第128回国会 本会議 第5号
平成五年十月十四日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第四号
  平成五年十月十四日
    午後一時開議
 一 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣
   提出)、衆議院議員選挙区画定審議会設置
   法案(内閣提出)、政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(内閣提出)及び政党助
   成法案(内閣提出)並びに公職選挙法の一
   部を改正する法律案(河野洋平君外十七名
   提出)、衆議院議員小選挙区画定等委員会
   設置法案(河野洋平君外十七名提出)、政
   治資金規正法の一部を改正する法律案(河
   野洋平君外十七名提出)、政治腐敗を防止
   するための公職選挙法及び政治資金規正法
   の一部を改正する法律案(河野洋平君外十
   七名提出)及び政党助成法案(河野洋平君
   外十七名提出)の趣旨説明に対する質疑(
   前会の続)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
  )、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(
  内閣提出)、政治資金規正法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)及び政党助成法案(内
  閣提出)並びに公職選挙法の一部を改正する
  法律案(河野洋平君外十七名提出)、衆議院
  議員小選挙区画定等委員会設置法案(河野洋
  平君外十七名提出)、政治資金規正法の一部
  を改正する法律案(河野洋平君外十七名提出
  )、政治腐敗を防止するための公職選挙法及
  び政治資金規正法の一部を改正する法律案(
  河野洋平君外十七名提出)及び政党助成法案
  (河野洋平君外十七名提出)の趣旨説明に対
  する質疑
                (前会の続)
 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を
  求めるの件
    午後一時四分開議
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 公協選挙法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案
  (内閣提出)、政治資金規正法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)及び政党助成法案
  (内閣提出)並びに公職選挙法の一部を改正
  する法律案(河野洋平君外十七名提出)、衆
  議院議員小選挙区画定等委員会設置法案
  (河野洋平君外十七名提出)、政治資金規正
  法の一部を改正する法律案(河野洋平君外
  十七名提出)、政治腐敗を防止するための
  公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改
  正する法律案(河野洋平君外十七名提出)及
  び政党助成法案(河野洋平君外十七名提出)
  の趣旨説明に対する質疑   (前会の続)
○議長(土井たか子君) 内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに河野洋平さん外十七名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の趣旨の説明に対する質疑を継続いたします。今津寛さん。
    〔今津寛君登壇〕
○今津寛君 私は今津寛であります。自由民主党・自由国民会議を代表して、政府から上程された政治改革関連四法案に関する質問を行います。
 私が、平成二年総選挙において初めて国会に議席をいただいたとき、リクルート事件を初め相次ぐ不祥事に国民の政治に対する不信感は頂点に達しておりました。憲政史上かつて例を見たことのない深刻な事態を前に、私は政治改革の必要性を痛感し、何としても政治改革を実現をしなければならないと心に誓ったのであります。
 以来三年八カ月、全力を傾注してこの問題に取り組んでまいりました。この間、残念ながら我が党は海部、宮澤と二つの内閣が倒れるというとうとい犠牲も払いました。政治改革が、五五年体制の崩壊と新しい政治の胎動を予兆せしめるものであっただけに、与党、野党を問わず抵抗が強かったのであります。
 そして、今やかつての与党が野党となり、自民党と別れた人たちとかつての野党が連立与党になったのであります。我が自由民主党は、この環境の変化を「災い転じて福となす」との思いを持ってみずからを謙虚に省み、改めるべきところは改め、正すべきところは正し、党再生の期間といたしたいと思います。(拍手)
 信頼を失うのは瞬時であります。しかし、信頼を取り戻すには大変な努力が必要であります。しかし、私たちは、日本の政治に誤りなきを期すには生まれ変わった自民党こそがその基軸になるべきであるという多くの国民の皆様から激励をいただいております。なぜ自民党が下野を余儀なくされたのかを考え、野党自民党は連立与党以上に政治腐敗の一掃に積極的でなければなりません。
 党再生への道は、連立政権を上回る改革案や政策を提案をし、実現に努めることであります。そうすることが国民の皆様に納得していただける政党になる唯一の道であることを自覚し、昨日我が党案を議員立法で提案をさせていただきました。我が党は、必ずや、河野総裁のもとに団結をし、この政治改革をなし遂げることができるものと確信をいたします。(拍手)
 さて、政治改革の基本理念についてであります。
 政治改革のポイントは二つあります。一つは、政治の腐敗をどのように根絶するかという点、そしてもう一つは、米ソ冷戦構造の崩壊という時代の変化に対応する政治改革という視点であります。湾岸戦争の際、国会も開かず傍観をしていた経済大国日本、その日本の国際的信用が地に落ちたことは残念ながら周知の事実です。地元への利益誘導を競い合い、真に政策論争が行われない、そんな我が国の政治を根本的に改め、我が国は国際社会の中において名誉ある地位を占めたいと思うという崇高な憲法前文の精神を実現できる政治体制をつくっていかなければなりません。
 不祥事件解消の処方せんとしての政治改革は、選挙制度の改革や政治資金制度の改革、さらには腐敗防止のための措置など多分に技術的な問題を含んでおります。しかし、時代の要請である政治改革は、これまでの歴史、これまでの国家に対する思いをどのように総括をし、これからどのような日本をつくっていくのかという明快な理念なくして語ることができません。したがって、不祥事件の解消のためにだけ制度を改革するのではなくて、確固たる政治理念に沿った政治を実現をするための制度改革でなければならないと信ずるのであります。(拍手)
 政治改革法案は、これからの政治の方向性を決定づける重要な意味を持つものであります。したがって、当然、その前提となる歴史観や国家観は、連立与党においても同じ一つの理念によって貫かれているべきであります。政治改革法案を実現することによって今後どのような日本をつくっていくのか、細川総理、羽田外務大臣、山花政治改革担当大臣にそれぞれお伺いをいたします。
 次に、細川総理の政治姿勢についてお尋ねいたします。
 連立政権ができるとき、主張の全く違う政党が一緒になって政府内の政策が食い違わないのかと感じた国民の不安が今や現実のものとなっております。総理、あなたは、政策が論争などを通じて決められていく過程が国民に見えるようになるから政治が明るくなるとおっしゃいました。しかし、明るくなるどころか、あなたのくるくる変わる発言によって混乱が生じているのであります。その混乱の原因は、細川総理、あなたの計算されたパフォーマンスの陰に隠れた困った個性によるところが大きいと私は考えます。
 そこで、あなたが今この国に投げかけている基本的な問題について少しお伺いをしたいと思います。
 まず第一に、あなたが太平洋戦争で私たちの父母や兄、姉が流した血のすべてを侵略と決めつけた発言についてであります。
 衆議院予算委員会で我が党議員から侵略戦争発言の根拠を厳しく問われ、その発言がどんな歴史観に基づき、また、侵略とは長い戦争の中でどの国に対するどの行為を指すのかという質問に対して、一切お答えになりませんでした。そして、あげくの果てに、もっと漠とした形で考えてみればと答えられたのです。我が党議員の追及に困惑して飛び出したこの一言に、総理、あなたの本質がにじみ出ていると実感せずにはいられません。日本人がその過去をどうとらえ、それをどう未来に結びつけていくか、また、国際社会で日本はどうあるべきかを決定づける戦争責任問題について考えるとき、それを漠とした形で考えるとは、一体どういうことなのでしょうか。
 第二に、我が国の国連の常任理事国入りについての問題であります。
 総理は、国連総会の演説というまさに国際公約をする場において、「改革された国連で、なし得る限りの責任を果たす用意がある」と述べられました。だれが聞いても、常任理事国に入るには国連が改革されることが前提としか聞こえません。また逆に、いろいろな解釈を許すようなあいまいな演説であるならば、日本の総理大臣が国連という場で行う演説としては全く不適切としか言いようがありません。
 ところが、細川総理、あなたは、その演説からわずか二週間もたたない参議院予算委員会において、我が党の質問に答え、常任理事国入りは国連改革を前提にしないということを言われました。あなたのこのような発言に対し、総理の側近までが、ファジーな対応であることは事実と発言したと伝えられております。
 総理は、世界に向かって日本の姿勢、方針を揺るぎなく示すということの重要性を一体どう考えているのでしょう。総理は、みずから下された判断も実に簡単に変えてしまわれることが多いのを、私たちはよく知っています。国際社会において総理のこの個性は、我が国の致命傷にもなりかねないことを深く憂えるのであります。(拍手)私のこの指摘に対し、総理はどのようにお答えになりますか、お答えをお願いをいたします。
 次に、羽田外務大臣にお尋ねをいたします。
 羽田外務大臣が、まだ我が党の選挙制度調査会長として政治改革の必要性を説き、全国を飛び回っておられたころのことであります。私も先生にお供をして随分と各県にお邪魔をさせていただきました。あのころ先生がおっしゃられたことは、中選挙区制の弊害、すなわち、同じ政党の者同士が互いに競い合うことから生じるもろもろの弊害を解消するためには、選挙のあり方から変えていかなければならない、そして、そのためには政党中心、政策本位の選挙を実現をし、二大勢力が切磋琢磨し、国民注視の中に緊張感のある政治状況をつくり出すことが必要だと言っておられたと思います。私も賛成であります。
 しかし、現実の政治状況はどうでありましょうか。連立政権内部における政策の不一致、そして政府の政策と政府を構成する各党の政策の不一致、これをどのようにお感じになっておられるのでしょうか。これを言うと、連立与党は必ず、自民党の中にもいろいろな意見があると反論いたします。しかし、そのような自民党であっても、政権内部においてかくもあらわにその政策の不一致が生ずるということはありませんでした。このような事態をどう見ておられるか、羽田大臣、率直な御感想をお聞かせいただきたいと思います。
 ところで、社会党やさきがけの一部に、それぞれ独自の政策で次期の総選挙を戦うべきだと言う人がいらっしゃると仄聞いたしております。しかし一方、小選挙区制を有利に戦うためには自民、非自民の枠で戦うべきだという意見も決して少数でないと伺っています。もし自民、非自民というだけで選挙を戦うならば、政党本位の選挙とは言えません。そして、連立与党は憲法の理念及び精神を尊重し、外交・防衛政策についてはこれまでの政府の政策を継承すると言うのですから、政策本位の選挙にもなりません。羽田大臣が目指しておられた政治改革の目的そのものが崩れてしまうと思いますが、羽田大臣の御所見を伺います。
 私は、この際、今の連立政権は政治改革を実現させるためだけの政治改革実現暫定内閣であると明言するべきだと思います。もしその点をあいまいにしたまま今後も連立政権を支えていくならば、政策の不一致が露呈した今日、単なる野合にすぎないとのそしりは免れません。(拍手)
 この際、率直にお聞きをいたします。羽田大臣、あなたは日の丸や君が代を国旗・国歌と認めない人と何ゆえ一緒に政治行動をとるのですか。
 プロ野球の巨人軍の元監督の王さんが、あるところで話をされていたことを私は思い出します。世界二十数カ国参加の世界少年野球大会の開会式で、諸外国の選手が誇らしげに自分の国の国歌を歌い、国旗に敬意を表しているとき、日本の少年たちは、残念なことでありますけれども、手持ちぶさたに外国の国旗に敬意をあらわすこともできなかったようであります。王さんはこのことを悲しみ、そして憂い、国歌・国旗は教育の原点でないだろうかとおっしゃったようであります。
 日の丸・君が代を認めない人が国会の大臣席で答弁をしている現状の中で、私たちは、次代を担う子供たちに国を愛するということを、日本国を愛するということをどのように教えていこうというのですか。はっきり御見解を伺いたいと思います。
 また、閣僚席から答弁に立った大臣が、一政治家としての立場という詭弁を弄して、今の自衛隊は違憲であると答えることを何ゆえ放置をしているのですか。こういうこと自体が政治の信頼を損ない、他の国から日本の政治が侮られることになるとはお考えになりませんか。こうなることは、私はもちろん、自民党から別れた新生党やさきがけのすべての諸君も望むところではなかったはずです。歴史観、国家観の異なる者で構成された内閣もそれなりに得るものもあるでしょうけれども、しかし、失うものはさらに大きいという事実を正視をしていただきたいのであります。(拍手)このことについて、羽田外務大臣、そしてさきがけ党首の武村官房長官にも御所見を伺います。
 なお、総理、あなたは昨日、閣僚とその所属政党の政策との食い違いについて、食い違いが生じてもより大きな共通の目標実現のために協力し合っていくものであり、選挙における有権者の審判の対象とはなり得ても、政治家の倫理や責任に直ちにつながるものではない、連立政権とはそういうものだと答弁されました。
 そこで、総理にお尋ねをいたします。「より大きな共通の目標」とは何なのか。そして、そのより大きな目標実現のためには食い違うことがあっても許されるものとは何なのか。さらには、食い違いが選挙で問われることはあっても、政治家の倫理や責任が問われないというのはどういう論理なのか。御説明をお願いをいたします。
 また、総理は、連立政権について、各党が固有の政策とは別に、連立政権の合意によって互いに協力をして国民に対して責任を負うものであると答弁をいたしております。
 そこで、具体的にお尋ねをいたします。
 我が党は、自衛隊法の一部改正を議員立法で提案いたしておりますが、与党の方は足並みがいまだそろわず、対応が明らかになっていません。しかし、連立政権は、その合意事項として、外交・防衛政策についてはこれまでの政府の政策を継承するといたしております。したがって、総理、連立与党のある党の固有の政策が異なるからといって自衛隊法の一部改正案を提出しないというのは、昨日の総理の答弁と矛盾するのではないでしょうか。また、米の自由化問題についても同様であります。明快にお答えをいただきたいと思います。
 さて、焦点の選挙制度の改革についてお尋ねをいたします。
 選挙制度は、民主政治の土俵づくりであり、代表民主制の基本にかかわる重大な問題であります。世界にはさまざまな選挙制度があり、これが完全であるというものは存在しないと言われております。したがって、それぞれの国の政治風土や現実の政治状況を踏まえ、どのような政治体制を目指すのかという基本理念を持って考えるべきであります。
 我が党案は、民意の吸収と国民の政治的意思の統合を迅速的確に行うという理念、そして、国民に対してその責任の所在が明らかになるような選挙制度を提案をいたしております。しかしながら、政府提案の小選挙区二百五十、比例代表二百五十の並立制案には理念が見られません。あなたは昨日、我が党の、なぜ二百五十、二百五十の並立制なのかという質問に対して、海部内閣のときの廃案になった経緯からもと答弁をいたしました。しかし本当は、だれの目から見ても明らかなとおり、穏健な多党制を志向する細川総理と、二大政党が望ましいとする新生党などとの妥協の産物だからなのではないでしょうか。(拍手)
 現行の中選挙区制がもたらしたさまざまな弊害を除去し、政党中心、政策本位の選挙を実現をさせ、責任と決断の備わった政権を確立するためには、政権の軸となる政党が生まれることが何よりも必要であります。少数党がキャスチングボートを握るような政治構造では、激動に対応する機敏な政策判断など、できようがないのであります。
 そこで、細川総理は、議会だから当然修正もあり得ると発言されているようでありますが、今後、政府の選挙制度の改革案について修正に応じるお考えがあるのかどうか、そして、応ずる場合はどの点をどの程度修正するのか、細川総理、佐藤自治大臣にお尋ねをいたします。
 私は、我が党がみずから国民に公約をした政治改革実現のために、同志とともに常に全力で走り続けてまいりました。総理官邸で、当時、海部総理に改革実現のために、バッジを外して涙を流して解散を迫ったある同志のあの涙は忘れることはできません。両院議員総会開催の署名を求めて深夜遅く議員官舎を駆けめぐったこと、夜、宮澤総理の私邸まで押しかけたこともありました。総務会開催の実力阻止、思い出は尽きないのでありますが、若いがゆえに先輩の皆さん方の御叱咤を受けることばかりでありました。我が党がみずから国会に公約したことだけに、何としても実現をさせなければならない、この一念でありました。
 もし万が一にも改革を三たび見送るならば、国民は本当に政治家を信ずることはなくなると思うのであります。総理、あなたは就任時の記者会見で、法案の年内成立に政治責任をかけるという意気込みを見せたのでありますが、昨日の発言では「最大限の努力」と述べ、トーンダウンしたことを大変心配をいたしております。
 日本の国が真の自由で民主的な国家であり続けるために、細川総理の確固たる信念に基づく指導力で改革を実現することを期待し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣細川護煕君登壇〕
○内閣総理大臣(細川護煕君) 政治改革実現後のあるべき日本の姿についてどうかというお尋ねでございましたが、これまでもさまざまな機会に申し上げてまいりましたように、生活者重視の姿勢に立って、また質の高い、実のある国づくりを目指していきたいというようなことなども再々申し上げてきたところでございます。
 これも再々申し上げてきたことでございますが、我が国の抱えている構造的な問題をあくまでもこの内閣としては推し進めていくということが一番基本的な課題であるということを申し上げて、まず政治改革、そして経済改革、行政改革というものを推し進めていく、そのことに大きな歴史的な意味づけというものを感じておりますということを申し上げてまいりました。その大きな構造改革というものを推し進めていくことによって、真に国民の福利の向上に努めていけるような状況というものが生まれてくると思っておりますし、また、国際社会の中で日本に期待されているような役割を果たしていくことができるのではないか、そのように考えているところでございます。
 次に、日本の姿勢、方針を揺るぎなく示すことが重要と考えるかどうかということでございましたが、全くそのとおりだと思っておりますし、また、そのように私は申し上げてきているつもりでございます。私の発言が誤解を与えているなら大変遺憾なことだと思っておりますが、侵略戦争やあるいは安全保障理事会の常任理事国入りの問題につきましても、私は私なりの信ずるところを私なりの表現で申し上げてきたつもりでございます。
 それから、昨日の答弁で、食い違いが生じてもより大きな共通の目標実現のために協力し合っていくと言っているが、「より大きな共通の目標」とは何か、こういう趣旨のお尋ねでございましたが、「より大きな共通の目標」と私が申し上げましたのは、例えば、今回の連立政権におきまして長い間続いてきた一党支配の体制というものを打ち破るということも、これも大きな国民の期待するところのものでございましょうし、また先ほど申し上げました、長期一党支配の体制のもとで進んでまいりました硬直化してきたさまざまな構造的な問題というものに、ここで大きくメスを入れていくということも大きな課題であろう。さまざまなものがあろうと思いますが、簡潔に申し上げればそのようなことではないかというふうに思っております。
 連立政権内におきまして各党さまざまな固有の政策があることは、これはもう申し上げるまでもないことでございますが、それぞれの、個々の問題について論議が活性化をし、また、そのそれぞれの違いというものを乗り越えていくというところにこの連立政権の非常に大きな意味があるというふうに私は思っております。(拍手)
 連立与党間の食い違いが選挙で問われることはあっても政治家の倫理や責任が問われない、そういうふうに言っているけれども、それはどういう論理なのか、こういうお尋ねでございました。
 確かに、昨日、その食い違いの問題についてそのようなことを申し上げましたが、「より大きな共通の目標」という大義の前に、仮にその党の固有の政策を抑制あるいは犠牲にするというようなことがありましても、それは政治家の生き方としては、大局からは許されるべきことであって、直ちに政治家の倫理や責任の問題は生じないと思う、こういうふうに申し上げたわけでございますが、ただし、その固有の政策を評価してその政治家に一票を投じた有権者からは、次の選挙において当然それは審判を受けるであろう、そういうことを申し上げたまでのことでございます。
 連立政権の仕組みについて何とぞひとつ、それは当然のことだと思っておりますが、御理解をいただきたい、このように思っております。(拍手)
 自衛隊法の一部改正法案についてのお尋ねでございましたが、これも再々本会議あるいは委員会の答弁でも申し上げておりますように、臨時国会への政府提出につきましては、従来からの経緯もございまして、与党の中でも確かにいろいろな論議があることは事実でございます。政府としては、可能な限り早期に法案を国会に再提出できるように、関係者間の意見の調整を早急に進めておりますので、もうしばらく時間をいただきたい、このように思っております。
 米の自由化の問題についてのお尋ねがございましたが、我が国としては、これも再々申し上げておりますように、ウルグアイ・ラウンド交渉の年内終結に向けて最善を尽くして努力をしているところでございます。今後の交渉に当たりましては、我が国の農業が将来に向けて安心できる環境のもとに続けていけるような、そのような状況というものを何とか確保していくことが何よりも肝要であると考えております。ウルグアイ・ラウンド交渉が最終段階を迎えている現状で、各国とも農業に関して困難な問題を抱えておりますが、相互の協力による解決に向けまして、できる限りお互いに努力をしていこう、こういうことで今交渉を進めているところでございます。
 米につきましては、その重要性にかんがみまして、国会決議の趣旨を体して、今までの基本方針のもとで対処してまいりたいと繰り返し申し上げてきているとおりでございます。
 選挙制度改革案について、修正に応じる考えはあるのか、こういうことでございますが、政府案がベストということで提出をさせていただいておりますので、何とぞひとつ御理解、御協力をお願いを申し上げたい、このように思っております。ぜひともひとつ早期に成立をさせていただくようにお願いを申し上げる次第でございます。(拍手)
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁をいたします。(拍手)
    〔国務大臣山花貞夫君登壇〕
○国務大臣(山花貞夫君) 政治改革法案を実現することによって今後どのような日本をつくっていくのかという御質問をいただきました。
 総理も申し上げましたとおり、政治改革の実現は本内閣にとって最優先の課題であり、これを早急に実現することによって国民の政治に対する信頼を回復することがまず大事であると考えております。
 あえて政治改革担当相として述べさせていただければ、毎年のように政治腐敗事件が世間を騒がせ、今日においてもゼネコン汚職が摘発されている状況に照らしても、腐敗をなくす政治改革の実現は、我が国の社会、経済の改革に不可欠の課題になっているものと認識をいたしております。公正、公平な社会を目指すことが民主主義国家の根幹であり、政治改革の実現こそ今後の我が国及び国民生活の繁栄の礎であると確信をいたしておるところでございます。(拍手)(発言する者あり)
○議長(土井たか子君) 静かにしてください。
    〔国務大臣羽田孜君登壇〕
○国務大臣(羽田孜君) お答えを申し上げます。
 今津さんとは、まさに四年前から、ともに政治改革をしよう、そのためにともに議論をしてきたことを今改めて懐かしく思っております。
 今御質問のありましたことにつきましては、まず政治改革の基本理念についてということであります。
 この基本理念につきましては、今御指摘があったとおりで、私はこれに何も異議を差し挟むものではありません。まさに政治改革をやらなければ、お金の問題ももちろんあります。しかし、それだけではなくて、例えば消費税の問題、どうだったでしょうか。あるいは湾岸戦争が起こったときに、今ここで指摘されたように、直ちに国会は国会を開き、我々はどういう対応をすべきか、これを語ったでしょうか。残念ですけれども、そういったものを語りませんでした。そして、いろんな大きな動きに対して機敏に対応できたのか。残念ですけれども、機敏に対応できなかった。
 そういう中で、我々は、政治改革をどうしてもやらなければならない。単にお金だけではなくて、そういう問題もあるんだということを、それは今まさに今津さんから御指摘のあったとおりでありまして、私どもは、そういったことのためにやっぱり政治改革、これを全体をしなければならないだろうということでありました。
 そういう中で、さて、もう一つの御質問とこれは一緒になるような話なんですけれども、政権内部の政策の不一致ということがありました。これは昨日も、私は実はここの場所からお答えいたしましたとおり、私どもはやっぱりそういう新しい大きな激変、世界の大きな変化、こういったものにこたえるために、それに耐え得るような政治体制というものをつくらなければいけないということを皆さんとお話ししたわけであります。
 ただ、私たちは、そういうことをやった暁には、やっぱり二つの勢力ができていくであろう、このことを皆さんと一緒に、もう実は自民党の中で議論した問題であったんです。ですから、本来でございましたら、あのときにきちんと国民に自民党が公約したとおり選挙制度ができていたならば、その選挙制度に基づいて二つの大きな勢力というものが私はできたであろうと思っております。ただしかし、それをまさにほごにしてしまう、そういう中で私たちは、本当につらい、苦しい思いをしながら、やっぱりここできっかけをつくらなきゃいかぬということで、この党、自由民主党を離党したということを、私はもう率直にこの機会に申し上げておきたいと思うわけであります。(拍手)
 ですから、いずれにしましても、そういう中で、皆さん方が今度は本当にやる、そしてお互いに議論をしながらこの法律をつくっていただけば、今、今津さんから御指摘がありましたように、私どもは、かつて皆さんと議論しましたように、そこに私は、二つの大きな勢力というものが生まれてくるであろうと思っております。
 今ここで、あなた方のあれは暫定政権ですねという実は御指摘がありましたけれども、率直に私は申し上げて、今の姿というのは、これは今御指摘がありましたように仮の姿といいますか、私ども、あのときにはやむを得ない措置であったろうというふうに思っております。ただ、私は、私どもはただそこで無責任、おるいはここに言われるように野合なんということをしているつもりはありません。
 皆さんによく考えていただきたいんです。これは私は率直に皆さんに訴えたい。世界はやっぱり大きく動いておるんですよ。例えば昨日までいらっしゃいましたエリツィンさん、この方はロシアの、今まさに新生ロシアの大統領としておられる方ですね。しかし、あの方は数年前までは共産主義者の方だったんです。まさにこの方が、今新しい世界の動きの中で、もう市場経済を目指さなければいけないという中で、今大きく変化をしているわけなんです。さて、日本の政治が変化しちゃいけないんでしょうか。(拍手)
 私どもは、今度の選挙に臨むに当たりまして、やっぱり国民の皆様方に安心していただかなきゃいけない、そのためには、外交あるいは防衛あるいはエネルギー政策、こういった問題については、やっぱり今までの生まれ育ちがある、それぞれの考え方もあるけれども、しかしそういう中にあって私どもは共通の一つの認識を持とうじゃないか、そのために選挙のときにわざわざその合意というものをつくり上げ、そして私どもは選挙でそのことを率直に訴えました。私は、選挙で訴えた結果、まさに我々が政権をつくりなさいということを国民から支持をいただき、今私どもはここに政権をつくっているのです。(拍手)
 ですから、それぞれの政党というのはみんなもともと、先ほど申し上げたように、生まれ育ちが違います。そういうものが違っておりますけれども、私どもは、その中に新しい一つの方向というものを合意しながら今歩みを始めているのだということをぜひとも皆様に御理解いただきたい。
 そして、皆さんに私は世界の政治状況も勉強していただきたいのです。(拍手)ともかく、例えば今東西ドイツが合併いたしました。このドイツにおきましても政権与党が、昨日も申し上げたように、政権与党の中でもこの問題については憲法違反ですぞというような訴訟まで起こしているのですよ。それが世界の状況なんです。
 私は、そういう中にありまして今、先ほど暫定あるいは仮の姿ということを申しました。お互いにこれから、今この連立政権を経験する、そしてその中で実績を積み上げていく、そういう中で私たちはでき得る限り一つの大きな勢力にしていく、これがやはり大事だなという思いを私は今でも持っております。自民党ときちんと議論ができる一つの大きなグループ、一つの勢力、これをつくり上げることが私は大事な問題であろうというふうに考えておりまして、そういった問題については今後これから皆さん方と議論をしていきたいと思う。
 しかし私は、お互いに生まれ育ちが違う者がお互いに世界的な問題に対して対応ができる、大体こういう議論ができる国会にしようというのが政治改革の基本なんですよ。(拍手)そのあたりがまだ、残念ですけれども自由民主党の方にわかっておらない。私はそのことを率直に申し上げざるを得ない。
 そして今、今津さんが言われたように、私どもも何とか二大勢力をつくり上げるように、それで率直に語り合えるような、そういう政治を私は実現するためにこれからも全力をささげてまいりたい、このことを申し上げておきたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
○国務大臣(武村正義君) 暫定政権であることを明言すべきではないかというお尋ねをいただきました。
 今の羽田副総理の御発言にかかわるわけでございますが、確かに今回の政権の誕生のきっかけに、私ども、統一会派としてさきがけ日本新党が政治改革政権の提唱をさしていただきました。そのことがきっかけになっていることは御承知のとおりでございます。
 しかし、既にもう二カ月余経過いたしまして、国民の皆さんからも高い期待をいただいておりますし、アメリカ、ロシア両大統領の首脳会談も終えて国際的な期待も高まりつつあると認識をいたしております。(拍手)決して、私どもは初めての経験でございますし、また弱点が全くないというわけではありませんが、しかしこの内外の高い期待にこたえて、政治改革を基本にしながら景気対策その他の課題に対しても真剣に取り組んでいきたいと考えている次第でございます。そういう意味では、暫定内閣ではないという認識で、その意欲で頑張っていきたいと思っております。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(土井たか子君) 神田厚さん。
    〔神田厚君登壇〕
○神田厚君 私は、連立政権を構成する日本社会党・護憲民主連合、新生党・改革連合、公明党、さきがけ日本新党の御了解をいただきまして、民社党・新党クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提国政治改革関連四法案及び自民党提出の政治改革関連五法案に対し、総理、関係大臣並びに自民党提出者に質問をいたします。
 さきの総選挙において、国民は、自民党の過半数割れという、我が国の戦後政治の枠組みを根本的に変える歴史的審判を下したのであります。それは、自民党政権時代において、冷戦構造の崩壊、高齢化社会の到来といった内外の激変に対応し、国の進路を定め、国民を導ぐべき政治及び政治家が、相次ぐ腐敗事件の発生により国民の信頼を失い、信頼回復のための政治改革もかけ声だけでこれを実現しないことに対しまして、激しい怒りとともに鉄槌を下したからであります。細川連立政権は、この意味におきまして、政治改革の実現を宿命づけられた内閣であり、この内閣で政治改革を実現できなければ、政治改革は半永久的に実現不可能になると言っても過言ではありません。
 さきの世論調査によれば、細川内閣の支持率は七〇%以上という驚異的な数字でありましたが、それはまさに細川内閣に対し国民が政治改革の実現を強く期待しているからであります。総理、政治改革関連法案の年内成立を必ず実現することによって、政治への信頼を回復し、不況の克服などの政治課題に全力をもって取り組むべきでありますが、総理の決意をまずお伺いいたします。
 さて、今回の政府提案の改革の基本は、小選挙区比例代表並立制の導入にあります。我が党は、結党以来、議会制民主政治の活性化と政治腐敗の根絶のためには政権交代の実現が不可欠であり、この観点から、自民党にかわる新しい政権の軸をつくることに全力を尽くしてまいりました。以前のように、自民党一党支配と五五年体制という政治状況のもとで小選挙区比例代表並立制を導入すれば、各種調査結果から明らかなように第一党に圧倒的に有利になり、政権交代どころか自民党政権の永続化につながりかねないと考えておりました。
 しかしながら、前回の総選挙において国民が歴史的審判を下した結果、自民党政権にかわる連立政権の誕生を見るなど、政治状況は大きく変わりました。我が国にも、政策論争を通じ、国民に責任を持つ政治勢力関の政権交代が可能な政治状況を迎えるに至ったのであります。この政治の流れを確実なものとしなければなりません。我が党が小選挙区比例代表並立制に賛成するに至った理由もまさにここにあります。
 政治改革政権である細川内閣は、小選挙区比例代表並立制の導入を柱とする政治改革関連法案を、今国会でどうしても成立をさせる必要があります。幸い政府案と自民党案は、選挙制度の基本を並立制とすること、政治資金の透明性を図ること、公的助成制度の導入など、改革の基本は一致しております。前国会の百時間を超える真摯な審議を踏まえ、今国会での成立を図るため、話し合いを通じてよりよい妥協案を模索する努力を尽くすべきだと考えますが、総理並びに自民党提出者の見解を伺いたいと思います。
 さらに、その際確認したいのは、政治改革法案はおのおのが他と無関係に独立しているのではなく、各法案は密接な関係を持ちながら一体となって政治改革の実を上げるということであります。あくまでも政治改革法案は四法案一括して今国会で成立をさせる、このことを総理並びに山花政治改革担当大臣に御確認したいのであります。
 また、自民党案では腐敗防止部分が別法案として提出をされております。しかし、その内容は公職選挙法改正案、政治資金規正法改正案にほかならないものであり、何ゆえにこのように分離提出されたのか、その真意を自民党提出者に伺いたいと思います。
 自民党は、現行中選挙区制におきまして複数候補者を多数の選挙区に抱えてきたという党内事情により、最も強く選挙制度、政治資金、罰則規定の一体性を主張してこられました。法案の一括処理については、さきの国会においても、当初から自民党の方針は一括処理であり、政治改革は政治全体のシステムを変えようということであり、一括処理に変わりがありませんとの答弁をされております。よもや、短期間に政治改革について最も重要となる基本方針につきまして宗旨がえをされたとは思いませんが、念のため、一括成立について自民党提出者にも御確認をしたいと思います。
 以下、法案の具体的な項目についてお伺いをいたします。
 まず、自民党の提出者に選挙制度についてお尋ねをいたします。
 第一に、小選挙区比例代表並立制提案の経緯であります。
 自民党は、さきの国会において単純小選挙区制を提案いたしました。本院の本会議において自民党答弁者は、並立制以上に政権の責任性を追求するためにはどの制度がいいか、また国民がわかりやすい選挙制度は何かということで、自民党独自の判断により小選挙区制に踏み切ったと述べておられます。自民党がこうして単純小選挙区制に変更し、これに拘泥したことにより、我々当時の野党との選挙制度における隔たりは極めて大きなものとなり、結果として政治改革は一歩も実現をしなかったことは御承知のとおりでございます。
 さて、今回自民党は、海部内閣当時の案を一部修正した小選挙区比例代表並立制を提案されました。自民党はなぜ、三カ月余りの間に、あれだけかたくなであった単純小選挙区制を改め、再び並立制を提案されたのでありましょうか。理念の変更を行ったのでしょうか。あるいは、現在でも単純小選挙区制を自民党としては最善の選挙制度として認識しながらも、さきの国会での反省を踏まえ、法案の成立を目指してあえて次善の並立制を提案されたのでしょうか。自民党提出者のお答えをいただきたいと思います。
 第二に、衆議院の総定数についてであります。
 自民党案では、衆議院の総定数は公職選挙法の本則である四百七十一人とされていますが、この四百七十一という数字は合理性が薄いのではないかと考えております。なぜならば、これは大正十四年に法改正の総定数四百六十六人にさかのぼるものであり、これに沖縄県の本土復帰による五名増が行われ、今日の本則になっているのであります。当時の若槻内務大臣の提案説明によりますと、議員定数は、当時の人口十二万人につき一人で算出されたものであり、現在の総定数四百七十一という本則には既に数字の上での適正人員たる合理的根拠が存在をせず、これを金科玉条として拘泥する理由はないものと考えます。(拍手)この点は、さきの国会におきまして自民党自身も総定数五百人を提案したことからも明らかでありますが、自民党提出者の御所見を承りたいと思います。
 第三に、投票方式についてであります。
 海部内閣当時の法案では投票方式は二票制であり、今回の政府案でも同様であります。並立制は、字義のとおり小選挙区制と比例代表制という異なる選挙制度が並び立つ制度であり、その意味では、有権者が二種類の議員を別々に選択することが本来は自然でございます。
 今回、自民党は投票方式を一票制としておりますけれども、どのような理由により投票方式の変更が行われたのか、その理由と経緯をお伺いしたいと思います。また、一票制の場合、小選挙区で無所属の候補者に投票した有権者は比例代表に参加できないという点で、一票の等価値に反するのではないかとの疑義も指摘されております。この点については問題が生じないのかどうか、自民党提出者にお伺いをいたし、また同時に、自治大臣の御見解をお伺いをいたします。
 第四に、比例代表議員選出の選挙区を都道府県単位とされたことであります。
 自民党案により各都道府県に比例区議席を配分すると、試算では、最小の県が二となり、最大の東京都が十三となります。ここで特に問題となりますのは、二人区が実に二十一、三人区も十三に上ることであります。
 言うまでもなく、比例代表制の趣旨は民意の公正な反映であり、その特徴は死に票が少ないことであります。この点、定数二や定数三の比例選挙では、小選挙区による死に票を救済するための比例区が新たな多数の死に票を生み出し、比例代表制の本来の機能が損なわれるものと考えております。海部内閣当時も比例区は全国一本でありました。今回、自民党はなぜ比例区を都道府県単位と変更されたのか、また、自民党案における比例区の位置づけはどのようなものなのか、提出者の御説明をいただきたいのであります。
 次に、政治資金規正法関係であります。
 自民党が平成元年にまとめられた政治改革大綱には、「リクルート疑惑をきっかけに、国民の政治にたいする不信感は頂点に達し、わが国議会政治史上、例をみない深刻な事態をむかえている。なかでも、とくにきびしい批判がわが党に集中している。」また、「なかでも、政治と金の問題は政治不信の最大の元凶である。」と記されております。しかし、こうした反省は何ら生かされることなく、この政治改革大綱がまとめられている最中に共和事件は進展し、またこの後も佐川急便事件か引き起こされたのであります。
 これらの政治腐敗事件はいずれも企業から政治家への献金がその端緒となっており、過去の反省に立って、自民党みずから企業・団体献金の大幅な規制に取り組む必要性が強く叫ばれております。しかし、今回の自民党案ではそうした認識が不足をしております。自民党の反省を求めるとともに、政府案による厳しい企業・団体献金規制を行った場合、自民党はどのような不都合が生じると心配されているのか、提出者の御見解を伺いたいと思っております。
 第二に、政治資金パーティーについてであります。
 自民党案によりますと、一パーティー当たりのパーティー券購入者の支払いの公開基準は五十万円超となっております。これは実に政府案の十倍でありまして、寄附と比べて極端に透明性が低くなることにより、パーティー券購入に名をかりた実質的な企業・団体献金が不透明なままで存続するのではないかと懸念が持たれております。何ゆえ寄附とパーティー券購入において公開基準に差異を設けなければならなかったのか、自民党提出者に納得のいく御説明をいただきたいと思います。
 次に、政党助成法案についてであります。
 政党は議会制民主政治の担い手であり、政党の政治活動が国家意思の形成に資する公的な性格を有していることを考えるとき、中立的な公費に民主主義のコスト負担を求めることは合理性があり、また、政党の政治活動に一定の助成を行うことは政党政治の健全な発展にもつながみものであります。各種の世論調査でも、政党助成への支持は過半数を超えております。
 先日の一般紙にこのような投書が掲載されておりました。「私は、政党助成にもろ手を挙げ賛成である。なぜなら、各政党や国会議員は本来の政治、政策活動をないがしろにし、金策に奔走する姿が顕著であった。自民党の企業献金はその典型である。また、共産党は公費助成に反対する方針であるが、それにより機関紙収益に頼らざるを得なくなる。それよりも機関紙の購読料を下げ、収益が低下しても多数の人に購読してもらうよう努力し、政治資金は素直に公費助成を受けるべきである。」
 今回、政府案、自民党案ともに公費助成の導入については一致しております。私たち政党の側も、政党助成が国民の血税で賄われることに特に留意をし、その責任を自覚をし、国民の信頼にもとることのないようにこれを使用する責務を強く自覚するべきであります。その際、政党交付金の使途について制約を加えることは、自由な政党活動に対する制約として、政府案、自民案ともに認めておりません。しかし、使途についてこれを国民の前に公開し、国民に審判を仰ぐことは、制度の趣旨から不可欠のことであります。
 政府案では、国民の税金である政党助成金については企業・団体献金等より厳密に扱うべきなどの観点から、一件一万円超の支出を公開することとしておりますが、自民党案では、企業・団体献金等との区別を設けず、公開基準は五万円超となっております。この点について、一万円超とすることは不可能なのかどうか、自民党提出者の御所見を承りたいと思います。
 最後に、私は、この政治改革法案は責任ある変革のための具体案であり、また国民の政治不信を払拭する処方せんであることを与野党双方が認識をし、今国会において早期に一括して成立させるべきであることを強く念願をいたしまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣細川護煕君登壇〕
○内閣総理大臣(細川護煕君) 政治改革法案の年内成立に向けての決意いかんという趣旨のお尋ねでございましたが、繰り返し本会議の答弁でも申し上げておりますように、最重要の課題でございますし、何としても年内成立を目指して活発な御論議をいただき、そして成立をさせていただきたいと願っている次第でございます。そのことが、お話の中にもございましたような不況の克服、あるいは経済の抱えているさまざまな構造的な対策にも資するものである、中長期的な対策にも資するものである、そのように考えておりますので、ぜひひとつ早くこの法案を一括して成立をさせていただき、内外の山積する諸課題に対応できますようにお願いを申し上げる次第でございます。
 それから、今もちょっと触れて申し上げましたが、妥協案を模索する努力をすべきではないかというお話でございましたが、これまでの国会における御論議なども踏まえまして、政府としては最善のものとして出させていただいているということでございまして、何とぞひとつ、その点につきまして十分御審議の上、各党各会派の御理解をいただきまして、一刻も早く成立をさせていただきますように念願をいたしております。
 四法案一括して今国会で成立させることを確認をしたい、こういう御趣旨のことでございましたが、選挙制度、政治資金規正法あるいはまた政治腐敗防止法、こうしたものが一括して成立をするということが、相互に関連をした問題でございますから、これが一括して成立をいたしませんと、やはり政治と金の問題、その他の問題を初めとして、本当に政治改革ができるとは思っておりません。ぜひともひとつ、四法案一括成立ということで全力で政府としても取り組んでまいりたいと思っておりますので、何とぞ御協力、御支援のほどをお願いを申し上げたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣山花貞夫君登壇〕
○国務大臣(山花貞夫君) 神田議員から、あくまでも政治改革法案は四法案一括して今国会で成立させるべきだと思うがいかんとお尋ねをいただきました。
 今、総理もそのことの重要性について強調されておったとおりでありまして、選挙制度と政治資金制度のあり方や腐敗防止の問題は、相互に密接な関係を有しておることについては共通の認識だと考えます。このため、これらの改革をあくまでも一体として実現できるよう四法案を提出した次第でありまして、どうぞ御理解と御協力のほどを担当相としても心からお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣佐藤観樹君登壇〕
○国務大臣(佐藤観樹君) 投票方法に関します一票制か二票制かの問題でございますけれども、この並立制というのは、確かに政党中心あるいは政策本位の選挙制度ではございますけれども、無所属の方は初めから選挙に出れなくなる制度ではございません。したがいまして、自民党案のように一票制というふうにした場合には、小選挙区選挙で無所属の候補者に投票した方に対しましては、比例選挙での投票ができなくなるという問題もございますし、逆に、比例選挙で小選挙区に候補者を立てていない政党に投票したときには、小選挙区の投票ができなくなるという結果になります。これでは、有権者の意思というのは片方の選挙にしか反映できないことになるわけでございます。一方、名簿を提出しております政党候補者への選挙人の投票は、両方の選挙に反映されることになります。
 そもそも並立制というのは、小選挙区選挙と比例代表選挙という二つの選挙を単純に組み合わせた制度であるという基本的な性格に照らしまして、神田議員御指摘のように、投票価値の平等という観点から見まして、あえて一票制をとらなければならぬという合理的な理由を説明することはなかなか困難ではないかということで、政府案といたしましては、二票制をとったところでございます。(拍手)
    〔三塚博君登壇〕
○三塚博君 神田さんからは、今国会の成立を図るため、よりよい妥協案を模索する努力を尽くすべきなどの趣旨の質問がございました。
 本件は、御案内のとおり海部内閣における第八次選挙制度審議会、各界各層の学識、有識者の御参加をいただきまして、日本の議会制民主主義がまさに機能する選挙制度その他の案件を御答申をいただきました。本件に基づき法律を提案をいたしましたが、そのときは野党各党の大変な反対もございまして、廃案となりました。海部内閣が退陣を決意するきっかけにも相なりました。
 宮澤内閣に相なりましてから、さらに今日までの論議の経過を踏まえながら、議会制民主主義の最大の基本は、選挙の結果によって政権が選ばれるわけでございますから、それに基づいて掲げた政策を忠実に実行する、責任を果たしていく、そしてその結果を次の総選挙で判断を求めることの方が、議会制民主主義の進展のため、二十一世紀を望む今日の政治、内外情勢を踏まえての正しい選択だということのもとに、単純小選挙区制という公約の提案をいたしたことは御案内のとおりであります。これまた長い論議を経たのでありますが、会期延長をという総理・総裁の願いも聞き取ることができ得ませんで、解散・総選挙ということに相なりました。
 その後、我が党は、総選挙の結果を踏まえまして、当時の野党、今日の政府党の皆さんにも賛成をいただく、その基本に立ち返りまして、今日の五法案を提出をさせていただきました。
 その基本は、御案内のとおり、我が国の議会政治のあり方を決め、将来にわたって性格づけるものでございますから、理念を、そして政治哲学を、政治の原点をしかと踏まえたものでありますので、各党の深い御理解、洞察をいただき、総理・総裁の、総裁ではありません、党首であり内閣総理大臣である細川さんのリーダーシップの発揮をいただき、我が党案に深い理解をいただき、成立をいただきたいものだと考えます。
 法案の一括処理について確認をしたいということでありますが、ただいま申し上げましたとおり、我が党の法案はいずれも、政権選択の総選挙と、それに伴う自由で公正な政治活動を理念に据えたものでありますから、これにすべてが貫かれております以上、一括成立は当然のことであります。
 残余の答弁は、共同提案者から行います。(拍手)
    〔保岡興治君登壇〕
○保岡興治君 我が党が提出をいたしました政治改革関連法案の中から、腐敗防止の部分をなぜ独立の法案として提出したかというお尋ねでございますが、これは、昨日私が本議場において質問の中で述べさせていただいたように、政治改革の中で国民が最も強く望んでいるのは政治腐敗防止であるということでございます。そういったことで、私たちが国会へ今度提出している関連法案の中で、政治腐敗防止の部分に、新しい連座の拡大や立候補資格剥奪など、制裁措置あるいは罰則の強化を盛り込んでおります。そういうことを国民にわかりやすく理解していただくような論議をするために、独立の法案とした次第でございます。(拍手)
    〔伊吹文明君登壇〕
○伊吹文明君 四つの質問を神田先生からいただいておりますが、まず最初に、小選挙区からなぜ並立制にしたかということでございます。
 我が党は、小選挙区が基本であると考えてやってまいりました。次善の策かと言われれば、私はそのとおりだろうと思います。選挙制度の改革を含めて政治改革を断行して、各党の合意を促し、そして先ほど羽田副総理が言われましたように、日本の難問にダイナミックに対応しながら責任の所在を明らかにしていく、そのような日本の意思決定の仕組みを作り上げたいというその大義のために、我々は許容できる範囲で歩み寄ったというふうに御理解をいただきたいと思います。
 このことは、同時に、民社党の皆さんも数カ月前は都道府県単位の比例代表制を主張しておられましたし、社会、公明の皆さんも比例代表並立制であり、そして羽田党首を初めとする新生党の皆さんも、自民党におられたときは単純制の提案者であり、答弁者であり、賛成者であったわけであります。みんな同じ気持ちで歩み寄っているわけでありますから、この気持ちを大切にして委員会の審議に臨みたいと思っています。(拍手)
 次に、四百七十一には合理的な根拠がないということであります。
 四百七十一にも五百にも、私は数学の答えのような合理性はないと思います。ただ、国会議員一人当たりの有権者あるいは人口の数、これは各国まちまちであります。むしろ大切なことは、立法論として、あるいは我々が国会議員として国民に選ばれている者として、厳しいことを国民にお願いするときは、やはり本則に戻るというのが自民党の姿勢であります。(拍手)
 次に、一票制になぜしたかということであります。
 衆議院の選挙の第一の意義は、我々は、再三申し上げているように、政権の選択にあると思っています。政権はただ一つであります。衆議院は民意を反映しなければならない場でありますが、それは分散した形の反映よりも集約した形の反映が必要であると考えています。それにかなうのは、一つの選挙に一つの投票であると私たちは考えています。
 次に、一票の価値に反するのではないかということであります。
 我々の提案しております制度をとりますと、候補者とその所属している政党、それから候補者のみ、政党のみ、この三つの選択を有権者に保障いたしております。したがって、この三つの選択の中から一票を行使してどれを選ばれるかは、有権者の全く自由になっているわけであります。佐藤自治大臣が連立案の趣旨説明の中でおっしゃいましたように、政党本位の政治改革ということをおっしゃっているわけですから、小選挙区にある候補者を投票し、比例区でその候補者の肝属している政党と違う政党を選べるということは、政党本位の政治改革という趣旨からいえば、やや私は無理があるのではないかと思っています。
 それに加えて、先ほど来御答弁の中でありましたが、むしろ、二票制を保障しておきながら結果的に三%以下の投票を切り捨てるという方が、私は一票の価値上問題があるのではないかと思います。これは立法技術上の問題でありますから、委員会でさらに詳細に御議論をさせていただきたいと思っています。
 次に、比例選挙をなぜ都道府県単位にしたかということであります。
 再三申し上げておりますように、衆議院選挙の大きな特徴は、内閣の指名、政権の選択について民意を問うことであります。したがって、民意を集約した形で反映できる小選挙区が私たちは基本であり、比例制はそれを補完するものと位置づけていますのであるとするならば、小選挙区で結びつかなかったその投票を補完するのは、当然小選挙区が含まれている都道府県にするのが合理的であると思っています。
 以上であります。(拍手)
    〔津島雄二君登壇〕
○津島雄二君 神田議員の御質問のうち、で、企業・団体献金の取り扱いにつき、我々の案が政府案と違うのはなぜか、政府案のように政党に対するものに一本化しなかったのはなぜか、こういう御質問でございます。
 最初に申し上げますが、我々の考え方は、もとより一党の党利党略に基づくものではなく、議会制民主主義のあり方をまず問うておるということでございます。皆様方御承知のとおり、今回の全体としての改革の中で、国民の血税による政党助成をお願いしておりますが、我が国の政治、殊に政党の運営が政党助成のみに頼っていいのでしょうか。自己努力と自発的な国民の参加を一定の節度の中で担保をしていくことが、議会制民主主義のためにどんなに大切なことか、私は心からお訴えを申し上げたいわけであります。
 そして、この場合に、特に御理解をいただきたいのは、地方政治におきまして無所属の立場で政治に参加をしておられる方々が、いわゆる政党に属さないということをもって十分な政治活動ができなくなる、さらには、地方政治にまで系列化の波が押し寄せてくるということが果たして適当であるか、こういうことも申し上げなければならないわけでございます。
 私どもは、あくまでも議会制民主主義の本旨に返りまして、自発的な国民の参加の形を法律的に強権的に禁止するときには、憲法の集会、結社、表現の自由との間で深刻な検証をする必要があるということを同僚議員にお訴えをしたいわけでございます。全体主義の社会であるならばともかく、成熟した民主主義社会では、どの国におきましても一定の節度のある企業献金を認めまして、これを適正に管理、規制をしておるわけでございまして、私は、我が国の民主政治の成熟度が十分そこまで来ているというふうに申し上げたい次第でございます。
 次に、なぜ寄附とパーティー券購入の公開基準に差異を設けるのかという御質問でございます。
 もとより、政治資金パーティーは事業収入であるということは、昨日も申し上げ、政府からの御答弁もございましたが、継続的に行われる事業の収支とは趣を異にいたしますパーティー収入の処理というような問題につきまして、我が党の提案の限度は常識的なものであろうというふうに考えておるところでございます。
 次に、我々の案で政党助成金の支出の公開基準が一件五万円以上だが、政府案と同様一万円超にできないのかという御質問でございます。
 確かに、政党助成は国民の貴重な税源を使わせてもらうわけでありますから、その収入、支出について適正を期さなければならないという点は言うまでもございません。ただ、この場合、それぞれの政党が非常にたくさんの方の御協賛をいただくわけでございますから、事務上の簡素化とのバランスも考えなければならない、そのような意味で今の五万円程度の公開基準が弊害がないと考えたものでございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(土井たか子君) 住博司さん。
    〔住博司君登壇〕
○住博司君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、政府から上程されました政治改革関連四法案並びに自由民主党提案の政治改革関連五法案について質問いたします。
 私は、今をおいて、国民の期待にこたえる政治改革を実現し、我が国の議会政治、民主政治の再生を果たす機会はないと思います。ほんの少しびほう策をとればいい、あらしの過ぎ去るのを待てばいい、そんな姿勢をとるのは、もはや許されないと思います。そしてまた、この確信は、各党派を超えて、国会に議席を持つ者にとって共通のものでなければならない、そう考えます。
 我が自由民主党も、過去の反省に立って、平成元年以来五年余りの党内論議を積み上げ、その集大成として、何としても政治改革をなし遂げるとの決意で臨んでいると信じています。それが真の国民政党としての、自民党の果たすべき当然の責務だと考えます。
 もとより、改革には痛みや苦しみも伴います。だからこそ、みずからの犠牲をも覚悟をして、政治に携わる者の良心と責任感を示さなければなりません。
 そこで、この機会にぜひ確認しておかなければならないことがあります。
 政府案、自民党案は、衆議院に小選挙区比例代表並立制を導入することでは一致しています。以前は中選挙区制に固執をし、並立制に大いなる批判を加えていた社会党がこの点に踏み込んだのは、政権与党に加わる目的を達成するにはそれしかなかったとはいえ、一定の評価をすることができます。しかし、政府案、自民党案の相違点は、昨日の本院での質疑を通じ明らかになったように、山のようにあります。
 先般の第百二十六国会のとき、自由民主党は議会多数派でした。しかし、決して強引に審議を進めるという姿勢だけはとりませんでした。むしろ、民主政治のいわば土俵づくりをするわけだから、採決の強行、数の論理による国会運営だけは厳に慎むべきであるというのが基本姿勢であったと思います。この点、今回の法案審議に関し、政府・与党においても徹頭徹尾審議を尽くし、与野党の合意形成に努めるという姿勢を堅持していただけるものと信じます。法案の取り扱いについて、採決の強行などという意向は毛頭ないとは存じますけれども、細川総理並びに新生党の代表羽田外務大臣の方針についてお伺いをいたします。
 山花政治改革担当大臣にもお伺いをいたします。
 大臣の出身政党からは、譲歩、妥協は一切まかりならぬとの声が出ているやに仄聞するのですが、この姿勢で大同的な意見の集約ができるのでしょうか。ある党の代表は、認識が変わったとあっさりおっしゃられましたけれども、自分たちの主張以外一切聞き入れないという態度は、「だめなものはだめ」、こういった言葉に象徴される、ただ批判、反対するのみだったころの態度と全く変わらないのではありませんか。政治改革に関する調査特別委員会での審議に入る前から問答無用のかたくなな姿勢をとられるのは、政権政党として責任ある態度とは到底思えません。国民によくわかる明朗で闊達な審議を行って合意形成を見出す意思があるのか、この点大臣はどうお考えになっているのか、明確な答弁を求めます。
 次に、選挙運動について伺います。
 政府案では、戸別訪問を全面的に解禁する内容となっています。諸外国では広く認められている戸別訪問ですが、我が国では、明治、大正時代の選挙のとき、一軒一軒歩きながら頼むいわゆるどぶ板選挙運動が、その裏で買収、供応の温床になっていったとの反省から、戦後の一時期、一部の人に限って認めた以外、大正十四年の普通選挙法の施行以来、一切禁止されてきました。今回解禁に踏み込もうとされているのは、従来の個人中心の選挙から政党中心の選挙に変わることにより、心配される買収、供応がなくなるとの認識があると思いますけれども、果たしてそうでしょうか。また、訪問する側の人数に一切の制限がないがゆえに、数による威迫のおそれなしとは言えません。
 我が自民党では、徹底的な党内論議の末、個人のプライバシーの保護の面や、繰り返し繰り返し訪問が行われることによって静かな環境を侵害するおそれなど、さまざまな弊害をも考慮をして、やはり全面禁止にすべきとの立場に至りました。戸別訪問について、この際、ぜひ解禁の根拠と、予想される弊害についても含めて、どのような論議が政府・連立与党で交わされたのか、総理にお伺いをいたします。
 改革とは、古いものを徹底的に見直し、その批判の上に初めて成り立つ事柄です。その意味で、戦後民主主義が誕生して半世紀近くたった今、日本の議会政治をさまざまな角度から見詰め直し、古い制度の弊害を正すことが我が国民主政治の再生のために不可欠だと思います。衆議院の選挙制度改革や政治資金の規制、政治腐敗の防止は、政党政治のいわばルールに関する問題です。これは政治改革の第一歩にすぎません。その先にあるものまでしっかりと視野に入れた上で物事を進めていかなければなりません。こうした考え方は、我が党の同憂の士や、今や党派を異にすることになったその中にいられる方、ここにいらっしゃる方、その方といろいろな議論を通じて確認し合ったことを私は今でも覚えています。
 我々は、選挙制度を考える際に決して忘れてはならない視点を持つべきです。それは、二院制との関連で選挙制度のあるべき姿を考えることです。二つの院が同じ代表原理で構成されるならば、二院制の存在理由は希薄になります。一つの代表原理に立った議院、ハウスの行動や意思決定をチェックするという側面を考えれば、もう一つの議院、ハウスは別の代表原理に基づいて構成されるべきだと思います。衆議院の選挙制度を変える際に、参議院の構成や選挙の仕組みについても連動して考えるのは当然ですし、自民党は既にその問題に取り組んでいます。政府・連立与党はいかがでしょうか。
 きのうの総理の答弁では、重複立候補を認めている、その程度の理由を挙げて、参議院は今回導入の並立制とは異なる制度だと言われましたが、納得できる答弁ではありませんでした。改めて総理自身の考え方、方針を明確にしていただきたいと思います。
 日本の政治は国だけで動いているものではございません。全国四十七都道府県、三千三百の市区町村があり、それぞれの首長が選ばれ、議員が選ばれ、地域のため日夜働いておられます。抜本的な政治システム、行政システムの改革は、日本の政治を支える一方の車輪、地方についても視野に入れねばならないことは論をまたないところです。
 今、地方への財源、権限を中央から大胆に移譲することが必要などの声が上がっています。もちろん、補助金や許認可に関して行政機関の持つ大きな裁量権をそのまま中央から地方に移しても、腐敗の構造が地方へ拡散するだけだという見方もあります。事実、最近のゼネコン汚職のように、汚職や腐敗はまさに中央よりも県、市町村において日常的かつ構造的に起きやすくなっているという点を見過ごすことはできません。首長と議会がアメリカの大統領と議会のように二元的な代表制をとり、議会が自由に主体的に行政をチェックできる側面も生かしながら、地方も視野に入れた腐敗防止のルールづくりも必要だと私は思います。
 私は、政治改革を進めていけば、将来、国は、外交や防衛、司法、国の根本にかかわる計画調整、経済運営、また、いわゆる基準行政とこれらに伴う予算、立法、徴税など、取り扱う仕事は限定されていくべきものだと考えます。そして、それ以外、今まで各省庁の扱ってきた事務事業は、なるべく都道府県、市区町村に、人も含めて移譲すべきだと思います。
 県知事を経験し、中央と地方とのさまざまな壁にぶつかり、だからこそ地方分権を主張されてきた細川総理並びに武村官房長官に、中央と地方との関係をどのように変えようとしていこうとされているのか、そのビジョンをこの際ぜひお示しをいただきたいと思います。
 政党助成法案についても所見を伺います。
 この法律によって、政府案では四百億円を超える交付金が、各政党の議員数割と得票数割に応じて配分されることになります。当初、連立与党でまとめられた案では六百億円であったものを、政府としては国民の批判を受けて大幅に減額したものと伺っております。
 私は、率直に申し上げて、朝令暮改的に、根拠もよくわからぬまま減額されたこともさることながら、このように金額の面のみ報道機関を通して喧伝される事態は決してよいことではない、むしろ国民の皆様方に政党助成制度の創設についての正しい理解を得にくくするとの懸念を強く持っています。国民の皆様方の懐から負担をお願いするだけに、政党助成制度の理念、目的、必要性について広く国民に説明していくことが特に重要だと思います。この点、政府としてどう取り組んでいかれようとするのか、総理に伺います。
 ここで、政治資金の改革についても若干触れさせていただきます。
 政府案では、政治家個人に対する法人の寄附は一切禁止となっています。政治資金の面は国・地方を通じた一体的な規制であることを思うとき、この規制が、国はもとより、地方で日本の政治を支えておられる数多くの政治家の政治活動に及ぼす影響は極めて甚大であると思います。本来自由であるべき政治活動への事実上の制限になるとの強い抵抗感を覚えるのは私だけではないと強く指摘しておきます。地方の議員、首長の中には、国会議員の選挙結果に基づく助成であり、地方への考慮がないことから、みずからの政治活動を今後どのように展開していったらよいのかという不安感を抱いておられる方も多いと思います。このように、政府案は地方への配慮に欠けた内容であるということを強く訴えるとともに、修正に応ずる考えはないのか、お尋ねをいたします。
 また、何ゆえ政治家に対する法人の寄附は許されず、政党に対するものは許されるのか、法的根拠を示し、説明をされるよう、あわせて総理にお尋ねをいたします。(拍手)
 私は、このように政党助成、政治資金制度に言及すればするほど、また今回の改革が政党政治の確立なしにあり得ないことに着目すればするほど、この際、政党という存在を法的に明確に定義づける時期が来ていると考えます。総理は、政党法については慎重な対応が必要との態度をきのうお示しになりましたけれども、その根拠について総理の考え方を改めてお聞かせください。また、政党法の必要性について自民党の提案者はどうお考えなのか、所見をぜひ伺いたいと思います。
 最後に、総理の選挙制度に対する考え方そのものについてただしたいと思います。
 選挙制度の改革なくして政治改革はあり得ないのは言うまでもありませんが、理念、定見なき制度改革であってはなりません。総理の過去の選挙制度についての発言を調べますと、あるときは中選挙区連記制の導入を主張され、あるときは併用制がベターだと主張される。またあるときは、与野党が歩み寄れば選挙制度には拘泥しないと主張される。政治に携わる者として、余りに定見がなさ過ぎるのではないでしょうか。ただ単に政権交代が行われ、数合わせのみを優先させた結果として制度改革を実現するというのであれば、我が国の民主政治の将来に対して責任を果たしたことには決してならないと私は思います。(拍手)
 総理は、これからの我が国の政治のありようとして、穏健なる多党制という表現を使われ、やがて二大政党へ収れんすることも選択肢の一つだと述べられておられますが、もう一度伺います。どちらが本来望ましいと考えておられるのでしょうか。並立制と一口に言っても、これからの我が国の民主政治のあり方を左右する極めて重大な問題であるだけに、あいまいな態度で済ますことはできません。
 総理の答弁を伺っている限り、政府案には理念らしきものがあるようには私には思えません。その点、我が党案は、理念、内容において政府案に比べてすぐれた改革案だと思いますけれども、総理はどうお考えですか。総理の明快な答弁をお聞かせをいただきたいと思います。
 そして、総理は昨日、連立政権を組む際の政党数を、三つか五つぐらいとの考え方を示しました。今の八党・会派ですと、どこが必要ないとお考えなんでしょうか。(拍手)よもや社会党ではないでしょうね。
 そしてまた、きょうの今津議員の質問に対し、今の政権の姿を、羽田大臣は仮の姿、暫定的という言い方をされました、武村大臣は暫定ではないと言われました。政策の閣内不一致にも匹敵するほどの食い違いではないか、私はそう思います。
 その点を申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣細川護煕君登壇〕
○内閣総理大臣(細川護煕君) 与野党の法案の審議に関しまして、与野党の合意形成に努めるべきではないか、こういう御趣旨でございましたが、再々申し上げておりますように、今回の改正案は、今までの御論議の経過なども踏まえまして、政府としてベストのものとして国会に出させていただいているところでございまして、ぜひ十分御審議をいただき、一刻も早く成立をさせていただきたいと願っているところでございます。
 採決につきましては、これは国会の御判断によるものと思料をいたしております。
 戸別訪問解禁の根拠はいかなるものか、こういうことでございましたが、戸別訪問につきましては、候補者あるいは有権者双方からその煩わしさに耐えられないといったようなこと、あるいはまた、買収などの選挙の自由公正を害する犯罪の機会になるといったようなこと、そういう弊害が懸念をされるということで現行法上禁止をされておりますが、従来から、これについては自由化をすべきではないかといったような御議論もいろいろあったことは御承知のとおりでございます。
 今回の法案におきましては、選挙制度の改革にあわせて、政治資金制度の改革あるいは腐敗防止策の強化などを実施をすることになっておりまして、これまでとは選挙のやり方も、また有権者側の意識も変わっていくことが期待をされているのであろうというふうに思っておりますし、有権者とじかに触れ合える有力な選挙運動手段であるといったような従来からの主張、そういったようなことを考えますと、またさらには、諸外国でもほとんどが戸別訪問を禁止をしていないといったようなことを考えますと、これを一定の時間制限のもとに自由化をすることの方が適当ではないか、このように考えているところでございます。
 それから、参議院の構成や選挙の仕組みの取り組み方について政府・連立与党はどう考えるか、こういうことでございますが、昨日も御答弁申し上げましたように、今回の並立制におきましては、政党が中心となって選挙をやる、こういうことが前提になっているわけでございまして、お話の中でも出てまいりましたように、重複立候補制も認めたり、それからまた名簿登載者は政党に所属する者に限っているといったようなことのほかに、総定数あるいはまた選挙区がすべて小選挙区になっているといったようなことなどを含めまして、現在の参議院の選挙制度とは大分違っているというふうに私は認識をいたしております。
 したがって、直ちにこの並立制を導入することが二院制の意義が失われることにはつながらない。昨日もそう申し上げたところでございまして、参議院の役割、機能というものがより発揮できるようにするためにはどういう選挙制度が望ましいかということにつきましては、各党各会派間で今後十分ひとつ御論議をいただきたい、このように願っているところでございます。
 なお、参議院の連立与党におきまして、先般、参議院選挙制度に関する検討委員会がスタートいたしまして、既に検討が進められているというふうに承知をいたしております。
 地方分権についての見解いかんということでございましたが、審議会などにおきまして過去四回にわたって一括法などが出されておりますが、率直に申し上げて、まだ分権は不十分であるというふうに私も認識をいたしております。国と地方の事務配分、財源の問題ということが主たるテーマでございましょうが、この問題は、分権の問題にとどまらず、もっと基本的に、地方制度全般の根底的な問題までさかのぼって論議をしていかなければならない課題であろうと思っておりますし、いずれにしても、地域本位、住民本位の自治というものが確立をされていくために、今後大いに論議を尽くしていく必要がある課題である、大きなテーマである、そのように認識をいたしております。
 国会におきましても、また審議会の答申などもいろいろ出ておりますが、ぜひひとつ地方の主権が本当に確立をされていくように、憲法でもうたわれております。そのような趣旨が確立をされていくように、ぜひ私も努力をしてまいりたい、そのように考えているところでございます。
 それから、政党助成制度の理念、目的、必要性についてということでございますが、選挙制度を政策・政党中心の仕組みに抜本的に改めるということとともに、政治資金の公明と公正を図るために、企業などの団体献金の制限、政治資金の透明性の確保、あるいはまた公私の峻別の徹底、違反に対する罰則の強化などの措置を講ずることにいたしております。こうした改革を一体的に実現することで、民主主義のコストともいうべき政党の政治活動の経費の一部を国民の御負担にお願いをしよう、国民一人当たりコーヒー一杯分の三百三十五円の御負担をお願いをできないか、こういうことでございますが、国民全体で負担していただくという政党のこの助成につきまして、ぜひひとつ国民各位の御理解をいただきたい、このように考えているところでございます。国会で御論議をいただくのがもちろん第一だと考えておりますが、いろいろな機会をとらえまして、国民各位にも十分御理解をいただくように御説明をしてまいりたい、このように思っております。
 それから、地方への配慮に基づく法案の修正についてお尋ねがございましたが、今回の政治改革によって、国、地方政治、いずれの場合におきましても、政治家個人の政治活動のための政治資金は、政党から交付されるもののほかに、みずからが代表者である政治資金団体、資金管理団体を設置をして、この政治団体に対する個人献金に主として依拠していただくことになるわけでございますが、無所属の首長や地方議員などの場合には、地域を基盤とした個人献金により多く依拠することになるということはおっしゃるとおりだろうと思いますが、しかしこれは、公私の峻別を明らかにいたしますとともに、企業などの団体献金を政党、政治資金団体以外の者に対して禁止することとしたことに伴う結果でございますので、ぜひひとつ御理解を賜りたいものだ、このように思っております。
 政党に対する寄附の法的根拠はどうかということでございますが、政党、政治資金団体に対するものを存続させることとしておりますのは、企業・団体献金の廃止に向けての現実的な対応を考えました場合に、このような考え方は、従来の経験からいたしましても腐敗のおそれが少ない上に、政党中心の選挙の実現という今回の政治改革の趣旨からいたしましても許容されると判断をしているところでございます。ただし、これも繰り返し申し上げておりますように、政党、政治資金
団体に対する企業などの団体献金につきましても五年後に見直しを行うこととしておりますことは、既に御説明を申し上げているとおりでございます。
 政党法についてのお尋ねでございますが、議会制民主政治の主要な担い手である政党が、その期待される役割を十二分に果たしていくためには、何よりもまず政治活動の自由が最大限に尊重されなければなりませんし、政党に対して制約を及ぼす可能性のある事柄については慎重な対応が必要であろうというふうに思っております。そういう見地から、今回の制度改革におきましては、政党に関する必要な事項は、政党の内部にできる限り立ち入らないという考え方に立ちまして、公職選挙法などの個別法においてそれぞれ定めることといたしまして、政党に関する一般法としての政党法の制定は行わないということにいたしたところでございます。
 これからの我が国のありようとして、穏健な多党制と二大政党制への収れんとどちらが本来望ましいと考えるか、こういうことでございましたが、私は、これまでその望ましい姿について申し上げたことはございません。ただ、見通しとして穏健な多党制ということを申し上げてきたところでございまして、また、それが二大勢力に集約される可能性や、あるいはまた一つの勢力が一つの政党にまとまる可能性についても言及をしてきたところでございます。
 スウェーデンは、穏健な多党制でありながら、各党の提携によって二大勢力に分かれているといったようなことは御承知のとおりでございまして、スウェーデンなどは典型的な例かと思いますが、穏健な多党制というものと二大勢力というものは必ずしも相矛盾するものではないというふうに理解をいたしております。今後、我が国の政党制がどのような姿をとるかということにつきましては、そのときの政治状況や政党側の対応というものもございましょうし、何よりも、最終的には国民の選択によるものであるというふうに考えているところでございます。
 自民党案は、理念、内容において政府案に比べてすぐれた改革案だと思わないか、こういうお尋ねでございますが、自由民主党が改革法案を取りまとめられて提案をされた御努力には敬意を表する次第でございますが、政府案は、これまでの国会における御審議なども踏まえまして、また過去の審議会等々における御論議も踏まえまして、繰り返し申し上げますように最善のものとして提出をさせていただいているわけでございまして、ぜひとも今後の御審議を通じまして御賛同をいただけるものと期待を申し上げているところでございます。
 残余のお尋ねにつきましては、関係大臣からお答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣羽田孜君登壇〕
○国務大臣(羽田孜君) 住さんにお答えいたします前に、先ほど今津さんから御質問のありました中で、日の丸や君が代を国旗・国歌と認めない人と何ゆえ一緒に政治行動をするのかというお話でありました。
 この点につきましては、予算委員会でも実は御質問がございまして、それぞれの大臣からお答えをした中で、これを認めますということを申されております。そして、メージャーさんあるいはエリツィンさん、この方々を迎賓館でお迎えをいたしましたときに、まさに国歌が奏され、そして国旗が掲げられる中でこれをお迎えをいたしておるということを申し上げたいと存じます。
 それから、今、住さんの方からの御質問でございました、この審議に当たって採決を強行するのじゃないかという実はお話がありましたけれども、これは総理からお話がありましたように、これはまさに国会の中の御議論の過程の中で、強行というのは、引き延ばしというようなそんないろいろな問題で、今まで我々対比にして実は使ってきた言葉であったわけであります。
 ただ、選挙制度というのは、これは民主主義の土俵でございます。こういうことでございますから、与野党の合意形成、これに努めながら、各党の皆様の理解をいただきながら、そしてやはり一日も早く成立させていただけるように御協力をお願いしたい、このことを申し上げたいと存じます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣山花貞夫君登壇〕
○国務大臣(山花貞夫君) 住議員から、社会党が問答無用のかたくなな姿勢をとっているのではないかとの趣旨の御質問をいただきましたが、私が閣僚として承知しているところを申し上げますと、社会党においては、連立与党の合意を踏まえ、その合意に誠実に対応しつつ改革の実現を目指しているものと承知しております。
 今回の四法案につきましては、連立与党各党の合意のもとに、内閣として最善のものと判断して御提案させていただいており、担当閣僚としても、十分御審議を賜り、各党各会派の御理解と御協力を得て早期に成立させていただけるよう念願しているところでございます。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
○国務大臣(武村正義君) 地方分権についての住議員の御見解は、ほぼ私と同じであります。ぜひ、政治改革を本当に実りあるものにするためにも、この四法案が成立した後、地方分権に真剣に取り組んでいかなければいけないという認識を持っております。
 私は、地方分権には二つの視点があると思っていますが、一つは法律制度の面であります。したがって、おっしゃるような財源とか権限を思い切って中央から地方に移譲するということであります。もう一つの視点は、日本の国のあり方であります。あるいは町や地域のあり方と言ってもいいのかもしれません。戦後四十八年を経て立派な国になりましたが、何といっても画一化してしまったということの反省に立ちますと、もう一度、北海道から沖縄まで、この日本列島の自然や歴史の特色を生かしながら、個性のある、バラエティーのある日本の国をつくり直していこう、この視点があると思っております。
 いずれにしましても、この大事な問題に一生懸命努力をしていきたいと思っております。(拍手)
    〔保岡興治君登壇〕
○保岡興治君 住議員にお答えいたします。
 政党法の必要性いかんということでございました。
 政府及び我が党は、政治改革関連法案の中で、新選挙制度のもとにおける政党の公的役割の増大に着目して、新法として、政党の日常活動費の一部を公費によって賄うことを目的とした政党助成
法を提出しています。しかし、政党助成法は、公金の支出を受けることができる政党の要件については規定をいたしておりますが、そもそも政党とは何かという政党の存在そのものを法的に位置づけているわけではありません。したがって、政党助成法の根拠法として、政党の存在そのものを法的に認知せしめるための政党法を制定する必要があると考えます。そういった意味で、政党法によって、政党助成法によって国民の税金を受ける、こういう観点を重視して、それに伴う政党の権利義務を明らかにする必要があると考えています。
 また、一連の政治改革の制度改革ができ上がって、新しくスタートする政治においては、政党政治のあり方ということが制度の成否を決める本当に重要な意味を持っております。そういった意味を踏まえて、我が党としては、既に政党法の検討に着手いたしているところであります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(土井たか子君) 熊代昭彦さん。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔熊代昭彦君登壇〕
○熊代昭彦君 私は、自由民主党の新人、熊代昭彦でございます。私は、自由民主党・自由国民会議を代表しまして、中でも特に新人を代表しまして、政府提出の政治改革関連法案に関して質疑を行うものであります。
 私は、昨年の初めまで、厚生省に約二十九年勤めた公務員でありました。その間に、米国の大学院に二年間留学してアメリカの政治などを勉強し、また、約十年前まではニューヨークの国連に三年出向して働いておりました。昨年初めからは、郷里岡山に帰り、岡山一区の隅々まで歩いて草の根政治活動を展開して、多くのすばらしい方々に出会い、多様な意見を吸収してまいりました。
 その過程で、私は、日本の行政と政治の裏も表もしっかりと見せていただいたと自負いたしております。また、米国在住合計五年の間に、米国の生活と日本の生活を比較しながら、日本のあり方を客観的に見る目を養うことができたと考えております。
 その中で私が感じたことは、日本の政治の大切さということでありました。日本の政治の評価は、日本の学者やマスコミの間では余りよくはありませんが、私が何年もかけて追求して学んだことは、日本の政治は、アメリカやヨーロッパの政治に比べ、日本のマスコミや一部の社会科学者の人たちの言い立てるほど悪くはないということでした。日本の将来を選択するという大切な機能を、これまでしっかりと担ってきております。
 しかし、政治腐敗などの大きな問題も生じてきたことも事実です。今我が国に必要なことは、日本の政治制度のおくれや悪さをヒステリックに言い立てることではなくて、現行の制度と新しく提案された制度の利害得失、プラス・マイナスを冷静に比較して、冷静に判断することであります。
 そのような観点に立つとき、今大変気になることがあります。それは、選挙制度について、我が国マスコミと学者の大部分が中選挙区制を制度疲労の一言で片づけ、よい点にはいささかも言及することなく、小選挙区のよい点を、大した根拠も冷静な反省もなく言い立てたことであります。これは極めて異常なことであると言わざるを得ません。
 歴史をひもとくとき、マスコミがこぞって同一方向の報道をし、世論を一定方向に導こうとするとき、我が国は大きな過ちを犯しました。その典型的な例が、戦前の軍部の独走に対するマスコミの一方的な肩入れであります。今も同じ過ちを繰り返そうとしているのではないでしょうか。我々がつくった政府だから多少の過ちは、あるいは大きな過ちも大目に見ようというマスコミの態度は、時の政権に対して一定の距離を保って冷静に批判するというみずからの使命を忘れてしまっているのではありませんか。(拍手)
 細川総理、今マスコミがあなたに追い風を送っているからといって、調子に乗って歴史に汚点を残すような総理にどうかならないでいただきたい。これをまずお願いしておきます。
 ここでお断りしますが、私は、自由民主党の党議に反する議論をこれから展開しようとしているのではありません。政党人として党議をあくまでも尊重することは当然の義務であり、私はあくまでも党議に従って行動してまいります。しかし、今回の政治改革は、今後四、五十年の日本の政治の命運を決めるものであると思いますので、これまでの惰性に流されることなく、根本的、根源的な質問をさせていただきたいと考えております。それこそが、今生き生きと再生を始めた自由民主党が、これまでの慣例を破り、本会議での名誉ある質問の機会を全くの新人の私に与えてくださった意義を本当に生かす道であると信ずるからであります。(拍手)また、自民党とほとんど全く政策の同じ連立与党が成立してしまったということは、これまでの議論の前提を全く変える状況が生じたということであります。これまでの議論をこの新しい環境下に根本的に問いただしてみることが、全国有権者に対する我々代議士の義務であるとも信ずるからであります。
 まず第一に、小選挙区制導入の真の目的を総理にお尋ねいたしたい。
 小選挙区制度にすれば選挙に金がかからなくなるとか、政治腐敗の防止に自動的につながるというような意見が俗論であることは、総理も同意されることと思います。政治腐敗を防止することは本当に大切なことであり、国民の多くが切に望んでいることでありますが、これらは小選挙区導入で解決できるものでないことは、昨日の我が党の保岡議員の体験的な御指摘で明らかであります。また、日本で過去に何回か実施されました小選挙区制度による選挙が著しい金権選挙となったことは、周知の事実であります。
 小選挙区導入の唯一のメリットとされていることは政策・政党本位の選挙ができることであることは、政府案及び我が党の案の提案理由にそれのみが掲げられていることでも明らかであります。このことは、小選挙区制の主たる推進者である小沢一郎氏もはっきり述べておられるところであります。小選挙区で政策本位の選挙をすることによって、少数意見を過度に尊重することなく、すなわち、それを思い切って切り捨てて、国の大きな政策転換をスムーズに行うことができるようにすることが小選挙区の真の目的であるといろんな機会に述べられており、自衛隊の扱いをめぐる憲法改正をも見据えた考え方であることは明らかであります。
 ところが、連立与党が成立して、この理由づけの前提条件が怪しくなってまいりました。連立与党は、自民党の政策をそのまま継承すると言っております。政策のほぼ全く同じ二大勢力が一人ずつ候補者を立てるとき、小選挙区で政策の違いによる選挙が行われる余地が全くなくなった。残るのは、サービス合戦、情実選挙だけではないでしょうか。保岡議員が戦慄を持って思い起こしておられる奄美大島選挙が、全国に広がることになってしまいます。
 私は、小選挙区制度を導入するに当たって、有権者の方々に本当に納得のできる、これまでと違う新しい理由を挙げなければ、選挙制度の改革の本当の推進力は出てこないのではないかと思っています。政府案、自民党案に共通の問題でありますが、ここは政権を担当しておられる総理から明快な答弁をお願いいたします。
 次に、小選挙区制に並立して比例代表を採用する理由に関して伺います。
 この理由は、一言にして言えば、少数政党の少数意見の尊重でありましょう。しかし、これを過度に尊重するならば、小選挙区導入の目的は全くあいまいになってしまうのではありませんか。それならば、現行中選挙区制の方がはるかによいのではないでしょうか。少なくとも、二百五十の比例代表を入れるのは、現状を固定して波風を立てまいとする小心翼々とした態度であります。もし比例代表の二百五十に固執するならば、細川さん、あなたこそが真の守旧派です。守旧派の汚名を私は甘んじて受けますとの率直な御答弁をいただかなければ、私は納得できません。
 どうしても小選挙区制を導入するならば、すべてを小選挙区制にしなければ中途半端であります。我が党の三百小選挙区はぎりぎりの妥協ラインだと思いますが、総理の御見解をお伺いいたしたい。
 次に、政府案では、比例代表を全国一本にすることにしていますが、これは、地方の時代、地方分権の時代に逆行するのではないかと思います。
 具体例を我が国山県を例にとって申し上げます。現在、岡山一区、二区各五人で十人の代議士がおります。政府案ですと、これが四区で四人になります。六人も減ってしまう。比例の中に理論的に四人計算されていることになるが、それが現実に岡山県の代表になる担保がありません。その担保がなければ、地方の時代を実現するための勢力を著しく減らしてしまう時代錯誤の政策ではありませんか。総理は、これを担保するためにどのような方策を考えておられるのか、お伺いいたしたい。もし明確な回答がおできにならないならば、率直に自由民主党案に対して脱帽していただきたいと思います。(拍手)
 さらに根本的問題があります。それは、小選挙区の定数の各都道府県への配分を人口比例にすることであります。
 中選挙区では、人口比三倍未満は最高裁の判例でも許容されていました。これは、過密・過疎問題で、過疎の地域の発言力の弱さを補う目的があったと思います。それをいきなり都道府県別定数の配分では人口比一対一に改めてしまうのは、革命的改悪ではないかと思います。地方の人たちは大変に心配しております。我々が望んでもいない小選挙区案に血道を上げた上に、我々の代表を大幅に減らし、関東圏、近畿圏に代議士の数をどっと移してしまう。過疎地の声はますます小さくなり、首都圏の声がますます大きくなり、首都移転もできなくなってしまいます。その行き着く先は、過疎の滅亡であり、首都圏の過密による爆発的滅亡ではないかと、本当に心配しておられます。
 総理、このような問題をどのように解決されるのですか。総理のいすが欲しくて変節し、そのいすに恋々として国の将来を大きく誤ってしまうことが、あなたの目的なのでありましょうか。この大きな問題については、定数をあらかじめ一つずつ各県に配分するような小手先細工では、何の解決にもなりません。この問題は自民党案にも共通でありますが、マスコミの追い風に乗った政府こそ、根本的解決案を打ち出すべきであると考えます。それができないならば、真の世論に忠実に、政治腐敗の防止策だけを優先して、小選挙区制の実施をもう少しじっくり考えた方がよいのではありませんか。総理の明快な答弁を求めます。
 次に、政治家の政治団体への企業・団体による政治献金の禁止について伺います。
 政府案はこれを禁止しましたが、これは本当に政治を浄化する道でしょうか。昨日及びきょうの我が党の津島議員の答弁でも明らかなように、欧米先進国で政治家に対する企業・団体献金を全面的に禁止している国はありません。企業献金は見返りの利益を求めるからとの理由づけがなされていますが、個人献金ならば見返りの利益を求めないとするのは子供じみた議論ではありませんか。企業も個人も、見返りの利益を求めることもあり、正当なルールに従った政治献金をすることもあるというのが、本当にまじめな議論でありましょう。
 企業・団体にも個人にも正当なルールに従った政治献金をしてもらえるような制度をつくることが、見かけ倒しのまじめさではなく、真のまじめさでありましょう。自民党案こそが真のまじめな案であります。
 政府案は、アル・カポネの時代の禁酒法にそっくりです。一見まじめそうに見えるが、実はやみ酒の横行、それを資金源にした暴力団の頭領アル・カポネが栄えることになります。裏金を受け取ることを平気で行うことのできる者のみが生き残り、裏金を受け取ることを潔しとしないまじめな政治家は消えていくことになります。
 連立与党の某実力者に対する某宗教団体の巨額な裏金提供のうわさがちまたに横行しております。真偽のほどは知りませんが、総理、あなたは、個人献金の困難性を十分知りつつこのような法案を出して、日本のアル・カポネの出現を待ち望んでおられるのですか。明快な御答弁をいただきたいと思います。
 次に、一つだけ我が自民党について意見を申し述べさせていただきます。
 我が河野総裁は、政治改革の実現するときまでに派閥を解消することを約束されました。私は、派閥を真の政策集団にするためには、個々の派閥を党に発展的に解消し、党則を定め、明確な政策を掲げ、わかりやすい明快な手続で党首や党役員を選び、自由民主連合に代表を送る、そのような思い切った党改革が、政治改革を支える自民党としても必要ではないかと考えております。五党か六党の自由民主連合と八党派の連立与党、なかなか多彩な二大政治勢力になると思いますが、いかかでございましょうか。これに対してはどなたにも答弁をいただかなくて結構でございます。
 次に、アグリーメント・ツー・ディファーについて伺います。
 これは、イギリスの内閣や政党における慣行でありまして、異論の協定とでも申すべきでございましょうか。しばしば内閣不一致でお困りになっている細川内閣でもぜひ研究なさると大変お役に立つと思います。
 私が申し上げたいのは、連立与党内でも小選挙区制度の導入については異論のある方も大変多いようでありますので、アグリーメント・ツー・ディファーを適用されたらいかがでございましょうかということです。今後、日本の四、五十年の政治の命運を決めようかという問題で、ファジーな新しい政治を断行されている細川総理が、義理人情で人の自由な意思を縛るのはまことに情けないと思われませんか。御提案の案が自信のある案ならば、ぜひ異論の協定をして、連立与党二百六十四名に良心に忠実な投票を許すことをお勧めいたします。そうすれば、自由民主党も直ちにそのよき先例に従うことは間違いなしであると思います。総理の明快な答弁をお願いします。
 最後に、いろいろとこれまでの流れからすれば、お気にさわることを申し上げたと思いますが、私は、我が選挙区でも一番くそまじめな、一番正直な候補と評価されてまいりました。一票一票を金や情実で買うことのないよう、本当にまじめな選挙の実現を心から望んでいる者でございます。ここまで来たのだからもうしょうがないなどというのではなくて、本当に納得して、大きな改革の一歩を踏み出したいと心から願うものであることを申し上げて、質問を終わるものであります。(拍手)
    〔内閣総理大臣細川護煕君登壇〕
○内閣総理大臣(細川護煕君) 連立与党と自民党との政策に差がない状況下で、小選挙区制を導入するに当たって新しい理由を挙げる必要があるのではないかという趣旨のお尋ねでございましたが、今回の選挙制度改革に当たりましては、政策中心、政党中心の選挙制度の確立を目指して、並立制を導入をしようということでございます。小選挙区選挙につきましては、各政党を代表した一人ずつの候補者が政策を掲げて競い合うことになるわけでございますし、連立政権が従来の国の政策の基本は継承したにいたしましても、政策の全体としては基調を異にしているものでございますし、現行中選挙区制のもとにおけるようないわゆる同士打ちというものは、同士打ちを背景としたような御指摘のようなサービス合戦といったようなことははるかにこれは少なくなってくるであろう、そのように認識をしているところでございます。
 それから、小選挙区制導入の目的は、比例代表を過度に重視をするとあいまいになるのではないか、小選挙区三百というのがぎりぎりの妥協ラインだと思うかどうか、こういうことでございましたが、この両方の定数につきましては、それぞれの制度の持つ特性を相互補完的に生かしていこうという考え方に立って二百五十ずつにしたということでございまして、小選挙区の定数が比例代表制と同数であるからといって、民意の集約あるいは国民の政権選択の意思というものが明確に示されるという小選挙区制の持つ特性が発揮されないことはない、そのように私は認識をいたしております。
 都道府県の代表を減らさないための担保としてどのような方策を考えるかというお尋ねでございましたが、比例代表選挙を全都道府県の区域を通じて行うことといたしましたのは、多様な民意をそのまま選挙に反映をするという比例代表制の趣旨を徹底しようという趣旨から出たものでございます。もともと、全国民を代表する国会議員を選ぶための比例代表の選挙の単位の問題と、国、地方公共団体という行政機関の間の事務配分に関する地方分権の問題や地域振興の問題というものは、必ずしも直接結びつくものではないというふうに私は考えております。(拍手)
 小選挙区の定数を人口比例によって定めることは過疎・過密の問題を悪化させることにならないか、解決できない場合に政治腐敗の防止策を優先して実施すべきではないかと、こういうことでございましたが、各都道府県への定数の配分につきましては、投票価値の平等性の確保の必要性がある一方で、過疎地域への配慮などの視点も重要であることから、人口の少ない県に対しまして定数配分上配慮をして、各都道府県にまず一人配分をした後に、残余の定数を人口比例で配分をすることにいたしているところでございます。
 過密・過疎対策は極めて重要な問題だと認識をしておりますが、今後とも積極的に取り組んでまいらなければならないと、もちろんそう思っておりますけれども、政治改革につきましては、選挙制度と政治資金制度のあり方や腐敗防止の問題は相互に密接な関連を持っておりますので、あくまでも、これも繰り返し申し上げておりますように、一体として成立を図るように、ぜひひとつ御理解をいただきたい、このように思っております。
 企業・団体献金の禁止と禁酒法のような問題にも解れてのお話がございましたが、企業などの団体献金のあり方についていろいろ御意見があることは承知をいたしておりますが、近年続発をしております政治と金にまつわる問題について、何よりもこれは企業などの団体献金に起因することに大きな原因があるということにかんがみますと、政党、政治資金団体以外の者に対する企業などの団体献金は禁止をすべきであろう、そのように考えているところでございます。政治に対する国民の不信を解消するためにこのような厳しい制限を設けることとしたわけでございますが、このたびの改正法案におきましては、法に違反した場合には公民権の停止など厳しい制裁を科することにしているところでございますし、政治資金規制の実効性というものは十分確保できているのではないか、そのように考えております。
 いずれにしても、このような制度的措置に加えまして、政治倫理も厳しく問われているところでございますし、日本のアル・カポネについては御懸念に及ばないのではないかというふうに思っております。(拍手)
 小選挙区制の導入につきまして、連立与党内で、言うなれば異論の協定をして自由投票にする考えはないか、こういうことでございましたが、今回の連立政権は、八党派がそれぞれ政党、会派としての責任において連立政権の合意というものを締結をして樹立をしたものでございます。政治改革は、その連立政権の合意の最重要事項でございますから、お話がございました異論の協定を行うということは、この連立政権の存在そのものにかかわることでございますし、そのものを否定することにつながるわけでございますから、したがって、そのようなことは考えておりません。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(鯨岡兵輔君) 米田建三君。
    〔米田建三君登壇〕
○米田建三君 私、米田建三は、自由民主党・自由国民会議を代表して、政府から上程された政治改革関連法案に関して質問いたします。
 言うまでもなく、政治改革の最大の目的は、我が国の議会制民主主義を健全に発展せしめ、より民意を反映し、かつまた、内外の激変する諸情勢に政治が迅速かつ的確に対応し、もって国家の隆盛、国民生活の福利向上に寄与することにあります。したがって、今回の政治改革は、まさに国家百年の計にたえ得るものであると同時に、国民の広い理解に基づくものでなければなりません。ところが、この間、各党から目まぐるしくさまざまな案が提示されては消え、責任ある政党が短期間のうちにその方針を変更するなどの、まことにぶざまな経緯を経て今国会に至ったのであります。
 私は、今回の総選挙で初当選した一期生であります。この間の経緯にかかわらなかっただけに、素朴な視点から質問をさせていただきたいと思います。
 地方議員を経て、総選挙に至る数年間、私は民間の一政治活動家として、草の根の国民の声をつぶさに聞いてまいりましたが、その間、政治改革、特に選挙制度改革について、いろんな案が出ては消え、その内容、是非がさっぱりわからないという声が圧倒的であることに実は愕然としたのであります。
 最近の報道機関等の世論調査を見ても、国民が新政権に優先的に取り組んでほしい課題は、まず円高・景気・物価対策、そして医療・福祉・年金問題、政治腐敗の防止、税制の見直しと続き、次に選挙制度改革となっているのであります。国民の間には、今回の選挙制度改革案は、理念に基づく真の改革にあらずして、改革に名をかりた党利党略、政治的駆け引きの結果の妥協の産物ではないかという疑いすらあるのであります。政治改革の年内成立を公約した細川総理としては、この選挙制度改革に対する国民の期待度の低さをどのように受けとめておられるか、お尋ねをいたします。
 さて、地方政治こそ民主主義の原点であることは論をまちません。私も地方議員の経験者でありますが、政党政派を問わず地方議員は、国民の日々の暮らしに密着したニーズを切実に受けとめながら、それを政治に反映すべく日々努力を重ねているのであります。この地方政治が停滞し、活力を失うようなことがあれば、民主主義はその根幹から揺さぶられることとなりましょう。
 憲法二十一条に規定された政治活動の自由は、国政、地方を問わず保障されるべきものであります。その保障の裏打ちが政治活動資金の確保であることは厳然たる事実であり、そのため、政治資金規正法は国会議員、地方議員を通じて適用されているのであります。政党本位の選挙制度を目指すという建前のもとに、政党にのみ企業・団体献金を認めるという考え方は、余りにも地方を無視した国政本位の考え方と言えませんか。
 政党への公費助成により、政党の地方組織や政党所属地方議員には政党内において何らかの措置が講ぜられる余地がありますが、実は大半の地方議員が無所属なのであります。ちなみに、平成四年十二月三十一日現在の市区町村議員数は六万二千四百六十四人で、そのうち無所属議員は四万九千八十一人に達し、七八・六%を占めております。また、市区町村長については、三千二百五十一人で、そのうち無所属は実に三千二百三十四人と、九九・五%を占めているのであります。
 このような地方政治家に対する配慮をただした昨日の我が党の鹿野議員の質問に対し、総理、あなたは、無所属地方議員の場合、個人献金に限られるが、国民の政治不信解消のための措置として理解、協力いただけるものと考えると答弁されました。これは、実情を無視した無責任きわまる答弁と断言せざるを得ません。(拍手)無所属地方政治家が置かれる苦境は、事実上の政治活動の制限であり、憲法二十一条に抵触するおそれすらあるのであります。
 政治家への企業献金を禁止している例は、アメリカを除けば、世界に見ることはまれであります。大事なのは節度と透明性ではないでしょうか。二つの資金調達団体に限定し、一つの団体に対し月額二万円までの制限を課し、年間五万円を超える寄附については公開することとした我が党案は、国民に理解され、許容される範囲内であると確信いたしますが、総理の御所見を伺います。
 なお、現在、政令指定都市議員以上の特定公職の候補者については、その後援団体に対する個人献金は、租税特別措置法第四十一条の十六によって税制上の優遇措置が受けられることとなっております。すなわち、優遇措置の内容は、寄附金控除であり、所得控除の一種で、年間総所得の二五%を上限として、特定寄附金から一万円を差し引いた額を総所得から控除できるというものであります。しかし、この優遇措置については、市区町村の長、議員に関しては対象外となっております。著しく不公平であるとはお思いになりませんか。この際、特定公職の候補者以外の一般市区町村長、議員に対しても、その後援団体に対する個人献金について、特定公職の候補者同様、税制上の優遇措置を講ずるべきだと考えますが、総理のお考えを伺いたいと思います。
 次に、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案に関して質問いたします。
 政府案では、事実上、小選挙区の区割り案の決定を政府部内に置く機関にゆだねることになるのであります。国民の間に、その政治的中立性と公正さに対する疑念が広く沸き上がっているのも当然でありましょう。
 委員は、七人をもって組織し、国会議員以外の者であって、識見が高く、かつ、衆議院小選挙区の改定に関し公正な判断をすることができるものを内閣総理大臣が任命し、場合によっては両議院の事後の承認もあり得ることとなっております。この七人から成る審議会が、いかにして行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的な全国の区割り案を策定できるのか。審議会が地域社会の実情を真に理解できるのかどうか、甚だ疑問とせざるを得ません。
第八条に「審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。」とありますが、「必要があると認めるとき」ではなく、地方の意見を求めることを必須条件とすべきではないか。総理のお考えを伺います。(拍手)
 また、委員について、「識見が高く、かつ、」「公正な判断をすることができるもの」とありますが、極めてあいまいであります。総理は、どのような人物像を思い描いておられるのか。政治的公正さ、中立性が重要であるべきこの審議会の委員がどのような人々によって構成されるのか、国民の極めて重大な関心事であります。総理の具体的なお答えを求めます。
 さらに、選挙区の区割りを審議する委員が行政府の長である総理大臣の任命によることは、院の自立、三権分立の大原則に反するものであります。やはり、我が党が主張するように、衆議院のコントロール下に画定委員会を置くことが当然と考えますが、総理のお考えを伺います。(拍手)
 さて、小選挙区制の導入により、一選挙区の平均人口は、我が党案では約四十一万人、政府案では約四十九万人となり、従来の選挙区よりもその範囲が狭くなります。今日のマスメディアの発達等にもかんがみ、これまでの選挙運動期間を短縮するお考えはありませんか、佐藤自治大臣にお尋ねいたします。
 また、我が党は、街の美観を損ねたり政治活動費用の増大の一因ともなっている事前ポスターについて、一定期間禁止するべきだと主張してきましたが、これについてどのようにお考えになりますか、同じく佐藤自治大臣にお伺いいたします。
 政府案では、比例代表選挙において、得票率三%未満の政党には当選人は配分しないといういわゆる三%条項があります。我が党の鹿野議員が昨日の質問で疑義を述べたのに対し、総理は、小党分立を防ぐための必要かつ合理的制約であり、法のもとの平等には反しないとお答えになりました。
 そもそも、政府案の全国単位の比例制の導入は、少数政党に配慮したものであったはずではありませんか。さきの総選挙の有効投票総数は約六千三百万票。とすれば、実に百九十万人もの国民の意思が切り捨てられるのであります。小党分立を防ぐという総理の御答弁は、みずからの主張と矛盾するばかりか、まさに法のもとの平等を保障した憲法の理念に反する理不尽かつ不当な考え方であると言わざるを得ません。重ねて総理の見解をお尋ねいたします。
 次に、昨日、我が党議員が質問をいたしましたテレビ朝日の報道局長発言の件についてお尋ねいたします。
 先月二十一日、日本民間放送連盟の第六回放送番組調査会において、テレビ朝日の椿取締役報道局長が、さきの総選挙に関し、「非自民政権が生まれるよう報道せよ」と指示し、「公正な報道に必ずしもこだわる必要はない」、また、今総選挙で当選した四人の代議士の実名を挙げながら、「選挙中、積極的に報道し、バックアップした。この人たちの当選はわれわれテレビのおかげと考えている」などと発言したことが、十月十三日の新聞で報道されました。
 事実であれば、これはもはやファシズムであります。マスコミ媒体を利用したファッショであります。国民を知らず知らずのうちに洗脳するという意味では、武力によるファシズムより悪質ではありませんか。各党議員に訴えます。時の流れの中で、皆さんの党がこのようなファッショ的攻撃のターゲットとなったら、どう思われますか。これは議会制民主主義への挑戦なのであります。(拍手)
 総理は、我が党議員の質問に対し、現在、関係者から聴取中であり、コメントは差し控えたいと答弁されました。このことが事実とすれば、我が国の健全な民主政治の存亡にかかわる極めて重大な問題であり、真相の究明は一刻の猶予もなりません。選挙の公正さが報道機関の恣意的な報道によって歪曲されたとすれば、そもそも選挙を行う意味が失われてしまうからであります。
 報道機関の実務責任者が「非自民政権が生まれるように報道せよ」と現場に指示することが、報道の自由に含まれるのでありましょうか。公職選挙法第百五十一条の三は、一般放送事業者が行う選挙報道は、表現の自由を濫用して選挙の公正さを害してはならない旨規定しており、また、放送法第一条も、放送の不偏不党や、放送が健全な民主主義の発達に資するものであるべきこと、さらに同第三条の二では、放送番組の編集に当たっては政治的に公平であることを明記しております。
 総理は、事柄の重大さにかんがみ、既に調査を終えられたものと思いますので、細川総理、佐藤自治大臣、また神崎郵政大臣に、今後の対応について明確な答弁を求めます。
 なお、我が党は、今後、関係各委員会での証人喚問を含め、本件の真相を徹底的に究明してまいります。
 さらに、総理にお伺いいたします。
 けさほどの新聞報道によると、総理は、昨夜の政治改革推進協議会の席上、「自民党は引き延ばしばかりで意地が悪い。ヤクザみたいだ」と言ったとございますが、今国会を初め、我が党はこれまで意図的に審議引き延ばしを図ったことは一切ないのであります。総理は何か焦られてこのような発言をされたとするならば、まさに公党に対する誹謗、中傷に当たりますので、自由民主党としては重大視するものであります。ここに明確に御訂正を願いたいと思います。
 以上をもちまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣細川護煕君登壇〕
○内閣総理大臣(細川護煕君) 選挙制度改革についての国民の期待度の低さをどのように考えているかということでございますが、報道機関による世論調査の見方もいろいろあると思いますが、並立制への賛成が五割を超えておりますし、六割を超える方々が今国会での改正法案成立を期待をしておられるという調査結果も出ていたと承知をしておりますし、選挙制度改革を含めた政治改革に対する期待度が低いとは思っておりません。
 また、選挙制度は、技術的な性格の強い問題でもございますし、なかなか理解しにくい一面があるということは事実だろうと思っておりますが、それだけ政治家の責任が重くなることにも我々はお互いに留意をする必要があろう、このように思っているところでございます。
 次に、企業献金に係る自民党案についての所見はどうかということでございましたが、企業などの団体献金のあり方について、いろいろ御意見があることは承知をしておりますが、最近の政治腐敗事件の多くが、政治家をめぐる企業などの団体献金によるものが多いといったようなことを考えますと、このたびの法案では、政党、政治資金団体以外の者に対する企業などの団体献金は禁止をした方がいいであろう、そういうことで、そのような法案を出させていただいているということでございます。
 御指摘のような無所属の地方議員の場合には、推薦する政党からの交付金のほかに、地域を基盤とした個人献金に依拠していただくことになるわけでございますが、政治に対する国民の不信を解消するために、このような厳しい制限を設けることにしたわけでございまして、関係各位の御理解と御協力をいただきたいと願っております。
 政令指定都市議員以上の特定公職候補者の後援団体に認められている現行の税制上の優遇措置を、一般市町村長、議員に対しても適用すべきではないか、こういうことでございましたが、現行の政治献金に係る寄附金控除の特例は、個人の政治活動に関する寄附の慣習化をねらいとして設けられたものでございますが、国税としての税制上のインセンティブということでありますことから、その政治活動の広域性、さらには適正な執行の確保という観点を踏まえてその対象範囲が定められているものと承知をいたしております。したがいまして、こうした制度創設の趣旨などにかんがみまして、そのような事情にない一般の市町村の首長さんあるいは議員にある者の後援団体などに対する寄附についてまでこの特例を拡大することは、適当ではないと考えているところでございます。
 選挙区の画定審議会につきまして、地方の意見を求めることを必須条件とすべきではないか、あるいはその委員の人物像はいかがなものか、衆議院のコントロール下に委員会を置くべきではないかというお尋ねがございましたが、審議会はいわゆる第三者機関でありまして、地方の意見の聴取なども含めまして、その審議の進め方は任命された委員の合議にゆだねることとしているところでございまして、行政区画、地勢あるいは交通などの事情を総合的に考えて、客観的で公正な判断が行われることを期待をいたしております。
 委員の任命は両議院の同意が前提となっておりますが、小選挙区の改定に関して専門的に調査審議を行うものでありますし、例えば選挙制度に造詣の深い学者あるいは実務経験者など、選挙制度に関しましても相当程度の学識経験を持っておられる方で、公正な判断をいただけるような方々にお願いをいたしたいと考えているところでございます。
 なお、国会議員の選挙の区割り案の作成につきましては、従来から、総理府に置かれる選挙制度審議会の所掌事務とされていたところでございますが、今回、制度として定期的に区割りを見直すための常設の専門的な調査審議機関として独立の組織を設置するに当たりましては、選挙制度審議会の例に倣ってこれを総理府に置くこととしたところでございます。
 三%条項についてお尋ねがございましたが、比例代表選挙を全国を単位として行うことといたしましたのは、多様な民意をそのまま選挙に反映するという比例代表制の趣旨を徹底しようとしたためでありまして、一方、三%のいわゆる阻止条項を設けておりますのは、政権を争う政党間の政策論議の場である衆議院が小党分立になるのを防いでいこうという観点からのものでございまして、全国を単位とする比例代表制という選挙制度の特性を踏まえた必要かつ合理的な制約であると考えております。合理的な制約である限り、法のもとの平等に反するものではないということを再三申し上げてきているところでございます。
 テレビ朝日の報道局長発言についてのお尋ねでございましたが、選挙に関する報道、論評に関しましては、公職選挙法第百五十一条の三におきまして、選挙放送の番組編集の自由を保障しつつ、「虚偽の事項を放送し又は事実をゆがめて放送する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。」こととされ、また同法百五十一条の五では、特に認められている場合を除いて、放送設備を使用して選挙運動のための放送を行うことができないものとされていることは、先ほど御指摘があったとおりでございます。
 具体の事案というものが法に違反するかどうかにつきましては、あくまでもこれは行為の実態に即して判断されるべきものであろうと思いますし、具体的な事実関係は現在調査中でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
 放送法上の問題につきましては、第一条におきまして放送の不偏不党、第三条の二におきまして放送番組の政治的な公平性の確保などを規定をいたしております。いずれにいたしましても、テレビ朝日の報道局長の発言につきましては、現在、郵政省におきまして関係者から順次事実関係を聴取している段階でございまして、今後さらに事実関係の把握に努めまして、適切に対処してまいりたいと思っております。
 それから、いわゆるやくざ発言につきましてでございますが、一部新聞の報道につきましては私も承知をしておりますが、そのようなことを口にした事実は全くございません。そのようなことも、関係者にも確認をいたしましたが、そのような事実はないということの確認をいただいております。
 残余の質問につきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣佐藤観樹君登壇〕
○国務大臣(佐藤観樹君) 衆議院の選挙運動期間の短縮に関する御質問でございますけれども、御承知のように、昨年衆議院も公選法が改正をされまして、十年ぶりに一日短くして十四日間というふうになったわけでございます。今度の制度で選挙区の面積が小さくなるし、メディアの時代だからもっと短くしたらどうかという御意見でございますけれども、これは選挙運動を行う側の候補者や政党側の立場だけではなくて、政見を知る立場にあります有権者の方々の事情ということもやはり考慮しなければなりませんし、政見放送の実施とかあるいは選挙公報の発行など、具体的な選挙の執行、管理の面におきましてもなかなか困難な面が生じてまいりますので、短縮ということにつきましては慎重に検討する必要があると考えております。
 それから、いわゆる事前ポスターの一定期間の禁止の問題でございますけれども、選挙前になりますと、演説会の開催告知のためのポスターが多数掲示をされている実態があり、これらの中には氏名宣伝のための文書図画と非常に紛らわしいものが多くて、政治に金がかかる原因となり、あるいは街の美観を壊すのではないかという批判や議論があることは私も十分承知をしております。ただ、これらのポスターの掲示を法律で一定期間一律に禁止することにつきましては、その制約が合理的理由に基づく必要かつ合理的なものであると言えるかについて、表現の自由あるいは政治活動の自由を保障した憲法二十一条との関係を含め、慎重な検討が必要かと考えております。
 それから三番目の、テレビ朝日の報道局長の発言の問題が公選法違反ではないかという御指摘の問題でございますけれども、これは既に総理がお答えしたことでいわば尽きておると思うのでございますけれども、自治省の立場から申し上げさせていただきますと、米田議員御指摘のように、選挙に関する報道、評論に関しては、公選法百五十一条の三において、選挙放送の番組編集の自由を保障しつつ、「虚偽の事項を放送し又は事実をゆがめて放送する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。」こととされ、また同法、公選法ですね、百五十一条の五では、特に認めている場合、すなわち政見放送と経歴放送でございますけれども、場合を除き、放送設備を使用して選挙運動のための放送を行うことができないものとされておるわけでございます。
 御指摘の具体的な事案が法に違反するかどうかということにつきましては、あくまで行為の実態に即して判断されるべきものであり、具体的な事実関係を承知しておらず、また、具体の事案につき断定的な判断を行う立場にございませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。(拍手)
    〔国務大臣神崎武法君登壇〕
○国務大臣(神崎武法君) テレビ朝日の報道局長発言に関しますお尋ねにお答えをいたします。
 放送法は、第一条におきまして放送の不偏不党、第三条におきまして放送番組の政治的公平性の確保などを規定しておりまして、事業者はこれらの趣旨を体して放送を行うように努めなければならないところでございます。
 本件のテレビ朝日の報道局長発言につきましては、現在、順次関係者から事情聴取を行っている段階でございまして、郵政省といたしましては、さらに事実関係の把握に努め、適切に対処してまいる所存でございます。(拍手〉
    ―――――――――――――
○副議長(鯨岡兵輔君) 吉井英勝君。
    〔吉井英勝君登壇〕
○吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、昨日の総理への質疑を踏まえ、政治改革関連法案について質問します。
 まず、総理の改革に取り組む基本姿勢について伺いたい。
 細川総理は、予算委員会での志位書記局長への答弁で、企業の政治活動や政治献金について、一概に悪とは言えないと容認しつつ、節度のある態度が必要、度を超したものが多過ぎた、透明性の確保が必要などと述べました。
 そこで、佐川急便と細川総理の関係について、まず第一に、佐川急便の政界への数百億円と言われるわいろ・献金攻勢を節度のあるものと考えているのか。二つ目に、佐川から総理への五、六年間で二千五百万円の政治献金は、度を超したものとは考えていないのか。三つ目に、その二千五百万円の政治献金が、総理の三つの政治資金団体の届け出に記載されていない事実を聴濤参議院議員が指摘して、それが小口分散化という脱法行為ではないかとの質問に、あなたは、どこかに資料はきちんとある、佐川の方にも問い合わせると答弁しました。総理が透明性や政治改革を語るのなら、まずみずからの問題をこの場で明らかにすることが必要です。明確、誠実な答弁を求めます。(拍手)
 次に、政治資金の問題についてです。
 総理は、政党に対してのみ企業献金を認めることとしたのは、政党なら腐敗のおそれが少ないからだと答弁しましたが、政党に対する財界、大企業の巨額の政治献金が重大な問題であります。企業の巨額の献金が、国の政治と行政をゆがめてきました。これこそが政・官・業の癒着構造なのであります。あなた自身もかつて、企業献金は背任行為と、その犯罪性を認めていたではありませんか。政党へのものであれ、企業献金を禁止することなしには、政治腐敗の構造の根源を断ち切ることができないのは明白ではありませんか。(拍手)
 法案では、企業献金を受け取る政党要件を、国会議員五人以上もしくは国政選挙の得票率三%と規定しています。この要件を満たす政党への企業献金は、ただそれが大きいというだけで違法性も可罰性も犯罪性もなくなるのかという質問に対し、山花大臣は、現行法でも一定要件のもとで量的制限をしていると答弁しました。これは量の問題ではありません。企業献金という質に起因する犯罪構成要件について、どうして大きな政党なら犯罪にならないのかという問題で、全く道理が立たないではありませんか。(拍手)
 例えば、政党要件のうち議員数を置いておきますと、昨年の参議院比例選挙で得票率一・四九%を得た社民連が企業献金を受けると犯罪となるが、得票率三・〇六%のスポーツ平和党なら、企業献金を要求しても受領しても犯罪とされず、自由にできることを意味します。一体その根拠はどこにあるのか。明確な答弁を求めます。(拍手)
 次に、公職選挙法上の問題です。
 選挙制度のあり方を考える根本的な基準は憲法です。主権在民の立場に立ては、民意の公正な反映こそ大原則であります。
 この点で並立制案は、まず小選挙区部分で、多様な、かつ多数の民意を切り捨てるという点で、憲法上の主権在民、議会制民主主義の原則に反するものであることは明白であります。その上重大なことは、政府案では、五人以上の国会議員、三%以上の得票率という政党要件によって、立候補から議席まで、入り口から出口まで、徹頭徹尾少数政党や新党に対する排除と差別が持ち込まれていることです。
 まず立候補ですが、政党要件を満たす政党でなければ政党を名のって立候補することを認めず、あえて立候補しようとすれば、小選挙区制については無所属で立たなければならないというものです。比例区の場合も、政党以外が立候補するためには、三十人以上の名簿登載者を要するとなっており、一人六百万円で、三十人で一億八千万円という莫大な供託金が必要となります。金のかからない選挙制度と言いながら、金がないと選挙に出ることもできないという、明らかに立候補の自由を実質的に奪うものであります。諸外国にも例を見ない少数政党の立候補の制限や巨額の供託金について、総理はどう説明されるのですか。(拍手)
 また、選挙運動においても、小選挙区でテレビなどの政見放送は政党にしか認められない。小政党には政党カーや政党演説会、ポスター、はがきなど徹底した差別的扱いが行われます。
 資金面でも、供託金の没収を免れる有効投票の十分の一以上の得票があれば、候補者が使った自動車、拡声器、はがき、ビラ、ポスター費用は無料となりますが、政党要件に満たず、不利な条件での戦いを余儀なくされた小政党は、選挙費用の負担も供託金の没収も受けるという、徹底した少数政党や少数意見の切り捨て、排除の仕組みとなっています。
 こうした選挙運動における差別は、法のもとの平等、選挙の公平の原則に真っ向から反することは明白ではありませんか。(拍手)
 さらに、今回の選挙運動において、法案が、選挙期間中の政治活動用ビラ、いわゆる法定ビラの配布方法を規制し、制限しようとしていることは重大です。現行法で自由に配布できる法定ビラを政令で規制するというのは、政党の政治活動の自由を制限するものであり、断じて容認できないものであります。(拍手)
 次に、七人の当選者を出せる得票を得ても議席配分を認めない、比例選挙における三%の阻止条項です。
 仮に、五人の所属国会議員がいる政党が比例区に立候補して七人の議席に相当する得票を得ても、それが三%未満の得票率であった場合、議席がゼロとなるのであります。こんな露骨な少数党排除の仕組みは到底認められるものではありません。(拍手)
 昨年の参議院比例選挙の結果を当てはめると、得票率二・九四%の二院クラブの七議席、社民連は一・四九%で三議席など、七つの政党に投ぜられた七・六二%、約三百四十三万票、十六議席が完全に切り捨てられることになるのであります。
 武村官房長官は、九月十九日のNHKのテレビ番組で、なぜ三%なのか、絶対的根拠はありませんと、阻止条項に根拠がないことを語りました。根拠のないものをなぜ提案したのか。提案したからには、どういう根拠からか、明らかにされたい。(拍手)
 総理は、昨日も、比例選挙を加えることで多様な民意の反映を組み合わせたと答弁しましたが、その比例代表選挙においてもこうした少数政党排除が設けられているのであります。
 総理は、少数の新党として出発しましたが、現行中選挙区制のもとでそれは可能でした。ところが、既成政党になった途端、新党の進出を排除する立場に立っています。きょうの少数派があすの多数派になる可能性を認めてこそ民主主義です。総理は、この憲法の民主主義の立場に立たないのか、基本姿勢を問うて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣細川護煕君登壇〕
○内閣総理大臣(細川護煕君) 佐川から政党への献金が数百億円に上るが、このような政党への献金は節度のあるものと考えるかどうか、こういうお話でございました。数百億円という数字につきましては私は承知をしておりませんので、あれこれ申し上げることは適当ではなかろうというふうに思っております。私へのニ千五百万円の政治献金は度を超えたものと考えていないのか、こういうお尋ねでございましたが、佐川グループから平成三年八月までの五年間に、総額で二千五百万円程度の献金を受けたことは、これまでも申し上げてきているとおりでございます。
 政治献金につきましては、できれば個人献金が望ましいということは常々申し上げておりますが、政治改革をなし遂げることによって、金のかかる政治を根本から解決してまいりたいと考えております。
 八日の参議院予算委員会で佐川からの献金についてのお尋ねがあったわけでございますが、八日の委員会でお約束をしたところに従いまして、早速佐川の本社に問い合わせをいたしましたところ、調査の上、広報担当から回答をいただきました。それによりますと、昨年、グループの組織の大幅な統廃合を行い、人事の大異動もあって、当時の関係者はほとんどいなくなっていて、また検察当局の捜査も受けたということもあって、過去に遡及して個々の政治家への献金に関する調査は困難であるという旨のことでございました。
 一方、私の政治団体側に行わせた調査結果によりますと、雑誌などの取材に対しましても明確に佐川グループと申し上げているとおりでございまして、複数の会社からの献金でございまして、一社当たりは百万円以下ということでございますから、収支報告書には寄附者名が出ないものであるということでございます。今後とも、政治献金につきましては法に従って適正に処理をしてまいりたいと思っております。
 これまでの政治腐敗は、何よりも個人本位の現行の中選挙区制に根本原因があったと考えているわけでございまして、今お尋ねの企業献金の件につきましては、だからこそ選挙制度の抜本改革が政治腐敗の根絶のためにぜひとも必要であるということを再三申し上げているところでございます。
 また、このたびの法案では、そのほかにも、これまで問題が生ずることの多かった政治家個人それから政治家の政治団体への企業などの団体献金を禁止することとしておりまして、さらに、公民権の停止など、違反に対する制裁の強化などの措置も講じておりますから、政治腐敗の防止に大きな効果があるものというふうに考えているところでございます。
 政党要件についてのお尋ねでございましたが、今回の選挙制度の改革は、政権の獲得、政策の実現を目指す政党間の政策の争いを中心として行われる選挙の実現を目指しているわけでございまして、そのために一定の政党要件を設けているものでございます。
 しかし、小選挙区選挙におきましては、要件を満たさない政治団体に所属をする者は、個人として立候補することができますし、選挙の結果によっては、次の選挙においては候補者届け国政党となり得るものでございますから、そのような政治団体でありましても、衆議院選挙に参加する道は開かれているものと考えているところでございます。
 このような政治団体に所属をする者は、個人立候補しかできず、選挙運動に不利益をこうむることになるが、憲法の精神に反するのではないか、こういうことでございましたが、政策本位、政党本位の選挙を実現するためには、候補者を届け出た政党に選挙運動を認めて、その政策を国民に訴える機会を十分に保障することが必要不可欠であると思っております。その結果、個人届け出候補者と政党届け出候補者の間に実質的な選挙運動の差異が生じることになりましても、それは、政策本位、政党本位の選挙の実現を図るために候補者届け出政党に選挙運動を認めることとした当然の帰結であって、合理的な理由に基づくものでございますから、憲法の趣旨に反するとは考えておりません。
 法定ビラの頒布方法の規制などについてのお尋ねでございますが、現在、確認団体の政治活動用ビラにつきましては、散布することを除いて、頒布方法については制限がないわけでございますが、今回の改正法におきましては、確認団体の制度を廃止するとともに、候補者届け国政党並びに名簿届け国政党などに候補者の氏名などを記載できる選挙運動用のビラの頒布を認めることとしたことによりまして、そのビラの頒布方法は、候補者個人の場合と同様に、新聞折り込みその他政令で定める方法に限定をすることにいたしております。
 現在、候補者個人の選挙運動用ビラの頒布方法につきまして制限を設けておりますのは、選挙運動用ビラが無秩序にはんらんすることを防止をし、頒布方法に一定の秩序を設ける必要があることからしていることでありまして、政党に選挙運動用ビラの頒布を認める以上、その頒布方法について一定の制限を設けることは、やむを得ない措置であろうというふうに考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣からお答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣山花貞夫君登壇〕
○国務大臣(山花貞夫君) 昨日も、企業献金と罰則の関係につきまして同趣旨の御質問をいただきました際、寄附の量的制限に関しても、一定の要件を満たした政党についてと、政治家個人や政党以外の政治団体とは異なった取り扱いをしているということについてお答えしたことにつき、量と質とは別である、こういう趣旨で重ねて本日御質問をいただきました。
 法の趣旨、その実効性を確保するために罰則を設けるという仕組みにつきましては、同じ考え方が基盤にあると私は考えるところであります。
 今回の改正案では、続発する政治腐敗事件の多くが政治家をめぐる企業の団体献金に起因していることにかんがみ、政党、政治資金団体以外の者に対する企業等の団体献金は一切禁止することにしたことに伴い、この新たな規制の導入に際して、その実効性を確保するために、違反に対して罰則で担保することとしたものでありまして、法の実効性を確保する、この観点からは御理解をいただけるところではなかろうかと思っております。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇〕
○国務大臣(武村正義君) 阻止条項について、三%が絶対的でないという私の発言についての御質問でございますが、今もこれは絶対的なものではないというふうに思っております。まさに相対的に、常識的に判断をした数字だろうと思っておりますが、一つは、参議院の比例選挙が定数五十でございますから、当選には約二%の得票率が要るということがございます。そして、御指摘のように衆議院議員選挙の届け出政党の要件が三%でございます。さらに、諸外国は、三%、四%、中には五%という、この前後の数字の国が多い、この辺を参考にして決められたものであると思っております。(拍手)
○副議長(鯨岡兵輔君) これにて質疑は終了いたしました。
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 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意
  を求めるの件
○副議長(鯨岡兵輔君) お諮りいたします。
 内閣から、中央社会保険医療協議会委員に工藤敦夫君を任命したいので、本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり同意を与えるに賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(鯨岡兵輔君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
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○副議長(鯨岡兵輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十二分散会
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