第126回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第17号
平成五年五月十四日(金曜日)
    午前九時一分開議
出席委員
  委員長 田邉 國男君
   理事 大島 理森君 理事 中西 啓介君
   理事 野田  毅君 理事 浜田卓二郎君
   理事 左近 正男君 理事 堀込 征雄君
   理事 伏木 和雄君
      愛知 和男君    石井  一君
      臼井日出男君    衛藤征士郎君
      大原 一三君    佐藤謙一郎君
      坂本 剛二君    自見庄三郎君
      武村 正義君    津島 雄二君
      戸塚 進也君    額賀福志郎君
      葉梨 信行君    深谷 隆司君
      穂積 良行君    細田 博之君
      増子 輝彦君    村井  仁君
      阿部未喜男君    池田 元久君
     宇都宮真由美君    大畠 章宏君
      菅  直人君    小林  守君
      後藤  茂君    土井たか子君
      早川  勝君    細川 律夫君
      堀  昌雄君    河上 覃雄君
      北側 一雄君    冬柴 鐵三君
      木島日出夫君    川端 達夫君
      神田  厚君    高木 義明君
 出席政府委員
        自治大臣官房審 谷合 靖夫君
        議官
        自治省行政局選 佐野 徹治君
        挙部長
 委員外の出席者
        議     員 伊吹 文明君
        議     員 石井  一君
        議     員 小渕 恵三君
        議     員 塩川正十郎君
        議     員 武村 正義君
        議     員 津島 雄二君
        議     員 西岡 武夫君
        議     員 額賀福志郎君
        議     員 深谷 隆司君
        議     員 小澤 克介君
        議     員 佐藤 観樹君
        議     員 早川  勝君
        議     員 細川 律夫君
        議     員 松原 脩雄君
        議     員 井上 義久君
        議     員 北側 一雄君
        議     員 日笠 勝之君
        議     員 渡部 一郎君
        衆議院法制局第 内田 正文君
        一部長
        衆議院法制局第 臼井 貞夫君
        一部副部長
        衆議院法制局第 小菅 修一君
        一部第一課長
        自治省行政局選 松尾 徹人君
        挙部選挙課長
        自治省行政局選 中野 正志君
        挙部管理課長
        自治省行政局選
        挙部政治資金課 大竹 邦実君
        長
        特別委員会第二 田中 宗孝君
        調査室長
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  石井  一君     愛知 和男君
  佐藤謙一郎君     坂本 剛二君
  津島 雄二啓     村井  仁君
  深谷 隆司君     臼井日出男君
  阿部未喜男君     堀  昌雄君
  岩垂寿喜男君     早川  勝君
  細川 律夫君    宇都宮真由美君
  草川 昭三君     河上 覃雄君
  東  順治君     冬柴 鐵三君
  川端 達夫君     高木 義明君
同日
 辞任         補欠選任
  愛知 和男君     石井  一君
  臼井日出男君     深谷 隆司君
  坂本 剛二君     佐藤謙一郎君
  村井  仁君     津島 雄二君
 宇都宮真由美君     細川 律夫君
  早川  勝君     岩垂寿喜男君
  堀  昌雄君     阿部未喜男君
  高木 義明君     神田  厚君
同日
 辞任         補欠選任
  神田  厚君     川端 達夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山静六
 君外二十三名提出、衆法第六号)
 衆議院議員選挙区画定委員会設置法案(梶山静
 六君外二十三名提出、衆法第七号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(梶山
 静六君外二十三名提出、衆法第八号)
 政党助成法案(梶山静六君外二十三名提出、衆
 法第九号)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹
 君外二十四名提出、衆法第一〇号)
 衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案(佐
 藤観樹君外二十四名提出、衆法第一一号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐藤
 観樹君外二十四名提出、衆法第一二号)
 政党交付金の交付に関する法律案(佐藤観樹君
 外二十四名提出、衆法第一三号)
     ――――◇―――――
○田邉委員長 これより会議を開きます。
 梶山静六君外二十三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに佐藤観樹君外二十四名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。愛知和男君。
○愛知委員 当委員会の審議も大変進んでまいりまして、もう八十時間ですか、そして地方公聴会、中央公聴会が終われば百時間を超えるということでございますが、今日まで、提案者の皆様方、あるいは委員会の運営に当たってこられた委員長、理事の皆様方、大変な御苦労だったと存じます。心からまずもって敬意を表させていただきます。
 特に、提案者の皆様方におかれましては、それぞれ党において大変な御苦労をされてこられたわけで、法案提出に至るまでには数々の困難がおありになったと思いますが、それを乗り越えてこうしてすばらしい法案を出された、心から敬意を表したいと思います。
 いずれにいたしましても、今度のこの政治改革、特に選挙制度の改革というのは、まさに何十年に一度あるかというような大きな事業といいましょうか課題でございまして、これはまさに歴史に残るような大きなことだと思うのでございます。提案者の皆様方、そして委員会の皆様方、まさに歴史に名を残す大事業に取り組んでいらっしゃるわけだと思うのでございますが、今日までそういう自覚をもとにして取り組んでこられているとは思いますが、まず冒頭、そのような自覚で取り組んでこられたか、あるいはおられるのか、いよいよ大詰めでもございますが、その辺の御決意を一度改めてお伺いをしてみたいと思います。各党ひとつお一人ずつお願いできましょうか。
○塩川議員 私たちは、歴史的な事業という意識は今のところそれほど深刻には持っておりませんけれども、しかし、時代の要請は非常に厳しいものであって、その結果として、これは歴史の一つの転換の中に、後世においてはそれは一つの大きい事件であったということが記されるのではなかろうかというようなことも、今愛知さんのお話を聞いておって、なるほどそうかなという意識を強く持ちました。
 しかし、私たちはそのような重大な問題であるという意識を持って取り組んでおるということは申し上げたいと思います。
○佐藤(観)議員 国民のすさまじい政治不信、そしてそれにこたえるべく国会は何をやっているんだという厳しい御批判の中で当審議も進んでおると思うわけであります。
 私は、それは、単なる選挙制度を変えるとか単なる政治資金を変えるというだけの問題、このことも非常に重要でございますけれども、やはり政権交代があるような政治状況をつくれ、あわせてそこから来るところの社会変革、ある方は国家大改造という言葉も使われましたけれども、まさにそういう問題を含んだ、半世紀に一回の今大変な時期に我々は当委員会としてこたえていかなければならぬ、その答えをどうやっても出していかなければならぬ、そういう気持ちで今日まで取り組んでまいりました。
○渡部(一)議員 お答えいたします。
 私どもは、今最優先の課題として、国民の政治に対する全般的な不信にこたえるべくこの委員会に集まっているものと思っているわけでございます。そして、それは戦後民主主義といいますよりも、日本におきまして議会制民主主義の形をとり始めたとき以来の長い累積にありますところの衆議院及び参議院の機能というものが果たしてこのままでいいのかという問い直しをされている段階だと存じます。
 我々は、一回こうした制度をつくり上げますと、当分これが安定して持続するように錯覚しゃすいものでございますが、今回の場合は、国民のニーズにこたえ、国民の要望にこたえるという形で、それに対する回答を一歩前進を、また別の意味で言えば大改革を志そうとしているものでありまして、私は歴史上に確かに今までなかった大きな取り組みをしているものと自覚しているわけでございます。
 したがいまして、困難は百も承知でございますが、その困難にどうこたえるか、おのおのの議員の資質に帰せられる部分もございますし、多年にわたる工夫、研さんの累積の部分もございますけれども、何とか努力をしてまいりたいとみずからを激励いたしているところでございます。
○愛知委員 それぞれから御決意をお伺いいたしました。塩川先生は歴史に名を残すというようなところまでは思っていないというお話もちょっとございましたが、しかし、これは本当に歴史に名が残るようなことだと思うんです。政治家としてこういうタイミングにこの政治の場で活躍できる、あるいはこの問題に責任者の一人として取り組んでおられる皆様方、本当に歴史に名を残すという気概を持ってぜひこれからもお願いをしたいと思うのです。
 しかしながら、審議に参加をしただけでは歴史に名が残らないわけで、実現しなかったら歴史に名が残りませんし、むしろ逆の意味の名が残っちゃうかもわからない。それではいけませんので、ぜひこれからどうやって実現をさせていくかということについての御決意をちょっと伺ってみたいと思うのでございます。
 もうここまで審議が進んでまいりましたから、いろいろな問題点やその他につきましてはほぼ出尽くしているということを言ってもいいかもしれません。あるいはまた残っている部分もあるのかもしれませんが、しかし、もう大詰めが来ていることだけは間違いないわけでありまして、地方公聴会、中央公聴会が終われば百時間でございますから、そしてこの国会の会期が六月の二十日までということになりますと、そのタイムスケジュールを考えましても非常にもう、これから一体具体的にどうしていくかということを考えていかないと実現しない可能性が出てくるわけでありまして、その辺につきましてどういうふうに考えておられるのかちょっと伺いたいのです。
 今この案がそれぞれ出ているわけでございますが、しかし、政治の世界でもございますから、何らかの協議が行われて、そして一つの成案をつくり上げていくということはどの法案の審議でも行われるわけでありまして、いよいよこの案件につきましてもそういうときが近づいているのではないか、こう思うわけでございます。
 これからどういう形でその作業が行われるのかということについては、いろんなところでいろんな話が出たりして、まだ混乱をしている部分はあるようでございますが、私は、この委員会でこれほど長時間時間をかけて、しかも専門家の皆様方が審議に参加をされ、今までとは全く違った形で委員会の運営もなされてまいりましたから、これからそれをどういうふうに収拾をしていくかという点についても、今日まで携わってこられた委員長なりあるいは委員会の理事の方なりあるいは提案者の皆様方、この場においてその作業が行われていくというのは素朴に考えて当然のことだと思うのでございますが、世上でちょっと言われておりますように、若干聞こえてまいりますように、もし何か別な機関をどこかにつくりまして、そこでそんな作業をするというような話になったら、それこそ委員会の皆様方や携わってこられた提案者の皆様方の顔が丸つぶれになっちゃうんじゃないか、こんなふうに思うので ざいまして、したがって、ぜひこの委員会を中心にしてこれからの作業を進めていただきたい、こう思うのでございますが、その点についてはいかがお考えでしょうか。
○塩川議員 これはもうまさに愛知さんのおっしゃるとおり、我々も、この委員会で開かれた議論の中で決着をつけていただくように、当委員会に大きい期待をいたしております。
 従来、国会におきます審議は、いわゆる国対、国会対策方式といいましょうか、国対間においてのあらかじめの合意を取りつけて、委員会を形式的な措置をする場というふうなことも間々あったようにも思います。全部じゃございません、一部にそんなこともあったと思いますが、こういう重要な法案でございますだけに、やはり全議員が参加した方式で、国会の開かれた機関として審議されて、そこで堂々とやはり話し合いも決着もつけていただくということがいいんではないか、こう思っております。
○佐藤(観)議員 国会のルールといたしまして、法案をどう、処理という言葉は余りよくありませんが、何らかの法案を通過させるわけでありますから、その意味では、私は、当委員会で、それから理事会が中心になってさらに詰めるというのがやはり本筋ではないかと思うのであります。ただ、理事会がそれなりの機能を果たすためには、各党お互いに内情はわかっているわけでありますから、一丸となって、いろいろ議論がある方々も含めて、当委員会で議論に参加をされた方が今度は本隊へ帰って、自分の党へ帰っていろいろ説得する側に回るという体制というのがぜひお互いに必要なのではないかと思っております。
 いずれにいたしましても、私は、それは党、いろいろ幹部の方もいらっしゃいますから、いろんな意見を聞くにしても、やはり中心は理事会というところで法案を詰めて、そして法案の修正が当然必要になってくるでありましょうから、そのときにはまた議論をして、そして通すということが正しいあり方じゃないかと思っております。
○渡部(一)議員 お答えいたします。
 愛知委員の指摘された問題は、これからの法案の詰めの大事な問題を指摘されたと存じます。この委員会の討議でも何回か類似の問題につきましてお話が出ているわけでございますが、従来の方式と違いまして、法案の中身がかなり精緻のものでございますから、いきなり国会対策とか議運とか、交渉の専門舞台の意向を無視するわけじゃございませんが、当委員会の質疑の様子を十分に酌み取った上での交渉がお互いに必要ではないかと存じます。
 したがいまして、今の段階で必要なことは、お互いに授権されて出てくるというものがなければならない。単に議論をするためにだけここに出ているといたしますと、そうした交渉とか合意を探るとかあるいはある意味では妥協するとか、まとまったものをつくり上げるという能力は持ち合わせないわけでございます。それはまことに奇妙なことでございますが、今までそうした機能を余り必要としないで議論が長続きしてきたというふうに言えるのではないかと存じます。各党ともその辺は今お互いに認識し始めまして、党内調整が行われているところだと私は存じます。したがって、その進行ぶりをひとつ御激励をいただければまた一段と前進するのではないか、こう存じているわけでございます。
○愛知委員 今それぞれ各党から御決意を伺いましたが、これは委員長にもお伺いしなければならない話だと思うのでございますが、委員長の御決意といいましょうかお考えをひとつ伺わせていただきたいと思います。
○田邉委員長 私は、前回のこの席でもお話を申し上げましたように、この委員会のオープンの場でできるだけ討議をされ、そして私どもは、お互いに各党が知恵を絞って、そして接点を見出して、何とかこの法案の成立に努力をしてまいりたい、こう考えております。
○愛知委員 ぜひひとつそういうことでお願いしたいと思いますが、そういうことになる手続というようなものも実はあるのではないかと思うのですが、私は、今やここでこそそれぞれの党の指導者のリーダーシップというものが発揮されるべきではないか、こんなふうに思えてならないのでございます。
 そこで、自民党の宮澤総裁が、例えばそれぞれ党首会談を呼びかけて、そしてそこの党首会談において、この問題はひとつ委員会で成案をつくるようにしようじゃないか、そういうようなことで合意に達していただいて、それをもとにしてこの場でそういう作業を進める、そういう形で権威づけていくということが大変大事なんじゃないかと私は思うのでありますが、塩川先生に、塩川先生は本部長代理というようなことで大変御苦労されておられますが、総理にそのようなことを要請をされるおつもりはございませんでしょうか。
○塩川議員 貴重な提案だと思っております、今愛知さんの申されたことは。しかし、今私は、提案者側といたしましては、まだその時期ではないと思っておりまして、とりあえずこの委員会におきまして最善の審議を尽くし、そして愛知さん自身がおっしゃっておられますように、この委員会で開かれた議論がもっと深刻なところまで行きました段階において、どうしてもこれは与野党間におけるトップレベルでの解決が必要だなというそういう雰囲気が醸成されましたときには、我々も進んでそのように党内の手続をとっていきたい、こう思っております。
○愛知委員 自民党の方はまだその時期ではないというお話でございますが、社会党あるいは公明党の方はどうお考えでございましょうか。そちら側から突き上げていただいて、そういう会合を開くという方法だってあるいはあるかもしれませんですね。
○佐藤(観)議員 中身のやり方は別といたしまして、既に我が党の方は、公明党の石田委員長と我が党の山花委員長の会合の中で、宮澤総理に対しまして、党首会談をやりましょう、そして何としてもこれは解決をしなければいかぬというお呼びかけをしておるわけでございますが、今はその時期ではないというのが自民党さんの回答のようでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、一番重要なことは、出先の者がある程度フリーハンドを持たせてもらう、そのためのいろいろな討議を、我々は最善の案と思って出してきたわけでありますから、それはそれとしても、相打ちは許さない、これは何も選挙制度の問題だけではなくて、政治資金の問題も含めて、腐敗防止も含めて、相打ちを許さないという立場に立って、一体どこまでなら許容できる範囲内だというのは、やはり党内合意をつくることなくして党首会談を開いてもまたこれは成果がないと思うのでありますので、党首会談の話は党首会談の話でございますが、重要なことは、おのおのがどれだけ幅を持って本問題に当たって、接点、合意点が見出せるか、その努力を各党ともしなければいかぬということが一番早道ではないかと思っております。
○渡部(一)議員 今佐藤提案者からも申し述べましたように、公明党といたしましては、社会党と協議をいたしまして、党首会談のお話は既に出ております。この党首会談にはぜひ近々応じていただきたいと自民党に対してお願いしたいと存じます。
 それから、当委員会において授権された者の討議をと何回も私どもの方で申し上げておりますが、公明党側は準備ができておりまして、ここで本日でも協議をする用意がございます。
 それからもう一つ申し上げますと、きのう塩川先生から御提議のありました、場合によっては党の幹部クラスにこの委員会に来ていただいて討議に参加していただく、直接意見を開陳していただき、まとめるということも考えられるというお話をされましたが、これについては私は委員長と書記長に伺ってまいりまして、公明党といたしましては、その塩川提案を直ちに受け入れる用意があり、論議に参加させていただく用意がある。それは委員としてか、あるいは参考人としてかは決めておりませんけれども、どういう形でも応じられる、こういうふうになっておりまして、我が党としては最大限前向きに処理したいと思っているわけでございます。
○愛知委員 まだその時期ではないということも、あるいはそうなのかもしれませんけれども、しかしながら、冒頭にも申し上げましたとおり、もう議論は八十時間になり、あるいは公聴会を終われば百時間になる、そしてあと残された時間のことを考えますと、非常に限られている。つまり、そういう限られた中でまとめの作業に入らなきゃならない。その合意をまずリーダーシップ、幹部に決めてもらうということをしたらどうかということなんでございまして、私はまだその時期ではないというのはどうもぴんとこないのでありまして、まさにもうその時が来ているじゃないか、こんなふうに思いますが、重ねてで申しわけございませんが、いかがでしょうか。
○塩川議員 愛知さんの熱心なお気持ち、十分察しております。私があえてその時期ではないということを言っておりますことは、まだ当委員会におきましてもスケジュールを持っておられますし、またこの法案、それぞれ提出しております法案の処理をどうするかということにつきましての最終的な党の方の確認も、確認手続をとらなきゃならぬと思いますから、それをもあわせて作業をしていかなきゃならぬと思っております。
 そういう時間が若干欲しいということでございまして、おっしゃるように政治改革を決着しなければならぬというムード、これはまさに愛知さんの指摘されたとおりもう頂点に来ておる、何もこれはまだその時期ではない、そんな意味で私は申しておるんではございませんので、その点は御理解していただきたい。
 おっしゃるとおり、もう過熱してきた、時期は来ておる、これは私たちもよく承知しておりますが、手続上の問題が若干そういうことであるんだということをあわせまして、まだ時期ではないという意味を解釈していただきたい、こういうことでございます。
○愛知委員 いずれにいたしましても、当委員会を中心にしてぜひ成果を上げていただいて、そしてこの歴史に残る大きな事業をなし遂げていただきたい、このことをぜひお願い申し上げたいと思います。
 そして、今ちょっと何回か触れましたけれども、この改革というのはやはりこの国会でなし遂げる、完成させるというのが至上命令のように私は思いますが、一部には、ちょっと伺うところによりますと、いや、この国会では余り安易な妥協をしてはいかぬのだ、それで、場合によってはこの問題を掲げて選挙をやればいいじゃないかというような意見があったりするようでございます。
 前の選挙、平成二年の選挙のときには、実は我々はこの選挙制度の改革というのを柱の一つに、公約に掲げて選挙を戦ってきておるわけですから、何もやらないでまた同じものを課題として選挙をするというのはどう考えたってつじつまが合わないわけでありまして、党内にいろいろな御意見があることはそれはよしとしまして、こういうような、ここで安易な妥協をしないで、場合によってはこの問題を国民に掲げて選挙をやったらいいじゃないかというような御意見に対してはどうお考えでございましょうか。これは塩川先生にお伺いしたい。
○塩川議員 先ほどからの一連の御質問の中で、愛知さんが非常に熱心にこの政治改革を推進しようと言って、むしろ我々に激励をし、同時に機運を盛り上げていただいておることに対しまして、私も非常に意を強くしております。
 おっしゃるように、この改革を避けて通ってはいかぬと思うのであります。少々な無理があっても、やはり国会の中での話でございますから、国会議員が鳩首協議してその上での結論を見出すべきであって、そのことは、私は従来における与野党の対決というものを乗り越えて、やはり国会としての処理をしなければならぬ、こう思っております。その重大な決意を持ってこれからこの処理に当たっていくべきであると思うのであって、これにただ単なる法案の処理のような気分で我々は臨んでおるものではないということを申し上げておきます。
○愛知委員 再三いろんな角度から皆様方の御決意を伺ってまいりまして、大変な御決意で取り組んでおられる姿、御様子を理解することができました。ぜひひとつ頑張っていただきたいし、私どもも大いにそういう方向で頑張らせていただきたいと思います。
 あと残り時間がそうございませんが、一つ、ソ連が崩壊をして、いわゆる東西冷戦構造というのが崩壊をしましたことの影響を受けてだと思いますが、世界じゅうで政党のあり方がいろいろ問題になっているわけで、イタリアでもいろいろな騒ぎがございますし、ヨーロッパのドイツもイギリスもフランスも、フランスもこの間ちょっとした事件があったりしましていろいろ議論が行われております。日本も当然のことながらそういう影響が出てきているわけでありまして、今までのいわゆるイデオロギーの対立の時代でございますと、それぞれそのイデオロギーを背負った形で政党活動が行われ、また政党ができてきた。ところが、そのイデオロギーというようなものがいわば消滅をしてしまったわけでありまして、今社会党も、日本社会党という名前は変わっておりませんけれども、日本を社会主義の国にしよう、こういう旗は実質的にはもうおろされているのじゃないかという気がするのでございますが、まだおりてないのですか。
○佐藤(観)議員 社会主義の概念が間違っているのです。社会主義そのものの概念が違う。
○愛知委員 ああ、そうですか。
 では、自民党にお伺いいたします。
 私は私なりの理解から言いますと、日本にもはや、共産党は別としまして、日本を社会主義の国にしよう、今のこの自由社会体制を別な社会体制に変えようということを掲げておる政党というのはほとんどないと言ってもいいのじゃないかという気がするのでありますが、従来ですと、例えば選挙になりますと、自由民主党の一番大きなキャンペーンの柱は何だったかといいますと、自由社会を守ろうだったわけであります。ところが、自民党だけじゃなくて、みんな大体自由社会というものを前提とした政党になりますと、自由社会を守ろうと自民党が言ったって、自民党の特徴なんか出てこなくなるわけですから、自民党という政党がこれからじゃ何を柱にして国民に訴えていくか、これは大きな変化だと思うんであります。
 そこで、こういう脱イデオロギー、世界的に大きな動きの中で、これからの政党のあり方、従来はイデオロギーをもとにした政党というのが主であったけれども、これからはどんなようなものが政党の役割というふうになるとお考えか、ちょっと伺ってみたいと思うんでございますが、どなたか、小渕先生ですか。
○小渕議員 政治の目的は最大多数の最大幸福、こういうことをヨーロッパの哲学者も申し上げておることでありまして、それに尽きるんじゃないか。ただ、その幸福の概念そのものが、戦後、ずっと敗戦以降大きな変化を来してきていることは事実だろうと思うんですね。したがって、我々の先輩が戦後政治の中で、特に自由民主党を中心に政権を担当させていただいたということでは、俗に言う衣食住を充足させ、国民生活を安定させるという趣旨だったんですが、昨今はこの幸福の概念というのも大変変化してきているんじゃないかという感じが私はいたしております。
 ことしどこかの研究所が今日的日本のキーワードは何かというので、未足ということを言っておりまして、すなわち不足はしておらないけれども満足しておらない、こういう国民的な感情が横溢している、こういうことだろうと思います。したがって、ここで改めて国民として真の豊かさ、真の幸せというものは何かということをしっかり受けとめながら、それに即応するような政治を担当していくということが国内的には必要じゃないか。
 国際的には、かつての日本と違いまして、大きく国際的な役割を担わなければならない立場に来ておるんだろう。国連における分担金要求じゃありませんが、一二・四五というアメリカに次ぐ大きな負担をしておるという国家として、単に資金的な協力だけでなくして、それ以上に日本として大きな役割を果たしていかなきゃならぬ。その点ではどうも日本は、我が国だけ国民生活を安定、向上させるという意味で、国内的には非常に満足をする状況に来っておりますが、さりながら国際的な役割をどう担っていくかという点についていささかコンセンサスが得られてこなかった、それが先般の国連協力という意味でのPKOに代表される一つの方向性が大きな転機になっているんじゃないかと思っております。
 今般宮澤総理がASEANに、ニュージーランド、オーストラリアの前に行きまして、俗に言う宮澤ドクトリンを発表いたしましたのも、戦後の中で、吉田ドクトリンあるいはまたその後の福田ドクトリンに比べまして、特にアジアに対しての国際的貢献を果たさなきゃならぬ、こういう意味からも私どもはその責任を果たしていかなきゃならぬ。
 そういう政治を行わなければならないためにどういう政治システムが今日日本に求められるかということでありまして、そういう意味で、先ほど塩川先生の御答弁もございましたが、私はさらに申し上げれば、戦後の半世紀、そしてまたたまたま区切りになるわけですが、二十一世紀以降の日本の政治に対しその責任を持てるような国会議員を選ぶシステムとしての制度として私どもは今度の制度改革を位置づけなきゃならぬ、こう思っておりまして、そういった意味で我々は単純小選挙区を打ち出しておるわけでございますが、今日までの審議を通じましてせっかくの御議論が実りあるものになっていかなきゃならぬ、こういうことでございます。
○愛知委員 ありがとうございました。
 これから、もう何十年も続いてまいりました自民党、社会党、公明党、民社党、共産党という日本の政党のパターンが、やはりこのまま続くのが日本にいいのかどうか。大きな世界の枠組みが変わってしまったんですから、やはりそれぞれの政党の果たす役割というのがおのずと変わってくるんだと私は思うのでございまして、それをどういうプロセスといいましょうかシナリオでなるかというのはまだわからないわけですが、この選挙制度の改正などというものがその大きなきっかけになるんだ、あるいはなるべきなんだ、こんなふうに思うのでございます。
 そこで、この間当委員会に参考人としておいでになった内田先生から、連用制、いわゆる民間臨調が出された案についての御説明がありをしたが、私はあの制度に対して、いろいろ思想がないとかただ単なる数合わせというか妥協というような批判もあったようでございますが、私が個人的に感じますのは、やはり内田さんの頭の中には、この日本の政党の今後のあるべき姿というものを描きながら、そのふさわしい形にするにはどうしたらいいかということで出された案なんではないか、僕は立派な思想があるような気がしてならないのであります。
 そこに言われている、あるであろうと思う思想を私なりに簡単に整理してみますと、またちょっと言葉にも出ておりますが、例えば、緩やかな二大政党というようなこととか、あるいは特定の政党を肥大化させないというようなこととか、あるいは政権が安定をしなきゃならないとか、また逆に小党分立にさせないというような、こういったようなことを頭に置いた制度ではないか。したがいまして、非常に長い目で日本の将来、この世界の大きな動きの中でどういう政党のあり方がいいのかということを頭に置きながらつくり上げられた案なのではないか、立派な思想がある、理念がある、こう私は感じてならないんですが、どう受け取られておられるでしょうか。ちょっとそのことを各党にお伺いしたいと思います。
○伊吹議員 連用制については、この委員会で我々も、また社公の皆さんもいろいろな御意見がありまして、幾つかの欠点はあると私は思います。しかし、大きな流れとしては、内田先生が参考人としてお見えになったときに先生のおっしゃった哲学というものはその中にあると私は理解していいと思います。
 ただ問題は、制度としてはそのようなものを志向しておると思いますが、現実がそのような方向に行くだろうかどうだろうかということは、特に、小党分立ということになりかねないとか、政権の安定が果たして確保できるんだろうかという観点からいいますと、今先生がおっしゃったことを逆に言うと、現在の各党の議席配分をそれほど大きく変えないという装置でもあるわけですね。
 そうすると、そのようなことを念頭に置いた場合に、これは大変失礼なことでございますが、緩やかな二党の方向へ向かうということがあるんだろうか。もしあるとすれば、既に今までの間に、これだけ自民党が本来の政策以外の分野で国民からたたかれているときに、なぜそういう機運が野党サイドに出てきていないのかという現実を考えますと、制度、仕組みはうまく仕組んであるが、現実がそのとおり動くかどうかにつきましては、もう少し創業的なものの方がいいんじゃないか。つまり、単純小選挙区的なものの方が、我々もひどい目に遭うかもわからないけれども、先生のおっしゃっている方向へ確実に動かすんじゃないかという気持ちは持っております。
○佐藤(観)議員 連用制につきましては、今愛知委員言われましたように、考えられた方はいろいろ考えられたと思うのです。余りにもいろいろな要素を入れようと思ったがゆえに、逆の表現を使えば、思想性がないとか哲学がないとか言われているんじゃないかと思うのです、哲学、思想というのはどういうものかということは別にいたしまして。
 いずれにしろ、連用制というのは、それはそれなりに私は一つの考えられた案だと思うわけであります。法制上の問題とか、さらに制度的にはいろいろ詰めなきゃいかぬ問題はあろうかと思いますけれども、私たちとしても、そういった方々の意も頭に置きながら、相打ちを許さないというそういう立場で何とか実現をしていって、今愛知委員も言われましたように、やはり自民党一党で今日まで来た、それは中選挙区制ということも一つの要素だったと私も思いますので、そこでそれを変えて新しい政治の出発点にするということが、この政治改革に我々社会党にしても問われている課題だというふうに思っております。
○渡部(一)議員 お答えいたします。
 愛知委員が、多年にわたる御見識、また鋭い政治的洞察でこの連用制に対する評価を非常に簡単にまとめてお述べいただきましたことに敬意を表したいと存じております。私も全く同意見でございます。むしろ同意見でありますがゆえにちょっと心配もあるわけであります。
 これは私はこの委員会で一回も言ったことがありませんが、公明党として消えてしまう道を私たちは開くんではないかという恐怖感があるわけであります。それは無視はできないのでありますけれども、日本のこれから、将来というのを考えてみますときに、こういう大局観に立たなければならないという点はあわせて胸の中におさめているわけでございまして、この画期的な案に対して、私どもは、これを採用するかどうかはまだ表明いたしておりませんが、極めて重視しておるということを申し上げさせていただきたいと存じます。
○愛知委員 限られた時間ではございましたが、それぞれ提案者の方々から大変な御決意を伺いました。また委員長にもお伺いいたしました。そして、一つの案として出ております運用制につきましても若干お伺いしたわけでございますが、いずれにしましても、先ほどちょっと触れましたけれども、この選挙制度等を中心にした政治の改革というのは、何も日本だけじゃなくて世界じゅうで起きている話でありまして、そして、それぞれがみんな苦労して、どういう選挙制度がいいんだろうかというような議論などが始まっておるわけでございます。
 私は、日本がこの国会で、この場ですばらしい案をつくり上げることができれば、まさにこれは世界のある意味ではモデルにもなるわけでありまして、ぜひひとつまさに歴史に名を残す、こういうおつもりで、これからがいよいよ正念場だと思いますけれども、頑張っていただきますように、提案者のみならず、委員長あるいは委員会の理事の方々、大変御苦労されてこられている方々に対して心から御健闘をお祈りをいたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○田邉委員長 村井仁君。
○村井委員 ただいまの愛知委員の御質問に若干関連しながらお伺いをさせていただきたいと思います。
 政治に対する国民の不信というのは本当に極限に達している、これはもう私ども与党自民党もまた政府も野党の皆様と同様に非常に痛感しているわけでありますけれども、私は、そこで理念的に考えますと、こういう政治不信というのは第一次的には与党の方に来るはずのものでありまして、そうしますと、理念的には政権交代というようなことが起こるはずで、それを担うべき立場に置かれていらっしゃるのは野党第一党である社会党でいらっしゃる。そういう意味で、社会党はどういう責任をお感じになっていらっしゃるか、お伺いしたい。
 それで、それには、昨日でございますか、いろいろ社会党のお考えが少し変わりつつあるのかなというような印象もうかがえるような御発表もございましたが、現代のいろいろな課題というものをどんなふうにとらえていられるのか、そういう時代認識というものも非常に大切なことだと私は思うわけでございます。そういうところも踏まえまして社会党にお伺いしたいと存じますのは、政治改革で一体まず何をなすべきだというふうにお考えになっておられるか、この点をお尋ねさせていただきたいと存じます。
○佐藤(観)議員 村井委員御指摘のように、ここまで政治が腐敗をしてしまった、あるいは国民の不信を呼んだというのは、第一義的にはほとんど多くは与党である自民党さんのところの政治的なスキャンダルであることは間違いないと思いますが、今御指摘のように、本来ならそういう場合には政権交代があって、そして政治を浄化するということになるはずでございますが、それが十分機能が果たせてなかった、その意味では社会党自身も大いに反省をしなければならぬことは私もたびたび述べてきたところでございます。
 そこで、私たちとしましては、この政治改革というのは、第一義的には腐敗を一掃する、あるいは比例代表というものを入れることによって国民の素直な、率直な気持ちがそのまま議席に反映をしていくという中で、政権を交代するためには野党の連立もしていかなきゃならぬという制度にいわば導かれていくわけでありますし、また、それを一種目的とする制度とも言っていいのではないかと思います。
 そういった意味で、私は、政権交代が起こり得るということが、この政治腐敗の問題だけではなくて、戦後五十年近くたってみますと、どの分野でも物事が非常に硬直化してきたのではないか。政官財の癒着という問題もやはりそういうことに起因をするわけでありまして、政権交代が起こることによってあらゆる分野の制度というものをもう一度全部見直す時期に私たちは来ているのではないかというふうに思いまして、そういった意味で、そういう時代認識に立って、ここから新しい二十一世紀のどは口を始めなきゃいかぬ。
 おのおのの分野の問題については、村井委員御存じのことでございますから今申し上げませんけれども、やはりそういう認識に立って、単なる政治腐敗を防止をする、これも大事なことであります。選挙制度を民意を素直に反映をするものに変えていくこと、このことも大事でありますが、その結果としてもたらされる政権交代なり、そしてそこから新たに始まるべき、先ほど愛知委員から御指摘のように、イデオロギーの基本的な対立というのはなくなっている中で、政策で国民の皆さんに奉仕をすべきが政党であり政治であるべきでありますから、そういう新しい時代をつくっていくというのがこの政治改革の大きな背景だと私は思っております。
○村井委員 佐藤先生、今お話しになられましたので二つあるわけでございますが、一つは、腐敗防止の問題、それからもう一つ、民意のできるだけ正確な反映というお話がございました。保この後者の方については後でちょっと申し上げさせていただきたいと存じますが、新聞報道によりますと社会党の村山国対委員長が、十一日でございましたか、今国会での選挙制度改革は無理でも、腐敗防止で与野党合意ができればそれで決着をつければよい、こういうふうに腐敗防止の切り離しを示唆されるような御発言をなすっていらっしゃるわけであります。ただいままた佐藤提案者におかれましても、やや腐敗防止の問題につきまして重点的にお触れになったような印象があるわけでございますが、そのあたり、私は一括ということを今までおっしゃっておられたやに思うわけでございまして、その点、確かめさせていただきたいと存じます。
○佐藤(観)議員 村山国対委員長の発言につきましては、二回にわたりまして当委員会で我が方から答弁をさせていただいておりますけれども、それはあえて何にもなくなってしまった場合のことを新聞記者に質問されて答えたようでございまして、私たち自身、当委員会におる者は何もなくなっちゃうということを頭に考えておらぬわけでございますので、私たちとしては、国会対策委員会でも確認をいたしましたけれども、当然、とにかく一括で結論を得るという方針は何ら変わっておりません。
 それから、もし私の今までの答弁が腐敗防止を中心に置いているのではないかというふうに聞かれたといたしますれば、むしろ私はこういうことなんであります。つまり、当委員会は、どちらかといいますと、選挙制度に対します質疑が非常に分量的に多かった、このことはもちろん大事でありますけれども、やはり国民の皆さんから見れば、あわせて、国民の目に一番映る腐敗の状況、金と政治の問題、この問題に対する質疑が非常に少ないのではないか、政治資金に対する質疑も少ないのではないかということが言われておるわけでございまして、決してそれは忘れてはいけないし、忘れてませんよという意味を込めて、腐敗防止というものと選挙制度の改革というものはいわば表裏一体のものであるわけでありますから、そういうことで私たちは取り組んでおるわけでございます。
○村井委員 ありがとうございました。
 私は、村山国対委員長ならずとも、政治改革につきまして国民の皆様にいろいろ御意見を伺いますと、政治家と金の問題、これが一番話題になるのはもう当たり前のことだと思うのです。これはちっとも驚くに値しない。
 しかし、大切なことは、これまでも政治と金の問題というのは何遍も取り上げられてきている。政治資金規正法もそうですし、倫理綱領もそうですし、しかし、結局また今度のような事件が性懲りもなく起きてしまったというその現実があるわけでありまして、私どもはその現実をどうしても直視しなければならない、こういうことだろうと思うのです。今度のようなスキャンダルが起きたら政権交代が起きるというのが本来あらまほしき政治構造なんですけれども、政治家は清潔でなければならないなんというのはもう当たり前のことなんでありまして、今さら言うも恥ずかしいというのが私の正直な気持ちであります。
 考えてみますと、国会というのは、本来の発端を考えてみますと、国民の皆様にどれだけの負担をしていただくか、簡単に言えば税金をどういうふうに取るか、どういうふうに使うか、これを決めるためにつくられたというのがそもそも国会の淵源でありますから、そういうことを考えますと、私たち国会議員は国民の皆様から批判を受けないようなより高い道義的責任を負わされている、これはもう私は当然のことだろうと思うのです。そういう意味で、腐敗防止というのはもう当たり前のことだと思うのですね。
 さらに言えば、私ども一人一人の活動のために国民の税金から一人約一億円余の金が払われている、これは一つの現実であります。国会の予算を人数で割れば大体そんな見当になるわけでありますが、そういったことを考えてまいりますと、私は、金の問題というのは確かに大切な問題、腐敗防止というのは大切な問題なんですが、一番大切なことは、政治がその本来の役割を回復するということであって、それこそが最終的な意味で国民の期待にこたえるゆえんなのではないかと思うわけであります。
 そこで、私は今の佐藤先生の御発言、公の場での公党の正式な代表者の御発言でいらっしゃいますから、あくまで選挙制度も含めた全体をワンパッケージで解決していかなければならないという御見解と受けとめまして、次の問題に移らせていただきたいと思います。
 先ほど佐藤先生は、民意のできるだけ正確な反映と、こういうことをおっしゃいました。私は、今の日本に限らずどこもそうだと思いますが、先進諸国というのは、国民の利害あるいは意見、そういうものが非常に多様化している、そういう時代だと思います。とりわけて日本のようにある程度豊かになった世界ではそういうことが言えるんだろうと思います。ところが、残念なことにというか一つの現実として、世界では国という形で行動をしなければならないという一つの現実があります。そういたしますと、非常に多様な国民の意見をとにもかくにもまとめて、一つの国の意思として、国家意思を決定していくということがどうしても必要になるわけでありまして、先ほど小渕先生が最大多数の最大幸福を実現するのが政治の目的だということをおっしゃいましたが、基本的にはそれは私はそのとおりだと思いますけれども、もう一つ機能的にこの広義の政治というものを、行政と私ども政治家が担わなければならない政治というものにもし区分して考えるならば、政治に一番求められていることは国家意思を明確に確定することだ、このように思うのでございますけれども、この点につきましては、申しわけございませんが、塩川先生、佐藤先生、また渡部先生、それぞれ御見解をちょっと承らせていただければありがたいと存じます。
○塩川議員 村井さんのおっしゃるとおりでございます。
 政治はその団体、つまり国であれば国、府県であれば府県、市町村であれば市町村の自治体としての意思を決定するということ、その意思を決定した以上、リーダーシップが発揮されなければならぬという、そこまでがセットになったものが政治であると、私はそう認識しております。
○佐藤(観)議員 政治の役割というものは行政とは違うわけでありまして、それは帰するところ我々のおります立法府、立法府が将来に対しましても国民を引っ張っていく、いわばリーダーシップを発揮をして、いわば船でいけば船長の役割を果たしていく、これがいわば政治の役割だと私は思っているわけであります。
 ただ、そこに選ばれてくる議員がどういう選挙制度で選ばれてくるかの話は別といたしまして、国家の行動の意思、それをいろいろな討議を経た上に決めてくる、これが私は国会の役割であり、今は議院内閣制でありますから、第一党になっている総裁・総理がそれを行動に移すということであるべきであると理解しております。
○渡部(一)議員 お答えいたします。
 今大変大切な問題にもお触れになりまして、敬意を表したいと存じます。
 今、国際社会におきましては、国家がどのくらいまで権限を行使していいかという問題で大騒動が起こっているわけであります。国連でこの間、ガリ事務総長が四項目を挙げて、これから打ち合わせしなければならぬ事項と言っていることの一つにガバナビリティーというものを挙げまして、要するに各国とも統治能力をどの辺まで発揮していいのか、また、国連はどのくらい発揮するべきなのか、その間の線というのはあるのかないのか、どういう形で組めばいいかということを世界じゅうでひとつ議論しようじゃないかという提案をいたしておりまして、私は注目しているところでございます。発想をわざわざ変えてそちらから申しましたのは、日本国の統治能力、国家意思の決定と言えるものはそういう論議と無関係でないわけであります。
 したがって、我が国の貿易政策一つをとりましても、そのまま我が国の意思としてそれで決めていいかどうかというのは、昔と違ってとんでもない変数値の多いテーマになってしまったと。先生は大変な御苦労をなさいまして、今までもその面で通達された方でございますから私が言うまでもないと存じますが、先ほどの愛知先生は、例えば環境問題に対する御見識を承って私も尊敬しているわけでございますが、そういう一つ一つの問題に対する国家意思というののまとめ方が、国際的な意思との両方の調整の中にあるというふうになってきておる。そうすると、我が国においてますます多様化している国民の意思というものをどうまとめていくのかというのは極めて困難な問題になってくる。
 したがって、旧来のように、選挙を一回やったら、それから三年間なり四年間全部任せたよと言っていいのかというところまで論議が発展せざるを得ないところに来ておる。私は、ある意味でそういうような立法、司法、行政の仕組み、それ自体の根本のところから、ある意味の見直し、ある意味の制限、ある意味の管理というものが必要な時代を迎えたのではないか。その意味で、選挙制度の決定の場合にそうしたことももしできるならばなるべく視野に入れて、そして不適応の場合には何とかそれに対応できる仕組みを機敏にとれるようなシステムを何とかとれるようにしたいものだ、こういうふうには考えているわけでございます。
○村井委員 ありがとうございました。大変啓発される御回答をちょうだいいたしました。
 いずれにいたしましても、今の日本というのは、今までのようにアメリカに追随していればいいとか、外国が決めればそれにともかく渋々追随すれば、その外圧というやつで流されていけばいいとかいうようなことでなくなってしまった。少なくとも日本としてこう考えるんだとみずから主体性を持って選び取り、決定をしていかなきゃならない、そういう時代になったということだけは確かだと思うわけでありまして、そういう意味で、私どもがやろうとしていますこの政治改革というのは、そのような政治が実現できるための機構をつくっていこう、そういう道を探ろう、こういう課題だろうと思うわけであります。
 少し当たりさわりのある話になるかもしれませんが、以前、だめなものはだめ、こういう大変受けのいいキャッチフレーズで参議院選挙に社会党は大勝をされたわけでありますけれども、あれを私は聞いておりますときに、実は五・一五事件のときに犬養本堂が殺されますときに、その邸内に押し入った兵隊に、まあ待て、話せばわかると言ったのに対して、問答無用、ズドンと、こういう事件があったわけでありますけれども、あれを思い出した。ああいうことじゃ本来だめなんで、やっぱりもっと議論をしていかないと、今渡部先生がおっしゃったようなその多様な国民の意見というものを集約して国家意思というものをともかくまとめていく、そういう作業ができないんじゃないか。
 私が先ほど実は腐敗防止の問題というのに非常に神経質にあえてきのういろいろ御議論があったことを承知しながら付言をさせていただいた理由は、まあ何といいましょうか、自民党の提案にまた反対というような意味で腐敗防止、要するに腐敗が起こったからそれだけつぶせばいい、反対、こういうことでもし御提案があるとすれば、それは余りにも建設的ではないではないかというような問題意識もあってあのようなことを申し上げたわけでありますけれども、幸いそういうことではないようでありますので、私はまた、いずれにしても、私どもプロの立場からいえば、国民の政治不信が金の問題から起きたことは事実でありますけれども、そこだけきれいにしようというのは、実際問題としてはプロの議論ではない。それだけでは片づかないんだということを私どもは嫌というほどわかっているんだということをこの機会にもう一度強調をさせていただきたい。
 そうして、何とか、今もお話がいろいろございましたけれども、政治の最も大切な機能である国の意思の決定を適時適切にやることができるような制度をどうやってつくっていったらいいかということで一層この委員会の御議論を進めていただくことをお願い申し上げまして、委員長を初め関係者の皆様に敬意を表しまして、私の発言を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○田邉委員長 佐藤観樹君。簡潔にお願いします。
○佐藤(観)議員 時の委員長でございました土井たか子さんも本来ですと当委員会の委員でございますので、いれば今の村井発言につきましては後ろから鋭い批判が飛んだと思いますが、私の顔がうそつくような顔に見えますかと言って、国民をごまかして売上税を入れるというような政治手法というのが、今村井先生が言われました国家意思の決定という高い次元の話とどう結びついていくんだろうかということについて私はつくづく疑問を持つわけでございます。
 一言だけ言わしていただきますと、私もおととし海部内閣の並立案がつぶれたとき以来、政治改革協議会の実務者会議のメンバーとして足かけ二年、俗に言う二十一項目の問題をやってきたわけでございます。そこで、自民党さんが許容できる腐敗防止の問題というのは、中選挙区制においてはこれは限界だということを私はもう左近理事と一緒に出ていてつくづく身にしみておるわけでございます。
 したがって、本格的に日本の政治改革をしようとすれば、これはもう選挙制度と一体のものであるということ以外にもうあり得ないだろう。政党交付金にいたしましてもその他にいたしましても、いわば私たちの方は四法、まあ哲学というほど大げさなものはございませんけれども、そこに一つの政策的な整合性というのが一本通っているわけでございますので、私は、現実に腐敗防止だけ一体どこができるだろうか。この委員会でも御発言ございましたように、中曽根元総理がああ言っていらっしゃるけれども、一体中曽根元総理はどこをどういうふうにやって自民党さんに腐敗防止の部分だけ説得しようとしているのか、そういう案を具体的に言うべきではないかという他の委員の御意見もございましたが、事ほどさように、私も、腐敗防止だけ中選挙区制を継続したままでやるというのはもう政策的にあり得ない。それはもう昨年のあの法案を通したことによって終わったものだ、こういう認識でございますので、御理解いただきたいと存じます。
○村井委員 ありがとうございました。
○田邉委員長 臼井日出男君。
○臼井委員 この論議も随分と長いこと尽くしてこられまして、大変御苦労さまでございます。委員、特に提案者の各位に心から敬意を表する次第でございます。
 初めに、国民がこの審議をどういうふうに見ているのか、この点を私も折々この委員会の皆さん方の大変熱心な御議論を伺いながら考えてみました。私自身としては、この大変熱心な議論というのはむしろかえってあるときは残念で、あるときは何となく悲しい、こういうふうに思うときがあるわけです。それは、現在でもかなり法律的にはもう厳しいものがあります。したがって、現行の制度をしっかりと守ってやっておればこんな論議というのは当然のことながら必要ないわけで、それが守れず、国民からの大変な非難の大合唱が出て、それを我々政治家が、そうだな、もうこれは法律をもっと厳しくしなきゃだめだなと政治家みずからが白旗を掲げて、一歩退いてみずからを練る、こういうことをしていかなければならないこの道程というのは、これは私どもにとって大変基本的な重要なものを含んでいるんだ。この法律が完全にでき上がっても、果たして問題が起きてこないということではない。
 そういうことで、この論議をされておられて、この質疑の内容が、現在国民が注視をしているその国民に対してどの程度その要望にこたえているんだろうか、あるいは国民の疑問にどの程度こたえているかということを、各党から最初にお伺いをしたいと思います。
○佐藤(観)議員 臼井委員の言われることは、半面非常によくわかるわけでございます。本来、例えば選挙には選挙の法定費用があって、その中でやっているとか、あるいは政治資金規正法はその団体を幾つでもつくっていいということになっていますから法律自体が穴抜けになっていますけれども、しかし、本当にその範囲でやる限りはこういう問題が起きないはずだ。それを政治家みずからがこの委員会で目を三角にして議論している。確かに私も臼井委員御指摘のとおりだと思うのであります。
 一方、さりとて定数是正は中選挙区制のもとであれだけのことしか行われなかったということもこれあり、また、中選挙区制では各政党にとって、自民党さんはよかったのかもしれませんが、我々から見るとやっぱり候補者を出しにくい、比例代表でもう少し意見をもっと国政の中に反映させる、議席を得やすい選挙制度ということもやはり考えていかなきゃならぬということもございまして、私は、まあこういう言い方がいいかどうかわかりませんが、災い転じて福となすといいましょうか、これがたびたび御答弁させていただいていますように、政治改革イコール社会改革、日本の国家の大改造に、リストラにつながるというようなことであるというふうに考えれば、この国民からの政治不信というものを、もう一回日本の政治に向けさせることができるのじゃないか、そういう気持ちで今取り組んでおるところでございます。
○塩川議員 私たち考えておりますのは、やはりこの際に、何か今までのように、国民から見ましたら政治に対する特権があるような感じで皆見ております。今、臼井さんおっしゃるように、法律をきちっと守るということがやっぱりこれは原点なのでありまして、その法律の上に、さらにいわばスーパー的な解釈で政治に依存するという国民の体質もあったということも事実であるし、また、政治家自身は、法の中の最大許容される範囲内で法の解釈をしてそこに行動を起こすことが、ある場合には脱法的なものもあったし、また、法はあらゆるところに盲点がありますから、その盲点が社会的正義にもとるものであったとしても、それによってその盲点を活用したということもあった。そういうことから、法の乱れというものが私は政治腐敗というものを非常に大きく生んできたと思うのです。ですから、政治腐敗を防止していく一つの大きい問題点として、おっしゃるように法を厳格に守っていくということ、このことは非常に大事な政治改革の一つの要件ではあると思っておりますが。
○渡部(一)議員 お答えいたします。
 当委員会の審議の熱心さを見てある意味では悲しく思ったという先生の御指摘は、大変鋭い国民の感情を指摘されたものだと私は存じて伺っておりました。法律が法律制定の合意に戻って正確に執行され、随時随時それに対して補正的措置がとられるならばこのような大騒動は起きなかったという先生の御指摘は確かだと存じます。私どもの方からいえば、中選挙区制における定数の是正がもっと的確に行われておりましたら、こんなにもひどいことにはならなかったのにといううらみは私たちの胸の中にも存在するわけであります。
 しかし、政治というものは全体に流れていくものでありまして、一カ所にとどまっていない。合意をめぐっていつまで応酬しても仕方がないのでございます。したがって、その新しい事情に対応して次の対策を立てていくという意味で、政治改革の問題は当院の永遠の課題ではなかろうかと存じております。それにまた、その時代その時代の政治家たちが適切に対応していくことが新しい展望を開くものではないか。その対応におくれをとる民族や国家は自然に衰退していくのではないか、こう思われるわけであります。
 私どもは、何十年にわたる歴史の教訓を踏んまえて今議論しているわけでございますから、もしこの対応で失敗するととんでもないことになるのではないか。むしろこの種の議論はもっと今までも当院で何回も行われてよかったのではないかといったくさんの反省が胸の中にあるわけであります。こんな短い間に凝縮して百時間も議論したねというふうに褒めてくださる方もあるのですが、私をして言わしめれば、毎年毎年百時間ずつぐらい議論して何か成果を上げておけば、こんなひどいみっともないことに日本の政治全体がならなかったのにと思うところも一緒に存在するわけでございまして、その胸の中の悲しみにどうこたえていくか、それは国民の一人としてなすべき義務だと存じているわけでございます。
○臼井委員 私は、国民の皆さん方もこの熱心な議論、これはよくやっているな、こう思っていただいているとは思うのです。しかし、それではどういうふうに国民がこの議論を見ているかというと、やはり我々が思っている以上にある意味では冷ややかな眼でもって見ている、こういうふうに実は感ずるわけです。これは、私どもは毎日選挙区に帰っておりますから、支持者の話の節々でそう感じるわけですね。それはやっぱりこの議論というのはいつか来た道だ、要するにまたできっこないんじゃないだろうか、こういうふうに感じている人が多いわけであります。
 私が考えるのは、とにかく各党の皆さん方のお話を伺っておりますと、とにかく今国会でもってやるんだ、やり切ろう、こういう決意は大変かたいわけでございますし、一括処理をとにかくする、こういうことも確かでございましょうし、もうルビコン川を渡った、もう二度と対岸には戻らない、中選挙区制に戻らない、この三点は私は各党の合意された事項だ、こういうふうに考えているわけであります。
 そこで、今のところ平行線なんですが、私はぜひとも皆さん方にお願いしたいのは、これが絶対だという制度というものは私はないと思うのですね。自民党の出している小選挙区の単純小選挙区、これは政権政党として自分の政党の政策が一番正しい、こういう自信を持って出すときには、私はこれしかないんだろう、これはこれでもって正しいわけでありますが、しかし、社公の皆さん方が出していらっしゃる併用制も、立場を変えて見ると、それは正しいものがある。
 そこで、よく、安易な妥協はすべきでないということを言う方はおられますが、安易な妥協というのはあるのか。例えば民間臨調の出した今度の案も、私は決して、その両者を持ってきて折衷をした、形としてはそのように見えますが、それでもあれはしっかりとした一つの理念に基づいてやっているんじゃないだろうか。自分が絶対だということをいつまでも言っておりますとこれは絶対に結論が出ない、そういうふうに考えるわけで、私はぜひともこの際先に一歩進んで、ぜひとも、あるときは自分の考え方を譲歩してもまとめていくんだ、こういう決意のほどをひとつ国民に向けて発していただきたい。こういうことで、塩川先生からまずお願いしたいと思います。
○塩川議員 これは長年にわたる懸案でございますし、また、今日これだけ白熱した議論のもとでお互いがこの政治改革を実現しようという意欲に燃えておるときでございますから、あながち自分の主張だけにこだわっているというわけにいかないだろうとは思います。
 けれども、それぞれ我々が、例えば自由民主党が単純小選挙区制という法律案を提出いたしましたのは、それだけの党内の手続を経て出してきておることでございますので、もしこれをいろいろな面から修正あるいは補正するということになりますならば、やはり党内の手続というものが必要であろうと思っております。ぜひそれはしておかなきゃならぬ問題でございます。
 そうであるとするならば、現在この委員会において進行しておりますこの議論をわきまえまして、我々として、提案者として、ある時点におきまして、当委員会の方々と相談した結果、この委員会の審議はこうであった、しかしながら、お互い与野党間で見出すべき合致点の基礎的なものは、こういう点が基礎的なものとしてあり、それを母体にしてお互いが合意し、得られるものがあるかということを模索をして党に持ち帰り、党でしかるべき判断を仰ぐということが我々のプロセスではなかろうか、こう思っておりまして、それにつきましての努力は今後懸命に尽くしていきたい、こう思っております。
○佐藤(観)議員 臼井委員御指摘のように、私たちも併用制というものにつきまして絶対の自信を持っておるわけでございます。
 しかし、今問われておりますのは、相打ちは許さない、選挙制度の問題でも政治資金の問題でも結論なしては国民の皆さん方にこたえられないというのが我々の、なるがゆえに結論を持ってひとつ実行していかなきゃならぬという我々の置かれている立場を考えますれば、妥協するということは極めて安易ではないんですね。絶対いいと思っていたものから抜け出るわけでありますから、これは大変な決意が要るわけでございまして、決して安易な妥協ということではない。むしろ党内を新たに説得することもお互いに厳しい問題だと思っておりますが、私は、その次の案というのは制度的にはいろいろ、我々のつくったものよりは若干欠点が多いかもしれないけれども、相打ちによって何にも結論がないものなどということと比較したらはるかに、その案自体が一定の国民の理解と長年月のものに耐え得る制度という範囲内で、ぜひとも私たちは実現させていかなければならぬ、こう思っております。
○渡部(一)議員 通常、民主的手法をとります議会におきましては論議は多数決をもって進行していくわけでございますが、この委員会におきましては、私たちは、多数決の論理だけで行いますならば、両案とも衆参両方の討議を経て廃案になってしまうことはもう目に見えているという共通の認識を持ち合わせているわけであります。
 そうしますと、何が残ってくるかというと、両案を何とか形を変えることによって合意点を見出すという方法しかなくなっておるという意味で、私どもは新しい対応を迫られていると言えると思います。こうした形になることは本院の質疑の間にしばしば見られる現象でありまして、何も特殊な状況ではないと存じますが、ただ、範囲が非常に広くて、与える影響が重層的であるという意味で、私どものその合意の形成が難しいということは言えるかと存じております。
 したがいまして、この努力のために妥協点を模索しなければならないという当然のことが浮上してくるわけでございまして、私どもはその妥協点を見出す前に、自分の提案については絶対の自信を持つと今佐藤提案者も述べられましたとおり、相互に絶対の自信を持って提出したものについて、委員会の論議を通じて、相対的な自信しか持ち合わせないという形になってきたというのが第一の進歩かと存じます。
 また、反対論の提案者に対して尊敬を持ち始めたというところに大きな前進が始まったと思います。私をして言わしめるならば、自民党の提案者たちは、自分たちが既存の権威を守るためには中選挙区制という一番得な場所から抜け出てこられた、そして政治資金の問題についても個人の利益や党の利益を一部捨てて大きな前進をされた。このような尊敬を含めた表現をすることによりまして、相互信頼の上に立って話し合いをすれば、何かの一歩前進が行われるのではないかと期待しているところでございます。
○臼井委員 私は、まさに今各党からお話をいただいたそこのところを国民がしっかり見ていると思うのですね。最初はもう自分たちの意見は正しいということでもって一歩も出なかった。しかし、この長い議論の経過を経て、皆さん方がおっしゃったように、やはり自分の意見は正しいと思うが、しかし、何とかしてまとめる努力をするんだ、ここまで議論が進んできた、このことはマスコミを通じて時々刻々国民に伝わっている。まさに国民の期待は、高まりはもう最高潮になりつつある。この国民の期待にこたえるように、ひとつこれからも最後に向かって努力をしていただきたいと思います。特に、塩川先生から今お話をいただきましたように、あるときこの委員会の状況を党内に報告することがぜひとも必要だ、こういうふうな御判断を示していただきました。その時期がいつ来るのか、私も党内で楽しみにして待っておりたいと思っているわけでございます。
 最近、政権交代論というのがしきりと出ております。また、政権移動の緊張ある政治ということもよく言われるわけであります。このことは、聞くと大変耳心地よく聞けるわけでございますが、腐廃防止というためにはもちろん長所もあると思うわけでございますが、こういうふうに政権がかわるということは、国民に対して、当然のことながら、メリットばかりじゃない、デメリットの部分も出てくるわけであります。それは政策の中断とかいろいろあるわけですが、今政党として、特に最初に自民党にお聞きしたいのは政権政党としての理念、絶対ここは譲れない、こうあるべきだ、こういうことについてひとつお考えをお聞かせいただきたい。それと同時に、野党の皆さん方にもそれぞれのお立場で伺いたい、こう思います。
    〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕
○伊吹議員 私たちは、現在は国民の信託を受けて政権政党であるわけですが、私たちという立場で答えるよりも、将来にわたって政権をとった政党という立場でお答えすれば、やはり国民のためにこの国をお預かりをし、国際社会の中で政権を国民のために担当しているわけでございますから、世界の場で通用する共通の価値観を持っている政党でなければ政権をお渡しするわけにはいかないというところが基本だと思っております。
○臼井委員 今、自民党さんから政権政党としての理念、こういうものを伺いました。
 そこで、野党の皆さん方には、公党として、政権を今とっておられませんから、国民に対してどういう理念を持ってやっていくべきか、こういうことをお伺いをしたい、こういうことであります。
○小澤(克)議員 大変難しい御質問でございますが、基本的には国民各層にある多種多様な政策的諸要求、この諸要求を吸い上げていって、そして整合性のある政策へと高め、立案をし、最終的にはこれを法案として国会に提出をする、そしてその成立を議会の中で図る、そしてその法律の執行は行政府にお任せをする、これが基本的な役割だろうと思っております。
 そのような中で、魅力のある、国民の琴線に触れる政策を提案していくことによって多数を形成し、政権を獲得する、これがあるべき姿であろうかと考えております。
○渡部(一)議員 政権政党としてどういう理念を持たれているかということに対して、私どもは、自由民主党のやり方というものに対して批判的な立場からずっと見てきたわけであります。今そうやって先生から正面切ってお尋ねをいただきまして困惑しているわけでございますが、私どもはしばしば批判するときにどういう手法を用いてきたかと申しますと、正直に申しまして、国民のために利益になる、そうして利益になることは認めるべきだというところがおおよその政権政党の野党に対する、国民に対する説得の一つの基準ではなかったかと存じます。それに対して私ども野党の側から見ますと、それは必ずしも国民全体の利益にならなかったり、将来的な災厄をもたらすものであったり、あるいは地域的な利害であって、全体的な利害を侵すものであったりという意味で特徴的であったというふうに感ずるわけであります。
 そこのところは論議の様子が、幾らでも論議できるし、その論議が幾らでもできるために逆に、これはある時期で採決という形で打ち切らざるを得なかった。そこのところでは合意の後に、完全な合意というよりも、幾つかの不合意の部分と不満が国民の中に残っていくという形で処理されざるを得なかったと思います。それは利害の問題で争う場合であります。
 ところが、利害で争うものではなく、安全の問題で争う部分というのは、外交であるとか、環境の問題であるとか、長期的ビジョンにおける討議というものは、それと別種のタイプの政権与党対野党との対応があったと存じます。これは明らかにイデオロギー的な、信念的なものに広く基づくものではございますけれども、その対応の仕方は、一時的な決着がつくものではなくて、そういうウォーニングと申しますか、警告というものが野党の側から行われることによって、政権政党というものはそれをある意味では国際的に利用してみたり、ある意味では国民のある層を説得するために利用しながら吸収していくという形で行われたものであろうと存じておるわけでございます。
 したがいまして、私の言い方では、政権政党と非政権政党との間は鋭い緊張関係があると同時に一定の補完関係がある、そしておのおのがその機能を果たすとき、それも巧みな果たし方をするときのみ国民に奉仕することができるという意味で特徴的なのではないか、こんなふうに思っているわけであります。
○臼井委員 別に口頭試問やっているわけじゃないわけでございまして、しかし、このことは一番私は政治家として政党を考える場合には基本的なことだ、こういうふうに思っております。
 私はどういうふうに考えているかといいますと、やはり公党というのは将来に向けて確固たる政策を、予測性をしっかり持っていかなきゃいかぬ、それとやはり政策の継続性ということが大切なんだ、こういうふうに思っているわけであります。特に政権政党というのは野党の皆さん方と立場が違うのは、今自分たちはこれをやりたい、こう考えた政策というのはやり得る環境にあるということですね。そのかわり、国民に対していいことも苦いこともやらなければならない、やり得る力があるわけですからあえてやらなければいけない、その辺が基本的に違う、私はこういうふうに思っております。
 ただいまお話をいただきました諸先生方の御意見はどれも私は正しい一面をついておちれる、こういうふうに思うわけでございます。しかし、いずれにしても、政権交代というものが余りにも頻繁に行われる、そしてその両者の考え方が水と油であればあるほどやはり政策が絶えず変わって国民が迷惑をこうむる、こういうことになるということだけはひとつお考えおきをいただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
 戦後四十五年余にわたりまして私ども自由民主党が政権を継続をしてきたわけであります。このことは、私も資料を取り寄せてみましたけれども、西欧の主要国では一つもない、こう言って差し支えないほど希有な状態でございます。個々の内閣の任期というものはさほど長くはありませんけれども、これほど民主主義国家の中でもって一党が長期間にわたって政権を持続してきた例というのは世界でも余り例がないことであります。しかも、一番肝心なのは、この四十五年間、我が国というものは、いろいろな紆余曲折はあったけれども、大変な経済の発展を遂げた、こういう事実も忘れてはならないわけであります。
 したがって、それにはそれなりの理由があるだろう、こういうふうに思うわけでありまして、自民党さんの方からそれに対するそれなりの考え方、野党の皆さん方は野党の立場でひとつ、なぜ結果として長い政権というのが続いてきたのか、そのことについてお話をいただきたいと思います。
○伊吹議員 私たちの国は、全員参加の投票による民主主義によって政権が誕生するという仕組みをとっておるわけでありますから、選挙制度で完全に民意が反映されているかどうかということは中選挙区の欠点として社公の提案者から御批判があったということは事実でありますが、しかしそのことは、五五年体制ということを前提として見れば、スタートの時点では私は同じであったと思うのですね。
 その後、その政策が国民に受け入れられたかどうかということにやはり基本的な問題があるのであって、戦争が終わったころ五十数歳であった平均寿命が今八十歳を超え、戦後一度も戦争に巻き込まれなかった大きな国として日本が存在し、御不満があっても年金、医療がここまで充実した国であるということを考えれば、私どもが長期に政権をお預かりできたということは、やはり国民がそのことを評価されたということであったと思いますし、自民党の長期政権、あるいは長期にわたって政権を独占したということが言われますが、残念ながら社会党も長期にわたって野党第一党の地位を独占されたということもこれまた事実なわけですから、そこのところは、私どもが申し上げるよりも、社会党の皆さんにお尋ねいただいた方が適当なんではないかと思っております。
○佐藤(観)議員 中選挙区制というもとで選挙が戦後行われてきたわけで、やはり自民党が第一党であったことは国民の支持が多かったということであります。
 ではなぜうちの方が少なかったかといえば、一つは国民の支持を集めるだけの候補者を出し得なかった。なぜ出し得なかったか。それは中選挙区制という問題もございますけれども、率直に言って、政策について現実味を欠く部分があったということを率直に私は反省をしなければいかぬと思っております。なるがゆえに、私たちとしましては、今、九三年宣言を初め、政策の現実化、方向化ということに一生懸命取り組んでおるわけでございます。
 先ほど臼井委員の御指摘の中に、余りたびたび政権がかわるのは国民に迷惑だというお話もございましたが、政権というのは国民が選ぶものでありますので、政権与党がだめだと思えばそれは次の、第二党以下の政権になるか、第一党と第二党以下との何かの組み合わせになるか。いずれにいたしましても、私は、政権交代ということがあるときには最低限の政策、最低限じゃないですね、基本的な政策、どこまで基本にするかは別として、国民生活にかかわる問題、国家の安全の問題、この基本的な部分だけは、若干幅があるにしても、共通項を持っておるということはぜひ必要である。
 それから、先月の「中央公論」に小林良彰教授が分析しておりますが、イギリスの場合には、保守と革新というのが、統計をとると、例えば右方向へ保守、左方向に革新の座標を置くと、一種、支持者が谷型になるというのですね。ですから、政権がかわると、革新の側はぐっと支持者の多い左方向に走ってそちらの政策を実現する、保守がとるとぐっと支持者の多い右へ走る。それが鉄鋼の固有化をめぐって象徴的に出てきておる。ところが、アメリカの場合にはこれが山型になっていて、共和党と保守党というのは、極めてその意味で中間をどうとるかということで政権の移譲が行われるというように分析されておられましたが、私は、どちらかというと日本の場合には山型なのかなという、まあ精緻に分析したわけじゃありませんので、その意味では、これからの政権交代というのはそういう意味で国民の皆さんに心配のない上でなければ私は起こらないと思っておりますので、自民党がなぜ長期政権が続いたのかそれは反面我が党の反省材料として今後頑張っていきたいというふうに思っております。
○渡部(一)議員 自民党政権が長期継続する理由について、例えば野党側におきまして連合の話し合いが成功しなかったということは一つ指摘しておいていいかと思います。公明党といたしましては、公明党と社会党あるいは民社党との政権協議をいたしたことがございますが、社会党との間に率直に言って完全な政権協議は成立し得なかった。何回かやってみたのですがだめだったいきさつがございます。自民党との間では政権協議はやったことはございません。
 そこで、どういう組み合わせができたかというと、ばらばらで一つもまとまらない五つの政党が選挙をするという形になり続けた。これは自民党側の野党操縦策の成功であったというふうに言えるかもしれませんけれども、全体的に言えば、これはマイナス現象を生んだと私は思っております。したがって、ある部分までは自民党一党支配で十分に機能したのですけれども、複雑な利害関係と多様な価値観の要求される現代においては、その機能が生きなくなってしまったなと。したがって、私は政党は立派なものだとは思いません。政党、五党そろって機能を失ったなという感じが最近は強くしているのであります。
 もう一つ私が痛感しておりますのは、国民の中で  この間太平洋指導者会議というのにたまたま推薦されまして出てまいりまして、アメリカで行った議論の中で、特徴的な議論が行われたのであります。それは、アメリカ側の出席者から、日本及び東南アジア社会における政治支配構造というものは、家父長型社会の典型的なリーダーシップであるという強烈な分析が行われたわけであります。強烈と感じたのは、私が聞いておりまして、これらの国々では政治的な失敗というものが必ずしもリーダーシップの交代につながらないというのであります。
 そして、例として引かれましたものは、朝鮮民主主義人民共和国であり、日本であり、そして台湾であり、そしてシンガポールであり、そして中国であり、これらの国々においては政策で隆替するのではなくて、家父長型の、一番お父さんのイメージの強い者を上部に抱えていて、そのお父さんが相当ひどいことをしない限り、もうたたき出される寸前までその政権というものは続いていく。そして、そのお父さんの後継ぎは、息子に当たる政治的な息子たちがそれを継続してリーダーシップをとっていくのであって、西欧型の民主主義はこの地域において適用される可能性があるのかないのかというのをアメリカ側の出席者が寄ってたかって議論したのであります。私はひどくその議論に感銘するところが一方であると同時に、弁明の言葉に極めて苦しんだ覚えがあるわけでございます。
 私は、日本の社会におきまして、日本国民は頼りになる父親としてのイメージを自民党に重ねて持っていたのではなかろうかと存じます。したがって、相当悪くても我慢する。あるときは頑固おやじ、あるときはどら息子、あるときは放蕩おやじというイメージでも我慢する。そして、怠け者のひどいおやじでもひたすら我慢する。そして、よほどのことで、もう座敷牢へでもほうり込まなければならぬ寸前まで我慢する。そして、世間に対してはおわびしながらいくというふうなスタイルが家父長型社会構造における政治的リーダーシップであると私は感ずるわけであります。そうすると、何十億円かの金塊を自分の住んでいる居室の下に置いておいたというどらおやじを我慢しながらやってきたというのは、これはまさに家父長型社会のリーダーシップの典型なのではないか。
 そういう意味では、私どもは選挙制度をさわるだけでこれはうまくいくのかなという疑問も確かに感じているわけでございまして、臼井委員が火をつけられました長期存続の自民党政権というのは、単純に言われているように、政策が当たっていたから長期存続をしたというよりも、これが日本のやり方だったというふうにあっさり言った方がいいんじゃないか。
 したがって、私が心配しているのは、変な政権が一遍できまして、そのスタイルが長続きすると、またまた長く長く続いていく。そして、その間、国民の被害というものは非常に高いレベルのものになってくる。そして、我慢しなければならぬ。この我慢型の社会を何とかもうちょっと手軽な政治的リーダーシップの交代の社会に切りかえられないかなというのをこの委員会の質疑の間に感じさせていただいた。
 先生には恐縮でございますが、本質論にわたりますので、ちょっと申し上げさせていただきました。
○臼井委員 最後の部分だけ言っていただけてもよかったのですが、佐藤先生は先ほど、たびたび政権がかわるというのは国民の意思だからいいんだ、こういうふうにおっしゃったわけで、それはもちろんそのとおりなんですが、私が言っているのは、制度としてそうならざるを得ない場合がある。例えば西ドイツのように、小政党であるFDPが大きな政党の間で絶えずキャスチングボートを握って、どっちを選ぼうかこういうふうなことでもってひょいひょいとかわる。そうすると、政策がその小党の動きによって全く変わってしまうんだ、こういう制度もあるわけで、その辺を考えていただきたい、こういうことでございます。
 そこで、この新しい制度ということを考える際に、この前たまたま新聞でイタリアが国民投票でもって上院の比例制というものを葬った、こういう記事が出ておりました。新しい制度を考える際に、この報道というのは大変私どもの目を引いたわけでございまして、国民は、政治腐敗、非効率というものが起こってきた、温存された原因は比例代表制だ、したがってこれを葬り去るには選挙区ごとに劇的な結果が出る小選挙区制が政治浄化の即効薬だ、こういうふうに判断をして比例制を葬った、こういうことでありまして、ここで私が一番心配をしますのは、まさに政治浄化というものが一番の起点として起こってきたこの政治改革、皆さん方が小選挙区比例代表制の併用制を提案しておられますが、意外どこの制度というのはそうした政治の腐敗の改革には弱いんじゃないだろうか、こういう危惧をふっと思いました。もちろんこれはイタリアと日本とは違いますけれども、この点ひとつどういうふうにお感じになっておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○佐藤(観)議員 よく自民党の方はイタリアの例を出されるのでありますけれども、確かに選挙制度、国民投票によってイタリアの場合には比例代表から小選挙区制へと変わったことは事実であります。しかし一方、ニュージーランドでは今度は小選挙区制を比例代表に変えよう、こういう話もあったりして、私は選挙制度というのはいい点もあれば悪い点もあると思うのであります。
 ただ、あわせて言いますのは、津島先生から、政党が扱うお金はほとんど何でもいいんだみたいな、何でもとは言いませんが、きれいなお金なんだということをもう何十遍と答弁の中で言われましたが、イタリアの腐敗の場合には政党自身が公社と結びついたりして汚職を行っているというようなこともあるわけでありまして、いろいろな制度の組み合わせでもって初めてあれするんだと思うのであります。
○臼井委員 お答えも核心を射ておりませんでしたが、私はやはり新しい制度をつくっていく場合には外国のそれらの、私は西ドイツの例もちょっと申し上げましたが、それらのことを参考にしながらひとつしっかりとつくっていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
 実は政界再編という言葉はしきりと出ておりまして、これはこれまた口で言うほどたやすくないわけで、このことについてもお聞きをしたかったわけですが、残念ながらもう時間がなくなりました。
    〔中西(啓)委員長代理退席、委員長着席〕
 そこで、自民党の者として自民党側に一つ御要望しておきたい、こう思うわけですが、先般、六日に梶山幹事長が総理とお目にかかって選挙制度改革の話もされた、こういうふうに新聞に出ておりました。新聞はいろいろな書き方をしておりましたけれども、とにかくこの委員会でもって中心にやっていくんだ、こういうことは間違いないようでございます。しかし、梶山幹事長は私ども自由民主党の最高幹部でございまして、その発言というのは大変重きを持っている。こういうことで、ぜひとも今後、塩川先生から、この委員会に任せろよ、こういうことをはっきり言っていただいて、この委員会中心での議論というのをあくまでもしていただくべきだろう、こういうふうに考えているわけでございまして、その点についてはいかがでしょうか。
○小渕議員 梶山幹事長の発言につきましては、基本的に衆参の制度を改革しなければならぬというところにあるのではないか。しかしながら、その後の幹事長のお話がマスコミ等に流れておるのを聞いてみますると、今国会で同時に決着すべきということでなく、むしろ参議院の制度改革についても、その方向性についても考えていくべきだという原則論を述べたものと私は理解をいたしております。
 したがいまして、当委員会でのこのせっかくの努力を十分理解を示すと同時に、その責任の重さを承知をしておるのではないか。ただ、お話しのように党の最高責任者の一人でございますので、こうした論議の展開を十分踏まえながら、最終的な判断は後刻正確にされるものだというふうに考えております。
○臼井委員 と申しますのは、私も自民党の中でもって政治改革をここ両五年くらいずっと見てきているわけですが、この衆参一体論というのは、前の並立制ができる前からもう既に参議院選挙制度は後にしようということでもってずっとやってきたわけです。これを言い出しますと議論がまた数年前に戻らなければいかぬ、こういうことでございまして、とにかく国民の皆さん方は、この制度改革をやってくれる、やってもらいたいということでございますから、この一点にかけて、ひとつ集中をして、各党ともこの成立に向けてさらに御努力をいただきたいということをお願いいたしまして、私の質問は終わらせていただきます。
○佐藤(観)議員 先ほど臼井委員の質問に答弁漏れをいたしましたので……。
 御承知のように、イタリアの制度の場合には、まあ純粋といいましょうか単純比例代表制、法律論は別といたしまして、実体論として純粋な比例代表制である。我々の併用制というのは、御承知のように小選挙区が二百ございまして、ドイツの例なんかを参考にいたしますれば、そこに全国レベルに候補者を出したところが政権の核になっていくという制度が組み込まれておるわけでございますので、イタリアの制度と違いますので、臼井委員の御心配になるようなことは私たちはないだろうというふうに思っております。
○臼井委員 どうもありがとうございました。
○田邉委員長 衛藤征士郎君。
○衛藤(征)委員 自民党の衛藤征士郎であります。
 四月十三日の本会議以来きょうまで、社公並びに自民の法案提出者並びに委員の皆さんが、真摯な質疑並びに議論に徹してこられましたことにまず敬意を表したいと思います。
 限られた時間でありますので、早速質疑をさせていただきます。
 まず、自民党にお尋ねいたします。小選挙区の定数問題でありますが、定数は五百が妥当であるという、このような法律案になっておるわけでありますが、この五百の根拠をお尋ねしたいと思うのです。と申しますのは、公職選挙法では国会議員の定数は四百七十一名である、このように明記されておりますし、また、行財政改革、臨調等々、御案内のとおり改革の方向に向けての官民一体の努力がなされておるわけでありまするから、公職選挙法にうたう四百七十一というのはある一つの目安になりはしないかという感じがしておるわけでございますし、この点はいかがでございましょうか。
○石井(一)議員 この点は党内で相当議論をしたところでございまして、また実は、衛藤委員御承知のとおり、全党員に対するアンケートもいたしたわけでございますが、そのアンケートの結果、最も多かったのが五百という数でございました。四百七十一を主張された方もございましたし、また五百十二、現状維持というのもございましたし、もっと切り込んで四百というふうな意見もあったことも確かでございます。
 党内の意見が一つでございますが、我々としては、その裏づけといたしましていろいろと各国の制度も調べ、また、四百七十一から五百十二になった経緯も調べたわけでございますが、当初我が国の定員が決まりましたときにはおおむね有権者は六千万人というふうな状況の中から、今日ずっと多いところまで来ておるわけでございますけれども、その間多少、沖縄の返還でありますとか奄美の復帰だとか、二回ほど、まことに理不尽など申しますか定数増で定数減をやらなかったというところもございますが、例えばヨーロッパ各国の、あるいはその他の国々の定員と比べますと、日本の人口に比べて五百前後という数は決して多い数ではない、そういうふうな判断から、もろもろの、すべての条件を勘案いたしまして、最終的に、冒頭申しましたような党内の意見をも踏まえて、五百という結論に至ったわけであります。
○衛藤(征)委員 社公の併用案を見ますと、小選挙区二百、比例区三百、こうなっておるわけでありますし、また、先年の海部案、つまり小選挙区比例並立案は、三百、百七十一、このように、小選挙区は三百、こうなっておったわけであります。また、かつて英国の下院に出されましたいわゆる追加議席配分制というのでしょうか付加議席配分制、AMS制度に倣うと、小選挙区の選挙区は四分の三で、そして四分の一が比例区というような配分になっておりますから、もし五百というような数字を考えたときに小選挙区は三百七十五であってもおかしくはないわけでありまして、私が申し上げたいのは、五百という小選挙区の数は余りにも多過ぎはしないか。現に野党の皆さんが立候補者を擁立する場合のその目安、基準を考えてみても、これは多過ぎはしないかということを感じるわけでありまして、やはり大きな二つの政治ブロック、二大政党を目指すという真っ正面からの取り組みをする場合に、私は五百というのはちょっと多過ぎるのかな、こういう感じがいたしておるのでありますので、この点をあえて申し上げたいと思ったわけであります。
 それからもう一点は、候補者の選考基準ですが、単純小選挙区制の候補者の選考基準、選考過程、これは大変大切なものであると思います。例えば英国保守党のコンテスト方式等々あるわけでありますけれども、特に私が興味、関心を持っているのは、候補者決定の予備選挙、プライマリーエレクションであります。そういたしますと、仮に、各小選挙区におきまして候補者は、現職を含めましてプライマリーエレクションに出ていただいて、そして一番票をとった方が本番の選挙のときに候補者になるということにすれば、極めて開かれた、しかも公平、公正な候補者選考になるわけであります。そういたしますと大変手間がかかる、そして大変コストがかかると言う方もいらっしゃいましょうが、私は、この手間、そしてこのコストというのは、この開かれた議会制民主主義政治における、選挙における必要不可欠なコストだ、私はこのように考えておるのであります。
 また、このプライマリーエレクションを徹底的にやることが、結果として各政党のグラスルーツとしての根をしっかり張っていくことになる、そういうふうに考えておるわけでありますが、この点につきましての自由民主党の御意見を承りたいと思います。
○武村議員 今回の単純小選挙区制を前提にした党内の候補者選定のルールにつきましては、まだ正式に党議決定をいたしておりません。
 二年前の並立制のときの議論でございますが、おっしゃるとおり、アメリカのようなプライマリー方式でいくか、もう一つは、イギリスの保守党、労働党もそうでありますが、いわゆるコンテスト方式を導入するかいろいろ議論がございました。まあ折衷ではありませんが、前回、党で決定をいたしましたのは、まず人事考査の専門家も含めたレベルで、中央で、党から出ようという新人に対しては厳格な多面的な人物考査をして、そのテストにパスをした人が今度は各選挙区に名のりを上げる。そこでは候補者選定委員会を設けて、これも今の自民党の県連のように特定の幹部がこそこそ決めるというシステムじゃなしに、名のりを上げた人の中からアトランダムに党員名簿から、例えば五十番ごとに一名ずっというふうな形で代表を選んで、要するに情実とかそんなものとかかわりなしにフェアな判断をしていただいて、そういう有資格者の中から厳格に一人の候補を選んでいただく、こういうシステムを決定いたしました。
 今回、新しい選挙制度が確定すれば、もちろんこの二年前の案も基本に置きながら、党内で西岡委員会を中心に最終結論を出していこう、こういう考え方でございます。
○衛藤(征)委員 社会党にお尋ねいたしたいと思いますが、政権交代の可能性が一番高い選挙制度は小選挙区制ではないか、私はこのように思うわけでありますが、この点についていかがお考えですか。現実論を踏まえての話です。
○小澤(克)議員 現在においても、中選挙区制を前提といたしても、既に自民党の得票数は過半数を割っているわけでございまして、定数是正がきちんと行われていれば現在の制度でさえ政権交代が行われているはずではないか、こういう主張が一つございます。これも私は事実だろうと思います。
 もう一つ、八九年でしたかの参議院選挙の例をとって、この場合、シミュレーションによれば、劇的な政権交代が起きていたはずである、小選挙区を前提にしてですね、という御指摘があります。しかし、八九年でシミュレートいたしますと、比例制であっても社会党が少なくとも比較第一党になっておりまして、当然政権交代が起こっていたということになるわけでございます。したがって、小選挙区制度の場合には政権交代が劇的に起こるというだけでございまして、小選挙区制であるがゆえに政権交代が起こりやすいということにはならない。これは実証されていないというふうに思います。
○衛藤(征)委員 私は、イギリスのジェームス・スミスの言う三乗比の法則が、むしろ野党にとっては政権交代の可能性をより大きくするものになりはしないか、このように思うんです。
 今、小澤議員は、劇的な政権交代だけが可能であって、小選挙区制では政権交代というのは簡単に、ノーマルにはいかないというようなお話でありましたが、そのようには私は考えないわけでありまして、むしろ単純小選挙区制でありますと、失政があったとか、あるいはスキャンダルがあった場合は一挙に野党の政権獲得の可能性が到来いたしまして、むしろ三乗比の法則は極めて魅力的な政権獲得のチャンスメーカーになりはしないかこういう感じがするんですが、もう一度このところをお尋ねいたしたいと思います。
○佐藤(観)議員 その点については私もかつてお答えしたことがあるんですが、確かに衛藤委員言われますように、小選挙区でも当然劇的に政権交代が起こることは事実でありますが、じゃ八九年のシミュレーションなるものを使って、五百議席のうち四百二十九を社会党が占める、自民党さんが残りの八十ばかりだというので、議会構成として本当に国民の民意を反映をしたことになるんだろうか。それもいいと言われる方もいらっしゃいますけれども、それはいい議会のあり方ではない。なぜならば、議会というのは、政権をつくるだけではなくて、政府、行政に対するチェックその他いろいろな要件があるわけでありますから、その意味で、政権交代だけがあるいは政権をつくるだけが議会の役割ではないという観点から、幾ら衛藤委員からお誘いいただいても、四百二十九を社会党がとる場合もあり得るからいいだろうということで我々は乗っていかない、こういうことでございます。
○衛藤(征)委員 今国民が一番求めておるものは政治の改革、それから政界再編、もちろん政治の浄化をあるいは腐敗防止を前提としておりますが、政権交代、こういうことを強く望んでおると思うのでありますが、それも劇的にですね、そういう時期を待ち望んでおると言ってもおかしくないんじゃないんでしょうか。そのときには、社公の言う小選挙区比例代表の併用制ではそういうことにならないんじゃないかなという感じがしておるわけです。永田町の私どもの認識、そして永田町の政治事情、政党の実態を追認し、かっこれを固定化を前提とするような、例えば民間政治臨調の出した連用制、これは受け入れられない、こういう議論になっておるわけでありますが、それに近いところの併用制ということは国民の意思に沿ってないんじゃないかなという感じがするんですが、この点はいかがですか。公明党さんの方。
○渡部(一)議員 まず、先生が当委員会にことごとく出席され、そして熱心な態度で聞いておられることに対して敬意を表したいと存じます。したがって、先生がきょう御質問になりましたことは、論議の中で少し落ちていたところをみんな拾っていただいたようでございますから、私もきちんとお答えしたいと存じます。
 まず、三乗比の原則からお話を進められましたが、この三乗比の原則は御指摘が何回か当委員会でありましたので私も調べてみましたんですが、そんなまともなものではない。社会学者で数字をもてあそぶ人が時々言う原則の一つでございまして、時々当たり、時々大外れの原則の一つなんです。したがって、この議論を中心にして議論しようとするとちょっと問題かなと、当委員会の精緻な議論にはなじまないなというのを私は痛感しているところなんです。その三乗比の原則が当てはまるときと当てはまらないときについては私は論文が書けるほど勉強いたしましたが、ここで述べる時間はございませんので、割愛さしていただきたいと思います。それから、政権交代にとって魅力があるかないのか議論を、小選挙区制とそれから社公案と両方に対しておっしゃいました。実は、政権交代の状況が、イギリスにおいて単純小選挙区制で逆転現象が起こったということが、二度あることがもう既に議論されておられるとおりでございます。したがって、この逆転現象は、国民が多数支持している方が逆に野党になってしまい、国民が支持してない方が与党になるという、日本国民のように数字的に非常に敏感な国民にとりましては耐えがたい現象というのが既に起こっておるという意味で問題がなと存じております。
 それからもう一つ、政権交代は社公案では起こらないじゃないかという御心配でございますが、いろいろなシミュレーションを見ていただければおわかりいただけるか、類推していただけるかと存じますが、私どもの案でいきますともう即時に政権交代は起こり得る。もし自民党が、自民党がと言うと生臭くなり過ぎますが、自民党が他の党との連立を交渉しなきゃならぬ立場にもう現在おありであって、社公案の場合にはそれがすぐあらわれてくるという形でございますから、こちらの方が政権交代の可能性は早い。
 私の言う政権交代は部分的政権交代であって、全面的な、自民党が完全に野党になっちゃって、そして野党の連立グループがどんと政権つくるというような完全型政権交代を言っているわけではありません。つまり、現状においては部分型の政権交代が起こるだろう。そして、その部分型の政権交代が起こるということは、日本国民の気質からいいましても、政治に対する認識からいっても適切なものではないか。むしろ小選挙区制においてそれをやろうといたしましたら、今までのデータ四十年間全部ひっくり返してみますとおわかりのとおりでございまして、社会党が勝ったのはたった一回だけなのでありまして、これはもう起こり得ない。残念ながら四十年間自民党が勝ち続けられた実績があるわけでございまして、そういう意味で、社会党を口説かれましても、社会党としてもちょっと乗りがたいのではないかというふうに私は横で見えるわけでございます。
○衛藤(征)委員 私、地方を回って帰ってまいりましたけれども、皆さんの生の声として、現在の中選挙区制において、結果として腐敗が生じ、また政治のダイナミズムが結果として損なわれてきている、これを何とかカバーする法はないか、どうすればいいんだと有権者に聞きますと、見える政治、手ごたえの感じられる政治、直線的な、直球的なそういう選挙制度、政治を望んでいるわけなのですね。ですから、中選挙区制で数名選ぶよりも、一選挙区でずばり一人を選ぶことの方が間違いなく自分の政治意思を直角に、正確に国政に反映できる、そうしてほしいという声が多いのですよね。非常にわかりやすいし、政治が見えてくる、こういうことなのですね。ですから、県政とか市町村の政治は非常にわかりやすいし、見えやすい。それはそういうことになっておるからなのですね。
 ですから、政治が草の根主義によって非常にうまく回るときには今のままでいいのかもしれないけれども、そうではないのだから、もう国会議員といえども一つの選挙区で一人を選ぶというふうにさせてくれないかという声が出ておることも事実なのです。そこに私は自民党の単純小選挙区制ときた由来があるのではないかな、このように思っておるのですが、中央は中央でやりますが、地方の政治改革、選挙制度改革は全くやらない。そうですね。そうすると、議会制民主主義の原点は地方政治にあるわけです。まさに草の根主義のグラスルーツなのですね。グラスルーツのところはがたがたしておりまして、現行のままで、私どもが先行して果たしてうまく補完され、うまく進むのかなという心配があるわけなのです。
 ですから、ややもすると永田町の考え方で選挙制度の改革を、あえて言うならば非常に見ばえのする盆栽型といいますか、ぴしゃっと枠にはめてしまって、ああ、見ばえがいいなと、しかし、その盆栽の根は鉢の殻を、枠を割って外に出てはいけない、不可能な、そういうことになってしまいやしないか。本当のダイナミックなグラスルーツをつくるのは単純小選挙区制の方がいいのではないかなという感じがしてならぬものですから、この点をもう一度、社会党、公明党はどうお考えになるか。
○北側議員 これまでもその議論は何度がこの委員会で議論されてきておるのですけれども、衛藤委員にもぜひ御理解いただきたいのですが、我々が提案しております併用制は小選挙区が二百ございます。それから、連用制案につきましても三百小選挙区がございます。小選挙区が二百、三百あるという意味は、これは決して小さな意味じゃございません。その小選挙区で勝つか負けるかの戦いをするような政党でないと、政党としてはこれはもう成長できない、私はそう思うわけなのです。その小選挙区が二百、三百ある、そこで政権の基軸となる政党が国民によって選択をされてくるわけでございまして、併用制であれ、選挙を繰り返していくならば、そこには少なくとも二つの政権の基軸となるような政党が生まれてくるのではないかというふうに我々は考えているわけでございまして、これは政界再編に大きくつながってくるというふうに考えております。
○衛藤(征)委員 随分長い間いろいろ議論がされた中に、政治資金の問題が大変注目を集めてきたわけですが、その中で、企業、団体からの政治献金を禁止するというのが社公案でございますが、重ねてお尋ねしたいのですが、現実に労働組合等々の選挙の支援体制はどうなっているのか。
 私もかつて田舎の町長をした経験があるものですからいろいろなことを知っておるわけでありますが、有給休暇をとってボランティアとして労働組合の方々が参加する、しかし、それは表向きであって、やはりいろいろと手当てが行われるということを現実の姿として私は見てきたわけですね。そこで、そういったことを完全に遮断した場合一体どうなるのか。私はむしろそれは遮断すべきではない。冒頭申し上げました、開かれた、生き生きとした、ダイナミックな議会制民主主義のむしろそれは必要不可欠なコストなんだ、そしてグラスルーツを各種団体にしっかり根を張らせるためには、むしろそれがいい意味の肥やしになるんだ、きっかけにもなるんだ。そこをどんと切っちゃうと、何か硬直した、官僚型の集団だけからの支援とかそういうことになりはしないか。そして、結果として、それはボランティアですぞということでベールにくるんでしまって、現実とは乖離してしまうのじゃないかなということを懸念するのです。
 現実を踏まえてちょっとお答えしていただけますか。
○佐藤(観)議員 我が方の選挙陣営のことにつきましてまで大変御心配いただいて、友人としてまことにありがたく思うわけでございますが、確かに衛藤委員言われるような発想も当然あると思うのです。ただ、今のこの政治腐敗の状況というのは、私たちはもうそれをも身を削って立ち向かわなければならぬところまで来ているという認識になっておるわけでございます。
 企業献金と労働組合の献金との性格の違うことは、たびたび私たちが言ってまいりましたから衛藤委員おわかりのように、労働組合からと、こう言っておりますけれども、これは労働組合がまとめていただいていることは事実でありますが、みんないわば税金を払った後のポケットマネーを出しているわけでありますので、企業献金と性格が違うことはもう衛藤委員御承知のとおりでございますが、私たちは、もうこの際企業・団体献金を禁止しようと言う限り、性格は違うし、それは正当的なものであるけれども、労働組合の献金というものは全く個人に切りかえてもらおうということにしたことでもおわかりのように、この際国民の皆さん方にやはり現実を踏まえてと、政治は生き物でありますから、そのことも大事でありますが、この際私たちはそこまで身を削って国民の皆さん方に示す状況だという大変な決意を持って臨んでおるわけでございます。
○衛藤(征)委員 お話はわからないことでもないのですが、私はあえて、それはやせ我慢であるような感じがしてならぬわけですね。そのやせ我慢は必要ないのじゃないかな、これはざっくばらんな話ですよ、そこまでやる必要はない。むしろそうすることが結果として、労働組合、労働団体の存立を脆弱化させることになりはしないか。そして、結果としてそのことが議会制民主主義のエネルギー、ひいては国家のエネルギーを相殺、阻害することになりはしないかということを心配するわけですから私は言っているわけなのです。これだけは申し添えておきたいと思います。
 私は、もう一点申し上げたいのですが、戦後政治の負の遺産と言われておる政治の腐敗のことですが、国民が不祥事に対しまして非常に厳しい批判をするだけではなく、政治に対する不信とか政治に対する嫌悪とかさらには離反現象がもう起こってしまっておるわけでありまして、これは議会制民主主義、政治そのものを崩壊しかねないわけでありますから何とか食いとめなきゃならない、こういうことだと思います。どうすればいいのかなということでありますが、それは言うまでもなく今次百二十六通常国会におきまして政治改革四法案を何としても成立させることだ、私もこのように確信をしております。
 さて、それをするための環境整備なり手続のことを考えてみますと、大変きついなという感じもいたします。連日の新聞報道、テレビ報道等を拝見いたしましてもなかなか困難があるなと思うわけなんですが、どうするかということでありますが、先般、塩川本部長代理は、当委員会あるいは理事会に各党政策責任者あるいは首脳をお招きして、真意をあるいは意向をただしながら進みたいというような御意見がありました。もっともなことであると思いますし、そうする必要があると思います。なぜならば、今回のこの法律案は、閣法ではなくして、議員立法であるというこの原点をもう一度しっかり我々は見定めるといいますか見据えなきゃならないと思います。議員立法なんだということであります。社公さんの議員立法であり、与党自民党の議員立法であります。それだけに、私どもの三権の府であるこの国会は非常に重い責任を負わされておるわけでありますから、この責任を果たさなきゃならないわけなんですが、そのためには軽々にして私どもあきらめてはならないし、何としてでも成立をさせなきゃいけない。そのためには、議員立法であるがゆえに当委員会の現場だけでは処理もできない壁があるわけでありますから、各党それぞれ合意に向けた環境整備、合意の範囲、譲れる範囲というものを協議決定していただいて、その上に立った私どもの議論をこれから進めるもう時期に来てしまった、こういうことではないかなと私は思っております。
 中には勇ましい意見も出ました。本委員会で結論が得られなければ、あるいは四法案が成立しなければ、解散をして信を国民に問うべきだという意見も出ましたが、私はこれにはくみしたくはありません。そのことは、国権の最高機関である国会の我々の役割と責任を放棄、放てきするといいますかなげうつことになるわけでありますから、断じてその道を選んではならない、こういうことでありましょう。
 ましてや、私どもがこの成案を得られなかったその責めを内閣に求めるわけにもいかないような気がいたします。つまり、内閣不信任案をこのことのゆえに出して、そして事をはかるというような、そういうこともできないような感じがするわけです。それは議員立法だからであると私は思います。それだけに我々の責任は重い、こういうことになるわけであります。
 この辺のところをしっかり踏んまえた上でこれから事に臨んでもらいたいと思いますが、私はあえて、禅の言葉に、そつ啄の機とかあるいはそつ啄のときとかあるいはそつ啄同時という言葉がありますが、私も好きな言葉なんですが、今まさにそういう環境にあるなどいう感じがいたします。そつ啄のそつは、ひなが卵の殻の中から殻をかき割るうとして鳴く、鳴くのですね、それをそつというのですね。啄は、御案内のとおり、親鳥が上から殻をかみ割ってやる、くちばしでっついてやる、これを啄といいますが、まさにそつ啄同機のときで、このひなは何かというと政治改革関連四法律案なんですね。
 四法律案が事実出たがっておるんです。それを私どもが出してやらなきゃいかない。これを我々が、親鳥が出す努力をせずに、国民に信を問う、そういうことは避けなきゃならない、私はそう思うわけなんであります。これは与党の責任であり、また野党の責任であり、とりわけ野党第一党の責任も問われるでありましょう。そういったことをよくよく考えまして、そつ啄同機のとき、まさにこのチャンスを逃さず四法律案を何としてでも成立させるというしっかりとした決意を、自民党さん、そして社公さんから承りまして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくどうぞお願いします。
○塩川議員 衛藤さんの非常に熱心な政治改革への取り組みの姿勢を拝見いたしまして、非常に我々としても心強く存じております。この機会はまさにおっしゃるように千載一遇のチャンスであり、おっしゃるそつ啄同機でございましょうか、確かにその感じはもう非常に私は痛切に感じます。この機会を外すことなく、ぜひひとつ実現したいと思っております。
○佐藤(観)議員 今、衛藤委員のお話で、例は四法案が卵だと言われましたけれども、私は、一つは単純小選挙区制という卵を自民党さんの方が内側からこつこつとたたいて出てくることではないか。企業献金というもののこの殻からひとつとんとんと中から出てきていただいて、おおらかなる天空を仰げばそこに政治改革の実現がある、こういう時期ではないかと思っております。
 委員御指摘のように、半世紀に一回のこのチャンス、そして、私は先ほど使いましたけれども、災いを転じて福となす、国民に幸せをもたらす、国民の政治への信頼をもたらす、信頼を国会自身、我々自身が回復させる絶好のチャンス、これがまさにそつ啄の機至れりと、こういうことだと思っております。
○渡部(一)議員 お答えいたします。
 熱意のこもった意見を開陳されまして、敬意を表したいと存じます。
 今私どもは、ここにおります委員会のメンバーは、私が総括するのもおかしいのでございますが、だんだんと立場が似てきたと思っております。先ほど廊下を歩いておりましたら、当委員会のメンバーは提案者も理事も委員も含めてみんな改革派だなと大声で言っていた某党幹部がおられまして、私はなるほどそんなものかと思っておりました。確かに、この委員会で討議して、私たちの立場は少し前進したのではないか。私どもは、ただいまの例で申しますならば、卵の殻の中へ入っているひなは全員じゃないかという感じがしてならないのであります。外側から太いくちばしを持っている人がまだたたかないのが問題なのではないかという感じが私はむしろして仕方がないのでございまして、どうか自民党の偉い方と社会党のリーダーシップをとられる方々に一段の御前進をぜひお願いしたい。公明党の方は私の方でしっかりと申しつけますので、よろしくお願いしたいとこの場をかりてお願いいたします。
○衛藤(征)委員 最後に、今社公さんからお話がありました。社会党の赤松書記長は札幌遊説におきまして、企業、団体の献金については五年間の猶予を提唱したとかしないとかいう新聞記事も出ておりました。また、我が党の梶山幹事長は、御案内のとおり「濶達を尊しとする」という、極めて度量が広く、物事にこだわらぬ方でもあると大きな新聞記事も出ておりました。野党第一党の書記長、そして与党の責任者である幹事長ともに、やはり政治改革関連四法案成案に向けての並み並みならぬ決意があるわけでありますから、この点私ども信頼を申し上げ、特に野党第一党のリーダーシップに期待し、私の質問を終わりたいと思います。
○田邉委員長 堀昌雄君。
○堀委員 私は、昭和三十三年五月一日に告示の行われました第二十八回総選挙に社会党公認候補として立候補いたしまして、五月二十五日に当選をいたしました。途中、政策審議会長をやっておりまして、地元にほとんど帰らないでやっておりましたら、一回、第三十四回総選挙に落選をいたしましたけれども、その後も引き続きこの国会に送っていただきまして、一九八五年の十二月三日に二十五年永年勤続の表彰をいただきましたので、そこから起算いたしますと、実在職三十二年六カ月になります。
 私が最初に当選しましたときには、社会党は百六十六名実は統一社会党で当選いたしました。五五年体制の最初の選挙でありますけれども、たしか議席総数四百七十一、法律の定数どおりであったと思いますから、四百七十一名中百六十六名というものは大変な数でございまして、党は、余りたくさん当選しましたので委員会の配属を我々の志望を認めませんで、党が一方的に配属をいたしまして、私は文教委員になることになりました。
 そこで、文教委員になりまして、実は三十二年六月二十六日、これは文教委員会の当時の会議録でありますけれども、坂田道太さんが委員長でございまして、「これより会議を開きます。市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。前会に引き続き質疑を続行いたします。」ということで、この日に私が議員となりまして最初の実は委員会における質問をやらせていただきました。冒頭、「管理職手当の法案につきまして質疑をいたします。」ということで始まりまして、そうして審議をいたしておりましたところが、突然、私の後ろの方から、今はお亡くなりになりましたが、新潟県選出の稲葉修さんが何かわわっと言われたわけであります。私は、質問をして一息ついたところでわわっと言われましたから、何だろうと思いましたら、当時私どもの理事は辻原弘市さん、それから西村さん、それから櫻井奎夫さんという三人の方が理事でございまして、坂田道太さんの委員長のところへうわっとこの三人が押しかけて混乱をしたというのが実はこのときの状態でございます。
 私は当選してまだ一カ月ぐらいですから、一体これは何事が起きたんだろうか、こう思っておりましたところが、これが実は強行採決というものでございまして、私は議員になって一カ月目に、まじめに林修三法制局長官と今の制度の問題の議論をしております最中に強行採決で質疑は打ち切りになった、こういうことでございます。(発言する者あり)皆さんけしからぬとおっしゃるでしょうが、これはその後、これで一回で済んでいるわけじゃないのですね。
 その次に、今度は警職法というのが提案をされましたら、今度警職法でまた強行採決、その次が安保ですね。
 ですから、私はそういう意味では、実在職三十二年六カ月の中で何回実は強行採決を経験したかわかりませんが、ちょっと自民党、どなたでも結構ですけれども、どうして強行採決、先進国の議会で起きたことのない、起きることのないことがこの先進国である日本で起きるのか。どなたと言って特定するのはちょっとあれですから、武村さん、いいですか。武村さん、ひとつ。
○武村議員 ベテランの堀先生からのお尋ねでございますが、強行採決という言葉は、どうなんでしょうか、野党側からおつけになっている表現だと思うのでありますが、率直に言って、日本の社会では多数決原理というのはなかなかまだ定着をしていない。なかなかというよりも、まあこの村社会というか協調の社会ではどうも素直にパスしない感じを強く持っている一人であります。それは何も議会に限らず、むしろ一般の国民の間のPTAであれお寺の役員会であれ、あるいは労働組合もどうもそういう傾向があるようですし、とにかく満場一致といいますかたとえ一人二人でも反対したらとことん時間をかけて話をする、あるいは別席へ引き出して話をする、一杯飲まして肩をたたくとかそういうこともありますが、とにかく形としては満場一致で事を決めるという運びがこの国では古代からずっと続いてきたのかなと。そこへ、明治以来、民主主義の制度が入ってきたわけですが、これは大変バタ臭い制度ととらえているのか、一定の時間真剣な議論をして、そこそこ議論をしたら粛々と多数で手を挙げるなり起立をして物を決めていく。勝った方はおごっちゃいけませんが、負けた方は、さっぱりそれでもうこの議題については負けた、多数でもう事が決まった、終わったというふうに観念する、そういうやはりしきたりというか気持ちの整理がこの国ではできていない。
 国会がそれを象徴していて、確かに社会党は社会党として信ずる主張を堂々と繰り返されるわけだし、与党は与党として主張をするわけでありますが、エンドレスにいつまでも意見が対立したら論議を重ねていくわけにはいきません。一定のやはり時間的な制約もありましょうし、タイミングもございますから。そうすると、どこで審議を終えて多数決の採決をとるかというこの判断だと思うのであります。いつも野党さんはその場合、早過ぎる、審議続行とおっしゃる、与党はもう十分議論をしたじゃないか、この見解が対立してああいう場面が、不幸な場面が、先生の三十二年半の間の経験の中で絶えず繰り返されてきたということだと思うのであります。
 これは、ですから選挙制度が変われば、ぜひこの辺のところはお互いに、審議拒否も強行採決も牛歩戦術も、やはりお互い過去を反省して思い切って改めていく、新しい何かのルールをつくってでも改めていく、どこかで話し合いで打ち切っても粛々と多数決原理を働かせる、そういう秩序をつくり上げていかないといけないのじゃないか、そんなふうに感じております。
○堀委員 民族性に由来するというようなお話でございますが、私は制度の話だと思っております。それは制度の話だというのは、今私どもはここで自由民主党提案の法律案と、社会、公明党の共同の提案を論議をして、そちら側に座っておられるのはいずれも私と同じ議員でありますね。この形なら強行採決できないのですよ。議員同士で論議してたら絶対強行採決は起きない。結局、現在の憲法が正しく明示しておるように実は政治がそういうふうになっていないというところに問題がある。
 これは私、この間予算委員会の総括質問でももう議論をさせていただいておりますし、長年にわたって私が主張していることでありますけれども、憲法をちょっと読ましていただきます。
     日本国憲法
  日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
憲法前文はこうなっているのであります。
 私どもはこの考え方に基づいて、実は国民がどのような考えを持っておるかということを正しく国会に反映することが、ここに書かれておる、要するに国民の主権が正しく議会において実行されることになる、こういうふうに考えるのであります。
 そこで、この憲法は、御案内のように第四十一条で、「第四十一条 国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。国の唯一の立法機関であるということは、法律案を作成をし、法律案を議会に提出をし、そうしてこのような形で議員の間で論議が行われ、論議の結果、多数によって物が決まる、これが実はここに書かれております「国の唯一の立法機関である。」ということの内容なのであります。
 実は憲法学者の中にも、日本の内閣は議院内閣制だから――この内閣の問題につきましてはこうなっているわけであります。第七十二条で、「内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。」ここには法律案という言葉はなくて、単に「議案」という言葉だけが憲法には書かれているのです。
 で、第七十二条でその「議案」の中身を、
 第七十三条 内閣は、他の一般行政事務の外、
  左の事務を行ふ。
  一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
  二 外交関係を処理すること。
  三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
これが今の「議案」の一つであります。
 その次に、
  四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
  五 予算を作成して国会に提出すること。
この「予算を作成して国会に提出すること。」と条文の批准を議会に求める、この二つが、実は「内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。」として、第七十二条の「議案」の内容を明示しているのであります。
 ところが、憲法学者の中にもいろいろな方がありますから、これを、議院内閣制というのは、憲法の中で半分は議員でなきゃならぬ、こうなっていることを理由にして、要するに内閣が法律案を出してもいいじゃないかということで、内閣法第五条は、内閣総理大臣は、法律案及び議案を国会に提出しと、要するに憲法と異なる法律がここにある。この憲法に書かれていないものはすべて法律としては認めないとはっきりと憲法が明示しているにもかかわらず、そういう誤りが犯されているわけであります。
 だから、この憲法は、本来、この国会のように、すべて自由民主党が、何も政府の法案にする必要はないのでありまして、自由民主党の議員立法で出されればいいし、我々もそれに対応するものを、社会党あるいは今度のように公明党の皆さんと共同して議員立法で出す。そうして、こういう形で議論をしていけば、これがまさに今の憲法が国会に期待しておる審議の形だと私はもう長年にわたって主張してきておりますけれども、今日いまだそういうふうにならないのですね。
 実は、この仕組みの中で、そちらに石井さんいらっしゃいますけれども、石井さんが公職選挙の特別委員長をしておられますときに、私は、公職選挙法の問題を政府と論議するというのはおかしいのじゃないですか、議員同士でひとつやったらどうですかと、だって政府と我々というのは何も選挙法で関係ないのですから、立場の共通な議員同士でやるべきではないですかと。そこでひとつどなたでもまず手を挙げて、委員長と言いましたら、委員長がそれを皆指して、はい、だれだれと言いましたら、一人五分間ひとつ発言を認めましょうと。そして、これまでのルールでいきますと、多数議席に何時間とか、こういうふうになっていますけれども、そういうのは全部取っ払っちゃって、自由にひとつ交互に、私どもが自民党に、自民党から私どもや公明党にあるいは共産党にと交互に議員が論議ができるということを、石井委員長のときに初めてこの公職選挙の特別委員会で行うことができるようにしていただきました。そこで私はその石井さんに、私のかねての念願の国会審議のあり方のモデルを、石井さんが委員長であったからやっていただいたということで高く敬意を表しておるわけでありますが、そのときに、ちょっと今いらっしゃいませんが、後ろにおられた若い自民党の方が、終わった後で、堀さん、私たち初めて国会議員になった気がしました、これまで我々はじっと黙って後ろで座って、時間がたつまで座ってなきゃならなかった、今度は私も手を挙げたら、委員長が、はい、だれだれということで自由に発言ができるようになって、こんなうれしいことはありませんといって、自民党の若い方に大変喜んでいただきました。
 まさに今、政治改革という問題が非常に重要な問題なんですけれども、その政治改革の一番の原点は、選挙制度とか資金の問題も重要でありますけれども、この国会が国民の期待にこたえるような運営がされなければ、どんな国会をつくったって余り意味がないと私は思っているのです。だから、まずこの政治改革という問題の中でこの問題についてひとつ、ここは皆さん反対なさる理由はないだろうと思うのですね。
 だから、いろいろとドイツや何かの例を調べてみますと、ドイツでは公務員は政党に出向できるのですね。そうして、政党に出向して、法律案の作業や何かに協力をして、また政府に帰れるというような仕組みがドイツではとられておりますし、フランスでは、御承知のように公務員はすべて立候補権があって議会に出られるわけでありますから、そしてまた戻ってきて、また官庁に戻ったり、非常にそこが自由であります。だから、やはりそういう仕組みがないと、今の政党だけで法律案をつくれということはちょっと無理かもしれませんから、それは今の行政組織から必要な人間の出向を求めて、それと政党側が十分協議をしながら法律案をつくる。そして、衆議院法制局を強化をして、そういうことに対応できるようにするということが今後の日本の政治の一番重要な問題点ではないか、こう私は思うのでありますが、これはそれじゃひとつ塩川さん、いかがでしょうか。
○塩川議員 今回の一連の政治改革は、選挙制度それから政治資金規正法ということだけしゃなくして、もちろんそういうような国会自体の改革、私ら自身といたしましては、党の運営並びに党則の改正というところまで含んだ政治改革を考えておりまして、堀先生がおっしゃるような、そういうまさに国会こそ、今までやってまいりました国会対策委員会同士の交渉、何かあれは私は労働組合の交渉のような感じがしてならぬのですよ。ああいうようなスタイルをもうやめて、開かれた委員会運営をやるべきだ、こう私は思っておりまして、そういう一つの方法として必要であろうということを私は痛感いたします。
 それから、法律案の提出が余りにも政府に偏り過ぎている。それは、法律案にしなくてもいいものまで法律案にしてしまっている。それは何か。役所がそれぞれ各省設置法を持っておりまして、その設置法の中に、自分らの権限とし、あるいは所管事項をふやしたいがための、いわゆる自分の役所の営業品目をふやしたいがためにあれをやる。それに協力している国会議員というのもちょっと権威のない話だなと思うたりもいたしますけれども、そういうことが行われているのが実情であります。
 だから、それを改正する意味においても、議員提出の法律を主体にするという堀先生の考え方に我々は大いに賛成であります。
○堀委員 この問題は、自民党の皆さんが賛成していただいたら、もう直ちにこれは実行に移せる問題なんでして、私は、これは選挙制度の改革とか政治資金の問題よりはるかに大きい日本の政治改革だ、こう考えて、終始一貫主張してまいりましたけれども、今、塩川さんの御答弁を伺って、ぜひこれを、ひとつ公明党その他の野党の皆さんと自民党の皆さんでどういうふうにしてやるか。今の官吏の出向なり衆議院法制局の強化なり、やはり体制をつくりませんと、ただやると言ったってなかなかいきません。ですから、そういう意味で、選挙法のようなものはお互い自分たちの問題ですから皆真剣に勉強していますからいいのですけれども、そうでないものがかなりあります。
 それから、今、塩川委員がおっしゃったように、実は私は大蔵委員会に長いのですが、大蔵省という役所はできるだけ法案を出したくないのです。私が当選したころは、一国会に四十本ぐらい法律が出ていました。ところが、最近はもう十数本。それは法律を少なくして後は政省令でこうやってしまう。そうすると議会の承認が要らないものですから、行政の範囲でやれるということになるわけですね。
 ところが、私、大蔵委員会が長かったものですから、党の方からちょっとどこかへかわれ、二年くらいかわれと言われまして、商工委員会に参りました。商工委員会に行って法律を見ておりますと、一体これは法律として必要があるかなというようなものが出てまいりました。そこで内閣法制局を呼びまして、一条一条、これは法律にしなくてもできるのではないですかこう聞きましたら、確かに法律にしなくてもよろしいですが、法律であった方がよりいいかと思います。第二条、第三条、全条令のような答弁を内閣法制局の長官はするわけですね。帰りにエレベーターで一緒になりましたら、堀先生、ひどいですよ、私たちが通産省に言ったことを先生が私にぶつけられるのじゃたまったものじゃありません、私どもも通産省にこれは必要ないと言いました、しかし、何とかしてくれと言って出たものをとこう言うから、それは君らが責任があるのじゃないか、これは法律にする必要はありません、ありません、ありませんとはっきり断ってしまえば法律案で出てこないのだ。
 それはどうしてかといいますと、大蔵省は御承知のようにすべて直接行政です。免許を持って、直接行政になっていますから、大体上からぽんといって、これに逆らうことはできないのですね。ところが、通産省というのは御承知のように間接行政ですから、企業をこう向けようとかああ向けようとか考えますと、ちょっとなかなか行政の力ではそういかないのですね。そこで法律が要るということが通産省のOBの人の話を聞いてわかりまして、ははあ、なるほど役所のあり方、要するに産業界なり金融界なりとの関係、いろいろなあれでそういうものに違いができるのだな、こういうことを大変勉強いたしました。
 それはちょっと横へどけますけれども、そこで実は本論に入るのでありますけれども、私はこの併用制の問題というのを考えますときに、これはその国の要するに今後の政治のあり方、それに非常に関係があると思うのです。これから改正するのですから、これは後ろへ向かっての話ではなくて、未来へ向かってこの政治資金なり選挙制度は働くわけですからね。
 私はもう既にこの間予算委員会で、中央集権から地方分権へ、道州制という問題を実は提案をさせていただいているわけであります。日本は戦後ともかく垂直型の非常に権力の強い政治行政構造になっておりまして、それが許認可事項に象徴的にあらわれているわけですね。この許認可事項なんというのは、これは法律でも何でもないものがいっぱい入っているわけです。ところがそれを、行政が力があるものですから、要するにそういうもので、そうすると民間の皆さん、その許認可を得るためにこれは大変なんですね、実は。こんな国は先進国で日本だけじゃないか。だから、少なくとも中央官庁のこの縦型のシステムを改めるのには、やはり水平型の地方分権、西ドイツは水平型地方分権でありますけれども。ですから、道州制にして、道州議会があり、道州知事があり、そうしてそこで要するに道州内のいろいろな、まあ国全体の問題、この前も予算委員会で申し上げましたけれども、防衛の問題とかあるいは外交の問題とかあるいは国際金融の問題、要するに外側の問題との関係では私はやはり中央省庁というものがなければ処理はできないと思いますが、要するに国民生活に直接関係ある厚生省所管とか文部省所管とか、税に関しても大蔵省所管とか通産省所管とか、これはもう道州の自治体が処理できればいい、こう考えておるわけでして、そのモデルは実は西ドイツのこの連邦政府というものが大変うまくできている。
 それはどうしてかというと、御承知のようにドイツはプロシャ時代から上から下へのこういう形があって、普仏戦争あり第一次大戦あり第二次大戦ありと、ともかく欧州ですべてのドイツ以外の国を侵略し、大変なひどいことをやった。その反省で、実はドイツは戦後に西ドイツがまず連邦国家となり、そうして州政府というものに大きな権限を与え、同時に上院は州政府の代表が入っている。こういうことで、極めて水平的な実は地方分権がドイツでは行われているわけであります。この制度に見合う選挙制度というのが、実は西ドイツにおける併用制の問題でございます。
 私は、昭和三十五年の一月から公職選挙の特別委員と大蔵委員になりました。今回は予算委員になりましたから公職選挙の特別委員になっておりませんけれども、約三十年余り選挙法にかかずらわってきたわけでございまして、その中で一貫して私は併用制というのを主張しておりましたが、今回、公明党の皆さんも御参加いただいて、この私がかねて主張しておりました比例代表併用制が党の案になったということは、私は三十年もうひたすらこの問題にかかわって大変うれしく思っておりまして、皆さんの御協力に心から感謝をいたしたいと思います。公明党の皆さん、ありがとうございました。
 そういう経緯でございますので、そこで、今の問題の中で小選挙区の問題についてちょっと触れさせていただきますと、実はこれもイギリスの地方制度に関係がございます。このイギリスの地方制度というのをちょっと調べてみたのでありますけれども、
  英国においても、中央政府による地方自治体のコントロールは広範に行われている。英国は、国王を国家元首とする君主制国家であり、国法学的見地からいえば、立法も行政も司法もすべて国王に淵源を発するが、以下では一応三つに区分して、中央の地方へのかかわり方を概観する。
こうございまして、まず「立法的コントロール」、
 地方自治体のあらゆる活動に、法律上の明認された根拠が必要とされるが、その法律の定め方は、一般的にいって、非常に具体的であり、厳しい枠がはめられている。このため、地方自治体が成文法上で明認されていない先駆的な行政を行おうとする場合は、自団体のみに適用されるべき地方法の制定を国会に求めなければならない。そのような場合でも、手続きは繁雑かつ経費がかかるうえ、国会で可決されない場合も多い。一部の論者は、地方自治体に「包括的権能」を付与すべきことを提言してきているが、大方の世論とはならずに長年過ぎている。
二番目が「行政的コントロール」で、
  条例の承認 地方自治体は、それぞれの根拠法の定めるところに従って、条例を制定することができる場合があるが、その場合、中央政府の主務大臣の承認が必要である。自治体による条例の制定は、自主立法というよりも委任立法としての性格が強く、法律による具体的・個別的根拠なしには、制定することができない。
その次に今の「委任立法」の説明があって、その次に、
  指揮・監督 今日では、自治体行政に関連するほとんどの法律の中に、中央政府による監督等を認める規定が織り込まれている。それらの規定は、一般的、抽象的な監督を定めるにすぎない場合もあるが、一九四四年教育法のように、中央政府の主務大臣が、「その監督と指揮の下に、地方教育当局〔教育行政所管自治体〕が国家的政策を有効に遂行することを確保する」責任を負うといった、積極かつ具体的な定め方をしている例も多い。
こんなふうに、イギリスは地方自治体と言いながら、中央政府がもう細かいことまで条例をつくるについてもコントロールしているという意味では、これを垂直型分権、こう言われておりますけれども、これは分権じゃないですね、私どもから見ましたら。日本の自治体の方がはるかに私は水平的分権に近い、こう思うのであります。
 ですから、このイギリスのそういう政治構造、自治体と中央の関係というものを規定しているもとは、やはり現在の小選挙制というものの中にあらわれているのではないのか。要するに、国民の多様な要求というものが十分表に出なくて、要するに労働党か保守党か。そうすると、保守党と労働党がかわったら今のような分権を、水平的分権を労働党がやるかといったら、これもやらないということになってくると、政権が交代するということはどういう意味があるんだろうかと思うぐらいに、このイギリスの地方制度を見ると大変厳しい制度になっておる。
 ですから、こういう垂直的分権と、それからドイツの例をちょっとここで引きますと、これはちょっと資料が古いので西ドイツになっていますが、
  西ドイツは、一一の邦(Land)からなる連邦国家である。各邦は、連邦と同じく憲法を定め、独自の議会と政府、裁判所も有している。
 連邦と邦の関係は、基本法(Grundgestz=憲法に相当する。)に定められている。
  連邦には、連邦大統領が置かれる。任期は五年であり、連邦議会(下院)の議員と、比例代表により邦議会が選挙するこれと同数の代表で構成される「連邦会議」において選挙される。
 連邦大統領は、国際法上連邦を代表するものとされており一基本法五九)、いわゆる国家元首であるが、実質的な行政的機能はほとんどなく、象徴的存在として位置づけられている。
  連邦の行政権は、連邦議会に基礎を置く連邦政府に委ねられている(基本法六二)。連邦政府は、連邦議会が選挙し、連邦大統領が任命する連邦首相と、連邦首相の推薦で連邦大統領が任命する連邦大臣により構成される。
  立法府は、二院制であり、連邦議会と連邦参議院から構成される。連邦議会は、国民代表的性格を有し、その議員は、普通、直接、自由、平等、秘密の原則により選挙される。
これが併用制でありますね。
 連邦参議院は、邦を代表する性格を有し、邦まあ州と言った方がわかりやすいかもしれませんが、
 邦政府が任命する邦政府の閣僚により組織される。各邦政府は、人口数に応じて定められる定数(三〜五)と同数の連邦参議院議員を任命するが、議員の代理出席も認められる。また、連邦参議院議員には任期がなく、邦政府は、議長に通告することにより、いつでも議員を交代させることができる。
  議会と政府との関係についてであるが、連邦議会は、後任の連邦首相を選挙し、連邦大統領に連邦宰相に対する不信任を表明することができるものとされ(基本法六七)、また、自己への信任を求める連邦首相の動議が連邦議会で否快された場合には、連邦大統領は、連邦首相の提議に基づき連邦議会を解散することができるとされている。ただし、連邦議会が後任者を選挙したときには、解散権は消滅する(基本法六八)。
こうなっておりまして、要するに西ドイツは、邦が言ってみたら一つの国みたいなものなんですね。この国の上に本当の意味の連邦がある、こういう格好でありまして、まさに国民の意思がそういう、私の表現をかりれば、道州の中で物が決まるという形では、私たちは、同じ、かつて上から下への権力構造であったものを今度はもう少し、今もまあ昔どおりではありませんけれども、もうちょっとそういう水平的な地方分権のあり方に改めるということが必要ではないか。
 そうなると、ここでは結局、要するに水平的分権というのは、その国民の意思が正確にあらわれるという意味で比例代表の併用制が行われておるわけでありますから、その国民の意思に基づいてすべての行政が行われるというのが、私は、やはり基本的に民主主義の国の制度のあり方ではないか、こう考えておるわけであります。
 ひとつその私の考えについて、どなたにお願いしましょうか。元自治大臣。
○塩川議員 堀先生の非常に高邁な御意見を聞いておりまして、なかなか私らの頭では一遍に吸い込みかねまして、わかったようなわからぬような話、しかし、大体こういうことをおっしゃっているんだろうということはよくわかります。理解できたと思います。
 そこで、ただ一つ違いますのは、日本の自治というのは、昔からやはり百姓家が水を分ける、その水の分配を、仲よく分けたいというところから自治が発足してまいりました。そこへ持ってきて明治の維新以降、そういう地方の組織を使って富国強兵の政治をやろう、それが中央集権になってしまって、したがって、いわば日本の地方自治体というのは中央の出先機関のようなことになってしまっておるというのが現状でございますが、これを改めなければならぬというので、行革審等がまずは権限移譲を積極的にやれ、地方分権を進めろ、こうおっしゃっているのは、これはよくわかるのです。
 アメリカが、ちょうど占領軍が来まして、日本の国の憲法を公布いたしましたとき、公布は昭和二十一年の十一月三日であったけれども、占領軍は施行を停止いたしまして、施行を翌年の五月三日にしたということは、地方自治法の施行と合わせてということで、そのことから見ましたら、アメリカ軍はどうしても、日本が戦争に入ったのは、中央集権のシステムになっておるから戦争に走ったんだ、だから地方に権限を与えて地方を強くすれば、自治を強くすれば再びこういう戦争をしないだろうということが占領軍の中にあったということを私はある書物によって読んだのであります。
 それほどに地方自治というのが非常に大事だ。ですから、この政治改革、これと地方自治のあり方というものとは、私はそういう点において密接に関係しておると思うのです。
 確かに今までの中選挙区制のあり方というのは、そういう中央集権制度、要するに富国強兵制度を可能にしてきた制度、つまり、政府が圧倒的に強くて、議会は仲よくなあなあでやってくれたらいいんだ、そういう制度であったような感じがいたしまして、それが今日我々の目に見えてくる官僚主導型の行政ではないかと言われておるところへ通じてきておるような感じがいたします。
 そうするならば、その点からいうならば、やはり私は、中選挙区制というものは欠陥があるんだな。その欠陥の最大は何か。同士打ちをやらすことによって強い力を矯めさせてしまおうということがそこに潜んでおるような感じがいたしてならぬのです。
 ですから、新しい時代を迎えるとするならば、先ほどおっしゃったように、英国のいわゆる縦割り分権は余り感心いたしませんが、やはり地方の意見を吸収するという意味において、私は小選挙区制の方がより地方自治の尊厳に適応した制度じゃないかなという、私はこれはへ理屈でひっつけているんじゃございませんで、そういう感じがいたします。ですから、中央集権中心の政治から脱却する意味においても、国の議会の選挙のあり方というものは検討に値する問題だ、私はそう認識しておる一人であります。
○堀委員 実は私、当委員会に属しておりませんが、ずっと会議録を拝見しておりまして、自民党の皆さんの御主張は、安定した政権ということにどうも非常に比重がかかっているようなふうに私は承っておるわけでありますね。
 私は、安定した政権というのは、やはり全体を見るときに、上から見ている感じがするんですね。私は、政権というのは、安定も大事でありましょうけれども、国民の意思が要するに全体としてこう、それを踏まえて政治が行えるような政権というのが、私が今申し上げているような水平的分権の上に国の議会というものが乗っかるのにふさわしい、要するに上も下も極めてそういう民主的なものができてくるということだといいと思うんです。この小選挙区というのは確かに一つの考え方でありますけれども、しかしこれはイギリスの小選挙区とアメリカの小選挙区と大分違いますから、やはりモデルとしては私どもは一八八五年から続いておるこのイギリスの小選挙区の方が小選挙区のモデルだ、こう見た方がよろしいと思うので、そう見てみますと、さっき私が申し上げたようなイギリス政府というものが、要するに世界がこういう時代になっても、地方自治に対して強権を持ってコントロールできる制度が残っておるというのはどこにあるのかというと、私はやはり政権の側から見た政治と。そうなると今の小選挙区のようなものの方が、それは要するに右か左かということで、ですからあそこは、自由党とか少し出てきますけれども、なかなか小中政党というのは育たないで、大体がああいうシステムの結果として保守党と労働党、こういう大きな政党だけになっているのです。
 私は、今の日本がある意味で多党化していることは大変結構だと思うのですね。それは国民の意思がそういう形で議会に反映しているわけですから、それを尊重しながら話し合いをやる。
 私、フランスとの関係が非常に深いものですからしょっちゅうフランスヘ行くわけでありますけれども、一回向こうのパリ大学の教授に、日本というのは大変うまくコンセンサスができるが、堀さん、どうして日本というのはほかの国に比べてああいうふうにコンセンサスができるのですかと、食事をしているときに聞かれました。私もちょっとはたと、そんなことを余り考えたことがないのですが、それは今塩川さんがおっしゃったことを私はそのときにふっと思いっきました。
 というのは、水田耕作というのは、要するに水がなければ田植えができない。そうすると、平たんなところにあったのでは水がどうにもなりませんから、結局段差を設けて、上から下に田んぼができてきて、そうして上と下との関係でいよいよ田植えをしますよという話ができれば、今度は下の人はさらに下の人と、いついつ田植えをしますとだんだん話をしておかないと、上から水がどんどん来て、それを下へ流さなかったらせっかく植えた苗はみんな水没してしまいますから、そこで田植えをするときにも、かなり広い範囲で順次コンセンサスを得ながらやらない限り稲作というものは日本の場合はできない。今度は水を切るときも、ちゃんと上下十分話ができていて、上から水を切っていかないと実は水は切れないという意味で、私は、水田耕作という日本の、それも平地が広いところではなくて、山が多くて、そういう耕作地帯が階段的になっておるということが原因ではないかと思いますということをそのときに答えたのですが、後で帰って調べてみますと、確かにそれも日本の伝統的なコンセンサスを得る一つの大きな要素になっておるという点では、塩川さんがおっしゃったとおりだと私も思っておるわけであります。
 そうなると、やはり日本人は本来的にコンセンサスをすることについてはかなりすぐれた特性を遺伝子の中に何千年にわたって持ってきているわけですから、連立、連合ということは余りそんなに、何といいますか、単一の政党が政権を持った方がいいということではなくて、連立とか連合政権という方が、日本の民族性にはそういうコンセンサスシステムという土台があるので、それが多様な国民のニーズを吸い上げるという点ではかえって今の単一政党によるところの政権維持というよりもすぐれているのではないかという感じが私はするのですが、どなたにお答えいただいたらいいですか。
○伊吹議員 先生のおっしゃっていること、理解できる面もたくさんございます。
 それで我々が、議事録で読んでいただいた際に申し上げているのは、一党による安定ということよりもむしろ有権者に次の政権はこのような形で組むんだということがあらかじめ明示的にわかって、そしてその投票をされる制度がいいんじゃないかと。したがって、比例制というのは、先生おっしゃったように、多様な価値観を受けとめてそれをそのまま議会へ得ってくるということはおっしゃるとおりだと思うのですが、もし先生がおっしゃっているようにコンセンサスが得やすいということであれば、かつて社会党と公明党の皆さんも政権協議をなすった際になぜコンセンサスが得られなかったのか。つまり、多様な価値観を代表したままで、二〇%、一五%という議席を国会へ持ってきた後、国会内の協議によって事後的に政権ができるというのは、私は、やはり政権を選ぶ形としては適当ではないんじゃないか。
 安定というのは一党が独裁をするという意味ではなくて、政権である限りは、個別政策についての協力、コンセンサスというのはできますけれども、日本という国家をある程度の期間にわたって運営をして、諸外国との中にお互いの国益のやりとりをする際には、多様な政策が抱合されてトータルなシステムとして国の運営をしなければならないわけですから、このすべてにおいて、政権ができた後、意見が一致しなかったということで結果的に内閣が次々とかわるというのは、これを不安定と称して国民のためにはならないんじゃないかという議論をしておったわけでございます。
○堀委員 実は、日本では私どもが言っておるような連立政権というのは、戦後既に四十五年たつのですけれども、一回もないのですよ。私が言いたいことは、もう時代がこれだけ変わってきたわけですから、今のようにこういう政権ができるぞということが前にあって、それに国民の考え方を集約するというのは、やはりイニシアチブが上にあるのですね。私はその上にあるイニシアチブを下におろしたいと言っているのですよ。それが水平的分権という私の考えてして、要するに地方におろす。
 これはもうしかし今臨時行革審でもそういう方向ですし、ここに「府県連合から道州制へ」という厚いパンフレットがございます。私は道州制論をやっているものですからいろいろな資料をいただいているのですけれども、いろいろな団体、青年団もありますし商工会議所もありますし、いろいろな方がここに自分たちの新しい道州制モデルへの情熱を傾けておられるのですね。国は国民のそういう希望に全然今こたえようとしていないわけなんですね。
 もう一つ、私は長く大蔵委員会にいますからよくわかりますけれども、ともかくも今の予算編成のあり方についてこういう話をしたことがあるのです。テレビ討論で言ったのですけれども、自民党は今政権を持っているけれども、自民党が予算編成しているだろうかと。確かに予算編成大綱というのは自民党がつくられます。現実には大蔵省の官僚がつくって、あと三千億か幾らかが保留されていまして、これだけが自民党が自由にお使いになれるというのをテレビ討論で私はやったことがあったんですよ。そうしたらそのときに出られた方、名前は言いませんが、いや、そんなことは一切ありません、自民党はすべて予算編成にかかわってやっています、こうおっしゃったんですが、終わったらそこでその方が、堀さん、こんなところであんなことを言うなよと。それは君の言うとおりだけれども、テレビで全国民にそんなことを言われたら自民党の立場ないじゃないかと言われるから、いや、実際のことを国民に知らすことが私たちの任務だから、自民党政権というのは大変立派な政権だけれども、そのうち自分のやっているのはこれだけで、あとこれは全部大蔵省の役人がやっているんだということを申し上げたようなこともあるわけでして、それは私は三十年から大蔵委員会におるわけですから、何しろ今の次官、あれは三十四年の入省ですからね。だから、私が当選したときにはまだ入ってないんですよ。東京大学にいたんです。それだけあれがありますから、大蔵省のことは大体何でもわかるのです、ここにはたくさん大蔵省の御出身の方もいらっしゃるけれども。
 ですから私は、そういうふうな立場から見ますと、まず第一に今直さなければいけないことは、官僚主導をひとつ議会主導に直したいんですよ。これをどうしてもやらなきゃいかぬ。それを今政府案なんということをやっていたら、いつまでたっても官僚主導がなくならないですよ。だから議員立法で、官僚は陳情に来いと。今は逆じゃないですか。役所に議員が陳情に行っているんじゃないですか。逆にしなきゃだめですよ。予算編成なりこの政策は党がやる、おまえたちがやりたいことがあったら言ってこい。そうしたら、こういうふうにお願いいたしますと。これを逆転させなければ私は日本の将来はないと思う。だから、そういう官僚主導から議会主導へということにするためには、基本的に、今の議員立法で我々がやるというその構えがしっかりしなければ、官僚に甘く見られてしまってだめなんです。
 ですから、どうかひとつそういう将来像、そして水平的な分権というものを考えますと、私は、まず何としてもこの選挙制度というものが、国民の意思が正しく反映するということを考えていただかないと、今の大きな、ダイナミックな日本の政治改革というものはなかなか簡単じゃないのですよ。官僚の力というのは強いですからね。この中には官僚出身の方がいらっしゃるから、官僚出身の方はその役所のことをよく知っておられるから、もうあしたからでも間に合うのですよ。ところが、我々、私のように三十年もやっていればあれですけれども、三年や五年ではなかなかこの官僚の仕組みというのを、ちょっと物を言うといっても言うことを聞かないのですよ。まあここらも関係者の一人ですけれどもね。
 ですから、どうかそういう意味で、私が考えておりますのは、あと十分で休憩になるようでありますからその範囲でやらせていただきますけれども、まず第一点は、そういう意味で民意がひとつ正しく反映するということが私はそれのベースの原則だと思うのです。要するに、国家に由来して我々は選ばれてくるわけですから、だからその国民の意思を正しく議会で実行できるような議会をつくるということが先であって、先に政府ありきあるいは政党ありきという発想は私は今度の政治改革の中で一遍ひっくり返して、一番大事なのは、要するに主権は国民にあるということを憲法が明らかにされているので、我々はその国民の委託を受けて国政を国民のためにやる、こうなっているわけでありますので、その点はやはり選挙制度に非常に関係がある、こう考えておるわけでございます。
 そこで……(津島議員「答弁、いいですか」と呼ぶ)じゃ、あとちょっと時間がありますから、どうぞ。
○津島議員 私がかつて役人の駆け出しのころ、既に大蔵委員会で大活躍をしておられた堀委員の大変感銘深いお話、私はもう同感の気持ちで今承らさせていただきました。
 二、三つけ加えますと、結局、今の行政と立法府の関係がこうなったのはやはり長い単独政権にあったと言わざるを得ないわけです。先ほど、大蔵官僚が予算をほとんど全部つくってしまうという見方が一つ。ところが、その裏にそれぞれ今度は族がいらして、例えば建設省の予算であったら、いや、細かいところまで我々は相談を受けて一緒にやっておるよという方もまたいらっしゃる。つまり、その両面で今でき上がっているわけですね。ですから、ある意味では立法府は関与をしていますけれども、しかし、全体としては役人の果たす役割が非常に大きくなっているということは事実でございます。
 私はかつて、最初にニクソン・ショックがあって、我が国が三百六十円体制から離脱をするときに内外の経済政策の調整をさせられておりましたけれども、そのときに本当に感じましたのは、やはり国民の立場に立った行政に対する指導力がないと、官僚というのはできないことがあるのです。つまり、全く新しい事態に遭遇したときに、右に持っていくか左に持っていくかは、民意をだれが本当にくみ上げるかによって決まる。ですから、そういう意味で、堀議員が今指摘をしておられるような本当の意味の立法府の再生ということ、政治の主導権というものがいかに大切か私は全く同感でございます。
 ただ、その場合に、連合政権がいいということについては、まあ時間がございますから午後また議論させていただきたいと思うのですけれども、やはり政権交代があるような政治状況をつくることの方が大事だというのが私の意見でございます。
○堀委員 今津島さんがお話しになったことで、実は、ニクソン・ショックがございました。私は、当時水田大蔵大臣でございまして、直ちに水田大蔵大臣に、市場を閉鎖してください、混乱しますから市場を閉鎖してくださいと申し入れました。ところが一向に返事が来ません。山中貞則さんがおられましたから、山中さん、これは市場閉鎖しなかったらもう大変巨額な損失を招くから、要するに閉鎖するようにやってくださいと言ったら、いや、堀君、水田じゃおれが言ったってやらないよと、要するに役人主導だ、こういう話ですね。それで私は大蔵省に言いましたけれども、結果的に一週間あけっ放しになっていたのです。
 私は、このときに、いや、本当にいわゆる政治というものがどれだけ国民の利害に大きな関係があるかということを痛切に感じました。一週間あけっ放し、よそは全部閉めているのですから、日本だけがあけっ放し。私は、山中さんと大変長いおつき合いで、もう肝胆相照らす仲なものですから、山中さん、何とかしてくれよ、こう言ったのですけれども、いや、水田じゃちょっとおれが言ってもだめだなと。水田さんという方は、もう専ら官僚の言うことを尊重される代表的な大蔵大臣でございましたから、山中さんがそう言うのではもうしょうがないと、私は直接やりますと言ったけれども、結局一週間かかった、こういう例がございます。
 ですから、そういう意味では何としても、やはり政治家というのは多角的に物を見ていると思うのですよ。官僚というのは一定の幅の中のことは大変詳しいですけれども、すべてに視野を広げて物を見るなんということをしていたのでは官僚の仕事は勤まりませんから、だからすぐれた官僚ほど、狭く、深く、こうなっているんだと思うのですね。
 ですから、そういう意味で私は、やはり政治家が果たす役割がこれからますます重要になる。世界がこういう形に変わってきましたから、これからの先というのは官僚ではとても見えないし、同時に私は、この前参議院の比例代表のときにも申し上げているのですけれども、官僚というのは大体二年がポストなんですね。大蔵省の例でいいますと、大体課長が二年、局長も二年、次官も大体が二年ということですと、二年より先のことをやろうとしたら、自分が立てた政策を二年間にやってしまわなかったら、後の人はそれをほったらかして自分のことを出しますから、だめだ。二年ごとの政策しかできないシステムを後生大事にここまでやってきたのですからね。
 我々は議員になりました以上、私は格別長く御支持をいただいたおかげで在職三十二年なんてありますが、しかし、大体十五年、二十年というのは別に珍しくないわけですから、かなり長期のスパンで政治家は物を考えながら勉強ができるわけですから、そういう意味でも、私は、今私が提案をさせていただいておる、要するに官僚主導から議会、政治主導へということが政治改革の最大の課題であるということを申し上げて、あとは三十分、今度は、きょう東京新聞に発表されましたけれども、私どもと密接な関係のあります慶応大学の小林教授が両立制というものを提案をされておりますので、これは資料を配りますから、それであとは一時からこの問題をやらせていただきます。
 では、午前の質問をこれで終わります。
○田邉委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五分開議
○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。堀昌雄君。
○堀委員 午前に引き続きまして、残余の三十分間、実は先ほど申し上げましたように、慶応大学の小林教授がけさの東京新聞に発表されておりますので、ちょっと皆さんのお手元にこれのコピーをお配りをいたします。
 私も実はきょうこれを拝見したわけでありますけれども、ずっと読ませていただいておりまして、確かに一つの考え方だ、こういうふうに感じまして、特にそのベースになっておりますものは、私たちのこの併用制を土台とした上で、小林教授がそれに対して、私どもは二票制をとっておるわけでありますけれども、これをひとつ一票制にということになっておりますので、記録にとどめますためにちょっと読み上げることにいたします。
  小林教授が提言した小選挙区比例代表両立制
 の概要は、次のようになっている。
  〔定数〕総定数を五〇〇とする。このうち原
 別として二五〇を小選挙区定数とし、残りを比
 例代表定数とする(小選挙区定数は二五〇にこ
 だわらない)。
  〔ブロック〕全国を十二ブロックに分け、各
 政党はブロックごとに比例名簿を作成、提出す
 る。
  〔選挙区定数配分〕全国二五〇小選挙区は、
 直近の国勢調査に基づいて、最大剰余法により
 各都道府県に厳密に人口比例配分する。
  〔小選挙区の区割り〕各政党の合意に基づく
 第三者機関で原案を作成する。
  〔投票〕有権者は一票を持って、小選挙区に
 立候補した候補者の中から一名、もしくは比例
 名簿の政党の中から一つを選んで投票する。
  〔当選人の決め方〕
  1、小選挙区候補者および政党名の得票を所
  属政党ごとに全国集計し、総定数五〇〇とし
 て、ドント式により、各政党の全国議席を決定
  する。
  2、各小選挙区において、相対多数の者一人
 を当選人とする。
  3、各政党の全国議席をブロックごとに配分
 する。その方法は、各ブロックのその政党の得
 票に応じて、比例配分する。
  4、各政党のブロックごとの配分議席を上回
 る小選挙区の当選人が出た場合は、超過議席を
 認める。
  5、最も多く超過議席が出た政党の超過議席
 数を基準に、超過議席の出なかった他の政党に
 も議席(増加議席)を配分する。その数式は、
 増加議席を配分される政党の全国得票数を最も
 多い超過議席の出た政党の全国得票数で割った
 数を、基準となる超過議席数にかけて算出す
 る。
  このように、小林教授の提唱する両立制は、
 現在国会で審議されている社会、公明両党提出
 の小選挙区比例代表併用制に似た制度で、比例
 代表制を基本にした制度といえる。
  ただ、社公案が事実上の二票投票制(一票二
 記載)をとっているのに対し、両立制は一票制
 をとっており、二票投票によって生じがちな、
 同一人による違う政党への分裂投票を避ける仕
 組みになっている。
  両立制の最も大きな特徴は、超過議席の扱い
 だ。第一党の超過議席の数に応じて、第二党以
 下にも増加議席を配分するため、結果として、
 各党の全国得票率に議席率がおおむね比例す
 る。
  したがって、両立制は民意を議席に反映する
 という点できわめて優れているが、@超過議席
 が、併用制よりも多く出ることが予想されるA
 第一党が議席の過半数を占めにくく、連立政権
 になり、政局の不安定を招きやすい――といっ
 た問題点が指摘されそうだ。
新聞はこう書いているのですけれども、私は、必ずしもこの最後のところは、これは新聞に書いてあるのを読み上げましたからそうなっておるのであって、要するに連立政権になり、政局の不安定ということでありますが、ちょっと西岡委員にお尋ねをしたいのでございます。
 たしか西岡さんは新自由クラブという党にいらっしゃいましたね。そうして、新自由クラブと自民党が連立政権をやられた時期がたしかあったように記憶をしておるのでありますが、その当事者である西岡さんからちょっとその点についてお答えをいただきたいと思います。
○西岡議員 お答え申し上げます。
 ただいま堀委員御指摘の点は、過去のことになりますけれども、新自由クラブの中で政治的な路線論争がございまして、新自由クラブを離党いたしまして無所属に私がなりましてから後、新自由クラブが自民党と連立をしたという経緯がございますので、私から言及いたしますのは適切ではないのではないかと思います。
○堀委員 私もちょっとそこらのところは余りつまびらかでないものですから、たしか西岡さんは新自由クラブから外へ出られて、その後新自由クラブと自由民主党は連立をされたものですから、ちょっとその御経験をひとつ伺おうと思ったのですが……。まあ、もう終わったことでございますが。
 私はどうも、今の時代が変わりましたから、これまでですと、何といいますか、やはり左翼と右翼といいますか、こういうものが、ロシアという共産主義の国が厳然としてあって、アメリカという自由主義の国があってと、こういうことでありましたから、我が党も、どちらかというと左翼の側にいたわけでありますね。
 ただ、私はちょっと党の中では変わっておりまして、実は私も旧制高等学校時代からマルクスの勉強をいたしました。そのマルクスの勉強をするに至った動機は、実は私は大変映画が好きでございまして、当時私どもが高等学校に入ったころにはプドフキンとかエイゼンシュテインとかというロシアのすばらしい監督が、「戦艦ポチョムキン」とか「トルキシブ」とかいろいろなロシアの映画が出てきたわけですね。そのロシアの映画で彼らが使ったのがモンタージュという実は手法なんですね。このモンタージュというのはどういうことかといいますと、これは唯物弁証法でまずテーゼ、一つの概念を、一つテーゼがある。その次にこれと相反するアンチテーゼというものをここへ置く。それで、映画の画面でまず一つの画面を見せて、これと反対のものを受け取るような画面をその次の画面に出すと、観客はそれを頭の中でジンテーゼして、そうしてそれを集約的に受け取る。こういうモンタージュという手法をエイゼンシュテインやプドフキンたちが開発をしたわけですね。私、旧制高知高等学校ですが、映画研究会におりまして、大体映画研究会なんというのは文科の連中ばかりですが、私は理科ですけれども、ただ一人理科でその中に入っていたのです。そこで、そうするとちょっと唯物弁証法というのはこれは何かというのを勉強してみないとモンタージュというのはよくわからない。そこからこう始めましたら、その映画研究会というのは大体が左翼の巣だったものですから、いろいろとそういうことで勉強するようになりました。しかし、高等学校にいる時期はもう既にそういうマルクスの峠を越えておりまして、戦後になって実は出版物で、要するにマルクス・エンゲルス全集も読み、あるいはレーニンのものをいろいろ読んだりいたしたわけであります。
 さっき実は私は強行採決を、ばんと来ましたときに、実はレーニンは「国家と革命」の中でこういうことを言っているのですね。資本主義社会の議会というのは、自分たちの悪いことを覆い隠すための言ってみればイチジクの葉だというふうにレーニンは「国家と革命」の中に書いているのですね。私は、今の、どんとやってこんなになったのを見て、ああ、やはりレーニンの言っているとおりだなと、そのときはまたそういう感じをしたわけです。
 しかし、その後、大蔵委員会で今度は経済の勉強をしてまいりますと、どうやら競争原理というものがないと人間が生産をふやすことはできないんじゃないだろうか。ロシアの仕組みだと、決まった労働時間で決まった賃金ということでやっておりますと、結局生産性をふやすためには労働者をふやすか機械が要するに生産性を上げるか以外にないのですけれども、機械が生産性を上げるというのはなかなか簡単ではないので、労働時間をふやす方法はこれは割に簡単ですから、そうすると、今のロシアがああいうことをやっているけれども、やはり国民生活を向上させるためには競争原理というものがどうも必要じゃないか、こういうことに気がついてまいりました。
 そこで、そういうことで競争原理の問題や何か、いろいろと近代経済学の問題を読んでいるうちにだんだんとその考え方が変わってまいりまして、社会党の中では最も早く、要するに競争原理、市場経済論というのを党の中で始めた。ですから社会党が運動を、今日は皆そうなんですけれども、当時はこれはまだ、そうですね、昭和三十七、八年ぐらいですから、なかなかまだ左の力も強い時期でございましたけれども、大蔵委員会だけはどんと私が長く座っているものですから、大蔵委員会の関係者は大体私の考えに沿って論議をしていただく、こういう形になって、そういう意味では、社会党ではございましたけれども、経済的な問題については自民党の皆さんとほとんど変わらないという、それでないと大蔵委員会では大体仕事にならないわけですね。それで三十年やらしていただいたということでございます。
 そこで、今ここの表題に「民意反映の「両立制」を提言」と、こう書いてございますね。これはもう私が先ほどから申し上げているように、今の両立制の中で興味がございますのは、超過議席というのは、これは併用制はどうしても小選挙区との関係で超過議席が出やすい。ドイツの例を見ますと、三、四議席ということでそう大きな実は超過議席は出ないのでありますけれども、これはやはり私どもは新しい制度ですから、やってみないとどういう結果が出るか、シミュレーションだけで推定するということはちょっと私は困難だと、こう思いますので、この私どもの問題点の一つは、併用制の問題点は超過議席が出るということでありますけれども、その超過議席をうまく配分して得票率と議席率が一致するというこの仕組みは、私は大変考慮をされた今の超過議席の配分方法だ、こんなふうに考えておりまして、私ども今度は何としても、後でちょっと政治資金のことにも触れさせていただきますけれども、やっていかなければいかぬ問題の一つは、やはり制度を改革しないと、中選挙区では特に自民党の皆さん、仲間同士で競り合うと結局資金が要るというのは避けられない必然が今日まで続いていますから、これに終止符を打つためにはどうしても今の個人本位の選挙制度から政党本位の選挙制度、政策で争えるように。そうして、ここに書いてございますが、このやり方ですと同士打ちということはなくなる、こういうことで、まず私は、きょうここに発表されました小林教授の両立制も皆さんの中で検討の素材に一つ加えていただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
 そこでもう一つ、最後の問題は、実は政治資金の問題でございます。
 私はこの間予算委員会の分科会で実は提案をいたしまして、個人献金の税額控除というのを提案をさせていただきました。
 皆、公費負担するという発想が述べられているわけでありますが、国民の側から見ますと、公費の負担の前に、やはり一番望ましいのは個人献金がもっと国民の中に広がることではないか、こう考えているわけでありまして、そういたしますと、自民党の皆さんの立場も考慮をして、後援会をつくられて月に一万円の会費、年十二万円という会費ぐらいは、中小企業の皆さんでも、支持をしておる自民党の政治家の方に政治献金をされることについてはそんな大きな負担ではないだろうということで、上限を年十二万円、こういたしまして上限十二万円。
 そうしてそれを、中央選挙管理委員会が要するに郵便局の振り込み用紙を刷って、そうして中央選管の判が入ったもので振り込み先にちゃんと規格に合った政党の振り込みの番号を、自民党は何番、社会党は何番というふうな振り込み用紙があって、そこへ丸をして振り込んでいただくと、振替の領収書がありますから、その領収書を確定申告のときに出していただいたら、その領収書に基づいて税額控除で還付をする。
 労働者の場合は、労働組合の中に私どもの資金収集団体をつくって、その皆さんが労働組合の皆さんに今の振替の文書を渡して、ひとつ皆さん、月百円でいいですからこれをやってくださいと。一人千二百円ですからそのぐらいは、月百円、年千二百円ぐらいは労働者の皆さんに負担していただいてもいいだろう。しかしこれは、労働者は数が多いですから、もしやっていただいたらそれを年末調整に今の資金団体の人がまた集めて、そうしてそれを税務署に出して今の還付が受けられるようにする。
 ということになれば、要するに個人献金というものをやることによって、税額控除ですから公費で負担をすることですよ、しかし、ただストレートに政党に幾らお金を出すというのは私は国民の側から見るとやや問題があろうかと思うので、その制度をやりながら実は今のこちらにあります企業や団体献金をやめる、こういうような形の処理をしたらどうかということを予算委員会の分科会で先般提案をさせていただいているわけであります。
 これの問題について、ひとつどなたか御答弁いただければお伺いしたい。
○津島議員 昨日、御堂の後藤委員から、政党助成もいいのだけれども、そこへ至らない段階の政治への国民の参加という方式を考えたらどうだ、その場合に大事なことは各党各派が広く同じような利益が得られるシステムをつくったらどうか、こういうお話がございまして、私は一つの大変参考になるお考えたということを申し上げ、そしてそのとき申し上げたのは、かつてある党において税額控除を含むそういうお考えを提案されたことがあるということを申し上げました。
 さすがに堀先生も、かねがねからそこに着目されていたということには敬意を表したいと思うのでありますが、専門家の先生でございますから、税額控除にする場合の嫌らしさも当然おわかりになっていると思いますね。
 例えば、それこそ税額がある人でないとこれはできない。じゃ、税を払えない大衆はどうだ。だから、これを基本的な制度にしてしまうについてはやはりまだ問題があるのじゃないか。それから、税額控除自体は、これは国の補助金ともう限りなく同じものでございますから、むしろそれは政党助成という形で、予算措置でやる方がいいじゃないかという議論もございまして、やはりそういうことと比較考量して検討すべきではないであろうかというふうに考えます。
 いずれにしても、しかし一つの参考になるお考えだとは思います。
○堀委員 実は、今津島さんがおっしゃったように、有業者四千五百万の中に一千百二十万人、所得税非課税の方があるわけですね力ですから、確かに今おっしゃるようにすべてに権利があるわけじゃありませんが、四千五百万の中の一千百万というのは、私は、減税の問題についてはこの人たちはフェーバーがないわけですし、ともかく標準世帯三百十九万八千円というのが現在の課税最低限ですから、その下に要するに八百万世帯非課税の世帯があるということになると、減税というものが必ずしも実は、所得の低い方に本当は先に行かなければいけないのに行っていない。
 かって私は、ちょうど落選をしましたとき、野党が大変ふえまして、そして予算委員会は自民党が委員長をとられたらこちらが一名多くなる、こういう状態のときでございまして、そのときに、今委員ております早川さんが政策審議会の事務局にいて、そこで例の戻し税というのを、私は落選をしたときでありますけれどもその次の二月まで政審会長をしていましたから、定額制の戻し税というものを考えたのですね。そのときに、実はそれのモメントになったのはアメリカのマイナスタックスなんですよ。アメリカでマイナスタックスをやったという資料を見て、ああこれは非常に興味があると思ったのですが、これは番号がついていないと結果的に処理ができない。
 課税最低限を引き上げるということはどういうことかというと、課税最低限を二十万円引き上げれば限界税率の高い者が一番たくさん持っていくので、当時は七五%ですから、そうすると二十万円の七五%だけ、七五%の限界税率の人は得をするけれども、一番下の一〇%のところはそれの一〇%しか実は減税にならない。だから、上に厚く下に薄い減税だから、それはひとつ定額にすれば上も下も同じになるので公平ではないかというので、実は私が政審会長のときに早川さんの協力を得て提案した問題がございます。
 ちょうど、亡くなりましたが大倉真隆さんが主税局長でして、私の事務所へ来て、先生、これは木で竹を接いたような制度じゃないですかと言いますから、木で竹を接いでいるからいいのだと。なぜかというと、要するに基礎控除を上げちゃったらずっと先へ行く。この制度はやめたらもとへ戻っちゃうのです。だから大倉さん、今の一番大きな問題は、あの二兆円減税なんということで課税最低限をぼんと上げるものだから、これが後々の財政に影響しているので、木で竹を接ぐような発想がないところが大蔵省はだめなんだと言ったら、大倉さんが、いや、なるほど、こう言って、結果的にあれが法律になったことは古い方は御承知だと思うのであります。
 ですから私どもは、そういう意味では、やはり連立というものは決して私、今や右左じゃないのですから、要するに経済システムは、我々も自民党の皆さんも公明党の皆さんも民社党の方も、共産党の方はちょっと違うかもしれませんけれども、少なくとも民社党の皆さんまでは経済問題では私は同じベースだ、こう思いますので……(発言する者あり)ようやくなったとしても、これからの話を私はしているわけだから。
 ですから、そういう意味では私は、これからは国民の多様なそういういろんな希望をかなえられるような政治が行われるというのが今後の日本のあるべき政治ではないか。
 特に、それが自治体の中で集約されてくるということになりますと、私は、やはり地域によって非常にそういう国民の要望というのは違うと思うのです。例えば東北六県の皆さんと九州の南部の皆さんとでは、置かれておる客観的条件が違いますから、いろいろと要望が違うでしょう。そういういろいろな違った要望が結果的には具体的になっていくということが、私は、地方分権が広い範囲の制度となって、そしてそれが現実に国民に返されていくということになることが今後の日本の政治の最も重要な問題点ではないか、こう考えておりますので、そういう意味で、私は党を代表して実は併用制を主張し、あわせて併用制について新しい問題提起をされましたこの小林教授の両立制を提案をさせていただきたいと思うのでありますが、どうぞひとつ答弁を。
○石井(一)議員 久しぶりに格調の高い堀節に接しまして、また私は、先生は私の同郷の先輩でもございますので常々お目にかかっておりますが、心から敬服し、感謝を表しておるような次第でございます。
 ただ、次に、木に竹を接ぐようなことを申し上げて恐縮でございますが、経済問題あるいはまた戻し減税等につきましても、私も拝見しておりまして、その見識の深さ、また現実的対応というものに私は感服をしておったわけでございますが、自民党の選挙制度の責任者といたしまして、ただいまこの両立制というものを拝見をいたしましたが、まあこれほど非現実的な、学者の考えられる理想論というようなもので、我が党としてはこれは取り上げる意思は全くございません。
 いろいろ細かいことはよく研究をさせていただこうと思いますが、超過議席、これは併用制等におきます最も問題の点でございまして、これがあるということがドイツにおきましても相当過去議論にもなったことも確かでございます。その出てきた超過議席のばい菌をさらに大きく拡張さす、こういうような意味もございます。そして、それをやることによりまして限りなく完全比例代表に近づいていくという制度になりまして、併用、並立からさらに乗り越えておる、こういうことでございまして、私たちはようやくこの委員会で、何らかの合意点を見出そうということで、こう寄っておりますときに、いかにもわけのわからぬ門外漢のその御提案というものがいかに迷惑であるか、我が党としては一切これは受け付ける意思はございませんということを、先輩にはまことに憩うございますけれども、このことだけはひとつ申し上げておきたいと思います。
○堀委員 それは、おのおののお立場がありましょうから、おのおのの立場の主張を私は無視する気はありません。
 しかし、要するにこれも一つの案だと私は思っているわけなのですね、これがベストだなんて一言もさっきから言っていないのですから。併用制について小林さんがこういう案を出された、それは超過議席の配分については一つの新しい見識である、こういうことを申し上げているわけでして、ひとつ社会党、公明党の皆さんを含め、今後何としてもこの国会でこの政治改革を成立させなければ、私は、日本の国内だけでなくて国際的に日本という国の政治に対する対応が問われかねない、こういうふうに思っておりますので、どこかにそういう接点を設けながら、ひとつ必ずこの国会でこの政治資金の規制と、私どもはぎちんとした、特に企業献金という問題が先般からいろいろと政治上の問題として世界に知れ渡っていることは大変我々議員として残念なことでありますけれども、そういうことのなくなるような、そういう方向を皆さんと一致して協力をしてまいりたいと思いますので、どうかそういう意味で当委員会で成果のある結論が出ますことを期待をいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○田邉委員長 河上覃雄君。
○河上委員 政治改革論議を開始して以来昨日まで、この委員会では七十四時間三十二分だそうでございますが、本会議を含めますと八十時間を優に超えるのではないか。答弁者の皆様には本当に長時間にわたる論議に心から敬意を表したいと思っております。
 答弁者そして委員の皆様の今のお気持ちは、活発なる議員間の議論と長時間に及ぶ審議を通して何らかの改革のあかしを国民の皆さんの前に示さなければならない、このようにお考えになっているのではないかと思います。しかし、具体的な改革の方向というものはいまだやぶの中でございまして、残念ながら万一平行のままで終わるようなことがあれば、国民の政治に対する不信感というものは頂点に達するのではないか、このように思っております。その意味を含めて申し上げれば、与野党を含めて、政治あるいは政治家に対する厳しい決断というものが私は迫られることになると思われるわけでございます。その意味で、今、政治そして政治家の責任というものが厳しく問われている。僭越ながら、まだ期の若い私でございますが、政治の責任ということを今万感迫る思いで感じているところであります。
 こうした観点から、これまでの議論等も踏まえまして、改革の実現の御認識あるいはその方向性、これらについて質問をいたしたいと思っております。
 ことしの幕あげは二つの不、これで始まったように思います。一つは底深い不況感、もう一つは政治に対する不信感、この二つの不、特徴的であると思っております。とりわけ国民の政治に対する見詰め方というものは非常に厳しいものがある、こう申しても過言ではないと思っております。これまでの世論調査の中を見ましても、九〇%を超えるような国民の方々が政治家そのものを信頼していない、こうした状況下にございます。国民の皆さんから見てみるならば、信頼を得ない政治家によって政治が運営されているということはいかばかりの思いをお持ちになっていらっしゃるか、このように思うわけでございます。
 そこで、この九〇%を超えるような政治並びに政治家の私どもに対する不信感、これは一体どこから生まれてきたのか、どういう御認識をお持ちなのかまずこの点、自民党さんにお伺いしておきたいと思います。
○武村議員 私は、今の政治に対する不信の背景としては、もう議論に出ておりますように、やはり五五年体制が問われているといいますか、東西冷戦が終わってなお日本の国会では、保守、革新の流れをくみ、自民党、社会党を基軸にした対峙構造がそのまま残っている、このことに対する違和感、不信感が大きくあるというふうに思っております。そこへ加えてここ四、五年の相次ぐスキャンダルの続発という事態が、ある意味では大変わかりゃすい形で国民に幅広い政治不信を招いているというふうに認識をいたしております。
 先般、私は連休中イタリアヘちょっと寄ってきまして、向こうの選挙制度改革の状況をちょっと聞いてきたのでありますが、イタリアも十年ぐらい前から選挙制度改革の議論が、国会では、上下両院では始まっていたんだそうです。しかし、小党分立もありますが、各政党それぞれ独自の主張をしてなかなか議会ではまとまらない、対峙してまとまらない状況が十年ぐらい続いてきた。そこへあのイタリアの大きな汚職事件が出来をして、一気にそれが国民投票で八二・五%の国民が一つの改革の方向を支持するという結果につながってきているという話を聞きました。
 それで、イタリアは十月、恐らく総選挙があるということで、各政党とも大騒ぎのようでありますが、ある人に聞きましたら、恐らく現職の議員さんの七五%はもう消えるんじゃないかという話を聞きまして、それは社会党書記長の捜査開始要求を議会が多数で拒否をした、このことに対して政党全体に対する、政党というよりも既成の政治家全体に対する国民の不信感が一挙に高まってしまった。だから、もう国会議員を全部がえようというふうなそんな動きになってきているという話も聞いてまいりました。
 その後のニュースを見ていましても、社会党もキリスト教民主党もほとんどの政党が党名を変え、換骨奪胎といいますか、二つに割れたり、基本的な政党の枠組みまで変えてしまうような取り組みをしているようでございまして、言ってみれば、イタリアのレベルというのはすべての政党、既成の政治家全体が国民から忌避されているというかそんな状況だなというふうに思いながら帰ってまいりました。
 日本とは大変一致する点と違う点があるわけでございますが、よく似ている点で我々が率直に反省するならば、日本の国民の皆さんの政治不信もある意味ではこの永田町全体の政治風景を国民がノーと言い始めておられるというふうにとらえますと、単に四つの法律、選挙制度と腐敗防止をやればこれで済む話ではないな、各政党のよって立つべき基盤も思い切って洗い直さなければなりませんし、我々一人一人も問われているという気持ちでこの事態に対応をしていかなければいけないと思っております。
○河上委員 五五年体制の不信、そしてスキャンダル、このようなお話がありました。前提として、本当に政治家の倫理観というものが今問われているんではないかと思いますが、その意味からして私どもの認識がまだ国民の皆さんとの間に乖離があるんじゃないのか。
 これは報道機関の世論調査でも明らかでありますが、金丸事件に対して政治家の方々は本当に反省をしていらっしゃると思うのか思わないのか。「深刻に受け止めている」というのが二三%でございました。「受け止めていない」というのが六八%で、多くの方々が、まだ深刻に受けとめていないんではないのかこう国民の皆さんは感じていらっしゃるそうでございますし、またさらに、政治家像を尋ねておる世論調査がございました。「あてにならない」という人が三八%だそうでありまして、「ずるい」というのが二四%、「もうかる職業」というのが一六%、さらに「いばっている」、これが七%だったそうでございまして、これを合わせましても大変な数値に上るわけでございます。
 いずれにいたしましても、全くよくないイメージを国民の皆さんはお持ちになっていらっしゃるわけでありまして、このイメージはもはや決定的な定着性すら持っているようなことにもなっているんではないか、こう危惧をするところであります。
 その意味で、与野党含めて私ども一人一人が本当に襟を正さなければならないとは思いますが、私もいろんなところでいろんな感想をお伺いいたしました。一例えば、政治家を色に例えて示してくださいとお聞きしますと、大半が黒と灰色でございました。ほとんどといって、ブルーだとか緑だとか白という言葉は余り出てまいりません。大半が黒であり灰色と答えている、これが圧倒的なわけでございまして、国民の間にこうした認識が増長、さらに今申し上げたとおり定着をしてきている。この増幅し定着をしてきている理由というものをどのようにお考えになるのかもう一遍自民党の代表の方に御質問をしたいと思います。
○伊吹議員 先生が御指摘になったような国民の反応の現状であることは、私ども大変深刻に受けとめております。
 少し政治というもの本来の役割に振り返って考えてみたいと思いますが、医師に例えるのは大変間違った印象を与えれば恐縮なんですが、政治は本来、自分の預かっている人を健康にし、そして妙なことがあれば治療を行い、手術をするという側面と、それから、その方の日常の立ち居振る舞いというかおれしか立派な医師はいないからおれに診てもらいたい場合は保険以外のリベートを持ってこいとか、お酒を飲んで手術をするとか約束の時間におくれるとかという、そちらの面と、私は二つあると思うんですね。
 政治本来の役割も、実は冷戦構造が云々ということがよく言われますが、従来の政治の仕組み、そしてその仕組みのもとにでき上がっている現在の官僚制度を含めた日本国家運営のシステムというものが非常に陳腐化して、国民の方々になるほどという気持ちを、時代の趨勢に弾力的に対応していないというか、そういう気持ちを与えなくなってきておる。これは私は一つ大きな問題であろうと思います。
 それから、第二番目に、先ほど来先生が御指摘になっておられる、本来の役割に付随するというかその人の人格というか品性というか倫理観というか、そういうところに、これはまことに我々にもいろいろな責任があると思いますが、自民党が長期政権であり、社会党を初め野党の皆さんが長期野党であるというその事実のもとに、我々にも緊張感が欠如し、そして人によっては倫理観が麻痺してきているという両面が相まっていると思います。
 したがって、私は、先生がおっしゃったように、すべての人が人品骨柄卑しくなく、品性が立派な政治家であり、有権者もすべてそのような選択をされる有権者であれば、どのような制度だってうまくいくと思っております。しかし、残念ながら、現実を考えますと、今の制度はそろそろ変えて、そしてお互いに緊張感を持って、失敗をした場合には自民党も政権を手放すんだ、いや、手放しちゃ困るから常に政策面においても倫理面においても緊張感を持ってやっていきたい、こういう制度をつくり上げなければ、今先生がおっしゃった現状認識でありますから、日本の将来はえらいことになるだろう、こう私どもは思っておるわけです。
○河上委員 これはある書物に出ておりました画家のお話でございますが、絵の具の中で黒だけはどうしようもない色だというんですね。黒以外の絵の具をまぜ合わせますとすべていい中間色が出てくるそうであります。ところが、黒だけは何をまぜても黒になるそうでありまして、こういうふうに書いてございました。これをその画家の方は、人間の心に例えれば、黒というのは私心だ、このように淡々と語っていたことが印象に残っているわけでございますけれども、今行われております政治改革論議に例えれば、この黒はまさに党利党略であり、個利個略に相当するのではないか、こんなふうにも思っているところでございます。
 そこで、自民党さんの一部に、これはもうこれまでの議論の中にも大いに出てきていることと思いますが、選挙制度の成立が難しいのであれば、腐敗防止だけ成立させて選挙制度は先送りしよう、いわゆる分離処理の声が大きくなってきているわけであります。
 私は、こうした発言については極めて遺憾であると思っておりますし、国民が求める政治改革の第一番目は、腐敗防止のための罰則強化やあるいは政治資金の規制強化であることは世論調査等によっても明らかであります。政治と金の問題を断つこと、この点については私も全く異論のないところでありますけれども、しかし、今回の議論の経緯を踏まえても、政治改革と一体でなければ深い改革はできないのではないのか。これは私ども議員は、どこに問題があり何が問題なのかすべてわかっているはずであります。その意味で、制度改革から逃げるということは極めて無責任な姿と映るわけであります。
 その点から申し上げますと、自民党の皆さんは最もこの点を主張なさり、そして、現行中選挙区制はサービス合戦となり金がかかるのだ、いわゆる同士打ちとなる、中選挙区制をそのままにして金の入りと出だけ厳しくすることはできない、政党本位にすべきである、その制度とするためには中選挙区制をやめなくてはならない、このように最も主張なさってきているわけでございます。
 そう考え合わせますと、前段申し上げましたこの点は非常におかしな話になるわけでありまして、私は憤りすら感ずるわけでございますが、制度改革によって政治に対する、先ほども伊吹先生の方からお話がありましたように、政治的な緊張感、そして政権交代ができるかできないのか、こうした側面と相まって一体処理することこそ最も深い改革であり、また、国民の皆さんが本来求める政治改革になるのではないのか、このように思うところでございますが、改めて自民党の提案者の方々に、自民党の一部にこうした発言があるということについての認識あるいは見解をお尋ねしておきたいと思っております。
○深谷議員 河上議員が御指摘のように、今私たち与野党一体となって、政治改革を一括で通して国民の信頼を回復しようと努力している最中であります。私たちはその目的に向かって今真摯な議論をしているわけでございます。ですから、これに水を差すような意見というものが極端に出てくるということは回避しなければならぬと思いますが、ただしかし、今、政治改革という大きな問題を私たちが進めている場合に、いろいろな方々がこの委員会外でそれぞれのお考えを持ち、心配し、悩んで発言をする、そこまでけしからぬと言うだけの必要はない。それは発言として、どうぞそれぞれ御心配しながらおやりになるのは結構でありますが、私たちは、特に自由民主党は、党議で決めた案を皆さんの前で説明し、御理解をいただこうと努力しているのでありますから、この方向に向かって全力を挙げていくということについてはいささかも変わりがないわけでございます。
 それからもう一つ、先ほど我が党の武村議員からも御指摘がありましたが、井上委員の言われるように、政治の一番大事なところは信頼、国民の信頼であります。そのためには、スキャンダルが続出したという今までのことを反省して、これを断ち切るような政治の仕組みをつくっていかなければならない。
 だから私たちは努力しているわけでありますが、しかし、それだけではなしに、例えばバブルの時代に政治はどう動いたのだろうか、あるいは国際貢献に関してどのような対応をしたのだろうかつまり政治そのものが敏速果敢にそれぞれの事柄を解決していくという点においても、与野党ともに反省すべき問題もあったのではないか。
 つまり、そういうことを考えますと、政治改革とあわせて、機敏な行動や、敏感な国民の意見を察知した政党の動きということが非常に大事であって、そういう意味では、私どもは、単純小選挙区でいつも国民の声を気にし、そして緊張しながらやっていく仕組みというのは一層大切だと思わざるを得ないと考えております。
○河上委員 大変申しわけございませんが、共同提案している社会党さんにも今の問題につきましてお尋ねをしておきたいと思っております。
 我が党の委員からも質問があったかもしれませんが、社会党さんの一部にもこうした動きがあると報じられております。私は、よもやそのようなことはない、老婆心である、このように信ずるものでございますが、念のために、今申し上げました同様の質問をお尋ねしておきたいと思っております。
○小澤(克)議員 一体として処理する、この方針は不動にして微動もいたしておりません。
○河上委員 今はっきりしたお立場をいただきましたので、話を次に進めたいと思っております。
 議論を開始して以来長い時間を経過したことは先ほど申し上げました。これらの議論を通じまして、政治改革は今国会において成立させるべきだ、こう私自身も認識をいたしておるわけでございますが、その決意というものはこの最終段階に参った今日いささかも変わりはないのか。今国会において成立をさせる、この一点について全くお変わりになっていらっしゃらないのか。これは各党にもう一遍お尋ねをしておきたいと思います。
○深谷議員 これだけ長時間かけて与野党で議論をして、国民の皆さんがじっとそれを見詰めてさまざまな期待を抱き、今日の状態がどうなるかを見守っているわけでありますから、そのせっかくの議論と国民の大きな期待にこたえていくというのは私たちの使命でございまして、そういう意味では当初からの考えにいささかも変わりありません。
○小澤(克)議員 私は提案者で、また答弁をしている立場でございますけれども、ぜひこの委員会の理事並びに各委員の御努力によりまして今国会で関連法案が一括して成立し、そして次の選挙から必ず実施をする、こういうことを私の立場としてもお願いをし、期待をしたいと思います。
○井上(義)議員 私どもは、この国会でともかく、みずからの血を流してでも、身を削ってでも決着をつける、そして次の国会から新しい制度でやるのだ、選挙制度も含めた抜本的な政治改革を、この機会を逃せばもうチャンスは来ない、こういう思いでやっているわけでございまして、私も答弁席に座って議論にずっと参加してきたわけでございますけれども、八十時間に及ぶ議論を通してこの委員会の雰囲気というものはまことにそういう方向に向かって進んでおりますし、何とか成案を得ようじゃないか、こういう雰囲気に満ち満ちている、そう思うわけでございますけれども、どうもこの委員会の外の方から、腐敗防止を先行させるとか、決着がつかなかったら要するに解散して民意を問えだとかあるいは継続とかいうような、どうもこの委員会の雰囲気とはかけ離れた議論が外の方で時々雑音として耳に入ってくるわけでございまして、どうもこの委員会の様子を全く御存じないのじゃないかな、そういう落差が非常にあるのじゃないかな、こういうふうに思うわけでございます。
 例えば、そういうふうにおっしゃる自民党の皆さんにお聞きしたいのですけれども、もし選挙制度で合意ができなければ腐敗防止を先行してやろうじゃないか、こういうふうにおっしゃる方、じゃ腐敗防止先行で自民党として何と何と何がおできになるのか。そういうことをはっきり示した上で先行させようじゃないかということをおっしゃるのであれば、これはまだ傾ける耳もあるわけでございますけれども、中身もおっしゃらないで腐敗防止を先行させようじゃないかというふうにおっしゃること自体は、これまでの議論の経過から見ますと、何もやりませんと言うにこれは全く等しいわけでございまして、そういうことをぜひ一回そういうことをおっしゃった方に聞いてみたいな、こういうふうに思っているわけでございます。よろしくお願いします。
○河上委員 あらゆる状況にあっても今国会成立をさせるという御決意であると承りました。したがって、継続審議もお考えにない、こう御理解してよろしいでしょうか、自民党さん。
○深谷議員 河上議員に申し上げたいのですが、私たちは提案をして答弁をしている側でございまして、その提案した法案について全力を挙げて通していただきたい、こう願いながら議論を進めているわけであります。決めていただくのはこの委員会でございますから、継続にする云々といった判断は、委員長並びに委員会の皆様がどうお考えになるかということが一番大事であろう、そう思っています。
○河上委員 小選挙区と併用制の論議は水と油である、こういうふうに言われておりますが、実際、今日までの議論を通じましても、このままいけば相打ちの状況を免れない、こう認識をいたしております。
 しかし、先ほど申し上げましたような国民の怒りを考えるとき、相打ちのまま中選挙区制度を残すということは許されないだろう。この認識も一致をしているのではないかと思っております。
 そこで、今日の段階で、最後まで詰めたら相打ちであった、これはやむを得ない、あるいは今の段階においても相打ちは絶対に許されないんだと、やむを得ないのか絶対に許されないのか、これにつきましても、各党の御見解をいただきたいと思っています。
○深谷議員 ただいま申し上げたように、その判断は委員会マターのことではないでしょうか。私たちは、私たちが党で決めた案をベターなものとして御提案を申し上げ説明しているわけで、最後のところは委員会の皆様の御判断に任せるしかないと思います。
○佐藤(観)議員 私は、相打ちという形になってはならないと思います。
 深谷提案者からはああいう御答弁がございましたが、お互いに党をしょっているわけでございますので、私たちが出しているものがベストだとは思っておりますが、相打ちで結果が何にもないということは許されないということを考えるならば、どこかにしかるべき案を、政治資金も、かっ選挙制度も、見つける努力をお互いにしていく、そして相打ち、何もなし、仕方ないというような結論は決して許されるものではない、こう思っております。
○井上(義)議員 相打ちで現状維持ということは、もうこれは許されない、私どももこういう認識でございます。
 やはり自民党の皆さん、単純小選挙区制、我々、小選挙区併用型の比例代表制という、お互いに今両案を議論しているわけでございますけれども、やはりこの議論というのは、いい悪いという議論ではなくて、やはり考え方が違うということなんでありまして、その考え方の違いというのは、どこがどう違うのかというのはこの議論を通してはっきりしてきたわけでございまして、そういう意味で、日本の将来の政治のあるべき姿というものをそれぞれ想定しながら案を出しているわけでございますから、私は、いい悪いじゃなくて、お互いに考え方が違う、その考え方はお互いによくわかった、それじゃそういう中でどういう合意をつくっていくかというふうに考えれば必ず合意は生まれてくる、こういうふうに思っておりますので、ぜひこの委員会の中で合意を得るような努力をしていただきたい、心からお願い申し上げる次第でございます。
○河上委員 相打ちは許されないという各党のお話でございます。
 いろいろ国民の皆さんの反応も、世論調査等によりますと、歩み寄るべきである、こうなさっている方が七三%にも及んでおりまして、何らかの期待をかけているんではないかと思います。
 相打ちを許されないとするならば何らかの妥協が必要となるわけでございますが、まず単純に、具体的にどうだこうだとは申し上げませんが、妥協そのものが必要であるとお考えになるのか、それは必要ないとお考えになるのか。妥協は必要なのか必要でないのか、この点も各党にお尋ねをしたいと思います。
○武村議員 河上さん、相打ちという言葉はどう解釈するのか知りませんが、双方が出した法案が両方とも死んでしまう、その程度に認識すればそのとおりなのですが、出した双方の政党も死んでしまう、我々も消えてしまうんだ、そのぐらいに深刻に認識をするならば、許されないのじゃなしに、我々はその道をあえて、玉砕を求むるなら別でありますが、そうでなければ、これは妥協がまさに必然でありますし、それしかない。もし我々が次の選挙も、政党も個人も残って信を問おうとするならば、これはもう合意の道を必死で万難を排して求めるしかないというふうに思います。
○佐藤(観)議員 日本人というのは、妥協という言葉は余り好きじゃないんじゃないかと思うのですが、お互いにこれはやはり譲り合う、日本の政治のためにお互い政党人として何をなすべきかということで、もう時間的にも迫っておるわけでございますから、私たちは合意を得る、合意はぜひ必要である。それは、選挙制度だけの問題でなく、政治資金のあり方についても、罰則の問題についても合意を求めるべく最大限の努力をするのがこれから次の段階である、こう考えております。
○井上(義)議員 先ほど武村提案者の方からおっしゃったとおり、私どももまさに相打ちというのは出した政党が心中するということに等しい、こういうふうに思っておるわけでございまして、そういう意味で成案を得なければいけない。
 ただ、この妥協という言葉の響きが何か足して二で割るというような、そういう響きがあって、何か悪いことをするような、そういう意味にとられかねないわけでありまして、私たちはこれだけ議論をしてきて、やはりお互いに共通の認識、日本の将来をどういう方向に考えるのか、それにふさわしい政治の仕組みをどう考えるのかということで、私は共通の認識が相当生まれてきているんじゃないか。そういう意味では、新しい理念といいますか新しい考え方に基づいて合意できる案というものは必ずできる、そういうふうに信じておりますので、ぜひそういう方向でお互いに努力していきたい、このように思います。
○河上委員 大変力強い御回答をいただいたわけでございますが、いずれにしても、身を切ることであると思いますし、我を張っておりましたのでは相打ち、この妥協というものの方向性、これは一歩も進まないわけでございます。
 その前提として、各党の基本的な合意というものもこれは不可欠であると思います。さらにまた、各党最善となさって法案を提出したわけでございますが、その意味では双方が歩み寄るということが前提条件になると思いますが、そのラインというものは一体どうお考えになるのか。選挙制度における、妥協という言葉が余りいい言葉ではないというお話もいただきましたが、あえてこの妥協の線、また政治資金、腐敗防止の妥協の線、これを一体どのように考えていくのか、この点が重要ではないかと思っております。
 これまでの議論を通じて、これは私の推測になるかもしれませんが、自民党さんのお出しになっていらっしゃる単純小選挙区制、そして社公の併用制、このほかにも民社党さんの都道府県別比例代表制、さらに海部内閣で廃案となりました並立制、またきょう両立制という案も出たやに伺いましたけれども、いろいろと制度というものが示されております。この中で単純小選挙区制だけは妥協案としての選択肢から外れるのじゃないのか、私はこう認識をいたしております。
 これは衆議院議員を対象に世論調査を行った実現可能性の高いと思われる改革案、ここにもある意味では示されているんじゃないかと思いますが、単純小選挙区制では四・五%、併用制では四一・九%、並立制は二六・三%、その他九・一%と、最も妥協案として成立の可能性が高い、これが併用制四一・九%でございました。
 そこで、塩川先生も連用制に一定の評価というお話が前にございました。そして、社会党の佐藤先生も運用制の評価というお話もございましたが、この民間臨調が示した連用制は妥協案の一つとなると考えるのか、それともならない、こうお考えになるのか。この点を各党、自民党さんからお尋ねをしていきたいと思います。
○塩川議員 私は、かねてから申しておりますように、運用制を提案されました民間臨調の方々に対しましては、一連の政治改革実現のために大変な努力とまた民間の啓蒙運動をやっていただいておることに敬意を表しております。そのいろいろな議論の中から連用制というものを提案されたのでございまして、連用制が出てくるまでには民間臨調の方々の大変な努力があったということ、私はこの努力に対して最大の敬意を実は払っておる者の一人であります。
 したがいまして、提案されました運用制につきましては、十分我々もこの努力を評価すると同時に、これを真剣に検討し、我々が、今自由民主党は党の方針といたしまして単純小選挙区制を提出いたしておりますが、しかし、議会のことでございますから、議会の中において我々が主張しております主体性を維持し、そしてその自由民主党が改革せんとする方向を是認していただく中で解決ができるならば、連用制のアイデアというもの、考え方も取り入れていっていいのではないかなと思うたりいたします。
 しかし、あくまでもこれは自由民主党が自主的に考え、そしてみずからの許容の範囲内において立法の趣旨が生かされてくるということが前提でございますし、同時にまた我々といたしましては党の決定を受けてこの法案を提出したものでございますから、それだけに我々はいろいろなことを考えるにいたしましても、現在の小選挙区制から一歩でも出るということになりますならば、それはやはり党の決定を取り戻さなければならないということは当然でございます。
 でございますから、私が言えますことは、一個人としてはそういう気持ちはございますけれども、党としての方針としてやります場合にはやはり党の決定を取りつけなければならぬということでございますので、私の気持ちとそれから党の方針というものとの間に歴然たるものがあるということ、これもひとつ御理解をいただいた上で御判断いただきたいと思っております。
○佐藤(観)議員 選挙制度を考える場合に、これだけ長い議論の中でも自民党さんの方からたびたび指摘をされましたけれども、要するに、選挙制度を変えて、ただ、今の各党の議席がそのまま維持されるというだけの意味しかないというのでは大した選挙制度の改革にならないと思っておるわけでございます。ここでやはり自民党の一党政権というものが変わってくる、そこから新しいものが生まれてくる、そのためには野党の方は社会党もそれなりの責任を負って連立政権をつくっていく、こういうことの背景があって初めて選挙制度を変えるという、そして日本の政治をも変えていくという非常に大きな意味があると思うわけでございます。
 その際に重要な要素は、簡単なことは、要するに小選挙区の数を幾つまで譲れるのかということが我々にとりましては非常に大きな要素ではないか。小選挙区の数が決まったならば、その際に、あとの問題は正直言ってそれほど大きな問題ではないんじゃないかと私は思うのであります。したがって、連用制というのもその中の一つでありましょうし、連用制の持っている問題点もありますのでそれを変形しなければいけないのか、あるいは他の案がほかにあるのか、きょう出ました両立制というのもまたこれも一つの考え方でありましょうし、いずれにしろ一番重要なポイントは、私は選挙制度の部分だけ言えば小選挙区の数が幾つであるかということが大事。
 あわせまして、冒頭申し上げましたように、この問題は政権を交代をさせるという問題でもございます。したがって、今、当面我々が政権をと、社会党的な立場で言うならば連立政権になるわけでありますから、連立のパートナーになってくれるでありましょう公明党さん、民社党さんなり日本新党さんなり、やはりそういう方々と小選挙区の数によりましては選挙協力ということも具体的に出てくる課題でございますので、そのあたりをトータルにして私はこの問題のいわば譲り合う、歩み寄る案というのができてくる、こういうふうに考えております。
○井上(義)議員 私どもも党議の決定を経て小選挙区併用型比例代表制というものを御提案申し上げているわけでございまして、したがいまして、この案につきましては時間をかけて練り上げてきたものでございますし、現状の日本の政治状況、そしてこれから日本が目指すべき方向、それにふさわしい政治の仕組み、それを生み出し得る選挙制度ということで最もベターな案である、こういう考えは変わらないわけでございます。
 ただ、八十時間以上に及ぶこの委員会での議論を経て、その議論に参加した一人として今申し上げられることは、やはり選挙制度、最終的に合意案をつくるということになりますと、小選挙区とこの比例代表制を組み合わせる、いわゆる混合型の選挙制度ということになろうかと思いますが、その制度に求められるものは、政権交代が可能であるとかあるいは政権の安定が図られるものであるということに加えて、やはり民意というものをできる限り反映をしていく。ただ、その民意の反映の結果余り小党分立してはいけないんじゃないかとか、あるいは選挙が政党本位、政策本位の選挙戦になるというような要素というものが新しい合意案に求められるポイントだろう、こういうふうに考えているわけでございます。そういう観点からいいますと、私は民間政治臨調の皆さん方が御提案になりました連用案は非常によくできた案であるという認識を持っておりまして、できる限りそういう方向で党の意見の集約ができればな、答弁者に我が党の渡部副委員長もお見えでございますので、ぜひそういう方向で意見の集約ができればなというふうに思っているわけでございます。
 当然、連用制ということになりますと、先ほど佐藤副委員長の方からお話がございましたように、やはりこれまでのそれぞれの政党の枠組みを前提にして新しい選挙制度を考えるということは、これは必ずしも、日本の将来を考えるとちょっと違うのじゃないかな、私はこういうふうに思っておるわけでございます。
 ただ、大事なことは、選挙制度というのは土俵をつくるということでありまして、その土俵をつくるということは、何かそのまま政党の組み合わせを決めていくようなこととはまた別な議論でございますので、やはり当然、この連用制という方向に合意がいった場合は、今のようなそれぞれ政党の枠組みとは違った政党の枠組みというものをつくっていかなければいけない。その場合に、やはり政権を担うということになりますから、基本政策の一致ということも含めてやはり十分な議論をしなければいけない、このように思っておるわけでございます。
○河上委員 塩川先生、ただいま連用制のお話をいただきましたが、真剣に検討するといいのではないか、こう伺ってきたわけですが、最後に、個人的であるとこれもつけ加わりました。個人的でも結構でございますが、先ほど先生がお話しになった許容の範囲内であるならばと、こう申しましたが、先生個人としては許容の範囲内はどの程度とお考えでしょうか。これもひとつ、申しわけございません、お答えいただければ。
○塩川議員 これは数字の問題ではございませんで、私は、先ほど申しておりますように、自由民主党がなぜ小選挙区制を出しておるかというその趣旨は、衆議院の選挙によりまして、その結果によって生まれてくるであろうところの政権というものが、やはり明確に責任のある政党として選出されてくるということが第一であります。つまり、国民の信頼を、数字の上における比例というものは別といたしましても、第一党としての信頼を国民からはっきりと受けてきておるということが一つ。しかも、その信頼が国民の多数の中で選ばれてきておるという政党であるということが一つであります。それからもう一つは、政権交代が容易であるということが一つの大きい許容量の問題になると私は思います。
 それが一番でございまして、二番目の問題は、わかりやすい制度でなければならぬ。国民に理解しやすい制度。きょう堀先生から提案されました両立制、これは非常に合理的過ぎまして、私は頭の相当緻密な方が考えられたのだなと思っておりますが、これはわかりにくいということが一つございます。非常に理解しにくい。国民の側から見ましたらなかなか理解しにくいということと、それから、超過議席というのは、私は国会の政治勢力を判断する上においてやはり不安定要因が残っておるということを思っておりますので、何はともあれ、自民党の言っておりますのは、わかりやすいのだ、そういう選挙制度を選びたいということが一つ。
 それからもう一つ、最後に、三つ目の問題といたしまして、政治と金との関係というものが断ち切れやすく、というよりももっと明朗に処理し得られるような制度、つまり、新しい選挙制度に移行することによって政治と金との関係が従来よりもより以上明確に、明朗で、そして経費のかからないような選挙にできるということ、この三つの問題を我々はちゃんと理念として持って小選挙区制を提案しておるわけでございます。
 したがいまして、いずれの案であろうが、党が考えておりますこの三つの基本方針というものにもとるものであるならば、これは初めから党議を取り戻すことは不可能でございますが、その線に沿ったものであるとするならば、その許容範囲内におけるものであるとするならば、党の中でも協議をしていただく価値があるものだろう、こう私は思っておる。こういうことがございまして、そういうものがもし提示されてきて双方の間でまとまってくるならば、これは改めて自由民主党の中の党議をきちっと得て、最終的にこの委員会で処理されるべき問題だ、こういうことを順序として申し上げておるわけであります。
    〔委員長退席、浜田(卓)委員長代理着席〕
○河上委員 ただいま連用制について各党の御意見、妥協案の一つとなり得るかどうかをお尋ねしたわけですが、続いて、それでは並立制、海部内閣で廃案となりました並立制、これは妥協案の一つとおなりになるかどうか、この点も各党にお尋ねをしたいと思います。自民党さんからお願いします。
○武村議員 今塩川委員の方からお答えを申し上げたとおりであります。その枠の中では並立制も検討の対象に十分なり得ると思っております。
 ぜひ社会党にお聞きをいただきたいのですが、社会党は、何か並立制は妥協案としてはとらないということが党議で決まっているような話を聞いたことがありますが、そうでありますと、妥協、合意といっても、社会党の場合は非常に大きな枠をはめておっしゃっていることになるわけですが、ぜひそれは佐藤先生からでも答弁の際にお答えをいただければありがたいと思います。
○佐藤(観)議員 私たちが併用制を決めました審議の中で、論議の中で、並立制というのは、昨日も申し上げましたけれども、どちらも、比例代表の部分も小選挙区の部分も第一党に極めて有利であるという二重の恩典を持っているという以前に、塩川先生がたびたび言われますように、この制度というものは一つの哲学があるのだろうか、まさに比例代表というものと小選挙区というものをくっつけて二で割るという制度ではないか。したがって、海部内閣のときも私たちは徹底的に反対をしたわけでございまして、そういった意味で審議の過程の中で、党議決定する以前にいわば廃棄をしておる、こう御理解をいただきまして、いずれにしろ、先ほど私が申し上げましたように、重要な要素はもちろん民意を正確になるべく反映をするということでもあるし、もちろん選挙制度として必要な要素というのはもう既におわかりだからそこは抜かしましたけれども、私たちとしては、一番事実上の最大のポイントは、小選挙区の数が比例代表の中で幾つになってくるかというのが一つの最大のポイントであるということ、そしてそのことをある程度許容できることになれば、その制度につきましては、並立を除きます運用あるいはその変形、併用の変形、あるいは両立制あるいはその変形というような、そういう、皆さんお互いに合意ができるところでやればいいのではないかというふうに考えております。
○井上(義)議員 私どもとしては、先ほども申し上げましたように、小選挙区併用型比例代表制、これを党議決定をして御提案申し上げている、そういうことでございます。しかしながら、相打ちで現状維持はだめである、したがって新たな合意形成に向かわなければいけない、こういう認識を持っておることは先ほど申し上げたとおりでございまして、じゃどういう案がいいのかということについては、先ほど言いました連用制について党内で議論したことはございますけれども、それ以外の案について正式に議論したことはございませんので、何とも申し上げられません。
 ただ、前回の政治改革特別委員会、自民党がお出しになった並立案、私も委員としてこの議論に参加をさせていただきました。小選挙区と比例代表を組み合わせるということは、小選挙区というのはどうしても過剰代表、過剰議席をやはり生むということが一つの大きな問題点でございまして、それを比例代表を加味することによってできるだけ是正をする、そしてあわせて多様な民意というものをできる限り国会の議席に反映をさせるということが一番のポイントなんだろう、こう思うわけでございます。そういう観点からいいますと、小選挙区とこの比例代表はやはり何らかの形で連動しているということがこの制度を考える上での基本だろう、こう思うわけでございます。
 例えば、並立に近い仕組みをとっておりますところ、諸外国にも幾つかありますけれども、これはこれまでも出ていますけれども、例えばメキシコの場合は、小選挙区で過半数をとれば比例区は配分をしないという仕組みをつくったり、あるいはハンガリーのように、並立ですけれども、小選挙区のいわゆる死に票というものを全国集計して、再配分をして得票率と議席率の乖離というものをできるだけ埋めよう、これがやはりこの混合型の一番の基本的な思想性ではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 そういう観点からいいますと、この並立制というのは全く別々な二つの選挙を、しかもそれぞれが二票持ってやるというのが並立制でございまして、そこに何の連結性もないわけでございまして、こういう制度というのは、果たしてそういう混合型の選挙制度に求められている本来の趣旨にかなうのかどうかという点で非常に大きな問題点がある。
 そういう観点からいいますと、並立に比べて運用制というのは極めてよくできた案である。木に竹を接ぐ、結果としてそれが全然つながっていないというのが私は並立じゃないかと思っておるわけでございまして、やはり木に竹を接いで全体として立派なちゃんとしたものになっているということが新しい制度をつくる上で最低限必要なことではないか、このように思っておるわけでございます。
○河上委員 それぞれお答えいただきました。
 武村先生、今連用制を、塩川先生が三つの基本を軸にするならば妥協案として考え得る、ただし個人的にはと、こういうお話でございまして、武村先生も、並立制は妥協案の対象とお考えか、塩川先生のおっしゃられたことと同じだと、このようにお話をいただきましたが、武村先生の御認識として、並立と連用、これはいかに違うのか、違いについて一言だけいただきたいと思います。
○武村議員 この点については、井上さんの今の御答弁に私はほぼ同感であります。
 お互いに共通の認識が必要でありますが、全く違う二つの選挙制度を並び立てるものを並立と認識をいたしますと、この二つの選挙制度、いささかでも影響し合うようなシステムは全部併用である、こういう考え方でいいのではないか。
 その意味では、佐藤委員でしたか、連用の変形とか併用の変形という言葉がございましたが、ハンガリー方式やメキシコ方式、あるいは隣の韓国も、七十五議席は全体の調整のルールがあって、第一党が過半数に達しない場合には七十五の過半数三十八議席をその政党に優先的に振り向ける、こういうルールを持っておりますのも一種並立的な変形であって、これは概念としては併用と呼んでいいんじゃないか、純粋な、完全に影響し合わない二つの制度を並べ立てているのとは違うという意味で併用というふうに呼んでいいんではないか、私はそういうふうに思っております。
○河上委員 並立制につきましては、先ほども少し触れました、海部内閣で廃案になった案でございまして、念のため、並立制も当時の新聞をなぞって全部読んでみました。自民党さんの質問にお立ちになられた方七人中五人が並立制に反対の論陣をお張りになったということもあわせまして、党内に反対論が極めて多くて、並立制はつぶれた案であるということを改めて私は認識をしているわけでございます。
 質問をさらにしようと思いましたが、時間も終了してしまったようでございますので、そのことだけ添えまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○浜田(卓)委員長代理 木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。
 私は、今手元に、海部内閣が政治改革大綱を実現する目的を持って第八次選挙制度審議会をつくったわけでありますが、その海部内閣によって選ばれた委員の中で副会長をやっておりました佐藤功上智大学名誉教授、憲法学の先生でありますが、が著作をしております「日本国憲法概説」、これを持ってきているわけであります。その中の選挙制度の問題でありますが、佐藤教授は、大きく世界の選挙制度の流れについて次のように論述をしております。
 「一般的にいって、近代選挙制度は、およそ次のような発展の動向を示して来た。」一つは「選挙権の要件」でありますが、まず(1)として「制限選挙制から普通選挙制へ」、(2)として「不平等選挙制(たとえば複数選挙制・等級選挙制)から平等選挙制へ」、一票の価値の平等の問題であります。
 それから、大きく二つ目に「選挙の方法」として、「間接選挙制から直接選挙制へ」、そして次に「強制投票制から任意投票制へ」、そして三番目に「公開投票制から秘密投票制へ」、そして四つ目に「多数代表制(たとえば小選挙区制・大選挙区連記制)から少数代表制(たとえば大選挙区単記制・大選挙区制限連記制・比例代表制)へ」、こういう世界の選挙制度の大きな流れについて記述をしているわけであります。
 「近代選挙制度は右のような発展の方向を示してきたが、それらはいずれも、国民・選挙民の意思を公平且つ合理的に反映せしめるという目的のために選挙の方法を発達せしめてきた歴史的経緯を示すものにほかならない。」こう締めくくっているわけであります。これはもう我が国だけではなくて、世界の憲法学、民主主義法学学者の共通通説であります。
 こういう基本的な観点から、今回自民党が持ち出してきております単純小選挙区制を見ますと、これは明らかに歴史の歯車を、まあ五十年あるいは百年逆回転させるものにほかならないと言わざるを得ないわけであります。今なぜこの我が国でこのような民主主義選挙法制の基本原則をこのように逆回転させなければならないのかという点について、きょうは提案者である自民党の皆さん方に幾つか質問をしてみたいと思うわけであります。
 自民党の公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由には、「我が国における政治の現状にかんがみ、安定した政策遂行能力を備えた政権の確立と不断の緊張感を与える政治とを実現するためこういう目的しか書いてないわけであります。
 そこで、まず提案者である塩川正十郎提案者から、この「安定した政策遂行能力を備えた政権の確立」、一体これは何を意味しているのか、具体的な中身についてまず御答弁を求めたいと思います。
○塩川議員 一つは、安定した勢力ということは、国民の多くの方が認められるということであります。したがいまして、具体的に言いますと、自由民主党はいずれの選挙におきましても四十数%信任を受けておりますが、共産党さんは何%でしたかな、共産党さんは大体三%程度じゃなかったかなと思いますが、それは歴然とやはり安定した勢力の差ということになってくる、こういうことであります。
 それから、遂行能力ということは、やはりその党におきます人材でございまして、政策遂行の能力、すなわち人材が豊富であるということであります。
○木島委員 安定した政権というのは国民の多くが認める政権だというのは、まさに私は今回自民党が出している単純小選挙区制そのものと全くの矛盾だと言わざるを得ないわけであります。
 既に、もう繰り返しませんが、いろいろなマスコミのシミュレーションの結果、現在の日本の政党の力関係のもとでこの五百の単純小選挙区制が行われますと、四〇%台の自民党の得票率で、比較第一党でありますから、ほとんどすべての小選挙区で議席をとってしまう。四百八十を超えるという試算もあるわけでありまして、国民の多くが認めるのが安定政権だということとは全く逆の結果になるわけであります。
 議会の中では絶対多数でありますから、議会の中だけを見ていますと、確かにそれは圧倒的多数、絶対多数ですから、野党がほとんどいなくなるわけですから安定でしょうけれども、主権者は国民であります。先ほど来言われておりますように、我が国の憲法も、主権者である国民が正当に選んだ代表によって日本の国は進んでいくんだ、国民の信託を受けて政治が行われるんだということからいいますと、この「安定した政策遂行能力を備えた政権の確立」が、今塩川さんがお述べになった国民の多くが認める政権だということになれば、まさにこれは単純小選挙区制は最悪の制度だと言わざるを得ないわけであります。
 内容について塩川さんの方から述べられませんでした。
 実は、一昨日の朝日新聞、それから一昨々日の読売新聞また日経新聞で、自民党案の筆頭提案者である梶山幹事長から、単純小選挙区制法案を提出した理由が述べられております。読売新聞の記事によりますと、自分はもともとは中選挙区制論者だった、しかし、なぜ今回のような法案の提案者になったかというと、
 カンボジアのPKO問題一つをとっても迅速、果敢に的確に対応できるシステムを構築しないと、日本は国際社会で生きていけないし、日本を滅ぼしますよ。私はもともと中選挙区論者だったが、心に言い聞かせたのは「ポスト冷戦」に安住の地はない。そこで制度を変えなればならないし、衆院の安定を考えれば小選挙区制がいいということです。
こう言っているわけであります。
 梶山さんと大変近いお立場にある小渕提案者は、代表ですか、四月十六日の本特別委員会でこう述べています。
  このたびの新しい制度を導入しようということは、まあ端的に言えば、ある意味では歴史の要請、あるいはもっと言えば歴史の必然だという気がいたしております。
  それは、やはり我が国といたしましても、冷戦構造がなくなりまして、長い間日本として戦後政治の中で我が国だけが清く正しく美しく、立派にしていけばいいということでなくて、今御指摘のように、世界の新しい冷戦後の秩序の中で日本としていかなる役割を果たすべきか、こういう大命題につきまして政治が日本としてダイナミックにこれに対応することとした場合に、いかなる制度によって議員が選ばれるべきか、こういうことに帰着するのではないかという気がいたしております。もちろん政治と金の問題等もありますし、国内政治に対する責任ももちろんありますが、やはりこの機会に国民の意思を集約して大きな責任を果たし得る、そのためにはこの新しい単純小選挙区制度を入れて、
いくのがいいんではないか、こういう趣旨であります。
 この具体的な中身、こういう国際情勢のもとにこういう政治をやるためにどうしても単純小選挙区制でなければ日本を滅ぼすんだというその中身を、具体的にお聞かせいただきたいと思います。
○小渕議員 率直に申し上げて、戦後の日本政治は、お話にありますように、冷戦構造の一種の受益者という立場で自民党の政治も推移してきたことも事実ではなかろうかというふうに考えております。そういった意味で、自由民主党に対する種々の批判もございますけれども、しかし、大きく世界が二分された中で、共産主義あるいは社会主義経済、そういうものが我が国の中に導入されることによっての混乱よりも、むしろ自由民主党に政権をゆだねるということが、今日まで自民党に国民の支持が集まってきたことだろうと思っております。
 しかしながら、再々申し上げますように、新しい世界のニュー・ワールド・オーダーが生まれつつある今日においては、やはり我が国としても、いかなる場面においても適宜適切にダイナミックに政治を展開していかなければならない。そのためには、大変厳しいことですけれども、国民の判断も、黒白といいますか二者択一の選択を迫られるという場面が非常に多いんじゃないか。そういう意味で、従来的に現在の中選挙区、考え方を変えれば一種の比例代表制度によって選ばれる、まあ選挙区は百三十でございますけれども、そういう形の中で二〇%あるいは一五%、そういう支持によって議席が与えられるシステムよりも、まさにそれぞれの選挙区において二分の一を超える数字によって議席が与えられ、その決断が国民にも厳しい判断を投票権者として求めてくる、こういう形が望ましいのではないか。
 こういう考え方に立って、今日我々としてはそれぞれ五百の選挙区においての判断を求めようというのが小選挙区を提案した基本的な理由でございまして、我々としては、これからの国際社会にあって日本として極めて厳しい選択を迫られるというときに、国民一人一人もその選択に対して責任を持つ選挙制度としてはこの制度が最も望ましいという確信に基づいて提出いたしておるところでございます。
○木島委員 具体的な政策、目標については余り述べられませんでしたが、実は、四月二十八日に当委員会がお呼びをいたしました参考人の中で、産経新聞社の常務取締役編集局長であり、八次審の委員であり、また、民間政治臨調にも加わって大きな役割を果たしている清原参考人が、もっと具体的にずばり言っているわけであります。
 「なぜ今政治改革が必要なのか」、この参考人はもちろん単純小選挙区制が一番いいということをお述べになったわけでありますが、
 政治と金の問題、これが強調される余り、もう一つの大きな本質的な点が見落とされている。
 それは何かといいますと、今の激変する国際情勢、東西冷戦状態に終止符が打たれ、今世界は新しい国際秩序を求めて動いている。その中で日本がいかに対応するか。敏速な決断、動きが求められている。そういう中で政治がそれに対応し切れていない面があるのではないか。例えば、湾岸危機のときの対応しかり、あるいはウルグアイラウンド、米の自由化の問題に関する対応しかりだと私は考えております。
要するに、湾岸戦争で日本がもたもたして対応できなかったじゃないか、もっと迅速にあそこの地域に自衛隊を派遣、派兵できる対応をすべきだったのにもたもたした、また、米の自由化はやるべきなんだがいまだにできなていない、こういうことを称して、迅速な対応ができる安定した政権が必要なんだ、そのために単純小選挙区制が最もいいんだということを述べられたわけであります。
 同じ日に、読売新聞社論説委員長の島脩参考人もそういうことを述べられたわけであります。
 そういった世界からの課題に的確迅速に対処するには、やはり政権党が責任を持って決断する必要があるだろうと考えます。そのためには、民意を集約する小選挙区中心の選挙制度が望ましいと私は考えます。
多くの国民が憲法違反であると国論を二分したあのPKO法案、ああいうものをもっと果敢にどんどんとやらなきゃならぬ、あるいは多くの農民だけではなくて消費者も反対をして、国会決議もある、米の輸入自由化はしない、米は基本的に我が国の自給で賄う、こういう基本的な大事な問題についてどんどんやるには、今の制度じゃだめなんで、小選挙区制にしなきゃいかぬのだ、そういう理屈なんですよ。
 そういうことを民意を切り捨ててでも強行したいというのが、今回自民党が単純小選挙区制を提案した本当の政治的な目的、ねらいなんではないんでしょうか。塩川さん、小渕さん、どうでしょうか。
○塩川議員 昨日来、私は共産党さんの質問をずっと見ておりますと、何かしら、そのおっしゃっていることはよくわかるのです、中心の質問はわかるのですが、その質問の横にいろいろなあんこがついて、ちょっと何かもう少しピントが明確に、私はどうも理解しにくい。
 ということは、一つは、安定政権という概念のもとに、共産党、木島さんのように頭のすばらしい人が、頭を働かし過ぎているのかしらぬが、安定政権イコール何でもできる独裁政権に通じている、何でもてきぱきと処理できるという、そういう安定政権ということをイメージしておられるとするならば、これは大いな間違いであるということをまず言っておきたいと思うのです。私たちが言っておりますのは、安定政権というのは、やはり国民から多く支持を受けた政権ということを言っておるのでありますので、そこは全然違うということを一つ言っておきます。
 それから、もう一つの問題といたしまして、私たちの言っておりますのは、政権交代が容易にできるということであります。その政権交代が容易にできるということのシステム、それを必要とする。
 それじゃ、どういうときに政権の交代が必要かといいましたら、基本的な政策並びにそれを実行するためのリーダーシップのとり方が間違った場合、例えば先ほどおっしゃった場合に、湾岸戦争あるいは国際貢献でPKOの問題、これがもし国民の多くの方から間違いであるという判断を受けるならば、選挙によってそれは明確にしてもらいたい。そうしたならば、それを遂行していった、そのイニシアチブをとった政権は、それに対する、国民に対する意向に沿わなかったのですから、政権が交代するということが起こり得る。そこにそういうシステムがあるからこそ責任を持って政治をてきぱきと処理していける。つまり、スピーディーに、時代に即応した処理ができる能力、これが我々必要なんだ、こういうことを言っておるのでございますから、どうぞ取り違えのないようにひとつお願いいたしたいと思っております。
○木島委員 私はちっとも取り違えているわけじゃないわけであります。いずれも皆さん方が基本的にはおつくりになられた八次審の答申、あるいは大綱、あるいは八次審の答申をつくるに大きな役割を果たした方々が中心に座って打ち出された民間政治臨調のいろいろな文書、そういうものをずっとみんな集約して質問しているわけですよ。
 例えば八次審の答申、小選挙区制を中心とする選挙制度にすべきなんだ、そして小党にも議席を与えるためにそれは比例代表を付加するんだという立場ですね。この八次審答申、何と言っていますか。
 現在の我が国内外の情勢の中で、時代の変化に即応する政治が行われるためには、民意の正確な反映と同時に、民意の集約、政治における意思決定と責任の帰属の明確化が必要である。
民間政治臨調は、昨年十一月十日に「中選挙区制度廃止宣言」を出されました。
  わが国の政治は重大な岐路にたたされている。政治とカネをめぐる相次ぐ不祥事の発覚により、国民の政治に対する不信は頂点に達し、わが国議会制民主政治は崩壊の危機に瀕している。
これだけじゃないというんですよ。
 しかも世界はいま、歴史的な激動の時代を迎え、わが国は内外の課題に的確に対応しうる新しい政治の構築を強く求められている。しかし、混迷と停滞を続ける現実の政治は、山積する課題への対応力を失い、一刻の猶予も許されない深刻な事態を招いている。
自衛隊の海外派遣、派兵やら米の輸入自由化やら、あるいは消費税の創設、税率の引き上げなど、これを果敢にやらなければいかぬ、これは今の中選挙区制ではやれない、小選挙区制によって、民意の三割か四割しか支持がなくても、比較第一党であれば絶対多数を国会で占めることができる、そして国会の中だけ見ていれば強い政権をつくって、それで勇猛果敢にやるべきだというのが、この間流れている基本思想あるいは基本理念ではないかと思わざるを得ないわけであります。
 この委員会で冒頭自民党の野田毅筆頭理事から質問がされまして、三つの点で大きな時代の変化があるんだということで、自民党の単純小選挙区制への賛意を表されました。
 三つの第一は、今言った冷戦後の世界の流れの変化を述べています。
 野田さんは第二点としてこう言っています。「極端な高齢化社会に突入する。」そうしたときどうするんだ。「もはや財源の手当でなしに減税だけ、甘いことだけを訴えていくような政治には限界が来ておるんだ、そういう時代は過ぎ去っておる。もっと本格的に、痛いこともつらいこともあわせて、実際に国民に問いかけて一緒になってやっていくという、次の時代への責任を我々はどうやって果たしていくかということを真剣に論議しなきゃならぬ。こういう時代環境にある」んだ。
 要するに、国民に痛みを分かち合うためには、これは消費税の税率をもっと上げることもやらなければいかぬということだと思うのですね。(発言する者あり)当然だという意見が自民党席からたくさん寄せられておりますが、そうなんでしょう。そういうことをはっきりここで言ってほしいんですよ、本当に今自民党がこの単純小選挙区制をやろうとするのはそういうことを国民に求めるからなんだと。塩川さん。
○塩川議員 それは、小選挙区制にしたからそれができるという話じゃございません。そういう政治的な課題がメジロ押しに来ておるではないか、だからこの際に選挙制度を改正するなり一連の政治改革を断行して、新しい政治の体制をとるべきであるという、その前提のいわば導入口としていろいろな事件を説明しておられるのであって、小選挙区制にすればこういう問題を片づける、あるいはこの問題を片づけるためには小選挙区制にしなければならぬという趣旨のもとに言っておられるのではないということなんです。
○木島委員 そうじゃないんですよね。小選挙区制をつくらなければいかぬその政治的理由がずっと述べられておるわけであります。
 そういう考え方は基本的に逆さまである、発想が逆さまであるという厳しい指摘が実は四月二十八日、当委員会に呼ばれました参考人、朝日新聞社論説副主幹の中馬清福さんから言われたわけであります。厳しい指摘ですよ。
 「私は、この政権交代のための小選挙区制を唱えられる方々の考え方というのを次のように整理してみたいと思います。」といろいろ言って、「発想が逆さま」だ、こう言っていますよ。「まず、自分で、あるべき政権、あらまほしき政権というものを想定いたしまして、それに沿うような選挙制度をつくろうとする、こういうのは本当の意味の政治の復権にはつながらないのではないか」と思う、発想が逆じゃないか、ますます国民の政治に対する参加を妨げる、逆だという、本当に民主主義的立場からの厳しい批判が浴びせられたわけです。
 これに対してどう答えられますか、塩川さん。
○伊吹議員 今、木島先生のおっしゃっているようなことは、各国の共産党の党是に、党是というか党則にあるように、独裁政権、一党独裁を目指しておられるもとでは、あるいは旧封建制度の独裁君主のもとではあり得るかもわかりません。しかし、小選挙区制、我々が提案している単純小選挙区制は、すべての国民の投票に基づいている選挙であります。したがって、おっしゃったようないろいろな事柄について国民がおかしいと思えば、独裁政権でない限りはその政権は次の選挙で必ずかわります。ですから、少しその考えは、私は、皆さん方の各国共産党の党則にのっとった御質問じゃないかと思います。
    〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕
○木島委員 とんでもないことで、確かに選挙はあるんです。そして議会があるんです。しかし、自民党の単純小選挙区制の本質というのは何かというと、比較第一党が、仮に提案理由ですと、二五%以上の支持があれば、第二党、第三党、第四党の支持する票を全部切り捨てて、そういう支持票は議席に結びつかなくていいんだ、そういう立場なんですね。ですから、二五%、二六%の得票でも比較第一党がすべての五百の選挙区で占めれば、五百を全部もぎ取って、七五%、七四%の民意は切り捨ててもいいんだというそういう発想なわけであります。
 これはまさに、選挙というのと国会というのを形だけ残すけれども、現実には独裁政治をやる考え方にほかならない。だから私どもは、この自民党の単純小選挙区制というのは日本型のファシズムの発想ではないかということで厳しく批判をしているわけであります。(発言する者あり)いや、そういう理屈になるわけです。
 自民党が小選挙区制を持ち込んでくるのは、保守合同以来今回で四回目であります。必ずこの小選挙区制を持ち込んでくる裏には大きな政治的なねらいがあったことは日本の歴史が証明しています。
 最初の五六年の鳩山内閣のときの目的は憲法改悪、改憲がはっきりと目的にうたわれていました。
 一九七三年の田中内閣のときが二回目であります。これは何が目的だったか。金権腐敗政治、田中金脈問題、総裁選での乱脈な金の使い方、これに対する国民の批判が集中しまして、そのときの選挙で田中さんが勝利できなかった。そして日本共産党が大躍進をして、日本共産党の大躍進に驚いて、これはもう自民党単独政権の危機を感じて、これは小選挙区制を入れなきゃいかぬということで焦ってつくろうとした。しかし、あのときマスコミは、殿、御乱心とまで書いていさめたわけでありますが、やはり自民党への国民からの大きな批判に対して、独裁政権を永続化するために持ち出してきた。
 三回目が九一年の海部内閣でありますが、これはリクルートに対する国民の批判が大きく噴き出して、自民党の単独政権がもうもたない。それに加えて、中選挙区制度の定数是正を怠ったために、裁判所からは定数抜本是正をやらなきゃだめだという厳しい指摘だけれども、やれない。そこへ湾岸戦争も出てくる。そういう中で、何としても自分のやりたいことをやるためには、やはり小選挙区制を入れなきゃいかぬ。しかし、それは厳しい国民の批判によって廃案になった。
 やはりそういうねらいがあったわけでありまして、今回四回目でありますが、基本的には海部内閣が持ち出してきた小選挙区制導入の延長線であります。金権腐敗政治に対する国民の批判をかわす、あるいはまた自衛隊派兵や消費税の税率引き上げや米の自由化や、さらには憲法改悪、これを展望しての民意を切り捨てての絶対多数を占めるというとんでもない野望に基づく小選挙区制導入の策動だと言わざるを得ないわけでありまして、断じてこれは認められないということを述べまして、私の質問を終わります。
○田邉委員長 神田原君。
○神田委員 委員の皆さん方には連日大変長期間に御審議をいただきまして、既にもう八十時間以上の審議が行われております。皆さんの御熱心な審議に心から敬意を表させていただきます。
 大体この時期が中締めころかなというふうな感じで、私に質問に立つようにということで臨みました。そこで、公明党の河上委員さんと多少質問がダブって恐縮でございますが、今後の我が党の方針の参考にもいたしたいと思いますので、改めて御質問を申し上げます。
 この政治改革についていろいろ発言が各党の中から出ておりますが、私はこの政治改革の提案されている問題につきましては、ぜひとも今国会で成立をさせなければならない、こういうふうに思っておりまして、民社党は不退転の決意でこの法案の成立を、政治改革の方向性の成立をいたさなければならないと思っております。改めまして自民党初め各党の皆さん方の御決意をお聞きをしたいと思うのですが、塩川先生、どうぞお願いいたします。
○塩川議員 民社党の皆さん方も非常にこの政治改革には従来から熱心でございまして、現在の状況から見まして法案の提出をされなかったのでございますが、これはそれなりの国会のルールに基づくものであって、その点非常に熱心に一つ提案をまとめておられるということは、我々も高く評価しております。
 その熱意にこたえまして、我々提案者の側といたしましても、この国会で、要するにこの政治改革というのは、一党がそれに固執するものではなくして、国会の問題として片づけなきゃならぬ問題だと思っておりますので、そういう気持ちを持ってこの国会中に、いいチャンスでございますので、このチャンスを生かしてぜひ改革の実現を図っていきたい、こう思っております。
○佐藤(観)議員 政治不信がいかにすさまじいものであるかは、最近の選挙の投票率の低さからもおわかりのとおりでございますし、また、こういう事件をたびたび起こしているのは主に自民党さんであることはもう周知のことでありますが、自民党の支持率が下がるだけではなくて、我が党の支持率まで一緒に下がってくるということはどういうことか。これは五五年体制の破綻だという表現も前の方もございましたけれども、いわばそれはイコール日本の政治自身が大変命ずるずると下に下がっていっているということに等しい。
 我が党といたしましても、本来持っております腐敗の防止とあわせまして、選挙制度を変えることによって、やはり長年政権交代がなかったということが今日の状況をもたらしたという厳しい反省の上に立って、選挙制度の中で十分政権交代ができ得る、民意を正確に反映できる、政治が腐敗をしない、そういう体制をつくること、このことが今私たちに課せられた社会党として最大の責任であるというふうに思っております。
 したがいまして、友党の皆さんとも一緒になって新しい政治をここから再出発させる、その気概で何としてでも実現をし、そして次の選挙からは新しい選挙制度で選挙をやっていく、そして新しい政治を早く出発させる、これが我々の任務だと考えております。
○渡部(一)議員 神田委員にお答えさせていただきます。
 公明党といたしましては、このたびの政治改革の柱は二本ありまして、一本は選挙制度改革であり、一本は政治資金に対する国民の疑惑を晴らすことであると存じます。対症療法的に申しますならば、政治資金に対する解明あるいはその腐敗防止というものは対症療法的な、近い対策でございますが、むしろ選挙制度自体の改革というものはその遠因となるべきところの傷をいやすものでありまして、両々相まって政治改革への一歩を進めるものだと存じております。
 日本の政治制度は、第二次大戦以降の歴史をとりましても、四十年の歴史にわたりまして、その制度疲労はようやくにして目に余るものになっているものでございまして、その点は御堂の御見解ともまことに私たちの立場は一致するところであります。このたび、私どもは、その意味でまさに全力を尽くしてこのチャンスを生かし、政治改革の実を上げたいと存じております。
 御見のお立場は、既に、法案の提出はなさいませんでしたけれども、その数々の御提言の中に多くの参考にすべきところを十分に感じておりまして、近き状況の中でもし意見の集約あるいは妥協の成立の場合には、御堂の独特のお立場を生かされまして、その持てるエネルギーとアイデアを豊富に開陳され、私どもとしてもそれを十分に取り入れさせていただきたいと思うところでございます。
○神田委員 自民党の方でも、衆議院は小選挙区、参議院は比例、こういう声も出ておりますし、また社会党の方も、これはフライングのような感じがするのですが、政治改革がだめなら腐敗防止法というような考え方が出ております。
 しかし、この腐敗防止だけで事が足りるかといいますと、七月の末には金丸さんの裁判がある。そこで、冒頭陳述で何名かの国会議員の容疑に触れられるという、これは確かではありませんが、そういうこともございまして、結果的には、そういう中ではまた先送りしてもやはり国民の政治改革を求める声が大きくなると思うのですね。ですから、この国会で、この委員会できちんと政治改革をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。各党、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○塩川議員 冒頭申し上げましたように、この国会が私は絶好のチャンスだと思っておりますので、ぜひ実現のため最大の努力をしていきたいと思っております。
○佐藤(観)議員 たびたび申し上げておるわけでございますが、何としてでも今国会で成立をさせる。選挙までのあとの手ばず、選挙ということは、新しい制度で選挙をやる場合の区割りの問題、あるいは審議会の委員を決める問題等々の日程、あるいはお互いに候補者を決めたり、国民への周知期間等々を考えますと、そんなに私は来年二月まででも余裕がある日程だと思っておりませんので、今国会でやはり成立をさせる、そして次の来るべき選挙から新しい制度で始める、これが国民の皆さん方へなさなければならない我々の務めである、こういうふうに思っております。
○渡部(一)議員 政治腐敗に対する国民の怒りは言語に絶するものがあると存じます。これに対する深刻な理解のない発言というものが当委員会の議場の外側からしばしば聞こえてまいりまして、当委員会でも繰り返し同僚議員から取り上げられたところでございます。しかし、そのような考え方は、当委員会の委員の論議の間では皆破棄されたと同様の結論になっております。
 例えば、一見、腐敗防止だけを先行させようなどという意見はその中でも最も有力かつ立派に聞こえる案ではございますけれども、もしそういう形で腐敗防止関係の法案を進めようといたしますと、制度改革の基本を失って、そういうことをした提案というものは実質的な効力を失うものでございまして、決して聡明な対策の立て方ではない。各党の議員から御指摘いただいたとおりであり、私もその意見に同調する一人でございます。
○神田委員 そうしますと、各党とも精力的な努力の上に法案の成立を図りたい、こういう主張でございまして、そのことはよくわかりました。
 ただ、そうしますと、主張が大変かけ離れているという状況の中で、どういうふうにこれを取りまとめていくのかという問題になるわけでございます。ですから、自民党の小選挙区制案は仮に衆議院で成立しても参議院で否決をされる、あるいは社公案については自民党から非常に厳しい指摘がある、こういう状況の中で、それではある程度の妥協といいますか、各党が納得をしてそれを成立をさせる努力をするということにつきましては、先ほど塩川先生の方からもいろいろ御意見がございましたが、これはどういう機関で、どういう方法で各党ともやろうと思っておるのですか。その辺をちょっと、手法につきましてお聞かせをいただきたいと思います。
○塩川議員 これは私、全く個人の意見として聞いていただきたいと思うのでございますが、私らが思っておりますのは、まず、やはりこの舞台の中心となりますのはこの委員会だろうと思っております。ここでできるだけ国民の皆さんにわかっていただけるようにオープンな議論をしていただくということ。と同時に、それぞれ各党の党議を経て提出している法案でございますので、この党との関係というものを密接にしなければならぬだろう。
 そういたしますと、党と党の話というものも何かの公式な機関で、例えば幹事長・書記長会談とか、あるいは先生がやっておられる国対委員長会談とか、場合によったら党首会談のあたりまで、いろいろな党の機関としての接触はあるであろうと思っておりますが、しかしながら、それをするにいたしましても、やはり舞台は、それを準備する舞台は当委員会が中心ではなかろうかと思っております。
○佐藤(観)議員 今日までこういう真摯な討議をずっと続けてきたわけでございますから、私は、基本的に当委員会の理事会を中心にして、さらに衣を脱いで詰めていくというのが一番正しいやり方ではないか。ただし、問題が問題でございますし、政党の浮沈にもかかわる、将来にもかかわる大きな課題でございますから、当然のことながら、言うまでもなく、どこまでが譲り合って合意ができるのかということを各党おのおのやはり議論をして、そして出先と申しましょうか、理事会でそれを詰め合うというのが一番正しいルールではないかと思っております。
○渡部(一)議員 自民党案と社公案との間に存在する差を水と油と例えられた方は何人かあるわけでございますが、この論議を通じまして、それほど水と油でもないということがだんだん認識されてきたように私は感じております。といいますのは、相互の間にいろいろなやりとりのあるうちに、相互理解と信頼が深まってきたからであると私は感じているわけであります。したがいまして、今佐藤委員がおっしゃいましたように、当委員会の理事会等の、私は等のと特に申し上げておきますが、等の場所で適切なお話し合いが行われ、そしてまたそれに基づいて適宜なアクションが行われますならば、一歩前進のきっかけがつくのではないかと希望を持っているところでございます。
○神田委員 聞くところによりますと、一昨日の当委員会の理事会などではそういう問題についても話し合われたというようなことでございますが、自民党、社会党、公明党の代表がおっしゃいましたような関係で、この委員会の重要性はまことに高いものがあると思っております。
 委員長も強行採決など乱暴なことはしないというようなことも言っておられますし、ただいまの各党の代表の方の意見を踏まえまして、委員長の御決意を、僭越ですが、一言お聞かせをいただきたいと思います。
○田邉委員長 この委員会は、今各党それぞれの意見を申し述べておると同時に、新しいものを模索する努力を続けております。私も最善の努力を払ってまいるつもりでございます。
○神田委員 そうしますと、妥協の可能性ということを探っていくことになりますけれども、我が党は我が党で都道府県代表非拘束名簿式という案を出しておりますが、我が党はこの案にこだわるつもりはありません。どうしても最大限の政治改革の法案をつくるんだという意味では、我々は大変少数でありますから、それにこだわって法案ができないような、そういうことはいたしません。
 したがいまして、いろいろ案がございまして、いろいろの論議が交わされましたが、まず自民党の方で小選挙区制がすべてだという形ではこの法案はできないわけでありますから、その点などにつきまして、石井先生などはどういうふうにお考えになりますか。
○石井(一)議員 当委員会で過去幾たびかお答えを申し上げたところでございまして、我が党といたしましては、野党の皆さんからは、前回は並立制を提案しておるのに今回一歩後退して小選挙区を提案したのはなぜかというふうなことでございます。
 私たちは、現状を追認し、今のこの形のまま延長線上で次の政治を展開するのでなく、ここでひとつ抜本的な改革を行い、二十一世紀を志向した中で、こういう形で政界再編成を比較的近い将来に見つつこの制度をやり、そしてその制度によって政界の構図というふうなものを変えていくということを志向したわけでございますが、議論をいろいろいたしておりますと、この五百という小選挙区のみに固執しておるということが合意点を見出し得ないのではないか。かといって、塩川代表からも答えておりますように、党議というものの拘束の中で、あえぎ苦しみながら妥協を図っていこうとしておるわけでございます。
○神田委員 そうしますと、自民党は完全小選挙区制そのものにはこだわらない。塩川先生も言いましたが、党議拘束はあるけれども、考え方としては、党議拘束にこだわっては妥協ができないはずですから、そういう考え方に固執はしないということだと思うのですが、各提案者の間では、自民党の中でそういう話し合いはしているのですか。
○塩川議員 いや、まだそこまでの話は行っておりませんです。
○神田委員 しかし、あくまでも自民党が完全小選挙区制にこだわったのではこの政治改革はできないと思うのですね。ですから、その辺は妥協をする、政治改革をやらなければならないと言った裏では、その辺はいよいよ準備をしてやっていただかなければならないと思っております。ひとつその辺をよろしく。小渕先生、どうですか。
○石井(一)議員 先生の御意見を十分体して今後努力をいたしたいと思います。
○神田委員 また、社公の代表の方に、社公といたしましてはどの辺ぐらいまでの妥協の余地といいますか、どの辺ぐらいまでを考えておりますか。
○佐藤(観)議員 単純小選挙区制の場合には五百という、これを四百九十九にするか四百九十八にするとかいうことは余り意味がないことなわけでありますが、我々の併用案というのは、御承知のように、二百の小選挙区を変化をさせるとか、ブロック別を御指摘をいただきましたので、小党分立にならないようにいろいろ考えるとか、いろいろこれは少し変えられる要素というものがあるわけでございます。
 したがいまして、私たちといたしましては、併用制が一番いいとは思っておりますが、その形ばかりこだわっておったのでは歩み寄りができないという場合には、先ほど申しましたように相打ちというのは許されない、結果がないことは許されないわけでありますから、その次の最大のポイントというのは、私は基本的に比例代表と小選挙区をミックスした案、ミックスしたというのはあくまで並立てはない、つまり、小選挙区のとり過ぎの部分を比例代表で調整するという、そういう要素を含めたミックスした案の前提でいえば、小選挙区の数が私たちは二百でありますけれども、それを一体どこまで許容できるのか、これは正直言ってまだ党内で完全にそれを詰め切れておりません。一般的に二百五十と言う方もおれば三百と言う方もおれば、まあそれ以上言われる方はないし、そういうわけでありますけれども、その小選挙区の数というのが最大の私は課題になってくると思います。
 しかし、いずれにしても、これも我が党だけで対応できる問題ではなくて、御堂も含め、公明党さんも含め、日本新党さんも含め、そういう中で一体次の新しい政権をどうやってっくっていくんだ、どういう政権をつくるんだという政権構想、そして政権交代が起こり得る、あわせてそれを具体的に補います選挙協力というのはどうやっていくんだ、こういうようなことと相一体になって我々の側から見れば答えが出てくることだと私は考えておるわけでございまして、いずれにしましても、案としては併用案が一番いい、ベストだと思いますが、要は相打ちによって結果がないということは許されないわけでありますから、制度として、国民の皆さん方にもわかりやすく、かつ一定の期限の中でも耐え得る立派な制度ということでお互いに相歩み寄らなければならない、こういうふうに考えております。
○渡部(一)議員 お答えいたします。
 意見の、両案が廃棄されないように合意を求めることをしなければならないとすれば、第一に、自民党側の単純小選挙区制にこだわっておられましたのではこれは合意のできようがないというので何回も議論してまいりました。先ほど自民党側の提出者からも述べられましたように、それについては一歩前進の気配を感じておりまして、合意形成のための第一の関門が突破できかかっておるなとこちらも思っておるわけであります。
 次に並立制の案でございますが、これにつきましては、当委員会の中で強く推す意見はなかったというふうに私どもは理解しているわけでございます。これはむしろある意味では、既に前の国会におきましてその法案につきましては廃案になったいきさつもございますので、これを新たな意味で浮上させるという議員の意識も、またその法案提出上の手続も存在していないからでございます。
 現在、そうしますと、どういうのが問題になるかといえば、明らかに私どもの出している併用案及びその修正、そしてまた、先日参考人としてお出かけになりました方の運用案というのが視野に入っておるというふうに言えるわけでございます。そうすると、私どもといたしましては、これらを十分にしんしゃくした上でお互いの開陳された意見を総合する形で修正案をまとめていくというのがまず無難なところではなかろうかと存じております。
 それから、こうした討議の間で余り論じられなかったことが一つございます。それは小党分立の問題なのであります。小党分立というものは政権の不安定さを招くという形の議論が比較的多かったわけでございまして、特に自民党からはそういう意見が強うございましたが、もし現実の問題として何らかの合意が形成されるといたしますと、A、B、C、D、Eという五党を想定してみますと、C、D、Eの党の議席上の配分というものは相当少なくなることが当然予想されるわけであり、公明党といたしましてもそれはあえて余り論及せず、その大きなマイナスというものも覚悟しなければこの政治改革は一歩もできぬという決意に立っているわけであります。
 ただ、それを余り褒めていただきたくないのは、これはただごとでない決意である。そしてそれは御党におかれましても、自己の案に余りこだわらないと先ほど申されましたが、これは涙の出るような決断をなさったことと拝察いたしておりまして、深く敬意を表したいと存じております。この点も、自民党、社会党という巨大な二党に対して、審議の過程で法案をまとめていく場合に十分しんしゃくしていただきたいと思っておりますし、努力もさせていただきたいと思っております。
○神田委員 そういう中で、結局どういう案がこれから模索をされるかということでございますが、本日社会党の堀先生が両立案の御意見を述べたように聞いておりますが、私もこの両立案につきまして、各党この両立案をどう見るか。二百五十、二百五十と分けられているようなところに問題もあろうかと思うのですが、この両立案に、先ほど超過議席の塩川先生のお話などは聞きましたけれども、これにつきまして簡単に御意見を述べていただきたいと思います。
○石井(一)議員 私、先ほど堀先生にお答えをさせていただいたのでございますけれども、まず、我が党としてはまことに相入れることのできない案である。もちろん党利党略でそういうことを申し上げるわけではございませんけれども、言うなればこれは並立、併用を超えてさらに完全比例の極へ行くような案でございまして、超過議席が出るということも問題でございますし、その超過議席がさらにそれに順応して拡大するというふうなことも問題でございますし、小選挙区の数にいたしましても、一票制等につきましても検討しなければいけない。非常にどの観点から見ても問題の多い案でございまして、私は連用制ということに関しましても一生懸命研究をいたしておるわけでございますけれども、これを我が党の総務会へ持って帰った場合にどういう反応が出るかということを考えましたときに、ぞっとするような気持ちがいたしておる、今日こういう心境の中で、この両立案というふうなものはまあ者ても焼いても食えぬと申し上げざるを得ないと うのであります。
○佐藤(観)議員 まだ十分研究し尽くしたわけじゃなくて、けさ小林先生にお会いをしてお話をお伺いした程度でございますけれども、連用制の持っている最大の問題は、議席と得票率がかなりいびつになるという問題が起こってまいります。それを調整する。ですから、その意味では極めて議席率と得票率というものがパラレルに近い格好になる、そのための修正でございますから。そういう意味では私はよく考えられた案だと思うわけでございます。
 ただ問題は、小林先生の頭では、そもそも第一党の超過議席がそんなにふえないというシミュレーションの上に考えられているのかと思いますけれども、それに比例して、案分して第二党、第三党に増加議席という格好で新たな議席を調整することにしておりますので、確かに得票率と議席率がパラレルになるといういい点はあるが、超過議席、さらに増加議席というものがふえることを一体国民は許容してくれるだろうかという点が最大の問題ではないかと思っております。
 いずれにしろ、いろいろな角度から私たちもこの案も十分検討させていただきたいと思っております。
○渡部(一)議員 現在私どもが考えております併用制、そして先日からお話を承っている連用制、ただいま御質問になりました両立制と、単語もちょっと錯綜いたしますので、間違ったときはお許しをいただきたいと存ずるわけでございます。
 それで、尊敬すべき堀先生がわざわざこの議場で御紹介なさったような案でございますから、きっと深い深い意味合いがあるものだろうと私は信じたいと存じます。したがいまして、もうちょっと詳しく提案者というかその発議をされた学者の方にも承ってみたいと存じますのですが、難点が二つあるわけでございます。
 それは、現在では私たちも併用制の説明にかなり苦労しながら説明をしたのでございますが、さらに一段と面倒かつ難しいところがあるなという感じがいたしておりますのと、それから、避けるためにかなり苦心をいたしまして、自民党が多年批判しております同士打ち、サービス合戦というものが食いとまりませんし、それから得票率が五〇%を超えない限り単独で政権をとれないという状況に関しては併用制と同じ状況でございますし、超過議席の問題につきましては、これはかえって併用制よりかなり大幅にふえるのではないかというようなところが直ちに見てとれるわけでございます。
 ただ、堀先生があそこでにらんでおられますのでもうこれ以上は控えたいと存じますが、先生、きっとすごい御意図がおありでぱんと持ってこられて、その哲学的意味、政治的意味がきっとおありであろうと存じますので、またゆっくりと取材いたしまして、私らの意見というのを開陳させていただきたい。きょうは、ともかくまだ十分に情報を得ていない。それで、まだその後考えさせていただく、こうしたいと思っております。
 それで、法案の、今意見の統合をしようとする寸前でございますので、その統合のスピードに対してさお差されぬような配慮は必要であろうと存じますし、中に盛り込まれているアイデア等については何らかの形で生かす形で、そして合意を得ていきたいものだと存じております。
○神田委員 最後になりましたが、この政治改革委員会で各委員の英知を集めて政治改革をぜひとも一括処理をして成立させる、今国会で成立をさせるということを切にお願いをいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○田邉委員長 次回は、来る五月十八日火曜日午前九時理事会、午前九時三十分公聴会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十八分散会