第128回国会 災害対策特別委員会 第3号
平成五年十月二十九日(金曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 池端 清一君
   理事 鈴木 俊一君 理事 宮路 和明君
   理事 村上誠一郎君 理事 石橋 大吉君
   理事 西川太一郎君 理事 弘友 和夫君
   理事 初村謙一郎君
      衛藤征士郎君    大石 正光君
      久間 章生君    熊代 昭彦君
      小坂 憲次君    七条  明君
      住  博司君    松岡 利勝君
      松下 忠洋君    横内 正明君
      沢藤礼次郎君    田口 健二君
      鉢呂 吉雄君    金子徳之介君
      工藤堅太郎君    星野 行男君
      宮本 一三君    大口 善徳君
      千葉 国男君    西  博義君
      園田 博之君    藤村  修君
      牧野 聖修君    石田 美栄君
      穀田 恵二君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  畑 英次郎君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 上原 康助君
 出席政府委員
        国土庁防災局長 村瀬 興一君
        農林水産大臣官
        房長      上野 博史君
        農林水産大臣官
        房審議官    福島啓史郎君
        農林水産省経済
        局長      眞鍋 武紀君
        農林水産省構造
        改善局長    入澤  肇君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    高橋 政行君
        食糧庁長官   鶴岡 俊彦君
        林野庁長官   塚本 隆久君
        水産庁長官事務
        代理      島  一雄君
 委員外の出席者
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 石本 宏昭君
        農林水産省経済
        局統計情報部長 嶌田 道夫君
        運輸大臣官房技
        術参事官    澤田  諄君
        運輸省鉄道局業
        務課長     岩崎  勉君
        運輸省鉄道局施
        設課長     藤森 泰明君
        建設省河川局河
        川計画課長   尾田 栄章君
        建設省河川局治
        水課長     山田 俊郎君
        建設省河川局治
        水課都市河川室
        長       石川 忠男君
        建設省河川局防
        災課長     山口 嘉之君
        自治省税務局企
        画課長     西川 一誠君
        特別委員会第三
        調査室長    菅野 和美君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月十三日
 辞任           補欠選任
  穀田 恵二君     矢島 恒夫君
同月十九日
 辞任         補欠選任
  矢島 恒夫君     穀田 恵二君
    ―――――――――――――
十月十二日
 北海道南西沖地震被災者救済、防災対策の強化
 に関する請願(穀田恵二君紹介)(第一五〇号
 )
同月二十六日
 地震、火山噴火、豪雨等の被災者救済、防災抜
 本策に関する請願(穀田恵二君紹介)(第四〇
 六号)
 雲仙岳災害復興に関する請願(中曽根康弘君紹
 介)(第四七三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十月八日
 北海道南西沖地震災害復旧に関する陳情書(札
 幌市中央区北二条西六北海道議会内桜井外治)
 (第七八号)
 平成三年の台風十九号等による山林被害の二次
 災害防止対策に関する陳情書(長崎市江戸町二
 の一三長崎県議会内宮内雪夫)(第七九号)
 平成五年の豪雨災害対策に関する陳情書外一件
 (山口市滝町一の一山口県議会内湊政則外五名
 )(第八〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 災害対策に関する件(異常気象及び台風第十三
 号等による被害状況等)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
○池端委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 この際、去る十月五日及び六日、異常気象による被害状況調査のため、北海道、山形県及び宮城県に、また、去る十月十八日及び十九日、台風第十三号等による被害状況調査のため、大分県に、それぞれ委員派遣を行いましたので、派遣委員から報告を聴取いたします。
 まず最初に、十月五日、六日の二日間にわたり、異常気象による被害状況調査のため、北海道に派遣された委員を代表して、私が便宜この席から調査の概要について御報告を申し上げます。
 派遣委員は、自由民主党・自由国民会議の萩山教嚴君、新生党・改革連合の西川太一郎君、公明党の西博義君、さきがけ日本新党の牧野聖修君、民社党・新党クラブの吉田治君、そして私、池端清一の六名であります。
 平成五年産水稲の九月十五日現在における作柄は、全国平均で作況指数八〇の「著しい不良」であり、十アール当たりの収量は三百九十七キロが見込まれております。
 こうした中にあって、特に冷害に見舞われた北海道では、被害が大きく、全道的に春先から低温と日照不足が続き、記録的な冷夏となりました。とりわけ七月下旬から八月中旬の平均気温は、十六・八度と昭和五十八年の冷害年に比べて三・二度も低い状況でありました。このような異常気象から農作物の生育は著しくおくれ、水稲、大豆、小豆が冷害の影響を強く受けることとなりました。
 九月十五日現在の北海道における水稲の作柄概況でありますが、低温障害と日照不足から受精障害による不稔もみの激発と出穂期の大幅なおくれによる登熟期間の積算温度不足等が見込まれることから、作況指数は四六で、「著しい不良」となっており、作況指数としては戦後最悪になるものと見込まれております。
 地域的には、特に道南の檜山支庁管内が二、渡島支庁管内が五と悪く、胆振支庁管内八、十勝支庁管内が九で一けた台の作況でありまして、壊滅的かつ深刻な事態で、種子の確保も難しい状況となっております。胆振支庁管内に引き続いて視察した道内の水稲の中心地帯である空知支庁管内、上川支庁管内の作況指数もそれぞれ五四、五五と、かつてない厳しい作柄になっております。米作中心の専業農家、しかも大規模経営の農家ほど米の不作の影響をまともに受けております。
 また、豆類のうち、大豆、小豆についても作柄は大変悪く、さやの数が平年の六割程度と著しく少なく、作況指数はともに五四で、そのほかでは、小麦九七、バレイショ九四、さらに、てん菜も八六といずれも減収は免れない状況にあります。
 農作物の被害額については、道として九月十五日現在で実施した減収量見込み調査によりますと、全道で千六百八十二億円、そのうち水稲がその約七割に当たる千百五十六億円となっており、本年の冷害被害は、昭和五十八年の千五百三十一億円を上回る史上最悪のものと見込まれております。その後の調査では、被害額がさらに膨らみ、北海道は農業生産の割合が他の地域に比べて大きいだけに、この不作が地域経済に与える悪影響も懸念されているところであります。
 私どもは、手稲山と樽前山で初冠雪を記録した十月五日に、鵡川町、厚真町、由仁町、札幌市、翌六日には、当麻町、旭川市、東川町、東神楽町の順で異常気象による農作物の被害状況をつぶさに現地調査をしてまいりました。全部稲作の冷害調査ではありますが、由仁町では、これとあわせて畑作の小豆をも視察いたしました。圃場を視察してみて、ことしのような冷害には、これに対応したきめ細かな水田管理、耐冷性のある品種の適正な作付割合を維持するなどの稲作の基本技術の重要性が再認識されたところであります。各視察箇所では、多数の方の出迎えを受け、生産者の方々を激励し、多くの方から切実な陳情を受けてまいりました。
 広大な平野一面に見渡す限り黄金色に輝いているはずの水田は、かなりの緑が残り、青立ち状態の稲穂が目立ちました。農業関係者の説明では、この冷害は障害型ではあるが、遅延型でもある複合型ということでありまして、深刻な不作となっております。水田の水かさを増し、外気温より高い水温で冷害を防ぐ深水管理を行っているという生産者の方の説明もありました。
 私どもは、稲作農家の水田に入って稲を手にとって見ましたが、上川管内の当麻町での十月一日サンプル採取の耐冷性程度が「やや強」の「きらら三九七」の整粒歩合は四二・六%、くず米歩合は七・〇%であります。特に胆振管内の鵡川町、厚真町では、こうべを垂れない青立ちの稲が目立ち、まさに未曾有の冷害でほとんど収穫が見込まれないところも見られることから、生産者の皆さんの御苦労が実らず、その心情に思いをいたすとき、胸が痛む思いでありました。
 鵡川町、由仁町、旭川市の各箇所においては、それぞれの管内の市町村長及び団体の代表者から、また、札幌市では、道副知事、道議会議長を初め団体等の関係者から被害の概況説明に次いで、多項目にわたる陳情がありました。
 陳情としては、天災融資法の適用と激甚災害の指定、自作農維持資金の特例貸付限度額の設定と資金枠の確保などの対策の推進、農業共済金の早期支払いと損害評価の特例、米の緊急輸入が自由化につながることのないようこれまでどおり国内自給方針の堅持、さらには、生産者の方々が営農に意欲を失うことのないよう、また、地域経済に配慮した諸対策についてであります。
 今回の胆振、空知、上川管内の広い範囲での現地調査は、多数の方々の御協力によるものでありまして、北海道を初め多くの関係者の方々に感謝とお礼を申し上げ、報告を終わります。
 次に、山形・宮城班鈴木俊一君。
○鈴木(俊)委員 派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要を申し上げます。
 去る十月五日及び六日の二日間、異常気象による被害状況調査のため、山形県及び宮城県に派遣された委員は、日本社会党・護憲民主連合の石橋大吉君、新生党・改革連合の星野行男君、公明党の大口善徳君、さきがけ日本新党の藤村修君、民社党・新党クラブの石田美栄君、日本共産党の穀田恵二君、そして私、自由民主党・自由国民会議の鈴木俊一の七名であります。
 このほかに、地元選出議員の菊池福治郎君、日野市朗君、岡崎トミ子君、遠藤利明君の参加を得まして調査をしてまいりました。
 本年、日本列島は、偏西風の大きな蛇行及び太平洋高気圧の日本付近への張り出しが例年に比べて弱かったことなどにより、昭和二十九年以来の約四十年ぶりの冷夏となりました。
 東北地方は、優勢なオホーツク海高気圧から冷湿な局地風であるやませが強く吹き出し、また、観測史上最長の梅雨に見舞われ、暴雨天の天候が続きました。そのため、東北全域にわたり出穂が十日から十七日おくれるなど稲の生育が大幅に遅延しました。また、幼穂がつくられる七月中旬から下旬と花粉がつくられる七月下旬から八月上旬がちょうど低温期になったこと、開花期が暴雨天になったことから、稔実が極めて悪化し、さらにこれに加えて、多雨と日照不足など異常気象により、いもち病も多発しました。これらにより、水稲の作柄は東北全域で戦後最悪となり、九月十五日現在の作況指数は、戦後最低であった昭和五十五年の七八を大きく下回り、六一であります。そして、九月十五日以降の気象条件が期待されるものではなかったことを考えると、さらにこの数字は下がることが懸念されます。まさに、東北地方は、戦後最悪の冷害に見舞われたのであります。
 ここに、調査団を代表して、被災されました方々に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。
 次に、調査の順を追って御報告申し上げます。
 第一日目は、まず山形県庁において、県知事、県議会議長、農林水産部次長から概況説明を受けました。山形県の水稲の九月十五日現在の作況指数は八四であり、昭和四十六年の九〇を下回る戦後最悪となり、調査の進展によりさらにこれを下回る見込みであります。特に、やませに吹かれる県の東側、尾花沢市、最上町などの中山間部、山間部では、ほとんど収穫が望めない状況であります。県当局は、農家就労対策事業の実施を予定しているとのことでした。
 次に、東北農政局から説明があり、今回の冷害の東北地方全般の被害状況と各県及び農政局の対応が示されました。
 そして、尾花沢市の鶴子地区の水稲の現場視察を行いました。現場では、尾花沢市長、北村山地方事務所長、尾花沢農業改良普及所長の説明がありました。尾花沢市独自の調査では、市の水稲の作況指数は三三と言語に絶するものであります。奥羽山脈を越えてくるやませに吹かれ、尾花沢市の七五%を占める中山間部及び山間部が特にひどく、出穂が十二日から十五日もおくれ、不稔発生状況は中山間部で五四%、山間部で八四%であります。不稔が同農業改良普及所管内全般に発生しており、収穫が望めない面積が約三割で、五割以上の減収見込みの面積が約七割も見込まれ、大変深刻な状況となっています。さらに、種いもち病の発生面積が管内の約四割もあり、不稔や生育遅延に追い打ちをかけたわけであります。そして、現場の圃場に立ち熱心に調査しましたが、穂が垂れておらず、実のない殻だけの稲ばかりでありました。
 一日目の最後に、最上町の鍋倉地区、下白河地区の水稲の現場視察を行いました。最上町長と新庄農業改良普及所長から説明を受けましたが、最土地域の九月十五日現在の作況指数は六八であり、尾花沢市と同じ大変深刻な状況であります。最土地域では、出穂が異常低温により十四日程度おくれ、不稔障害の発生とともに、稲が低温の影響で軟弱に生育したため、中山間部及び山間部を中心として、いもち病が多発いたしました。最上町の約千八百ヘクタールの水稲の作付面積のうち、平均不穏率が九〇%であり、圃場視察を行ってその被害の甚大さを確認いたしました。
 二日目には、宮城県に入り、まず桃生町の中津山地区の水稲の現場視察を行いました。桃生町長、石巻農林事務所長、河北農業改良普及所長から説明を受けました。石巻地方では、平年より三度から四度低い七月と八月の低温、日照不足により、出穂が十日から十三日おくれ生育遅延となり、また、同農業改良普及所管内で不稔率が六五%と大変悲惨な状況となりました。圃場視察をした周辺は、品種はササニシキでありますが、不稔率は六九%から七五%であり、また、同町のササニシキは不稔率が六五%であり、同品種が低温に弱いという弱点がさらけ出された感じがいたしました。また、いもち病も発生しさらに凶作に追い打ちをかけた状況を目の当たりに調査いたしました。
 そして、調査の最後に、宮城県庁において、副知事、農政部次長から概況説明を受けました。宮城県の九月十五日現在の水稲の作況指数は四四という惨たんたるものであります。同地方は、七月から八月にかけて、気温が平年より四度から五度低いことと日照不足により、特に不稔障害が発生し、圃場により差異が大きいものの、不稔状況は最高九九%にもなったのであります。これに加えて、葉いもち病、種いもち病の発生状況が、それぞれ平年比二一〇%、二六五%にもなり、大凶作となりました。
 調査を通じて感じたことは、農業に依存する人の多い東北地方がこのような冷害を受けたことは、地域経済に打撃を与えるのみならず、すべての国民が憂慮すべき事態であるということであります。被災農家の生計維持の確保、経営の安定を図るのみならず、我が国の農業政策の抜本的見直しが迫られているという認識が不可欠であると思われます。
 両県、尾花沢市、最上町、桃生町その他の自治体、農業関係団体から多くの要望、陳情をいただきました。
 その主なものは、天災融資法の発動及び激甚災害の指定を早期に講ずること、制度資金の貸付枠の確保及び融資条件の緩和措置を講ずること、被災農家に対する土地改良事業負担金の徴収猶予など特別な措置を講ずること、稲作専業農家に対して特別の融資措置を講ずること、被災農家に対する共済金の円滑な支払いを行うため、農業共済再保険金の早期支払いを行うとともに、損害評価業務の経費増高に対する助成措置、水稲の損害評価に関する特例措置を講ずるなど、被災地域の実態に即応した共済制度の適用を図ること、種子もみ確保に対する助成措置を講ずること、収穫皆無農家等の飯米確保措置を講ずること、被災農家の経済的逼迫を救済するため、農家就労対策を実施すること、米穀の予約概算金の延納、分割及び金利の免除等必要な措置を講ずること、病害虫防除費に対する助成措置を講ずること、被災農家に対する税制及び年金制度上の特別な措置を講ずること、県及び市町村に対する財政援助として、特別交付税等について十分な措置を講ずること、稲作の安定を確保するため、食糧管理制度の根幹を守り、米の国内自給の方針を堅持することなどであります。
 この際、政府は、今次災害の甚大さを十分に考慮され、各要望について慎重に検討されて、被災住民の期待にこたえるべく善処されますよう、特段の要請をいたします。
 最後に、本調査に当たり御協力をいただきました山形、宮城両県を初め、地元関係者の皆様に深くお礼を申し上げて、報告を終わります。
○池端委員長 次に、大分班宮路和明君。
○宮路委員 派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要を申し上げます。
 去る十月十八日及び十九日、台風十三号等による被害状況調査のため、大分県に派遣された委員は、池端清一委員長を団長として、自由民主党・自由国民会議の萩山教嚴君、日本社会党・護憲民主連合の石橋大吉君、さきがけ日本新党の初村謙一郎君、公明党の千葉国男君、そして私、自由民主党・自由国民会議の宮路和明の六名であります。
 このほかに、地元から、委員衛藤征士郎君、衛藤晟一君、議員横光克彦君の御参加を得まして調査をしてまいりました。
 九州地方におきましては、本年六月以降、たび重なる集中豪雨や台風により多大な災害を受けました。
 台風十三号は、去る九月三日、鹿児島県の薩摩半島に上陸したもので、上陸時には中心気圧が九百三十ヘクトパスカルという、気圧の低さでは戦後最大級でありました。台風の通過した九州、四国、中国地方などには河川のはんらん、山地の崩壊、立木の流出等の災害が発生し、多数の死傷者、家屋の全半壊等各地に甚大な被害を出しました。
 このため、沖縄県、鹿児島県及び大分県の五市三町二村に災害救助法が適用されました。
 被害状況は、消防庁調べ、九月二十七日現在で、死者・行方不明者四十八人、重軽傷者三百七十七人、住宅の全半壊等六万四千二百五十八棟等となっております。
 それでは、被災地の調査について申し上げます。
 主に、大分県下最大の河川である大野川に沿った地域の被害状況を視察しました。大野川流域は、平成二年七月の集中豪雨で多大の被害を受けましたが、台風第十三号の被害はそれを上回ると言われております。まず、大分市田ノ浦地区では、第二田ノ浦川の最上流部にあるため池が決壊し、延長千三百メートルにわたり土石流が流下し、農地、農道等の農業施設、家屋、名産であるビワやミカンの木等に壊滅的な被害を受けました。その復旧対策としては、ため池を補修し、田ノ浦川の改修等が必要とのことでありました。
 大分県の動脈である一般国道十号線の被害状況を車中から視察しました。同国道は別府−大分間の交通量が一日平均約六万八千台と県内で最も多く、地域の生活及び経済活動に大きな影響をもたらしております。台風第十三号による被害状況は、九月三日から四日にかけて路面冠水、山側からの土砂崩落等により、神崎白木地区等においては全面通行どめもありました。災害復旧としては、のり枠工、落石防護さく、消波工等が実施されております。
 次に、大分県庁において、大分県知事、大分市長等から被害状況について説明を聴取し、今次災害を激甚災害として指定し、国からの積極的な財政支援を行うこと等の要望を受けました。
 大分県における十月十三日現在の被害状況は、死者・行方不明者七人、重軽傷者十四人、住家の全半壊等五百五十二棟であり、商工観光関係、農作物関係、農地等関係、林業関係、土木関係等の被害額は、約九百四十三億円となっております。
 綿町に入り、車中から大分川のはんらんによる建物の浸水被害の状況を視察しましたが、この地域の一部は低地盤のため、今回のように記録的な豪雨があった場合には大規模な浸水があり、多くの世帯に被害をもたらします。対策としては公共下水道の整備等が検討されております。
 竹中地区において、河原内川にかかっていた県道弓立上戸次線の荒平橋が流木等によって流失した被害の状況を視察しました。現在は、仮応急としてヒューム管を入れた橋が架設されておりますが、本復旧は現在位置から下流に橋梁災害復旧事業として平成七年度までにかけかえが予定されております。
 大分市上戸次長川原地区は、大野川の右岸側に位置し、国道十号線に囲まれた地盤の低い地域であり、そこに位置する企業群があります。その企業に大野川のはんらんにより浸水があり、多大の被害を受けました、浸水区域は十八ヘクタール、床上浸水四企業等の被害状況でありました。
 犬飼町においては、久原、犬飼地区で大野川のはんらんにより、川沿いの犬飼浄水場、犬飼小学校などに大きな被害をもたらしました。浄水場は施設の消毒等を行い復旧しております。小学校は、被害時には校舎の一階の天井近くまで浸水しましたが、現在はその部分の補修工事が行われており、二階から上の教室を使用して不自由な授業を行っております。平成二年にも集中豪雨により被害を受けており、今後の学童の安全対策としては学校の移転等が検討されております。
 緒方町野尻では、緒方川のはんらんによりJR九州豊肥本線緒方−豊後清川間の橋脚が流され、線路があめのように曲がり落ちた緒方川鉄橋の被害状況を視察しました。現在は、緒方駅と豊後清川駅でそれぞれ折り返し運転をし、その不通区間ではバスによる代替輸送を行っております。豊肥本線は平成二年七月にも集中豪雨により竹田市などで鉄橋が流失し、三年十月に全面開通したものであります。本線は、通勤通学等沿線住民の生活に欠くことのできない交通機関でありますから、一日も早く全面復旧されることが望まれておりますが、来月初めころには来年三月末の完成を目途に新しい橋の架設工事が開始予定であります。たび重なる被害を受けており、地元等から防災助成金並びに鉄道軌道整備法による助成の要望が出されております。
 緒方町馬場の緒方川にかかる石橋、鳴滝橋を視察しました。同橋は、大正十一年に架設されたもので、長さ約五十メートルの橋でありますが、緒方川の増水により流木が当たり橋の上部の積み石が流失するという被害を受けました。現在は、人と二輪車の通行可能な仮橋の架設工事が行われております。なお、同場所において大野郡町村会から、災害復旧の早期完成と復旧に係る財政支援等の陳情を受けました。
 竹田市片ケ瀬地区に入り、山腹崩壊による土石、流木が一般国道五百二号線の交通を遮断した現場を視察しました。山腹崩壊の被害は荒廃面積〇・九二ヘクタールであり、現在、路面に擁壁を配置し、国道への土石の流出を防ぐ工事が行われております。
 竹田市出合においては、緒方川のはんらんにより発生した家屋の流失、トマト等の野菜、農地、農業用施設の被害状況を視察しました。竹田市長から、竹田市では死者三名、行方不明者一名が出た台風第十三号による被害状況の説明を聴取し、竹田市、荻町、久住町、直入町から災害復旧の早期完成と災害復旧に係る財政支援等の陳情を受けました。
 次に、朝地町坪泉では、車中から土砂崩れとそれによるJR豊肥線の被害状況を視察しましたが、現在は、車両の運行には支障のないよう復旧がなされております。平成三年の台風第十九号でも被害を受けており、今後は災害関連緊急治山事業が実施される予定であります。
 ことしは台風の上陸数が多く、各地に大きな災害を発生させましたが、大分県においても、梅雨前線豪雨、台風第五、六、七号などによる災害等多くの被害を受けました。これらの被害と台風第十三号による被害を合わせると、被害額は、十月十三日現在で約千四百六十九億円に達しているとのことであり、被災地域の民生安定のため早期復旧を図るとともに、今後の台風、豪雨等に対する備えを強化するための復興事業が推進されることが望まれております。
 終わりに当たり、日夜災害対策に御努力されておられます関係者各位に感謝を申し上げ、調査に全面的に御協力を賜りました大分県を初めとする多くの関係者各位に心からお礼を申し上げまして、報告といたします。
○池端委員長 以上で派遣委員の報告は終わりました。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま報告がありました各派遣地からの要望事項等につきましては、本日の会議録の末尾に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔要望事項は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○池端委員長 次に、異常気象及び台風第十三号等による被害状況等について、政府から説明を聴取いたします。農林水産省福島審議官。
○福島(啓)政府委員 平成五年冷害等による農作物被害につきまして御説明申し上げます。
 本年は、異常気象等により災害が多発しておりますが、冷害による被害状況につきまして、稲作を中心に御説明申し上げます。
 本年の夏の天候でありますが、ほぼ全国的に顕著な低温、日照不足で推移しました。特に北海道及び東北での稲の低温危険期である七月下旬から八月上旬の平均気温は、戦後作況指数が九〇を下回った昭和二十八年、五十五年よりも低いものとなっており、また、六月から八月の日照時間は、東北から九州にかけまして平年の八〇%以下となり、山陰、北陸、北関東では、平年の六〇%を下回るものとなりました。
 このような天候の影響を受け、農作物の作柄に大きな影響が出ております。特に水稲については、北海道、東北を中心とする障害不稔や全国的ないもち病の多発など、九月十五日現在の全国の作況指数は八〇となっており、本日午後には十月十五日現在の作柄調査結果を公表いたしますが、水稲の作柄は戦後最低となることが避けられない状況となっております。
 このような被害状況にかんがみ、農林水産本省に災害対策本部を、東北、北陸ほか各農政局に冷害対策本部等を設置しましたほか、北海道、東北、北陸、九州等の各県に対策本部等が設置され、被害状況の把握及び対策を講じております。また、被害の深刻さにかんがみ、総理みずからが鹿児島県及び福島県を、農林水産大臣が北海道、鹿児島県及び秋田県を、両農林水産政務次官が東北、北海道、北陸等を現地視察したところであります。このほか、数次にわたり担当官を被災地に派遣し、被害状況の詳細把握と対応措置の指導等を行ったところであります。
 次に、冷害対策等につきまして御説明申し上げます。
 九月三十日の冷害対策等に関する関係閣僚の会合におきまして、八項目の課題につきまして、その円滑な推進を図るため、財源の確保を含め、農林水産大臣から関係閣僚に御協力をお願いいたしたところでありますが、昨日、関係省庁の御協力のもとに、お手元に配付してあります資料のように、共済金の早期かつ円滑な支払い、被災農家の緊急資金需要への対応、被害の実情に応じた課税上の対応、来年度種子の確保、冷害等関連対策事業の実施、土地改良負担金の軽減、地方財政措置などの具体的な対策の取りまとめを行ったところであります。
 次に、米の安定供給につきましては、本年産米の著しい作柄不良に起因する厳しい需給環境のもとでも、国民に主要食糧を安定的に供給するという食糧管理制度の基本的役割を十分に踏まえ、現在、行政と生産・集荷団体とが一体となって集荷の促進に全力を挙げて取り組むとともに、自主流通米と政府米を一体とした適切な需給操作を行っているところであります。
 また、来年度以降の水田営農活性化対策につきましては、米の安定供給に的確に対応し得るよう、平成八米穀年度末において百三十万トン程度の在庫積み増しを図るため、転作面積を七万六千ヘクタール緩和することとしたところであります。
 このほか、米の適正な供給の確保と便乗値上げの防止を図るため、食糧事務所及び都道府県等を通じて、米の販売価格の調査や米穀販売業者に対する巡回指導の実施等の措置を講じております。
 今後とも、食糧管理制度のもとで、国民に対する主要食糧の安定供給に万全を期していく所存であります。
 以上で報告を終わらせていただきます。
○池端委員長 国土庁村瀬防災局長。
○村瀬政府委員 台風十三号による災害につきまして御報告をさせていただきます。
 まず、気象の状況でございます。
 沖之鳥島の東の海上で発生した弱い熱帯性低気圧は、西に進みながら次第に発達し、平成五年八月三十日九時に沖之鳥島の西の海上で台風十三号になりました。台風は、九月一日九時には宮古島の南南東の海上に達し、このころから向きを北寄りに変えるとともに急速に発達を始めました。二日七時半ごろ、中心は宮古島付近を通過いたしました。その後も台風は北北東に進みながら発達し、沖縄本島の西の海上に達したころ、中心付近の最大風速は五十メートル、中心気圧は九百二十五ヘクトパスカル、暴風域の半径は二百キロメートルと、大型で非常に強い台風となりました。
 二日、三日には南西諸島の西の海上を大型で非常に強い勢力のまま進み、三日十六時前に中心が鹿児島県の薩摩半島南部に上陸しました。その後、勢力をやや弱めながら九州を縦断し、豊後水道を通り、二十三時半ごろ、中心は愛媛県八幡浜市付近に再上陸しました。その後、中心は四国、瀬戸内海を経て、四日一時半ごろ広島県福山市付近に再々上陸いたしました。台風は中型で並みの強さとなり、四時ごろ鳥取県から日本海に進み、その後、台風は北東、北北東に進み、四日二十一時に秋田沖で温帯性低気圧に変わりました。
 今年になっての台風の上陸は、七月の第四号、第五号、第六号、八月の第十一号に続いて五個目となりました。また、第十三号の上陸時の気圧は九百三十ヘクトパスカルで、これは上陸時の中心気圧としては、昭和二十六年以降三番目に低いものでありました。
 台風十三号が大型で非常に強い勢力で日本に接近、上陸したため、近畿地方以西の各地で暴風や大雨となりました。最大風速十八メートル以上の強風を西日本から北陸地方の各地で観測、特に沖縄県の久米島で最大風速三十六・五メートル以上、最大瞬間風速五十二・九メートル以上、鹿児島県枕崎市で最大風速二十九・ニメートル、最大瞬間風速五十五・六メートル、宮崎市で最大風速二十七・四メートル、最大瞬間風速五十七・九メートルを記録いたしました。
 一日から五日までの雨量は、九州中南部、四国西部で多く、所により三百ミリメートルを超え、宮崎県日之影町で五百七十七ミリメートル、大分市で四百二十二ミリメートル、高知県東津野村で三百八十四ミリメートルでありました。また、短時間に激しい雨も降り、三日十八時までの一時間に宮崎県えびの市で九十一ミリメートル、大分市で八十一ミリメートル、十七時までの一時間に鹿児島県溝辺町で八十一ミリメートルを観測いたしました。
 なお、台風から変わった低気圧の動きが遅いため、五日以降も北海道地方を中心にところどころで一時間数ミリ程度の雨が降りました。五日の日雨量は多いところで五十ミリメートル、六十ミリメートル、六日にも日雨量三十五ミリメートルを超えるところがありました。
 次に、被害の状況でございますが、死者四十五名、行方不明三名、重傷三十四名、軽傷三百五十二名でございます。住家の被害につきましては、全壊が三百四十六棟、半壊が千二百九十棟でございます。死者・行方不明合わせまして四十八名でございますが、その都道府県別の内訳を申し上げますと、愛媛県が合わせて二名、福岡県が一名、熊本県が一名、大分県が七名、宮崎県が二名、鹿児島県三十三名、沖縄県二名でございます。
 次に、政府の対応でございますが、九月の四日に災害対策関係省庁連絡会議を開催いたしまして、応急対策に万全を期することといたしまして、担当官を派遣するとともに、被害状況の的確な把握、行方不明者の捜索、救出、被災者に対する適切な救済措置、電気等ライフライン、道路、鉄道等被災施設の早期復旧を重点的に実施していくことを申し合わせました。また、台風十三号の進路に当たる地域においては、引き続いて厳重な警戒を行うことといたしました。
 九月の六日には、鹿児島県に、今後の災害対策に万全を期するために、七省庁九名の担当官を現地に派遣いたしまして、被害の状況の詳細な把握に努めました。派遣いたしました省庁は、国土庁、警察庁、文部省、厚生省、気象庁、建設省、消防庁でございます。
 九月七日には災害対策関係省庁連絡会議をさらに開催いたしました。担当官派遣の結果報告とその後の被害状況の把握を受け、行方不明者の捜索、電気、水道、電話等ライフライン、道路、鉄道等被災施設、被災河川、治山施設、農地、農業用施設等の早期復旧、災害弔慰金等の早期支給、災害援護資金の早期貸し付けなどの被災者に対する適切な救済措置、被災地方公共団体に対する適切な財政措置を重点的に実施していくことを申し合わせました。
 それから、台風十三号に係ります激甚災害の指定につきましては現在鋭意作業を進めているところでございますが、近日中に、農地等の災害復旧事業に対する補助の特例、農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例、森林災害復旧事業に対する補助、小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等の措置を講ずるための政令指定を行う予定でございます。
 また、これに引き続きまして、天災融資法の特例措置を講ずるための激甚災害指定につきましても準備を進めているところでございます。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
○池端委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮路和明君。
○宮路委員 私は、先般の台風十三号による災害、そして、ことしの夏の相次ぐ集中豪雨による災害にかかわる復旧対策に関連いたしまして、若干の御質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、林業関係についてお尋ねいたしたいと思います。
 大分県の災害の状況につきましては、先ほど御報告を申し上げたとおりでございますけれども、私ども現地へ赴いて関係者からお話を承る中で、今回の台風十三号の災害に際して、一昨年、平成三年九月の台風第十九号によって出た森林災害の復旧がその後余り進んでいないために、その森林災害によるところの風倒木あるいは折損木、こういったものが今回の台風の際に流れてきて、そしてそれによって橋やあるいは鉄橋等々が流失してしまったといったような話を再三にわたって大分県の方で伺ったわけでございます。
 平成三年九月の台風十九号によっては、大分県を初め北九州、かつてなかった大変な大被害が森林に発生したわけでありまして、その後、国を初め関係機関も一生懸命その復旧に向けて努力をされましたし、さらに、強く印象に残っておりますのは、その復旧のために昨年の五月から六月にかけては自衛隊まで出動いたしまして、聞きますと、被害各県、全体で四県でありますが、延べ三十万人を超える自衛隊の皆さんが出動してこの災害の復旧に当たった、こういうふうに聞いておるわけであります。
 そこで、最初に林野庁にお聞きしたいのですけれども、以来、もう二年余り経過するわけでありますが、そうした台風十九号による森林災害の復旧状況は具体的にどんな状況になっておるのか、その辺を最初にお尋ねしたいと思います。
○塚本政府委員 台風十九号による森林被害の復旧状況でございますが、激甚災害法に基づく森林災害復旧事業の対象となっております被災森林につきましては、約五割の復旧状況にございます。対象となっていない一般の森林につきましては、約四割の復旧状況でございます。
○宮路委員 今、森林災害復旧事業の対象となっておるものは五割、そうでないものは四割というお話でございましたが、地元で私どもが聞く話は、せいぜい見積もっても三分の一くらいではないかというのが地元の皆さんの声でありまして、私どもも現地を今回の調査で見る中で、やはりかなり復旧の立ちおくれといいますか、あるいは復旧がなかなか進んでいないなというのを見た、そういう姿に接したわけでありますけれども、今おっしゃったそういう数字、実績は、林野庁が当初計画されたものといいましょうか、見込んでおられたものと比較してどんな状況と言えるでしょうか、ちょっとその点を教えていただきたいと思います。
○塚本政府委員 私どもといたしましては、早期に復旧作業を行うということで、これまで他地域から労働力の応援をいただくとか、あるいは高性能機械を大量に導入するといったことで努力をしてまいったわけでございますが、やはりこの被害が特定の地域に集中し、かつ甚大なものであるということや、労働力の確保がなかなか厳しい状況にあるということ、それからまた、被害地が林道等の整備が進んでいない奥地に及んでいるということで復旧が予定よりおくれておるわけでございまして、これらにつきましては、今後万全を挙げて取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○宮路委員 今のお話ですと、計画とすると、労務の調達等々、必ずしもうまくいかないために計画どおりではない、そういうようなニュアンスのお答えだったのではないかと思うのですが、森林の災害の復旧の仕事というのは、もう非常に厳しいというか、難しいというふうに思うわけであります。今回の台風十三号でも、私の地元、鹿児島も大変な森林の被害が発生をしておりまして、全国一の被害状況、平成三年の大分ほどではありませんが、県全体で六千ヘクタールを超える山がやられている、そういうことでございまして、大変悲惨な状況がもう随所に見られるわけであります。
 河川の復旧だとかあるいはまた道路、農地あるいは鉄道、そういった施設の復旧は、時間と金をかければ、難しいにしても何とかそのうちそうした施設の復旧は実現をしていく、もとどおりの姿になる。あるいは最近は改良復旧というのも積極的に取り入れられておりますから、従前の機能よりももっと充実した機能を持った施設に、そうした農地なりあるいは道路なりあるいは河川なり鉄道なり、なり得るわけでありますけれども、森林の災害復旧というのは、そうした他の施設の復旧と違って、どうやって進めていったら本当にうまくいくのかということで、私ども、地元の皆さんも途方に暮れているといいましょうか、非常に思いあぐねている、そういう状況なんでございます。
 そこで、森林災害復旧事業といったそういう事業もあるようでありますが、今度の台風十三号による被害に対処して、特に鹿児島の被害状況にどういうふうに取り組んでいかれるおつもりか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○塚本政府委員 ことし九月の台風十三号による被害につきましては、関係県の報告によりますと、森林被害額で民有林で約百五十三億ということになっておりまして、特に鹿児島を中心とした被害が多くなっているというふうに認識いたしております。
 この森林災害の復旧事業につきましては、現在、激甚災害法の指定等の手続も進められておりますので、こうした激甚災害法に基づく森林災害復旧事業というものを中心にして進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○宮路委員 激甚災害に指定して、そして森林災害復旧事業の適用によって、それを中心として復旧を図っていきたい、こういうお話なんでありますが、先ほどの大分の例から見ましても、私ども、本当に大丈夫かな、うまくいくのかなという心配が、なおなおそういう懸念が抜け切れないわけでございます。
 特に、森林災害の復旧の今の制度を見てみましても、確かに、昭和五十六年の全国的なといいますか、雪害で森林災害が発生した、それに対応して昭和五十六年にそうした激甚災害法に基づくところの森林災害復旧事業というのができたわけでありますけれども、しかしながら、その事業の対象地域あるいは対象となる森林というものを、どういうものかということでよくよく調べてみると、非常に限定された要件になっておるわけなんですね。これはもう大臣もよくよく御承知のとおりだと私は思います。非常に限定された条件のもとでしかその事業というものはできない。一般の施設、先ほど申し上げましたような、道路とか河川とか農地とか農業施設、そしてまた林道といったこれらの施設については、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法という法律だとか、あるいは農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、暫定措置法と言っておりますが、こういった法律がもともとあって、そして災害が生じた場合はこれらの法律によって国庫の負担がなされて、そして復旧が図られていく。激甚災である場合は、さらにそれに激甚災法によってかさ上げされた補助率が適用されて、そして、ほとんど地元の費用負担というものがないと言ってはあるいは言い過ぎかもしれませんけれども、地元の負担というものは非常に少ない、そういう中で災害復旧が強力に展開されていく。
 ですから、私が先ほど申し上げたように、道路、河川、農地、そういった施設については、いずれ時間と金をかければ復旧は大体うまくいくのではないかという地元の安心感というものもあるわけでありますけれども、森林については、植える場合の造林事業については、これは公共事業として補助事業が適用されて造林がなされていく。とにかく公共事業の中に入っているわけです。ところが、それが災害に遭った場合については、植えるときは公共事業として位置づけを与えてもらっておきながら、その災害については、これは他の施設と違ってそうした状況になっていないわけであります。
 ですから、そこらがもともとは、森林災害に遭っても、災害に遭った木、樹木は経済的価値があるから、いずれそれは皆さんが、民間の力によって伐採され、そして販売されていくだろうということを恐らく前提として、そうした災害復旧の手当てといいますか、手だてというものも他の施設に比べて非常に乏しいという状況になっているのではないかと私は思うのですけれども、その辺はどういうぐあいに認識をしておられるでしょうか。
○畑国務大臣 ただいま宮路先生から、鹿児島の森林災害問題を卑近な例としまして、大変専門的なうがった御意見の御開陳があったわけでございます。私自身も鹿児島にお邪魔させていただきまして、とりわけ鹿児島の場合におきましては山腹崩壊が非常に多かった。これによって貴重な人命に損傷を与えた。こういうことを考えますと、私の立場で申し上げることはいささか問題があるかもしれませんが、日本列島、大方の山がもう傷んでおる、そういうような位置づけの中で、この森林災害復旧の問題は、ただいま先生御指摘のとおり、あくまでもいわゆる私有財産だというような位置づけの中で今日まで対応が進められておる。
 たまたま、御指摘のような五十六年の激甚法の改正等によってだんだんその対応策がいささか前進を見ておるわけでございますが、御指摘を賜りましたように、その採択基準の問題あるいは手法の問題、万般にわたりましてかなり思い切った改革をやるべき、やらなければならないと申し上げた方がいいと思いますが、そういう段階を迎えておるわけでございますので、当方といたしましても、関係分野とも話し合いを進めながら、この山といいますものが、いわゆる環境問題あるいはまた国土保全の問題等々の視点から、従来とは違った大切な要素、大きな意味合いを持っているということを前提に努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
○宮路委員 今、畑大臣から大変力のこもった決意のほどが述べられまして、非常に私もうれしく思っておるところでございます。大臣におかれては、台風十三号の災害に際して私どもの地元の方にもお運びをいただきまして、現地をつぶさに視察もしていただいたわけでございます。そうした中で、今お話しのような、そういうとらえ方をしていただき、これから対策の充実に向けて取り組んでいかなければならないという決意が披瀝されたわけでございますけれども、もう以前と違って、今の林業あるいは森林を取り巻く環境、情勢というのはもう本当にさま変わりに変わってきている。昔は経済的な価値があった木材というものが、今は本当に、お金を出して持っていってくれと頼んでもなかなか持っていってもらいにくい、そんな状況すら、物によっては、あるいは地域によっては起こっているというのが今の森林の状況あるいは山の事情であるわけであります。やはり、山を治めてこそ国も治まる、そういう言葉もあるわけでございまして、今のこの荒廃した林業というか、森林というか、あるいは国土、これを今後しっかりと守って本当にすばらしい国土づくりを進めていく、日本のふるさとというものを守っていくためには、何としてもこうした森林を災害から守り、そして、むしろ災害から救うのが本来の森林の機能であるわけであります。そういう点でぜひとも森林の災害に対する施策の充実、今の制度は本当に限られたものであり、私の地元における各市町村の被害の状況から見ても、今林野庁に内々聞いたところでは、数多くの市町村のうち、たった一つの町しかどうも森林災害復旧事業の対象にならないのではないかというような状況のようでありますから、これでは本当にいかんともしがたいという思いでございます。どうか先ほどのような御決意のもとに、今後一生懸命この森林災害復旧施策の充実に向けて御検討と実行を賜りますように心からお願いを申し上げる次第でございます。
 次に、河川の問題について質問させていただきたいと思いますが、先ほど大分県の被害状況報告の中でも、大野川だとかあるいは大分川、あるいは緒方町のところの緒方川のはんらん等々、多くの河川のはんらんのお話を報告の中でも申し上げたところでございます。今回の台風、そして集中豪雨の災害の状況を見てみますと、こうした河川のはんらんが一番大きな原因となって大きな被害が発生している、こういうことが言えるのじゃないかというふうに思うのです。
 私の地元の鹿児島でも、集中豪雨、台風十三号によりまして、まことに数多くの河川の決壊といいますか、そういうものが見られるわけでありまして、現在県が取りまとめた調査結果でも、県管理の川の工事箇所が二千七百八十八カ所、市町村管理にかかわる川の工事箇所、必要な箇所が二千百六十八カ所で、合計五千カ所、今度の集中豪雨や台風十三号によって河川改修をしなければならないところが五千カ所も生じているというような惨たんたる結果であるわけであります。
 それに向けて、何としても河川の改修が進まないと、その周りの農地の復旧もなかなか進まない、あるいはまた道路も川沿いに走っている道路が結構あるわけでありますから、その河川の改修復旧が進まないと道路の復旧の方もうまくいかない、そういったように河川の改修を先行しなければ他の施設の復旧もうまくいかない、こういうぐあいに言われておるわけでありまして、とにかく河川の改修復旧を早急に査定をしていただき、復旧をやっていただかなければならない、こういう情勢であります。
 ところが、これまでたびたび河川のはんらんもあったものが、今回の災害がとりわけ大きいだけに、地元では今までどおりの原形復旧じゃこの河川の復旧もだめだ、ぜひとも曲がりくねった川を真っすぐにし、蛇行を緩め、あるいはまた川幅の狭いところは川幅を拡張したりして、河川改修も再度災害が今後ないように、そういう改良復旧をしなければならないという要望が非常に強いわけであります。そういう意味から、数は多いわ、そしてまた今度は、河川の改良そのものは従来の原形復旧じゃなくてもっといいものにしてもらいたいということで、この河川の改良復旧に対する要望というのはそういう形で極めて強烈なものがあるわけでありますが、果たしてこうした数多くの河川改修、また、地元のそうした改良復旧に向けての強い要望、これらに向けて何としてもこれを積極的に果敢に取り進めていただきたい、こう思っておるわけですけれども、建設省の方に復旧実現の今後の見通し、その点をまずお聞きいたしたいと思います。
○山口説明員 ただいま先生お話ございましたが、本年度は大変災害が多うございまして、地方公共団体管理の河川を初めとする公共土木施設につきましては、昨日十月二十八日現在で全国約八万カ所の災害があるというふうに報告をされております。昨年は約二万六千カ所でございましたので、約三倍を超えるという非常に大きな災害でございます。
 特に、災害の箇所が最も多かった鹿児島県につきましては、公共土木施設災が約一万一千カ所ございます。これにつきましては、設計図書等の準備が整い次第速やかに災害査定を実施しておりまして、現在約三千百カ所終わっております。しかし、まだ約八千カ所残っておるというのが現状でございます。これにつきましては、現在、県あるいは市町村が管理しております施設につきましての災害復旧の準備作業を鋭意進めておられるところでございますが、整い次第速やかに災害査定を行うということにしております。
 また、この災害査定をできるだけ早く完了させるためにいろいろな措置を講じております。例えば、査定とその準備の迅速化のために机上査定制度でございますとかあるいは総合単価制度といったような制度を積極的に活用すること、特に今回被害の大変激甚でございました鹿児島県等につきましては、机上査定や総合単価を適用できる工事の上限額を現在の約二倍に引き上げるという特例措置を講じること、あるいはまた災害査定を迅速に行うために査定官等も、通常の災害の場合には五班ないし十班という編成でやっておりますが、今回につきましては二十班以上ということで、できるだけ年内に査定を完了したいという意気込みで全力を挙げて進めておるところでございます。
 また、お話のございました改良復旧につきましても、原形復旧を原則としておりますが、特に被害の激甚なような場合には、原形復旧のみでは再び災害が起こるということで非常に事業の効果が限定されるということもございますので、御指摘のありました必要な改良復旧事業として適切なものにつきましては積極的に採択いたしまして、再度災害防止に万全を尽くしてまいりたいと考えております。これにつきましてもやはり県、市町村の準備が必要でございますが、これにつきましては、あらかじめ担当官を派遣いたしますとか、あるいは復旧工法につきまして事前に協議を受けて、実際に現地の準備作業が早く進むようにということで、年内に査定その他が終わりますようにということで全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○宮路委員 全国的にも大変な河川の災害ということのようでありまして、建設省の方あるいは各地方自治体の方も大変だろうというふうに思うわけでありますが、先ほど申し上げましたような河川改修といいますか、河川の復旧の重要性にかんがみて、ぜひとも早期復旧等、そしてまた改良復旧というものがなされていきますように今後一層の推進方を要請いたしたいと思うわけであります。
 先ほど大分の報告の中でも、大野川のはんらんは平成二年の集中豪雨のときにもあった。そして、その地域がほとんど水浸しになった。小学校も、そのとき犬飼の小学校が水につかった。そうしたら、今回また三年経過したところでやってきて、そこらが前回以上の浸水である、被害である、こういうようなことでありました。三年間にほとんど河川の改修というのも見ないままにまたこうした被害に遭ったということでありまして、地元の皆さんの落胆ぶりといいましょうか、本当に痛ましい姿が我々の調査のときも痛切に感じられたわけであります。また、私の地元の、先ほど申し上げましたような今回の河川のはんらんあるいは決壊というものを見てみましても、一方で河川の整備というものが何とこれはおくれているのかなということを非常に痛感してやまないわけであります。
 昔から、山を治め、水を治めることが国を治めることの基本であると、治山治水の重要性というのはずっと叫ばれて今回に至っているわけでありますけれども、それじゃその治水の状況はどうかというと、なかなか進んでいない。国が直接管理をいたします大河川、国直轄の、建設省直轄の大河川で今整備率が六二%、県管理の中小河川になりますと、それが三五%、今度は市町村が管理する準用河川とか普通河川になると、数字はないけれども、もっともっとはるかに恐らく低いだろうというのが、建設省から私が聞いた話であります。本当に、河川の重要性を認識する一方で、改めて河川の改修の重要性を痛感させる一方で、この整備というものが本当におくれているのだな、これをしないことには、これからもこうした大災害が絶えず繰り返されるに違いない、こういうふうに心痛めるわけでございます。
 そこで建設省にお聞きするのですけれども、こうした状況のもとで河川改修の重要性はますます高まっているわけですが、どういうぐあいに今後河川改修に取り組んでいかれるのか、その基本的な方針といいますか、そしてまたその決意といいますか、その辺をぜひお聞かせいただいて、こうした災害がこんなにたび重なって起こっていくことのないようにぜひしてもらいたいものだと思うのですが、その点、どうでしょうか。
○尾田説明員 ただいま先生お話がございましたとおり、現在の治水施設の整備水準、これは施設の方の整備の状況で申しますと、大河川が六二%、県等が管理いたします補助河川につきましては三五%、こういう状況でございます。またこれを、河川の整備をいたしましてはんらんを防御できた面積と浸水面積、そういう視点から見ますと、河川のもともとはんらん区域、はんらんをすると想定されます区域のうち、時間雨量で申しますと五十ミリメートル相当の降雨によってもたらされる洪水、そういうものから守られている地域の割合というもので申しますと、平成三年度末で四五%と、依然として低い状況にございます。このため、全国三千二百余の市町村があるわけでございますが、このうち約八割に及びます市町村が、過去十年間では少なくとも一回の家屋浸水あるいは土砂害などの被害を受けておる、そういう現状にございます。
 このため、本当に豊かさを実感でき、安全で活力ある生活大国を築く、そういうためには、先生お説のとおり、治水施設の整備こそが生活環境を守るための基本の施設だ、必要不可欠であるという認識をしております。現在、平成四年度を初年度といたします第八次の治水事業五カ年計画に基づきまして、治水事業を計画的に積極的に推進をいたしておるところでございます。
 特にことしにつきましては、鹿児島県を初めといたします全国各地におきまして、豪雨によります水害あるいは土砂災害が頻発をいたしたところでございます。これらに対処いたしますため、今後、先ほど防災課長の方から答弁を申し上げました災害復旧事業はもちろんのことといたしまして、治水事業、海岸事業、急傾斜地崩壊対策事業につきまして重点的にこれを行い、迅速な被災施設の復旧はもちろん、再度災害の防止に何とか寄与していきたい、このように考えておるところでございます。
○宮路委員 建設省も河川整備の立ちおくれを率直に認めておるわけでありまして、そしてまた、これからその重要性にかんがみて一生懸命頑張っていかなければならない、こういう決意のほどでありますが、昨今、新政権のもとで公共事業の配分の見直しといいますか、そういうものがなされるのではないか、そしてその中で河川、道路といった、あるいは農業関係もそのようでありますが、そういった分野への配分を削って、住宅、下水道あるいはまた公園といった都市サイドの方へと公共投資を振り向けていくのではないか、そういう記事が新聞にも時々出るようなことでございまして、いたく我々、その辺も心配をいたしておるわけでございます。
 ですから、どうか、上原国土庁長官もここにお見えいただいておりますけれども、そうした治山治水の問題、まだまだ大変おくれておって、まさに生活を守るためにはこれこそ肝心だ、ひとつそういう御認識を賜って、そうした私どもの心配するような公共投資の配分というものがなされないように、ひとつ積極的に治山治水が行われていくようにぜひお力添えを賜りたいということをこの場をかりてお願いしておきたいと思う次第でございます。
 もうあと持ち時間も少なくなってまいりますが、最後にJRの問題なんでありますが、先ほどの大分県の報告の際も、緒方川のはんらんによってJR九州豊肥本線の鉄橋が流失をしておるというお話を申し上げましたけれども、今回の台風や集中豪雨でJR九州も大変な被害を各所において受けておるわけでありまして、全体で被害額が八十四億というような被害であるということであります。箇所数も九百五十カ所、全体でそういう被害を受けておる。ところが、経営状況は御案内のようにJR九州は大変悪いわけでありまして、実質的には、経営安定基金の運用益による補てんというものを除いて考えるともう赤字である、昨年来そういう経営状況であります。したがって、今回のこうした災害の被害をみずからの力によってやっていくということは、これは到底不可能であるわけでありまして、何としても平成二年の豊肥本線の災害の際に適用したところの鉄道軌道整備法による国及び県による助成、これをやってもらわないことにはこの復旧自体も実現できない、こういう状況でありますけれども、その辺の見通し、運輸省の方にひとつお聞かせいただきたいと思います。
○藤森説明員 JR九州におきましては、ただいま御指摘のとおり、六月以降の集中豪雨等によりまして、多くの被害を受けたと私どもも承知しておるところでございます。現在、JR九州におきまして、個々の被災箇所につきまして、具体的な復旧計画及びこれに要する費用につきまして詳細な検討を行っているところでございます。
 運輸省といたしましては、現在行われておりますJR九州の検討結果が十一月末ごろにはまとまると聞いておりますので、その結果を待ちまして、御指摘の鉄道軌道整備法に規定するその所要の要件を満たしましたならば、同法による補助の適用について検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○宮路委員 藤森課長も前回大分へお出向きいただいて、その現地の状況をしっかりと見ていただき、またJRを初め皆さんの切実なる要望をしっかりと胸に受けとめていただいておるというふうに私も思っておりますので、ぜひその一日も早い実現といいますか、適用をひとつやっていただきたいということをお願いすると同時に、九州JRの経営状況は本当によくないわけでありまして、これからもこういった災害が続くならば、本当に九州JRそのものの存立を危うくしてしまうということは避けられない、そんな大変な状況であります。
 したがって、鉄道軌道整備法の補助、助成の今の実態、二分の一は自分でやって、あとの二分の一を国と県が四分の一ずつ持ち合う、こういう助成の内容なんですけれども、これじゃまことにかわいそうである。ほかの交通機関の場合の災害復旧に比べて、鉄道の災害復旧は半分は自分で持てというわけでありますから、大変苦しい経営状況の中でこういう状況が続くならば、こうした助成内容がずっと今後とも継続されるということであれば、本当に九州JRそのものの存立が風前のともしびになっちゃう。今もそんな感じがするぐらいでありますから、ぜひまた鉄道軌道整備法の充実改善ということもひとつ今後の検討課題として取り組んでいただきたい。このことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○池端委員長 石橋大吉君。
○石橋(大)委員 全体の質問時間も三十分で、農林水産大臣に対する質問は二十一分ですから、非常に芸の細かい質問をしなければならぬわけですが、せっかくの機会ですから、ごく簡単に三つ、四つ質問をしたいと思います。
 まず最初は、米の作況指数の発表の仕方あるいは扱い方の問題ですけれども、御承知のとおり、八月十五日の時点で九五、九月十五日の時点で八〇、十月十五日の時点で、新聞の伝えるところでは七五。平年並みの年間生産量約一千万トンにして作況指数が七五、単純計算で二百五十万トンの不足。政府米の在庫や来年産米の前倒し状況などを考えても、百五十万トンから百七十万トンの供給不足が心配をされる、外国から米を輸入しなければいけない、こういうことになっているわけです。
 現実の問題ですから、だんだん時間の経過とともに生産者と農林水産省の認識は一致をしてきてはいると思いますが、最初の八月時点での作況指数の発表時点なんかでは、やはり農家で直接田んぼを手がけておる者の目から見ると、農林水産省の作況の把握なんでいったら物すごく甘い。現実問題、一体どういう作況の把握の仕方をしているのか。農家の立場からするといろいろな面へそれがはね返っできますからね。私の地元の方のその時点での農家の皆さんの言葉をかりて言えば、余りにも開きがあり過ぎるものだから、とにかく生産者である農家も立ち会わせてもらって、やはり両方の認識がある程度一致できるようなことを考えてもらえないか、こういう悲痛な生産者農家の立場からの声がかなりあったわけですよ。そういう点で、この機会に作況指数の扱いの問題について、ちょっと確かめておきたいと思うのです。
 まず一つは、最終的に七五から下へ落ちることはないでしょうなということを確認しておきたい。
 それから二つ目に、八月十五日の九五から十月十五日の七五と大幅な落ち込み。こういうことは、今言ったように、八月十五日の時点でもう少し七五に近いところの予測は十分可能じゃなかったか、こういうような感じもするのですが、これだけ大きな格差を生んだ理由は一体どこにあるのか。
 三つ目には、今言ったような、やはり生産者農家と農水省の作柄の判断について余り大きな隔たりが生じないような工夫を考えておかないと、将来的によくないのじゃないか。これは、それこそいろいろな災害対策の手の打ち方にも、早いか遅いかというようなことを含めて、かなり具体的な問題に全部ひっかかってきますので、そういう意味で、あえてこの点をひとつこの機会に伺っておきたいと思います。
○嶌田説明員 御承知のように、作況は、八月、九月、十月、収穫期と四回やっているわけですが、八月の作況指数の九五と九月十五日の八〇というその差についてのお尋ねでございます。
 八月十五日現在の調査、これは例年以上に水稲の生育が非常におくれておりました。そういうことで、例年でありますと一部の実測も可能でありました穂の数などもことしは推定せざるを得なかったというような事情もございます。そういうことで、茎数でございますとか草丈などから、調査日以降の天候を平年並みとみなしまして未確定要素を推定したということで、八月十五日では九五という数字を公表したわけでございます。
 なお、この九五という数字につきましては、八月十五日現在の数字といたしましては戦後最低の数字に並ぶものであるということでございます。
 それから、農家と我が方との調査の隔たりということでございますけれども、これは月を追いまして実際に実測可能なものがふえてくるわけでございますので、いろいろ調査検討する段階におきましては一各地域におきまして関係団体等とも十分意見交換しながら、適切な数字を把握するというようなことで努めておるところでございます。
 なお、今後どうなるかということでございますが、まだ収穫も完全に終わっておりませんということで、ことしは我々が思っていました以上にいもち病の発生とか不稔もみの発生が非常に多うございますので、その辺をもう少し見ないと、正確なところはまだ予測不可能ということでございます。
○石橋(大)委員 どっちにしましても、今申し上げましたように、毎日田んぼで米を見ている人たち、作況を見ている人たちとの間に大きな差が生ずるということは余り好ましいことではないと思いますので、優秀な農水省の技術者もたくさんおられることですから、ひとつ今後の問題としてさらに検討しておいていただきたい、こういうふうに思います。
 二つ目に、農業共済の再保険金の支払い財源の不足対策について伺いたいと思います。
 十月十五日付の日本経済新聞の記事によりますと、深刻な凶作のために稲作農家に支払う農業共済の支払い金が四千億から五千億になる。一九八〇年の支払い額が約二千五百億円だったそうですが、その倍近くというか非常に大幅に上回る。ところが、全国農業共済協会にはそれを全部支払うだけの金はない。政府の方から、従来のように一般会計からの思い切った繰り入れをしなければとてもじゃないが負担し切れない。その額が、どんなに見積もっても三千億から四千億。かなりの額になることも間違いない。
 聞くところによりますと、農林水産省と大蔵省との間では、農林水産省は当然一般会計からということで話をしておられると思いますが、大蔵省の方は財投資金からの借り入れでどうか、こういうような話もあるようですね。しかし、財投資金からの借り入れということになりますと、膨大な利子負担を含めまして、いろいろと財政を圧迫する、あるいは最終的には農家の負担にしわ寄せが来るということもありますから、従来から、一般会計から繰り入れる原則というか、そういうことはずっとやられてきておりますので、大災害のときこそそういう措置をきちっとしなければならない、こういうふうにも思いますので、この原則は何としても守って一般会計からの繰り入れで処理をしていただきたい、こういうふうに思うのですが、その点について農林水産大臣のお考えなり決意をひとつ伺いたいと思います。
 それからもう一つは、こういう状態に直面して、農業共済基金をもっとやはりふだんから充実強化をしてこういうときに備えるようにすべきだ、こういう要望もあろうと思うのですが、この辺についてどういうふうにお考えになっておられるのか。
○畑国務大臣 数字をもってお答え申し上げた方がいいと思いますが、大方の予想では共済支払い金額は四千九百億円程度になろうか、そしてまた、御指摘ございました不足金額は三千七百億前後ではなかろうか。昭和五十五年に比較をしましても、かつてない、そういうようないわば予想もづかなかった不足金額であり支払い金額である。こういうことを考えまして、御指摘のような意味合いで、ただいま事務当局におきましても、そしてまた私なりにも、石橋先生御指摘のような基本的な意味合いのものを要請しつつあるわけでございます。何といいましてもこういう財政事情の中で、まだ決着を見ておりません。要は、問題は農家の方々の負担がふえるような方向に持っていってはならない、こういうような考え方に立っておるような次第でございます。
 もう一点が、先生御指摘の農業共済基金の強化、この問題も御案内のとおり、いささかPRめいて申しわけないと思いますが、けさほど一部新聞報道等に見られますとおり、一兆円規模を上回る冷害対策という総額に相なるわけでございますが、その中の一つの項目としまして、先生御指摘の基金に対する出資の問題、これもただいま対応を実現すべく取り組まさせていただいておる、この中に入っておる、こう御理解を願って結構ではないかと思っております。
○石橋(大)委員 大臣、用事があるようですから、どうぞ行ってください。
 余り時間もありませんが、ちょっと事務当局にもう一つ。
 初めに余り言ってなかったのですが、要するに大災害のために、作況指数の問題をちょっと言いましたが、そうはいっても査定に、損害評価に人手が非常に不足をする。災害視察に出て、農林水産省の専門家の話を聞いておりますと、平年の十倍以上人手が要る。したがって、聞くところによりますと、余りまともな賃金というか手当も払ってなくて、評価員はかなりボランティア的な仕事をしていただいているわけですが、それにしてもかなり特別事務費というか、そういうものが膨れると思いますが、その辺の手当てはどうなっていますか、ぜひきちんとした手当てをしていただきたいと思います。
○福島(啓)政府委員 現在損害評価に取り組んでおるわけでございますが、損害評価は迅速かつ的確に実施するために、通常年に比べましてかかり増し的な経費がかかるわけでございます。これにつきましては、昨日まとめました冷害対策等の実施の中にも触れておりますように、かかり増し部分につきまして特別に助成する方向で補正予算において対応したいというふうに考えております。
○石橋(大)委員 次に、新農政と農業共済というか災害対策の関係についてちょっと聞いておきたいと思うのですが、去年の六月十日に新しい、新農政の方針が出されまして、御承知のように、土地利用型農業、米を中心にした農業ですが、向こう十年ぐらいの間に十ないし二十ヘクタールの農家を五万戸、五ないし十ヘクタールの農家を十万戸、数集落にわたる組織的な経営体二万戸、こういうことを目標にして十年ぐらいの間に急テンポに農業の再編成というか大規模化を目指す、こういう新方針が出ているわけですね。こういう農業を実現をしていくということになりますと、御承知のとおり農業共済の関係は、米の関係については三つ、一筆方式とか半相殺方式だとか全相殺方式だとかありまして、足切り三割から一割、こういうことになっているわけですが、一ヘクタール前後の規模であれば足切りもそれほど負担にならぬと言うのはちょっと語弊があると思いますけれども、大規模になると、これはもうそう軽いものではないわけですね。二十ヘクタールになれば一割でも二ヘクタールですから、米にすれば恐らく二百俵近くになるのではないかと思うのです。
 そういう意味で、この足切り問題は規模の再編成との関係で抜本的に見直す必要があるのじゃないか。この辺は、ことしの二月でしたか、出ておりました総務庁の監査結果でもそういう指摘がありますが、この辺、どういうふうにお考えになるのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
○福島(啓)政府委員 先生ただいま御指摘になりましたように、新政策で目指しております大規模経営化の方向に即しまして、農業共済におきましても本年五月に制度改正をいたしまして、農作物共済につきまして、一般的には一筆方式が三割の足切りでございますが、大規模農家等に対しましてはいわゆる九割補償、つまり全相殺方式の適用の道を開いたわけでございます。これは平成六年産米からでございますが、その普及推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○石橋(大)委員 私も農林水産委員をやっておりますけれども、共済の審議に直接タッチをしていなかったものですから認識不足でしたが、ぜひひとつそういう手をちゃんとしていただきますようにお願いをしたいと思います。
 それからもう一つ、規模の拡大との関係で、小作料というか借地料の関係について、この機会にちょっと聞いておきたいと思います。
 規模の拡大は、土地が高いためになかなか農地が買えない、そこで借地によって規模拡大をする、こういう方針で最近はずっと規模の拡大がやられているわけですし、さっき言いました新しい農政の中における規模の拡大もほとんど借入地によって耕作の規模拡大をしていく、こうなるわけですね。今度の大災害になりまして、そういう借地によって非常に規模を拡大してきた、いろいろな問題が出てきますけれども、その一つに小作料というか借地料をどう負担するか、こういう問題がやはり農家の立場で言うとかなり深刻な問題になっているわけですね。地主との間で一定の協定を結んで、十アール標準小作料何ぼか知りませんが、島根県なんかでこの間私も田んぼを歩きながら聞いた話では、あるところでは二万七千ぐらい、こう言っていましたが、大幅に作況が落ちて米の収穫が二割か三割しかない、飯米も確保できない、こういう状況になると、やはりこの小作料というか借地料というのはかなり農家の皆さんにはぐっと肩に食い込んでくるわけですね。しかし、集団的にある程度処理をしないと、個人個人で話をしておったってらちが明かない、こういうような問題もあります。皮肉に物宣言う人は、豊作のときはもうかったのに黙っているわけだから、凶作のときも損害はそのまま背負うべきじゃないかという議論もあります。しかし、豊作になったから三割も四割も大豊作というところはないのですね。しかし、減収のときはこれは大幅にどかっと落ちるわけですから、やはり凶作時のことは、この土地の借地料に関連して、何か一定の弾力的な処理がすぐできるようなことを考えておかないといかぬのじゃないかなという感じがするのですが、この点を一つ伺いたいと思います。
○入澤政府委員 先生御承知のとおり、災害等によって減収となりました場合の小作料の取り扱いでございますが、契約小作料の額が収穫された米の価格の二割五分を超えるような場合、その場合には、農地法二十四条の規定によりまして、二割五分に相当する額に至るまで小作料の減額を請求することができることになっております。これにつきましても、既に全国農業会議所を通じまして各都道府県農業会議に対しまして、小作料減額請求制度の内容とその留意事項につきまして通達を発し、説明会を開いているところでございます。
 島根県では、聞きましたところ、これから県内の全農業委員会の職員を集めまして、担当者会議を開いてこの趣旨を徹底させるということでございます。
 なお、こういう場合に、小作料を払う金がないじゃないかということも含めまして、天災資金等を活用して払えるような資金手当てはするようにしております。
○石橋(大)委員 時間が来ましたので、残念ですが、これで終わります。ありがとうございました。よろしくお願いします。
○池端委員長 金子徳之介君。
○金子(徳)委員 今年の未曾有の冷害、戦後のみならずもう本当に近世に残るほどの異常気象によって農産物が大打撃を受けた、とりわけ米につきましては大変な状況になっておることは、本当に憂慮される事態であるなというふうに思っております。そうした中で、農林水産省総力を挙げてこの対策に取り組まれ、そしてきのう原案のそれぞれの対応、対策の確定を見、そして閣議決定されましたこと、本当にありがたく、これは敬意を表したいと存じます。
 財政主導型でこの災害対策をするということについては、これは次元の違う話でありまして、今日本の食糧問題というのは、世界の食糧問題に通ずる重大な問題であるというふうに認識をいたしているわけであります。そうした中で、今回それぞれ共済金の早期かつ円滑な支払いというようなことを中心にしながら、農災法の適用、先ほど同僚議員からの御質問がございましたけれども、その中で大臣からの力強いお言葉もちょうだいいたしたわけでございます。
 私は、そうしたことについて全幅の信頼を置いて、農家負担に置きかえられることのない、それぞれ再保険特別会計への財政投融資資金の一時利用というかセットでやることについては、厳しい財政事情でありますからこれは是としなければいけないなと思いつつも、どうか重ねてその点についてはしっかりと、この共済金支払い、三年に一遍ずつの見直しの中でそうしたことが繰り入れられるようなことのない、確たる今後の方針で臨んでいただきたい、これは御要望にとどめさせていただきたいと存じます。
 在庫米をどれぐらいにするかということで、これは食管制度の中ではこの需給バランスを常に考えながら対応、対策をとってこられたと思うわけでありますが、伺うところによりますと、平成八年度約百三十万トンを目標にということでありますが、今までは単年度の需給在庫、これを中心に約四十万トン、そして三年間ぐらいの間に百万トンぐらいにしたいということでありましたが、気象災害というものは、全く事前に確たる予想ができないわけでございます。したがって、天災に備えた米の在庫ということ、備蓄ということ、これはしっかりとこれから考えていかなければならない。
 そうした観点から、この百三十万トンを一応目標にした経緯、そして私は、いま少しこれは積み増しをしていく必要があるだろう、そのように思っているだけに、食管制度の財政措置上の赤字
の問題を余り前面に出さないで、これから地球規模での気象災害等が出た場合、二十一世紀初頭にはもう穀物の需給バランスというものがイーブンになってくる。そうすると、流通上のランニングストックが出ますとどうしても飢餓の国が出てくるのではないか。日本も、米ということを中心にしながら、そうしたことをもう等閑視してはいけない、そのように考えますので、そういった点の基本的な考え方をもう一度伺っておきたいと存じます。
○鶴岡政府委員 食糧の安全、円滑な供給というのは、これはもう政府の使命であることは間違いありません。そういう中で、やはりゆとりある操作というのは、ことしの未曾有の不作というようなことを考えますと必要であるというようなことで、今回、水田営農活性化対策、あと二年間残っておるわけですけれども、そういう中で在庫の積み増しの見直しというのをどうやっていくのかということにつきまして、いろいろ議論をいただいたわけでございます。
 我々といたしましては、円滑な需給の操作というようなことが一つあります。また他方、国産で在庫積み増しをやるわけですので、農家につくってもらわなければいけないわけですから、その際、やはり稲作経営の安定というのが一つありますし、また、事実づくれるところ、意欲のあるところ、また、主産地でありますとか、あるいは特に来年の端境期を考えますと、早場米地帯といいますか、いろいろなことを考えて、営農の安定、継続という両面からいろいろ検討したところでございます。そういう結果、この二年間で、平成七年十月末ですけれども、百三十万トンの在庫積み増しというようなことで転作の面積の見直しをいたしたわけでございます。
 この数字自身、数字的に見ますと、これはことしのような未曾有の災害に対する対応には対応できないと思いますけれども、従来から言っています、二年続き作況九五ぐらいでも対応できますし、それから過去のひどい災害の場合も、二十八年が作況指数八四ですし、それからまた五十五年が作況八七ということです。五十五年の作況八七でありますと、百三十万トンぐらいの減になるということで対応できます。それからまた、二十八年の八四ということにつきましても、早食いのやりくり等によって対応できる一つのめどではないか、そういう面もありますけれども、先ほど言いましたように、二年間でどういう積み増しをするのか、そういう営農の継続性、安定性両面から議論した結果、こういう数字を目標にするということにいたしたわけでございます。
○金子(徳)委員 減反緩和の問題と関連してくるだろうと思うのですけれども、ただいま長官からのお話で、一生懸命やろうとするやる気のある水田農家にそれぞれこれらの安定した稲作経営とそれから米の供給ということでありますけれども、在庫をどれぐらいにするかということは、私は、やはり喫緊の目標の数値としてそれに収れんしていくようなそれぞれの対応、対策、途中でしょっちゅう変えることのない一貫した方針というものがこれは必要だろう。
 これは御要望申し上げておきたいと思いますけれども、転作した水田を復田するということ、これについては財政的に経営的に大変なお金がかかるわけであります。私どもの地元では中山間地域にそういった転作した場所を復田する場合、大体二十五万から三十万近くのお金がかかる。復田についての財政措置は国としては大体四万円。これじゃなかなか復田が進まないなというふうに見ているわけであります。そうした点、これから十分留意されまして進められるように、特に六十万ヘクタール程度に減反緩和していきたいという方針でありますけれども、これを視野に入れた形で進めていただきたい、このように御要望申し上げておきたいと存じます。
 次に、他用途利用米の問題でありますが、この他用途利用米のいわば半値で買い上げるという形から、急遽今回は飯米不足ということで政府買い上げ米に切りかえるというような、そういう緊急対策もやられたことは、これは適切だとは思います。そういったみそ、しょうゆ、酒、そういうことで、その玉突きで緊急輸入ということもお考えでありますが、私はあえて言うならば、この他用途利用米の性格というもの、確かに食管制度そして財政運用の長期的な展望の中ですばらしい考え方としてスタートはいたしておりますけれども、災害に遭ってみますと、この他用途利用米制度というものは、むしろ米の需給バランスの上では調整米的な役割を現実的にやるわけですね。いっそそういうことであれば、この価格の問題もさることながら、在庫調整米制度というような形に切りかえていかないと、これからたびたびこういう災害が起きた場合の対応が容易でないのではないかな、そのように思うわけであります。したがって、そういった点、今後の他用途利用米の政府としての考え方、長官の考え方をまず伺っておきたいと思います。
○鶴岡政府委員 他用途利用米は、もう御案内のとおり、減反を強化する中で他用途米制度を導入すれば、一般の主食用の米と一緒につくっていくといろいろ能率的であるというようなことで導入されたわけでございます。減反を強化する中では極めて有効といいますか、いろいろつくって予定をしたような生産を上げていただいたわけでございますけれども、昨年から減反緩和をしているわけです。減反緩和の中でいろいろつくりにくさといいますか、いろいろな問題が出てきているのは事実でございます。
 ただ一方、今御指摘のように、今回の作況調整等を見ますと、主食用の調整弁というようなこともありますけれども、他方、やはり加工業者にとりましては、大体加工米原料の三分の一をこの他用途米に依存しておるわけでございます。単に主食用だけの調整弁にしておりますと、加工業者にとっての問題というのが出てくる、その辺をどうするかということがあろうかと思います。
 ここ、減反緩和の中で、農民サイドからは今の値段ではどうかという話もあります。それから他方、加工業者にとっては、一応予定したのが、作況調整ということで原料がなくなる、不安定になるというようなこともかねがね懸念されておるわけでございます。当面、在庫自身の積み増しという中で減反を進めていくわけでございますが、そういう中で、当面は今のいわゆる転作の一形態というような基本的な枠組みの中で対応していくわけでございますけれども、今後そういういろいろな問題があることも事実でございますし、その改善について実需者それから生産者側、その辺の話し合い、あるいは我々としてもそういう中に入っていって、この加工原料米対策の一つとしての他用途米制度について見直しをしていきたいというふうに考えております。
○金子(徳)委員 ぜひこの加工米確保についても、それぞれの円滑な流通ルートということを確立してほしいなと思うわけであります。
 実は、前もっての通告はしておかなかったわけでありますが、きょう実は早朝からいろいろと地元と話をしました。天災融資法の早期発動をしていただく、ありがたいことだなという感謝と一緒に、激甚災適用を受けても、金利もこのように引き下げてもらうことは我々勇気を持ってこれから当たれる、しかし、まだ作況指数が、十月十五日以前でありますから以前の作況の状態で、我々古老がよく言うわけでありますけれども、青田で褒めるのは少し考え不足である、青田ばか褒めという言葉があるわけでありますけれども、その時期にこの希望を既に先取りしてとっているわけですね。そのために、いずれは返さなければならない、低金利時代で最低激甚災でも三%だ、これじゃ金を借りて返すのが大変だというようなことを考えたものだから希望しなかったというのですね。組合長と相談した、何だ、そういう連絡がようやく閣議決定で今来たのかというふうなことで、そのギャップが、調査の時点が余り早過ぎて、それに基づいてやったものだからもう一遍再調査だ。
 ですから、この天災融資法の総枠の中でどれぐらいの予算措置がされているかということ、これから問題になるわけですが、先ほど全体で一兆円内外の災害対策、その中でやりますという農林水産大臣のお言葉がございましたので子といたしますけれども、なおこの再調整の中でこれが補正等については柔軟に対応される考えがないかどうか伺っておきたいと思います。
○福島(啓)政府委員 天災融資法でございますけれども、今回の対策におきましては融資枠につきまして二千億円ということでございまして、これは被害のひどい年でありました五十五年は千二百億でございますので、それを大幅に上回る枠を設定しているわけでございます。その中で、地域の実情をよく聞きまして、その資金需要に十分対応できるように一層の努力をいたしたいというふうに思っております。
○金子(徳)委員 本当にありがとうございました。それだけ真剣に取り組んでいただいておることに敬意を表したいと存じます。
 今回、米不足のために緊急輸入対策を進められるわけでありますけれども、一番心配されておりますことがあります。それはどういうことかというと、今ガット・ウルグアイ・ラウンド折衝中、しかも例外なき関税化、包括関税化の中で、米の自由化、これに直接つながっていくのではないかということを稲作農家は大変心配をして、いろいろと問い合わせ等が来るわけであります。
 基本的に国会決議というものを尊重する私どもの立場、また連立与党としても、米を単純なスケープゴートにするような形での、ガット・ウルグアイ・ラウンドを成功させるにはこれが絶対だというような要件だとは私は考えていない。そうした中で米の自由化には、例外なき関税化には反対する立場でいるわけでございます。絶対につながらないような措置ということをぜひここで御回答いただいておきたいなと思うわけでありますが、食糧庁長官、よろしくその辺は、言える範囲ということは十分承知した上で伺っておきます。
○鶴岡政府委員 農林水産大臣もあらゆる機会を通じまして話をしておるところでございます。
 今回の措置は、百年に一度とか、そういうことを言われていますけれども、予想しなかった未曾有の不作により起因しました出来事でございます。私ども食糧管理を預かる者としまして、やはりその基本的役割に従って国民に供給するというようなことで、緊急特例的な措置であることは申すまでもございません。
 また一方、現在ガット・ウルグアイ・ラウンドで農業交渉で論議されていますのは貿易ルールの話でございまして、全く次元を異にするということで、今回の措置がそれにつながるというような話ではございませんし、ガットの場におきましては従来からの基本方針にのっとって対応していきたいということでございます。
○金子(徳)委員 時間が参っておりますけれども、まだ多少ございます。
 今回の冷害で特徴的なことが一つございました。末端の農業改良普及員が非常に冷害の経過を心配しまして、現地に赴いて技術指導をしっかりやって、深水対策をやった中山間地域については幾らか米がとれた。総理に入っていただいた去る十月三日、収穫ゼロの場所の同じ隣の田んぼの方に幾らかとれたのをよく見てみたら、これは深水管理でこれをやっておった。私は、今第三次行革審の中でどういうふうな内容で進んでいるかということは承知しておりませんけれども、もし末端のそうした農業改良普及所等の、本当に一体となって農家と親兄弟のような関係で話し合っているあの姿には、私はいつも胸が熱くなる思いでいるわけであります。この際、農業改良普及事業というものに農林水産省はもっと力を入れていいのじゃないかな、そうした要望を込めてお伺いしておきますが、その点について、これからの方針を伺います。
○高橋(政)政府委員 ただいま激励のお言葉をいただいたわけでございますが、我々も、ことしも冷害というようなことで、七月以降、特に末端の普及員を使いまして技術指導に取り組んでまいりました。やはりことしのこういう冷害の教訓からいたしましても、技術力によって差も出てきたところもございます。したがいまして、現在早速、普及所を通じましてそういった実態調査などもやりまして、今後農家と密接に結びついた活動のできるこの普及組織を十分に活用いたしまして、米の安定生産のための技術普及を力を入れてやっていきたい、このように思っております。
○金子(徳)委員 農林水産大臣が戻られましたので、顔を見た途端ほっとしたわけでありますが、非常な努力をされた大臣に感謝を申し上げますとともに、一つだけ最後に御要望申し上げて、終わりたいと思います。
 今回の災害がきっかけで緊急輸入対策が自由化につながることのないようにということで先ほど長官の答弁をいただきました。どうか、国会決議を守り、そして内閣不統一なんということでなくて、しっかりとその辺をお守りいただくようにお願いを申し上げまして、終わります。
 ありがとうございました。
○池端委員長 西博義君。
○西委員 公明党の西博義でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私は、先ほど池端委員長が報告されました十月の五日、六日に行われました北海道の異常気象による被害状況調査に派遣をされまして、あの百年に一度と言われる大変な冷害、殊に水稲被害を目の当たりに見て、本当に胸の痛む思いがいたしました。このたびのこの冷害による被害を受けられた全国の皆様方に、心よりまずお見舞いを申し上げたいと思います。
 さらには、昨日既に約一兆円以上とも言われる冷害対策が打ち出されました。また、本日御多忙の中御出席いただきました畑農林水産大臣初め関係各位の御努力に対して、心より敬意を申し上げたいと思います。
 初めに私は、今回のこの冷害によりまして被災をされた地域の支援の措置について御質問申し上げたいと思います。
 経済企画庁によると、十月八日に参議院の予算委員会で久保田経済企画庁長官が発言をされておりますが、この戦後最悪となっている米の凶作による全体的な経済的な損失、これが二兆円を超える見通しになるということが明らかになっております。この米の凶作をきっかけとした農家の皆さんの購買意欲の落ち込み、これが地域経済に大変な打撃を与えるのではないか、こう考えております。一方、政府は既に冷害被害に対する対策を打ち出されまして、共済金の早期かつ円滑な支払い、さらに被災農家への緊急資金需要への対応、公共事業の重点配分と、種々の対策を出しておられますが、この総合対策はどちらかといえば被災農家の支援措置が中心であるように見受けられます。総生産の中に占める農業生産の割合がことさら北海道、東北地方が多いわけでございまして、一〇%を超える率を持っております。そんな意味で、被災地域全体に対する支援措置も充実すべきである、こう思われますけれども、大臣の御所見をひとつお伺いしたいと思います。
○畑国務大臣 ただいま御指摘のとおり、今回のいわば有史以来の未曾有の大凶作、これの一番の大きな、御難渋をされておりますのは農家の方々であることは申し上げるまでもございません。西先生御指摘のとおり、やはりこれは地域経済、ある意味におきましては全国的な規模の今日の不況に対するさらなる大きな問題を与えておる現状にございまして、農林水産省という立場での積極果敢な対応もさることながら、これはやはり内閣として取り組むべきである、さような意味合いで、御案内のとおり、九月三十日でございましたか、関係閣僚会議等々の開催を持ちまして、今お話のございましたような意味合いでは北海道、東北ということも十二分に念頭に置きながら、公共事業の箇所づけ等々の問題、あるいはこれからの補正予算にかかわります予算配分の問題等々、先生御指摘のような意味合いのものをもって全国的な視野で物事の対応をより進めてまいりたい、かように考えております。
○西委員 大変心強い、今回の不況下における経済対策とも相まって貴重な御発言ありがとうございました。
 続きまして、天災融資法の改正についての御提言を申し上げたいと思います。
 既に昨日の対策におきましても、据え置きを三年間、または金利の引き下げ等、この法律の範囲内で十分な精いっぱいの対策をとられたようでございますけれども、一般被災農業者で二百万円、それから果樹栽培の方で五百万円、償還期限六年ということが決まっております。いずれも法律事項でございまして、貸付限度額に関しては五十七年、償還期限は四十年に決められたものがそのまま今通用しているということでございます。その間、資料を見せていただきますと、昭和三十年、それから三十九年、四十年、四十六年、五十年、五十三年、五十七年と、平均いたしまして三、四年に一度、災害の起こるたびにこの貸付限度額等のことにつきましても国会で議論され、また引き上げを行われてきたところでございます。最終が昭和五十七年ということです。
 ということになりますと、十年前に適用された法律が今回使われるわけですけれども、何とかこの法律を改正していただきまして、限度額を引き上げる、この大変な不況下におけるダブルパンチの冷害を、この状況を回復するためにそういう措置がぜひとも必要ではないか、こう考えますが、ひとつ御所見をお伺いしたいと思います。
○畑国務大臣 ただいま先生も御理解をいただいておりますとおり、金利の問題あるいはまた据置期間の設定の問題等々、私は、ある意味では、いわゆるこういった緊急、異常な事態に対しましての運用面で弾力性を持ちまして対応をさせていただいた。あわせて、同時並行的に自作農維持資金の融資も受けられるわけでございますので、その辺の、ある意味では運用面のうまみといいますか、あるいは対応の弾力性、こういうものを生かした今回の対応でございますし、これからもやはりケース・バイ・ケースによってはそういう余地を残しておく必要もあるのではないかな。一つの法律できちっと物を定めておくこともさることながら、こういう弾力的な運用、対応といいますものも生かして御期待に沿っていく、この辺につきましても御理解をいただければありがたい、かように考えます。
○西委員 今大臣からお伺いいたしまして、確かに、そういう今回の天災融資法をいかに運用していくかということにつきましては、一つの大きな突破口を開かれたという意味で、私も評価をさせていただいております。
 今回に限らず、これは私たち自身が農家の皆さんの立場に立って、今までも既に物価も上昇しているわけですし、将来的にもまだこういう傾向が続くと思いますので、将来にわたってまたそういう時期には御検討をぜひともお願いしたいということを、御要望だけ申し上げておきたいと思います。
 続きまして、このたび被災をされた農業者の就労対策について、一言お伺いをしたいと思います。
 平成五年八月三十一日、農水省の構造改善局長から「台風等被災地域における農業農村整備等の執行について」という通達が出されております。この趣旨に基づいて、構造改善局建設部長から各地方農政局建設部長あてに「未契約工事の早期執行、工事執行における被災農家の優先的雇用について」という通達が出されております。しかし、最近では、御存じのように、公共事業等の工事は機械化が大変進んでまいりまして、その技術を持っていないとなかなか就労が困難である、こういうふうにも考えられます。まして、優先的に雇用するという努力義務を今回通達で出していただいたわけですけれども、請負工事の、台風等被災地域における農林漁業の皆さんの就労希望がどの程度の規模となっているのかということをひとつお伺いをしてみたいと思います。
○入澤政府委員 今先生御指摘のとおり、八月三十一日付で私の名前で、被災農家の就労機会の確保に関する通達を出しました。その通達に従いまして、先般、各地方農政局等の担当者を集めまして、出稼きあるいは就労の実態についても打ち合わせ会をやっております。現在どのくらいの数字があるかということはつかんでおりませんけれども、各県におきまして相談の窓口等を設定して、大至急その実態を調査するようにということになっております。
 予算の面では、今先生御指摘の通達の内容につけ加えまして、被災地域における営農意欲の減退あるいは地域経済の落ち込みに十分に配慮するために、当初予算それから一次補正予算による事業の未契約分につきまして特別枠を設定する、そしてその被災地域に重点配分するということも新たに決めております。
 それから、二次補正予算におきまして、被災地域における営農の安定を図るとともに、被災農家の就労による所得の確保に資するための生産基盤整備等を実施するということで、総事業費おおむね二千億円程度の冷害等の関連対策事業を用意いたしまして、就労対策に資したいというふうに考えております。
○西委員 次に、未契約工事にあっては早急に執行するように、こういう事務処理等の推進も図られているようでございますが、これは、委員長が北海道御出身でございまして、よく御存じだと思いますが、東北、北海道地方はこれから厳しい長い冬を迎えるわけでございます。しかも、農家の皆さんが春までいかに就労していくか、暖かくなればまた農家に帰っていかれるわけですから、この期間、この冬場の雪の多い、また、私も現地に寄せていただいたときに御質問申し上げますと、三十センチから五十センチぐらいはもう土が凍ってしまう、こういうお話も伺いました。この地域での公共事業等の請負工事は、天候にも大変左右され、非常に難しい状態になるのではないかということが心配されます。さらに、農業者自身の高齢化も進んでおりますし、公共工事だけの雇用対策というのはかなり無理があるのではないかと考えられます。
 そこで、公共事業の請負工事だけではなくて、サービス産業等も含めて、この不況下において被災農家の就労希望者を雇用した事業所、事業主に雇用助成金または雇用奨励金というようなものを支給する制度があれば、大変被災者の皆さんは安心して職につけるのではないか、また雇用の多様性にも非常に役に立つのではないか、こう思います。たびたび申し上げるようですが、百年に一度という大変な災害で苦しんでいる皆さんの援助をするためにも、何とかこの一冬、現金収入が入る道を大きく開いていただきたい。こういう意味で、これを機会に被災農家の皆さんに対して、また採用される事業者の皆さんに、雇用助成金または奨励金、こういう制度を検討していただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○入澤政府委員 冬場の就労機会の確保、今先生の御指摘のとおりでございまして、まず私どもといたしましては、冬場でも就労できるような事業、用排水路整備等の線的な事業を中心にいたしまして、従来から北海道それから北陸、東北等でもかなりの事業をやっておりますので、こういう事業に重点的にまず予算を配分したいと思っております。
 もう一つは、これは新農政とも関係があるのですが、かねがね、農家の所得を増大させるためには、稲刈りが終わった後、翌年田植えまでの期間に、むしろ出稼ぎに行くよりも農業経営を通じて所得を確保することがベターじゃないかという考え方で、ことしの補正予算あるいは既存の留保分の予算を使いまして、北海道、北陸、東北各地の農村におきまして冬場の複合経営ということを積極的に推進しようじゃないか、稲をつくった後野菜とか花をつくって、そして現金収入を得るというふうに農業経営を基本的に変えようじゃないかということで、これは既に関係県、農業団体等と話し合いを進めておりまして、補正予算が決まりますれば直ちに実行に移したいというふうに考えております。
 それから、今の雇用助成金等につきましては、私、制度の内容をつまびらかにしていませんけれども、私が通達を出すと同時に労働省からも関係の通達を出しております。労働省におきましても、出稼ぎ対策万遺漏なきようにということで各般の施策が展開されているはずであります。
○西委員 今、原則として地元で働けるように、またそれが、将来の農業における経営が夏場だけではなくて冬場もという御発言をお伺いしました。私は実は北海道に寄せていただいてそういうこともお話し申し上げたのですけれども、先ほど申し上げましたように、冬場凍っちゃってなかなか経営ができないということで、温室栽培とか随分経費の上でもかかるようなお話を伺ってまいりました。そういう意味で、また農水省の方でも十分な対策とまた資金援助等をお願いできれば、新しい経営ができていくんではないか、こう考えております。
 次に、自主流通米のことについてお伺い申し上げたいと思います。
 政府の冷害対策実施状況によりますと、被災農家の飯米確保、流通面の配慮といたしまして、今回「規格外米の自主流通米としての承認」というのが出されております。しかし、平成五年十月一日、食糧庁業務部買入課長の「主食用自主流通米の受託限度数量の県間調整について」という文書がございまして、この各食糧事務所長への通達、またそれに付随をした同日付の食糧庁、全農・全集の申し合わせ事項「平成五年産米の今後の集荷について」という最後の項目に「必要な政府米へのUターンについては、食糧庁は、米の供給計画と併せ、指定法人と協議する。」こういうふうに記されております。すなわち、一たんは全量自主流通米として集荷をするわけでございますけれども、その後、必要な政府米を確保するということのために自主流通米の一部を政府米へUターンをされてしまうのではないか、こういう懸念が広がっております。現実、その自主流通米からのUターンの規模、それから価格等についてお伺いをしたいと思います。
○鶴岡政府委員 規格外米につきましては、御指摘のように、ことしの異常災害ということを受けまして、できるだけ農家の経営ということを考えて、自主流通米として流通させることにいたしたわけでございます。指定法人から申請があった場合にこれを承認することとしておりますが、十月二十七日現在、三十二道県からそういう申請が上がって、扱いがされています。
 それから、自主流通米のUターンにつきましては、ことしまたこのような状況でございますので、できるだけ適正ルートに乗せるために農業団体の方で政府米、自流米区別せずに集めているというようなことでございます。私ども、その後の取り扱いについて具体的なことまでは話してはおりませんけれども、ほとんどが自流米として集荷されているということで、今後Uターンというようなことも出てくるわけでございますけれども、これはあくまで一等米、二等米の話でございまして、規格外の米の話ではございません。Uターンする場合にどういうことを農業団体の間で行うのか、これももう少し全体的な集荷が見えて、今後政府米としてどれだけのものを持っておかなければいけないのか、そういうことを見きわめまして相談するということにいたしております。
○西委員 その点で、先ほども御質問申し上げたのですけれども、もちろん規格外米を自主流通米ということで集荷していただくわけですから大変結構なことなのですけれども、価格差ということを非常に心配されているようでございますので、その辺の御懸念もひとつ表明をさせていただきたいと思います。
 それでは続きまして、もう余り時間もございませんようですが、この大変な凶作の中で果たして、今も食糧庁長官が御答弁いただきましたように、政府米が予定量を集荷できるかという、非常に難しいところだと考えております。今まで、お聞きしますと学校の米飯給食、これが従来からずっと新米で対応していただいている。つまり、小中学校の生徒さんは大変おいしい米を食べて、それが一つの食習慣になっているように私は思うのですけれども、それを今回どのように対応されるのか。また、政府米でもし対応できない場合の財政負担等につきまして、最後にお伺いをしたいと思います。
○鶴岡政府委員 学校給食につきましては、米の消費拡大という点もあるわけでございますけれども、やはり長期的に立った日本型の食生活というようなことで重要な役割を果たしておるわけでございます。このような異常事態になってもやはりその役割というのは十分私ども承知しておるわけでございます。御指摘のように、昨今の事態で政府米だけでなくて全体的には今適正集荷に努めておるわけでございまして、しかし、需給操作自身相当厳しくなることも想定されるわけでございますけれども、学校給食に充てられます米につきましては、その導入の趣旨とか意義とか、そういうようなことからしまして、国内産による安定供給ということを考えていかなければいけないのであります。
 政府米だけでできなくなる事態も想定されるわけですけれども、その場合に自流米としてやるのか、それをまた先ほど言いましたようにUターンをしたような格好でやっていくのか、それにつきましては今後、当面心配はないわけでございますので、十分財政当局とも相談しながら、適切な対応をしていきたいというように考えております。
○西委員 このたびの冷害に視察をさせていただいて本当に衝撃を受けましたけれども、農水大臣初め大勢の皆さんのおかげで第一次の対策ができ上がったことを大変喜んでおります。これからまたどうか政府におかれましても、精いっぱいの御支援をお願いしていきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○池端委員長 初村謙一郎君。
○初村委員 先ほど資料をちょうだいいたしまして、冷害対策につきましては、共済金の支払い、あるいは緊急資金の需要への対応、そしてまた米の予約概算金の利息の減免措置や課税上の対応あるいは来年度の種子の確保、そしてまた就業機会の確保、就労のあっせん、その他、被災農家、被災地域に対する支援措置、見ておりましても、特に農水省そしてまた国土庁におかれましても、微に入り細に入り対応していただいております。本当に心から私どもも感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 作況指数を見まして、九月十五日現在北海道が四六、東北が六一というふうに委員会の視察の報告でもありましたように、また地域的にいいますと一けたというふうなところもございまして、戦後最大あるいは最悪であるというふうな状況であります。
 そこで、この冷夏、災害を受けまして、米の緊急輸入について農水大臣にひとつお聞きをしたいと思いますが、記者会見あるいは新聞発表、あるいは私も農林水産委員会に所属しておりますので、委員会での御答弁でもありましたとおりに、一時的な処置であるということでございますけれども、これをもう一度確認を申し上げたいということが一点でございます。
 そしてまた、この緊急輸入につきましては、農家の、特に若い後継者の方々にとりましては非常に不安である、将来を見て非常に不安であるというふうなお話もお聞きするわけでありますけれども、特に若い後継者が展望を持てるような、あるいは期待を持てるような農政、長期的な農政の展望を示すべきではないかというふうに思っておりますけれども、この二つについて農水大臣の御所見をお伺いしたいというふうに思います。
○畑国務大臣 第一点でございますが、先ほど来論議をされておりますとおり、今回の異常気象に基づく大凶作、これは百年に一度という表現もございますし、役所側のいろいろなデータを見てみますと、データのとり方によりましては未曾有の大凶作、こう申し上げてもよろしいのではないかなというように受けとめさせていただいているわけでございます。
 その実態を踏まえまして、いわゆる年末の加工分野における二十万トンの緊急輸入、そしてまた、あえてこの機会に申し上げさせていただくわけでございますが、現在の作況指数等々を考えました場合におきましては、来年における主食分野に対しましても緊急輸入ということをやはり当然のことながら念頭に置いておかなければならない。端境期が心配でありますがゆえに、端境期になって慌てふためいて輸入米の手当てをするというわけにはまいりませんので、この辺のことも明確に農家の方々初め国民の皆様方にもあらかじめ申し上げながら、これはあくまでも緊急避難的な対応である、かように重ねて申し上げさせていただくわけでございますし、あるいは、先般お見えになりましたガットのサザーランド事務局長等々に対しましても、貿易ルールの問題と、こういったそれこそ未曾有の異常事態に対する緊急避難的な対応とは全く次元が違う、かような意味合いでの御理解をも強く主張させていただいたわけでございますので、国民各位におかれましても、これはあくまでも自由化につながる布石であるなどということは全くの私どものとらざる対応であるととも御理解を賜りたいなというように考えるわけでございます。
 御指摘のとおり、第二点としましての農業の将来展望、とりわけ二十一世紀におきましては、少なくとも他の産業分野と同じ労働条件等々、勤労時間等々、週休二日制度のもとにおいて同じ生涯所得が得られるような農業実態に変えていかなければならないという意味合いで、本年から新農政の展開が始まっておりますことも御案内のとおりであります。そしてまた、細川内閣におきます地方の時代、これを考えました場合には、その受け皿となります農山村がやはり足腰の強い受け皿としての役目を果たし得る、その道に向けて私どもが大いに力を入れていかなければならない、さような意味合いでの新農政でありますことも御理解を賜りまして、一層ひとつ御理解と御支援を私はこの機会にお願いを申し上げる次第でございます。
○初村委員 もう一つ、せっかく農水大臣がお見えでございますので、お聞きをしたいと思いますが、食糧の自給といったものをどのようにお考えかということでございます。
 中国の古書に、九年の蓄えなきを不足といい、六年の蓄えなきを飢えるという、そして、三年の蓄えなきをその国、国にあらずというふうなことが書かれてあるそうであります。昭和三十五年当初、食料需給表によりますと、我が国の自給率というのは大体七七あるいは七八%。現在、平成二年の食料需給票、これは農水省の発表でございますけれども、二七・三%しかないという現状であります。冷夏あるいは冷害を迎えました今日、そういう状況にあって、いつも主食はあるいは穀物は輸入すればいいのだという短絡的な考えではなくて、とにかく来年度以降もしかしたらまた冷夏、冷害が続くのではないかというふうな予想もされるわけでありますから、そういう意味で、食糧の自給といったものを大臣としてどの程度までお考えであるかということを一点お聞きをしたいというふうに思います。
○畑国務大臣 今、初村先生御指摘のとおり、私は、国の安全保障という面からも自給体制の確立ということは極めて大切な事柄である、かようにも受けとめさせていただいておりますし、何といいましても、今日の地球規模におきます人口増加の問題、毎年約一億人の人口がふえつつある。人口問題即食糧問題であるわけでございますから、ただいまこういったポスト冷戦の中にございましては、宗教問題等々を含んだ地域紛争が大きく残念なケースで取り上げられておるわけでございますが、このまま参りますと、近い将来やはり食糧の奪い合いというような意味合いでの紛争が大変懸念をされるところでもあるわけでございますから、さような意味合いにおきまして、平和という意味合いでの視点からも、それぞれの国が食糧の自給体制ということの中で、とりわけ、少なくとも主食につきましては自給体制を堅持するという姿をつくり出すことを、私はこれからの国連等々の場におきましても一層力を入れてもらわなければならない一つの重要案件ではないかなというようにも考えておるわけでございまして、さような意味合いで、御指摘のような数字を踏まえて、これからも少なくとも主食は自給体制を堅持する、この姿勢を崩してはならぬ、かように考えておる次第でございます。
○初村委員 私も全く同意見でございます。心強く思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 それから実は、備蓄の方法でありますけれども、もみ米で備蓄をする、このことは非常に保存性もいい、そしてまた、古くなっても味覚も落ちないというふうなことでありますけれども、政府としてもみ米での貯蔵あるいは備蓄というのをお考えでありましょうか、この一点だけお聞きをしたいと思います。
○鶴岡政府委員 もみ米での備蓄というのは、確かに、精米とか玄米で備蓄する場合に比べまして、品質の保全ということから見れば極めて有効な手段ではないかと思います。ただ、玄米に比べまして約一・五倍、包装詰めの場合は約二倍程度の保管収容能力が必要になる。またさらには、場所によってはもみずりの問題等々、そういうことも出てきますし、最近低温貯蔵庫みたいなものがかなり普及しておりますので、従来に比べて品質問題というのは改善してきておるというようなこともありまして、慎重に検討しなければならぬと思います。一つの課題ではありますけれども、なかなかいろいろな問題もあるので、慎重な検討を要する課題ではないかというように考えております。
○初村委員 長官、今答弁の中でいろいろな問題というふうにお答えになった。いろいろな問題じゃわからぬわけですね。どういう問題があるか、もしよろしければ、ちょっと具体的に教えていただきたいというふうに思います。
○鶴岡政府委員 量によると、先ほどもちょっと申し上げたわけですけれども、保管能力が玄米等に比べて一・五倍、袋詰めにしますと二倍程度の収容力が要るわけでございまして、量的な問題が一つあろうかと思います。
 それから、保管場所その他で、場所によってはもみずりする場合にまた小口の運搬とか、いろいろなことが出てくるわけです。そういうことが他方にある。また他方、安全性の面から、安全といいますか、食味の点からいきますと一つの有効な手段であることは間違いないわけでございますけれども、食味の改善については、先ほども言いましたように、低温貯蔵その他によって、古米とかになりましても、かなり従来のような古米か古々米かというような感じはなくなってきております。そういうことを総合的に考えて検討すべき課題だということを申し上げたわけです。
○初村委員 ぜひこれは御検討をいただきたいというふうに思います。
 といいますのは、古米の備蓄のときに非常に味が悪かったというような話も聞きますし、また私どもも当時古米が下がったころに食べておりますけれども、やはり違いますね。そういう意味では、保管の場所の問題あるいはそういった運搬の問題いろいろありましょうけれども、このもみ米で備蓄をされるという方向もぜひ検討していただきたいというふうに思っております。よろしゅうございますでしょうか。お願いいたします。
 それから、私は農林水産委員会でも鹿児島、宮崎、そしてまたこの委員会でも大分、鹿児島というふうに見せていただきました。特に、被災については、道路もずたずたでありますし、特に林道の関係を非常に危惧をいたしております。大臣の御出身の大分県、これはもう七〇%ぐらいが林野であるというふうなこともお聞きいたしておりますけれども、この風倒木が、台風十九号のときだったと思いますけれども、倒れたまま、そのままだ。そして、林道あるいは林地、森林地での災害復旧をやるのに作業道をつくっている。これが、その助成措置がおぼつかないのかどうかわかりませんが、なかなか進んでいないというふうな現状を見てまいりました。そしてまた、そういったことをお聞きして、特に林野庁の長官にお聞きをしたいと思うのですが、風倒木搬出のための作業道をつくっていくときのその助成措置、これはどういうふうになっているのかということを一点お聞きしたいというふうに思います。
 それから、今林業に就労される方というのは非常に少ないわけでありますけれども、労働者あるいは労働力の不足といったことで作業が非常におくれている。先ほど宮路先生からもお話がありましたように、もう数年も前の対応がまだ五〇%、現地では三分の一ぐらいじゃないかというふうな声もお聞きしたりいたしております。この労働力不足に対する国の支援、こういったのがどういうふうになっているのか、その二点についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○塚本政府委員 台風あるいは集中豪雨によりまして発生した風倒木を搬出し、あるいは跡地に造林をするといった場合に、この作業路の建設が不可欠であるということは、お話のとおりだと思っております。
 こういったことで、被害の程度によりまして、森林災害復旧事業あるいは被害跡地造林事業等によりまして、補助事業により作業道の建設を進めておるというものでございます。補助率につきましては、森林災害復旧事業については国と県合わせまして三分の二程度、それから一般の被害跡地造林につきましては国と県合わせまして十分の四、そういうふうに査定係数がかかりまして、二割ないし四割の増加が可能となっておる、こういう現状でございます。
 それから、労働力問題につきましては、各地で非常に高齢化あるいは減少の傾向が続いておるわけでございまして、前回の十九号台風の跡地の復旧作業がなかなか進まないという大きな理由の中に、労働力が非常に少ないということがあるわけでございます。
 これにつきましては、これまで県内の被害の少ない地域あるいは県外、そしてまた国有林、こういったところから応援を求めてそうした跡地の復旧に努めてまいっているところでございますが、今お話にございましたように、全体的に見れば、まだ約五割の風倒木が山の中に放置されておる、こういう状況でございまして、こういった点につきましては、さらに他県からの応援を求める、これは平成五年度においても現在実施いたしておりますが、こういった他県からの応援を求めるあるいは国有林からの応援を求める、それから高性能機械の力というものは非常にありますので、高性能林業機械を入れる、そのための高規格の作業道等についても建設をしまして、こういったことでもって早急に残りました風倒木等の処理に努力してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○初村委員 大臣、私どもも森林地を持っております。特に、大臣の御出身でありますので、これは何とかうまい方法を考えていただきたい。御就任の問、地元のためだけではないと思いますけれども、ぜひ日本の林野を守るためにもこういった措置を早急にやっていただきたい。といいますのは、この十九号から今度の台風までの間に、本当に短い間にまた来てしまったのですね。来年来たらどうするんだろうかという心配もあるわけであります。ぜひそのお取り組みをやっていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 それから、水産庁の方にお聞きをしたいと思いますが、鹿児島でもそうでありましたし、今度の台風の被害では、水産業に対してもかなりの被害が出てきているのです。あるところは、雨水が海に流れる。そのちょうど水面、大体水深二メートルぐらいがもう真水になってしまった。そして魚が窒息して死んでしまうというふうな話もお聞きいたしておりますけれども、そういう状況の中で、特に風倒木が漁港に流出をしている、そして非常に漁業に対して支障を来しているということでありますが、その辺の対応をどのようにされているのかということが一点でございます。よろしゅうございますか。
○島(一)政府委員 ただいまの御質問の点でございますけれども、異常な天然現象によりまして生じました事件、例えば風倒木、土砂等が漁港に流入いたしまして、漁船の出入港等に支障を来している場合につきましては、漁港施設災害復旧事業により対処できるようになっております。ことしの台風等による災害につきましても、漁業活動に支障を来している場合につきましては、本事業により対処してまいりまして、特に緊急を要する箇所につきましては応急工事等により対処するよう指導してまいったところでございます。
 実態、実際申し上げますと、大分の四港、小祝、二又、猿戸、長洲、それから鹿児島の頴娃、こういうようなところでそういうような風倒木による事故が起こっておりまして、これについての工事は既に進めているところでございます。
○初村委員 鹿児島に行きましたときに、志布志湾、これは九州でもすごい港湾になってくるなというふうな期待もしておるのでありますけれども、台風十二号のときにフィリピン船籍のレインボースター号が座礁した。二千本のラワン材が流出をして、そのうちの一〇%、二百本が海底に沈んだ。引き揚げようとしても、どうも重さ一本当たり大体五トンくらいになっている。特に沿岸が底びきをやっておりますので、そのラワン材に網がひっかかってもう破けてしょうがない、漁業ができないというふうな状況であります。
 今、新聞報道によりますと、荷主そして船主どちらの責任なんだろうか、そういう係争、裁判もやっておるようでありますけれども、これは水産庁として、この辺の海底に沈んだラワン材を取り上げる、これについてはどのような対応をされているのか、また、この事件といいますか事故についてどのような御報告を受けられているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○島(一)政府委員 それではお答えいたします。
 この事件と申しますのは、レインボースター号と申しますのは、これはカーボベルデ国でつくられ、セントビンセントを船籍といたしまして、船主はリーと申します香港の者でございます。さらに積み荷は、これはフィリピンのラワン材のようでございます。これについては既に鹿児島県の方から十月二十七日に報告を受けておりまして、漁業操業等に支障が出ている、こういうことでございます。
 ただ、この件につきましては、ラワン材の流出、沈下を引き起こしました船舶が明確であるということ、したがいまして、これは民事上の問題として、基本的には当該船舶の船主等の責任において回収されるべきものと考えておりまして、鹿児島県漁連、さらに全漁連、それから関係漁協、漁業者等が、船主等に対し、当該ラワン材の回収を強く要請していると聞いております。
 水産庁といたしましては、全漁連それから鹿児島県とも連絡をとりつつ、漁業の影響等、必要な情報収集に努めておるところでございます。
○初村委員 これで午前中の質問を終わらせていただきます。
○池端委員長 石田美栄君。
○石田(美)委員 石田でございます。よろしくお願いいたします。
 一連の冷害による農産物への被害についてですけれども、私の場合、主として消費者の側から質問をさせていただきたいと思います。
 米の買い占めとか米の売り惜しみの問題についてですけれども、米屋の店頭から米の姿がなくなったりとか、外食産業で業務用の米の確保に支障が出てきているといった状況から、流通段階での売り惜しみや一部の消費者による買い占めが横行しているのではないかと思われます。また、米泥棒の話まで聞かれますが、食糧庁では、こうした件についてどのように認識していらっしゃいますか、お尋ねしたいと思います。
 そして、新聞等の報道によりますと、青森県など、特に冷害が深刻な地域においては、農家までもが一年分の米を買い集めるなどするために、米の品切れ状態が続いていると聞きます。こうしたことは、消費者が来年の収穫期までの米の確保に極度に不安を抱いているためではないかと思います。政府がまず考えておかなければならないことは、こうした農村の不況感、さらには消費者の不安感にどのようにこたえていくかということだと思います。この点について、政府はどのように対応しているのか、明らかにされたいと思います。
 そして、もし向こう一年間の米の需給のめどが立つならば、というか、本当は立たなければならないんだと思いますけれども、米不足という言葉に消費者が踊らされて、みずから買い占めによって値をつり上げることで、結局は消費者自身が損をするということになってしまいます。ぜひ、国民を安心させるために、政府が積極的な広報活動を展開されるなど、何らかの配慮をされるべきだと思いますが、この点についてもお考えを伺いたいと思います。
○鶴岡政府委員 百年に一度とも言われる異常な災害によりまして、生産量自身が減少しているのは事実でございまして、そういう点で需給操作は極めて厳しくなると思いますけれども、私どもといたしましては、万全を挙げて、国民が必要とする米の供給に努めていくことにいたしておるわけでございます。
 まず、今私どもは、何としてもできるだけ集荷を適正なルート、自流米、政府米、他用途米を含めまして適正なルートに乗せるために、私どもの方の組織、食糧事務所の組織の全力を挙げ、しかも系統等とも十分連携をとりながら、都道府県、市町村あるいは警察当局にも御協力を仰いで、今全力集荷に努めているところでございます。
 それから、それでもなお不足する場合につきまして、当面、年末年始用のモチ米を含めた加工用米の不足が懸念されましたので、二十万トンの輸入を行うこととし、今手続が進んでおります。早いものは十一月の上中旬には入船するのではないかと思っています。
 それから、先ほど大臣からも申し上げましたように、全体として主食用につきましても不足は見込まれ、輸入という事態になろうかと思いますけれども、その場合にも万全を尽くしていきたいというふうに思っています。そういう点で、必要な供給量の確保を一方で図りながら、他方、売却につきましても、できるだけきめ細かく、地域的、時期的にバランスがとれた売却をやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
 それで、従来自流米、政府米ということで、自流米が七割程度、政府米が三割程度だったわけですけれども、ことしは、国産米だけ取り上げますと、もう少し政府米のウエートが減ると思いますけれども、自流米につきましても、政府とよく相談しながら計画的に売っていただくというようなことで、時期的あるいは地域的なバランスを欠かないような対応をしていきたいということにしております。
 それから、価格につきましても、食管制度というのは、極力安定した価格で供給するというのが使命でございまして、こういう事態になりますと、若干の値上がり自身は避けられませんけれども、異常な、不当な値上げ、値上がりというものにつきましては、我々としても十分監視していきたいと思っておりますし、そういう観点もありまして、十一月の自主流通米機構によります入札について、当面延期してもらうとか、そういう措置をあわせてとったわけでございます。
 それから、指導面につきましては、食糧事務所あるいは都道府県を通じまして、米穀販売業者に対しまして、販売価格、在庫状況を中心としました巡回指導を実施するなどによりまして、適正な販売活動を行うような指導を行うこととしておりますし、また、各食糧事務所、県にお米一一〇番という相談窓口を設置したりしまして、消費者からの問い合わせあるいは米屋さんからの問い合わせについては適切に対応するというようなことでしております。また、テレビ、新聞あるいは政府の報道機関等を通じまして、できるだけ国民の皆様に事情を周知し、御理解をいただくというような対応もいたしておるところでございます。
○石田(美)委員 マスコミ等で私たち生活者に伝わってくる情報だと、ついつい足りないとか、米泥棒とか、そういう面ばかりが強調されてまいりますので、ぜひ国としても、安心なんだといった啓蒙活動、その逆境に負けないようにお願いしたいなと思います。
 私なども、きょう帰りたいと思いますが、帰りますればやはりお米がまだあるかという、今度注文したらあるのかなといったような気持ちを前回注文したときは持ちました。実際きちっと、注文しましたら参りましたけれども、そうした台所を受け持つ人たちに、安心して買えるんだといった情報活動もしっかりお願いしたいなと思います。
 そして次に、消費者米価の高騰防止についてさらにお願いしたいのですけれども、来春以降、次の収穫期まで米の需給、綱渡りということではいけないのだと思いますが、そういうことにつけ込んで、流通段階での買い占め、投機などがやはり心配されます。政府は、こういうことに厳正に対処していただいて、食糧管理制度本来の機能を正しく発揮して、消費者米価の安定を図るべきだと考えます。
 これはけさのNHKの調査で見たのですけれども、標準価格米が全国平均で十キロたしか六百円上がっているという報道だったと思います。そして、地域によってかなりの格差が出てきていて、アナウンサーの言葉を正確にお伝えできるか不安ですが、食糧管理制度の機能が消滅したというふうな言葉を使われたと思うのです。そういうことについて、ぜひ機能を果たせるように体制を整えていただきたいと思います。
 また、他用途米の不足も伝えられていて、緊急輸入が報じられておりますけれども、こうした外国産の他用途利用米の低価格のお米を放出することで、みそとか、しょうゆとか、もちといった、米を利用した食品価格の上昇をぜひ防止していただきたいと思います。そして、こうした面についての政府の徹底した指導をお願いしたいと思います。
 この点につきましては、ぜひ、大臣がいらっしゃいますので、お答えいただければと思います。
○畑国務大臣 まず第一点としまして、米の絶対量につきましてはここ当分心配がないということをまず最初に申し上げさせていただきたいと思います。
 なおまた、具体的な数字を申し上げれば、いわゆる本年産米の集荷実態が今月末には三百万トン近くなるであろうというような今日の姿でございまして、逆に申し上げれば、政府管理米の月使用量が大体五十万トン程度でございますから、今、三百という数字に近くなりつつある。そういう実態からしまして、絶対量はある。
 そしてまた、国民の皆様方にも、あるいは地方新聞等々、あるいはテレビ等を通じまして、買い占めとか売り惜しみとか、そういうことの必要はありません、そしてまた私どもの立場では、いわゆる正直者が損をするということをあらしめてはならない、こういうような意味合いでの対応をやらせていただいておるということもひとつ御承知おきを願いたいというふうに考えるわけでございます。
 けさほどのNHKのテレビは私もたまたま見させていただいておりまして、六百円という数字も記憶をいたしておるわけでございますが、いわゆる従来の政府米、標準価格米、これが御案内のようなこの大凶作によりまして、その位置づけが、政府米が自流米の分野に入りまして値段がいささか高くなった。自流米をブレンドする、あるいは自流米を中心とした価格形成をせざるを得ない、そういうような意味合いの中から、残念ながら今御指摘のような数字が出たということであるわけでございますが、これはあくまでも御指摘のような意味合いでの、自流米の混入というような意味合いの姿であるということを御理解を賜りたいというように考えるわけでございます。
 そしてまた、いわゆる加工分野の問題につきましては、御指摘のような問題を解消すべく、年末
に向けましてただいま既に手当てがなされておるわけでございますが、タイ等々から二十万トンの手当てがただいま実行中である。御指摘のような意味合いで、いずれにしましても、万遺憾なきを期してまいりたい。
 重ねて申し上げますが、現時点におきます、いわゆる国という単位での絶対量は十二分にあり得る。この点だけは重ねて、PRを込めましてお答えにさせていただく次第でございます。
○石田(美)委員 十分にあるという自信を持ったお答えをいただきまして、本当に私も安心いたしましたし、国民みんなにもそういう情報をしっかり知らせていただきたいと思います。
 先ほどの自主流通米をまぜたという、そのことも私も承知いたして御質問したわけですけれども、やはりこうしたお米を買われる人というのは、御存じのように、低所得者の人ほど影響が大きゅうございますので、値段を見ておりますと、もうこれ以上値上がりすると大変だなと感じましたので、ぜひもうこれ以上米の値上がりがないように、より一層御指導をお願いしたいと思います。
 そして、もう一つお米のことにつきまして、冷害が深刻な地域では、いもち病の防止のために例年よりも何倍もの農薬が散布されたというふうに聞いておりますけれども、主食のそういう点での安全性については大丈夫なのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○鶴岡政府委員 農薬の使用その他につきましては、安全性に配慮した使用をしているところでございまして、それからまた厚生省の方での検査等もございますし、また私ども自身も、国民食糧の基幹であります米の安全性につきましては食糧庁としても関心があるところでございまして、いろいろな機関を通じて検査いたしておるところでございます。
 いずれにしましても、安全な米の供給ということには万全を期していきたいと思っております。
○石田(美)委員 どうもありがとうございました。
 では、時間が来ましたようですので、やめさせていただきます。どうもありがとうございました。
○池端委員長 穀田恵二君。
○穀田委員 私、大臣がせっかくお越しですので、米の輸入自由化の問題について、たびたびのことですけれども、やはり農薬調査、災害調査に行きますと、もうこれでやめたいといったような声まで聞かれるほど大変な実態です。そのときに、例えば秘密交渉その他の問題がうわさをされると、また新聞で報道されると、もうこれ以上やっておられぬという話までなってきておると私は思うのです。
 また、その点では、きょうの日本農業新聞にも書いていますが、サザーランド氏が来まして、相変わらず平行状況だというお話ですけれども、実際上、例えば首相はこの問題についての拒否について政治生命をかける、また大臣は情熱を傾ける、こういう話だけれども、本当に今度改めて、ヨーロッパヘ行く際に、我々は米は自分のところで賄うんだ、そういうことは応じられないという態度を明らかにして臨むことが必要だと思うのです。そういう点、改めてお聞きしたいと思います。
○畑国務大臣 御指摘の点につきましては、国会における三たびの決議もございますし、細川新内閣発足の際の八党派の合意事項の中にも、いわゆる例外なき関税化については反対である、この基本姿勢を受けとめて今日まで努力をいたしておりますし、来週ヨーロッパに参りましても、この辺を再度強く要請をしてまいりたい、かように考えております。
○穀田委員 その点で、この新聞にも書かれているのですけれども、むしろ交渉の実態は厳しい、こういうことを常々言われるわけですね。私は、一連の発言というのが首尾一貫をして、政府部内も含めて、いろいろな閣僚を含めて、また与党を含めてこの問題についてどうしてもやるんだという、問われると国会決議は出すのですけれども、それぞれのところでさまざまな発言をしているという問題について、やはりこれは、そういう不安を多くの農民を含めて、日本の国民に対してかき立てているという実態があると思うのです。そういう点、私は指摘しているわけです。だから、交渉の実態は厳しい、だけれども頑張る、これは当たり前なんだということで、これは改めてもう一度言っておきたいと思います。
○畑国務大臣 政府としましては、当たり前だという基本姿勢を一貫してやっていかなければならない、かように考えます。
○穀田委員 こればかりやっていると時間がないですからあれですけれども、確かに私は、政治生命をかけるなんという話じゃなくて、日本の国民の利益を守るのかどうかということが大事なんであって、そういうものについて言うならば、秘密交渉の話だとか、それが外国から話が出てきたときに、実際出てきているわけですから、そういう問題について、では交渉の事実があったのかどうかなどという問題については、ずっと話し合いをしてるんだというような話でお茶を濁しているみたいな実際があるわけですから、その点私はやはり非難を免れないということだけ言っておきたいと思うのです。
 そこで、農業災害の問題についてきょうも資料が出まして、「実施について」というのがあったわけですけれども、二、三点お聞きしますので、お答えいただきたいと思います。
 これを見ますと、一般の種子ですね、種もみの確保、これについては八〇年や八一年の冷害の際には、農家に対して種もみ購入費の三分の一を国が助成しました。ことしもそういったことが要求されていると思うのですが、それはそうなさるのですか。
○高橋(政)政府委員 今御指摘がございましたように、昭和五十五年の災害のときにも種子の関係で助成をしたわけでございますが、今回の災害の状況にかんがみまして、被災農家が通常よりより低い価格で種子が購入できるよう特別な助成を講じたいということで、補正予算に向けまして今財政当局と詰めておるところでございます。
○穀田委員 それはぜひよろしくお願いします。
 あわせて、飯米についてお聞きします。
 これも出ているのですけれども、飯米についても、八でしたか、「被災農家の飯米確保」という問題で、例えば同じ昭和五十五年の冷害の際に、たしか政府米を農家に先渡しをして、農家に対してはその代金については一年後に生産した米で返せばよいというような実際があったと思うのですけれども、そういった形でこれはしていただけるということでいいのですか。
○鶴岡政府委員 本年産米の作柄が特に悪かった青森とか岩手等の地域で、一部農家で飯米確保が困難になっているというのが事実ございました。私どもとしましては、本来であれば一般消費者と同様、通常の小売店を通じて購入していただくことになるわけでございますけれども、今年の場合、非常事態であるというようなことを踏まえまして、全中、全農に対しまして農協店舗を通じた米の安定供給、自主流通米につきましても、知事の要請がある場合には、全農等が市町村を通じて被災農家に売り渡す等の措置をとることにしたわけでございます。政府米につきましては、ちょっと自流米のウエートが高くなって、政府米自身今量は減っていますので、従来のような、政府米を売るという措置は率直に言ってとれないわけでございますけれども、自流米を系統あるいは市町村を通じて供給するということで、農家の飯米については心配ないような対応をいたすことにしているわけでございます。
○穀田委員 心配ないというのは、私言葉じりをとらえているわけじゃないのですけれども、だから今言ったように、政府米を前みたいに出して、生産したときにそれで返すというパターンが一応あったと思うのですが、そういうことと理解していいんですね。
○鶴岡政府委員 食管法上は貸し付けという仕組みはございません。それで、政府米をやるということは今回申し上げませんけれども、量的な問題で対応できないわけですけれども、自流米での供給というのは、これは系統内部の話でございまして、おっしゃっているような措置がすぐとれるということはちょっと、系統内部の話であるので、私がここで明確にお答えするわけにはまいらないので、御了承いただきたいと思います。
○穀田委員 困らないようにということは、わかりやすく言えば、そういうことだということを言っておきたいと思います。
 そこで、現金収入が断たれる農家に対して国や地方税の減免というのは非常に大事だと思うのです。自治事務次官の通達、例の「災害被害者に対する地方税の減免措置等について」というのがありますが、その文書によりますと、合計所得が六百万以下ということで条件が書かれています。私はその条件を今の時点で改めて見直しをして、引き上げるべきではないかというふうに思います。それは一九八〇年の冷害の際、例えば花巻の場合を見ますと、その申請が通ったのが八十二件しかない。合計金額は七十万七千円。同じく岩手県の宮古の場合、二百二十三件で二十三万六千二百八十円しかない。こういうのを見ますと、いかに現実に合っていないかを示すものではないかと思うのです。ですから、その点の御見解をお伺いしたい。
○西川説明員 お答えいたします。
 冷害等による被災農家の減免等でございますが、今お話がございましたように、通達に基づきましてこういう具体的な運用を定めているところでございます。この通達の基準につきましては、災害によりまして一度に大勢の方々が被害をお受けになった場合でございますので、簡易にしかも画一的に事務処理を期待できるよう、また地方団体間でも公平な取り扱いができるように配慮して定めておるものでございます。
 お尋ねの住民税の減免の適用でございますが、農家の所得金額の上限六百万ということでございます。これは住民税と課税のベースを同じくいたします国税のいわゆる災害減免法、この基準とバランスをとって同額となっておるところでございまして、これまでもこの法律の改正にあわせて改正をしているところでございます。したがいまして、今後とも国税におきます取り扱いを見ながら適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○穀田委員 いつもこう言うと、大体バランス論で来るんですね。私は今の現実に即して、先ほど農水大臣、わざわざお見えになって言われたんだけれども、そういう被災者農家を救うという新しい見地、つまり今までにない、それこそ百年に一回、何回もこういうことを言っているわけですね。だとすると、それにふさわしいような、今必要な手だてを打つ必要があるのではないかということを言っているわけですよ、バランス論じゃなくて。しかも、これを見ますと、「農業所得以外の所得が二百四十万円を超えるものを除く。なんですよ。こうなるとどうなるか。例えば今お話ししたように、花巻や宮古の例を言いましたけれども、ちょっとたった八八年の冷害の新庄市では、申請は百二十八件あるのですよ。ところが、実際に許可されたのはたった二件しかないのです。そしてお金は幾らかというと六千三百円なんですよ。こういう実態が本当に救うことになるのかということを言っているのです。
 だから、そういう立場からすればやはりこれを見直しすべきじゃないか。いや、上からバランスで来ているんだよと。それだったら、下の方からこういうことは直すべきじゃないかと言うのが当たり前じゃないですか。しかも、これは調べると、減免措置等について言うならば、毎年変わっているわけじゃないけれども、前は昭和三十九年に決められて、次は四十一年、四十六年、四十九年、五十九年と来ているわけですね。改定しているわけです。もう十年たっているのですから、だからそういう意味でいったらば、今の現実からもそうだし、月日もたっていることもそうだから、変えたらどうかというような話をあなた方からするのが当たり前じゃないかと私は言っているのですよ。どうですか。
○西川説明員 お答えいたします。
 ただいまのお尋ねでございますが、この通達の趣旨が、先ほど若干申し上げましたように、大量な納税者の方々が一度に災害を受けられるということでございますので、個々の納税者の担税力といいますか、こういうものを個別に判断するというよりも、ある程度画一的に決めまして、そして、こういう条件であればこれだけの減免ということで処理をいたしておるものでございまして、先ほどお答えいたしましたように、国と共通の基準になってございますので、こうしたものを共通の取り扱いとして対応いたしておるところでございます。この基準等の問題については、課税ベースを同じにしております国の所得税等のいろいろな基準がございますので、その取り扱い等を見ながら今後とも対応したいというお答えを申し上げたところでございます。
○穀田委員 だから、今の話を聞いていると本当に情けなくなるのだけれども、大臣、そう思いません、本当に、大量のとか。大量だから、これは災害で大変困っているから大量に出てくるわけで、そのときに画一的にやっているという話で、結果的には、百二十八件申請して、たった二件しか得られないなんという事態を何と見るのかということなんですよ。
 そう言うならば、ついでに国保料の減免についても一言言っておきたいと思うのです。
 国保料の減免でも、これは厚生省の保険局長通知によってですけれども、例えば、同じ時期に最上町、一九八八年ですから、そのときですけれども、このときで言いますと、同じ国保料の減免について言うならば、千百八十四件の申請があって、幾ら実績があると思います、それをオーケーしたと思います、たった一件ですよ。また、これは当時、一九八八年でいうならば、作況指数は八五でした。この三年後、一九九一年、同じく災害がありまして、このときも八一でした。これは多分、そういう三年間の経過の中で、もうやっても仕方がないと思った方がたくさんいらっしゃるでしょう。結果としては、百四十二件申請される。受けたのはたった七件だけだ。同じように、新庄市でも、八八年の場合は、百九十六件申請して、たった四件ですよ。こういう実態で本当に被災農家を救えると思いますか。私はここだと思うのです。そのときに、例えば適用基準が農家の実態にそぐわないというだけじゃなくて、国保の場合で言うならば、その際の世帯の所得の計算方式で、いいですか、ここが大事なんです、同一世帯にある、例えばお父さん、お母さんは国保だ。ところが、一緒に住んでいる息子さん方は社会保険に入っている。その人たちの所得まで合算をして、限度を超えるからやらないということが行われているのです。こういう指導を行っているのですか。
○石本説明員 お答えいたします。
 国民健康保険料あるいは国民健康保険税の減免につきましては、国民健康保険法第七十七条の規定に基づきまして、市町村がそれぞれの条例の定めますところによりまして、災害その他特別な事情がある者に対して個別的に行うものでございます。したがいまして、原則論から申しますならば、国が国民健康保険料あるいは税の減免につきまして画一的な基準を市町村に強制することは適切でないと考えているところでございます。
 委員御指摘の国保料の減免に当たって、世帯における家族の中で社会保険の加入の方がおられて、当該方々について合わせて所得認定をしておられるということでございますが、御指摘のような市町村につきまして、具体的に私ども詳細に把握しておるわけではございませんが、先ほど申し上げましたとおり、国保料あるいは税の減免はその基準も含めまして、市町村がそれぞれの実情を踏まえながら条例で制定しております。私ども条例準則を旅させていただきまして、その中に納付義務者と国保被保険者という書き方をしてございますが、それぞれの御判断で対応されているものというふうに理解をしております。
○穀田委員 終わります。
○池端委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十五分休憩
    午後一時開議
     ――――◇―――――
○池端委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。衛藤征士郎君。
○衛藤(征)委員 冒頭に、委員長初め、このたび台風十二号の被害状況調査、視察をいただきました関係の皆さんに心から敬意を表したいと思います。ありがとうございました。
 私は、大分県選出の衆議院議員衛藤でありますが、先般、委員長初め委員の皆さんには、大変お忙しいところを御来県いただきまして、宮路和明委員の報告のとおり、極めてきめ細かい調査等を実施いただきまして、まことにありがとうございました。私は、この調査報告書に基づいて若干の質疑をさせていただきたいと思っております。
 まず初めに、激甚災害の地域指定の問題でありますが、御案内のとおり、ことしの四、五、六、七、八月ですか、この間の激甚災害地域指定が、たしかつい先般、十月八日の閣議でございましたか、決定されたのだと思うのですが、このように、地元の熱い要望、期待とは若干タイムラグがありまして、どうしても遅くなってしまうわけでございます。午前中の質疑等々聞いておりましても、災害地域の皆さんは、一刻も早く、まず激甚災害地域指定をしていただきたい、それから始まるわけであります。この点につきまして、今回の台風十三号被害についての激甚災害指定は一体いつの時期になるのか、お尋ねを申し上げたいと思います。
○村瀬政府委員 台風十三号に係ります激甚災害の指定につきましては、現在鋭意手続を進めているところでございます。近日中に、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、それから、農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例、それから、森林災害復旧事業に対する補助、それから、小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入などの措置を講ずるための政令指定を近日中に行う予定でございます。
○衛藤(征)委員 近日中、結構でございますが、近日中というのはおおむね来週ぐらいの予定でございますか。よろしいですね。
○上原国務大臣 今防災局長からお答えしたとおりですが、先ほど書類の決裁をいたしましたので、来週、閣議で決定されると思います。
○衛藤(征)委員 ただいま大臣並びに局長から明確に、来週中には激甚災害地域指定をするという御答弁をいただきました。ありがとうございました。
 さて、先般、大分県にお出ましいただきましたときに、まず大分県の県庁所在地であります大分市に入っていただきまして、大分市の中でも第二田ノ浦川の上流部にありますため池の決壊に伴う災害現場を視察いただきました。これは、田ノ浦川の最上流部にある小さなため池が決壊いたしたために、約一・三キロにわたりまして下流の小さな河川沿いにありました農地とか、農道あるいは農業施設、家屋、あるいはミカンやビワ、果樹等の農作物、こういった農地、耕地等が壊滅的な被害を受けたわけでございます。
 地元の大分市長あるいは県当局等からも立ち会われまして、これにつきましては、原形復旧の復旧対策はもちろんでありますが、ため池の補修を初めこの田ノ浦川の改修等については、原形復旧から一歩踏み込みまして、ぜひ改良復旧していただきたいという強い要請がございました。この点につきまして、当局の御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○入澤政府委員 御指摘のとおり、農地、農業用施設災害復旧事業は、原則は原形復旧でございますけれども、今のような場合には改良復旧事業として適切なものとして極力採択するようにということで県市町村を指導しているところでございます。御指摘の点を踏まえ、それから先ほどの災害の視察状況の報告を踏まえて、県市町村を指導してまいりたいと思います。
○衛藤(征)委員 大分県下を回ってみますと、小さな災害といいますか、例えば水路等に土砂等がそれぞれ沈殿あるいは堆積してしまう、もう水路いっぱいに土砂が堆積してしまっている。これを、昔でありますれば人手がたくさんございまして、地域の人あるいは部落の人が総出で水路の土砂等の排除作業をやったわけであります。
 これにつきましては、一カ所三十万円以上のかなり規模の大きいものについてはしっかりとした災害復旧の対象になる、そういうことでもありましょう。また、小さな、十万円から三十万円までぐらいは、小規模災害といたしまして地方自治体でお取り組みをいただく、また、それにかかる経費の地方債については地方交付税で補てんしてさしあげる、このようになっておるようでありますが、部落等を回ってみますと、十万円にもかからないのでしょうか、そういったものが断続的にずっとあるわけでありまして、これについての手当て、手だてが何とかできないのかな、そういう声がたくさんあるわけなのですね。
 それはだめですよ、もう救済できないのですよと言ってしまえばそうなのですが、もう十万円すれすれの、そういうような水路の堆積物あるいは土砂を排除しなければいけない、取り除かないといけないというものがざあっと断続的にもう何十カ所もある。そういうものについては何か手だてはできないものかな、このように思うのでありますが、極めて細かいことですが、いかがでございましょうか。
○入澤政府委員 一カ所の工事費が三十万円以上の災害の場合と、それから三十万円未満十万円以上の小規模の災害の場合につきましての法律上の手当てにつきまして、今先生御指摘のとおりでございますが、小さな破壊箇所が連続しであるような場合、現在の農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の第二条の第八項に「一の施設について災害にかかった箇所が百メートル以内の間隔で連続しているものに係る工事」については「一箇所の工事とみなす。」というふうになっておりまして、この規定を最大限に活用して対応すべきではないかなというふうに考えております。
○衛藤(征)委員 そういうことは、農林省から県当局あるいは市町村には、十分な、きめ細かい指導といいますか、そういうものはよくなされておるのでしょうか。
○入澤政府委員 今回の災害につきまして、非常に災害規模が大きかったものですから、本省だけでなくて各地方農政局、それから各都道府県の災害の査定をした経験のある音あるいは研修を受けた者を動員いたしまして、総勢八百二十二人を主として九州地区に動員して査定を急いでおりますが、そういう中で、県市町村にも、この災害の査定基準というものを明確に認識して査定を行うように指導しているところでございます。もしまだ不足があれば、私ども、これからまた県市町村に十分にこの趣旨を徹底させたいと思います。
○衛藤(征)委員 国の関係する被災地域とか、あるいは県とか市町村、自治体、そういうものについては、国とか県とか、あるいは自治体、市町村が窓口になって、一つ一つ精査をしながらそういうものの復旧作業が進んでいくわけでありますが、それは地域の皆さん、農家の皆さんとか商店街の皆さんにすれば極めて頼もしいことではありますが、もっと自分たちの一軒の家を考えてみますと、その周辺のことが実はなかなか手つかずということになっているわけなんですね。ですから、災害視察等に参りまして、大変頼もしい御発言があって心強く思うのだけれども、一軒一軒の家のことを考えてみるとどうなっていくんだろうかな、そういうところのきめ細かい配慮というものは自治体の方をもってして、もっともっと手厚くしてさしあげる必要があるんじゃないかな、安心していただけるような、そして希望が持てるようなきめ細かい対応をひとつ御指導いただきたい、このようによろしくお願いを申し上げます。
 建設省にお尋ねを申し上げたいのでありますが、私ども建設省の一級河川でありました大野川というのを、災害地を視察いたしました。これは大分市上戸次の長川原という、大野川の右岸の地域でございましたが、大変ひどい災害がここにあるわけであります。
 午前中の宮路議員も同じような質問をされたとちょっとさっき聞いたわけでありますが、全国の河川改修、こういうものがおくれておるということは私も感じております。おくれている理由は簡単でありまして、それは財源が大変不如意である、財政措置が伴わない、こういうことであることもよく知っております。しかし、毎年毎年大野川がはんらんするたびに、集中豪雨が来るたびに、台風が常襲するたびに川がはんらんして周辺の地域の皆さんが冠水し、あるいは床上浸水し、あるいは企業の皆さんが大変な損害をこうむる、あるいは地域の皆さんが損害をこうむる、あるいは企業群の家屋、工場が濁流に押し流されてしまう、こういうことが平成二年の七月にあった。あるいは五十年に一回だから、もう来ないだろうと思ったらまた来た。こういうようなことでございまして、同じような地域が全国たくさんあると思うのですね。
 ただ、建設省の方で抜本的な対策を整えなきゃいかぬのであるが、財源がどうしてもそれに伴わない、こういうのが実態だろうと私は思うんです。例えばこの大分県の大野川の上戸次の長川原地区におきましても、これをやりますと約二百億ぐらい財源を要する、こういうわけなんです。この河川は、この地域は県の管理地域でありますために県がやらなきゃいけない、こうなっちゃうわけなんです。県当局にありまして二百億なんという金はもう目ん玉が飛び出るような金額でありまして、できっこありませんとはっきり言うわけです。そっとささやく声は、本当は見ないでほしい、見たら大変なことになるわけですね。これはやらなきゃいかぬわけですから、何とか。しかし、やるような金はありませんというのが実態なんだと思うのですね。これは大分県だけじゃなくて、全国そういうところはたくさんあるのですね。それをもっともっと生の声として私は出すべきだと思うのでありますが、さて問題は、国の直轄にしてもらわなければできません、こういう結論になるわけですね。国の直轄ですね。
 そこで建設省御当局にまずお尋ねいたしますが、国の直轄の場合は地元負担金は全く要らないのか、また県代行でやる場合には、この一級河川の大野川等のこういう場合は、いわゆる地元負担金と国の負担割合はどうなっているのか、まずお答えいただきたいと思います。
○山田説明員 御説明いたします。
 一級河川の改修工事を実施する場合に、国でやる場合においても県の負担金というものがございます。それから県が、知事管理ということで県が一級河川を実施する場合におきましても国からは補助金という形で出ますので、国でやる場合、県でやる場合、どちらにおいても国及び県の負担が相まって行われるということでございます。
○衛藤(征)委員 割合を聞いているんです。
○山田説明員 国がやっていく場合には、国の負担割合は三分の二、県が三分の一ということでございます。それから、県が実施する場合におきましては二分の一ずつでございます。
○衛藤(征)委員 今課長の御答弁でありますと、直轄河川で国がやる場合は国が三分の二、県が三分の一、県が代行する場合は国が二分の一、県が二分の一、このとおりで間違いございませんか。
○山田説明員 県が実施する場合には、その改修の規模によりまして、中小河川改修事業とか小規模河川改修事業あるいは局部改良事業とかいろいろございますが、今先生が多分イメージされているようなところでは中小河川改修事業で行われていると思いますので、ただいまの答弁のような割合ということでございます。
○衛藤(征)委員 いずれにいたしましても、県代行でやる場合には二分の一であり、国がやる場合には三分の二、こういうことでございまして、この辺のところがやはり県が心配する大きな原因ではないかな、このように思うわけですが、さて、県が管理する部分を国の直轄河川に編入する手続ですね。例えば新規箇所を編入する、あるいは既に国の直轄河川をさらに延伸するとかいろいろの場合があると思うのですが、その編入の手続あるいは直轄河川に昇格する手続はどのような手続を踏めばいいんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○山田説明員 直轄区間に編入するという場合は、当該区間が国土保全上あるいは国民経済上特に重要な区間であるとか、あるいは放水路等の施工を要する等、技術的に困難な区間であるといったようなことから判断していくわけでございますけれども、手続といたしましては、あらかじめ関係都道府県知事の意見を聞いた上で、官報に公示するということで実施いたします。
○衛藤(征)委員 課長の御答弁でありますと、関係地域の直轄河川の必要性、そういうものが建設省で十分に判断が出た場合は、関係の知事に諮って、知事と協議の上、そして調えば、これはもちろん大蔵当局とのすり合わせもした上でのことでありましょうが、官報に掲載する、こういうことになっているわけなんですね。
 そこでお尋ねいたしたいと思うんですが、委員長初め私どもが災害視察をいたしましたこの大野川の当該地域は、平成二年の七月の豪雨のときにも、関係地域の堤防を一メーター五十ぐらい水がオーバーして、十八ヘクタールにわたりまして大変な被害をもたらした。さらに、今回の台風十三号のときにおきましても同じような被害が出ておる。そして当該地域からちょっと、私どもが視察いたしました上流地域の犬飼町というところにおきましても、小学校の横の一級河川大野川の堤防をこれまた一・五メーター近くオーバーフローいたしまして、学校の天井近くまで水が来るというような、そういうような状況。学校を移転させなきゃならないかなとか、いろいろ言っておるわけであります。
 いずれにいたしましても、こういうことはこれから先、五十年に一回とか、ひどい人は百年に一回しか来ないなんて言っておりますが、そうじゃなくて、こういうような規模の水害は毎年起こるんじゃないかなと私は思うんですね。地球の温暖化、温室化現象あるいは海流のエルニーニョ現象等の重なったものといたしまして、毎年台風が常襲してくる、そして毎年こういった水害が起こる、そして大きな被害が出てくるわけでありますが、確かに財政的なことも考えられます。また、全国にこういうところがいっぱいあることも私は知っています、聞いています。しかし、この地域については何か抜本的な対策を立てなければ、余りこれを繰り返しておくと、これは人災じゃないかということにもなりかねない。あえて言いたくはないのですが、やはり人災ではないかということになりかねないので、これについては建設省で十分な対策をとっていただきたい、そして当地域についての一級河川の直轄河川への格上げなり昇格なりあるいは延伸なり、こういったことをぜひやっていただきたい、私はこのように思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○山田説明員 ただいま先生御指摘のとおり、大野川の直轄の上流地区につきましては、下流にあります大分市域あるいは今御指摘の犬飼地区を初め、ことしのこの九月の災害で大きな災害、浸水を受けているという状況にあることは承知しております。そういうことで、大野川の上流地域の改修につきましては、そういった浸水被害、さらに先生の御指摘にありましたような平成二年の災害、そして平成五年、これはもうちょっと上回っておるようでございますので、こういった災害の状況を踏まえながら、効果的な改修方策を詰めていくということが今必要なことは申すまでもございません。そういうことで、ただいまは県知事の管理でございますので、私どもとしましては、大野川の上流のこの改修のありようにつきまして十分な検討を実施することが当面の課題であろうと考えておりますし、今後、河川管理者であります県に対しまして、関係市町の意向も踏まえた改修に向けての検討結果を急がれますよう指導助言してまいりたいというふうに思っております。
○衛藤(征)委員 私は、当該大野川、長川原地区が、この河川が直轄河川に延伸なり昇格されるまでの間、緊急措置としていろいろの対策がとられる、そのことを強く要求しておきます。私は、やはり当該地域は直轄河川に編入いたしまして抜本的な対策をとってほしい、そのことを重ねて要求しておきます。
 次は、JR九州のことについてちょっとお尋ねをいたしたいと思っております。今までの審議の中で、農地とか林地とか河川とか道路とかあるいは商店街の問題とか、いろいろともう議論されたと思います。私は、JRの問題については、これは民間団体であるがゆえに、国とか県とかあるいは市町村とかが前面に出まして、窓口となってこの復旧に全力を挙げるというふうにはなかなかいかないと思いますので、あえてここで取り上げるわけでございます。
 JRは国道と同じで、まさに鉄道でありまして、この鉄道は九州全体をくまなく網羅しておるわけでありまして、しかも今や民間の会社になっておるわけでありますが、一九八七年の四月の分割・民営化のときには、JR北海道、JR四国、JR九州、いわゆるJRのこの三島の部分は大変重い負担、お荷物、赤字路線を抱えまして独立をしていった、こういう経緯があったと思います。このときにありましては、経営安定基金でございますか、そういうものも持参金としてちょうだいをしておる、このとおりであります。また、これを当時の固定金利七・三%で運用してきたということもよく知っております。
 しかし、このJR九州、四国、北海道、とりわけJR九州は、毎年毎年台風の常襲を受けておりまして、鉄道施設に大きな被害が出ておるわけであります。ことしは、九月五日までの被害額を見ましても、JR九州全体で八十四億円。しかも、箇所数にいたしましては、九州全体でいえば九百五十カ所も鉄道施設に被災をあるいは損壊を受けている、こういうことであります。被害額は八十四億。大分県だけ見ましても、JR九州部分で大分県部分でも百七十七カ所の鉄道施設がそれぞれ被災しておるわけでありまして、被災額が二十三億、こういうことに相なっておるわけであります。
 さて、私が申し上げたいことは、JR九州の豊肥本線は、平成二年、九〇年のときにも大変大きな災害が出ました。九〇年七月でございましたか、九〇年の七月の災害の節には、豊肥線の災害が復旧費で三十三億でありましたが、当時、鉄道軌道整備法の適用対象を受けたのが二十八億円でありまして、そのうち半分を、国が四分の一、それから大分県と熊本県の方でそれぞれ負担をして四分の二、そして残りの四分の二、二分の一をJR九州の方で負担をする、こういうようなことでありました。今回は八十四億円という被害額でありまして、大まかに言いまして、そのうちJR九州は半分を負担せねばならぬ、こういうことに相なるわけでありまして、これは膨大な被害であります。聞いてみますと、JR九州のことし一年間の経常利益は三十一億、そんなところでございます。そしてさらに、計画では、平成五年度の予算を見ますと、何とわずか三億円しか災害復旧費というものは計上されていない、こういうようなことでありまして、これは大変なことになるなと、関係地域の皆さんが心配をしておるわけであります。
 そこで、私は二点申し上げたいのであります。
 これは大臣にも先般、予算委員会でお尋ねもいたしましたが、第一点は、JR九州を含めましての鉄道施設の災害については、鉄道軌道整備法によりまして四分の一がここに支出されるということでありますが、果たしてこの四分の一だけで十分なんだろうか、もう少し手厚いことがあってしかるべきではなかろうか、このように思っております。これが第一点であります。
 それからもう一点は、これは基本的な問題でありますが、経営安定基金、JR九州には、一九八七年四月のときに三千八百七十七億の経営安定基金が持ち込まれておるわけでありますが、JR九州の赤字路線等々のことを考えたときに、あの一九八七年にさかのぼって、分割・民営化のときにさかのぼってみましたときに、果たしてこの経営安定基金で十分だったのだろうかということを考えざるを得ないわけでありまして、この辺のところを踏んまえて、JR九州、四国あるいは北海道、こういう極めて経営基盤の弱いJRについては、さらなる抜本的な国の対策を考える必要があるのではないか、私はこのように思うのであります。
 とりわけ、毎年のようにこういった災害に直撃される。そしてさらには、こういったJR施設が、大正時代につくったものだとかあるいは昭和の初期につくったものだとか、大変老朽化しておるわけでありますから、この辺のところを考えますと、私はこのあたりで見直しをして、そして抜本的な対策をする必要があるのではないか、このように思うわけでありますが、まず国土庁長官のお考えを聞きまして、運輸当局の考えをただしたいと思います。
 まず、じゃ、運輸省の方から先に、その後大臣の方からコメントいただきたいと思います。
○岩崎説明員 お答え申し上げます。二番目の方の御質問に関しまして、先にお答え申し上げたいと思います。
 今先生が、経営安定基金設立の経緯といいますか、申されました。承知しております。三島の旅客会社が鉄道事業を引き継ぎますときに、長期債務を承継せずに金利負担を行わないとしても、なおかつ損失が生ずるという事態でございました。それで、会社に基金を置いて運用収益でもってカバーできるように、健全な経営を確保できるようにということでございました。
 それから、額につきましても、今先と言われました九州につきましては、三千八百七十七億円でございます。北海道それから四国を合わせまして、一兆二千七百八十一億円という額でございます。これは、国鉄改革の会社の設立に際しまして、国鉄の債務負担というふうに位置づけまして、国鉄改革によりまして国鉄から移行いたしました国鉄清算事業団がその債務を負担いたしまして、先ほど言われましたルール、七・三%、十年償還ということでやっておるわけでございます。
 そこで、見直しの御指摘がございましたけれども、今申し上げましたように、いわゆる債務者たる国鉄清算事業団というものが今懸命に長期債務返済ということで頑張っておるわけでございますけれども、仮に基金を増額するということになりますと、その国鉄清算事業団が負担いたします長期債務というもののさらなる増加ということに相なるわけでございます。もとより、国鉄改革の趣旨、会社に自主的に、自立的に頑張っていただきたいということでございますので、国鉄改革のそういう趣旨からいたしまして、増額をするというのは適当ではないと考えざるを得ないと思うところでございます。
 ちなみに、現在経営安定基金の利回りというのでしょうか、確かに金利低下等で下がっておりますけれども、第一・四半期、九州、四国、北海道を見ましても、予定の金利、利回りというのでしょうか、それも高こうございます。それから、本年の第一・四半期、四月−六月につきましては、鉄道運輸収入というものも対前年比で九州の場合ようございました。そういう意味で、私どもといたしましては、九州会社の自主的な経営努力を見守りつつ必要に応じて対処したい、こう思っておるところでございます。
○澤田説明員 一点目の補助率アップの関係についてお答えいたします。
 鉄道事業といいますものは極めて公益性の高い事業でございまして、大規模な自然災害を受け、
鉄道事業者が自己の資力で復旧することが困難な場合には、運輸の確保という観点から、復旧事業に対しまして国及び地方が助成することは妥当なことではないかと考えております。この助成措置につきましては、平成三年度におきまして補助率を、二割であったわけでありますが、それを国二割五分、それにあわせて地方を二割五分、合わせて五割というように措置をしたところでございます。
 鉄道事業者といいますものは、収益企業であります民間事業ということから、相応の負担をするということは当然でありまして、現在の補助率、合わせて五割といいますものは、民間事業者に対しましての助成としては十分な配慮を行ったものと考えておるところでございます。
○上原国務大臣 基本的には今運輸省の方からお答えがあったとおりで、衛藤先生御指摘のように、心情的には、災害で多大な損失をこうむる、またその復旧にも多額の費用がかかるということで、結局は地域住民の鉄道利用に、JR利用にいろいろ不便をかけるという面では、何らかの政府としての助成措置なり対策を講ずるということは必要かと思うのですが、なかなか現在の制度の状況では難しいという理解をいたしておりますが、よくまた勉強さしていただきたいと思います。
○衛藤(征)委員 今運輸御当局のお答え、私全部それもよく知っておりますし、また平成二年のこのときにも私ども大変走り回った一人でありますから、大蔵省あるいは自治省等にも走り回って、二〇%から二五%にこれを格上げさせた、その汗をかいた一人でありますので、よく知っておるわけであります。しかし、それにいたしましても、北海道にしろ四国にしろ九州にしろ、極めて経営基盤が弱いわけなんですね。とりわけ九州は災害にいつも適う地域であります。災害、台風の常襲地帯、こういう被災地域でありますから、特別にこれは何か考える必要があるんじゃないかな、私はこのように思うのです。
 戦中から戦後、国鉄は我が国の復興のために頑張ってきた。まさにSLのように、蒸気機関車のように朝も昼も晩も真っ黒になって頑張ってきたその鉄道であります。そして、今や鉄道から道路だとか航空機の時代だとかあるいはモータリゼーションの時代だとかいって、我が国の復興のために大変な功績のあったこの国鉄、鉄道でありますが、そのことを私どもはもっと謙虚に考えて、過去があり現在がありということでありますが、私は鉄道の果たす公益的な役割、公共性、大変大きなものがあると思うのですね。これは単に経済的な側面だけではなく、地域文化とか、そういうことにも大変貢献してきたものでありますし、これからも貢献すると思うのです。
 でありますから、経営が苦しいので、災害災害でどうしようもない、手も出ない、だから廃線をするんだということになる、そんなことを懸念しているわけです。そういうことにならぬように、国としてもあるいは関係の自治体としてもしっかりこれを支えていかなければいかぬ、そういうことを私は申し上げたいのでありまして、もうこれで十分なんだということでなくして、当然さらに検討もし、対策も考えてみなければならないということであってほしいと思うのです。
 JR東日本みたいに元気のいいところはいいですよ。株を上場いたしまして、どんどん元気が出てくるところはいいのですが、JR九州ではそういうことはまず考えられないわけでありますから、その辺のところは、大変御苦労されました沖縄県御出身の上原康助大臣におかれましては、閣議等におきましても、こういう問題についてもっと私はそういうような立場から踏み込んだ御発言をいただきたいし、お取り組みもいただきたいな、このように思っております。
 とりわけ細川内閣は、一極集中から多極分散国土形成、特に地方分権、地方の時代を構築する先駆けとなる、こういうことを言っておるわけでありますから、その中の一つの重要な項目として鉄道があるということを銘記しておいていただきたいと思います。あえて鉄道と申しましたのは、これは民間団体であります。何で民間団体のことをそんなに言うのか。私は極めて公益性が高い、国鉄時代だって、JRだってその延長線にあるものですから、私はそのようにあえて申し上げたわけであります。
 他の問題等につきましてもいろいろと質疑をしたかったのでありますが、同僚の皆さんが既に重ねての質疑をしておりますので、私は以上の三点のみにつきまして質問をさせていただきました。
 ありがとうございました。私の質問を終わります。
○池端委員長 石橋大吉君。
○石橋(大)委員 九分ですから、これまだかなり芸の細かい質問になるのですが、時間がありませんので、質問を一点に絞って、ちょっと建設省の考え方をこの機会に承っておきたいと思います。
 今度冷害地の視察を組みまして、災害対策委員会で、鹿児島、北海道の奥尻、東北の冷害、大分の水害地と、もう四回も現地視察に行きましたが、どこでも共通の大きな問題になっているのは、一つは、災害復旧がいわゆる原形復旧主義をとっている。これに対してあちこちから要望されるのは、将来の災害に備えて改良復旧をやりたい、こういう要望がもう共通していますね。それから、もう一つ非常に大きな問題は、個人の私有財産については、政府として、国家として補償しない、こういう原則がありますね。しかし、農業については自然を相手にしている産業だということもあって、それなりの一定の災害補償措置がある。ところが、中小企業や商店なんかについては、津波で全部財産を持っていかれても、そういう意味での救済措置はない。一定の銀行融資か税金の減免ぐらいしかないわけですね。
 そういうことがやはり共通の大きな問題として、恐らくこれは今までも再々議論はされているだろうと思いますが、こういう大災害に見舞われてみると、改めてやはりこの問題をどうするかということが大きくクローズアップされてくる、こういうことがあるんですね。
 きょうは時間がありませんので、とにかく建設省の関係で、原形復旧主義と改良復旧の関係について、基本的な考え方について、ちょっとこの機会に承っておきたいと思います。
 例えば、原形復旧であれば工事費が一億円かかる。この際、次の津波に備えて、同じ家を建てるにしても二メーターか三メーターかさ上げをしたい。そんなことをすると、原形復旧では一億円のところが一億五千万かかる、あるいは二億かかる。こういうふうな問題について、原形復旧主義というのはどこまでそういう改良復旧の範囲が認められるのか、考慮されるのか、こういうことについて、ちょっとこの機会に伺っておきたいと思います。
○山口説明員 ただいま先生のお尋ねでございますが、まず、今おっしゃいました災害復旧については、原形復旧を原則とするということ、これは大原則でございます。しかし、この原形復旧そのものにつきましても、全くもとの形に戻すというわけではございませんで、先生もう御案内のとおりと思いますが、例えば、たまたま同じものに戻した場合に、同じような雨が来たらまたやられるというような場合には、原形復旧とはいいながら、しかし、再び同じ災害が繰り返されないようにということで、それなりに、いわば程度を上げた原形復旧といったようなものも現場の状況に応じて採択しております。また、大変地元の方々からも強い要望がございます改良復旧事業と申します点につきましては、これは原形復旧費、原形復旧に要します事業費に改良復旧費という金を加えまして、両方合わせましてより改良された、災害に強いものをつくるという形になっております。
 改良復旧につきましては、すべて全部採択できれば我々としても大変非常にいいと思うわけでございますが、やはり、この制度の趣旨からいいまして、一定の条件と申しますか、一定の枠組みというのがございます。
 例えば、ちょっと思いつくまま列挙いたしますと、まず、改良復旧事業を行うことによって得ら
れる効果が非常に大きいことというのがまずございます。それから、原則といたしまして、他の改良計画、つまり河川改修計画、そういった計画が近々にやられる、あるいは現にやられておるといったところにつきましては、ちょっと、そちらでやるべきものだということで、なじみませんので、そういう改良復旧計画がまだないというのがその次の条件がと思います。それから、多少細かい話になりますが、例えば河川等につきましても、こういった改良復旧につきまして、災害復旧助成事業とかあるいは災害復旧関連事業といったように、その事業費の額あるいは規模といったようなものが違いまして、そういった事業ごとに定められた一定の金の範囲がございます。
 ただ、基本的には、災害復旧のこの改良復旧事業につきましては、原形復旧費とそれの改良復旧費の合計が総事業費になるわけでございます。例えば一対一の原則などと私たちは俗に申しておりますが、原則といたしまして、改良工事費は、その災害によって、災害復旧に必要な原形復旧費、その範囲内に、要するに原形復旧費と改良復旧費が一対一、改良復旧費がそれを超えないのが原則という形になっております。大きな災害の場合には、やはり原形復旧費も大きくなりますし、それに応じて必要な改良復旧費も多くなるということになるわけでございますが、ちょっとそういった縛りがございますので、原形復旧あるいは改良復旧、それぞれ必要に応じて使い分けておるところでございます。
○石橋(大)委員 一分か二分時間はありますが、恐らく皆さん共通の関心事項だと思いますし、この機会にこの問題についての、今大体答弁をいただきましたからこれ以上恐らく、余り具体的なことを言うとまたいろいろと差しさわりが出てくる話でもあろうか、こう思いますから、私はこの一点だけで終わりたいと思います。
○池端委員長 西川太一郎君。
○西川委員 私も、割り当てられました時間が九分でございますので、大急ぎで数点お伺いをしたいと思います。
 台風十一号の際には、たまたま私も議員会館でテレビの水害放送を、ニュースを見ておりまして、東京に住まっておりますが、下町でございまして、果たして家に無事に帰れるのかなと。道路は冠水して、地下鉄は動かない、こういう状態の中で辛うじて家にたどり着いたわけでございますが、大変な被害が都市型水害という形で発生をいたしたわけでございます。
 そこで、三点に絞って建設省にお伺いをしたいと思います。
 まず第一点は、最近は舗装も進み、鉄筋その他、いわゆる水を吸い込む余地のなくなった東京でございますので、いわゆる流出係数というのが極めて高くなっております。加えて、下水がかなり整備をされておりますことが裏目に出まして、古い時代の、のむ量の少ない、管渠の狭い下水が普及しているという事実もこれあり、大変問題が深刻になっております。そこで、一つは調整池もしくは貯留槽、こういうような機能を都市の下水や河川に付加することによって被害を最小限度にとどめよう、こうなっているわけでございます。
 ちなみに、東京都でも、地下の調節池などは環状七号線の地下に大きなものがございますほか、既に四十一万五千九百立方メーターの調節池が、白子川でありますとか、石神井川でありますとか、目黒川、そういう中で完成を見ており、また引き続いて神田川等についても、国庫補助三分の一をいただきながら整備が急がれるわけでありますが、これは極めて、中小河川並びに下水道、違う範疇でありますけれども、ともに効果がある。これについてもっともっと進めていく余地があるし、その努力をしていただきたい、こう考えるわけでありますけれども、これについての今後の取り組み、御決意をお伺いをしたいと思います。
○石川説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。
 東京都におきましては、神田川、目黒川あるいは石神井川という中小河川がございまして、これらの治水安全度の向上を図るために、当面、整備目標といたしまして、一時間に五十ミリの雨を対象といたしまして河川の改修、あるいは調節池の設置等の事業を推進中でございます。先生御指摘のように、市街地が密集しておりますので、河道の拡幅等がなかなか困難であるということもございまして、地下空間を利用いたしました地下河川あるいは地下調節地方式というものが治水の効果に極めて有効であるということでございます。
 東京都内におきましては、このような地下の調節池が既に一カ所で完成しております。さらに十カ所で実施をしているところでございます。ただいま先生御紹介ございました環状七号線の地下にございます神田川地下調節池というのを現在鋭意進めているところでございます。今回の台風十一号のときに、目黒川につくりました船入場調節池というものが極めて有効に効果を発揮いたしまして、目黒川の区域では河川のはんらんが防止されたというような実情もございます。
 今後とも、このような貯留等の事業につきまして鋭意推進してまいりたいと思っております。
○西川委員 私の調査では十四カ所完成しているということですが、十カ所、それはデータのとり方によると思いますけれども、それは後でまたちょっとお調べをいただきたい。
 そこで、もう時間がありませんから大急ぎで伺いますが、この間の十一号で、東京にはまだ残っておりますいわゆるゼロメーター地域、そのあたりでかなり出水をしたわけでありますけれども、江東デルタ地帯と一括して呼びますけれども、この地域における治水対策についてどのような取り組みをしておられるのか、お伺いをいたします。
 それからもう一点は、ただいまの第一問にも関連をしますが、要するに流出係数を低く抑えるようにするためには、浸透性の高い舗装を普及させるとか、それから公園等に浸透升を設置するなどという技術的な問題も効果があるようでございますので、この辺についてどのようにお考えなのか。
 違う質問を一緒にして恐縮でございますが、時間の関係で、以上お尋ねをして、答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思います。
○石川説明員 お答えいたします。
 江東区につきましては、江東三角低地地帯というのがございまして、全体で面積が約四十平方キロメートルほどの地帯でございます。その地盤の大部分が満潮時には潮位の下にあるという状況でございます、特に、昭和三十四年にございました伊勢湾台風におきます高潮被害に見られますように、高潮を受けやすい条件下にございます。さらに、地区内の河川におきましては、地盤沈下等がございまして、さらに護岸が不安定となっているという状況がございます。このため、この江東三角低地地帯の河川におきましては、東京都が堤防あるいは防潮水門、排水機場等の高潮対策事業と申します事業を実施いたしますとともに、耐震性を高めるための耐震対策河川事業等を実施しているところでございます。
 なお、地区内の浸水被害を防止するために、先生御指摘のように、下水道等の関連部局との調整をとりながら、必要な対策に努めているところでございます。
 それから、もう一つの御指摘の点でございますが、流出抑制の必要性でございます。都市部の治水安全度を高めるためには、河川の改修事業あるいは調節池等の基本的な治水対策のほかに、さらに、流域の保水機能と申しましょうか、流出を抑制するような施設の設置が必要でございます。その一環といたしまして、私どもの事業の一つといたしまして、地方公共団体が雨水貯留浸透施設をつくるという場合に、これに補助を行います流域貯留浸透事業等を実施して、流域内での雨水流出抑制対策を推進しているところでございます。
○西川委員 終わります。
○池端委員長 千葉国男君。
○千葉委員 台風十二号による被害の報告が先ほどなされましたけれども、私たち、現地へ赴きまして、緒方川がはんらんをいたしまして緒方川鉄橋が、線路があめのように曲がり落ちて、その橋脚が流された、こういう現地を視察させていただきました。私は、この流失で人命が損なわれなかったことは不幸中の幸いである、こう思っております。現地へ行きまして、衛藤委員とともにあの橋を確認したところ、鉄筋一本入っていないような生コンクリートの橋脚でありました。
 そこで質問ですが、この緒方川橋梁は、大正十年の建設で既に七十二年経過している。橋梁の建設に当たって大正年間と現在では設計あるいは技術、そういうもので格段の違いがある、こう思いますが、建設の設計基準はどういうふうに変わってきたのか、教えていただきたいと思います。
○澤田説明員 明治大正期におきます橋梁等の設計施工に関しましての基準化といいますものは、当時外国人技術者等の指導ということで建設されたものが多くて、現在確認されるべきものが残っておりません。
 内容が確認できるもので一番古いものといいますと、昭和六年制定の土木学会によります鉄筋コンクリート標準示方書が設計の基準として最も古く、この基準では関東大震災、大正十二年に起きた地震でございますが、この経験を生かして、初めて地震の影響を荷重として考慮するようになっております。橋脚に作用いたします流水圧が採用されましたものは、昭和十七年制定の満鉄鉄道橋下部構造設計仕様書からと考えられております。
 このように、時代の変遷とともに、その時代の最善の技術に基づきました新しい考え方が基準に加えられておりまして、近年は材料の品質の向上、施工技術の向上やコンピューターの導入等によりまして、より合理的な設計施工が可能となるような基準を制定しております。
○千葉委員 今お話があったとおりですが、一応コンクリートの寿命はおおむね五十年、こう言われておるわけですけれども、現在、建設後五十年以上経過したJRの橋梁はどのくらいあるのか、また、台風銀座と言われる九州、四国管内でどのくらいこの五十年もたった橋梁が使われているのか。
○澤田説明員 全国的に五十年以上の橋梁数といいますと、約三千四百カ所ございます。全体が四万四千三百カ所ということでございますから、約七%程度ということでございます。
 御指摘の九州管内の五十年以上経過した橋梁と申しますと、JR九州管内では五千五百二十三橋梁のうち三百九十一橋梁でございます。これは橋脚のついた橋梁ということで申し上げております。それから同様に、JR四国では二千六百四カ所のうち二百七十六カ所となっております。
○千葉委員 今かなり使われている実態が発表されましたが、台風十三号では一日三百ミリ、大変な雨量がありました。その流水量、あるいは流木による衝撃によってこの橋脚が流失した、こういう状況を考えますと、一緒方川の橋梁に限らずこうした、何といいますか、大正物といいますか、そういう年代物の古い橋梁については同様のことが心配されるのではないか、こう思います。
 そこで、JRが民営化して以来七年、八年たっておるわけですが、こうした中で五十年以上たった橋梁をどのくらい取りかえて工事をしてきたのか、その実績をお聞きします。
○澤田説明員 五十年以上経過いたしました橋梁の取りかえの実績でございますが、民営化後JR九州で八カ所、JR四国で一カ所となっております。いずれにしましても、橋梁の検査ということにつきまして、二年に一回定期的に検査をいたしまして、その橋梁の健全度によりましてそれぞれの対策を講じております。
○千葉委員 大臣、今お聞きのとおりの実情であります。JR九州でも八年間に八カ所ということは一年に一カ所ということですから、四百近いものが残って、これをずっと取りかえていくには四百年ぐらいかかるということになりますけれども、どうでしょうか。これでは、災害が起きて壊れたら取りかえる、こういう考え方ではないのか、こう批判されても反論のしょうがないというふうに思います。人命を預かる立場からいったならばこういう考え方でいいのか、大臣、どうでしょう。
○上原国務大臣 お答えいたしますが、今実情については説明員からお答えあったとおりで、いろいろその対策を講じつつも、相当再点検をしなければいかない段階にあろうと、私も今やりとりを聞いて感じます。そういう意味で、運輸省御当局にもよくそういった実情をもっと詳細に把握をしていただいて、やはり災害対策という問題については、全般的に政府としてもっと実態把握をして、対策を講ずべきではないかと考えますので、運輸大臣にも私の方からその旨またお話をしたいと思います。
○千葉委員 今大臣からの御答弁もありましたけれども、こうした古いものがずっと残っているということに対して、やはり人命を預かる立場上、計画的また持続的に取りかえ工事を速やかに対応していくべきではないか、その実施を強く要望して、終わります。
○池端委員長 初村謙一郎君。
○初村委員 災害についてはもう本当に、先ほども九州は台風の銀座だというふうに言われておりますし、午前中にも申し上げましたけれども、私も三県、二回ほど回らせていただきましたけれども、本当に大変な状況であります。
 その中でいつも思うのでありますけれども、先ほども衛藤先生からお話がありましたとおりに、激甚災の指定について、非常に地元からは、とにかく早くやってくださいというふうな声があります。どうしてこんなに時間がかかるのかな、これは予算の査定にしても、災害の査定、予算化にしても、もう少し時間を早められないか、迅速化できないのかなというふうに思っていますけれども、この辺をぜひ大臣も、早急にというお願い、希望あるいは期待もあるとは思うのですけれども、この辺もぜひ御検討いただきたいというふうに思っております。
 それから、大分県に参りましたときに、災害の本格復旧をお願いしたいということでございました。先ほども御答弁がございましたけれども、本格復旧をやる。災害について原形復旧をやるということと本格復旧をやるというその違いですね。要望があれば全部できるのかという問題でもないと思いますけれども、その本格復旧ができる判断基準といいますか、それはどの辺に置いておられるのか、御答弁をいただきたいと思うのですが。
○山口説明員 ただいまの本格的災害復旧、いわゆる改良復旧をどういう基準で行っているのかというお尋ねでございますが、まず基本的には、原形復旧のみでは再び雨が降った場合等に災害が起こる、そういったことが考えられる場合に、まず改良復旧を検討するというのが第一点でございます。
 それからあと、原形復旧はいずれの場所でも、公共土木施設についてはやるわけでございますが、改良復旧につきましては、やはりそれ相応の、一定の経済的、社会的な事業によって得られる効果というものがかなり大きいもの、あるいは原則といたしまして、他の改良計画等、他事業によるそういった計画がないこと。それから、多少細かくなりますが、一応原形復旧に要します費用、その範囲内で改良復旧費を出して工事をやって一連区間の効果が上がること、そういったようなことを現場、現場で考えつつ、判断しながら採択しているところでございます。
○初村委員 昭和五十七年の長崎大水害のときに、今のJR九州ですね、国鉄が長崎−諌早間をピストン運行をやっていただいた。早急な対応をしていただきまして大変助かったことがございます。
 先日、大分の豊肥線を見せていただきましたけれども、土台が崩れて線路だけがぶらぶら下がっている。たまたま私はJRの大分駅から福岡に出て帰ったものですから、駅員さんとお話をする時間がございまして、聞きましたらば、一日に大体三百万ぐらい大分支社だけで赤字、減収なんですよ。そして代替のバスの運行で大分支社内、管内で一日大体百万ぐらいかかっている。これは先ほどもお話がありましたけれども、災害の復旧だけではなくて、現地で、しかもJR九州という非常に経営基盤の悪いところで毎日毎日こういう支出がある、赤字が出てくるということを考えれば、鉄道軌道整備法の、四分の一国、四分の一自治体、JR九州が二分の一という、ある面ではありがたいのでありますけれども、九州地区ではやはり大変厳しい状況であります。この辺については、そういった毎日の減収あるいは支出、そしてまた、今後そういったものを含めてぜひやっていただきたい、特例の措置をしていただきたいというふうに思っておりますけれども、いかがでございましょうか。
○澤田説明員 鉄道軌道整備法の規定では、災害復旧費の補助対象事業と申しますのは、災害を受けた鉄道の施設を原形に復旧する事業及び原形に復旧することが著しく困難または不適当な場合においては、これにかわるべき必要な施設を整備する事業と規定されております。したがいまして、代行輸送にかかる費用を災害復旧事業とみなすことは困難であると考えております。
○初村委員 そこなんですよね、いつも私どもが思うのは。要するに、経営の状況を考え、あるいはその被害があれだけひどい状況の中で、条例あるいは政令、あるいは今の法律を読み上げられただけなのでありますけれども、そこを何とか特例でやっていただけないかというお願いをしているわけですね。その辺を、そういったことも含めて、ある程度法律の運用を弾力的に考えられる、あるいは柔軟に考えられるという姿勢をぜひ期待をしたいと思うのでありますけれども、大臣、唐突でありますけれども、どうでございましょうか。
○上原国務大臣 先ほど衛藤先生の御質問にもそういう御趣旨があったわけですが、確かに弾力運用、いろいろな特例措置をもっとやってもらいたいという御要望が非常に強い面は私もよく理解をしております。そういう意味で、今突然のお尋ねですので、ここいらのことについても、これは運輸省あるいは建設省等々ともよく相談をしなければいかない点だと思いますので、先生の御指摘についてしっかり頭に入れておきたいと思います。
○初村委員 災害は忘れたころにやってくると申しますけれども、私はこの委員会に入りまして質問は二回目でございますけれども、だれ一人として雲仙・島原のことを言っていただけない。雲仙・島原は、実は来月で丸三年災害が起こりっ放しでありますけれども、そういった意味で、小委員会もぜひまた開いていただきたいと思いますし、各委員におかれましても、現地の視察も含めてお願いをし、また要望して、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○池端委員長 石田美栄君。
○石田(美)委員 私もJR九州のことでお伺いしたいのですけれども、もう既に宮路議員、衛藤議員、さらに初村議員と同じようなことについてお触れになりましたので、時間も限られていますから、もう重複します部分は省きましてお尋ねしたいと思います。
 被害の金額につきましては、もう既に約八十四億円ということをおっしゃっておりましたけれども、さらにこれに被害による減収額というものも加えますと、百億円を超えると思われます。そして、皆さんもおっしゃっていましたように、JR九州発足以来の最大の危機に直面しているということでございますが、私は、その経営の側というよりも、それを利用する生活者の立場からお伺いしたいと思います。
 特にこの被害を受けた地域というのは道路の整備が不十分な地域で、鉄道は重要な生活路線となっていて、とりわけ子供たちの通学、そしてお年寄りの人たちが通院等に使う、いわゆる交通弱者にとって日々の生活に不可欠のものとなっているということでございます。したがって、地域においては、生活をする人にとっては、このままでは将来的に鉄道路線の維持は本当に大丈夫なのだろうか、ぜひ早く復旧をといった声が聞こえております。
 それで、まず現在までの復旧状況、また、特に橋梁が流失しています豊肥線の復旧状況、あるいは見通しについてお伺いしたいと思います。
○澤田説明員 お答えいたします。
 現在、災害によりまして豊肥線、久大線及び肥薩線が一部区間で不通となっております。これにつきましてはバス代行輸送を行っているところであります。これらの不通区間につきまして早期復旧が図られるよう鋭意作業を進めておるところでございますが、久大線につきましては十月三十一日から、肥薩線につきましては十一月下旬に運転が再開される見通しとなっております。豊肥線につきましては、橋梁を新たに建設する必要があるということでございまして、現在JR九州では河川管理者とともに協議を行っておりまして、来月にも橋脚部の工事に着手する予定と聞いております。この工事につきましては非常に厳しい状況でありますが、早ければ年度内に、遅くとも来年七月中には完了して、運行を再開できるよう最大限の努力をしていきたいと考えております。
○石田(美)委員 普通に考えると、私なんかの常識ですと、JRに何かあっても一週間もすれば、二週間もすれば乗れるようになるのたというふうな感覚でおりましたけれども、お話を聞きますと、年内とか、まだまだ本当にかなりかかるようで、その地域の方には本当に御同情申し上げたいと思いますし、一日も早い復旧をお願いいたしたいと思います。
 そしてこのことも、先ほど何人もの方がお尋ねになりましたけれども、先ほどの国土庁長官のお答えもありましたように、激甚災害地域に指定がもう確定いたしましたので、それでは、この復旧にかかる費用につきましては、鉄道軌道整備法に基づいて、国が四分の一以内、その地域、県が四分の一以内ということは、半分の助成ということは、もうこの激甚災害地域に決まるというふうなこともあって、半額の補助ということは、そうなるというふうに解釈してよろしいのでございましょうか。
○澤田説明員 現在、鉄道軌道整備法に基づきましての補助の件でございますが、国が四分の一、相当額を地方負担ということで、二五%、二五%、合わせて五〇%までの補助ができるということになっております。
○石田(美)委員 ありがとうございました。
 そして私も、さらにJR九州なんかの場合、それ以上の特別な準備のことを考えますと、特別な措置、補助があればいいのになという希望をつけ加えさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○池端委員長 穀田恵二君。
○穀田委員 ため池の整備についてお聞きします。
 大分県では、先ほどの報告にもございましたように、台風十三号による災害でため池が引き金となって被害を拡大していることは御承知のとおりです。
 そこで、全国でため池の設置状況、そのうち老朽化して対策が必要な数は幾らあるのか、また、今回の相次ぐ台風や豪雨を踏まえて全国的な再点検をすべきだと思いますが、いかがですか。
○入澤政府委員 全国のため池の箇所は二十一万四千カ所でございます。中でも近畿、中国、四国地方に集中しておりまして、近畿地方で七万五千カ所、先生の御出身の京都府では千八百七十一カ所ございます。そして、二ヘクタール以上のかんがい面積を持っているため池に焦点を絞りますと、この全国のため池のうち何らかの形で改修しなければいけないため池が二万三千カ所ございます。
 私どもとしましては、老朽ため池整備事業というのを予算措置で実施しておりまして、毎年約九百カ所くらいずつ計画的に整備をしているところでございます。
○穀田委員 毎年九百カ所では相当年数がかかるわけですが、さて先ほどの委員会派遣報告にございましたところの決壊の下の方は話があったのですけれども、肝心の決壊した場所、あれはウバクボため池と通称言うのですね。そこで、既に水利組合は解散していまして、排水口はもともとあれはあいたものなんです。さらに写真でも御承知かと思うのですが、行った方は御承知かと思うのですけれども、実はあれは灌木が生い茂っていて何が何だかわからぬという、上の方を見ますとそういう実態なんですね。しかも堤の土手というのは農道に使用する以外には使われていない、しかも池の管理は三十年も前に放置されているという現状にあったわけですよね。その結果、またああいうふうな被害があったわけです。
 そこで、かんがいに用いているため池しか事業の対象にカウントしていないのではないか、改めてそういう意味でのため池の実態というのは、私はそういうところも含めて見ますと、構造改善局の監修の冊子によりますと、その災害の危険性は極めて大きくなっている、上が決壊するなら大変だという指摘をして、しかも七項目にわたってこれをやらなくてはならないということを言っているわけですね。そうしますと、その中で、実は使用していない、管理者不明のため池の実態をつかみ、そして適切な管理を行えるよう措置を行う必要があるのではないかということが一つです。
 二つ目に、先ほどの進捗状況でいいますと相当年限がかかると私思うのですね。私ども共産党はいつもこのため池の問題を一貫して追及してやっているわけですけれども、整備事業を大幅にふやす必要があると思います。ですからその点で、年末の予算編成に向けて大幅に予算を増額するための努力をしていただきたい。
 最後に、ちょっと話が変わるのですけれども、構造改善局長でいいですか、先ほど小作料の問題が出ましたけれども、これもいいですね。
 これは、御承知のとおり確かに土地を借りているということで、きょうの、先ほども私引用しました新聞にも書かれているわけで、農地法二十四条でしたか、その説明を一生懸命してある、それはわかっているのです。問題は、それで解決がつくのだろうか。つまり、収入はないわけだから払うに払えない。ところが、貸している方は貸している方でやっている。しかし、大事な問題は、行政の側が少なくとも農業を維持するために、また田んぼを何としても一定に維持するために介在をして、農協なりさらには役場なりが介在をして、一定のそういう大規模な形でやっていけという方針のもとにやっている問題ですから、少なくともそういう両者を救う上で公的助成という形が必要なのではないかという点を質問しておきたいと思います。
○入澤政府委員 最初のため池から申し上げますと、私、局長になりましてこの数字を見まして、確かに御指摘のように、土地改良財産としてこれからも使用するもの、それから土地改良区等が解散してしまって市町村に財産移管すべきもの、あるいはその地域の親水事業として公園等に使えるものというふうに、実態を調査し直して、計画的に整備すべきではないかということを、職員に、担当課に指示しているところでございます。
 事業費のアップは、これは一生懸命やりますが、これも応援していただきたいと思います。冬に向けて私どもも大いに努力いたしますけれども、全体の枠がございますから、最大限努力をしたいと思います。
 それから小作料は、既に統制小作料という時代から標準小作料という指導体制に変わっておりまして、これに対しては公的助成というのはなかなか難しいのですけれども、無利子資金、五年間分一括して、無利子で小作料の前払い資金を貸す制度をつくっております。そのまま制度をうまく使っていただきたいというふうに考えております。
○穀田委員 終わります。
○池端委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時二十六分散会