第126回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第15号
平成五年五月十二日(水曜日)
    午前十時三分開議
出席委員
  委員長 田邉 國男君
   理事 大島 理森君 理事 北川 正恭君
   理事 中西 啓介君 理事 野田  毅君
   理事 浜田卓二郎君 理事 左近 正男君
   理事 堀込 征雄君 理事 伏木 和雄君
      石井  一君    衛藤征士郎君
      大原 一三君    佐藤謙一郎君
      自見庄三郎君    島村 宜伸君
      武村 正義君    津島 雄二君
      戸塚 進也君    額賀福志郎君
      葉梨 信行君    深谷 隆司君
      穂積 良行君    細田 博之君
      増子 輝彦君    阿部未喜男君
      池田 元久君    大畠 章宏君
      菅  直人君    小林  守君
      後藤  茂君    鈴木喜久子君
      田並 胤明君    土井たか子君
      細川 律夫君    松原 脩雄君
      吉岡 賢治君    井上 義久君
      北側 一雄君    日笠 勝之君
      冬柴 鐵三君    渡部 一郎君
      木島日出夫君    川端 達夫君
 出席政府委員
        自治大臣官房審 谷合 靖夫君
        議官
        自治省行政局選 佐野 徹治君
        挙部長
 委員外の出席者
        議     員 伊吹 文明君
        議     員 小渕 恵三君
        議     員 塩川正十郎君
        議     員 西岡 武夫君
        議     員 小澤 克介君
        議     員 佐藤 観樹君
        議     員 松原 脩雄君
        議     員 井上 義久君
        議     員 北側 一雄君
        議     員 渡部 一郎君
        衆議院法制局第 内田 正文君
        一部長
        衆議院法制局第 臼井 貞夫君
        一部副部長
        自治省行政局選 松尾 徹人君
        挙部選挙課長
        自治省行政局選 中野 正志君
        挙部管理課長
        自治省行政局選
        挙部政治資金課 大竹 邦実君
        長
        特別委員会第二 田中 宗孝君
        調査室長
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十二日
 辞任         補欠選任
  岩垂寿喜男君     松原 脩雄君
  土井たか子君     鈴木喜久子君
  井上 義久君     日笠 勝之君
  渡部 一郎君     冬柴 鐵三君
同日
 辞任         補欠選任
  鈴木喜久子君     土井たか子君
  松原 脩雄君     吉岡 賢治君
同日
 辞任         補欠選任
  吉岡 賢治君     岩垂寿喜男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山静六
 君外二十三名提出、衆法第六号)
 衆議院議員選挙区画定委員会設置法案(梶山静
 六君外二十三名提出、衆法第七号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(梶山
 静六君外二十三名提出、衆法第八号)
 政党助成法案(梶山静六君外二十三名提出、衆
 法第九号)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹
 君外二十四名提出、衆法第一〇号)
 衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案(佐
 藤観樹君外二十四名提出、衆法第一一号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐藤
 観樹君外二十四名提出、衆法第一二号)
 政党交付金の交付に関する法律案(佐藤観樹君
 外二十四名提出、衆法第一三号)
     ――――◇―――――
○田邉委員長 これより会議を開きます。
 梶山静六君外二十三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに佐藤観樹君外二十四名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 本日は、委員及び提出者で自由な討議を行います。
 この際、討議に入ります前に、これまでに行ってまいりました各案の委員会審査における選挙制度及び政治資金制度等の論点を整理した項目につきまして、田中政治改革に関する調査特別委員会調査室長から説明を聴取いたします。田中宗孝君。
○田中参事 お手元の「政治改革に関する調査特別委員会の審議における主な論点」につきまして、概略を御説明申し上げます。
 このペーパーは、四月十五日から四月二十八日までの間、八日間にわたりまして本委員会におきまして行われました審議のうち、各委員及び提出者である各議員の御発言から整理をいたしたものでございます。御発言の内容は大変多岐にわたっておりますが、ごらんいただきやすいように簡潔に整理をいたしましたので、必ずしもすべての論点を網羅的には掲げておらないものとなっているかと存じますけれども、御理解をいただきたいと存じます。
 まず、一番といたしまして、「政治改革の決意」でございます。
 ここで二項目掲げてございますが、「関係法案の今国会での一括処理」、それから「中選挙区制の廃止」でございます。自民党案、それから社会党、公明党案の両案の提出者におかれましては、共通の御認識であったものと理解をいたしておるところでございます。
 二番でございますが、「政治改革の眼目」でございます。
 政治改革の目標でございますとかあるいはキーワードというよう言葉が用いられた場面もあったと存じますが、ここでは四項目を掲げさせていただきました。「新しい時代環境のなかで責任ある意思決定を行い得る政治の実現」「国民の政治・政治家に対する信頼の回復」「政権交代の可能性の高い、緊張感ある政治制度の確立」「政党中心の選挙制度、政治資金制度の確立」でございますが、それ以外にもいろいろな御発言があったと存じます。
 例えば、政治家の規範意識の問題、あるいは有権者の意識改革、それから党内民主主義の確立と派閥の弊害の除去、あるいは政治腐敗をもたらした社会構造そのものの改革、さらにまた国際的信用の確保の必要性などの御発言もあったと存じます。
 三番でございますが、「選挙制度」の関係を整理いたしました。
 まず最初に、「現行中選挙区制の問題点」でございます。ここではその内容を掲げてございませんけれども、内容的に御発言のありましたものを若干申し上げますと、政権を目指す政党にとって避けがたい同士打ちがあること、また、その結果として政策不在で個人中心となりがちな選挙となること、また、政党によりましては同一選挙区で複数の候補者を立てることが非常に難しいという面があること、それからまた、仕組みの問題といたしまして、得票率が正確に議席数に反映しない仕組みであること、あるいはまた、当選に必要な得票率が低い仕組みとなっていることなどの御指摘があり、さらにまた、現行中選挙区制のもとにおける定数配分の不均衡是正の問題につきまして、従来不均衡是正が十分にやられてこなかったというような問題、あるいはまた、この際、六十一年の国会決議による定数是正をまず行うべきだというような御論議などもあったところでございます。
 次に、「衆議院議員の選挙制度についての考え方」でございますが、「議院内閣制の下における衆議院議員選挙」をどのようにとらえるかという観点から、一方では「政権の選択についての国民の直接の意思表示」に重点を置く考え方と、「民意の正確な反映と内閣に対するチェック機能の確保」に重点を置く考え方とがあったものと存じます。
 また、これにつながる問題といたしまして、次に「民意の反映と集約」と掲げさせていただきました。民意のとらえ方の問題、あるいはまた国民の政治意識の多様化の問題、あるいは代表と代理との問題、さらに多党制あるいは二大政党制などに関する御議論があったところでございます。
 さらに「単独政権と連立政権」に関する御議論がございまして、一般的な傾向といたしましては、小選挙区制では単独政権、比例代表制では連立政権となる傾向があるという御議論があり、さらに、連立政権につきましては、一方では、民意の正確な反映の結果として尊重すべきものなんだというような御議論もあり、他方で、選挙前から明らかにされていない。連立政権というものは国民が選択したものではないんだということ、あるいはまた、連立政権における責任の所在というものが非常に不明確になるというような御議論もございました。
 「衆議院議員の選挙制度」につきまして「その他」の御論議といたしましては、「政党中心、政策本位の選挙」を実現する必要がある、あるいは「国民から見てわかりやすい」ものである必要がある、さらに「参議院議員の選挙制度との関係」を考える必要がある等の御議論がありまして、さらに、ここには書いてございませんが、完璧な選挙制度というものは存在しないのではないかというような御論議もあったところでございます。
 次に、「単純小選挙区制」についてでございますが、以下に掲げてございます論点のうち、最初の四項目は単純小選挙区制を是とする立場からの論点、それから、それ以下は単純小選挙区制を否とする立場からの論点を整理させていただきましたが、是とする立場からの議論といたしましては、「政権を国民が直接選択できる。」「政権が安定する。」「政権交代の可能性が高い。」「候補者の顔が見える。」などの御論議がございまして、さらにまた、これ以外に申し上げますと、多数が全体を代表するという民主主義の原理を貫いたものであると、このような御論議があったところでございます。
 これに対しまして、単純小選挙区制を否とする立場からの御論議といたしましては、「得票率と議席数の乖離が大きい。」いわゆる死に票が多いということでございますが、あるいはまた、現在の我が国の政治状況のもとにおきましては、「中小政党を事実上抹殺するもの」であると、このような御論議、それから「急激な政権交代による政策の継続性」が失われるのではないか、「地元密着型の選挙となり、かえって金のかかる選挙になりかねない。」のではないか、またこれ以外に、議席が固定化する可能性が高いのではないかなどの御論議があったものと存じます。
 次に、「小選挙区併用型比例代表制」でございますが、同様に是とする立場からは、「民意が正確に議席数に反映する。」「二百の小選挙区において候補者の顔が見える選挙をする。」それとともに二百の小選挙区において政権の核ができることを期待する、無所属等候補者も立候補ができるようにするなどの御論議がございましたが、他方で、「小党乱立の恐れ」があるのではないか「定数五百のうち三百は顔が見えない。」のではないか、「超過議席の発生」についてどう考えるか、「国民から見てわかりにくい。」のではないかなどの御論議があり、さらに、制度の細目につきましてはそれ以外にも幾つかの御指摘があったと存じます。
 次に、「単純小選挙区制と小選挙区併用型比例代表制との共通点」もあるのではないかという御論議もございました。三つ掲げてございます。「政党中心、政策本位の選挙制度」を目指すものだ。「相対多数の者を代表に選ぶ小選挙区を含んでいるものだ、「格差の解消」を目指すものだという点では共通しているという御論議でございました。
 それから、「小選挙区の区割り」でございますが、適正な区割りが行い得るのか、あるいは第三者機関が区割り案を作成する場合にそれをどのように尊重するのか、何らかの担保措置が必要なのではないかなどの御論議がございました。
 それから、「その他の選挙区制案」につきましての御論議もございまして、ここでは主なものを二つ掲げてございますが、「非拘束名簿式比例代表制」、民社党案でございますが、それと「小選挙区比例代表連用制」、民間政治臨調案でございますが、これらについての御論議がございましたが、ほかに小選挙区比例代表並立制、それから小選挙区二回投票制につきましての御論議もございました。
 それから、「妥協の可能性」と掲げてございますが、このことにつきましての御論議もございました。
 「選挙制度」につきましては、これ以外に「戸別訪問」でございますとか「立候補予定者のポスター等の規制」、また「党内民主主義の確立と候補者選定手続」、それから「地方の選挙制度」。
 このほかに、衆議院議員の総定数でございますとか、政見放送や立会演説会のあり方の問題、それから公職の候補者等が選挙区において行う寄附の禁止の強化の問題などにつきましての御論議がございました。
 四番でございますが、「政治資金制度」でございます。
 「全般的事項」として幾つかの項目を掲げさせていただいておりますが、まず最初は、「政治活動に関する経費は、誰が負担すべきものか。」ということでございます。これに関連いたしましては、政治に金がかかるのか、かけているのかという論議、あるいは国会報告など必要不可欠な政治活動に要する経費もあるのでそれらの調達をどうするのか、あるいはまた、選挙制度の改革によって政治家個人が必要となる資金は現在よりも少なくなるのではないかなどの御論議がございました。
 それから、その結果といたしまして、「党財政の充実の必要性」があるという御論議がございましたが、これに伴いまして、各政党の政治資金に関する対等条件の確保が必要だという御論議もございました。
 それから、「政治家の公私の峻別」が必要だという御論議。
 さらに、ここには書いてございませんが、金のある者しか政治家になれないということであってはならないというような御論議もございました。
 次のページでございますが、「政治資金の透明性」の確保、あるいはこれに伴いまして「政治資金に関する情報への国民のアクセスの確保」というような点からの御論議もございました。
 そのほか、政治資金に関する監視機関の設置と政治活動の自由の確保の関係についての御論議もございました。
 「政治資金」に関しましては、以上申し上げましたような「全般的事項」のほか、「個人献金」と「企業・団体献金」をめぐる問題につきましての御論議が大変多かったと存じます。
 「個人献金」につきましては、一方では、個人献金の浄財によることが理想的だとする立場からの御論議もございましたが、しかしながら、その場合に、個人献金についても見返りを期待するという問題が起こる可能性があるのではないか、あるいはまた、我が国では個人献金がなかなか普及しないという基本的な問題があるのではないかというような御論議もございました。
 次に、「企業・団体献金」についてでございますが、ここで掲げてございますのは、最初の三項目は企業・団体献金を全面的に禁止するという立場からの御論議、それ以下は政党に対するものなどに限定しようとする立場からの御論議が掲げてございます。
 全面的に禁止すべきであるという立場からの御論議といたしましては、これまで「企業・団体献金は政治腐敗の温床となってきた。」「企業は利益を追求する団体である以上、見返りを期待するもの。」「企業・団体は参政権を持たない。」というような御論議がございまして、全面的に企業・団体献金を禁止したとしても、それは憲法上も許されることだ、このような御論議であったと存じます。
 それで、これに対しまして、政党に対するものなどに限定をしようという立場からの御論議といたしましては、「企業・団体も政治的行為をする自由を有しており、政治献金はその一環」をなす行為であること、「企業は利益をあげるだけでなく、メセナ活動などを通じて社会に貢献」をしているものであること、「企業・団体献金にも節度が必要」である、「政党に対する政治献金についてこれまで特に問題が起こったことはない。」などの御論議がございました。
 それから、「政治資金制度」に関しまして、「その他」の問題点といたしまして、「政治家個人が保有する政治資金についての公開制度」についての御論議がございましたほか、例えば、政治資金パーティーの扱いでございますとか、自民党案における五年間の経過措置の問題などがございましたが、これらは多くは企業・団体献金に絡むような問題であったのではないかと存じます。
 次に、五番でございますが、「政党助成」でございます。
 「政党助成の趣旨」といたしまして、幾つかの御論議がございました。政党中心の選挙や政治活動となることに伴う政党の役割の増大に伴って政党助成を行おうとするものだという御論議、それから、企業・団体献金の禁止をすることに伴ってその実効性を確保しようという立場からの御論議、それからまた、政党の政治的自由の観点から、公費による助成は行うべきものではないという立場からの御論議などがございました。
 それから、「総額」でございますが、安易にふやすべきでない、あるいはまた公的助成に依存し過ぎることがあってはならないというような立場からの御論議、それから逆に、将来にわたって果たしてこれで十分な額であろうかというような御論議もございました。
 そのほか、「国民の監視と批判」、あるいはまた地方議員の政治活動に対する公的助成などの御論議もございました。
 六番でございますが、「制裁の強化」でございます。
 「連座制の強化」につきましては、対象の範囲、それから立候補制限の期間などについての御論議がございましたし、「公職選挙法、政治資金規正法等の罰則の強化」に関連いたしましては、罰則の強化と並行して、政治家の倫理観についての御論議もございました。
 七番といたしまして、「その他」でございますが、各般にわたる御論議がございましたが、ここではその主なものといたしまして、「女性の政治参加」「地方分権、許認可事務の見直し」「使途不明金に対する制裁課税等の措置」「指名競争入札制度」を掲げさせていただきましたが、それ以外にも、例えば、国会審議のあり方でございますとか、その他にも御発言、御論議があったものと存じます。
 以上でございます。
○田邉委員長 これにて説明は終わりました。
○田邉委員長 これより選挙制度及び区割りをテーマといたしまして、自由な討議を行います。
 なお、討議の際は、議事整理のため、発言のある方は、挙手の上、委員長の指名により発言されますよう、また、発言は論点を絞って簡潔にお願いいたします。
 それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。
○大島委員 きょうはフリーな議論でございますので、私の観点は、この委員会において今まで、本会議も含めますと約六十九時間もう審議をいたしております。そういう中で、共通した項目を探したいということで質問をしていきたいと思います。
 まず、先ほど主要な論点ということを御説明いただきました。そこで特に、「政治改革の決意」という観点の中で二つの点を挙げられましたが、その中にもいろいろあると思います。ただ、報告にありましたように、私もどうやらこの二つの点、つまり今国会で一括処理をしよう、それから今のままの中選挙区制ではだめだということは、共産党もこれはやはり同じだと思うのです。つまり、そういう意味ではオール政党が、今の状態の中選挙区制ではだめだという点は共通しているような気がするのです。
 したがいまして、左近理事、それから伏木理事、そういうふうな、まず社公の両党の代表理事に、同じ認識を持っているかということが一点。いや、私はどうもそういうふうな認識は持ってないんだという委員の方がおられたら、ぜひ手を挙げて反論をしていただきたいということで、まず左近さんと伏木さんに第一点の決意のところの認識を、同じなのか、どう思っておられるのか、その辺を聞いた上で、いや、おれはそう思ってないという方があったら、他の委員でもぜひ御発言いただければありがたいと思います。
○左近委員 今、大島さんの方から、政治改革の基本的な認識とこれからの対応という観点からの御質問だと思います。
 私が一番先に発言が許されれば同じことを聞こうと思っておったのですが、今おっしゃいましたように、四月十三日の本会議以降、非常にピッチを上げた審議をやってまいりました。これから決められておる審議時間も入れますとちょうど百時間の審議になるわけです。お互いかなりの部分で、今田中室長から今までの審議経過について御報告がありましたように、基本的な認識についてはかなり共通点が出てきたのではないか。だから、入り口では自民党さんもあるいは私ども社公で提案しておる考え方も一致をしておる。これは今日の世論の状況を見れば、もう腐り切った政治についてはさようならをせよ、だからきれいな政治をやれ、政治の大掃除をせよと。一つは腐敗防止の問題、これはきょう昼から論議になりますが、もう一つは中選挙区制についても六十年間、七十年間やってきた、かなり制度疲労をしておる、したがってオーバーホールだけではだめだ、やはり新しい制度を組み入れていこう、こういう認識ではお互い一致したのではないかと思うのですね。したがって、中選挙区制さようなら、新しい選挙制度こんにちはというところの入り口については一致をしたと思います。したがって、四つの法案を一括でやっていこう、そういう点についてもお互い入り口では今日一致をしておる。
 それを大島さん、どこへ着けるのですか、岸。僕は自民党さんに聞きたい、出口をどうするんですかと。自民党さんは大きな連合艦隊であります。したがって、いろいろお話をしておる理事の皆さん方と、私の率直な印象は、この政治改革に対する制度の問題では特に温度差があるような感じがするわけです。私の理解不足であれば失礼をお許しください。
 そういうことで、幸いきょう出ておられる理事の皆さん方は、こういうことを言えばおかしいですが、主なグループからお一人ずつ出ておられまして、またきょうは小渕先生も幸いに提出者の一人としておられますので、どうですか、野田さんから順次、どこへ出口を求めていくのか、これはやはり考え方を言っていただきたい。自民党はあくまでも単純小選挙区制、これを一歩も取り下げないんだ、これでは私は接点を、出口を求めることが非常に難しいと思うんですよ。したがって、入り口では一致した、出口をどう求めるか、この点について各理事の皆さん方、そして小渕先生にひとつ見解を、私の方から反論としてお聞きをしたいと思います。
 以上です。
○伏木委員 先ほどのお話にございましたように、七十時間近い質疑をやってまいりました。そこでずっと委員会を見ておりまして、私どもは理事ですからほとんど席に座っておりますけれども、今政治改革の必要性を唱えない人は一人もいなかったんではないか。当委員会においては一刻も早い改革を主張なさった方ばかりであったと思います。当然、私どもの党といたしましても、提案者にしても、あるいは質疑に立ちました全委員においても、何としても今国会で政治改革を実現すべきである。それについては、政治資金、選挙制度、腐敗防止はすべて一括して行わなければ真の政治改革にはならぬぞという意味の発言が一貫してあったわけでございます。私どもも、当然、今日の国会の置かれている立場、これを深く考えれば、この国会で結論が出せなかったならば国民の皆さんに何と申し開きができるのかということでは党内一致した意見を持っております。
 ただ、委員会では真剣な審議が行われ、一括でいこう、こういう方向になっておりますけれども、その真剣な討議の中でも一番問題なのは、選挙制度について、民意の集約か民意の反映かということで相変わらず意見が対立している。しかし、個々に聞いてみますと、その意見だけではだめだ、何とか妥協の余地はないのかと言う方もたくさんいらっしゃる。
 ただ、その妥協の際に我々一番心配しておりますのは、委員会ではそうであっても、例えば、自民党さんでは原案をいじる場合には断じて総務会にかけなければいかぬとか、あるいは社会党さんでは国対の方針とかといういろいろ制約がある。その中で、この現場の方は何とか妥協の余地という考えを持っておっても、それぞれの機関というものが果たしてどこまで妥協の余地があるんだろうか。とすると、この委員会としては一体どこへ出口を持っていくのか、これは委員会としても真剣に検討をしなければならない。
 我々理事としても、この委員会の運営に当たって責任ある立場として、何とか妥協の余地というものを見出さなければならない。先ほど大島さんからお話がございました、今国会で一括処理あるいは中選挙区制の廃止、私どもも当然その結論の上に立って委員会に出席をしているわけでございまして、それぞれの機関というものがありながら、現場との意見が若干食い違いがあるんではないか。この点について、まず自民党さんの方からどういうお考えがお聞かせ願えればありがたいと思います。
 以上です。
○野田(毅)委員 冒頭から一番最も本質的な部分についてのやりとりです。
 私は、ざっくばらんに言って、政党が大きくなればなるほど、特に我が党は数も多いし、それぞれの個人の主張がいろいろ多岐にわたるということは、これはどんな場合でも避けがたいことだと思っています。ただ、少なくともそういう中で、私も委員会の質疑の冒頭で申し上げたのですが、ただこれをお互い建前で、やらなければならぬ、一括だ、しかも、政治資金なり腐敗防止だけを先食いするのではなくて、基本的に政治活動あるいは選挙活動というものを、あるいは政治資金の動きというものを、プライベートなセクターよりも政党中心の政治資金の出入りということをやらないと本当の腐敗防止もできないではないか、したがってそうなれば勢いおのずから選挙制度もそれに連動して政党中心の選挙制度というシステムに切りかえていかないとできないではないかということで、お互い共通の認識でそれぞれの法案を出した、こう認識をしております。そこまでは一致しておる、少なくとも政党中心の政治資金の動きであり選挙制度であるということを目指す、そこまで私は共通点ができ上がっておる、こう認識しておるわけです。
 問題は、その具体的な選挙制度について、同じ政党中心の選挙制度を仕組む上でも、しからばどういう選挙制度というものを考えるかというときに、いわゆる政権交代の可能性があるとか、あるいは衆参両院、いわゆる議院内閣制のもとにおいて二院制度をとっておる、その中の衆議院の役割というものを参議院との役割分担の中でどう考えるかという中で、私どもは、少なくとも小選挙区を中心にした選挙制度を考えることが政党中心という選挙制度という理念にもかない、そしてまた、国際社会の中における日本の立場を考え、政治の対応をどうすべきかなどということも考えるとそれが望ましいということを主張してきたし、野党の社公の皆さんは、むしろそれよりも民意を正確に反映するような比例代表的なものをやるのがいいんだという、いわばこの二点にかかっておる。それぞれ、我々は我々の方にまさに理論的にも現実的にも優位性があるということを主張して譲らないし、社公の皆さんは逆に比例代表の方が優位性があるということで譲らない。
 実はこの問題は入り口のときから大体わかっておる話であって、そういう中で、双方が何としてもこれまとめなきゃならぬという意気込みをお互い今なお持っていると私は信じていますのであるとするならば、やはり冷静に、その中のその利点と利点をどうつなぎ合わせていくのかそして短所をお互いどう消していくのかというような作業を率直に言って具体的に始めていかないと、お互いがそれぞれの自分たちの主張の正当性だけを述べ合っていくということを続けていたのでは、これは百年たってもできないことだ、私はそう理解をしております。
 そういう点で、いろいろ我が党の幹部の方でいろいろな発言があります。社会党でもそういう発言があるようです。しかし、それはそれとして、少なくとも自分たちがこれから折衝していく、交渉していく過程において、少しでも自分たちの主張に近い線で貫いていけるといいますかそういうことを念頭に置いていろいろ発言しておられるのではないかと私は理解をしておるんですよ。この動きをつぶそうという話で出ておるものだとは私は理解はしておりません。であるとするならば、この委員会の中で、これはやはりいわゆる国対政治とは違うハウスの正規の機関でありますし、こういうオープンな場でありますから、少なくとも私はこういう議論の中で双方の理事がまとめていくんだ。それぞれ背後に、我々もあります、党議決定もありますけれども、それはそれとして、委員会としての考え方は、委員長のもとに我々は何としてもこれをまとめていく作業をやるんだ、その作業に入ることについて、我々は個々人の、もちろん党員ではありますけれども、委員会の理事の立場としてあるいは委員の立場として委員長の指揮のもとにそういう作業にお互いが入るということを、私個人としてはあえて、やはり理事という責任を考えますと、それをやる責任があると個人的には理解をいたしております。
 その点について、逆に、どんなものですか、社公それぞれ、その用意ありや否やということをちょっと聞いてみたいと思います。
○小渕議員 御指名がありましたので考え方を申し上げさしていただきますが、今の野田理事のお考えに私も尽きるものだろうというふうに思っております。本来、民主主義の手続からいえば、本委員会で熱心な、また真剣な御討議を続けてまいりまして、すべての手続を経れば採決というのは、これはまさに憲法の指し示すところだろうと思うのです。
 かっても選挙法について、鳩山内閣、田中内閣でも選挙制度の提案がなされましたが、たしか鳩山内閣のときには、衆議院で可決をされて参議院で審議未了になった経緯があると思うのです。田中内閣のときには、私も議運の理事をしておりましたが、これは委員会にかかるまでもなく、これは法案として審議に至りませんでしたが、そういうことから考えれば、ここの手続を経れば、当然のことですが、本院の院の意思というものは明らかにし、本会議で決すべきものだろうと思います。
 ただ、現実問題として、これは、事は衆議院の選挙制度でありながら国会全体の制度にもかかわることでございますので、参議院の現実の実態というものも踏まえなきゃなりませんし、あわせて、私、本会議でも申し上げたと思いますけれども、やはり選挙制度については、この委員会の熱心な委員の皆さんの御意思も当然のことですが、本院に所属するすべての国会議員が採決以前に意思を明らかにいたしていくべきものではなかろうかということを主張いたしましたし、事は国会の、まさに民主主義の根本の選挙制度、俗に言う土俵づくりですから、これは本当に話し合いの上で事は決していかなければならないものだろうと思っております。
 そういう意味で、今日まで長い間御議論いたしてまいられたわけでございますので、一義的ということはどうかと思いますけれども、本委員会において何としてもそれぞれの主張を調整をして、成案を得る努力をされるべきことではなかろうかと思っておりますが、これは私ども提案者が申し上げることはいささか僭越至極でありまして、田邉委員長を初め本委員会に所属する諸先生方の話し合いにまたなければならないというふうに思っております。
 今の段階で私の申し上げられることは、私どもとしては、申すまでもなく、党としての選挙制度の提案をされておるわけでございますので、願わくば、そのことについての御認識を深めていただけたものと認識をいたしておりますが、さりながら、私もこの座に座っていろいろ御議論をお聞きをいたしておりますと、なかなか難しい問題に立ち至っているという気がいたしておりますので、所要の手続が進行する過程でも、ぜひひとつ十分なお話を進めていただくこともこいねがっておるというのが率直な気持ちでございます。
○北川(正)委員 左近理事からの御質問にお答えいたしたいと思いますが、まず、私は、今国会中にまとめ上げることが第一義だと思っています。
 制度としては我が国は二院制でございますから、当然衆議院と参議院のあり方を考えなければいけないと考えたときに、やっぱり単純小選挙区制が一番いいと思っております。したがって、それを外すことなく御議論は進めていきたいと思いますが、しかし、それに絶対的に固執するということではなしに、今国会中にまとめ上げることの方を優先いたしたいと思っています。
 それで、私は、制度が変わろうとも、ソ連がロシアに変わるほど日本は未成熟な国家ではない、成熟した国家であろうと思いますから、今のこれほどの不信感を国民から浴びている我々が、まずおのれを律するということからスタートしなければ国家改造はできていかないと思っております。高齢化社会を迎える今日、当然我々は、その医療とか年金の負担、国民に税制の問題で御無理をお願い申し上げざるを得ない場面が必ず来ると実は思いますし、国際化社会の中で、今日まで行政あるいは許認可、こういったことで守られた日本株式会社的な発想から、それはそれなりの秩序があって今日まで来たわけですが、それを打破しなければいけないときに、我々自身がみずから血を流すといいますか、少し不穏当な言葉かもわかりませんが、それぐらいの決意がなければこの日本国家の改造はできない、そういう認識に立っております。
 さらに、日本の議会は委員会中心主義でございますから、委員長のもとに我々が何としてもまとめ上げるという決意がこの場でなければいけませんし、国民にわかりやすいオープンな議論で結論を出していくとするならば、この委員会で、それこそ今まで七十時間近い審議をしました、さらに日程でいきましたら百時間ですけれども、その間、それだけの時間があれば、やる決意があればでき上がっていく、私はこう考えておるわけでございますから、ぜひまとめるというお互いの認識のもとに徹底した議論を進めていきたい、これをお互いの努力によってこの委員会で解決してしまうという決意でおります。
 以上です。
○左近委員 ちょっと私の質問に対して一言ずつ言ってくださいよ、総理・総裁派閥からも。
○田邉委員長 いや、もうこの程度でいいです。
○田並委員 御指名でございますので、私、田並ですが、意見を言った後、浜田先生の意見もぜひ聞かしてください。
 今、野田先生あるいは北川先生の方からお話がありましたように、まさにそういう決意でこの委員会で結論を出さなければいかぬと思うのですね。それは、それぞれの党に党議というのがございますからかなり難しさはあるにしても、我が党の左近理事も堀込理事も、今、野田先生や北川先生から言われたような気持ちでこの委員会に臨んでいると思います。また、出先の理事の人たちが委員長を中心にしてまとめていくというのが、まさに今まで七十時間以上も論議をしてきた帰結点として私は当然必要だろうと。したがって、野田先生や北川先生の意見に私は賛成をするものですし、我が党の理事も恐らくそういう考えではないか、私はこのように思います。
 そこで、聞きづらい話なんですが、最近自民党さんの中でかなり、首脳部、首脳陣と思われている方々のいろんな意見が出て……(発言する者あり)まあ社会党は後ほど申し上げますから、社会党の決意はまた後で申し上げますが、少し水を差すような発言が非常に多くなっているのを私どもは非常に心配しています。先ほどの野田先生、北川先生の意見、この熱心な御意見の中からとてもとても想像できないような残念な発言があることについて、私どもの党の中でも誤解があるような発言があることについては、これはもう何としてもやめてもらうようにいたしますが、例えば中曽根元総理の発言の中に、どうも、第一にやるべきことは腐敗の防止と汚職の追放だ、まことに結構なことです。二番目が自民党改革で、三番目が国会の与野党の裏取引の是正である、これも大賛成です。しかし、選挙制度の改正は四番目だというのですね。しかも、この政治改革調査委員会でいろいろ熱心に論議をしていることが、一種の流行のようなものではないか、非常にこれは聞き捨てならない発言をされているということについて、私は非常に問題があるんではないかと思うのですね。
 要するに、先ほどのこれまでの質疑の総括をまとめてされました中に、中選挙区制はとにかく制度疲労を起こしている、今度の国会で国民の期待にこたえて関連法案を一括処理をするんだ、これはもうこの委員会のまさに合意事項です。ところが、はっきり申し上げて、中曽根さんの発言というのはこれを真っ向から否定をするものだというふうに私は思うんです。しかも、そこまで言うんだったら、腐敗の防止と汚職の追放をどういうことで具体的にやろうとしているのか、そういうものをやっぱり示すべきだと思いますしね。これは、ここに中曽根先生いないのですからしょうがないことですが、つまり、政治改革つぶし以外の何物でもないのじゃないかというふうに私は思うのです。
 それと、梶山幹事長がやっぱり、四月の二十一日の日に私は宮澤総理に対する質問の中で、四月の十八日の日に熱海の女性総局活動者研修会で梶山幹事長が言われたことを引き合いに出して、首相のリーダーシップを求めました。しかし、そんなことは絶対ないというふうに総理は答えてくれたわけですが、また最近、五月八日になりまして、衆参の選挙制度改革セット論を持ち出して、今の政治改革論議は熱病にかかっているようなものだ。これはどうも、一生懸命自民党の理事さんを中心として、各委員の皆さんや提案者が熱心に今まで論議を積み重ねてきていることに、どうもやり過ぎだ、行き過ぎだ、政治改革をぞこまでやられちゃ困るというような印象の発言をされるというのは、まさに先ほど野田先生が言われましたように、自民党は大きいですから、個々の主張を持つということは非常に大切ですし、その主張そのものがかなり多岐にわたっているということはわかるんですが、ここまで首脳の人が言うということは、果たして自民党さんは今回の政治改革をやる意思があるのかないのか、そこまで問われてしまうという気がするんです。
 ですから、先ほど野田先生を初め各理事さんが考え方を述べられたように、ぜひともそういう発言に右顧左べんされることなく、この委員会で委員長を中心にして何とか今国会中に一括処理でまとめ上げる努力をしていただきたいし、我が党も両理事を中心にして何とかまとめるという努力を恐らくされると思いますし、そのことを私は期待をしたいと思うのです。
 ですから、その点について、そういうことはないんだということをぜひ明確に理事さんの決意を聞かしてもらいたいということと、それともう一つは、単純小選挙区制については、ベストであるけれどもそれに固執するつもりはないと北川先生が明確に言いましたし、野田先生の方も、民意を集約をする形の小選挙区制と民意を正確に反映をする比例代表制と、この中間があるわけですね、この中間というのが。この部分がそれこそまさに妥協する一番大きな私はポイントになるんではないかと思うのですよ。
 それで、仮に自民党が提案をしている小選挙区制と社会、公明が提案をしている併用制をお互いに譲り合わなければ、残念ながら、衆議院で自民党の案は通っても参議院では恐らく不可能でしょう。それと同時に、衆議院では社公案がつぶされちゃうわけですから。すると、いずれも相打ちになって政治改革は一歩も進まないという結果に今国会では終わるという危惧を私は非常に強くするものですから、それでは絶対に国民の皆さんの期待にはこたえられないし、まさに日本の議会制民主主義は崩壊の一途をたどっていくという、こういう危険性を感ずるということを申し上げたいと思うんですが、その辺のことについて、野田先生の方からひとつ御意見があれば聞かしてもらいたい。
○田邉委員長 田並胤明君の質問に答える前に、左近正男から先ほど各理事に返事をという話がございましたから、では、中西啓介君からお願いします。
○中西(啓)委員 御指名をいただきました。私は党内ではブービー派閥の理事でございますので、総裁派閥の浜田さんにと思ったのですが。
 私は、田並先生の今お話にもございましたけれども、自由民主党というのは非常に大きな、川でいうと渦巻いているところもあれば逆流しているようなところもあって、いろんなそういう雑音もかなり聞こえてきているのは事実だと思うんですよ。まあそれはそれとして、やはり過去の、何といいますか、栄光とかしがらみから抜け出せない人々も結構いることは事実ですね。要するに、構造転換に積極的でない人がいることは事実でありますが、それは我々も全力を挙げて、何とか我々の大勢に同調してもらうべく最後の努力はしていく決意であります。
 私自身、どういう方向がいいのかという左近理事のお話でございますが、なかなか、いきなり理想の案というのは極めて不可能なことだと思うのですね。しかし、この間の、もう七十時間になんなんとするこの委員会の議論を聞いておりまして、現行中選挙区制度から決別しようという点では、共産党を除いて完全に一致したということですね。これは画期的なことだと思います。
 それからもう一つは、やはり共通項は、小選挙区という部分では共通しているわけですよ。濃淡はありますよ、ありますが。ですから、私は妥協という言葉は余り好きじゃないんですが、合意点は、必ず見出そうという決意さえあれば絶対合意できる、そういう不退転の気持ちで今私自身は努力しているつもりでございます。
 そこで、きのう連用制の質疑を、臨調からも参考人としてお見えいただいて相当掘り下げた議論ができたと私は思っておりますが、やはりこの連用制あたりが、現実一つのこれから合意を見出していく基軸案になるんじゃないんでしょうかね。もちろん、そっくりそのままあの運用の案というわけにはいきませんよ。二つか三つの部分でお互いにさらにそろばんはじいてなんてきのうやってましたね。ああいう赤裸々の姿勢を出してやっていかなければならぬ場面もあるかと思いますが、二つか三つかの部分で具体的に本音の交渉をしていけば、私は、あの運用案というのが一つの基軸案になるのかな、個人的にはそんなふうに思っております。
 要するに、やれるかやれないかじゃなくて、やるかやらぬかだけの話なんですね。そんなふうに思っております。
○浜田(卓)委員 中選挙区制と、それから今我々が提案しております小選挙区制、野党の提出しておられます併用制、比例制ですね、これの違いというのは、いろんな面がありますけれども、一つは、中選挙区制でありますと、候補者それから一人一人の政治家、個人の役割というものが物すごく期待をされている、そういう仕組みであって、それだけに、個人が直接世論なり、まあ危険なことも含めてさらされる度合いというのが非常に強い制度だと思うのですね。そこにいろいろ中選挙区制の問題点というのが指摘されるのは、私もそうだと思います。それに対して比例制、それから我々の提案している小選挙区制というのは、個人にかわって党という位置づけであって、ここは意外に、小選挙区制、比例制で全然相反するように見えますけれども、共通項というのは党を中心にした運営になっていくということであって、これがもう私にとっては最大の魅力だと思うのですね。ですから私は、小選挙区制と比例制の組み合わせというのは現実的にはあり得る制度だと思っておりますし、そこで本当にいい妥協点が探れれば、私は、いい制度に移行する、それが政治改革の目的ですから、そうなるべきだと思っているわけです。
 と同時に、これ以外のいろんな制度の価値をはかる尺度というのはあるわけでありまして、例えば中選挙区制だと個人の役割が大きい、個人間の競争というものが激しい、したがって活力が生まれやすいとか、あるいは新規参入というか、特に私なんかの出てきた経緯を振り返ってみると、中選挙区制だったから出やすかったなという面も多分にあるわけでありまして、そういう制度を変えることによって失われる面というのも考えていかなければいけない。
 それと同時に、政治の安定性、それから政策の継続性という意味においては、中選挙区制は戦後非常に大きな特色を発揮したという面もあるわけで、これも看過してはならない。
 そういった今までの議論の中で出てきた各制度の特質というものは、これはそれぞれ総体としてどれが、どの制度がベストということは私はないと思うわけで、どの制度がベターかという判断でいくべきだろうと思っているわけであります。そして、中選挙区制はもう絶対とらない、改革のエネルギーというのはそこから生まれたというふうに思いますけれども、私はやはりそこは冷静、客観的に、小選挙区制、中選挙区制、そして我々がかつて廃案にしてしまった並立制、それから併用制、純粋比例制、この全体の位置づけというものを客観的に冷静に判断して、一番いい制度はどこにあるか、そういう思考過程というのはやはり冷静にとる必要があるなと思うわけです。
 そして、それがどこで一番やれるかというと、やはりここだと思うのですね。きょう、答弁者も代表で御出席いただいておりますけれども、各党ともそれぞれ長い政治改革の議論の歴史を持っておって、その歴史の中で特に光った人たちが答弁者にもなっているわけでありますし、また非常に政治改革に関心の強い人たちがこの委員会のメンバーになっているわけですから、私はここで必死になって妥協案を探るという作業はやるべきだと思うのですね。
 と同時に、各党の現実というものを忘れてはいけませんから、我々もやはりここでつくった成案というものが党に持ち帰ったらゼロになってしまったというわけにはいかないわけですから、やはりここで成案を求める努力をすると同時に、各党それぞれのフィードバックといいますか、党内手続も並行して努力をしていく。それは難しいからやらないというのじゃなくてやってみようというのが、やってみなければならないし、それができるのはここだというのが、実はここで理事をやっている私の考えであるということであります。
○田邉委員長 田並胤明君の質問に対して、野田毅君。
○野田(毅)委員 二点あったと思います。
 一つは、中曽根先生初めのいろんな発言について、多少欠席裁判的になるのもいけませんので慎みたいと思いますが、ただ基本的に、私は政治哲学の違いだと思っています。僕は、これはこれでどっちが正しいということを言うつもりはありません。ただ、少なくとも中曽根先生の政治哲学というのは、政治を動かすのはやはりむしろ政治家の極めて個人的なパーソナリティー、個人的な資質というものが要求される、したがってできるだけ個人のキャパシティーを大きく育てていくということが大きな政治ができるんだ。これは中曽根外交の展開を見ても大体おわかりだと思います。だから、余り組織的にがんじがらめにして、いわゆるサラリーマン社会の中の一つの歯車みたいな形に政治家を押し込むということに対する危機感というものを持っておられることだと思っています。つまりそういう中で、何といいますか、そういう一つの政治哲学だ。だから管理政党みたいになってしまったのでは政治がダイナミズムを失ってしまうのではないかという、恐らくそういう発想だと私は長年近くにおってそういうことを感じています。
 ただし、言うならばそういう、私はこれは非常に大事な視点だと思っています、大事な視点であるのですが、そのことが結果として、いろんな不祥事を結果的には惹起してきておる。そのことについて国民は、今の政治のあり方について耐えがたい不信と、言うならば嫌悪の念を持っておる。したがって、そういう意味でダイナミズムにとってマイナスになるという懸念は率直に言ってあると思います、すべて政党中心型に持っていくことは。しかし、国民の政治に対するこの不信の大きさを考えると、やはり我々は今ここで、ただ個別に政治家の個人の倫理の問題だとかいうようなことだけでは済まされない、システムとして対応しなければならぬところに今我々は来ておるんではないかというのが私の個人の考えてあります。
 また、そういう認識に立つからこそ、我が党としても実際問題、この小選挙区の選挙制度と政治資金について政党中心の金の流れに持っていくという、こういう案を提案をしておるわけであります。というふうに第一点は申し上げておきたいと思っております。
 そこで第二点について、これは冒頭左近先生の御質問に対して私からかいつまんで申し上げたとおりでありまして、ただ私は若干懸念するのは、何といいますか、プリンシプルのない、単に妥協の産物だという受けとめ方を国民がするということになると、私は大変悲しいことだと思います。したがって、そういう中で少なくとも政権のあり方なり、いわゆる制度として本当にどういうことなのかというプリンシプルを明らかにした上で、その中でのマイナス点をどう補完をしていくか、つまり長所を、メリットをどう生かしていくのか。単に足して二で割るというような、結論がどういうことになるかは別として、その流れとして、事柄の流れとしてやはりそういう一つのプリンシプルというものがある。英国でも、きのうも議論で出ました。そういう意味で、やはり欠点が目立つのならばその欠点をどう補完していくのか。だから、基本的な理念をどこに置くのかということについては、やはりここは虚心坦懐にお互いに話し合いをしていく大事なことがあるのではないかな。その結果としてどういう具体的なものになっていくのか。いわば小選挙区について我々は長所も短所もあることを認めております。百点満点とは言っておりません。しかし、その中で二院制のもとにおける衆議院のあり方ということから考えれば、やはり小選挙区を中心にして物を考えていく、しかし、それでは現実にそういう民意という部分におけるデメリットをどう是正、補正をしていくのか、やはり何かそういう発想の中での解決策になっていくだろうと思いますね。
 ですから、そういう点で、ぜひこの点は社公の皆さんにも御理解をいただきたい。そういう国民に説明のつくような、そういう中身をつくっていくことが大事なんだ、ただ単にわけのわからぬところで足して二で割ってこんなになりましたというようなことであっては断じてならぬ、こう思っておるのです。そこへ何とかお互い虚心坦懐に話をして、少なくとも当委員会でその作業をやっていかないと、この作業をほかの場でやる場がないと私は思っているのです。それだけに我々非常に保責任を感じておりますし、冒頭言いましたように、委員長の指揮のもとでそういう具体的な展開に入っていく今はそろそろタイミングに入ってきた。審議時間も一応予定しておるのは百時間を超えるという段階になってきましたので、タイミングを考えても、私は、そこに来ておる、そのために一生懸命汗を旅させていただきたい、こう思っております。
○田並委員 ありがとうございました。結構です。
○木島委員 私は、現在のこの政治改革論議をめぐる最大の特徴は何かというと、いわゆる一括処理論が破綻をしたということだと思います。
 その前に、先ほど田並委員から、一括処理論が当委員会の合意であるという発言がありましたが、そんなことはありません。私は一貫してこの一括処理論は間違いであるということを言ってまいりました。
 どういう点で破綻をしたか、二つ挙げたいと思います。一つは、その一括処理論がまず国民の支持を完全に失っているということであります。
 既に私、指摘をいたしましたが、審議が始まった役とられた毎日新聞の四月十九日付アンケートの世論調査の結果であります。「政治腐敗防止のための制度確立」をやれというのが五三、「政治資金の規制」が二三、合わせて七六%、そして「選挙制度の改革」をやれというのが一九%しかない。そして、さらに審議が進んで、連休にとられた朝日新聞の五月三日付世論調査の結果によりますと、「政治腐敗防止のための罰則強化」が四九、「政治資金の規制強化」が二三、合わせて七二%が政治と金の問題、政治腐敗の問題にまずメスを入れるという国民の声であります。「選挙制度の改革」をやれというのは一六%にすぎない。
 そして、それだけでありません。有識者がそういう発言を、当委員会の論議が進むほど大きく出てきております。あの金丸事件の金丸に対する呼び出し抜きの略式命令に対して厳しい批判をした札幌高検の佐藤道夫検事長が、週刊朝日の四月三十日号ではっきり言っています。
  選挙区制をどう設定するかは、政治の腐敗防止とは関係のないことである。主権者で ある国民の意思、つまり民意をいかにすれば最も正確に把握することができるか、それ が選挙区制をどう定めるかの問題である。にもかかわらず、小選挙区制が政界浄化の最 後の切り札としてもてはやされているところに事態の異常さがある。
当委員会の論議が金と政治の問題ではなくて、中心的な論議が選挙制度をどうするかというところにあることに対して、「事態の異常さ」という言葉まで使われているわけであります。(発言する者あり)ちょっと聞いてください。
 五月十一日、昨日の毎日新聞の記事で、高畠通敏立教大学教授、冒頭、
  現在、政治改革は、引き続く政界腐敗の根を絶ち、国民の政治不信に応える急務だと、 政党やマスコミの論調はいう。しかし、その意味での政治改革が真に急がれるとしたら、 与野党の対立がいつまでもつづく選挙制度の改革をあとまわしにして、与野党が一致で きる政治資金規正法の改正、英国にならう政治腐敗防止法の制定、職務権限の壁を取り 払う刑法の収賄罪規定の改正など、手近で直接的な改革からなぜ着手しようとしないの か。
 そして、昨日の午前中、当委員会が参考人としてお呼びした共同通信の梶原参考人が明確にその旨を述べられました。
 そして、それは単に国民や有識者の声だけではありません。一括処理論にこだわっているのかどうかわかりませんが、自民党、そして社会党の中枢部からそういう意見が噴き出してきているわけであります。自民党の最高顧問である元総理の中曽根氏の発言、そして社会党の国会対策の中心にいる村山国対委員長の発言。先ほど田並委員や自民党の方からも、出先でまとめなきゃいかぬということをおっしゃられましたけれども、大本営たるところでそういう出先と違うような発言がぼんぼん出てきていると、これは後ろから鉄砲玉を皆さん方は撃たれているのじゃないかと思うわけであります。
 私は最初から、一括処理論は、小選挙区制導入を認めなければ金と政治の問題に手をつけないという意味で、これはワースト・オア・ナッシングで間違いなんだということを言いました。今、中曽根氏の発言や村山国対委員長の発言は、これはオール・オア・ナッシングだと思うのですね。そういう面じゃ、まあちょっと違うのですけれども、結局のところ、一括論は間違いだという点では共通していると思うわけでありまして、そういう国民の声や提案者の本部の方から出てきているその問題について、虚心坦懐に、提案者はどういう状況にあるのかをやっぱり出していただかなければいけないのではないか。
 改めて、優先課題は政治と金の問題だ、腐敗防止だ、企業・団体献金の禁止を中心とする腐敗防止だということを私は主張したいと思います。
○左近委員 今、木島さんの、我が党の国対委員長の発言に対して大変な誤解をしていますので、とんでもないことでありますから、少し真意を明確にしておきたいと思います。
 私ども、きょうも国対委員会議もやりましたし、きのうも国対委員長に私自身会うておりますが、国対委員長は、やはりこの国会の中で一括処理をしていくという基本的な考え方についてはみじんの変化もございません。また、結局、記者会見の中で、それではこの論議を百時間したけれども全く得るものが何にもなかったということでは、これは国民に対してどう申し開きをするのかという立場から腐敗防止問題について触れられたことは事実です。しかし、今現在、我々はこの政治改革について、私は出先の社会党の理事でございますけれども、ここの審議を党全体が注目をしておるわけですから、そういう立場でこの問題について対応しておりますので、共産党さんの言われることについては大変な誤解がありますから、申し添えておきたいと思います。
 以上です。
○穂積委員 私は、この国会で選挙制度について国会を通過させて法律となる、そうしたまとめをするためにどう知恵を出すかという立場から発言させていただきます。
 とにかく、自民党それから社公両党、それぞれの提案そのままには、これはこの国会では成立させ得ないということはどうもはっきりしていると思いますので、そういう中でどうこのまとめのための具体的な手順を進めるかということだと思いますが、実は、自民党の状況を申しますと、自民党内では、総務会決定で、この四法案一括処理を変更する場合には、差し戻して党の機関の再検討を経て、その上で行動するという縛りがかかっていますね。野党の方はそれぞれどういう関係になっているかでありますが、そういう中で歩み寄りということを図る場合には、まず私は当委員会で何らかの形で歩み寄りの話し合いに入るべきであると思います。憲法五十一条は、議院における発言は国会議員は「院外で責任を間はれない。」と明記されています。私どもも国会議員として、自民党党員でありますが、議員の立場においては、この委員会を通じてそれぞれの所信に基づき発言をし、まとめるための話を進めるべきではないかと思うのです。ただし、その場合に、あれはどうも党全体の手順や何やを経ての党議決定や何やに反するから委員を外せというようなことになるかどうかという話もありますけれども、それはしかし、少なくとも自信を持って話を詰めるということをどうこれは工夫をするかということではないかと思います。
 実はそういう場合に、これまでの論議を経て、自民党の基本の小選挙区制導入ということについて、単純小選挙区制を一歩も譲れないということでは、これはまとめ得ないということも明らかになっていますから、それを我が自民党は、院外といいますか、当委員会の外回りの発言や何やも含めていろいろ意見が錯綜している中で、どの程度までならばこの原則を譲り、野党の主張する比例代表制を導入ということの間で歩み寄りをし得るかというのが自民党の方の事情。
 私は、海部内閣時に提案したいわゆる並立制も、比例代表制を片方で導入しているわけですが、自民党はかつて比例代表制導入をもああいう形で一応党議決定もした経緯のある党として、どこまで野党の主張する点を雅量を持って理解し歩み寄るかということだと思いますし、野党の方は、これは幾ら逆立ちしたって今の社公案は、自民党、私も含めて同意するわけにいかないという中では成立させ得ない。
 そうすれば、野党側は、これは共産党は別としまして、その比例代表制を何らかの形で導入するという中で、自民党が先ほどの自民党側の許容範囲に踏み込んで、野党もその許容範囲として踏み込めるところはどの辺までかということをきちんとはっきりさせる中で、そのまとめ案を考える。こういうことを具体的に進めなければ、この委員会の熱烈なる諸先生の論議もただ議論しただけで終わってしまった、まとめられなかったら、現行中選挙区制度のままという結果になるのは明らかである。
 当たり前の話ですが、そういう中で私は、これは両方に、我が党の理事、幹部も含めて、この委員会における当面どういう形でかのまとめのための歩み寄りの工夫、まあ作業部会をつくるかどうかも含めて、どう考えるか。同じことを野党それぞれの責任ある人、どういうお考えでおられるか、お聞きいたしたい。こういう質問並びに意見を申し上げる次第でございます。
 まず、塩川先生、いかがでしょうか。自民党内の縛りと当委員会との関係、これからどうするかということについて、政治改革推進本部長代理としての御意見をこの委員会で開陳いただきたいと思います。
○塩川議員 私は、この委員会が審議中でございますし、非常に熱心に今日まで議論していただいたことに対して最大の敬意を表しておりますし、また、この委員会でこのように活発に議論がされておるということに対しまして、国民はやはり議会制民主主義に希望をつないでおると私は思っております。ですから、ぜひこの委員会が中心となりまして政治改革の実を上げていただきたい。
 そこで、冒頭に大島さんの方から、ぜひまとめる気があるのかということの意見の開陳がございました。そして、同時にその決意も表明されました。それを受けて左近さんの方から、自民党がどこまで歩み寄ってくるのか、出口をどこに求めているのかという質問がございましたが、しかし、そのことを質問されるということは、同時に社会党、公明党の方においても出口をどこに求めるかということについては準備しておるぞということの表現だろうと。そうでなくて、相手だけに対して、自民党だけに出口をどうするんだということでは、これは話にならないんでございますから、双方ともに話し合いをしようという気があるんだろうということは、私はこれで明確に察知したところであります。
 しかしながら、この委員会といたしましては、話し合いをするにいたしましても、党の代表として私たちは提案いたしましたけれども、党の手続をとって提案してきておるものでございますから、やはり党との関係というものをお互いが密接にとらなきゃならぬところだと思っております。ところが、見ておりますと、現実の問題として、自民党の中にも今でもいろんな議論があること、意見があることは事実であります。しかし、まあ一応小選挙区制ということでまとめて提案を出したことは、これは最高だと思って出したんでありますけれども、しかしながら、いろんな意見があることは事実であります。
 同様に、社会党も公明党さんもそれぞれ意見があるだろう。特に運用制が出てまいりましてから、いろいろなまた再議論が起こってきていることは当然であろうと思うのであります。そこで私は、この委員会が中心となっていただいて、ぜひひとつそれぞれの党がもう一度党内においてどういう議論があるかということをまとめていただきたい。それを持ち込んで、やはり当委員会において議論をしていただかなければならぬ段階に来ておるんだろうと、こう思います。
 そこで、その前に、まず一応今組まれておりますところの当委員会のスケジュール、いろいろございますが、中央公聴会、地方公聴会、そういうふうなものが終わりました段階で、私の方の、提案者の方としての意見、願わくはこの委員会で、それぞれの各党の最高の幹部の方に一回意見を聞いてもらいたい。やはり党内でいろいろ言っていましても、それでは公式なものになりません。でございますから、やはり当委員会こそが天下に一番公然とした公的な委員会でございますから、この委員会において、各党の責任者の方に一度、今後の進め方についてどういうことを考えておるのか、どうしてもこの際に政治改革をまとめようという意見があるのかどうか、そこらの確認をきちっとしていただくということが必要なんではないか。理事同士がこれは幾ら話し合いましても、やはり党の基本方針というものが明確にこの委員会で出てこない限り、党内で出ておったってだめでございますから、やはりこれが公然と出てこない限り私は前へ進まないと思っておりますので、ぜひその手続をとっていただきたい。もしそれが委員会においてできないとするならば、私は、理事会へでも出席をしていただいて意見を聞いていただくということも一つの手ではないかと思うのであります。
 同時に、それぞれの各党がやはり本当に話し合っていくためのそれぞれの体制、いろいろございましょうから、意見の取りまとめもあるし、それから交渉するに際しての権限の問題もありましょうしいたしますから、そういうふうなものをきちっと再構築をされた上でこの委員会を進めていただいたらと。私は提案者の方として言いたいことは、このままの状態でずっと進んでいって、提案者としてどうなっていくんだろうという心配をしておりますので、あえて申し上げた次第でございます。
○穂積委員 同じことについて、佐藤議員と渡部議員から、それぞれ社会党と公明党の御意見を伺いたいと思います。
○佐藤(観)議員 きょうの委員会は、理事の計らいで、こういうフリートーキングという格好でございますけれども、私は極めて意義のある委員会になっているんじゃないかと思うのであります。特に自民党の理事さんの方から、従来の単純小選挙区制というかたい殻をかなり破って、内容の話は別といたしまして、各位の御意見というのは、ひとつそれを乗り越えて一つの結論を見出さなければいかぬじゃないかという発言に私は共通項があると思いまして、極めて当委員会というのは充実をした審議だと思うのであります。
 そして、穂積委員から御指摘がございましたように、具体的にはいわゆる手順だと思うのです。自民党さんは、まず単純小選挙区の殻から出てきてもらって、我々の言うところの比例代表の要素を入れていく。その際に、一体私たちの小選挙区部分というのは、もう繰り返しませんけれども、二百になっているのはそれはそれなりの理屈があって二百にしておるわけで、しかし、いろいろな格好でいえば、二百五十ということもあれば三百という案もいろいろな意味で言われているわけでありまして、そのあたりで自民党さんとしてどのくらいの小選挙区部分というのが必要なのか。ただ、私も委員会の答弁のときに申し上げましたけれども、三百六十人の候補者全部をどこかの選挙区に当てはめるということを考えるというのは、これは現実に無理ですよということは申し上げているわけでありますが、いずれにしろ、穂積委員御指摘のように、自民党さんがどのくらいの小選挙区なら我慢していただけるのか。また、私たちの方も、一つの出口を見出すために二百の小選挙区というのをどこまで譲り得るのか。やはり、穂積委員御指摘のような手順というのは、具体的な手順になってまいると私も思います。
 ただ、私も個人的にはそれなりの意見を持っておりますが、今ここで言うべきではないと思うのであります。ただ、あくまで制度でございますから、先ほども野田委員が御指摘になりましたように、木と竹をつなげばいいというものでは私はないと思います。やはりそこにはそこなりの、国民の皆さん方にも将来にわたっても一定のやはり批判にたえ得る、それだけの中身を持った制度ということも当然考えていかなきゃならぬと思っておりますので、その辺の要素も含めてひとつさらに意見を詰めていく。
 あわせまして、私の方も、党といたしましてどこまでやはり許容できるのかということについてもさらに真剣に、我々の案はベストだとは思っておりますけれども、ベストだけで通るわけではありませんから、次善の、なおかつ制度として十分維持できる、意味を持ったものというのはどうあるべきかということをさらに私たちは私たちとして党内でも十分議論を進めていきたい。
 あわせて、今塩川先生からお話がございましたように、そういった議論をお互いに各党でする中で、当委員会であるいは理事会でいろいろな審議を深めていくことは、極めて国民の皆さん方の期待にこたえる結論を見出す具体的な手だてではないかこういうふうに私は思っております。
○渡部(一)議員 ただいま穂積委員から、御質問の形で私の見解を述べよとおっしゃっていただきまして、敬意を表したいと存じます。
 当委員会におきまして、法案提出者の一人として論議に参画させていただきまして、今日まで諸委員の熱心な御討議に対して、私は心からの感謝をささげたいと存じます。そして、私は、これほどまでにお互いのよき意見というものをお互いに消化しつつ、表面上の議論は激しいにもかかわらず、その長所をとり短所を補いつつ、お互いの意見が前進してきた、進歩してきたという意味で、画期的なことではなかったかと存じます。
 したがいまして、長い委員会の討議の間を通じて、この委員会における雰囲気は、合意へ向かってほとんどが前進しつつあるということを毎日のように実感しているものでございまして、私は先日もマスコミのある方に対して、どれぐらいまとまりますかと言われましたときに、当初は二、三割かなあと言った覚えがあるわけでございますが、今はほとんど九割方まとまるなという自信を私は深めているわけでございます。
 塩川先生は、大変見事に今の重大な問題について指摘されたと存じます。私どもは、党からの指示と決定を背景として、同僚議員の賛同を得て法案を、一方は自民党案とし、一方は社公案として提出されているわけであります。したがいまして、妥協が前提にはなっていないわけであります。それはどんな形で授権されていたとしても、もう一回相談をしなければならないということだけは各党、三党とも同様だと思います。
 私どもの公明党におきましては、機動的な小さな党でございますために、しょっちゅう打ち合わせをしているわけでございますが、先日、民間臨調の援言されました連用制を含めまして、徹底的な議論を進めております最中でございます。まだ完全な合意点には達しておりませんけれども、私どもの基本的な立場を、当初の態度だけで済むとは思っていないわけであります。したがって、私どもは当初から議論の前提として何回も申し上げたのではございますが、自民党が単純小選挙区制だけという部分をおろされるならば、私どもは十分な合意点に達する第一の条件がそろうのではないか。特に私どもは、政治資金や罰則の問題につきましては、このような厳格なことは言っていないわけでありまして、当初からこの問題につきましては当然議論して合意に達しなければいかぬ、こういうふうに思っているわけであります。
 したがって、論議を詳細に見ていただければおわかりのとおり、私たちが唯一条件をつけておりますのは、自由民主党は単純小選挙区制という門から出てくること、そして合議をすることの合意をする、そして、その授権を受けたグループによって協議にかかること、つまり外交でいいますと、特命全権大使の派遣を要求しているわけであります。そうでないと、単なる感想を述べる人々の間で論議が空中に舞い上がるだけである。私どもは、そのために、お互いに授権された者同士が公然と出てきて話し合うという段階を迎えたと存じます。
 私がもう一つ心配しておりましたのは、各党の首脳部の発言であります。この委員会における議論はかなり精緻に行われておりますが、論議の全部を委員会に参加しないで知るということは不可能であります。テレビで、回線で放送されたとしても不可能でありまして、当然雑音は予想しておりました。最近の雑音は少々深刻なものが何種類がございましたけれども、今だれがだれとは申し上げませんけれども、その幾つかの雑音について、当委員会所属の委員から見事な御説明がございまして、我々の合意に当たる熱意は依然として存在することを明快にされたことに対し、感謝したいと存じます。私は、その意味で、障害はもう一回またなくなったなと思っているわけであります。
 ここで、特に穂積先生が御提案になりましたように、一歩も譲れないなどというのをやめさえすれば、私どもは前へ進むことができる。おのおのの党内の手続をこの際やっていただくということが大事だという塩川先生の御発言につきましては、最大限の敬意を表して、私どもは話を詰めてまいりたい。特にお願いをいたしたいことは、公明党として、私はここで一歩進んで申し上げますならば、自民党と社会党における合意のための努力についての方針が決まりさえすれば、公明党としては喜んでその合意形成のために努力できる体制にあることを申し上げたい、こう存じておるわけでありまして、これ以上は私の権限をちょっとオーバーするので控え目に申し上げさていただきたい、こう思っておるわけでございます。
 私は最後にもう一つ触れたいことは、国民の目であります。国民がどれだけ政治不信であるか。最近のテレビの世論調査で一つだけ感動しておりますのは、国民の皆様方が、これほどのでたらめをした国会であるにもかかわらず、まだ我々のこの委員会の審議に対して熱い期待を持っていてくださっているという事実であります。
 私どもは、信頼回復などということはもう言えないほど、どろどろの国会をつくり上げてしまったという共同責任があるわけであります。それに対してできることは、全員が辞表を出して、昔で言えば丸坊主になってというようなせりふが当たるのでありましょう。私どもが今できることは、何としても答えを出さなければならないということであります。来国会に引き延ばすとか、あるいは継続審議にしてとか、あるいはそのうち、こうした人のうわさは七十五日だからもうそろそろ静まるだろうからとかいうような野卑な感覚に陥る人があるとすれば、我々はたしなめつつ、何としても国民のその期待にこたえていくために、我々の生涯の全力を尽くしてやらなければならない。私たちは、今四十年間に初めて来た日本の政治を立て直すチャンスに恵まれたのだという共同の理解を持たしていただきたい、こうお願いする次第でございます。
 よろしくお願いいたします。
○北側委員 関連をいたしまして、質問させていただきます。
 今国会で一括処理をする、それから中選挙区制を廃止する、この二点につきまして共産党を除く各政党は一致をしておるわけでございます。
 今まで議論がございましたように、もうこの段階に至って重要なことは、合意形成のための具体的な手法をどうするのかということを詰めて議論をしていかないといけないと思うのです。そこで私は、合意形成のための具体的な手法として二点、ちょっと提案をさせていただきたいのですけれども、先ほど来語が出ておりますが、一点は、あくまで土俵は当委員会でやっていくんだ。この点について、まず私はここでぜひ合意をしてみたらどうかと思うのです。当委員会の土俵でオープンに議論をしていく。せっかくここまでかってないオープンな議論をしてきたわけでございますので、その過程を重視すべきであると思います。
 もう一点は、合意の内容でございますけれども、選挙制度でございますが、少なくともここまで私は言えるのじゃないかと思っておるのですが、結局、小選挙区とそれから比例代表、これをどうミックスするかというところに尽きてくるのではないかと思うのです。政権の基軸政党を選べるという小選挙区の利点、それと多様な民意を正確に反映していくという比例代表の利点、これをあわせ持つような選挙制度、そうなると比例代表と小選挙区の混合型、それも比例代表と小選挙区がリンクした形での混合型の選挙制度ということが恐らく与野党の合意形成の選挙制度の内容になってくるのではないかと思うわけでございます。
 せめてこの二点、当委員会を土俵として妥協案、合意案を形成していくんだという点と、そして小選挙区と比例代表の混合型の内容の選挙制度を詰めていくんだ、この二点について、せめてきょう私はお互いに合意し合いたいなというふうに思うわけでございます。そして、それを具体的に詰めていく手法として、私は理事の皆さんにさらに御尽力いただきまして、各政党との詰めもやっていただいて、各理事の皆様にぜひその具体的な手法を出していただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。
 以上、私の意見でございます。
○川端委員 民社党の立場と考え方も申し上げておきたいというふうに思います。
 私たちも、この今日の政治不信を払拭するための選挙制度を含めて腐敗防止の法案を何としてもこの国会で成立させたいということで議論に加わってまいりました。選挙制度に関しては、純粋な制度論としては、私たちは非拘束名簿式比例代表制が一番いいという長年の議論で意見を表明してまいりました。しかし、現実問題として、自民党案、社公案、そして私たちの案も含めまして、いろいろな立場で、制度論の議論と同時に結論を見出さなければいけないという中でどうするかという、今日の時点での状況でいえばおのおのの、私たちが提案する力もなかったわけですけれども、実際の着地点としては、おのおのが独自の立場が最善ということを貫き通す限り、一切の一致点は得られないというのも当初からわかっていた問題でもあります。
 そういう意味で、本当に政治改革を実現するためにという各党の共通した認識の中で決着点を見出すためには、そして本当に政治が根本的に変えられるというためには、私たちは大胆な決断をしたい、これはもう冒頭から申し上げてまいりました。そして、先ほど来の議論の中でも、おのおの党議決定をしている立場をどのようにクリアして次の段階に進むかという、まさに一番重要なポイントに来ているというふうに思いますし、これは塩川先生もあるいは渡部先生もおっしゃった、私はそのとおりだというふうに思います。
 そういう意味で、これからの議論は、いかにしてこの当委員会でまとめるという立場を持つのかということをおのおのの中でクリアするというところから第二段階に入るということだというふうに思います。公聴会等々の期間を含めて、各党の中でその問題、この委員会におのおの出席する立場にどういう形で全権、まあ全権までは一挙にはいかないと思いますが、という問題をクリアするということをぜひともにするということを、それを含めてこれからの審議をしていただきたいし、私たちもその部分に関しては大胆な決心をもって臨みたいということも申し上げておきたいというふうに思います。
 以上です。
○田邉委員長 北側一雄君の質問に私はお答えします。
 ただいま本委員会をオープンの土俵にしてやるべきではないだろうか、私もそのとおりやっておるつもりでございますし、今後もできるだけオープンで、この議場において問題解決をやってまいりたい。
 それから、小選挙区制、そしてまた比例代表制の問題、このミックスをどうするか、いろいろ問題点があろうかと思います。しかし、これは各党がお互いに知恵を出し合って、できるだけひとつ接点を見出して解決を図っていきたい。私も委員長として最善の努力を払うことをお約束をいたします。
○伊吹議員 北側先生と川端先生のお話について、今委員長の御決意がございましたので、これは当委員会の審議のあり方の問題でございますから、委員長の御決断のもとに粛々とこの委員会が審議されていくことを我々も大いに期待をいたしたいと思います。
 その前提として、先ほど来渡部先生がおっしゃいましたように、やはりおのおのの政党内において、我々は政党の決定を背に受けながら提案者としてこの場に来ておりますし、各理事の先生方もみんな同じ立場でございます。したがって、委員長の今の御発言の裏には、当然、渡部先生がおっしゃったように、特命全権大使としての権限がなければその意味は果たせないということは十分御理解をいただいていると思いますし、別の観点からいえば、我が方の塩川提案者が申しましたように、各党の全権を与えるべき人にここに来てもらって意見を聞くという方法もあると思いますから、その点は、その前段でということで北側先生も御了解をいただきたいと思います。
 それから、もう一点でありますが、両提案をお互いに妥協し合ってということは、私は、議会政治でありますから当然必要なことであろうと思いますが、先ほど来野田理事からも、また左近理事からもお話がございましたように、全然本来のねらいの違うものを一緒にするという場合に、ただ、よく言われますように、現実というのが非常に大切だということは、一面大変合理的に聞こえるわけでありますけれども、現実が大切だという言葉の裏には、各党が持っている現在の議席をできるだけ動かさないことであれば永田町としての合意はできるかもわかりませんけれども、その合意というものが、結局十年、二十年後の日本の国家意思の集約あるいは国民意見の正式な反映ということについて本当にプラスになるかどうかということも、これは賢明な委員の皆さん方が妥協案をつくっていただく際に十分お考えいただいて、単に現状の議席がそう動かなくてうまくいくということでは、私は、国民の理解は得られないのではないかと思いますので、大変僭越でございますが、提案者として委員の皆さん方にひとつお願いをしておきたいと思います。
 以上です。
○石井(一)委員 きょうの議論を十分踏まえて発言をさせていただくわけでございますけれども、まず私は現状認識として、連休まで相当の議論を詰めました。また、かなり我々の中には合意点で得るものも多かったと思いますが、どうしたことか、十日ほどの連休を挟みますと一転空気が曇ってきておる、私はそういうことを実は肌で感じております。大変残念なことであります。各委員が御指摘されましたいろいろな問題点もその一つでございましょう。
 それで、最大の問題は、だれかが今申されましたように、後ろから撃ってきておる鉄砲をどう排除するか、こういう問題でございます。これは委員会のフリーなトーキングですから抽象的な議論を外させていただきますが。
 結局、最大の問題は、自民党の中のその人たちをどう説得するか。それは塩川さんの発言の中にその苦悩があらわれておると思いますし、我々に授権されておる権限が何かということも説明してあります。もう一つは、社会党の中の別の、立派な人々の御意見をどう処理するか、ここにあると思いますし、公明党の代表あたりが基調演説、各論演説、言われておることは全く同感です。私は、公明党なり民社党の御姿勢に心から敬意を表したいと思います。
 ただ、私は、我が方は腹をくくってこれからやります。それは単純小選挙区制からおりる、これを努力してやろうと思います。しかし、私は、社会党の姿勢をもう少し今の硬直した中から動かしていただきたいと思うんです。(発言する者あり)いや、それは言い分かもわかりませんけれども、ちょっとこれ順番に聞いてください。
 まず第一点目ですね。数を二百五十だ三百だと言われますが、我が党は五百と言っているんですよ。そうして、それから比例の部分を入れようということを言っている場合に、そこらの妥協は難しいですよ。真ん中とったって三百五十ですよ。その話をしますと一々反論されるけれども、そこを突き破ってもらわぬとこの妥協はできませんよ。それは、我々だってやるんですから、そっちをやってくれということを頼んでいるので、できませんということならやらぬということですよ。国民を欺くということになる。
 それから、私はもう一つ申し上げたいのは、さっき穂積君も申しましたけれども、並立制という問題ですね。並立制の最大の欠点は何か。これは前国会で廃案になったから、そういう汚いものをいらったらいかぬよということだけですよ。しかし、その裏に並立制には整然とした理念も哲学もあります。第八次選挙制度審議会でどれだけの議論をやったかという結果もあります。この間参考人を七人呼んで、毎日と産経と読売とそれから共同は、ベストは並立だと言っているんですよ。だから、私はここで並立をやってくれとは言っていません。しかし、識者がそこまで言っているんですよ。しかし、社会党の委員長、書記長あたりは、私もテレビで対話をしたこともあるし、また最近も別の機会で言われておるとおり、並立はもう頭からだめだ、こう言われる。しかし、だめだという理由はどこにあるのか。これは重要な問題だと私は思うんですね。我々も一歩出るんですから、並立という制度の中には比例の部分もあれば民意の反映の部分もございますし、すべて皆さんの主張されておるところが入っております。だから、頭から並立制をだめと言わずに、そこはやはり踏み込んでくるという姿勢がないと、私は当委員会での意見というものはまとまってこないと思いますし、私たちも踏み込んでいきますからそちらももう少し突っ込んでいくということを、社会党の後ろからの鉄砲、立派な方との御議論をもう少し詰めていただいてやっていくということができれば、私は見識ある公明や民社の皆さんは御賛同がいただけるのではないか。二、三日前に起こった連用制に対する公明党と社会党のやりとりでもどうですか。あれがまとまったとしたら私は自民党の総務会に行ってどう言って説明したらいいか、私は苦しみ抜いておりました。かえってつぶれたのでありがたいなと思っておりますよ。しかし、あんな姿勢をやっておったのではまとまりませんよ、ここの議論は。
 だから、私は何も一方的に社会党さんを責めておるわけではありません。具体的なことは申しません。自民党の中でもこれから腹を据えて、場合によってはどういうことになってもいいという気持ちでやりますけれども、今言っているような甘いことを次々に言われて、そうして表向きの議論をやっておったんでは、今曇ってきておる空気が全く暴風雨になってしまって、これはパンクしますよ。私はそういう危機感を持ちながら、私自身、塩川さんや小渕さんと相談して懸命に努力をするので、どうかひとつ努力をしようじゃないか。私は、公明、民社に心から敬意を表して、私の、ざっくばらんですけれども、本当の気持ちを申し上げたいと思います。
○左近委員 まあ石井さんとは日ごろいろいろ意見交換をしていますが、きょうは公的な委員会だから非常に何かバックしたような発想だなという感じがするわけですが、私どもの党の基本的なスタンスについてこの際明らかにしておきたいと思います。
 確かに私ども百四十一名ですね。社民連さん含めての世帯でございます。党内には率直に言っていろいろな意見もあることは事実です。ただ、私どもの党は選挙制度の問題について戦後一貫して中選挙区制、その中で抜本的な定数是正をしていこうというのがもうほんのこの間まで、ここからみじんも譲らない、これが私ども党の選挙制度の一貫した方針であったわけです。
 それで、かなり中選挙区制が制度疲労をしておる一番大きな原因は、やはり的確な定数是正を私どもお互いがサボったからだと思うのですね。だから、時代時代に人口分布が変化する、それに対応したやはり抜本的な定数是正がなかなかできなかった。去年一年間、私も実務者会議のメンバーでしたけれども、九増十減やるのに約一年かかったんですよね。そうであれば、この中選挙区制だけにこだわっておったんでは、抜本的な定数是正だけにこだわっておったんでは、万里の長城を築くぐらいのお互い時間がかかるんじゃないか。この際、私、冒頭に申し上げましたように、やはり新しい升をつくっていこう、新しい制度、比例を中心とする選挙制度に大きく転換をしていこう、この転換に当たっても党内には大変な議論がありました。しかし、党はこれを清水の舞台から飛びおりるぐらいの重大な決意をして中選挙区制さようならをしたわけですよ。したがって、その辺の経過についても十分自民党さんも御理解をいただきたい。
 自民党さんはそれではどうか。二年前の海部内閣のときに出たやつ。あのときの政治改革の特別委員会、私も理事をやっておりました。三百、百七十一の比例。私ども野党はこぞってこれは反対しました。自民党の方々も野党に応援をいただきました。まあそういうことでこの並立制については廃案になったんです。僕は小此木さんの、亡くなられたすばらしい小此木さんの面影を今思い浮かべているわけですがね。
 結局、自民党のとられた今度の政治改革のスタンスは何か。並立制では自民党が七七%の議席が独占できるだろう。こんなことを許せるかい。制度自体も、これは木に竹を接いたような制度であるというような問題も含めてあのときに廃案になったのですよ。それが今度は単純小選挙区、五百議席に、五百区に分けていく。これをやれば、過去三回の衆議院の総選挙の結果から見れば自民党は四八%の得票、これで約九七%の議席を独占する。こういうような制度に、安易な制度に、自民党は党内をおさめるためにやはりこれはバックしているのです。自民党は前進だと言いますけれども、バックしているのです。
 したがって、石井さん、こういうような過去の、二年前からの経過を追って今回の選挙制度の改革に取り組む場合、並立制問題についてあなた方、そういう言われ方について私は非常に心外です。だから、私どもも社公で案を出しています。私どもの案も、これで一番今の時代に合った適切な案だと思います。しかし、今言われるように、野田理事からお話がございました。いろいろと話をしていこう。私ども大いにその会議に参加をします。だから、そういう前向きの姿勢を私どももとっておりますので、党内ではいろいろな御意見もあります。後ろの鉄砲という御意見もございました。しかし、私は、日本社会党の党内で一年生の議員の皆さん方が本当に熱心にこの改革問題について前向きな対応をしておる、私は非常にこれはすばらしいことだと思うのです。
 やはり時代は変わっていきます。私ども若いエネルギーでこの政治改革をやり遂げなければならぬと私は思っておりますので、そういう点についても御理解をいただきたいと思います。
○佐藤(観)議員 基本的な話につきましては、今、左近理事の方からお話がございました。
 石井さんの方から大変社会党の内部のことにつきまして御心配をいただいておりますけれども、私たち、今、左近理事が言いましたように、まさに百年に一遍こういう時期に遭遇するかどうか、日本の政治をかけた大変な時期だと思っておりますので、私たちは私たちとして、今国会に法案の成案を得て次の選挙からできるように、なお一層党内的にも新しく踏み出すときには一致をしてできますように、最大の努力をしますことをひとつ表明をさせていただきたいと思います。
 あわせて、恐らく石井さんの言われたのはきのうの社公の書記長会議の話かと思いますけれども、私たちは公明党さんの運用制でどうだろうかというお申し出につきまして、完全に断ったわけではないのであります。二十一日まで地方公聴会がございまして、お互いに我々提案者として答えるときに、地方で御意見をお伺いするのに我々がまた別な案でいっていたのでは、これは国民の皆さん方に大変失礼なことになるから、私たちとしても十分考えます。
 現に、我々もプロジェクトとしていろいろな角度から検討しております。きのうも、うちの委員も質問いたしました。そういうことでございまして、社公の間で十分な協議をして、ひとつ共同で動けるように我々としても努力をしますというお約束をしているわけでございまして、大変我が党のことについて御心配いただいていることにつきましてはありがたく思いますけれども、ひとつ我が党も頑張りますので、自民党さんにおかれましても、先ほど理事からお話がございましたように、単純小選挙区の殻の中から飛び出ていただく、ひとつその行動をぜひお願いをさせていただきたいと存じます。
○田邉委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時六分開議
○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前中に引き続きまして、選挙制度及び区割りについて討議を続行いたします。
 それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。
○鈴木(喜)委員 鈴木喜久子でございます。
 午前中に発言ができなくて、やっと今番が回ってまいりました。大部分その間に私の言いたいことを諸先生方が言われたので、だんだんなくなりましたけれども、少し残っている部分を、意見を言わせていただきたいと思います。
 先ほど一括処理について木島委員の方からのお話がありましたけれども、一括処理というものについては、私はもっと積極的な意味というものを持って考えていきたいと思うし、積極的な意味があるというふうに思っているんです。ただ単に小選挙区をやりたいがために、あとのものと引きかえに、それをセットにして出したんだというふうなとらえ方ではなくて、制度疲労という言葉で一口に言われますけれども、その制度疲労の中身ということについて考えてみると、いろいろな中身があるわけですけれども、これまでにもたくさんの、今回もあります政治のスキャンダル、いっぱいあったスキャンダルのときには、いろいろな形での腐敗防止の制度というものはそれなりに、不完全ではあっても幾つか前進をしてきたはずなんですけれども、それがあってもあってもやはりスキャンダルが後を絶たない。一体これは何なんだろうかということ。で、これはもちろん制度を、もっともっと厳しい法律をつくっていくことももちろんだけれども、そのほかにも何か原因があるんじゃないかというところが、制度疲労という言葉の出てきた初めの問題じゃないかというふうに思っているんですね。
 その中でも一番あるのは、問題の起こった議員が、何回も同じ土地で、やはりそこからまた、みそぎと称してそこでもう一回でも何回でも当選してきてしまう。そこで選挙民の意識がどうだこうだと言っても、中選挙区制である限りは、それは割と論理必然的にその方々が当選されてくる可能性というのはぬぐい去ることができない部分がある。これが、もしも小選挙区というふうになった場合には、国民の審判の意思というものは極めて鮮明に出てくるということがあるので、私はその点で、こういうこともあってしかるべきだし、腐敗防止ということをすると同時にその選挙区の制度も変えない限りは、この腐敗防止法のしっかりしたものの補完というか後づけができないのではないかというふうに思って、一括処理というものはやはりどうしても必要不可欠な、不可分のものであろうというふうにとらえて、一生懸命そのことを言いながら私なりに頑張っているわけでございます。この点については、これは意見ですから、質問ということではありませんけれども、もし私の考えが間違っているようであれば、どちらかからお知らせいただきたいというふうに思います。
 それと同時に、私は二つぐらい聞きたいと思います。
 きのうのテレビのインタビューでも国民の声というのが、マイクを突きつけられて言っておられる人たちの声が出ましたけれども、政治不信とかいうこと、一般的な問題じゃなくて、今度のこの改革に関しても非常に絶望感というか不信感を持っていて、どうせできないんじゃないんですか何もならないんじゃないんですか、これもみんな茶番なんじゃないんですか、こういった発言が相次いで出ていたように思います。こういうことがあるからこそ、こうした、今回午前中の非常に白熱した御議論を国民の前に示して、そうして本当に本気でやっているんだよということがわかるようにしていただけるという、こういった画期的な討議の方法をとっていただいたということ、それから、委員長からも特別の御発言があって、ガラス張りでやりましょうという決意を示していただいたことは、本当に私はうれしいことだと思って、ありがたいというふうに思いますけれども、国民の目から見たときに、これから先が問題だと思うのです。
 先ほどの詰めの問題に入ったときに、理事会なりでの詰めの問題というふうになると思いますけれども、そこでの議論というものが、これがまた余り国民の目にさらされていないと、またそこで裏だの何だのがあったのではなかろうかというような目で見られる、その中の討議の様子というものが見えないというのは、非常に困ったことだと思います。
 先ほど石井委員の発言など、ああいった発言が見えるような場所、それの応酬が国民の目の前に見える場所をぜひ確保していただきたいと思いますが、これは各党の理事の方々に、こうした場面というものを余り全部、いや、こういう場面はやはり政治だから裏があるんだよとか水面下の動きがあるんだよ、こういうところは素人にわからないんだよ、こういうような発言ではなくて、やはりどこまでも明らかにしていってそれを見せるということが今度の改革の一つの、何というかみんなの期待感を少しでもそこに持っていっていただくということの大きな意味合いになるんじゃないかと思います。
 それから、これはもう今ここでは歩み寄ろうというようなことが午前中の討議の中では私にはひしひしと感じられたので余り言う必要もありませんけれども、自民党の提案者の方に一つだけ伺いたいと思います。
 単純小選挙区という、この小選挙区というものがなぜ政党と政策中心ということに結びつくのか。私の考えでは、比例は、政党、政策というものをがんがん言って余り個人の顔が見えませんから、それはそういった中心ということと結びつく議論だと思うのですが、単純小選挙区というのは、それぞれの選挙区にそれぞれの人が一人立って、いろいろ言うわけです。もちろん、党のことも政策も言うわけですけれども、やはりそこでは個人の顔が非常によく見えてしまう。個人の顔を見せるということに一つのメリットのある制度だと思うのですが、これがなぜ政党、政策中心ということなのか。ちょっとそのことに利するとは私には思えなかったので、簡単で結構です、もうそこは飛び出していただいている議論ですから余り要らないとは思いますけれども、一言、疑問を解消させていただきたいと思います。
○伊吹議員 鈴木先生の今の御質問にお答えをしたいと思いますが、現在の中選挙区制のもとでは選挙区の数は百三十でございます。衆議院の定数は五百十二ですから、五百十二の過半数、約二百六十をとる政党が初めて内閣を構成し、そして公約を実現するということになろうかと思いますが、百三十の選挙区で二百六十の数をとろうとすれば、当然そこには一つの選挙区に二人以上の立候補が、単純計算すれば必要となります。同一政党から一つの選挙区で二人が立候補するということは、同じ政策を持っている人たちが相争うことになるわけですから、政策の争いというよりも、政権をとろうという政党の場合は必然的に政策が同じ中で人を選んでもらわねばならない。それは人格であるとか、その人の見識であるとかということだけで選ばれるかといえば、これは政治家サイドの問題、有権者サイドの問題、両々相まって、必ずしもそうではない。
 ところが、単純小選挙区ということになりますと、一つの選挙区からは、定数は一名でありますから、同一政党が二名の公認をするということはありません。つまり、自民党は一人を公認し、社会党も一人を公認する。その中で、お互いの政党の公約を背負いながらその人たちは選ばれるわけであります。
 したがって、比例区と小選挙区は、政策がどうこうということではなくて、実は小選挙区は小選挙区という段階で、国民の多数決が働きながら代表を選んでいく、全員参加という形で選んでいく。比例区はそうではなくて、国民の投票の比例数によって代表が選ばれて、その結果、国会という場で多数決が機能する。その場合に、必ずしも一番たくさんとった政党が政権の基軸になるという保証はない、これはもう再三委員会で議論があったことであります。
○細田委員 一つ与野党各党の皆さんにお伺いしたいのでありますが、新聞社の代表とか民間臨調の方々は、主張の一つとして、各議員が党議にこだわらず自由に賛否を投票をすることができるようにしてはどうかという人がかなりありました。この問題は二つの側面を持っていると思うわけでありまして、一つは、各議員の運命を左右する新しい制度改革であるから、やはり各議員の個別の利害もあるし、信念もあるし、党ごとにまとめるのではなくて各議員に自由にやらせるという考え方もあると思います。
 それから他方、制度の改正は政党の運命に非常に大きな影響を与える。これは例えば石井先生も先ほどおっしゃいましたけれども、いろいろ自民党の苦悩というものも実際にあるわけで、どんどん展開していくと党が分解してしまうようなおそれすらあるという意味で、政党の運命もかかっている。
 したがって、党として一つの見解をまとめて当たらなければこの問題はだめなんだという考え方もあると思いますが、アメリカなどでは、御存じのように、もうほとんどすべての法案について自由に、共和党も民主党も投票するというようなこともあるわけでございますが、特に本法案あるいはこれから考えられる法案についてそういう道は考えられるものか、やはり非常に難しいのか、あるいは党内で御検討をこれからされるおつもりがあるのかどうかという点についてお答えをいただけたらと思います。
○田邉委員長 だれに答えてもらいますか。
○細田委員 自社公、提案者で結構でございます。
○伊吹議員 アメリカの場合は細田先生がおっしゃったとおりでありますが、ただ、アメリカの場合の上院、下院というのは、御承知のように議院内閣制を構成いたしておりません。したがって、我々は、自由民主党の総裁が現に衆議院の過半数をとって内閣の首班になっておるという仕組みで議院内閣制をつくっておるわけですから、その場合に、内閣の出した法案について党議拘束を取るか取らないかというのは、これは一つの判断の問題でありますけれども、アメリカの統治制度とはかなり日本の制度は違いますので、そこのところは私は同じには論じられないと思います。
 ただ、法案おのおのの性質あるいは内容により、例えば議員の身分に関するようなことについて、議員の身分という形で党議拘束を外すということも一つの考えでしょうし、それはおのおのの法案、法案の内容等によっても違いますし、国の制度によっても違いますから、私は質問の意図しておられるところはよくわかりますけれども、一概に、党議拘束を外して行動した方が日本の場合すべていいということになるかどうかは、法律、法律によって一つずつ違ってくると思います。
○細田委員 議員提案であるこの法律案とか、あるいは今後考えられる、例えば議員提出の形をとられるかもしれない法案についてはどうでございますか。
○伊吹議員 議員提案の法案については、一応我が党の現在までの仕組みとしては、党の最高意思決定機関の了解を得て出しておるわけですね。アメリカの場合は、各議員はおのおのの政党の最終的な了解を得ずに法案を提出できるということは先生御承知のとおりです。ですから、そのあたりの仕組みが違いますが、これは非常に微妙な問題ですから、一応我々としてもよく考えてみたいと思っております。
○佐藤(観)議員 我々がいろいろな法案に対しまして、我が党としてどういう態度をとるかにつきましては、党内でも何段階かいろいろな角度から審議をして、一つの法案の賛否を決めるわけでございます。極めてそういう意味では民主的にやっているわけでございますけれども、今までそういうシステムでやってまいりましたから、党議拘束を外すということで、私の知っている限りでも、賛否を自由に、議員個人自由にとじた例は、我が党に限ってはないのではないかと思います。
 ただ、私個人で言えば、今細田委員の言われたことについては、個人的にはかねてから本問題について極めて関心も持っていることでもありますので、そういう意味で、一回も実は党内で委員御指摘のことは議論したことがございませんので、ひとつ議論する猶予をお与えをいただきたいと存じます。
○渡部(一)議員 公明党といたしまして党議拘束を外しておりますのは、参議院の国民会議の仲間に対して、法案についての採決について党議拘束が外れております。したがって、いつもそうなっているわけなんです。衆議院の方は、党議拘束を外したことはございません。ただ、一回、党議拘束を外したに等しい採決をしたということが私の記憶では一回だけございます。
 今回の問題の場合に、党議拘束を外したらどうかという御提案の趣旨は、明らかに党議拘束の今までの拘束の仕方が新しい合意に向かってあるブレーキになるという状況を見ての御発言であったと、私は参考人の御質疑を聞いて感じているわけなんです。今回の場合、私は余り適切でないなと実は思っておるのです。というのは、各政党ごとに全力を挙げてこれを支持する体制にいたしませんと、関連法規もまたその他の問題も進まないからでございまして、むしろ妙な拘束を外して、もっとフレキシブルな党議というものに切りかえていくというふうに私どもは理解すれば、あの参考人の御意見というものは十分生かされるのではないか、こういうふうに思っていたところでございます。
○冬柴委員 公明党の冬柴鐵三でございます。
 きょう、朝からここに座らせていただきまして、ほとんどの委員、すなわち発言された中では共産党の木島議員を除くすべての方は、一括処理は前提にして議論をされる、また、確認もされた方も何人もいられたわけであります。
 ところが木島さんの意見というものは、共産党の方の意見でいつもちょっと違うからという処理をしては大変な問題を含んでいるように思われました。それは、毎日新聞、朝日新聞あるいは有名な学者の名前を挙げられまして、この一括処理というものに批判をしていらっしゃるという数字とか根拠を示して発言されているわけですから、こういうものについてやはり我々が当然常識と思っていることが外ではそうではないという、そういう認識に立って、ここでやはり議論をしておかなければならないのではないか。
 私は、先ほど我が党の北側委員から二つの手順についての原則について提案があり、委員長からすばらしい前向きの発言をいただいた、すごい前進だと思うのですが、私はこの一括処理ということにつきましても、これは非常に本質的な問題を含んでいるので、委員長から一つの意見表明をいただきたい課題だな、このように思うわけでございます。
 私ももちろん一括処理でなければならないという論者の一人でございます。それは、なぜならば、それぞれの政党が選挙のやり方とかあるいは政治資金の集め方とかいろいろな個性があるのは当たり前でございます。そういう意味で、資金だけをきっちりとめて、そして選挙制度は変えないということになれば、あしたから餓死をする、もうあなた方は、きょうこの法律が成立した途端に空気を吸ってはだめですということに共通するような意味を含んでいるように、私は実態的に思うわけでございます。
 したがいまして、そういう点を国民によくわかってもらわないと、非常に、なぜ難しい選挙制度で議論をして、そしてほぼ合意に達していると思われるこの政治資金あるいは腐敗の点で法律をつくらないのだろうか、それは逃げているのじゃないか、こういうふうに映っては、我々のこの一生懸命やっている議論というものが国民に理解されていない面があるのじゃないかということをおもんぱかるからでございます。そういう意味で、今採決をとれば、恐らく一票ぐらいは反対があると思いますけれども、一括処理についてはほとんどの方が賛成されるだろうと僕は確信いたしますので、そういう雰囲気を受けて、そういう考えに立って進めていただくことの意見表明を委員長にしていただければ、非常に僭越ではありますけれども、私は非常に大事な面ではないか、このように思うわけでございます。
 以上です。
○日笠委員 関連でございますが、議員が見識を持ってそれぞれいろいろな意見を述べることは、これは当然だと思います。それまで否定はしません。
 がしかし、この政治改革特別委員会も七十時間になんなんとする議論を進めてきました。そしてきょうは、こういうフリートーキングという、私も十年ほどしかなりませんが、初めてのような感じで議論もするという画期的な日でもございます。この日を記念してではありませんが、今までの成果を踏まえて、今冬柴委員も言いました、当委員会でひとつ腐敗防止だけの先行は許さない、いわゆる一括処理であるということと、それから雑音が非常に多いので、階段を一歩ずつ上がっていかなければまた後戻りをすると、こういうことにもなりますから、衆参ワンセットでの制度改革というものは当委員会では、参議院の方はまた別途にやるわけですから、ワンセットでの議論はいわゆる遠慮していただく。こういう意味の二つのことを、委員の皆さん及び提案者の皆さんの中で反対の方がいらっしゃればちょっと挙手をいただいて御説明をいただく、それでない方は賛成ということで、委員長におかれましては、終了後記者会見をしていただいて、当委員会では提案者も含めていわゆるワンセット議論は、これはやらない、それから一括処理をすると、この二つは大方の提案者、委員の皆さんの合意でしたと、こういうひとつ記者会見を終了後やっていただくぐらいのお気持ちを持っていただきたいということで、まず先ほど申し上げたワンセット議論とそれから腐敗防止先行、これは逆行するのだというように私は思いますが、そうではないのだという方がいらっしゃればちょっと手を挙げていただいて反論をしていただく。なければ、それはこの委員会の合意であるということで、ぜひ委員長の方からしかるべき場で発表していただきたいと思うのです。
 反対の人は手を挙げて説明していただきたい。
○田邉委員長 関連ですか。
○菅委員 この間、それぞれ一括処理の問題について議論があったわけですが、実は私もこの問題、非常に重要な問題だと思っておるわけです。
 先ほど木島委員が言われたことというのは、言われたこと自体はずっと耳に入りやすいわけです。しかし、そのときにわざわざ引かれた例が、中曽根元総理が順番をつけてまず政治腐敗防止法だと。では、あの人が政治腐敗防止法を本当につくろうと思って言っているのだったら、それは立派なものなわけですよ。中曽根さんの大側近の、側近中の側近がロッキード事件で有罪判決が確定している。それはよく木島さんも御存じでしょうけれども、そういう人を今なお中枢に送り込んでいるその張本人がそういうことを言っているというのは、つまりは中選挙区制を守りたい目的のためにそういう言い方を、少なくとも中曽根元総理が言っているということは、私なんかはだれから見たって明らかだと思うのです。それは、木島さんがそう思われているかどうかは別ですよ。
 それで問題は、この間の経緯だと思うのですよ。つまり、何年も前からこの政治腐敗防止法なりの議論をやり、例えば前国会の百二十五国会で、これは共産党も含んだ与野党両院政治改革協議会の場で、その場では私も含めてかなりの人が政治腐敗防止法をまずやるべきだと、その時点ではまだこれほど選挙制度の改革の問題が煮詰まっていませんでしたから、まずやるべきだと物すごく主張を、少なくとも何人かはしたはずなんですよ。
 そのときの議論はどういうことであったか。それは、特にこれは自民党ですけれども、自民党の方は、本格的な金の問題をやる、あるいは政治資金の企業献金等々の問題をやるにはどうしても選挙制度と切り離しては議論できない、つまりは先ほど来ある同士打ちの問題があって、野党との競争じゃなくて、自民党同士の競争の中でどうしても金がかかるんだ。私は、そのことは本来の筋論からいえばおかしいとは思いますけれども、現実においてそういうことがあるというのはこれは事実だと思うんです。現実においては、それこそ中曽根元総理の選挙区だって三人の方が出られていて、大変な選挙を戦っておられるのを私も耳にしているわけですからね。そういう議論を何回も何回も経て、結局、政治腐敗防止法的なものをつくろうと思ってもちょっとしか改革ができない。ほんの一部しか改革ができない。それが繰り返し繰り返し来て、国民の皆さんからは一体何だ国会はということを言われ続けてきて、じゃそれなら自民党が言う選挙制度も含めてやるのか。もちろん選挙制度自体の議論もあるわけですが、社会党、公明党、私たちも一緒になってこの新しい併用制を含めて案を出して、そして一括処理ということなわけですよ。
 ですから、その経緯をもしかしたら国民の皆さんに十分伝え切れでないかもしれない。つまりは、国民の皆さんは金丸さんの巨額蓄財問題を含めて、その問題をまずやれと言うのは当然なわけですよ。しかし、それをやるためには根本の選挙制度からやらなければ逆にできないんだというのが、この何回かの国会の議論の積み重ねの中で出てきているわけですよ。もし選挙制度を変えないで、その問題だけやれと言う木島さんや中曽根元総理のことをやったら、実際にどういう法案ができるか。多分ここにおられる自民党の、与党の皆さんの大部分の人は、ある一定以上のことを言おうと思ったらそれはとてもできない。つまりは、中選挙区制のままでは同士打ちがあるからとてもできないと言って、前国会、前々国会、前々々国会と同じように結局廃案になっていくことはこれまでの経緯からいって明らかなわけですよ。そのことを国民の皆さんに逆にわかってもらうように正しく意見表明をするのが必要なんであって、中曽根さんの言葉までかりてきて木島さんがそれが正論であるかのごとき主張をされるというのは、私はこれは率直に言って国民に対する一種のミスリードだ。
 そういう点で、やはりこの問題は、別に木島さん個人の問題というよりは、国民の皆さんに対して、逆に、政治腐敗のことをやるためにこそこの選挙制度もあわせてやらなきゃできないんだと。逆に言うと、政治腐敗だけをやろうと思ってこれまで何回も努力をしたけれども、それが残念ながらできなかったし、今もそのやり方ではできないんだということをきちんと伝えることが私はここの議論の役目じゃないか、そのことを申し上げておきたいと思います。
○田邉委員長 委員長から申し上げます。
 今、冬柴君、日笠君からお話がございました。まさに菅委員がお答えをしたとおりでございます。私も、この委員会でできるだけ皆さんが率直な意見を、フリートーキングをさして、そして皆さんの意見の集約を図って、そしてこの委員会というものが何とか結論をまとめていきたい、こういう考え方で進めておりますので、御了承をいただきたいと思います。
○池田(元)委員 貴重な時間ですのでちょっと一言。午前中の話がいいところまで来たと私思いますので、その延長線上で意見を述べたいと思います。
 まあ七十時間になんなんとする審議をやってきたんですが、大体基本的な主張は出そろって、もうこれ以上基本的な主張を述べ合うことは余り生産的ではないんじゃないか、むしろこれからは詰めの段階、詰めの論議をしなければならないと私は思います。
 そして二つ申し上げたいんですが、まず委員長及び理事の皆さんに申し上げたいんですが、この合意を形成するためにやはりその枠組みといいますか進め方をはっきりさせておく必要があると思うんです。小委員会とか理事会をはっきりした形で開くとか、その辺のところを、早急に枠組みを話し合って決めていただきたいと思います。
 それからもう一点、自民党の野田理事があるいは塩川さんにお尋ねしたいんですが、合意といってもやはり合意の前提があると思うんです。これはもう皆さん腹の中ではわかっていらっしゃることと思うんですが、自民党は単純小選挙区制、完全小選挙区制、これを出して今なおそれに固執していると言って差し支えないかと思うんですが、もちろん委員の中には併用制がいいんじゃないかとか、それから含みのある表現をしておりますが、そこのところをはっきりさせないとなかなか合意に至らないいんじゃないか。自民党の政治改革大綱、これはそれなりに大変立派にできておりますが、要するに比例代表を加味するということを明確にうたっております。そして、御存じのように並立制というものを打ち出しました。そこから見ると、単純小選挙区制へ後退してしまった。自民党の今の議席を、候補者をそのまますっぽり入れて、しかも初め金丸巨額脱税事件はなかったですから、提出しただけで、次の参議院選挙で再逆転してこの完全小選挙区制をやりたいという動きが、まあ全員じゃありませんけれども、そういったねらいも一部にはあったんではないかと私は見ておりました。
 そのような単純小選挙区制を打ち出した理由はいろいろあると思うんですが、そこにとどまっていては合意はできないと思うんです。やはり北側委員がさっきおっしゃったように、いずれにしても小選挙区制と比例代表制の間で筋の通ったものをつくる必要がある。混合型の選挙制度、これはそこを中心に、混合型の中でどうするかということで合意の形成を図らなければならないと思います。そういった意味でこの話し合い、合意に至るその土俵にのる、のせるためには、自民党が、率直に言いますと、単純あるいは完全小選挙区制から決別するということをまずはっきり出してください、このように僕は申し上げたいと思います。
 それで、先ほどちょっと石井委員の御意見もありましたけれども、完全小選挙区制の五百から出発する、そういうハードルをさらにさらに高くするというような、これはまあそんなことは考えていらっしゃらないと思うんですが、とにかく土俵にのって、それでこれからは一票制がいいのか二票制がいいのか、それから定数が五百がいいのか五百十一がいいのか、あるいはそれ以上がいいのか四百七十一がいいのか、そしてその中の定数の割り振りはどうするのか、そういう実質的な話し合いをするためにも、自民党さんがまずその単純小選挙区制から決別するということを責任ある立場の方からはっきりお示しいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○塩川議員 社会党さんがそこまでおっしゃるならば、やっぱり社会党さんの方も今までの小選挙区比例併用制ですか、これについても我々こだわらないということを鮮明にされるべきだと思うんですよ。それをやっぱり我々はこれなんだ、おまえのところから変えてこいという議論だから、これは私はおっしゃる意味はわかっているんだけれども、建前が、社会党さんというのはどうしても建前の方を大事にされる政党だから……
○池田(元)委員 いや、自民党のことを聞いているわけですよ、自民党のことを。
○塩川議員 ようわかっているんです。いや、違いますよ、違いますよ。双方のものですよ。そんな一方的なものだけ言ってて片づくものじゃない。
○池田(元)委員 いや、この場合は自民党ですよ。
○塩川議員 いやいや、その姿勢がいかぬですよ。だから、私らも変えますからあなた方もどうですかという話だったら、それは私らかてそうですかと。それはそうなんですよ。ちょっと待ちなさい、ちょっと待ちなさい。だから、あなた方の言い方は要するに組合交渉のような言い方だから、それはようわかりますよ。だけれども、こういう席ではそういうことをおっしゃらないで、自民党もどうですか、その枠を撤廃しませんか、我々も撤廃しますから、そうした裸で話ししましょうやないかという話だったら、なるほど、そこまでおっしゃるんだったら一遍話し合わにゃいかぬじゃないかということは言えますよ。だけれども、我々もそんなに、固執するということをおっしゃっていますが、固執ということは言ったことないですよ、我々は。固執するということは言っていませんよ。我々は、これは最良の案だと思って党議を決定して出しておるんだということを言っているんですよ。だから、そこらはそう一方的にやってきたら、こんなのはだめだと思いますよ。だから、やっぱり話し合いの場は話し合いの場所にしていただかぬとね。
○池田(元)委員 塩川さんのおっしゃることもわからないでもないのですけれども、先ほどから出ておりますように、一番左でも右でもいいですけれども、一番端っこにあるのが単純小選挙区制、一番逆の対置される遠くにあるのが比例代表制。自民党さんは一たん並立制まで来たわけですね。それで比例代表を加味するという党の前の大綱もある。ですから、話し合いをするためにはやはり、本来なら並立制から離れることが一番公平なスタンスだと思うわけです。社公両党は併用制。さっき左近理事が言ったように、中選挙区制から決別した。ところが、自民党は並立制から単純小選挙区制の方に遠のいてしまった。ですから、合意をするために、その単純小選挙区制にこだわっていては絶対できないわけですよ。それはもう明らかじゃないですか。その混合型の話し合いをするためにも、やはりそこからは決別しなければならない。これは何といっても自明の理です。別に僕は党派的な主張で言っているわけじゃなくて、合意を図るためにはやっぱり単純だ、単純だと言ったらだめなんですよ。こういうことを申し上げたい。
○塩川議員 海部内閣のときから、そして現在の宮澤内閣に至るまで、それは確かに小選挙区比例並立制と単純小選挙区制の相違はありましょう。しかしながら、この両政権の間、つまり両方の総裁ですね、自民党は一貫して言っていますのは、衆議院の選挙が政権の帰属を決めるということが重要な役割を持っておる。それだけじゃありませんよ、それだけとは言っていませんけれども、議院内閣制をとっておる以上は、この衆議院の選挙というものは政権の責任を明確にするためのものだ。これはやっぱり自民党の一貫した考えなんですよ。その考え方からいくならば、並立制であったものが、より明確に打ち出すのにはやっぱり小選挙区制がいいんじゃないか、こう言ってきた。
 しかし、この両制度の中に共通していることは、衆議院の選挙の結果起こってくる政権というものが明確に責任をとるということと、それからもう一つは政権交代が容易な制度というものとで、これを哲学にして選んでいるんだ。だからその基準、この原則を外れない程度において自由民主党は考えていかなきゃいけないんじゃないか。これはもうしょっちゅう私らは議論の中で言ってきていますよ。
 そこで、例えば石井委員が言っていますのは四分の三説なんですよ、四分の三。これはイタリーでもそう言っているでしょう、今。今イタリーでも言っているでしょう。だから、四分の三を小選挙区にして四分の一を比例代表にしたらどうだというのが一つの案として出ておるわけなんですよね。ですから、そのことを言っていることは、要するに、あくまでも自由民主党の思想というものは、衆議院の選挙は政権の帰属とそれから政権の交代を容易にする、このことが主体なんだ。この精神に合う話ということじゃないとだめということになる。
○戸塚委員 私はちょっと昨日まではかなり暗い気持ちでいたのですが、けさになってぱっと日が晴れてきまして、それで本当にもうきょうはよかった、こんなに与野党が、今までも真剣だったけれども、よりきょうはお互いに歩み寄って、そのとき、ちょっと余りまたがたがたっとするような議論になるとよくないから、ともかくここはお互いがお互いを理解し合い、信じ合って、そしてどっちが先に案を引っ込めるとかどうするじゃなくて、お互いが本当に委員長を中心にこの委員会の中で真摯に話し合っていこう、今国会で決めよう、こういうことが私は、きょう午前中、大体お互いにできたと思うんですよ。
 そういう意味で、私はとてもすばらしいなと思うのですが、そこで一点私は、自民党、社会党、公明党の大先輩の提案者の方に、もしそういうお話し合いをしていく場合、私、ぜひ必要なことは、だれにでもわかる方法でなきゃいかぬと思うのですね。
 きのうのあの例の臨調の先生、すばらしい方が出てきてくださって、すべて答えは私も敬服しましたが、一つだけ私びっくりしたのは、あの偉い先生の中から、投票にだれを書くかとか何政党とかということぐらいわかっていれば、後の計算の方法とかなんかは必ずしも国民の人がわからなくてもいいとおっしゃったけれども、私はそれはちょっと大変なことだな。これは日本の国民、かなり賢い方ですけれども、その賢い一人一人の国民にも、どっちが負けたかどっちが勝ったかだれかが計算してもらわなきゃわからないとか、計算した結果が何で勝ったのか負けたのかがわからないというような、そんなわかりにくい方法では、何用法でも何法でもない。要するに国民が、選挙の方法で、なるほど、自分はこの人に投票した、この政党に投票した、あるいはその結果がこうなった、ああそうかというふうに、負けても勝ってもちゃんと理解できるようなわかりやすい方法であるべきだと思いますが、これについてだけひとつ各党の考え方を聞かせてください。
○佐藤(観)議員 戸塚さんの言われる意味はよくわかります。連用制というのが出たときに、私もそれなりに勉強したときに、どうもこれは有権者が入れた一票がねじれたといいましょうか、何党に入れたかによって、またその何党が小選挙区を幾つとったかによって比例代表に影響してくる、そうすると自分の入れた票というのがどうなっていくんだろうかというのは非常にわかりにくい。成田課長という固有名詞を出して恐縮ですが、ヨーロッパではもっと複雑なことをいろいろやっていますよと、私も知っています。ヨーロッパに我々は住んでいるわけじゃないので、日本の中選挙区というのは、それはそれで七十年間、夜の開票になれば、当選すれば万歳、万歳で、百票足りなくても落選する。これは有権者にとりましては極めでわかりやすい。この制度から比べてみてどうだろうか。
 私たちの併用案につきましても、批判する人はわかりにくいと言われましたが、私たちのは、今、戸塚先生の御指摘のお言葉をそのまま使わせていただければ、票が多ければ議席が多い、票が少なければ議席が少ないという、極めて私みたいに素直に結果が出るわけですね。そのあたりが運用というのは、そめ部分だけ言えば、戸塚委員御指摘の部分だけ言えば、併用よりはちょっと難しいんじゃないか。ただ、今これからまさに戸塚委員言われましたように、なるべく皆さん話し合いをしようというときに、私は併用案がベストだと思っています。
 ですから、いろいろ案が出てくるでしょうけれども、これはやっぱりベストから見ればベターなのであって、どこかいろいろ欠点があると思うんです。ですけれども、欠点がある中でお互いにそのことは認め合いながら合意を形成をしていく。何の結論も得られないことではだめだよというときに、納得ができるだけの哲学とまでは言わないにしても、理念にしても、それは何といっても有権者は国民ですから、国民の皆さん方にわかりゃすい制度ということはやっぱり問うていかにゃいかぬので、ただ連用制が併用案に比べればちょっとわかりにくいからといってすべて捨ててしまうということではまたないということも、あわせて言わしていただきたいと思うのです。
○渡部(一)議員 お答えいたします。
 もう佐藤議員が大半お答えになりましたことですから、長話の渡部がここでまた何か言うとおなかがすいちゃうんだろうと思いますので、簡潔に申し上げたいと存じます。
 計算方法はわかりにくいのは確かだと存じます。したがって、戸塚委員が御指摘になりましたのは、計算方法のわかりやすい併用案に対して深い理解を示したという意味でおっしゃったのかなというふうに今聞こえたわけでございます。確かにそれは連用制の一つの欠陥だと思います。
 ただし、それが認められるべき欠陥なのか、それとももう耐えがたい欠点なのかという問題になりますと、実は私どもは、議論を聞いておりましたときに、当初参議院で、今比例制をとっているわけではございますが、ドント方式でちゃんと選んでいるわけでございますね。それは、当初同じように、わかりにくい、計算方法が何だという大騒動が当国会の中でも行われた事実がございました。したがいまして、あのときの感覚から申しますと、大体同じレベルの感覚かなというふうに私は何となく受け取っておった。まあ私の言い方は少し連用案に好意的な発言かもしれませんが、現在の印象から申しますとこんなことでございます。
○西岡議員 戸塚委員にお答えいたします。
 ずばり申し上げまして、戸塚委員の御指摘のとおり、制度というものは、いかなる制度もわかりやすいにこしたことはないわけでして、特に選挙制度については、国民の皆様方にわかりやすい制度であるということは、非常に大事な、幾つかの重要な部分の非常に重い意味を持ったところであろうと思います。
 それぞれ御提案になっております案、あるいは民間からも今の日本の議会制民主主義を何とか活性化したいということで御提案になっている御苦労については、十分私どもは敬意を表するわけでございますけれども、わかりやすいという点に関して、これは我が党が提案をしております単純小選挙区がわかりやすいということは明快であろう、このように考えております。
○井上(義)委員 今の戸塚委員の御指摘でございますけれども、要するに選挙制度、恐らく連用制のことを指しておっしゃっているんだろうと思うのですけれども、わかりにくいからこの制度はだめだというふうに一蹴してしまう態度というのは、私はいかがなものかなというふうに思うわけです。要するに大事なことは、目的があって、その目的を達成するための手段、選挙制度というのは手段ですから、その目的を達成するこの目的がやはり一番重要なのであって、それを達成するための手段としていろいろな方法がある。その方法が多少、例えば単純小選挙区よりはそれは連用制というのは複雑な仕組みになっていますから、わかりやすいという面からいえば単純小選挙区制がすぐると思いますけれども、ただ、その目的がどうであるかということが一番重要だろうと思うのですね。
 それで、例えば選挙制度、いろいろな諸外国の例を出して申しわけないのですけれども、例えばハンガリーは、民主化の後にどういう選挙制度をつくるかということで、いわゆる旧共産党と民主勢力が円卓で議論をして、約一年間で結論を出す。それで、旧共産党勢力はいわゆる単純小選挙区を主張した、それに対して民主勢力は比例代表を主張した、そういうところから議論が出発をして、最終的に並立のような形になったわけでございます。それで、並立のような形でいわゆる一つの安定した政権をつくる、なおかつ民意をできるだけ反映をする、それで並立の形になった。しかしながら、この並立も、小選挙区については、やはりこれは比較多数じゃなくて絶対多数というものがいい、政権の基盤の正当性を主張するためには絶対多数がいいということで、この小選挙区は二回投票制にしたわけでございます。しかしながら、なおかつ小選挙区でも死に票が出る。その死に票はできるだけやはり民意を反映するような形にした方がいいということで、全国リストをつくって、小選挙区における死に票を全部集計して、全国リストで割って再配分をするという形で、民意をぎりぎりできるだけ反映をしようという努力をした。そういう結果、今のハンガリーの選挙制度ができておるわけでございまして、その制度について国民の皆さんにいろいろ聞きますと、わかりにくいからこの制度はだめだということはだれもおっしゃらないわけで、これほどすぐれた制度はないというふうに皆さん確信を持っていらっしゃるわけです。
 そこはやはりそういう安定した政権をつくるという目的と、なおかつそこに民意をできるだけ反映していくんだという英知というものが結集されて選挙制度ができているわけでございまして、その目的が一番重要で、その目的に沿って制度ができたら、そこは国民の皆さんに理解をしていただくような努力をするということが我々政治家の最大のこれは仕事なわけであります。わかりにくいということで一蹴して実は現状維持を目指しているとかいうふうに私は聞こえるわけでございまして、この問題というのは非常に大事な問題だと思いますので、選挙制度をこれからつくっていくに当たって、この辺の目的と手段ということはしっかり踏まえておかないと、ではやっぱり単純小選挙区がいいじゃないかとか、完全な比例がいいじゃないかとかということに、議論はこういうふうに分解してしまうわけでございまして、この辺は非常に重要なので申し上げておきたい。
 それから、きのう民間臨調の皆さんのおっしゃっていたことを私なりに解釈しますと、したがって、選挙制度、その仕組みというものは、国民のすべてが理解をしなければこの制度はだめだということじゃなくて、国民一人一人にとって何が大事かといえば、投票する、この投票がわかりやすいということと、その投票した結果が投票権の行使において平等であるということが国民にとって一番大事なことなのであって、選挙制度を全国民が理解していないからだめだというようなことではこれは全然ない、こういうふうに思います。これからいろんな形で案をつくっていくだろうと思いますので、ぜひそのことだけはお互いの共通の理解としておかなければいけないのじゃないかと思います。
○増子委員 きょうの議論をずっと聞いておりますと、基本的には今国会での一括処理とか中選挙区制の廃止という決意をまさしくお互い確認したということは、改めて大変よかったと思っています。
 そういう中で、いろんな議論も細かく出てまいりましたが、問題は、この国会で成立をさせるという前提に立ったときに、しからば、この制度が何らかの妥協が図られたとした成立した場合に、いつの選挙からやるということが一つ大きな考え方として国民の中からも、皆さんからも大変重要な関心として実は出ているわけであります。
 私どもこの連休中、地元に帰りました。大変活発な議論が行われている、非常にいい委員会だった、こんな委員会がもっともっと国会の中にできればいいなという声が非常にあるわけであります。と同時に、あの選挙制度を含めた政治改革の委員会、一体いつからこれは実施されるようになるんだい、いつからやれるようになるのか、次の選挙からなのか、あるいは次の次からなのかと、実はいろいろな問いかけが私にもございました。
 当然、一括処理で今国会中にという、この決意の中での大前提があるわけでございますけれども、しからば、これを成立させるならばいつまでが、次の選挙に仮に実施をするということになれば今国会中というタイムリミットはいつなのか。これは御案内のとおり、もう釈迦に説法でございますが、会期延長ということは当然できるわけでありますけれども、その会期延長の問題の部分とは別にいたしまして、次の選挙からやるのかどうかという考え方を提案者の方からひとつお聞きしたいということ。
 しからば、周知期間の問題や区割り決定の期間等、これが制度が改正で何らかの形でまとまった場合に、当然その次の問題として、いろいろな手続上の問題が出てまいるわけでございますから、こういったものも加味して考えた場合に、このタイムリミットはいつなのか。この辺は大変国民の皆さんにも重要であるし、また我々国会議員にとっても大変、政治生命にかかわると言っても過言ではございませんので、この二つは極めて重要な問題なのかなというふうに私は思っているわけでございます。
 と同時に、先ほど来出てまいりましたが、この委員会の設置された一つの大きな理念といいますか目的は、わかりやすくオープンにということがございまして、その目的は十分達せられると思いますが、一部先ほど来語が出ておりますとおり、それこそ大本営本部の方からはいろんな意見が出ておりますが、先ほど委員長の話の中に、とにかくこの委員会でまとめたいんだと。一部、政治改革協議会云々という話もございますし、あるいは衆参セットというようないろんな議論が出てまいりますが、私はもう一度確認しておきたいことは、オープンにわかりやすく、この委員会が設置されてこの委員会で決めていくんだという、本来のこの委員会というものの目的、理念、性格というものを十分考えて決着を図っていただきたい、そういうふうに願うわけでございます。
 先ほど申し上げました二つのお尋ねに、自社公の提案者からお伺いできればありがたいと思います。
○塩川議員 法案が成立し、整い次第実施するということであります。
○佐藤(観)議員 今の増子さんの御質問でございますけれども、当然のことながら、いつからというのは次の総選挙でございます。二月までには必ずあるわけでございますので、当然だと思います。私は十分それは間に合うと思うのであります。
 今増子さんも言われましたように、衆参セットという話がありますが、これはたびたび私も答弁させていただきましたように、参議院の問題はくどくど言うまでもなく、定数是正の問題やその他いろいろ持っておるわけでございまして、参議院は参議院さんでまずひとついろいろ改革を考えていただく。その際にやはり参議院側から見れば、衆議院がどういう形になるのかということを十分結論を見た上に参議院はどうあるべきかということを考えるわけで、私たちは、参議院の問題、改革しなければなりませんが、それはこの際考慮する必要はないと思っております。
 したがって、選挙制度の問題それから腐敗防止やあるいは政治資金の問題も含めて、例えば五月に基本的なところで一致をすれば、その選挙制度についてどういう結論になるかわかりませんけれども、法案を新たにつくるとなれば、たとえ連用制にしてみても大体一カ月あればできるのじゃないかと私は思うのであります。そうすると六月末に法案を通すということになってくれば、増子さん言われましたように、国会延長の問題も出てきたり、あるいはそこで審議会の設置の問題があるわけでありますから設置をして、そして二カ月か三カ月あれば、十分九月ぐらいまでには区割り案はできるのじゃないか。つまりそれは、最高の三百にいたしましても、あの並立案のときの三百の基礎データはあるわけでございます。ですから、そこで担当された調査室の田中室長がいらっしゃるわけですから、その経験をもってすれば、ゼロからやるわけじゃないわけですから、そんなにはかからないのじゃないか。ですから、このスケジュールでいけば大体遅くも十月末には、つまり御承知のように、区割り法案ができたら新たに法律にして、また成立させなければいかぬわけでありますので、これ自体は国会に出たらすぐ国会で成立てきるはずでありますから、こういうスケジュールを考えてまいりますと、大体十月末にはできるのじゃないか。
 あと周知期間というのは、この前の中曽根内閣の八増七減のように周知期間を一カ月にするか三カ月にするか六カ月にするかといろいろありましたけれども、今回はそういうことは余りないから、常識的に言えば、選挙区が変わり、お互いに政党として候補者を新しい選挙区にしなければいかぬわけでありますから、一定の周知期間というのは事実上私も必要だと思っております。
 したがって、十月末ぐらいにそういう制度が入ってくれば、二月までの間に次の新しい制度のもとで選挙をやることは十分可能である。したがって、それは挙げて、五月末ぐらいに基本的なところで政治資金の問題、腐敗防止も含めて基本的に各党が合意するということになれば、遅くも十月末ぐらいには候補者選びに入れるような、そういう法律的な体制は整うのではないかというふうに私は思っております。
 したがって、鉄は熱いうちに打てではありませんけれども、これだけ熱のある議論をしてきたわけでありますから、それを次に先送りして、次は中選挙区でその次はなんというのでは、とてもそんな話は国民の皆さん方は納得してくださらない。また、そんなことを、いやしくもこれだけ熱心に議論してきた者がやるべき話ではないというふうに思っておりますので、私、結論的には次の総選挙から当然実施をして、一日も早くこの政治腐敗の状況あるいは政治不信の状況から脱却することが我々に課せられた最大の責務であるというふうに考えております。
○大畠委員 日本社会党の大畠章宏でございます。
 きょうも非常に熱の入った論議が展開され、そして今佐藤議員からも、今国会中で必ずや成案を見る、そしてまたこの委員会としてもほぼ総意として、一括でこの国会中に成案を見たいといういろいろな御意見がありました。
 そこで、ちょっと視点を変えて、その成案を見るための整理をするために、自民党そしてまた社会党、公明党の提案者に御質問をしたいと思います。
 それは、今回「調査特別委員会の審議における主な論点」ということで整理をしていただきました。非常によく整理をしていただきましたけれども、その中の「単純小選挙区制」、そして「小選挙区併用型比例代表制」ということで、単純小選挙区制については四つの利点、三つの欠点、欠点といいますか問題点、それから併用型比例代表制の方は大体二つの利点と四つの欠点といいますか、そういう形で、もうちょっと公平にまとめていただければなと思ったのですが、いずれにしても、このまとめた資料、いろいろな中で大変だったと思いますが、まとめた資料の利点、欠点等々について、単純小選挙区制を提案された自民党さんの方で、この点は認める、この点は反論したいというものがあれば、総論的にしていただきたい。
 さらには、公明、社会両党案のこの比例代表制の方で、こういうふうな整理をされたけれども、この点だけは認める、この欠点は認める、あるいはその欠点はちょっと表現上どうかなと反論があったらお願いしたいというのが一点であります。
 それから二点目には、そういう論議を踏まえて、こういう問題点があるからここだけは譲歩していい、成案を見るためにこういうポイントだけにはこのくらいの譲歩もし、成案を見るべく努力してもいいというような点がありましたら、お互いにちょっと御意見をいただきたいと思います。
 以上であります。
○石井(一)委員 大変おもしろい質問だと思います。
 私も率直に答えたいと思いますが、利点の「国民が直接選択できる。」「政権が安定する。」「政権交代の可能性が高い。」「候補者の顔が見える。」これはこのとおりだと認識します。
 次に、「得票率と議席数の乖離」という問題でございますが、これも事実です。ただ、「中小政党を事実上抹殺する」という問題につきましては、私たちは未来志向型の中から、抹殺するのでなく、発展的に解消される場合もあるが、政界再編成を求めていくという考えでして、多少この表現には異議がある。本質的なところは認める。
 それから、「急激な政権交代による政策の継続性の喪失」。これも、イデオロギーの消滅、対立等の中から、原則的な、ベーシックなファンダメンタルは二つに可能なものということでありますから、私はこんな大変なことが起こるとは思いませんけれども、言わんとしていることは理解する。
 ただ、最後に、「地元密着型の選挙となり、かえって金のかかる選挙」というのは、これは否定する。これは間違いだと私は思う。金を使うというのには、使う方もあればそれを受ける方もありますが、日本の国民はそんなばかじゃありません。これはどんどんと変わってきておると思います。
 それから、よく奄美大島の例を引かれる人がございます。私は一回も答えたことがございませんので、この点についてここで申し上げたいと思うのでありますが、私の選挙区の神戸に奄美大島出身者の方が二十万から三十万住んでおられます。非常に不思議なことでして、尼崎にも多いのですが、要するに島では生活が苦しいといいますか、町へ出てこられるわけでして、したがって、私は島の事情や選挙についてもよく知っております。冬柴さんのところは尼崎にたくさん住んでおられるわけですね。
 そこで、あそこはどういう選挙が行われておるかというと、一つは、民度といえば言葉が悪いかもわかりませんけれども、民度といったっていい面なんですよ。要するに、闘牛でこっちにかけるとかあっちにかけるとか、余りそういう楽しみがありませんので、選挙というのがある意味で過激なそういう娯楽のような一面になっているのもありますが、本質的な問題は派閥選挙なんですよ、あれは。結局、一世代前の伊東隆治と保岡武久の対決、これは派閥からいえば当時の池田派と佐藤派が島で対決しまして、片一方が上がれば、片一方は島に張りついて次にはこっちが上がる。こっちが上がったら、こっちが下がる。それを継続しておるわけですね。もう社会党も公明党も不在になっちゃっているんですね。県会議員には少し公明党の議席や社会党の議席がありますけれども、衆議院の選挙になりますと、野党不在で政策そっちのけ、政党そっちのけの派閥政治の、まさに中選挙区制の、小選挙区ではございますけれども、実際はその延長線上の問題になっておりまして、これを、ああいうふうになっておるから小選挙区ではお金がかかるんだというふうに、こう主張されますことは全く意味が違う、中身をよく見た場合には。
 選挙区が小さくなって、政党中心でその組織が動いてやっていくという場合には、イギリス型と同じような形で、今の同士打ちから出てくる金のかかるという問題は、ほとんどこれは消えてしまう。したがって、ここの表現は非常に間違いを、いわゆる誤解を生みやすい表現である、私はこう申し上げておきたいと思います。
○渡部(一)議員 御質問に応じまして、小選挙区併用型比例代表制のこのペーパーについてコメントをしておきたいと存じます。
 これは「民意が正確に議席数に反映する。」まことにそのとおりでございまして、これほど見事なものはないと私たちは自信を持っておるわけでございまして、もうちょっと長い行で言っていただきたい。
 第二に、「二百の小選挙区において候補者の顔が見える選挙をする。」比例制というものはえてして候補者の顔が見えなくなるというのはもう参議院でわかっておりますから、この二百の小選挙区におきまして候補者の顔が見える選挙戦を展開する、それによってじっくり政策も味わうし、その党の雰囲気というか識見というかレベルというものを自覚することができる。国民にとっては政治というものを身近なものに感ずることができるという点では、この指摘も大変適切だと存じます。
 三番目に、「小党乱立の恐れ」ですが、この「小党」というのはちょっとひどく細かいのを言われるような感じでございますが、ブロック制におけるところの比例制でございますものですから、全国一括で全部の得票を集計しまして、そして比例で割りますと、非常に細かい政党が生じることは事実であります。一人一党みたいなのが生じてくるわけでございますが、ブロック制にいたしますとそうはなりません。何回も計算をして、委員会でも御説明をいたしましたが、大体四%から六%前後ぐらいのところで足切りと言われる状況と似た状況が発生してまいりまして、余りに小さい党は出れない状況になっているわけでございます。これはあくまでも政党政治というものを大切にするという意味です。一方では、どんな意見のグループも政党として成長でき得るように政党要件の仕切りを低くしてあると同時に、余りまた細かいのが乱立しないような苦心の配慮があるところでございまして、そこのところを「小党」という言葉だけで表現されたことは、これはちょっとまとめ方が違うと、こういうふうに思うわけでございます。
 それから、今度は批判の方でもう一つ、「定数五百のうち三百は顔が見えない。」という御批判でございました。これは二番目のあれの裏返しの議論でございまして、「顔が見えない」というのは、顔が見えないことにはならないと存じます。ブロックでやりますから、そんなに顔が見えないようなことにはならない状態であると存じます。
 それから、「超過議席の発生」でございますが、これはひどくオーバーぎみに論述された論文がございまして、それを根拠にして七十とか八十とかという超過議席が発生するというふうに論述された方がおありになったわけでございます。シミュレーションが少し雑だったのではなかろうかと存じます。西ドイツの例を見ますと、必ずしもこの我々の持つ案とはちょっと違いますけれども、それほど超過議席は発生していないという状況が出ているわけでございまして、一、二、三程度でほとんど終わっておる。我々の方も、自分たちで計算したところでは、およそ十以下というくらいのレベルで終わるのではないか。そして、超過議席の発生をいかぬと言う必要は別にないと存じまして、この辺も議論をさしていただいたところでございます。
 最後に、「国民から見てわかりにくい。」という点がございましたが、このわかりにくいのは一回やればほとんど片づく問題であろうと自信を持っているところでありまして、何回か申し上げさしていただきました。
 「その他」と書いてありますが、この「その他」というのはよくわからないのでございますが、これはちょっと説明しかねる。
 先ほど、まことに恐縮でございますが、石井さんがお述べになりました奄美大島の方の問題につきまして、私は、私の選挙区も奄美の方がたくさんおいでになりましたので、ちょっと名誉のために申し上げたいと思うのでございますが、奄美大島の方は非常に廉潔心をとうとぶ勇敢な人々でございまして、不正を許さぬ、正義感に満ちあふれた方々でございます。この方々が選挙の問題につきまして、単純小選挙区制型の選挙戦によって非常に悪い名前を日本じゅうにとどろかしたということは悲しむべきことであったと存じます。これは、制度が悪いと立派な人たちに汚名を着せる典型的な例ではなかったか。したがって、そのような制度を実行するということは気の毒な結論になるのではないかと私は思っているわけでございまして、奄美大島の方々、ここにいらっしゃらない奄美大島の方々のために申し上げさしていただきたいと存じます。
○田邉委員長 選挙制度及び区割りについての討議はこの程度といたします。
 この際、十分間休憩いたします。
    午後二時十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十二分開議
○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、政治資金制度及び公的助成をテーマといたしまして、討議を行います。
 それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。
○堀込委員 社会党の堀込征雄です。
 この委員会の審議並びにきょう午前中来の審議を通じまして、この国会でこの改革法案をどうしても上げる、一括処理をするのだという各党のかたい決意がおおむね共通のものとなったというふうに理解をいたしております。どうしてもこの国会で一括、この法案を上げて、国民の政治不信にこたえなければならない。さらにはまた、政治不信にこたえるだけではなくして、日本の政治が直面している国際的なリーダーシップや国内における政治のリーダーシップを回復をしなければならない、こういうことだろうと思います。
 午前中来、制度の問題についてはそれぞれの接点を模索をする発言がございました。私は今、午後のこの時間からの議題であります政治資金あるいは腐敗防止にかかわる事項、政党交付金についても、どうしてもこれもあわせて接点を見つけ、合意点を探り、国民の期待にこたえなければならない、こういうことはもう明らかだと思うわけでありますが、この審議を通じてそれぞれいろいろな問題点が浮き彫りになってきたというふうに思います。かなり長時間にわたる委員会の中でハイレベルな議論が繰り返されたと思っていますし、とりわけ企業・団体献金をめぐって、それぞれ諸外国の例や判例までをつぶさに検討された発言があり、答弁があり、非常に中身の濃い議論が繰り返されてきたというふうに思います。
 しかしこれも、これから接点を探り、合意点を見つけていく上で、まだまだ大きな問題が幾つか残っているのではないか。とりわけ、私どもとすれば、自民党案について、こういう問題はやはり考えてほしい、あるいは接点を模索する上でやはり検討が必要ではないかという点を幾つか申し上げてみたいと思うわけであります。
 企業・団体献金の禁止そのものについてはもう委員会で議論されてきましたからきょうの時点では省かせていただきますが、一つは、何よりも、政党への寄附枠がこの時点で二倍にふやされている。金丸事件を初めいろいろなスキャンダルが国民の批判を浴びて、そして国民の金権腐敗政治に対する怒りがあるときに、政党へ一元化するとはいえ、やはり枠をこの時点で二倍にすることについては、これはどう見ても国民の納得が得られないのではないかという点が一つであります。
 二番目は、やはり政治資金の出と入りをきちんと厳しくする、そして政治資金の公開性を高めるということが大切であります。ところが、自民党案では、幾つか問題はありますけれども、特に公開基準について、政党への公開基準は一万円から十万円に引き上げているわけであります。これは事務が煩雑だからというような委員会での答弁がございましたが、この点はいかがなものか。
 それから、政治家個人の周辺にある資金調達団体、これらについては六十万円という枠が公開基準になっているわけですね。これは、例えば政党とか政治団体に比べて何か政治家個人の周辺だけ公開基準が非常に高いということは、国民の目から見でなかなか納得できることではないのではないか。この際、制度も変えて国民の期待にこたえる政治をつくるわけでありますから、もう献金もオープンにして、ほとんどのものを公開していくという姿勢がにじみ出た政治資金制度にする必要があるのではないか。そういう点からやはりこれも問題だろうというふうに思うのです。
 それからもう一つ、パーティーでありますが、パーティーを事業収入としている。これは私どもとすれば寄附扱いをしながら公開をしていこうというわけでありますが、これも実は百万円を六十万円に下げてはいますが、やはり公開基準は六十万円なんですね。
 したがって、一歩前進はさせているようではありますが、これだけやはり腐敗事件が相次いでいる、国民の政治に対する不信が高まっている、政治家とお金の関係について不信が高まっているときでありますから、とりわけ先ほど申し上げました政治家周辺にある資金調達団体とパーティーだけが公開基準が六十万円になっているということなどについては、やはりもう少し国民の納得できるものにしていく必要があるのではないか。これから法案を詰めていく段階で、私は、自民党さんにどうしても譲歩をしてもらいながら、国民の納得できる制度をつくっていく必要があるのではないか、こんなふうに思うわけであります。
 もう一つは、やはり政党交付金。この政党助成というのも、この法案が通ればすぐやるわけですね。選挙制度も、通れば、先ほどの議論ではありませんが、次の直近の選挙から実施をする、こういうかたい決意でお互いに各党がこの委員会の場で意思一致をしているわけであります。したがって、政党交付金もすぐやる、こういうことでありますが、企業・団体献金、政治団体への寄附にしろ、いろいろな経過措置がある。公開基準についても経過措置がある。
 この経過措置については、やはりある意味で、全く理解できないわけではありませんけれども、しかし、制度もそれから交付金もきちんとここでやるんだ、次の選挙からやるんだという決意でありますから、この五年間という経過期間を置いてやるという論理について、果たして国民の納得が得られるものかどうかという点が私は大きな問題点ではないかというふうに思っているわけでありまして、ぜひこれから、制度を含めて合意点、それからお互いにこの点でも接点を探っていかなければなりません。
 私の認識とすれば、以上申し上げたような点につきましてはぜひ自民案の中で訂正をいただく必要があるのではないかという認識を私自身はしていますが、提案者もしくは津島先生、そちらにいらっしゃいますので、その辺のお考え方についての認識をお聞かせをいただきたい。
 それから、社公の提案者の方にあわせて、私は今個人的な見解を申し上げましたけれども、改めて、制度問題とあわせてこの法案の一括処理、接点を探る場合に、どの程度の譲歩といいますか、どういう譲歩があれば接点は操れるであろうか、あるいはその見通しについて、これはちょっと漢としていて恐縮でございますが、漠とした答弁で結構でございますが、これは成算ありと考えているかどうか、その点をお答えをいただきたいと思います。
 以上です。
○津島委員 午前中の討議を拝聴しておりまして、私どもこれまで議論を重ねてきましたけれども、あのような形で本当に率直な意見の交換をすることがかなり建設的だなという認識を持ったわけであります。そのような立場から、今の堀込委員の御質問に答えることを含めて、私どもの考え方を申し述べさせていただきたいと思います。
 まず第一に、この問題を考える場合に、私は左近委員あるいは菅委員等々と昨年の緊急是正から一緒に仕事をしてきたわけでございますね。あのとき私どもは既に起こっております大変な政治不信の中で仕事を進めたわけでありますけれども、あの緊急是正の重みというものを、その後に起こったいろいろな出来事と重ね合わせてみたときに、いかに重いものであるかということをもう一遍かみしめてみる必要があると思うのであります。それは率直に言いますと、仮に十年前にあの緊急是正の中身が実現しておれば、その後問題になったような、ああいう量的制限をはるかに超えた資金の授受というのはなかったはずだ、あれば直ちに没収の対象にもなり、禁錮刑の対象にもなったということを私どもは今かみしめておるわけであります。
 今この政治改革について我々が思いをいたさなければならないのは、確かに国民の側から言えば、現象面からまず発想していく、つまり庶民としては到底受け入れがたいような行為が政治の舞台にあるということから発想していく、これは当然のことだと思うのですね。しかし、それがどのような理由で、どのような深い意味を持ってこれが行われてきたかということは、我々渦中にある者は常に頭に置いて議論しなければならない。
 そういう意味で、菅委員が午前中に言われたこと、つまり我々が一体としてこの問題を扱わなければならないということを非常に端的に言っておられるので、昨年からの議論を積み重ねてきたことの中で、我々が本当に思い切った改革を資金面でもやるためには、その前提として絶対に選挙制度にまでさかのぼって改革をしなければならないということを今感じておることを申し上げたいわけであります。
 そうなりまして、今もう一遍何をしなければならないかということをお互いに議論していく上で、まず双方の意見で一番食い違っている面、企業献金のあり方について、私どもとしてもそれは社公を初めとする御指摘に対して謙虚に耳を傾ける必要はあるわけでありますけれども、この問題についての深い意味をもう一遍皆様方におかれてもお考えをいただきたいと私は思うわけであります。
 これまでの議論で申し上げましたように、表現の自由との関係で外国の判例をたびたび挙げるのはできるだけ差し控えたいわけでありますけれども、例えば企業献金を全面禁止するという立場に仮に立ってみましても、アメリカの判例で示されているように、企業が全く独立に、表現の自由という立場から、自由な政治活動あるいは世論に訴える活動をすること、これは憲法上抑えることはできないわけなのでありまして、そういうことを頭に置きますと、やはり我々の発想方法は、具体的にどのようにして企業を含めた資金の流れが政治を曲げないように節度を持って行われるかということをお互いに考えていくことに尽きるのではないであろうか。つまり、ここの分野では、最初から禁止ありきという議論になりますと議論が全く進まなくなるという意味で、午前中と同じような立場で、私どもは皆様方に一緒に考えていただきたいということを申し上げたいわけであります。
 その点についての基本的な理解が得られれば、それでは、自民党案であれば自民党案についてどこにさらに保改正の余地があるかどうかということ、これはいろいろ議論する余地はあるのだろうと思います。例えば先ほどの堀込委員の二番目の点の透明性の問題ということについて、例えば政党の一方から十万というのは、率直に言いますとそんなに重い意味ではないのです。それは、簡単に言えば、私自身党の金庫番をやりまして、大政党が一万円以上の御献金をいただいた方の報告をするだけでもアルバイトさんを雇って大変なあれになるわけでありまして、ここのところは弊害のないような形で簡略化させていただけないだろうかというレベルの話であるとか、こういうことは議論の余地があるのだろうと思います。ですから、基本的には、企業献金というものを節度を持って受け入れていくためには何がまず必要か、そしてそれが現実性があるかという立場からぜひ建設的な御議論をいただきたいと思います。
 そういう角度から申しますと、政党への寄附枠の問題については、少なくとも理論的には、昭和五十年から今日までの十七年の期間、時の流れを頭に置けば、物価調整等を勘案しても説明できる数字ではないかとか、いろいろもう既に御答弁しておりますけれども、それはまた皆様方の御意見なりあるいは党内の御意見を承って、これから議論をさらに重ねてみていいのではないだろうかというふうに思っておるところでございます。
 今のところは以上のとおりであります。
○左近委員 ちょっと関連。
 津島さん、どうなんですか。今度の政治改革については、すべてのスタンスをできるだけ政党中心に移行させていこうということで、国民の貴重な税金を政党に対して交付なり助成という形を法案として、これは自民党さんも社公案も出しているわけですね。その場合、今、自民党案と社公案で一番大きな対立点は、企業・団体、これは労働組合も含めた団体、この献金を我々は禁止をせよ、自民党案はこれは両方とも、政党も個人も認めておられる。
 私ども百歩譲って、それでは個人について、企業献金、団体献金はこの際全廃をしていくと。自民党は言われると思いますよ、二十四万円にしたと、六年目から。そういうように思い切ったことを、資金調達団体も二つにしたということを言われると思うけれども、この際、やはり税金から政党に対する助成、交付をいただくんだから、一応個人については、企業・団体献金については廃止をしていく、こういう思い切ったことはできませんか。私どもは当然のことやと思いますがね。その辺どうですか。
○津島委員 私どもは党内でも随分議論いたしましたが、恐らく党内の一般的な御意見は、今の資金調達団体の枠、つまり会費的な月二万円程度を限度とするというのは、個人であれ企業であれ、言ってみれば最小限のものであって、もう企業だからどうこうというレベルの話じゃないじゃないか。つまり、私は毎回申し上げておりますように、企業といっても、商店街組合の会員のような中小企業、個人企業と同じような企業があるわけでありますから、だからそこのところは、世の中が企業献金をその部分で廃止をすることによって全く変わるというものではないんでありますので、私としては、むしろ最初に皆様方が企業・団体献金はもう一切禁止だ、政党に対するものも含めて一切禁止だというその穴から出てきていただかないと、これはまず議論にならない。午前中そういう発言をされた方があるわけであります。
 それから、同時に申し上げておきたいのは、我々がこのようなことを真剣に提案できるのは、やはり今の選挙制度の改正と一体であるからであるということも申し上げざるを得ない。つまり、そのことを抜きにしてああせい、こうせいということは、実は我々としては議論がなかなかできない。それは皆様方においてもそう変わらないんではないか、いろいろな意味で変わらないんではないかということも申し上げさせていただきます。
○左近委員 いろいろ言いたいけれども、もうこれで。
○小林(守)委員 社会党の小林ですが、既に午前中の議論にもありましたように、お互いに建前の議論については出尽くしたのではないかというように確認できると思うのですね。これからはいかにして両案を出した双方が合意形成を目指すか、そしてその具体的な手法をどう編み出していくか、そういうことが課題になっているんだろうというふうに思います。
 先ほど、午前の中で北川理事の方からもお話がありましたのですけれども、この委員会が、土俵としてとにかくここでまとめていくんだ、成案を見ていくんだというようなことをともに確認しようではないかということが、委員長の確認もあったわけであります。
 もう一つ、その席で小選挙区制と比例代表制とをどうミックスするかというような観点も出されておったわけですね。これも極めて今日まで七十時間に及ぶ論議の焦点になっていたところです。
 私はもう一つ、やはり自民党案、社公案で決定的に対立しているのは、企業・団体献金問題、あえて禁止とは言わないのですが、問題という形でこの土俵にきちっとのせるという必要があるのではないか、そのように考えているわけであります。
 その中で、今、我々の左近理事からもありましたように、やはり企業・団体献金の禁止というのはどういう背景から出てきているのかというならば、まさに政治腐敗、ロッキード、リクルート、佐川、共和、こういう問題に対する国民の怒り、これを何とかしなきゃいかぬ、少なくとも企業・団体献金が腐敗の温床になっているという背景の中から、やはりこれを禁止すべきではないのか。もちろん、津島委員のおっしゃるように、企業としての社会的存在、そういう活動、それは理論的には私はあると思うのです。しかし、今日の国民世論から考えるならば、やはり政治腐敗を、政治と金の汚れた関係を断ち切るためには、この際思い切って禁止をすべきではないかというのが背景になっているんだろうというふうに思うわけであります。
 そういう一つの観点の中で、企業・団体献金の問題がまさにその対決点としてクローズアップされているんだろうというふうに思うのですが、そのほかの政治資金の透明化とか、それから罰則の強化とか、さらには監視機関の設置の問題等、これらについては、相当合意形成のための努力の姿勢を持つならば、合意形成ができるのではないか、そのように思うのです。しかし、この企業・団体献金の問題については、これは今議論があるように、相当質の違いというものがありますから、量的な違いで調整することができない問題なんだろうというふうに思うのです。
 一つ私は皆さん方に確認していただけないかと思うのは、要は政党助成、政党交付金、これがなぜ出てきたのかというような背景を考えてみた場合、これはやはり企業・団体献金の禁止をしていくためには、どうしても必要最小限の費用はかかる、そのために国民の皆さんの理解と協力を得て税金から、公費からいただこうではないかという形になってきているわけですよね。そういう点で考えるならば、企業・団体献金の問題と政党助成、交付金、この制度というのはまさにリンクしている問題である、リンクさせて考えなきゃいけない問題なんだというふうに確認できないのかどうか、この辺が一つのポイントになってくるような気がするのですね。自民党の案では、これがまさにリンクされていないというところに私は大きな問題があるのだろう、そのように思うわけであります。
 ちなみに我が党の書記長が談話の中で、若干呼び水的な発言もあったようでありますけれども、少なくともリンクの考え方で出された確認なんだろうというふうに思います。
 それらについて、それぞれ自民党案の提案者、それから社公案の提案者の皆さん方がこのリンクの問題についてどのように考えていられるのか。ぜひ共通の土俵にのせるために、これが確認できるならば、経過措置という概念、さらには量的な概念、こういうものをすることによって私は合意形成に入っていけるのではないかな、そんなふうに思うのですけれども、その辺御回答いただければと思います。
○津島委員 社公の方の御意見の前に、簡単に私どもの考え方を申し上げさせていただきますが、私どもはリンクという考え方は実はとっておらないのであります。それは、既に当委員会の議論で何度も出たわけでありますが、例えばアメリカの法制、大統領の選挙費用の場合にマッチングプロセスというのがありまして、民間から献金を集めた分だけ公的助成が出るという考え方が基本にある。それから、ドイツでも、政党助成の定額部分を、黙っていても国民の税金がもらえるから政党をつくってゆったりやろうというのはいけませんよという議論がございまして、やはり基本的には、議会制民主主義というのは善意の浄財というものは努力して集める、そういう意味で広く有権者の参加を求めていくということを前提として、なおかつ基本的な部分は政党助成をしていただきたいという考え方に立っておるわけであります。
 そこで、前の方の小林議員の御指摘にお答えをいたしますが、量と質ということを言われましたが、私は余り好きな言葉じゃないが、量は質に転化するわけでありまして、結局はこれは金額の問題なんです。企業献金であっても例えば月二万ぐらいは悪くて、個人献金であれば何千万でもいいということは言えないのですよ、これは。ですから、そこはやはり量の話なんです。
 それで、私どもが今御提示しているような限度の範囲内であれば、しかもそれが公開をされるという前提であれば、私は今まで起こったようなたび重なる事件の原因にはなり得ないと思います。そういう意味で、ひとつそこは企業献金だからアウトで、個人献金ならセーフというような考え方でなしにお考えをいただきたい。お願いを申し上げます。
○松原議員 小林委員にお答えをいたします。
 社公案では、公的助成は企業献金、団体献金の禁止と実は深くリンクをいたしております。そもそも企業・団体献金がなぜ問題になるかというと、本来それ自身は参政権、投票権を持っていないにもかかわらず、団体性を持つがゆえに極めて巨額の資金を動かす。その動かした力によって実質上政治過程あるいは選挙過程を支配する。それが余りにも巨大になり過ぎたり、あるいは時には違法、腐敗した現象を生み出してきている。そこに着目をして企業・団体献金の禁止という私どもの提案に至ったわけですから、企業・団体献金の金額の巨額性からいけば、それを禁止をするかわりに、政党活動に必要な資金については国民の皆さんに税、公的助成でもって御負担をお願いをしたい、そのことによって本当に国の政治をよくすることのために専念できる政治家を育てていただきたい、こういう気持ちで我々は考えてきているわけですね。したがって、リンクという考え方と非常にぴったりと一致しています。
 もちろんそういった場合にもすべて公的助成によってなすべきかというと、そうではない。やはり政党としての正当な政治活動、それによって集められた資金を中心にすべきだし、個人の献金については、あくまでこれを生かして、できたらもっとそれを広げていくというふうな努力をしていろいろな資金集め活動をすべきですし、そういう自主的な活動を前提にした上でなおかつ公的助成だ、こう考えるわけです。
 そこで、もう一つの問題点の、いわゆる企業献金の禁止は絶対的なものなのかどうかという問題でありますが、私どもは、この問題について触れている八幡製鉄の最高裁判所の判決ですね、これはやはり、その判決の内容にいかに個人として不満があっても、日本の憲法体制からいって、最高裁判所が下した憲法判断というものについては尊重するというのは、我々議会にある者としては当然の任務だと思うんですね。
 その場合に、やはりあの判決の論旨に載っているわけです。つまり、あの判決の論旨は、企業献金は権利能力としてそもそも絶対的にだめなのかということにつきましては、判決は権利能力はあると言っているのですね。ただし、将来の立法政策の問題として、将来、企業・団体献金に不都合な状態が生じたときには、それを規制するということは、それは立法政策の問題としてこの国会で判断すればよろしい、こういうふうに言っているわけですよね。私たちはそこを尊重して、まさにその政策判断として、あの判決以降何度腐敗現象が起きただろうか、その腐敗現象の原因にはいつも企業献金があったではないか、そういう点を取り上げて、この際、一律の政策的な企業献金、団体献金禁止というところに踏み込むべきだという判断を今回したわけです。
 したがって、あくまでこれはこの立法府が考える政策的判断でありますから、法理論、理屈上は、ここでどうしても一つの成案を得るために妥協しなければならないといった場合に、私どもが一定のレベルで企業・団体献金に関して譲歩するとしても、それは理屈の上では可能である、あとは政策判断の問題であるというふうに考えています。
○北側議員 今、社公案の基本的な立場については御説明がございました。それを踏んまえまして、今ここでの議論というのはどう合意を形成していくかというところがやはり重要だと思いますので、そういう観点からお話をさせていただきたいと思うんです。
 先ほど社会党の左近理事の方から、私、かなり踏み込んだお話があったかと思うんですね。社公案では企業献金、企業・団体献金全面禁止でございます。今松原委員の方から説明がございました。今、左近理事の方から政党に限定したらどうなんだ、そこまで自民党の皆さんは譲歩できないのかというお話があったわけでございます。これはかなり踏み込んだ議論をしておるわけでございまして、ぜひそれは私は検討をしていただきたいと思うんです。
 政党助成を国民の皆様に御理解をしていただく以上は、やはりそれなりのきちんとしたことをやっていかないといけないわけでございまして、一つは透明性の強化でございます。徹底的に、一〇〇%に近く透明性を強化していく。さらには、公民権停止、議員資格を奪うような罰則の強化をしていく。また、収支の報告について国民の皆さんからのアクセスを容易にしていく。こうした手段をとった上で、なおかつまたパーティーの対価の支払いについては寄附とみなすというふうな、こうしたものをとった上で、企業献金について例えば政党にもう限定をしていく、その他の政治団体については企業・団体献金は一切禁止する、これがやはり私は合意点形成の一つの案がなというふうに思うわけでございます。
 その意味では、ちょうど民間政治臨調案が政治資金の方で出している案もほぼこれに近い線でございまして、私はぜひ津島先生にもしっかりここは検討していただきたいと思うわけでございます。
○冬柴委員 今松原議員から説明されたことに尽きるんですが、今まで企業の政治献金の根拠とされてきた最高裁の判例の射程距離という問題、無制限なものではないわけでして、外国の判例を津島委員引かれましたけれども、我が国のこの最高裁の判例にはきちっと射程距離があって、無制限のものではないということをまず申し上げたいわけでございます。
 それで、企業がやっている献金というものはどういう実態があるか。非常にこれはレアケースかもわかりませんけれども、私が調べた中で、わずか五千万の資本金の会社が十一年間に九十九億五千万の使途不明金を計上している、これは報道されているし、そういう会社があります。この会社の社長は当院に証人として出頭された非常に政治色の強い方でございます。
 それは、中小企業がそういうことをやったんだということで済まされないのは、つい最近のゼネコンでございます。こういう一部上場、我が国を代表するような企業でも年間十億を超える使途不明金を計上しているわけでして、これは全部税務調査の結果はっきりしていますし、報告をされております。
 そういうことと、それから過去いろいろな不祥事が起こってきた。私が当選させていただいてからでもリクルートとか共和とか佐川とかありましたけれども、全部企業献金が絡んでいます。非常に常識外れな金額があります。
 そういうことから、この際政策判断をもってするならば、この企業献金というものをやはり禁止すべきだというのが私の意見ですけれども、これは立法政策に属する問題であって、憲法の結社の自由とか政治の行動の自由とか思想の自由とは関係のない問題であると私は理解しております。これを禁止しても憲法に違反するという議論にはならない、このように私は思うわけでございます。
 そういう意味で、どうか特段の御配慮を、企業・団体献金について自由民主党の方でまた考えていただきたいし、お譲りをいただきたい、このような気持ちでございます。
○額賀委員 私も政治資金とか公的助成の問題について今回議論に参加させていただいてきたわけでありますが、総体的に考えてみますと、野党の皆さん方がおっしゃっている原点と我々が言っている原点で相当な開きがあります。
 一つは、我々は最も政治の目的は何なんだということから出発をいたします。いかによい政治をつくるか、よい政権をつくるかということから出発するわけでありますから、現状の定員五百人からすれば、きちっと二百五十六人以上の過半数を維持しなければならないということから出発をするわけであります。
 したがって、戦後の政治を見てみますと、社会党も公明党さんも合わせて立候補者自体が過半数に達してないくらいでありますから、そこで金のかかり方が自民党は多いじゃないか、我々はきれいな金を使っているということは全然当てはまらないわけであります。我々は、政治に責任を持つ、責任を果たす、そういった高度な目的のためにやっているわけであります。
 また、もう一つは、やはりこれから新しい政党、政策中心の政党をつくっていくということであれば、これはくまなく全国に組織化を展開していかなければならない。そういうことになりますと、これは相当な組織展開のための金もかかっていくことになるだろうと思います。また、そういうように日本の統治能力、調整能力をつくっていこうという考え方に立つならば、野党の皆さん方もそれなりに、政治資金というものが大変大規模な形で必要になってくるということを感じるはずであります。そういったことを抜きにして、出発点を別にして論議をするからこういうすれ違いが起こるのではないかというのが一つであります。
 もう一つは、やはりあとはきれいな金、それからどうやって透明性を図っていくかということについては、我々も大いに反省をして、そして政治家個人に絡まる政治資金の調達は原則としてやらないとか、相当な思い切った措置をつくっているわけでございます。
 まず、社会党、公明党の皆さん方に、政権を目指す、政治を行う以上はやはり国家として責任を果たす、そのためにそれだけの組織展開、あるいは過半数を維持していくだけの能力を持つための努力、あるいはまたどういう手順でもってそういうことをなし遂げていくのか、そのためにはどれくらいの政治資金というのが必要なのか、そういうことをどういうふうにお考えになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○松原議員 おっしゃったように、これまで社会党が政権をとるに足りるだけの候補を立てることができなかったというのは確かに事実だと思います。それにはやはり中選挙区制の問題が、これは野党の面に関して出てきていると私は思うのです。いわゆる個人の決意としてはそれは過半数を立てたい、しかしながら、一つの制度の問題としてそれが立て切れない状況が次第次第に定着していった、これがいわゆる万年野党と言われるものを生み出す中選挙区制の弊害の一つです。自民党の皆さんが今度の中選挙区制の弊害を指摘される場合に、やはりそれが一つの制度の問題として提起されているということとまさに裏腹の問題だと私は思います。
 そこで、今度はお金の問題でしたね。
 私は、これまで政党活動を続けてこられて、そして今度政党助成金の制度が導入されることによって、この問題は基本的にはクリアをしていける問題だというふうに一つは考えております。
 それからもう一つは、個人献金の風習というものが日本の場合余り多くありませんでしたけれども、これまでもずっと、選挙制度審議会等では個人献金を中心にして企業・団体献金はそもそも撤廃をしていくということを一つの理想として掲げてきた、提起をされたこともありましたから、まさにそういう方向性に、本来、政治というのは、国民が政治家からお金をもらう、あるいは利益を受けるという意味ではなくて、逆に政治家を国民が支えていくんだというふうな風潮の展開によってこの問題はクリアしていくことができるだろうと思います。
 それから、これまで自民党の皆さんが、大変お金がかかる、政治に金がかかるということの意味合いは、主として中選挙区制で同士打ちという状態が生じる、お互いに争い合っている、そのためにサービス合戦をしなきゃいけない、そのために異常なほどのお金がかかるんだということを主張されてこられたわけですから、もしこれから政党中心の制度、システムに切りかえることができるならば、そういうサービス合戦というところに投じられていたお金というのは、これはうんと少なくなるだろう。これまでの答弁でも、たしか三分の一から五分の一まで下がるだろうというふうな御主張をされておったと思いますが、そうだとすると、政権を担うのであれ、あるいは野党の立場であれ、政権を担う政党政治活動において、従来の考え方による、企業献金に頼った従来の規模、量の政治資金が果たして必要なのかということを考える次第です。
○伊吹議員 今の額賀委員の御質問に対して松原さんの方から御答弁があったのですが、質問の趣旨に対してお答えになったのかどうか、私はちょっとよく理解できないのですが、実は中選挙区のもとではサービス合戦のためにお金がかかるということは、私は選挙区によって違うと思いますが、そんなにないんです。
 野党の皆さんにも理解していただきたいのは、百三十しか中選挙区はありませんから、政権を担おうとする限りは、五百十二の過半数二百六十をとるという宿命があるわけですね。今の場合には、残念ながら野党の皆さんは二百六十という数の立候補をしてくださらない。自民党だけが二百六十立候補している。そうすると、一つの選挙区に二人、三人と立候補する。その結果、同じ政党から出ているからサービス合戦という要素があることは私は否定いたしません。
 しかし、もっと問題なのは、一つの政党から二人、三人と出ていますから、例えば、恐縮ですが、社会新報は、一人の候補者しか立ててない選挙区ではその人のことだけ書けばいいわけですよ。社会党の支援組織というのがその人だけを応援すればいいんです。公明新聞が一人の人を書き、創価学会がその人を応援すればいいわけです。
 ただし、自民党の場合は、残念ながら、一つの選挙区に二人、三人と出ていますから、しかも自由潤達な自由主義の政党だから、統制的な組織のように、こことここはこの候補者で、こことここはこの候補者でというように、独裁的にそんなことは決められないのですよ。ということになりますと、結局どういうことが起こるかというと、党のかわりに自分で新聞を出す、自分で通信をする。党の事務所は候補者一人の事務所だけれども、自民党の場合は、党の事務所は五人も六人もの事務所になっちゃうから、結局自分で事務所を持つ。そして、党の職員を使うわけにいかないから、お互い選挙で争うわけですから、自分で秘書を持つ。結局、二百六十という数を当選させようと思えば、今の制度である限りは、個人でお金を調達しなければならないという宿命があるということです。
 小選挙区になったらお金がかからない、あるいは中選挙区ならお金がかかるということは、私は断定できないと思いますよ。
 それが何より証拠には、百三十の選挙区で一人ずつしか立候補させておられない日本共産党、これは言うならば中選挙区のもとで小選挙区的選挙をしておられるわけでしょう。その政党の党としての経費は一番多いのですよ。そのことをよく考えていただかないと、サービス合戦のために我々がお金を使っているというような理解をされると大変困りますからね。
○渡部(一)議員 ちょっとおかしな議論を続々されていますので、話を委員会の今までの議論の中に戻したいと存じます。
 というのは、中選挙区制が悪いということについてはお互いにもう理解があったはずであります。中選挙区制ではサービス合戦でお金がかかるということは、自民党側の委員からさんざん述べられたところであります。それに対して今、サービス合戦だから別にお金がかかるという意味ではない、中選挙区制だからかかるし小選挙区制だからかからぬというのは間違いだというふうに言われたのは、小選挙区制でお金をかけようというために伊吹さんは言われているのかと、けげんな感じで伺っているわけであります。議論の仕方がそういうふうに論理が逆転しないようにさせていかなきゃならない。
 まず、額賀さんの御意見は、中選挙区の時代に野党側は立候補者の数が足らなかったよ、政権をとる気力がなかったよ、これはもう何回も言われたところであり、これは社会党の方も釈明されましたし、公明党としても深く反省しているところでございます。この選挙制度でなぜ人数をたくさん出せなかったか、いろいろな理由はございますけれども、それは中選挙区制という膨大な資金のかかる選挙戦にとても耐えられる状況ではなかったのは事実であります。
 我々は、小選挙区併用型比例代表制の場合にはそういう枠を相当突破できるなど実は喜んでおるところなんでございます。これは、今後あらゆる党に対して政権にたどり着く道筋を相当広く開くことになるものでございまして、そのためには連合という手法は用いなきゃなりませんけれども、これは道があいておる。それから連用制の場合にも、名簿の連合という形でそうした道を開く素地がある。これはやはり新しく考えられたことだなと思っておるわけであります。
 私は、小選挙区制についても、実は今までのように細かい党がたくさん出れるのじゃなくて、強烈な政党を、小政党を集合させてしまって、一気に二大政党型に追い込む効能があることは私も認めます。しかし、それでいきましたときの激変というものに対しての緩和措置がなさ過ぎる、そして政策的な振れが多過ぎるという点では、日本の将来を非常に不安定なものにするのではないかな、こういうふうに論議をしてきたつもりなのでございます。
 したがって、私はこの際、資金の手当てとか手順とか額賀さんはおっしゃったわけでございますが、資金手当てをどうするとか、その手順をどうするかということについては、この論議の収束した段階でかなり論議が詰められるべきテーマになると存じます。
 私どもとしましては、この資金の問題については、明らかに、今回私どもが同時並行で出しております政治資金その他の政治的な資金の問題、政党助成の問題等含めますと、十分に資金手当てができるなど、こういうふうに考えておるところでございます。
○野田(毅)委員 渡部さん、ちょっと話を冷静にやはり見た方がいいと思います。
 伊吹さんがおっしゃっているのは、少なくとも、つまり個人後援会で賄うということをやらないと中選挙区制度ではもちませんね、それはわかるわけでしょう、その点は。そこで……
○渡部(一)議員 額賀さんの質問にお答えしたのです。あの人は額賀さんの質問を自分で補充されたのだよ。
○野田(毅)委員 発言の途中に勝手に発言しないでください。委員長、注意しなければだめですよ。
 そして、大事なことは、小選挙区ということになれば、私はむしろ公明党も社会党も今よりもっと金がかかると思いますよ。だって、選挙区の数がふえて候補者の数がふえるということになれば、当然のことながら、国会議員たる者はその国会においてどういう議論をしたのかということを有権者に報告する義務がある、当たり前の話じゃないですか。今は数が少ないからそれでおさまっているのですよ。それを実質的に従来は、国会議員の数が少ない、それを大体基本的に野党の場合は事実上小選挙区的なやり方でしているから、数が少ないからある程度の金額でおさまっていたわけだ。
 ところが、これからいよいよ小選挙区で数がふえますよということになれば、やはり有権者に対して、国会議員一人一人が個人の責任において有権者にPR活動をやるのではなくて、政党が中心になってPR活動をやるわけですから、当然その部分だけ今よりもっと金がかかるということは、これはやはり冷静に、当たり前の話なんです。
 ただそれを、表現が悪くて、サービス合戦という表現をした人がいるものだから、大変誤解を受けて、何か飲ませ食わせして金をかけているのじゃないか、だから、金がかかるのじゃなくて、かけている方が悪いんだという議論に行き過ぎている。私は、そうじゃなくて、もう少し議論を冷静に見ると、やはり基本的にその政治活動のPRを政党が中心になってやるシステムに変えようということになると、私は恐らく、共産党は別として、ほかの政党は全部、全選挙区に候補者を立ててそういうことを党が中心でやろうとしたら、党は今までよりもっと金がかかることになると思いますよ。
 それをやはりお互いが認めなければだめなんだということだけは、そのことを伊吹さんが言っていたので、それを何かいかにもサービス合戦している方が悪い、何かそんなような印象でもって受けとめていると、国民の皆さんは、何かサービス合戦をやっているというけれどもおれたち全然サービスなんか受けてないよという、本当にどこにお金がかかっているのですかという間違ったところに議論を誘導していく可能性があるから、私は、やはりきちっとした政治活動というものを政党がこれから中心になってやっていくんだ、そのためには政党を中心にした政治資金を集めるやり方、それに伴う選挙制度という意味でのワンパッケージで、津島さんからさっきの御議論を聞いていて大体そこに行っているわけですから、だから、余りサービス合戦という言葉じりだけで、間違った方向に議論を誘導しない方が私はいいと思います。それだけは一つ指摘をしておきたいと思っています。
○自見委員 自民党の自見です。
 社会党と公明党案では、企業、団体からの献金は全面的に禁止だ、経過措置なし、こういうことで話が最初から進んでいるわけですね。そうなりますと、当然、労働組合からの献金ということも全く禁止するわけですね。そうしますと、個人の献金はいいということでございますから、この何回かの審議の経過でもたしかあったと思うのですが、労働組合が例えばこの候補を推薦をしたい、労働組合としては献金はできないけれども、その労働組合を構成する個人に、要するに一人当たり何ぼか献金をしましょうというふうなことも、私の記憶が正しければそういったことも控えるようにするんだというような話がたしかあったと思うのですが、それは私の認識、正しいですか。
○佐藤(観)議員 そういう認識で結構です。
○自見委員 それは、何といいますか、そういったことはもう個人、例えば労働組合の個人からも、組織で決定して、例えば個人一人当たり何ぼと要するに献金していただきましょうということも、それは法律上禁止されるわけですか。
○松原議員 法律上禁止です。
○自見委員 法律上禁止ですね。
 それからもう一点、個人みずからの無償の労務提供は寄附から除くということでございます。全くボランティアで来た人は、要するに当然それは寄附から除くという項目だったと思うのですが、例えばほかのところから、労働組合からその間の賃金をもらってといいますか何か手当をもらって来ることも、当然そうなると禁止なのですね。
 例えば専従の人がこういった候補を推薦した組合からは給料をもらっているのだけれども、そこはもう当然お金をもらっておりましても、その候補者あるいは政党からもらってないけれども、それはそういうことが起こり得るのじゃないかと思うのですね、実際。それも当然、労働組合の専従の方が、その労働組合から給料をもらっている方が来た場合は、それはどういうふうになるんでしょうか。日当を例えば労働組合からもらって、候補者からはあるいは政党からもらっていないけれども、推薦した労働組合から要するに給料をもらって手伝いに行く。確かに候補者あるいは政党はお金は出してないけれども、そういうところの関係が現実に非常に大事なことになるんじゃないかな、こういうふうに思うわけでございますけれども、そこら辺についてはどういうふうな見解ですか。
○松原議員 ボランティアで政治活動、選挙活動に参加をするということは、いわゆる民主政治の原点でありますから、その点についてはこれを認める。しかし、今おっしゃったような事例の場合、実質的にいわゆる費用負担が行われる、他の人によってですね、そういった場合には制度の趣旨からいって、それは僕は許されないだろうと思います。
○自見委員 許されないんですね。
 それから、最後に一つ、英国の労働党の財務担当のテビット・ヒューズ氏という方に我が党の調査団が会ったときに、英国の労働党は組合と近い関係にあるので、党の財源の七五%は組合からの納付金です、こういうふうな御回答をいただいているわけですけれども、当然そうなれば、今日本社会党はどれくらい組合からいただいていますかというような質問はなかなか答えにくいかと思いますけれども、佐藤先生、私、加藤先生と昔言いましたので、おわびの気持ちを含めまして、先生、一遍選挙をされたということを言っておられましたので、そこら辺もしこういった席で答えることができれば答えていただきたい、こう思うわけでございます。
○佐藤(観)議員 恐らく皆さん方が思っている以上に、組合からの献金というのは通常の場合にありません。恐らく皆さん方は、社会党というのは組合の献金か何かで活動しているんじゃないかと思っていらっしゃるんじゃないかと思いますけれども、それは日常の活動の中で個人的に行動その他のことはありますが、金銭的なことで、うちでいえば三宅坂の中央本部あるいは各県本部、そこにそういう格好で、献金という格好で来ているものはほとんどありません、それは。
 それから、選挙のときは恐らく全部で五、六億いろいろな格好で組合から来る程度で、皆さん方から見ればけたが二けたぐらい違う感じで、世界が違う。それでもこれだけ頑張っているということをひとつ御認識をいただきたいと思います。
○菅委員 先ほどの額賀委員の言われたことが提案者なり自民党の考え方の基本にもしあるとすれば、私はこの議論は根本からもう一回やり直さなければいけないという感じがするのです、率直なところ。
 つまり、額賀さんのさっきの議論は、政権を獲得することを前提としたらどれだけ金がかかるのか、この考え方をさかのぼっていくと、自民党のスタートまでさかのぼるわけですよ、戦後の。つまり、自民党のスタートのときに、私も証拠があるわけじゃないですが、まだ生まれてちょっとでしたからね、しかし、少なくとも、当時児玉機関と言われた児玉さんの金を使って党が生まれたという歴史があるわけですよ。つまりそこから、それがオーバーだとしても……(発言する者あり)聞いてくださいよ、聞いてください。つまり、自民党というシステムが、自民党という党が非常に金を使うことを前提として成り立ってきた組織であることは、これは大体だれも否定できないわけですよ。
 そういう意味で、その中で起きる問題は、確かに先ほど来言われているように、いろいろな広報活動にお金がかかるかもしれない。しかし、最も今問題になっているのは、その金と個人の蓄財とがごっちゃになっている。目白にも大きな家に住んでいる元の総理大臣が保おられますけれども、どう考えたって、国会議員の歳費を百倍にしたってあんな家が持てるはずはないわけですよ。ですから、結局のところは、自民党が政権を持つために必要な金だと言いながら、それがそうでない部分にも使われ、また今回のゼネコンでもわかったように、いろいろな形で金が違法ないしは脱法の形で使われているということが最大の問題で、いろいろな議論が始まってきているわけですよ。
 それを、先ほどの額賀委員の言われるように、政権を持つためにはそれだけの用意がなければできないんだから、それが幾らなんだという言い方をし始めたら、すべての行動は、つまり政権を持つためには少々危ない金だろうが違法性の強い金だろうが構わないということに、私は聞いていて率直なところそういう感じを受けたわけですよ。
 そうでないのならば、逆だと思うのですよ。例えば、今回の法律には出てませんけれども、私なんかも自分でも、自分の選挙区で有権者の人に報告したい。少なくとも百万の有権者がいるわけですから、十万人ぐらいにはしたいですけれども、しかし、アメリカのように郵便料金が無料じゃないから、せいぜい年間三回ほど、三万人ぐらいにやったら精いっぱいということになるわけですよ。ですから、そういう意味でお金がかかるというのはよくわかるし、だから、そういうことと、政権を維持するのに一体幾ら要るんだ、その覚悟があるのかみたいな議論で、それを前提にして議論をするというんだったら、これは議論の根底からして私は違うと思うのです。
 若干言い過ぎた面はあるかもしれませんけれども、少なくともこの政治改革議論の基本、まずスタートは、私は自民党の反省からスタートしてもらわなければ、金の問題は自民党の反省からスタートしてもらわなければいけないのに、今の額賀さんみたいに、野党が金が集まらないところを反省しろというようなそんな論理からスタートしたんじゃ、そういう意味では私は議論の基本的立て方が間違っているんじゃないかということであえて申し上げたのです。
○伊吹議員 菅さん、額賀さんや津島さんからもいろいろお話があると思いますが、先ほど私が申し上げましたように、現行中選挙区制度のもとでは、自民党というのは残念ながら党営選挙ができない。党営選挙ができないから個人で後援会活動、個人で広報活動をやる。その中で、結局個人がお金を集める。集めるために問題が二つ生じできます。
 そこでは同士打ちというために、菅さんの場合は一人だ、だけれども自民党の場合は二人、三人と出てくれば、より一層の広報活動をしたいという気持ち。あちらの代議士からは案内が来たが、こちらの代議士からは案内が来ないという有権者の批判もこれまた当然出てきますよ。そういう中でお金がかかる。しかし、それを個人が集めねばならない。個人が集める際に今おっしゃった問題が出てくるわけです。
 結局、会社で交際費というものがあり、会社の利益を図るために正当な交際費を使うべきところなんだけれども、そういう名目で会社のお金をポケットに入れたり自分が遊びに行ったりすることを社用族と言いますね。それと同じように、自分でお金をさわる機会が複数立候補の政党には残念ながらあるのですよ。そのときに、結局、候補者の人品骨柄、人間的資質ということになると思うけれども、公私の混同という問題が起こってくるのです。
 だからそこには、個人で遺産を相続しているとか個人で事業をやっているという以外の人が大きな住宅を買うとか、都内の一等地に政治改革を唱えながらマンションを持っているというような例が残念ながらありますよ。あります。しかし、そのことが一つあるから、そのことは議論していただいて結構だけれども、その前提として、先ほど来お話があるように、一つの選挙区から二人、三人と立候補せざるを得ない政党の立場を理解してもらいたい。それを制度的にどう解消するか。
 そして、先ほど額賀さんが言ったのは、もし三百人なら三百人と決まったときに、皆さんが全員それをそろって立候補させられた場合の広報活動とかあるいは組織維持活動にどの程度お金がかかるんだと思っているかと聞いておるわけですから、私は正当な質問をしておると思いますけれどもね。
○津島委員 菅委員が最後にちょっと言い過ぎと言われたのであれでありますけれども、公党の財政について最初から問題があったというような発言、これは撤回をしていただきたい。
 自民党は、財政はきちっと国民政治協会をつくることによって内容を明らかにし、これを一万円以上全部今公開をしておるわけでありまして、その内容は全部党大会で承認を受けておる。私はそれを直接何年か担当いたしました。
 そういう意味で、菅委員の言われたこと、それこそ原点にかかわるから申し上げるのですが、我々が一番必要だと思っていることは、公にきちっと納得していただけるような資金の集め方とその使い方であり、しかもそれは透明性の要請にこたえるようなシステムの中で行われるという意味では、我々が言っている党中心にするということが一番その目的にかなうからでありまして、今の委員の言うように、もともと党の財政だっておかしいというような議論をやられると、もう基本のところからぐらぐらするから、それはもうぜひ撤回をしていただきたいのです。公党の名誉に関することです。
 そこで申し上げますが、さっき冬柴委員から、おいでにならないのだが、億単位の使途不明とかそれから資本金が五千万円であるあれが何年間で九億円も献金したというお話がありましたが、それは今の制度でもできないのですよ。資本金が五千万円のあれが、大きい資本のあれでも上限一億なんです。できないことが行われているというのは、つまり我々のつくろうとしているあるいは現在の制度の枠外の話であって、これに対する対策は緊急是正で私どもはやったわけなんだ。今後はそういうことは絶対あってはならないという前提で、透明性のあるいい制度をつくろうではないかということを言っているのであって、その点はひとつしっかりと共通の認識の上でやっていただきたい。お願いします。
○中西(啓)委員 それでは、御指名いただきましたので、久方ぶりですのでちょっとやらせてください。
 菅さんは「朝まで生テレビ」によく出られますので、若干そういう癖があってそんな発言をされたのかな、それはまあ冗談ですが。
 私もこの前の質問のときにも申し上げたのですけれども、信なくば立たず、今政治の信頼が大変失墜しているわけですね。そういう部分では、お金のところを明朗にする、国民の皆さんにも納得もしていただくような中身にするというのは、信頼を取り戻すという意味では極めて大事なことだと思うのです。しかし、このお金の部分というのは、僕は政治改革の目的ではなくて、あくまでも手段だというふうに位置づけているのです、僕個人は。そこで、信頼を取り戻すためには、とりあえずあいつら価するかわからぬという性悪説に立って法改正をしていくのは悲しいことですが、信頼を取り戻し切るまでは、あえて性悪説を認めざるを得ないのかなというふうに思っております。
 そこで、この前、津島さんに私は聞いたのですけれども、民主主義を維持していくためには相当コストがかかることは事実なんですね。ところが、そのコストというのは一体どこまでがコストなのか。武村さんなんかは、前にユートピア研究会か何かで、大体月一千万見当かかるというようなことを公表された経緯もございますが、またその選挙制度がどんな制度になるかによっても、お金のかかりぐあいもかなり違ってくると思うのですね。
 ですから、ここで一概にこういうことだとは断定はできませんけれども、やはりお互い政治家がお金のことでしょっちゅう頭を痛めたり心配したりしながらいい政治なんてやっていられませんから、だからせっかくの大改革をやる際に、もうありていに国民の皆さんにも正直にわかりやすく、これだけはかかるのですというコスト、一体必要なコストというのは、どういうところの部分までがコストなのかというような議論を全然してなかったと思うのですね。だから、そういうことも踏まえて、私はやはりこの政治資金規正法というような問題も位置づけていくべきなのではないか。
 だから少し余裕を持って、明るい明朗な、政治資金にのっとった状態に立ち戻って公私の峻別も含めてやっていけば、そしてお互いに誇りを感じられる立法府の人間として、本当にみずみずしい国会ということになれば、国民だって相当の経費を使っても大いに許してくださると僕は思うのですね。だから、そのまずコストの中身というのは、一体どこまでが許されるべき話なのかなということをもう少しお互いに虚心坦懐に話し合っていくべきなのじゃないのかなという感じはいたします。
○額賀委員 先ほどの菅委員のお話にまた戻しますが、伊吹先生それから津島先生の御説明で大体言い尽くしていると思いますが、国民の皆さん方に誤解があってはいけないから、私からもちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 政権をとったことがない野党の皆さん、菅さんは余りぴんとこないかもしれませんけれども、政権をとるということは、国家をどういう方向に導いていくか、あるいは国民とともにどういう国づくりをしていくか、そういうことであります。皆さん方は戦後五十年の間に、路線で間違ったから余り自信を持ってないのかもしれませんけれども、我々はきっちりと自由と民主主義を守るということで、その方向をやってきたわけであります。したがって、あなたたちにそういう社会主義、共産主義路線で天下をとらせないという意味では、国の方向をきちっとするために政権をとるということは、これは歴史的にも成功だったわけであると国民の皆さん方は思っているに違いない。自民党を支持したことによって、これは間違っていなかったというふうに判断をしているに違いないというわけであります。
 だから、金と政治、金と政権というのは、これは金を使うから悪いということではないのであります。だから、政治活動の裏づけの一つの財政基盤として政治資金というのが語られるわけでありますから、そこと個人的な不祥事とごっちゃにして考えては方向を間違うということを私は言っておきたいと思います。
    〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕
○堀込委員 今、政治資金の話が、いわば政権党である以上ある程度金がかかる、そういう論法でありました。しかし、私どもこの国会で制度改革を含め、特に腐敗防止、政治資金規制、いろいろ議論している前提としては、直接的には金丸事件がありましたし、それからここに至るさまざまな腐敗事件が相次いでいたわけでありまして、それに対する私どもの反省、それからそれに対する国民の不信に対する私どもの対応ということが前提として一つはあると思うのですね。すべてとは申しません、一つとしてある。大きな一つの要因としてある。
 しかも、あの事件を見ますと、政権を維持するというか権力を維持するために大手ゼネコン、あるいは山梨県にあっては公共事業を行う諸団体から献金がシステム的になされていたというような実態も明らかになっているわけでありますから、こういうものを正していくという視点が私はどうしても必要だ。政権を維持する上では金がかかるのだから、そういうことはある程度やむを得ないことだということにはならないのではないかということが一つであります。
 それからもう一つ、これは端的に私は質問するわけですが、政権政党を維持するためにお金がかかるのだ、それは百歩譲ってわかることにいたしましょう。そして、そのために一定の資金を集めるということも必要だ。しかし、今度提案されている自民党さんの法案を見ますと、必ずしもそういう理念で説得できる中身だけではないのですね。
 さっき申し上げましたように、それでは国民が、そういうことならそういうことで国民に明らかに、さっき中西先生おっしゃいましたが、コストを正直にわかりやすく言うべきだ。そういう公開性を、例えば六十万円ではなしに、政治家周辺のを何で政党と同じ十万円にできないのでしょうか。あるいは政治資金規正法違反を犯した者について、禁錮刑の者だけはやりますが、罰金刑の者は何で自民党さんの案は外してあるのでしょうか。
 こういう問題については、今おっしゃったことは言われていますけれども、どうも国民の皆さんが納得できるような法案の中身になっていないのではないか。これは政権政党だからお金がかかるという理屈だけではなしに、法案全体を見ますとそういうふうになっていないんで、やはりここのところはそういう論理ではなしに、自民党さんの法案全体を見直してもらうということが必要なのではないかという、今の論理をお聞きしてでも私はそう思うのですが、いかがでございましょうか。
○穂積委員 企業あるいは団体の献金を、自民党はこれは禁止はできない、野党側はこれは禁止すべきだ、これも水と油みたいな議論が続いているわけですが、私は、野党はもう少し現実、実態を踏まえたこの問題についての直視をしていただければ、自民党がこれを廃止することができないということを御理解いただき、接点を求めるというような議論に、次の段階に進めることができるのではないか、そういう立場から発言をいたします。
 そもそも憲法で企業、団体の献金を認めているかいないかは、八幡判決で勝負がついているということは、松原議員初め諸先生お認めのとおり。ただし、憲法学者は、多少その解釈はいかがなものかという批判はありますね。あるけれども、あとは政策論だということは野党側も理解いただいている。
 さて、それでは、政治に金がかかるということはもう自明のことであり、かかる金をどのように集めるかという問題について、問題はその入りとその出、すなわち、政治献金の拠出あるいは受け入れ、その活用ということについて国民が納得できる立法政策をどのように我々が固めるか、こういうことだと思うのです。
 現に企業献金が長年続いている中で、例えばある会社が会社として自民党に献金をしてきた。複数の政治家個人に献金してきた。これをまるっきり禁止ということになったときに、それではあの自民党のあの先生にどのように今度は金を、政治献金として善意の献金をしていけるのかということになりますと、これは例えば大会社の重役が役員会でそれぞれ決定の上で、それぞれ取締役が報酬の中からそれぞれ献金しようなんということの現実性を考えただけでも、そう簡単にはいかないというようなことになると思います。
 これは組合の方も、私は組合献金全面的に禁止という社会党さんなどの主張というのは、かって国家公務員の組合員で、チェックオフの組合費の中から組合が政治献金をしてきたことに対して、自分の支持しない政党に対して組合が献金することについては、これは組織員としてやむを得ないということで我慢しておりましたが、その辺問題があった。それを今回踏み切ったということに対しては敬意を表します。敬意を表しますが、先ほど我が党の委員から質問がありましたように、実際の選挙における例えば専従職員の選挙手伝いや何や、組合費をベースに活動するということの実態や何やもきれいにできるかどうかという実態、それも超えて組合からの政治献金を禁止をするというなら大変立派だと思いますがね。そういう感想を持ちます。
 そこで問題は、これは現実論として、自民党は、圧倒的多数の自民党議員は、企業献金禁止は、それはすべきでないということが長年続いた意見であります。私もこの議論をずっと聞いておりますが、これはこの委員会を通じても野党の皆さんに自民党として譲るような状況ではない、これはまず認めていただかなければならないと思います。
 その上で、しかし、肝心の国民の皆さんが本当に納得してくださるような政治資金の明朗化、透明性の確保ということからすれば、自民党の中で、随分これは津島先生初め大変な努力でこの自民党案を固めた中では、思い切った自民党の透明性確保というその善意といいますか、まじめさというものは野党も評価いただいていいんではないかと私は思います。
 なぜならば、まず私の気持ちを申しますが、極端な話は、よく言われる話でしょう、見返りを期待することのない政治献金があるかという話があって、例えば営利目的の株式会社が政治献金するという場合に、会社の定款などで明記されている会社目的に反する政治献金であれば、これは役員会で決定しても背任の可能性があるじゃないか、そうした見返りなしのことをやった場合には背任の問題になるんじゃないか、逆に見返りがあることを前提に献金したら贈収賄に絡むんじゃないか、こういうことをよく言われるのですが、実際は現在の企業献金は、今言いました背任あるいはその逆の贈収賄ということに至らない範囲で、国民の常識的な範囲で、社会的存在とよく言いますが、としての会社の存立目的に反しない範囲での政治献金を、個別の役員や何やを通しての、所得税引き後のあるいは所得控除後の政治献金という形じゃなしに、法人税の、これは費目はなにでしょうけれども、一応経費として控除した上での政治献金という形での現実の上に透明性確保をどこまでやるか。
 私は、自民党が提案した、将来は二団体、月二万円ずつの合計四十八万円とか、それから報告義務、これらなどを野党も十分評価の上、自民党がどうしても譲りそうもない企業献金禁止をあきらめて、その透明化のために話し合いをしてくださるということが妥当ではないかと思います。
○川端委員 今のお話の理屈は、ある時期まではわからないではないという国民が多かったというふうに私は思います。政治にはお金がかかる、そして、党ではない、個人でやらなければいけないのでどうしてもお金がかかる、そういう部分を支えるのに企業献金もそう完全に悪ばかりではないという部分も、そうかなというのが国民の感情であった時期もあったと思います。
 しかし、お金がかかるといいながら実は蓄財であったのかという衝撃的なことでその部分の信頼がもう一挙になくなってしまったという部分で、そこの信頼を回復するには、李下に冠を正さずという部分で、あらゆる危険を避けるという意味で、企業・団体献金の禁止に踏み込まないともう許してもらえないのではないか、そこから始めるべきではないかというのが我々の考え方であるというふうに私は思っております。
 それと同時に、ガラス張りにするという部分のときに、これは両提案者にお尋ねをしたいんですが、先ほど中西委員の方からも言われましたけれども、使途、使い道という部分がどこまでガラス張りになるか。今の組織活動費ということでぼかっと出たらそれで終わりというふうな部分にどのような形でメスを入れるかというのも、実はこれは非常に大きな問題で、そこがガラス張りになっていくということの中では、使い道はそういうことかと、入りがこうであってということがかなり大きな前進になると思うのですが、その部分で、いろいろな部分で若干の不満を我々は持っているわけですが、その部分に関しての御意見をお伺いしたいのと、入りの問題で、個人献金というもの、やはり健全な個人献金というのを助成していかなければ、民主主義は本当の国民の意識も含めて成り立たないという部分で、私たちはかねがね一定限度額内の税額控除方式というものをぜひとも検討すべきだという主張をしているので、その件に関しての御見解もあわせてお伺いしたい。
 以上です。
○伊吹議員 川端先生、まず最初の、本来お金がかかると言っておりながら、結局私腹を肥やした、公私の混同だという部分で政治家への信頼が一挙になくなったというのは、私も全く同意見です。
 なぜ公私の混同が起こるかといいますと、先ほど来私が申し上げたように、制度的に言えば、今の百二十という中選挙区で二百六十という者を当選させなければいけないという宿命を持っている。どの政党も持っていると思うのだけれども、その宿命を一人で背負っている自民党は、結果的には個人選挙をしなくちゃいけない、党営選挙はできない、そこで個人がお金をさわる。さわる際に、まあこれはその人の人品の問題だけれども、公私の峻別ができないということですから、そこを断ち切りたいというので小選挙区ということが一つありますね。
 それからもう一つは、それじゃ小選挙区で、今我々が出している四つの法案の中で、今度は個人に対する、個人の資金調達団体に対する企業献金はありますけれども、これは十二万円以上は公開しなければならないということになっています。それから、党が集めたお金あるいは個人の資金調達団体が集めたお金も、政治家個人への支出というものはできないということになっているわけですね、今度は。ですから、それはすべて資金調達団体で受けなければならない、受けた場合は。そうすると、資金調達団体の経理というものがガラス張りになっておれば必ずすべてのことが表に出ます。出るという形でそのことについて歯どめをかけていきたい。
 今だってそうなっているんですよ、実は、限度は違うけれども。百万円以上の寄附については公開しなければならない、百五十万円以上の寄附を受けてはいけない。幾つかの団体をつくって百万円以下に抑えるということが現実に行われていることを認めますけれども、しかし、今世間を騒がしているような大きな問題は、幾つかの資金団体に分けてでも、ともかくその資金団体に計上して自治省に報告しているかということの方がむしろ問題なんです。
 だから、これは今の制度においても新しい制度においても、そのような人品を、人柄を見分け、そのような人が政治家になる限り、またそのような人に投票される限り、必ず起こってくる問題です、これは。だから、その緊急対策において、そういうものがわかった場合の没収の規定であるとかあるいはいろいろな罰則の強化というのをやったわけですから、私は、制度というものを直しながら、おかしなことが起こらないような制度をつくっていかなければいけないと思いますけれども、最後はやはりその人の政治家としての見識と人柄ということになってしまう。
 ただ、そういう倫理的な演説をしただけで物事は解決しないから、一方に制度をやり、そして制度だけではやはり抜け穴があるから、一方で立派な政治家をつくりたいという、その両々相まったところに私は結論が出るんだと思っております。
○松原議員 組織活動費ですね、その費目公開ですが、おっしゃるように、御趣旨のとおりで、国民から見て理解が、納得がいくような形でオープンにされていくべきだろうと思います。
 それから、個人寄附を盛んにするという意味では、確かに税制上の優遇措置というのは大変有効な措置の一つだと思うのです。したがって、税額控除についても今後前向きに検討すべき課題であろうと思います。
○大畠委員 日本社会党の大畠でございます。
 ちょっと今のお話、企業献金問題が論議されておりますけれども、別な観点からちょっと自民党の提案者にお伺いしたいと思います。
 それは、先ほど菅委員からもいろいろお話がありましたけれども、二つ御質問申し上げたいと思うのですが、一つは、先ほどありましたとおり、国民からいわゆる政治資金問題について大変強い不信がある。突き詰めて現象だけを申し上げると、とても歳費では買えないような高級マンションを購入している、一体あの金はどうやって調達したんだろうかというような疑問が強くありますね。いや、会社をやっているからそっちの方の収益で買ったんだと言えばそのとおりなんですが、どうもそこら辺が脇に落ちない。
 さらには、例のコンクリート一立米当たり百円のバックマージンがどうもあったみたいだというような報道もありました。そしてまた、公共事業の受注金の何%かが自動的に、どうも仲介したといいますか力のある方にお金が入っていたんじゃないかというような報道もございました。そういうもろもろの動きから、国民は非常に現在の政治の仕組みに対して不信を持ったわけですね。
 そこで、先ほどからいろいろ論議がされていますが、これまでの選挙制度についても、いわゆる表のルートに乗ったお金については、前のルールをつくった人もきちっとやっていると思うのですよ。したがって、その表を流れるお金が問題じゃなくて、どうも裏を流れるお金が問題だ。そこで、いわゆる裏献金あるいはやみ献金あるいは使途不明金問題もいろいろ出ておりますけれども、一つの御質問の趣旨は、今回の自民党案は、こういう裏献金あるいはやみ献金等々に対してどのような歯どめ策を考えて手を入れたのか。いわゆる今回の法改正があれば、裏献金とかやみ献金とか、一立米当たり百円のバックマージンが入るとか、公共事業の受注金の何%かが入るとか、いわゆるこれは政党も含めてですよ、政党も含めて一切裏献金というのは流れませんという、そういう制度になっているかどうかを一つは伺いたいと思うのです。
 それから二つ目には、私は映画が好きで映画をよく見ているのですが、非常に感動した映画がありまして、「マルサの女」、すばらしい努力をしながら脱税行為を発見した。もう何か、忍び込んで大変な危険を冒しながら脱税行為を摘発していく。ああいう方がいるから我々の税金が、きちっと公平な納税制度が保たれているんだなというような感じで、非常に感動的に映画を見たのですが、私は、今そういう観点からすれば、先ほどどなたかの委員が性悪説と言いました。政治家に対しての性悪説に立って物事は進めなければならないというような趣旨のお話がございました。いわゆる性悪説に立って、国民が納得するような政治資金の流れを、透明感を強めなければならないというような話がありましたけれども、今回の政治資金規正法の改正では、自民党案も社公案も、いわゆる公費をいわゆる政党助成金として使うことになりました。
 したがって、私は、国民から、ああ、この公費がきちっとルールにのっとって使われているんだな、あるいはまた先ほどの裏献金、やみ献金、怪しげな、マンション購入したが、一体どういう資金で購入したのか。それを、私は前回政治Gメン問題を取り上げましたけれども、塩川委員からは、「軍国主義へ突っ走った最大の原因でございますから、我々は特高的なそういう措置は絶対許さないという方針であります。」という御意見もありましたし、また、「公認会計士もしくは監査法人の監査を経てということをはっきり書いてありますから。」ということで、そういう懸念はないんだと言うのですが、どうもまだ国民としてはすっきりしないな。「マルサの女」みたいな、マルサみたいな方がいて、表面はきちっとやったんだけれども、さらに裏打ちをして、そういう人がいても、きちっと見て、ああ大丈夫だという、私はそういう仕組みがこれは必要だと思うのです。
 それで、いわゆる民間政治臨調の中で、政治資金委員会というものが公的助成の前提条件ですという話をされました。公的資金の助成をする場合には、この政治資金委員会というものをきちっとつくって、いわゆるこれは公正取引委員会的なものです。さらに、いろいろありましたけれども、「政党の自由を侵さないようにしなければならない。」
 この点については社会党と公明党さんにももう一回お伺いしたいのですが、「政党の自由を侵さないようにしなければならない。」という項目も入っていますし、専属告発ということで、最終的な判断は、戦争中の特高とは違って、裁判所に事実を訴えて、裁判所が判断を下すということで、決して戦争中の特高とは違う。いわゆる民間団体的な、いわゆる公正取引委員会的なものが一生懸命に政治家のお金の流れ等を見ながら、その実態をつかまえて、法にのっとっておればいいけれども、ちょっとおかしいということであればそのときの事実を中心として裁判所に訴える。これは決して特高的なものじゃなくて、国民の視点から動いているものであって、私はこういう制度をつくることがいわゆる政治資金の透明性、要するに国民から信頼される資金の流れというものにつながるのじゃないかと思うのですが、再度、民間政治臨調から提案されましたこの政治資金委員会、いろいろ政党の自由を侵さない、あるいは専属告発という制度もありますので、私は塩川委員が御心配いただくような戦争中の特高とか、あるいはまた政党の自由な活動を侵害しない、かつ国民も安心して、自分たちの税金の一部が公的助成として大いに日本の将来や世界の状況を考えながらの政党活動、あるいは政権を担って行動をする政党活動というものは国民にも信頼していただけるのじゃないかと思うのでありますけれども、この二つについて、一点目については自民党さんにお伺いしますし、二点目については社公を含めてお伺いしたいと思います。
○中西(啓)委員長代理 時間も迫っていますので、それぞれ簡潔に質疑をお願いいたします。
○津島委員 一点目でありますが、大畠委員の御指摘は非常に簡潔に問題点を指摘しておられると思うのです。
 それで、言われたように正規の献金の分野では、私はほとんどここ十年問題は起こったことはないと思います。そこで、それを外れる分野、つまり量的な制限を超えたりあるいはもともと全く裏献金であったり、それが問題なんです。その問題に対処するためには、皆さん方が言っておられるような企業献金は全部だめよと言っても、それから我々のような一定の節度の中だけ認めると言っても、結果は同じなんです。つまり、全部外側ですから。
 だから、これをコントロールしていくためには、やはりそれなりに厳しい刑事訴追というものがなければならないということで、昨年の緊急是正で禁錮刑の導入をした、それからそういう違法なものは、量的なものを超えたものでも何でも没収をするということをやったわけですから、私は非常に新しい、厳しい世界に入っていると思います。そういう意味で我々の提案を理解していただきたいのです。つまり、節度のある企業献金というものはこうですよ、それを超えたものは、これは全部アウトだという意味では、皆様方が言っておられる企業献金アウトと同じ世界なんです、そこは。そういうふうにぜひ御理解をいただきたいと思います。
○伊吹議員 津島先生の今のお話を若干補足しますと、つまり大畠先生に今度は伺いたいのだけれども、砂利の利権についてこれだけだとか、裏献金があれば社会党の案でどういう歯どめがありますかと聞いたら、結果は同じことになるのですよ。つまり、これは今お話しのように制度の外のことだから、その場合には緊急対策で例えば没収をする、それから禁錮刑にする。そして一番大切なのは、やはり有権者の目なんです。
 だから、この六月ですか、いよいよスタートされますが、我々の資産と我々の税務申告の所得額を毎年毎年明らかにするわけですね。ほかから収入がなければ、私たちの収入は院からもらっている歳費だけです。あるいは相続の資産があるかもわからない、あるいは別途仕事をしておられる方は収入があるかもわからない。その収入と毎年毎年の資産の増加額を見ながら、ああ、これはどうもその範囲内でやっているな、いや、これだけの収入しかないのに、申告しかないのに、なぜあそこにこれだけの資産がふえたんだ、これを毎年毎年見ていくことによって、有権者がおかしければチェックする、先ほどの没収と罰金どこの三つが緊急対策としてやられたわけです。
 それでもなお裏献金をする人、裏献金を受ける人というのは、これは我々の案でも皆さん方の案でもそのらち外にある人なんであって、これは刑法であり、脱税の範疇の問題なんですね。そこで今おっしゃった二番目の問題が出てきます。
 だから、私は二番目のことは貴重な提言だと思いますが、ただ、これはむしろ民間臨調の提案については野党サイドから、我々もいつ野党になるかわかりませんが、政権与党が支配下に置いている総理府の中にその組織が置かれるということは、仮に裁判所に告発をされたとしても、そして裁判所がそれはおかしいよと言って却下してくれたとしても、相手の党を陥れようとすれば、特高とおっしゃったけれども、旧内務省的感覚でやれば、政権を握っている政党は政権の外にいる政党に対していろいろなことができるわけです。だから、そのときの社会の風潮とか何かだけでやると、大きな流れとして間違いが起こるのじゃないか。だから、これを置くのであれば、政権政党の支配下にあるべきものじゃなくて、むしろ院に置くとか、そういうことを私は考えるべきだと思っております。
○松原議員 民間臨調の提起した政治資金委員会の問題ですよね。これは問題点としては、今言ったように、どういう性格の組織、独立の行政委員会にするのか、それとも院内に置くのかという問題も一つありますし、一番の問題点は違法行為に対する実質的な調査権を付与させようではないかというところになるわけです。そうすると、それを認めると、政党の政治的自由というものとどういう関連が起こるのかなという点について慎重な点検、検討をしなければいけない、そう思います。
 それからもう一つ、かつて我々社会党もこの種の独立委員会を検討したことがあるのです。そうすると、これを十分ならしめるスタッフとか器具とか、そういったものを考えると、予算面からいってもたしか百億を超えるほどのお金がかかったと思うのですね。そういう予算面の問題も考慮に入れなければいけない。そういった点をいわば慎重に検討する必要があるだろうというふうに思っております。
    〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕
○木島委員 社公両党にお聞きしたいのですが、社公両党の四法案を見ますと、企業・団体献金を。全面禁止する、非常に中核的なところに位置づけられているのではないかと思うわけであります。それは企業・団体献金を全面禁止するということを前提にして政党助成法も組み立てられておりますし、先日私どもの質問で、政党から個人に金が行くことは自由だ、個人の公開義務が今度はなくなる、暗やみになるのではないかという指摘に対して、いや、それはそうだけれども、入り口のところで企業・団体献金が全面的に遮断されるからもうきれいな金なんだという答弁をされたこともそうですし、パーティーについても、パーティー券の購入は政治的な寄附とみなして、企業、団体からのパーティー券の購入は禁止するということにも位置づけられているわけであります。まさにこれはいろいろな企業・団体献金の理屈づけ、政治腐敗の温床とか見返りを期待するとか参政権がないとか、そういう理屈づけからいっても妥当な当然の立場であろうし、国民が、朝日の世論調査でも、六五%がもはや日本の政治をよくするには企業・団体献金禁止に踏み切るべきだという国民的な世論の背景からも当然だと私は思うわけです。
 そこで聞きたいのは、これは政治改革四法案の中核的な位置づけを皆さんが本当にしているのかという点を聞きたい。
 さっき左近委員から、自民党に対して、せめて企業・団体献金は個人に行くのは禁止したらどうかという質問をされました。それを受け取って北側委員から、重大な踏み込んだ発言という評価もありました。その意味は、北側委員がもし左近委員の発言を、企業・団体献金を政党へは認める、そこまでおれたちは譲歩するという意味で受け取ったのだとすれば、これは重大な、決定的な譲歩になるわけであります。
 一方、自民党の方からは、今までの審議を通じて、かけらほども企業・団体献金をなくすという答弁はありませんでした。先ほどの穂積委員からも全くその気はないと。しかも、この自民党が出してきた四法案は、企業献金は倍増でしょう。それから、税法の上でも控除するということになっているわけでしょう。そうすると、まさに行くべき方向が違う方を向いているわけでありまして、とてもこれは一致できるものではない状況にあるわけであります。
 そこで私は、さっき言ったリンク論、一括論について再び皆さんにお返ししたいと思うのですが、この企業・団体献金禁止の方向に向かって自民党が歩み出さない限り、これは一致するものではない。この問題で一致しなければ、少々選挙制度の問題で中間的な点で一致してもこれはだめなんだということになるはずなんですが、そこまで皆さん方はこの企業・団体献金ということを重要な環として位置づけているのかをお聞きしたい。
 聞くところによりますと、今月十七日に社会党さんは五億円パーティーをやられるようでありますけれども、山花委員長の就任を祝う夕べ。今までの社公両党さんの選挙政策を見ても、企業・団体献金はあるのです。しかし、できないのは、皆さんが悪いからではなくて、自民党がちっとも譲歩してこないからできなかったというさっき菅さんのお話もありましたが、今回もそういう態度を自民党は示しているわけでありまして、そこは絶対譲らないで頑張るという決意が本当におありになるのかどうか、そこを質問したい。
○左近委員 私どもの党は、社公で今回四法の統一法案を出しました。その大きな柱として、腐敗防止問題の柱は、今御指摘の企業、労働組合も含めた団体献金、こういうものについては全面的に禁止をしていこう、これは私どもの基本的なスタンスであり、大きな改革の目標です。
 そこで、これからお互い政治改革を、自民党案、社公案をこのままパンクをさせていいのか。民間政治臨調では、一応、政党についてはやむを得ず企業・団体献金は認めていこう。しかし、個人の政治家については、あるいは政治団体、資金調達団体も含めてでございますが、これは一切企業・団体献金を禁止していこうという提起がされております。したがって私は、先ほど発言をしたのは、自民党さん、この企業・団体献金について、もう絶対これは禁止はできない、そんなことを言わずに、個人ぐらいについては踏み込まれたらどうですか、こういう立場で言いましたので、その点誤解のないように申し上げておきたいと思います。
 我が党の山花委員長の就任のパーティーがございます。しかし、五億円なんてとんでもない。共産党の政治資金とは違うわけですから、そういうことを公的な場で言われたら迷惑でございます。
○渡部(一)議員 木島委員がいろいろ今おっしゃいましたが、私どもは今自民党と交渉しようとしているわけであります。議論もしているわけであります。それがまとまるように努力をしようとしている真っ最中であります。御激励の言葉と受けとめておきたいと存じます。
○増子委員 私は、政治とお金のかかわり合いの中で、常に、政治にお金がかかるということについて、一つ基本的に私どもが考えなければならないことがあると思っているわけであります。
 それは、本当に政治活動にお金がかかるのか、選挙運動にお金がかかるのか、ここのところの区別がどうも我々全員あいまいではないのかな、実は私、そういう気持ちを常に持っております。実際のところ、選挙活動にお金がかかると言った方がいいのではないのかな、これは自民党のみならず、社会党さん初め全政党そうじゃないかなと私はいつも実は思っているわけです。
 例えば、三年前でしたか、公職選挙法が改正になりました。冠婚葬祭、これは一部禁止されました。葬儀は、当日までは本人が行けば認められるとか、結婚式のお祝いはいいとか、花は禁止だとか、そういった部分があります。それによって随分政治活動という名のいわゆる選挙活動のお金がかからなくなった。データによれば、多い人で五割も減ったとか、少ない人でも二割から三割減った、そういう形が実は出ているわけです。ですから、私は、本当は選挙活動にお金がかかるのであって、政治活動、いわゆるその辺の、どこが政治活動でどこまでが選挙活動という区別が実際のところ我々はあやふやだと思っているのです。
 ですから、そういう中で、政治にお金がかかるというときに、その辺の区別を我々がもう一度よく考えると同時に、当然、選挙活動にお金がかかるということであれば、むしろ公職選挙法をもっと厳しくしまして、弔電、祝電、このたぐいも一切ため、葬儀もだめ、あるいは婚礼もだめというところまで踏み込まないと、選挙活動のお金という部分についてのけじめというのはできないのではないのかな、基本的には乱そう思っているのです。
 よく議論されますが、市町村長を含めた、それぞれの知事さんを含めた方々は、知事とか市長とか町長とか村長の名前で花を出すことについては構わないという部分が、実は自由民主党のいろいろな議論の中でも常に問題となっている部分なのです。ですから、この辺のところももう一度今度のこの政治とお金のかかわり合いという中で考えていかなければならないと、私はまず基本的に思っているわけです。
 そこで、企業献金あるいは団体の献金等の問題になるわけですが、ここの中にもあるのですが、いわゆる「企業は利益を追求する団体である以上、見返りを期待するもの。」という部分、この認識は基本的には間違っていると私は思うのです。ということは、皆さんそれぞれ個人的な立場で、多分地元にお帰りになったりいろいろなときに、企業のみならず、個人的な立場でいろいろと、陳情事といいますかお願い事がたくさんあると思います。このときに、本当の善意で、許される範囲内で何か、例えば商品券だとかお菓子だとか、あるいはお金の部分も含めて何らかの謝礼というものを皆さんが善意で受け取ったことはないのかどうかということまでもう一度考えていかなければならないのではないか。当然我々そういうものを、見返りを期待するものでなくて、一生懸命やろうという気持ちにも実はなってくるわけでありまして、その中には浄財ということで一万円、二万円という選挙のときのいろいろな陣中見舞い的なものも場合によっては入ってくることもあるかと思います。必ずしも企業、団体だから見返りを求めるということだけではないと思いますので、それは許される許容範囲内の中で企業・団体献金というものは当然認められてもおかしくないのではないのか。
 先ほど山花委員長の就任のパーティーの件が実はありました。左近先生、五億円とはけしからぬと、そんなには売れないというようなニュアンスかどうかわかりませんが、ただ現実に、今それぞれの地方に来たときにも、そのパーティー券の依頼というのは、これは失礼な言い方になりますが、企業に社会党の議員の方が現実に、十枚頼みます、二十枚頼みますという実例も実は私は知っているわけですが、そういった形の中でそれをもうやめようということは一つの見識でありましょうけれども、やはりすべてが悪い、すべてが見返りを求めるものであるというふうにはこれは断定すべきではないのではないのかなと。その中で自由民主党は、許された許容範囲内の中での企業献金も認めようという形で今回のこの案が出てきたものと私は思うわけであります。私は、その辺を社会党さん、公明党さん初め各政党にも十分理解をしていただきたいと思うわけです。
 そこで一つ、基本的な、政治と選挙活動のお金の区別をどうするかという点について若干質問を申し上げたいわけですが、佐藤先生、長く政治経験を持って選挙もやってこられました。松原さん、初めて当選されました。公職選挙法が変わりまして、佐藤先生の場合、例えば日常の選挙活動といいますか政治活動の中でどのぐらいお金がかからなくなったかというもし数字があれば教えていただきたい。松原さんも、新人議員として当選されて、社会党的なタイプよりもむしろ保守系的なタイプの選挙をやって当選されてきたということも伺っておりますから、その辺の違いがどのぐらいあるのか、その辺をひとつお聞かせ願えればありがたいと思います。
○佐藤(観)議員 御指名でございますので簡単に申し上げさせていただきますが、正直言って数字でどのくらいというのはありませんが、このごろ例えば盆踊りに行っても何に行っても、私はもう全くずうずうしく何にも持っていかないで行くのです。ですから、招待が来なくなったところもいろいろあります。ただ、増子さんの質問に答えられないのは、私なんかは前も余り出してないものですから、だから余りその意味で、せっかくの御質問ですが、答えられない。
 ただ、増子さんの御質問の中にありましたように、弔電にしてもあるいは祝電にしても、婚礼にしても香典にしても、みんなやめたらどうだという話は、例の公選法の改正の寄附行為の禁止のところにあったわけであります。我々言いました。議員というものは義理を欠くことを本分とするというふうに全部したらどうだということを言いましたが、実はそれを認めていただかなかったのは御見でございまして、ましてや今御承知のように政治活動のための必要やむを得ざる支出の何とかというので、弁当代も何も出してもいいというのだけは残っているわけですよね。ですから、若い増子議員がそういう意味で、これが本当に、なお一層そういうことを強化すべきだということについては、私は賛成でございます。
 それから、確かに善意にとれば、企業のいろいろやっている活動がいわば個人の延長のような格好で、金額においても少額のものもあり、それは必ずしも本当の意味での見返りを求めているものじゃないものはあると私も思うのです。ただ、それを仕切れるでしょうか。これは本当の善意なんです、これは見返りを求めているというのを仕切れるかということになると、私たちとしましては、この際、法人と名前のつく企業につきまして、あるいは業界団体等につきましても、一切やはり李下に冠を正さずといいましょうか、そういう意味で全部切る、それでもし中小企業やその他の方が本当に善意でやってくれるのだったら、いわば個人の一種のポケットマネーという形でやはりやってもらう。そこはやはりもうはっきり企業・団体献金の禁止という中で、確かにその中に善意のものもあるかもしれないけれども、それは峻別した方がいいのじゃないかということで私たちは考えてきたわけであります。
○松原議員 私は、自分の選挙は最もモダンで革新的な形の追い風に乗って当選をしてきたと思っておりまして、保守的云々というふうなお話はちょっと心当たりがありません。
 当選後現在まで、みずからの国会議員としての活動について、やはりどうしても一定の費用がかかります。そのお金は、国会議員である以上、金もうけをほかでやることは、アルバイトできませんから、やはり浄財に頼らざるを得ない、寄附に頼らざるを得ないということで、主として私の場合は情報宣伝活動といいますか、そういうものに必要最小限のお金がかかるのですが、それをどうやって集めようかなということで大変苦労をいたしておりまして、早いことこのお金の問題から、国会議員がその金集めの苦労から、あなた方に比べて十分の一以下ですけれども、この苦労から解放される方策を早く考えないとだめだなというふうにいつも毎日感じております。
○細川委員 今、政治改革を議論しておりますけれども、かつてない国民の皆さんの政治不信の中で議論が行われているわけでありまして、特に今回の改革案の中で、公的助成の導入、新しい制度を導入するということを提案しているわけなんです。この公的助成について、私は、国民の皆様一人当たり二百五十円、こういう御負担をいただくということは、これはいわば強制的に寄附をいただく、こういうことだろうと思います。
 したがって、そういう意味では、国民の皆さんに十分この公的助成をしていただく、導入する、この納得をしていただかなきゃいかぬと思うのですけれども、それにはやはりきちんと今の、なぜ政治不信が起こったのかというその原点をやはり考えなければいけないのじゃないかというふうに思っております。そういう意味で、私どもとしては、社公の案は、いわゆる企業献金、団体献金を禁止して、その実効性を担保するためのいわゆる公的助成、こういうことも考えているわけなんです。
 そこで、特に自民党さんの方にお聞きをしたいと思いますけれども、公的助成で政党にたくさんのお金を、税金をいただいて使う、こういうことになるわけなんですけれども、その政党というものは本来どういう人の負担のお金で運営をすべきか、政党のいわゆる政治活動、このコストはだれの負担で行うのかということになってこようかと思います。
 政党というのは本来私的な団体ですから、まず団体を構成する党員の党費あるいは党の事業活動の収入、こういうものでひとつ補わなきゃいかぬ。それからもう一つは、個人の献金だろうというふうに思います。それからもう一つとしては、公的助成がある。この三本柱だろうと思うのですけれども、それに自民党さんの方の案では大変な額の、これまで以上の企業献金を政党の方に認めておられるわけなんです。
 そこでお聞きをしたいのですけれども、その政党に対する企業献金というのは、これはもう政党が政治として活動する上にその負担をしていただくための本質的なものなのか、それとも今までいろいろな経過があって、どうしても必要なので、まあ暫定的といいますか、そういう意味で企業献金を認めるんだということなのか、そこのあたり、ひとつどういうお考えなのか聞かせていただきたいというふうに思います。
○伊吹議員 先ほど来、我が党の津島委員から再三お答えをしておると思いますが、私は、従来の経緯、成り行きから、不必要なものだというふうには思っておりません。やはり企業というものも一つの社会的存在である限り、私は、企業の政治活動というものを禁止するという法的根拠はない。先ほど来公明党の皆さん方がおっしゃっているように、それは裁量の話で、立法上の話だと思っております。
 先ほど来お話がございましたように、皆さん方もそういうことがあるんじゃないかと思いますが、私ども地元へ帰りましていろいろな方から頼まれ事をされます。私は、政治家である限り、例えばうちの娘の結婚式に出てくれ、うちの息子を就職させてくれということから始まりまして、どのあたりまでの頼み事ならやむを得ず受けるのか、そしてどのあたりの頼み事まではお断りするのか、それは私は政治家としての節度を持って自分としてはやっておりますが、個人のお頼み事の方が率直に言って非常に多うございますよ。その場合に、個人の方々の寄附は利益誘導でなくて、同じ月一万円ずつ、年間例えば十二万円の寄附で、企業の寄附はおかしい、個人の寄附はおかしくないという論理は、私はどうもよく理解できません。むしろ金額が非常にでかいとか裏献金になっちゃったとか、先ほど大畠さんがおっしゃったように、そのお金を政治資金の収支報告に載せずに私的に使っちゃったとか、そういうことは大いに問題があるし、そこをどうするかという議論はしたらいいと私は思うのですが、個人なら一切利益誘導的なものではなくて、企業であればそうであるというのは私は理解できない。むしろ百万円、百五十万円という献金をどんどんして、それを条件に物を頼まれれば困るから、できるだけ広く薄く集める。例えば月一万円で妙なことを頼んでこられたら、お断りしますと申し上げればよろしいんじゃないですか。月一万円、企業が、俺は細川先生を応援しているのに俺の言うこと聞いてくれないのか、じゃ結構です、一万円、どうぞ脱会してくださいと言っても、政治活動にそう大きな支障はありませんよ。だけれども、これが百万円、百五十万円となってどんどん脱会されちゃったら、身動きがとれなくなっちゃう。
 だから、そこに我々は、今度は一人ずつの小選挙区をつくるわけですから、これは各党一人ずつ立候補するわけですから、そこで条件が同じになるわけですから、今までなら我々は二人、三人と、政権を担うためにただ一党から立候補しておるわけですから、同士打ちのために国民の税金をいただくというわけにはいかないわけですから、今度は一つの政党になったんだから、そこに公費助成を入れて、しかし、善意で支援をしたいと思われる方には、妙な利益誘導にならないように限度を下げて透明性を維持しながらその道を開いておくということですから、今までの成り行きとかどうだとかということじゃなくて、私は本質的な問題だと思います。
 今の社会には、裏献金あるいは妙な企業の献金というものの結果、企業献金がみんな悪だという風潮があって、私はその国民の怒りはよくわかります。しかし、その大きなうねりの中で、実はもっともっと大切な自由社会の本来の活動の自由であるとか政治活動の自由ということを抹殺してしまって、後で、十年、十五年たってえらいことになったという社会だけは子孫に残したくない、こう思っております。
○戸塚委員 先ほど木島委員から、社会党の山花委員長のパーティーは五億円パーティーだそうだというお話があったのです。もちろん理事からもいろいろ御抗議の言葉がありましたけれども、私はあの程度で済んでいいのかと思うのです。私は自民党の議員ですが、しかし、他党のことであっても、これは私は、とかくこういう話は一千万の話が一億になり、一億の話が五億になり十億になる。すると、それは五億円だと言ったのが、三億円山花さんが本当にパーティーで集めたなら、それは結構ですよ、あの程度で。しかし、これがもし事実は十分の一とかそれ以下だったような場合に、こういう席で、社会党の委員長の就任パーティーは五億円のパーティーだったそうだ、それは社会党さんの理事は迷惑だと二言おっしゃったけれども、迷惑程度でいいでしょうか。私は本当にそう思います。委員長、どう思われますか。
 ですから、それは五億に近くて三億とか三億五千万とか集まっているのならいいですよ。だけれども、現実に僕ら聞いてみて、とてもなかなか頭でそんなこと考えられませんからね。そういうことがぽんぽん言われて、それがこういう場で言われて、速記録にも載って、そのままでいいですか。私は今後こういうことは非常に大きな問題になると思いますよ。(発言する者あり)
○左近委員 率直に言って、私どもの党にそれだけ集めるかい性がないと思います。したがって、内容については、まだ現在取り組み中でございますので、どれくらいのパーティー券が購入していただけるのかどうかというのも掌握はいたしておりません。必要であれば内容については御報告申し上げますが、何か直観的な形で木島さんが言われたことについては私は迷惑だということを申し上げているわけでして、何も隠す必要も全くないわけです。私どもはああいうこともできないような制度にやはりしていこうという考え方でございますので、そういうことで御理解をいただきたい。
○細田委員 この間土井さんとか日野さんでしたか、委員会で、自分は歳費はもらっているけれども、ほとんど政治活動なりほかの資金につき込んでいるんだとおっしゃいましたね。ちょっと恐縮なんですが、そういう方、社会党、公明党でちょっと手を挙げていただけますか。自分が歳費をもらっているけれども、そこからまたさらに活動費につき込んでいるという人。――そうですか。
 それでは第二問、自分は非常にやはりそういう意味でお金に大変不自由していると思っている人、ちょっと手を挙げてください。
 もう一つ、お金と人手をかければかけるほどある程度票はふえると思っている人、ちょっと手を挙げてください。――これはいないと。ある程度までは票がふえると思う人、いませんか。
 それでは、自民党が余り金をかけ過ぎるから、あるいは自民党じゃなくてもいいんですが、同じ選挙区内の候補が余り金をかけ過ぎるから大変票をとられて迷惑しているという人、ありますか。――そうなんですね。
 だから、つまり相手が金をかけ過ぎるから票がかなりとられているぞとおっしゃるということは、裏を返すと、やはりお金と票というものはある程度まではリンクするものだという観念はあるんですよね。私は実はそう思っています。ただ、もちろんそんなむちゃくちゃな金を使ったって、実際に票が、最後は限界的なところがありますから、それ以上ふえるとは思いませんよ。平素の行動も影響しますしね。
 しかし、私はこの金の議論で一番不足しているのは、合計で、いわばリーズナブルなり合理的な一定の選挙区、小選挙区でも中選挙区でもそれは規模によって違いますけれども、何票をとろうと思って適正な政治活動をして、そのために人手も使って宣伝活動もする。いわば政治活動も選挙においては宣伝活動みたいなものですから、そういうものにはどのくらい金がかかるかという常識論といいますか、そういう観念がないと実は全く合意しかねるわけですね、党の間で。
 アメリカはなぜあんなにうまくシステムができたかというと、共和党も民主党もお互いに金がかかるな、じゃ幾らかかるか決めよう、それじゃスタッフについては何万ドル、十八人まで、平常経費については何万ドル、しかしそれだけじゃやはり足りないな、それじゃPACのシステムで、献金の自由だって認めなくちゃいけないから公明正大にしてこれだけにしよう、大体このぐらいだな、全部公表させて幾ら幾ら、そうするとあなたも異議がないな、私も異議がないなといって大体決めちゃったわけですね。これで現に余り支障なくやっているのです。その前のレベルからいうと相当上がったですけれどもね。
 ただ、きょうの議論でも今までの議論でも全部私が危惧するのは、選挙制度以上にこの金の制度は開きがあり過ぎて、どのくらいが適正な票をとるために必要なものか、小選挙区になった場合にどのぐらいかかるかという常識が全く違う。皆さん方は何となく、もう歳費もつぎ込んでいるし、しかし、幾らかかるかということは余り言いたくない。とにかく政党助成は幾らでもいいが、ある程度実現したらもう献金は廃止しろということを言っていますから、定量的なアプローチは全くないわけですよね。
 自民党も逆の意味で定量的なアプローチがなくて、まあいろいろかかるから、あればあるほどいいやという感じもあるかもしれない。というのは、何社から幾ら集めるとは言っていませんからね。(発言する者あり)津島先生からちょっと抗議が出ましたので、もちろんあるのですけれども、イメージはあるのですけれども、それはアメリカにおいて、PACで幾ら大体集まるということの限度を決めれば、常識的にこうなるだろうということでそうなっているわけです。
 だから、両党が話し合いを詰めるときに、そういうことをもっともっと具体的に話し合わないといけない状況に来ていると思うのですよ。だから、率直にこの場で言うだけでいいかどうかという問題はあるのですけれども、お互いに相手の足をけ飛ばし合っているような議論はもうやめたらどうかと思いますので。
 以上でございます。
○佐藤(観)議員 自民党の方のそういうお話をお伺いして私がつくづく思いますのは、皆さん方は幾らかかるかということで、例えばユートピア研究会みたいに一億二千万かかれば、いろいろな格好で、まあ派閥の親分もあるでしょう、あの中には、きょう資料を持ってきませんでしたが。集めちゃうわけですよ。それで、細田さんがぴんとこないで、そういう話がこちら側から出ないというのは、かかるかじゃないんですよ。要するに、ある中でやらなければしょうがない。
 それで、あんたたちは候補者を立てられないじゃないかとこういろいろ言われるけれども、我々の方は限られた中でやるしかしょうがない。つまり、皆さん方みたいに、かかるから企業をどんどん回ってどんどん、どういう集め方するのか知らないけれども、集めてやり過ごしちゃう。やり過ごして、とにかく今日まで候補者をたくさん立てて、そしてとにかく過半数を議席として維持してきたわけですよね。それが今の腐敗を招いてきたわけで、細田さんがけげんな顔をなさるのは、幾らかかるからといって皆さん方のほとんどの方はそれを集められるいろいろな意味での力がある。我々は限られた中で、とにかくもう少しあればいろいろなことを、人を雇ったりなんかするけれども、それだけのあれがないから、非常に一人の従業員というか秘書のところに過重な負担がかかって、その中でもうぎりぎりやっているということなんで、どうも発想が違うんですね、原点が。そうなんですよ。
○細田委員 ちょっと違うのですよ。もう一度、ちょっと済みません。
 けげんな顔をしているわけじゃなくて、だからこそある程度の資金は必要でしょう。それはやはり佐藤先生でも定量的なある感覚はあるでしょう、政治にかかる費用は。それはそんなに、日本人を相手にやっているわけですから、そんなにめちゃくちゃに本来変わるものじゃないと思うんですよ、特に選挙制度が変わればですね。そのときに、そういう定量的な議論なしにやっておると、抽象論を述べ合うだけになって不幸じゃないかということを申し上げているので、別にけげんなことではないし、皆さん方が相当節約して活動しておられることは我々も身をもって知っておりますから、その点は御安心ください。
○佐藤(観)議員 先ほどどなたかのお話にございましたように、一体政治家のコストといいましょうか、費用というのは、どこまでが政治活動の費用でというお話もございました。それから、できれば、今津島先生がよく言われますように、我々ももっと、本当は義務として有権者の方々にもう少し広報活動というものをすべきだと思うんですが、限られた財源の中でなかなかそれも正直言ってできない。
 それから、選挙制度が変わって政党本位になったときに、どういうタイプで、社会党の場合には今の体制でいけば三百九億のうちの八十億というのが政党交付金という格好で来る、それをどういう活動で使うかそれを一体政治家個人の活動にどうして、政党の活動にどうするかというのを少し詰めてみませんと、いろいろ出てこないのじゃないか。
 ただ、先ほどお話があったように、新しい制度になれば候補者の数も多くなっていろいろかかるんじゃないかというお話がございました。しかし、例えば並立案のときの三百人の選挙区でいきますと、大体選挙区は半分になるわけですよ、半分に。それぐらいになりますと、その人数分のところだけ減っできますから、必ずしも私は、そんなにそれによって全体が、例えば社会党なら社会党全体でかかる費用がよりふえるということじゃないと思うんです。
 ただ、政党助成というのをいただけば、より活動が活発になって、自民党としのぎを削るのにより有効であろうということは当然考えられるし、またそういうふうにしていかなければいかぬであろうというふうに思っております。
○津島委員 先ほど細川委員からの御質問から始まって、政治にどのくらいかけるのか、かかるのかという議論、最後、今佐藤提案者のお答えまであったんですが、相当の部分は私も同感な部分が多いんですが、一つだけどうしてもここで直しておいていただきたいのは、佐藤委員が、自民党はまず集めちゃうとおっしゃる。そうではないんです。実は、まず第一に、派閥の献金はほとんど既にもうパンクをしております。しかも、これを量的規制をきちっとかけた新しい制度になりますと、ほとんど不可能になります。
 で、私どもは今度の新しい制度を構築する上で、真剣に実は資金面の検討をいたしました。資金の問題で二つの面がありまして、さっきからお話がありますように、個々の政治家にとって見える部分と、それから党自体が広報活動その他で実はじわじわと皆様方のお手伝いをしている部分と両方あるわけですね。それを全体として私ども全部見直しをいたしまして、小選挙区制に例えばなれば、その部分は党活動で全部やろうと。したがって、かければかけるほどいいというような発想方法でなくて、すべてのあれが例えば事務所一つだと、これは党の事務所だと、そこの例えは従業員は何人、それから車は何台、こういう極めて厳しいある程度査定的なことをいたしまして、国民から見て、それならばまともな党活動だなと言えるものをベースとして計算をして、そしてそれを賄うのにどうしたらいいかということで今度のような提案をさせていただいたわけです。
 そこで、それじゃ、政党助成をもらい、限度額を上げて、丸もうけではないかと佐藤委員盛んに言われているんですが、そうではないんです。
 実はまず第一に、我々の今までの実態から言うと、個人への献金の部分が相当大きかった。これはもうほとんど極限まで縮小されます。それから、グループとしての募金は、これはもうほとんどなくなってしまいます。それを党への献金という形で、最小限度の不足分を賄うためには、やはりその今の献金限度額を見直していただく必要があるし、それから応分の政党の助成をいただいて、そして全体としては三分法、つまり公の助成と、それから党の努力による寄附と、それから政治家個人による寄附、これは今の限度内の無理のないもので、これで賄っていくという考え方でありますから、その点はひとつぜひ御理解をいただきたいと思います。かければかけるほどいいというような発想方法は全くありません。
○渡部(一)議員 私は、津島委員が苦心して、いろいろな表明で、この委員会でも、また別の場所でも言っておられること、実は詳細にチェックして伺っているわけであります。津島委員は随分別の局面、いろいろおっしゃっているものですから、真意がどこにあるか極めて興味深く伺っているわけでございますが、時々刻々とその苦心惨たんしておられる中身を理解してきたということを申し上げることはできると思います。
 ということは、この自民党の膨大にかかっている政治資金というもの全体に対してある網をかぶせてコントロールしようという画期的な試みをなされたその御努力に対して、実は私は敬意を表したいと思っておるわけなんです用ただし、それが全部この国会のルールとしてのみ込むことができるかどうかについて大変たくさん疑問を感じているわけでございまして、きょうはちょっともう質問する時間がなくなってしまいましたので、この次のチャンスにさせていただきたいと思っているわけでありまして、私はけんもほろろに全部だめだと言っているわけでは決してないわけであります。この次の委員会のときにぜひ伺わしていただきたい。
 で、明らかに企業からの献金についてと、大どころも違いますけれども、そのほか透明性の問題とか、あるいは何万円から上を公開するとか、あるいは政治資金調達団体、政治団体の政党との資金の集め方のテーマであるとか、あるいは経過措置とかの問題については、余りにも入り組んでいるために私たちも理解するのに時間がかかりましたし、私たちの案もよく御説明してない状況でありますので、ぜひ網羅的に細目にわたって御質問させていただきたいし、お答えいただければ、その中で合意すべきところがあるのではないかというふうに申し上げたいと存じます。
 そして、その合意を、随分、きょうは資金の問題については最初でございましたから、お互いの基本的立場から応戦が行われました。選挙制度もそうなんですけれども、初めはお互いの言い分を言い放しが多うございまして、その中に合意すべきものを探る手間というのがやはり要ると思います。しかもそれは陰でやるわけにいきません。明らかにこの委員会の中で、手間がかかりますけれども、御説明をいただきたいし、こちらからも申し上げたいというふうに私は申し上げまして、私の意見とさせていただきます。
○田邉委員長 それでは、議論も尽きないところでありますが、予定の時間が参りましたので、本日の討議はこの程度で終了することといたします。
 次回は、明十三日木曜日午前九時委員会、午後零時三十分理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時散会