第131回国会 大蔵委員会 第2号
平成六年十月二十五日(火曜日)
    午前十時三分開議
出席委員
  委員長 宮地 正介君
   理事 石原 伸晃君 理事 金子 一義君
   理事 堀之内久男君 理事 村上誠一郎君
   理事 今井  宏君 理事 北側 一雄君
   理事 村井  仁君 理事 早川  勝君
      大島 理森君    岸田 文雄君
      熊代 昭彦君    中山 利生君
      福田 康夫君    青木 宏之君
      上田 清司君    大矢 卓史君
      太田 誠一君    北橋 健治君
      栗本慎一郎君    坂本 剛二君
      竹内  譲君    谷口 隆義君
      中田  宏君    中村 時広君
      西岡 武夫君    藤井 裕久君
      星野 行男君    伊東 秀子君
      中村 正男君    永井 哲男君
      日野 市朗君    田中  甲君
      佐々木陸海君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  萩山 教嚴君
        大蔵省主計局次
        長       武藤 敏郎君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        大蔵省国際金融
        局長      加藤 隆俊君
        国税庁課税部長 堀田 隆夫君
 委員外の出席者
        総務庁人事局高
        齢対策課長   竹林 義久君
        外務省アジア局
        北東アジア課長 中村  滋君
        大蔵委員会調査
        室長      中川 浩扶君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十五日
 辞任          補欠選任
  大矢 卓史君      石田 美栄君
同日
 辞任          補欠選任
  石田 美栄君      大矢 卓史君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、第百二十九回国会閣法第四四
 号)
     ――――◇―――――
○宮地委員長 これより会議を開きます。
 第百二十九回国会、内閣提出、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。
    ―――――――――――――
 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法
  律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○武村国務大臣 ただいま議題となりました国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 我が国におきましては、二十一世紀を活力ある高齢社会とするため、雇用、年金のあり方を人生八十年時代にふさわしいものに見直していく必要がございます。このため、政府は、厚生年金保険につきまして、制度全般にわたり所要の見直しを行うことを内容とする法律案を別途提出をしておりますが、国家公務員等共済組合法の年金につきましても、公務員制度の一環としての役割等に配慮しつつ、公的年金制度の一元化を展望し、基本的に厚生年金保険の見直しと同様の措置を講ずる必要があり、本法律案を提出をした次第であります。
 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、六十歳代前半の国家公務員の退職共済年金につきましては、その年金の額を報酬比例部分相当額とし、平成十三年度から二十五年度にかけて、現行の仕組みから段階的に切りかえることにいたしております。なお、職域部分の取り扱いにつきましては、公務員の身分上の制約や職務の能率的運営の必要性等に配慮し、従来どおり、公務から退職すれば支給することとしております。
 第二に、厚生年金保険と同様の改正事項として、標準報酬の再評価を実質的賃金の上昇率に応じた方式に改めることとするほか、加給年金の対象となる子等の年齢要件の改善、退職共済年金と遺族共済年金の併給調整の改善等を行うとともに、新たに期末手当等を対象として、特別掛金を徴収することとしております。
 第三に、日本鉄道共済組合及び日本たばこ産業共済組合に対しましては、年金給付の見直し等の自助努力を前提として、他の公的年金制度から被用者年金制度間調整事業による財政支援が行われておりますが、このたび平成七年度以降の両共済組合の財政事情等を勘案し、自助努力の一環として、標準報酬の再評価の取り扱いにつき所要の特例措置を講ずることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 なお、今回の改正に伴い、雇用と年金の連携を図るとの観点から、国の行政機関におきましても、民間における高齢者雇用施策を視野に入れ、行財政改革の要請に十分配慮しつつ、定年後の公務員の雇用問題に取り組むことといたしております。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○宮地委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
○宮地委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永井哲男君。
○永井(哲)委員 私は、自由民主党、新党さきがけの御了解を得て、与党三党を代表して質問させていただきます。日本社会党・護憲民主連合の永井哲男でございます。なお、この質問の作成に当たっては三党間でいろいろと協議させていただいたことも、あわせてつけ加えたいと思います。
 時間がありませんので、早速質問に移らせていただきますが、今後、我が国では急速に高齢化が進展していくことが予想されます。年金制度も来るべき高齢化社会にふさわしいものでなければならないと思いますが、このたびの国家公務員共済年金制度の改正について、その基本的な考え方を大蔵大臣にお伺いいたします。
○武村国務大臣 今般の共済年金制度の改正は、二十一世紀の活力ある高齢化社会に向けて雇用、年金のシステムを人生八十年時代に対応したものに再構築をしていくため、公的年金制度の一元化を展望しながら、六十歳代前半の年金の見直し等について、厚生年金との整合性を図りつつ所要の改正をさせていただきたいと考えるものでございます。
 具体的には、厚生年金と同様に、一つは、六十
歳代前半の年金は現行の報酬比例部分を別個の給付として支給するということであります。もう一つは、現役世代と年金受給世代の均衡を図ってまいりますために、標準報酬の再評価について、現役世代の税、社会保険料を除いた手取り賃金の動向に応じた方式に改めたいと考えます。この二つの内容を中心にいたしているところでございます。
 なお、雇用と年金の連携を図るとの観点から、今後、公務部門におきましても、民間における高齢者雇用との均衡や行財政改革の要請に十分配慮をしながら、六十歳代前半の公務員の雇用問題にも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○永井(哲)委員 共済年金制度は、公的年金としての位置づけのほかに、公務員制度の一環としての重要な役割を担っている、そう思いますが、このような共済年金制度の特殊性というものについて本改正でどのように配慮しているか、その点についてお聞きいたします。
○武藤政府委員 共済年金制度は、公的年金としての位置づけのほかに、公務員制度の一環といたしまして、退職後の所得保障を行うことによりまして、在職中に厳正な服務規律のもとで職務に精励させるとともに、人材の確保や適切な退職管理を可能にするといったような役割を担っているわけでございます。
 このために、退職者に支給いたします共済年金につきましては、報酬比例の年金としての厚生年金相当部分に加えまして、いわゆる職域部分がプラスアルファの給付として設計されているところでございます。
 今回の改正に際しまして、こうした職域部分の性格にかんがみまして、六十歳代前半の別個の給付におきましても、報酬比例部分にあわせまして職域部分も支給するということにしておりまして、共済年金制度の特殊性に配慮されているところでございます。
○永井(哲)委員 特に高齢者雇用の取り組みについてでありますが、民間では、高齢者が雇用を継続していける、そういった社会システムとしての取り組みというものをこれからやろうとしているところでございますが、特に公務部門において、高齢者雇用、六十歳代前半のこういった雇用問題にどのように取り組もうとしているのか、政府の基本的な方針、検討状況、そして今後の検討のスケジュールといったものについてお聞きいたします。
○竹林説明員 お答えいたします。
 公務部門におきます高齢者雇用に関しましては、去る三月二十五日の閣議におきまして、民間における高齢者雇用施策を視野に入れ、雇用と年金との連携及び行財政改革の要請に十分配慮しつつ、公務員の六十歳代前半における雇用に積極的に取り組むとの基本方針を閣議決定したところであります。
 この閣議決定に基づき、公務部門におきます高齢者雇用の推進方策について具体的な検討を進めるために、公務員に関する制度等を所管いたします行政機関の局長クラスを構成員といたします公務部門における高齢者雇用問題検討委員会を去る六月二日設置し、検討を開始したところでございます。
 公務部門におきます高齢者雇用は、共済年金制度との連携を図りつつ、所要の準備期間を経て段階的に進めていくことと考えておりまして、共済年金の給付の弾力化スケジュールにおくれないように実施する必要があると考えております。
 今後、これを念頭に置きまして、公務部門におきます高齢者雇用問題検討委員会におきまして、引き続きさらに具体的な検討を進めてまいる考えでございます。
○永井(哲)委員 今後の高齢化社会に向けて、公的年金制度全体の安定性、そして整合性、そういうものと調和した発展というものを図っていく必要がある、そういうふうに思います。そのためには公的年金制度の全体の一元化を、ぜひとも、しかも早期に実現しなければならない、そういうふうに思いますが、国の共済としてこういうような一元化に対してどのように対応していくおつもりか、お聞きいたします。
○武藤政府委員 本格化いたします高齢化社会に向けまして、公的年金制度全体の安定と整合性のある発展を図っていくためには、制度の一元化を進めていくことが重要という御指摘はまさにそのとおりでございまして、本年二月に設置されました公的年金制度の一元化に関する懇談会などの場で現在精力的に検討していただいておりまして、制度間の合意形成を図るべきものと考えております。
 そこで、国共済としてどのように対応するかというお尋ねでございます。
 まず第一点といたしましては、産業構造の変化、行政改革、地方分権といった要請にこたえることにより、特定の職域の現役加入者数が減少して個人の年金負担増をもたらすということが考えられるわけですが、これは、いわば制度の分立に伴う不合理ということでございまして、こうした運営の不安定化を回避する必要があるということでございます。
 第二点といたしましては、共済年金制度は、公務員制度の一環としての役割を担っているということは先ほど申し上げたとおりでございますので、この点にも留意する必要があると考えております。
 こういう観点を踏まえながら、今後一元化の議論に適切に対応してまいりたい、かように考えております。
○永井(哲)委員 一元化に向けて、適切にしかもできるだけ早期に一元化を図っていただきたい、重ねて要請をしておきます。
 その一元化とも関連しますが、特に鉄道の共済年金の関係であります。これは本法でも、平成六年度の標準報酬の再評価というものについては平成十一年十月までその実施を繰り延べる、そういうふうにされております。鉄道共済は非常に財政的に厳しい。そういう中で、制度間の調整として、鉄道共済側の自助努力というものも当然に必要だというふうに思います。
 ところで、既に前回の再評価の実施については約五年近く繰り延べているというようなこと、また、内部的な努力としてスライド部分も累積一〇%になるまでこれは停止するというような措置をとっております。また、いわゆる三階部分、職域部分については設計をしていないというような制度を運用し、保険料率についても一九%以上という、ほかの料率より高い料率で一定の自助努力ということもしているところであります。こういったような自助努力をしているというような面や給付と負担の公平化というような観点から見ましても、公的年金一元化の際には、その公平化に向けてぜひ前向きに検討しなければならない、そういうふうに思うのでありますが、その点どのようにお考えでしょうか。
○武藤政府委員 鉄道共済年金につきましては、制度間調整事業による他制度からの財政支援を得てようやく年金の支払いを行っているという状況にございますが、拠出側の制度の御理解を得るために、ただいま御指摘のありましたとおり、保険料率の引き上げであるとか、平成元年分の標準報酬の再評価の繰り延べを含みます自助努力等を行っているわけでございまして、これを前提として平成六年度末までの鉄道共済年金対策スキームが合意されているわけでございます。
 そこで、平成七年度以降の再評価の取り扱いでございますけれども、引き続き拠出側の制度の理解を得る必要があると考えられまして、各公的年金制度の代表者から成ります公的年金制度の一元化に関する懇談会というのがございますが、その御了解をいただきました上で、平成六年分の再評価の実施を、法律上次の財政再計算期まで繰り延べるということにさせていただいているわけでございます。
 そこで、今後の自助努力を含みます鉄道共済年金対策全体につきましては、この懇談会の中でま
たいろいろ御議論、御検討をしていただくわけでございますけれども、今御指摘のとおり、公的年金制度の一元化ということが問題になっておりますので、その問題の中で検討されるものと考えております。
○永井(哲)委員 最後の質問に移らせていただきます。
 今回の改正、支払う立場に立ちまして、ゴルフで言うといわゆるグロスというような給与の基準を手取りというもののネットにした、グロスからネットにしたといったような配慮や、また四十五年以上の長期加入者や三級以上の障害者に対する措置とか、また子供の年齢要件で十八歳の学年末までそれを延長する、実態に合った、実態を考えたそういうような措置をとっているということは十分に評価に値する、そういうふうに思います。
 その中で、育児休業期間中の掛金については免除するという措置をとっているわけでありますが、この点について、掛金の免除ということばかりではなくて、この育児休業期間中の一部給付というようなことを、今の少子社会に対応する措置としてもこれはぜひとも考えていかなければならないというふうに思うのでありますが、その点どうお考えでしょうか。
○武藤政府委員 まず、民間におきましては、育児休業給付の制度が雇用保険制度の中で平成七年度より導入されることになっております。国家公務員につきましては雇用保険制度が適用されないということから、この問題をどのように取り扱うかということが問題になるわけでございますが、人事院から、共済組合制度の中で給付水準及び実施時期を含めまして民間の育児休業給付に見合った給付を行うことが現実的であり、かつ適当という考え方が示されております。
 この人事院の意見の申し出を踏まえまして、共済制度における短期給付の中で措置する場合の具体的な仕組み及びその問題点等につきまして、現在鋭意検討しているところでございます。
○永井(哲)委員 ぜひ前向きに取り組んでいただくことを重ねて要望いたしまして、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○宮地委員長 次に、栗本慎一郎君。
○栗本委員 しばらく国会が行われておりませんで、かなり長い期間をおいてのことでございますので、年金の法案の問題もこれありでございますけれども、それを含めて、この機会でございますから、大蔵大臣に全体の、つまり日本の経済、金融、財政の総合的整備、保険も含めてそうしたことが今問われていると思うのでございます。そのうちの一環として、とりあえずの手当てとして年金の問題も出てきている。したがって、この年金の問題も、さらに先行きの一元化のことも既に今語られている、こういうふうに認識をいたします。
 この機会に、経済、財政、金融の基本的な御姿勢をお伺いしたく、特に、まずは第一点、金融システムの整備及び自由化などの一般的方向について、大臣の基本的な所信をお伺いしたいと思います。
○武村国務大臣 最近の日本の経済全体としましては、既に政府が発表いたしておりますように、ようやく明るさが広がり始めた、本格的な回復の方向を向き始めているという認識でございます。経済企画庁長官も申し上げておりますように、ぜひ今年度中には本格的な回復軌道にのせたい、その目標で全力を尽くしていきたいと思っております。
 既に、財政としましては、数次にわたる公共投資を含めた経済政策、追加補正措置をとってまいりましたし、今年度からはかってない大規模な減税政策を推進いたしております。これも新政権としては、原則的にはことしを入れて向こう三年間継続をしていく方針でございます。また、公定歩合につきましては、御承知のように、史上最低という、一・七五%という低い水準でこの不況に対応いただいているところでございます。
 日米間を含めた国際的な金融、財政の議論もある中でございますが、我が国としては当面はこの戦後最長の不況をどう脱出していくか、景気回復に向けての対策に全力を傾けてまいったところでございますが、将来は相当な財政的負担を強いられていることも率直に認識をいたしますと、財政再建、景気がよくなった段階では財政再建ということが、ひとり国家財政の問題というよりも経済全体の体質の問題として大きなテーマとして浮上してくるのではないか、そのことに今からも真剣に目を向け始めなければいけないというふうに思っているところでございます。
○栗本委員 おおよそわかりました。
 これからの政策ということもございますが、景気浮揚にやはり基本的には設備投資の拡大及び、もし現下もなお不況の尾を引きずっているとすれば、引きずっているわけでございますが、資産デフレの解消ということに対する手当てということが問題になるのではないだろうかと思われますけれども、ちょっと基本的なお考えを伺いたいと思います。
○武村国務大臣 おっしゃるとおり、バブルのときの傷跡といいますか、影響をなお受けているわけであります。そのことが委員おっしゃるように資産デフレというとらえ方にもなってきているわけでございまして、株の問題もございますが、不動産、特に土地の問題が、日本経済全体の中でもそれなりの大きな問題の一つとして存在するというふうに認識をいたしております。
 特に、不良債権という言葉まで今お使いになりませんでしたけれども、バブル時の金融機関の融資の結果として、金融機関にはかなりの土地に対する不良債権の問題が残っております。これにつきましては、一昨年八月に金融行政の当面の運営方針を発表いたしておるところでございまして、この方針に沿いながら、共国債権買取機構の設立や、引き当て制度の運用改善や、あるいは自己競落会社の導入など、多くの施策を具体化してきたところでございます。金融機関におきましては、みずからも積極的にこうした不良債権の処理に取り組んでいただいているというふうに思っております。
 ことしの年初の、やや不良債権の額が頂上から少し下がり始めているという数字を認識いたしますと、この方向で一生懸命努力をしていけば、この問題についてはそれなりの改善の道筋を歩むことができるのではないかというふうに期待をしながら、大蔵省としましても精いっぱいこの問題に努力をさせていただきたいと思っているところでございます。
○栗本委員 全般にはよくわかりました。
 ただ、今のお話で欠けておりますのは、金融機関の救済、したがってそれが将来の経済の活力への原点になるというような、お言葉だけでございましょうが御認識がございます。ところが、現実には金融機関だけで融資なりが行われるわけではなくて、消費者がいて、お金を借りる人がいて、債務者でございますね、実際にそういうことが行われていたわけでございます。
 土地を担保にした取引というのは、二十年、二十五年というのは常識でございますから、当然バブルが一年前、二年前に終わったといっても影響というのは現下のものとして残っている。私としては、今のところ大手の共同買い取りはございますが、中小の共同買い取りをすることによって景気の発展の流れが、最初の詰まりがぽっといくんだということを前から言っておるのです。
 そこでお伺いいたしたいのは、現実に既に不良債権になってしまった。これは資産から見ると不良債権ですが、消費者あるいは債務者の側から見ると、例えば過剰に融資され、担保価値の方は実際の価値の、借りた金額の二分の一、三分の一程度のもの、つまり過剰貸し出しあるいは無理な貸し出しといったことが多々頻発しておりまして、これは枚挙にいとまのないような状態なんでございますが、これを脱出しなければ、しょせん金融システムの整備は、金利の自由化だけ行われてきていますけれども、ないんだ。
 規制緩和ということが言われている折でございますが、大蔵省銀行局におかれては、こうしたいわば錯綜した、あるいは一般的な言葉で恐縮ですが、不当と思われるような貸し付けあるいはその後の処理について、どのように今後、現下の問題として処理されていくのかということについてお伺いを申し上げたいわけでございます。
 これは一つの例を申し上げますが、決してこの事件についてお聞きしたいということではなくて、こういうようなことについて今後、一般的にあるのだからどういうふうに御対処されるのかということで申し上げますけれども、そういうわけでございますから特段に固有名詞は要らないかと思いますけれども、名古屋のMさんと申しましょうか、普通の第三者がいらっしゃる。土地、建物などを普通に持っていらっしゃる、普通より多いのですけれども。大体現下の認識ではやっと九億、バブルのときでもその二倍はいかないのではないだろうか、十三、四億というふうなところに、三回にわたって、いわゆるノンバンクを通じて二十五億三千万円の貸し付けが、それを抵当にして、担保にして行われているわけでございます。
 ここで、これは本人が不注意なんでありますけれども、実はさらにもう一つ第三者がいて、団体なんですが、これが、それを借りるんだ、けれども担保がないんだ、だからおまえ出してくれ、こういう格好で、それを承知の上で、そのノンバンクではなくて大手の市中銀行、名古屋でございますから、これは別に隠すこともございませんが、例えば東海銀行、例えばではなく東海銀行が、直ちに根抵当権の一部譲渡を当日に、融資のあった当日ですから、これは全体の状況を知らないとは申し上げられないわけですけれども、その事件が不当に貸し付けたと特に決めつける気はございませんが、例えばそれが過剰な貸し付けであり、その融資された先の、現下債務者になっております人間の返済能力とかそういったことをおよそ妥当に、常識的に検討したのではないのではないだろうかというふうなことが行われて、しかもそれが、ここで名前出しませんが、その第三者の団体が二年、三年にわたって返済をしていた。本人ではないのです。名前は本人の名前を使っている。これはすぐに、本人が返済してなかったということは証明できます。名前は使っている。簡単に言えば、ほかのところから振り込む。私が武村先生の名前を使って振り込んで、武村先生の借金ということになっているものは先生の借金ではなくて私の借金なんだ。振り込んだ、ところが払えなくなった、そうすれば、法律的に当然その方になりますよね。それで今、いわば焦げついているというかトラブっている、こういうことがあるわけです。
 こうした例は、これは一般論でございますが、私の調べる限り、この、つまり人の名前を借りてお金を借りた団体に関してもさらに数件ございます。この団体がどうこうとか、この件がどうこうということではございませんが、こういうようなことについて、これが例えば共同買取機構で最終的に根抵当で、都市銀行でありますから、我々のお金、国民のお金が結果的に使われるというふうなことが現実に起きてしまっているではないか。こういうようなことについて、一般的な方向性で結構でございますが、規制緩和の折でも大蔵省は厳しく規制をし、不良、不良と言うけれども、質的に不良なものに関しては手当てをしない、金額的に不良になってしまったけれどもというふうな方針であるべきではないだろうかと私は思うのでございますが、この点に関して、事務当局で結構でございますが、御見解を伺いたいと思います。
○西村政府委員 お答え申し上げます。
 いわゆるバブルの時期におきまして、金融機関が、内部管理体制の整備が不十分なままに、安易に業容の拡大と収益の追求に走る傾向が見られたという点につきましては、ただいま先生からも御指摘がございましたが、当局といたしましても、まことに残念であったと考えておるところでございます。
 そういう意味からいって、遺憾な事例が幾つかあるかもしれませんが、私どもとしては厳正に対処をしていきたいと思っておるところでございますが、このようなバブルの時期の経験を踏まえまして、当局といたしましては、金融機関に対して、内部管理体制の総点検や公共性、社会性の確保を強く要請するとともに、金融システムの安定と資金の円滑な供給のために総力を挙げて取り組むことを要請したところでございます。今後とも、金融システムに対する国民の信頼が損なわれることのないよう、当局としても最大限の努力を払う所存でございます。
 ただいま御指摘のような事例に関しては、私どもといたしましては、民間の個別の取引でございますのでコメントは差し控えたいと存じますが、一般論として申し上げれば、金融機関の融資につきましては、金融機関みずからが自主的な経営判断に基づいて決定することが基本であり、融資先の事業内容、返済財源、業況、財務内容等を総合的に判断して決定されるものと承知しております。当然その中で、資金の使途についても事前に確認することは一般的でございますが、実際に資金が何に使用されたかということはなかなか確認するのには限界があるものと考えております。
 しかし、いずれにいたしましても、金融機関にはその業務の公共性にかんがみまして、社会的責任を自覚した業務運営が求められているところでございまして、第一義的には、金融機関みずからが業務の健全かつ適切な運営のための努力をすべきものと考えておりますが、当局といたしましても、融資に当たっては社会的批判を受けることのないよう、慎重な審査等について指導してまいりたいと考えております。
○栗本委員 よくわかりました。
 そのお答えのとおりだろうと思いますけれども、バブルのときには、この件に関しましては、この件がどうこうということじゃございませんが、使途、貸付金ということで一般の主婦の方が十億、二十億にも及ぶお金を借りている。これはもう普通に考えてもおかしい、とてもまともに調べたとは思えないということであるわけです。結局のところ、こうしたことはいわゆる示談。その本人はもう返せない、その土地、建物を売ったってまだ残っている、自殺でもしない限りは、これはどうにかしなければいけない。そうしたら、恐らく通常、示談の方向というふうなことはよくあるのですけれども、ここでまた問題がわからなくなってしまうのですね。借りたもので返さなけれ、ばいけないものは返せ、焦げついたものは焦げついてそれを処理しろ、こういう格好でいけばいいんだけれども、よく市中銀行等でも示談という方向が出される。これは私はおかしいと思うのですね。もしまた現実にそういうことがあるのならば、どういうときはどうで、一般の方向性というのをお示しになる必要が大蔵省としてもあるんじゃないだろうか。
 民間のことだからというふうにそれは当然おっしゃられるけれども、一人の主婦が貸付金だなんという格好で二カ月、三カ月なりで二十数億、さらに私の調べたところでは、この件ではほぼその二倍に当たるもう二十数億が借りられて第三者の団体に渡っているわけですよ。恐らくそれは、銀行はほとんど間違いなく、証拠に基づけば立ち会っている、少なくとも認知していたというふうにこちら側も認知せざるを得ない。
 こういったようなことに関してはどういう一般的な方向で、民間のことだからタッチしないとおっしゃるのなら全部規制を外してしまえばいいんですが、指導を外してしまえばいいんですが、そうでもないとすれば、要するにバブルから立ち直っていく日本経済の事例の問題として、どういう方向で示談というようなものはあり得るのか、それについて一言お考えを伺いたいと思います。
○西村政府委員 銀行の個々の取引につきましては、金融機関の自主的な経営判断によって行われているわけでございまして、その点について行政が注文をつけるということはできるだけ差し控えたいと存じておりますけれども、いろいろと個々
のケースについて見ましても、銀行の公共性という点から申しまして残念なケースも必ずしもないわけではございません。そういう点につきましては、銀行が社会的に果たしております役割ということにかんがみまして、行政当局としても十分注意を払ってまいりたいと考えております。
○栗本委員 この件に関してはこれで最後にしたいと思いますけれども、余りにも一般的な答えで話にならぬ。
 もちろん、銀行といえども民間の企業でございますから、民間性はもちろんある。しかし、今局長がおっしゃられたように社会性のある問題なんだ。失礼ながら、花を小売しているのとは違う。こういったことに関して、明らかにこれは社会的常識を逸脱している、経済的行為の原則を逸脱しているということがあった場合にはどうされるのかということについてだけ、一言お伺いしたいと思います。
○西村政府委員 もちろん、個々のケースでございましても、銀行の社会的役割、公共性という点から遺憾な点がございますれば、私どもとしては十分そういう点について注意をしてまいりたいと考えております。
○栗本委員 では、この件に関しましては、当局及び大臣に、これから現下の状況を切り抜けて、資産デフレを脱し、さらに設備投資も活発に行われ、経済の底上げがなされるためには、この直前にありましたバブルの精神的、物的負債というのを積極的に我々も含めて取り除いていかなければいけない、そのための御努力を特段にお願いをしたいと要望して、終わりたいと思います。
 続きまして、これも大蔵の基本問題の一つでありますけれども、今国会では税の問題に関しましては特別の機関が設けられましたが、これは直前に来ております消費税の問題を中心にしておりますので、税のあり方一般に関しては相変わらず私どもの関心の範囲内だと思うのでございますが、今、年金の問題が出されている。これは法律の改正ですね。これは非常に細かいものでありまして、ということは、逆に言えば、こうした税についても年金に関しても、細かい条文の、もう何%が何とかというところも含めて法を変えて、改正をして進んでいかなければならない。これは、法治国家であり、罪刑法定主義というのはこれは刑事の方でございますけれども、こうした問題に関しても法定主義がとられているのは当然のことであるというふう思います。
 税、例えば所得税、法人税につきましても当然そういうことがあるのは当たり前でございますが、こうした点に関して、私は、現実にはかなり適用のファジーさといいますか、そういったことがかなりあるように思われてならないわけなんでございます。ということは、逆に言えば、年金法でこれだけ細かく決めるように、所得税、法人税に関しましてもかなり細かく決めていくべきだ。そうした現在の国家のあり方であれば、そうならざるを得ないというふうに思うのでございますが、その点に関しまして、現下、実際それがうまくいっているかどうかというような御認識も含めて、大臣から一言御認識を伺いたい。税と法の関係でございます。
○武村国務大臣 刑法には、おっしゃるように罪刑法定主義という厳しい原則が貫かれていると思いますが、租税につきましても、御承知のように税が政治の始まりであったという認識もありますし、租税法定主義といいますか、いやしくも国民の皆様に一定の税負担をお願いをいたします場合には、国民の代表によってきちっと法律によってそのことを決めなければいけないという原則が常識として働いていると思っております。
 今、税制改革特別委員会で今回の税制改革をめぐって真剣な議論をいただいているところでございますが、こうした改革に限らず、おっしゃるとおり税制全般について、まさに国民代表であるこの国会の場で条文の一つ一つ厳しくチェックをいただいて、より国民の皆さんの納得のいただく税制を目指して努力をしていかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○栗本委員 全く同感でございます。
 しかし、現実にはそのようではないことが多々発生するために、国民の不満なり、またそのことが、ひいては消費税を含む税制の改革の際に感情的抵抗としてあるというのが現実じゃないかと残念ながら思われます。そのためには、取るものは取る、取らないものは取らない、特例措置、特別措置というのはできる限り減少させていくという方向が必要ではないかと思うのです。
 これまた事例でございますけれども、一般的なものとしてお考えいただきたいのですが、法人税法によりまして、例えば宗教法人の非収益事業は課税されませんし、また宗教法人の認可を申請しても五年ないし六年、実際おりてくるまでに時間がかかる。それは通常、いわゆる人格なき社団というふうに認知されまして、やはりもちろんかけられるものにはかけられるのですけれども、非収益事業には課税されないというのがございます。私はここで、一般的に宗教団体が課税されるべきかされるべきでないかということを申し上げるつもりはございませんが、さまざまな意味で本来再検討されるべきものではないかというふうに考えています。
 しかし、現下に法律がございます。その中で、これは具体名を申し上げてもいいと思いますけれども、信者総数二万ないし二万数千というパワフルコスモメイトという比較的小さな、宗教法人を目指している団体がございます。これが今、社会的に非常に大きな、つまり脱税問題ということですね、大きな問題になっておりまして、いわゆる事件になっておりまして、昨年の十二月及び本年の六月、国税当局による査察が行われたということになっております。
 これは私もよく存じ上げておりますけれども、国税当局の方としては、査察をしたしない、あるいはどういうものが挙がってきているというふうなことはおっしゃられないということはよくわかっておりますから、これまた一般的に申し上げます付れども、宗教法人になろうと申告を、申請をしていて、そのことについて頭からはねつけられているという状態でない。通常これは人格なき社団というふうに理解される。また、人格なき社団ということについては、本来これは要件は通達で定められておりますが、これもいわゆる権利能力なき社団というものの援用で理解されている。これは社会的に、私はこういうことじゃ本当はいけないと思いますが、認知されている事実でございます。
 こういった団体に対して、査察のことは申し上げませんが、なぜ疑念が生じるのか。疑念が生じるとすれば、脱税の事実があったのだろう。脱税の事実自身は確認されなければ、定期的なものを除けば、査察であれ捜査であれ調査であれ行われなければと思うのでございますね。この点に関して、これはパワフルコスモメイト事件というふうに特定してもよろしゅうございますが、それを特定しながら一般的にお答えをいただきたい。どういう場合にこうした人格なき社団に、法で非課税と言っているじゃないか、なぜそれがこうした問題になるのか。
 さらにもう一点、これは大臣じゃなくて事務当局で結構でございますが、この調査に関して訴訟が起きているではないか。調べの行き過ぎあるいは守秘義務違反、すなわち私どもが一般に読みます週刊誌や新聞に、国税関係者、国税当局によれば、あるいは査察部によればというのが頻出しております。もしうそであれば、むしろ国税当局の側がそのようなマスコミに対して、我々の公務執行に疑点を及ぼすことになるのだから、そうしたことは例えば差し控えていただきたいというふうな申し入れ等をするべきだと思いますが、そういうことをしたのかどうか、この辺に関してお伺い申し上げます。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。
 先生お尋ねの件は、個別にわたる事柄でございますので、答弁をすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 それから、訴訟の話が出ておりましたが、これ
も一般論でございますけれども、調査に対して損害賠償訴訟などが提起されました場合には、裁判の場におきまして、私ども当局の調査の正当性などにつきまして主張してまいりたいと考えておるところでございます。
○栗本委員 先ほど、罪刑法定主義という言葉が出ましたけれども、一般の刑事事件に関しては、刑事訴訟法及びその証拠の物件に関しては刑事証拠法というものが適用されます。そして、被疑者、被捜査者の側からかなりの権利の留保として異議申し立て等ができます。ところが、税の問題に関してはそうした根拠法がないのですよ。だからこそ、厳しくきっちりと疑念のないようにやっていただく責務が行政当局にある、特段にあるんだというふうに私は考えているわけです。それに対して、こちらからわざわざ査察の事実があるなし、そっちが認められないだろうと言ったのに乗っかって、全然答えられない。それはないじゃないですか。
 一般論としてで結構です、だれが幾らで、何億円とか何万円と言わなくていいです、こういう種類のことがあれば、宗教団体を目指しているあるいは宗教団体かもしれないものに対して調査、捜査が行われ得るんだということを答えていただきたい、そういうことなんです。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。
 宗教法人あるいは人格なき社団を含めましてすべての法人に対しまして、私どもは各種資料、情報の収集などに努めまして、課税上問題があると認められるものにつきまして重点を置いて調査を実施しているということでございます。
○栗本委員 とんでもない答え方なんですよね。こちらが課税上問題があるといえば捜査できると。これは刑事訴訟法が適用されませんから、はっきり言うと、基金丸信前代議士の場合でも全部持っていってしまう。どこに関係があるのか、これは普通の場合であれば、殺人事件等であってもこれはこの事件に関係ないじゃないですかというふうに弁護士が立ち会って、あるいは持っていかれたものでも戻すことができる。現実にこれは税に関してはできないんですよ。こんなことをしているから税に対する、正当な税制であっても不満が出てきてしまうということなんです。
 だから、この件に関しては、私も法学者でございますから調査いたしましたところ、これは通常、まず人格なき社団と認められるケースだろうと思う。もちろん、異論があって構いません。だけれども、こういうことに対して査察が行われる一般的な根拠、こういうようなことがあればやらなきゃいけないんだ、例えば  例えばを言っちゃうといけませんけれども、それについていささかのやはりお答えがなければ、こっちが決めてやったことはそれはしょうがないじゃないかという話になっちゃうということなんですよね。もう少し踏み込んでお答えいただきたい。
○堀田政府委員 査察調査についてお尋ねがございました。
 一般論として申し上げますれば、この査察調査は、大口、悪質な逋脱の疑いのあるものにつきまして、検察官に告発して刑事訴追を求めることを目的といたしまして、国税犯則取締法に基づきまして強制調査権を発動して行うものでございます。
 法律上の構成要件といたしまして、偽りその他不正な行為があること、逋脱の結果が発生していること、一般の刑法犯と同様でありますけれども、犯意があることという構成要件が必要であるとされております。これらにつきまして、立証し得る見通しがあるかどうかを慎重に検討した上で、査察調査の要否を判断することといたしております。
○栗本委員 このパワフルコスモメイト事件そのものについて事実を明らかにしろとかそういうことが私の質問の趣旨じゃありませんので、これでやめることにいたしますが、これは非常に大きな問題をはらんでいる。
 小さな団体でありますが、これは私は客観的に認定する任ではございませんが、宗教団体ないし宗教法人を目指している宗教団体であると考えられる。大口、悪質その他の要件がございましたけれども、私も調査しました結果、お金の流れそれ自身については一切疑念がない。全部明らかに申告をしている。ならばこれは、例えば人格なき社団を装っているがそうじゃないという場合にはこれは問題になるでしょう。あるいは今度は、非収益事業と装っているけれども収益事業だ、明らかに収益事業だというなら問題になるでしょう。だけれども、捜査、審査その他をするに当たってこの点が疑念なんだよということが示されなければ、法治国家として、これは検察よりも国税の方がファッショだという話になってしまう。検察あるいは警察が被疑者に何かを示すときには、例えばおまえは殺人の容疑があるんだよ、何だかわからないよと言ってとにかく捕まえてきて、戦前はあったかもしれませんけれども、そんなことはないわけですね。
 その点に関して、これは御要望でございますが、非常に慎重性を欠いている事例もあるのではないだろうか。特に、証拠物件等に関しまして、これは全部持っていっちゃう、全部という言い方ば非常に一般的で恐縮ですが、どこまでがなぜ関係があるのかということを示せない。これも法定主義に基づけば、今後そうしたことは法令化したい、法制化したいというふうに私は考えますが、現在はないわけですから、特段に慎重にしていただきたいというふうに思うわけでございます。
 この点に関して、事例は大臣御存じじゃないでしょうけれども、一般的な問題でございますので、ちょっと一言、大臣お答えをいただきたいと思います。
○武村国務大臣 人格なき社団であるないとかいうことや、何を根拠にということまで私は申し上げる立場におりませんが、一般論としましては、今国税庁担当官がお答えしましたように、査察調査というのは、社会的な非難に値する大口、悪質の脱税犯の告発を目的として強制権を発動する行為でございます。国税犯則取締法を根拠にするものでございまして、今、栗本委員の一般的な御意見はしかと承りましたが、しかしあくまでも法律に基づいて厳正、的確に国税庁としては対処をしていく、この考えておりますので、ここをぜひ御理解を賜りたいと思うのであります。
○栗本委員 それでは時間がなくなりましたので終わりたいと思いますが、法に基づいてと今大臣おっしゃられましたが、私は常々国税当局を大変尊敬申し上げ、できれば御支援したいと思っているわけでございますが、この法律自身が非常にあいまいな、ファジーなものでございますので、どこまで捜査していいのか、どういうとき捜査していいのかということについて、多々問題が現実には発生している。ですからぜひとも、大臣の任務期間中でも結構でございますから、そうしたことについて、これはこう、これはこうというふうなものをおつくりいただきたい、あるいはそのベースをお考えいただきたいと思います。
 先ほどの人格なき社団という問題に関しましても、余りにもあいまいな規定で、判例でやっているという状態で、しかも人格なき社団についての判例ではなく権利能力なき社団という別のところから出している。こんなことでは、これでまた社会的に大きな問題になりますから、ぜひとも大臣の期間中に方向性だけでもきちっとするという方向性を出していただきたいと御要望申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○宮地委員長 次に、上田清司君。
○上田(清)委員 改革の同志のお許しをいただきまして、若干の質問をさせていただきます。新生党の上田清司でございます。
 まず、大臣にお願いいたします。
 ちょうど十月、年度も終わりに近づいてまいりましたので、今年度の財政状況についての認識、例えば、最小限度、平成六年度の一般会計において歳入の、租税収入の見込みを五十三兆六千六百五十億という見込みを持っているわけでございますが、経企庁の経済見通しでも二・四%の実質成
長率を目標にしておる。こういう状況の中で、現時点の段階で結構でございます。とりわけ前半における財政状況見通し等について、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○武村国務大臣 財政全体については、もう御認識いただいているように、公債の残高も利払い費率等も含めて大変厳しい状況に来ております。
 今年度の税収の見通しについてのお尋ねでございますが、判明をいたしております税収そのものが予算額全体のまだ二割ぐらいでございます。そういう意味では、現時点で具体的な年度全体の見通しを申し上げる段階にはない。五年度税収が補正後の予算額を一兆五千五百三十八億円下回ったということもございます。六年度の税収も、やや景気に明るさが最近出始めてはおりますが、前半を中心にして考えます限りはかなり厳しい状況が出てくるのではないかというふうに予測をいたしているところでございます。
 いずれにしましても、今後の税収動向や経済情勢等を真剣に見守ってまいりたいというふうに思っております。
○上田(清)委員 中身がよく見えないということで残念ですが、それでは経企庁の経済見通し二・四%について、日銀短観等いろいろ最近の数字も出ておりますので、大蔵大臣としてこの見通しについて、達成可能なのかどうか、あるいは大幅に変更というか、変更というのじゃないでしょうけれども、見通しに狂いが生じるのかどうか、これは税収の見積もりとも関連しておりますので、その辺について御想像でも結構でございますのでお願いいたします。
○武村国務大臣 御指摘のとおり、今年度は政府は二・四%の経済成長率を見通しているわけであります。
 一−三月のQEは御承知のように三・九という数字で、昨年もそうでございましたが、やや明るさを感じさせる結果が出ました。期待をいたしておりました四、五、六、第二・四半期の数字は、先般出ましたがマイナス〇・四という結果に終わりまして、一−三月はちょっと上向いたのがまたマイナスになりました。
 よくよく考えますと、四月、五月、六月というのは消費の動向に明るい具体的な動きがまだ見えていない時期でもございました。夏になって初めて、猛夏と減税政策等もありまして消費に動きが出始めたという足元の状況を振り返りますと、やむを得ないのかなと思っておりますし、むしろ七月、八月、九月、第三・四半期の動向に私としては期待を寄せているところでございます。
 ですから、全体として年度を通じてどういう見通しになるか、まだ自信を持って展望することはできませんが、いずれにしましても、本格的な回復軌道を目標にいたしております以上、政府の見通しを目標にしながら、ぜひそれに近い結果が出ることを期待をいたしたいと思っていますし、またそうなるように努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
○上田(清)委員 必ずしも回答に満足はいたしませんが、先に進めさせていただきます。
 財政赤字について、これはいわばこれから高齢化社会等について、年金の問題もそうですが、財政的補てんが十分できるのかどうかということと絡めて大変重大な問題だと思われますので、改めてこの財政赤字問題についてお伺いしたいと思います。
 御承知のとおり、公債残高二百一兆円、また隠れ借金も、言われます国鉄清算事業団等あるいは法律で処理しなければならない後年度処理のもろもろの借金も十六兆円と、大変大きな借金を抱えた中でこれからの財政運営を考えるとき、果たして本当に日本の財政というものを大蔵省として責任を持ってやっていけるのかどうか、ここのところについてきちっと大臣からお話を賜りたいと思います。
○武村国務大臣 我が国の財政が大変厳しい状況に立ち至っていることは、これはもう隠しようもないぐらい明らかなことであります。今委員がお話しになった二百一兆円という数字も、対GDPで比較をしてみますと、既に日本は五三・六%に達しております。アメリカが五九・五でございますからちょっとアメリカよりは低いわけですが、イギリス三七・九、ドイツ二〇・八、フランス二〇・六という先進諸国と比較しましても、経済総体の中でこの国債の蓄積をした総額が大変大きな額になってきているということをまず認識しなければなりません。
 そのことは公債の依存率でありますとか利払い費率、毎年の予算編成に絡まっできます。その比率におきましても大変大きなウエートを占めるに至っている。予算規模は七十数兆円ありましても一般歳出はその半分ちょっとである、こういういびつな状況になってきているわけであります。
 税制改革を論議し始めたときに、大蔵大臣としては三つの歳出増の要因があるということを当初申し上げてまいりました。
 一つは、昨年来、税制調査会の答申を踏まえた景気対策を含めた減税政策がございます。これは景気対策だけではないにしましても、中堅層の減税を中心とした所得税、住民税の減税という課題がございます。この減税財源をどう捻出するかという財源論がありました。
 もう一つは、もっと大きな問題でありますが、将来の福祉をにらんだ年金、医療、介護等々の急膨張してきております高齢化に対応する福祉財政需要にどう財政が対応していったらいいのか、このための財政需要という問題がありました。
 もう一つは、実はこの財政再建、これは余り積極的に言われておりませんが、過去の財政運営の結果が今申し上げたようなさまざまな財政指標に不健全な数字として登場をしてきていることを考えますと、この財政をどう健全に転換をしていくのか、そのための財政構造の改革という問題があるわけであります。
 いずれにしましても、今回の消費税の改正だけでこの三つの課題にこたえられるものではありません。附則条項でさまざまな側面の真剣な御検討をいただくことになっておりますが、今後の我が国の経済政策全体の中におきましても、国家財政の健全化、赤字の解消という大きなテーマがより大きく浮かび上がってくることを避けることはできないというふうに認識をいたしております。
○上田(清)委員 ありがとうございます。
 それで財政再建、乱暴な言い方ですが、インフレでけっ飛ばす、あるいは増税で穴埋めをする、この二つが手っ取り早い話でございます。しかし、インフレでけっ飛ばすというわけにはいかない。文字どおりインフレで一番困るのは弱者でございますから。そうすると、増税は事実上、この数年来いろいろな形の中で増税という形をとっていることは事実であります。いわゆる国民負担率、社会保険料等を含めた負担率というのはどんどんふえてきておりまして、現在、一九九三年の数字でもう三八%、そして高齢化社会の進展を見れば、どう考えてもこのくらいの数字では済まないよというものも予想されますし、厚生省が出した二十一世紀福祉ビジョンにおいてもさまざまなケースを出されておりまして、その数値の中でも大体五〇%前後を予想されるような部分が出てきております。
 そうした意味において、このまま国民負担を認めていく形をとるのかどうか、これについて大臣の御所見を伺いたいと思います。
○武村国務大臣 昨日の税制改革委員会でもお答えを申し上げておりましたし、総理の答弁の中にも、将来も国民負担率は五〇%以内にとどめたいという発言がございました。
 福祉の問題一つ例に取り上げましても、社会保障費の総額は今年度約六十兆円くらいに達しております。その中で、政府、地方団体を含めた公的な支出が既に十八兆円近くになっているわけでありますが、総額では六十兆円が二〇〇〇年には百兆円になる。そして、高齢化のピークであります二〇二五年は、厚生省の試算、第二ケースでございますが、三百十兆から三百七十兆という、途方もないといいますか、大変巨大な金額にぐんぐん膨れ上がっていくことが明らかになっているわけ
でございます。これは、福祉だけで国家の財政需要が全部済むわけではありません、新しい社会資本に対する期待も大きいわけでありますし。そんなことを考えますと、この一点に絞っても、今後、我が国の税財政全体のかなり大胆な改革が必要になってくるという認識を持たざるを得ません。
 ただ、委員おっしゃるように、インフしか増税がどっちかしかないと言ってしまうと、これはやや誤解を招くのではないか。私どもは、今むしろ行財政改革ということを強調いたしておりますように、行政改革、あるいは財政改革と言った方がいいかもしれませんし、あるいは歳出の切り詰め、リストラと申し上げた方がわかりやすいかもしれませんが、本当に今の歳出全体が、どうしてもこれを抑えることができないのか、あるいはカットすることが許されないのかということであります。
 入るをはかって出るを制するという言葉がございますが、昨今、この国会の場でもそうですし、国民の皆さんとの対話の中でも、入るをはかる、新しい財源、税源という議論はそれほど出てまいりません。これは税収をふやすことになりますから、余り提案としては出てきません。出るを制する。どこを削りましょうか、これはもう不急不要だからカットしましょう、あるいは、必要だけれどもやや必要の度合いが弱まっていますからこの際削りましょうという提案はほとんど出てまいりません。
 むしろ入りの方では、減税に対する主張であります。有価証券取引税は廃止したらどうか、地価税はバブルが終わったからもうやめたらどうか、あるいは法人税は世界一高いから下げたらどうか、こういう提案はどんどん出てまいりますし、むしろ福祉の財政需要、昨夜来も、年金の三分の一から二分の一の議論がありますように、確かに国民から見れば、年金関係者から見れば、基礎年金が二分の一になればすばらしい朗報であります。国民は大きく期待をされることは間違いないわけでありますが、そのことによってどの程度の財源が要るのか。今既に四兆円が、二〇〇〇年にはそのために八兆円になる、ピーク時には十二兆円になる。この財源を、今から比べれば八兆円、年金だけでも財源がふえることに対してどう対応するのか。そこはやはり明確にお互い見詰めながら、引き上げの是非を議論していく必要があると思うのであります。
 いずれにしましても、長話をしましたが、どこを削ったらいいかという議論にもう少し関心が向かなければいけないし、そのことが財政改革であり、広い意味の行政改革のテーマだ。ぜひその努力を真剣に、具体的に推進することによって、インフレにも増税にもならないでそれなりの財政再建を図っていけることをやはり頭に置かなければいけないと思っております。
○上田(清)委員 大臣の御回答の中でまさしく財政改革、行政改革のお話が出てまいりました。そこで、私も実はその論点に絞ってきょうは特に御質問したいと思っておりましたが、とりわけ特殊法人の問題が再三再四にわたって、総理の答弁の中でも見直し、合理化、整理というようなお話が出ております。
 そこで、確かに大蔵省から出ておりますパンフの中にも、公務員の数は世界の中で最も日本が少ないんですよ。そういう認識を私たちはさせていただきますし、いわゆる本体の部分については確かに熱心に、極めて狭い空間でたくさんの方々が夜遅くまでお仕事をされている。敬意に値する。私も心から敬意を表しているつもりでございます。しかし、公団公社あるいはその下の公益法人に下っできますと必ずしもそうでない、そんな部分を印象的に持っている者の一人でございます。
 とりわけ特殊法人については、さきがけの皆さんが特殊法人改革ということで立派な提案書を出されております。この件について、私、総務庁に資料をいただきたいというお話をしたところ、政府委員室を通じて、総務庁ではそれは取り寄せていない、持っていないというお話を聞きました。私がさきがけのメンバーであれば、これは総務庁として、少なくとも連立与党の一角として占めている、党首が大蔵大臣をやっておられるこのさきがけ案を総務庁が全く一顧だにしていないというこの事実を、とんでもない話だと。
 私は、もしさきがけのメンバーであれば、総務庁長官の罷免をあえて総理大臣に大蔵大臣という立場から申し上げるぐらいのつもりを持つ者の一人でありますから、まず、総務庁がなぜこのさきがけ案について一顧だにしていないのかということについてお尋ねしたいと思います。――来てないですか。じゃ、結構です。
 では大蔵大臣、実はそういう事実があるのですけれども、さきがけの党首としてちょっと伺いたいと思います。どう思われますか。
○武村国務大臣 さきがけの党首としてここで立って答弁するのはいかがかと思いますが、率直に言って、総務庁も気配りが足りないなという感じはいたします。恐らく持っているのだと思うのですが、要求に対して特定の政党の資料をどんどん印刷して配るという立場ではないという意味で、そういう答えが返ってきたのではないでしょうか。(上田(清)委員「違います。持っていないと言っていました」と呼ぶ)そうですか。それは一つの参考にさせていただく意見として拝聴させていただきます。
○上田(清)委員 それはそれとして、さきがけ葉そのものも旧連立与党のプロジェクトチームを源流にしておりまして、我々もこの問題に関してはタッチをした立場から、大変貴重な提言になっておることは事実だと思います。
 例えば、今年度だけでも、政府が特殊法人に対する支出の資金等々は四兆二千八百億の金額がございますし、それから、数字の上で特殊法人を何らかの形で整理合理化等をしていけばどれだけの金額が浮きますよという話も具体的に挙げております。例えば、特殊法人民営化による株式売却収入の見通しについても、もろもろで十六兆円程度が見込まれるという部分を出しております。さらに、特殊法人の改革について、財政効果として毎年一兆七千億円のものが節約できるというような数字もはっきり出ております。
 これは大変貴重な、これを実現していく過程の中で、もちろん個々のケース、また大変貴重な論議も必要な部分もあります。例えば雇用の確保をどうするかとか、そういう問題を含むにしても、極めてこれは、それ相応に十分検討するに値する内容だと私は思いますけれども、これは大蔵大臣としても、ちょっとこの感想を聞いてみたいと思います。
○武村国務大臣 御評価をいただきまして、さきがけの一員としてはお礼を申し上げます。
 大変率直に、大胆にこの考え方はまとめられていると思いますし、そういう意味ではわかりやすさもあります。政府としてもあるいは大蔵省としても、それなりにこの提案を真剣に見詰めたいと思います。
 ただ、現実の話、一つ一つの特殊法人は、それなりの社会的な理由があって存在をしているわけでありますし、同時にまた、経営体としてもたくさんの奥深い問題を抱えて存在をしておりますのでありますから、例えば民営化をある法人についてするといっても、今の資産が、負債が非常に大きければこれは民営化できない、引き受け手がない、あるいは株を売るといっても株は売れない。経済的にその特殊法人の実態が非常に大きな赤字あるいは将来マイナスの要因を秘めておりますと、そういうことにもなるわけでありますから、なかなか厳しさを感じざるを得ない状況があるわけでございます。
 私は、今政府の一員として思っておりますのは、それでもこの特殊法人、公庫公団の整理合理化には、村山政権挙げて、本当に言葉だけでなしに真剣に取り組んでいかなければいけないと思っておりますし、今はまだ、これから方針を固める前夜でございますから、ねばならないで済んでおりますが、十二月になり一月、二月、三月になれ
ば、今年度中に具体的な方針を明らかにしますともう総理は言い切っていただいているわけでございますから、はっきり各省庁の九十一の法人一つ一つについて、存続を含めた具体的な合理化の方針を明らかにしていかなければならない、その努力をしていく覚悟でございます。
 いきなり民営化が可能か、廃止が可能かと言われますと、かなり厳しさはございますが、全体として見ると、やはり統合も含めて数をかなり思い切って縮小することは不可能ではないという思いで、この問題に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○上田(清)委員 せっかくの大臣の答弁ですが、さきがけ党首としての自覚に欠けているのではないかなと思います。
 第一次民営化グループにおいては、法改正により、九六年四月からでも可能だというようなものも具体的な事例で挙げております。中身についても明快に発表しているのですね。そういうものを、総務庁でも検討してない、そしてまた、大蔵大臣そのものも十分認識されていないような、今みたいな、何か難しそうですねというような話では、どうしてこの特殊法人整理合理化のための三党合意が政権の中で生かされるのだろうかという疑念を私は持ちます。
 さきがけがもしこの三党の中に入って、その存在意義を見出すとすれば、私は、行革についてしっかりやらなければ何のために、日本新党との連立のときに、自民党政権には加わらないとか、合意書までつくっているのです、文書の中でもはっきりまた、立党の宣言の中でも既成の政治の中に入らないとうたっておられるのです。そういう既得権を破るためにさきがけの皆さんも立ち上がったと思いますし、あるいは我々改革グループもそういう既得権に食いついていく、そういう気迫を出さなければならないと思っているにもかかわらず、何かちょっと認識に欠けておられるような感じを承ります。
○武村国務大臣 言葉が十分でなかったかもしれませんが、私は我が党のこの具体的な提案に対しては、それなりに事前にも勉強しておりますし、むしろ高い評価をいたしているつもりでございます。ただ、さきがけの立場と政府の立場と、別に使い分けるつもりはありませんが、政府は全体で対応せざるを得ませんから、やや控え目に申し上げているわけでありまして、さきがけの案どおりにすべてがいかなくても、この考え方は大いに参考にされて実現をされるべきだということを先ほど申し上げたかったわけであります。
 個々については、例えば民営化の例を一つ取り上げられましたけれども、かなり難しいケースも存在しますと、あえて難しいケースの方を強調し過ぎたかもしれません。でも、全体像としては、数でかなり国民から評価がいただけるような結果を政府全体で示さないとだめだというふうに思っておりまして、これは閣僚懇談会でも毎回真剣な議論が繰り返されておりますので、口幅っとうございますが、春三月までをじっとにらんでいてください。我々はそこできちっとそれなりの評価をいただける結果をどんなことがあっても示してまいりますというふうに申し上げておきたいと思います。
○上田(清)委員 わかりました。
 私は、細川元総理の、政治改革を十二月までにきっちりやります、それができない場合にはどうしますかという議論に関しては、責任をとります、若干おくれましたけれども、そういう期限を明記して責任をとるというやり方というのは政治家として評価されるものだと思っておりますので、来年の三月までにきちんとしたものが出ますよという、そういう政治家の約束だというふうに私は受けとめて、とりあえずこの問題を終わります。
 さらに、先ほど申し上げましたように、特殊法人の下に、例えば日本道路公団、大変大きな組織でございますが、その下に道路施設協会という財団法人がございます。これは、大体歴代の理事長は道路公団の総裁をやった方がなっております。しかも常勤理事十一人のうち十人が、これは全部道路公団のOBでございます。文字どおり道路公団のファミリー団体でありますが、この道路施設協会の、例えば事業費が八百二十七億で、うち人件費で明快に、ちょっと資料を取り寄せることができませんでしたが、大体百億ぐらい、職員が九百人ですから、ざっと頭の中で計算しても一人頭一千万という非常にもうかっている団体です。
 しかも高速道路の料金値上げ問題とも絡んでとかく問題になっております折ですから、この道路施設協会が各サービスエリアで、私も欲が深いもので高速道路の道路地図をその都度もらったりして車の助手席の方に二冊も三冊もあるのですが、無料で配布しているのです。あるいは無料でお茶を出したりしております。これをサービスとして見るか、あるいはこれは貴重な国民の税金だという認識に立って、もっときっちり経営の合理化を何らかの形で指導、誘導していくかということに関しては大変大きな問題だと思います。
 これと同じような公益法人は山ほどございます。これも含めて、例えばこういう公益法人を準公務員だというふうに考えれば、これは多分イギリスやフランスの二分の一ですよというようなことを大蔵省の皆さんやあるいは総務庁の皆さんは言われますけれども、同じぐらいいるのじゃないかというふうなことも考えられるというふうに私は考えておりますので、この件について御所見を承りたいと思います。どなたでも結構です。
○武村国務大臣 道路施設協会につきましては、建設省の方がいれば発言をしていただきたいと思いますが、一般論としてはおっしゃるとおりでございます。
 いわゆる特殊法人だけではだめだ。今おっしゃる民法三十四条の社団、財団を含めた公益法人全体に目を向けなければいけない。国・地方を含めると、認可している団体が二万を超すという話も聞いておりまして、その中で、いわゆる役所の仕事を委託を受けたりしながらやっている団体がどのくらいあるのか、どういう実態になっているのか、今総務庁を中心に、そのことも調査の対象にしていただいているようでございまして、私ども、行革の方針としては、既に内閣では特殊法人と並行して公益法人も整理合理化の対象にするということは決めておりますので、実態がまだまだ十分につかめていない嫌いがありますが、それもつかみながら、ぜひ行革の対象として取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
○上田(清)委員 時間がなくなりましたので、あと二点ほど。
 税制改革の部分で、今回、低所得者の寝たきり老人の六十五歳以上に三万円、百億、臨時福祉給付金として一人当たり一万円、三百五十億。この部分に関して、弱者保護という名前の形でございますが、最近各地方自治体でも敬老金等をやめたりしております。というのは、零細な形で、いわばあめをしゃぶらせるがごときもので国民の関心を買うよりも、本格的な中身にしなければならないということが非常にその議論の中で出てきた話でございます。
 この税制改革の中で、最もこの部分がある意味では嫌らしい部分になってしまったんじゃないか、そういう意見に関して、大変私は危惧しております。もっと本格的な中身にしなければいけない三兆五千億の中身で、例えば課税最低限を引き上げることで一兆円なくなります。それから、これらの福祉給付金関係で五千億近くなくなります。じゃ中堅層の税負担の軽減という部分が、残りは何兆になったんだという話になってきまして、その中身が、当初の目的が数字の上でも半減したんじゃないか、そんな考え方を私は持っておりますので、この件について大臣の見解を伺いたいと思います。
○武村国務大臣 平成九年度の予算として約五百億円を予定いたしております給付金、これはぜひ上田委員誤解を解いていただきたいと思うのであ
りますが、たしかあのときの新聞報道等は、ばらまき福祉というふうな印象の見出しかばっと出ました。その印象を今なお残しているのではないかと思いますが、実は、これはどんな政権が税制改革をお決めになっても、前大臣の藤井さんも御出席でございますが、恐らく当該年度は何らかの手当てを考えざるを得ないテーマだと思っているからであります。
 実は、六年前もほぼ同じ趣旨で、福祉の関係者に約七百五十億ぐらいの予算が用意をされまして執行されました。これはなぜかといいますと、いわゆるこれは老人でも年金をもらっていただいている方を対象に、九十五万人ぐらいを予定していますし、老齢福祉年金ですね、それから児童扶養手当をもらっている方あるいは生活保護の対象者あるいは原爆手帳を持っておられる方、福祉の老人ホーム等に入っておられる方々、そういう人たちをずっと足して三百五十万人という数字がございまして、それぞれ手当、年金、給付金等の措置がなされるわけですが、一年おくれになっております。
 消費税がスタートする平成九年度は、事実、負担は当然こういう気の毒な方々にも同じように二%上がるわけでございますが、肝心の給付の方は翌年回しである。この矛盾を解決するために一年度、消費税を上げさせていただく当該年度に限ってこういう措置が前回もとられたわけでございまして、今回もその措置を早々と五百億という形で絞って発表させていただいているということでございます。
 寝たきりの老人については、前回は五万円でございましたけれども、今回三万円になりました。それは、ホームヘルパーその他のサービスがやや改善されているということから三万円という数字で絞らせていただいたわけでございますが、そういう総額が、単年度、当該年度に限って五百億ぐらいを用意をさせていただくということでありますので、ぜひこのことについては御理解を賜りたいと思います。
○上田(清)委員 時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○宮地委員長 次に、竹内譲君。
○竹内(譲)委員 改革、公明党の竹内譲でございます。きょうは国政の基本的な問題につきまして、大蔵大臣の方に御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、円高の問題でございます。
 現在資本移動というものが国際間で自由化をされまして、こういう国際金融というものが大変に大きなウエートを持って、経済に与える影響が大きくなっている時代に、やはりこの為替レートの問題というのは大変重要な問題である、政治家としても、これからは国際経済というものに関して非常によく理解をしておかなければならないのではないかというふうに思っております。
 その意味で、まず、大蔵大臣は現在の円レートの水準をどのようにごらんになっておられますでしょうか。
○武村国務大臣 私ども通貨の責任を預かっております立場でございますので、為替の水準そのものについて、私どもは直接にコメントすることは控えてきております。
 ただ、言えますことは、為替の急激な変動は好ましくない。また、為替は経済の実勢あるいは経済の基礎、基本的な条件を反映をすべきであって、思惑や投機的な要素によって大きな変動が起こることは、これまた好ましくないという考え方で一貫をいたしております。
 円高が日本経済にとって、特に景気回復の足がかりができ始めているこういう大事な時期に、大変大きな心配の要素であるということは十分認識をしながら、この問題に対しても今後とも適宜適切な対処をとっていかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○竹内(譲)委員 変動相場制というものが導入されてから円はどんどん高くなってまいりまして、三百六十円が二百四十円、二百円、あっという間に百二十円、百円と、昨年の六月から八月にかけても大変大きな円高が生じました。長期トレンドで見るとやはり円高になってきている、これは間違いない、事実だというふうに思うんですね。そして、つい最近も九十六円とか大変な円高になっておる。
 では、こういう長期のロングタームで見た場合に、大臣は、どうしてこのように日本の円相場は高くなってきたのか、なぜ円高になってきたのか。大きなタームで見た場合にです。その基本的な要因といいますか、理由をどのようにお考えでございましょうか。
○武村国務大臣 長期的には、各国の為替レートはそれぞれの国の経済の諸条件、いわゆるファンダメンタルズと呼んでおりますが、基礎的な諸条件を反映したものになってきているというふうに考えるところでございます。長年固定相場制であったものが、おっしゃるとおり、変動相場制に変わって、それにしてもかなり急激に、三百六十円から百円を割るところまで変化をしているわけでございますから、国内的にはこの変化にはなかなかついていけない、特に輸出産業の面では大変厳しい状況が続いているわけでありまして、大きな長期的な流れとしては、各国の経済をそれなりに反映しているものだというふうに思っておりますけれども、しかし昨年の円高にしろ、あるいはことしも見られるような急激な変化は、先進国の為替当局の緊密な協調体制の中で、こういう事態が起こることのないようにこれからも努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
○竹内(譲)委員 為替レートの考え方はいろいろありますが、今ファンダメンタルズとかいろいろおっしゃっていましたけれども、私は、長期的に見れば、おおむね貿易財の内外の相対価格の変化、貿易財貨の購買力平価に沿って動いているというふうに思っております。
 この主たる要因は、やはり貿易財、主に製造業の生産性向上、生産力というもの、生産格差というものが円高を招いてきたというふうに私は長期的には考えております。ただし、短期的には日米間の金利の問題、金利差、実質予想金利の問題があるのではないかというふうに考えております。
 今、大蔵大臣の方から円高の問題でもう既におっしゃっていただきましたけれども、産業の空洞化ということが一番大事な問題であるというふうに思っておるわけでございます。
 そこで、これに対処すべく、日本の各リーディング産業と呼ばれた自動車や工作機械、半導体、精密機械、電気機械、コンピューターといったような業界は一斉に既に工場立地を始めまして、一九八〇年代からアメリカ、ヨーロッパ等、東南アジア、それぞれ工場を分散してきたわけです。そのおかげで、中にはその製品を第三国に輸出したり、あるいは日本に逆輸入したり、そういったことも行われてきておる。この状況が続いてまいりました。
 そして、一九九三年、昨年、また百二十円台から百円すれすれまで上昇したわけでございますけれども、このときには経済に大変大きな影響があったわけでございます。最近では、カラーテレビも輸入超過に転じている。それから乗用車なども、外国産の日本車の輸入がふえているわけですが、アメリカなんかの場合には、日本車の現地生産台数が増加して、減少する日本からの輸出台数を上回ってしまった。一九九四年度からは、十三年間続いた輸出自主規制枠を廃止してしまったというような状況にもなっておるわけでございます。
 この傾向というのは、明らかに産業の空洞化だというふうに思っております。親会社が国内工場の生産を絞って、海外工場の生産を上げていったわけでございますけれども、ある程度の大企業、リーディング産業と呼ばれるような企業はいいとしても、やはり問題になってくるのは、その周りにある中小企業、子会社あるいは系列以外の関連の下請企業というのが問題になってくると思うのです。要するに、一番インパクト、影響を受けるのがこういう中小企業だと思います。
 選択肢は三つほど考えられると思います。一つは、親会社に従って海外に工場をつくるか、二番目には廃業するか、あるいは三番目にはこれまでの技術を生かして他の製品に転換するかというふうに思うわけですけれども、海外に工場をつくれるような中小企業はいいとしても、多くは廃業に追い込まれているというような状況が、全国、特に三大都市圏の中小企業で今かなりあると思います。
 私も実際にいろいろ回ってみて、給料、ボーナスが払えないとか、それから受注がなくて今までの従業員さんを解雇して奥さんと二人でやっているとか、そういう問題があちこちで起こっているわけでございまして、本当にその意味で産業の空洞化、特に中小企業に対する対策をどうやっていくのかということが非常に大事なことになってくるわけでございます。これは所管外かもしれませんが、これは基本的に通産省が考えることかもしれませんが、大臣としてはその点どのようにお考えでしょうか。
○武村国務大臣 大変大事な点を御指摘いただいているというふうに思っております。産業の空洞化が進んでいることは紛れもない事実でございますし、経済全体は、我々政治の舞台で国という意識が非常に強うございますから、もう既に国という壁を超えて世界じゅうにいろいろな形で経済活動が広がっているわけでありまして、日本の国内で工場を縮小したり失ったりしながら、よその国で新しい工場が生まれて育っているという状況を総体としてとらえていくことも大事だというふうに思います。
 ただ、そうはいっても、おっしゃるように、日本の国内の雇用の問題も含めた経済の問題として、空洞化は大変深刻な影響を国内に残していくことになるわけでありまして、ある程度避けられないとしましても、それにかわる新しいビジネス、新しい産業をどう興していくか、それに成功するかしないかが一番大事なポンイトだと思っております。
 そのことは、言葉で言えば、日本の半世紀たった経済構造そのものをどこまで思い切って改革ができるのか。政府の規制緩和あるいは税制改革その他のいろいろな政策的な努力も必要でありますが、むしろ個々の企業みずからがどこまで新しい時代に対応した新しいビジネスに転換をしていくか。どうしてもいけない場合は、新しいビジネスがどんどん興ってくるような、そういう誘導策、刺激策を政府が打ち出すことも大変大事だというふうに思っておりまして、アメリカのここ十年来の経験を見ましても、それは、大方は中小企業が、スモールビジネスがむしろニュービジネスを担っているという実態を見ましても、これからの日本の産業の中心に、付加価値の大変高い、むしろ創意工夫を凝らした、大きくなくてもさまざまな種類のビジネスをどう広範に興していくか、そのことに政治も真剣に目を向ける必要があるというふうに思っております。
○竹内(譲)委員 個々の企業の努力ということもおっしゃっていましたが、私は政府の役割というのは非常に重要だと思うのですね。結論からいうと、やはり大胆な規制緩和を進めることだと思います。そして、金融・証券市場においても、アメリカは、今おっしゃられたマイクロソフトの社長とか、ビル・ゲーツやあるいはさまざまなソフトの小さな企業が本当に世界一の売り上げの企業に近づいてくる。そういう大胆なことができるのも、やはり規制緩和、自由な発想で物がつくれる、そしてまた売れる、そしてまたそういう証券市場にどんどんの上がっていける。そういう意味でも、特に金融・証券市場の規制緩和というのは非常に僕は大事なことだというふうに思っておるわけでございます。
 きょうは余り細かいことには立ち入りませんけれども、日本経済の構造をよく理解しておく必要がある。よく皆さん経済構造を改革するとかいろいろおっしゃいますけれども、そこをよく理解しておく必要があるのじゃないか。私は、今何が日本経済において問題かというふうに考えるのですね。これはやはり戦後の日本から説き起こさないといけないのじゃないかなというふうに思っております。
 私はまさに戦後生まれの人間でございますけれども、やはり、この戦後の日本、敗戦の貧しさから脱却して、とにかく豊かさを目指して一生懸命働いて、諸先輩がお金をためて貯蓄に努めてきた。現在、日本の家計貯蓄率は世界最高でございます。西欧に追いつこうということで、高度成長期にはこの貯蓄を企業が特に国内の近代化投資等に使いまして頑張ってきたわけでございます。したがいまして、経常収支の黒字などを生む余裕がなかったわけでございます。国民の貯蓄というものは国内で十分に生かされまして、高度成長が実現したというふうに理解しております。
 そして、この高度成長が終わって、企業が貯蓄を余り使わなくなった七〇年代後半には、景気の失速を防ぐために、まさに皆さんもよく御存じの、国が大量の国債を発行して貯蓄を吸収し、公共投資などに使った。そのときも大幅な経常収支の黒字は出なかったわけでございます。しかし、その結果は今に至る財政赤字の拡大である。国は国債発行を抑えて、その後財政再建に乗り出しました。一九八〇年代以降のことであります。そのときから、企業も国も、国内にあり余る貯蓄を有効に利用しない状態が始まったんだというふうに思います。いわば国内で貯蓄が余り始めた、貯蓄に対する投資の不足ということが生じたというふうに理解しております。
 国民は一生懸命働いて、商品やサービスを供給してつくって収入をふやす。ところが、将来が心配なのでその所得を余り消費に使わず、貯蓄としてため込む。特にまた日本人のそういう明治以来の節約志向というものがこれに輪をかけていると思いますが、企業の投資も国の赤字もこの国民の貯蓄を吸収し切れない。したがいまして、一生懸命働いでつくった商品とかサービスは国内で余ってしまうという状態になっているわけです。そこで、オイルショック以降、日本人は余った商品とかサービスを一生懸命工夫して海外に売り始めた。そうしなければ不況になってしまうからでございます。こうして世界最大の経常黒字が発生した。
 この黒字は八〇年代から今日までどんどん累積をいたしまして、ついには世界一の対外純資産国になってしまった。対外純資産の増加ということは、国内で使われない日本人の貯蓄がいわば外貨建ての資産となって積み上がってくることでございますので、当然この日本人の間で外貨建ての資産があり余り、その価値は下がってくる、つまり外貨の相場は円に対して相対的に下がる。これが、八〇年代から始まった倍以上に達する大幅円高であるというように理解しております。そういう環境があった上で、その上でプラザ合意とかがあったから大幅な円高になったというふうに思っております。その結果、日本全体の所得や資産の総額で見ても、一人当たりの所得や資産で見ても、日本は押しも押されない経済大国になった。
 しかし問題は、国内の生活はほとんど変わっていない、豊かさを実感できないこの日本人の生活、ここがやはり問題だと思うわけでございます。相変わらず将来が不安で一生懸命働いて貯蓄に励んでおる。ところが、これが生産意欲を生んで海外にどんどん物を売っていかざるを得ないということからも、ますますドルがたまって円高になってくる、それがまた国民の生活に新たな不安を持ち込む、いわばこういう悪循環が続いているのではないかというふうに思うわけです。
 円高に伴ってこの不況で倒産や失業の不安が出てきた、また円高に伴って先ほどの産業空洞化というものが出てきた、そういった意味で、ますます消費を切り詰めて貯蓄率を高めているということの悪循環に陥っている、これが経常黒字を拡大して、円高を進めて、平成不況を長引がしたというふうに理解しております。一生懸命ためた貯蓄は、年金や生命保険の基金で生命保険の皆さんたちが海外の不動産や株とかそういったものに使っておるわけですが、これがますます円高で、働けば働くほど損失が拡大していく、こういう悪循環に陥っている。その意味で、個々の企業云々とい
うことではなくて、やはりこの悪循環を大胆に断たなければならないというふうに私は思っておるわけです。
 その意味で、規制緩和ということが一番大事だ。特に内外価格差の縮小を伴う国内物価と住宅価格の低下ということがやはり大事なんではないか。日本人にとってやはり住宅ということが非常に豊かさを感じる上で大きなウエートを占めているというふうに思っております。その意味で、この輸入関連あるいは住宅にまつわる規制緩和というのを大胆に進めていくことが大事であるというふうに思っております。それが結局、この現在の所得と金融資産でより多くの量、またより質のよいものやサービスや住宅を入手できるということにつながってくると思います。
 そしてもう一つ、規制緩和はやはり民間投資を活発化する、ニュービジネスのフロンティアが拡大するということだと思います。その意味で、情報関係とか技術関係、研究関係などのインフラを大胆に整備していく必要があるというふうに思っております。この公共投資計画、この間つくられましたけれども、やはりこの際、建設国債等の発行によって、大胆にこれは資金を調達して実行すべきだというふうに思っております。
 その意味で、この規制緩和をどれだけ本当にできるのか、原則自由、例外規制ということがやはり今求められているのではないか。前政権からいろいろ出てまいりましたけれども、もっと本格的に、今こそ民間の皆さんのさまざまな知恵を本当に吸収して、大胆にこの規制緩和、原則自由、規制撤廃の仕組みをつくっていく必要があるというふうに私は思っております。これが国内の貯蓄超過を減らし、また経常黒字を縮め、円高圧力を後退させる、そして為替レートは安定するのではないかというふうに私は思っておるわけでございます。大臣の所見をお願いいたします。
○武村国務大臣 戦後の日本経済の歩みと現状をかいつまんで概観いただきました。おおむねおっしゃるとおりだと思って拝聴をいたしました。
 最終的には規制緩和が一番大事だという御指摘でございます。この点についても同感であります。けさも閣僚懇談会でこの議論がありましたが、政府は今年度中に規制緩和の五カ年計画をつくっていくという方針を、この方針は細川内閣以来の方針でございますが、明らかにいたしているところでございます。
 細川内閣の昨年九月に九十数項目、ことしの二月に数百項目、そして村山政権出発時点で二百七十九項目でしたか、それぞれ規制緩和の方針を発表してきたわけでございますが、規制そのものは一万一千数百件という数でございまして、そういう全体をにらみながら、今御指摘のように、経済規制については原則撤廃という大胆な方針で臨んでいかなければならないと思いますし、なかんずく輸入規制といいますか、市場開放につながるような規制については一段と真剣に緩和の方向で目を向けていかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
 なお、規制緩和さえすればベンチャービジネスやニュービジネスがどんどんふえていくかというと、それだけでは十分でないかもしれません。税制や金融やその他の政策全体においてもこの一点に、新しい時代に対応した新しい産業をどうこの国で積極的に興していくか、その一点に目を向けながら、さまざまな努力をしていく必要があるというふうに思っております。
○竹内(譲)委員 この問題はこれで終わりますが、いずれにせよ、若い人たちが、これからひとつやってみよう、仕事を自分で興してみよう、企業をやってみよう、そういう挑戦の気概が生まれるような国づくりを進めることが必要なんではないかなというふうに思っております。
 次の質問に参ります。
 北朝鮮の軽水炉支援の問題についてお伺いをしたいと思いますが、その前に、前提条件として一つお伺いをしておきたいのですが、大蔵大臣は新党さきがけの党首でもいらっしゃいますのでちょっとお伺いをしたいのですが、この新党さきがけの政治理念の中に、私たちは、再び侵略戦争を繰り返さないかたい決意を確認し、政治的大国主義を目指すことなく、世界の平和と繁栄に貢献するというくだりがございます。この侵略戦争とはどの戦争で、どの国に対して侵略を行ったのか、この点につきまして、党首の御認識をお伺いしたいと思います。
○武村国務大臣 どの戦争を前提にして議論をして集約したか、これは明らかではありません。私の理解では、第二次世界大戦、日本のかかわった第二次世界大戦については、既に村山総理もおっしゃっていただいておりますように、侵略行為、侵略的行為が間々あったことは事実でありますし、朝鮮半島に対しては長年の植民地支配を進めてきたということも事実であります。
 どの国のどの時期、どういう行為が侵略的であったのかという議論は、きのうも税制特別委員会で多少ございましたが、そこまできょう詰めてお答えする用意はありませんが、少なくとも、わかりやすく言うならば、よその国に軍隊を派遣して、その国の多くの民の悲しみや苦しみを惹起し、物質的にも多大な損害を与える、そういうことが侵略戦争と言われるたちのものだろうと私は、これは小学生でもわかっていただけるような表現で申し上げているわけでありますが、思うんであります。
 少なくともそういう、既に憲法の条文でも明らかになっておることでありますが、よその国に行って日本の軍隊が戦争を行う、武力を行使するということは二度としないということが鮮明にされているわけでありまして、そのことを踏まえてそういったさきがけの基本理念を発表したところであります。そう御理解をいただきたいと思います。
○竹内(譲)委員 この問題は、やはり政治家としての基本にかかわる問題だと思うんですね。しかも今までさんざん大変な長い議論の経緯もあるわけでございますから、余りファジーなことでは私は基本的には許されないというふうに思っております。やはり侵略戦争と言う限り、この言葉の持つ意味は大変に深い、多大な影響があるわけでございますから、やはりはっきりと、日米開戦のことをいうのか、日米戦争のことをいうのか、あるいは満州事変からこの日米大戦までをいうのか、あるいは韓国併合からいうのか、やはりそういうきちっとした歴史認識というものが、私は非常に政治家としては大事なことであるというふうに思っておるわけでございます。
 この点はきょうの本論ではございませんので、私は、いずれにいたしましても、この政治理念の中に書かれる以上、そういう過去のさまざまな議論も踏まえて、そういうあいまいな形ではなくて、そういう経緯も踏まえてしっかりとした定義を行っていただきたいというふうに思っております。
 それで、具体的にお伺いいたしますが、北朝鮮に対しては、日本は侵略戦争をしたという認識でしょうか。
○宮地委員長 外務省中村北東アジア課長。
○竹内(譲)委員 大臣にお願いします、大臣。
○武村国務大臣 いわゆる北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国という国は、戦争の後誕生した国でございます。朝鮮半島の北半分と答えて、前提にして申し上げていいのかもしれませんが、これはもう御承知のように、日本が戦争をしたわけではありません。植民地支配という言葉を先ほど申し上げたように、日本の国として、日韓併合以来、支配を三十数年間続けてきた地域であるというふうに認識をいたしております。
○竹内(譲)委員 それでは、この問題はずっと続くんですが、ちょっと角度を変えまして、十月二十二日の日経新聞に、この軽水炉支援の問題につきまして、「日本は応分の資金負担をする用意がある。大まかな枠組みでもいいから合意に持ち込んで欲しい」、九月に始まった今回の次官級協議を前に、政府はこうした方針を米国に明確に伝えたという記事が載っております。大蔵大臣は、事前にこのことを聞いておられましたでしょうか。
○加藤(隆)政府委員 後ほど外交当局から補足するところがあれば補足をお願いしたいと思います
が、この問題については、米国と日本は、いろいろな機会にいろいろな意見交換をしてきたところであります。ただ、具体的な方法、やりとりについては、ここで申し上げることは、外交上の機密ということもあり控えさせていただきたいと思います。
○竹内(譲)委員 大蔵大臣はいかがですか。事前に、財政当局者としてこの資金負担の問題は聞かれておられましたでしょうか。
○武村国務大臣 もちろん、省内で議論もしてまいりました。そして、応分の負担をする用意ありということは、政府全体の方針として表明しているというふうに受けとめていただいていいと思います。
 ただし、応分の負担とはどのくらいの額なのかということになりますと、これはまだ詰まっていないという状況であります。
○竹内(譲)委員 つまり、いわば新聞報道等で米国と北朝鮮との合意というものが報道される前から、これは、財政当局の責任者として話は了解しておったという理解でよろしいわけですね。
○加藤(隆)政府委員 むしろ、米朝協議の内容について、折に触れ省内で御説明を申し上げてきたということでございます。ただ、枠組みそのもの、あるいはその中身については全くこれからの検討する事柄でございます。
○竹内(譲)委員 私が聞きたいのは、一つは、日本はこの軽水炉転換支援について資金負担をするのかどうか。アメリカは既に、敵性国家に原子力施設を提供できない、そういう国内法の規制を理由に、早くも消極的姿勢を見せている。それからまた、今後のこの北朝鮮の問題につきましては、これまでの経緯から考えましても、燃料棒の処理とか核施設の封鎖、解体、特別査察等におきまして、今後も対立が予想されるわけでございます。そういう中で、日本として応分の負担をするのかしないのか、大蔵大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○武村国務大臣 今は方針を申し上げているわけであります。
 数日前に米朝の合意が実現を見たわけでありますが、それ以前から軽水炉支援の話がずっと出ておりまして、米朝合意がなされた場合に日本政府としては応分の負担をする用意があるという考えを表明してきたところでございます。今後、アメリカも韓国も、それからまたG7の日本以外の国もやはりみんなが参加する、それなりの貢献をしていくんだという前提で、日本政府としては申し上げているつもりでございます。
 チェルノブイリの問題の解決につきましても、ナポリ・サミット等では真剣に議論が行われまして、これはヨーロッパに近い、ヨーロッパの問題でありますけれども、日本もこれに参画をして応分の負担をするという決意をしているところでございます。
 そういった全体のバランスからいきますと、今回は東アジアの問題でありますが、EUも、ヨーロッパの諸国もそれなりの負担をしていただけるという前提で、日本としても、今申し上げたような方針を明らかにしているところであります。
○中村説明員 大臣がおっしゃられましたことに一点補足させていただきます。
 米朝協議が行われてきている最中、米側からも十分連絡や何かを受けまして、今後の軽水炉転換の支援問題についての協議をしてきた経緯がございます。
 ただ、軽水炉転換支援ということにつきまして、我が国政府は、やはりこの問題の根幹は、北朝鮮におきます核活動の解明ということの保証を再前提に考える話であり、また軽水炉といった技術的な観点でも、安全性の問題ということに十分留意して対応していかなければならない。
 そしてまた、大臣がおっしゃいましたように、今後軽水炉の支援を考える上には、我が国のほか、米国、韓国及びG7諸国など関係諸国とともに、この国際的枠組みの中でどのような協力を行っていくかということについて議論をしていく予定でございまして、そういう議論の中に我が国も参加して、協力については応分の協力を行いたいという一般的な方針を述べてきているところでございます。
 またもう一つは、御指摘のございました、軽水炉以外にも核燃料棒の取り扱いの問題あるいは解体の問題につきましても、将来的な問題でございますが、国際的枠組みの中でどのような協力を行っていくかについてこれから検討していくというふうに理解しております。
○竹内(譲)委員 ちょっとよくわからないのですが、今幾つかおっしゃった中で、支援の前提として、EU、G7が支援する場合、これが前提だ、それから核の疑惑を取り除くということが前提だというふうに理解いたしました。
 それで、次の質問に移ります。
 これはさきがけの党首としてお答え願いたいのですが、一九九〇年九月、金丸信元自民党副総裁、それから田邊誠社会党副委員長らを団長とする自民、社会両党訪朝団が、朝鮮労働党と三党共同宣言に署名されました。武村大蔵大臣も、当時共同宣言起草者の一人として加わっておられます。
 このときに、宣言では、日本の植民地時代と戦後四十五年間の国交不正常という損失に対する日本の公式謝罪と償いが盛られておるわけでございます。この点につきましては、大蔵大臣は今どのように総括をされますでしょうか。
○武村国務大臣 確かにそれは一九九〇年でございましたか、金丸、田邊訪朝団に私も御一緒をいたしました。金丸訪朝団と田邊訪朝団と、自社で二つの訪朝団がございまして、同時に向こうへ行ったということでありまして、日本側は金丸さんが団長であり、石井一議員が事務総長であり、私が事務局長、こういう肩書であったかと思っております。
 向こうで、三党共同宣言をめぐっては徹夜で起草の会議がございまして、十数時間続きましたが、そのメンバーには、自民党からは石井一氏、池田行彦氏、不肖私と三人が入っておりまして、外務省の、今アジア局長の川島さんも同道して、途中まで入っていただいておりました。社会党からは、山花前委員長、田並さん等三人が入っておられました。
 そして、最終的に合意文書を目指したわけでありますが、最後まで残った点がございました。特に、戦後の補償というテーマが朝鮮労働党から出まして、私どもはもう条件反射のように、それは絶対できません、どう考えてもそれは議論にもならないということで、はね返しておったわけでありますが、団長三人の別途別室での会合がございまして、そこでもうそれをのんじゃったということが起草委員会の方へおりてきまして、結果的には戦後の補償が文書に入ったということで、帰国後、大変厳しい御批判を国内からはちょうだいするような羽目になりました。
 私自身は、当時、金丸さんのところへ顔色を変えて行きました。金丸さん、これのんだら、帰ってから大変なことになりますよ、どう考えてもこれは常識に反します。いや、まあ武村君、いいよ、それでもおれが責任を負うから。こんなやりとりをしたことも今思い出しておりますが、案の定これは大変、この一点だけは大きな問題として批判を浴びることになりました。
 しかし、当時の金丸さん初め我々の思いは、戦後もう四十数年続いた、一番近い国の人である北朝鮮、何としても窓をあけることができないだろうか。戦中、戦前の課題も残っています。財産請求権の問題も未処理であります。そして、漁船の拿捕とかいろいろな問題も起こっているわけでありますだけに、この国と早く戦後を、戦争を終わらせて国交の正常化を図っていくことは、一政治家としても大変大事な課題だという思いがお互いにあったと思うのです。そのためには、うまくいくかいかないか、多少冒険的な、危険的な要素があるけれども、行ってとにかく精いっぱい向こうと話し合いをしてみようというのが金丸団長の心意気であったと思うのでありますが、そういう意味では、正常化の糸口をつけることができたこと。はあの訪朝団の一つの大きな成果であったと今も振り返っております。
○竹内(譲)委員 その後日本政府は、要するに三党共同宣言には縛られない、日本と朝鮮は戦争状態になかったので賠償、補償の義務はない、戦後の不正常な関係は東西対立が原因であるという見解をとっておるわけでございます。
 しかし、朝鮮労働党の方はこれを非常に重く受けとめているというふうに私は思います。そしてまた今回、自民党、社会党、そしてまた武村大蔵大臣の率いるさきがけという、まさにそのときの政党が組んで内閣ができておるわけですから、政権ができておるわけですから、これは北朝鮮からすれば、まさにそれを実行してくれよということになるのではないか。また、植民地支配に対する日本の謝罪とか、先ほど御答弁ありましたけれども、あるいはそういった角度からいっても、さきがけ党首としての武村大臣のお立場からすれば、これは、北朝鮮から三党共同宣言を実行してくれよと言われたときに、補償を求めてこられたときに、どういう対応をされるのか、この点についてお聞きしたい。
○武村国務大臣 自民党、社会党、朝鮮労働党、この三党共同宣言は、今も申し上げたように、その後の政府当局間の対話、日本と北朝鮮との対話への筋道をつけることになった、糸口をつけることになったというふうに振り返っているわけであります。この宣言は政党間で署名された文書であります。したがって、当時から、日本政府がこの政党間の文書に拘束されるものではないということは、当時の政府も明らかにしてまいっております。今日まで同じ考えでございます。
 旅券の渡航先の記載の変更とかチャーター便に関する航空当局間の協議、こんなことがその三党合意の後実現を見ている点でございまして、政府としても、三党間の合意の中で可能なものは実現していくという姿勢で対応をしてきているということであります。
 今回、また新党さきがけを含めて三党、これは日本側の三党、政府・与党三党でございますが、訪朝の議論が始まっているようでございます。これはこれで米朝合意という全く新しい情勢を踏まえて、日朝交渉を再開するかどうかという大きな課題も控えております。その中で与党三党の代表が北朝鮮に行くということは大変意義のあることだ。そしてかつての三党合意、まあ自民党と社会党は過去の経緯がございますから全くそのことに関係なしとは言えないと思いますが、全体としては世界情勢の中で大きく北朝鮮も姿勢が変わってきていることでありますから、そこを評価しながら訪朝をしようということに当然なってきているのだと思います。
 そういう意味では、かつての三党合意、共同宣言をはるかに超える新しい事態に、この連立与党の三党が北朝鮮と真剣に話し合いの糸口をつかんでくるということになるのではないか。そういう意味で期待をいたしたいと思いますし、野党の改革の方もぜひ御努力をいただくことが党派を超えて意味があるというふうに思うぐらいであります。
○竹内(譲)委員 これは非常に重大な御認識だったと私は思っております。また、北朝鮮に対しても非常に重大なメッセージを発したであろうというふうに私は理解をしております。
 要するに、三党合意に盛られた、植民地時代と戦後四十五年間の国交不正常という損失に対する日本の公式の謝罪と償いというものに対しては、これは枠組みが変わったのだ、だから、北朝鮮が改めてこれを要求してきてもこれはのまないということだと思います。これは非常に重大なメッーセージだというふうに理解いたしました。
 では最後に、今回の軽水炉支援金は、日朝国交正常化後に支払うことになるであろう補償金といいますか、賠償金の金額の一部に含まれるのか含まれないのか、この点についての党首の御認識をお聞きしたいと思います。
○武村国務大臣 これは大変専門的な話ですから、外務省から答弁をお願いします。
○中村説明員 委員御指摘の御質問につきまして、これは我が国と北朝鮮との間で協議されてきております財産請求権の問題と思われますけれども、この問題は今、日朝国交正常化交渉において取り上げられ、話し合われるべき問題である。また一方、この問題については、今正常化交渉が中断している過程にございますので、この解決のめどがまだ立っていないという実情にございます。
 また、軽水炉建設支援の問題につきましても、まだ支援の態様というものが具体化されていないという状況でございますので、いわゆる請求権の問題と軽水炉支援の資金の問題との関係ということを現段階でお答えできる状況にはないと私どもは考えております。
○竹内(譲)委員 もう時間が少なくなっておりますが、最後に、きょうはちょっと年金の一元化の問題について、特にこれだけお聞きをしておきたいと思います。
 年金法改正案が上がっておりますけれども、特に、鉄道共済等と厚生年金等の垣根を取り払うといいますか、一元化ということが言われておりますけれども、これについて今後大蔵省としてはどのように対応されるのか、お願いします。
○武藤政府委員 御指摘のとおり、高齢化社会に向けまして、公的年金制度全体の安定と整合性ある発展を図っていくために、制度の一元化を進めていくということが重要でございますので、本年二月に設置されました公的年金制度の一元化に関する懇談会という場で、現在、精力的に検討していただいております。制度間の合意形成を図っていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 鉄道共済につきましては、現在、御承知のような制度間調整事業を行っておるわけでございますが、この公的年金制度の一元化に関しまして方針が出される場合には、その中でこの鉄道共済についても適切に対応したいというふうに考えております。
○竹内(譲)委員 きょうは、国政の、また経済問題を含めまして、北朝鮮も含めまして、年金も含めまして、非常に重要な点につきまして基本的な認識が明らかになりました。非常に有意義な質疑であったというふうに思います。ありがとうございました。
○宮地委員長 次に、佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 私は、日本共産党を代表して、今議題になっております国家公務員の共済年金、この問題に限定をして質問をさせていただきたいと思います。
 最初にお伺いしておきますけれども、この共済年金、加入者は今何人ですか。
○武藤政府委員 加入者数は百十九万人でございます。
○佐々木(陸)委員 今提案されておりますこの法案の内容は、負担はふやしていく、給付については六十歳から基本的に六十五歳に引き延ばす。大変重大な内容を含んでおりまして、これは今言われた、百万以上の公務員としてその家族の将来の生活の設計にも重大な影響を及ぼさざるを得ない、極めて重要な法案であるというふうに私は考えますが、大蔵大臣の見解を伺いたいと思います。
○武村国務大臣 公務員の退職後の暮らしのかかる大変重大な問題だと認識をいたしております。
○佐々木(陸)委員 ところが、この法案は実は国会に提出したのは今の内閣ではなくて、細川内閣でありました。そして、本会議で趣旨説明がなされたのは羽田内閣のときでありまして、先ほどこちらに少し顔を見せておられましたが、当時は、今野党席に座っておられる藤井大蔵大臣が本会議でこの法案について提案の説明をしていたわけであります。ですから、率直に言いますけれども、こういう経緯の中で、公務員の将来に大きな影響を与える問題について、重要な野党がもともと提案者ですから、この問題点を徹底的に明らかにして議論していくという立場には残念ながらもともと立っていないということにならざるを得ないと思うのです。他方、当時の新聞報道ですが、この法案が提案された当初は、基礎年金の国庫負担を二分の一にするというような問題で、当時野党の自民党がそ
ういう問題を提起して修正の問題を話し合っていたということも伝え聞いております。そのときの与党側はこれを簡単には受け入れていなかった。ところが、今与党と野党が逆転してまいりますと、当時そういう修正を主張していたかに伝えられた自民党の方は、今度はこれを通す側ですから、それをやろうという姿勢には、これも伝え聞いているところですが、なかなか立っておられないようです。そして、この法案を提案したその中心者の皆さんが、今度は基礎年金の国庫負担の問題を上げろと言って今厚生委員会でその問題が議論されているかに聞いております。
 率直に言いまして、野党になれば国民向けの顔をするけれども、与党になると財政の都合が悪いからということで反対になってしまう。全く、率直に言いますけれども、これではこの大事な年金の問題が当事者を置き去りにして政争の具にされていると言わざるを得ない状況が生まれていると思うのですけれども、その辺について、大蔵大臣、政治家としての見解を伺いたいと思います。
○武村国務大臣 いずれにしましても、責任ある政治の姿勢を貫くことが一番大事だというふうに思っております。
 国民向けに歓迎されることをどんどん打ち出すことは政治家あるいは政党として当然なことでありますが、こうした大変巨額の財政負担を伴う政策については、二分の一という主張をする以上は、その二分の一の将来にわたる財源をどう提案をされるか、そこをやはり明確にしながら提案をされるべきだというふうに思うわけであります。
 先ほどこの委員会の冒頭でもちょっと感想として申し上げたわけでありますが、予算委員会、税制改革特別委員会の議論を振り返りましても、何となく、税は国民負担なんだからどんどん下げるべきであるという主張が多うございます。そして、歳出の方はもっとこういう面を充実すべきだ、こういう分野はもっと力を入れるべきだ、予算をふやすべきだ。ですから、入りの方はどんどん減らしていけ、出の方はどんどんふやせという主張が全体としては非常に目立つわけでありまして、共産党もそういうことに受け取られやすい場合もなきにしもあらずだと思うわけであります。
 お互い、特にこの年金の二分の一、三分の一の議論のように、今でも四兆円近い財源が必要でありますし、それが六年後には八兆円になる、さらにピーク時には十二兆円になっていくということが明確でございますだけに、今よりも八兆円ぐらいふえるその財源を何で賄ったらいいのか、そこのところの展望を明らかにしながら真剣な議論をしていかなければいけないというふうに思っております。
○佐々木(陸)委員 今共産党がどうのこうのと言われましたけれども、私が言ったのは、国庫負担の問題では、六月の段階では自民党がそれを引き上げろと要求していたというふうに新聞にも伝えられたし、今は改革の側がそれを主張しているというふうに伝え聞いている。真剣な議論をと言うけれども、この場では全然そんなことで議論にならないのですよ。私の質問時間もきょう十五分で、そういうことまで詳しく論じていることはできないわけで、その基本の問題を伺ったということなわけであります。
 もう時間が限られていますけれども、もともとこの年金問題については、一九八五年に法が改正されたときに、本則は六十五歳で、附則で六十歳支給ということになっていたわけですが、これが、当面の間は六十歳支給を続ける、そうなった理由は何だったのでしょうか。
○武藤政府委員 前回の年金制度の改革におきましては、いわゆる基礎年金部分の統合ということでございまして、現在いろいろ制度が分立しておりますが、定額部分につきましては、国民が等しい負担、等しい給付を受けるという考え方のもとに、基礎年金部分の制度の改革を行ったわけでございます。
 それは、六十五歳から基礎年金というものが仕組まれたわけでございまして、現在でもその当時でも六十歳以降年金支給ということでございますので、基礎年金制度の改革は六十五歳ということにしつつ、一方におきまして、現状におきます支給開始年齢六十歳ということを実際には担保するために、今御指摘のありましたような法体系になったと理解しております。
○佐々木(陸)委員 附則を外して本則にする条件は何だったのですか。
○武藤政府委員 支給開始年齢の引き上げということになるわけでございますけれども、これは、もしこのまま六十歳支給開始ということで制度を運用しますならば、高齢化のピーク時にはいわゆる保険料負担が相当高い水準になる。したがいまして、これはいわば現役組がどこまで負担できるかという問題でございます。
 一方、受給者側にとりましても、制度が破綻してしまいますとこれは成り立たなくなるわけでございますので、年金制度の安定的な適用ということを考えますと、受給者側もそれなりの負担をしていただきまして、支給開始年齢を引き上げることによって負担と給付のバランスを図る必要がある。これは、我が国人口の高齢化、成熟化に伴って不可避な方向であろうということで、既に五年前から大議論があったわけでございます。ただ、支給開始年齢につきましては、国民のコンセンサスを得るには至らずに今回に至った、こういうことでございます。
○佐々木(陸)委員 当時の審議の記録を読みましても、将来いつからこういう本則を適用するのかという問題を考える場合にはということで、雇用め実態等を十分考えていく必要があるという答弁も当時の中でありました。
 雇用の実態については、今本則適用の時期が至ったというふうに判断しているわけですか。
○武藤政府委員 支給開始年齢を引き上げることに伴いまして、六十歳代前半の雇用についてどのように考えるかという御指摘かと思います。
 これは、現時点におきましては、御承知のとおり六十歳で退職するというのが基本的な仕組みでございますので、今後、法案におきましてはこの支給開始年齢は平成十三年から一歳ずつ順次引き上げていくということになっておるわけでございますけれども、それまでの間にこの六十歳代前半の雇用というものについていろいろな配慮が必要であろうかと思います。
 御承知のように、雇用保険におきましては、雇用継続給付といったような制度の創設等、いろいろな施策をあわせ講ずることによりまして支給開始年齢の引き上げをスムーズに行いたい、こういうことでございます。
○佐々木(陸)委員 要するに、公務員は六十歳が定年ですから、今はそういう定年ですから、そしてそれはまだ変えられてはいないわけですから、年金がまともにもらえるのは六十五歳だけれども六十歳からは仕事がなくなるということはもうはっきりしているわけで、このブランクをどうするかという問題は大きな問題、最大の問題なんです。
 この六月の本会議での政府の答弁では、公務部門におきます高齢者雇用は、共済年金制度との連携を図りながら、所要の準備期間を経まして段階的に進めることとしておりますというようなことしか言っていないし、きょうの説明の中でも、行政改革の要請にも十分配慮しつつ、定年後の公務員の雇用問題に取り組むこととしておりますと言っているだけで、ちっとも具体的なことはない。
 もともとこのことが、雇用の問題が問題になったのはもう九年前の八五年の改正のときから問題になっているわけですけれども、そのときからも何もやられてきてないし、今も所要の期間を準備してだんだんにやっていきますというような中途半端なことしかないんですけれども、しかし、それはそういうふうに中途半端なんだけれども、結局年金の改革は今度やるんだということになりますと、前から予告されていることなんだから、結局、公務員の皆さん、自分で六十歳になってからの身の振り方は考えなさいということにしかならない。それ以上の何かがあるんでしょうか。
○武藤政府委員 年金の支給開始年齢の引き上げとそれに伴います六十歳代前半の雇用政策というのは、これは一体不可分のものだろうというふうに認識しております。
 雇用保険におきまして、先ほど申し上げたような対応をいろいろ検討、あるいはこの法律改正に至っておるものもあるわけでございますけれども、御指摘の公務部門におきます高齢者雇用ということになりますと、民間における高齢者雇用施策というものとのバランスということも一つある。わけでございますけれども、雇用と年金の連携、同時に行財政改革というのが現下の要請でもございますので、これにも十分に配慮された形でなければならないと思いますが、六十歳代前半における雇用に積極的に取り組む必要があるというふうに考えておるところでございまして、去る三月二十五日にその旨が閣議決定されておるわけでございます。閣議決定の中におきましても、「国家公務員の高齢期(六十歳台前半)における雇用に積極的に取り組むものとする。」ということになっておるわけでございます。
 これを今後どのように具体化していくかということにつきましては、この閣議決定に基づきまして、その具体化を検討するために公務部門における高齢者雇用問題検討委員会というのが総務庁に設置されておりまして、既に検討が開始されているところでございます。今後、この委員会におきまして、さらに具体的な検討が進められることになるというふうに承知しております。
○佐々木(陸)委員 同じくこういう年金の支給開始年齢先送りの問題が問題になった八九年十月十二日の衆議院予算委員会で、村山富市議員も、仮に年金支給が六十五歳になって、六十歳で定年でやめられた、この五年間は何で暮らすのかという質問をされているわけですが、今その村山首相のもとでこれを成立させてほしいということを言われているわけですけれども、それに対する回答は、公務員に関していえば、これから委員会をつくって検討をしていきますという程度の回答しかない。これでは公務員の皆さんの期待に本当にこたえることはできないということをはっきり申し上げておきたいと思いますし、私は、本委員会でももっと、基礎年金の国庫負担率の問題とかいったものも大いに論議を深めていく必要があるし、また、公務員のさまざまな職種の人々にも、自分たちの将来についてどう考えているか、これをどうしていったらいいのかというようなことももっと聞く機会を設けて、本委員会でももっと審議を進めていくべきであるということを最後に申し上げまして、時間になりましたから質問を終わります。
○宮地委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時四十五分休憩
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   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
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