第128回国会 本会議 第4号
平成五年十月十三日(水曜日)
    ―――――――――――――
  平成五年十月十三日
    午後三時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
  )、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(
  内閣提出)、政治資金規正法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)及び政党助成法案(内
  閣提出)並びに公職選挙法の一部を改正する
  法律案(河野洋平君外十七名提出)、衆議院
  議員小選挙区画定等委員会設置法案(河野洋
  平君外十七名提出)、政治資金規正法の一部
  を改正する法律案(河野洋平君外十七名提出
  )、政治腐敗を防止するための公職選挙法及
  び政治資金規正法の一部を改正する法律案(
  河野洋平君外十七名提出)及び政党助成法案
  (河野洋平君外十七名提出)の趣旨説明及び
  質疑
    午後三時四分開議
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)、衆議院議員選挙区画定審議会設置法
  案(内閣提出)、政治資金規正法の一部を改
  正する法律案(内閣提出)及び政党助成法案
  (内閣提出)並びに公職選挙法の一部を改正
  する法律案(河野洋平君外十七名提出)、衆
  議院議員小選挙区画定等委員会設置法案
  (河野洋平君外十七名提出)、政治資金規正
  法の一部を改正する法律案(河野洋平君外
  十七各提出)、政治腐敗を防止するための
  公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改
  正する法律案(河野洋平君外十七名提出)及
  び政党助成法案(河野洋平君外十七名提出)
  の趣旨説明
○議長(土井たか子君) この際、内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに河野洋平さん外十七名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案について、趣旨の説明を順次求めます。自治大臣佐藤観樹さん。
    〔国務大臣佐藤観樹君登壇〕
○国務大臣(佐藤観樹君) 公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案、以上四件につきまして、趣旨とその内容の概略を御説明申し上げます。
 初めに、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 この改正法案は、政策本位及び政党本位の選挙の実現を図るため、衆議院議員の選挙について、小選挙区比例代表並立制を採用し、総定数を五百人とするとともに、候補者を届け出ることができる政党の要件や政党が行う選挙連動等に関する規定を整備し、あわせて、腐敗防止のために連座制の強化その他所要の改正を行おうとするものであります。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 次に、この法律案の内客の概略につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、衆議院議員の選挙制度に関する事項であります。
 その一は、選挙制度の基本的仕組みとして、小選挙区比例代表並立制を採用することといたしております。
 その二は、衆議院議員の定数について、総定数を五百人とし、そのうち、二百五十人を小選挙区選出議員、二百五十人を比例代表選出議員とすることといたしております。
 その三は、選挙区等についてであります。小選挙区選出議員は、定数一人の各選挙区において選挙することとし、その選挙区は別に法律で定めることといたしております。比例代表選出議員は、全国を通じて選挙することといたしております。
 その四は、投票についてであります。投票は、記号式投票の方法により行うことといたしております。
 その五は、立候補についてであります。小選挙区選出議員の選挙における候補者の届け出については、所属国会議員五人以上を有することまたは直近における衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員の通常選挙の得票率が百分の三以上であることのいずれかに該当する政党その他の政治団体が行うことができるほか、本人届け出または推薦届け出もできることといたしております。
 比例代表選出議員の選挙における候補者名簿の届け出については、小選挙区選出議員の選挙において候補者の届け出ができる政党その他の政治団体及び名簿登載者を三十人以上有する政党その他の政治団体が行うことができることといたしております。
 なお、小選挙区選出議員の選挙において候補者の届け出ができる政党その他の政治団体は、その届け出に係る候補者を名簿登載者とすることができる、いわゆる重複立候補を認めることといたしております。
 その六は、当選人についてであります。小選挙区選出議員の選挙については、有効投票の最多数を得た者をもって当選人とすることといたしてお
ります。ただし、有効投票の総数の六分の一以上の得票がなければならないとするものであります。また、比例代表選出議員の選挙については、有効投票の総数の百分の三以上の得票があった名簿届け出政党等に限り、ドント式によりその当選人の数を定め、重複立候補者で小選挙区選出議員の選挙の当選人とされたものを除き、名簿の順位に従い当選人とすることといたしております。
 その七は、選挙運動についてであります。小選挙区選出議員の選挙においては、候補者個人のほかに、候補者届け出政党についても、原則として候補者を届け出た都道府県ごとに当該都道府県における届け出候補者の数に応じて、一定の選挙運動を認めることといたしております。
 また、比例代表選出議員の選挙においては、名簿届け出政党等に、原則として名簿登載者の数に応じて、一定の選挙運動を認めることといたしております。
 その八は、候補者の選定権限の行使に関し、請託を受けて、財産上の利益を収受した者等について罰則を設けることその他罰則に関し所要の規定を整備することといたしております。
 第二に、戸別訪問の自由化に関する事項であります。
 午前八時から午後八時までの間に限り、選挙に関し、戸別訪問をすることができることといたしております。
 第三に、あいさつ状の禁止の強化に関する事項についてであります。
 候補者及び立候補予定者は、当該選挙区内にある者に対し、答礼のための自筆によるものを除き、慶弔、激励、感謝その他これらに類するもののための電報等を含むあいさつ状を出してはならないことといたしております。
 第四に、連座制の強化に関する事項であります。
 立候補予定者の親族並びに候補者及び立候補予定者の秘書を新たに連座制の対象とするとともに、親族、秘書が禁錮以上の刑に処せられたときは、執行猶予の言い渡しを受けた場合でも、連座制の適用があることといたしております。
 また、連座制の効果について、当選無効に加えて、連座裁判の確定等のときから五年間、立候補制限を科することといたしております。
 このほか、罰金額を二・五倍以上に引き上げるなど所要の改正を行うことといたしております。
 なお、この法律は、原則として、衆議院議員の選挙区を定める法律の施行の日から施行することとし、衆議院議員の選挙については施行日以後初めてその期日を公示される総選挙から適用する等の経過措置を設けております。
 次に、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定等に関し、調査審議等を行うため、総理府に衆議院議員選挙区画定審議会を置こうとするものであります。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 次に、法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、設置及び所掌事務に関する事項であります。
 総理府に、衆議院議員選挙区画定審議会を置くこととし、審議会は、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関し調査審議し、必要があると認めるときは、その改定案を作成して内閣総理大臣に勧告することといたしております。
 改定案の作成においては、各選挙区の人口の均衡を図り、人口の格差が二倍以上にならないようにすることを基本とし、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならないものとするとともに、各都道府県への定数の配当においては、まず、各都道府県に一ずつ配分した後、残りの定数を人口に比例して配当することといたしております。
 第二に、勧告の期限等に関する事項であります。
 勧告は、原則として十年ごとに行われる国勢調査の結果による人口が最初に官報で公示された日後一年以内に行うことといたしております。
 また、最初の画定案の勧告については、委員が任命された日から六カ月以内に行うことといたしております。
 なお、内閣総理大臣は、審議会から勧告を受けたときは、これを尊重し、かつ、これを国会に報告することといたしております。
 第三に、組織等に関する事項であります。
 審議会の委員七人は、国会議員以外の者から、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命し、任期は五年とすることといたしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することといたしております。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 この改正法案は、政治資金制度について、政治資金と密接な関連を有する選挙制度の改革と軌を一にして、政党その他の政治団体及び公職の候補者の政治活動の公明と公正を確保するため、会社その他の団体のする政治活動に関する寄附の制限の強化等を図るとともに、政治資金の透明性を高め、あわせて、政治資金についての規制の実効性を確保するなどの措置を講じようとするものであります。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 まず第一は、会社その他の団体のする政治活動に関する寄附の制限の強化のための改正であります。
 選挙制度の改革に伴い、選挙や政治活動が政策本位、政党本位になりますので、政治資金の調達を政党中心とするため、また、近年における政治と金とをめぐる国民世論の動向等にかんがみ、会社、労働組合その他の団体のする政治活動に関する寄附については、政党に対するものに限りこれを認めることとし、政党以外の者に対するものはすべて禁止することといたしております。この場合における政党は、所属国会議員五人以上を有すること、直近における衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙の得票率が百分の三以上であることのいずれかに該当する政治団体といたしております。
 なお、この法律の施行後五年を経過した場合には、団体献金のあり方について見直しを行うことといたしております。
 第二に、公職の候補者の政治活動に関する寄附の制限の強化を図るための改正であります。
 公職の候補者の資金面における公私の峻別を徹底するため、公職の候補者は原則として金銭等による政治活動に関する寄附を受けてはならないものとし、公職の候補者の政治資金は、その者のために政治資金の拠出を受けるべき政治団体として指定した資金管理団体で取り扱うことといたしております。
 なお、資金管理団体は、公職の候補者がみずからその代表者である政治団体のうちから一つに限り指定することができるものといたしております。
 第三は、寄附等に関する公開の強化のための改正であります。
 政党以外の政治団体に対する寄附の公開基準は、現行の年間百万円超から年間五万円超に引き下げることといたしております。
 また、政治資金パーティーの対価の支払いの公開基準については、一の政治資金パーティー当たり現行の百万円超から五万円超に引き下げることといたしております。
 第四は、政治資金の規制の実効性の確保のための改正であります。
 その一は、政治資金の規制の実効性を確保するため、罰金額を二。五倍以上に引き上げるとともに、企業等の団体の役職員または構成員が、政治資金規正法違反をしたときは、その行為者のほか、その団体に対して刑罰を科することといたしております。
 その二は、政治資金規正法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられた者は、公職選挙法に規定する選挙権及び被選挙権を一定期間有しないことといたしております。
 また、個人が政党に対して寄附をした場合においては、当該寄附については所得税の課税について新たに税額控除制度を導入することといたしております。
 なお、この法律は、選挙制度の改革と一体のものでありますので、原則として、公職選挙法の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。
 次に、政党助成法案につきまして御説明申し上げます。
 議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみ、選挙制度及び政治資金制度の改革と軌を一にして、国が政党に対する助成を行う制度を創設することとし、これにより政党の政治活動の健全な発達を促進するとともに、その公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発展に寄与しようとするものであります。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 第一は、助成の対象となる政党についてであります。
 政党助成の対象となる政党は、国会議員を五人以上有する政治団体または国会議員を有し、かつ、直近における衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員の通常選挙のいずれかの選挙の得票率が百分の三以上の政治団体といたしております。
 また、政党交付金を受けようとする政党は、その年の一月一日現在で、名称、主たる事務所の所在地、所属国会議員の氏名等を届け出ることといたしております。
 なお、その年中において衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙が行われた場合も同様の届け出を行うことといたしております。
 第二に、政党交付金に関する事項であります。
 政党交付金の総額は、直近の国勢調査の確定人口に三百二十五円を乗じた額を基準として予算で定めることといたしております。
 なお、この法律の施行後五年を経過した場合には、政党交付金の総額について、見直しを行うことといたしております。
 各政党に対して交付すべき政党交付金の額は、各政党の所属国会議員数及び国政選挙の得票数に応じて一月一日現在において算定した額とし、総選挙または通常選挙が行われた場合には再算定をすることといたしております。
 第三は、政党交付金の使途の報告及び公表等の措置であります。
 政党交付金については使途を制限しないこととし、その使途を記載した報告書を公表することといたしております。
 このため、政党の会計責任者は、会計帳簿を備え、政党交付金による支出等について記載するとともに、十二月三十一日現在で政党交付金の収支に関して記載した報告書を、支部から提出された支部報告書等とあわせて、自治大臣に提出しなければならないことといたしております。
 この場合において、政党の会計責任者は、政党の会計監査を行うべき者の監査意見書とともに、公認会計士等が行った監査に基づき作成した監査報告書をあわせて提出しなければならないことといたしております。
 また、報告書等については、その要旨を公表するとともに、届け出書、報告書等の関係書類は五年間保存することとし、また、何人も、五年間、これらの関係書類の閲覧を請求することができることといたしております。
 第四は、政党の解散等に関する措置であります。
 政党が合併または分割により解散する場合には、当該政党に対する未交付の政党交付金については、当該合併により存続しもしくは新たに設立される政党または当該分割により新たに設立される政党に対して交付することといたしております。
 第五は、政党交付金の返還等の措置であります。
 政党がこの法律に違反して政党交付金の交付の決定を受けた場合、政党が提出すべき報告書を提出しない場合などには、政党交付金の交付を停止し、またはその返還を命ずることができることといたしております。
 なお、この法律は、選挙制度の改革と一体のものでありますので、公職選挙法の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。
 以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の趣旨とその内容の概略であります。
 よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(土井たか子君) 提出者三塚博さん。
    〔三塚博君登壇〕
○三塚博君 自由民主党・自由国民会議提出の政治改革関連五法案、すなわち、公職選挙法の一部
を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案、政党助成法案の五つであります。以上の五件につきまして、趣旨とその内容の概略を御説明申し上げます。
 今日、世界の情勢は変転著しく、ひとときも平穏であることはありません。翻って、我が国経済、社会の動きを見ましても、これまでの通念ではとらえ切ることのできないほどの流動化が進行いたしております。このときにおいて、政治の果たす役割はますます大きく、我々は確固たる将来見通しのもと、誠心誠意、国民に責任を負い、的確な政策を機敏に遂行していかなければなりません。
 鼓腹撃壌の世は過ぎ去りました。二十一世紀を目前に控え、今切迫する問題が山積しております。これを瑕疵なく解決することなくして、来るべき時代に曙光を見出すことはできません。
 国民各位はこれまでになく政治に注目し、その生まれ変わりを期待しております。戦後も、もはや五十年近くたち、日々の生活に変革の波が迫ってきていることを一人一人が肌で感じているのであります。そして、久しく続いた東西陣営の対立構造が崩れ、ますます価値観が拡散する現代、未来はこれまでの経験知のみでは切り抜けることのできないことも、人々は意識いたしております。
 ここで政治がリーダーシップを発揮しなければ、那辺にその意義ありやと問われるでありましょうし、再び戦前同様の民主政治の否定を生み出しかねません。我々は、政治の機能不全と、ここから安易に流れて全体主義的傾向が発生することを、最も懸念するものであります。
 そこで平成元年、我々は政治に対する国民の信頼を回復し、同時に、政治が本来の機能を発揮して、新しい時代、新たな事態に迅速的確に意思決定が行えるようにするためには、議会政治の真のよみがえりが不可欠であるとの認識を持って、改革すべき諸点を、政治改革大綱において明確に打ち出したのであります。
 議会政治のよみがえりとは、政党政治の確立にほかなりません。政治が負うべき責任の明確化、資金の健全化、政策論争の活発化、国会の活性化等々をなし遂げるには、政党政治が真に機能することが問題解決のかなめなのであります。
 このたびの政治改革関連五法案は、政党政治の理念を貫き通したものであります。多種多様の民意があり、いついかなる国内外の難しい事態に直面するかもわからない時代の変わり目であるからこそ、幅広く国民の知恵を吸収し、集約し、決断し、責任を負う政党主体の新しい政治システムが不可欠なのであります。
 以上、我が党が法案をまとめ提出するに至った考えについて申し上げました。
 以下、順次五法案について御説明を申し上げます。
 まず初めに、公職選挙法の一部を改正する法律案についてであります。
 この改正法案は、我が国における政治の現状にかんがみ、安定した政策遂行能力を備えた政権の確立と、国民の信頼と負託にこたえ得る活力ある政治を実現するため、政策本位、政党中心の選挙制度として、衆議院議員の選挙について、小選挙区制に比例代表制を加味した小選挙区比例代表並立制を導入するとともに、総定数を四百七十一人とし、投票方法に関し記号式一票制を採用するほか、候補者を届け出ることのできる政党の要件、政党が行う選挙運動等に関する規定を整備し、あわせて、政治活動用ポスターの規制の強化等を行うものであります。これが、この法律案の趣旨であります。
 次に、その概略について御説明を申し上げます。
 第一は、衆議院の選挙制度の改正に関する事項であります。
 その内容は、選挙制度の基本は、小選挙区制に比例代表制を加味した小選挙区比例代表並立制とすること、議員の総定数は四百七十一人とし、そのうち三百人を小選挙区から、百七十一人を比例代表から選ぶこと、比例代表の選挙単位は、各都道府県の区域とすることであります。
 投票は、いわゆる記号式一票制であります。すなわち、新しい選挙制度は政策本位、政党中心とするという観点から、政党届け出の小選挙区候補者に投ぜられた票は、同時に、当該都道府県で比例名簿を届け出た政党に対して投ぜられた票とすることといたしました。
 その政党により小選挙区候補者の届け出及び比例名簿の届け出の要件を申し上げます。
 まず小選挙区で候補者を届け出ることのできる政党その他の政治団体の要件は、国会議員を五人以上有すること、直近の国政選挙における得票率が百分の三以上であること、全国を通じて小選挙区候補者を三十人以上擁立していることであります。
 次に、比例名簿を届け出ることのできる政党等の要件でありますが、ただいま申し上げた、小選挙区で候補者を届け出ることのできる政党の要件を満たした政党、政治団体に限っているところであります。この比例名簿には、小選挙区候補者を同時に登載できることとし、かつ順位も同一にすることができることとしております。小選挙区で反映できなかった比較少数意見を、政党の名簿を通じて国政に吸収するという観点からであります。
 候補者の選定の手続の届け出、政党等の名称の保護について所要の規定を設けているほか、供託については、各政党は小選挙区候補者一人について三百万円、比例名簿単独登載者は六百万円、重複立候補者は三百万円を供託しなければならないものといたしました。
 当選人については、小選挙区の場合は、最多得票者でありますが、法定得票数は六分の一以上であります。比例代表の場合は、まずドント式によって各党の当選人数を定めますが、重複立候補者が同一順位を付されている場合の当選順位は、小選挙区当選人にその候補者がどれだけ得票において肉薄したかの割合、すなわち善戦率の高さに従って順次定めることといたしております。
 選挙運動期間でありますが、現行期間は指定都市の長と同じところでありますが、この際、人口規模においてほぼその半分となることから、四日間短縮の十日間を提案しているところであります。
 選挙運動については、候補者個人の選挙連動に加え、候補者を届け出た政党が、小選挙区、比例代表ともに全面的に選挙運動ができることとしております。なお政見放送ができるのは候補者を届け出た政党のみであります。
 次に、第二の小選挙区と都道府県議会議員の選挙区の調整に関する事項であります。
 このたびの小選挙区の平均人口は約四十一万人であり、場合によっては、都道府県議の選挙区とされている一つの郡市の区域が二つ以上の小選挙区の区域に分かれることも生じますが、この場合は、小選挙区の区域を郡市の区域とみなすことができることといたしております。
 第三は、公職の候補者等及び後援団体の政治活動のために使用されるポスターの掲示の禁止に関する事項であります。
 これらポスターについては、従来より政治活動費用の増大の一因として挙げられたり、街の美観を著しく損ねるとの問題が指摘されてまいりました。そこで、ポスターの掲示を選挙前の一定期間禁止することにより、これらの問題の解消を図るとともに、滑り込みポスターなどもなくして、選挙を公平に戦おうという趣旨で盛り込んだところであります。
 掲示の禁止期間は、衆議院議員総選挙においては任期満了の日の一年前から、それ以外の選挙においては、任期満了の日の六カ月前からとしました。解散による総選挙の場合は、解散の翌日からであります。
 なお、この法律は衆議院小選挙区選出議員の選挙区を定める法律の施行の日から施行することといたしておりますが、政治活動用ポスターについては、この法律の公布の日から起算して三カ月を経過した日からとしております。
 次に、引き続き、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案について概略の説明を申し上げます。
 衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定及び衆議院比例代表選出議員の選挙区における議員数の改定に関し調査審議し、その改定案を作成して意見を提出させるため、衆議院に衆議院議員小選挙区画定等委員会を置く必要があります。これが、この法律案の趣旨であります。
 次に、その概略について御説明を申し上げます。
 まず、設置及び所掌事務に関する事項であります。
 この委員会を衆議院に置くものとし、委員会は、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定及び比例代表選出議員の選挙区における議員数の改定に関し調査審議し、必要があると認めるときは、その改定案を作成して衆議院に意見を提出することとしております。
 この改定案の作成に当たりましては、小選挙区選出議員の定数を、まず都道府県に一人ずつ基礎配分をし、残りを人口に比例して都道府県に配分することとし、また、各選挙区間の人口の格差が一対二以上にならないようにすることを基本に、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行うことといたしました。
 比例代表選出議員の選挙区における議員数の改定案の作成に当たりましては、都道府県に一人を基礎配分の上、残りを人口比例により都道府県に配分をいたします。
 なお、十年ごとの国勢調査の結果が公示された日から一年以内に行うことといたしております。
 次に、組織及び委員に関する事項であります。
 委員会は、委員七名以内をもって組織することとし、委員は、国会議員以外の者のうちから、衆議院の承認を得て、衆議院議長が任命することといたしております。任期は、五年とし、委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないことといたしております。
 また、資料の提出その他の協力等について所要の規定を設けております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとし、最初の衆議院議員の小選挙区の画定に係る意見の提出は、委員が任命された日から六カ月以内に行うことといたしております。
 引き続き、政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 この改正法案は、議会制民主政治のもとにおける政党の機能の重要性にかんがみ、政党その他の政治団体及び公職の候補者の政治活動の公明と公正を確保するため、政党の定義を改正し、政党以外の者に対する政治活動に関する寄附及び政党以外の政治団体間の寄附の制限の強化等を図るとともに、寄附に関する公開の強化等を行い、あわせて、政治資金を調達できる政治団体の数の制限その他の措置を講ずることといたしております。これが、この法律案の趣旨であります。
 次に、その概略について御説明申し上げます。
 まず、政治資金の調達を政党中心とするための改正であります。選挙制度の改革と相まって、選挙や政治活動が政策本位、政党中心となることに伴い、政治資金の調達も政党中心とするため、企業等の団体の寄附については、政治家が指定した二つ以内の資金調達団体に限り年間二十四万円を限度とした少額の寄附ができることとするほか
は、政党に対するものに限ることといたしております。この場合における政党は、所属国会議員五人以上を有すること、直近における国政選挙の得票率が百分の三以上であることのいずれかに該当する政治団体といたしております。
 なお、政党の名称を保護するため、これと同一の名称またはこれに類似する名称を他の政治団体が使用することができないことといたしております。
 寄附等の公開基準については、透明性強化の観点から以下述べてまいります。
 政党以外の政治団体に対する寄附の公開基準は、現行の年間百万円を超えるものから、資金調達団体については、企業等の団体の寄附にあっては年間五万円を超えるものに、その他の寄附にあっては年間五十万円を超えるものに、また、資金調達団体以外の一般の政治団体については年間一万円を超えるものにそれぞれ引き下げることといたしております。
 なお、政党に対する寄附の公開基準については、事務処理の簡素化を図るため、現行の年間一万円を超えるものから年間五万円を超えるものに改めることといたしております。また、政治資金パーティーの対価の支払いの公開基準については、一回の政治資金パーティー当たり、現行の百万円を超えるものから五十万円を超えるものに引き下げることといたしております。
 次に、寄附等の制限の強化等についてであります。
 会社、労働組合その他の団体は、政党及び政治資金団体並びに資金調達団体以外に対しては寄附を行えないことといたしました。資金調連団体に対する寄附は年間二十四万円が限度であります。
 また、政治家の資金面における公私の峻別の徹底のため、政治家は選挙運動に関するものを除いて、金銭等による政治活動に関する寄附を受けてはならないものとし、政治家の政治資金はその資金調達団体で取り扱うことといたしております。これに伴い、指定団体及び保有金の制度は、廃止することといたしております。さらに、政治家の資金調達団体とそれ以外の政治団体との間の資金提供を禁止することなど、政治団体間の寄附を制限いたしているところであります。
 次に、寄附の制限の区分等の改定についてであります。
 政治資金の調達を政党中心とするため、寄附枠の区分を改め、政党に対する寄附枠を独立させるとともに、企業等の団体の政党に対する寄附枠の限度を現行の一・五倍としております。また、政党以外の者に対する寄附枠については、その限度を、個人の寄附にあっては政党に対する寄附枠の二分の一、企業等の団体の寄附にあっては政党に対する寄附枠の三分の一といたしております。
 寄附に関する税制上の取り扱いについては、まず個人が政党または政治資金団体に対して行ったものについては、所得税の課税について特別の措置を講ずることとし、会社等の政党等に対する寄附についても法人税の課税について特別の措置を講ずることといたしました。
 この法律は、原則として改正公選法の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。
 なお、寄附の拠出制限の経過措置として、会社、労働組合等は三年間に限り、政党及び資金調達団体以外の者に対して寄附ができることとするとともに、資金調達団体に対しても年間二十四万円を超えて寄附ができるものとし、それぞれその限度額を逓減する措置を講ずることといたしております。さらに、これら寄附のあり方については五年後に見直すことといたしております。
 続いて、政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。
 本法律案は、公職選挙法及び政治資金規正法の規制の実効性を確保することなどにより政治腐敗を防止するため、公民権の停止措置の強化、連座制の強化及び罰則の強化を図るものであります。これが、この法律案の趣旨であります。
 次に、その概略について御説明を申し上げます。
 まず、公職選挙法関係では、公職にある間に収賄罪を犯し刑に処せられた者について、公民権の停止を強化したところであります。昨年の緊急改革では、公民権停止の期間は、執行猶予の場合はその期間中、実刑もやはりその期間でありましたが、今回はさらに一歩進め、実刑期間とその後の五年間を公民権停止とし、執行猶予と実刑の場合とで予想される逆転現象を解消したところであります。
 連座制については、これを強化拡大し、さらに当選無効に加え、立候補制限を科することといたしております。
 まず、立候補予定者の親族または立候補者・立候補予定者の秘書が、一定以上の者と意思を通じ、なおかつ執行猶予を含む禁錮以上の刑に処せられた場合、連座の適用があるものとしたところであります。
 立候補制限は、連座裁判確定等のときから五年間、同一選挙、同一選挙区で立候補ができないことを内容とするものであります。
 次に、政治資金規正法関係でありますが、政治資金規正法の罪を犯し、罰金の刑に処せられた者は、裁判確定の日から五年間、執行猶予はその期間中、公民権を停止することとし、また同法の罪を犯し禁錮以上の刑に処せられた者は、実刑期間とその後の五年間、執行猶予はその期間中、公民権を停止することといたしております。
 また、企業等の団体の役職員または構成員が政治資金規正法違反をしたときは、その行為者のほ
か、その団体に対して刑罰を科することといたしております。
 なお、公職選挙法違反、政治資金規正法違反の罰金額を、両者ともおおむね二・五倍引き上げているところであります。
 この法律は、公布の日から起算して三カ月を経過した日から施行することとしておりますが、連座制に関する改正は、改正公選法の施行の日から施行することといたしております。
 最後に、政党助成法案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみ、国が政党に対する助成を行う制度を創設することとし、これにより政党の政治活動の健全な発達を促進するとともに、その公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発展に寄与しようとするものであります。
 これがこの法律案の趣旨でありまして、次にその概略について申し上げます。
 まず、助成の対象となる政党についてであります。
 政党助成の対象となる政党は、国会議員を五人以上有する政治団体または国会議員を有し、かつ、直近における国政選挙の得票率が百分の三以上の政治団体であります。
 政党は、政党交付金の交付を受けようとする場合、その年の一月一日現在で、所定の事項を自治大臣に届け出ることとし、その年中において衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙が行われた場合も同様の届け出を行うことといたしております。
 次に、政党交付金に関する事項であります。
 政党交付金の総額は、直近の国勢調査の確定人口に二百五十円を乗じた額を基準として、予算で定めることといたしております。
 各政党に対して交付すべき政党交付金の額は、各政党の所属国会議員数及び国政選挙の得票数等に応じて、一月一日現在において算定した額とし、総選挙または通常選挙が行われた場合には再算定することといたしております。
 政党交付金の使途の報告及び公表等の措置については、政党交付金については使途を制限しないこととし、各政党は政党交付金の使途を記載した報告書を提出し、これを公表することといたしております。
 なお、収支報告書には、公認会計士または監査法人が行った監査報告書を添付しなければならないことといたしております。
 政党が合併、分割、解散等を行った場合には、所要の措置を講ずることといたしております。
 政党交付金の返還等の措置についてでありますが、政党がこの法律に違反をして政党交付金の交付の決定を受けた場合、政党が提出すべき報告書を提出しない場合などには、交付すべき政党交付金の交付を停止し、またはその返還を命ずることができることといたしております。
 その他この法律の規定に違反する行為については、所要の罰則を設けるとともに、偽りその他不正な行為により政党交付金の交付を受けた場合には、その行為者のほか、政党に対しても刑罰を科することといたしております。
 なお、この法律は、改正公選法の施行の月の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。
 以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政治腐敗防止のための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の趣旨とその概要であります。
 以上で終わります。(拍手)
     ――――◇―――――
 公欄選挙法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)、衆議院議員選挙区画定審議会設置法
  案(内閣提出)、政治資金規正法の一部を改
  正する法律案(内閣提出)及び政党助成法案
  (内閣提出)並びに公職選挙法の一部を改正
  する法律案(河野洋平君外十七名提出)、衆
  議院議員小選挙区画定等委員会設置法案
  (河野洋平君外十七名提出)、政治資金規正
  法の一部を改正する法律案(河野洋平君外
  十七名提出)、政治腐敗を防止するための
  公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改
  正する法律案(河野洋平君外十七名提出)及
  び政党助成法案(河野洋平君外十七名提出)
  の趣旨説明に対する質疑
○議長(土井たか子君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。鹿野道彦さん。
    〔鹿野道彦君登壇〕
○鹿野道彦君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、政府提出の政治改革関連法案に質疑を行うものであります。
 さて、本日の産経新聞によれば、さきの総選挙の際に、テレビ朝日の放送が意図的に介入し、特定の候補者を当選させたとのこと等が報道されております。このことが事実とするならば、民主主義の根幹にかかわるゆゆしき問題であります。我が党は、民主主義、議会主義を守るために、本件の真相を徹底的に究明してまいります。
 総理は、議会制民主主義の基本にかかわる本件について、真相究明の意思があるかどうか、冒頭にお聞きしたいと思います。(拍手)
 いよいよ政治改革実現の最後の場面を迎えた、これが今私の胸にある率直な感慨であります。昭和から平成の時代の移り目にかけて、我が国政治は未曾有の混乱の中にありました。私は、当時、党の総務局長の立場といたしまして、全国の選挙の指揮をとっておりました。選挙の結果というものは、国民のお気持ちが明確に示されるものであります。その民意の厳しさは、例えて言いますな
らば岩盤のごとくであり、どんなに訴えても雨粒ほどの力もない、こんな実感を味わいました。政治と金の問題、公約違反ではないか等、政策に対する不信の問題など、人々は我が国の政治のあり方に対して積年の不満、不信を怒りとしてあらわしたのであります。
 我々自由民主党は、この事態を我が国の議会制民主主義の危機ととらえ、党を挙げて改革の方途を探りました。そして、我が党といたしまして改革の手だてを広く国民に宣言したのが、政治倫理の確立、政治資金及び選挙制度の改革、国会の活性化、党改革、地方分権の確立から成る平成元年の政治改革大綱であります。
 自来四年余、かつて制度を改革することにまことに消極的であった政党も、今や内閣を組織し、我が党が政治改革大綱で打ち出した小選挙区制の導入を政府提案として出されました。このことは率直に多とするものであります。と同時に、まことに今昔の感にたえないこともつけ加えるものであります。
 今国会は、もう待ったは許されないのであります。ここで政治改革もできず、その混乱から政策の遂行もできないという状態を招くようなことがありますならば、その結末が我が国議会制民主主義にとっていかに致命的なことになるか、思うだけでも背筋が寒くなります。我々は、なすべきことは何かの使命感に燃えながら、この改革を何としても今まさになし遂げる気概を持たなければならないと思います。(拍手)
 幸いにも、政府提案の法案と我が党提案の法案においては、かっての与野党案と違い、天地ほどの根本的な隔たりはありません。土俵の輪郭は見えておるのであります。残されているのは、その直径を広めるのか狭めるのか、仕切り線をどこに置くのか、あるいは徳後をどうするのかといった点であります。これはルールですから、両者納得の上で決めるべき事柄であるのが道理でありますでしょう。
 そこで総理、総理も公約を守ること、すなわち有言実行の精神には異論はないことと存じますが、ここで改めて、政治改革の今国会実現に内閣の命運をかけられるお気持ちなのかどうか、御決意をお伺いするとともに、両者納得のため政府案を譲歩するお心づもりがあるかどうか、そして、ルールづくりであることを尊重し、かつて我々も行わなかったように、強行採決は行わないこととするのかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。(拍手)
 我々自由民主党が議会制民主主義の再生のために目指している基本的な理念は、真の政党政治の確立であります。システムとして政党が国民から期待される役割を担えるようにすることであります。
 その政治の役割とは何か、あるいは三権分立の中における立法府の役割とは何か。遠大なテーマではありますが、一言で申せば国の意思の決定であります。すなわち、主権者である国民の政治的意思を一つにすることなのであります。その中で政党が国民の意思形成に大きな役割を果たすべき存在であることは、議会制民主主義がみずから求めるところであります。ここに、議会政治は政党政治であると言われるゆえんがあるのであります。
 ましてや、我が国議院内閣制のもと、衆議院は内閣総理大臣指名の優越権を持ち、解散もあることからして、その選挙は政権選択の意義を持つものであります。すなわち、国民はどの政党に自分たちの生活をゆだねるのか、それを決める選挙なのであります。政策のない政権などはあり得ません。したがって、衆議院総選挙は政策本位で争われるのが本来の筋なのであります。
 その国民の政権選択の意思、政策選択の意思が最も端的にあらわれる選挙制度が小選挙区制であります。
 国家国民に責任を持つ政治が確立されなければなりません。国際社会は日に日に変動を重ね、欧米に追いつけ追い越せの政治の手法は、もはや過去のものとなりました。今や日本は、みずからの責任でみずからの進む道を切り開かなければならないのであります。外にあっては東西対立の時代が終わり、内にあっては日本人一人一人の価値観が実に多様化してまいりました。このときこの状況において、決断し機能する政治、行為能力のある議会、政権が打ち立てられなければならないのであります。
 責任を負って決断するのは、申し上げるまでもなく、政治家であり、政党であり、議会であり、その支持を受けて誕生する政権であります。
 しからば、その責任感と決断の力の源泉をどこに求めるのか。それは、明確な国民の審判、すなわち小選挙区制による民意の表明に基盤を置く以外にありません。
 我々は、こうした観点に立って、このたび、小選挙区三百、都道府県単位の比例百七十一、そして政権を選択する総選挙という意義を明確にするため、両者通じて一票とした改革案を提出いたしました。この仕組みにより、政治家、政党、議会、政権が真に国民に責任を負い、そして国民と我が国の目標を共有して、困難な時代にたくましく歩みを進めていくことができるものと信ずるからであります。
 そこで、我が党の改革の理念と比べつつ、総理にお尋ねをいたします。
 第一に、総定数についてであります。
 総理は、政府案の総定数五百は諸外国と比べても多い数ではないとし、是認しているところでありますが、そもそも政治改革は、政治不信の解消、すなわち政治家がみずから襟を正すことが求められていることを忘れてはなりません。地方議会の二割を上回る定数削減をなしてきた苦しみというものは、どこかと比べて多いか少ないかの発想からでなく、自助努力が基本にあるのでありま
す。現在、公選法本則の定数は四百七十一でありますが、少なくとも国政もこの数に戻すべきではないでしょうか。これは理屈よりも政治姿勢の問題であります。総理にその姿勢があるかどうかをお尋ねしたいと思います。(拍手)
 第二に、小選挙区定数二百五十、比例定数二百五十と両者を同数にするという、政権発足前からの総理のお考えの根拠をお尋ねしたいと思います。
 政府案の提出理由には、政策本位、政党本位の制度とするためとありますが、この点我が党は、政策本位、政党中心の制度であります。政党本位であれば比例代表の割合が必然的に多くなるのはわかります。
 しかし、我々は、政権選択の総選挙において、選ぶ側の関心の度合い、選ばれた者の責任の負い方、そして国民が直接代表を選出することにより政権を選ぶという代議制民主政治のあり方からして、政党作成による比例名簿からの選出議員を多くするというのは、国民の政権に対する関与の意識を低めるのではないかとの懸念を持つものであります。ましてや全国比例、かつ重複立候補であります。候補者名簿は一政党五百人にも及ぶ場合があります。有権者が、投票所で幾つもの政党の何千人もの候補者を目の前に示されて、果たして戸惑いを感じないものでありましょうか。
 こうした現実の一方、政権は常に拮抗する複数政党によって組まれやすくなります。端的に言えば、そうして生まれた政権には責任性の欠如が生じます。選挙で掲げた公約を、ただ単に政権維持の目的のために平然と破ることが起こるのであります。閣僚としての立場と、一政治家、政党の一員としての立場での発言は違う、こんなことが容認されては、何のために国民に信を問うた選挙か。政党が政権をとれば公約は紙切れ同然にするのか。まさに有言実行の政治家の倫理にもとり、議院内閣制の自己否定であると言わなければなりません。それもこれも、連立という政権の形態は、国民が直接的に選択したものではなく、国民の手に届かない政党間の取引によって生まれるからであります。
 各党は事前に政策協定を結び、選挙に臨むと総理は言われますが、それではなぜ協定を結べるほどの政党が一つになって選挙ができないのか。小選挙区と比例とを同じ比重にするということは、既存の政党の固定化を意図したものとしか思えません。我々、政治には、時代に即応したダイナミズムが必要と考えるところであります。すなわち、小選挙区定数の割合を高めることが欠かせないのであります。
 以上、総理は、目標とされている穏健な多党制と比較し、現内閣の七党八会派で組まれる連立政権の形態は、好ましいものであると考えておられるのかどうか。その際、各党が持つ固有の政策と、その党の閣僚との間に食い違いが生じても、政治家の倫理、責任として問題にならないと考えられるのか。また、国民が政権をより直接的に選択するという総選挙の意義を明瞭にするため、比例代表の割合を下げるお考えをお持ちなのかどうか、お尋ねしたいと思います。
 第三に、比例代表選挙の位置づけについてお尋ねいたします。
 我が党は、衆議院議員の選挙の第一の意義は国民による政権の直接的選択にあることから、選挙の基本はその意思が端的に示される小選挙区にあると申し上げてきているところであります。その中にあって比例部分の役割は、小選挙区では議席に結びつかなかった比較少数の意見を吸収すること、すなわち小選挙区における選挙結果を補完することにあります。だからこそ、小選挙区と比例名簿で同時に候補者となれる重複立候補を採用し、小選挙区で善戦しながらも当選できなかった候補者が、比例では善戦の度合いによって当選できるようにしているのであります。
 しかも、都道府県内の小選挙区の結果を補完するものでありますから、比例の区域は同じ県内であるのが理の当然であり、自然であります。(拍手)代議士を選ぶということからも、地域の有権者にとってなじみやすい仕組みと言えましょう。
 しかし、政府案では、二百五十人の比例代表を全国単位で選ぶこととしており、しかも、やはり重複立候補制としておりながら、投票は小選挙区と比例代表とでは別々の二票制としておるのであります。これは、これまでの発言から察するところ、全国単位の方が都道府県の単位よりも少数民意を反映しやすいし、小選挙区選挙と比例選挙はあくまでも別々の選挙だから、投票も別々でということでありましょう。
 が、ならば、一つには、なぜ三%以上得票しなければ議席の配分を阻止するのか。その立法上の合理的根拠はどこにあるのか。仮に有効投票が六千万票ほどあれば、二百万票近くが強制的に切り捨てられることになるが、このことは憲法の法のもとの平等に反するのではないでしょうか。これらの点にお答えいただきたいと思います。そして次に、二つの別々の選挙であるなら、なぜ一人の候補者が両方に立候補できるのか、二票制において重複立候補をよしとする理由をお尋ねしたいと思います。
 第四に、地方政治に対する配慮であります。
 民主主義の原点は地方政治にある、地方分権は一層推進しなければならない、これが本院の共通認識であります。そのためには、何よりもまず地方議員に自由で活力ある政治活動を保障しなければなりません。しかるに、政府案では、節度を持った企業・団体献金すら全面的に禁止いたしております。しかも、なぜ国会議員を有する政党にだけ認め、地方議員に認めないのか。地方を大事にするという総理のお考えにはどうしてもそぐわない気がするものであります。この配慮はどうされようとしているのか、御見解をお尋ねしたいと思います。
 第五に、政府提案の小選挙区比例代表並立制は、重複立候補を除けば、ほほ現行参議院の選挙制度と同じであります。そこで、今後参議院についてはどのような改革案を考えておられるのか、総理、山花前委員長、羽田代表、石田委員長の各大臣に順にお尋ねをしたいと思います。
 ここで、我が党の改革案である並立制は、比例代表を小選挙区の補完として位置づけている点及び一票制を採用していることで、参議院の制度とは根本的に理念を異にしていることを申し上げたいと思います。
 すなわち、参議院は、衆議院の優越を認めた中で、その意義の発揮のために、選挙はかつての地方区、全国区が今の選挙区と全国比例代表とに変わったものの、もともと異なる民意を吸収する二つの選挙、二つの投票としているところであります。よって、衆議院は、国民主権の原理に基づいて、より国民に密着した代表民主制の理念に貫かれていなければなりません。小選挙区の割合を多くし、この一つの選挙であくまで政権の選択が行われるべきであり、それにはどうしても政策の国家性という観点から、候補者とその所属する政党は一体と見るべきであります。これを殊さら二つの選挙にするということは、政策本位、政党中心、そして政権選択という衆議院の選挙の理念的合理性を分断するものと言わざるを得ません。(拍手)
 また、我々の提案しているところの一票制はマークシート方式でありまして、候補者と所属政党を一日で確かめられて投票ができるようになっておるのであります。無所属候補者に投じる者は政党に投票できないから、法のもとの平等に反するという論も聞かれますが、すべての有権者に一票は完全、平等に保障されているのであります。それを政党所属の候補者に入れるか無所属候補者に入れるかは、有権者の全くの自由であります。二百万票とも予想される三%の有効投票を法律によって強制的に切り捨てる政府案の方が、はるかに違憲の疑いが強いと申し上げざるを得ません。
 以上、改革の理念を中心に質問を行ってまいりました。国際社会大激動のとき、この大きな変革に機能する政治を、腐敗のない政治を、国の行くべき道が明確でかつ公正な政治を、これが国民の長年の期待であると思います。本院に席を置く我々一人一人の決意が、国民から厳しく見詰められていることを肝に銘じなければなりません。
 今、党派を超えて、おのれを捨てる覚悟が必要なときではないでしょうか。今国会でぜひとも法案を成立させ、各党が山積する重要な政策課題に堂々と取り組みができるようにしていかなければならないことを最後にお訴えを申し上げ、私の質問を終わるものであります。(拍手)
    〔内閣総理大臣細川護煕君登壇〕
○内閣総理大臣(細川護煕君) お答えをいたします。
 テレビ朝日の報道局長発言についてまずお尋ねがございましたが、現在郵政省が事実関係について関係者から聴取中でございまして、まだ詳細を承知しておりませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、公職選挙法と放送法の趣旨からいたしましても、放送事業者は政治及び選挙に関しては公正を旨として報道すべきであることは当然であると思っております。
 次に、政治改革についての決意を問うということでございましたが、政治改革は本内閣にとりまして言うまでもなく最優先の課題でございますし、これを早急に実現することによって国民の政治に対する信頼を回復し、その上に立って国際国家としての責任を果たし、国民生活の安定と向上を図るための対策に本格的に取り組んでまいらなければなるまいと思っております。内閣としては、今国会中における法案の成立に最大限の努力をしてまいりたいと思っておりますので、ぜひとも御協力のほどをお願いを申し上げる次第でございます。
 政府案を譲歩する心づもりがあるかどうか、強行採決はどうかというお話でございましたが、今回の改正案は、これまでの国会における各党の御議論などを踏まえまして、内閣として最善のものと判断をして提案をさせていただいたものでございます。ぜひ各党各会派の御理解と御協力を得て成立をさせていただきたい、このように思っております。
 採決のことにつきましては、国会の方で御判断をされることと判断をいたしております。
 定数の四百七十一についてどう考えるかということでございますが、総定数五百人につきましては、現行の定数よりも十一名減らしているということでございますし、また、五百人程度とした第八次選挙制度審議会の答申あるいはまたさきの国会の自民党案あるいは社公案、こうしたものも参考にしながら、妥当なところではないかということでこのような政府案として出させていただいたということでございまして、主要先進国などの例からいたしましても決して多い数ではないというふうに考えております。
 それから、二百五十、二百五十という根拠はいかなるものか、こういうお尋ねでございましたが、二百五十人ずつの同数といたしましたのは、小選挙区三百、比例百七十一という海部内閣で出されました政府案が廃案になりました経緯、それからさきの国会における御論議、その後の与党各党の御意見などを踏まえてのものでございまして、小選挙区制と比例代表制を同じ比重で組み合わせることによりまして、それぞれの制度の持つ特性を相互補完的に補っていこう、生かしていこう、そういう考え方に立つものでございます。
 連立政権の形態についてのお尋ねでございましたが、現在の連立政権は、一党の長期支配の体制を打ち彼もために八会派が団結をしたものでございまして、その意味では過渡的な面も確かに持つ
ものであるかもしれません。率直に申し上げまして、私自身は、八会派というのはやや多過ぎるのかなという感じを持っておりますが、これからいろいろ曲折を経まして、政権にかかわる資格のある政党が三つから五つぐらいの程度に、いわゆる穏健な多党制に収れんをしていくのではないか、私自身はそう考えておりますということを申し上げてきているところでございます。(拍手)
 連立政権における固有の政策と政治家の倫理、責任の問題はどうか、こういうお尋ねもございました。
 これも再三今まで申し上げてまいっておりますように、連立政権は、各党が固有の政策とは別に、連立政権の合意によって互いに協力して国民に対して責任を負うものでございます。各党の固有の政策とその党の閣僚との間に食い違いが生じたといたしましても、通常は、より大きな共通の目標の実現のために協力をし合っていくものであろうと思いますし、選挙における有権者の審判の対象にはなりましても、政治家の倫理や責任の問題にそれが直ちにつながるものではないというふうに思っております。むしろ、連立政権とはそのようなものではないかというふうに私は認識をしているところでございます。(拍手)
 総選挙の意義を明瞭にするために、比例代表制の割合を下げる考えはないか、こういうお尋ねでございましたが、小選挙区と比例代表の定数につきましては、それぞれの制度の持つ特性を、先ほども申し上げましたように、相互補完的に生かしていこうという考え方に立って二百五十ずっとしたところでございますが、小選挙区の定数が比例代表制と同数でありましても、民意の集約あるいは国民の政権選択の意思が明確に示されるという小選挙区制の持つ特性は十分に発揮をされていくものである、そのように考えております。
 それから、阻止条項のことについてのお尋ねでございましたが、比例代表選挙を全国を単位として行うことといたしさしたのは、多様な民意をそのまま選挙に反映するという比例代表制の趣旨を徹底しようということでございまして、一方、三%のいわゆる阻止条項を設けておりますのは、政権を争う政党間の政策論議の場である衆議院が小党分立になるのを防いでいこうという観点からのものでございまして、全国単位の比例代表制という選挙制度の特性を踏まえた必要かつ合理的な制約であるというふうに考えております。合理的な制約である限り、法のもとの平等に反するものではないという認識でございます。
 二つの別々の選挙であって、二票制としながら重複立候補をできることとする理由はどうなのか、こういうお尋ねもございました。
 並立制は、小選挙区選挙と比例代表選挙という別々の選挙を並立的に組み合わせている制度でございますが、両方の制度とも基本的に政党によって担われ、全体として政党本位の選挙が実現されるように工夫されております。したがって、政党に幅広い裁量を認め、政党として当選させたい人について重複して立候補の届け出をすることを認めたところでございまして、この重複立候補制度が二票制と両立し得ないとは考えておりません。
 地方議員に対する政治活動を保障する必要性についてのお尋ねでございますが、このたびの法案では、政党、政治資金団体以外の者に対する企業などの団体献金は一切禁止することといたしましたことから、国政及び地方政治のいずれの場合も、政治家個人の政治活動のための政治資金は、政党から給付されるもののほかは、みずからが代表者である政治団体に対する個人献金に主として依拠していただくことになるわけでございます。
 無所属の地方議員の場合は、地域を基盤とした個人献金により多く依拠することになるわけでございますが、これは、最近の政治に対する国民の不信を解消するためにこのような厳しい制限を設けることにしたものでございまして、関係各位の御理解と御協力をいただけるものと思っております。
 参議院の改革についてのお尋ねでございますが、衆議院選挙に導入しようとしております小選挙区比例代表並立制は、小選挙区選挙、比例代表選挙ともに政党が中心となることが前提になっておりますし、重複立候補も認めて、名簿登載者は政党に所属する者に限るほか、総定数も大きく異なっておりますし、また、選挙区はすべて小選挙区になっておりますということなどを含めまして、現在の参議院議員の選挙制度とは異なる内容になっております。
 したがって、衆議院の選挙に並立制を導入いたしましても、直ちに二院制の意義が失われるとは考えておりませんが、しかし、参議院の役割、機能がより発揮できるようにするために、この際、参議院の選挙制度につきましても抜本的に改正することが望まれるわけで、その場合どのような選挙制度が望ましいかということにつきましては、各党各会派間で十分に御論議をいただきたいものだと願っているところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁をいたします。(拍手)
    〔国務大臣山花貞夫君登壇〕
○国務大臣(山花貞夫君) 参議院制度の改革のテーマについて、総理と同じ御趣旨の御質問をいただきました。
 総理が的確に詳しくお答えされたとおりでございまして、衆議院の選挙に導入しようとしている小選挙区比例代表並立制は、小選挙区選挙、比例代表選挙ともに政党が中心となることが前提となっており、重複立候補も認めたり、名簿登載者は政党に所属する者に限るなど、実態は、先ほどの御説明にありましたとおり、現在の参議院議員の選挙制度とは異なる内容となっております。
 しかしながら、衆議院選挙に並立制を導入することとの関係で、二院制のもとにおける参議院の役割、機能をさらに一層発揮するためにも、どの
ような選挙制度が望ましいかの検討につきましては、各党各会派間で十分御論議いただきたいと考えているところでございます。(拍手)
    〔国務大臣羽田孜君登壇〕
○国務大臣(羽田孜君) 私も同様の御指摘であったわけでありますけれども、先ほど総理から話がありましたように、小選挙区も比例の選挙につきましても、これは政党が中心になるということ、これが前提になっていることであります。それから、重複立候補、これを認めること、そして名簿登載者は政党に所属する者に限るなど、現在の参議院の選挙制度とはやはりおのずと違うものである。これは実は私が自由民主党時代に皆さんと一緒に議論したことであるわけであります。(拍手)
 そして、この問題につきましては、私どもは、やはりこれからの参議院の選挙につきましては、参議院が衆議院に対してどういう役割を果たすのか、やはり抑制あるいは補完をすること、そして均衡を図る、こういったことを考えながら、私は、やはり衆議院の制度をつくり上げ、そして直ちにそれを追いながら参議院のあり得べき姿を検討すべきであろうというふうに考えております。(拍手)
    〔国務大臣石田幸四郎君登壇〕
○国務大臣(石田幸四郎君) 鹿野議員にお答えをいたしますが、参議院の選挙制度についてどう考えるかということで、全く同じ御質問なわけでございます。
 先ほど来、総理あるいは山花、羽田各大臣から御答弁がございました。この参議院の選挙制度をどう考えるかということについては、今、衆議院との違い、明確な御答弁があったわけでございますから、重複は避けたいと思うわけでございますが、やはり私は、参議院の特性を十分に考えて、その視点に立った各党各会派の議論がこれから十分に行われるのではないか、それを期待したい、このように考えている次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(土井たか子君) 森本晃司さん。
    〔森本晃司君登壇〕
○森本晃司君 私は、日本社会党・護憲民主連合、新生党・改革連合、さきがけ日本新党、民社党・新党クラブの四会派の御了解を得て、公明党を代表して、ただいま議題となりました政府提出の政治改革関連四法案及び自由民主党・自由国民会議提出の政治改革関連五法案に対し、総理、関係閣僚並びに提出者に質問をいたします。
 法案の質問に先立ちまして、先ほど発表されました日ロ首脳による東京宣言についてお尋ねいたします。
 国民の最大関心事である我が国固有の領土、北方四島の返還について進展があったと受けとめておられるかどうか、細川総理の見解をお伺いいたします。
 さて、昭和六十三年の夏にリクルート疑惑が発覚し、これを契機に政治腐敗に対する国民の厳しい批判が起こり、国会で政治改革の論議が行われてから既に五年の歳月が流れました。この間にも、共和、佐川、金丸脱税事件、そして、とどまるところを知らないゼネコン汚職等、相次いで政治スキャンダルが明らかになり、国民の政治不信が極限にまで高まったのであります。しかしながら、今日まで政治の改革は遅々として進展し得なかったのであります。
 自民党が三十八年間にわたって担当してきた政権の座からおりるに至ったのも、抜本的な政治改革を本気で実行しようとしなかったことに対する国民の厳しい審判であったと言えるでありましょう。(拍手)新しく誕生した細川内閣が、政治改革政権であるとみずからを位置づけ、年内に政治改革を行うことを首相自身が明言されたことは、かつての自民党政権では聞くことのできなかった明快かつ力強い決意であり、まさに国民の期待に沿うものであります。(拍手)
 私は、今臨時国会は、汚職を繰り返してきた戦後の政治史に終わりを告げ、新しい時代の日本の民主政治確立のための制度的抜本改革を実現しなければならない極めて重要な国会であると思うのであります。それは、とりもなおさず、リクルート事件以来の政治改革論議の総決算であり、与野党を問わず後世の歴史に「平成の政治改革」と記される改革を実現することこそ、国会の歴史的な責務であると思うのであります。この点につきまして、細川総理並びに自民党の提案者に決意のほどをお伺いいたします。
 特に自民党の提案者にお伺いしたいことは、自民党におかれましても、今国会で必ず政治改革を実現することを国民に公約できるかどうかであります。三十八年間にわたって政権を担当してきた自民党が、今野党にはなりましたが、よもや、いたずらに法案審議を引き延ばして、今国会での成立を阻むというような行動はおとりにならないであろうと私は確信しておりますが、念のために所信を伺っておきたいのであります。(拍手)
 さて、選挙制度を初め政治改革関連法案につきましては、今日まで国会で十分に時間をかけ、さまざまな分野について論議されてまいりました。前国会では本院で実に百七時間もの実質審議が行われたのであります。もう一歩の段階で、政治改革断行という自民党の決断がなく、改革が実現できなかったことはまことに残念でありました。
 このたび国会に提案されました政府案、自民党案を比較いたしますと、私は選挙制度を初め各法案とも大枠として与野党共通の基盤はでき上がっているとの感を強くするものであります。
 まず、選挙制度の改革案を見ますと、政府案も自民党案も、小選挙区比例代表並立制導入で一致しております。かつて、第八次選挙制度審議会の答申を受けて、海部内閣も並立制を国会に提出いたしました。その法案は、審議会の答申を自民党の意向で修正し、しかも党議決定して国会に提出したものであります。内容は、比例代表の単位は
全国一本、投票はニ制というものでありました。これは、今回の政府案と比べて総定数及び定数の配分が異なってはおりますが、その他の骨格につきましてはほとんど同じものであると言えるのであります。一方、総定数についても、さきの通常国会の自民党案では五百としておりました。
 私は、このことを考えますと、最大の争点となる選挙制度につきましても、政府案と自民党案との基本的な考え方に大きな相違はない、十分合意は得られるものと意を強くしているのであります。この点につきまして、総理並びに自民党提出者の御見解をお伺いいたします。
 自民党の提案者に選挙制度についてお伺いいたします。
 第一は、海部内閣のときに提出した法案では投票は二票制でありましたが、今回提出されました自民党の法案では一票制としております。どうしても一票制でなければだめだということではないようにも思われるのでありますが、なぜ一票制としたのか、その変更の理由と経緯を御説明願いたいのであります。
 私どもも、一票制か二票制かという点について議論し、検討を重ねたところであります。一票制にすると、小選挙区での無所属候補へ投票した者は比例区候補者を選ぶことができないという不平等性が残っているといった点についてはどう判断されているのか、あわせて伺いたいのであります。第二には、比例代表議員選出の選挙区を都道府県単位としている点についてであります。
 自民党案のように都道府県単位で、しかも比例区の定数は百七十一議席で、まず各選挙区に一議席ずつ配分し、残余議席を人口に比例して配分いたしますと、私の試算では、四十その選挙区のうち二人区と三人区が三十四選挙区、パーセントに直して七二・三%を占めるということになります。これでは、民意を反映することを目的とする比例代表という制度の特徴が生かされないことは明らかであります。自民党案は、比例代表というのは名ばかりで、各都道府県を一つの選挙区とした中選挙区の選挙を行おうとすることと実態的には同じではありませんか。
 さらに、比例部分でも各県ごとにまず一議席を配分するとなると、人口に比例するという趣旨にも反することになり、この点につきましても、私は合理性を欠いていると申し上げざるを得ません。自民党案の大きな欠陥ではないかと思うのであります。比例区は、海部内閣のときは全国一本でありましたし、第八次選挙制度審議会も全国十一のブロックを答申し、政府案も全国単位としているのであります。なぜ自民党は都道府県単位としたのか、その理由を御説明いただきたいのであります。
 第三には、選挙運動についてであります。
 政府案は、午前八時から午後八時までという時間的制限はあるものの、戸別訪問を自由化するという画期的な改革に踏み切りました。私は、本来、選挙運動や政治活動は自由でなければならないと思うのであります。その一方で、悪質な違法行為があるとするならば厳正に罰則を科せばよいと思うのであります。
 その意味におきまして、戸別訪問の自由化は英断であります。先日の一般紙の投書欄には、「戸別訪問解禁となれば候補者や運動員は、地道に個人に政策を訴えることができる。有権者の不満や要望を直接つかむことができる。対話と納得が生まれることも多いだろう。候補者は鮮明に世論をとらえ、国民は肌で政治を感じ取ることができる」という投稿が掲載されておりました。戸別訪問の自由化は、対話型の政策選挙を実現する有効策であることは間違いないと思います。(拍手)また、先進国ではほとんど常識になっており、イギリスなどでは戸別訪問が選挙連動の中心となっております。しかも、戸別訪問による買収はないと言われているのであります。
 自民党はなぜ戸別訪問を自由化しようとしないのか、その理由を明確にすべきであります。買収が行われやすいとか、何人もの人が来て選挙民が迷惑をするとか、組織のある政党が有利だといったことは、戸別訪問を規制する正当な理由に到底なり得ないと思うのでありますが、提案者の見解を伺いたいのであります。(拍手)
 次に、政治資金規正法の改正について伺います。政治資金規正法の自民党の改正案は、現行法から見れば政治資金の透明化や腐敗防止のために前進をしておりますが、まだまだ十分とは言いがたいというのが率直な意見であります。
 第一に、企業・団体の献金についてでありますが、政府案では政党及び政党の政治資金団体に限定しています。つまり、企業・団体献金は、政治家はもとより、派閥や政治家の後援会にも一切認めず、あくまで政党のみに一本化し、しかもその場合でも年間五万円超の献金を公開し、透明度を格段に高めています。自民党案が政治家一人当たりの資金調達団体を二つまで容認して企業・団体献金を受けられるようにしていることは大きな問題であります。企業と政治家の不明朗な関係が政治腐敗の基本的な構造であったことからすれば、政・官・業の癒着構造を断ち切るためにも、少なくとも政治家個人への企業・団体献金は規制すべきだと思うのでありますが、なぜできないのか、その理由を示していただきたいのであります。
 自民党の皆さんは、企業も一つの社会的存在であるとして、企業献全廃止の法的根拠が乏しいと難色を示しておられますが、過去に自民党自身が起こしてきた政治腐敗事件の原因が企業献金にあったという反省が全く感じられないのではありませんか。(拍手)政治家個人と金の関係を制度的に断ち切ることが国民にこたえる政治改革の大きな柱ではないかと申し上げたいのでありますが、いかがでしょうか。
 第二に、自民党案は、政党及び政党の資金団体への企業・団体献金の総枠を何と現行の一・五倍に増額していることであります。自民党も政党への公的助成制度の導入を提案しており、その上、企業・団体の献金を五割もアップさせるというのはまことに不見識だというべきではありませんでしょうか。提案者の見解を伺いたいのであります。(拍手)
 第三に、政治資金パーティーに関してであります。自民党案によりますと、一つの政治資金パーティー券の大口購入者の公開基準を五十万円超としておりますが、これは政府案の十倍であります。透明度を低くするばかりではなく、企業・団体のパーティー券購入をできるだけ容易にする手段であると言わねぱなりません。また、パーティーの開催促進による政治資金集めの奨励につながるものであります。どうして政府案のように公開基準を五万円超にできないのか、御説明願いたいのであります。
 第四に、過日、自民党の機関紙等に、広告という形で業界・団体を通じて、通常の常識を超えた金額を支出していたという事実が明らかになりました。事実上の政治献金ではないかと思うのであります。
 もちろん、政府案、自民党案ともに広告費に名をかりたこの種の献金は規制されておりません。しかし、法をつくる立場の議員やその政党が抜け穴探しをしているというのでは、余りにも悲しいことではありませんか。同様のことが今後とも繰り返されるおそれもありますので、どう考えているのか、山花政治改革担当大臣並びに自民党提案者に所見を伺いたい。
 また、政府案、自民党案ともに、企業・団体の献金のあり方について今後見直すとしているのでありますが、これは何をどのように見直すことを想定しているのかもお伺いしたいのであります。
 次に、政党助成法案につきましてお伺いいたします。
 政党への助成を行うということは、一九六五年にスウェーデンで始まり、現在ではドイツ、フランス、カナダ、オーストリア、イタリアなどの各国で採用され、実施されておりますが、我が国にとっては初めての試みであります。私は、とうとい国民の税金をもってこれに充てるということからすれば、政治に対する国民の信頼が大前提であると思うのであります。各種の世論調査を見る限り、幸いにも国民の政党助成に対する支持は過半数を超えております。民主主義のコストとして政治に資金が必要であり、税金を充てることに国民の皆さんの温かい御理解をいただいているものと思います。
 要は、国民の期待にこたえ、納得のできる政治を行ってほしい、腐敗と決別する政治であってほしいということであります。このことを、政治に携わる者として私たちはよく肝に銘ずるべきであります。それが前提であるならば、民主主義のコストの負担を拒むものではないということではないかと思いますが、細川総理並びに自民党提案者にこの点についての認識と決意を伺います。
 また、政党への助成ということから考えれば、政党の責任は極めて重いものがあります。政党所属議員が汚職や不正行為を行った場合に対する政党の厳正な措置も、法案とは別でありますが、道義的に求められるのは当然であります。それぞれの党の対処方法を国民の前に明らかにすべき必要があることを私は強く指摘しておきたいのであります。
 政党助成金は、国会議員の議員数、選挙得票率などを前提といたしておりますが、これによって、地方政治に中央の政党の系列化が促進されることになるのではないか、また、地方レベルでの無所属議員や草の根政治のハンディをもたらすことはないのか、さらに、地方レベルでの政党・会派助成制度創設などにつながることも考えられるのでありますが、これらの点について、山花政治改革担当大臣並びに自民党提案者に見解を伺いたいと思います。
 最後に、私は、与野党ともにこの法案提出に至った経緯を十分に認識しつつ、国民の政治への不信を払拭し、政治の信頼を回復すべく、腐敗と決別した政治をつくるためにも、ここは断じて党利党略を離れ、日本の民主主義のために、今国会でぜひとも政治改革をなし遂げるべきことを強く念願いたしまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣細川護煕君登壇〕
○内閣総理大臣(細川護煕君) 初めに、このたびのエリツィン大統領の訪日にかかわる北方領土の問題についてのお尋ねでございましたが、結論的に申し上げますと、従来よりもこの領土問題については前進をしたというふうに評価をいたしております。
 領土問題についてどういうことが話し合われたかということでございますが、私の方から基本的な立場につきまして、幾つかの点を申し上げました。
 一つは、北方四島がかつて一度も我が国以外の領土となったことのない固有の領土であることは客観的な事実であって、北方領土問題は全体主義の過去の遺産そのものであるということを申し上げました。
 第二に、我が国は、返還に当たって、四島に居住するロシア国民の処遇について、その意思を可能な限り尊重をし、十分な配慮をする用意がございますということを申し上げたところでございます。
 第三に、我が方として、従来の領土交渉の成果の上に立って、問題解決に向けた重要な出発点として今回の大統領の訪日を位置づけておりますということを申し上げた次第でございます。
 これに対しまして、エリツィン大統領からは次のような発言がございました。
 第一に、領土問題は一番難しい問題であるが、この問題が存在していること、そしてこれをいつか解決をしなければならないということをよく理解をしているということでございました。
 第二に、ロシアはソ連の法的な継承国家として、日本とソ連との間で締結した合意、条約について、いかなる問題に関するものであってもこれを履行する責任と義務を負っている、その際、法と正義の原則が基礎である、こうした趣旨の発言がございました。
 今般、エリツィン大統領と私が署名をいたしました東京宣言における領土問題に関する条項は、ソ連時代とロシアの違いを明確に反映をしているものでございまして、問題解決に向けて、先ほども申し上げましたように、新たに前進した基盤を築くものであったと思っております。
 特に、北方四島の帰属に関する問題である領土問題を、第一に、歴史的、法的事実に立脚をして解決をすべきであるということの確認がなされたこと、それから第二に、両国の間で合意の工作成された諸文書を基礎として解決すべきであるということが確認をされたということ、第三には、法と正義の原則を基礎として解決すべきことが示されたという点は、極めて重要であるというふうに認識をいたしております。
 今回の首脳会談と東京宣言の結果を日ロ双方が着実、真剣にフォローしていくことが重要なことだと思っておりますし、首脳レベルを含めました両国指導者間の対話をさらに活性化をして、日ロ関係の完全な正常化に向けての努力を今後とも続けていきたいと考えているところでございます。(拍手)
 政治改革の実現に向けての決意ということでございますが、政治改革は、申すまでもなく本内閣の最も優先的な課題でございます。
 今、我が国におきましては、経済的に改革をしなければならない深刻な問題もございますし、また、規制などの問題を初めとして、行政改革という観点から解決をしていかなければならない課題も山積をしております。政治改革と経済改革と行政改革と、この三つの構造改革を推し進めていくということが本内閣の大きな使命であるということを申し上げてきているところでございまして、しかしその中でも政治改革をまず解決を、決着をづけることによって、国内で抱えているさまざまな課題に対する的確な対応をしていくということが重要でございましょうし、また、国際社会の中で期待されている役割を果たしていくことも、そのことによって初めて可能になるというふうに認識をしているところでございまして、ぜひとも今国会で政治改革法案の成立をお願いを申し上げたい、そのように考えているということでございます。
 それから、選挙制度改革について、政府案と自民党案で基本的な考え方に大きな相違はないから合意を得られると思うがどうかということでございますが、今回の改正案は、これまでの国会における御論議等も踏まえまして、内閣として最善のものと判断をして提案をさせていただいたものでございます。御指摘がございましたように、自民党案とも骨格においてそれほど大きな相違はないというふうに認識をいたしておりますし、御賛同をいただけるであろう、そのように期待を申し上げているところでございます。
 公費助成に対する国民の理解についてのお尋ねがございましたが、公費助成に対する国民の御理解は、御指摘がございましたように、改革によってどのような政治が実現をするかということにかかっていると思っております。政府案は、政治資金について、政治家個人あるいは政治家の政治団体などに対する企業などの献金を禁止することなどによりまして、特に腐敗防止策を講じているわけでございまして、強化しているところでございまして、その上での民主主義の最低限のコストについて御負担をお願いするものでございますから、国民各位の御理解もいただけるのではないか、このように考えております。
 残余の御質問については、閣僚からお答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣山花貞夫君登壇〕
○国務大臣(山花貞夫君) 森本議員の御質問にお答えをいたします。
 まず初めに、企業・団体献金と広告費の問題に対して御質問がありました。
 企業などの団体献金については、このたびの法案では、政党、政治資金団体に対するものに限り認めることといたしましたが、これ以外の者に対するものは一切直ちに禁止することとしたものであり、企業などの団体献金の廃止に向けて大きく一歩を踏み出すことになると考えています。
 御指摘の広告費につきましては、それが広告の掲載に対する対価の支払いとしてなされている場合にあっては、事業収入として取り扱われるものであることについては御承知のとおりでありますけれども、広告費としての名目であっても広告費としての実体を欠く場合には寄附に該当し、寄附に関する規制を受けることになるものと考えます。
 いずれにせよ、このたびの改正法案においては、法に違反した場合には公民権の停止など厳しい制裁を科することとしており、政治資金規正法の実効性は確保できるものと考えているところであります。
 第二番目に、五年後の見直しの問題について御質問がありました。
 政党に対する企業・団体献金のあり方につきましては、改正法の施行後五年を経過した場合において、政治資金の個人による拠出の状況を踏まえ、政党財政の状況などを勘案し、その見直しを行うこととしているものであり、その際には、連立与党間の合意の趣旨を踏まえ、企業など団体献
金の廃止も含め検討がなされるものと考えているところでございます。
 三番目に、地方政治に中央の政党の系列化ということについての御質問をいただきました。
 地方政治においてそうした中央の政治、政党による系列化が進むかどうかという問題につきましては、基本的には、各政党における地方政治への取り組みの姿勢、運営方針やそれに対する地方の側の受けとめ方いかんにかかわる問題であり、政党助成制度の導入が直ちにそのような結果をもたらすものとは必ずしも言えないものではなかろうかと思っているところでございます。
 関連して、政党助成により、地方レベルの無所属議員や草の根政治に与える影響はどうかということについても御質問がございました。
 今回の政治改革により、国政及び地方政治のいずれの場合においても、政治家個人の政治活動のための政治資金は、みずからが代表者である資金管理団体を設置し、この政治団体に対する個人献金に主として依拠していただくことになるものと考えています。これは、公私の峻別を明らかにするとともに、企業などの団体献金を政党、政治資金団体以外の者に対し禁止するということにしたことに伴う結果でありますので、何とぞ御理解をいただきたいと考えているところでございます。
 政党助成につきましては、地方レベルの政党・会派助成等についてどう考えるかという御質問もいただきました。
 今回提案の政党助成法に基づく政党交付金とは別に、地方議員等への公費による政治活動助成を行うことにつきましては、その前提となる地方の選挙制度のあり方、政党とのかかわり方、政治活動の実態等、なおさまざまな観点からの慎重な検討が必要であると考えているところでございます。(拍手)
    〔三塚博君登壇〕
○三塚博君 お答えいたします。
 政治改革に臨む自民党の今国会の姿勢いかんということであります。
 過去を振り返ってみますれば、政治改革大綱を世に問い、政治改革法案を国会に提出し、主導権を持って幾たびかチャレンジを行ってまいりましたのは自由民主党でございました。しかし、政治改革はそれぞれの政党、政治家にとって従来の世界の大転換を促すものでありましただけに、与野党を問わず、機が熟しなかったことも事実であります。しかし、三度目のチャレンジであります。我が党は、今国会において何としても改革を実現する決意であることを申し上げておきます。
 第二問は、なぜ海部内閣提出法案の骨格を変えたかという御質問であります。
 当時、国民の政治不信は頂点をきわめておりました。政治改革の断行は一刻の猶予もならない状況でありましたこと、そして、当時の野党が制度改革について頑迷固陋な態度をとっていたことなどを政権党でありました自由民主党が考慮して、当時としてはとり得る、同意できる最善の策を出しておったと思います。しかし、前国会における与野党の百七時間を超える濃密な議論によって、政治改革に対する土台ができたこと、そして当時の野党が与党になり、政権の重みを認識しておるでありましょうし、我が党案に同意が期待されますので、この際理念ある政治改革を行うべき決意をいたしたということが本案であります。
 以上。関連の問題については、共同提案者から答弁をいたします。(拍手)
    〔伊吹文明君登壇〕
○伊吹文明君 森本先生にお答えをいたします。
 幾つかの御質問があるわけですが、まず、総定数を四百七十一とした理由でございます。
 国会議員一人当たりの人口、あるいは国会議員一人当たりの有権者の数は、各国おのおのまちまちでございます。今日、国民の政治に対するいろいろなお気持ちを考えれば、政治改革を実現していく際、私たちがよりどころとするのは、やはり公職選挙法の本則にある四百七十一に戻すべきではないかと考えております。定数是正をしていく際に、私たちは率直に国会議員全員として反省すれば、過密の地区の定数をふやし、過疎の地域の定数を減らすことなく今日やってまいりました。国民に厳しい改革をお願いするとき、私たちはまた国民に選ばれた者として、私たちもまた身を切らねばならないと考えております。
 次に、この四百七十一を小選挙区と比例区に分けた考え方でございますが、これは後ほどお話を申し上げますけれども、私たちが衆議院の選挙、つまり総選挙をどのようなものと位置づけているかという哲学によると思います。すなわち、衆議院の選挙の一番大きなポイントは、政権の選択、どのような政党、あるいは政党の組み合わせても結構でありますが、に政権をゆだねるかという国民の選択を問う選挙であろうと思っていますのであるとするならば、国民の選択が最も集約をした形で衆議院に反映される小選挙区をやはり基本とするというのが私たちの基本的哲学であります。という観点に立って、小選挙区を三百、比例区を百七十一としたものであります。
 次に、投票方式でありますが、この件につきましても、衆議院の位置づけ、衆議院選挙をどうとらえるかという哲学に私はよっていると思います。
 国会は、国権の最高機関であり、唯一の立法機関でありますが、同時に、衆議院は内閣総理大臣の指名、解散、また、内閣のすべての施策が金額という面で表示されている予算の先議権あるいは予算の議決の優先権を持っているということから考えれば、衆議院の選挙というものは、当然政権を選択するというのが大きな一つの目的であろうと思います。民意は的確に反映されねばなりませんが、民意の反映としては分散した形あるいは集約した形で反映されると思います。
 私たちは、したがって、このような衆議院のあり方という哲学に立ては、そしてこの哲学は、私たちが政治改革の各法案を企画、立案し、その検討作業をやっていたときにともに汗をかいていただいた羽田副総理も当時同じ見解に立っておられたと思いますが、このような見解に立つということになれば、私たちは、衆議院の選挙は、国民の選択が集約した形で反映される一つの選挙、一つの投票という形が最も望ましいのではないかと思います。
 そのような投票形式をとれば、その次に、小選挙区で無所属候補へ投票した者は比例区候補を選ぶことができなくなるのではないかという御指摘、まさに私はそのとおりであろうかと思います。
 先ほど佐藤自治大臣が趣旨説明の中でおっしゃったように、今回の政治改革は、与野党を問わず言われていることは、政策本位、政党本位の政治に戻すということであります。
 私たちの案によりますならば、まず小選挙区の公認候補者とその人の所属する政党を選ぶ、それから無所属候補を選ぶ、それから政党だけを選ぶという選択は、おのおの投票をする有権者に与えられているわけであります。その有権者がどれを選ばれるかということはまさに有権者の選択の問題であって、有権者の自由な意思で政党選択の自主的放棄をなすっている、我々はかように考えています。もし佐藤自治大臣の説明のように政党本位、政策本位の政治改革であれば、小選挙区において一定の政党所属の国会議員を選び、そして比例区において全く違う他党の政党に投票するということは、政党本位、政策本位の投票には私はならないと考えております。(拍手)
 そういたします場合に、先ほど細川さんの御答弁にありましたが、三%条項は法のもとでの平等に反していないという御答弁でありました。しかし、あらかじめ自由に二票制で投票さしておきながら、結果として三%に満たない、つまり、我々の案であれば百七十一の三%、これは約五人であります。連立案であれば二百五十の三%、約七人であります。この人たちの議員としての資格、あるいはこの人たちに投票された人たちの権利を奪うということの方が私は憲法違反のそしりを免れないのではないかと思っています。したがって、このことは、言うならば立法政策上の問題であって、政府案と私たちの案のどちらに合理性があるかはおのずから国民の審判にゆだねねばならないと思っています。
 次に、比例区の単位をなぜ都道府県にしたかということであります。
 先ほど来私が申し上げておりますように、衆議院の選挙というのは、あくまで政権を選ぶための民意を集約する小選挙区型の選挙であって、比例区を、補完する位置づけと私たちはしておりますのであるとするならば、小選挙区選挙を補完するのは、当然、小選挙区選挙が行われる選挙区を含む都道府県であることは自明の理ではありませんか。もし県単位にすれば、確かに小党には不利であります。そして大きな党には有利であるかもわかりません。しかし、問題は、そのような党利党略ではなくて、責任ある議会、能力ある政府をいかにつくるかということを中心に考えていかねばならないと考えています。
 したがって、森本議員お尋ねの、比例部分に対する私たちの提案が合理性がないという御質問については、衆議院の選挙に対する哲学の違いであるとしかお答えのしようがありません。
 次に、戸別訪問をなぜ自由化しなかったかということであります。
 我々の民主主義の原点は、一人一人の有権者であります。したがって、有権者お一人お一人との対話によって一票が投じられるということは、最も私は理想的な形だと思っています。しかしながら、現行公職選挙法において、今、戸別訪問が禁止をされ、そしてその戸別訪問の禁止に際して最高裁の判例は、戸別訪問によって失われる利益、つまり先ほど森本先生がおっしゃったように一対一で対話ができるという利益が失われるわけですが、その反面、戸別訪問という手段のもたらす弊害、これを考えた場合に、最高裁の判例としては、禁止しても選挙の自由と公正が十分に担保されるといたしております。
 戸別訪問による弊害を申し上げれば、選挙人の生活の平穏を乱す、あるいは日本社会の特性から、義理人情等不合理な要素によって投票が促進される、いろいろあります。
 先ほど英国の例をお挙げになりました。私は、英国に四年間住んでいたことがあります。日本の社会の成り立ちと英国人の今までの伝統的な成り立ちは、私はかなり違うと思います。日本国民がこのあたりをどうお考えになって、弊害が少ないというお考えに立たれれば、私は先生がおっしゃっているようなことが実現すると思いますし、また、それが実現する日が早いことを願っております。
 以上です。(拍手)
    〔津島雄二君登壇〕
○津島雄二君 森本議員の、企業・団体献金を政党に対するもののみに政府案のように一本化しなかったのはなぜか、こういう御質問にまずお答えをいたします。
 御承知のとおり、議会制民主主義の基本は、国民が自発的にそのコストを負担しながら積極的に政治に参加していくということでございます。この場合に、その国民が企業や団体を通じて参加するということもまたこれは認められるというのは、私から今さら申し上げるまでもなく、昭和四十五年の最高裁の判決で、会社も一つの社会的実在であるとか、あるいは会社が納税義務を持つ以上、政治的行為の自由を有する、こういうことでございまして、その点に着目をいたしまして、政
府案におきましても、企業・団体献金は政党に対するものは認容しておられるわけでございます。
 この場合に一番大事なことは、このような国民各層が参加をしていくという議会制民主主義の根幹にかかわることの制限でございますが、憲法第二十一条の結社、集会、表現の自由にかかわる基本的な問題でございますから、私どもはやはり本当に真剣、深刻に考えてみなければならない、与野党の真剣な御議論を期待したいわけでございます。
 政府案にございますように、政党財政を、今度は助成法を採用をいたしまして助成が始まるわけでありますから、専ら個人献金、党費及び助成金だけで賄われているという状態は、実は主要国にはございません。
 それからもう一つ、ここでぜひ御理解をいただきたいのですが、先ほどの御質問にございましたようないわゆる腐敗行為というものは、実は皆様方も御承知のとおり、今ございます政治資金規正法に違反して行われたものばかりでございます。そして、この政治資金規正法の実施を担保するために、昨年の十二月に行われました緊急是正、これは与野党が一致して行いまして、公民権停止、禁錮刑の導入ということまでいたしました。このような緊急是正の精神から申しまして、今や政治資金規正法をしっかりしたものに構築をいたしまして、節度のある資金が政治に供給をされるということが一番大事であろうと思っておるのでございます。
 その場合に、私は同僚議員の皆様方の御理解を特に得たいのは、今度のこの法改正は国・地方一体的な規制でございますから、皆様方御承知のとおり、無所属の立場で地方の政治の発展に大変な御努力をしておられる方、あるいは地方団体の首長の方々、この方々が一体、政党助成もない、そして企業献金も全く禁止されるという場合にどういうことになるのか。私は同じ政治家の立場から、政府・与党の皆様方もこの点にぜひとももう一度考慮を払っていただきたいと思う次第でございます。
 結論を申し上げます。
 問題は、節度を保ち、透明性を高めて、国民がその内容を判断できるような政治資金規正法の改正をすることでございまして、この趣旨にのっとりまして、ぜひとも我が党案に与党各党も賛同していただきたい、この際申し上げる次第でございます。(拍手)
 次に、企業・団体献金の寄附枠の限度額を現行の一・五倍に増額する御提案をしたのはどうかということでございます。
 前回の政治改革特別委員会で積極的に議論をやりました中で、多くの委員は、草の根の有権者の方によりよく政見、政策をお伝えするためには積極的な活動が必要であるということについては合意が成立をしておりました。そのような活動を高めていくために政党助成を今度お願いするわけでありますけれども、政党助成だけに頼ってよろしいのでございましょうか。私は、節度のある参加をしていただくという意味で、政党に対するものも含めて、寄附枠の限度額をこの際もう一遍議論をしていただきたい。
 ちなみに、前回の自民党の枠では、昭和五十年の政治資金規正法、現行の枠が決まってから二十年間据え置いてございますから、これを二倍にするという御提案をいたしましたが、このたびは最小限の手直しを求めるということで、民間においても御理解のいただいている向きのございます一・五倍ということで御提案を申し上げている次第でございます。
 次に、政治資金パーティー券の大口購入者の公開基準でございますけれども、これは前回の私どもの提案、自民党の提案では六十万円超のものについて公開をするという御提案をいたしましたが、今回は、実務上の問題等も勘案をいたしまして、五十万円超ということで御理解をいただきたいということでございます。
 次に、広告費は事実上の政治献金ではないかということでございますけれども、先ほど担当大臣からも御答弁ございましたように、広告費そのものは法的に認められた事業活動の収入でございます。もとより、その支出が本来の趣旨に即応した拠出、運用がなされることが必要だということは申し上げるまでもございません。
 最後に、企業・団体献金のあり方について見直すということでございますが、先ほど政府側からの御答弁がございましたように、今度は、政治資金規正法、公選法及び政党助成法、非常に大きな改正をいたします。特に、個人献金中心の政治資金の流れに改めていきたいということに大きく踏み出そうということでございますが、それがこれから五年間、どこまで国民の理解を得ることができるか、そのような趨勢を見た上でみんなでもう一度見直してみるということが適当ではないかということでございます。この点は政府と全く同じ考えでございます。(拍手)
    〔額賀福志郎君登壇〕
○額賀福志郎君 森本議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、政党助成と国民の民主主義に対する負担の問題でございますが、議員おっしゃるとおり、私どもも、議会制民主主義の根幹というのは政党政治である、政党が国民の皆さん方の御意向を吸収して、政策を立案をして国家意思を形成していく、そしてその政策は、国民の皆さん方にPR、宣伝普及をしていく、そういうのが議会政治の原点であると思います。そのために、こうした政治活動を続けていく上で相当なお金を必要としているということは、今や国民の皆さん方がだれもが承知をしてくれるものと思っております。
 したがって、こうした負担をどなたがするかが問われているわけでありますが、我が党は、政治と金の問題についてすっきりとした形で国民の皆
さん方に御理解を得るために、選挙制度あるいは政治資金の収集の方法について、政党中心のための政治改革を御提案申し上げているわけでございます。この政治改革がきちっと抜本的になされた段階で、必ず公的な助成も国民の皆さん方は認めてくれるのではないかというふうに期待をいたすわけでございます。これは政府・与党の皆さん方と同一でございます。
 しかしながら、政府・与党は、最初は一人当たり五百円、六百億円ぐらいの政党助成をしたらどうだというような考え方が報道されておりまして、これが世間の皆さん方から相当な御批判をいただいて修正をしたというふうに思っております。国民の皆さん方が理解をしてくれるのは、我が党が提示をしている一人当たり二百五十円、この辺が一番適切ではないかなというふうに考えているわけでございます。
 二点目の、政党助成は地方政治に中央の政治の系列化を促さないか、地方での無所属議員や草の根政治にハンディをもたらさないか、さらに、地方での政党・会派助成制度創設につながらないかというような御質問でありますが、これをまとめて我が党の考え方を申し上げたいと思います。
 森本議員御指摘のとおり、地方政治の政党化、つまり中央政治の流れが浸透していくのではないかということは心配されていることでございます。現在、大ざっぱに言いまして、地方議員というのは全国で七万人以上いると思いますけれども、そういう方々が、中央では国費の助成を受けておりながら、地方は政治活動の財政基盤はどうなるのかにつきまして何ら言及がされてないということで、大変心配をいたしております。
 我々は、地方政治が民主主義の原点でありますから、これは、地方の独自性、特色を生かした政治が行われるために、やはり、政府・与党が提案しているように個人献金だけでやりなさいということは、今のような状況の中で、個人献金がまだ定着を見ていない段階で、時期尚早ではないのかなという感じがいたしております。そういう意味で、企業献金等も含めて、我々は、地方政治のあり方、地方議会の制度改革がどういうふうになるのかをよく見守りながら、そして我が党としては、地方の議員とよく話し合いをし、意思疎通を図りながら、地方政治の発展に寄与していく方策をとっていきたいというふうに思っております。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(土井たか子君) 保岡興治さん。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔保岡興治君登壇〕
○保岡興治君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、鹿野道彦議員に続き、政府から上程された政治改革関連法案に関して、政治腐敗防止の観点から質問をいたします。
 今、国民は政治改革に何を期待しているか。テレビの世論調査を見ても、それは一致して政治の腐敗防止が依然としてトップであります。これは、二度と再びリクルート事件、共和事件、佐川事件、金丸事件、最近のゼネコン事件のようなことが起きないよう、政治とお金の関係を根底から変革してほしいとの国民の期待のあらわれだと思います。
 いよいよ政治改革に最終決着をつける国会が開かれました。与野党ともに、小選挙区比例代表並立制を中心とした制度改革の導入によって、政党中心、政策本位の選挙や政治の実現を図るという点において大きな流れができていることは画期的なことであって、五年前、我が自由民主党が政治改革大綱において小選挙区を中心とする選挙制度改革を打ち出して以来の経緯を考えれば、まさに画期的なことであります。細川総理も今国会での成立を約束されています。
 ここまで来た以上、各党派が民主政治の原則に従って徹底した論議を尽くし、早急に一致点を見出し、何としても今国会での実現を図らなければならないと思うものであります。
 さて、私は、いまだに政治改革と選挙制度改革はどのような関係があるのかという質問をよく受けます。私は、その都度質問に対して、選挙制度の改革は、我が国議会制民主主義を政党政治の確立によって再生させるためぜひとも欠かせないことである、しかし、それだけでは国民が求める腐敗を根絶することは、よほどの意識改革がなされない限り難しく、それを促す別の観点からの対応策も必要であることを話してまいりました。
 自戒の念を込めて申し上げますれば、私はだれよりも小選挙区で戦うことの厳しさを知っているつもりであります。
 御存じのように、さきの総選挙において、奄美群島区は、定数四の鹿児島県第一区に編入されました。私も、政治家として初めて中選挙区での戦いを経験いたしました。実のところ、今回の選挙は、選挙区がとても広くなったために肉体的な苦労はいたしましたが、正直言って気分的、精神的には自然体で取り組むことができました。何しろ、それまではたった一議席への当選を目指して食うか食われるかの死闘を演じていたわけですから、中選挙区のように有権者の二割の支持を得られれば当選という選挙と全く違って、今思い出しても小選挙区の政治的緊張は相当厳しいものがあったと感じているところであります。
 奄美の選挙、保徳戦争と聞けば知らない人はいない、それくらい金権選挙や腐敗選挙の代名詞として報道されてきました。その一方の当事者として、責任を否定するつもりは毛頭ありません。しかし、それにしても、小選挙区で戦っていたころの私は、これ以上我が身を汚すのはいたたまれない、こんな異常な選挙をやるくらいならいっそ政治家をやめてしまいたい、正直そのような思いに駆られるほどの地獄を見たこともまた事実であります。
 小選挙区制のもとでも、政党がしっかりせずに、候補者に政策の差が余り明確に出なくなるようでは、とかく情実選挙が幅をきかす激烈な選挙になる可能性もなしとはしません。小選挙区制は必然的に革命的な政治の構造改革につながっていくことになるだけに、我が党の三塚議員、鹿野議員が訴えましたように、政党政治のシステムをしっかりと確立して、小選挙区制のもとで再び利益誘導、サービス型、個人中心型選挙が行われ、政治腐敗が悪化することがゆめ起こらないように、今国会で十二分に論議を尽くしておくことが重要であると思う次第であります。
 そこで、第一に、小選挙区制を中心とする選挙が本当に政党中心、政策本位の選挙になるものかどうか、もしそうでなくなる芽があるとすれば、実は、現在の連立与党の政策的な対立をあいまいにしたままの政策合意というか、政治姿勢などを放置することにその原因があることを指摘したいのであります。(拍手)
 政党は、基本となる政策を明確にして、国民の負託を受け、政治を行うことがその今、存在意義ではないでしょうか。
 例えば、さきの予算委員会での我が党の同僚議員の質問に対する社会党の閣僚の答弁を聞いておりますと、社会党の基本政策と思われる自衛隊は違憲であるという党是あるいは個人の政治信念と全く相反する政策を受け入れて閣僚の席に着いておられます。これは明らかに政党政治の筋道を大きく逸脱するもので、社会党は党を解党するか党是を変更するかして連立に参加すべきであり、それができないなら連立を組むべきではありません。(拍手)細川政権が二十一世紀の新しい真の政党政治の確立を目指す政治改革政権であるというのなら、なおさら社会党は閣外協力にとどまるべきで、これでは政党政治も何もあったものではないという印象を強く受けている者の一人であります。(拍手)
 このように政策の異なる政党が、新しい選挙制度のもとでの次の選挙において、はやりの言葉で言えばファジーな政治とも言えますが、政策をあいまいにしたまま一つのふろしきに包まれて選挙戦を戦うようなことがあれば、これは国民が混乱し、政治家の多くも政党も精神分裂的な矛盾に苦しむことになりはしないか。政党政治の基本を守らない政党、守れない政治家が出てくると、小選挙区制はあっという間におかしくなり、政党中心、政策本位の選挙が崩れてしまいます。基本政策の本音の部分を否定して、野党が政権をとるために連立しているあり方を見れば、これからの政治が政権獲得の方便として無原則な総与党化の野合になる兆候があらわれ始めたようにも思えます。(拍手)これでは小選挙区のメリットは完全に失われてしまいます。また、政権獲得の方便として各政党が無所属候補の追加公認等を行えば、これはもう小選挙区制は終わりになってしまいます。
 すなわち、小選挙区制を成功させるためには政党政治のルールや仕組みが絶対に必要であるということであると思います。我が党はこうした問題意識で、総裁のもとに党改革本部を発足させ、新選挙制度下における政党政治のあり方の根本論、そして具体策の論議に入っており、その成果を国民にも示し始めているところであります。
 そこで、新しい選挙制度のもとで次期総選挙が行われた場合、今の連立与党は政党政治の確立を目指してどのように対応する考えなのか、また、新制度での望ましい政党選挙のあり方について、総理並びに羽田外務大臣に所見をお伺いしたいと思います。
 なお、今回、政党に助成金が支出される法案も出されているところでありますが、これまでのように、憲法は政党の存在を当然に予定しているという判断だけで済むのかどうか。国民の血税を受ける存在ならば、法的位置づけを明確にすべきではないか。今我が党では、この見地に立っていわゆる政党法の検討に入っているところでありますが、総理はその措置の必要性についてはどうお考えなのか、お伺いをいたしたいと思います。
 次に、ただいま申し上げましたように、日本の政治が総与党化し、政党が政策に責任を持たず、また、さまざまな政党間の無原則な選挙協力が行われたり、政党活動の実績のない無所属候補の追加公認をするようなことがあれば、勢い候補者は、個人的に選挙民や地元へのサービスと人間関係を基礎とした支持母体を拡大し、それに頼らざるを得なくなるのであります。そこに待ち受けているのは、結局、中選挙区制の同士打ちの場合と同様、金の力が猛威を振るうという事態であります。小選挙区制では、勝つか負けるか、二つに一つしかないだけに、政党が強く政治の主体性、責任を持たない限り、そして有権者が厳しく選挙を監視しない限り、病は回復しません。
 すなわち、小選挙区制を基本とする選挙制度の改革によって、政党中心、政策本位の選挙を実現するためには、さきに述べたように、政党や政治家が政治の基本姿勢、枠組み、ルールを踏まえ、金のかかる日本の選挙風土を一掃するために、政党と政治家と有権者の革命的な意識改革を強く促す思い切った選挙の腐敗防止システムの構築が絶対に必要だと思います。
 今回提案されている政府案並びに我が党案に対して心から敬意を表するものではありますが、政府におかれては、この点についての明確なシナリオを持ち合わせておられないように思います。我が党としては、一日も早くこれに答えを出すよう検討を重ねているところであります。
 そこで、これからは私の政治家個人としての信念に基づいて申し上げます。
 私は、イギリス型の腐敗防止を研究する必要があるのではないかと思っております。イギリスでは、徹底的な連座制を柱とする腐敗防止法を導入してから、選挙違反という言葉が死語になったぐ
らい物の見事に違反がなくなっています。これは、運動員が選挙違反を起こしたら、候補者の当選は無効になり、立候補の資格も剥奪され、政治生命は絶たれてしまいます。だからこそ、候補者みずからが、くれぐれも間違いを起こさないでくれよと運動員、支持者に訴えることで、選挙運動そのものが選挙浄化を促すことになるということだと思います。政治生命剥奪という余りにも厳しい連座がむしろ抑止力として働くことで、政治家や有権者の意識までも変えてしまったと言ってよいかと思うのであります。
 公選法を世界一厳しくし、腐敗を防ごうとしても、警察、検察によってすべての選挙違反を取り締まり、検挙することなど、これはもう時間的、物理的に到底できません。
 第八次選挙制度審議会の答申においても、「我が国においては、選挙の腐敗が後を絶たず、これに対する国民の根強い不信感がある一方で、他方ではこれを放任、許容する土壌があることも否めないところであります。」と述べているように、国政のみならず、地方の選挙の実態もまたひどいものがあります。最近では立候補者が少なく、定員割れしてしまう地方議会も出てきているのが現実であります。今回のゼネコン汚職も、もとをただせばこのような現実が大きな原因になっていることはだれも否定できないことだと思います。
 政府及び自民党が、今回の改正案の中で、選挙腐敗を防止するため、候補者になろうとする者の親族や秘書にも連座制を拡大し、連座制の効果として候補者の立候補資格を剥奪することにしたことなどは評価すべきことと思います。しかしこれだけでは、イギリスのように、候補者や運動員みずからが必死で努力して、金のかかる日本の選挙風土を一掃することまでは期待することができないのではないかと思います。そのためには、末端の運動員まで連座を拡大したり、第八次選挙制度審議会が答申で示したような、当選無効などの資格剥奪を、刑事罰の付随的効果としてではなくて、選挙のルール違反に対する新しい制裁措置として位置づけ、刑事裁判とは別の手続による腐敗防止システムの導入をぜひとも検討すべきであることを提案するものであります。(拍手)
 この点、総理、山花政治改革担当大臣並びに武村官房長官にぜひ所見をお伺いしたいと思います。
 最後に、声を大にして申し上げたいことは、今日の政治改革によって、あすの日本の政治のために、二十一世紀の国づくりを適切に進めるために、政治家も国民もともに大きな痛みを伴う改革を求めていかなければならないということであります。我々は、たび重なる日本の政治の腐敗を何としてでも断ち切って、政治に対する国民の信頼を取り戻すことに最大の努力を払おうではありませんか。
 私は、一連の政治の不祥事の根底にある日本型の政治選挙風土の一掃を期し、政党中心、政策本位の新たな政治が、ぜひともこの国会でスタートが切れるよう心から念じつつ、この質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣細川護煕君登壇〕
○内閣総理大臣(細川護煕君) 選挙制度あるいは腐敗防止等々の問題についてのお尋ねでございましたが、まず初めに、総選挙が行われた場合に、連立与党は政党政治の確立を目指してどのように対応する考えかという趣旨のお尋ねであったかと思います。
 新しい選挙制度を成功させるためには、政党政治のルールや仕組みが絶対に必要であるというお説はそのとおりだと思います。御自身の御体験も貴重な教訓として傾聴をさせていただいたところでございます。選挙制度改革が実現すれば、当然各党とも組織や規律の強化など、御指摘のようなルールや仕組みの確立にも努めていくであろう、そのように思っているところでございます。
 連立政権に関しましては、再三申し上げておりますように、もともと連立政権というものは、固有の政策を持った各党から成り立っているわけてございますし、各党が協力をしてつくり上げていくものでございますし、もし御指摘のように政策をあいまいにしたまま選挙戦を戦うようなことがあれば、当然国民の厳しい審判を受けるものというふうに思っているところでございます。
 第二点は、政党法の必要性についてということでございますが、今回の制度改革におきましては、政党助成を受けられる政党の要件、政党交付金の使途の報告の手続を初めといたしまして、政党助成に関する事項につきましては政党助成法で定めることとしておりますほか、政党に関する必要な事項は公職選挙法など個別の法律でそれぞれ定めることにしていることは御承知のとおりでございます。政党に関する一般法としての政党法の成立につきましては、政党の本来的な性格あるいは政治活動の自由という観点から、慎重な対応を必要とするものではないかというふうに考えているところでございます。
 それから、腐敗防止について、選挙違反に対する制裁措置として新しいシステムの導入などを検討すべきではないかというお話でございましたが、選挙制度の改革の趣旨を実現するためには、確かにこれにあわせて選挙の腐敗行為を防止するための厳正な措置をとる必要があることはおっしゃるとおりだと思っております。したがって、今回の改正案におきましても、連座の対象者の拡大でありますとか、あるいは連座の要件の強化でありますとか、立候補制限の導入でありますとか、連座制の強化を図るための幾つかのものをその中に盛り込んでいるところでございます。
 イギリス型の腐敗防止制度についてのお話もございましたが、大変御熱心にこのことを研究されておられることは私も存じ上げておりますが、しかしながら、当選無効などの資格剥奪の制度につきましては、第八次選挙制度審議会におきまし
て、我が国の訴訟制度の根幹に触れる問題でもあるし、なお検討を要するとされたことは御承知のとおりでございます。連座対象者のさらなる拡大につきましても、その範囲をどこまでにするのか、どうやって認定をするのかといったような問題がやはり指摘をされておりますわけで、実効のある腐敗防止策という観点から、今後の研究課題ではないかというふうに考えているところでございます。(拍手)
    〔国務大臣羽田孜君登壇〕
○国務大臣(羽田孜君) お答えを申し上げたいと思います。
 保岡議員は、先ほどの鹿野議員と一緒に、私ども自由民主党にありましたときに、まさに政治改革のきっかけをおつくりになった方である、そして、いろいろな面で私も御指導いただいたものであります。その保岡さんが、まさに奄美大島の小選挙区から中選挙区という中で戦ってこられた、この貴重な体験というものを先ほど聞かせていただいたわけでありますけれども、私どもも、そういったものもやはり腹の中に置きながら、拳々服膺していかなければならぬと思っております。
 そして、今御指摘がありましたように、確かに、制度を幾らどのように直しましても、これはすぐ政治が浄化されるわけでもない、あるいは本当のことを深く掘り下げた議論ができるというものでもないだろうというふうに私も思っております。制度を変えると同時に、それぞれの候補者あるいは議員たちの意識を変えること、あるいは党そのものもやはり変えていかなければならぬということ。特に党の場合には、候補者を民主的に選んでいく、そういうシステムなんかをきちんと構築しなければならぬだろうというふうに思っております。
 しかし、選挙制度を変えることによって、その変化によりまして選挙民もやはり意識が変わってくるというところに、私は、政治の浄化の問題も、あるいは本当の政治というものが行われる、そうなっていくんではなかろうかというふうに期待をしておりますし、そのようにしていかなければならないと思っております。
 なお、連立与党についての、今度のこの選挙制度で行われた場合ということであったのですけれども、これはもう率直に申し上げまして、私どもは、選挙制度を変えてそこに政界の再編成を行うべきである、これが、自民党にあった時代、私どもが議論しておったことであります。ただ、残念ですけれども、そのときと変わったことは、問題は、政治改革があのようにだめにされてしまうという中で、今日の八党が一緒になるような状態になったということが言えるんじゃなかろうかというふうに思っております。
 ただ、私どもは今連立与党を組みながら思っておりますことは、それぞれ生まれも育ちも違う政党の集まりであります。しかし、そういう中にありながら、やはり一つの目標に向かって、みずからの一つの方向を定めておったものを乗り越えながらやっておるところに、私は、いわゆる連立政権というものの一つのおもしろさという言い方はどうかと思いますけれども、私は案外本当の政治というのが行われてきているんじゃないのか。今ドイツなんかをごらんになっていただいても、AWACSの問題ですか、あの問題について一つの政権与党の中で、たしかあれは裁判か何かも行われておりましたね。そんなふうにして、いろいろな議論をする中で私は本物のものが進んでいくだろうというところに一つのおもしろさを持っております。
 ただ、私がいつも考えますことは、今日本の国に課せられているのは、内外ともにやはり大きな変化が求められておる、そういったときには、二つぐらいの政党が真っ正面からやはりぶつかって議論することがいいのかな。私どもはこの連立与党で今政権を担当しておる、そういう実績を踏まえ、あるいは経験というものを踏まえながら、これからの新しい選挙制度の中でどのようなものをつくり上げていくかということを、さらに我々はこれから議論していきたいなということを申し上げたいと思っております。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣山花貞夫君登壇〕
○国務大臣(山花貞夫君) 保岡議員からは、腐敗を防止するための施策として、政府の提案についても御評価をいただきながら、さらに積極的な御意見、御提言をされ、答弁を求められました。
 結論的に申しまして、御指摘のようなテーマにつきまして、すなわち提案としては、当選無効などの資格剥脱を刑事罰の付随的効果としてではなく選挙違反に対する制裁措置として位置づける新たなシステムなどの問題につきましては、今後十分検討すべきテーマであると考えるところでございます。何よりも今回の選挙制度の改革の趣旨を生かすためには、あわせて選挙の腐敗行為を防止するための厳正な措置をとる必要があることは当然であります。したがって、御指摘いただきましたとおり、今回の提案においても、連座制の対象者の拡大、連座の要件の強化、そして立候補制限など、厳しい中身を盛り込んだところでございます。
 そして、御提言のようなさらなるシステム等につきましては、総理も触れましたが、八次審における議論についても御承知のとおりでありまして、我が国の訴訟制度の根幹にも触れるなどといった問題、あるいは連座制の範囲の拡大等につきましては、どこまでが具体的に可能なのか等々につきまして、まだ議論が残されているというのが現実の状況ではないかと思っているところであります。
 以上の観点からも、御提言につきましては、今回の法案に盛り込むことにはなっておりませんけれども、これからの審議あるいは今後のこの問題についての研究課題として取り組ませていただ
きたい、こう考えているところでございます。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
○国務大臣(武村正義君) 政治改革に一貫して熱心にお取り組みをいただいていることに敬意を表します。
 御指摘のとおり、政党も、政治家も、そして有権者の間にも、革命的な意識の改革を促すことが大事だという御指摘は同感であります。そして、腐敗防止の御指摘のような面での新しいシステムを構築することについても、私は賛成であります。今、新たな制裁制度の確立や連座制の拡大については総理からも答弁がございました。そういう難しさはありますが、私個人としましては全く同感でありまして、この面での新しいシステムを我が国に確立しなければ本当の意味での腐敗はなくならないとすら思っておる一人でございます。ぜひ、ともども、次の政治改革の大事な課題として勉強をしていきたいと思っております。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(鯨岡兵輔君) 東中光雄君。
    〔東中光雄君登壇〕
○東中光雄君 私は、日本共産党を代表して、政治改革関連法について質問いたします。
 総理は所信表明で、常に国民に目を向けた政治が原点と述べました。それでは、政治改革についての国民の声、民意はどこにあるのでありましょうか。どの世論調査を見ても、七割、八割という圧倒的多数の国民が金権腐敗政治の根絶を求めており、選挙制度を変えよという声はごく少数、一割台にすぎません。(拍手)
 政府の改革案は、この国民世論に二重に逆らっております。
 第一に、国民が切望する腐敗根絶のための企業・団体献金禁止については全く背を向けて、政治改革の問題を選挙制度の改変にすりかえています。第二に、選挙制度の問題でも、民意の正確な反映という大原則に反する小選挙区制を持ち込もうとしています。断じて許されません。
 以下、法案について質問いたします。
 まず、小選挙区比例代表並立制についてであります。
 小選挙区並立制は、第一党はその得票率を大きく上回る議席を占め、第二党以下の政党は得票率以下の議席しか得ることができません。第一党は、それが自民党であれ連立与党の連合であれ、三割ないし四割台の得票率で六割程度の議席を占めるという、全く民意をゆがめてしまう制度であります。
 総理は、予算委員会で我が党の志位書記局長の質問に対して、小選挙区制は第一党が得票以上に議席をとる制度であること、並立制においてもその特性は、緩和されることがあっても免れないということを認めました。それではなぜ民意をゆがめるこうした制度を導入する必要があるのですか、明確な答弁を求めます。(拍手)
 総理は、小選挙区制導入の理由として、政権選択の国民の意思が明瞭に示されると述べていますが、政権をつくる上でも重要なことは、国民の意思を正しく反映する選挙制度のもとで、民意を反映した国会をつくり、その土台の上に内閣をつくるということです。それが国民主権のもとでの議院内閣制のあり方ではありませんか。民意の集約の名で民意をゆがめ、少数の支持で安定政権をつくり出すというのは、国民主権、議会制民主主義に反するものではありませんか。(拍手)
 総理はまた、予算委員会での志位質問に対し、民意の反映が一番基本的なことだと認めましたが、その一方で、民意の反映で小党が分立し政局が不安定になる、国家の経営にとっていかがなものかと述べました。総理、民意の反映の結果としての小党分立がどうしていけないのですか。それでは、細川連立政権は小党分立て不安定で、国家の経営にぐあいの悪い政権だということになるではありませんか。明確な答弁を求めます。(拍手)
 総理は、参議院で我が党の聴濤議員の質問に対して、政権選択の国民の意思がはっきりしないと強力な政治ができない、国際社会の中で的確な対応はできないと述べました。極めて重大であります。総理の言う強力な政治とは一体何なのか、しかとお答えいただきたい。
 それは、自衛隊の国連平和維持軍、PKF参加凍結解除を初め本格的な海外派兵の推進、消費税率の引き上げ、さらには憲法改悪まで強力に進めようということではありませんか。
 総理は、かねて小選挙区制導入の根拠として、金がかからなくなる、政党間の政策論争中心の選挙になる、政権交代ができるという理由を挙げてきましたが、既に中選挙区制のもとで政権交代は実現しています。しかも、連立政権与党八党派は、国の基本政策はこれを継承するとし、自民党との間に基本的な政策対立はなくなりました。新生党と自民党の政策の違いを探すのが極めて難しい状態であります。これでどうして政党中心の、政策論争中心の選挙になるというのですか。あの奄美のようにすさまじい金権選挙が横行することは火を見るよりも明らかではありませんか。導入の根拠がすべて崩れ去った今、小選挙区制導入はきっぱりと断念すべきではありませんか。(拍手)
 山花さん、あなたは本年四月、社会新報で、並立制の実質は小選挙区制であり、民主政治を根底から覆すもので、認めることはできませんと述べました。ところが今、あなたは細川内閣の政治改革担当大臣として、民主政治を根底から覆す並立制実現の先頭に立っているのであります。この百八十度の転換について、我が党の松本議員の質問に対して、あなたは、連立政権参加の政治決断をしたのだと開き直りました。並立制は民主主義を根底から覆すものという基本認識はそのままで政治決断をしたとすれば、それは国民に対する重大な裏切りであり、民主主義に対する許しがたい挑戦ではありませんか。連立政権参加によって並立
制の本質への認識を変えるなどということは、節操ある人間では到底なし得ない軽わざであります。(拍手)あなたはそういう人間なのですか。答弁を求めます。
 石田さんは、九一年八月のこの本会議での代表質問で、並立制は本質的には小選挙区制であり、重大かつ基本的な欠陥がある、民主政治の公正の原則に完全に背を向けるものだと述べておりますが、この基本的認識は政権参加のために投げ捨ててしまったとでもいうのですか。はっきり答弁を求めます。(拍手)
 大内さん、あなたも一昨年の代表質問で、並立制はあらゆる点で欠陥制度である、小選挙区制は国民意思の国政への反映という点で最悪の選挙制度であり、金がかからなくなるなどということは何の根拠もない虚言だと断言しておりますが、この基本認識は誤りだったというのですか。明確に答弁をしてください。(拍手)
 次に、政治資金について質問します。
 総理は、企業・団体献金について、政党以外は直ちにすべて禁止した、今までと違う大幅な改革だと強調しています。しかし、これは全くの欺瞞であります。
 本法案は、政党に対し企業・団体献金を存続させたということが重大なのであります。財界、大企業の巨額の金が政党に公然と献金され、金権政治、政治腐敗が政党本位のものに変わるだけではありませんか。総理、なぜ政党には企業・団体献金を存続させたのですか。はっきりとしてください。
 しかも、この法案は、企業献金を受ける主体をわざわざ政党支部に拡大する規定を設け、全国三千三百を超える市区町村と小選挙区の区域単位でつくる政党支部が企業献金を要求し、受領することができるようにしたのであります。従来の政治家の後援会、政治団体は政党支部の名前で、また政治家個人は政党支部長の肩書で、公然と企業献金を受け取ることができるのであります。これでは、企業・団体献金の全面的温存ではありませんか。答弁を求めます。(拍手)
 企業献金は、営利の追求を目的とする企業が営業用の資金を使い、金の力で政治をゆがめるものであります。一方、政治の主権者は国民であります。憲法十五条は、議員を選挙することは「国民固有の権利である。」としています。主権者ではなく、選挙権もない企業、財界が金の力で政治、選挙に影響を与えることは、国民の固有の権利、国民の選挙権を侵害するものであり、国民主権、議会制民主主義の憲法原則をじゅうりんするものであります。(拍手)企業・団体献金は全面的に禁止し、これに違反した者は犯罪として処罰すべきであります。総理の答弁を求めます。
 本法案には、法理論上の重大問題があります。総理は、企業・団体献金は一概に悪ではないと言ってきました。しかし、この法案は、法定の政党以外のすべての政治団体及び政治家個人に対して、企業・団体献金を出すことも、受け取ることも、要求することも犯罪として処罰することにしたのであります。そこで、伺いたい。第一に、政治家個人への企業・団体献金はすべて犯罪として禁止するが、なぜ政党への企業・団体献金は全く野放しで存続させるのか、その理由、根拠を明確にしていただきたい。
 第二に、企業献金は、一般の政治団体に対するものはすべて犯罪となるとしながら、同じ政治団体のうち、国会議員五人以上、得票率三%以上のいわゆる政党に対しては犯罪とならないとしています。企業献金は、なぜ献金相手が大きければ犯罪にならないのですか。大きな政党に対するものは、ただそれが相手が大きいということだけで違法性も可罰性も犯罪性もなくなるとでもいうのですか。行政刑法理論上の明確な説明を求めます。(拍手)
 電力・ガス業界が、国民には企業献金を中止したと言いながら、広告費の名目で自民党に年間何十億円という巨額の献金を続けていたことが明らかになりました。総理、この特定政党への十億円もの広告費は、紛れもない政治献金であり、一社一億円の枠や届け出を定めた政治資金規正法に反する違法献金ではありませんか。電力・ガス、私鉄、バスなどの公益企業の膨大な政治献金について総理はどう考えていますか。見解を求めます。
 社会党は、去る八月十九日の中執で、補助金や融資、受注など国の行財政と関係を持つ企業・団体の政治献金の禁止を政治改革の基本方針と決めています。山花担当大臣、政・官・業の癒着を絶つと言いながら、今問題の公共事業を受注するゼネコンやら、国から年間何十億という多額の補助金を受けている大企業の政治献金を野放しにしているのはなぜですか。答弁を求めます。(拍手)
 最後に、政党助成についてであります。
 国民は、みずからの思想、政治信条に従い、支持政党に寄附する自由と権利を有し、支持しない政党に対する政治資金の拠出を拒否する自由と権利を持っているのであります。ところが、政党助成法によって、国民は、その支持しない政党に対しても税金を通じて強制的に寄附させられることになるのであります。この仕組みは、参議院での聴濤質問で総理も認めたところであります。これは、憲法十九条の思想、良心の自由を侵犯し、国民の参政権をも侵すものではありませんか。答弁を求めます。(拍手)
○副議長(鯨岡兵輔君) 東中光雄さん、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
○東中光雄君(続) 政党助成の算定根拠は、八九年から九一年の膨大に膨れ上がった政治資金の総支出の平均をとったものであり、あの悪名高い国対費を初め、組織活動費の名前で高級料亭費やゴルフ接待、贈り物や花代までも含んでいます。総理は、こうしたものまで政党の政治活動費、民主主義のコストだとして国民に負担させようとする
のでありますか。これは断じて許されないことであります。答弁を求めます。
 以上、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣細川護煕君登壇〕
○内閣総理大臣(細川護煕君) 第一党が得票以上に議席をとることを免れない並立制を導入することとした理由はいかなるものか、こういうことが第一点でございましたが、小選挙区制におきましては、大政党が得票以上に議席をとる場合があることは事実でございますが、しかし小選挙区制は、もともとこのような特徴によって、繰り返しこの本会議場の答弁でも委員会の答弁でも申し上げておりますように、民意の集約あるいは国民の明確な政権の選択、政権交代の実現などを可能にする制度であると私は認識をいたしております。今回の並立制は、このような小選挙区制に多様な民意の反映のための比例代表制を組み合わせたものでございますし、それによってそれぞれの制度の持つ特性を生かすことができるようになるものと考えているところでございます。
 それから、少数の支持で安定政権をつくり出す並立制は国民主権、議会制民主主義に反するのではないかということでございますが、少数の支持で安定政権をつくり出すという御指摘につきましては、相対多数の支持ならばともかく、少数の支持では安定政権はつくり出せないと考えております。(拍手)
 小党分立に対する所見はどうかということでございますが、政党制がどのようになるかということは、広い意味での国民の選択によるものと思っておりますが、政権を争う政党間の政策論議の場である衆議院が極端な小党分立になることは好ましくないと考えているところでございます。
 なお、現政権は、連立によって過半数を超えておりますし、不安定な政権とは考えておりません。(拍手)
 強力な政治とは何かという趣旨のお尋ねでございましたが、私が申し上げた強力な政治というのは、真に国民が願う政策を本当に実現できる政治のことを申し上げたわけでございまして、長期一党支配体制のもとで政治や経済や社会構造の硬直化が進んだ結果、利益誘導がまかり通るような政治ができ上がってしまった、政治構造が進んできてしまった。もっと国民全体に目を向けた政策の遂行がなされるような、そういう状況というものをつくり出していくことが何よりも肝要であろう、そのように考えているところでございます。そのような政策の遂行を本当に可能にするような政治という意味で、強力な政治ということを申し上げたところでございまして、いずれにいたしましても、個々の政策の推進に最も重要なことは、国民の広範な合意のもとに、その合意の得られるような政策であるということは、これはもう申すまでもないところでございます。
 小選挙区制の入った制度を導入することを断念すべきではないか、こういうお尋ねでございますが、並立制は小選挙区制を並立させた制度ではございますが、今回の選挙制度の改正で、日常の政治活動や選挙が政党中心になることによって政治家個人の負担は減少をいたしますし、現行の中選挙区制のもとにおけるような、いわゆる同士打ちというような状況はなくなってくるわけでございますから、そういう意味で、金権選挙が横行するというようなことも大いに改善をされるのではないか、このように受けとめております。
 政党への企業・団体献金を存続した理由は何か、こういうお尋ねでございましたが、企業などの団体献金について廃止の方向に踏み切るといたしましても、あくまでも現実に即して対処していくことが肝要であると思いますし、今回は、政党、政治資金団体以外の者について全面禁止としたところでございます。
 なお、五年を経過した場合には、政党に対してする寄附のあり方についても見直しを行うとすることにいたしております。
 それから、政治家個人が政党支部長の肩書で企業献金を受け取ることについてのお尋ねでございますが、政党の支部につきましては、一以上の市町村の区域または選挙区の区域を単位として設けられるいわゆる地域支部に限って固体献金を受け取れることとしておりますが、あくまでも地域支部が受領をして収支を報告することになっておりますもので、仮に政党支部長などの肩書がありましても、政治家個人が受けることが許されているわけではございません。
 次に、企業・団体献金の全面禁止についてでございますが、このたびの法案では、企業などの団体献金につきましては、企業などの団体も政治にかかわり得るとの観点から、腐敗のおそれの少ない政党、政治資金団体に対してのみこれを認めることとしたことは、繰り返しこれも申し上げてきているところでございます。
 次に、企業・団体からの献金をなぜ禁止しないのかということでございますが、このたびの法案では、ゼネコンに限らず企業などの団体の献金につきましては、政党以外の者に対するものは一切直ちに禁止をすることとしたところでございます。さらに、公私の峻別の徹底、公民権の停止など違反に対する制裁の強化などの措置を講ずることにしておりまして、政治と金をめぐる腐敗事件の防止に大きな効果を持つものであると考えております。
 公益事業の政治献金の問題についてのお尋ねでございますが、このたびの法案では、企業などの団体献金につきましては、政党以外の者に対するものは、今も申し上げたとおり一切禁止をすることにしておりますが、なお、国からの補助金などを受けている団体や資本金の出資を受けている団体などは従来から政治献金が禁止されていることは、御承知のとおりでございます。
 政党助成と憲法十九条の問題についてのお尋ねがございましたが、政党への公費助成は、民主主
義のコストともいうべき政党の政治活動に要する経費を国民の理解のもとに国民全体で負担をしていただく制度でありますし、この助成制度によって個々の国民がおのおの自己の政治信条に基づいて政党を支持する自由は何ら制限されるものではございませんし、憲法上の問題は生じないというふうに理解をしているところでございます。
 政党助成の算定根拠についてのお尋ねでございましたが、政党助成の総額の算定に当たりましては、原則として平成三年の政府案の算定方法に準拠したものでございまして、選挙制度あるいは政治資金制度の改革後における政党の政治活動の経費の所要額を推計をして、その三分の一の助成を行うこととしたものでございまして、政治改革を実現することによって公費助成についての国民各位の御理解もいただけるものと思っております。
 なお、算定の基礎とされる過去の支出額には、国対費や高級料亭費なども含んでいるのではないかという御指摘がございましたが、仮にそのような支出が含まれていたとしても、そのような支出は、選挙制度等の改革と相まって、今後は、スタッフの雇用でありますとか政策の立案でありますとか、そうしたより生産的な経費に入れかわっていくものと考えているところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁をいたします。(拍手)
    〔国務大臣山花貞夫君登壇〕
○国務大臣(山花貞夫君) まず、並立制についての基本認識のお尋ねがありました。私も、日本の政治の現実の展開ということを横に置いて、選挙制度一般論ということで考えるならば、小選挙区制度についても比例代表の制度についても、いかなる組み合わせをしてもその本質は変わらないということだと思っています。
 問題は、そうした選挙制度の問題だけではなく、国民が強く求めていた政治腐敗を断ち切るというテーマにつき、選挙制度だけではなく腐敗防止策あるいは政治資金制度の改革を含めて、これを実現する機会というものが、今回の選挙の結果、現実のテーマとなりました。我々は、その際、そうした新しい政権をつくるに当たっての合意として、政治改革の政権、これまでの政権にはできなかった腐敗をなくす政治改革を全体として実現していこう、こうした判断をする中で、何よりもスタートであった政権の交代を実現するということから、連立政権樹立に当たっての政党の呼びかけであった並立制を含めた基本的な合意を作成したところでございます。
 こうして、今回の選挙制度の改革に当たっては、さまざま弊害が指摘されてまいりました候補者個人の現行中選挙区制度を思い切って変革をして、今回の並立制を導入するものであります。小選挙区あるいは比例代表制、それぞれの問題もありますけれども、同じウエートで組み合わせる並立制をとることによって、民意の集約と多様な民意の反映というそれぞれの制度の持つ特性を生かすことができるようになるものと考えているところでございます。次に、御質問は、企業・団体献金のうち、政治家個人に対するものは犯罪として処罰するが、政党に対するものは犯罪とならない、この差異についてと、同趣旨のその他の政治団体についても問題提起がございました。
 現行の政治資金規正法におきましても、一定の要件を満たした政党については、寄附の量的制限に関し、政治家個人や政党以外の政治団体とは異なった取り扱いをしていることは御存じのとおりでありまして、それに対応して罰則の違い、罰則規定が設けられているのであります。
 今回の改正では、近年続発する政治腐敗事件の多くが政治家をめぐる企業等の団体献金に起因していることにかんがみて、現行法の規制をさらに一歩進めて、政党、政治資金団体以外の者に対する企業等の団体献金を一切禁止することとしたものであり、これに伴い、その実効性の確保のため罰則で担保することにしたものであります。
 最後に、社会党の方針として、補助金や融資、受注などを受けている企業・団体献金の禁止を政治改革の基本方針と定めていたではないかということについての御質問がございました。
 閣僚としての立場の答弁でもありますので、その点をわきまえてお答えさせていただきたいと思いますけれども、今回の法案は、御指摘の補助金や融資、受注などを受けている企業・団体献金の禁止問題については、全体としての企業・団体献金を政党、政治資金団体以外の者については一切禁止すると、こうした中身になっているわけでありまして、禁止するその部分についてもどうかごらんになっていただきたいと思うのでございます。そうしてまた、この点につきましては五年を経過した時点で廃止を含めて検討がなされるべきものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣石田幸四郎君登壇〕
○国務大臣(石田幸四郎君) 東中議員にお答えをいたします。
 私に対する御質問は、九一年の八月、海部政権のときの本会議の発言を取り上げて、並立制についての基本認識はどうなったかということでございました。
 現在、この段階を迎えて、私どもは、腐敗防止などの政治改革、また政権交代のある議会制民主主義実現のためには、党内で真剣な議論をした結果、今日の政府案がよいと私たちの認識は変わったのでございます。認識が変わったということを申し上げておきたいと存じます。(拍手)
    〔国務大臣大内啓伍君登壇〕
○国務大臣(大内啓伍君) 東中議員の御質問にお答えをいたします。
 私が御指摘の代表質問をした当時から今日に至るまで、日本が直面している最大の政治課題は、自民党にかわる新しい政権の軸を一刻も早くつく
り上げることにあると認識しております。そのためには、各党はそれぞれの党利党略を超えて努力しなければなりません。この課題を実現しようとするとき、当時の自民党一党支配と五五年体制という政治構造のもとで、旧政府案に基づく小選挙区比例代表並立制を導入すれば、この日本の政治課題を実現することは困難である、こういう認識から反対をいたしました。
 しかも、旧政府案は、三百対百七十一という小選挙区と比例区の配分が示すように、それは民意の集約に重点を置く余り著しく小選挙区に偏重したものであり、それをそのまま導入した場合、各種のシミュレーションによって明らかにされましたように、まさに我々の目的とは逆に自民党の一党支配が一層強化されることが明々白々でありました。
 ところが、連立政権の誕生により政治情勢が大きく変わりました。また、その内容も、民意を公正に反映させる比例区定数を大幅にふやすなど旧政府案と大きく変わりました。特に、国民意思の国政への反映という点では、二百五十を比例区に配分することによって相当改善されるところとなったと考えます。我々が旧政府案に反対し、現政府案に賛成する理由はここにあります。
 また、並立制を導入すれば、それだけで選挙に金がかからなくなるということは、今もなお考えではおりません。この問題は、まさに政治モラルの確立とともに、政治資金規正法の改正や公選法の改正を通じて、政治資金の透明化とか連座制や罰則の強化など、一連の改革を一括して処理することによって初めて実現できるものであると考えております。
 以上、お答えといたします。(拍手)
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○井奥貞雄君 九案の趣旨説明に対する残余の質疑は延期し、明十四日午後一時から本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会されることを望みます。
○副議長(鯨岡兵輔君) 井奥貞雄君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(鯨岡兵輔君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後六時二十六分散会
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