第126回国会 逓信委員会 第3号
平成五年二月十八日(木曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
  委員長 亀井 久興君
   理事 川崎 二郎君 理事 佐田玄一郎君
   理事 坂井 隆憲君 理事 笹川  堯君
   理事 松浦  昭君 理事 上田 利正君
   理事 大木 正吾君 理事 石田 祝稔君
      赤城 徳彦君    今枝 敬雄君
      植竹 繁雄君    小林 興起君
      佐藤 守良君    谷垣 禎一君
      虎島 和夫君    深谷 隆司君
      松岡 利勝君    森  英介君
      阿部未喜男君    田中 昭一君
      田並 胤明君    武部  文君
      山下八洲夫君    吉岡 賢治君
      鳥居 一雄君    菅野 悦子君
      中井  洽君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 小泉純一郎君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  村上誠一郎君
       郵政大臣官房長 五十嵐三津雄君
        郵政大臣官房人 加藤豊太郎君
        事部長
        郵政省郵務局長 上野 寿隆君
        郵政省貯金局長 山口 憲美君
 委員外の出席者
        大蔵大臣官房企 森本  学君
        画官
        大蔵省主税局税 渡辺 裕泰君
        制第一課長
        大蔵省理財局資 中川 雅治君
        金第一課長
        厚生省老人保健
        福祉局老人福祉 堀之内 敬君
        振興課長
        郵政大臣官房審 長谷川憲正君
        議官
        逓信委員会調査 丸山 一敏君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十八日
 辞任         補欠選任
  田中 昭一君     上田  哲君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 逓信行政に関する件(郵政行政の基本施策)
     ――――◇―――――
○亀井委員長 これより会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。笹川堯君。
○笹川委員 本日質問をさせていただくわけでありますが、論理の組み立てから、大臣の方の質問はちょっと後に回させていただいて、大蔵省にまずお尋ねをいたします。主計局でいいですよ。
 平成四年十二月十四日、東京新聞の小泉郵政大臣のインタビューで、郵政大臣は財投見直し論についての発言をいたしております。「郵貯があるからいけない。なければ知恵が出てくる」と発言しておられますが、大蔵省は郵政大臣の財投見直し論をどう考えているか。すなわち、郵政大臣の財投見直し論に賛成をするのか、あるいはまた反対か。あるいはまた、財投に使われている郵貯は必要であるのか、それとも必要でないのか。それがなくても予算の編成が十分に組めるのかどうか。この点について、主計局にお答えをいただきたい。
○中川説明員 財政投融資と申しますのは、郵貯や年金など、国の制度、信用に基づいて集められた各種の公的資金を国が一元的に取りまとめまして、これを財投対象機関に供給することにより、有償資金を用いて金融的手法により達成できる各般の政策的要請に対応するシステムでございまして、全体の財政金融政策と整合性を図りつつ、有効に機能してきているところでございます。
 このような有償資金を活用した政策的要請への対応という財政投融資の役割、必要性というのは、将来にわたって変わることはないというふうに考えております。
 ただし、財政投融資の運用に当たりましては、社会経済情勢や国民のニーズの変化に的確に対応し、不断に対象分野や対象事業の見直しを行いつつ、その機能の活用に努めていくことが必要であると考えております。そうした意味での財政投融資の見直しというのは従来からも行ってきているところでございますが、今後とも引き続き努めてまいりたいというように考えております。
 で、郵便貯金。これは現在、財政投融資の主要な原資の一つとなっているところでございまして、有償資金を用いて各般の政策的要請に対応するという財政投融資システムにおいて重要な役割を果たしているところでございます。
 郵便貯金の問題につきましては、平成二年四月の第二次行革審の最終答申におきましても、「官業は民業を補完しつつ適切な役割を果たしていくことを基本として、民間事業者とのトータルバランスを図り、経営の合理化・効率化を推進する」とともに、「将来の事業の在り方については、金融自由化の実現、民間における事業・サービスの展開その他郵政事業を取り巻く環境の推移を踏まえ、国民の利便・福祉の向上及び国民経済の活力ある発展を図る観点から、その経営形態の在り方を始めとして、総合的に検討する。」そういうふうに述べられているところでございまして、大蔵省としてもこのような線に沿った検討が進められるべきものと考えているところでございます。
○笹川委員 時間が少ないから、余りべらべら読まずに短く、聞かれたことだけなるべく答えるようにしてもらいたいと思います。
 それでは理財局にお尋ねしますが、やはり小泉郵政大臣は「郵貯の利息がもっと下がれば住宅金融公庫等の金利が下がる」、こう言っておられるわけでありますが、これは金利の問題じゃなくして政策の問題だ、だから大蔵省と建設省が話し合って、例えば住宅金融公庫等の利下げ、率は定めておるのであって、郵政省は直接関係がない、こういうふうに私は思っておりますが、その点間違いないかどうか。
○中川説明員 財投システムにおける預託金利につきましては、資金運用部資金法において、国債の金利その他市場金利を考慮するとともに、預託者側の事情にも配慮して定めることとされております。この法律の趣旨に従いまして、約定期間七年以上の預託金利については、これまで長期金利の代表的指標である十年利付国債のクーポンを基準とした金利設定をしてきているところでございます。
 他方、財投制度は、基本的に補給金を前提としないシステムとなっているわけでございますが、今御指摘ございました、例えば住宅金融公庫における一定規模以下の住宅向け融資のように、政策的必要性に応じ財投金利を下回る低利融資を行う場合等に、各年度の予算で利子補給金等を措置しているものでございます。したがいまして、預託金利が上げ下げした場合にも、それによって利子補給金等の額がどうなるかということは一義的に決まるというものではございません。
○笹川委員 それでは銀行局にお尋ねします。
 少額貯蓄非課税制度、高齢者のマル優でありますが、昨年十二月、自民党の税調でマル優が現行の三百万から三百五十万に引き上げが決まったわけでありますが、通信部会、そしてまた社会部会、労働部会、これは賛成をいたしたわけでありますが、財政の方は、これについては議論をいたしておりませんから、賛成をいたしておりません、反対もいたしておりません。
 銀行局としては、五十万円の引き上げについてよかったと思うか、それは上げない方がよかったと思うのか。もう簡単にイエス、ノー、これだけ答えてもらいたい。
○森本説明員 マル老、いわゆる老人マル優の限度額の五十万円の引き上げにつきましては、基本的に官民ひとしく限度額を引き上げられたものであり、相応の措置であると考えております。
○笹川委員 もし反対ならただ乗り論ということを言おうと思ったんだけれども、賛成であれば、ただで乗ったとは考えないから、これで結構です。
 それでは銀行局にもう一つお尋ねしますが、今回、世間でバブルの騒動ということで、証券、銀行その他の金融機関も非常にひっかかっておる。責任がある。我々政治家ももちろん責任の範疇でありますが、実は郵便貯金の金というのは、そういう土地投機だとか株式投資で国民自体に迷惑をかけていないと思うが、かけていると思うか思ってないか、お答えをいただきたい。
○森本説明員 いわゆるバブル経済の発生に係りまして銀行等に過剰融資等があったのではないかという点につきましては、率直に耳を傾ける必要があると考えております。ただ、その後、そうした御批判もございましたので、当局といたしましては種々の信頼性回復措置等をとっておりまして、また金融の自由化等を進めておりまして、金融制度の効率化等を進めておるところでございます。
○笹川委員 全然聞いたことの答弁になってないんだ。そんなこと聞いてないんだよ。そんなことは、大蔵省が責任があるということはもう認めているんだよ。ただ、郵便貯金の金がそういうバブル崩壊だとか土地の高騰に使われてないということは間違いないんだけれども、大蔵省も私の言っていることに同感がどうかと聞いただけなんだ。郵貯も責任があるなら責任あると、そう言えばいいんだよ。あるかないかと言っただけ。だめだよ、そのくらいのこと、ちゃんと覚えておかなきゃ。何遍でも呼び出すぞ。
○中川説明員 郵便貯金のお金は、財政投融資システムの中で各財投対象機関を通じて政策的な融資に使われたり、あるいは公共事業の実施に使われているわけでございまして、バブル経済とは関係ございません。
○笹川委員 それでは、一応大蔵省の質問はそれで終わりますので、大変忙しいでしょうからお帰りになっていただいて結構であります。
 それでは、次に厚生省にお尋ねをいたします。
 小泉大臣は就任時に、マル優引き上げに反対し、かつ全廃が初当選以来の悲願であったと言っておられます。これは自由民主党の通信部会で発言をされたので間違いないわけでありますが、厚生省としては、社会保障、社会福祉等を勘案して、マル優引き上げを決定した社会部会に対して、そういうことはやめてくれとか賛成でございますと、このマル優の引き上げについて賛成の意思表示をしたか反対の意思表示をしたか、簡単に。
○堀之内説明員 厚生省といたしましては、社会部会に対して賛成の意思表示をしております。
 一言つけ加えさせていただいてよろしいでしょうか。
○笹川委員 もういいです。時間がないから、イエス・ノーです。
 それでは、もう一つ厚生省にお尋ねしますが、小泉郵政大臣はかつて厚生大臣を経験されたわけでありますが、その就任のときに、省内あるいはまた社会部会において、マル優廃止を発言されたことがあるか、お尋ねをいたします。
○堀之内説明員 事務方で調べた限りでは、御在任中にマル優について発言された事実は見当たりませんでした。
○笹川委員 なかなかわかりよくて結構であります。
 それでは最後に厚生省にお尋ねしますが、現在の年金制度及び社会福祉制度というものは、大変一生懸命努力をしてもらって立派なものになりつつはある。なりつつはあるということでありますが、まだ十分であるということはなかなか言えないわけであります。これからもひとつ国民の、体の弱い人、あるいはまたこの世で一生懸命働いていただいて年金で生活する人たちが安心して暮らせるように、ぜひひとつ厚生省でしてくれれば、こういうマル優の議論を将来せずに済むわけでありますから、ひとつよろしくお願いをしたい。
 以上をもって、厚生省も帰っていただいて結構であります。
 それでは、引き続いて小泉郵政大臣にお尋ねをいたします。
 平成四年十二月十六日のTBSの筑紫さんとの対談でありますが、「だれだって、どこの大臣になるかわからないのです。たまたま、僕がよく知っている問題の省に当たっちゃったんです。知らない省に当たれば、役人の書いたものをそのまま読みますよ。それが無難だから。ところが、僕が、この二十年間取り組んできて、全部わかっている問題を、自分と違うものを出されたって、そのまま読むわけにはいかぬのですよ。」こうおっしゃっておられますが、間違いございませんか。
○小泉国務大臣 はっきり細部にわたってまで私の発言がどうだったかというのはわかりませんが、今笹川委員が言われたようなこのマル優の問題に関しては、ずっと議論してきたことでありますので、そのことを言っているのならば当たっていると思います。
○笹川委員 いや、私もこの文章を読みまして、マル優と書いていないから、マル優と思うのか、それとも例えば、郵政省全体についてよく知っているから私は郵政省のことについては役人の書くものは読まないよというふうにも実は読めるわけであります。
○小泉国務大臣 そうではなくて、その番組で問題がマル優についての質問だったから、言えば、私はもちろん郵政省のすべての仕事を知っているわけでもございません。これから勉強していかなければならない点がたくさんあるわけでありまして、むしろ知らない点の方が多い。しかし、その番組においてはマル優が一つの話題になっておりました。ですからマル優の問題について聞かれたと思って私はそういう発言をしたんだと思います。
○笹川委員 大臣に就任のときに、それは、マル優のことを聞かれたんならば――もっとマル優のことは別にはっきりお答えになっているんですよ、また後から出てきますが。それは、マル優のことはマル優のことでしっかりと、こういうふうにするとか、ああいうふうにするとかと書いてありますが、大臣の発言のこの文字を正確にテレビからとりましたので、今の大臣の言っている、マル優のことについて言ったんだというふうには、私はどうしてもこの文章を読むと読めない、こう思いますのでお尋ねしますが、私は、知らない省に当たれば役人の書いたものをそのまま読むと。私も読まされた経験がただ一度だけあります。あとは全部読まずに自分であいさつをいたしました。
 きのうの大臣がお読みになった所信表明、字の間違っているところが二カ所ぐらいありますが、これはあなたが書いたものですか、事務方が書いたものですか。
○小泉国務大臣 事務方とよく相談して、それぞれ打ち合わせをしながら、役所全体が考え、私もこのとおりであるなということで所信表明というものでごあいさつをしたわけであります。
○笹川委員 そうしますと、テレビに出たときは膨大なことを大臣はしゃべっているんだけれども、肝心の国会に出す正式な大臣の表明に関して、例えば簡易保険事業にしても郵便事業にしても、全く二、三行しか触れていないわけです。あなたの言っていることはこの中に何も書いてないわけですよ、今まで言ったことは。何も書いてない。これはどういうことですか。
○小泉国務大臣 現在の郵政行政を進めていくということの問題と、そして将来のあるべき姿、また、どうやっていろいろな行政組織あるいはその役割を見直していくかというものを並行して考えていく場合、現在の郵政省全体の仕事としてそれぞれ必要である、またやらなければならないということを述べたわけでありまして、将来展望に立って、またどういう見直しが必要かというものは、これからいろいろまた勉強していく必要があると思っております。
○笹川委員 これから勉強すると大臣言われるけれども、大臣に就任したときに、もうおれは勉強していてよく知っている、今後はこうやるんだということを意思表示されているものだから、本来なら、意思表示して、前の大臣と違ってこれからは新しい大臣としての所信を表明して、そのあなたの考え方を郵政行政の中に生かすんだ、これを私は所信表明だと思うんだ。ところが、「税制改正」と、こうぽつんと二行で終わっちゃっているんだ。とてもじゃないけれども、これじゃ国民をばかにしたことになると思うんだよ。テレビじゃぺらぺらしゃべっているのに肝心なものはこの一行しかない、こういうことであります。これだけ聞いていると時間がなくなるので次回に譲って、そのことだけ保留をさせていただきます。
 それでは小泉大臣にお尋ねします。
 小泉大臣は大学卒業後、民間会社に就職をされたり、あるいはまた月給をもらったりしたことがあるかどうか。もしあれば、初任給と、それは昭和何年ごろだったかをちょっとお尋ねさせていただきたい。
○小泉国務大臣 はっきり覚えていませんが、私自身、学生時代から選挙に出て、その後いろいろな方々の御協力を得ながらやってきましたから、ある場合はある会社に就職して給料をもらってきたこともあると思います。しかし、はっきりは覚えていませんが、最初の選挙で落選して、いろいろ次の選挙を目指して活動したり、あるいはいろいろな方々の協力を得ながらやってきたものですから、その辺、初任給がどうだとか、大企業等に勤めた経験はありませんし、どういう形になっているか、今定かに覚えてはおりません。
○笹川委員 普通は大体初任給というのはほとんど覚えているんですよ。私はもちろん初めての日給月給六百八十円とぱっと思い出すわけでありますが、それは思い出せなければそれで結構です。
 今、小泉大臣が所有しておられる不動産は御自分で取得したものか、相続されたものか、ちょっとお尋ねしたい。
○小泉国務大臣 私は、そういう資産のことについて、私、家の者に任せているもので、過去の経緯の問題について、今よく詳細を述べるような資料がありませんので、ここではっきり――親から相続した分もあると思いますよ。それと、あとどういう形になっているか、資産公開で出ておりますので、そちらの方で調べていただければ結構だと思います。
○笹川委員 それは何十軒も持っているならわからないということもわかるけれども、資産公開を見ても、実は主なものというのは三つしかないんですね、土地が二つと建物がついているものと。普通、家をつくるなんというのはサラリーマンなら一生に一遍ですから、相続したか買ったかどうかわからない、それで財政通だとか大蔵省にきついとかと言われると、ちょっと次の質問がしにくくなるんですが、相続されたことは間違いないんですよ。それはあなたの月給でこんな家を買えるわけないんだから、相続なんですよ。そのぐらいのことははっきりぴしゃっと覚えてないと、それは何十もあれば別ですけれども、それはそれで結構です。
 次にお尋ねしますが、小泉大臣は当選以来マル優廃止論者であると、自由民主党通信部会で鈴木宗男代議士の質問の際御答弁されております。大臣は当選以来、銀行初め金融機関等からどのくらいの政治献金を受けておられるか、イエスかノーかでお答えをいただきたい。
○小泉国務大臣 私の政治資金は、政治資金収支報告書、自治省にきちんと届けてありますので、そちらで調べていただきたいと思います。
○笹川委員 自治省へ行って調べろということなら調べるわけでありますが、それは幾らもらったということを大臣にお尋ねしているのではなくして、そういうことはありますかありませんかだから、この場でお答えしてもそれは差し支えないと思うんだけれども、私の質問は乱暴な質問でしょうか。幾らもらったということを聞いているわけじゃないから。
○小泉国務大臣 幾ら献金を受けているかというのは私もわかりませんが、それはあると思います。
○笹川委員 それで結構なんです。あるかないかを聞いただけで、別に私どもは喚問しているわけではありませんから。そんな細かいことまで大臣が覚えているわけがない。私も覚えておりませんから。あるかないかぐらいはわかる、こういうことであります。
 小泉大臣は世間あるいはマスコミで大蔵族と書かれている。御自身はどう思っていらっしゃるか。
○小泉国務大臣 人がいろいろ言うのは、これは御自由だと思うのですが、私は今まで何々族とかいう意識を持って発言したり行動したりしたことは一度もございません。
○笹川委員 それはそれで結構です。私もそう思っております。
 それでは小泉大臣にお尋ねしますが、マル優の引き上げに際し、社会部会、労働部会も実は賛成されたわけでありますが、小泉大臣は大臣になる前でありましたから、当然その社会部会あるいはまた労働部会に出席することは自由にできたわけでありますが、その社会部会、労働部会で今回の、昨年末の引き上げ論争のときに出席をされて、反対をされたことがございますかどうか、ちょっとお伺いしたい。
○小泉国務大臣 そういうその当時の部会等に出席して発言したことはありません。
○笹川委員 それでは、小泉大臣、自由に出席できて反対できる、初当選以来の目的であるということをお考え合わせれば、当然出席をして、やはり反対だと、全廃するべきところなんだから、引き上げなんかとんでもないという新聞あるいはまたテレビの持論を、なぜ一番本家本元の社会部会あるいは労働部会で発言をなさらなかったのか、それをもう一度お尋ねします。なぜしなかったのか。
○小泉国務大臣 委員御指摘の問題は、私は初当選以来、これでいいのかなと思ってきたことでもあります。
 というのは、今、自由民主党の各部会とか調査会、それぞれ議論する。でも、総務会でも大体そうなんですが、最後は反対の方は退席したり、議論が詰まっていきますと、まあ仕方がないかということでその部会とか調査会に任じてしまって、違う意見はまた別の部会とか調査会で言うということになっていく。そういうのを長年やってきますと、各部会というのは各役所別にできているものですから、その問題に理解のある人の方が多くなってくる。ですから、一生懸命やっている方のところにまじって最後まで違う反対の意見を言うのもどうかなと、お互いの議員間の思いやりというのでしょうか遠慮というのでしょうか、この意見はまた別の部会で言おうという形で、最終的に政審とか税調とかいう場で議論がぶつかり合ってやっていく、それが今自由民主党の慣行になっていますね。
 ですから、過去の経緯もそうですが、例えば建設部会と商工部会、税制問題等でも意見が対立する場合はたくさんある。すると、商工部会の方が建設部会に出て、建設部会が一生懸命やっていることを反対意見、これ、まあ大人げないのじゃないか。また、建設部会の方が商工部会に出ていって、商工部会の人が一生懸命やっていることをまた違う意見を言ってもめさせるのは、ちょっとこれまた大人としてどうかなと思う自制が働きまして、別の会合に場を移してそれぞれ議論し討論する。そして、お互いに闘わしながらそれ相応の決着を導き出すというような自由民主党のいわば慣行といいますか、しきたりといいますか、そういう習慣というものがついていますね。
 ですから、その部会ごとに最初に議論して最後に決着をつける場とは今思わなくなって、部会は部会、そして、もう一つ別の段階で違う意見を闘わせようというような慣行がありますから、これは自由民主党内の改革問題に出てくると思いますが、そういう点もお互いこれから党の改革問題の一つとして議論する余地があるな、果たして政務調査会、政審というのはどういう役割を果たすべきか、部会の意見が違った場合、.党内、もちろん自由民主党は大勢の議員がいますから、すべて部会で党全体の意見を集約していこうというのはなかなか無理な問題もある。
 ですから、そういう問題につきましても、最初のうちは、私は当選一年生のころは出ていきましたけれども、なるほどな、こんなにたくさんやっているのに水を差しては悪いな、別の機会があるからということで遠慮した場合もあって、二十年たちますとそういう点が機構なり今までのやり方がだんだんわかってくるものですから、そういう一生懸命やっていることには余り出席をして議論をぶち壊したり邪魔したりするのは悪いなという感じを持つ議員が、私のみならず何回か当選を重ねできますと持つんだと思うんですね。
 ですから、部会は、どちらかというと偏った人ばかり集まるという傾向がある。これも一つの改革問題としてこれから議論していく必要がある問題だと私は思っております。
○笹川委員 初当選以来非常に厳しく、自分の意見は曲げられない確信犯である、こういう大臣の答弁の割には、非常に配慮して、仲間にも配慮する。やはりこういう場所では言わない方がいいのではないか、また別の場所ではないか、私もそれは十分理解できます。私自身もそう思ったこともありますが、やはり政治家である以上は、テレビと新聞で反対することも大切であるけれども、自民党という一つの枠の中で、組織の中で活躍をしていくということになれば、そういったところでも大臣が言っておれば私はある程度理解を示すこともできますが、これからはやはり自民党の中でもきっちり言ってもらわないと、外だけで言うと何か世間受けするだけの話になりますので、もし反対なら、初心を貫徹してぜひひとつどこの場所でも言うというふうにやっていただきたいと思います。
 それでは、時間がありませんので、大臣にお尋ねしますが、今回のマル優、マル老の値上げについては、何か郵政省だけが悪人みたいになってしまって、郵政族だけが一生懸命やっていて、銀行の方は値上げを言わなかった。しかし、上げれば現実には銀行も、その恩典に浴すかどうかはわかりませんけれども、一応銀行もそういうものは恩典に浴したわけであります。実は郵政大臣というのは国務大臣であります。したがって、閣議に出て発言することができる。本来社会保障が一〇〇%いっていれば、このマル優の問題というのは大臣が言われるように将来なくなる可能性もある。それはないかもわからぬけれども。そのことを閣議という絶好の場所で、厚生大臣あるいは労働大臣、財形もそうでありますが、大蔵大臣、このことについて、マル優を廃止した方がいいのだ、あるいは財投を見直した方がいいのだということを閣議で発言されたことがありますか。また、発言する予定がありますか。
○小泉国務大臣 今までマル優問題とかそういう問題について閣議で大臣になって発言したことはありませんが、しかるべき党の機関で発言してきて、その発言を今委員が言われているわけですが、決まったこと、私の意見がすべて通るとは思っていませんし、私の考え方、役所の考え方、あるいは党の考え方、いろいろな意見を聞いてやはり結論を導き出していくのが大事だと思っております。そういう全般の意見の展開、議論の集約するところを見ながら大臣としてどう発言すべきかということを私は考えております。
○笹川委員 さっき厚生省にもお尋ねしたし銀行局にもお尋ねして、マル優の今回の五十万引き上げについてはよかった、こう言っているわけですね。もちろん大臣は、全然上げてはならぬ、こう言っているわけでありますから、やはり大臣、自分自身のそういう政治的なものが実現できるように最大の努力をする必要がある。その努力をする場というものは閣議であれ部会であれそれぞれあるわけですから、今後閣議でそういう発言をすれば、マル優の引き上げすらない、全廃は可能であることもあるわけですから、自分の政治信念を絶対曲げないんだ、通信部会の言うことは聞かないとおっしゃったくらいの考えがもしあるなら閣議でどんどん発言をしてもらいたい、それが郵政大臣としての責任だ、私はこう思いますので、ぜひそうしていただきたいと思うわけであります。
 実は、銀行預金、郵便貯金、土地の比較論をちょっと大臣に申し上げます。あなたは自分で土地を買ったことがないものだからわからないかもわかりませんが、きょうは残念ながら時間がないので大臣に見せられませんが、ここに昭和三十四年二月二十七日、今の天皇陛下が皇太子殿下だったときの御成婚記念の定期預金の証書を持ってきました。これは私がやったものであります。三十五年当時、金がないので貯金した額が五万円なんです。これは持っている人はいませんよ。ずっとこの間を見ると、金利が幾ら幾ら、全部書いてある。金利の値段が一目瞭然にわかります。実は五万円やったものが、ちょうど去年で二十万七千二百五十五円なんですよ。そうすると、残念だけれどもわずか四倍にしかなっていないですね、銀行預金は。ところが、同じ時期に私が銀行く行かずに郵便局へ行ったと仮定すると幾らになっているか。郵便局へ行きますと、五万円が大体四十一万八千八十九円なんですね。これは八倍ぐらいになっているんです。だから、計算でいくと確かに郵便局へ持っていった方が利息はいいということは事実であります。
 しかし、ではもしもこの金で土地を買ったらどうなるか。実は土地を買いますと、この預金した当時、世田谷の代田一丁目の地所はバブルで一番高いとき一千万、今はぐっと下がって四百五十万ぐらいになった、その土地が当時は二万円から二万五千円でした。そうすると、土地を買った人は今幾らになっているかというと、バブルで下がって四百五十万円に計算しても実は二百二十五倍になっているでしょう。
 すなわち、お金というのは預金する人よりも借りた人の方がはるかに有利であった。そうすると、一生懸命郵便貯金をこつこつためて将来に備えた人というのは、金利の問題じゃなく、非常に気の毒なんですね、インフレーションがありますから。だから大臣、郵便貯金の利息が少々非課税になったから云々というような議論は私はするべきではない。持てる者というのは実は土地を持っていた者なんですね。だから、この辺もぜひ頭に入れていただいて、私は実際に当時買いましたから、やはり借りて買ったのが一番得をした、こういうことを実は証明したくて申し上げたので、天皇陛下の名前まで出して大変申しわけありませんが、そういうことであります。
 それでは、大臣にお尋ねします。
 平成四年十二月十三日に毎日新聞で「なぜ金持ちを優遇する必要があるのか。そんなことで票が増えるとは思えない。」大臣はこう発言しています。マル優は「福祉政策とは切り離すべきだ。」個人の預貯金残高の三割のシェアは郵貯は大き過ぎる。この郵貯は大き過ぎるというのは、大きいか小さいかというのは議論がありますから今ここでお答えをいただかなくて結構なんですが、金持ちを優遇するとおっしゃるけれども、実は金持ちという定義がないんですな。五百万持っておったら金持ちか。ない人からすれば金持ちだ。しかし、三十年も三十五年も勤めて退職金をもらえば、今退職金の平均というのは大体千五百万ぐらいになるそうですから五千万も六千万も預金した人がいればそれはけしからぬけれども、もともと預金は、郵便局は一千万、銀行は天がありませんけれども、幾らでもできますが、金持ちを優遇する必要があるかというと、久米さんも、それはけしからぬ、金持ちなんか優遇する必要はないと言ったんです。金持ちという言葉だけ聞くと、みんなはそうだそうだと言うんだが、これは実は大臣、非常に落とし穴があるんですよ。だから、これは十分に頭の中に入れておいていただかないと、私が言っても問題にならぬけれども、あなたが言うと物すごく大きな新聞記事になるんですよ。
 そこで、そんなことで票がふえるかと言うんだけれども、私たちは別に非課税をしたからといって票がふえると思ってやっているわけではありませんので、大臣、この言葉はどうしても、「票が増えるとは思えない。」ということはひとつ訂正をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○小泉国務大臣 確かに金持ちと金持ちでない区別というのは、そのときどきによって非常に難しいと思います。
 それと、票がふえる、ふえない。あのころの議論を今ちょっと思い返してみますと、自由民主党のいろいろな支援組織もたくさんございます。党としては、そういう支援組織の要求というものにこたえていかなければならない。いろいろな方から、支援組織のことも考えろ、選挙もある、政治家だから少しは票のことも考えなきゃいかぬとかいうようないろんな意見が来たのは事実であります。そういう中から今言われたような票がふえるとは思わないとかいう意見が出てきたのかもしれません。政策論的に言って票がどうだとか金持ちがどうだとかいうことで議論すべきじゃないという真意が私のそういう発言になって出たんだと私は思います。
○笹川委員 そうすると、この言葉は間違いなく大臣が言ったわけですが、今考えるとこの言葉は余り適切じゃなかったということはお認めになりますか。
○小泉国務大臣 票を意識して発言したり行動するなというのは、政党とか政治家というのはこれはなかなか難しいと思いますが、本来あるべき政策議論としては、できるだけそういう意識を持たずに、国民経済全体にとってどういう政策効果があるか、またどうあるべきかという議論の方が好ましいとは思いますが、今言われたような金持ちがどうだとか、あるいは票がふえるかふえないかという問題ということを余り強調しない方がいいんじゃないかなと思っております。
○笹川委員 それでは、大臣はそういうことは強調しない方がいいと言うので、これからぜひひとつ金持ち優遇だとか票がふえるとか、まるで票を買ったみたいな買収選挙になるような言葉はやはり使わないように。というのは、大臣が発言すると全部載っちゃうんだよね。載らないなら選挙区で但言ったって構わないんだよ。だが載る以上はやはり厳に慎んでもらわないと、被害者は全部になりますよ。郵便貯金値上げ賛成したやつはみんな票を買った話になるから、絶対に今後はひとつ言葉は十分に気をつけていただきたいと思います。
 それから、平成四年の十二月十五日、やはり毎日新聞なんですが、大臣は定額貯金を見直す方向で指示を出す。見直しという言葉は大体やはりこれから先へ行く話だから、現状据え置きという言葉には日本語は解釈できない。見直しというのは前へ行く。そうすると、見直しの方向を指示した。「大蔵省の意見を謙虚に聞き、あまり抵抗するなど言うつもりだ」、こう言っているんですよ、新聞で。抵抗するなというんだよ。これは、大蔵省も郵政省も対等の国民のための官庁である。所管の大臣が大蔵省の意見を謙虚に聞いて抵抗するななんということは、私は絶対に口に出すべき言葉ではない。
 もう一つ、日本経済新聞では、大蔵省との交渉は事務方に任せてあるとも言っている。そうすると全然意味が違うんだね。事務方に交渉を任せるということは、事務方やってこい、事務で話がつけばいいよ、こういうふうにとられる。現実に金利の問題その他定額貯金の見直しは、去年の十二月に大蔵省と郵政省が円満に実は事務方で妥結をしている。
 しかしそういう交渉の行くさなかに、郵政大臣としては一生懸命頑張ってこいと言うのが私は郵政大臣としての責務であろう。しかるに大臣は「大蔵省の意見を謙虚に聞き、あまり抵抗するな」と言っているんだ、これは。あなたは首をかしげているけれども、あなたの言うのは全部とってあるんだ。だめなんだよ。謙虚に耳を傾けるというのを大蔵省に言ってこい、大蔵省は郵政省の言うことを謙虚に耳を傾けろと言うならそれは大臣としていいけれども、あなたの言うのは全然逆トンボなんだよ。
 言ってませんか。言ってないなら証拠突きつけますよ。どうしますか。
○小泉国務大臣 私は大蔵省の言うことに抵抗するななんということは一言も言ってないと思います。いろんな客観の意見というものを謙虚に聞かなきゃいかぬ。その際にいろいろ議論が出てくるんだから、その議論というものを事務当局に任せて私は出ないと言ったことはあると思います。その大蔵省の意見に抵抗するななんというのは、私は一言も言ったことはないと思います。
○笹川委員 それでは、ここで言った言わないの議論になるといけませんので、次の委員会のときにこれは保留をしておきまして、大臣にこのときの新聞記事をお読みをいただきますので、これはこのままで結構です。
 それから、やっぱりこれも各社のインタビューをやられたときに、平成四年十二月十三日の読売新聞ですが、「一部の持てる層になぜ補助金を与えるのか、理解ができなかった。限度額引き上げ反対は変わっていない」、こういうふうに大臣言われた。私も聞きました。通信部会でもこう言われた。その非課税になったお金が補助金だと大臣確かに言われた。本来は補助金というのは政策上予算を組んで、その仕事の正当性を認めて出すお金を私は補助金というふうに理解をいたしておりますが、補助金という言葉も、言葉の揚げ足を取るわけじゃありませんけれども、補助金という言葉は私は適切じゃないと思うんだけれども、大臣どうですか。ほかにもうちょっと言葉ありますわな。
○小泉国務大臣 補助金がどうか、補助金という定義の問題もそれぞれあろうと思いますが、議論の過程の中で、一般の方は課税されている、ある一部の人が特典を受けて課税されないというんだったらば、補助金という言葉はどうかわかりませんけれども、課税されている人に比べれば優遇されているという点ではないかと思っております。
○笹川委員 まあこの点については言葉の揚げ足を取っても仕方がないので言いませんが、ひとつぜひ十分に、やっぱり国民がどう受け取るか、自分の真意というものはこうであるんだけれども真意がなかなか受け取られない場合があるから、十分にひとつ言葉については慎重に吟味をしてぜひ発言をしてもらいたい、こう思います。
 それからボランティア貯金のことで、実は川崎委員もほかの委員も質問したんですが、実は大臣がこれはNHKのモーニングショーで発言されているんですが、実は大変大きなミスをしていまして、このミスも実は質問された議員も見落としているんですよ。大臣の言われたのは、利子を二〇%納めてからと言っているんですよ。利子を二〇%納めるなんて言葉、実はないんですね。利子を二〇%納めるんじゃなくて、これは利子の中から二〇%を税金として納めて、かつ残りの二〇%を国際貢献のボランティア貯金として出していると言うのが正しいんですね。あなたの言っているのは、利子を二〇%納めてから、こんな日本語はないんですよ。これは間違いですな。
○小泉国務大臣 確かに今読み直してみますと、利子を二〇%納めてから、なおかつその後の二〇%は国際貢献のために使ってくださいという人が一千万人もいる。確かに厳密に言えば利子から二〇%課税されている、その残された利子の二〇%が国際貢献、ボランティアのために使っていると言うべきだったかなというふうに思います。
○笹川委員 郵政大臣、間違いだね。間違いなら間違いと言った方が。間違いじゃないと大変なことになっちゃうよ。あなた国語習ってないことになっちゃうから。これは税金なんです。事務方に相談していいよ。――いや、いいんだよ。間違いは間違いなんだ。だれでもあるんですよ。
○小泉国務大臣 そうするとこれはどういうふうに訂正すればいいか。確かにこれは誤解された面があると思います。(笹川委員「いや誤解じゃない。間違いなんだ。誤解じゃないんだよ。誤解というのは相手の言うことだ」と呼ぶ)間違いでありますから、その点は訂正させていただきます。
○笹川委員 そう、間違いはもう日々これ新たなりというんだから、間違いはもうさっさと訂正やっておいた方がいい。
 もう一つ、ついででありますが、このボランティア貯金の件で、八万円から九万円の人がほとんどやっておって、持てる人はやっていないというふうに大臣はおっしゃるんだね。持てない人たちがボランティア貯金をしているんだが、たくさん持っている人はどうもやっていないというふうに発言されているんだけれども、これは恐らく事務当局から聞いて大臣の発言したことが間違いであった、間違いというよりは非常に誤解を与える発言であったということは間違いないんですよ。ところが、内容を読んでみて間違いなら訂正するとあなたはこの委員会で言っておられるんだけれども、実はもう事務当局から聞いたと思うが、定額預金の通帳と通常貯金の通帳と、それで結局、僕もボランティア貯金やって、きょう持ってきましたが、八万か九万しか全部の預金がない人がやっているんじゃなくして、定額預金もあるんだけれども、このボランティア貯金はそういう金額を引き出した通常の中から実はやっているんですね。
 だから、たくさん持っている通常の人が全然やっていないというのは、少ない人だけがやったんだ、そんな大きな人は、持っている人は金も出さないくせに、何で五十万も引き上げて補助をするかごときことを、やらなければならないんだということを大臣はおっしゃったんだけれども、その点については大臣の誤解だから、これもひとつこの場所で訂正をしてもらいたい。
○小泉国務大臣 確かに私の発言は、国際ボランティア貯金の加入者の貯金総額が八万円から九万円しかなくと言った点は言葉足らずの面があったと思います。平均で一番多いのが国際ボランティア貯金のされている方で八万円から九万円だというのは、平均の場合ではそうですが、そのほかに貯金を持っている方もたくさんおるわけですから、そういう面において、加入者が持たざる層であるかのごとき印象を与えたというものであったならば、これは言葉足らずだったな、そして、確かに持たざる層も持てる層もこの国際ボランティア貯金には参加しているということを理解されなかったという面があれば、私に言葉足らずで御迷惑をかけた点があったと思います。
○笹川委員 だんだん大臣も素直になってきてよかった。最初からそうやれば全然もめないわけでありますので、まあお互いに間違ったところは直していきたい。質問者の方も時には間違った質問をすることもあるわけでありますので、ひとつ今後とも十分に気をつけていただきたい。
 それから、実は定額貯金の見直しの件で、大臣も非常にそう言われるんだけれども、私も実は銀行に三十五年もおつき合いをして助けられて、言ってみると僕は大蔵族がもわからないんだよね、郵政政務次官になって生まれて初めて郵便局行ったんですから、そういう意味では。だけれども、本当は僕たちは国民の族でなければいかぬ。だから、大蔵でもいいことは僕は応援するし、郵政でも間違ったことは省内で――幾らでも言ったんですよ、このことは改めろ、やめろということを。ただ私は外に向かって、新聞社だとかテレビに言わなかっただけの話であって、省内では随分厳しいこと言ったんですよ。だから、これから大臣も言うんならまず事務当局を信じて事務当局にやらないと、敵地へ乗り込んできたみたいな形でわあっと言ってしまうと、アドバルーンを揚げると後で収拾がつかなくなる。だから私が退任するときに、初めちょろちょろ後ぱっぱがいいと言ったでしょう。あなたは初めぱっぱで後ちょろちょろになる可能性があると注意したはずなんです。
 ところで、もう時間がないんだけれども、定額貯金は、もちろんそれを見直すという意見も大事だけれども、銀行の方も民間の方も、やはりそういうものができるかどうかということを十分にこれから研究してもらいたいと私は思っているので、これは財政部会で私はずっと言っておきます。
 さて、大臣は、官は民の補完であるべきだと。まあこれは、官がいいか民がいいかという議論をやりますともう時間がないので、この次の委員会に譲るといたしまして、官もいいところある、氏もいいところもある。だから、私はまさにそれで官民一体となって国民のために奉仕するべきだと思っていますが、実は銀行も、昔みたいにでかい店舗やらずに、今もう非常に小店舗をどんどんつくって、三和銀行は都内で百何十カ所、それから富士銀行も一人の支店長が二つの支店長になるんですよ。支店二つつくりまして、二つの支店の支店長を一人がやる。一つは個人預金、ローンの専門店、一つは企業中心の方をやる。そうすると、個人のローンの方はお客さんが非常に入りやすいですから、企業の方はやはり非常にかたくて入りにくいからというので、実は銀行はみんなこういうことを勉強しているんだ。銀行がなぜこれをしたかというのは、実は特定郵便局をまねしているんですよ。だから大臣、官のいいところは民も見習っているという証拠を実は僕は示したわけ。だから、ぜひひとつそういうことも頭に入れておいていただきたい。
 さて、あと五分しかないので、野党が時間を譲ってくれればいいけれども、そういうわけにもいかないし……。
 実は、国鉄でさえも民営化になっちゃった、でさえもという言葉を使っていられるのね。普通、日本語というのは、でさえもというと、郵政省はそれ以下だ、もう民営は当たり前なんだ、実はこうとられるんですよ。だから本当は、国鉄も民営化された、もを使えばいいんだが、あなたは、でもと使った。よくでもしかというのがあったけれども、でもというのは非常に厳しくて、三十万職員は非常にがっくりきて、ひどい大臣が来た、おれたち首切りになるのか民営で、というので非常に不安感を与えたことは事実なんですね、国鉄でさえもと。
 私はやめてから十カ所回りましたが、郵政職員は非常にがっかりしているので、そういうことありません、すぐ民営化だとかあるいは云々の入減らしの話はありませんよ、安心してひとつ郵政省のために働いてもらいたい。郵政省のために働くということは、省のために働くことは国益になるわけですね。もしこれが、省益になるけれども国益にならぬなどと、本当にこんなこと言ってしまったら、それは退職してもう既に働くことのできない郵政のOBはもう非常に悲しむわけだ。やはり一番人間として大切な生きがいを与えること、その人がその職業に目的意識を持って働くことがいかに大切か。
 だから、あなたは三十万人の代表取締役社長ですから、社長が自分の会社は将来民営だとか云々などと言いますと、それは社員はもうたまらぬ。だからこのことだけはひとつ厳にお願いをしておきます。私は残念ながらあなたと違って、あなたは人を雇ったことがない、すぐ国会議員になってしまった、昭和四十七年に当選された、私は四十七年に落選した、私は何千人の人を使ってきた。やはり人というものはいかに大切なものであるか、このことをぜひひとつ肝に銘じていただきたいと思う。
 国鉄はたび重なるストライキで国民に迷惑かけた。経済的損失を与えた。だから我々も国鉄はそういう意味で分割には賛成しました。しかし今は郵政は、雪の日も雨の日も一生懸命みんなやってくれているから、そういう人たちに対していたずらに不安感を与えるような言動はやはり、ほかの人が言うんならいいけれども、郵政大臣としてはひとつもう、郵政大臣をやっている間は、間はですよ、やめてからは束縛しませんが、やっている間はやはり社長として忠節に任務を尽くすことが、あなたも国益を考えて国会議員になったんだから私は当然だと思うので、その辺の所信をお伺いして私の質問を終わらさせていただきたいと思います。
○小泉国務大臣 でさえもとか、でもとか、いろいろ言葉遣いはあると思います。基本的に、それぞれの事業というのは大事な事業が多いわけでありまして、かといって、いろいろな行政組織あるいはその役割等がこのままで果たしていいだろうかという点もあると思います。そういう意味において、行政組織の見直しとかその役割の見直しとかいうのは、今郵政省のみならず全官庁に求められている議題だと思うのであります。そして、基本的に、私も、また自由民主党もそうでありますけれども、官業というのは民業の補完であるべきだ、官民相協調して発展していくべきものだ。できることならば民間ではでき得ないところに官の役割というのは大いに意義があるわけでありますし、私も、民業でできることであればそれほど民業を圧迫するような形でやるのは好ましくないというのは、自由民主党議員ひとしく考えているところだと思います。
 そういう意味において、官民相協調してお互い節度を保ちながら、どうやって国民全体の福祉につながるか、国民経済の発展につながるかということを真剣に議論するべきじゃないか。そういう時世だからこそ、今政府・自由民主党挙げて、あらゆる行政機構なり役割の見直しに取り組もうとしているところでありますし、そういう点を踏まえて官民節度ある発展をしていくべきだ。そしてまた、それぞれの役所の事業が国民生活にとって欠かすことができないものであるという意識を持ちながら、協調しながらやっていかなければいけないと思っております。
○笹川委員 大臣、最後になりましたが、最後は、最後と言ってはいけないんだけれども、うそついたことになりますが、実は、大蔵省にさっき財投の話を聞きました。やはり当面は財投は必要だし、これがなければ予算が組めないということを明言されたわけでありますので、大臣が財投見直し論と言うと、知らない人は大蔵省もそれに賛成しているのかなということになりますと、郵政全体に対して非常に影響もありますので、財投の将来のこと、何十年先は私もわかりませんけれども、解散があるから大臣が在任するというのはもう少なくともことしいっぱいぐらいでしょう。だから、そこぐらいまでは財投見直しという問題について早々に考えているわけじゃない。遠い将来と言うならそれはまあそれで結構ですが、大蔵省と意見が違うということになりますと、これまた質問がどんどん次回に長くなりますので、財投見直し論について、今の大蔵省の答弁については、あれでよろしゅうございますか。
○小泉国務大臣 財投制度の重要性というものを私は否定するものではありません。しかし、今のままでいいとは私は思っておりませんから、財投の見直しも当然、今時点から検討していく必要があるというふうな考えを持っているわけであります。
○笹川委員 それではひとつ、ぜひ今後も閣議をうまく利用していただいて、御自分の理想が達成できるように最大の努力をしていただくことをお願いをして、質問を終わります。ありがとうございました。
○亀井委員長 次に、田並胤明君。
○田並委員 小泉郵政大臣になって、幾つか今までの逓信委員会とは違った場面が見られますので、大変勉強になっています。私も長いこと逓信委員会をやっておりますが、この郵政事業の経営形態、いわゆる本質に及ぶ論議が大変できるということはよいことだと思いますね。
 それともう一つは、小泉郵政大臣というのは自由民主党の所属だろうと思っているのですが、どうも違う政党から大臣になったような感じがしてならないのです。
 というのは、これまでの郵政大臣というのは、これまでの郵政事業というものを高く評価をしながら、さらにこの経営形態で、今言われたように、さらに官業と民業一体になって協調関係を保ちながらお互いに切磋琢磨をして、国民の利益の増進のためにひとつ郵政事業は一応頑張る、さらに頑張る、こういう姿勢でこられました。また、マル優の問題についても、もう従来からこのマル優の増額については委員会でも決議をしておりますし、あるいは歴代の大臣もそういう答弁をされてきた。
 ところが、大臣がかわった途端にそれががらっと変わったということは、行政の継続性というのはどういうことなんだろうか。少なくも、違う政党の内閣ができたなら別でありますが、同じ内閣、同じ政党の内閣が継続をしてやっているものがこのようにぐるぐる変わるということは、どうも我々として見るとおかしいし、また、国民の皆さんから見ても非常に不快感を持つと思うんですね。不信感を持つと思う。
 ですから私は、郵政大臣が大臣としての個人的な発言ということであちらこちらでしゃべっていらっしゃること、これは確かに郵政大臣であると同時に個人という資格を持っているのかもしれませんが、少なくとも郵政大臣になった以上は、公的な立場で物事というのは発言をとらえられますし、しかも大臣がいろいろ考えられていることは、今も笹川委員さんが言われたように、自由民主党の中に政策決定のそれぞれの機関があるのですから、ぜひそういう場で発言をされて、自由民主党総体の政策としてやはり明らかにしていかなければいかぬのではないか、こういう気がするんですよ。
 それともう一つ、今の笹川委員さんの質問を聞いておって、これははっきり申し上げて、だから自由民主党というのは開かれている見なのかなというふうに思うんですが、幾日かは郵政大臣と笹川前政務次官は一緒だったんですよね。その大臣と次官がここでちょうちょうはっしやるというのは、はっきり言って今までなかったことで、そういう意味ではこの逓信委員会というのは非常に活気づいてよかった、こういうふうに思うのです。ですから、これからもぜひ、ほかの委員会にない特色を小泉郵政大臣がいる間は大いにやるべきだろう、こういう気がいたします。
 そこで一つお聞きをしたいのは、今、官業が民業を補完をする、これについて大臣の見解を述べられました。私は、確かに官業というのは民業を補完するものだというのは、言葉としてはあるんですね。しかも、例の臨調の方で最終答申の中で、先ほども述べられておりましたように、官業は民業を補完をしつつ適切に対応していくのだ、こういう言葉があるんですが、私は本来、官業というのは、例えばここに全銀協「私どもの考え方より」という文章の一部を持っているんですが、この銀行協会の考え方というのは、あくまでも郵政事業というのは、銀行であるとかこういう金融機関の手の届かない、要するに不採算部門、これをやればいいんだ、こういう感じで考え方を述べておるんですよ。私は本来はそうじゃないと思うんですよ。
 例えば、大蔵省の設置法の中にも行政の一環として金融という項目がありますし、郵政省の設置法の中にも、郵便貯金、簡易保険あるいは年金、こういう金融にかかわる部分というのが列挙されているのです、それぞれの行政組織法の中に。そうしますと、郵政省のやる金融部門というのは、大蔵省の言う民間の補完というのじゃなくて、大蔵省がやるべき金融の行政と郵政省が行う金融の行政、いわゆる貯蓄ですね、貯金だとか保険だとか年金だとかという仕事というのは本来両立をしてよろしいというふうに法律では明記をしているんじゃないだろうか、こういうふうに思うんです。ただ、郵貯が肥大化をしてきたものですから何とはなしに、少し郵貯肥大化で行き過ぎている、少し民間を圧迫し過ぎているんじゃないか、日本経済上うまくないんじゃないか、こういう一部の意見が働いてこういう格好になっているような気が私はするんですね。
 ですから私は、官業と民業というのは、最後に大臣が言われたように、あくまでも協調体制で、お互いに切磋琢磨をして国民の利益の増進を目的とする、私は本来ならばそれでいいと思うんですね。ですから、余りもうからない部分と言うとおかしいんですが、郵政省というのはもちろん営利事業じゃないですから、営利事業じゃないにしてもしかし公共性だけを追求して不採算になったらば、結果的には国民の皆さんの税金を郵政省は補助を受けなくちゃならないことになるわけでしょう。ですから、公共性と企業性を両立をさせて、しかも国民の皆さんに喜ばれるサービスを提供するというのが郵政事業全体の仕事だろう。ですから、不採算部門だけを担当させられたのでは、これははっきり言って大きな問題が残ります。要するに国鉄のあの赤字と同じように、郵政事業は赤字をどんどん抱えてにっちもさっちもいかなくなってしまう。こういう状況に追い込まれる。そのことの方がよほど国民の皆さんに迷惑をかけることになるんじゃないだろうか、こういうふうに私は思うんですね。
 ですから、官業が民業を補完をしつつ、はっきり申し上げて、郵政省は郵政省として適切な分野で適切な仕事をやっていくというのは当然のことであります。ですからその辺を、先ほどの大臣の言葉ですと、あくまでも官業は民業を補完をするんだ、こういうふうに限定をして物を考えない方がいいんじゃないだろうか、こういう気がするんです。その辺を、ちょっと大臣のお考えをお聞かせを願いたい、このように思います。
○小泉国務大臣 基本的に官業は民業を補完すべきものであるという考えてありますが、郵便貯金事業につきましても、郵便貯金法第一条に「郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用させることによって、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」
 この法律が制定されたときは、郵便貯金事業というのは、民間の金融機関と同じような事業を有することは想定してないと思うんですね。簡易で確実な貯蓄手段として提供された。それが現在は、簡易で確実な貯蓄手段だけではいかぬ、もっと民間がやっているのと同じように、貸し付けサービスまで展開しようとしている。そうなりますと、本当に官営の金融機関というのは必要であるかということをも議論しなければいけない、このままいきますと。この法律の第一条をどう読むのか、法改正が必要なのかどうか、見直しが必要だ、そういう面におきまして、私は法律を尊重して、法律の精神を生かして、そして新しい時代に対応したような各種制度はどうあるべきか、それを議論すべきじゃないかというふうに思っているわけであります。
○田並委員 今の大臣の話を聞いていますと、確かにゆうゆうローンであるとか、あるいはいわゆる教育ローンであるとか、いろいろやっていますよね。しかし、これは与信業務じゃないでしょう。与信業務じゃないと思うんですよ、これはまだ。大蔵省なんかでもこの仕事を郵政省がやることについて、一応話し合いをして決着がついたときの状況というのは、それは大臣も知っていると思いますが、これは与信業務じゃない。あくまでもその方の持っている貯金の額の範囲内。ですから、本来はお借りをしなくてもいいわけですよ、預金の範囲内なんですから。ただそうはいっても預金の範囲内で、例えば九割なら九割以内、預金額の九割以内で自分のお金をひとつ自分で用立ててもらうということで、これは与信業務には入ってないはずですよ、大蔵省の見解も。
 ただ、これからどういうふうに郵政省が行おうとするのかは別として、少なくも全国あまねく公平にサービスを提供する機関として全国ネットワークを持っている郵政省が、本当に銀行もない、金融機関もない、そういうところで手軽に自分の貯金を担保にして――担保じゃないんでしょうね、これ、与信業務じゃないですから。金を借りたりあるいは下げたり預けたりと、この仕事は郵政省の要するに貯金事業の大きな仕事の一つだと、サービス提供のための、こういうふうに私は思うんですよ。
 ですから、今大臣が言った与信業務というふうに、今までのゆうゆうローンであるとかあるいはいろいろな貸し付けをしている今の郵便貯金事業をどのようにとらえられているのか、これまで否定をされようとするのか、この辺についてお聞かせを願いたいと思うんですね。
○小泉国務大臣 今委員が御指摘された点も含めて、節度ある官民の役割というものを考えていかなければならないんではないか。ですから、法律の精神と現状と国民生活の利便度というものを考えながら、節度ある事業展開というのが必要ではないかと私は思っております。
○田並委員 それは大臣、与信業務がどうかということを私は聞いているのであって、貯蓄手段の一つとして便宜お客さんの持っている預金額の一定の範囲内で、割合でもって郵政省が、融資をすると言うとあれですが、お金を一応貸すわけですよね。これははっきり言って与信業務ではないと言っているわけですよ。与信業務ではないということは要するに、貯蓄の一つの手段という仕事を郵政省がしながら、その一方でお客様のサービスということでやっている仕事だというふうに認識をしているんですね。
 ですから、その辺はひとつぜひさらに勉強してもらいたいと思うんですが、私は今言われた官業が民業に補完をするだけでいいんだという、この物の考え方だけではいけないというふうに思うんです。というのは、今日まで百年以上にわたる郵政三事業の仕事の中で、かなり国民の皆さんには、郵政事業というものが国民生活の向上のために役立ってきましたし、また、日本の経済発展のためにも相当役立ってきたと思うんですね。そのことは、大臣、認めると思うんですよ、この郵政省の三事業というのは。
 それで私は、この郵政三事業の、郵政事業というふうにまとめて言いますが、この郵政事業の経営形態、それによるところの事業の発展、それと同時に国民経済に大きな貢献をしたということと、国民生活の向上、福祉の向上に貢献をしたということは一体的なものだというふうに思っているんです。要するに、郵政事業の経営形態というのは、もう大臣御案内のとおり、一つは国営で非営利です。全国にネットワークを持っています。それと同時に、独立採算です。三事業は一体です。これが今の経営形態ですわね。そのことによって何が今日まで郵政事業として行われてきたかというと、一つには、とにかく全国に国民の皆さんひとしくあまねく公平に郵政三事業のサービスを提供してきたということです。
 要するに、二万四千ある郵便局というのは、前の委員会のときに武部委員が言いましたように、二万四千のうち四一%というのは非採算ですよ、郵政省の発表でも。非採算、不採算です。採算のとれないる所です。だからといって、そういうところを、公的な窓口を置かないわけにはいかないですね、あくまでも国費非営利なんですから。もうかるところがもうかった部分を補う。したがって、地理的な普遍性というのを郵政事業は持っているわけです、地理的な普遍性というものを。
 私も埼玉ですけれども、かなりローカルな方なものですから、私鉄が残念ながら路線を撤収したり、バス路線をどんどん廃止しています。それは営利会社ならできるんですよ。また、これはどうにもならないんです。もちろん一定の基準に達すれば国の補助が出ますけれども、一定の基準に達しないところは出ませんから、どうやったって赤字が累積されれば撤収していきますよ。郵政省はおかげさまで全国ネットワークですからそのことをしない。採算がとれなくもやっていく。そのことによって、国民の皆さんにあまねく公平にサービスを提供している。
 それで、先ほどからの話のように、従来貯金事業というのはということで、簡易な少額の貯蓄を預かるだけなんだと言いましたが、じゃ、そこの住民の皆さんにとってみると、例えば郵便局へ行けば年金が受けられる、あるいは場合によれば、過疎の地域じゃなくて都会地でも、サラリーマンの人が例えば住民票が欲しい、しかし役場へ行くとどうも行き帰りの時間じゃ役所が閉まっちゃっているから、じゃ郵便局へ頼んでおこう、こういう役割も、全国ネットワークを持っているんですから、社会的な政策の一環というものを郵政省が担っておかしいことはないですね、郵政事業は。そのくらいのやはりネットワークを大いに利用した郵政省の仕事というのはどんどん開拓をしていいんじゃないかと私は思うんです。まさに国民の皆さんの喜ぶ郵政省として、大いにやるべきだと思うんですよ。
 ですから、そういう公的な窓口が全国ネットワークで展開をしているという、このことによって国民がどのくらい利便を受けているか、そのことを私は一つは言いたいじ、また、郵便貯金だとか簡易保険の資金が集まっできますと、それが保険の金は自主運用に回ったり、あるいは一年間は大蔵省の資金運用部に入る、郵貯は全額入る、今一部自主運用になりましたけれども、このことによって財投の資金の主要な財源としてこれまでの日本経済を支えてきたし、これからもまたそういう役割を果たすだろうと思うんです。郵便貯金がうんと集まったから財投にそのまま行って財投が膨らんでいるというのは絶対間違いですから。財投は財投で政府がちゃんと枠を決めて計画を立ててやるわけですから。財投に行かないお金というのは大蔵省が市中で運用しているわけですから。そういう意味で、大変このお金というのも国民経済にとっては、あるいは日本経済にとっては重大な役割を果たしているというふうに思うんですね。
 それともう一つは、個人がしてくれる貯金や保険、年金、これが国民の生活の向上、福祉の充実に当然貢献をしています。銀行では余り小口のはそんなに好まないですものね。本当に便利で確実で有利だということで郵便局を利用してくれるお客さん多いわけですから、ですからそういう意味では、それぞれの国民の皆さん方の生活の向上であるとか、あるいは福祉に、自助努力という観点から福祉の充実に貢献をしてきている。それと、郵便事業についてもそうですね。これは非常に安い料金で全国ネットワークを活用しての通信手段というものが国民に提供されているわけですから、私は本当にすばらしいことだというふうに思うんです。
 それと、実は官業であるからこそできた仕事が幾つかあると思うんです。またそれを民業の方では、郵政省がそこまでやるんじゃうちの方もサービスを開始しようということでやってきた仕事が幾つかあるんですね。その一つが住宅積立貯金、これは民間では住宅ローンになっているわけです。それと、ゆうゆうローンというのが開始をされますと、それがまた民間の金融機関では庶民ローンという形で発展をしている。進学積立貯金を郵政省が始めようとすると、民間は今度は教育ローンを始める。国際ボランティア貯金はしましたが、まだ民間ではやられておらないようですが、私は、こういうのはどんどん民間もまねてもらってやるべきじゃないか、こう思うんです。あるいは、新しい郵便年金制度が個人年金の普及の先鞭をつけた、郵政省の仕事が。
 このように私は思いますし、つまり、官業と民業がお互いに切磋琢磨をして、これ全部、貯金も保険もすべて民間になるということは、それは大臣が考えていることかもしれませんが、私は、こういう世の中だからこそ民業であれ官業であれお互いに切磋琢磨をして、しかし官業は民業を圧迫しないように、圧迫をしてはいけないと思うんですが、しかし、適切な業務というものを開拓して民業にも刺激を与えていく、こういうことも私は官業の仕事としてあるだろうと思うんです。こういう今までの長年の郵政事業の歴史を考えてみて、大臣が、大臣になりました、だから今の貯金は、あるいは保険は、郵便はということで、経営形態のことまで口にするというのはいささか行き過ぎではないか。
 要するに、今までの郵政事業の果たしてきた役割というものをしっかりと大臣が認識をされた上で、なおかつ二十一世紀に向けて、この今言った四つの原則、四つの原則というのは、要するに郵政省の経営形態の問題ですよ、全国ネットワーク、国営、非営利、しかも三事業一体、独立採算、これを最大限生かして、二十一世紀に向けて郵政事業というのをさらに国民の皆さんのために、あるいは日本のためになるようにするためにはどうしたらいいのかという観点でやはり郵政事業というのを見てもらいたいと思うんですよ。そうじゃないと、大臣がこれまで大臣に就任されて以来言われてきたことを一つ一つ客観的に反すうしてみますと、どうも、どこかのところからの考えが大臣の頭の中を占めてしまって、どうも郵貯悪者論みたいな格好で話の根拠というものができ上がっているような気がしてならないんです。
 重ねて申し上げますが、ぜひひとつ郵政事業の今日まで果たしてきた役割、それらを十分認識をされて、今後二十一世紀に向けてさらに国民のためになる郵政事業として何をするべきかということを真剣に大臣として考えていただきたい、このように申し上げたいのです。所信をお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 まさに郵政事業というのは、民の足らざるところを補って、全国あまねくいろいろなサービスを提供している。そういう点におきましては大変意義のある仕事をしてきて、また現在も多くの国民から信頼され、いろいろな事業を展開しているということを否定するものではありません。しかし、同時に、これからの新しい社会を展望してみますと、それぞれの事業とか組織というものを見直していかなければならない、そして国の全体の仕事も、やはり行政の肥大化をできるだけ阻止して行政の簡素化を目指すというのは、与野党共通している一つの目指すべき方針だと私思うのであります。
 確かに国民にとりましては、足のことを考えましても、国鉄においてもバスにおいても、全国津々浦々新幹線とかあるいは鉄道路線が敷設されれば、これはみんなその地域の方々は利便が向上し喜ぶわけでありますね。しかし、それを突き詰めていきますと、国民の貴重な税金を投入しなければいかぬ、その辺の兼ね合いが難しいと思うのであります。国民の利便を考えるのも当然であります。そして国民全体の負担がどの程度が適当かということもやはりあわせて慎重に考えなければいかない問題だと思います。
 現在も、郵便貯金というのは財政投融資の貴重な資金としてそれぞれの機関に有効に活用されている。また財政投融資制度も非常に重要な存在だと私は思います。しかしながら、今、国全体の行財政改革という視点から眺めてみますと、資金をどのように有効に効率的に使うかという場合におきましても、貯金する方にとりましては金利は高い方がいいに決まっております。なおかつ、そうしますと、今度は借りる方を考えますと、金利は低ければ低いほどいいわけですね。ですからそういう点、政策金融におきましても、どの程度の税負担がいいのかという視点も大事じゃないか。
 現に財投資金というのは、郵貯資金が今かなり潤沢にありますから、採算の合わない問題でも国民生活に重要だと思えばいろいろ事業展開していかなければならない。そういうことで、各財投機関もたくさんありますが、住宅金融公庫とか、農林漁業金融公庫とか、あるいは国民金融公庫とか、中小企業金融公庫に対しては一般の民間金融機関ではできないような低い金利で、そういう資金が必要な方には貸し付けて、提供している。その足らざる部分は一般国民の税で負担をしているわけであります。現在、もう既にそういう各機関に対して政策金融の利差補給というのは、平成五年度予算におきましても平成四年度予算におきましても五千億を超えている。
 なおかつ、国鉄が民営化されましたけれども、国有鉄道の時代における、あの路線も必要、この路線も必要、確かに地域の方の利便には大きな意味はあると思いますが、その負担にも限度がある。ある程度採算のとれない、また税負担の大きさに耐えられないというところは、それぞれ考えて撤退しなければいかぬということもあり、ある地域においてはそういう路線が廃止されてきた経緯もあると思います。現に、民営化されましたけれども、民営化された時点におきましては、かつては赤字であった部分も黒字に転換している部分もある。しかしながら、財投資金を投入しているといいましても、国鉄清算事業団につきましては既に累積債務が二十六兆円にも上っている。この負担を将来どうするのかという問題も、まだ返済のめどが立っていない。これは……(田並委員「大臣、私は郵政事業のこれまでの果たしてきた役割についてどう評価をするかと……」と呼ぶ)今全体のことを私は、私の考え方を聞かせていただきたいと言うから言っているわけであります。
 それで、郵政事業とも関係があるものですから聞いていただきたいと思うのですが、そういう意味において財政投融資制度も本来は、確実で有利な運用をしなければならないということをきちんとうたってあります。財政投融資先が本当に確実で有利なのかという点検も必要でしょう。財投機関、現在調べても数え切れないほどたくさんあります。そういう機関が本当にこれからも必要であるかどうかということも見直す必要があるのじゃないかという点も考えて、財政投融資制度あるいは郵貯制度、行財政改革、すべてつながっている問題であります。
 郵政事業は郵政事業、財投とは関係ない、郵政は集めるだけで貸し付ける先は関係ないといえるかもしれませんが、国民全体経済から見れば、行財政改革を見れば当然関係は出てくるわけであります。政治家としてそういう点も見直さなければならないし、現にことしの宮澤総理の施政方針演説においても、あらゆる行政組織の見直し、役割の見直し、そういう点を検討していかなければならないし、変革していかなければならないということをはっきり演説でもうたっているわけであります。我々としても、そういう行政の肥大化から行政の簡素化へ進むべき方向というのを考えながら、いろいろな事業というものを見直していく必要があるのじゃないかということを私は言っているのであります。
○田並委員 どうも質問と違うので戸惑うんですが、大臣が言うその行政の簡素化というのを一つとらえてみても、何か郵政省が税金をどんどん使っているような、そのために簡素化しなければいけないというふうにもし大臣が考えていたら、これは大きな間違いです。例えば財投の関係にしたって、これは郵政省と大蔵省の間で新しい金利の制度というのを設けたわけでしょう。かっては固定金利でしたけれども今は市中金利に連動してとかなんとか、いろいろな取り決めでやっているわけですから。それで、差額を入れるかどうかというのは政府全体の政策の問題であって、郵政省が要求しているわけじゃないでしょう。これはひとつ間違えないようにしてもらいたい。
 それともう一つ。例えば財投の中でもいろいろな整理統合しなければならない問題があると思うんですよ。東北金融公庫があったり北海道金融公庫、いろいろな金融公庫があって、それぞれにみんな総裁がいて、そんなむだな人件費は使うことないんですから、そういうのはひとつどんどんやってもらって結構です。ただ、郵政事業と財投というのをそういう格好で結びつける発言というのが前にもありましたけれども、私はちょっと腑に落ちないんですよ。例えば財投がなくなって、じゃ、民間の金融機関だけに頼って、今民間が貸し付けている金利でそういう公共的な仕事のところに貸し付けた場合に差額が出るんですよ、今の財投の金利より民間の金利の方が高いんですから。その分はどこが持つんですか。これも国民が持つんですよ。
 ですから、財投というのは国の政策の方針として、第二予算と言われるくらい、いろいろな意味で国民生活に関係するところへ低利で長期に貸し付けよう、それで郵便貯金だとか簡易保険の一部というのがそれの資金の主要な原資として使われているわけですから、それが五千億出てくるのはどうもけしからぬというのは、ちょっと筋が違うというふうに思います。ですからその辺はひとつお考え――これは聞かなくたって意見が違うんですから、私はこれが絶対正しいと思っていますので、その辺は言っておきます。
 それと、確かにこれからいろいろな行財政の見直しをするのは私は結構だと思います。だからといって、今までの郵政事業が果たしてきた役割を全然無視しちゃってこれをさらに発展させるというのは、はっきり申し上げて見直しだろうと私は思うんです。
 例えば、二十一世紀というのは本当にかなり激動の世の中だろうというふうに言われておりますが、一般的には国際化であるとか、情報化であるとか、高齢化であるとか、あるいは金融自由化であるとか、地球環境保全の重要な課題があるとか、いろいろ言われておりますが、突き詰めると、大臣の所信にもありますように、国民一人一人がひとしく豊かさとゆとりが実感できる生活大国、私は生活大国ということよりも生活者大国にしてもらいたいと思っているんです。個人個人がゆとり、豊かさが実感できるように、これが一つだと思うんです。
 それともう一つは、今盛んにあらゆるところの人が言っていますが、中央集権から地方分権にしてほしい、中央集権じゃなくて地方分権だ。これが民主主義の根幹だというふうに言われていますから、当然それが大きなキーワードの二つ目になると思います。
 それともう一つは、日本がこれだけ大きな国になってきた、今でも国際貢献をしておりますが、真の国際貢献は何だということが二十一世紀に向けて当然方向として私は出てくると思う。それともう一つは、地球環境保全の日本の役割というのが当然問われてくると思う。こういう大きな課題が二十一世紀に向けて出てくるわけであります。
 その中で郵政省というのは、じゃ何をやったらいいんだろうか。大臣の所信の中には、一つは、生活大国に向けて生活基盤の整備を推進するために郵政事業としては後押しをする、全国ネットワークを活用してそういう後押しもしよう、あるいは国際的な郵便電信電話事業に対して大きな貢献もしていこう、これはボランティア貯金なんかもその一つですね、国際的な福祉の仕事に対してやるわけですから。それ以外にも、要するに国土の均衡ある発展のためにいろいろやっていこう、いわゆる中央集権から地方分権に移そう、こういう気持ちもにじんでいるわけです。これは郵政事業として大変に結構なことなんです。
 ところが、これが民業でできますか、こんな立派なことを言っていても。私は、さっき言った四つの郵政事業の持っている経営形態があればこそできる仕事だと思うんですよ、二十一世紀に向けても。ですからそういう意味で、本当に郵政事業を見直したり、あるいはいろいろなことをやろうとしたらば、根本をきちっと押さえていただいて、今までやってきた大きな成果というものをさらに二十一世紀に向けて国民の皆さんのために花を開かせていこう、あるいは先ほど言った四つのキーワード、これについても郵政省としては、郵政事業という場面を通して大いに発揮していこうということで大いに論議をしてもらって、方向を示してもらいたいと思うんです。
 もう既に、郵政省はかつて、郵政省の将来ビジョンであるとか、あるいは郵便局の将来ビジョン懇談会の中間報告であるとか、郵政省の地方政策に関する懇談会の報告書であるとか、いろいろなものを私もいただいていますが、大変立派なことが書かれています。これは郵政省が独自でつくったものじゃなくて、それぞれの専門家の先生方にお願いをして、これからの郵便事業あるいは郵政事業というものほかくあるべきだと、社会経済の変化に応じて。今までの成果を土台にしてさらにそれを発展させていこうという方向が出ているんですよ。
 ですから、大臣はぜひその方向で自分のお考えをどんどん言っていただくと同時に、あわせて先ほども言った現在の国営、非営利、全国ネットワーク、独立採算、三事業一体、この基本線をしっかり踏まえて、その中で官業の役割としてこれからの二十一世紀に向けての郵政事業のあり方というものを、ぜひひとつ方向として具体的なビジョンを示していただきたいと思うんですよ。
 先ほどの笹川先生のお話ですと、そんなに長く、大臣というのは一年かそこらでかわるそうですが、これをひとつ郵政大臣として、置き土産としてつくっていってもらいたいんですよ。やたらに経営形態がどうだとか貯金がどうだとか、そんな細かなことじゃなくて、二十一世紀に向けて、郵政事業かくあるべき、そういうものをひとつお土産に残しておいてくださいよ。我々もどんどん意見を言いますから。いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 まさに郵政事業の重要性というものを御指摘いただいたと思うのでありますが、そのいい点というものを伸ばしながら、これからのあるべき郵政事業というものはどういうものかということを見きわめながら、いろいろ検討していく必要があると思います。
○田並委員 もう時間がありませんので最後になりますが、私どもの上田利正委員が、前回の委員会のときにマル老の問題で、どうも大臣就任後の新聞社のインタビューの際に、マル老の限度額引き上げは非常識とさえ思うと、大臣はこういう発言をされました。これは先ほども冒頭私が申し上げましたように、歴代の大臣もこの逓信委員会も、福祉の向上の一環としてマル老の引き上げは必要ではないかということでやってきているわけですね。そうすると、大臣の発言を聞くと、思うというんですから、思うというんだから、断言して言っているわけじゃないからそんなにもあれなんでしょうけれども、とにかく、非常識とさえ思うと。そうすると、今までの大臣の発言やら、この委員会の決めてきたことというのが非常に不見識にとられるんですね。
 ですから、私はぜひこういう発言について、大臣という公的な立場に立った場合は、先ほどの笹川先生の話じゃないんですが、この辺は少し訂正するものがあればやはり訂正しておいた方がよろしいのではないだろうか。私は、郵政大臣個人の発言というのはないと見ているんですよ。郵政大臣というのは、もう大臣ですから、三十万の郵政職員の長になっているわけですから、しかも国の大変重要な閣僚の一人ですから、そういう意味で、この上田さんの質問に対して、その事実を認めながらも撤回をする考えはないということを前回は言われたわけでございますが、やはり私は変えてほしい。大臣がやはり立派な大臣として、先ほどお願いをしたように、二十一世紀に向けての郵政事業の将来ビジョンまでしっかりと打ち立てる大変立派な大臣だったと、このように言われるためにも、この辺は撤回するものは撤回をしてほしい、このように申し上げておきたいと思います。
○小泉国務大臣 私の就任以降の議論の過程で出てきた言葉をとらえて指摘されているのだと思いますが、日本語というのはなかなかいろいろな面にとられるのですが、議論の過程にはあったと思います、いろいろな面が。それで、私自身、結論が出るまではいろいろ大臣としても、議員としても、政治家としても、言う必要があると思って言いました。確かに発言を見ますと、非常識ではないかというような面もあったと思いますが、これは議論の過程で、引き上げる必要はないんじゃないかということを強調した中で出てきたのだと思います。しかし、それをとらえられて、その言っている方自身、あるいはこの委員会で真剣に議論してきた方々たちまでが非常識な人間だというふうにとられれば、全くその気持ちはない。
 日本語でも、ばかと言って、ばかって真受けにとる人もいるし、本当にああいとおしいなという気持ちを含めてはかと言う場合もあるわけですね、現に日本語というものは。そういうものなんです、日本語というのは。そのときの情勢で、その言葉言葉をとらえて、おまえ撤回しろ、撤回しないとなると、これは国会の議論のあり方として、お互い政治家同士としてはまた非常に別のまずい影響が出てくるのじゃないかなと。人間ですから、あなた嫌いと言いながら本当は好きな場合もあるわけですよね。それを勝手に、おまえ嫌いと言ったじゃないかという、だから、日本語というのは考えると非常に難しいんです。
 それを非常識だと言っても、何かを強調したいという意味があるわけですから、自民党の中でも憲法改正が必要だ、護憲が必要だといろいろ議論がある、どんどんやっている。そういう中でやって、発言――私は決まったことについては当然従う。私自身の考えがすべて通ると思っていませんし、むしろ私個人の考えの通らない面がたくさんあるのです。それは心得ております。ですから、そういう言葉の端々をとらえられて、これを、おまえ撤回しろ、撤回しないというと、逆の立場に立った場合においても、政治家同士として、議員同士として、これは本当に建設的な国会議員としての討論が、これでいいのだろうかということにも発展しかねない。
 ですから、私は別に皆さん方自身を、非常識と言ったことは、そういう意味ではない、ただ、そういう当時の私の考え方で納得できないなという点を強調したものでありまして、皆さん方を誹謗するという気は全くないということをぜひとも御理解いただきたいと思うのであります。
○田並委員 私は別に言論を統制しようとか、憲法に抵触するようなことを言っているのではなくて、少なくも郵政省の長になって、しかも閣僚ですから、そういう方の言動については、主観的に見た場合と客観的に見た場合とそれぞれ違いますので、それなりに相当の慎重を要する、こういうことでひとつ理解してもらって、そのように努力をお願いしたい。このことだけ申し上げて、時間ですから終わります。
○亀井委員長 次に、田中昭一君。
○田中(昭)委員 閉会中の議論も含めましていろいろ議論がなされていると思いますし、私、きょう初めて来ましたけれども、ダブる点もあると思いますが、限られた時間ですが、昨日の大臣の所信表明の中で言われたことに関連いたしまして、数点について大臣の御見解をいただきたいというふうに思っています。
 少し今までの議論と趣が違うと思いますが、郵政大臣がかわられて今後の郵政事業をめぐっていろいろ議論がございます。そのように行政あるいは政治、ポイントになる方がかわられた場合にはいろいろその影響力が大きいというふうに思います。
 今、日米構造協議なども含めまして日本とアメリカとの関係、非常に密接不可分、重要だと思います。アメリカでクリントン・ゴア政権が誕生いたしました。特にアメリカの政治や経済が国内経済の建て直しを中心にしましてかなり大きく変わるのではないかな、こう言われております。アメリカの政治や経済の変化というのは、我が国の政治経済、生活にも直結してくる、こう思います。
 この中で、いわゆる情報通信分野がその影響を受けてどう大きく変わってくるのか。郵政事業の全体に及ぼす影響は一体どういうことになるのか。特にゴア副大統領は上院議員時代から、高速、広帯域の情報インフラを全アメリカに展開をする、こういう構想を推進されたように、情報通信分野を米国産業の活性化の核に据える、こういう考え方で今まで政治に携わってきた。特にブッシュ政権と違いまして、今後アメリカでは、連邦政府によって強力な支援を行って、そういう中で情報通信を取り巻く環境が極めて大きく変わって
くるだろう、こういうふうに専門各誌が報道をしているわけです。
 したがって、国際政策の面では、米国の通信事業者や機器メーカーによる諸外国の電気通信事業へのアクセスがかなり増大するだろう、こう言われておりまして、新聞などを見ますと、早くもカナダやメキシコとの間で新たな情報通信分野での貿易協定が締結をされておる、こう言われております。特に日本とECについては、いずれも情報通信サービス等、機器のオープンという面では、アメリカから見て極めて保守的な傾向にある。したがって、今後は日本とECに焦点が当てられるのではないかな、こういうふうに言われるわけです。
 そうしますと、我が国の電気通信市場への影響もかなり大きく変わってくるのではないか。電気通信政策とか郵政事業というのは、今からは、単に国内だけの問題ではなくて、国際的な視野で考える場合には、ここらの見方、分析というものほかなり今の段階で慎重にやって、将来についてどう見ていくのかということをきちんとしなければ、今後の電気通信政策というものは極めて大きな問題が出てくるのではないか、これは今、専門各誌で指摘がされておるわけですね。
 きのうの所信表明の中でもそういうことが言われておりまして、かなり大きな影響があるだろうということが一言触れられておりますが、アメリカの政権が変わったことによって、今後、日本の電気通信政策にどういう影響が出てきて、我が国としてどういう対応が必要だというふうに今日の時点で郵政大臣としては認識をされておるのか、ここのところをまず冒頭お聞きをしたいと思います。
○小泉国務大臣 委員御指摘の点、私は全く同感のところが多いわけであります。
 電気通信分野の進歩というのは、まさに日進月歩といいますか、驚くべき速さで進んでいる。国境を越えてそれぞれ各国がこの分野に力を入れておる。日本としても、電気通信分野の国内の競争も今すさまじいものがありますが、同時に将来、国際競争というものを考えていかなければならない。そういう面においての対応と同時に、国際競争の中での国際協調、市場開放、こういう点を見据えながら健全な通信事業の発展等、国民の利便に供するような対応が今迫られていると思います。
 これから電気通信政策というのは、郵政省といたしましてもいろいろな方々の意見というものを聞きながら、国際社会に対応できるようなしっかりとした基盤をつくっていきたいというふうに考えております。
○田中(昭)委員 抽象的には言われるとおりだと思います。今後も別途の場で具体的に議論をさせていただきたいと思います。
 そういう国際的な情勢の中で我が国の電気通信の状況というのは、一体今どういうふうに郵政省が見ておられるのかという点なんですが、御承知のように、我が国の電気通信というのは自由化されたわけですね。その結果、電気通信市場が活性化されているのかどうなのかという見方が、今食い違いがかなりいっぱい出てきておるわけです。昨日の大臣の所信表明では、活発な参入が進んでおる、そして良質で安い多様なサービスが進展している、こういうふうに言われているわけです。しかし、私は、世間ではそう見ていない面があるのではないかというところを少し強調していくことが必要ではないかと思っているわけです。
 通信の自由化後、NTTとKDDが独占をしていた市場に新規事業者が多く参入をしまして、事業者の数は一気にふえているわけです。もう御承知のとおりであります。しかし、現在新しく参入をしたNCCなどが提供するサービスとか料金というのは、余り特徴のあるものがまだ出てきていない。各社横並びで、NTTやKDDがやっておるサービスを超えるような、いわゆるユーザーが見て本当に通信の自由化がなされてよかった、こういうようなサービスなどがなされておるかどうか。これは、パイが余りふえていない、したがって、既にある市場の中で既存のNTTやKDDあるいはNCCがバイの分捕り合いをしておる、いわゆる市場拡大がなされていない、事業者もユーザーも必ずしも満足感がない、こういうふうに見られておるわけで、それは大臣のきのうの所信表明とはやや食い違いがあるのではないかなというふうに私は見ているわけです。
 この原因が郵政省の通信政策にあるのではないかな、こういうふうに思っておるわけで、したがって、郵政省は日本の電気通信事業に対してどのような将来像を描いておるのかということをもう少し鮮明にすることが必要だろう。
 それから、もう一つ言われておることは、現行の許認可制度とか行政指導などによって事業者を余りにもがんじがらめに規制するやり方が強過ぎるのではないか、したがって多様化するユーザーのニーズにこたえることができないのではないか、こういう指摘が非常に強いわけです。したがって、通信の自由化をやりましたけれども、ユーザーも事業者も余り恩典にあずからずに、結果的に悪いことで言いますと、郵政省だけが許認可権を握り込んで官僚風を吹かしておるという、そこに問題点があるのではないかなという指摘が一方ではあるわけですね。
 したがって、先ほどの国際的な関係も含めまして、こういう点についてきちんとやらなければ今後の電気通信政策というのはうまくかみ合っていかないのではないかな、こういう点がかなりあるのではないかな、こう私は見るわけです。
 この点について、きのうの所信表明との関連を含めまして、郵政大臣の見解、これも具体的には今後議論したいと思いますので、その基本的な考え方を少し教えていただきたい、こう思います。
○小泉国務大臣 私も就任以来、委員御指摘のような批判を多々耳にします。ですから、そういう批判を今後のあるべき電気通信行政に生かしていく必要があるということで、よく検討して、皆様方のこれからの電気通信政策誤りないような形を整えたいということで、今省内で検討している最中であります。ですから、そういう御意見もこれからもどんどんお聞かせいただきたいと私は思っております。
○田中(昭)委員 今私は、アメリカの政権交代による我が国に対する電気通信政策の変化の問題と通信自由化後の我が国の電気通信の事業の実態などについて少し基本的な見解をお聞きをいたしました。今後さらに引き続いて議論をしたいと思いますが、それほど今日やはり郵政省でも、郵政三事業に限らず、電気通信局とかあるいは通信政策局などが設置をされまして、今後の情報化分野におけるリーダーシップを郵政省がきちんとはっきりしてもらわなければ日本の政治の中でも大変問題が出てくるんじゃないかな、私はこういう立場からこの問題の提起を実はしてみたわけです。
 そこで、今度はちょっと次元が下がるんですけれども、この新聞、これ朝日新聞なんですが、二月十二日、先週の土曜日の朝日新聞の夕刊のトップなんですね。トップ一面記事なんですが、もう郵政大臣もごらんになったと思うんですね。今申し上げましたように、極めて重要な立場にある中で、ここに出ておるのは、まあ郵政大臣の写真も載っているわけですが、一面トップで、しかもこれはスポーツ新聞でも週刊誌でもないわけで朝日新聞ですから、やはりこれはもう日本の最高の新聞だと思うんですね。ここで一面トップでどういう見出しがついておるかというと、「小泉郵政相VS郵政族」とか、これはプロレス並みに扱っておるわけで、「「自分流」貫く三代目小泉氏」とか「「大臣と考え違う」郵政幹部はソッポ」「村八分でも初志貫徹を」、これ見出しなんです。お読みになったと思うんですね。
 例えば、貯金にしても簡易保険にしても郵便にしても、郵政職員が本当に汗を流して一生懸命働いている。電気通信の分野においても放送事業の分野においても、激しい競争下の中で懸命にお互いに勉強しながら、努力しながら働いているわけですね。そういう職員から見た場合にこれはどういうふうに映るかという問題。これは私は、士気に影響するどころじゃない、極めて大変な問題だ、こういうふうに実は思うわけですね。また、国民が見た場合に、一体どうなっているんだ、日本の政治は、それでなくても政治に対する不信感は極めて大きいわけで、物笑いの種だろうと思うんです。
 私は逓信委員の一員として、本当にこれは恥ずかしい思いが実はするわけですね。そんなことをやっている時期じゃないんじゃないか。郵政事業にしても、これはもう電気通信事業にしても、もっともっと政治家として真剣に考えなければいけない、そしてまじめに働いておる多くの職員にやる気を起こさせるようなそういう施策が極めて必要じゃないかな、こういうことを実は痛感をするわけで、この新聞を見まして私の家内も笑っているわけですよ。逓信委員会、一体何しているんだ、こう言われているわけですよ。今度の郵政大臣というのはどんな人なんですかとみんな聞くわけですよ。そういう意味では、こういう状況について大臣は一体どういうふうに大臣就任以来認識をされておるのかということを、その考え方をもう少し私はきっちりお聞きをしたいなと思います。
 同時に、今申し上げましたように、もう事業は国際的に極めて難しい時期に来ているわけですから、今後の郵政事業全体について、どういう方針で職員の士気を鼓舞してやっていこうとされておるのか、この点をきちんときょうはお聞きをしたい、こういうふうに思います。
○小泉国務大臣 私もその記事は読みました。いろいろおもしろおかしく取り上げている面もあると思いますし、話題を提供しているのは事実だと思いますが、基本的に私自身、郵貯を否定したり、今いろいろ事業をやっている方の努力を評価しないなんということは全然考えてもないし、言ったこともないんです。たまたま大臣就任以来のマル優等の問題、これが役所の方針と違ったということのために、全くすべて大臣の考えと役所の皆さんあるいは逓信委員会の皆さん方と全部が違うんだという面もあるし、同調すべき面もあるわけでありますし、将来の見直しが必要だという言葉が現状を否定するかのものだというふうにとらえられたら、これは私の本意ではございません。現時点のいい点を伸ばしつつ、そして将来あるべき見直しということを考えるのはだれでもの当然の責任だと思いますし、私の考え方とそして役所の考え方が違っている点があれば、それぞれ議論しながら調整していく必要がある。
 電気通信分野におきましても郵政事業につきましても、国民生活に実に深くかかわっている問題でありますので、これから私の発言がもし今までの考え方と違っているからといって、今までの事業を全部否定するものでないということをまず御理解いただくということ。と同時に、今のままでもいいとは思っていない。やっぱり将来改善すべきことは改善しなきゃいけないんだ、こういう視点も重要じゃないか。今までやってきたことについて、外の意見についてこれは違うと言うことよりも、一歩踏みとどまって、いろいろな外部からの批判というものをやっぱり謙虚に受け入れて、果たして自分たちの意見とどこが違うのか、そういう柔軟な姿勢も大事だということを私は役所の幹部にも言っているわけであります。そういう体制を整えつつ、郵政省の仕事というのはあらゆる分野において国民生活に非常に重要なものが多いものですから、そういう国民生活の利便に供するような事業展開に向けて、一体となって私ども協力して国民の御理解を得たいと、これからも私努力していきたいと思っております。
○田中(昭)委員 これは三文新聞でないわけで、ちょっと引用したんですが、私もスポーツ新聞とか週刊誌を取り上げるつもりはないんですが、これはもう何といっても一流紙ですから、そこでこれだけ大きく取り上げられておるわけですから、今大臣が言われた、いわゆるここに書いておるように「「自分流」貫く三代目」とか「村八分でも初志貫徹を」、これを読むと人の意見は聞かない、こう読み取れるんですが、今の大臣の発言ですと、言うことも言うけれども聞くことも十分聞くということですね。そのことはやっぱりきちんと今後大臣としていろいろ仕事をされる際に私は極めて大事なことではないかな、こう思います。
 そこでもう一つ。これは、私は郵政職員とのコミュニケーションを図る機会が非常に多いわけで、ぜひ大臣に聞いてきてほしいというのがございます。
 大臣就任の第一声の中に、省益より国益を優先してやる、これが私は大臣の就任第一声だった、こう思う、私もテレビ見ておりましたけれども。そこで、省益とは一体何か、国益とは何か。省益と国益というのは一体違うのかということについて私よくわからないところがあるわけで、私はこの省益と国益というのはイコールでないとおかしいんじゃないかなという気が実はしているわけですね。
 各省庁がそれぞれの分野について責任を持って業務を指導し、遂行していく。郵政分野ですと、郵政大臣を頂点にしましていろいろ業務指導、督励をやるわけです。それに従って郵政職員は懸命に努力をしてまじめに働く、こういうことになるわけですね。これは郵政職員一人一人が総理大臣から直接命令を受けるわけじゃないわけで、これは郵政省、郵政局を通じていろいろ業務指導が来るわけで、それに忠実に従ってまじめに仕事をしておる。ところが、それが省益であって国益ではない、いわゆる国益に反するということになるとすれば、この職員は一体だれの指導に基づいて仕事をしていくのか、こういうことにつながってくると思うんですね。
 そういう意味では、省益イコール国益、郵政省なり郵政局の指導に従って一生懸命仕事をする、これはやはり国益だ、国のためにおれたちは一生懸命仕事をしているんだ、こういう気持ちにならないと私は少しおかしいんではないかなという気がするわけです。ですから、郵政職員が、おれたちは国益に反するような仕事をやっているのか、こうなってしまうとこれはやはり少しおかしいんじゃないかな、こう思うわけです。
 大臣が言われた省益より国益を優先してやるという場合に、それでは郵政省は国益に反した仕事をしているという認識に立たれて、省益と国益というのはやはり違うんだ、こういう判断に立たれておるのか。ここのところはやはりきちんとした方が――トータルとして今いろいろ議論になっておることの最終的な決着点はそこらにあるんじゃないかな、こう思うんですが、この点について少し御見解をお聞きしたいと思います。
○小泉国務大臣 それは省益が国益だという考え方も十分理解できます。同時に、いろいろな問題で各役所がぶつかり合う場合がある。各役所がそれぞれの権限維持あるいは権限拡大に熱心さの余り、それぞれの仕事の面においてぶつかり合う場合もあると思うのであります。それは省と省の間でのみならず、役所の各局でもあり得ると思うのです。そういう場合には、やはりいろいろな役所間の見方というのは違う場合もありますから、総合的な観点から省の主張というものをある場合は見直さなければならない面もある。同時に、省の言い分がこれまた、当然国益につながる面、の方がむしろ多いと思いますが、そういう場合もある。
 恐らく、局あって省なし、それから省あって国なしという言葉よく聞かれますが、いろいろな場面においてそういう問題というのは、具体的なものはどうかと聞かれればちょっと困りますが、そういう意識というのはやはり大事じゃないか。これからもいろいろな問題が出てくると思いますが、やはり国益という主張をする場合にも、国の全体の利益を考えでほとんどの政治家が行動している。ところが、日本の国の考えていることと外国の考えていることが全く違う場合、それは苦しい選択を迫られる場合があるかもしれない。
 それと同じように、省の考え方、役所の考えていることがこれはもうすべて国益なんだと当然考えていることがたくさんありますが、省がぶつかった場合に果たして全体から見てどうなのかという場合がたくさん出てくると思います。そういう場合には、単に省の立場というよりも国全体の立場から見てどれが正しいかという観点から考えたいというのが私の基本的な姿勢でありまして、省益より国益優先というのは私の政治姿勢の基本的な考えを申し上げたわけであります。
○田中(昭)委員 言われることはわかる点もあるんですけれどもね。しかし、国益と省益が違う場合に、省益として例えば郵政省なら郵政省は国益に反することでもやられるということなんですか、これは。そんなことがあり得るということなんですか。その辺は、議論としてあったとしても、具体的に業務を指導し遂行するという場合には国益イコール省益でないと、国益に反するけれども省益で指導してやらせる、こういうことがあり得るとするならば、まじめに働く職員というのは私は大変気の毒な気がするんですが、その辺はやはりもう少しきちんとしておいた方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○小泉国務大臣 国益に反するようなことはすべきでない、当然であります。ただ省のことだけを考えればいいということでもないと思います。それぞれ役所というのはいろいろな仕事が入り組んでいます。各局もそうであります。省でもあります。郵政省の仕事と通産省の仕事、意見が違う場合もある。郵政省の仕事とあるいは大蔵省の意見と違う場合もある。そういう場合にどちらの主張を通すかという場合、やはりどっちかが譲り合うとか妥協し合うということが必要だということを私は言いたいのであります。
○田中(昭)委員 時間もないので、ちょっと次に行きたいと思います。      、
 もう一つ、大臣発言で、官業は民業の補完に徹すべきだ、そういう中で、預金の問題につきまして、個人の預貯金の残高の三割のシェアは多過ぎる、これは郵便貯金民営化を探る一つの根拠になってくるだろうと思うんですね。
 実は私は、個人の預貯金の残高の三割のシェアが多過ぎるとは思わないんですが、この点について、一つは、これはまあ国際的な視点から、先進諸外国、例えばイギリスとかフランスとかイタリアとかドイツなどですが、ここには郵便貯金のほかに、国によって形態は若干違いますけれども、庶民に貯蓄を奨励すると同時に、金融取引において弱い立場にある庶民を保護することを目的とした、営利を目的としない非営利の貯蓄銀行、こういうものが設置されているわけですね。この点について大臣御存じですか。
○小泉国務大臣 詳しく細部までは見ておりませんけれども、そういう制度があるということは知っております。
○田中(昭)委員 この外国にある非営利の貯蓄銀行に受け入れられた金、資金というのは、預金者への住宅貸し付けとか、あるいは道路とか学校とか病院など、いわゆる地域に還元することによって国民生活の充実を図って福祉の向上に役立てられている、こういう実績があるわけであります。したがって、貯蓄銀行の国際組織として国際貯蓄銀行協会、略してISBIという組織があるわけですが、これには世界で八十九カ国、百二十四の機関が参加をしておるということになっているわけです。
 これは、日本の郵政省が貯金で集めたお金を財投などで先ほど言ったような生活や福祉のために使っておるのと大体同じような意味合いだろう、こう思うわけで、これは世界的にもかなり高い評価があるわけですが、この国際貯蓄銀行協会に日本で参加をしている機関がどれくらいあるのか、御存じですか。
    〔委員長退席、川崎(二)委員長代理着席〕
○小泉国務大臣 承知しておりません。
○田中(昭)委員 今申し上げました世界八十九カ国で百二十四の機関が参加している国際貯蓄銀行協会に日本で参加しているのは、これは郵便貯金だけなんですね。ほかの銀行は全く参加していない。それはかっては、昭和二十四年くらいまでは日本にも非営利の貯蓄銀行的なものがあったわけです。日本の金融界の状況の中で非営利でこういう経営をしていくということは極めて難しい、こういう状況の中で、もう今郵便貯金だけが残っているわけですね。
 そこで、先ほど申し上げましたけれども、郵便貯金、貯蓄銀行、非営利の金融機関が、例えばイギリスの場合は、個人貯蓄の預貯金に占めるシェアというのは五五%なんですね。その五五%の資金で、先ほど言ったように、住宅貸し付けであるとか、あるいは国債であるとか地方債とか、そういうものに運用されて使われておる、福祉にもかなり使われておる、こういう状況がございます。それから、フランスの場合も五四・五%という形になっている。ドイツの場合は五七・二%、イタリアの場合も五二・五%なんですね。
 それで日本の場合には、先ほど言ったように郵便貯金だけが参加をしておるという形の中で、資金運用部に預託をされて財投に回っておるというのがただ一つ。このパーセンテージはおおむね三〇%弱、二九・一%、こういう経過、現状になっておるわけであります。
 そういう意味では、日本の郵便貯金の役割というのは世界的な視野で見ても、シェアが多過ぎて民業を圧迫している、こういう状況には必ずしもなっていないんじゃないかなというふうに受けとめることが必要ではないかな、私はこういうふうに思うんですが、この点についてもう少し大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○小泉国務大臣 そういう意見があるのも私存じております。ですから、そういう意見とまたそうでないという意見もいろいろありますので、お互いどういうあるべき事業を探っていくかというのを広くもっと聞くべきだということで、今後検討が必要だということを私は今省内にも話しているところでありまして、これからはそういう今の郵便貯金制度は全く問題なくどんどん発展していった方がいいのだと言う方もあります。いや、これはちょっと圧迫し過ぎているんじゃないかなという意見もあります。そういうのをお互い柔軟に議論し合いながら、あるべき郵政事業というのはどういうことがいいかというのを探っていく必要があるんじゃないかと私は思っております。
○田中(昭)委員 それで、時間も余りないんですが、冒頭言いましたように、大臣就任の発言の中で、官業は民業の補完に徹すべきだ、個人の預貯金の残高の三割のシェアはもう多過ぎる、こう言われたわけですね。しかし、今の大臣の発言を聞いていますと、私今申し上げましたように、国際的な視点でいろいろ見た場合でも、この預貯金のシェア三割というのは多過ぎる、こういうふうには決して私は思われない点がたくさんございます。
 時間がございませんから詳細は申し上げませんけれども、したがって、今後十分に検討されていく、こういうことですから、民業の補完に徹すべきだとか、三割のシェアは多過ぎるとこれを断定的に言われるのではなくて、私が今提起したような問題を含めまして、今後十分御検討いただきたいということを申し上げたいと思います。
 それから、最後になりますが、もう一つやはり、郵便貯金の果たす役割につきまして、もう少し私は問題提起をさせていただきたいと思うのです。
 一月二十日の閉会中審査の当委員会の中で大臣は、「まさに全国あまねく郵便局が設置され、過疎の市民に対してもさまざまな利便を提供しておる、これは誇るべきことだ」、こういうふうに発言をされておるわけですね。同時に、「民間企業でも、もし採算とれるところだけやってとれないところをやらないということだと、一流企業として繁栄していかないのじゃないか。」と、いわゆる一流の企業というのは採算がとれないところもやらなければいけないよということを言っておるわけですね。それで、「私はいろいろな形態があると思いますけれども、やはり企業としては、採算とれるところ、とれないところ、何か事業を考えれば、全国的に展開していこうという企業が一番発展するのじゃないかな」、こういうふうに言われておるわけですね。
 しかし私は、例えば銀行とか郵便貯金などの窓口などを考える場合、現実的には、採算のとれないところの進出はやはりやらないと思いますね。できない。これが実態じゃないか。だから、一流銀行だから採算がとれなくてもあまねくサービスを提供するために過疎地でもどこでも窓口を設置しますということにはならない。それをやらないから一流企業じゃないんだ、こういう見方はおかしいんじゃないかなというふうに私は思うわけです。
 平成三年三月末現在で、都銀とか地銀とか第二地銀、信用金庫、信用組合など、銀行などの店舗がない町村というのは全国で五百九十七あるんです。全国の町村というのは二千五百八十三あるわけで、何と二三・一%、四分の一は郵便局以外の銀行とか信用組合、そういうところの窓口がないわけですね。こういうことをやはり考える必要があるんじゃないかなと私は思うんですが、その点いかがですか。
○小泉国務大臣 民間のでき得ないところを郵政事業はやっている、そこにまた国民の大きな信頼があるんじゃないか。やはり民の足らざるところを官が補っているという面においてこの郵政事業というものが発展してきたんじゃないかというふうに私は考えております。
○田中(昭)委員 時間が少ないんですが、私は、金融自由化が今からかなり厳しい状況になってくる、こう思うわけですね。ですから、今申し上げましたようなことは、アメリカなどの例をとりましてもますます厳しくなってくるだろう、撤退するところが出てくるだろう、私はこう思うんです。
 郵便局の場合は、今申し上げましたように全国二千五百八十三町村中二千五百八十二町村、一カ所だけない。一方、地方的に一時はふえましたけれども、農協とか漁協などの窓口も一時的にはふえたんですが、昭和五十七年三月から平成三年三月までの九年間で、いわゆる郡部と言われる地方、ここから九百二十九店舗が、やはり採算がとれないということで撤退してしまっているわけです。ところが逆に郵便局の場合は、今申し上げました期間中に、逆に郡部で五十二の郵便学窓口がふえておる、こういう状況になっているわけです。
 したがって、民間金融機関というのはやはり採算ベースが必要であって、採算がとれなくてもサービス精神でやるということにはならないと私は思うんです。今後、金融自由化が進展すると、より収益性というものを重視をして山村僻地からは撤退する、こういうことになりますと、国民の利便性から考えても郵便局の存在というのは極めて必要になってくる。郵便貯金というのはやはり必要だ。こういうことを実は強調をしたいわけですが、いかがですか。
○小泉国務大臣 私は、郵便貯金制度を否定したことは一度もありません。発言を確認していただきたいと思うのであります。同時に、これから金融の自由化、国際化、そして国民の利便を考えた場合に対応できるような制度の見直しが必要であるという観点から言っているわけでありまして、当然郵貯事業の重要性を考えながら、あるべき見直し、そういう点についていろいろ議論していくことは必要である、そういうふうに考えております。
○田中(昭)委員 最後になりますけれども、私は郵便貯金の果たす役割として、営利原則になじまない、一つは、やはり採算性の低い地域、過疎地まで含めた全国的金融サービス水準を確保できる。それから二つ目に、これはきょう議論できませんでしたけれども、小口個人預金者に対するサービスの維持向上、これもやはり郵便貯金の役割として極めて必要になってくる。それから三つ目に、公的分野への長期的、安定的、低コストの資金供給、こういう面でも郵便貯金というのは極めて必要だ。今申し上げました三つの点については、これはきちんと確認ができるのではないかな、こう思います。
 この目的で、郵便貯金が税金を使わずに、独立採算で今申し上げましたようなことを今後遂行していくということを考えた場合には、やはり郵便と郵便貯金と簡易保険、三位一体でこの郵便局のネットワークというものを維持、活用していく、それが最も効率的だと私は思います。基本的には、やはりそのことを大臣としても確認をしていただきまして、今後の郵便貯金の発展のためにぜひ御努力をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○小泉国務大臣 郵便も貯金事業も保険事業もやっている民間企業は、ないわけです。そこにまた郵政事業の個性といいますか、重要性がある、そういう点も含めてこれからあるべき郵政事業はどういうものかというのを幅広く検討する必要もあるんじゃないか、こう思っております。
○田中(昭)委員 終わります。
○川崎(二)委員長代理 次に、石田祝稔君。
○石田(祝)委員 私も、郵政関係、この逓信委員会は初めてでございます。大臣も初めてだというふうにお伺いをしておりますので、私もわからないことがたくさんありますので、所感を交えながらきょうは質問をさせていただきたいと思います。
 まず、私の感想と申しましょうか、昨年の四月に列国議会というのがございまして、アフリカのカメルーンというところへ参りました。そのときに、私たちは通常どこから郵便を出しても四十一円のはがきで日本全国間違いなく届く、こういうことが当たり前のように思っておりましたけれども、カメルーンに参りまして現地の方の話を私が伺ったところによりますと、この国ではいわゆる郵便を配達する制度がない、結局家まで持っていく仕組みがないというふうなことをおっしゃっておりました。それでは大使館の人はどうしているんですか、こういうふうに聞きましたら、郵便局へ取りに行く。一日に一回来ているかどうか見に行くんだ。こういうふうな話をそのとき伺いまして、これは我々が日ごろ何げなく、当たり前だと思っている事業というのが、実は大変なことだ。金額の多寡は別として、自分の出したものが少なくとも二、三日の間に日本全国間違いなく着くというこの仕組みは、これはもう大変なものだ。私は正直言ってそのとき初めて、ある意味でいえば郵便制度のすばらしさ、ありがたさというものを実感をいたしました。
 今回図らずもこの委員会に所属するようになりましたので、私は私の立場で今後ともこういう制度の大事さ、また将来に向けて発展をさせていくということをお手伝いをさせていただきたいと思っております。
 それで、これは感想なんですが、私も一月二十日の閉会中審査からずっと大臣の答弁等を聞かせていただきました。また、それ以前の新聞記事等も読ませていただきまして、私は、これは素朴な疑問でありますけれども、いろいろな委員会では委員会の中で議論を積み上げてまいります。ですから、私は前、厚生委員会にも所属しておりましたけれども、その厚生委員会なら厚生委員会で与野党正式の発言として議論を積み上げていく、そしてある意味では一つの結論に達して、まあこれで当委員会としては国の政策として所管する省庁の、いわゆる一つの進むべき方向としてこの委員会としてはよろしいんじゃないか、こういうふうに、ある意味でいえば与野党の合意と申しましょうか、そういうものができているんじゃないかと思うんですね。
 それに対して、例えば大臣今お考えどうなっているかわかりませんけれども、少なくても積み上げてきた議論と余り一致をしない部分もあったのではないか。ですから、そういう一致をしない部分があえてあるということを知りながら、また、あえてそれを変えるということはもちろんしないと思いますけれども、それで大臣を引き受けられる。これは私は、そうすると今まで積み上げてきた議論というものはどうなるんだろうか。一つの委員会の継続性、また、ある意味でいえば政治の継続、行政の継続というものはどうなっていくんだろうか。これは、私は素朴な疑問として感じました。
 そういう意味でひとつお伺いしたいんですけれども、大臣のなすべきことは何なのか、これを端的にどのようにお考えなのか、まず最初にお伺いをしたいと思います。
○小泉国務大臣 大臣のなすべきこととしては、やはり多くの郵政省の仕事というのは国民生活に深くかかわってきておりますから、この事業が円滑に施行されるということ、と同時に、これからの新しい経済社会を考えて、世界の中の日本という立場からもいろいろな制度を見直して、それに対応できるような改革をしていかなければならない。
 たまたま私、逓信委員会で皆様方とこういう議論をさせていただく立場に立ちましたけれども、確かに今までの皆さんの積み上げてきたものと違った考えを述べているせいか、何か受け入れられないというような雰囲気が私も感じられますが、やはり役所間でも縦割り行政というものは見直さなければいかぬじゃないか。国会の中でも、異質なものを排除するという考えよりも、むしろいろんな議論の進展のためにも、違う考え聞いてみようじゃないか、お互い議論してあるべきこれからの方向を考えようじゃないか、そういう柔軟な対応というのが必要なんじゃないか。
 ただただ今までの積み上げてきたものだけにとらわれていると、これまた改革というものがおろそかになる。と同時に、余り改革にとらわれて今までの積み上げたことを壊すとなると、これまた非常にぎくしゃくした関係になる。ですから、今までの積み上げてきたもの、過去の経緯というものを尊重するということも大変大事でありますが、同時に、そういうことに一応とらわれないで、新しいいろいろな視点を議論し合いながら、あるべき改革を探っていくというのも必要じゃないか。
 たまたま私が皆さんとちょっと変わっているなとか異質だなということで排除するような雰囲気を私は感じていますが、私自身は、皆様方どこれからいろいろな意見を聞かせていただきながら、少しでも、一歩でも二歩でも改革できるものがあればなという気持ちで、謙虚に皆さんの意見を聞かせていただきながら、また、違う意見というものも見直しながら、これからの社会によりよい制度をつくっていこうというふうに考えております。
○石田(祝)委員 私は、中身は別として、議論をしていくことは非常に大事だと思いますのですけれども、ある意味では、日本は法治国家でありますし、ということは、法の枠の中で行政を行っていく、そして、その法をつくるところはやはり国会でありますから、それがそれぞれの常任委員会等に分かれてある意味では法の枠組みを決めて、そして、その法の枠組みの中で行政が執行されていく。ですから、議論をするということであれば、やはりこれは委員会等で議論をするのが私は筋ではないだろうか。
 ですから、大臣が委員会の場に来られでいろいろな質問を受けることを通して御自分の考え方を述べるのは私は大変結構だと思いますのですけれども、我々が、私も今回初めて逓信に来たわけでありますけれども、その前に、洪水のごとく大臣の発言のみがシャワーのように我々の情報として耳に入ってくるわけであります。ですから、これは議論をするという大臣のお考えと若干違うのじゃないかなという気が私は正直いたしました。ですから、せっかく委員会もあることですから、お考えがございましたら、ぜひ委員会を開くように、そういう御努力をいただいて、一般質問なりなんなりやっていただいて、そういう中で、委員会質疑を通して与野党で合意をして、ある意味では郵政行政のあるべき姿を議論していく、これは私は大変結構なことだ、そういうふうに思います。
 それから、先ほどもどなたかがお聞きになっておりましたけれども、省益と国益、これは今までも大変言われてきたことだろうと思います。大臣もおっしゃっておりましたけれども、局あって省なし、省あって国なし、これは非常に言い古された一つの官僚制度の大きな弊害というものを端的に言いあらわした言葉ではないかと私は思うんですが、今まで大臣は厚生大臣もやられておりましたけれども、そういうときに、就任のときに省益よりも国益だと、以前の発言としてそういうことはおっしゃっておったでしょうか。お伺いします。
○小泉国務大臣 私は、初めて立候補したときから、一部の特定の方の意見には、耳を傾けますが、その特定団体のためだけに活動することはいたしませんということをはっきり申し上げております。常に、いかなる私の支援団体に対しても、意見は十分聞かせていただきますが、その団体のためだけに行動することはいたしませんと選挙公報にも私の姿勢というものを述べたこともありますし、そのときと今の時点でも全く変わりません。ですから、省益より国益優先というのは、その基本的な姿勢を私述べたものであります。
○石田(祝)委員 一つ別の角度からその件でお伺いしますけれども、これは一般論としてまことに結構な話でありますのですけれども、その一つの、これだけ取り上げて普遍、抽象的に言われたことではないと私は思うんです。ある一つの文脈の中で、またはある一つの状態、ある意味ではシチュエーションの中で、省益より国益だ、こうおっしゃれば、それはまた別の意味を持ってくるんじゃないかと思います。ですから、大臣が選挙公報に書く、例えば地元のことよりも国のことが大事だ、これは私はそのとおりだと思いますのですけれども、それがまたちょっと違った意味のあるところで発言をすると、それが普遍的な話ではなくて個々具体的なことを指すというふうにとられるのは当然だと思うんです。
 ですからこれを、大臣に就任なされたときでしょうか、その前後か、ちょっと私も今はっきり覚えておりませんけれども、郵政大臣になられて、省益より国益だ、これは二つの意味があると思うんです。これは郵政省の省益を、省益というものがあればですけれども、損なうようにするのか、または省益を守ろうとするのか、私よくわかりませんけれども、これは個々具体を指して言ったのではない、自分の政治信念を具体的なものから切り離して述べたんだ、こういうことでしょうか。
○小泉国務大臣 両方あると思いますね。基本的な私の政治姿勢を述べたということと、当時、例の老人マル優を三百万円から七百万円に引き上げという議論もありましたから、あれについて私は今までの郵政省の考え方と違う考えを持ってきたものですから、そういう点で言った面はあると思います。
○石田(祝)委員 それでは、次の問題をお聞きしたいんですが、所信表明を読ませていただきまして、この中で何点か順次お聞きしたいのです。
 ページ数で申しますと八ページなんですが、ここにこういうふうに書かれております。「郵政三事業は三十万人余の職員に支えられて初めて成り立つものであります。そこで、人材の安定確保と人的基盤の充実を図り、明るく活力に満ちた職場をつくるとともに、相互信頼に基づく健全で安定した労使関係を確立、維持することに努めてまいる所存であります。」このように言われております。
 この相互信頼ということは、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○小泉国務大臣 お互いの仕事が国民のために役立っているんだ、そういう意識を持つと同時に、我々は公僕である、国民に奉仕する者だという共通の認識を分かち合いながら、お互い一致して国民のために働こう、これがやはり相互信頼として大事なものじゃないかと思っております。
○石田(祝)委員 それで、相互信頼はそのようにお考えということ、わかりましたけれども、今相互信頼がないというふうに申し上げませんが、さらに相互信頼を築くためには、大臣は今後どのようにしたらいいのか、または御自分でどういうふうになさるお考えがあるのか、お聞きしたいと思
います。
○小泉国務大臣 就任以来、何カ所かのそれぞれの郵政事業を私も視察させていただきました。そういう中で、日夜を分かたず努力されている方々、じかに拝見しまして、こういう不断の努力あるからこそ郵政事業というのは多くの国民から愛着を持たれ、信頼されているんだなという意識を改めて感じましたし、そういう方々と一体となって努力していく、国会の場においても政治家としての信頼を傷つけないように精進していく、これがやはり大臣として必要じゃないかなというふうに考えております。
○石田(祝)委員 続きまして、公定歩合の引き下げに伴う新しい貯金金利についてお伺いをしたいのです。
 これは、新しく貯金金利を下げると申しますか、新しい金利に移行されるのはいつでしょうか。
○山口(憲)政府委員 このたび、二月四日に公定歩合が、お話しのように〇・七五下がりました。したがいまして、郵便貯金の金利につきましても、改定の必要があるかどうかということでいろいろ検討いたしましたところ、今回の公定歩合の引き下げの一つの要素は景気対策上の観点であるというふうなこと、あるいはまた、市場の金利がかなり下がってきているというふうなものを総合的に判断いたしますと、引き下げはやむを得ない。ただ、改定幅につきましては、預金者の利益というふうなことも考えていろいろ検討する必要があるということを前提にいたしまして作業をしてきておりまして、現在のところ、そういった方向で実施をさせていただきたいということで作業を続けているところでございます。
 今お尋ねの実施時期につきましては、実はこれは郵政審議会にお諮りをして御了解をいただくということが必要でございますので、明日、十九日に郵政審議会にお諮りをいたしまして、了承いただければ二十三日の閣議で政令案についてお諮りをして、民間金融機関の預貯金が三月一日というふうになっておりますので、私どもも同じ日、三月一日月曜日から実施できればというふうに思っているところでございます。
○石田(祝)委員 これはもう案が当然あると思いますのでお聞きをしますが、流動性預金の郵便貯金は、利率は幾らになる予定でしょうか。
○山口(憲)政府委員 流動性通常貯金の金利ということになりますが、通常貯金の金利は一・八〇でございますが、これを〇・二四%引き下げて一・五六という形でお諮りをしたいというふうに思っております。
○石田(祝)委員 ちょっとお伺いをしますが、今回公定歩合が二・五%ということで過去最低に並んだわけでありますが、公定歩合が過去二・五%だったときに、この通常郵便貯金の利率は幾らだったでしょうか。
○山口(憲)政府委員 前回二・五%だったときの通常貯金の金利は一・六八でございました。
○石田(祝)委員 それでは、局長、ちょっとお伺いしますけれども、前回公定歩合が二・五だったときの、いろいろな流動性預金から定期、定額預金を含めまして、今回予定している金利と前回の二・五のときと違う金利はほかにはありますか。
○山口(憲)政府委員 通常貯金だけでございます。
○石田(祝)委員 二月四日の夕刊を見ますと、全部予定金利というのが各紙に載っておりまして、どの新聞を見ましても通常郵便貯金は一・六八%と、要するに銀行も〇・一二下げて〇・二六になっていますかね、そういうふうになっていると思いますけれども、ここの通常郵便貯金だけなんですね、過去の二・五%のときと違うのは。各紙が書いていたのは、その二・五%、過去と同じように一・六八になるだろう、こういうことで全部二月四日の夕刊には出ておりました。なぜこれだけ違って〇・二四%下げたのか。郵便貯金の本来の趣旨からいくと、逆に下げ幅を圧縮して、銀行が〇・一二下げるんだったら〇・一一でとどめるとか、これが本当じゃないかなと思うんです。少なくとも横並びだったら私はいいと思いますし、また、過去とある意味でいえば同じであれば、ああこれは二・五のときと同じだなと。だけれども、なぜこの流動性の郵便貯金だけが大きく下がっているのか、理由がわからないんですが、ちょっと説明してください。
○山口(憲)政府委員 今回の金利の改定では、公定歩合が〇・七五の引き下げでございます。それで、先ほど御説明申し上げましたように、市場の金利というものが大変低く下がってきているというふうなことがございます。しかしながら、私どもといたしましては預金者の利益というふうなことを考えなければならないということで、定期性の預金につきましては〇・四%の引き下げに圧縮をした、こういうことでございます。しかしながら、現在の市場の金利というものを見てみますと、短期の金利が長期に比べて非常に下がっているというふうなことでございます。そういった、私どもの規制金利というものも市場の実勢というものをなるべく反映するような形にしていくという必要も片方の要請としてあるわけでございまして、そういったことから、通常貯金につきましてはさらに圧縮をいたしまして〇・二四%の引き下げにとどめたというふうに私どもは思っているところでございます。
 なお、民間の普通預金の金利が〇・一二%の引き下げにとどまっているということでございますけれども、これは、先生御案内のように現在の金利が既に〇・三八%ということでございます。これを〇・二四%引き下げますと〇・一四%というような、非常に低い金額になってしまいます。十万円を一年間貯金して百四十円の金利というふうなことになってしまいますので、これは幾ら歩調を合わすということになりましてもなかなか難しいだろうということで民間の金融機関は〇・一二%に、既に非常に低くなっているということでとどまった、こういうことでございます。
○石田(祝)委員 ですからそれは、下げ幅というものはわかりますよ、それはいろいろな考え方があって。じゃ、なぜ通常貯金の、流動性の貯金だけをがくんと前より下げて、それじゃ、ほかのものは市場に全然連動してないんですか。そんなことはないわけでしょう。通常郵便貯金だけは全然別個で、ほかのものは市場と全然影響はありませんよ、そういうふうに聞こえるわけです。
 局長のお答えだと、通常郵便貯金だけが市場といろいろ関係して下げたんです、下げたんだけれども下げ幅は圧縮しましたよ。ですけれども、私が言っているのは、前が同じ公定歩合のときに一・六八だったのが、なぜ今回一・五六になっているのかということなんです。変わっている金利はここだけなんでしょう。ほかも若干移動している、市場実勢が変わってきている、いろいろなことでほかの金利もちょっとずつ変わってきていますよ、これならわかるんですけれども、これだけがなぜ動いているのかということを言っているわけなんです。
    〔川崎(二)委員長代理退席、坂井(隆)委員長代理着席〕
○山口(憲)政府委員 同じお答えになって恐縮でございますが、現在の市場の金利の状況というものを判断いたしますと、前回の二・五のときが昭和六十二年の二月でございましたけれども、そのときの状況と比べまして今回の状況というのは、特に短期金利の方で大きく下がっているということでございます。ちなみにCDの三カ月、これは短期のものでございますけれども、〇・九一の差になっております。それに対しまして、利付の金融債五年物でありますとか、国債の表面利率、十年物については、それぞれ〇・六とか〇・四というふうな形でございまして、市場の状況というものを勘案いたしますと、流動性預金につきましては前の状況よりも若干下がっているということは否定できないのが今の市場の実勢だということで、そういう形で前回の状況に対してこういった形の措置をとらせていただいたということでございます。
○石田(祝)委員 郵便貯金の本来の趣旨があると私は思いますね。これがなくて普通の銀行と同じだったら同じ金利にすればいいのであって、違う存立理由を持っているから全預金の三割も集めるだけの組織になっているわけです。ですから、そこのところ、私は正直言って、何回聞いても局長同じ答弁だと思いますからもう聞きませんけれども、自分としては若干納得できないな。何か別の要因があって下げ幅が、要するに〇・一二から〇・二四下げたわけですから二倍も下がったんじゃないか、こういうふうに私はちょっと疑問は解けませんけれども、次の質問に移りたいと思います。
 大蔵省来ていただいていると思いますので、先に大蔵省に午前最後の質問をしたいと思います。
 国際ボランティア貯金のことです。これは先ほど大臣もいろいろお話しされておりましたけれども、現在は利子の二割をまず税金で取る。取るというのはおかしいですけれども、税金を納めるようになっております。その残ったものの二割を寄附する。ですから、利子の全体を一〇〇としたら、現在は税で二〇取る、そして残った八〇の二割で一六が寄附になるわけですね。これは、当初からこのボランティア貯金を申し込まれた方は、自分の懐に一回入れてそれから寄附をするのじゃない。最初から自分の懐には通らない。素通りもしない。まあ金丸さん流に言うたら、さすりもしないわけですね。ですから、一〇〇の利子があったら、最初から寄附をするという意思があるわけですから、二〇を寄附をしていただいて、そして残った八〇に税をかけて税は一六、税と寄附が逆になりますけれども、そういうふうに、これは皆さんの善意の発露でありますから、これは国もある一定の知恵を出して、こういう仕組みを考えていくべきではないだろうか、このように思いますが、大蔵省の御見解はいかがですか。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。
 先生の御趣旨は、寄附された分につきましては利子が生じていない、そういうふうに扱うべきではないかという御趣旨かと思います。
 ボランティア貯金は、貯金から生じた利子の一部を民間海外援助団体に寄附することを郵政大臣に委託するという制度でございます。したがいまして、寄附された分を含めまして利子が生じているというふうになっておりますので、御指摘のように寄附された部分の利子が生じていないように税法で扱うということは、無理があるのではないかというふうに考えるわけでございます。寄附された部分も含めまして、発生した利子全部につきまして課税関係が当然に生ずるという扱いをせざるを得ないものというふうに考えております。
○石田(祝)委員 もうちょっと、そういう善意に対して国がどういう反応をするかという段階で考えられないものかと思います。
 私は、こういう話をしたら非常に申しわけないんですけれども、するつもりはなかったんですけれども、大蔵省はいろいろな知恵を出すわけですよ。例えば、私は厚生委員会におりまして、厚生年金特会から一兆五千億借りた、それを平成二年か何かに返さなければならない。返すときにどうしたのですか。返したことにしてということにして空中に浮かせて、その一兆五千億に、当時五%だったと思いますけれども、七百五十億の利息を生み出そう。それを厚生年金特会に返していない。返さないで返した形にして、そこから利子を生んで別の事業をしたでしょう。だから、通常考えられないようなことをいつもやるじゃないですか。それは国益にかなっているかもしれませんよ。だけれども、普通考えたら、借金を返したことにしてほかに浮かせて、今空中にとまっているわけですよ。まだ返したという話は聞いたことがないんです。ですから、ほかにそういう形で知恵は出せませんか。
 この国際ボランティア貯金は、ある意味では非常に大事なことだと私は思います。ですから、税の方で国も応分の協力をしましょう、こういうことでは考えられないのでしょうか。
○渡辺説明員 ボランティア貯金の利子のうち寄附された部分について税制で何かできないかというお話でございます。この点につきましては、郵政省の方からもかねてより、ボランティア貯金の利子のうち寄附金に充てられる部分については非課税にするという問題の御提起をいただいておるわけでございます。
 この件につきましては、私どもの立場から見ますと、税制上二つの特例を設けるということになるわけでございます。二つの制度と申しますのは、一つは、利子課税制度、源泉分離課税制度の特例ということでございます。二つ目は、寄附金控除制度の特例ということでございます。
 まず一番目の利子課税について申し上げますと、現在貯金の利子につきましては源泉分離課税制度というのをとっております。この源泉分離課税制度と申しますのは、利子についての課税関係を支払い段階で源泉徴収により完結させてしまうという制度でございますので、利子が何に使われるかということでその特例を設けてまいりますことは、源泉分離課税の本来の目的にそぐわないという点が利子課税の問題としてあるわけでございます。
 次に、二番目の寄附金控除との関係についてでございますが、現在の寄附金税制では、どのような寄附でございましても、少額のものにつきましては、これはポケットマネーと申しますか、課税済みの所得からお出しいただくということが税制の考え方となっております。赤い羽根の共同募金あるいは緑の羽根といったようなものもこのような取り扱いになっておりまして、ボランティア貯金のみを例外にするというわけにもまいらないというのが私どもの考え方でございます。
○石田(祝)委員 午前中はこれで終わります。
○坂井(隆)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。なお、本会議散会後直ちに委員会を再開いたします。
    午後零時三十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十八分開議
○亀井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 逓信行政に関する件について質疑を続行いたします。石田祝稔君。
○石田(祝)委員 午前に引き続き、質問をさせていただきます。
 ボランティア貯金の件ですが、税制のことは午前に大蔵省の方にお聞きをしまして、私、大臣を弁護するわけじゃありませんが、国際ボランティア貯金の寄附に関して、テレビで言ったことが間違っておったんじゃないかというふうに午前中言われておりましたけれども、私も概要もらったんですけれども、こう書いているんですよね。「国際ボランティア貯金は、預金者から通常郵便預金の利子の二〇%を寄附して」いただく、これが間違っておるんじゃないですか。
○山口(憲)政府委員 国際ボランティア貯金は、預金者から通常貯金の利子の二〇%を寄附をしていただくというものでございます。
○石田(祝)委員 そうではなくて、税引き後の利子じゃないですか。そこが間違っているわけです。
○山口(憲)政府委員 大変失礼いたしました。税引き後の利子に対して二〇%ということでございます。
○石田(祝)委員 そういう説明を私もらいましたから、ちょっと違うんじゃないかどいうこと。
 続きまして、ちょっと質問をいたしますが、所信表明で、「郵便局の活用によって環境にやさしい社会経済づくりにも努力」する、こういうくだりがございましたが、これはわかるようでわからない。郵便局を使って何をしようとしているのかな。これは具体的にどういう意味なんでしょうか。
○長谷川説明員 お答え申し上げます。
 人類の経済社会活動は今日、国境を越えまして、あるいはまた世代を越えまして環境への負荷を高めておりまして、環境問題は今日、我々の生存基盤にかかわる重要な問題であると役所としても認識しておるところでございます。
 そこで郵政省といたしましては、高度情報社会の基盤であります情報通信と全国二万四千の郵便局ネットワークを活用いたしまして、その根本的な解決に向けて積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。
 御承知のとおり、電気通信はクリーンでエネルギー消費の少ない社会資本でありまして、大きな環境改善効果が期待できるものであるとともに、今御指摘のございました大臣所信の中の郵便局の活用ということで申し上げますと、全国津々浦々の郵便局のネットワークを生かしまして、国民一人一人の環境問題への意識を高揚させ、環境問題を広く国民に浸透させてまいりたい、このように考えております。
 このため、寄附金つきの郵便はがきなどの寄附金による地球環境保全事業への支援などを推進いたしますとともに、郵政事業自身におきましても環境に配慮した工夫を行うことによりまして、事業活動そのものの環境負荷を低減していくことに努めたいと思っております。例えば低公害車の配備、また再生紙の活用などを推進していくこととしておるところでございます。
○石田(祝)委員 具体的に言うと、郵政省環境政策大綱というのをもらいましたけれども、これに書かれていることだと思いますが、私もちょっと提案をさせていただきたいのです。その中で郵便はがきへの再生紙の活用ということも一つうたわれておりますけれども、現在郵便はがきに再生紙は活用されておりますか。
○上野(寿)政府委員 再生紙の使用につきましては、私ども、地球環境の保全それから森林資源の保護というような点で非常に重要だというふうに思っておりまして、それで平成三年度でございますけれども、私どもの郵便事業において活用する分野はないかということから、再生紙の活用のあり方につきましての調査研究会を設置いたしまして、試行的に再生紙を使用した郵便はがきを発行することを決定をいたしました。
 それで、平成四年度に入りまして、具体的に地球環境の保全事業に対する寄附金、これは四円でございますけれども、これをつけまして、再生紙を活用した広告つきはがきを、九月から十一月までの三カ月間でございますけれども、二千八万枚の発行を行ったという実績がございます。
○石田(祝)委員 続きまして、これも所信表明の中にあるくだりでありますけれども、小口預金者の利益の確保と金利自由化の関係についてお述べになっていらっしゃいます。この文脈の中で読みますと、小口預金者の利益の確保等の観点から金利自由化を推進をしてきた、こういうふうに書かれておりますけれども、小口預金者の利益の確保と金利自由化、これはどういうふうな関係になるのでしょうか。
○山口(憲)政府委員 今回の通常国会に提出予定の郵便貯金法の一部を改正する法律案を御承認いただけましたならば、本年六月を目途に定期性預金の金利自由化を実施する予定でございますが、こうした自由化を実施いたしますと金融機関相互間の競争が活発になるということがございまして、経営の合理化が進むとともに、新たな商品開発でありますとか、利用者本位のサービス競争が行われるというふうなことになりまして、預金者は、金利はもちろんのことでありますけれども、各種のサービスを含めてメリットが享受できるものであるということで、私どもは金利の自由化というものは小口の預金者の利益の確保につながるものだというふうに考えておるところでございます。
○石田(祝)委員 なぜかといいますと、二月四日の新聞記事でありますけれども、こういうふうに出ています。「六月から適用される定額貯金の新しい金利決定方式に関し、郵便局職員の間で「定額貯金が今より不利になってしまうのではないか」といった声が高まっている。」これは、不利になるということは要するに預金者の方からして不利になるということですから、いわゆる商品の魅力が薄れるということです。ということは、結局小口預金者の端的に言えば利益に反するのではないか、そういう心配が現場で出ている、こういうふうに出ているわけです。
 ですから、ちょっと私は心配されていることが杞憂なのかどうかわかりませんけれども、そういう心配が出ているということ、それと所信のここのくだりはどうか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○山口(憲)政府委員 ちょっとお答えが長くなって恐縮でございますけれども、今回の定額貯金の利率の決定に当たりまして一つの目安というものを設けてやろうというふうに考えております。
 その目安となる利率の水準が、通常の場合私ども考えておりますのは、長期国債の表面利率からマイナス〇・五%程度あるいは三年定期預貯金金利の○・九五%のあたりに、預入後三年経過時の利率を設定しようというふうにしているわけでございますが、先生御案内のように現在の定額貯金は、二年の定期金利の利率と私どもの定額貯金の三年の利率が等しくなっているということでございます。これは定額貯金の場合には流動性がございますので金利の面でそれだけ若干の配慮をしているということでございます。
 今回の自由化措置によりまして三年の定期というものが出てまいりますので、比較の対象を従来の二年定期から三年定期との比較という形で目安を設定することにいたしまして、その結果〇・五ないしは〇・九五というふうな若干の掛け値をさせていただいている、こういうことでございます。
 この方程式を利用いたしまして現在の三年の定期預金の金利に掛けますと現在の規制の定額貯金の方が有利になるというふうなことがございまして、先生のお話のようなことが言われるわけでございますけれども、今回この公定歩合の改定に伴いまして預金金利の引き下げが行われるということからもおわかりいただけますように、現在の規制金利が自由金利に比べて高とまりをしているというふうなことでございまして、いわば今の状況というのは非常に例外的な状況になっているというふうなことでございます。
 私どもは、先ほど申しましたように、個々の場面で例外的なケースというのはあろうかと思いますけれども、総体として見れば預金金利は自由化した方がよくなる、規制金利はどうしても抑えられがちになるというふうに考えておりまして、自由化のメリットは総体としてはあるというふうに思っている次第でございます。
○石田(祝)委員 そうすると、郵便局職員の間で心配が出ているということは、そういう心配は一切ないんだ、こういうことですか。
○山口(憲)政府委員 私どもは現場の職員の皆さんにもそういうことはよく説明をしなければいけないと思っておりますし、それからまたお客様にもそういった心配をいただかないように十分に配慮していかなければいけないと思っております。決して不利になっているということではございません。
○石田(祝)委員 それでは、最後に大臣に一言お伺いしたいのですが、大臣は郵政全般の事業、郵政行政、二十一世紀も指呼の間にあるわけですけれども、大臣の率直なお考えとして、お気持ちとして、あるべき姿はどうあるべきだというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○小泉国務大臣 郵政事業は郵便と貯金と保険、これが一体となって運営されており、それなりに大きな国民経済の役に立ってきたということは事実だと思います。この民間にはできない事業をどのように活性化していくか。同時に、民間にできる部門もあります。そういう点について官業としての節度をどうやって保っていくか。それぞれ役割を検討すべき問題もいろいろ出ておりますので、そういう現実に必要な点、いい点、さらには批判されている点、よく検討いたしまして、常に制度の見直しということをしていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○石田(祝)委員 終わります。
○亀井委員長 次に、吉岡賢治君。
○吉岡委員 小泉さんが郵政大臣に御就任になられましたことを、心からおめでとうというふうに申し上げたいと思います。
 昨日、大臣所信表明を聞かしていただきました。電気通信行政あるいは放送行政、さらには郵政三事業、そして郵政外交に至るまでお述べになりまして、国民の期待と信頼にこたえるために積極的に行政を進めていく、こういうことを明らかにされたわけでございます。その決意に私ども敬意を表しながら、率直な御質問をさせていただきたい、このように思いますので、質問に対しましては、国民とともに理解を深めていく、こういうことで大臣の方につきましても真摯な御答弁をお願い申し上げたい、このように冒頭申し上げておきたいと思います。
 さて、昨日の所信表明で郵政三事業について、三十万人余の職員、また特定局の局長、こういう人たちによって、職場における、現場における努力によって支えられているのは当然のことでございます。大臣はこの所信表明の中で、「明るく活力に満ちた職場をつくるとともに、相互信頼に基づく健全で安定した労使関係を確立、維持する」このように述べておられます。
 そこで、一言だけこの点についてお聞きしておきたいわけでございますが、この労使関係の労というのは、全逓信労働組合、全郵政労働組合というふうに考えていいのかどうか、一言お伺いしておきたいと思います。
○小泉国務大臣 働いている職員すべてのことであります。
○吉岡委員 別にそのことについてこだわるつもりはありません。
 さて、私は郵便貯金行政についてお聞きをさせていただきたいと思っています。
 まず、郵便貯金の健全性と国民益と言っていいのか、私はそういうふうに郵便貯金を見詰めておりますので、その観点から少し質問をさせていただきたい、こう思うわけであります。
 平成三年は、郵便貯金が純増額十一兆六千五百八十億円という大きな伸びを示した年であります。その年というのはいろいろなことが起こっているわけでありますが、なぜこう十一兆という大きい伸びが平成三年に起こったのかということで、大臣の率直な御意見を伺いたいと思うわけでございます。
○小泉国務大臣 いろいろな点があると思いますが、基本的に国家の信用を背景にしておりますから、民間と違いましてつぶれる心配がないという絶大な信用力を背景にしていると思います。まず郵便貯金に預けておけばもう安心だという、この安心感、信頼感、これがやはり基本的に一番大きなものではないか。
 同時に、日本人は、外国の方からも言われているように、よそに比べて貯蓄性向が高い。有事に備えて貯蓄するということで、ほかの国民から比較するとどちらかといえば貯蓄に対して肯定的な、貯蓄はいいことだという、そういう貯蓄好きといいますか、そういう観念もあると思います。
 同時に、定額貯金は民間の金融機関に比べて有利な商品である。私が大臣就任していろいろ取り上げられているせいか、中には定額貯金の方が有利なのを知らなかったとかいう人もおられたようでありますし、そういう民間の金融機関に比べても有利なんだというような効果もあるか、あるいは当然そういうことを知っていてなっているのか、それは定かでありませんが、ともかく郵便局に預けておけば間違いないという、そういう安心感、信頼感が背景にあるということが非常に大きなことじゃないかと私は思っております。
○吉岡委員 大臣のおっしゃることもわかりますけれども、私は、決定的な問題は、今おっしゃるように郵便貯金が国民から信頼をされているということについては同感でございますし、それはもう非常に大きいというように思います。ただ、この年はバブルの崩壊、いわゆる証券界の大変な混乱があった年です。それがやはり大きい要因になっているのではないかと私は思っているわけです。
 ちなみに調べてみましたら、証券界の混乱ということで前年比マイナス一・三%のシェアの減少が起こっています。そしてこのシェアの減少というのは、公社債、投資信託、こういうことになりましょう。その減少額は四兆六千億と推定できるというふうに思うわけであります。そして、かてて加えてダウ平均がどんと落ち込みましたね。平成三年の三月末でいいますと、二万六千四百五十八円。これが平成四年三月末には二万三百五十円というふうに下がっていった。そういう不安の中で、いわゆる個人売買をされておった株式から引き揚げてこられたこういう金額というのもやはり四兆ぐらいあったのではないか。
 こういうものがどこに行ったのかということで、やはりシフトとして銀行やあるいは銀行の個人預金や郵便局の預金に来ているわけで、決して金利が高いから郵便貯金だけがふえているという年ではないのです。ほかのところも、例えば一千万円以下の個人預金の部分でいきますと、銀行も九兆円ぐらいふえておるのです。そういうシフトがいろいろな部分で、銀行のあるいは郵便貯金のそういうことであったという理解をお互いにしておかないとまずいのではないか、こう思っているわけであります。
 さてそこで、今大臣がおっしゃいました特定局あるいは職員の努力の積み上げというものが郵便貯金の国民からの信頼につながった、こういうふうに考えますときに、この十一兆円というのは、リスクが少ないということも含めて当然の帰結として起こったものだというように私は考えているわけです。大臣の見解を一言お聞きしておきたいと思います。
○小泉国務大臣 今御指摘のそういう理由もあったと思います。また当時は、株というのはもうかるものだという傾向もいっとき国民の間にもありましたし、それが、もうかるけれども損する可能性も高いということで、やはり株式投資よりも預貯金の方が安心感、安全だという傾向も確かに保あったと思います。同時に、郵便局職員等のいろいろな仕事ぶりとか地域に密着している活動、そういう評価も当然あると思います。
○吉岡委員 そこでバブルの崩壊が起こっていったわけであります。午前中の笹川議員の質問にもありましたように、郵便貯金が本当に――バブル経済、地価の高騰あるいはノンバンクヘの銀行融資等が引き起こしていったわけでありますが、それに、大蔵省としては少なくとも郵貯あるいは財投という範囲の中では影響はなかったというように言われたわけであります。
 私は、そういう意味で再度大臣の方に確かめておきたいのであります。
 郵貯の資金運用は、一言で言えば日々大蔵省の資金運用部の方に回っていると思うのです。平成三年末で約百五十四兆円、こういうふうに言われているわけであります。財政投融資機関や一般会計の国債引き受けに回っているお金がそのうちの五六%だというように聞いているところでございます。
 そうなりますと、やはりそこで余裕金が出るではないか、こういうこともやはり出てくると思います。その余裕金は、もう御案内のとおり、平成三年末で三十四兆円になるというように聞いておりますけれども、それが短期運用として市場の方に出ている、こういう現実もやはり受けとめていかなければならないと思うわけで、私はそういう立場から見詰めてみますと、それに加えて自主運用といいますか、それが平成三年末で十五兆円もある、それも市場金融の部分に入り込んでいる。
 こう考えてみますと、言うなれば健全な運用というのがなされている、こういうように言えるのではないかと思うわけです。マネーサプライの立場からいっても十分こたえているんではないかと思うわけであります。
 民間の銀行というのはバブルに踊っていた、土地やノンバンクというふうに君かれるわけでございますが、今そのツケが来ているということもあろうかと思います。こう考えてみまして、複合不況を引き起こす大きな要因になっているのは御案内のとおりであります。
 そうしますと、郵便貯金というのは、国民益をある意味できちっと守ってきた、大きな利益は得られないけれども、逆に大きな波の底もなかったということになるのではないか、こう思うわけでございますが、その点について大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。
○小泉国務大臣 郵貯の持つ意義、これは当然あるわけでありますが、今後やはり金融の自由化とか国際化を考えて行く際に、本来の郵便貯金制度、事業としてのあり方、そして民間金融機関とどういう競争がいいのか、これは競争条件を考えまして、一つとってもどれが公平かというのは人によって全く違ってくる。法律にありますように、少額の貯蓄手段の提供、それだけにとどまるべきか、いやいやむしろ貸し付けサービスまでどんどん展開していった方がいいよという人もおられます。
 これから金融の自由化、金利の自由化、国際化になってきますと、それではあるべき市場の金利にどうやって、これが市場実勢がという場合に、民間の金融機関はやはり貸し手と借り手を考えなければいかぬ。
 郵貯の場合は、財投資金に預けます。財投から各機関に続いて流れていく。財投も、本来の規定は確実で有利な資金運用をしなきゃならないということを規定されております。果たして財投の融資先が本当に確実で有利か、それぞれ点検して見きわめていきますと、むしろ必ずしもそうでない場合もある。不確実な融資先もあるんじゃないか、有利でない融資先もあるんじゃないか、これをどう判断するか。国民政策的に考えて、ある程度そんなに確実じゃないかもしれない、有利ではないかもしれないけれども、国民経済にとって大事だという場合は一般会計からどのぐらい負担したらいいだろう。
 そういう点も含めて見ますと、行財政全般の見直しをしなければならないという大枠の政治方向の中で、基本方針の中で考えていくと、財投の見直しも郵貯の見直しも、じゃ郵貯が、本当に民間金融機関として競争するような官営銀行化、官営金融機関化としてやっていけばいいのか、その点まで含めて議論していかないと、官と民の役割の見直しに通じないんじゃないか。そういう点から私は見直しが必要だということを言っているわけであります。
○吉岡委員 今の大臣のおっしゃったこと、ある意味で理解できるんですよ。いみじくも、財政投融資のあり方を見直していかなきゃならぬだとか、あるいは郵便貯金率の問題について、これは私の考えは私の考えでございますから、それは後で述べさせていただきたいと思います。
 私はそこでお聞きしたいのは、そうは言っても、財投の重要さというのは結構増してきていますよ。そして、国民の期待もやはり大きいのではないかと思います。政府自身もそうですね。先ほども出ておりましたけれども、平成二年の公共投資十カ年計画の四百三十兆だとか、あるいは平成二年の新行革審の中でも触れられておりますし、それから生活大国五カ年計画の中でも触れられている。こういうことになってきますと、財政投融資というのを非常に機能的に活用しようという方向が出ているわけであります。平成五年度の財政投融資計画を見てみましても、住宅だとか快適な移動、通勤、そして環境保全、教育、それから福祉、医療というようなニーズに合わせる、こういうようなことにもなっておりますし、財投の重要さが増しつつあるという点についていかがお考えでしょう。
○小泉国務大臣 財政投融資という制度は、これは今までの日本の発展にとって大変重要な制度だと思っています。ただし、これからの将来を展望してみますと、何でも国民が政府に頼って、大きな政府になっていけばいいのか。
 確かに、必要な資金を低利で貸してくれる機関があれば、国民、借りる方は喜びます。また、国民の隅々のいろいろな事業に役立っている。ここでそういう事業をどんどん展開して、役所の仕事をどんどん必要だからといってふやしていく、結果的に大きな政府になっていく。これから、今の財政状況を見ますと、年金でも医療でもむしろふえることはあっても、国の負担というのは、あるいは国民の期待、国民の税負担というのは減ることはない。それで、やる事業というのは、やるなという事業よりも、あれやれ、これやれ、さまざまな要望というものがたくさん来ております。
 そういう際に、資金が潤沢にあるから、しかも低利で使えるから、国民に必要だから、民間にできない仕事をやっていこう。すると、民間の仕事、民間の活力がなえてしまわないか。やはりここまで日本経済が発展したというのは国民の努力、民間のいろいろな企業の努力、民間で働いている方の努力があってこそ、そういう事業がやりやすいような環境をつくってきたからこそ、これほど私は日本経済が発展してきたんだと思います。
 国の事業、役所なり国の官僚が考えた計画的なそういう投融資先を広げていった方が日本経済の発展につながるのかどうか、あるいはむしろ、ある程度国の仕事というのは最小限に控えて、もっと民間に自由にやらせて、そういう雰囲気、環境を整える方が大きな政府をつくらないで、国民全体の税負担も増さないで減らせるんじゃないかという議論もあります。
 そういう見きわめをして、どこまで国の事業が必要なのか、財政投融資機関も、本当に国としてやらなければならないか、これをやらなくても民間でできることがあるんじゃないか、そういう見直しを不断にしていく必要があるというふうに私は考えております。
○吉岡委員 繰り返して言っておられるわけでございますが、そうは言いましても、社会資本の整備水準が、国際比較から見ても、日本は下水道あるいは道路の舗装、住宅、こういう問題がなかなか水準のところまでいっていないという現実もあるわけでございますし、その社会資本の形成という立場からいえば、むしろ財政投融資のシェアというのは年々増加しておる。最近では五〇%を超えているというように書かれているわけでありますから、そう考えていきますと財投への期待は高まってきつつあるというように思います。
 ただ、そういう認識をするとともに、今大臣の方で言われましたように、それでは財政投融資が今後も大きく大きくなっていくのか、このことについて私は正直言って疑問を持っているわけであります。
 なぜかといいますと、郵便貯金と同時に財投の重要な原資になっているのは年金資金であります。年金資金は厚生年金の新規預託額予測、こういうものを六十五歳支給開始という場合で見てみますと、一九九〇年には約六兆円だったですね。これが二〇二〇年には一・六兆円しか財投に来ない、こうなっておるわけであります。そうなりますと、財投は重要だ、重要だというふうに言いながら、大きい分野であったいわゆる年金資金というのは財投の中でどんどん減っていくということになるわけであります。そう考えてみますと、郵貯が回っていくということは非常に重要な意味をこれから持ってくるのではないか、こういうように思うわけであります。
 それと同時に、今民間の問題等もいろいろ言われますけれども、政府が、というふうに言われますけれども、郵政省は今度決断されまして、金利自由化という方向をとられて、市場金利に連動をきすという方向をとっておられますね。そういうことを考えていきますと、むしろこの財投の重要さにかんがみながら、郵便事業も進めていかなければならないというように私は思うのですが、いかがでしょう。
○小泉国務大臣 郵政事業のあるべき姿、または現在行われているいろいろな事業、当然国民から信頼され、公共的に展開しているわけでありますので、これからも必要な事業はいろいろな地域の意見も聞きながら、信頼性を高めていくような活動をしていかなければならない、そういうふうに思っております。
○吉岡委員 要するに、大臣が言っておられますように、確かに低い金利で借りられる方がいいというふうに、住宅ローンだとかいろいろな形でそうなってきますけれども、それには限度もあるだろうということについても私もわかるのですよ。その部分に市場金利を入れていかなければならぬという気持ちで私もおるわけです。しかし、そうは言いながら、政府の政策的なものをどのように実現していくのかということの中では、やはりそういう配慮が行われるということがあってしかるべきではないのかということを含めて、財政投融資のあり方について、大臣がおっしゃるように見直していくことについては私は賛成でありますけれども、財投そのものをどうこうするということにはならない、一定の大きい位置を占めていかなければならないのではないかという感じを持っていることを申し上げておきたいと思うのであります。
 さてその次に、先ほどからいろいろなことを言っておられます。財政投融資の問題で議論をさせていただきました。郵便貯金というのは、極端に申し上げて、自主運用というのが本来あるべき姿ではないのかと私は思っているわけです。貯金ばかり集めて、巨大になった、巨大になったと。出す方については一切かかわりなし、こういうことに今置かれているわけでしょう、極端に言ったら。
 自主運用というのは、今平成四年度で十五兆円ですか、ずっとたまってきましてそういうことになっているわけです。これも長い長い郵政省の職員の皆さん、あるいは労働組合の皆さんも含めて、おれたち自身がやろうやという積み重ねの中でやっとできた自主運用。しかし、ようやくにしてまだ預金総額の一割であります。平成八年に第二次五カ年計画ということで回していかれて、そのときに四十兆一千五百億ぐらいなんです。それで、私の推測でございますけれども、平成八年の郵便貯金の総額はまあ大体二百兆円ぐらいをお考えになって四十兆になっているんじゃないかなと思いますから、それでも大体二割なんです。
 そう考えてみますと、私は今後郵便の貯金事業ということを真剣に考えていく場合に、自主運用部分というのはやはり市場に連動しておるわけでありますから、そういう立場からいって自主運用をふやしていくということについて、見解があればお答えいただきたい。
○小泉国務大臣 財政投融資制度で国家の資金を一元的に管理運用するという方針でやっておりますので、その点についても、郵貯は郵貯だから郵貯で自主運用という意見もあるのは承知しておりますが、この点については財政投融資制度全体の中、同時に資金一元化運用という問題とどうなってくるのかという観点から考え直していかなきゃならない問題じゃないか。今すぐそれを進めるべきとか進めるべきでないとか、それよりも、全体の国の今までのあり方、これを見直す必要があるかということから検討する必要があるんじゃないかと思っております。
○吉岡委員 私は、乱暴な言い方をするか知りませんけれども、基本的に郵便貯金というのはすべて自主運用に任すべきではないのか、このくらいの気迫を持たなきゃだめだろうと思っているわけであります。だから、乱暴を言い方だというふうにお聞きください。
 しかし、なぜそういうふうに言うかといいますと、こう言いましても、原則的にそう言ったからといってあれですが、やはり郵便貯金の規模が極めて大きいので無制限に市場に運用されると非常ないろいろな弊害が予想されるということでございますから、できないかもしれませんけれども、しかし、ある程度そういうことに配慮するという立場から、国債や政府保証債、地方債、金融債などの公共債を中心とした運用、こういうことを前提にしながら資金の地方還流という意味での地方公共団体貸し付け、こういうものに限定しつつ、民間金融機関ともトータルバランスをとっていく、こういうことにしていけばいいのではないか。そして金利は、入る方、いわゆる資金調達部分ですね、いわゆる郵便貯金、そして資金運用面、貸し出しの金利ですね、こういうものも一貫して市場金利は反映される、そういうふうにすべきではないかというような意見を持っているわけであります。
 その点について所見があれば伺っておきたいと思います。
○小泉国務大臣 これは非常にわかりやすい議論になってきたと思うのでありますが、まさにそういう考え方も一つの考え方としてあると思います。官営金融機関が必要かどうかという議論に発展していくと思います。預金も貸し出しもそれ独自でやりたい、まさに巨大な官営金融機関の出現でありますから、それとどういう影響があるか、これは十分議論する価値がある問題だと思っております。
○吉岡委員 暴論に聞こえたかもわかりませんが、そういう意味で言っているのではありません。最後の方に、きちんと地方還流をするべきだというふうに言っているわけであります。ここが実は私の言いたいところなんです。
 私は、いろいろ思いますけれども、地方のインフラ整備というのは喫緊の課題だということはもう論を待たないと思いますね。人口も高齢化によって貯蓄率が低下するということが予測される。今高水準にあるというふうに言われましたから、そうだろうと思いますが、そういうことを考えれば、次世代に対するインフラ整備のラストチャンスを今迎えているのではないか、こういうように思うからであります。将来にわたる国民生活の充実のために、あるいは人々のニーズに合った良質のストックを蓄積すべきだというように考えるわけでございます。
 私は、なぜこう言うかといいますと、兵庫五区であります。まさに過疎地の中の過疎地であります。それだけに、民活的な手法というのが、都市部では可能でありますけれども、それは大都市に限られておりますよ。地方の地域開発、あるいは国や地方公共団体による公的資金の導入、これにゆだねざるを得ない現状であるわけであります。そういうことを考えてみますと、公共投資が抑制される、こういうことが来るとするならば、やはり地方債の依存ということが強まってくるであろう、こういうように思うわけですね。そうなりますと、郵便貯金の資金の地方還流ということをやはり考えていかざるを得ないのではないか、こういう発想に立ては、基本的な部分で、考える必要はないのではないか。
 したがって、今申し上げますような地域のインフラ整備の問題、ある意味で民活、民活というのはわかりますよ。過疎地におけるインフラ整備の部分に民活がどれほど本当に銀行を含めて活用されておるのかということについて、私は疑問に思っていますから、あえて申し上げます。
○小泉国務大臣 地域の活性化というのは、財政投融資制度のみならず、これからも、東京の一極集中から多極分散とか、あるいは中央集権から地方分権、それぞれいろいろな観点から今論じられております。ですから、この郵貯制度のみならず、また財政投融資制度のみならず、そういう広い観点から、地域の活性化、あるいは今までやってきた中央集権化がいいのかどうか、そういう制度全般にわたる見直しが今迫られているんじゃないでしょうか。そういう観点から、これだけがどうしても必要だというよりも、いろいろな点において今、日本経済社会というのは見直しが迫られているのじゃないかと私は思っております。
○吉岡委員 いろいろな点でということで言われますとまさにそうなんですが、これはやはり切実な問題だと思うのですよ。
 地方自治体が、地方債の資金調達の方法として三つあるわけですね。一つは政府資金であり、二つは公共企業金融公庫であり、三つは民間資金、この三つに大別されるだろう、こう思います。今、自治体の指定金融機関という側から見れば、私も地域の自治体の中に行っておりますから、聞いてみますと、縁故債、これは採算とれませんと言って嫌がっているわけであります、どちらかといえば。そしてまた現在の財政投融資も、まさに私の言い方からすれば全国画一的であり、中央集権的だというように思うわけであります。地域の多様なニーズに本当に対応できているのかということについては疑問を持っているわけであります。まさに地域密着型の公的な金融システム、これを形成していくというのも一つの方法だと私は思っております用地域の社会資本や地域経済活性化に投資していくという還流が郵便貯金ということの中で起こったとしても一つも不思議ではない、こう思うわけであります。
 むしろ、そういう郵便貯金の地方債直接運用ということができるような方向があれば、これから郵便貯金の将来と、そして、私はすべてはっと自主運用だと言いましたけれども、暴論ですから、やはり財投で必要な分はきちんとやっていただいたら結構ですが、要するに、自主運用を拡大する中でそういう地域還流ということをお考えいただく、こういうことが一つの郵貯の、そしてまた国土の均衡ある発展、自治体の発展、加えて国民の福祉前進に寄与する、こういうことにつながるのではないかと思いますけれども、いかがでしょう。
○小泉国務大臣 国の資金をいかに有効に活用していくか、郵便貯金資金制度、財投を通じていろいろな事業に展開していかなければならない、さらには地方交付税制度、いろいろ国の資金を均衡ある国土の発展のためにどう生かしていくべきかという点、今委員御指摘の点も含めまして、これからの行財政改革、あるいは中央集権から地方分権ということを考えても、今言われたような議論も私は必要ではないかなと思っております。
○吉岡委員 今まで大臣と議論をさせていただきまして、私も余り口はうまいことないので、十分真意が伝えられたかどうか疑問に思っておりますけれども、ひとつぜひ今御答弁にありましたようにお願いをしたいと思います。
 ただ、私は今まで何が言いたかったか、結論を申し上げてみたいと思います。
 それは一言で言いますと、やはり郵便貯金事業というのは、今申し上げてきたような方向をとるとするならば、郵便法第一条の目的、いわゆる簡易で確実な貯蓄手段として、あまねく公平に利用されることによって国民生活の安定を図り、その福祉を増進することということにまさに合致するのではないか、こういうように思うわけであります。国民福祉の前進を求めて改革を図れば、まさに民業を圧迫するということなく官業として国民の合意を得つつ発展し得る、こういう方向があると二うことを私は申し上げてみたかったわけでございます。
 その点について、ぜひひとつ受けとめ方をよろしくお願いしたいと思います。
○小泉国務大臣 今委員御指摘の、郵便法第一条の精神に沿って郵便貯金制度というものが国民の利便に大きな貢献をしてきたというのは事実だと思います。そういう観点から、これからのあるべき郵政事業あるいは財投制度等、国民経済をいかに活性化していくかということを真剣に検討しなければならない時期に来ていると私は思っております。
○吉岡委員 ずっと議論を進めてみましたけれども、大臣も、見直すということで終始対応していただいたと思います。新聞やテレビヘ出ましたように郵便貯金について民営化というようなことは、一言もおっしゃらなかったわけであります。
 それで、実は私先ほど申し上げましたように、郵便局の職場を歩いたり特定局の局長さんにお会いしたり、暮れの段階でいわゆる年賀郵便、小包、そういうもので大変お忙しくされておりますから、御苦労さまでございますという激励を兼ねながら回ったのですよ。そのときに、やはり物すごい、大臣の発言に対する受けとめが大変厳しいものがあったのです。それは大臣は、郵政事業を大事にしていくんだという気持ちを持ちつつ言われたというように先ほどからおっしゃっていますから、私はそれが真実だろうというふうに受けとめさせていただきます。しかし、あの一言一言は、三十万に及ぶ郵政職員と特定郵便局長等を、ある意味で物すごく、激震に近い形で職員を驚かせ、不安に追いやった一時期があったということについては、やはり大臣も認識していただきたいと思うわけであります。
 営々と現場で雪の中、風の中、雨の中努力をしておられる方々があればこそ今日の郵政事業は健全に来ているということに心していただきながら、大臣としてのあの種発言については慎重を期していただきたいということを申し上げて、そして言いただいて終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。
○小泉国務大臣 私があたかも郵貯は要らないとか郵政事業は要らないとか言ったことは一つもないわけでありまして、郵政事業の重要性、また、国民から非常な信頼をから得、その活動が地域から重要だと考えられ、そして、多くのそこで働く職員の皆さんが日夜努力されている、ここの点については私は高く評価している一人であります。
 同時に、政党でも政治家でも、必ず一つの主張があれば批判があります。こういう批判があって初めて進歩がある。期待される。ですから今まで郵貯は確かに民営化論も一部ではあります。今民間がやってない。郵便事業も貯金も保険もやっている。民間、どこもやってないんです。そういう特殊なまた個性的な活動が多くの国民から信頼をされ、愛着を持たれている。そういう点も含めて、じゃ民営化できるのか。できないじゃないかという意見もたくさんある。そういう常にいろんな意見を検討することによって、よりよい郵政事業の発展というのがあるんじゃないか。
 私は、そういう開かれた議論というのが新しい二十一世紀の社会に向かって必要じゃないかという観点から、批判を恐れちゃいかぬ、郵政省のことを考えるのだったら、やはりそういう批判にも向かって、どういう意見があるのかと聞いて、その中からよりよい郵政事業の発展を進めるべきじゃないかという観点から言っているわけでありましていその点がもし私の真意とは違う形で受けとめられているというのだったらそれは遺憾でありますが、やはり常に一歩でも二歩でもこれからの新しい時代に向かって、国民経済全体の発展に資するような改革の姿勢というのは私は大事じゃないかなと思っております。
○吉岡委員 開かれた議論の中からよりよいものを見つけ、そして国民の生活、そして福祉の前進へつないでいく、そういう郵便事業ということについて、共鳴をするところであります。
 ただ、先ほども申し上げましたように、大臣ですから、一言一言が大変な影響を持つことをこの際しかとやはり受けとめてもらいたいのですよ。何ぼ言ったって、小泉大臣が言ったということになれば、私ども田舎の方の職員の皆さんは、いや、うちの大臣があんなことを言ったらおれたちはどうなるのかという不安というものがやはりよぎるわけですね。年賀状をより分けながら、そして小包を郵便局で受け付けながら、そういう不安をやはり口々にされた。私に訴えられた。その実情というのがあるわけでありますから、そのことに心していただきたい、大臣なればこそというように最後に申し上げたいと思います。
○小泉国務大臣 いろいろ、発言に対して影響力が多いということを考えると、注意深く、慎重にしていかなければならないなと、委員御指摘のとおりだと思っております。
○吉岡委員 終わります。
○亀井委員長 次に、山下八洲夫君。
○山下(八)委員 それこそそれぞれの先輩の皆さんが、小泉郵政大臣が再入閣されましたことにお祝いの言葉を送っていらっしゃるようでございます。私も、再入閣につきまして、心からお祝い申し上げたいと思います。
 また、本日はお忙しい中、大蔵政務次官に就任をなさいました村上さん、本当にありがとうございます。また、おめでとうございます。
 多くの皆さんがそれぞれ御質疑なさっておりますし、私も、この委員会の席でほとんど皆さんの御発言を拝聴していなかった非礼がありますので重複するかとも思いますが、なるべく角度を変え、重複しないような形で意見やら質問をさせていただきたいと思いますので、その点は御容赦いただきたいと思います。
 正直申し上げまして、いろいろと小泉郵政大臣の発言が多くの場で話題になり、またこの逓信委員会も大変御熱心に審議がなされているわけです。そういう中で、私もそれなりにいろいろな新聞も読ませていただきました。また、十二月十五日のNHKの「モーニングワイド」、これも速記録を起こしましたのをつぶさに読ませていただいたのも事実でございます。また、去る一月二十日のこの逓信委員会での一日じゅう行われました会議録も読み直してみたりいたしたわけでございます。そういう中で、小東大臣はなかなか博学だな、秀才だな、私みたいな浅学非才はとても太刀打ちできないというような気がしながら、今震えながら質問をさせていただいているわけでございます。
 その中で、この間、去る一月二十日の逓信委員会での終了後のある新聞の夕刊に小泉大臣のつぶやきが出ておりました。「委員会の議事録を読み返してみた。そして、こうつぶやいた。「われながら、よく我慢したものだ。これからも言うべきことは、言っていく」」このような感想が述べられていたわけでございますが、大変立派なことでございますし、もう一度この場で、前回二十日の委員会の感想を生の声で聞かせていただいたら幸せだというふうに思います。
○小泉国務大臣 確かに、新聞記者に向かって、我ながらよく我慢したものだと言ったかもしれません。というのは、人間だれでも、自分の言動が自分の思ったこととはかけ離れてとられるということに対して、戸惑いを覚えるときがあると思います。私の発言に対しましても、逓信委員会の委員の方から、私の発言そのものよりも、私の過去の経歴とか、私を支援する人の立場を私が代弁しているのじゃないかとか、何かある筋から言わされているのじゃないかとか、私の発言そのものよりも私の出身、今まで歩んできた道をとらえて、あるいは過去の経歴した役職をとらえられて、その枠を出ないのじゃないかとかいうことをとられるのは、私は心外だ。
 私は、今までも政治家としていろいろな方々から支援を受けてまいりました。そういう支援する方に対してできるだけ政治家として要望にこたえられるようという努力もしてまいりました。しかし、基本的に、議員として、また政治家として、その一部の方の要望というものが全体に及ぼす影響ということを考えた場合、ある場合にはその支援した方の意に反することはあるかもしれないし、ある場合にはその支援した方の要望どおりの行動をとることができるかもしれない。そういうことはもうケース・バイ・ケースでいろいろあるのですが、基本的には、私は自分独自のいろいろな考えから言っている。その背景の支援団体とか過去の役職にとらわれている議論じゃない。
 それを、あたかもそういう小さな一つの枠にとらわれて言っているのじゃないかというふうに私は受け取れる点もあったものですから、これは私の真意ではない。私は金融界の代弁者でもありませんし、大蔵省出身者でもありません。確かに大蔵政務次官をしたことがございます。大蔵関係の仕事をいろいろ勉強させていただいたこともあります。大蔵族とかある人は言われるかもしれませんが、自分はどの族議員かと意識したことは一つもありません。そういうことで、自分の発言がその自分の真意とは違ってとられるということに対して、これは残念だなということもあったものですから、そういう点につきましては、まあ私自身余り感情を出さずに冷静に、余り怒らずに静かに答弁することができたということが、まあ我ながらよく我慢したなというつぶやきに出たのかもしれません。
 しかし、それはお互い出身母体がどうだろうと、それぞれが国のために考えていることですからそれはいいのでありますけれども、余りそういう色眼鏡でとられるというのは私の本意ではないということを御理解いただきたいという観点から言ったものでありますし、これからも自由に発言できる、またお互い違った意見でも、議論は議論としてしていくことによって何か一歩でも新しいものが生み出せるのじゃないか。
 もとより政治家ですから、私は同じ自民党内の議員でも、ある意見では全く同じだ、別の意見では全く違う、その意見のごとにけんかしていたら仲よくなれないのです。あるときでは違うけれども、また別なときでは一緒だ。政策政策ではしょっちゅう意見の違いはあります。しかしながら人間としては、意見が違っても人間的なおつき合いは、たとえ自民党内で派閥を超えても、また政党間でも、野党の皆さんとも意見は違っても人間的ないい関係はつくれるわけです。議論というのは、意見が違ったとしてもその場で議論していくことによって、後はそれほどこだわらないといいますか、お互い意見の立場を認め合いながら何かよりよいものを見出すことができればなという気持ちで現在でもおります。
○山下(八)委員 族議員の物差しが私もわかりませんからお尋ねしようかなと思いましたら、今の御発言の中に入っておりましたし、そういうことで割愛をさせていただきたいと思います。
 今伺っておりますと、私も労働組合の出身でもなければ、それこそ秘書としてぞうきんがけを一生懸命して政治家になった一人でございますので、その点からいきますと、どなたかから発言を頼まれたから行うというのではなくて、みずからがこうやって今質問させていただいているわけでございます。また、今大臣のそれなりの一定の哲学をお聞かせいただきました。
 全然角度を変えて一つだけお尋ねしたいことがあるのです。それこそ国鉄が五年くらい前ですか、正確に言いますと七分割、旅客が六分割に貨物というふうに分割をされまして民営化になり、今ずっと営業をなさっているわけでございますが、この国鉄が民営化されたということで今どのようなJRに対する感想をお持ちでしょうか。
○小泉国務大臣 国鉄民営化前後の議論というのは、民営化に反対する議論も強くありましたし、民営化されるとサービスが低下するんじゃないかというような議論もありました。結果的に、民営化されてみると、むしろ国民全体からは民営化してよかったんじゃないかなという議論の方が多いんじゃないか、私自身も個人的に民営化してよかったな、そういうふうに思っております。
○山下(八)委員 大蔵政務次官に、大変申しわけないんですが、これは質問通告しておりませんでしたので政務次官の判断でお答えいただければ幸いだと思うんですが、私、自分で物差しがわからないんですよ。よくいろいろな企業を一流企業だとかいいますね。大蔵の政務次官でございますが、例えば銀行の一流企業というのはどういうものをいうのか。例えば都市銀行の上位行をいうのか、あるいは地銀も含めていうのか。最近では第二地銀もありますし、もっと小さく言えば信用金庫のようなものもありますし、どういうものなのか私は、よく一流企業一流企業といいますけれども、物差しがわからないんですけれども、村上政務次官はどのような判断をされますか。
○村上(誠)政府委員 山下委員の御質問にお答えします。
 これは非常に個人的見解の相違の幅の広いところだと思うのですけれども、もちろん年間の売上高、企業収益率、そしてまた規模によってある程度の枠が考えられるんじゃないかと思いますけれども、売り上げが多少劣っていても利益率の高い会社がやはり一流企業じゃないかな、私はそういうふうに考えております。
○山下(八)委員 済みません、郵政大臣もお答えいただきたいと思うのです。
○小泉国務大臣 まず一流企業といいますと、銀行の場合は全国多く支店網が配備され、収益力も高くて信用もある、預金量も多い、そして全般的に都市銀行の方が信用度が高いし、一流企業と思っているんじゃないでしょうか。
○山下(八)委員 そこで実は、去る一月二十日の逓信委員会の会議録を読ませていただきまして、そして今疑問を感じてこのような失礼な質問をさせていただいたわけでございます。川崎委員の質問に対しまして小泉郵政大臣が、「民間企業でも、もし採算とれるところだけやってとれないところをやらないということだと、一流企業として」、ここですね、「一流企業として繁栄していかないのじゃないか。私はいろいろな形態があると思いますけれども、やはり企業としては、採算とれるところ、とれないところ、何か事業を考えれば、全国的に展開していこうという企業が一番発展するのじゃないかなと思っています」云々、ずっとこのような御答弁をいただいているわけです。
 それで私はまたさっきのJRの話へ戻るのですが、先ほど大臣は、国民全体から見ればよかったんではないか、そして大臣自身もよかったと思うというふうにおっしゃいましたね。この間の答弁では、赤字であろうがなかろうが、採算がとれようがとれまいが、やはり全国規模ということで考えていきますと、貨物とそれから旅客だけでも六社に分断されているんですね。それから、国鉄からJRになるときに、第三セクターというので赤字路線が随分切られまして、そして、例えば自治体等含んだ本当に赤字路線というのはいまだに四苦八苦して何とか維持をしているというような状況なんです。
 そうしますと、今国民全体から見てよかったんではないか、そう思うということでございますが、内答的には私は、分割したことは随分悪かったんじゃないかというふうに、この答弁と突き合わせていきますと印象を持つんです。
 それと同時に、あわせて言っておきたいと思うのですが、国民全体から見てよかったとおっしゃるのは、多分サービスが随分よくなったということを言われていると思うんですね。私も選挙区からしょっちゅう利用させていただいているんですが、それじゃ国鉄時代と比べてサービスがよくなっただろうか。よくなったところもたくさんありますし、悪くなったところもたくさんあるなというふうに思うんです。
 時代の流れでどんどんいろいろな事務機器が変わるように、いろいろな機械化その他で変わると思うんですが、東京駅へ行きますと、私なんかそれこそこのパスで乗せていただいていますので、あのパスの改札口というのは一番隅に一カ所しかないんですね、大体。そして、あそこには駅員さんがいらっしゃるからいろいろなことを尋ねる人がいる。旅行かばんを持って入ってくる人、出ていく人、いつも混雑しているんですね。あとは使えないんですね、幾ら改札があっても。あるいは、まだ細かいことを言いますと、それに類することはたくさんありますが、きょうはその話ではないですから申し上げません。
 そういういろいろな面から考えて、よくなったところもありますけれども、六分割されたということ自身は大変私は悪くなったんじゃないかというふうに、大臣の二十日の答弁と突き合わせて思うんですが、いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 この六分割された経営状態あるいはサービス状況はどうかということはつぶさにはわかりませんが、採算のとれない部門に路線を展開してきたのが廃止されたという面もあると思いますが、どの程度国民負担が適当か、あるいは地域負担が適当かというのは、まさにその地域の方々の要望とかその地域の負担とか受益者の負担とか、いろいろな点を考えて検討しなければならない問題だと思いますが、一流企業でも、最近は社会的責任というものを自覚して、単に営利事業だけじゃない、文化活動とかあるいはいろいろな地域の活動とか、全く採算とは関係ない、地域の役に立つために随分貢献している企業があります。そういう点もやはり必要じゃないか。
 ですから、何でも採算のとれるものしかやらないというのは、私は本当の一流企業とは言えないなというのはそういう点を言っているわけであります。
○山下(八)委員 今、国民負担の問題が出ました。これは忘れないうちに先に意見を申し上げておきたいと思うんですが、確かに郵便局は全国に配置されているんですね。特定局まで入れますと、私の数字が間違っていなければ二万四千九十六店舗ですか、三年の三月現在で。
 私は岐阜県の山の中に住んでおりますから、岐阜県というのは九十九の市町村がありまして、市といっても小さい市ばかり十四ありまして、あとみんな町村なんです。千人以下の村もあるんです。だけれども、どこへ行ってもやはり必ず郵便局は一つあるんですね。だけれども、あの郵便局を建てるのに、国民負担はされているでしょうか。国民負担は私はされていないというふうに確信をしているんです。そうしますと、全国に網羅して赤字のところも何とか支えてやっていくということで、すばらしい優良企業だなというふうに私は思うんですね。今、三事業も、まあいいところをいっていますよ、正直言いまして。
 それからいいますと、先ほど銀行でいいますと、都市銀行が一流企業だと仮定しましょう。確かに全国を網羅していましても、県都とかそれに準ずるような都市まではいっているかもわかりません。それ以上はいっていないんですよね、正直言いまして。少ないんですよ。全体を合わせますと、銀行と信用金庫からあるいは労働金庫まで押さえますと、二万八千百四十四店舗からありますから、郵便局よりは約四千ぐらい店舗としては多いんですが、これはもういろいろな金融機関ですね。
 それからいきますと、私は、国民負担もされていない、そして全国を網羅されている、そのことを考えますと、ますますそこに追っつけ追い越せというのが、やはり民間が切磋琢磨して頑張っていくべきじゃないかというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○小泉国務大臣 まさに郵便局、民間のできないことをやっている、ここにやはり官業の役割というものが私はあると思うのであります。そういういい点も含めて、これからはどのように郵政事業の活性化に資するか考えていく必要があると思います。
○山下(八)委員 そういうことで、ちょっと横道へ入ってしまったわけでございますが、これもまた新聞記事で大変恐縮であるわけでございますが、これは多分インタビューにお答えになられたと思うんです。記者の方が、郵貯を初め郵便、簡保の民営化はというような問いに対しまして、大臣が、民間が育ってきたら国は後方に下がるべきだ、あの国鉄だって民営化できたではないか、余り逃げてはかりいないで郵政省も前向きに検討しないといけない、十年ぐらい先には実現させたい、このような御発言があるわけです。
 それで、中身まで読みますと時間がなくなりますから、ちょっと新聞の見出しだけ読ましていただきたいと思うのです。
 銀行に対するので、内容を読むとぼろくそに書いてあるんですけれども、「郵便局の親切 銀行も見習え」、これは東京都の佐々木みえ子さんといって元銀行員の方が言っています。簡単に、中身はもう読みません。
 それから、金利の自由化というなら「銀行の努力をもっと促して」、こういうのがあるんですね。自由化自由化と言っているけれども、なかなかそう思われていないんじゃないですかね。
 それから、この中にも経験者がいらっしゃるんじゃないかなと思うんですが、「客の懐見て態度ガラリ」、よくあることです、これは。銀行のここが悪い。銀行というのは、大体雨降りに傘を取り上げて、天気がよければ傘持っていけ持っていけというような感じがしてならぬのですけれども、私も。
 「小口客は窓口 大口客は別室」、別室でコーヒーを飲ませてもらいますよと、これは経験している方、いっぱいいらっしゃると思うんですね。
 「応じたがらぬ定期全額解約」、私もこれは過去に経験があるんですよね。金をおろそうとしましたら、何に使うんですかと聞きますね。これは要らぬことです。よくあるんです。窓口でやります。
 「機械へ誘導 不便が多い」、これもあるんですよ。私、カードを持っていないんですけれども、カードをつくれつくれと言って、やかましくてしょうがないんですね。やはり国民の皆さん、よく見ていると思うんです。
 それに対しまして、郵便局のいいところはかり拾ってきたわけではないんですよ、今度は郵便局のです。「仕事に責任感 配達員に感心」と出ている。きょうマスコミいらっしゃらないですか。僕は、大手の日刊紙、例えば朝日とか毎日とか日経とか、ああいうのも私の住んでおります山の中は毎日郵便局員が配達するんです。冬になると雪があって配達できないから、それが三倍、五倍にふえるんです。こういう実態も一生懸命努力してやっているんですよ。それで「遠くても行く 親切な郵便局」ですね。「郵便局がふるさと情報提供」。
 それから、最近、郵便局がますますよくなっているから銀行はなお心配するんじゃないかなと思うんですね。「解放感いっぱい 郵便局の"運動場"」。これはどこですか、「一般に無料で貸します」「四階建て屋上にゆったり テニスやゲートボールも」「大田区・千鳥郵便局」と書いてありますね。こういうことをやれば、ますます銀行は怒るんじゃないかなと。
 それから、ある人、「郵便局、上手に活用」「通常貯金、高利率」「CD利用、日曜も無料」。やはり今、国民の方がそういう意味では正直言って賢くなっていると私は思うんですね。
 そうしますと、銀行も――私、去年の九月に新聞を見まして、銀行協会がこっぴどく批判をした記事が新聞に載っていたんですね。銀座や赤坂の方へ郵便局をつくる、こういう都市のいいところは民間に任せて、地方の民間のつくれないところにつくればいいのだ。これは効率論だけだ。利益論だけだと思うんです。ここに私は、まだ民間というのは、銀行というのは姿勢を正さなければいけないところがあるのではないかというふうに思うんですが、そのことについて細かく後ほど聞きたいと思いますので、まず感想をお聞かせいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 銀行よりも郵便局の方が国民からはるかに親しまれ、愛着を持たれているというのはそのとおりだと私も思います。銀行が非常に評判が悪い。これもやはり銀行界の不徳のいたすところと言ってもいいのかもしれません。
○山下(八)委員 今おしゃべりして聞き漏らしたんですが、それで幾つか銀行の問題点というのもあるんですね。ですから、このことについて勉強すればするほど、銀行が官業に追いつくのにはそれこそまだまだ時間がかかるなあという感想も一つは持っています。
 特に、バブルが崩壊したときの原因としていろいろと議論があったと思うんです。不動産会社へどっと融資した、あるいはノンバンクを経由して融資した、あるいは株を購入するのに融資した。また同じようにノンバンク。ノンバンクと言えば言葉はきれいですが、あれはサラ金会社の大きいやつだと思うんです。そういうところへ一流企業がどんどん融資をしていく。こういうところから健全な銀行本来の業務にかなり支障を来しているのではないか。だから、逆に言いますと、銀行業界自身も相当郵貯に対して厳しい態度へ出ている。決起集会を開いだというような記事も見ました。自業自得だと思うんですよ。
 それから、私は村上政務次官に質問通告をしていないんですけれども、どうも大蔵省は、郵政省には一つも応援をしないけれども、郵便局には一つも応援しないけれども、銀行や証券会社あるいは損保会社、そういうところに随分応援するんですね。それは何が原因だと思いますか。
○村上(誠)政府委員 山下委員はそうおっしゃいますけれども、我々は常にニュートラルな立場で、公平にかつ中立な立場でやっていると思います。特に、いろいろそういう御意見は聞きますけれども、やはり何といっても金融秩序の安定と顧客の保護、これはどうしても最大の使命でありますので、我々はそういう立場で中立、公共性を持って頑張っていることでございまして、御理解いただきたいと思います。
○山下(八)委員 村上政務次官はなかなかこの問題、答弁しづらいと思うのです。
 私は、感想を申し上げますと、正直言いまして、郵政省や郵便局には大蔵省のOBはいませんけれども、金融機関というのは大蔵省OB一色ですね。これが大きな差になっているのではないかと思います。お一人うなずいてくださる方がいらっしゃいますからこれ以上申し上げません。私もそう思うんです。
 それから郵政大臣、例えば今民間金融機関というのは自由化が随分されてきているんですね。それから都市銀行、例えば仮に大手といいましょうか、そういう都市銀行などは一行当たり約十八兆円ぐらいの預金率を持っているんですね。十八兆円強ですね。信用金庫は約一千四百億円です、一行当たりですよ。百倍以上の差があるんです。だから、経費率も随分違うんですよ。例えば、経費率は平成三年度で、経済統計月報で見ますと、都市銀行一・二七%、地方銀行が一・六〇%、信用金庫が一・八八%。やはり小さいほど経費率が上がるのは当然だと思うのです。
 だけれども、現実には大口定期やスーパー定期、経費率に関係なく余り金利の差がないんですね。自由競争の結果金利が横並びになるというのは、不思議で仕方がないんです。変わって当然ではないかと思うんです。その辺はいかが判断されるでしょうか。
○小泉国務大臣 私も、率直に言いまして、銀行というのは競争が足りないのじゃないかなと思う点が結構あります。これからはそういうことではもたないのじゃないかな、金融の国際化と自由化を目の当たりにしまして、横並び一線とかしていていいのかなと。やはり銀行、金融機関同士が個性を出し合っていろいろな競争をしていかなければ、良質なサービスも提供できませんし、また、国民も今の意識として金融機関は倒産しないという観念があると思います。そういう観点もいいのかもしれませんが、やはりこれから不健全な経営をやっていれば当然倒産というのはあり得るでしょうし、良質なサービスの提供のためにどのような競争が必要かということを考えてみますと、余り横並びとか、そういう意識では銀行業界もやっていけなくなるのではないか、もっと競争理念の導入といいますか、自由経済ならばそういう意識を発揮できるようなあり方が必要ではないかなというふうに私は考えております。
○山下(八)委員 銀行の営業時間といいますのは、午前九時から三時まで、画一的になっておりますね。これは、法律上は銀行の判断で延長することができるというふうになっておりますけれども、私の推測では、多分大蔵省の行政指導等が入ってこのようなルールで行っていると判断しているんです。それはそれでいいでしょう。
 私が思いますのは、やはりもっと自由競争させてやる、そしてできれば郵貯とも競争をする、こういう性格にすべきではないかと思うんです。例えばアメリカにしましてもイギリスにしましても、あるいはドイツ、カナダにしましても、国によってかなりいろいろな時間帯のがございますね。ですから、何でも画一というのではなくて、これは政務次官も聞いていただきたいと思うんですが、ある程度自由競争の環境をつくっていく、こういうことが政治では大事ではないかと私は思うんです。相手をけしからぬと言うのではなくて、相手に負けないように頑張るぞ、こういう環境づくりが私は政治だと思うんですよ。
 そういう中で、私は正直言いまして、銀行の行員と郵政省の郵便局の職員と賃金を比べたら、銀行員の方が随分いいと思うんですね。夏や暮れの一時金にしましても、片一方は国家公務員ですからその規定どおりですけれども、銀行などはもうければボーナスもうんと弾みますし、あるいは三月に年度末が出ることもありますね。そうでなくたって、基本給自身、年収でいいますとかなりいいと思うんですね。これは、いいからけしからぬと言っているのではないのです。もっともっとたくさん稼いてもらった方がいいんです、さっきの大臣のお話ではございませんが。利益率がよくなればそれだけ給料も払えるわけでございますから、大いにもらっていただいていいんですけれども。
 今、私は全体的に世の中を見ていますと、特に銀行の不安説というのが正直言って流れていますよね、正直言って。だから、事実こういう不安説が流れているときに小泉郵政大臣の発言というのは大変重大な発言だったなと私は思うんですね。それは、どう見ましてもやはりこれは、ひょっとしたら郵政大臣は誤解されたと思われるかもわかりませんけれども、いやうんと肩持ったなというふうにどう見ましてもやはり判断せざるを得なかったというふうには思うんです。だからいろいろなまた各委員の皆さんからの発言等もありましたし、そういう中での議論もあったと思いますから、今は随分お変わりになったんではないかというような、あるいは銀行対郵貯の問題、あるいは簡保にしましても、あるいは将来、十年後云々というような発言もありましたけれども。
 あるいは郵便の問題にしましても、私はやはりJRを見まして、正真言って民間が育つためにはやはり官業と競争する、その中である面では官業がリードする、そこへ民業が追いついていく、今度は民業のすぐれたところは官業がまた努力して追いついていく、ここの切磋琢磨が本当の意味での国民に対するサービスであり、また国民が求めているニーズでもあると思うんですね。
 そういう観点から私はそういう考えを持っているんですが、郵政大臣はいかがでしょうか。
○小泉国務大臣 基本的に民間ではできない事業というのは確かにたくさんあると思います。ですから、官民相協調していくというのは大事なことですし、同時に民間活力を活性化させるという意味からも、官業のあり方というのはむしろ民業を圧迫しないで民業の補完であるという基本的な精神というのは、私どもの政党の考え方でありますし、この視点というものは私は大事だと思うのであります。ただ、どういう状況が官民相調和ある発展かというのは、その時代時代によってよく検討していかなきゃいけない問題だ、そういうふうに思っております。
○山下(八)委員 私は、逆に言いますと、官業でしかできない仕事はたくさんあると思うんです、これはもうからない仕事は絶対に民間は手を出さないんですから。
 それは、今郵便もふるさと小包、いろんなことやっていますね。あれはどんな奥まででもやはり配達するんですよね。それは今宅急便というものも随分全国網羅されてきました。だが、まだ完全に配達し切れていないんですよね、正直言いまして。それは、大臣のように比較的都会に住んでいらっしゃるのと私のようにクマやイノシシを相手に選挙して出てくる人間との乖離があると思うんです、正直言いまして。ですから、確かに日本の国土の大体、東海道線とかあるいはそれぞれの昔の幹線道路、そういうところへ集中しておりますけれども、そこから入ったところに私は全国民の二割くらいはいらっしゃると思うんですよ、正直言いまして。その二割の人にやはりどう光を当てていくかというのは、そこらはみんな官でないとできないと思うんです。それは赤字だからできないんですよね。それをあえて、この郵貯の場合にしましてもあるいは郵便の場合にしましても、行っているんですね。
 ですから、さっき言いました朝日新聞とかああいう大手新聞が、専売所があの雪の中、一部だけあの山の上へ届けることはとてもできない、だけれども購読者だから届ける義務がある、だから切手張って出してしまえ、三種の許可を取っていますから、そうなっちゃうんですよね。ですから私が言いますのは、官業でしかできないのはいいんですよ。民業ができるものは、逆に言いますと民と官で競争さして国民によりよき商品を与える、よりよきものを与えていくというふうに思うんです。
 もう時間なくなりましたからあわせて申し上げたいと思いますが、よく定額貯金の問題が議論されておりました。私は銀行だってあの定額貯金よりすばらしい商品を出せばいいと思うんですね。小泉郵政大臣はあれはよくないような発言の記事が幾つか出ておりましたけれども、私は逆だと思うんですよ。もし郵政大臣であるならば、何やっているんだ、逆に銀行も負けずにあれよりいい商品を開発しろよ、そして出せよと言うのが、国民のための政治を行っているわけでございますから、私は一番大切なことだと思うんですが、いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 それは、郵貯に全然金が集まらない、シェアも今みたいに三〇%どころか一〇%にも満たない、あるいは民間ばかりに資金が行って財投に郵貯資金が集まらないというような状況においては、むしろ何とか財投資金としてもっと資金が必要だという場合には、郵貯の定額貯金は民間より有利にするという場合が出てくるかもしれません。しかし現時点において、とても民間ではできないような有利な商品、この三〇%のシェアを持っている貯蓄動向を考えて、なおかつより多く集まるような有利な商品を官営であります郵貯が持っていいのかどうか、そういう観点も考えなきゃいけないと思っております。
 ですから、私自身は、この定額貯金に倣って民間はいろいろ考えて、いい商品というものを考えて競争している、その競争が余り太刀打ちできないような形をつくっていくと、ますます郵貯に資金が行ってしまう。これは果たして民間の活力を生かしていく方向につながるのかどうか、そういう点も私は考える必要があると思います。
○山下(八)委員 それは全く逆だと思うんですよね。今、定額、定期あるんですよね。それに対しましてそれよりいい商品をつくればいいんですよ。なぜ一流銀行がつくれないのか、都市銀行あたりはっくれないのか、私は理解できないんですよね。それが理解できないんですよ。(「給料が高過ぎるからだよ」と呼ぶ者あり)給料が高いとおっしゃったですけれども、そうじゃなくても、僕は銀行自身も企業努力すべきだと思うんですよ。
 銀行といいますのはその町の一等地の大体角地に立派なビルを建てているんですよ。そうなんですよ。私、臨時国会のあの代表質問のときにこれに触れさしていただいたんです。大体銀行く行きますと、お金をおろしに行くか借りに行くか、まあ国債買ったりするのもありますけれども、あれは一階になくてもいいんですよわ。一階にあって三時に閉まるものですから町まで死んじゃうんですよ。三階か四階にあの窓口を上げてしまって、そして一階や二階は商店街に開放するとか、市民に開放するとか、あるいはテナントをお店に入れれば、いい場所ですよ。そういうような企業努力をすれば全体的なコストは下がるんですよ。決して私、銀行の行員の賃金を下げろとか――そういうことでまた給料を上げればいいのであって、そういう努力を何もしないんですよ。
 大体銀行というのは、支店長になりゃ威張りますよ、正直言いまして。それはなぜ威張るんだろうと私も考えたことあるんです。それは金を借りに行くときに借りる方が弱いですから頭を下げるせいじゃないかと思うんです。私みたいな五万くらいの市にいますと、よく耳に入ってくるんです。どこどこ銀行の支店長は朝から喫茶店へ行っておる、毎晩カラオケ喫茶へ行っておるとか、よう入ってきますよ、こういうことは。それはそれだけ貸してくれという相談が来るものですから。本当によく入ってくるんですよ。正直言いまして、支店長クラスになってきますと働きが悪いと思いますよ。その辺を努力しないで、そうして郵貯の方が有利性がある、これは今の段階では通じないと私は確信しております。
 時間になりましたから、このことについての最後の御感想と、また村上政務次官には最後までおつき合いいただきましてありがとうございました。お願いしたいと思います。
○小泉国務大臣 私は別に銀行界の代表でもありませんから、どういう競争をしょうがそれは御自由だと思いますが、国民の資金がどんどん官営である郵貯に集まり過ぎる、民間に資金が行かないというのもこれまた大きな問題になってきますし、そういう観点から、やはり官業と民業の役割というのはそれぞれ節度ある競争があってしかるべきではないか、そういうふうに思っております。
○山下(八)委員 どうもすみません。ありがとうございました。
○亀井委員長 次回は、来る二十二日月曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十一分散会