第126回国会 建設委員会 第11号
平成五年五月十四日(金曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 野中 広務君
   理事 大野 功統君 理事 金子原二郎君
   理事 久野統一郎君 理事 杉山 憲夫君
   理事 野田  実君 理事 石井  智君
   理事 山内  弘君 理事 平田 米男君
      植竹 繁雄君    大石 正光君
      金子 一義君    金子徳之介君
      川崎 二郎君    木村 守男君
      塩谷  立君    萩山 教嚴君
      光武  顕君    谷津 義男君
      山本 有二君    遠藤  登君
      木間  章君    小松 定男君
      渋沢 利久君    渋谷  修君
      松本  龍君    伏木 和雄君
      薮仲 義彦君    辻  第一君
      米沢  隆君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 中村喜四郎君
 出席政府委員
        運輸大臣官房総
        務審議官    向山 秀昭君
        兼貨物流通本部 
        長
        建設大臣官房長 望月 薫雄君
        建設大臣官房審 村瀬 興一君
        議官
        建設省都市局長 鹿島 尚武君
        建設省道路局長 藤井 治芳君
 委員外の出席者
        建設委員会調査 杉本 康人君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  貴志 八郎君     小松 定男君
  渋沢 利久君     遠藤  登君
同日
 辞任         補欠選任
  遠藤  登君     渋沢 利久君
  小松 定男君     貴志 八郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出第五四号)(参議院送
 付)
     ――――◇―――――
○野中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本龍君。
○松本(龍)委員 おはようございます。
 本法に入ります前に、私はこの三年間政治家をやってまいりまして、ここ数カ月間、政治家の任務なり責任とは何だろうかということを考えて非常に重苦しい日々がずっと続いています。といいますのは、五月四日、テレビを見ておりましたら、臨時ニュースでカンボジアで文民警察官の高田さんが亡くなられたというテロップを見ました。大変な衝撃を受けたわけですけれども、そのときに私思いましたのは、国会議員として大変な責任が自分自身にもあるな、法案に賛成した、反対したとは別に、そのときに、この立法にかかわった人間として大きな責任があるなというふうに私は思いました。建設大臣も私も同等にあるし、また賛成、反対を別として、ここにおられる国会議員の皆さん、ひとしくその責任がある。そういうところからこの論議も逆に深めていかなければならないなというふうな思いをいたしたわけであります。
 なぜこういうことを言いましたかといいますと、きのう公正取引委員会が山梨の建設業界に入り、また加盟三十社を立入検査をするという記事が出ました。これを見ても、行政の長としておられる建設大臣あるいは官僚の皆さん等々、この時期にこういうことが起きたという責任は非常に大きいというふうに私は思っています。まさにかなえの軽重が問われるし、建設行政そのものが問われているし、また政治家そのものの責任も問われているんだなというふうに私は思っています。
 大臣には後ほどこのことに関して、どういう思いをされているか、これからこういうことが二度と起きないようにどういう方策をとられていくのか、お聞きをしたい。
 また、私は一昨日の一般質問をずっと聞いてまいりました。聞く中で、建設省としても決意とか怒りが足りないなという正直な感想を持ったわけであります。つま力、建設行政を大変健全に行っていかなければならないという立場の皆さん、金丸氏の問題に対して、こういうことが絶対あってはいけないんだという決意や怒りがその答弁の中になかなか感じられない、そういう思いをしました。
 答弁を聞きましても、入札制度の問題に絡んでみましても、指名競争入札、そして片方では一般競争入札というものがあって、つまりAとBの争い。決してBには行こうとしない。AにプラスアルファをつけたりAにダッシュをつけたりする、そういう基本方針は一切変わらない。私は、Bの方から見て、Bがきついならば、一般競争入札が大変厳しくコストがかかるということも私自身承知をしておりますけれども、一遍Bの側からプラスアルファあるいは制限をつけていってそういうものを導入していったらどうだろうかというふうな思いをしました。
 いろいろ答えられる中で、そういう一般公開入札にすると不良不適格業者の排除ができないというふうな話がありました。このことはずっと言われ続けてきたことであって、まさに本末転倒で、不良不適格業者の排除は鋭意行われなければならないし、これができないから一般公開入札には踏み切れないという論理は私はおかしいと思います。また、良質な仕事が保証できないというか、品質が保証できない、担保ができないという話がありましたけれども、もしそうであれば、そういうことを防ぐ方策をそっちの側から考えられたらどうか。
 また、受注機会の公平性等々、まだ言われましたけれども、もしそうであれば、いろいろな方策を考えられると思うわけです。例えば、入札業者が大変多いならば、エリアを限定して九州の業者は北海道に応札に行けないとか、その中で今公共事業を施工中の業者は御遠慮いただくとか入札に参加させないとか、現実的ではないかもしれませんけれども、そういう一般公開入札から、これがちょっときついから制限をつけていこう、そういう制限つきの一般競争入札から見たデメリット・メリットをもう一度検討して、そこから方策を考えていくというやり方が必要ではないかなと私は思います。
 おとといも米沢委員が最後に言われましたけれども、一回試行錯誤でやってみる、制度を変えてみる、変えてみた中で二、三年やって、デメリッ
トやいろいろなコストがかかるならば、そこでまた改めて考えればいいというふうに私は思います。
 金丸氏の問題、山梨の問題で、若い建設官僚の皆さん、例えば構造改善等々で健全な育成ということで頑張ってこられた皆さん、まさに一夜にして崩壊をした、その怒りをこれからの建設行政に向けてほしいわけです。つまり、守りの姿勢ではなくて攻めていく、行政のあり方を、血のにじむ思いをしながら変えていくというやり方を一度してみる必要があるのではないかなというふうに私は思います。
 政治改革等々、政治の方でもそういうことがかまびすしいわけですけれども、小選挙区比例代表制等々、どの選挙区になっても、自社公民共等々どの政党も一度地獄を見るというふうな制度であると私は思っています。政治資金とか腐敗防止をきっちり縛りをかけながら、まさに制度の方は大胆な妥協をしていきながらやっていく。既得権にすがらないで、とにかく断崖絶壁のまさに真っ暗やみの海から飛び込む、下に何があるかわからないけれども一度やってみるというやり方が、今の政治情勢あるいは経済情勢、社会情勢、制度を変えていくというシステムが一度とられなければならないと思います。
 前置きが長くなりましたけれども、そのことについて建設大臣と官房長の御見解をお伺いいたします。
○中村国務大臣 お答えいたします。
 先生から御指摘いただきましたように、カンボジアの問題を含めまして、今日の我が国の国際貢献という問題が非常に叫ばれて久しいわけでありますし、また一方では、その延長線上でとうとい生命を失ったというこの重大な事態に対して、この法案に賛成した立場あるいは反対した立場を超えて、政治家として非常に重大な責任を持たなければならないという認識は私も全く同感であります。世代も同じくする先生からの御意見でございますので、今後、こうした問題に対して国として次の時代をしっかりと見通しを立てられるような、国際貢献とか安全のあり方とか、そういった問題については、立場を超えて一つの方向を見つけていけるようにお互いに大いに切磋琢磨、努力しなければならない、このように考えております。
 そうした中にあって、今日建設業界をめぐるいろいろの国民的な不信というものが渦巻いている。こういった中で、入札制度のあり方についても、今日の指名競争入札という立場にだけ固執して、一方で一般競争入札という意見があるのだからそちらの方から物事を見てやっていくという、守りではなく攻めていく姿勢があってもいいのではないか、こういう御意見だったと思います。
 このことにつきましても、先生御案内のとおり、中建審におきまして制限つき一般競争入札という問題について過去においてもいろいろと議論を積み上げてきたわけでありますが、我が国においてその制度を導入するような状況にはなかなか至っていない、こういった方針に基づいて、それでは今日の指名競争入札の問題点をどのように改善するかということで、入札改善検討委員会において今回の方針を決めさせていただいたわけでございます。
 私は、どういう入札制度をつくるかということはいろいろの議論があると思いますが、完璧なものをつくるということはなかなか難しいと思っておりますし、アメリカの一般競争入札の中においても、現実に談合問題等も起こっているというようなことも聞いておりますので、今後は、今度の事件をきっかけにいたしまして、国民の公共事業に対する信頼を回復するためにどういう方向で進めていくことが一番いいのかということを、国、地方、建設省、自治省あるいは関係省庁に呼びかけまして、今回のことが将来の改善の大きなきっかけになったと言われるような形をつくるために、私もここに建設大臣という責任ある立場におりますので、しっかりとこのことを役所の中でもこの機会に方向をまとめられるように、大いに責任を痛感して取り組んでいきたい、このように考えております。
○望月(薫)政府委員 大臣のお言葉で尽きているところでございますが、一応事務当局の立場から先生の御質問に対してお答えさせていただきたいと思います。
 ただいま先生の方から、建設行政を愛し、また信ずるがゆえに大変御貴重な御発言を賜りました。また、これまでも、この委員会で各委員の先生方からそういった観点からのお言葉を賜りながら、私どもその都度対応の答弁をさせていただいてまいっているところでございますが、一言で言いまして、今回の事件、お説のように、私ども組織を挙げて非常に重く受けとめさせていただいております。お話しのように、一歩間違えれば建設行政あるいは建設省の信用、権威にかかわる非常に重要な問題である、こう思って受けとめさせていただいております。それだけに職員一同緊張の中にあります。
 そういった中で、何はともあれ、これから我々いろいろな面で取り組みが求められておるという認識にいささかも欠けるところはございませんが、とりあえずは、まずこの入札・契約制度について、この国民の不信を少しでも解消するために制度面での透明性あるいは競争性、こういった二つのことを特に重視したいわゆるテクニカルの面での改善をとにかく急いでやろう、こういうことであります。もちろん、そういった意味では決してこれですべてではございません。
 今大臣が御答弁なされましたように、私どもに対して、とにかくこの機会に本当に真摯なる取り組みをして建設行政に対する信頼を回復するように、これが私どもの大臣のお言葉でもあり、我々職員一同しっかりと受けとめなければならぬ、こういう思いでいっぱいでございます。
 ともあれ、こういったことを契機にして、建設省が本当に国民の信頼にこたえられるような行政を展開できるように、あるいは施策の充実、向上にさらなる取り組みをする中で一層の信頼と期待をいただけますように、一層の組織的な取り組みを頑張っていきたい、かように思っている次第でございます。
○松本(龍)委員 お二人のお話をお伺いしたのですけれども、大臣、中建審の答申と言われましたが、あれが出たときと今日的な状況はやはり違うのですよね。金丸脱税事件が起こり、また、きのう公取が業界に入っていったということは、もう一つ踏み込んだ対応が、中建審の答申から踏み越えた対応がやはり必要ではないか、それくらい切迫をしている時期であるというふうに私は思っております。
 先ほど官房長も一歩間違えばと言われましたけれども、不信とかいわゆるそういった懸念というのは、もう一歩間違うところか既にあるわけで、そういったところからやはりスタートしていく決意が要るというふうに私は思っています。そういった中で、政治家が発注、受注に関して決して介入ができないシステムをきっちりつくり上げていく、それがまさに今問われていることであるな、そのことに対してこれからもしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 この話続けたいわけですけれども、実はきょうこの流通業務市街地の法律、九十五分しかありません。大切な法律ですので、本法に入っていきたいというふうに思います。
 この法律の今度の売りの一つといいますか、都道府県知事にいわゆる基本方針の策定ということで権限を移譲するというふうにあります。このことは一定評価するわけですけれども、まさに地方分権ということがずっとこの間、二十年、三十年叫ばれてきながら、法律ができてから二十七年間たってスキームの変更が行われるということは、やはり遅きに失したなという正直な感想を私は持っています。しかしながら、一定評価するわけですけれども、全国一本でいわゆる主務大臣が基本指針を策定するということがありますし、また知事の基本方針の策定に当たっては主務大臣の承
認が要るというのがあります。この中身によっては、いわゆる地方の創意工夫や独自性がそれによって縛りがかけられて生かすことができなくなる、そういう懸念をまず抱くわけですけれども、そのことに関して御見解をお伺いしたいと思います。
○鹿島政府委員 主務大臣が定めます基本指針は、改正法案の第三条第二項に定めがございますけれども、知事が都市ごとに基本方針を定める際の指針となるべきものでございます。その考え方は、流通業務施設の整備につきまして全国レベルでの施策の方向等について、国としての基本的な認識を示すものでございます。
 そこで、この基本指針は幾つかの機能を持っておりますけれども、例えば関係省庁ございますが、実施いたします物流関連施策を対外的に示すというような機能があります。そしてまた、対象都市選定のガイドラインともなるような機能もございます。それから、知事が基本方針を作成する際の指針ともなるような機能もございます。いろいろあるわけでございます。そこで、あくまでこの基本方針というものは、基本指針にのっとりまして個々の都市について具体的な考え方を知事が決めるということで基本方針にゆだねられておるわけでございます。
 ところで、今回の改正法の第三条の二第六項にも書かれてございますけれども、従来主務大臣が定めておりました都市ごとの基本方針を知事に委任をするというようなことになっておるわけでございます。そこで、物流自体が本来広域的なものであるというようなことで、都道府県の圏域を超えるという観点も含めて調整が必要になる場合があろうと思います。そしてまた、この法律によりまして業務地区を定め団地を造成するというような過程におきましては、もちろん建築制限、土地の収用等によりまして強い権利の制限というようなものも伴ってまいります。そこで、この法律による手法をとるというような選択をすることにつきまして、やはり全国的なバランスというものを欠くことができないことになるわけであろうと思います。などなど、いろいろな理由から、主務大臣の承認というものにかかわらしめておるというようなことに立て方はなっておるわけでございます。
 そうは申しましても、今回の改正法の趣旨の一つに、地方公共団体が主体的に流通業務市街地整備に取り組むことができるようにするというものがございますので、第三条の二第七項に規定されておりますとおり、承認に当たりましては、必要な条件を満たしておれば当然承認をしなければいけないというような規定もあるとおりでございまして、地方公共団体の自主性を尊重するようにさらに配慮を加えてまいりたいというふうに考えております。
○松本(龍)委員 この承認とか基本指針等々、お話をしたわけですけれども、昨年成立をしました拠点都市法でも、知事に権限を移譲すると言いながら、やはり主務大臣に対して協議の必要性があったわけです。私あのとき代表質問させていただいて、決して従来型の陳情合戦を繰り返さないようにというふうなことを口を酸っぱくしてまさにどの政党も同じことを言ったわけですけれども、残念ながら、大臣やあるいは関係大臣が陳情合戦は招かないと言われながら、やはりそういうことがあったわけです。承認と協議ということで違うわけですけれども、まさにできるだけ地方の独自性を図れるように、地方にフリーハンドを与える、指針によっていわゆる手足が縛られるようなことがないようにフレキシブルな対応をまず要望しておきたいというふうに思っています。
 次に、環境の問題に移らさせていただきますけれども、該当地域として相当数の流通業務施設の立地によって流通機能の低下及び自動車交通の渋滞を来している都市ということが言われているわけです。つまり、それらの都市は現在の時点でも交通渋滞あるいは交通公害、NOxやスモッグ等々あるいは騒音などの問題が現に存在をしているわけです。そういう意味で、整備を行っていくわけですけれども、これらの交通問題とか環境問題は恐らく第三条の「基本指針」の「流通業務施設の整備に際し配慮すべき重要事項」というところに書き込まれるというふうに思うのでありますけれども、まさにそういうところに書き込まれるとしたらどういうものを想定されているのか質問をいたします。
○鹿島政府委員 基本指針にはいろいろなことを定めるように第三条第二項に掲げられておりますが、仰せのとおり、第四号というのがございまして、「流通業務施設の整備に際し配慮すべき重要事項」というのが定められております。
 その内容でございますけれども、例えば道路交通の安全、円滑化への配慮とか、周辺環境の保全への配慮とかいったような国としての基本的な考え方につきまして定めるように今検討をいたしているところでございます。
 この作成に当たりましては、もとよりこれを所管いたします関係行政機関の長の意見を十分に聞いた上で、調整して定めたいと考えております。何分にも、冒頭申し上げましたとおり、国の施策につきまして、この基本指針と申しますのは施策の方向を示すものでございますので、一々の、例えば環境で申し上げまして、水質はどうだ、何はどうだというような具体的な事項を決めるというよりは、水質汚濁等に配慮をしてください、あるいはまた、自然環境の保全にも配慮してくださいというような方向につきまして定めるということになろうかと思っておりますが、現在、法案の御審議の過程でもございますので、早急に関係省庁とも話をいたしまして、具体化していきたいと考えております。
○松本(龍)委員 環境問題等々、騒音とか公害の問題はあるわけですけれども、そういうときにまさに一番大事なのは地域住民あるいは周辺住民の方々の合意形成ではないかなというふうに思っています。環境がどういうふうに変化をしてくるだろう、環境アセスという手法もありますし、また、交通がどういう体系になってくるだろうか、自動車交通の量であるとか、あるいはそこに至るアクセスといいますか、公共交通が五年、十年でどういうふうな状況に変化をしてくるだろうかという交通アセスメントという手法もある意味ではとられるべきであるというふうに私は思っていますけれども、そういった住民の合意形成に至る、また情報の公開がどういうふうに担保されるのかというところを都市局長にお伺いをいたします。
○鹿島政府委員 仰せのとおり、流通業務市街地は大量の貨物自動車等の発着が見込まれるわけでございますから、いろいろな配慮を加えなければいけない事項というのが出てまいるわけでございます。これまでもこの法律によりまして具体の法律によって団地造成等を行い、業務を開始するに当たりまして地元で数々の配慮をやっていただいてきていることであるわけでありますけれども、今回の改正法の中では、また幾つかこれに加えまして、その辺の意思を明らかにさせていただいているところでございます。
 そこで、具体に申し上げますと、流通業務施設の整備に関する基本方針を定める際に、一つは関係市町村の意見を聞くということになっております。改正法の第三条の二第五項でございます。そしてまた、自動車の交通量の見通し、道路等の交通施設の整備の見通し等を勘案してこれをまた定めるということ、改正法の第三条の二第三項でございます。それから、そのほか環境問題につきましても、改正法の三条の二第二項第五号によりまして配慮事項として基本方針の中に示していくように十分に指導をしていきたいと考えております。
 そしてまた、現地におきましては、県当局でございますれば、流通業務担当部局におきまして関係部局の方と十分調整をしていただきまして、いろいろ現場の諸情勢というものを踏まえた御判断を求めたいというふうに考えているわけでございます。
 もとより、この流通業務市街地法に基づく仕事
と申しますのは、こういった基本方針によりまして都市を指定して、その都市で流通業務団地の形成というところまで持っていくわけですが、その具体の事業につきましては、都市計画法に基づいて実は手続が進んでまいります。つまり、実際には都市というものを、御提案申し上げておりますこの流通業務市街地法で決めていただきますと、実際のその場所というものを流通業務地区という形で都市計画で定めます。そしてまた、その中に一部流通業務団地という形で決めていくわけでございます。
 その都市計画法の手続の過程におきまして、案の公告縦覧、審議会への付議、必要に応じて公聴会の開催等々いろいろな手続が進められるわけでございますので、今日までもそうぞあったわけでありますけれども、こういった過程におきまして、一連の手続の中で仰せの諸問題というものに配慮が十分なされるものというふうに考えるわけでございます。
○松本(龍)委員 十分住民の合意形成あるいは公告縦覧というふうなことを言われましたけれども、いわゆるありきたりのそういうやり方ではなくて、もっと積極的に住民が参加をできるような手法を考えていただきたいというふうに思っています。
 そこで、大臣にお伺いをいたしますけれども、まさにこの法律は今申し上げましたように環境の問題あるいは交通の問題、関係六省庁等々あるわけですけれども、それ以外にもいろいろな問題があるというふうに私は思っています。つまり、交通の問題は警察庁のいろいろな考え方があるでしょうし、また、一番大事な地価の問題等々、やはりこれを監視をしていきながら下げていくという方法もとられるべきであるというふうに思います。
 もう一つ、やはり重要な問題が労働問題でありまして、いわゆる物流関係全般においては大変労働集約的な産業であって、長時間労働ということがしばしば指摘をされています。今日本の労働時間二千時間を切ったか切らないかという状況でありますけれども、いわゆる道路貨物運送業の人たちの時間といいますと、資料によりますと二千四百時間以上の長時間労働に耐えているという状況があるわけです。この法律のいわゆるリーダーシップをとられる建設大臣であるわけですけれども、そういったさまざまな物事に配慮をしていきながら、さまざまな官庁と横の連携を密にしながら、これに当たっていかなければならないと思うわけですけれども、その決意のほどをお伺いをしたいと思います。
○中村国務大臣 お答えをいたします。
 流通業務市街地の整備につきましては、都市全体において業務施設の立地及び機能、さらにその適地への誘導、整備については、関係省庁が協力をしながら進めていかなければその成果を上げることができない、このような観点から五大臣が協力をして整備を進めていくことになっているわけであります。
 一方、御指摘をいただきましたように、市街地整備につきましては交通問題、地価問題、土地問題、環境問題、さらに、先生から今御指摘をいただきました、いわゆる労働時間の問題も含めましたこういった万般の問題につきましては広範囲にわたっていくわけでございますので、主務大臣が定める基本指針、それに知事が定める基本方針において配慮すべき事項としてこれらの事項を織り込むとともに、基本指針の策定に当たっては、関係行政機関の長の意見を聞いて進めていくということになっております。
 このように、流通業務市街地の整備に当たっては関係省庁が一丸となって、地方も含めまして部局の円滑な整備推進体制を整えながら、御指摘をいただいた点につきましても留意しつつ、積極的な整備を推進していきたい、このように考えております。
○松本(龍)委員 鋭意御努力をお願いをしたいと思います。
 都市局長、お伺いをしたいんですけれども、今までに、この二十七年間で三十都市の約半分しか基本方針が定められていません。しかも、北九州市におきましては、昭和四十九年に基本方針が定められておりますのに整備をされておりません。いろいろな社会情勢の変化、経済情勢の変化等々あると思うわけですけれども、整備されていない背景、また、北九州ですけれども、これからの見通しについて、お伺いをいたします。
○鹿島政府委員 仰せのとおり、現行法によりましては、東京都、大阪市を含めまして三十都市、流通業務市街地の対象都市として選ばれているわけでございます。現在まで、そのうち基本方針を定めましたのは十五都市であるわけでございますけれども、その理由につきまして、まず一般的に申し上げさせていただきたいと思います。
 幾つかあろうと思いますけれども、相当の規模を持った流通業務市街地の整備ということになりますので、流通業務地区についての具体的な構想というものを決めないと、なかなか基本方針にまで持っていけないというような事情があろうかと思います。
 それから二つ目には、流通業務地区は、流通業務施設の集約化を図ることによりましてその都市における道路交通の円滑化、流通機能の向上を図るものでありますので、相当規模以上のものであることが必要になるわけですけれども、現状では、都市内に大規模な適地を確保するということは必ずしも容易ではないというような事情もあろうかと思います。
 それから三番目には、最近の流通業務施設の立地状況にかんがみますと、現行法が対象としております大都市よりも、むしろ高速道路ネットワークの要衝に位置をする、あるいはまた、広域的な利便性の高い都市につきまして、流通業務市街地の整備のニーズが高まってきているというようなこと。
 それから四点目に、本法の趣旨に沿うような流通団地の整備を行う場合でも、流通業務地区の指定を必ずしも要するわけではないわけでございまして、本法以外の手法によりまして、例えば、全面買収して区画整理事業を施して団地をつくる、あるいはまた、埋立事業でいろいろ仕事を進めるというようなことも可能なわけでございます。そういったいろいろな一般的な事情があろうかと思います。
 一方、北九州市につきましては、仰せのとおり昭和四十九年一月に基本方針を定めまして、東南部及び西南部に流通業務地区を設けるというふうにしたわけでございますけれども、基本方針策定後の経済情勢の変化等によりまして、当初予定しておりました流通業務市街地の整備には至っていないわけでございます。
 ちなみに、私ども調べた資料で簡単に申し上げますと、ちょうど昭和四十五年、人口で見てまいりますと百四万人でありました。今日、平成二年度で見てまいりますと百三万人でございます。また、流通業務施設の立地の状況を、ちょっと時点がそごをいたして恐縮でありますが、昭和四十四年には北九州市、四千三百七十八ございました。平成三年には四千九百四十七でございます。いわゆる百万都市というほかの都市と比較いたしましても、この施設の立地状況等は決して活発なものと申すわけにはいかないわけでございます。
 そこで、私ども、北九州市はもちろんその一つでありますけれども、毎年、なぜその仕事が進まないかという事情を自治体当局からお伺いをいたしてございますけれども、北九州市の方につきましては、その理由といたしまして、その後の北九州市の構造不況、あるいはまた、人口減少と開発機運の高まりがなく、意識はあるものの、なかなか建設にまで至らないというような報告もちょうだいをいたしておるわけでございます。
 そこで、御提案申し上げでございます改正法案におきましては、大都市ばかりじゃなくて地方都市も通じまして、流通業務市街地のニーズの高い都市でこの事業を実施をしていただくような体制に整備をするということ、そしてまた、基本方針を国が決めるのではなくて、知事が、地元におか
れまして情勢を含めて判断をしていただくということで、現在、基本方針が未策定の十五都市を含めまして、流通業務市街地の整備に、私どもとしてはさらに積極的に取り組みをしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○松本(龍)委員 今お話をお伺いをしますと、もうそれぞれの都市によってそれぞれ事情が違って、成功した、あるいは成功しなかったというふうなことになろうかと思いますけれども、この法律ができて二十七年間ずっと経過を見ながら、あるいは成功した例、あるいは整備はされても、都市計画決定から十数年たたなければ整備をされなかった例等々もあります。また、先ほど言いましたように、何もできなかったところがあるわけです。
 したがって、そういう成功の事例あるいは不成功の事例をしっかり見きわめていきながら、どういうところにそれらの原因があったのかということを、これからいわゆる整備をされる自治体等々に情報提供をしていく必要があろうというふうに私は思うわけです。つまり、成功した例でいえば、どういう知恵があって、どういう工夫があったのかということもあろうし、また失敗した例は、その経験を踏まえるということで情報提供をしていく必要があると私は思うのですけれども、その点、どうお考えですか。
○鹿島政府委員 今回の改正法案で、先ほど申し上げましたとおり、基本方針は従来主務大臣が決めておりましたけれども、これを知事が決めるようになったこと、それから対象となります都市が大都市から地方都市に広がる、そしてまた、高速道路のインターチェンジ等を有する広域的な利便性の高いような都市に広がってきたというようなことを申し上げましたけれども、こういった改正案の内容によってまいりますと、主務大臣の立場といたしまして、地方公共団体へ情報の提供を行う必要性というのは、先生仰せのとおり、従来にも増してますます必要になってくるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
 そこで、基本指針におきまして、抽象的と申してよろしいと思いますけれども、基本的な考え方を示すだけでは足りないわけでございますので、仰せのとおり、具体的にこの法律を適用して流通業務市街地の整備を進めていこうというような地方公共団体に対しまして、主務省庁が協力をしまして、所要の情報提供ができるような体制をつくっていきたいというふうに考えております。
 今般、私ども五省庁の議論の過程におきまして、まず建設省を窓口として申請書も一元的にお預かりをし、残る四省庁に御相談をするとか、あるいはまた、地方の団体につきましても御意向をこれからただしてやってまいりたいと思っておりますが、連絡協議会というような形で、お互い情報の提供をし合う場というものを例えばつくってみたいとかいうようなことで、法律の説明会はもちろんでありますけれども、ただいま御指導賜りました成功事例あるいは失敗事例を含めまして、そういった情報提供というものをしっかりとやって、この法律の成果をぜひ生み出していきたいというふうに考えております。
○松本(龍)委員 今のことに私は一つつけ加えて、成功した事例でも、例えば市街地が整備をされて、十年、二十年たったところがあるわけですね。十年、二十年たったらどういうふうな問題を現状抱えているのか。例えば当時は市街地の周辺ということで、だんだん市街化されてきた、そこにまたどういうふうな問題が引き起こされて、どういう悩みがあるかということもあわせて、いわゆる長期展望に立った情報の提供というのもあわせてお願いを申し上げておきたいというふうに思います。
 今申し上げましたとおり、既存の流通業務市街地が今どのような問題を抱えて、悩みを抱えているか、調査をされたと思うのですが、後ほどちょっとその調査についてお話をお伺いをしたいと思います。
 私は福岡に住んでおりまして、福岡流通センターというのが今できております。私の家から車で十分もかからないところにあるわけですけれども、昔はそれこそほとんど農地で、いわゆる地域の人たちの深い理解によって整備が図られて、まさに成功した事例であると私は評価をしているわけですけれども、これはもう約二十年前なんですね。二十年前は、農地しかないところに本当に流通センターができるのかと懸念を抱いたわけでありますけれども、今となっては本当にもう逆に市街地の中に取り込まれて市街化してしまっている、また新たな問題がそこに出てきているというふうに思うわけです。
 福岡の場合でも、第一次の整備から約二十年、第二次の整備からでももう十年たって、社会や経済情勢が変化をする中でまた新たな問題が生じてきていると思うわけですけれども、まず第一点は、総体的に見られて既存の流通業務市街地が抱えている問題、また福岡の問題等々勘案をされて調査をされて、その意見を聞かれて、その意見がまさに今回の改正でどういうところに反映をされているのか、お聞かせを願いたいと思います。
○鹿島政府委員 私どもは、平成三年度に既存の流通業務市街地が所在いたします地方公共団体に対しまして、立地企業が近年どのような課題を持っているかというような認識のもとにアンケート調査を実施いたしました。このアンケート調査の結果におきましては、駐車場、生活利便施設等の福利厚生関係の施設が不足していると感じているところが八割以上ございます。それから、事業活動については従業員の確保が困難になっている、物流コストが増大しているというような懸念を挙げておられる方がございます。
 施設面につきまして細かく見てまいりますと、地方公共団体が流通業務市街地に必要と考えている施設といたしましては、駐車場そして福利厚生施設などが挙げられております。それから、立地する企業サイドからは要請の施設といたしまして飲食、サービスの施設が欲しい、それからスポーツの施設が欲しい、それから生活開運の小売の施設が欲しい、従業員の住宅あるいは休泊の施設が欲しいといったような要望が多いというような結果を得ているわけでございます。
 私ども、物流関係の業種におきまして、労働力が不足しているというような問題が顕在化していることは承知しているわけでございますので、労働力の確保のためにも、そこで働く人々のための一定の福利厚生施設が必要であるというふうに認識をしておるわけでございます。そこで、福利厚生施設につきましては、流通業務機能に支障のない範囲で、施設の内容に応じて適切な立地が図られるようにというようなことで考えているわけでございますけれども、これを法律で一律に立地を認めるというようなことになりますと、なかなかその内容について問題も出てまいろうと思います。
 そこで、都道府県の個別の許可によりまして、規模、施設内容等適切なものにつきましては、むしろこれの立地を認めていくというような形で進めるのが適当であろうというような判断を、この点についてはいたしたわけでございます。法律上ここについては手直しはいたしてございません。
○松本(龍)委員 私、先日いわゆる流通業務団地の方々とちょっと懇談を持ったわけですけれども、その中でいろいろな要望を聞きました。一部の建物が老朽化をしている、もういわゆる地区そのものが手狭になって狭隘化している、あるいは新たな用地取得が難しいとか、生のいろいろな声を聞いたわけであります。
 そういった中で、今局長言われましたように、福利厚生施設の問題も当然大きな声として上がってまいりました。その中で、今、福岡の流通センターで働いている人が五千人ほどおられます。五千人のうち二千五百人が、半分近くが、もう女性が多いというふうな話をされました。今、こういう時代でありますので、いろいろな意味で、コンビニエンスストアだとかいろいろなスーパーが近くにあったら本当に便利なんだけどというふうな話をされたわけであります。まさに、職と住があ
りますと、やはり職の方でいろんな食料品を買うとかさまざまな生活必需品を買うとかいうのも今のライフスタイルにあるわけですから、そういったものもフレキシブルに対応していただきたいというふうに思います。
 そこで、お伺いをしたいのですけれども、産構審の答申があります。産業構造審議会流通部会、中小企業政策審議会流通小委員会の中間答申が平成三年十二月に出されたわけですけれども、前略をいたしまして、「同法制定以来約二十五年が経過した今日、都市化の進展、流通形態の多様化等により、望まれる流通業務市街地の在り方も変容しつつある。従って、流通業務市街地の在り方として、流通業務市街地の配置、機能、施設建築上の諸規制の緩和等に関し検討を行い、同法の改正を含め、所要の見直しを行っていく必要がある。」というふうにまさに答申で書かれているわけです。
 当然、この答申を読まれて今回の改正に何らかの形で結びついたと思うのですけれども、この規制緩和に関しては、言ってみればその中でメーカー等の配送センター、物資の流通の過程における簡易な加工事業用の工場というのが、二つメニューが追加されたわけです。いろいろな背景の中でこのほかにもいろいろなメニューを追加してほしいという要望があったと私には思われるわけですけれども、建設省として検討される過程の中で、先ほどの調査結果も踏まえてどういう意見が出されて、それがどういう状況でだめになったのか、あるいはこの二つがなぜ採用されたのかを簡単に御説明願いたいと思います。
○鹿島政府委員 まず、今回の改正案の立案の過程におきまして、私ども、先生仰せのとおり、全国的に自治体の方の御意向をただしたわけでございます。そしてまた、立地する企業の方々からの意見の聴取もそこを通じてさせていただいたわけでございます。こういったいろいろな御要請等を踏まえまして、まず第一点でございますけれども、流通業務地区において立地を可能とする施設について検討を進めてまいりました。その結果、近年におきましてメーカー、小売業の配送センターの増加、それから流通加工業務のウエートの増加にかんがみまして、これら二種類の施設の追加をするように手当てをさせていただいているわけでございます。
 それ以外の施設といたしましても、例えば流通にかかります展示場、スポーツ施設、ホテルなどが立地してほしいというような御要請はあったわけでございますけれども、流通業務団地というこの機能の本質からいたしまして――と申しますのは、この団地をつくるまでにおきましては、流通業務市街地という地域を形成いたしまして建築の規制をする、あるいはまた、収用権まで付与して土地等を入手することができるようにするというようなことで集約立地を進めるものでございますので、流通機能の向上に直接効果がないというようなものにつきましては、一律にこれを立地させることは法律論としてなかない通りにくいわけでございます。
 そこで、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたとおり、法律の五条にも規定がございますけれども、都道府県知事の個別の許可というようなことで、趣旨に反しないものにつきましては一定の範囲で立地が可能となるものでございますので、地域のニーズを受けて具体に立地を進めるようにということで今般、この法律改正を御提案申し上げているわけでございます。
○松本(龍)委員 都道府県知事の個別の許可あるいは政令市の個別の許可というところにかなりフリーハンドを与えてほしいし、まさにそこのところでいろいろな要望を担保していただきたいというふうに、私は要望をしておきたいというふうに思います。
 今、局長が言われましたように、この法律、大変難しい一面があるのは、本法の意義としてはあくまでも市街地を流通業務ということに特化して、まさに純化していきながら整備を図る、効率化を図るというのが趣旨であり、このことによって私はある意味では地価の高騰を抑えていくし、また抑制効果もあるというふうに思います。無秩序に何を建ててもいいということはもう絶対にあってはならないことでありまして、例えば商業施設ができたらまさにそこで、そっちの収益の方が実際上がるわけですから、そこはもう流通業務ではなくなるというふうなことも考えられます。しかし、やっぱりこれは、今からスタートをしようというところには非常な意味を持っていると思うわけですけれども、十年、二十年たったところはまた別の悩みが実際あるわけですね。
 先ほど生の声を聞いた一部を私、紹介をしましたけれども、やっぱり全国一律の法律というのが非常に今限界に来ているというか大変難しい局面を迎えている。例えば、去年の今ごろでしたが、私は沖縄の浦添図書館長の高良倉吉さんという人の論文を見たわけですけれども、例えばリゾート開発にしても、日本というのは温帯というふうに言われているけれども沖縄はいわゆる亜熱帯だ。つまり、温帯の開発コンセプトを沖縄に持ってくるわけにはいかない。つまり、全国一本ではなかなか対応ができないというふうな話を聞きました。また住宅の問題でも、建設省頭を痛めておられると思うんですけれども、大都市と地方によってはそれぞれ持ち家や賃貸のニーズが違うし、全国一本でなかなか一くくりでできない状況が今日的な状況だろう。
 私は、そういう流れの中で、例えば去年の拠点都市法でも知事に権限を与えたし、また今回でも知事に権限を移譲する、当然の流れとしてこれはあるというふうに思います。大変これ悩ましい問題でありますけれども、まさにこのことはこれから先の建設行政、非常に大きな意味を持っていると思います。例えば、戦後の復興から間もなく、これは全国一本で何とか頑張らなければならないという方法がとられて、それはそれで一定成果を果たしたと思うんですけれども、これだけニーズが多様化をしてきた。おくれたところと先に進んでいるところといろんなところが出てきた。そういう移譲することが今回あったわけですけれども、まさにこれをもうちょっと大胆に権限を移譲してほしいということを要望しておきます。
 時間がありませんので、道路局長、お見えをいただいておりますので、二、三質問さしていただきます。
 既存の流通市街地のアンケート調査を見ますと、特に福岡では事業を営む場合のデメリットという中で、居住、通勤面での勤務条件が悪い、つまり公共交通も含めてアクセスが悪いというふうな話だと思います。さらに、交通混雑が激しいというのが非常に大きなウエートを占めておりまして、また流通機能の向上のための方策としてどういうことを希望するかという項目を見ますと、既存の物流関連施設と高速道とのアクセス整備、これが五割近くを占めております。また市内の道路網整備というのが、これまた七割以上を占めておりまして、まさにこの流通業務市街地の整備に当たっては同時並行、同時進行で道路の整備が必要であるというふうなことがあると思うわけですけれども、そういった観点から、建設省は新しくモーダルミックスという考えを出されてまいりました。
 運輸省ではまたモーダルシフトという若干言葉が違う概念といいますかそういうものがあるわけですけれども、言葉が違うから違いがあるわけで、そんなに違いがないと言う人もあれば水と油だと言う人もいますけれども、どこがどう違うのか、違いがあればその整合性をどうとられるのかという点をお伺いをいたします。
○藤井(治)政府委員 お答えいたします。
 私どもやはり、今車社会が非常に成熟してまいりました。したがって、一層この交通のニーズに対しましては鉄路、海路、空路、そして道路をうまく組み合わせる、こういうことが一層重要な時期に来た、こういう認識をまず前提に持っております。しかし、その場合でも、地域の特性あるいは交通の特性、こういうものに応じて利用がなされている現状がございます。例えば東京都の都心
三区における通勤通学は九〇%以上が鉄道である、こういった状況、あるいは貨物では、セメントとか非金属鉱物などの原材料は九〇%以上は船で運んでいる、こういうふうに実態はいろいろでございます。
 そういう中で私どもモーダルシフトという概念、これよく私ども了知しているわけではございませんけれども、一つの交通機関から一つの交通機関に転換させる、こういうような物の考え方では現在の交通需要の対応は無理である、こういうふうに認識しております。それを実例で申し上げますと、例えば東名・名神高速道路、これ今物の流れだけで見ましても四百四十億トンキロ年間に運んでおります。鉄道では六十億トンキロ運んでおります。これを仮に東名・名神の物流を少し鉄道に転換させていただきたいと思って、コンテナの長さを二十両を三十二両、五割増しにいたしまして最大限に計算いたしましても、机上の計算でございますが、東名・名神の二、三%しか転換し得ない、こういう結果が出ております。したがって、こういう実情、あるいは同じトラック輸送でも、地域によってはエネルギー効率がかなり変わっております。鉄道の方がトラックよりもエネルギー効率がすぐれているというふうな単純な見方もこれはできないわけでございます。
 また物流とか人流とかこの違いによっても選択性があります。特に自動車の場合には比較的完結型でございますが、出発点から終点まで他の交通機関の場合にはどうしても組み合わせという方式もあります。そこで私どもは、どちらがどれだということではなくてその都市、地域の実情に応じまして交通機関の組み合わせを検討していただく、そういうようなことを考えたものをモーダルミックスということで、これは地域に御選択をいただく、こういうことが前提だろうと思っております。
 そこで私ども、その際に道路としては何をその場合にするのかといえば、広域的に見ますと高規格幹線道路、そしてさらに地域の幹線としては地域高規格道路、こういったものを組み合わせましてまず一つの大きなネットをつくり上げる。それに今度はその内側のネットワークをつくる。その場合も、今までのように単なる平日交通だけではなくて休日交通も考え、あるいは通勤交通という朝晩に集中する地域における混雑、こういったものになりますとその通勤交通というものを前提にネットワークあるいは道路の幅の議論を、都市計画決定する際の幅の議論をさしていただく。さらにインターチェンジになりますと、これは一種のその地域の駅でございますからこれを広域物流拠点、まあ駅と考えましてそれをうまく使う、そういう形のものを地域と合わせてお育ていただくのに私ども道路事業としても御協力申し上げる。こういったようなものを全体的に考える。
 これが私どものモーダルミックスの考え方でございますので、他の運輸担当の方々と御相談いたしましても、このような物の考え方は違和感はないかと思います。したがって、言葉の問題というふうに私どもは今後とも理解をいたしまして、建設省だけが云々ということではなくて、他の交通機関の御担当者と一緒になってこれから地域ごとに検討していく、こういう方向で五カ年計画の柱を考えております。
○松本(龍)委員 時間が参りましたので、道路局長にはもっとお伺いをしたかったんですけれども、御容赦を願いたいと思います。
 道路局の考え方も、まあ十一次五計で交通容量の拡大というところから交通需要マネジメントという考え方を打ち出されて、私は非常にこれは実態に即した理念であるというふうに評価をしているわけですけれども、一方ではまたジャスト・イン・タイムとか小口多頻度とかという問題がありまして、それが交通渋滞の一因になっているというふうに言われております。このことに対しましても積極的にこの解消のために取り組んでいただきたいし、また鋭意御努力をいただきたいというふうに思っています。
 質問をしてまいりましたけれども、この法律、制定をされましてから二十七年間たちました。社会情勢が変化をする中で今回改正を見るわけですけれども、私は、もっと早い時期に措置をされてしかるべきであったというふうに一方で思います。一定評価をするわけですけれども、この中で申し上げておきたいのは、一番冒頭に言いましたように、自治体、都道府県の、市町村のいわゆる自主性を最大限尊重しながらこれらの法律を運用していただきたいというふうに思っております。このことを最後に要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○野中委員長 平田米男君。
○平田(米)委員 四十一年に成立をして以来、これまで流通業務市街地の整備の指定都市として三十都市が指定をされておるわけでございますけれども、そのうちまだ十五都市が基本方針が決まっていないという状況にございます。今度の改正で、大都市のみならず地方都市も流通業務市街地を整備していこう、こういうことでございますが、一番古いところ、仙台は四十二年に指定をされておるのですが、いまだにまだ基本方針が決まらない。あと四十五年、四十八年それから五十二年でございますので、もう一番新しいところでも十五年以上基本方針が決まらないままになっているわけでございますが、まずこの辺の事情、基本方針が決められない理由について教えていただけますか。
○鹿島政府委員 先生仰せのとおり、東京、大阪を含めまして、法律が制定以来三十都市が流通業務市街地の対象都市として定められております。今日まで、そのうち十五都市につきまして基本方針が定められて、残りは未策定というふうな状況にございます。その理由につきましては、一般論でございますけれども、幾つか申し上げさせていただきます。
 一つは、やはり流通業務市街地ということになりますと、この流通業務地区につきまして具体的な構想が決まりませんと、基本的な基本方針を整備することができない場合か多いわけでございます。
 それから、流通業務地区は、流通業務施設の集約化を図ることによりまして当該都市における道路交通の円滑化、流通機能の向上を図るものであるわけでございますので、相当規模以上のものであることが要請されるわけでございます。現状におきましては、都市内に大規模な適地を確保するということは必ずしも容易ではない状況にございます。
 それから三番目には、最近の流通業務施設の立地状況等にかんがみますと、むしろ現行法が対象としている大都市よりも、高速道路ネットワークの要衝に位置し、広域的な利便性の高い都市といったようなところにおきまして、流通業務市街地整備のニーズが高まってまいっております。
 それから、本法の趣旨に沿うような流通団地の整備を行う場合でも、流通業務地区の指定をし流通業務団地を形成するというような本法の手続以外の手法によりまして進める場合もあるわけでございますので、基本方針の策定を必ずしも要しないというようなものもあろうかと思います。いろいろそういった事情があるわけでございます。
 そこで、私ども今般御提案をし、御審議ちょうだいいたしておりますこの改正法案におきましては、大都市、地方都市を通じまして流通業務市街地のニーズの高い都市で整備を可能とするようにするということで、地方都市にも拡大をするということが一つ。二つ目に、対象都市の決定の方法につきましても、現在の法律が、国が決めるということになってございますけれども、これを地方が、知事が基本方針の決定の形でみずから現地の事情に応じまして決めていただくというようなこと、あるいはまた、地方のニーズ等も御要請を承って検討した結果でもございますので、いろいろその他の条文の整備もさせていただいておるわけでございます。
 こういったことで、基本方針が今後策定が進められるものというふうに理解をいたしておりまし
て、さらに積極的な取り組みというようなものをさせていただきたいと考えておるわけでございます。
○平田(米)委員 土地がなかなか取得できないというのが一番大きな理由のようでございますね。それからもう一つ、私もいろいろ調べてみましたらば、なかなか地価の高いところは採算が合わなくて、土地があったとしても、もう業者が採算がとれるような地価で分譲することが難しい、そういうような事情もある。
 それからもう一つ、これはちょっとおかしな話なんですが、いろいろ聞いてみますと、もう既にこの法律の施行前に流通センター等をあちこちにつくっていて、改めてまた流通業務市街地として一カ所に集約することが非常に経済効率性等からいって適当じゃない、こういうところにどうも国がどんどん指定してしまった、こういうような事情もあるようでございまして、もう二十年近くほかってあるのにどうなっているのですかと聞きましたら、実はもう一応でき上がっているのです、こういうような話もございました。
 これはまさに中央集権の弊害でございまして、国が地元の状況をよくお調べにならない状況の中で指定されてしまったのかな、こんな感じがございまして、今回知事に権限を移譲される、こういうことは、非常にこういう問題を起こさせないという点では改善かというふうに思うのですね。そういう意味で、地方分権という流れの中での前向きの改正だというふうに私も評価をしておるわけでございます。
 それで、建設省から資料をいただきましたらば、流通業務団地、これまでつくってこられてどれだけの事業費がかかっているかというふうに伺いましたら、大体平均で二百七十億の事業費がかかっている。これは大変な金額でございまして、大変財政力のある自治体ならば十分対応できるかと思うのですが、これから地方都市にもつくっていこうということになりますと、なかなかそれだけの財政力のない自治体が、果たしてこういう多額な事業費がかかる事業を率先して遂行しようという意欲が起きてくるのかどうかこれは非常に疑問だなというふうに思うのです。
 割合と地方にあります府県がやりました事業について聞きました。そうしましたら、やはり相当な期間かかった。買収から事業完了までに二十年以上かかった。そしてその間、起債でやっておりますので、金利が地価にどんどん反映をしてしまう。そういうことで、どんどん地価が高くならざるを得ない。赤字を出すわけにいかない。そして、一生懸命セールスに回って業者に買ってもらおうとしたけれども、なかなか買ってもらえなかった。しかし、幸いに今回バブルがあったので、全部売れました。だけれども、あのバブルがなければいまだに残っているのではないか、こういうお話も伺いました。
 それで、当然買収から完了するまでに長期間かかれば、四%台だとしても、それだけの金利が毎年毎年売れるまで地価に上乗せになっていってしまう。地価の状況は、バブルが崩壊をして今後もう底値なのかもう一段下がるのか、いろいろ言われておりますが、しかし、いずれにしましても、毎年毎年五%以上の地価の上昇が今後期待をされるというのは非常に難しいのじゃないかと私は思うのですね。今までの流通業務団地の造成の仕方を見ていますと、少なくとも毎年地価が五%上がっていくんだ、上がっていくから、時間がかかったとしても最終的にはペイしますよ、こういう前提でこの事業計画はっくらざるを得ない、そういう状況のもとでやってきたと思うのです。
 しかし、これからはそういうわけにはいかないのじゃないか。少なくともここ五年ないし十年は今のままで地価を安定させないと、まさに生活大国は実現できません。年収の五倍で住宅をなどという目標は実現できないわけでございますから、そうしますと、毎年地価が五%以上上昇するというような前提で起債をさせて、そしてその起債の元利合計の返済は土地の売却で充てるなどというようなやり方では対応できないのではないか。また、まして地方の余り財政力のない県がこの事業をやる場合には大変勇気が要る。こういうことになりますと、今回、幾ら法律を改正したとしても、地方都市に流通業務市街地、流通業務団地ができ上がるのはなかなか難しいのではないか、こんなふうに私は思うのです。
 伺いますと、特段の財政措置はございません、新しいものはありませんというふうに伺いました。確かに、税制上の措置なり、あるいは上物を建てる業者に対する融資制度というのはあるわけでございますが、自治体がこれだけの大きな事業を今後やっていくことについてのインセンティブを与えるような財政措置というのは全くない、こういうふうに思うわけでございます。
 大臣どうですか、今の状況をお話ししますと、これからの地価の上昇がないということになりますと、基盤整備として出した工事費は上乗せするのは当たり前だと思うのですね、それだけの付加価値がつくわけですから。しかし、長期間にわたる、十年も二十年もかかるということは、結局は購入した地価の倍にして売らなければいけない、それにさらに工業費がかかるということですから、これは何らかの支援措置を国がしないと、地方都市でこのような事業がどんどん行われるような機運にはなってこないのじゃないか、こんなふうに私は思うのですが、いかがでございましょうか。
○中村国務大臣 お答えをいたします。
 流通業務市街地の整備については、計画が、長年たっているにもかかわらず、なかなか実効性が上がってこないではないか、その中の要因としていろいろの御指摘をいただいたわけでありますが、これはやはり、用地を取得して、そして一つの事業としていくまでに相当長い期間、時間がかかる。その間において、経済の変化、物流の流れ、交通アクセスの整備、こうした中で、流通業務都市として機能を果たして、そしてそこに進出するだけの経済メリットというものを十分に念頭に置いた場合に、民間がやっていく場合には、どちらかというと、その利用効率を即効的に考えていけばいいわけでありますので、そういった点から見ますると、確かに、御指摘をいただいているように、公共団体がやっていくためには、財政上の措置として地方債の起債対象とする、あるいは必要な関連公共施設の整備に努める、あるいは用地提供者に対する税制上の特例措置等によって用地買収の円滑化を図っている。
 一方、流通業務団地造成事業により整備されている敷地、最終的には流通業務を営む民間事業者に処分されるものであり、地方公共団体が用地買収、造成に要した費用についてはこの処分金で賄われることになっております。
 基本的にはこれら起債制度、関連公共施設整備の措置等で対応できるとは思っておりますけれども、先生に御指摘をいただいた点ももっともな面がある、このように考えておりますので、そのことを私としても、今までの経緯を踏まえて、今後この事業を充実させるために内部で検討しなければならない、このように考えております。
○平田(米)委員 ぜひ検討していただきたいと思います。やはり、仏つくって魂入れずではいかぬと思いますので、大臣のおっしゃったような御検討をしていただいて、ぜひ実現をしていただきたいと思います。いろいろな工夫があるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ちょっと法案の審議とは離れるわけでございますが、都市計画に関しまして、昨年の都市計画法の改正に当たって私が質問をさせていただいて、そのときに御答弁いただいた中で、都市計画法の施行に当たって、どうも地方自治体の都市計画に関するマンパワーが非常に弱いのではないかということを申し上げました。それからまた、都市計画法そのものが非常に複雑になってきている。そしてまた、それに関連する補助制度等の財政的なものも非常に込み入っている。これについて、担当者がよくわかるようなマニュアルをつくるべきではないかというふうに御提案をしたわけでございますが、それについては省内で検討するという
前向きの答弁をいただきました。
 まだ都市計画法改正後、施行には至っておりません。間もなく施行にもなるという話をいただいておるわけでございますが、この辺のマンパワーの対策、またマニュアル作成についての御検討の状況はどのようになっているのか、御説明いただけますでしょうか。
○鹿島政府委員 前回の都市計画法の改正の機会をとらえまして、先生からそういう懇切な御指導があったことを承っております。私ども、今次の改正の中で、例えば用途地域の切りかえというものを三年以内でこれから法施行後やろうじゃないか、あるいはまた市町村のマスタープランの創設をする、地区計画制度の拡充をするといったことで、市町村の権限の充実を図ったわけであります。
 そういたしますと、こういった改正点も含めまして法の的確な実施を図っていくためには、もとより都市計画法が、先生も御認識同じであろうかと思いますけれども、国民一人一人の権利義務にもやはりかかわってくるようなものでもございます、また手続的にも都市計画の手続というのが大変重要でございますので、そういった都市計画法の的確な実施を進める上におきまして、専門職員を養成していく、執行体制の充実を図るというようなことが大変重要なわけでございます。
 そこで、私ども、研修につきましても人員とか研修の内容を充実するというようなことで、私ども建設省が建設大学校という組織を通じまして実施をする研修はもちろんでございますけれども、地方公共団体が実施をする研修、あるいはまた関係団体におきましていろいろ実施をする研修、こういったところにおきまして内容の充実というものを進めさせていただきたいと考えております。それから、全国ブロックあるいはまた地方ブロックにおきまして会議を累次に開催いたしまして、そういった仰せられたような内容の周知徹底というものを図ってまいりたいと考えております。
 それから、一番重要なのが先生御指摘の、都市計画制度に関するマニュアルの作成ということであろうかと思います。そこで、今年度そして平成六年におきまして、改正都市計画法の規定によります諸制度、これを的確に推進をしようということで、まず、市町村のマスタープランの策定の指針、市街地類型別の用途地域の設定の方針、地区計画の活国策等、マニュアルの策定を行うことにいたしまして、平成五年度におきましては既往の資料等の収集分析、あるいはまた、市街地類型別のケーススタディーといったようなものに手を加えてまいりたいと考えております。そして、平成六年度におきましては、そのマスタープラン、あるいはまた、用途地域の設計の指針、地区計画の活用指針といったようなところに具体に結びつけまして、マニュアル化というものを図りまして、進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○平田(米)委員 終わります。ありがとうございました。
○野中委員長 辻第一君。
○辻(第)委員 私は、流通業務市街地整備法について質問いたします。与えられた時間が十五分ですので、いろいろお尋ねしたいことがいっぱいあるのですが、二、三お尋ねをいたします。
 大企業は、流通コスト削減、流通産業の合理化をねらい、流通産業立地政策を新展開する必要上から、自治体など公的負担による物流拠点インフラ整備の推進、流通業務市街地整備法改正を強く求めております。
 今回改正となる流通業務市街地整備の対象都市を地方都市まで拡大、流通業務地区内の立地規制の緩和、流通業務効率化基盤整備事業などの改正点は、いずれも通産省の産業構造審議会流通部会中間報告「物流効率化対策の総合的推進について」、平成三年十二月の中で強調されておるとおり、大企業側の要望から出たものであります。大企業の事業用財産でありますトラックターミナルや倉庫、配送所などは、本来、それぞれの企業自身の手で用地を造成し、立地を進めるべきものであります。
 そこで、具体的にトラックターミナルについてお尋ねをいたします。
 トラック事業における営業所、車庫、荷扱い所などのトラックターミナルの整備について見れば、事業者にとってはその土地と建物自体が重要な事業用財産で、資産的価値が高く、したがって、その立地については事業者の経営活動そのものという位置づけを持っています。実際、最近ふえているトラックターミナルはほとんどが自社専用のものとなっています。一九八五年以降の増加状況を見てまいりますと、一般が八十八バースの増、専用が二千四百三十七バースの増となっております。
 運輸省にお尋ねをいたします。
 最近のトラックターミナルの増加状況について、一般と専用に分けて明らかにしていただきたい。また、なぜ専用だけがふえるのか、その理由についてもお答えをいただきたいと思います。
○向山政府委員 トラックターミナルの数の推移についてでございますが、昭和六十年におきましては一般トラックターミナルが三千七百十一バースでございます。平成三年度におきまして三千七百九十九でございます。それから、専用ターミナルにつきましては、一万三千七百七十四が一万六千三百六十四にふえております。
○辻(第)委員 理由は。専用だけが特にふえている理由について。
○向山政府委員 一般トラックターミナルに比べまして、専用トラックターミナルのバースの数がより多く増加しているわけでございますが、その原因につきましてはいろいろな要因があると思いますけれども、一般トラックターミナルの場合は、複数の事業者が使う相当規模の施設であるということから、ターミナルそのものの規模が相当大規模になる。したがいまして、用地の確保がなかなか容易ではない。それから、関係の事業者の意見集約に時間がかかるというような要因があるのではないかと思います。
 これに対しまして、専用トラックターミナルにつきましては、小規模でありまして、個々の事業者が経営上の判断でこれを設置し、あるいは途中でその施設の構造等を変更することも可能であるというような事情があろうかと思いますけれども、反面、市街地におきます交通の混雑あるいは交錯輸送の発生の原因になっているというふうに考えております。
○辻(第)委員 流通業務市街地整備法四十条に基づく十五の団地の造成事業における地方自治体、住都公団の支出した事業費は四千百四億円。それは用地買収費、土地造成整地費、事務費などで、関連公共事業費は除いたものであります。このうち、用地買収費、土地造成整地費などは企業への分譲価格に盛り込むとして、道路橋梁整備費、給排水整備費、緑地整備費、広域公園整備費など関連公共事業費は、国、公団、自治体の持ち出しとなっています。
 例えば、佐賀県の鳥栖市に計画中の物流ネットワークシティー構想、これは百ヘクタールあるそうでありますが、道路橋梁整備費、給排水整備費、緑地整備費、広域公園整備費など関連公共事業基盤整備費だけで百五十億円とされております。また、流通業務団地への進出企業の規模を調べてみますと、集計できた十一団地では、企業数は大企業が三百四十五社、全体の三〇%、中小企業が八百三十二社、七〇%を占めております。形の上では中小企業ということになっても、大企業の流通部門の子会社である、そういうケースも大変多い。
 その用地取得状況を見ますと、これは神戸市の神戸流通業務用地の企業群の状態ですが、大丸、阪急百貨店、大阪瓦斯、それからサントリー、シャープ、カネボウ物流、大日本製薬、藤沢薬品、日本製鋼、雪印商事、こういうふうな大手の企業が過半に近い状態で入っております。進出大企業は、用地を安く手に入れることのほかに、特別土地保有税の軽減や事業所税の軽減、買いかえ
特例の適用による譲渡益課税の軽減など、税制上の優遇措置があります。これでは産業基盤整備のための大企業向けサービス事業ということにもなるわけであります。
 そこで建設省にお尋ねをいたしますが、この十五団地のすべてというのは無理なようでありますので、例えば岡山の流通業務団地に進出した大企業の主な業種を明らかにしていただきたい。また十五団地での大企業と中小企業の企業の状況をお答えをいただきたいと思います。
○鹿島政府委員 まず、全国団地の状況から申し上げます。
 流通業務団地立地の企業数が千四百六十三、そのうち中小企業者のものが九百九十八、六八%ぐらいになっております。
 それから岡山でございますけれども、立地企業数が百九、うち中小企業が六十一となっております。残る四十八社が大企業ということになります。大企業の業種でございますけれども、卸売業、運輸業のほかに、自家用の倉庫等の設置の主体といたしまして電気機械器具製造、文具・事務用品の製造、医薬品等製造、鉄板等製造加工等の各種業種が見られるところでございます。
○辻(第)委員 今御答弁をいただきましたように、トラックターミナルは自社専用のものが非常にふえておるわけでございます。それで、トラックターミナルは各会社の重要な事業用財産であります。いろいろお聞きいたしますと、トラック業界の本音は、国の法律で造成される流通業務団地では使い勝手が悪い、また資産価値が高められないということで敬遠をされているということもございます。また、各地の流通業務団地の状況を調べてまいりますと、先ほど申しましたように、メーカーやデパートなど大企業の立地が非常に目立っておるわけでございます。したがって、国の法律で流通業務団地造成事業を推進する必然性、社会的根拠は薄いと言わなくてはならないと思います。
 そこで建設大臣にお尋ねをいたしますが、大企業の事業用財産であります会社用地の造成は、自治体などに行わせるべきではなく企業自身の責任で行うべきではないか、このように考えるのですが、建設大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○中村国務大臣 お答えをいたします。
 流通市街地の整備ということは、運輸施設、倉庫、卸売施設等の流通業務施設が都市内において相当数立地しているということが都市全体の機能の低下の一因になっている、こういった認識に立って、これらの施設を計画的に、集約的に機能の向上及び交通の円滑化を図って都市の機能を高めようとするということで極めて公共性の高い施策である、このように認識しております。立地企業につきましても、先生から御指摘をいただきましたが、大企業に偏ることなく、むしろ中小企業の立地を優遇するという地域のニーズにもこたえている、このように私たちは理解しております。
 都市交通の円滑化を図るために、流通業務施設を集約化させるための受け皿として、都市計画に明確に位置づけた上で、公的主体が責任を持って整備を行うことが本法の市街地整備事業の趣旨でありますので、その促進のために最大限の努力を今後も図っていきたい、このように考えております。
○辻(第)委員 時間が参りました。終わります。
○野中委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○野中委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。辻第一君。
○辻(第)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、地方における流通業務団地づくりは、産業構造の変容に対応するため、流通コスト削減、流通産業の合理化をねらう大企業が、自治体など公的負担による物流拠点インフラ整備を求めるものであり、その基盤整備事業は、住民の命と暮らしに責任を負う自治体の本来の使命に反するからであります。
 流通業務市街地整備法四十条に基づき、これまで十五団地の造成事業が行われ、このうち十一団地の調べによると、三百四十五社の大企業あるいはその子会社などに会社用地として分譲され、住都公団及び地方自治体の支出した事業費は、関連公共事業費を除き用地買収費、土地造成整地費、事務費などで四千百四億円に達しています。また、これらの企業立地の周辺整備のため、道路橋梁整備費、給排水整備費など巨額の関連公共事業費は国、公団、自治体の持ち出しとなっているのであります。
 第二の理由は、この法律が目的として掲げた大都市部の交通渋滞解消については、二十七年間実施してきた結果、この事業では見るべき成果が認められなかったことであります。
 この法律の制定当時の目的である、都心から郊外への移転促進による大都市部の交通渋滞解消を目的とした流通業務市街地整備の政策の根本的見直しを行わず、地方に舞台を移して、高速道路網整備に対応した物流ネットワークの再編整備と地域振興を図ることをねらいとした新しい政策へ転換することは、木に竹を接いだようなものであります。
 第三の理由は、一般論として高速道路や空港、港湾などの公共的な産業基盤整備については、政府による公的支援の必要性を否定するものではありませんが、大企業の事業用資産そのものである私的な会社用地の造成を、自治体のサービスで推進することは、公的支援の限界を越えるものであります。地域の実情によっては、流通業務地区整備が必要な都市が出てくるにしても、それは企業自身の事業活動による立地を基本として、都市計画制度の中で十分対応できるものであります。
 最後に、中小企業者の集約化、共同化による立地などについては、現行の公的支援措置の一層の拡充を要求をし、反対討論を終わります。
○野中委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○野中委員長 これより採決に入ります。
 流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○野中委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
○野中委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、金子原二郎君外三名より、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。石井智君。
○石井(智)委員 ただいま議題となりました流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配布をしてありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたしたいと思います。
    流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 流通業務施設の整備に関する基本指針の策定に当たっては、地方圏の自立的成長及び国土の均衡ある発展を図るため、流通業務市街地を整備すべき都市が特定の地域に集中することなく国土の全域にわたりニーズに応じて適正に整備されるよう配慮するとともに、流通業務施設の整備に関する事項についても地方公共団体の意向が十分に尊重されるよう配慮すること。
 二 流通業務施設の整備に関する基本方針の承認に当たっては、地域の自主性、主体性を最大限尊重し、迅速に処理を行うよう十分配慮すること。
 三 都市計画に流通業務地区を定める場合においては、当該地区及びその周辺の地域における無秩序な市街化の防止に配慮するとともに、適正かつ合理的な土地利用及び健全な都市環境の形成に資するものとなるよう指導に十分配慮すること。
 四 流通業務地区において建設することのできる流通業務の用に供する事務所については、当該施設の規模及び当該施設における業務の内容等が流通業務地区の趣旨・目的に違背しないよう十分配慮するとともに、用途の変更等による違反行為が生じることのないよう指導監督に十分配慮すること。
 五 流通業務効率化基盤整備事業については、当該事業が中小企業の活性化に資するものとなるよう十分配慮すること。
 六 流通業務市街地の整備に関しては、地域の特性を生かしたまちづくりが円滑に進められるよう、関係省庁は、地方公共団体による地方独自の事業を進めるための環境整備に努めること。
以上であります。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○野中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○野中委員長 起立総員。よって、金子原二郎君外三名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、中村建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中村建設大臣。
○中村国務大臣 流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。(拍手)
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○野中委員長 お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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○野中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十二分散会