第131回国会 予算委員会 第3号
平成六年十月十三日(木曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 佐藤 観樹君
   理事 衛藤征士郎君 理事 中川 秀直君
   理事 野呂田芳成君 理事 深谷 隆司君
   理事 伊藤 英成君 理事 草川 昭三君
   理事 渡部 恒三君 理事 池端 清一君
   理事 三野 優美君
      伊藤 公介君    浦野 烋興君
      江藤 隆美君    越智 伊平君
      越智 通雄君    川崎 二郎君
      近藤 鉄雄君    志賀  節君
      島村 宜伸君    関谷 勝嗣君
      高鳥  修君    東家 嘉幸君
      原田  憲君    保利 耕輔君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      若林 正俊君    東  祥三君
      石井 啓一君    岡島 正之君
      加藤 六月君    笹山 登生君
      鮫島 宗明君    田名部匡省君
      高木 義明君    谷口 隆義君
      月原 茂皓君    長浜 博行君
      二階 俊博君    日笠 勝之君
      村井  仁君    山岡 賢次君
      山田  宏君    今村  修君
      佐々木秀典君    嶋崎  譲君
      濱田 健一君    細川 律夫君
    五十嵐ふみひこ君    穀田 恵二君
      松本 善明君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  村山 富市君
        法 務 大 臣 前田 勲男君
        外 務 大 臣 河野 洋平君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 与謝野 馨君
        厚 生 大 臣 井出 正一君
        農林水産大臣 大河原太一郎君
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        運 輸 大 臣 亀井 静香君
        郵 政 大 臣 大出  俊君
        労 働 大 臣 浜本 万三君
        建 設 大 臣 野坂 浩賢君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     野中 広務君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官
        )       五十嵐広三君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 山口 鶴男君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)      小里 貞利君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 玉沢徳一郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      高村 正彦君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      田中眞紀子君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 宮下 創平君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 小澤  潔君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第一
        部長      津野  修君
        国際平和協力本
        部事務局長   鈴木 勝也君
        総務庁長官官房
        審議官
        兼内閣審議官  菊池 光興君
        総務庁人事局長 杉浦  力君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        防衛庁参事官  太田 眞弘君
        防衛庁長官官房
        長       三井 康有君
        防衛庁防衛局長 村田 直昭君
        防衛施設庁施設
        部長      小澤  毅君
        科学技術庁長官
        官房長     新  欣樹君
        法務省刑事局長 則定  衛君
        法務省入国管理
        局長      塚田 千裕君
        公安調査庁次長 松浦  恂君
        外務省総合外交
        政策局長    柳井 俊二君
        外務省アジア局
        長       川島  裕君
        外務省北米局長 時野谷 敦君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   須藤 隆也君
        外務省経済局長 原口 幸市君
        外務省条約局長 折田 正樹君
        大蔵省主計局長 篠沢 恭助君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省理財局長 田波 耕治君
        大蔵省証券局長 日高 壮平君
        大蔵省国際金融
        局長      加藤 隆俊君
        証券取引等監視
        委員会事務局長 竹内 克伸君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        厚生大臣官房総
        務審議官    太田 義武君
        厚生省生活衛生
        局長      小林 秀資君
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        農林水産省経済
        局長      東  久雄君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    日出 英輔君
        農林水産省食品
        流通局長    鈴木 久司君
        郵政大臣官房審
        議官      品川 萬里君
        労働大臣官房長 伊藤 庄平君
        建設大臣官房長 伴   襄君
        自治大臣官房長 秋本 敏文君
        自治大臣官房総
        務審議官    二橋 正弘君
        自治省行政局長 吉田 弘正君
        自治省行政局公
        務員部長    鈴木 正明君
        自治省行政局選
        挙部長     佐野 徹治君
        自治省財政局長 遠藤 安彦君
        自治省税務局長 滝   実君
 委員外の出席者
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月十三日
 辞任         補欠選任
  後藤田正晴君     保利 耕輔君
  笹山 登生君     村井  仁君
  谷口 隆義君     市川 雄一君
  二階 俊博君     山岡 賢次君
  坂上 富男君     濱田 健一君
  穀田 恵二君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  保利 耕輔君     後藤田正晴君
  村井  仁君     笹山 登生君
  山岡 賢次君     二階 俊博君
  濱田 健一君     坂上 富男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 予算の実施状況に関する件
     ――――◇―――――
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。月原茂皓君。
○月原委員 おはようございます。改革を代表して質問させていただきます。
 まず冒頭に、昨日、我が日笠議員から総理大臣に対して、どういうふうな憲法上の根拠で合憲になったのか、その点を明らかにしてほしいということを申し上げたわけでありますが、なかなか我々に納得できる答弁でなかった。国民の皆さんも同じだと思いますので、もう一度ここで答弁願いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 社会党が自衛隊を合憲とした理由につきましては、さきの九月三日に開催しました臨時党大会におきまして確認されたように、東西冷戦の終結で歯どめなき軍拡志向の危険性が消えたこと、さらにイデオロギー抜きの新しい安全保障政策を論議する土台ができたこと、戦後半世紀を経て必要最小限度の自衛力の存在を容認するという国民意識が形成されたこと等々を踏まえた上で、連立政権を担うという立場になったことなどを主な理由として、現在の自衛隊は憲法の枠内にあるという新しい認識の方針を出したと私は理解をいたしております。
 さきの党大会における結論は、特に一九八六年の新宣言の採択以来、政権を担い得る党として、時代に適合した政策を国民に提示することを目指してまいりまして、長年にわたる国民に開かれた政策論議を重ねてきた結果であると認識しておりまして、突然方針を変えたものではないというふうに私は理解をいたしております。
 従来のこの違憲論についての責任という点に関しましては、さきの臨時国会でも御答弁を申し上げましたが、戦後、日本国民の間に、文民統制、専守防衛、徴兵制の不採用、自衛隊の海外派兵の禁止、集団的自衛権の不行使、非核三原則の遵守、武器輸出の禁止などの原則が確立をされながら、必要最小限の自衛力の存在を容認するという、穏健でバランスのとれた国民意識が定着をしてまいりました。そういう背景には、社会党のこれまで憲法認識に基づいた粘り強い運動があったからだと私どもは考えておりまするし、その意味において、従来の憲法認識が基本的に誤っておったとは考えていないところであります。
 私は、今後とも社会党が、平和憲法の非武装の理念を探求しながら、国際平和の維持への貢献と自国の安全確保のため、具体的な政策提起の面で大きな役割を果たすことになるものと確信をしているところでございます。
○月原委員 今のお話で、憲法認識という漠然たるものではこれは納得できません。どういう根拠に基づいておるんだということを明らかにしていただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今も申し上げてまいりましたけれども、憲法を取り巻く情勢が変わりましたから、その変わった情勢に対応して、社会党の自衛隊に対する認識、国際情勢の変化、国内情勢の変化等々を踏まえて、政策的な方向、方針を変えたというふうに御理解をいただきたいと思います。
○月原委員 今、取り巻く情勢が変わった、こういうふうにおっしゃいましたけれども、ベルリンの壁の崩壊だとか、いろいろお考えの基礎にあるものをお聞きしておるのですが、それは八九年の出来事ではないでしょうか。その間議論を重ねられたにしても、国民に向かっては違憲だということを維持されていたわけであります。
 そういう意味において、世論調査を見ましても、特に最近化なって世論調査が変わったわけではありません、自衛隊に対する。ということは、もう大分前からずっと安定した条件にあるわけでありますから、私は率直に、社会党が考え方を変えたことがいけないと私は言っているのじゃないのです。総理大臣になったので、責任を担う政党になったので、そういう意味で今までの積み重ねによって我々の考え方をここで変えたんだということを、私は率直に話していただきたいと思うのであります。
○村山内閣総理大臣 これまでもずっと答弁をしておりますように、そういう歴史的な国際情勢の変化、あるいはまた国内のいろいろな諸条件の変化等々を背景にしながら、一貫をして社会党の中ではそういう議論を続けてきているわけです。したがって、あなたがおっしゃるように、もっと早く方針を変えるべきではなかったか、こういう意見も私はあろうかと思いまするが、そういう意見は意見として率直に受けとめたいと思うのです。
 しかし、この四十年間という長い間、ずっと一貫してそういう運動を続けてきたわけですから、したがってその方向を変えるということは並み大抵のことではなかったわけですね。現に、御指摘もありましたように、今でも地方の方ではまだその方針にはおれは賛成できない、こういって抵抗している者もあるぐらいに、いろいろなやはり難しさを抱えておるわけです。難しさを抱えておりまするけれども、しかしもうここは思い切って方向を変えるべきではないかという皆さん方の決断で、大会でも変えることになったというふうに私は御理解をいただきたいというふうに思います。
○月原委員 社会党には綱領というものがあるように聞いておるのです。この綱領についてどういうふうに手当てをされたのか、お教え願いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 一応大会でこの方針を決定しましたから、その方針に基づいて九五年宣言というものをつくるべく今準備をいたしておりまするけれども、しかし、それは今申し上げましたような、変えた方針に基づいて宣言がつくられるということになっております。
○月原委員 私は、社会党がこのような決断をされたことは高く評価しているのです。しかし、なぜそうなったんだという根拠を明確にしていなければ、憲法の理念によって、あるいは周辺諸国の情勢によってということでは、またたびたび、我が同僚が質問いたしましたが、政権を離れたときにはまた変わってくるのではないか。そういう意味では、綱領そのものをはっきりと直して、もう後ろには戻らないんだということを示していただきたい。
○村山内閣総理大臣 一貫して申し上げておりますように、戦後の長い歴史の中で、もう皆さんも御案内のように、国際的な情勢もずっと変わってきたわけであります。したがって、その変わった情勢にどう対応していくかということをまともに考えていくのは、私はやはり政党としては当然のことだと思います。情勢が変わったのに党の方針は一つも変わっていないというのでは、これはやはり政党としての役割は果たせませんから。したがって、情勢が変わっていけば、変わった情勢にどう対応して国際的にも国内的にも国民の皆さんの期待にこたえていくべきかということを検討していくのが、党として当然のことではないかと思うのです。
 そういう意味で、先ほど来申し上げておりますように、これだけ国際情勢も変わった、国内情勢も変わってきた、しかも連立政権がつくられていったような政治状況にもなってきた。こういう情勢の変化に対応して、社会党はいかにあるべきかということを、真剣な議論の中からこの現実に対応する方針というものを打ち出してきたわけですね。したがって、この方針が政権から離れたからといって変わることはあり得ないということを私は明確に申し上げておきたいと思います。
○月原委員 この論争、いつまでもしておってもあれでございますので、私はここでお願いしておくというか、強く要求しておくことは、これからやはり我々は、憲法九条第一項は自衛力を認めておる、だからそれにつく最小限度のものは、二項では戦力を否定しているけれども、その最小限度のものは持てるんだという解釈に立っているわけです。ところが、違憲に立つ、皆さんは護憲だとかつては言われた、今ではないでしょうが。この条項については、その方々は、二項を交戦権の否定、そういうものから含めて、すべて自衛力も、実力組織も否定しておるんだという立場に立っていたわけですね。
 だから、私が申し上げるのは、これから綱領を直すときに、憲法の解釈についても確固たる解釈を確立していただかないと、国民は安心できないということを申し述べておきたいと思います。
 そこで、今総理は、かつての社会党が日本の国にとって非常に軍拡の歯どめをしたとか、もろもろの制度を確立したというふうなことを強く言われておりますが、もし仮にそのことは評価したとしても、そういうことができた背景というのは国内の情勢だけではないということを、私は総理になったとき認識してもらいたい。ということは、やはり東西冷戦構造があったことは事実です。そして自由主義陣営が、多くの国々が、資力も、人的、物的、あらゆる資源を投入してそのバランスを保つために努力されていたことも大切なことです。その評価をすることは大切です。
 だから、国内で我々がそう考えていたからこのようなことが打ち立てられたんだというふうな考え方に立つのではなくて、その努力もあるけれども、世界各国が汗を流して自由陣営、そして立派なその体制というものを維持するために努力していたんだ、そのことと相まってということを私はつけ加えていただかなければいけない、このように思いますが、総理はどうでしょうか。
○村山内閣総理大臣 今ちょっと質問の趣旨がよくわからなかったものですから、隣にちょっと聞いたんですけれども、それは私はやっぱり、それぞれの国々にはそれぞれの立場というものもありますし、また見解というものもあるし、それぞれ世界観というものがあると思いますね。それは、それぞれの国々がそれぞれの国々の国是に基づいて、それなりの努力を全体としてし合った中で今日の平和というものが築かれてきておるということは、否定をいたしません。
○月原委員 簡単に申し上げますけれども、かって、私は今記憶で申し上げるのですが、宮澤元総理が「東京−ワシントンの密談」という名著を出されております。このときに、米国の方から我が国に対して、自衛力を、要するに防衛力をつくるべきだと言ったことに対して、吉田茂さんが結局、新しい憲法ができたばかりだ、そして若い者は銃をとろうとしない、そして我々は自由主義陣営の最先端にある国だ、その国がもしそういうことをするとするならば日本の国はもうつぶれてしまう、他の陣営に行ってしまうぞというようなことをお話しして、当時世界の警察官であり銀行家であったアメリカは、わかったということで、そのことで進んできたわけです。
 その後、吉田茂さんがある本にも書いてありましたが、日本の国がある段階に達したらその考え方は改めなければならないということを強く言われていたわけであります。ということは、自衛力を持って国家として成り立っていかぬといかぬ、こういうふうなことを言われているわけであります。
 今、社会党のかつての経験からいろいろな諸条件を、防衛に歯どめをかける諸条件をつくることができて、それを評価してもらいたいとおっしゃいましたが、それは、私が今申し上げたことでもおわかりのように、要するに、米国を初めとする自由陣営が大変な平和のために汗を流しておったということと相まってそれが実現したんだと。一歩譲って、おたくの立場に立って言えばですよ、そういうことを認識していなければ、世界各国から見て日本は、極端なことを言えばマッチポンプをやっておったんだ、やろうとしたら、おい、だめだ、いや、これのんでもらわないと国がつぶれるんだ、こういうふうな形で伸びてきたように思われることがある可能性があるものですから、私は強くそのことを認識していただきたいと申し上げているわけであります。
○村山内閣総理大臣 私は、この日本の国に今日のような繁栄をもたらした最大の原因は、一番大きなやはり要素になっておるのは、日本の平和憲法だと思いますね。これは、憲法の前文にもございますように、それぞれの信義を重んずる、平和に期待をして、そして日本が平和的な文化国家として再生を図っていくということをうたわれたあの憲法の理念というものが今日の繁栄を築いてきたと思うんです。
 これは、歴史を振り返ってみればわかりますけれども、一九五〇年には朝鮮戦争もありました。あるいはまたベトナム戦争もありました。しかし日本は、日本の周辺にどのような紛争があり、世界じゅうにどのような戦争があっても、その戦争に加担をすることなく、営々としてその経済の再建にいそしむことができた。それはやはり私は、平和憲法の功績というものは非常に大きなものがあったというふうに思いますね。私は、そのことを率直にやはり受けとめておくべきではないかというふうに思うんです。
 その日本の基本的な姿勢というものは、これから、少なくとも冷戦構造がなくなって世界は協調と軍縮の時代になっておる、これからこそ日本がそういう意味において国際的な貢献を大いにやっていく時代になったんではないか、私は、こういうやはり自信と誇りを持って日本の国はこれからも進むべきではないかというふうに考えています。
○月原委員 この論争というかお考え、総理のお考えもありますが、私が申し上げていることは、自由陣営の他国のいろいろな努力というものも相まって我が国は平和憲法を守ることができ、そういう努力ができたんだという背景というものを認識していなければ、私は、日本の国に対する批判が出てくる、こういうふうに申し上げているわけであります。この質問はこれで終わらせてもらいます。
 次に、総理は、今度の防衛力の〇・九%のシーリング、その背景にあるものは、世の中が軍縮動向にあるというようなことをおっしゃっておりますが、東南アジアの情勢というものとヨーロッパの情勢というのは大変違うわけですね。そういう意味で、私は、総理の議会におけるいろいろな御発言を聞いておるときに、ベルリンの壁が崩壊する、ワルシャワ機構が壊れた、それによって軍縮の方向にある、そのことはわかります。しかし、アジアの情勢についてどういうふうな判断をされているかが示されていないわけです。日本はもちろんこのアジアに置かれる国であるだけに、そこのところをどういうふうに考えておられるのか、御説明願いたいと思います。
○河野国務大臣 委員御指摘のとおり、ヨーロッパにおける状況とアジアにおける状況は、全く同じではないと思います。ヨーロッパにおいてはもう既に、その平和に向けての準備が着々と整ってきております。これは、いわばNATOというヨーロッパを一つにまとめた体制というものがあって、新しい体制をつくりやすかったという状況があると思います。
 一方、アジアはそう簡単ではないわけでございまして、特に朝鮮半島をめぐる情勢でございますとか、種々の問題があることは御指摘のとおりだと思います。しかし一方、ASEAN各国におきましては、ASEAN地域フォーラムなどという、話し合いによって軍備の透明性を高めるといったような、平和に向けての動きも出てきていることもまた事実だということを申し上げたいと思います。
○月原委員 そういうところから、日本の防衛力についての今後を考えるときに、国民から見るとヨーロッパの方の判断で流されておるのではないかなというふうに見られますから、よくアジアの情勢もこういうふうに考えた上でこういう行動をとるんだということを、私は強く示していただきたいと思うわけであります。
 そこで申し上げますが、〇・九%という結果、私は、米国、日米安全保障条約が非常に重要なことはもう既に御承知のとおりであります。新しい意味づけも必要であります。しかし、そこで、米国の駐留軍経費の問題で新しい協定ができた。ところが、これが〇・九%のシーリングの結果、約束どおり、まあ約束しておるかどうかということについては議論がありますが、防衛白書でははっきり約束したと書いてあるわけですね。ですから、そのことが、年度内にそれができるのかどうかということを、これは大切な問題であります、その点についてお伺いしたいと思います。
○玉沢国務大臣 〇・九%の概算要求経費でありますが、非常に厳しい内容でございます。したがいまして、米軍の駐留経費の負担増につきましても軽減の対象といたしまして、一応の作成をいたしたわけでございますけれども、しかし、今までのアメリカとの約束の経緯もあり、またそうした約束の経緯もありまして、今後、関係省庁との協議を踏まえまして、この問題につきましては理解を求めることができますように努力をしていきたい、このように考えております。
○月原委員 日米安保堅持と言う以上は、米国との約束、そして今の新しい時代を迎えたときに、新しい意味で日米安全保障条約の重要性が経済の問題とともに浮かび上がってきているわけですから、この点は力を入れてもらいたい、このように思います。
 そこで、先ほどの憲法との問題も含めまして、総括的にこの安保と自衛隊のことについて申し上げると、社会党がこのような新しい考え方、要するに自衛隊が合憲であるということ、そして安全保障条約、日米安保を堅持するということを、私は高く評価いたします。
 しかし、ここで総理に強くお願いしたいことは、社会党が自衛隊は違憲であるという立場、それから安保の問題、そのことで今まで行動されていたがゆえに、国民にとっては、多くの国民にとっては大変迷惑だったわけであります。そしてまた、自衛隊の人々にとっても、例えば沖縄に自衛隊を配備するときにでも、小学校に入れてもらえない、電話は一年間つけてもらえない、そういうような、自衛隊の人も不当な影響に置かれていたわけでありますから、社会党がそういう政策をとっていたことによって、多くの方々に影を落としたということを深く反省してもらいたい。そのことを強く要望しておきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 政治の世界で、皆さんが主張されるような主張をされる方もあるだろうし、社会党の立場に立った主張もあると思いますね。これはやっぱり、社会党もこれだけ今まで議席をとってきたことは、国民からそれだけの支持もあってやってきていることですからね。そういう国論をやっぱり展開することの中から合意を求めて、政治を、おのおのの役割を果たしていくという意味でありまして、今あなたが御指摘になったようなことについて、私は、社会党はその責任を感じなきゃいかぬ七か、そんなことはないと私は思っています。
○月原委員 私は、その点について強くお願いして、次の質問に移ります。
 ルワンダの派遣の問題についてでありますが、私はこの決定というものは、実力部隊である、自衛隊を出すのは。そうすると、その手続というものは慎重でなければならないと思います。そういう意味において、この手続が十分時間を持って、そして合法的と言うとちょっと言葉が強いですが、そういうふうにして行われたんだろうかという危倶。それからもう一つは、この装備の決定、自衛隊員の安全ということ、総理は大変隊員の安全を心配されておりますが、その安全を維持するということは、安全のためには自衛隊がどういう装備をしていたかということ、そして、その自衛隊の足らないところをだれが補ってくれるんだろうかというようなことが大切なわけであります。
 そういう意味において、私は、米軍、仏軍、そういうものがどのような装備であったのか、そしてそのときの治安情勢はどうだったんだ。その後の治安情勢は明るくなったのか。それならば、それらの持っておる装備よりも軽くてもよかったのかもしれない。しかし、むしろ治安情勢は悪くなったというふうに言われておるとするならば、またそのような報告もあるわけですから、そうすれば自衛隊の装備はあれで、使う使わないという話じゃなくて、抑止力としてそういうものを安全のために持っていかしておかなければならない。私は、もし万一のときには大きな責任の問題になる、このように思っております。
 そして、ザイールの部隊の方々に、後に外務大臣も防衛庁長官もよろしく頼むというふうに言われておりますけれども、ザイールの部隊に米軍、仏軍のようなことを期待することは私はできないと思うのです。今、新聞によれば、一部のところでは給料が払われていないとか、そして一部報道ですが、暴徒と化すおそれがあるとか、そういうふうにまで言われているわけでありますから、そういうことからいって、自衛隊をあの状態で、あのような装備で出して、治安状態が悪くなる、そして自衛隊を守る傘というものをザイールに期待をしているとするならば、私はいかにもお粗末だ、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○玉沢国務大臣 るるお話がございましたので、最初から御説明を申し上げますが、まず、手続につきましては、十分調査団の報告等を待ちまして、自衛隊が人道支援を行う、こういうことについては支障がない、こういうことで決定をいたしたものでございます。
 したがいまして、今回の活動はあくまでも難民を救済するための人道的救援活動であるということをよく御認識を賜りまして、難民の方々と戦うのだとか、難民の方々に襲われるというようなことを前提とするものではないということを明確にしておきたいと思うのであります。
 ただ、万が一の事態を考えまして、自衛隊の装備する武器について検討したものでありまして、検討に際しましては、当然でございますが、現地の治安情勢、業務の内容あるいはカンボジアにおける経験等も踏まえて行ったものでありますが、隊員の安全確保に万全を期する、こういう観点から、けん銃、小銃に加えまして機関銃を装備することになったわけであります。
 足りないところはどうしたらいいかという話でありましたので、私はやはり業務を行っていく環境というものを整えなきゃいかぬ、そのためには、仮にもやはり当事国でありますところのザイール当局から邪魔されないようなことですね、協力をしていただく、こういうことが大事であると思いますし、また、ルワンダの政府からもやはり業務が中立性を帯びているということを理解してもらわなきゃいかぬと思いますし、そういう点を努力をしてきたつもりでございます。
 それから、仏軍それから米軍の装備という話でございますが、両軍とも小銃、けん銃に複数の機関銃は持っておったようでありますが、それ以上の装備はなかったようであります。ただし、その他の軍におきましては小銃、けん銃だけで済ませておるようでございます。
 それからまた、治安情勢が米軍、仏軍が撤収した後に大きく変わったかという話でございますが、現在のところ、そのように変化したという認識は持っておりません。しかしながら、よく今後見きわめていかなければならぬということはそのとおりでございます。
 以上です。
○月原委員 今のお話、これはその後の推移を見て、その結果がどういうふうになったかということは国民が見ていくことだと思いますので、これはこの程度でやめておきます。
 最後に、北朝鮮の核疑惑の問題でありますが、米国に対して日本はどのような意見を伝えているか、そのことをお尋ねしたいと思います。
○河野国務大臣 我が国といたしましては、アメリカに対しまして、北朝鮮におきます核疑惑は我が国にとって極めて重大な懸念を有しております、そしてそれは、我が国のみならず北東アジア、ひいては国際社会にとって重大な問題でありますので、この核疑惑が完全に払拭されるための努力をともどもにいたしたい、しかし、現状においては、北朝鮮はその交渉相手としてアメリカということになっているわけでございますから、米朝の話し合いが十分にこの疑惑を解明するということのために御努力を願いたい、こういうことを申し上げているところでございます。
○月原委員 私がお願いしておきたいことは、よく、情報によれば、軽水炉の問題とか、そして日本が援助するのだとか、そういう話が出ておりますが、いやしくも国民の税金を払うわけであります。そして、米国にとっても中国にとっても核の問題は、北朝鮮の過去の核の疑惑の問題についてはそれほど重要な問題でないと考えておる可能性があるわけです。そしてまた、韓国においても、考え方によればこれは同一民族でありますから、そこにもまた日本と違うところが私はあると思います。
 そういうことから、日本にとって最も、他の国々と比べてもより一層日本の国が過去の核疑惑にこだわらなければならない。それだけに、我が国が資金を提供するときはどういう状態のときであると。家を建てるときでも、中には、ある程度建ってから一部ずつ払っていきますよね。それと同じように、我が国の希望するものが担保されて初めて、そしてそれが国民にも担保されたということがわかる、そして初めて支払いが始まっていく、協力が始まっていくというようなことを強く私は米国に伝えていただきたい。それは当然外務大臣もしておることと思いますが、確認のために発言をお願いします。
○河野国務大臣 十分に韓国、米国、日本、さらには中国も含めてこの問題解明のための努力をいたすつもりでございます。とりわけ日韓米、十分緊密な連絡をとりつつこの問題に対応したいと思います。
○月原委員 今こちらの方で、ある方が、韓国が怒るよと言いましたが、日本にとって最もバイタルな問題であるというふうにもう一遍言い直しておきましょう。
 以上をもって私の質問を終わります。
○佐藤委員長 これにて月原君の質疑は終了いたしました。
 次に、山岡賢次君。
○山岡委員 今、月原委員から北朝鮮の核問題の御質問、御指摘がありました。私も外務大臣にお聞きをしようと思ったことなのでございますが、大臣今お答えいただきましたので、当局からお答えをいただきたいと思うのでございます。
 北朝鮮の核疑惑問題で今米朝会談が行われているところでございまして、言いにくいでしょうけれども、その見通しはどうなのか。言いにくいのはわかっていますから、見通しはどうなのか。また、それがまた国連の安保理に戻されるということに対して大変危惧を持っているのでございますが、その実務的な成り行き、見通しについてお答えをいただきたいと思います。
○川島政府委員 お答え申し上げます。
 交渉事でございますので、確たる見通しを今の時点で言うのは大変難しいのでございますけれども、私どもの得ている印象でございますと、双方とも何とか解決に至るべく努力を続けているという段階であると思います。
 私どもといたしましては、当然のことながら、この核疑惑の問題が話し合いを通じまして解決することを何よりも重視しておりますので、何とか今次米朝のやりとりを通じて解決することを期待しております。
 それから、安保理に戻る可能性でございますけれども、この交渉が続いているときに、これは安保理に戻るのではないかとかいうことを軽々に言うこと自体ためらわれる次第でございます。
 ただ一点、戻る可能性があるとすれば、北朝鮮が今、冷却が進んでおります燃料棒の処理をめぐって再処理とか始めてしまいますと、米朝間の交渉が切れてしまいます。そういたしますとまた緊張感が高まる可能性はございますけれども、今そういうような方向に進まないことを期待しつつ交渉の進展を見守っている、こういう状況でございます。
○山岡委員 微妙なのはよくわかりますが、交渉事ですからということで必ずしも楽観は許さない、こういうニュアンスも十分感じられるわけでございます。
 私の得た情報でございますが、これはアメリカは中間選挙がございますので、そういうことを考えていきますと、安保理に問題が戻されて経済制裁等についての論議が行われるという可能性は、これは政治絡みでございますから十分あることでございまして、北朝鮮がこの制裁を受ければ、かねてから北朝鮮は戦争状態に入ったとみなす、こういうふうに公言をしているわけでございまして、北朝鮮が戦争状態に入ったということは、これは大変なことであるわけでございます。
 といいますのは、今大変穏やかなように今は感じられますが、今までを見ても、戦争状態でないにもかかわらずかなりの事件が起きているわけでございまして、これが戦争状態に入ったということになったらどういうことになるか。極めて危険であるということは言うまでもありませんが、そういう切実な意識が率直に言って、皆さんにほおありかもしれませんが、政府にも国民にも、私らも含めて少し認識が不足しているのではないか、こういう危機感を覚えるわけでございます。
 そこで、公安調査庁にお伺いいたしますが、これまで戦争状態でない状態にあっても、どのような国際テロが起こっているのか、改めてもう一度御説明をいただきたいと思います。
○松浦(恂)政府委員 これまでに北朝鮮が関与したと見られる主な国際テロ事件といたしましては、昭和五十八年のラングーン爆弾テロ事件、昭和六十二年の大韓航空機爆破事件などがあることを承知いたしております。
○山岡委員 そのほかにも、確たる確証が得られていないかもしれませんが、拉致事件とかいろいろなことが報道されているわけでございまして、確たるものがあれば解決しておるのですから、していないから問題なのでございますが、あのラングーン事件、もう過ぎ去った大昔の話で二度と起こらぬような錯覚に、我が日本国は災害のときは大騒ぎするのですが、その後すぐ忘れる。これはもうさっきから申し上げているのですが、私どもを含めてそういう性癖があるような感じがするわけでございます。
 ある意味では余り執念深くない国民性なのかもしれませんけれども、しかし私は、あのときに安倍外務大臣が、爆死されたというか殺された韓国の外務大臣、李範錫という人でございましたが、大親友であったわけでございまして、あんな姿は、私は外国の方なのにと思って奇異にも感じたぐらい、見たことのないぐらい興奮をされまして、本当に涙を流しているのでございまして、山岡君、こんなことが許されていいのか、いつか日本でも必ず起こる、恐れずに徹底的に究明しろと言ったのを今でもよく覚えているわけでございます。
 今日ここに立っているのも、その言葉を踏まえているということをあえて申し上げたいと思うのでございますが、そこで法務省にお伺いをしたいのでございます。
 私が一昨日写真で御説明を申し上げました、武村大蔵大臣と一緒に撮っている、写真に写っているリ・チャンソン、この人は昭和六十一年九月に入国をしようとしたんですが、結局は入国を見合わせました。入れないぞというシグナルが行ったんだと思います。結局やめました。このときのリ・チャンソン氏の身分はどういう身分として申請をされたのか、お答えをいただきたいと思います。
○塚田政府委員 申請人の個人情報に属する事柄でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○山岡委員 お立場上いろいろ難しいこともあるのかもしれませんが、それじゃ私の方から申し上げます。
 このときのリ・チャンソン氏の身分は、朝鮮労働党中央委員会委員、対外連絡部長、最高人民会議代議員、こういうふうに申請をされていたと思いますが、いかがでございますか。
○塚田政府委員 お尋ねのような事実が記載されておりました。
○山岡委員 公安調査庁、この対外連絡部長、正確に言いますと対外文化連絡委員会文化部長、こういうことだと思いますが、これはどういう役割を負ったポジションであるのか、御説明をいただきたいと思います。
○松浦(恂)政府委員 対外連絡部は、一九八五年ころに朝鮮労働党の専門部の一つとして設置された機関でございますが、その任務につきましては、韓国国内に向けての働きかけを担当する部署であると研究者の間で言われておりますが、私どもは詳細について承知いたしておりません。
○山岡委員 公安調査庁、調査のところですから言いにくいのでしょうけれども、大蔵大臣が予算編成のときに直接かかわり合いになるのは当たり前のことであるわけでございますが、対外工作の中心人物が今公安調査庁が指摘をしたような日本の脅威となる国際テロに関与していると考えるのは当たり前のことであります。
 また、このリ・チャンソン氏というのは広報担当でも接待担当でもないのですよ。めったに人前に顔を出さない人であり、――きのうのことについて私は補足をしておきたいと思います。(発言する者あり)
 ところで公安調査庁、その北朝鮮と朝鮮総連とはどういう関係にあるのか、御説明をいただきたいと思います。
○松浦(恂)政府委員 朝鮮総連はその綱領の中で、我々は在日朝鮮同胞を朝鮮民主主義人民共和国の周囲に総結集させると規定しております。また、その規約の中で、北朝鮮の祖国統一民主主義戦線に団体として加盟することを規定しております。さらに、朝鮮総連及びその傘下にあります団体の主要幹部六人が、現在北朝鮮の最高人民会議代議員として選出されております。一方、北朝鮮の側も憲法におきまして在日朝鮮人を自国の海外公民と規定しております。
 このような事実関係にかんがみまして、朝鮮総連と北朝鮮は極めて密接な一体関係にあると考えております。
○山岡委員 よくわかりました。
 今、在日朝鮮人を自国の海外公民と規定しておる、こういう御説明でございましたが、朝鮮総連についてはかねてから、当局から、朝鮮総連は危険な団体であり当局が監視している、こういう御説明を聞いております。第百十六国会で、衆議院においても参議院においてもそういう説明があったわけでございますが、その認識に間違いないのか、いま一度確認をさせていただきたいと思います。
○松浦(恂)政府委員 当庁におきましては、破壊活動防止法を所管する立場から、朝鮮総連につきまして従来から十分な関心を持って調査いたしておるところでございます。
○山岡委員 言い方はその都度微妙でございますが、破壊活動防止の立場から関心を持つという、そういう表現をしているんじゃないかと思いますが、そこで公安調査庁、その朝鮮総連は昨年の九月、細川政権発足に対しまして新たな対日活動方針を決定した際に、同政権の北朝鮮政策を転換させるための工作対象者の一人として武村長官の名前を挙げ、各地方本部に働きかけを指示したとされておりますが、それは事実であるのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○松浦(恂)政府委員 朝鮮総連の幹部が、訪朝、朝鮮を訪問した、訪朝経験者を中心といたします相当数の国会議員の方々を対象にいたしまして働きかけをしたいと発言しているとの情報は得ておりますが、裏づけのとれない不確実な情報でございますので、これ以上のお答えは差し控えさせていただきます。
○山岡委員 そこまでお答えいただければ結構です。情報は持っているが裏づけはとれず。とれていたらこういう状態になっておりませんから。非常に微妙なお答えではありますが、可能性は否定できない、こういうことであります。私の質問に答弁はお答えいただいたものと、肯定していただいたものと解釈するわけでございます。
 ところで、パチンコ店ミシガンの経営者でありますキム・ジョンチョル、大臣は金鐘普Aこう言われましたが、そのような危険な朝鮮総連、朝鮮総連はそのような危険な活動を正式に行っていると今お話しであったわけでございますが、現在もその金鐘普Aキム・ジョンチョル氏は朝鮮総連と密接な関係を保っているのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○松浦(恂)政府委員 金鐘侮≠ノつきましては、平成三年五月に民団湖東支部団長に選出されておりまして、さらに平成五年四月、民団滋賀地方本部権益擁護委員長に選任されております。そのことからいたしますと、現在は朝鮮総連の組織から離れているものと推定されます。
○山岡委員 組織からは離れているかもしれませんが、前には入っておりましたから、今でも密接な関係を保っている、こういうふうにお考えですか、いま一度お答えください。
○松浦(恂)政府委員 金鐘侮≠ヘただいま申しましたような状況にございますが、その一方におきまして朝鮮総連系事業体の一つの役員に名を連ねております。しかしながら、事業体でございますので、ここに名を連ねているということが即朝鮮総連の組織に加盟しているということをあらわすものではありません。
○山岡委員 加盟、所属しているかどうかということを聞いたわけではありませんが、民団にも所属しているんですよ。よくあるんですよ。パチンコ店のミシガンの経営者である金鐘侮≠フことにつきまして私が一昨日指摘をいたしましたのは、この金鐘侮≠ェ朝鮮の方であるからけしからぬ云々というようなことを言ったのでは全くありません。私が申し上げたとおり、立派な朝鮮の方はたくさんいらっしゃるわけでございまして、その方々とおつき合いすることは非常によいことであると思います。
 問題は、この人は、公安調査庁が今指摘されましたように、昭和五十一年に朝鮮総連滋賀県本部財務、財政委員長、また昭和五十年に同じく執行委員に就任しておりまして、その危険な朝鮮総連の幹部であった、あるということであります。(発言する者あり)今法務省が答えたばかりじゃないですか。その朝鮮総連の幹部と大臣が現に極めて密接な関係にある。一昨日は、数多くの朝鮮の友人の一人というような言い方をしておられましたが、まさに家族同然の特別のおつき合いであるということが言えるのであります。
 そのことにつきまして、私は議事録を読んでみますと、武村大臣の大津事務所の所在はパチンコ店ミシガンの二階と申し上げたようでございますが、パチンコ店ミシガンの隣の二階と言ったつもりでございましたが、隣が抜けてしまっておりますので、挿入していただきたいと思います。(発言する者あり)厳密に言うなら、厳密に言うなら、武村大臣のおじさんが所有する同じ土地の中に、パチンコ店ミシガンと隣り合わせの二階にあるということであります。(発言する者あり)
○佐藤委員長 静粛に願います。
○山岡委員 だから言ったでしょう、今、中身を。厳密に言えば、武村大臣のおじさんが所有する同じ土地の中に、パチンコ店ミシガンと隣り合わせの二階にある、こういうことであります。
 一昨日、大臣は、いやしくもこういう国会の場であります。ですから、一人一人の政治家のそういった具体的な事実を御指摘される場合には、きちんと調べて発言をしていただきたいと思います、こう言われました。私も、いやしくも国会のこういう場でありますから、よく調べた上でここに立っているわけでございまして、さらに詳しく説明しろということであれば、きょうは少しく時間がありますので、必要なら説明をさせていただきます。
 そのときにも言えばよかったのですが、厳密にはこういう地図の中にあるわけでございまして、大津市おの浜二丁目一の九、武村事務所のほかに、パチンコ・ミシガン、ニコマート、村田石油、お兄さんのところですか、が、地続きで建てられております、こういう図ですね。まあ、ちらっと見て隣の二階と、こう言ったんですけれども、厳密に言えというのならこういうことです。
 さらに言えば、武村事務所とパチンコ店は、確かに壁で仕切られて、出入りはできません。しかし、武村事務所は、一階駐車場からはシャッターを開放するとパチンコ店に出入りができるようになっているのです。パチンコ営業店はシャッターを開放している、二階か一階か、この隣か、そういうことを問題にして言っているんではなくて、そういう親しい関係であるということを私は言ったわけでございました。まあ、あえて言うならそうやってつけ加えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)間違ってない。
 大臣がこの方とどういう関係かといえば、大臣が初めて首長選挙にお立ちになったときに選挙応援を一生懸命された方でもありますし、また、衆議院にお立ちになられたときには選挙事務所をお貸しになっているわけでございます。この方の土地にです。さらには、この方の家には大臣の木彫りの、何か書いたものが置いておられる、そういうこともあります。こういう、よく調べろとこう言ったんで、詳しく調べていけば切りがないほどあるわけでございますが、まさにこの朝鮮総連との関係の深い金鐘侮≠ヘ、大臣とは地元の方では家族以上のつき合いだ。私は、これをまた調査団を編成をして調べさせていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
 冒頭の外務大臣の説明にもありましたように、米朝関係、日朝関係の先行きは予断を許さないものがあるわけでございまして、また、そのことは日米関係にも重大な影響を与えるのであります。日米関係がぎくしゃくすることによって円高がおさまらない、産業、金融の空洞化が進むと、大臣も予算委員会で円高の問題を答弁しておられましたが、今日本国民が塗炭の苦しみをこの円高で味わっているのであります。
 一日でも、一時間でも、一分でも早くこれを解決していかなきゃならない、これは、政治家ならひとしく考えているところであると思うわけでございますが、大臣は既にアメリカの神経を逆なでしていると言われているわけでございまして、本年二月、細川・クリントン会談において、その危惧が米国側から示されたということは関係者が明らかにしているところであります。真に国民のことを考え、日本の空洞化を抑える、こういうことであれば、大臣は直ちに国民に対して責任ある行動をとるべきではないかと思うわけでございます。(発言する者あり)
 この間の続きで、御指摘がありましたから、きょうもこのことに触れておきましたが、この後御宿ゴルフ場の問題がございますので、きょうは確認させていただきたいと思います。(発言する者あり)
○佐藤委員長 山岡委員に申し上げます。
 今、武村大臣の問題について御指摘がございましたので、この際、武村大蔵大臣からの答弁を委員長として求めます。(山岡委員「国会のルールに違反しますよ。聞いていないことを言ったら、国会のルールに違反します」と呼び、その他発言する者あり)委員長として求めております。(発言する者あり)
○武村国務大臣 委員長の御指名でございますから、答弁を……(山岡委員「私の質問に対しまして、私は聞いていないんだよ。こんな国会の運営があるのか。これは権利があるんだ」と呼び、その他発言する者あり)
○佐藤委員長 静粛にお願いをいたします。この委員会室にいらっしゃる方は、どなたがお聞きになっても、ただいまの山岡委員の質問に対しまして、武村大蔵大臣の答弁を求めるのが至当だと私はどなたも考えると思っております。
 したがいまして、武村大蔵大臣に答弁を求めます。
○武村国務大臣 委員長の……(発言する者あり)委員長の御指名でございますから、答弁をいたします。
 一昨日も申し上げましたが、全く一方的な、国会の場で国会議員の名誉を傷つけるがごとき質問に終始されているのを大変残念に思いながら、一言申し上げます。
 思えば、こういう私と北朝鮮の関係に何か特別なことがあるかのごと童言動が出始めましたのは、ことしの三月の内閣改造からでございます。官房長官として務めておりましたが、この改造人事が表に出ましたときから……(山岡委員「私の時間、どうしてくれるんだ、質問したいのに。こんな議会運営があるのか」と呼ぶ)
○佐藤委員長 時間は確保しますから、どうぞお座りください。
○武村国務大臣 不肖私と北朝鮮の間に何か特別な関係があるかのごとき話が、まあ特定の政党だと思いますが、盛んに流されているというふうに認識を……(発言する者多く、聴取不能)金丸団長、田邊団長と一緒に訪朝をいたしました際に申し上げ、まあ中心的には新生党の中に石井一氏や小沢氏や船田氏や鹿野氏等々、今野党側で活躍されている方と一緒に私は訪朝をしたわけであります。金丸さん、石井さんから指名されて私は自民党訪朝団の事務局長を務めましたが、石井さんが事務総長でありました。
 そんな中で、当時訪朝した者が何か北朝鮮と特別な関係があるかのごときお話は全く事実に合っておりません。その証拠に、官房長官をいたしておりました八カ月余りも、朝鮮総連等から不肖私には何の接触もありませんでした。電話一本ありませんし、事務所も含めてそれらしき接触は何もなかったということもここで申し上げておきます。
 それから、地元の金鐘侮≠フ関係につきましてもいろいろとおっしゃっておりますが、今公安調査庁もしっかり調査をしていただきたいんでありますが、本人は大変この一昨日の山岡発言をめぐって激怒をいたしておりまして、全く事実と違うということで、私も調べましたら、金鐘侮≠ヘ昭和四十六年の八月に朝鮮籍から韓国籍に移籍をいたしております。韓国籍の登録が完了をしておりまして、およそ韓国籍の在日外国人に対して朝鮮総連が役職に指名をするなんということは全くあり得ないことであります。だから、五十一年、五十二年の滋賀県本部の何とか委員ということも全く事実無根であります。公安調査庁の先ほどの発言の、何か総連系の事業団体にかかわっているようなごとき話も、本人は全く否定をいたしております。(発言する者あり)
○佐藤委員長 答弁していますから、聞いてください。
○武村国務大臣 いずれにしましても、政治的にも、あるいは政治資金規正法上の問題としても、全く何の疑念をお与えするような関係はないということをここできっぱり申し上げておきたいと思います。
 たび重なる事実に反する発言はぜひ取り消しをしていただきたい。私の事務所がパチンコ屋さんの二階にあるという一昨日の発言は全く事実無根でありますし、――であるかのごとき発言も全く事実無根でありますから、これはきっぱり取り消しをむしろ要求したいと思います。
○山岡委員 私の質問に対しまして村山総理は、十月十一日の答弁でございますが、週刊誌ごとき情報についてはコメントできない、こういうふうに最後にお答えになりました。これは言論を冒涜した発言ではないかと思うわけでございまして、週刊誌であっても新聞よりもしっかりとした記事もありますし、ちゃんと合法的に発売をされているんでございまして、非合法のものではないわけでございます。総理のお言葉としてはまことに不穏当であると思うわけでございます。
 私の質問を機会に、いろいろな方々の協力で、サンデー毎日の最新号に記載されていた政治家の疑惑を内容とする被告の答弁書が入手をされました。この答弁書の内容は民事裁判の口頭弁論で明らかになるものと思います。また、専門の弁護士が証拠に基づいて作成したものでありますので、私はこの内容は事実であると思います。
 問題のポイントだけを読み上げさせていただきます。これが答弁書でございます。全部を読み切れませんので、四番から読ませていただきたいと思います。
  ところで、株式会社御宿ゴルフ倶楽部がクラ
 ブハウス等のゴルフ場としての諸設備を完成さ
 せ、千葉県からのゴルフ場の完成検査を受ける
 ためには、株式会社御宿ゴルフ倶楽部が平成三
 年五月八日、千葉県との間で取り交わした道路
 負担金金六億円を支払うなどして協定を順守
 し、道路を完成させることが必要であった。し
 かしながら、株式会社御宿ゴルフクラブは平成
 三年度の負担金である金一億円を支払ったのみ
 で、平成四年以降工事協力金を未払いの状態で
 あり千葉県から工事協力金の支払いの請求を受
 けていた。
  このような状況下で、被告はゴルフ場の完成
 検査を容易に取得するためには千葉県との協定
 を白紙に戻すことが必要であると判断し、千葉
 県選出の衆議院議員であり建設大臣である水野
 清を通じて千葉県に協力金の支払い免除等の要
 請をした。この際、水野代議士に依頼着手金と
 して、金一〇〇万円を交付しており、その全員
 は被告が加藤から平成五年九月二日に受領した
 金一〇〇万円を充てた。この水野の千葉県に対
 する申入れによって、原告は千葉県が立て替え
 ていた金一億円を支払うことで、協定義務から
 解放され、その後のゴルフ湯オープンに必要な
 道路は千葉県の負担によって建設されることに
 なった。
  なお、右一億円は、現実的には三和銀行から
 の追加融資によりまかなったものである。また
 右の際に、被告は右水野に対し平成五年一〇月
 中旬右協定解消の謝礼金として金三〇〇万円を
 支払っている。五番目。
  これによって、御宿ゴルフ場完成の最大の問
 題であった道路問題が解決したため平成六年五
 月上旬のオープンを予定するとともにオープン
 後、ゴルフ場完成検査を受けられることがほぼ
 確実となった。即ち、この段階に至り御宿ゴル
 フ場は始めて単なるゴルフ場建設予定地からゴ
 ルフ場としての資産価値を有するようになった
 が、これも当初から被告が企画した計画に基づ
 くものであった。
  そこで、原告は再度この増大した担保価値を
 利用して三和銀行より融資を受けようとした。
 ただ、三和銀行としては既に株式会社御宿ゴル
 フ倶楽部に計画開始直後からの総合計で金八六
 億円融資していたことから更なる融資をし、仮
 に回収に問題が生じた場合には責任問題が発生
 する可能性が大であった。そこで、被告と三和
 銀行の担当者で種々協議した結果、当時、被告
 と昵懇で右各事情もすべて了解していた矢野絢
 也を経由して、衆議院議員竹下登から三和銀行
 の頭取に対して、政治的に融資の指示を出させ
 ることにした。これによって、株式会社御宿ゴ
 ルフ倶楽部は平成五年一一月三〇日に三和銀行
 から金二五億円の融資を受けることが出来た。
 なお、右に際して、被告は右矢野を通じて竹下
 事務所に対し、平成五年一一月八日、金一〇〇
 〇万円を支払っている。(支払場所はホテルニ
 ューオータニ内ゴールデンスパ)右金一〇〇〇
 万円は、平成五年一一月七日に原告が被告に交
 付した金一〇〇〇万円である。
こういう「四」「五」の内容でございますが、この内容については、委員長のお許しをいただきまして、委員長と、答弁を後でいただきますから、お渡ししたいと思いますが。
○佐藤委員長 どうぞ。
○山岡委員 そこで、法務省にお伺いをいたします。
 あっせん収賄とはどのような場合に成立するのか、御説明をいただきたいと思います。
○則定政府委員 お答えします。
 あっせん収賄罪の成否につきましてでございますが、それは、公務員が請託を受けて、他の公務員をしてその職務上不正の行為をさせ、または相当の行為をさせないようあっせんすること、または過去になしたことの報酬としてわいろを収受、要求あるいは約束するという場合に成立するわけでございます。
○山岡委員 法務省にもう一度お聞きします。
 汚職事件摘発に関します検察当局の姿勢を改めてお伺いをいたします。
○則定政府委員 一般的に汚職事件は、政治や公務に対します国民の不信を招来いたし、民主主義の前提条件を損なうものであるということにかんがみまして、検察当局は、従来からその職員の範囲内で権限を適切に行使して、厳正に対処してきているものと承知しておりまして、今後とも刑事事件として取り上げるべきものがあれば、適正な捜査処理を行うものと考えております。
○山岡委員 御宿のゴルフ倶楽部をめぐり、水野清代議士や竹下登代議士にゴルフ場関係者から金銭が渡された旨、答弁書に記載されております。捜査当局は、この政治腐敗を助長するような行為に対して厳正に対処すべきだと思いますが、法務当局の所見をお伺いしたいと思います。
○則定政府委員 委員御指摘の報道につきまして検察当局も承知していると思いますけれども、それらの案件等含めまして、一般的に検察庁としては、刑事事件として取り上げるべきものがあると思料いたしましたときに適切に対応するということでございまして、それ以上の具体的な案件についての取り組みということについてはコメントいたしかねるわけでございます。
○山岡委員 法務省は検察とはお立場が違いますから、そういう答弁しかできないと思います。
 そこで、河野総裁に、副総理に先にお伺いいたしますが、自民党総裁でもありますし、また副総理でもいらっしゃいます。自民党の指導的立場にいらっしゃるお二人が答弁書に登場しております。お一人は、最近復党された方でいらっしゃるわけでございます。このような疑惑が持たれていることにつきまして、どのような所見をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○河野国務大臣 目下裁判中でございます。その中途で一方的な意見を取り上げて、立法府の場で相手を誹謗、非難するようなこともいささかいかがかと思います。
 私は、同志二人、先輩、同志を信頼しておりまして、そうした事実があるとは決して考えておりません。
 政治改革を我々は進めていかなければなりません。その政治改革は、だれしもが思っているように、選挙制度の改革と同時に国会審議もまた改革をされなければならないわけでございまして、ぜひお互い議員としての矜持を持ちながら、政治改革全体を進めるために努力をいたしたいと思います。
○山岡委員 村山総理、先日も申し上げましたが、総理は前回の選挙で自民党金権腐敗を打倒すると公約をされました、前回読み上げさせていただきましたが。その自民党と現在連立政権をつくっていらっしゃるわけでございまして、あなたは総理就任の際に、自民党の金権体質が改善されているやの発言を行っております。だからしたんだ、こう言ったようでございます。この事件は、今お話しのとおり政治改革法案審議中の平成五年秋に発生をしているものでありまして、総理はどのような責任をお感じになっているか、お答えをいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 私はたびたび本会議でも予算委員会でも申し上げてまいりましたけれども、五五年体制という状況の中で、自民党が政権を担い、社会党は野党第一党として、それぞれ政策なりいろいろな問題について対立をし、激論をしてまいりました。
 そういうやはり経験を踏まえて、全体として日本の政治はこれでいいんだろうかということが国民から問われておる。その国民の問いに対して国会全体がこたえる責任がある。こういう立場から
政治改革が議論をされてまいりまして、選挙制度も変えよう、それと同時に政治資金規正法、公職選挙法等々も見直しをして、可能な限り腐敗防止を徹底しようではないかというので議論をされてまいった経過については、委員も御存じだと思うんです。
 そういう議論をし合う経過の中、お互いに反省をし合う経過の中から、私は、社会党も変わらなきゃならぬ、自民党も変わりつつある。同時に、皆さん方も改革を唱えて変えようとしているわけですよ。そういう状況の中で、この国会に課せられておる最大の課題は、やはり一つは政治改革をなし遂げることだということも自覚をしながら今議論をされているところであります。
 私は、このことはこの国会の責任として十分に果たして、そして国民の皆さんの期待にこたえて政治の信頼を回復する責任があるというふうに考えて、今取り組んでおるところでございます。
 先ほど来御指摘がございました案件については、先ほど河野外務大臣からも答弁がありましたけれども、これは民事訴訟で争っておりまして、一方の側が出した答弁書だけをもって事実だと認定することはいかがかと思うんです。私は、そういう意味で、コメントする状況にはないということだけ申し上げておきます。
○山岡委員 私がお聞きしました公約に対する答えということにはなっていないと思いますが、きょうは途中でこういうことになりましたので時間がなくなりましたが、そのほかにもお聞きしたい、総理自身のこともあったんですが、きょうは申し上げません。
 お話しのとおり、いずれ民事訴訟において事実が明快になってくると思います。法務省においては厳正に対処されるようにお願いを申し上げます。
○佐藤委員長 これにて山岡君の質疑は終了いたしました。
 次に、村井仁君。
○村井委員 かつて細川連立政権の時代に、社会党の閣僚の皆様は、社会党の方針は変えないが内閣総理大臣の指図には従うとか、あるいは、党の政策というのは変わっていないけれども、政権の一員である以上は社会党の見解は棚上げして政権の意思に従う、総理の意思に従う、こんなようなことをおっしゃった。
 しかし、社会党の総理がこうしてできた今、そのようなことは通用しないということを自覚されまして、そして社会党の長年にわたる基本政策をどんどん修正、転換してこられたわけでありますが、そこで総理にお伺いしたいのでございますけれども、ここまで来ますと、社会党の意見というのと総理の御意見というのとが異なるということは、基本的な問題についてはない、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○村山内閣総理大臣 御案内のように、私が総理に就任をいたしまして、本会議でいろんな質問を受けました。その質問にお答えをして、党のこれまでの決定と違った答弁をさせてもらったわけです。その違った答弁と党の方針とどういう関係にあり得るのか。
 これは、先ほど御指摘もございましたように、一閣僚であれば、私はその閣僚としての立場から、その内閣が決めた方針に従うというのは当然のことだと思いますから、その閣僚の意見と党の方針が違うこともあり得るかと思います。しかし、私は党の委員長であり、総理である限りにおいては、可能な限り一致をしてもらわなければいかぬと。
 それで、私が答弁をしたその答弁の是非について、全国大会を開いて議論をしていただきまして、そして一応私の答弁を了解する、その方針に変更するということも決定をしていただいた、そういう関係にあることについて御理解を賜りたいと思います。
○村井委員 大変結構でございます。
 そこで、総理にお伺いしたいのでございますけれども、税というのは、これは国民の皆様に御負担をお願いする、非常に重要な問題でございますね。この問題は、ある意味では国政の基本にかかわる問題だと私は思っておりますけれども、その点についても御異議ございませんな。
○村山内閣総理大臣 ちょっと今、質問の真意がよくわからなかったのですけれども、済みません、もう一回お願いします。
○村井委員 いや、税金が国政の基本にかかわる問題だという認識……。
○村山内閣総理大臣 ああ税金、税金ですか。
○村井委員 税です。
○村山内閣総理大臣 はい、それは私もそのとおりに思います。
○村井委員 結構です、
 先日、本会議での代表質問で、総理は、羽田前総理の、消費税というものをどのように位置づけ、それから評価されておられるか、こういう質問に対しまして、まあ、役所の書いた文章を大体そのままお読みになったと私は拝聴したわけでございますが、消費税につきまして、かつて社会党は大変わかりやすい表現をなすった。だめなものはだめ、この表現であります。
 これはもう実にわかりやすい表現でございまして、当時、私今でもよく覚えておりますけれども、今通産大臣の橋本先生が自民党幹事長で、大変委曲を尽くした説明をなさいましたけれども、ついに国民の理解を得るに至らなかった。今度の税制改革大綱では、方針転換されて、社会党の委員長が総理である内閣で消費税を引き上げる、これを決定されたわけでございます。
 そこで総理にお伺いしたいのですけれども、消費税という税金ですね、これは一体どのような税金だと認識しておられるのか。私は、今までの公約違反だとかなんとかという、これはもうさんざ諸先輩、同僚がお尋ねしたけれども、これは変えたとおっしゃっているのだから、変えたというからには消費税をどういうふうに認識しておられるか、わかりやすくひとつお答えいただけませんか。
○村山内閣総理大臣 御質問でございますけれども、先般も答弁いたしましたように、昨年七月の総選挙の際の党の公約というのは、これは責任を持って出した文書にもう明確に書いてありますけれども、「所得税の実質増税構造の解消や、飲食料品の非課税化による消費税の逆進性緩和など、国民的な要望に責任をもって応えられる取り組みをすすめます。」こう書いてあるわけですね。私自身の公約もここに持ってますけれども、私自身の公約には、その点については一切触れてないわけですね。書いてないわけです。
 したがいまして、飲食料品を非課税にして逆進性を解消するように努力をしてきているわけですね。これは、三党でそれぞれ話し合いをしてまいりましたし、旧連立政権時代からお互いにプロジェクトをつくって、そして議論をしてきている経過もありますし、それからまた、今の政権の中でも、与党三党の中でプロジェクトをこしらえて、そして議論をしてきているわけです。それで、お互いに選挙で示した公約を実行すべく一生懸命議論をし、努力をしてきたわけですよ。しかし、それは必ずしも党の方針が実現できるという状況にはない。これは連立政権ですから、それぞれの政策をさっぱり出し合って合意を求めていくというのは当然なんですよ。
 そういう意味におきまして、私は、今申し上げましたような前段を踏まえるならば、必ずしも公約に反したものではない、そういう努力の結果出た結論ですから、その点は国民の皆さんも御理解をいただけるものだ、こういうふうに考えているところであります。
○村井委員 お尋ねしていることに答えていただいてないんです。
 今消費税というものを総理御自身、内閣総理大臣として、社会党委員長としてどういう税金と認識しておられるか、国民にわかりやすくお話しいただきたい、こう申し上げているのです。
○村山内閣総理大臣 これは、消費税というのは、やはり国民の皆さんに負担をしていただく、しかも国の財政を賄っていただける大事なものだという基本的な理解は持っております。
 ただ、私は、それはこれまでも連立三党の中、あるいは旧連立政権の時代からも、できるだけこの今の税体系を所得と消費と資産とバランスのとれた形で、できるだけ公平な負担ができるような見直しをしていこうではないかということの議論も、これまでずっと一貫をしてやってきた経緯がございます。
○村井委員 どうしてもわかりにくいお答えですね。一体、だめなものはだめと、こうおっしゃったのがいい税金になったのですか、どうなんですか。要するに、消費税というのはいい税金なんですか、どうなんですか。
 あるいは、簡単に言いますと、よい税金だということがわかったから引き上げることにしたのか。いいですか。それとも悪い税金だ、だめなものなんだけれども政権を維持するためにやむを得ない、鼻から酢三斗飲むような思いでともかく引き上げることにした。あるいは、政権につくために自衛隊も安保も認めることにしたのだから、消費税もまあこれで何とかなるでしょうということでお認めになったのか。これはどういうことなんですか。私は、消費税というものをだめなものはだめだと、こうおっしゃった、それを取り消された、そこまではいいですよ。その取り消された今、どういうふうに認識しておられるかということをお伺いしたいのです。
○村山内閣総理大臣 消費税が創設される当時、当時の政治状況あるいは国民的な受けとめ方等々を判断をして、そのときは社会党としての方針を出されたと思うんですね。しかし、もうああいう経過があって消費税法というのは成立したわけです。成立して、日常の生活の中で国民の皆さんも消費税を納めてもらっているわけですよ。
 こういう現実というものを踏まえて、しかも、もうやや国民の中にも定着してきつつある、こういう状況も踏まえて、できるだけ消費税の持っている内容について国民の皆さんの意にこたえられるような改善をしていこう、こういう努力をしてきたという経緯がございます。これからもその努力はしていかなければならぬものだというふうに私は思っています。
○村井委員 答弁になってないのですよね。要するに、消費税というものの性格、私はそもそも、一体、消費税というものはそれなりにもうこの日本の税制の中にきちんと組み込まれてしかるべき一つの税制だということを総理御自身がきちんと認識しておられるのかどうなのか、そこを確認したいのですよ。要するに、そういう意味でいい税金なのかどうなのか。だめなものはだめと、こう今までおっしゃってこられた。それはだめなものじゃないのだということを、社会党委員長たる村山総理のお口からきちんとお答えいただきたい。
○村山内閣総理大臣 いい税金か悪い税金かといえば、それはまたいろいろ見解もあると思いますからなにですけれども、しかし、先ほど来申し上げておりますように、消費税が創設された当時においては、そのときの税制全体の状況やら国民的な受けとめ方やら等々で社会党は一定の方針を出して反対をしてまいりました。
 しかし、国会の中で議論をした結果、法律としてできているわけです。できて今現に施行されているわけですよ。施行されているということを前提に踏まえて、前提に踏まえて私どもはその消費税を受け入れて、受け入れた上で、しかもその内容を改善をしてできるだけいいものにしていこう、こういう努力をしておりますということを申し上げているんです。
○村井委員 全然答弁になっていない。経過を聞いているんじゃない。今、一体どういう税金だと、今総理はどういう税金と認識しておられるか、今の御認識を伺っているのですよ。それぞれ価値観というものがあるわけでしょう。そこを伺っているのですよ。そういう意味で、消費税というものをどういう税と御認識になっておられるか。ちっとも私の聞きたいことに答えていただいてない。お願いします。
○村山内閣総理大臣 いや、私自身の今の税に対する見解を言えということであれば、私は先般も申し上げましたように、所得税というものだけに負担をしていただくことはやはり無理があるのではないか。ですから、所得と資産と消費と、水平的な面においてもできるだけ弱者に配意をした、逆進性も少なくした、解消した、そういう意味で水平的に消費、資産に課税をしていくことは、ある意味では当然ではないかというふうに考えています。
○村井委員 今総理のおっしゃっていることは、要するにわかりにくいのですよね、国民の皆さんに。もう少し、消費税というものはもう国にとって必要なことなんだ、必要な税金なんだということを総理の口からきちんと言っていただきたいのですよ。ともかく今まで資産課税についても所得課税についても、だれもそれがだめだなんて一言も言っていませんよ。消費税についてだけだめだ、だめだと言って、ずうっと言ってきたんでしょう。だから、そこのところについて社会党の委員長たる村山総理からきちんと、だめなものはだめなんじゃなくて、消費税というものはそれなりに市民権が与えられるんだということをちゃんと言ってほしいのですよ。
○村山内閣総理大臣 私は、さっきから申し上げていますように、一応法律としてできているんですよ、現にもう国民が皆受け入れて定着をしているんですよ、ですからその意味において私は是認をしていますと、こう言っているわけですよ。是認をしていますと申し上げているわけです。
○村井委員 お尋ねしていることにきちんと答えていただければいいのでありまして、私は経過論を聞いていないし、存在するものが、現にあるものが、法律としてあるものがやむを得ないのだとか、そんなことを聞きたいのじゃないのですよ。消費税というものを総理は今どういうふうなものとして、積極的に認めるかどうかということを明確にしていただきたいのですよ。ここが非常に重要な問題なんですよ。はっきり言ってください。
○村山内閣総理大臣 いや、ですから、所得税だけではなくて、消費やら資産に水平的な面で公平な課税をすることはそのとおりですと。ですから、私は現行の消費税は是認をいたしております、こう言っているのです。
○村井委員 今村山総理の口から、私はこれはある意味では国会論議の中で初めてだと思うのですが、抽象的な言い方あるいは役人の書いた作文の朗読という形では、いろいろな形で所得、消費、資産のバランスのある税制とかいろいろな表現はされましたが、初めてここで消費税は必要だということを総理の口からはっきり伺った。これは非常に結構な発言でありました。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて村井君の質疑は終了いたしました。
 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 最初に、自民党に関するCIAの秘密資金問題を取り上げます。
 これは本委員会でも何度も取り上げられていますが、外国からの政治資金を受けるということは、政治資金規正法二十二条の五で禁止をされている犯罪行為であると同時に、これは総理にお聞きしますからよく聞いておいてください、犯罪行為であると同時に、政治的には外国によって政治の方向が曲げられるという日本の主権と進路にかかわる重大問題であります。
 かつてレフチェンコ事件が起こりました。そのときは、本院は瓦力氏を団長として超党派の調査団を米国に派遣をいたしました。社会党は山花前委員長が参加をされました。報告書も提出をされております。古くはロッキード事件でも同様でありました。今回の問題はそれと同様の性質の問題であります。
 私は総理に最初に聞きたいのですが、外国から政治資金を受けるということは、我が国の主権にかかわる問題だという認識を持っておられるかどうか、また、政治の中で主権を守るということは最も重要なことだという認識を持っておられるかどうか、この点をまず総理に聞いておきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 御意見のとおりの認識を持っております。
○松本(善)委員 これは、そういうことで単に自民党の問題ではありません。日本の政権党が外国から資金提供を受けていたという疑惑は、日本の主権にかかわる問題です。
 それで、総理に質問をするわけでありますが、昨日は……(発言する者あり)不規則発言がありましたが、我が党はそういうことは断じてありません。これは、ここで質問を詳細には言う時間がありませんけれども。
 昨日も、栗原元労働大臣の回想録「大平元総理と私」の話が出ましたけれども、その続きの話がございます。それは、三木元総理の知人がまとめた「われは傍流にあらず」という、そういう本です。その中には、
  実は、僕は大平が栗原に明かしたという、池
 田内閣時代の「CIAにまつわる秘話」
これはきのう紹介されたものです。
 は敬三木武夫から直接、聞いたことがある。そ
 のとき、確か一緒にいたのは現参院議員・國
 弘正雄だった。僕の記憶に間違いかなければ大
 平は当時、自民党幹事長だった三木に、
 「例のものをハワイまで取りにくるように…」
 という連絡がアメリカから首相官邸に届き、困
 惑したことを告げ、
 「こんなことが前内閣まで慣行として行なわれ
 ていたのですかねエ」
 と、いつになく口吻をもらしていた、というのであります。これは久保紘之という方が書いたものでありますが、私は電話で國弘さんにも確かめて、國弘さんはそのようなことを聞いたというお話でありました。
 なぜこれを紹介するかといいますと、私は、河野外務大臣は自民党総裁として、自民党事務局が調査をしたが証拠となるようなものはなかった、事務局の調査結果を信頼するということを答弁をされて、総理もそれを前提に調査の必要がないということを答弁した。これは私は、自民党の二代にわたる総裁が言われておる、そして現国会議員が二人も証人として出得る、そういう人、それも調べていないということになると、これは自民党の調査、まことにずさんなものではないかということを感ずるわけです。
 これは、私はそれで総理に聞きたいわけですが、そういう調査も大変ずさんなものであるし、それからニューヨーク・タイムズは、これは大変根拠を挙げて言っているわけですね。きょう、委員長の許可を得て資料配付をしておりますけれども、このニューヨーク・タイムズで引用している、写真も出しているマッカーサー元大使の手紙でありますが、佐藤栄作氏が財政的な支援を求めてきたということが、これは国立の公文書館にあるものですね。これのコピーであります。
 そして、このニューヨーク・タイムズでは、一九五五年から五八年までCIAの秘密活動の責任者であったアルフレッド・アルマー氏が、我々は情報を自由民主党に依存していたと語っております。マッカーサー氏も新聞報道ではこれを、この私の配付した資料を肯定をして、CIAの元関係者があれだけ明確に証言したのだから自民党に資金が提供されていたこと自体は事実だろう、こういうことを言っておるということが報道をされております、きょうの新聞で。
 そのほか、マッカーサー氏が言っているように、元情報担当高官だとか元外交官の証言が幾つもこのニューヨーク・タイムズには出てくるのです。総理は、これをごらんになったかどうかわかりませんけれどもね。内容も極めて重大で、CIAが社会党内にも浸透し、学生グループ、労働組合内にもスパイを送り込んだとか、日本の野党勢力を妨害することが我々の最も重要なことだったということを言っている。これは若干の例ですけれども、こういうことが言われている以上、直接資料だとか証人に当たる調査をすべきだと思うのです。
 河野外務大臣は、これは四十年前のことだというふうに言われるのですけれども、ニューヨーク・タイムズは、七〇年代初めまでやっていた、これは直接的には二十年前なんですね。しかもそれから後も、ニューヨーク・タイムズの書いていることですが、自民党議員とのつながりを利用してスパイ活動を継続した、首相の側近や農林省に情報提供者をつくり情報を収集した、牛肉・オレンジの貿易交渉で日本側が何を主張するか事前に知っていた、とんでもないことですよ。決して過去のことではなくて、現在も継続していないという保証もないのですよ。この報道を見るだけでも極めて重大な問題です。
 私は当然、主権を本当に大事に考えて総理大臣がいるならば、これは政府として調査をすべきではないかと思いますが、総理の見解を伺いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今、雑誌を読まれた中身やらニューヨーク・タイムズ等々の記事の紹介がございましたけれども、この席上で自民党総裁である河野外務大臣が、そんな事実はありませんと、こう申し上げているわけでありますから、私はその河野外務大臣の答弁を信用いたします。したがって、今のところ政府として調査をする考えはございません。
○松本(善)委員 私は、河野外務大臣の答弁がいかに根拠が浅いかということを今具体的に述べて、それでお聞きをしたわけであります。にもかかわらず総理大臣がそういうふうに答弁をされるというと、これは私は、主権を守るという責任のある総理大臣としての責任感が極めて薄いのではないかというふうに思わざるを得ない。
 河野外務大臣、お答えがあればお聞きしておきましょう。
○河野国務大臣 今、松本議員から、質問の参考にということでしょうか、マッカーサー氏からの手紙が配付されました。私は実は、このマッカーサー大使からの書簡というものも読んでおります。
 ちょっと長くなって恐縮ですが、我が党の名誉にもかかわりますので少し説明をさせていただきますが、このマッカーサー氏の書簡の中には、まあ詳細は佐藤とカーペンターとの会話のメモがあるからそれも届けるよと書いてあるわけで、私は、この佐藤とカーペンターとの会話のメモというのも実は取り寄せて読んでみたわけです。この中には、松本議員がおっしゃるように金の授受があったなどということは書かれてないわけですね。
 つまり、カーペンター氏は、このようなあり得べき要請について事前に云々と書いて、大使は、つまりこれはマッカーサー大使のことでしょうが、大使は、日本での共産主義者の影響に関する保守派の懸念を十分共有するけれども、アメリカにとってはかかる目的のために資金援助をすることはできないということを答えたということがちゃんと書いてあって、そういうことはないんだということがこの添付された資料の中には書いてあるわけです。そういう、それを否定するような部分については全く述べられないで、そうではないかと思われる部分だけをお述べになるのは、我が党にとって極めて迷惑なことでございます。
 もっと言えば、このメモの中には、ソ連と中国の共産主義者は間違いなく相当の資金援助を日本の共産主義者に提供しているという事実があるではないかということを佐藤氏、これは佐藤氏の言ったことですけれども、佐藤氏は言ったということまでこのメモの中には出ているわけですよ。そういう都合の悪い部分は言わないで、何かこう、思わせぶりな部分だけをおっしゃるのは甚だ我が党にとっては迷惑なことだ。
 このメモは、明らかにこういうことがアメリカとしてはできないということを返事をしたということが明確にここに書いてあるじゃありませんか。そういうことをちゃんと言ってもらわないと、我々としては今の御質問をそのままお受けするわけにはいかないということを申し上げたい。
○松本(善)委員 この文書だけではなくて、CIA元高官その他の証言がたくさん紹介されています。
 今我が党について言われましたけれども、我が党とは、御存じのようにソ連共産党は三十年来の対立関係にあって、それを支援をするという関係はありませんし、それから、それについては詳細に明らかにしておりまして、決してそのようなことは一切ない。そのような資金を受けていた者はすべて除名をされております。党としてそのようなことはありません。
 それから同時に、それは言われたので言っておきますが、委員長、ちょっとお願いしたいのですけれども、レフチェンコ問題でも調査団を派遣したことがありますので、これは重大な問題であると私は思います。衆参の合同で国会として調査団を派遣をして、それは事実の有無が、今河野外務大臣が言われたようにないというならない、これはしかし、その疑いをそのままにしておくというわけには国会はいかないと思います。調査団を派遣をするということを理事会で協議をされるようお諮り願いたいと思います。
○佐藤委員長 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○松本(善)委員 ガット農業合意を含むWTO協定問題についてお聞きいたします。これは今国会の重要な焦点であります。
 総理に質問をいたしますが、総理と共通の認識で質問をしたいものですから、少し紹介をしていきます。
 昨年十一月、本院本会議で自民党を代表して質問に立った保利耕輔議員はその質問の中で、「米などの問題は、単に農業者の問題ではなく、いや、むしろそれ以上に消費者の、また、現在、将来にわたる全国民の問題であり、食糧自給力を維持することは、国家の主権にかかわる大問題であります。」こう発言をしておられます。保利議員と私は立場も考え方も違うわけでありますが、この点では同意見であります。
 昨年のような米不足がもっと大規模に起こったときに、農家は自分たちの食べる食糧の手当てをすればよいのでありますが、困るのは農業をやっていない消費者であります。だから、国民に安全な食糧を安定的に供給することが政府の極めて重要な責任となり、国民の食糧の問題は、その自給の問題にせよ安全性の問題にせよ、外国に譲ることのできない国の主権の問題なのであります。
 だからこそ、全会一致の三度にわたる衆参両院の決議で、食糧の自給力の向上を図り国民食糧を安定的に供給することは、まさに国政上の基本的かつ緊急の課題、国民生活の安全保障体制としての食糧自給力の強化、米の輸入自由化の要求は認められない、こういうふうに決議をしておることは御存じのとおりであります。
 総理もこのことを選挙公報で明らかにしております。総理の昨年の総選挙の選挙公報は、「安全な食物を安定的に供給し国土・自然を守るため、日本の農業を守ります」という小見出しのもとに、「現在、日本の穀物の自給率は、先進国の中で最低の三〇%です。もし、天候異変、戦争等で輸入がストップしたら大変なことになります。世界的に見れば食糧は決定的に不足しています。安全な食料を安定的に供給するため自給率の向上をはかり、生産者も安定した生計がたてられるようにします。」と書いております。
 元アメリカ農務省高官のレスター・ブラウン氏の主宰するワールド・ウォッチ研究所の発行する地球白書の一九九四年から一九九五年版、これはもう正面から地球規模の食糧危機を警告をしております。
 国際稲研究所は、二十一世紀の早い時期にアジアに深刻な米不足が起きるということを、アジアの米生産国の多くで工業化のために優良な水田面積が著しく減少していることなど、根拠を挙げて警告をしております。
 全国農協中央会の会長の豊田氏も、食糧危機に備えることの重要性を最近の新聞で書いております。
 現に、今でも十億人の人たちが、世界の人口の五人に一人ですね、これが飢餓もしくは栄養不足になっているという状況があります。
 総理が、世界的に見れば食糧は決定的に不足している、こう公報に書かれた食糧危機についての見解を簡明にお答えいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今委員るる読み上げられましたけれども、私は、その選挙公報に書いてあるとおりに今でも思っています。世界人口会議等もございましたけれども、しかし、現にアフリカ等を中心に食糧の足りない地域がたくさんございますし、同時にまた、片一方では過剰な食糧を持っている国もあることも事実であります。
 しかし、これから地球全体の動向を考えてまいりますと、人口増に比較をして食糧を生産する耕地面積が減ってきておる、こういう現状から考えますと、やはり全体的には食糧が不足するといったような事態も起こってくるのではないか。それだけに、国内の食糧の自給率を高めていくような、そういう農業政策というものは極めて大事なものであるという認識を持っております。
○松本(善)委員 総理は同じ公報で、今私が読み上げました部分に続いて、当然の結論として「コメの輸入自由化については、断固阻止していきます。」というふうに述べております。これはやはり総理の公約だと思いますが、総理もそうお考えですか。
○村山内閣総理大臣 公約に書いてありますように、断固阻止する立場で努力をしてきたつもりであります。
○松本(善)委員 公約であるということをお認めになったわけでありますが、所信表明では、農業合意を含むWTO協定について、来年一月一日の発効に向けて、年内成立をお願いしますというふうに述べられましたね。これは、言うならば米輸入自由化推進の立場なんです。公報に書かれた見解を変えられたのでありますか。
○村山内閣総理大臣 公報に書かれておる私の考え方を守っていくためにいろいろな角度から努力をしてまいりました。しかしこれは、皆さんも御案内のように、社会党は二日かけて、夜を徹して党内議論もして、そして連立政権に入っておるという立場も十分踏まえた上で、このウルグアイ・ラウンドの合意は受け入れざるを得ないという決定をしたわけであります。
 したがって、その決定を、これは全く苦渋の選択、断腸の思いで受け入れたわけでありますけれども、それだけに、自後の農業政策等々については、十分農民の皆さんが安心できるようにしなければいかぬと思いまするし、同時にまた、そういう経過については、農業団体の関係者の皆さんにも十分御報告を申し上げて、御理解と御了解を得る努力をしてきたというふうに私は思っております。
○松本(善)委員 社会党のその討議のときに、社会党の態度というのはあなたが委員長としておまとめになった、それが文書になっております。これは、党としての従来の方針に照らせば反対だ、しかし、連立政権に参加する立場から、総理というのはこの当時の細川総理のことでしょうが、総理の判断を了とせざるを得ない。言うならば、党の立場と政権に参加をするということの使い分けですね。
 ところが、今度は、総理になられる、もう一歩進められた、総理として、推進なんですよ。やむを得ない、政権に入っだからやむを得ないというのじゃなくて、みずからこの米の輸入自由化の協定を、一月一日発効を目指して、年内成立してください、まさに推進なんですね。あなたの選挙公約からするならば真っ正面に変わっている。百八十度転換ですよ。だって、断固阻止から、推進でしょう。それは、普通の日本語で言えば百八十度変わるのですよ。これは公約違反じゃありませんか。
○村山内閣総理大臣 経過を御了解いただきたいと思うのですよ。
 今申し上げましたように、その選挙公報で約束をしました公約を守るために努力はしてまいりました。しかし、政権に入るといったような変化もございましたし、そうした事態も受け入れるし、同時にまた、国際全体における日本の立場といったようなものも十分検討した結果、これを受け入れるという方針に党は決めたんですよ。受け入れていくことを決めて、その上に立って今の政権からこの受け入れたことを実行していくというのは、これは当然のことでありまして、私は、その経過というものを十分踏まえて御理解をいただきたいというふうに思います。
○松本(善)委員 経過はよく承知をしております。よく承知をしておりますが、あなたが選挙民に約束をしたという断固阻止というのは残っているわけでしょう、社会党は態度を変えようと。
 また、社会党について申しますならば、消費税の公約問題について、あなたが盛んに引用されるこのパンフですね、これは、米については「コメの完全自給を堅持し米価を引き上げます」「安全で良質な食糧を安定的に供給するため、基礎的食糧であるコメの完全自給を堅持し、農産物の「例外なき関税化」に反対します。」これは、あなたが盛んにこれが公式の社会党の公約だと言っているわけです。これが変わっているわけです。
 そうすると、経過は全部知っています、全部知っておりますけれども、詳細に知っていますけれども、これはあなたが選挙のときに個人として選挙民に約束されたこととも違う。それから、途中で社会党は方針転換されましたけれども、選挙のときに社会党が公表された公約とも違う。これは公約違反ではないのですか。
○村山内閣総理大臣 公約をして文書に書いたことが結果的に一言半句違わなかったということには、私は、なかなかなり得ない政治の現状があるのではないかと思うのです。ですから、いつかも申し上げましたように、政治家として、政治家として、約束をしたことについて、どの程度の範囲ならお許しをいただけるのかという裁量の範囲というのは、やはり政治家の責任でもって判断をしなければならぬこともあり得ると思うのですよ。
 そういう意味で、私は、これはお許しをいただける範囲ではないかと、こう考えて、党全体の議論の中でそういう結論を出したということであります。
○松本(善)委員 それは連立政権の中に入るから、それはすべて約束していることがすべてできるというふうに私ども考えているわけではもちろんありません、それは連立政権を構成している党のいろいろな意見があるでしょうから。しかし、自民党も、それからさきがけも、総選挙では米の輸入自由化反対ですよ。
 それから私は、総理はそういうふうに言われているけれども、これは部分的なものじゃないのですよ。断固阻止から、米の輸入自由化推進に変わるのですよ。それはまさに百八十度の転換ですよ。これを公約違反だというふうに言わないのなら、どういう場合が公約違反になるんだろうか。
 情勢が変わったというなら、すべて公約はほごにしていい。真っ正面から逆のことにしていい。これは恐ろしいことですよ。選挙をやる意味がなくなる。それは、私は、あなたの言うとおりであるならば、情勢が変わったということを言いさえすれば、選挙で選挙民に約束したことをすべてほごにすることができる。どういう場合が、では、公約違反になりますか。あなたの言うのであれば、それはもうすべて公約違反は免除されます。
○村山内閣総理大臣 すべて放棄しているわけではなくて、それは、御案内のように、米につきましても、ウルグアイ・ラウンドの中で六年間だけは部分的な輸入を認めたというだけですから、したがって、その部分的な輸入を認めた上で、日本の自給率をどう高めて、日本の農業をどう守っていくかということは、お互いに真剣に検討していこうではないかといって今議論しているところですからね。私は、そういう意味で、農業団体の皆さん方にも会ってお話を申し上げましたけれども、やむを得ぬといって御了解をいただいたものだというふうに思っています。
○松本(善)委員 農協中央会は、大会で、あくまで反対ですよ。
 それで、あなたはそういうことを言われますけれども、そういう百八十度公約が変わるということは、絶対今の話では説明になっていないですよ。
 それから、部分自由化だと言うけれども、あなた方はそれが完全自由化になるということで反対してきた、みんな反対してきたじゃないですか。国会でそういう決議をしてきたじゃないですか。
 私は聞きますが、情勢が変わったと言うけれども、あなたが総理大臣になったということ以外に、米をめぐる情勢は何にも変わらないです。あなたの先ほど言われた、食糧危機が問題だ、これも何の情勢も変わらないですよ。あなたが総理になったということだけなんですよ。それをもってこの公約を無にするということは絶対できないと思います。
 私は、愛知で参議院議員で当選無効になった新間正次氏が、公報記載の経歴などが虚偽だということで虚偽事項公表罪として有罪判決を受けた、このことをちょっと申し上げますが、ここに最高裁の判決を持っていますが、彼は、公報のみならず演説が問題になっているのですよ。「中学生当時公費の留学生に選ばれ、スイスで半年間ボランティアの勉強をした旨虚偽の演説をした行為は、福祉政策の重視を訴える被告人の実績等を誤って強く印象付け、選挙人の公正な判断に影響を及ぼすおそれがある」、これが有罪判決の理由ですよ。
 これは、あなたが米の輸入自由化断固阻止ということを選挙公報に書いて、総理大臣になったら全く逆に米の輸入自由化を推進する、どっちが選挙民を裏切ることが大きいでしょうか。私は、質は違うと思いますよ。質は違うと思いますが、選挙民の立場から見てどちらが裏切られたという気持ちが強いと思いますか。あなたはこの点について、あなたの選挙民である大分の人たちに対して胸が痛みませんか。自分は当たり前のことをやっているんだということでありますか。
○村山内閣総理大臣 何も、胸が痛まないとかいうようなことは申し上げているわけじゃありませんね。これは二晩徹夜して激しい議論をして苦渋の選択をしたということを申し上げているわけですから、ですから、農民に約束をした、公約をしたことが果たせないことは本当に申しわけない、残念なことだということは、そういうことを踏まえて議論をした上で出した結論だし、その反省に立って、不安を感じている農民の皆さん方のためにも十分農業対策を真剣にやって、そして安全な食糧が安定的に供給できるような自給体制をできるだけ高めていく努力をやはりせなければいかぬ、こういうことも申し上げているわけですよ。
 私は、一遍受け入れたことを内閣として実行していくことは当然のことだというふうに思っておりますから、別に旗を振って進めていく、推進をしていくというようなことではないと私は思っています。
○松本(善)委員 やはり推進、今は推進なんです。
 私はあの当時、じゃ今度は自民党にも聞こうと思うのです。ここで、今公約の問題をお話ししましたが、各党ここにおられる大臣がたくさん同じような公約をしておられることがあります。ちょっと、時間がありませんので全部はお聞きいたしません。大臣の中で細川内閣を糾弾をする質問をされた方もあります。私は、わかりやすいために、大河原農水大臣にお聞きしましょう。
 ことしの一月二十六日、参議院でガット・ウルグアイ・ラウンドに関する畑元農林水産大臣の問責決議案の採決が行われましたが、あなたはどういう態度をとられましたか。
○大河原国務大臣 畑農林水産大臣につきましては、農業合意の受け入れについての責任者であるという立場から、問責決議の発議者と相なりました。
○松本(善)委員 賛成したということですね。問責決議案に賛成した。
○大河原国務大臣 問責決議案に賛成して発議者の一人になったということです。
○松本(善)委員 我が党もこの決議案に賛成したのでありますけれども、この理由の中で、畑元農水大臣の受け入れたガット農業合意が、この決議案の中身では、三度にわたる国会決議に反し、「米の実質関税化を初め重要基幹農産物の総自由化を招いた。これにより食糧の安全保障を放棄し、我が国国民の生命を他国に牛耳られることとなり、農業のみならず農村、国土の荒廃をもたらすおそれを生ぜしめ、国益を大きく損なったことは我が国農政史上かつて例を見ない大失態」であるとか、あるいは我が国稲作農業に致命的な打撃を与えたなどと糾弾をしています。
 また、山本富雄自民党参議院幹事長で総合農政調査会長の趣旨説明では、「米は言うに及ばず、乳製品を初めとする二十品目に及ぶ我が国重要基幹農産物の関税化は、国内各地の畜産、畑作経営等に今後永久にはかり知れないダメージを与えることになった」「この結果、一億二千万人の国民の食糧の安定供給が困難となり、農家、農村を切り捨て、国土の崩壊をもたらすおそれが生じたこととなり、長い我が国の農政史上、取り返しのつかない大失策、大失態を犯した」と、厳しく責任を追及しているのであります。
 あなたは決議案に賛成をされたわけでありますが、決議案や趣旨説明で述べられたことは正しいと思ったから賛成をされたのだと思うのですが、いかがでしょうか。
○大河原国務大臣 自由民主党に所属する我々としては、交渉期間七年間以上、農業については自給方針堅持、関税化反対ということで努力をしてまいりました。
 細川内閣のこの受け入れについては、その基本方針に基づきまして、さらには、交渉の過程が閣僚ベースで、EUなりあるいは米国は閣僚ベースで徹底的な国益を賭した交渉を行った、これについて非常に不十分であった、これを受けての農民の衝撃、農家の方々の衝撃、それを受けまして、我々としては問責決議を提出したところでございます。
○松本(善)委員 そういう経緯の問題もありますけれども、今私がお聞きしたことは、この中身、問責決議案の中身、それから私がお読みしました山本さんの趣旨説明、これは正しいと思って賛成されたんでしょうね。そうでしょうね。
○大河原国務大臣 提案者の一人でございますから、当然です。
○松本(善)委員 これは大変大事なことで、今現職の農水大臣が、ガットの農業合意によって、国民の食糧の安定供給が困難となり、農業、農村を切り捨て、国土の崩壊をもたらすおそれを生じかねない、取り返しのつかないことだということが趣旨説明だとか、それから決議案に書かれている、これは賛成するのは当然だと言われたことは、これはもう極めて重大なことだと私は思います。(発言する者あり)
 私は、この問題については閣僚でやはり同じように追及された方もありますが、ちょっと時間がありませんので、これはさておいて、河野外務大臣にお聞きしようと思います。
 今大河原さんが答弁されたような基礎になっているのはやはり自民党の声明ですね。これは総裁が当然責任を持っておられると思います。自民党は、細川内閣がガット農業交渉の合意案を受け入れられたときに、昨年十二月十四日、声明を発表をいたしました。
 その声明は、この合意が国会決議に明らかに反するものと言わざるを得ません。あるいは、米のみならず乳製品など基幹作物の供給を外国にゆだねるものであり、日本の農業を崩壊させ、ひいては国土や自然環境の維持を危うくし、また安全性に問題のある食品がより多く輸入される、これはもう消費者団体でも今大問題になっていますよ。そういうことを述べて、細川内閣を厳しく糾弾をされたのであります。
 この決議がありますから、たくさんの自民党の議員は、絶対に認められない、命をかけてやらなくちゃいかぬとか、譲ることは断じてできない、あるいは絶対的な自由化反対論者だとかというようなことを言って質問をされました。もう何人も何人もいらっしゃいます。例を挙げれば切りがないほどあります。これは当然ですけれども、自民党が声明を出しているんですから。この声明の立場を自民党総裁としてあなたは確認されますか。
○河野国務大臣 あの当時、私は今お読みになった総裁声明を出しました。当然の声明と考えておりました。
○松本(善)委員 それは、この声明、あるいは自民党が選挙公約で約束をされました、今も不規則発言で断固反対だ、当然だという声が幾つもありましたけれども、その立場を貫くならば、このマラケシュ協定の批准には賛成できないということになるのではありませんか。
○河野国務大臣 ちょっと松本先生の御質問で、余計なことかもわかりませんが、我が党の選挙公約は、「米の市場開放問題については、国内産で自給するとの基本方針を今後とも堅持し、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉の場で、引き続きこの方針を反映さ甘るよう全力を傾注します。」これが我が党の選挙公約でございます。少しニュアンスが違うと思いますので、改めて申し上げておきます。
 さてそこで、今のお尋ねでございます。私ども自由民主党は、農産物貿易の部分については極めて不満でございます。これは先ほど来申し上げているとおりでございます。しかしながら、その一方で、村山政権としての外交の継続性というものも考えなければなりません。これはだれしもが考えるところだと思いますけれども、本年、羽田大臣はマラケシュに行って、日本国政府を代表してこれに既に署名しているわけです。最終文書に署名をしているわけです。
 この署名が行われて、そして村山政権は外交を継続する、外交問題でございますから、これは継続するということになっておりますから、そこで私どもとしては、外交の継続性という原則、一方でWTO協定が多数国間条約であるということにかんがみて、自民党としてこの協定の承認を求めるという方向で行かねばならぬ、行かねばなるまい、こう考えておるわけです。しかし、繰り返しになりますが、農産物貿易の部分については自民党として極めて不満であるというこの態度も一方であるわけです。
 そこで、この現実と対外的な立場、外交の継続性、多国間条約に既に最終文書に署名をしてしまっているという現実をどう調整するかということが政治としては今一番重大な問題であります。したがって、農水大臣は、懸命にこの問題について、いかに農業に従事なさる方々あるいは日本の農村というものを守ることができるか、しかもそれは対外的な問題も含めてどうこの問題に答えを出すかということで、懸命の努力をしておられるわけでございます。内閣におきましても、私も、その農水大臣の努力というものを、何といいますか、サポートをしながら、この問題にできるだけよりよい答えを出すべく、最終的な努力を今いたしているところでございます。
○松本(善)委員 河野さん、あなた方はそういう公約をしたからこそ、あの昨年末の声明を出し、問責決議案があり、細川内閣を糾弾されたわけでしょう。
 あなたは外交の継続性ということを言われましたけれども、何のためにそういうことを国会で議論するんですか。野党だったから言ったんですか。内閣がかわったわけですよ。あなた方は糾弾をしたわけでしょう。何のために外交問題は国会で議論をするんですか。
 外交の継続性と言うならば、対立していた内閣のやったことを全部引き受けますか。これは今だって、国連の安保理事会の常任理事国になる問題だって議論されています。それは幾ら議論をしても、それはもう外交の継続性ということであれば、外交問題を国会で論議をすることは意味がなくなりますよ。
 私は、それからさらに申し上げますならば、いろいろ国内対策はやっているというふうに言われるけれども、牛肉・オレンジで、これは結果がやはり農業の崩壊という方向へ行ったことははっきりしているじゃないですか。酪農家で自殺した人
もたくさんいる。それから、牛なんかは、十年間に四割減っています、肉牛の農家は。そういう事態が起こってもう証明済みなんですよ。さきに江藤隆美さんが言われたけれども、やはり自分は関税化というのはどんな恐ろしいものか今反省している、本当に率直な質問をしていられました。私も傾聴しておりましたけれども、そういうことですよ。米だってそういうことになりかねない。そういう事態であります。
 それで、私は河野外務大臣に、もう時間もそうありませんのでお聞きしたいのでありますが、マラケシュ協定に署名をしたということなんですけれども、この性格、署名をした文書の性格についてお聞きをしたいと思うのであります。
 これは当時、五月二十五日に、やはり自民党の保利さんが聞かれまして、そして羽田総理大臣、外務大臣として署名した文書の性格について、協定の文言を確定するという文書だということを答弁をされました。これは要するに、批准をした後に本協定に署名をする、本協定の署名がまだ残っている。そういう点でいえば、まだ日本は国際的な権利義務関係は、国際法上の権利義務関係は一切生じていない。日本の国会は何物にも拘束をされることなく、この問題について、国の将来を考え、そして今までの経過も考えて討議をすべき関係にある。その文書がそのような性格であるということについて羽田さんが、署名者が答えていますけれども、改めて外務大臣としてお答えいただきたいと思います。
○河野国務大臣 署名者がお答えになっていることですから、私がお答えをするのは蛇足であるかもしれませんが、マラケシュ閣僚会合においては、ウルグアイ・ラウンド交渉の結果を取りまとめた、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定などの文書が添付されたウルグアイ・ラウンド最終文書に各国の代表が署名をいたしました。この最終文書は、同文書に添付された文書がウルグアイ・ラウンド交渉の成果として真正なものであることを確認し、その文言が確定することなどを内容とするものであって、最終文書自体が国際約束を構成する文書ではありません。
○松本(善)委員 さらに、その文書の中に一月一日問題がありますね。これは、中は「WTO協定が一九九五年一月一日までに又はその後できるだけ早く発効するようすべての交渉参加者によって受諾されることが望ましいことに同意すること」。だから、一月一日というのは確定的なものではなくて、やはりできるだけ早く、それを望ましい、二段階で、もちろん拘束できないものですから、決められているという性質のものであるということを確認できますか。
○河野国務大臣 マラケシュ協定における署名はそのとおりであります。
○松本(善)委員 そうすると、結局一月一日というのも確定的な国際合意でありません。
 アメリカでも、上院、下院ともマラケシュ協定実施法案の採決を中間選挙後に延期をいたしました。今、クリントン政権は、重要法案が軒並み流産で政権末期症状というふうにも言われ、中間選挙後どうなるかわからないという観測まであります。欧州連合も批准はもうちょっと年内は無理だ、こう言われております。発展途上国は、インド、韓国、フィリピン、バングラデシュ、もう方々で反対運動が非常に大きくなっております。批准したところは外務省の報告ではまだ二十三カ国、本当にわずかです。世界情勢を見ながら、一月一日にこだわることは全くないと思います。
 しかも、クリントン大統領は、悪いガットは認めないと言っているわけですよ。アメリカの利益にならない協定は認めないと言っている。カンター通商代表も、ウルグアイ・ラウンドの合意によっても通商法三〇一条は十分効力があって一層効果的になるだろう、本当に勝手なことを言っていると言ってもいいのじゃないかと思います。
 そもそも、政府が調印をしても国会が批准をしなければならないという義務はもちろんありません。私は外務省に聞きましたが、調印をして批准をしていないという条約は、図書館の調べでは二百三十ある。聞いたら数えられないと言うのです、外務省は。そういう状況であります。
 そこで、私は、提案なんですけれども、我が党の不破委員長が本院本会議で提案しましたが、細川内閣の調印を動かしがたい既成事実とするのではなくて、国会が米の輸入自由化の是非について改めて全面的な検討を行うべきではないかということを私どもは主張しておるわけであります。外務大臣、いかがお考えですか。
○河野国務大臣 松本議員はマラケシュ協定を引用されて、一月一日は義務的なものではないというふうにおっしゃいましたが、それはもうそのとおりでございます。
 しかしその一方で、先進国の首脳が集まって、一月一日までにお互いやろうではないかという話し合いをして、それぞれ合意ができているとか、あるいはその他先進国が四極で集まり、あちこちで集まっては、こういう問題について、お互いに一月一日に向けて、多角的自由貿易体制というものを整備をするために、このWTOという機構を一月一日から、みんなで一月一日を目指して努力をしてスタートをさせようではないかという合意をしたり、相談をしたりしているという部分もあるわけでございます。
 したがって、マラケシュ協定の読み方からすれば、遅くとも九五年の一月一日まで、またその後はできるだけ早い時期にと、確かにこう書いてはございますが、我が国としては、これは義務ではないのだ、だからやらなくてもいいのだというふうな立場はとるべきでないというふうに思っております。
○松本(善)委員 まあ政府としては、それはそうでしょう。だけれども、国会としては何も拘束をされない。国会の結論を見た場合に、政府がどう外交努力をするかという問題は別問題であろうと思います。
 総理にお聞きしたいと思うのですが、外務大臣からそういうことが言われましたが、私は、最後に総理にお聞きしたいと思いますのは、ずっと来て、やっぱり最後は公約の問題だと思うんですよ。これは私どもがずっと調べて、どの党も自由化やっていいなんということは一つも言っていません。私の調べたのでは、自由化をやるということも言って公報に書かれた議員が二人いらっしゃるだけです。ほかは全部そうじゃありません。そういうことですから、国会は批准はしないというのは、私は、公約を守る立場から当然なんですよ、と思います。
 総理に聞きたいのは、総理は、公約は実現に努力すべきものだということは今国会でも言われましたし、九〇年国会では、議会制民主主義の根幹にかかわるものだ。これは、公約は簡単に破られるということは、本当に議会制民主主義が破壊されるんですよ。選挙をやる意味がなくなっちゃう。
 読むまでもありませんけれども、憲法前文はこのことを言って、国政は国民の厳粛な信託によるものだ、権威は国民に由来するものだ、こう言っているでしょう。これが民主主義の根本ですよ。あなた総理大臣の席に座っておられますけれども、やっぱり根本は国民ですよ。選挙で選ばれてき、国会で指名されたからこそそこに座っておられるわけでしょう。それを、この公約を無にしたら民主主義は成り立たないです。
 私は、公約を遵守をするということであるならば、あなたのやるべきことは、ガット合意の批准を国会に提出することではないと思います。これはその気になれば、各党は反対で、自民党など反対だったわけですから、私はできないことではない、本当に真剣に公約を考えるならば。もしそれができないというならば、私は、国民に信を問わなければならぬ、そういうのが公約というものではないかと思うのです。それをやらないというならば、私は退陣する以外にないと思います。総理をおやめになれば公約を守ることはできるわけです。どうしてもやろうというなら、やっぱり信を国民に問わなければならない。
 この国会では公約問題が盛んに言われています。消費税の問題でも、それから国連の安保常任理事国問題でも、海外派兵問題でも言っています。私は、総理は公約に反していると思うのです。もしそういう信を問うということでなければ、即時退陣すべきであるということを要求し、最後に総理の答弁を求めて、終わります。
○村山内閣総理大臣 極論づけた松本委員の意見は意見としてお聞きしましたけれども、私はやはり日本の経済というのは、そういう多角的な貿易自由化というそういう諸条件の中でつくられているものでありまして、そうした全体的な判断も当然しなければならぬという視点も私はあると思いますね。
 したがいまして、先ほど来外務大臣から御答弁がございましたように、国際的に合意されておる事項について、日本もその合意に基づいてやっていくことは日本のためにもなることだというふうに考えておりますから、これからこの批准についても、それに関連する法案についてもこの国会に提出をするつもりでありますから、十分ひとつ国会の中で御審議をいただいて、そして御結論を出していただきたいというふうに私は思っています。
○松本(善)委員 終わります。
○佐藤委員長 これにて松本君の質疑は終了いたしました。
 次に、中川秀直君。
○中川(秀)委員 総理、いよいよ今国会の衆議院の予算委員会の質疑も大詰めと申しましょうか、最後に近づいておるわけでありますが、私は、この予算委員会の質問についてマスコミがどんな報道をしておるかということは、やはり委員の一人ですから関心がございます。いわく、疑惑追及質問ばかりである、論戦はちぐはぐであると。夕刊紙によれば、ひどいものだこの国の政治の現状はまともな政策の審議よりも権力闘争ばかりだと、こういうようなことも伝えられております。
 私は、やはり議員というものはお互い多くの有権者、選挙民から代弁者として国会へ送っていただいている立場でございまして、いやしくも国会の議論というものはそれなりの根拠に基づいて質問をすべきであろうと存じます。閣僚に対してスパイのエージェントだとか、あるいはまた対外テロ活動の他国の有力者と親密な関係にあるとかおっしゃるならば、その根拠をやはり明確に示して聞かなければならない。
 しかも、お互いに議論というものは紳士でなければいけないので、英国の議会でも、それぞれ選挙区選出の議員とお互いに呼び合いながら名誉を重んじて質疑をする。一方的に決めつけておいて、それに対して答弁も求めないで次の問題に移る、しかも委員長の指示にも従わない、そのようなことはやはり有権者の代表として恥ずかしいことだ、私はそのように思います。厳重にこの点に関しては、私は、心せねばならぬという意味でひとつ注意を喚起したい、こういうふうに考えております。
    〔委員長退席、池端委員長代理着席〕
 さらに、私は、ちょっとここで総理の、村山内閣の基本理念あるいはまた基本政策に関して、比較対照的な質問を少しさせていただきたいのでございますが、実は共産党を除く野党においては、新しい新党をつくる動きが本格化をいたしておるわけでございます。この九月五日には改革推進協議会という名前で、「責任ある政治を求めて」と題する基本理念と、それからまた国民に対するアピールというものを発表されました。私は、議会政治というものはお互いのチェック・アンド・バランスでございまして、国会でまとまった野党が存在をすもということは、議会政治の活性化のために大いに歓迎すべきことであろうと存じております。
 同時に、そういう観点でこの基本理念を読ませていただいたわけでございますが、一々紹介する時間が余りないのですけれども、いわく、自由・公正・友愛・共生を旗印に、問題を先送りせず責任ある政治を実行すると。また党の目標として、「たゆまざる改革を進める」「思いやりと生きがいのある社会をつくる」「平和な世界をつくる」一国平和主義・一国繁栄主義から決別をする、こういう理念を掲げていらっしゃるわけでございますが、いずれも異論はございません。
 ただしかし、残念ながら、具体的にそれでは何を目指しているのか、何をしようとしているのかということは、正直に言いまして、例えば税制改革についても、行財政改革に取り組むとか、あるいは常任理事国の問題でもさまざま質疑がございましたが、みずから新しい改革の野党としてどう解決していくつもりなのか、批判はございましたけれども、その具体策は余りお示しになれなかった。「志のある外交」を展開するとこの理念の中にも書いてあるだけでございまして、やはり村山内閣とどこがどう違うのかということにおいて、余り明確なものが出てこなかったような気がするのでございます。
 一部新聞の社説は、この改革の理念についても、道筋が明確に見えてこない。迫力も新鮮さもいま一歩である。そしてまた、世界各国の日本に期待しているリーダーシップというものに対してこたえ得る長期的なビジョンや信念、理念が見られない。村山内閣は優しい政治を標榜して、ややもすると懸案解決を先送りするのではという懸念を持たれているので、そうした政治手法はとらないという対抗心をむき出しにされたものであろう。しかし、その意気込み自体はいいけれども、現政権と対抗し得る明確な基本政策を示さないと国民の支持は得られないのではないか、これは毎日新聞の社説でございますが、そういうようなことが書かれております。
 総理は恐らく、野党の百八十議席を超える大きな会派ができたわけですから、当然御関心をお持ちでしょうし、お読みにもなるべきだったと思うし、お読みにもなっておると思いますが、それについてどうお感じでございましょうか。
 もう一点言えば、私は、基本政策が一致すれば、権力闘争ではなくて、国民のために協力をして問題を解決していく。現に、自民党、社会党も、今そういう時代が来て、さまざまな問題を解決しようとしている。昔なら二、三年かかることが二、三カ月で解決できる。税制改革でもそうでございます。いろいろな外交の課題もそうでございます。そういう時代に入ってきた。であるならば、今度できたこの理念を読ませていただいても、そんなに基本的に余り変わらない。とするならば、権力闘争ではなくて、大いに協力をして問題を解決する、そういう政治を議会でも進めていくというのが本当の我々のあるべき姿ではないか、そういうことも強く感ずる次第でございますが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今は大きな転換期にあると私は思いますから、これは世界的にも、国内政治においてもそうですけれども、そうした転換期の中で新しい二十一世紀という時代に向けて何が一番大事なのか、何を一番すべきことなのかということをお互いに模索をし合いながら、今努力をしている過程にあると私は思います。それぞれ各党もそういう方向に向かって研さんを積まれ、努力をされているというふうに思うのです。
 今御指摘のございました新党結成への基本理念、「責任ある政治を求めて」という表題でつくられておりまする方々の文書も見せていただきましたけれども、今委員御指摘ございましたように、余り大きな考え方の違いはないのではないかと私も読んで思いました。
 しかし、私が今総理大臣の立場で、この出されたものについてとやかく論評する限りではないと思いますけれども、これからこうした予算委員会やらあるいは各常任委員会の場を通じて具体的な政策を議論される場合に、その政策についての考え方の違いやあるいはその政策を実行する上における手法の違いやら等々もまた明らかになってくるのではないのかな、こういう気持ちは持っておりますけれども、この文書を読む限りにおいては余り大きな違いはない、共感のできる点もたくさんあるな、こういう感じを持っております。
○中川(秀)委員 であるならば、お互いに大いに国民のために問題を解決するという姿勢でいろいろ協議をし、また実現をしていく、権力闘争ではなくてそういうふうに進めていくべきだ、このように思いますが、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 やはり国会というのはそういう場だと思いますね。今委員が御指摘になりましたように、ここでお互いに議論し合いながら、国民のために何が一番いい政策の選択なのかという結論を見出して、そして国民の期待にこたえてその役割を果たしていく。ですから、お互いに協力し合える点は協力し合うし、違う点は違うことを明確にして国民の皆さんの審判を受ける、こういう慣行というものはしっかり守っていくことが大事ではないかと、私はそう思います。委員御指摘のとおりだと思います。
○中川(秀)委員 私は、総理の所信表明も詳細に伺い、また、改めて読ませてもいただきました。例えば特殊法人、行政改革についても、細川内閣のときにはおおむね二年ということを言っておったんですが、総理は本年度中に結論を出すと、こういう踏み込んだ最優先課題として取り上げる、こういう御方針も出しておられます。
 まあ内閣としてもあるいは我々与党としても、責任ある政治をやっていかなきゃいけない。そのためには痛みを、苦しみを乗り越えてやるべきことはやっていく、これがまた野党の理念にもこたえることであろう、こう思っておりますから。これは双方そういうことだろうと思います。まあそんなことで、総理にも一層御努力を賜りたい、こう思うんです。
 私は、いささかちょっと持論というか、というものを簡単にこの場で申し上げることをお許しをいただきたいと思うんです。
 きのうも同僚議員からも御質問がありましたが、我々も仲間たちと、新しい時代の理念の座標軸は何なんだろうかというような議論もいろいろいたしました。しかし、議論をしてみまして、具体的に考えてみまして、やはり自由主義というものにも病理や限界がある。あるいは民主主義というものにも、その政策の取りまとめに当たってはある一定の限界もある。いずれも限界があるんですね。新保守主義あるいはリベラリズム、いずれももう限界がある。これはやはり組み合わすしかないんですね、本当に。
 いずれにしても、例えば改革をしようと思えば、自由やあるいは自己責任や競争やあるいは自立自助、こういったことを求めていく。そうしないと改革はできないわけです。また、さはさりながら、やはりそういう競争に敗れていく弱者、そういうものに対する優しさ、思いやり、いたわりは常に持ち続けていかなきゃいけない。それは福祉とかそういうもので手当てをしていかなきゃいけない。やはりそういう組み合わせしかないんだろうと思います。
 そこはそういうふうに我々も整理したんですけれども、一番大切なのは、今まで何となく戦後五十年、我が国が戦災から復興、発展、こういう時代の中でやってきたものは、どちらかというと、官僚機構とかあるいは企業とか団体とかあるいは労働組合とか、そういう組織に重きを置いてやってきたような五十年ではなかったのか。
 むしろ今考えなきゃいけないのは、やはり人間から出発するというか、個人から出発する時代なんじゃないのか。つまり、組織を守ろうとするのではなくて、組織は大いに自由競争をしていただきながら、そこで生じてくる弱者等については思いやりを持っていくという意味で、そしてなおかつ日本全体のコストを下げていかないと、今もう一ドル百円という相場ですが、購買力平価からいったら一ドル百六十七円、土地、住宅からいったら二百円を超えているというのが常識でございますけれども、そういう内外価格差を下げない限り日本の産業の空洞化も防げないし、あるいは若者たちの職場も確保できない、こういう時代に入ってきているわけですから、そういう意味で、大いに組織には自由競争をしていただかないとコストは下がっていかない。しかし、そこに生じる個人は守っていく、そういう時代に入ってきたんじゃないか。
 折しも、今度は選挙制度も変わる。五一%という支持を求める選挙になってくる。もう組織で支持を求める時代ではない。広範な個人から、国民一人一人から御支持をいただいて選挙をやっていかなきゃならない時代に入ってくるんだろう、このように思うわけでございまして、そういう意味では、人間から出発をし、そしてそういうものにこたえ得る、今までのどちらかといえば統治という概念の政治ではなくて、経営という概念で、調整とか公正な競争とか、あるいは縦ではなくて横とか、それから効率性の追求とか、そういうものを大いにやっていかなければならない時代だと私は考えております。総理はどうお考えですか。
○村山内閣総理大臣 現状の日本における社会経済等々各般の分析をしながら、今の時代における人間というものに対してどういう位置づけをしているかというようなことについての大変含蓄のある御意見を今拝聴いたしましたが、私もまさにそのとおりに思っています。
 それで、これは私の先輩が、こういうことを言われた方があるわけですよ。例えば大きな国道を見ると、ダンプカーも走っておるし、乗用車も走っておるし、単車も行っているし、人も歩いている。しかし、もしこれに交通安全規則というものがなければ、一番力の強いものが一番占領して、もう単車も人も歩いているものははね飛ばされてしまう、これではやはり世の中の共存というのはできない。
 したがって、そういう弱いものを守っていくための、ある意味での秩序といいますか、規制というものは必要なんだということを言われた方がありますけれども、私はやはり、社会というものはそういうことを前提にしてつくられているものだというふうに思いますから、今委員御指摘のように、これまではやはり開発を重点にしたことが先行し過ぎて、個人がある意味では大変住みにくくなったとか、あるいは、これだけ国は豊かになったにもかかわらず豊かさの実感が味わえないとか、こういう点が多々生まれてきておる。そういう点をこれからどう見直しをして、そして、むしろ個人の暮らし、働いている者の立場というものを重点にして政治を真剣に考えていくということが求められておるのではないかということを痛切に感じております。委員の御意見には全く賛成であります。
○中川(秀)委員 それでは、具体的な問題に入らせていただきますが、私は、これからの社会、そういう意味で経営的な観点からいいましても、やはり政治、行政のコストも下げていかざるを得ないだろう、このように思います。考え方としてはそうではないかなと。つまり、負担は少なければ少ない方がいい、税金は安ければ安い方がいい。むしろ、増税という、あるいは大重税国家という方向ではなくて、取捨選択ということが必要になってくるのではないか、このように思うわけでございます。
 厚生大臣にちょっと伺いたいのですけれども、さきの羽田内閣のころは大蔵省から試算が出まして、福祉ビジョンあるいはエンゼルプラン、こういうものによりますと、収支がとんとんになるのは消費税一一%だ、こういう資料がこの予算委員会にも、一〇%か一一%だという試算が出たのですよ。
 そして我々も厚生省からの両プランについて、ゴールドプラン、エンゼルプランについてもお話は伺ったんですが、簡単に伺いますけれども、一部報道では、公的介護保険の導入を社会保障害議会が報告を出した、厚生省もその審議会の報告を受けて検討に入った、こう伝えられているんですが、簡単に、経緯はいいですから、厚生省は今どうしようとしているのか。この公的介護の保険をつくるんですか、つくらぬのですか。
○井出国務大臣 お答えいたします。
 厚生省といたしましては、本年四月に省内に高齢者介護対策本部を設置し、またこの七月からは学識経験者によって高齢者介護・自立支援システム研究会を開催し、新たな介護システムの構築に向け、高齢者介護問題をめぐる基本的な論点や考え方を検討していただいております。先生おっしゃる公的な介護保険制度についても、その選択肢の一つであると考えておりますが、諸外国の動向なども調査しつつ、幅広い観点からの議論を進めていく必要があると現時点では申し上げるだけであります。
○中川(秀)委員 わかりました。大いに研究して、税という形でない形もやはり重要な選択肢だと私も思います。
 財政の問題についてお伺いをしたいんですが、私はやはり、日本の財政も完全にもう曲がり角を過ぎてきているんじゃないかという感じがいたします。
 それは、今までですと、例えば国、地方それから財政投融資、この三者が一体となったやりくり財政というのは可能だったんですよ。財政トライアングルといっていますが、国の財政、地方の財政、財政投融資、このやりくりが可能だったんですけれども、もうそういう時代ではなくなってきた。
 膨張する財政需要に対応するために、国債の増発、地方財政、財政投融資、こういうものを組み合わせたりあるいはつけかえたり、いろいろなことをしながら、補助金のシステムでもくるくる変わってきておるわけでありますが、そういうことをずっと続けてきたことは、結局は、むしろ財政の膨張体質につながってしまった。むしろ日本の経済の活力を妨げる要因になり始めている。これから大事なのは、やはり地方財政や財投も含めたグランドデザインをもう一回今回の税制改革と同時に見直さないと、つまり、ある意味では歳出全体も見直していかないともうやっていけない、そういう状態にきているんだろう、このように思うわけでございます。
 大蔵大臣に伺うのですけれども、赤字は今三百兆ですね、大体、国、地方合わせて。地方財政だってもう百兆に近い赤字にだんだんなっていく、今はなっていませんが、なっていく。合わせれば、国鉄のいろいろなものも入れれば三百兆ですよ、大体。こういう状況の中で、私は、歳出構造全体をいろいろ議論しなければいけない。
 大蔵大臣の御所属のさきがけ党では、特殊法人の民営化あるいは廃止あるいは改革というものをいろいろ言っております。個々にはいろいろな議論がある。それによって公共性が損なわれて大変なことになる、地方に高速道路ができなくなるんじゃないかとか、あるいはむしろ公共料金が上がるんじゃないかとか、あるいは簡単に民営化株が今の株式市場で消化できるかいといった御議論も当然あるわけでございます。
 また、総定員法で二十数年やって四万人しか公務員は減らなかった、それによる削減額は三千億円ぐらいだ。そんな簡単に大蔵大臣等のおっしゃるように一兆六千億も歳出が減らせるか、こういう御議論も役所の中でもあったやに伺っておりますけれども、いずれにしても、全体の議論を大変な政治決断でやっていかざるを得ない。そういうふうな時代に入ってきておると私は思うわけで、若干これは理想論だなという部分も含めて、これから行政改革にまで踏み込んで御提案もしてみたいと思うのですが、できるところからやるという方向で御答弁もいただきたい、こう思っているわけです。
 例えば、公共事業でも各省のシェアや事業のシェアはほとんど変わっておりません。そしてなおかつ、例えば下水道、これは市民が生活投資ということで何よりも必要としているところはたくさんあるわけですが、建設省の下水道事業が行われ、同じ町で、また同じところで農林省の集落排水対策事業が行われる、こういう重複投資などというものもかなり各方面で指摘をされておるわけですね。
 ついこの間、中央区でことしの二月ですが月島第三小学校というのができまして、一階から四階が小学校と幼稚園ですね。それから地下に高齢者のための福祉センター、ふれあい作業所というのができた。国に例えれば、文部省と厚生省というようなものが一緒になって施設をつくった、こういう例もあるわけですね。
 予算の配分を本当に効率的にするためには、省庁間を横断したような、そういう予算編成というものも必要だと思うのですよ。大蔵省も仲介役になってそういう予算編成をしていくという仕組みが求められていると思うのです。もしそれが大蔵省にできないのだったら、これはもう編成権を官房にかなり移譲するしかなくなってくるわけで、そういうことも検討してみたらどうだろうか。
 それからまた、お金を使われた後の事後の評価システムというものも、例えば会計検査院は不当事項とかというので指摘をする、それに対して余りペナルティーもない。どう予算が配分をされたか、税金のむだ遣いがなかったかということには目を光らせているけれども、予算配分の適切さや類似事項のダブりにまで踏み込んだ会計検査というのは余りしてないのじゃないか。こういうこともきちっとしておくべきではないかな。予算と決算、国会においても審議の場を一つにすべきではないかという議論も行われております。
 あるいは、概算要求が締め切られましたけれども、税収との差は、今の数字で見積もっても七兆円ある。相当厳しい査定を要する。
 いろいろなこれから大変な作業があるだろうと思いますが、私は、年金だって世界的に非常に高い水準に今なってきていると思うのですよ。そうすると、やはり一定の資産があって生活のできる人には、こんなことはとっぴな議論だけれども、年金の受給は御遠慮いただくということも、公平性の観点から議論をしてもいいのではないかなという感じもいたします。
 それからまた公共事業も、建設国債を増発して、不況下に公共事業をどんどんやっていく。しかし、それがもう完全に既得権化して、なかなか今度は好況になっても減らせない、増分主義ばかりになる。こういうものも、やはりゼロベースの予算編成ということで検討し直すべきだろう。一定の補助事業については、サンセットで見直すことも必要だ。
 それから、全体的に財政再建計画、五カ年計画というのも昔あったのですが、その後、税制改革やあるいはまた総合経済対策等の中に、陰に隠れて、今財政再建の計画は事実上はそういうことに置きかわってしまっておるのですが、私は、やはり税制改革と同時に財政改革もしなきゃいけない、歳出改革もしなきゃいけない。それはもう現政権が与えられた、今の政治が与えられた不可避の課題だと思うのです。そういう意味で、やはり財政再建の五カ年計画というのを別途設けるべきではないか。
 具体的に幾つかの項目を挙げて今御提案を申し上げましたが、大蔵大臣の御所感を伺います。
○武村国務大臣 大変、我が国の財政にとっては最も、目下の基本的な点を御指摘をいただいて、お話を承りました。
 私もこの仕事を預かって百日余りたつわけでございますが、専ら税制改革の仕事が確かに忙しゅうございましたが、この仕事で一番痛感しているのは、この国の財政はこのままいっていいのだろうか、一体どうなるのだろうかという点でございまして、そういう意味で、今委員の御指摘は本当に身にしみた御指摘であったというふうに拝聴をいたします。
 先般マドリッドでG7の会合がございましたときも、合意をしましたのは、景気が回復した国は財政再建、景気の悪いときに発行した国債等の債券を消化するなど財政赤字の縮減に努めて、今のうちに財政再建、健全化に努めるべし、日本のように今まだ景気が重たいから必死の努力をしている国は、景気が明るくなったら財政再建に取り組むべし、こういう合意でございました。
 確かに、ここ日本の財政は、本来大変悪い状況にあるにもかかわらず、戦後最長の不況ということから、破格の減税対策につなぎ国債を発行しながら取り組んでおりますし、また、過去四回ほどかなり思い切った建設国債による公共事業の拡大に努めてまいりました。しかし結果としては、そのことが景気にそれなりの大きな影響を与えていることを確信いたしますが、しかし、財政はますます国債をため込んで悪化をいたしているわけでございまして、これが景気回復になればどう財政再建を図っていくかということに、今から真剣に目を向け始めなければいけないと思っております。
 今、五カ年計画を立てるという状況ではありません。ことしも財政審議会は、鈴木会長が亡くなられましたが、一つの考え方をおまとめいただいて、平成十一年、五年後には国債依存率を五%以下にしなさいという考え方もお示しをいただいておるところでございます。
 また、今お話しいただいた各省庁の事業をしっかり調整しながらやれという御指摘も、下水道や公共施設についても、私も地方で体験をしてきましただけに大変現実的な御提案として受けとめさせていただきますし、また福祉の問題も、介護保険の御指摘もございましたが、年金もうんと充実させる、医療もよくしていく、さらに介護その他の福祉もよくする。果たして、幾らこれは国力なり国民の所得水準が上がったとはいえ、何もかもよくすることができるだろうか。その中でやはり選択を迫られてくるのではないか。そういうことも議論が始まっていいというふうにも思っておりますし、ゼロベースからの見直し、公共事業の配分の見直しも含めて、そういう御指摘も貴重な御提案として受けとめさせていただきます。
 いずれにしましても今国会は、大蔵省としましては、税制改革を基本にお願いをいたしておりますが、景気回復の中で財政再建ということに真剣な目を向けていかなければならないときが迫っているという認識でおります。ありがとうございました。
○中川(秀)委員 ついでに、ちょっと一言だけ、お願いですが、概算要求で見ますと、一般会計の一般歳出ですね、これが四十二兆八千億、一般財投の要求が四十三兆円。初めて財投要求の方が上回っておるわけですよ、一般歳出より。第二の予算どころか、財投なしにはもう予算も組めない、こういう状況に我が国の財政はなっておるわけですね。そうすると、財投というのは国民のお金を運用しているものですから、当然償還できないものは大変なことになります。これで大穴をあければ、焦げつきになれば、いずれはまた国民の税金で埋め合わせをしなければ、お借りしているものですから、大変なことになる。
 しかし、何を一般歳出でやり、何を財投でやるか、その仕分けさえももう大変な混同が今起きています。例えば、時間がありませんから具体的に言えませんが、必ずしも償還が確実でない、危ぶまれる分野にまで財投がどんどんいっておるわけです。そういう問題もある。
 そしてまた、さっき言ったツケ回しという、地方の補助金をけずって地方の財政を行き詰まらせたり、いろいろなことが複雑になっていて、我々も予算全体をチェックするのが、官僚たちのブラックボックスになって非常にわかりにくくなっておるのです。企業だったら連結財務諸表もあって、きちんとそういうものは明確にしていきますが、やはり我が国の財政だってそういうことも十分注意してやっていかなければいかぬし、それから常に、やはり財投というのは厳正な国会の議決を必要としない部分が半分あるんですよ。年度途中でも増額できるのです、財投というのは。そういう部分もあるものですから、余計慎重にやらにやいかぬ。
 そうすると、国会の審議の場でもやはりそういう地方財政、財投、一般会計、連結したものをわかりやすい表で示していただくようにだんだん御努力もいただかないと、これはなかなか審議もしにくくなってくるという感さえ受けております。そんな点も、ひとつ私はお願いを申し上げておきたいと思います。
 総理、昔松下さんが無税国家構想というのを言ったことがありまして、六十兆の予算があるなら六千億毎年積み立てていくと、八十年後に、六%で金利に回して一千百十一兆円ぐらいの基金ができる。その金利だけで六十七兆円あるというようなことを言われたことがあるのですが、そのいわばお弟子みたいなものですがPHP、立教大学の斎藤精一郎先生を中心にこういう本が出ました。
 実は、簡単に言うと、いわゆる増税なし、行政改革と財政改革が一体、それから数値目標を設定しよう、そういうことについて。それを大前提にして行財政改革の十カ年計画をやろう、こういうことですな。それで二十兆円ぐらい歳出削減をしよう、あるいは国家公務員は半減しよう、半分に減らそう、財投、特殊法人の原則廃止、こういうことをやって、ともかく二十一世紀へ準備をしなければならぬという大変傾聴に値する本ですよ。
 反響も随分ございまして、ともかく新聞、テレビ、ラジオでも大分取り上げられましたし、また大蔵省も問い合わせ先に書いてありましたが、いろいろ各方面から問い合わせが相次いだ、スクラップ記事もたくさんあります。
 総理にも、ちょっと私、恐縮ですが、秘書官を通じて、この本も読んでみたらいかがですかと差し上げたのですが、今概略だけ申し上げたのですが、どんな御感想をお持ちですか。
○村山内閣総理大臣 今お話がございましたこの斎藤精一郎さんの著書はいただきまして、全部詳しくは読んでおりませんけれども、あらあら目を通させていただきました。
 言われるように、行財政改革がこの内閣に与えられた大きな課題である、ぜひやらなきゃならぬ、こういう決意で取り組んでいることはもう申し上げるまでもないんですけれども、そういう視点から見ますと、大胆にやるべきだといったような視点からいろいろ提言もされていることについては、それなりに理解できる点もあると私は思います。
 しかし、これは例えば教育やその他の政府事業の民営化とか、国の果たさなきゃならぬ公共的な役割から見てそういうことが果たしていいんだろうかとか、あるいはまた農業や中小企業が大半を占めている産業振興策について、すべてもう国はやめた方がいいというようなことについては、本当にいいのかどうなのかといったような問題もございまして、中には、公務員は半減をしろ、こう言っておりますけれども、今の実態から考えてみて、公務員が半減された場合に行政というものは一体どうなっていくんだろうかというようなことを考えてまいりますと、にわかに賛成、同意できないような点も私は確かにあると思いますね。
 しかし、先ほど申し上げましたように、それくらいやはり大胆な発想で行政改革に取り組まなきゃならぬという気持ちは十分受けとめて、理解ができる点もあるというふうに私は思いました。
○中川(秀)委員 私もほぼ同感なんですが、半減というのは行き過ぎでありましょうけれども、しかし新しい仕事はどんどんふえるわけですよ、福祉とかいろいろですね。そうすると、さっき取捨選択ということを申しましたが、やはりそういうことをそのくらいの意気込みでやっていかないとそれに対応できないわけで、私は傾聴に値する、こう思っております。
 総理は、今度の所信表明でも、行政改革について最優先課題と言われたのですが、実はこの予算委員会でも野党側からもこれについて余り、御質問がほとんどなかった。所信表明、余り出席しないで聞いてないからいたし方ないのかもしれませんが。いずれにしても、しかし、これが一番の、総理のこれからの姿勢の中心課題と位置づけられておるわけで、私も同感でございますが、これについて、余り時間がありませんが、二、三お伺いしたいと思います。
 四日の日に、政府は閣僚懇談会をやって、特殊法人の整理合理化について積極的に推進していくことを申し合わせた。一週間をめどに総務庁と内閣内政審議室で特殊法人の整理の見直し基準、プログラムを取りまとめる、それから新たに公益法人も整理合理化の対象に加えるということを申し合わせた。閣僚間ではいろいろ、一律にやるべきだとか、一律どころじゃない、実行力が試されるからみずからの省内でまず徹底的に努力をしようとか、武村大臣のように数値目標を盛り込むべきだとか、いろいろな御議論もあったようですが、あればあるほど総理の指導力がまた大切なことになってくるわけでございます。
 ちょっと、やや事務的なことですが、もう一週間たっておるのですけれども、総務庁、もう基準はできたのですか。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 九月の二十二日、税制大綱を決定いたしましたときに、特に総理が発言を求めまして、行政改革に全力を挙げるべきだ、特に各閣僚に対して、それぞれの立場においてこの行政改革に努力することを強調された次第であります。それを受けまして、御指摘がありましたように、去る四日、閣議後の懇談で議論がございました。
 一度、官房長官と私との間でスケジュールについて若干の相談をいたしましたが、これは中川さんもよく御存じだと思うのですが、行政改革、さらに特殊法人の整理合理化、言うことは簡単でございますけれども、この実行がさまざまな形の中で非常に困難を伴うものであることは御存じいただけると思います。そしてまた、この問題は、政府だけでは進む問題ではございません。政府・与党一体となって進める必要がありますし、各党の皆さん方の御理解も得なければなりません。
 そういう点もございますので、一度だけの話し合いでは、なかなかこのスケジュールは難しいなということで、再度話し合いをすることにいたしておりますが、いずれにせよ、村山内閣としてはこの行政改革は最大の政治課題である、こう総理が強調しておられるわけでございますから、総理を支える立場の私といたしましては、これは全力を挙げて総理を補佐していかなきゃならぬ、そういう決意でありますことを申し上げておきます。
○中川(秀)委員 まさに御趣旨のとおりですから、新聞ではそういう一週間以内に基準をまとめるということですから、本年度中ということになったらすぐ時間がたっちゃいますからね。報道のとおり、一刻も早くまとめて作業を始めていただきたい、このように思います。
 総理にちょっとお伺いしたいが、参議院で今審議中ですが、行政改革委員会の法案が通った場合、この委員、役所のOBは入れられますか、入れられませんか。私は、入れるべきではない、このように申しておきます。
 そこの点を御答弁いただきたいのと、ついででございますが、まあポリティカルアポインティーという言葉を御存じでしょう。いわゆる、役人を民間からも指名するということですな、言ってみれば。私は、公務員も1種を総合職と専門職と分けて、総合職なんかはもう官庁間の異動も大いにやったらいいし、それから官僚の一定枠は民間から指名するということがあってもいい。まず隗より始めよで、総理は今官邸機能の強化も、強い官邸ということでお考えのようですが、私は、スタッフにシンクタンクや有識者も入れられたらいいと思うのですよ、民間人も。それについて、お考えどうですか。
    〔池端委員長代理退席、委員長着席〕
○村山内閣総理大臣 行政改革委員会の設置法は今、国会で御審議をいただいておるわけでありますけれども、この法案が成立をしますと行政改革委員会が設置をされて、具体的にこの行政改革の作業を進めていただくということになるわけでありますから、それにふさわしい人を選任するのは当然でございますし、できるだけ公正公平な委員の選任に当たっていきたいというふうに思っておりますが、今委員御指摘のように、これはその委員の言われたことも十分踏まえた上で、これは両院議員の意見もそれぞれおありになると思いますから、そうした国会の意見等々も徴しながら委員は選任をしていきたいというふうに思います。
 同時に、これからどんどん行政の中にも民間人を登用すべきだ、そして思い切った大胆な発想で体質を変えていくべきだ、こういうお気持ちは十分わかりますけれども、しかし、今のこの制度の中でそういうことが可能になり得るのかどうかというようなこともこれから十分検討させていただきたいというふうに思います。
○中川(秀)委員 真剣に考えてください。
 それから、行革の委員のことについては、私の印象では、質疑をいたしましたが、前内閣あるいは前々内閣は、ともかく官僚のOBは入れないというようなニュアンス、意向でございました。我々の内閣がそれとはまた違うということは、私は正直言って余り賛成はしかねます。その点を、あらかじめ申し上げておきます。
 もう時間がございません。一、二だけ特殊法人について申し上げ、最後の質問に移らせていただきますが、特殊法人、地方まで入れた公益法人、総務庁も完全につかんでない、正確にはとってない認可法人、いろいろあるのですけれども、ともかく関係の記事が物すごく出ておりますよ。ある一つの新聞だけでもこの三カ月間にこんなファイル、特殊法人に係るさまざまな問題。経団連が、もうそんな基金なんかに全部つき合えるかと。ともかく皆、官僚の皆さんが天下りをする再就職先としてどんどん設立していくわけですわ。三年間ぐらいで、三百億円も経団連に金を出せなんて言っておるわけです。もう断っておるのですよ、二百八十億円は、もう冗談じゃないと。民間がこれだけリストラに励んでいるときに、そういう事例がたくさんある。
 もう時間がないから、あえて言いませんが、総理府の官房管理室が定めたはずのこの公益法人の基本財産、これは一億円切るようなのを総務庁自身が認可している。青少年国際交流推進センター、基本財産わずか八千三百万円じゃないですか。五億円なければつくらないというはずだったのに、総務庁自身が、前の事務次官の山田さんが今理事長をやっておられるが、そういうのをつくっていらっしゃる。行革の一番先頭に立たなければならぬ役所がこんな財団を認めている。新聞にそれを書かれている。国民どう思いますか。信頼できますか。あえてそういうことを申し上げておきます。
 法務省もそうです。本来ただであるべき外国人の入国審査、外国芸能人の招聘業者、プロモーターらを集めて財団法人をつくって、審査代行で、何ですか事前点検三千円、申請取り次ぎが一人当たり七千円、そんなお金を取っている。しかも、このパンフレットを入管の入り口に置いておる。そして、その理事たちはみんな法務省の役人である。一体何ですか、これは。こんな記事がこんなに大きく出ている。そんなことをどんどんどんどんやっているようで特殊法人改革なんかできるんでしょうか。
 私は、一つ具体的な提案ですが、国家公務員法の一部を改正すべきだと思う。簡単に言えば、ともかくとりあえず国家公務員の離職後六年間、どういう法人に行ったか、特殊法人に行ったか認可法人に行ったか公益法人に行ったか人事院に届け出る、届け出なければいけない、そのくらいはやってくださいよ。でなければ、実態はノーチェックでどんどんふえていくんだ、こういうことが。幾ら一部改革したって雨後のタケノコのごとくそれ以上の数でふえていきますよ、こんなことやっていたら。
 だから私は、そういう法律も政府が賛成しなければ議員立法ででもやりたいと思いますが、一応の要綱はつくりましたけれども、そういうものをやっぱり閣法として、内閣として取り上げてくださいよ。でなければこの問題はいつまでたったって、国会で何回も議論されても、実態は改善されないんです。そこをしっかり御答弁いただきたいと思います。
○山口国務大臣 御指摘のございました青少年国際交流推進センター、実は本年四月総務庁の認可でございます。したがいまして、前内閣の時代の認可であるということでございます。今後とも私ども、この特殊法人及び認可法人につきましては、総務庁としては権限がございまして、この公益法人は各省庁がそれぞれ認可する問題でございますけれども、これは官房長官のもとで対策室もございまして、今後この問題に対しても内閣として十分な目配りをやっていくということについてはこの際申し上げておきたいと思います。
 そして、先ほどお話のありました天下りの問題につきましては、これは民間企業に対しましては現在国家公務員法百三条によりまして一応の制限がございますが、御指摘の点は今後の検討課題であると思っております。
○前田国務大臣 ただいま委員から御指摘がございました、入国管理局に関する公益法人云々の御質問がございましたが、この御指摘の団体は公益法人ではございませんで民間の任意団体の一つでございます。いずれにいたしましても、入管としては今後とも厳正な対応をしてまいりたいと思っております。
○五十嵐国務大臣 今中川委員御指摘のような問題点は、我々も十分に認識をいたしているところであります。規制の問題あるいは天下りの問題と深くかかわりながら、公益法人の新設等の問題が大変我々としても憂慮すべき点があるというふうにも思いますので、この点につきましては今の委員の御指摘もしっかり踏まえて対応してまいりたい、このように思う次第であります。
○中川(秀)委員 精力的にお願いを申し上げ、最後に外交と国際貢献のことについて伺いたかったんですが、時間を過ぎてしまいましたので次回に譲らせていただきます。
 同僚の保利委員から関連質問の方、お願いいたします。
○佐藤委員長 この際、保利耕輔君から関連質疑の申し出があります。中川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。保利耕輔君。
○保利委員 やがて審議日程に上がってまいりますWTOの問題について、大変短い時間でございますが、御質問をさせていただきます。質問の機会を与えていただいてありがとうございました。
 WTOの協定につきましては、私どもとしても、現在でも疑問をいろいろ持っております。例えば、輸出国には輸出の義務はないのに輸入国は輸入の義務を課せられる、一方的であるというようなこと、あるいは輸出補助金が三分の二以上も残っているのに例外なき関税化を求められるというようなアンバランスな点、あるいは細かく申し上げれば、ドゥニー調整案の中にあります「additional and acceptable concessions」、追加的な、受け入れ可能な譲許が次の七年目には必要だというような条項、こういった問題、いろいろ検討してみますとたくさん問題点をはらんでおりますので、私どもとしては、ああ、これは余りいい協定ではないなという感じがいたしておりますし、また同時に、WTO協定という名のもとに一括してすべての協定が含まれている、しかもそれは取捨選択ができない、これを全部一括して承認するかしないか、イエスかノーかを求められるという、そういうような形式というのも私どもとしては疑問だと思っておるわけであります。
 しかしながら、先ほどからいろいろ御答弁ありますとおり、外交の継続性とさらに国際信義ということを考えますと、この条約は羽田内閣においてきちんと確認をされておりますので、いえ、羽田内閣ではない、これは細川内閣のときの羽田外相によって確認をされておりますので、その国際信義をひっくり返すわけにはいかないという、まあいわば従来の経緯との板挟みになっているということは確かであります。非常に苦しい状態であるということはもちろんのことであります。
 そこで、私は、国会における承認と、それから政府によります受諾の手続あるいは締結の手続との間の関連性について、御質問をいたしたいと思います。
 憲法七十三条によりますと、「内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。」として、その第三項に「条約を締結すること。但し、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。」ということであります。ここの憲法の規定によりますと、国会の承認ということと条約の締結ということが別の考え方として記されております。つまり、国会における承認と政府あるいは内閣によります条約の締結というのは切り離して考えていいんじゃないか、このように推論されるわけであります。したがいまして、仮に国際信義を立てまして、国会においてこのWTO協定を承認いたしたといたしましても、政府の締結行為は、これは保留することができるのではないか。先ほど松本議員もこのような議論を展開しておられましたが、私もそのように思うわけであります。
 そこで、世界の情勢を見てみますというと、アメリカも、なかなかこの協定の締結については問題がある。十一月の下旬とか十二月の上旬とかにやると言っておりますが、しかし、それもわかりません、とにかく選挙を挟むのでありますから。ヨーロッパにおいても欧州裁判所の判決がまだ出ていないというような状態の中で、各国が、いわゆる批准がおくれていくんではないかという懸念があります。
 したがって、仮に国会承認を得ましても、政府においてこれを、締結手続を保留することができるかどうか。私どもとしては、保留をしていただきたい、そして世界の主要国が締結手続に入った、入るということが確実になった段階で政府の締結手続に入っていただきたいと思うのでありますが、このことは内閣を代表して村山総理大臣から御答弁をちょうだいをいたしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今委員御指摘のように、WTO協定については、米国や欧州連合等の主要国がその締結を完了していない段階で、我が国がいち早く締結手続を完了させた場合にどうなるのかと、こういった御懸念があると私も考えています。
 したがいまして、今御指摘のように、政府としては、WTOの発足に当たってこれら諸国の参加は極めて重要と考えておりますから、同協定の締結につきまして、仮に国会の御承認を得られた場合においても、これらの諸国の締結がどうなっておるのかということも十分見きわめた上で我が国として締結手続をとるようにしなきゃならぬというふうに考えておるところであります。
○保利委員 ただいまのはまことに重要な御答弁かと思います。つまり、国会の承認が得られた後でも、各国が、主要国が締結手続に入らない限りは我が国も締結手続には入らないと、こういう内閣総理大臣、内閣を代表しての御意思の表明と受けとめさせていただきます。
 そのとおりでよろしゅうございますか。もう一度御確認をお願いいたします。
○村山内閣総理大臣 答弁をしたとおりであります。
○保利委員 これは関係各大臣にいろいろ伺いたいところでありますが、時間の制約もございますので、もう一つの問題に入らせていただきます。
 それは対策の問題でありますが、御承知のように昨年の十二月十四日、細川内閣において農業交渉の調整案の受け入れを表明をされ、直ちに十二月十七日には「ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施に伴う農業施策に関する基本方針」というのをお立てになられた。それから、同時に、緊急農業農村対策本部というのを設置されたわけですね。これは現在の村山内閣においてもずうっと引き継がれていることだと私は理解をいたしております。
 その対策本部の中を見てみますというと、本部長は村山総理でいらっしゃる。副本部長は官房長官、農林水産大臣です。そしてほかに十七閣僚、ほとんどの閣僚がこれに入っておられるわけであります。したがって、緊急農業農村対策を講ずるのは、十七閣僚を含む、そして全部で二十閣僚の連帯責任においてこれはやっていただかなきゃならないわけであります。郵政大臣もこの範囲に入るわけでありまして、農業農村対策を郵政の面からどういうふうにやっていかれるのか。総務庁長官もそうなんであります。環境庁も入っているのです。皆さん入っているのです。科学技術庁も入っているのです。
 そういう中で、先日、国内対策の大綱骨子を発表されました。十月四日付の大綱骨子を発表されましたが、私はそれでちょっと農林水産大臣にお伺いしたいのですが、与党の調整会議の中では「農山漁村」と、こう入っているのですが、内閣がつくったのは「農山村」となっているのです。なぜ「漁」が抜けたのか。そこのところは漁民が大変心配しておりますので、全国の漁民の皆さん、これは心配要りませんということをこの場で述べていただきたいと思います。
○大河原国務大臣 当時の細川内閣におきまして、農業協定受け入れに伴う対策本部として農業に限定をして緊急農業農村対策本部ということにいたしておりまして、その経緯を引きずっておるということでございますけれども、水産の部門におきましても、御案内のとおりある程度の輸入割り当て制は堅持できましたけれども、三三%というような関税の引き下げが行われておる、影響は大きい。
 御案内のとおり、我が国漁業は国際規制が強化される、あるいは輸入農産物がふえる、担い手がなくなるというような非常に厳しい情勢にありますので、農林水産省としては、省として農林水産省ウルグアイ・ラウンド関連国内対策本部をつくりまして、農林漁業並びに農山漁村の総合的な対策を講じたい、さように思っておるところでございます。
○保利委員 御答弁では「漁」が入りましたので、全国の「漁」の皆様、特に村山総理、御関心あろうかと思いますが、御安心をいただかなければならないかと思います。
 そこで、その対策でありますが、十月四日付で対策大綱骨子を発表された。ここに日本農業新聞がありますが、「国内対策大綱骨子を決定」となっております。「「効率経営」前面に」、これは非常にいいことなんですが、その下に実は大変なことが書いてあるんですが、「予算示さず批准の恐れ」、そしてその下に官房長官談話、「金額は大綱に盛らない 五十嵐官房長官」、こう書いてあるんです。
 こんなことで対策本部がきちんと仕事をしたことになるんでしょうか。また、こういう対策を何にもしないでウルグアイ・ラウンドのそのWTO協定の批准をお願いする、そういうことができるんでしょうか。国会はなかなかそれは承知しないと思いますよ。その点についてはしっかり、これは官房長官にも御答弁いただきたいんですが、総理から、本部長として、ちゃんと金目を入れた対策をやるということの御表明をいただきたい。それがWTO協定の国会承認を促進する材料になるんだと。大事なことですから、ひとつ総理大臣から御答弁いただきます。
○村山内閣総理大臣 ウルグアイ・ラウンドの合意を受け入れる際に、これは細川内閣の当時でありますけれども、閣議で了解した事項もあります。その了解した事項を引き継いでおるわけでありますから、それは守っていかなきゃならぬというふうに思います。
 その後、日本の農業をどうするかということについて真剣な議論をされているわけでありますけれども、与党の三党の中でもプロジェクトチームをつくって具体的に議論をされていることも聞いております。これからは与野党一体となって農民に不安を与えないように、日本の農業をしっかり守るように推進していかなきゃならぬと思いまするけれども、政策を決めれば、その政策が実行できるような財政というものを真剣に検討させていただきたいというふうに考えています。
○保利委員 これは、もう時間が来てしまいましたので、私、大蔵大臣にはお伺いができないので残念ですが、大蔵大臣、決意のほどをひとつ述べてください。お願いします。
○武村国務大臣 昨日もお答えをしてまいりましたが、大綱骨子、立派なものをおつくりいただきまして、政府としても決定をしたわけでございますから、これにのっとって目下農林当局と真剣な話し合いを進めているさなかでございます。農林大臣のお言葉もきのうここでございました。政府として数多くの農民の皆さんの御心配に対して真剣にこたえられる努力をさせていただく方針でございます。
○保利委員 まあ抽象的な御返事で、まことに私としては不満でありますが、この点は参議院の方でまた我が党の同僚が控えておりますから、しっかり勉強していただいて、対策本部として十分な対策をとるんだという形を天下に示す中で、このWTO協定の国会承認に向けて我々も動いていきたいと思いますし、内閣もそのような気持ちでやっていただきたいことを要望いたしまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて中川君、保利君の質疑は終了いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十八分散会