第129回国会 予算委員会 第11号
平成六年五月二十七日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
  委員長 山口 鶴男君
   理事 衛藤征士郎君 理事 中川 秀直君
   理事 野中 広務君 理事 深谷 隆司君
   理事 月原 茂皓君 理事 山田  宏君
   理事 後藤  茂君 理事 中西 績介君
   理事 草川 昭三君
      伊藤 公介君    江藤 隆美君
      小澤  潔君    越智 伊平君
      後藤田正晴君    近藤 鉄雄君
      志賀  節君    島村 宜伸君
      関谷 勝嗣君    高鳥  修君
      東家 嘉幸君    中山 太郎君
      原田昇左右君    町村 信孝君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      谷津 義男君    柳沢 伯夫君
      若林 正俊君    綿貫 民輔君
      石田 美栄君    江崎 鐵磨君
      岡島 正之君    工藤堅太郎君
      栗本慎一郎君    笹木 竜三君
      笹山 登生君    鮫島 宗明君
      実川 幸夫君    田名部匡省君
      高木 義明君    長浜 博行君
      西村 眞悟君    広野ただし君
      柳田  稔君    山本 幸三君
      伊東 秀子君    坂上 富男君
      鉢呂 吉雄君    細川 律夫君
      三野 優美君    横光 克彦君
      東  祥三君    石井 啓一君
      大口 善徳君    北側 一雄君
      谷口 隆義君    井出 正一君
      渡海紀三朗君    穀田 恵二君
      松本 善明君
 出席国務大臣
       内閣総理大臣   羽田  孜君
       法 務 大 臣  中井  洽君
       外 務 大 臣  柿澤 弘治君
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
       文 部 大 臣  赤松 良子君
       厚 生 大 臣  大内 啓伍君
       農林水産大臣   加藤 六月君
       通商産業大臣   畑 英次郎君
       運 輸 大 臣  二見 伸明君
       郵 政 大 臣  日笠 勝之君
       労 働 大 臣  鳩山 邦夫君
       建 設 大 臣  森本 晃司君
       自 治 大 臣
       国家公安委員会
       委員長      石井  一君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 熊谷  弘君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  石田幸四郎君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       佐藤 守良君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  神田  厚君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       寺澤 芳男君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       近江巳記夫君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  浜四津敏子君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  左藤  恵君
 出席政府委員
       内閣官房内閣安
       全保障室長
       兼内閣総理大臣
       官房安全保障室
       長        坪井 龍文君
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第一
       部長       津野  修君
       総務庁行政管理
       局長       八木 俊道君
       防衛庁参事官   高島 有終君
       防衛庁参事官   熊谷冨士雄君
       防衛庁長官官房
       長        宝珠山 昇君
       防衛庁防衛局長  村田 直昭君
       防衛庁教育訓練
       局長       上野 治男君
       防衛庁人事局長  三井 康有君
       防衛庁経理局長  秋山 昌廣君
       防衛施設庁長官  米山 市郎君
       防衛施設庁総務
       部長       草津 辰夫君
       防衛施設庁施設
       部長       江間 清二君
       防衛施設庁建設
       部長       森本 直孝君
       防衛施設庁労務
       部長       小澤  毅君
       経済企画庁調整
       局長       小林  惇君
       経済企画庁物価
       局長       谷  弘一君
       経済企画庁総合
       計画局長     吉川  淳君
       経済企画庁調査
       局長       土志田征一君
       科学技術庁原子
       力局長      石田 寛人君
       科学技術庁原子
       力安全局長    笹谷  勇君
       国土庁土地局長  原  隆之君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       法務省入国管理
       局長       塚田 千裕君
       外務省総合外交
       政策局長     柳井 俊二君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高野幸二郎君
       外務省総合外交
       政策局軍備管理
       ・科学審議官   林   暘君
       外務省アジア局
       長        川島  裕君
       外務省北米局長  時野谷 敦君
       外務省経済局長  原口 幸市君
       外務省条約局長  丹波  實君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     田波 耕治君
       大蔵大臣官房審
       議官       薄井 信明君
       大蔵省主計局長  篠沢 恭助君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省証券局長  日高 壮平君
       大蔵省銀行局長  寺村 信行君
       国税庁次長    三浦 正顯君
       文部大臣官房長  吉田  茂君
       文部省生涯学習
       局長       岡村  豊君
       文部省初等中等
       教育局長     野崎  弘君
       文部省体育局長  奥田與志清君
       厚生大臣官房総
       務審議官     佐々木典夫君
       厚生省社会・援
       護局長      土井  豊君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産省経済
       局長       東  久雄君
       農林水産省構造
       改善局長     入澤  肇君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
       農林水産省畜産
       局長       高木 勇樹君
       食糧庁長官    上野 博史君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        清川 佑二君
       通商産業大臣官
       房審議官     稲川 泰弘君
       通商産業省通商
       政策局次長    前田 正博君
       通商産業省機械
       情報産業局長   渡辺  修君
       資源エネルギー
       庁長官      川田 洋輝君
       中小企業庁次長  桑原 茂樹君
       郵政大臣官房財
       務部長      楠田 修司君
       郵政省電気通信
       局長       松野 春樹君
       郵政省放送行政
       局長       江川 晃正君
       労働大臣官房長  征矢 紀臣君
       労働省労働基準
       局長       石岡慎太郎君
       労働省婦人局長  松原 亘子君
       労働省職業安定
       局長       七瀬 時雄君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省建設経済
       局長       小野 邦久君
       建設省都市局長  黒川  弘君
       建設省住宅局長  三井 康壽君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
       自治省税務局長  滝   実君
 委員外の出席者
       予算委員会調査
       室長       堀口 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十七日
 辞任         補欠選任
  後藤田正晴君     原田昇左右君
  村田敬次郎君     町村 信孝君
  江崎 鐵磨君     栗本慎一郎君
  岡島 正之君     実川 幸夫君
  川端 達夫君     石田 美栄君
  高木 義明君     笹木 竜三君
  細川 律夫君     横光 克彦君
  北側 一雄君     大口 善徳君
  渡海紀三朗君     井出 正一君
同日
 辞任         補欠選任
  原田昇左右君     後藤田正晴君
  町村 信孝君     村田敬次郎君
  石田 美栄君     西村 眞悟君
  栗本慎一郎君     広野ただし君
  笹木 竜三君     高木 義明君
  実川 幸夫君     岡島 正之君
  横光 克彦君     細川 律夫君
  大口 善徳君     北側 一雄君
  井出 正一君     渡海紀三朗君
同日
 辞任         補欠選任
  西村 眞悟君     柳田  稔君
  広野ただし君     江崎 鐵磨君
同日
 辞任         補欠選任
  柳田  稔君     川端 達夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 証人出頭要求に関する件
 平成六年度一般会計予算
 平成六年度特別会計予算
 平成六年度政府関係機関予算
    ―――――――――――――
○山口委員長 これより会議を開きます。
 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
○坂上委員 羽田総理を初めといたしまして、各大臣の皆さん、本当に御就任おめでとうございます。しかしながら、また一面、少数与党という立場に立っての船出でございますので、なかなか政局多端でございまして、本当にまた御苦労さんでございます。しかし、日本の羽田総理以下の閣僚でございまするので、どうぞひとつきちっと踏ん張って、日本のため、国民のために頑張っていただきたいと思っておるわけであります。
 我が党も予算の成立までは全力を挙げて御協力を申し上げる、こういう立場でございまするので、どうぞ率直な御答弁も賜りたいと思っておるわけでございます。
 まず、羽田総理にお聞きをいたしますが、三権分立、このことについてどういうふうなお考えをお持ちであるか。それから、少数与党というものに対してどういう御認識を持っておられるか。前にも答弁があったんでございますが、いま一度お聞きをいたしたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 三権分立は、国家作用を立法、司法、行政、この三権に分けまして、おのおのが担当するものを相互に分離独立させまして、相互に牽制させる統治組織原理、このことを指しているというふうに承知をいたしておるところであります。
 私どもは、そういうもとで、やはり三権、この三つの力というものをお互いに尊重し合いながら、お互いに牽制し合っていくことが重要であろうというふうに考えております。
 少数政権、これはまさに日本の政治史上の中でも本当に久しいといいますか、そういったことでありますけれども、今私どもが直面いたします課題というものは、非常に重要な課題がある。これは、政府あるいは与党、野党ということだけではなくて、もうお互いのものであろうというふうにいますので、私どもも謙虚に皆様の御意見を伺いながら対応していくということが大事であろうというふうに考えております。
○坂上委員 三権分立というのは、今の近代政治の中で最も基本的な問題であることはお答えのとおりでございまして、特に、この三権がチェック、あるいはまたバランス、いわゆるチェック・アンド・バランス、こう言われておることでございますので、これをひとつ基本にいたしまして、今回の内閣の性格についてお聞きをいたしたいといます。
 まず第一に、総理、こういう文章があるんでございますが、あるいは思い出されると思いますが、「日本の政治体制が議院内閣制であることはいうまでもない。議会の多数派が内閣を組織し、任をもって政治を担当する建前」である、こういうことをおっしゃっておる本があるわけでございます。そしてまた一面、「このように、日本の後政治は多数決の原理を無視あるいは軽視してきた。それが、無責任な政治を生んでいる。」こういうことが有力政治家の本の中に書かれておりますが、この点に対する御見解はいかがです。
○羽田内閣総理大臣 これは、最終的には多数決というものは私は重要なものであろうと思います。しかし、そこに至るまでの間は、少数の人の意見というものも存分に聞きながら対応していくというのがやはり民主主義であろうというふうに思います。
○坂上委員 ちょっと承服できかねるのでございますが、質問を続けます。
 「私は、彼らが」、彼らというのはこの人が尊敬している方でございますが、「強烈な国家意識、つまり使命感と、それを実現するための権力意思
を持っていたことだと思う。彼らは、周囲の批判を受けながらも自らの使命を果たすために、権力機構を完全に掌握し、実行のための体制を固めたのである。しこうおっしゃっているわけでございます。これに対しましては、御見解はいかがですか。
○羽田内閣総理大臣 ちょっと前提があれなもんで、今のお話だけではよく理解ができないんですけれども、ちょっともう少し御説明いただけますでしょうか。
○坂上委員 もうここまで読み上げれば、賢明な総理でございますからおわかりと思うのでございますが、新生党有力国会議員であります小沢一郎氏の「日本改造計画」の中に出てまいっておる言葉でございます。
 そしてこの方は、四人の歴代政治家を大変尊敬なさっており、これに学びながら政治をやっておる、こうこの中に書いてあるわけでございます。例えば大久保、例えば原敬、こういう皆様方をずっとこう三人だけ、吉田茂さんを含めて挙げてあるわけでございます。
 その中に、これらの四人に共通しておる問題は何であるかといいますると、周囲の批判を受けながらも、みずからの使命を果たすために権力機構を完全に把握する、実行のための体制を固めて政治をやったんだ、こういうことに対して大変尊敬をなさって、これを師表にして政治を運営なさっておるんじゃなかろうか、こう思っておる。そういう意味での御質問でございますから、総理としては、こういう意見に対していかなる御見解であるかということを聞いているわけでございます。
○羽田内閣総理大臣 大久保利通公は、まさに新しい政治といいますか、が異ったときでありますし、それぞれ一つの大きな転換のときであるということでありまして、そういった中でこの国というものを一つの方向へ持っていくために、相当やはり批判を承知しながらもやったということであろうと思います。
 しかし、私は、確かに批判というものにただおもねているということではならない、やはり真っ正面から訴えるべきものは訴えていかなきゃならぬという姿勢をとります。しかし、いずれにしても、それもまた国民の理解とかそういったものを得るための最大限の努力をしながらそういうものを進めていくことであろう、ただ権力構造を取り入れてしまうということではあるいはないんじゃないのかというふうに思います。
○坂上委員 さてそこで、今回の組閣についてでございますが、この中にくしくも書いてあるわけでございます。どういうふうに書いてあるかといいますると、「伊藤、西園寺公望らのあとを継いで、最初の生え抜き政友会総裁となった原敬には、同じ岩手出身というよしみもあって、私は特別の親しみを感じている。」この次でございますが、「彼は、政友会によって政治と行政の統一的運営をめざした。」これがさつき三権分立との関係においてお聞きをした一つでございます。「そのために、明治憲法下で分立していた」、分立というのは与党もそうでございますが、この十会派といいますか、八会派といいますか、大変たくさんあるわけでございますが、明治憲法下でも「分立していた政治・行政機構の中に親政友会の勢力を浸透させていった。」こうあるんですね。
 今の政治情勢に大変よく似ているわけであります。すなわち、衆議院の政友会を絶対多数派に育成する傍ら、これがこれからの小選挙区の選挙と大きく絡まってくるわけだろうと思いますが、貴族院では多数派だったんですね、その研究会を親政友会にしたというのですね。
 行政機関については、今度はどういうことかといいますと、内務省を政友会化した。石井先生が今の自治大臣におなりになっているわけでございます。陸海軍及び司法部の大臣を親政友会系に固めていった。永野法務大臣、まさにそれでございます。今の防衛庁長官、必ずしもこちらと思えませんが、何か構想が似ているわけでございます。「行政機関についても、内務省を政友会化し、」行政機関ですよ。原はこうした権力基盤を足場に、藩閥や軍閥を抑えて政党政治を確立して対米協調路線を敷いたのである、こう書いてある。
 ちょうとこれを置きかえてみますると、自民党さんには大変失礼でございますが、藩閥や軍閥を抑えて政党政治を確立した、こうあるわけでございます。まさに自民党を分離独立させまして、少数党を結集されまして、いわゆる多数派をつくって、今の連立政権ができておるわけであります。ちょうどこの配置も、重要なポイントはこの方が志しておられる政治の中に少しずつきちっきちっと布石をされているのでなかろうか、こう思っておるわけでございます。
 これは羽田総理が言っておられるわけではございませんけれども、やはり大事な朋友の御意見でございまするから、大変な影響を受けられてこういう組閣になったんじゃなかろうかと思いますが、いかがです。
○羽田内閣総理大臣 その本を通じて現状というのをごらんになっているわけですけれども、先生にもぜひ御理解いただきたいのは、まず私たちが新生党を結成した、これはまさにやむを得ない一つのあのときの事情という中で、私どもは今ここで行動しないと全体がもう閉塞状況に陥ってしまうという中で飛び出た人間です。
 しかも、選挙に臨んだときには、私は街頭であろうとどこであろうと、我々は権力というものをみずから握るつもりはありませんと、今すぐに、要するに、ただ経験を生かしながら核になっていきましようということは実は私自身も申し上げてまいったところであります。ですから、何も権力を初めから握ろうとか、そんなつもりで物事が動いたんじゃないんだということ。
 それから、組閣は、これは今小沢さんの主張が書かれているわけでありまして、永野さんという方について、結果としてああいうことになってしまいましたけれども、私はあの方の人柄ですとか公正な物の見方というものを信頼しておったということ、そういう意味で、ですから防衛政策がどうだ、そういうことじゃなくて、あの人柄というものを信頼しておったということ。
 それから石井さんの場合にはまさに、かつてから公選特の委員長、そして政治改革の特別委員長、そして自民党時代からずっとこの責任者をやっておられたということ、そういうことで今区割り等があるという中で、私は、いわゆる政治改革の最終の仕上げの段階であるということでその担当の大臣をお願いを申し上げたということで、これはまさに私自身が、どうしてもそれがよろしいという思いでなしたことでありまして、ちょっとその本と一緒ではないということだけは御理解をいただきたい。そんなつもりで何かこうやって抑えようなんて、そんな気はさらさらございません。
○坂上委員 私は指摘だけで、これについての批判はこれ以上いたしませんが、さてそこで、今一番大事なことは、社会党が政権離脱をした、これはこれでまあやむを得ないことでございますが、ただ皆様方のお話を聞いておりますと、社会党がまさか政権離脱するなんというのはさっきのさっきまで思わなかった、こういう御答弁が続いているわけでございますが、私はこのことが非常に危険だと思っているのです。
 と申し上げまするのは、これだけのことの処置があれば社会党は政権離脱をするというのは当たり前だ。この当たり前のことを、総理を初めといたしまして政党の首脳の皆様方はわからなかった。これはやっぱり政治に対するあすへの見通しなんでございます。
 でありますから、わからぬで済むわけではない。社会党が離脱をしただけで済むわけではないのでございまして、日本の政治をしょっております羽田内閣が、もうあすのことも見えない、こういう極めて当たり前のことすらわからないような政治のあり方、こういうようなことで、これを無視をしてじゃんじゃんと進んでいかれる、こういうことが私は一番恐ろしいのでございまして、今挙げました、例えば無責任な政治を生んだ、多数決の原理を軽視をした、あるいは議会の多数派が
内閣を組織をして責任を持って政治を担当する建前なんだ、しかもまた、行政と政治を、勢力を浸透さして権力を把握をした、こういうやり方、どうもこの内閣の中にこういう性格が、皆様方が自覚しないけれどもあるいは持っておられて、このことが政治を、今後の日本の将来を大きく決するんじゃなかろうかと大変心配をしておる。
 こういう意味において、我が党一個人のことを言っておりません。どうぞひとつ、本当に今この瞬間、少なくとも私たちは予算の成立までは皆さん方を支えますが、しかしその支えられるのを奇貨といたしまして間違ったような方向に走ってもらうことを私は心配しているのです。御所見はいかがです。
○羽田内閣総理大臣 まず、結論から申し上げますけれども、今そういう思いをお持ちであり、またそういった御指摘があったこと、私どもはよく腹の中に置きながらこれからの政治の運営に当たっていくということをまず申し上げたいと思っております。
 また、社会党さんが離脱するようなことになってしまったこと、後で、後でというのは、要するに政権のああいう交代のときというのは案外、官邸に入った人間なんかもみんな初めての人たちであるということでよく連絡がとれなかったりしまして、そういう一つのエアポケットみたいなものであったというふうに思います。
 しかもあのときには、お互いが一つの善意といいますか、そういったもので話されておったものが、何か行き違いがあったということ。しかし、その行き違いというものは大変大きなもので、社会党さんを傷つけてしまったということ、これは私も本当に残念に思っておりますし、また、私自身がそれをちゃんと承知してきちんと対応できなかったということ、ちょうどあの時期とはいえ大変申しわけないことであって、承知していればいろんな話も私はできたと思います。だから、その点では本当に私は申しわけなく思っております。
 そして、社会党さんをただ少数にしてどうのこうのというよりは、むしろ私は、この八カ月の間、お互いに譲歩しながら進めてきたものは、今のこの時代というものが要請しているというものであるということで、この八カ月間というものは、一つの新しい日本の政治の方向が見えてきたということで誇りにしているということを、どこでもそのことを申し上げてきておるものでございまして、私は、結果としてこういうことになってしまったことを反省しながら、政治の運営に対して誠心誠意尽くしていきたいというふうに思っております。
○坂上委員 こういう状況を受けまして、きのう我が久保書記長と会談なさったようでございます。
 新聞によりますと、久保さんから直接お聞きをしていないからわかりませんが、お会いをいたされまして、中国訪中のいろいろのごあいさつなり、御連絡なり、重要な中国側の意向の伝達だったんだろうとは思います。しかしまた一面、久保さんが中国では、いわゆる総辞職せよという発言がありまして、それを受けまして大変総理としても考えるところありという発表もあったわけでございます。
 きのうは久保さんは、率直に言って、不信任を出される前に自主的に総辞職をされたらいかがか、我が党も政権担当の用意あり、こう申されているわけでございます。総理のお立場でございますから、軽々に、総辞職いたしますとか、あるいは不信任があったら受けて立ちますなどというようなこともなかなか言いづらいことだろうと思います。しかし、政治はできるだけの真実を究明をしながら走りたいと思っておるわけでございますから、まず一つは、総理はほとんど総辞職やあるいは不信任やそういうような問題についての政治の見通しについてはお話しにならないで、一日一日を誠実に務めたい、こういう御答弁だと、こういうふうな話のようでございます。
 一面、何はともあれ、いろいろのことを言わないで社会党から政権復帰をしてもらいたい、これだけをどうも目途に事を処せられておるのではなかろうかとも、この会談を通じても感じておるわけでございます。
 そこで、うちの副委員長がこの予算委員会で質問しました。もう総辞職をしたらいかがですか、そしてそれをもとに新しい連立政権を、こういうようなことまで、まあおっしゃいませんでしたが、そういう伏線で、そしてその上に立って、もしこれがだめだったら大変な事態になると思いますから、そこにいかないようにということについては、総理はお答えになりませんでした。
 今の立場において総辞職する意思なしとするならば、国会解散ということもお考えなんでございますか。そしてまた、久保さんとの会談の総理としての言葉はこれ以上なかったんですか。お聞きをいたします。
○羽田内閣総理大臣 お答えすべきなんでございましょうけれども、これは公党の書記長と二人で話し合ったことであります。ですから、そういったことについて私が今この場所でお話しすることは差し控えたいと思います。
 しかし、いずれにいたしましても、今どうこうという、今大事な予算をここで御審議をいただいているさなかでございます。その意味で、私どもは、一日一日を大事にしながら、これをぜひ一日も早く上げていただきたいということに専念すべきであって、解散ですとかあるいは総辞職ですとか、不信任案に対してどうするとか、そういったことを考えながら対応するということは、私はしたくないということであります。
○坂上委員 まあ一応申し上げているわけでございまして、予算だけは社会党は責任を持って通します、こう言っているわけですから、安心をして、ひとつ率直な御意見をもうこの辺で言ってもいいんじゃなかろうかと思っているのでございますが、これは意見でございます。
 さて、その次に細川疑惑でございます、細川前総理。これは総理と寺澤長官にお配りしてあります。ほかの大臣にはお配りしてありませんが、こういうものでございます。多分ごらんになった、自民党さんもお聞きになったと思うのでございますが、連立与党政務幹事会が名義になっておりまして、「総理は一億円を返している!〜デマに惑わされないように〜」といって、まあうちらの方にも配られたことは配られたんです。
 そこで、まず、この間総理は、総理はうそを言っていないと思う、こういう御答弁ですが、これは本当にそう思っておられますか。寺澤長官は、総理は潔白を信じますと、こう言っていますが、そんな程度の認識ですか。長い間、何百時間にわたりまして予算委員会やその他の委員会で激しく追及をされまして、疑惑が出てきたわけでございます。
 柿澤外務大臣、あなたは三月六日か七日の本会議でおっしゃった。どうおっしゃったかといいますと、細川総理の疑惑は大変深まったと言って、本会議場でまことに歯切れのいい言葉でやられた。一体これはどういうふうに深まったんですか。どういうふうに疑惑が出てきたんですか。まず外務大臣からお答えをいただきまして、それをお聞きをしながらひとつ総理や長官からまずお聞きをいたしたいと思いますが、いかがですか。
○柿澤国務大臣 坂上先生から三月の代表質問についてお話がございました。この中で細川総理にまつわる金銭問題に触れましたが、ここでは、衆議院予算委員会が山口予算委員長の提案に基づいて記録の提出を全会一致をもって決議したものでありますと、総理はこの際、進んで記録の提出に協力し、できる限りみずからの手で明確に証明すべきではありませんか、こういうことを申し上げているわけでございます。
○坂上委員 外務大臣、よく読んでくださいよ。これは細川総理の答弁なんです。いいですか、あなたは、細川総理の疑惑は深まった、どうするんだ、こういう質問なんですよ。私がまた読み上げましょうか。よくおわかりでしょう。
○柿澤国務大臣 その深まったという点をお取り上げでございますから、その部分について申し上
げますが、「本問題については、昨年十月以降五カ月にわたって議論をしてまいりましたが、疑惑が深まりこそすれ、何一つ解明されていないのです。」ということを申し上げております。
○坂上委員 だから、その疑惑の深まったという疑惑はどういうことですかと、こう聞いている。疑惑というのはどういうふうにこの段階においてさらに深まったんですかと、こういうことを聞いているんですよ。
○柿澤国務大臣 これは、予算委員会の審議を私なりに拝見をしていてそう感じたわけでございます。
○坂上委員 今どう思っているんですか、細川総理の疑惑について。疑惑なしと思っているんですか。
 もし疑惑なしとするならば、これは本会議のあなたのきちっとした主張ですから、これはいかに自民党にあった質問だといいながら、疑惑に関する限りは真実は一つなんだから。今のあなたの認識、きちっと答えてください。
○柿澤国務大臣 今回、予算委員会が証人喚問で関係者の方をお呼びになるということでございますので、そうした形での努力が必要であろうかと思っております。
○坂上委員 こんなことで時間をとってもばかばかしいやね。
 というのは、細川総理の辞任の理由は何ですか。国会に対する答弁と真実は違いました、国民の皆様方や国会の皆様方に申しわけない、こういうことで辞職したんでしょう。このことのために大混乱が起きているわけだ。羽田さんなんか、少数与党にならぬだっていいのにこうやって苦労して総理なさっているわけよ。あなたなんか、自民党さんから来られてぴょこぴょことそこへ座っているわけだ。
 それであなた、自民党におったときは、自民党の皆さんが一生懸命に細川氏の疑惑を調査をし、その調査をもとにして、五カ月の調査の結果疑惑は深まった、こう言って本会議場でだんびら切ったんでしょう。自民党の主張、うそなんですか。そうでないでしょう。深谷先生以下、歯ぎしりしてこの問題を追及しているんだ。あなた、どうなの。もう一遍。
○柿澤国務大臣 自民党の先生方がその点について解明に努力をされ、いろいろと論陣を張っていたことは承知をいたしております。私は直接それに携わったことはございません。
○坂上委員 直接に携わっていなくて、わからないでこういうことを言うちゃだめなんだよ。今もわからぬで言ってるの。今わかってるの。これ以上はひとつ、私はまた後からあなたから十分聞きたいことがいっぱいある。
 さて、寺澤長官、あなたはこの間、潔白だと信じていると。細川さんはみずからクロだと言ったんだ。クロとシロでどうしてこう違うの。御答弁。
○寺澤国務大臣 私は確かに細川さんの潔白を信じているというふうに申し上げました。これはあくまでも人間の信頼の問題であります。
○坂上委員 信頼をしているから悪いことをしないだろうと私も思ったのよ。だけれども、みずから恥じて、総理は、疑惑の理由を三つ述べておられますが、わかりますか辞任理由の内容を。わかっているんでしょう。わかっているんだったらお答えなさいよ。利息は払った払ったと言って答弁している。あなたにお配りしたでしょう。この責任も私は問わなけりゃならぬと思っているんです。
 「総理は一億円を返している! 〜デマに惑わされないように〜 連立与党政務幹事会」、うちの幹事長も幹事もおられるから余り本当は言いたくないんだけれども、こういうものを我々に配られて、これをひとつ地元に帰ったら演説してくれないかと、こうおつしゃった。
 私は、御存じのとおり国会復帰してから一番最初に、連立政権樹立のとき言ったの。細川さんと小沢さんに疑惑があるから、これはたとえ与党になっても徹底的に追及しなければ常はいけませんよと、これだけはひとつ御了承いただきたいと、こう言った。途端にテレビに私は出たですよ。私はまた注意を受けた、野党みたいなことは余り言ってんなやと。だけれども、私は自民党さんと、疑惑の追及については、これはやっぱりいかなる立場にある方々とも手を握って真相を究明しなけりゃならぬ。これが皆さんの願っておる、私たちが与党にいた当時の願い、政治改革の本命でしょう。
 どうですか。長官、もうちょっときちっとした答弁しないと、細川さんを証人喚問しなけりゃだめですよ。私も、情において喚問するのはいかがかと思っている点もないわけじゃないのですよ。もう少しきちっと、まじめに答弁してくださいよ。これじゃ務まらぬよ本当に、あなた。
 総理、政治改革内閣なんですか、ここの内閣は。これじゃとてもじゃないが、悪いことをした、疑惑があっても全部シロだシロだと言う内閣じゃないですか、これじゃ。
○寺澤国務大臣 細川前総理が、委員おっしゃるように、とにもかくにも三つの理由を挙げながら、国会を空転させたという責任をとって四月八日に総理を辞任したわけですが、私といたしましては、先ほど申し上げましたように、この間、それについておまえはどう思うかという御質問がありましてそのようなお答えをしたわけですが、この問題につきましては、やはり国民が納得できるように、よくわかるような審議をするということが、もし国会の御決議であるならば、そういう方向でいかなきゃならないと思っておりますし、ただ、おまえはどう思うかということを何回も聞かれるものですから、私は人間の信頼関係として細川さんの潔白を信じているというふうに申し上げたわけであります。
○坂上委員 だから、私の質問はそういう質問じゃないのよ。どう思うかというんじゃないの。疑惑について、あなたは大臣として、いわゆる日本新党の党員として、自分の総裁の疑惑をどのように認識をなさっておりますかと、こう聞いているのよ。
 それは、まだ審議中だったらいいんですよ。もう自白をしたんだから。私は悪いことをしたと言ったんだから。それでもまだシロだ、シロだと言うあなたは適格あるかな、大臣として。どうですか、これは。もうみずからそう言っているんだから。それをシロでございます、シロでございますと言って、これが日本の内閣だというんだったら、これは世界の物笑いだ、日本だけじゃなくてもうちょっときちっと答えなさいよ。本当にめちゃめちゃな答弁じゃないの、これは。
○寺澤国務大臣 シロかクロかということで委員はおっしゃるわけですが、結局、私自身としては細川さんの弁護士でもないし、あるいは細川事務所の直接の担当でもないし、いいかげんなことは申し上げられる立場ではないので、私は終始一貫人間の信頼の問題であるということでお答えをしていたわけであります。
○坂上委員 さて、羽田総理、総理の答弁はなかなかそちらと違うんですよ。細川総理はうそを言っておりませんと。なるほど読むと細川氏の答弁はこうなんです。私が聞いたところによりますと、こうでございますと、そして、きのう聞いたところが、うその答弁をしておりましたのでやめさせていただきますと、こういうことなんですよ。あなたはそれを受けているから、あなたはなかなかよく勉強なさっているわけです、総理は。
 そこで、総理、それはそれでいいんです。だけれども、これをごらんになりまして、この疑惑について、うそは言っていないというのはいいんですよ。だけれども、やっぱり結果的にうそになったんじゃないですか。
 そこで、総理としては、この疑惑について、特に政治改革法案をここで完成しようというわけだ。これは選挙法だけじゃない、金権腐敗の政治をなくするというところから出発をしているわけでございますから、これは明確にしなければいかぬ問題なんです。総理、この疑惑、どういうふうにお考えになっておるか。
 特にはっきりしたことだけ申し上げましょう。この二ページにはっきり書いてあるんですよ、ここで。「分割払い」というところ、三の「返済関係」、一億円と利息の返済については、東京佐川急便との契約により、本来一年で返すつもりであったが、細川事務所に対して佐川清氏から側近を通じて、無理をしないで毎年元本一千万づつ分割払いでよいという話があったので、分割払いとして払った、こう書いてある。利息を書いてある。この利息だけで幾らかわかりますか。五千万近い金額じゃないですか。これはなかなか大変ですよ、政治家として五千万という金額は。これを政治資金で処理をしたと、こう言っている。だけれども、これも私はおかしいと思っているんです。
 細川氏がいわゆる辞任をした範囲は、利息を間違いなく返していなかった。国会答弁、大変結果的には違ったことを言ってしまったと、こうおつしゃつておるわけでございます。そうだとすると、総理としてはやっぱりこの疑惑、大変なことでございます。今どういう御認識ですか。
○羽田内閣総理大臣 総理は国会で御答弁されておった時点においては、まさに佐川の方からもらってきたその資料というものを提出しながら、誠心誠意私は語られていたと思います。ただ、辞任されるときに、そういった事実があったということで、このことを率直に述べられながらやられたということであります。
 ただ、総理は、いつでも言われていたことは、国会の、要するにみずからの問題について、みずからもやり得ることについてはこれからもきちんとしていきたいということを言われておったわけでございまして、私は、御自分で調べられたことなんかがあるとすれば、またきちんと報告されたり、それをしながら対応されてくれるのじゃなかろうかというふうに考えております。
○坂上委員 これはやっぱり、もうちょっと証拠を取りそろえて、本当に突きつけないといかぬなと思っていますよ、羽田総理にも。
 さて、大内大臣それから総務庁長官、党の党首でございますが、党としては、細川疑惑について、どういう御認識を、現在でいいですから、お持ちでございましょうか。
○大内国務大臣 私の名前が先に上がりましたので、先に答弁さしていただきます。
 今御指摘の細川前総理の疑惑問題につきましては、細川総理自身はそれなりの説明をされ、また、一つのけじめをつける意味で総理という重い職を辞せられたわけでございますが、にもかかわりませず、国会の論議の過程、特に私は、自民党の方々がいろいろな面で指摘された問題がございまして、それが残っているということはよく承知をいたしております。したがって、それらの問題の今後の取り扱い、処理につきましては、国会の御論議あるいは各党の御協議、この行方を見守ってまいりたい、こういう立場でございます。
 したがって、国会で指摘されましたいろいろな問題点、つまり疑惑に対する問題点についてはよく承知をいたしております、こう申し上げているわけでございます。どうすべきということは、今行政府にあるわけでございますから、各党の御協議の結果を見守りたい、こう申し上げているわけであります。
○石田国務大臣 お答えを申し上げます。
 政治改革を標榜して総理になられた細川前総理でございますが、その在任期間中に政治改革そのものを強力に推進をした、これは一つの歴史的に大きく評価される事績であろうと思うのでございますが、皮肉にもそういった一面と、それから結果的にそういった政治疑惑の問題で辞職をされたということ一非常に私は残念に思うわけでございます。
 衆参の予算委員会でも大変強く細川氏に対する疑惑の点が指摘をされてきたところでございます。その間、細川前総理からのいろいろなお話を断片的に伺うチャンスがございましたけれども、細川氏の性格なのか、非常にまじめに考えていらっしゃるなというような感じはいたしておりました。しかし、委員会におきます。そういう疑惑に対する強い指摘というのは消えていなかったことは、率直にそう思わざるを得ないわけでございます。また、細川氏が辞任をされたそのときの表明の仕方、そこにも問題が私もあるやに思いますが、率直にその点を認めて、大変重い責任のとり方をされたというふうに思っておるところでございます。
 今後政治家全般について、総理を初めいかなる政治家もそういった政治の疑惑については当然解明をされなければならないという、国民の立場から見ても重視すべき取り組みがなければならないというふうに思っているわけでございますが、現に細川氏に対する証人喚問等の問題は、今大内さんからもお話がございましたけれども、委員会その他あるいは各党間の協議が行われておるわけでございますので、その結果を見守ることが極めて大切である、このように思っているところでございます。
○坂上委員 各党首からお聞きをいたしまして、お立場上、なかなかお答えづらいこともわかるのでございますが、やはりこの羽田内閣というのは、細川政権を受けまして、そして、細川政権は口ではいいことを言ったけれども、やはり後ろに回ってみると黒だった、そして国民はこれについて、連立政権について、こういう点で大変あきれている部分もないわけではありません。しかも、ここで政治改革、政治改革なんかと言って、何の政治改革だと、こういう国民の声も出ております。
 そこで、私は、この内閣はいわゆる政治改革を完成させるんだ、そうだとするならば、指摘をされました細川疑惑について、内閣が先頭になってきちっとこれに対する解明に当たるくらいでなければならぬと思います。
 細川氏はこう言ったんです。柿澤先生の質問で、「国会法百四条に基づく記録の提出につきましては、関係省庁におきまして現在検討中ということであり、私としてはこれを見守ってまいりたいと存じます。」どういう提出になりました。何の回答もない。
 これは、確かにプライバシーとか守秘義務とかいろいろあると思うのでございますが、総理、これは省庁はこんな態度なんです。だから今度は総理の一声で、まず山口委員長が提案をしたこの百四条の各省庁に対する照会、これはもうきちっと回答するように御指導いただきたい。この間公共料金の値上げについて政治決断をされたでしょう。あれはまことに見事だ。私も賛成だ。これと同じように国会法百四条、総理の一声で決断をして、あらゆる資料を真相解明のために出したらいかがですか。
 それから、各党首からお話がありました。どうぞひとつ真相究明のためにあらゆる御協力をいただきたいと私は思っております。これは内閣がやるべきことを私たちがけつをはたいているわけでございますから、どうぞ先頭になって、羽田総理を先頭にいたしまして閣僚が一致団結して細川問題の勉強会、私も講師に呼ばれれば参りますよ、皆さんのところに。ベテランがいっぱいいるから。そこにもいるわね、ベテランが、白川という。まあひとつそういうふうにして真相究明をきちっといたしましょうや。いかがですか。
○羽田内閣総理大臣 いずれにしましても、この問題につきましては国会の方で御論議いただく問題で、行政府の長がこれはどうこうということを今ここで言うべきじゃない。
 ただ、要するに解明されるべきものはやはりきちんと解明されていくことが必要であろうということでありますけれども、今の時点では、立法府での御議論が今なされておるということでありますから、私どもはそれを見守っていくことが重要であろうというふうに思います。
○坂上委員 大臣、ちょっと誤解されているのです。各党から細川さん疑惑解明のための資料要求が出たのです。それで予算委員会で決定をいたしまして、各省庁に照会をしたのです、資料があったら出しなさいと。あるけれども出せないという
のです。守秘義務があったりいろいろのことがあって出せないというのです。だから、もう結論は出たのです。出てこないわけです。出てこないものだから、行政の最高責任者である総理から、公共料金値上げと同じように、出せと一言言ってもらえばいいのです。見守るなんて、こんなのは答弁になっていない。今の事態はそういう事態なんです。
○羽田内閣総理大臣 この守秘義務というのはよく言われて、それについての国会での御議論がありますけれども、これはやはりどうしてもプライバシーというものをどうするかという話が出てきます。ですから、それを総理大臣がどうのこうのということじゃない。
 これはやはり、やり得るものについては私どもはでき得る限りの御協力をするのは当然であろうと思っておりますし、また、そういうことについてはそれぞれの立場の諸君にも申し上げますけれども、それ以上のことを私がどうこうということになりますと、これは逆の問題、反対の、何というのですか、私が変なふうに指揮するということになると、これまた大変なことになっていくということがあります。
 ですから、当然やり得ることについては私は、何というのですか、国会の御要求に対してきちんと答えなさいということは申したいと思います。
○坂上委員 国会の要求に対してきちっと答えなさい、これは私は重く受けとめます。総理の一言で決まるのです、これは。決して官僚に支配されることはないのです。いや、ちょっと待ってください、これはもう御答弁求めませんから。
 きちっとそのことをこれからひとつ御協議の上、これじゃまた細川さん、どうしても証人喚問せざるを得ませんわね。その方を望んでいるんなら別ですよ、そんなのは出さぬだったら出さぬで。
 そこで、さらに私は予算委員長に再度要求をいたしますが、細川さんの証人喚問、これを要求すると同時に、諸表の提出を求めたいと思います。
 一つは、御存じのとおり、結果的に予算委員会に出された文書はでたらめであるということはほぼわかったわけでございます。したがって、でたらめでございますから、このでたらめをつくった人たちというのは一体だれなのか、ひとつきちっと回答を求めてください。こうやって国会はでたらめの文書をあれされて、何カ月も議論したのですよ。こんなばかなことがあっていいのでしょうかね。これじゃ国民があきれるのも無理はないと思います。
 だから、私は、この真相をきちっと解明をするために、文書で出ていると思うのでございますが、いわゆる国会に出されておりまするところのいろいろの釈明書、それから東京佐川の元帳が出ていますが、これも全部うそなんだということが、この間細川さんが辞任表明のときのあの言葉によってすべてわかったわけでございます。でありますから、どうぞそのことを、きちっと委員会の方で関係文書を全部釈明をするように、回答するようにひとつ命じていただきたいということをお願いをいたしたいと思います。
 それからいま一つ、きっと文書は出ていないと思うのでございますが、東京証券株式会社、これは細川総理のお父様の名前で金を借りたのだそうでございますが、ここから金が出ておって、この金がどういうふうな返済になったかというようなことについても、これをひとつ報告ということで、百四条を使えばできるはずでございまするから、御回答をひとついただいて、そういう資料を十分用意をした上で深山さんの証人喚問、近々あるそうでございますから、尋問させていただきたい、こう思っておりますから、お願いを申し上げたいと思います。結構です、この問題はこれで終わります。
○山口委員長 ただいま坂上委員から御要求のございました証人喚問の要求、また資料の要求などにつきましては、既に自民党、社会党、共産党から要求も出ております。理事会で協議を続けております。
 坂上さんからの御要求もございましたので、今後理事会において協議をいたします。
○坂上委員 柿澤大臣にお聞きをいたします。
 まず、三月七日の本会議でこういう御主張をなさっているのです。思い切って現在の連立を解消して、自民党に政権をお譲りになったらどうですか、こう言っておられる。今まだこれは変わりはありませんか、変わったのですか。
○柿澤国務大臣 その後細川総理大臣が辞意を表明されまして、羽田新内閣が誕生いたしましたので、状況は変化したと考えております。
○坂上委員 それでは、これはどうです。自民党には多士済々の人材がおります。今もおりますか。それとも、十四名の諸君が自民党を離脱した、これらの諸君をあなたは指したの、どっちなの。
○柿澤国務大臣 両方でございます。
○坂上委員 その次。こう言っているのですね。
 政治改革四法にも大きな欠陥があると思っています。国民に向かって増税をお願いしなければならないときに、三百億円もの政党助成を簡単に出してしまうその姿勢は問題であります。しかも、従来の立法調査費をそのままにして上乗せするということは、一体国民にどのように説明するつもりなのか。税金の二重取りだと非難されても仕方がありません。
  さらに言えば、衆議院の議員定数五百十一名をわずか十一名減らして事足れりというのは、政治改革に対する真剣な姿勢とは思えません。
 柿澤さん、では、政党助成は幾らならばいいと言うの。それから、衆議院の定数はどれぐらい減らせばいいと言うの。前はどうだったの。今、変わったの。
 それで、あなたは自由党という党を結党されたそうだが、政党助成は共産党さんと同じように、やはり公費助成は辞退されますか。はっきりしてください。
○柿澤国務大臣 私は、かねてから公費助成につきましては、国会議員の定数を削減しながら、その中で生み出した財源で公費助成をするのが筋ではないか、それが国民に対して納得を得る方法ではないかということを主張してまいりました。その点については今でもそう考えております。
 ただ、与野党の妥協の中で、公費助成と、また定数については十一名削減ということが決まりまして、そのときに与野党ほぼ、全会一致ではございませんでしたが、自民党も含めて賛成ということで決まりましたので、私もそれには賛成をいたしたわけでございます。
○坂上委員 大臣、私はきのう言ったでしょう。あなたの本会議と「二〇〇人提言」というのをよく読んできてください、こうお伝えした。よく読んでくださいよ。
 いいですか、政治改革四法案が自民党の賛成で成立してからあなたは本会議で言っているのですよ。あなたの今のは、成立する前に私は言うたのだ、妥協の結果成立した、こう言った。食言だ、これは。これはひど過ぎるじゃないの。もうちょっと勉強しなさいと言ったでしょう、ゆうべ。それをすりかえて、これはうっかりしておったら私はごまかされるところだ。幸い私も勉強したからこういう質問ができるのだけれども。もうちょっときちっと答えてください。
○柿澤国務大臣 この点につきましては、政治改革四法案が成立をいたしました後、私ども地元へ帰っていろいろ説明をいたしましたが、そうした中でも、国民の中には引き続きそうした声が強いということを感じましたので、私としては個人の意見として述べさせていただきました。
○坂上委員 あなた、さっき答弁したことと今またけろけろっと、間違えましたということを言わないのだね。本当にあなたの性格については、私はいささか気になる部分が出てまいりました。これを全部読んでみて、はて、柿澤外務大臣、これから日米経済交渉、一生懸命やってもらって、成功してもらわなければならぬと思っているのだけれども、一体こういうのはいかがですか。こうやって平気で言葉を、さっき言ったのを今変える
のだから。どうです。
○山口委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○山口委員長 それでは、速記を起こしてください。
 柿澤外務大臣に申し上げます。
 本会議における質問は、自由民主党を当時代表しての質問であったと存じます。個人の質問ではございませんでした。したがって、この点に対する明確なやはり釈明があってしかるべきだと存じます。
 さらにまた、時間の関係につきましては、坂上委員が指摘したとおりでありまして、時間の関係のそごの点につきましても明確にされる必要があると存じます。
 柿澤外務大臣。
○柿澤国務大臣 誤解を与えた部分があったとしたら、その点については不適切であったと思います。
○坂上委員 誤解じゃないんだよ。あなたはうそを言っていると言うんだよ。こういうような国会での答弁で、あなたは責任を持って自民党の主張をなさった。これを軽々とこうやって変えて、そして立場が変わったからおれは今度違うんだみたいな、これじゃどうもちょっと許しがたいんじゃないですかね、こんな答弁をさせておくの。どうですか、総理。
○山口委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○山口委員長 じゃ、速記を起こして。
 柿澤外務大臣。
○柿澤国務大臣 大変御迷惑をおかけいたしまして申しわけありません。
 代表質問の性格上、これは党を代表して質問をしたものでございまして、個人的な意見と言った点については取り消させていただきます。
 また、この発言が政治改革四法案成立前であったという誤解のもとで答弁をいたしましたことも、その点も訂正をさせていただきます。
○坂上委員 私は気が弱いものですから、謝られるとちょっとまた鈍るんですが、もう一押しさせていただきますよ、柿澤さん。
 というのは、今度は二見運輸大臣、あなたのことをこの本会議で言っているわけです。社会党のことも言っているわけです。
 まず、二見さんのことについてはどう言っているかというと……(発言する者あり)ああ、そうか。じゃ、社会党のこと。いいですか、本当に総理、社会党の政権復帰を閣僚を挙げて願っているんですか。というのは、こういう柿澤氏の発言があるわけですよ。
 私は、柿澤外務大臣は社会党の政権復帰なんか期待していないんだなということをこれによって実はわかるんです。というのは、国鉄民営化に反対した社会党の運輸大臣、建設大臣のもとで、果たして本当の規制緩和ができますか、官公労とか自治労の人員削減につながるような規制緩和、行政改革が社会党の大臣で実現可能と細川総理は本当に思っていらっしゃいますか、そうしたところに細川連立内閣のまやかしがあることを国民はもはや気づいているに違いありません、こう言っているんです。
 そうしますと、羽田内閣、まことに丁重に、私にまでお戻りください、お願いしますとおっしゃっている。そういうような内閣の性格をお持ちで、これはこれで、いいか悪いかは別として、まあそれなりに承ることにしますが、こうやって社会党の悪口を言って、社会党なんか連立政権参加の資格なしと、こう言っているんだ、あなたは自民党を代表して。自民党さん、あるいはそういう見解だったんでしょう。あなたは今でもそうなの。個人と言えないでしょう。あなたはやっぱり大臣の立場。
 それから、二見運輸大臣、あなたのことについてもこういうことを言っているんです、柿澤さんは。これは個人攻撃するみたいで悪いんですが、これは日米経済協議で大きな影響を及ぼすから私は言うんです。このときに柿澤さんと一緒に、同じ日に本会議質問に立たれたんですわね。
 それで柿澤さんはこう言っているんです。二見議員は、客観基準、いわゆる数値目標と、この二つがイコールであるがごとく間違った認識を示されましたが、その認識でノーと言って安易なナショナリズムに訴えることは、私たちは当を得たものとは考えませんと、こう言っているの。拍手だ、ここに書いてある。満場の拍手だったんです。私も聞いていた。それはもう大変胸を張ってこのお話をなさいましたよ。社会党や公明党に対してこういうようなことを平然とおっしゃっているんです。これはお答えにならぬだっていいんですよ。
 あなたは細川総理のことをどう言っているかわかりますか。「細川総理の言葉はカメレオンのようにくるくる変わることを、国民のみならず国際社会に印象づけることになることを忘れないでいただきたい。」と、こう言っておる。あなたはさっき言ったことをもう訂正だ。この間言ったこともまた訂正だ。そして、自民党にいたと思ったらもうこっちだ。うちの委員長があのとき官邸に行ったら、あなたがいられてびっくりしたというわけよ。あなた、うちの委員長よりも早く行っていられて、どこへ座っていられたかわかりませんけれどもね。これは本当にくりくりくりくりこう回ったんじゃ、細川総理をカメレオンと言うなら、あなたは何と言ったらいいか私は言葉を知らない。
 なぜ私がこんなことを言うかというと、さっきも言いました。それは、あなたは外交についてはなかなか秀でられておりますが、口先だけでは私はだめだと。やっぱり外交というのは信頼がまず第一だ。そして信義が第一なんです。あっちへ行ってこう言い、こっちへ行ってこう言い、きのうはこう言って、あしたはこう言って、これじゃ本当に私は外交が勤まるかなと思っている。
 そしてさらに、松岡さんの御親戚が議員におられるはずだが、こうおつしゃつている。松岡さん、前の外務大臣。「松岡外務大臣の名前が引用されましたが、国際連盟を格好よく脱退した松岡外相の姿勢と細川総理の今回のノーと言って帰ってきた姿勢とに類似性を見るのは、ひとり私だけではないのではないでしょうか。」こう言っているわけです。ここでもまあ物すごい拍手と書いてある。どうですか、これは。
 だけれども、一応細川時代のいわゆる経済計画の発表とかいろいろのことで、どうやらまた協議にこぎつけたんでしょう。このやさきに、あなたのことはもうアメリカですから逐一調べているわけであります。でありますから、果たしてこの外務大臣、言葉として信用なるかならぬかということまで、アメリカのことでございますから私はやっていると思いますよ。
 だから、私は冒頭総理に御質問をいろいろした。いろいろの角度から見てみましても、これはちょっと、やっぱり予算までなんじゃなかろうかなという感じもしているわけでございます。しかし、精いっぱい頑張ってもらいたいと私は言ったわけでございますが、どうですか。柿澤さん、あなたは本当に平気でこうやって、人がカメレオンだとか何だとかかんだとか、私は余り言いたくないのでございますが、余りにも厳し過ぎる、言い過ぎる。
 もう一つ、私は、もう時間がないから急ぐんですが、あなたは今度は「二〇〇人提言」の中でこう言っているんだ。憲法違反だという人は裁判で争えと。どこの裁判所へ行ったら受け付けてくれる、この自衛隊問題、私は自衛隊の裁判で苦労してきた。どこの裁判所が受け付けてくれるの、自衛隊は憲法違反だということを。じゃ、真剣に審理しましょうと言って。
 あなた、わかってここで言っているの。憲法違反だったら裁判で訴えてくださいと国民に呼びかけているわけ。しかも、あなたは外務大臣になられた。国民はみんな、今度は裁判所の態度が変わって、柿澤外務大臣が言うたんだから、裁判所は全部受け付けて、それでもう自衛隊が合憲かどうかということをやるんじゃなかろうかと思って
ますわ。どこの裁判所ですか。御答弁。
○柿澤国務大臣 いろいろな点について御指摘をいただきましたので、全部お答えいたしたいと思いますが、まず、三月の代表質問につきましては、先般も申しましたように、確かに野党時代でございましたから、いろいろと厳しい形容詞を使ったことは事実でございます。
 ただ、内容的には、お読みいただきますと、かなり建設的な提言をしているつもりでございまして、現在、日米包括経済協議等も、私が申し上げたようなことも生かしながら、羽田総理の御指導のもとで再開にこぎつけることができたわけでございます。
 また、今の「二〇〇人の直言」の問題でございますが、この点につきましては、その本の性格でございますが、昨年、産経新聞が「沈黙の大国」という二百三十回にわたる連載をいたしました。その折に受けたインタビューでございまして、一年ほど前、私がソマリア、モザンビークのPKO派遣の是非を検討するために旅行して帰ってきた後のインタビューでございます、
 私は、ソマリアについては出すべきではないという結論を出しました。モザンビークについては、日本としてPKO法のもとで協力できるということで、その後そうしたことで進んでいることは御承知のとおりでございます。
 そうした、ある意味では日本のこれからの国際貢献のあり方について現地に飛んで真剣に、生々しい状態を見ながら考えていたときでございますので、若干私自身としても高揚した部分があったと、その点では行き過ぎた発言があったかと思います。
 それから、裁判所の問題でございますが、この点につきましては、自民党の先輩で、やはり最後に違憲か合憲かは最高裁が判断することであろうというお話をされた方がありまして、法律論としては確かにそうだなと、自衛隊違憲訴訟というのも随分出ているわけでございますから。そういうふうに感じたところをここでインタビューに答えて述べたということでございまして、最終的には憲法判断というのは最高裁がおやりになるものと私どもは承知しております。
○坂上委員 総理、さっき三権分立のことについて聞いたのは、ここにも一つあるんです。
 いいですか。自衛隊やこういう問題については、裁判所は、統治行為だから司法の介入するところでないと判断しているんですよ。だから門前却下なんですよ。それを、自民党のどなたがそういうことを教えたの。名前を聞かしてください、そういうでたらめのことを言うたんだったら。これは専門家だったらみんな知っているんですよ。
 あなた、憲法違反であれば裁判所、裁判所は憲法違反でも判断できないのがいろいろあるんです。統治行為とかいろいろ問題があって、裁判所は介入できないんです。外務省は裁判所を開いたんですか。そうじゃないでしょう。だれが言うたの、あなたに教えたのは。こういうでたらめのことを教えて、そしてでたらめのことを本に書いて、そして本が出た間もなくあなたは大臣になっているんだ。
 国民はこれを見て、私のところにも聞きに来た。先生、今度法律が変わって憲法違反で裁判できそうだから、おまえさん、またやってくれないか、こういって言ってきている。待ってくれ、おれ、柿澤さんに聞いてみるから、予算委員会まで待ってくれ、こう言って帰している。きちっと答弁してくださいよ。だれが自民党さんで教えたの、その間違った考えを。法制局長官に聞くなんというのは時間のむだだから、聞かない。みんな知っているわね。お答えください。
○柿澤国務大臣 特にそのお名前を挙げる必要はないと思いますが、私の言葉としてここでは述べているわけでございますのぐその点はお許しをいただきたいと思います。
 また、合憲、違憲の判断、これは統治行為ということでございますが、そうした判断そのものもやはり最高裁の一つの判断でございます。そういう点では、やはり最終的には憲法判断は最高裁がやるものというふうに私は認識をいたしております。
○坂上委員 統治行為論というのは裁判の対象にならぬと言っているのですよ、裁判所が。あなた、知って言っているの、この答弁。これは大変なことだ。
 委員長、どうもこんな答弁を国会で許していたら、もう裁判に関係する人はびっくりしちゃうから。これはこれ以上、ちょっときちっと撤回をしてもらうか何かしないと進められないね。
○山口委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○山口委員長 速記を起こしてください。
 大出法制局長官。
○大出政府委員 ただいまの問題は、二点の問題点があるのではないかというふうに思います。
 まず、御指摘のありました統治行為の理論というものでありますが、統治行為の理論といいますのは、有効、無効の判断が法律上可能な問題でありましても、直接国家統治の基本にかかわる極めて高度の政治性を有する国家行為につきましては、純粋にその司法的機能をその使命とする裁判所の審査にはなじまないものである。その判断は、主権者たる国民に対して政治的責任を持ち得る政府、国会等の政治部門の判断にゆだねられ、最終的には国民の政治的な判断にゆだねるべきであるとする、これが統治行為の理論の考え方であろうかと思います。
 この統治行為の理論につきましては、憲法上明文の規定はございませんけれども、司法権の本質に内在する制約として、判例、学説などの上におきましても、これを認める理由づけとかあるいは範囲については差があるといたしましても、一般に認められているところであるということだと思います。統治行為の考え方というのは、以上のようなことではないかと思います。
 それから、もう一つの問題点といたしましては、司法権の訴訟の対象となる事案ということに関連しての問題でございますが、いわゆる法律上の争訟といいますのは、これは具体的な争訟に法を適用するということによってその争いを裁定、解決する作用であるというふうに考えられていると思います。したがいまして、法律問題でありましても、抽象的な問題、例えば自衛隊法が違憲であるというような、具体的な事件にかかわりなく自衛隊法が違憲であるというような形で争うのは、これは具体的な争訟ということにはなりませんので、司法権の対象から外れるということではないかと思います。
 ただ、この場合におきましても、例えば具体的な事件がありまして、それを前提として、その場合に自衛隊法の憲法との関係が最高裁判所によって判断をされるということはあり得るかと思います。
○坂上委員 大臣、こうやって大ざっぱな、違憲は裁判に出せ、こういうことを言っている。法曹の、もう裁判の常識なんです、こういうことは。具体的な事実、これは、統治行為論で勝ったのは恵庭事件だけなんです。だけれども、これは高裁へ行ってひっくり返りましたよ。それで、最高裁はもう一致した意見になっちゃった。統治行為であって裁判の対象になじまない、こうなっちゃったものだから、これはだめなんですよ。でありますから、国民に誤解を与えるようなことはお慎みいただきたい、こう思っているのです。
 さて、大臣、もっといっぱいあるのです、あなたについては。例えば平和執行部隊、これも憲法違反でないというのでしょう。もしこれが憲法違反だったら裁判所に出ろと、あなたはこう言ったんです。平和執行部隊というのはまだできていない。しかも、平和執行部隊というのは何をするかというと、重装備なんでしょう、あれは。重装備というのは、物すごいあれを持って出るんじゃないですか。どうですか、平和執行部隊というのは。
 こういうようないろいろの問題があなたの中にあるわけでございますが、これ以上私は言ってもあれなんですが、あなたの人間性の指摘みたいで
余り好ましくないのですが、しかし日本の政治をこれからやろうというわけでございますから、やはり言わせてもらわなければならぬと思っているわけでございます。
 あなたの中に一体政治的な節操というのはあるんだろうかということなんです。政治的な道徳というのはあるんだろうか。あなたは世界じゅう飛び回ったようなことを言っている。世界じゅう飛び回って、あっちへ行ってはこれ、こっちへ行っては違うことを言ってもらっては困るのでございます。まさにあなたにとっては百八十度の転換だ。私たち弁護士の中でも、弁護士は双方の相談をやっちゃならぬことになっているわけであります。双方代理の禁止といって、弁護士法で禁止になっている。弁護士、首なんです。これは、あなた本人だ、今度は。あっちへ飛んでいったりこっちへ飛んでいったりじゃ、これはあれだ。
 鹿野という先生がおるじゃないの。この先生は、しばらく情勢を見るということで御遠慮なさっているんじゃないですか。どういう人かわかりませんが、きちっとした見事な方だと私は思いますよ。率直な話、あなたは、私は少し急ぎ過ぎておられるんじゃなかろうかと思うんです。
 私は、あなたが本会議でやられたとき、胸を躍らせて聞いていたんです、本当は、与党であっても。ああ、この人がこの次の東京都知事の候補になるんだと言われている、こういうふうなあれで、胸躍らせて、胸すく思いで聞いていたんですよ。
 やっぱり政治家というのは、それはいろいろの事情もあって変わることもあるでしょう。だけれども、それはおのれの今までの立場等を考えて、少しは期間を置いておくということは、これはやっぱり大事なんじゃなかろうかと思いますね。だから、私は少しあなたより年は食っていますが、政治的には全くのべいべいですが、こういうことを申し上げるのは、党を代表して言っているものだから、言わせていただいておるわけでございます。
 総理、こういうことで本当に日米経済協議は乗り切れますか、外務大臣を先頭にして。しかも、私の言うたことは少し通ったんだと言っているんです。だけれども、この間のこれを見ますと、数値目標なんというのをしちやならぬ、おれは、客観基準というのかな、提案したんだと言っているけれども、やっぱり似たようなことを言っているんですわね。これは提案したらどうですか。熊谷さんが慌てて民間業界を集めて、自動車、何かこうさせようと思った、何かこれについてもいろいろおっしゃっているんだけれども。そんなことを考えますと、総理は適材適所と、こうおつしゃったわけであります。本当にそういうふうなことをお考えだったんでしょうか。
 幸い私は、ちょっと質問のために勉強していたら、こういう新聞がありました。「経済調整相を新設」しよう、「新生党首脳」とあるんです。これは何をやるかといいますと、「総合経済対策や日米関係再建を重視する観点から、「経済問題調整担当相」を新設し、政府内の経済政策や利害調整を図る考えを明らかにした。」これは「新生党首脳」と書いてあるんです。これ、お考えあるんですか。これも一策だと思いますよ。(羽田内閣総理大臣「いつですか」と呼ぶ)これは「十八日」と書いてあるから、「新政権人事」というあれでございまして、日付はちょっと私わかりませんが、この組閣の時代だろうと思うのです。
 これはどうです。あなたのお考えは全くなくて、新生党の首脳のお考えですか。熊谷先生は、お考えはどうなの、この経済調整相の新設、どうですか。
○山口委員長 ちょっとその前に。
 外務大臣に申し上げます。
 不正確な発言は、権威ある予算委員会の場であるということをお考えいただいて、慎んでいただくことを私の方から求めておきます。
 熊谷官房長官。
○熊谷国務大臣 かつて、先生が今おっしゃられたような機能を持った対外経済について活躍されたケースもございますけれども、私自身当時通産大臣、その記事が載ったころに多分通産大臣をやっておりまして、しかし現実にはこれがまた二重の手間がいろいろかかったりしまして、現実にはなかなか難しいというふうに感じたわけでございます。
○坂上委員 お考えいかがです、総理。
○羽田内閣総理大臣 そういう考え方があるということを、私なんかも実は考えたこともありました。ただ、屋上屋を重ねてしまうようなことになると、ちょっとこれは厄介だなという思いがあります。
 そして、日本の場合にはアメリカと違って、アメリカが協定を結ぶ、日本の場合には協定を結んだその後の予算措置とかあるいは金融措置とか、税制措置とか、財政措置とか、そういったものも実は日本の場合にやってきて、それが割合といろいろな面で成功している面があるということを考えたときに、ただ交渉する人だけをつくることが本当にいいのかなという思いを実は私持ちまして、それはやめたわけであります。
○坂上委員 ひとつ日米経済協議成功をお願いをいたしますが、何はともあれ私が指摘したこと、大変失礼な部分もあったと思いますが、ひとつきちっとしていただかないといかぬと思っております。
 まあ、本当にもう時間がなくなったものだから、ちょっと急ぎます。
 議院証言法の改正問題でございますが、これは、私は与党の国会改革プロジェクトの座長をさせてもらっていたとき、与党の幹事はほぼ賛成だったんでございます。自民党さんだけが反対だ、こう言っているんでございますがね。そこで……(発言する者あり)賛成ですか。賛成だそうでございますので、どうですか、新生党それから公明党さん、民社党さん、自由党さん、日本新党さん、これ全員賛成だったらひとつ御答弁いただいて、我が党は反対だというのは御答弁いただいて、早急にひとつテレビなり放映を尋問中入れるようにしませんと、これは国民に開かれた国会とは言えないと思っております。
 幸い今、自民党さん賛成したそうでございますから、大変うれしいことです。私は、特に国会改革プロジェクトチームの座長といたしまして、今はもう辞退させてもらいましたけれども、うれしく思っておりますが、ぜひひとつこれの実現方を、きょうから早速ひとつ実現するよう議員提案をしてもらうようにお願いしたいと思います。
 委員長、お取り計らいをよろしくどうぞ。
 どうぞ、御答弁ありますか。ないようでございますから、賛成とみなして、ひとついかがでございますか。
○山口委員長 議院証言法改正の問題は、議院運営委員会において取り扱う問題でございます。そのような御要望がありましたことは、議院運営委員長に私の方からお伝えをいたします。
○坂上委員 今度は法務省でございますが、何かゼネコン捜査は終了したというふうに言われておるわけでございますが、これは終了したんだったらその捜査報告書を国会に提出していただきたい、こう思っておりますが、早急にひとつ出していただきたいと思います。いかがです。
○中井国務大臣 いわゆるゼネコン汚職事件については、これまで起訴した事件に関する補充捜査などを除き捜査は終了した、このように聞き及んでおります。
 報告書を出せという御要望でございましたけれども、国会からの御要請があるならば、法令に照らし、御協力できる範囲や内容について検討してまいりたい、このように考えております。
○坂上委員 法務省の答弁、こういう答弁でございますので、ぜひまた委員長の方でお取り計らいをいただきまして、早急にひとつ報告を求めまして、この報告をもとにいたしまして、やっぱり政治改革にかかわることでございますから、一日専らこれ集中審議、これぐらいのことをやっていただきたいと各党の理事さんにもまたお願いを申し上げておきたいと思います。
 どうぞひとつお取り計らいのほどをお願いをいたしたいと思いますが、いかがですか。
○山口委員長 後刻、理事会において協議をさせていただきます。
○坂上委員 さて、今度はもう一つ、佐川急便事件で新潟ルート、二億円の捜査についてお聞きをしたいんでございますが、これは私も告発人の一人になっているんです。所得税法違反、政治資金規正法あるいは贈収賄、こういうようないろいろの罪名のもとで出しておるわけでございます。そして、この三億、新潟県知事選挙に来たということは法務省の中間報告に出ているんですね。
 だけれども、二億のことについては言及されていない。三億間違いなく行ったんだけれども、一億は、もうあの金子元知事がこのことのために裁判を受けているわけでございます。この二億については全くまだ真相が解明されておらないんでございますが、この佐川ルートについて、捜査としてはどうなっているのか。また、所得税法違反でも告発をしているわけですが、国税庁、これはどういうふうにしておりますか。
 あわせまして、国税庁、細川さんが何か利息をもらっておったけれども、何か資金の運用をして。しかしながら、これについては、私は、この利息を、利得を得ながら、何も知らなかった、し
 なかった、こうおつしゃつておるわけであります。新聞報道によりますと、数千万円のもうけがあったやに聞いてもいるわけでございますが、国税庁、これは調べていますか。それから、細川さんから申告でもありましたか。この点も、佐川の二億の問題と一緒に、国税庁がどういうような対応を今なさっているかもお答えください。まあ、答えられる限りできるだけ答えていただきたいと思います。
○則定政府委員 初めに刑事告発の件についてお答えいたしますが、一昨年十二月に、いわゆる佐川急便事件にかかわります新潟ルート、二億円、今御指摘の案件でございますが、所得税法違反及び政治資金規正法違反につきまして告発を受けております。その告発を受けまして、現在検察当局におきまして慎重に捜査を進めているという段階でございまして、まだ捜査中ということでございます。
○三浦政府委員 国税庁の方からでございますが、佐川というお話がございましたが、これは個別でございますので、恐縮でございますが、お答えすることは差し控えさせていただきます。
 ただ、国税当局、常に納税者の適正な課税の実現という観点から、あらゆる機会を通じましていろいろな情報を集めております。国会での議論あるいは各種の報道も十分その資料といたしまして、課税上問題があると認められる事案につきましては実地調査を行うなど、いろいろ適正な課税の実現に努力をしているということを御理解ちょうだいいたしたいと思っております。
 それからもう一つ、前総理の件でございますけれども、適正な課税上の申告をするといったような意味合いかと存じますけれども、するという記者会見がございましたが、その後その点についてどうなっているかということも、やはり個別の事柄でございますので、今どうなっているかということは申し上げかねるわけでございます。
 次に、調査、どういうふうにしておるかという点につきましても、ただいま前段で申し上げたとおりでございまして、私どもとしてはいろいろ課税資料の情報収集に努めて、その上で問題があると認められる場合には調査をするという一般論の中でお答えさせていただきたいと存じます。
○坂上委員 時間がないからもう簡単に御答弁いただきたい。
 自治大臣、いわゆる小選挙区区割りに関連する策定基準というものの中間報告があることになっておりますが、大体これはいつごろ出てきますか。それから、この中間報告について各議院で質疑ができると思うのでございますが、この質疑によっても策定基準というものの変更の可能性だって出てくるんだろうと私は思っているのですが、この辺はどうでございます。
○石井国務大臣 委員が御承知のとおり、昨日六回目、相当長い審議が行われまして、また三十一日に引き続き行われるということでございますから、基準の策定につきましてはかなり議論が進んでおるというふうに承知いたしております。
 ただ、私といたしましては、その性格上、その中に介入をいたしましたり、あるいは注文をしたりすることができないという立場でございますが、中間の報告というものは党間で協議をされ、そういう条件をつけたわけでございます。したがいまして、与野党の党閥で委員会を中心に、しかるべき時期に、速やかな時期に中間の報告ができる、そう伺っております。
 なお、基準の内容につきましての問題でございますが、これも院対審議会の関係でございまして、行政府である自治省がとかく申すべき問題ではございません。当然、国会への報告でございますから、審議権を持っておる院は意見をいろいろ言われると思いますが、もともとこれは公正中立の委員を任命し、権威を高め、そうしてその内容について余り踏み込まないというふうな精神もございます。この点を院と審議会がどう判断されるかという問題でございまして、自治大臣として、これについてとやかく言うべき筋合いではない、それを言わないことの方が権威を高めることである、こういう認識をいたしております。
○坂上委員 策定基準は大体遅くともいつごろまでには出るであろうということがおわかりになったらひとつ、お聞きしている範囲で結構ですから。
 それから小選挙区区割り法案、これは大体いつごろ提出のお見通しを持っておられるんです。これはお見通しだ。羽田内閣というのは、なかなか見通し必ずしもよくないのでございますが、これぐらいは見通しよく言わぬと、小選挙区で選挙をやろうやろうと言っているんだから、少し言ってください。
○佐野(徹)政府委員 審議会の現在の審議の段階でございますけれども、先ほど大臣の方から御答弁申し上げましたように、現在区割りの基準作成に向けまして審議中でございます。昨日も審議をいたしましたが、五月の三十一日、それから六月二日に審議会の審議が行われる予定でございますけれども、現在まだ審議中でございますので、最終的に区割りの基準を審議会でいつ決定をいたしますか、これにつきましては今後の審議状況によることになるわけでございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○坂上委員 いつごろ提出の見通しか、お答えにならぬのならならぬでいいですが、まず答えるだけは答えてください。
○石井国務大臣 私、昨日の審議等につきましても、今、選挙部長その他関係者から意見を聞いたわけでございますが、委員は第八次審議会の審査を、地図を傍らに、慎重な審議を行われておるわけでございます。また、最大の一票の格差という問題に関しましても、報告を受けた報告を申し上げておるわけでございますが、前回、八次審における、全国平均の人口数値に対しまして上限三分の四、下限三分の二の枠内に設置するという、これも前回どおりの形での審議が進んでおるというふうなことでございますから、私といたしましては、できるだけ早い時期に審議を終了されることを期待しておりますが、それがいつかということは、これは私の立場で申せるわけではございません。この点はひとつ御了承いただきたいと存じます。
○坂上委員 この国会の会期、六月二十九日でございます。これまでに間に合いますか、法案の提出。
○石井国務大臣 これもひとえに審議会の御意向そのものでございまして、自治省として何ら介入のできる問題ではございませんが、ただ、羽田政権ができます。その直前に政策協議をいたしました中に、御党をも含めまして、できるだけ速やかに、そして願わくば今国会中にというふうな言葉もございますので、私たちとしては、そういうふうなことをも視野に置きながら、審議会の公正中
立な審議を見守っておるというのが現状の姿でございます。
○坂上委員 大臣、もう一つですが、首脳の方がよくおっしゃる中に、周知期間はもういろいろ宣伝されているからいいじゃないか、余り周知期間をとらなくてもと、こういう意見があるのでございますが、これはもう日本の長い選挙制度の、長い間やってきたものを改正しようというのだから、やはり周知期間、それはしてもらわぬと国民が戸惑います。周知期間が要らぬなんというのは乱暴な議論です。さっき言ったように、少数内閣を奇貨といたしましてしゃにむに突っ走るというやり方、これを強権政治と言うのですが、私は、さっき申しましたようなことになってはいかない、慎重に、納得のいく審議をしなければならぬと思っているのですが、特に周知期間についてはどうお考えですか。
○石井国務大臣 結論として、今御提案になりましたことを十分配慮して選挙の運営に当たらなければいかぬというふうに心に決めたいと存じますが、御承知のとおり、前回の海部内閣当時の立法過程におきましては三カ月という周知期間がございましたが、今回の現内閣におきます法案の中には周知期間の三カ月という規定はございません。したがいまして、法律的にはそれをある程度短縮するということも可能ではないかと思いますが、国民の常識に見合わした中に判断をするべきことではないか。ただ、時期が非常に政治的な関係において決定されますので、そうしたいけれどもできないというような状況下に置かれるというゆうなことも想定されます。
 いずれにいたしましても、委員の、周知期間の問題については、慎重に取り組んでいきたいということを申し上げておきたいと思います。
○坂上委員 大内大臣にお聞きをいたします。これは一般的なことでございますから、どうぞ率直なお気持ちをお聞かせいただければいいのです。
 秋田県に、生活保護変更処分取り消し事件がありまして、行政側は負けたわけでございます。これは、本当にひどい処置でございますわね。
 まず一つは、この処置に対しまして異議の申し立てを厚生省に出したのでございますが、変更処分取り消し、審査、五年間厚生省は放置しているのです。大臣、おわかりでしたか。それで、たまらなくなって、弁護士さんたちの有志によって、この保護費差しとめの取り消し裁判が提起されたわけでございます。
 それで私は、ちょうど浪人中でございましたから、この点について、国会に返りましていろいろ調べてみましたら、まあこれはこれで裁判は確定をいたしまして、取り消された生活費は支給になったようでございますが、こういうものを一体この生活保護行政の中にどの程度生かされておるのか、お聞きをいたしたいのでございます。
 と申し上げまするのは、本当にこの判決を読むと、もうあらゆる人が涙を出すのじゃなかろうかと私は思いますよ。どういうふうに書いてあるかといいますと、この原告さんは、自分がもらっております障害年金と保護費を、万一入院した場合は付き添いの人をお願いをしなければならないので、自分で三度食べるものを二度にし、一度にして八十万ためたのですね。八十万もためたのだから、おまえには生活保護費はやれないというのです。本当に非情な私は処置だったと思うのでございます。
 ちょっと読んでみますと、原告の住居は、六畳と三畳にふろ等の流し場がついた借家であった。もともと倉庫を改造したものであったが、外壁が波トタン、内壁は薄いベニヤ板であるほか、部屋の間仕切りもトタン板で、相当に老朽化が進み、極めて劣悪である。原告は入院中のときには云々、そしてテレビも石油ストーブもあるけれども、もう相当に老朽化が進んで破損箇所がある状況であった。また、家具についても同様だ。そこで、ここで日常の食生活において、肉食を極力控え、調理して保存が可能な魚類を数日にわたって食べるなどし、衣類についても、生活保護支給以後はほとんど新たな衣料の購入をせず、それ以前から有していたものを使用したほか、散髪、入浴等も極力控えていた。右に記載したような経過の中で、原告が銀行、郵便局等に預け入れた生活保護費、振り込まれた障害年金のうち使わなかった部分をためて本件預金となったのである、こう言っているわけです。
 これを所得だ、所得がある者については生活費を支給しない、こういうことをして、これは裁判する前に厚生省に申し立てを出したら五年間放置して判断しない、行政訴訟法によって、やむを得ず、九十日以内に判断しないものだから裁判、あちらへ出した。山本裁判長が泣きながらこれについて取り消しの判決をしたわけです。特にこういう生活保護を受けるような人たち、障害者に対して大変理解の深い大内厚生大臣、これは本当にこのことが厚生行政の中に生かされているのでしょうか。聞いた限りは、これはこれ、あとはあとだといって処置されたというようなことを新聞報道で聞いておりますが、これは取り消していただかなければならぬと思っております。
 いま一つ、これは文部大臣。この間、北海道の札幌高等裁判所で、障害児が特殊学級でなくて普通学級に入れていただきたい、御許可にならぬで、取り消しの裁判をした。
 そこで、この判決は、この子供たちは負けました。負けたけれども、裁判所の判決を読んでみますと、結局のところ、なぜ校長先生にこの裁量権があるかというと、教育には金がかかるのだから好き勝手のところへ希望されても、この費用の関係でなかなかそう勝手なことはさせられないから、校長が裁量することはもっともだと言っているわけです。これはやはり、こういう障害の皆さん方が、自分の希望する教育をしなければ。これはまさにそうでしょう。子どもの権利条約というのは、障害のある子供たちに差別をしちやならぬ、こうなっているわけです。
 それから、法務省、正式な夫婦の間で生まれない非嫡出子に対しましては、相続権が普通の人より半分だ。これも、東京地裁だかどこかで、これは違反である、憲法違反だか何かで取り消しになった。だけれども、この法律、まだ生きているのだね。これなんかも、子どもの権利条約から見たら違反でしょう。早急に法務省、これを直してくださいよ。ましてや、子供は出生によって差別されるわけです。まさに、この子供たちというのは、非嫡出子ですから、正式の夫婦と違う子供たちなのだ。これを差別をいたしまして、政府までがこれを差別するようじゃ、これはいかぬと思う。早急にこれまた直さなければならぬわけであります。
 こういうふうに、厚生省、文部省あるいは法務省、みんな見ても、これに対して真剣な、口ではいいことを言うけれども、実際の行政の中にこの精神を生かすというのは全然なされていないのじゃないかと思います。
 最後に大臣、このことに全体的に決意も聞きたいのですが、まず三省から御答弁ください。
○大内国務大臣 今、坂上先生御指摘の事件は、私も事務当局から詳細に報告を受けておりまして、先生が御指摘になるような、まことに遺憾な事態である、こう思っております。
 私は、厚生大臣に就任した早々、実際の行政に携わる方々に、親切な行政を目指して一生懸命やってもらいたいということを申し上げたのでございますが、そういうことに照らしましても、極めて遺憾な事態であり、この昨年の四月二十三日の判決につきましては重く受けとめまして、これをもって各都道府県にそういうことがこれから行われないように厳格に指導してまいりたいと思っているわけでございます。
 ただ、ちなみに若干申し上げなければなりませんのは、生活保護制度というのは、先生も御存じのように、不時の出費等につきましても、その都度補てんをしていくということが生活保護制度の基本でございまして、したがって、御指摘の、例えば付添看護婦の費用が必要になってくる事態とかあるいは葬祭料が必要だというような一時的なものに対しましても、これをカバーするシステム
でございまして、したがって、そういうことをおもんぱかって最低生活を切り詰めて貯金をされるということのないように、そういう制度ではないのだ、最後までそういう面についても面倒を見る制度なのだということを徹底してまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○赤松国務大臣 先ほどの札幌高裁の判決につきましては、一審の判決同様、現行の制度が認められたものというふうに受けとめております。
 しかし、それはそれといたしまして、文部省といたしましては、教育委員会が保護者の意見をしんしゃくしつつ、子供のために最も適切な判断をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。適切なといいますのは、子供の障害の程度、状況にふさわしい教育ができるようにということでございまして、重い障害の者にはそれにふさわしいあり方、軽い方については一般的な中で教育が受けられるというようなことだというふうに考えております。
○中井国務大臣 先生御指摘の非嫡出子の相続分と戸籍の取り扱いに関する現行制度についていろいろと御議論のあること、十分承知をいたしております。
 現在、高裁におきまして二つ争いがございます。一つは合憲、一つは違憲、こういう形の中で、片一方は確定をし、もう一方は最高裁へ持ち込まれておる、こういう状況でもございます。また、私の諮問機関であります法制審議会民法部会身分法小委員会において、婚姻及び離婚法制の見直し審議とあわせて、嫡出でない子の相続分の問題についても審議を行っていただいているところでありまして、これらの経過を十分踏まえて、また先生のお話があったことも踏まえながら適切に対応をしていきたい、このように考えております。
○坂上委員 大内厚生大臣、おっしゃった趣旨はわかるんですが、それはやっぱり上から見られたお言葉なんです。この判決の中に言っているんですよ。完全看護といっても実際上は付添人を必要とする場合がある、こう言っているものでございます。また、そのとき必要ならば補充の原則で出しますよと、こうおつしゃつても、これはなかなか容易じゃないんです。
 厚生大臣、特に民社党から出られた先生の時代にこそこういうことを本当に充実していただきたいなと思って私は期待をしているんです。だから、そのお力をひとつ御発揮いただきますようお願いしたいと思っています。
 文部大臣、特にこの障害児の問題については、裁判所の判決をお読みになればわかるんですが、子どもの権利条約はこのときはまだ批准がなされておらないから、効力はまだ発揮していないからこの適用の対象でないという判決でございます。したがいまして、この子どもの権利条約を見てもはっきりと障害児については差別しない、また、何カ条もこの障害問題について取り上げているわけです。
 で、札幌の高裁判決の言っていることは、国がこういうことの金を十分出してやれば校長先生はこんなに悩まなくてもいいんだ、こういうような趣旨が書かれておるわけでございますから、ぜひこの趣旨を体しまして、裁判に負けたけれども実際に勝ったというふうな対応をひとつ文部大臣のお力でしてくださいよ、これは。幾らこういうものに力を入れても、批判をする者はだれもいません。ぜひひとつお力をおかりをいたしたいし、御努力をいただきたいと思っております。
 さてそこで、この子どもの権利条約、一体国民の皆様方にどうやって周知徹底するのか、学校の先生にどうやって周知徹底するのか、この方法はどうなんですか。これは条約ですから外務省の担当でございますか、文部省の担当になるんですか、どこですか、これは。これはひとつ文部省とよく連絡をとってきちっとしてくださいよ。
 例えば、国民の皆さんがこういう権利条約があるんだから学校の先生に何事じゃなんかいって駆け込まれて、先生方も勉強してなきゃこれは大変だ。先生方に十分これについて御理解いただくように、文部省は適切な御指導をしていただかぬと、何か通達を出されて、法律の改正の必要ないような通達のようでございますが、もっとやっぱり先生方も十分これを理解して、子供をどうやって教育をするか、子供をどうやって育てるかという重大な観点からひとつ見ていただきたいと思っております。
 それから、もう固めて質問しますが、ことしの予算、まあ六月程度しか成立しませんわね。みんな学校の子供たち、ことしのプールの建設を待っているんです。だけれども、もううちらはニカ月かかってつくってもらってもことしは泳げません。プールに入ると風邪を引きます。まあ、沖縄やその他はいいかもしれませんけれども、東北なんてだめなんです。でありますから、これはもう大体箇所づけといいますか、そういうのはできているんでしょう。早くやるように、何か対応してくださいよ、これは。
 それから、学校の先生の週休二日、これは月二回の実施についていろいろと実験していられるようですが、この見通しはどうですか。このことのために指導要領を変更しなければならないんじゃないかと思いますが、これはどうですか。
○赤松国務大臣 三つの御質問について一括して答えさせていただきます。
 児童の権利の件に関する条約につきましては、その周知についてはまず一次的に外務省というふうには思いますが、学校との関係、児童との関係を重く見まして、この周知につきましては、外務省のお出しになるリーフレット等についても御協力をいたしますし、独自で文部省もいろいろな通知だとか刊行物等もございますので、その中で十分この条約の内容を周知するための努力をいたしたい、これはもう具体的にいたしたいと考えております。通知を出してそれで終わりとは全く考えておりません。
 で、教師に対する周知につきましても、教育委員会の担当者や教員を対象とする各種の会議、研修所等で条約の趣旨、内容についての周知を図りたいと考えております。
 それから、次がプールでございますね。これは確かに予算が今会期中ぜひ早く、今会期の終わりを待たずに一日も早く成立させていただければそれだけ利用できるところがふえるわけでございまして、実は今の予算案では三百三十八カ所を計上させていただいております。
 ほかの施設でございますと夏休みに整備をするということでよろしいかと思いますが、それでもまあ時間がなかなか足りないようでございまして、ましてプールは夏休みに使いたいわけでございまして、大変困ったことだというふうに思っておりまして、先生の御指摘、本当に何とか子供たちにプールを使わせてあげたいという思いはいっぱいでございますので、ぜひ一日も早い予算の成立をお願いいたします。できる準備はぜひいたしたいと思いますが、何分予算が通りませんと、準備もできるものとできないものとございますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 三番目の、学校の五日制の問題でございますが、これはぜひ五日制ということに向けて着実に進めてまいりたいというのが基本的な考えでございまして、現在一カ月一回でやっており、そして二回にするにはどうしていけばいいかということで、実験的にいろいろな学校にお願いして調査研究を進めているところでございます。その結果を見守りたいと思っておりますが、方向として完全に毎週五日制にしたいという考え方には問題はないものと考えます。しかし、それに必要な学習指導要領の改訂等は、二回を超える場合は学習指導要領の改訂が必要ということでございますので、その点につきましても考えていきたいというふうに思っております。
○坂上委員 余り時間がないんだ。
 文部大臣、二回を超えるのはいいですから、二回の分はいっ実施する見通しですか。どうもこの内閣、見通しが悪いというのを冒頭言うたんですが、ぴしっともう腹もあれして答えていただいていいんじゃないかね。来年ですか。来年四月から
やりますか。
○赤松国務大臣 これは平成四年の九月に、まず初めて一回を取り入れたわけでございます。二回をいっするかということにつきましては、現在の調査実験の成果を踏まえていたしたいと思っております。
○坂上委員 最後に一点だけ。
 大蔵大臣、パート、百万まで非課税、それから公務員については、百二十万までの皆さんについては家族手当がついているそうでございますが、これは百二十万まで非課税対象にできませんか。いろいろ問題があることはもうわかっているんです。理屈はいいですから、できるかどうかということ。
 それから民間の方は、労働省、どんな程度に、百二十万までのパートについて家族手当がついておるようになっておるかどうか、実態をちょっとでいいですから、お答えください。
○藤井国務大臣 もうすべて御承知のようなお話と思いますが、いわゆる逆転現象はなくなりました。そうしますと、今度はパートだけの問題でなく、専業主婦の方あるいはキャリアウーマンとの方々とのバランスもございますので、これについてはここいらが限度だと思っておりますが、今御指摘のように、この問題はむしろ企業の配偶者手当を出す基準あるいは保険料の自己負担になる段階等々が非常に大きな問題ではないかと思っております。
○征矢政府委員 お答えいたします。
 私どもが平成四年八月に実施いたしました労働経済動向調査によりますと、御指摘の点につきまして、所得税の非課税限度額百万円に見合って設定している事業所が、実施事業所のうちの八一%、社会保障の被扶養者となり得る限度額、これは当時百二十万円でございますが、これが八%。それから、配偶者特別控除の対象となり得る限度額、これは百三十五万円でございますが、これが三%、その他八%となっております。
○坂上委員 ありがとうございました。
 どうもありがとうございましたが、総理、今申しましたこと、ひとつ私の意見を踏まえてやっていただけますかないかがです、最後に。
○羽田内閣総理大臣 当然、御意見がありましたこと、私もよくお聞きしておりました。そういったお話なんかも踏まえながら、我々謙虚に対応していきたいというふうに思っております。
○山口委員長 これにて坂上君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。町村信孝君。
○町村委員 自民党の町村でございますが、きょうは若干の時間をいただきまして、経済運営について、それから防衛、安全保障問題について、さらに若干の時間がございましたらば原子力行政等につきまして質問をさせていただきたいと考えております。
 現在の景気の情勢、総理もその厳しさをよく認識をしておられると思いますが、ただ、私は、先般の所信表明演説、五月十日、たった一行二行しか書いていない。本当にこれで深刻に今の状況を認識しておられるんだろうかということを懸念しているわけでございます。
 新聞報道をこの間見ておりましたらば、五月十日の月例経済報告を聞く閣僚会議の後、記者団とのやりとりで、総理は、明るい兆しが出てきたようだ、もう底打ちしたんだろう、こう言われたというんですね。底打ちを企画庁が発表したのは昨年の六月のことでありまして、その後また悪くなったのは御承知のとおり。本当に総理、そういう認識でおられるんでしょうか、まず伺います。
○羽田内閣総理大臣 まず、私ども月例報告を聞きましても、やはり公共投資というものが堅調に続いておるということ、それから住宅投資というのが非常に高い水準でずっと移行しております。個人消費も、今までずっと停滞しておりましたけれどもやや持ち直しの動きがあろうというふうに考えております。ただ、民間の設備投資というのは依然これは減少が続いておる。また企業収益や雇用状況も依然厳しい。またマネーサプライなん
 かもふえていかないということであります。
 これについて今こういう現実があるわけでありますけれども、確かに、昨年いわゆる底打ち宣言というのをやった後、御案内のとおり冷夏そして円高というものがずっと六月、七月あたりから続いてきておるという中で、ずっと低迷の、景気の足を引っ張っちゃったことになったわけで、底打ち宣言がだめになってしまったわけでありますけれども、しかし、その後いろんな手当てを次から次とやってまいりましたね。そういった中で、私は一つの明るい兆しというのは見えてきたな、これから確実にしていくものであろうというふうに思っております。
 ただ、底打ちというのは非常に難しいねと、この前のときにも底打ちと言ったらこうだったということで、なかなか底打ち宣言というのは難しい
 んだろうなというふうな話はしたわけであります。
○町村委員 現状認識は大体そういうあたりかなと思うんですが、ただ、私は、細川内閣時代からこの内閣に至るまで、この内閣はまだできて短いわけですが、非常に連立政権の景気というものに対する認識はやはり甘い、こう私は思っているんですよ。
 第一、九月に出された最初の経済対策、これだって一番最初に規制緩和、第二に円高差益還元、こんなのが真っ先に出てくるというのは、いかにマクロの経済というものを軽く考えているかということの証明だと思っておりますし、そして、一番よくないのは、九月に決めた経済対策の補正予算を出したのが大蔵大臣御承知のように十一月末、要するに政治改革優先というのがもうすべてに貫かれている。景気は二の次三の次、これが、予算編成を結局税制がまとまらないという見込みのもとで二月に遅らせた。それもそう。全部景気が後回しになっているという過去の細川内閣の数カ月の経験だったと思いますから、私は、総理はまた新たな思いで景気最優先ということでこの経済運営に当たっていただかなければならない、こう思っております。
 ですから、例えば総理も外務大臣としてやってこられて、経常収支の黒字の大変大きな問題があるというのはよく認識をしておられた。じゃ、実際の経済対策をつくる際、あるいは経済見通しをつくる際に、外務大臣が何か御発言をされたかどうか、細川内閣時代に。どうも私が知り得る限り、余り総理がそういった面に積極的な副総理としてのイニシアチブを発揮をされたということは、残念ながら聞いていないんでありますが、外務大臣当時それだけの御努力をされたかどうか、伺います。
○羽田内閣総理大臣 これは実際には経企庁が中心になってやることはもう御案内のとおりでありまして、ただ、私どもは、何と言うんですか、閣議の席なんかでやはり経常収支の黒字というものを縮小していくというのには、いろんなミクロの政策もありますけれども、やはりマクロの政策というものも非常に重要であるというようなことを発言したりしておるということは事実であります。
 それから、先ほどお話を申し上げましたように、規制緩和ですとかそういったものが先になつておるということでありますけれども、今まではどちらかというと公共事業というものが常に優先しておったわけであります。しかし、通産で一番お仕事をされた町村さんに私がもう余計なことを言うあれはないと思いますけれども、やはり景気を動かしていくためには、いろんな規制というものを外してもらわないとなかなか自分たちの自由な行動ができないという声なんかも大変実は強く
出ておったということでありまして、そういったことなんかを、これは何としても進めることが、やはりこれが側面から景気というものを大きく支えていくものであろうし、あるいは新しいものをつくり出していくチャンスになるであろうというようなことも申し上げてきたところであります。
○町村委員 残念ながら、御努力はされておられるんでしょうが、累次の経済対策は本当に連立内閣、内容に関しては官僚任せ。残念ながら各閣僚がイニシアチブを発揮をされたという姿は、私もいろいろなルートに情報がありますから聞いておりますが、幾ら官邸に行っても、幾ら主要大臣のところに相談をしても一向に指示がおりてこない、じゃ、おれたちでやろうというので、いやが応でも官僚主導にならざるを得ないんだということをしばしば官僚諸君から耳にしておりまして、新しい内閣でございますから、新たな思いでしつかり政治のリーダーシップを発揮をしていただきたい。くれぐれもお役所任せにすることがないように、総理以下、大蔵大臣初め皆さん方、よろしく、ひとつここは心していただきたい。先ほど経済の現状認識、明るい面、暗い面、それぞれあるという御指摘がございました。そのとおりだろうと思いますが、ただ、残念ながら、例えばきのうの総務庁の発表、家計調査報告を見ると、期待をしている個人消費、またぞろ陰り、こういう感じなんですね。これは八一年二月以来の
 マイナス幅、こういうことで、名目で三・二%減、実質では四・三%の大幅減、これが三月の家計調査。特に雇用に不安のあるサラリーマンの皆さん方の実質消費はマイナス六・九%。これで二カ月連続なんです。そして、これは自動車かな、こう私も思ったんでありますが、この四月から消費税の一・五%上乗せ分が撤廃されるから、やや買い控えが三月にあったのか、こういう解釈かと思ったらば、四月の自動車の販売は、三月が二・八%減で、四月もまた三・六%減なんですよ。だから、これは一時的な要因ではないということが言えるわけでありまして、今個人消費に明るさがと総理はおっしゃいました。そういう側面があることは否定いたしませんが、全体の統計で見る限りは、とても総理が期待をしているような姿、個人消費になっていないと私は思っておりますから、その点はあえて指摘をしておきたいと思います。
 それで、私は、経済見通し、これができてからもう二、三カ月たってしまいましたから、もう余り経済見通しの話は皆さん関心がないかもしれませんけれども、これは私ども自民党時代の反省も込めてでありますが、非常に権威が落ちたものの中に政府経済見通しというものが残念ながらあるのですね。それは、時として政策的にかなり無理をして数字をつくってしまうという面が実はあるわけでありまして、政府経済見通しのとおり実質成長率二・四%にいくとは正直言ってだれも実は思っていない。多分、この基礎資料をつくられた経済企画庁の事務方の皆さん方だって、とてもこれは無理だよな、こういうふうに思っておられるのだろうと私は思います。
 民間の見通しはマイナス成長を予測するところもあるし、よくて一%台、二%台というのはただ一つか、あともう一機関ぐらいあったと思いますが、政府見通しだけなんです。私は、特にその大半をなします個人消費の見方が、民間最終消費支出が、平成六年度、名目で四・〇、実質で二・四ふえる、これはもう全くめちゃくちゃな見通したと正直言って思うんであります。
 でありますから、これは長官でもあるいは事務方の方でもいいですが、ちょっと一つずつ若干詳しく聞きますけれども、雇用者数の伸び、政府見通しでは一・五%。しかしこれは三・五、二・一、一・四と減ってきて、ことしは一・五伸びるというのですね。今雇用の人減らしが各企業物すごい勢いで進んでいるのは御承知のとおりでありますけれども、何でこの一・五という、今までのトレンドをひっくり返した形で雇用者数が伸びるとお考えになるのか、企画庁に根拠を伺います。
○小林政府委員 ただいま委員お尋ねの平成六年度の雇用者総数の伸びの点でございますけれども、基本的には雇用がふえる一番の材料というのは景気回復にまつわけでございますので、景気回復を願って一・五%という数字をつくっておるわけでございますけれども、最近時の動向といたしましては、新規求人が下げどまるといいますか、そういう動きが出てきておりまして、季節調整というものをやってみますと、例えば三月では新しい求人の数が一三%もふえておるわけです。
 それで、もちろんこれは労働省にもあるいはお尋ねいただくとよろしいと思いますけれども、業種によって非常に差がございまして、リストラをさらに進めなければいけない業種では減っておりますし、建設業とかサービス業、金融保険業等ではふえておるというような状況でございます。こういったデータを材料にして一・五というのをつくったものでございます。
○町村委員 景気回復をまっというのは、これはトートロジーでして、こういう消費が伸びるから景気がよくなると言っているので、景気がよくなるから雇用が伸びるだろうというのは逆なんですよね、論理が。
 それから、一人当たり雇用者所得、これは見通しでは明示されておりませんけれども、政府の見通しでは、多分一・六ぐらい一人当たり雇用者所得が伸びる、こういう逆算ができるわけですが、ベースアップ率が五・二から四%から、ことしは三%台と下がってきている。所定内給与は絶対これは下がるんですね。これはもう残念ながら間違いがないと思います。所定外だって多分減るでしょう。賞与も減るでしょう。それにもかかわらず、一人当たり雇用者所得が一‘六伸びるというのは、これもまた無理があると私は思いますよ。せいぜい一%がいいところ。
 そして、雇用者数の伸びと一人当たりの雇用者所得を掛け合わせてみた雇用者所得全体が、九三年度は二・四%しか伸びないのに、九四年度は三・一%逆に伸び率が高まる、こう経済見通しには書いてある。これは、私はささやかな知識、経験でやってみても、どう見ても二%少々の伸びがやっとであって、三・二雇用者所得が伸びるなんて、去年よりも雇用者所得の伸びが上がるなんということは、これはどう逆立ちしたって考えられないのです。だから私は、この見通しはいいかげんだと、こう言っているのですが、御見解がありましょうか。
○小林政府委員 ただいま委員お尋ねの点でございますけれども、確かに、いわゆる春闘の賃上げ率、連合の昨日発表したところによりますと、本年は三・一一%にとどまったというような状況でございます。したがいまして、給与の本俸といいますか、所定内給与についてはそういう低い伸びにとどまるというふうに見ております。
 ただし、やはり所定外給与といいますか、残業に見合った給与、これが昨年非常にマイナスになったということで、これが多少回復をしてくる、実際の残業時間数等でもそういうのがあらわれ始めております。
 それから、いわゆる賞与といいますかボーナスについて、去年ほど大幅に前年に比べて下がることはあるまいというようなことを考えまして、一人当たり雇用者所得がおおよそ一・六%程度になるのではないか、したがって雇用者所得の伸びは三・一%程度になるのではないかというふうに推計したものでございます。
○町村委員 所定内が落ち、所定外も、残業時間がふえるというのならともかく、まだ減り続けているんですよ。だから、所定外がふえることはない。賞与だって、企業の収益がそんなに、はかばかしく回復するならともかく、今企業の収益が回復するなんて見通しはない。したがって賞与は、大きくは減らないかもしれないけれども、やはり減るんですよ。
 だから、残念ながら、局長さんの御説明にはそこに無理があるから、この基本となる雇用者所得の伸びが三二%なんてことは絶対にこれはあり得ないんですね。多分、減税の効果というのは言われるかもしれないけれども、これは五兆四千八
百億に乗数〇・五を掛けて二兆数千億。しかしこれはボーナス時の減税ですから、ボーナス時の乗数効果は〇・五ないんですよ。
 あれやこれや考えて、私は、皆さん方も情報公開というのを盛んに言っておられるでしょう、法律までつくるかと、こう言っておられる。私は、この経済見通しについて、もっときちんと情報公開したらどうかと。私もかつてこれをやっていたことがあるんですが、相当鉛筆なめるんですよ、最後は。それで大蔵、通産経企の間でごしょごしよっとやって、まあこんなところだな。まあ企画庁は企画庁で立派なマクロモデルを回したりなんかされるんですが。
 ですから、私は、基礎データ、どういう式でどういう計算をしたかという、そういったものをもっときちんと国民に公開をして、そして議論をしていく。そうすれば絶対に、企画庁のこういう消費の見通し、こんなに高くならないというのが非常にはっきりすると思うのですが、企画庁長官、どうですか。そういう情報公開を大いに積極的にやるという考えはございませんか、この経済見通しについて。
○寺澤国務大臣 委員のおっしゃるように、本当に、どういうふうにして見通しが考えられているのかということについては、ディスクローズというか、そういう観点から、国民にわかりやすいような経過をたどっていくべきではなかろうかと私も考えております。
 今までこれがどういう過程でできてきたのか、それを今後どうしたら国民の期待に納得のできるようなことにできるのか、これから一生懸命に勉強してまいります。
○町村委員 民間御出身の長官でございますから、ひとつ前向きに今の問題に取り組んでいただきたい、こう思います。
 それから、物価は確かに今非常に安定期でございます。これは物の考え方でありますが、今まで私ども自由民主党の時代は、物価が安定しているときに公共料金はちょっとずつ上げていく、それで物価高騰のときには公共料金凍結をする、これが一つの理屈だったと私は思っているのですが、この超物価安定期に公共料金凍結をやる。それは羽田内閣の人気取りにとってはとてもいい政策なんだと私は思うのであります。
 しかし問題は、いいですよ、それは凍結されてもいいのですが、みんなが懸念しているのは、これは先送りだな。そう言っちゃ失礼だが、羽田内閣はそう長くないから、これは問題先送りじゃないか。
 これは先に行って、今回の各種公共料金値上げ申請分が確実に吸収されて、今回の料金値上げ、いろいろな算定根拠があったけれども、それは吸収される、そういう見通しがあって今回の、官房長官は蛮勇を振るうと言われましたが、蛮勇を振るわれたのかどうか。
 これは問題の単なる先送りであればとんでもない話であって、むしろこの物価安定期になぜ公共料金、最低限上げるものを上げておかなかったのかという逆のとがめが必ず出る、こう私は思うのでありますが、この問題は総理の御決断だそうですから、総理に伺います。
○羽田内閣総理大臣 確かに物価は安定しておる、これはもう間違いなく、国際的にもそうであろうと思います。
 ただ問題は、今景気の状況がこういうことである。そして、景気だけではありませんけれども、直間比率ですとかそういったものを考えながらですけれども、所得税減税を大幅なものをやろう。しかし、そのときにみんな上がっていってしまうということであっては、これはまさに消費そのものを減退させてしまうということにもなろうというふうに思っております。
 そして、それぞれみんな、企業もみんなリストラをしていただいておるということであります。当然公共料金等を扱います。そういった公共企業体もリストラ、いろいろな努力はされてきたのでございましょうけれども、しかし、民間がやっているのに政府の方だけは一遍に上げるという印象を今大変強くしてしまっておるということでありまして、単なる人気取りとかなんとかというものじゃなくて、そういう批判に対して今やはりこたえていこうということ。ですから私は、ただ来年一月からまた一斉に上がるとかそういったものではない。
 いずれにしましても、そういった問題についても我々の公共料金の取り扱いに関する基本方針、こういった問題に基づきまして、これは案件ごとに厳正な検討を加えながら対処してまいりたい。ですから、この間にやはり公共企業体の皆さん方にはさらにまたリストラをしていただくということが重要なことであろうというふうに考えております。
     〔委員長退席、後藤委員長代理着席〕
○町村委員 その関連で、ちょっと新聞に、私は我が目を疑った、すばらしい、これまた総理の蛮勇的お知恵なのかもしれませんが、実質所得倍増をするというお考えがある。そういう計画をつくられる。物価を二、三割お下げになると。何か一日、二日したら、どうもあれはやめたというような新聞記事もあったりして、どっちが本当だか、その点も伺いますけれども、そういう御計画、お考えはおありになるのですか。
○羽田内閣総理大臣 先ほども物価は安定しておるということでありますけれども、確かに前年の対比でいきますと、これは上がる率は低くなります。しかし基礎物価等も、これはもう町村さん一番御案内のとおり、各国の主要都市なんかと比較しても、日本の物価、特に基礎物価というものが高いだろう。これは大内厚生大臣からも指摘があったところでございます。
 そういう意味で、私どもやはり内外価格差の縮小もしようということを従来、前内閣の時代からも申し上げてまいったところでありまして、こういったものを何とかひとつ実現しよう。そのためには民間の御協力もいただかなければならないということ。
 ただ、今実質所得倍増計画というお話がありましたけれども、これからも先ほどのお話のように給与はそんなに上がっていかないだろうということになると、国民の皆さん方の生活の質を高めていくためにはやはり物価を下げていくということが必要であろう。所得倍増なんということは考えられないけれども、物価を下げていくことによって生活の質を高めていただこう。そういったことのためにありとあらゆる努力をしていこうじゃないかということで、これも我々の閣僚の皆さん方の努力によってやってもらいたいということを申し上げたわけであって、所得倍増というのは、かつての所得の方の倍増計画を例に挙げながら、それは無理だろうけれども、むしろ物価の方でそういったものに対応していこうということを申し上げたので、これは後退も何もいたしておりません。
○町村委員 それではどうやって具体的に下げるか、その具体的手段を教えていただきたい。
 今これだけサービス経済化が進んでいます。GNPの半分以上はサービス部門から生まれてきているのです。例えば床屋さん。これは何か製造業であれば、画期的な省力化投資か合理化投資をやって、生産性が二割、三割上がれば物価が下がる。これはまだわかりやすい話。しかし、このサービス経済化の時代に、例えば床屋さんの生産性をどうやって上げますか。機械か何かばあんと総理の頭の上に置くと十秒で髪が刈れるとか、何かすばらしい画期的なそういうサービスの生産性向上ができるものでもできればいいですよ。難しいのですよ、実際問題。
 だから、一部の報道にもあったし、私もそう思ったけれども、これは極端なデフレ政策でもおとりになるのかな、こう思いました。どうやって具体的に物価を下げるのか、この具体的な手段なしに、また人気取り的にぱあんと言うだけというのでは、これは許されませんよ。
○羽田内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、この内閣議の中でみんなで議論をいたしまして、担当の閣僚たちあるいは物価問題の懇談
会、こういったところで議論をしていただきましようということであります。しかも、その中心になりますのは、何といってもやはり内外価格差、これを縮小していこうということで、こういったものにつきましては、私ども前内閣のときからいろいろな立場の皆様方にお願いをしてまいりました。あるいは産業界の皆様方ともお話をしてまいりました。
 そういう中で、今デパートにいたしましても、あるいはスーパーなんかにいたしましても、内外価格差を縮小するためのコーナーをつくろう、あるいはつくったというところももう既に出てきているわけでございまして、そういったものなんかも通じながらやっていくことによってまたここで競争が起こってくるということで、当然これは全体に対していい影響を与えていこうというふうに思います。
 ただし、髪の方について、これはどうこうと言うことはできませんけれども、低生産部門というのはやはりあります。そういったところに対しては、これから我々としても具体的な対策をとっていく必要があろうというふうに考えます。
○町村委員 ですから、その具体的対策の内容を聞いているのですよ。スーパーにそういうコーナーを置いた、それで物価が二割、三割下がるのならこんな簡単なことはないのです。それはスーパーは商売ですから、それを置いてお客さんが来るというのをねらってやっているので、昔から目玉商品で二百円の牛乳パックを百四十円にして売るとか、昔からそういうコーナーはありましたよ。そんなことで物価が二割、三割下がるなんてお考えになるのだったら大変な誤解ですし、具体的に考えようというなら、具体的な手段を講じていくと今おっしゃったんだから、どういう具体的手段があるのかそれを言ってくださいと質問しているのですよ。だめですよ、これからなんてそんないいかげんなことじゃ。だめですよ、そんな無責任な。
○熊谷国務大臣 ちょっと経緯だけ……(町村委員「経緯なら要らない、中身を聞いているんだから」と呼ぶ)中身じゃなくてこれから先のことを申し上げようと思っているわけでございます。
 経緯から言いますと、総理がおっしゃられたような閣議の懇談会で議論が出たわけでございます。甲論乙駁ございました。しかし、価格の問題というのは大変複雑な問題でありますので、検討、フォローアップをいたしましょうということになりまして、そしてその結果として、この物価の全体の問題につきましては、経済企画庁に物価安定会議というのがございますので、ここで総合的に検討をしていこうと。当然、委員が御指摘のように、政策については、例えば競争政策でありますとか規制緩和政策でありますとかというようなことをいろいろ組み合わせてやっていく必要があるだろう。
 ただ、委員もまさに御指摘のとおり、物価水準自体を人為的にコントロールできる、これはなかなか難しいと思います。総理が再三申し上げておりますように、例えば内外価格差の是正といったところを焦点にしてやっていこうではないかというような考え方をまとめてきているところでございます。
○町村委員 これからやろうということは、何も私、悪いことをやろうと言っているのじゃないからいいのですよ。ただ、余り思いつき的にそういうことを言われちゃ世の中の人が誤解をしますよと。
 それじゃ、私はこれはちょっと質問通告していないけれども、これは細川内閣の九月にできた円高差益の還元というのがありますね。これで物価はどのくらい下がりました。教えてください。
○谷(弘)政府委員 お答えいたします。
 内外価格差還元対策、内外価格差対策というものは海部内閣のときからもずっと物価安定のために進めておりまして、その結果が現在、その効果そのものの数字は申し上げられないのですが、輸入の拡大でありますとか、あるいは大店舗法の運用の問題でありますとか、あるいは独禁法の運用というようなことを通じまして、現在消費者物価の上昇率が一%前後まできている、こういう結果になっていると私どもは判断しております。
○町村委員 だから、これは具体的に聞いたのです。その九月十六日の円高差益の還元、輸入消費財がどれだけ下がったのですか、そしてそのことが具体的に物価にどのくらい影響を与えているのですかと聞いているのであって、現在の消費者物価が安定しているのは、それはそれも若干はあるだろうけれども、もっと基本的には不景気だから物価は安定しているのですよ。それだけのことなんです。
 ですから、せっかく九月に細川内閣でお決めになったことのきちんとしたフォローアップもしていない折から、また物価を下げましょう。そのこと自体にはだれも反対していないのです。具体的な手段も詰めないままに、そういうことをあたかもやれそうだといって、国民に誤解を与えるようなことを余り言いなさんなということを私は申し上げているだけであります。真剣に取り組んでください。私は期待をいたしますよ。しかし、できなかったら責任をとってくださいよ。
 次に、さっき設備投資低迷というお話がありました。これもまた、経済見通しのいいかげんな最もいい例なんです。
 九三年度に、設備投資は四半期連続マイナス、今年第一・四半期も含めてですがね。そうすると、もうマイナス五%のげたを履いているのですよ。これが、確かに政府見通し、プラス〇・一%、実質横ばいということですが、横ばいになるためには、これは物すごい勢いで設備投資が出てこないと、例えば景気が後半よくなるだろう、こういうお見通しでしょう。そうすると、ことしの十−十二、来年の一−三に前期比五%ずつぐらい伸びないと、このプラス〇・一だって無理なんですよ。そんなに設備投資が出るとお思いですか。これをやっていると時間がかかりますからやめますけれども、この民間設備投資、プラス〇・一という見通しだって、こんなものは絶対に実現できない。これは私保証してもいいですよ。
 ですから私は、この経済見通しというのが余りにも粗末に扱われ過ぎている。あの二月上旬のごたごたした折ですから、閣僚の皆さんも詰めてお考えになっていた気配がないのですが、だからこういういいかげんなものが出てくるのじゃないか、私はこう思いますよ。
 例えば、これを四半期ごとの動きで考えましょうか、GDP全体を。後半からよくなる、こうおっしゃいますね。例えば前半は基本的には横ばい、プラマイ若干ということで、十−十二、一−三でGDPがどのくらい伸びたらば、この名目三・八、実質二・四という九四年度の経済見通しを達成できるとお思いですか。これは仮定の計算でどうぞやってみてください。
○小林政府委員 委員お尋ねの四半期別の数字ということでございますけれども、結論的にはっくつておらないわけでございますけれども、全体として、本年度中にと申しますか、年度の後半に向かって上昇の勢いが増すという前提でつくっておるところでございます。
○町村委員 ですから、これも私の生計算ですから正しいかどうかわかりませんが、仮に前半、第一、第二の四半期横ばいで、十−十二、一−三でこの名目三・八、実質二・四を実現しようとしますと、年率それぞれの四半期で八・三%という高成長を遂げなければこの数字にならないのですよ。年率八・三%なんて、バブルの時期の最高だって、八八年の最高が六・二ですよ。どうやったらばことしの後半、十−十二、一−三に年率八・三%の高度経済成長ができると思いますか。ありっこないのです。だから私は、この名目三・八、実質二・四なんという見通しは達成できない、できるはずがないということを断言できるわけであります。
 何で八・三になるかなんて言われたって、それは説明できないからいいですけれども、私は、総理としては、これからずっと総理をおやりになるつもりなんでしょうから、この見通しがとても無
理だとわかったときに、追加の対策をとるお考えが当然おありになるだろう。
 なぜならば、このGDPに対する経常収支の黒字二・八%というのは、決して国際公約ではないけれども、今や対米関係その他、G7等々の場でもうかなり対外公約的扱いになってしまっています。そうすると、黒字はなかなか政府見通しどおり減るかどうかわかりません。GDPが落ちれば、この二・八というのがもっと高くなってしまうわけですよね。どうなさいますか、そうなったときに。総理の、この追加対策をとる必要があると判断したときには、とるおつもりがあるかどうか。
○羽田内閣総理大臣 対外的な問題につきましては、これは私が大蔵大臣のときにも、これを達成することができるのかとしょっちゅう怒られながら言いましたけれども、そのときにもいつも申し上げてきたことは、こういったものの見通しというものは決して対外的なものではありませんと言っておりましたけれども、しかし、やはり日本の経済全体というものを、これを進めていくためには、決してただ架空のものであってはならないということは、私は御指摘あることはよく理解をいたすわけであります。
 ただ、今そういったものも、これを押し上げる要素もあります予算を御審議いただいているさなかに、今どうこうしますという、また我々としてもこうしますということは、これは申し上げることはできません。しかし、私どもは、やはりこの動向というものをよく見守りながら、適時適切な対応というものはしていく必要があろうということは、強く思っていることを申し上げたいと存じます。
○町村委員 ですから、これは本当に二・八が対外公約だと私も思いませんよ。思いませんが、そういうふうに相手にとられてしまっているという事実がある。ですから私は、こういう経済見通しというのは、本当に皆さん今軽んじておられますけれども、羽田外務大臣当時のときからそうですし、熊谷通産大臣当時のときからそうですが、もっとこうした問題に、いろいろな経済運営をする基礎になるデータなんですから、こうしたことをもっと各閣僚の皆さんは真剣に議論をしていただきたい。
 私はかつて通産大臣河本敏夫先生のもとで働いたことがありますけれども、河本先生のこの経済見通し達成、作成の段階からの熱意というのは、それはすさまじいものがありました。昭和五十三年から五十四年にかけてのことでありますが、もちろん当時もいろいろな対外問題がありました。
 大臣陣頭指揮で何時間も何時間も議論をして、関係省庁を呼び集めて、公共事業をふやせないかと。通産大臣が主計局長を呼んだり大蔵省の事務次官を呼んだりするのは異例のことでありました。あるいは建設省の事務次官を呼んだりするのは、これはもうある意味ではフライングまでやつて、そこまでやって、この景気をどうやったらよくするのかという最大限の努力をしたものですよ。
 私は、すごいものだな、こう本当に感心をしたことがありますが、残念ながら、それだけの迫力と熱意と情熱を持って今回の経済見通し、そして対策をつくられたという気配が、細川内閣時代にはほとんど感じられないのが実態でありまして、過去のことはもうしようがないからこれからのこととして、もっと経済の問題、そしてこういう基礎になる経済見通しというものを事務方の皆さんが一生懸命つくるわけですから、それを皆さん方、閣僚の皆さんがきっちり議論をし判断をするということをやっていただかなければ、本当にいいかげんな数字、そしてそのいいかげんだという数字が対外公約になるという非常に難しいことになってくるわけですから。
 ですから総理、もう一度申し上げますが、実質二・四なんてこれは行きませんからね、さっき私が申し上げたとおり。もう行かないのがはっきりしているのですから。この二・八という対外経常黒字の比率、これは確実に三を超えますよ。どうぞそのことを踏まえて今後の運営に当たっていただきたい、こう思います。
 それから、もう一つ非常に心配しているのは雇用の問題であります。その厳しさ、失業率なり有効求人倍率なり等々の数字は、申し上げるまでもない大変厳しい状況でありまして、各企業、毎日私も日経の経済欄を見ると、どの会社が新規採用を取りやめた、どの会社が退職をまたふやしたとか、その雇用調整の話ばかりであります。
 労働大臣に伺いますけれども、今の企業収益の水準、これは水準でいうと、一九八〇年と十四年前の水準にまで今おっこちてしまっているのです。企業経営がこういう厳しいときに、企業が雇用調整をやらざるを得ない。自動車産業だけだって、メーカー、下請合わせて八十八万人からもう既に十万人減っているのです。七十八万人まで減ってしまっているのです。そういった雇用調整の実態というものを労働大臣はどう把握しておられますか。
○鳩山国務大臣 私、よく経済界の方とお会いをして申し上げたことが何回かあるのですけれども、我が国はバブルを経験しましたし、それはバブルのような現象は歴史上初めてのことであったから、これは仕方のないこととは思いますが、自由主義経済体制にはこの景気変動というのがあるとするならば、その景気変動の波に比べていわゆる雇用、例えば新規採用だけ見てもいいわけですが、そっちの波の方がはるかに少ないような、そういう経済情勢、経済社会をつくっていくというのがこれからの企業の責任ではないですかというようなことを申し上げておりますが、それはこれからの理想論でございます。
 今の町村先生の御質問に対して申し上げるならば、確かに雇用調整が非常に厳しく進んでおりまして、製造業でも五二%というところが雇用調整をやっている。この五二%が雇用調整をやっているというのは、これはオイルショックのときには七一%、製造業だけで見ておりますが、七一%のところが雇用調整をやった。円高不況のときには四〇%ぐらいですから、それをはるかに超えてきている。しかも、平成五年の一月から三月のときには三九%であった。昨年の十−十二月が五〇%だった。
 今度の一−三月が大体五二%というんですから、これは先生御承知のとおり、雇用関係の指数というのは遅行指数ですからおくれてまいりますね。今仮に急に景気がよくなったとしても、雇用情勢がよくなるまではしばらく時間がかかる。
 例えばナポリ・サミットのテーマが成長と雇用である。OECDで三千五百万人も失業者がいる、そういう中で、この雇用問題を抜きにしてこれからの経済成長あるいはマクロ経済も語ることができないということではありますけれども、結局ややおくれていく傾向があるものですから、今急に景気がよくなってもすぐ雇用情勢がよくなるというものではないだけに、厳しさを厳しく受けとめてやってまいりたいと思っております。
 なお、四捨五入の問題かもしれませんけれども、失業率二・九ということでございましたが、四月の数値でしょうか、多分二・八になるであろうとは今予測はいたしております。
○町村委員 今の五二%というのは企業数の話ですか。企業数ですね。はい、わかりました。確かに、遅行指数ですからおくれて出てくるんですね。
 実は、中高年の雇用調整というのは随分進んじゃったんですね。私ももうすぐ五十歳になるんでありますが、私どもの仲間でさえも、もう肩たたきが始まっているんですね。大変寂しい思いを実はすることもしばしばあるんでありますが、実はこれから始まる雇用調整は若年層だと僕は思うんです。諸外国でありますと若い方を先に切ると、こういう。ファーストファイアというのは若い方ですね。
 日本は今までどっちかというと中高年齢で調整してきた。しかし、若年層の就職状況は大変厳しい。まだ文部省でも統計ができていないようですから数字は伺いませんが、ことしの大学卒、短大
卒、専門学校等々の卒業の就職率は相当悪かったんじゃないか、こう思うんであります。実は、ことしの三月卒も厳しかったけれども、来年の三月卒はまた一段と厳しくなる、こう予測をされております。
 たまたま私の娘がこの三月に卒業したんでありますが、もう見ててかわいそうなぐらい、できが余りよくないというと娘に怒られますが、しかし四苦八苦しておりましたよ、仲間の女子大生の話やなんか聞いていると。今女子学生受難の時代とまで言われているわけですね。
 これは労働大臣にお聞きするんでしょうか、男女雇用機会均等法というのがあります。私は専門家じゃないが、これに明らかに違反しているんじゃないかというような事例がいっぱいあるんですよ。例えば、就職パンフレットを町村信孝という名前で要求すると送ってくる。町村信子という名前だと送ってこないんですね。これは本当にそうなんですよ。それから、女子の総合職を私は希望すると言ったらもうパンフレットを絶対送ってこないとか、あるいは採用の枠というものを、女子については総合職一名、一般職五名といって女子だけの人数を書いちゃう。こういうのは男女何名と本来書くべきじゃないか、こう思ったりもします。
 このあたり非常に私の娘たちが企業に対して憤りを覚えて、個別会社名まで全部娘たちから僕は情報収集してありますから、本当は企業名を言っちゃいたいところなんですけれどもね。一流企業の皆さん方、こんな過酷な仕打ちをしたらば、某銀行には絶対もう一生預貯金をしないと息巻いている女子学生もいるんですよ。ですから、企業イメージも悪いし、私が今二、三例を挙げたことは、どうですか、この雇用機会均等法の法令違反になりませんか、労働大臣。
○鳩山国務大臣 男女雇用機会均等法は、御承知のように罰則がないわけですね。そのことについても世の中でいろいろ議論があるようで、結局、実際に今町村先生がおっしゃったような女子学生受難の時代というような面があって、そういうような問題が昨年も相当数苦情として寄せられてきておりまして、先ほど先生数字のお話をちょっとされましたが、私も今正確には記憶しておりませんが、この春に卒業した学生さんの場合、これはやはり男子の方が高いんですね。九八%ぐらいでしょうか。女子が九二、三%というオーダーなんですね。
 ところが、途中経過を見ますと女子の方がうんと大差つけられているんですね。最後は五、六%の差で、九十何%で追い込んではいるんですが、途中経過が非常に悪いということはまさに受難の時代であって、私も文部大臣をやらせていただきましたが、大学四年生という、あるいは高校三年生もそうですが、卒業前の一年間が勉学どころでなくて就職活動のみというのは、これは非常に教育的にもよくないわけでございまして、最後には九十何%といっても、それは希望を下げたり、あるいは労働行政というのは最終目的は幸せをつくることで、自分の働きがいのある職場に行けるかどうかということですから、希望を下げて行きたくないところへ行くというケースもあったんではないか。
 そこで、男女雇用機会均等法の指針というものを改正をしまして、若干厳しくいたしたわけで、これはこういう幾つか書いたものがあるんですね。もしあれでしたら事務方から詳しいお話をいたしますが、今先生から御指摘のような件はすべてこの男女雇用機会均等法に反していると思われます。少なくともその指針に反していると思いますので、これは全国四十七の都道府県の婦人少年室に、そういうことについていつでも女子学生から御意見を言ってくださるように、窓口を開いてポスターも添付したところでございます。
○町村委員 じゃ鳩山大臣、娘から取材した企業名、届ければきちんと行政指導されますか。
○鳩山国務大臣 そういうやり方がいいのかどうか、いろいろまた検討してみたいと思っております。
○町村委員 やはり申しわけないが、私はそういう甘い態度でいるから女性の非常に不利な状況が続いちゃうと思うんですよ。やはりもっと厳しくそういうところはやらないとだめですよ、本当に。
 私はやはり労働大臣、前段の説明はいいから、総論はみんなわかっているんだから、具体的に何をやるかということを聞いているわけですから、もう少しその辺はしっかりとまじめに取り組んでいただかないと、ただこういうものを張っているというだけで物事が全部解決するんならだれも苦労はしないのでありますから、この指針に基づいて労働行政をもっとしっかりその点をやっていただきたい、こう思います。
 それから、今までは主として過去のことですが、これからの対策ということを考えてみたいと思うのであります。六月末までに重要な決定をこれから政府は幾つかなさる。その中には、公共投資十カ年計画をどうするのか、これを六月末までにお決めになるということはもう既に内外に総理は御発言をしておられるし、政府の方針で作業も進んでおられると思います。
 これは別に、経済学の基礎的な、まあ経済の知識とでも言うんだろうと思いますけれども、国民経済計算上、海外経常余剰、要するに経常収支の黒字と置きかえてもいいんですが、それが、私の手元の資料はちょっと古いんですが、九二年なんですが、約十六兆円、それはすなわちイコール、常にイコールに結果的になるんですが、貯蓄マイナス投資、貯蓄が百六十兆円、投資が百四十四兆円、十六兆円、こういうことになるんでありますが、大体こういうオーダーで間違いないでしょうかね。経済企画庁の事務方の方に伺います。
○土志田政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生おっしゃいましたように、国民経済計算上では貯蓄と資産額は経常収支に等しいということでございまして、経常海外余剰の方はちょっと移転収支分だけは除いておりますのでわずかな差がございますが、ほぼ等しいということでございます。
 額につきましては、経常収支の黒字が九二年度で十五兆六千五百五十二億円ということでございます。これが貯蓄と資産額でございます。
○町村委員 そこで、貯蓄を減らすか投資をふやすかするしか答えがないということなんですね、今の恒等式からいって。ところが、貯蓄を減らすといっても、まだまだ個人ベースでいえば、老後に不安があったりとか、あるいは政府では、これは今いやが応でも年金の貯蓄がふえていきますから、これはなかなか、貯蓄が減るということには今の流れではなっていかない。とすると、今度は投資なんです。
 ところが、法人も個人も、さっき、せいぜいプラス〇・一%といったって、これも無理だと思いますけれども、民間投資がふえる状況にはないとすると、政府投資をふやすしか、この経常収支の黒字を減らすということは、他に対策はない。
 もちろん、今度は貯蓄と消費の関係で言うならば、それは減税というのもあるし、これは今やっているし、これからどうするかというのは大議論で、きょうは税の話はいたしませんが、やっぱり政府が主体的に、みずからの手でできるというのは、この経常収支の黒字を減らそうと思えば、そして同時に、もう一つの目的、言うなれば国民生活の質的な向上を図るためには、政府の公共投資をふやす、これが主役になるしか私は方法はない、今のこの国民経済計算の定義からいってそうなるんでありますが、その点については、総理、御賛同いただけるでしょうね。
○羽田内閣総理大臣 確かに、日本の経済も大きくなりましたから、政府の投資というものの及ぼす影響というのはそんなに大きくないけれども、しかし、現在下支えしていることは事実であろうというふうに考えておりまして、まあ我々としても、そういった問題に対して対応することをこれからも検討していきたいというふうに考えております。
○町村委員 経済全体のことではなくて、経常収
支の黒字を減らすために何ができるかというと、今言った貯蓄、投資に分けて考えてみたときに、投資部門でやれるのは政府の投資だけなんですよ。
 そこで、その理解の上に立って伺いますけれども、現在あります平成二年六月につくられた公共投資基本計画、これが実績として一体どこまで進んだのか。実は、この改定というのを皆さん今お考えになっておられるんでしょう。改定を考えるのであれば、少なくとも九四年のこの予算を前提にして、来年以降どうするかという話なんでしょうから、少なくとも現状までの実績、数字は九一年までしかないと、こう言っておられますけれども、九二年、三年、四年、政府は予算を組んで、IGベースの伸びはわかっているわけですから、推計でもいいですから、この九一年から九四年までの公共投資、どのくらいの金額になったか、ある程度ラフな推計でもいいですから、その実績をおっしゃっていただきたい。
○吉川(淳)政府委員 お答え申し上げます。
 九一年度は私どもの方で推計をいたしまして、実績として発表してございまして、三十七兆三千五百億円でございます。
 九二年度は、ちょうど半年前に今先生申されました公的固定資本形成という形で発表になっておる数字がございますけれども、目下それに基づきまして、なお推計作業をやっておる段階でございます。
 これは御存じのとおりでございますけれども、最近地価の動向その他もございまして、用地費等の動きが非常に影響を与えているということで、とりわけこの推計が一つのポイントになっております。
 九三年、九四年は、いずれも政府経済見通しにおきまして、実績見込みあるいは見通しという形で、今の公的固定資本形成ベースで伸び率の発表がなされておりますけれども、先ほど申し上げましたように、公共投資全体につきましては、地価の、いわゆる用地費の動向で相当伸び率としては動くことが過去もございましたので、まだ公共投資全体としての見通しは私どもの方ではやっておらないということでございます。
○町村委員 要するに、私は本当にこれは不思議だなと思うのは、六月末までに皆さんはこの計画の改定をなさるんでしょう。今伺うと、九一年の実績しかない。九二年、三年、四年は推計すらない。にもかかわらず、ちまたには、政府の高官から、やれ百兆円積み増すのなんのという議論がある。前の久保田長官も、これを大幅に百兆円ぐらいふやしたらとどこかで発言しておられましたよ、企画庁長官時代に。こんなことでこの公共投資の上積みをどうするという議論ができるんですか。
 私のこれまた非常に浅薄な知識でざざっと計算をしてみると、九一年の実績を踏まえながら、あとは政府の固定資本形成の伸びなどでやると、大体九一年から九四年までの累計で約百八十兆円に、おおよそですよ、それは若干の幅はあると思いますが、おおよそ百八十兆円ぐらいになるんじゃないかと、こう推計しているんですが、企画庁長官、その辺のめどをある程度置かないとこれの改定なんて作業ができるはずがないと思うんですが、長官の、どうですか、ラフな推計でどのくらいになると思われますか。
○寺澤国務大臣 この点につきましては、委員も先刻御承知のように、経済企画庁の中に社会資本整備研究会という委員会がございまして、発足して、今その内容とか積み増しとかについて具体的に検討しているところでございます。
○町村委員 だから、積み増すとかなんとか言ったって、根っこが、土台がはっきりしないで、積み増すも積み増さないもないんですよ。どうやってその作業ができるんですか。総理、不思議に思われませんか。どうやってこの積み増し作業というのはやるんでしょうかね。
 四百三十兆なら、極端なことを言えば、私の今百八十兆を推計に置けば、後、九四年度横ばいで四百三十兆を超えちゃうんですよ。横ばいで、金額ふやさなくて四百三十兆いっちゃうんですよ。これは単純な足し算です。一%ぐらいの伸びで約五百兆いきますよ。私の計算では五、六%伸ばせば五百八十兆。五、六%の公共投資の伸びというのは、ここ三、四年の実績でいえばむしろ極めて低い伸び率です。
 五、六%伸ばせば五百八十兆ですから、現在の四百三十兆に比べれば百五十兆円の増という上方修正をすべきだと、私はそういうふうに提言をしたいのでありますけれども、その考え方について企画庁長官なりあるいは総理、どうお考えでしょうか。だって、六月末に結論を出すと言っているのに、根っこの数字わからないで一体何の議論をしておられるのかなと、こう思うのですよ。
○寺澤国務大臣 委員御指摘のその部分まで含めて今検討しております。
○町村委員 それから、これはまあ私も自民党時代にサボっておったなとつくづく思う反省も込めてなんですが、例えばこの実績、せめて出されました九一年三十七兆三千五百三十九億円。それで、おもしろいことに、生活環境・文化機能のシェアを五五・一%と出しておられるのですね、企画庁の方で。これはなぜかというと、平成二年に決めた最後のところに、これを六〇%程度に上げたいという、そういう目標が書いてあるからこの数字を出された。この五五・一%という細かい数字が出る以上は、それぞれの事業別に幾ら幾ら幾らという内訳があるはずなんですね。
 ところが、これは絶対に内訳を言わない。先々の内訳を言うとこれは何か予算の先取りになるから言いたくないというのはまだわかるのですよ。どうして九一年度の投資実績の事業別内訳すら出すことを拒否されるんでしょうかね。どういうことですか、これは一体。過去のシェアぐらい出したらいいじゃないかと思うんですが、長官どうお思いですか。それもまた何とか委員会で検討中だとおっしゃるんじゃないでしょうね。そうじやなきゃ、あんまりもうお得意の腰だめの数字過ぎますよ。
○寺澤国務大臣 その辺のところは私にもよくわかりませんので、早速経企庁の幹部の皆さんと相談して、委員のおっしゃることは私も賛成なので、考えます。
○町村委員 じゃ、長官のお言葉ですからそれを信じて、この事業別の内訳の数字を国民の前に明らかにするということを今言われましたから、これをぜひ実行していただきたいし、まだそういうものを出すことによって議論ができてくるのですね。
 ですから、確かに財源論とかなんとか、藤井大臣が渋い顔をしておられますけれども、私は財源論も確かに重要だと思いますけれども、ただ、これもいろいろな議論があるのですよ。
 国債は世代間の負担のバランスを変えるという議論もあるけれども、同時に、国債というのは、政府にとっては負債だけれども、持っている人にとっては資産だし、実物資産が残ることは国民経済上にとっては大変な資産の増加になるわけですから、確かにそれは国債費がふえるという意味の硬直化はわかりますが、そのことだけで根っこにある経済そのものがおかしくなり、かつ対外関係もおかしくなるという余りにも財政の論理の強過ぎることをこの六月末の作業に向けてなさったらば、さっき言った国民経済上の恒等式なんですから、経常収支の黒字を減らす減らすと言ったって、政府の投資をふやさなければ絶対にこれは減らないのです。そのことを踏まえた上で、総理の御決意を述べていただきたいのです。
 どうも今までの細川内閣時代の連立政権は、残念ながら大臣のイニシアチブはゼロ。みんな官僚任せ。特に経済政策については、これははっきりしているのですよ。ですから私は、この際総理は、ひとつ総理の御指示で、蛮勇をお持ちのようでありますから、蛮勇を振るってこの公共投資の積み増しを、私は百五十兆円の積み増しというのを提案をさせていただきましたけれども、ひとつその辺をきちっとやらなければ、六月末にまた内容のない対策を出すということになってしまいま
すけれども、ひとつ総理の御決意を伺いたい。
○羽田内閣総理大臣 私どもは、この作業を今させておるということは、まさに今お話のあったようなこと、こういったことも念頭に置きながら対応しているんだというふうに御理解をいただきたいと思います。
○町村委員 その際に、私どもは、去年の四月の経済対策をまとめたときに、新社会資本という言葉を使いました。これは大蔵省の公共投資という狭い概念の枠を何とかふやす努力をしようということで、情報関連でありますとか、大学等の研究関係でありますとか、新幹線でありますとか、医療・福祉関連とか、今までの非常にかちかちに固め切った公共投資の概念、定義を広げて、そして今国民のニーズのあるそういう部分にまで公共投資、国債を使えるようにしようという提言を自民党の方から新社会資本という形で出したのは、まあ当時は政治改革にしか関心がおありにならなかったから御記憶にないかもしれませんが、ぜひ私は、その新社会資本というイメージ、概念というものを取り入れた、公共投資基本計画の改定をなさるのであればその点を大いに組み込んだ形にしていただかないと、それこそ今までの公共事業の枠のシェアの話だけになってしまって、今の国民のニーズに合った公共投資計画になってこないと思いますから、その点をぜひ総理には十分、あるいは企画庁長官も事務方への指示をなさるのであれば、その辺をぜひ踏まえてやっていただきたいと思います。
 経済関係でもう一つだけ伺っておきますが、規制緩和の問題であります。
 規制緩和自体、特に経済関係の規制緩和をするということは大方のコンセンサスがあると言ってもいいと思います。しかし、余りにも一括規制緩和ということで、社会的な規制までも緩和する。私はびっくりしたのでありますが、たしか去年の十二月だったか、政府の出された、あれは平岩研究会でしたか、規制緩和の対象法律の中に、暴力団対策法とか麻薬取締法まで規制緩和の対象に入っていたので私はもう心臓がとまる思いでありました。
 そんなばかなことを政府はおやりにならないと思いますけれども、ただ、余りにも規制緩和という言葉が横行し過ぎていて、それが具体的にどういう効果を国民経済上及ぼすのか、あるいはそれに受益者といいましょうか企業なりなんなりの、あるいは一般市民にどういうプラスの効果があるのかというのがどうもちっとも見えてこない。
 もう既に連立内閣ができてから、昨年の九月、それからことしの二月、百項目とか六百八十二項目とか、規制緩和というのを出されたわけでありますが、具体的にその経済効果というものを数量的に、総務庁長官、お示しをいただきたいのですが、どうでしょう。
○石田国務大臣 私も、去年の八月に総務庁を預かることになりまして、この規制緩和について既に方針が出ておりましたし、また本年二月の行革大綱をつくる、それまでの間には随分議論をしていました。
 せっかく規制緩和をするわけでございますから、これは、社会的な規制は別としまして、経済的規制を大幅に緩和していくわけでございますから、何とかして数量的に把握できないか、数字の上で経済効果をあらわすことができないかという議論を随分してみたのですけれども、また、現実に経企庁の方にもそういった話題を投げかけて研究をしてもらうようにいろいろお願いをいたしましたけれども、結論として、計数的な、数量的な把握は困難というような状況でございました。
 確かに、経済は生き物でございますし、規制緩和をいたしまして、それぞれの業界なり企業なりがどういうふうに対応をしていくかはこれから先の話でございますのでなかなかそれが見えにくい。例えば地ビールの問題にいたしましても、今盛んにビール業界に参入しようという話はあるのでございまけれども、現実的な対応というのはなかなか難しい。そういうような局面もありまして、その業界だけのことでもなかなかそんなふうに把握しにくいわけであります。
 しかし、では経済効果はないかというふうに言われますと、それはそうではないわけでございまして、やはり新規事業の創出や事業拡大のそういったチャンスが拡大をしておるわけであります。また、競争の促進や価格の弾力化によりまして市場の効率化も考えられます。あるいはまた、国際的基準との調和、市場アクセスの改善などによる輸入の促進というのも、そういった意味で機会がふえていくわけであります。あるいはまた、消費者や事業者の負担の軽減、経済コストの削減というようなことにつながる、そういうものをやろう。
 私が総務庁長官になりましてから特にやかましく言っておりますのは、いわゆる許認可等の問題もさることながら、報告、届け出のたぐい、これが膨大な書類が要るわけであります。そういった問題について、それをやめさせるだけでも、これはいわゆる役所のそういった仕事量は減少をするわけでございますし、それぞれの業界がそれだけコストは下げることができるわけであります。例えば規制を、届け出の範囲を、一年のものを二年にするということになりますれば、それだけ要するに数量的に軽減できるわけでございますので、この点は今真剣に推進するように努力をいたしておるところでございます。
○町村委員 まあ難しいのはわかる。ただ、例えばいろいろ話題を呼んでいるダイエーの中内さんは、これこれやってもらえば何十億の会社の経費節減になると言っているじゃないですか。ああいう手法でおやりになったらできるのじゃないですかね。ぜひそこは御努力をいただきたい。
 それから、確かに金額別にあらわすのは難しいかもしれませんが、でも、今いみじくも長官が言われたように、お役所の仕事がその分浮くでしようとおっしゃった。そうなんですよね。であるならば、これも基礎的なことを伺いますが、今回、例えば二月八日に行政改革推進本部が決定された膨大な資料にいっぱい規制緩和のことが書いてありますね。これの規制に現在携わっている中央、地方の公務員の数、地方がわからなければ中央だけでもいいです。中央の公務員の数、何人いますか。
○石田国務大臣 これはなかなかそういうふうな形の分類ができないわけでございまして、一つの法律の中に社会的な規制もあり、経済的な規制もありでございますから、私も、一遍社会的な規制と経済的規制だけでも分けられないかというので、今もいろいろと研究をさせているわけでございますが、非常に難しい。
 したがいまして、そういった意味で、計数的に公務員の人たちがこの法律に基づいてどれだけ直接タッチしているかということを調べるといいましても、調べられないことはないかもしれませんけれども、それだけにとどまってしまうおそれもございます。
    〔後藤委員長代理退席、委員長着席〕
○町村委員 緩和をされる規制に、緩和をされる部分だけでいいのですよ、緩和をすると、こう書いてあるわけでしょう、いっぱいこの方策の中に。これに携わっている公務員の数はおわかりになりませんか。
 要するに、私は、規制緩和をやります、規制緩和をやります、これもまた美しい言葉なんですけれども、実際にそれが例えば行政改革にどうつながるかということを結びつけなければ、小さな政府、スリムな政府、簡素で効率的な政府と言ったってできないのですよ。そういう観点で総務庁なりがきちっと各省庁にアプローチをしないから、いや、なかなか難しくてといって、石田長官のお人柄でそう言われると難しいのかなと思うんだけれども、それでは私は総務庁の仕事は勤まらないと思いますよ。
 だって、私も役人をやっていたときに、定員要求をやるんです。そうすると、この法律の施行に年間何件の申請があって、それの時間がどのくらいかかってという積算を全部当時の行政管理庁に出して、そしてこの定員を認めてくださいと言っ
て、ぎりぎりぎりぎり、君、こんなに時間はかからないだろうとか言って行管の主査の査定を受けて、それでやっと定員一人をもらってくるということをやっているんです。要求する方はそういう資料を出しているんですから、査定するといいましょうか減らす方だって同じ作業をやればできるんですよ、基礎データは総務庁にあるんですから。できないはずがないんです、これ。
○石田国務大臣 町村先生のお考え、よくわかるわけでございますが、そういった点から考えますと、例えば車検が六カ月あるいは運転免許証の延長の問題等がございますので、そういった個別的なことで国民の皆さんの御理解が得られるならば大至急検討をいたしてみたい。個別的にお示しをするという意味において事例的にわかっていただく、こういう努力ならできるかと存じます。
○町村委員 確かに項目が膨大ですし、余り人手と関係ないようなものもあるかもしれませんから、大きいと思われる規制だけでもいいですから、それに一体何人の人が今携わっていて、そしてそれがこの規制緩和でどのくらい減るんだというのをできるだけ幅広く、これは今試みてみようとおっしゃったから、その言葉を信じて、大至急私はこの予算委員会に、まあ衆議院予算委員会はもうそんなに長くありませんから作業は難しいかもしれませんが、しかし、委員会としては存続しているわけですから、委員長、その点は、資料を今お出しになると長官はおっしゃったので、ぜひ委員長のお裁きをいただきたい、こう思います。
○山口委員長 理事会において相談をいたしまして、対応いたします。
○町村委員 はい、ありがとうございます。
 それから、逆に、この二月八日の決定を見ると、むしろ人がふえる話が書いてあるなと私は思うんですよ。規制緩和白書をつくる。大体お役所の方は、白書をつくると、少なくとも十人ぐらいの人数がいないと書けないんですね。白書要員がふえます。競争政策の展開、いいですね。公取は現に今度増員になりましたね。あるいはPL法をつくると書いてある。これも結構で、我々も賛成をしておりますが、これをやったらば、またそれぞれ非常な人数がふえてくるんですよ。間違いなくこれはふえます。一つの課ができたり、あるいは国民生活センターを充実したりとか、いろいろなところで人員がふえてくる。行政情報の公開、これも結構だ、こう言います。まあ全部がいいとは言いませんが、ある程度はいいと思いますが、これなんか物すごい人手がかかるんですよ。
 私は、かつてアメリカで勤務したときに、ワシントンの政府に幾つか資料要求をするんです。そうすると、電話をする、手紙を出す、ちゃんと返事が来る、そして後でコピーを送ってくる、親切なものだなと思って感心しました。そういう情報公開担当窓口というのがあるんですよ。そこに何人もの人がいるんですね、役所ごとに。もう極端なことを言ったら、一つのセクションごとに人がいるんですよ。そして、国民の要求、まあ中には嫌がらせかもしれないけれども、膨大な過去の資料を、コピーを送ってこいといって要求をする。拒めないものですから、それ全部膨大なコピーを送る。そのコピー料は原則として国が負担するんですよ。
 情報公開というのは一見よさそうな話ですが、これは物すごく人手がかかり、金がかかる話なんです。それをわかった上でこの情報公開、情報公開と言っておられるのかどうか。どうもその辺、お考えになっていないんじゃないかなと私は思うんですよ。そして、行政改革委員会というものができればまたこの事務局の人もふえるとか、まあ最後は若干皮肉でありますが、しかし、とにかく人がふえる話が随分書いてあるんですよ、これ。
 ですから、どこの例でもいいんですけれども、例えばこの情報公開というものにそれだけ人とお金がかかるということを、総務庁長官、十分認識しておられるんでしょうか、ちょっとその点だけ伺います。
○石田国務大臣 今御指摘になりました問題点はそれぞれ私は大変人手がかかる話であろうというふうに基本的には承知をいたしております。
 また、平成六年度の定員の増減、その査定、そういう状況の中で見ておりましても、かなり増員要求が多い。その増員要求の多い分は、やはりその省庁の中において削減をしていただく。そしてまた全体的な調整をしながら、平成六年度は二千三十三人減らすことにいたしておるわけでございます。
 新規需要が多い、例えば外務省とか法務省、これは外国の領事館の問題あるいは入国管理の問題、そういうところで大変増員要求が多いわけでございますが、全体の定員削減の計画があるわけでございますので、やりくりをしていただいておるわけでございます。この基本方針は、実はまだ平成八年度までたしか続くわけでございますから、変えられない、しかし新規需要はある、そこら辺のところは十分注意をしながらやってまいりたい。
 これは先生御存じのとおり、いわゆる防衛庁の職員を除きまして、人口千人当たり、日本の公務員は地方公務員を入れて四十人、アメリカ、イギリスは八十人、フランスは百二十人ということでございますから、そういった意味では大変スリムな行政を実施しているという、そういう状況になっている。これは必ずしも新政権の成果ではございません、引き続いての話でございますから、自民党政権下で努力した成果である。この方針は堅持しながら対応すべきでないかと、こう思っております。
○町村委員 わかりますよ。わかりますけれども、もう少し前向きに、積極的にやっていただかないと、この行政改革というのは本当に言うべくして難しいわけですから、着々とやりますという手法もいいですけれども。
 さっきも総理は、消費税のことなども考えながら公共料金凍結をやった、こうおつしゃった。やっぱり税のことを考えるならば、今程度の行革で国民がとても納得すると私には思えない。もっと思い切った大胆なことをやらなければ税制改革はうまくいかないと私は思います。中曽根行革というのは、ごうごうたる反対を押し切りながら、国鉄、電電、専売公社の民営化をやりましたよ。やっぱりこのくらいの思い切ったことをやらないと本当の行革は進まない。どうぞひとつその辺は総理の御決意を伺いたいのと同時に、もう一つは、規制緩和の影の部分というのもあるんですよ。いいことばっかりじゃない。
 私は、正直言うと、中内さんがどこかの行革本部の何とか部会長をやっておられるというのはおかしいんじゃないかと思うんですよ、利害関係人なんだから。ダイエーのために規制緩和をやる、それならば委員の中にその中小企業の代表者が入っているかと思うと、入ってないんですね。あと学者さんとか評論家とか、こういう人でね。私は、例えば輸入促進・市場アクセス改善・流通作業部会に参加をする本部専門委員というものの名簿を見ているんですが、中小企業の人は一人も入ってないんですね。これでいいんだろうかなと。
 今例えば一つの例ですが、酒屋さんなんか大変ですよ、ビールの安売り。それは消費者は喜ぶかもしれない。私もたまにビールを飲むからその限りではうれしいと思うけれども、しかし、酒屋さんの苦労だってやっぱり考えなきゃならない。すばらしい日本の商店街の町並みもなくなってしまう。みんなアメリカのようにどこへ行っても殺風景な同じ大型店ばかり並ぶ、そんな日本の町になっていいんだろうかと。
 やっぱり規制緩和のその影の部分というものもあるわけであります。特に中小企業への配慮、こういったものも必要なんでありまして、どうも今の内閣を見ていると、もうひたすら光の部分だけしか見ていないように私には思えてならないのでありますが、今言った行政改革に関する決意と、それからその規制緩和の影の部分というものをどのように、総理、認識しておられるか、お答えいただきたい。
○羽田内閣総理大臣 規制緩和、これを進めてい
くときにはやっぱり痛みが伴う、影の部分があるということは、これはもうお話のとおりであります。しかし、それを進める以上は、やはりまず行政そのものもスリムにしていかなきゃならないということで、私どももこれは本気で取り組んでいかなければならない課題であろうというふうに考えております。
 また、この規制緩和の場合にも、やはり影の部分に対しても、こういったところが立ち直っていく、あるいは要するに足腰の強いものにする、そういったことのための配慮というものはやはり必要であろうと思います。
 先ほど物価の問題でちょっと申し上げたときにもお話し申し上げようと思ったんですけれども、例えば規制緩和をすれば物は下げられるということができる。しかし、逆にまた今度、部品なんかの零細企業なんかに変なふうに押しつけられたのでは、これはまさに中小零細企業というのは参ってしまう。そういったことも気をつけていただかなきゃならぬということで、そのあたりにも目くばせしながらやらなきゃならぬということ、私どもは規制緩和の場合にもそういったことを念頭に置きながらやっていきたいというふうに思っています。
○町村委員 言葉で言えばそういうことになっちゃうんですが、現実はそうはいってないんですよ。今私どものところには、酒屋さんを初め中小商店の皆さん方、零細企業の皆さん方から、もうたまらんという声を物すごく耳にしますよ。さっきの経済見通しだってそうなんですよ。中小企業の設備投資はふえるわけないんですよ、痛めつけられちゃっているんですから。しかし、にしきの御旗、規制緩和にはかなわない。
 だから私は、消費者のことももちろん大切に考えなきゃならないけれども、やはり同時に、言葉では中小企業の配慮と言えば;口で済んじゃうんだけれども、そんな生易しい状態にないというその実態というものをもっと考えたときに、やはり規制緩和の光と影というものをもっとしっかりとそれぞれの閣僚のそれぞれのお立場で、特に中小企業を所管しておられる通産大臣あたりはしっかり認識をしていただいてやっていただかないと、ごうごうたる批判がもう既に出かかってきています。どんどん陳情も来ています。その点をよく受けとめていただきたいと思います。
 ちょっと時間が長くなってしまったので、先にちょっと原子力行政のことを通産大臣と科技庁長官に伺いますけれども、原子力発電、これはなかなか目標どおりうまく進んでないわけでありますが、二〇〇〇年まで五千五十万キロワットとか、こう目標があります。クリーンなエネルギーということで今や電力の三割が原子力であります。これを引き続き推進をしていくということなんだろうけれども、今後どういう方策をそのために講じていかれようとしているのか。ごく簡単でいいですから、通産大臣、御答弁を願います。
○畑国務大臣 先生御指摘のとおり、今三割方この分野に依存度が高まっておる。さような中にございましては、何といっても安全性の確保ということとやはり関係地域の方々の御理解、御支援、そういう体制の中から物事を進めていかなければならない、これからも力を入れていくべき分野であると、かように位置づけをさしていただいております。
○町村委員 次に科技庁長官にお伺いしますが、その原子力発電とは必ず裏腹の問題というか、もうそのものなんですけれども、出てくるのが核燃料サイクルの問題だ、こう思います。
 ウランは全量を輸入をしているわけですから、言うならば国産の燃料としてのプルトニウムということでやはりしっかりやっていかなきゃならないし、特にその最後のある意味じゃ段階なんですが、高レベルの放射性廃棄物の問題、この問題はやはり避けて通れない問題だろうと私は思っております。
 研究開発施設として科技庁が動燃事業団と一緒に進めようとしておられます、北海道の幌延町の貯蔵工学センターをつくるという計画があります。ことしになってから一部報道で、科技庁がどうも方針を変えたのかもしれない、こんな報道もあったんですけれども、この点について科技庁長官、御就任をされたところでございますから、北海道の問題であると同時に日本全体の問題として私は受けとめておりますので、どんなふうな御所見か伺いたいと思います。
○近江国務大臣 お答え申し上げます。
 まず、核燃料サイクルの確立の問題でございますが、原発を長期間にわたる安定したエネルギー供給源とするためには、御承知のように、ウラン資源の有効活用、これを図らなきゃいけないわけでございます。そういう点で、プルトニウムの利用を中心といたします核燃料サイクルの確立、これは極めて重要な問題であると考えております。ウラン資源の確保、ウラン濃縮の国産化、国内再処理事業の確立、放射性廃棄物対策等を計画的に推進をしていく、これが国の基本政策でございます。
 特に、我が国の原子力の利用につきましては、国内外の一層の理解を得ることが必要である、このように考えております。したがいまして、計画の透明性の一層の向上と余剰のプルトニウムを持たないというこの原則、これは重要な点であると考えております。
 こういう点から、今後とも、これは一つは、安全確保を大前提といたしまして、青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設計画等、核燃料サイクル確立に向けて努力をしていきたいと思っております。
 今お尋ねの北海道の問題でございますが、この高レベル放射性廃棄物対策というものは、原子力開発利用を進めていく上におきまして避けて通れない問題でございます。原子力委員会の基本方針に沿って計画的にその対策を進めているところでございまして、先生御承知のように、具体的には、ガラス原料と一緒に高温で溶かしまして、ステンレス製の容器に詰めて固化することによりまして安定状態にいたしまして、冷却のため三十年から五十年間の間貯蔵いたします。その後地下数百メートルより深い地層中に処分をする、こういう方針に立っております。
 現在、この方針に沿いまして、安全かつ適切な処分を実現するために、動燃を中心といたしまして研究開発を進めるとともに、二〇〇〇年を目安に処分事業の実施主体の設立を図ることといたしております。平成五年五月に発足いたしました高レベル事業推進準備会を中心に、その諸準備を進めているところでございます。
 高レベル放射性廃棄物対策を進める上で、動燃が進めております貯蔵工学センター計画の推進は大変重要な課題でございまして、政府の重要プロジェクトとして位置づけをいたしております。
 この貯蔵工学センター計画の進め方につきましては、いろいろな議論があることは承知いたしております。しかし、具体的に計画の変更を固めたことはなく、これまでの方針により計画を推進していきたいと考えております。
 ただ、いずれにいたしましても、貯蔵工学センター計画につきましては、地元及び北海道の理解と協力を得て進めることが最も大切なことでございますので、引き続きそのための努力を払っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○町村委員 引き続き進めるという大変明快な御答弁をいただきました。
 あわせて長官に伺いますが、これは、科技庁、政府としてのお立場であると同時に、公明党も同じお考えである、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますね。
○近江国務大臣 御承知のように、昨年の八月に細川政権が発足をいたしました。他の重要政策とともにエネルギー政策につきましても、原則として今までの国の政策を継承することを連立与党間で合意をいたしました。この合意は原子力政策にも当然及んでおりますが、羽田政権におきましてもこの合意を継承いたしてまいりたいと思っております。
 私は 羽田内閣の閣僚といたしまして、連立与党の合意に基づきまして原子力政策を進めていく所存であります。今後とも、我が国の原子力利用のより一層の透明性を確保いたしまして、国内外の理解と協力を得つつ、安全確保を大前提として、核燃料サイクルの確立を初めとする原子力開発利用の着実な推進を図ってまいります。このような方針は、公明党を含めた現政権の基本的な考え方でございます。
 以上でございます。
○町村委員 非常に明快な御答弁をいただきましたので、原子力行政の質問は以上にさせていただきます。
 次に、残された時間、防衛・安全保障問題につきまして伺いたいと思います。
 主として総理及び防衛庁長官、外務大臣にお伺いをいたしますが、まず、言わずもがなでありますけれども、冷戦が終わった、世界大戦の可能性が非常に少なくなってきた、ほとんどなくなった、そして特にヨーロッパを中心に軍縮が進んでいる。
 ただ、ヨーロッパの動きとアジアの動きというのは私は基本的に違うんじゃないのかな、こう思っているのであります。アジアは、後にちょっと一カ国ずつ伺いたいのでありますけれども、ヨーロッパとアジアの情勢というものが基本的に同じと考えるのか、やはり全然違うのかなと考えるのか。その点について、防衛庁長官、お考えがあれば承りたい。
○神田国務大臣 お答え申し上げます。
 ヨーロッパは、委員も御存じのように、NATOとワルシャワ、そういう対峙機構がありました。核の問題それから通常戦力の問題、両方で軍備管理、縮減が行われております。
 ところがアジアは、一つ一つの国がやはり安全保障観というものが違っておりまして、そういう意味ではまた、南沙群島あるいは朝鮮半島、我が国の北方領土等々で非常にまだまだ複雑な軍事情勢になっているというふうに考えております。したがいまして、欧州において行われた冷戦後の状況とは異なっている、こう思っております。
○町村委員 私もそのように考えているわけであります、確かにヨーロッパとアジアは大分違うなと。
 例えば、今、NATO、ワルシャワ条約機構と、こういう話がありましたが、ロシアを見ても、確かにロシアは極東軍地域で、実はヨーロッパの方で削減している部分がどんどんどんどんウラル以東ということで回されてきて、むしろ極東の軍備の方は増強してしまっている、近代化されてしまっているという状況があります。だから、ロシアの意図は多分かつてとはちょっと違ってきたのだろうと思いますが、少なくとも能力という面で見ればむしろ強化されてしまっているという大変皮肉な、ヨーロッパの軍縮の裏返しが極東のロシア軍の軍備力の向上ということにもなってきております。
 それから中国は、今長官からお話しのように、南沙群島を初めとして、何か僕らの目から見ると非常に膨張主義、特に軍備的膨張主義。そんなにゆとりがあるとも思えない中国の予算で、防衛の予算が二割、三割という物すごい伸びをしている。そして、近代化という名のもとに、原潜をつくり、さらに高度な兵器を買い、特に海軍、空軍をすごい強化をしている、こういう状況、そして、今言ったような、尖閣列島もありますし、非常にそういう領土問題をあちこちで巻き起こしているというような問題があります。
 北朝鮮の状況は言うに及ばないわけでありまして、だから私は、アジア情勢というのは、むしろ冷戦が終わった後、安定性が増した部分と不安定性が増した部分と両方あるんじゃないのかな、こんなふうに現在のアジアの置かれた状況というのを見ておりますが、防衛庁長官、大筋そんな感じでよろしゅうございましょうか。
○神田国務大臣 委員のおっしゃいましたような状況でほぼ間違いがないというふうなことでございまして、特に極東ロシア軍は、やはり削減されてなくて近代化されているような状況でございます。
 また、中国等におきましても、量から質への転換を図っておりまして、そういう意味では、委員の御指摘のように我々は注目をしてこれを見ていかなければならないと思っております。
○町村委員 冷戦が終わって、国連が非常にプレーアップされるようになってきました。何かもう日本では国連ブームみたいなぐらいに、何となく、国連、国連と言うともうにしきの御旗みたいな感じだったのですが、どうも最近のソマリアとか旧ユーゴの状況を見ておりますと、アメリカがソマリアで特に犠牲者が出た後、何となく後ろ向きになってきたとかで、この国連の平和維持活動というものについて、一時のような熱気といいましょうか、それがちょっと感じられぬような感じになってきている。
 もともと、余り国際連合という機関そのものに過大な期待を持つことは私は現実的ではない、こう思っているわけでありますが、世界の平和と安全を維持するための国連の機能、実はそこには大きな限界があると思うのであります。そうした国連の果たすべき役割と、その言うならば限界。特にアメリカなどは、自分の軍の指揮権は、絶対によその国、国際機関には渡さないという、そういうことを踏まえたときに、国連の機能のむしろ限界といったようなものを、これは総理あるいは外務大臣、どちらでも結構ですが、どういうふうにお考えでしょうか。
○羽田内閣総理大臣 確かに、新しいポスト冷戦という環境の中にありまして、国連に対するニーズというのは非常に大きくなってきたというふうに思います。しかも、その紛争というのが非常に歴史的な背景を持っているもの、あるいはそういったものによる国境ですとかあるいは宗教、いろんなものが絡んできておるということであります。
 そういう中で国連に対して一々要請があるわけで、確かに、派遣する人員の問題もそうでありますし、今お話のあった金の問題なんかが相当大きな問題になってきておりますね。しかし、それではかわるものがあるかというとないということでありますから、やはりこれは我々もお互いに知恵を出すと同時に、いろんな多くの国の参加も得ながら、こういった機能というのをさらに高めるための努力というもの、国連改革といったときにそういったものも念頭に置きながら対応しなければいけないという〉ふうに思います。
○町村委員 したがいまして、国際環境から見ると、国連に一定の期待は持ちながらも、そこには今総理の言われたような、おのずと幾つかの限界がある。しかも、アジア、日本を取り巻く状況というのは、防衛庁長官が言われたように、むしろ不安定性の方が大きくなっているということを踏まえながら、私どもとしては、我が国の安全保障、防衛というものを考えていかなければいけないのだろう、こう思っております。
 そこで、きのうは大島議員が普遍的、あるいは国際的、あるいは集団的安全保障の議論をなさったそうですから、私はきょうはあえていたしませんけれども、ただ、国民がどうもよくわからないなと思っている点が、例えば北朝鮮について幾つかあるのですね。その二、三を伺いたいのです。
 北朝鮮の核開発の現状はどうかと言われても、これはわからないのかもしれませんが、わかっている範囲でどうなっているのかなということと、そもそもあの非常に経済的に進んでいない、かつ苦しい状態にある北朝鮮が、何で核開発みたいな愚かなことを一生懸命やろうとしているのか.、
 これは日本人が平和ぼけしているのか、彼らが異常な軍事優先の思想でやっているのかよくわかりませんけれども、やはり幾つかの目的、例えば経済的な利益、イランや何か中東に兵器を売るための一つの売り込み手段として核が背景にあるといいとか、韓国にいろんな意味のプレッシャーをかけようとか、日本なんかは非常に交渉力が弱いから、核でも持っていけば、慰安婦問題でも持ち出せばもうあいつらすぐ謝るだろうとか、いろい
ろこう日本に対する、アメリカに対する、あるいはいろんな国に対するこれは外交上のカードとして非常に有効だ、そんなことで、本当に進んでいるのかどうかわからない核開発というのをやっているのかなと思うのですが、その辺は、核開発の目的とでもいいましょうか、どう理解したらいいのでしょうか。外務大臣、どうでしょうか。
○柿澤国務大臣 北朝鮮がヨンビョンその他核施設を保有していることは御承知のとおりでございます。北朝鮮側は平和利用というふうに主張しているわけでございますが、IAEAの査察を拒んでいる等従来の経緯を見て、核兵器開発疑惑というものが国際的な懸念になっているわけでございます。
 その主たる目的は何か。今町村先生いろいろな推測での諸点を挙げられました。私たちもそういう点を考えておりますが、本当の目的が何なのかという点は、必ずしもつまびらかではありません。
 ただ、米朝交渉の再開に向けて、それをカードとして使っているということも事実であろうかと思っておりますので、そういう意味で、現在、平和的な話し合いの中で核査察が十分に行われるよう、また、国連における安保理の議長声明等が実行されるよう、我が国としても期待を持ち、話しかけをしているところでございます。
 主たる目的は何かということについては、十分お答えができません。
○町村委員 それは相手様のことだから、本当はわからないわけですけれども。本当によくわからないのですよ。
 今おっしゃったように、米朝交渉も始まるかということで、何か一カ月ごとに期待が高まったり、まただめになったり、まただめかもしらぬなと、こう思いつつも、うまくいってほしいと、これは皆さんもひとしくそうお思いだろうと思うのであります。
 そういう意味での外交努力の重要性というのはいやが上にも増してくるわけでございますけれども、ただ、私は、これもまた自民党の時代のことも反省を込めながら申し上げますけれども、やはり緊急事態に備えるということに我々余りにも無関心過ぎたのかなという感じがするのです。だからこういう、ある程度もしかしたらということが近づいてくると議論を始めたりなんかするのですが、また緊急事態が去ると議論しなくなっちゃうというのは、やはりこれはまずいんだと思うのですよ。
 今北朝鮮対策、例えば経済制裁等々といっても、皆さんは、今微妙な時期だし、外交交渉をやっているところだからそういうことは答えられないという、もうワンパターンの答えしかないのだろうけれども、万が一に備えて準備をしておくということは、やはりこれは破局を未然に防止するという意味で絶対必要なことなんですね。国家としてこれは最低限、国民の生活の安全を守るということからして、やらなければならないのですけれども、そうした方が一に備えるというようなことについて、それは必要なことであるというふうに、総理、お考えかどうか。多分、必要だと、こうおっしゃるだろうと思うのですが、どうでしょうか。
○羽田内閣総理大臣 現在の具体的な問題とはこれは関連せずに、一般論として申し上げるときに、やはり国家というのは、国民の生命財産、こういったものをきちんと守れる、この体制は常々考えておくべきでございまして、たしかあれは五十二年のころからですか、そういった問題についても議論をされ、またそういったものも公表されておるというのが現状でありますけれども、私どもといたしましては、各省庁におきましても、それぞれの立場からいろんな情報の交換をするとか、あるいは所掌事務の範囲内で必要な検討というもの、こういったものを行っております。
 そういうことで、仮に重大な緊急事態というものが発生した場合には、政府はやはりこれに対して万全な対応をしていくということであります。
○町村委員 そういうことで、具体的に安保理決議があった場合の経済制裁は、今の外為法なり入管法なり航空法なりで対応できるかどうかということをちょっと一応聞いてみます.同じ答えしか返ってこないなら聞きませんけれどもね。どうでしょうか、安保理決議があったとき。実はイラクの実例というのもつい先般私ども経験をしているわけでありますけれども、今言った既存の法律で、特にお金の部分とか人の往来とか物の行き来とか、こうしたものについて現行法制で対応できますか。外務大臣、どうでしょう。
○柿澤国務大臣 毎回申し上げておりますように、公の席でそうしたことを議論するのは差し控えたいというのが立場でございますが、それぞれの場合に備えてそれぞれの部局で研究していただいているものと思っております。
 立法が必要かどうかも含めて研究していただいているものと思っております。
○町村委員 その場合、これはもう頭の体操かもしれませんが、現実には、安保理決議がなくて何らかのことをしなきゃならないというケースといいましょうか、その場合の想定の方が私はむしろあるのかなという気もいたしますが、安保理決議がある場合とない場合で、今言われたもろもろの研究というのは相当変わってくるのでしょうか。
○柿澤国務大臣 安保理決議がある場合、つまり国連の措置として実施をされる場合には、我が国としては、憲法の範囲内でということでございますが、協力の態様は多様になると思います。
 そうでない場合は、いろいろな面で難しさが出てこようかと思いますが、これについてもぎりぎりの協力はしなければならないと思っております。
○町村委員 これ以上突っ込んで聞いても多分それ以上のお答えはされないでしょうから、問題点だけあえて挙げておきますと、やはりいろいろ国民の皆さんが心配をしておられるのですね。そうなることをもちろんだれも期待はしていないのですが、万が一、例えば大量の難民が朝鮮半島から日本に来たら我が町、我が村はどうなっちゃうんだろうかとか、およそそういう施設もほとんどないような状態ですし、あるいは、もしかしてスカッドミサイルなんかがぽんと飛んできて、昔なら空襲警報というものがあった、今はそういうものをやる根拠も施設も何もない。さあ、そういうとき町村さん、逃げようにも空襲警報は鳴らないし、どうしたらいいんだろうねとか、結構皆さん、みんながみんなとは言いませんが、考える人はそういう万が一の事態というのを自分なりの経験を踏まえながら考えているのですよ。
 でも、この場で聞いても何にもお答えにならないから、国民は、まあ政府のことだから考えておいてくれているとは思うのだけれども、本当に平気かね、こういう心配もしております。
 あるいは、米軍が実際に朝鮮半島有事の際に出動したときに、本当に今の法制のもとで、多分これは難しいのだろうと思いますが、しかしやらなければならないだろうと思われる米軍への後方支援といったような問題、こうした問題なども相当詰めてお考えを、内部作業をやっておいていただかないと、やっていただいているものと私は理解をしておりますけれども、ぜひそこは鋭意詰めておいていただかなきゃならないな、こう思いますから、まさに、これは総理を中心として外務大臣を初め関係者、しっかりと準備をしておいていただきたい、こう思っております。
 次に、実は防衛計画大綱をどうするのかというのが大変大きな問題になってきております。細川総理は、物すごいスピードでこの作業をやれということを言われ、中期防の一年前にそれをやるべきだということまでおっしゃった。今、樋口さんを中心とする委員会、この間総理もお出になってお考えを述べられたようでございますけれども、この防衛問題懇談会というのでしょうか、これについて総理は今後どういうような方針で臨まれるのか。
 特に、前総理は、来年度の予算要求にこの懇談会の意見を反映をさせたいということを再三言われました。しかし、言うならば政治状況が不安定
な折、そして十分な検討もなされないままに、来年度予算のことについてこの懇談会の意見を受けてやるというのは、私は、いかにも拙速のそしりを免れない、こういう感じがするものですから、中期防というのはまだ再来年の三月まであるわけですから、もう少しじっくりとした議論をやるべきなんじゃないかな、こう思うのでありますが、どういう方針で今後この懇談会に期待をされるのか、臨まれるのか、総理のお考えを伺います。
○羽田内閣総理大臣 この問題につきましては、あんまり短兵急なものというよりは、いわゆる防衛計画大綱、これにかわる新しい考え方、これの骨格について実はメンバーの皆様方から御見識に基づく御意見をいただきたいということでお願いをいたしておるところであります。
 そして、私としてのこれに対する対応でありますけれども、いずれにしましても、現在のこの周辺を取り巻きます環境というもの、そして日本が、もし万が一のときに一体どうなるのかというようなこと、それからまた、やはりポスト冷戦ということも現実にあるわけでございますから、こういったものを踏まえて、こういった皆さん方によって御議論をいただきたいということをお願いをいたしておるところであります。
○町村委員 今、まあ余り拙速でやらないという御趣旨の御発言だった、ひとつじっくりとやろう、こういう御発言だったと思います。
 この際、私は、もう一つ前から不思議に思っていたのは、安全保障会議、ここが最高の決定をされる場だと思いますけれども、ここに、制服組のトップの方、例えば統幕議長でありますとか陸幕長、空幕長、海幕長、こういう方々が、必要あらば出るということらしいのですが、常時入っていないというのはやはりおかしいと思うのですよ。
 アメリカであれば、もう当然のこととして常時出席をしておられます、それに相当する会議では。こういう制服の人を入れると、何かシビリアンコントロールだ何だという厄介な議論をすぐ始めちゃうのですが、やはり専門的知識、経験を有する人、こういう人たちがそういう国の安全保障の最高方針を決める場に入っていることは何らシビリアンコントロールと背馳しないと私は思うのでありますけれども、どうでしょうか、羽田内閣のときにこの安保会議の構成に統幕議長なりあるいは陸幕長等々をメンバーに加えたらどうかな、こう思うのでありますが、お考えをお聞かせください。
○羽田内閣総理大臣 御指摘のありましたように、この安全保障会議、これは専門的な知識というもの、これはやはり必要なことでありますから、今お話のあったことは一つの御意見であろうと思っております。そして、統合幕僚会議の議長につきましては、おおむねこれは常時安全保障会議には出席をいたしておるところであります。そして、あと陸上ですとか海上あるいは空幕、こういった皆様方も必要なものに応じながら御出席をいただいておるということであります。
○町村委員 必要に応じというのではなくて、やはりフルメンバーにするというところに意味がある、こう私は思いますから、ぜひこれは前向きに御検討をいただきたい、こう思います。
 それから、防衛計画大綱、随分前、十数年前につくったわけでありますけれども、確かに事情が大きく変わりました。変わったから対応しなければならない部分もあります。ただ、やはり変わらなくてもいい部分といいましょうか、それも幾つかあるのじゃないかと思うのですよね。
 幾つかその点を伺いますが、いわゆる基盤的防衛力構想というのが今の大綱の基本的な考え方であります。これは、独立国としてやはり最小限の防衛力を持っているべきだ、平たく言えばそういう発想だろうと思いますが、これは次の大綱においても当然引き継がれてしかるべき考え方なのではないだろうか、こう思うのでありますけれども、防衛庁長官、どういうお考えでございましょうか。
○神田国務大臣 お答えいたします。
 ただいま総理大臣の諮問機関で防衛問題懇談会が開かれておりまして、ですから、そこがいろいろな話を盛り込もうという話でございますので、私の方からこうすべきだと言うのは、その懇談会に失礼だと思いますので、答弁は差し控えたいと思っております。
○町村委員 とても謙虚な長官でいらっしゃるからそういうお考えなのかもしれませんが、ただ、私は懇談会は懇談会としていいのですけれども、やはり防衛庁としてあるいは長官としてどうお考えか、懇談会と意見が違ったって別に構わないわけですから。ぜひ私は、この考えは、基盤的防衛力構想をそのまま継承していいのではないか、こう思っておりますから、ひとつそこはよく頭に置いておいていただければと思います。
 また同じように、実は今の大綱では安保条約に特に頼るという部分が大きいわけでありますが、これは冷戦が終わったのだからもう安保条約は要らないじゃないか、極端に言えばそういう考えもあるのですよね。今、ポスト冷戦というもとでこの日米安保条約の意義というものを、ごく手短で結構なのですが、外務大臣はどういうふうに認識をしておられるでしょうか。
○柿澤国務大臣 安全保障の専門家でいらっしゃる町村先生もう御認識のとおりでございますが、冷戦構造終了後も依然として日本を取り巻く脅威といいますか、大量の核兵器を持っている国もあるわけでございます。それに対する抑止力としての日米安全保障条約は我が国の安全のために基幹的な関係である、これを維持していくというのが大事なことだと思います。
 それに加えまして、やはり極東の安全、アジアの安全にとって米軍のプレゼンスというものが大きな安定要因になっているということでございますので、その点も加えて、引き続き日米安保条約は我が国とそしてアジア・太平洋の安全のために大事な関係であると思っております。
○町村委員 そういう意味で、それは何十年先かはわかりませんけれども、今のアジアが非常にばらついた状態の中で日米安保条約は見直すべき点、私はあろうと思います。しかし基本は堅持すべきもの、こう思いますから、私はこれは防衛庁長官に特にお願いをしておきますけれども、この次の大綱の中に、実は安保に頼るということは書いてあっても、その安保条約を堅持するためにこれこれのことをやりますという部分が非常に欠けているのですね。その点もぜひ御認識をして進めていただきたい。
 同時に、PKO等の国際協力というものも、まさにこれは新しい自衛隊の任務として発生をしてきている問題ですから、大綱を改定される場合にはそういった問題もしっかり位置づけられるようにやっていただきたい、こう思っておりますが、懇談会に遠慮されずに何か一言御意見があれば承らせていただきたいと思います。
○神田国務大臣 お答え申し上げます。
 先生御指摘でございますけれども、まだ大綱そのものを新しくつくるのかどうかという問題も含めて議論がありますので、防衛力の整備は、これはきちんとやっていかなければなりませんからきちんと論議をしてもらいますけれども、そういう点がまだ不透明だということでございますので、よろしくお願いします。
○町村委員 私は大綱見直しは必至だ、また見直した方がいい、こう私も考えますから、どうぞひとつ今申し上げた点を踏まえてやっていただきたいと思います。
 総理にも伺いますが、やはり兵器とかいろいろな問題がありますが、やはり最後は防衛というのは人の問題、それは直接防衛の任に当たる自衛官の皆さんの問題であると同時に、やはり国民の防衛の意識という問題、やはりすぐれてこれは国民であり、人の問題だろうと思うのです。
 平和の配当というこれまたすてきな言葉ができて、軍縮ということを盛んに細川さんおっしゃり、そのイニシアチブをとるとおっしゃる。そのこと自体、みんなそうだよねと自然に思ってしまうのでありますけれども、しかし肝心の、実は自衛隊の削減ということを細川さんは非常に強調さ
れていたように思うのでありますが、そのことが、結果的にそうなるならないは別として、私は現場の自衛隊の諸君の士気を大変に阻喪している面がある。総理大臣が、たかが礼服を着ようが背広であろうがとはいうけれども、やはりきちんとした服装で来てもらいたいと思っているのに、簡単な服で行っちゃった。しかも、言うならば、会社でいえば社長さんが、あなた方は人数が多過ぎるんだから減らすよ、今冷戦が終わったんだからもう社会的な意義はあなた方は余りなくなっているんだよ、そんなことを言ったら社員だれがまじめに働きますかね。
 私は、やはり隊員の士気というものをきっちり最高指揮官である総理大臣は踏まえて今後対応していただきたいと思いますし、特に具体的にそれをあらわすためには、隊員の処遇、古い古い隊舎でありますとか、非常に給料が低いということでありますとか、この間も聞いたのですが、PKOの手当三百万もらったら半分税金に取られちゃったとか、これは今の税法てしようがないのかもしれませんが、何とか私どもこれは議員立法か何かで直せないか、こう思っております。
 そういったことごとを含めて、やはり人という面が基本だ、こう思うのであります。どうかひとつ総理、これは百年の大計だろう、こう思いますから、今申し上げた、人の重要性ということについて総理の御認識、御決意を承りたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 防衛力についての御意見は私も同様に考えております。
 いずれにしましても、この国の安全というものをどのように確保していくのかということでございまして、確かにポスト冷戦という中で非常に明るい兆しというのが見えてきておりますが、一方ではまた非常に厳しい状況もあるということを念頭に置きながら対応していかなければならないというふうに考えております。ですから、今防衛力のあり方の検討につきましても、ただ先に削減ありきということじゃなくて、よく現状というものを見詰めながらどう対応するのかということだろうと思います。
 それともう一つは、本当の意味での安全保障というのは、国民の本当の理解を得られなければいけないということでありますから、そのために努力すること。
 それともう一つは、今最後にお話があったように、それぞれの隊員の皆さん方が本当に自分たちがこの国を守っているんだという、守るんだという意思といいますか、こういったものをきちんと持っていなければならないことであろうというふうに思います。それにはやはり生活の部分なんかがなおさら大事な時代になってきておるということを認識しながら対応していきたいというふうに思っております。
○町村委員 自衛隊員といえどもやはり生活者でございますから、ひとつその点をよくお考えをいただきたい。
 そういう観点で平成六年度の防衛予算を、時間がありませんが、若干見ていきますと、これは大蔵省の諸君あるいは防衛庁の諸君から聞いてよくわかるのでありますが、とにかく昨年のシーリングの段階で二%を切れ、そして二月の段階で仕上がりは一%を切れ、これが細川総理の明確なるといいましょうか、あるいは内々のかわかりませんが指示だったということで、〇・九%というかつてない低い伸びに抑えた。
 私は、じゃどういうところで一体やりくりしたのかな、こう思って聞いてみると、例えば、言うならば平時の自衛隊にとって最も必要な訓練の回数を減らしちゃった。中隊規模の訓練を、これは間違っていたら訂正していただきたいのですが、年間十回やるところを八回に減らした。まあ二回ぐらい減らしたっていいじゃないかといったら、じゃ六回でもいいか、一回でもいいか、こういうことになる。それによって浮く金額というのは百五十億円が百四十一億円、わずか九億円なんですよ。しかし、このマイナス九億円の隊員に与える影響というのは、さっき言った士気の問題にはとても大きいのです。そうか、おれたちろくに訓練しなくてもいいのか、こういう問題に実はなってきてしまうのですね。僕は本当にこの九億円はもったいないことをしたと思いますよ。
 それから、いろいろなところで、航空機の関係で例えば住宅の防音をやらなければいけないということで、これは判決までいろいろ出ているのですね。にもかかわらず、この住宅防音の予算も、これは多分防衛予算ができて初めてだと聞いておりますが、前年比でマイナスになったというような問題。そのほか、いろいろ挙げていけばあると思うのですよ。こういう予算でやっていけませんと、それは防衛庁長官のお立場としては言えないのでしょうけれども、非常に問題があるんだというふうに御認識をしていただいていると思うのですが、長官どうでしょうか。
○神田国務大臣 委員御指摘のような話はそのとおりでございまして、今後とも適正な防衛力整備のために努力をしたいと思っております。
○町村委員 さらに、これはやはり日本が独立国家としてやっていく場合には、ミニマムの防衛力の基盤、すなわち防衛産業というものがやはりある程度ないと、いざというときに困ると思うのです。
 防衛産業を形成している、しかも、戦車は千社という言葉がありまして、戦車をつくるのは、中小零細企業も含めて、下請全部入れて一千社の企業が携わっているという状況なんですが、その基盤が非常に今揺らぎ始めているというような問題、これは正面装備を減らせばそういう問題が現に起きてきているといったような問題、要するにそういう関連する企業の技術水準の維持ができなくなってきている、こんなような問題も実はあります。
 それからもう一つ、これはさっき、冷戦が終わった後でも日米安保条約の有効性はあるという外務大臣の御答弁でございました。私もそう思っておりますが、そのために、いわゆるホスト・ネーション・サポートということで実は相当な予算が支出をされております。防衛施設庁の中だけで見ても二千五百億円を超える予算がありまして、これだけで実は二百十八億円の増加なんです。今度防衛予算全体がどれだけふえたかというと、四百二十九億円ですから、増加額の半分はこのホスト・ネーション・サポートに充てられている。したがって、さっき言った訓練回数を減らす等々いろいろなことをやらなければならなくなってしまった。
 もちろん、自衛隊員の皆さん方の給料、待遇の改善というものも、ささやかではあるがありますから、そういうような当然増経費を除いていくと、本当に、いわゆる政策的な経費でありますとか、あるいは当然やらなければならない訓練とかそういうものがなおざりになっている、こういうのが今の実情だろうと思います。
 そして、私は、特別協定のもとで平成七年度には日本側の負担を一〇〇%にする、現在はたしか七五%だったと思いますが、一〇〇%にすると、またこれで来年度の防衛庁の予算は実は相当程度それに増分を食われるということになってしまいますと、これは一体来年の防衛予算、今、今年度の防衛予算の審議をしていて来年度のことを言うと鬼が笑うかもしれませんが、しかし、ことしの苦しさというものを見ていると、これはとても来年度の防衛予算は組めないのじゃないのかなという懸念をするのでありますけれども、来年度どのくらい、金額はおっしゃりづらいのかもしれないけれども、相当の増額が必要なんだと僕らは聞いているのですが、それはどうなんでしょうか。
○秋山(昌)政府委員 お答えいたします。
 今御指摘の点につきまして、数字的に七年度予算についてどうということはここで申し上げられる段階ではございませんけれども、御指摘のように人件費の中で退職金を中心にいたしましてかなり当然増的なものが出るであろうということと、今お話がございました日米間の特別協定に基づく負担増、これが毎年二五%ずつ負担をふやしておりますので、それを国際間の約束ということで来
年もやるとなりますと、相当の当然増が見込まれるということは御指摘のとおりでございます。
○町村委員 持ち時間が終了いたしましたので、これで終わりますが、総理、来年度の予算編成に当たられるかどうかわかりませんけれども、しかし、ことしの予算だって本当に相当無理してつくったということでありますから、そして、今の中期防衛力整備計画は自民党時代につくったものですが、引き続き細川内閣にも、また羽田内閣にも引き継がれているものと私は理解をしておりますから、どうかその点をしっかりと取り組んでいただきたい、こう思っております。
 以上で質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○山口委員長 これにて町村君の質疑は終了いたしました。
 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○山口委員長 速記を起こしてください。
    ―――――――――――――
○山口委員長 この際、証人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の実施状況に関する件の調査に関し、国会で取り上げられた細川前内閣総理大臣の問題について、深山正敏君を証人として本委員会に出頭を求めることとし、その日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○山口委員長 質疑を続行いたします。
 次に、江藤隆美君。
○江藤委員 去年の十月と十二月の予算委員会のときに、細川総理に対して、来年の二月の予算委員会は三時間とってゆっくりいろいろ問題を整理させてもらうということを申し上げておったのですが、二月どころか五月になってしまった。
 私は、この九カ月間の連立政権というものの動きをずっと見ておって、特徴が一つあるということを感じます。それは何だといったら、政治に対する責任感が極めて乏しくなったのではないかと私は思う。だから、細川さんがなってまあ社会党が大人になったという大きな成果はあったでしょう。だけれども、余りにも軽率な言動を弄して、政治改革が年内にできなければ責任をとりますよと言ったが、責任をとる気配もない。米の問題、ウルグアイ・ラウンドで、国会決議を尊重して、そして自由化はしませんと言ったが、実質は完全な自由化の道をとってしまった。ぞれに対してだれも責任をとる者もいない。だから、うそをつくことが政治の世界で横行するようになったと私は思う。それが平気になった。
 それからもう一つは、この内閣ほど閣僚の個々人の言動についてこの委員会を通じて強く批判をされ、あるいはまた追及された内閣はいまだかってなかったのではないかと私は思う。だから、言葉の重みがない。かんなくずみたいに、ぺらぺらぺらぺらしゃべって、後は頭を下げてわびれば済むというような軽率なそういう物の考え方が横行するようになったのではないか。政治というのは、私はもっと重みのあるものだと思ってきた。同時に、背信行為というのが今度はまた政界の中で横行するようになった。
 羽田内閣は細川内閣を継承すると言われたわけでありますが、まさか細川さんのそういう悪いところを継承しようとは私は思いません。どういう決意でおやりになるのか、まずそのことをお尋ねをしておきたい。
 もっと政治は責任を持たなければいかぬと思う。閣僚の発言は重みのあるものでなければいかぬと思う。そして、一たん口に出したことについては、閣僚たるものは職を賭してその信念を全うするというものがなかったら尊敬を集めることはできない、私はそう思いますが、総理の考え方をまず聞いておきたい。
○羽田内閣総理大臣 基本的に江藤委員からの御指摘、私も全く同感であります。
 ただ問題は、閣僚の発言が軽いとか、あるいはかんなくずのようにというお話があったのですけれども、今までいた政党を離党してくる、そして連立政権に入るということになりますと、これは確かに、この新しい政権の考え方に沿っていかなければいけないという中で、野にあったときと多少違うということはあり得ると思っております。しかし、今御指摘のとおり、私どもやはり一つの信念というものを貫いていかなければならないということ、これは拳々服膺してまいりたいと思っております。
 また、おまえさんは一体何を受け継いでいくのかというお話でありますけれども、まだ政治改革も完全なものではないということでありますから、これは進めなければいけないこと、それと経済改革、そして行政改革というものも、これはどうしても私たちは継承していかなければいけないというふうに考えております。このほか、対外的な問題あるいは景気の問題、こういった問題については、継承するというよりはさらにこれを発展させていくということが重要であろうというふうに考えていることを申し上げます。
○江藤委員 この予算委員会を通じてずっと見ておりますと、特に内閣のかなめになる官房長官、日本の外交のかなめになるような外務大臣、その他主要閣僚に対するいろいろな問題がこの委員会で提起をされてきた。私は、けさも午前中にこの委員会で柿澤外務大臣が社会党の厳しい追及を受けておるのを見て、閣僚になりながらそのようなことを国会の公開の場所で言われるということはいかにも情けない。
 私は柿澤君に対しては言いたいことは山ほどある。だけれども、外務大臣というのはいやしくも日本外交の顔であるとするならば、きょうはこれ以上追及することは私はしないことにした。それは政権を担ってきたかつての自民党の一つの誇りでもあると私は思う。したがって、きょうのところは柿澤外務大臣に対する、私はずっと考えてたくさんのことを調べ、たくさんのことを感じてきた。しかし、それはきょうはやらないことにしました。
 だから、外交の基本は、あなたは尊敬と信頼だと言われたはずだ。外交においてもそのとおり。政治の世界においてもそのとおり。信頼と尊敬を失って、何で政治家がその職を全うすることができますか。心して信頼と尊敬を集めるような外務大臣になって、堂々と日本の国益を守ってほしい、そのことを申し上げて、あなたの所感を求めます。
○柿澤国務大臣 私が江藤先輩初め諸先輩に大変御迷惑をおかけしましたことを心からおわびを申し上げます。
 また、今お言葉をいただきましたのぐ拳々服膺してその職に一生懸命当たりたいと思っております。
○江藤委員 決意の表明がありましたから、ここのところは、これを私は了とします。これからしっかり身を引き締めて頑張ってほしい。
 私は総理に聞きたい。
 私は当時野にありましたから、三年五カ月野にあって何を感じたかというと、一つ感じたことがある。政治は永田町で考えてはだめだと。永田町の倫理と一般国民の、庶民の間の倫理とでは大きな差がある、そのことが政治不信になる。そのことが私が三年五カ月の間に教えられたことであります。常に政治は庶民の中から見なければだめだと。
 ところが、当時自民党を割って新生党という政党をつくってあなたたちは出ていった。出ていった人たちは、大変言いにくい話だけれども、かつて田中角栄さんに寵愛を受けてきた人たちである。その中で育ってきた。私たちは田中さんと金脈問題で、田中金権政治と身のほどもわきまえずに真っ正面から対決した時代もある。田中内閣を打倒しようと思って、田中金権内閣打倒と言ってやった時代もある。数々の批判は受けたが、田中さんには人間としての情があったと私は思う。
我々、全く派閥は違い、そういうことをいつも、無礼なことを、言動を弄しておったけれども、あの人と会うと、何か我々地方から出てきた者も、おれも頑張らなきゃいかぬなということを感じさせる人であった。
 その田中派というのを、田中さんがロッキードで倒れてだめになったら、あなたたちが中心になって経世会というのをつくられた。その経世会の中でまた大変な、自民党のあるいは日本の政治の中で権勢を振るわれた。当時の小沢幹事長のごときは、次の総理大臣候補を自分のところへ呼びつけた。こんなことは憲政始まって以来なかったことであります。大先輩の次の総理大臣になる人を自分の個人の事務所に、当時小沢幹事長は呼びつけた。それだけ力を持ったということです。(発言する者あり)そのときはもう会長代行か。その前が幹事長で、財界に三百億持ってこいと言って要求した、そういう人であった。
 今度はその竹下派の跡目相続に絡んで敗れた人たちが、小沢君を中心として出ていった。何で羽田孜という人がそういうことをするかと、私は本当にそう思った。彼は異質のはずだ。彼は誠実なまじめな人だから。田中さんから金丸さんまで犠牲にして、あれほど金丸邸にたむろして金丸、金丸、金丸と言ってきた人たちが、まさか私は自民党を割って出ていこうとは思わなかった。それは政治改革をやるためですよと。しかし政治改革は自民党を出ていかなければやれなかったものでもない。
 私が最初言ったように、政治の一番大事なことは、自分の決めたこと、約束をしたこと、誓ったことは命にかけても守り通すというのが私は政治家の常道だと思ってきたから、新生党が他の当時の野党の諸君と手を組んで政権の座に着いたということは、日本の議会政治の中で大変残念なことであった、私はそう思っている。自民党のために言っておるのではない。一番自民党の批判された、皆さんが非自民、非自民と言った、その自民党の体質を持ったのが今の新生党だったと私は思いますよ。それは中には尊敬すべき同志もおる、惜しい人材もおる、そのことは私は認める。
 しかし、中枢をなす、主流をなす者の考え方というのはより田中的であり、より竹下的であり、より金丸的だ。その者が新生党の主流を占めて、だから、今日やっておることを見たら、小沢君たちのやっていることは結局は金とポストでしょう。帝王学を学んでいないから、本当の人間性あふれるようなそういうものがない。
 それにまた近ごろは社会党までがうろちょろ始めた。けさ朝日新聞は、うろうろするな社会党という論説を掲げた。やはり一度絹の布団に寝たら、ああ、あなたも社会党じゃないか。一度絹の布団に寝たならばなかなかむしろには寝れぬものかなと、そういうふうに……
○山口委員長 委員長は、公平の立場で委員長をやっております。
○江藤委員 はい。あなたは昔からの仲間だからそういう軽輩とは違うだろうと私は思う。
 ところがそういう者が、自分の都合のいいことだけが正義になりつつあるのが今日の政界だと私は思う、残念ながら。国家の正義とは独立国家の数ほどあると言った人がある。しかし、近ごろは国会議員の正義というのは国会議員の数ほどあるんじゃないかと私は思うようなことがあるのです。どうですか。私は新生党の体質というのはそんなものだったと思っておるし、私は当時野におったから、なぜこの大事なときにと私は思ってきた。
○羽田内閣総理大臣 私は確かに御指摘にありましたように、木曜クラブ、そして経世会、そして改革フォーラムという歩みをしてまいりました。しかし、私は一度も便宜的あるいは個人のどうのこうのということで行動したことはありません。これはもう江藤委員がよく御案内のとおりであります。
 ただ、私はそういう中にありましても、しかもそのグループというのは、私は基本的にはやはりこの国というものをみんな本気で考えながら対応しておったというふうに思います。私はそのことを決して、何と言うのですか、隠すとかなんとかというより、むしろ誇りにしておるということを申し上げたいと思います。
 なお、私どもはその都度こうやって動くときに、田中さんがああいう形で倒れられた。そしてしばらくの間、何年間ですか、六年とか七年というもの、もっと長かったですか、ああいう中にあった。しかし、もうこのままでは完全なる閉塞状況になってしまうという中で、私は御本人のところに行きましても、もうともかくこのままではどうにもなりませんと申し上げながら行動をいたして、新しい動きをつくりました。また、その後のときもそうであります。
 これはもう一つずつ申し上げると時間があれでございましょうからやめますけれども、そして最後に党を出ていかなければならないときも、決して政策の問題というんじゃない。それから、私どもは改革というものを何もきれいごとでやっていたんじゃないのであって、このままいったらもう日本の政治はだめになってしまう、ここでやっぱり大きく変えなきゃいかぬなということで、やむを得ず実は、もう本当に自分自身が選挙区を失うかもしれない話でありますから、本当につらい、苦しくても、まあこの人間がただ残ることよりはやっぱりやらなきゃならない。
 しかし、残念ですけれども、あの最後の時点というのはどうだったでしょうか。総理は最後になって本当にやろうとされたけれども、実際にそれも動くことはなかったという中で、私たちは行動せざるを得なかったのです。そして、出たならこれでみんな落選してしまうかもしれない、そういう中で行動したんだということだけは、ひとつともに歩んできた江藤さんにはぜひ御理解をいただきたいということを心から申し上げたいと存じます。
○江藤委員 それは余りにも党内において横暴が過ぎたから、竹下派の跡目相続に敗れたグループというのは党内におるところがなくなったのですよ、あのときに。たまたま政治改革というもの、いい口実ができた、私はそう思ってきた。
 しかし、あなたに対しては、私は長い間の同志だから、そんな不遜な考え方を持ったとは思わぬし、当初も言ったように、何で彼が一緒に行くんだろうか、なぜと私は思った。だから、かつての自民党が批判されたような体質を持って出ていった人たちもおるわけですから、お互いに新たな決意を持って再びそういう批判を受けないように、今の新生党はおかしいところがたくさんある。だから、あなたは党首だから、そのことは肝に銘じてしっかり頑張ってほしい。
 それから、石田総務庁長官、それから大内委員長もそうですが、もう非自民の時代は終わったのです。あなたたちは自民党よりももっと右の人たちと組んでおるわけだ。そのことだけは忘れないように。これを一々詰めておったら時間が何ぼあっても足らぬから。
 そこで、大蔵大臣、どこかにおったな、あなたにちょっと聞いておきたい。なぜこんなに予算がおくれたんですか。
○藤井国務大臣 経緯はもう既に御承知と思いますが、政治に関連した問題については、私は行政府の一員として言及するのは差し控えさせていただきますが、少なくとも行政府といたしまして、三月四日と、例年に比べて非常に遅い時期に平成六年度予算を提出したことが大きく関係していると考えます。
○江藤委員 財政法第二十七条では、一月中に翌年度の予算案は国会に提出する、こうなっておる。だから、明らかに三月になって提出してきたということは財政法を無視した結果の予算提出であった、こう言われてもしようがないわけでしょう。財政法違反である。違いますか、大蔵大臣。
○藤井国務大臣 財政法には、一月に提出することを通例とする、こうなっております。そういう意味において、また例年に比べておくれて三月に提出したということは率直にお認めいたします。
○江藤委員 去年の暮れに、年末の二十八日の日
に何人かの大蔵省の諸君と会いましたよ。どうしたんじゃい。はい、きょうで店じまいでございますと言う。そんなばかな話があるかと言ったよ。この景気が悪くて参っておるときに、二十八日で、予算編成もしないで店じまいということはどういうこつちゃ、それなら年始早々、三日か四日からやるのかと言ったら、いや、それもございません。何でだ。いや、上から何も指示がありません、こうせいという方向も示されません。細川内閣は何をしておった。そのときの副総理は羽田さんで、あなたが大蔵大臣だ。政治改革、政治改革と言ってうつつを抜かしておったわけよ。
 私は、十月のこの場所でこういうことを申し上げたことを記憶しておる。今景気が悪い、何としても景気対策をやらなければいかぬ。未曾有の冷害、大災害で国民は打ちひしがれておる、災害対策を急がなければいかぬ。もろもろの重要問題が山積しておるから、ここで政治改革問題は一時休戦にして、自民党に提案をなさってはどうですか、自民党はそれを拒否することはできないであろうということを私は申し上げたことがある。
 ところが、とにもかくにも政治改革優先。財界まで巻き込んで、財界四団体の年頭の辞は政治改革だ。びっくりしたな、これには。財界というのは、景気対策をやれ、予算編成を先に急げと言うのが当たり前だと私は思っていたら、財界の年頭の辞は四団体とも全部政治改革を急げだった。どこか歯車が狂ったなと私は思う。
 あのとき、なぜやらなかったんですか。年末年始なぜやらなかった。大蔵大臣に聞きます。
○藤井国務大臣 十二月十七日の御決定だったと思います。政府・連立与党の最高方針により、政治改革等諸般の政治情勢もあるので予算編成は越年するという御決定をいただきました。同時に、今御指摘の景気対策に万全を期するため、三次補正予算案の編成に入るという御決定をいただき、大蔵省としてはそのように対応いたしました。
○江藤委員 第二次補正を審議しておるさなかに、自民党から修正案が出た。どうせ第三次をやらなければいかぬのだからと言ったけれども、それを拒否しましたね。あのときやっておけばよかった、第二次のときに。補正をやっておけばよかった。それをわざわざ第三次補正をやった。それからことしになって暫定予算でしょう。この前はまた暫定の補正だ。朝、閣議決定をして、その日に議案書も見ずにここで一日で上げてくださいとは何事だ。
 私は、国民生活というものに重要な役割を果たす予算に対する政府の責任というものの所在が極めてあいまいもことしておると思わなければならぬ。あなた、何で体を張ってでも大蔵省として予算編成をやろうとしなかった。連休も十日あった。何かのアクションがあるであろうと、私は国対にも随分聞いてみた。政府・連立与党から何か話があるか。ありませんと言う。全くないと言う。なぜだ。政治改革優先で予算を犠牲にしたと言われても仕方がないと思いますが、総理、どうですか。
○羽田内閣総理大臣 先ほど江藤委員の方から政治改革にうつつを抜かしてというお話がありました。確かに景気は大事です。しかし、あのとき宮澤総理も言われたことは、もし改革ができなかったならばこの日本丸は沈没するかもしれない、あるいは官邸で起こった、犬養さんの事件だと思いますけれども、そのことも例に挙げながらお話しになりました。
 私は、景気というのは大事です。しかし景気に対しては、例えば第二次をやり、そして第三次を皆さんこうやって進めてきたということでありまして、景気に対してはこれはやらなければいけない。しかし、この政治の場から発することに対して国民が動く、そういう体制をつくるということは何としてもやっぱり大事であったろうというふうに私は思います。
 ですから、政治改革というものはやっぱりやらなければならなかったことだろう、そして、今また我々は今度は行政改革あるいは経済改革、こういったものもあわせてやっていくことが重要であろうというふうに思っております。
○江藤委員 私が言ったのは、政治改革をないがしろにしろと私は一言も言ってない、大事なことだから。しかし、災害が起こった。冷害が起こった。いまだかつて、戦後初めて二百万トンも米を入れなきゃいかぬ。全部合わせると一兆円じゃきかぬというのです、災害だけでも。災害復旧を急がなきゃいかぬ。
 ことしてもそうですよ。この作付に田んぼの災害復旧が間に合わぬといって大騒動しておる農民がたくさんおる。早く災害復旧を急がなきゃいかぬ、みんなを安心させるために来年度の予算編成をしなきゃならぬというのが、私は政治改革よりか優先だと思いますよ。選択の問題だと思う。だから、与野党で相談をして政治休戦をやって、予算編成が終わったら直ちにやったらよかったと私は思う。決して粗末にすることじゃない。それによって日本丸が沈没することにはならなかったと私は思う。どうですか。
○羽田内閣総理大臣 今日になっての話ですといろいろなあれがあると思いますけれども、しかし、あそこでもし手を緩めたならば改革はなし得ることはなかったろう、ということになったら本当に日本の政治というのはいびつになっていってしまうというふうに私は考えます。そのためには、確かに一時的にきついかもしれないけれども、やはり痛みというのは伴うということがあろうと思っております。しかし、御意見は私もよく拳々服膺したいと思います。
○江藤委員 あなたは政治改革の会長をやって、一生懸命これにわき目も振らず努力をしてこられたから、それはその信念でやられたと思う。だが、全体的に見ると、それが日本のためによかったか。それは補正予算でつないだと言いますよ。補正はしょせん細切れ予算なんですよ。そうでしょう。大蔵大臣はよくわかっておりますね。
 先日、暫定の補正をやった。本予算が七月でしょう、通るのが。それまでは一つも新規事業をやれないのですよ。午前中も学校のプールの話をしておられた。しょせんは事務費か継続事業が原則であって、新規事業はできないのですよ。景気対策で大事なことは、長年一生懸命願望しておった予算がやっととれて、これでおらが村にも、おらが町にもこういうものができるわな、我々庶民にもこういう日が当たってくるわなと思うから、皆元気が出て景気回復になるのですよ。
 ところが、いつまでたったって新規予算は出ないわ、新規事業はやることはできないわ、そんなことで景気対策、景気対策と、言うこととやっておることとは全く違う、こう言われても仕方がないのではないか、私はこう思う。
 そこで、ここでひとつお尋ねをしておきたい。去年の予算委員会のときに、財政審議会の答申に基づいて、細川さんが、これからは生活者優先であると。私はそのときに、私の宮崎県はかつて六人の定員であった。それが政治改革でたった三人になる。その上に、今度は生活者優先で地方の道路やら、あるいはまた土地改良やら、漁港やら、港やら、空港やら、そういうものはほどほどでいいではないかとこう言い出して、びっくり仰天してここで質問した。大蔵大臣はそういうことはしません、こう言ったのです。しなかったですか。
○藤井国務大臣 過般の予算委員会においてお答えいたしましたことは、私は公共投資、公共事業はいずれも大事である。しかし、進みぐあいから見てどうも生活環境の部分がよりおくれているように考えているので、そういうところに重点を持っていきたいが、同時に、いわゆる産業基盤のようなものでも、重点的なものはこれは取り上げていくように努力をいたしたい、こう申し上げたつもりでございまして、もしそれが都市、地方という問題の投資の配分が問題であるということであれば、私どもは例えて言えば、この間も申し上げましたように、農業集落の排水とか漁業集落の排水とか、そういうものについては重点的な伸びを確保しているつもりでございます。
○江藤委員 あなたもかつては全国の漁業団体から応援を受けて参議院に当選したことがある。な
るほど、漁業集落整備ということは生活環境に大事ですよ。しかし、漁港というのは漁民にとっては城なんですよ。港がなかったら出られないのです。運輸省で、大分県境の小さな集落の浜に港をつくった。そうしたら、今までえんやこっこでこいで歩くような舟しかなかったところがどんどん大型船化して、今は立派な漁村になりましたよ。漁村を興すも興さぬも、それは港なんですよ。それは集落排水は必要ないとは言わないよ、両方やればいいことであってね。だけれども、集落排水をやったから漁港はやらぬでよかったということにはならぬのです。
 私は我慢ならぬのは、あの予算編成のさなかに、大蔵省がNHKと組んで漁港の予算なんか要らぬようなあのテレビ番組を流したということですよ。そういう作為的なものがあったと私は思わないけれども、何という心ない報道をするんだろうかと。それに大蔵省がのこのこと出てきてばかみたいなこと言って、何事だと思った。
 漁民なんというのは人が寝ておるとき働くんじゃ。人が働いておるとき寝ているんですよ。昼と夜が逆さまになっているの。行ってみなければ魚がいるかいないかわからないのですよ、とれるかとれぬか。行ってみたら油代にもならなかったといって帰ってくる。そのときの拠点が漁港ですよ。そういう認識が足らぬのじゃないか。農林水産大臣、肝に銘じて聞いておいてくださいよ。
 港湾、これもほっておかれたわけだ。しかし、なぜそういうことをしますか。日米間の約束があるでしょう。外貿埠頭を整備しなければいかぬ。これからいよいよ流通をよくするためにテクノスーパーライナーを走らせる、時速百キロでこれからカーフェリーを走らせようという、そんな港は一つもできていませんよ。これからだ。
 ある人が、本当かうそかわからぬが、こう話したことがある。横浜から東京までタンクローリーでガソリンを運ぶ、サウジアラビアから二十五万トンタンカーで東京に持ってくる、同じ運賃ですと言った人がいる。港というのはそういう役割を果たすのですよ。だから、日本が貿易立国であり、輸入大国であり、輸出をもって生きていく国であるならば、どこの国にも負けないような港をつくっておかなければ悔いを千載に残すということは当たり前のことじゃありませんか。何でそれを粗末にしたの。
○藤井国務大臣 冒頭申し上げましたように、私は公共投資がどれが大事でないというのは全然ないということをまず申し上げたつもりでございますし、今御指摘のように、私は本当に全国区の時代に漁民の方に大変お世話になり、宮崎県でも大変御厄介になりました。したがいまして、よくそのことは承知をいたしております。
 したがって、この結果として、さっきも申し上げましたように、よりおくれている部分に限られた金を持っていったことは事実でございますが、漁港とか港湾につきましても決して前年度に比べて減らしてはおりませんで、その範囲の中で重点的に投資をしていって今のお話におこたえをしたい、こういう気持ちでございます。
○江藤委員 そんなこと言うと一言言いたいんだ。あなたは公共事業の伸び率何ぼだ、私はそんなけちなことを言おうとは思わない。漁港はたった〇・五、港湾は〇・七じゃないか。だから財政審が答申したことをそのままやったんだ、結果的には。言葉を何とうまくしようとも、そういうことは素人には通用するが、おれの前には通用せぬ。だめだよ。だから、以後そういうことがないように心してほしい。
 そのときに、私は建設大臣に話したことがあるのよ。高速道路計画というのをつくった。当初七千六百キロのものを、私が昭和六十一年建設大臣のときにあと追加して、第二次の追加をやって一万一千キロにした。ところが、だんだん進んできてちょうど去年の段階でいよいよ着工を待っておる、施行命令を待っておるのが千二百キロあった。それから次の整備計画、基本計画、なかんずく整備計画待ちが千七百キロあった。早うやりなさいと言った。建設大臣はすぐやります、大蔵大臣としてすぐやりますと言った。あなたもやりますと言った。(藤井国務大臣「やりました」と呼ぶ一やらないよ。半分やったんだよ。千二百キロの施行命令については、十一月、千百八十四キロやったんです。これはよかったと思う。ところが、千七百キロの整備計画、国幹審待ちはやらなかったんだよ、いまだに、あなた。それを何と思いますか。約束違反と思わぬかな。どっちが答えるか。
○藤井国務大臣 あのときお答えしたのは、私と当時の五十嵐建設大臣でございますので、私からまずお答えするのが筋だと思います。
 千二百キロについて江藤委員から御指摘があり、措置をいたしますとお答えしたつもりでございます。その後については、実はこの正式の場では御議論はございませんでしたが、今お話しのような点はよく承知をいたしております。建設省とも相談いたします。
○江藤委員 私は、あのとき言ったんだ、あなた、言うだけでやらぬだったらだめよと。言うだけでやらぬやつをうどん屋のかまというんだぞと、あなたにあのときそう言ったんだ。建設大臣、意見がありますか。
○森本国務大臣 昨年十一月に、千百八十四キロの施行命令を出しました。その一日も早い進捗を、私たちも計画を進めさしていただきたいと思っております。
 同時に、今委員から御指摘がございました千七百キロにつきましては、今後もよく検討をさしていただいて、中長期的な展望からも見さしていただきたいと、今そのように考えておるところでございます。
○江藤委員 国幹審というこの高速道路の審議会は、三年に一回必ずこれを開会するというのが不文律になっているんですよ。ちょうどことしの十二月が丸三年になるわけ。細川内閣ができて、妙なことを言ったりするものだからだんだん延びてきたが、これからいろいろ手続をすると十二月には間に合わないんです、これは。だけれども、千七百キロ全部をやるといったって、いろいろ高速道路料金の問題やらその他があってそう簡単にいかぬでしょう。そのこともよくわかる。
 だけれども、少なくとも一歩譲って、平成六年度中には審議会を開いて、やるべきことはやらぬと、それは建設省は約束を破ったということになる。そのことはいいですな。よけりゃそこで手を挙げりゃいいです。悪けりゃ出てきて答えてください。だから、簡単に言えばいいんです。平成六年度中に国幹審を開いて、整備計画待ちのものを処理をいたしますと、ここで答えりゃいいんです。
○森本国務大臣 建設大臣の大先輩の御意見でございますし、私どもも中長期的展望、先ほどと同じ答えになりますが、加味しながら考えて、検討してまいりたいと、このように考えております。
○江藤委員 中長期的展望といったって、あなた、もう半年先の話をそんなこと言っとつちゃだめよ。やらなきゃならぬことですから、やりますと言えばいいんですよ。後は事務当局に優秀な事務次官、技監、道路局長がおるんだから、国会で約束してきた、やれと。それが政治の指導者の指導ですよ。役人のことを聞かな一向にできぬというのはだめなわけです。国会でも江藤さんから言われて約束してきたと、いろいろ大変だろうけれども、今年度じゆうに国幹審を開いて、あとの問題を処理せいと。そのときは大蔵大臣は反対せぬでしょう。反対するなら出てきて反対と言ってください。反対しなければそこへ座つとってよろしい。
○藤井国務大臣 建設大臣とよく相談さしていただきます。
○江藤委員 この前もそう言って、半分しかやらぬかったんじゃ。だから、ここでそれだけのことを言ったんだから、忘れてはいかぬですよ。国幹審は三年以内に開くとなっているんですよ。そうだから、その期限が十二月です。だから、いろいろ政変その他でやむを得ぬけれども、平成六年度中にはやりなさいと、こう言っているんです。い
いですな。
 それで、極めて……(発言する者あり)いや、また中長期的と言ったって意味がないんだ。そうやるんでしょう。やれば手を挙げてください、歩いてくることはないわ。やらぬというなら、出てきてまた何とか言ってください。
○森本国務大臣 展望を考えながら、早急に検討さしていただきたいと思います。
○江藤委員 建設省、だれが来ているんだ。――それは失礼、質問を通告してなかったからね。よく相談してください。
 それで、私は素朴なお尋ねをしてみたいんです。江藤さん、一回国会で聞いてみてくれと言うんだ。一向に景気はよくならぬというんです。私らは昔から、公定歩合を引き下げたならば、金利が下がって、金融は緩んで、そして資本投資は多くなって景気は回復すると、こう考えていたのだ。それが公定歩合の引き下げだと、こう思っておった。
 ところが、どこへ行ったって景気は、もう皆悲鳴を上げている。借金したらいいじゃないか。銀行が絶対貸さぬというんです。絶対貸さぬ。前よりかきついというんです。緩むどころか、金融引き締めである。金利は安くなったろう。いや、特別の大企業はそれは安くなったでしょうけれども、わしらはまだ五%、六%だというんです。今公定歩合は一・七五、史上最低の金利に公定歩合をしたけれども、これは役に立たぬじゃった。
 そのかわり、この前、私はおもちゃ財団というのに行った。おもちゃの業者の皆さんが金を積んで、そしてこのおもちゃ財団というのをつくって、十億円の金利でもって事業をやっていた。一番いいときは九千万の利子があったというわけよ。今は二千万になりましたから、事業はお手上げです。もう人件費を払うのがやっとこさですと。
 そうすると、公定歩合の引き下げというのは一体何だったのか。中小企業に対しては金融は緩まないし、金利も下がらない。年金生活者の皆さんは、頼まれもしないのに、わずかな年金に預金金利を入れてささやかなつつましい生活をしておったのが、根っこから収入がなくなってしまう。今さら、年とって、どこか働きに行くといったって、そんなこともできやせぬ。これが政治ですかと、こう言われる。
 だから、永田町の理論からいうと、公定歩合の引き下げというのは、これは景気対策であると我々は今まで考えてきたが、庶民の中から見ると、我々は被害者であって、即刻金利が下がるわけだから、何の利益もなかった。大きな目で、日本の経済が豊かになっていって、それによって恩恵があるというならいいが、それもめどが立たぬ。これはどういうふうに説明したらいいんですか。
○藤井国務大臣 金融政策は日銀でございますけれども、私に御質問でございますのでお答えいたします。
 この間、前国会のころから申していたのでございますが、こういう景気対策というものは、一方にプラスになると同時に、必ず裏があるということはずっと申し上げました。低金利政策というものは、借り手にはいいけれども、預け手にはマイナスであると、これはもう否定しないところでございます。ただ、お年寄りの方というか年金受給者の方には、福祉定期預金というのをずっと残しておりまして、現在の水準では相当高い水準の定期預金をそのまま認めております。
 また、今江藤委員から、逆に先手を打たれて、おっしゃつちゃったんですが、全体として景気が回復すれば、こういう方々にとっても必ずプラスになると思います。
 また、今度は借り手の方でございますが、公定歩合が六%、平成三年から現在四・二五落ちた形になります。これに対して、短期も長期の金利もおおむね全体の水準はそこまで落ちておりますが、中にはその恩恵のない方があるのじゃないかという御指摘だと思います。
 この中にはいろいろな要因があると思います。実際に借り手が少ないということも一つありましょう。また、御指摘のように、いわゆる資産インフレ時代に節度なき融資態度をとったことに対する銀行の反省が一つあると思います。もう一つは、やはり不良資産を抱えていて、はっきり言えば、活発に動けないという面もあると思います。
 不良資産対策は、現在誠意を持って民間の金融機関が自助努力によってやっておりますが、そろそろ山を越しつつある状況にあるように思います。また、その民間金融機関の補完的といいますが、実際は相当大きな力を持っておりますが、国民公庫を初めとする中小三機関が年率一〇%ぐらいの伸びで貸し出しをやっておりますので、どうかそういうものなどを御活用いただければありがたいと思います。O江藤委員 中小企業は金を借りに行くわけよ。そうすると担保はあるかと言う、保証人はあるかと言う。なかなかないのよ。ありませんと言って、何がありますかと言うから、しようがないから借りる気持ちだけありますというような、そういうのには貸さぬのよ。保証人もいなければ担保もない者には貸さぬ。何がある。いえ、借りる気があります、裸で来ましたよというのはだめだという。
 そこで、あなたははしなくも政府機関と言われたが、だから政府機関に行くんだ。この枠を広げてきたことはいい。ところが、政府機関、例えば中小企業金融公庫だったら必ず保証協会の保証が要るのよ。みんなそういうのが行くから各県の保証協会が今度はお手上げになってパンクしてしまうのよ。だから、結局はだめだということになる。
 だから、私もそうだが、その素人の皆さんが思うことは、結局公定歩合の引き下げということは、銀行が安い金利の金を日銀から借りてくる、一・七五で。そして、翌日から即日、今度は預金者の利子を今言ったように二%なら二%にやってしまう。もう情け容赦もなしにですね。そうすると、上と下でもうかる。貸し出しは緩めない。金利もそうそう下げない。特別の分には下げますよ。しかし、借りたい気持ちだけしか持たぬようなのには貸しもせぬし、それに毛の生えたようなものには金利は高いわけよ。
 そうすると、結局今回の景気対策という名目のもとにやった公定歩合の引き下げというのは、銀行救済ではなかったのか。不良貸し付けをやって、名前は言わぬけれども、半年以上金利を一銭も納めぬやつを二兆円近く持ったところがあるんですよ。ちびっとずつ金利を納めておるのを入れたら、一つの銀行で何兆円という焦げつきがあるはずですよ。だから、庶民の犠牲において銀行の不始末のしりぬぐいをするということであるならば、これは今後、公定歩合のいわゆる操作については十分に考えなければいかぬ、私はそう思う。
 大内厚生大臣、そんなことを思ったことありませんか。あなたの所管で、年金とそれから退職金、その金利でもって合わせてつつましやかに生活をしている人たちはたくさんおるんですよ。だから私は、今優遇税制がある、年寄りには特別の優遇制度があるというけれども、そんなのはちびっとなんだ、あなた。四・一五だけど、あなた、頭を抑えられているからちびっとですよ。三百万に対してあなた、四・五%の金利といったら一年間何ぼですか。だれか頭のいい人、四・五%の金利といったら、三百万は何ぼか。十三万五千円だ。一カ月間たった一万円じゃないか。そんなものが生活の足しになるはずはない。それはやらぬよりかましよ。郵政大臣も考えておいてください、郵便貯金もあるんだから。
 それで私は、厚生大臣、こういうときには、そのような三百万の、それは優遇も必要だけれども、例えば年金の受給者だとか七十歳以上の年寄りだとか体の不自由な人だとか未亡人の持っておるささやかな預金の金利なんというのは、そんな冷酷な処置はしない方がいい、私はそう思うのですが、感想ありませんか。
○大内国務大臣 私も実は江藤先生と同じような
論を張ったことがしばしばございまして、改めてお伺いをいたしまして、同感の意を感じました。
○江藤委員 それから、これはぜひ大蔵省、関係閣僚の中で、今後あることですから十分検討してほしい。永田町の理論ではなくて、庶民の理念としてぜひ検討してほしい。
 私は、総理にちょっと聞きたい。この前、靖国神社の春季大祭に行った。私は、もう春も秋もいつも行きますからね。通ったらお参りするんだから。そしたら、内閣総理大臣羽田孜のあれが上がっていると思ったのよ、あの正殿の左側に。なかった。それは土井議長は上げぬでも、それはしようがない、あの人は。それは考えが違う人だからね。だけれども、靖国神社に参拝する国会議員の会長として今まで我々を引き連れて靖国神社に参拝した総理大臣が、なぜささやかなあのシキミのお供え一つできなかったのかと、私は大変寂しかった。なぜですか。
○羽田内閣総理大臣 私もあそこを通りますといつもお参りしますし、総理大臣になる前にお参りしてまいりましたけれども、これは別に何もサボつたとかなんとかということよりは、要するに今の我々がお参りするということ、これは残念なんですけれども、いろんなところに影響を及ぼしてしまっておるというのが現状であります。
 これはある国の首脳は、ともかくあそこで戦争の指導者の方が祭られてなかったら私も実はあそこへ行ってお参りしたい。要するに、国民の中でまさに赤紙一つで行かれた方、それでそこに亡くなった方々が祭られておる、そういうところには私もお参りしたい、しかし残念だけれども、我が国でもまだ傷ついている人たちがあるというのが、実は各国のいろんな声であります。そういう中で、内閣総理大臣としては遠慮させていただいたということであります。
○江藤委員 私どもは、あなたもそうでしょうが、アメリカに行ったときはアーリントン国立墓地にお参りをする。あの中には日本と戦った指導者もいるわけよ。そうでしょう。そして、中国に行けばあの人民広場のところの人民英雄記念碑というんですか、あそこに花を持ってお参りをする。韓国に行ってもそうだ。
 山口さん、あなたに見せようと思って持ってきた。これは、一回我々が国対委員長でソ連に行ったとき、モスクワの無名戦士の墓に参ったときですよ。おれは行かぬと言ったんだ、そんなところには。そしたら、そう言いなさんな、亡くなった人に罪はない、皆純粋に国家のことを思い、そしてはるかふるさとを思いながら、皆お母さんと叫びながら亡くなっていった若者がたくさんあるんですよ、亡くなった人に罪はないと言われて、そうだなと言って、そのときに、これは花を持ってみんなでお参りした。
 私は、亡くなった人に罪はないと思いますよ。だから、ベルリンのど真ん中の公園にソ連は二万人のソビエト兵士の墓をつくっているじゃありませんか。あの入り口に有名な嘆きの母の像というのがある。はるか国を離れてドイツの荒野で戦って、ふるさとを思いながら、そして国のために死んでいった我が子のことを思って母親が嘆き悲しんでおる姿を両側に、あの祈念像というんですか、嘆きの母の像と、そのはるか向こうに子供を抱えたソ連の兵士が立っておるのが、これが有名なベルリンの二万人のソ連兵の墓です。しかも敵国の中ですからね、自分の領土じゃありませんよ。
 私は、ちょうど一緒に学んだ諸君を約十人戦争で失った。今生きておったらどんな幸せな人生が開けたのか、どのようなすばらしい人材になったかなというような、そういう我々の仲間やら先輩、後輩がたくさん死んでいった。だから、機会があればお参りをするんです。
 何もあそこへ行って、よし、もう一回アメリカと戦争してかたき討ちをしてやろうなどと考えて靖国神社に行くんじゃありませんよ。みんな、君たちのお母さんも兄弟も、あるいはおやじさんもお婿さんも、歯を食いしばって生きてきた。どうぞ安らかにおさまって、そして国の将来を守ってくれよ。この国に再びこのような悲劇がないように、静かに日本の将来を見守ってほしいと祈って行くんですよ。
 あなた、あそこに青年部の碑が建っておるのを知っておりますか。「強く優しく厳しかった母、おかげで私がある。私たちの悲しみが再び繰り返されることがないように 日本遺族会青年部」とある。私はせがれを連れていって見せたのです。よく見ておけよ。おまえは幸せだぞ。この世に生をうけながら、父親の顔も知らずに育った多くの若者のあることを決して忘れてはいかぬ。それが戦争というものだ。理由のいかんを問わず、戦争というのはそういうものである。それで私は連れていった。
 だから私は、羽田総理になられて、いろいろあるだろうけれども、シキミの花一つ上げぬ、そしてお参りもなさらぬ。政治家というのは、そういうふうに時と場合によって姿勢が変わっていくのかな、こう思うと私は残念であるから、あなたに聞いたんです。感想がありますか。
○羽田内閣総理大臣 あちらに祭られている方についての思いはもう江藤委員と全く同じ思いで、私はあそこにお参りするから再び軍国主義をどうのこうのなんという思いはございません。ですから、今までもそう思い、そして皆さんと一緒にお参りに行きながら、記者会見等でもそのことを申し上げてまいったところであります。
 先はどのように、無名戦士の墓ということでございますと、これはよその国の方なんかも行ってもよろしいんだということでありますけれども、それらの国に今なお相当大きく傷つかれた人たちがたくさんあるという現状の中で、その指導者が祭られているところだけはひとつ何とか勘弁してほしい、まだ我々の国の中も安定しておらない、これが実は、中曽根総理が行かれたときにいろいろな国の皆さん方とお話をしたその結果であったというふうに私は元総理からお話を伺っておるところでありまして、私ども、今現在まだそういう状況にあるという中で、総理大臣としてはひとつ遠慮させていただいたということであります。
○江藤委員 それから、これはちょっと農業問題、時の外務大臣としてウルグアイ・ラウンド交渉は成功だったと思いますか。どうですか。
○羽田内閣総理大臣 まあ全体的には私は成功であったというふうに評価はいたしております。米等の問題についてきついものはございましたけれども、しかし、全体には成功であったというふうに思います。
○江藤委員 ウルグアイ・ラウンド交渉というのは膨大な十五の分野にわたるものであって、農業問題はそのうちの十五分の一にしかすぎない。米はそのうちの一つだ。だから、私はアメリカとECが簡単に手を結ぶはずがないと思っておったから、ここでもそう言った、ECとアメリカの交渉の決着を見てから日本は決断すべきであって、先走ってはいかぬと言ったけれども、日本はとつととっとと先に交渉を終わらせてしまった。なぜですかね。その結果よかったと思いますか。
 私は、だから農業分野においてのウルグアイ・ラウンド交渉は大失敗だったと思う。そうでしょう。責任者である外務大臣も農林大臣も、あなた、だれも行かぬのだから。やったのは外務省の役人と農林省の役人だけですよ。牛肉・オレンジの交渉のときには、我々が先頭に立ってアメリカに押しかけていったのです。あなたもそのとき一緒に行った。だから、それこそ農林省の幹部が皆総がかりでやるし、それから農業団体も総がかりでアメリカへ行って十年間頑張ったんだ。
 今度は政治の援助というのはゼロだった。私はある者に聞いたのです、総理から何とか声がかかったか。全くありませんというんだ。国会では、一生懸命やります、国会決議を守って一生懸命やる。何ということはない、しっかりやれ、御苦労さんというねぎらいの言葉一つながった。それで政治改革、政治改革といってそういうことも犠牲にしたわけよ。一羽田内閣総理大臣「そうじゃないよ」と呼ぶ一そうじゃないことはないよ、結果がそうだから。政治は結果なんですよ。途中
うまいこと言ってみたって、結果がだめだったら、それは政治は失敗と言わなきゃならぬ。
 だから、米の問題もそのとおり。そのときに、あなた、二十品目のIQ物資も全部自由化したわけだ。千五百品目の農林物資、畜産物資、水産物資、林業物資、全部三八%一括にやった。関税を下げてしまったわけでしょう。どうしてこれが成功ですか。しかも、何の条件もつけることもなく、何のただし書きをつけることもなく、丸のみしてしまった。私は、それに対して何もやめろとかなんとか言いやしませんよ。
 私は聞いてみたのです、日本が四%から八%で、韓国は何で一%だ、日本の四分の一だと。いや、違います、韓国の大統領は英語が達者ですから、だから韓国の大統領府からワシントンのホワイトハウスへ直接電話してがんがんその交渉をやって日本の四分の一にしたのです。これは交渉に参加した者が言うんだから。一羽田内閣総理大臣「途上国扱いだから」と呼ぶ一途上国扱いというのは、あなた、それは理屈ですよ。今韓国は途上国ではありませんよ。
 だから、各国の代表というのはなりふり構わずに頑張ったんだよ、政治家が。日本はやらなかったということを私は言っているんだ。約束をしながら一%でも自由化したから、だから韓国の首相が責任をとってやめたわけでしょう。だから、細川内閣になって政治の責任の所在というものがなくなったと私は嘆くわけだ。そのときのあなたは副総理であり、外務大臣だ。
○羽田内閣総理大臣 これは自民党内閣時代からの、継承しながらやってきたことであって、ちょうど江藤委員はあのとき休まれておったということでありますけれども、私どもこの間にもう何回もあれして、韓国はそのときはまだ動いておりません。私どもは、残念ですけれども、先ほどお話のあったように、今度のガットの中で十五項目についてあるというものが、日本の場合には、これはもう全部報道されるものも議論されるものも、本当に一年半ぐらい前までは米以外のことは全然議論されないんですよね。そういう中で我々は必死になって、ターゲットにされながらやってきたという中で、ぎりぎりのものを私どもはかち取ったんだというふうに考えておるわけであります。
 そして、これは決して何も官僚任せにしたものじゃなくて、私どもはもう常々こうやって相談にあずかりながら、またあるときにはこうしなけりゃいけないということを言いながら進めてきたものであろうというふうに思っておりまして、細川政権ができた、たったあの数カ月間の中の問題じゃない、その以前からのものであったということを私はもう率直に申し上げさせていただきます。
○江藤委員 よく連立与党の中では、地方に帰ると、いや、あれは前内閣の宮澤内閣の時代から決めておったことであって、今度の連立内閣でその後始末をしただけだと言う人たちがおるのですよ。宮澤内閣のときに、あなたも大蔵大臣をやったことがあるんだが、米の自由化ということを決めていた、そういうことはなかったはずだと私は思う。
○羽田内閣総理大臣 いや、自由化というのは決めておりませんけれども、どういう可能性があるかということで盛んに模索されたことは実際にあったわけであります。これはもういろいろなところにやっているのがあるのでしょうね。しかしなかなか、とてもじゃないけれども、実はもうミニマムアクセスなんというものは全然相手にもされなかったということなんです、先方の方から。それぞれの国から、また、機関から全然相手にもされなかったというのが現状でありました。
○江藤委員 私が言いたいのは、自民党政権時代にもう方針は決まっておったんだ、そういう言い方はやめなさいというのだ。細川無責任首相ができてからああいうふうになったのよ。これはそういうことで、その当時から決まっておったということを通すというなら、これは大問題になってくるのですよ。
 そこで、もう一つ私は申し上げたい。
 日本が合意したのは昨年の十二月七日ですよ。最終は十二月十五日だった。そのときに、日本のそれこそ財界もあるいはマスコミもみんな言っておったことは何だといったら、ダンケル・ペーパーを丸のみせい、これだけありがたいものが出てきたから丸のみせい、こう言っていた。マスコミの論調もほぼそういうふうに統一をされておった。だから私が、ちょうど牛肉・オレンジのときと同じだ、後ろから鉄砲で撃たれる、こう言ったのはそのことですよ。
 ところが、日本は十二月の七日に妥結して、それこそあなた、肝心の本文も見ないうちにこの受け入れを閣議決定したわけでしょう。ばかなことをするなと私は思っていたよ、本文も見ないで。それなら、アメリカとECはどうしたんだというのだ。一九八六年から九〇年までの基準年次をこっちへずらしたわけよ、九一年、九二年にずらしたわけ。だから六年間で、今はEUといいますが、ECは約八百万トン、アメリカは七百五十万トンの補助金つき輸出枠を確保することに成功したわけでしょう。牛肉もそのようにしたから、三十六万トン余計補助金をつけていい、そういう結論を得た。
 もし、日本がそのことに気がついて、おかしいではないか、こう言って再交渉に臨んだならば、私は別な結果が出たと思う。日本がダンケル・ぺ−パーというものをサザーランド交渉でまたひっくり返して、フランスが言うことを聞かぬといって、また直前に修正をして、そして自分たちはちゃんとそれだけのものを確保している。だから、日本の米を犠牲にしてはならぬと言っておったのはそのことであるし、ECの決着を見てから日本は決断すべきであると言っておったこともそのことですよ。
 農林大臣、私の言ったこと、違いますか。
○加藤国務大臣 一番最初に、昨年八月ないし九月以降、国会からジュネーブあるいはそれぞれの国に多くの国会議員の党派を超えての先生方が熱心に行って、いろいろな当局と折衝してもらっておるということは、もう江藤先生も御存じのとおりでございまして、そこら辺のことはあると思います。
 また、アメリカとEU、今の場合はEUでありますが、アメリカとEUの交渉がどうなるかということは、私も江藤委員と同じで、なかなか一致はないだろうという感じは率直に言って持っておりましたが、昨年ある時期においてそれが合意を得たということは聞きました。しかし、今回のマラケシュにおける結果を見ますと、最終的に二〇〇〇年になるときにはすべて、アメリカもEUも、世界の国々すべてが全く同じ線になる、こういうように私は理解しております。
○江藤委員 二〇〇〇年になるときはいいのですよ。それまでに、なだらかに下がってくるものが、権利を余計とったのだからこうなったのですよ。だから、この分はもうかったんですよ。それが一いや、それは東君、いいよ。大先生に弟子が教えちゃいかぬよ。君らがおれに教える立場じゃない。
 だから、六年間でそれだけもうかったということなんですよ。基準年次で入れるときと、それから基準年次をずらしたことによって得した分はどれほどあるかというと、こんなにあるのですよ、表にすると。そのことを私は言っておるわけ。
 だから、このウルグアイ・ラウンドの交渉というのは、私は、かわいそうに捨て子みたいに、農林省の役人と外務省の役人が一生懸命、それこそ聞いてびっくりするような旅費をもらって、腹をすかしながらやっておったということを知って、私は大変その点は気の毒であったし、御苦労だったと思うのです。だから、今日大事なことは、予算編成でも、もろもろの政策立案でも、だんだん官僚主導の色彩が濃くなってきた。政治主導というのはどこにも見えなくなってきた。そのことはひとつしっかりやってもらわなければいかぬ。
 ですから、そこで加藤農林大臣、二、三日前のあなたの答弁を聞いておって、誤解を将来に残すといかぬから、ミニマムアクセスの約四%から
八%、約四十万トン未満から八十万トンのこのいわゆる約束の量というのは、日本が豊作で米が余っておろうが足りなかろうが、これは義務的に買わなければならない数量である、これが一つ。違うというなら違うと言ってください。機会を与えるといって畑農林大臣がさきの国会で言って、それは違いやしませんか、言葉が足らぬねということで、機会を与えるというのではなくて、義務的に買わなければならぬ数量だというふうに訂正された。それはちょっとあやふやなところがあったから、そのことが一つ。
 それでもう一つ。もう一つは、これから先減反はやりません、こうあなたは言われた。減反をやらずにいったら、最後にあなた、完全自由化をせにやならぬのじゃありませんか。だから、ことしと来年は、両年かかって約百五十万トンの備蓄はやるが、三年目から減反をしなければつじつまが合わぬことになってくるはずですよ。
 だから、これから、期間中に減反はやりませんというふうに間違ってとられた面があるから、そうではありません、実はしかじかかくかくのとおりでありますというものをちょっと訂正をしておいてください。
○加藤国務大臣 先般の保利委員との質疑応答の中で、政府としての見解を書面で出させていただきますということになっております。きょう、これがお配りしてあると思いますが、「ウルグァイ・ラウンド農業協定におけるコメのミニマム・アクセス機会の法的性格に関する政府統一見解」というものをお配りしておりまして、まず、
  一、コメについて、ウルグァイ・ラウンド農業協定に基づきミニマム・アクセス機会を設定する場合、我が国が負う法的義務の内容は、コメの国内消費量の一定割合の数量について輸入機会を提供することである。これが一。
 「二、但し、」「但し、」以下が問題のところですが、
 二、但し、コメは国家貿易品目として国が輸入を行う立場にあることから、ミニマム・アクセス機会を設定すれば、通常の場合には、当該数量の輸入を行うべきものと考えている。
 三、しかし、我が国が輸入しようとしても、輸出国が凶作で輸出余力が無い等客観的に輸入が困難な状況もありえないわけではなく、かかる例外的なケースにおいて、現実に輸入される数量がミニマム・アクセス機会として設定される数量に満たなかったとしても、法的義務違反が生ずるものではないと理解している。
これが一つの、先般の保利委員との質疑応答を通じてまとめた統一見解でございます。
 それから、減反を強化せざるを得ないのではないかというお話、これは先般の閣議了解で、今回のミニマムアクセスの導入に伴っては、転作の取り扱いについて、転作の強化は行わない、そういう旨で、しかも検討し、その具体化を図る、こういうふうに決定をしておるわけです。そこはぜひよろしく理解していただきたいと思うのです。
 ただそういう場合に、今江藤先生もおっしゃいましたように、来年、再来年はともかく、毎年毎年、そのとき、豊作のときでもあるいは不作のときでも、いろいろな問題がある。そういうときに、ミニマムアクセスを受け入れた法的義務がありますから外国産米が入ってきますね。それですから、備蓄というものと、それから用途に応じてのいろいろ利用ということ、そこら辺を全体的に考えてこれから米管理システムというものを考えていかなくちゃならない。それで各界各方面、農政審議会を中心として幅広く御意見を承っておるところでございますが、要は、このミニマムアクセスを受け入れたことで転作を強化してはならないという一つの信念でこれはすべてやっていこう、こう思っておるところでございます。
○江藤委員 統一見解、東君、君のところでつくったのか、これは。これは羽田農林大臣のときよりか後退したじゃないか。ミニマムアクセスは義務であって、買う機会を提供するというものじゃないでしょう。きょうはもう時間がないからいいが、これはもう一回つくり直してください。
○東(久)政府委員 お答えさせていただきます。
 これは先ほど大臣から読み上げさせていただきました見解でございますが、一のところは一つのルールとしてのもの、それで、二のところにございますように、日本の場合は国家貿易品目でございますから、この最後のところに「べきもの」と書いてございます。これは義務的でございますということでございます。
○江藤委員 やはりこの人は頭がいいんだよ。だから、義務なんですよ、買うというのは。「機会を提供する」という一だけ見ちゃいかぬのだ。国家貿易品目になったんだから買うべき義務がある。
 それから農林大臣、転作の強化はせぬと言うが、これであなた、一年間に仮に六十五万トン、今度は転作がことしから緩むんだから。二年間で、六十五万トン、六十五万トン、百三十万トン在庫を積むんでしょう。六年間やってみなさいよ、何ぼになりますか。約三百九十万トンぐらいになるんじゃないかな。その上にずっとあなた、約四十万とか八十万トン近く、足りても足りぬでも入れにゃいかぬのだからね。そうすると、これは輸入が三百六十万トンぐらいになるんじゃないか。平年作のときに三百五十万トンぐらいふえていって、そして今度は輸入米が三百六十万トンふえるというと、あなたそれは何ぼになりますか。八百万トン近くなるんじゃないかな。七百何ぼか。だれか計算のできる人。三百六十、三百九十、だから七百五十だな。
 七百五十万トンということは、かつて米が過剰になって二兆円も払って鳥やら豚のえさにしたことですよ。ひどい目に遭った。だからあなたの言うように、真っ正直にウルグアイ・ラウンド交渉によってこうなったんだから、転作はやりませんよなんの言いよったら、六年先には八百万トン近く。そのうち豊作でもできたら一千万トン近くのものが余るということですよ。処分しようと思ったら三兆円かかる。だから、きょうはこのことに対する答えは要りせんから、転作はやりませんとか減反はやりまんとか、やれないことを言ってはいかぬ。当然輸入が今までよりか余計入ってくる。豊作もある、普通作もある。そうしたら当然米が余ってくるんだから、常識的に言ったら来年、再来年から減反しなかったらつじつま合わぬようになってくるんですよ。
 そこで、そうなると、それなら減反をしたとき一体どうするんじゃ。草生やしておくのか、それとも牧草をつくるのか、野菜やるのか、花つくるのか、こういうことになってくる。
 私は近ごろよくスーパーに行ってずっと見るんですよ。情けないことが一つある。一つどころか二つも三つもある。卵一個一円というのが出てきた。卵一個一円、目玉商品で。牛乳が目玉商品で売られるようになってから酪農はやはり私はつまずいたと思う。今スーパーあたりで一リッター百九十八円でしょう。六甲の水を見てみなさい、二百五十円ぐらいじゃないか、あれ。えさ食わして背中なでて一生懸命搾ったものよりか、山からただでとってきた水の方が高いというような異常な国になったんだから、ああ情けないと思って涙も出ない思いがする、これが一つ。
 それからもう一つは、今度はあの野菜の並んでおるところへ行ってみると、それはもうとにかく外国からの野菜の多いことよ。果物もそうだが、魚もそうだが、野菜が多い。野菜は、カボチャとかあるいはバレイショだとかタマネギとか、そういう輸送のきくものでなきゃ入ってこない、軟弱野菜は入ってこないと思っていたのよ。それが近ごろは、菜っぱだろうがキャベツだろうがネギだろうがゴボウだろうが、何でもかんでも入ってくるようになった。
 そうすると、減反をやってこれから野菜をつくるといったら、ことしみたいにキャベツが五分の一になったりするんですよ。これが恒常的になってくる。そうすると、米はつくれぬわ、野菜をつくったらまたただみたいになるわ、これは行くと
ころがない。だから畜産やろうか。卵が一円じゃ、あなた、何ぼ何でもやれないわ。牛肉は減ってくる。何と牛肉の自給率はことしは恐らく四五%前後になると私は思いますよ。
 農産物、畜産物、水産物、木材、輸入高が六百三十億ドルを超えたというのでしょう、去年は。アメリカがあれほど文句を言う対日赤字が五百八十六億ドルというのだから、アメリカの赤字よりか日本が買う農畜産・林産物の方が多いということですよ。言葉をかえて言えば、日本の農山漁村からそれだけの金がなくなったということですよ。懐に入るべきものが外国に行ってしまったということだ。だから農村は疲弊し漁村は疲弊していったわけ、地方都市は売り上げが減ってきたわけですよ。だから、これから先農業を一体どうするんだというわけだ。これは大問題になってくる。
   〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
 私は、ウルグアイ・ラウンドでこれだけの失点を重ねたんだから、命をかけて日本の農村を守っていくという気概がなかったら、これは羽田内閣とは言えぬ。何のためにあなた農林大臣を二回もやったんだということになる。その責任を、この内閣には幸い加藤農水大臣、畑通産大臣、三人おられるんだから、農林大臣経験者が。佐藤守良さんもおるんだ、四人おるんだ。相撲でいえば四本柱だ。しっかり農村対策というものをこれからやってほしい。
 時間がないから一つだけ。私は昔、一体日本の農業というのは何ぼの金を借りてやったら引き合うものかということを計算したことがあるんですよ。農水省に言ったけれども資料はなかった。農林中金に言ったけれどもなかった。農林漁業金融公庫に言ってもなかった。全中、全農も持たぬかった。どこにもない。そこで仕方がないから日本銀行から専門家を頼んで一カ月やってみた。牛を買ってきて、そして子供を生ませて、それを競り市に出して、あるいは肥育して、豚を買ってきて、これにまた子供を生ませて売ったり、あるいは牛を買ってきて乳搾って売ったり、野菜をつくったり何やつたり、あるいはまた山に木を植えたり、いろんなことをやって計算してみた。
 一カ月たって得た結論は何だったかといったら、今のような日本の土地条件、自然条件の中で、金を借りて引き合うような農業はないという結論になった。だから、これから本当に日本の農村というのをしっかりやろうとするんだったら、やっぱり資金提供は金利ゼロでなきゃいかぬ。これはまた機会を改めて議論しますが、経済局長が来ておるから、これから、農村からあるいは漁村から金利を取ろうなどというさもしいことを農林省は考えてはだめなんだ。それをあなた考えてみなさい。この人は気をつけて言っておかぬと口ばっかりのところが多いからな。
 そこで、例えば林業のこともあるんですよ。今、あなた考えてみなさいよ。山の中でシイタケつくったら、中国からどんどん入ってくる。牛養うたら、外国の輸入牛肉が入ってくる。材木は、近ごろあなた通産大臣になられたんだ、この間も、日本に持ってきたらいい家になるなら組み立て住宅をどんどん今度は通産省は奨励するというんだから。そうしたらあなた、日本の木材なんか買い手がありませんよ。一体どうするんやら。輸入の、いわゆるカナダあたりだったらツーバイフォーに基づくあの組み立て住宅ですよ、それを税金を安くしてどんどんどんどん輸入奨励というわけだ。片っ方じゃ国産材優遇というんだから、どうしますか。そういうもろもろの問題がある。
 だから、加藤農水大臣、あなたに言っておきたいことは、これからは昨年つくった新農政の方針に従ってやりますなどということを言われぬように。あれはウルグアイ・ラウンドの決定が出ない前につくった農水省の計画である。米がこういう決着を招き、二十品目のIQ物資を全部関税化して自由化してしまい、千五百品目の農業、林業、畜産、水産の関税を三八%下げてしまうという前提ではあの計画はできていない。だから、もう一回再検討願って、新たな覚悟を持って日本の農山漁村というものを守ってほしい。
 そこで、時間がなくなりましたから、ちょっと鳩山労働大臣、あなたは何かこの前から恩給欠格者の交付国債を支給してやったらいいと言って、えらい熱心にやっていただいておると聞く。政治家は一たび口に出したら、やりなさいよ。シベリア抑留者はいいと言うが、いいんじゃない。私はシベリア抑留の問題、それから恩給欠格者の問題、ずっとやってきた。この中にも一緒に苦労された人がたくさんおる。
 そのときに忘れてならぬことは、シベリアで六十万の日本の若者たちが強制労働に付されて、あの寒さの中、あのひもじい中で六万人亡くなっている。その請求権を日ソ共同宣言であっさりと捨てて日本に帰ったのは、あなたのおじいさん、鳩山一郎先生ですよ。その償いをあなたがするというのは立派なことだ。どうしますか、やりますか。
○鳩山国務大臣 実は、恩給欠格者のことを申し上げたのは、別にシベリアがどうのこうのということで申し上げたわけではありません。先般この予算委員会で、大出先生の御質問、そのやりとりを聞いておりました。また、諸先輩がいろいろな戦後処理の問題について、特未連もあり、私も仲間に入れていただいたこともありますが、予算のたびに確認書とか了解書とかいろんなサインがあって、長い歴史があることもよくわかっております。
 ただ、私自身も恩給欠格者の皆様方とのおつき合いというか、そういう陳情を何度も受けたことがありましたし、この間の大出先生の御質問を聞いて、なるほどそうだなとつくづく思うところがあったわけであります。その後閣議が開かれて、閣議が終わって意見交換を自由にできる閣僚懇談会のときに、先般の恩給欠格者の問題についてのやりとりは、私はあれ以上のものは今できることでないだろうと思うし、それはよくわかるわけですけれども、連立政権の時代にもなって、長い長い歴史があり、いろいろな決着が図られてきたところではありましょうが、何かもう一つできることというものは検討できないものでありましょうかと、そういうことを閣僚懇談会の席で意見として申し上げたということでございます。
 そして、閣議後の記者会見で、きょうの閣議あるいは閣僚懇談会はどうでございましたかというようなことで記者会見をいたしますから、自分としてはそういうような意見は申し上げてみた。ただ、非常に難しい問題であることはわかっているし、平成二年度の予算編成の際にこれで一件落着というようなことも文章化されているのも存じ上げておりますけれども、ただ、さらに何か考えることができはしまいかという私の思いをそのような形で申し述べたということでございます。
○江藤委員 私は、あなたも柿澤君と二人で東京都知事を来年ねらっておるというから、これはやっぱり都知事選挙の前哨戦でそういう無責任なことを言い出したのかなと正直思ったんです。だから、最初から言ったように、政治家の言葉は重い、言ったことは実行せにゃいかぬ。やれないことを言っちゃいかぬ。人々は期待しますからね。
 あなたが、はしなくも内閣もかわったことであるからといって、恩給欠格者のことをこれから一生懸命やると言われれば、私はそれはあっばれなことであって、結構なことだと思う。そのかわり、シベリア抑留者の問題も、それからもう一つは台湾人日本兵の問題も、日本は海外の領土も財産も全部失ったわけだ。海外財産の補償も、場合によっては空襲でやられた国内の財産補償も、全部出てくるかもしらぬ。それを覚悟して、男鳩山は、よしやろう、おれのじい様がシベリア抑留者の権利を全部放棄してしまった、その償いをやろうと。あの中にも本当は恩給欠格者はいっぱいいるんですよ。言うのは、私もそれは結構だと思う。しかし、言っちゃ取り消し、言っちゃ取り消ししちやいかぬ。言ったらやらにゃいかぬ。
 そこで、これは細川さんに約束をして、来年はこれで三時間やりますといって、私は半年間そのために準備してきた。そうしたら、鉄砲を撃とう
にも相手がおらぬことになった。これはまことに力の抜けることおびただしい。おびただしいが、羽田総理もときどきそれに類するようなことを言い出すから。去年から私と細川さんのやりとりをここで聞かれておったのは、あなたと大蔵大臣と総務庁長官、厚生大臣、それから官房長官も、畑さんもそうだ。
 ちょっと聞きますが、あのとき私は、東京軍事裁判、正式に言えば東京極東国際軍事裁判、それのパル判事の判決文のことを話した。これだけあるのです、これだけ。この人の主張は、日本無罪論を唱えた。敗者が裁かれるとするならば、勝者が裁かれなきゃいかぬ、そう言って、これは日本を味方したのではない、日本を擁護するもののための私の考えでもなきゃ何でもない、法律家としての良心と正義感である。だから日本からのお礼を断ったわけです、私は、何も日本を味方したのではないと。これだけのものがある。しかし、これは東京軍事裁判の法廷で一切朗読を許されなかった。印刷にして回すと言ったが、これも許されなかった。
 しかし、今日になって、世界が侵略戦争か自衛戦争かという、国連決議をしながらも各国の批准ができないということは、戦争というものはそれほど複雑怪奇なものであって、難しい。パル判事のそういう論告が出てから、その後、権威ある国際学者というのは皆そうなったから、いまだに国際間で批准ができないのです。
 だから、戦争をした、これはおれは自衛の戦争をやったんだとその国が言えば、それは自衛のための戦争ということになるんです。条約局長、そうでしょう。あなた、違うと言うならここへ来て答えてください。いや、あれは侵略戦争をやったと当事国が言ったら侵略戦争、いや、あれは自衛のための戦争をやったんだと言ったら、それは自衛のための戦争。これは一九二八年のアメリカのケロッグとそれからフランスのブリアン外相が音頭とってつくったいわゆる不戦条約の、これが柱ですよ。
 だから、東京軍事裁判というのは、一九二八年の、ほかに法規がなかったわけだから、それをもとにして裁いたと言われているんです。だから皆パル判事の判決を支持して、今に至るも、もう六十年たつもまだこれが国際間で批准にならない。それほど戦争というものは悲惨なものであるし、難しいものでもある。
 そこで、これはどなたか読んでくれた人がおりますか。――ない。あのときに私は「日米開戦の悲劇」という、ハミルトン・フィッシュという人が、これは外務省の大先輩の岡崎さんが翻訳した権威ある本ですよ。これを私が話したら、細川さんが、これは暇を見て読みますとか言った。あの人のことだから当てにならぬけれどもね。この中で、それから読んでくれた人はいますか。さすがに外務省のお役人の中でこれを熱心に読んでくれた人がおる。すばらしい本ですねと言った。
 ハミルトン・フィッシュという人が、日本が真珠湾攻撃した、日本はけしからぬ、日本をやっつけろ、こういつて国会で演説をして全国に中継した。そのときは勇気りんりんとしてやったというのですよ。ところが、後になってみたら、あれはルーズベルトが全部仕組んだものだったということがわかって、私はあの演説を恥ずかしく思うと、あのとき私は話したはずだ。そうこれに書いてある。
 そのときに、これは海軍大佐、ルーズベルトの娘婿、カーチス・ドールという人が書いた「あやつられたルーズベルト」。ルーズベルトは、あした戦争が起こるよ、おれは戦争をつくるんだと言っておった。これは幾多の証言でそれがあるのですね。何でルーズベルトは日本を戦争に引っ張り込んだんだ、それは国際金融資本に操られたのであるというのがこの本のあれですよ。これもだれも、目次も読んだ人はいないかな。
 だから、耐えがたい苦しみを与えたとあなたはよくおっしゃるが、これは京都大学の会田雄次先生が書かれた自分の体験なんです。「アーロン収容所」というものですよ。自分たちが捕虜になってイギリス兵からどういう処遇を受けたかというのがこれに書いてあるのです。これは学者が書いたものですからね。会田雄次先生の著。だから、戦争というのは、こっちから見るのと向こうから見るのでは全くその見方が違ってくるというものだということを私は思い知らされる思いがする。
 さてそこで、近ごろ、侵略的行為があった、耐えがたい痛みを与えたとよく総理も口癖のように言われる。私は、中国大陸についてはそれは覆い隠すべくもないそういう残虐な行為、これは南京大虐殺の事件があって国会図書館から借りて読んでみた。全部出ておるのですよ。当時の参加した人々が、どういう作戦で、何人くらいの兵隊が行ったか、どこから行ったかということが全部載っているんだ。これは二冊あるのですよ。だから、三十万人が悪くて十万人はいいということにはならない。たとえ一人の国民でも非戦闘員をあやめたならば、それは罪に問われなきゃならぬと私は思う。だけれども、これを読んでみて、機会があったら、こういうのは読んでみなさいよ。読まずして、日本の歴史を検討せずに、日本の将来を語ることもできなければ、世界の中に胸を張って行くこともできないじゃありませんか。
 それじゃ、総理に聞きたい。あなたが侵略と言われる根拠は何ですか。いかなる歴史的な事実、いかなる歴史的な考察をされてそこからにじみ出るように出てきた言葉なのか、それをちょっと聞いておきたいのです。
○羽田内閣総理大臣 侵略という言葉そのものにもいろいろなあれがありますけれども、いずれにいたしましても半島から大陸、こういった地域の中にあって今でも心に痛みを多く持つ人たちが現存するということ、しかもまさに日本の力によって強引に入っていったということはあり得るということで、私はそういうことを考えたときに、これを一つの侵略行為というふうに見ざるを得ないというふうに考えております。
○江藤委員 私は、中国大陸については侵略的な行為が多々あったということをちっとも否定するものではない。だけれども、東南アジア諸国というのは現地民と日本は戦ったのじゃないのですよ。フィリピンではアメリカであるし、マレーシアではそれはイギリスであるし、あるいはインドネシアにおいてはオランダであるし、あるいは仏印においてはフランスであるし、現地の国民と日本は戦ったのではない。しかし、迷惑をかけたことはあると思いますよ。迷惑をかけたことはあると思うが、日本の軍隊というのは現地の者と戦争をしたわけではない。そのことは私は認識をしておかなきゃいかぬと思う。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
 そこで、この前、アメリカのジョセフ・ニューマンという人が五十三年ぶりに日本にやってきたといって新聞に出ていましたよ。五十三年ぶりに来た。この人は、日米開戦の前に日本で記者を務めておった。これは間違うといかぬから、この人が何と言って帰ったかというと、いろいろありますよ。最後にこう言っているのですよ。
  日米対戦は回避できた。
  開戦前夜、日本の新聞には報道の自由はなかったが、米国の新聞には報道する自由と責任があった。しかし、ニューヨーク・タイムズなどは、代案を示す責任を放棄し、日本と妥協するなと訴えるばかりだった
 それから、これはアメリカの教科書なんです。アメリカの教科書で、アラインベーコン社というのが一九七八年に出したものですよ。私の秘書にちょっと翻訳させて私持ってきた。ここには、しりの方にこう書いてある。「米国は日本との貿易協定を停止した。」日米通商条約のことですよ。その前に排日移民法をやったわけですから、日本人来るべからずと。そして今度は通商条約をやって、そして資産凍結をやったわけですから。貿易協定を廃棄した。「そして日本に対し、中国から立ち去り、また東南アジアに手を触れないよう要請した。」
 アメリカは、スペインとの戦いで、グアムをとり、それからやがてハワイをとり、そしてフィリ
ピンをとって、あとはシナ大陸か東南アジアだけ、一番遅く手伸ばしてきたわけですからね。触るるな、手を触れるなと。「何名かの日本の代表団がワシントンを訪問した。」これは来栖大使、それから野村大使ですよ。「米国は、彼らとの交渉が、再び両国を近づけることを期待した。この交渉が進行しておる間に、嵐が襲った。」真珠湾攻撃のことです。それで、この何人かの日本人がワシントンを訪問したというのは、これは野村大使、来栖大使のことですよ。
 そこで外務大臣、あなたに聞く。あのときに日本は甲案、それがだめなら乙案というものを持つて交渉に臨んだ。御存じですか。
○柿澤国務大臣 過去の交渉の経緯ということで勉強いたしております。
○江藤委員 内容。
○柿澤国務大臣 甲案、乙案というものの内容は存じておりません。
○江藤委員 例えば、甲案だと、シナ大陸から撤兵をする、仏印からも撤兵する、日独伊三国同盟を実質無効にする。乙案は、それがだめだったらさらに条件をつけるというものですよ。それがアメリカの教科書で言う、何人かの者がワシントンに来たというものですよ。
 ところが、開戦が十二月八日ですからね。十一月二十六日に、日本時間二十七日ですね、二十六日に、ハル国務長官が日本に対してハル・ノートという最後通牒をやった。そのときに、それを見た東郷外務大臣は目もくらむ思いがした、こう記録に残しておるんですよ。
 そのハル・ノートなるものは何だったか、御存じの方がありますか。外務大臣が御存じなかったら、ほかの人、知っておる人がおったら助けてやってください。
○山口委員長 だれか答えますか。
○江藤委員 これはにわかに言っても無理な話ですが、結局八カ月間にわたって日米間で交渉して、あのとき残した、永野軍令部総長が御前会議で、戦わざれば亡国必至、戦うもまた亡国を免れないとするなら、戦わずして亡国に身をゆだねるより、身も心も民族永遠の、亡国を防ぐために我々は立ち上がる、そして外交交渉を第一として、だめだったら身を捨てて国を守ると言ったのが、これが御前会議の最後の言葉ですよ。それで甲案、乙案を持って最後のアメリカ交渉をしたわけですよ。それがハル・ノートでだめになったわけよ。
 中身は何だといったら、とにかく日本は日清戦争の昔に戻れということですよ。今まで日本が努力をしてきて築いてきた一切の権益を全部捨てろ。ABCDの経済封鎖をしているわけですから、日本は昔の原始生活に戻れということですよ。だから、戦うも亡国、勝てる戦ではなかった、戦わざるも亡国、これが当時の偽らざる指導者の考えであったと私は思う。我々もアメリカに勝とうとは思わんかったからね。そのことがアメリカのこの教科書とちょうど一緒なんですよ。
 そういうふうに考えてみると、そんなに自分の国の歴史というものを粗末にしてはいかぬと私は思う。侵略戦争と言わぬとまるで新しい政治家じゃないみたいな錯覚を負わすような最近の風潮がある。何と、今度は国会決議して、土井議長を東南アジアに特別使節団長でやるんだなんていうような、そんな話を聞いて、こっちは目もくらむ思いがする。何考えてんじゃろ。
 個人にとって履歴書がその人の人格であり、その人の勲章であると同時に、国の歴史は、私は個人にとっての履歴書と同じだと思うんです。歴史の検証もせずに日本の歴史を断定するということは非常に危険だと私は思う。
 だから、私は総理に、あなたが侵略的行為とか多大の迷惑をかけたと言うなら、一体どういう事実をもって、いかなる検証、自分でいかなる研究をされ、一国の総理大臣の言葉は重いんだから、そう言いなさるのか。ただ人が言うた、人から聞いたからそうだということではいかぬと私は思う。
 一国の歴史は、私は百年かかると思う。百年かかって本当の歴史の検証ができたら私は幸いだと思う。だから、これから大東亜戦争――大東亜戦争だって、あれはあなた、マッカーサーから太平洋戦争と読みかえさせられたんですよ、神道指令で。もともとはあれは大東亜戦争ですよ、日本が言ったのは。それを太平洋戦争と読みかえをさせられた。それからシナ事変、それから満州事変、日露戦争。それまではアメリカは日本とよかったんだから。それが、日露戦争を契機として、ハリマンが満州の鉄道を押さえようというのを日本が拒絶してから、なぜルーズベルトが日本は敵であると言い出したか。
 そういう歴史というものをしっかり見据えておらぬというと、私は国の将来を誤ると。だから、総理大臣になられて、特にまた外務大臣もそうだ、侵略とか侵略的行為と言われるんだったら、それは何を根拠にもってするのかということをきちんとしておかなきゃいかぬ。
 私は何も、戦争を美化しようとか正当化しようとか、日本が行った行いを正当化しようなどということはみじんも考えない。悪いことは悪い。しかし、全部をひっくくって、外国に行けばただぺこぺこぺこぺこ頭を下げておわびをするのが真っ先というような日本の外交というのは、もうほどほどにせにゃいかぬと私は思うから、そのことを言うんです。
 何か特別な感想がありますか。
○羽田内閣総理大臣 今ずっとるるお述べになった一つの考え方というのは、私は歴史の見方として、これは一つのやはり大事な意見であろうというふうに思っております。そして、今お話がありましたように、歴史というのは、例えば五十年とかそういったことじゃなくて、やはり百年ぐらいたってみないと本当のことはわからぬというお話があったことも事実であります。
 ただ、私どもはぺこぺこ頭下げるというようなことではない。事実、先ほどお認めいただきましたように、大陸にはやはり問題があったねというお話。しかし、そういったものがもとでやはり日本に対する懸念ですとかあるいは危惧というものを実際に持っておる。また、日本に大統領ですとかあるいは国王ですとか、そういったお立場の方が来られたときに発せられる言葉というもの、あるいは日本から出かけたときに発する言葉というものが、そのときにいつも議論になるようなことであってはならぬだろうということであります。
 まさに日本によって傷ついた人たちに率直におわび申し上げたり、あるいは今お話がるるあったように、戦争というものはいかに無残なものだったのかというお話があったわけでありますけれども、そういうものはやはり反省し、私どもは再び戦争を起こさないという決意を持つ、そして、そういう中で国際的な役割を果たしていくということが日本が信頼される道だろうというふうに思うところであります。
 以上であります。
○江藤委員 それは、事実のあったところに対してわびたりすることは、私は大変結構なことだと思う。しかし、何となく漠としたところでそういうことをやっちゃいかぬ。
 私は、けさ外務省に聞いたら、外務省の担当者は知っておった。社会党の佐々木委員長が毛沢東に会ったときに、日本は中国を侵略して申しわけないと言ったら、いやいや、そうじやありませんよ、日本のおかげで私たちは戦争に勝つことができて今日があると言ったというのを、外務省の人は言っていましたよ。いや、それは蒋介石にそれで勝ったわけだから。
 だから私は、これから若い人たちがどんどん世界に雄飛していくであろうと、その人たちにまで、そういう歴史の検証をすることもなく、我が国は侵略国であったと、我々はその侵略者の子孫であったと。国のために亡くなった人も二百何十万もおる。生涯不自由な体になった人たちもおる。そういう人たちを念頭に置きながら、これから日本人が胸を張って世界に雄飛していくのには、この際、日本の歴史の再検討、歴史の再評価というのが私は国家として大事なことだと思う。
 残念ながら、日本の今日までの教育と歴史は、これは後で聞いてみょうと思ったんだ、赤松文部大臣に。これは日本の社会科の教科書、あなた、読まれたことがありますか。アメリカの教科書、それからイギリスの教科書も読んでみた、大東亜戦争に関するもの。それぞれ見方があって興味深い。
 だから、その国にはその国の触れてはならないことがある。外国のは、そんなことは皆触れてませんよ。天安門事件だってそうでしょう。アメリカが何と言ったって、これは中国の国内問題であるといって中国は頑としてはねつける。私は独立国家にはそれぐらいの気概があっていいのではないかと思う。
 日本は世界で初めて、たった一つ、原爆を落とされて、長崎、広島のあの悲惨な経験を味わい、二百万以上の戦死者を出し、合わせると三百万以上の人々が命を失っていった。海外の領土も、財産も、全部失った。そういう体験をもとにしたこの日本の国が再び世界に対して平和の第一線に立っていこうとするならば、自分自身の歩いてきた道をえこひいきすることなく静かに検証をして、その中から一つの日本の行くべき道を私は学びとらぬといかぬ。ただ流行で言ったら人々が喝采してくれる、そういうあさはかな考え方でやってはいかぬと思うから、あえて最後にこの問題を取り上げたわけであります。
 ですから、あなたがちょうど五十年のけじめだから何かしたいとおっしゃるなら、国家としてやるべきことは歴史の再検討だと私は思いますよ。
 いつまでもいつまでも負のそういうものを背負っていきますか。そういうことを言っておるよりか、もうぼつぼつ日本も胸を張って、東南アジア諸国の先頭に立って、政治的にも経済的にもみんなで手をとり合って発展していけるような、そういう役割を果たすことの方が日本に与えられた役割だろうと私は思うから、最後にそのことを申し上げ、あわせて、総理大臣はあなた一人しかいないんだから、よくても悪くても一人しかおらぬ。在任の間は身を粉にして国家と民族のために大いに頑張っていただきたいと思います。
○山口委員長 これにて江藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、原田昇左右君。
○原田(昇)委員 私は、自由民主党を代表して、主として経済問題について質問しようと思います。
 まず、日米問題でございますが、去る二月に決裂した日米包括協議の再開が事務レベルで合意されたということであります。日米の信頼関係が損なわれることを懸念しておりましたので、まずはこれについて歓迎したいと思います。
 合意が成立したこと及びその内容について、どういうように考えておられるか、総理にお聞きしたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 二月十一日のときには、まあこれは決裂というよりは不調に終わったというふうに、というのは、お互いに窓口は開いておきましようということでありました。
 これに対して、その後マラケシュで会議がありまして、先ごろ一つの糸口がつかめたということであろうと思っております。これは、日米双方が努力を続けて、協力の精神、これに基づいて柔軟性を示して、また互いの主張することの理解というものが一層深まった結果、今般いわゆる優先分野における目標及び客観的な基準についての共通の理解が得られたことから、日米の包括協議の再開に合意したところでございます。
 今後は、日米双方の日程の調整が整い次第、まず優先分野、いわゆる三分野と言われている分野がありますけれども、この分野の協議を再開しまして、その他の分野につきましては、両国で相談しながら順次これを進めていきたいというふうに考えておるところであります。
○原田(昇)委員 今の、決裂でなくて一時不調に終わったんだということ、まあそれでもいいですわ。
 とにかく、まあ再開ということで交渉が開始されるということは結構なことだと思いますが、一番問題は、どういうような了解でこういう交渉が始まることになったのか。政府は、前の細川内閣のときですが、ノーと言って細川さん胸を張った途端にアメリカからスーパー三〇一条とかあるいは円高誘導とかいろいろやられて、もう青くなって三月末に対応策というものを慌ててつくったというのが事実なんですね。そこで、それに対して早速駐日大使のモンデールが、何かやっとるようだけれども、どうもこれは不満足だ、こういうコメントがあったというような状況であったわけであります。
 そこでお聞きしたいんですが、いわゆる客観基準なるもの、これは昨年の宮澤・クリントン会談で合意した客観基準を設けましようということはあるわけですが、客観基準は数値目標ではないということをはっきり了解した、こういうように伝えられておりますが、これはかねがね日本が主張していたことをアメリカ側が譲歩したと考えてよろしいですか。
○羽田内閣総理大臣 その前に、何というんですか、慌ててどうこうしたというものでない。というのは、別れるときに私は何としても決着をつけようやということだったんですけれども、ともかく、どうもお互いにおれの方もちょっとこれはまだどうしても引くことができないということで不調に終わったということです。
 ただ、私はその日のもう明け方に各省の諸君を集めまして、ともかくこれは不調に終わったからといってこのままに放置していいんじゃないんだと。結局宮澤内閣のときにあのことが起こったあのもとは、日本の黒字がずっと続いておったというところに問題があるんだから、まずやっぱり日本が市場を開放しようという意思を持つことであると。だから、これはもう主体性を持って自主的にやることが大事だということで、実は三月までにまとめようということでやったわけでございまして、これは別に何も、何をやられたから、あるいは三〇一とか何かでおどかされたからやったというんじゃなくて、これはもう二月十一日の未明に実は各省の諸君に私から直接話したということであります。
 それから、今の優先分野の問題でありますけれども、これは包括協議全体としての目標と分野ごとの目標とを有することを明らかにした、今度の場合。それで、また、客観的基準というのには定量的なものと定性的なものがあるわけですけれども、この定量的な部分が数値目標になるんじゃないのかとみんな心配しておったわけでありますけれども、これは数値目標ではなくて、包括協議全体及び分野ごとの目標に向けて達成された進展というものを評価するために使われること。
 それから、優先分野につきましては、定性的及び定量的の両様を用いるけれども、その具体的な内容は個別の作業部会において明確化すること。ということは、要するに三分野それぞれの分野において明確にすること、及び評価に際しては複数の客観的な基準、これを全体として評価して、いかなる一つの基準も達成された進展の評価において決定的なものではないことについて明らかになったということであります。
○原田(昇)委員 そうすると総理、前段のことについては一つ申し上げたいんですが、私は本当ならノーというとき総合対策を、ノーと言うけれども、数値目標については困るけれども、そのかわりマクロではこういうことをやりますよ、ミクロでもこういうふうにやろうじゃないですかという総合対策のようなものを用意していくべきではなかったかと思うのですね。慌ててというように見られざるを得ないような情勢だから申し上げたんですが、とにかくあれによって円高誘導、円高に誘導したかどうかは別として、結果として猛烈な円高が起こり、景気の足を引っ張ったことだけは事実なんですね。
 それから、過去のことを今いろいろ言ってもしようがないのですけれども、いずれにしても客観基準というのをいろいろな形で測定するんだということですが、これについては、私は、例えば子
供がいる、背がだんだん伸びていく、将来このくらいまで伸びるよというのは言わない、これは数値目標は設定しない、しかし身長ははかりましょう。はかってやるというのは、これははっきり数字で出ますわね。今の実績ではかるということはできるわけです。
 それと、複合的に判断するというのは、栄養状態とかあるいはこの人の健康状態を複合して判断するんだということになりますと、これは非常にあいまいになるのですね。かなり主観が入ってくる。そして、どうも日本の市場は開放されていないというようなことで、一方的に報復措置をとるというようなことでは私は困ると思うんですね。そこをひとつはっきりしたのかどうかということをお伺いしているんです。
○羽田内閣総理大臣 そういった問題につきましては、個々の、今申し上げましたように、それぞれの分野別、例えば政府調達ですとかあるいは保険ですとかあるいは自動車、そして部品、こういう分野ごとにそれぞれのものを考えていくということでありますけれども、例えば今までの場合には過去のトレンドというのが、いわゆる実績、この実績をずっとこうやって見てくる。それでそのままこうやって伸びていくということになりますと、これはまさに数値目標みたいになって、これまで達しなかったらだめだよ。
 しかし、クリントン大統領もカンターさんもそのことは言ってないんですね。そうじゃないんだ、決して制裁とかなんとかということをしないんだよというのですけれども、しかし、過去にもそういうことがあったときにひとり歩きしちゃったんですね。ですから、そういうものはだめですよ。しかし、過去のトレンドというものについて、過去の歩みについては、これをチェックすることはいいでしょう、考えることはできるわけですね。
 それから、あるときには例えば政府調達ならどれだけの政府調達があった、それに対して外国の企業がどれだけ応札した、そしてその中でどのくらいのものが落札した、その金額は一体どのくらいであるとか、そういうものもやっぱり検討の対象になるわけですね。だから、これだけ応札したけれどもゼロだった、どこに問題があるんだろうかということはそこでまた話すこともできるわけでありますから、そういったことをそれぞれの態様によって、例えば保険等はやはり政府調達とはこれまた別だと思いますが、それぞれの態様によって対応していくことであろうというふうに考えております。
○原田(昇)委員 いろいろ御説明がありましたけれども、私は特に心配しておりますのは、ワシントン・ポストなどを見ますと、今度の合意は日本人の好きな玉虫色的な決着であり、アメリカのある交渉担当者は、アメリカは自国の交渉上の立場はいささかも譲ることなくデッドロックを突破した、こういうように伝えられておるわけですよ。
 これは新聞が伝えているのですから、実際そうでないと言えばはっきりするのですけれども、アメリカ側が少なくともそういうブリーフィングを新聞に言っておるということなんですね。アメリカ側は結果主義を本当に捨てたのかなというように疑問を抱かざるを得ないのです。そうでないと半導体の場合と同じようにひとり歩きしてしまうような、管理貿易になるおそれがあるということではないでしょうか。その点、もう一回明確にしてほしい。
 それからもう一つ、決裂から再開まで、再開には羽田総理は非常に御努力なすったと聞いております。非常に評価いたします。ただ、これはアメリカの情勢が当時よりかなり変わったんですね。これはけがの功名みたいなもので、そんなことを言うと大変申しわけないんだけれども、ドル安になる、対円だけではなしに対欧州通貨についても全面的なドル安、それからインフレの懸念が出てくる、長期金利を上げなきゃならないというようなことになる、それから対アジア外交についての批判が国内で高まるというようなことがあって、そういう情勢もあってこういうことにアメリカの態度が大きく変わってきたというように見ていいんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
○柿澤国務大臣 今回の交渉に当たりましては、アメリカ側は、客観基準の中に数値目標を含めない、また数値目標に近いもの、つまりフォワードルッキングインジケ一夕ーという言葉も使われましたけれども、先を示す指標、そういうものも使わないということで約束をいたしました。
 ただ、さりとて日本側が、客観基準を定性的なものにして、こういうマーケットアクセスの改善をしました、こういうふうに改善しましたということは並べ立てても、数量的に全然結果があらわれないということで、言葉は悪いかもしれませんが、終わりになってしまうというか、逃げられてしまっても困るということでは、競争力のある企業や製品がそれなりの市場に参入できたという実績はやはり示してもらいたい、それをはかる過去の指標として数量的な、定量的な基準も加えてもらいたい、こういうことであったと思います。
 ですから、これからは我々としては各分野ごとの特性に応じて、そうした数値目標と誤解されるようなことがないような定性、定量的な基準をつくっていただくべく、これも関係各省ございますので、お願いをしていきたいと思っているところでございます。
 それから、今度の再開にこぎつけた原因については、日本側の努力もさることながら、アメリカ側の環境の変化もあったであろうという原田先生の御指摘、私どもも冷静に、客観的に見てそう考えております。
 今までのやり方で、ただ数値目標的なものを押しつける、もしだめなら制裁措置だ、そしてもしだめなら円高だというやり方が必ずしも日米経済関係を改善するものでもなければ、経済関係を悪化させることは、基本的に安全保障も含めた日米関係を傷つけることになるおそれもあるという指摘もアメリカ側の識者から出てきておりまして、そういうものが今回の再開のめどをつける一つの背景としてあったということも事実であったと思います。
○原田(昇)委員 それではお伺いしますが、こういう客観基準、両国でいろいろ作業部会で議論されると思いますが、それによって判定してアメリカが一方的な措置をとる、報復措置をとるということはないでしょうね。それがはっきりしないと困る。
○柿澤国務大臣 日米包括経済協議が日米経済関係を処理する主要な手段であるという点について、日米間で意見の一致を見ております。ということは、一方的な措置を背景としたアプローチとは相入れないというふうに私どもは理解をいたしておりまして、一方的な措置はアメリカ側としてはとらないものと期待をいたしております。
○原田(昇)委員 私は、外務大臣がそういう説明をしておるけれども、大変疑問に思うんです。
 報道によりますと、カンター代表は、六月末が政府調達を決める期限だ、それから九月末がスーパー三〇一条の制裁対象国を決める期限となっているのに合わせて、いいですか、六月末に政府調達はやる、それであとの優先二分野ですか、自動車と保険、これは九月末だという交渉の期限をターゲットにしてやろうと言っておるわけですね。ということは、その期限でちょうどぴしやり合うわけです。だめなら一方的な措置をとりましょう、こういうことになるんじゃないですか。
○柿澤国務大臣 前内閣以来、日本はアメリカの制裁圧力のもとで交渉することはできないということは再三申しておりまして、私も就任直後、モンデール大使と会談したときにその点は申し上げております。
 六月末というのは、政府調達に関するタイトルセブンの延長期限になるわけでございまして、それを目指してというような思いがアメリカ側にあるかもしれません。
 しかし、私どもはそれを期限とは考えておりませんし、私も予算委員会の合間を縫ってカンター代表と五回にわたって電話で話をしましたが、そうしたことは彼も言っておりませんし、私どもの
間でそういう話し合いはしておりません。期限は切っておりません。
○原田(昇)委員 それじゃ伺いますが、六月末、九月末という期限をつけて交渉をやるんだというのは、日本側は合意していないんですか。はっきりしてください、それは。
 要するに、これを期限を切ったということは、つまりアメリカは、日本側に一方的な措置をとるよという圧力をかげながら交渉をやっていこうという腹が見え見えじゃないですか。
○柿澤国務大臣 期限は全く切っておりません。この点は明確に申し上げます。
 また、そうした制裁圧力とか期限とかいう中での交渉ということになるからそれぞれの側で不信感が出てくるわけで、そこが日米関係、経済関係をこじらせる原因にもなるということを、私どもはアメリカも悟ってきたというふうに思っておりますので、そこはもっと冷静に議論をしたいと思っております。
○原田(昇)委員 そうすると、この交渉の期限はいつまでと考えていいんですか。
○柿澤国務大臣 もちろん、交渉を再開したわけでございますので、できるだけ早くまとめることが日米関係を安定化させるために望ましいことであることは事実でございます。
○原田(昇)委員 じゃ、あなたの方で、まあこれは総理にお聞きした方がいいと思うのですが、六月末に何か税の、減税とか増税のめどをつけるということが連立内閣の合意にあるでしょう。なぜ六月末にしたんですか。これはアメリカと、サミットに間に合わせるように、マクロの方で対策を講じようということでやっておるわけでしょう。ということは、ミクロの方はいつまででもかかっていいんだというのはおかしいじゃないですか。どういうことですか。
○羽田内閣総理大臣 六月末というのは、単に日米ということだけではなくて、やはり予算の編成というものもあります。それから、いわゆる税の構造の問題を抜本的に改革するということもございます。こういった問題に対して合わせると同時に、当然これは今、日米との間の交渉なんかもありますから、マクロ政策についても彼らは関心を持っていることは、これは事実です。ですから、そういったものに対しても対応するということのためにも、私たちは六月末までに一つの方向を出すことが大事だろうということで、そのための努力をいたしておるということです。
 それから、先ほどから一方的に制裁措置というものをとられたらどうするんだというお話がありましたけれども、これは、私どもといたしましてはガットが、ウルグアイ・ラウンドで今度WTO、いわゆる世界貿易機構に変わろうというわけですね。しかも今までは、こういったところでいろいろな問題に対して対応するときに大変遅かった。
 しかし、一方的な制裁というのをどこの国にもやらせないために、そういった手続も早くしましょうということも今度のWTOの中には含まれておるということでありますから、我が国としてはそういう一方的な措置というものがとられるとするならば、これは国際ルールにのっとって対応していくということであります。
○原田(昇)委員 そうすると、期限についてはカンター代表の言うようなことではないと。できるだけ早くまとめる努力はするけれども、必ずしも報復を前提にしたような期限を日本側は設定して合意しておるわけでは全然ないですよ、こういうことですね。それははっきり確認しておきます。
 それからもう一つ。スーパー三〇一条違反とか、こういうものについてはガットに提訴するということをはっきり伺いましたけれども、私はガットというのは、まあ今度ウルグアイ・ラウンドでWTOということになるんでしょうが、二国間のものについては、二国間で協定したり交渉したりこじれたりしたものについては一切相手にしませんよ、ガットにあらかじめ言ってきて、その話になっているものがこじれるんならガットが介入するけれども、二国間の話には介入しない、こういうことになっておるんじゃないですか。そんなものを下手に提訴したって、相手にされませんよ。門前払い。
○原口政府委員 お答えいたします。
 万一アメリカが制裁措置をとって、その制裁の内容が日本のガット上の権利を侵すような内容であれば、当然日本としてはガットの権利を主張するという形で、たとえ二国間の問題であっても、ガットの問題として、ガットの紛争処理手続に従って処理をお願いするということは可能だと考えております。
○柿澤国務大臣 原田先生の前半の部分でございますが、制裁措置を前提とした期限を切っての交渉はしないという点は明確でございますが、だからといって、今度は分野別の交渉をずるずると延ばすということになりますと、これはアメリカとしては、やはり日本は交渉引き延ばしを図っているということになって、日米の信頼関係を傷つけることになります。
 これはそれぞれの担当省庁で痛みを伴う問題でございますので、私どもは交渉の窓口をしておりますが、各省庁においてできるだけ早く交渉をまとめていただくよう御努力はお願いしなければならないと思っておりますので、期限がないからいつまででもいいということではないということは御理解をいただきたいと思います。
○原田(昇)委員 それでは、その点は了解しましたが、次の問題として、優先三分野に対して新たに五分野をアメリカ側は提案してきた。金融サービスとか板ガラス、知的所有権、林産物、規制緩和・競争政策を追加的に優先交渉対象にしたいと言ってきたと伝えられておりますが、この五分野の中の初めの四分野はいずれも制裁対象項目でありますし、また、五番目の規制緩和策というのは、五十五項目に及ぶ極めて広範なものと言われておるわけであります。
 政府は、これをどういうように受けとめておるんですか、今後どういうように対処していくつもりですか。
○柿澤国務大臣 今回の優先三分野の交渉の方式をその他の分野にも拡大したいという希望はアメリカ側から述べられました。私もカンター代表と直接話をいたしましたが、その中で例示として先方が挙げたものが、今原田先生が指摘をした品目でございます。
 ただ、カンター特別代表が、合意が発表されました先方での記者会見では、今御指摘の品目の中で林産物には触れておりません。その意味では、日本の林産物の難しさというものを理解はしていただいたと思っておりますが、しかし先方は、依然として落ちたものについて交渉のテーブルに上げたいという希望を持っている、ただしそれを日本側が了解したわけではないという状態になっております。
○原田(昇)委員 じゃ日本側としてどういう返事をするんですか。
○柿澤国務大臣 まだ、これはこれからの話し合いでございます。先方からの要望を受けて、関係の各省庁とも相談をさせていただくということになります。
○原田(昇)委員 先ほども総理もおっしゃっておったけれども、日本の市場開放という言葉をお使いになりますが、私が気になるのは市場開放という言葉なんです。そもそも市場開放をするには、閉鎖されているから開放するんだということになるわけですね。果たして日本の市場というのはそんなに閉鎖されているんでしょうかね。
 アメリカは、貿易赤字が六百億ドルになった、非常に日本の市場の閉鎖性のために六百億ドルになったというような言い方をしておるんですね。私は、これは誇張だと思うんだな。サービス貿易というのは、そのほかにも向こうはうんと黒字だし、そういうのを差し引きずればそんな大した数字じゃないんだね。これだけの二国間のボリュームを持った貿易なり経済関係にとって致命的な数字でもない。
 それは日本が恒常的な黒字というのは、これは削減努力をする必要があることはよく認めます
が、しかし、日本の市場が閉鎖されているということを安易に受け入れるのはおかしいじゃないですか。これはどういうことですか、総理。
○羽田内閣総理大臣 これは私どもが受け入れたというより、昨年の七月の首脳会談の中ぐ宮澤総理とクリントン大統領との話し合い、その中で実は決められたことであります。
 ただ、向こうも何でもと言っているわけではないんであって、例えば政府調達の分野ですとか、あるいは保険の分野ですとか自動車・部品の分野というふうに特定してきているわけですね。ですから、特定しているところに自分たちが努力してもなかなか入れないんだということでありますから、それじゃお話し合いいたしましょうと。
 それで私たちとしては、こういったところの透明性というのはきちんとしますよ、情報もこうやって提供してあげますよ、競争力があるんだったらどうぞお入りなさいということであって、あくまでも競争力のある物、サービス、あるいは日本に投資したいというもの、これは競争力のあるものを入れましようと。また、それをやることは、国民の生活というもののためにも、もし本当にそういうことで向こうが競争力のあるものを持ってくれば国民生活にもプラスになるという中で、我々としては、もし規制があるとすればそれを緩和していきましようということで今対応をいたしておるということであります。
○原田(昇)委員 そういう中で向こうの提案のこの追加五分野というのを審議されるでしょうけれども、本当にそれが、どうもやはり日本自身調べてみておかしいなと、あるいは競争を阻害している要因があるとか規制があるとか、あるいは特定の業者が独占しておるとか、そういうようなことでおやりになるなら結構だけれども、この市場閉鎖という言葉についてはよほど慎重に審査してもらわないといけない。何でも誤解されるんです。
 それで、USTRは非常に向こうの業界から、関係者から文句が来ればみんな受け付けるという役所ですからね。それをやたらにわあわあ言って手柄を立てるというようなことだけで日米関係がおかしくなるようなことでは、私はゆゆしき一大事だと思うんです。この点について私は、ぜひ慎重に、市場のアクセスを改善するというような言葉に変えてもらわないと誤解を生ずるんではないかと思いますよ。
○羽田内閣総理大臣 この問題、私自身が話しましたからお答え申し上げますけれども、例えば今、五分野のものが追加されるんじゃないのかというお話がありましたけれども、先ほど江藤委員の方からもちょっとお話がありましたように、木材なんかにつきましては、これは、我が方としては相当いろいろな分野で規制緩和をしてきましたり、あるいは関税なんかの引き下げというものもやってまいりました。
 ただ問題は、これはカナダの方は相当大きく伸びているんですよね。アメリカの方は余り伸びなかった。少しは伸びていますけれども、余り伸びていない。ということは、やはり日本の市場のニーズに対してこたえているのかということは、これは私たちはやはり率直に申し上げないと、幾らこっちの方が何やりましても、ただ向こうの形のものだけが来られても、実際日本で使いようがないわけですね。ですから、そういうことの努力はしてもらわなきゃいけないんであって、私は、この問題についても先方とも何回も実はお話ししてきました。しかし、なかなかしぶとく言ってくるなという思いは率直に実はあるところでございます。
 しかし、この問題についても、関税についても、私どもとしてやり得ることは前回のガットの中でも対応しておるということでありまして、えっ、また来たのかという思いを実は率直に持ったところですけれども、今大臣の話ですと、それは入っておらないということのようであります。
○原田(昇)委員 今日の日米関係は、基本的に言えば、私は、冷戦後の国際社会の中で世界経済に決定的な影響を持つ非常に大きな関係だと思うんですね。そのことについて、両国とも責任を持つて役割を演じていかなきゃならぬと思うんです。そういう視点に対して、アメリカと認識を共有しておるかどうかということをぜひお伺いしたい。
○羽田内閣総理大臣 この点について先ほど外務大臣の方からもお話し申し上げましたけれども、まさにグローバルな問題、あるいは地球環境の問題ですとか安全保障の問題ですとか政治的な問題についての協力ですとか、これは非常に堅固なものがあるわけですね。しかし、お話がありましたように、経済関係がおかしくなりますといろいろなところにやはり飛び火していってしまう。そして、特に国民の中の嫌米感、嫌同感なんというのはここから生まれる場合が多いわけですね。
 ですから、その意味では、私どもとしては、やはり怠ることなく、やるべきことはきちんとみずからが主体性を持ってやっていくということが今我が国にとって大事なことなんじゃないのかなという思いは率直にいたしておるところでございまして、その意味での努力というものはさらにしていきたい。
 そして、マラケシュでは、どこに問題があるのかなということがお互いが理解できたということ。それから、柿澤大臣が電話で何回も話す中でお互いの問題点も理解されてきた。そして、林外審以下向こうに行かれた皆さん方も、もう本当に相当長時間話したわけですけれども、そこにお互いの信頼関係が生まれてきたというふうに思っております。
○原田(昇)委員 そこで私は、日米関係というのは大変大事だ、しかも、国際社会をこれから発展させる上に両国が力を合わせて協力し合うということは決定的だと思うんですね。そういう意味で、単なる貿易とかなんとかの面だけの摩擦、あるいは一部の業界からのクレームとかなんかで大きな関係をディスターブするようなことがあってはならないと思うのですね。
 それで、私は思い出すのですが、大平内閣のころ、大平総理がカーター大統領と話し合って、日米間に賢人会議を設けたことがあるのですね。つまり、当面の政治情勢に煩わされないで、あるいは選挙公約でカーターさんが、もっと日本に対して強く当たらにゃだめだとか、結果主義を重要にしなきゃならぬとかいうようなことをいろいろ言ったから、それをがしがしやらにゃいかぬのだというようなことじゃなくて、もっと客観的に、日米間の協力関係にとってひびが入らないようにしなきゃならないし、こういう分野でもっと協力したらどうかとか、この辺はこうしておいた方がいいだろうというのを長期的かつグローバルな視野から考えていく、そういう会議をやり、そして日本側のメンバーは当時たしか牛場信彦さん、佐伯喜一さん、こういう方々で、非常に人格、識見ともにすぐれた方々だったと思うのですが、そういうことでやっていくということは非常に大事じゃないか。それで先般カーター元大統領もある新聞にこのような会議の設置を提案しておられるのですよ。
 私は、日米関係が新しい段階に入った今、政府間でいろいろ交渉されるのも結構だけれども、それよりはむしろ日米間に、冷静にしかも長期的かつグローバルな視野から日米関係を見ながら、本当にこういうことで考えたらどうですかという報告書を毎年出していただくような賢人会議を設ける、それに従ってお互いの政府が相互に努力し合うというようなことを考えたらどうかと思うのですが、いかがですか、総理。
○羽田内閣総理大臣 ただいまのお話は、昨年の三月ごろでしたか、日米のフォーラムがありましたときに、私からこうやってぎすぎすお互いに細かいことで議論をする、もうそんなお互いじゃないじゃないかということで、今御指摘のあったようなことを私自身がそこで提案したことがあったわけでありますけれども、そのときに実は、いやおれの方は人がどうかな、いやうちの方はどうかななんという話になっておりまして、いずれにしましても、一つの御意見であるということは私もきょう改めて承っておきます。
○原田(昇)委員 ぜひ具体的に検討していただき
たいと思います。私は、当面の政治情勢とかいろいろなことで煩わされるのはいかぬ、本当に長期的にしかもグローバルな視野でじっくりと客観的に見ていただいて勧告していただくということが大事じゃないかな、こういうように思います。
 それから次に、景気の問題についてお聞きしたいのですが、ひところの危機感は遠のいたと思いますけれども、景気の足取りは依然として重いと言わざるを得ません。その原因の第一は、予算の成立、ここで審議しておりますが、おくれにおくれておるということだと思います。このおくれの原因については、既に先般来ほかの委員から御指摘がありましたので、余り深入りをすることはやめますが、総理、予算のおくれが内閣の命綱になるなんていうことに考えられるような、いささかもそんな疑われるようなことのないように、ぜひ総理の御見解をいただきたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 もう御指摘のありましたことについては、一言で申し上げることでありますけれども、まさにこの御審議いただいております予算というものは、やはり景気に対しても大変大きな影響があります。当然内閣にとっても大事な問題でありますので、ぜひとも促進方またよろしくお願い申し上げます。
○原田(昇)委員 総理は所信表明演説で、政府が将来の展望を指し示すことが必要だということを申されたわけです。実際には、その展望というのは余り語られないで、ビジョンが必要だということも言われたんですが、ビジョンそのものは余りどうもはっきりしなかった。
 ところが、一昨日突然、物価引き下げによる実質所得倍増計画というのが、何か羽田総理の案かどうかは知りませんが飛び出してきて、これは霞が関のお役人の反対で一日で消え去ったというように聞いております。このような大事なときに、下手をすれば大不況を招きかねないようなプランが出てくるということ自身が非常に問題だと思うんですが、これは真意はどういうことでございますか。
○羽田内閣総理大臣 この問題は、要するに前回の細川政権のときからも、私もまた経済企画庁長官も話しておりましたし、またこの間の閣議でもこの問題がありました。
 それから、この間、私どもいろいろな部門の人たちに対しましてもこのことを説得しながら、ですから、今あちらこちらで内外価格差縮小の販売なんというのが行われておるとおりであります。ですから、そういう内外価格差を中心にしながら、あるいはこれからまた車なんかにしましても、規制緩和してくれれば我々は車は下げられるということまで実は言っていらっしゃる方たちもあるわけでございます。
 そういうことで、やはり日本の物価というのは安定して、そんな高いもので上っていきません。しかし、残念ですけれども、まだ少しずつ上がっていくわけですね。それで、基礎物価というのは少しよその国と比較したときに高いという現状もあります。そういうものは圧縮していきたいということであります。
 ただ、所得倍増のようなことはできない。これから賃金はそんなに上がらぬだろう。だとすれば、実質的に物価というものを少しでもやはり引き下げる努力をしょうじゃないかということで実は指示したところでありまして、これに対してデフレのあれがあるというような話も事実ありました。しかし、デフレといいましても、実際に今金融資産というのは国民は持っていらっしゃる。ただ、買おうかなどうかなという気持ちが今あるときですから、今所得税減税をやる、そして今物価が少しでも抑えられる方向にあるということになりますと、そういうものをさらに助長することは私はあるというふうに確信をいたしております。
○原田(昇)委員 私は、そもそも物価の引き下げが悪いと言っているわけじゃないのですよ。特に内外価格差が大きくて、円高になってもそのメリットが消費者に還元されないということについて、国民はいら立ちを感じておると思うのですね。
 そういう中で積極的に価格破壊に取り組んでいる分野があるんです。確かに、ディスカウンターとかカテゴリーキラーとまで言われておる流通業者、こういったものは今まで本当にまあ想像を絶するような低価格で商品を提供するということが行われており、それがだんだん波及してきておることは事実であります。私は、むしろこれは非常に歓迎すべき動きだと思うんです。ところが問題は、こういう場合に価格競争に負ける業者もいるわけですから、それによって倒産や失業も生ずるだろうし、事はそう簡単にはいかないわけですね。
 徹底的な合理化によって価格を下げる、あるいは産直によって下げるということをいろいろ工夫されるということについては大歓迎ですが、一方、そういう中小企業の競争に負ける、生産性の低い部門というものをどういうようにして吸収していくかということが非常に大事だと思うんですね。それについて、何か計量的に研究されたケースがあると伺っておりますが、通産大臣か企画庁ですか、お聞きしたいと思います。
○畑国務大臣 ただいま御指摘のような意味合いでのケースは手元に持ち合わせばございませんが、先生の御指摘を、それなりに問題意識を持たさせていただきたい、こう考えております。
○原田(昇)委員 実際に、例えば消費が三百兆に近いとすれば、大ざっぱに二%、そういう点で消費の節約が行われれば六兆円になるんですよね。減税と同じ額になるじゃないですか。それだけ国民の生活にゆとりができてほかの方に使える。新しい耐久消費財を買えるとか、あるいはうちが建てられるとか、そういうことにいくわけですから、私は、大変な大きい効果がある。それに必要な規制緩和は、しなきゃならないなら大いにやつていったらいい。
 規制緩和、規制緩和と言われますが、さっぱりお題目だけで、各省何件ずつ出していらっしゃい、一律削減みたいなことをやっていて、何にも効果がわからない。一体規制緩和でどのくらい効果があったんですか。もっと焦点を定めてやらなきゃだめじゃないですか。どうですか。
    〔委員長退席、後藤委員長代理着席〕
○石田国務大臣 お答え申し上げます。
 今原田先生がおっしゃった規制緩和の一律削減の件でございますが、これは、私が総務庁を引き継ぎましたときに既にそういった方針が出ておりまして、それなりの努力目標としては方針として有効であったんでございますが、やはり実際に進めてみますとなかなか一律削減というようなやり方だけではどうにもならない。
 そこで、私が特に気がつきましたのは、許認可事項と同時に報告、届け出、これが実際に規制緩和懇話会なんかに出席をしておりまして、そういう意味の苦情の方が多い。また、そのことを実施することによって企業の経費削減につながるというような状況をよく聞きました。
 そういった点から、要するに、報告、届け出の面についても積極的に緩和をすべしというような方針を行革大綱に織り込んだところでございます。
 今原田先生のおっしゃったことについては、十分これからも留意をして、そして実質的に効果が出るようにいたしたい。今の専門三部会でやっております問題は、まさにそういうようなねらいでやっておるわけでございますから、その後、さらに今度は年度計画を立てることになっておりますので、その点は十分御注意をお伺いしましたので、そういったことでさらに詰めてまいりたいと存じます。
○原田(昇)委員 私は、日本の経済再生に最も必要なものは、今いわば若干閉塞状態のところがあるんですね。それを打破してブレークスルーするには、国民の旺盛な起業家精神だと思うんですよ。リスクを恐れず、大胆に自分の夢の実現に取り組むベンチャー精神ということこそ日本の経済の未来を開く基本的な原動力ではないか、こういうふうに思います。経済改革も基盤整備も、もちろん規制緩和もそのためのものでなきゃならぬと
思うんですね。
 そこで、政府はベンチャー企業の支援についてどのような姿勢で取り組んでおられるのか。
 聞くところによると、出資や債務保証についての制度はかなりあるということを聞きますが、必要とする企業に余り知られていない、十分な効果を上げているとは思えない。制度の一層の普及に努めなきゃならぬと思いますが、いかがでしょうか、簡単に。
○畑国務大臣 ただいま原田先生御指摘のとおり、昨年度の三次にわたります経済対策等々の中にこの分類のケースがあるわけでございますが、残念ながら、その使用実態、いわゆる利用実態といいますか、これにつきましてはまだ欠けるところがある、こういう認識でございまして、御指摘のような意味合いで、さらなる啓蒙そしてまた周知徹底、この努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
○原田(昇)委員 大いにひとつ通産大臣、この点、頑張ってください。
 それから、ベンチャー企業の育成には、株式の店頭公開市場というものを活用して民間資金の円滑な調達を図ることが必要だと思うんですね。
 アメリカでは、店頭市場の中核をなすNASDAQというのがあるんですけれども、大蔵大臣、御存じだと思うんですが、情報通信とかバイオといったハイテクベンチャー企業の資金調達の場として極めて有効に機能しておるわけであります。
 我が国の店頭市場はこれにも劣らずなっておるかというと、残念ながら話にならないんですよ。やっと最近、週三、四件ぐらいを限度として上場を認めましょう、店頭登録を認めましょう、こういうように、非常に規制が厳しい。
 考え方が違うんですよね。投資家保護という従来の視点から離れて、思い切って投資家は自己責任でやりなさい、損しても仕方がないですよ。そして、そういう発想の転換からいって、公開基準を明確にする、そして透明化する、そしてディスクロージャーを徹底するということが必要だと思うんですね。その前提として、週当たりの公開企業数に上限を設けるというようなことは一切やめて、そのかわり、投資家にはっきりこう言うことだ。
 そして、何か今聞いてみると、コンピューターで全部取引しておる、場は通すわけじゃない、こういうようなNASDAQのやり方だそうです。非常にコストが安くできる。これをひとつぜひ見習っていただいて、日本にもこういう考え方を導入してもらって、もう日本のベンチャーキャピタルというのをもっともっとオープンに育てていくということがなければ、日本のこれからの再生の原動力になる起業家精神というものは死んでしまうんじゃないか、こう思いますよ。ぜひ考えていただきたいと思います。
○藤井国務大臣 ただいまのニュービジネス、特にベンチャー企業というものに対する資金の調達の手段、これは非常に重要なことだと思います。
 もう御承知のように、平成三年のころ、日本の店頭市場はほとんどとまつちゃったわけでございますね。当時の事情としてしょうがなかったわけですが、現在、この平成五年二月の対策で週五件ぐらい実際にこれは行われておりまして、このペースでいきますと、五十三掛けるわけですから百五、六十のものが出てくるような状況に今なっているわけです。
 ところが、今おっしゃった点が非常に物の考え方の難しいところでございまして、今、日本の投資家の方が、一切自己責任であるということを本当に認識しておられるかということについては、現実の問題としてまだそこまでいっていない。そうすると、やはり投資家保護のためのある種の基準は必要だ、こう考えておりますが、それでも百五、六十のものにはなるということでございます。
 NASDAQの話がございましたが、NASDAQの基準と比べましても、もしくは詳しいことであれば事務方に報告させますが、そんなに日本の店頭市場が厳しいというふうには考えておりません。
○原田(昇)委員 いや、要するに、非常に規制が厳しいんじゃないですか。私の言っているのは、投資家保護というのを余り強く出し過ぎるということと、何も上限を設けることはないんだから、一定の基準に合致するものは自由に出してもらうということが原則であらねばならぬと思うんですね。
 NASDAQのようにやれと言っているのは、私は、店頭市場というのは今の証券取引市場とは別に考えたらいいのじゃないかと思うのです。それで、そのクラブに入る、そのかわり、損しても仕方がない。ルーレットをやるよりは大分確率はいいと思うのですけれどもね。そういうものであるというように考えていかなきゃならないのではないかと思います。それによってベンチャーキャピタルというのはどんどん育つと思うのですね。
 余りにも基準がやかましい。企業を創業してから何と十年も十五年もたたないとこれにのせられない。それじゃ、そのころ苦労して借りたものを返せない、十五年も二十年も長期で借りなければならないというようなことになるわけですね。もう少し考えてください。ぜひ新しい観点で、規制緩和ということも言っておられる、推進しておられるわけですから、真っ先にそれをやっていただきたい。
○藤井国務大臣 大変大事な御視点だと思います。
 また、今申し上げたように、実は、現実にこの間も、店頭に上場されて二年目で破産してしまった会社があるわけですね。今の原田委員のお話であれば、それは投資家の見る目の問題であるというお話だろうと思います。そこのところが、今の日本の社会の現状において投資家の方にどこまで自己責任というものが求められるか。これはそういう方向に行かなければならないのは事実でありまして、規制緩和とはそういうことでございますからそのとおりだと思いますが、投資の場というところにおいていきなり全くフリーにするようなことはどうか。
 しかし、御指摘の点は大変大事だと考えておりますので、よく検討させていただきます。
○原田(昇)委員 それでは次に行きますが、今緊急に必要とされる内需拡大にとりまして決め手となるのは、先ほども申し上げた価格革命ということによる物価の下落、物価革命によって消費者の懐が豊かになるということ、それによって新しい消費が生まれるということが非常に大事だと思うのですが、それと同時に公共投資なんですね。
 既に日米間の公約になっている十年間四百三十兆というのはもう消化のめどは十分立っておるし、先ほど町村委員からたしか御議論があったと思いますから私はもう申し上げませんけれども、もう二百兆から百五十兆追加するなどというのは大したことじゃないのですよ。そんなにも背伸びをしなくてもできるということだと思うのです。
 内需振興の最も具体的な方策といえば、この投資の拡大だと思うのですね。そして、対象としては、従来の公共投資をさらに一層増強するということに加えまして、先ほど申し上げた日本人のベンチャー精神が十分に発揮できるように、生活環境関連とかあるいは情報通信基盤関連とか、こういう分野で大いに基盤整備をやっていただけばかなり力強い潜在成長力を発揮できるはずだと思うのですね。そういう意味ぐぜひ羽田内閣におかれましても、この六月をめどにという中にこの点を非常に重要に考えて推進をしていただきたいと思うのです。いかがですか。
○羽田内閣総理大臣 これにつきまして今経済企画庁の方でせっかく努力をしてくれております。私ども、それについてよく情報をつかみながら対応していきたいと思っております。
○原田(昇)委員 今経済企画庁の方で努力をしてくれていると総理はおっしゃっていますが、先ほどの町村さんの問答を聞いていますと、全く努力していると思えないね、あれじゃ。何だかもう全くわけがわからぬですよ。しっかりやってもらいたい。もう答弁は不要です。
 そしてもう一つ、減税の問題について伺っておきたいことは、ここに、今私の同僚から差し入れがありましたが、「包括協議 マクロ政策決着」という題で、きのうの日経の夕刊ですね。「減税先行3年が前提」だと羽田さんが外務大臣のときに明言しておる、米高官はこういうことを言っております。モロッコでカンター代表に対して明言したと伝えられておりますが、これは事実でしょうか。
○羽田内閣総理大臣 この問題につきましては、アメリカ側の方は、ただ一年限りの減税で、翌年からまた上げるというような話、そのように今度の措置によって考えておられる。しかし、私どもは、細川内閣のときに、これはまさに恒久減税にしていこうということで対応しておった。しかし、残念ですけれども連立政権でありますから、そういった中でそれが議を得ることができなかったという結果こうなっておる。ですから、今私は実はやめる大臣である、やめる大臣が次の内閣がやるものについてどうこうしますよなんて言うことはできません、ただ、我々としてはそういう方向というのはみんながやはり今考えておるということだけは申し上げることができるであろうという話で、約束とかなんとかという、そういうものとは一切違います。
○原田(昇)委員 そういう方向について説明をした、こういうことですか。
 それなら伺いますが、昨日同僚の質問に対して大蔵大臣は何か国際的に約束することはあり得ないと答弁しておるけれども、アメリカが約束したように受け取っておるということだと非常に問題だと思うのですね。どうなんですか。
○藤井国務大臣 これは、総理のお話としてそれは出ておりますが、総理自身が今お答えしたとおりでございますし、また、私は三回のG7において我が国の経済政策についてるる述べましたが、今お話しのように約束とか、そういうようなニュアンスとは全く違うということに御理解をいただきたいと思います。
○原田(昇)委員 そこで、税制改革については六月までに連立政権でめどをつけると言われておるわけですが、そしてそれを持って、仮にこれをまとめて日米会談とサミットに臨む。そうすると、減税だけでは無責任だということになって、じゃその財源をどうするかというところまで詰めるのでしょうからね。そしてそれを国際的に、クリントンと会われて、日本側のマクロでの景気振興策、マクロ経済運営について約束をしてこられる。こういう方向でやるよという説明をし、まあ一種の国際公約になってくるのですが、そういうことでいいのですか。これは大変なことだと思うのですよ。国会に対してそれで責任を負えるのですか。
○藤井国務大臣 常にこの国会においてお答えいたしておりますように、我々としては基本的な税制改革をまとめなければならない、かつ、既に特別減税法におきましては全会一致の法案修正、法律修正をしてくださいまして、所得税の平成七年度以降の減税を含む基本的税制改革を行う、こういうような御決定をいただいております。
 私どもといたしましては、連立与党の合意を得るばかりでなく、我々少数与党でございますから、多数の各会派の皆様方の御理解をいただきながら、今の基本的税制改革の方向づけ、成案を得てまいりたいと思っております。
 また、サミット問題については、私の問題というよりも総理の問題でございますが、総理は基本的な物の考え方をお話しになるものと了解しております。
○原田(昇)委員 基本的な税制改革というのは、これはまた話は別なんですが、三年間続けて減税するというのは、一体だれがこんな話になっているのですか。大蔵大臣。
○藤井国務大臣 そういう具体的な数字また減税規模等について国外に話したことは私は一切ございません。
○原田(昇)委員 そうすると、まあ、実行される保証がない限りそんなことはやらない、こういうことですか。
○藤井国務大臣 私が国内の経済政策として申したことは、恒久的な所得税減税をやる、そしてその裏づけになる基本的な税制改革を行いたいというふうに私どもは国内政策として考えている、こういうことを申しておるわけであります。
○原田(昇)委員 わかりました。
 それじゃ、別にアメリカに約束したからアメリカの圧力でやるというようなことではない、純粋にこれからのマクロ経済の視点に立って景気対策はやるんだ、税制は税制改革としてやるんだ、こういう整理でいいですね。
○藤井国務大臣 ただいまの原田委員のおまとめになったとおりに考えております。
○原田(昇)委員 そうすると、マクロとして継続して減税する必要があるかどうかということについては、先ほど総理が、かたい決意で大いに生活の内容を豊かにするために価格の低減はやれるものはどんどんやっていくんだ、私はそれは非常に賛成なのです。そうすれば、さっき言ったように二%でも六兆円ぐらいのものは出てくるわけだ。そういうときにわざわざ減税なんかしなくたって、それだけの効果がこれからの円高のいろいろなメリットとかそれから規制緩和とかそういうことで達成できるじゃないですか。わざわざ財政に穴をあける必要はないじゃないですか。どうですか。
    〔後藤委員長代理退席、委員長着席〕
○藤井国務大臣 過般もこの予算委員会において自由民主党柳沢委員から同趣旨の御発言がございました。減税不要論であると思います。
 ただ、私どもといたしましては、国会の全会派一致で恒久的減税をするようにという法律修正もいただいておりますし、私どもも前内閣以来そういう方針で臨んでまいり、羽田内閣もその点は重要な基本政策であるというふうにして踏襲することを決めていることを御理解いただきたいと思います。
○原田(昇)委員 私は、要するに景気の問題と関連して減税は考えるべきだと思うのですよ。そこで景気対策として不十分なら減税しなきゃならないけれども、もうほかの手段で達成できるということなら何も減税することはない、税制の基本的なストラクチャーを変えるということはもちろんやらなければならないけれども。その点は十分ひとつ虚心坦懐に御検討いただいてやっていただきたいと思うのです。これは答弁は要りません。
 そこで次に申し上げたいのは、内外価格差というのを縮めるということは非常に大事なことだと思うのですね。それに、一番大きい内外価格差と言われておるのが、いろいろな調査で見てみますと、土地住宅の分野、それから食料の分野、これは食管法とか何かあるから相当あることは想像にかたくない。それからエネルギー、こういう三分野だと言われておるのですね。
 私はここで、もう時間がありませんので土地住宅問題に限って少し議論してみたいのですけれども、特にこれからの日本は、いろいろ考え方はあると思いますが、要するにこれだけGNPが拡大して、国民が住みよい環境で質の高い住宅に生活できるということが基本だと思うのですね。それで本当の豊かさが実感できるわけで、やはり住宅がよくない、環境がよくないということでは、これは豊かさの実感はできない。明治開国以来欧米社会に追いつき追い越すことを目指して努力して、今日、本当に貧弱な住宅で一時間半もかけて通勤してこなきゃ職場にたどりつけないということでは、これは豊かな社会と言えるのかということになると思うのですね。
 そこで、生活環境と住宅は残念ながらまだ十分じゃない。しかし、考えようによれば、そこにはまだ投資の余地、開発の余地というものが十分あると思うのですね。そういう考え方でいえば、現在多くの需要が伸び悩んでおる中で、内需拡大の旗頭として民間住宅投資というのが相当突出して伸びているということも非常にこのことを示唆しているのじゃないかと思うのです。
 安い土地の供給と安い住宅の開発というのは、
この傾向を一層加速して、景気の浮揚とか今後の経済の拡大に対しても大きく貢献できると確信するわけです。地価が安定してきた、大いに地価がバブル時代のバブルがはねて下落してようやく安定に向かっておるときに、土地住宅問題の根本的な解決を図るべきときではないかと思うのです。
 最も大きなポイントは、バブルの崩壊で地価が下がったというものの一般市民が入手するにはまだ土地が高いのですね。これを解決するには、宅地の供給を何といってもふやしてやるということが大事でありまして、それを阻んでいる第一は都市計画の線引きが旧態依然としているということにあると思う。この線引きについて抜本的な見直しをすることが必要だと思うのですが、いかがですか。
○森本国務大臣 原田委員の今おっしゃったとおりに、これからの日本の経済で抜本的に変えていかなければならないのは、やはり何といっても土地住宅問題ではないか、私もそのように考えておるところでございます。おっしゃいましたように、線引きの規制緩和をやっていかなければならない、それによって土地を供給していかなければならないということかと思います。
 これはもう委員も建設大臣をやっていただいたのでよく御承知いただいているかと思いますが、おおむね五年に一回見直しを行っていくわけでございますが、今日まで一回、二回で大体七万ヘクタールが市街化に編入されております。殊に二回目では、土地区画整理事業の実施などの計画で市街化の見通しがついた区域について弾力的に編入することのできる方式を取り入れてまいりました。
 今度第三回目の見直しですが、早期完了を図ってまいりたいと考えておるところでございます。この場合に農水省ともよく協議をしなければならない点も多々ございますので、引き続きまして農水大臣等とも、農水省とも積極的に対応してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○原田(昇)委員 そこで、第二は農地の宅地転用の問題だと思うのですが、農家の意向というのはもちろんありますけれども、農地の都市的利用への転換ができるという、また転換しなければならない地域については促進をしていく必要があると思うのですね。特に、耕作されてない農地がたくさんあるのです。
 総理にお伺いしますが、現在首都圏で、二十キロから四十キロ圏くらいのものですが、この圏内で、耕作放棄農地、耕作を放棄しておる農地というのがどのくらいあるか御存じですか。
○加藤国務大臣 首都圏で二十キロから四十キロと限定いたしますと、四千四百ヘクタール前後あると思います。
○原田(昇)委員 四千二百ヘクタールということでございますが、それだけありますと、住宅にすると一戸建て住宅で二十万戸ぐらい建ちますね。高層住宅にすればもっと五十万か六十万、まあ高層ばかりでもぐあいが悪いでしょうから、一戸建てと高層と合わせてやれば二、三十万戸の住宅が建ち得るわけですよ。これは百万人を収容できます、三十万戸といえば。
 現在の農地法では面積二ヘクタールを超える農地の転用は農林大臣の権限ということになっていて、下から上げていっても大臣のところまでは、加藤大臣、あなたのところまで行くのになかなか時間がかかってしまって、これはなかなかうまくいかないのですよ。
 そこで、これをぜひ農地転用の権限を市町村長まで落としてもらいたい、耕作を放棄しているのですから。そして、私は何も無味乾燥な住宅密集地にしてしまえということを言っておるわけじゃなくて、ぜひこれは緑の深い、本当にすばらしい田園都市をつくっていくということをやっていただけば大変効果があるのじゃないかと思います。
 ぜひこれはやっていただきたいのですが、何も都市計画法だけを活用するのじゃなくて、これは農水省も、農水大臣も関係しておられる集落地域整備法というのがありますね。これが何か適用が少ないのですよ。これの範囲を広げて、これを活用してもらったら、いい、緑地の多い住宅地ができるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 耕作放棄地、先ほど四千数百へタタールあると申し上げましたが、これはまとまってあるのじゃないのですね。もうぱらぱら個別的に散在しておるわけでしょう。したがって、今おっしゃったようなのと若干私は違うニュアンスを持っておるのです。これがまとまっておるというのなら、これまた話は別です。個別的に散在しておる。
 しかし、貴重な我が国土でございますから、基本は農業上の利用、しかし、それでどうしてもだめなら有効な土地利用を図らなければならぬ。そういうことで行革本部の住宅・土地部会から御指摘もあったので、私は、三大都市圏における耕作放棄地を早急に調査しましょう、そして、その調査の結果を踏まえて、農地として有効利用するものと、それから自然的、地形的条件からこれはもう農地にはできないぞといったものは思い切っていろいろな有効利用、転換を考えなければいけない、こう思っておる。
 それからもう一つありましたのは、農水大臣の農転の権限を地方へ任せる。今、調べてみますと、農水大臣のところへ来るのは農転の〇・一%です。一%じゃなくて〇・一%。それで、あとはもうほとんど地方に任してあるわけでございますから、そこはひとつ誤解のないようにしておきたい。
○原田(昇)委員 今お話はわかりました。
 ただ、一つ気になるのは、耕作を放棄しておる農地なんですから、それをさらに農業生産に使うというのはちょっとおかしいのじゃないかなと思うのだな。だから、私は、放棄しておるのは、工場でいえばいわば遊休設備になってもう使い道がない、それならほかに活用して、宅地に転用して庶民に安い住宅を供給しろと、こう言っておるのですからね。その点は間違いないようにしてください。もう答弁はいいです。
 それから第二は、開発指導要綱についてでございますが、地方自治体が、宅地を開発するとき、物すごい上乗せの指導要綱で要求をするのですよ、負担金を拠出しろとか。ある程度無理もないところもあるのですよ。それは、小学校だって教室をふやさなければならなくなるわけですからね。しかし、公的な負担でやらなければならぬものと私的な負担でやるものをもう少し整理してもらって、官民負担のルールを明確化して是正を図るということが絶対に必要です。例えば私の手元に来た例ですと、試算によると、現在一戸五千万円で売れるマンション、マンションの一戸が五千万円、この負担が軽減されると四千万円で販売することが可能だというのですよ。そのくらい違うのですね。これをぜひ御検討をいただきたいと思います。自治大臣、いいですか。
○石井国務大臣 直接自治大臣に関連をした質問というふうにも伺えませんが、五千万円のマンションを四千万円に下落さすのに、これはあらゆる税制その他の問題があろうかと思います。固定資産税の問題についての……
○原田(昇)委員 いや、そうじゃない。行き過ぎた自治体の開発指導、それを是正しろと言っているのだよ。だから是正しますと言ってくれればいいです。
○石井国務大臣 それじゃ、これはひとつ建設省その他と検討をさせていただきたいと思います。
○原田(昇)委員 もう一つ大事な問題は、バブル崩壊後ほとんどとまってしまった土地取引、これと設備投資を促進することが必要だと思うのですね。
 実はその中で、我が自由民主党で御提案しておるのは、土地の流動化を促進するというのは非常に大事だ。したがって、いろいろ御議論はあろうけれども、とにかく二年間の時限措置で景気を回復するまでの間、回復すれば直ちにストップしてもいいよ。その間、とにかく譲渡所得については現行の三九%を二六%にしろということなんで
す。それは大蔵省に言わせれば、この間の税制改正でそういうことも考慮して二〇%というもっと有利な税金の適用ができるようにしましたよと言うかもしらぬ。
 しかし、それについては、私は非常にこれは結構な話だと思いますけれども、非常に限られた分野にしかないのです。私の言っているのは、土地の流動化促進の一般論としてやりなさいと。ましてや規制緩和と言っているのだから余り規制のないような形で、とにかく三九%にしていった、バブルが起こって抑制した、それを前の状態に戻したらどうですか、こういうことを申し上げているわけであります。
 それからもう一つ、国土法に基づく監視区域の問題ですね。これだってどんどん指定を解除していったらいいと思うのです。地価が上がって困るというので抑えたのですから、この監視区域は戻したらいい。ところが、お役所は一たん規制をかけたり何か制度をつくってしまうと、それが不要になっても何とかかんとか理屈をつけてなかなか廃止しないのだな。これが日本の役所の特色ですよ。私も役人をやったことがあるからよくわかる。しかし、これは政治の立場できちっと整理をしなければいかぬと思うのです。アメリカは省まで廃止するのだから。これはぜひ考えてもらいたい。
○藤井国務大臣 前国会で原田委員と大分ディスカッションをした結果でございますから、二度繰り返しませんが、私どもは原田委員の全体の基準を下げろということに対して、あの基本的な土地税制というのは何もバブルのためにやったのではない、基本的な土地税制であるというふうに認識を申し上げました。そこが一つ違っていたと思います。
 それから、もう一つあのときに申し上げましたのは、しかしながら国土政策に合うようなものについては流動化を図るために何とかこれをやらせていただきますということで、業務用を含む優良建築物についての特例措置をつくったわけであります。
 原田委員は恐らくそれを全部あれにしろという御意見であることもよく承知をいたしておりますが、お聞きのように、当委員会におきましてもあの基準を直すことは許さぬという御意見も当時大分ございました。私どもとしてもいわゆる資産インフレに伴うものではなく基本的なものだと考えておりますので、その点若干意見が異なる点はお許しをいただきたいと思います。
○左藤国務大臣 監視区域の緩和につきましては、昨年十一月に土地局長の通達ということで自治体にそのことを、緩和、解除を実施するようにということで、その状況については都道府県が一番よくわかるわけでありますから、そういったことを実施していくようにということでいたしまして、既に七割程度の自治体において実施済みであり、今後もこの趣旨において自治体で検討が進められていくだろう、このように考えておるところでございます。
○原田(昇)委員 大蔵大臣とここの点について理論闘争をしておると時間がありませんから、きょうは省略してまた別の機会にいたしますけれども、私は、いろいろ立場によって議論はあるだろう。しかし景気対策として二年間だけそういう議論を棚上げにして、それはもういいですよ、恒久措置として何とかと、いろいろあるでしょう。二年間だけやったらどうだ、こういうことを御提案申し上げているのです。わかったですね。一藤井国務大臣「わかりました」と呼ぶ)
 それから同時に、景気対策をやろうと真剣に考えた場合、やはり土地の流動化というのは非常に大事だ。私は、減税もそれは一つの方法かもしらぬけれども、不良資産の処理とか土地の流動化というのは非常に大事だ。そういうものがうまくいかなくて、複合不況が今度の不況の一番の特色なんですから、それをやる上に二年間に限って特例措置をやったらどうですか、状況がよくなったら直ちにもとへ戻したらいい、こういうことを言っているのですよ。それがなぜ考えられぬか。ぜひ政治家としての判断をしてもらいたい。よく僕は大蔵大臣にお願いしておきます。
 それから次に、時間がないのでもう一つ言いますが、不動産取得税とか登録免許税あるいは固定資産税、特に不動産取得税とか登録免許税、これは固定資産税の評価額を基準にして決めるわけですね。若干の軽減措置はありましたが、場所によっては六倍になる、今までと。そういう結果になっているのです。固定資産税評価額がことしから変わったということで六倍になっちゃう。これじゃ全く土地の流動化阻害ですよ。もうちょっと何とか考える余地があるんじゃないかということなんですね。
 つまり、この不動産、ついでに固定資産税評価額について申し上げますと、これは東京都の鳩山大臣よく知っていると思うのですが、地価公示価格をベースにして、その七割を不動産評価額にするということになっているのですね。地価公示価格はいつのかというと、平成五年の一月一日だ。その七割をもって三年間やるのですよ。平成六年、七年、八年。
 そうすると、今もう四割下がっちゃったというのは一体どうなるかというと、現実の地価の方が不動産評価額よりは安くなる。逆転現象が起こる。それで、緩和措置はもちろんありますけれども、それによって自治体によってうんと違ってくる。これはもう大変おかしな話だと私は思うのですね。
 今、固定資産税について、これは自治大臣ですよ、固定資産税について紛争件数が、不服申請がたくさん出ておる。過去最大の不服申請が出ておるというのは、こういうことだと思うのですよ。地価が下がるのに何でこんなに上がるんだ。上がっている例も申し上げたいのですが、時間がなくなりましたから実例はくだくだ説明するのは後にしますが、そういうことですよ。これは何とかひとつ考えていただけないかということですね。
○石井国務大臣 多くを申し上げませんが、そういう不満が東京を中心に充満しておるということは伺っておりますし、不服の申請が非常に多いということもわかっております。
 御案内のとおり、何と驚くべき、一億七千万筆というものをこれは算定し、各市町村三千三百のうちで全国画一でこれを評価し、そして徴税に対する事務をしなければいかぬ、そういうことから三年に一度の評価がえをやっておる。バブルの現象の中からこういう異常現象が起こっておる、こういうことでございまして、私もこの方法について何らかのタイムラグを、あるいは調整措置がとれないのかということを言っておるところでございますが、なかなか役所の方からは、全国画一の公平性というふうな問題から、問題があるという指摘がございます。
○原田(昇)委員 大臣、今のはどういう方法がいいかというのを私が提案しますよ。七掛けにしたのがいかぬのですよ。四掛けにすればいいのですよ。一年前の公示地価を基準にするということは、当然それはたくさん筆があるのですからやらざるを得ないと思う。それはいいですよ、一年前。ただし、基準を公示地価の七掛けにしているでしょう。
○山口委員長 時間が参っておりますので、簡単にお願いします。
○原田(昇)委員 はい。それを訂正するということをぜひ御検討をいただきたい。
 それから、公示価格についても、これは国土庁ですが、売買実例を事例にして公示価格をつくり上げるというのはおかしい。私は、地価というのは、本当は収益還元方式で考えるべきだと思うのです。だから、売買のないところはいつまでも高どまりしちゃっているのですよ。その高いのを基準に固定資産税なり、相続税はその八割、そういう基準でやられるからいかぬのですよ。私は、これはやはり公示価格については十分再検討していただきたいと思いますね。ぜひ要望しておきます。
 時間でございますので、これをもって終了します。
○山口委員長 これにて原田君の質疑は終了いたしました。
 次回は、来る三十日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後六時三十八分散会