正について具体的な行動をとるというようなことは、考えておらないところでございます。
○斉藤(一)委員 若干具体的な点で質問いたしたいのですが、カンボジアで、各投票所の警護はその地域を支配する軍隊が行ったと言われているわけですが、そこに果たして公正な選挙と言えるかどうかという疑問が残っているのですが、その点、どうお考えですか。
○河野国務大臣 カンボジアにおきます投票所は、世界各地から参加をされた選挙監視要員の方々によって十分監視をされていたというふうに承知をいたしております用地域の軍隊がその警護に当たったということも伺っておりますが、それは投票所を離れて、数百メートル離れた外側の警備に当たって投票所の安全を守るという意味の行動であったというふうに承知をいたしておりまして、投票は、公正に、自由に、フェアに行われたというふうに承知をいたしております。
○斉藤(一)委員 何回も御答弁されておると思うのですけれども、改めてお伺いいたします。
 選挙監視要員や文民警察官の安全確保を口実に、自衛隊が事実上の警護、巡回を行ったわけでありますけれども、そうしたことが本来施設大隊という、昔の軍隊でいえば工兵隊ですね、工兵部隊がやる業務に初めから入っていたのかどうか、どうしても私は疑問が解けないのですが、いかがでしょうか。
○畠山政府委員 施設大隊は道路、橋の補修を行うわけでございますが、それを円滑に行うためには、それのもととなります情報収集、特に治安情勢についての情報収集をする必要があるということでございます。それからまた、この施設大隊がUNTACからの要請に基づいて、法律の規定にもございます輸送の業務というものも担当してきたわけでございまして、その輸送のためにも、付近一帯の治安情勢について把握する必要があるということから、投票所に立ち寄るということを一つは行ったわけでございます。
 それから、さらに申し上げますと、UNTACからの要請がございまして、選挙監視要員に対する食糧、飲料水といったものの輸送を指図を受けてこれを実施したわけでございまして、その情報収集と食糧、飲料水の輸送ということの必要から選挙要員のところに立ち寄ったということでございまして、これは法律、実施計画、実施要領の範囲内において明らかに許されている範囲の行為であったというふうに思っておるところであります。
○斉藤(一)委員 投票箱を運ぶということ、これも施設大隊の任務ですか。
○畠山政府委員 これもUNTACからの要請がございまして、一部地域において、フランスの歩兵大隊が担当します地域の投票箱について、必要に応じ、これを自衛隊に輸送が依頼されたということでございまして、一部の地域において実施したということでございます。
○斉藤(一)委員 UNTACから明石代表の警護を頼まれたけれども、断ったと報道されておりますが、それは事実ですか。
○畠山政府委員 そのとおりでございます。
○斉藤(一)委員 文民警察官が政党事務所の警戒や要人警護までやらされたと言われていますが、これは事実ですか。
○萩政府委員 文民警察官の任務というのは、法律にございますとおり、現地の警察行政事務についての助言、指導、監視を行うものでございます。しかしながら、時として我が国の文民警察要員の本来業務から見て疑問のある例も見られましたので、我が国の方から再三UNTACにも申し入れをいたしましたところ、UNTAC側から、今おっしゃいましたような政党事務所の警備、要人の警護というのは、そもそも現地の警察にその責任があって、UNTACはこれを監督指導するものであるという旨の発言がございました。
 日本側も、それからUNTAC側もそのように考えでおるわけでございますが、一部報道にもありましたように、事実関係として、その指導監督すべき地元警察官が突如いなくなったり、あるいは場合によっては犯罪人に変わるというような例もあって、日本側の文民警察官が心ならずも本来業務ができなくなるようなケースがあったことは事実のようでありまして、その件については、UNTAC側にもしばしば申し入れをしておるのが事実でございます。
○斉藤(一)委員 一つ一つ全部事実だということで、言ってみればPKO法から逸脱したそうした行動がとられてきたということだと思うんですね。これが私は大変恐ろしいんですよ。強行採決までやって決めた法律を、政府みずからその枠を飛び出して勝手なことをやる。ですから、今回の自衛隊法改正案についても、いろいろ山中理事から御質問がございまして、御心配はありませんというお答えが出てくるわけですけれども、一たん法律をつくってしまいますと、実態はそういかなかったということで、また法の枠から逸脱した行為がなされるのではないか。今までがすべてそうなんですよ。
 そういう点、私は大変危惧いたしておるわけでありますが、一番最初にも申し上げたとおり、邦人の輸送に当たるということと関連して、当然その前段として邦人の救出ということがまた出てくるじゃないかと思うんですね。救出のためには、情報収集のために、今度は航空部隊が出るのか歩兵部隊が出るのかわかりませんが、一緒に警護に当たる、武器も必要になるといったようなことになって、結局、航空機の利用というものは輸送のみだ、救出作業とは一切関係ありません、こういうふうにお答えになっていたとしても、そういう状況でなくなる危険があるのではないかという点、大変私は心配するわけですが、その点についてもう少しきっぱりした、安心くださいというならば、なぜ安心できるのかという根拠なり理由を説明していただきたいと思うのです。
○畠山政府委員 今回お願いしております自衛隊法の一部を改正する法律第百一条のところに、「長官は、」つまり防衛庁長官は、外務大臣からの依頼に基づきまして、「航空機による当該邦人の輸送を行うことができる。」こう書いてございます。その「輸送」といいますのは、ある地点からある地点へその邦人のまさに輸送のみを行うという、法律上に明記されているわけでございますので、御質問の救済、救出という意味合いがどういう意味合いで言われているのかわかりませんけれども、恐らく陸上にあってその邦人が困っているところを陸上でもそれを助け出すという意味合いであるとするならば、そこまではこの法律に合意されていないということは、規定上明らかであろうと思います。
○斉藤(一)委員 前回の委員会で私も質問したのですが、カンボジアヘの自衛隊の派遣を民間航空にやらせているわけです。自衛隊員ですら民間航空で輸送できるわけです。ましてや一般の邦人の場合、民間航空で輸送できないはずがない、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○畠山政府委員 御質問の趣旨は、外国における邦人を輸送する必要があるという場合に、民間機のみでやり続ければよいのではないかということだと思います。
 当然、民間機も必要な場合にはお願いする、あるいは使用等するわけでございますけれども、それ以外に、民間機が十分に利用可能でない場合に、まさに在外邦人の保護の責任を持ちます外務
省、外務大臣からの依頼を受けた形で国の責任において対応する手段も持つ、つまり手段が広くなるという意味合いでございまして、そこは民間機による可能性も、もちろん従来どおり、可能な場合にはこれにもよることはあるわけでございますけれども、手段として広くしたということでございます。民間機が利用できない場合ということも想定して、手段として広くしたということでございます。
○斉藤(一)委員 時間もありませんので、最後に、PKO法の中の第五章「雑則」、第二十六条民間協力、ここでは、「役務の提供について国以外の者に協力を求めることができる。」ということですが、どういうことを想定しておりますか。
○萩政府委員 二十六条は、まずその一つの要件といたしましては、第三章の規定による措置によっては国際平和協力業務を十分に実施することができないと認められるとき、それからもう一つは、物資協力を行うに当たりまして必要があるというときには、関係行政機関の長の協力を得るということになっておりますが、このような場合に、国以外の人に対しても適正な対価を払うということを措置をして、協力を求めることができるということでございます。具体的にはこの二十六条の第一項にも書いておりますが、「物品の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供について国以外の者に協力を求めることができる。」ということでございます。
○斉藤(一)委員 このPKO法の二十六条とただいまの自衛隊法改正案、これはどういう点で関係が出てくるでしょうか。
○萩政府委員 これは、そもそも自衛隊機による邦人の輸送ということとは全く関係がございませんで、例としましては、通常の商業務によって購入できるもの、例えば、PKOで必要ないろいろな物品を購入するのですが、その際に、普通の町では買えない、ちょっと特別につくってもらわないと困るというときに、例えばある会社に通産省を通じて、PKOのためにこういう特別な車が要るからちょっとつくってくれないかとか、例としてはそういうようなことでございます。したがって、緊急の場合の邦人の輸送というようなこととは、ちょっと意味合いが違うものと考えております。
○斉藤(一)委員 いずれにいたしましても、今回の自衛隊法の改正案、具体的にはPKO法とも重大な関連性を持っておりますし、それ以上に日本国憲法にも関連する問題でございます。自衛隊の海外派兵、その一環ということも言えるわけであります。先ほど来、河野官房長官がおっしゃられているように、今の政府の立場では、可能な限り平和憲法を厳守していく、海外派兵はしない、法を守っていくということで、今後とも御努力をいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○志賀委員長 午後一時十分より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十四分開議
○志賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。和田静夫君。
○和田(静)委員 まず最初に、ちょっとカンボジア問題を尋ねますが、これは一部報道によりますと、カンボジアの選挙後の今日的な状況に対応して、ポト派が攻撃的な宣言を行った。したがって、事態が急展開をする可能性を秘めていると思うのでありますが、今後日本からの協力隊員に危害が及ぶようなときには、時期を繰り上げて早期に帰国をさせる、そういうようなお考えですか。
    〔委員長退席、江口委員長代理着席〕
○河野国務大臣 日本からカンボジアに行っておりますPKO要員の今後についてのお尋ねだと思いますが、それぞれの用向きがございまして、選挙監視要員の四十一名につきましては、投票が終わり、現在、開票事務が進んでおります。私どもといたしましては、今週中に選挙監視要員の帰国は実現をできるのではないかというふうに見ております。
 一方、文民警察要員の方々につきましては、選挙事務、選挙もしくは投票にかかわることだけが職務ではございません。地域の現地警察に対します指導、助言、監視、こういったものをその本来の仕事といたしておりますので、これは選挙が終わったからといって、直ちにというわけには、あるいはいかないかもしれません。
 しかし、いずれにしても、一つの大きな和平プロセスの山を越えたということは事実でございますので、私どもといたしましては、選挙、投票あるいは開票が終われば、その仕事の内容にかんがみまして、仕事が終わった地域あるいは終わった方々は、できるだけ早期に帰国をされるようにUNTACとは協議をいたしたい、こう考えております。
 ちなみに、文民警察官の方々の任期は七月十三日となっております。また、施設大隊につきましては、御案内のとおり国連のマンデートが九月十五日でございます。そして、私ども現在想定をいたしております撤収の時期は、その国連のマンデートの九月十五日を過ぎますと撤収の作業に入って、およそ一月ないし一月半程度を考えておるわけでございますが、これらにつきましては、もちろん今後のUNTACの方針いかんによって、その行動はおのずから計画が立てられるものと考えております。
○和田(静)委員 質問の趣旨と御答弁が違っているのですが、私が問うたのは、UNTACも引き揚げの時期をそれぞれ考えることは予定のものとして想定がされますが、カンボジアの総選挙後における事態、必ずしも安定をもたらすばかりとは考えられません。けさほども、早朝の報道によれば、ポト派が一つの攻撃的な宣言をしたとも伝えられる。そうすると、事態が急変をした場合、自衛隊、文民警察官を含んで身に危険が及ぶというような事態が生まれた場合には、政府は早期にこれが撤退を考えられますかという意味です。
○河野国務大臣 ポト派がどういう声明を出したかというのは、私、事実を確認いたしておりませんで選挙期間中も、各派はそれぞれさまざまな情報宣伝合戦をしたわけで、いろいろな情報が飛び交ったわけでございます。選挙の開票が進むに従いまして、これまた選挙後をにらんで、さまざまな情報が飛び交うということであるかもしれません。
 しかし、いずれにいたしましても、私どもは、派遣要員の安全確保ということを何よりも大事に考えなければならないと考えておりますので、先ほど申し上げましたように、逐次任期が満了して帰る者あるいはそれを早期に繰り上げて帰れる者などを考えまして、その他、安全に支障があると想定ができるような場合には、UNTACをしてその安全対策をさらに一段と強めていただくというのが、まず第一義的な作業になろうかと思います。
○和田(静)委員 けさの答弁との絡みですが、三機目の政府専用機を次期防で購入することを決めたことはない、言ってみればこういう答弁でありましたが、総理などの輸送という任務を考えますと、確かに総理府予算での購入には根拠があるといえばあるといえるのでしょうけれども、この運航を担当しているとはいいながら、何の法的な根拠もなしに防衛予算で政府専用機を購入するなどということは、これはもう許されることではありません。
 そこで、確認をしておきたいのでありますが、官房長官としてお答え願えれば、そういう確認でよろしいですか。
○畠山政府委員 ちょっと私の方から事実関係も含めて御答弁させていただきます。
 御質問は、政府専用機の三機目の問題について次期防で購入することはないということを申し上げましたが、それは決定している事実はございません。そして、防衛庁で計上することがあり得るのかという点でございますが、これはまだ購入を決めてないわけでございますから、購入を決める段階で適切に計上省庁は決まるということではございますけれども、いずれにいたしましても、防衛庁に計上してはならぬということはないのではないかと私は思っております。といいますのは、この政府専用機は、現在御審議をお願いしておりますこの百一条の問題だけではなくて、現に百条の五という現存する根拠規定が、いわばございますので、使用も現に行っておるわけでございまして、それに使用するものとして購入することは可能であるというふうに思います。
○和田(静)委員 私は、防衛庁予算で購入までおやりになるということについては、これはきょう論議は残しておきますが、反対です。政府としては慎重に対応をしてくださるように求めておきます。
 もう一つ外務大臣にお聞きをしますが、日中間の安全保障対話が再開されるようであります。以前は極東ソ連軍への対応という共通の目的があったのでしょうが、これからの対話では何が中心課題になりますか。
○池田政府委員 先般の日中の外相会議で、安全保障問題についても日中間で対話を深めるということで合意ができたわけでございますが、この目的は、双方が政策の対話を通じまして透明性を高めていく、そしてお互いの安心感を高めていくということでございまして、これは日中間の相互理解にも当然プラスになると思いますが、同時に、アジア・太平洋の全体の信頼関係醸成であるとか、安定にとって寄与するものであるというように考えているわけでございます。
○和田(静)委員 ちょっと具体的じゃないからよくわかりませんが、例えばロシアとの間の政府対話も行われる、二国間での信頼醸成のためには、私は決して悪いことだと思っていません。しかし、将来の東アジア・太平洋地域の安全保障の枠組みを考えますと、これは中国の外務大臣は早過ぎるというふうに述べたと伝えられておりますが、現在の日米安保を基軸とする体制にこだわるのではなくて、多国間での取り決めを基準としていくべきであると私は考えますけれども、政府として将来的に、今後の二国間対話を多国間のものに発展させるとでもいいますか、そういう形に持っていくというふうに官房長官はお考えでしょうか。
○河野国務大臣 日中間の対話、なかんずく安全保障に関する対話について、先般、武藤外務大臣と中国外相との間に合意ができました。委員お尋ねのとおり、この日中間の対話はグローバルな見地、ただ単に日中間というだけからさらに一歩進んでと申しますか、日中両国によりましてアジア・太平洋地域、さらには世界全体の問題等について十分に話し合う、そうしてお互いに信頼を高めるということが目的と承知をいたしております。特定の問題について絞って議論をするということよりも、むしろグローバルな見地での対話をするということからまず始めることが大事なのではないかと考えておるわけでございます。
 したがいまして、今お尋ねのように、二国間によるものを多国間にするというようなことを当初から頭に置いて話し合いを始めるということではなくて、まず二国間の対話を深める、幅を広げ、さらに奥行きを深めることによって相互の考え方を十分知り合い、そして信頼を醸成することが当面何よりも重要なものだと承知をいたしております。
○和田(静)委員 余り納得できる答弁じゃありませんでしたが、さて、本題に返ります。
 まず第一に、政府専用機を航空自衛隊が運航する合理的な理由は何かということは、けさほど来の我が党の山中理事と政府との間のいろいろなやりとりの中でも、どうも明らかではありません。確かに諸外国ではほとんど空軍が運航しているようであります。しかし、日本の航空自衛隊は諸外国の空軍とは基本的に異なるものであることは、通常の政府の見解でありました。海外派兵はできないという政府見解に基づいて存在している自衛隊自体の問題から、政府専用機を利用するときに、常に海外派兵とのかかわりや周辺諸国への配慮が問題となる可能性があります。そのような状態では、政府専用機を合理的に運航することは難しいのではないかと私は考えます。純粋に要人輸送や避難民の輸送に用いるためならば、海上保安庁のように明確に軍事力とは一線を画する組織によって運航することの方が利点が大きいのではないだろうかと実は私は思うのです。
 防衛庁長官は、本会議の答弁の中で、在外邦人の輸送には、政府専用機の管理運用を含めて自衛隊の有する組織的な機能、経験等を活用することが適切というふうに答弁されました。少なくとも政府専用機の管理運用については、自衛隊といえども民間航空会社に匹敵するとはどうも思えないのであります。現在の政府専用機のパイロットが決して十分な人数とは言い切れないことをとっても、この点では自衛隊でなければならないということにはならない。けさ、二機分は充足をしたんだ、したがって特別編成というようなことが二、三日前に報ぜられましたが、他の組織で経験者を雇用することで私は事足りるのではないだろうか。また、整備にいたしましても、けさほど論議がありましたが、当然訓練が必要であり、条件は、自衛隊であろうと、他の航空機を扱う組織であろうと、大差はないと私は思うのです。経験者を雇用することや民間に委託することなども、これは当然考えられるのであります。
 これらをずっと勘案しできますと、通常の運航が自衛隊でなければできないという理由は、どこにも見つかりません。また、人的資源の面から見でも、自衛官の充足率が一〇〇%に満たないということを考えますと、本来業務以外に業務をふやすことは、本来ならば不可能な現況にあるのではないだろうかと私は思うのです。政府は、一体何をもって、専用機の運航を行うのは自衛隊が適切であるというふうに結論を導かれたのですか。
○畠山政府委員 私どもは、先ほど防衛庁長官からも御答弁申し上げましたように、政府全体として御判断されて、その運航をいわば管理委託された立場でございますので、私どもが進んで、防衛庁でぜひ運航させてくれと言う立場にはないわけでございますが、政府において決定したときの要素について御説明申し上げますと、平成三年十月でございます。政府専用機検討委員会における検討の結果、政府専用機のような大型機の管理運用は専門的な技術基盤、つまり、これは今お話にもございましたけれども、何といいましても操縦者、航空士等の基本的な技術を有する者あるいは輸送機、通信機器等の整備を行う技術などを指しますが、そういった専門的な技術基盤、それから組織的な支援体制、すなわち要員を養成するための基本的な教育、運航の際の空港等との調整、部品等の整備、補給といったようなことから成ります支援体制ということを必要とすることから、政府部内におきましては防衛庁のみが要員の確保を含めて、これらの必要とされる管理運用体制を長期的かつ効率的に整備し得る能力を有する、こういう判断がなされまして、四月一日から防衛庁に所属がえされるという形になったものと承知いたしておるところであります。
○和田(静)委員 経過はわかって質問しているのです。
 限られた時間ですから余り幅広な論議ができませんが、例えば整備の問題を考えてみますと、すべての整備は自衛隊でやるわけではない、基本部分についてはけさほどあったように日航なら日航に任せる、こういうことになっているわけでありますが、一例で言えば、千歳に置かれている状態のときには、その点検程度のことは自衛隊でできるわけですか。
○畠山政府委員 点検については、自衛隊の中で行い得るということでございます。
○和田(静)委員 そうすると、国内の他の民間空港や諸外国の民間空港に政府専用機がいるとき、そういうときの点検は整備員が乗っていってできる、しかしそこで基本的な整備はできるのですか。
○畠山政府委員 状況次第でございますが、高段階のものについては能力がございませんが、それ以下のものであれば対応可能ということでございます。
○和田(静)委員 そこのところが大変疑問なところになるのです。例えば飛行機の場合、エンジンの分解整備など定期的に大きな整備があると私は思いますが、そういう場合、整備はだれが行うのだろうか。当然自衛隊にはその能力はないのではないだろうか。航空機事故が起こると、その同一機種に対して部品の交換などが航空当局から求められることがあるのですが、その場合に、どこで行われるのだろうかというような疑問がわくのですが、これはいかがですか。
○畠山政府委員 これは外注をいたすことになると思います。なお、念のため申し上げますが、これは政府専用機のみならず、自衛隊の保有する航空機につきましておおむねそういう状況、すべてそういう大きなものについては外注をするという建前でやっております。
○和田(静)委員 したがって、整備の面から見ると、どうも自衛隊に政府専用機を任せてしまうことには余りにも欠陥が多過ぎるということを実は指摘したいので、ちょっと細かいことだけれども一、二聞いてみたのですよ。答弁は大体予想したとおりのことでして、自衛隊に政府専用機を移管することの合理性というのはどうも薄いような気がする、何のためだろうということを考えざるを得ないのであります。
 自衛隊では政府専用機の完全な管理が、そういう意味ではできない。となると、民間への委託なんですが、民間航空会社の場合でも、コスト面などから整備の委託などが行われていることをよく聞きますけれども、この民間航空機の管理のノウハウを持っていない自衛隊は、当然今も答弁がありましたように、基本整備について、大きな修理についてはそうならざるを得ない。では、その場合に、この委託費用として年間どの程度が見込まれるのか。どこに委託するかは日航であった。委託費用については、これから折衝のために明かすことは困るんだという答弁で終わっているのですが、これはそうはならないでしょう。四十五億かかるとけさほど言われた。今年度十七億と言われた。そのうちの半分近くまでを日航に渡してしまうのだというのなら、何も政府専用機を防衛庁が持つ必要は全然ないということになるでしょう。したがって、ここの金額はここで明らかにされてしかるべきだと私は思う。どうしても明らかにされませんか。
○畠山政府委員 五年度の四十五億円の計上額のうち、先ほど申し上げたこの委託整備の金額について明らかにすることは、これは今後具体的に当該会社と実際コマーシャルベースでの金額の値決めをしていかなければならないわけでございまして、そういう意味で予断を与えるということで、商議に差し支えることから、これは差し控えさせていただきたいと思いますが、若干その御参考ということで申し上げますと、平成四年度においても委託をしているわけでございます。これは現在契約は既に済んでおりますけれども、その決算の処理を行っているところで、現時点でその支出額がどうなるかというところまでは確定いたしませんので、今後変動することがあり得るわけでございますが、この契約された額という意味で四年度の分、つまり過去の分について申し上げますと、約二十億円程度ということでございます。
○和田(静)委員 計上経費の約二分の一近くが民間に委託費として出てしまうのでありますね。私は、こういう状態を考えた場合に、どうしてこの政府専用機を防衛庁の管轄に移すのだろうかと大変疑問です。そういう意味では、基本整備や大型の修理等についてはもう全然必要ない。総理府なら総理府がお持ちのままで、要員等をちゃんとつくりながら専門的に運航していったって何も不自然じゃない。どうして防衛庁に移してしまうのだろうかということが大変疑問です。本来ならば、もうこの辺で実は論議は終わるというところなんでしょうが、どうしましょうかな。
○畠山政府委員 先ほども申し上げましたけれども、防衛庁として、みずから防衛庁でやりたいと言って防衛庁の管理になったわけではございませんけれども、政府全体として判断した中には、防衛庁に管理運用を委託した場合に、御指摘のとおり、すべての管理がパーフェクトにできるということでないことは、そのとおりだと思いますしからば、防衛庁以外のところのどこかにやった場合に、それよりも有効に管理運用ができるかというと、これは比較の問題といたしまして、他のもろもろの要素を全部総合勘案したときに、防衛庁の方が少なくとも比較的にベターであるということが判断の基礎にあったものと私は承知いたしております。
○和田(静)委員 大変苦しい答弁で、防衛庁の方が求めてこういう状態をつくろうと思ったわけじゃない。
 官房長官、外務大臣として御出席なんですが、政府として防衛庁にということにお決めになったわけです。しかし、今私が申し上げ、また答弁の中にもありましたように、防衛庁に管理を移したからといって、これは今指摘をしたような形で、万全ではないのですよ。どうも防衛庁に移すのには、他意があるのではないだろうかということを考えざるを得ないのですね。
 これは防衛予算からお出しになるということになりますね。例えば、管理運航すべてを民間に委託する場合や、あるいは個別にチャーターする場合に、どの程度の費用がかかるのだろう。それと、今後防衛庁がこれを管理運航していく場合の費用などの対比というのは出ていますか。
○河野国務大臣 政府専用機を持つことがいいかどうかという議論であれば、また別でございます。しかし、既に政府専用機を持ちまして、その管理をどこにさせるかということについて、今御議論をいただいておるわけでございますが、政府専用機検討委員会なる委員会で十分な議論を行った結果、先ほど政府委員から御答弁を申し上げましたように、今政府部内、先ほど来海上保安庁というような例示もございましたけれども、現在考え得る最もよい管理者として防衛庁があるということになったというふうに承知をいたしております。防衛庁が現在持っております知識経験あるいは組織、そういったものを考えますれば、確かに和田議員が御指摘のとおり、完全にその組織内で修理、管理、補修すべてができるということではございませんけれども、しかし、他との比較と先ほど政府委員御説明を申し上げましたけれども、そうしたことを考えてみて、最もよきものである、よき選択であるというふうに政府専用機検討委員会が判断をした結果、こういうことになったと承知をいたしております。
○和田(静)委員 進めましょう。
 そこで、私が今質問をいたしました数字については、これは防衛庁の側から後ほど出していただけますか。対比です。過年度分でいいです、おたくの場合。
○畠山政府委員 検討させていただきます。
○和田(静)委員 ただいま官房長官から答弁がありました政府専用機検討委員会のことなんですが、この政府専用機検討委員会の決定によりますと、政府専用機はこの四項目の用に供することができるとされて、四項目あるわけであります。その四つ目なんですが、「その他内閣総理大臣が必要と認めた輸送」となっているわけです。これはすなわち、一項目目の「緊急時における在外邦人救出のための輸送」として認められない、例えば政府の言う派遣の前提を満たさない場合にも、この項目、四項目目を理由にして政府専用機の派遣を行うことをねらったものであるというふうに読まざるを得ないのですが、これはそういうねらいを持っているんですか。
○畠山政府委員 確かに御指摘のとおり、この防衛庁の移管を決めましたときの政府専用機検討委員会の四項目目に、その他必要と認める場合という規定がございます。これは、将来の問題として政府専用機をどのように運航するかという可能性をそういうことで残してあるということでございますけれども、法律の、ただいまお願いいたしております百一条の中では、そういうものは含ましめておりませんので、将来、もし仮に具体的にこの項に相当するものができましたときには、別途法的措置が必要になるということでございまして、現在は具体的なものが念頭にございません。
○和田(静)委員 では、確認しておきますが、この四項目目は将来にわたって法的措置を伴う、法的措置がない以上はここの項目が生きることはない、これはそれでよろしいですか、大臣、長官。
○河野国務大臣 政府委員が御答弁申し上げたとおりでございます。
○和田(静)委員 どの機体を使うのかということは、これは何を基準にして決定をされますか。
    〔江口委員長代理退席、委員長着席〕
○畠山政府委員 法律の規定に従いますと航空機、自衛隊機ということでございますけれども、その中で搭載能力と航続能力ということから、物理的に決定されるということになります。
○和田(静)委員 ここのところは防衛庁から来てもらってちょっと説明を受けたときも、余りはっきりしなかったことなんですが、私はちょっと考えてみまして、一つの派遣に対して複数の機種が用いられることがないだろうか。例えば、空港が小さくて政府専用機は直接その場所にはおりられないというようなときに、この政府専用機がおりられるような空港のあるところまで何らかの手段で輸送が行われなければならないとすれば、そのときはどういうふうにされますか。何か来られた方の御説明では、その当事国の中の国内のいろいろの輸送機関でもって一定のところまで運ばれるというような説明で、ちょっとその辺のところは私は納得できなかったものだから、まあ平場で質問しましょうということにしておいたのですが、どうでしょうか。
○畠山政府委員 私どもに与えられた任務は、ある地点、ある空港から別途のところまで輸送するということでございますので、救出といいますか、その輸送すべき対象者の存在する国の中におきます輸送というか運搬につきまして、陸上か航空か知りませんが、そういうものについてまで、私どもの百一条で与えられた任務の中には入ってないものと承知しております。そのときには、在外公館なりの責任において必要な空港まで運搬を支援していただくというような形を想定いたしておりまして、私どもは、その可能な空港からどこか別のところに輸送をするという任務が与えられているものと承知をいたしております。
○和田(静)委員 例えば、自衛隊に移管をされています、ヘリコプターならヘリコプターを使いながら政府専用大型機が駐機している一定のところまで運ぶとかいうような形で、一つの事態に対して同時並行的に使われるということはないということでしょうか。
○畠山政府委員 まず、御設例のような話でありますと、ヘリコプターみたいなものは、そこまで行くための航続距離、能力がございませんと思います。したがいまして、そういうようなオペレーションはできないのではなかろうかと思います。
 ただ、複数の航空機が一つの事象に対しておよそ使われることはないのかと問われれば、それは、例えば政府専用機二機で行く場合もありましょうし、政府専用機とC130の組み合わせということも、場合によっては考えられましょうし、事態に応じて、ニーズに応じてそういうことは考えられるということでございますが、ヘリコプターとのコンビネーション運用ということは、現実問題としては想定がしにくいし、過去にもそういう例はなかったのではないかと思います。
○和田(静)委員 本改正案の提案理由について、政府は、緊急時における在外邦人救出のための輸送を自衛隊の一般的、恒常的な権限として規定する、そういうことが必要になったためとされたわけです。
 それで、なぜ一般的、恒常的な権限とすることが必要なのかという点ですが、この自衛隊法の改正を行うということは、緊急時における在外邦人救出のための輸送、これは第百条の五に基づく政令では行えないということである、本会議における答弁によれば、完全に安全が確保された状態で行うという邦人の輸送でさえ、この百条の五は適用できないということであるならば、湾岸戦争時の政府の自衛隊機派遣の政令は、あのときは臨時、応急的なものである、そして、人道的なものであった、あるいは国連機関からの要請があったといっても、百条の五に基づくものとしては本来認められないものであったということに、これはなるということでしょうか。
○畠山政府委員 湾岸戦争のときのいわゆる政令、百条の五に基づきます政令の措置につきましては、今お説の中にもございましたように、臨時、異例の措置ということで、百条の五の「国賓等」というものの中で解釈をしてああいう政令を制定したということでございますが、今問われておりますのは、恒常的、一般的な任務として行うということでございますので、ケースが違うわけでございます。
 したがいまして、当時のものが間違っていたということではなしに、今回は一般的、恒常的な任務を自衛隊に付与するということでありますから、これは別途、自衛隊法に規定が要るということでございます。当時のものは、臨時、異例の措置、暫定的な措置ということから、既存の自衛隊法百条の五の政令で措置をしたということで、ケースが違うということでございます。
○和田(静)委員 ケースが違うということを余り強調されると非常に疑問なんですが、私は、百条の五をああいう形で臨時、緊急、異例的なものとして政令で措置をしたということはやはり間違いだったのだということを、今度の百一条の改正は物語っているのではないだろうか。防衛庁長官、そういうふうにお思いになりませんか。お役人の皆さんは一生懸命に解釈をいろいろこじつけられますが、素直に考えてみると、どうしてもそうだ。あそこのところは十分に反省してみなきゃならぬのだ、したがってこうだということになってきたのじゃないですか。
○畠山政府委員 いわゆる湾岸政令のときは、主として対象は外国人の避難民ということであったわけであります。今回考えておりますのは、我が国の外国にいる邦人の輸送ということでございまして、もちろんそれだけではなくて、双方が多少の、その互いの反対のものを含み得るという状況ではございますが、主としてねらっているところはそういうところで、若干その意味でもケースが違うわけでございますが、いずれにいたしましても、湾岸政令みたいなことは今後あり得るのかと問われれば、それはむしろ国際平和協力法の人道援助の方ではっきりと措置がなされておりますので、そういうことは考えられないということは、申し上げられると思います。
○和田(静)委員 本案百一条では「外国における災害、騒乱その他の緊急事態に際して」となされているわけです。この「その他の緊急事態」というのは、一体どういうことが含まれるのですか。
○荒政府委員 ただいま御指摘のように、法案におきましては「外国における災害、騒乱その他の緊急事態」となっておるわけでございますけれども、「緊急事態」というのは、一般的に申しますと、もちろん御案内のとおりでございますが、水害とか震災等の自然災害、あるいは内乱、騒擾等の治安あるいは秩序の乱れ、そういう状況でございますけれども、緊急事態という性格上、今後あり得べきことも含めてすべてのケースを例示することはできないということで、法案では「その他の緊急事態」となっているわけでございまして、そこは御承知と思いますけれども。
 それで、具体的にどういうケースかというお尋ねかと思いますけれども、例えば、一例を挙げますと、外国による侵攻に伴う国際的紛争というようなことがその「緊急事態」の一例かと思います。私どもが過去において邦人の救出をした例から一例を挙げますと、例えば、かつて印パ戦争というのがございましたけれども、そういった事態がこのような「緊急事態」の例になるかと思います。
○和田(静)委員 途中ちょっと聞き取れなかったのですが、今こう言われたのですか、外国の日本に対する侵攻と言われたのですか。
○荒政府委員 大変言葉足らずで失礼いたしました。
 ある外国からもう一つの外国への侵攻に伴って起こる緊急事態、国際的紛争に伴う緊急事態ということでございます。失礼いたしました。
○和田(静)委員 端的に聞きますが、内戦等の戦争状態にある国には派遣できるのですか、できないのですか。
○荒政府委員 具体的にどういう状況かということもあるかと思いますけれども、私どもの考え方としましては、そういう緊急事態において、救出を要する邦人の方がおられて、その方々を安全に救出するということでございます。したがいまして、安全に救出するためには、当然のことながら、目的地までの飛行経路及び着陸が安全に行われるということが前提になるわけでございます。
○和田(静)委員 これは本会議でも答弁されているのですが、ちょっと確認しておきたいのは、「安全に在外邦人等の輸送の目的を達成することが困難であると考えられる場合には、民間機チャーターの場合と同様に、自衛隊機による在外邦人の輸送を行うことはあり得ない」と答えられていますね。このことは間違いありませんね。
○荒政府委員 そのとおりでございます。
○和田(静)委員 そこで、問題になるのは、この在外邦人の航空機等の安全が確保されるのかどうかということをどのようにして判断するかということであります。カンボジアを見ていましても、どうも政府の現状認識は甘い、もしくは故意に甘くされているのかもしれません。カンボジアに協力隊員を派遣する際には、停戦合意がなされておって、決して危険はないと言い続けられました。しかし、我が国を含んで多数の死傷者が出ておって、現地に派遣されている隊員からは、政府は現地のことはわかっていないという発言まで出ている。仮にこのような甘い現状認識のままに在外邦人の輸送のための航空機を派遣すれば、カンボジアのわだちを踏む可能性が大いにあると言わざるを得ないのであります。「安全に在外邦人等の輸送の目的を達成することが困難であると考えられる場合には、民間機チャーターの場合と同様に、自衛隊機による在外邦人の輸送を行うことはあり得ない」、今確認をした。こう言い切るには、一体どのようにしてこの安全の確保ができるかどうかを判断するのか、その判断基準あるいは判断の方法を明確に示してもらわなければならないと私は思うのです。派遣先国の意見によって決める、あるいは国連やアメリカの意見によって判断する、そういう以外に、日本独自に的確に判断を下せる状況に、私は、どうもないのではないだろうか。そうなってくると、安全か否かが不明確なままに派遣するということに結局はなるのではないだろうか。最終的な判断は、これはだれが下されるのでしょう。防衛庁長官がそれとも外務大臣か、あるいはPKOのように首相の決定事項になるのか、この辺はいかがでしょう。
○河野国務大臣 飛行機を飛ばすということは、その辺を自動車で走るというのとは極めて違うわけでございます。
 飛行機を飛ばすということになれば、派遣先国におきます飛行場がまず着陸の許可をおろすかどうかということはございます。それから、そこへ着くまでの間の航空経路が十分に、飛行機が飛ぶことを許可するかどうかということもあるわけでございます。これは極めて客観的、しかも現実に厳しく判断をされるに違いないというふうに考えてよかろうと思います。これは、何にも、だれもいない原っぱに着陸をしようというのではないわけでございまして、飛行場に着陸をするということであれば、当該派遣先国の航空管制その他の着陸許可というものが当然なければならないわけでございまして、これらは我が国の主観による判断ではないということは、委員も御承知のとおりでございます。
○和田(静)委員 かなりはっきり答えられたのですが、例えばクーデターなんかが起こった場合に、空港が安全な状態にあるのか、まずもって閉鎖されるというようなことが一番常識的にあるのでしょう。必ずしも、今官房長官がお答えになったような状態ばかりではないというふうに想定されます。私はそういうことを想定しながらお聞きをしたのですが、例えば外務大臣が要請するわけですが、外務大臣が安全は確保できると考えて邦人の輸送を依頼した場合、防衛庁としては独自に安全が確保されているかどうかの調査を行うのかどうか、仮に、防衛庁長官が安全が確保できると認めずに、外務大臣と防衛庁長官の意見が食い違った場合などということも、これは決して起こらないことではないだろうと思うのですね。そういう場合に、防衛庁長官は派遣を拒否することができるのだろうか、長官、いかがですか。
○中山国務大臣 先ほど外務大臣がお話しになりましたこの判断というものが下敷きになるわけでありますが、実際に航空機を運用する立場から、防衛庁は防衛庁としての調査、判断というものをしなくてはならないと思っております。これは、外務省が調査したときと防衛庁が調査したときの時間的なずれ等もあろうかと思いますから、ずれが絶対にないということは言えないと思います。その際は、防衛庁の判断が最終判断というふうに考えております。
○和田(静)委員 この辺も役所の皆さんとやりとりしているときにはちょっとはっきりしなかった部分ですが、今、防衛庁長官の判断が最終判断とお答えになりました。法律の趣旨からいくと、外務大臣が要請して云々、こうなっているわけでありまして、答弁は答弁として受けとめておきますが、そこのところ、かなり疑問が残るところであります。
 そこでもう一つは、安全の確保が確認できたとして派遣をした、そういう場合に、仮に、今お話しの中にもあったのですが、状況が変化をして安全が確保できないことがその後わかったときには、これはどうされますか。速やかに派遣した機体を呼び戻す、これは当然のことだろうと思うのですが、そういうことで理解をしておいてよろしいですか。
○中山国務大臣 そのとおりだと思います。
○和田(静)委員 在外公館に勤務をなさっている方々は、今一生懸命やっておられます。しかし、いわゆる緊急事態が起こる可能性が大きいのではないかということをいろいろ、これは百一条でありますが、法律案を読みながら考えてみました。国の助力がなければ邦人が避難することは困難ではないかと思われる地域というのは、これはいろいろ想定をしてみますと、一つの在外公館が何カ国をも担当しているといいますか、そういう例が多数見られるわけであります。端的にこういう例を挙げていいかどうかわかりませんが、ソ連が崩壊後に、あるいは東ヨーロッパをずっと考えてみますと、冷戦崩壊後に独立したすべての国に、日本の場合、大使以下のメンバーがそろうまでには至っていないでしょう。政府はすぐにアメリカなどの大国と比較をして、日本もその仲間入りをするためにあれもやらなければならない、これもやらなければならないというふうにお考えになるのは当然としても、一体、アメリカが海外に持っている政府の出先機関の数と比較して、日本の在外公館の数でそれと匹敵するような情報収集能力を持つことができるのだろうかどうかということを考えてみますと、私は衆議院に来てから、私的には別として、まだ外国へ出たことはありませんけれども、参議院時代、いろいろとあちらこちら回りながら、在外公館の皆さん方から、今申し上げたようなことを積極的に訴えられました。そして、幾つかの領事館などの設置の予算要求なども、かなり盛んに参議院の予算委員会で私はやったことがございます。
 こういうことを考えていきますと、どうも日本の在外公館の量的な不足が端的にあらわれているでしょう。今後政府がPKOの参加を望んで、また緊急時には政府専用機を派遣して、そして在外邦人を輸送しようとするのであったならば、今回のモザンビークのように、どうも客観的に見て必
要になったから在外公館をつくるというようなのではなくて、十分に在外公館を整備しておくことが必要ではないでしょうか。そのためには、先ほど行われた本省内の局の再編のみならず外務省全般、ひいては全省庁を含めた機構改革によって対外的な機能の充実を図る、そういう必要性というものは緊急なものとして存在していると私は思うのですが、これは幸いにして官房長官、いかがですか。
○河野国務大臣 確かに国際社会は大きく変化をいたしております。そしてまた、我が国の国際社会におきますさまざまな活動というものも飛躍的にふえてきております。こうしたことを考えますと、従来の枠組みだけではなかなか対応し切れないものが出てきているということは、議員御指摘のとおりだろうと思います。これはただ単に、外務省だけで対応し切れるかというと、必ずしもそうではない。最近では、外交交渉とはいいながら、それは通産省所管のものであったり、あるいは文部省所管のものであったり、科学技術庁所管のものであったり、多岐にわたっているわけでございまして、ただいま議員が御提案になりました、かなり各省庁を巻き込んで新たな機構に対する考え方を模索する必要はあるというふうに考えております。しかし、そういう大規模な機構改革については、まだまだ現在直ちに行えるという状況ではございません。ゆっくりしておっていいかとおしかりをいただけば、まさにそのとおりでございますが、こうした大規模な機構改革については、基本的な考え方その他、整理をすべき点も多々あろうかと思います。国際社会の変化、変動に対応できるためにも、そうしたことを十分考えなければならぬことと思っております。
○和田(静)委員 例えば、現在のカンボジアには、PKO協力法に基づいて自衛隊機も輸送で参加している。仮に文民警察官あるいは選挙監視要員、自衛隊の施設部隊が避難するような状況になったときには、自衛隊機が輸送の任に当たるということになるのでありましょうか。この場合、一体カンボジアPKO協力業務の実施計画に基づくものとなるのか、それとも本案百一条に基づくものになるのですか。
○畠山政府委員 まず、日本から派遣されています施設大隊の隊員たちあるいはその他のUNTACの業務に参加している人たちを緊急に我が国に帰すという場合におきましては、これはいわば国際平和協力法の、ちょうどこれが派遣されたときにその飛行機を利用したのと同様な意味で、附帯業務として、いわば実施計画、実施要領に基づく行為というふうに解釈できると思います。ただ、そのときに在外邦人が別途いる場合に、これはいわばUNTAC活動というわけではございませんので、その部分については、恐らく本百一条の適用を受けたものと同じ飛行機で輸送した場合でも、そういうふうに解釈を分けるべきではないか。今とっさの御質問では、そういうふうに私は整理すべきではないかというふうに一応お答えを申し上げておきます。
○和田(静)委員 もう一つ。先ほどの外務大臣のお答えとの関係で、ちょっとあれですが、例えばクーデターが起こった場合などは、当然空港というのは、先ほども私申しましたが、真っ先に閉鎖されると考えるべきでしょう。そういうような場合には、実質的にこの邦人の避難は不可能ということになろうと思いますね。湾岸危機の際のように他国の侵略があったときにも状況は似たようなものであったわけですが、当然事態が鎮静化するまでは、民間機であろうと政府専用機であろうと軍用機であろうと、派遣などを行うべくもないわけであります。仮に空港やその周辺航空路を支配する勢力が同意をすれば、航空機を派遣するということを考えていらっしゃるのでしょうか。また、もしそう考えていらっしゃるとすれば、それまでの邦人の避難と安全確保については、どういうふうにお考えになっているのでしょうか。
○荒政府委員 私どもの基本的な考え方は、そういう航空、飛行経路の安全と着陸について許可を出す正当な権限のある当局からの同意を取りつけるという考えでございます。
○和田(静)委員 ちょっと最後のところをもう一度。
○荒政府委員 飛行経路及び着陸につきまして許可を出す正当な権限を持っている当局から許可を得るという考えでございます。
○和田(静)委員 この法律案では航空機としか定められていないのですが、これは、自衛隊の所有する航空機すべてがこの任務に当たることができるということでしょうか。
○畠山政府委員 法律的には、航空機の機種による区別はございません。しかし、実際問題として、先ほども御質問ございましたが、搭載能力と、それから航続能力というか航続距離との関係から実際上制約を受けまして、現在考えられますのは、政府専用機と恐らくC130までということが現実の対象機種でございます。
○和田(静)委員 もう時間がなくなりましたので、最後にしますが、邦人と航空機の安全が確保されることが派遣の前提であるということは、戦闘機によるところの護衛というのは、これは一切考えてはいない。あるいは外国の軍隊に護衛を要請するということもあり得ない。また、仮に何者かにその機体が攻撃を受けた場合には、応射すること、これもあり得ない、そういうふうに考えておいてよろしいですか。三問。
○畠山政府委員 すべてあり得ないということで、そのとおりでございます。
○和田(静)委員 ありがとうございました。
 では、締めにしますが、ずっと答弁を聞かせていただきました。総理が本会議の答弁の際に、政府専用機ないしはこの自衛隊機を派遣することが必要な理由として挙げられました一九七五年のサイゴン陥落の場合などには、結局邦人の輸送のための輸送機の派遣はできないのではないだろうか、どうもそう思えてなりません。PKO協力法の際のように、政府の言う安全という言葉の意味というのは、私は本当の安全を指すとはどうも言い切れない面があるように思われます。それにしても、いつ攻撃されるかわからないような状況のところには派遣はしないのでありましょうから、この民間機に頼っていたときに比べて、確かに調整などは簡単でありましょうが、この政府専用機を使うから、自衛隊機を使うからといって、邦人の輸送に万能に対応できるということはどうも断言できないのではないかというふうに私は思えてなりません。
 この点は意見として申し上げて、終わります。
○志賀委員長 上田哲君。
○上田(哲)委員 河野長官が御出席でありますから、いい議論をしなければならないと思います。従前の議論を総括していきますと、すべては憲法にたどりつく、その観点から少し議論を進めたいと思うのであります。
 宮澤内閣は護憲の内閣である、結構であります。河野長官はその旗手である、私も厳然たる護憲派でありますから、大変歓迎をするところであります。ただ、この護憲は同じであるのか、あるいは違うのかもしれない。
 そこで、少しく具体的に伺いたいと思いますが、長官は、護憲、改憲をしないという言葉の意味を二つに分けますと、二つの流れがあります。一つは、今の憲法の明文改憲はしないのだ。もう一つは、いわゆる解釈改憲、言葉はそのままで中身がどんどん変わっていくようなことはさせないのだ。この二つの流れがあると思いますが、長官の護憲はどちらですか。
○河野国務大臣 私は、現行憲法の持つ理念といいますか、精神といいますか、そういうものを大事にしたいというふうに考えております。
○上田(哲)委員 繰り返しますが、それは明文改憲をさせないということであると考えるのですか。
○河野国務大臣 繰り返しになりますが、解釈によって変えていくということも、その理念が変わるとすれば、そうしたことは決していいことではないというふうに思います。
○上田(哲)委員 明快だと受け取ります。明文改憲は当然のこととして、解釈によって中身が変わってはならないのだ、そういうことですね。もう一遍確認いたします。
○河野国務大臣 ただいま申し上げたとおりでございます。
○上田(哲)委員 明快で結構です。
 そうなりますと、私は、今の憲法解釈論が非常に危なくなってきているということを指摘しなければなりません。
 論点の中心となっているのは九条に集約されているわけでありまして、いわゆる改革派というのは九条を変えることだという奇妙な論理が横行をしております。つまるところは、それは自衛隊、日米安保条約は合憲であると認めるかどうかというところに来るわけであります。私どもの護憲は、解釈改憲でない以上、自衛隊及び日米安保条約は違憲であると思うわけですが、長官の解釈はいかがですか。
○河野国務大臣 上田委員のお考えは若干偏っているように思います。現在行われておりますいわゆる改憲の議論の中には、必ずしも九条だけを指しているものでない議論があるということも、我々はやはり素直に認めておく必要があると思います。現行憲法について、さまざまな場面でさまざまな議論が行われている、私はこの議論が行われていることを少しも不快には思いません。議論は議論として十分なさることも大事だろうと思います。
 しかし、私は、現行憲法の理念というものを大事にしたいと私は私で考えているわけでございまして、これは宮澤内閣が、宮澤総理以下、総理のお考えで、現内閣におきましては現行憲法を大事にする、これは当然のことといえば当然のことでございますが、こうした確認もいたしておるわけでございます。
○上田(哲)委員 私が偏っているという御指摘は、今の憲法論議というのは九条だけではないのだと言われるのであれば、そこに私もきびすを合わせたいと思います。
 そこで、そこに絞っていきますが、自衛隊、安保の問題に限って言えば、私どもの護憲は、自衛隊、安保は違憲であると思いますが、河野長官の護憲論は、自衛隊、安保は合憲であるということでしょうか。
○河野国務大臣 これはもう、今や定説となっていると思います。たとえ九条といえども、日本の領土、領空、領海を守る、つまり最小限の自衛というものを認めている、これは現行憲法の解釈におきまして、まあ、おおむね四十数年を経て、日本の国内はおろか国際的にも定説として定着をしているものというふうに考えております。
○上田(哲)委員 ここがもう歴然と違うわけですから、それ以上の改憲派というのもまたありますからそれは除外するとして、せめて同じテーブルに立って議論をしたいと思うのです。
 そこで、切り口を変えてお尋ねをしますが、長官の言われる、既に当然の常識になっていると言われる自衛隊、安保条約の合憲は、この憲法が制定されたときからそのとおりであったとは思いません。いつから変わったのでしょうか。それとも初めから自衛隊、安保は合憲だったという御認識でしょうか。
○河野国務大臣 自分自身を守る、自衛というものは、本来与えられているものというふうに解釈をされているというふうに私も思います。
○上田(哲)委員 繰り返しますが、それは、この憲法制定のときから自衛隊、安保というのは合憲だったという彼認識でありますか。
○河野国務大臣 現行憲法が成立をいたしました時点におきましても、既に自衛力を持つということについては認められているという解釈を私はとっております。
○上田(哲)委員 これは新説だと言わなければなりません。世上、自衛権と自衛力の混同もありますけれども、今のは解釈として新説であると思わなければなりません。長い議論でありますから、そしてまた時間の制約がありますから、このこと自体に、解釈論を展開するつもりはない。問題は、私どもはこの憲法制定のときに、必要最小限であれ、あるいは国際紛争云々という次元の問題を除外するものであれ、軍隊というものが存在するということは意図されていなかったという理解に立っていますから、例えば変遷論をとる立場からいっても、どこからか変わってくるということがないと説明がつかないと思っています、もちろん変遷論にも限界があるわけでありますが。
 そこで、抽象的な議論になることを避けて、少しくこの法案にも即して議論をしたいのでありますが、言わんとするところは、いわばなし崩し――長官は、明文改憲はおろか解釈改憲があってはならないと言われるのだけれども、事実上の解釈改憲ということで、なし崩しに憲法の理念は曲げられてきているのではないか、私たちはそのように思うのであります。
 ちょっと外れるのですけれども、きょう、ある新聞の一面トップに、自民党の憲法調査会が、「内閣または国会に憲法調査機関を設置し、本格的論議を開始するよう提言する」と。しかもそれは、我が国の国際貢献と憲法九条のあり方を軸にして、さらに八十九条、九十二条などの再検討を求める、こういうことが報道されております。
 内閣の責任者として二点、憲法調査会の方向は、内閣、国会の場合は内閣にという志向が強いというふうに報道されておることが一点と、そして、中身はやはり九条などについての論点であるとされておりますけれども、政府としては、こうしたものを設置、そしてまたこのような方向で議論するということについてのお心構えはいかがですか。
○河野国務大臣 自由民主党の党内におきます憲法調査会の中での御議論と承知をいたしております。党内の憲法調査会が、真摯な議論を積み重ねられておるということを聞いておりますが、実際問題、どういう結論あるいはいかなる具体的な提言をおまとめになったかということは、まだ承知しておりません。党からも、何のお話も伺っておりません。したがって、党内での御議論について、私が今ここで何かコメントをするということは控えたいと思います。
○上田(哲)委員 先ほど、護憲にも立場の違いがあるということを申し上げたのですが、何とかすれ違いにならないための議論をしたい、こう思いますから、私の方も、ひとつできるだけ具体的な論議の場といいましょうか、ものを求めてみたいというふうに思います。
 それで、まあ言葉は言葉なんですけれども、なし崩しというのは困るなということだけは一つ非常にソフトな入り口として確認をしておきたいのだけれども、いかがですか。
○河野国務大臣 なし崩しという表現が法律とか憲法とかそういうものにそぐうものであるかどうか、あるいはなじむものであるか、私にはよくわかりませんが、いずれにせよ上田委員がおっしゃることは、何かこう法律を超えて既成の事実をつくってはその既成事実に法律をまた合わせていこう、そういうことはよくない、こういうことをおっしゃっているんだろうと思います。
 私は、一般的に言いまして、確かに意図的に、つまり法律を変えるために意図的にそういうことが行われて、さらに意図的にそれに法律を合わせていくという行為は好ましい行為ではない、やるべきことではないというふうに思います。
○上田(哲)委員 それでいいんです。それでいいので、今度の政府専用機も、安全でなければ飛ばさないと言われるのだけれども、危ないから助けに行くんだから、安全なところに行くわけがないのですから、そういう議論をしているというのはまずいんじゃないのか。それがなし崩しになっていく入り口じゃないか。
 例えば今度のPKOも、命をかけてもカンボジアの総選挙を実現させようということであるべきかどうかは、議論があっていい。しかし、いや、全然命の心配はないんだからと言ったところは間違いだったということを、これだけは引き戻さないと、議論は本物じゃない。それはなし崩しになっていくだろう。十分な議論が足りなかったとか技術的には十分でなかったとかいうような言い方ではなくて、私はそういうことをなし崩しと言いたいものですから、国会が信頼をされる議論のためには、PKO問題について議論をするについては、あるべき姿がどうであるかは大いに議論していいが、全然血を流す必要もない、危険がないんだからという言い方は間違っていたというところまでは、引き戻されるべきである。飛行機のことは幾ら言ってもこれ以上発展しないでしょうから、その問題として、その姿勢を問うておきたいと思うのです。
○河野国務大臣 議員の頭の中にイメージとして浮かんでいる飛行機の方は、危険だというのは、何かこう内戦でも起きて、鉄砲の弾が飛び交う中、飛行機で救出に向かうというようなことが頭の中にイメージされているんじゃないかと思いますが、在外邦人を輸送するために飛行機を飛ばすというときには、例えば大水害が起こるとかあるいは大変な伝染病が蔓延してしまって、これは一日も早く国外に脱出することが安全であるとか、そういった自然現象でございますとか、その他、大地震が起こったとか、何も内乱とかそういったものでない場合だってあるわけでございます。
 つまり、一たん大きな災害が起こってそれが静まる、しかしその後がなかなか、生活条件が非常に厳しくて、これはもう早く他の場所に輸送する必要があるというようなことも想定されるわけでございます。その場合に、その結果、飛行場まで壊れちゃったということになれば、これはまあできないわけでございますが、しかし幸いにして飛行場の飛行機の離発着だけは確保される。それは先ほど申しましたように、飛行場の航空管制その他が飛行機の離発着についてオーケーを出せば、そこに飛行機が行って相当な数の邦人を輸送する。これは私は、民間の飛行機も、コマーシャルな定期便に乗ることも結構、いいと思います。それから民間のチャーター便も飛ばすこともできれば、それもいいと思います。しかし、それでもなおかつ乗り切れないだけの量がいるということだってあるわけでございますから、今回御提案を申し上げ、御審議をお願いしているような、こうした改正案の趣旨で飛行機を飛ばすということも、私は想定としては十分あり得ることであって、こういうことはないということは言えないのだろうと思っているわけでございます。
 しかしながら一方で、事実は小説より奇なりとかなんとかといいまして、我々が想定をしているけれども、想定を超える場面ということが出てくることも時にはあるわけでございます。それにどう対応するかということは非常に重要でございますが、私どもは、国会でこうして国民を代表する議員の方々に御審議をいただいて法律をつくれば、その法令の範囲内でその政府は実施をするということは、これはもう当然のことでございます。法令の範囲内で実施されなければならない。そこに、議員がおっしゃるように何か意図的に、それを踏み越えて何かがあるということは、私は決してあってはならないことだというふうには思うわけでございます。
○上田(哲)委員 私はまだ原則論をぶっているわけです。したがって、PKOのことを答えてほしいのですよ。
 命をかけてもカンボジアの選挙を守るべきかどうかという議論の前に、心配ない、けがはないのだから、命を落とすことはないのだからといった議論はやはり間違いだった、そこは戻さないと、本来の議論というところにはならないのではないかというあり方を、今飛行機の問題にもつなげて言ったわけであります。そこのところを、ひとつ率直なお声を聞きたいのです。
○河野国務大臣 原則論とおっしゃいますので、私も原則論を申し上げたいと思いますが、本来PKO活動というものは、弾を撃ったり撃たれたりしては成功とは言えないとおっしゃった方がいらっしゃいます。私どもも聞かされた原則論は、本来PKO活動というものは国連の信頼、それから粘り強い説得、そういうものによってでき上がりつつある和平を永続的、恒久的なものに仕上げていく、その作業をPKOというのだよというふうに、我々は原則として聞いているわけでございます。私は、それが本来の姿なんだ。その本来の姿、本来、強制をするあるいは武器を持って何かをするということではなくて、国連というものの信頼あるいは粘り強い説得、丸腰で、そういったものが本来のPKO活動というものだという原則は、やはりきちっとみんなが知っておくということは大事なことなのではないかというふうに、まず私は思いますが。
○上田(哲)委員 だから、そう思っていた原則より事態は外れてしまったというのは、率直にお認めになるべきですね。
○河野国務大臣 今回のカンボジアのプロセスにおいて、これはブトロス・ガリ事務総長も言っておられます。明石さんもたしかそう言っておられたと思いますが、当初の考えと違った事態が起きているということは、私どももそう思っているわけでございます。
○上田(哲)委員 私は、それはそう立てていた原則が状況とずれたのではなくて、原則の立て方が間違っていたのだろうということを心配しているわけです。これは水かけ論になるからやめまして、少しく具体的な話に入っていきたいと思います。
 PKOと日米安保条約の関係というのはどうなんですか。
○丹波政府委員 先生の御質問の趣旨、私、理解いたしましたか必ずしも自信がございませんけれども、日米安保条約は、日米のああいう取り決めによりまして日本の安全というものを確保するというところが主たる目的であることは、先生御承知のとおりであろうかと思います。他方、PKO活動は、国連が主体になりまして、各地における地域紛争が終わった後で、その脆弱な平和というものをより確固たるものにするために、国連加盟各国がボランタリーにいろいろな要員を出していってそういう活動をする。そういう意味におきましては、直接的な、法的な関係というものは両者の間には存在していないのではないかというふうに考えます。
○上田(哲)委員 PKOと日米安保とは直接関係がないと。私もそう思うのですよ。思うのですが、ここでなし崩しということがまた出てきてしまうのだけれども、どうも懸念を持たなければならないのは、先般アスピン長官と防衛庁長官がお会いになったときに、輸送についてはアメリカが手をかそうじゃないかという話があった。防衛庁長官も、まあそれもいいじゃないか的なお話があったように思うのですね。
 続けて言ってしまいますけれども、それからアメリカ側との事務レベル協議で、在日米軍基地の中にPKO要員の共同訓練センターを設ける、こういうことになっていますね。これはやはりつながってきませんか。
○畠山政府委員 今お話しのとおり、日米防衛首脳会談におきまして、PKOについてアメリカ側が、アメリカ側としてPKOをグローバルな観点から研究をしているので、日本との間でも共同で研究をしていかないかという提案がございまして、それについて事務的な折衝、会談におきましても、同様のお話がございました。
 これは、今お話にありましたような共同訓練センターをつくるとか、そういったような具体的な提案などはまだなくて、これから、夏の終わりごろからそういったものを、どういう場でか、そこもはっきり決まっておりませんけれども、今後事務的に詰めながらそういった問題についてお話し合いをしていこう、こういう話でございます。直接日米安保という問題ではなくて、PKOのあり方について、あたかも国際会議が、そういうものがあるのと同じように、二国間において、PKOのあり方について日米の間で研究をしようという問題でございます。
○上田(哲)委員 これは国会の役割ですよ。いつでも我々が味わってきたことは、我々の議論が間に合わないのです。事態が先へ進んじゃうのです。後から、これはおかしいじゃないか。例えばPKOだって、危なくなったら帰るんだよとさんざん聞かされたが、この前の質疑のときにも私は、帰れるかと言ったら帰れると言ったが、帰れなかった。社会党の代表が見に行っても、やはりこれは帰れないわと。それは、先に議論をしなかったら国会の意味はないのですよ。だから今言いますよ。
 事務的な協議はするのだと言われているから、実らない場合もあるかもしれないが、アスピンも言い出しているし、アメリカ側の提案があるのだから、テーマになり得る、実現し得るのだ。だから、その想定で議論します。在日米軍基地の中にPKO要員の共同訓練センターが設立されたら、これは安保条約とPKOはつながるじゃないですか。
○丹波政府委員 ただいま防衛局長の方から御説明がございましたとおり、実体というものが必ずしも明らかになっておらない段階で安保条約、地位協定の関係というものを論じることはできないわけでございますけれども、先生篤と御承知のとおり、日本の施設、区域というものは一定の目的のために米軍のために供与されておりまして、その目的にかなった使用ということが条約上必要であることは、御承知のとおりでございます。
○上田(哲)委員 そういう議論をやっていると、またなし崩しになっちゃうのです。だから、仮説の議論として話をしますから、歯どめが必要なら歯どめをちゃんとしてください。それが国会の機能です。
 日米合同委員会、それぞれのところがありますよ、日米それぞれの委員会とかいろいろなことがあるわけですが、いずれにしても、米軍の基地内というのは米軍の管轄下なんだ。ここにはっきり名前がついたPKO要員の共同訓練センター、これは具体的には、例えばガリ提案による執行部隊の訓練に使われるじゃないですか、あるいはPKOについてここに第三国の部隊が参加するということはあり得るじゃないですか。それから、従来から議論されてきたんだが、PKOとPKFが違うなんて言ってきたけれども、国際的にどこだってこんなものを区別しているものはない、当然ここでPKFということになるじゃないですか。つまり、日本的呼称におけるPKOは、米軍基地内の共同訓練センターということによって、安保条約体制下でもって動くことになってしまうのです。こういう状態を事前に我々はチェックしなきゃならないと思うのですよ。
 まだ云々という言い方をされると思うから、質問を整理して申し上げます。三点に絞る。こういうものができた場合に、私は、第一、ガリ提案における執行部隊の訓練に使われる可能性あり、第二に、第三国の参加あり得る、第三に、PKF自体の活動の場となり得る、となっては困るのであれば、この在日米軍基地内にPKO要員の共同訓練センターを設けてはならないはずだと思うが、いかがですか。
○丹波政府委員 先ほどからの繰り返しになりますけれども、実体というものがまだ明らかになっておらない段階でございまして、安保条約の第六条でございますけれども、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」ということが第一文にございますけれども、この範囲に落ちてこないものにつきましては米軍基地内に設けることができないことは明らかでございます。
○上田(哲)委員 そう言いながら在日米軍基地からベトナムにだって発進したのです。さまざまな行動が行われたんです。起きてからでは間に合わないから、これはぜひ長官、外務大臣臨時代理から、あるいは防衛庁長官からもきちっと予約的に私は聞いておきたい。こういう懸念があるものはつくってはならないはずだ、つくるというならPKOは日米安全保障体制下に入っちゃう。この点について、明確にこうした懸念を打ち消すような措置をとるということを約束いただきたい。国会であります。
○中山国務大臣 私とアスピン国防長官との会談の話がちょっと何か先行、エスカレートしてきたような感じがいたしますので、一言お話を申し上げます。
 先ほど防衛局長からお話を申し上げましたように、そのときアスピン長官から、我が国のカンボジアヘ、PKOへの参加ということを高く評価していただきました。アメリカとしても、今後もできるだけのPKO参加に対する応援をしていきたいというお話がありました。これまでもカンボジアにおける情報の提供など、いろいろ支援をしていただいておりますし、本体業務におきましても、また、いざというときにおきましても、アメリカばかりではなくて、諸外国の支援も受けなくてはいけないのではないかというふうに考えておりましたやさきでしたので、この申し出については大変うれしく思ったわけでございますけれども、先ほど防衛局長がお話し申し上げたように、具体的な、輸送であるとか、どういう飛行機を使うとか、今の共同訓練センターであるとか、そういう具体的なお話はございませんでした。また、どういう協力を受けるかと。うれしくは思いましたけれども、今先生おっしゃったような、安保条約を初め内外のいろいろな法的な問題もあろうかということで、私は返答を留保して帰ってきたというのが実情でございまして、先生がおっしゃるようななし崩しとか、そういう意図は全くございませんので、御安心をいただきたいと思います。
○上田(哲)委員 それは後で聞くのですが、これは外務大臣ですね。私が言うのは、PKOのための日米共同訓練センターというのが米軍基地内に置かれるということになれば、それは今申し上げたようなことになる、だからそうさせないということが当然なあり方だ。外務大臣に承っておきたい。
○河野国務大臣 アメリカ側がどういうお考えであるのか、どういうアイデアを持ってそういうことをおっしゃったのか、私にはよくわかりません。
 それから、今防衛庁長官からお話がありましたように、まだ極めて具体的でない段階だというお話、御報告がございました。そういう段階でございまして、私からどういうふうに御答弁を申し上げるのがいいのか、ちょっと正直迷っておりますが、迷っておりますが、先ほど条約局長が申しましたとおり、日米安保条約には日米安保条約の決まりがあるわけでございますから、そうした決まりを超えて何かがあるということは、私は考えにくい、こう申し上げておきます。
○上田(哲)委員 こういう論理なんですよ。PKOと日米安保条約は関係ないとさっき御答弁があった、私もそうあるべきだと言っているのです。ところが、米軍が管轄権を持っている日本の米軍基地内にPKO要員のための日米共同訓練センターが設けられるということになれば、繰り返しませんが、さっき挙げた三点が少なくとも疑義として浮かび上がってくるのです。
 ですから、そういうことをさせてはならないということについて予防対処的に私は申し上げているので、まだ具体的に協議が進んでないからということだけで済ませていって、いつの間にかできてしまったということになってしまう。元来、日米安保とPKOは関係がなかったということが、意味のない過去形の、既成事実としてなし崩しになっちゃう。だから、国会のシビリアンコントロールの機能として、私はその点にしっかりくぎを刺しておきたい、これはわかっていただけると思うのですね、長官。
○河野国務大臣 先ほど申し上げたように、日米安保条約という、日米二国間の協力関係と申しますか、そういったものが日米安保条約の本旨でございますから、その日米安保条約の規定を超えて、何か別の要素のものがその中に入ってくるということには、私はならないというふうに思います。
○上田(哲)委員 水かけ論になりたくないので、ここで一遍とめますが、私は、その懸念を大いに深くする、また、国会のシビリアンコントロールからいってもそうでなければならないから、約束していただきたい。こういうものが実現しそうになるときは、すべからく具体的な内容、経過について国会に御報告をいただくということだけは、しっかりお約束をいただいておきたいと思います。
○河野国務大臣 御報告を申し上げるようにいたします。
○上田(哲)委員 今度は防衛庁長官なんですが、輸送の問題というのは、ちょっと混乱をされているかもしれぬが、輸送を頼むよということになると、これはまだその垣根がなくなっちゃうのです。なし崩しになるのです。
 そこで、伺っておきたいのは、具体的に大綱、中期防にかかわるのですが、現中期防では輸送機のC130を一機調達することになっているのだけれども、これをC130よりC17に変更して調達するということになっていませんか。まず、そこで聞きましょう。
○畠山政府委員 そういうことにはなっておりません。
○上田(哲)委員 なってから、必ずそうなるといけないから私は言っているのですが、実はそういう検討が進んでおる。そのC130とC17の違いは、決定的なのは航続距離の違いなんです。こういう足の長いものを持ってくるということになれば、これはまさに輸送という問題、防衛庁は何とかして輸送能力を持ちたいという気持ちはわかる。政府専用機まで自衛隊の飛行機にして、もう一機も欲しいなんということを言ったり言わなかったり。だから、そういう問題からすればわからぬではないけれども、しかしここを、C130をC17に変えようという懸念があるということは、これは先ほど来の、アスピンが言ったのはただそれだけのことだということでは済まないよという心配を私たちに持たせることになるのですね。これは明らかに現在の憲法論、水かけ論にならないための憲法論の範囲を超えるわけですね。その辺に、国際貢献という名前をかぶせて、国際貢献のために、攻めに行くのではなくて、足の長い輸送機を持つのは当然だという論理が頭をもたげてくるのではないかと心配する。
 これは、私たちが長いこと言っても言っても、そんなことはないないと言いながらなし崩されてきたということがあるからです。その計画はないと言われるなら、同時に内容についても否定しておいていただきたいが、元来、本来任務、本来任務ということからすれば、こういうC17というようなものが出てくることは自衛隊にはあり得ない。だから、C17の導入ということは、その意味では、憲法違反の水かけ論はしませんよ、具体論としてあってはならないはずだし、これを国際貢献という言葉でどこかですりかえるようなことがないようにということについて確認をしておきます。
○畠山政府委員 本来の防衛の目的のためにC17と今お話がございましたが、そういう不必要に航続距離の長い航空機を導入することは考えておりません。
 ただ、平成八年度以降に次期防の検討がありまして、その前に防衛のあり方をどうするかという問題がございますので、それの中で国際貢献というのをどう位置づけるか、そういうものは組織も含めて検討するということになっておりまして、そういった将来のあるべき姿がどうかという点につきまして、そこも全く可能性がないかというと、私はそこまで責任が持ち切れないというのが正直なところでございます。
○上田(哲)委員 正直に言ったから褒めてやっていいのかどうかわからないけれども、そういうことになってくると、これは心配なんですよ。何か国際貢献という言葉があればどんどん打っちゃって、これはC17というのは四千キロを超える航続距離なんですから、積載量でも130をはるかに上回るし、機動性のある新鋭輸送機なんですね。その可能性なしとしないということになってくると、一体これは、今までの議論はどこへ行くのか、何が専守防衛か、そしてそれが国際貢献という名前で行くということになると、一層心配になってくるのです。
 そこで、大綱の見直しと国際貢献の話を詰めておかなければなりません。大綱の見直し、九五年度までにと言われていますが、その中に国際貢献というのは入るのですか、入らないのですか。
○畠山政府委員 現在、まだ部内で勉強中でございまして、検討の緒についたばかりでございますので、内容について現在、これが含まれるか含まれないかということについて確たることを申し上げるのは困難でございますけれども、いずれにいたしましても、幅広く、日本の国際貢献あるいは日米のあり方、それから自衛隊のあり方、そういったものを幅広く予断を持たずに検討をしていくというのが我々の基本的な立場でございますので、恐らく国際貢献のあり方という問題も含めて、大綱の変更につながり得るとされるこの防衛のあり方の検討の中で、もろもろすべてを含めて検討していく中で検討の対象になり得るというふうに考えております。
○上田(哲)委員 畠山さんは非常に正直に言うから、その分だけはいいですよ。しかし、これは大変なことだ。それが含まれるということになると、これはいよいよ我々もしっかり構えていかないとえらいことになるなと。正直に言ってください。せめて正直でなければ、これはぐあいが悪い。半世紀、こういうふうにやられてきちゃったからね。
 そうなると、抽象論ではなくて具体的に聞いておきますよ。時間が大事だから、どんどん具体的なものしか行かないのだが、国際貢献に大綱で触れるということになれば、今日、「雑則」のその他の任務になっている問題というのは自衛隊法第三条を改正しなければならないということになる、そういうことですね。
○畠山政府委員 そういうことになろうと思います。
○上田(哲)委員 ますます正直で結構です。褒めてばかりもいられないのだけれども。
 いよいよ自衛隊法第三条の改正を含めた討議に入っていくんだということになる。これは私たちはよほどしっかり議論をしないと、国際貢献という言葉の中でそれこそC17どころの騒ぎではないということになっていくということについて、ぜひ、シビリアンコントロールを強化するために努力もするが、さらに正直に言ってください。時間がもったいないからどんどん先へ行きますから、簡単に答えてくれればいい。
 二十九日の安保理の議長声明、いわゆる「平和への課題」が採択をされたのですけれども、これについて日本は非常任理事国としてどういう態度をとったか。当然賛成したわけでありますが、とすると、時間がないから急いで私の方から問いかけておきますが、二つの点で問題がある。一つは、いわゆる五原則の一つ、三条一項一号の違反ではないか。もう一つ、武力行使を認めるという点で二条二項の違反ではないか。これに賛成した日本の態度というのは、どう考えるのか。
○澁谷政府委員 この議長声明の内容は、すべての国が平和維持に参加し、これを支持するよう促すとともに、国連平和維持活動の遂行に当たっての諸原則を再度確認いたしております。今後、これをさらに強化するための方策を本年九月までに報告するよう国連事務総長に求めているということと、それからこの声明は、国連平和維持活動に参加した軍人、文民に謝意を表明しつつ、要員の安全確保のために一層毅然たる努力をする意図を表明しているほか、予防外交の強化、人道的救援活動と平和維持活動の関連その他についても触れてはおりますけれども、こういった点について、この議長声明は一つの結論を出しているということではございません。今後、さらに関係各国の検討を促すというのがこの趣旨でございます。
○上田(哲)委員 それはとんでもない話だ。これは採択されているのです。日本は賛成をしておるのです。しかもこれは、PKOの派遣で当事者の事前合意は例外的には免除される、PKO任務遂行のためのあらゆる必要な手段は安保理が承認する権利を持つなどと言って、これは新タイプのPKOになっているのですよ。これをこの程度にとらえているということは大変な性格変更であって、日本外交の基本が変わったということになります。後の議論に譲りますが、こんないいかげんな答弁は許しません。問題を簡単に言いますから、簡単にもう一つ答えてください。
 先ほどの論議にも出てきたのだが、日中間の外相会談で日中安保協議再開で合意をした。これは日本側から提起したわけだから、何となしにさっき窓口で幅広いという話もありましたが、長官、具体的に聞いておきます。つまり、はっきりしておきたいことは、この日中安保協議再開というのは、そのかなたに日米ロ中の四カ国協議への展望を持っているのか、いないのか。いかがですか。
○池田政府委員 現在のところ、先生が御指摘になられましたようなそういう展望を持ったものではございません。
 基本的に、日中間の相互理解を深める、そして双方の政策をより透明のあるものにするということで相互の信頼醸成を高めていく。恐らくそれがアジア・太平洋の安定と平和のためにもプラスになるだろう、そういう考量でございます。
○上田(哲)委員 時間が迫ってきましたから、長官、さっきからお気に召さぬ言葉かもしれぬが、憲法のなし崩しということを私は言っているわけです。十分な時間ではありませんが、幾つかのテーマをとらえてみると、大変正直に言った畠山防衛局長の答弁を含めて、我々としては非常に心配をする要素が多い。これは後の議論をしっかりしたいと思うのだが、やはり基本は憲法です。何とかすれ違いにならないために私はこんなことを言ってみたいのです。この憲法論は合致して共通のスタートになるかどうか。五つ、五段論法です。
 一つ、民主主義社会の憲法とは国民主権を保障する最高法規であって、このことを一番大切にしなければならない。憲法を国民基本の財産として尊重する社会と政治を目指したい。第二に、憲法はいつでも国民が変える権利を持っている。今の日本国憲法はそのような規定になっている。しかし、憲法改正は国民自身が必要と思うときに国民の意思で変更すべきもので、国民不在の改憲論議はあってはならない。三つ目に、今の日本国憲法は検討されなければならない点もあり得るところだが、同時に、その根幹となっている民主主義、平和主義、基本的人権の尊重などの権利は、今こそ最も大切にしていかなければならないであろう。四番目に、今唱えられている改憲論が第九条を変更することに主なねらいがあるとすれば、そうであってはならないだろう。冷戦構造が崩れた今こそ、武力を国の背景としない憲法を守ることが日本の国際貢献、外国から信頼される道であると考えよう。したがって第五に、だから私たちは、この憲法が五十年の民主主義をはぐくんできた道をもっと発展させるべきだと考える。今こそ憲法をこの立場から守っていかなければならない。
 こういう考え方、いかがですか。
○河野国務大臣 かねてからの上田先生の憲法に対するお考えがそこに込められていると思います。
 憲法に対する私の気持ちは、冒頭から申し上げておりますように、現行憲法の理念、考え方というものを大事にしたいというふうに私は考えておりまして、今先生がおっしゃった御意見のかなりの部分、私は合意ができます。
○上田(哲)委員 結構です。
 私は、今政治改革がいろいろ言われておりますけれども、政治改革の根幹は何だといったら、先般二十五年表彰の際に私は大きな声で演説をさせていただきましたが、国民主権と国会との距離の速さをどのように埋めるか。このことは無論、政治浄化の問題もありますが、あるいは選挙区法の改正だけの問題でもない。もっと大きくそうした基本の立場をとらなければならない。
 その幾つかある中で、これは私の持論でありますけれども、国民投票法をこの国でも採用すべきではないか。諸外国でほとんどその制度を持っている。イタリアがある。あるいはロシアもやる。そして、先般のマーストリヒト条約についてのヨーロッパの姿を見ても、国民の意思をどのように政治の中に吸収し得るかということを考える手だて、このことがやはり大事な今日の民主主義の手法ではないかと思っているわけです。
 長官にも読んでいただいたと思いますが、私も二年かけてつくった国民投票法の草案がございます。部分的にはさまざまな意見があるのは別として、スイスのように年平均四回やっているというふうにすぐいけるものではないにしても、また日本国憲法四十一条に言う唯一の立法機関である国会の機能を侵すというようなこと、強いて言えば憲法改正を前提とするのではなくて、現憲法体制下で可能な国民投票の方法というものを勘案すべきではないか、こういうふうに思っているのですが、長官の御見解はいかがでしょうか。
○河野国務大臣 基本的には、国会は国権の最高機関という考え方を真ん中に置くべきだというふうに私は思います。その国会が国権の最高機関だという基本といいますか、原則といいますか、そういうものは国民投票制とどういうかかわり合いを持つか、お互いにどういう関係を持つ、あるいは影響力を持つかというところは、さらに議論をしなければならぬだろうと思います。
 しかし一方で、憲法の中にも、憲法改正については国民の意思を問うことになっております。しかし、この国民の意思を問うためのいわば国民投票の制度といいますか、そういったものはまだ法律的に整備をされていないのが現状でございます。こうしたことをどう考えるかということもあるかと思います。先生のイメージしておられるもの、お考えになっておられるものが一体どういうもので、具体的にどういうものであるかということが、私にはまだよくわかりません。先ほど来申し上げておりますように、国権の最高機関たる国会と国民投票制度との間にどういう関係があるのか、ただ単なる参考投票ということであるのか。もし、そういうただ単なる参考ということであれば、それなりの位置づけが必要だと思います。そのためにそれだけのエネルギーを使うことの是非というのも、また議論になると思います。何よりも私は、国会が国民の代表として、国民の気持ちを反映し、また国家国民の、あるいは世界の将来に責任を持つ政治がこの場で行われるということが、本来何より大事だというふうに考えております。
○上田(哲)委員 結構であります。
 私は、日本の憲法が、まあ学者の言葉でありましょうが、硬性憲法あるいは硬質憲法、改正手続が非常にかたい憲法だ、こう言われておりますけれども、諸外国の例を見ると、例えばデンマークならデンマークを見てみますと、例えば法律の改廃でも、国民投票がそのことを是とした場合でも、さらに厳しいパーセンテージを課して発効させる、憲法に至ってはその上三分の二の決議がなければいけないとか、日本よりはるかに厳しい制度を持っているところはどこもあるわけであります。したがって、日本がこの戦後半世紀にわたって憲法の明文に手をつけてこなかったということは、それは決して手続が難解、硬直しているからではないのであって、私は、この憲法が民主主義の基本として国民の中に成熟、定着してきた一つの証左だと思っていますから、これは長官と一致できるところだと思いますが、大事にしていきたいという点は変わらないのであります。したがって、みだりに憲法を変えるということを言うのではなくて、現憲法の中で一歩ずつ上り詰めていく方途はないか。
 こういう中から大前提として、私の提起は、現憲法下、法体系の中で実現可能なもの、ということは、先ほど長官の言われたように参考意見という部分も確かにあるでありましょうが、少なくとも年に一回ぐらいは、それも国会の発議、ということは四十一条における国会の立法機関としての優位を最大に尊重するわけでありますが、国会の発議によって国民に国の重要課題について、政治課題について意見を求める、こういう制度をひとつ持ってみるべきではないか。繰り返しますが、それは直ちに法律や憲法の改正につながるものではないのだけれども、投票率が今五〇%を切るというようなことが端的にあらわしている政治不信の中で、一つのテーマについて国民の意向が政治に反映し得る道がありとするなら、国民が目を開いて参加するパーセンテージは高まるであろう、政治はそこまでの努力をすべきであろう。こういう点から、発議権を国会に求め、各党はそれぞれ自分たちのあるべきだと考えるテーマをすぐって、これを国会の合意として国民に問う。
 しかもこれは、日限を切っておかないと国会が逃げますから、そこで私は、知恵としては一番四季静かな秋、十月の第一日曜と思うんですけれども、そういう日を決めておいて、汗をかいて各党が一つのテーマをつくり上げる。例えば、PKOについてとか、消費税についてとかということに国民の意向を聞く機会が今回あったならば、私は今回の結果についての受け取り方というものも大いに違ったであろうと思うんですね。私は、私のアプローチだけがすべてだなどとは到底思っておりませんけれども、政府の先進的な実力者である河野官房長官が先ほど大変大きな理解を示されたところに立って、何かそういう民主主義をさらに成熟させていく立場では、このような考え方は参考に値するというような御意見をぜひいただきたいものだなと思うわけであります。いかがでしょうか。
○河野国務大臣 議員のかねてからの御主張でございます。私も何度か議員から直接間接お話を伺って、私なりに勉強もさせていただいておりますが、国民投票になじむものとなじまないものとがある。例えば、問題によってはトレードオフの関係を持たなければならぬものがある。それをただ単純に、あることの是非を問うというだけでは十分ではないわけで、このことを行うためにはこのことを失うとか、あるいはこのことをやるためにはこのことが制限されるとか、そういうふうに今我々の周辺で起こっている問題というのはすべて、まあすべてとは申しませんけれども、かなりの部分がそういうトレードオフの関係があって、それをどういう設問の仕方にするか、どういう問いかけにするかということはなかなか難しいのであろうと思います。しかし一方で、議員がおっしゃるように、こういうものになじむものも実はあるのだと思います。したがって、どういうやり方にするかということはさらに勉強をしなければならぬというふうに思います。
 かねてからの御主張でございますから、こうしたことに非常に積極的に研究をしておられることには敬意を表します。しかし、私の立場、私の考えを申し上げれば、今直ちにそういうことになじむかどうかということになると、私は必ずしもいいとは思いません。
○上田(哲)委員 非常にいいことを聞いていただいたんですね。単なるイエスかノーかというようなことではなくて、多様な見解の表明の方式というのは十分にあるのです。例えば、消費税なら消費税というものを、廃止といえばゼロ%でありましょうが、一%から一〇%、自民党の中では要路の方が一〇%と言われたこともあるわけですから、税金を取られる側から一%から一〇%まで羅列して、どこに丸をつけるかということがあっていい。ゼロというのは廃止ということですね、こういう形。さらに保留ということがあるわけですよ。意見を決めない。例えば、保留というのが過半を超える場合には、これは国民に聞く前に国会でもう一遍議論してこい、こういう意味合いも持ってありましょう。また、投票日が決まっていて、テーマを出さなければならない日限が投票日の二週間前と限定されている以上は、国会がもし何とかしてこの国民投票の機会を失わせよう、あるいは一つの横暴な政党がどうしても国民にこうした。問題を判断させたくないということになれば、これはダイレクトな形ではないけれども、次の機会の総選挙で手痛い仕打ちも受けるであろう。
 こういうようなあり方が私はやっぱり大いに双方から工夫をされて、そうした制度をつくってみるということが、もう国民投票鎖国と言われる日本ですから、ぜひひとつ開国をして、こうした問題について百尺竿頭一歩を進めるべきであるというふうに、そのような内容も付して申し上げてみたいのですが、いかがでしょう。
○河野国務大臣 お考えは承らせていただきます。
○上田(哲)委員 畳み込んで言うつもりですから、最後に私は、ぜひこれを国会の議員立法の形で、政府に向かって救い舟を出したいくらいの気持ちであります。
 議会主義というものが政治不信の極限にあるときに、こうした問題を議会の機能として持つべきだと思いますから、長官、見ていただきたい。もう用意しまして、提案者、そして賛成者、今どんどん集めております。よく見てください。ここでひとつ五十名の賛同者が得られればこれを国会に、何とか今国会中に提出をしたい。この場合には、ぜひひとつ議会民主主義を整々として蘇生させるために、この手法を取り入れることについて、先ほど来憲法についても大変開明的な立場もお持ちだし、共通の土俵もかなり広げられたという立場からすれば、開かれた国会、民主主義の前進のために胸を広げ、大手を広げて受け取っていただくようにぜひ申し上げたいと思います。いかがでしょうか。
○河野国務大臣 国会には大勢の議員がおられて、さまざまな角度、さまざまな視点でいろいろと研究をしておられるわけでございます。その多くの研究の中でも上田議員の研究は、歴史も古くて高い見識によって研究を進められているということは、よく理解することができました。
 議員立法云々の話は院の話でございますから、どうぞひとつ院の中において十分御議論をいただきたいと思います。
○上田(哲)委員 ありがとうございました。
 私は、きょうこの時間の中であえてこの問題も取り上げましたのは、何としても、国会と民意が遠い距離を持ってしまっている。率直に申し上げて、とりわけPKOその他の問題が今激しい局面を迎えていると思います。安全なところへ行くんだよ、血を流すことはないよ、帰りたいときは帰れるんだよといったうそが国会の中でまかり通ってしまったということに、やはり今日の国民の不信が大きくあるだろうと思います。したがって、その意味では、何をおいても、汗を流し血を流すのは国民なのでありますから、その国民の民意を、主権者の意見をくみ上げていく方途というものを考えなければいけない、このことが根底であります。
 きょうは割に素直な答弁が出ましたけれども、素直な分だけ心配が高まってまいりました。PKOと日米安全保障条約との関係、大綱との関係あるいは装備の関係、非常に問題点が多く出てまいりましたから、これらについては、なし崩しの結果を見せられる国会ではなくて、予防措置を講じ得る国会という立場で、お約束をいただいた幾つかのテーマについてはきちっと御報告もいただくこともぜひ確認させていただきまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○志賀委員長 山口那津男君。
○山口(那)委員 公明党の山口那津男でございます。前回に引き続き質問をさせていただきますけれども、前回通告いたしました残りの質問等をこれから順次いたしたいと思います。
 まず始めに、本法が成立するといたしますと、政府専用機の予定された運用形態あるいは自衛隊の海外における活動というものが、当面予想されるもの全部完結するのではないかと思います。例えば、いわゆるPKO法に基つぐ国連平和維持活動に対する参加、それからもう一つは国際的な人道的救援活動への参加、それから国際緊急援助隊法に基づく災害等の体制、それからもう一つは、旧来から自衛隊法に規定されております、例えば百条の四の南極観測等への輸送協力など、それから百条の五の国賓等の輸送協力、それと本法ということで、六本立てくらいで体系的にでき上がるかというふうに思っております。
 そして、これらの業務につきまして、先日の本会議では、国連平和維持活動等について我が国の防衛には見られない専門的な分野がある、こういう御認識を示されました。具体的にどのような部分がこの専門的な部分であるか、本来の防衛とは異なる部分だと認識されておられるのか、その具体的な内容をまず御説明いただきたいと思います。
○畠山政府委員 国連平和維持活動の本来の防衛とは異なる性格といいますと、例えば中立・非強制の立場で国連の権威と説得によって停戦確保等の任務を遂行しようということでございますから、武力の行使というような点がない、極力武器を使用しないという点が通常の防衛と異なる点であろうと思います。それからまた、我が国の立場からいいますと、他国の領土内で活動をするという点においても、これは本来の防衛活動とは異なるという点であろうと思います。
 そのほか、やや次元を異にしまして違いというものを述べてみますと、まず求められる人材の要素として、これは中東の方にPKOの調査団として派遣された者の報告の中に出てまいるものでございますけれども、人材の要素としては、協調性、柔軟性、辛抱強さということが求められる。そしてまた、能力的にいうと、少なくとも幹部の者は英語力が格段にないといけないという点においても、通常の訓練体系とは異なるものであろうと思います。
 そういったような点が、いわば大きな点と細かい点とに分けて申し上げましたが、性格の異なる点だろうと思います。
○山口(那)委員 今御指摘になられたような点のほかにも、子細に検討すれば恐らくさまざまな点が出てくるかと思います。
 そこで、こうした面について、本来の防衛に適した組織とは異なって、このような専門的な部分に対応するべく教育訓練をするとか、あるいは実際の活動の実績を集積して研究をするとか、そういった面で、自衛隊の中にも組織面での別組織化といいますか、専門化といいますか、そうした検討をすべきであろうと私は考えております。
 さらに言えば、今は防衛型の組織というのは陸海空という、三軍が別々な体系になっておりますけれども、この海外の業務についてはこれらを統合した方がより効率的に、より適切に効果が発揮できる、こういう場面もあるのではないかと予測するわけであります。そうした意味で、前回の本会議でも、自衛隊の適切な業務の形、あり方というものを本来の組織面も含めて十分検討していきたい、このような御答弁がありました。この人的組織の整備についてどのような具体的なお考えをお持ちか、これを御答弁いただきたいと思います。
○畠山政府委員 今後、防衛力のあり方の検討が平成七年度までに結論が得られるという形で進められてまいりますので、その中におきまして国連平和維持活動につきましても、自衛隊がどのような形でその業務を遂行するのが最も適切であるのかといった点につき、今までのカンボジア等におきます当該業務の実績も踏まえまして、組織面も含めて検討を進めてまいりたいというふうに考えておりまして、現段階では具体的な構想があるわけではございません。
○山口(那)委員 人の面でそういう専門化を進めていくということは、十分合理性があるだろうと思うのです。しかしまた、海外業務、海外の平和的な業務に適する装備というものも考えられるわけであります。この装備の面につきましては、現有する防衛用の機材、装備というものを海外業務に活用するということが主でありましょうが、今回のカンボジアへの参加等に伴って、専ら海外で使用するということが予定される装備というのも部分的にはあるのではないかと思うのです。そうした意味で、この装備の面も含めて専門組織化、別組織化するということが果たして適当であるかどうかについては、十分な検討が要るだろうと思いますが、現時点でこれらの問題についての、まあ一長一短といいますか、について考えられる要素というかポイントというか、これを御指摘いただきたいと思います。
○畠山政府委員 現時点で今の御質問に的確にお答えすることは、構想もまだ検討がなされていない状況でございますので非常に難しいわけでございますけれども、あえて申し上げますと、まず、仮に自衛隊の中での別組織にした場合に、人的な面でそのものを、例えば専ら国際平和維持活動のみに専従するという形にした場合に、人的な効率性という面でどうであろうかという問題点が若干あろうかと思います。同様に、装備品についても、本来の防衛の組織と国際平和維持活動を行う組織との間で彼此融通するということを許さないという組織に仮にするならば、これも装備品が固定化し、二重投資化するという面の短所があろうかと思います。
 それからまた、この国際平和維持活動を行うという、まあ何人の規模にするかはわかりませんけれども、そういったものを別組織として自衛隊の中に設けた場合に、実は、現在行われております国際平和維持活動におきましては、防衛庁を挙げて、自衛隊を挙げてこれを支援するという形をとって初めて組織の持つ機能といいましょうか、そういうものが活用されてきているわけでございまして、そういった面で、仮に別組織にした場合に、本来の防衛の担う部分の組織からの支援というものがどういう形で得られるのかといったようなことも考えますと、これを別途の形にした場合には、そういった組織を挙げての支援という体制がしけなくなるのではないかといった問題もあろうかと思います。
 他方、長所としては、恐らくPKO活動の要請があったときに、日ごろから、御指摘のとおり専門的な訓練が集中してでき得るということから、より容易にこれに対応できるということになるのかな、そういう長所も考えられるかなというのが、現段階で私が個人的に感じている点でございます。
○山口(那)委員 今の御答弁では、非効率的な部分、短所と思われる部分がかなり指摘されたように思いますが、私なりにその長所の面を考えてみますと、その教育訓練の統一化というほかに、例えばこれが専ら平和的な業務に従事するのであって、武力行使とか他国への目的以外の駐留とかという疑いを生じさせないような組織のあり方、あるいは装備のあり方というものをつくり上げることは、やはり国際的な信頼を高める上で、また国民の信頼を高める上でも十分検討すべき課題だろうというふうに思っております。
 いずれにしても、今やっと踏み出したところで、実績を積み上げつつあるところでありますから、これらの経験を十分生かして深い検討をしていただきたいと御要望いたします。
 さて、防衛計画の大綱について、見直しの段階にあるだろうと思いますけれども、現在の大綱においては、本来、専ら防衛ということでありますから、この防衛のあり方というものを主として書いております。しかし、一連の、この数年の間に海外の業務というものがかなり追加をされました。拡大をされました。ですから、これについての位置づけというものがはっきりと示される必要があるのではないかと私は思います。場合によっては、自衛隊法三条の本来の防衛の任務と並列的に、これらの国際的な業務を任務の一つということでもっと重要視するという考え方もあり得るだろうと思うわけですね。
 そうした意味で、いずれにしても広義の防衛計画という趣旨で、この大綱の見直しに当たっては何らかの位置づけをする、考え方を示す、こういう必要があろうと思います。現に、狭義の防衛でない災害の派遣等についてもこの大綱には示されておるわけでありますから、狭義の防衛に限る必要もないだろうと思うわけでありますね。この点についての基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○畠山政府委員 先ほども別の委員からの御質問にお答えしたところでもございますけれども、防衛の今後のあり方については、予断を持たずに幅広くすべてについて検討対象にするということでございまして、その一環といたしまして、現段階では我々考えておりませんけれども、その検討の中では、まさに御指摘の国際貢献の業務について、三条の位置づけを含めまして、したがってまた大綱の中でどういうふうに対応するかという点を、まさに検討の対象にすることになるであろうと思います。
 ただ、これはあくまでも国民、国会の御議論、御意見を踏まえて、それに沿った形で行うということを基本姿勢といたしておりますので、我々の方で勝手にこうしたいということで先決めするというつもりはございませんので、十分に国会、国民の御意見を踏まえた上で結論を出してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 なお、お話の中に、三条を改正して本来業務と、いわゆる国防という本来業務と国際貢献業務とを並立させたらどうかという意見もあろう、こういうお話がございましたけれども、若干私見にわたりますけれども、いかに国際貢献が重要であるといっても、これは我が国にとって義務ではございません。重要な任務であっても義務ではなくて、これは我が国として選択のできる問題でございますし、国防の任務と目的が衝突し合うということになってはいけませんので、そこにはおのずからやはり段階が生ずることになるのではないかというふうに、私的に考えているところでございます。
○山口(那)委員 きょうは官房長官は外務大臣の代理として、また国際平和協力本部の本部長としてお見えでありますから、文民警察について、今私は自衛隊のPKO等の専門的な部分ということを御指摘したわけでありますけれども、文民警察につきましても、当初の想定とは違った部分がいろいろ出てきたのではないかと思います。日本の文民警察が国内の知識、経験をもとにしてカンボジアのようなところで役に立つ、これは十分可能な部分もあるし、またそれをはみ出す部分もあった、犠牲も伴った貴重な経験をしたと思います。
 そうした意味で、この文民警察部門についても、専門的な教養訓練の必要性というものがあるのではないかと私は思うのですね。そして、その必要性があるとすれば、それに対応する教養訓練のあり方というものも検討されなければならないと思います。それは、本来の警察が都道府県というばらばらの組織でありますから、全国を統括する警察庁、例えば警察学校のようなところでこういう特別な専門的な教養訓練をするのが望ましいのか、あるいはこれをPKO本部が、あるいは事務局管理のもとに特別な訓練組織をつくってやるのが望ましいのか、そこはいろいろなお考えがあろうかと思います。これらの文民警察についての専門的な教養訓練の必要性、あり方というものについての官房長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○河野国務大臣 カンボジアに派遣をいたしました文民警察の方々につきましても、委員も御承知のとおり、派遣を前にして相当程度の研修を行ったところでございます。これは、派遣に当たっての法の精神、法律そのものの知識を持っていただくこと、あるいはクメール語、英語など語学の研修、さらには衛生管理に至るまで数項目、かなり多い項目において研修をしていただいて、出ていっていただいたわけでございますが、しかしこういう研修は時間的にも限度がございます。今、恐らく委員がおっしゃっておられるのは、もう少し中長期にわたる研修を指しておられるのだと思います。
 ただ、この研修は、一つは、どこへ行くかということによってもその研修の内容は若干違ってくる部分もあると思います、共通の部分ももちろんあると思いますが。さらに、一体いつの時点で、どのくらいの人がそういう国連からの要請を受けるかということを想定することもそう簡単ではない、そんなに前からわかっているわけではないということもございます。
 私は、委員が御指摘になりましたように、研修の重要性を認めます。研修は非常に重要であるし、意味のあることだというふうに思います。しかし、その研修を一体どういう形でやるか。どういう研修が最も効果的であるかということなどにつきましては、今回、そう遠からず文民警察の方々も帰ってみえると思いますから、帰られてからそうした方々の御意見もよく伺う必要もあるのだろうというふうに思っております。
 今後のPKO活動に当たっての文民警察のかかわり方、そういったことは相当に研究をする必要がある。我々はたくさんの反省材料をいただいたというふうに考えておりまして、十分慎重に、今回の経験をもとにいたしまして、どういう研修がいいかということについては、あるいはまたその他考えなければならない点もあるのだろうと思いますが、そうした点をよく考えるつもりでおります。
 したがって、今委員が御指摘になりましたように、直ちにどこかの場所に別組織をつくって云々ということを申し上げるのには、まだもう少し時間をかしていただきたい。今の段階ではそうしたことを、実は計画を持っておらないところでございます。
○山口(那)委員 官房長官、お時間でしょうから、どうぞお引き取りください。
 質問を続けさせていただきます。
 PKFの凍結解除ということが議論になりましたけれども、これについて、いわゆるPKFの警護という任務がカンボジアで現実に行われておると思います。これらの任務というものは、従来の国連の伝統的なPKOの中でPKFが展開するに伴って当然に行われてきたことなのか、それともカンボジアにおける特殊性から新たにこういう行動が出てきたものなのか、その辺が必ずしも定かではございません。
 例えば、今の我が国の法律では、過去のPKOのさまざまな任務を集大成するような形で網羅的に任務を規定したんだろう、類型的に規定したんだろうと私は理解しているわけでありますが、そこには警護というようなものは明記されておらないわけですね。この点について、この警護というものが、いわゆる平和執行部隊とは異なる伝統的なPKOの中でどのように位置づけられてきたのかということを御答弁いただきたいと思います。
○澁谷政府委員 過去において行われましたPKO活動の個々具体的な事例にそれぞれ詳しく当たったわけではございませんけれども、一般的な形で申し上げますと、UNTACの場合のように、軍人と文民が一緒になった形で大規模に実施された平和維持活動はナミビアの例がございますけれども、ナミビアにおいてはカンボジアのような緊迫した状況には至らなかったということもございまして、実際上こういう問題は起こっておりません。
 そのほかの平和維持活動につきましては、基本的には、軍人が主導する形あるいは軍人がそのほかの要員をその傘下におさめるという形で一般的に行われておりますので、当然のこととして警護を軍人ないしは歩兵部隊が行うということは行われてまいりました。これは、当然のこととして行われてきたというのが実情ではなかったかと思われます。
○山口(那)委員 今のお答えだとすると、先日予算委員会で我が党の草川委員の質問に対して官房長官が、この警護について参加各国が国内法で明記するというようなことは必ずしも行われていないようだ、こういう御答弁もあったと思います。それらをあわせて考えてみますと、このPKFを凍結解除した場合に、我が方に警護が明記されていないとしても、この歩兵部隊の行動に伴う当然のこととして警護はできるということになりそうに思われます。しかし、憲法との関係というものは、先日の集中審議でも指摘されておりましたから、これと抵触する部分は、はっきりと限界を画さなければならないと思うわけでありますが、今私の言ったように理解してよろしいのでしょうか。
○萩政府委員 御質問の警護でございますが、先生お話しのとおり、国際平和協力法のいずれにも警護という言葉はございません。
 それで、しばしば警護という言葉が大変いろいろな意味に使われているように考えます。先般カンボジアの施設部隊が行いました、まあ私どもは立ち寄りといいますか、選挙投票所に立ち寄ってもらったということを言っておりますが、それは警護であるというような表現がございますが、私どもは、そういったものは警護とは全く考えておりません。したがって、警護という言葉が法律にございませんので、警護とは何かという有権解釈はないわけでございますけれども、一般的に申しますと、警護というのは警戒して護衛をするということでございますから、恐らく他に例を求めれば、例えば警察官の中で要人を警護する警護官というのがありますが、そういう例から見ますると、恐らく二十四時間その警護対象に付き添って護衛に当たるということであろうというふうに推測をいたしますと、先般施設部隊の行いました、一日に一回十分か十五分ぐらい、水とが食べ物の補給あるいは情報収集のついでに立ち寄るというようなものは、とても警護という言葉には該当しないというふうに考えております。
 それで、本来の意味での警護が国際平和協力法上できるのかということになりますれば、もちろんそういう業務が入っておりませんので、現在もできないし、それから、仮に凍結が解除されても警護はできないということになろうかと思います。
 それで、最後に先生がおっしゃられました、そもそも論という憲法とのかかわりで、法律を超えて警護の業務ができるのかどうかという話になりますと、これは現在そういう法律もありませんし、さしあたりはそういうことを予定して議論もしておりませんので、必ずしも今直ちに断定的なことは申し上げかねるわけでございまして、現段階ではそのことについて直ちにはっきりと、憲法とのかかわりで警護業務ができる、できないということは断定をしかねるところでございます。
○山口(那)委員 質問を続けたいところでありますが、時間が参りましたので、少し早目に終わらせていただきます。また続きはよろしくお願いいたします。
○志賀委員長 北側一雄君。
○北側委員 公明党の北側一雄でございます。
 自衛隊法の一部改正法案について質問をさせていただきます。
 きょうは、できるだけ具体的に、事実に即しながら質問をさせていただきたいと思いまして、私の方で資料を用意させていただきました。外務省の方の資料に基づきまして、私の方で、これまで緊急時における在外邦人救出輸送の実例を類型的に分けまして資料にさせていただきました。これをもとにして質問をさせていただきたいと思います。
 委員長にお願いでございますが、この資料を本日の審議の会議録に掲載をしていただけるように、お取り計らいをお願いを申し上げる次第でございます。
○志賀委員長 ただいまの北側一雄君の申し出の件は、本日の会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○志賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔資料は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○北側委員 ありがとうございます。
 本法案は、外国における災害、騒乱等の緊急事態により、生命身体の保護を要する邦人輸送の必要がある場合に、その在外邦人を輸送していこうという法案でございます。こういう邦人輸送の必要が生じる場合というものを考えてみますと、在外邦人の避難の仕方としてこういうふうに言えるのかなと思います。まずは緊急事態が生じている地域から、まだ民間航空機の定期便の利用が可能であるならば民間航空機の定期便の利用ができますし、また本法案成立後は、政府救援機の派遣としてこれまで認められておりました民間航空機をチャーターするという方法以外に、政府専用機を中心とする自衛隊機による輸送というのが考えられるということになってくるわけでございます。
 そこで、まず冒頭に、生命身体の保護のため在外邦人の避難が必要な場合に、まだ民間航空機の定期便の利用が可能である場合には、政府救援機によらず、まずこの定期便によって避難することを勧告することになるのかどうか。言いかえますと、民間航空機の定期便の利用が不可能もしくは困難な場合に政府救援機、政府救援機というのは民間航空機をチャーターする場合もあれば、本法案成立後は自衛隊機を活用する場合もあるかと思うのですけれども、そういう政府救援機の派遣を定期便の利用が不可能もしくは困難な場合に検討するということになるのか、その点、まずお答えをお願いしたいと思います。
○荒政府委員 ただいま先生御指摘のとおりでございます。
○北側委員 それでは、これから本法案の持つ意味、または本法案が機能をする範囲といいますか、限界といいますか、これについて具体的にお聞きをしたい。また、邦人輸送の安全確保というのが非常に大きな前提でございますので、この安全確保を確認するための要素としてどういうものがあるのかということを、できるだけ具体的にお聞きをしていきたいと思っております。
 まず、定期便の利用が不可能もしくは困難という状態になってきた場合に、政府救援機の派遣が検討されてくる。この政府救援機の派遣方法として、本法案成立後は、これまでやっていました民間航空機のチャーターという方法もあるし、自衛隊機による輸送という方法もある。この二つの方法をどう選択するのか、その選択の基準につきましてお答えを願えますか。
○荒政府委員 ただいま御指摘のように、定期便が運行している間は、定期便でなるたけ早く、必要に応じ退避していただく。その後に定期便が不可能、困難というときに初めて民間チャーターあるいは自衛隊機による政府救援機の可否を検討するわけでありますけれども、その際には基本的にはケース・バイ・ケース、かつ総合的判断ということで、自衛隊機の使用が最適というときに私どもとしては防衛庁の方にお願いするわけであります。
 そのときの判断の基準でございますが、一つは、当該緊急事態の態様につきましていろいろな点、これは例示的になりますけれども、例えば、当該緊急事態が起こっている場所と我が国との距離、当該地域の地理的状況、空港の施設、現地の状況、その見通し、輸送対象者の人数、それから当然のことながら事態の緊急性といった時間的要素も考えるということでございます。これは当該緊急事態の態様につき、いろいろな角度から項目的に検討するということでございます。
 それから第二に、自衛隊機及び民間機のチャーター対象機のうち、利用可能な航空機にどういうものがあるか、またはその性能、それから準備に要する期間、時間でございますけれども、そういった点を検討いたしまして、最終的には総合的な判断によるということでございます。
○北側委員 今のような事情を総合的に勘案して、民間航空機をチャーターするか、もしくは政府専用機を初めとする自衛隊機によるのか、その辺を判断するという御答弁なんですが、民間航空機もチャーターできる、自衛隊機による輸送もできる、こういう場合に、本法案をつくった趣旨というのはどの辺にあるのでしょうかね。
○荒政府委員 私ども海外における邦人の保護を任務としております外務省としましては、やはり、必要な場合には在留邦人の救出のための輸送の手段が充実するということは、我々にとって大変ありがたい話でございます。
 それともう一つは、過去のいろいろなケース、先生御承知のとおりかと思いますけれども、過去の経験から、もちろん過去のことでございますので単純に結論は出せませんけれども、私どもとしては過去の幾つかのケース、例えばサイゴン陥落時なんというのは典型例でございますけれども、そういうときに、もし政府救援機ありせば邦人の保護のためにより適切な対応ができたのではないかという経験がございまして、そういうことから、私どもとしても本法案をお願いしているということでございます。
○北側委員 今のお話は、これからお話しするような過去の実例から、政府専用機のような飛行機があったならばより適切に邦人の保護ができた事例があった、そういうケースが多くあったということで、本法案が出てきているのではないかと思うわけでございます。
 ちょっと確認でございますが、先ほど来言っておりますけれども、政府専用機以外の航空機で邦人輸送に使用されるのは、事実上C130に限定されるものというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○畠山政府委員 法律的には航空機ということでございますから、すべてが対象になるわけでございますけれども、航続能力と搭載能力の関係で、御指摘のとおり政府専用機以外では、事実上はC130に限定されるものと考えられます。
○北側委員 そこで、今後、法案成立後でございますけれども、仮に外務省の方から防衛庁に邦人輸送の依頼があった場合に、政府専用機とC130、このいずれを使うのか、その判断基準についてできるだけ詳しくお答えを願いたいと思います。
○畠山政府委員 C130につきましては、政府専用機が他の目的で使用中のため使用できないといったような場合、それから、派遣先国の空港の滑走路が短くて政府専用機が使えないといった場合に使用することがあり得ると考えておりますが、逆に、政府専用機が使用できる場合におきましても、具体的な状況によりましてはC130を使用する可能性も、これは一概には排除できないであろうと思っております。例えば、輸送対象者がごく少数であるということになりますと、わざわざ非常に搭載能力の過大な政府専用機をもって運用する必要性はないわけでございまして、九十人を運ぶことのできるC130で足りるというケースであれば、C130を使うということもあり得るということでございまして、どちらが先に用いられるかという基準は、そういう意味で具体的なケースに応じて妥当な判断をするということでしかないのではないか、こう思います。
○北側委員 C130による輸送をする場合というのは、相当限定されてくるのではないのかというふうに私は思うのですね。それは当然でございますけれども、航続距離が非常に短い、それから速度も、これプロペラ機ですね、ですから非常に遅い。そういうこともございまして、現実には地域的に相当限定されてくるのではないのか、C130で邦人輸送ができるような場合というのは。この点、いかがですか。
○畠山政府委員 おっしゃるようなことはあろうかと思います。ですから、どの程度の緊要度があるかというときに、距離が非常に長ければこれは恐らく政府専用機が優先されることになろうと思いますが、それほどの緊要度がなくて遠い場合、遠い場合であってもそれほどの緊要度がないという場合には、給油をしながらC130を用いるという場合も、搭載、必要性との兼ね合いで可能であろうと思いますし、逆に、緊急度は高くても近い場合であれば、C130が状況に応じて用いられるケースもあるということでございますから、いずれにいたしましても、具体的状況に応じて判断されるということだと思います。
○北側委員 それでは、お配りしました資料に基づいて、具体的な実績に基づいて質問をさせていただきたいと思うのです。
 まず、ちょっと資料を説明いたしますと、これまでの政府救援機によった邦人輸送というものを類型1、類型2、類型3と三つに分けてみました。
 類型1が、日本航空チャーター機による輸送の場合、これが八例ございます。
 それから、類型2が、日本航空ではなくて外国航空会社の航空機をチャーターして邦人輸送した場合、これが二つございます。
 それから、類型3は、日本航空と外国航空会社の航空機を両方、チャーター機を組み合わせて救援をしたという場合。これが湾岸戦争、湾岸危機のときでございますけれども、四例ございます。
 それで、類型4は、政府救援機によらずに他国の航空機によって避難、退避した例でございます。これが十四例ございます。
 この資料、外務省の方から教えていただきながらつくらせていただいたのですが、これは間違いないかどうか、確認をさせてください。
○荒政府委員 私ども、一応見させていただきましたけれども、間違いないと思います。
○北側委員 それでは、まずこの類型1の八つの、政府救援機が飛んだ場合ですね。日本航空のチャーター機による輸送でございますが、本法案によれば政府専用機の使用が可能であり、かつ適当であった、適切であったと考えられるケースというのは、この八例のうちあるかどうか、お答え願いたいと思います。
 これは日本航空のチャーター機が飛んでおりますので、政府救援機が飛べるような状況であるということがまた大前提なんですけれども、こういう日本航空のチャーター機よりも政府専用機の使用がより適切ではなかったかと、この事実に即してそう思える場合があれば、指摘をしていただきたいと思います。
○荒政府委員 御指摘の類型一の八つのケースでございますけれども、まず、当然のことでございますけれども、過去のケースについて、もし救援機ありせばという仮定のお尋ねでございますので、あくまで想定ということでお話しさせていただくわけでございますけれども、この八例につきましては、私どもの感じと考えとしましては、いずれも政府救援機の検討は可能であったろうというふうにまず思うわけでございます。
 それで、お尋ねのように、しからば政府救援機の方がより適切であったかどうかという点は大変難しいのでございますが、一つ典型例としては、第七でございますか、サイゴンの陥落直前に私ども日航機をチャーターしましてマニラまで飛ばした、しかし御案内のように、その時点で現地の情勢が急変しまして、結局はサイゴンまでは到達できなかったわけでありますが、これも当時の事情、いろいろ調べますと、いろいろ複雑な事情がございます。特に、当時の関係企業たる日本航空の方でいろいろな問題を検討していたこともこれあり、いろいろ時間がかかったというような要素もあって、恐らくこの時点で政府救援機があれば、あったとすれば、もう少し早く何とか対応できたのではなかろうかと、これはあくまで感じの問題になりますけれども、私どもはそういうふうに思っておるわけでございます。
○北側委員 このベトナム戦争でのサイゴンにいる邦人の救援の問題でございますが、昭和五十年の四月二十九日に派遣されているというふうになっております。これは、実際にはこの政府救援機を飛ばす必要性が政府の方に明らかに認識をされて、そういう動きを始められていたのはいつごろなんでしょうか。
○荒政府委員 正確にぴたり何日というあれはありませんけれども、私どもの記録では、四月の十一日ごろ、そういう問題意識を持って検討を始めたという記録がございます。
○北側委員 今のお話ですと、四月の十一日ごろ、そういう問題意識を持っておったということですから、もし、仮定の話でございますが、本法案があって、政府専用機があれば、政府専用機をこの四月二十九日よりも早く現地の方へ飛ばすことができたのではないか、そして結果としてサイゴンにいる邦人を救援することが可能だったかもしれない、そういうことでございますね。
 次に、この類型2の場合でございますが、これはちょっと私の考えを言わせていただきますと、この二つの場合というのは、それぞれ、これは最初のものがミャンマーの方の騒擾事件ですね。これはタイ航空機を日米共同でチャーターされたわけです。そして、もう一つの方がザイールの暴動で、スイス航空機をチャーターされました。この二例は、緊急性を要するとか、飛行場の離陸、着陸になれているとか、そういうふうな事情から、むしろこの外国航空会社のチャーター機による選択というのが恐らく正しかったのであろう、よかったのであろう。これは政府専用機による輸送が仮に可能であったとしても、こちらの方がよかったかもしれない事例かなというふうに思いますけれども、いかがですか。
○荒政府委員 私ども、結論的には先生御指摘のとおりの感じでございます。
 確かに御指摘のように、まず類型2の@、ラングーン騒擾のケースでございますけれども、当時現地ラングーンにおきましては、外国の軍用機の乗り入れは許可されてなかったという状況があったというふうに我々承知しております。したがいまして、これもまた大変な仮定になるわけですけれども、もし私どもが政府救援機を派遣する可能性があったとしても、これは類推になりますけれども、非常に困難なことではなかったかというふうにまず思うわけでございます。
 それから、二番目のザイール暴動の際でございますけれども、これはもちろん理論的には自衛隊機による政府救援機の派遣ということは可能ではなかったかというふうに思うわけでございますが、これも既に御指摘のとおり非常に遠隔地でございますし、これは今度は民間航空機との比較の問題になるわけでございますが、当時は幸いにしてスイス航空機を迅速に準備できたということで、結果的になりますが、御指摘のように民間チャーターの方がより迅速かつ適切だったケースという感じを私どもも持っております。
○北側委員 類型3の場合は、これは湾岸危機の事例でございます。このときはイラクの領内には当然入れませんので、またイラク政府の方が自分の国の飛行機を使えということで、アンマンもしくはバンコクまで救援に政府救援機が行っているという実績でございまして、この四例については、それぞれ政府専用機があれば政府専用機が使えた事例、また、それが適切であった事例だというふうに考えます。
 また、類型4について、十四例挙がっています。これは政府救援機が使えなかった場合ですね。政府救援機が使えなくて、他国の航空機によって邦人が退去した事例でございます。この十四例のうち、もし本法案のもとであれば政府専用機等によって救援が可能であったのにというふうに思われる事例があれば、指摘をしていただきたいと思います。
○荒政府委員 この類型4でございますけれども、大変一般的なお答えになるかもしれませんが、一般論として、また仮定の問題でございますが、一応政府救援機の派遣も基本的に検討し得た可能性があったのではなかろうかと私ども思います。ただし、例えば二番、プノンペンの陥落直前に米国機で数名の邦人が脱出しましたけれども、恐らく、このときのプノンペン空港及びそこに至る空路の安全、その他当時の現地の情勢から想起しますと、非常に政府救援機の派遣は難しかったかもしれないというケースかと思います。
 その他につきましては、例えば四番、パナマからマナグアでございますけれども、この辺につきましては私どもも当時の事情を正確には把握しておりませんが、しかと可能であったとまでは言えないようなケースかというふうに思っております。
○北側委員 今のお答えは、この二番の昭和五十年のカンボジア戦乱のとき以外の事例は、政府専用機等の政府救援機で救援ができた事例であったろうという御答弁ですね。
○荒政府委員 若干慎重な言い方をさせていただきますけれども、これらのケースにつきましては、恐らく政府救援機の派遣について検討することが可能であったろうという感じを持っているということでございます。
○北側委員 この類型1の実績例でお聞きをしていきたいと思うのですけれども、輸送の安全確保という問題でございます。
 例えばこの@、D、E、インド・パキスタン戦争、このときは二国間の紛争でございます。カラチはパキスタンでございますので、当然パキスタン政府の着陸許可、また航空経路に当たる通過国の航空許可というのはとっておられたと思うんですね。このときは、派遣先国でない、一方の紛争当事国であるインド政府に対しまして、この政府救援機を飛ばすことについてインド政府の方に通知もしくは了解を得る、そうしたことをされたのかどうか、確認をしたいと思います。
○荒政府委員 最初に、御指摘の類型1、ケースDでございますけれども、このときは、今御指摘のようにまずパキスタン当局からカラチへの飛行及び乗り入れ許可を得ております。それに加えまして、インドからチャーター機の航行について安全面での保障を正式に取りつけております。
 それから、次の六番のケースでございますけれども、この時点では状況は若干変わっておりまして、この十二月十九日の時点では、既に当時のインド政府はパキスタン側に停戦の申し入れをしまして、戦況も若干変化しておったという状況でございました。そこで、私どもとしてはもちろんパキスタン政府の許可を得ておりますけれども、当時の記録では、特に改めてまたインドから保障を取りつけたという記録は残っておりません。
 それから、一番でございますけれども、これは昭和四十年でございまして、実はいろいろ調べておるところでございますけれども、そこら辺の許可の取りつけ状況あるいは安全を確保するために関係国とどうやったか、申しわけないのですけれども、ちょっとまだ記録が出てきておりませんで、詳細は把握しかねておる状況でございます。
○北側委員 邦人を安全に輸送するというのが、これはもう本法案の大前提でございます。私がなぜこの質問をしたかといいますと、前回のこの委員会での質疑の際は、どちらかといいますと安全確保のために、派遣先国の着陸許可をとるとか航空経路に当たる通過国の許可をとるということがあれば、輸送の安全確保がされるのだというふうにも聞こえるような御答弁があったんですね。私はそうじゃないと思うんです。今のこの実例からわかるとおり、それはもう大前提の必要条件でございまして、派遣先国の着陸許可があること、航空経路に当たる通過国の許可があること、これはもう当然でして、これが必要最小限の、安全確保を確認する最低限の要件、それに加えてケース・バイ・ケースで安全確保のために必要な条件が出てくるんじゃないのかということを言いたいわけなんです。
 特に、二国間紛争のような場合には、単に着陸する派遣先国の了解だけをとればいいんじゃないんだ。今現に御答弁がございましたように、Dの政府救援機の派遣をしたときは、現実にインド政府の了解をとっておられるわけでございまして、その方が輸送の安全確保という点からはいいに決まっているわけでございまして、そういう意味では、二国間紛争のような場合にはケース・バイ・ケース、後の例では停戦の申し入れがあったというような特殊事情もあるのかもしれませんが、原則として、このような二国間紛争の場合に一方の紛争当事国の方に着陸をするような場合は、単に派遣先国だけではなくて、もう一方の紛争当事国への了解をとることも、安全確保のための重要な要素ではないかと私は考えますが、いかがでしょうか。
○荒政府委員 その点、ただいま先生御指摘のとおりでございます。これまで当委員会におきましてもいろいろ御説明申し上げる機会がございまして、そのときに、ただいま御指摘になった点につきまして明示的に御説明することはございませんでしたけれども、私どもとしては、飛行経路の問題ということから、関係国のきちんとした同意を取りつけることは当然、一応念頭にあったわけでございまして、この点を我々が軽視しているということでは毛頭ございませんので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○北側委員 では、もう一つ聞きます。
 今のは二国間紛争の場合ですが、内戦の場合、その内戦をやっている国に邦人の救援に行くという場合を考えます。
 例えばこの類型1のB、Cのダッカに行った場合、現在のバングラデシュの首都であるダッカに救援に行ったのですが、この昭和四十六年三月の救援というのは、ちょうどバングラの独立のための内戦が行われていた、そして、同年の三月二十六日にバングラデシュが当時の東パキスタンから独立したという事例でございます。だから、その独立するちょうど二週間ほど前になるのでしょうか、ダッカに救援に行っているわけです。この場合は、どこの国の着陸許可をとったのでしょうか。
○荒政府委員 御指摘の第三、第四のケースの着陸許可でございますけれども、当時ダッカにあるパキスタンの現地軍司令部から正式な許可をもらっております。
○北側委員 パキスタンの現地司令部から着陸の許可をとっているということですね。果たしてここもそういう派遣先国の着陸許可だけでいいのかということなのですね。このときは、当然別の判断要素も入れて、安全確保が確認されているはずだと私は思うのですね。実際、これはパキスタンの方へ行っているわけではなくて、現在のバングラデシュの首都であるダッカに行っているわけです。そして、その二週間後にバングラデシュが独立するわけですね。そこでは、単に遠く離れた東パキスタンの方の政府の系列のパキスタンの現地司令部の了解を得たというだけでは、果たして安全が保たれているのか、そうではないと思うのですね。別の要素があったはずだと思うのです。いががですか。
○荒政府委員 若干説明が足りなかったかもしれませんけれども、この時点で、ダッカ空港及び関係空路の安全につきましては、先ほど申し上げましたように、パキスタンの現地軍司令部の説明及びその許可ということがあったわけであります。
 私どもとしましては、当時情勢が若干混乱しておりましたけれども、そのパキスタンの現地軍司令部の許可に加えまして現地情勢の分析、判断を当然慎重に行いましたし、それに加えまして友好国、具体的にはイギリス、ドイツが救援機を派遣する動きが当時ございまして、そちらの方とも意見の交換をして万全を期したということでございます。
○北側委員 要するに、ここも単にパキスタン政府の了解を得ただけじゃないのですね。そこで内戦をやっているわけですから、単に内戦をやっている国の政府の了解があった、許可があったというだけで安全確保がされるわけじャないと思うのですね。今お話しのように、イギリス、ドイツというふうな友好国が日本と同じようにその国の国民の輸送のために行っている、こういう事実を見て、これは安全が確保されているということがさらに確認されているわけでございまして、単に当時国の政府の許可があっただけで安全確保というのが確認されいているわけではない事例であると思いますが、どうですか。
○荒政府委員 御指摘のとおりでございます。
○北側委員 もう一点聞きます。
 先ほども挙がっていましたが、ベトナム戦争、昭和五十年の事例でございますが、これは南ベトナム政府の着陸許可は事前にとっておられたのでしょうか。
○荒政府委員 これにつきましては、私どももいろいろ調べたわけでございますけれども、外務省としまして、当時日航機をチャーターして邦人救出のために派遣することを検討し始めた時点から、現地大使館に訓令電を発出いたしまして、南サイゴン政府の許可をとるようにという指示を出したわけでございます。
 しかしながら、当時の記録によりますと、実際に日本航空チャーター機が本邦を出る時点では、着陸許可はまだとれておらなかったようでございます。マニラに行った時点でも、私どもの記録では、サイゴンからそのような許可を得たという報告はまだ届いておらなかったということ、それが我々の把握しておる状況でございます。
○北側委員 ベトナム戦争の例というのは、四月二十九日に派遣されて、翌日の四月三十日にサイゴンが陥落しているわけですね。というふうに、このような内戦であれ、二国間の紛争であれ、現地の事態が急変する可能性があるわけです。ですから、事前には現地政府の着陸許可、着陸してもいいよ、来てくださいよというふうな了解、許可をとっていたとしても、いざ着陸をしようとする時点においては、いざ邦人を救援に行こうとする時点では、状況が全然変わってしまっていることもあるわけですね。だから、私が言いたいのは、事前に着陸許可をとったからという一点だけで安全の確保が確認されていると、この事例を通しても言えないのじゃないかと思うわけなんです。
 前回の五月十四日の委員会の審議では、会議録によりますと、相手国政府の許可、これが安全の確認である相手国政府の許可があれば安全の確認がされているんだというふうに判断され得るんだという御答弁になっております。これは必要最小限それが満たされてというだけであって、それ以外の要素というのは、今言った事例を通しましても、例えば二国間紛争であればもう一方の紛争当事国の了解、内戦であれば例えば他国の航空機が安全に輸送しているかどうか、そういう実例とか、そうしたさまざまな状況をさらにプラスして勘案して、初めて輸送の安全確保が確認されるということになるのじゃないでしょうか。
○荒政府委員 以前御説明した点を若干補足するような形になるかもしれませんけれども、私どもは、現地当局の着陸許可あるいは領空通過許可があれはすべて安全だということを申し上げたつもりはございません。そこに至る派遣の是非を考える過程におきまして、ただいま御指摘のように、その他いろいろな情報を総合的に勘案して決断するということでございまして、決して、それだけがあれば十分だということを私ども申し上げたつもりはございません。
○北側委員 この資料の一番最後、「その他」のところで挙げています、南イエメンの内乱のとき南イエメンのアデンから対岸のジブチの方に多くの人が避難をした、そこに三十八名の邦人が含まれていたという事例がございます。このときの事例に即してお聞きしますが、もし本法案のもとで政府専用機を飛ばすことができれば、これもよかった事例じゃないでしょうか。いかがですか。
○荒政府委員 一番最後のケースは、御案内かと思いますけれども、約四十名近い邦人の方がアデンから船舶、これはフランス、イギリス等いろいろな国籍の船舶がございます、に便乗しまして対岸のジブチに渡った、ところがジブチ空港は当時大変混乱して、便数も少ない、しかも大型機が入れない空港だということを承知しておりますけれども、そういうことで、その邦人の皆さんは大体一週間ぐらい滞留を余儀なくされたというケースでございます。
 そこで、そういうケースに、もし政府専用機の利用が考慮し得るとすればどうかというお尋ねかと思いますけれども、大変難しいお尋ねではありますけれども、確かに大型機でなければ派遣を検討することも可能であったのではないかという感じは、私どもは、一般論として申し上げますけれども、一応持っております。
○北側委員 九一年十月の政府専用機検討委員会決定事項の中に四つの例が挙がっているのですが、一番最後に、「その他内閣総理大臣が必要と認めた輸送」というのが挙がっております。これについては、現時点ではこれに該当する想定されるようなものはないと考えてよろしいのでしょうか。
○畠山政府委員 現段階で具体的に想定しているものはございません。
○北側委員 本法案の成立によって、自衛隊機、自衛隊の保有する輸送機が海外で輸送行為を担う場合の法律上の根拠が整うのじゃないかと私は思うのですね。国際平和協力法に基づく国連平和維持活動のための実施業務としての輸送、それから同じく国際平和協力法に基づく人道的な国際救援活動による輸送、例えば難民輸送でございます。
三番目に国際緊急援助隊法に基づく援助活動としての輸送、四番目に内閣総理大臣等の輸送である要人輸送、そして今回の緊急時における在外邦人輸送ということで、自衛隊機が海外で輸送行為を担う場合の法律上の根拠は、これですべて整うというふうに私は思います。
 したがって、一昨年の、九一年一月の特例政令に基づく輸送、これは現実には輸送はされなかったのですけれども、特例政令に基づく輸送のような特別の措置は今後は不必要だ、あり得ないことというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○畠山政府委員 特例政令のような事態というのは、国際平和協力法の人道援助の中で難民輸送、難民救済ということで対応ができる法的整備がなされておりますので、今後は、ああいった百条の五に基づきます特例政令ということが必要になる事態というのは、考えにくいと考えます。
○北側委員 大臣、ここはぜひひとつ大臣に答えていただきたいのですが、必要でないと思いますという局長の御答弁なのですね。特例政令に基づく輸送のような特別措置は、本法案ができ上がればもう既に体系として完成するわけですから、もう要らないというふうに明確に言っていただきたいと思います。
○中山国務大臣 今政府委員から説明したとおりだと思っています。
○北側委員 今後不必要で、あり得ないということですね。ちょっとお答えだけしてください、同様というのじゃなくて。
○中山国務大臣 その必要はないと思っております。
○北側委員 結構でございます。
 せっかく外務大臣来ていただきましたので、最後に外務大臣に一問だけ質問させていただきます。
 ちょっと本法案じゃございませんが、カンボジアの総選挙終了後の我が国のPKO派遣要員の活動及びその撤収時期について、本当はもう少し詳しくお聞きしたかったのですけれども、一点だけ聞かせてください。
 文民警察官の撤収の問題でございます。
 昨日の報道によれば、UNTACの警察部門が撤収計画案をまとめた、それによると、六月十五日に帰国というふうに報道されているのですけれども、こうした計画案がまとめられたことは確認されておられますか。
○河野国務大臣 計画案は現在検討中だ、幾つかの案が検討されているというふうに聞いております。
 昨日報道されたものについては、ああした案が確定したといふうには承知しておりません。
○北側委員 文民警察官の任務というのは、やはり公正な選挙が実施されることを主たる目的として現地警察の指導監督をしていくというのが、文民警察の中心的な任務であるというふうに思うわけでございます。また、今もカンボジアでは、一部の地域では治安が非常に悪い状況もございますし、また同じく一部地域では、食糧や水の確保がなかなか大変だという状況もございます。
 そして、私が特に申したいのは、文民警察官の方々は去年の十月十四日からもう七カ月半ずっと行っているのですね。施設大隊の自衛官の方々は第二次派遣で三月に交代されておりますけれども、文民警察官の方々は去年の十月以来七カ月半の大変な任務につかれているわけでございます。そういうことも考えますと、この総選挙の開票が終わりましたら、できるだけ早期に文民警察の方々については帰国させるべきであるというふうに考えます。この点、大臣の見解を聞かせていただきたいと思います。
○河野国務大臣 文民警察の方々の任期は九カ月ということになっておりますので、施設大隊が六カ月で交代をしたというのと同じサイクルでかわるということがなかなかできなかったものですから、結局日本から派遣をされている人たちの中では、非常に長い任期で現地にとどまっているということでございます。しかも非常に小人数で、場所によっては非常に厳しい環境の中で勤務を強いられるということでございまして、まさにそれは委員御指摘のとおり、本来の職務が終われば早く引き揚げるということを我々としても願っております。
 ただし、これらのことは、我が国だけが引き揚げることができるかどうかということは、勤務の態様もございますので、つまり地域によって、我が国だけが引き揚げてしまうことで残った文民警察はどうなるかとか、そういうことなどもございまして、その点はUNTACと十分相談をしつつございます。UNTACとしてはさまざまな案を検討しておられて、国別ということもあるかもしれない、あるいは地域別ということもあるかもしれない、さまざまな案が検討されている。私の承知しておりますのは、先般報道されましたものはその中の一つなのかな。あるいは全然違うものであるかもしれませんが、先ほど申し上げたように、あの案で決まったというふうには承知をいたしておりませんが、いずれにしても、今委員御心配をいただきますように、本来の任務が終わればできるだけ早く引き揚げるということの御相談をさせていただきたいと思っております。
○北側委員 以上でございます。
○志賀委員長 東中光雄君。
○東中委員 この自衛隊法改正案が提出されましたときの外交青書一九九一年版によりますと、これは九一年の十二月に出されておりますが、その第三章で「国際社会における日本の役割」というのがあります。その第四節に「国際社会と日本」というのがあるのです。その第三項に「海外の日本人」というのがあります。それの2のところで「国民の海外渡航に伴う問題」というのがありまして、「(1)日本人の安全確保に関する問題」そういう記述があるのです。これによりますと、「日本人の海外進出は増加の一途をたどっており、地域的にも世界の隅々にまで日本人がいるという状況の中で、日本人が地域紛争、内乱、クーデター等の緊急事態に巻き込まれる危険性はますます増大している。」というふうになっています。「また、日本の国力の増大に伴い、紛争等の国際問題に関して日本が自国の立場を明確にすることが国際的な責任となっており、国際社会が日本の対応を重大な関心をもって注視するといった場面も増大している。日本の国力が増大し、日本が国際問題に関して明確な立場をとるようになれば、それだけ」、ここから次が大変だと思うのですが、「紛争の当事者の一方から日本が批判や攻撃を受けやすくなる可能性があることは覚悟しなければならない。このような中で、日本人がテロリズムの標的とされる事例も出てきている。」だから紛争の一方から攻撃されることは覚悟しておれ、それから紛争に巻き込まれる事態が起こるんだ、そういう状態で緊急事態の外国へ救出に行くんだというのがこの法律なんですが、こういう九一年版の外交青書の規定といいますか、今もやはり同じ、この四月に出された九二年度はちょっと変わっていますけれども、やはり外務省はこういう二つの柱でおられるのかどうかということを、まずお聞きしたいと思います。
○河野国務大臣 昨今の国際情勢と、邦人が外国へ出て多数活躍をなさるという状況を一般的に外交青書の中で書くと、今委員がおっしゃったようなことになるわけでございます。これまでのように東西冷戦下で、我が方はその一方の立場に立つというはっきりした状況ではなくて、これから先は冷戦終えん後、我々が一つ一つの国際的な事象について我々の考え方、立場をきちっとしていかなければならない、そういう場面が来るであろうということを言っておると承知しております。
○東中委員 一般的にはそうかもしれませんが、日本人は海外におって紛争に巻き込まれるということが多くなっている、危険性はますます増大しているというのですから。それで、日本政府は、国が大きくなったから、だからそれぞれの立場をはっきりするから紛争の一方から攻撃をされるということを言っている。その紛争地域へ自衛隊機が緊急事態だということで出ていく、この法律の位置づけがそういう格好になっているんですよ。
 それで、順序を追うて法案について聞いてまいりたいのですが、外国における緊急事態に際して、自衛隊が保有する航空機によって在外邦人の救出輸送を行うということですが、在外邦人救出の輸送任務を自衛隊の一般的、恒常的な権限にするということですが、自衛隊の輸送航空部隊をそういうことで部隊として海外に出していくということになるわけですね。それは救出のためであろうと、自衛隊の輸送航空部隊で海外に出動することになるわけですが、その輸送部隊というのは、先ほど政府専用機のほかは事実上C130だけみたいなことを言われましたけれども、それはそういう限定は全くない。どれだけの部隊かということについても制限がなければ、場所によってはC1だってあり得るだろうし、輸送ヘリコプターだってあり得るというふうに思うのですが、そういうことについて法律上の制限あるいは規定は一切ない。輸送航空部隊の海外への出動ということになると思うのですが、どうですか。
○畠山政府委員 使用する航空機によりまして、その航空機の所属する、これを専ら運用する航空隊がその任に当たる、こういうことでございますから、それに応じてその飛行隊が在外邦人の輸送という任務を行うわけでございます。
○東中委員 その機種及び機数については、輸送部隊ということであって制限は一切ないということでしょう。
○畠山政府委員 法律上機種についての制限はございませんが、先ほど来御答弁申し上げていますように、実際上、航続距離及び搭載能力との関係からおのずから限定がございまして、これに用いられるのは通常政府専用機及びC130に限られることになるであろうということでございます。
○東中委員 航続距離といったら、お隣の朝鮮でもしそういう事態が起こった、朝鮮半島で起こったという場合、これは法律上の規定を言っているのですよ、今現実に起こるか起こらぬかではなくて、世界じゅうどこでも緊急事態が起こって救出する必要があった場合は、この法律が発動されるわけでしょう。そうしたら、その場合はヘリコプターでやる場合だってあり得るし、それからC1だってあり得るじゃないですか。そういうことについては法律上は何も決めてないでしょう。これはどのくらいの部隊、一機二機行くだけか、あるいは場合によってはもっと行くかもしれぬし、そういうことは法律上は何も決まってない、部隊として出せるということになっているのですねと言っているのです。限定しておるみたいなことを言ってもらっては困る。
○畠山政府委員 法律上は制限がございません。
○東中委員 それから、自衛隊の出動要件についてですが、「外国における災害、騒乱その他の緊急事態」ですが、要するに緊急事態というのはどういう事態まで入るのか、挙げられる限りのことを挙げてください。
○荒政府委員 緊急事態というのは、一般的に申しますと水害、震災等の自然災害、それから内乱、騒擾によってその国の治安や秩序が乱れるという状況でございますけれども、緊急事態をすべて例示することは困難ということで、御審議いただいておりますような表現になっておるわけでございます。
○東中委員 内乱も騒乱も天変地変もそうでしょうが、国際間の紛争、戦争状態あるいは今のカンボジアのような状態は、これはUNTACが入っていっていますけれども、緊急事態なんですか、緊急事態でないんですか。
○荒政府委員 この法案の考え方は、ある土地にいる在留邦人の生命及び身体に対する危険の可能性がある場合に、予防的にそういう方を救出するという考え方でございまして、現在のカンボジアがそういう状況がどうかというお尋ねでございますけれども、そういう法案の趣旨からいう緊急事態に今あるというふうには認識しておりません。
○東中委員 緊急事態に際し生命身体の保護を要する場合ということなんです。緊急事態だからといって生命身体の保護を要する人もおらぬとき、あるいは要さないという場合は含まれないけれども、その緊急事態というのはどういうことを言うのかといえば、それは内乱も騒乱も入るのでしょう。だから、カンボジアみたいな状態はあれもやはり入るのですよ。ところが、具体的に生命身体の危険があるかどうかということで、ではカンボジアの場合――いや、それで派遣するかどうかというのは別の話ですよ、具体的に今派遣するかどうかということを何も言っているわけじゃないのです。それでは、この緊急事態に対し、生命身体の保護を要する邦人の救出ということを認定するのは、これは外務大臣でしたね。閣議決定するわけでもない、全く外務大臣が認定をする、こういうことですね。
○河野国務大臣 そういうことを外務大臣として必要と認めれば、防衛庁長官にお願いをするというのがこの法律の組み立てになっております。それで、外務大臣としては、当該地域の在外公館その他情報収集に全力を挙げるということが必要かと存じます。
○東中委員 その地域というのは、そういう事態が起これば、それがお隣の朝鮮半島であろうと、あるいは地球のまるっきり裏側であろうと、全くグローバルにそういう要件があるかどうかということを考えるので、地理的制限は一切ないということですね、ちょっと確認。
○荒政府委員 御指摘のように、そういう意味での地理的制限はございません。
○東中委員 それで、結局飛行機で行くわけですから、派遣先の同意が要るということになっているわけですが、その派遣先が紛争の最中であれば、サイゴンの問題が先ほど出ておりましたけれども、だれの同意を得るのですか。
○荒政府委員 一般的に申し上げますと、当該国の権限ある当局ということでございます。
○東中委員 それと同時に、安全確保がされなければいけないということが言われておりましたが、その安全だということを認定する基準といいますか、それはどこが、どういうことでやるのですか。
○荒政府委員 本法案にのっとりまして邦人を救出するために航空機を派遣する場合には、当然飛行経路の安全及び目的地たる空港の安全について、まず当該国がその安全について措置をして、安全であるという状況がまずあることが前提になってくるわけでございまして、その上に、そのような前提のもとに、私どもとしては当該国の権限ある当局から飛行経路及び着陸について許可をもらう。もちろんそれにとどまりませんで、私どもとしては、そのようなケースにおいて、その土地の情勢及び見通しにつき最大限の情報収集と分析を行う、それに基づいて判断をするということでございます。
○東中委員 防衛庁長官、安全確保がされてないのに出ていくということはないんですね。
○荒政府委員 邦人救出のための航空機の安全が確保されない、そういう状況のもとで派遣することはないということでございます。
○東中委員 それで、ちょっと具体的な例でお聞きしたいと思うのですが、この間の四月二十七日の本会議場での宮澤総理の江口さんの質問に対する答弁で、こういうことがあります。「実際に緊急事態が起こりましたときに在外の邦人の生命等の保護をするという必要が起こりますと、政府は従来、最初に事態の状況に応じまして、邦人を安全な地域へ移ってもらう、」「政府として民間機をチャーターするというようなことで対処をしてきておるのであります」、ところが、そういうことでやると困った例があるかという質問に対して、実際には困ったことがあります、「サイゴンが陥落いたしましたのは、一九七五年のちょうどこの季節で、四月の終わりでございましたけれどもこということで、そして、「民間機をようやく民間会社を説得いたしまして救援のために出てもらったのでありますけれども、マニラで待機をいたしました。」「パイロットそれからクルーが、そういう危険なところに行くことについて、まあ当然でございますけれども、どうしても同意が得られないという事態が起こりまして、同時に、実は保険料が禁止的に高くなってしまいまして、私企業として到底そのような保険料を支払えないというような事態になりまして、結局四月二十九日にサイゴンが陥落いたしましたときに、まことに申しわけないのですけれども、邦人の救出に政府は自力で何もできなくて、撤退をする米国にできる限りの依頼をしたという、まことに邦人に対しても相済まぬことでございました」、こう言われて、それで在外邦人保護のための輸送のできる体制を、その権限を防衛庁長官に与えていただきたい、この法律をお願いしたい、こういう趣旨だったのです。
 それで、このサイゴンのときの状態をちょっと私調べてみたのですよ、一体どうなっておったのだろうと。これはとてもじゃないが、どうして政府機なら行けるのかな、先ほどいろいろ北側委員の質問に対して御説明がありましたけれども、あのときの状態といいますのは、七五年三月三十一日にアメリカは南ベトナム米政府機関員の家族の非公式引き揚げを開始している。そして四月の十六日に日本は全邦人に緊急避難勧告をしている。四月二十四日付で全邦人に退去勧告、二十三日に日本大使館が決めておるのです。同じ二十三日にサイゴンに往来する民間航空、次々に運航停止です。キャセイ航空あるいはタイ航空、中華航空、シンガポール航空も停止になってしまった。同じ二十三日にフォード大統領が、米国にとってインドシナ戦争は終わったという声明を出すわけです。そして二十五日に、フランス系の航空会社を除いて一切の外国航空会社が安全確保のためサイゴン空港での離発着を中止した。フランスだけはもとの宗主国だから頑張ったのですね。それが二十五日ですよ。日本がそれで二十七日になって、人見大使が在留邦人に三十日の最終便、日航特別機で引き揚げよということを要請したということになっています。そして、次は二十九日なんです。邦人救出の日航機が出発をしてマニラで待機、例のその日航機、マニラから動きがとれなかった。だって、着陸できっこないのだから。各国とも皆とまっているわけでしょう。そういう状態だった。それで、同じ二十九日にタンソンニュット空軍基地、午後八時にいわゆる解放軍が完全制圧をしたということで、それで三十日にサイコン政権が無条件降伏を宣言する、こうなっているのですよ。
 このときに日本のC130が、政府機がおって、それでこれは行くのですか。日本政府機関機があったらこれは行ける、こういう紛争事態のときに行けるようにせにゃいかぬのやと言うたって、もしこの法律がああいうサイゴンの四月二十九日あるいはその前後に行くというための法律だとしたら、これはもう大変なことになりますよ。この例を総理が挙げられたから、私たち調べてみたのですけれども、ああいうまさに国際的な紛争、二国間戦争でもあるし、内乱というのか何か知らぬけれども、内戦というのか、そういう状態のときに、了解を得て行くということ、その判断を外務大臣、そういう場合にどうされるのですか。
○河野国務大臣 総理大臣の御答弁は、いかに在外邦人を救出するといいますか、在外邦人の安全を確保する必要性が生ずる場合があるかということをおっしゃったのと同時に、いかに迅速に手配をしなければならないかということの必要性を言われたのだと思います。
 もしこの法律案を御審議の上成立をさせていただきますれば、もしかような、今委員がおっしゃるような状況が発生をいたしますれば、委員が御心配になる以前に、迅速な行動によって安全に輸送を行うということも可能になるのではないかというふうに存じます。
○東中委員 違うのですよ。現地の人見大使は在留邦人に、三十日の最終便で日航特別機が来るからそれで引き揚げなさいという要請をした、これは新聞にも全部出ているのです、当時の朝日新聞や何かいろいろ調べまして。そういう状態でしょう。それまではサイゴンが陥落するということが既定の事実でわかっておるわけじゃないのだから、紛争のところへ行くというのはそういうものなんです。だから、米国なんかは家族を非公式に帰らすというような措置をとっていますわね。日本だってそれもしているかもしれぬ。しかし、フランスはそのまま退去なんということを言わない状態で日本がすぐ出ていく、紛争のところへ、しかもC130というような軍用機が出ていくということになったら、先ほどの外交青書じゃありませんが、当事者の一方から批判や攻撃を受けることを覚悟しなければならないということで行くようになるのですから、そんなことをサイゴンの例を挙げて言われておったのじゃ、先ほども言われておったけれども、事実関係はよくわからぬということも言われていましたけれども、私が調べた範囲で言っても、これはもうゆゆしいことになる。紛争の当事者の中へ入って覚悟をしなければならないと外交青書に書いてあることをそのまま地でいくというようなことになったのじゃ、もう大変でありますから、防衛庁長官、仮に要請があったとしても、そういう状態で行きますか。
○荒政府委員 私の方から最初に、事実認識につきまして補足説明させていただきます。
 ただいま委員は、現地の人見大使が四月の三十日の最終便に邦人の方に退避するよう勧告したという点を指摘されまして、我々政府、外務省サイドの対応が遅かったのではないかという御指摘かと思いますけれども、当時の状況を簡単に申し上げますと、まず三月二十六日に本邦におきまして南ベトナムに対する渡航自粛勧告を発出いたしました。それから、四月の五日に最初の退避勧告をし、それに沿って自発的に引き揚げられた邦人がたくさんおられるわけでございます。それから、四月の十六日にも重ねて退避勧告をいたしまして、二十四日にも出しておるということでございます。したがいまして、人見大使が三十日に最終的に勧告を出されたというのは、再三お話がありますように、日航機によるチャーターの可能性が検討されてあったことを踏まえて、そういう勧告を出されたということでございます。
 それからもう一点は、先ほども御答弁申し上げましたけれども、私ども、当時既に四月の十一日から救援機の派遣ということについて検討を始めておったという事実がございます。
○中山国務大臣 総理の御発言は、その当時、自分の力で困窮をしている邦人を助けることができなかった悔しさというのを思い出されて申されたのだと思いますし、その同じ状況のところへ行けというわけではないと思います。先ほど御答弁いたしましたように、最終、行くか行かないかという決断は防衛庁長官でございますから、そういう空港の誘導、管制などが十分でないところへ派遣するということは絶対にないと思っております。
○東中委員 ですから、四月二十五日段階で、フランス系航空会社を除く一切の外国航空会社が安全確保のためサイゴン空港での離発着を中止した。仮にそういう状態の中で、政府機だから、C130だからといって、そのとき政府はもう倒れそうになっている政府ですわな、何かミン政府とかなんとかいうらしいのですが、それの承諾を得て行くというようなことをやるのか。安全が確保されないような状態では、ほかがとまっているような状態で、そういうことの責任はどこが持つのか、だれが決定するのかということで、これで行って、そして途端に陥落してしまったということになると一体どうなるのか、まさに紛争の中に入ってしまうじゃないかということで私は言っているわけなので、軍用機が救出に行くということとの関係で言っているわけです。そういう非常に抽象的に、総理があのとき非常に残念だった、申しわけなかったと、その言われている心情は私何も否定しているわけじゃないのですよ。言うのは、そういう紛争の緊急事態ということは千差万別だから、そこに軍用機が入っていくということについて一体どうなんだということ。そういうことで行って、もし紛争の中へ巻き込まれた場合、C130が壊されるというふうな事態になればこれは武器携行もできるし、それから自衛隊法の九十五条の関係で、部隊としてはそれを守る責任もあるわけですね。そういう九十五条の関係もあります
から、そういう場合は一体どうするのかということも含めまして、そういう非常な危険なところへ、これは紛争当事者の一方の承諾を得たままで入っていって、反対側から批判され、攻撃を受けることも覚悟しなければならないという状態で入っていくということでは、これは安全は確保できないし、もしそういう危険があれば、今度は武器としての、C130航空機を防護する武器の使用ということもやるのか、やらないのか。法律上はやれることになっておるが、どうか。この点をお聞きしまして、時間が来たということでございますから、質問を終わります。
○畠山政府委員 先ほど来外務省の方から御答弁がございますように、派遣先国の空港及び航空機の飛行経路において安全が確保されない場合には派遣しないということになっておりますから、そういう危険な状況の中で、外務省、外務大臣から御要請があるということは考えられないところでございますしかるところ、軍用機であるがゆえにそれがより危険度が高まるということは私どもは考えておりませんで、国際的に自衛隊機も軍用機というふうにみなされるわけではございますけれども、そういうことは、軍用機とみなされるがゆえに危険度が高まるということは考えられないということでございます。
 なお、九十五条との関係で御質問がございましたけれども、これはるる説明を申し上げていますとおり、そういう安全が確保されないところには派遣しないということでございますので、航空機外において武器を使用することが必要な状況というところには派遣しないということで、九十五条の、使用する場面というのは想定ができないというふうに考えているところでございます。
○東中委員 紛争のところへ行くということは、はっきりしているわけですね。安全を確保するのは総合的に判断をするということだけれども、紛争している場合は一方の当事者があるわけですから、他の当事者との関係がはっきりしないままで行けば、サイゴン政府がどう言っておろうが、翌日には陥落するんだというふうな安全の見方は、それは外務大臣がその権限で、閣議決定じゃなくて一方的にやっちゃうし、そしてそこで起こってくるのは軍用機の、国際法的には軍用機の出動ということになるんだから、そういう点でいえば、自衛隊は攻めてきた場合に自衛するための実力組織なんだと言っておった点からいえば、外へ出ていくわけですから、これは二重にも三重にも危険であるし、憲法上も許されないということを申し上げて、もう時間ですから、終わります。
○志賀委員長 神田厚君。
○神田委員 初めに、まずカンボジアPKO関係の御質問をさせていただきます。
 カンボジアの制憲議会選挙も、投票率が九〇%を超える大きな成功をおさめました。また、大きな混乱もなく無事選挙が終了をしたわけであります。二人の日本人犠牲者を出すなど、我が国にとりましても大変つらい活動でありましたが、カンボジアの和平を確かなものにするための努力を、我が国としても今後続けていくべきであると考えます。UNTACはまだ活動中でありますが、制憲議会選挙という一つの節目を越えて、開票が進んでいる現時点で、自衛隊が初めて本格的PKO協力によりカンボジアの和平に貢献してきたことについての外務大臣及び防衛庁長官の評価をまずお尋ねしたいと思います。
○中山国務大臣 今度のカンボジアにおける平和維持活動、まあ第一関門であります選挙が予想以上に平穏に行われた、カンボジア国民の平和にかける願いというものがあの行動にあらわれていたのではないか、そのことにお手伝いをできたということに大変誇りを感じているところでございます。
 我が施設大隊は、カンボジアにおける国道の七十キロ、橋約二十数カ所、それからUNTAC構成部門への給油、給水、医療、制憲議会選挙に関しての輸送と、いろいろな仕事をやってまいりました。また、第二次部隊も同じような仕事、さらに選挙関係の給食、宿泊、また物資の輸送等の行動をやってまいりまして、派遣されております各国の部隊から規律の厳正さ、仕事の成果、そういうものに対して高い評価を受けているわけでございます。また、地域の人たちとの交流、六カ月間という期間の中で地域の人たちとの触れ合いというものができたことは、これからの両国の関係にも大きな意義があったのではないかと思っております。
○河野国務大臣 今回、初めてPKO活動に本格的に参加をしたわけでございます。二人の若い命を犠牲にしたということに、大変残念であり、申しわけないという気持ちがございます。しかし一方で、今防衛庁長官からもお話がございましたように、カンボジア国民が、あれだけ多くの方々が積極的に選挙に参加をされて、いわゆる新しいカンボジアの国づくりに参加をされたという状況を見ますと、一部報道で、選挙を望んでいるのは国連だけじゃないかとか、あるいはもっと先に選挙を延ばした方がいいのではないかというようなことが言われておりましたけれども、それは必ずしもそうではなくて、カンボジアの多くの人たちが選挙を非常に待ち望んでおられた、しかもその選挙は国連が望んでいたのではなくて、カンボジア国民が待ち望んでおられたんだということを、あの数字を見て私は感ずるわけでございます。選挙が、投票は大した混乱もなく終わったことを本当によかったと思っておりますが、現在、開票事務が進んでおりますし、この開票の結果、今後カンボジアがどういう状況になるかということを考えますと、まだまだ緊張感を緩めるわけにはいかないと思いますが、委員おっしゃるように、一つの山を越えたという感じはいたしまして、何といいますか、ほっとしているといいますか、感慨を新たにしているところでございます。
○神田委員 報道によりますと、人民党が、四選挙区で選挙をやり直せとUNTACに抗議をしたようであります。また、UNTACは、そういうことはできないと言って拒否をした。カンボジアの情勢はなお非常に混乱する状況であると考えております。したがいまして、そういう中で、文民警察官あるいは選挙の監視要員の人たち、それから自衛隊も含めまして、その帰国の問題について、そういうものが現実に起こってきた段階では、やはり政府としては決断をしなければならない状況にあるだろうと私は思うのですが、お考えをお聞かせください。
○河野国務大臣 何度がお答えをいたしておりますが、日本から派遣をしております、例えば選挙監視要員の方々については、開票事務が終われば帰国をしていただくということに、あらかじめ日にちも心づもりを持っております。ただ、開票事務が若干おくれがちになっておりますことが少し気がかりでございますが、そうでなければ、今週中には帰国をしていただけるというふうに考えております。
 文民警察の方々につきましては、現在、UNTACの警察部門におきまして、選挙後の予定等を御検討いただいているというふうに伺っております。これも一部報道で、あたかも帰国期日が決まったかのような報道もございましたけれども、私ども現地確認をいたしておりますが、まだ決定をしたというふうには確認をいたしておりません。確認ができておりません。UNTACの警察部門にはいろいろな考え方がまだあるようでございまして、最終決定には至っていないということでございます。しかしながら、先ほども御答弁申し上げましたけれども、私どもといたしましては、文民警察の方々にはもう随分長い時期、時間、現地で厳しい職務についていただいておることもございまして、一つの山を越えた今、開票が終われば帰国をしていただくようにUNTACに対しても要請をしたい、こう考えておりますが、これも日本だけが帰国を要請するということではなくて、参加をしております、文民警察を参加させております国々がそれぞれ、任務が終わった、これで逐次帰国をさせるという一つの動き、考え方が出てくると思いますので、その中で、我々も計画が実行されるように要請をしたい、こう考えているところでございます。
 施設大隊につきましては、これは委員も御承知のとおり、国連からのマンデートは九月半ばでございます。選挙が終わり、これから制憲議会がどういう動きを示し、新政権に向かってどういうプロセスをたどるかということなどを見ながら、国連においてまたいろいろなお考えもあろうかと思いますが、現在は予定どおり仕事を進めるというつもりでおるわけでございます。
○神田委員 施設大隊で伝染病にかかった隊員が何人もいると聞きましたが、現状は、派遣されている日本人の隊員の健康管理はうまくいっているのかどうか、また、モザンビークの方ではこの健康問題についてはどんなふうになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○河路政府委員 まず、お尋ねの伝染病の件でございます。
 第一次の隊員につきましては、おおむねうまく健康管理ができました。散発の疾病があった程度でございます。先月の半ばほどに、施設大隊におきまして若干の赤痢の患者が発生いたしました。御承知のように、生活環境は必ずしも良好ではない地域での長期にわたる生活でございます。飲食物あるいは飲料水等、懸念される要素がございますが、幸いにしまして、十四名の患者が出たのみで、その後再発等はございません。まあ健康管理は順調にいっているかと思っております。
 それから、モサンビークへ派遣した隊員の健康管理についてのお尋ねがございました。この場合にも、カンボジアに派遣いたしました隊員と同様に、派遣に係る準備の一端といたしまして、所要の予防接種、健康診断、疾病の予防等に関する衛生教育などを行っております。それから、現地には自衛隊の医官二名を派遣いたしまして、隊員の健康管理に当たらせることにいたしております。何よりも隊員の健康管理は重要と考えておりますので、万全を期して行ってまいりたいと思います。
○神田委員 次に、PKO協力をした結果、いろいろ問題点が出ております。我が党といたしましては、PKO協力法の早期の見直しを求めていきたいと思っておりますが、現時点で問題点を幾つか指摘したいと思っております。
 一つは、現地に派遣されればUNTACの指揮のもとに各国が統一して行動するにもかかわらず、我が国の場合は、一々その指令が実施要領に適合するかの判断をした上で行動する、こういう窮屈な対応を迫られました。また、法律で任務が細かく規定されているため、他の部隊に水一杯供給するのに一カ月以上の手続を必要とした。それから、部隊としての武器使用の制限規定が、我が国要員の安全に障害となる懸念が生じた。さらに、危険は武器を携帯した自衛隊だけではなく、文民や選挙監視員にも及ぶものであり、PKOとPKFの区別はつけられない、また、つけるべきではないというような点がはっきりとした。さらに、今の法律の規定では、自衛隊員と我が国の協力隊員の生命防護のための武器使用は許されるが、他国の要員やUNV、国連ボランティアは除外されているという矛盾が明らかになった。さらにまた、井戸掘りやプレハブの建設など、従来の自衛隊の訓練とは違う任務や、ふだんから国際貢献を想定して準備することの重要性が明らかになった。
 こういう点から、協力法の早期見直しに政府は消極的なようでありますが、自衛隊を預かる防衛庁がそういう姿勢であってはならないと思っております。今回の経験を踏まえて、これらを閣内に働きかけるべきであると考えますが、防衛庁長官の御答弁をお願いいたします。
○中山国務大臣 前にも申し上げましたように、今回のPKOへの参加は、初めての体験でございますので、大変厳しい規制の中でございますが、この法律を厳正に守りながらPKO活動に最後まで協力をしてくる、そのことがこの後の国民の皆様のいろいろな御判断、内閣の方々のいろいろなこれからの御指導、そういうものに最も雄弁につながるのではないかというふうに思っておりまして、特別、防衛庁の方からこうしてほしい、ああしてほしいということは、その結果が出るまで差し控えるようにしております。
○神田委員 派遣された隊員が非常に窮屈な、しかも危険な状況のもとに置かれているということでありますので、我々としましては、PKFの凍結問題なども含めて、この見直しを強く求めていきたいと思っております。
 その中で、特に今回明らかとなりまして早急に検討しなければならないのは、急迫不正の侵害に対して我が国要員の行うことのできる行動が制約されていることについて、政府自身の姿勢を改めないと、我が国要員の安全面で禍根を残すことになるのではないかという問題があります。国連の組織のもとで活動する以上、自衛のための応戦が求められても、我が国の要員は組織としての武器使用ができない。政府は、PKOではそのような事態が発生することは考えられない、また、その場合は我が国要員を引き揚げると答弁をしてまいりました。しかし、現実にはそういう事態が起こり得るということが明らかになっております。また、その場合、我が国だけが引き揚げることがいかに難しいかということがはっきりした以上、政府は少なくともこの点についてのしっかりしたけじめを法律の上でつけておくことが必要だ。具体的に指摘すれば、自衛のための武力行使は許されないという発想そのものを改めなければならない、そうでなければ他の国と協力して活動することが困難な事態が出てくるのではないか、こういうふうに考えますが、防衛庁長官、御答弁をお願いします。
○畠山政府委員 国際平和協力法では御承知のとおり、二十四条の三項で、まさに自衛のためといいましょうか、自分自身の生命と、その同じ場におります他の協力隊員の生命を守るための武器使用は許されているところでございまして、それはまさに緊急に危険が迫った状態を想定いたしておりますので、非常に厳しい要件のもとではありますけれども、自己の生命、またはその場にいる他の隊員の生命を守るという意味の自衛の権限は与えられておるところでございまして、それによって対応するということが、まさに政府部内でも非常な議論を重ねた上で、いわゆる海外に自衛隊の部隊が出ていった場合の憲法とのぎりぎりの調整という関係から、こういう厳しい条件のもとで武器の使用の要件を認めたということでございまして、その限りにおいて、御指摘の自衛のための武器使用は少なくとも認められているということでございます。
○神田委員 それでは、政府専用機の関係について質問いたします。
 カンボジアからの撤収に際して政府専用機を使用することになるのかどうか、これは政治判断にかかわることでもありますから、防衛庁長官と外務大臣のそれぞれの御見解をお伺いしたいと思います。
○中山国務大臣 お尋ねのように政府専用機も候補機種の一つには入るかと思いますが、現在のところ、政府専用機を使うのか、撤収の具体的な手続についてはまだ決まっておりません。
○河野国務大臣 防衛庁長官が申し上げたとおりでございます。
○神田委員 自衛隊法をわざわざ変えるという努力をしている状況でありますので、いろいろな状態が考えられますけれども、この法律を改正して、政府専用機を使用できるような努力も強く求めておきたいと思います。防衛庁長官、どうでしょうか。
○河野国務大臣 御意見のように、この政府専用機はそうしたことにも十分使用可能であると思います。
 先ほど防衛庁長官、御答弁になりましたように、撤収の時期、その要領その他をよく考えまして、十分検討いたしたいと考えております。
○神田委員 現在政府専用機は二機ありますけれども、年に約二カ月ぐらいの定期整備が必要であるというふうに言われております。したがいまして、常に二機が動けるような状況にするためには、最低三機が必要であるというふうに我々は考えております。政府は三機目を購入する方針を決めておりますけれども、これが非常に延び延びになっておるわけであります。この三機目の購入は平成八年度以降の次期防で行うという方針を固めたと聞いておりますが、事実でありましょうか。少し悠長だという感じでございますが、外務大臣と防衛庁長官にお伺いします。
○畠山政府委員 一般論として申し上げますと、まさに御指摘のとおり、定期整備の期間等も考慮いたしますと、政府専用機として最低三機必要であるという考え方も非常によく理解できますし、私どもも、そういうことが必要であるという観点も強く持っているところではございますけれども、いずれにいたしましても、現在まさにこの六月一日から特別航空輸送隊によりましてこの政府専用機二機をもって本格運用を開始したところでございますので、その運用の実績を踏まえた上で検討をさせていただきたいというふうに思っているところでございまして、今、平成八年度以降に決めたということをもって非常に悠長だという御指摘がございましたが、その八年度以降も決めたという事実はございません。
○河野国務大臣 三機あることが運航上、非常に望ましいという御意見を述べられる方が多うございます。しかし、これはまた、与えられた条件のもとでベストを尽くすということもあるわけでございまして、先般、宮澤総理はワシントンに政府専用機で行かれましたけれども、本来は、その場合には予備機が同行するということが望ましいわけでございますが、過日ワシントンへ行かれましたときには、予備機なしで一機だけで行かれました。予備機となるべきものはございませんが、その当時は、民間航空機を私ども何かのときには利用するというようなことを考えておったわけでございます。一番望ましいしっかりした形は、一機予備機を連れていくということが望ましいわけでございます。しかし、今ある体制でやるということで、できないわけではないなというふうに感じた次第でございます。
○神田委員 このボーイング747などの大型航空機、この管理のためには整備士など数百人規模のバックアップ体制が必要だ、こういうふうに聞いております。自衛隊機の管理体制はどのようになっているのか。
 自衛隊機のパイロットに民間定期航空路の資格は必要ないと思いますが、防衛庁は運輸省の定期運送用操縦士資格試験を受験させていると聞いておりますが、これはどういう趣旨でそういうふうになっているのか。自衛隊機の管理運営の方針と体制について、防衛庁から御説明をいただきたいと思います。
○秋山(昌)政府委員 ただいま定期運送用操縦士資格という民間の操縦資格を取得させている理由いかんという質問がございましたけれども、自衛隊の使用する航空機、これは民間の航空機と違いますので、自衛隊法の百七条第一項で「航空法等の適用除外」ということになっております。ただし、その第百七条第五項及び第六項で、防衛庁の方で別途基準を定める、その基準を定めるに当たって、防衛庁長官は運輸大臣と協議する、こういう仕組みになっているわけでございます。
 お尋ねの政府専用機に使用されるB747型機についてでございますが、御指摘のとおり、現在防衛庁としては、運輸大臣が付与する定期運送用操縦士または事業用操縦士というものを防衛庁資格付与の要件とすることにしておりますが、その理由は三つほどございまして、まず、防衛庁はこのB747型機の運航に関しまして知識経験が必ずしも十分ではないということ、それから、その操縦方法につきまして民航機と政府専用機との間には大きな差異がない、さらに、我が国民間航空業界におきましてこれまで同機の豊富な運用実績がある、こういったことを踏まえまして、当分の間この運輸省の資格を防衛庁資格付与要件とすることにしたわけでございます。
 ただ、将来的には、このB747型機の運航に関する知識経験が十分になりまして、防衛庁独自に同機のパイロットの技能水準について判定することが可能となった場合には、防衛庁資格の必要的要件として民航資格を取得させる必要はなくなるものと考えております。
○神田委員 この輸送される邦人の安全、危機管理、こういう視点から対応が十分になされているのか。いないのではないかという疑問が残ります。いざというときの自衛措置をしっかりと考えるべきではないかと考えておりますが、具体的に二点お尋ねをしたいと思います。
 第一点は、武器の携帯を部隊の秩序維持に当たる警務官に限定する、戦闘機の護衛はつけないなどの措置をとると聞いておりますが、これはどういう理由でありますか。
 第二点は、諸外国の専用機にはミサイル対抗装置が必携となっていると聞いておりますが、現在保有している二機にはついておりません。これを装備することについて防衛庁はどのように考えておりますか。
○畠山政府委員 第一点の警務官に武器の携行は限るという点、それから、戦闘機による警護は考えていないのはなぜかという点でございますが、これは先ほど来御説明申し上げておりますとおり、我々はこの政府専用機を在外邦人の輸送に充てる場合に、その行き先の空港及び飛行経路において安全が相手国政府によって確保されない場合には、これを派遣しないという原則でございますので、飛行機外において武器を使用することは想定しにくいということで、九十五条に基づく任務付与を行わない。したがって、武器のそういう意味での携行は行わないということでもございますし、同様の理由によりまして、戦闘機による護衛といったような事態は想定し得ないというふうに考えているところであります。
 それから、第二点のミサイルに対する装置ということについては、現行の政府専用機は御指摘のとおりついておりませんし、これは将来の課題として検討することはあり得るといたしましても、現在直ちに、これが今検討中であるという状況ではございません。これはそういう運航の実績等を踏まえまして、状況を踏まえて、今後将来の課題として検討することはあり得るということを申し上げておきたいと思います。
○神田委員 終わります。
○志賀委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○志賀委員長 討論、採決につきまして、先ほどの理事会においては各党の合意が得られませんでしたが、討論、採決を行うべしとする意見が多数であり、委員長一任の提案もありましたので、委員長の議事整理権に基づき、これより討論、採決に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。魚住汎英君。
○魚住委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論をいたします。
 なお、これに先立ちまして、カンボジアの国際連合平和維持活動におきまして、不幸にしてお亡くなりになられた中田、高田両氏及びその御遺族の方々に対し、心から哀悼の意をささげるものであります。
 さて、今日、日本は世界屈指の経済大国と言われるようにまでなりましたが、これに伴い、遠く故国を離れ異国の地で日々経済活動に従事しておられる在外邦人の方々の数もふえてきております。
 一方、昨今の国際情勢は、元来世界各地において宗教紛争や民族対立等、多くの不安定な要因を抱えていることに加え、東西冷戦構造の崩壊により、これらが随所に表面化する兆しが見えておるのであります。したがって、何とき邦人の方々が居住しておられる国が紛争などに巻き込まれるやもしれませんし、また、自然災害が発生したときについて考えてみても、異国の地におられる在外邦人の方々が、日本において経験されるよりはるかに困難な状況に陥ることも予想されるのであります。
 そこで、在外邦人の方々が、災害や騒擾等により緊急事態に巻き込まれ、身に危険が及ぶような事態にいかに対処するかについては、日ごろから十分意を用いて取り組んでいかなければならない政治課題であります。
 しかしながら、現状の緊急事態における在外邦人の安全確保の体制に関しては、特に安全な地域への避難のための航空機による輸送体制が、航空会社との調整に時間を要する民間チャーター機に依存する形となっており、いまだ十分整備されていないところであります。
 今回の改正は、このような問題点を改善するため、海外における緊急事態の発生により、生命または身体への危険が差し迫った邦人を、安全が確保される地域へより一層適時適切に輸送することができる体制を整備するものであります。すなわち、従来の民間チャーター機による対処に加え、当該輸送を自衛隊が行うことができるようにしようとするものであり、極めて重要な施策であると考えるのであります。
 改めて申すまでもなく、海外における緊急事態の発生に際して、我が国同胞の安全を確保することは、適時適切に、かつ我が国がみずからの手によって行うことが必要であります。
 このような体制が本法案の成立によって一日も早く整備されんことを切望して、私の賛成討論といたします。(拍手)
○志賀委員長 次に、山中邦紀君。
○山中(邦)委員 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 討論に先立ちまして、問題点の多いこの重要法案について、質疑がこの程度で打ち切られ、討論、採決に至ることについては、大きな不満を表明いたしたいと存じます。
 私どもは、在外邦人の保護、援助が国の重大な責務であることを強調し、その充実に努むべきことをかねて主張してきたところであります。しかし、本改正法案の発端は政府専用機にあり、ところが法案では、自衛隊機の供用ということに拡張されてきているのであります。機種は輸送機に限る、携帯武器は同乗警務官のけん銃程度である、安全なところに行くので問題はないと政府は答弁をいたしました。しかし、いわゆるPKO法のもとでなされた我が国のカンボジアPKO参加の現状はどうでありましょうか。今や政府は法の制限を超え、国連選挙監視要員に対し施設大隊が輸送形式で警護すると言ってみたり、巡回ないし情報収集の形において警護体制をとったというのであります。
 本改正法案に関しましても、政府は安全を確認した上の輸送と言います。しかし、邦人の生命身体の保護を要する緊急事態における輸送であります。安全が現地で崩れ、騒乱の一方当事者が軍用機に対し、軍用機であるがゆえに強硬な敵対行動に出ることも十分予想されます。
 使用機種、所携武器は法定されておりません。武器の量、質をふやし、機外において救出作業に及び、いわゆる自然権的権利を拡張して武力行使に巻き込まれることは、大いにあり得るのであります。
 安全であるなら、民間機が機能を果たします。機材、要員の確保が問題なら、政府専用ヘリコプターを総理府が所管、運用した前例があります。機数、要員数もふえた現在、政府専用機運用のため右前例に従うことも十分考えられます。そうすれば、航空機のみならず政府専用多目的船舶を備え、統一的に運用し、在外邦人の保護、援助を充実させることも可能でありましょう。
 政府は、専用機は防衛大綱の別表外であると言います。冷戦解消の折から、まずなさるべきは軍縮であり、自衛隊の規模縮小であります。自衛隊法の「雑則」に付随的任務のために一条をつけ加え、装備、規模を拡大することは認められません。
 この改正法案が成立すれば、邦人輸送に赴いた自衛隊機は場合により武力行使に巻き込まれ、みずからも武力行使を余儀なくされる、このことは海外派兵の実質を備えることになるのであります。明らかに日本国憲法に抵触するものであります。
 我々は、以上の立場から、本改正法案について強く反対するものであります。(拍手)
○志賀委員長 次に、北側一雄君。
○北側委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました自衛隊法の一部を改正する法律案につき、賛成の討論を行うものであります。
 今日、国際化の著しい進展に伴って、海外で活動する邦人も急増しております。平成三年十月の外務省の調査によれば、三カ月以上の長期滞在者及び永住者数は六十六万三千人に達し、今後も増加していくと思われます。一方、冷戦の終結により、これまで潜在していた紛争要因が表面化し、地域紛争、民族紛争が続発するという事態となっております。こうした中で、湾岸危機に見られたように、海外での紛争や、また災害に多くの邦人が巻き込まれる可能性はますます大きくなっていると思われます。
 しかし、これまで邦人の救出を自衛隊が行うことは認められておらず、民間航空会社のチャーターによってようやく政府救援機を派遣していたのが実情で、これにはおのずと限界があったと言わなければなりません、委員会審議で明らかになったように、政府専用機によればより速やかにかつ適切に邦人輸送ができたであろう事例、また、政府救援機を派遣できず結局他国の軍用機などの航空機によって避難した事例が数多くあることが報告されているものであります。
 自衛隊の海外派遣については、国連の平和維持活動や国際緊急援助隊への自衛隊参加と同様、憲法で禁止する武力行使につながらないかどうかという視点で判断すべきでありますが、本法案の内容は、もちろん武力行使を目的、任務とせず、生命身体の保護を要する在外邦人の輸送を行うというものでありますから、何ら憲法に反するものでなく、また、輸送に供される航空機は政府専用機もしくはC130輸送機に限定され、また、戦闘機等による護衛は全く想定していないというのが本委員会での政府答弁であります。
 昨年の国際平和協力法や国際緊急援助隊法の改正によりまして、国際緊急援助活動や人道的な国際救援活動に関する自衛隊機による輸送ができるようになりましたが、これを認める以上、生命身体の保護を要する在外邦人の輸送を一定の条件のもとで認めるのは当然のことと考えるものであります。
 邦人輸送の安全確保について、派遣先国政府等の措置によって確保するのはもちろんのこと、我が国政府の情報収集等によって最大限確保されることを要望いたしまして、以上、私の賛成討論といたします。
 以上でございます。(拍手)
○志賀委員長 次に、東中光雄君。
○東中委員 私は、日本共産党を代表して、自衛隊法の一部改正案に対し、反対の討論を行います。
 最初に、質疑時間が非常に短くて、質疑申し出の要求にもかかわらず打ち切られたことについて、強く抗議を申し上げておきます。
 本案は、緊急時の在外邦人救出を目的に、地震などのあらゆる自然災害及び騒乱、内乱、内戦、クーデターや国際間の武力紛争を含む紛争などの緊急事態にある地域、外国に、邦人輸送の任務で自衛隊機、自衛隊輸送航空部隊が出動できるようにするものであります。政府専用機の導入とその防衛庁移管を契機にして、邦人救出の口実で自衛隊に新たな海外活動任務を与えようとするものであります。昨年のPKO協力法、国際緊急援助隊派遣法の改正に続く自衛隊海外派兵の法体制づくりの一環をなすものであり、憲法の平和原則をじゅうりんする立法として断じて容認することはできません。
 法案は、邦人輸送の手段は、政府専用機のみならず輸送任務を遂行し得る自衛隊機、C130H輸送機や輸送ヘリコプターなどを含み、その派遣規模は具体的規定はなく、救出すべき邦人が存在する緊急事態にあるすべての地域、外国、グローバルな紛争地域を派遣先としているものであります。ところが、派遣の手続は、外相が必要と判断し、その依頼を受けた防衛庁長官が派遣を決めるとされ、閣議決定すら必要としないのであります。輸送の際の外国人同乗の規定は、内乱等の紛争当事者を同乗させることにもなりかねません。派遣自衛隊機は自衛隊法九十五条の適用を受け、航空機、武器防護のための武器使用の任務を持つものであり、派遣先の紛争地域で攻撃を受けた場合に自衛隊機の防護のための武器使用に及ぶ危険があります。
 自衛隊は国際法上、軍隊であり、本法案による自衛隊輸送機の派遣は自衛隊輸送航空部隊、軍用機の派遣そのものであります。軍用機を紛争地域に出動させれば、紛争の一方の当事者の了解を得ていても、他の当事国、当事者から攻撃を受けない保障はないのであります。いわゆる緊急時においては、政府は、第一に当該国に外交保護の国際法上の義務を果たさせ、邦人の安全を確保することを初め安全最優先の外交努力をこそ尽くすべきであり、その上で輸送が必要な場合には、民間チャーター機を派遣すべきであります。
 本案は、日本の海外進出と世界的規模で国力に応じた役割を果たすという自民党政府の大国化路線のもとで邦人保護体制に位置づけられております。これは居留民の生命財産の保護を大義名分にした日本のアジア侵略の歴史の教訓からも許されない危険な方向であります。
 以上、指摘をして反対討論を終わります。
○志賀委員長 次に、神田厚君。
○神田委員 私は、民社党を代表して、自衛隊法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行います。
 国際紛争などの緊急時に備えて、在外邦人の救出に万全の対策を講じておくことは、政府の当然の責務であります。また、そのために政府専用機や自衛隊機を活用することも、合理的で当然のことであります。
 これまで緊急時に在外邦人を救出する場合には、湾岸危機やザイールの暴動の例を想起するまでもなく、民間航空機をチャーターするか外国に依頼するしか方法がありませんでした。
 現在、世界各地で地域紛争の発生が増加をしている中で、紛争地域や、紛争の発生するおそれのある地域にいる邦人は、政府による救出の保障が十分でないため、常に不安な状態に置かれており、この不安を一刻も早く解消することが急務の課題となっております。国民の安全を守るのは自衛隊の本来的使命であり、民間機に頼れないなら、自衛隊機の派遣をもって対処することは当然であります。ましてや、この改正が海外派兵につながるなどというのは、ためにする議論であり、事の本質を見誤るものであると言わなければなりません。自衛隊の海外派遣は、ペルシャ湾への掃海艇派遣や、カンボジア、モサンビークへのPKOの派遣に見られるように、諸外国からも高く評価をされており、自衛隊の派遣が戦争につながるなどという懸念を大多数の国民は持っておりません。
 民社党は、早くから邦人救出のため国家の責任で自衛隊機を派遣することができるよう、自衛隊法を改正すべきであると主張してまいりましたが、遅きに失したとはいえ、ようやくこの委員会で採決される運びとなりましたことを評価するものであります。
 最後に、自衛隊にはまた新たに重要な任務が付与されることになりますが、今後政府は自衛隊を日陰者扱いにすることなく、国家と国民の命を守り、国際貢献という崇高な任務を果たすにふさわしい処遇と名誉を付与するよう努力されることを要望いたしまして、賛成の討論を終わります。(拍手)
○志賀委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○志賀委員長 これより採決に入ります。
 第百二十三回国会、内閣提出、自衛隊法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○志賀委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○志賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○志賀委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後六時三分散会
     ――――◇―――――