第131回国会 予算委員会 第2号
平成六年十月十二日(水曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 佐藤 観樹君
   理事 衛藤征士郎君 理事 中川 秀直君
   理事 野呂田芳成君 理事 深谷 隆司君
   理事 伊藤 英成君 理事 草川 昭三君
   理事 渡部 恒三君 理事 池端 清一君
   理事 三野 優美君
      安倍 晋三君    伊藤 公介君
      浦野 烋興君    江藤 隆美君
      越智 伊平君    越智 通雄君
      金田 英行君    川崎 二郎君
      後藤田正晴君    近藤 鉄雄君
      斉藤斗志二君    志賀  節君
      島村 宜伸君    関谷 勝嗣君
      高鳥  修君    東家 嘉幸君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      若林 正俊君    東  祥三君
      石井 啓一君    今津  寛君
      岡島 正之君    加藤 六月君
      笹川  堯君    笹山 登生君
      鮫島 宗明君    田名部匡省君
      高市 早苗君    高木 義明君
      谷口 隆義君    月原 茂皓君
      長浜 博行君    二階 俊博君
      日笠 勝之君    冬柴 鐵三君
      増子 輝彦君    山田  宏君
      今村  修君    佐々木秀典君
      坂上 富男君    嶋崎  譲君
      細川 律夫君  五十嵐ふみひこ君
      穀田 恵二君    松本 善明君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  村山 富市君
        法 務 大 臣 前田 勲男君
        外 務 大 臣 河野 洋平君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 与謝野 馨君
        厚 生 大 臣 井出 正一君
        農林水産大臣 大河原太一郎君
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        運 輸 大 臣 亀井 静香君
        郵 政 大 臣 大出  俊君
        労 働 大 臣 浜本 万三君
        建 設 大 臣 野坂 浩賢君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     野中 広務君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)五十嵐広三君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 山口 鶴男君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)      小里 貞利君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 玉沢徳一郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      高村 正彦君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      田中眞紀子君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 宮下 創平君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 小澤  潔君
 出席政府委員
        内閣官房内閣安
        全保障室長
        兼内閣総理大臣
        官房安全保障室
        長       坪井 龍文君
        内閣官房内閣情
        報調査室長   大森 義夫君
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第一
        部長      津野  修君
        国際平和協力本
        部事務局長   鈴木 勝也君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        防衛庁参事官  小池 寛治君
        防衛庁参事官  熊谷冨士雄君
        防衛庁長官官房
        長       三井 康有君
        防衛庁防衛局長 村田 直昭君
        防衛庁人事局長 萩  次郎君
        防衛庁経理局長 秋山 昌廣君
        防衛庁装備局長 荒井 寿光君
        防衛施設庁長官 宝珠山 昇君
        防衛施設庁総務
        部長      粟  威之君
        防衛施設庁施設
        部長      小澤  毅君
        防衛施設庁建設
        部長      田中 幹雄君
        経済企画庁物価
        局長      谷  弘一君
        経済企画庁総合
        計画局長    土志田征一君
        科学技術庁長官
        官房長     新  欣樹君
        科学技術庁科学
        技術政策局長  石井 敏弘君
        科学技術庁原子
        力局長     岡崎 俊雄君
        環境庁企画調整
        局長      石坂 匡身君
        国土庁防災局長 村瀬 興一君
        外務省総合外交
        政策局長    柳井 俊二君
        外務省総合外交
        政策局国際社会
        協力部長    高野幸二郎君
        外務省総合外交
        政策局軍備管理
        ・科学審議官  林   暘君
        外務省アジア局
        長       川島  裕君
        外務省北米局長 時野谷 敦君
        外務省欧亜局長 野村 一成君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   須藤 隆也君
        外務省経済局長 原口 幸市君
        外務省条約局長 折田 正樹君
        大蔵省主計局長 篠沢 恭助君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省理財局長 田波 耕治君
        大蔵省理財局た
        ばこ塩事業審議
        官       鈴木 康司君
        大蔵省証券局長 日高 壮平君
        大蔵省国際金融
        局長      加藤 隆俊君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        厚生大臣官房総
        務審議官    太田 義武君
        厚生省生活衛生
        局長      小林 秀資君
        厚生省社会・援
        護局長     佐野 利昭君
        厚生省老人保健
        福祉局長    阿部 正俊君
        厚生省年金局長 近藤純五郎君
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        農林水産省経済
        局長      東  久雄君
        食糧庁長官   上野 博史君
        林野庁長官   塚本 隆久君
        通商産業省通商
        政策局長    坂本 吉弘君
        通商産業省産業
        政策局長    堤  富男君
        資源エネルギー
        庁長官     川田 洋輝君
        中小企業庁長官 中田 哲雄君
        中小企業庁次長 鈴木 孝男君
        運輸省運輸政策
        局長      豊田  実君
        運輸省自動車交
        通局長     高橋 伸和君
        運輸省航空局長 土坂 泰敏君
        郵政大臣官房審
        議官      品川 萬里君
        郵政省電気通信
        局長     五十嵐三津雄君
        労働大臣官房長 伊藤 庄平君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設省道路局長 藤川 寛之君
        自治大臣官房長 秋本 敏文君
        自治大臣官房総
        務審議官    二橋 正弘君
        自治省行政局公
        務員部長    鈴木 正明君
        自治省行政局選
        挙部長     佐野 徹治君
        自治省財政局長 遠藤 安彦君
        自治省税務局長 滝   実君
 委員外の出席者
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月十二日
 辞任         補欠選任
  越智 通雄君     金田 英行君
  原田  憲君     斉藤斗志二君
  石井 啓一君     冬柴 鐵三君
  笹山 登生君     今津  寛君
  二階 俊博君     高市 早苗君
  志位 和夫君     穀田 恵二君
同日
 辞任         補欠選任
  金田 英行君     安倍 晋三君
  斉藤斗志二君     原田  憲君
  今津  寛君     増子 輝彦君
  高市 早苗君     笹川  堯君
  冬柴 鐵三君     石井 啓一君
同日
 辞任         補欠選任
  安倍 晋三君     越智 通雄君
  笹川  堯君     二階 俊博君
  増子 輝彦君     笹山 登生君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 予算の実施状況に関する件
     ――――◇―――――
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 おはようございます。
 昨日のこの本予算委員会において議論されましたことに関連をいたしまして、まず最初に伺いますけれども、総理、昨日、草川議員が村山総理に対して、一般論としてということで、国会議員としての権力を有する者が株式の取引においていわゆる損失補てんをさせた問題について、それはいいのかどうかという見解をただしたわけでありますけれども、総理は、昨日必ずしも明確に答えられなかったと思うのですが、一般論としてきちんと御答弁をお願いをいたします。
○村山内閣総理大臣 一般論として申し上げれば、証券会社との取引の中で株を買って損をした、その損失を補てんしてくれというようなことの取引というのは、私は決してよくないと思います。
 しかし、個人的な関係については、これは公的に関知することではありませんから何とも御答弁のしようがありませんと、こういうことを申し上げたのであって、今前段で申し上げましたように、公的な立場で一般論として申し上げれば、それは決して好ましいことではない、禁止されることだというふうに言わなければならぬと思います。
○伊藤(英)委員 今の話は、政治家としてそういう権力を持っている者が、たとえ私的な問題であるとしてもそのようなことを、損失補てんをさせることはよくないということだと思うのです。どうですか。
○村山内閣総理大臣 いや、それは具体的なケースについて事実関係が明確でないと、それは私はお答えようがないと思うのです。
○伊藤(英)委員 次に、きのうやはり問題になりました話で、十月九日付のニューヨーク・タイムズに掲載されました、一九五〇年代から六〇年代にアメリカのCIAが自民党に資金援助をしていたことについての記事がありました。この問題について総理は今後調査をさせるおつもりでございますか。
 実は、ここに当時の在日米大使のマッカーサーから国務省にあてた手紙、これは佐藤栄作、当時大蔵大臣からの要請に基づいてのレターでありますが、この写真もちゃんとニューヨーク・タイムズに載っているんですね。そういう状況もあるわけでありまして、さらに、当時の岸政府からそのような金の要求があったということ、そしてそういうことは珍しくなかったというようなことがニューヨーク・タイムズには報道されたりしております。
 私は、いわゆる政治倫理というような問題からしてもこの問題は調査をしなければならぬ、こういうふうに思いますが、総理、いかがですか。
○河野国務大臣 我が党に関する問題でもございますから、私から御答弁をさせていただきたいと思います。
 ニューヨーク・タイムズの記事を私も拝見をいたしました。ニューヨーク・タイムズは、あの記事を掲載する前に我が党に問い合わせがございまして、我が党は党の事務局をして調査をいたしました。しかし、何のその問題についての、何といいますか、証拠となるといいましょうか、それに関するものはございませんでした。したがって、ニューヨーク・タイムズに対して、我が党にとっては極めて迷惑な話だ、こうしたことは一切ないということを明確に返事をいたしているところでございます。
○伊藤(英)委員 総理、伺いますけれども、今河野自民党総裁はああいう形で言われましたけれども、実際にこのニューヨーク・タイムズを見れば、日本のそうした状況を理解するためには自民党設立のころからのことまでも考えなきゃならぬ、そしてそのときから既にCIAは関与していたということまでずっと出ているわけですね。
 そして、事務当局から調べたという話がありましたけれども、しかし今、社会党も連立政権を組んでいらっしゃる、自民党そのものの問題もある。しかもマッカーサーは、その後もインタビュー等に応じて同じような話もしたりしているわけですね。私は当然調べてみるべきであると思いますが、いかがですか。
○河野国務大臣 議員も十分御承知の上でのお問いかけだと思いますけれども、仮にこのニューヨーク・タイムズの記事を詳細に読んでみたところで、これは四十年前の記事でございます、問題でございます。現在、村山政権と連立をいたしております現在の自由民主党と四十年前のそのことと、一体どういう関係があるのかというふうに私は思います。我が党の今日の状況は、まさに新生自民党として村山政権と連立をいたしているのでございます。かつて自民党に所属した方々で旧連立を支えられた方もたくさんおられるわけでございまして、一体何を意図としてそういう議論をされるのか、甚だ実は迷惑でございます。
 しかし、いずれにしてもこういう記事が出たわけでございますから、私も党の事務局をして調査をいたしました。これは我々にとっても極めて重大な問題でございますから調査をいたしましたが、何の根拠もないということを事務局ははっきり言っているわけでございまして、これ以上の調査のしようはないというふうに私は思います。
○伊藤(英)委員 総理、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 それは、そういう事実はないと否定しているわけでありますから、調査する必要もない、私はそう思います。
○伊藤(英)委員 事務当局の人がないからといって、それがないと断定はできないと思うのですね。これだけのことが報道されていて、しかもそのレターまでしっかりあるわけですね。それは調べてみるべきだと私は思います。いかがですか。
○村山内閣総理大臣 いや、それは当事者が調査をした結果、事実はない、こう否定しているものを、殊さらまた調査をする必要があるかどうかということについては、私はもうその調査の必要はないのではないか、こう申し上げているわけです。
○伊藤(英)委員 いや、実際にじゃアメリカに行って、あるいは公文書館を調べてということをされたのですか。ただ事務当局の人が言ったということだけで、それは、そんなことは断定できますか。
○河野国務大臣 私は、この問題は政府の問題ではない、自由民主党の問題であるというふうに思うわけでございます。そして……(「政権政党じゃないか」と呼ぶ者あり)政権政党ではないかという御疑念であるとすれば、先ほど申し上げたように、我が党は、出る者は出て、生まれ変わった新生自民党が現在連立政権をつくっているのであって、四十年前の問題をとやかく言ってこの連立政権についてお尋ねになるのは筋が違う、こう思います。
○伊藤(英)委員 河野総裁にぜひお願いいたします。
 本件は、私は自民党とあるいはアメリカの資金との関係で極めて重大な問題だと思っておりますので、ぜひそれはお調べをいただきたいと思います。少なくともニューヨーク・タイムズによれば、自民党がCIAから多額の金を受け、そして同時に、社会党がモスクワから資金援助を受けてということが報道されております。その自民党、社会党が連立政権を今組んでいるということですね。ぜひ御調査をお願いをいたします。
 それから総理、きのうの議論を聞いておりまして、改めて私は総理の政治姿勢あるいは公約違反問題についてお伺いをしたいと思うわけでありますけれども、公約を掲げて選挙を戦って、そしてその後ですぐにいとも簡単にその公約を破ってしまうというような、いわゆる公約違反ということは、最大の政治倫理違反だと私は思うんですね。
 それで、こういうことが起こっていきますと、有権者は何を信じて投票するのかということがわからなくなりますね。要するに、投票そのものに意味がなくなってくる。このことは、いわゆる選挙によって代表を選ぶ間接民主主義というものが成り立たなくなってくるんだと、こういう間接民主主義なるものを危機に陥れるということになると私は思うのですが、いかがですか、民主主義との関係で。
○村山内閣総理大臣 昨日も申し上げましたように、政治家にとって公約というものが極めて大事なものであることは、もう申し上げるまでもないと思うんです。それで、公約を守るということは、民主主義政治のやはり基本をなすものだというふうに私どもも受けとめております。
 ただ、その公約がどの範囲で守られるかということについては、やはりその事態の変化の状況に対応して選択をする幅というものはやはり政治家に任されておるのではないか。ですから、政治家個人がそうした情勢の変化、これは私は大きな変化があったと思いますね。こういう連立政権が組まれるというような状況というのは、あの選挙前はどなたも想像してなかったと思うのですよ。そういう意味における状況の大きな変化があった。
 その変化の中で、お互いに違う政策を出し合いながら議論をしていって合意を求めていく。その合意に達したところが、選挙のときに公約をした公約とこの合意点とは許容できる範囲にあるのかどうかという判断は、政治家個人がすべきものだと私は思うのですね。その政治家が責任を持ってやはり判断をして措置をしていくというのも政治家の仕事ではないかというふうに考えておりますから、私は別に、問われるように公約違反は犯していないというふうに考えているところでございます。
○伊藤(英)委員 私は、それは詭弁だと思うのですね。
 ここに社会党の元幹部、あるいは幹部だった人というふうに言った方がいいかもしれませんが、その方から私のところに来ている手紙があります。何と書いてありますかというと、最初のところだけ申し上げますと、「社会党は昨年の総選挙で「反自民連合政権で日本の改革を」と、党を挙げて国民に訴えた。これは国民に対する基本公約であった。」(発言する者あり)
○佐藤委員長 静粛に願います。
○伊藤(英)委員 「連立離脱後の本年五月二十九日の中央委員会で非自民の政治方針を決めただけではない。村山氏擁立を決めた首班指名本会議直前の両院議員総会でさえ党首脳は、「自社連立はない」と断言している。政権戦略や基本政策など、その内容手続きとも、ことのほか重く扱ってきた社会党が、宿敵自民党との連立に正式な党間協議も行なわず、国民にも党員にも何一つ説明のないまま自社連立を発足させた経過はとうてい承知できない。」云々ずっと、社会党の幹部の人、あるいは幹部だった人がこういう手紙をくれております。何と言おうが、そういうふうに思っている国民は私は非常に多いと思うのですね。
 そこで伺います。この間、九月の十一日に参議院の愛知の再選挙が行われました。あのときに、自民党や社会党の方々も、あるいはその関係者も、私は一生懸命に選挙はやったと思うのですね。にもかかわらず、愛知県のあの結果はどういうことなんだろう。今の衆議院の選挙区でいえば、全選挙区において自社擁立候補の方がいわば大敗をしたのです。なぜだったのだろう。私は、実際にやってみて、本当に多くの方々が、自社の今回のあの連立政権はおかしいじゃないか、わからないと言った方がどんなに多かったか。どうですか。
○村山内閣総理大臣 愛知の参議院選挙をそのまま今の連立政権のありように対応することについては、私は論理の飛躍があると思いますね。やはり選挙というのは、いろいろな要因や背景があってなされる選挙であって、その出た結論が、そのまま今の連立政権が否定されたものだというふうに結びつけることについては短絡的で無理があるのではないか、私はそう思います。
 それは、やはりいろいろな要因がその背景の中にはあるわけですから、したがって、私は、それなりに私自身はやはり厳しく受けとめておりますけれども、しかしあなたがおっしゃるようなことについては、私は必ずしもそうは思いませんということを申し上げざるを得ないと思うのです。
 それから、その社会党の幹部がどうのこうのという話がありましたけれども、それはやはりこういう大きな情勢の変化があったわけですから、したがって、戸惑いを感じている党員もおられることは私は否定はいたしません。しかし、あの七月の総選挙の際に、どういう連立政権ができるかということは、どなたも私は想像し得なかったと思うのですね。しかも三回も政権がかわってきているわけです。
 非自民、非自民ということを盛んに言われますけれども、先ほど来、河野外務大臣もお答えになっていますように、あの五五年体制における自民党と今の自民党は私は変わってきていると思いますし、また改革のための努力をされておると思うのですよ。(発言する者あり)いや、それはもう十分私は変わっていると思いますよ。現に……(発言する者あり)
○佐藤委員長 静粛に願います。
○村山内閣総理大臣 私は少し気が弱いものですから、やじが飛ぶと答えにくいのですよ。
 これはやはり、例えば選挙制度を変えて、これだけ腐敗防止について真剣に議論をして、政治の信頼を回復するためにお互いに政治資金規正法も改正しよう、公職選挙法も改正しようといって合意をしながら、今政治の立て直しを図っておる。その一翼を大きく自民党も担っているわけでしょう。それだけやはり自民党も変わりつつあるわけですよ。私は、そういう変わっていく各政党同士がいいものをつくっていこうという努力をしておる、その過程における今の連立政権だというふうに私は受けとめておりますから、したがって、旧自民党そのものと連立を組んだものではないということを私は申し上げておきたいと思います。
○伊藤(英)委員 総理がどんなにそういうふうに言おうとも、しかし、じゃそれに対してどういうふうに受け取るだろうかというと、やはりこれはあくまでこの辺の議論だけではないかと思いますよ、と思われるのですよ。だから、こんなことやってばかりいるものだから永田町の論理、永田町の論理というような言葉が世の中に言われるんだと私は思うのです。
 ある評論家も最近、まさに今の政界は非常識と偽善と無責任がまかり通っている、こういうふうに述べております。だから私は、今のような状態が続けばどんなにか政治に対する不信感というのは大きくなっていくのだろうということを憂えますよ。ぜひこの問題は真剣な問題として考えていただきたいと思います。
 次に移りますけれども、総理が就任をされて三カ月余になりますけれども、私はやはり総理大臣というのはなかなか大変なのだろうな、本当に日本国民全部の責任を持たなければならぬというわけでありますから、いろいろな意思決定ということについて大変な苦しみを感じながらやられるのだろう、こういうふうに思います。
 そうしたときに、きょうはここに後藤田先生もいらっしゃいますが、ついこの間、私も後藤田先生からも本をいただきました。その本の中に、官邸がどれほど多くの情報が集まるシステムになっていないといかぬかということについて、その持論も述べておられました。全くそうだと私は思うのですね。
 そこでお伺いするわけでありますが、ルワンダの難民救援のための自衛隊派遣についての決定の過程でありますけれども、九月の十三日に派遣の閣議決定をされました。しかしそのときに、現地の治安状況についての詳細な情報、状況は、閣議決定の後、十六日に総理のもとに届いたということがあるのではないかと思うのですが、いかがですか。
 さらに、物資輸送のために米軍の大型輸送機C5を借りる予定をしていたのだけれども、そのアメリカの政府からそれは拒否されていたということを当初知らなかったのじゃないのだろうか。あるいはさらに、そのザイールのゴマの治安状況は悪いから、あれは飛ばないように、米軍は飛ばないこと、あるいは日本の派遣計画を再検討すべきだと、その危険を事前警告していたと言われますが、そのことは十三日の閣議決定のときには御承知でございましたか。
○玉沢国務大臣 まず、事実の問題等もありますので、お答えをさせていただきます。
 まず、十三日の閣議決定の際に、現地の治安情勢についての正確な情報があったか、こういうことでございましたが、その点につきましては、既に政府の調査団も一次、二次、なおかつまた与党の調査団も行ってまいりまして、つぶさに現地の治安情勢等につきましては調査をいたしまして、自衛隊の人道支援の活動支障なし、こういう判断のもとに閣議決定をした、こういう点でございます。
 それから、米軍の方の情報その他厳しいものがあったか、こういうことでございますが、確かに米国側が先に行っておりまして、非常に悲惨な状態である、極めて厳しい情勢ではある、こういうような認識は示されました。しかしながら、米側の方が我が国に対しまして、派遣計画を中止すべきであるとか再検討すべきであるとか、そういうことは何ら言ってきておりません。
 また、このゴマの空港に対しまして、C5を着陸できるかどうかということ等におきましては、これは米軍の運用基準その他があるようでございまして、そういう観点からC5の着陸はなかなかできない、こういうようなことでございました。
 しかし、我が方は米側のC5と同時に、ロシア側の飛行機の方も同時に進めておったわけでございますので、それを使用させていただきまして滞りなく現地に派遣をした、こういう状況でございます。
 以上です。
○伊藤(英)委員 アメリカの国防総省からのザイールへの自衛隊派遣について危険を事前通告をしてきているという、朝日新聞にもその記事が大きく載っておりますが、今防衛庁長官は朝日新聞の記事は間違っているというふうに否定をしたわけですね。朝日新聞にそのことが大きく報道されておりますが、事前警告を米国防総省からしたということが載っておりますが、これは偽りだというふうに言われるのですね。偽りかどうかだけで結構です。結論だけで結構です。
○玉沢国務大臣 いや、これは、私が十三日の閣議決定と同時に、アメリカに参りましてペリー長官と会談したことは御存じだと思います。したがいまして、アメリカ側の方からもいろいろな情報をお聞きをいたしました。そういう観点から、よくぞ日本も決意をしてルワンダの難民救援のために行かれる、こういうペリー長官からのお励ましの言葉もございまして、確かに情勢は厳しいということであったわけでございますけれども、滞りなく実行する、こういうことでございますから、新聞の内容については私は承知いたしておりません。
○伊藤(英)委員 総理、お伺いいたしますけれども、要するに官邸がその意思決定をされるときに、いかに迅速的確な情報が必要かということだと私は思うのですが、今回のこの自衛隊派遣に際しまして、総理としては、ザイール軍の実情なりあるいは現地の状況なり、実際にはアメリカからもいろいろな話はあったようでありますが、そういうことについて情報は十分に把握をして決定をしたんだと断定できますか、断言できますか。いや、総理に伺っています。
○河野国務大臣 ちょっと事実関係だけ私からまず御説明をしたいと思います。
 ルワンダの難民問題につきましては、事の起こりはと申しますか、七月二十二日に国連でルワンダの難民についてアピールが出ておりまして、ぜひこの難民を助けなきゃならぬというのは七月二十二日が事の起こりでございます。
 で、この国連のアピールが出ました後、UNHCRの緒方さんから我が国に対しまして支援の要請がこれは来ておるわけでございます。それ以後、八月に入りまして調査団を累次にわたって出しておりまして、その調査団の報告は帰国後直ちに総理大臣にその都度報告をいたしておりますから、総理は調査団の報告についてはその都度聞いておられるということが一つございます。
 さらに、外務省といたしましても、各国に情報の収集のための努力をいたしておりまして、さまざまな情報を収集をいたしまして、分析をしてこの問題に対処したという事実がございますことを申し上げておきます。
○五十嵐国務大臣 一応官邸としての対応を申し上げたいと思います。
 今、河野外務大臣のお話のとおりなんでございますが、官邸といたしましては、外務省それから防衛庁を含めてPKOの事務局長、それから私ども官房長官、副長官、これでこの問題についての一つの協議機関、情勢分析のための会を持っておりまして、当時から週一回ないし二回、あるいは必要な都度これを参集して情報を交換して、的確に現地の情勢というものを把握しながら判断をいたしてきたわけであります。
 したがいまして、先ほど御質問ございましたが、いろいろな情報を把握しての上のこの派遣の決定かということにつきましては、そのとおりでございますと申し上げたいと思います。
○伊藤(英)委員 私はそれが十分であったかどうかということについて伺ったわけでありますが、総理、本当に十分であったかどうかということと、同時に伺いますが、今回のことも見ながら、あるいはほかのこともいろいろ考えていると、私はそういうことでいいと思うんですが、要するに官邸の情報収集機能というのはやっぱり向上させなきゃいかぬという思いは非常に私は強くあるんだろうと思うんですよね。そういう意味でこれから、例えば公安調査庁だけで五千人ぐらいいると私は思いますが、そういうところも含めて官邸のそういう調査、情報収集機能の向上のために今後私はいろいろ考えるべきだと思いますが、総理、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 やっぱり政治家が物を判断する場合に正確な情報を常につかんでおくということは極めて大事なことだと私は思います。
 そういう意味で、官邸の今持っておる機能というものを、十分連携をとり合いながら、総合的に判断ができるようなそういう仕組みというものをしっかりやっぱり考えていく必要があるというふうにも思うんですけれども、しかし、今ある機能を十分横の連携をとり合いながら活用できるように促進をしていくという工夫も凝らして、可能な限り正確な情報がこの官邸の中に集まってくるように、これからもさらに検討しなきゃならぬ課題であるというふうに思っております。
○伊藤(英)委員 検討すべき課題だということでありますが、具体的に今考えていることがありますか。
○村山内閣総理大臣 当面は、今それぞれセクションがあるわけですから、そのセクションを最大限の活用をしていただく、そしてそれを総合的に集めて判断をしていくということに努めてまいりたいというふうに思っています。
○伊藤(英)委員 私は、まさに抜本的というぐらいに改革すべき重大な問題だと思っております。ぜひ御検討をお願いいたします。
 次に移りますが、北朝鮮の問題についてでありますけれども、北朝鮮の軽水炉導入支援等そうした問題についてでありますが、八月十二日の米朝高官協議で成立した合意に基づいて現在ジュネーブで第三ラウンドのセッションが行われておりますね。この問題は北朝鮮の核疑惑、すなわち我が国の安全にかかわる重大な問題であります。
 協議が難航しております最大の要因は、北朝鮮が黒鉛原子炉をプルトニウムの出にくい軽水炉に転換する問題であると言われております。河野外相が九月二十二日のクリントン大統領との会談で、日本としては包括的解決を前提に軽水炉転換支援に参加、協力する用意があると述べたと言われますが、これはまず事実ですか。
○河野国務大臣 議員御指摘のように、北朝鮮における核兵器開発疑惑、これは我が国にとって重大な関心を持たざるを得ない問題でございます。と同時に、国際社会にとってもこの核拡散という問題は極めて重大な問題でございますから、この問題の解決こそ今我々がやらなければならない問題だと思っております。
 このために、アメリカは極めて慎重に、辛抱強く北朝鮮と話し合いによる解決のための努力をいたしております。このアメリカに対して韓国、日本、いずれもできる限りの協力をして、この話し合いによる解決が成功裏に終わるようにしたいと我々考えております。その気持ちを大統領にはお伝えをいたしました。
○伊藤(英)委員 私は、この軽水炉導入に支援をするということについて、外務大臣がそういうことをちゃんと言われたかどうかということを確認しようとしたわけでありますが、この支援にどういう本当は意味があるのかな、支援することがどういう意味が我が国にとってあるのかということを思います。
 同時に、今ちょうど言われたことに関連するわけでありますが、日本から見ますと、金は出したけれども核は残ったというふうになっては困るわけですよね。米国にとっては、ひょっとしたらというふうに言った方がいいかもしれませんが、北朝鮮に核兵器が残ることよりも、NPT体制の枠を維持することの方が重要であって、この点で米国が妥協する可能性はないだろうかということも思ったりするのです。
 日本にとっては、あるいは北朝鮮に核兵器が存在することは実は死活問題ですよね。だから、支援の条件としては北朝鮮に核兵器がないこと、すなわち北朝鮮の特別査察を実施することが前提であると、はっきりとこれはさせなきゃならぬ問題ですね。
 にもかかわらず、新聞報道によりますと、政府首脳の発言として八月の下旬には、過去の疑惑解明を支援の前提にしない可能性を示したと報道されたり、これは報道ですよ。さらに九月には、これは九月十四日でありますが、米国のガルーチ大使に対して、「特別査察などの手段、実施時期には柔軟に対処していく考えを示した。」と新聞には報道されております。私、そんないいかげんな外交交渉はおかしいと思いますが、いかがですか。
○河野国務大臣 先ほどアメリカが極めて慎重に、粘り強い交渉を北朝鮮としておられることを申し上げましたが、アメリカが北朝鮮といたしておられる交渉は、私どもが聞く限り、そして私どもがアメリカに対して話をする場面で、核疑惑が完全に払拭される必要がある、それはNPTへの完全復帰であり、IAEAの特別査察を含むすべての核疑惑を払拭する、完全に払拭するための作業、そしてそれは過去にさかのぼって行われなければならない、こういったことが保証をされるということが何より前提だということは、極めて明確に申し上げておりますし、アメリカもその線で話し合っておられるものと確信をいたします。
○伊藤(英)委員 今確信をされているというふうには言われているのですが、私の印象では、これはこの間新聞にキッシンジャーなんかも書いていましたけれども、やはり今のアメリカの北朝鮮に対する姿勢というのは、ちょっとその厳しさが足りないんじゃないかというふうに私は思いますね。事実、韓国の金泳三大統領も、これは私が見ていたニューヨーク・タイムズのインタビューだったと思うのですが、そこでもアメリカの軟弱外交、そういうものを批判をしたりしております。
 私は、日本もアメリカに対して軟弱なんじゃないだろうかという印象さえ持ちます。米国に対して日本としても厳しくこの問題はやるべきであるというふうに思いますが、もう一度どうですか。
○河野国務大臣 この問題について、アメリカ、日本、韓国、緊密な連絡をとっております。私は、先ほど申し上げましたように、この問題は我が国にとっても極めて重大な、我が国の安全にとって影響のある問題でございますし、それはただ単に我が国のみならず、国際社会にとっても極めて重大な問題でございますから、完全な疑惑の払拭が必要であるということについては繰り返し述べておりますと同時に、この線は譲れない線であるということが私どもの主張でございます。
○伊藤(英)委員 軽水炉転換の支援が四十億ドルぐらいとも言われたりいたしますね。あるいはそれを日米韓三国で行うんだとかといった話もあったりいたします。あるいはヨーロッパもということかもしれません。
 それから、朝鮮エネルギー開発機構というような国際機関を設立するというような話もあったりいたします。政府の方針はこれはどういうことでございますか。あるいはどのくらいの費用を負担しようということでしょうか。
○河野国務大臣 現在はまだそんな話まで全く進んでおりません。エネルギー機構をつくるとかどうするとかという話以前の問題として、北朝鮮がこの核開発疑惑を払拭する誠実な態度を示すということが何より重要であって、その態度が示されない限り、それ以上話は前に進まないというのが現在の状況でございます。
○伊藤(英)委員 そういたしますと、今のお話は、例えばその四十億ドルとどうのこうのという話は出たりいたしますが、そのような話は実際には全然出ていないという意味ですね。それは政府間でも話は出ていないという意味でしょうか。
○河野国務大臣 繰り返し申し上げるようで恐縮でございますが、米朝の話し合いは、極めてアメリカは粘り強く慎重な交渉をしておられます。これはもちろん交渉でございますから、一方だけではございません。双方がテーブルに着いて話し合いをしておられるわけですが、私どもはアメリカとは緊密な連絡をとりつつございます。
 で、金額の問題であるとか、どこが応援するかというような問題は、推測で語られることはあったとしても、現実の問題として金額その他が出るような段階ではございません。さらに、もう少し申し上げれば、例えば原子炉をどこにつくるかというのは、場所によっても基礎的な計算は違ってくるわけでございまして、今金額などについて話し合いが持たれるような状況では全くございません。
○伊藤(英)委員 まあこの軽水炉転換への支援云々という話がいろいろされたりするわけでありますが、そうしたときに、日本はODA大綱の中に、その原則の中に「開発途上国の軍事支出、大量破壊兵器・ミサイルの開発・製造、武器の輸出入等の動向に十分注意を払う。」という原則がございますね。この原則との関連で、北朝鮮支援の問題についてはどういうふうに考えますか。
○河野国務大臣 現在、北朝鮮とは国交もないわけでございまして、そうした問題以前の問題でございます。
○伊藤(英)委員 大蔵大臣、ありますか。
○武村国務大臣 答弁する立場じゃありません。
○伊藤(英)委員 今、北朝鮮の状況につきましては、いろんな見方が実は国内の状況について言われたりしているわけですね。きょうの新聞にも金正日さんが檀君陵のあれには出席しなかったという話も出たりしておりますが、いずれにしてもいろんな見方がされたりしております。
 そこで、社会党も日米安保条約堅持というふうに政策変更をされましたよね。それで伺うんですが、もし万一、今後北朝鮮情勢が悪化をして朝鮮有事というようなことが発生したときに、日米安保条約第六条に従って米国が事前協議で施設及び区域の使用許可を求めてきた場合には、日本はイエスと言われますか。総理、どうですか。
○村山内閣総理大臣 今、国際的な注目の中で米朝会談が粘り強く話し合いをされているわけです。私は、あくまでも話し合いで解決をされる努力がされておるし、日本もまた、韓国も中国も含めて関係諸国が力を合わせてそういう話し合いで解決ができるような側面的協力もしておる、こういう状況の中で、もしそんなことがなかった場合にということを想定した議論をすることは、そういう話し合いをしている過程の中では適当ではないのではないかというふうに考えています。
○伊藤(英)委員 総理は、日米安保条約は堅持と言われましたね。日米安保条約は堅持と、社会党もそうなった、そうですね。私は当然、もしもそういうときには、もちろんそのときは日本としてはイエスと言いますというふうに言うと思いますが、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 まあ万が一、一般論として、そういう事態があった場合には、それは憲法の許容する範囲内で可能な限りに協力をしなきゃならぬというふうに思っています。
○伊藤(英)委員 今の話は、米国が事前協議で施設及び区域の使用許可を求めてきた場合には、それは日米安保条約第六条に従ってイエスと言います、一般論として、という意味ですね、ということでいいですね。
○村山内閣総理大臣 いずれにしても、この日本の国には平和憲法があるわけですから、それは憲法の許容する範囲内で、仮に日米行政協定に基づいて話し合いがあれば、イエスと答える場合もあるし、ノーと答える場合もあり得ると思います。
○伊藤(英)委員 それでは、いわゆる有事法制について伺いますけれども、今までは社会党にとっても自衛隊についての思いもいろいろあったわけですから、なかなか難しい部分もあったのかもしれません。今や自衛隊の存在も認めたわけであります。そういう前提に立って、有事法制研究について総理の見解を求めます。
○村山内閣総理大臣 自衛隊の行動にかかわる有事法制の研究につきましては、自衛隊法第七十六条の規定に基づきまして防衛出動を命ぜられるという事態において、自衛隊がその任務を有効かつ円滑に遂行する上での法制上の問題については、これは政府部内で昭和五十二年から検討してきておるところであります。
 これまでに、防衛庁所管の法令及び他省庁所管の法令についての問題点を、昭和五十六年四月と昭和五十九年十月にそれぞれ取りまとめて公表されておると私は承知をいたしております。
 また、所管省庁が明確でない事項に関する法令につきましても、現在政府内で検討しておるというところでございます。
○伊藤(英)委員 今までは研究をしても、ある意味では棚上げしているといいましょうか、そういう状況ですよね。そうすると、これからは鋭意前向きにこれは検討を進めるという意味ですか、と解釈してよろしいですか。
○村山内閣総理大臣 国会における皆さん方の御議論も踏まえて、今後、そうした議論も背景にしながら慎重に検討させていただきたいというふうに思います。
○伊藤(英)委員 それは、慎重に研究、検討するというのがなかなかわかりにくい言葉ではありますが、日本としては、今自衛隊も先ほど申し上げたように社会党も認められた。本当にこの自衛隊法第七十六条に基づいて円滑にそれを運用することをしようと思えば、当然それはやらなければなりませんよね。そういう意味では、これから鋭意真剣に、前向きに、真剣に取り組まなければいけないわけでしょう、今。どうですか。そういうことだと思いますが、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 今お答え申し上げましたように、これから国会の中でも相当議論をされることだと思いますね。したがいまして、そうした国会の議論も踏まえ、あるいはまた国民世論の動向等も踏まえながら、この問題については一層慎重に検討してまいりたいということを申し上げておるところでございます。
○伊藤(英)委員 防衛庁長官、どうですか。防衛庁長官、いかがですか。
○玉沢国務大臣 ただいま総理大臣が御答弁をされましたが、同じように慎重に検討してまいります。
○伊藤(英)委員 それでは、北朝鮮有事といった場合に、もちろんそういうことがあってはほしくないわけでありますが、もしもそうしたときに的確に対応していくためにはどんな準備態勢、研究がされておりますか、防衛庁長官。
○玉沢国務大臣 防衛庁としましては、我が国の平和と安全を守るという任務遂行のために必要な研究は当然のことながら常に行っております。しかし、事柄の性質上、研究の内容の公表についてはまだ、ちょっと差し控えたいと思います。
○伊藤(英)委員 内容面についてはそういうことであると考えれば伺いませんが、じゃ、もしも緊急事態が発生した場合にはどのくらいの日数があったら国会に提出できますか。そのくらいの準備はされているわけでしょう、いろいろ研究もされている。もしも起こったら、どのくらいの期間があれば国会に提出できると思っていますか。
○村田(直)政府委員 お答え申し上げます。
 今防衛庁長官からも申し上げましたが、政府部内において、従来から先生御指摘のようなことについてそれぞれの省庁において研究を進めておるわけでございます。
 しかし、まだ現在の状況は、それぞれの事項についてそれぞれの省庁が研究をしておるという状況で、政府部内で公式的な調整を行っておる状況ではございません。したがって、これからの状況の推移にもよりますが、現時点でいつごろまでにそのようなものが国会に提出できるかというような状況はまだございません。
○伊藤(英)委員 いや、いつ出せるかじゃなくて、もしもある事態が発生したときに、そこからどのくらいの期間でということでありますが。
○村田(直)政府委員 まず、防衛庁についてというお尋ねでございますれば、防衛庁について言いますと、まず現行法制において何ができるかというようなことを勉強しております。現行法制において、前回の国会でもいろいろ御質問いただきましたが、自衛隊法八十二条の問題とかいろいろの問題がございますので、そういうような現行法制でまず何ができるか、また、現行法制でできないことにはどういうことがあるか、それについてはどのような対応措置を考えねばならないかというようなことについて、防衛庁として研究をしておるところでございます。
 ただ、その内容については、先ほど大臣からも申し上げましたように、事柄の性質上、現在まだ御報告できない状況でございます。
○伊藤(英)委員 実は私は、総理、やはり国にとって最大の問題は、いわゆる危機に対してそのときは一体どうするだろうかという、いわゆる危機管理ということは最も重大なことですよね。今のような話なんか聞いたりしていますと、本当はそれ、一体どうなっているかわからぬなあという、これは総理も、私はそういう印象だと思うのですよ。
 そういう意味では、今後まさに日本としては、そういうことについて今こそ真剣に検討をすべきだと思いますが、どうですか。
○村山内閣総理大臣 先ほど来答弁しておりますように、国会でも十分またこの問題についてはあらゆる角度から議論されることでありましょうし、そうした議論を受けて、国民の世論がどういうふうに動いていくかといったようなことも見きわめながら、政府としては慎重に検討させていただきたいということです。
○伊藤(英)委員 私は繰り返して申し上げますが、これは社会党も、自衛隊についてもあるいは日米安保条約等々につきましてもまさに大きく政策を転換された、こういうふうに言っているわけでありますから、そういうことをベースにして真剣に私はぜひ取り組んでいただきたい、このように思います。
 次に、今の日本の経済と円高の問題についてお伺いをいたしますけれども、最近の日本経済は、景気回復の兆しは見えたとはいいながらも、なかなか大変な状況にまだあるわけでありまして、一番の問題はやはり設備投資の回復がおくれているということですよね。それにさらに日本の現在の円高というものがますます重要な問題をもたらしつつある、こういうふうに思います。
 例えば、製造業の設備投資の状況を見てみましても、ことしの計画で見ますと、九四年度の計画を見れば、国内では四%減少、ところが海外への投資は一八%増というような状況も起こっているわけでありますが、こうした状況は日本のこれからの、特に製造業についてますます空洞化を招いていくだろう、こういうふうに思いますが、いかがですか。総理、どんなふうに思いますか。
○村山内閣総理大臣 今委員御指摘のように、個人消費の伸びやあるいは公共投資の円滑な遂行等と、いろいろ相まちまして日本の経済もやや持ち直しの傾向が見えてきておるということは否定できないと思います。
 ただ、その反面、今御指摘のございましたように、この円高等による懸念材料もございまするし、依然として深刻な雇用問題もあるということもやはり注目をしていかなければならぬと私は考えています。
 で、こうした円高の状況に対して、先般のナポリ・サミットでも議論をしてまいりましたし、同時に、先般のG7の蔵相・中央銀行総裁会議におきましても、為替相場の安定の必要性について、特に我が国からも強力に主張して、一定のコミットメントが確認された、こういう状況になっております。
 我が国としては、為替相場が思惑等によって短期間のうちに大きく変動する不安定な状況にあることは決して好ましいことではございませんから、今後とも相場の動向には十分注視をしながら、為替の安定のためにあらゆる角度からやはり努力をしていかなきゃならぬというふうに考えているところであります。
○伊藤(英)委員 今の為替水準が大体維持されますと、持続されますと、あるいはもっと円高にいくかもしれません。そういう状況になっていきますと、当然のこととして日本の企業の海外移転、空洞化ということが起こりますね。そうすれば、もちろん日本の法人税や事業税等の減少ももたらすことになる。そして、製造業の就業者の減少を招くことになりますね。もちろんそれは、所得税や住民税、その分について言えば、それも減っていくことになります。あるいは、技術や技能の空洞化ということも招きます。
 ちなみに申し上げますが、例えば一九八〇年代の初めぐらいに私はアメリカに住んでおりましたけれども、アメリカがおかしくなっていったときは、製造業がどんどんおかしくなってきた。それによってそこでの技術開発力がどんどん落ちてくる、技術がどんどん落ちるという状況が生まれるわけですね。そういう状況が起こっていく過程にあると私は思うのですね。
 だから、現在の為替水準が今申し上げたように空洞化をもたらす、そしてそれが日本にとって重大な問題になっていくだろう、この危機意識を、私は大変大きなものだと思っているのですが、この状況について、今大変な状況にあると思うのですが、その危機意識を総理はどのように考えられますか。
○村山内閣総理大臣 今御指摘のように、急激な円高などが背景になって、製造業を中心にしてそうした円高の行き過ぎが国内製造業の空洞化、ひいてはこれがまた雇用に悪影響を与えるといったような懸念があることは、今委員が言われたとおり私も認識をいたしております。
 こうした状況のもとで、その対応をどうしていくかということにつきましては、やはり日本の産業の高度化をさらに進めていく必要がある。したがって、政府としては、新たな市場の創造や内外価格差の是正の観点から、規制緩和は一層推進をしていく必要がある。同時にまた、我が国産業の新規の事業分野にどんどん開拓ができるような積極的な取り組みを各民間企業にもしてもらう必要があるし、そうした民間企業に対して政府も積極的に協力をして、支援をしていく必要があるというふうに思いますし、とりわけ、研究開発や学術の振興など未来への発展基盤をどうつくっていくかといったような問題についても、人や物の流れを変えながら企業活動をもっと根底からやはり変革していく、こういう可能性を大いに追求していく必要がある。
 そのために、民間と政府が一体となって推進をしなきゃならぬというふうに考えておりまするし、とりわけ一番可能性の高い情報化の推進等については、これから政府としても積極的に取り組むだけの体制を整えて、今万全の策を講じているところでございます。
○伊藤(英)委員 今、総理としては、現状の厳しさ、その危機状況についても認識もされ、今後の対策につきましても触れられました。
 先ほど総理が、ナポリ・サミットの問題やら、あるいはG7の話なんかもされたりいたしました。私は、あのサミットあるいはG7等についての為替の問題について言えば、日本にとって失敗じゃないかというくらいに思うのですね。大蔵大臣もいろいろ主張されたようには伺います。しかし全体から見れば、為替はまあいいじゃないかというくらいの結果ではなかったか、私はこう思うのですよ。だから、これは私は極めて重大な問題だ、こう思っていますし、日本としては、今の円高状況は極めて重大な問題だというふうな認識にならなければなりませんよね。そういうことで対策をとらなきゃならない。
 それから、それに加えて今後の対策という意味を考えれば、私は、補正予算を組んで内需拡大のためにさらに意を注ぐべきであると思いますが、いかがですか。
○武村国務大臣 為替の問題について御指摘がございますが、御承知のように、為替のマーケットは相当なスケールの金額が日々動いているわけであります。そういう中で、恐らく円高になったから失敗だというふうなお話だと思うのでありますが、ナポリ・サミットもマドリッドも、日本政府としては精いっぱいの努力をしてまいっております。
 そもそも、共同の認識というか、コミュニケすら必要でないという議論から始まっているわけでございまして、こういう急激な為替の相場の変動に対しては、やはりG7が共同して共通の認識を持つべきであるという主張から始まったわけでありまして、特にナポリ・サミットの場合は、発表されておりますように、これ以上のドル安は好ましくもないし、正当性もないと、アメリカも入れてそういう表現で締めくくっているわけであります。
 もちろん為替の相場そのものは、通貨当局が一々水準に対してコメントすることはできないわけでありますけれども、しかしいずれにしても、急激に思惑等によって、あるいは投機的な要素によって為替相場が変動することに対する危機意識、これを避けなければいけないというG7の通貨当局の共通のコンセンサスをしっかり持つことができたということであります。先般のマドリッドにおきましても、改めてその議論をしながら、一層緊密な協調体制を組んでいこうという表現でお互いに統一したわけであります。
 ちなみに、けさは百円台にやっと戻っているという状況であります。
 産業空洞化等のお話もございましたが、円高の影響が出ていることも避けがたい事実であろうかと思いますが、同時に、東南アジア、中国の経済がぐんぐん第二次産業を中心にして成長を遂げてまいりますと、かつての日本とアメリカの関係のように、今後、日本と東南アジア、アジア全体との関係がなっていく心配もあるわけでございます。
 雇用問題、賃金等の問題も絡まっているわけでございまして、総理がおっしゃったように、新しいビジネス、新しい時代に適応した産業をどう興して新たな雇用を吸収していくか、そのことに真剣に目を向けていかなければいけないというふうに思っております。
 補正予算については、今のところ考えておりません。一般的には、災害あるいは義務的な経費等でやむを得ない事態が起これば補正予算の可能性はあるとは認識いたしておりますが、今、景気対策として補正予算を考えてはおりません。
○伊藤(英)委員 あと数分ありますが、これは総理でしょうか、外務大臣、総理かな。
 きのう、国連安保理の常任理事国問題について、立候補じゃないよと、システムの話を外務大臣も言っておられましたけれども、ちょっと確認をいたしますが、いずれにしても、常任理事国となる意欲を示されたわけですね。それは国連憲章を、結果としては国連憲章が改正されて初めてこれはできるんだよという意味ですね。
 その国連憲章の中に入れられるときに、気持ちとしてはそのときに、例えば軍事的貢献はしないというか、あるいは何らかの留保条件をつけた形で日本がその中に入る形で批准をしてもらうことを考えるのか。入るんだけれども、入りたいんだけれども、しかしそのときにどういう、例えば軍事的貢献というのはどれだけのどういう定義かということはあるわけでありますが、ともかくそこでどういう行動をとるかということはそのときどきの政権が決めることだというふうに考えるのか。これはどちらでありますか。
○河野国務大臣 国連憲章には、常任理事国になろうとなるまいと、新たな義務が課せられるということは書いてございません。したがいまして、留保条件をつけるとかつけないとかという、法的に留保条件をつけるかどうかなどという議論をする必要はないわけでありますが、私が国連総会で申し上げましたのは、我が国には憲法があって、その憲法の範囲内で国際貢献に協力をする、どこの国もその国の持つ憲法の範囲内で国連に貢献をしているのでございますから、我が国もそういうことであるということを申し上げただけでございます。
○伊藤(英)委員 もちろんそのとき、拒否権については、もちろん拒否権つきの常任理事国と考えているということですね。
○河野国務大臣 拒否権については実はさまざまな議論がございます。拒否権というものが民主的なものであるとかないとかということを含めて、さまざまな議論がございます。しかし、現在我が国がとっております態度は、常任理事国というものは、いずれにせよ常任理事国というものの中に拒否権を持つ常任理事国と持たない常任理事国があるということは好ましいことではない、そうあるべきでないというのが現在我が国のとっております立場、態度でございます。
○伊藤(英)委員 終わります。どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、山田宏君。
○山田(宏)委員 おはようございます。初めて質問に立ちますけれども、こういった機会を与えていただきまして心から感謝を申し上げます。精いっぱいやらせていただきますので、よろしく御答弁をお願いいたします。
 私は、まず最初に、村山政権の政治倫理への取り組みについて御質問をいたします。
 村山総理、あなたは、竹下元首相の自民党会派への復帰についての公明党の近江議員、日本新党の松岡議員の代表質問に次のように答弁をされております。
 これは書き写したものですからそのままじゃないかもしれませんが、国会議員はすべて政治倫理綱領により、疑惑が指摘されたときはみずから潔白を証明する義務が課せられていることは、御承知のとおりです。先ほど、竹下氏に関する御質問に対しましては、今申し上げましたような倫理綱領に基づくそうした観点からの解明が不十分だったと考え、社会党としても辞職を求めたと私は理解しております。政治改革の原点は、腐敗の根絶であり、現在自民党も含め与党として徹底的な腐敗防止の確立に努めているところでございます。私は、こうした努力によって、個々人の問題を超えて政府全体として政治改革が大きく進むことを期待しております。
 松岡議員の質問に対しても同じようなお答えでございますが、この答弁の要旨で大体間違いございませんか。
○村山内閣総理大臣 本会議で答弁したことには間違いございません。
○山田(宏)委員 私にはちょっと意味がよくわからないのですけれども、この中で、個々人の問題を超えて政府全体として政治改革が大きく進むことを期待しているという、この意味はどういう意味でしょうか。個人の問題を超えてというのは、要するに個人は関係ない、制度を変えればこれからはいいんだ、こういうようなお考えのように聞こえるのですが、そのとおりでしょうか。
○村山内閣総理大臣 前段に、政治家も政党も襟を正し、政治倫理を重んじた対応を行っていくことは当然であるというふうに申し上げているわけですね。
 したがって、政治家個人もその倫理はしっかり守ってもらわにゃいかぬ、同時に、政党全体、政治全体はやはり国民から信頼されるような、腐敗防止も徹底するし、正すところは正して、そしてきちっとした姿勢を示す必要があるという意味で申し上げたわけです。したがって、個人はどうでもいいけれども政党がしゃんとせにゃいかぬという意味で申し上げたわけではございません。
○山田(宏)委員 そうすると、要するに個々人の問題も十分これからも追及をされていかなければならない、こういうふうに受け取ってよろしいですか。
 この竹下元首相にかかわる疑惑というのは、内閣成立に関して暴力団が関与していた、こういったことでございましたけれども、社会党は昨年の総選挙のとき、総理が持っておられるこの公約ですが、この中でいろいろなことを書いておられるのです。例えば、
  繰り返される政治家とカネにまつわる不祥事
 は、自民党長期一党支配による、政官財の癒着
 構造から発生したものです。このために自民党
 は、社会党など野党の疑惑解明と政治倫理の確
 立に頑強に反対しつづけてきました。しかも、
 竹下内閣の誕生に暴力団が関与していたという
 憲政史上最悪の事件に関して提出された、竹下
 元首相に対する議員辞職決議案の審議すら拒否
 したのです。
こういうふうに、これは社会党のこの間の総選挙の公約ですけれども、先ほど総理は、自民党は変わられた、こうおっしゃいましたけれども、この公約を出されたときの自民党と変わったのでしょうか。
○村山内閣総理大臣 あの当時は、疑惑を解明するために予算委員会で証人喚問の要求もするし、同時に証人喚問も行って、そして可能な限り国会の中でその解明のための努力をしてきたわけです。
 そういう経過も踏まえて、国会全体が、国民的な信頼をなくした、お互いにここは反省してもっと徹底した腐敗防止をやるべきではないかというので政治改革が課題になって、そして、選挙制度も変えよう、同時に政治資金規正法も公職選挙法も見直して、それだけでは不十分だからなおかつ連座制も強化してさらに粛正をしていこうじゃないかというので、与野党で今議員立法の形でも国会に提出されておると聞いておりますけれども、そういう全体の努力をすることによって私は政治全体が浄化されるし政治の信頼も回復されるものだというふうに思っておりますから、そういう努力はこれからも引き続き続けていかなければならぬというふうに理解をしているところであります。
○山田(宏)委員 そういう努力というのは、やはりこういう疑惑が解明されてないものはこれからも与党の中で解明に努力をしていく、こういうことでしょうか。
○村山内閣総理大臣 疑惑を解明する必要があれば、当然疑惑は解明されるべきものだというふうに思います。
○山田(宏)委員 今必要があるとお考えでしょうか、現在の状況で必要があると。竹下元首相の問題で、疑惑解明の必要がある、こうお考えでしょうか。
○村山内閣総理大臣 事実関係が提起をされて、そしてその事実関係に基づいて解明する必要があるというふうに判断されれば、それは解明する必要があると思いますけれども、まだ今その事実関係がここに提起されているわけではありませんから、お答えのしようがございません。
○山田(宏)委員 この間の経緯は、辞職勧告決議案が出されて、そしてそのままになっているように思うんですね。
 それからまた、だからこそ社会党は去年の選挙に当たって公約をこのように書いたわけですから、それから一年の間にどれぐらい変化があったのかというと、国民はみんな、まだ何も変化がないんじゃないか、こう思っているので、やはり今までの公約のとおり、総理は、この問題についてはきちっと決着をつけるように努力をしていただきたいと思います。
○河野国務大臣 竹下議員の問題は、山田議員も御承知と思いますけれども、あの言われております問題に端を発して、選挙の際に公認を御自身辞退をなさいました。これは、我が党の党籍は引き続きお持ちでございましたけれども、御自身、党の公認を辞退をされて、全く無所属で、一個人として選挙民に問うということで、選挙には無所属で立候補をされて有権者の判断を問われたわけです。そして、当選をして出てこられました。現在、この国会が始まるまで無所属ということでおられましたけれども、県連その他の要請がございましたので、私どもは再び会派に入っていただくという決定をしたところでございます。
 山田議員からのいろいろのお尋ねでございますが、一つは、選挙に当たって御自身が個人の立場を選挙民に説明をして選挙民からは支持を得たという事態が、選挙前と選挙後とは全く違うというふうにお考えをいただきたいと思います。
○山田(宏)委員 河野外務大臣は、新自由クラブを結成をされて、大変政界にも大きな貢献を残された方であります。そういった意味では、選挙を通れば疑惑は解明されたと見るという言い方は少し河野外務大臣らしくないのではないか、こう思うのですけれども、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 この問題が事件として、例えば司法の場で裁かれるとかという問題であれば、それはまた別の問題であろうと思います。この問題は、御自身が道義的責任を感じて公認を辞退をされて、繰り返しになりますが、個人の立場で選挙民に自分の立場、考え方を述べて、そして選挙民がその主張、立場を了とされたということは、これは、我々選挙で選ばれた仲間、同じ立場の人間としてこの立場は重く見ていいのではないかというふうに私は思います。
○山田(宏)委員 では、かつてこの問題を追及をされてこられた社会党の大臣の方にお聞きをしたいと思いますが、この問題は疑惑は解明されている、こうお考えですか、山口総務庁長官。
○山口国務大臣 総務庁とはかかわりがございません。
○山田(宏)委員 今、総理にもお考えをお聞きしましたので、総務庁ではなくて政治家個人として、この問題について、与党の内閣の一員としてのお考えをお聞きしたい。
○山口国務大臣 我々はポケットに政治倫理綱領を持っております。政治倫理綱領を政治家一人一人は忠実に守るべきものである、そういう立場から、この問題についても、竹下さん御本人が対応すべき問題であるというふうに考えております。
○山田(宏)委員 かつての社会党の議会のまさに申し子というか、議会の子である山口総務庁長官のお話とは思えなかったのですが、大出大臣、どうでしょうか。
○大出国務大臣 今、山口さんからもお話ございましたが、倫理綱領もございます。したがいまして、やはりこれは、御本人が皆さんの疑惑に答えるという意味で対処をなさる筋合いのもの、こう考えております。
○山田(宏)委員 これは、どなたに聞いても多分同じことだと思うので、一番答弁の期待の持てる、科学技術庁長官の田中眞紀子長官にこの問題についてのお話をお聞きしたい。
○田中国務大臣 お答え申し上げます。
 このテーマは極めて非科学的な問題でございまして、科学技術庁長官たる私がお答えすることかどうかとは思いますが、せっかくのお尋ねでございますから申し上げますが、これは政治倫理の問題でございます、おっしゃるとおりでございまして。それは周りの方に、人に迷惑をかけないということが基本、その次は、みずからをいかにして律するかということというふうに思っております。これに尽きます。
○山田(宏)委員 余りこの問題ばかりやっていてもしようがないのですが、田中長官、これ新聞の記事ではっきりお答えになっているわけですよね、この問題については。少なくとも党員の大多数が担っている方向とは違っている、執行部がどの程度権限を持っているかにもよるが、議員総会で採決すべきことだと激しく批判した、こう書いてあるのですが、これは、それじゃこれとは違う意見だということですね、今。
○田中国務大臣 繰り返しになりますけれども、御本人がみずから律するべきことだろうというふうに思っております。
○山田(宏)委員 今の御答弁をお聞きしておりますと、今までの内閣とも余り変わらないという印象を大変強く受けました。
 もう一つ、先ほどちょっとCIAの問題がありましたので、関連してお聞きをしたいと思うんですが、先ほども外務大臣お答えになりました。そんな事実はないとはっきり否定をされておりますが、この報道がされてからまだ数日しかたっておりませんが、どんなような調査をされてそういう御判断をなさっておられますか。
○河野国務大臣 先ほどお答え申しましたように、この記事が出る前にニューヨーク・タイムズから問い合わせがございました。事務局長を初め事務当局に調査をするようにという指示を、私から直接ではございません、問い合わせがありましたのは事務当局に問い合わせがあったようでございまして、党内で相談の上、事務当局、調査をし、先ほど申し上げたような回答をしたところでございます。
○山田(宏)委員 短い期間ですから我々もわかりませんが、その調査の結果、CIAから資金援助の申し入れがあったという事実もありませんか。
○河野国務大臣 先ほども申し上げましたように、四十年前のことでございます。四十年前に問い合わせがあったかどうかという記録が残っているというふうに私は常識的に思いませんが、党の事務当局は誠実に調査をしたというふうに言っております。
○山田(宏)委員 実はここに一冊の本がございます。これは、前自民党の代議士で、元防衛庁長官を務められました栗原祐幸先生の「大平元総理と私」という本でございます。大平元総理のいろいろなエピソードを書いておられて、大変おもしろく読ませていただきましたけれども、この中に、大平さんから聞いた言葉で一行があります。ちょっと読ませていただきますが「また、田中さん」田中角栄さんですが、
 田中さんについては、ロッキード事件の捜査が
 いよいよ核心に入り、ついに田中さんが逮捕さ
 れた夜、私に語った話が忘れられない。
この後は大平さんの言葉だと書いていますが、
  「今日は何とも言いようのない淋しい日だ。
 まさか田中君が外国から金をもらった容疑で、
 逮捕されようとは夢にも考えていなかった。実
 は俺が池田内閣の官房長官のとき、アメリカの
 CIAから、選挙に必要なら軍資金を供給する
 という申し出をうけたことがある。
  このとき、金は欲しいと思ったが、外国の金
 は絶対に受けてはいけないと心に鞭打ってこと
 わったものだ。このことは田中君にも話し、彼
 もそうだと同調してくれた。それだけに、もし
 容疑が事実なら、全く悲しいことだ。今にして
 思うと、もっと田中君に強く言っておけばよ
 かったと悔やんでいる」と。
こういうふうに大平さんの言葉を引用されております。これは、人の伝聞の話ですから、そのとおりとは言えませんけれども、こういうのを読んでみても、やはり何か関係があるというふうには思うと思うのですね。
 だから、やはりきちっと調査をしていただきたいと思いますけれども、かつて自民党も、社会党への資金援助、旧ソ連共産党からの資金援助疑惑に関して、ロシアで詳細な調査をされて、大原調査局長による徹底した報告書が明らかになりました。社会党は、当然全面否定をされておりましたけれども、外務大臣、みずからの党の問題に関しても、同じ熱意と迫力で徹底解明をすべきだ、こう思っておりますけれども、どうでしょうか。
○河野国務大臣 我が党の名誉に関することでございますから、徹底的な調査はしなければならぬと思います。調査はしなければならぬと思いますが、私は、我が党の事務当局を信頼をいたしておりますから、事務当局の調査、これが何より私が信頼すべきものだというふうに思います。
○山田(宏)委員 社会党の問題もうやむやになっておりますけれども、今外務大臣おっしゃられたとおり、自民党は、みずからの名誉をかけて事実を調査して、もし事実無根ならニューヨーク・タイムズに抗議を申し入れたり、また、名誉棄損の訴えを起こすべきと考えますけれども、どうか。もしこれが事実無根なら、自民党のみならず、我が国の政治そのものに対しての侮辱だと私は考えておりますが、いかがでございましょうか。
○河野国務大臣 先ほど来から繰り返しお答え申し上げているとおりでございます。
○山田(宏)委員 それでは、次に、社会党の理念や公約について伺います。
 私は、社会党が時代おくれの理念や政策を捨てて大人の政党になることは大いに歓迎するものであります。しかし、その理由が、委員長が首相になったからというのでは余りにも便宜主義ではないかと思います。きょうまでの議論を拝聴しておりますと、消費税、自衛隊などの政策の大幅な変更について、歴史の状況が変化したとか、また、責任ある立場についただとか説明されておりますけれども、私は、国民にはまだまだ説明が不十分だと思います。
 きのうの約束を守れない者がきょうの約束をあす守る保証はないのであります。首相は、急に変わったのではない、状況の変化の中で長い間にわたり党内で議論を積み重ねた結果だというふうに御答弁されました。私は、これは永田町の論理で、党内の議論はあったかもしれないけれども、社会党は公党でありますから、公党として全国民に公約や理念の変更を事前に語りかけ、説明し、そして説得をしたんでしょうか。党内でやったかもしれない。しかし、国民に対してそういう手続を踏んだのかどうか。そこがないからここまで議論になるんだと思います。
 社会党は、これまでの誤りを素直にきちんと総括をすべきであります。そして、その総括をするのはこの臨時国会以外にないんだろう、こういうふうに思っておりますけれども、総理、いかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 これまでもたびたび御答弁申し上げましたけれども、社会党が政策を変更いたしましたのは、急に思い立って突然変異で変えたというものではないんです。これは、これまでも一貫して御答弁申し上げておりますように、もうソ連が崩壊をする、ベルリンの壁が取り除かれる、あるいは東欧は自由と民主主義を求めて解放される、そういう全体の状況の中で、米ソ超大国が対立するという冷戦構造が崩れてきた。その冷戦構造の中では、社会党はやはり中立を守り非武装を守って軍拡を可能な限り阻止していこう、そして平和憲法を守ろう、こういう運動を粘り強く執拗に続けてきたんです。
 そういう歴史的な経緯の中から、先ほど来申し上げておりますように、自衛権は認める、その自衛権に基づいて必要最小限の実力組織は憲法に違反をしないという方向を一応確認をするに至ったわけです。これは、そうした背景の変化、それから国民意識の変化、さらには連立政権が組まれるという日本の政治情勢の変化等々の中で、社会党は国民のためによりよい選択をしていくという意味でそういう政策転換を行ったわけでありますから、その点については御理解をいただけると思うのです。
 私は、そういう意味で、どういうふうにして国民の了解を得たかということにつきましては、これは、社会党というのは各県にそれぞれ組織があるのですよ。それぞれの県の組織の中でもこうした問題は十分議論されておるわけです。その議論の過程というのは、やはり国民の皆さんにも十分知っていただけるように開放された立場で議論していますから、したがって、そういう積み上げの中で全国大会に結集をされて、そして全国大会でさらに議論をされて最終的な結論を出す、こういう民主的な手続をとってやってきておるわけであります。
 私は、先ほども申し上げましたように、一応約束した政策は、公約は、これはしっかり守らなきゃならぬのは当然だと思います。しかし、そうした情勢の変化の中でよりよい選択をしていくという、ある程度のやはり選択の裁量の幅というものはあっていいのではないかというふうに考えておりますから、したがって、それは政治家がそれぞれの政治家としての責任において判断をすべきことではないかというふうに思っておりますから、今回の選択は決して公約に違反するものではない、私は、社会党はそれなりの歴史的な役割は十分果たしてきたその成果だというふうに確認をいたしておるところであります。
○山田(宏)委員 公約違反なのか、公約を放棄されたのか、その辺は議論があるところでしょうけれども、私なりに、自衛隊の問題、憲法の問題ですけれども、大事なことなので数点伺いたいと思います。
 まず一般論として、総理、憲法の解釈というのは、幾つもそういう解釈があるというのが普通なんでしょうか。それとも、基本的には憲法の解釈というのは一つなんでしょうか。また、憲法の解釈は時代や状況によってどんどん変わっていくものなんですか。それとも基本的には変わらないものなのか。まず、基本的なこの点のお考えをお聞きしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 憲法の解釈は、私は変わるべきものではないというふうに思います。
○山田(宏)委員 憲法の解釈は変えられないということですよね。そうすると、社会党はこれまで自衛隊は違憲と言ってこられました。総理、あなたが昨年委員長に選ばれたときの就任のあいさつ、去年の九月二十五日ですけれども、これは「月刊社会党」の記事ですけれども、十七ページに、「現状の自衛隊に対する社会党としての認識をあえて問われるならば、「違憲」と言わざるをえません。」去年の九月二十五日のことであります。
 あれから今一年余りですけれども、現状の自衛隊は、このころですね、九月二十五日の、現状の自衛隊は違憲と、こうおっしゃっておられて、なぜ一年たって今合憲になるんですか。この一年で自衛隊の現状に変化がないのに、同じものを、去年は違憲と言い、ことしは合憲と言う。この辺の説明をしてください。
○村山内閣総理大臣 政治家は、やはり政策の議論をするんですね。したがいまして、私は先ほどから申し上げておりますように、この一年半、一年半ぐらいの問題ではない、もうずうっと以前からこの問題については党内で議論をしてきているわけですよ。その議論の集積の中で九月三日の全国大会で結論が出された、こういう経過があるわけですね。
 したがって、私は、自衛隊が憲法に違反するかどうかということを厳密に議論をすれば、これはまだ憲法学者の中にもいろいろ議論がありますし、同時に、最高裁もこれはなじまないといって判決を出してないんですよ。出してないけれども、しかし、この国会では自衛隊法という法律も制定されているんですよ。したがって、そういう現状を考えた場合に、私は政治家として、今の必要最小限度の自衛組織については、自衛権を認めるということの前提に立つ限りにおいては違憲でない、こういう判断をするに至ったということを申し上げておるわけであります。
○山田(宏)委員 そうすると、去年の九月二十五日の御発言というのは、これは違憲とは思っていなかったけれども、一応、立場上違憲とお話しになったということですか。
○村山内閣総理大臣 何度も申し上げておりますように、そうした国際情勢の変化やらあるいは国民世論の動向やら、あるいはまた連立政権を組まれてきたという政治的な情勢の変化やら、そういう全体の動向を踏まえて判断をするという立場は、政治家としてあり得ていいのではないかというふうに考えています。
○山田(宏)委員 昨日、総理は重大な発言をさりげなくされております。これはメモですから、ちょっと違ったら申しわけございません。自衛隊合憲論への変化の説明の中で、かつては米ソ対立の中で軍拡競争が行われていた。そして、当時の自民党も軍拡の危険性があった。だから、それに抵抗するために違憲と言ってきた、このような御趣旨の御発言がございましたけれども、この記憶で正しいでしょうか。
○村山内閣総理大臣 誤解されると困りますけれども、抵抗する手段として違憲を叫んだという意味ではないのですね、という意味ではないのです。やはり、平和憲法に基づいて、そういう軍拡はやめるべきだという憲法の精神に基づいて運動を展開してきたというふうに御理解をいただきたいと思います。
○山田(宏)委員 総理は先ほど、憲法の解釈というのは基本的には一つだ、こうおっしゃっておられたですよね。自民党の軍拡路線に対抗するために、憲法の解釈上違憲と言うのは自然だったと。国の最高法規の解釈は、その条文から自然に導き出されていくべき話であって、政治状況の変化の中で憲法を恣意的に、便宜的に解釈をしようということにこれはつながるんじゃないかと思うのですね。こういうような憲法への対応というのは、護憲という姿勢とはかけ離れていて、都合によって幾らでも変わる、改憲論に近い、むしろ憲法を破壊していくような、破壊する改憲に近いのじゃないか、こういうふうに私は思います。
 まだ速記録がないので何とも言えませんが、もしその趣旨の発言があったとすれば、憲法を遵守すべき総理大臣の発言としては、私は穏当を欠く発言だったと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○村山内閣総理大臣 私は、そうは思っておりません。
○山田(宏)委員 それじゃ、去年とことしの違いは、それはやはり憲法の解釈を変えた、変えたんだけれども、かつて、一年前の解釈または二年前の解釈は誤っていた、こうお認めでございますか。
○村山内閣総理大臣 社会党は、発展的に方針と政策を転換したということであります。
○山田(宏)委員 ちょっと議論がかみ合わない。
 お聞きになったとおりでありまして、発展的にいろいろと解釈が変わってくるというのはもう自然だというのが総理のお考え、こう考えてよろしいですね。
○村山内閣総理大臣 そういう、先ほど来申し上げておりますような情勢の変化に対応して、社会党はこれまでの運動の経験も踏まえた上で発展的に政策の転換を図っていった。これからはやはり、日本の安全保障の問題等については、共同の土俵の上でお互いに十分議論し合っていこう、こういうところに社会党は立ったんだというふうに御理解をいただきたいと思います。
○山田(宏)委員 現在は私はいいと思うんですね。だけれども、過去のちゃんとした説明がなければやはり現在は信じられないという声が絶対に上がってくる、また変わるんじゃないか、こういう感じがいたします。
 ちょっと時間をオーバーしているので、次の質問に移りますが、総理、総理は五カ月前の五月十二日の代表質問で、当時の羽田首相に歴史認識と戦争責任に関する御質問をされました。その中で、侵略戦争という言葉を数度にわたって使用されておられますけれども、ここにその質問があります。まあ、これを出していくと長くなりますので割愛をいたしますけれども、総理は、首相就任後、一切この侵略戦争という用語は使わずに、侵略的行為と言いかえておられますけれども、この侵略戦争と侵略的行為、どこが違うんですか。
○村山内閣総理大臣 連立政権というのは、それぞれの党が持っておる理念や政策をそのまま貫き通していけるのなら、これは三つの連立政権にはならないと思うんですよ。単独政権とは違うんですからね。したがって、お互いの持っておる理念や意見を出し合って、そして合意を求めていくというところに連立政権の意味もあるわけですから。
 したがって、私は、この連立政権は、従来の政権の外交的な問題等については継承していく、こういう路線をしいているわけでありますからね。したがって、侵略的行為やあるいは植民地的なやり方について、いろんな迷惑をかけておるという表現を使わしてもらっておるわけであります。
○山田(宏)委員 じゃ、ちょっと質問を変えたいと思いますけれども、この間の大戦から半世紀を経過しようとしております。今改めて国民の間においてもあの戦争の意義について問い直されているところでございますし、総理もたびたびそのことには言及をされてこられました。
 一体、現在どのようなあの戦争に対しての感想をお持ちなのか、総理の御見解をお聞かせください。
○村山内閣総理大臣 私は、本会議でも申し上げましたように、あの戦争の、当時の日本の侵略的な行為やあるいは植民地的な政策というものは、関係の諸国にもう言葉で言えないような大きなやはり被害と迷惑と悲惨な状況をおかけしてきた。その厳しい反省は当然踏まえた上で、これからどう日本がその償いをして、平和のために貢献をしていくかということを真剣に考えるべきことであるというふうに受けとめております。
○山田(宏)委員 大変恐縮でございますが、同じ御質問を、自民党総裁いらっしゃらないので、橋本通産大臣。
○橋本国務大臣 大変恐縮でありますが、私の立場からお答えをすべきことではないと存じます。
○山田(宏)委員 それぞれの閣僚の皆さん方に、それぞれ政治家としてのこの過去の大戦についての信念をお聞きしておりますから、どうぞ御披瀝をいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 私は、従来から、例えば中国に対して、対華二十一カ条等、第一次世界大戦の途中の日本の行動以来、侵略行為があったということを考えてまいりました。また、朝鮮半島に対しては、植民地支配というものが行われた事実をそのとおり認めてまいりました。
 同時に、国会に出ましてから、第二次世界大戦中の各戦域に遺骨収集等に赴き、現地の人々からさまざまな話を聞いてまいりました。その中には、我々の先輩に対する本当にすばらしい手向けの言葉もありましたし、大変、次の世代として聞くことがつらいような思い出の話もございました。そうした中から私は、戦争というものを二度と再び起こしてはならないものと、そのように理解をいたしております。
○山田(宏)委員 亀井運輸大臣にも御見解を伺いたいと思います。
○亀井国務大臣 運輸行政には関係はございませんが、私の考え方を申し述べさせていただきます。
 私は、国家の歴史にはそれぞれ栄光の歴史もあれば無残な歴史もあり、反省をすべき歴史もそれぞれあると思います。
 近代史における日本の一つの誤りというのは、先ほど橋本大臣もおっしゃいましたけれども、やはり第一次世界大戦に参戦した後大きく私は道を誤ってきたと。特に対中国、これについて大変な誤りをしたと思いますし、韓国に対しては、やってはならない、いわば欧米の植民地勢力のまねをするというような、そうしたまことに間違ったことをやったと、このように私は考えております。
 以上です。
○山田(宏)委員 次に、国旗・国歌について伺いたいと思います。
 かつて社会党は、日の丸・君が代を国旗・国歌とは認めないという主張で、教育現場でも反日の丸・君が代運動を推進してきました。この認識は大方、つまり、こういう運動を起こしてこられたということは、運動をやってこられたということは正しい認識でしょうか、それとも間違っているのか。
 また、日の丸を国旗、君が代を国歌と認めなかったこれまでの理由をもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 日の丸を国旗として認めなかったという事例はないんですよ。なぜかといいますと、これは法律で日の丸が日本の国旗であるという規定はありませんからね。したがって、認める、認めないという問題では私はないと思うのです。
 ただ、歴史的な経緯の中で、あの戦争に対する反省等々を含めて、日章旗を先頭にしてどんどん侵略的行為がなされたと、やはりこういう経過を踏まえた場合に、そういう反省の一環として日の丸というものも真剣に考えるべきじゃないか、こういう意味で私は問題提起がされてきたと思うわけです。
 しかし、もう戦後五十年近くたった過程の中で、だんだんやっぱり日の丸というものは、もう国民の意識の中に定着しつつあるという状況も踏まえて、もう国旗というものは自然な姿の中で認めてもいいのではないか、こういう見解を申し述べたところでございます。
○山田(宏)委員 この間もその御答弁をお聞きしました。随分、自然なものとして日の丸や君が代が定着をしてきたという御判断をされていますが、国の方でもずっと日の丸や君が代についての調査を何度もされてこられております。
 これを見る限り、例えば、昭和五十年のもので大変恐縮でございますけれども、これはだらだら言っていてもしようがないんですが、一万人の人たちにアンケートをとった結果、例えば、日の丸の旗は日本の国旗とふさわしいと思うかどうか、これは内閣総理大臣官房広報室の資料でございますが、と聞いたところ、ふさわしいと思うという人が八四%、思わないという人が四%。
 また、国歌についてですが、君が代の歌は日本の国歌としてふさわしいと思うかどうかと聞いてみると、ふさわしいと思うのが七七%という数字が昭和五十年でももう出ていまして、その後をずうっと調べていても、ほとんど、数字が上がったり下がったりですが、この程度の数字で推移をしておる。
 これ、統計だけで物を判断はできませんが、しかし、いつどのような形で定着をしたのかというと、もう随分前からこれは定着をしていたと考える方が自然だと思うんですが、総理はどうお考えですか。
○村山内閣総理大臣 まあ、いつごろからそういうことになってきたかということを断定的に申し上げることはできませんけれども、しかし、戦後五十年近くになる歴史の経過の中で、それなりの時間の経過の推移の中で、そういう国民的な日の丸に対する意識というものは徐々につくられてきたものだというふうに私は思っています。
○山田(宏)委員 ちょっと質問の方向を変えたいと思いますが、平成五年度卒業式、六年度入学式における日の丸掲揚・君が代斉唱の取り扱いに関する教育処分の現状が、九月七日現在で全国で停職者二名、減給二名、戒告九名、訓告等二十一名で処分が行われております。文部省の学習指導要領の、国旗を掲揚し、国歌を斉唱させるように指導するものとするという方針に基づいてこういう処分が行われておりますけれども、この処分についての村山総理の御所見を伺いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 現場の実態については個々のケースがあると思いますから、ここで断定的にこれはいい、これは悪いという判断はできないと私は思います。
○山田(宏)委員 これは、事実を挙げていくと、いろいろここに事実が書いてありますが、この処分に関して、七月四日朝日新聞の朝刊に、岡崎トミ子文部政務次官は三日の日に仙台青葉区一番町三丁目の商店街で演説し、日の丸・君が代の扱いについて、どんなことでも強制があってはならないと、教育現場の判断を尊重し、掲揚や斉唱を児童生徒に指導しなかった場合の処分には否定的な考え方を示した、こういう記事がございます。総理は、この文部政務次官のお考えと同じですか、違いますか。
○与謝野国務大臣 我が国の教育は、もちろん教育基本法に基づいて行われておりまして、その一環として学習指導要領というのがございます。その中には、国旗・国歌について指導をするものとするということで、現場の校長先生初め生徒を教える方々にそういうものを教育するということを義務づけております。
 したがって、校長先生は、現場の監督の責任者といたしまして、学習指導要領に基づいて教育手順を決め、現場の先生方に服務規律に従っていろいろなことを指示するわけでございます。
 教師に対する処分、戒告等は、別に日の丸、国旗にかかわることだけではなく、校長先生の現場の責任者としての指示等に反した場合行われるわけでございまして、国旗・国歌だけを取り上げて論ずるということだけでは済まない問題であると思っております。
○山田(宏)委員 文部大臣に後でお聞きしようと思ったのですが、おいでになったので、総理、後でお聞きします。
 文部大臣は、学校行事での日の丸の掲揚・君が代の斉唱が義務化されているという御認識でございますか。
○与謝野国務大臣 学習指導要領におきまして、そのような機会に国旗を掲揚し、国歌を斉唱するということに相なっております。
○山田(宏)委員 それでは、総理に同じことをお伺いしたいと思いますけれども、国旗・国歌の掲揚・斉唱は義務化されている、学習指導要領で義務化されているという御認識でございますか、総理。
○村山内閣総理大臣 学校指導要領の中に「指導する」というふうに規定されているわけですね。したがって、これは指導を受ける側の立場からすれば、それはやっぱり日の丸というものをどういうふうに理解し受けとめておるかという心の問題ですからね。したがって、それを強制してどうということについてはやっぱり慎重な配慮が必要ではないかというふうに思いますから、やはり十分皆さんがそれに従っていただけるように指導していくという適正な指導は、どうもやっていただかなきゃならぬというふうに私は思っています。
○山田(宏)委員 ちょっと答弁が違うと思うのですが、文部大臣は、これは義務になっている、こうおっしゃっておられたのですよ。総理は、強制はしないのだ、強制するものではない、こういう御認識ですけれども、そうすると、この処分はどうなるのですか。
○与謝野国務大臣 学習指導要領は、国旗・国歌に関して、義務教育課程並びに高等学校の教育課程において「指導するものとする。」ということで、義務的にそういう責任を学校側に負わせているわけでございます。
 学校側としては、義務教育課程において九年間、高等学校においては三年間、そういう教育をいたします。これはやはり日本の国旗・国歌の意義、そういうものも教育いたしますし、また、諸外国の国旗・国歌に対してそれを尊重するという態度を教える、そういうこともやります。
 しかし、これはあくまでも教育的指導でございまして、その九年間あるいは十二年間の教育的指導を最終的に一人一人の生徒がどういうふうに受けとめるかということは、それぞれの生徒の精神の領域あるいは精神の内面の問題でございまして、そういう意味で、強制しないというのは、そういう国の力が個人個人の精神の内的領域には入っていけないということを言っているわけでございます。
○山田(宏)委員 学習指導要領というのは先生が守るべき基準でしょう。その場合、今ちゃんとした形がないと、教育現場が混乱すると思うのですね。
 今まで社会党は、君が代・日の丸は国旗・国歌と認めないという運動をされてこられました。何がそれで、この運動のおかげで残ったのでしょうか。我が国の未来を担う青少年が、その教育現場の長きにわたる混乱のおかげで、時には自殺者が出たりしたこともありました。
 今日、社会党は、いともあっさり君が代・日の丸を認めましたけれども、これまで反日の丸・反君が代の運動を教育現場で展開されてこられて、そのときに子供たちに与えた精神的な影響はどうだったのでしょうか。ここに責任を感じないと、やはりおかしくなっていく。自民党だって今まで君が代・日の丸のことを言ってきたのでしょう。これは国家の一番大事な問題でありますから、きちっとした見解を出していただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 日の丸、国旗に関して教育的指導をするということは、教育に関しまして学習指導要領というのが存在することは先生よく御承知だと思いますが、それの中に義務づけられていることでございます。したがいまして、学校の教育現場におきましては、校長が教育手順をつくり、その現場におられる他の教師を指導し、それに関しては生徒に指導していくということは当然のことでございます。
 しかしながら、先生がさっき引用されましたように、現場においては若干のトラブルが発生することもございます。例えば、国旗を引きずりおろすあるいは破る、こういうこともございますが、これに関しましては、当該学校を監督する教育委員会においてそれぞれ処分をしているところでございます。
○山田(宏)委員 総理、この学習指導要領の国旗の掲揚、国歌の斉唱問題については、これは義務化されていると考えておられるのか、それとも強制すべきでないとお考えなのか、もう一度答弁をお願いします。
○村山内閣総理大臣 今、いとも簡単にという表現がありましたけれども、これはいとも簡単に変えたのではなくて、先ほど来申し上げておりますように、そうした全体の動向というものも十分踏まえた上で、社会党の中ではやっぱり相当時間をかけてこれまで議論をしてきて、そして変えたわけですから、そういうふうに御理解をいただきたいと思うんです。
 それから、今お話がありましたように、教育指導要領の中には「指導するもの」というふうに規定されているわけですね。ですから、校長は先生方にそういう指導をしていくということになろうかと思いますけれども、その受ける側の立場からすれば、またいろいろ見解は私はあるんじゃないかと思うんですね。ですから、できるだけそういうトラブルが起こらないように、指導を適正にやっていくということが一番大事なことではないかというふうに考えています。
○山田(宏)委員 もう一言。
 前の学習指導要領は「指導するものとする。」じゃなくて「望ましい。」こう書いてあったんですね、御存じだと思いますが。それを「指導するものとする。」ということは、文部省としては義務化をさせているというふうに認識をされていると思うんです。
 ですからここが、じゃ総理の考えだと、望ましいと言ってもいいということですね。
○村山内閣総理大臣 「望ましい。」という表現から「指導するものとする。」というふうに表現が変わったのも、やっぱり日の丸に対する国民意識がだんだん定着をして、そして変わってきたという情勢の変化に対応して文部省の指導要領も変えられたんだと、私はそのように理解をしたいと思います。
○山田(宏)委員 要するに、そうすると、この新しい「指導するものとする。」という指導要領に従って、文部省の見解のとおり、これは義務化を認めているというふうに文部大臣は言ってこられたでしょう、今。
○与謝野国務大臣 確かに先生御指摘のとおり、平成元年に学習指導要領の中で、日の丸、国旗の扱いにつきましては「望ましい。」というものが「するものとする。」ということで、かなりその段階でこの問題についてははっきりしたわけでございます。これは、校長先生並びに当該学校の教師の方々が、日の丸、国旗について生徒に教育的指導をしなければならないということを義務づけたというふうに御理解をいただきたいと思います。
○山田(宏)委員 総理、今の文部大臣の見解でよろしいですか。大事な話ですよ、これ。
○村山内閣総理大臣 先ほど来私が答弁していますように、教育指導要領の中では「指導するものとする。」こういう表現になっているわけですね。したがって、この文部省の指導要領に基づいて、校長や学校の先生方はそういう指導をしなければならない。
 しかし、受ける側の生徒については、これはやっぱり心の問題ですから、したがって、それを強制してやるようなものではなくて、私は、その指導要領の中で「指導するものとする。」ということについては、そういうトラブルのないように適正な、いろんな各面から指導を行うべきものだというふうに理解すべきではないか、こういうふうに考えています。
○山田(宏)委員 最初の方を聞いていると何とかわかりそうな感じなんですが、後の方を聞いているとよく理解ができなくなっちゃうんですが、要するに、教員に対しては国旗の掲揚、国歌の斉唱は義務づけられている、こうはっきり申し上げてよろしいですね。――総理、総理。
○与謝野国務大臣 先ほどから申し上げておりますとおり、教育的指導をすることについては義務づけられていると、こういうことでございます。
○山田(宏)委員 総理、それでよろしいですか。
○村山内閣総理大臣 私は、言葉をそのまま素直に解釈したいと思うんですけれどもね。「指導するものとする。」と書いてありますから、指導するものとすると理解すべきものだと思います。
○山田(宏)委員 文部大臣の答弁と総理の答弁は随分やはりかけ離れておる。やはり一つに国家の考えをまとめていただきたいと思います。
○佐藤委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○佐藤委員長 速記を始めてください。
 ただいまの件につきまして、総理と文部大臣との答弁の食い違いがあるのではないかという御指摘もございますので、後刻、この件につきましては統一した見解を出していただきます。
 山田委員には質問を続けてください。
○山田(宏)委員 どうもありがとうございます。それでは統一見解をお待ちすることにして、次に行きたいと思います。
    〔委員長退席、池端委員長代理着席〕
 税制改革についてお聞きをいたしますが、総理はことしの三月の五日、社会党全国書記長会議の席上で、細川元首相の提案した国民福祉税構想に反対した理由として次のように述べておられます。私たちは将来の高齢化社会に対応する福祉ビジョンを立てて、そのためにこれだけの財源が必要であることを明確にし、不公平税制の是正や行政改革、防衛費の削減などを行った上、財源不足については資産、所得、消費のバランスのとれた税制改革も必要だと考えています。非常に理路整然としたお考えで、まさにそのとおりだろう、こう思います。
 また羽田前首相に対して、五月十二日の村山当時の委員長の御質問は、「例えば、高齢化社会に対応できる税負担を国民に求めようとする場合、」は、安心できる福祉プログラムの明確化、「不公平税制の是正、益税解消や逆進性緩和による消費税の抜本的な改廃など、直接的な条件整備がその前提として必要であります。」このように明快に主張されております。まさに民主的で透明度の高い手続に沿って物を決めようという見識は大変高いものだ、こう思っておりますが、今回の与党の出された税制改革大綱は、この総理の高い御見識に沿った手続で税率が決まったのでしょうか。いかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 旧連立政権のときからずうっと継続をしてこの問題は議論もされてきていて、なかなか結論が出なかった問題なんです。新しい連立政権の場合も、与党三党で税制担当者の中ではそれを継続してずうっと議論をしてきたのです。
 で、今御指摘がありましたような議論に立って、そして、どこまで行政改革によって経費の節減ができるか、あるいは不公平税制はどうすべきか、あるいはまた高齢社会におけるビジョンというものは一体どういうことになるのか、どの程度金が要るのかというようなことをあらゆる角度から議論をしてまいりましたけれども、御案内のようにゴールドプランが発表されまして、そのゴールドプランに基づいて各市町村からずっと計画を立てたものを集約をして、それをまた新しいゴールドプランに編成し直すという作業を進めておりますから、まだその結論が出ていないわけですよ。
 したがって、今回のこの五兆五千億円という減税に見合って、そうしたものも含めて検討した結論として消費税率をどうするかとかというようなことも決めるべきではないか、こういう意見もあったことは事実です。しかし、当面、やはり財政収支の伴うような、財源と歳出とのつり合いがとれるようなそういう判断も責任を持ってやる必要があるのではないか、こういう立場から一歩として今回の税制改革は提案をされておる。
 したがって、見直し条項をつけて、今指摘されましたように行政改革もやろう、不公平税制もやろう、同時に福祉のビジョンも明らかにして、その財源についても明らかにしながら最終的な結論を見出していこうではないか、こういう段取りをつけたということについては御理解をいただきたいと思います。
○山田(宏)委員 責任ある立場での御判断だと思いますが、福祉ビジョンも、そのためのコスト計算もまだ明らかじゃないということですよね。それから、行革等で削減される費用の算定も後回しになっている。その中でとりあえず五%という数字を出して決めているわけですけれども、これまで総理が主張してこられた透明度の高い民主的な手続を踏んだ、そういった手続論、主張されてきた税制改革のあり方からいうと、百点満点ではもう全然ないというふうにお考えですよね、そうすると。
○村山内閣総理大臣 百点満点であるかどうかと言われますと、百点満点と言っていいかどうかはちょっとわかりませんけれども、しかし、私は現時点でいろんな諸要素を判断した最善のものであるということについては申し上げることができると思います。
○山田(宏)委員 じゃ、また教えていただきたいのですけれども、なぜ五%であって、四%でも六%でも七%でもないのか。五%と定めた明確な根拠をお伺いしたい思います。
○武村国務大臣 初めに五%を決めてこういう案をまとめたわけではありません。今までも答弁してまいりましたが、前政権までは所得税、住民税の減税額を五・五兆円というふうに決めて、それをある意味ではうのみにしながら議論をされてきた。
 我々は、新政権になって、自民党さんも入られて、ゼロからもう一度この五・五兆円を精査し直した。本当に五・五兆円要るのかどうか、この中身は一体何なんだ、そこから議論をいたしまして、最終的には三・五兆円でいい、こういう結論に達することができまして、そのことが消費税率を七%に比べれば五%に下げる一番大きな要因であったというふうに思っております。
○山田(宏)委員 ちょっと先へ進みますが、総理も書記長会議でお話しになられたとおり、税制改革の方向について常に言われておりますのは、所得、消費、資産の適正なバランスを求めて改革をしているわけですが、今回の決定は一九九七年四月の消費税値上げ以降どのような直間比率になる、こういう予想が立てられておりますか。
○武村国務大臣 端的に結論だけ申し上げますと、平成六年度ベースでございますが、国税、地方税合計いたしまして、直接税は七七%から七二%へ五%ダウンいたします。間接税等のウエートは逆に二三%から二八%、これも五%アップするという状況でございます。
○山田(宏)委員 益税はなくす方向でお考えになるわけですか。
○武村国務大臣 益税の問題も、もっとも、狭い意味では、例の三千万円の問題、免税点の問題がございますが、幅の広い意味では、限界控除の問題から、簡易課税の問題から、あるいはインボイス、今回導入に踏み切りましたが、こういう問題も間接的には益税の問題につながっているわけでございまして、今回はその中で限界控除制度は廃止、簡易課税制度は四億を二億円に切り下げる、上限を下げる。それから、免税点の中でも、資本金一千万円以上の新しい企業については二年間は免除になっておりましたが、これはかける、逆に課税するということになりました。あわせて、仕入れ税額控除の観点から、日本的なインボイスを導入をさせていただきまして、かなり益税問題に対しては前進を遂げることができたというふうに思っております。
○山田(宏)委員 平成九年から行われる臨時福祉給付金についてお尋ねいたしますが、総理は、年金とか社会保険とか福祉とか、もう大変な御専門でございますが、総理の社会福祉観というのをちょっと御披瀝をいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 社会福祉観と一口に言われるとちょっとなんですけれども、これから高齢化が進んでいく、しかも少子化していく、こういう状況の中で、今盛んに規制緩和とかいろいろなことが言われ、自由化が叫ばれておる。規制が緩和をされ、自由化が徹底してまいりますと、やはり世の中には強弱があるわけですから、したがって、力の弱い方々がややもすると犠牲になる可能性が強まってくる。
 そういう比較的弱い方々やハンディを持っている方々等に対して、人間として公平公正に社会に同じように生きられる、そういう条件を整備していくということが私はやはり福祉の目的ではないか。人間がどのように年をとろうとも、どのような状況に置かれようとも、やはり人間として人間らしく生きられるということを政治的に裏づけていくということが大事な福祉ではないかというふうに考えています。
○山田(宏)委員 この平成九年臨時給付金五百億円、キャッシュを一年間にわたって一万円ずつとか三万円ずつばらまいていくということは、これは福祉なんでしょうか。ばらまき福祉といろいろ言われたりしますけれども、どうでしょうか。
○武村国務大臣 これは平成九年度、消費税二%アップをお願いする次元での問題でございますが、数年前の消費税導入のときにも、特に気の毒な方々、これは対象としては、同じお年寄りでも老齢年金を受給されている方々、あるいは生活保護の対象者、あるいは施設に入っている方々等でありますが、一万円給付をされた実績がございます。
 この理由は、新聞ではばらまき福祉というふうな批判的な表現が出ましたが、決してそういうものではなくて、福祉にかかわる年金等の給付は、前年の物価上昇を見て翌年是正するということになっておりまして、今回アップをさせていただく平成九年度においては、こういう方々は福祉の給付面での配慮ができないという、一年間だけそれができないために当該年度だけはそういう措置を前回も講じたわけでございまして、そういう意味では今回も、本当に困っておられる約三百五十万人でございますが、方々に対しては同じような措置をとることを、まあ三年後の話でございますが、今の政権でも決断をさせていただこうということであります。
○山田(宏)委員 私は総理の半分の年齢なんでございますけれども、我々の世代から見ると将来大変不安であります。この五百億円があれば、厚生大臣、特別養護老人ホームというのは何カ所ぐらい建ちますか。また、いわゆるホームヘルパーの人たちはどれぐらい雇えますか。
○井出国務大臣 お答えをいたします。
 特別養護老人ホーム、場所によって建設費というか施設整備費が違うのですが、東京、大阪など大都会では、平成六年度で見ますと約七・四億円、百床のホームについてかかっております。この整備費は、国が二分の一、それから都道府県が四分の一、設置者が四分の一負担する、こういう負担割合になっておるものですから、仮に五百億円の公費を用いて特別養護老人ホームの整備を、設置者負担分を除いた一カ所当たりの公費負担は五・五億円になります。そうすると、五百億円を原資としますと九十一カ所、百床ですから九千百床は用意できるという計算が立ちます。
 それを今度ホームヘルパーの方にもし回したとしますと、ホームヘルプサービスの運営費というのは、国が二分の一、都道府県四分の一、市町村四分の一の負担割合になっております。ホームヘルパー一人当たりの運営費といいますと、人件費と活動費約三百三十八万円でございますから、仮に五百億円の公費を用いてやるとしますと、約一・五万人の常勤ホームヘルパーが増員可能となる計算にはなります。
○山田(宏)委員 今、特別養護老人ホームに入所するのにも大変な待ち時間があります。私も都議会におりましたので、いつもこういう問題で議論になっておりました。また、ホームヘルパーももう早く養成をしていかなきゃいけない、こういう社会的要望もあります。果たして政策の判断として、この五百億円の使い道としてどういったあり方がいいのか、もう一度やはり御検討すべきだというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
○村山内閣総理大臣 先ほど御答弁がございましたように、その五百億円というのは、老齢福祉年金やら児童扶養手当やら、そういう各種手当がありますね。そういう手当は、物価が上がりますと物価スライドで手当が上がるわけですよ。その上がるのは、今の制度からいきますと一年おくれになるものですから、したがって、この一年間だけは物価が上がったにもかかわらず手当は上がらない、こういう方々に対してその分を補てんするために差し上げましょう、こういう配慮のもとにやられているわけですから、これはこれで私はやはり大きな意味を持っていると思うのですね。
 ホームヘルパーやらあるいは特別養護老人ホーム等々につきましては、別途、七年度には一千億円、八年度には二千億円、そして九年度からは四千億円の財源を充てて、その分は十分先取りしながら図っていこう、こういう配慮もいたしておるわけでありますから、十分私は目配りがされているものだというふうに考えております。
○山田(宏)委員 時間がないので、次に行きます。
 日本社会党高齢社会福祉プログラム特別調査会中間報告では、今般の税制抜本改革時に基礎年金の国庫負担率を三分の一から二分の一に引き上げ、二十一世紀初頭に三分の二に引き上げるなど国庫負担率を段階的に引き上げるとされております。この国庫負担を二分の一に引き上げると莫大な財源がかかるというのはいろいろ議論がされているところであります。
 厚生省の推計によりますと、二〇〇〇年度で二・四兆円、二〇二五年で四兆円という費用が新たに発生する。これを消費税率に換算すると、それぞれ一・八%、三%の、基礎年金に費やす費用だけでこれだけの消費税率が必要になってくる、こういう試算であります。
 しかし、今回の税制改革による税収増のうち、社会福祉に充てる分は今お話ございました五千億円でありますけれども、この消費税率を五%とする今回の税制改革では、年金国庫負担を二分の一に引き上げる財源は到底得られません。そうすると、これは社会党の方針に反する税制改革の決定になっているのではないか。
 社会党の方針を撤回をしまた見直すのか、それとも消費税をまたこの時点でさらにアップを図ることも柔軟に検討されていくのか、どちらのお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 これは、これからあるべき年金の姿を想定して社会党の方針はつくられたものだと、私はそう思っておりますから、来年これが実現できるということを想定してつくられたものではないと私は思いますね。
 今御指摘もございましたように、年金の今の姿というものを考えた場合に、基礎年金というものは厚生年金、共済年金、国民年金等に共通した一つの土台になっているわけですね。しかも国民年金というのは基礎年金だけしかもらえないわけですから、したがって、毎年毎年国民年金の負担金は上がっていく、こうなってまいりますと、私は、今全国を見ましても、市町村の役場の中で国民年金の窓口で働いている皆さんは、掛け捨てになって、もうかけるのをやめるという方がだんだんふえていく、こういう現状で一番苦労されていると思うのですよ。この国民年金の基盤をどう確立していくかということは、これから将来に向けての年金制度の一番大きな問題点になると私は思いますね。
 したがって、野党の中でも共通した認識があると私は思います。そういう共通した認識の中で、これから将来に向けて日本の年金の基礎というものをどうつくり上げていくかということについては十分検討されなければならぬ課題であるというふうに考えておりますから、これは単に税負担をどうするというだけではなくて、社会保険の負担をどうしていくかということとも見合いながら、全体として国民負担というものをどのように位置づけることが一番妥当なのか、しかもその負担に見合って年金制度というものの水準をどの程度に維持することが一番いいのかというようなことを総合的に判断をして出さなければならぬ結論であるというふうに考えておりますから、重大な問題としてこれからも慎重な検討をしなければならぬ課題であるというふうに受けとめております。
○山田(宏)委員 重大な問題として慎重に検討するという意味は、次の見直しのときにこの問題も含めて検討される、こういうことを意味しておられますか。
○村山内閣総理大臣 これは、例えば来年に結論を出すとかいうような問題ではなくて、やはり常時、常に検討を加えていかなければならぬ課題であると、私はそういうふうに受けとめておりまするし、幸いに年金につきましては再計算をする時期も決まっておるわけでありますから、そういう再計算の時期に、保険料負担やら税負担やらあるいは給付水準やら国民生活の実態等々も十分勘案をしながら、常に検討を加えて、最善の対策を講ずるように努力していくべき課題であるというふうに理解をし、受けとめております。
○山田(宏)委員 そうすると、次の再計算のときというと一九九九年だと思いますが、そのときにこの問題は、税率も含めて、財源も含めて解決をしていこう、こういうお考えですか。
○村山内閣総理大臣 私が答弁したことを正確にお聞きいただきたいと思うのですけれどもね。
 いつまでに結論を出すというように断定できる問題ではありませんと、しかし、幸いに年金制度の中には再計算をする時期もあるわけですから、そういう時期も通じて、常にそうした問題は総合的に検討をしなければならぬ課題であるというふうに私は申し上げたわけです。
○山田(宏)委員 ですから、時期を明示しないということは、どんどん先にいってしまうので、我々の世代がどんどん負担しなければいけなくなってくるわけですよ、今やらないと。だから、その点はちゃんと明示をしていただきたい。社会党の中にはちゃんと、今般の税制抜本改革時に国庫負担率を三分の一から二分の一に引き上げるという報告書を出しておられるわけですから、その点でやはり、いつになるかわからない、しかし重要な課題だからいつでも検討していかなければいけないということでは、なかなかこれは納得しにくいと思いますが。
○村山内閣総理大臣 先ほど来申し上げておりますように、この年金制度の基盤をどう強固に確立をして、老後に不安のないような将来展望を持ったものにしていくかということにつきましては、単に税率をどうするかとかいうだけの問題ではなくて、掛金という社会保険の負担をどうするかとか、あるいは国民生活の実態は今どうなっておるかとか、物価の動向はどうかとか、そういういろいろな面から検討して、そして結論を出さなければならない問題だというふうに私は考えております。
 したがって、そういう問題を検討し合いながら、必要な時期にはやはり当然結論は出さなければならぬというように思いますけれども、今ここでいつまでに結論を出すべき課題だというようなことについて断定的に申し上げ得る性格の問題ではないのではないかというふうに申し上げているわけです。
○山田(宏)委員 常任理事国問題について何点かお尋ねをいたしますが、国連の安保理改組についてのお考え、先ほども外務大臣から御披瀝がございました。総理も、これまで再三再四国連の安保理の改組が常任理事国となる重要な要件のように述べられておりましたし、きのう外務大臣も、非常任理事国や常任理事国の数をふやすことを提案をされました。
 もう少し踏み込んでお尋ねをしたいのですが、常任理事国というのは、グローバルな視点で考え、行動のできる国だという、こういう新しいコンセプトで外務省の考え方をお話しになられましたけれども、今、聞くところによりますと、開発途上国を中心に、アフリカから一つとか南米から一つとか、大陸ごとに代表者を出すべきだ、こういうような考えもあるように聞いておりますけれども、この点についてはいかがお考えでございますか。
○河野国務大臣 先般国連に参りましたときに、かなり多くの国の外務大臣と意見交換をする機会がございました。いろいろ意見交換をしてみますと、それぞれの立場がございまして、いろいろな意見がまだあって、収れんをされてはおりません。
 今議員おっしゃいますように、つまりアジアから幾つとかアフリカから幾つとか、そういう地域的な代表を、これは非常任理事国の問題でございますが、非常任理事国として選ぶべきだという議論もあれば、また別に、先進国、開発途上国、そういうさまざまな立場から選んだ方がいいという議論もあったりして、議論はまだ収れんをいたしておりません。これらの議論をさらによく注視していきたいというふうに考えております。
○山田(宏)委員 社会党は昨年の選挙公約で、安保理における「常任理事国の権限の見直し」を挙げておられます。「社会党第四十回衆議院総選挙政策エッセンス」という、こういうものですが、また、村山総理も羽田前総理に対する質問の中で、「安保理事会では常任理事国のこの五カ国が拒否権を持つという現状を改め、常任理事国制度の改廃や地域代表としての現在の理事国の拡大などが必要だと考えています。」こう御質問されておられます。
 そこで、伺いますけれども、先ほども外務大臣から御所見をいただきましたが、常任理事国の持つ拒否権について総理の御所見を伺いたいのであります。
 また、重複するかもしれませんが、我が国が常任理事国となる場合、拒否権つきの常任理事国になるのが私は適当だと思いますけれども、その辺のお考えをお聞かせいただきたいのです。
 なぜならば、日本がその特色を生かした行動、例えば武力行使型のPKOについて反対をするとか、またはカンボジア、大変成功しましたあのメニューですね、日本が大変評価を高めましたけれども、ああいうものをしっかりと根づけるとか、そういうことをするためには、拒否権を持つことで物が言えるという体制になっていないとやはりなかなかやれないのではないかな、こう思うわけでありますけれども、その点についてはいかがでございますか、拒否権について。
○村山内閣総理大臣 拒否権があることがいいか悪いかということについては、私は、功罪があるのではないかと思うのですね。あの冷戦時代に国連がほとんど機能を果たし得なかったというのは、やはり拒否権が使われたからですね、合意ができなかった、それで機能が果たせなかったわけです。しかし、幸いに冷戦構造も崩壊をして、最近は拒否権が余り使われなくなった、したがって共同行動がとれるようになったというふうに思いますからね。拒否権の是非については、それぞれ功罪があると思うのです。
 ただ、日本の国が仮に常任理事国になった場合、あるいはほかの国がなった場合でも、同じ常任理事国の中で、拒否権を持っている国もあれば、拒否権を持たない国もあるというのもちょっとおかしな話ではないかというふうに思いますが、こうした問題は、国連の改組全体の中で議論をされて結論の出される問題でありますから、今とやかく言うべき問題ではないと、私はそういうふうに受けとめています。
○山田(宏)委員 もう一言お聞きしたいのですが、常々やはり国連改革が常任理事国になる条件、条件というか前提として、外務大臣も国連で演説をされました。やはり日本として独自の案というのはいろいろお持ちかもしれませんが、この拒否権の問題についてもしっかりとやはり考え方を定めておくべきだろうと思います。
 ほかの国が拒否権を持っていれば私もやはりそれはもらう。拒否権なしというのはあり得ない。しかし、ほかがみんななくなれば、ないというのではやはりちょっと力弱いなという感じがいたしますけれども、この拒否権についてしっかりした考えをやはり固めることが必要だと思っておりますが、その点についてはいかがでございますか。
○河野国務大臣 まず最初に申し上げますが、安保理改組というのは国連改革の一環でございますから、国連改革がなされなければ安保理改組にならない。つまり、安保理が改組されるということは国連改革がなされるということでもあるわけで、そこは御理解をいただきたいと思います。
 それから、拒否権の問題は、先ほど総理が御答弁になったとおりだと思います。国連の中でもさまざまな議論がございます。我が国としては、総理が申し上げたとおり、常任理事国の中に、拒否権を持つ常任理事国もあれば、拒否権を持たない常任理事国もあるというのはいかがなものかというのが我が国の立場、主張でございます。
 それで、拒否権は、まあ一般論をまず申し上げますと、乱用されれば国連は機能しなくなる、これは冷戦時代にそういうことがあったという経験にかんがみて、正しい認識だと思うのです。しかし、百八十カ国を超える国連全体から、大きな責任を負うて常時安保理として国際の平和と安全についてグローバルに目配りをするという立場からすれば、拒否権というものもなければ迅速な対応もできないかもしれない、あるいは強い指導力も発揮できないかもしれないという主張というものも、やはり我々はよく理解できるところでございます。
 いずれにしても、現在既に拒否権を持っている国が五つあるわけで、その五つの拒否権を持っている国に拒否権を持つのはやめろ、この五つの国が自分たちはもう拒否権を持ちませんということになるかどうかという問題が一つございます。
 さらに我々は議論を深めたいと思っておりますが、現段階では我々は、常任理事国の中には拒否権を持つ常任理事国と持たない常任理事国があるというのは納得しがたいという立場まで主張をいたしております。
○山田(宏)委員 大変御協力ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
○池端委員長代理 これにて山田君の質疑は終了いたしました。
 次に、長浜博行君。
○長浜委員 長浜博行でございます。
 細川元総理、それから羽田前総理、そして今回は村山総理に御質問をさせていただけますことを、改革の皆様に感謝をする次第であります。
 一年生代議士であります。きのうから質問をずっと伺っておりまして、私なりに考えることもございますし、多分幾つかは、そこにお座りの田中大臣も一年生でありますから、何か心にもやもやとする部分があるのではないかなというふうに思いますが、逆に言えば、一年生代議士というのはついこの間まで普通の国民と一緒、じゃ政治家になったら国民と一緒じゃないのかと言われるとおかしな表現になりますが、近ごろ、十五カ月を経て、ちょっと政治家らしくなったね、こういうふうに言われたときに、喜んでいいのか悲しんでいいのかわからない。
 先生らしくなったねとかお医者さんらしくなったねと言われればうれしいことでありますが、政治家らしくなったねと言われるのが、果たして褒め言葉かあるいは何か私に問題が出てきたのかちょっと考えざるを得ないところが寂しいところでありますが、そういった意味において、国民の素直な心、そういった視点で素朴な質問をさせていただきますので、お答えを賜れればというふうに思います。
 まず、どうしてもお聞きをしなければいけないことが公約の問題であります。
 私も日本新党の公約をもって戦いましたし、現在も日本新党に所属をしております。政界再編の触媒とならんとしてスタートをして、現在その職にあることを大変誇りに思って進んでいるわけでありますが、きのうからの御質問を聞いておりますと、やはりその公約の問題が、投票する有権者の皆さんに対してどうだ、おかしいじゃないか、こういう問題が出ておりましたですが、参政権の中のもう一つ、つまり被選挙権の問題、立候補する人にとってどの政党を選ぶかというのは、やはりこれも政党の公約とかあるいは党是というものに戻ってくるような気がするわけであります。
 そういった中において、この公約というものの考え方、なぜ今それを質問者が次々と尋ねるのかといえば、今回の政治改革法案に見られるところの、もちろん小選挙区制度、選挙制度の改革ではなくて、私自身が特に危惧をしている点は、いわゆる政党助成法を含めて、政党の力が強くなってくるということであります。投票の方法も、個人の名前を書くのではなくて、例えば、長浜博行、何とかかんとかと書いてあるものをチェックをするというような形でありますから、国民に対して私たちも、今度はお金のかかる個人選挙ではなくて、政党主体の選挙に変わっていくんだよ、政党の代表選手としてそこで戦っていくんだ、こういうことを、これは与野党を問わず、党派を問わず訴えかけられているはずであります。
 そのときの判断基準となるものは、もちろん各政党が出されている政策であります。あるいは、立党の基本となっているところの党是というものがおありになるところは、党是であります。こういったもので判断をしていく、つまり今度の選挙制度の改革に伴って政党に重点が置かれてくるのである。しかし、甚だ残念なことでありますが、いわゆる政党に対する不信感、こういうものも世の中にあることは否定できないような事実であります。
 この時点においてこういう皮肉な一種の状況を呈されていることに関して、村山総理の所見を伺いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今委員御指摘のように、国民が政治に対してどういう見方をしておるのか、果たして信頼しておるのかどうかといったような問題につきましては、絶えずやっぱりお互いが反省して考えなきゃならない問題だ、私もそういうふうに思っております。
 で、これまでずっと腐敗がいろいろ露呈をされて、そして政治に対する不信が募ってきた。その不信を払拭するために、この際、国会は挙げてひとつ腐敗防止に取り組もうではないか。そのためには今の選挙制度も見直す必要があるというので中選挙区から小選挙区制に変える、同時に、公職選挙法も政治資金規正法も、あるいはまた連座制をもう少し強化して、そして腐敗を徹底的に防止できるようにすることが政治の信頼を回復することになるではないかというような一面も私はあると思いますね。
 同時に、昨日来ずっと議論されていますように、政策に対して国民の皆さんは投票するという一面もあるわけですから、したがって、そうした面も守っていくということも当然民主主義の国会の中では大事なことであるというふうに考えておりますから、そういう心がけは常に議員として持たなきゃならぬものだ。あるいはまた、これから小選挙区になれば政党政治に変わっていくわけでありますから、政党に対する信頼を高めていくということも大事なことではないかというふうに考えています。
○長浜委員 今のことに関連してでありますが、私は千葉県であります。私のいたところで、前回の選挙まで社会党の代議士の方がお二人いらっしゃいましたが、社会党の方は現在おられません。そういった中において、ちょうど先月、県の大会というものが開かれたわけであります。もちろん、これは党の違う問題でありますから、きのうからありますように、余計なお世話だと言われてしまえばそれまでのことでありますが、しかし、激しい選挙戦を戦った、党は違いますが同志の方々であります。
 そういった中において、特に私のおります柏では、その責任者が、支部長さんというのかどうかわかりませんが、支部長さんがもう離党される、その支部で社会党の本部決定に従わないというような決議を上げていく。これは公党の中の一つの支部でありますが、こういった形が見られるわけであります。そして、十月に開かれた社会党の千葉県の大会でありますが、二日間開かれて、結局はいわゆる何らかの決定をなすことなく延会の手続がされて、そのままたしかまだ開かれないというような異常な状態が続いているようにも思うわけであります。
 こういった中においても、今御答弁を賜りましたけれども、いわゆる政党政治、成熟した民主主義の中において、各党問わずこの選挙制度の改革を伴う政治改革法案を通したわけでありますから、いま一つ、政党とは何なのか、こういった原点に返って論議をする必要があるのではないかな、このポイントだけは私は述べさせていただきたいな、そのように思うわけであります。
 そのいわゆる公約のもとになるところの政策論争でありますが、もちろんこの政策がきっちりしていなければ公約につながらない、そうしたら政策論争をする意味がないじゃないかと言われないように、ひとつ政策についてもお尋ねをするわけでありますが、まず十月七日午前の閣議決定で新公共投資基本計画が六百三十兆という額で決められました。四百三十兆から二百兆の増額がなされたわけであります。
 その基本的な精神の中においては、細川内閣以来の生活者主権の確立とか、あるいは生活基盤、基本的な社会的資本の充実という、こういう姿勢を継承いただいたことには大変感謝をする次第でありますけれども、この二百兆の予算の増額を含むいわゆる財源の問題についてお伺いをしたいのでありますが、この点に関して大蔵大臣、お願いいたします。
○武村国務大臣 今般、御指摘のように見直しをしながら、結果的には来年から向こう十年間というタームのとり方をして六百三十兆円の公共投資基本計画を、これは経済企画庁が中心になってまとめていただきました。
 財源はどうなのかということでございますが、個々の事業の、精緻な事業の積み上げでこの金額を決めているわけではありません、前回もそうでございましたし、また、財源内訳もきちっと計画の中に埋め込んで対応をしていこうというものではありません。
 しかし、十年という長い期間の中で、日本の経済成長率等も見ながら、このぐらいの公共投資はほぼ可能であるという政府全体の認識で発表をいたしたものでございまして、予算は御承知のように毎年毎年編成をしてまいりますので、財源そのものは毎年度の対応で、真剣な努力でこの公共事業の基本計画を消化をしていきたい。税で賄うもの、あるいは国債で賄うもの、あるいは財政投融資に依存するもの、あるいは一部は第三セクター等ございますから民間資金によるもの等々ございますが、毎年度の予算編成の中でこの大きな目標の実現を目指して努力をさせていただきたいという姿勢でございます。
○長浜委員 今一番お聞きをしたかったところが、後世代に負担を残さないような財源の確保が前提であるというお話がございました。そして、特に租税、公債、財政投融資資金、民間資金等を適切に組み合わせるというような会見もあったように記憶をしておりますが、この適切に組み合わせるという意味はどういった意味合いであるか、お話しをいただければと思います。
○武村国務大臣 適切は適切ということでございますが、我が国の財政、御承知のように絶えず申し上げておりますような大変厳しい状況に立っております。そういう中で今回の税制改革もお願いをしているところでございますが、そういう足元の財政状況、今後の経済情勢をきちっと見詰めながら、今四つぐらい財政手段をたまたま申し上げましたけれども、そのときの情勢の中で的確な数字を判断して予算編成をさせていただきたい、その中で公共投資基本計画の目標を実現していきたいということであります。
○高村国務大臣 今大蔵大臣からお答えありましたけれども、本計画は二十一世紀初頭までを展望した長期的な計画であることに加え、その具体的実施に当たっては、各時点の経済財政事情を踏まえつつ、国、地方、公団、事業団等各種公的企業等が、それぞれの社会資本の性格に応じ適切な対応を図るものであります。したがって、財源等について具体的な見通しをすることは困難である、こういうふうに考えております。
○長浜委員 どうもありがとうございます。
 財源について将来の具体的な税制改革を前提としない、担保としないというようなことに関しては、計画が長くなれば長くなるほど、先ほど山田議員も別の観点からお話があったと思いますが、次の世代に関しての負担の内容、特に赤字公債の問題を含めて財源を担保して議論していただきたいのが一点。
 それから対米交渉、広い意味での対米交渉の中において、内需拡大の公約、少なくともアメリカにとっては悪い話ではないというようなことで受け入れられているとは思いますが、私どもが危惧をするところは、公共事業の配分とか公共事業の分捕り合戦になる、こういった状態にならないように、公共事業においてもコストが対外比較をして三割高、もちろん基準はいろいろあると思いますが、三割高というようにも言われていることもありまして、こういった問題に関してもぜひ御留意をいただきたい、そのように思うわけであります。
 今アメリカの問題が出ましたので、関連で大変恐縮でありますが、日米包括協議がこの間行われたわけでありますが、USTRとの交渉、橋本通産大臣、河野外務大臣、行われたわけであります。残念ながら自動車部品に関しては、これは多分自動車アクセサリー部品協会等のアメリカの政治的な団体等のこともありますし、中間選挙の問題もありますし、私もテレビで拝見をしましたが、大変な交渉になる、決して楽にまとまるわけではないと言ったあの橋本通産大臣の顔が浮かぶわけであります。もっともなことだというふうに思うわけでありますが、帰国されて、河野外相の報告の中において、あの二月の細川会談のときの大人の関係を、誤解を恐れずに言えばある程度やゆをしたような形で、この合意で日米政府間の信頼関係ができたというような表現があったように思います。
 今回、昨日ですか一昨日ですか、USTRが包括通商法スーパー三〇一条の制裁特定項目品目として紙と木材、こういった問題が新たに出てきたわけでありますが、こういった問題を含めて、私は、信頼関係はもともと築かれている中において、本当に経済問題のきつい交渉の中においての一つ一つの事象の中において、あのときはいわゆる正当に話し合える関係ではなかったが、今回初めて信頼関係が築けた、こういうことではないとは思いますが、橋本通産大臣に一言答弁を願えればというふうに思います。
○橋本国務大臣 今委員から御指摘がありましたように、自動車の補修部品について、残念ながら我々は合意に達することができず、その上でアメリカ側は通商法三〇一条を宣言をいたしました。私どもとしては、運輸省の関係部局の諸君が非常な努力をしてくれまして、現行の制度を前提にしながら最大限の規制緩和を実行できるような提案をしてくれた、こう信じております。しかし、重要保安部品という制度そのものの撤廃を求めるというところからスタートをしたアメリカ側の議論とはついにかみ合うことがありませんでした。
 また、今委員から御指摘がありましたように、先日、アメリカ側として、紙及び林産物について、将来スーパー三〇一条による優先外国慣行として特定する可能性の強い慣行としてとらえたという報道が出ております。私どもは、この米国側の意図というものを現在確認をしておるところでありますが、協議の進展中にこうしたことが行われたということを非常に残念に思っております。
 そして、今後の協議につきましては、アメリカ側の意図を確認した上でその対応を考えてまいりたいと思っておりますが、木材につきましては九月の末に会合を開催したばかりであります。また、紙につきましても十月中に会合を予定しておるわけでありまして、この米側の意図を確認した上で適切な対応を決めてまいりたいというところで現時点においては御了解をいただきたいと思います。
○長浜委員 消費税の見直し条項について伺います。
 きのうの質疑の最中にもありましたが、いわゆる見直し条項の変更に関して、税率の見直しではなく、もちろん税率の見直しも含むわけでありますが、例えば食料品というような形の個別項目をもその変更の対象に含むというような答弁があったと記憶しますが、それについて大蔵大臣、再確認をお願いをいたします。
○武村国務大臣 見直し条項の表現に消費税の適正化という言葉がございました。これは法律文でございますから、この法律文言の範囲内で見直しが行われるという認識でございます。
○長浜委員 それと、この五%とそれから国民福祉税のときの七%、極めて短絡的な議論の中においては、おまえのところは七%ではないか、五%の方がまだいいという議論をされる方が中にはいるように思っておりますが、今回、九月の二十二日の各閣僚あるいは各党の責任者の御発言の中で、この見直し条項の中において、特に税率の五%では不十分である、六%ぐらいになってくるのではないか。こういった発言とは別に、これは間違いがあったら大変失礼でありますが、武村蔵相は、理論的には下がることもあるが実際にはあり得ないというような、理論的という意味がちょっとよくわからないのですが、あり得ないという言も私は接したような気がいたしております。
 そして、ここが一番大事なところでありますが、あのときも問題になったところでありますけれども、福祉の問題、少子・高齢化社会に向けた福祉政策の財源確保という視点に立って、いわゆる「新高齢者保健福祉推進十か年戦略」あるいは子育て支援のための総合計画の観点からいっても、井出厚生大臣が、本格的な福祉対策の税制改革としては十分でなかったのは残念である、こういったコメントを発表されたやに聞いておりますが、厚生大臣、いかがでございますか。
○井出国務大臣 お答えします。
 今回の税制改革、連立与党が大変熱心な御論議の結果、ああいう形でお決めいただいたのは、これは大変尊重しなくちゃなりませんし、重みがあると考えております。そして、五・五兆円の減税、それから五%の消費税率というフレームの中でぎりぎり配慮していただいた点は、それなりに評価をもちろんいたしますけれども、今も委員おっしゃった新ゴールドとかあるいはエンゼルプランは、あれだけではなかなか十分な財源にはならぬものですから、それを一つの足がかりとしてこれから鋭意新ゴールドプラン実現のために努力していきたい、こんなふうに考えておるところであります。
○長浜委員 今大変素直な御答弁をいただいたというふうに思いますが、この福祉に対しての財源ということで、これを問題の先送りというふうにとらえるか、あるいは新政権が組まれる中で十分な時間がなかったために一段階としてこういうポジションをとられるとか、いろいろ説明の仕方があるとは思いますけれども、定率減税の二兆円分を含めて、八年度は景気が好転した場合は改めて検討する、いわゆる年度対応になっているわけでありますから、本来であるならば、いわゆる足の引っ張り合いではなくて、福祉財源、将来の福祉行政をどうしていったらいいか、こういった問題に関して、将来責任世代となる私たちに関しても議論に積極的に参加をさせていただき、こういった議論を今後もさせていただきたいな、そのように思うわけであります。
 それから、人道的国際救援活動に関しての問題であります。
 さまざまな角度からこの派遣の問題に関して議論が出ているようでありますが、大変恐縮で、手短でお願いをしたいのですが、防衛庁長官、現在の状況に関して説明をいただければと思います。
    〔池端委員長代理退席、委員長着席〕
○玉沢国務大臣 ザイールにおきまして、ただいま自衛隊が人道支援業務についておるわけでありますが、ゴマの周辺におきましては、治安問題といたしましては、何せ二十万人の都市に八十万人の難民が流入してきた、混乱状態は依然として続いておる、こう考えておりますが、まあ暴行事件や強盗事件とか、あるいは一時的な騒乱事件等、こういうものが発生するなど不安定な状況も見られますが、現状におきましては自衛隊が活動を行うのに支障を来すほどには至っていない、このように認識をいたしております。
○長浜委員 先日、テレビでザイールに派遣をされる自衛隊員の方と家族の方の見送りのシーンを拝見をしたわけであります。国会の場においては、機関銃が二丁なのか一丁なのか、こういった議論もあったわけでありますが、本当に国際貢献のために最前線でその任に当たられている方々の安全を保障する、こういった意味からも、万全の装備を持って行っていただくことが留守を預かる御家族の皆様に対しても、まさか装備を重装備にして、それを私たちの自衛隊がいわゆる本来の目的以外に使用するということは信じられないことでありますし、もちろん村山総理もそんなことは思っていないと言われるかもしれませんが、私たちの国際貢献のために果たしている役割、それを積極的に評価しながら、人命は、一人の人間の命は地球よりも重いという表現をされた場合もあるのでありますから、そういう点についてもぜひ御留意をいただきたい、そのように思うわけであります。
 さらに自衛隊について申し上げれば、社会党は自衛隊は違憲として一貫して運動を続けてきたが、国際情勢の変化から必要最小限度の実力組織は違憲ではない、こういう段階にまで達しました。しかし、その中の、きのうの御答弁だったと思うのですが、自民党の軍拡路線に対抗し、抵抗し、阻止しようとする社会党の力が今日の文民統制、専守防衛の原則を貫く大きな力となった、こう言って自画自賛をされたわけでありますが、果たして自民党が軍拡路線を邁進をしてきたのかどうか。
 あるいは先ほど日の丸・君が代のお話が出ましたが、自衛隊という、これは災害の救済のときにも自衛隊員の方が山に登られ、谷におりられ活動をしているわけでありますが、いわゆる自衛隊というものに関しての社会党の今までの政策が、専守防衛とかシビリアンコントロール、これは当たり前のことでありますが、その政策によって自衛隊員の家族あるいは自衛隊員の周りの方々、あるいは国民の中に対する自衛隊の意識、こういったものに関して悪い影響を与えなかったのかどうか、こういった点に対して私は強い危惧を感ずるわけであります。果たして自民党が軍拡路線を突っ走ってきたのか、河野外相、御答弁を願いたいと思います。
○河野国務大臣 過去において社会党が自由民主党の政策についていろいろな意見を述べられた、これは社会党の見解であって、我が党のあずかり知らぬことでございます。我が党はかつて政権政党として我が国の安全のために適切な措置をとってきたと我が党は考えております。
○長浜委員 時間もなくなってまいりましたが、この夏、ローマで塩野七生さんにお会いをするチャンスがありました。「海の都の物語」とか、いわゆるヨーロッパの歴史を研究をしながら日本に対して警鐘を鳴らしてくださっている方であります。
 二時間余りお話をさせていただく中において、これからの日本にとって、外から見られて何が問題ですかというふうに伺ったときに、塩野さんは、それは難民問題でしょう、こういうふうにお答えになったわけであります。
 正直申し上げて、私はそのときにきょとんとしたわけでありますが、いわゆる国際情勢の変化する中にあって、今まで島国であったから、特に陸続きでなかったからではなく、難民問題に対する意識が私たちには希薄であったことは事実であります。
 しかし、先ほど来、いわゆる危機管理のこと、こういった問題を含めて議論もあったようでありますが、もし何かの政治的な動乱が日本ではなくて近隣諸国にあった場合に、それを、いわゆる軍隊を派遣するとかそういったレベルではないのです、普通の、政治的とかなんとかじゃなくて、自分の生命が危険であるがゆえに安心なところに逃げたい、こういった難民の問題が発生をしたときに、日本はそれを受け入れる余地があるのかどうか。これは単に物理的な施設ということだけではなくて、日本人の持っている意識の中において、近隣諸国からの難民を受け入れる用意があるのかどうか、こういった議論も避けて通れない問題ではないかな、そのように思うわけであります。
 今回はたまたま、たまたまと申しますか、一九五五年、いわゆる五五年体制以降の質問者が続くようでありますけれども、私は五八年生まれでありますから、五五年体制以降に生まれた世代です。大先輩方にとって経験したことでも、私にとっては知らないことがたくさんあります。しかし、そういった時代の変わり目の中にあって、二十一世紀に少なくとも責任世代になる私たちが、今までタブーとして避けていた問題を避けて通れない、こういうところでこれからも議論に臨んでいく所存であります。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて長浜君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。高市早苗さん。
○高市委員 高市早苗でございます。改革を代表して質問をさせていただきます。
 終戦五十周年を目前にしまして、私たちは歴史の見直しという政治家としての生涯最大のテーマにかかわろうとしているのではないかという緊張に、非常に恐れを感じております。
 選挙区で遺族会の方々から、出征して死んでいった夫というのは侵略戦争に行ったんでしょうかという問いかけをされております。また、奈良護国神社の宮司様は、おまえのところは犯罪人を祭っておるのかという嫌がらせの電話に悔し涙を流しておられました。そんなせつない思いをされている方々のために、きょうは侵略戦争について、いつもの答弁よりも具体的な御説明をお願いしたいと思います。
 きょうの私の質問は、すべて総理にお願いしたいと思います。
 まず、総理は、七月、九月と二度の所信表明の中で、さきの大戦への反省、それから過去の侵略行為や植民地支配といったものに触れられまして、八月の全国戦没者追悼式におきましては、私たちの過ちによって惨たんたる犠牲を強いられたアジアの隣人たちという言葉をお使いでしたけれども、具体的にはどの行為を指して侵略行為と考えておられるのでしょうか。また、総理の言われる過ちというのは具体的に何を指すのか、法的な根拠のある過ちだったのかどうかもお答え願います。
○村山内閣総理大臣 私は、侵略的行為や植民地的支配という言葉を使わせていただいたわけですけれども、やはりあの戦争の中で日本の軍隊が中国本土をどんどんどんどん攻め込んでいった、それから東南アジアのいろいろな国に攻め込んでいった、そういう行為を指して侵略的な行為、こういうふうに申し上げておるわけです。
○高市委員 それでは、法的根拠のある過ちということではございませんか。
○村山内閣総理大臣 いや、その法的というのは何法に対してこう言っているのか、よくちょっと理解できないものですからね。
○高市委員 大戦当時は総理も一応若者だったと思うのですけれども、国民として侵略行為への参加の自覚がございましたでしょうか。
○村山内閣総理大臣 私は、一年間兵隊におりました。それで、幸か不幸か、外地に行かずに内地勤務でずっとおったわけです。しかし、あの当時のことを思い起こしますと、私もやはりそういう教育を受けたということもありまして、そして国のために一生懸命頑張ろうというような気持ちで参加をさせていただきました。
○高市委員 つまり、侵略行為への参加という自覚はその当時お持ちじゃなかったということなのですが、総理大臣という地位にある人は、五十年前の政権の決定を断罪し、その決定による戦争を支えた納税者やとうとい命をささげられた人々のしたことを過ちと決める権利があるとお考えでしょうか。
○村山内閣総理大臣 私は、兵役に服して、そして国のために一命をささげて働いてこられたすべての人方に対して誤りだったというようなことは申し上げておりませんよ。しかし、これはまあ歴史がそれぞれ評価する問題点もたくさんあるかと思いますけれども、しかし、当時の日本の軍閥なりそういう指導者のやってきたことについては、これは、今から考えてみますと、やはり大きな誤りを犯したのではないかということを言わざるを得ないと私は思います。
○高市委員 今のように、当時の軍閥ということで侵略行為そのものの責任の所在をある程度明らかにされたわけですけれども、それでしたら、アジアの人々に対してのみならず侵略行為に加担させられた英霊に対し、また軍恩や遺族会の皆様に対しても、この場で謝罪の意を表明していただけませんでしょうか。
○村山内閣総理大臣 ですから、私は慰霊祭にも集会にも参りまして、そして率直に今国の立場と、国の責任と考えていることを申し上げたわけでありまして、私自身がそういう方々にここで謝罪をしなきゃならぬという立場にあるかどうかというのは、もう少し慎重に考えさせてもらいたいと思います。
○高市委員 それにしてはアジアに行かれたとき随分謝罪的な言葉を発せられて、日本国を代表して謝っておられるのかと私は感じていたのですけれども、日本に過ちがあった、過去に過ちがあったと総理がおっしゃいます。その責任は、もちろん過ちがあったとすれば日本国全体が負うものですけれども、国内的にはそれではその責任の所在というのはだれにあるのか、個人名を挙げてお答えいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 これはだれにあると個人名を一人一人挙げるわけにはまいりませんけれども、当時の、軍国主義と言われた日本の国家における当時の指導者はすべてやっぱりそういう責任があるのではないかというふうに言わなければならぬと思います。
○高市委員 その五十年前の当時の指導者がしたことを過ちと断定して謝られる権利が、現在、五十年後にこの国を預かっておられる村山総理におありだとお考えなのでしょうか。
○村山内閣総理大臣 私は、今日本の国の総理大臣として、総理として日本の国を代表してアジアの国々に行けば、そういうふうに被害を与えた方々に対しては、大変申しわけなかったと、やはりその反省の気持ちをあらわすのは当然ではないかと思うのですよね。それはやはり含めて日本国民全体が反省する問題として私は受けとめて、過ちは繰り返さないようにするというぐらいの決意はしっかり持って、平和を志向していく方向に努力していきたいというような意思もあわせて表明することは、当然ではないかというふうに思っています。
○高市委員 私自身も、アジアの人々、それから前回の、さきの大戦で犠牲者になられた多くの日本の人々に対して、政治家として、本当に大変なことでしたと、これから前向きにともに過去を反省しながらやっていきましょうという気持ちをあらわすことには何ら異存はないのですけれども、総理自身が日本国を代表して謝る、反省の意を表明するというのは結構なのですけれども、果たしてそこに至るまでの国民的な議論があったかどうか。それから、何をもって侵略行為と言うのか、何が過ちなのか、この辺が明確に見えないと、勝手に代表して謝ってもらっちゃ困ると私は思うわけでございます。どうにもその辺が、余り時間もございませんのでこれ以上突っ込みませんけれども、私には理解しがたいことなのでございます。
 それで、ひとつコメントをお願いしたいのですが、一九九一年の十二月一日、アメリカの前の大統領であられましたブッシュ氏が、原爆投下について発言されておられます。「戦争は地獄だ。謝罪を求められるいわれはない。そうした考えは歴史に対するひどい見直し論である。トルーマン大統領は厳しい決断に直面し、その決断は正しかった。それは何百万人もの米国民の命を救った。」こうブッシュさんはおっしゃっておられるのですが、この発言についてどう思われますか。
○村山内閣総理大臣 アメリカは当時日系人に対して、大統領みずからが謝罪文まで出して、そして償いをしておるということも聞いておりますけれども、私は大量殺りく兵器というものは、これはやっぱり使うべきものではないというふうに考えています。
○高市委員 いや、今のではお答えになっていないと思うのですが、それでは、謝罪を要求されるお気持ちなどはございませんか。
○村山内閣総理大臣 これはもう講和条約で決着がつけられておる問題ですから、今ここでコメントを言ったり、私の意見を言ったりする状況ではないというふうに思います。
○高市委員 それでは、日本の責任については、講和条約等では決着はついていないとお考えなのでしょうか。
○村山内閣総理大臣 どういう意味で決着がつけられているのかどうかという、あなたの御質問もよくわからないのですけれども、例えば賠償等については、サンフランシスコ条約等に基づいて国と国との問題については決着がついていますと、しかし、最近起こってきているような、例えて言えば従軍慰安婦のような問題とか、そういう問題がまだまだ決着がついたとは言えない、そういう問題点も幾つか残っているんじゃないかと思います。
 したがって、私は、やっぱりこの五十年を契機にして、もう一遍日本の国民の皆さんが過去の問題について正しく歴史を見詰めて、お互いに反省するところは反省をし、出直すところは出直すというぐらいの気持ちで、やっぱり日本の国が本当の意味で平和な国になり、アジア全体、世界全体に平和の貢献を果たしていくということは、そういう意味では反省を踏まえた償いになっていくのではないかというふうに思っておりますから、そういうふうに考えて先般の談話も出させてもらったわけであります。
○高市委員 もう時間もなくなりますので、とにかく来年終戦五十周年ということで何らかの国会決議がされる動きもあると聞いておりますけれども、これが一方的に謝罪決議、それも国民の合意なき謝罪決議ということでなく、私はむしろ不戦決議、これから戦争をしない、お互いに平和をつくっていこうという平和決議であるべきだと個人的には考えておりますけれども、とにかくあちらこちらに出向かれて謝罪をされる、過ちだと言われる。それでしたら、何が侵略行為であったのか、具体的にはだれに責任の所在があるのか、そして、国民的な議論を代表して、総理が日本国の代表として出ていかれる、そういった下地をぜひ整えていただきたいと思います。
 私たちの世代にとっても本当に大事な、これは歴史の見直し、大変な課題なんですね。特に戦争を知らない世代でございますから、その責任を非常に強く感じております。歴史的な検証も十分に行った上で決断を下していただきたく思います。
 次に、エネルギー政策について質問をさせていただきます。これも総理にお願いします。
 九月三日の社会党臨時党大会において承認されました新政策の中で、原子力発電所については、「稼働中の原発は、代替エネルギー確立までの過渡的エネルギーとして認める。建設中や更新を必要とする原発には、慎重に対処する」とあり、この後村山総理は記者団に対し、新政策は十分に議論し合って出た結論で、これから新方針に基づいて責任ある仕事をしていきたいとコメントされておられますが、間違いございませんか。
○村山内閣総理大臣 その文書を私は見ていませんけれども、まああるとすれば間違いないと思います。
○高市委員 稼働中、建設中、更新の原発についてもかなり慎重な姿勢である、この文面でそう感じるんですけれども、当然新設についてはさらに慎重なものであると理解いたしますけれども、いかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 それはやはり私は、安全性等を含めて、慎重の上にも慎重にやるべきものだというふうに思います。
○高市委員 九月十三日に閣議決定がされております石油代替エネルギーの開発及び導入に関する法律に基づく石油代替エネルギーの供給目標についてなんですけれども、これによりますと、平成二十二年度には原子力発電で四千八百億キロワット時を目標とされており、九二年度の実績が二千二百三十億キロワット時ですから、計算しますと最新型原子炉で三十基以上増設が必要だと思うのですけれども、社会党大会からわずか十日後に随分トーンの違った決定をされているように私には思われるわけでございます。総理が社会党の新方針に基づいて責任ある仕事をしていきたいとおっしゃったコメントそのものを取り消されますか。
 それとも、ことし六月に通産省資源エネルギー庁がまとめた中間報告を読みますと、「原子力発電は我が国に定着している。」という文言がございますので、先週の本会議で消費税について答えられた、国民の間に定着しているという理屈をこねていただいても結構なんですけれども、いずれにしましても、久保書記長が九月三日に首相と党委員長で政策の使い分けはできないと言っておられますので、通産省と総理のお考えが食い違っていても、これは私たちにとって、総理がいつもおっしゃる安心できる政治にはなりませんし、そして久保さんのおっしゃるような、首相と党委員長で政策が使い分けられているとしたら、これまた非常にわかりにくいことでございますので、全国の社会党員の皆様への御説明を兼ねて、この件について御説明をお願いしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 原子力発電の扱いについて、あくまでも安全性を最重点に慎重にやってもらわなきゃならぬという考え方については、いささかも変える必要はないし、変えたいとは思っていません。いいですか。
 そこで、大事なことは、これだけ国民生活が高度化して、電力需要というのはどんどんどんどん増していくわけですね。その電力需要に対してどう供給をしていくかという面から考えてまいりますと、それだけのやはり電力量は必要なんですよ。それで私どもは、可能な限りエネルギー、クリーンな、被害の少ないエネルギーをどんどんどんどんやはり開発すべきだ、そのために努力をすべきだ、一方では。しかし、そうはいっても、それは右から左へすぐ間に合うものじゃありませんから、したがって、ある程度の原子力発電の造成もこれはやむを得ないのではないか。
 しかし、その限りにおいても、やはり安全性を重点に置いてあくまでも慎重にやるべきであるという方針ですから、いささかも私は変わりはないというふうに思っております。
○高市委員 目標達成のために原発の数はいわゆる二倍なり三倍なりに倍増するような計画をお持ちなんでしょうか、どうなんでしょうか。原子力発電所の数をふやさなきゃ目標値は達成できないんですけれども、具体的な計画をお持ちなんでしょうか。
○川田政府委員 数字の問題でございますので、私からまず数字について御説明をさせていただきたいと存じます。
 現在運転中の原子力発電所は、三千九百六十四万キロワットございます。現在建設中の原子力発電所が、五百八十九万キロワットございます。したがいまして、これを足しますと、四千五百五十三万キロワットというのが現在もう進んでおるものでございます。
 これから、二〇一〇年度を目がけて、先ほどお触れになりました、七千五十万キロワット目がけて、先ほどの総理の御答弁のように、安全性の確保に万全を期しながら、この残余の部分について努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○高市委員 つまり、社会党の新政策も、今回の通産省から出ましたものも、閣議も内容は同じ、それから新設を認めるということでよろしいのでしょうか。総理、お願いします。
○村山内閣総理大臣 この需給計画は、閣議で決めたものであります。したがって、私は責任者として認めます。しかしそれは、あくまでも慎重に扱うべきであるというその見解については、これはいささかも変わりはないわけですから、そのように御理解をいただきたいと思います。
○高市委員 いや、安全性に対して慎重にやるとかいうことについては当然のことなのですが、目標値を達成するには新設をしなければいけないのですけれども、新設はされますね。
○村山内閣総理大臣 今説明しましたような需給計画を立てておりますし、その需給計画は閣議でもこれを承認して国の方針として決めているわけですから、したがって、それは私は守っていかなきゃならぬと思います。
 しかし、何度も言っていますように、党の方針というものも、これはやはり慎重にしなきゃならぬという意味のことを言っているのであって、それは私は、やはり国民の立場からしても、何よりもこの原子力発電というのは安全性を一番重視して慎重にやるべきものだということについてはいささかも変わりはありません。
○高市委員 総理は、過去において自衛隊を違憲とする考えをお持ちで、このたび合憲になったわけなのですけれども、昨年夏の衆議院選挙時の社会党の公約を読みますと、自衛隊とは別組織によるPKO参加と書かれておりますが、今回は自衛隊の皆さんに大変御苦労いただいてルワンダでのPKOに参加し、おかげで国連安保理事会の常任理事国入りを目指された総理のお顔も立ったわけなのですけれども、社会党から長きにわたってさんざん違憲の存在と決めつけられて、命をかけて働いてもむなしくなるようなまま子いじめをされた自衛隊の皆さんに対して、済まなかったというお気持ちはお持ちでしょうか。
○村山内閣総理大臣 いや、今ちょっと発言の中に、誤解されると困りますから、ルワンダに人道上の問題で避難民の救援に自衛隊が派遣されておる、これは何も常任理事国になるために派遣されているわけじゃありませんよ。まして、顔を立てるためになんて、そんなことで人の命を扱うようなことはもう全然考えておりませんからね、それはひとつ誤解のないようにお願いいたしたいと思うのですね。
 それで、私は、ルワンダに、あの避難民の救援に、人道上の問題で、水の問題やら、防疫の問題やら、あるいはまた治療の問題等々、目的も明確にしてザイールに今派遣されているわけです。ルワンダの紛争に絡んで、ルワンダの避難民を、ルワンダにいる避難民を救援するために派遣され、行っているわけですね。いいですか。
 それで、何よりもやはりPKOを、もうこれは法律で通っているわけですからね、それで制度としてできているわけですから、その制度を活用する場合に、五原則もしっかり守り、同時に日本の平和憲法というものもしっかり踏まえた上で、何よりも安全性もしっかり守った上で任務を果たしていただく、国際的な役割も果たしていくというのは当然ではないかというふうに考えておりますから、今派遣されている皆さん方には心から感謝を申し上げております。
○高市委員 総理は、今国会冒頭の所信表明において地方分権に触れられまして、その中で、「住民の声が政治に反映されていくシステムを生み出すことこそが、この国に真の民主主義を定着させていく道」とおっしゃいましたけれども、私は、総理の多岐にわたる政策転換こそが真の民主主義を崩壊させる諸悪の根源だと思っております。
 昨年夏の選挙で社会党の候補者に大切な、本当に大切な一票を託した人たちは、社会党の従来の政策の実現を夢見た人々だと思います。ところが、選挙の洗礼を受けずしていきなりその声を届けることをやめてしまった。自衛隊違憲論、原発反対、消費税反対、反安保、自衛隊とは別組織のPKO、こういった事柄なんですけれども、これをやめてしまったあなたの存在こそが民主主義を崩壊するものだと私は思うわけです。
 私は、信念の人と呼ばれたマーガレット・サッチャー英国元首相を尊敬する者なんですけれども、彼女が、人がどう思うかよりも自分が何をやりたいかだという姿勢を貫いたからなんです。自民党がどう思うかということを基準に政策転換をされる総理とは正反対の姿勢だと感じております。一国の首相という日本を代表する政治家が、簡単に信念を変えて、いつまた変更があるやらわからない状態で、国際社会の信頼というのが得られるんでしょうかね。
 最後に伺いますけれども、第一に、総理は信念や良心は政治家として必要な要件ではないとお考えでしょうか。第二には、十月五日の本会議で、社会党の政策転換について、新しい世界情勢に対応したものだとおっしゃいましたけれども、昨年夏の選挙の時点で、新しい世界情勢というものは存在してなかったんでしょうか。
 最後にですけれども、久保書記長が、先ほども申し上げましたとおりに、首相と党委員長で政策の使い分けはできないと言っておられますが、これに賛成されますか、反対されますか。
○村山内閣総理大臣 信念が極めて大事なものである、守るべきものであるということについては、もういささかも変わりはありません。
 それから、何といいますか、質問の要点がよくわからなかったのですけれども、久保書記長が、党の委員長と総理としての見解が違うべきものではないという意味のことですね、それはまた私は当然だと思います。
 ですから、私が本会議で述べたことを党本部の大会で議論をしてもらったわけです。仮に私が述べたことが大会で承認されないというようなことになれば、私は出処進退を明らかにしなければならぬということになったかと思いますけれども、幸いに賛同いただきましたので今日があるわけであります。
 あと……。
○高市委員 繰り返します。あと一つの質問は、十月五日の本会議で社会党の政策転換の理由をおっしゃったときに、新しい世界情勢に対応したものだとおっしゃったんですけれども、去年の選挙の時点で新しい世界情勢が存在しなかったと考えているのかどうかという問題でございます。
○村山内閣総理大臣 選挙前と選挙後と世界情勢がどういうふうに変わったかという、これは変わった面もあれば変わらなかった面もあろうかと思います。しかし、これぐらい急激にどんどん変わっていくということは、私は過去には少なかったと思うんですね。現に日本の国内の政治だって、それは一年間に四回も政権がかわったんじゃないですか。こんなことは恐らく選挙前にはどなたも想定していなかったと思いますよ。そういう情勢の変化というものもやっぱり十分視野に入れて、そしてこの現状に対応できる、国民のために一番いい政策の選択をしていくというのは、政治家として当然ではないかと、私はそう考えております。
○高市委員 もう私の時間が来ましたので、以上で私の質問は終わりですけれども、とにかく信念が大切な要件だと認められたわけでございます。また、社会党の基本政策、新政策と総理の意向、これからの政治への姿勢が一致したものであるということを認められたわけでございます。
 その点十分今後もお心にとめていただいて、何とかこれから日本が信頼される国に、それから大切な決定をするときに必ず国民の合意をきちっと取りつけるだけの議論の土壌をつくっていただく、もう少し具体的にいろんな要件を明らかにしていただく、以上のことをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて高市さんの質疑は終了いたしました。
 次に、今津寛君。
○今津委員 質問に入る前に、私は、今ザイールはちょうど雨季でありますけれども、人道的見地から難民の救援活動に当たっておりますところのザイールの自衛隊諸君あるいはNGOの諸君に、一日本人として心から敬意を申し上げたいと思います。
 さて、今回自由民主党は、立党以来の理念と誇りを捨てて、そして三十八年間真っ向から政策において基本的に対立をしていた社会党の委員長を総理大臣に担いで、自民党、社会党、さきがけの連立政権をつくったわけでありますが、私はこの選択は、後世私どもが子孫から大いに批判を受けるところだろうと思っております。
 一九六一年、ジョン・F・ケネディが大統領選挙に受かって、そして故郷を去るに当たって、自分の母校において、マサチューセッツ州の州議会で演説をいたしております。少し読ませていただきたいと思います。
  多くを与えられている者には多くが要求され
 る。そしていつの日か、歴史という高貴な裁き
 の場で、われわれが国家に対するつかの間の奉
 仕においてどれだけの責任を果たしたかが問わ
 れることになろう。その時、四つの疑問に対し
 われわれがどう答えるかで審判が下されるだろ
 う。
  第一に、われわれには真の勇気があったか。
 その勇気とは単に敵に対するものでなく、必要
 とあらば仲間に対しても立ち向かうことのでき
 る勇気であり、公のプレッシャーだけではな
 く、私的な欲望にも立ち向かえる勇気である。自由民主党総裁の河野先生は、これを、「われわれ」を自民党に当てて聞いていただきたいと思うところであります。
  第二に、われわれには真の判断力があった
 か。未来と過去を真正面から見つめ、自らの過
 ちを認め、自分たちの知識の限界を知り、それ
 を認める英知があったか。
  第三に、われわれには真の尊厳があったか。
 自らの信念を貫き通し、
「自らの信念」というのは自由民主党の信念であります。
 人々の信頼を裏切らなかったか。政治的野望や
 金銭的欲望のために神聖なる任務を汚さなかっ
 たか。
  最後に、われわれは真に国家に献身したか。
 名誉を特定の人間やグループに妥協せず、個人
 的恩義や目的のために道を曲げず、ただひたす
 ら公共のため、国家のために身を捧げたか。
すなわち私は何を言いたいかというと、自由民主党河野洋平総裁は、政権に復帰するに当たり選ぶべき選択の道というものは、自由民主党は政策において国民の支持を得て、そして今日の日本の繁栄の礎を築いた政党でありますから、その体質的なところを改善をする、改革を行う、その変わった自由民主党を見ていただくことによって国民の信頼を得て選挙に勝ち抜いて、そして保守中道、同じ考え方の人たち、近い考え方の人たち、その人たちと力を合わせて政権をつくる、これが私は自由民主党総裁河野洋平先生のとられる道であったと信じたわけでありますが、これについての感想をお聞かせいただきたいと思います。
○河野国務大臣 今津議員は、長い間自由民主党で政治活動をされたかつての同志でございます。かつての同志からいろいろと御意見をちょうだいしたことを大変ありがたく拝聴はいたしますが、少し今の御意見と私は見解を異にいたします。
 二、三私の感想を申し上げれば、今津議員は、まず、保守中道でやるべきだ、こういうことを述べられた。つまり、それは考え方が近いから保守中道でやるべきだ、こういう意見を述べられた。私もかつてそういう気持ちを持っていたことがございます。
 しかし、これは明らかにもう、たびたび総理からもお話がありますように、国際情勢の変化、つまりベルリンの壁が壊されて、今や世界には保守とか革新とか、そういうイデオロギーの対立の時代から、国民のためにあるいは国家のために、世界のためにどういう政策が最も今必要かという、政策を競う、そういう時代に変わってきて、保守中道でまとまることがいいという先入観を私はとりません。むしろ、考え方が近いあるいは政治手法が近い、こういうグループができるということは意味のあることだとまず思うわけでございます。
 それから、ケネディ大統領のお考えを引用して披瀝をなさいました。私も、今少なくともその引用された文章は、私にとっても大変いい文章だなと思います。政治家として、一つのそれは理想であるというふうに思います。
 ただ、私思いますのに、政治にとって大事なものは、時に与えられた前提条件の中における最善の選択ということも大事なんですね。今から数カ月前まで日本の政治は大変混乱をしていたじゃありませんか。あの大変混乱をしている日本の政治状況の中で、まず自民党が整理整とんされてからやればいいという悠長な時間がなかったということもあるということも、ぜひ理解をいただきたい。
 自分の居ずまいを正すということも大事です。居ずまいを正すべく最大の努力を我々同志みんながしている。しかし、一方で国の政治は混乱をして、国際的にもなかなかうまくいかないという状況が目の当たりにあれば、第一党の責任として第二党に呼びかけて、新しい政権をつくろうではないかという、この考え方もまた全く間違っているというふうに私は思いません。そういう考え方もあるということをぜひ御理解をいただきたいと思います。
○今津委員 現実を直視をして、そして対処をするということも政治家の大事な使命だと思いますが、同時に、自分たちがどういう主張をして、そしてその主張してきた事実がどうであったかということをやはり重く感じなければならないと思います。
 村山総理にお伺いをしたいと思いますが、あなたは社会主義者ですか、違うのですか、それが第一点。
 それから、これは産経新聞、ワシントンにいる編集特別委員が、アメリカのいわば学識経験者とか政治家が、今の自社さきがけ、その政権をどういうふうに見ているかということを引用しているのでありますけれども、その中でこういう記述があります。
 確かにアメリカ側の識者の村山政権論は、否定的な点で驚くほど一致している。日米安保の破棄を叫び、旧ソ連共産党や朝鮮労働党と連帯をし、マルクス・レーニン主義にまでしがみついてきた日本社会党の代表と、こういう記述がありますが、これをお認めになりますか。
○村山内閣総理大臣 社会主義者であるかどうかということについては、人によって見方はそれぞれ違うと思いますけれどもね。私はやはり、一時社会主義というものについて勉強してきたことがございます。しかし、今日の世界情勢を見ますと、一応ソ連がもう崩壊するとかあるいは東欧が解放されるとかいうような状況の中で、もう一遍見直しをして洗い直してみる必要があるのではないかというふうに考えて、今勉強中であります。
 それから、今アメリカの新聞について報道がありましたけれども、私はそんなふうには理解しておりません。と申しますのは、ナポリ・サミットで初めてアメリカの大統領にもお会いしたわけですけれども、四十分くらい二人でお話し合いをいたしまして、そんな意味では正しく御理解をいただいたのではないかというふうに考えておりますから、そういう論評は当たってないというふうに私は思っています。
○今津委員 自分が社会主義者であるのかどうかということは、きちっと明確に御発言なさった方がいいと思います。
 それから、時間がないので先に進みますが、この記事の中に同時にこう書いてあります。
 日本側の中では、自民党の先生方がよく言われるのですけれども、自民党と社会党が政権を組むことによって社会党は変わったのではないか、だから日本の国にとってはよかったという、こういう議論であります。でも、アメリカ側からしてみると、同盟国からしてみれば、まず第一に、なぜアメリカにとって最大の同盟国のその代表、リーダーに社会主義者がなったのかということが第一点と、それから、社会党が政策が変わったということは、社会党の支持者にとっても、あるいは社会党を批判をしていた人たち、例えば私どもみたいに政策の上で真っ向から対立していた者、そういう者にとっても完全な裏切り行為である。したがって、こういう現実の経過を見ても、民主主義の論理が指す方向はただ一つ、村山政権が一日も早く新選挙区制度の総選挙を実施して、国民の信を問うことであろう、こういうふうに書かれてあることを申し述べておきたいと思います。
 ところで、日本社会党と旧ソ連の共産党の関係でありますけれども、昨日田名部議員の質問に明快に否定をされました。そして、本日も同様な答弁があったかと思うわけでありますが、随分新聞の記事には出ているんですね。見出しだけ申し上げておきたいと思いますが、一九九二年六月二十四日毎日新聞「社会党へ十万ドル援助決定」、九二年七月十三日朝日「旧ソ連共産党への要請 社会党、新聞用紙調達も」、九二年七月二十五日「旧ソ連からの資金提供はない。」これは社会党書記長が反論、それから九二年十月三十一日読売「貿易通じ社会党に財政支援を 旧総評事務局長 七一年、ソ連に秘密書簡」、いろいろとこうずっとあるわけです。時間の関係がありまして省きたいと思いますが、こういう報道においても、それでは当然、事実無根であると自分の責任において御発言されますか。
○村山内閣総理大臣 そういう新聞報道がなされたときに、モスクワまで派遣して徹底的な調査をしたんです。その事実はないということを確認しております。
○今津委員 社会党前調査部長の上住充弘さん、この方が雑誌等で随分と発言をされておりますが、これも時間がないので発言を少し短縮いたしますが、社会党のいわゆるソ連金脈を証言、告白する立場として、国会で証言を求められれば知り得たことを話す、こう言っているわけでありますが、こういうふうにもとの社会党の調査部長は言っている。それから、場合によっては自分は国会に出て証言をしてもいいぞということになったときに、あなたは正々堂々と対決なされますか。
○村山内閣総理大臣 それは、そういう証言があれば当然明らかにしていただいて、それは対決しても結構です。
 私が承知している範囲では、わざわざモスクワまで調査に行って、いろいろ時間をかけて調査をした結果、そんな事実はないということを確認しておるわけですから、私はそれを信頼します。
○今津委員 事実が判明したらどういうふうに責任をとられますか。
○村山内閣総理大臣 事実が判明したらといって、私は、ない、こう言っているのですから、それはそれに対してお答えをする限りではないと思います。
○今津委員 河野外務大臣、お伺いいたしますが、村山総理は、そういう事実は過去の社会党とそれからソ連共産党の間になかったとおっしゃっておりますが、あなたはどういうふうに受けとめますか。
○河野国務大臣 社会党の問題、社会党委員長の御発言を信頼したいと思います。
○今津委員 やはり政治家というのは、自分たちの言ってきたこと、していることについて責任を持たなきゃいけないと思うのですね。
 自由民主党は昨年五月、大原一三先生、調査局長を団長として、今落選中でありますが浜田卓二郎先生なども同行されて旧ソ連へ行きまして、事実の捜査をなされて、調査結果というのを明確に発表されておりますね。これは、今村山総理がお話をされていることは間違いであって、こういう事実が明確にあったということを記者会見で発表されておりますが、河野先生、これはどのように受けとめたらよろしいんでしょうか。
○河野国務大臣 今村山総理は、社会党をして同じくモスクワへ調査を出して調査をした、その結果、そういうことはなかったという御発言をしておられるわけでございますから、その御発言も信頼をしていいと思っております。
○今津委員 この本は昨年四月九日、自由民主党調査局が発行した書物でありますが、自由民主党の調査局が発行した書類であることを自民党総裁はお認めになりますか。これです。
○河野国務大臣 恐らく我が党調査局の出版によるものだと思います。
○今津委員 まず、これに入る前に、やはり自由民主党の先輩の人たちが、この国会の中でこの問題についてどういう発言をなされてきたか、これをやはり明らかにしておかなければいけないと思うわけであります。
 昨年、調査団が派遣をされまして帰ってこられて、そして、もう一度総裁、お帰りになってから読んでいただければわかるのですが、新聞等で報道されたこと、あるいは先ほどの社会党の前調査部長さん、この方が発言されたことをほぼ肯定をしておって、そして実際に資料を挙げて、そして事実であったということを自民党調査団が明確に、これは記者会見をして、そしてすべての新聞に実は載っているわけであります。
 それを受けまして、私の先輩でありますが、河本派の鴻池先生という方がおられたのでありますが、鴻池先生が予算委員会で平成五年五月二十日、この問題を取り上げております。
 それからさらに、今の自由民主党の政調会長加藤紘一先生、政治改革の関連の質疑の中で、これは政調会長の発言ですから重いものですから、少し読ませていただきたいと思いますが、平成五年四月の十四日、衆議院会議録第二十号によります。公職選挙法の一部を改正する法律案の趣旨説明に対する加藤紘一君の質疑、こういうことで、議事録でございますが、読ませていただきます。
  他方、野党においても、大義を口実に、正当
 と言えない献金を受け入れるという誘惑に負け
 たことがあったように思われます。最近のロシ
 アにおける秘密文書の公開や、旧ソ連の要人た
 ちの談話などから、社会党が当時の友党だった
 旧ソ連共産党から献金を受けたという話が取り
 ざたされるようになりました。もしそれが事実
 ならば、それは悪質な政治腐敗であり、国民に
 対する重大な裏切り行為であります。政治資金
 規正法が外国人及び外国法人から政治献金を受
 け取ることを全面的に禁じているのは、それが
 日本の独立や主権を脅かすからにほかなりませ
 ん。(拍手)
ここで「(拍手)」と書いてあるのは、恐らく自由民主党の先生方がここでそうだそうだということで拍手をされているわけであります。
 それが外国の意図に基づくものであった場合に
 は、政治的にも道義的にも決して許されるもの
 ではありません。この点に対する社会党の見解
 をお聞きしたい。
またこれ自民党の方から拍手ということをしているわけでありますが、私はやじにこたえるわけではありませんが、かつて自由民主党の国会議員であった、こういう責任において、やはり自民党が党として信念を持って国会で追及してきた、そのことについて明確にさせていただいているわけでありますから、事実であったらどうだという加藤紘一現政調会長の発言、そして自由民主党において調査団を派遣してこういう事実があったということを明確にされているこの事実、とすれば、私は、河野総裁がお話しされていることは全く国民を裏切るものであろう。
 かつて野党のときには、これは平成五年四月だから与党の年だ、与党のときは、対立していた社会党に対しては調査団を派遣し、そしてこういう政党については認められないんだということを声高々に言って、国会で論戦を張った。しかし、いろいろな都合があって一緒になった。そのとき公党として堂々と主張されたことを、今はそのことをおいておいて、それは社会党のおっしゃることが正しいんでしょうと言うことは、自由民主党総裁河野洋平先生、国民を欺くようなものだと私は思うわけですが、いかがでございますか。
○河野国務大臣 今読み上げられた速記録のくだりは、私ちょっと読んでおりませんのでわかりませんが、そういう自民党からの質問に対して社会党が何か答えておられますか。もし答えている部分があったら引用していただきたいと思います。
○今津委員 社会党は否定しているわけですね。
 それでは、この調査局の資料を読ませていただきたいと思います。
  日本社会党は、旧ソ連共産党から直接資金供
 与を受けたこともないし、資材を市価よりも安
 く買い取ったこともないと言っている。ところ
 が、この程自民党の「ロシア調査団」が持ち
 帰った旧ソ連共産党中央委員会の内部資料か
 ら、それが全くの偽りだったことが判明した。
  その資料をもとに、日本社会党が旧ソ連共産
 党からどのような方法で資金供与を受けていた
 のか。その金額はどの程度に達したのか。そし
 てそれを、わが国の「親ソ・反米」派がどのよ
 うに使っていたのか。
  その一端を、明らかにしたい。
こういう言葉で始まっているのであります。
 要点だけ何点か言います。
 「元総評事務局長岩井章氏も支援要請」あるいは「ソ連コワレンコ宛石橋書簡の意味は重大」「十万ドルの資金捻出へ」「日本社会党へ二千二百万円の援助」。日ソ貿易協会横川正市会長との会談記録があるが、「横川会長は、会談で「一九七三年から七四年にかけてソ連から購入した広葉樹パルプ材五万立方メートルを販売した結果として、日ソ貿易協会は、日本社会党に総額二千二百万円の財政援助を行った」と旧ソ連側に伝えている。」そして、「こうして、日本社会党は、いよいよ旧ソ連陣営に引き込まれ、日米安保条約解消、自衛隊解体一本槍の日本社会党へと変貌していくのである。」いわゆるソ連共産党から資金援助を受けることによって大事な政策の根幹も変えていく方向に向かっていったということを、自由民主党の調査局提出のこれにこう述べられているわけであります。
 そこで、「それはただ資金不足に悩む日本社会党に、旧ソ連共産党が資金援助した、というだけのことであるのか。コトはもっと重大ではないのか。というのは、これが、日本をアメリカから引き離し、わが国の親ソ勢力を強めて、わが国の世論を二分し、日本を分裂させ、弱めることを目的としていたからである。」
 すなわち、先ほど私は冒頭にアメリカ側のいわば学識者の、日本のこの連立政権に対する批判を申し上げましたけれども、かつて自由民主党も、日本社会党がやはり政策的な面で旧ソ連と非常に密接な関係があって、そして自由民主党と真っ向から対立していた、それはある面では五五年体制といいましょうか、東西冷戦の不幸であったかもしれません。
 しかし、かつてのそういう立場を批判をした自由民主党が、なぜ今そこで政権を一緒になるのですか。なぜ真っ向から批判をした党外の委員長を総理大臣に担ぐのですか。(発言する者あり)私は、これはおかしな話だと思う。しかも、時代の要請であるという今私語がありましたけれども、これは自由民主党が、かつて自分の政党の信念として、国民の立場という立場に立って社会党のそういう党の性格そのものを批判をした。しかし、今連立政権を組んだら、そういうことは間違っていた、そういう批判は間違っていたのですか。それはどういうふうに総括されるのですか、河野先生。
○河野国務大臣 政党はお互いに批判し合い、切磋琢磨して進んでいくものだと思います。時にお互い厳しい批判をし合うという場面もあると思います。しかし、国家国民のためにここは一致して協力し合っていかなければならぬという場面もあるということをぜひ議員に御理解をいただきたいと思います。
○今津委員 再度お伺いをいたしますが、河野先生におかれましては、自由民主党の総裁として、党が出されたこの調査局の資料について、中身について事実であると肯定されますか、それとも間違っていた、そういうふうにおっしゃいますか。それだけひとつお答えいただきたい。
○河野国務大臣 一遍よく読んでみます。
○今津委員 読んでみるというのもおかしな話で、それは総裁として、読んでいたか読んでいないかわからないけれども、少なくとも自由民主党というきちっと名前を書いたものがあれば、これは部下を信頼をする、あるいは調査局の調査団を信頼をするという意味において、これは事実であろうという肯定の発言がないのはまことにおかしいわけでありまして、私は、まことにこのことについてはおかしい。
 これは、端的に言いますと一つの例だと思うのです。国民はわからぬわけです。最近、連立政権の支持率が上がっている。これは社会党が政策転換をした、このことについて国民の支持が得られているのだ、ある一方では、これは少し安定政権になっていくのではないか、これは村山先生の支持率が上がってきた、こういうことだと思うのですけれども、でも肝心なことは、総理、二十代の皆さん、若い青年諸君は、実は村山連立政権に対する批判は全然緩まっていません。
 すなわち大衆といいましょうかサイレントマジョリティーといいましょうか、いわば真っ白い目で政治を見る人たちにとってみては、やはり今回の連立政権というのは誤っている。目先の政権をとることに、自分たちの理念も誇りも、その誤った政策ということの総括なしに組んだこの政権というのは間違っている。それを若い人たちは、あるいは声のない大衆の人たちは、私は厳しい批判を持って見ていると思うのであります。
 私は、委員長にお諮り申し上げたいと思いますが、この事実関係が全く明らかになっておりませんので、明らかにする必要があると思っております。この委員会において御協議いただきたいと思いますが、平成五年の自民党調査団の団長でありました大原一三先生、そして浜田卓二郎前代議士、それから前社会党調査部長上住充弘さん、この三人について当委員会において出席いただいて真意を明らかにさせていただきたいと思いますので、お取り計らいをいただきたいと思います。そのとき改めて議論をさせていただきたいと思います。(発言する者あり)参考人です。
○佐藤委員長 後日理事会で諮らせていただきます。
 これにて今津君の質疑は終了いたしました。
 次に、笹川堯君。
○笹川委員 今、今津先生が質問して、証人喚問を、何か三人の人をぜひ認めていただきたいということでありますので、私の方からお願いをいたしておきます。
 まず、総理には、明治大学の大先輩でありますから敬意を表しつつ、さきには名誉博士号もいただいたそうでありますので敬意を表しつつ御質問しますが、私はきょうは、総理の秘書官の方から質問の通告というお話がありました。だけれども、この場は政治家と政治家の話し合いであって官僚主導の政治はやらないということを皆さんがおっしゃったんだから、教えるわけにはいかない。しかし、総理大臣をここで突き上げてみたところで日本の政治がよくなるわけじゃないからお互いにひとつ胸襟を開いてぜひお話し合いしたい、こういうことでありますので、大体明治大学程度の質問でありますから、よろしくひとつお願いをしたいと思います。
 まず、御案内のようにテレビ、新聞その他で世論調査がいろいろ出ます、まあ総理もごらんになっているように。その調査によりますと、残念だけれども、消費税については公約違反だというのが約六〇%あります。これは総理自身も否定なされないと思うのです。それから、総理は、政治の空白は許されない、だから当分解散はないとおっしゃいましたが、実は区画法案が国会を通過すれば、やはり速やかに国民に信を問うべきだと答えている人がもう七〇%でありますので、ぜひひとつそのことを念頭に置いていただいて、区画法案ができたら速やかに国会を解散をしていただきたいと思うのですが、いかがでございますか。
○村山内閣総理大臣 これは従来からも申し上げておりますように、今委員が述べられたような意見の方もあるかと思います。しかし反面、この重要な時期に政権を安定させて当面の課題を解決すべきだ、こういう意見の方もあります。そういう国民のいろいろな意見をやはり総合的に判断をして決めなきゃならぬ課題だ、問題だというふうに受けとめています。
○笹川委員 確かに総理は、総理大臣になったら空白は許されないとおっしゃるのだけれども、野党にあったときは、牛歩をしたり総辞職の法案を出したり、委員会はしょっちゅうとめていたわけですね、社会党としては。社会党のときは空白はいいのだけれども総理になったらだめなんだよというのでは、同じ政治家としてちょっと私はおかしいのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 総辞職を求めたり、それからその法案に反対するために抵抗したりなんかしたことは、これは私も経験を通じてあります。
 しかし、解散を求めるということは、それは解散権というのは総理にあるわけですから、ですからその解散をするかせぬかという判断は総理の責任ですべきものだというふうに思いますから、そのときどきで、今あなたが早期に解散をすべきではないか、こういう意見があると同じように、そうした状態の中でそういう意見が幾つかあることはこれは否定し得ないことだと思います、私は。しかし、最終的に解散権というのは総理が持っているわけですから、総理の判断でもって行われるというべきものだと私は考えています。
○笹川委員 それは歴代の総理大臣もそう答えたわけでありますが、しないと言ってもすぐするのが政治でありますので、そういう世論調査の結果があることをぜひひとつ頭の中に入れておいていただきたい、こういうことであります。
 さて、総理は、消費税は国民の間に定着してきている、こういうようなお話がありましたが、私、もう現在自民党じゃありませんが、自民党時代は大変皆さん方にいじめられて、消費税の説明会をずっと選挙区でやったものであります。定着することについては、自民党ももちろん我々も一生懸命やりました。しかし、社会党としては、定着していると今おっしゃるけれども、総理は、どういう定着することについての努力をなさったのですか。反対したことはわかるんだけれども、どういう努力をして定着したのか。そうじゃないと、自分たちは何もやらないのに、我々が定着する努力をしたのに、まさに他力本願で、人のふんどしで相撲をとったことになるのですよ。いかがですか。
○村山内閣総理大臣 国会でこの消費税の問題は随分議論をされてまいりましたね。その議論を通じて国民の皆さんも、いい悪いという判断をそれぞれされるでしょうし、そんな意味では消費税に対する理解も深まっていったのではないか。これはやはり国会が与野党共通しての役割を果たしたと私は思うのですね。それで、法律が施行されれば、それは法律を守る義務が国民にあるわけですから、その法律を守っていく国民の日常の生活の行動を通じてだんだんだんだん国民の中に定着したものだというふうに私は理解いたしております。
○笹川委員 私自身も、消費税はこれから絶対必要な税だと思っておりますので、社会党がそういう考え方が変わったということは、日本のために非常によかった。ただ、願わくば絶対に後戻りしないような政党であってほしいな、そういうふうに思っております。
 さて、委員長、ちょっと許可をいただいて、これを一枚総理に渡しますが。
○佐藤委員長 どうぞ。
○笹川委員 実は総理、社会党は、自衛隊は違憲だ、あるいはまた、今回内閣を組閣されて、憲法の範囲内だとかいろいろな議論があるわけであります。私は、現在の自衛隊そのものについて否定するつもりは毛頭ありませんし、大変日本のためにも役に立っている、こう思っていますが、残念ながら、憲法の第二章の「戦争の放棄」、これを読みますと、総理、すっと読むと、この文面からはやはり自衛隊は、私は、これを読んでいる限りは、やはり違憲じゃないかという気はします。
 特に、「国の交戦権は、これを認めない。」と書いてあるんだ。交戦権というのは、もともとどういうものかというと、相手から撃たれて撃ち返したら、既にこれはもう交戦というのは始まるわけですね。撃たれっ放しなら交戦じゃないですね。学説はいろいろあるだろうけれども、大体憲法でも何でも一般国民がわかりやすいものじゃなきゃ本来はならぬと思うんですが、非常に読んで解釈が幾通りもあるようなことは私は日本の国のためによくないから、せっかく社会党が内閣をとられたときに、これをもう少しわかりやすく、今の自衛隊はきちっと国民の間に認められて、しかもだれが読んでも読み方が違わないような文章にするつもりはありませんか。
○村山内閣総理大臣 私は、この第九条はこの文面のまま解釈しておりまして、別に混乱も混同もないというふうに思っております。
○笹川委員 総理、本当にそうおっしゃっているんですか。これ読んでそんなにはっきり自分の思うように解釈をするということ、私は、もちろん裁判所じゃありませんから、いろんな読み方はあると思うけれども、やはり文章というのは、やっぱり自衛隊というものは戦争はしない、外国へも駐留はしない、しかしやはり、自衛のための最小限度の戦力は保持をしますと、これはもう皆さんが答弁していることを私は文章にすることは何らおかしくないと思うんですね。これ読み取れますか、本当に。総理、心からそう思っていられるの。
○村山内閣総理大臣 この文面を見ますと、第九条の第一項に「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」国際平和を誠実に求めていくと、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」国際紛争を解決する手段として陸海空の戦力は保持しない、こういう文面になっておるものだというふうに私は理解をいたしております。
○笹川委員 まあ平和憲法という言い方は大変私も好きでありますし、でき得れば、自民党時代はなかなかこういう議論もできなかったので、社会党が政権をとられたときに、これからみんなが惑わないような方法をとってもらえれば、私はこれからの国のためにもなるんじゃないのかな、そういう意味でありますので、ぜひひとつ、頭の中に入れていただいて、社会党政権じゃなきゃできなかったこと、自民党じゃできっこないんですから、そのことをぜひひとつお願いをしたい、こう思っております。
 さて、総理、今大変地価が下がりまして、もうバブルがはじけちゃったわけですが、我々も、地価というものを余り暴騰させちゃ一般の市民が困るということで、なるべく地価を抑制しましょうということで、監視区域を設けたり、あるいはまた地価税というものを設けて制限をしてきたんですけれども、近ごろどうも下がり過ぎちゃったという話もありますが、私はまだこれでも下げ足りないというふうに思っております。総理としては、もう少し下がってもいいんじゃないか、いや、今ぐらいでいいのか、どうお考えですか。
○村山内閣総理大臣 今程度でいいのかどうかという評価は、それぞれその立場によって違うと思いますから、なかなか一概には言えないと思いますけれども、ただ、現在の地価税等につきましては、所得、消費、資産等の間で均衡のとれた税体系を構築するという観点から、土地に対する課税の適正公平を確保するという意味でつくられていると私は思うのです。
 土地基本法の基本理念、土地等の公共性なども踏まえた総合的な土地対策の一環として、税制についてその役割を果たすという観点から設けられたものであるというふうに理解をいたしております。平成三年度税制改正において創設されたものでありまして、短期的な地価抑制を目的としたものではない。
 地価の見直しにつきましては、その地価税法附則におきまして、「少なくとも五年ごとに、固定資産税の土地の評価の適正化等を勘案しつつ土地の保有に対する税負担全体の状況等を踏まえて検討する」ということになっておりますから、したがって、この趣旨を踏まえて適正に検討されるべきものであるというふうに理解をいたしておるところでございます。
○笹川委員 今読まれたのは役所の文章だと思うので、ただ私は、そういう細かいことじゃなくして、今の地価が大体このぐらい下がっているが、もう少し下がった方がサラリーマンにしてはいいんじゃないのか。
 例えばアパートをつくるにしましても、家賃というのは全部地代がそのままひっかぶってきますからね。土地が安くなれば必ずその分は家賃が安くなってくる、こういうことをぜひひとつ知っておいていただきたいと思ったのです。
 実はきょうの新聞に、普通アパートやマンションを借りますと礼金なんというものを取られるのですけれども、ここのところ貸す方が、なかなか部屋が埋まらぬものだから礼金はもうなしだ、要らない、もう入ってくれるだけいい、家賃が取れるだけでいいんだというふうに大分落ちついてきましたので、首都圏では一八%ぐらいに礼金はなくてもいいよというのがふえてきたということもぜひひとつ頭の中に入れておいていただきたいと思います。
 次に、運輸大臣にちょっとお尋ねしますが、いらっしゃいますか、亀井運輸大臣。
 実は航空運賃の認可についてちょっとお尋ねしたいのですが、実は航空運賃というのは、一、二で簡単に、適正な経費だとか適正な利潤と書いてあるのです。確かに適正な経費と適正な利潤というとわかりやすいんだけれども、よく考えてみると、適正な利潤というのはどこが適正なのか、非常に今価格破壊の時代でわかりませんね。
 そこで、航空会社が飛行機だけ飛ばして赤字になったとかなんとかというのはよくわかるんだけれども、日本航空の場合でも百何十社、百二十社子会社があるのですよ。そのうち三十六が赤字で、そう思いますと、実際もう民間会社になってきたのだから何をやっても自由だということにはなるんだけれども、それだと結局、本業以外のことをやってどんどんどんどん赤字になったり、借金を膨大に抱えたときに航空行政に僕は重大な影響があると思うので、運輸省としてはやはりなるべく本業だけやってもらって、ほかのことはなるべく遠慮してもらうような行政指導ができないものかなと思うのですが、大臣の考えはいかがですか。
○亀井国務大臣 委員の御質問にお答えいたしたいと思いますが、御指摘のように今、航空業界は大変な各社とも赤字を抱えて四苦八苦をいたしております。これの原因の一つには、やはり委員御指摘のような関連事業がうまくいっていないということも全体として足を引っ張っておるという面があろうかと思います。
 そういう意味では、各社がリストラを進める上において、関連事業についての見直し等を含めて、そういう面についてのいわゆる経営能力、体質強化、こういうものをきちっとやっていくことが私はリストラである、このように基本的には考えております。もちろん、それ以外の人件費とか人員の問題もございますけれども。
 そういう中で、ただ関連事業もうまくやれば本業にプラスになるという場合もあるわけでありますから、このあたりが経営者の経営能力にかかってくることだと思いますけれども、我々としてはやるなと言うわけにもまいりませんで、それは各経営者の判断にゆだねるところでありますけれども、航空業界、ぜひひとつ、そうした全体についてのきちっとした見直しを私はやってもらいたい。
 また、なお、運賃等について今いろいろな問題がございますが、今大幅に航空法を改正いたしまして、割引運賃を相当広範囲に認めております。そういう意味では、各社の自主性というのが非常に幅が広くなっておりますので、これは民間企業でございますので、そういう意味では自主的な判断に基づいて今の苦境を乗り越えていただきたい。
 なお、運輸省としては、必死なそういう努力をする中で、国としてやはり国民の方々が納得されるという範囲で応援をすることがあれば私は応援もしていきたい、このように考えております。
 御承知のように、今の空港整備等につきましても、ユーザーの懐を当てにしてやるような形になっておるわけでありますが、国際化時代においてはそういうことでは私はなかなか整備も追いついていかない、このように思います。そういう意味で、今後公共事業としても取り組んでいくというようなことを含めて、間接的にでも、私は航空業界の支援も合理的な範囲でやってまいりたい、このように考えております。
 以上です。
○笹川委員 料金改正については運輸省の権限で、その子会社をつくるのをやめろという権限は実は運輸省にないんです。それはわかっているんですが、それじゃ、どんどんやられちゃって借金だらけになったとき、いつの日かこれは清算しなきゃならぬわけですから、私はこういうときこそ行政指導というものはするべきであって、しなくていいものをしちゃったり、しなきゃならぬものをしないというのは私はちょっとおかしいと思うので、亀井運輸大臣、蛮勇を振るってぜひひとつお願いをしたい。
 で、特に沖縄のことを申し上げるんですが、どうも、沖縄というのは非常にいいところなんだけれども、航空運賃が何せ高過ぎる。ところが、ほかに向かっては安いとおっしゃるんだけれども、やっぱり沖縄の所得水準と東京、大阪と違うんですね。だから、よほど安くしてもらわないと、行ったきり帰らないわけにいかないんですから。そういう意味では、基地はだんだん少なくなっていかなきゃいかぬわけだから、そのときに沖縄が困らないように今から、沖縄へ行って帰る人の運賃だけは特にひとつ考えてほしいと。これはもう御答弁は要りませんから、御要望をさせていただきます。
 次に、午前中、日の丸と国歌の話で何か統一見解が出なかったのでちょっと聞きにくいんですが、ぜひ総理、文部省も指導はするということになっているそうですから、総理としては今まで社会党で歌われなかったこともあると思うんですが、今もちろん現職の総理として、あるいはまた総理をやめられてもそういう機会があったら歌っていただけますか。
○村山内閣総理大臣 そういう儀式の会場に出るときには私も歌っております。
○笹川委員 山口国務大臣にもちょっとお尋ねしますが、お互い群馬県であります。先生は歌わないということで歌っていただけなかったんですが、今回こういうふうに社会党の統一見解が出ましたので、今度山口国務大臣は歌っていただけますか。
○山口国務大臣 総理の見解と同じであります。
○笹川委員 大変収穫があったように思っています。
 さて総理、今回、ザイールのゴマ地区に自衛隊が派遣されたわけでありますが、機関銃を二つ持っていく、一丁持っていく、非常にもめたそうであります。実は総理に素朴な質問になると思うんですが、実は我々、車を運転しても、前を見て、バックミラーで後ろの安全を確かめて、サイドミラーで横の安全を確かめるわけですね。そうすると、安全なところへ行くわけじゃありませんから、やはり前に軽機関銃を一丁持って、後ろに持って、まあ二丁ぐらいは僕は多いとか少ないの議論じゃなくして当然だと思うんですね。
 で、実は総理御自身、今警護車で警護されていますね。これは前後なんですよ。前だけ警察官が乗っているんじゃないんですよ。後ろにも乗っているんです。前だけピストルを持って、後ろは持っていないかというと、後ろも持っている。これはなぜかというと、やっぱり総理大臣の地位というものは重いものだ、総理大臣に危害が加えられたら日本の国の威信にかかわるということで、実はそういう警備をされておる。
 当然、私は、自衛隊員の安全というものはもう絶対必要なものなんだから、自衛隊員が、発砲するために行くわけじゃありませんから、そういう意味では私は、二丁が一丁だからいいとか、三丁はだめだという議論じゃなくして、やはり使わないんだということが前提にあるわけなんだから、やはり一種のその抑止力というのは、相手が機関銃を持っていれば機関銃を持っていく、こん棒ならこん棒でいいという議論はあると思うんです。日本の警察官だって、相手が、市民が何も持ってないからけん銃で済むわけで、しかし、相手が、やくざがどんどん機関銃をぶっ放すようになれば、恐らく日本の警察も同等の装備品は欲しいという話に私はなると思う。
 ぜひひとつ、総理、自衛隊員の安全を確保することがまず第一。その次に、相手の困っている方々を救済するということはもう大変大事な仕事でありますので、今回は後で追加というわけにはいかないかもわかりませんが、そういう、やはり警備というのは前後左右というのが常識ですから、前だけ一丁あればいいという話じゃなくして、ぜひひとつその辺は、そういう小さな議論じゃなくして、していただきたいと思うのですが、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 私がこの問題についていろいろ相談をしたり議論をするところで、一丁ならいい、二丁ならいいとか、そういう議論をしたことはありません。それは、それ以前にあったかもしれませんけれども、私のところではない。私は、これは抑止力で持っていくものではないのだと。抑止力で持っていくとすれば、これはもう最初からこれしか持っていきませんということを表明して行けば、これは抑止力の役目を果たせぬわけですから。したがって、抑止力なんかで持っていくものではなくて、まあまあいろいろな角度から情報も入れ、現地にも調査に行った人の報告も聞き、総合的に判断をしてみて、完全に平穏で何の支障もなく仕事ができるかといえば、そうも言えない面もある。
 したがって、まず、この目的はこれは明確なんですから、その目的が遂行できないような状況になれば、それは一時やはり避難するとか、それからもう引き揚げるとか撤収するとかいうようなことも考えなきゃならぬと思います。しかし、あってはなりませんけれども、万が一、万が一このPKOで言う自分の身の安全が侵されるというような場合には、やむを得ず使うこともあり得るのではないかというので持っていっていただいているのであって、そういう判断でもって結論を出したものだというふうに御理解をいただきたいと思うのです。
 委員おっしゃるように、もう何をおいてもやはり身の安全が一番大事ですから、人命救助に行く者が自分の身が危なくて人命救助はできないわけですから、したがって、そのことは十分わきまえて、踏まえてやっていただきたいというふうに私は思っておりまするし、毎日その情報は報告されておるというように、この安全についてはもう細心の注意を払って取り組んでおるということだけは申し上げておきたいと思うのです。
○笹川委員 今総理は、二丁が一丁になったのは私が決めたわけじゃないとちょっとおっしゃったように思うのですが、これは閣議で最終的に決まったのじゃないですか。例えば防衛庁の長官の決裁で決まっちゃったのですか。閣議で決まったのじゃないですか。
○村山内閣総理大臣 最終的に、携行する武器については私のところで決めました。
○笹川委員 そうすると、さっき御答弁になったのは、私のところで決めたのじゃないとおっしゃったが、それは訂正されないと。
○村山内閣総理大臣 それは、私のところで二丁持っていくがいいか一丁持っていくがいいかなんという議論はなくて、私のところに来たときには、もう機関銃は一丁、そしてけん銃はそれぞれ持っていきますということの議題として提起されておるわけですから、そこで安全性の問題について若干の議論はいろいろな角度からしましたけれども、しかし、最終的に私のところで決めたということについては間違いはありません。
○笹川委員 過剰の警備になることは好みませんが、ぜひひとつ自衛隊の家族の人が安心できるような、そしてまた相手に脅威を与えないような、そういう方法でひとつ、今後も引き続いてあることだと思うので、やっていただきたいと思います。
 次に、通産大臣にお尋ねしますが、大変日米交渉でお疲れで、御苦労さまでございました。敬意を表しつつ。
 実は、きょうの日本経済新聞に、「初めに値下げありき」というので、実は自動車の価格革命ということでちょっと、お読みになりましたか。そうですか。実は、今まで何か物をつくるときは、必ず物をつくって、それでそれに利潤を乗っけて、そして売るという時代があったのです。もうこれからは逆に、この値段以外は買えないと購買者の出せる価格をまず頭に置いて、それに合うものをもう既に自動車産業はどんどんつくっているわけですね。
 自動車というのは、御承知のように一時期輸入禁止の措置がありましたけれども、もう現在では全く自由に競争して、国際競争力に変わってきた。しかし、現在は部品の単価その他を切り詰めないとやっていけなくなったので、自動車メーカーも本当に大変苦労していると思いますが、もう小さい業者が空洞化で外国へ行かないと採算が合わないと言っているのですね。
 なぜ合わないかと聞いてみたら、工場をつくる土地の単価が高いものだから、どうしてもアメリカの土地の方が安い、当然つくるものも安いのだという議論を実は今、けさも選挙区からその電話がありましたので、土地の値段まで通産大臣の管轄ではないと思いますが、今一番通産省自体がそういうことで、産業の優先から生活者優先の政治というと何か産業がなくてもいいように聞こえるのですが、これは大きな間違いでして、産業が安定しているからやはり国民の生活も安定できるし、安定した税収も入るし、そういうことを考えておりますので、何か一言ありましたら、どうぞ。
○橋本国務大臣 委員が御指摘になりましたのは、多分、特定の日本メーカー及び外国メーカー、特定の車種について価格帯を設定し、それに合う設計に部品等を切り詰めて、その結果こういう車ができたという記事だったと思います。そういう努力、私も大変高く評価をいたします。
 と同時に、今地価についてお触れになりましたが、我が国の自動車の部品関連産業を含みまして非常に問題になっておりますのは、円高でございます。そして私は、地価だけであるならば、日本の中小企業は十分対抗し得る技術力を海外に対して有しておると思っておりました。しかし、このところの為替の状況の中で、海外への移転、進出というものがふえ、空洞化が心配されている状況であります。
 ただ、通産省として調査をしましたとき、私は非常に一つ救いを見出したような気がしましたのは、その中小企業の方々が円高の影響を十分に認識をされた上で、新たな分野への進出、あるいはより自社製品に対する付加価値を高める努力といったものを目標としてかざしておられるものが非常に多いということでありました。
 現在、次年度に向けての政策の準備を進めておりますが、そうした点に十分意を用いながら我々は対応していきたい、そのように考えております。よろしく御支援を願います。
○笹川委員 今通産大臣から話があったように、物をつくるというのは、やってみた人じゃないとなかなかわかりませんが、大変厳しいです。どんなきれいなものでも汚い部分を担当する者がいますから、そこへはなかなか人が来ない。後継者がいない話というのはよく農業でも出るんですが、僕は農業だけじゃなくして、今、後継者がいないというのは、印刷でもそうですし、いろいろな部分で、それはもうからない職業には非常にやはり後継者が少ないんだ、もうかるところは黙っていてもどんどん後継者が来るんだということでありますので、ぜひひとつ、円高の問題もありますが、努力をしていただければありがたいと思います。
 最後に大蔵大臣にお尋ねしますが、これもきょうの新聞ですが、私がもう国会議員になってから八年間、一緒に同期で隣同士だったこともあるけれども、とかく日本の銀行はどんどん貸してしまって、だめだ、だめだ、バブルがはじけるぞと言っているのに、大蔵省は全然我々みたいな者の言うことを聞かずに放置するだけ放置しちゃって、日本信託も、もうこれはとてもやれなくて三菱銀行が全部面倒を見る。そうすると、今まで大蔵省が決めてきた法律をもう変えなきゃならぬ。今回は特例だといって、年じゅう特例特例で救済しなきゃならぬわけですが、特例というのは本来はあっちゃならないものだ。だから、今回の銀行の救済というのは僕はもう特例じゃなくて、信託銀行はもうほとんど内容的にはこれに近いと思うのですよ。
 だから、きょうは質問通告していませんから細かいことはお答えできないかもわかりませんが、ぜひひとつ、日本の銀行がきっちりしてもらわないと産業界は困るんですね。金を借りに行ったって、自分のところがひっくり返る騒ぎですから面倒なんか見れっこない。しかし、銀行というのは大蔵省の監督下で一番よく言うことを聞くんですよ。だから、それはもう大蔵省自体の僕は指導が誤ったんじゃないかと思うのですが、大蔵大臣、いかがですか。
○武村国務大臣 確かにバブルのときに、土地を中心にして金融機関の貸し付けについては、その結果が示しておりますように反省すべきことが大変多うございました。今なお不良資産がかなりの、十数兆という額に上っておりまして、その削減に全力を挙げて取り組んでいるところでございますが、少し減り始めている、まだ少しでございますがそういう状況にあります。
 そういう中で御指摘のようなことも起こっているわけでございまして、何といいましても日本経済のど真ん中にいわば信用機関として金融、銀行が存在をするわけでございますから、信用、信頼をこれが欠いたのでは日本経済そのものがもたないということをしっかり踏まえて、大蔵省としても努力をさせていただきたいと思っております。
○笹川委員 どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて笹川君の質疑は終了いたしました。
 次に、増子輝彦君。
    〔委員長退席、池端委員長代理着席〕
○増子委員 改革の増子輝彦でございます。大分重複する質問もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
 まず最初に、一つの論文をちょっと御紹介を申し上げたいと思います。それは「いま、わが国の議会制民主政治は戦後最大の危機を迎えているとわれわれは認識している。その理由は」「ひとつは、たしかに国会は国権の最高機関であり唯一の立法府であるが、しかし国会は国民から白紙委任状をもらっているわけではない。つまり、各党は選挙にあたって主権者たる国民のみなさんに公約してその判断を仰ぎ、そして多数を占めた政党が内閣を組織する――これが議会制民主政治の基本であり、いかに多数を占めようとも選挙公約に反するようなことは断じて行われてはならない。」というような実は文章でございます。
 これはもう御承知のとおり、当時社会党の書記長でございました山口鶴男現総務庁長官がお書きになった実は論文でございます。「社会労働評論」という月刊誌だったと思います。実はこの論文、今お話し申し上げましたとおり、選挙公約といいますか、やはり政党、政治家の公約の大事な部分を的確に、当時の書記長であります山口総務庁長官はここに記しているわけでございます。
 政党や政治家にとって公約というものは私は命だと実は思っております。政治姿勢や政策とともに国民の皆さんに公約を堂々と明示しながら審判を仰ぎ、その実現のために最大限の努力をすることが我々政治家の責務であり、政党の責任だと思っております。その政党や政治家にとって命とも思える公約を放棄するということは議会制民主主義を踏みにじる暴挙と言っても私はいいのではないか、そういうふうに考えるところでございます。
 そういう意味で、社会党は昨年七月の総選挙で国民に公約したのは、反自民党、野党連合政権の樹立であり、非武装中立論、自衛隊違憲状態論あるいは日米安保解消論、原発反対等々でございました。これがどういうことになって村山総理がこの考え方を変えたのか、これはいろいろと答弁等でも話は伺っておりますが、これは村山総理の強調する民主的手続とか透明性というものを考えるときに、その趣旨に反するのではないかというふうに私は実は認識をいたしているわけでございます。
 そういう意味で、この件につきまして、まずお書きになった山口総務庁長官に、公約というものの重みといいますか、この大切な点をお伺いをいたしたいと思います。
○山口国務大臣 お答えします。
 御指摘の労働評論の文章は私が書いたものではございません。労働評論の記者に対して見解を私が申し上げて、それをそちらの記者の方で文章にしたものであります。御指摘の点は確かに私が申したとおりに文章になっていると存じます。
 で、その問題を私が指摘しましたのは、いわば売上税の問題であります。そうしてその後で問題になりました消費税の問題であります。私は、その労働評論が出ましたのは一九八九年の春だったと思いますが、その参議院選挙で消費税反対、消費税を廃止するために野党が結集して頑張ろうではないかということを強調いたしました。幸い、参議院選挙におきましては与野党逆転が実現をいたしました。
 したがって、私はそこに書いてありますとおり、公約を忠実に守るべく、当時野党が結集をいたしまして、消費税廃止法案を参議院に提出をいたしました。たしか我が党の久保さんが提案者、さらには公明党は峯山さんだったと記憶をいたしておりますが、そういう形で提案をいたしまして、議論をした結果、参議院では幸いに消費税廃止法案が成立をいたしました。しかし、衆議院では残念ながらそのようにはならなかったわけであります。
 さらに、九〇年の総選挙におきまして我々は、参議院で通ったが衆議院で通らなかった、したがって、衆議院で通るように全力を挙げようではないかということを訴え選挙戦を戦いましたが、残念ながら衆議院においては我々は多数を占めることができませんで、消費税廃止法案を提出をいたしましたが、衆議院では残念ながらこれを通すことができなかった、その点は残念に思っておりますが、いずれにせよ、公約を実現すべく、事消費税の問題につきましては、当時の社会党書記長としては全力を尽くしたというふうに考えておる次第でございます。
○増子委員 ただいま山口総務庁長官がおっしゃいました中に、実は参議院補欠選挙がその後福岡でございました。あのとき、社会党候補が圧倒的な勝利をかち得たわけです。今回たまたま参議院の愛知再選挙がございましたが、あのときには私どもの方が圧倒的な勝利を実はかち得たわけであります。これは逆に言えば国民の皆さんが、今の自社さきがけ連立政権に対して、やはり公約違反だ、何とも納得のいかない、不信をあらわした私は勝利だと思っているわけでありますが、村山総理、この公約についていろいろお答えはいたしておりますが、ただいまの記されたものに対しての、改めて総理の公約というものについての所見をお伺いいたしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 これはもう一貫して私が申し上げておりますように、これだけ国際情勢も変わってまいりましたし、それからまた、国内の政治も昨年の七月以降は連立政権が組まれてきた。これは、一つの政党が単独で政権を担うというような時代ではもうなくなってきたわけですね。そういう時代の変化の中で、党が持っている政策がそのまま実現できて守られていくのなら、それはもう私は連立政権というものは成り立たないと思うのですよね。やはり連立政権というのは、お互いの持っておる政策を出し合って、そして十分議論を踏まえた上で合意点を求めて、政権を維持していくという性格のものだというふうに思いますからね。
 したがって、党が選挙のときに公約をした、例えば消費税の場合に、私ははっきり覚えていますけれども、やはり飲食料品は非課税にするとか逆進性はできるだけ緩和すべきだというようなことを書いてありますけれども、そういう努力はしなければいかぬと思いますね。しかし、その努力が確実に実を結ぶというふうには限らぬわけですから、これからもやはりその公約は守って努力していくべきものだ、こういうふうに思っておりますし、同時に、今申し上げましたように、それぞれやはり、こうした時代の変化の中でどういう政策を選択することが一番国民のためにいいのかということを絶えず踏まえながら、お互いに研さんをして、そして政策を決めていく性格のものだというふうに考えております。
○増子委員 今の総理の見解をお伺いいたしますと、ずっと一貫しているのですが、多少のそういったものの変更は仕方がない、連立政権をつくっていく場合には、あるいはその政策を実現していく場合には仕方がないというような形にお聞きをいたしております。
 しからば、国民の皆さんは、一体選挙のとき何を基準にしてその政党や政治家というものを選んでいくのでありましょうか。国民の皆さんは、そうやって政治家が、政党がそのために変わっていくことを容認するならば、これはもう政策や政治姿勢や、そういうものは要らないのではないか、公約も要らないのではないか。それぞれが個人を独立した形の中で政党なしに立候補するということも、これは今後大事なものになってくるのではないか。そうすれば、今回政治改革で我々が主張してきた、政党本位の、やはり緊張感ある、政権交代可能な、政策本位の選挙というもの、政治改革というものが実現する必要はなくなってしまうというふうに私は受けとめるわけであります。
 それに対して、実は昨日総理は、こういったことにつきまして、いつかは有権者の判断を仰がなければならない時期も来るだろうというように答弁をされたというふうにお聞きいたしております。今回の総理に至るまでの経緯や、あるいは就任以来約四カ月近くなった中で、国民の半数以上の方々はやはり総理に対しての支持というものを明確にいたしていません。これは不支持をしているわけでありますし、さらに、支持政党のない人たちが急激にふえているということを考えたときに、公約が、基本政策がこんなにも簡単に変わってしまっていいのだろうかというような不信や不満や迷いというものがやはり私は国民の皆さんの中にこれは出ていると思うのです。
 そういう意味で、総理がおっしゃった、有権者の皆さんの判断を仰がなければならない時期がやってくるだろうということになれば、私は、やはり新しい選挙制度でこれは直ちに信を問うということが何よりも今国民の皆さんの政治不信に対する、これを解消する、そして政党政治の責任というものがここにあるのではないかというふうに考えるわけでありますが、その件について、有権者の判断を仰がなければならないということについて、私はやはり直ちにこれを問うべきではないかというふうにお聞きをいたしたいと思いますが、それについてのお考えを。
○村山内閣総理大臣 政治家が選挙のときに公約をした、そして仮に支持を得て当選をして議員になった、議員になってずっとその議員としての活動をする、その活動を次の選挙で、あの議員がよかったか悪かったかということを選択してお決めになるのは有権者ですよ。その審判を仰ぐために選挙をするわけですから、それは私は当然なことだと思うのです。
 それをいつやるかということについては、それはあなたのような御意見もあるでしょうし、また、そうではなくて、もっと当面の大きな課題を解決して国民のために役割を果たしてくれ、こう言って、安定政権をつくれ、こういう激励の言葉もいただいておりますから、いろいろな方から意見がたくさんあるわけですよ。そういう意見をやはり総合的に判断をしながら、当面する国政の内外の問題についても十分検討も加えた上でどうすべきかという判断はしなきゃならぬというふうに思いますけれども、そのことだけをもって直ちにそうすべきではないかという意見には、私はなかなかくみし得ない。一つの意見として私はお聞きしておきたいというふうに思います。
○増子委員 今国民の皆さんの中の話というものを幾つか拾い上げますと、やはり公的助成が我々政党に入ってくるということがこれは決まるわけでありますが、そうしますと総額三百九億円、国民一人当たり二百五十円ですが、やはり総額になればこれは大変な金額ですね。そうしますと、自民党には約百二十億近く、社会党にも七十億近くがこれが支給される、公的助成ということがあるわけです。
 政治家というのは吸血鬼かドラキュラか、そういうような実は話があるんですね。そして我々、国民からは消費税を上げるという形の中で不公平税制が全く是正されないというようなことも含めて、国民の皆さんの中にやはり不満やそういう声があるということも、これはぜひ総理の頭の片隅に入れていただきたい。
 そして何よりも、政党あるいは政治家にとって大事な公約とか政治理念や姿勢や、そういったものを我々政治家が大事にしていかなかったらば、一体国民は何をよりどころにして我々政治家を信頼していくんだろうかということを十分に実はお考えをいただきたいと思います。
 そういう意味で、私は、新しい選挙制度がきちっと成立したならば、これだけ大きな政策転換をして公約違反でないと総理はおっしゃいますが、国民の皆さんはやはりこれを公約違反と見ているんですね。永田町の論理、考え方と国民の皆さんの論理と空気というのは全く違うということをぜひ御認識をいただきたい。
 そういう意味では、私はできるだけ早く信を問う、総理の言われる有権者の皆さんのこういったことについての判断を問うということが必要だと思っておりますので、つけ加えて申し上げておきたいと思います。
 次に、常任理事国入りについてお尋ねをいたしたいと思います。
 実は、立候補したとかしないとか、まあ閣内とかでもいろいろと話が出ております。これは立候補したかしないかということよりも、むしろ大事なことは、我が国が常任理事国入りする用意があるということを河野外務大臣がさきの国連総会で演説をされたということが私は大変重要だと実は思っているわけです。
 ただ、村山総理が、あるいは河野外務大臣や武村大蔵大臣がこの連立政権をつくるときにいろいろと政権構想のことを話し合ったわけであります。その中で大事な一つ問題点として提起されたのは、民主的な手法や手続、透明性というものが一番大事なんだということを盛んに申され、今もそれを大事にしているというような話でありますが、果たしてこの問題につきまして、まず村山総理自身が就任以来この件については大分やっぱり考え方にぶれがあるんではないかというふうに私はずっと見ているわけであります。
 まず最初に、社会、自民、さきがけの共同政権構想の中では「国連改革の進展、アジア近隣諸国の推薦状況と国民的合意を踏まえて、慎重に対処する。」ということに実はなっているわけであります。そして村山総理は、まず最初に、常任理事国になると憲法の枠を超えて安保理の決定に責任を果たさなければならないので慎重に対応するということを就任直後におっしゃり、次に、非軍事分野の貢献に限る、その上で常任理事国入りを目指すとなりました。そして最近は、積極的に目指す、憲法の範囲内で、と発言が変わってきたわけであります。
 当然いろいろな事情が変更することによって、先ほどの公約と同じように、これは事情変更の原則でお変わりになることも当然なんでありましょうが、この慎重な立場から積極的な立場になぜ変わったのか、その理由を総理にお伺いをしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 別に積極的に変わったわけでもなければ、消極的になったわけでもないです。もう私は終始一貫変わらない見解を持ってきたつもりです。あなたが冒頭に申されましたように、常任理事国になると憲法の枠を超えて協力しなきゃならぬこともあるかもしれない、こういう発言がございましたね。私はそういう意味で言った覚えはないんですよ。そういうふうに懸念をされて心配している向きもあると、国民の中には。これは確かに私はあったと思いますね。ですから、そういう点はやっぱり明確にする必要がある。
 同時に、安保理の理事国になれるかなれないかという、なるかならないかということは、それは国連全体の総会の中で決められることなんですよ。日本の国が勝手に決められるもんじゃないんですよ。しかも、その総会で決められるということになりますと、やっぱりそれは三分の二ですか、三分の二の賛同も得なけりゃならぬわけですからね。そうすると、そうした日本の国に対して諸外国はどういうふうに見ているんだろうか、こういう見方についても、これはやっぱり慎重に受けとめて反応をしていかなければならぬ、こういうことが当然あると思いますね。
 したがって、そうした全体の日本に対する意向、動きというようなものも感得しながらだんだんその言い方が変わってくることは、これは私はやむを得ないと思いますよ。全然支持する国がないのに積極的な発言をしてみたって、これは物にならぬことですし、だんだん支持する国がふえてくれば、やっぱりそれに見合って日本の態度というものは言わなきゃならぬと思いまするし、ですから、そういう性格のものだと思いますから、最初から終わりまで私の立場、私の見解、気持ちというものは変わっていない、私はそう思っております。
○増子委員 しからば、総理、お伺いをいたしますが、我が国は常任理事国入りをして何をしようとしておるんでしょうか。総理の立場から、その常任理事国入り、入って何をしようとしているのかを明確にお答えをいただきたいと思います。総理、お願いします。
○河野国務大臣 私は国連で演説をいたしましたが、その国連で演説をする前に、閣僚懇談会等でどういう演説をするかという議論をしていただきました。また、与党三党の中でも演説についての内容について御議論をいただきました。そういう与党三党さらには閣僚懇談会における議論を踏まえて私は国連に臨んだわけでございまして、これは総理の御了承もいただいて国連演説を行ったということでございますから、ちょっと私から先に御答弁をさせていただきますが、私は演説において三つのことを申しました。
 まず第一に、国連に対する国際社会の期待というものは非常に大きい、そういう中で我が国は、我が国の国際貢献に対する基本的考え方は、我が国憲法のもとで武力行使はいたしません、あるいは核を保持しない、あるいは武器の輸出はしない、そういう平和国家としての行動に徹します、一方で、我が国は、国連加盟時、国際社会からいただいたさまざまな恩恵を思い起こして、現在の我が国の立場から国際社会に貢献できるものがあれば憲法の範囲内でできるだけ積極的にいたします、また一方で、軍縮とか不拡散という問題についても積極的に我々はいたします。
 それから、経済・社会問題としては、開発とか環境とか人口とか難民とかエイズとか麻薬とか、こういった問題について我が国は相当に知見を持っておりますから貢献できると思います、これが二つ目でございます。
 三つ目は、こうしたことをやるために国連改革に積極的に、これは幅広い国連改革に積極的に取り組まなければなりません、こういうふうにたしか申し上げたと思います。その中で我が国は、アジア近隣諸国の理解、国連の場では数多くの国々の賛同を得て安保理常任理事国としての責任を果たす用意がございます、こういうふうに申し上げたところでございます。
○増子委員 しからば、今のお話の中で、演説の中で武力行使を行わないことを条件に常任理事国入りを目指すという方針、意思表示をなさいましたですね。そうではないですか。そういうふうに報道もされておりますし、その演説の要旨から見るとそういうふうに実はうかがえるわけですが、武力行使とは何を意味をして、私ども聞いておるのは、最初は軍事的貢献はしないとの方針、文言だったと聞いておりますが、この辺はどういうことになっているのか、外務大臣、お答えを願いたいと思います。
○河野国務大臣 条件をつけて安保理常任理事国に入る用意があると言ったわけではありません。我が国には我が国の立場がございますということを明確に国際社会の中で表現をしたわけです。
 それはなぜかというと、安保理に入るための規定というものがあるわけではないのです。国連加盟国と安保理あるいは常任理事国との間に、何といいますか、義務の差があるということは国連憲章には何も書いてございませんから、したがって、何はできませんということを国連憲章の上で留保条件をつけたということではなくて、我が国の立場はこういう立場ですということを申し上げたということをまず……。
 そこで、武力行使でございますが、憲法が禁ずる武力の行使というものは、我が国が集団的自衛権を行使することは憲法上許されていない、これがまず一点でございます。また、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣する、いわゆる海外派兵を行うことは一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上は許されない、こうした憲法の範囲内で我が国は国際平和協力法を制定してPKO活動をしている、こういうことでございます。
○増子委員 軍事的貢献というのはどういうことでしょうか、外務大臣。軍事的貢献。
○河野国務大臣 私は、今、軍事的貢献という言葉を使っておりません。
○増子委員 お使いにならなくとも、軍事的貢献とはどういうことを意味するのか、外務大臣。(河野国務大臣「使ってないものは言えない」と呼ぶ)いや、使ってないものは言えないではなくて、どういうものを意味するのか、外務大臣としてお答えを願いたい。
○柳井政府委員 技術的な面もあると思いますので、私の方からお答えさせていただきたいと存じます。
 御案内のとおり、軍事的貢献と申しますときは、いろいろな意味にとられると思います。基本的には、先ほど外務大臣が御答弁になりましたように、武力行使を伴うような活動という意味もあると思いますし、また広義では、軍事部門、我が国の場合は自衛隊ということになりますが、ほかの国では軍隊ということになりますけれども、そういう軍隊なり自衛隊なりが参加するような活動一般を指すということもあると思います。この広義の場合には、例えば我が国の自衛隊がカンボジアで行いましたような、施設部隊が行いましたような活動も一応軍事部門ということにPKO上はなっておりますので、そういうものも含まれると解される可能性があると思います。
 で、先ほどの大臣の御答弁にもございましたように、そのような我が国の憲法上許されたような活動、例えば施設部隊が行う民生、目的は道路の修理あるいは橋の修理といったようなそういう、軍事部門ではございますが武力行使を伴わない、したがって憲法上許された活動というのもあるわけでございますので、その辺の誤解がないように、大臣の演説の中では、軍事的貢献という言葉をお使いにならず、武力行使、憲法上許されない武力行使というような表現を使われたということでございます。
○増子委員 しからば、それはそれとしてよろしいですが、条件をつけたわけではない、幾つかの国の考え方の中でのその意思を表示したということでありますが、それならば私は、外務大臣もおっしゃっているとおり、時に総理もおっしゃっているとおり、日本は世界で唯一の被爆国であります。その被爆国という立場の中で、武器輸出とか核廃棄というような形のものを穏やかに言うのではなくて、私はむしろ積極的に日本が、全世界から核を廃絶するとかあるいは武器を全面的に全世界各国がこの輸出を禁止するとか、そういうことを堂々と日本は言うことの方がやはり国際的な責務とか義務を果たすことができるのではないか、そういうふうに実は私は思っているわけですが、この件について、総理いかがでしょうか。総理、お願いいたします。
○村山内閣総理大臣 これは、日本がやはり唯一の被爆国であるし、非核三原則も堅持している国である、しかも、通常兵器等の武器も輸出はしないと、輸出禁止原則も持っているわけですね。そういう立場を私はやはり積極的に国連の場で開陳をしてそして努力すべきだということは、おっしゃるとおりだと思います。したがいまして、核実験禁止条約を速やかに促進しようではないかとか、あるいは兵器の登録条約にどこの国も全部加盟しようではないかとか、そういうことは率先して日本の国がこれまでも主導してきていることでありますね。
 先般も申し上げましたが、国連のガリ事務総長がお見えになったときに私はそういうことを申し上げたんですよ。平和維持部隊を創設をして紛争地域に派遣することも、これは必要な場合にはやむを得ぬと思うけれども、しかし、その紛争地帯で使われている武器はどこから買った武器かといえば、それを輸出している国があるわけですからね。そして、輸出をした国が今度は、それは紛争の処理に向かってまた派遣されておる、こういう繰り返しはやはりすべきではないと私は思いますと。この際、国連がもっとそういう紛争を予防するというところに力を入れてやるべきではないでしょうかという意見も申し上げましたけれども、それは私は、今あなたがおっしゃったようなことは、これからやはり国連の場で日本の立場から積極的に提言をし、発言をし、促進すべきことではないかということについては、同じ意見を持っております。
○増子委員 これはもうどうしても総理、声を大にして、外務大臣もあわせて言っていただかなければならないことだと思っております。
 ちょっと通告を申し上げておきましたので、時間がありませんが、この常任理事国入り問題について大蔵大臣と通産大臣にちょっと所見をお伺いしたいんですが、武村大蔵大臣はこの問題については慎重であるというふうに、私もいろいろな発言から認識をいたしております。一方、橋本通産大臣は、名古屋の八月二十八日の記者会見の際に、「入らないと国が損をするという気持ちだ」というようなことをおっしゃったというふうに報じられているわけでありますが、この常任理事国入りの件につきまして、武村大蔵大臣と橋本通産大臣の所見を、簡単で結構でございますから、お伺いをしたいと思います。
○武村国務大臣 先ほどから議論がございます過般の河野外務大臣の国連での演説については、閣僚の一人としましても、全面的に理解をし、認識をいたしております。
 この問題は、当初から私は大変大きな問題だ、戦後五十年たって、いよいよ新しい五十年に入っていくわけですが、日本という民族なり国家の命運を決めるぐらいの大きな問題だという見方をしてまいりました。今我々がこの議論をしていることは、本当に将来の日本の歴史を決めるぐらいの重大な事柄だという認識は今も変わりません。そういう認識でありますからこそ慎重にと、大事な、大きな問題をなぜ慎重に検討してはいけないのかという意味も込めて、慎重に検討して決断をすべきだと、まあ、熟慮決断と言ってもいいのかもしれませんが、そういう意味で申し上げてきているわけであります。
 ようやく河野外務大臣の演説によって、我が国政府は重要な第一歩をしるしていただいた、国連という場で世界に向かって表明をしていただいたというふうに認識をいたします。
 今後いろんな段階がありますが、来年というのが恐らくもう一年ぐらい延びるんではないかというふうな情報も入っていますが、一年か二年かわかりませんけれども、まだかなりの時間、真剣な世界の議論がこれから進んでいくわけであります。最終的な判断までに一層内外の議論が進み、認識が深まり、そういう中で最終的な決断が行われることが望ましいというふうに私は思っております。
 もう一度もとに戻りますが、そういう意味で、河野外務大臣の公式の演説と私の考え方には違いはありません。
○橋本国務大臣 ただいま引用されましたのは新聞の報道のようでありますが、私は、同様の意見を、河野副総理が国連で演説をされますその草稿をまとめます間、閣議及び閣僚懇談会で私の経験として何回か申し上げてまいりました。
 それは、イラン・イラク戦争の際、また、湾岸危機の際、そして湾岸戦争に至るプロセスの中で、情報というものがいかに大事かということを痛感させられたからであります。そして、そうした意見も恐らく取り上げていただいて国連演説というものがまとめられた、私はそう考えております。
○増子委員 ありがとうございました。
○池端委員長代理 これにて増子君の質疑は終了いたしました。
 次に、冬柴鐵三君。
○冬柴委員 改革の冬柴鐵三でございます。
 昨年八月、細川連立政権が成立し、私は公明党に所属しますが、この公明党が政権与党の中軸として重要閣僚を輩出したころから、下野をされた自民党議員を中心に政教分離というものをテーマとする質疑が相次ぎましたが、自民党が政権与党として復帰された後も、昨日自民党議員が同じテーマで質問をされました。
 その質疑の中で、この問題を扱った人を数え上げまして、十九人目だ、このように言っていられました。私も、きょうこの問題を扱いますので、二十人目ということになりますが、これは前例のない事態であろう、このように思います。
 私は弁護士でありますので、法律家の立場から、この議論を聞いていて感ずることがあります。それぞれの質問者が、政教分離の意味、内容また政教分離と集会、結社の自由、表現の自由、当然信教の自由等とどう関連づけて考えていられるのか。いわば、議論の土俵というべき点をあいまいとしたまま質疑に入っていられる、そのように痛感をするわけであります。したがいまして、幾ら質疑を重ねても建設的な成果はなく、最近ではマスコミも全く取り上げないテーマとなりつつあると言っても過言ではないと思います。
 したがって、きょうは、議論の土俵づくりともいうべき基礎的な、政府がとる憲法解釈としての政教分離を内閣法制局長官を中心に伺いつつ、その具体的意味、内容を明らかにして議論の整理を行っておく必要がある、このような観点からきょうは質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、政教分離は我が国の憲法上どのように規定されているのか、まずこの点を長官から御説明をいただきたいと思います。
○大出政府委員 憲法の第二十条でございますが、ここでは、信教の自由についての規定であるわけであります。その第一項の前段で、「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。」と規定し、さらに第二項におきまして、「何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。」と規定するとともに、その保障を、つまり信教の自由の保障を実質的なものにするために、第一項後段において、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」と規定し、また第三項において、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」と規定して、国権行使の場面において国及びその機関が宗教に介入し、または関与することを排除する、こういう見地からいわゆる政教分離の原則を定めているところであります。
 さらにまた、憲法第八十九条でございますが、ここでは「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、」途中を省略いたしますが、「これを支出し、又はその利用に供してはならない。」というふうに定めて、この政教分離の原則を財政面から補足をしている、こういう形になっております。
○冬柴委員 今長官は、政教分離だけではなく信教の自由にも言及をして丁寧に説明をいただきました。長官も言われましたように、政教分離、これがいろいろと議論されるわけですが、政教分離というものを憲法が確立をした、その目的は、今言われたように、信教の自由を実質的なものとするため、このようにおっしゃったと思うんですが、あくまで政教分離というものが、制度がとられているのは、信教の自由というものを守る、保障するというところに実質的根拠がある、立法理由がある、このように理解してよろしいですか、お尋ねをいたします。
○大出政府委員 憲法の定める政教分離の原則というのは、先ほど申し上げましたように、信教の自由の保障を実質的なものにするため、国及びその機関が国権行使の場面において宗教に介入し、または関与することを排除する、こういう趣旨のものであるということであります。
 このことにつきましては、津の地鎮祭に係る最高裁の判決は、「政教分離規定は、いわゆる制度的保障の規定であって、信教の自由そのものを直接保障するものではなく、国家と宗教との分離を制度として保障することにより、間接的に信教の自由の保障を確保しようとするものである。」こういう趣旨のことを述べられているところであります。
○冬柴委員 それぞれの国の憲法というものは、その国固有の歴史を反映すると言われております。すなわち、非論理的な記述というものが行われるわけであります。我が国は、戦前戦中、厳しい思想統制や忌まわしい宗教弾圧という恥ずべき歴史を持っています。当時の国家権力者たる軍国主義者たちと国家神道との祭政一致、いわゆる政教一致というものが国民の内心の、心のひだから信教の自由あるいは思想の自由というものを奪ったという悲しい歴史を持っているわけであります。
 したがって、信教の自由を実質的に保障するためには政教分離の確立が必要であることは言うまでもありません。しかし、その政教分離というものの解釈を誤って拡大をいたしますと、宗教団体の政治活動の自由というものを制限することとなってしまいまして、これは別の意味で本末転倒の議論になってしまうと思います。
 すなわち、宗教団体から政治活動の自由を制限するという結論にこの政教分離というものを使うとするならば、本来他の団体に認められている政治活動の自由というものと、宗教団体の政治活動の自由というものに、国家の扱いとして差異が出てしまう。すなわち、憲法十四条の定める法のもとの平等というものを侵してしまうことになるという観点、また、宗教団体にも結社の自由そしてまた表現の自由というものが二十一条では定められておりますが、そのような大事な面を侵害してしまうという結論を招来することになるわけであります。
 そこで具体的にお尋ねしますが、先ほどもお読み上げになりましたが、憲法二十条一項後段の定めであります。これは、「いかなる宗教団体も、」と、これが主語のような書き方になっております。「国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」何かこう憲法上宗教団体に対して、本来人権享有を保障されるべき被統治権者である宗教団体に対して、憲法が直接的に、一定の行為をしてはならないということを決めたように読み取れるような体裁になっております。それであるがゆえに、この問題を複雑にし、解釈にいろいろな混乱が生じているということは認めざるを得ません。
 そこで、宗教団体に政治への関与を禁止したものと受けとめられかねないこの規定の体裁というもの、こういうものについて、政府の厳格な、村山内閣の厳格な二十条一項後段の解釈を再度示していただきたい。そして、今後この問題についての国民の間における混乱というものを収束する一つの根拠にしたい、このように思うわけであります。もう一度法制局長官の答弁をいただきたいと思います。
○大出政府委員 御指摘のように、憲法の第二十条の第一項後段は、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」こういう規定となっておるわけであります。
 ただいまの御質問に答えるのには、ここで言う「政治上の権力」というのはどういう意味、内容のものであるかということであろうかと思いますけれども、これは一般的には、国または地方公共団体に独占されている、そういう統治的な権力、そういうものと考えられておると思います。宗教団体がこのような統治的権力を行使することを禁止しているものである、こういうふうに理解をいたしておるところであります。
○冬柴委員 だんだん、法律家の議論で難しくなってきて、わかりにくくなってきたんですけれども、こういうふうに言っていいですか。「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」というふうに書かれているその名あて人といいますか、名あて人は、国あるいは地方公共団体というような公権力を行使する人に対しての規定である、こういうふうに読んでいいわけですか。
 そういうふうに読み取るとすれば、国や地方公共団体が本来独占すべき、例えば立法権、あるいは課税権、あるいは裁判権、あるいは公務員の任免権、こういうものを今独占しておりますが、その一部を特定の宗教団体に授権する、そして、その授権されたそういう統治的権力を宗教団体の名において行う、そういうことは禁止する、こういうふうに読まれるように思うわけであります。
 これは、補足すれば、現在ではそんな、現在の国家で、近代国家ではそういうことをやっているところはありませんけれども、中世、教会に裁判権を与えたり、あるいは我が国でも寺院に現在の戸籍の編製、国家が独占すべきような戸籍の編製権、こういうものを一部を与えて、お寺がそういうものをつくっていた、そういうような歴史がありますが、そういうことを禁止しているんだ、こういうふうに読み取っていいですか。もう少しわかりやすく説明したらそういうことになりましょうか。その点をお尋ねいたします。
○大出政府委員 なかなか条文が、読みにくい形の条文になっているんだろうと思います。
 これに関連いたしましては、憲法を制定するときの第九十帝国議会におけるところの、当時の金森国務大臣の答弁があるわけでありますが、そこではこういうような言い方をされております。「国カラ授ケラレテ正式ナ意味ニ於テ政治上ノ権力ヲ行使シテハナラヌ、」こういう趣旨のものであるというふうに説明されておるところであります。
 現在でもこういう理解の仕方をしておるということであります。つまり、先ほどの御質問に即して言いますというと、国や地方公共団体から統治的権力の一部を授けられて、そして行使をする、そういうことはいけない、こういう趣旨だと理解をいたしております。
○冬柴委員 大分事柄が明らかになってきたようですが、私も今、この第九十回帝国議会における金森国務大臣の答弁の要旨を持っておりますが、今法制局長官が読まれたその直前に重要なことを答えられています。
 憲法二十条一項後段に関し、同条項は、宗教団体が「政治上ノ運動ヲスルコトヲ直接ニ止メタ意味デハナイ」ということを言われた後に、今読み上げられたように、「国カラ授ケラレテ正式ナ意味ニ於テ政治上ノ権力ヲ行使シテハナラヌ、」そのような定めであると述べられた。
 これを現在の法制もそのまま変更せずに維持をし、村山内閣においても維持をする、こういうふうなことですか。もう一度確認をいただきたいと思います。
○大出政府委員 先ほど申し上げました政教分離の原則といいますのは、これは、国及びその機関が国権行使の場面において宗教に介入し、あるいは関与することを排除する、こういう趣旨であるというふうに解しておるわけであります。それを超えまして、宗教団体が政治的活動をすること、そういうことまで排除する、こういう趣旨の規定ではないということであります。
 先ほどの金森国務大臣の答弁には、御指摘のような前段の部分の表現も残っておるところであります。
○冬柴委員 そうすると、いろいろと私を含め二十人が、質問をした人たちは、この部分を今政府が述べられた解釈とは全く違う立場でとらえた上で、これを前提にいろんな質問を展開された。そこで議論がかみ合わない。宗教団体は本来政治活動はできないんだ、それは憲法二十条一項後段の規定を見れば明らかだ、このような論理に立って質問をされる、そういう方がいられるわけです。また、ある方は、宗教団体の政治的中立性をこの規定は規定したものだから、中立性を超えた活動というものは許されないんだということで、外国の判例等も引いて議論を展開された方もいられましたけれども、政府の見解としては、これは宗教団体の政治活動を禁じたり、あるいは宗教団体に政治的中立を要求したりする条文ではない、このような解釈であると私は今の答弁を聞いて受け取ったんですが、そう理解してよろしいですね。
○大出政府委員 学説の中には、ただいま委員が御指摘になられたような、そういう見解をとるものもないわけではないようでございますけれども、政府といたしましては、先ほどの金森国務大臣の答弁にもございますような考え方で、現在も変わっていないわけであります。すなわち、政教分離の原則の趣旨といいますのは、これは宗教団体が政治的活動をすることを、それを排除するということまでを含んでいるものではない、こういうことであります。
○冬柴委員 非常に鮮明になってきたと思います。
 そこで、進んで論理を運びたいと思いますが、宗教団体には一定の教義というものがあります。この教義、例えば、生命の尊厳というものは何物にもかえがたいものである、こういう教義を持つとします。そうしますと、この根本的教義を実践するために、多くの人々、罪のない婦人や子供も殺りくをする戦争、こういうものは生命の尊厳に照らして許すべきものではない、こういう観点から反戦、平和という、そういうものを訴え、また、広島、長崎に投下されたあの原子爆弾というのは、一発で十数万人の人を殺りくし尽くし、五十年たった今もなお、その傷跡を残している。このような非人道的な核兵器の廃絶を訴える。また別の観点で、政治の目的というのは大衆の幸せに奉仕するんだ、こういう観点から福祉施策の充実を働きかける。このような営みというものは宗教団体に当然認められるべきものである、このように思うわけであります。
 すなわち、宗教団体がその教義に基づき一定の政策を持つということは憲法上何ら問題がない、このように思うわけでありますが、政府の考え方を法制局長官から伺いたいと思います。
○大出政府委員 宗教団体がという前提でございますから、宗教団体としての実質をもう逸脱といいますか、それを超えたような団体というようなことではこれは問題にならないと思うわけであります。あくまでも宗教団体が、ただいまのお話は、政治的な活動というものが憲法上禁止されているのかいないのかという点について申し上げますというと、先ほど申し上げましたように、政教分離原則ではそういうところまで排除しているわけではないということと同時に、もう一つは、憲法の二十一条の、いわゆる表現の自由の一環としての問題としても、そういう団体が政治的な活動をするということは尊重されるべきである、こういうことであろうかと思います。
○冬柴委員 宗教団体も、その目的を著しく逸脱するような活動が許されないことは宗教法人法にも明らかであります。もちろん、そういうような法律の定める範囲の中での話でありますけれども、教義に基づき一定の政策を持つことは何ら政教分離の原則に反しないということが明らかになりました。
 そういたしますと、この政策を実現するために政見を同じくする公職の候補者を推薦し支持すること、こういうことは宗教団体に許されておりますかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
○大出政府委員 先ほど申し上げましたように、宗教団体は、憲法上の問題として考えますというと、政治的な活動というものが許される、その中にはいわゆる選挙運動と言われるようなものも含まれておる、こういうことだろうと思います。
○冬柴委員 当選を得させるために選挙運動をすること、これは憲法の認めるところであるという内閣の統一的な見解が示されました。それは憲法の二十一条の示す表現の自由の一内容でもある、このようなことも付加していただきました。
 さて、重ねて申し上げますが、宗教団体が自主的、主体的に行う政治活動の一環として、平素宗教活動の中心拠点として、また儀式や祝典、そういうものを行う中心的な場として認められている礼拝所、こういうものをたまたま利用して、本来はもちろん宗教活動に使っているわけでありますが、それを今言う政治活動、例えば政治学習会あるいはそのような選挙運動の一環としてこれを利用すること、あるいはそのような政治活動に不可避的に生ずる事務費用、こういうものを宗教団体が独自に、まあ自主的、主体的に行うわけですが、負担すること、そういうことは、やはりこの政教分離の規定に反するものではなく、むしろ表現の自由、政治活動の自由というところに照らせばそれは適法である、このように思うわけでありますが、その点についても政府の積極的な見解の御披瀝を求めたいと思います。
○大出政府委員 その点につきましては、先ほど申し上げましたように、憲法上の問題といたしましては、宗教団体が政治的活動をすることを排除されているわけではないということであります。
 若干の設例を設定されてのお話でございましたが、政治活動というのもいろいろありましょうし、選挙運動にわたるものもあるでしょうしするわけでありますけれども、公職選挙法だとか、あるいは費用の支出という面からしますというと、場合によったら政治資金規正法とのかかわりも出てくるのかもしれません。さらに、施設の利用という面からいたしますというと、宗教法人法上の制約といいますか、そういう問題も出てくるのかもしれませんが、そういうような場合を別といたしますれば、一般論として申し上げれば、先ほど申し上げた政治的な活動というものが排除されていないということの内容として理解される、こういうことだろうと思います。
○冬柴委員 私は大体理解できるのですが、ちょっと一般国民に、ちょっと法制局長官の答弁は、なかなか難しい、非常に含蓄のある、よくまた議事録を読み直せば誤解は絶対しないと思うのですが、答弁であったと思うわけです。
 長官は、憲法二十条一項後段の規定についている解釈を再三述べていただきました。これは、信教の自由の保障を実質的なものにするため、国その他公の機関が国権行使の場面において宗教に介入しまたは関与することを排除する趣旨である、これを超えて、宗教団体または宗教団体が実質上支配する団体が政治的活動をすることをも排除している趣旨であるとは考えていないというふうな、さきの政府答弁を踏襲して答弁をしていられるようなんですが、この後段の部分、政治活動を排除していないという点をもう少しわかるように説明していただきたいと思うのです。
○大出政府委員 ただいまの御質問の趣旨につきまして、私、適切な理解をしたかどうかちょっと心配でございますけれども、要するに、政教分離原則というものの考え方というのは先ほど申し上げたとおりでありまして、宗教団体というものが政治的な活動というものを行った、あるいは行うということを、それまでも政教分離原則の内容として規制を憲法がしている、こういうことではない、こういうことだと思います。
○冬柴委員 そうすると、もう少し、一年前にこういうことが起こりましたので聞いておきますが、そのような結果、宗教団体が支援する政党が政権与党になって、そしてその支援した政党から大臣とか政務次官が出た、そして政府の要職を占めた、こういう状態が生じた場合でも、これは政教分離と質的に変わって、そういう場合はだめなんだとか、そういう考え方が政府にありますか。その点についてお尋ねをしておきます。
○大出政府委員 ただいまの御質問につきましては、昭和四十五年の四月の二十四日付の質問主意書に対する政府の答弁書というものがあるわけであります。その答弁書の中でも述べられているところであります。
 宗教団体が、公職の候補者を推薦し、または支持をした結果、これらの者が公職に就任して国政を担当するに至るというふうなことになったとしても、当該宗教団体と国政を担当することとなった者とは、法律的にはこれは別個の存在であるということであります。また、当該国政を担当することとなった者が、国権行使の場面において、当該宗教団体の教義に基づく宗教的活動を行うなど宗教に介入したり、あるいは関与するということになれば、それは憲法が厳重にそれを禁止しているところであるわけであります。したがいまして、そのことによって直ちに憲法が定める政教分離原則にもとる事態が生ずるものではない、こういう考え方であります。
 この点につきましては、繰り返しますが、昭和四十五年の四月二十四日付の質問主意書に対する答弁書においても示されているところであります。
○冬柴委員 まさに、四十五年、随分前に去年起こったことを予想して質問した人があり、これに法制局はきちっと答えられて、それが今も、村山政権下でも維持されているということを我々は想起しなければならないと思うわけであります。
 今議論をしてきましたとおり、この政教分離という問題は、何よりも人の心の中へ入り込んで、国家権力が入り込んでその心を支配するという、思想、信条の自由というものを侵してはならないという点に力点があって、国家権力が行使する場面において、人の心に介入し、関与することは許さない、こういうことが非常に大事な面であるということがわかりましたし、村山内閣も統一見解としてそういう見解をとられるということについて、心強く思います。これについては、後で総理に所見を伺っておきたいと思いますけれども。
 ところが、これは一つの週刊誌でありますが、村山内閣誕生後、初入閣を果たした一閣僚がインタビューに答えて、信教の自由について重大な発言を残していられることがここにあります。
 どういうことを言われたかといいますと、「これまでは公明党と創価学会に対して政府も手加減していたが、これからは違います。政教分離の問題は、あくまでも追及」します、こういうふうに言われまして、そして「政府の立場としては、大蔵大臣の武村さんに学会の」ということは創価学会でしょうな、「税務問題を追及してもらう。また、大石寺との闘争については、警察及び法務省に協力を仰ぎ、宗教法人としての適格性については、与謝野文部大臣が取り組みます」こういうことを言われたと書かれているわけです。もう私は、これは確かめません。
 しかし、こんな大きい見出しでこのことを報じている新聞がある。「創価学会つぶし 宗教法人税務問題 与党大臣が総攻撃」、これは大変なことが書かれているわけで、今まで村山内閣が信教の自由を守る、あるいは政教分離というものについての見解なりそういうものを厳格に示していただいたんですが、これは大きく逸脱する重大な暴言だというふうに思います。
 その点について、連立与党の三党首である三人の閣僚に御意見、御所見を伺って、また、憲法九十九条は、国務大臣は「この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と明記されております。その観点からも、今統一見解として内閣法制局長官が厳格に示された解釈というものを守り抜く御決意があるのかどうか、順次伺いたいと思います。
 まず、大蔵大臣。
○武村国務大臣 御指摘の点につきましては、憲法遵守に変わりはありません。
○冬柴委員 じゃ、副総理・外務大臣。
○河野国務大臣 法律のもとに厳格に対処すべきものと思います。
○冬柴委員 総理から今の私のやりとりをお聞きになった感想と、重要閣僚がこのような発言をされたという大変な問題、これは発言されたという報道ですから、私確かめていません。ここにいらっしゃいますけれども確かめていませんけれども、こういうことの報道がなされたということは国民知っているわけでありますから、そういうものにどう対処されるのか、その決意も伺っておきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 その報道の事実は確認しておりませんので、コメントは差し控えたいと思うんです。
 ただ、今あなたと法制局長官とのやりとりを聞いておりまして、いかに信教の自由というものが大事であるかということは痛切に感じました。憲法第二十条の信教の自由はあくまでも保障するとの原則に立ってこれからの政局に取り組んでいきたいというふうに思います。
○冬柴委員 ここで終わってもいいんですけれども、あと二つだけちょっと通告をしておりますので、聞いておきます。簡単にお答えいただきたいと思います。
 まず大蔵大臣に、法人税法においては、宗教法人を含め一般に公益法人の非収益事業、まあ基金等財産運用から生ずる所得も含むわけでありますが、に対して法人税を課税しないこととしておりますが、その立法理由とされているところを御説明され、これをこの内閣で改正されるような考えがあるのかどうか。もしあれば、その点についても御答弁をちょうだいしたい、このように思います。
○武村国務大臣 公益法人等は、非収益事業については課税をいたしておりません。
 課題としましては、宗教法人を含む公益法人等に対する課税の適正化というテーマが絶えずございますが、昨年十一月の税制調査会の中期答申におきましては、「軽減税率、収益事業の範囲、金融資産収益に対する課税のあり方、寄附金の損金算入限度額の特例といった点について、その活動実態等を踏まえ、」今後「検討していく必要がある。」旨の指摘がございました。
○冬柴委員 次に、自治大臣にお伺いいたしますが、礼拝堂等宗教法人所有の不動産に対し地方税を課税しないこととしていられますが、その立法理由とされるところと、最近のこの問題についての何か改正を考えていられるのかどうか、その点についてもお尋ねをします。
○野中国務大臣 委員先ほどお触れになりましたように、宗教法人につきましては、その宗教法人が教義を広め、かつ宗教上の儀式、式典等を行い、あるいは信者に対して教化等の育成行為を行うというような場面につきまして、その宗教法人が所有する土地、建物のうち、いわゆる境内あるいは境内建物、これをそういう主たる宗教行為を行うものとして非課税措置に固定資産をしておるわけでございます。
 最近いろいろ議論の対象になりますけれども、その主たる宗教目的に沿わないような利用の仕方等が指摘をされるわけでありますけれども、それを使用されておるかどうかの判断は、課税主体である都なりあるいは市町村が判断をするところであると考えておる次第であります。
○冬柴委員 課税上の実質問題を述べられましたが、それについての見直しについては御答弁がありませんでしたが、そういう議論はない、今のところはない、このように承知しているわけでありますが、その点について、総理から今の二点について御感想があればお伺いをしまして、私の質疑を終わりたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今、両大臣から答弁があったとおりでありまして、別に感想はございません。
○冬柴委員 終わります。
○池端委員長代理 これにて冬柴君の質疑は終了いたしました。
 次に、日笠勝之君。
○日笠委員 改革の日笠でございます。
 この予算委員会でも公約違反ということがたびたび取り上げられましたが、総理は頑として公約違反はなしと否定をされるわけでございます。私もこの点をまず取り上げたいと思います。
 昨日も同僚議員から、朝日新聞のアンケートといいましょうか、公約について各党それぞれ述べられておるペーパーをごらんになったと思います。これを見ますと、現行の自衛隊は違憲状態である、常任理事国は目指すべきではない、消費税は税率を上げるべきではない。それから「月刊社会党」というペーパーの中には、「非自民政治勢力による連立政権を確立します」、こういうことが去年の七月の選挙で公約をされたんだろう、こういうように私は思います。
 古い話で恐縮でございますが、売上税のときに社会党が出されました「究極の大増税」というのが大ベストセラーになったそうでございますが、これを見ましても、「公約違反の大増税」、堂々と公約破りと書いてあるのですね。また、「公約違反の大増税 中曽根税制改革のウソ」と書いてあります。ちゃんと公約違反をしているということは指摘をされております。一番最後に何を書いているか。「いまこそ、平気で公約を破り、国民を欺く中曽根政権にノーの声を上げる時だ。」ということで終わっておられるわけです。
 このように公約違反、私が先ほど並べただけでも、常任理事国の問題、消費税率の問題、非自民政治勢力による連立政権を確立するとか自衛隊の問題、これは全部公約を破棄をされたのではないか、このように思います。ですから、強弁とかを言わないで、私は率直に、人柄の村山内閣と言われておるわけでございますから率直に、確かに公約違反の面もあるかもしれません、しかしこうこうこういうことで決断したのです、国民の皆様御理解を、こう素直におっしゃった方がいいのじゃないか、かように思いますが、いかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 もうこれはずっと一貫してお答え申し上げておりますけれども、社会党が出している文書の中でも、それは個人の見解として出している文書もありましょうし、それから党が責任を持って出している文書もございますね。
 今、究極の何とかいうのがございましたね、大増税。これは消費税が創設される際に出された文書なんですね。したがって、あのときにはもちろんこれはもう絶対反対で、激しく闘いました。しかし、それはもう、あれ何年前、七年前ですかね、六年前ですか。したがいまして、それからずっと状況も変わってきておりますし、私は少なくとも、昨年七月の衆議院選挙における一番近いときの公約というのは、先ほども申し上げましたように、所得と資産と消費とバランスのとれた課税をする、そして、しかも消費税については飲食料品を非課税にして逆進性は可能な限り解消していくように努める、こういうものになっておるのでありまして、私はそういう意味では別にその昨年七月の総選挙のときに約束をしたこととは余りたがわないのではないかと。
 ただ、約束したことは、できることとできないことはもちろんありますよ。だけれども、例えば今度のこの税制改革大綱の中でも、三党が集まって議論する中で、飲食料品の非課税はできないかといったような意見も述べて、それぞれやはり検討もし、議論もしておるわけですから、これはこれで終わったものではなくてこれからもさらに追求していく課題であるというふうに申し上げているわけですから、私はそういう意味ではそういうふうに御理解いただくことがいいのではないかと思うのですけれども。
 ただ、非自民連立政権という話がございましたね。ですから、あの七月の選挙の終わった後、我々は旧連立政権にも参画をしたわけですよ。しかし、旧連立政権に参加して今日までのような経過があるわけですから、その経過については国民の皆さんも御理解をしていただけるのではないかというふうに私は考えていますし、自民党も旧来の自民党とは大分変わってきておるのですから、それぞれやはり変わるんですから……(発言する者あり)いや、社会党も変わりましたよ。だから、社会党も変わるし、自民党も変わるし、政治全体が変わっていって、新しい時代に対応できるような政治勢力をどうつくっていくかということで、今はまさに変革の時期である、私はそういうふうに申し上げているのでありますから。あなた方も改革、改革ということを盛んに叫ばれたじゃないですか。お互いにいい方向に改革していこうといって努力している過程にあるというふうに私はあなた方にも御理解をいただきたいというふうに思います。
○日笠委員 私は、公約違反だということについて素直に認めるということが大事なんじゃないでしょうかと。
 例えば、平成五年十月八日、参議院で自民党の大浜委員は、社会党の選挙公約の中における社会保険九割給付の問題、それから公明党の基礎年金国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げるということ、公約違反ではないかと。審議が三遍もとまったのですよ。そのときに山花委員長と公明党の石田委員長は、公約というものは、すぐにできるものもありますし、中長期にやるものもあります、しかしそのお言葉は謙虚に受けとめますと言って、謙虚に、参議院の予算委員会で堂々と言っているじゃありませんか。そのことを言っているのですよ。
 公約、いろいろあります、そのとおりすぐ実現できなかったものもあるかもしれません、これからやるのもあります、そういうお声があることは謙虚に受けとめてやります、そういう言葉がなぜ出ないんですか。公約違反ではない、公約違反ではない。強弁すればするほど、参議院に行ったってまた同じことを言われますよ。そういう素直な気持ちに立って、国民の目線で国民にわかりやすく言われた方がいいのではないか。山花委員長はちゃんとそういうふうにおっしゃっていますよ。どうですか。
○村山内閣総理大臣 公約違反ではないか、公約違反ではないかというふうに追及されますから、私も弁明をしておるわけですよ。だけれども、今言われますように、公約をしても、その公約はこれは何年か先には必ず実現する。しかし、これは来年やりますとかいって時限的に約束した約束がある。仮に、来年これをやりますと言ってそれができなかったというようなことがあれば、これは、実現できなくて申しわけないと言って謙虚に反省することは当然だと私は思います。
○日笠委員 謙虚に反省をされる、こういうことですね。それで……(発言する者あり)いや、そうおっしゃった。
 それで、これも新聞報道でございますから、私ども原本の記者会見メモというのは持っておりませんからこのとおりかどうかわかりませんが、山口総務庁長官は、消費税について、税制改革大綱が決定された九月二十二日の夜、このようにおっしゃっているという報道が出ております。国会でできたものは国会で廃止すると訴えてきた、国民に申しわけない結果になった、公約が遂げられなかったことはまことに残念だ、こういうコメントを言われた、このとおりでございましょうか。
○山口国務大臣 先ほどお答えいたしましたが、私は、一九八九年の参議院選挙、一九九〇年の総選挙、消費税反対、法律でできた消費税は法律で廃止すべきだということを全国に訴えまして、参議院では与野党逆転が実現し、九〇年の選挙では残念ながら衆議院の逆転は実現しなかった。したがって、先ほどお答えしましたように、我が党の久保さんや公明党の峯山さんや、そういう方々が提案者となって消費税廃止法案を参議院に提出しましたが、参議院では成立をした。しかし、衆議院では成立をしなかった。そういう中で、公約が守れなかったことは過去において残念であったということを私は申しました。
 しかし、今回の場合は、いわば昨年の総選挙における我が党の公約がどうであったか、また、私の主張がどうであったかということだろうと思います。
 そういう点につきましては、先ほど来総理がお答えになっているとおり、私どもとしては、例えば消費税について、特に飲食料品については非課税にしたいということを訴えまして、そのような努力をしましたが、結局、この問題は今後の検討課題ということになったわけでありまして、そういう点では公約を守るための努力はやったというふうに私ども考えておる次第であります。
○日笠委員 新聞報道はそういうふうに書いておるわけで、消費税廃止法案が成立しなかったことに対する公約違反、こういうことですね。(山口国務大臣「残念だということです」と呼ぶ)残念だということですね。
 それで、これはさきの七月の衆議院総選挙のときの選挙公報というのがありますね。この村山内閣の中の閣僚で明確に選挙民に約束をされておられますね、野坂建設大臣。「前回の選挙で約束しました消費税廃止に向かって最大限の努力をし、」とあります。どうなんですか、今のこの税制改革大綱は。
○野坂国務大臣 お答えいたします。
 日笠さんがおっしゃるように、選挙公報には所得税を減税をして、そして消費税廃止に向かって最大限の努力をいたします、そう書いてありますね。それが公約違反ではないかと。
 振り返ってみますと、皆さん方と一緒に税制改革協議会を組織をして、私が座長であなたが事務局長だった、こういうことも、経緯があります。この公報の中で話し合ったのは、いわゆる消費税の欠陥、あるいは消費、所得、資産、公平公正に分析をして、消費税廃止を含む抜本的税制改正をやるべし、こういうことは渡部恒三さんもよく御存じのとおりです。この三役で大体決めてやったわけですが、したがって、その中でどうしてもという場合は、間接税を中心にして引き上げていかなければならぬ、これが前の連立与党の合意でしょう。
 その中で、我々は、最大限にこの問題について抵抗し、一年間ではでき得ないではないか。しかし書記長・幹事長会談で六月までにその方向を出すべきだ、こういうお話がございまして、その手順として、第一には国民福祉税の問題、国民福祉がいかにあるべきか、第二番目は行政改革をどうすべきか、第三番目はそれらを総合して……(日笠委員「公約のことです」と呼ぶ)わかりました。総合して、そしてどのように減税をやるかということを決めたわけでありますから、それについて私の公約としては、ぜひそういう消費税というものは、最大限努力いたしましたが、連立政権という立場に立って、今お話が大蔵大臣や総理大臣からありましたように、いわゆるインボイスの問題とか限界控除の問題とか、消費税の欠陥等を十分に精査をして一応ぎりぎりの線を打ち出した、こういうことでありまして、総理大臣等の決定に従って進めてまいりましたということであります。
○日笠委員 前回の選挙で約束しました、消費税廃止と書いているのですよ、改廃、改正とか書いてない。(野坂国務大臣「最大限努力をいたしますと書いてある」と呼ぶ)そう、最大限努力。だけれども、建設大臣として、村山内閣の一閣僚としては努力したけれどもだめだったということでしょう。
 それからもう一つ。ではなぜ、ことしの二月の初めですか、社会党本部の前に「消費税率引き上げ反対運動推進本部」というのをつくられたのですか。看板を掲げたですね。新聞に大きく出ました。テレビにも出ました。見ました。その副本部長は野坂建設大臣ではありませんか。野坂建設大臣は、社会党中央執行委員会内につくられました消費税率引き上げ反対運動推進本部の副本部長。ことしの二月ですよ。
○野坂国務大臣 当時、二月でありますが、二月ですから、社会党としては消費税率の引き上げ反対、こういう方針は当然とり来ったところでございます。
○日笠委員 では、もう一つ。村山総理、ことしの、平成六年五月十八日受理をされております請願の紹介議員になっておられますね。「消費税率引き上げ反対、生活必需品の完全非課税化、課税最低限の大幅引き上げに関する請願」、兵庫県の畑さんという方外二千百九十九名の請願書の紹介議員ですね。ことしの五月十八日です。いいですか。
 ということは、まず、請願に対する紹介議員というものはどういう認識をされておるのですか。国会法、憲法上からどうぞ。
○村山内閣総理大臣 その請願の趣旨に賛成をして私は署名をしたのです。それで、その請願の趣旨を生かすべく努力をしたのですよ。しかしそれは、努力をしてもできることとできないことがありますよ。ましてこれは連立政権という壁の中でですね、ありますよ、それは。だから、それができなかったからといって、すべて公約違反ではないかと、これに署名したのはおかしいと、こういう論議をすれば、皆さんが請願を受けるでしょう、その請願書に署名をして出して、その請願が全部生かされていますか。じゃないでしょう。
 ですから、私は請願の趣旨に賛同して署名をするのであって、その請願の趣旨が一〇〇%実現できるかできないかはその後の問題で、その実現のために努力することは当然ですよ、努力をしてまいりましたと言っているのです。
○日笠委員 国会議員の秘書の皆さんのテキストブックがあるのですよ。それに請願という項目がありまして、請願というのは、憲法上請願権は国民にはあるのです。国会法上は、国会へ出す請願は国会議員でなくては紹介議員になれないのです。その場合、そのテキストの中には、請願は党の正式な機関にかけて、そして出すか出さぬかを検討するのですと、こうある。
 ということは、社会党挙げて、このときには恐らく、たっと出しただけじゃなくて、精査をして、それで五月十八日ですから、それ以降も五月十九日とか五月二十三日、ずらっとその消費税率引き上げ反対、生活必需品の完全非課税化、全部、百何十件と、社会党さんの所属の議員さんが全部出されている。いいですか、五月ですよ。
 それが、状況が変わったから、連立政権つくったから。総理じゃありませんか。総理のリーダーシップを確保してやれば、五名も六名も閣僚いらっしゃるわけでしょう。状況が変わったからですか。何が変わったのですか。それで各閣僚はどういう努力をされたのですか。はっきりと言ってもらわないと。
○村山内閣総理大臣 五月はまだ私は社会党の委員長の時代ですね。ですから、五月の、社会党の委員長のときにその請願書に署名をして請願をしたことが、総理になったら何でもできるなんというものじゃそれはありませんよ。(発言する者あり)いやいや、そんなものじゃありませんよ。
 ですから、私は、連立政権というのは透明度を高めて、民主的に、それぞれの持っている党の意見をお互いに出し合って、議論をして、いい合意を求めながら選択をしてやっていくのですと、こう申し上げておるので、それはそこまで責められても、その責任は私は持ちかねると思います。
○日笠委員 三党、自由民主党、日本社会党、新党さきがけの与党の税制プロジェクトチームの税制改革大綱がございますね。この後ろの方に「引き続き進めるべき改革の課題」というのがありますね。これは当然与党の方で今後課題として精力的にやる、こういう私は認識を持っておりますが、総理もそういう、政府・与党一体という関係から見ればそういうお考えでしょうか。
○村山内閣総理大臣 そのプロジェクトで合意されたことについては、尊重して検討してまいります。
○日笠委員 そこで、「租税特別措置及び非課税等特別措置については、特定の政策目的を実現するための措置であるが、税負担の公平等の基本理念にかんがみ、公正・公平推進のため、例外項目をつくることなく、たえずその政策目的、効果等を十分洗い直し、抜本的な整理合理化を図る。」こうおっしゃっております。まことにそのとおりだと思いますし、私たち、与党のときも、そういうつもりで租税特別措置、非課税特例は、地方税の、一生懸命やったという意識は持っております。
 そこで、七月二十二日のシーリングの扱いをめぐっての閣議後の閣僚懇談会、その終わった後、亀井大臣と野中大臣は、租税特別措置の全面的見直しなど財源確保に努めるべきである、これは亀井大臣。野中大臣は、大胆に租税特別措置の見直しをしなければならない、こうおっしゃったことはそのとおりでしょうか。いいんですね。はい、わかりました。そのとおりだそうでございます。
 ならば、ぜひ両大臣にお願いしておきます。運輸省……。いや、そのとおりなんですね。ですから、運輸省と自治省の租税特別措置と非課税特例措置は積極的に年度改正で、ことしじゅうにやるのでしょうから、年度改正で積極的に、今まで以上の、目に見えるような大胆な見直しを出される、そういうふうに私は理解してよろしいでしょうか。率先してですよ。幾らあるか御存じかどうか知りませんが。
○亀井国務大臣 お答えをいたします。
 租特は、御承知のように、もう措置がとられてから相当な月日がたっているのがたくさんあるわけでございまして、今日的な立場で私はすべてを見直すべきだと考えています。別に、運輸省の関係するものについてということは私は申し上げておりません。それは例外なし、運輸省のも含めてすべてについて真摯な検討をすべきだ、このように申し上げたわけです。
○野中国務大臣 今回の税制改革を合意するに当たりまして、与党の税制プロジェクトにおかれましても、租税特別措置の全面見直しを強く打ち出しておられるわけでありまして、私ども、その連立与党とともに、一体となりまして、租税特別措置を含む不公平税制の是正に全力を挙げてまいりたいと存じております。
○日笠委員 同じく「消費税及び地方消費税の逆進性緩和のための飲食料品に対する軽減税率の採用問題については、これまでの議論の経緯を踏まえつつ、引き続き検討する。」これはこのとおりだと思います。
 総理は、消費税の公約違反と言われると、そのようには言っておりません、飲食料品の非課税ですか、非課税は言っております、それでいいですね。そのとおりですね。
 では、大蔵大臣にお伺いしますが、この飲食料品に対する軽減税率の採用というのは、九七年四月から、まあ見直し条項がありますが、一応消費税率は五%、平成九年ですね。平成九年四月から消費税率が五%、それまでに飲食料品に対する軽減税率の採用に決着をつけられるのですか。
○武村国務大臣 与党のプロジェクトチームのその文言は、そういう意図ではないと思います。今後の大事なテーマとしてほかの項目と一緒に並んでいるというふうに私は認識をいたしております。
○日笠委員 ですから、今の言葉を敷衍して言うならば、平成九年四月の消費税率五%になるであろうそのときまでには、もちろん半年前に措置をとらなければいけないですけれどもね、そのときまでには飲食料品に対する軽減税率の採用はできない、こういうふうに、裏を返せばとれるのでしょうか。
○武村国務大臣 できるできないをここで断定的に申し上げるわけではありません。与党のチームのその文言は、恐らく二年後の見直しを前提にして書かれたものではないと私は思いますと申し上げているわけであります。
○日笠委員 五十嵐官房長官、今記者会見でお留守ですが、五十嵐官房長官も消費税の食料品課税廃止と、このように公約におっしゃっていますし、山口総務庁長官も、飲食料品の消費税廃止とおっしゃっていますから、ぜひひとつ閣僚として、実力ある閣僚として、この今後の検討すべき課題が平成九年四月までに間に合うように、まあ一年ぐらいたたれたらまた党にお帰りでしょうから、党の方に帰っても実現を目指して自分の公約を頑張っていただきたい。どうでしょうか。
○山口国務大臣 昨年の選挙の公約の際、私が最も強調いたしましたのは、自民党の一党支配をなくするということ、それから政官財の癒着を断ち切るために、地方分権、そして規制緩和、これに全力を挙げたいということを公約をいたしております。そうして、個々の項目の一つに、飲食料品については消費税非課税にしたいという趣旨のことを書いたことは事実であります。したがいまして、そういう趣旨では私は閣議後の懇談でも主張をいたしましたし、今後もそのように努力をいたすつもりでございます。
○日笠委員 では、次は自衛隊合憲の件についてお伺いしたいと思います。
 なぜ何回も何回も聞くかといいますと、これからいわゆる日本の防衛の問題を考えていく、総理も軍縮プログラムだとかいろいろなことを頭に描いておられると思うのですね。そういう場合に、やはり基本である自衛隊の問題、合憲とか違憲とかいう問題を、きちっと同じ認識に立たないと、いざ防衛問題で議論をしようと思って土俵に上がったら、丸い土俵が何か三角になっていたとか四角になっていたのでは、これは議論ができませんから、きょうは、ひとつどういうふうな認識かということを、どういうふうにまた変わったのかということについてお伺いしたいと思います。
 いろいろ議論をお聞きしていますと、これは私の独断と偏見かもしれませんが、自衛隊を違憲から合憲に変えられたのは、やはり総理大臣になられたから変えられた、こういう印象が大変強いのですね。どうでしょうか。
○村山内閣総理大臣 これまでたびたび御答弁申し上げましたように、これは社会党の党内ではずっと以前から党内で議論をされている経過があるわけですね。合憲として認めるべきではないか、いや、違憲だという意見で、ずうっとこの議論を重ねてきているわけです。
 その議論が出てきたという背景は、やはり冷戦構造も崩壊したし、皆さん御案内のように、ソ連が崩壊してロシアに分割されるし、あるいはまた東欧が民主化されて解放される、ベルリンの壁もなくなる、こういった世界の対立関係というものが解消していくという世界的な動向も踏まえた上で、日本においても、もうこれはイデオロギーで争う時代ではない、お互いに政策を競い合う時代になってきているではないかというようなことも含めて、社会党のそうした方針もこの際見直すべきではないか、こういう議論というのはずうっとされてきているのですよ。
 されてきている経過を踏まえて、それじゃもう少し早くすればよかったではないかというような意見もあるかもしれません。あるかもしれませんけれども、たまたまこういう時期になって、いやいや、そうですよ、そういう経過も踏まえた上で、私も一定の決着をつけて、そして党内の議論で皆様方にも議論をしていただいた、こういう経過ですからね。
 何も私が総理大臣になったからという、まあ一つの契機になったかもしれませんよ。しかし、経過の中ではずうっと議論を重ねてきておる、結論を出さなきゃならぬ課題であったというふうに御理解を賜りたいと思うのです。
○日笠委員 ですから、総理になられたことが契機になって基本政策を転換した、こういう認識でいいと思うのですね。
 そこで、温故知新じゃありませんが、古きをたずねて新しきを知ることが大きな政策議論の展開になるわけで、お聞きしたいと思いますが、違憲状態ということを公約には言っていますね。これは認められますね。さきの選挙で、自衛隊は違憲状態である、そういうふうには言っていませんか、じゃ。合憲と言っているのですか。(村山内閣総理大臣「いやいや触れてません」と呼ぶ)触れてない、触れてない。(村山内閣総理大臣「私の公約には触れてません」と呼ぶ)私って、社会党のです。違憲状態であると。
○村山内閣総理大臣 これが選挙のときに使われた、党が正式に発行した文書ですけれども、「金権腐敗の政治を断つ」「新しい政権で政治改革実現」、こういう見出しで書いてある文書ですけれどもね。これにはいろいろなことが項目的に書かれておりますけれども、自衛隊が違憲であるということは書いてありません。
○日笠委員 わかりました。そのビラですね、それは法定ビラのことをおっしゃっているのでしょう。(村山内閣総理大臣「社会党のパンフレットです」と呼ぶ)パンフレットですか。はい、わかりました。私が言ったのは、同僚議員も使った朝日新聞の、各党の公約を聞く、なぜかならば、いとも簡単に公約破りがされるのでこの際きちっと各党から公約をお聞きしますというやつの中に出ておるのですよ。いいですね。
 そこで、今までは違憲と言ってきた、これは間違いないと思います。じゃ、その違憲と言ってきたからには理由があるわけでしょう。憲法のどの条文のどこのところをどう解釈されて今までは違憲と、自衛隊は違憲だとおっしゃってきたのでしょうか。
○村山内閣総理大臣 やっぱりこれは、私は憲法学者じゃありませんからね、だから憲法の解釈というものを法理的にきちっと、ここで学者らしく解釈するといったってなかなか難しいですからね、私は政治家ですから。
 しかも、これは憲法学者の中にもやはり議論が分かれているところですし、最高裁もこれはまだ判断を下していないのですね。そういう状況の中ですから、社会党が自衛隊は違憲であるということを方針として決めてきた事実はありますね。あります。ずっとあります。いいですか。
 そこで、先ほど来申し上げておりますように、こういう国際情勢の変化やら、あるいは国内情勢の変化やら、あるいは連立政権を組むという状況の中で、社会党は自衛隊の憲法解釈を変えましたと、こう言っているわけですよ。変えたということは認めているわけです。それで御理解いただきたいと思うわけです。
○日笠委員 いや、ですから、どの条文のどのところが、どういう解釈に基づいて今まで違憲と言ってきたのですか。憲法学者じゃないです、社会党の政策だったのですから。
 じゃ、総理になって自衛隊合憲、憲法の解釈を変えたのですか。では、どの条文をどう読んで、どういう根拠で解釈をして変えたんですか。
○村山内閣総理大臣 憲法全体を総合的に判断をして、そして、そうした国際情勢の変化やら、国内政治の動向の変化やら、これは政治家として私は変えたというふうに申し上げているわけです。(発言する者あり)
○池端委員長代理 暫時休憩します。
    午後四時二十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時四十三分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、内閣総理大臣より発言を求められておりますので、これを許します。村山内閣総理大臣。
○村山内閣総理大臣 先ほど来答弁を申し上げましたように、そうした国際的な、国内的な情勢の変化で、これは社会党の現状認識が変わったわけでありますから、政策的な判断として、党は苦渋な議論を踏まえた上で、これはもう指摘がありましたように、そんなことはおれたちは反対だというような意見もあるわけでありますけれども、一応九月三日の党の大会で自衛隊は合憲と認めるという方向に変えたということについて御理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)
○佐藤委員長 質疑を続行いたします。日笠勝之君。
○日笠委員 私は、ですから、今まで違憲と言ってきたその根拠、それを聞いているわけで、国際、国内状況が変わって、状況認識云々で、政策判断で変えたんですか。今まで四十年間違憲だとか違憲状態と言ってきたわけですよ。それは憲法に違反する、その憲法のどこに違反してきたのか、それを聞いているわけですから。政策判断じゃないのです。違憲と言ってきたのですから。
○村山内閣総理大臣 これは、これまで戦後一貫をしたこの状況の中で、憲法の理念を踏まえて私どもは自衛隊は違憲だと言って反対をしてきたわけですね。しかし、これだけ、先ほど来言っていますように国際情勢、国内情勢も変わってきた、そういう現状認識の変化によって、政策的に合憲であるというふうに認めることに変えました、こう言っているわけです。
○日笠委員 そうすると、合憲というのは、憲法のどの条文のどこをどう解釈して合憲とされたのですか。
○村山内閣総理大臣 ですから、憲法の理念を踏まえてこれまで判断をしてまいりましたけれども、現状の認識が変わったので政策的に方向を変えました、こう言っているわけです。
○日笠委員 とても納得できるような御答弁ではありません。(発言する者あり)
○村山内閣総理大臣 先ほど来申し上げておりますように、国際情勢も大きく変化をいたしましたし、国内情勢も変わってきた、連立政権を組むような状況に変わってきておる、そういう情勢の変化も踏まえた上で、現状認識を変えて政策的に変更いたしましたと、こう言っているのです。
○日笠委員 ですから、私が申し上げているのは……(発言する者あり)嫌がらせじゃありませんよ。同じ土俵に乗るためには、憲法解釈というものは非常に大事ですよ、これ。ですから、私が申し上げているのは、今まで違憲と言ってきたのは、どの条文のどこをどう解釈して言ってきたのか、いいですか、それを聞いているのですよ、簡単に。政策判断じゃないのですよ。違憲と言ってきたのですから。理念です。(発言する者あり)
○村山内閣総理大臣 戦後のこの歴史の中で情勢はもう大きく変転してきているわけですからね。したがって、憲法の理念に立って、理念に立ってこれは違憲だと言って主張したこともあります。ずうっとやってきました。しかし、これだけ世界が変わり、国内情勢も変わって、連立政権も組まれるという状況の中で、現状の認識が変わったので社会党は政策的に変更いたしましたと、こう言っているわけです。
○日笠委員 いいですか。では、憲法のどの条文のどこをどう解釈して合憲になったんですか。理念というのは、理念はではどの理念ですか。憲法で言ったら何ですか。(発言する者あり)
○佐藤委員長 静粛にお願いをいたします。
○村山内閣総理大臣 憲法の理念というのは、前文に総括的に日本国憲法の理念が書いてありますね。その理念も踏まえた上で判断をした、こういうことです。
○日笠委員 憲法の理念が変わったわけじゃないわけですね。そうですね。しかし、それが国内外の情勢によって大きく変化したから政策判断で合憲になると、こういうことですか。
 じゃ、具体的に何が、自衛隊のどこがどういうふうに変わったんですか。(発言する者あり)いや、変わったとおっしゃった。
○村山内閣総理大臣 もう一度正確に申し上げますけれども、憲法の理念というのは憲法の前文に書かれておる。総括的に憲法の理念というものがうたわれております。その理念に照らして考えた場合に、これまで社会党は現状分析の中でこの自衛隊は違憲であるという判断をしてまいりました。しかし、しかしこれだけ情勢が変わってきたんです。しかも、社会党が主張してまいりましたために、先般も申し上げましたように、日本国民の間に、文民統制や専守防衛や、徴兵制の不採用、自衛隊の海外派兵の禁止、集団的自衛権の不行使、非核三原則の遵守、核・化学・生物兵器など大量破壊兵器の不保持、武器輸出の禁止と、こういったやはり原則がしっかり確立をされて、そして国民的なコンセンサスも大体明らかになってきておると、こういう現状認識を踏まえて社会党は方針を変えたんですと、こう申し上げておるわけです。
○日笠委員 ですから、状況のことを聞いているんじゃないんですよ、状況のことを。憲法の理念のどこが違憲だったから、前文の理念のどこが違憲であったのか。前文と今おっしゃった、前文と。前文でしょう、理念。
 お聞きしますよ。憲法の理念は前文にあると、こういうことですね。
○村山内閣総理大臣 私は憲法学者でもないからなんですけれども、憲法の理念というのはこの前文にちゃんと書いてありますよね。これはもう今さら読むまでもありませんけれどもね。この前文に書いてあることが一貫をして私は憲法の前提になっておると思うんですよ。その理念を踏まえて、理念を踏まえて現状を分析した場合に、党として政策的にこれは違憲であるという態度をとってきたんですよ。しかし、これだけ情勢も変わってまいりましたから、情勢の変わった現状認識の上に立って党の政策を変更したんですと、変えたんですと、こう言っておるわけです。
○日笠委員 じゃ、具体的に憲法九条のどの部分に、今まで違反すると四十年間言い続けてこられたわけですからね、具体的におっしゃってください。
○村山内閣総理大臣 ゼンブンと言いましたから憲法全部かというふうに解釈されても困りますけれども、そうでなくて、私が申し上げたのは憲法の前文ですね、前文に日本国憲法の理念がちゃんとうたわれていますから、この理念を踏まえて現状を認識した場合にこれは明らかに違憲ではないかと申し上げてきたけれども、これだけ現状が変わったんですから、変わった現状の認識を変えて党の政策は変えたんです、こう申し上げているわけです。
○日笠委員 ですから憲法九条の、では、いいですか、質問が変わりますよ、憲法九条のどの部分、どう解釈されて違反と言ってこられたんですか。(発言する者あり)だから、話を変えたんです。
○村山内閣総理大臣 これは、九条については憲法学者の中でもいろいろ意見があるのですよ。私は政治家ですから、したがって、政策的に判断をして決めていくというのは当然のことではないですか。したがって、私は憲法学者ではありませんから、学者としての判断ではなくて、政治家として、これだけ情勢が変わってきた中で今の自衛隊というものを合憲として認めるという政策的判断で決めたんですと、こう言っているわけです。
○日笠委員 政治家の判断ですね。それじゃ、憲法九条の、先ほど申し上げたどのところをどう解釈されて合憲というふうにされたんですか。どうぞ。
○村山内閣総理大臣 何回お尋ねになっても同じ答弁しかないのですけれども、これはやはり憲法の理念、理念は前文に書かれております。その理念をしっかり踏まえた上で、米ソが対立するという緊張した冷戦時代の中で、どうして日本の憲法の理念を守って平和を維持していくか、平和を守っていくかという立場で社会党は政策的に主張してきたんですよ。ところが、これだけ情勢が変わってきたんですから、変わった情勢の認識に立って、社会党は政策的に自衛隊は合憲であるというふうに方針を変えましたと、こう申し上げているわけです。
○日笠委員 とても答弁に納得するものでありませんが、質問は留保して、今後……(「留保の時間がないんだから」と呼ぶ者あり)ありますよ。留保したいと思います。委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。
○佐藤委員長 これにて日笠君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木秀典君。
○佐々木(秀)委員 総理大臣を初め閣僚の皆さん、本当に御苦労さまでございます。同僚の皆さんも御苦労さまでございますが、大分予定より三十分ほどおくれましたけれども、あと一時間ですから御辛抱をいただきたいと思います。
 大分同じような質問が繰り返されましたので、少し目先を変えて、国内問題について質問をさせていただきたいと思います。
 御承知のように、昨年の十二月、細川連立内閣のもとで、政府はガットのウルグアイ・ラウンド交渉について苦渋の合意をいたしました。この中には農業合意も含まれております。これについて、総理も、当時は総理じゃありませんでしたけれども、社会党の委員長として、あの十二月の十三日から十四日の未明にかけて、社会党の国会議員がほとんど全員あの党本部に集まって、かんかんがくがくの議論をして、この合意を承認するかどうか、仮にどうしても政府が強行するのであれば、連立内閣からの離脱もやむを得ないのではないかというような議論まであった。あのときのことを今私はまざまざと思い出すのですけれども、恐らく社会党の閣僚の諸公も、あのことを御記憶になっておられると思います。
 しかし、その結果、苦渋の選択はいたしましたけれども、私どもとしては無条件でこれを選択したとは思っておりません。当然のことながら、これに伴うその後の国内対策をしっかりやるということ、これが申し合わされていたわけであります。そのことを当時内閣もしっかりと受けとめて、細川総理大臣が本部長となって、緊急の国内の農業対策本部、これをつくりました。しかし、その後の対策が、具体的な提案に至りますまでに幾つも政権がかわりました。しかし、政権がかわりましたけれども、対策本部はその都度羽田内閣、そして今度新しく誕生した村山内閣にも受け継がれておりまして、村山総理大臣がこの本部長に就任されておられます。
 そして、去る十月の四日ですれども、対策本部では第五回の緊急対策本部を開いて、この農業合意に伴う国内対策の大綱の骨子を決めたわけであります。その際、村山総理大臣は、この骨子を大綱として取りまとめることを十月、今月の中旬から下旬にかけて行いたい、それについて各閣僚に協力を要請したとお伺いをしております。
 一方、同時に、最も大きな影響を受ける米の生産、米の管理、米は日本人にとっての重要な主要食糧でありますけれども、この米の生産と管理についても従来の米管理政策を大幅に変えるという方針が発表されました。実は本日、私ども社会党は朝から農林水産部会を開きましたけれども、ここで農林水産省の担当の方から、主要食糧についての需給と価格の安定法についての骨格についての御説明を受けました。
 いよいよこうして国内対策が具体的につくられるという段階になったわけであります。
 しかし、いずれにいたしましても、ガット合意の結果、我が国の農業生産に及ぼす影響はさまざま考えられるところでありますし、特に農産物の輸入がほとんどすべてが関税化になって自由化される、米については六年後に先送りされましたけれども、しかし来年からはその代償としてミニマムアクセス分が入ってくるというようなことがあって、それがすべての農産物に大きく影響をしてくるだろう、生産とそれからまた所得も今よりも厳しい状況に見舞われるのではないかという不安を、農業生産者は一様に抱いているわけであります。
 そこで、お伺いをしたいと思いますけれども、そうした生産者の不安を解消し、むしろ足腰の強い農業の経営体をつくり、意欲のある農業生産者の意欲を奮い立たせられるような農業政策というのが展開されるのかどうか。そうでなければならないと私は思うわけですけれども、そういうものをしっかりとつくっていくんだという御決意が政府にどの程度おありになるのか。まず基本的なところを総理にお伺いをし、そして、この具体的な点についてはいずれまた農林水産委員会や当委員会でも時間をかけての審議が行われると思いますので、基本的な点で結構でございますけれども、農林水産大臣にお伺いをしたい、こう思います。
○村山内閣総理大臣 今佐々木委員が申されたお話を聞きながら、社会党は、私が委員長当時、あのウルグアイ・ラウンドの合意事項を受け入れるか受け入れないかというので大変議論をしたことを思い出すのです。
 しかし、細川連立政権に参画している立場からすれば、政府が決めた方針を、社会党がそれに反するということは連立政権への影響も大きいというので、苦渋の選択をして、皆さんにも合意をしていただいたという経過を思い出すわけでありますけれども、それだけのことを踏まえて受け入れた以上は、どんなことがあっても生産農民に対して不安を与えてはいかぬ。そこで、自後の対策については万全を期していこうではないかということをお互いに申し合わせたことを思い出すのですけれども、一番やはり食糧というのは大事ですから、どのようなことがあっても安全な食糧を安定的に供給できるように、それをまた保障し得る生産農民の立場というものも守りながら消費者の立場を守っていくという意味で大変大事ですから、そういう基本的な点をしっかり踏まえて、これからの農業政策をしっかり打ち立てていきたいというふうに考えています。
○佐々木(秀)委員 そこで、大河原農林水産大臣にお伺いをしたいわけですが、申し上げるまでもなく、大臣は農政の、行政の点でもトップにお立ちになり、そして、今また農林水産大臣として御努力なさっておられる。
 たしか四年前だったと思いますけれども、あの十二月のガット交渉がベルギーのブリュッセルで行われましたときには、私も社会党を代表してブリュッセルに参りました。大河原大臣も、その当時は自民党の代表としてブリュッセルにおいでになった。当時の山本農林水産大臣など、それから、今新生党に移られましたけれども、羽田さん、前の総理大臣なども御一緒に、それこそ超党派で頑張ったことを今思い出しております。それだけに、農林水産大臣に対する農業関係者の期待というのは非常に大きいわけです。
 しかし、この問題はひとり生産者だけの問題ではありません、消費者の食糧の問題にもかかわります、生命の問題にもかかわります。どうかそういうお立場で、これからどう取り組んでいくんだという点について、基本的な点をお答えいただきたいと思います。
○大河原国務大臣 佐々木委員にお答え申し上げます。
 段々のお話のとおりでございまして、本月、十月四日に緊急農業農村対策本部におきまして政策の骨子を固めまして、その基本的方向に沿いまして、現在具体的な施策を盛り込みました大綱の作成について全力を挙げておるところでございます。
 それで、御案内のとおりでございますが、対策の基本的な方向は、二十一世紀に向けて農業なり農村の自立を速やかに行い、持続的な発展を遂げるように展望を開くということを基本方針として、具体的に施策を固めておるところでございます。
 それで、できるだけ早くその大綱を明らかにいたしたい、さように考えるところでございますが、その大綱に盛り込まれた諸施策、これを総合的にかつ的確に行うためには、やはりどうしても財政的な措置も必要でございますので、その確保を含めて、ただいま政府部内の調整に力を尽くしておるところでございます。
○佐々木(秀)委員 大変力強い御答弁をいただいて、私としても期待するところは大きいのですが、しかし、それにもかかわらず先ほど申し上げましたように大変関係者の不安は大きい。
 それというのも、そう言ってはなんですけれども、今与党同士でございますから余りそういうことを申し上げるのはなにかと思いますけれども、かつて三十八年間自民党さんがずうっと政権を担当されている中で、農業問題についてもその主導権を握ってやってこられたと思います。
 その中ではさまざまな経過があったけれども、しかし、現在その結果として日本の農業の置かれている現状というものは、決して楽観できるような状況ではない。片や耕作放棄地が非常に多くなっている。それから農業従事者が高齢化している。それを後で担うべき後継者、あるいはこの担い手が非常に少ない。それからまた食糧、私どもが食べているものにしても、極めて多くの部分が外国から入ってきていて、自給率が非常に低まっている。一方、農業生産者の所得が非常に不安定であると同時に低まっていて、それがまた新しく農業に従事しようとする人々の意欲をそいでいるとか、さまざまな問題がある。
 そして、農業の持っている意味というのは、ただ単に国民に対する食糧の生産、提供だけではなしに、環境保全的な意味、国土の保全的な意味合いからも非常に重要な意味合いを持っている。今度の国内対策の大綱骨子の中では確かにそういうことを意識された政策展開をしようということが盛り込まれておりますので、具体的にそれが出されることを私どもとしても期待をしておるわけですけれども、しかし、それをやるということになると、今も大臣お話しのように、政策実行のためには、私は、相当大きな財源を必要とするのではないか、予算措置が伴わなければならないのではないかと思っております。
 けさの農業新聞の社説を見ますと、日本と同様にガットの影響を大きくこうむるということで国内的にも随分大きな反対運動があったと聞いている韓国でも、韓国の政府では、これに対する国内対策について、非常に大きな力を注ぐということが言われておりまして、そして予算的な措置としては、韓国の年度予算の約一五%ぐらいを具体的に考えているということが報道されております。これを比率的に日本に直しますと、今の予算からいくと十兆円ぐらいということになるのではなかろうかと思うわけです。
 そこで、大蔵大臣にお尋ねをいたします。
 きのう同僚の坂上議員がこの予算的な措置についてのお尋ねをいたしましたが、時間が足りなかったということもあり、大蔵大臣のお答えがもう一つ具体的ではなかったということもありますので、これについてどういうようなことを考えておられるのか。これは、私は、これから出てくるこの大綱が具体化されて政策的な展開ということになりますと、現在の通常の農林水産予算ではとても賄い切れないだろうと思っております。私ども社会党としては、概算要求とは別枠で、シーリング外でこれを立てなければならない、そのぐらいの大きな規模になるのじゃないかということを言っているわけですけれども、何といっても政策実行には予算の措置が伴わなければ絵にかいたもちに、あるいは仏様をつくっても魂が入らないというような結果になりかねないわけであります。
 そこで、大蔵大臣もこの緊急対策本部のメンバーとしてずっとこれにかかわってきておられるわけですけれども、この予算についてはどういうような方向で考えられるか、これについてお聞かせをいただきたいと思います。
○武村国務大臣 現下の農業、農村、農政をめぐる御認識については、私も一議員としては全く同感でございます。
 大蔵大臣だから言葉をたがえるつもりはありませんが、御指摘の問題につきましては、今農林大臣からもお答えがありましたように、大綱骨子が先般本部でまとまりました。これに基づいて今、大綱づくりの御苦労をいただいているところでございます。この大綱がどういうものになるのか、まだ私どもも予測ができませんが、これにのっとって来年度の予算編成の中で来年度の予算措置をさせていただくという方針でございます。
 問題は、韓国の例もお話しになりましたが、やはりさまざまな制約を我が国の財政は持っておりますよね。行財政改革の声もありますし、二百兆円を超すような財政の悪い状況もございます。これはあえて繰り返しませんが、そういう中でもぎりぎり努力をして、どの程度のことが可能なのか、不可能なことをやるとまではこれは言えませんし、精いっぱい可能な範囲内でこの問題には財政当局としても対処させていただくということで御了解を賜りたいと思うわけであります。
○佐々木(秀)委員 農林水産大臣にもう一度お尋ねをいたしますけれども、聞くところによりますと、農林水産省の方ではできるだけこの大綱の策定を急ぎたい、今月の二十一日の閣議あたりに相当程度のものが出るようにも聞いておるのですけれども、この大綱とともに、それに対する予算の裏づけですね、どこまで具体的になるかわかりませんけれども、それがなければならないだろうと私は思っておりますし、また一般にもそれを期待しておると思うのですね。それにこたえられるような予算的な裏づけといいますか、目安でも結構ですけれども、そういうものについては出される御用意があるかどうか、それをお伺いしておきたいと思います。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 先ほどお答え申し上げましたように、大綱の策定にただいま全力を挙げておるところでございますが、我々といたしましては、委員御指摘のとおり実施期間、または対策期間と言ってもよろしゅうございますが、その期間における一つの裏づけを明らかにすることがぜひ必要ではあるまいかというふうに考えておりまして、財政当局に対してもその御理解を願うべく全力を挙げるつもりでございます。
○佐々木(秀)委員 大蔵大臣としては、今直ちにということはお答えにくいのかもしれませんけれども、今農林水産大臣お話しのように、政策展開について一定の予算の目安というものも出てくるだろうと思います。これはしっかりとひとつ受けとめていただいて、総理大臣もこれの具体化に御努力をいただきたいと思うのです。
 何といっても村山内閣は改革の内閣ということで、政治改革、行政改革、あわせて農業改革ということも柱にしておるわけですから、ぜひこれに全閣僚の皆さん、しっかり取り組んでいただきたいということを御要望申し上げたいと思います。
 あとは食管の問題ですとかあるいは安全性の問題ですとか、実は質問を予定していたのですけれども、ちょっと時間の関係がございますので、これらの問題についてもいずれまた改めてしっかり審議をさせていただきたいと思います。
 ただ、森林・林業の関係について農林水産大臣にお尋ねをしたいと思いますのは、実は先般、総理が所信表明演説をなさいまして、森林保全の重要性について触れられておられ、そしてまた我が党の上原代議士の代表質問に対しても、森林・林業の展開方向について御答弁なさっておられます。
 非常に前向きな御答弁で、私たちとしても意を強くしておるところですが、しかし実際に、現状的に申し上げますと、御案内のように、我が国の国有林を含む森林・林業の実情ですね、これはことしの林業白書も述べておるわけですけれども、「二十一世紀に向けて山村と森林・林業を再生していけるかどうかの岐路に立っている。」こういうことが言われておるわけですね。このままでは大変なことになるわけでありますし、それからまた、例えば国有林なんかにしても、二兆円以上の赤字を抱えて合理化合理化だけでやってきたわけですが、これではとてもこれを保持していくことなどはできないだろうと思っております。
 そこで、火急の政策について、従来の政策の見直しを含めて、公的な助成など、公的な費用を大幅に導入するなどというような財政支援も必要じゃなかろうかと思っているわけですが、この間の総理大臣の御答弁を踏まえて、農林水産大臣としてどういうようにお考えになるか、簡潔で結構ですけれども。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。
 ただいま佐々木委員の御指摘のとおりでございまして、森林につきましては、申すまでもなく、水資源の培養あるいは国土保全等々の多くの公益的機能を持っております。したがって、それが適正に管理されまして、またはある意味では次世代にも受け継がれなければならない。しかるに、御案内のとおり、我が国の林業は大変厳しい情勢にございます。民有林、国有林を通じまして同様でございます。
 ただいまの林政といたしましては、民有林、国有林を通じます流域管理システム、これを基幹といたしまして政策展開を行っておるわけでございまして、一方では森林計画制度なりあるいは保安林制度の適切な管理と運営はもちろんでございますが、財政投資に裏づけられました森林整備事業等についてこれを推進して、林道なり造林、この事業の方に努めておるところでございます。
 お話のような点もございますので、今後もこの推進の状況を見ながら、必要があれば見直し等についても検討をいたすべきものである、さように考えております。
○佐々木(秀)委員 ありがとうございました。
 総理大臣も、今の農林水産大臣の御答弁と整合性を持つような御答弁をさきになさっておられます。必要があれば、ただいまの森林整備事業の計画ですね、改善計画、これについても見直しをするというような大胆なやはり手だてを講じていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。
 時間が大分なくなりましたけれども、最後に、北海道の東方沖地震の問題についてお尋ねをいたします。
 去る十月の四日の午後十時二十三分、震源地根室東方百八十キロ沖で、マグニチュード七・九、実はこれは七・九だったのが、昨日ですか、八・一に修正されましたね、大きくなりました、そういう大きな地震が起こりました。去年一月にも起こって、二度目だということで、この北海道の東部の方々は大変な被害を受けたわけであります。
 私どもは、社会党として、十月の七日、八日、上原代議士を団長とし、私が団長代行でございましたけれども、現地調査に行ってまいりました。百聞は一見にしかずと申しますけれども、テレビなどで見ているよりも、やはり行ってみるとすさまじい被害の状況で、大変に皆さんが御苦労なさっておられます。特に、道路、港湾、鉄道、上下水道、電気、ガス、公共施設、学校、文化センターなどですね。それから、農業、漁業施設、あるいは個人の住宅などなど、大変な被害でございます。
 これに対して、それぞれの自治体の皆さん、それから北海道開発庁、それから首長の皆さんなどなど、総力を挙げて、不眠不休で頑張って復旧に携わっておられます。特に、ライフラインについては、一刻も早くという復旧作業をやっておられることに感銘を受けてまいりましたけれども、しかし、あれだけの大きな被害、これはマグニチュードからいきますと関東大震災より大きいわけですからね。それで、これに対する復旧のための財政措置が、どうしても国の援助が必要になってくると思います。そのことが強く言われております。
 そこで、具体的に要望事項がありましたのは、例えば普通交付税の繰り上げの交付ですね、それから特別交付税の配分についての融通方、地方債の融通方などなど、こういう財政措置を早く講じていただきたい。これは、もちろん被害調査ができなければということもあろうかと思いますし、今ちょうど、きのうからだと思いますけれども、政府の第二次調査団、大型調査団が入っておられます。その被害調査にも私どもとしては期待をしておるわけですけれども、自治大臣、この辺について御措置いかがでしょうか。
○野中国務大臣 昨年の南西沖地震に引き続いて、ことし北海道では東方沖地震災害が起きたわけでございまして、私ども心からお見舞いを申し上げますとともに、災害の、委員おっしゃいましたように、現在、二度目の調査を関係省庁、本日を含めて入っております。
 被害の甚大なところにつきましては、十一月交付予定の普通交付税につきまして繰り上げ支給を考えておりますし、被害と財政状況を見まして、それが明らかになりましたら、それぞれ地方債を配分をいたしまして、御承知のように、地方債は直轄補助災害復旧は九五%の元利補給もございますし、また、単独債におきましても五〇%に近い元利補給もございますので、財政運営に支障を来さないように、さらに特別交付税の配分につきましても十分配慮をいたしてまいりたいと存じております。
○佐々木(秀)委員 ありがとうございました。
 寒さを迎える北海道東部でありますので、できるだけ早い措置をお願いしたいと思います。
 それから、この地震では、御案内のように北方領土がひどいのですね。択捉、国後、それから色丹、幸い今度の地震では日本人では死者は出なかったわけですけれども、この北方領土の方では死者も大変多い。そして、何よりも食糧だとか医療品が足りないということで、これに対する人道的な援助ということがやはり必要ではないかと思います。この具体的な対策などどうなっておりますか。官房長官からそれではお伺いします。
○五十嵐国務大臣 このたびの北海道東方沖地震について、道内の被害も大変、あるいは東北も大変でありますが、佐々木委員が非常に熱心にこの問題に直ちにお取り組みいただいておりますことにお礼を申し上げたいと思う次第であります。
 同時に、今御指摘のように、この地震は北方領土に大変甚大な被害を与えているわけであります。我が国といたしましても、この非常事態における人道的な見地からの支援態勢について、現地のニーズを踏まえながら、今全力を挙げて準備をいたしているような次第でございます。
 支援の実施に当たりましては、申すまでもなく領土問題に関する日ロ双方の立場を害さないということを大前提といたしまして、かつ日ロ双方にとって受け入れ可能な範囲でこれを行うという考え方で進めている次第であります。
 具体的な支援の内容につきましては、現地のニーズ等を踏まえまして、基本的に物資の供与とすることが適当であろうと考えておりまして、これまで、パン焼き器、発電機、魔法瓶、ガスコンロ等が必要だ、こういう情報もございますので、これらを含めて、あるいは食糧であるとか医薬品であるとかということ等ももちろん準備をさせていただいているところでございまして、恐らく今の準備の模様からいいますと、やや調達が終わりかかって、今週中には根室から船積みで支援が実施できるのではないか、こういうふうに考えているところでございます。
 なお、このサハリンでの記者会見でパノフ次官が日本の地震専門家の派遣について言及なさっているようでありますから、そういうような要請がロシア側からありましたら、そういうような支援についても検討いたしたい。また、ロシア側から、北方四島における気象であるとか地震情報というものがどうも不足している、こういうようなことから、我が方からの情報提供を要望している向きもございますので、これにつきましてはもう直ちにそういう協力をいたすようなことも現在進めているところでございまして、人道的な立場に立ってできるだけの支援をしてまいりたい、このように思う次第であります。
○佐々木(秀)委員 ほかに質問を予定していたものもありますが、時間が参りましたので一応これで終わりたいと思います。
 ただいまの北方領土支援につきましては、北海道の方でも横路知事を先頭にして協力態勢を整えておりますので、十分御連絡の上で早急に御措置いただきますように心からお願いを申し上げます。
 村山総理大臣初め閣僚の皆さん、いろいろ御苦労があると思いますけれども、いよいよこれからがさまざまな改革の正念場を迎えるところでございます。私どもも十分御協力をいたします。しっかりおやりいただきたいと思います。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、五十嵐ふみひこ君。
○五十嵐(ふ)委員 新党さきがけの五十嵐ふみひこでございます。遅くまで御苦労さまでございます。
 私は、政治理念と政治姿勢、この問題について質疑をさせていただきたいと思いますけれども、あらかじめ質問の通告をしていない問題についてもお尋ねするかもしれませんので、御容赦をいただきたいと思います。
 私は、まず時代認識というものをひとつやはり伺っておかなければいけないなと思っております。なぜなら、最近大変政党が入り乱れて政治がわかりにくくなったという話を国民の皆様から伺うわけで、少し整理をしておかなければいけないなと感じる次第であります。
 一九六〇年代に、世界的に、衣食足りて礼節を知ると申しますか、マイノリティーやあるいは社会的な弱者に温かい政治をしなければいけないということで、アメリカで公民権法が成立をしたり、いろいろな社会福祉の施策が、公共政策が進んでまいりました。
 ところが、これに対して、これは大きい政府だ、ばらまき福祉じゃないか、あるいは弱者の甘やかしじゃないか、あるいは結果の平等を重んじて機会の平等というものは忘れ去られているんではないかというような批判が巻き起こりまして、その後一九七〇年代の半ばから一九八〇年代には、新保守主義という考え方が世界の政治思潮の主流になりました。これは自立と自由競争というものを大変強調する考え方でございまして、我が国でもそれが中曽根さんの考え方ということで、新保守主義が国家主義的な考え方と結びついて、我が国においてもイギリスのサッチャーさんやあるいはアメリカのレーガンさんと同じように大変な力を占めたわけであります。
 しかし、その後、世界的にこれに対する反省がまた起きてきたわけであります。それは、一つには、環境問題あるいは南北問題というものが出てまいりまして、やはり必要なものは、自由一辺倒ではいかぬ、自由競争一辺倒ではいけないし、自立だけを強調し過ぎてもいけない。
 例えばアメリカでも、お金持ちでさえ、高齢社会が来ますと、お年寄りが多くなりますと社会的介護が必要だという形で、これはそうした公共政策が必要になってくる。すなわち、新保守主義のいいところ、小さな政府、効率的な政府だとか自立の面も強調しながら、一方で賢明な公共政策、垂れ流しにならない賢明な公共政策を行っていって、やはりリベラル的な、オールドリベラル的なものの中のいいものも見直していこう、こういう形で、新保守主義とオールドリベラリズム、昔のリベラリズムのいいところを取り込んでいこうという形で私は新しい潮流が生まれてきた。これがクリントン政権を生んだ。
 クリントンさんの片腕であるゴアさんの環境重視、あるいは一方では福祉重視のゴアイズムとでも申しましょうか、その考え方が出てきて、私たちもやはり同じように、私はネオリベラリズムと言っておりますが、ニューリベラリズムと言う方もいらっしゃいます。我が国でもリベラルを名のる方が野党にも与党にもいらっしゃって大変わかりにくくなっているわけですけれども、実際のところはそういう状況があるんだろうと思うんです。
 ですから、新保守主義に完全に対置する概念としてリベラルがあるのではなくて、むしろ新保守主義とオールドリベラリズムのいいところを取り入れた考え方として新しいネオリベラリズムというものが生まれてきた。これは、両方の考え方が寄ってくる、いろいろな試行錯誤を経て寄ってくるというのは当然のことでありまして、私は日本の政治もそうならざるを得ないんだろうと考えております。
 そこで、総理にお尋ねをするわけでありますけれども、総理は、今私が申し上げたような時代の流れ、世界の政治思潮の流れというものについてどのような御認識をお持ちか。総理が、今は赤か白か、あっちのイズム、こっちのイズムという時代ではないということもお話をされているわけですから、恐らくは私の申し上げていることと余り違わないだろうと予想しながら、ぜひお考えを一言お伺いしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 委員御指摘のように、一九六〇年代は、やはり衣食住を充足させる、そして弱い者を助けていく、こういう意味で福祉国家論というものが強調された時代ではなかったかと思いますね。で、その福祉国家論が強調されてきた六〇年代の経験を踏まえて、これではやっぱり経済が伸びないというので、自立とそれから自由主義というものがまた七〇年代の半ばから八〇年代にかけて御指摘のように叫ばれてきた。これはある意味では、経済の復興、経済の再建にはやはり大変大きな力になった面もあると思いますね。
 しかし、それだけにまた貧富の差が拡大するとか、あるいは開発のために環境が犠牲になるとかいったような問題が反省されて、そして今お話しのように、いい面を引き継ぎながら悪い面を是正していくという意味で九〇年代が迎えられたのではないかというふうに私は思っておりますが、これはちょうど今国連の問題でも議論されていますけれども、国連の機能も、むしろ国際的にそういう機能が果たせるような国連にやはり改組すべきではないか、こういう声が強く言われておりますように、九〇年代は御指摘のような時代ではないかというふうに私も理解をいたしております。
○五十嵐(ふ)委員 私も同感でございまして、今国連の問題が出ましたけれども、よくその新保守主義者の皆様が一国平和主義はいかぬということをお話をされるわけであります。私は、だけれどもスイスのような永世中立国が、これは一国平和主義でいかぬと非難されたことはありませんし、あるいは中国のような大国がPKOを出さないということで批判をされたという話も余り聞きません。日本がなぜ一国平和主義でいけないのだろうか。私は、一国平和主義といってもいいところも悪いところもあると思うんですね。
 ただ、問題が幾つかございまして、この一国平和主義はいかぬと言っている裏側には、日本の国民、あるいは民族というものに対する世界の不信感が実はあって、それは大変実は危険なことではないか、日本が孤立する一つの原因になるのではないかというふうに思っているわけなんです。
 例えば、外国へ行って血を流さないと言うけれども、外国になぜ軍事貢献をしないのかという話がありますが、外国へ自衛隊を出すか出さないか、出さないよりは出した方がいいだろうという程度の実は評価しかないのですね。
 どうしてかなと思うのですが、日本という国は自国の繁栄だけを考える国ではないか、日本人というのはどうも世界の、例えば開発途上国に対してお金はばらまくけれども、それはやがて日本に経済的な利益となって返ってくるためにまいているのではないかと疑いを持たれている。あるいは世界じゅうに、水産物なんかは日本が世界の漁獲量の六割も七割も一部魚種に関してはお金で買いたたいて持ってきてしまう、そして日本の国の中で消費して、しかも大変な残飯を出す国だということが実はもう知られているわけですね。
 これから、先ほど環境問題が重要なターニングポイントだという話をしかけましたけれども、まさに環境問題が提起しているものは、人間のエゴイズム、生活エゴイズム、自分の生活をもっと高めたい、楽したい、便利にしたいという、あるいは豊かにしたいというそのエゴイズムに対する批判として実は環境問題というのは出てきているわけでありまして、南北問題にもかかわってくるわけですが、日本人だけがお金があるからといってそうした行動パターンをとっていいのかという批判が、実は世界の多くの人々の心の中に芽生え始めている。そこが私は問題なのであって、何も日本人に世界の警察官になって軍事貢献をしてほしいと、そう思っている国民が世界にたくさんいるとは私には思われません。
 私は、PKOは必要だと思っているのですよ。場合によってはPKFも必要だと思っている人間ですけれども、私は、しかし、日本人が本当に謙虚になってみずからの行動を反省をするならば、もう少し真剣に、今政治家は口を開けば環境、環境と、カッコウじゃないけれども言いますけれども、環境問題の本質はどういうことなんだろうか、世界に日本人が出ていって何をしているのか、どう見られているのかということを真剣に私は反省すべきときなんだろうと思います。
 そうなりますと、私どもは、先ほど常任理事国の問題がありましたけれども、ただ常任理事国に入ればいい、軍事貢献をすればいいとかいう問題ではなくて、日本としての国のあり方、国民のあり方そのものが問われている。我々はどういった役割、どういった立場を持って世界に貢献していくかということをもう一度見直してみる必要があるのではないでしょうか。
 例えば、今までは自由貿易というものを我が国は盛んに言ってまいりました。我が国は資源のない国ですから、自由貿易でないとこれは成り立たないということで、共和党と仲よくしてきたのも、アメリカの共和党が自由貿易を党是とされているところだから仲よくしてきたわけですけれども、ただ、自由貿易が今までは絶対的な善でした、我が国にとっては。だけれども、これからは本当に絶対的な善なんだろうか。先ほど申したように、環境という分野、あるいは南北問題という観点からは、絶対の善ではない時代がやってきつつあるんじゃないでしょうか。
 そういうところまで私どもは時代を見詰め直していかないと日本が世界から孤立してしまう。世界から尊敬され、愛される国にならなければ日本は立ち行かない国であります。資源がありません。ですから、ぜひそういうところを見直す、そういう時代感覚を持って、環境、環境と、ただブームだからと、みんなが言うからと環境問題を言うのではなくて、時代の本質を見詰め直して、日本の政策全体を見返してみるという態度が必要なんではないかと思います。
 環境問題について総理の御関心のほどをお聞きをいたしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 環境問題が今地球規模で大きな課題になっておるということはもう御指摘のとおりだと私は思います。
 先ほど来申し上げておりますように、日本のこれまでの経済的な復興の経過を見てまいりますと、もういろんな意味で環境が犠牲になってきておる。先ほど森林・林業の重要性も強調されましたけれども、ほとんど緑が切り開かれて宅地になってきておるというような意味で、日本の国土全体もこれから緑を三倍にふやしていこうといったような運動もされておるぐらいでありますから、これは単に日本だけの問題ではなくて、国際的にもやっぱり地球規模で環境をどう守っていくかと。
 したがって、日本がこれからODAなんかで発展途上国に対して援助し、協力していく場合も、そういうものをやっぱり重点に考えた上で、本当にその国の国民のためになるような、そういう国際協力というものを考えていく必要があるのではないか、そんな意味で環境というものは極めて重要であるというふうに踏まえております。
○五十嵐(ふ)委員 私も全くそのとおりだろうと思います。そして、南洋材の問題も今出ましたけれども、ただ自由貿易だ、輸入をしてもいいんだというようなことにはならない時代がやってくる、そのときのことを考えて私は政府の政策というものも変わっていかなければならないだろうと。
 世界的な貢献ということでは、私は科学技術というものを、これからはやはり我が国は科学技術立国で生きる以外にないと思います。科学技術というものを重視をしていかなければならないと思います。そして、科学技術の分野における国際貢献が今十分かどうか、田中科学技術庁長官が私たちの生活に密着した科学技術ということで今進められようとしているのが、重粒子線によるがんの治療という大変画期的な新しい治療方法というものを今研究が進められて、臨床実験もうまくいきつつあると伺っておりますが、科学技術の分野における国際協力が今のままで十分か、もっとやる余地があるんではないかということについて、田中科学技術庁長官の御見解を伺いたいと思います。
○田中国務大臣 お答え申し上げます。
 五十嵐委員が先ほど二回おっしゃったように、確かに日本は資源がない国でございます。本当に一番、十二分に開発されるべきものは人的資源でございますし、知的創造力のある人々をいかにして養成していくかということがやはり世界に対する貢献の基本になろうかと思います。
 ですが、大変残念なことに、今は若い人々の理科離れということが言われておりますものですから、そういうことを払拭して、もっと関心を持っていただくためにはどうすればいいかということを私どもも常々考えておりまして、いろいろな方の、識者の方の御意見も徴しておりますが、その中でやはり基本的には基礎研究の分野でございますとか、あるいはその開発研究というようなところに投資の拡充もしていかなければいけないというふうに思っております。
 それから、今御指摘くださいましたように、大変ありがたいことでございますけれども、生活密着関連ということを私も常々科技庁長官にしていただいてから申しておりますけれども、例えば新エネルギーなどでもソーラーでございますとか、燃料電池の開発ですとか、そのほかいろいろ、医学の面も今おっしゃいましたけれども、私も放医研に行ってまいりまして、三人ほどがんの治療を患者さんがしておられるというのも視察もしてまいりました。
 ですから、そのように医学の面の貢献でございますとか、そのほかいろいろと私どもに役立つ研究というものがされておりますので、そういう面で人的交流を海外とも図っていくということによって貢献はできるだろうというふうに思っております。御指導いただきたいと思います。
○五十嵐(ふ)委員 要するに、世界に対する貢献といってもいろいろな分野があるということでございます。一国平和主義はいかぬ、だから常任理事国に入り、世界の警察官になって世界の情勢に目配りをして、軍事的貢献も場合によってはしていくんだと短絡的に突き進むものではない。我が国の果たすべき役割、世界から期待されている役割というのは多方面にわたるんだ、もう十分御存じだろうとは思うんですけれども、そういった幅広い観点から見ていただきたい。
 とかくレッテルを張って、こういうことだからこうじゃないかという形で次々に一定の方向へ突き進んでいくという考え方が日本は出がちでございます。赤か白かということでないとなかなか理解をされない。その証拠に、中道の皆様が大変いい政策を今までされてきたけれども、国会の勢力としてはなかなか大きくなれなかったということがあると思います。赤か白か、右か左かでないとわかりにくい、なかなか理解されないという面がありますけれども、これからは条件つきの賛成とかあるいは条件つきの反対とか、そういった時代に入ってくるわけでありますので、余りレッテルを張って決めつけていくという考え方からは離れていかなければいけないと私は思うわけであります。
 私は、税制を取り上げさせていただきたいと思うんですけれども、とかく本質論を離れてレッテル張りで議論が行われているということが、今回の税制論議においても目立ちました。理念なき税制改革だということをおっしゃる方がいらっしゃいました。ある学者さんが最初に言い始めたようですけれども、その方は、実はもともと景気対策による減税には反対なんです。五・五兆円の景気対策減税、すべきではなかったという方だったんですね。ですから、その方にとっては、今回の税制改革の意義、特に二階建てにして三・五兆円部分と二兆円部分に分けた部分がわからない。もともと景気の部分というのを否定なさっているわけですから、そういうことになるわけなんですね。
 ところが、その理念なき税制改革というキャッチフレーズあるいは二階建てという言葉が流布されたために、その反語として不良建築だとか不法建築だという言葉が、キャッチフレーズが気に入ってしまったがために大変使われておりますけれども、本質的な議論ではないと私は思うのですね。本質的な議論ではない。
 例えば、中高所得層の累進度を弱めていく、低めていくということが今回の税制改革の一つのテーマになりました。一方の方々は、五・五兆円全部そこの部分の是正に使わないとこれは理念と違うんだということをおっしゃる。果たしてそんなものなんでしょうか。五・五兆円を全部使ったときの姿はどうなるかということを、そちらの方の理念を示していただいた上でその理念に反するじゃないかというお話を伺うならいいんですけれども、そうじゃなくて、三・五兆円の税率構造是正が理念に反するという根拠が全く示されないで、それだけがひとり歩きする。
 前回の八八年の抜本改正、それと今回の抜本改正を合わせますと、ちょうど年収四百万の、夫婦子供二人合わせた世帯の年収四百万、この階層の減税率は七〇%になると思います。そしてちょうど二回の税制改正を合わせて、千五百万、皆さんがおっしゃる中堅所得層と言われる方々だと思いますけれども、その方々の、千五百万の階層の、減税率ですよ、減税率が二五%です。そしてちょうど少しずつ、減税率が七〇%から二五%へ下がってきているんですね。これは非常に、税の姿としてあるべき姿だろうと私は思っております。そして四百万世帯の所得税の負担率は一・六%です。世界じゅうで、一・六%、四百万収入があって一・六%しか所得税を払っていない、そういう先進国は実はほとんどないわけでありまして、極めて低所得層に配慮し、かつ累進度という面でも配慮された今回の税制改革の結果の姿だと思っておりますけれども、今私が申し上げた数字について確認ができますか。大蔵大臣、もし……。
○武村国務大臣 おっしゃるとおり、私の勉強しました数字も四百万台、四百万の方は六年前にさかのぼると二十万ぐらいの税金であったようです。それが、約七〇%とおっしゃいましたが、四分の三近く軽減されて五万余りで済む。それがちょうど一・六%ですか、その数字に該当するなと思って聞いておりました。
 いずれにしましても、二階建ての方がいいか悪いかという議論はあってもいいのでありますが、同じ敷地なら二階建ての方が庭がとれますし、景色がよくなるというふうなメリットもありますから、やはり、今回は三年間、原則的に五・五兆円という、国家財政の状況からいえば本当に大変な決断をさせていただいて、景気対策として減税三年継続というこの基本線がまずあるわけでございます。
 そういう中で制度減税は、いろいろ五十嵐さんおっしゃったように、精査をいただいて三・五兆円に決めていただいた。そうすると、差額の二兆円は特別減税でいくということになったわけでございますから、この二階建てはそういう意味で大変意味のある、理念なきとか不法建築なんという言葉で一蹴されることの方がむしろ納得できないというか、不合理だというふうに申し上げたい。大変中身を持った仕組みだということを御理解いただきたいと思います。
○五十嵐(ふ)委員 全くそのとおりでございまして、私どもはかなり、いわゆる不公平税制の一部と言われています益税という面、これも益税が必ずしもあるとは限らないわけですけれども、少なくとも疑われている部分について、あるのではないかと疑われている部分について相当思い切った是正をさせていただきました。
 それから、地方税に消費課税を導入するという今までなかった画期的なこともやらせていただきました。私どもはかなり思い切った、そういう意味では社会党がおっしゃる改廃的な見直しというものに近づいた消費税の改革というものをさせていただいたと思っております。そういう意味で、私は、正当な評価をしていただきたい、中身の議論をしていただきたい。
 直間比率の是正についても先ほど議論がありましたけれども、直接税と間接税について、日本は直接税の比率が高いと言うけれども、所得税が高いわけじゃないのです。所得税が高いわけではありません。直間比率が日本が高いのは、法人税、特に地方の法人税ですね、法人事業税というものがあるために、すっかりその分が先進各国より高いというわけでありますから、そういう議論をきちんと中身を見てしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 それから、非自民か自民かというような論争も何回もこの場で行われましたけれども、なぜ非自民が善で自民が悪なのか、それは全くおかしなことだろうと私は思うのですね。
 五五年体制ということについても、私は、五五年体制も全面的に全部否定さるべきものではないと思っております。なぜならば、これは五五年体制の中で自民党が社会党の、社会党がいわゆるアメリカにおけるリベラルな部分を代表してきたと思うわけですね、その意見を取り入れてきたから自民党政権は長く続いたし、支持が強くあったと思う。
 ただ、これが政権交代が余りにもなかったために派閥政治の行き過ぎがあった。派閥の領袖たちがいわゆるボス政治、一握りの人たちによるボス政治が行われた、支配が行われた、そういうところに問題がある。派閥を維持するために無理な金集めをした、そういうところに問題があるのであって、五五年体制のどこが問題で、どこが悪いのかということをきちんと精査して見分けていかなければいけない。五五年体制だから悪だとか、自民はいけなくて非自民だったら絶対善だなんということは全くあり得ない話でありまして、本質的なところを見て物事を考えていく、これは必要なことだろうと思います。
 例えば日米関係におきまして、私は先ごろ駐日経済公使のペンフォールドさんとお話をさせていただきましたけれども、日米協議の中で貿易インバラの話ばかりされるけれども、我が国はアメリカよりおくれて空洞化が進んでいる。アメリカは先に空洞化が進んでしまったんだ。多国籍企業は、アメリカから出ていった企業はうんともうけているじゃないか、日本にも輸出しているじゃないか。それがカウントされていない。それに対して日本は、実は本来空洞化がもっと進むべきところが、これは地価の含み益によって、国際競争力のない企業が日本国内に残っているという事情があって実は生まれてきているインバラの一つの大きな側面がある。日本も空洞化が進んでいけば、たちまちのうちに私は貿易黒字というものはなくなっていくと思うのです。
 ですから、表面上の数字だけに左右をするのではなくて、むしろ日米が建設的に、例えば多国籍企業の経済活動について国際的ルールをきちんと両国が手を携えて訴えていこうじゃないか、タックスヘーブンの問題を解決していこうじゃないかというようなことを建設的にお互いに話し合ったらどうでしょうかということを駐日の経済公使のペンフォールドさんに申し上げました。
 いい指摘だという御指摘をいただきましたけれども、私はまさにそのとおりだと思うのですよ。別に自慢をしているわけではございませんで、そういう状況に私どもはいるのだろうと思うのです。一方的に表面だけを見て、数字を見たり、表面上の数字を見たり、レッテルを張って物を考えるのではなくて、きちんと私は考えていかなければいけないと思います。
 そこで、時間が迫ってまいりました。この内閣の重要な使命、私は行財政改革と。今までずっと自民党政権が続いてきた、その間に蓄積されてきた行財政システムがそろそろ時代に合わなくなってきた、そこを根本的に変えていかなければいけないという時代の要請がございます。行財政改革というものが村山内閣の課題の中、たくさん課題ございますけれども、どういう位置づけかというのを改めて一言お伺いをしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 所信表明でも申し上げておりますけれども、今お話がございましたような税制改革大綱もお示しをいたしました。この国会に提出をする予定でありますが、そうした税制改革も行って国民に負担を求めていく限りにおいては、やはり政府みずからが歳出を削減するとか、経費を節減するとか、あるいは思い切ってこれまでの行政の見直しも十分やって、そしてみずから身を削る思いで厳しくとらえていくということが大事だということを各閣僚にもお願いしてありますけれども、私はこの内閣の重要な一つの使命として行財政改革はやらなきゃならぬものだと決意をいたしております。
○五十嵐(ふ)委員 行革こそがこの内閣の最大の使命であると私も考えております。
 そこで、行革では財源が出ないんだということを中野寛成さんもおっしゃいましたけれども、私は、決してそんなことはない、そして大蔵省にも、行革では財政効果がないということを絶対言うなということを申し上げております。
 大蔵大臣にお伺いをいたしますけれども、行革で財政効果が上がらないというふうにお思いでしょうか。
○武村国務大臣 行革という言い方の場合と行財政改革という言い方の場合とあるわけでありますが、行革の場合も効果は上がると思います。上がる場合が、上がるケースがたくさんあると思いますが、数字がややつかみにくい、行革の場合は。財政再建、財政改革という言葉を使うとやや締まってきます、これはイメージの話ですが。ぜひ毎年毎年の予算編成も含めて歳出の見直し、制度の根底にまでさかのぼって見直す、優先順位をつけ直すというこの気概で、行財両面から真剣に改革に取り組んでいきたいというふうに思います。
○五十嵐(ふ)委員 まさに我々一体となって、政府・与党一体となって行財政改革に取り組んで、私たちが国民から預かっている大切な税金を大切に、効率的に私は使っていかなければならないと思います。
 最後に一言だけ、竹下元首相の自民党会派復帰問題でございますけれども、私はさきがけの一員として、やはり好ましくないということを表明をさせていただきます。他党のことではありますけれども、やはりこれは政党の姿勢として、連立内閣の姿勢として政治倫理というものには厳しくありたい。私は、政治家はどの場へでも出ていってきちんと自分の身の潔白を証明する、そうした責務があると思っておりますので、そうした立場から身を律していきたいと思っております。そういう考えが、さきがけ全体で別に決をとったわけではございませんけれども、そういう見方が強いということを申し上げて終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて五十嵐君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明十三日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時散会