第126回国会 運輸委員会 第4号
平成五年四月九日(金曜日)
    午前九時三十二分開議
出席委員
  委員長 森田  一君
   理事 今枝 敬雄君 理事 今津  寛君
   理事 亀井 善之君 理事 佐藤 敬夫君
   理事 村田 吉隆君 理事 緒方 克陽君
   理事 常松 裕志君 理事 東  順治君
      井奥 貞雄君    衛藤征士郎君
      小里 貞利君    大島 理森君
      小林 興起君    坂本 剛二君
      住  博司君    関谷 勝嗣君
      二階 俊博君    鳩山由紀夫君
      平泉  渉君    古屋 圭司君
      星野 行男君    増子 輝彦君
      宮崎 茂一君    山本  拓君
      阿部 昭吾君    網岡  雄君
      小林 恒人君    左近 正男君
      関山 信之君    細川 律夫君
      山中 末治君    浅井 美幸君
      西中  清君    佐藤 祐弘君
      高木 義明君
出席国務大臣
        運 輸 大 臣 越智 伊平君
 出席政府委員
        運輸政務次官  武部  勤君
        運輸大臣官房長 豊田  実君
        運輸省海上技術 戸田 邦司君
        安全局長
        運輸省海上技術 長尾 正和君
        安全局船員部長
        運輸省港湾局長 坂井 順行君
        海上保安庁長官 井山 嗣夫君
 委員外の出席者
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環 飯島  孝君
        境整備課産業廃
        棄物対策室長
        水産庁海洋漁業 岡本  勝君
        部漁船課長
        郵政省電気通信
        局電波部航空海 山口 睿樹君
        上課長
        運輸委員会調査 長岡日出雄君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動二月二十四日
 辞任         補欠選任
  細川 律夫君     沖田 正人君同日
 辞任         補欠選任
  沖田 正人君     細川 律夫君
三月三日
 辞任         補欠選任
  小里 貞利君     石原慎太郎君
  古屋 圭司君     中山 太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  石原慎太郎君     小里 貞利君
  中山 太郎君     古屋 圭司君
同月十日
 辞任         補欠選任
  衛藤 晟一君     倉成  正君
  小里 貞利君     戸塚 進也君
  阿部 昭吾君     楢崎弥之助君
同日
 辞任         補欠選任
  倉成  正君     衛藤 晟一君
  戸塚 進也君     小里 貞利君
  楢崎弥之助君     阿部 昭吾君
四月七日
 辞任         補欠選任
  阿部 昭吾君     江田 五月君
同日
 辞任         補欠選任
  江田 五月君     阿部 昭吾君
同月九日
 辞任         補欠選任
  衛藤 晟一君     小林 興起君
  小里 貞利君     住  博司君
  関谷 勝嗣君     大島 理森君
  二階 俊博君     井奥 貞雄君
  橋本龍太郎君     鳩山由紀夫君
  平泉  渉君     衛藤征士郎君
  古屋 圭司君     山本  拓君
  山中 末治君     網岡  雄君
同日
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     二階 俊博君
  衛藤征士郎君     平泉  渉君
  大島 理森君     関谷 勝嗣君
  小林 興起君     衛藤 晟一君
  住  博司君     小里 貞利君
  鳩山由紀夫君     橋本龍太郎君
  山本  拓君     古屋 圭司君
  網岡  雄君     山中 末治君
    ―――――――――――――
三月二日
 気象業務法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四七号)(予)
同月十日
 トラック運輸の過積載一掃に関する請願(小沢
 和秋君紹介)(第六五七号)
 同(金子満広君紹介)(第六五八号)
 同(木島日出夫君紹介)(第六五九号)
 同(児玉健次君紹介)(第六六○号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第六六一号)
 同(菅野悦子君紹介)(第六六二号)
 同(辻第一君紹介)(第六六三号)
 同(寺前巖君紹介)(第六六四号)
 同(東中光雄君紹介)(第六六五号)
 同(不破哲三君紹介)(第六六六号)
 同(藤田スミ君紹介)(第六六七号)
 同(古堅実吉君紹介)(第六六八号)
 同(正森成二君紹介)(第六六九号)
 同(三浦久君紹介)(第六七〇号)
 同(山原健二郎君紹介)(第六七一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第六七二号)
同月二十三日
 トラック運輸の過積載一掃に関する請願(佐藤
 祐弘君紹介)(第八二一号)
 同(辻第一君紹介)(第八八七号)
同月三十日
 東北地方における測候所の体制強化と気象庁予
 算の拡充に関する請願(小野信一君紹介)(第
 一一〇八号)
 同(沢藤礼次郎君紹介)(第一一〇九号)
 同(志賀一夫君紹介)(第一一一○号)
 同(鈴木久君紹介)(第一一一一号)
 同(渡部行雄君紹介)(第一一一二号)
 同(阿部昭吾君紹介)(第一一二七号)
 同(菅原喜重郎君紹介)(第一一二八号)
 同(遠藤登君紹介)(第一一八一号)
 同(渡部行雄君紹介)(第一一八二号)
四月六
 日
 トラック運輸の運賃改善に関する請願(佐藤祐
 弘君紹介)(第一二二八号)
 東北地方における測候所の体制強化と気象庁予
 算の拡充に関する請願(山中邦紀君紹介)(第
 一二五五号)
 同(渡部行雄君紹介)(第一二七七号)
 ハイヤー・タクシー、観光バス事業の規制緩和
 反対と諸施策の充実に関する請願(大出俊君紹
 介)(第一三一九号)
 同(川島實君紹介)(第一三二〇号)
 同(串原義直君紹介)(第一三二一号)
 同(小林守君紹介)(第一三二二号)
 同(輿石東君紹介)(第一三二三号)
 同(斉藤一雄君紹介)(第一三二四号)
 同(沢藤礼次郎君紹介)(第一三二五号)
 同(清水勇君紹介)(第一三二六号)
 同(常松裕志君紹介)(第一三二七号)
 同(前島秀行君紹介)(第一三二八号)
 同(松原脩雄君紹介)(第一三二九号)
 同(目黒吉之助君紹介)(第一三三〇号)
 同(元信堯君紹介)(第一三三一号)
 同(安田修三君紹介)(第一三三二号)
 同(山中末治君紹介)(第一三三三号)
 同(吉田正雄君紹介)(第一三三四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 船舶安全法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三〇号)
     ――――◇―――――
○森田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、船舶安全法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。緒方克陽君。
○緒方委員 きょうは船舶安全法の一部を改正する法律案についての審議ですが、質問項目が多数ありまして時間が足りそうにありませんので、質問の要点だけ申し上げて、答弁の方も簡潔に要領よくポイントをついてお願いしたいと思います。
 まず第一は、最近景気が非常に低下をしているという状況の中で、新規登録船の減少が今回の法律に関係します小型船舶検査機構の経営にも一定の影響を与えているのではないかと思いますが、その現状はどうでしょうか。
○戸田政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生からお話がございましたように、平成三年度まで非常に好景気で経営状況も順調に推移してきたわけでありますが、平成四年度につきましては、対前年比で新規の検査が一〇%程度落ち込んでおりまして、そういった厳しい状況にあります。本年度におきましても、平成四年度と同程度の収入を見込んでいるところでありますが、JCIの経営につきましては、経費の削減の徹底など支出の抑制を図っておりまして、経営の安定化に努めているところであります。
○緒方委員 ところで、本法律案の経過措置によりまして、国の検査に残る船舶の予定数と、残る理由はどういうことであるのかということについてお尋ねいたします、
○戸田政府委員 長さ十二メーター以上、総トン数二十トン未満の現存船でありますが、これは現在八千隻ございまして、このうち従前どおり国が検査を行うこととなるものの隻数は約三千隻と見込まれております。これらの船舶につきましては、旧安全基準の適用を受けることになりますので、従前のとおり国の検査対象に残すことになりました。
○緒方委員 それから、船舶検査機構の各支部の状況の図面などもいただいたのでありますが、特に北海道などは、もちろん冬は船が出ないということもあるでしょうけれども、そういう地域もあると思うのですが、距離的に見て、検査員の検査のための長期の出張とかあるいは車の運転とかいろいろな問題もありそうに思われるわけでありまして、遠隔地域を補うために小型船舶検査機構の支部を非常な遠隔地などについてはふやすということが船舶所有者にとってもあるいは機構にとっても、仕事の効率上からもいいのではないかと思われます。その点についてはどうでしょうか。
○戸田政府委員 北海道などのような遠隔地域の検査体制でございますが、JCIでは従来から各支部とも業務用車とかレンタカーを使うとか、そういったことで機動的に検査を進めてまいってきております。さらに、検査地域ごとに月間あるいは年間の出張のスケジュールを立てまして、事前に漁協とかマリーナ、その他関係者に周知して受検者の便宜を図ってまいってきております。
 今回の対象船舶の拡大に対しましては、若干の検査員の増加は必要と考えておりますが、支部の配置などにつきましては、そういった機動性をさらに持たせていくというようなことで現状のまま保で十分対応できると考えております。
 なお、北海道につきましては、そういった機動性につきまして、航空機を使うとかいったことも考えておりますので、検査員の増員があれば現状の支部体制で十分対応できるのではないかと思っております。
○緒方委員 今局長、北海道などは航空機も使うことも考えているということですが、これは使われているのですか、これからやるのですか。
○戸田政府委員 これまでも航空機などは使っております。
○緒方委員 使うというのが使っておりますということになったのですが、車などの運転をして長距離を走りながら、その後検査などというのはやはり安全上も問題があると思われます。今の答弁では八千隻移る、もちろん一年間ではっとふえるわけじゃありませんけれども、事実上その船舶の検査対象がふえるに向けて増員もされていかなければならぬと思いますので、それは若干名というようなことではいけないのではないかという意味で、ちょっと時間がありませんし、これは同僚議員がまた質問されると思いますが、そういう問題があるということだけ指摘しておきたいと思います。
 そこで、これから少しプレジャーボートの問題についてお尋ねをいたします。大臣がお見えになっておりませんので、武部政務次官、大きな声で御答弁をお願いしたいと思うのです。
 最近の海難事故のうちプレジャーボートの占める割合が非常に高くなっているということで、昭和六十二年に比較して約三倍にふえております。しかも、毎年顕著に増加の傾向にあるわけでありまして、その対策をしなければ海難事故がますますふえて、非常な事態になることも想定されるわけであります。船舶検査など、ハード面、ソフト面を含めて強化する必要があると思われますが、その点についての対策についてお尋ねいたします。
○武部政府委員 お答えを申し上げます前に、閣議が少しくおくれておりまして、私がかわってお答えさせていただきますことをお許しいただきたいと思います。
 プレジャーボートの海難件数を海上保安庁の要救助海難船舶隻数の推移で見ますと、全体的には若干増加傾向となっているようでございます。この原因といたしましては、プレジャーボート総数の増加等さまざまな要因が考えられますが、プレジャーボートの安全は利用者において確保することが基本的に重要でございまして、小型船舶検査機構におきましては、安全性向上のためのパンフレットを作成するといった広報指導活動も行っているところでございます。
 今後とも、国といたしましても船舶検査の適正な執行、利用者への安全航行の指導等を通じ、海難船舶の減少に努めてまいりたいと思います。
○緒方委員 そこで、次の質問にも関連していくわけですが、安全は利用者において確保されるべきであるというような御答弁でした。もちろん利用者はしなければなりませんが、やはり国の制度において船舶の検査機構というものを設けて安全性を担保するということでいろいろされているという意味からすると、単に利用者においてということとかパンフレットを配っているからということだけで、ふえている海難事故を減らすということにはなかなかならないのではないかという意味で、次の質問に入りたいと思います。
 そこで、民間の機構であります小型船舶検査機構の検査員の問題ですけれども、この検査員が検
査時に船主等に対して、事故対策として出航前点検というようなことを具体的に指導するということについては必要ではないかと思いますが、どうでしょうか。
○戸田政府委員 ただいまの御質問でありますが、政務次官の方からもお答え申し上げましたように、このJCIにおいては従来から、検査、調査、研究などで得られた知見に基づきまして、船舶安全のパンフレットを幾つかつくって持ち主に配付して指導しているということであります。実際に検査員が検査する際に、船の構造とか設備といった検査をするわけでありますが、検査するだけではなく船の保守とか点検の励行、それから船舶の安全運航につきましても適宜指導を行っております。これらにつきましては、今後ともJCIの検査が小型船舶の安全にソフト、ハード面から資するように指導してまいりたいと思っております。
 なお、海洋レジャー関係につきましては、日本海洋レジャー安全・振興協会という団体もございまして、こういうような団体におきましても船主などに対しまして安全指導を行ってきているところであります。
○緒方委員 今の御答弁、出航前点検などを検査員が指導するということをやっているわけですか。
○戸田政府委員 検査員が実際に検査に参りますのは、ある間隔を持って参りますので、そういった際に出航前点検などについても指導するようにしております。
○緒方委員 指導しているということですから、それがどういうふうにされているのか。私が今まで聞いたところでは、啓蒙というようなことをしているけれども具体的な指導というのはあっていないやに聞いておりますので、そこはちょっと問題としてペンディングしながら、これは後ほど確認をしたいと思います。啓蒙しかできない、いわゆる指導というのが、行政指導ということも今いろいろ言葉の上でも言われておりますが、そういうものではないのではないかという意味で、ここらがひとつ大きな問題ではないかというふうに思っておりますから、その点だけ指摘をしておきたいと思います。
 それから次に、昨年の七月一日から開始をされましたプレジャーボートの救助事業、言うなればBAN事業というふうに言われておりますが、このBAN事業の概要と、このシステムを全国に普及させる計画についてどうなっているかということについてお尋ねをします。
○井山政府委員 お答え申し上げます。
 先生今御指摘のBAN事業でございますが、ボート・アシスタンス・ネットワークと申します。これは財団法人の日本海洋レジャー安全・振興協会が非営業のプレジャーボートを対象に、一種の会員制で救助事業をやろうということで始まったものでございまして、今のところは東京湾それから相模湾、伊豆半島の東と神津島、プレジャーボートのたくさんいるところで制度を設けました。これは会員制でございまして、一定の年会費を払っていただきますと、一種の保険を掛けておきまして、団体保険でございますが、個々の救助についてはお金は要らないということで、非常に早い時間でかついろいろな細かいサービスができるということでございます。昨年の七月以降既に十数隻がこの事業で救助されているということでございます。
 七月一日から始まったばかりでございまして、会員の数をふやすのも、普及がなかなかできません。それほど多くはございませんが、一応初年度は大赤字のようでございます。これで私どもさらに普及を重ねまして、様子を見ながら、できれば全国に普及していきたいなと思っておりますが、ただいまのところ、この協会でも具体的に次はどこというような計画は持っていないと聞いております。
○緒方委員 大赤字ということでありますが、そこでその赤字を解消するあるいは軌道に乗せるためにもいろいろな対策が必要だと思います。このBAN事業への加入状況は、今三つか四つの地域を言われたのですが、そこでどれぐらいの加入状況なのか。また、協会の方では、仕事をされて、そしてこれは一定の目標が立つということで当然始められたと思いますが、それがなかなか加入が進まないというのは一体どういうことなのか、その理由についてお尋ねをいたします。
○井山政府委員 この四月現在の会員数でございますが、まだ三百二十艇でございます。私どもとしては最低一千隻は加入していただきたいと思いまして、その辺を目標にやっておりますが、昨年から始まって以来、私どもいろいろな講習会とか訪船指導というのをやっておりまして、その機会に、こういう制度がありますよということを我々も指導し、それからもちろん協会自体も、例えばヨット屋さん、ボート屋さんの、販売するところから修理するところ、そういうところにもいろいろなパンフレットを置くとかPRをするとかいうことで普及を図っていこうということでいろいろやっております。
 ただ、まだ時間がたっていないということと、余り喧伝されていないということもございまして、ちょっとPR不足がと思いますので、私ども一生懸命しりをたたいてやらせていきたいと思っております。
○緒方委員 次にBANにおける救助実績はということでお尋ねする予定にしておりましたが、さっき十数隻ということでお答えいただきました。三百二十の加入で十数隻ということでありますが、これはせっかく発足をして大赤字でつぶれてしまうということについてもいかがかと思います。もっと宣伝その地やるのであれば、やはり成果が上がるようなものにすべきじゃないかというふうに思いますので、これは希望として申し上げておきたいと思います。
 それから次に、日本小型船舶検査機構が船舶検査時に情報を得ていることを、地方自治体など公的なところが情報を求めてきた場合には、所有者名などを開示することになっております。具体的にこれは放置船舶とかその他いろいろな問題もあるということでされているわけですが、その効果はどういうふうになっているのか、お尋ねをいたします。
○戸田政府委員 JCIが検査時に知り得た情報というのは、オーナーの住所、氏名といったことも含めてでありますが、最近の海洋性レジャーが盛んになってきたことに伴いましてプレジャーボートの放置艇、いわゆる違法係留なども含めたそういった放置艇がふえてきておりまして、環境保全などの面で問題になってきております。こういったことから、JCIにおきましては放置艇対策を目的としました地方自治体からの照会、これは主として持ち主を特定する、持ち主の氏名、住所を特定するというようなことでありますが、そういった照会に対応できるように、ことしの二月に情報開示に関する諸規程を制定しまして問い合わせに応ずることになったわけであります。
 これまでのところ、保管場所などに関するアンケート調査とか、あるいは河川工事で影響を受ける場合の船舶所有者への連絡先等に関する照会がありましたが、多くの自治体からどういうような手続で照会したらこたえてもらえるかといったことにつきましても問い合わせがありまして、今後は相当の効果が期待できるのではないかと思っております。
○緒方委員 そこで、ちょっとお尋ねしますが、先日調査に行きましたときの話でも、例の船体の左側ですか、どちらかに検査済みのシールを張るようになっておったのです。そういうもので識別できるということのようでした。しかし、それがはがれた場合にはなかなかわからない、はがれている場合もあるということですが、検査機構ではエンジンのナンバーとかそういうものも含めて全部、エンジンの製造番号も含めてちゃんと対応できるような資料があるのでしょうか。
○戸田政府委員 検査合格のシールなどにつきましては、通常ですとはがれたりしないものになっておりますが、これを意図的にはがされますと、
これはもうそのナンバーからの特定ができないことになっております。エンジンなどにつきましては、特に検査時に製造ナンバーを控えて記録としてとどめておりますが、これも意図的にやられるとわからないということがあります。特に、船体の特定につきましては現在のところなかなか難しいというのが現状になっております。いずれにしましても、意図的にそういうことを隠ぺいしようということでいろいろなことをやられますと特定しにくいというような状況にあります。
○緒方委員 シールはもちろんはぐと思うのですが、これはちょっと質問通告はしていなかったのですけれども、エンジンナンバーまで削っているというような例もあるのでしょうか、どうですか。
○戸田政府委員 まだ実態的にそういったことを調査しておりませんので、エンジンのナンバーまで削っているかどうかというのは今のところ承知しておりません。
○緒方委員 きょうはもうあれですから、そこら放置船舶の問題はこれから大きな問題になりますので、後ほどで結構ですから、そういう例があったかどうか調べてもらって、何十隻もあったのかどうか知らせてほしいというふうに思いますので、お願いしておきたいと思います。それはいいですか、今の件。
○戸田政府委員 後ほど調べましてお知らせしたいと思います。
○緒方委員 そういう状況が現状でもあるわけですが、そんな中で運輸省としては、一九九九年までにマリーナを全国で新たに三百七十カ所つくる、自治体など公共が百カ所、それから民間が二百七十カ所整備をするという計画を打ち出しているわけであります。九九年といいますともう余りないわけであります。それに行き着くまでの間の現在のマリーナ整備の進捗状況と、なかなか進んでいないということも聞いておりますが、その計画が進まない理由についてお尋ねをいたします。
○坂井政府委員 御承知のように、近年のレジャー活動の活発化あるいは多様化が進む中で、海洋性レクリエーションに対する需要が非常に高まっておりまして、御案内のように平成四年現在で約二十九万隻と推定をされておりますプレジャーボートが、一九九九年、すなわち二〇〇〇年ごろには恐らく四十万隻、少なくとも四十万隻に達するというふうに言われております。このため私どもでは、六十三年に二十一世紀に向けてのマリーナ等のプレジャーボート保管施設整備のガイドラインといたしまして、全国マリーナ等整備方針を策定しております。
 この方針によりますと、放置艇を漸次解消しつつ将来の需要増に対応していくということを考えておりまして、プレジャーボート保管の要請に的確に対応するということで、能力的には公共マリーナが約百、それから民間でお願いするものが二百七十ぐらい必要がなということを一つの目安にしておるわけでございますが、現在、マリーナ等におきます保管の目標でございます先ほどの四十万隻に相当するうち、二十四万隻ぐらいをとりあえずマリーナで収容するというふうに考えますと、約二〇%、すなわち四万五千隻ぐらいが当該の施設に収容できるということでございまして、海洋性のレクリエーションの振興の観点からするとまだまだ不足しておる、なお一層マリーナ等の整備等に努めていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○緒方委員 質問しましたなかなか進まない理由についてはどういうことですか。
○坂井政府委員 いろいろございますけれども、やはり一つマリーナをつくるということになりますと、我が国の海岸線というのは非常に気象、海象条件が厳しいわけでございますので、ある程度外郭施設が要る、外郭施設だけではなくて、いろいろな漁業者との調整が要るというようなことで、満足な施設をつくるためにはお金がかかります。したがって、公共でももちろんそうでございますが、民間の事業者におきましては、外郭施設をつくってまでマリーナ業を営むということになりますと、なかなか事業として採算がとりにくいというようなことがございます。お金が高いということと、それから水面を使っておりますいろいろな水面利用者との調整が相当一つのネックになっておるといいましょうか、なかなか難しいことかというふうに理解しておる次第でございます。
○緒方委員 実は先月でしたけれども、運輸省にもいろいろ御相談したのですが、例の新下田ドックの問題で伊豆半島の突端の下田に行ってまいりました。あそこでニチメンさんが造船所の土地を買われておりまして、そのことで今いろいろやりとりをしております。結局バブル崩壊の中で、当初計画していたものがなかなかできないのではないかというような感じのお話も聞いておりますが、恐らく全国的にもそういう状況がバブル崩壊という状況の中で出てきたのではないか。
 そうすると、片や小さなプレジャーボートはどんどんふえていく、しかしながら、結果としてそういうマリーナができずにいろんな河川その他に放置をされて、今日でも問題になっておりますことがますますふえていくということになると思われまして、公共が百カ所で民間に二百七十カ所という、あくまでも民間主導のような形でやっているけれども、これでいくと、九九年にはバブル崩壊も含めてかなり厳しい現実にぶち当たるのじゃないか、そして問題だけが噴出をするということになるのではないかという気がいたしますが、その辺はどうですか。
○坂井政府委員 先生御指摘の心配は、正直言って我々もしております。一方では需要がふえるという前提で考えますと、やはりもう少し安くて係留できる水面を何とか提供できるようなシステムがなかろうかということが一つ考えられるわけでございます。
 確かにちゃんとしたマリーナということになりますと、いろいろ金もかかったり場所がなかなか特定しにくかったり、いろいろ大変でございますが、私どもは数年前よりプレジャーボートスポットということをやっておりまして、これは、例えば水深が二メーターとか三メーターとかというようないわゆる係船護岸といいましょうか、小型船が着くための係船護岸をそれぞれの港の中で持っておるわけでございますけれども、場所によってはそういう小型船が着けでないような場所がございますので、そこの背後に駐車場なりあるいは係船護岸なり等々の若干の施設整備をすることによってプレジャーボートを簡易に係留できる場所をつくろうではないかというようなことで、それはそれでやっておりまして、最近では結構進んでおります。
 我々はそれをプレジャーボートスポットというふうに呼んでおるわけでございますが、そういう安い水域を提供できる工夫、それから、必ずしもこれは港湾の中ということだけではなくて、一般の水面あるいは河川等々も含めまして、私どもは、運輸省の中はもちろんでございますけれども、対外的にも水産庁あるいは建設省ともいろいろ今意見を交換しておりまして、もう少し簡易に提供できるような水面の確保のあり方等について今意見を交換しておるところでございます。
○緒方委員 質問にちゃんと答えてくださいよ。私が質問したのは、例えば伊豆の下田の話もしましたけれども、とにかくバブル崩壊の中で、そういうプレジャー自体に対していろいろな民間企業がなかなか仕事を、今これはこれだけの金を投じてどうかなということで、少しとまっている感じがある。同時に、漁民の人々は非常に、漁業権などの問題も含めてそんなにやれるかという問題もあるということで、運輸省は、さっき言いましたように九九年までに最低で四十万、多ければ六十万ということになる。六十万いかないにしても、マリーナの整備ができないと、結局放置船舶、違法係留というものがだんだんふえていくことになるのじゃないか、その見通しをちゃんと立てていないとさらに問題が起きるのじゃないかということで、一体九九年の問題については目標を達成できるというふうに思っているのかどうか、その見通しについて聞いているわけですから、そこを
はっきり答えてください。
○坂井政府委員 申しわけございませんでした。その目標達成のために、安くて提供できる水面を確保するように、今いろいろ努力をしているということでございます。
○緒方委員 それも一つの方法でしょうが、全体の見通しとして、九九年に一体どういうふうな状況になるか。違法係留とか放置とかがなくなるような万全の体制は、基本的にはマリーナ整備ということが進まなければいかぬと思うのですよ。そこらについて聞いているわけです。
○坂井政府委員 お答えします。
 マリーナを整備するということが基本でございますが、そのほか、今申し上げましたいろいろな手法を含めまして、今私どもが持っておりますこの指針に少しでも近づけるといいましょうか、これが達成できるような努力をしておる次第でございまして、先生おっしゃるように、マリーナの整備に金額的にもあるいは我々のいろいろな努力も最大限投入することについては異存ございません。
○緒方委員 九九年という一つの指標を示しているわけだから、そこでは今よりも問題はよくなるという前提でいろいろ準備されたと思うのですよ。しかし、我々が承知しているところでは、それが景気の後退とかバブル崩壊とかいろいろなことで、必ずしもうまくいくという状況にならないのではないかというふうに聞いているわけで、いや、ちゃんとそのときまでにはやります、できる実績がだんだん上がっておりますということならばいいのですよ。そこを聞いているのです。九九年までに本当にやれる現状にあるのですかどうですかということをお尋ねしておるのです。
○坂井政府委員 先ほどからお答えしますように、一生懸命この目標に向かって努力はしております。今これを見直そうという機運にはまだなっておりませんが、何とかこれに向けてやろうということで今考えておる次第でございます。
○緒方委員 ここまで来て、まだ見直しのことは考えていないということですか。
○坂井政府委員 現段階ではまだそういうところまで考えておりません。
○緒方委員 私は、これは現状進んでいる整備状況と計画とのずれがかなり出てきているというふうに思います。局長は変えないということですが、余り直近になってまた目標を変えるということは非常にみっともない話ですから、現状を厳しくチェックをしてみて、各企業のマリーナに対するいろいろな取り組みの状況、現状、全体を網羅してみて、一遍これは点検といいますか、検証を現状においてしてみる必要があるのじゃないかと思いますので、これは指摘したいと思うのです。どうですか。
○坂井政府委員 御趣旨よく理解をいたしますので、検討させていただきたいと思います。
○緒方委員 次に入りたいと思いますが、現在のプレジャーボートの大部分はFRPで、強化プラスチックというのですか、特殊なもので、船体の材料としては非常にすぐれた性能を持っているという反面、一般のプラスチック以上にその処理がまた難しいという問題があるわけでありまして、そのFRP製のプレジャーボートの廃船は今どのように処理をされているかお尋ねをいたします。
○戸田政府委員 FRP船で実際に処理している船舶といいますと、現在漁船が主体ではないかと思いますが、これまでのところでは、細かく砕いて埋め立てなどに使うというような方法がとられてきております。今後相当量の廃船が出てくるものと思われますので、運輸省でも関係団体にお願いしまして、その廃船処理のプラントの試作などを進めております。
 このプラントというのは、結局焼却炉で有害ガスが出ない、そういうものを考えておりますが、現在その試作機ができておりまして、今年度から全国各地、これはトレーラーで輸送できるようなものになっておりますので、移動しまして試験的に動かしてみるというようなところに来ております。これらの点につきましては、例えば水産庁などでも同様の開発を進めておりますので、今後の問題としましては関係省庁とも十分連携を図って、技術開発それからそういった廃船処理を進めていく仕組みをつくっていくことについて検討を進めてまいりたいと思います。
○緒方委員 これは非常に後手後手じゃないか。要するに現在もう放置船舶が、あるいは違法係留、違法係留の場合は何とかまた対策がありますが、違法に放置されている船舶、特にFRPの問題がもはや目前の問題になってきたときに、第一号の試作ができたということでは非常に手おくれじゃないかと思いまして、やはり早急な対策を立てる必要があるということを強く要求をしておきたいと思います。
 ところで、さっきの質問にも関連するのですが、特に海岸よりも河川、それからいろいろお話を聞いておりますと陸上にFRPのプレジャーボートが放置をされている、しかも検査証の番号もはがれているというような状況の中で、大変自治体が困っている、あるいは住民が困っているということがあるわけであります。この廃棄されたFRP製のプレジャーボートなどが船舶の航行を阻害したりあるいは景観を悪化せしめるということ、あるいはさっきから言っておりますように安全、環境面でいろいろ問題になっているわけであります。
 政府としては、これは陸上であれば警察、湾内であれば海上警察とか建設省だ何だかんだということで、いろいろ管轄が違って問題があるというふうにお答えがあっている面もあると思いますが、運輸省がやはり何といってもプレジャーボートの主たる監督官庁でありますから、そこが他のところに迷惑をかけているということになれば当然対策を立てなければいけないということで、他の省庁にも働きかけて、廃棄されたFRPのプレジャーボートのいろいろな対策について、違法な状況について積極的に取り組む必要があると思います。この辺について大臣どうでしょうか。
○越智国務大臣 ちょっとおくれて参りまして失礼をいたしました。
 今お話しのように、放置艇につきましてはいろいろ問題を生じておるということも事実であります。先ほど来政府委員がお答えいたしましたように、基本的にはマリーナの整備、それから河川を利用する場合でもやはり整然と、ちゃんと置けるようにしなければならない。それからもう一点は、陸上に格納庫を、最近非常に発展いたしまして何階が、五階とか六階とか港湾のそばにつくる、こういうことも進められておるようであります。要はこの保管場所をきちっとしないといけない、こういうことに今後努力をしてまいりたい、かように思います。
 それからFRP廃船処理につきましては今局長がお答えいたしましたが、今までは破砕して埋め立て等に使っておるということであります。これをプラントで焼却してもガスが出ないようにということが開発されたようであります。これをどんどん取り入れて、少なくとも放置船がなくなるように今後努めてまいりたい、かように思います。お説のように、これは何といってもこの運輸省で処理をしなければならない、整然と処理ができるように早急に進めてまいりたい、かように思う次第であります。
○緒方委員 今のもので、新たなプラントでやられるということですが、その処理をする費用は一体どこが出すのでしょうかね。もうたくさんの船がつくられていって、最後は買った人がやるのか製造者がするのかという意味では、関連していかないと将来その金をどうするかということが大きな問題になるような気がするのです。まだ試作の段階でしょうけれども、将来的にはそういう問題が、一体処理の金はだれが払うのかということが大きな問題になってくると思うのですが、そこらはどういう状況ですか。
○戸田政府委員 御指摘のとおりまだ始まったばかりでありまして、今後の問題ということでありますが、通常持ち主がはっきりしている場合には持ち主の負担ということではないかと思います。
ただ、放置艇などの問題につきましては今後その負担の問題が出てまいりますので、地方公共団体が負担するとかいうのが適切でない場合もあるかと思いますので、将来の問題としては、一つのやり方でありますが、製造者から当初ある一定の金額をいただいておいて、それをそういった費用に充てていくというのも一つの方法ではないかと思っております。
○緒方委員 ここで少し細かな問題に入って恐縮ですが、JCIの問題について質問したいと思います。
 JCIの場合でも国の検査の場合でも証書をもらうわけですが、例えば自分はしばらく漁に出かけるので、三年が中間検査ですけれども、二年九カ月とか十カ月、あるいは一、二カ月前にもう行った場合には、これはその検査が終わってまた三年ということで、実質的には中間検査三年三年といいながら、何回も受けているうちに短縮されてしまうということになるようなことですが、証書満了前の有効期間内に検査を受けると、一体その辺はどうなるのでしょうか。
○戸田政府委員 現在のシステムですと、これは大型船についても同じやり方になっておりますし、国際的にもそういうようなことになっておりますが、証書満了前に検査を受けますと、検査を受けた時点から新しい証書が有効になるというようなことですので、有効期間が短縮されてしまうという問題が現実にあります。
 それで、ほかの例などを調べてみますと、例えば自動車ですが、ある一定の期間の間に検査を受ければ有効期間が変わらないというようなものもあります。また国際条約でも、これはまだ各国採用していないし発効もしていないのですが、ある一定期間内に定められた検査を受ければ証書が短くなるようなことがないようなシステムも既に採択されておりますので、今後の問題としてはそういったことが可能になるようなことを検討していきたいということで、既に検討を始めているところであります。
○緒方委員 もう既に国際条約でもそういうことがあるということでありますので、やはり船主の権利といいますか、そういうものを守る立場からも、車や我々の免許証でもそうですが、一カ月間であれば誕生日からということで、ちゃんとその辺は余裕を見てあるわけですので、早急に検討してこの問題については善処されるように強く要望しておきたいと思います。検討中ということですから、早急な実施をお願いしておきたいと思います。
 それから、JCIで、現場も見に行ったのですが、ある場所が検査基準に満たないという場合には再検査、不合格と言わずに再検査ということで、お聞きしましたら、その場で一応検査員は帰って、また電話連絡があって、整備がされた時点でそこで合格ということになって、後ほど検査証が送られる、証書が送られるというようなことを聞いております。要するに再検査ですね、それをされたというのが最近三年間でどういう数になっているか、お尋ねをいたします。
○戸田政府委員 私どもがJCIから聞いているところによりますと、ふぐあいの指摘をして再検査を実施したというような例は全体の一割程度ということであります。その中身はどういうことかと申しますと、船体に破損箇所があるとか、あるいは検査備品に員数不足があるとか、あるいは火工品と言いまして、火薬関係ですが、遭難した場合に打ち上げる火薬、ああいったものの有効期間が切れているというような例であります。
○緒方委員 そこで、海上保安庁にお尋ねいたしますが、例えば小型船舶検査機構の検査による検査期間切れ、または無検査あるいは区域外航行など、違反の状況について、この五年間の実態についてお知らせをしていただきたいと思います。
○井山政府委員 お答えを申し上げます。
 私どもで統計をとっておりますいわゆる送致件数でございますが、小型船舶と申しますのは、これは漁船を除いております二十トン未満の小型船舶でございます。これの五年間の送致件数でございますが、昭和六十三年に船舶安全法違反が全体で二千六百五件、それからその後少しずつ減っておりまして、平成四年には二千百七十七件というふうに若干減りぎみでございます。
 その中身として、先生先ほどもおっしゃいました無検査で航行する、あるいは検査期間切れ、それから決められた航行区域外に出てしまっているというもの、あるいは最大搭載人員を超過して人をどんどん乗せてしまっている、あるいは救命胴衣をちゃんと積んでいなければいけないのに積んでいないとか、こういう人の命に直接かかわるようなもの、こういうのを主としてねらいまして船舶安全法違反で送っておりますが、全体的には少し減りぎみという感じでございます。
○緒方委員 もう一つ、JCIのことについてお尋ねします。放置船舶の問題が非常に大きな問題になっているのですけれども、これは当然JCIは掌握をされていると思うのですが、JCIの連絡を受けて、検査期限が来るとはがきを出すということになっておりました。そうすれば、当然、検査を受けなければいけないにもかかわらずもうこれでやめたという人、もう廃船だという人もいると思いますが、その連絡を受けたにもかかわらず受検しなかった、検査を受けなかった船舶は五年間でどういう実態になっているのか、その船は今一体どうなっているのかという二点についてお尋ねいたします。
○戸田政府委員 受検案内のはがきを出しまして、それで受けに来ないという船舶ですが、大体対象船舶の二〇%ぐらいあります。それで、そういった船舶はなぜ受けに来ないのかというと、いろいろな理由があるわけです。廃船にするのも一つですし、それから他人に売り渡している、売り渡してほかの人が新たに検査を受けているという例もあります。それからもう一つは、検査証書が切れてしまっているけれどもそのままにしておいて、例えばシーズンが来て初めて次の検査を受ける、そういった例もございます。
 その検査を受けに来なかったものはどうなっているんだろうというのは、これはなかなか調べにくいわけでして、中身としてはそういうようなことじゃないかと思いますが、検査を受けないからといって安全法の違法ということにはなりませんで、その検査を受けないで航行した場合に初めて安全法の違反になるというようなことですので、しばらく待ってから検査を受けようかというようなものも相当あるんじゃないかと思っております。
○緒方委員 時間がなくなってきてあれなんですが、他人に売って他人が申請したという場合だってそれは船の番号はちゃんと登録されているわけですから、後ででも、いや後じゃなくて売買されてする場合には受けに来なかったということにならないんじゃないですか。その辺はちゃんとコンピューター処理されているんじゃないですか。
○戸田政府委員 その受検の通知が来て直ちに受けない、直ちに受検に来ないというようなことですから、他人に売られてそれでしばらくしてから検査を受けに来るというような例に入るかと思いますが、その船は識別は可能であります。
○緒方委員 それで、今二〇%という数字が出ましたが、そのうちに何カ月かたって検査を受けるというのなども確かにあるでしょう。しかし、全体としては、今のお話を聞いておりますと、一五%か一〇%か知りませんけれどもそれはだんだんもう乗らなくなっていて、FRPなんかはそれが結局放置ということになっているんじゃないかという気がします。二〇%という数字は車の車検なんかに比べると、車とはまた違いますけれども、しかし違法に放置されるという面から見るとこれは大変な数字じゃないかというふうに思いますが、実際に廃船されていっているというのはその二〇%のうちどれくらいでしょうか。五%くらいはまた検査を受けて乗るということになりますと、一五%が毎年毎年処理をされないで残るということにもなるわけですが、その辺はどういう感じでつかんでいらっしゃいますか。
○戸田政府委員 廃船の方からいきますと、それ
ほど急激な増加にはなっていないと思います。ですから全部が放置艇になっているとかそういうようなことではないだろうと思いますが、いずれにしましてもトレースするのが非常に難しいということでありますけれども、今後できるだけその追跡調査のようなことをしてみる必要があるんじゃないかなと思っております。
○緒方委員 結局そういうふうに全体を掌握していないと、日本の小型船舶は何十万隻だという数字が出ておりますが、あと何年かもすればそれに近い検査を受けていない船が陸上やらあちこちにどんどんあって、実際検査を受けた船よりも大きくなるということすら想定されるんじゃないかと思います。その辺の数は全然わかりませんか。
○戸田政府委員 残念ながら実態把握ができていない状況にあります。
○緒方委員 これは調べようと思えば、パソコンで処理をされているということですから、実際に廃船されなければ、廃船といっても別に現物そのものを海に沈めるか何かしない限りはどこかに残っているわけでして、その実態については、やはりどういう実態になっているのかということについては、これからの環境問題その他考える場合に必要だと思いますので、ぜひこれは調査をしていただきたいと思います。
 もう時間が参りましたので、あと一点そのことについてお尋ねしたいということと、もう一点だけ、プレジャーボートでの被害が、自分がということよりも被害者救済の保険制度はどうなっているのかということと、その加入率はプレジャーボートを持っている方の中でどの程度あるのかということについて、わかれば教えていただきたいと思います。
○戸田政府委員 現在のプレジャーボートを対象としました保険としましては、ヨット・モーターボート総合保険及びプレジャーボート保険というのがあります。その担保の対象としましては、前者の方では賠償責任、搭乗者傷害、捜索救助、船体損害、それから後者の方では船体損害とか賠償責任、捜索救助の費用の負担というようなことになっております。保険の加入率につきましては、担保の対象によって異なっておりますけれども、例えばヨット・モーターボート総合保険では、対人対物事故における賠償責任を担保する賠償責任保険の場合、その加入率は平成元年度の推定で約八%と非常に低い状況にあります。
○緒方委員 これで質問を終わりますが、前段の、検査を受けないで要するに廃船でもない、そのうちにまた乗るということもあるでしょう。その数についてぜひ調査してもらいたいという点をさっき言いました。その辺はどうでしょうか。
○戸田政府委員 なかなか困難な作業だろうと思いますが、してみる必要があると認識しております。
○緒方委員 終わります。
○森田委員長 山中末治君。
○山中(末)委員 私は、船舶安全法の一部を改正する法律案につきまして御質問を申し上げます前に、四月八日、カンボジア中部のコンポントム州におきまして、国連平和維持活動に従事されていた中田厚仁さん、二十五歳の不慮の災害、御逝去を心から悼み、御冥福をお祈り申し上げたい、このように存じます。
 それでは、質問に移らせていただきます。
 昭和五十八年の臨時行政調査会の答申、また昭和五十九年の閣議決定等によりまして、日本小型船舶検査機構については、早期に検査対象船舶の見直しを行うことが提言され、閣議決定がされておるわけでありますが、少し日が、時間がたち過ぎているように思います。今日まで改正が行われなかった理由、特に重大な理由があったのか、お伺いいたしたいと思います。
○戸田政府委員 そもそもこの小型船の検査につきましては、長さ十二メーター未満の船舶は構造、設備が定型的でかつ簡易であるということから検査をすることにしまして、昭和四十九年に小型船舶検査機構を設立しまして国の代行をさせてまいったわけでありますが、この制度が発足してから二十年経過しております。この間に小型船の形状が変化してきておりまして、長さ十二メーター以上でかつ総トン数二十トン程度までの船舶についても、構造、設備などが以前の小型船舶同様に比較的簡易なものが相当ふえてきたというような状況がありました。それで、これらの船舶に関する安全基準も統一して見直すというようなことが必要になってまいりまして、こういったことから今回の改正に立ち至ったわけであります。
 昭和五十八年三月の臨時行政調査会の最終答申の中では、対象を見直すようにという指摘を受けておりますが、平成四年八月の行政監察などにおきましては、この仕切りを二十トンとすべきであるというはっきりとした指示が出ましたので、そういった背景もあわせて検討しまして今回の改正をお願いしている次第であります。
○山中(末)委員 今の局長の御説明では、時間がかかったというのはそう大した大きな問題はなかった、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○戸田政府委員 大した大きなということではないように思いますが、利用者の立場から考えますと、大型になってきた船舶について、国が行っている大型船並みの検査の仕方が適切であるかどうかというような点も問題になると思いますので、そういったことも考えまして、二十トンまで同じような基準と検査の手法で検査すべきであるという認識をするに至ったということであります。
○山中(末)委員 国が行います検査、これはお聞きしますとJGと言われているようでありますから、これからJGという言い方を使わせていただきます。それから小型船舶検査機構、これもJCIという言い方だそうでございますから、そういうふうに使わせていただきますが、JG,JCIが行う検査のそれぞれの手数料収入額と使途、それから両方とも独立採算でうまく成立しているのかどうか、このあたりをお聞きしたいと思います。
 国の方としては、収入はすべて収入印紙だということを聞いておりますので、これは予算上は歳入の方で印紙売りさばき代ですか、何かそういうことで計上されているのじゃないかというふうに聞いておりますが、それは支出面では特定されずに一般財源として使われているという認識をしていいですか。それからJCIの方は、収入と支出、それから独立採算制がうまくいっているのかどうか、お聞きします。
○戸田政府委員 国の検査手数料でありますが、これは船舶検査官の人件費あるいは検査を進めるための物件費などの実費を勘案しまして法定の検査手数料を定めておりまして、御指摘のとおり手数料は国の一般会計の歳入となっております。歳入実績は、平成三年度で見てみますと約十一億円ということであります。
 一方、小型船舶検査機構の検査手数料でありますが、これにつきましては、現在、国と同一の法定の検査手数料を採用しております。収入実績は平成三年度で約三十五億円ということでありますが、その使途につきましては、検査に当たる小型船舶検査機構の運営に必要な費用に充当しているというようなことで、先生御指摘のとおりであります。
○山中(末)委員 今お聞きしていますと、JCIの方は民間の団体でもありますので独立採算でいかなきゃならぬということはわかりますけれども、国の方、JGの方は、これは印紙収入で入ってきて一般会計へ入って、その使う歳出の方はそれも含んでいるのだろうと思いますが、支出が特定されておりませんから、一般財源として使っているということになると、JGの方の収支はどういうふうになっていますか、ちょっとあわせてお聞かせいただきたいと思います。
○戸田政府委員 収入と支出がきちっと合うようになっているかどうかという御質問だろうと思います。これまで支出の面について毎年計算しているというようなことではございませんが、原則としましては検査官の人件費と、そういう費用を賄うというようなことになっておりますので、収支は恐らくほとんどとんとんじゃないかと思ってお
ります。
 ただ、国の検査につきましては、役所の建物の費用とかそういったことを一切見ておりませんので、それまで含めて民間で言うように全体の費用を賄っているとは言えないと思っております。
○山中(末)委員 そんな感じかなと思いますけれども、一応収支計算してみてどのくらいになっているかということを御検討願うのも一つの方法じゃないかなというふうに思います。
 それで、次はちょっと細かいことになりますけれども、国家試験をパスされた船舶検査官と、小型船舶検査機構に関する省令によりまして、十四条ですか、その要件を満たした検査員の方と全く同一資格に取り扱われていますのかお伺いしたいと思います。
○戸田政府委員 国の検査官と小型船舶検査機構の検査員のクオリフィケーションということですが、国の方も大学を卒業して、あるいは専門学校なり高校を卒業して入ってくるというような場合がありますけれども、一定の経験を積んでから検査官に任命するというようなことを行っております。
 小型船舶検査機構の場合もやはり同様に、大学あるいは高校あたりで専攻してきた学科によりまして経験年数をそれぞれ定めまして、それでそういう資格を有した者を検査員に採用するというようなことを行っているわけであります。
○山中(末)委員 私がお聞きしたのはそういうことではなしに、全く同一資格として思っておられるのか、現にそういうことで仕事をさせておられるのかということです。
○戸田政府委員 大体同等ということで定めております。ただ、小型船の場合には、先ほども申し上げましたように、構造が簡単であるとかといったことで若干の違いはあるかなと思っております。
○山中(末)委員 この国家試験をパスした検査官というのは、これは二十トン以上の船も検査をされる資格があるのですか。
○戸田政府委員 検査官に任命する場合には特別国家試験というようなものは行っておりませんで、一般に役所に採用されるというような形をとって、さらにその人が専攻した科目とそれから経験年数を考えまして検査官に任命するというようなことをしております。
○山中(末)委員 今の場合はJG、私の質問しているのはJGの場合ですが、そういうことですね。
 それで今度は、JCIが検査員を採用する場合、これは三項目書いてございますね。まず第一項目は、JGの検査官をしておった人、一番初めにそのように書かれていますが、これは納得いくのですけれども、三番目なんですね。三番目が、大臣の認定されるという項目がありますね。「一及び二の資格者と同等もしくは同等以上の資格を有する人に大臣が検査員としての認定をした場合は検査員になることができる。」こういうふうになっていますが、一と二はわからぬことはないのですけれども、三についてはどんな場合、またどんな方を想定してつくられた規程なのか、ちょっと説明をしていただきたいと思います。それからあわせて、そういう大臣の御認定で検査員になった方が現在まで幾人ぐらいあるのか、これもあわせて参考のためにお聞きしたいと思います。
○戸田政府委員 例えば船の乗組員であったとか、そういった場合に窓口を広げておくというようなことでこういう規程を置いたと思いますが、これまで小型船舶検査機構でこの条項を適用して検査員と認定した前例はございません。
○山中(末)委員 わかりました。
 この検査官、検査員というのは非常に大事な仕事だというふうに私は認識しております。ですから、その方の、検査員、検査官になられてからの研修も非常に大事でありますけれども、その資格を得られるときが第一回目の関門じゃないかなというふうに思いますので、特に素質等について厳密に対応をしていただきたい。これはもう船の安全に関する問題でございますから、この間もマリーナを視察させていただきまして、割合簡単な検査をしておられるけれども、じっと見ているとやはり大事な部門はちゃんと押さえられているなという感じはいたしましたが、素質の向上のために、また技術等の向上のためにこれからも十分御指導をいただきたいというふうに考えます。
 それともう一つ、幼稚な疑問なのですけれども、さっきの三の大臣の御認定されるという資格ですが、これはJCIの方からあらかじめ申請があるわけですか。
○戸田政府委員 JCIの方が認定しまして、それで国に届け出るという仕組みになっております。
○山中(末)委員 一、二はそうなんですけれども、三の場合、今まではないということでございますが、もしある場合はあらかじめ、AさんならAさんをこういう資格があると思うので大臣の承認、認定が要るわけでしょう。あらかじめそれはJCIの方から運輸省め方へ協議が出てくるということに理解してよろしゅうございますか。
○戸田政府委員 まず第一に、その個人から申し出があって、それでそれが相当の経験、知識を持っているかどうかを認定するということになります。
○山中(末)委員 では、蛇足みたいですが、もう一つだけ聞かせておいてもらいます。
 小型船舶検査員が検査事務に関して不適当な行為をしたときは解任をされる、こういうふうに書かれていますが、今日までの長い二十年間ですか、解任をされた方はございますか。
○戸田政府委員 これまで解任した前例はございません。
○山中(末)委員 さきの方の三番目のそういう認定をした人はないというのは納得できましたけれども、この検査事務を二十年間やってきて何も事故がなかったということは喜ぶべきことでありますが、また反面、何か緩いのと違うかという感じも受けますので、こういう規律についてはひとつ厳しくチェックをしていただきたい。もし変なことが起こったら大変です。機構そのものも大変ですし、ひとつ厳しく対応をしていただきたいと要望を申し上げておきます。
 それでは、現在JGが行っている検査対象船舶のうち、今度の法改正によりまして八千隻がJCIの検査に変更される、こういう内容になってございます。このことで、まず一つは、経過措置によりまして旧基準によることを希望する現存の船舶、これは従来の例によるということにされておりますが、この隻数は幾らぐらいだと推定されますか。
○戸田政府委員 次の定期的な検査から直ちにJCIに移っていくという船舶は主として漁船であります。漁船につきましては、今まで安全基準が二十総トンまで統一されていたというようなこともありますので、直ちにJCIに移しても問題ないという判断をしておりますが、それ以外は大体三千隻がなおこれまでの安全基準に基づいて引き続き国の検査を受けるということになります。
○山中(末)委員 これは現存船という解釈で、この船が廃船をされるまでその経過措置が適用されるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○戸田政府委員 持ち主が変わったりしまして、持ち主が新しい基準を適用して検査を受けたいということがあればJCIに移っていくことがあります。それからもう一つは、大改造などをした場合で、その新しい基準を適用してそれらの点をチェックしなければならないというような場合にはJCIに移っていく可能性があります。
○山中(末)委員 現行の小型船舶に該当するもので、今度は二十トン以上の船舶についてはこの法律の改正された後は小型船舶に該当しなくなる、その数は二十五隻というふうに聞いておりますが、これはどんな船なのか、この船にも経過措置が適用されるのかどうか、お伺いします。
○戸田政府委員 ただいまの御質問、その二十五隻についてでありますが、こういった船というのはそのトン数が大きいということで、トン数が大きいということは俗な言葉で言いますと船のどん
がらが大きい、容積が大きいということでありまして、幅が大きいとか深さが大きいあるいはその上部構造が大きい、そういうようなことでトン数が大きくなっているわけです。大きな居室があるということで、旅客船などがその大部分ではないかと思っております。
 御指摘の二十五隻につきましては、安全上も重要であるという観点から、直ちに国の検査に移していきたいと思っておりますが、検査の実行上の問題としましては、事前によく持ち主に周知徹底させてそういったことを進めていきたいと思っております。
○山中(末)委員 この船については経過措置は適用されない。すぐにJGの方で検査をする、こういうことになるわけですね。
 それでは、JGが検査を行うことにしている特殊船等が約千隻あるとありますね。これは一体どんな船なのですか。それとJCIで検査をすることは不適当なのかどうか、それもあわせてお伺いしたいと思います。
○戸田政府委員 従前から特殊な船として国が検査を行ってきている小型船の例を申し上げますと、例えば水中翼船とかエアクッション艇あるいは潜水船、そういった技術的に相当高度な判断が要求されるものについてこれまで国が検査をしておりますし、これからも引き続き国が検査をするというようなことになります。
○山中(末)委員 JCIで検査をするということは不適当だということは、JCIの技術力がJGのところまでは達しないというふうに理解していいのですか。
○戸田政府委員 JCIの場合には、今回その範囲の見直しを行いましたのも、構造が非常に似通っている、それで簡単であるというようなことから範囲の見直しをしておりまして、そういう船であればJCIが検査を行っても安全上大丈夫であるという判断をしておりますので今回の範囲の拡大ということになりましたが、潜水船とかエアクッション艇になりますと、これは二十トン以上の船と同様の、大型船並みの経験、知見を要求されるというようなことでありますので、引き続き国の検査対象としていくと考えております。
○山中(末)委員 この法律が改正されたらJGからJCIへ移る単年度の隻数というのは幾隻ぐらいございますか。八千隻ということですが、これは検査の年度がございますから毎年八千隻がJGからJCIへ移ってくるわけじゃございません。単年度で平均何隻ぐらいが移ってくるのか、ちょっとお伺いします。
○戸田政府委員 定期的な検査ごとに移っていくということになりますので、漁船などを主体とした五千隻が逐次移っていくことになりますが、大体千隻弱ではないかと思います。単年度で千隻弱ということであります。
○山中(末)委員 約千隻が単年度で移っていく、こういう御説明でございますが、そうすると今度はJCIの検査事務が多くなるわけですね。今のJCIの検査の陣容でそこを来しませんか、人数が足りなくなりませんか、お伺いします。
○戸田政府委員 これまで検査の対象としてまいりました船舶の大部分というのはプレジャーボートでございまして、検査を受けに来る時期というのは大体春先ということになっておりますが、春先から夏にかけて相当忙しい時期を迎えるわけであります。今後JCIに移ってくる船舶の主体が漁船でありまして、漁船の検査時期というのは大体秋ごろが多いということでありますが、一般的にいいますと漁期の前に検査を受けるというようなことでありまして、プレジャーボートとの時期の重なりがないのでそれほど業務量が一遍にふえてしまうというようなことではないのではないかと思っておりますので、様子を見ながら必要に応じて増員もしていくことになるのではないかと思っております。
○山中(末)委員 そうしますと、今度は裏腹の関係でJGの方は検査対象船が減るわけですから、これは今後の運営等の見通しをどのように持っておられますか、あわせてお伺いしたいと思います。
○戸田政府委員 JGの方の検査量の減というのは、全体の作業量で見ますと、これが全部小型船舶検査機構に移っていった場合でも四%減ぐらいではないかと推定しておりますが、例えば先ごろ連続して起こりましたタンカー事故などを考えますと、現在特に検査の強化ということが国際的にも相当問題にされておりまして、自国船の検査につきましても以前よりより丁寧な検査が要求されますし、また日本に入港する外国船への立入検査を行って、基準に満たない船舶については修理させるとかあるいは不良箇所を手直しさせるといったような措置が必要になってまいりますので、そちらの方の業務量が非常に膨張するということで、今回の法改正後につきましても現在より相当忙しくなるというふうに考えております。
○山中(末)委員 その辺のところは、職員の方とも十分御協議願ってやっていただきたい、このように思います。
 それから、後になりましたが、小型船舶に関する安全基準の見直しの問題です。これはいつ行われる予定なのか、見直しの内容はどこまで固まりつつあるのか、お伺い申し上げます。
○戸田政府委員 この法律の実施の時期がいつになるかということとも深いかかわりがあるわけでありますが、現在もう既に作業を進めておりまして、相当検討が進んでいるわけであります。少なくとも十二月末ごろまでには検討を終了したい、それで新たな基準の案をつくり上げたいと考えております。
 基準の内容などにつきましては、これまでに比べて、特に救命とかそういった設備関係が中心になるかと思いますが、若干の強化が行われることになるのではないかと考えております。
○山中(末)委員 十二月末までに検討を終わりたいということですから、この法律の施行日はそのあたりになると理解をしてよろしゅうございますか。
 それから、ちょっと聞きにくかったので、見直しの内容について再度お願いします。
○戸田政府委員 この法律の実施の時期は政令で定めることになっておりますが、法律が成立して一年以内ということで考えております。やはり新しいことを実施していくというようなことでありますので四月近辺になるのではないかと考えておりますが、まだはっきりと決めているわけではございません。ですから、そういったことを考えますと、皆さんに周知させるというようなことも配慮して、十二月末ごろまでには成案を得ておかなければならないのではないかと思っております。
○山中(末)委員 内容について。さっきのはちょっと聞こえませんでしたので……。
○戸田政府委員 検討の内容でありますが、現在の十二メーター以上の船舶につきましては若干の段差があるといいますか、非常に構造複雑な船舶ということで基準を決めてまいっておりますので、どちらかというと相当厳しい基準がかかっていたということもあります。ただ、今回範囲を拡大するというようなことで相当大型の船舶が入っているということでありますから、二十トン未満の基準につきましては、例えば救命設備とかいったことを中心に、これまでよりは若干強化された基準になるのではないかと思っております。
○山中(末)委員 ちょっと趣旨が受け取りかねたのですが、安全面で強化をしていく、こういうふうに答弁なさったのですか。
○戸田政府委員 そのときの費用との問題もあるかと思いますが、それほど大きな負担にならない範囲で安全基準の強化を図っていきたいということが基本的な考え方だと思います。
○山中(末)委員 私も小型の船舶の免許を持っているのですけれども、費用の点もございますから、今おっしゃったように費用の余りかからない方法で、安全面の基準は手を緩めてはならない、このように強く御要望申し上げておきたいと思います。
 あともう少しございますが、ちょっと大臣も耳を傾けて聞いていただきたいというふうにひとつ要望いたします。
 それは、この間マリーナを視察させていただきまして、プレジャーボートと言われるいろいろな船がありました。一隻幾らぐらいするのですかということをお尋ねしましたら、立派な船ですから、まあ六千万から一億ぐらいします、こういうことですね。それで、その船をマリーナヘ預けるための予約金といいますか前納金、予約金ですかね、これが約五千万円かかる、こういうことなんです。それで、今度は船の上げおろしに一回幾らぐらいかかるのでしょうかね。私のやったときは一回七千円だったですかね。聞いたら一回三万円かかるというお話でした。船の型によって違いますけれども大体その辺だと。そうすると、船を持とうとしたら、オーナーになろうとしたら、幾らぐらいの年間収入があったらよろしゅうございますかと聞きましたら、可処分所得が年間三千五百万円以上の方でなかったら難しいのじゃないですか。
 それを聞いてびっくりしまして、何とこれは金額がすばらしいなと思いました。我々庶民はちょっと手が届かないと思いましたけれども、船がたくさんありました。あそこのマリーナは一番立派な方じゃないかと聞いていますけれども、それくらい費用がかかる。収入がそれくらいなかったらいかぬ、このような基準だそうでありますが、お聞きしますと、船を購入されるときに消費税が三%つくだけだそうですね。これは、我々庶民の家を一軒建てて土地代別としたら、この船は我々の家が三軒か五軒ぐらい買えるのではないかなという感じがいたします。家の方は固定資産税がかかっているのですよ。毎年上がっていきますね。船の方は消費税だけですね。あとは手数料とか検査料とか、そういうものが払われますけれども、それは船を維持管理していくためのことですから、これは税金とは言えない。
 そういうことが前提で考えていきますと、まず船の構造、これはFRP、いわゆる繊維強化プラスチック製というのですか、あれでつくられている部分が大分大きいですね。先ほど同僚議員の質問にもありましたけれども、これが廃船になったりしますと、河川とか海岸とかあちらこちらに放置される。そして、安全航行上の問題もありますし、港湾の活用上の問題もありますし、私が一番心配しているのは、津波が来たときにあの船はどうなるかということです。係留していますけれども、しかし、廃棄、係留、不法駐船ですかをやっておるわけですから、津波が来たときにこれがうわっと上がってきたら、軽いものですから民家の方へかぶさってくる。これは、災害特別委員会で和しばらくやっていましたので、そのときにこの問題が非常に大きな問題だったのです。この船は材質的には困った船だ。それで、随分高いのですけれども、税金は消費税だけだ。固定資産税はかかっていない。
 その後、放置された、廃棄された船の措置ですが、これは一般廃棄物でしょうね。となると、これは都道府県、市町村等が処理をしなければならぬことになってくるのではないか、このように実は思うのです。こういうことで繰り返し繰り返ししていると、本当に後始末が困ったことだなというふうに思いますので、これについての妙案をお考えになっていないか。一説では、何か各省が研究機関を通じて、このFRPの残骸を小さく砕いてそれを道路舗装の中に入れて舗装用に使っていくとかいうものを見ぬことはないのですけれども、運輸省としてこの問題、何とか活路をここに見出すというものがないか、まずお尋ねいたしたいと思います。大臣ではなくても結構ですよ。局長さんで結構です。
○戸田政府委員 まず、先生に御認識いただきたいと思いますのは船の値段などですけれども、ああいう大きなモーターボートは確かに一億円とか二億円とか、そういったものがございますが、通常の小型の船舶ですと、例えば十メーターぐらいで千五百万とか二千万とか、そういったものも相当多数ございます。ですから、大きさにもよりますが、船の値段は、一般的に言って、この間見ていただいたときのあれほど豪華なものではないという御認識をいただきたいと思います。
 それから、マリーナによっても相当違いますが、例えば江ノ島などですと、あれは公共マリーナになっておりまして、最初の敷金的なものは一切ございませんで、年間百万ぐらいの係留料ということになっております。一般的に、一般大衆が海洋レジャーを楽しんでいただくという場合には、例えばグループをつくるなどしますとそれほどの負担でなく海洋レジャーを楽しめるというような状況にあるかと思います。
 ただ、先生御指摘のように、確かに最後に廃棄されるということを考えますと、この廃船処理の技術的な問題については大体解決できる段階に来ておりますが、仕組みとして、将来だれがどういうような組織をつくって費用を負担して進めていくかというような問題がありまして、今後の大きな課題になります。水産庁あるいは通産省、そういった関係省庁とも連携をとりながら一つの仕組みを検討していかなければならない段階に来ていると認識しております。
○山中(末)委員 局長は何か船のデザインが物すごくお上手だという話、有名だという話を聞いております。船の程度によりますけれども、今おっしゃったようなことだと思いますが、それにしてもやはり廃船した場合、残るわけですね。そこらに放置して人に迷惑をかける、安全航行上も迷惑になる、港湾の利用上も迷惑がかかる。しかし、それをなくそうとしたら、運輸省が発表されたマリン99計画ですね、これは早く進めぬといかぬのではないかという声が裏腹で出てきますね。僕はその処理の問題と別だと思いますけれども、やはり我々は置かせてもらうところをつくってほしいということが出てきますね。ですから、この計画も、ひとつ新しい大臣が御就任になったわけですから、大いに進めていただきたいと思います。
 それとあわせて、これは一般的に問題になっていますのは、船をつくって、安い高いは別ですけれども、しかし何千円で買えぬわけですから、やはり最低でも何十万、何百万でしょう、そういうものをつくって、売りっ放しにして、そして廃船になったらまた次の船をつくる。つくりっ放しては困るじゃないか。それをつくっている会社等がそれを引き取るという方法も考えてみてはどうか。
 それからもう一つは、それと並行して、地方公共団体が一般廃棄物として処理をしなければならぬ。船籍がわからぬ、所有者がわからぬという問題もありましたけれども、御尽力願って、そういう一般廃棄物として処理をしなければならぬ地方公共団体の立場に立って、それはやはり何かの処理費を府県、市町村に交付していくという方法も考えていただきたい、実はこのように思うのです。
 私は、本当はこれだけ固定資産評価の高いものですから、全部というわけにはいきませんけれども、やはり何千万もするものについては何らかの方法で後始末をする費用を込めて、公租公課とまでは言いませんが、利口な方法で徴収をされて、それをまた廃船を処理していくものに回すことはできないか。これを早急にお考えいただかぬと大変なことになるのではないかと思いますので、もう一回、ひとつ決意のほどを局長さんにお聞かせいただきたい。大臣が決意のほどをおっしゃっていただくのであればありがたいのですが、通告していませんから。
○越智国務大臣 御答弁申し上げます前に、カンボジアで中田さんが殉職をされました。御冥福を祈っていただきましたが、こういう問題が起きまして、私からも謹んで御冥福をお祈り申し上げますとともに、きょうの閣議でもこの取り扱い等についていろいろ意見が出ましたことを御報告申し上げておきたいと思います。
 今の御質問でございますが、第一番に、局長からお答えいたしましたようにマリーナの整備、それから先ほども申し上げましたが立体格納庫ですね、そういうものを前進させ、さらに各省庁、省庁といいますのは、例えば河川でございますと建設省でありますが、こういうところとよく連絡をとりまして、とにかく係船するところ、これをま
ず確保し、きちっとしなければならない。それから、係船料が関東、東京地方では非常に高い。地方ではそれほどでもございませんが、非常に高い。これを整備してもっと安価にできるようにしなければいけない、こういうふうに思っております。
 それから廃船処理でございます。これは先ほどの質問にもございましたが、コンピューターが入っておりますのでまずまずわからないというのは少ないんでなかろうか、こう思いますので、調べて、やはり廃船処理は原因者負担で所有者が処理してもらう、こういうことであろう、かように思います。しかしどうしてもわからぬのもありますから、何らかの措置を地方公共団体にしなければならないのでなかろうか、こういうもろもろの問題がたくさんございますが、急に増加してきたわけでございますから早急に我々も、これは通産省や水産庁いろいろございますけれども、やはり運輸省が主体になって整備をしていく、機構その他をきちっとしていく必要がある、かように思う次第であります。
 まあ銭の問題につきましては、突然の御質問でございますのでまだ実は考えていないのでございますけれども、しかしながら、非常に高いものは別としまして、今休日はふえますし、労働時間短縮になりますとレジャーの面も、特に若い人はボートとか、あるいは陸上では自動車、自動車も自分の家より高いような自動車を趣味として乗っておる人もおりますので、レジャーとして一般的に使う、こういうものについてはやはり我々としても奨励していいんでなかろうか。ただ、安全で楽しんでいただくということでひとつ進めていきたい、こういうふうに思っておる次第であります。
○山中(末)委員 予告していませんでしたのに、御答弁いただきましてありがとうございました。
 ただちょっと気にかかりますのは、先ほど大臣おっしゃったように所有者が処分の責任を持ってもらわないかぬということなんですが、それは自分の家まで持って帰ると思うのですよ。そこから先なんです、問題は。これは一般廃棄物になってしまいますと、御存じのように一般廃棄物は都道府県、市町村、特に市町村の責任になっていますから、そうするとそういうものを砕いてどうするかという問題が依然残っできますので、大臣の御答弁とあわせてそのあたりも御配慮をいただきたい、このように要望を申し上げておきます。ありがとうございました。
 時間がなくなりましたけれども、金丸前自民党副総裁の脱税摘発から公共事業の入札にまつわるやみ献金問題が世論の指弾を受けました。政治に対する国民の不信を増幅しつつあることは非常に遺憾であり、残念な出来事であります。この不祥事は、今日以降におきましても追及されるべき問題でありますが、この際、運輸省所管の諸事業、公共事業の発注等について、余り時間がなくなりましたけれども概要をちょっと緊急的に質問をいたしておきたいと思います。
 まず、御承知のように公共事業は税金を財源としているわけでございますから、慎重にやらなければならない最大のもので、適正価格でなくてはならない、公平でなくちゃならないというふうなことが求められています。きょうお聞きしたいのは、こういう発注とか売買、それから工事の入札、物品購入、そういうものについては会計法では一般競争入札ということが原則にされているようです。
 しかしずっと見てみますと、指名競争入札がほとんど、そういう形をとられているというのが現状なんです。指名競争入札の指名の中とか指名の前とか、そういうときに何か公共事業、発注されるものを政治家がえじきにしているという、言葉は悪いですけれどもそういう嫌いが実はあるように思うのです。そのえじきにする政治家はこれから追及されるべきですが、制度としてこの指名競争入札がいいのか。会計法で言われている一般競争入札がやはりそぐわないのか。余り詳しいことは要りませんけれども、そのあたりについて簡単にひとつ説明をいただきたいなと思います。
○豊田政府委員 お答え申し上げます。
 運輸省の所管でも工事あるいは物品契約というようなものがございますが、今お話しのように指名競争入札という制度を私ども採用している背景でございますけれども、会計法においては契約方式の原則というのが一般競争入札ということは御指摘のとおりです。しかし、一般競争に付することが不利と認められる場合には指名競争入札に付するというような規定もございます。
 この背景でございますが、物品の購入、例えば大量に生産されている物品を購入するという場合とは異なりまして、いわゆる公共工事というものにつきましては、現地で組み立て作業をする場合であるとか、あるいは使う物品につきましてもいわば注文生産と申しますか、一品一品受注するというような特殊な背景がございまして、一般的に、施工能力の劣る、十分でない建設事業者であるとか不誠実な建設業者を排除するというようなことで、工事の質をきちんと確保したいというようなことで一定の指名競争入札というものを採用しているところでございます。
○山中(末)委員 私もしばらく発注者側に立ったことがありまして、今官房長おっしゃったこと、よくわかるのです。その中で今のようなたかりというか、えじきというか、そういうものが出てきて国民の指弾を浴びているわけですから、だから、指名競争入札なら指名競争入札で現行の指名競争入札の手続を、各省もありますけれども、運輸省としてどのように改めていったらいいのか。ここだけは改めたいということをあの事件の発生以降御検討願っているのかどうか、これをお聞きしたいし、一つでもやはりこれは内容を改善しなくちゃならぬというものがあれば発表をいただきたい。私は、各省ともやっていますけれども、だれかが殻を破らぬと、うちだけが突出したらぐあいが悪いということをみんなの省庁が考えたらこれは改善できへんと思うのです。ですからその辺の経過も含めてお聞かせいただきたいなと思います。
○豊田政府委員 お答え申し上げます。
 今御指摘のとおり、公共事業というのは運輸省だけではなくて御案内のように関係各省いろいろ抱えております。したがいまして、入札制度につきましても政府全体として取り組んでいくということだろうと思いますが、実は昨年の十一月に、この入札とか契約制度の基本的なあり方につきまして中央建設業審議会というものがございまして、そこから答申をいただいております。各省その答申の意を体しまして今検討に入っておるわけですが、私ども運輸省におきましても、運輸省所管公共工事入札契約問題検討委員会というものをスタートさせておりまして、さきの答申に指摘されております入札制度の透明性を一層確保するというようなことを中心にしまして今検討を進めておるところでございます。
 私どもとしましては、指名に当たりまして従来からもいろいろ事業者の能力等の物差しを持っておるわけですが、例えば技術力を十分に反映するような入札参加資格というようなことを今より以上に強めていくとかいうことで契約制度そのものの透明性を確保していきたいと考えております。
 また、具体的な問題については今検討中でございますので、もう少し時間をいただきたいと思います。
○山中(末)委員 時間が来たようですが、これは政治家としても非常に反省しなければならぬ問題でありますとともに、発注者の立場で、国民から納められた税金を還元していくという税金の仕事でございますから、勇気を持ってひとつ取り組んでいただきたい。
 私も細かいことをたくさんよく知っているのです。談合の問題とか天の声という問題とか落札価格がいっの間にかどこかへ流れていっているとか、管理面の問題ですね、そういう問題も実はありまして、非常に複雑なことだと思うのです。しかし、これは発注する側がきちっとした態度でやりませんと、受注される側は自分のところの営業ですから、いろいろな知恵を働かせて動くという
ことは否定できません。動くなど言っても否定できないから、発注する側がそういう動きのできないような、一億の仕事なら一億の公共投資がずばりできるようなことをお考えいただきたい。
 後になりましたが、大きな仕事をどこの省庁とも発注されますね。これは発注を落札したときは元請ですね。そこで全部仕事をするというのではなしに、次に子請、孫請の方へだんだんその仕事が回っていって、一億で入札した、設計値は一億でなければできない事業が、通行税のような格好でだんだん下へ行くほど請負金額が実質的に下がっていくような問題がある、これも否定できません。ですから私は、大企業と中小企業と零細企業、この辺で分けて、そしてもとからそこへ発注してやる、親請から下請、孫請へ回るのではなしに、その仕事をその業者に発注をしてやるということも必要じゃないかと思います。
 これは、法律もございます。中小企業のための法律、昭和四十六年にできておりますから、あの趣旨に沿ってそういう形で発注をすべきじゃないか。そうすると、中小企業の機会均等というのもわかる。ゼネコンが受けたら今はゼネコンの系列会社しか下請、孫請に固さぬわけですから、よその系列のところには固さぬというのが現実ですから、そうするとほかの中小企業にはほとんど回ってこないということもありますから、そういう面で、分離発注するとか、これは技術屋さんが大変ですけれども、そういう方法も選んでいただいて、そして仕事ができる限りまんべんなく公平にわたるように御尽力をお願いしたいということを最後に要望を申し上げまして、質問を終わります。
○森田委員長 常松裕志君。
○常松委員 国民の命と財産を運ぶ交通運輸産業は、安全を確保することが最大の使命であるということにつきましては、先般の大臣の所信表明の中でも明らかにされている点でございます。私も全く同感でございます。
 船舶検査は、船舶の堪航性と人命の安全を守るために行うものでありまして、建造段階での図面審査や部材強度のチェックなどを行う製造検査、船舶の種類ごとに四年または六年に一度行う定期検査、その中間の中間検査、また改造や修繕、事故の場合に行う臨時検査などが行われ、それぞれの検査に合格をしないと船舶は動かすことができないことになっているわけであります。これはまさにそうした安全確保という点から行われているわけでございます。私は、船舶検査行政というのは、単に現状確認ではなく、文字どおり総合的な安全チェック検査行政であると理解しているわけであります。
 今回の船舶安全法の一部改正に当たりまして、人命の安全確保のために強制的に行われる船舶検査については、本来直接的な利害関係を有しない、身分の保障された者が、一定の技術レベルをもって、公平な第三者の立場に立って行う必要があり、検査に対する船主及び利用者の負担は可能な限り安価なものにする必要があると私は考えています。その意味では、船舶や自動車などの検査は自主検査あるいは民間の検査ではなくて、本来国が行うべきものと考えています。この基本に立って、以下幾つか御質問をいたします。
 まず最初に、小型船舶検査機構について幾つかお尋ねをいたします。
 このたびの法改正により、二十トン未満の船舶の検査を運輸省は小型船舶検査機構に代行させようとしているわけでありますが、検査機構の方がその余力があるのかどうか十分代行できるかどうかということを問題意識としながらお尋ねをいたしますので、お答えをいただきたいと思います。
 まず第一に、小型船舶検査機構の法的な位置、それに関連して、検査機構が代行できないような場合、つまり仕事量がふえてしまってできないような場合に、あの法律上でいいますと都道府県に事務を機関委任することができるような条文もございますが、そのような考え方があるかどうかということも含めてお答えいただきたいと思います。第二に、検査機構の運営、特に経営状況について、先ほど同僚議員の御質問にもございましたけれども、独立採算制で行われていることでございますが、その収支状況についてお答えをいただきたいと思います。第三に、この小型船舶検査機構の人員、支部ごとの人員あるいは常勤、非常勤の別などについてもお答えをいただきたいと思います。第四に、検査実績についてお答えをいただきたいと思います。第五に、検査員についての資格あるいは待遇などについてお答えをいただきたいと思います。
 一括申し上げましたが、よろしくお願いいたします。
○戸田政府委員 まず第一に先生お尋ねの、小型船舶検査機構、国の代行機関としての法的な位置づけてあります。船舶安全法に基づきまして国にかわって小型船舶の法定検査を実施する機関として設置されておりまして、安全基準につきましては国が定めておりますが、この安全基準に従いまして、国の十分な監督のもとに、国と同等の検査を実施するということになっております。それからJCIですが、全国的に支部を配置しておりまして、統一的に検査を実施していることから、法令上都道府県知事に委任できる旨の規定がございます。私どもとしましては、今後全国統一で同じ手法によって検査が実施されるべきであると考えておりまして、当面小型船舶の検査事務を都道府県に行わせる必要はないものと考えております。
 それから次に、第二の御質問でございますが、機構の経営でございます。これは独立採算制ということになっておりますが、御存じのとおり機構は、小型船舶の検査機関として昭和四十九年に全額政府出資の認可法人として設立されております。その後、小型船舶の検査が社会的に定着してきているということから機構の経営基盤が安定してまいりまして、昭和六十二年の十月でありますが、政府出資金を全額返還いたしまして民間法人化しております。これは臨調などからの民間法人化することが適切であるという御指摘のもとに民間法人化しております。内容としましては、運営について主体性を持たせて、それでより弾力的な経営を行っていくというようなことでありますが、検査の実行につきましては、先ほどお話し申し上げましたように基準は国が定めて、その検査の手法その他については国が厳重に監督して厳正に実施しているということであります。
 それから、現在の機構でありますが、検査手数料を主たる収入としておりまして、独立採算制で運営しております。近年の海洋レジャーの活発化などに伴いまして検査隻数が増加してきておりますので、機構の経営状況はおおむね安定的に推移しております。
 それから、第三の御質問で、機構の人員等でありますが、平成五年四月一日現在、役職員数、全体で二百五十六名ということになっております。その内訳を申し上げますと、常勤役職員二百二十四名、この中で、役員五名、検査員百八十名、事務員三十九名ということになっております。その他非常勤職員、これは検査員でありますが、三十二名おります。支部ごとの人員は、その支部の業務量に応じまして、どこの支部が特に忙しいというようなことがないように適正に配置しているところであります。
 それから、第四の御質問でございますが、機構の検査実績であります。平成三年度の検査実績を申し上げますと、第一回の定期検査が四万三千百三隻、第二回以降の定期検査が三万八千八百五十七隻ということになります。中間検査でありますが、五万七千百四十二隻ということになっております。臨時検査一万二千五十八隻、それに臨時航行検査が八千二百六十八隻でありまして、船舶検査の合計が十五万九千四百二十八隻という実績になっております。
 それから、第五の御質問でありますが、機構の検査員の資格それから待遇、そういったことであります。小型船舶検査員の要件としましては、小型船舶検査機構に関する省令の第十四条で定めておりまして、具体的には船舶検査官の経験、学歴に応じた一定の実務経験等を有することとしております。また、小型船舶検査員の待遇、賃金、労
働時間などになりますが、これは国家公務員に準じて定めることになっておりまして、同程度のものとなっております。
 以上でございます。
○常松委員 国の監督のもとというふうにお話がございましたね。国の監督のもとということについて具体的にお答えしてください。
○戸田政府委員 検査の実施につきまして、検査の方法などが定められておりますが、それらにつきまして国がきちんとその内容を見て、それに基づいて検査を実施しているということであります。
○常松委員 つまり、安全基準なりあるいは検査方法なりを国が決めている、それが小型船舶検査機構で行われているだろうということであって、そうすると、現実に監督するといっても、運輸省の方が現場に行って監督しているとか指導しているとかいうことではないわけですね。
○戸田政府委員 もうちょっと詳しく申し上げますと、検査とか検定事務規程の内容につきまして、あるいは業務方法書など、それから予算、事業計画、そういったことにつきましては国の認可事項になっておりますが、その実施の具体的な現場においての監督指導ということにはなっておりません。これにつきましては、小型船舶検査機構が厳しい目を持って各検査員を監督指導しているということになります。
○常松委員 結局、国の監督といっても今言ったようなことだというふうには思っておりましたけれども。
 次に、都道府県への事務の機関委任のことですけれども、これも余りこだわる必要はないのでしょうが、当面と言ったものだから、当面必要ないというふうにお答えになったものだから、あれ、そうするとそういうこともある一定の時期が来ると考えているのかなというふうに、私も誤解しやすいたちなものですから、ひとつ誤解のないようにはっきりお答えしてください。
○戸田政府委員 将来の社会の変化とかそういったことを考えまして、含みを持たせてお答えしたわけでありますが、現状では絶対にそういうようなことはしないという御理解をいただいてよろしいと思います。
○常松委員 次に、検査機構の経営状況ですけれども、先ほど緒方先生の御質問にもお答えがありましたが、昨年の収支をちょっと具体的にお答えください。
○戸田政府委員 平成四年の収支ですが、収入が三十四億七千七百万円、支出が三十一億九千八百万円ということになっております。収入のうちの大部分が検査手数料でありまして、検査手数料の収入は三十三億二千七百万円ということになっております。支出の方でまいりますと、最も大きい項目が人件費でありまして二十億六千四百万円、その他、業務費として十億五千二百万円ということになっております。
○常松委員 役員の方の人件費はどっちに入るのですか。今の人件費の中に入っているのですか、その二十億の方に入っているのですか。それとも、そうじゃない十一億の方に入っているのですか。
○戸田政府委員 役員の人件費は、この二十億六千四百万円の中に含まれております。
○常松委員 そうすると、昨年の収支で言えばやや剰余金が出ているわけですね、三億ぐらいの。こういう剰余金の処理というのはどういうふうにされることになっているのでしょうか。
○戸田政府委員 過去の収支状況を見てきておりますと、剰余金が出る年とそれから赤が出る年と出てまいって、最終的にプラス・マイナス・ゼロになるというような運営を目指してやっているわけでありますが、過去二、三年前にさかのぼって考えますと、いわゆるバブル時代で収入が相当大幅にふえたことがございました。ただ、小型船舶検査機構の事務所というのは発足当初から非常につましく運営されてきておりまして、相当がたが来ていたとか、借り物でなかなか事務所として適さないとかいうようなところもございましたので、そういうところについては検査事務所の建設なども進めてまいってきております。
○常松委員 かつてJCIの発足当時は、船舶保険会社の社員などがJCIの委託を受けて船舶検査をやっていたなんという話もあったようなのですけれども、今はそういうことはないのですね。今はもう全部常勤、非常勤の機構の職員で検査をやっているということですね。
○戸田政府委員 発足当初から保険会社からの出向員に委託をしたというようなことはなかったと思います。嘱託検査員としまして相当多方面から人を採用したことがございますので、その中には造船所で働いていたとか船に乗っていたとかいうような経験を持った人たちもおりまして、あるいはその中に保険屋さんに勤めていた人がいたかもしれませんが、基本的には嘱託検査員として適切な資格を有している者を採用してきたということであります。
○常松委員 実は、この小型船舶検査機構の発足のときに、「国民負担の軽減の見地からこという文言が入っているのですね。私は、この小型船舶検査機構で仕事をなさっている方々の待遇が、先ほどの御答弁ですと国家公務員に準ずるというようなことでしたから、準ずるといってもどういうふうに準じているかということはありますけれども、ほぼ国家公務員同等というふうに理解していいんだろうと思います。そこももう一回御答弁いただきたいのですが、要するに、今回八千隻を移すことによって、さらに小型船舶検査機構をいわば下請化することによって、そちらで働いている方々の待遇が、労働時間が長くなるとか、あるいはそちらが低賃金だから、したがって運輸省の業務をそっちに移すというようなことであってはいけないんじゃないか。民間活力というような意味ではさまざま工夫があったとしても、そういうことがねらいであってはいけないと思うわけです。
 ですから、その余剰金が出たときに老朽化した建物を改築するなんということは当然のことでいいことだと思いますが、今回のことによって八千隻を移すことが、いわばそういう低賃金、長時間労働を利用するなんというものではないというふうに理解しておりますけれども、どうなんですか。
○戸田政府委員 今回の八千隻の移行でございますが、これは小型船舶検査機構に行けば安い労働力があるとか、そういったことは全く考えておりませんで、最近のプレジャーボートが大型化しているという現状から、また国の検査官がポートステートコントロールとかそういう業務で非常に忙しくなってきているということから今回の改正をお願いしているわけでありまして、検査機構の検査員、職員、そのいずれをとりましても国家公務員の待遇と同等と考えていただいてよろしいと思います。
○常松委員 それでは別の御質問をいたしたいと思います。
 この法改正が行われますと、二十トン未満の船舶約八千隻が小型船舶検査機構の検査にゆだねられるわけです。これまではこの八千隻は鋼船構造規程などが安全基準としては用いられていたわけですけれども、今度は現行の小型船舶安全規則を基準とするのか。先ほど山中先生とのやりとりにもありましたけれども、ちょっと安全基準について厳密に聞いていきたいと思いますので、その点、まず第一にお答えください。
○戸田政府委員 八千隻のうちの漁船は約五千隻ということになりますが、この漁船につきましては、従来から総トン数二十トン未満の船舶について統一的な安全基準が適用されておりますので、これにつきましては今後変更がないということであります。それから漁船以外の現存船、これは主としてプレジャーボートとかそういったものになるかと思いますが、原則的には従来からの一般的な安全基準が引き続き適用されます。ただ、特定の改造などを行った場合には現存船についても、今後見直しをすることになっております新しい小型船舶に対する安全基準が適用されることになります。
○常松委員 先ほども申し上げましたけれども、
船舶検査行政というのは、単に現状確認ではなくて、建造段階からの図面審査による部材強度のチェックとか復原性についての審査をするなど、文字どおり安全確保のための行政となっているわけですね。また同時に、技術水準を向上させることを中心とした造船所に対する指導などもその重要な要素になっているというふうに私は聞いています。国の検査で言えば、新造船の建造時には、大きな船だと十五回以上ぐらい検査を行う、小さいものでも十数回ぐらいは臨検に行って、船底に潜って設計図どおりになっているかどうかということを調べたり、あるいは溶接がきちっとされているかどうかということについて調べたり、水漏れが起こらないかどうかなどの検査をしているというふうに聞いているわけです。
 しかし、小型船舶検査機構の場合は、その管轄範囲が非常に広い、あるいは人数が少ないというようなことから、新造船の場合であってもせいぜい一回ぐらいの臨検をするだけで、場合によっては一度も臨検に行かないうちにその船が完成してしまうなんというケースも少なからずあるということを聞いているわけです。今度、総トン数二十トン未満の船舶を小型船舶検査機構の検査にゆだねることになるわけですけれども、そういう船をつくっている、あるいは修理をしている造船所というのはどうしても零細業者が多く、安全性の確保とか技術水準の向上というような点からいうと、私は検査官の役割というのは非常に大きいのだろうというふうに考えているわけです。
 したがって、これを小型船舶検査機構に移すことによりまして、今まで運輸省の検査官が果たしていた役割が果たせなくなって、そういう指導が低下をして、その結果として船舶の安全性が損なわれていくというような可能性が非常に強いのじゃないか、そういう危惧の念をも私は抱いているわけなんです。そういう危惧の念を持ちながら、先ほど山中先生と局長とのやりとりがありましたけれども、安全基準の見直しとか検査方法の見直しとか、そういうことが行われるに当たって、どういう問題意識でこういう見直し作業が行われるのか、そこら辺をもう一回はっきりお答えいただきたいと思うのです。
○戸田政府委員 まず、小型船舶検査機構に移ってきた場合の検査の回数などですが、三十メーター未満の船舶につきましては、本来その製造中の検査を必要としておりません。割合小型な船については、その製造中にタンクの底などに潜って見なくても、完成した時点で大体ほとんどのところをチェックすることができるというようなことになっておりますので完成時の検査を行うことにしておりますが、今回、国から検査機構に移っていくような船に対しましては、大体第一回の定期検査、これは完成時の検査でありますけれども、二回ないし三回程度のチェックが必要ではないか。それから、第二回以降の定期検査、これにつきましては、場合によっては一度で済むかもしれませんが、二回程度になるのではないかと思っております。その中間で行われます中間検査でありますが、これですと一回で済むのではないかと思っております。
 それから、今度小型船舶検査機構に移っていきますと、検査員の造船所などに対する指導力が弱まるのではないかと思っておりますが、これらにつきましては、実際に現場に出ている検査員でも年に一度ぐらい全体を集めまして研修を行っておりまして、できるだけそういった造船所などに対する技術的な指導も可能になるようにというようなことを考えてやっております。
 それから、今後の基準の見直しでありますが、これらにつきましては、人命安全上、これまでより程度が落ちることのないように、むしろ部分的には程度を引き上げていくというようなことを基本的に考えて進めていくつもりであります。
○常松委員 確認しますけれども、現行の小型船舶安全規則よりは人命を尊重した、あるいは安全性を確保する、そういう立場で見直しが行われている、先ほどの答弁ですとことしの十二月でしたか、そのくらいをめどにして、その見直し作業はそのことを基本にして行われているということを再確認いたしますが、よろしいですね。
○戸田政府委員 そのように御理解いただいてよろしいと思います。
○常松委員 さて、この八千隻が、正確に言うと、先ほど来の答弁ですと、さしあたっては五千隻ということのようでありますが、日本小型船舶検査機構の検査になった場合に、一体どのくらい収入がふえるかということ、それから、人員増は検査機構においてどのくらい必要とされているというふうに見込まれているのか、そして、その必要人員は収入増によって賄うことができるのかどうか、また、検査料の引き上げなどによって船主の負担が生ずることがないのかどうか、四つまとめてですけれども、お答えください。
○戸田政府委員 まず、八千隻の現存船を機構が検査を行った場合に、機構の年間の収入がどの程度ふえるかというような点になりますが、現在国が検査を実施している総トン数二十トン未満の船舶の検査手数料、総計で平成三年度八千万円ということになっております。ただ、この一部には特殊な船舶で今後も国に残る部分があるというようなことを考えますと、七千万円ぐらいがそのまま機構の方に移っていくということになるかと思います。経過規定がありまして、それで逐次定期的な検査が来るたびに機構の方に移ってくるということになりますので、年々の収入につきましてはそれより相当下がるものではないかと思っております。
 それから、検査隻数が増加するというようなことに対応しまして機構の定員増を図っていく必要があるのではないかという御質問だったと思いますが、過去の例などを見ますと、平成元年から平成三年までの間に六名ないし九名ぐらいの増員をしておりまして、今後もこの八千隻のうちのまず五千隻が機構の方に移ってきた場合には、それらの検査の実態を見ながら若干の増員は必要になるのではないかと考えております。ただ、プレジャーボートと漁船などの検査の時期が重なっておりませんので、今までの業務を見ますと、非常に忙しいときと非常に暇なときといいますか、その差が大きかったのですが、余り忙しくないところに漁船の検査が入ってくるというような可能性が相当大きいので、そう大幅な増員がなしでもこなしていけるのではないかと考えております。
 それから、今回の法改正によりまして検査の手数料を引き上げられて、船主の負担がふえやしないかというような御懸念ですが、検査の手数料はもともと実費を勘案して定めることになっております。今回の検査主体の変更などを理由に検査手数料の増額は考えておりません。今後の物価動向その他の収支状況なども見ながら、これまで一定の期間ごとに手数料の値上げを行っておりますので、今後の問題としてはそういうようなある一定の期間が来たところで若干ずつ上げていくというようなことはあり得ます。
○常松委員 一年間にどのくらい収入がふえるというふうに推定しているか。推計しているかでいいですよ。七千万円ということですが、それは総体でしょう。だから一年間ではどのくらいふえるというふうに推定しているのか、それで人員増は賄うことができるのかどうか、この点について……。
○戸田政府委員 先ほど申し上げました八千万円という数値は若干訂正させていただきますが、平年度で、一年度で八千万ということでありますので、それより若干減ったような額で収入がふえていくものと思われます。
 それで、八千万円でどれくらいの人員増になるか、今後の動向などを見ないとならないわけでありますが、この仕事をこなすのに、先ほどの繁忙期などとの関係を考えますと数名の人員増で済むのではないかと思われますので、大体その収入増で賄うことができるのではないかと考えております。
○常松委員 それじゃ小型船舶検査機構ではなくてこの法律そのものについてちょっと伺いますが、まず二十トン未満とした、その二十トンのと
ころの根拠についてお答えください。なぜ二十トンなのかということです。
○戸田政府委員 若干細かくなるかもしれませんが、昭和四十八年当時、長さ十二メーターというのはおおむね総トン数五トン程度の船舶ということで考えておりました。このときの検査の主体になっておりました船舶というのはどちらかというと漁船に近いような船舶で、長さに比べて幅が小さい、また大きなデッキハウスもないというようなものであったので五トン程度ということになっておりましたが、これらが構造が簡単で定型的であったということから当時十二メーター、五トン程度というようなことで考えたわけです。
 現状を考えてみますとこの十二メーターという船の大きさが、特にプレジャーボート中心でありますが、相当大型になってまいってきております。大きなものでは二十トンを超えるものも出てきているというようなことで、大体十二メーターといいますと平均的に見まして十七、八トンというようなところまできておりまして、現にそういう船舶についての検査を行ってきているわけであります。
 そういうことで、現状二十トン程度まで実際に検査しているという実態も踏まえまして、今回二十トンというようなことで仕切りをすることになったわけでありますが、それとは別に、例えばほかの法令で、船舶職員法では小型船舶というのを二十トンで切っておりまして、二十トン未満について小型船舶操縦士の免許制度を設けているというようなこともございますし、また船舶の登録に関しましては都道府県に五トンから二十トンまでの船舶の登録測度を委任しているというようなこともありますので、ほかのそういった状況も考え合わせて二十総トンを今回の仕切りにすることに決めたというようなことであります。
○常松委員 後段の方はよくわかりますね。前半の方は大体というようなことで、場合によっては今度は何年かたつと三十トンにするとか二十五メーターにするとか、大体五トン未満が十二メーターになったり、十二メーターが今度は二十トンになるわけでしょう。そうすると、何か戸田さんの恣意で、まあ戸田さんということもないでしょうけれども、運輸省の恣意でというような感じがするものだから。だから、後半だとわかりますね、他の法令との関連ということで。そうすると、今度でこれでいわば歯どめですね、二十トン、これよりもっとふやして、もっともっとその小型船舶検査機構にやってもらう範囲を広げちゃうということは考えていませんね。この二十トンがいわば一種の歯どめというふうに考えてよろしいですか。
○戸田政府委員 その点につきましては、二十トンを今後変更するというようなことはないものと考えております。
○常松委員 わかりました。ぜひそういうことで、本来国の行政ですから、もうそこで歯どめをきちっとしてもらうということにしてもらいたいと思います。
 次に、私は船舶の運航の安全のためには、その船体の安全確保というようなハードの面や、運航技術水準の確保あるいは運航中止等を決める運航基準の監督というソフトの面などの三位一体となった充実が必要だろうというふうに思っているのですけれども、今回のこの船舶検査の見直しによってほかの、例えば今お話がありましたけれども免許とかあるいは資格とか、そういう面で海上交通の安全に支障が出てくるような危険は、そういうおそれはありませんね。
○戸田政府委員 それらの方面への影響というのは全くないものと考えております。
○長尾政府委員 小型船舶操縦士の免許の資格でございますけれども、船舶職員法あるいはこれに基づく政令によって規定されておるところでございます。この船舶職員法あるいは政令によりますと、この小型船舶操縦士の免許を持つことによりまして船舶職員として乗り組むことのできる小型船舶の範囲につきましては、総トン数二十トン未満の船舶と既に定められたところでございます。そこでこの資格につきましては一級から四級まで区分されておりまして、それぞれの免許を持つことによって乗り組むことのできる船舶の特定につきましても、やはり船舶の大きさ、これはトン数で決まっておりますけれども、それとか航行区域の範囲によって決まっています。
 したがいまして、今回の船舶安全法の改正に伴いまして検査の対象船舶の範囲が変更されることになりましても、これによりまして小型船舶操縦士資格制度に影響が生ずるものではございませんので、御懸念のような問題はないものと考えております。
○常松委員 船舶安全法で小型船舶の範囲が広がった。そうすると、何か私みたいに普通免許しか持っていないドライバーが急にダンプとかブルドーザーの運転をできるようになって、これはえらいことになるのじゃないかというふうに危惧していたのですけれども、そういうことじゃないということですね、船員部長。
○長尾政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○常松委員 それでは、今度は別の問題といたしまして、この法改正による運輸省職員への影響について二、三お尋ねをしてみたいと思うのです。
 先ほど山中代議士からも、職員の皆さんとの間の話し合いはきちっと行われているのか、こういう趣旨の確認がされていたように思います、答弁はございませんでしたけれども。要するに私の懸念は、八千隻が小型船舶検査機構の方にゆだねられる、二万隻の検査をしてきたうちから八千隻が小型船舶検査機構に移るわけですから、隻数だけで言えば随分大きな比重を持ったものが移るわけです。そうすると運輸省の職員の方に、定数を削減しろというようなことを考えたり、そういう影響は出てくる可能性もあるんじゃないか。
 先ほど戸田局長は、そんなことないんだ、こういうことでありましたから、それでいいんですけれども、その点、やはり今海難事故がいろいろ起こったり、あるいは船体そのものもいろいろ複雑になってきたりしているわけでありますから、むしろこの小型船舶検査機構に移った余力はさらに船舶の安全確保のために十分に、そちらの本来のさらに専門的な皆さんがやるべき仕事の量が年々むしろ高まっていて、そちらできちっと仕事をしてもらうという趣旨である、今回の運輸省職員に対する影響で言えばこういうふうに理解をしておりますが、その点ひとつはっきりお答えしてください。
○戸田政府委員 現存船を含めまして、新たに小型船舶になる総トン数二十トン未満の船舶八千隻ということでありましたが、例えばこれがすべて小型船舶検査機構に移るとしましても、国の業務量から考えますと、船舶が非常に小型であるということから、全体の検査関係の業務量に比較しますと極めて小さな部分になっております。正確な数値とは言えないかもしれませんが、我々は、現在の業務量の中で四%程度が移っていくことになるのかなという推定をしております。それから、先ほど来から御説明申し上げておりますように、この経過措置によりまして機構に移らないで国にとどまる部分があるということから、当面の業務量変化はそれほど大きくはならないということと理解しております。
 それから一方、国の検査官の業務ですが、最近の大型タンカーの海難事故などを見ましても、まず日本船の検査強化が必要であるという事情もありますし、また、外国船で相当老朽船が我が国に入ってきているというようなこともありますので、こういった基準に満たないサブスタンダード船、こういうようなものを排除していかなければならないというようなことで、相当業務量がふえてきております。それから、船の種類などを見ましても、危険物運搬船、そういった船舶も相当ふえてきておりますので、業務量はむしろ増大する方向にあると思っております。
 そういったことで、今回の合理化効果と言っていいかどうかわかりませんが、業務量が減少した部分というのはそういう業務で直ちに置きかえら
れてしまう。さらに、将来の問題としては引き続き増員も進めなければならないというような状況になってくるかと思いますので、職員の定数削減とか配置転換あるいは検査機構への出向、そういうことは考えられない状況にあると理解しております。
○常松委員 ぜひそういうことでやっていただきたいと思います。同時に、この機会ですから、今お話がありましたけれども、前から私は主張しているように、プルトニウム船だとかああいう原子力関係の船なんかは入ってこないように、ひとつ運輸省は大臣以下頑張っていただきたい、そういうことをこの際、そうすればそういう余計な心配をしなくて済むわけですから、一言申し添えておきますが、大臣にお尋ねをいたします。
 冒頭申し上げましたように、私は、この船舶検査というものはやはり国が行うべきが原則だ、この間の大臣の所信の御表明からいたしましてもそういうことでなければならないというふうに考えているところです。その点で、私の今の質問で、今回極めて限定的なことであるという局長からの御答弁がありましたから、そういう理解をいたしておりますけれども、なお大臣から、こうした船舶検査行政は本来国の仕事だという観点に立った、原則を踏まえた御決意といいますか、あるいはお考えを御答弁いただきたいと思います。
○越智国務大臣 局長からいろいろお答えをいたしました。このやりとりを聞いておりまして、今の二十トン未満、これを機構に移管をするということでありますが、お説のように、従来この検査というのは国で責任を負うてやるということでありまして、今のような状況であります。一方、お説のように、大きい船の検査の精度もどうしても強化しないといけない。そうして、特にタンカー等、二重構造といいましても、これも綿密に検査をしなければならない、こういう事情でありますのでございますから、二十トン未満を機構に移管いたしまして、これも国の検査と精度が下がらないように、絶対同等以上にやってもらうように督励をして進めてまいりたい、かように思う次第であります。
 いずれにしても、人命にかかわる問題でありますから、安全第一、絶対に鉛そのものでは事故が起こらないように進めてまいりたい、かように思う次第であります。
○常松委員 それでは、船舶安全法については以上といたしまして、中山代議士からお尋ねをいたしました点について残された時間お尋ねをしたいと思います。
 とにかく違法なやみ献金をしていたことが、政治資金規正法にも違反をして、あるいはその他もし談合が行われていたとすればそのこと自体でも法律違反なんですが、とにかくそういう形で国民の皆さんが非常に憤っているやみ献金があった。現にそのやみ献金をしたということをいわば認めている業者も出てきておりますね。これから検察の捜査が進めば進むほどこのやみ献金の実態は出てくると思うのです。
 運輸省が発注しているさまざまな公共事業がありますけれども、こういう公共事業に際してそうしたやみ献金などをしている業者について、大臣といたしましてはどういう措置をしようというふうにお考えなんでしょうか。
○越智国務大臣 ただいまお話しのやみ献金自体、これは司直の手でいろいろ調査をされておる状況であります。しかし、先ほど来お話がございましたように、やみ献金ができるような構造が、やはり考えるべきだ、率直にこういうふうに思う次第でありますのでございますから、今後は、我が省の分で、あったかないか、こういう仕分けはちょっとつきませんのでわかりませんけれども、我が省の関係のところの業者もあるいはあるのでなかろうか、こういうふうに率直に思っております。
 でございますから、先ほど官房長もお答えいたしましたが、いろいろ検討を進めております。その中で私はやはり、共同企業体を組んでも、このゼネコンの大手だけでなしに、中小というのは規模がちょっと運輸省多いものですから、地方の中小業者も含めて企業体を組むようにして透明性をしっかりしたらいいのでないか。また、片や中小企業の発注の問題もありますし、先ほどお話もございましたが、下請、孫請というようなことでなしに一緒にやるということになればはっきりいたしますので、そういう方法も取り入れたらどうか、検討してくれということで、今指示しております。
 いずれにいたしましても、透明性を強化して国民の前に疑われるようなことがないように、ただ、我が省の関係の直接やっておりますのは飛行場とか港湾とか、あるいはこれは直接ではございませんけれども鉄道とか軌道分野におきましても、特に技術的に難しい面がございますのでございますから、大手業者、それぞれの専門業者が必要でございますが、でき得れば、先ほど言いましたように中小業者、もう下請というより一緒にやるというような格好で透明性を増していただく、こういうふうに考えておる次第であります。
○常松委員 運輸大臣だけの御答弁ということにあるいはならぬのかもしれません。政府全体の方針なのかもしれませんけれども、私は、この機会に、やみ献金をしたような業者に対しては宮澤内閣としてきちっとした措置をとる必要があると思うのです。特に今回、建設業協会はもうやみ献金はしないということを社会に向かって公表しましたね。にもかかわらず、この後また出てきたような場合は、これはもうとんでもないことです。今までだってそれ相応の措置をとって、とにかくこれだけ政治に対して、あるいは行政に対して不信感を抱かせたやみ献金なんですから、したがって、私はそういう業者に対しては厳正な措置をとるべきだと思うのです。
 そういう措置をとると同時に、透明性の確保という話がありました。さっき、官房長から技術力という話がありましたね。しかし、技術力といったら、全部大手になってしまいますよ。逆なんだ。大手が全部やみ献金をしているのですよ。そして、技術力を重視してやっていくということになったら、今までの指名入札制度だって事実上談合でやられているのが実態です。そのときに今度は技術力といったら、もっと恣意が入るじゃありませんか。どこを指名するかだって恣意が入る。今度は、技術力なんというのは客観的な水準がないのだからもっと恣意が入りますよ。それは一般競争入札という考えもありますけれども、そういう考えだけでいいのかなというのも、私は専門じゃありませんからわかりませんが、東京都なんかの場合ですと希望している業者しか指名しませんね。今、運輸省や建設省みたいに何でも構わず全部指名してしまう、そして、とりたくない業者は設計図をとりたい業者、天の声がかかっている業者に渡してしまっている実態だってあるわけです。それよりは、東京都のように希望している業者にというやり方の方がまだ透明性がある。
 しかしいずれにしても、技術力という答弁があったからこれはどうしても言わなければならないのだけれども、技術力を軸にしながら業者を選定していくということになったら、今までよりもっと恣意が入ってくるようになると思います。私は大体これでは反省が足りないと思うのです。
 大体、金丸事件がはっきりしない昨年十一月に出た答申に基づいて検討しているなんて冗談じゃない。今こういう事態の中で、金丸事件が起こって建設業界がやみ献金をしていた、その実態を踏まえて、その世間の批判を踏まえて、そこで検討しなければだめだと思いますよ。したがって、大臣、そういう立場に立って、新たな立場で検討し直すのだ、こういうふうにきちっとした御答弁をひとつお願いします。
○豊田政府委員 先ほどの私の答弁についての御指摘がございましたので、一言私の方から御説明申し上げます。
 技術力という抽象的塗言葉でございましたので御指摘のようなお話が出たのだと思いますが、先ほど申し上げました中央建設業審議会関係者の意見がまとめられた段階で、そういう、入札に非常に多様性を持たせるということが一つ項目として
うたわれておるわけです。それは、品質とかデザインとかいうようにかなりきめ細かい技術、言葉は技術ですが、中小の事業者においても特定の面で非常にすぐれたものを持っている者をむしろ積極的に活用する必要があるというような趣旨で、表現として技術力という言葉が適切かどうか問題がありますが、そういう背景があるということを御理解いただきたいと思います。
○越智国務大臣 先ほど申し上げましたように、建設業全般の行政は建設省が担当いたしております。今後いろいろございますが、政府としてどうするかということが決められる、かように思う次第であります。運輸省は運輸省として、運輸省の出入り業者といいますか、こういうことについて運輸省に関連する問題、あるいはその業者がそういうことがございましたら、指名停止その他のことは十分処置をしていきたい、こういうふうに思います。まず政府全般で決めていただいて、その次に我が運輸省ということになる、かように思います。
 いずれにしても、透明性に十分配慮して、今後こういうことが起こらないようにひとつ努力していきたい、かように思う次第であります。
○常松委員 終わります。
○森田委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時二十六分開議
○森田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。東順治君。
○東(順)委員 本法改正に伴いまして、午前中もるる審議がございました。約八千隻がこの検査機構の方に移行する、こういうことで、増大する検査数に対しまして検査機構の体制の強化ということを若干伺います。
 検査機構の検査員の配置状況等は午前中ございましたので割愛いたしますけれども、この体制強化の具体的方策というようなことで人員の確保、これも午前中ございました定員増、それからこの検査技術の向上というものをこれまでに比べて必要とするのかどうなのか、この点。それから、この検査員の質の向上を図るための研修というものが行われているそうでございますけれども、この研修の内容、こういった点についてまず伺いたいと思います。
○戸田政府委員 検査機構の検査員の配置は、現在、本部十二名、支部百六十八名、合計百八十名ということで業務を行っておりますが、業務の繁忙期なども考えまして非常勤の嘱託検査員三十二名を必要に応じ各支部に配置しているという状況になっております。
 そこで、今回の改正によりまして隻数が相当ふえるというようなことでありますけれども、現在約四十三万隻の対象船舶を抱えて検査を行っておりますが、今回入ってまいります、漁船を中心とした約五千隻を受け入れることになりまして、繁忙になるかどうかという点について我々相当検討してみました。これまでの検査の主体になっておりましたものがプレジャーボートなどでありまして、これが昨今の不況に伴いまして検査件数が低迷しているというような状況にあります。また、今回対象としていく漁船などですが、これはプレジャーボートなどと検査の時期が相当ずれているというようなことで、当面非常に大きな業務量の増大というのはないのじゃないか、これまでに比べて若干増加するところが出てくるようなことではないかと思いますので、増員などにつきましても若干名の増員で対応できるのではないかと考えております。ただ、実際に検査を実施してみまして、様子を見ながら、必要に応じてそういった増員体制に取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。
 それから、検査員の研修でありますが、これは一定期間に必ず研修を受けるというようなことでこれまでもやってまいってきておりますけれども、検査の中身というのは非常に技術的な内容が主体になっておりますので、その業務に関する知識とか経験、そういったものを備えている人間が選任されているという前提で進めておりますが、やはりその技術も日常進んでいく、これは検査対象になっている船舶もいろいろな面で変わっていくというようなところもありますので、その職務等責任の遂行に必要な知識、技能等をさらに向上させるということを目的として研修を実施しております。
 研修につきましては、具体的には年度ごとに研修実施計画というのをつくっておりまして、検査員の経験年数などに応じまして、例えば新規に採用した者に対する研修あるいは経験年数ごとに検査員の実務研修を行う、そういったことで幾つかの種類の研修を行っているというのが現状であります。今回の法改正に伴う研修としては、検査員に対して、船舶安全法、小型船舶安全規則、それから同細則の改正内容の周知徹底というものが必要でありますので、このための特別研修を行うこととしております。
○東(順)委員 この間視察に行かせていただきましたけれども、そのときにもちょっと話題になっておったのですが、検査員の方というのは一人で出かけていって検査をすることがほとんどのようですね。例えば一人の検査員の方がその人の担当エリアの中の小型船舶を検査する。そうすると、それを担当する期間だとかそういったものが定められておるのでしょうか。それとも、このJCIで、例えば三年間で一つのエリアが終われば、また次の人と他のエリアを交代する、そういったことはいかがなんでしょうか。
○戸田政府委員 具体的にどれぐらいで検査員の配置を動かしているかということについては現在資料がございませんが、基本的には、これは国の検査官も同様でありまして、一定期間あるところで仕事をしますと別なところにかえていく、そういうようなことを行いまして、業者との癒着というようなことのないように配慮しております。
○東(順)委員 例えば研修の中でそういった部分を厳しく教えるとともに、そういう今おっしゃいました癒着の問題、そういったものは人間対人間のかかわりの中で行われるわけですから、しかも一人の人が検査に行って、それで検査をするということになるわけですから、それが長年続いていますとやはりどうしてもそこに癒着というものが起こり得る可能性が生じる、こう思うので、そこはきちっと一定期間というものを設けなければいけないんじゃないか、私はこのように思うのです。あるいは、定期検査が一回終了したら、今度は人がかわって、次の検査については別の人が検査に行くというようなことがきちんとした形で設けられなければいけないんじゃないかこう思いますが、これはいかがでしょうか。
○戸田政府委員 現在の配置状況を見ますと、一つの支部で三人以上というような検査員の配置になっておりますので、そういう支部ごとに検査員のローテーションを組みまして、できるだけ同じところで同じ人が長期間検査をしないようにということに注意を置いております。
○東(順)委員 では、そういう心配は皆無である、こういうことですね。わかりました。
 それから、先ほど嘱託三十二名という答弁でございましたが、この嘱託の方の検査員、この経歴あるいは勤務の体制あるいは勤務の条件、あるいはこういう方も正規の検査員の方と同じく研修というものを受けておられるのかどうなのか、この辺はいかがでしょうか。
○戸田政府委員 嘱託検査員でありますが、先ほどの三十二名と申し上げましたのは非常勤でありまして、そのほかに常勤嘱託検査員、これが二十九名おります。それで、こういった人たちがどういうような経歴の持ち主かということですが、大部分は、検査機構の職員で相当期間検査員を務めて定年を迎えた人であります。その他、国の検査官をしていた人、それから、場合によっては船の乗組員で相当のそういったことに対する知識がある人、そういった場合もあります。
○東(順)委員 いや、それに加えてこの勤務体制、
勤務条件あるいは研修、そういった点。
○戸田政府委員 常勤の嘱託検査員につきましては、通常の職員よりは若干手当が落ちるというようなことがあるかと思いますが、通常の検査員とほとんど同じような待遇になっております。非常勤の嘱託検査員、これにつきましては、必要がある場合にその場所に行って検査をしてもらうということですので、この場合には検査隻数などに応じて報酬が支払われるというようなことになっております。
 なお、先ほど御質問ありましたこれらの嘱託検査員に対する研修でありますが、これも通常の検査員と同様に研修を行っております。
○東(順)委員 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 平成二年十月に総務庁で「海上交通安全に関する行政監察結果に基づく勧告」というものが出されておりますけれども、この中で指摘されていることに次のようなことがございます。
  現在、二十トン未満の動力漁船は約四十万隻
 あり、我が国の全動力船の半数以上に達してい
 る。そのうち、十二海里以内で従業する約三十
 七万隻の漁船については、船体の構造や安全段
 備の基準を定める船舶安全法第二条第一項の規
 定が「当分の間」適用除外とされ、救命・信号・
 消火器具等の設置も義務付けられていない。途中ちょっと略しまして、
  このため、今回、これらの小型漁船について
 安全設備の実態等を調査した結果、乗組員数分
 の救命具、信号及び消火器具をすべて装備して
 いるものは極めて少なく、これらを全く備えて
 いないものが半数近くに達している。
  一方、昭和六十三年の二十トン未満の漁船に、よる海難件数は、全海難件数の三七パーセント
 を占めており、また、昭和六十一年から六十二
 年までのこれら漁船による死亡・行方不明事故
 のうち、今回把握した七十四件の中で、転覆・
 海中転落等の水死事故は五十九件あり、そのう
 ち救命胴衣不装備船によるものが三十九件ある
 など、救命胴衣等を使用していれば死亡に至ら
 なかったと考えられる事例が多数みられる。
  したがって、農林水産省及び運輸省は、小型
 漁船の安全装備の向上を図るため、二十トン未
 満の小型漁船についても、当面救命胴衣等最低
 隈の安全設備が設置されるよう指導を強化する
 とともに、これら漁船の安全性の向上を図るた
 めの方策を検討する必要がある。ちょっと長くなって恐縮でございますが、このような箇所がございます。
 そこで、まず運輸省に伺いたいのですけれども、こういうふうに、この小型漁船についても救命胴衣等最低限の安全設備を設置するよう指導し、その指導が強化されることが大事だという指摘がなされておるのですが、これまでこれに対してどういう対策を講じてこられたのか、その辺を伺いたいと思います。
○戸田政府委員 そもそも十二海里以内の小型の漁船につきましては、漁船全体についてその取り入れのときに相当の問題がありまして、当初百海里以遠のものを対象とし、さらにある時期に二十海里、さらに十二海里というふうに適用範囲を拡大してきたという経緯があります。それで、なぜ十二海里未満についてはその対象としていなかったかということにつきましては、そういった漁船が操業水域が限定されている、それから漁業者が操業水域の気象とか海象に通じているというようなこともありましてその対象としていなかったという経緯があります。
 ただ、御指摘のとおり最近事故も相当出ている、それから、先ほどのお話のとおり行政監察でも指摘を受けているというようなことで、十二海里未満の漁船の適用範囲の拡大につきましては、今後相当真剣に取り組んでいかなければならない課題ではないかと認識しております。これまでそういった漁船につきましては、小型船舶検査機構がそういうところを訪問したりするような機会に、安全のパンフレットなどを配布するとか口頭で注意を喚起するとかといったことで安全性の向上についての周知を図ってきているというような状況にあります。
○東(順)委員 これは非常に大事なことだと思うのです。先ほどもちょっと触れましたけれども、最近、転落事故が結構多くなっている。それは、一人で漁船を操業するようなケースが大変多くなっているのだ、したがって、一人で漁業を操業していて転落してしまったならば、一緒にそばにいて働いていて助けてくれる人がいないことによって水死するというようなことも多くなっている、こういうふうに聞きましたけれども、そういったときに救命胴衣をつけておれば助かるケースも十分考えられる。したがって、その七十四件の漁船による死亡、行方不明の事故のうち五十九件が海中転落、転覆による水死事故である、しかも、この五十九件のうち三十九件が救命胴衣を持っていなかったために起こった事故だということは非常に深刻な事実だと思うわけでございます。
 したがって、この適用除外見直しについて、課題であるというふうに今おっしゃいましたけれども、どうか前向きに、当分の間となっておるわけでございますから、もうそろそろこの適用除外というものを見直して安全対策をきちっと法制化するということが大事であろう、こういうふうに私は思うわけでございます。漁師の方というのは海になれていて、逆にそれがまた過信になって事故につながるということも十分あり得ると思うのです。そういう意味で、ぜひともその辺のところをお願いしたいと思うわけでございます。
 あわせて、水産庁おいでになっておると思いますけれども、この小型漁船の安全対策、今話が出ましたことに対する啓蒙普及についてどのように努力なさっておるのか、伺いたいと思います。
○岡本説明員 先生御指摘の小型漁船の安全対策につきましては、水産庁では、漁船の安全は非常に重要な課題であると考えております。
 沿岸漁業の安全操業のために、平成五年度、本年度から小型漁船安全操業対策事業を行うこととしております。この事業では、漁業者に対して安全操業のための啓蒙普及活動と、それから、一般的に救命胴衣をつけると作業がしづらいという煩わしさから、救命胴衣があってもつけないということもございますので、作業のしやすい救命胴衣の開発、この二つに絞りまして事業を行うこととしております。したがって、水産庁としては、今後この事業を通じまして、各方面と協力いたしまして、小型漁船の安全操業確保に有効な啓蒙活動を実施したいと考えております。
○東(順)委員 ぜひとも御努力をお願いしたいと思います。いずれにしても、おかの上の事故と違って海の上の事故というのは、一たん事故が起こったならば、離れている分だけ大事故へとつながっていく可能性が非常に高いわけでございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから今度は、郵政省おいでになっていると思いますので伺いたいと思います。それは無線のことでございます。
 最近、プレジャーボートあるいは遊漁船といったものが著しくふえてきていて、これに伴う海難事故が増加しているわけで、この海難防止あるいは救難上、かぎを握る非常に重要なポイントが無線機を携帯しているかどうかということにあるのではなかろうかと私は思うわけでございます。小型船舶の現在の無線設備の設置状況について伺いたいと思います。
○山口説明員 ヨット、モーターボートあるいは遊漁船等のプレジャーボートの数につきましては、私どもといたしましては約四十万隻あると推計いたしておりますけれども、このうち、これらに設置されております船舶局の数で申し上げますと約四千四百局、設置率で申し上げますと一%強という状況でございます。
○東(順)委員 一%という本当にびっくりするような少ない数なんですね。やはりこういうことでは、海難事故ということの観点からいくと大変なことだろうというふうに思うわけでございます。無線機は何で一%というような低い普及率なんだろう。当然おかの上の場合は、いろいろなトラッ
クや車で無線を持っているようなものも結構多い。それは業務用にいろいろ使うというようなこともあるのでしょうけれども、おかじゃなくて今度は海ですからなおさら、何か起こったときには無線というものが命綱になる。ところが、この小型のプレジャーボートとか遊漁船については一%の普及率、これは非常に大変な問題だというふうに思うわけでございます。
 したがって、一つには、無線機が高いとか、あるいは資格を取るのになかなか手間取るとか遠隔地まで行かなければ取れないとか、いろいろなことがあるのだろうと思いますが、この無線機の開発ということに対して郵政省としてどのようにお取り組みになってこられたのか、この辺もお願いしたいと思います。
○山口説明員 郵政省といたしましては、従来からヨット等の普及状況ですとか関係者のニーズに応じまして、周波数の割り当てあるいは通信システムの普及に努めてまいりましたけれども、近年プレジャーボートが非常に増加をしてまいりまして、こうしたことに対応いたしましてプレジャーボートに対する無線通信の普及を促進する、そして通信面からその航行の安全を確保するということを目的といたしまして、プレジャーボートの通信手段といたしまして百五十メガヘルツ帯の周波数を使用いたします海上におきますスポーツ及びレジャー用無線局、我々マリンVHFという愛称で呼んでおりますけれども、こういうシステムを平成四年七月に導入したところでございます。
 このマリンVHFは、国際的に海上移動業務用に使うことが定められております百五十メガヘルツの周波数、いわゆる国際VHFと呼んでおりますけれども、この周波数帯の中からマリンレジャー通信専用に周波数を割り当てまして、マリーナとの通信あるいはプレジャーボート相互間の通信を行うと同時に、緊急の場合におきましては海上保安庁あるいは一般の船舶との連絡ができるように、これらとの共通の周波数、遭難安全用の周波数でございますけれども、これを割り当てたりいたしまして、安全面に配慮した通信システムを構築してございます。
 先ほど通信機の値段等のお話がございましたけれども、このシステムのプレジャーボートヘの普及を図るという観点から、利用者の要望に応じまして、取り扱いの簡便な可搬型の無線機というものを開発いたしまして、かつ価格の方も七万円程度と、従来のレジャー用の無線機に比べますと二分の一から三分の一という低廉化を図っております。
 また、制度面におきましても、簡易な手続で無線局の免許が受けられるようにいたしておりますし、また資格の面でもこれを緩和いたしまして、従来ですと六日間の講習を必要としておったところ、二日間の講習で資格が取得できるというように制度を改めております。
 また、今後の具体的な普及方策ということから申し上げますと、メーカーあるいはユーザー等の関係団体の御協力を得ながら、マリーナあるいはレジャー関係団体、地方公共団体等へのリーフレットですとかポスターあるいは手引書等の配布、それから海洋レジャー誌への掲載、講演会の開催あるいはボートショーへの出展等、こういったことをやってまいりまして、普及促進を図っておるところでございます。この結果、平成四年七月に制度が導入されましてすぐに第一号のマリンVHFの局が設置をされておりますし、現在マリーナと陸上に開設をされております海岸局、これが十二局ございます。また船舶局につきましても約二百局が設置をしているという状況でございまして、また現在各地でこうした海岸局の設置計画を進めておられる状況にございます。
 郵政省といたしましては、今後とも引き続きましてこのマリンVHFの普及促進に努めていきたいと考えているところでございます。
○東(順)委員 大変懇切丁寧な御説明、御答弁でございました。
 今御説明ございましたように、開発普及に対して力を入れているということで、この無線機携帯ということが小型プレジャーボート等の事故を防ぐ命綱となると思いますので、この携帯の義務づけというところまでどうか運輸省として視野に入れていただいて御努力願いたい、こういうように思うわけでございます。時間がございませんので、ここら辺にとどめたいと思います。
 最後に、私はこのプレジャーボート等の無断係留の問題について伺いたいというふうに思います。
 現在、プレジャーボート約二十八万隻、この三分の一の九万隻が河川とか港湾内に無断係留されているというようなことで大きな社会問題になっておるわけでございまして、先ほどからもるるお話が出ておりましたけれども、漁船の航行の妨げになるとか、あるいは洪水時にボートが流されて堤防を壊したり、あるいはボートにかけている桟橋というようなものが流されていってさらに混乱を大きくするというようなことが心配されておるわけです。
 そこで、端的に伺いたいのですが、この五トン未満の船舶については登録制度というものが今ない、そのことによって不法係留、無断係留というものが野放しのような形になっているのではないか、このように言われておるわけでございます。あわせて、この五トン未満の船舶については登録制度というものを導入するということと、もう一つはこの保管場所を義務づける制度というものを導入する、この二つの制度の導入によりましてこの無断係留という問題が防げていけるのではないか、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
○戸田政府委員 現在登録制度のない五トン未満の船舶の登録制度ということでございますが、これにつきましては、その艇の持ち主を識別するということが第一の目的になるわけであります。現在小型船舶検査機構には五トン未満の船舶についての相当数のデータがそろっておりますので、そういったデータを公開しましてその持ち主をはっきりさせられる、公的な目的に対しての問い合わせについてはそういったことで対応していくことを考えておりますが、登録制度をつくるということをする前に、現在の情報公開によりましてどこまでその目的が達成されるか、その辺を慎重に見きわめながら、単に必要性だけでそのすべての船舶に登録制を課すということも新たな負担ということになるかと思いますので、その辺の様子も見ながら、今後注意深く検討していきたいと思っております。
○東(順)委員 保管場所の設置について。
○戸田政府委員 それから、保管場所の問題ですが、現在違法係留とか放置されているとか、そういった問題について、これはできるだけ保管場所を整備していかなければならないということだと思います。特に係留場所について困っておりますのは関東地方でありますが、関東地方でマリーナあるいは適切な陸置きとか、そういったことで対応できるようなスペースが現実には非常に難しいという状況にあるのではないかと思います。そういったことも考えまして、一概に登録制度といいますか、保管場所のない船は売らないというようなことに踏み切れないような状況にあると思っております。
○東(順)委員 車の場合も、台数がふえてきて利用がふえてくることによって、例えば軽自動車なんか今は車庫証明というものが必要になって、それが条件として車が売られるというようなことになってきているわけでございまして、そういった先行きも十分予測されるので、今から先手を打って今の保管場所の制度というものを導入するというようなことも考えていただきたい。あわせて、マリーナの開発整備、この進捗状況等もちょっと伺いたかったのですけれども、時間が参りましたのでこれで終わりますが、そういったことを総合的に勘案して、どうかこれからのレジャー時代というものにきちっと備えていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
 以上で終わります。
○森田委員長 佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 冒頭、大臣にお伺いしたいのですが、きょうは船舶安全法の審議ということですけれども、船舶に限らず鉄道でも航空機でも、何といっても交通運輸においては安全が第一だというふうに考えます。そういう点で、安全対策をどう推進していこうとしておられるか、大臣の所見をお伺いしたい。
○越智国務大臣 運輸行政の基本は安全であります。海陸空すべて安全が第一と考えております。したがいまして、きょうはこの機構の御審議をいただいておるわけでありますけれども、特にこの機構に委託をする、この問題につきましては、国が直接やる以上に厳しく指導監督をして万遺漏なきよう努力していく、こういうふうに考えております。
○佐藤(祐)委員 船舶の安全ということを考える場合、やはり海難事故は依然として多い。特に漁船の占める割合が高いという問題があるというふうに思います。
 それで、海上保安庁にまずお聞きしたいのですが、最近ここ数年間の海難事故の状況、それからそれに占める漁船の比率、漁船につきましては二十トン以上と二十トン未満と分けてわかればその数字をお聞きしたいと思います。
○井山政府委員 お答え申し上げます。
 最近五年間につきまして、昭和六十三年と平成四年と暦年で私ども統計をとっておりますので申し上げます。
 まず、船舶全体でございますが、大体一年間に二千隻ぐらいが海難に遭っておりまして、平成四年はちょっと少のうございまして千八百十隻ということで、例年に比べてかなり少ない様子でございます。
 それから、このうち先生今御指摘の漁船はどうかということでございますが、漁船につきましては昭和六十二年が八百九十九隻、これが平成四年には七百五十八隻ということで、少し減少の傾向にございます。
 それから、その内訳で二十トン以上と未満で分けたらどうなるかということですが、一応平成四年で申し上げますと、その七百五十八隻のうち二十トン未満の漁船の海難が六百四十二隻でございます。それから二十トン以上の漁船の海難が百十六隻でございますので、未満のものがやはり八五%を占めておりまして、多いといえば多い。ただ、保有隻数といいましょうか、これとの関係も若干ありますので、当然にこの比率で一隻当たり発生するということじゃ必ずしもないかもしれませんが、そういう傾向になっております。
○佐藤(祐)委員 平成四年がたまたまといいますか、少なくなったことはいいことですが、これまでの経過を見ておりますと、下がった翌年にはまた大きく上がるとかいろいろなことがありますから、安心はできないということだと思います。
 それで、お尋ねしたいのは、冒頭一般的な点は大臣にお聞きしたのですが、運輸省として特にこの海難、漁船の事故の多さ、今も二十トン未満が数的には大変多いということがありましたけれども、これの安全確保、海難防止、そういうためにどんな対策を進めようとしておられるのか、その点まずお聞きします。
○戸田政府委員 二十トン未満の漁船の中で現在検査の対象となっております十二海里以上のものと、それから十二海里未満で検査対象となっていないものと両方あるわけです。この十二海里未満のものにつきましては、先ほどの御質問でもございましたが、非常に近場で漁をしているというようなことで、気象の悪化した場合にもすぐに母港に逃げ込めるというようなことで今まで対象としていなかったということであります。
 その統計的な数値を今手元に持っておりませんですが、確かに小型の漁船で相当海難が多いという実態がありますので、その沿岸十二海里以内の水域で従業する小型漁船、こういった漁船に対しましては、現在のところその安全の指導とかパンフレットを配ってその安全性についての周知徹底をするなどの対応はしておりますけれども、さらに今後の問題としては、これを検査対象として取り込んでいくというようなことで相当の努力が必要ではないかと思っております。これにつきましては、既に行政監察でも指摘されておりますので、水産庁あるいは漁業者、そういった関係先とも調整を進めながら積極的に対応してまいっていきたいと考えております。
○佐藤(祐)委員 関連してお尋ねしておきたいのですが、近年漁船の海難防止、これが国際的にも大きな課題とされておりまして、ごく最近漁船の安全に関する国際条約、これが採択されたと聞いております。その内容、それから日本政府の対応を簡潔にお答えいただきたいのです。
○戸田政府委員 この漁船条約というのは、実は一九七七年に一度国際条約が採択されておりますが、割合小型の漁船まで相当厳しい規制をするというようなことで、加盟国がその発効要件を満たすに至っていなかったというようなこともありましたので、今回開かれました会議におきましては、二十四メーター以上の漁船で一部のものについて、その基準の適用を若干緩めるというようなことでこの条約の早期発効を期するというようなことになったわけであります。その基準の要件の中には、構造とか復原性あるいは防火構造、救命設備、航海用具などについて規定されております。
 この条約は十五カ国以上の国が批准して、批准国の漁船が、これは長さ二十四メーター以上の漁船でありますが、合計隻数一万四千隻になったときから一年後に発効するというようなことでありまして、各国相当の努力をしながら早期発効を期することになっております。
○佐藤(祐)委員 今の国際条約で、最初の原案には検査の周期の問題、たしか定期が四年に一度でその間毎年検査が必要だとなったと思いますが、その点は変わっておりませんか。
○戸田政府委員 この条約上の漁船の検査につきましては、四年に一度の定期検査の中間に、その二年目に中間検査を置くというようなことで、毎年の検査にはなっておりません。
○佐藤(祐)委員 なっていない。それにしても、我が国の場合は六年で三年、三年ですね。それよりは厳しい条件になっている。先ほど局長は検査対象に組み込むことも検討しなければならぬというふうにおっしゃっておりましたが、最近の海難事故の状況とか国際的な機運、そういうことからいって十分にこの対策を検討していく必要がある。その際に検査期間についてもこの国際条約の考え方、そういうものを十分取り入れてやっていくべきではないかということを申し上げておきたいと思います。
 さて、法案の問題です。
 今度の改正案の問題としては、直接出てくる問題は二つだと思うのですね。要するに、一つは国が行う検査対象船舶を減らす、特殊船を含めて考えると、二万六千隻から一万八千隻にするということになりますね。もう一つは、小型船舶検査機構、いわゆるJCIの検査対象船が四十三万一千隻から四十三万九千隻にふえる、このことですね。
 第一の点に関していいますと、運輸行政の船舶検査から事実大きく撤退していく、私はこれはやはり重大な問題だと思うのです。もともとの、一九七三年でしたか、船舶安全法の改正があって今の機構が設立されたわけでありますが、その際の衆議院の交特委の議論でもいろいろ不安視する意見も出ました。質疑がありました。それに対して運輸省は、本来は国がやるものなのだという答弁を繰り返しておられるわけです。正確に言っておきますと、当時の船舶局長が、本来、船舶の安全につきましては、国が直接担当するのが筋であると考えます、あるいは、もちろん「国が直接これをすべてにわたってやれれば、これは一〇〇%であると私も思います。」一方で、あくまで国が直接やるのが筋なんだ、基本なんだと言いながら、別の機構に移行することをいわば強行したわけです。しかし、あくまで委員会の質疑では、基本は国が直接やることなんだ、責任持ってやることなんだ、こういう答弁がされているわけです。
 そういうことからいいまして、第一の問題として、こういう運輸省の基本的を言明、これと今回
のさらに国の検査から八千隻取り除いていくというのは明らかに矛盾しているのじゃないか、明らかに撤退じゃないか、後退ではないか、その点いかがですか。
○戸田政府委員 船舶の検査の基本的な考え方でありますが、これにつきましては、すべての点について国が全責任を持っていると考えてよろしいかと思います。大型船の場合、これは海上人命安全条約とかあるいは海洋汚染防止条約、そういった条約で極めて明らかに定められているところでありまして、国が最終責任を持っているのだということでありますが、この場合に検査を特定の機関に委任してもよろしいことになっております。
 我が国の場合は、貨物船につきましては、船体、機関といった船級要件と言われている部分については、一部日本海事協会に委任しているといいますか、日本海事協会が相当高度の検査をやっているものについて国の検査を省略しているという状況にありますが、それ以外の設備関係、例えば救命設備あるいは消火設備、そういった部分で、いわゆる事故が起こった場合の最終的なサバイバルのための設備については国が責任を持って検査するというシステムをとっております。ただ、諸外国の中で、例えば英国とか海運国でありますノルウェーとかスウェーデン、そういったところにおきましては、客船を除きましてすべての船舶を船級協会の検査にゆだねているというような状況もございます。
 それから今回の小型船の問題でありますが、小型船の検査の基準についてはあくまでも国が定めていく、検査の実施につきましては国が厳しい監督をして小型船舶検査機構に実行させるといったことで、認可法人であります小型船舶検査機構を設置してこれまでも検査を委任してまいりましたし、これからも委任していくというようなことでありまして、安全性の面から考えましても、私どもとしましては、国の撤退だとかいうような考え方は毛頭しておりません。
○佐藤(祐)委員 現実、事実関係として撤退、縮小だ、これはもう間違いないことでしょう。当初の、機構の発足当時の国の検査件数、船舶数はもっと多かったのですよ。それがずっと減ってきていますよ。さらに今回はそのうち八千隻、段階的にいくというお話ですが、それを国の検査から外してJCIに移管させる、これがこの法案の中身ですからね。だからこれは明らかに縮小、撤退には間違いない。それは非常に大きな問題だと思うのです。
 もう一点、今、第二の問題についても答弁がありましたが、JCIの問題ですね。これはけさ来議論が幾つかありました。私も大変危惧をしております。というのは、ただでさえ現在JCIは仕事量と検査員のバランスといいますか、船舶数が非常に多いのですよ。国でやっている検査官とは対象船が違いますから単純比較はできませんけれども、発足当時は、国会答弁でありますが、検査員一人当たり一千隻の船を担当することになるだろう、こういうことだった。現在どうなっているかといいますと、さっきやった非常勤嘱託を含めても一人二千隻以上ですね。それだけの莫大な船舶を担当しているのです。それが今回さらに国が担当していたものがそっちへ移っていくということになりますね。それでは、より厳しくやっていくのだとかいろいろおっしゃっているけれども、果たしてそのとおりいくのかどうか、これは大いに真剣に運輸省も悩む必要、検討する必要があると僕は思う。
 しかも今回JCIの方へ移行するのは漁船が多いわけでしょう。これまでJCIの方でやっていたのはプレジャーボートですよ。それよりも、構造上も設備の上でも複雑ですよね。特別注文のものも漁船にはたくさんあるわけです。鋼鉄船もあります。そういうことになると、これまで以上の仕事量になるということは明白だと思うのです。そういうことも十分検討されて大丈夫だと言っておられるのかどうか、私は甚だ不安ですね。その点本当に十分に検討されているのかどうか、まずそこをお聞きしましょう。
○戸田政府委員 複雑という御指摘がありましたが、これまでも小型船舶検査機構で二十トン近い船まで既に検査をしておりまして、安全の面については何ら問題ないということで踏み切っておるわけであります。漁船の場合に複雑になる、確かにFRP船だけではなくて最近はアルミ船とか、あるいは中には鋼船もございます。しかし、そういった船舶については既にJCIの検査員も経験済みでありまして、私どもとしましては新たに安全上の問題が起こるというような認識はしておりません。
○佐藤(祐)委員 その辺が私はそう単純には言い切れないと思うのです。関係者からいろいろお話もお聞きしておりますが、関係者というのは運輸省内部と考えていただいても結構です。JCIの実情ですね。
 先日も逗子マリーナヘ皆で、運輸委員会として視察に行きました。あれは比較的単純なモーターボート、ヨットの点検、検査ですね。しかし、そうではない定期検査とか、エンジンの開放とか上架するとかいろいろなことが必要な場合には、やはり造船の知識とか、かなり専門知識が必要なわけですよ。そういう方はJCIの検査員の中でも限られた人しかいないのじゃないですか。トントンとたたいてここがどうかということくらいは皆できても、専門知識を持ってエンジンを十分チェックしたりとかはやはり限られてくるわけでしょう。限られた人しかいないというふうに私は承知をしているのです。
 そういう人を、今後の問題に絡んで体制の強化の話もさっき答弁でありましたが、その場合にもなかなかそういう人の採用が今難しい。それはすぐに、新たに漁船も含めて、鋼船も含めてそういう検査をやっていく場合には、専門知識もあるような検査員の人が必要になります。それはおいそれと集まるものではないわけです。結局、運輸省の経験者であるとか造船所で働いていた人とか、何らかの経験がなければ、JCIで素人を雇ってやらせるわけにはいかないわけだから、実情はその採用もなかなか容易ではないと聞いているのです。だから、そういうことも含めまして本当にこれは十分な手当てをしていかないと、結局実際には、現実的には手抜きが起こっていく、そういう危険性が極めて高いというふうに私は思うのです。
 それについて、局長が直接すべて掌握しておられるのかどうかわからぬけれども、本当に緻密な対策を立てませんと、JCI任せにしていますと意外な結果といいますかそういうことにもなりかねぬ、その危惧を改めて申し上げたいと私は思うのですが、どんな対応で臨まれますか。
○戸田政府委員 まず最初に、お許しを得まして、先ほど一人当たりの検査隻数の御質問がありましたのでお答えしておきたいと思いますが、年間の検査隻数十六万隻、これを百八十人の検査員でこなしているということでありますので、一人当たりの年間検査隻数は八百八十六という数値になります。
 それから、今後の対応としてどうするのかという御質問でありますが、現在JCIが抱えております検査員、これはいずれも相当の経験を積んでおりまして、船体、機関について技術的に精通している検査員を擁しているわけであります。今後の問題として、そうとう増員をしなければならないのではないかというような御指摘だろうと思いますが、これにつきましては、先ほど来お話し申し上げておりますように検査の時期がプレジャーボートと漁船で相当違っている。JCIの検査の隻数というのは、プレジャーボートについては春先から夏にかけて相当集中的に検査を受けに来るというようなこともありまして、漁船とのピークが相当食い違っているというようなことですので、大体現在の検査員で対応できるのではないかと思っております。場所によって若干忙しくなるようなところについては増員をしていかなければならない、若干名の増員でそれは可能であるというふうに判断しております。
 そういったいろいろな面から考えまして、今回
JCIに移すことによって安全性が損なわれるというようなことはないと判断しております。
○佐藤(祐)委員 絶対に安全性が損なわれてはならないという立場で私も質問をしているわけです。私たちが聞いておりますこれまでのJCIの実情からいって、現状もかなりのオーバーワークだと思うのです。
 先日もマリーナに行きましたね。私、検査員の方に一隻当たりどのくらいの時間でやれますかと直接聞いたのです。検査員の方は三十分だとおっしゃった。しかし、マリーナの関係者に聞いてみますと、やはり一時間はかかる。海におろしてエンジンテストまでやると、なるほどそれはかかりますよ。そういうことを考えていきますと、かなり上架省略とかエンジン開放省略とか、いろいろな省略を検査の簡素化という名前で進めてきているわけですけれども、そういうことをやることによって数をこなすということにならざるを得ない。手数料で成り立っているわけですから、数をこなさなければ経営が成り立たぬといいますか、だから、そういう危険があるという点を重ねて指摘しておきたいと思います。
 それで、一つぜひ指摘しておきたい問題は、今回の法改正は、もう時間が余りなくなったのであれなんですが、結局二十トン未満の漁船が約六割と聞いておりますけれども、要するにそれを移行する、中身としては、国の検査からJCIへ移行するということですね。となると、これは安全対策という点から考えますと何のプラスもない。結局、安全のために検査対象を拡大するというのでもないのです。同じ器の中のものを国からJCIへ移行するだけですから、検査の内容がより充実したものになるということでもないのですね。そういう意味では、安全対策上は何のプラスでもない。むしろ、私が今指摘したような危惧があるとするならば、一定数のものがJCIへ移管されることによって、不安の方が強くなる。結局、安全対策上は何のプラスもない、こういうことではないですか。
○戸田政府委員 安全対策につきましては、今回二十総トンまで拡大することに伴いまして、今まで十二メーターまでを対象としておりました小型船に対する安全基準を二十総トンまで引き上げて、これを見直していく、この新しい基準を適用して検査を執行していくということを考えておりまして、この検査基準の内容は、新しい技術開発といったことにも対応できるようにして、それから救命設備とかいった設備面で今まで以上に一部強化していくというようなこともありますので、今までに比べて何のプラスもなくマイナスしかないではないかとおっしゃられますが、我々は、何のマイナスもなく、そういった面でプラスになると考えておりますので、よろしく御了解いただきたいと思います。
○佐藤(祐)委員 その安全基準の問題は、まだ我々には中身が出てきていないわけですよ。それは今論議の対象外ですね。だから、今出てきている範囲で言えば船が移行するだけ、検査船が。つまりは、国の検査を減らしてJCIの仕事をふやしてあげますというものでしかないということを申し上げている。それはそのとおりでしょう。
 もう時間がなくなってきましたから、私の方の意見を申し上げて終わりにしたいと思いますが、私どもの党は、一九七三年でしたね、この機構をつくるための改正のときに、反対しました。それは、あくまで重要な交通手段である船舶の検査は国がやるべきだ、国の責任でやるべきだという見地から反対をしたわけです。
 しかも、十分国の責任でやっているんだというふうにおっしゃるけれども、当初一〇〇%の政府出資で機構はスタートしました。ところが、六十二年、一九八七年にはこれが政府出資は全部返上して、全くの民間ということになったわけです。つまり今度は、政府出資の認可法人ではなくて、あれは大臣認可の法人だったわけですね、それを外れて全くの民間会社になるという点でいいますと、ますます国の責任体制が薄まっていくという経過をたどっているわけですね。しかも、今回さらにそこのJCIに国の仕事を減らして検査船を多くする、安全上はその限りで言えばプラスはない。別の安全基準問題は別ですよ。こういうことですから、私は、こういう改正は到底容認できない、反対であるということであります。
 最後に一言申し上げておきたいのですが、これは委員長に申し上げるのかな、こういう重要な中身を持つ法案でありますから、私としては、討論をぜひ行いたいということを申し入れたのです。それが封じられたというのは極めて遺憾であるということであります。運輸行政が今やるべきはこういう移しかえということではなくて、冒頭にそういう意味で私は大臣にお伺いをしたわけですが、本当に安全対策を遺漏ないように全般にわたって強化していくということだと私としては思うのですね。とりわけ、国際的な漁船の海難防止のための条約も採択された。いずれこれは日本でも批准が課題になると思いますが、こういうことを含めて安全対策の強化ということが非常に重要だということを指摘をして、質問を終わりたいと思います。
○越智国務大臣 先生は反対の立場からいろいろ御議論をいただきましたが、このFRP船、非常に造船技術も優秀になりましたし、今非常に漁船もこういうふうに変わりっっございますのでございますから、先ほども申し上げましたが、二十トン未満にいたしましても国の検査以上に、遜色がないような検査をして安全問題を進めていきたい、こういうふうに思っております。今までの事故も、ほとんど船体、船の問題でなくして操縦士の問題の事故の方が多いわけであります。
 それでは今これだけ機構の方へ委託してどうするかということでございますが、むしろタンカーを含めて大型船の方が今問題が多いのでありますのでございますから、より大型船に現在の国直轄の検査をより精度を高めてやっていきたい、そして全般的な安全確保を図りたい、こういうことでございますから、今の、検査機構に委託したから船体に問題があるとか、そういうことはございません。これは国のやっておったと同じような精度で検査できるように進めていきたい、こういうふうに思う次第であります。
○森田委員長 高木義明君。
○高木委員 私は、まずJCIの受け入れ態勢についてお尋ねをいたします。
 現在、検査機構で検査されております長さ十二メートル未満の船舶、そして国直轄で検査されております長さ十二メートル以上かつ二十トン未満の船舶、これらの検査方法は、航行区域にかかわらずほぼ同じようなものとなっております。私は、最近の小型船舶の構造あるいは技術等を考えますと、もはや二十トン未満の船舶については国の直轄で検査する必然性はなくなってきておる、こういう状況であると思っております。
 この意味におきまして、今回の船舶安全法の一部改正により基本的に約八千隻が国の検査対象から民間法人である小型船舶検査機構、いわゆるJCIに検査対象を移行するということについては賛意を示すものであります。また船舶検査の受検者からの声によりますと、こちらが希望した検査日にはほぼ検査日程をとってくれる、こういった評価の声が従来より聞かれております。一方、国の行う検査は、日程がかなり先延ばしをされる、また時間もかかる、こういった声が聞かれておるのは御承知のとおりでありまして、このことは総務庁の行政監察においても指摘をされております。事実、船舶の長さを十一・九九メートルにして検査機構の検査対象にするようにという所有者もいたそうでございます。
 今回、約八千隻が検査機構の対象に移行されるわけでありますが、平成二年の各地方運輸局別の二十トン未満の検査数を見てみますと、地方運輸局ごとにその数もまちまちでございます。すなわち、ある運輸局では総検査数の四八・四%の四百三十四隻が二十トン未満であったり、あるいはまたある地方運輸局では総検査数の八・三%の百十八隻が二十トン未満である、こういう状況になっております。
 したがって、私が今回の法改正によりまして危惧するのは、一部の検査機構に過重な負担がかかるのではないか。そういうことがあってはならぬと私は思っておりますし、また、これまで検査機構が評価をされておることがそうではないような状況になることをおそれておるわけでありますが、今回の改正に伴い検査機構の受け入れ態勢、陣容等については十分なのか、この点についてまずお尋ねをしておきたいと思います。
○戸田政府委員 今度小型船舶検査機構の検査の対象となります約八千隻でありますが、このうち漁船関係が直ちに移っていくというようなことで、約五千隻ということになります。それで、それら五千隻の漁船でありますが、これらは多くは北海道、東北、九州地区に相当数分布しているというような状況になっております。
 それで、そういった地区での業務の繁忙ということが考えられるわけであります。これにつきましては、業務用車とかレンタカー、さらに飛行機を利用する、そういった機動性を持たせましてこれまで以上に検査を合理的に進めていきたいと考えておりますが、やはり一部の支部におきましては増員が必要であろうかと思っております。そういったところにつきましては、その実際の繁忙の度合いも考えながら増員を進めていくということも考えていきたいと思っております。
○高木委員 今回国の仕事が民間法人へと移行するわけでありまして、これまで、昭和四十九年に全額政府出資の運輸大臣の認可法人として設立をされております。民間法人となりましたのは昭和六十二年ということで、まだ日が浅いわけであります。実質的に民間法人と呼べるかどうか、これは疑問なしとはいたしません。したがって私は、今後この機構の仕事がふえていくことによって官庁関係からの転入がかなり増大するのではないか、こういうことを思うわけであります。検査機構は、設立の当初からも運輸省OBを含めまして出向者が数多く含まれておるというのはやむを得ないことでございましたが、一体現在この機構の総人員の中で運輸省出向者並びにOBがどの程度おられるのか、この点についてお尋ねをしておきます。
○戸田政府委員 平成五年四月一日現在でありますが、船舶検査官経験者などを中心としまして四十六名の運輸省出身者が在籍しております。それから、これとは別に運輸省からの出向者でございますが、これは現在十八名ということになっております。
○高木委員 現在総人員二百二十四人のうちに約四分の一という状況でございますが、それ以上に重要なのは、機構の部長以上の全員が運輸省のOBの方々あるいは出向者であると言われております。課長級には検査機構のプロパーが存在しておるということでございますが、私は、今後こういった機構のプロパーがより中心的な役割を果たすようなことになっていかなければならないのではないかと思っております。
 もちろん、運輸省の関係者は有能な、そして人格者ばかりと私は認識をいたしておりますけれども、本当の意味の民間法人、民間の活力が出されるという意味においては、今、世にいろいろ言われておりますが、結局天下り機関になるのではないか、こういう国民の批判が強い御時世でございますから、そういう評価をされてはいけない。したがって、そういう意味で運輸大臣が今後省内の監督、指導をやっていくべきだと考えておりますけれども、この点についていかがお考えなのか、御所見をいただきたい。
○越智国務大臣 今御質問のように、約四分の一が運輸省のOB、また出向者であります。これは、この機構が発足をいたしまして十数年でありますのでございますから、やはり役員にも高級な職員にももちろんプロパーが必要だ、かように思いますけれども、経験がまだ浅いといいますか、プロパーではそういうところにまだ達していないというのが現状であろう、かように思います。しかしながら、今後は天下り場所というようなことにはいたしません。やはりプロパーの者もどんどん昇格をしていくようなふうにいたしたい、かように思います。
 しかしながら、先ほど来いろいろ御議論がありましたように、検査でございますから経験者、特に検査員は検査を、造船所とか長く船に乗っておって十分そういう経験がある者を充てたい、こういうふうに思っておりますので、いましばらくは今のような状況、おいおい天下りといいますか職員が少なくなっていくように指導してまいりたい、かように思っておる次第であります。
○高木委員 現行におきまして、あるいは改正後におきましても、総トン数二十トン未満の漁船や推進機関のないプレジャーヨット、櫓かい船、こういったものについては検査対象外船舶として取り扱われます。いわゆる法第三十二条に係る漁船は推定で約二十八万五千隻とされておりますし、またプレジャーボート、櫓かい船等も約十八万隻と言われておりまして、見逃すことのできない数であります。海難事故はこの小型船舶が圧倒的に多いというデータもありますし、こういった検査対象外の船舶の何らかの安全チェックといいますか確認というのが私は早急に必要であろうと考えております。これらについてどのような検討がなされておるのか御所見を賜っておきたい。
○戸田政府委員 まず、小型漁船の問題でございますが、これにつきましては取り入れ当時から漁業者からの非常に強い反対がありまして、逐次出航する水域によって取り入れてきたわけでありまして、御承知のように現在十二海里未満のところが残っているというような状況であります。しかし、最近の海難の状況あるいはほかの船舶に対して検査を強制しているというようなこととのバランスなどから考えますと、この十二海里未満についても検査を実施すべきではないかという考えでありまして、水産庁あるいは漁業協同組合、そういったところと相当積極的に調整を進めて、これを検査対象にするような努力を進めるべきだ、そう考えております。
 現在のところ、これらについては安全性についてのパンフレットの配布とか周知徹底といったことで安全性向上の対応をしているわけでありますが、根本的な対応にはなっておらないと理解しております。
 それから、櫓かい船、こういったものにつきましては、極めて構造が簡易でかつ航行する範囲が限定されている、そういうことから、安全については専ら船舶所有者の責任において確保するべきものであると考えられてきておりまして、船舶安全法を適用していない状況にありますが、これらの船舶につきましては、今後とも検査対象とすることはなかなか難しい状況にあると思いますので、検査機構が他の検査を実施する際にあるいは特別に講習会を開くとか、他の小型船の安全確保のための団体などもございますので、そういったところを通しまして指導に努めまして、できるだけ安全の徹底を図っていきたい、そういうふうに考えております。
○高木委員 また、現在小型船舶安全規則及び小型漁船安全規則の基準の見直しが検討されておるようでございますが、この考え方について、全面的に安全基準が見直されるものかどうか、その場合大体いつごろまで作業が進んでいくのか、こういった見通しを含めてお尋ねをしておきます。
○戸田政府委員 小型船舶安全規則でありますが、これは構造、設備が簡易でかつ定型的であるという船を対象としてこれまでに十二メーター未満の船舶に適用してきた経緯があります。今回二十トンまで拡大するということでありますので、すべての点について、若干詳しく申し上げますと、船体、機関、救命設備、その他航海関係の設備あるいは無線設備、そういったことについて見直しを進めております。作業を始めて約二カ月だと思いますが、これから相当詰めて検討を進めてまいりまして、十二月末ぐらいまでには成案を得たいと思っております。いずれにしましても、最近の技術の進歩などを勘案しまして一部若干緩和されるところなどが出てくるかもしれませんが、全体的には強化される方向にあると考えております。
 それから、漁船の安全規則につきましては、これまでも総トン数二十トン未満の漁船を対象としておりますので、規則自体に変更を加えることはありません。
○高木委員 私も、繊維強化プラスチック、いわゆるFRP船の問題についてお尋ねをいたします。
 このFRP船の不法投棄の問題は深刻でございます。海岸とか河川あるいは湖沼等への無法な投棄は、環境の問題等々非常にゆゆしき問題でございます。例えば海上保安庁の調査によりますと、平成三年度には約二百七十隻、こういうふうに増加をいたしております。これは保安庁が発見した数だけでありますので、実際にはこれ以上のものがあるのではないかと思っております。このFRP船の処理について東京都清掃局に尋ねてみますと、都ではFRPを適正処理困難物と位置づけており、その処理は製造業者が行うべきものであるとのことであった、こういうことでございます。
 一体不法投棄されたFRP船に対してどのような手順で処理が行われていくのか、今後の対応策について、きょうは運輸省もそうではございますが厚生省にもおいでいただいておりますので、両方から答弁をお願いしたいと思います。
○戸田政府委員 先生御指摘のとおり、FRP船の処理につきましてはこれから相当大きな問題になってくることは確かであります。この不法投棄されたようなFRP船について、持ち主が特定できないというのが通常であります。持ち主がはっきりしているものあるいは特定できるものについては持ち主が費用負担をすべき性格のものではないかと思いますが、そうではなくて、持ち主が特定できないものについては現在のところ地方公共団体などの負担によって処理せざるを得ないというような状況になっております。
 将来の問題としましては、やはり製造時にその処理費用などを積み立てておくとか、そういった仕組みを考えまして、それでそういった基金などによりましてどのようなFRP船も廃船処理ができるような仕組みが必要になってくるのではないかと思います。仕組みとしまして、そういったことだけではなくてほかのもっとうまい方法があるかもしれませんので、これからの検討になると思いますが、これにつきましては関係省庁とも連携をとりながら今後検討を進めていかなければならない大課題であると認識しております。
○飯島説明員 廃船となったFRP船も含めまして、廃棄物の不法投棄対策といたしましては、排出者の処理責任の徹底ということ、それから違反行為に対する厳正な指導取り締まりの強化を行いまして未然防止を図ることが最も重要だと厚生省は考えております。
 このため、昨年七月に施行されました改正廃棄物処理法におきまして、不法投棄に対する罰則の強化など規制を全面的に強化しております。しかしながら、先生御指摘のように廃FRP船が不法投棄されて、投棄した者や所有者が不明の場合など原因者に撤去を求めることができない場合、こうした場合には港湾管理者や地元の市町村あるいは漁業協同組合などがやむを得ず対応せざるを得ないことになっております。こうした場合でございますが、市町村等が専門の廃棄物処理業者に処理を委託して、細かく切断したり砕いたりした後、焼却あるいは埋め立てなどにより処理しているというのが実態でございます。
 廃FRP船につきましては今後急速に排出量がふえるという予測もございまして、厚生省では、水産庁などの協力も得まして、平成三年十二月に漁業系廃棄物処理ガイドラインというものを取りまとめております。このガイドラインに沿いまして処理体制を整備し、適正な処理が行われるように地方公共団体を指導していきたいと思っております。
 なお、廃プラスチック製品の処理につきましては、専門の処理施設あるいは処理業者が限られているというのが現状でございます。厚生省といたしましては、市町村や製造事業者などの協力を得るとともに、処理施設を備えた業者の育成を図るなど、適正処理のための方策を進めてまいりたいと思っております。
○高木委員 最後に一つお尋ねしますが、プレジャーボートなどの無断係留というのも深刻な問題でございます。この無断係留の要因はいろいろあるのですけれども、絶対的な係留場所の不足というのも大切な課題ではないかと思っております。この点について運輸省としてはどのようにお考えであるのかお尋ねをしておきます。
○坂井政府委員 御指摘のように、余暇活動の活発化、多様化が進む中で海洋性レクリエーションに対する要請が非常に高まっております。平成四年現在、約二十八・五万隻のプレジャーボートがあるというふうに推定されておるわけでございますが、今の状態でいきますと、恐らく平成十二年には少なくとも四十万隻ぐらいには達するのではないかなというふうに見込まれております。
 私ども運輸省港湾局といたしましては、六十三年から二十一世紀へのマリーナ等のプレジャーボートの保管施設整備のガイドラインというものをつくりました。この方針は、放置艇を漸次解消するという前提のもとに将来の需要増にも対応するということで、一九九九年までに公共マリーナを新たに全国で百カ所程度、民間マリーナを二百七十港程度整備することを目標としておる次第でございます。現在、この目標に従いまして港湾整備事業の一環として、公共マリーナあるいは民間マリーナに対する一部助成、あるいは簡易な係留施設としてのプレジャーボートスポットの整備を積極的に推進しているところでございます。
 いずれにいたしましても、この目標に対しまして、先ほども御議論がございましたように整備水準からすればまだまだ十分なものではないというふうにも思っておる次第でございます。なお、平成五年におきましては公共マリーナは三十九港、プレジャーボートスポット二十五港を今整備しているところでございます。
○高木委員 これで終わります。ありがとうございました。
○森田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○森田委員長 本案につきましては、日本共産党から討論の申し出がありましたが、理事会の協議により、討論は御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。
 これより採決に入ります。
 船舶安全法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○森田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○森田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、今津寛君外三名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。今津寛君。
○今津委員 ただいま議題となりました船舶安全法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    船舶安全法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項につき万全の措置を講ずべきである。
 一 政府がこの法律の改正と並行して検討している総トン数二十トン未満の小型船舶に関する安全基準の見直しに当たっては、特に人命の尊重と安全性の確保に十分配慮すること。
 二 廃棄されたFRP船等が船舶の航行の安全及び環境保全等の面で問題となっているが、政府は、それを解決するため、積極的に取り組むべきである。
以上であります。
 本附帯決議は、当委員会における法案審査の過程におきまして、委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめたものでありまして、本法の実施に当たり、政府において特に留意して措置すべきところを明らかにし、より一層の船舶の航行安全の確保を図ろうとするものであります。
 以上をもって本動議の説明を終わります。
○森田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 今津寛君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○森田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。越智運輸大臣。
○越智国務大臣 ただいま船舶安全法の一部を改正する法律案につきまして、御熱心な御審議の結果御可決をいただき、まことにありがとうございました。
 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、運輸省として十分の努力をしてまいる所存であります。
 ありがとうございました。
○森田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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○森田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時一分散会