第129回国会 規制緩和に関する特別委員会 第4号
平成六年六月二十一日(火曜日)
    午後五時十九分開議
出席委員
  委員長 加藤 卓二君
   理事 狩野  勝君 理事 亀井 善之君
   理事 森田  一君 理事 栗本慎一郎君
   理事 武山百合子君 理事 吉岡 賢治君
      小杉  隆君    七条  明君
      中川 秀直君    萩山 教嚴君
      御法川英文君    村田 吉隆君
      白沢 三郎君    樽床 伸二君
      西村 眞悟君    村井  仁君
      北沢 清功君    輿石  東君
      永井 哲男君    貝沼 次郎君
      高木 陽介君    宇佐美 登君
      吉井 英勝君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 石田幸四郎君
 出席政府委員
        総務庁人事局長 杉浦  力君
        総務庁行政管理
        局長      八木 俊道君
        総務庁行政監察
        局長      田中 一昭君
 委員外の出席者
        経済企画庁調整
        局審議官    金子 孝文君
        経済企画庁物価
        局物価政策課長 山川 英明君
        大蔵省主税局税
        制第二課長   福田  進君
        大蔵省銀行局保
        険部保険第二課
        長       滝本 豊水君
        大蔵省国際金融
        局国際資本課長 仁尾  徹君
        厚生省生活衛生
        局乳肉衛生課長 森田 邦雄君
        林野庁指導部造
        林保全課長   後藤 武夫君
        運輸大臣官房文
        書課長     岩村  敬君
        運輸省運輸政策
        局複合貨物流通
        課長      大庭 靖雄君
        運輸省鉄道局業
        務課長     岩崎  勉君
        特別委員会第三
        調査室長    菅野 和美君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十一日
 辞任         補欠選任
  萩山 教嚴君     中川 秀直君
  中西 啓介君     白沢 三郎君
  松本 善明君     吉井 英勝君
同日
 辞任         補欠選任
  中川 秀直君     萩山 教嚴君
  白沢 三郎君     中西 啓介君
  吉井 英勝君     松本 善明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案
 (内閣提出第七三号)
 規制緩和の推進に関する件
     ――――◇―――――
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。狩野勝君。
○狩野委員 私は、自由民主党の狩野勝でございますが、規制緩和の諸問題につきまして質問いたしたいと思います。
 規制緩和とか地方分権とかいう言葉、大変叫ばれて久しいわけでございますが、何か言葉がひとり歩きしまして、言葉だけが巨大化して走っているようにも思うわけでございます。こういう中にありまして、なかなか規制緩和が進まないではないかという声もありますけれども、それぞれの部署で大変な御努力もいただいているということを承知しておりますが、担当大臣といたしまして、この十カ月間取り組まれた中で、なかなか進まないような要因とか、あるいはまた障害がもしあるとするならばどんなことかなということで、大臣の御所見をまず伺いたいと思います。
 また、あわせてもう一点は、同時に伺いますが、今回の許認可一括法案は、まさに一括法案ということで、その性格から届けを廃止するとか許認可するとか、大変定形的なものでございますけれども、国民生活の質的向上あるいは内需拡大とか開かれた市場のためにも、実質的な規制緩和に対する取り組みが大変求められていると思います。そういう観点から、その取り組みあるいはまた基本的な考え方、スケジュール、現在の検討対象事項など、ひとつ具体的にあわせてお答えをいただきたいと思います。
○石田国務大臣 少々参議院の方の審議がございまして、おくれて大変に恐縮に存じております。
 狩野先生お尋ねでございますので、まず私が総務庁長官に就任をした当時、やはりこの規制緩和の問題がかなり大きなテーマとして挙げられておりました。前長官の当時つくられたのが、いわゆる一割削減というようなことで始まっておったわけでございます。
 しかし、子細に検討してみますと、一割削減は削減の意味ではそれなりの効果があろうかなと思いまして、私どもも引き継いだ残余の期間の中でそれは推進をしておったわけでございますが、やはり一国会、一国会考えてみますと、さまざまな経済社会の進展なり、あるいは社会状況の変化によりまして新しい法律あるいは法律を改正する、そういうような動きがございまして、大体、通常国会一国会で四十本から六十本ぐらいの法律が制定されているわけでございます。そうしますと、それに伴う規制というのががんとふえるわけでございまして、プラスマイナスしてみますとむしろ規制がふえていく、こういうような現象にぶつかりまして、このままではこれはどうにもならぬなということで、規制緩和の新しい方針をつくるときにどうしようかというようなことをいろいろ考えてみたわけでございます。
 そこら辺はそれなりに省内でも打ち合わせをしまして、まず一つ考えましたのが、法律ができる、その法律は特別な場合を除いて、そういう規制がかかるものの法律については一定の期間、五年なら五年を経過した時点では必ず見直しをするという見直し条項をつけたらどうかということを考えまして、なかなか最初は法制局の理解を得られませんでしたけれども、しかしこのままでは規制はどんどんふえていくわけだから、これは政府の大方針としてはうまくいかない、そういうようなことで話を詰めて、法制局の方も理解をして、原則それでは見直し条項を入れましようというようなことが一つございました。
 それからもう一つ問題であったのは、やはり報告、届け出の問題でございます。一例を申し上げますと、今でも話題になるのでございますが、デパート等におきまして売り場を変更する場合に、個々の問題、食料品なら食料品の中の、例えば酒なら酒の売り場を変更するときにはそれはそ
れで出さなければならない、ほかの売り場を変更するときまた届けなければならないというようなことで、あるいはお盆、お中元のそういうような問題についても一つ一つ届け出を出さなければならない。そうしますと、許認可問題だけではなくて、やはり一つの大きな問題として報告、届け出の問題を緩和していかなければ、これは役所の方も手間がかかりますけれども、それぞれの経済活動をやっている人たちは大変に経費の点でも負担になっているわけでございます。あるいは運送会社等も同じでございますけれども、いろいろな報告事項があるわけでございます。そこら辺を積極的に緩和しようというようなことでございました。そこら辺を踏まえて、規制緩和に取り組んだわけでございます。
 もう既に先生御存じのとおり、行革審あるいは経済改革研究会報告等でも規制緩和が当面これからの新しい経済社会を再構築するためにどうしても必要な事項である。確かに三十年、四十年の経過を考えますと、それだけの長い年月の中にはもうそろそろ必要でないのではないかというような規制もあるわけでございますので、そういうものを見直ししよう。三十年前にそれぞれの産業を振興させるために必要であった規制というものも、三十年経過してみますれば、その必要性はいかがかという見直しができる状況も生まれているわけでございますから、そういった意味で新しい経済社会を再構築するために規制緩和を積極的にやろう、こういうようなことで、経済的規制は原則自由、例外規制、社会的規制は本来の政策目的に沿ったものというような形で方針が示されました。
 それを受けて、細川政権として、前政権としましてこの規制緩和に真剣に取り組んだわけでございます。対外経済改革等の問題を含めて、そういった問題を今この一括法でお願い申し上げておるわけでございますが、個別法二十四法律、一括法四十本、こうなっておりますが、その立て分けの基準は、やはり共通的に処理できるものは一括法でやろう、それから政策的に大きな変更になるものは個別法でやる以外にないというようなことで、法制局等がそこら辺をかなり厳しく審査をしてくれまして、そういう方針でお願いを現在いたしておるというところでございます。
 さらに、細川政権に引き続いて羽田政権におきましても、法律五百そのものを全般的に見直すのは当然なわけでございますが、そういうような横並びの形でずっと進んでいってもなかなか結果が出ないだろうというようなことで、細川政権のときにいわゆる専門部会、三専門部会を設置して個別に話を詰めてきた。それで、これが今最終段階になっておりまして、六月末までの間に土地、住宅それから情報関係、市場、流通、それから大蔵関係の保険、証券等の問題についても今大蔵の方で特別にやってもらっておりますので四部会、そういった問題が六月末に一つの結果を出そうというので、これはかなり大幅になりますが、その成果をお示しできるのではないか。明日から各大臣と、主要大臣との折衝を始めることにいたしておるわけでございます。そして、これで一つの成果を出して対外的な問題も理解を求めるようにする。それからまた、新しい市場経済の活性化のためのさまざまな規制緩和をここで国民の皆さんにぜひ御理解をいただいて実施し、市場の活性化につなげてまいりたい、こう思っているところでございます。
 したがいまして、今までの法律をつくった部分が第一段階といたしますれば、六月末に出す三部会、四部会の話の結果は第二段階ということになります。これはまた新しく法律の改正等をお願いしなければならないわけでございますが、それだけではまだ規制緩和全体に及ぶわけではございませんので、それが終わりましてから第三段階として五カ年の規制緩和の計画を立てまして、そして順次やってまいりたい。ここまで進みますれば、かなり規制緩和は進んでくるだろうというふうに思っております。したがいまして、単に数字を追うのではなくて、やはり規制緩和の原理原則をしっかりと踏まえて、実質的に効果が上がるようにいたしたい、このように考えているところでございます。
○狩野委員 取り組みの第二点といたしまして、我が党としても今後積極的に取り組んでまいりますけれども、私は、この規制緩和の原理原則、目標というものを定めて、基本的な規制の緩和の考え方を明確にした中での取り組みを実はしてほしいと思うわけでございます。規制緩和といっても、何でも緩和というのではなくして、中小企業とか、あるいは雇用の問題や生命にかかわる問題、あるいはまた弱者に悪影響を及ぼすものに関しては、軽々に緩和すべきではないと私は思うわけでございます。
 例えば、行革本部の作業部会で、薬剤師なしでも医薬品を販売できるよう特例措置を設けるべきとの提言がなされたと聞きますが、医薬品は一般日用品とはやはり一線を画すべきでありますし、経済的規制とは異なり、責任ある販売員の管理者というものがおっての販売をすることが必要だ、このように私は思います。スーパーやコンビニエンスストアで無資格者が自由販売することは、安全性からも、あるいはまた国民の健康の保持という観点からも絶対にやってはならないと思いますけれども、これについての御所見をお伺いいたしたいと思います。
○石田国務大臣 先生の御指摘は、極めて重要なポイントであろうというふうに思うわけでございます。
 現在、例外的に、過疎地等におきましてはそういう薬剤師がいないところでも風邪薬とか胃薬であるとか、そういったものは販売をされているケースがありますが、ごくごく特例的なものでございます。また、先生御指摘のとおり、一般医薬品を、例えばコンビニエンスストアでございますか、ああいったところでも販売をしていいではないかというような御議論も起こっておるわけでございます。しかし、この医薬品の問題については、これは生命の安全、健康という問題に直接かかわってくる問題でございますので、なかなか難しいというふうに実は考えておるわけでございます。まさに社会的規制という角度からの問題を重視しなければならない。何でもかんでもやっていいというふうには、私どもは考えておりません。
 ただ、やはりそういったさまざまな要請もございますから、あるいは国際的な指摘もあるわけでございますので、十分に議論をした上で、慎重の上にも慎重であらねばならない。これも六月末に結論を得られるように、今鋭意厚生省等の間で詰めていただいておるところでございますので、この点は、この一日、二日のうちに厚生大臣ともよくお打ち合わせをさせていただきたい、こう思っておるところでございます。
○狩野委員 もう時間が余りありませんもので、大所高所からは中川秀直議員にお任せいたしますので、次に、許認可一括整理法案の概要並びに具体的な内容について、数点だけ時間がある間お尋ねいたします。
 まず第一点といたしまして、狂犬病予防法の改正についてでありますが、これももうなきに等しかったかもわかりませんけれども、一応今回改正に踏み切った理由は、今回の改正によりどのぐらい国民の負担が軽減されるのか、あるいは犬の所有者一人当たりの負担軽減額、全体としての負担軽減額を説明願いたい。
 と同時に、厚生省関係での第二点は、麻薬及び向精神薬取締法並びにあへん法の改正についてであります。確かに、許可あるいは届け出の有効期間を現在の四半期、すなわち三カ月から半期、すなわち六カ月に延長するというのは、規制緩和のわかりやすい姿であるとは思いますけれども、一方で、麻薬の取り締まりに遺漏が生ずることがないのかどうか、そのことは十分検討されたのか、ちょっとお伺いいたします。
○森田説明員 狂犬病予防法の一部改正につきまして、御説明申し上げます。
 今回の改正は、犬の登録、現在毎年一回していただいているわけでありますけれども、これを犬
を所有した際に一回だけで、すなわち生涯に一回というふうに変更しようということであります。また、登録後の犬の死亡ですとか所在地の変更、これについては、届け出を受けることによって、その動態を確実に把握していこうという趣旨で改正したわけであります。
 これに伴います国民負担の軽減という効果でございますけれども、平成五年におきます犬の登録というのは約四百万頭ございます。これにかかる事務手続あるいは手数料の負担が、毎年一回から生涯に一回になりますので軽減していくだろうというふうに考えているわけでありますけれども、これの具体的な額等につきましては、これは犬が何歳ぐらいまで生きていくのか、あるいは手数料を幾らにするのかというようなことで異なるわけであります。
 仮に今までは、一般に言われております犬の寿命は大体八年、それと今は犬の手数料は上限二千二百円取ることになっております。この上限二千二百円と仮定してみますと、制度改正後に初めて犬を飼う人にとってみれば、八年間に八回しなければいけないのが一回でいいわけですから、七回の登録手数料が軽減される。額でいえば、一頭で一万五千円程度になるかと思っております。また、全国ベースで見てみますと、現在四百万件登録でありますから、初年度はこれは登録していきますけれども、翌年以降は八分の一になるということになりますので、年間で約八十億円程度の負担軽減になるか、そのように考えております。
 以上でございます。
○狩野委員 次に、運輸省にお尋ねいたします。
 今回の許認可一括整理法案において、鉄道事業法あるいは道路運送法、海上運送法などの改正をし、鉄道、バス、船舶の運賃・料金について規制緩和を進めることといたしておりますが、その基本的な考え方と具体的な改正の内容の要点を御答弁願いたいと思います。
 加えまして、この認可制を届け出制に改めるのは大変結構だとは思いますが、法律案を見ると、運賃・料金のこの届け出は、事前届け出なんです。ここは思い切って、同じ届け出でも事後届け出にすべきではないかなとも思いますが、いかがか、御所見を伺います。
○岩村説明員 このたびの法案におきまして、鉄道事業その他の運賃・料金につきまして、認可制を一部届け出制にしておるわけでございますが、その考え方でございます。
 そもそも認可制になっている理由でございますが、国民生活に密着いたしております鉄道事業であるとかバスの事業であるとか、はたまたフェリー事業、こういったものの運賃・料金につきましては、例えば独占的な地位を利用して不当に高額な価格を設定したり、また、旅客によって差別をするというような不当な価格の設定、こういうことがないように、それを防止するために、別の視点からいえば、利用者の保護を図る視点から法律において認可制としてきたわけでございます。
 一方で、運輸サービスの分野でもやはり近時の社会経済情勢の変化がございます。鉄道等の利用者のニーズは、高くてもいいからいいサービスをしてくれとか、いろいろそういう高度化、多様化しておりますので、これにあわせて、こういうニーズにこたえるためには、事業者の方が多彩なメニュー、またそれを機動的に出せるというふうにしていく必要があるので、すべてを認可制で縛ってしまうのではなくて、これから申し上げるような点について、事業者の創意工夫を発揮させるという視点で規制緩和を図るわけでございます。
 一つの視点は、その料金の性格上、迅速かつ弾圧的な対応が要求されるもの、例えば営業政策的な割引運賃・料金、こういったものについては従来から鉄道事業については届け出制であったわけでございますが、今般バス事業、それからフェリーの事業についても認可制から届け出制にいたしたいというふうに考えておるわけでございます。また、もう一つの視点として、例えば鉄道事業のグリーン料金とか寝台料金のように、利用者の選択の余地の大きいもの、こういう大きいサービスにつきましての対価は利用者のニーズを踏まえて機動的に対応できるように、これまた認可制から届け出制に緩和をいたしたいということでございます。
 また、第二点目の、せっかく届け出制にするのであるから事後届け出にしてはいかがかということでございますが、仮にその利用者の利便を損なうような、例えばほかのサービスに比べて不当に極端に高い料金を設定する場合とか、ある特定の利用者を差別するような、こういったことがあれば、結局利用者の利便を損なうことになりますので、事業改善命令というようなことで、あらかじめそういった差別的な運賃とかが設定されないようにいたしまして利用者の利便を図ろう、そういう視点で事前に届け出を求めることにいたしたところでございます。なお一部、例えば鉄道の入場料金のようにサービスと直接関連性が少ないようなもの、こういったものについては事後届け出ということで、いろいろ段階を分けまして規制緩和をいたしておるところでございます。
○狩野委員 もう一点だけ、数点あるのですが、もう一点だけ。
 今回、造林臨時措置法の廃止というのは、災害防止や水資源確保の観点から、これはしようがないのかどうか、この点だけ一点。我が国の森林の維持整備という観点から、簡潔に御答弁願います。
○後藤説明員 お答えいたします。
 造林臨時措置法は、戦中戦後の乱伐によって生じました森林の、国土の荒廃を復旧し、森林資源を培養するために、緊急に造林を必要とするところについて、昭和二十五年に制定された法律でございまして、その後五年間、緊急に造林すべき伐採跡地につきまして造林を行ってきたわけでございます。その後、森林法などの整備が行われまして、今日まで森林計画制度、それから保安林制度、そういった制度に基づきまして国土保全、水資源の涵養、森林の有する公益的機能の発揮につきまして森林整備を進めてきたところでございます。
 このような森林の有する多面的な機能の維持増進のために、今後とも森林法に基づき計画的に、適切に対処してまいりたいと存じておりますので、造林臨時措置法を廃止いたしましても、特に問題はないと存ずる次第でございます。
○狩野委員 以上です。終わります。
○加藤委員長 次に、中川秀直君。
○中川(秀)委員 中川であります。委員長初め同僚議員に、質問の機会を与えていただいたことを感謝して、早速始めさせていただきます。
 石田長官、経済広報センターというところが、行革について非常に熱心な広報活動をやっているのですが、国民から川柳を注文しまして、第一席になった川柳を御存じですか。――知らない。知らなければ私から言います。「早急に検討善処遺憾です」というのですね。非常によくできていると思うのですが、きょうの法律案にいたしましても、私も実は内閣委員会で十年くらいおりまして、いろいろな行革の議論をやってきた一人でございますが、こういう法律が出てくるということは大変前向きなことだとして評価をいたしますが、今度の場合も、いろいろな緊急経済対策や、中期行革大綱による規制緩和事項数のうち、処理するのは、単独法でやるのも含めまして約二割ということですな、一九・九%ですか。
 中身を見ると、御努力のところもわからなくはないが、その都度届け出を年度ごとの届け出に緩和、場合によったら、その都度の方が三年に一遍でよかったのに、年度ごとだと毎年だなというようなこともあるし、あるいはまた、承認が申し出に変わったり、届け出に変わったり、基本的には余り変わらないなということもあったり、国民の目から見れば、まだまだ御努力をいただかなければならぬというような感じは確かにあるのではないかと思います。この残った八割は、大体いつごろまでに措置するのですか。
○八木政府委員 お答え申し上げます。
 事務的な事項の動向でございます。平成六年度中に全体の九五・一%を処理したいと考えております。その母数は、この二月十五日に決定をいたしました千五百九十一件でございますので、大半がこの年度内に処理できると考えている次第でございます。
○中川(秀)委員 それでは、昨年の十月二十七日に第三次行革審で答申が出ましたね。今回の法律もこの行革審を踏まえておると思いますが、それよりももっと基本的に基本になっているのは、この二月十五日の閣議決定、いわゆる今後五年間の行革推進大綱だと思いますが、実はこの第三次行革審の答申と、それから二月十五日の閣議決定、今後五年間の行革推進大綱、この間にも、実は我々の目から見て幾つか指摘をしたい落差というか乖離があるわけですね。
 例えば答申では、原則五年ごとに各省庁は所管するすべての公的規制を見直して総務庁に報告する、こうなっておるわけですけれども、閣議決定では、既存規制について定期的な見直し、「五年ごと」というのが消えてしまっておるわけです。あるいは規制の新設時に当たっては、サンセット的条項、いわゆる一定期間後に見直す、または廃止を付与する、こういうふうにしているのですが、閣議決定は、見直しだけで廃止という点はぽこつと抜けておるわけです。この点なんかはどう思われますか。
○石田国務大臣 規制緩和につきましては、今までの経過があって、それぞれの社会活動の進展に伴っての規制といりふりこなっているわけでございますから、それはそれなりの意味があったわけでございます。そういった問題を新しい角度から見直しをしようということでございますから、そういった意味で、私どもは積極的に規制緩和をやろう、このように考えたところでございます。
 先ほどもちょっと答弁申し上げたわけでございますが、そういった意味で、もう必要ないものはまず原則廃止をしていくということでございます。さらにまた、一遍に改革できない問題もございますから、そういった問題も聖域を設けずに、経済的規制については順次見直しをしていく。したがって、五百の法律に関連する、そういった規制というものを五年計画を立ててやっていこう、こういうようなわけでございます。
 それから、原則廃止なのに緩和というような考え方はどうなんだというような御指摘でございますけれども、私は、こういったいろいろな行政改革に伴う、あるいは規制緩和に伴ういろいろな懇話会へ出て感じましたことは、確かにそういった規制を撤廃すれば非常に新しい企業、産業への新規加入、そういったものの可能性もあると思うのでございますが、同時にまた、現在行われている規制の中で非常に経済活動にむしろ妨げになっているとさえ言えるような報告、届け出の緩和、こういったものは、現実的に非常に役立ってあろう、各経済活動をやっている方々の要請にこたえるゆえんではなかろうかな、これを一つ私は思っております。
 今度、前国会で行政手続法を通していただきましたので、これも国民の皆さん方の御不満を解消するためにかなり大きく役立ってあろうというふうに思っているところでございまして、そういうような総合的な考え方で今後の行政改革、規制緩和を進めてまいりたいと思っているところでございます。
○中川(秀)委員 いろいろ申し上げたいことはありますけれども、僕は、余り答申から後退しない、少なくともその精神あるいは政治的なリーダーシップを発揮していただきたい。答申を尊重するということになっておったわけですから、そういう観点でお尋ねを申し上げていきたいと思います。
 答申では、省庁の体制等についても大くくりな省庁体制、例えば対外関係省、国民生活省あるいは産業省、国土省、財政・経済省、大くくりなそういう、教育科学文化省もありましたが、六省のイメージというのが出ておったんですね。しかし、閣議決定ではこれは一切触れていない。また、公務員の共同採用の推進についても、どこにも閣議決定では触れられていない等々、先ほど申し上げましたような落差がある。私は、共同採用なんかも、「政府一体となった人事管理」というような表現ではなくて、もっと具体的に明文で入れるべきだったのではないか、かように思っていますが、いかがでしたか。
○石田国務大臣 省庁統合の話は行革大綱に全く盛られてないわけではないのでございますけれども、具体的なイメージは何も書いてないというようなことで、御不満があるのかなというふうに思います。
 しかしながら、省庁統合をやるということになりますと、これは先生も御存じのとおり、言うべくしてそう簡単な話ではございませんので、私自身としては、やはり地方分権の推進をまず強力に進めて、そして将来の中央の権限と財源、あるいはいわゆる地方の行政と中央の行政の分離の仕方をひとつ方向づけをしていくということは大事であろうと思いますし、またもう一つは、やはり首都機能の移転の問題がございます。この問題も絡んでくるわけでございますので、むしろこの議論を前へ進めることの方が、いわゆる将来の中央の省庁統合の姿が見えてくるのではないか、こんなことを考えておるところでございます。
 また、公務員の一括採用等の問題もあるのでございますが、これもまだ議論が十二分に詰まっているというような状況ではございません。まさにこれから光ファイバーの時代と申しますか、情報通信の整備をしていかなきゃならない、そういうような時代背景もございますし、今申し上げました中央と地方の行政の区分の問題も検討していかなきゃならない状況がございますれば、あるいはまた首都機能の移転というような問題も考えてみますれば、当然私は、公務員の採用の問題、いわゆる公務員のあり方の問題がそこから浮かび上がってくるのではなかろうかなというふうに思うわけでございます。
 決してそういった行革審の御答申をないがしろにしているわけではございませんが、そういう問題とあわせて一緒にこれから順次検討をしてまいりたいというふうに思うのでございます。
○中川(秀)委員 ともかく何度かこういう審議会も設けられ、近年においてはもうほとんどずっと設けられているような状態できておるわけですが、その答申をやはり着実に、打率八割から九割ぐらいで実行していかなければ、何のためにこういう作業をやっているかわからないわけですから、お願いをしたい。
 その点でいいますと、先ほどの議論にちょっと返りますが、例えばこの閣議決定では規制緩和推進計画についても「五年を期間とする」ものを設けてやっていくということなんですけれども、行革審の答申の方は、このアクション・プランを五年間で期間を区切ってそれでやっていきなさいということじゃなくて、五年ごとにすべての規制を見直せ、これが本当の答申の精神だったんですね。そこら辺はちょっと、あやが違うというよりもやはり姿勢が少し違うという感じが多少いたします。
 それから、その見直しでいく場合に、政策的必要性の役割を終えた場合は廃止する、こういうことなんですが、これは私は、各省庁が判断するものなのか。むしろ、せっかくできる行政改革委員会あたりで御議論をいただいて判断をするといった方が本当なのではないかなという感じもするわけですよ。答申の、総務庁への報告義務も、私は総務庁というよりも行政改革委員会の方がもっと権威があるんじゃないか。総務庁は、そういう事務局をおやりになるということが本当なのではないかなという感じもいたします。
 それから、規制の新設の方も、一定期間後は見直すとなっておるのですが、これは閣議決定だ。答申ではこれは廃止、そういう表現も使っておるわけですね。廃止ということになると、これは完全なサンセットになって、国会の立法手続が必要になってまいりますから、民意の反映がきくわけ
で、そういうようなこともやはり答申の方向でなおなお努力をすべきではなかったか。これは、私の意見として申し上げておきます。
 それから、サンセットに関連して、例えば経済団体なんかは、規制の新設をする場合にはやはり利害関係者といいましょうか、規制をされようとする者、その者の意見聴取をやはりもう義務づけていくべきではないか、つまり意見を聞くということを。内々的にはやっているのかもしれませんが、そういうものももっと公の、オープンの、透明なシステムの中でやっていくべきではないか、こういうこともこの要望で出ております。それからまた、法律ができましたら、先ほど大臣の御答弁にもありましたが、いろんなまた新しい規制がふえますね。政省令もできれば、あるいは通達等、通常これは行政立法といっておりますけれども、そういうものも事前にやはりその案文を公開する、そしてまた公聴会、そういった利害関係人から意見を聞く、そういうものも必要なのではないか。
 今回行政手続法、確かにできましたが、これは明らかに法律の執行過程、行政指導とかそういうものの適正化を図るという法律でございましたが、そういう執行過程ではなくて、これから新しくつくる政省令とかあるいは通達とかそういうものを、総括的なものでいいわけですが、そういうものの手続も定める行政立法手続法みたいなものも検討すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○八木政府委員 平成三年の行革審答申に基づいて行政手続法を立案、御可決をいただいて成立をしたわけでござしますが、その答申におきまして、行政立法手続については将来の検討課題。これは各国なかなかいろいろと制度が分かれておる現状でございます。私ども、まさに検討課題として行革審から承ったという認識でおりまして、勉強を重ねているところでございます。
○中川(秀)委員 ここでさっきの川柳が生きてくるんですが、「早急に検討善処遺憾です」、そんなことになっちゃ何にもならないわけで、検討課題というのは、大体待てるのはせいぜい三年とかそこらですよ。そんな長く、検討課題でずっと持ち越しているようなことじゃだめですよ。これは私のお願いで申し上げておきます。
 それから、アメリカから、この五月の二十六日に規制緩和の五十五項目という要望が出ました。また経団連、経済団体連合会ですが、五月十三日に百九十七項目という規制緩和の要望が出ましたが、こういうものはやはり私は、即できるもの、一年以内にできるもの、あるいは三年以内にできるもの、中長期的に検討しなければならないもの、やらないもの、そういうものもきちんとやはり、何といいましょうかランクづけをしてこたえてあげることが必要なんじゃないか、このように思いますが、いかがですか。
○八木政府委員 ただいま御指摘のございました米側の要望につきましては、平成六年三月、米国関心事項として米側より提示された多数の項目がございます。この中の相当部分が現在最終の詰めに入っているところでございまして、近く御報告を申し上げられると存じます。
 また、EUの関心事項につきましては、これも膨大でございますが、この中の若干部分は同じく今回決着し得る見通しでございます。
 なお、経団連の要望事項につきましては、これは米、EUと違いまして、今回相当程度実施計画に取り込み得ると考えておりまして、目下最終の詰めを急いでいるところでございます。
○中川(秀)委員 これはやはり当然そういうことであるならば、お答えを出すと同時か、あるいはその前に国会にもお示しをいただいて、我々も議論をさせていただかなければならない、このように思いますが、その点もお願いいたしておきますよ。お答えは結構です。
 それから、続けて質問しますが、規制緩和によってどの程度の、例えば内外価格差を圧縮していく効果があるか、縮小していく効果があるか。こういうものはなかなか簡単ではなくて、実は余りどこも御調査をなさっていない。経済企画庁も、実はやや難しいということでさじを投げている。国会の答弁などで、予算委員会で伺いましてもなかなか明確な御答弁はないのです。
 私どもの政策グループでいろいろな試算を、シンクタンクなんかにもお願いをしてみた。それでやってみますと、アメリカ、ドイツに対する日本の購買力平価、こういうものを参考にして、OECDやIMFの資料を使いまして、経済企画庁の計算した物価レポート93というのがありまして、その消費財の購買力平価はどうかということを計算します。それで、日本の消費者物価を一〇〇としてどのくらいであろうか、こう計算してみたわけです。そういたしますと、日本を一〇〇とすると、アメリカが九二年で六二・九、ドイツが八二・六、フランスが七八・一、イギリスが六七・六なんですよ。つまり、大体六割ちょっとから八割ちょっとぐらい、まあ二割から四割ぐらい安い。
 農業まで含めた規制緩和が行われれば、アメリカ並みの物価が実現する、その可能性があるんじゃないかということが、詳しく言う時間はありませんが、我々の感じでした。つまり、うまくすれば三七%ぐらい下がるよと。それから、この農業についての規制緩和というのはなかなか大変なことも事実ですね。それを引いたとしても大体ドイツ並みの八二、つまり大体一五%から一七、八%ぐらいの消費者物価の下落が生じ得る、そういう可能性があるという結果が我々のところに、いろいろコンピューターなんか使った計算で出てきたんですね。こういうこともやろうと思えばできるのです。
 これはやはり政府として、こういう議論もしていくことが、規制を緩和してもらっては困るという人たちのいろいろな御意見もある中でこういう作業に取り組んでいくわけで、やはり国民的な支持というのは必要だ、それから説得力が必要だということになれば、こういう作業もしつつやっていくべきだと思うのですね。長官、どう思われますか。
○石田国務大臣 まさに大事な御指摘なんでございますが、私も総務庁長官になりましたときに、これから規希緩和を進めていくのですけれども、この経済効果がどういう形で出てくるかというので、経企庁の方にも随分お願いをしたのですけれども、なかなかその時点におきましては前向きの姿勢はちょっとうかがわれなかったのでございますが、しかしこれだけ規制緩和を進めていきますれば、モデルケース的にいろいろな議論はできるわけでございますから、そういったものを勘案をしながらさらに検討を進めていただきたいということをお願いをいたしております。
 きょう、経企庁からもお見えてございますから、そちらの方でまた御答弁をさせていただきたいと思います。
○山川説明員 規制緩和のお話と内外価格差の問題でございますけれども、内外価格差の問題というのは規制緩和だけでは必ずしも要素としてあるわけではなくて、日本の経済社会の中で長く培われた商慣行、よく俗に商慣行と言われている問題でありますとか、輸入面でのいろいろなアクセスの障害とか、あるいは生産者の行動、これは価格づけでございますけれども、よく言われますが、日本のように非常に多くの機能を有した商品をつくる、消費者に向いている商品かどうか必ずしもわかりませんけれども、いろいろな機能を持った商品をつくる、その中でいろいろ複雑な価格体系で一応設定しているという事情もある。
 さらに消費者の行動、これもよく言われますが、生鮮の食品、それからブランド物とか衣料品、いろいろなものがございますけれども、そういういろいろな要素が実は複雑に交錯いたしまして、我が国の内外価格差、物価の割高感というのを生んでいるというふうに私ども理解をしておりまして、その中で政策的に非常に重要なものというのは、内外価格差是正につながる非常に重要な政策というのは規制緩和であり、また商慣行の是正とかそういうものであろうと思いまして、政府といたしましては、生活の実感、豊かさ実感に結
びっくということで、そういう面での政策の推進を非常に強力に行っていく必要があるというふうに考えております。
 数量的な問題につきましては、先ほど申し上げましたようないろいろな要素がございまして、なかなか数字で語るということはできませんけれども、こういう政策を進めていきますれば、価格の引き下げに向かうというふうには考えております。
○中川(秀)委員 今までの域をほとんど出ていないような答弁で、もっと努力して勉強しなければいけませんよ。我々やれるのですから、そんな総論なんか聞きに来ているのじゃないのだ、貴重な時間を使っているのだから。今の答弁、四分もかかっているが、ほとんど中身がないですよ。努力してみてください。専門家なんですから、手法はあるはずです。
○八木政府委員 規制緩和政策の結果生ずる新しいビジネスチャンスということが、私どもの一つのねらいでございます。衛星放送でありますとか、国境を越えるテレビの問題、あるいは自動車の規格をぐんと緩和をいたしまして物流コストを下げるとか、あるいはまた地ビールの新しい製造形態を認める、これらのさまざまなビジネスチャンスは可能性でございまして、やってみないとわからないというところが問題のところであります。
 計量的な数字を十分お示しし得ないのが残念なところでございますが、今後詰めさせていただきたいと考えておるところでございます。
○中川(秀)委員 よろしくお願いします。
 次に、特殊法人等の問題についてちょっとお伺いいたします。
 ちょっとこれ大臣、この新聞記事を見てください。この問題もさんざんにマスコミでもいろいろ取り上げられているのですが、連立与党もいろいろ税制改革協議会の中でこんな御議論もなさっておられるようですが、ここに書いてあるとおり、大臣ごらんのとおり、経済界も怒っているわけですよ。問題は、特殊法人だけではない。九十二の特殊法人なんかだけではない。いわゆる認可法人とか公益法人とかそのたぐいのものが、お役所の皆さんが御卒業になるころにたくさんつくるのです。
 この前、予算委員会でジョン万次郎の会のこともちょっと言いましたが、ああいう、そして現役のお役所の方が、おい何ぼ金出してくれよと経団連へ行く。今大臣がごらんになっていただいているこのリストだけでも幾つございます、最近の例だけで。九一年度以降分だけでこれは約二十くらいあるでしょう。だっと、同じようなまた趣旨のものもある。お金を出せという金額が、百十億出せとか二十億円出せとか、三百五十億円出せとか、そういうことでもう天下りのお手伝いはごめんだ、そういうふうに書いてありますね。幾ら何でもひど過ぎるのですよ。
 ともかく特殊法人の整理統合については、私も勉強させていただいておりまして、聞いております。人数も今五十九万二千二百六十五人ですか、平成四年で特殊法人の職員数が。御努力なさっておることもわかる。じゃ認可法人は、幾つあって何人いるんですか、どこがその把握をしているのですか。どこもやっていない。言われているところは、総務庁でも特殊法人一覧というのを出して、統計を数字でとっております。じゃ、特殊法人以外の、このリストに載っている以外の各省のイエローブックスで出ている団体の数は幾つあって、そして何人職員がいるのだ、権限外でございますから把握しておりません、そんなことでいいんですか、大臣、どう思われますか。――いや、大臣に聞いているんだ、大臣に。
○石田国務大臣 今御指摘になった点、あるいは新聞で言われている点、承知いたしております。
 実は、昨日もうちの東京都議会議員の人たちが来まして、いわゆる公益法人的なもの、そういう問題で、もう少ししっかりした方針を出してくれというような話で、その話の内容は、いわゆる残土処理の問題で、建設省関係、建築関係のそういう特殊法人をつくって、そしてそこでやっていく。それには、東京都が三十億の出資をしなければならぬというようなことで、そこでいろいろ中央の人たちが天下りに来る。片や港湾関係は、また運輸省の方の関係で、仕事の内容はそう性質が違わないんだけれども、そっちはそっちでまだそういう特殊法人をつくって、特殊法人というかその法人をつくって、そしてそこへまた二十億の出資をしなければならない。やっている仕事はほとんど同じじゃないですか、そういうものを地方に押しつけられたのじゃ、地方も財政的にもちませんというような話を盛んにしていかれたわけでございます。
 そういうような問題でございますから、この公益法人関係の問題については、政府は、予算編成時につきましては、そういった許可法人を含め特殊法人等について、さまざまな新しいものはもう新設は認めないよというふうに言ってきているのでございますけれども、残念ながら、今先生御指摘の各省庁に行われておりますところの許可法人ですか、そういうものについては、国全体では統括をしていないわけでございまして、そこら辺の問題指摘も極めて不十分かというふうに思います。
 そういった意味におきまして、これはもう一遍検討しまして、先生御指摘の意味をよく踏まえた形で、どういう形で今後の指導方針を出すことができるか、これは真剣にひとつ考えてみたい、このように思っております。
○中川(秀)委員 ぜひお願いをしたいと思いますが、認可法人というのもあるのですね、その前の話として。これは八十七とも八十八とも言われているのですが、それさえも総務庁は権限外で把握ができていないのですよ。まず、これをやらなきゃいかぬ。
 それから、今大臣からお話のあったとおり、私もたまたまきのうある企業人と話していましたが、これは建設関係の方でしたが、ともかくお役所のOBの団体が次から次へと同じようにできる。年間の会費が、大して大きな会社ではないですが一千万だそうですよ。そういうものが本来従業員に支払われたり、社会に使われたり、あるいは納税されたり、そうあるべきものがそういうことに使われていく。
 ともかく私は、ここに「揺らぐ官僚神話」という新聞記事の中にございますが、やはり国民全体の奉仕者であるべき国家公務員法の九十六条のこの公務員が、せっせと再就職先をつくる。ともかく十億円基金を設立したい、ついては五億円ほど出さぬか。もうここにも書いてありますが、九一年だけで十三件、三百三十一億円だ、経団連に来た数字だけで。異常過ぎますよ。
 これは、やはり大臣おっしゃるとおり、まず認可法人もひとつ権限としてきちんと特殊法人のように把握する、人数も団体も仕事の内容も。それからまた、公益法人というようなものも、社団とか財団とかたくさんできる、類似団体がたくさんあります。それもやはりっかまないといかぬ。そういう努力をきちんとやっていただきたい。
 ともかく、そういうものをきちんとしないと、幾ら定員削減だっていろいろなことだって、やってるやってる、特殊法人もきちんとやっている、全部横から、ざるから目が粗くて漏れているようなもので、国民の理解なんかとても得られない。やっているということにならない。そういう感じがいたします。いかがですか。
○石田国務大臣 公益法人の数だけを見てみましても、国の所管法人で七千百五十四ですか、それから都道府県等の所管法人が一万八千二百六十九ということで、法人の数がそれだけあるわけでございまして、それに職員数を掛けると膨大な人数になるだろうというふうに思うわけでございます。
 そういった意味で、これらが各省庁の指導のもとに行われているのでございますが、個々の問題についてはそれぞれ指摘をして直したこともございます。あるそういった認可法人の、さらに一〇〇%出資の会社が、完全な営利事業をやっておる。そのうちバブルでもってはじけて、大変な損害をこうむってしまったという事例がございまし
た。そういう都度に、総務庁としては御注意を申し上げておるわけでございますけれども、そういうような個別の問題だけでは、これはもうとても今後指導はできないでございましょうから、全体像を把握をいたしまして、一遍これは十分、法律改正を要する問題もございましょうから、そういった意味で検討させていただきたいと思います。
○八木政府委員 ただいまの大臣の御答弁に補足を申し上げますが、二万五千四百二十三の公益法人、これは民法三十四条の法人でございますが、これらはすべて民間法人、まさに民間の自由な発意によって設立されるものでございます。行政庁といたしますと、民法三十四条の公益性の基準に合っているかどうかということをチェックするという立場、全く受け身の立場でございます。
 ただ、現実に、役所に比較的近い存在、財務の関係で役所にかなり近い存在のものがその中に少数でもあることは事実でございまして、そのあり方につきましては、行政全体のあり方の一環として、各省の行政の適正化という角度から、私どもも十分検討させていただかなければならない課題であると考えております。
○中川(秀)委員 それでは、局長で結構ですが御答弁いただきたい。
 二万五千とおっしゃいましたね、純民間の、民法三十何条ですか。そこへ役所のOBの方が行っている団体が何割あって、数が幾つあって、そして何人行っていらっしゃるのか。それから、いずれにしても、何らかの形で公費がその全体の、そういう役所が行っているようなところにどのくらいの公費がいっておるのか。これは 大蔵省と相談すれば出るはずですね。
 そういうこともつかんで議論してもらわないと、ただ公益性の基準に合っているかどうかだけでは納得いただけませんよ。現に、たった二、三年で十三件、三百三十一億円も基金出せなんて言って、全部役所が、現役の人たちが絡んでやっておるんですよ。それを、ただ公益性の基準に合っているかどうかだけじゃ、今の私の、国民の声を代表したつもりでお尋ねしていることには答えになっていませんよ。そういうことまでやるということを約束してくださいよ、それじゃ。
○八木政府委員 公益法人に対する行政の関与のあり方につきましては、公益法人の行政のあり方の問題についての昭和六十年の六月十日の事務次官会議の申し合わせというものがございます。公益性の基準をしっかり守っていく、運営の適正、行政がこうした公益法人に対する関係でその行政運営が適正でなければならないということを申し合わせをいたしておるところでございまして、内閣総理大臣官房管理室を中心に、適正なあり方を常時考えていくという体制をとっているところでございますけれども、具体的な点でまた御批判があれば、これはまた十分私どもとしても取り組ませていただきたいと考えているところでございます。
○中川(秀)委員 私は今二、三点、具体的なことをそこまでやっていただきたいというお願いをしましたから、それに対する答えはまた私のところでもいいですから、ちゃんと持ってきてくださいよ。今の答弁だけじゃ納得できません。
 それから、もう時間がないのですが、大臣、行政改革委員会ですが、役所のOBは入れないという方向で進んでおられるやに私は聞いておりますけれども、これは党は違うのですが、さきがけ党が修正案を出しておりますね。私は全部読ませていただきましたが、これに大賛成ですよ。このさきがけ党の修正案に大賛成です。本当にこのくらいの気持ちでやるべきだ、こう思っています。大臣として今それについて御答弁できない、これは院の問題でもあるから、修正するとかしないとかは御答弁はできないというなら、そのことは申し上げておきたい、こう思います。
 そこでついでに、それは申し上げるだけなんですが、大臣、ポリティカルアポインティーについてどう思われますか。これも議論をすれば時間が長くなってしまうのですが、欧米四カ国、ドイツ、アメリカ、イギリス、フランスと日本、そういう点でやはり相当差がありますね、この制度について。いわゆる人事権の行使の仕方について、仕組みが違っている。これは真剣に検討するつもりはありませんか。
○石田国務大臣 それは非常に、私は逆に難しい問題ではなかろうかというふうに思っているわけでございますが、このポリティカルアポインティー制度ですか、こういったものを採用するについては、やはりその省庁の中でどれだけ採用できるかという問題もありましょうし、どの分野をそんな形で考えるかという問題もあろうかというふうに思います。
 確かに日本の場合は、そういった民間の方々あるいはそういった方々のいわゆる終身雇用というような、そういう流れもございましたし、今まさにその終身雇用も崩れようとはしているのでございますけれども、そういう途中採用をして、かえるべき部署がきちっとあるかないかというような問題もございましょうから、そうして見ると、仮りに採用するとしても、かなり限定的なことになってしまうのではなかろうかなというようなことも考えるわけでございまして、現在の状況の中で今すぐ導入してはどうかと言われましても、御同意というわけにはなかなかまいらないわけでございます。
 また、そういった意味では、その人たちのだれそれを入れるという採用については、当然、そうして見ると役所の検討ではなくて担当大臣の検討の中で入れていくというようなことになりましょう。そこら辺の問題についても、いわゆる行政の中立性との問題は十分検討されなければ、今すぐ導入は難しいのではないかな、そんなふうに思うわけでございます。
○中川(秀)委員 時間がなくなってしまって残念なんですが、やはり日本ももう五五年体制は終わる、ともかく二十一世紀に向けてどのような官僚機構をつくるか、こういう時代ですね。やはり政が主、官が従なんですよ。欧米の民主主義の先輩国、先ほど言ったアメリカやドイツやフランスや英国ですが、日本の場合は、官僚のいわゆる省庁に対する帰属度はやはり一番なんですわ。この五カ国の中で、政治の人事関与度は一番少ないですね。それからまた 天下り度はフランスと同じくらい、一番上の方ですな。やはりそういう姿であるということは、国民だってもう気がついている。だから、やはり新しい角度で考えなければいけない、そういう時代に来た、私はこのように思います。
 ともかく申し上げた、ことが幾つもあったのですが、時間が参りましたからやめますけれども、大臣、細川内閣のときに総務庁のある幹部が、何も細川内閣にさせな過ぎたと語ったという新聞記事がある。増島は信用できないと細川さんが言ったという記事も載っている。やはり、大蔵省が各省庁に呼びかけて、成果を全く無にするわけにもいかないが、実害のない程度に何らかの成果も出さなければいかぬな、こう話ったという記事まで、これは国民が読んでいるでしょう。そういうことを言われないように我々がしっかりしなければいけない、大臣がしっかりしなければいけない。
 そういうことをよく申し上げて、私は質問を終わります。ありがとうございました。
○加藤委員長 次に、高木陽介君。
○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。連立与党を代表いたしまして、質問させていただきたいと思います。
 まず、今回提出されました規制緩和の一括法案、七省庁、百七十七事項、四十法律にわたっての許認可の廃止、緩和、そして合理化をするという、これまで、昨年八月に連立政権ができてから、連立政権が一貫して取り組んできた規制緩和の第一歩ととらえることができると思います。しかしながら、一万一千もある許認可はまだまだ残っておりまして、今後さらに政府だけではなく、当委員会も規制緩和に積極的に取り組んでいかなければいけないと思います。その上に立ちまして、総務庁長官にお伺いしたいと思います。
 まず、先ほども総務庁長官が答弁もされており
ましたけれども、改めて「今後における行政改革の推進方策について」、いわゆる中期行革大綱が本年の二月十五日に閣議決定されました。その中の規制緩和の方針については、経済的規制の原則自由、例外規制、社会的規制の必要最小限度等を基本的な考え方として、公的規制の徹底した見直しを進める。このため、平成六年度内に五年を期間とする規制緩和推進計画を策定し、各省庁は公的規制の見直しを進めるとあります。いわゆる本年度中に、先ほど長官が第三段階とおっしゃっておられましたけれども、これは各省庁ごとの課題になるかもしれませんけれども、その計画の策定状況というのはどうなっているのか、また、何を柱に、ポイントにしていくのか、また、その計画の提出時期というのは大体いつごろになるのかということを、ちょっとお伺いしたいと思います。
○石田国務大臣 先ほど来御答弁を申し上げているわけでございますが、今まで、要するに細川政権の当時に第一段階、第二段階、細かく言えばそういった形で進めてきました。そういったものは、個別法と一括法というような形で今御審議をお願いしているわけでございます。
 それだけではありません。先ほど申し上げましたように、一万一千の規制があるわけでございますから、その中で、どれから手をつけていくかということが明確にわからないと、国民の皆さんも御納得いただけないというようなことで、また、全体をさらっとさらうというような形ではなりませんので、特に専門部会を三つ設けて、土地住宅、情報通信、それから市場参入等の問題、あるいは大蔵省でやっている金融その他の問題で個別に詰めて、その中でもかなりの数が出てくると思います。
 今、明確な数を申し上げるところまでまとまっておりませんけれども、この一週間ぐらいにまとめますけれども、かなりの数になります。そういう個別の一つ一つを見ていただきますと、それに関連のある国民の皆さん、あるいは経済界の皆さん、産業界の皆さん方が、確かにそのことによってこういうようなメリットがあるなという点がおわかりいただけるのではないかと思っております。そうかといって、別に規制緩和は行政改革の打ち出の小づちじゃございませんので、労働力のシフトも変わってくると思いますので、あるいは中小企業の方々の中で、競争激化のためにそれに耐え切れないというような方も出てくるかもしれませんから、そのデメリットの面も十分検討しながら、それに対する対応策をお示しをしながら進めていかなければならないと思うわけでございます。
 そういうことをやりながら、この専門部会の結論が出た後に、ことしじゅうにこれから五年間の計画を立てて、すべての規制の問題について見直しを図っていこう、こういうことになるわけでございます。もちろんそういう五年間の計画を立てるについても、各省庁と十分打ち合わせをして、そしてこれとこれとこういうような問題を次の年度に入れられないかというようなことを考えながら、議論を進めていくわけでございます。そういう形で進めさせていただきたいと思っております。
○高木(陽)委員 続きまして、三月二十九日に閣議決定された対外経済改革要綱について、ちょっとお伺いしたいと思うのです。
 特に、今後の日米関係においては重要だと思われるのですけれども、この中で、規制緩和についてこのように指摘されております。検討に当たっては、市場アクセスの改善の促進、基準・認証制度の国際的整合化、検査・検定制度の国際的整合化、手続等の簡素化・迅速化の点を重視して検討を行い、成果を本年六月末をめどにまとめる。これもまとめるという形で、しかも今月中という形になっているのですけれども、そのまとめの状況、また、まとめてばかりじゃなくて、具体的にどういう方策でそれを実現しようとするのか、その辺のところのお考えをもしお伺いできればと思います。
○八木政府委員 ただいま委員御指摘いただきました三月二十九日の対外経済改革要綱における検討の柱立て、まさにその線に沿いまして目下作業中でございます。
 対象分野といたしましては、住宅・土地関係で申しますと、建築資材の基準・認証関係、それから容積率、土地利用の規制の関係等でございます。それから情報・通信関係におきましては、電気通信事業のサービスとか料金規制、接続制限、こうした規制の関係の洗い直し、これがポイントになってまいります。流通関係につきましては、各種の販売規制、それから市場アクセス関係におきましては各種の基準・認証、電気用品とかいろいろございます。それから輸入手続の全面的な見直しの問題がございます。さらに金融・保険関係でございますが、金融サービスや社債の発行制限の関係、保険関係の諸規制等につきまして広い範囲の見直しを目下進めてきておりまして、その最終段階に来ているわけでございます。来週末にも成案を得たいと、目下日夜調整中でございます。
○高木(陽)政府委員 とにかく、それを具体的に実現していただきたいと思います。
 長官等への質問は、以上にさせていただきたいと思います。
 それでは続きまして、この一括法について質問をさせていただきたいと思います。
 個別法を全部取り上げますと時間もかかってしまいますし、一つだけ伺いたいと思います。それは大蔵関係の第一条のことなのですけれども、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の改正において、酒類業組合等の会員、役員等の異動をその都度届け出を年度ごとの届け出に緩和する。その都度が年度に変わったということで、規制緩和としては一歩前進だと思うのですけれども、まずこの法律の目的、いわゆる酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の目的について、ちょっとお伺いしたいと思います。
○福田説明員 お答えいたします。
 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第一条に、今先生御質問の目的の規定がございます。
  この法律は、酒税が国税収入のうちにおいて占める地位にかんがみ、酒税の保全及び酒類業界の安定のため、酒類業者が組合を設立して酒類の適切な需給調整等を行うことができることとするとともに、政府が酒類業者等に対して必要な措置を講ずることができるようにし、もつて酒税の確保及び酒類の取引の安定を図ることを目的とする。
ということで、直接的な目的は「酒税の確保」「酒類の取引の安定を図る」、この二つでございます。
○高木(陽)委員 その目的に沿って、一々役員の住所の異動、これが必要なのかどうか、届け出がその都度から年度に変わったということで、先ほど一歩前進というふうに言いましたけれども、そもそもこういう異動を一々届けなければいけないでしょうか。そういうのをこの際もっと検討していただいて、さらになくしていく、届け出自体をなくすみたいな方向性は考えられないのか。そこら辺のところも、ちょっとお伺いしたいと思います。
○福田説明員 ただいま御説明いたしましたように、酒類業組合は、酒税の保全に協力いたしますとともに、個々の酒類業者の共同の利益を増進するために、俗に酒類業組合法と言われておりますが、先ほど御指摘ございました酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律、この規定に基づいて大蔵大臣の認可を受けて設立されたものでございます。
 このように、酒類業組合と申しますのは、酒税の安定的な確保や取引の安定を目的といたしまして、その事業内容も非常に公益性が高いことから、組合の業務の内容、役員の動向等を把握しておく必要がございまして、その一環として、設立の際には役員の住所、氏名等の届け出をお願いしております。また、その異動があった場合には、その都度その異動についても届け出をお願いしているところでございます。
 先生の御質問は、役員の氏名や資格の異動はともかくとして、役員の住所の異動まで届けさせる必要はないのではないかとの御指摘と思われますけれども、一般的に考えまして、人を特定する場合に、氏名と住所によって初めて人物が明確になるものでございまして、特定するためには、やはり氏名と住所が最小限必要と考えているところでございます。したがって、住所等が変更になった場合には、その旨を届け出していただく必要があるものと考えられまして、他の組合関係法令においても同様の例が見られるところでございます。
 ところで、この酒類業組合の役員の住所及び氏名等に異動が生じた場合には、現行の酒類業組合法におきましては、二週間以内に届け出を行うこととされております。今回の改正は、まさに今先生御指摘にもございますように、役員の氏名、住所の異動について、今申し上げました現行の規定のように、異動が生じて二週間以内に届け出することは大変であること、さらに、年一回通常開催されます総会におきましては、通常役員の改選が行われていること等を踏まえまして、役員の氏名、住所等の異動については、その役員の改選時にあわせて届け出をすれば済むことといたしまして、極力事務負担の軽減を図ろうとしたものであることを、ぜひ御理解願いたいと思います。
○高木(陽)委員 考え方の違いというか、とにかくそういう組合をつくって全部把握しなければ酒税が取れない、そういう発想自体がまたちょっと昔風の考え方なのかなというふうに感じるのです。これは、質問をずっと続けますと長引いてしまうので、この辺こしますけれども、そこら辺のところも今後検討の課題としていただきたいというふうに思います。
 続きまして、外国企業、また外資系企業の日本における市場参入についてちょっと伺いたいと思うのです。
 規制緩和の基本的な考え方、これは公平なルールのもとでの自由競争、いわゆるチャンスの平等ということだと思うのですけれども、これによって経済全体が活性化していく、さらに国民生活の向上につながっていくということで、この規制緩和、特に市場参入等々の問題も重要な課題になってくると思います。
 日本経済というものが規模が小さいときでしたら、規制緩和というのも国内産業のことだけ、国内のことだけでよかったのかもしれません。でも、今の日本経済というのは、日本国だけではとどまることなく、外国の産業の日本市場における参入のことが重要な問題になってくる。特に、同一ルールによる公平な競争ということが十分に考えられなければいけないのじゃないかな、そんなふうに考えています。このことは、日本企業が逆に外国の市場に参入するときにも本当に大切な問題となってくるとも思います。その上で、外国企業また外資系の企業の方に聞くと、規制でがんじがらめに縛られていて、手足自由な日本企業と日本市場というリングの上でボクシングしているようなものだ、そういうふうに嘆いている声を聞いたことがあります。
 これはちょっと昔の話になってしまうのですけれども、中曽根政権時代に市場開放問題苦情処理推進本部、OTOが設置されて、そのがんじがらめにされている規制を明確にして市場開放に結びつけようとされたと聞いていますけれども、改めてその主管の経企庁にOTOの目的、組織、機能というものをちょっと伺いたいと思います。
○金子説明員 お答えいたします。
 まず、OTOの目的でございますが、輸入手続、基準・認証などにおいていろいろ外国人事業者から、日本市場の参入についていろいろな苦情を持っておりますので、そうした具体的な苦情を受け付けまして、それの迅速かつ適切な処理を通じまして我が国の市場アクセスの改善を図るということを、OTOは目的としているわけであります。
 それで、現在の組織でありますが、組織は大きく二つに分かれておりまして、一つは、内閣総理大臣を本部長といたしまして、苦情処理に関連する十六省庁の大臣を構成員といたします市場開放問題苦情処理対策本部というものがありまして、もう一つが民間の学識経験者から成りまして、この本部における苦情処理についてオンブズマン的な観点から意見を述べる市場開放問題苦情処理推進会議、この二つから成り立っているわけです。
 先ほど申しました苦情処理の受け付け処理は本部を構成いたします十六省庁で行っているわけでありますし、また推進会議はその苦情処理が適切に行われるかどうかということを常にウォッチしておりまして、それが適切に行えるように確保するという役割を果たしているわけであります。
○高木(陽)委員 まず、そのOTOの成果なんですけれども、その苦情の実態というか、これまでの間に大体何件ぐらいそういった苦情が来て、どのように処理されてきたのか、具体的に聞ければお願いします。
○金子説明員 OTOでは、これまで五百十六件の苦情を受け付けております。そのうち、現在処理の途中のものもありますけれども、それを除きます四百七十八件が既に処理済みになっているわけであります。この四百七十八件のうち、改善措置を講じたというものが百五十四件。
 それから、もう一つOTOの非常に重要な役割というものは、外国事業者が日本の制度をいろいろな面で誤解をしているということが多いわけですけれども、その誤解を解消するということもOTOの非常に大きな役割でありますが、そうした誤解を解消したものというものが百八十九件あります。誤解を解消して、なるほどわかったということで輸入を促進するという効果があったものがその中にあるわけでありますけれども、そういうことで改善措置を講じたもの及び誤解の解消によって輸入を促進したもの、これを合わせますと、全体の六割が輸入の増加に結びついているという評価をしてよろしいのではないかと考えております。
○高木(陽)委員 今、誤解という言葉を言われまして、それぞれ商習慣が違いますから、外国企業、外資系企業と日本でのトラブル等々があるとは思うのですけれども、そんな中でOTOに対しての批判というのは結構ありまして、これは昨年の十一月に「規制に苦しむ外資系企業の実態」という、外資系企業経営者協会というのが出したものです。ごらんになったかもしれませんけれども、これはすごく具体的にいろいろ書いてある中でちょっとだけ取り上げたいのですが、こんなことを言っているのです。
  ある外資系企業は日本に飲料の新製品で進出しようとしたが、様々なデータの提出を求められた。成分は秘密なので出せないと言うと、「それでは認めることも出来ない」と言われた。仕方なく、ーデータを提出したが、担当の省庁からはよいとも悪いとも言われず、長く放置されたままであった。そこで、OTOに苦情を申し立てたところ、ほとんど連絡がないまま一年以上がたった。
  そしてある日、担当の省庁から「OTOに受け付けてから大分時間が経ち、その期間が長くなり目立つので、苦情申し立てを引き下げてくれないか」という要請を受けた。文句を言ったが、引き下げないと話が進まない様子なので仕方なく引き下げた。そうすると、問題点と改善内容について教えてくれたが、その頃には、日本企業が同様な製品を開発して発売し、この外資系企業が進出してもメリットがなくなり、結局進出を断念した。この会社では自分たちが提出したデータが日本企業に流れたという疑いさえ持っている。
  OTOへ苦情を申し立てたが満足な連絡もなく放置され、その後、取り下げを要請されたという話は他にもよく聞く。日本政府の関係者は「OTOを作っているのでこれを活用してほしい」とよく言うが、現場でどんな状態になっているかを知らないか、知っていて知らん振りをしているのである。こんなふうに訴えているわけですよ。苦情が出た後の処理の仕方、時間がたち過ぎるという批判が
結構載っているのですけれども、そこら辺のところはどうなのか。
○金子説明員 お答えいたします。
 ほとんどの苦情は事務局であります経済企画庁の方に申し立てられることが多いわけですけれども、私どもで調べたところ、そこで指摘されているような例は承知してないということでありました。
 なお、本部の運営要領というのがございまして、そこで、OTO窓口は苦情申立者との対応等に当たっては、「親切丁寧に行い、苦情申立者に対し情報提供等の面で便宜を図るよう努める」ということを定めておりますので、そういう方向で対応がなされているものと私どもは思っています。また、関係省庁によって構成されます連絡調整会議というものがありますが、その場におきましても適切な対応が図れるよう努めてまいりたいと思っております。
 なお、どういうプロセスになっているかという御質問なんですけれども、そのOTOの対策本部には運営要領がございまして、それで苦情を受け付けた日から十日以内に苦情申立者に対し苦情の処理状況の説明を行うということがまず定められております。次に、処理に一カ月以上要する場合には、少なくとも一カ月ごとに処理の進捗状況を申立者に説明するということになっております。さらに、受け付け後三カ月以上経過したものに対しては、推進会議の部会であります苦情処理部会というのがございますが、そこで審議をいたしまして、その苦情の対応についての方針を部会に出していただくことができるような形こなっておりますので、三カ月以上かかるものもございますけれども、こういうような形で適切かつ迅速な苦情処理が行われる仕組みができているわけでございます。
○高木(陽)委員 OTOの話をずっとまた続けちゃうと長くなっちゃうのですけれども、OTOの役割というのは本当に機能すれば、例えば市場開放、参入規制の実態というものが浮かび上がってくると思うのですね。それがまた今後の規制緩和に大きく役立つと思うのですけれども、そこら辺のところで、経企庁だけというよりも、そのOTOをさらに活性化していくような形で御検討願えればというふうに思います。
 続いて、OTOの苦情申し立てというとまた結構あるのですけれども、その中で特に大蔵関係について具体的なことでちょっとお伺いしたいのです。
 まず保険について、これもよくいろいろ新聞だとかマスコミ等でも報道されているのですけれども、保険業では新製品を出す際、保険約款、特約条項また保険料率などについて、すべて事前審査となっていると聞きます。したがって、日本に今までなかった商品を申請したときには、こんな商品を出してパンクしないかとかなどと言われ、しかも審査に時間がかかり、待たせる、そういう苦情がかなりあります。どんな商品を出すかは企業のアイデアであり、採算がとれるという計算があるから出すので、申請する企業が海外で実績のない会社や商品なら大蔵省が慎重になるのはわかるのですけれども、欧米の大手企業だとか海外で多く販売されている商品になぜそこまで干渉するのかというのが、外資系及び海外からの保険業界の言い分みたいなんです。
 大蔵省が、海外は海外、日本ではどうなるかわからないという言い分でも、それはどれだけ時間をかければわかるのか、その根拠があいまいだと思います。だから、待っている間に日本企業がその商品の内容を把握してその商品を発売しちゃうだとか、そういう批判もさらに聞くのですけれども、おおむねこの保険、新商品を出す場合、特に外資系の場合どれぐらい審査期間をかけているのか、日本の新商品が出る場合とどれくらいの差があるのか、それをちょっとお伺いしたいのです。
○滝本説明員 保険商品につきましては、事前に商品内容を審査することにより、適正な契約内容の確保を通じまして保険契約者の保護を図る必要があるという観点から、認可制をとっているところでございます。
 保険商品の審査の時間が幾らかかるかということでございますけれども、これは、保険商品の内容によりまして審査に要する時間はかなり異なっておりまして、また、審査の開始時期をいつからはかるかということで異なってくることでございまして、統計的にどれくらいかかるかというのは把握しておりませんけれども、少なくとも日本の保険会社と外国の保険会社につきまして、その審査について基本的に差がないところでございます。
 この保険商品の審査につきましては、従来から迅速に行っておるところでございまして、また、消費者ニーズの多様化に対応し、保険会社の創意工夫を尊重するため、認可制のもとでも届け出を認める。その他、可能な方法によりまして審査要件及び期間の軽減、短縮に努めてきているところでございまして、今後とも審査手続の簡素化、迅速化に努めてまいりたいと思います。
 なお今、商品認可申請の内容につきまして、外に漏れるというお話がございましたが、これは企業秘密として取り扱われておるということでございます。
○高木(陽)委員 今、簡素化に努めるという、本当にこれこそ規制緩和なんで、そこら辺のところをしっかりやっていただきたいと思うのですね。
 あと、企業秘密が漏れるということで、それは守っているというふうに今おっしゃられましたけれども、そういう疑心暗鬼をそういう企業の人たちが持つちゃうわけで、それは何でかというと、今申し上げましたように審査期間が長いだとか、何でこんなに言われるんだという、そういう何から何まで、−から+まで全部チェックされていくという、そこら辺のところをもっと抜本的に今後検討を積み重ねていただきたいな、そういうふうに思います。
 もう時間も大分なくなってきましたので、最後の質問にしたいと思います。外国企業、外資系企業が日本での株式を取得する場合、これもいろいろと指摘をされているのですが、これも外為法に、対内直接投資の規則によって、外資系企業が日本の企業の株式を取得しようとする場合には報告が義務づけられています。仕方がないので、その都度その外資系企業等は書類を提出しているが、欧米においては、株の取得による市場参入というのは有力な手段だという。ここら辺は、商習慣の違いだというふうに言われてしまえばそれまでなんですけれども、企業買収や株の取得というのは、日本の企業間の株の持ち合いシステムや、企業が買収されること自体が恥といった日本的な考え方があるのかもしれませんけれども、そういった中で、さらに政府の規制がそれに輪をかけているというふうに指摘している人もかなりおります。
 これも国際ルールと日本のルール、それが一致していないから起きるいろいろな弊害だと思うのですけれども、このことについて大蔵省の見解、また今後の株取得の規制緩和の方針についてお伺いしたいと思います。
○仁尾説明員 対内直接投資につきましては、外為法上、原則事後報告、一部事前届け出制となっておりますけれども、いわゆる事前届け出が必要なものというのは、農林水産業等、OECDの場で資本自由化を留保している業種、それと国の安全等にかかわる業種に限られております。
 したがいまして、大部分の業種につきましては、いわゆる外為法上、事後報告で足りるということになっているわけでございますが、その事後報告の内容と申しますのは、外為法上のいわゆる適法性の確認だとか、実態の把握あるいは行政サービスとしての統計の作成等の目的から求めているものでございます。したがって、そういう目的に必要最小限のものについて報告を求めているということでございまして、例えば事業内容につきましても、定款上の事業目的を書いていただいているだけということでございます。したがいまして、報告の提出を求めているということが、いわゆる外国企業の企業戦略に支障を生じさせると
か、そういうことはないものと考えております。
 なお、諸外国との関係でございますが、いわゆる対内直接投資について申し上げますと、米国におきましても、外国投資家により一〇%以上かつ百万ドル超の株式が保有されるという場合は四十五日間以内に報告しなければならない等々、カナダ、イギリス、フランス等々主要先進国でも実態把握のために行っているので、特にその点が対内進出の障害になっているとは考えておりません。
○高木(陽)委員 もう時間が来ましたので、最後に質問というよりも、この規制緩和の問題、また市場参入、市場開放等の問題というのは、今一つ一つ取り上げて数え上げれば切りがないほどやはりまだございまして、本当に日本が規制を緩和できるかどうか、これはひとえに今の国会の私たちの使命であり、また総務庁を初めとする主管官庁の今後の取り組み方いかんによって大きく左右されると思います。そういった意味からも、これから規制緩和に向かって本当にあらゆる方策を考えてまいりたいと思いますし、また総務庁の方にもそれをよろしくお願いしたいと思います。
 以上で質問を終わります。
○加藤委員長 次に、永井哲男君。
○永井(哲)委員 日本社会党・護憲民主連合の永井哲男です。今回の一括法案について質問させていただきたいと思います。
 先ほどの答弁では、今回の一括法案を含み平成六年度中には中期行革大綱で示された千五百九十一項目のうち九五・一%を処理したいという意向のようでありますが、今後、平成六年度の中でどのようなものを処理していくのか。また、平成七年度に積み残されるというものはどのようなものがあるのか。そして、遅くとも平成七年度にはさきに示された千五百九十一項目というのはすべて解決がっくのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、狩野委員長代理着席〕
○八木政府委員 実務の観点からまず御答弁申し上げます。
 委員御指摘のとおり、申し上げました千五百十三件につきましては平成六年度内に処理の見込みでございますが、現在残っております。その主なものは、今国会に御提出申し上げております四十本の今回の一括法案におけるお願いと、さらに個別の法律案の形でお願いをしております案件、例えば電気通信関係でありますとか地ビールでありますとか、あるいはまた外人弁護士等の、かなりのまとまった案件、計二十四本でございますが、この六十四本が主なものでございます。政省令で措置すべき事項については、六年度内の案件はほぼめどがついてきているということでございます。
 平成七年度以降残ります四・九%の案件は何かということでございますが、若干法律絡みの問題で重たいものが残っております。一例だけ申しますと、例えば旅券の有効期限を延長する、これは現在五年でございますが、これを十年に延長したいということでございます。あわせて、この際に旅券の、パスポートの大きさをちっちゃくしたい、欧米規格並みに小さくして持ちやすくしたいということで、かつ偽造防止の問題等もございます。現在外務省におきまして旅券を作成する機械とか、若干技術開発をやっておるわけでございます。相当、これは年間五百万件からの発給の仕事でございますので、若干準備が要るというふうなことでございます。一例だけ申し上げますとそういうことでございますが、おおむね七年度内に処理できるのではないかと考えているわけでございます。
 もちろん、中には法律事項も若干残っております。法律事項がざっと七件ほど残るようでございますので、それらにつきましては、国会の御意向次第ということになろうかと思っております。
○永井(哲)委員 早期の規制緩和というものに向かって頑張っていただきたいと思うわけであります。
 特に、今回のこの一括法案というものを国民の皆さんが見て、これはよく頑張ってやったという印象を持たれるよりは、むしろ、なぜ今までかような規制というものが残っていたのだろうか、こういった疑問というか、そういう疑いというものを、規制自体の有効性というような疑いというものを抱くのが大きいのではないか、そういうふうに思います。特に、そういう点からも、廃止を原則とするサンセットの原則というものを十分に検討していただきたい、そう思います。
 ところで、特にこの規制緩和、単に数合わせとか数減らしというものだけでなく、国民の生活により密着したもの、より経済効果のあるもの、そういう規制緩和を図らなければならないと思うわけでありますが、その点について長官の決意をお伺いしたいと思います。
○石田国務大臣 規制緩和のあり方の問題であろうと思うのでございますが、やはり一つは、国民の皆様の目から見てわかりやすい形でこれが進んでいかなければなりません。またもう一つは、国民生活にとってこれが大きなメリットであるという点も、明確になっていかなければならないと思います。また、これは経済規制を中心として緩和を進めていくわけでございますから、そういった産業界においてもそのような規制緩和をすれば、確かに大きな新しい市場参入の機会もあるというようなこともわかっていかなければならない問題であろうというふうに思うわけでございます。
 一つ二つの例を挙げますと、予算委員会等でも申し上げたのでございますが、例えば自動車の六カ月点検というものが廃止の方向になっておるわけでございます。そのことによりまして、自動車整備業界というのは、約六兆円を超す売り上げがあるそうでございますが、そのうち五千億ぐらいの売り上げ減になるだろうというふうに言われております。しかし、それは確かにそういった整備業界にとっては大変なことでございますが、自動車を使っている方々については、五千億のそういった支出というものがなくなってくるわけでございますから、そういった意味におきまして消費者の方には大きなメリットというようなことが目に見えてくるわけでございますから、そういうような形でやっていかなければならない。
 特に今、三部会を中心に、たしまして経済規制をやっているわけでございます。あるいは、国際的な協調の面におきましても、それなりの要望にこたえ得るものになるであろうと思いますが、その一つ一つを見ていただきますと、私は、かなり規制緩和が前進をして、経済の活性化にもつながるし、また国民の皆さん方の御要望にも沿っておるというようなことがわかっていただけるのではないか、こんなふうに考えているわけでございます。
 いずれにしましても、この規制緩和、将来にわたってやっていかなければなりません。そのために考えますのは、やはりバブルまでの時代というのは、どちらかと言えば景気が上向きでいったわけでございますから、そういうような時代には余り規制そのものが問題にならないのでございますけれども、バブルがはじけて、いわゆる経済の行き詰まりあるいは産業界の行き詰まりが目に見えてまいりますと、そこをやはり何としても突破しなければならないというようなことで、新しい経済の活性化、そういう方向をどうやって見出すかというようなことになろうと思います。それは、それぞれの企業の独創性にもよるわけでございますが、同時にまた、今まで行政がっかさどってきたそういう規制を緩和して、そういった民間の創意工夫がどんどん生かされてくる、そういうような体制をつくっていかなければなりません。
 同時にまた、これは、じゃこれを一年ぐらいでどんとみんなやってしまえばいいじゃないかというふうになりますけれども、しかしそれはとても数の多いことでございますので、今までの商慣習もございますので、そこら辺はやはりきちんとした見直しをしながら緩和を進めていく必要がある、こういうふうに考えておるわけでございます。
 国会のいろいろな御議論を見ましても、大体通常国会において四十から六十くらいの法律、そう
いったものが成立をいたしておるわけでございます。そうしますと、この規制緩和に関する法律が、約五百じゃきかないと思います。そういうような物理的な、時間的な問題もございますので、きちんきちんと計画を立てながら進んでいくということが重要であろうかと思っておるところであります。
○永井(哲)委員 規制緩和ということによって許認可を廃止するというような形になれば、当然それは行政事務の簡素化となり、行政関係でも余剰の要員が出てくるというようなことも、これも図っていかなければならないと思います。
 そういう点で特に行政事務、そういったものを、これは必要なところもまたふやしていかなければならない。特に規制緩和を図るという形になれば、競争を監視する公取委というようなもの、これもより充実というものがこれから必要になろうかと思いますけれども、こういった点での影響といいますか、その点についてのお考えをお伺いします。
○石田国務大臣 後ほど行政管理局長からも御答弁をさせますが、これは先生御指摘のとおり、そういうふうになっていかなければならないという決意で臨みたいと思います。
 今の旅券の問題にいたしましても、今までよりも大幅に緩和になるということになりますれば、それだけ行政事務というのは減っていくわけでございますから、そういう意味での問題をきちんきちんとやっていかなければならないと思います。特に産業界あるいは地方自治体からもいろいろな注文がありますのは、いろいろな行政的な規制をかぶって、それにこたえるために報告書だけでも膨大なものをつくってやらなければいけないというようなことが言われております。ダイエーの中内さんでございましたでしょうか、一つの店舗をつくるだけでも人件費を含めて大変な経費がかかっている。そういうものが緩和されますれば、それなりのまた産業界にもメリットがあるわけでございます。
 それからもう一つの問題は、現在の要員の問題。いわゆる国家公務員の問題、それから地方公務員の問題、いろいろございまして、今国家公務員の定員の問題には、総数を抑制をいたしまして、新規需要と減る分と、そういう面のリストラを実施しながらやっておるわけでございますが、今国家公務員の方は計画的に少しずつ減っているわけでございます。それなりの成果があらわれておるわけでございまして、平成四年から八年の五カ年間に約四・五二%減っております。五十七年から以降十三年間には削減が十二万四千人、増員が八万五千、差し引き三万九千人の純減というふうになっておりますので、こういった形は今後も継続をいたしたい。ただ、残念ながら、今地方自治体の方は新しい福祉等の需要が出てきて、地方公務員の数が少しふえているわけでございますが、ここら辺の問題についても、今後自治省と相談をしながら、それぞれの自治体の中でもまた十分に検討をしてほしいというふうに願っておるわけでございます。そんなわけで、総数をにらみながら弾力的に、必要なところはふやしながら、スリムな行政をできるようにいたしたい。
 もう一点申し上げますのは、省庁の行政情報というものが縦割りで十分交換をされてなかったわけでございます。そういったことも平成七年度から、中央省庁全体が参加をして、新しい意味での行政情報が十分お互いに使えるように、そういうふうにしてまいりたい。そのことによりまして、またリストラにも進んでいくことができる、こういう問題も今検討をいたしているところでございます。
○八木政府委員 若干事実関係の補足を申し上げさせていただきたいと存じます。
 規制緩和によって事務の合理化、したがって、また要員の削減、こういう可能性があるではないか、おっしゃるとおりでございます。ただし、今始めたところでございます。一対一の関係で、この規制緩和で何人ということは明確にぱっちり出てこない傾向がございますけれども、全体といたしますと、ことしの平成六年度の御提案申し上げております政府予算におきましては二千三十三人の純減を計上いたしております。これは、現場におきましては、規制緩和を初めとする事務の簡素化によって対応しなければならないということでございまして、結局のところ、こうした純減努力が規制緩和の政策を含めました行政合理化努力と連動していくということでございます。
 それから、公正取引委員会の増員の関係でございます。申し上げましたように、国家公務員の定員管理を極めて厳しくやっている中で、大半の役所が純減を立てている中で、公取につきましては、平成五年度末の四百九十三人の定員を十三人ふやしまして五百六人にするということでございます。各省の中では、率だけでいきますと最も高い増員ということでございますが、数字そのものは若干そういうわずかな数字になっているというのが現状でございます。
○永井(哲)委員 先ほどの質問で出ておりましたけれども、規制緩和の実効性、それを目に見える形ではかるものとして経済効果とかそういった行政効果、これを単に数ばかりでなく、そういった点からしっかりと国民に見える形で示していただきたい、そういうふうに思います。
 さて、特に社会的規制という中で自己責任というものを非常に強調しているわけでありますが、これは臨時行革審の最終答申では、「国民・企業の自己責任原則の確立とその徹底が不可欠である。」こう述べております。私としては、ここで国民と企業の自己責任というのを同列に論じているというのは、これは非常におかしいのではないかと思っておりますが、また、経済改革研究会中間報告の規制緩和についてという中では、社会的規制は自己責任を原則に最小限にする、そして「消費者保護のために行われる規制は、自己責任原則を重視し、技術の進歩、消費者知識の普及などを踏まえ、必要最小限の範囲、内容にとどめる。」そういうふうに記載しております。また、対外経済改革要綱の中では、「重点的な規制緩和の推進」という中で、「中長期的に自己責任原則と市場原理に立つ自由な経済社会としていくことを基本とし、」こういうふうに述べてしるわけでありますけれども、一般に自己責任を問う、そうする以上、消費者にとって十分に情報が与えられなければならない。特に、事業者と消費者というのは情報量には格段の差がある、そういうことも考慮しなければならないと思います。
 そういう中で、実質的な平等を図るという意味でも、この情報の問題、表示規制の問題という形になりますが、これが重要であると思いますけれども、こういった対応をどのように図っていく所存でございましょうか。
○石田国務大臣 基本的に、市場経済というのは自由でなければならないわけでございますから、現在においても当然自己責任の重要性というものは存在をしているし、また今後も強調されなければならないと思うわけでございます。
 ちょっと事例が違うかもしれませんけれども、きのう、おとといあたりのテレビ等を見ますと、要するに自転車の放棄されているものは七十万台以上に及ぶというようなことがございました。それによって、ある市なんかは、それを整理するために年間九億円からの金をかけているというような状況も言われているわけでございまして、こういったものは、まさに自己責任の中において社会との調和をとりつつ利用していただかなければならない問題。あるいは交通事故の問題にいたしましても、例えばシートベルトを締めることによって必ず交通事故死者数を減らすことができる。ところが、なかなか実際にシートベルトがしてもらえないというようなことがございまして、そこら辺の、私も交通安全の方を担当しているかげんもありまして、国民の皆さんにもう少し関心を持つていただきたいなというふうに常々思っているわけでございますが、そういうふうに、やはり社会生活との関連において自分が果たすべき責任というものは、当然これはその自覚でお願いをしていかなければならない問題だと思います。
 ただ、二つ問題がございまして、経済的な規制とあるいは社会的規制、特に生命を守るあるいは健康を保持しなければならぬというような角度からの、そういった意味の社会的規制があります。そういうような問題については、やはりきちんとした決意でこの規制緩和を見直していく、あるいは見詰めていくと申しますか、残すべきものは残す。また今後も、規制しなければならないものは、そういった環境だとか健康というような問題を考えますと、当然出てくるであろうというふうに思います力それぞれの持っている制度の性格を十分に精査をして取り組んでいく必要があるだろうと思っております。
 もう一点は、今先生が御指摘になりました、やはり企業の方が個人よりもはるかに情報を持っているわけでございますから、やはり消費者の立場あるいは生活者の立場というような意味合いにおきましては、自己責任と同時に、一つは情報をより多く提供していくというようなことが大事であろうというふうに思います。あるいはまた、最近いろいろ議論になっております製造物の責任制度の問題、そういうようなことで、やはり被害者救済制度と申しますか、そういった面の整備を十分図りながらやっていかなければならない問題だろうというふうに考えているところでございます。
○永井(哲)委員 特に、自己責任を問う前提である情報、その格差の是正というものについてはしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、特に、これは一般的な自己責任の問題でありますけれども、本当に自己責任という形で責任を問えるのかどうかといった問題も、この規制緩和という中には含まれていると思います。これはジュリスト、ことしの六月十五日号ですけれども、「クレジット多重債務の諸問題」という項目にいろいろな論文が書いてあります。私も弁護士として消費者保護、そういった問題を扱う中で、これは去年の十月二十七日、法務委員会でも質問いたしましたが、特に消費者保護というものをもっと図っていかなければならないのではないか。この木村達也という弁護士さんですけれども、この人も特にこういった指摘をしております。「カード会員契約は他の消費者信用契約と同様、事業者と消費者間の契約自由の原則、自己責任の原則として放置しておくことのできない性格を持っている。」
 ちなみに、この消費者の問題でどういう状況が起きているかというと、自己破産というのが非常に多くなっています。一万件が二万件になり、二万件が四万件と、倍々ゲームで件数が上がっている。ことしにおいても調べてみましたけれども、去年と余り大差のないような状況になっております。また、そのほかに、これは自己破産という、見えないところにたくさんの人がおります。これは一説によると百五十万人ぐらいいる。公正証書の問題とか、そういった債務の支払いが立ち行かなくなるという人がそのぐらいいる。これは、既に人口当たりにすると八十人強に一人といったような割合になります。これは、まさに社会問題として放置しておけない、そういった大きさの問題だ、そういうふうに思います。
 その中で、それではこの消費者自己責任というものを問えるためには教育をすればといいかというと、この教育で十分にここが助からない、こういった現実があります。既にアメリカでは、日本よりも消費者教育が十分に進んでいるというふうに思われるんですけれども、アメリカは毎年八十万人の自己破産者がいる。これは消費者信用の、そういったところが発達した先進国においてさえそういうような状況である。仮に責任論、自己責任、これは今までも十分に言われているんですけれども、ただそういった一方的な主張だけで足りるのか。一定の割合というものが常に多重債務として問題になってくる。これは、やはり自己責任を課するというだけで解決できない問題があるのではないか、そういうふうに指摘されているところでございます。
 そこで、そういった消費者、マスとして見た消費者でそういった状況が起きている、こういった問題もありますし、さらにはより弱い消費者、高齢者とか若年とかそういった弱い消費者もあります。規制緩和を考える上で、こういった消費者や弱い消費者という立場をどういうように考慮していくのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○石田国務大臣 やはり一般の方々に対しては、先ほど申し上げましたように、また先生御指摘のように、いかにそういった行政なり商習慣の情報を伝えていくのかというのが大きな問題であろうと思うわけでございます。これは、二〇一〇年までに光ファイバー網を全国に張りめぐらすという提案がなされているわけでございますが、もしそういったことが順次進んでいきますれば、いろいろなマニュアルを使って、そしてその人が、例えば年金なら年金の問題について情報を知り得る、そういう状況にしていかなければならない。
 今御指摘のカードの問題も、私も随分聞かされておるわけでございますけれども、そういうものが利用するについてどういう法律になっているのか、あるいはどういう問題点があるのか、そういったこともいろいろな角度から情報として消費者に伝わっていけば、自己責任だけではなくて、情報を活用することによって自分の身を守っていく、そういったことが可能な時代にもなるのではないかなというふうに、一面期待をいたしておるわけでございます。そういうふうに、どうしても規制をしなきゃならない問題もございましょうし、情報をより多く取得することによってみずから身を守るということもあると思うのでございます。
 あと、先生がおっしゃったお年寄りの問題、そういうような問題については、やはり個々の問題でございますから、行政全体が気を配りながら、その角度からもう一遍全体を見直してみる。あるいは、規制緩和された社会の中にあって、そういった人たちが何らかの被害をこうむっているとすれば、それはそれなりに別途検討をしていくというようなことが必要であろうと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、今これから規制緩和を進めるにっしては、特に中小企業の問題あるいは労働力シフト、変更の問題、ここら辺を十二分に視野に入れながら、社会全体が安定的に前進できるように心がけてまいりたいと存じております。
○永井(哲)委員 先ほどのこのジュリストに中では、そういった消費者保護を図るためにはむしろ開業規制、そういった貸金業法のより強化といったものも重要ではないかというふうに提言しているところでございます。ところが、この貸金業規制法は経済的な規制というものに分類されているわけでありますけれども、やはり規制緩和というものは一体何のために必要なのか。これは、究極には国民の生活、消費者の権利というもの、これに利便を与えるために必要だ、そういう観点から経済的な自由というものもとらえ直していくべきではないか、そういうふうに思うんです。
 特に、これまで経済的な規制と言われた中では、当初、消費者保護、国民の生活保護というような目的があったものが、いつの間にか単に競争を制限する、業界を保護するといったことだけが目的になってしまった、こういったような状況が多いのではないかと思います。こういった国民生活から遊離した経済的な規制というものは大胆に緩和を図らねばならないと思いますが、もう一方、国民の生活に密着する、また消費者保護という観点から規制を強化しなければならない、そういった経済的な規制または社会的な規制というものは、これは十把一からげに経済的規制は自由、社会的規制は最小限といった問題では済まないのではないか、そういうふうに思いますけれども、最後にその点の長官の御見解をお伺いしたいと思います。
    〔狩野委員長代理退席、委員長着席〕
○石田国務大臣 規制緩和を進めるについては、これは各省庁一つ一つ事案を十分に検討しながら進めていくわけでございますので、とても十把一からげのようなわけにはまいらない。やはり五年
の間に規制緩和の計画を立ててやっていくというのは、そういう意味もあるわけでございます。
 前回、大店法が改正になりました。大店法そのものを廃止すべしというような御議論もあることは十分に私たちも承知をいたしておりますけれども、私も実際に各地方へ出向いてお話を伺っておりますけれども、そういった大型店を設置するについて近所の零細商店は下手するとっぶれてしまうというようなことで、これは厳にそこら辺は実情をよく勘案してやってほしいというような地域の御要望もございます。したがいまして、私どもも、今一気に規制緩和を進めるんだから大店法をもう廃止するんだというような安易な考え方には立っていないわけでございますので、その店はひとつ十分御認識を賜われればありがたいというふうに思うわけでございます。
 先生の御指摘の観点というものは、今後も十分各省庁と話し合いながら、一つ一つの現在の規制の性格を十分に検討しながら進めていくことを申し上げたいと存じます。
○永井(哲)委員 規制について、経済的規制は廃止するのが本則だ、社会的規制は最小限だ、この原則にとらわれることなく、あくまでも国民の生活、消費者ということを重視して規制緩和について大胆に進めていただきたい、そう要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○加藤委員長 次に、宇佐美登君。
○宇佐美委員 さきがけ・青雲・民主の風を代表しまして質問させていただきます。
 先ほど来、諸先輩かり規制緩和について、この法案についてのみならず、あり方というものについて御議論、御質疑があったと思いますけれども、現在政府の中で行革推進本部というものがございます。簡単にそのあり方、作業部会などについて御説明をいただきたいと思います。
○八木政府委員 お答え申し上げます。
 行政改革推進本部は、この平成六年一月二十一日に閣議決定をされたわけでございまして、政府における行政改革の実施に関する重要事項を論議して、方針を政府として取りまとめるための機関でございます。
 本部長が内閣総理大臣、副本部長が官房長官と総務庁長官、本部員が他の全閣僚ということでございますが、そのもとに作業部会が三つ置かれておるわけでございます。これが規制緩和を担当しているわけでございまして、その一つが住宅・土地作業部会、二番目に情報・通信作業部会、三番目が輸入促進・市場アクセス・流通関係の作業部会、いずれも三月に発足をいたしまして、一連の作業が間もなく一応の結論を得るわけでございます。
 さらに、四番目の部会といたしまして、地方分権部会というものを五月二十四日に発足をさせました。年内いっぱいをおおむね目途といたしまして、地方分権に関する全般的な推進方針を取りまとめることにいたしているわけでございます。
○宇佐美委員 先日もこちらの委員会でお伺いさせていただいたのですが、行政改革、規制緩和をその本筋としてやっていきたいということで御意見を賜っているわけですけれども、その中で、情報公開というものが規制緩和にとっても必要である、そんな御答弁もいただいていますけれども、行政の情報公開の推進についての方針を教えてください。
○石田国務大臣 情報公開の問題は、もちろん規制緩和と無縁ではございませんけれども、これは情報公開は行政改革の極めて重要な課題であると私は思っておりまして、予算委員会等におきましても、五十年に一度あるかないかの大改革である、行政改革の基本になる問題だということを申し上げておるわけでございます。
 そういう意味で、これを簡単に議論をして、さあそれでスタートというわけにはとてもとてもいかないわけでございますので、政府としては、やはり将来の情報公開法の制定を目指して専門のセクションで御審議をお願いしなければならないというふうに思っておりまして、これは行政改革委員会でお願いをしておりますが、そこで今後の御検討をしていただこう、こんな方針でおるわけでございます。
 特に、情報公開制度の検討については、プライバシーの問題であるとか、企業秘密、外交、防衛情報等というような非公開とすべき情報の範囲であるとか、あるいは訴訟手続の問題であるとか、重要な検討課題が非常に多いわけでございます。そういった意味におきまして、専門有識者による客観的な、専門的な検討というものが欠けてはならない、まさに不可決の課題でございますので、そういう形で情報公開についてはお願いを申し上げたいと思っておるところでございます。
○宇佐美委員 先ほど八木局長の方から、行政改革推進本部というものは行政改革の重要課題を取り扱っているのだと御答弁いただき、今長官からは、情報公開については行革の最も重要な基本的な問題であるから行政改革委員会で扱うとおっしゃっているわけです。もしも本当に重要な課題であるならば、行政改革推進本部で扱うべき課題ではないかと思いますが、その御見解をお伺いしたい。
○八木政府委員 公的規制緩和につきましては、これは実を申しますと、政府の中で行政改革推進審議会でかねてから御論議をいただいてきたところでございます。その任務が昨年の十月に一応終了をいたしたわけでございますが、累次の答申がございます。民間有識者を中心といたします各般の御意見を既にちょうだいしたということでございます。かつ、経済団体とかあるいは国際的にもさまざまな具体的な意見、要望をたくさん寄せられてきたという経過がございます。いわば論議の積み重ねが、膨大なものとして既にでき上がっていたということでございます。
 そこで、規制緩和につきましては、まさに実施段階にあるということでございます。政府における行政改革推進本部というものは、これは私どもの位置づけといたしましては、政府の実施方針を具体的に設定するための推進のための機関であるというふうに考えまして、政府の最終意思決定の直前の段階として詰めをやってきた、こういうことでございます。規制緩和の取り組みはまさに実行段階、こういうことであったわけでございます。
 したがいまして、行政改革推進本部を中心とした体制が最善であるという判断であったわけでございますが、他方、行政情報公開の制度につきましては、これはただいま大臣からも御答弁のありましたとおり、国民と行政との基本的な関係、大臣は五十年に一度の基本問題、こうおっしゃったわけでございますが、これを具体的に申しますと、国民の側に行政の情報公開に対するいかなる請求権を認めるか、まさに権利概念を創設するという大変緻密な法制的な論議を要する問題でございます。したがいまして、各分野の法制実務専門家を含めました詰めた御論議がぜひとも必要である、その結果がいわば裁判規範として持ち上がっていく、そういう課題ではなかろうかと考えているわけでございまして、かつ広範な国民各層の有識者の方々にお集まりをいただいた中で、いわば行政に対する国民一般の各層のコンセンサスとして、いかなる情報開示を求めるかということを確定していただくということがございます。
 大変綿密な御審議をいただかなければこの制度化というものができないということは、各国比較制度の検討においても明らかでございますので、ぜひともこの行政情報公開制度につきましては、民間有識者の英知をすぐつた綿密な、突っ込んだ、かつ専門的な御論議をいただきたい、こういうことを御期待申し上げたいというのが、行政改革委員会法案のお願いを申し上げている趣旨でございます。
○宇佐美委員 今の御答弁からしますと、ちょっと私の理解が足りないのか、行革推進本部、例えばその中で専門部会というのですか、先ほど作業部会を教えていただいたのですけれども、地方分権の問題も先ほどお話のあったように、今五月二十四日から取り扱っているとおっしゃっておりま
すね。
 情報公開に関しても、先般の予算委員会の分科会でも私、御質問させていただいたのですけれども、地方分権や情報公開に関しても同じように重要な課題であるといって、片方が、情報公開の方は行政改革委員会、我々は監視すべき機関だ、第三者機関として設定すべきだと考えている機関ですけれども、片側の地方分権に関しては作業部会でやるということなんですが、先ほどからお話ししている、つまり行政改革の積極的な推進を図るために内閣に推進本部を設置するといっているわけですから、情報公開もまさにその中の作業部会で取り扱うべき課題だと思いますけれども、御見解を。
○八木政府委員 地方分権の関係についてのお尋ねでございます。これにつきましては、昭和二十八年以降の地方制度調査会における累次の御答申というのがございますが、特に昭和三十年代末から近年に至るまで、さまざまな行政事務の見直しに伴う提言が多数ございます。その中で、相当未処理なものがあるということが一つの経過としてあるわけでございますが、かつ一次から三次に至る臨時行政改革推進審議会におきましても、地方分権の具体的な進め方、その事務配分の内容等につきましては、かなり突っ込んだ御議論、御答申をいただいているわけでございまして、これはやはりどう具体的に政府の中の取り組みにのせていくかという段階にあるのではなかろうかということを、私どもとしては着眼をいたしておるわけでございます。
 かたがた、国、地方に関する問題につきましては、地方制度調査会という、総理のかなりしっかりした諮問機関が既にあるわけでございまして、その重複を避けるという関係もございます。したがいまして、政府における行政改革推進本部、閣僚を中心とし、かつ地方六団体の中の知事会、市長会、町村会、ここらにお入りをいただいた、いわば施策の推進機関、立案と推進の機関という位置づけのもとに地方分権に取り組んでいく、これが地方分権の問題の現状でございまして、行政情報公開、まさにこれから本格的論議に入ろうとするこの課題とは若干いわばステージを異にするというのが私どもの率直な認識でございまして、ぜひとも行政改革委員会において本格的な綿密な、比較制度的な検討を含めた御論議をいただきたいということで法案をお願いいたしている次第でございます。
○宇佐美委員 同じく六月七日の予算委員会の分科会の私の質問に対して、説明員からお答えいただいたわけですけれども、「行政情報公開の問題は、臨調以来の行革の重要な懸案となっておるわけでございます。」とお答えになっておるわけです。特に「臨調答申以来既に十年以上の期間がたっておるわけでございますが、特に総務庁が中心になっていろいろな研究会をつくってやってきております。」審議は、少なくとも総務庁の中ではもうやっていられるわけです。「しかし、なかなか具体的な進捗がはかどらないという状況の中で、」ということで、「いろいろな各党から、情報公開の法制化に向けて積極的に取り組むべきだという御提言も重ねていただいて」いると言っているわけです。それで、かねてからの重要な課題に本格的に取り組む必要があると考え、行革委員会で取り上げていると言っているわけですけれども、まさに先ほどから何度も申しておりますように、推進本部の中で取り扱うべきだ。というのは、総務庁の中でも議論をずっと重ねてきていると言っているわけですから、作業部会の中で取り扱うべき課題だと思うのです。
 と同時に、もう一つですけれども、行革委員会が、行革審の言うところの第三者機関が行政情報の公開について審議する理由、つまり審議を望んでいるような機関を少なくとも最終答申の中から読み取ることはできないわけですけれども、その理由と根拠を教えてください。
○八木政府委員 行政情報公開の問題につきまして、総務庁として研究を重ねてきた経過は、期間としては長いものがございましたけれども、主としていわば比較制度的な研究を積み重ねてきたというのが正直なところであったかと存じます。
 細川内閣以降、情報公開の問題がかなり論ぜられるようになりましてから、私ども、この制度化のためには現実にいかなる問題が検討されなければならないか、ざっと洗い出しましたところ、千五百を超える論点が正直申しまして出てきたわけでございます。実務的にはこなさなければならない問題が大変多い。それらの問題はまだまだ緒についていない状況なんでございます。比較制度的な検討だけではなかなかこの問題をレールに乗せることはできないという観点から、この際、実務的な本格的な取り組みという観点からの御審議をぜひともお願いしたいということでございます。
○宇佐美委員 情報公開がなぜ行革委員会で扱うのかというのは、まだはっきりと説明をいただいたとは思わないのですけれども、続けまして、規制緩和の観点から、先ほど長官からお話があったように行革委員会、我々は行革監視委員会と言っているわけですけれども、そのことについて、日経新聞によりますと、官房長官が六月十一日ですか浜松市内で、行革委大事について「「役人や役人あがりはやめて、純粋に民間人に監視役をやってもらう」と述べ、OBも含めて官僚を排除すべきだとの考えを明らかにした。」続きまして、それを受けてかと思いますけれども、六月十四日読売の夕刊によりますと、「長官が方針」ということで、十四日の記者会見におきまして「行政改革を監視するための第三者機関の委員の人選について、官僚や官僚OBは対象に含めない方針であることを明らかにした。」とおっしゃっていますけれども、これについて、まだ新聞紙上でしか拝見しておりませんので、長官の方針を教えてください。
○石田国務大臣 行政改革委員会の問題について、その任務が非常に狭いのではないかというような御議論も一つあるようでございますが、私どもはそう考えていないわけで、行政改革全般についてのいろいろな御議論をいただく、当然その中に規制緩和も入っております。
 同時にまた、今、八木局長からも御答弁申し上げましたように、今までの地方分権であるとか規制緩和の問題については、いろいろな御意見があるわけでございまして、例えば専門部会での御議論を私どもも参加して聞いておるわけでございますが、そこには、今まであった議論というのは全部その専門部会に提供されておりまして、その中でさらに御議論を詰めていただいている、そして実行可能なものをさらに詰めていくというような形になっておるわけでございます。
 それに比較しまして、情報公開制度の問題については、各党でいろいろな御議論があることは私どもも承知をいたしておりますけれども、今いろいろな項目をお示ししたように、プライバシーの問題であるとか、あるいは行政の情報の中で機密を保持しなければならない問題であるとか、そういう個別の問題について、いわゆる詳しい御議論というものはなかったわけでございますので、まあ全くなかったというわけではありませんが、それらがすべて網羅された議論になっているとは私どもは受けとめておりません。そういった意味で、これから専門知識を有している方々にお集まりをいただいて、そのような形で本格的な議論を基本的な立場から進めていただくために、この行政改革委員会で扱おうといたしておるわけでございます。
 また、行政改革委員会の一つの任務としましては、行政改革は本来総理大臣が中心になって、みずから行政改革を進めていくべき問題ではございますが、それが独善的に、行政側の独善的な立場になってしまってはならないわけでございますので、この行政改革委員会におきましては、民間の方々が軸になって、そしてそれをフォローアップしていただくといいますか、さまざまな検討、研究をしていただいて、その成果を総理大臣もしくは総理大臣を通じて各省庁の長に改善方を要請していくべき役割がある。
 いわば総理を中心とした行政改革、それから民
間の方々のそういった行政に対する御意見というものがマッチして成果を上げていくべき仕組み、こういうふうになっておるわけでございますから、先ほど新聞をお読みになりましたけれども、そのような形でやはり民間の方々で、官僚、OBは含めない方針でいくのが一番いいのではないか。ただし、選抜に当たりましては、やはりこれは総理の選任事項でございますので、総理の方でいろいろお考えをいただくべきことである、このように思っております。
○宇佐美委員 では長官、今のところ総理に対して、そういうようなアドバイスというかサジェスチョンをするお考えはお持ちですか。
○石田国務大臣 委員会等でもこの話は出ているわけでございますから、総理は御承知のことであろうというふうに思います。しかし、まだ法案が国会の方に提出をされた状況にございますので、まだこの法案が最終的に決着をついていませんので、総理の方でまだそういったメンバーについては御指名がないという状況にございます。
○宇佐美委員 先ほどから伺っていますと、行政の情報公開、非常に重要な問題であるという点について、だれもが賛成する点だと思います。
 しかしながら、この第三者機関、行革審の言うところの第三者機関に関していえば、あくまで「行政改革に関する言わばオンブズマン的な役割を持つ権威ある第三者機関」ということで行革審の最終答申では言っているわけですから、情報公開の審議については、もしもそんな大事な重要な問題であるとするならば、別の審議会もしくは委員会などを設けて、さらには、内閣のもと推進本部の中でしっかりと議論すべきであると考えております。
 質疑時間が終わりましたので、これにて終わります。
○加藤委員長 次に吉井英勝君。
○吉井委員 今回の許認可一括法全体としては、四十の法律のうち四法の廃止を初め多くの法改正というのは行政事務の簡素化になるものであり、賛成できるものでありますが、一括法に含まれている鉄道事業法改正は、近郊線を中心に設定されているB特急料金など、多くの料金が認可から届け出に緩和されるという問題があります。こうした鉄道料金の規制緩和は鉄道運賃の自由化につながるおそれがありますし、国民生活に影響を与える重大な問題でもあり、これは現行法どおり原則認可制とすべきものであると思うわけです。
 そこで、初めに鉄道料金の緩和について伺っておきたいのですが、許認可一括法の第三十条関係、鉄道事業法改正案の第十六条第一項で「運賃及び運輸省令で定める料金を定め、運輸大臣の認可を受けなければならない」としておりますが、この改正は、運賃はもちろんですが、新幹線特急料金、標準的な特急料金は認可のままであるという、こういうことなのでしょうか。これをまず最初に伺いたいと思います。
○岩崎説明員 お答え申し上げます。
 第一項の、運輸省令で認可を要する料金として、特別急行料金、急行料金、その他の運送の速達性に関する料金のうち標準的な価格のもの、これを具体的に申し上げますと、JRでいえば、新幹線「ひかり」「こだま」系の特急料金、さらに在来線のいわゆるA特急料金等、これが認可対象になります。さらに、この価格を上回って設定されるもの、新幹線でいえば「のぞみ」ということになろうかと思いますが、そういうものを定めることを予定しております。
○吉井委員 ですから、国民生活に大きな影響を及ぼすこの新幹線、標準的な特急料金までが運輸省令に定められれば、認可から届け出になってしまうということになるので、歯どめをきちっとしておく必要があると思うのです。鉄道事業法改正案の第十六条三項の「特別車両料金その他の客車の特別な設備の利用についての料金その他の運輸省令で定める料金」という中には、「のぞみ」「ひかり」「こだま」など新幹線、標準的な特急料金は含まれない、今のお話からすると、こういうことでいいということになると思うのですが、この点、もう一遍確認しておきたいと思います。
○岩崎説明員 先生おっしゃるとおりでございます。
○吉井委員 次に、私は大店法の関係について一言聞いておきたいのですが、戦後最大の不況の中で、中小小売商それから商店街等は非常に大きな影響を受けています。深刻な事態ですが、九二年一月から施行されている改正大店法、大型店の出店調整緩和措置というのは、中小小売商、商店街への影響を非常に大きくしてきました。にもかかわらず、財界やアメリカの圧力もあって、ことし五月一日から省令、通達の改正によって一千平方メートル未満の出店の原則自由化、それから閉店時間、休業日数の規制緩和が既に実施されております。その上、内閣総理大臣を本部長とする行政改革推進本部の輸入促進・市場アクセス改善・流通作業部会の方は、この六月末をめどにまとめるとしている規制緩和策の中に、大店法の段階的廃止を盛り込むとされています。
 ここに私、きょう持ってきているのですが、全国商店街振興組合連合会から各県連にあてた「大店法廃止反対についての陳情等のお願い」という緊急指示文書を持ってきておりますし、中小零細商店約百五十万店で組織している全国小売商団体などが、段階的廃止絶対反対という声を上げているのも持ってきているのですが、こういう声は当然だと思うのです。大店法を今以上に緩和し、廃止するということになりますと、中小小売商また商店街にとって死活問題であるばかりじゃなくて、国民生活や地域経済にとっても重大な影響を及ぼすと思います。
 そこで、行革推進本部の副本部長として、中小小売商などのメンバーの入っていない行革推進本部の流通作業部会での検討をやめるということ、また、大店法の段階的廃止をやめるということについて、私は大臣の方から明言をしていただきたいと思うのですが、どうですか。
○石田国務大臣 大店法の規制緩和につきましては、これは今行革推進本部の専門会議に中小企業の代表者が入っていないではないかという御指摘がございましたけれども、これは産業構造審議会及び中小企業政策審議会で、去る一月末に大幅な規制緩和を内容とする答申を取りまとめられたわけでございます。それを受けて、五月から具体的な規制緩和を実施したというような経過がございます。そういうわけで、審議会には中小企業の小売業者の方々も消費者の方々も参加をした上で、慎重御審議をいただいたものでございます。
 また、現実にいろいろなお話を聞いていますと、二つの問題点があろうかと思うのでございますが、一点は今先生が御指摘になりました。大店法を廃止するということになりますれば、これは地元のいわゆる商店街、あるいは地元のそういった町づくりの問題、そういう問題にも大きな影響を与えてまいりますし、また、先ほど来御答弁申し上げておるわけですが、私も各地方に出向いていろいろと御意見を承っておりますけれども、そこでも大変厳しい御注文がついていることは承知をいたしておるところでございます。そういう意味で、五月一日にそういう具体的な規制緩和が実施されるようになったわけでございますから、その状況をしっかり見詰めていかなければならない、それから、それぞれの地域のそういった商店街の状況等もよく見なければならないというふうに考えております。これは、最終的にこの六月末で結論を出さなきゃならないわけでございますが、今私が申し述べた考え方は、十分御議論をいただく対象になるであろうと思っております。
 それからもう一つ、逆の面で利用者の立場から見ますと、やはり閉店時間等を延長したというようなことは、今非常に共稼ぎの御家庭が多いわけでございますので、そういう時間延長というのが、主婦の立場にある方々には大変便宜を与えている。そのせいで、そういった食料品を中心にしまして、この景気低迷のさなかではありますけれども、その面においては、少しやはりそれぞれの大型店舗の売り上げが伸びているというのが、そういう現象にもあらわれているところでございま
す。
 そういうような両面の問題を考えながら、今後とも検討していくべき課題であろうと思っています。
○吉井委員 産構審の流通部会と中小企業政策審議会流通小委員会の合同委員会などのメンバーと、それから行革推進本部の輸入促進・市場アクセス改善・流通作業部会のメンバーを見てみればはっきりしておりますが、これは行革審の方のこの流通作業部会というのは、中小小売商などの皆さんの今直面している問題というのを本当に反映するという、そういうメンバーがいらっしゃらないわけですね。ですから、これはやはりそういうところでの検討はやめて、特に大店法の段階的廃止を、この方向をやめるように、私はそこを今きちっと考えていかなきゃいけないと思うのですが、簡単で結構ですから、大臣、もう一遍そこを伺っておきたいのです。
○石田国務大臣 この規制緩和の問題については、原則自由、例外規制というようなことを、原則を貫いているわけでございます。
 今までのそういったいわゆる景気のいい時代、あるいはここ三十年、四十年の長きにわたるところの経済の仕組みの中におきます規制、そういうようなものを考えてみますと、これを新しい経済社会を再構築していこうという方向に、今社会全体が行っているわけでございますから、そういった意味で、やはりその原則というものはきちんと踏まえてやりませんと、中途半端なことをしたのでは規制緩和は全然進まないというようなことにもなりかねません。今まで、もちろんこの規制緩和の議論も全くないわけではない、かなり行われてきたのでございますけれども、そういった意味で、いろいろな議論があったけれども、全然実施ができなかったというような状況が一方においてあったというふうに私は認識をいたしております。
 そういった意味で、やはり原則自由という、例外規制というその方針、また社会的規制というものは当然重視をしなければならないという方向で、やはり全体的な検討をしなければならない課題であるというふうに思っているところでございます。
○吉井委員 今のお話では、全国の中小零細業者の皆さん、商店が置かれている現状とか地域社会が破壊されていっている現状というものは全くお考えになっていらっしゃらない。この点を指摘して、私は次に、トラック運送事業における規制緩和の問題について伺いたいと思います。
 最近、荷主や取扱事業者が実運送業者から協力金として三%から五%あるいは一〇%、こういうふうに取ることが広がっています。例えば、実運送業者が運賃を請求すると、取扱事業者から九〇%ないしは九十数%の運賃しか振り込まれない。つまり、協力金として実運送事業者から取るのではなくて、形式上の値引きとして扱われてしまうという、こういう実態がありますが、運輸省は把握しておられますか。
○大庭説明員 お答えいたします。
 ただいまの御質問で、取扱事業者と実運送事業者たるトラック事業者との間に協力金というようなものがあるかという御質問がございました。
 私ども、貨物運送取扱事業者と実運送事業者との関係、特に貨物運送取扱事業者が実運送事業者を不当に圧迫することがないように、公正な取引が行われるようにという観点から注意をしている点でございまして、また地方運輸局に対しましても、この点はよく注意をするようにということを指導してきておるところでございます。
 御指摘の協力金ということでございますけれども、協力金という用語を確かに耳にしたことはございますけれども、私ども貨物運送取扱事業者の業務監査等を行っております中で、これまでにその協力金というものを確認したということはございません。なかなか実態把握の困難な問題であろうかと存じております。
○吉井委員 私は、業界の「とらっくウィークリー」などの新聞も見ておるのですが、協力金というものが問題になっております。今は、一般的値引きと、協力金である形式上の値引きとが非常に判明しにくいというふうな面があるかもしれませんが、しかしこれは現実問題として、こういう形での値引きが非常にふえているわけです。物流二法の改正で規制緩和が行われ、運輸省は、取扱事業者ができるからきちんと実運送事業者に運賃が支払われると言ってきました。三月の運政審答申においても、ほとんど混乱もなく円滑に定着を見ていると言ってよい、問題なくうまくいっているような表現でありますが、実際には取扱事業者や荷主による実運送事業者に対する協力金、値引きの強要が一般化、常態化しているのが実態です。私は、トラック運送に携わる人たちからもいろいろ聞いてきたのですが、具体的な会社の名前というのはなかなか言いにくいという、これは業界での実態ですが、しかしこの業界紙でも指摘されているように、値下げの要請、協力金要請という形で、事実上の運賃値下げを求められるケースが相次いで出ております。
 そこで、こういうふうに業界では当たり前のようにまかり通っているこの問題について、取扱事業者が協力金や値引きの強要を行っているとすれば、これは法律上問題になってきますので、運輸省としては調査をされることが必要だと思うのですが、調査をされますか。
○大庭説明員 お答えいたします。
 ただいま御指摘がございましたように、貨物運送取扱事業法が施行されましてから三年間が経過いたしましたので、法の規定に基づきまして取扱事業法の施行状況の点検等を、運輸政策審議会に諮問いたしまして実施してまいりました。
 その過程におきまして、先ほど申し上げましたように、取扱事業者と実運送事業者との関係、公正取引の確保という点は重要であるという観点から、その実施状況の点検の過程におきまして取扱事業者団体からも、また同時に実運送事業者の団体からも、その両者の取引の問題点はないかという点をヒアリングいたしまして、その上でその施行状況の点検をいたしたわけでございますけれども、先ほど申しましたように、協力金というようなものは確認されておらない、そういう事業者団体からの苦情と申しましょうか、あるしは要請と申しましょうか陳情と申しましょうか、改善要望と申しましょうか、そういうものはなかったわけでございます。
○吉井委員 それは、具体的な名前を挙げたら仕事がなくなるという、こういう問題と一体になっているものですから、なかなか調査をされても自分のところの名前を挙げて言えないという、これが実態であります。しかし、業界の中では、実際に業界紙でも指摘されておりますように、これが一般化、常態化している、これが現実の姿です。私は、この点について、謙虚になってやはり調査すべきであると思いますし、調査をされることを求めておきたいと思います。この点については、後ほど調査をされるかどうかだけお聞きしておきたい。お答えください。
 長官の方に私は伺っておきたいのですが、国が広範に経済活動に介入するようになったのは一九二九年の世界恐慌以後のことで、自由放任、市場メカニズムの弊害が失業の増大であるとかインフレなど大きくあらわれるようになってきてから、それらを抑えるためには国家が計画経済の手法を広く取り入れざるを得なくなった、そして計画推進のためには、規制と誘導、法令に基づく許認可などがつくられていったというのが歴史的な経過でありました。
 政府が言うように、原則自由、例外規制ということにして自由競争に任せておいたのでは、中小業者は淘汰されていってしまう、それが先ほどの大店法の問題についての私の指摘しているところでありますが、言ってみれば、ライオンやトラの弱肉強食の世界だけじゃなしに、キリンやシマウマもちゃんと生きていける世界ですね、国民の生活や安全が脅かされることのないように、その点で公的規制というのは市場経済をうまく動かすための制度でもあり、何でも自由にすればいいものじゃないということをはっきり私は考えなければ
いけないと思うのですが、この点についての総務庁長官の見解を伺っておきたいと思います。
○石田国務大臣 日本のそういった規制というものは、私は一つには、今吉井先生が言われた面もありましょうけれども、同時にまた、経済の力を強めるために、いわゆる欧米に追いつけ、追い越せというような、そういう目標を持ってそれぞれの規制が一面においてあったというふうに、私は認識をいたしておるわけでございます。
 私はもちろん、個人的に考えましても、経済優先というような考え方、それは全面的に経済優先という立場というものはとらないわけでございまして、やはり人間、生活者、消費者、その視点が常に大事にされなければならないし、まさに地域を、日本の社会を構成しているのは一人一人の人間であるわけでございますから、それを大事にする視点というものが政治に欠かせない問題であろうというふうに思っているところでございます。そういうような仕組みの中から、考え方から、いろいろな年金の問題であるとか、あるいは医療保険の問題であるとか、さまざまな社会的な、共同社会をつくるためのよりよい仕組みが考えられてきたのだろうというふうに思うのでございます。
 しかし、これだけ経済が成熟し、そういった社会保障も前進をし、さらに充実をさせようというような社会の情勢の中にございまして、しかも新しい経済の活性化を図っていかなきゃならない。そういうような状況を迎えている日本経済の状況を考えてみたときに、今規制緩和を、いわゆる経済規制については原則自由というふうに方針を決めたから、それが即弱者を軽視したり無視したりというような、そういう方向になるほど今、日本の社会の仕組みは脆弱ではないというふうに思っておるところでございます。もちろん、そういうような面も十分考慮しなければ社会全体の構成が成り立たないわけでございますから、そこら辺の吉井先生の御指摘は十分腹に入れながら、規制緩和を進めさせていただきたいと思っております。
○大庭説明員 協力金に関しまして調査を行うかという御質問でございましたけれども、率直に申し上げまして、取扱事業者の数が四万余り、また実運送を行っておりますトラック事業者の数も四万二千と大変数が多うございますので、この問題につきましては、一般的に、抽象的に調査を行うということを申しましても、なかなか難しい面がございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、取扱事業を所管している立場とトラックの実運送を所管している立場、双方協力しながら監査を行ってまいりまして、具体的な事実などが把握でさましたら必要な指導を行ってまいりたい、このように考えております。
○吉井先生 時間が参りましたので、終わります。
○加藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○加藤委員長 この際、本案に対し、吉井英勝君から修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。吉井英勝君。
 許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案
  に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
○吉井委員 私は、日本共産党を代表して、許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案に対する修正案の趣旨説明をいたします。
 我が党は、規制緩和のすべてをよしと考えているわけではありません。公的規制の中でも、長期の期間が経過し、社会的な変化もあり、もはや官僚の権限維持だけのものであって、国民生活の利益を損なうような官僚的規制は撤廃されるべきものであります。
  一方、環境保護など国民生活擁護の視点から、立ちおくれている大企業に対する民主的規制を強化することは国民の要求になっています。
 今回の許認可一括法は、全体として、廃止される四法律を初め、その多くは事業者の事務の軽減、行政手続の簡素化につながるものであり、賛成できるものであります。
 しかし、鉄道事業法の一部改正は、新幹線や標準的な特急料金は認可のままであるが、グリーン料金、寝台料金、指定席料金、主に近郊線の区間に設定されているB特急料金など、これまで認可であった鉄道料金の多くを届け出に緩和するものです。こうした鉄道料金の規制緩和は鉄道運賃の自由化につながり、事業者による自由な値上げも心配されています。鉄道料金は国民生活に影響を与える重要な問題であり、現行法どおり原則認可制とすべきです。
 以下、修正案の具体的な内容について説明いたします。
 許認可一括法の第三十条関係でありますが、鉄道事業法の一部改正の第十六条一項、三項を削除し、新幹線、標準的な特急料金、B特急料金、グリーン料金、寝台料金等の鉄道料金を現行法どおり原則認可制とするものです。また、入場料金その他の料金を事前届け出制とするものです。
 以上が修正案を提出する理由及びその内容です。
 委員各位の御賛同をお願いいたしまして、趣旨説明といたします。
○加藤委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○加藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 許可、認可等の整理及び合理化に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、吉井英勝君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決まりました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○加藤委員長 規制緩和に関する件について調査を進めます。
 この際、亀井善之君他四名より、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風五派共同提案による規制緩和の推進に関する決議を行うべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。亀井善之君。
○亀井(善)委員 私は、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風を代表して、規制緩和の推進に関する決議案について、案文を朗読し、趣旨の説明にかえたいと存じます。
    規制緩和の推進に関する件(案)
  政府は、我が国経済社会を取り巻く内外の諸情勢にかんがみ、我が国の経済社会を柔軟で活力に満ちた強靭な体質に改善するとともに、国際的に調和がとれ一層開かれた市場とするため、第三次臨時行政改革推進審議会及び経済改革研究会等の提言を踏まえつつ、行政の責任範囲を明確にし、国民の理解と協力の下に実効あ る規制緩和の推進に積極的に取り組むべきである。
  その際、独占禁止法の運用の強化を図りつつ、企業倫理の確立が図られるよう必要な措置を講ずるとともに、行政指導についても極力抑制するよう徹底すべきである。
  また、規制緩和により悪影響を受けることが予測される中小企業、雇用等に万全の対策を講ずるとともに、消費者利益を増進するため、情報提供態勢及び消費者被害の未然防止・救済制度の改善等、消費者行政の充実強化を図るべきである。
  右決議する。
以上でございます。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○加藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 これより本動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立多数。よって、規制緩和の推進に関する件を本委員会の決議とするに決しました。
 ただいまの決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。石田総務庁長官。
○石田国務大臣 ただいまの決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後とも規制緩和の積極的な推進こ努力を払ってまいりたいと存じます。
○加藤委員長 お諮りいたします。
 本決議に関する議長に対する報告及び関係当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後八時十九分散会
     ――――◇―――――