第131回国会 税制改革に関する特別委員会 第7号
平成六年十一月七日(月曜日)
    午後三時四分開議
 出席委員
   委員長 高鳥  修君
   理事 石原 伸晃君 理事 江藤 隆美君
   理事 中馬 弘毅君 理事 町村 信孝君
   理事 加藤 六月君 理事 津島 雄二君
   理事 二見 伸明君 理事 早川  勝君
      安倍 晋三君    甘利  明君
      金子 一義君    岸田 文雄君
      栗原 裕康君    近藤 鉄雄君
      谷  洋一君    西田  司君
      野田  実君    藤井 孝男君
      穂積 良行君    堀之内久男君
      山中 貞則君    安倍 基雄君
      石田 勝之君    今井  宏君
      上田 清司君    北側 一雄君
      北橋 健治君    須藤  浩君
      竹内  譲君    谷口 隆義君
      村井  仁君    山本 幸三君
      山本 孝史君    山本  拓君
      吉田 公一君    伊東 秀子君
      池田 隆一君    北沢 清功君
      永井 哲男君    横光 克彦君
      渡辺 嘉藏君  五十嵐ふみひこ君
      田中  甲君    佐々木陸海君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  村山 富市君
        外 務 大 臣 河野 洋平君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        厚 生 大 臣 井出 正一君
        農林水産大臣 大河原太一郎君
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        郵 政 大 臣 大出  俊君
        労 働 大 臣 浜本 万三君
        建 設 大 臣 野坂 浩賢君
        自 治 大 臣 野中 広務君
        国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 五十嵐広三君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 山口 鶴男君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)      小里 貞利君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      高村 正彦君
 出席政府委員
        内閣官房内閣内
        政審議室長   藤井  威君
        内閣総理大臣官
        房審議官    平野 治生君
        内閣総理大臣官
        房管理室長   石和田 洋君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        総務庁恩給局長 石倉 寛治君
        経済企画庁調整
        局長      吉川  淳君
        経済企画庁物価
        局長      谷  弘一君
        経済企画庁総合
        計画局長    土志田征一君
        経済企画庁調査
        局長      大来 洋一君
        外務大臣官房長 池田  維君
        外務省アジア局
        長       川島  裕君
        外務省欧亜局長 野村 一成君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   須藤 隆也君
        外務省経済協力
        局長      平林  博君
        外務省条約局長 折田 正樹君
        大蔵省主計局次
        長       伏屋 和彦君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        厚生大臣官房総
        務審議官    太田 義武君
        厚生省保健医療
        局長      谷  修一君
        厚生省社会・援
        護局長     佐野 利昭君
        厚生省老人保健
        福祉局長    阿部 正俊君
        厚生省年金局長 近藤純五郎君
        社会保険庁運営
        部長      横田 吉男君
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        農林水産省経済
        局長      東  久雄君
        通商産業省通商
        政策局長    坂本 吉弘君
        通商産業省産業
        政策局長    堤  富男君
        通商産業省機械
        情報産業局長  渡辺  修君
        中小企業庁長官 中田 哲雄君
        郵政大臣官房審
        議官      品川 萬里君
        労働大臣官房長 伊藤 庄平君
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設大臣官房総
        務審議官    原  隆之君
        建設省住宅局長 梅野捷一郎君
        自治省行政局長 吉田 弘正君
        自治省財政局長 遠藤 安彦君
        自治省税務局長 滝   実君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    前川 尚美君
        大蔵委員会調査
        室長      中川 浩扶君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月七日
 辞任         補欠選任
  塩谷  立君     安倍 晋三君
  林  義郎君     岸田 文雄君
  村山 達雄君     栗原 裕康君
  太田 誠一君     佐藤 静雄君
  左藤  恵君     上田 清司君
  山名 靖英君     竹内  譲君
  遠藤  登君     横光 克彦君
  佐々木陸海君     穀田 恵二君
同日
 辞任         補欠選任
  安倍 晋三君     塩谷  立君
  岸田 文雄君     林  義郎君
  栗原 裕康君     村山 達雄君
  上田 清司君     左藤  恵君
  佐藤 静雄君     山本  拓君
  竹内  譲君     山名 靖英君
  横光 克彦君     遠藤  登君
  穀田 恵二君     佐々木陸海君
同日
 辞任         補欠選任
  山本  拓君     太田 誠一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出第二号)
 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)
 平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案(内閣提出第四号)
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案、平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、地方税法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、各案審査のため、去る四日、福島県及び福岡県に委員を派遣し会議を開きましたので、派遣委員からそれぞれ報告を求めます。第一班石原伸晃君。
○石原(伸)委員 第一班、福島班の派遣委員を代表いたしまして、団長にかわり私からその概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、高鳥修委員長を団長として、津島雄二君、村井仁君、北沢清功君、田中甲君、佐々木陸海君、それに私、石原伸晃の七名でございましたが、現地参加委員として穂積良行君が参加されました。
 会議は、ウェディングエルティにおいて開催し、現地各界の意見陳述者の方々から、現在本委員会で審査中の税制改革関連四法案について意見を聴取し、これに対して熱心な質疑が行われました。
 意見陳述者は、須賀川市長高木博君、協三工業株式会社代表取締役社長齋藤俊雄君、福島県商工会議所連合会会長坪井孚夫君、福島市議会議員小林義明君、株式会社丸共家具店代表取締役・福島民主商工会常任理事斉藤朝興君の五名でありました。
 その陳述内容につきましてごく簡単に申し上げますと、税制改革関連四法案に賛成の立場からの意見としては、高齢化社会に備え所得、消費、資産のバランスのとれた税体系を構築することとしており、税負担の公平の観点から所得課税の負担軽減、消費課税へのシフトの方向性は支持し得ること、中堅所得者層を中心とする勤労者の働く意欲を助長し、経済全体に新たな活力を生み出すことに結びつくこと、二階建て減税については見合いの消費税率のアップ幅を考えれば、かなり工夫された案として妥当なものであること、地方消費税の創設は地方分権の推進の観点から地方税源の充実に資するものであること等の意見が述べられました。
 なお、特別地方消費税のあり方については、地方消費税実施時までに幅広い観点から検討されたいとの意見がありました。
 また、反対の立場からの意見としては、国民に対する説明が明確になされていないこと、行政改革や福祉ビジョンが具体化されていないこと、所得税の二階建て減税は、二年後には消費税率の引き上げと特別減税の打ち切りにより二重の負担となること、恒久減税は高額所得者中心の減税であること、中堅所得者層の負担を軽減するため、より大幅な所得税減税が必要であること、消費税の中小事業者に対する特例措置等益税の問題が解決されていないこと、資産課税の適正化、不公平税制の是正が盛り込まれていないこと等の意見が述べられました。
 次いで、各委員から陳述者に対し、消費税の中小事業者に対する特例措置の是非、日本型インボイス方式に対する企業の対応、消費税見直し条項の是非、行政改革の断行及び福祉ビジョンの明確化の必要性、地方分権推進のための地方消費税のあるべき姿、地方消費税と特別地方消費税の関係、地方消費税における地域間格差と市町村への配分基準の考え方、新ゴールドプラン実施のための地方福祉財源確保の必要性等について質疑が行われ、滞りなく全部の議事を終了いたした次第でございます。
 以上が第一班の概要であります。会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じますが、速記録ができましたならば、本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願い申し上げます。
 なお、現地会議の開催につきましては、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表し、第一班の報告を終わらせていただきます。
○高鳥委員長 次に、第二班江藤隆美君。
○江藤委員 第二班、福岡班の派遣委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、町村信孝君、加藤六月君、二見伸明君、早川勝君、五十嵐ふみひこ君、それに私、江藤隆美の六人でありましたが、現地参加委員として、太田誠一君、北橋健治君、山本幸三君、また現地参加議員として、山崎拓君、古賀一成君、山崎広太郎君、中西績介君、松本龍君が参加されました。
 会議は、ハイアット・リージェンシー・福岡において開催し、現地各界の意見陳述者の方々から、現在本委員会で審議中の税制改革関連四法案について意見を聴取し、これに対して熱心な質疑が行われました。
 意見陳述者は、株式会社ミスターマックス代表取締役社長平野比左志君、公認会計士甲能市郎君、田川市長滝井義高君、九州電力労働組合福岡支部執行委員長・福岡県友愛会会長代行川波洋行君の四名でありました。
 その陳述内容につきましてごく簡単に申し上げますと、税制改革関連四法案に賛成の立場からの意見としては、高齢化社会の福祉を充実させ、地方の社会資本を整備していくために所得税から消費税へのシフトは必然的であること、日本経済の景気回復を確実なものにするため特別減税を平成七、八年度も継続することは評価できること、所得税の二階建て減税は、消費税率の上げ幅から見てかなりよく考えられたものであること、消費に応じて税収が各県に帰属する地方消費税の導入により、消費を盛んにする努力が行政と商工団体一体として行われることが期待できること、地方消費税の創設は地方の財源対策の歴史的一歩となるものと受けとめられることなどの意見が述べられました。
 また、反対の立場からの意見としては、中堅所得者層を中心とする税負担の累増感の緩和という目的を達成するためには、所得税減税額全体を所得税法の改正により実現することが必要であること、先行減税の財源としての公債の償還については、後世代に負担を残すことがないように財政収支のバランスを確保することが重要な条件であること、仕入れ税額控除に要する請求書等について保存を義務づけるだけでは不十分であること、行財政改革を断行し、そこから財源を生み出していくという政府の努力が国民には全く見えてこないこと、高齢化・少子化社会を展望した福祉財源をいかに確保していくかというプランが何も見えてこないことなどの意見が述べられました。
 次いで、各委員から陳述者に対し、消費税の定着状況、消費税率引き上げ幅の許容範囲、消費税の事業者免税点が適正水準にあるとする理由、インボイス方式導入の必要と実務上の問題点、消費税における税額表示方式のあり方、地方税における直間比率のあり方、地方消費税創設に伴う特別地方消費税のあり方、税制改革の前提としての行財政改革の具体的内容、公共工事における建設コスト削減の可能性及びその方策、税制改革における中長期的福祉プログラム決定の必要性等について質疑が行われ、滞りなく全部の議事を終了いたした次第であります。
 以上が第二班の概要であります。会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じますが、速記録ができましたならば、第一班と同様のお取り計らいをお願いをいたします。
 なお、現地会議の開催につきましては、地元の関係者を初め多数の方々の御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表し、第二班の報告を終わります。
○高鳥委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。
 お諮りいたします。
 ただいま報告のありました第一班及び第二班の現地における会議の記録が後ほどでき次第、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
    ―――――――――――――
    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕
    ―――――――――――――
○高鳥委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本孝史君。
○山本(孝)委員 改革の山本でございます。
 持ち時間が五十分でございますので、早速質問に入らせていただきます。
 最初の質問は、基礎年金の国庫負担二分の一問題でございます。
 せんだっての厚生委員会あるいは本会議で、国民年金等の改正法案が可決をされました。その中で、いわゆるこの国庫負担の二分の一問題については、附則に次のような文言が「(検討)」ということでついております。話題になったというか一番の問題になったので、もう皆さんの頭の中に入っておられるかと思いますが、改めて読まさせていただきますと、
 政府は、長期的に安定した年金制度を維持していくため、平成七年以降において初めて行われる財政再計算の時期を目途として、年金事業の財政の将来の見通し、国民負担の推移、基礎年金の給付水準、費用負担の在り方等を勘案し、財源を確保しつつ、基礎年金の国庫負担の割合を引き上げることについて総合的に検討を加え、その結果に基づいて、必要な措置を講ずるものとする。
こういう附則がついておることは御承知のとおりでございます。
 私、政治の世界に全く素人でございますので、こういう文章を読みますと一体これは何が書いてあるのかということが非常にわかりづろうございます。きょう、午前中こちらで公聴会がございました。連合の中川政策局長がこの附則の内容をとらえて、引き上げの時期あるいは幅が不明確である、明確にしたいということをおっしゃいましたけれども、私も全く同じ気持ちでございます。
 そこで、まず厚生大臣にお伺いをいたします。この附則は国庫負担の引き上げについてどう読めばよろしいのか、引き上げをすると言っているのか、しないと言っているのか、その辺、明確に御答弁をまずお願いします。
○井出国務大臣 お答えをいたします。
 基礎年金の国庫負担のあり方については、今山本委員御指摘のような、この間成立いたしました年金法の改正に第二条として掲げられておるわけでございますが、この国庫負担のあり方につきましては、受益と負担の関係が最も明確な社会保険料負担中心の枠組みを維持していく中で、税と保険料負担のあり方をどのように考えるか、さらにまた、巨額の財源を要する問題でございますから、それが年金財政や国家財政にどのような影響を及ぼしていくか、さらにまた、社会保障政策の中での位置づけをどのように考えるかなど、さまざまな要素を総合的に勘案しながら検討していく必要があろうかと考えるものであります。
 したがいまして、国会において付された検討規定も、まさにこうした諸問題を一つ一つ吟味しながら、国庫負担を引き上げることについて総合的に検討した上で結論を出すべきものであるとの趣旨であると受けとめております。
○山本(孝)委員 重ねての御質問で恐縮でございます。今のお言葉を要約すれば、検討をするということであって、引き上げは何らここには明記はされていない、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○井出国務大臣 まず検討から入っていかなくちゃならぬと思います。
○山本(孝)委員 厚生委員会に入っておられる委員の方の中で、特に社会党の皆さんは、これは引き上げが担保されたんだ、そう読めるんだというふうに御主張なさっておられましたし、連合の方にもそういうふうに御説明をされているようにお伺いをしております。
 きょうは村山総理おられませんので、官房長官、社会党の皆さんとして、この附則は引き上げを担保しているのか、あるいは今厚生大臣お答えのとおりに、ただ検討をしようということだけなのか、その点について御回答をお願いします。
○五十嵐国務大臣 大要は今厚生大臣のお答えのとおりだというふうに思いますが、基礎年金の国庫負担の問題につきましては、社会保険方式のもとで税と社会保険料のバランスをどうとっていくか、また、今後も年金給付費の急激な増大に伴って、現行制度のままでも急増していく国庫負担の財源をどう確保していくかなどの問題が御承知のとおりございまして、国会において付された検討規定の趣旨も、こうしたさまざまな問題を総合的に検討した上で国庫負担の引き上げについての結論を出すべきものというふうに理解をさせていただいている次第であります。
○山本(孝)委員 こう紙を透かして見ると違うように読めるとか、いろいろ玉虫色の決着だとかというふうに言われていましたけれども、今の厚生大臣あるいは官房長官の御答弁を聞きますと、まず引き上げという問題について検討するということであって、その検討の結果引き上げないことももちろんある、引き上げる方向で検討しようということでもない、全く今白紙の状態である、そういうふうにお受けとめをさせていただくわけですけれども、外務大臣、恐れ入ります、自民党の皆さんの中にも、この国庫負担については引き上げるべきだという御主張がございます。自民党としても、今の見解で了承ということでございましょうか。
○河野国務大臣 委員会においてさまざまな角度から検討をされ議論された結果でございますから、私は、その結果を尊重したいと思っております。
○山本(孝)委員 既に皆さん御案内のとおりに、今、年金制度そのものが空洞化というふうに言われております。
 未加入者が百九十万人おります。あるいは三百万人とも厚生省の方はおっしゃっておられます。免除の方が二百六十万人、そして滞納しておられる方たちが二百六十万人、同じぐらいの数おられる。年金に入るべき人、恐らく六千五百万人ぐらいかと思いますけれども、この三百万あるいは二百六十万、二百六十万というような数字を積算していきますと、随分滞納あるいは未納の方が多い。
 今、国民年金ができて、皆年金だというふうに言われていますけれども、この数字を見るだけでも、あるいは、在日外国人の年金問題あるいは障害者の無年金問題ということを考えると、皆年金というのには少し無理があるのではないかというぐらいに今この空洞化が進んでいるように思います。厚生大臣、この空洞化という問題について、どんなふうに御認識でおられるのか。
 私、あわせてお伺いしたいのは、今年金を受け取っておられる方は、自分たちの払い込んだ保険料以上に五倍、六倍と実は年金を受け取っておられる。私の年代より下の人たちは、納付をする保険料と受け取る年金がほとんど同じあるいは逆転するのではないかというぐらいに言われていますけれども、そういった問題も含めて、年金の空洞化あるいは年金の将来の姿というものについてどういうふうなお考えをお持ちでしょうか、もう一度お聞かせをいただきます。
○井出国務大臣 お答えいたします。
 今山本委員御指摘の、年金の未加入の方が大変な数いらっしゃることは事実でありまして、このままこの皆さんが未加入でいらっしゃると、いずれは無年金者にもなってしまわれるわけでございますから、これは年金制度にとりまして大変重大な問題だと認識しております。したがいまして、何とかしてその未加入の皆さんにいろいろな手段方法を通じて御理解をいただいて、その解消に努力していかなくちゃならぬと考えておるところであります。
 具体的には、国民健康保険との連携を強化し、届け出書などの一体化等による届け出漏れの防止とか、あるいは住民基本台帳等の活用による届け出漏れ者の把握とか、さらには戸別訪問等による積極的な届け出奨励の実施とか、従来からその努力もしておるところでございますが、さらに一層していかなくちゃならぬと思いますし、特に都市部の若年齢層に対して、かなり未加入の人が多いわけでございますから、学校教育との連携による年金教育の推進とか、昨日から始まっております、年金週間が実施されておるわけでございますが、この間におけるいろいろなPRとか、あるいは大学祭とか成人式等の行事に際しての広報、イベント等の実施等、多彩な広報活動を通じて年金制度の周知徹底を図っていこうとしておるところでございます。さらに今後は、届け出漏れを防止し、根本的に未加入者の解消を図るべく、公的年金各制度に共通の基礎年金番号の設定にも努めてまいりたいと思います。
 それから、さらにお尋ねのございました、今の若い皆さんがこれから将来年金を受給するころになると、掛けた額よりは少ない額しかもらえないんじゃないか、こういうことで入らない人も出ているんじゃないのかな、こういう御指摘もお聞きしますが、私どもの計算では、確かにだんだん負担がふえていくことは事実でありますから今受給されている方ほどいい率では受給はされないことは確かでありますが、決して負担をした額を下回るようなことにはならないことははっきり申し上げられると思います。
 これは世代と世代のまさに助け合いでありますし、それからその人本人にとりましても、今負担している、それからやがては負担されるということから考えますと、やはりこの年金制度を理解していただいて、まさに国民皆年金にふさわしいと言えるような加入率に持っていく努力を何としてもしなくちゃならぬ、こう考えておるところであります。
○山本(孝)委員 厚生大臣、揚げ足をとるわけではないのですが、皆年金と言われるような状態に持っていきたいというお言葉で、そうしますと、今の状態は皆年金の状態ではないという御認識でいらっしゃいますか。
○井出国務大臣 制度としては皆年金であります。したがいまして、入ってない人がいることも事実でございますから、その皆さんにできるだけ入っていただくということで、より皆年金制度を充実していく必要がある、こう考えております。
○山本(孝)委員 制度はつくったけれどもなかなか魂が入らないという状況である、制度としては皆年金であるけれどもというお答えであろうと思います。
 要は、議員の間で個人的に話をしていると、国庫負担を上げた方がいいんじゃないの、実際に払込料を確かに下回ることはないとしてもほとんどニアイコールになってくる、そういう意味でも、国庫負担の引き上げ、この空洞化を避けるという意味からも上げた方がいいのではないかというような議論が実はあったこともありました。しかし、大蔵大臣もおっしゃっているように、財源問題がやっぱり頑として壁としてある、それを乗り越えていくにはどうも無理なんだという話。財源問題があるから年金の国庫負担率の引き上げが無理なのか、やっぱり国庫負担は引き上げるべきなので、そのための財源の手当てを考えるというのか、どうも議論の立て方が逆になっているような感じもするわけです。
 そういう点からも、今おっしゃったように、制度としては皆年金だけれども、実情は違う。そして、これからの負担の状況を考えていくならば、余り大蔵の論理に引っ張られるのじゃなくて、本来のあるべき年金の姿ということを考えていく方がいいんじゃないか、そんなふうに思うわけです。
 そこで官房長官、恐れ入りますが、政府として今後この国庫負担の引き上げという問題について、本当にこの引き上げは必要であるのではないかという議論に対して、やはり検討ということになるんでしょうか、お考えをお願いします。
○五十嵐国務大臣 これは先ほどもお答え申し上げたとおりなんでございますが、社会保険方式のもとで税と社会保険料のバランスを一体どうとっていくか、あるいは、今後も年金給付金の急激な増大に伴って現行制度のままでも急増していく国庫負担の財源をどう確保していくか、こういうような問題があるわけでありますので、国会で付せられた検討規定の趣旨に沿って、幅広い観点から国民的な議論をしっかりしていく必要がある、こういうぐあいに考えておる次第であります。
○山本(孝)委員 質問の趣旨は、端的に申し上げて、財源問題を抜きにして、国庫負担の引き上げをする方がいいのかする必要がないのか、大蔵大臣はどんなふうにお考えですか。
○武村国務大臣 およそこれだけの大きな財源を要する政策の選択を、財源論議抜きにしてどうですかと言われても、これは答えようがありません。
 山本さんも所属しておられた日本新党も参加して、細川政権のときにこの法案が提案をされたわけであります。そこにはそういう方針はうたわれておりません。当時、当然議論はされたと思うんですね。しかし、総合的な判断でそこまでは無理だと、当時社会党も入っておられましたが、という判断で提案をされて、今成立の段階でそうおっしゃられても、それはまさに附則がうたっておりますように、総合的に真剣に検討をして、その結果を踏まえて必要な措置を講ずる、これが精いっぱいではなかったか。
 基本的には、財源だけで消極的なわけではないと思うんですよ、議論は。やはり負担とサービスの論議がありますよね。年金というサービスをどう負担するのか。それは税金で負担するのか社会保険料で負担するのか、単純に言えばそういうことですが、社会保険料の方がわかりやすい、あるいは受益との関係がより鮮明であるという認識もあるわけでございます、税になると一般化しますから。大変これは年金ですから幅広いサービスの問題ではありますけれども、それでもやはり受益と負担の議論は根本にある。そういう意味で三分の一というルールが日本ではつくられて今日に至っているわけです。
 もちろん、年金財政全体が厳しくなってきておりますから、何とか改革していこうという中で二分の一という主張が出てきていることは、私どももその背景は十分認識をするわけであります。しかし、それならばやはり財源をどうするか。御承知のように、私どもの大ざっぱな計算で見ましても、二〇〇〇年では、というと六年後ですが、やはりもう四兆円ぐらいふえる、二〇二五年のピーク時には八兆円ふえるということですから、これを消費税率に当てはめても相当な問題ですよね。この議論を真剣にして、結局は、最終はやはり国民の皆さんがそこまで税を負担してでも基礎年金の国庫補助をふやしてほしいという大きな世論が盛り上がってくるなら、そういう論議はかなり具体化してくるだろう、私はそう思っております。
    〔委員長退席、石原(伸)委員長代理着席〕
○山本(孝)委員 ありがとうございます。
 一応この附則の中では「総合的に検討を加え、」ということで、検討するということになっております。この業界では、検討というと何もしないということだそうですけれども、ぜひこれは与野党を問わずに真剣に検討を進めて、これから先の安定した年金財政というものをつくっていきたいというふうに思います。
 次の質問に移らしていただきます。
 今回の増税をお願いするというような形になってきますと、もう皆さん御指摘のとおりに行政改革が不可欠であり、その一つの方法が公務員の削減、まあ有権者からいくと、公務員の数が多いやないか、もっと減らせというふうに常に言われるわけですが、この公務員の削減あるいは特殊法人の整理統合の問題であろうというふうに思います。
 そこでお尋ねをいたしますが、先般、二十四日の同僚の今井議員の、特殊法人の見直しは具体的な名前まで絞り込んで効果を金額で明示するのかという質問に対して、山口総務庁長官は、年度内に特殊法人については必ず固有名詞を出していきたいというふうにおっしゃいました。具体的な法人名を挙げてとおっしゃっているこの作業、どの程度まで今進んでおりますのでしょうか、まず、その状況をお伺いをいたします。
○山口国務大臣 もう何回もお答えいたしましたが、十一月の二十五日までに、各省庁におきまして特殊法人に対して見直しの作業をやっていただきまして、その状況について総務庁に報告をいただく。そして二月の十日に、この各省庁において見直しの結果について報告をいただく。さらに、本日も五十嵐官房長官と私とで京セラの稲盛会長においでをいただきまして、特殊法人に対して今日まで御努力をされてまいりました経過あるいはお考え方をお聞きをいたしました。また、これらを参考にいたしまして、今後とも有識者の方からお話をお伺いをするつもりでございますけれども、そういう中で私どもとしても考え方を固めていきたい。そうして年度末までに具体的な固有名詞を挙げて特殊法人に対する整理合理化の結論を出してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○山本(孝)委員 そうしますと、その年度末のときに御報告をいただける内容でございますけれども、整理統合する特殊法人の名前はお出しいただけるわけでしょうが、その整理統合の方法あるいは時期といったものも今のその見直しの検討の中に含まれているのでしょうか、あるいはそういったことも含めて御報告をいただけるのでしょうか、お願いします。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 整理合理化の中には、これはまだ具体名を挙げて確定しているわけじゃありませんが、抽象的にお答えいたしまするならば、廃止をするケースもありましょうし、また統合するケースもありましょうし、あるいは民営化するというケースもありましょうし、あるいは経理に対してもっと合理化をするというケースもありましょうし、あるいは役員の数を縮小するというケースもありましょうし、さまざまなケースがあろうかと思います。
 そういった今申し上げたようなケースを念頭に置きながら年度末に結論を出しますが、問題は、法律でできているものでございますので、法律改正をどうするかということは、これは結論を出しましたときに、どの法律をどのような時期に改正を国会の方にお願いを申し上げるかということについては当然考えを固めなきゃならぬというふうに思っております。
○山本(孝)委員 それに関連してのお伺いでございますが、十一月五日、先週土曜日の毎日新聞の一面に、特殊法人への天下りについて毎日新聞が調査をしたというその結果が載っております。
 特殊法人の役員のうちですべての役員が官僚OBで占められていた特殊法人が十四法人あった。国の財政が悪化し、行財政の肥大化が問題となっている中で、政府は七七年に特殊法人の役員の人選について民間からの登用を積極的に推進すると閣議決定をした。さらに、七九年には閣議了解で、特殊法人の常勤役員は国家公務員からの直接の就任者及びこれに準ずる者をその半数以内にとどめることを目標とするという閣議了解事項があるんだ。現状はこの閣議了解事項と一致していないということで、毎日新聞が調査をしてその結果を報じておるわけであります。
 この十四法人というような数字は正しいのでしょうか、あるいは総理府としてこの新聞記事を見られて、裏取りといいましょうか独自の調査をなさっておられるのでしょうか、その辺の事情をお伺いをします。
○五十嵐国務大臣 従前も、今お話のございましたようなそれぞれの取り決めによりまして、鋭意その実現を期すように努力をしてきているところでありまして、かなりの部分でそれが実現している点もございますけれども、しかし、全体としてまだ御指摘のような問題点もあろうというふうに思いますので、私どもとしては今後も最善の努力をしてまいりたい、このように思う次第であります。
 また同時に、特殊法人そのものを一体どのようにこの際見直すかという問題もございまして、実はけさもいろいろ稲盛京セラ会長の意見等もお伺いしていたところでありますが、会長もおっしゃっておりましたが、やはりこれら特殊法人の誕生そのものの原点を考えてみると、当時まだ日本経済は極めて貧弱な状況の中で、予算や法律に縛られないで効率的な活動というものを進めていく上で、特殊法人をもってそういう仕事に当たらしめたということがあったわけであります。しかし、あれから半世紀たって今日、非常に我が国の経済が巨大化し、活性化しているという状況の中では、そういう原点と見合わせて特殊法人のあり方についてこの際概括的にきちっと見直していくということも必要でないかという御指摘等もございまして、大変学ぶところが多かったわけでありますが、まさにそういう方向ででもしっかり我々としてはこの機会に見直させていただきたい、こういうぐあいに思っておる次第であります。
○山本(孝)委員 済みません、具体的なこの書いてある記事の内容で申しわけないのですが、そこのところの事実の確認だけお願いいたします。
 「特殊法人の役員人事は就任時に官房長官の決裁を仰ぐだけで、政府によるチェックはない。」こう書いてありますが、これはこのとおりなのかどうか。「総理府も過去の違反事例について調査したことはなく、「(閣議了解は)努力目標」」、これは人事課ですけれども、というふうに話している。このとおりなのか。この二点、この新聞記事の確認だけお願いします。
○陶山政府委員 ただいま先生の御指摘の特殊法人の役員の選考あるいは役員選考基準の運用方針についての閣議決定及び閣議了解等については私ども承知はいたしておりますが、実務的な政府全体の所管の窓口は総理府の人事課ということになっておりまして、御指摘のような内容について直接お答えできる材料はただいま私どもとしてはお持ちしておりません。
○山本(孝)委員 十四法人あるのかないのかというところは急に聞かれてもわからないことだろうとは思いますけれども、その前段階にある「特殊法人の役員人事は就任時に官房長官の決裁を仰ぐだけで、政府によるチェックはない。」これはこのとおりなんでしょうか。
○五十嵐国務大臣 まことに恐縮でございますが、通告を受けておらなかったというふうに思っておりますので、それらにつきましては、後刻調べてまた御返事申し上げたいと思います。
○山本(孝)委員 通告をしておらないといっても、五日の新聞の一面にでかでかと載っていてこういうふうに書いてあるという問題は、今行政改革、特殊法人の整理統合が一番問題になっている中の一つなんですから、担当大臣としてはやる気がないんだというふうに言われても仕方がない、私、申しわけないけれども、そんなふうに思うわけなんですね。今おっしゃったように、各特殊法人の役員にどのくらい官僚OBが入っているのか、至急これは政府としても責任を持って調査をしていただいて、確かにこのとおりなのかどうか御報告をいただきたいというふうに思います。
 それで、特殊法人の人員については、この十年間において約三十万人減という形になっております。これは三公社が廃止されたことによるもので、その他の法人は余り減っていないのじゃないかというふうに実は思います。
 きょうも連合の中川局長は、首切りを伴う問題だからなかなか簡単に労働組合としてもうんとは言えないんだけれどもというふうにおっしゃっておいででございましたけれども、国家公務員については総定員法ですとかあるいは定員削減計画というようなものがありまして徐々に減ってきているというふうに思います。しかし、特殊法人の定員については、公務員に準じて定員削減を行うときは、所管の官庁がそれを監督して、大蔵省が予算に応じてその内容をチェックするというような形になっておりまして、いわば特殊法人の整理統合というのは各省庁任せというような形に今のシステムはなっている。したがって、全体的な特殊法人の状況がどうなっているかということについて総理府としても調査をするような立場じゃないというような、システムそのものが問題があるのではないかというふうに思います。
 むしろそういう意味で、特殊法人の整理統合を今一生懸命やっていただいているわけですけれども、国家公務員と同じように総務庁の方がリードをして、全体の削減について今やっていただいているわけですけれども、同じような方式でやっていただくのがいいのではないかというふうに思いますけれども、山口長官の御意見をお伺いします。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 御指摘のように、総務庁設置法に基づきますと、制度上、特殊法人の職員の定員管理を行う立場には総務庁はございません。特殊法人について総務庁は、その新設及び法律の定める制度の改正等に関する審査を行う、こうなっているわけでございまして、国家公務員のように総務庁がその定員の管理をするということにはなっていない、御指摘のとおりであります。
 ただ、それはそれといたしまして、先ほど御質問にお答えいたしましたように、年度内に特殊法人の整理合理化について鋭意作業を進めているということで御理解を賜りたいと存じます。
○山本(孝)委員 大変なお仕事でしょうけれども、ひとつ、この行政改革の大切な一つの柱でございますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。納税者番号制度の問題でございます。
 納税者番号制度については、この委員会でも総理が、これは必要なんだ、総合課税のためには客体の把握のために納税者番号制が必要になってくる、積極的に検討していきたいという御答弁をいただいているところでございますけれども、いろいろ大蔵省の方からいただいた資料を見ますと、納税者番号制度というのは実はそんなに新しいことじゃなくて、ずっと前から同じような問題が指摘されて、検討が繰り返されてきているというふうに思いました。
 いただいた資料のところでも、六十三年の十二月に税調の検討小委員会の報告として、納税者番号の機能とその目的というものが論じられておりまして、これは入れるべきだというような形で評価がされている、そういうふうに受け取っております。その後も、導入を検討すべきだという答申が税調の方からも何回も出ている、こんなふうに思うわけですけれども、今回もまた検討ということで、二十一世紀の初頭をめどにということで、またここから五年、六年かかって検討していこうという形になってきております。
 みんなの納得するものだったらすっと入っていくのでしょうけれども、これぐらいに検討が重ねられているというのはそれなりに難しい問題もあるのだと思いますが、さっきの年金の国庫負担の問題じゃありませんけれども、検討、検討でどうも先へ進んでいかない。そうすると、これはやはり我々政治の怠慢というふうに思う部分もあるわけです。
 今回も二十一世紀の初頭ということで、ここからまた数年先までの検討期間を置いておられるわけですけれども、これはやる気がないのではないかというふうに言われかねないわけですが、大蔵大臣、その辺はいかがでございましょうか。
    〔石原(伸)委員長代理退席、委員長着席〕
○武村国務大臣 激励をいただきましてありがとうございます。
 御指摘のように、この問題については長い懸案とも言えますし、長年検討、議論がなされていることも事実でございますが、ことしの六月の政府税制調査会も、適正、公平な課税の実現のための手段として有力な選択肢であるということを触れておりますし、単に利子・株式等譲渡益課税との関係だけでなく、税務行政の効率化、機械化等も含めた幅広い観点から積極的に検討を進めていく必要があると、この必要性をかなり明確に指摘をいただいたところであります。村山政権になりまして、三党の税制の論議の中でも、大綱としては、おっしゃるように二十一世紀初頭という一応検討の目安を示しながら、「その導入に向けた積極的な取組みを行う。」というふうに宣言をいたしているところであります。
 徐々にこの目標、意欲を表現においても明らかにしつつあるところでございますが、おっしゃるとおり、もう少し早く、もっと明確に目標を定めてなぜできないのかという御趣旨がお言葉の背後にあるように伺います。難しいからずるずる延ばしているということでなしに、税制だけの番号として出発するのはかなり難しい、なぜなら納税者というのは全国民でないから、単純に言えばそういうことであります。
 そうしますと、先ほど井出大臣も少しおっしゃっておりましたように、年金になりますと、まさに皆保険が制度の目標でございますから、ほぼ全国民、成人については番号制度ができてくる。一元化が実現いたしますと、来年を目標に一元化の努力が行われていきますが、そういうことからいきますと、年金の番号制というのはかなり具体的に浮上してくるわけであります。住民基本台帳の側からもその真剣な検討が行われてもおりまして、これはもちろん住民基本台帳ですから、子供さんも入れた全国民の番号制度の問題です。そういう悉皆的なシステムができ上がってくると、税当局としては、それに対応してこの番号制をさらに具体的に取り進めさせていただこう、こういう判断をしておるわけであります。
 ちょっと他人任せのような感じを与えるかもしれませんが、決してそうではなしに、そういう全国民的な番号制度の実現が近づいてきておりますので、そのことを踏まえてより一層真剣にこの制度の導入に取り組んでいこう。もちろん目的は、先ほど申し上げたような課税の適正化ということもありますし、不公平をなくするということもありますし、そういう目的を貫くためであります。
○山本(孝)委員 今、大蔵大臣もお触れになりましたように、確かに今、厚生省の方の年金制度の皆番号制といいましょうか年金番号制度が一番、どうも住民基本台帳も大分時間がかかりそうな感じで、年金が先に動いているように思います。たしか平成八年から稼働目標ということで今動いているようでありますけれども。何となしに大蔵大臣の言葉の裏に、年金制度が使えるといいなというような雰囲気もあるようにも感じるのですけれども、納税者番号、それから年金番号、そして住民番号と三本柱で、国民側からすれば三つ番号を持つというようなややこしさもありますし、行政の効率化ということからいけば、確かに使っている使い道は違うのですけれども、この番号体系が一緒にならないものかなというふうに素朴に思うところもあります。
 そんな意味で、年金の番号制、使う目的が違いますけれども、大蔵省の方からそういうふうなお話があったとすれば、年金番号を使うということについて何か厚生省の方でも検討をされておられるだろうか、あるいは言ってくるかなと身構えておられるのだろうか、その辺はいかがでございますか。
○井出国務大臣 年金番号は、平成八年度中の運用開始をめどに準備作業に今取りかかっておるところでございます。この年金番号を納税者番号に使ったらどうだという御意見かと思いますが、基礎年金番号の導入は、あくまで国民年金の届け出漏れの防止とかサービスの向上等、年金制度の適正な事業運営の観点から取り組んでいるところでございまして、御指摘の納税者番号の問題については、別途税制の立場において国民的コンセンサスが得られるような検討がなされるべき問題だと考えております。
○山本(孝)委員 行政の効率化あるいはむだなお金を使わないという意味では、難しいと思いますけれどもぜひ住民基本台帳も含めて御検討していただきたいというふうに思います。
 時間が少なくなってきましたので先を急がせていただきますが、納税者番号制度、私は必要だと思うのですけれども、この話を地元でしますと、中小企業の経営者の方を中心に極めて強い抵抗があります。所得が全部オープンになってしまうのは嫌だという話で反対をされるわけですけれども、そういうことを考えますと、いつもグリーンカードの問題にやはり行き当たってくる。あの二の舞になってしまうのではないかというふうに思うわけですね。五十五年にグリーンカード導入のための所得税法改正案が成立をしましたけれども、五十七年に入って見直し論が高まって、結局八月に、議員立法で国会に五年間の延長を求める法案が提出をされました。そのときの議案をいただきましたら、提出者、賛成者の中に、この席におられる方のかなりの方のお名前が実はここに出ております。このときの提案趣旨は、最近における社会経済の状況等にかんがみ導入を延期するのだという形になっておりますが、最近における社会経済の状況というのは、当時のこの反対理由としては何だったんでしょうか。大蔵大臣、教えていただきたい。
○小川(是)政府委員 ただいま御指摘の昭和五十八年のグリーンカード制度を三年延期する法律案につきまして、当時の大蔵大臣は本会議においてこういうふうに説明をしております。
 本制度は、五十五年に法律改正で成立いたしましたが、その後、
 本制度をめぐってさまざまな議論が行われました。郵貯あるいは金、ゼロクーポン、あるいはそうしたものへのシフト問題等、グリーンカード制度の責めに帰することが必ずしも適切でないと認められるものではありましても、制度と関連づけて議論された事象が見受けられたことは事実であります。したがいまして、この関係者による理解と協力や制度への信頼があってこそ初めて円滑に運営されるものでありますだけに、現状においては、法的安定性等の観点から、この制度を一定期間凍結せざるを得ない、こういう考え方に立ったわけでございます。
 このように、経済社会に対する取引に対して十分な理解、信頼が得られなかった、そのためにいろいろなシフトが生じたというところでございまして、御案内のとおり、その後、昭和六十年の法律改正によりまして、これが最終的に廃止されたという経緯でございます。
○山本(孝)委員 金融資産のシフトが、実はグリーンカードとは関係なかったのだけれども起きたということで、導入の延期、結局廃案ということになって、建物は建てたけれどもということになったのだろうと思います。
 ということでいくと、確かに、二十一世紀初頭をめどにこれから検討する話ですから、なかなか今結論が出るような話ではないとは思いますけれども、同じことがまた起きるのではないだろうかということで、大蔵大臣として、これは検討するということですから、まだ導入も決めたわけではないという今の段階でどうこう言うことはないのかもしれませんが、導入をするということであれば、やっていく自信がおありなのか。国民の、あるいはむしろ足元の今の与党の皆さんの中でも反対をする人がいて、説得し切れないのではないだろうか、そんなような心配もするのですけれども、いかがでしょうか。
○武村国務大臣 確かに、経済の実態を十分見詰めながら最終的な決断はしなければならないと思います。しかし、世界の税制の流れもこういう方向に進んでいると思いますし、またこのことが、先ほど来申し上げておりますような課税の適正化、公正化という一番大事な税の目的を貫いていくためにも大変大事な課題であるという認識を変える必要はないと思っております。くれぐれもグリーンカードの経験を他山の石にして、慎重に、しかし真剣にこの問題に今後取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○山本(孝)委員 どうぞよろしくお願いをいたします。
 最後に、もう一つだけ。
 先ほど、特殊法人の整理統合の話に絡めて、公務員の定員削減が常に有権者の側から求められているというようなお話をさせていただきましたけれども、減らせ減らせと言うだけでは、どうも行政がかえっておかしくなるのではないだろうか。もっと必要なところには増員をする。予算にしても、あるいは公共事業の予算の配分にしても、本当に要るべきところにつけて、そして不要なところは削っていくということが必要なのだろうというふうに思います。
 その点からいきますと、私は、外務省の職員というのは極めて少ないのじゃないか、あるいは少な過ぎるのではないかというふうに思います。いただきました資料で、日本の在外公館にいる在外職員の皆さん二千八百人ほど、二千七百九十五人という数字をいただいておりますが、人口が日本の半分以下のフランス、このフランスで在外職員が五千百二十四人と日本のほぼ倍近くの方がおられる。こういうふうに見ますと、イタリアが同じく在外職員三千九十三人、本省職員を入れて五千人ほど。日本が四千七百人ですから、日本の外交というのはほぼイタリア並み。といっても、イタリアの人口は日本の半分ですから、その意味でいけば、日本の外交はやっぱり余りにも貧しいのではないかなというふうに思うのですが、外務大臣、その辺はいかがでございましょう。
○河野国務大臣 外務省に対します御理解をいただきましたことをお礼を申し上げたいと思います。
 人間、欲を言えば切りがないので、多ければ多いほどいいということもあると思いますが、そこはそれ、全体のバランスを考えながら適正な定員というものを考えていかなければならないと思います。
 しかし、これは平成三年に第三次行革審の第一次答申がございました。さらに、同じく平成三年の十二月に外交強化懇談会というものが報告書を出されましたが、そのいずれもが、速やかに千人程度を目標に増員すべきだ、こういうことを提言をしていただいているわけでございます。
 私どもといたしましては、その後、大変厳しい財政状況下、各省が厳しい定員削減をなさる中で、御理解をいただいて、その後着実に増加をしつつございまして、現在、今御指摘がありましたように、平成六年度末外務省定員が四千七百人を少し上回るところでございます。平成六年度予算でも百五十名の新規増員を認めていただいておりまして、我々といたしましては、さらに、外交政策をきちんとするためにも、人員の増加をお願いしたいと思っておるところでございます。
 御案内のとおり、外務省の在外公館はフランス語圏もあれば英語圏もある、あるいはロシア語圏とかさまざまに語学が違うわけでございまして、人数が英語圏に偏るとか、あるいはフランス語圏に偏るというようなことがあってはなかなかうまくいかないところがございます。現に英語の専門家がフランスにいるとか、あるいはロシア語の専門家がアメリカにいるとかいう状況を時たま見受けるわけで、そうしたことは実にむだであり、残念なような思いがいたします。
 もちろん世界全体を見なければならない、そういうこともございますけれども、できるだけその人の能力に合った任地で十分その能力を発揮してほしいというふうに思うわけですが、そのためにも全体の定員がふえているということが必要でございまして、ぜひ皆様の御理解をいただいて外務省も適正な定員を得たいと思っているところでございます。
○山本(孝)委員 これまでの外務委員会の議事録を探させていただいても、余り人員のことについて議論になったことがないように思いました。
 申し上げたような数字でございますし、今ユーゴスラビアで明石さんが一生懸命頑張っておられますけれども、あそこにも実は在外公館がございません。特に今回、自衛隊がルワンダからの難民救援のために今ザイールで頑張っておられますけれども、ルワンダ、ザイールともに在外公館がございません。サハラから南のいわゆるブラックアフリカの四十五カ国中で日本の在外公館があるのは半分、二十カ国しかありません。
 確かに人員がいればいいというわけではないでしょう。質の問題もあると思いますが、やはり数がないと情報収集能力も難しいのではないかというふうに思います。ほかの省庁の皆さん、どこも欲しいということになるんでしょう、お金も人もだと思いますけれども、日本のこの今、国連の安全保障理事会常任理事国問題も含めても、情報収集能力を高めていただくためにぜひ外国で頑張っていただきたいというふうに思います。
 質問時間が終わりましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○高鳥委員長 これにて山本君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉田公一君の質疑に入ります。吉田君。
○吉田(公)委員 三十一日に引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、今税制改正で論議の一つになっております、通称二階建て減税ということでございますけれども、例えばある人が家を買いに行った、立派な二階屋の家があって、これは二階建てにしては安いな、それじゃいよいよ契約をしようということになって、いよいよ入ろうと思ったら二階屋がなくなっていた、あげくの果てに所要の処置を講ずるというのでまたわきの方を削られちゃった、こういうことではないか、こう思うのですが、大蔵大臣、いかがでございますか。
○武村国務大臣 それは吉田委員、逆じゃないですかね。五・五兆円の制度改革減税をやる、これは大変シンプルです。それが即景気対策にもなるという考え方が国民福祉税でした。平屋でございました。今回は二階建てと言われているわけでありますが、それは三・五兆円の制度減税、それにプラス二兆円の特別減税ということになったから、二階建て。ちょっと前にも申し上げましたが、やはり二階になると眺めがいいとか庭が広くとれるとか、二階建ては必ずしもややこしいとかまずいということではないというふうに私は思っております。
○吉田(公)委員 そこで、今年度中に総理は行財政改革をやるというお考え方を申しておられましたが、行財政改革を減税と同じように取り扱うとすれば再来年ということでございますから、つまり一般財源で約二%ぐらい歳出削減をすれば二兆円ぐらいは出てくるわけでありますから、当然行財政改革というのは時間的にも間に合うわけであります。そういう意味で、歳出削減をしながら変えていくという決意がおありなのかどうか、ぜひひとつ山口長官にお尋ねをしたい、こう思うのですが、いかがでございましょうか。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 行政改革は村山内閣の最大の政治課題というふうに位置づけまして、これは継続的に続けていかなきゃならない課題であると思っております。
 したがって、今お話しのような、減税との兼ね合いでもって行政改革をどうするかということをイコールで結びつけてやっているわけではない。行政改革は行政改革として、機構を簡素化して、そして透明性ある行政機構にしていく。そしてまた、特殊法人につきましても、国民の間からもさまざま御批判もあるし、また、行革審の答申でもこれを進めるべきだということになり、国民の皆さん方からの強い御要望もある。そういう中で、この問題は整々として進めていこうということでございまして、具体的に、これができたら幾ら金額が生み出せるという定量的なものではないということは、ひとつ御理解を賜りたいと存じます。
○吉田(公)委員 行財政改革というのは、いかにして歳出を抑えるかということが行財政改革の目的でございまして、組織や名称を幾ら変えても、それは行革とは言わないわけであります。具体的に、つまり歳出を抑える、国民の税金をできるだけ、そういう行財政改革をやって、そして増税のないように、むしろ簡素化して国民のための大事な税金を使うということが趣旨だと、こう思うのでありまして、減税と一体のものが本来行財政改革だと、そう思っているわけでありますが、山口大臣、別個の問題ということではないと私は思うのですが、いかがでございましょうか。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 別個のものだとは考えておりません。ただ、財源を幾ら生み出すから幾らの行政改革と言われましても、これは定量的にはなかなか判断のしがたいものであるということを申し上げている次第であります。
 御指摘のように、行政を簡素化して国民の期待にこたえるということは、これはまさに政府の責任だと思います。そういう意味で、この行政改革は、村山内閣の最大の課題として、整々として懸命にこれは進めていかなきゃならぬということを申しているわけでございまして、その点は御理解いただけるのではないかと存じます。
○吉田(公)委員 つまり論理的には、例えば行財政改革を勇気を持って、まあ国会もそうですし政府もそうですがやる。そして歳出を削減する。例えば五兆円でも六兆円でも削減するということになれば、消費税なんというのは税率アップする必要がないわけですよね。そういう意味で、まさに国民に税率アップをお願いする以上は、行財政改革を本来なら先行すべきだということになるわけでありまして、行財政改革の方は検討するということでなくて、先ほど申し上げたように、三位一体で本来は提出をするものだということを前回私は申し上げたわけでございます。
 そこで、逆進性ということがよく言われてまいりましたね。今度は七百万か七百五十万ぐらいについてはやはり逆進性は改正をされないで、むしろ七百五十万ぐらいの人は増税になるのではないか、そういう分水嶺といいますか、七百五十万ぐらいだということを言われておりますが、この点についてはいかがでございましょうか、大蔵大臣。
○小川(是)政府委員 今回の税制改正による所得税、住民税の減税及び消費税の引き上げに伴いまして、典型的な家庭、世帯でどういう税負担の変化が生ずるかという点につきましては、「一世帯当たりの税負担の試算(平成六〜十年)」ということで資料を取りまとめてございます。
 年収が四百万円、五百万円の階層の方の場合には、当初の三年間は非常に大幅な減税が行われますので、減税額が当然のことながら大きく出るわけでございますが、消費税率が引き上げられますと、二%の税率アップに伴う負担が若干この減税額を上回るというのは事実でございます。しかし、六百万円以上の階層の方の場合には、確かに六百万円の方は平成十年については計算上一千円程度の負担増が出ますが、その前後を含めまして全般として、減税及び消費税を合わせまして負担は軽減される、こういう試算をお示ししている次第でございます。
○吉田(公)委員 次に、総理は本会議場でたびたび、消費税率のアップ等については公約違反ではない、政権を担っている責任ある決定は公約違反ではないという御答弁がございました。そこで、これは、昨年七月の総選挙の私どもの公約の中でも明確に申し上げておりますが、もうこの消費税が成立をして国民の暮らしの中にも定着をしている事実というものはだれも否定できないわけであります、その事実を是認した上でいかにその逆進性を解消するかということに努めてまいる、こういう視点で私ども七月の選挙のときに訴えてまいりました、こういう御答弁でございました。
 しかし、社会党は中曽根総理以来、消費税導入から大反対をしてまいりました。このことはむしろ、総理がおっしゃるように、まさに社会党は、国民への定着状況も踏まえ、昨年の総選挙では消費税の否認ではなく、こういうお話でございますが、まさに国民の皆さん方は、社会党は消費税には反対をしてきたんだ、そうだれもが認めていると思うのでありますが、総理、これにつきましていかがでございましょうか。
○村山内閣総理大臣 昨年の総選挙の際に、本会議でも答弁申し上げましたけれども、公約しておることは今委員が言われたとおりですね。ただ、中曽根総理が消費税を創設する時点では、そのときの状況も十分踏まえた上で消費税の導入には反対するという立場をとってまいりましたし、それは当時、社会党だけではなくて公明党も民社党も、当時の野党は全部こぞって反対したわけです。
 しかし、一応この法律が通って定着をして、現実に生活の中でも経済行為の中でももう税がそれぞれ扱われてきておるわけですから、この事実は否定できない。したがって、これからはできるだけ逆進性を解消しながら、国民が納得できるような税に、よくしていこう、こういうことを総選挙でも訴えてきているわけです。
 しかも、総選挙が終わった後、連立政権がつくられました。その連立政権の際に、それぞれ連立政権に参加している各党が、これは社会党と新生党と公明党と日本新党と民社党と合意した政策ですけれども、この中でも「行財政改革及び不公平税制の是正を積極的に進めるとともに、高齢化社会の福祉政策の推進や前記の諸政策を充実させるため、直接税の軽減措置や現行消費税の改廃を含め、間接税の税率引き上げを中心とした税制の抜本的改革について、国民の理解を得つつ六月中に結論を得て、本年中に関連法案を成立させる。」こういうお互いの合意もしているわけですね。
 そして、この連立政権から現在の連立政権にかわってまいりまして、ここでも「このため必要な財源の確保に向けて、所得・資産・消費のバランスのとれた税体系を構築する。」ということがそれぞれ合意されてきているわけです。
 こういう経過をたどって、こうした経過を踏まえた上で、慎重な審議をした上で今、国会に提案して御審議をしていただいておりまする法案になったのでありまして、この限りにおいては私は、その経過も中身についても国民の皆さんに十分御理解をいただけるものだと、こういうふうに思っておりますから、別に公約には違反していないと、こう申し上げているところでございます。
○吉田(公)委員 私が申し上げておりますのは、旧連立のときに協議をしたとか、あるいはそれぞれの各党で話し合ったとかということを伺っておるのではございませんで、昨年の総選挙のときに、消費税を是認をする、そういう中で選挙をやってきたということについて私は伺っているのでありまして、それぞれ協議を、もちろん協議をしなければできないことでありますし、旧連立与党の中でももちろん総理も入られて協議をしたことだろうと思います。しかし、そのことについては表に出てこないわけでありまして、五%になるか、六%になるか、七%になるかということについては全く未知数でありました。
 特に、社会党が今まで政策の中で言ってこられましたことは、まず逆進性を解消するんだ、それから生鮮食料品についての転嫁を考えることだ、大型所得税減税をやるんだ、こういう三本の柱でやってきたわけでございまして、これからやるということならば消費税のアップもこれからやるべきでありまして、同時に提出をするということが、私は社会党の公約からいっても当然ではないか、そう思っているわけでありますが、いかがでございますか。
○村山内閣総理大臣 いや、それは、質問されておるその意味が私には正確に理解できない面があるんですけれども、昨年七月の総選挙のときの公約には、はっきり、消費税というものを前提にして逆進性の緩和をするとかいろいろなことを申し上げているわけです。
 同時に、連立政権ができてこうした問題を議論する際に、何とか逆進性を緩和するために、飲食料の非課税とかあるいは軽減税率という方策はとれないかという意見は、それぞれ出し合って議論をしてきているわけですよ。議論をした経過として、経過も踏まえた上で、国会に提案しておりますような法律案に合意してまとめたわけでありまして、その経過は私は十分御理解ができると思いまするし、先ほど申し上げましたように、七月の総選挙以降、細川内閣のときにその連立政権に参加している各党が合意した事項につきましても、それから今つくられておりまする自民党、社会党、さきがけのこの連立政権におきましても、大体同じ傾向を踏まえながら十分議論をして出した結論でありますから、私は皆さんには十分理解してもらえるものだというふうに思っております。
○吉田(公)委員 総理の御答弁はよく、説明についてはそれぞれ議論した、協議した、御理解いただけるものだ、そういうことでございますけれども、昨年の総選挙のときに、各党はこうします、先般総理が御出席でございませんでしたので官房長官にお尋ねしましたけれども、昨年の、各党がこうしますというその中に、「生活」ということで「消費税」というのがあります。「税率は上げるべきではない。」そして「逆進性緩和のため飲食料品の非課税を実施する。」こういうことを言っておられます。そのほかの新聞の公約にも、それぞれ年金支給開始年齢は書いてありますけれども、消費税について税率アップをして是認するなんということは、どこの社会党の公約を見ても書いていないわけでありまして、これはどういうことでございましょうか。
○村山内閣総理大臣 私の選挙公報をここに持っていますけれども、この私の選挙公報の中には消費税の問題については一言半句触れていないわけです。
 それから、社会党が出しておる総選挙政策の中には、こういうふうに言っているわけです。「資産と所得の総合課税化をはじめとする抜本的な税制改革に努めます。また、八八年の制度改正以来ほとんど手つかずのまま放置されてきたことによる所得税の実質増税構造の解消や、飲食料品の非課税化による消費税の逆進性緩和など、国民的な要望に責任をもって応えられる取り組みをすすめてまいります。」こういうふうに言っているわけですね。
 私は、今回のこの所得税の累進税率の解消は、今申しましたように、増税構造の解消、これは六十二年のときに改正した際に比較的低い層を是正しましたから、したがって、中堅サラリーマン層が重税感が強くなっている。したがって、ここをなだらかに二〇%に下げて、そして平均的なサラリーマンが一生を通じて大体二〇%の範囲内でおさまるような所得税に直した方がいいんではないかというのでこの是正をしたので、これは私は公約は守られたと思っております。
 それから、先ほど来申し上げておりますように、飲食料品の非課税化による消費税の逆進性の緩和ということにつきましても、それなりの努力はしてきたけれども、まだまだその段階ではないというような意見もございまして、したがって、これはこの国会に提案しておりますような法案に合意せざるを得なかったというので、飲食料品の非課税についての実現できなかったことについては、これはまことに申しわけないということは前回も申し上げたとおりでありますから、私は別にここでとやかく言われるような公約違反をしているとは思っていないということは重ねて申し上げておきたいと思います。
○吉田(公)委員 総理の御答弁は、つまり、前回の選挙の際の社会党の立場に立って是認をした、消費税というのは定着をしているんだから是認をした、そういうことは一言半句も前回の総選挙では言っておられませんよ。しかも税率アップなんということはなおさらのことであります。総理の公報にはもちろん消費税については触れておりません。したがって、総理が本会議場で何回も公約違反ではないとおっしゃっているけれども、しかも昨年の総選挙でやっているので公約違反ではないとおっしゃっていますけれども、それじゃ総理、一体どこで是認とか税率アップだとかそういうことを社会党が正式な政策として掲げているかどうか。そういう明確なものがない限り水かけ論になっちゃうんですよ。水かけ論ですよ、総理。言ったとか言わないとか。
 それで、今の総理の御説明は、趣旨説明としてはよくわかるんだけれども、しかし公約違反の話になれば、総理は後でつけ加えた御説明だ、私はそう思っているわけです。どこに、公約に社会党が是認とか消費税アップだとか……。そうじゃなくて、逆進性の解消も生鮮食料品の転嫁もないわけでして、ぜひ総理、そうすれば公約違反であるとかないとか水かけ論にならないで、まさにこういう書類があるから公約違反ではないという明確なものを出していただかなければ、これは水かけ論になっちゃうのですよ。
○村山内閣総理大臣 今私が、社会党が七月の総選挙のときに広報で出しました社会党の総選挙政策について読みましたけれども、逆進性の解消をするために飲食料の非課税化に努めるというふうなことを言っていることが、これは現行の消費税を前提にして物を言っているわけですからね。消費税を是認しますということをわざわざ政策の中に、書いてある、書いてないじゃないかと言われてみても、それじゃ、七月の総選挙のときに、消費税率を引き上げます、こう言って公約した政党はあるでしょうか。それは私は恐らくないと思いますがね。ですから、そこらのところは、やはりそれはお互いの良識でもって判断をした範囲内ではないかと、私はそのように考えています。
○吉田(公)委員 ほかの政党のことを、総理、持ち出して言いましたけれども、そうではなくて、ほかの政党はそれぞれ……(発言する者あり)私は別に何でもないよ、都会議員だったんだから。つまり、社会党が現状の税率は上げるべきではない、こう公約に書いてあるんだから、公約というのはやはり大事だ。そして一九九四年の運動方針その他にも全部そういうことは書いていない。ぜひ……(発言する者あり)自民党から新生党に移ったからって、別に公約違反でも何でもないんだ。そういうことで、ぜひ総理、私は、委員長、そういう明確な資料をぜひ提出してもらいたいのです。そういう明確な資料を出していただかないと水かけ論になっちゃうんですよ。
○村山内閣総理大臣 資料を出してほしいと言われる、どういう資料なのか、その資料の中身が私にはよく理解できないのです。
○吉田(公)委員 それは先ほどから申し上げているように、前回の選挙から私どもは、消費税というものは定着してもう既に国民のだれもが知っていることだ、したがって、是認をした上でと、こういうことでありますから、是認した、あるいは消費税を認めた、そういう政策が前回の選挙のときにあったかどうか、明確に文書に載っているかどうか。それを総理、お示しをいただきたい、そう思うんですよ。
○村山内閣総理大臣 これは、私は何度も申し上げておりますけれども、消費税を是認をします、是認をしましたというようなことを、恐らく選挙政策やら公報に書いている政党はないんじゃないでしょうか。今私が読み上げましたように、消費税があることを前提にして、逆進性の緩和に努めるとかあるいは飲食料品の非課税化に努力するとかいうようなことを申し上げておるんであって、消費税というものを否定して、全然もうこれはないものだというふうに考えておればそういう論陣を張る必要はないので、私は、そのことをもって皆さんには御理解がいただけるものだというふうに考えています。
○吉田(公)委員 これは国会の本会議で、先ほども申し上げましたように、社会党の委員長として総理が講演会等で申し上げたのならともかく、そうではなくて、国会で公約違反ではないと言う以上は、これは私だけじゃなくて国民の皆さん方にも、社会党は一貫して消費税に反対をしてきたのですから、そのことについて、公約違反でないというきちっとしたそういうものがなければ、私は、政党政治の公約なんというのはそのときそのときに変わってしまうじゃないか。特に内閣総理大臣という最高の立場になられた村山総理でありますから、そういう点は、社会党の委員長ということではなくて総理大臣として、国民に税率アップをお願いするわけですから、そこはちゃんと説明をすべきだ。それには、公約違反ではなかったよと言われても、ずっと一貫して消費税には反対してきた社会党ですから、何で唐突にそんなふうに変わったのか。昨年の選挙でそんなことは一言も言っていないということなんですよ。
 総理、全然昨年の総選挙で言ってないじゃないですか。言っておられますかね。消費税のことについては、むしろ廃止とか税率は上げないとか改廃だとか、生鮮食料品の転嫁の問題だとか逆進性だとか、そういうものを解消するということは政策に掲げてありますよ。だけれども、先ほど言っているように、上げるとか、あるいは逆進性だってそれぞれなくなっていないわけですよ。ぜひ総理から、公約違反等については大事な話だと思いますから、社会党は一貫して消費税に反対してきたことはこれは何人も否定することはできないんですよ。だからちゃんと、やはり国民の皆さん方に、なぜ変わったのか、なぜ総選挙のときにそのことを言ったか言わないかということは大事なことだと私は思うんですよ。総理、ぜひお願いしますよ。
○村山内閣総理大臣 消費税が創設された当時、それは反対してまいりました。これはもう、逆にこっちは法案を出したぐらいですからね。反対してまいりました。その後、社会党やら公明党やら民社党やら、当時の野党が消費税廃止法案を出したことも私は記憶いたしております。しかし、現実にもう国会の中では多数決で決められて消費税がもう実際に行われておるわけですよ、日本の経済行為の中で、しかも国民生活の中で。そのことを前提にして、逆進性の緩和とかあるいは飲食料品をできるだけ非課税にしたいとかいうようなことをやはり国民に訴えてそして選挙をやってきていることは、消費税というものが存在しているということを前提にして私どもは言っているわけですからね。私は、どこの政党も恐らく選挙の際に、消費税を是認するとかあるいは消費税率を上げますというようなことを公約している政党はなかったと思いますよ。
 しかし、旧連立政権の当時には、いろいろ議論した結果、七%という消費税率の引き上げの案も出されたけれども、これは余りにも唐突で国民の納得を得られないんじゃないかというので私どもは反対してまいりましたけれども、そういう経過もあったということも十分やはり踏まえて議論をしてほしいというふうに私は思いますが、そういう経過から考えてみても、私が言っていることについては国民の皆さんの御理解をいただけるんではないかというふうに考えています。
○吉田(公)委員 月刊社会党、一九九四年、「政府税制調査会の「中期答申」について」、こういうことでありまして、「現行の消費税を前提とする限り、税率アップは容認できない。」つい去年の話じゃないですか、これは。ことしか。「わが党の減税案について」、そういう中に、これはやはり月刊社会党で、ことしの二月、「現行の消費税は、不公平税制の最たるもの」である、こういうふうに書いてあるわけですよね。そうすると、いろいろこういう政策文書の中に出ているそういうことについての整合性というのは、総理、全然ないじゃないですか。社会党が出しているものと、今総理がおっしゃったことと全然整合性がない、こう思うんですが、いかがでございますか。
○村山内閣総理大臣 ですから、消費税の持っている、例えば簡易課税方式とか、あるいは限界控除制度とか、あるいは前々年につくられた新規の法人については課税をしないとか、そういうものについてはやはりできるだけ不公平は是正する必要があるし、悪い点はやはり直す必要があるというので、そういう点も議論をしながら、できるだけいいものにしていこうということもやってきているわけですから、したがって、私は、今あなたがおっしゃったような中身について、それなりの努力をしてきた経過であるということも十分御理解がいただけるものだというふうに考えています。
○吉田(公)委員 以上をもって終わります。
○高鳥委員長 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。
 次に、石田勝之君の質疑に入ります。石田君。
○石田(勝)委員 改革の石田勝之でございます。
 ただいま吉田委員から社会党の公約違反について質問がありましたが、確かに村山総理の出された選挙公約は消費税については触れておらないです。ところが、村山内閣の社会党の閣僚は、例えば大出郵政大臣は「自民党金権政治をさよなら」という大見出しでありまして、さらに「消費税廃止へ向けて陣頭指揮」、それから浜本労働大臣は「弱い者いじめの公約の世紀の悪税消費税廃止」、こう書かれているわけです。野坂建設大臣は、「前回の選挙で約束した消費税の廃止に向かって最大限の努力をする。」こういうことでございます。山口総務庁長官は「飲食料品の消費税廃止」、五十嵐官房長官も同様に食料品の廃止について、それぞれ選挙公報でうたっておられるわけであります。
 そこで、食料品消費税廃止、今もちょっとお話に出ておりましたけれども、社会党は消費税のアップを阻止して、つまり消費税をアップしないで食料品を非課税にする、これが公約でうたわれていたわけでありますけれども、この食料品の範囲、社会党が公約として掲げられた食料品の範囲というのは非常に広いわけであります。以前、総理大臣は、この委員会の答弁で、欧州型を参考にしながら軽減税率だとか非課税だとか、将来検討していきたいというふうな答弁をされておりますけれども、その社会党が昨年の選挙で掲げた消費税率アップ阻止、そして食料品非課税、その食料品の範囲というのはどれを念頭に置いておかれたのか、品目を具体的に教えていただきたいと思うのですよ。
○村山内閣総理大臣 消費税というのは、本質的に、私は、税というのはやはり能力に応じて税金を払っていただくというのが前提ではないかと思うのですけれども、消費税というのはそうではなくて、力の強い者も弱い者も、財力のある者もない者も、同じものを買えば同じ税金を負担するわけですから、それだけやはり財の乏しい方々には重い負担になる。ですから、可能な限り、生活に関連をしてだれでも生活のために必要とするようなものについては、できるだけ免税するとかあるいは軽減税率を採用するとかいうふうに検討することが逆進性の緩和になっていくのではないかというふうな意味で、これは、食生活はどなたもされるわけですから、したがって飲食料というものに言葉でくくって、そしてできるだけ非課税にするかあるいは軽減税率を採用するか検討すべきではないかという意見は申し上げましたけれども、具体的にそれが実行される段階になってどの範囲にするかということについては、またその段階で検討すべき問題であるというふうに私は考えています。
○石田(勝)委員 やはり公約というのは、社会党も責任政党ですから、責任政党として公約を掲げる以上は、それは実行に移すというときにそれの責任をとらなきゃいけないわけですよ。
 それで、普通、例えばアメリカにしてもヨーロッパにしても、その食料品の品目がある程度限定されておるわけです。それは総理御存じだと思いますが、今の総理のお話は、口に入るものすべてということですか。
○村山内閣総理大臣 いやいや、飲食料を、例えば軽減税率を採用するとかあるいは非課税にするという方向が合意できた場合に、どの範囲のものを含めていくかということはその段階で検討して決めるべき問題である、私はこう考えていますから、それがはっきり前提になって、そしてやるような議論というのはしておりません。
○石田(勝)委員 いや、それは、私が申し上げているのは、社会党が公約として掲げる以上は、例えば食料品の非課税が何と何と何、例えばヨーロッパを例に出せば水だとか新聞だとか、そういう項目が決まっているわけですよ、範囲が。それで、範囲が決まっていて、それでその範囲の、例えばじゃそれを非課税にした場合は減収はどれだけになるか、あるいはそれを補てんするにはどうするか、そこまでのことを考えて、責任を持って出されるのが公約というものじゃないですか。
○高鳥委員長 小川主税局長。
○石田(勝)委員 いや、総理大臣に聞いているのですよ。党の党首に聞いているのですから。(発言する者あり)委員長、私は社会党の公約について聞いているのですよ。
○村山内閣総理大臣 ですから、私は、答弁していますように、消費税の持つ逆進性を可能な限り緩和するために、だれもが必要とするような生活必需品、特に飲食料等については非課税にして、あるいは軽減税率を採用して、そして逆進性を緩和して大衆負担が少しでも軽減されるような方針というものを考えるべきだという意味で私どもは選挙のときに訴えたのであって、それが実行される段階の中で、どの範囲のものを含めるかとかいうようなことは検討さるべき課題であって、あらかじめこれとこれとこれは非課税にしますなんということを前提にしてやる話ではないと、私は……(発言する者あり)いや、ですから、そう答弁しているわけですよ。
○石田(勝)委員 私は、天下の公党の公約として掲げられた以上は、やはり消費税アップを阻止して食料品を非課税にした場合、その食料品の品目は何と何と何なのか、それでそれの及ぶ減収、それの補てん、これは責任を持って当然議論をされて出されるのが、責任政党としての役目じゃないかと。
 総理は、忙しかったのか何かわからないのですけれども、社会党の中で議論されていなかったのかもしれない。官房長官、そういう話はなかったのですか、社会党内で。
○五十嵐国務大臣 これは、公約というのはやはり概括的なもので、そんなに細かく、予算編成するようにして公約するというようなものではないと思うのですね。しかし、概括的な公約の出し方ということについては、それはまあそれぞれ責任を持ってやっているものだ。
 石田さんは元さきがけですね。さきがけのときの、前回の選挙の公約も私はややそういうふうなものであったというぐあいに拝見していたのですが、そんなに細かくはなかったですよね。
○石田(勝)委員 私は、そういう食料品の非課税の範囲についての議論が社会党の中で、今の総理あるいは社会党の官房長官の御意見を聞いておりますと、そこまで煮詰めたんじゃなくて、ただ消費税アップ阻止、そして食料品非課税、これはまあ選挙のPRの一項目として、中の問題についてはいろいろと検討、研究しないで、ただこれを訴えればいいということを、そういう目的で、集票目的でこれを出したわけですね、そうすると。それでなければ内容がはっきり言えるわけでしょう。
○村山内閣総理大臣 これは何度聞かれても同じ答弁を繰り返すことになりますけれども、今官房長官も言いましたように、それは、消費税の持つ欠陥というものをできるだけ是正していく努力をしていくというのは、これは私は政治家の責任だと思いますよ。
 そういう意味で、大衆の暮らしから見て逆進性が強い消費税については可能な限り緩和する努力をしていこうということを選挙のときに訴えるのは、これまた当然のことでありまして、それを、何と何と何の品目は軽減しますとかあるいは免税しますとかいうようなところまで細かく訴えておる公約というのは恐らくどこにもないのじゃないでしょうか。私は、それが決まったときに責任持ってその範囲も決めていくというのがあるべき姿ではないかというふうに思っています。
○石田(勝)委員 それでは財政当局にお尋ねしますが、範囲が決まらないで食料品非課税、こうなったときに、何ぼ減収になるかということを聞かれたら、答えられますか。
○小川(是)政府委員 飲食料品等の課税問題が出ますときの問題は大きく二つ、今委員御指摘のとおりあると存じます。
 一つは、飲食料品というのは何なんだ、何のためにどの範囲をやるのか、しかもそれが課税上、多段階の税ですから、うまく仕組めるのかという問題が一つございます。もう一つは、それについて特殊な課税、例えば非課税をする、軽減税率をするとしたときに、どれぐらい税収に影響を及ぼすのかという点でございます。
 食料品は、お米やなんかの裸のものから、お弁当に詰められるまで、経木から紙から運ぶものからいろいろあるわけでございますから、それが税収にどこまで影響するかというのは大変難しい、私どもとしては、決まったときに計算をしなければならない点でございます。
 大ざっぱに申しますと、食料品というのは、たしか消費者物価なんかで見ておりますと四分の一程度が通常食費だといっているわけでございますけれども、物事を詰めて対象を決めたときにあわせて計算をすべきものでございます。一般的にどうかというところについては、私どももお答えのしようがないというところでございます。
○石田(勝)委員 つまり範囲が、今財政当局からの答弁にあるように、食料品、食料品といっても範囲が広いから、それの税の計算は範囲が決まらないとできない、こういうことでございまして、私は、総理、この質問については、ここへ立ったこの段階でいきなり聞いているんじゃないのですよ。もうこの質問をするといったときに、ちゃんとレクチャーを受けて、こういうことでやりますよということで私も親切にちゃんと質問内容も言って、こういうことで聞きますよと、こういうことで申し上げていたわけでありまして、総理もそれなりに、やっぱり社会党として責任を持って掲げた以上は、それなりの品目あるいは減収の額あるいは方法、大ざっぱでありますけれども、そういうことをきちっと私は述べられるべきだろうと思ったんですよ。
 そこで、じゃこの問題はさておきまして、次の問題に移ります。
 総理は、今言った食料品の非課税や軽減税率については、適用については今回の税制改革では見送ったけれども、これは引き続き検討をすべき課題で、欧州の例も十分に参考にしながらやっていきたい、こういうことでこの委員会でお答えになっておられるわけであります。
 そこで、一つの例を出しますと、ドイツは標準税率が一五%、そして食料品、水、新聞などの軽減税率が七%。それでフランスは標準課税率が一八・六%、食料品、水、雑誌などの軽減税率が五・五%であります。いずれも付加価値税が一五%以上になっております。そして、食料品の、これは品目が決まった上での軽減税率はすべて五%以上になっているのは御承知のとおりであろうと思います。
 そこで、これは同僚の村井委員からも質問もありましたし、また北橋委員からも以前に質問があったわけでありますけれども、その現行の三%あるいは将来上げる五%の消費税率で、欧州型を参考にしてその三%ないし五%の税率で食料品の非課税とかあるいは軽減税率とか、それは物理的にできるんでしょうか。それを総理にお尋ねしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 それは、五%の税率引き上げについて皆さんに御審議をお願いしているわけですね。五%の税率の引き上げで飲食料品の軽減税率とか非課税というのは困難であるということで合意に達して見送っているわけですね。これは私は、逆進性の緩和というのはふだんからずっともうやっぱり検討して努力していく問題であるし、長い目でやっぱり検討しなければならぬ課題だというふうに私は考えています。
○石田(勝)委員 私は、現行のこの税率ではこれは不可能だと思う。それでは、総理は消費税率が、標準税率が何%であれば、社会党が公約として掲げた食料品非課税については実行できると考えておられるのか、それをお答えいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 これはいろいろな角度から検討しなければならぬ課題であって、そういう課題が検討された結論として出てくる問題ですから、ここで何%なら飲食料品を軽減できるとか非課税化ができるということは答弁する段階ではないと、私はそう思っています。
○石田(勝)委員 やはりこれは公約として、そしてまた総理が、この食料品については将来、将来というか引き続き検討すべき課題だとはっきりこの委員会で答弁されているわけですよ。だから、私は消費税率をアップしないでそして食料品の非課税はできないと言っているわけです。総理はそれでも引き続きやるんだと、こうおっしゃっているわけでしょう。だから、その税率は何%なのか、じゃどういう方法だったら非課税でできるのか、それをちょっと教えてもらいたいと私は言っているわけです。
○武村国務大臣 石田委員、これは検討というときには、やっぱり諸般のさまざまな課題があって、問題があって、時の流れによってそういうものも変わってくることもありますが、そういうものを総合判断して一つの答えを出そうということですから、将来の検討課題といったときに、今すぐじゃあなたの答えはどうだと迫られると、なかなかこれは答えにくい問題だと思いますがね。
○石田(勝)委員 それじゃ、総理にお尋ねしますが、総理は、この食料品非課税は何としてもやりたい、こういうことをおっしゃっているし、この前の三十一日か一日の委員会で五十嵐官房長官もそのような答弁されているわけですよね。そうすると、つまり今の消費税では難しいと総理もお認めになっているわけですが、要するに、将来消費税の税率を上げて食料品非課税をやるのか、あるいは、その消費税率を上げないということの公約をされているわけですね、社会党は。だから、消費税率を上げないで食料品非課税はやらないのか、どっちなんですか。
○村山内閣総理大臣 ですから、今この国会に政府が提案をしておりまするこの法案ですね、税制改革、これは三%から五%に税率を上げるわけですよ。しかし、五%に税率を上げた範囲内では飲食料品を非課税にしたり軽減税率を採用することは無理がある、できないというので私はここへ出しているわけですからね、それははっきりしているわけですよ。
 したがって、これからも消費税の逆進性を緩和するためにあらゆる角度から検討して努力をしていかなければならぬ課題であるというふうに申し上げているわけです。それはいろいろなものを総合的に判断をして出る結論であって、ここで何%にすれば軽減税率にできるとか、あるいは非課税にできるとかいうようなことを答弁できるような状況と段階にはないということを申し上げているわけです。
○石田(勝)委員 それでは、食料品を非課税ということは、これは消費税を上げざるを得ないことになるわけですよね。それは総理ははっきりお答えにならないけれども、郵政大臣、消費税廃止の陣頭指揮とおっしゃられた郵政大臣、同じ質問ですが、ちょっと、社会党の出身の大臣としてその点、公約で掲げられた関連もありますから、お答えいただきたいと思います。
○大出国務大臣 お答えをいたします。
 先ほどのお話に、昨年の七月選挙の私の公約、まあ公報をお指しになっているのかもしれませんが、この公報には消費税について私は全く触れておりませんので、そこのところはひとつ、きょう持ってきておりませんけれども、触れておりません。プロフィールというところにかつて反対の先頭に立ったなんということが書いてあるわけでございますけれども、公約の中には何もございません。必要であれば後ほど理事会にもお届けをいたします。
 それから、私も、総理がこれだけお答えをいたしておりまして、社会党でやってまいりまして、現内閣におりますので、ほとんど総理と同じことを申し上げることになりますので、総理から申し上げたとおりであるというふうに申し上げて答弁にさせていただきます。
○石田(勝)委員 これは議論は私はいたしませんけれども、大出郵政大臣は、プロフィールのところに消費税の廃止に向けて野党の要として陣頭指揮とはっきり入っているのですよ。入っているのです、ここへ、お見せしますが。
 そこで、それでは、野党なら陣頭指揮して与党ならしないのですか。そういうことになるじゃないですか。まあこれはいいですよ。
 それでは、総理にお尋ねしますが、東大の佐々木教授が今月号の月刊誌の中で、社会党が自衛隊合憲や消費税の引き上げなど、これまで絶対反対を掲げてきた政策を転換したことをめぐって非難の声が一斉に上がっている、本当は与党になったからこそ選挙のときの公約を実現するというのが物事の筋である、それなのに政権についたから変わるというのでは、この「から」、政権についたからの「から」ですね。「から」のところが重大な問題だ、政権についたから変わるというのでは、選挙で言っていることは当てにならないという話になる、何を基準に投票していいのかわからない、こういうことをおっしゃっておるわけでありますが、この言葉に対して率直な総理の御見解を伺いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 そういう見解を述べられる方もあるでしょう。しかし、国民の皆さんの中には、ああ変わってよかったなという方もあるわけです。これは私はやはりそれぞれの見解だと思いますよ。見解だと思いますよ。
 しかも、自衛隊の問題等については、もう何遍も言いましたけれども、何も政権についたから変わったというのではなくて、もう数年前から党内では議論をしてきておるわけですから、その経過も踏まえて、そして先般、九月三日の全国大会でも十分議論した結果結論を出した問題であって、私は、今御紹介のありました佐々木教授の見解は教授の見解として、私がそのままそれはそのとおりですと言うわけにはまいりませんね。
○石田(勝)委員 それでは、総理はかつて百十四通常国会の予算委員会で、ここで消費税について質問に立たれたわけですね。私も議事録を拝見しました。そのときに予算委員会で、消費者が負担した税金が国庫に入らず業者の懐に残る、これでは消費者は納得できない、欠陥税だ、こうおっしゃっているわけでありますが、今回の改正で、総理が欠陥税とまで指摘した点は、まず、ほかにもまだいっぱいあるのですけれども、簡易課税について、特に簡易課税を例に出されて、欠陥税だ、こう盛んに述べておられましたけれども、欠陥税と指摘されたその欠陥が解消できたのかどうか、解決できたのかどうか、今回の税制について。それについて総理にお尋ねしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 完全に一〇〇%改善できたとは申しません。しかし、可能な限りの努力はして、その成果は上げられた、私はそう思っています。例えば、限界控除制度の廃止や簡易課税制度の適用上限の大幅な引き下げで、これは四億円を二億円の半分にしたわけですから、それなりの私は改善をされたのではないか。先ほども申し上げましたけれども、新しい法人の場合に、前々年度の売り上げの実績がなければ課税をしないという方式を、いや、規模によっては、規模以上のものについてはその適用はしないとかいう意味で、それなりの私は改善をするための努力はされたものだというふうに考えています。
○石田(勝)委員 まあ一〇〇%ではないということで、総理もこれが完璧な税ではないということを今お認めになったわけですね。
 次に、行政改革についてお尋ねをします。
 この前のこの委員会で、私、武村大蔵大臣に質問をいたしまして、大蔵大臣は、この行政改革は村山政権が政権をかけてこの問題に全力を尽くしていこうという考えだ、こういうことを述べられたわけでありますが、そこで政治改革、まあ今度参議院に送られましたけれども、この政治改革について、非常に重要な法案であったわけです。この行政改革も、これはまさしく同様に重要な課題であろうと私は思っております。
 それで、かつて細川元総理が、政治改革ができなかったら総理の職にいささかもこだわらないということで、責任をとる、こういうことを一月のたしか末にはっきり述べておられたわけでありますが、武村大蔵大臣も政権をかけてこの問題に全力で取り組む、こういうふうに大蔵大臣も答弁されております。実際のところ、行政改革というのは、中央官僚だとか特殊法人の幹部からかなりの反発を生んでいることは御承知であろうと思いますが、この行政改革について一定の成果ができなかったらその責任をとる覚悟で臨むのかどうか、総理の決意を聞かせていただきたいと思いますが。
○村山内閣総理大臣 そういう言葉で表現をされる方もおられるでしょうね。私は、この行政改革というのは、それは、言われますように生易しく簡単にできるものではない。ですから、内閣は一体となって必ず行政改革はやります、こう申し上げているので、それ以上言うことは私はないと思います。
○石田(勝)委員 いや、責任をとるのかとらないのかということですよ、その一定の成果が出なければ。そこまでの決意で臨むのか臨まないのかということですよ。
○村山内閣総理大臣 ですから、さっき言いましたように、そういう表現を使われる方もあるでしょうけれども、私はそういう表現は使わずに、必ずやりますから御信頼をいただきたい、こう申し上げているわけです。
○石田(勝)委員 武村大蔵大臣ははっきりおっしゃっているのですよ。これはもう政権をかけてやる話だ、こういうふうに大蔵大臣はおっしゃっているんですが、総理大臣になるとちょっとトーンが落ちるんですけれども。武村大臣ははっきりおっしゃったじゃないですか、政権をかけてやると。
○武村国務大臣 私も総理と同じことを申し上げておりますので、村山政権の一員として全力を尽くして行政改革には取り組んでいきますと申し上げているので、責任をとらなくてもいいように必ずやりますと総理がおっしゃっているのと同じ意味であります。
○石田(勝)委員 それでは、せっかく社会党の建設大臣、総務庁長官それから労働大臣もお越しになったので、最後に、高齢化・少子時代を迎えて将来の活力ある福祉社会を実現しなければいけない。
 そこで、時間がないので簡単に申し上げますと、将来の財政負担をどのようにするか、つまり国の社会保障費と税金のバランスをどういうふうにしていくかということが非常に重要だろうと思います。社会党の建設大臣、それから総務庁長官、労働大臣、あと総理ですね、これから、例えば社会保障費と税金のバランスを考えて、日本は高福祉高負担でいくのか、あるいは低福祉低負担でいくのか、どちらの方向でいくのか、それぞれの大臣から所感を述べていただきたいと思います。
○野坂国務大臣 お答えいたします。
 大変厳しい御質問で、右か左か、真ん中はないぞというお話でございますが、国民の願いは低負担高福祉ということを願っておるだろうと思っております。しかし、そのとおりはなかなか難しい、消費税でも先生から御議論があったように、非常に難しい問題であるというふうに考えておりますので、先生の御提言を重く受けとめて十分検討さしていただきたいと考えております。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 国民の皆様方の願いを受けとめて、それを実現するためにはどの程度の負担が必要かということを真剣に考え、適正な負担を考えるべきだと存じます。
○浜本国務大臣 国民の皆さんの御希望は、少しの負担でよりよい福祉を求めていらっしゃると思います。したがって、私といたしましては、総合的によく検討いたしまして、調和のとれた負担と給付を実現していきたいと思っております。
○村山内閣総理大臣 我が国の平成四年度の実績を見ますと、国民負担率というのは三八・一%になっているわけですね。これはまあ諸外国に比べると、もう御案内のように比較的低い水準で維持されておるわけです。
 しかし、これからだんだんピークを迎えてまいりますし、少子化やあるいは高齢社会になっていくという状況の中で、行革審等の答申もありますけれども、どのような状況になろうとも可能な限り国民負担率は五〇%以下に抑えてほしい、こういう答申も出ておりますから、そういう要望も踏まえて、国民が納得できるような負担率を設定していくことが大事ではないかというふうに考えておりますから、そういう認識でもってこれからも進めていきたいというふうに思います。
○石田(勝)委員 以上で質問を終わります。
○高鳥委員長 これにて石田君の質疑は終了いたしました。
 次に、安倍基雄君の質疑に入ります。安倍君。
○安倍(基)委員 冒頭に委員長にお話ししておきますけれども、前回私がいろいろ質問したときに、いろいろ制止をされたという事実がございます。私も、委員長は、各党の合意によってこの委員会は要するに税法だけやるというぐあいに言われたものですから、その場で引っ込んだのでございますけれども、そこでいろいろ議運の理事などに聞きますと、そういった合意はなかったということが一つでございます。
 もう一つは、私の話した筋道から言うて、国民に大きな負担を課するときには、それなりに歳出のことを考えねばならない。私は、その歳出におきまして、やはりフィロソフィーが大事であるということでございまして、この私の考え方は決しておかしくはないと思っております。
 ただ、私は、ここで本来は委員長に発言を撤回し陳謝を求めるところでございますけれども、ただこの場合、いろいろ総理への質問のためにいろいろな人間が待っておるということで、そこまではしないつもりでございます。しかし、私の質問の過程で、私としては、いわば委員長が我々の発言を封じるような発言をしていただきたくないということを先にお話しいたします。(発言する者あり)議運の理事は合意していないんだよ。
 まず、前回の積み残しと申しますか、私は最後に総理の答弁を得なかった一つ問題がございます。と申しますのは、私が論議を展開いたしまして、これから消費税率が引き上げだ。ただ、いずれにせよ、これから福祉をやっていくためには将来も引き上げにゃならぬ。そういうような状況のもとに、結局、これから高齢化へどんどん進みます。経済力も落ちていくと私は思います。そのときにどうやって経済力を保持するのかということとともに、パイをどういった方法で分けるかという問題が起こる。
 そのときに言ったのでございますけれども、行革というものがある。確かに相当のいわば経費が浮くかもしれない。しかし、今問題となっているのは、いわゆる公共事業という名において次々と建設公債が累増している。このまま建設公債が累増すると、将来は幾ら税金を取ってもこれは元利支払いに充てられるようになるということが一番の大問題である。国債にしても地方債にしても、最終的には地方債は交付税で処理されるという話になりますと、私は、現在非常に公共事業をどんどんとふやしていくという傾向にあるけれども、これを見直さなければ大変なことになる。これを単にいわゆる経費をちょっと、要するに請負化を減らすくらいじゃ話にならない。
 私は、ここで、公共事業の中で、本当に経済効率があるものか、また、それから収益を生むものか、あるいは民間投資を誘発できるものか、そういったものを厳しく選別していかにゃならぬ。そうしないことには、幾ら将来消費税を上げていっても日本は破産することになる。でありますから、私は、現在行われているいわゆる公共投資をどんどんふやすということではなくて、もう一度、単にいわば請負制度とか入札制度を変えるんじゃなくて、本当に役に立つ公共投資に限らにゃいかぬ。そのためには相当抑制していかにゃいかぬ。
 こんな話は、皆さん景気のために必要だという議論もあるかもしれません。しかし、私は、景気は公共投資があって、そしてそれは民間投資が誘発されて初めてうまくいくのであって、現在は民間投資が冷え切って海外にどんどん流れていくという状況のもとで幾ら公共投資をふやしても、これは経済は十分浮揚しない。そういった意味で、私は、公共投資計画ですか、これを思い切って効率化というか、額も場合によっては減らしていくというくらいの大転換をしないと、将来の日本のいわゆる高齢化社会に対応できないと考えております。
 これは、前回いろいろお話ししたときに総理の答弁を得られなかったものですから、大蔵大臣は非常に投資の効率化を図ると言いましたけれども、これは相当大問題でございまして、私は、この時点においてそう考えていかないことには、幾ら税率をどうのこうの言ったって、みんないわば元利償還に使われちゃうことになるのです。この点について総理のお考えをきちっと聞いておきたいというのが第一点でございます。
○村山内閣総理大臣 公共事業に関連しての考え方についての御質問でありますけれども、今委員御指摘のように、これは税金を使うわけですから、したがって、できるだけその効率性、収益性というものも十分前提に考えた上でやらなきゃならぬことだと思います。
 しかし、公共事業というのは民間の投資と違って収益性だけを考えてするわけにはいかないので、収益性があってもうかるところならこれは民間がやりますけれども、しかし、これはやってももうからないけれども国民のために必要だというようなものについてはやはり公共事業としてやらなきゃならぬという仕事の分野も私はあろうと思いますね。これからなおさら少子化あるいは高齢社会になっていく段階の中で、日本のやはり社会的条件というものも可能な限り改善をして、そして高齢者のためにもお互いにぬくもりを感じながら老後の生活ができるような、そういう社会的条件を整備するということが、これからの公共事業の中におけるウエートというものは大変高まっていくのではないか。
 そういう意味から申し上げますと、効率性だけを考えて、あるいはまた収益性だけを考えて公共事業をするわけにはいかぬというふうにも思われますから、委員指摘のような点も十分踏まえた上で、これからは一層厳しくなるわけですから、その厳しさも前提に踏まえながら十分検討させていただきたいと思いまするし、そういう意味では公共事業の質量ともにおける見直しというものも当然やらなきゃならぬことだというふうに認識をいたしております。
○安倍(基)委員 もちろん目先の利益だけではないことは事実でございます。しかし、今のところ枠をどんどんふやすことになりまして、本当の意味のシビアないわば選別がなされているか。これは国においても地方においても、ただただ景気を上げるために公共投資をふやせという話は、もう一遍反省しなくちゃいけないと思っております。この点は総理も御同感でいらっしゃいますね。
 それで第二に、どう使うかという中で、社会党は、軍事費を減らせとかいろいろ話があろうかと思います。しかし、私が一番問題としておるのは、最近急増しているODAでございます。先日、河野外務大臣に核兵器をつくるようなところは考えなければいかぬじゃないかという話をいたしましたら、それはそうだというような答弁をいただきました。また、きょうの新聞などを見ますと、中国は核をいわば仮想敵国の大都市に照準を合わせていたという記事が載っております。そういうぐあいに、非常に、何といいますか、ODAというものは考えて使わにゃいかぬ話でございます。
 それとともに、中国がODAを増額要求する際に、やはり日本は侵略をした、あるいは大虐殺をしたという話をいろいろ言うわけでございます。そういった意味で、私が前回侵略戦争の話を持ち出したときに、関係がないとおっしゃったけれども、これは、過去のいわば戦争をどう把握するかというのは、これからのODAの問題につきましても、あるいは円借の問題につきましても、あるいは戦後補償の問題につきましても、大きな関係があるのです。
 そこで、私は村山総理にお聞きしたいのですけれども、村山総理は各地を謝罪して回った、謝罪してということはあれでございますけれども、東南アジア各国を回った。その場合に、過去の戦争について、村山総理は、それぞれの国について我が国は侵略的行為があった。この前総理は侵略戦争と侵略的行為は違うよとおっしゃいましたけれども、これは何か非常に言葉のあやであって、私がお聞きしたいのは、アジア全土に対して我が国は侵略的行為があったのかどうか、そういわば観念していらっしゃるかどうか、それをお聞きしたい。――支出に関係するのですよ。
○村山内閣総理大臣 これは、これまでも統一して政府の見解を述べていますから、私はそのことを申し上げておきたいと思うのですが、これまでの大戦において、我が国が過去の一時期に行った侵略行為やあるいは植民地支配が、国民に多くの犠牲をもたらしたのみならず、アジアの近隣諸国等の人々にも今なお大きな傷跡を残しているという認識を持っておる。したがって、そのことも踏まえた上で、日本の国は不戦の誓いを新たにしながら、恒久平和に向けてこれからも努力していこうということを、東南アジアの国々に参りましたときに申し上げたところでございます。
○安倍(基)委員 いずれにいたしましても、アジア全土に対して侵略的行為があったという御判断でいらっしゃいますか。
○村山内閣総理大臣 これは、これまで日本の政府が一貫をしてとってきている方針ですから、私はそのことを繰り返し申し上げているわけです。
 もう一遍申し上げますけれども、我が国が過去の一時期に行った侵略行為や植民地支配が、国民に多くの犠牲をもたらしたのみならず、アジアの近隣諸国等の人々にも今なお大きな傷跡を残しているという認識を持っております、我が国は不戦の誓いを新たにして、恒久平和に向けて今後全力を挙げて努力いたします、こう申し上げているわけです。
○安倍(基)委員 まあ橋本発言というのは、私はあれだけ大きく騒がれるとは思っていませんでした。私は何もその答弁を引き出すんじゃなくて、橋本さんが既に書いた本、それにまあ本当にそのままの気持ちでいるかどうかという質問をしたわけです。確かに橋本さんは全然同じことを言いました。つまり、村山さんのように、そう言っちゃ悪いけれども、いろいろ言い方を変えてはおりませんでした。そういった意味で、私は橋本さんのいわば発言というものをそれなりに高く評価しているわけです。
 橋本さんの発言は、これは私の気持ちも同じなんです。もともと日本は、橋本さんは、中国に対しては侵略的行為はあったかもしれないけれども、太平洋戦争は要するに米英とやったんだと、たまたま戦場になったんだという意味で、基本的には確かに戦場になった連中は侵略的と思ったかもしれないけれども、我々はそういう意図はなかったのだということを答えているわけです。これは、相手の気持ちと、それをどう歴史的に評価するかとは違うのです。でございますから、私はどっちかといえば右の方ですから、大体が。でございますから、むしろ橋本さんの考え方です。
 そこで、私は、この考え方、もう一つ私はつけ加えたいのは、かつて日中共同声明のときに、当時の田中総理は、侵略という言葉を向こうが使ったのに対して、絶対に使わなかったのですね。周恩来が日本が侵略したと言いました。ところが田中さんは使わなかった。そして日中共同声明にもその文言は落としたわけです。それだけのいわば気概がかつての自民党にはあったのです。
 橋本さんは日中戦争に侵略的要素があったと言っていますね。あれから、細川さんとかぞろぞろぞろぞろ、そう言っちゃ悪いけれども、いろいろ人々が侵略戦争と言い始めたものですから、私は、御承知のように、細川さんが侵略戦争と言ったときに、歴史観がないというぐあいに評論しました。たまたま私、政務次官だったものだから首は切られないで済みましたけれども。ただ、私は本当にこの辺を、今私は考え方としては橋本さんの考えに近いけれども、内閣としてどっちの考えをとるのかということを逆にお聞きしたい。
 私は、橋本さんがいろいろ言われるかもしれませんけれども、戦場になった人々にとってはいわば侵略的と見えたかもしれない、しかし基本的には英米と戦ったんだということで、それは彼としてみれば、遺族会の会長でございますし、本当にいわば国のために死んだ方々に対してその名誉を守るという気持ちもあると思いますし、その面で、どうも村山総理の話と、どちらがいい悪いじゃなくて、橋本さんの考え方とがやはり全く一致しているとは思えないということを私は質問しているわけでございます。私の理解でですね。
 私は橋本さんに対して、非常に個人的には、よくまあ言うてくれたと言っては悪いけれども、それに近い感情を持っています。だけれども、やはりいわゆる村山内閣の中において、村山内閣の統一見解とどうもある程度違うのではないかということを私は聞きたいので、橋本大臣がどう考えていらっしゃるか聞きたいと思います。
○橋本国務大臣 私は、ただいまのような御質問が再三再四なされること自体が大変悲しいことだと思っております。
 我が国の中においても多くの犠牲者を出したさきの大戦でありました。しかし同時に、各地において犠牲になられた多くの方々がおられます。その方々を考えますときに、こうした問題が、今委員は大変私に好意的な立場だと仰せられましたけれども、委員のお考えと私も必ずしも一致しているものではございません。
○安倍(基)委員 それでは、そうお答えになるならば、東南アジアにいろいろ迷惑をかけたかもしれないけれども、太平洋戦争そのものは、いわば何と申しますか、侵略ではなかったという御判断と理解いたします。その点は私はむしろ同感でございますから、総理と御意見が全く一致されますか、ちょっと総理の御意見を承りたい。
○村山内閣総理大臣 必ずしも委員の意見とは一致しません。
 私が申し上げたのが村山内閣の見解ですから、そのとおりに受けとっていただきたいと思います。
○安倍(基)委員 いや、村山内閣の見解は橋本大臣の見解と全く合致しておりますか。
○村山内閣総理大臣 言い方は違いますけれども、見解は同じであります。
○安倍(基)委員 まあいずれにせよ、今中国が一つの切り札としていろいろなものを持っているわけです。一方で核武装をしながら、しかもきょうのように仮想敵国の大都市に向けてそれの照準を合わせているという報道がされました。きょうの新聞に、夕刊に載っております。これは大変なことでございます。
 今中国は一兆五千億円の円借を申し込んでいます。中国のいわばGNPは四十三兆円くらいですから、まあ年によって若干違いますが、日本の十分の一と見ていい。そうすると、日本と経済を比較してやりましたら十五兆円くらいの規模の円借なんです。まあ我々が消費税をどんどん集めてくる。さっき申しましたように国債の元利支払いに使われても困る。また反面、軍備を行う中国の方へどんどんどんどんと投げ込まれても困る。中国はまたどんどんとこの新しい産業をふやしていますから。繊維なんかも日本と韓国、今まで韓国が日本に対するライバルでしたけれども、最近は中国が日本に対するライバルになりつつある。そういう状況を考えますときに、我々が、過去の侵略戦争だった、あるいはいわゆる虐殺行為をやったということだけで考えていっては困るわけです。
 その意味で、私はこのいわば中国に対する、アジアに対する謝罪というのも、これはもう何と申しますか、私のさっきの議論のように、あなたは東南アジアに対して考えたときに全く橋本さんの意見と御一緒だとおっしゃいますけれども、これは記録をよく読んでみれば違うことは明らかですから、その点はもう一遍議事録を読まれたらいいと思いますけれども、その面で私はこの戦争観というものをもう一遍考え直さにゃいかぬと思っております。
 ちょっと私はこの問題を聞こうとは思っていなかったのですけれども、橋本大臣がああまで言われますから、私は、この前、南京虐殺の問題について、一体三十万人死んだということが事実かどうか。原爆でさえ十数万だったわけです。もし我が国が三十万人の虐殺をしたとなれば、これは重大なことです。日本民族は本当にいわば残虐な人間になるわけです。
 三十万でも五万でも余り変わらないという議論もありましょうけれども、これは原爆に倍するようないわば虐殺を行ったとなれば、石原慎太郎議員がかつて逆に、本当にこれはもう一遍調査せねばならないという議論を展開しておりますけれども、これは、歴史に残るということは重大なことなんです。これは本当に、命をかけて戦ったいわば戦士たちに、日本民族に対する一種の侮辱と言っては変だけれども、私はそう考えております。
 その意味で、もう一度これは調べ直す必要があるのではないか、中国に主張すべきことは主張すべきじゃないかと私は思っておりますけれども、橋本大臣も、この前の答弁のときに、私はそう教えられましたと言われましたけれども、教えられた結果、それを正しいとお考えになるのか、正しくないとお考えになるのか御答弁願います、遺族会の会長として。
○橋本国務大臣 日本遺族会の会長として御指名でありますなら、お答えの必要はないと存じます。
○安倍(基)委員 それでは、通産大臣としてお答えください。
○橋本国務大臣 私は、敗戦の当時の小学校二年生でありますから、事実を承知する年代ではございません。しかし、一人であろうと二人であろうと、虐殺と言われるような事態があったとするならば、委員の御主張になるような角度からの御議論はいかがなものかと私は感じております。
○安倍(基)委員 ここは話が違うのです。というのは、二千、三千の虐殺であれば、二千、三千の虐殺であれば、それは許されます。(発言する者あり)許されるというのは、戦場においてそういったこともあり得るでしょう。
 ところが、三十万人の人間を日本が殺したとなれば、これは原爆以上の残虐行為があるわけです。これは日本民族の名誉にかかわることです。今、要するに三十万人でも一人でもそうだとおっしゃいますけれども、日本人が、日本の軍隊が三十万人を虐殺したという話になりますと、これは日本民族はそれだけ残虐な人間だったことになるのです。いいですか。
○高鳥委員長 安倍委員に申し上げますが、委員長はこの前も申し上げたところであります。安倍委員は十分わかっていらっしゃっておっしゃっていると思いますので、どうぞひとつ結論を急いでください。
○安倍(基)委員 最初の質問でそのことは言ってあるのですよ。それはそうと、私がここで言いたいのは、やはり日本は主張すべきことは主張すべきではないか。今の、三十万人でも一人でも同じだという答弁は、答弁になっていないのです。
○高鳥委員長 通産大臣は所管外でありますし、戦後処理問題ということになれば内閣委員会等で担当されると思いますので、そちらで十分御審議願いたいと思います。
○安倍(基)委員 私が言っておりますのは、ODA問題にしても、結局は日本がそれだけ残虐なことをやった、侵略したということが基本になっているのです。我々や若い子供たちが、いわば広島でいろいろ原爆の跡を見ます。いずれにせよ、我々は、日本民族がそう思われる。我々が原爆記念館に行って、アメリカはこれだけのことをやったということをずっと教育して、知っているわけです。ところが、中国の連中もそこへ行って、日本人は三十万人の人間を虐殺してきたよということを子供のころからたたき込まれているわけです。それが日中のやはり本当の意味の友好の障害になっているのです。
 その面で、今、要するに三十万人であろうと一人であろうと虐殺は虐殺だ、そういうことは論理にならない。これは、我々はここで言いたいところは、本当に日本軍が三十万人を虐殺したのかねということをもう一遍問い直す必要がある。これは、石原慎太郎委員が方々の場所で言っております。
 これが全く我々の経済援助とか戦後補償に無関係であればいいですよ。必ず向こうは一つのウエポンとしてそれを用いているわけです。
 この点、私はこの問題を取り上げたのは、三十万人でも一人でも同じだという話につきまして、私はもう一遍本当、橋本さんに聞きたいのですけれども、これを信じるか信じないか。簡単に言えば、信じるか信じないかをはっきり聞いておる。イエスかノーかで……。
○橋本国務大臣 かつて厚生大臣在任中、私は、現在北京に存在しております中日友好病院の基礎的な話し合いから携わり、この協力協定を結んできた一人でございます。しかし、委員が御指摘になりましたような事実を私は念頭に浮かべておりませんでしたし、中国側の交渉者もそのような話は出されたことはございませんでした。
○安倍(基)委員 意味がちょっとわからないのですけれども、要するに、その向こうの三十万という数字を信用するのかしないのかということの一点を聞いているのです。
○高鳥委員長 通産大臣としては所管外でありますので答弁をするのは適当でないと思いますが、いかがでしょうか。
○安倍(基)委員 調査の必要性を認めるかどうかです。
○高鳥委員長 調査ということなどについては、これは官房長官なり……
○安倍(基)委員 これはODAにも関係するんです。
○高鳥委員長 これは安倍委員に申し上げますが、本来こうした問題については外交なりあるいは内閣なり、さらには予算なり、そうした場で十分御質疑をいただくべきものだと思います。そういうことで、ひとつ審議に御協力をお願いします。
○安倍(基)委員 じゃ、別の委員会でもう一遍この問題を取り上げます。
 最後に、もう時間もないかもしれませんけれども、被爆者援護法という問題が起こっておりますけれども、私はちょっとお話ししたいのは、軍人恩給欠格者とか戦災者とかいろいろあります。この人たちはどうするのか。私は、それぞれのいわば対応について、片や総理府、片や厚生省、片や総務庁と、それぞれ分かれております。その結果、非常にちょっとアンバランスと申しますか、声の大きい省庁の管轄は割合と優遇される、総理府の方に行ったものについてはそうでもない、いろいろあると思います。そういったことで、私は戦後補償につきまして――それからちょっと、私の発言の中で、二千人くらいなら許されると言った発言は撤回します。これは私の言い過ぎかと思います。ただ、私は、三十万人と、要するに数の差は非常に大事であるということを言いたいと思います。
 そこで最後に、こういった戦後の処理、補償についてはやはりある程度官庁を統一した方がいいんじゃないかと私は思います。この点について総理はどうお考えですか。
○村山内閣総理大臣 それぞれの省庁の所管に属する問題については、それぞれの省で責任を持って対応してもらってまいりました。
 しかし、これから五十年に向けての諸課題もありますから、そういう問題について、国内に関する問題につきましては内閣の内政審議室、それから国外に関する問題につきましては内閣の外政審議室がそれぞれ一体的に取り扱って、今はこの内閣が一体となって処理いたしておりますから不都合はないんではないかというふうに考えています。
○安倍(基)委員 そういった統一的な処理をお願いしたいと思います。
 これで私の質問を終わります。
○高鳥委員長 これにて安倍君の質疑は終了いたしました。
 次に、村井仁君の質疑に入ります。村井君。
○村井委員 初めに総務庁長官、山口長官にお伺いしたいんでございますが、行政改革でございますね。行財政改革、これは村山内閣の最重要課題である、このようにきょうの委員会でもいろいろお話がございました。先日も別の委員の質問に対しまして、行政改革、とりわけて特殊法人の整理合理化等、前倒しをして進めるというお話がございました。大体年度内には結論をお出しになる、そんなふうに御見解を承ったわけでございますが、広く行政改革全体につきまして、どんなふうにお進めになるおつもりか、御見解をお伺いしたいと存じます。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 特殊法人の問題は、委員が御指摘のとおりでございまして、本日も委員会でお答えいたしましたが、年度末には具体的な名前を挙げてどのように整理合理化するか、これは村山内閣として明確にいたしたいということで作業を進めているところでございます。本日も、官房長官からお答えがございましたけれども、有識者の方においでをいただきまして、官房長官と私とで特殊法人に対する基本的な考え方等も承ったところでございます。
 それから、地方分権の問題につきましては、行革推進本部の中に地方分権部会を設置をいたしまして今議論を続けております。地方制度調査会あるいは地方六団体からも中間答申ないしは意見が参っております。そういったものを踏まえまして、年内に大綱方針を決定いたしまして、そうして、来るべき通常国会の中で地方分権に関する基本的な法律を提案申し上げることができますように、政府部内におきまして、鋭意取りまとめを行いたいと考えておる次第であります。
 それから、情報公開の問題につきましては、過般成立をいたしました行政改革委員会、そこにおきまして精力的な御審議を賜りまして、この法律を修正していただいたわけでございますが、情報公開につきましては、行政改革委員会の任期は三年でございますけれども、二年間のうちに情報公開に関しては法制化の結論を出していただくように努力をいただくということになっている次第であります。
 そのほか、定員の縮小の問題でありますとか省庁の問題でありますとか、そういう問題につきましては、これは行政改革全般の問題として行政改革推進本部において議論をし、また進めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○村井委員 行財政改革、全体として大変テンポをアップして進められる、そのような御決意と承ってよろしゅうございますね。
 続いて厚生大臣にお伺いいたしますが、新ゴールドプランでございますとか、その他さまざまの福祉に関するいろいろな中長期の計画というのがあるわけでございますが、これにつきまして、相当改定を要するような環境になっていると思うのでございますけれども、これはどのくらいのテンポで進めるお考えでいらっしゃるか、これをお伺いしたいと思います。いつごろまでにきちんと政府として対応をお決めになるお考えか。
○井出国務大臣 お答えいたします。
 高齢者介護対策につきましては、実は既にすべての市町村に新しい老人保健福祉計画の策定をお願いして、六年度以降その計画に基づいた事業が開始されております。したがいまして、厚生省におきましても、その市町村老人保健福祉計画も踏まえて新ゴールドプランの厚生省としての案を作成し、さきに与党福祉プロジェクトチームの場にお示ししたところであります。
 今回の税制改革においては、村井先生御承知のように、与党における御論議の結果、高齢社会に向けて当面緊急を要する施策について平成九年度以降三千億円の財源措置が講じられたところでございますし、また平成七年度、八年度におきましても、地方公共団体の先ほど申し上げました老人保健福祉計画の中でも特に緊要性のある特別養護老人ホームの拡充とか、あるいはホームヘルプサービスの充実等に充てるため、それぞれ一千億及び二千億円の公費が充当されることと相なったわけであります。
 したがいまして、厚生省といたしましては、今般の税制改革に伴うこれらの一連の財源措置も一つの足がかりとして、引き続き財源の確保にも配慮しつつ、できるだけ早く新ゴールドプランの策定を図りたいと考えておりまして、関係省庁と鋭意協議を進めてまいる所存であります。
○村井委員 厚生大臣もう一言だけ。
 一両年の短期的なお話はともかくとして、その新ゴールドプランの見直しなど、これはどのくらいで片づきます、そこだけちょっと。
○井出国務大臣 ただいま申し上げましたような新ゴールドプラン、あるいはまたエンゼルプランも実は考えておりますし、それから、ほっておいても自然にふえていきます医療とか年金の自然増も、これございます。この推計もしなくちゃなりませんし、それから、過般年金法の改正を御審議いただいたわけでございますが、その中では次期財政再計算期までに基礎年金の国庫負担率の引き上げも検討せい、こんな附則もちょうだいしておるわけでございます。
 したがいまして、大変膨大な財源が必要であることも事実でございますし、また国庫負担につきましては、先ほど別の委員の御質問にもお答えしましたように、財源以外に税と保険とのバランスといいましょうか、そういったものも考えなくちゃいけない点もございます。
 あれやこれやあるわけでございますが、一つには、この税制改革が見直し事項、また検討期間も設けられておりますから、それまでにはきちっとした数字をお示ししなくちゃならぬ、こう考えておるところであります。
○村井委員 いずれにいたしましても、そういった問題について早急に結論を出さなければならない環境であるというふうに受けとめます。
 そこで、ちょっと個別のお話になりまして恐縮でありますけれども、高村国務大臣とそれから小里国務大臣にそれぞれお伺いしたいわけでございますが、特別地方消費税の問題、これは先般谷口隆義委員の質問にそれぞれお答えがございまして、特別消費税を廃止することを検討するということはいいではないかということで紹介議員におなりになった、こういうようなお話があったと思うのでございますが、私は、どうもあれをお伺いしておりまして、請願を検討対象にするということはやはりそれなりに価値判断が入っているんじゃないか、こういう感じがするわけでございまして、端的に申しまして、やはり特別消費税をやめるべきであるというお考えが基本にあって紹介をなすっていらっしゃるのではないかと思うのでございますが、それぞれ簡単にお答えいただけませんでしょうか。
○小里国務大臣 お答え申し上げます。
 去る十月の二十四日であったと思うのでございますが、九州から四千四百一名に及ぶ、かなり多数でございますが、多くの諸君が請願書を持っておいでになりました。委員も御承知のとおり、請願権はありましても議員の紹介がなければこれを提出することができない国会法、御承知のとおりでございまして、せっかくの私は国民世論の意思の反映だ、さような気持ちを持ちまして、しかもハウスの現場におきましてあたかも税制改革論議が旺盛に行われておる最中でございますから、これは広く論議を起こすことは妥当だ、そういうような気持ちで御紹介を申し上げたいきさつでございます。
○高村国務大臣 価値判断が全く入っていないわけではありません。検討するに値するという価値判断のもとに紹介議員になりました。
○村井委員 これは厳密に申し上げておいた方がよろしいので、特別地方消費税の問題はこれで終わりにいたしまして、そこで自治大臣にお伺いいたします。
 特定財源ということは私よく承知しておりますけれども、明らかに流通税でございます自動車取得税、これにつきまして、これを廃止するというお考えは、自治大臣、おありになりませんか。
○野中国務大臣 自動車の所有に対して……(村井委員「取得、取得」と呼ぶ)取得について、それぞれ地方の目的財源として創設をされたものでございまして、先般の税制改正のときも、これは継続しておくべきであるという判断によりまして継続されてきた経緯もございます。特に、この税源は約六千億と考えておりますけれども、その七割は市町村に交付されて市町村道の整備に充てられておるわけでございます。
 委員御承知のとおりに、市町村道は今なお非常に劣悪な状況にあるわけでございますので、私どもは税制をこの際いらわれるような検討課題にはしていただきたくないと考えております。
○村井委員 少し時間の制約もございます。別の問題に移らせていただきます。
 総理にお伺いいたします。
 去る十月二十四日、渡辺嘉藏委員の質問でございますが、ちょっと引用させていただきます。
 平成九年の四月一日の半年前に見直し条項が生きてくるわけですね。今野党から、我々から、公約違反だとかなんとか言われているけれども、まだまだこれは、これというのは文脈からいいますと公約違反のことだと思うんですけれども、これはこれからの問題なんだ、これから二年間に行財政改革などを実らせなければいけない、そのことによって公約に忠実であったかどうかが判断される。まあいろいろこうありまして、そしてそれに何とか引き下げのできるような可能性を追求してほしい、こういうことを渡辺嘉藏委員、御発言になられました。
 それに対しまして総理は、飲食料品を非課税にしたらどうか、あるいは軽減税率を設けたらどうかとか、そういう意見があって、そしてちょっと中略いたしますけれども、今回は見送ることにしたわけですけれども、これからも私は見直しの段階の中で十分に議論をしていただかなければならないし、また、されるものだというふうに踏まえております、このようにお答えになっておりますが、間違いございませんね。
○村山内閣総理大臣 それは私が答弁していることですから、間違いありません。
○村井委員 私は、これは明らかに平成八年九月末の見直しで食料品の非課税ないしは軽減税率を認める可能性を総理はお示しになっていて、その点で、いいですか、その点で食料品複数税率は回避していただいた、これは武村大蔵大臣がお答えになった言葉でございますけれども、要するに、見直しのとき食料品の複数税率の話は入ってこない、このようにされる武村大臣の発言とそごすると思うんですね。質問者は明らかに遠い将来のことを言ってないんです。平成八年九月三十日の見直しについて質問しているのに、総理の方から、いいですか、食料品非課税の方向に見直しがされる可能性を発言しているんです。これは社会党の公約に沿う考え方だ。それはわかりますよ。ですけれども、私は大蔵大臣の発言も伺ったけれども、閣内不一致じゃありませんか、これは。こんな重要な問題で総理の発言と大蔵大臣の発言が違う。しかも、総理はさっき石田委員の質問に答えて、その段階でのその見直しはないようなことを言われた。しかし、社会党の渡辺嘉藏委員の質問に対しては可能性があるようなことを言われた。そればかりじゃない。さっき不規則発言がありまして、国民の声を聞いてみろ、要するに食料品非課税やるべきだという意見が、発言がこの委員会のその場で、石田委員の発言の最中にもあったわけですよ。私は、こんな重要な問題についてですよ、総理、閣内で、あるいは与党内でこんな乱れた感じになっているんじゃ全然議論できないと思うのですよ。これは政府の統一見解をきちんと出してください。質問できない。
○村山内閣総理大臣 これは、今御審議をいただいておりまする税制改革のこの法案をつくる際にも、そういう議論は税制調査会なり三党の会議の中では不断に出されてきている問題なんですよ。だからこれは、私は、消費税の持つ逆進性を緩和するという意味では、不断にやっぱり議論しなきゃならぬ問題だというふうに申し上げたのでありまして、次の見直しの段階のときに必ずやりますとかなんとかということを申し上げているわけじゃありませんよ。これはもう不断に議論しなきゃならぬ課題であるということを申し上げているわけです。
○村井委員 私は非常に厳密に物を言っているつもりなんですよ。いいですか。平成八年九月の見直しで食料品複数税率が入ることを可能性として認めるのか認めないのか。大蔵大臣は認めないとこの間はっきり私に言ったんだ。それに対して総理は、あり得るようなことを言っているんですよ。これは将来の、遠い将来の見直しだとか、そんな抽象的なことを私は聞いているんじゃない。平成八年の九月にどうするかということを聞いているのですよ。平成八年の九月の話までは整理がついていると大蔵大臣が言っているのですよ。それは私は、完全な政府の中の意見不統一だ。こんな話、議論できない。
○村山内閣総理大臣 いや、違いはないんでね。これはね……(村井委員「違っていますよ」と呼ぶ)いやいや、この消費税の持つ逆進性とか、持つ欠陥なんてものは、今回もある程度欠陥については是正をしたけれども、しかしやっぱり議論をする場でこれからも不断に議論しなきゃならぬ課題であるということを申し上げているわけです。
○高鳥委員長 武村大蔵大臣。――大蔵大臣の答弁も聞いてください。
○武村国務大臣 今、いみじくも村井委員は、であるかのようなと、あるようなという微妙な表現を使わざるを得ないように、総理の答弁は、そう明確に二年後の見直しでこの軽減税率に対して積極的な発言をされたわけじゃないんです。ほかの答弁では、中長期的というふうにはっきりおっしゃっている場合もありました。そういう意味で、その後、閣内でも私の答弁と総理の答弁、ずっと表現で違いがあるかどうかをチェックいたしまして、違いはないという考えになりました。今、総理みずからも加えてこういうふうにおっしゃっているわけでありますから、総理と私と全く同じ考えであります。
 繰り返し申し上げますが、議論はずっと今からでも続けてあっていいと思っています。大変大事な、大きな問題だと思っています。
 しかし、消費税にかかわる課税の適正化という見直し条項の段階では、このことは予定していないというのが政府の考え方であります。
○村井委員 検討課題だというような言い方で、要するに何かありげなことを言われるから話が混乱するのですよ。この間の地方公聴会でも、いいですか委員長、委員長のおられるところでちゃんとそういう可能性を地方で示しているんですよ。そういう発言が特定の委員からやっぱり出てくる、それくらいこの問題については要するにはっきりしていないのですよ。
 国民の声がどうだというのは、それはもちろん我々受けなきゃならない。しかし、政治家として我々は今法律の議論をしているのですよ。法律の議論をしているときに、どういうことを今議論しているんだということを明確にしなきゃいけないのですよ。それが全然明確になっていないから、私は問題にしているんだ。これはどうしたって政府の統一見解を出してもらわなきゃだめだ。議論できない。
○高鳥委員長 委員長の席で聞いておりますと、とうも総理の答弁と大蔵大臣の答弁がそう食い違っているようには聞こえないのですが、どうぞ……(発言する者あり)いや、委員長が聞いておりますとそういうふうに聞こえるんです。ですから、もし違うんだったら、さらにただしてください、どうぞ。統一見解を求めるほど食い違っていないと思うのですが、どうぞさらに尋ねてください。
○村井委員 それじゃ、平成八年九月三十日の日付で、平成八年九月三十日の見直し、その時点で、食料品の複数税率は入ってくるのですか入ってこないのですか、それだけ。
○村山内閣総理大臣 私は、何度も答弁していますけれども、見直しの結論について予断を持っておりません、これからいろいろな角度から検討される課題です、こう言っておるわけです。
○村井委員 それはおかしいじゃないですか。大蔵大臣の発言と全然違う。何ですか。全然違う。答弁が違う。おかしい。(発言する者あり)
○村山内閣総理大臣 いやいや、それは違うという意味が私はわからないのだけれども、逆進性の緩和のために飲食料品を軽減税率を採用するとかあるいは非課税にするとかいうようなことは、これまでも議論されてきたことだし、これからも不断に議論されなきゃならぬ課題です、こう言っておるわけですよ。
○村井委員 そんなこと聞いてませんよ。平成八年の九月三十日にと言っているんだ。(発言する者あり)
○高鳥委員長 大蔵大臣、もう一度答弁してください。
○武村国務大臣 総理は、今予断を持っていないということをはっきりおっしゃっているので、これは私も全く同じです。今、二年後の見直しの中身まで予断を持って申し上げる状況ではもちろんありません。文字どおり、これはこの法律が通れば法律の規定に従って国会が判断をすることであります。
 ただ私は、財政、税制の責任を預かる立場として、この課税の適正化という中には、今は食料品の軽減税率を予定はいたしておりませんというふうに申し上げて、むしろこの問題は中長期的な課題、将来の課題として認識をいたしておりますということを申し上げているわけであります。でありますから、総理の今の発言と全く矛盾はないと思っております。(発言する者あり)
○高鳥委員長 ただいまの答弁について村井委員からどうも納得がいかないということでありますので、この問題についてはきちっとした統一見解を政府としてお示しいただくということにして、なお村井委員、残余の質問、時間も余りございませんが続けてください。(村井委員「だめですよ、そんなことじゃ。だめです。簡単なことじゃないですか、そんなもの」と呼ぶ)まだ質疑をする機会もございますので、どうぞひとつ続けてください。(村井委員「全然だめですよ、答弁になってないですよ」と呼び、その他発言する者あり)
 では、村山総理大臣。
○村山内閣総理大臣 いや、私は別に食い違いはないと考えていますよ。何回も言っていますように、見直しについての予断は持っておりませんと。この消費税については、逆進性の緩和とか、そのために飲食料品を非課税にしたらどうかとか軽減税率をとったらどうかとかいう議論は、これまでもやられたことでありますし、これからもやらなきゃならない課題であるというふうに私は思っております、こう答弁しているのです。
○高鳥委員長 大蔵大臣、今の総理の答弁に対してそのとおりというふうに言えますか。
○武村国務大臣 今の総理と全く同じ考えであります。
○高鳥委員長 それでは、ひとつ村井委員、質疑を続けてください。時間がだんだん経過しておりますので、どうぞひとつ、村井委員、残余の、先ほどもう残り時間十分ということになっておりましたが、時間が経過しておりますので、どうぞ質問を続けてください。――どうですか、村井委員、質疑は続けられませんか。
 それじゃ委員長からお願いしますが、村井委員の質疑については、次の機会に残りの分をしていただくということでいかがですか。そのように御協力をお願いします。
○村井委員 いろいろ場内からお声があったようですけれども、いいですか、平成八年の九月三十日の見直しというのに食料品の複数税率というのは入るんですか、どうなんですか。それを、聞いていますと、入るようなこともおっしゃったり、入らないと断定的におっしゃったり、いろいろされるから、これは議論が全然できないということを申し上げているんですよ。これははっきり統一見解を出してくださいということを申し上げているんです、とりあえず。(「検討課題だよ」と呼ぶ者あり)検討課題って、そこまで検討課題なんですか。そこまで検討課題なんですか。大蔵大臣は、それは検討課題じゃないと一度言っているんだよ、はっきりと。言っているんですよ。一度言っているんですよ。だから私は矛盾していると言っているんだ。
 まあいずれにしましても、私は、総理大臣と大蔵大臣との間に明らかに矛盾があると思うから、それだけ申し上げて、とりあえず私は質問を保留します。
○高鳥委員長 これにて村井君の質疑は保留分を除き終了いたしました。
 次に、佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 限られた時間でありますから、端的に質問をさせていただきたいと思います。
 今回の税制改革、消費税の税率アップ、前回も申し上げましたとおり三%から五%、七%の極めて重大な問題でありまして、多くの国民がこの政府のやり方に強い抗議の声を上げていることは周知の事実であります。こういう国民全般にかかわる税の問題というもの、前回の総選挙でどの党も税率アップを公約していないという状況のもとで七割も上げるというような問題、本来でしたら国民の信を問うてからやるべき、そういう重大な問題だと我々は考えていますけれども、村山総理は、三%から五%くらいというのは政治家としての裁量権の範囲内だということも言いながら、選挙でも公約しなかった問題を今この国会に提案して、そして与党の幹部の中には、もう審議も終わりだ、八日、九日には衆議院を通してしまおう、こんなことも言われている状況ですけれども、総理は、この今回出されている案件についての重要性をどういうふうに認識しておられるのか、簡潔に述べていただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 裁量権という言葉は訂正いたします。そんな権利があるわけじゃありませんからね。(佐々木(陸)委員「訂正する……」と呼ぶ)裁量権という言葉はね。ただ私は、公約をしたから一言半句間違えばそれは公約違反だというふうにはやはり言われないんではないか。それはおのずから、政治家として責任のとれる範囲内という判断はおのおのがしなきゃならぬものだと私は思いますね。
 で、七月の総選挙以後、これだけ、連立政権ができる、政治も大きく変わるような状況の中で、それぞれの角度から議論をして、しかもその議論も政治家だけがするんではなくて、いろいろな団体の意見も聞くし、いろいろな方々の意見もやはり聴取して、そしてできるだけ議論の経過の透明度も高め、民主的に議論をし合いながら合意を求めていくという手法もとって出している結論ですから、お互いに責任を持って国民の皆さん方にも御理解をいただけるものだ、こういう確信を持って提案をいたしております、こう申し上げておるわけです。
○佐々木(陸)委員 慎重にいろいろ議論をしてきて透明にやってきたというのですけれども、消費税の税率の五%というもの、これについては、提案されている法案の中に見直しの条項が現に入っているわけです。もう何度も問題になっていますけれども、一九九六年、平成八年九月三十日までに、税率についてはいろいろなものを検討して、四項目挙がっていますが、「所要の措置を講ずるものとする。」というふうになっているのです。この「所要の措置」というのは何ですか。
○村山内閣総理大臣 税というのは法定主義ですから、したがって法律を改正しなければ税制改革をしたことにならないわけですね。したがいまして、この見直し条項の中には、例えば行財政改革とかあるいは不公平税制の是正とかあるいは高齢社会に対するビジョンとかいうようなものを分析をして、そのときの財政事情等々も勘案をしながら結論を出して、その結論が出れば、当然、法律の改正が必要ならばやはり法律の改正もしなければならぬということも含めて言われている言葉であります。
○佐々木(陸)委員 五%におさまらない、あるいは五%以下になるということもそれは理論的にはあるかもしれませんが、六%、七%とかになるという場合には消費税法の改正案をこの時期までに国会に出して国会の議決を経るという意味ですか。
○村山内閣総理大臣 私は何度も繰り返して申し上げておりますけれども、見直しに当たっての予断は一切持っておりません、こう申し上げておるわけですね。したがって、今ここで、どうなった場合にはどうなるか、こうなった場合にはこうなるかというようなことを想定して議論をする段階ではないのではないかというふうに申し上げたいと思います。
○佐々木(陸)委員 そこまで詳しく先のことまで見通して言ってくれなくていいのですが、所要の措置を講じるというのは、法律的に言えば、もし税率を変えることがあったならば消費税法の改正案を国会に出して審議をして可決をしてもらう、議決をしてもらうという意味かということを聞いているのです。
○村山内閣総理大臣 これは一般論として申し上げれば、それは、税率を下げる場合も税率を上げる場合も法律の改正をしなければ、これはできない話ですから、所要の措置を講ずるというのはそういう意味ではないかと思っています。
○佐々木(陸)委員 要するに、今の五%のままでいける場合には、この所要の措置は必要ないわけですよね。それ以外になった場合には何らかの措置が九六年の九月三十日までに必要だ、そしてそれは法定主義なんだから、税率を変えるという場合には国会に当然それを提出してその議決を得ることになるんだ。その議決を得るところまでを九月三十日までにやるという意味ですか、これも法律的な問題ですけれども。
○小川(是)政府委員 所要の措置というのは、先ほど来の御議論のように、立法を要するものについては当然立法であるというふうにこの条文として受けとめております。したがいまして、基本的には平成八年の九月末までにそういう立法化がされるものとするというのが基本的な考え方でございます。
 八年九月末を置いておりますのは、御提案しておりますのは、平成九年四月一日から税率五%というふうに改定をお願いしておりますから、事業者の方や何かにとっての準備を考えますと、半年前には税率が確定している必要があるだろう、もし見直しを要するとすればそれまでである、こういう考え方で条文を出してございます。
○佐々木(陸)委員 要するに、見直しをすることになったならば、そのときまでに国会に法案を、改正案を出して、その可決を求めるんだということだというふうに理解をいたします。もちろん、そのときにあなたが総理のままでいらっしゃるかどうかは、それは全然わからないことですから、これは一般論としてお聞きをしたし、この法律が通るかどうかの問題ではありませんが。
 私、前回お聞きしたときに、武村さんにお聞きしたのですが、将来予断を持っていないということなんですけれども、NHKの討論で、直間比率六〇対四〇とか五五対四五とかその辺まで持っていく、徐々にそういう方向にやはり持っていくべきだとはっきりと述べておられる。で、武村さんはそのことをお認めになった。そうなったら、消費税は、税率はどうなるのかというふうにお聞きをしたら、「消費税だけをとらまえて直間比率の見直しを議論する必要はないと思います。」と言いましたけれども、じゃ何をとらまえて直間比率の見直しを議論するのですか。
○武村国務大臣 NHKの討論会に出ましたときに、たしか相手は佐々木教授でありましたが、(佐々木(陸)委員「中谷教授です」と呼ぶ)中谷教授ですね、それらしき会話をした記憶がございます。今回の税制改革が実現しますと、やや直間比率が変わる、間接税がふえて直接税が減るということですね。
 将来の話でありますが、消費税だけが間接税ではありません。何がという御質問でありますが、石油関係に関する間接税もございますし、たばこ、酒等の税もございますし、地方税にもその種の間接税がまだ存在を一部いたしております。そういう全体の中で申し上げているつもりでございます。しかし、直間比率というのは、初めに何か理想的な数字があって申し上げているわけでなしに、まさにそのときのさまざまな状況の中で、結果として比率が変わっていくということだろうと思います。
 御質問の趣旨はどういうことかわかりませんが、消費税を将来もさらに引き上げて、ぐんぐん間接税の比率を高めていく、そういう意図で申し上げているわけではないというふうに御理解いただきたいと思います。
○佐々木(陸)委員 それは納得できませんね。
 大蔵大臣は本委員会でも、直間比率の見直しの問題について――予算委員会ですね、十月十二日の予算委員会の答弁の中で明確に、平成六年ベースで、今度の改正が行われれば、直接税が七七%程度だったのが七二%程度になる、そして間接税は二三%程度だったのが二八%程度になるとはっきり述べておられますよ。ですから、その枠組みでいったら、六〇対四〇あるいは五五対四五、消費税をふやしていったら、じゃ、消費税のパーセンテージは何%になるか、これは参考のために聞くだけですけれども、それ、言えませんか。
○武村国務大臣 私は、その数字は今持っておりません。今申し上げたように、直間比率の是正ということはあくまでもそのときどきの状況の結果として出てくる数字であります。初めから意図的に、今おっしゃるような五五対四五とか六〇対四〇とか、そういう明確な数字で目標を持って申し上げているわけではないということであります。
○佐々木(陸)委員 NHKのそのテレビの中では、あなたは明確にそういう方向に徐々に持っていきたいと言ったんですよ。六〇対四〇あるいは五五対四五にというふうに中谷さんが言ったのに対して、ええ、そういう方向に持っていきたいと思っています、ちゃんと言っていますよ。もちろんそのパーセンテージを挙げたのは中谷教授の方ですけれども、あなた、そう返事しているじゃありませんか。
 だから、そうなった場合に、しかもあなたさっきから直間比率の見直しという場合に、間接税いろいろあると言うけれども、しかし、七〇対三〇くらいのものを六〇対四〇に持っていくときに、じゃ、消費税以外のものを上げてそう持っていこうと思ったら、たばこや酒、税金を十倍、二十倍くらいにしなければ、そんなもの、なりませんよ。
○武村国務大臣 申し上げておりますように、大きな流れとして、徐々にその方向ということを申し上げたわけでありまして、中谷教授の方が五五対四五というふうな明確な数字を挙げておっしゃっているということであります。
○佐々木(陸)委員 十月二十日のこの委員会での議論でも、このときには所得、資産、消費のウエートがどうなるかという問題で、資産課税は二五から二四になる、消費課税は二二から二七になる、所得課税のウエートは五四から五〇になるということを、あなた数字を挙げて、「直間比率の見直しという課題に対しても一歩前進した」ということもはっきり言っておられるわけですよ。
 こんな問題、余り論議するつもりはありませんけれども、しかし、あなたが言っておられるように、徐々にそういう方向へ持っていきたいという方向に行ったとすれば、今度の、あなたがこの間の予算委員会で十二日に述べられたそのフレームで言えば、我々が計算すれば、六〇対四〇となった場合には消費税が一〇%、そして五五対四五の場合には約一二%、そうなるのですよ。そういう方向を言っておられるし、あなたこの間、さっき挙げた二十日のものでも一歩前進、直間比率の間接税をふやしていこう、一歩前進なんですよね、もっと前進させたいという気持ちがあることははっきりこういう答弁の中にも出ているわけです。
 まあ、その問題はこれ以上論議しませんけれども、しかしいずれにしても、今度は総理にお聞きしたいと思うのですが、今回の五%という数字、これはいろいろ予断は持っていないと言いますけれども、五%という数字のその根拠についても、総理はこういうふうに言っておられる。
 これは参議院の予算委員会ですけれども、「平成九年から税率を上げるというんなら、その経過を踏まえた上でどうしてもこれだけは上げてもらわなきゃならぬというときに税率を決めたらどうかという意見もあったことも事実」だ、私も大体そういう意見を持っていた。だけれども、それじゃ無責任だと言われるから、やっぱり責任ある政治のあり方ではないかということも考えて「ぎりぎり抑えたところで、まあ五%ぐらいにしていただくことはやむを得ないのではないか」と、「まあ」というようなことで五%というのが出てきた。大して根拠があるわけじゃないのですよ。
 武村大蔵大臣も、これはさっき挙げましたが、二十日の本委員会の議論の中で、率直に言って時間が足りなかった、全部詰め切るにはタイムアウトといいますか、時間が不足していたというようなことは事実でございます、そういう中で、あえて今回のような五%で一体処理をしながら、なお附則条項を置くようにしたんだと。だから附則条項がついているということは、今度の五%というのは大して詰めたものじゃないということははっきりしているわけですよ。だから、予断を持たないとかなんとかと言いますけれども、五%におさまらないということも当然あり得るわけでしょう。
○武村国務大臣 何かどんどん消費税率を上げたがっているかのごとき御質問でありますが、まさに予断を持たないでいただきたいと存じます。
 見直し条項は、既に何回も御答弁申し上げてまいりましたように、四項目、文言で表現されておりますが、消費税の引き上げにかかわる、かかわりそうな項目もありますし、むしろ消費税の引き上げを抑制する経費節減とか不公平税制の見直しというふうな、そういう項目もあるわけでございます。全体で見直した結果、消費税率をもう一度変えるか変えないかをそこで判断をしていこうと、まさに総合的でありますから、余り予断を持っておっしゃらないでいただきたいと存じます。
○佐々木(陸)委員 いや、予断を持つなと言われますけれども、この間の、私、福島の公聴会に行きましたが、公聴会の中でも、与党の推薦した公述人の方まで、四%に下がる可能性があるなんていいかげんなことを言うなと言っていましたよ。国民みんな五%におさまらないと思っているのですよ。だって、政府もそういう宣伝をしているのだから。
 武村さんも、この間のNHKのテレビで、高齢化社会、これからどんどんお金がかかる、これがいい、この今度の対応でいいとは思っていないということまで、あなた言っているわけでしょう。そうなんですよ。だから、だれもかれもが、この問題は結局消費税をもっと上げる方向に持っていくんじゃないかと国民の多くは思っているわけですよ。そのための見直し条項があるわけですね。
 まあしかし……。両面があるとかという言葉がありますけれども、じゃ総理に最後に、もう時間のようですから一つだけお聞きしたいと思いますけれども、政府は今、高齢化社会になるとこうたくさんお金がかかる、じゃその高齢化社会の対応を総理はどう考えているのか。それからまた、国が二百兆、地方が百兆、こういう借金の返済をじゃどういうふうにしていこうと考えているのか。それからまた、六百三十兆円の公共投資、こういったような問題も次々に出されてきているわけですけれども、そういう財源について消費税の税率アップをしないというふうに断言できるのですか。そのことを最後にお聞きしましょう。
○村山内閣総理大臣 何か、聞いていますと、上げるんじゃないか上げるんじゃないかということを前提に質問されているようですけれども、私はさっきから言っているでしょう、予断を持っておりませんと。
 税負担をどの程度の水準に維持するかということは、公共サービスの水準をどの程度にしていくかということと見合いなんです、これ。見合いなんですよ。ですから、行政改革もやらねばいかぬし、あるいは不公平税制の是正もせねばいかぬ、あるいは高齢社会のビジョンも示さなきゃいかぬ、そういうことを総合的に判断をしながら、財政事情等も勘案をして結論を出すための見直しをするんです、こう言っているわけですから、その結果によってどうなるか、それは予断を持って議論をしているわけじゃありません、こう申し上げているわけです。
○佐々木(陸)委員 予断を持っていないと言いますけれども、多くの国民は、この見直し規定が設けられて、その見直しの時期にまた二%かそこらは、まあ裁量権という言葉は使われないだろうけれども、政治家の判断の範囲内だというようなことでまた上げるということになれば、結局細川さんの出された七%と大して変わらないことになるんじゃないかという危惧も持っているんだということを申し上げて、質問を終わります。
○高鳥委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時二十八分散会
     ――――◇―――――
  〔本号(その一)参照〕
    ―――――――――――――
   派遣委員の福島県における意見聴取に関す
   る記録
一、期日
   平成六年十一月四日(金)
二、場所
   ウェディング エルティ
三、意見を聴取した問題
   所得税法及び消費税法の一部を改正する法
   律の施行等による租税収入の減少を補うた
   めの平成六年度から平成八年度までの公債
   の発行の特例等に関する法律案(内閣提出
   )、所得税法及び消費税法の一部を改正す
   る法律案(内閣提出)、平成七年分所得税
   の特別減税のための臨時措置法案(内閣提
   出)及び地方税法等の一部を改正する法律
   案(内閣提出)について
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 高鳥  修君
      石原 伸晃君    津島 雄二君
      村井  仁君    北沢 清功君
      田中  甲君    佐々木陸海君
 (2) 現地参加委員
      穂積 良行君
 (3) 政府側出席者
        大蔵大臣官房審
        議官      薄井 信明君
        自治大臣官房審
        議官      成瀬 宣孝君
 (4) 意見陳述者
        須賀川市長   高木  博君
        協三工業株式会
        社代表取締役社
        長       齋藤 俊雄君
        福島県商工会議
        所連合会会長  坪井 孚夫君
        福島市議会議員 小林 義明君
        株式会社丸共家
        具店代表取締役
        福島民主商工会
        常任理事    斉藤 朝興君
     ――――◇―――――
    午後二時開議
○高鳥座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院税制改革に関する特別委員会派遣委員団団長の高鳥修であります。
 私がこの会議の座長を務めますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 この際、派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様御承知のとおり、本委員会におきましては、税制改革関連四法案の審査を行っているところでございます。
 当委員会といたしましては、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地のほかに福岡市におきましてこのような会議を催しているところであります。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。
 それではまず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長である私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 なお、この会議におきましては、御意見をお述べいただく方々は、委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆様から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員より質疑を行うことになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党の石原伸晃君、改革の津島雄二君、村井仁君、日本社会党・護憲民主連合の北沢清功君、新党さきがけの田中甲君、日本共産党の佐々木陸海君、以上でございます。
 なお、現地参加委員として穂積良行君が出席されております。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 須賀川市長高木博君、協三工業株式会社代表取締役社長齋藤俊雄君、福島県商工会議所連合会会長坪井孚夫君、福島市議会議員小林義明君、株式会社丸共家具店代表取締役、福島民主商工会常任理事斉藤朝興君、以上の方々でございます。
 それでは最初に、高木博君から御意見をお願いいたします。
○高木博君 須賀川市長の高木博でございます。
 衆議院税制改革に関する特別委員会の高鳥委員長さんを初め、各理事及び委員の諸先生方、並びに国の関係機関の諸先生方には、日ごろから地方自治の振興発展のために格別の御理解と御高配を賜り、この機会に厚く御礼を申し上げます。
 また、本日は、政務御多端の折にもかかわらず、このたびの税制改革につきまして地方自治体にも発言の機会を設けていただきまして、深く感謝申し上げます。
 さて、昨年から継続して審議されてまいりました税制改革の論議が結実いたしまして、ここにその成案が得られ、法案が速やかに今国会に提出されましたことは、まことに喜ばしい限りであります。
 今回の税制改革は、来るべき二十一世紀に向けた高齢化社会に対応するため、所得、消費、資産等の間でバランスのとれた税体系を構築することで、高齢化社会を支える費用、すなわち税負担を社会の構成員が広く分かち合うような仕組みを構築していただくことを主眼として行われたものと理解しているところであります。
 その意味におきまして、個人住民税を含めた個人所得課税の軽減を行う一方で消費税の税率を引き上げるという選択肢は、中堅所得層を中心とする勤労者の働く意欲を助長し、経済全体に新たな活力を生み出すことに結びつく、まさに時代の要請に沿ったものと考えております。
 特に今回の税制改革で特筆すべきことは、地方分権の推進論議を背景に、地方税源の充実にも目が向けられたことであります。従来、ともすれば国税中心の税制改革であり、地方税は国税の陰に隠れ、地方税の充実を柱とする地方財政の確立は長年の懸案でありました。今後、本格的な高齢化社会の到来を迎えるに当たりまして、従来にも増して地域全体が共同社会として連携を深め、その役割を十分に果たすべきであるとする認識が一般化しつつある現状の中で、その意味するところは、地域住民にとりまして最も身近な地方自治体こそが、これまで以上に重要な役割を担うということであります。
 こうしたことから、今回の消費税の見直しの中で地方消費税の創設が提案されましたことは、これからの地方自治体の責任と役割の増加に見合うよう、その税源を充実するという政治の強い意思のあらわれであり、大きな意義があると考えております。
 いずれにしましても、私ども地方自治を預かる立場の者にとりましては、今回の税制改革は、昨年六月の衆参両院の全会一致の分権決議の趣旨を直ちに具体化するものとして大いに歓迎をし、感謝申し上げたいと存じます。
 また、地方消費税の創設は、地方税制にとって本格的な間接税の導入を実現するものでありまして、シャウプ税制以来の大きな改革であると考えております。
 最近の地方財政は、行財政の効率的な運営に向けた努力にもかかわらず、住民福祉の充実や社会環境の整備等に要する財政需要がますます増大する傾向にあります。これらの財政需要に積極的に対応するため、極めて厳しい財政運営を求められている状況にございます。このためにも、今回の税制改革が最終ゴールではなく、今後、地方分権の流れを確固たるものとするための地方税制の見直し、さらには国及び地方を通じた税源配分の是正など、地方税源のさらなる充実強化に向けての論議のスタートとなることを期待するとともに、要望するものであります。
 他方、個人住民税についてでございますが、財政運営に苦慮している現在の地方財政にとりましては、正直に申し上げまして、まことに厳しいものがあります。しかしながら、日本経済の実情を考えた場合、当面の景気に配慮する観点から、個人住民税におきましても所得税と同様の措置を講じることはやむを得ないものと考えるところであります。ただし、減税先行に伴う地方債発行等の減収補てんにつきましては、十分な対策が講じられるよう強く要望する次第であります。
 今回の税制改革につきましては、国民の各所得階層ごとの損得が云々され、また同様に、地方自治体間の地域格差につきましても種々言われているところであります。しかし、税制改革の論議にありまして最も重要なことは、目先の損得勘定ではなく、将来の日本にとって、そして地域社会にとっていかに安定的な税体系を構築するかということであろうと考えます。こうした観点から、幅広い税制改革論議が行われることを期待いたしております。
 特に、特別地方消費税についてその存廃の論議が出ておりますが、この税は地方公共団体にとりまして極めて重要な税源であります。須賀川市は福島空港の所在市で、福島県の高速交通ネットワークの一大拠点として形成されつつありまして、これに合わせた、空港を核とした新しい町づくりを地域住民から強く要望されているところであります。本市のように地理的にも社会的にも恵まれた環境を有しながら、独自な町づくりが進みにくかった要因の一つには、さまざまな規制と地方財政の脆弱さがあります。
 こうした点を踏まえるとき、今回の税制改革で何らの代替財源も検討しないままに、単に廃止という論議が行われることにつきましては、我々といたしましても慎重な立場をとらざるを得ないところであり、今後、地方消費税の実施時までに、幅広い観点からよろしく御検討いただきたいと考えております。
 以上、今回の税制改革に関しまして、忌憚のない意見を申し述べさせていただきましたが、法案審議の上、速やかに御決議をいただき、安定した地方税制の構築にも資することになるよう御期待を申し上げるところであります。
 なお、せっかく発言の場をいただいておりますので、地方税の改正見直しについて、特に二点ほど要望させていただきたいと思います。
 一つは、非課税措置等の整理合理化であります。
 地方税における各種非課税措置及び特例措置につきましては、平成六年度に信用金庫、労働金庫の資産課税の見直しが行われるなど、逐次その見直しが行われ、整理合理化が進められておりますが、十分とは言いがたいのが現状でありまして、より一層の整理合理化を進められるよう要望するとともに、国税における租税特別措置につきましても、平成六年度に公益法人課税の適正化及び交際費課税の適正化が行われたところでありますが、引き続き税負担の公平確保の観点から、今後も税制調査会の答申にもあるように、利子や株式等譲渡益の総合課税への移行問題や納税者番号制度の問題等の見直しを進められるよう要望するものであります。
 二つは、地方譲与税のうち、航空機燃料譲与税における案分基準の見直しについてでございます。
 航空機燃料譲与税のうち空港関係市町村への譲与は、三分の一が着陸料、三分の二が騒音を受ける世帯数で案分するという基準になっております。しかしながら、近年の地方空港は、福島空港を初めといたしまして、山間部に立地することなどから、騒音が比較的問題にならない空港がふえている現状にあります。このような観点から、着陸料に係る案分割合を見直し、引き上げられるよう要望するものであります。
 最後になりましたが、諸先生方におかれましては、引き続き地方行政の進展のために特段の御高配を賜りますようお願いを申し上げ、私の発言とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○高鳥座長 ありがとうございました。
 次に、齋藤俊雄君にお願いいたします。
○齋藤俊雄君 私、先ほど御紹介賜りました協三工業株式会社の社長をやっております齋藤でございます。一部、三協工業という報道がなされておりましたのですが、これは逆でございまして、協三工業でございますので、そのようにお見知りおきをいただきたいと思います。
 それでは、私の意見を述べさせていただきます。
 今回、税制改革に関する政府案が示されまして、活力ある福祉社会の実現を目指す視点に立って、社会の構成員が広く負担を分かち合って、かつ歳出面の諸措置の安定的な維持ができるような、所得、消費、資産等の間のバランスのとれた新しい税体系を構築するための諸法案が提案されております。これらについて、私なりの意見を述べさせていただきます。私は、根っからの機械屋でありまして、あるいは的を射ない点があろうかと思いますが、製造業の一経営者としての意見としてとらえていただきたいと存じます。
 まず、個人の所得税につきましては、これまでの我が国の社会の安定的発展に大いに寄与してきたところでございまして、今後も中心的な役割を果たすべきものと考えております。ただ、勤労世代に負担が偏り、中でも一番働き盛りの人たちにとって、収入がふえても税金で持っていかれてしまうというような部分が多くなったりすることのないような税体系が望まれます。経済社会の原動力である働き手が手ごたえをしっかりと感じ取れるかどうか、政府案の国民への説明がよくなされていないように感じられます。中堅所得層に特に厳しかった個人所得税は大分軽減されるようでありますが、そもそも何に充てるための、何のための税制改革かという国民の素朴な疑問に答える最大限の努力をぜひお願いしたいと思っております。六千万人の所得者のうち、一千万人もの非納税者がいるということを聞いておりますが、これも疑問の一つではあります。
 次に、消費税についてでありますが、今国民が抱いている税制に対する不公平感を少しでも少なくするためには、消費税の税率アップで租税収入を確保する方法が最も適当であろうと考えます。ますます高齢化していくこの社会の、近き将来の福祉問題を考えますときに、四%の税率はむしろ低過ぎるように思います。消費税の比重が高まっていくのは、今の時代の要請であります。
 政府案の公債の発行につきましては、二百兆円を超えると言われております国債の残高がある現状を考えるとき、子孫にこれ以上の債務と利払いを押しつけることのないような、そういう配慮がぜひ必要であろうと思っております。
 次に、私が常日ごろ考えておりますことをつけ加えて、今後の政策に取り上げていただけたら大変ありがたく存じます。
 その一つは、地価税の廃止及び資産課税の軽減であります。
 今、我が国は不況のどん底にあります。地価税制度があるために、土地の売買が行われず経済が活性化しておりません。早急に手を打っていただきたいことの一つであります。
 最近の円高により日本産業の空洞化が問題になっておりますが、リストラと称して人員削減をやり、海外進出ができるのは一流の大手企業であります。これらの一流企業が我が国の三十分の一とも百分の一とも言われる海外の低賃金でつくったものが逆に我が国の市場に輸入されてきまして、国産の製品の価格破壊が堂々と行われております。ハイテク技術はどんどん海外に流れてしまって、国内の技術の空洞化が起こったらそれこそ大変ではないでしょうか。即効性のある地価税の改廃をぜひ考えていただきたいと思います。
 二つ目は、行財政の改革と規制の緩和による物価の下落を誘導することであります。
 具体例を一つ申し上げますと、産業別最低賃金制の廃止であります。各県の一律最低賃金がありますので、これだけで十分であると私は考えております。これを実施すれば労力と費用を著しく軽減できるでしょうし、行政のリーダーシップで簡単にできることだろうと思っております。こうした規制緩和は、直接に実質的な経済力の増加につながるのではないかと考えられます。
 それから、地方消費税の創設でございますが、現税制によりますと、直接税に偏った体系になっております。都道府県では、法人所得課税のウエートが非常に大きく、税収が不安定であります。特に今回のような長引く不景気のもとにおきましては、非常にこの法人所得課税の税収が左右されやすいわけでございまして、地方税源の充実が早急に望まれるわけでございまして、その観点からいいまして、地方消費税の、今回は一%という政府案でございますが、これは時宜に適した法案でなかろうかなというふうに思っております。
 最後になりますが、企業課税強化により相当の税収が確保できるではないかという一部論者の議論があるようでございますが、我が国経済全体の未来への発展を確保する責任を持つ我々企業人としましては、このような無責任な議論はしていただきたくないと思っております。
 簡単でございますが、以上で私の意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○高鳥座長 ありがとうございました。
 次に、坪井孚夫君にお願いいたします。
○坪井孚夫君 私は、商工会議所の会頭でございますので、経済環境の観点から今回の税制改革についての意見を申し述べさせていただきたいと存じます。
 地方の経済環境は、現在やはり、今齋藤さんが申し上げたとおり、不況という環境であります。ただし、中央におきますようなバブル崩壊の後の不況環境というのがそれほど実は大きく出ておりませんで、この点については、地方経済はある程度しっかりしてきているというふうに考えております。
 その地方経済がしっかりしている例としましては、ことしの福島税務署の三月の決算でございますけれども、法人税、これは所得税を中心としましたものですが、前年対比で数%の実は伸びを示しております。県内全体としましては、製造業の問題がございまして落ち込みがございますけれども、県税も伸びてきておりますし、そういう意味では、中央のいわゆる都市部のバブル崩壊後の影響というものを幾らか少なく受けているというふうに考えております。
 これはなぜかということなんでありますけれども、これは、前に行われました税制改正のときに、いわゆる消費税導入のときでありますけれども、このときの減税が地方の標準化してきた所得構造の中にあっていわゆる可処分所得を増加させたということが、景気というのは公共投資もしくは今言ったような減税のようなものがないとなかなか浮揚しない側面があるために、それがあったというふうに私は考えております。
 これは、データを示せと言われますと何%というものはございませんが、ただその後、公共投資が五十数兆円になって行われましたものとあわせて、私は地方の経済を極めて健全な形に今培ってきているというふうに考えておるところであります。しかし、残念ながら今回の長引く不況というものからなかなか脱却し得ないのは、これは同じ環境であります。
 その一つには、私はやはり政情不安があると思います。
 政界再編という名前のもとに、五五年体制崩壊の後、これは政治力学としてやむを得ないというふうには考えるものでありますが、しかしこの先行きがわからないわけであります。したがって、ファンダメンタルズと言われる経済は、金利はもう有史以来の安さでありますし、それから輸入ももちろんふえてはおりますが、貿易収支は相変わらずの黒字でありますし、円は高くなってくるわけであります。しかし、給与は少しではありますけれども伸びております。これがなぜ消費に向かないのか。消費がここで起きれば経済環境はよくなるわけでありますけれども、この消費に向かないという理由は、やはり決まるものが決まってこなかった。それが使えないのです。したがって預貯金に向いていくという形で、預貯金だけがどんどんふえている。この現象が今も実は続いている、こう考えております。したがって、私どもは、なるべく早くこの先行きが決まっていけるような政党と政府というものが決定されていくことを強く望みたいと思うのであります。
 去年の八月に宮澤内閣が解散されたときには、既に底を打ったというふうに感じておりました。残念ながら、そのときの経企庁長官も底打ちを宣言されたのでありますけれども、その後、やはり政界再編という形の中に、常にいわゆる上り調子になったときに抑えられてきました。これは、選挙制度の問題、減税の問題、予算の問題その他、いわゆるPKOの問題等が決まらなかった。やはり決まらないことに不安を感じておる。今でもそれはあるわけですが。したがって、今回の税制改正というものは、そういうものをやはり払拭して、ある程度の経済環境を良好に導くためにもきちっと決めていっていただきたいというのがまず第一の観点であります。
 ただ、円高が進むために、今言ったもう一方の要因で景気が抑えられていることは御承知のとおりでありまして、製造業の段階において、特に輸出関連製造業は福島県内にはたくさんの子会社、孫請会社等がございますために大変な苦境に陥っていることは、これは各地方とも同じ現象であります。ただ、いい面もあるわけであります。やはり輸入して商いをする方にとっては、価格破壊と言われるほどの価格効果をもたらしている面がございます。
 そこで、この円高との関係について、これからの景気の問題について若干意見を申し述べたいと思うのでありますが、すなわち価格破壊まで起こすくらいの低廉なる価格で商品を提供するということは、今持っておる資産がいわゆる付加価値が高まるわけでありますから、こんないいことはないわけであります。我々は必死になってこれに対応して、いわゆる安い品物を何とかたくさん供給するという方向へ動いておるわけであります。このことにつきましては全く異論のないところでありますし、これはこれからも進めるべきだと思って頑張ってまいります。
 ただし、一方におきまして、公共料金というのはどんどん上がっておるわけであります。そうしますと、生産性を高めて一生懸命働いていく立場にある者が、一生懸命働きましてもなかなか収益が上がらないとなると当然所得が少なくなってくるのに対し、労働生産性が低い立場のいわゆる公共性のある仕事というものが、どんどんこれがもし逆に値上がりしていくとなれば、ここに将来価値ギャップが起きてくると私は思っておるわけです。
 この価値ギャップというものは、やはり不公平感を生む形になりまして、私は社会不安につながると思っておるわけであります。したがって、今回の、特に消費税アップの時期にもしそういうような価値ギャップからくる不公平感が高まったり、または不況が続くことによりまして、結果的に消費税率が見直しの段階においてどういうふうに決まるかということ、これもまだ不明でありますけれども、そういうところについての不安感というものが出てきて、非常に私は、その辺に対しては危険を感じておるものであります。
 したがって、やはりきちっと、何%アップするならアップすると決めるということもあわせて、決まりをきちっとつけていっていただく。幸いに、PKOも、それから選挙区制度改革もウルグアイ・ラウンドも、そして今回の税制改革も決まろうとしておるわけでありますが、こういうことが続くということは、私は、良好なる経済環境を得るものと思って、今回の税制改革については賛成をいたし、積極的に推進していただきたいと思うものであります。
 ただ、そのときに、一生懸命働いておる、価格破壊までやって働いておる形の者たちが働く意欲を強めていくというためには、先ほどの累進税率の低減というものは絶対必要であります。一生懸命働いて相当手元に残るということになれば、ますます働く意欲を持って我々は働いていくという立場にある者でありますので、この点をひとつぜひ頭に入れておいていただきたいと思う次第であります。
 以上のような観点から、四点についてまとめたものを申し上げたいと存じます。
 一つは、地方から見ました我が国経済の展望であります。
 高齢化社会の進展は、老齢者の全人口に占める割合から見ましても、都会よりも地方の方が非常に多いわけでございます。福祉の充実がそのために急がれております。福祉の受け手である国民が安心してその受益を受けるためには、財源の安定した確保が重要であります。
 また、地方においては、道路、鉄道等の社会資本が未整備な状態であり、国土の均衡ある発展のためにもその充実が急務であります。その財源を借金にのみ依存することは決して健全な状態とは言えない。今後も従前のような高い経済成長が望めないことからも、増大する財政需要に対応しつつ、財政収支のバランスを確保する政策を強く望むところでございます。
 第二点は、今後の税体系のあり方についてであります。
 前述の財政需要を満たすためには、国民の税負担に対する公平感を基本に、社会全体の構成員が広く負担を分かち合うという見地から、所得税の負担軽減、消費課税へのシフトの方向性を支持いたします。今回の税制改革案はこの流れに沿っており、基本的に賛意を表しております。しかしながら、広く国民の理解を得るためにも、安易な税金アップに走ることなく、国・地方における行財政改革を積極かつ大胆に断行することを強く望むものでございます。
 三番目には、所得税・住民税減税について申し上げますが、バブル崩壊後、我が国経済は低迷状態が続き、最近において景気の先行きに薄明かりが差してきたと言われておりますが、地方経済の環境は依然として厳しい現況であります。景気回復が重要な課題であります。平成六年度と同規模の減税を平成七、八年度も継続されることは評価をいたしたいと存じます。
 また、二階建て減税についてでございますが、さまざまな議論がございますけれども、恒久的な減税規模を必要最小限確保した上で、残りの特別減税部分を一時的にとどめる今回の改革案は、見合いの消費税率のアップ幅を考えればかなり工夫された案として妥当なものと考えておるところであります。
 最後、四番目でありますが、消費税問題であります。
 中小企業者向け特例制度については、免税点が据え置かれましたが、簡易課税、限界控除が縮小・廃止されたのはまことに残念であります。この案から後退することのないよう図られたいと存じます。また、地方消費税における事務負担やコスト負担の増大等が起こらないように十分に御配慮をいただきたいと存じます。
 以上、意見を申し述べました。よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
○高鳥座長 ありがとうございました。
 次に、小林義明君にお願いいたします。
○小林義明君 福島市議会議員の小林でございます。
 このたび、衆議院税制改革に関する特別委員会委員長の御要請を受け、今国会に提出中であります税制改革関連四法案について意見を述べさせていただきます。
 まず、税制に対する基本的考え方でありますけれども、税に対しては、国民の、税金は取られるという意識から、国・地方の行政サービス及び地方自治を支える経費を国民一人一人が出し合うという意識の変革が必要だろうと思います。そのためには、納税者としての権利と義務とを明確にし、税の使途についても常に国民に明示されていなければならないと考えるところでございます。
 さらに、財政支出の見直し、行政事務や補助金の整理、行政経費の圧縮などに不断の努力が必要であろうと考えるところであります。加えて、政治、政府、行政に対する信頼が必要であり、関係者の一層の御努力を要望するところであります。
 今回の政府提案の税制改革は、幾つかの前進はあるものの、行政改革や福祉ビジョンの具体化は明らかにされず、不公平税制の是正など抜本的な税制改革が先送りされております。国民は、総合的な税制改革、短期、中長期にわたる、課題に沿ったあるべき税の姿の明確化を求めているのではないかなというふうに思います。今回の政府提案は、多くの課題が先送りされており、国民の期待に十分こたえた内容とは言えず、残念に思います。引き続き、税制に関する総合的改善に取り組まれるよう要望するものであります。
 次に、各論で二、三、意見を述べさせていただきます。
 今回、政府提案の所得税の二階建て減税は、納税者からすると、二年後には消費税の引き上げとともに特別減税が打ち切られることとなり、ダブルパンチという形になります。また、平成八年の減税は、「景気が特に好転した場合」というふうに表現されておりまして、検討される予定だと思いますけれども、しかし実際は、さらにその先にあります平成九年四月からの消費税の値上げというものが決まっているわけでありまして、年次別に見ますと極めておかしな形の提案になっていると、いうふうに思います。税に関するものがこういったところにあいまいな部分を残した形で進められていいものかどうか、平成八年の所得税減税についてももっと明確にすべきではないかなというふうに思います。
 次に、今回政府は、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案の説明の中で、中堅所得者層を中心とした税負担の累増感を緩和するため課税所得の範囲の見直しをする、こう表現されておりますけれども、年収五百万円の層で所得税プラス消費税プラス社会保険料で見ますと、平成六年と平成九年で比較しますと、この層は約十万円の増税というふうになります。同じく年収七百万円の層で見ますと、同じような比較で約十五万円の増税ということでございまして、中堅サラリーマンの負担は、減るということではなくて、逆にふえるというふうに受けとめられるんではないかなというふうに思っております。これはもっと思い切った所得税減税がなされなければ救われないんだろうと思いますけれども、もっと思い切った減税をすべきだというふうに思います。
 次に、現行の消費税の中の問題でありますけれども、現行の消費税の中に益税というふうに言われる部分がございます。御存じのように中小業者の特例、簡・限・免と言われる三点セットの中にあるわけでありますけれども、この中の一つの限界控除制度は今回廃止されるということでございますけれども、依然としてこの中にそういう問題が残ります。さらに、年一回または二回決算するような大企業が消費者から預かっているものもございまして、大企業の場合には数千億という単位になるのではないかというふうに思いますけれども、この消費税の運用益というふうなものがございます。
 こういったことで、現行の消費税の中には益税というふうに指摘されるものがあるわけですけれども、この消費税は、そういったことで、国民の目から見ますと不透明な部分がありまして、国民から見まして不満が募る部分を持っているわけであります。
 税金というのは、税金そのものから利益が生まれるということ自体、制度として全くおかしいわけでありまして、まさに税についての本質的な、致命的な欠陥を持っているというふうに言わざるを得ないだろうというふうに思います。こういう問題が放置されていながら、消費税について税率のアップというふうな方向に進まれることについては、賛成しかねるものであります。
 次に、今回の消費税改正の中には、地方消費税が一%創設されるというふうになっております。これは全国市長会など地方が強く要望していたものでもあり、一歩前進ということで評価できるものであろうというふうに思います。しかし、地方税と称しながらも、中身は実際、国が徴収しまして地方に配分するという、かつての地方譲与税と余り中身が変わらないような形ではないかなというふうに理解をしているわけでありますけれども、地方税としての位置づけをもっと明確にすべきではないかというふうに思います。
 御存じのように、さきの消費税の改正のときに電気ガス消費税というのがなくなりました。したがいまして、あのころから地方税における直間比率というのは大変バランスを欠きまして、今九対一ぐらいになっているというふうに思いますけれども、こういうふうな状況ということは、地方は極めて景気変動によって税収が左右される体質になっているというふうに言えると思います。
 これからの日本社会は高齢化社会、少子化社会に進みますし、そういったことの介護・福祉のサービスというものの担い手は、まさに地方自治体が手をつけることでございます。さらにはまた、国民の生活に直結するほとんどの施策というものは、地方が今重点的に担う時代に向かっているんではないかなというふうに思います。そのためにも、地方に対する財政の裏づけというのはしっかりさしていかなければいけない時代になっているんではないかなというふうに思います。そういった観点からも、今回の地方消費税の位置づけをもっと明確にすべきだというふうに思います。
 次に、今回の所得税の改正の中で、基礎控除が三十五万円から三十八万円に引き上げられることになっておりますけれども、本来、所得税の中における基礎控除というのは扶養親族を持たぬ独身者に対する控除を意味するものであったということでございます。つまり、独身成年男子の一年間の最低生活費には課税を避けるというのが趣旨で設けられたということでありまして、これは昭和三十五年の政府の税調の答申の中に出てくることでございます。
 その当時、昭和三十五年の基礎控除は年額九万円でありまして、月額七千五百円。当時の高卒の初任給くらいでありますから、大体そのぐらいのレベルのものを成年男子の月の生活費、こういう位置づけで基礎控除をしていた、こういうことのようでございますけれども、今回の三十八万円というのはほど遠いわけでありまして、三十八万円では月額三万円でありますから、こういった趣旨は生かされていないわけであります。あえて大げさに言えば、まさに憲法第二十五条の最低生活権に抵触するような精神を持つ問題でありまして、ぜひそういう方向での御検討をお願いしたいというふうに思います。
 あわせて、今回、給与所得控除について改正が提案されておりますけれども、御存じのように給与所得控除は、定額部分の六十五万円というのがありまして比例部分とプラスされて構成されておりますが、今回は比例部分のみの改正でございます。給与所得控除は、勤労に伴う必要経費の概算的な控除というふうな意味合い、あるいは相対的に把握の度合いが違うものについて、勤労者の所得というのは把握されやすい、そういったものを勘案して考えられているというふうに思いますけれども、それと現在のこの水準がどれだけ見合っているのかどうかということを考えますと、不十分ではないかなというふうに思います。そういった内容を十分満たし得るような中身になるように御検討をお願いしたいというふうに思います。
 最後でありますけれども、国民が税金を納めるということは、税の公平感というものがしっかりしてないといけないんではないかなというふうに思います。そのために、今までの議論の中でも所得と消費と資産に対する税のバランスというのがよく言われてきたわけでありますけれども、特に今回は、資産課税の適正化、不公平税制是正といったものが強く打ち出されてはおりませんで、極めて残念に思います。総合課税の確立あるいは納税者番号の導入等、不公平税制の是正にさらに引き続き強力に取り組んでいただくよう要望いたしまして、私の意見とさせていただきます。(拍手)
○高鳥座長 ありがとうございました。
 次に、斉藤朝興君にお願いいたします。
○斉藤朝興君 私は、福島市郊外の飯坂温泉で家具店を経営している斉藤朝興と申します。また、中小業者の団体であります福島民主商工会の常任理事も務めております。一市民の立場から、また業者の立場から意見を述べさせていただきます。
 まず冒頭に、私は、このたびの税制改革案、どうしても承服できないという私の意見の結論部分を最初にはっきりと申し述べておきたいと思います。
 三%の消費税が一九八九年四月に実施されて以来、消費者も私たち中小業者もこの税金のために大変重い負担を負ってきました。不況の中で実質賃金が目減りしている消費者にとって、この消費税のために新たな負担がふえたわけであります。それが、たとえ五円、十円、百円といった金額であっても、暮らしに影響がないわけはありません。年間十二万円、これが平均の消費税額だそうでありますが、物価もこの五年間で一割以上も上がっているわけですから、これは消費者にとって大変なわけです。政府の調査でも、特に所得の低い人たちにこの影響が大きくあらわれていると言っています。私たち中小業者にとっても、この長引く不況の中でどうしても物が売れない、売り上げが欲しい、そういうことのためにお客様からなかなか消費税をいただけない、これが業者の実態ではないかと思います。
 例えば、私のところで言いますと、市内には二千平米クラスの大型の家具店が三店舗あります。私の店は五百にも満たない小さな店でありますが、この激しい大型店との競争の中で、例えば婚礼家具なんかの高額なお買い物をされるお客さんに対して、あれやこれやの品定めが終わった後で、消費税としてあと一万五千円とか二万円とかいただきますというようなことはなかなか言えないのであります。結局、その分は店で負担をせざるを得ないというのが実情であります。そうなりますと、仮に決算が赤字であっても消費税だけは身銭を切って納めなくてはならないわけですから、経営はますます苦しくなる、こういうふうになってしまいます。
 ことし、全国七千人を対象に行われました全国商工団体連合会、これは私が入っています福島民主商工会の全国団体の組織でありますが、ここの婦人部協議会が調査をいたしました。消費税を転嫁できていないという業者が全業種平均で四一%にも及んでいるというふうに言っております。中でも飲食業は七九%、小売業が四五・五%、消費税を転嫁できない、そういうふうに言っております。こんな消費税はなくしてほしい、こういうのが私を初め中小業者の率直な気持ちであります。
 ところが、今回出されました税制改革案を見ますと、消費税はなくなるどころか、税率を五%にも引き上げようというのですから、たまったものではありません。定率とか恒久とかややこしい減税もありますが、消費税の増税と合わせると、結局サラリーマンの八八%、自営中小業者の九五%は増税になるというのですから、とても納得できるものではありません。
 県内を見ましても、九四年一月から六月までの倒産は既に九十一件。九三年、去年一年間の企業の人員整理の数は九千三百十七人。このように国民が深刻な不況で苦しんでいるときにこのような増税案がどうして出てくるのか、理解するしないを通り越して怒りさえ覚えるのであります。
 しかも、これはぜひ強調したいのでありますが、今回の案では、必要があれば九六年九月三十日までに所要の見直しをすることができるという、税率引き上げの幅を幾らでも拡大できるような見直し条項が設けられております。報道によれば、この条項に基づいて税率を六%とか七%に引き上げる可能性が既に取りざたされていますが、こんなことは二重三重に許されることではありません。絶対に反対であります。
 そもそも、昨年の総選挙の際、消費税の税率アップを公約した政党は一つもありませんでした。特に、政権与党となって今回の税率アップを提案している社会党は、これまでいつも消費税廃止を掲げて選挙を戦い、前回選挙でも税率引き上げ反対の公約を掲げて現在の国会議員を当選させてきたのであります。ところが、今でも、福島市にあります社会党県本部の建物には「消費税率アップに反対」の大きな垂れ幕がかかっているのであります。帰りにぜひ見ていってほしいと思います。
 ところが、国会でこの公約違反を追及されますと、村山首相は、公約違反を渋々ながら認めたものの、この程度は政治家の裁量の範囲だと開き直りました。この言葉ほど、社会党の公約を信じて投票した人たちの信頼を踏みにじる言葉はないと思います。商談が成立した後で勝手に値段を上げるようなものでありますから、私たち商人の常識では絶対に考えられないことなのであります。
 一方、統一会派改革の側からは、もっと上げろと言わんばかりの追及が国会の中でされているようでありますが、これらの会派の中にも、税率引き上げ反対を公約してきた公明党や、かつて反対を表明した民社党なども含まれています。こんな公約違反の増税案、絶対に認められません。
 また、この増税と引きかえに出された所得税の減税案では、恒久減税と定率減税の二階建て減税と言われています。定率減税の方は、九五年は行われますが、九六年には景気が回復すれば行われず、消費税が増税される九七年からは恒久減税だけが行われるという全く中途半端なものであります。しかも、恒久減税では、多少の人的控除などの引き上げはあるものの、例えば年収三百万の人は三千円、五百万の人は二万七千円というわずかの減税であるのに対し、年収三千万の人は百八十三万円、五千万の人は二百三十七万円という大幅な減税であり、まさに高額所得者中心の減税だと断言しても決して言い過ぎではないと思います。
 五年前の消費税導入のときにも、所得税の最高税率が七〇%から五〇%に大幅に引き下げられ、法人税率も四二%から三七・五%に引き下げられました。消費税を負担する庶民のお金で大金持ちや大企業への減税が行われたのです。今度の消費税増税も、こうしたことをさらに強めるものであります。こんな不公平減税は黙って見過ごすわけにはいきません。
 次に、業者の立場から、これは見過ごすことができないということが消費税の特例措置の改廃であります。
 今、益税と称して、あたかも我々中小業者がこの制度でもうけているかのごとく宣伝されていますが、消費税を転嫁できない我々業者から見れば全く言語道断であります。これらの制度は、もちろん我々中小業者の要求によって設けられたものではありません。私の所属する全国商工団体連合会を初め、商工会議所や商店会、チェーンストア協会など、多くの中小事業者や業者の団体は、最初から消費税の創設そのものに反対をしていたのであります。これに対して政府は、事業者が税務代行を行うための膨大な事務負担や費用の負担に対する当然の措置として、消費税という間接税には必要不可欠だとしてこの特例措置を設けたのであります。
 昨年十一月の政府税制調査会の答申の中でも、消費税が十分に機能していくためには、納税事務に携わる事業者の事務負担を軽減すること自体は十分合理性があるし、広く諸外国でも同様の制度が設けられていると述べております。この特例措置をなくせというのならば、消費税そのものもなくすべきであります。
 今回の改正案では、簡易課税制度の適用業者を売り上げ四億円から二億円以下に引き下げ、限界控除制度をなくすことにしております。簡易課税の適用業者にとって、これまでに二度もの改定で、税額の増額と実務の負担が急増している状況ですし、また限界控除制度の廃止は、売り上げ五千万以下の業者に急激な税負担をかけることになります。さらに、記帳及び領収書、請求書等の保存を義務づけ、インボイス方式の本格的導入に一歩踏み出し、新たに、申告書に政令で定める添付書類の提出を義務づけています。
 これらのことは、消費税の徴税体制強化の道であるとともに、際限のない消費税増税への道を開くものであります。現に加藤政府税調会長も雑誌「税経通信」の八月号で、税率が二けたになればとても現在のような帳簿方式ではだめで、インボイス方式にする必要があると述べていることからも明らかであります。
 しかも、今回は免税点を三千万円のまま据え置きましたが、政府・与党の税制改革大綱では免税点の引き下げを明記し、国会審議でも社会党議員がこの問題を追及しております。しかし、もともと政府は、免税業者は数では七割に近いが、売り上げは三%にもならず、ここからの消費税などは物の数ではないと言ってきたのです。むしろ、税率がどんどん上げられ、インボイス方式が本格的になれば、これは日本商工会議所も指摘しておりますが、零細な業者はそれによって取引から排除されるという危険にもさらされるのであります。
 そもそも、だれから幾ら税金を取るかというこの税制の基本は、生活費には課税をしないこと、税金は能力のある者からそれに応じて取ること、これが基本であると思います。ところが、消費税はまさにこれに逆行し、すべての国民の生活必需品に課税し、所得の低い者ほど負担が重いという天下の悪税であります。税率が高くなればなるほど、国民にとって耐えがたい悪税になることは必至であります。
 税率アップの理由に、高齢化社会のためとか福祉のためとかいろいろ言われております。しかし、これは前回の消費税導入のときにも言われたことです。ところが、導入後の実態はどうでしょうか。福祉の向上どころか、入院給食費の本人自己負担を求めるとか年金を大改悪するなど、福祉、社会保障の改悪ばかりではなかったでしょうか。
 その一方で、軍縮を言いながら軍事費は約五兆円に迫ろうとしておりますし、ゼネコン疑惑の解明はそっちのけ、新たに六百三十兆円もの公共投資計画が立てられていると聞いております。こういう費用のむだを徹底的に削減することなしに、福祉の財源だ、消費税の増税だと言っても、国民に通用するものではありません。その上、私たち業者のところには、税務署が土足で上がり込むような厳しい税金取り立てをしている一方で、大企業や大金持ちに対してはさまざまな優遇措置がとられているのであります。こういう問題を解決するならば、福祉の財源、高齢化社会に備える費用は十分に賄えるはずだと多くの国民は考えているはずです。
 現に、最近の時事通信社の調査でも、消費税率の引き上げに六割を超える国民が反対しているではありませんか。こうした世論を正しく反映し、消費税率の引き上げを柱とした今回の税制改革法案はぜひ廃案にすべきであると強く主張したいと思います。
 最後に、この法案は、国会審議はまだ始まったばかりです。国会での審議日程も国民に余裕を持って知らされず、審議を傍聴したくてもできない状況かと聞いております。しかも、国会で何が議論をされているのか国民にはよくわからないまま、強行採決されてしまうのではないかという疑念さえも覚えます。
 税制に関する今回の法案は、国民生活に直結する重要な法案であります。じっくり腰を据えた慎重な審議を行っていただくよう要望いたしまして、私の陳述を終わらせていただきます。(拍手)
○高鳥座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
○高鳥座長 これより委員からの質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石原伸晃君。
○石原(伸)委員 自由民主党の石原伸晃でございます。
 本日は、意見陳述者の皆様におかれましては、お忙しいところを本当に貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。本当に、私どもの税制審議の中で皆様方からいただいた貴重な御意見を十分に参考にさせていただかなければならない点が多々あったと思います。
 その中で、まずお伺いをさせていただきたいと思うのでございますが、協三工業の齋藤社長、あるいは福島県商工会議所会長の坪井さんの方から、何のための税制改革なのか、あるいは国民の皆様への説明が十分ではない、こういう御指摘があったと思います。
 この税制改革議論を私もずっとやってきたうちの一人でございますけれども、国民サイドからいいますと、あの細川政権時代に突然夜中に国民福祉税という形で、消費税をやめて七%の税制をつくるということで、この議論が公にされたような感じを持っていらっしゃる。そして、政権交代があって、この二カ月間の間に、短期間でございましたけれども新しい連立政権が税制改革大綱をまとめるという形で、やはりその点については十分反省をしていかなければならないということを感じた次第でございます。
 まずお聞かせ願いたいのでございますが、坪井会長さんと小林先生の方から、いわゆる中小特例について正反対の御意見が出されたと思います。坪井会長さんのお話ですと、やはり免税事業者三千万円のものは維持していただきたい。小林さんの方は、益税があるからどうもこの制度は疑問であるということが出されたわけでございますが、私たちもこの点につきましては十分議論を重ねて、やはり三千万円以下の事業者は、サービス業を除きますと、平均人員が二・九人、三人に満たない、いわゆるパパママストアでやっている方々で、複雑な納税事務にたえられない。勉強すればできるという意見もあったのですけれども、そういうところにはやはり配慮をしなければいけないのではないかということでこの免税点を維持したわけでございますが、坪井さんあるいは小林さん、この制度についてどのようにお考えになるのか、もう少しお話をお聞かせ願いたいと思います。
○坪井孚夫君 私は縮小されたことは残念であるというふうに申し上げたのです。これは、反対しますと総合的な全体のレベルの問題に関与いたしますから、もしそうでなければ今までどおりの方が波風が立たなくていいことは、これははっきりしておるわけであります。
 ただ、益税と言われまして今まで大変批判をされた部分でありますから、それがある程度是正されなければならぬだろうということは出ております。先ほど斉藤さんが発言されておられましたように、内税、外税の問題がありますけれども、そういう形で実際に消費税そのものをいただけないというような商いをしておる者も多々ございます、これは。ただしかし、それはやはり決められた範疇でいただくべきでありまして、外税、内税の問題ではありますけれども、いただくべきものとして私どもはとらまえてきておりますから、それを要するにいただけなかったからということで税金を納めることになることについての問題は、これはいわゆる制度とは別な範疇の問題だと考えております。
 ただ、心情からいいまして、会議所に会員がたくさんおります中には、そういう中小会員、まあ零細会員がたくさんおるわけでありますから、この方々に配慮をしていただくということはこれからも必要であろう。したがって、残念でありますが、これ以上後退しないようにお願いしたいということを私は申し上げたわけであります。
○小林義明君 中小特例の益税の問題ですけれども、年間の売り上げが三千万とか二千万とかという金額になりますと、その業者がどのぐらいの利益かというのは、三百万とか四百万とかよくわかるわけでございまして、そういう利益の状況の中でさらに税金の事務が煩雑になるということは大変である。それからまた、それだけのものを全国的に捕捉していくということになれば、税務署の職員とかそういった方の手数もたくさんかかる。こういうふうな現実は理解しておりますけれども、しかし、税金そのものの根幹を見詰めたときには、要するに国民が税金を払ったその税金の途中の段階でどこかがもうかるということは、税のあり方としてやはりあるべき姿ではないというふうに思っておりますので、やはり純粋な税のあるべき姿からいって、それは正さなければいけないのではないかなというふうに思っております。
 前段言いました現実の難しさの部分は十分承知しながらも、しかしそれをやっていかないと税金に対するもやもやは消えていかないという指摘をしたつもりでございます。
○石原(伸)委員 ありがとうございました。
 引き続いて質問を続けさせていただきたいと思うのですが、須賀川市長の高木さんの方から御指摘がございました、目先の損得勘定でなく将来の税制の姿の中で税制改革というものは考えていかなければならないという貴重な御指摘がありました。そして、市長さんでございますので、地方財源に関係する非常に具体的なお話があったと思うのですが、いわゆる特別地方消費税のところについては幅広い観点から検討していただきたいと。
 市を預かる者としては財源を確保しなければいけないから、市長さんの本当の胸のうちは、何とか残してもらえないかなというふうにとったのでございますけれども、その点については、やはり消費者側からいいますと、これは料飲税に端を発しているものでございますので、それが決して、昔のように旅館に泊まったり高いものを食べたりするのがぜいたくではもう国民的にはないわけですから、消費税の上にまた特別地方消費税が乗っかることには私は抵抗があるような感じがするのですけれども、私が勘違いをしていれば恐縮なんでございますけれども、市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○高木博君 それでは、お答えいたしますけれども、これは、特別地方消費税が仮に廃止される場合には、それを補てんするような税源を手当てしていただくということであれば結構ですという気持ちでございますので、よろしくお願いします。
○石原(伸)委員 あともう一点お聞かせ願いたいのですが、住民税減税で大変御苦労されたと思うのですね。須賀川市で、起債もされたと思うのですけれども、市の財政規模が幾らで、一体どのぐらいの住民税減税を行うのに起債をされたのか、参考までにお聞かせ願えますか。
○高木博君 私のところの一般会計は約二百億でございまして、そのうち住民税の減税によるマイナスの部分は約四億でございますので、それに見合う程度はある程度、全額というわけにはまいりませんけれども、中でいろいろ事業を取捨選択しながら、今までの借りておった額等もございますので、それに見合うほどではございませんが、やってきたというところでございます。
○石原(伸)委員 ありがとうございました。
 質問を続けさせていただきたいと思います。
 協三工業の社長の齋藤さんが、ちょっと私、実は意外な感を受けたのでございますけれども、東京ですとやはり地価税の問題ですね、非常に危機感を持っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃる。課税ベースが非常に狭くて、特定業者に固定資産税とは別に資産課税がかかっております。また、資産課税の軽減という御指摘もございました。東京では、地価の公示価格と比べて固定資産税の評価額が逆転しているようなところがあって社会問題にまでなっているのですが、福島という地方の県庁所在地でこういう御指摘があったのですが、やはり固定資産税やこういう問題で、福島市の中でも、あるいは福島県の中でも問題が起こっているのでしょうか。もう少しお聞かせを願いたいと思います。
○齋藤俊雄君 私なりの解釈になるかもしれませんが、実は福島県は御存じのように発展途上県でございまして、ただいまディベロップの最中でございます。そういった中で、特に郡山の西口とか福島市の西口地区あるいは東口、これの再開発問題が今起きておるわけでございますが、この再開発計画ができてもディベロッパーが来てくれない、こういう非常に困った状態にあるわけです。
 これは、なぜ来てくれないかというと、土地に対する投資を嫌がっているわけですね。というのは、もうバブルで懲り懲りしておる、もうこれ以上そういう痛い目には遭いたくないということなんですね。ですから、不動産業界は一番困っているだろうと思うのですが、土地が動きません。やはり土地が動かないと経済そのものが、特にこの福島市においてはそうだと思うのですが、全然産業全体が活性化されてこない、こういうことにつながっているだろう、こう思います。
 それで、どうしてもその辺のところの廃止ができなければ税率を半分に減らすとか、そういったことが必要でなかろうかな。そして、本当に経済そのものを活性化させるということが緊急の要務でなかろうかと思っておるわけであります。
 ちょっと長くなって申しわけないのですけれども、来年は福島の五十回国体がございます。それに向けて今現在、道路をつくったりいろいろ公共投資がなされておるわけです。ところが、箱物をつくるにしましても土地が必要だ。土地そのものに対する投資はちょっと控えなくてはならない。そういうことから、やはり地価税というものが非常に災いしているだろうというのが私の考えであります。
○石原(伸)委員 ありがとうございました。
 最後に、時間でございますので、丸共家具の社長の斉藤さんにお聞きして質問を終了させていただきたいと思うのです。
 婚礼家具の話を例に出されて御説明いただいたのですけれども、婚礼家具というのは十万とか二十万とか何十万もする非常に高いものだと思うのですけれども、こういう場合は仕入れの段階でも消費税を払われていないのかというのが第一点と、例えば昔は桐のたんすなんというのは婚礼家具で物品税がすごく高くかかっていたと思うのですが、物品税のときは払われていたのか払われていなかったのか、いただいていたのかいただいていなかったのか、その点についてお聞かせいただき、質問を終わらせていただきたいと思います。
○斉藤朝興君 物品税については、ちょっと私も正確に覚えていませんのでお答えできません。ただ、金額が高額でも少額でも、仕入れにはすべて三%かかりますから、現在の時点ではすべての仕入れに三%はかかっております。
○石原(伸)委員 ありがとうございました。
○高鳥座長 これにて石原伸晃君の質疑は終了いたしました。
 次に、北沢清功君。
○北沢委員 私は社会党の委員、北沢でございます。
 私は、ずっと長いこと地方議員をやっておりまして、今回の地方消費税については、それぞれ、地方の要請するものであるという高木市長さん、それからほかにも御意見がございました。問題は、これから地方分権が進めば税の構造も相当違ってくるわけでありまして、そういう面では地方消費税のあるべき姿という面については、今後、今の一%が妥当なものであるかどうかということについて、さらにこれを重要視して二%、三%という形で地方の独立的なものにする、そういう御意見があるかどうかということについて、この際高木さんからお聞きをいたしたいと思っております。
 今回の税制は、本来私は、半分ぐらいの税制であって、これから私ども政府・与党としてやらなければならない点については、年度内税制の改革というのがございます。
 これは、それぞれ首相も閣僚も答弁を委員会でしておるところですが、いわゆる消費税の逆進性というものをどういうふうになくしていくかということについては、食料品の非課税の問題、それから自民党の閣僚の方もはっきりと答弁されていますが、私どもも、租税特別措置法であるとか、その他いわゆる不公平税制、どうしても見直さなければいけないという点については積極的に進めていきたいということで、そこら辺が何か福祉ビジョン、これから行革のもとにおける経費節減が予算の削減につながり、そのことが税収を余り取らなくてもいいとか、また福祉についてはこれから福祉ビジョンを、先ほどお話がございましたように、細川さんのようにそういう論議がされない中で突然出るという形でなくて、もっと本質的な問題に触れて、そういうものを積算をする中での将来の財源というものを進めていかなきゃならぬ、そういうことでありますから、世上言われるような、今回の税制がただ単なる消費税アップなりにつながるものではないということは私からもはっきり言えることだろうと思います。
 しかし今回は、とにかく今まで想像できない点は、非常に不況が深刻化をして長いということですね。しかも深刻化をしているということで、ここら辺を、やはりこの所得減税によって景気を浮揚して、そのことによって税収の増を図るということが緊急の課題でございますから、そういう面も含めての税制の今回発表された点であろうと思います。
 ですから、ただ単に経済的な状況、そういう状況の中での五%ということでありまして、私どもはさらにこれを見直しをして、なるべく上げない、そういう形で対処をしていきたいと思うわけです。それが二階建て論になっておるわけでありますが、この点について、先ほど妥当なものであるという御意見が非常に強かったわけでありますから、そのことだけは今皆さんにこの際お伝えをしておかなければならぬことだろう、そう思っています。
 その面について、さらに公共料金の底上げであるとか価格のギャップの不公平の信頼されないという面も含めて、これから取り組んでいかなければならない課題であろうと思いますので、その点について、坪井さんから再度また御要望がございましたら細かく受けたいというふうに思っております。
 それから、免税については、今も言われますように益税の解消ということが中心になって今回相当な手直しをしましたけれども、私どもは、各業界における問題としては、今言った内税なり外税で払えない、それを消費者に転嫁をしてじゃなくて業者の皆さんが負うという意味での三千万の免税点はぜひやってもらいたいというのが現状であるというふうに私は理解をしております。斉藤さんからその点について再度。
 現にある消費税でありますから、これは即この三%、内閣がかわったから廃止をする、即時廃止をするというわけにはいかないわけでありますから、これは当然前の政府からの受け継いだことでありますから、ここら辺についての今回の措置というのは非常にきめ細かな措置であろうというふうに私は思っております。
 私どもとしては、本来の意味の問題点については非常に国民の皆さんにまだまだ御理解を得られない面があるわけで、税制というのは非常に国民の信頼を得るという意味で大切なことでありますから、今それぞれの公述人の皆さんの御意見を受けて、さらに皆さんの、私どもの意図が正しく伝わり、そしてこれからの二十一世紀に向けての税制のあるべき姿という面については、さらに末端からくみ上げていくという姿勢を続けてまいりたいというふうに思っております。
 そういう意味で、民主商工会の斉藤さんからいろいろ御意見がございましたけれども、まだ補足する点がございましたら、斉藤さんから御意見がございましたら御意見をいただきたいと思っております。
 以上です。
○高鳥座長 最初に、高木さんの方に御意見を承りたいということでしたので、高木さんの方から先にお願いします。
○高木博君 私どもは、仕事をさせていただくには、御案内のように金が必要なわけでございますので、税源を十分に確保していただくということが一番肝心なことであります。したがって、今回地方消費税一%ということでございますが、我々は、お伺いしますと県と市町村ということのようでございますけれども、いずれにしましても半々に分けるのかなと思いますが、これから先のことを、仮にパーセントがふえていくというような場合には、地方分権というようなことが叫ばれまして、ある程度地方に仕事が落ちてきて自治体の責任でこれをこなしていくということが多くなっていくわけでございますし、現にそういうことが出てきておりますので、十分な税源の確保を図っていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○高鳥座長 ありがとうございました。
 次に、斉藤朝興さんにお願いしますが、先ほど大分陳述の時間を超過しておりますので、簡潔にお願いします。
○斉藤朝興君 特例措置のことですが、これは、限界控除にしろ免税点にしろ、我々業者の方から見れば残してほしいというのが当然ですし、反面、益税という、消費者の側からすれば、これは間接税というものの中にあるどうしようもない矛盾だと思うのです、どっちかやればどっちかが問題が起きるという。ですから私は、これは廃止するのが一番いいというふうに今でも思っております。
○北沢委員 一言だけ申し上げますが、地方消費税を大幅に見るということは、これからの事業と税の負担の問題になるのですが、その際でも税制全般の見直しで、消費税アップで逆進性が、消費税という形で出るわけでありますから、そういうものを考慮しても、いわゆる地方の財政を確保するという観点で、最も安定した財源としての組み合わせによって、例えば地方の個人所得税とかそういうものを加味するとか、そういう形やもろもろの組み合わせの中で対処する方が私は非常にいいと思いますので、そこら辺については御意見として申し上げておきます。
○坪井孚夫君 価値ギャップ等の関係で、いずれ消費税アップ率が決まるときの段階について、社会不安があるような場合が招来しないようにしていただきたいということを実は申し上げました。
 結局は、地方の景気もそうでありますけれども、日本が今行かなくちゃならぬということは、何といっても好景気をある程度持続しまして、世界のやはり活性化に資するような経済体制をつくらなくちゃならないということだと思うのです。ですから、そういうときに、累進性の問題も弱めていくことが活力のある、働きたい人がどんどん働くというような社会ができてくるだろうという、この中国の例を見ましても、そういう例を見てもそういう形を考えておりますから、そういう意味で累進性の問題を申し上げました。
 そして同時に、それだけ働くということは生産性を上げるわけですが、生産性を上げるためには大変なコストダウンを図る、そのためには労働力も費やすし、もちろんいろいろな設備投資も費やす、そういう形になっていく。反面、公共料金が上がっていくとなると、一定の時間勤めている人は同じ給料をもらって、働く者たちは倍働いてようやく同じような利得を得るということになるならば、そこに価値ギャップができるだろうということなんです。それがちょうど、このまま不況でいくならば消費税率アップを決めなくちゃならぬ時期に遭遇しないようにしていただきたい。したがって、なるべく早くこの減税措置というものをきちっと決めて、なおかつきちっと決めたものは実行してもらうという方向で決めていっていただきたいということを強く申し上げます。
 それから同時に、見直しがありますから、消費税が五%というふうに言われておりますけれども、これは必ずしも五%だと我々思っておりません。これはどういうふうに見直されるのか。例えば、下がるのか上がるのか。これは見直しですから、そして最後の六カ月間で決定されるわけですから。そういうところの問題も、もしきちっと決められるものであるならばということは、例えば不況で税収が上がらなかったときはどうするのかという問題は出ると思うのですよ。今の段階の試算では五%で間に合うということですけれども、実際の経済成長ができなかったときには果たしてその問題はどうなのか。そのときに見直しということが出てくるとすれば、上がることもあり得るという前提でこの見直しがあるというふうに国民はとっておるわけであります。したがって、その辺のところもある程度はっきりした方針を出していただいた方が私どもは安心してお金を使える。
 どんどん預金だけたまって、今アメリカを買うぐらいのお金があるのですから、これをいかに引き出して、本当のいわゆる経済の好況、浮揚アップをしていくかということが今の政府に課せられた最大の課題だと私は思っておりますから、きちっとやっていただきたい、そういうことを申し上げたわけであります。
○高鳥座長 どうもありがとうございました。
 これにて北沢清功君の質疑は終了いたしました。
 次に、田中甲君。
○田中(甲)委員 さきがけでございます。
 きょうは本当に連休の合間ということで、お時間をとることが大変に難しかったと思いますが、皆さん方の御意見をこのような機会で拝聴させていただいたことを本当にうれしく思いますし、謙虚に受けとめて、これからの国政での審議に十分反映をさせていただきたいと思っておるところであります。余談でありますが、さきがけは福島県においては玄葉光一郎君がいろいろ御指導いただいているところでございます。
 実は、地方公聴会は正式には委員派遣と申しますが、もっともっと多くの全国の地域に委員派遣を行いまして、国民の皆さん方の生の声というものを聞かせていただかなければならないだろうという気持ちを私は個人的に持っております。
 それが十分できない時間的制約等もございますから、今月の七日に、これは政府広報といたしまして、大蔵省、自治省を連名として、皆さん方に新しい税制というものがどういうものであるかということをぜひおわかりいただきたい、そういう目的を持ちまして、新聞やあるいは週刊誌、女性雑誌等に今回の税制改革の大綱をわかりやすく書いたものを掲載する予定でございます。私もきょう聞かせていただいた意見をなるべく反映した掲載ができるようにその役割を務めさせていただきたいと思っておると同時に、全国での地方公聴会ができないかわりといっては少し方法が違うかもしれませんけれども、こういう政府広報を出した上で、皆さん方の御意見、反応というものを謙虚にまた受けとめてまいりたいと思います。
 まず最初に、市長さんにお伺いをしたいのですが、実は厚生関係で、新ゴールドプランの面で、ここまで予算が膨れ上がってくると、これは正直大変なことになるぞということをかなり耳にするようになってまいりました。市政においてこれから福祉の状況あるいはゴールドプランでどのぐらいの予算がかかっていくのだろうかということを、ぜひ実際の現場の声というものをまずお聞かせいただきたいと思います。
○高木博君 これから福祉社会になっていく関係がありましてゴールドプランを作成したわけでございますが、これを現実に足を地につけたように実施に移すということになりますと、現在の私どもの、先ほど申し上げました財政規模は一般会計で約二百億でございますが、その中では、すべて福祉に回してもまだ足りないというような感じであります。土木関係の仕事、教育関係の仕事あるいは農業関係の仕事、いろいろ予算を重点的に取捨選択しながら優先順位を決めて、効果の上がるように、市民の期待にこたえるようにやっているつもりでございますが、特に高齢化社会を踏まえまして、ニーズの高い福祉関係に予算を充当しようということになりますと、数字的には今はちょっと持ってきておりませんけれども、この前のゴールドプランでは、率直に言って頭からこれではだめだなというくらいかかるものですから、どうしたものかなというのが本音でございます。
○田中(甲)委員 ありがとうございます。
 私も千葉の方の市議会議員を当初務めさせていただきまして、地方の財源の今非常に切迫した状況というのを認識しているつもりであります。その中で、本当に福祉の財源の確保ということを税制改革の面ではさらにこれは検討を十二分にしていかなければならない。これは行政改革とプラス・マイナスの関係にあるという気持ちをさきがけは強く持っておりますので、政党としても頑張ってまいりたいと思っております。
 次に、二番目に御陳述されました齋藤さんの方にお伺いをしたいのですが、これから年金の手直しということで皆様方にかなり御心配をおかげしているのですが、実際に企業を経営されていまして、協三工業株式会社を経営されている中で、現在の雇用状況というもの等、生の声をぜひお聞かせをいただければありがたいと思います。
○齋藤俊雄君 先ほど日本産業の空洞化の問題にちょっと触れましたのですが、これは、もう少し進みますと、ハイテク技術は皆海外に行ってしまう、大企業が出ていってしまっても、我々の中小企業は国内にとどまらざるを得ないわけですね。そういう中で会社を経営するということになりますと、いろいろ雇用問題にも当然波及してくるわけでございまして、特に最近の少子社会ということで、若年労働者がだんだん少なくなってまいります。ですから、この若年労働者がいなくなるということもまた大変深刻な問題でございまして、企業そのものの生産性に直接かかわってくる問題でございます。
 ですから、どうしてもこの若年労働者を今のうちから確保したい。そうしますと、これはやはりいろんな面で、まず給与の問題、それから労働時間短縮の問題、そういった問題が山積されておるわけですね。そういう点では、私の企業としましては一応はクリアしているつもりなんですが、これから出てくるのは、恐らく若年の女子労働者の採用と雇用というものがふえてくるだろうと思います。私のところは男子型企業なんですが、女子の雇用が当然ふえてこざるを得ないというふうに思っております。
 それからもう一つは、先ほどちょっと触れましたんですが、産業別の最低労働賃金制度、これも非常に災いしている面がございまして、これがあるために、福島県の最低労働賃金のランクは全国でも四十何位、四十二位ぐらいだと思います。下から数えた方が早い。Dランクなんです。ですから、そういう状態で、福島県の賃金は安いんだ、こういうことが全国に広まりますと、これは当然雇用の問題につながってくるわけでございまして、雇用しづらくなるわけでございます。ですから、そういった面からも、この産業別労働賃金制度というものは廃止していただきたい。ところが、私どもの県の審議会ではこれを建議する権限がございません。ですから、中央の審議会でこれを建議していただいて決めていただくしか方法がないわけでございまして、そういう点で、地方ではできないことを中央でぜひともやっていただきたい、そういう思いでお話ししたわけでございます。
○田中(甲)委員 御意見、しっかり聞かせていただきました。
 時間があと二分程度しかなくなってしまいました。
 坪井会頭からは、景気回復を政治の不安定ということによって足を引っ張るようなことはもうやめてもらいたいという厳しい御指摘をいただきました。私たち、本当に謙虚に受けとめてこれからの政治に力を注いでいかなければならないと思います。その中で、公共投資基本計画ということを、今新たに六百三十兆円という、これは後段の斉藤さんからの御指摘もございましたが、こういうものに対する地域の期待度というものをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○坪井孚夫君 政情不安ということについては、ちょうど去年の景気のいわゆる浮揚のグラフがございますが、それとあわせまして、要するに宮澤内閣が解散をしたときからずっと、例えば予算をやらないで選挙改革をやるんだということが十一月に叫ばれるようになってきて、予算がどんどんおくれてきて四月になって出る。そのあれとあわせてグラフを引いていただきますと、上がろうと思うと下げる、上がろうと思うと抑えられる、そういう現象があります。
 五五年体制の終えんによりまして、新たな政治力学によるいわゆる日本の政治体制が決まるということでありますから、これに対してはやむを得ない、ある程度の時間をかけて再編されることについてはやむを得ないということは国民はわかっていますよ。ただ、それをなるべく早くはっきりしていただきたい。突然自民党と社会党が組むなんていうことは、これは全く国民の間でだれもわからぬわけですからね。ですから、そういうことはこれからも起こり得るでしょうが、そういう現象が全く突如ぱんぱんと行われるような形の政界であるならば、その政情は極めて不安定であると国民は思いますよということを申し上げたので、その辺はひとつお含みいただきたいと思います。
 それからもう一つ、何でしたっけ、済みません。(田中(甲)委員「六百三十兆円」と呼ぶ)これは、日米構造協議の結果やらなくちゃならぬという一つの公共投資でしたですね。あれはもう、地方のいわゆる下支えのためには大変な大きな役目をしていただきました。
 先ほど申し上げましたように、地方の景気をやはりある程度高揚できるというのは、減税措置とか、もしくは今言った公共投資に頼らざるを得ない点、多々あるんです。例えば、東北全部で上場企業が二十数社きりないんですよね。これがいいか悪いかという問題は、西に厚くて東に低かったという公共投資その他の資本整備の欠点が、私は今までの政治の中に行われたと思っておりますが、まあ、そんなことを今言ったってしようがないですけれども。そういうことを踏まえていくと、やはりこれからは大いに投資していただきたい。
 その中で、私は一つだけお願い申し上げたいのは、今、ウルグアイ・ラウンドの要するに受け入れによりまして、農業が非常に、これもまた将来に向けてのもう希望を持てないような現状になっています。これは商工業の場合も若干ありますけれども、農業においては、国会決議を三回もやっておいて、今回はぱっと受け入れたということも、みんなこれは大変なやはり裏切りの感じを持っています。これに対して私は手当てをすべきだと思うんです。
 それはなぜかならば、地方の都市というのはすべて周りは農村なんです。ただ、福島県のGDPに対しまして、農業粗生産は四%です。三千二百億。鉱工業の出荷が二七%と、これは大変大きいものになります。ですから、その比率からいえば農業は大したことないと言うかもしらぬけれども、農村に囲まれている都市が圧倒的に地方に多いということは、農村のやはり活力を高めてもらいたいということなんです。
 そのために、中山間地に対しまして、農水省予算以外にこの六百三十兆の公共投資の中から百兆円くらいはいわゆる中山間地に対する道路を、いわゆる国家的な規模でもって、農水省予算とは別に私はそこは割いて投下してもらいたい。今回の六兆百億円のああいう形ではない、いわゆるつかみ金じゃない、地域整備のために、その中山間地の農地をいかに今後付加価値を高く利用できるかというような方向での農村の整備をしてあげることが、農村にやはり元気を持たせることになる。それがひいては、さっき言った景気の我々の段階での浮揚にもなる。したがって、六百三十兆円の使い方は、ぜひそういう形に置いて使っていただければなおありがたいと思うわけであります。
○田中(甲)委員 質疑の時間が終了してしまいました。本当は小林市議会議員、あるいは斉藤さんに御質問したい点があったのですが、後段者の質問時間を奪ってしまいますので、どうぞ今後、来年の福島国体の成功や、あるいはますますの県の御発展、市の御発展を御祈念申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
○高鳥座長 これにて田中甲君の質疑は終了いたしました。
 次に、津島雄二君。
○津島委員 改革の津島雄二です。
 きょうは、大変率直な御意見をいただきまして、私も非常に参考になっております。皆様方の御意見をさらによく理解するために、端的に幾つかの点をもう少し敷衍してお話しをいただいたら幸いだと思います。
 まず、高木市長さんですけれども、地方税源の充実という点は、私ども政治に身を置く者としてひとしく大事なことだと理解をしておりますが、問題は方法論ですね。今度の地方消費税はそういう意味では、全体としては進歩、前進であったと思いますが、若干心配なのは、消費を基準として財源配分、税源配分をするわけですから、大消費地に有利になるということは、これはやむを得ないことなんですね。その場合に、増減税の過不足分を、国全体としては財政当局と地方の関係でお話し合いの上でつじつまを合わせているんですが、例えば須賀川市であるとか東北の中間ぐらいの都市にとってみると、どうも相対的に損になる要素があるのではないかと危惧の念を持つ人がありますね。つまり大都会にごうっと、消費の大きいところへ行っちゃう。東京のように昼間人口の物すごく多いところへどっと行ってしまう。それから県内でも、市町村の財源配分は従業員数と人口ですから、これじゃ問題だよと言う人もある。その点について、さらに突っ込んだ御意見があれば承らせていただきたいと思います。
 それから、一わたり問題を申し上げますよ。
 次に、坪井会長さん、大変興味深くいろいろお話しいただきましたが、税制に関する点で一つお伺いしたいのは、消費税の税率との関係もあって、二階建て所得税減税は賛成だ、こうおっしゃったんですが、同時に、平成七年、八年、継続していただくことに賛成だ、こうおっしゃった。
 さて問題は、法律上は、平成八年は実は提案されていないんですよ、御承知のように。だから今の、我々が検討しております改革案というのは、特別減税二兆円は平成七年で終わりということなんです。もし八年でやるとすると、これ財源措置が要るんですよ。一体これどうするんだということは全く答えられていない。その点について、坪井会長さんどういうふうにお考えなのか。そうであるとすれば、八年まできちっとやる、勤労者、中堅所得層の税負担のあり方を今からきちっと本格的に決めた方がいいじゃありませんかという御意見もあるわけですけれども、これについてお伺いをしたいと思います。
 それから、協三工業の齋藤社長さんと同時に、同じく経済人として坪井会長さんにもお伺いしたいんですが、今度新しく日本的なインボイス方式を始めますね。今までのように消費税を帳簿につけるばかりじゃなくて、領収書をちゃんと保存しろと。これを経営者、経済人の立場からいってスムーズに対応できるかどうか、御感触をお伺いしたい。
 それから同時に、同じくお二人に、日本の企業課税のあり方、これはもう我が国の産業空洞化の一つの大きなあれとして、企業負担が重過ぎればおのずから空洞化してしまうよと言われている中で、比べてみますと、国の法人税だけで比べると大体横並びなんですが、地方の法人税割と事業税を加えると、その分だけ日本は高いよという意見が強いんですが、この企業課税のあり方について御意見があれば賜りたい。
 最後に、小林先生に伺いました御意見の中で、今度の税制改革は幾つかの前進はあるけれども、多くの課題が先送りをされておると。そういう中で、特に行政改革とそれから福祉ビジョンのあり方について具体案がないのは画竜点睛を欠くという趣旨のお話があった。この点について、どういうふうにしたらいいか、この段階で何か具体的な御提案があればお聞かせをいただきたいと思います。
 以上であります。
○高鳥座長 それでは、順次お答えをお願いします。まず高木さん、どうぞ。
○高木博君 それでは、お答えさせていただきます。
 先ほど地方税源の問題、特に地方消費税の件、大都市に偏るのではないかというようなお話でございましたが、まさにそのとおりだと思うわけでございますので、我が方のこういう六万程度の小さな都市につきましては、その点を十分配慮して配分していただくような方法をお考えいただきたい、こういうふうに考えます。
 それから、消費譲与税等でございますが、これらについては、現在は従業員の数で割り当てされているというふうにお聞きしておりますけれども、これらにつきましても、先ほどの地方消費税同様、脆弱なところについては何らかの方法で財源を確保できるようなことを考えていただければと思うのですが。
○高鳥座長 それでは、次には坪井さんに幾つかの点の御質問があったようですから、坪井さん、お願いします。
○坪井孚夫君 平成八年度の分につきまして、これは確かに七年で終わりなのです。八年というのは確かに間違いでした。ただ、特別減税において、平成八年についても特別減税をあわせて行うことにより平成六年と同程度規模の減税を実施することになりますが、当該特別減税については、景気が特に好転した場合には改めて検討することになっておりますということですね。ですから私どもとしては、同じ形でもってやっていただければ大変ありがたいということであります。
 そのときの税源についてでありますけれども、それは今言ったように、好転した場合には財源があるというふうに考えたわけです。ただ、それでもだめだというのであれば、私はさっきの見直しの段階で、景気をどうしても好景気に持っていってもらいたいわけでありますから、七年になっても好景気がもし出来しないときには、当然ここも負っていただくとすれば、税率の見直しのときには要するに五%にこだわらないという形になるのじゃないか。ですから、そのときには、特に上げられるような環境を整備していっていただきたいということを申し上げているわけであります。
 それから、インボイスの問題でありますけれども、これはもうとても煩雑でありまして、我々商工業者にとりましては難問ですね。ただ、商業の基本は伝票にありますから、今コンピューター化されまして、すべてコンピューターに入れたものも、これインボイスという形で私ども残しておりますよ、結局は。ですから、伝票そのものをきちっと残さなくちゃならないことがインボイスのいわゆる基本なのか。それとも、例えば縮小したコピーでもって、今完全に、例えば問い合わせすればすぐ、何年度のどこでどういう形の伝票があったということがわかるようにしたものでいいものであるのか。そういうものを私は、さっき言った生産性の向上の段階において取り入れていけることもありますが、そういうこともあわせてこの問題は解決していく。やはり我々商売者の基本はいわゆる伝票でありますから、これをやはり保管するというのが基本ですから、どうしてもこれをやれということになれば、これはやります、それについては。
 それからもう一つは、空洞化の現状ですけれども、これは法人税の問題だけじゃないのです。今空洞化を起こしているのは、円高によりまして、特に大企業でありますけれども、輸出関連産業が、国内においては確保できないコストの減少を満たすために海外に工場を移転しているのでありまして、ただ単に税制の問題だけではありません。
 したがって、これは私は、経済力学でありまして、そこでつくられたものがまた安い形で入ってきて、これは売る方の立場になると大変なんでありますが、買う方の立場になれば大変これはまたいいことなんでありまして、こういう形の中に新たな一つのそういう商業秩序が出てきていると思っておりますから、この現象につきましては、それはやむを得ない。何しろ、国内のコストでつくったのでは、どんなことをしても、円高にあると輸出できないわけですから、いわゆる大手の企業の下請、孫請等が当地方にもたくさんありますので、これは大手と一緒に表に出ていってやっているということでありますから、これについては私はやむを得ないことだ、こう思っております。
○高鳥座長 ありがとうございました。
 協三工業の齋藤さんにも日本的インボイスの問題について質問があったようですが、御意見ございましたら。
○齋藤俊雄君 最初のインボイスの問題でございますが、これは、私の会社におきましては既に、仕入れすれば仕入れ台帳をしっかりつけておりますし、受注すれば受注、発注すればそれに対する返事をもらう、請書をもらうというような形で、最終的には請求書をお出しして、それに対して支払いをしていただいて領収書を発行する、こういうことにして現にやっております。
 これを、将来どうしても領収書が欲しいのか、あるいは今坪井さんおっしゃったように、コンピューターに入れてフロッピーディスクに入れておくとか、そういう方法の方がいいのか。今ハイテクの時代ですから、私はフロッピーディスクにインプットしておけばそれでいいのじゃないかなという感じを持っておるわけでございますが。
 これによる企業負担はどうなのかという御質問だったように承ったのですが、これについては現在、一人でできる仕事を二人か三人でやっているという面があるわけでございます。ですから、現実の問題としてそういった問題が起きてきた場合には、余裕を持って今のところ私のところでは対処できるというふうに思っております。
 それから、鉄鋼関係でもって、鉄骨のファブリケーター、私はランクづけのための実態調査に回っているのですが、そこの、零細と言っては失礼なんですが、そういった企業におかれましても大体そういう方向で今やっておられますし、フロッピーディスクはふんだんに使っておられます。ですから、十分に対応できるだろう、経費もそんなにかからないで済むだろうというふうに思っております。
 それから、企業課税の問題につきましては、これは、地方自治体の税収の割合を見ますと、直間比率が九対一というようなことで、直接税が九〇%、それが即企業からの税収になっておるわけでございますね。ですから、その辺の地方自治体としての直間比率の改善、これを政府のイニシアチブでもって改善していただくということができたら、私は企業としても大変助かるだろう、こういうふうに思っております。
○高鳥座長 それでは次に、小林さん。行政改革、福祉の問題について質問があったと思います。
○小林義明君 国民に税金を負担していただくということになりますと、やはりその中の一つの論理として行財政改革というのがずっと出てきているわけですけれども、それがどのぐらい進んでいるかという意味では、そう目に見える形ではないというふうに思っているわけであります。
 日本の社会は、封建時代から明治、大正、昭和、特に欧米諸国に追いつこうとして近代国家をつくったときには、まさに中央集権的な国家をつくってきたのではないかというふうに思いますけれども、それからこれだけの時間がたちまして、地方も、経済力もそれから人材も自治体もしっかりしてきた、こういうふうな時代の変化がございますので、極端な言い方をすれば、中央省庁は非常に頭脳集団みたいな形で日本の国は骨格づくりができるのではないか、運営ができるのではないかなというふうな物の見方もできるのではないかなというふうに思います。もしそういうふうな発想でやるとすれば、中央省庁についての物の考え方というのは、これから行政改革の中で一つ取り組める問題を持っているのではないかなというふうに思っております。
 それから、これも一つの例でありますけれども、産業構造の変化の中で、特に農業なんかは専業農家がどんどん少なくなっていくというふうな流れの中にあるわけですが、そういう中でありながら、行政の中で農業に携わっている省庁の関係者とか仕事のボリュームというものはそれに比例するような形で動いているかどうかというふうに見ますと、私、専門的にチェックをしているわけじゃありませんけれども、地方において必ずしもそういうふうに見えないというふうなことがございますので、こういうところもそれをやはりしっかりチェックをしてやっていけば、行政改革というのはまだまだやれるところがあるのではないか、そういうものを前提条件として税制というのは考えてほしい、こういうふうに思うわけであります。
 それから、福祉の関係の話につきましては、もうだれしもが高齢化社会それから少子化社会ということで、この二つの問題はまさに日本の根幹に触れる問題でございまして、特に少子化の問題は、これからの日本の人口構造それから産業構造、経済力、あらゆるところに影響があるわけでございまして、これについての議論は、私は、細川内閣、羽田内閣のときにかなり進んで、そしてかなりのものを持っておられるのではないかなというふうに思っておりますけれども、現内閣になってちょっと足踏みの状況にあるのではないかな、こういうふうに受けとめているわけでありますけれども、これはやはりしっかり進めていく。これは、財政的にはもちろん裏負担が必要でありますけれども、これをないがしろにしていくと日本の国家として問題が残るのではないかなということで、きちんとやっていただきたい、こういうふうな思いを持っております。
○津島委員 ありがとうございました。
 坪井会長さんの今のお答えの中で、特別減税、平成八年、どうしても難しければ消費税の見直しの一環としてというお話がありましたが、私の方から御指摘しておきたいのは、消費税の見直し条項の中には所得課税のあり方ということは実は全然書かれていないということだけ御指摘しておきたいと思います。
 ありがとうございました。
○高鳥座長 これにて津島雄二君の質疑は終了いたしました。
 次に、村井仁君。
○村井委員 改革の村井仁でございます。
 連休のはざま、大変いろいろ御都合のおありのところを大変貴重な御意見を拝聴させていただきまして、ありがとうございました。
 それぞれに非常に印象深いお話でございましたけれども、とりわけて小林さんからお話のございましたお言葉の中で、社会公共の経費といいましょうか費用と申しましょうか、それをみんなが広く負担していくという意識が必要なんじゃないかと。これは私、ある意味では税の問題を考えますときに大変重要な御指摘だと非常に感銘深く伺った次第でございます。
 それからまた、坪井会頭からは、公共料金の問題につきまして御指摘がございまして、価格破壊が進む中で公共料金が引き上がると申しますか、引き上げるというようなことになりますと、そこで価値ギャップというようなことが生じて不公平感を生んで、これが社会不安につながるのじゃないかと。私、これは大変重要な御指摘だったと思うわけでございます。私どもも羽田内閣の時代に、公共料金につきまして、少し経済学的には乱暴かもしれませんが、一時凍結というような措置をとったのも、ある意味ではそのような問題意識が非常に強烈にあの時点であったからでございまして、円高の進行によりまして価格が非常に民間で低下していく中で、公共料金だけあんなことでいっていいのだろうか、これはやはりブレーキをかけて吟味し直さなきゃいけないのじゃないか、こんなようなことを感じたがゆえであるということを一言申し添えておきたいと存じます。
 それから、齋藤俊雄さんからの御指摘で、子孫にこれ以上の債務を押しつけてはならないという御指摘がございました。もう全くそのとおりでございますけれども、私は、それにつけ加えてもう一言。
 債務を子孫に残すだけではなくて、実は、これは齋藤さんも御指摘のように、現在の日本の個人所得税の仕組みというのは、考えてみますと、比較的たくさん稼いだ方からたくさんの税金をちょうだいして、そしてそれを比較的稼ぎの少ない方に回すことによって、ある意味では社会的に結果の公平をつくるという、いわゆる累進課税制度というのはそういう制度であるはずでございます。ところが、国債をたくさん残してまいりますと、遠い将来といいますか、将来におきまして、国債というのはインフレで消してしまう。これは一つの方法でございますが、明らかに弱者がヒットされる。それから、もしこれを税金で返すということになってまいりますと、結局のところは、その時点で働いている人から取った税金でそのときに国債を持っていた人に返すという形になるわけでございまして、ただに子孫に負債を残すだけではなくて、実は私たちの子や孫の代に、言ってみれば今日本の社会を維持しているシステムと全然違うシステムを我々が意識せずに強制することになる危険があるんだということも、実は私、日ごろ思っているものでございますから、御発言に関連してちょっと私見を申し上げさせていただきました。
 そのことを以上申し上げさせていただきました上で、幾つかお伺いしてまいりたいと存じますが、最初に坪井会頭にお伺いしたいのでございますけれども、坪井会頭は、政情の不安定ということに関連しまして、これは私ども大変、私どものある意味では不徳のいたすところでございますが、同時に、御指摘いただきましたように、ある意味では五五年体制というものが崩れる、あるいはグローバルには冷戦構造の終結というようなところからきますやむを得ざる環境の変化の中におけることであるということでございます。
 問題は、税というのは、私は社会経済のある意味では基本だと思っているわけでございます。それだけに確定性というのが非常に重要であると思っているのでございます。ところが、今度政府が提案しております法律では、附則で「検討」という条項がございまして、簡単に言えば二年後に見直す、こういう話になっている。二年後、三年後に何が起こるかよくわからないという非常に不確定な状態になっている。この点について、会頭、どんなふうにお考えになりますか。まず一点、お伺いしたいと存じます。
○坪井孚夫君 私もその点を非常に実は心配しておるわけです。ということは、先ほど来申し上げているのは、一千二百兆円もの、まあ概略でありましょうが預貯金を持ちながら、要するに消費が全然起きてこない。したがって、何はともあれ円高を利用した、価格破壊というような名前をつけられるほどまでの苦労をしながら、いろいろな商いをしながらこの景気を押し上げていこうとして一生懸命やっておるわけであります。したがいまして、要するにそういう段階で、景気浮揚のためならば何でもかんでもやってもらう、おかしい話ですけれども、ともかく手を打っていただきたいというのが今までの考え方であります。
 しかし、現実に政局、政権がどんどんかわってきますと、何としても、いわゆる決まるものが決まらない形に受け取られるような不安が残っておりますから、したがって、先行きが不透明であるために消費者は貯金をしまして将来に備えているわけでありますから、これをいかにどうするかということであります。
 その中で、一つだけ先ほど来申し上げているのは、不透明な部分は将来見直すという話です。今津島先生からおっしゃられたとおり、確かに八年度分につきまして、消費税を上げる云々の話ではないということでありました。ただ、もし景気がこのまま低迷しながら、その中で価値ギャップが起きてくると不公平感がどうしても増します。
 実は、私はタクシー業もやっておりますから、その中では公共料金に、実際上げてもらっておるわけですよ。しかし、ここは労働生産性が非常に低いために、これをどうしていくかということは大変な実はこれからの問題になります。しかし、これも構造的な中でやはり対処していかなくちゃなりませんが、そういう部分がある。しかし、逆の部分で、私は商品の販売もやっております。その方では何倍も働かなければ同じだけの所得が得られない。だとすれば、そちらの方の部分を、要するに活性化を求めた形の経済活性化の減税措置がそのために行われるということについては、大変有意義であると思っております。
 しかし、見直すときに、今言ったように、好況がもし再来していたならば、それは先ほど来の、例えば地方譲与税の問題が今度地方消費税に変わっても、増収になってくればすべての問題はないのですね。斉藤さんが言っているように、婚礼家具が売れないという問題も、景気がよくなってくればこれは売れることになるのですよ。そちらの方を優先していただきたいということなんですね。そのときに、この不透明な部分が一つあるというのが非常にまた若干の足かせになるんじゃないかと思っておるわけです。
 そういう意味で、私は、やはりもう上げるものなら上げて、ここからぴしっとやるとはっきり言っていただいた方が、そのときに見直すというのは、上げられるんじゃないかというやはり一つの危険性を国民が皆思っていますと、これがまたさっき言ったように、若干の不透明感を生むのじゃないかなと。それから、価値ギャップによる不公平感によって社会不安が起きていたならば、そう簡単に、今の東ドイツやそれからこれから起きてくるだろう中国の経済情勢の中における価値ギャップが、社会不安が起きてくるようなことになれば、決して景気は浮揚しません。その辺を実は心配して申し上げた次第であります。
○村井委員 ありがとうございました。
 続いて、これは坪井さんとそれから齋藤俊雄さんとお二方にお伺いしたいのでございますけれども、既に若干お触れのあったことでございますが、円高に触発されて、いわゆる企業の海外進出、海外移転というような現象が起こりつつあるわけでございますけれども、これはやはり御当地でも顕著にあることでございましょうか。それぞれのお立場で、まず事実について御見解を、あるいは御観察になったところをお聞かせいただければありがたいと存じます。
○坪井孚夫君 先ほど言いましたように、大手企業のいわゆる部品を供給する会社でありました場合は、やはり大手企業が、例えば深セン、上海等にどんどん出ていきましたときに、ここで部品をつくったらちょっと届けるわけにいきませんから、一緒にくっついていって、結局出なくちゃならぬという、一つこの問題で出ているところもございます。結構これはございます。そのために、せっかく誘致企業として、各市町村が大変な優遇政策をもって誘致した企業の中にも、やむを得ずここを撤退して出ていかなくちゃならなかったという例もありまして、この点については非常に地方の問題として、やはりこれからも注視していかなくちゃならない問題として一つ持っております。
 ただ問題は、そのほかに、言うならば、円が高くなるのは何でなんだという。結局、イングランドファンドとかナショナルファンドとか、例えばアメリカがパクス・アメリカーナのときに、ララ物資、ケア物資を日本にどんどん送ってよこしてくれて、例えば自分のところの通貨を安定させるような政策をやった。日本の場合は、そういう政策を大蔵省が全然やってないわけですよ。ですから、海外へ出ていって、現在、今雇用しているアジア、ASEANの人数だけでも八十万人雇用していると言われておりますが、この人たちに払う給料、それからもう一つは、今言った資本投下部分とかもしくは技術供与部分とか、そういうことが必要だという考えのもとに出ていっている企業も実はあるのです。
 それはなぜかというと、自分たちがそこでこれから生き残るために、アジアの中で生き残るためには、先にそこへ行ってやった方がいいという形の中で、円高だけではなくて、企業の将来性を見据えた形の中で出ていっている企業もたくさんあるわけです。そこへ払っているものは、アジア、ASEANに対するODA以外の大変大きな日本のいわゆる海外投資になっているわけでありまして、これが私は少しは円高を抑えているのかな、逆にこれがなかったらもう八十五円なんか切っているんじゃないかなというような感じさえするわけでありまして、そういう二面があると思っております。
○齋藤俊雄君 今の空洞化の問題ですけれども、これは顕著に進んでいるか、こういう御質問なんですが、私は、福島県内で、顕著と言えるかどうかはわかりませんが、進んでおることだけは確かでございます。
 それから、それによって起こる問題、円高の問題ですが、これはある程度防げるんでなかろうかなという気もあるのです。といいますのは、今度できましたPL法ですね。みんなで製造業が努力をして、早くPL法の認定をとるということが大事だろうと思います。このPL法、製造物責任法ですね、これでもってそれの認定をいただく。協会もございますから、協会の方に申請して早くその資格をいただくということができれば、今度逆に、これは輸入する際にPL法でもって規制することができると思うのです。輸出側に対してこれを要求することができると思うのです、品質の確保ですね。そうしますと、そう簡単にはこれをクリアできる企業というのはないと思うのです。ですから、これはぜひ早く努力して、我々企業が努力すべき問題だろう、こういうふうに思っております。
 それから、仮にそうなった場合、今度はやはりその品質を確保するために、先ほどから申しているように、今度はハイテク技術、この技術が空洞化していく、こういう現象が起きそうな気がしてならないわけでございます。それの方がむしろおっかないわけですね。ですから、一概には申し上げられないのですが、そう急激に起こる現象だとは思いませんが、早晩そういった問題でみんなで苦労する場面が出てくるんじゃなかろうかな、そういうふうに思っております。
○村井委員 ありがとうございました。
 時間もありませんので、ごく簡単にお答えいただければありがたいと存じますが、同じく齋藤俊雄さんとそれから坪井会頭にちょっとお伺いしたいのでございますが、企業課税の関係でございますね。これに非常に御関心を示されたと思うのでございますけれども、税で適切な対応をすることで今御指摘のいろいろな海外移転や何かをある程度抑えていくというようなことは可能だとお考えになりますか。これはごく簡単にお答えいただきます。
○齋藤俊雄君 私ども、今現在生きている我々世代は、今まで受け継いできた日本文化、それから環境問題あるいは国際的な協力問題、そういったことをやっていく義務があると思うのです。この義務を果たすためには、やはりある程度の我慢もしなくてはならない。そのためには、やはり消費税も、反対のための反対というようなことでなくて、何か選挙が近いからまたムードづくりをしてオバタリアンを大勢入れようかなんということでなくて、やはり本気になって考えていただきたいと思うのですよ。
 それで、仮に五%が六%になろうが七%になろうが構わないと思うのです。そして将来、子孫にそういった負債を残さないということで、日本の文化、それから国際的な義務、それから環境問題、そういったことを一つ一つ片づけていくための役割をこの消費税に担ってもらうということなんですよね。ですから、そういったところをもっともっと政府として国民によく説明してわかってもらう、そういう努力をぜひお願いしたい、こういうことなんです。
 以上です。
○村井委員 坪井会頭にお願いしましたが、ちょっと時間の制約がございますので、申しわけございません。斉藤朝興さんに一言だけお伺いしたいと存じます。
 二千平米の大型店と斉藤さんのお店と競争しなきゃならない、こうおっしゃいました。いわゆる俗に上代という、要するに小売の値段でございますけれども、これは斉藤さんのお店とその二千平米のお店と、消費税込みで違いますか、同じぐらいですか。それだけ教えてください。
○斉藤朝興君 大変難しい質問なんですよ。簡単に同じだとか違うとかと言えません。同じものもあるし、私の方が安いのもあるし、向こうの方が安いのもある。これが実際です。
○村井委員 結構です。ありがとうございました。
 終わります。
○高鳥座長 これにて村井仁君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 日本共産党の佐々木陸海でございます。東京第十区で、去年初当選という議員です。
 十区というのは、御存じのあの寅さんの故郷も含んでいるというところでございまして、下町で中小企業の多い町、そういうところからも、それだけではありませんが、今度の税制改革の中でも消費税の増税問題、大変な関心を私自身持っている、その立場で若干質問させていただきたいと思いますが、最初に、本当にこういうお忙しい中、貴重な御意見、それぞれのお立場からお聞かせいただいたことをお礼を申し上げたいと思います。
 この消費税の問題でございますけれども、やはりこれまで一番この税に反対する中心に立ってきたと見られている政党がこの税を容認することになったという状況があるにしても、税の実態が変わるわけではありませんし、これが三%から五%になるということになれば、逆進性の問題などが一層激しくなるということはもう言うまでもない問題でありまして、先ほどからこういう重大な問題、本当に腰を据えてじっくりと審議をしてもらいたいという要望も出されました。また、与党の北沢委員からも、まだまだ政府の提案が国民の皆さんの間に不徹底で、御理解をもっと得なきゃならぬという話もありましたから、そういう言葉も受けとめて、国会でもさらに慎重に十分な審議をしてまいりたいと思いますし、もともと消費税の問題は何も今の国会で税率を決めてしまわなきゃならぬということではなくて、税率自体は見直しの規定もあるわけでございまして、この国会で急いで決める必要もないという問題でございますから、私たちは徹底的な審議を要求して頑張ってまいりたいと思います。
 ここへ来る前にちょっと調べてまいりましたところが、福島市の市議会が、昨年の十二月議会で「消費税税率引き上げに反対する意見書」というものを採択をいたしておりまして、これがことしになってから送られてまいっております。
  消費税の引き上げは、低所得者層の生活を圧迫し、個人消費を停滞させ、ひいては景気回復にも悪影響を及ぼすものである。
  よって、政府においては、不公平税制の是正を前提として抜本的改正を行い、消費税の引き上げを行わないよう強く要望する。
という要望が全会一致で可決されたということでなされております。
 そこで、まず、地方政治にかかわる高木市長さんとそれから小林市議会議員さんに、ちょっと簡潔にお伺いしたいと思います。
 市長さんの方は、目先の損得でなくて、安定的な税制の体系をということをおっしゃったわけです。その点はもちろん私も当然だと思うんですけれども、地方のこれからの財源というものを、これまで国民の間でも強い反対もあり、今も世論調査でも大きな反対のある消費税というものと結びつけるということが、果たして安定的な体系と言えるのかどうか。この逆進性の問題なんか等を含めて、簡潔にお考えをお聞かせ願いたい。これが一点。
 それから、小林さんの方には、今回の所得税減税は極めて不十分で、もっと徹底したものを、思い切ったものをやるべきだという御意見もありました。今回の消費税の税率アップについては賛成しかねるとたしかおっしゃったかと思いますが、その所得税減税との絡みなどで、消費税の税率アップについていかがお考えになられるのか、簡潔にお伺いしたいと思います。
○高木博君 消費税の配分によって地方財政の税源を安定的に確保していただきたいというのは基本的な考え方でございますが、それだけが地方財政の財源を確保する要素だというふうには思っておりませんので、一つの手段としてそういうことが重要だな、こう考えておるわけです。
○小林義明君 現在行われております消費税につきまして、私、先ほどの意見のところでも益税の問題で指摘をさしていただきました。それからまた、逆進性の問題だとか、あるいはまた最低限の生活、教育だとか医療だとか食費だとか、そういったものについては免税にすべきだとかいうふうな、幾つかやはりまだ手直しすべき問題があるのではないかという意味で、議会の方でも私も反対しております。きょうも反対という意見を述べさせていただきました。
 日本全体の税の直間比率の問題もありまして、これは欧米社会なんかと比べればもう御存じのような状況にありまして、その直間比率というふうな問題からいけば、消費税なりあるいはそういう間接税というものを考えていかなければいけないというふうな背景、流れにあるというふうに思っております。ただ、現段階ではちょっと不透明で、疑問符がつくところが多過ぎる。だから、それをきちんとして進むべきだというのが意見であります。
○佐々木(陸)委員 次に、坪井さんと斉藤朝興さんにお聞きしたいと思います。
 坪井さんは、いろいろお伺いしましたが、安易にもちろん増税を図ることには反対だ、行財政改革が必要だということをおっしゃいましたが、行財政改革として、坪井さん自身、今どういうことをやるべきだというふうにお考えか、非常に端的にお伺いしたいと思います。
 それから、斉藤朝興さんには、先ほど基本的な陳述はあったと思いますが、これからの社会を支えていく財源といいますか、行財政改革がいかにあるべきかということについて、なおお考えがあればお聞かせを願いたいと思います。
○坪井孚夫君 行財政改革をいかになすべきかを端的に言えなんという質問をされるとは思いませんでしたね。どうしても言えというのであれば一つだけ申し上げますが、公社公団、たくさんあります。これには、なるほどこれはもう要らないんじゃないかというようなものが、我々が見てもたくさんございますね。しかも、特に行政改革の中で、官僚の第二、第三の人生というような形で残されているような部分は、いろんな意味で規制を外すようなことができないために非常に苦労する段階があります。したがって、そういう部分は、私は整理されるのが一番国民的に見て非常にわかりやすいんじゃないか、この点だけ申し上げておきます。
○斉藤朝興君 先ほど三つほど言ったと思うんですけれども、例えば、きのう福島市内の公共施設というんですか、今国体関連でたくさんやっておりますので、そこを一日かけて見てきたんですけれども、簡単に言いますと、福島市の国体記念体育館、これが約五十億円、県の総合体育館が七十七億円、勤労者総合福祉センターで五十七億円等々がありまして、市内六カ所だけで約三百億円の公共工事がやられています。まあ国体関連ですから、これを悪いと言うつもりはありません。それから、私の住んでいるところの上流には、摺上川ダムというダムを建設省が直轄でやろうとしている。これが一千百億円だというふうに言われているんですね。これは一九八五年の値段だそうですから、もう二千億円ぐらいかかるだろうというふうに言われております。
 これだけたくさん公共事業があって、それが、いわゆる入札制度でいろいろ問題になりましたけれども、諸外国と比べたならば三割は高いんじゃないかというふうに言う人もおります。三割かどうかは私はわかりませんけれども、仮に一割これを削るというか安くやれば、財源は、例えば六百二十兆円のさっきの話をすれば、一割で六十二兆円ですから、十年で割っても六兆円ぐらいの財源はあるんじゃないかというふうに思って、きのう見てきたところです。
○佐々木(陸)委員 ありがとうございました。
 終わります。
○高鳥座長 これにて佐々木陸海君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして委員よりの質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 意見陳述者の方々におかれましては、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、各法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じます。厚く御礼を申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして深甚なる謝意を表する次第であります。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後四時二十二分散会
     ――――◇―――――
   派遣委員の福岡県における意見聴取に関す
   る記録
一、期日
   平成六年十一月四日(金)
二、場所
   ハイアット・リージェンシー・福岡
三、意見を聴取した問題
   所得税法及び消費税法の一部を改正する法
   律の施行等による租税収入の減少を補うた
   めの平成六年度から平成八年度までの公債
   の発行の特例等に関する法律案(内閣提出
   )、所得税法及び消費税法の一部を改正す
   る法律案(内閣提出)、平成七年分所得税
   の特別減税のための臨時措置法案(内閣提
   出)及び地方税法等の一部を改正する法律
   案(内閣提出)について
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 江藤 隆美君
      町村 信孝君    加藤 六月君
      二見 伸明君    早川  勝君
    五十嵐ふみひこ君
 (2) 現地参加委員
      太田 誠一君    北橋 健治君
      山本 幸三君
 (3) 現地参加議員
      山崎  拓君    古賀 一成君
      山崎広太郎君    中西 績介君
      松本  龍君
 (4) 政府側出席者
        大蔵大臣官房審
        議官      尾原 榮夫君
        自治省税務局企
        画課長     細野 光弘君
 (5) 意見陳述者
        株式会社ミス
        ターマックス代
        表取締役社長  平野比左志君
        公認会計士   甲能 市郎君
        田 川 市 長 滝井 義高君
        九州電力労働組
        合福岡支部執行
        委員長福岡県友
        愛会会長代行  川波 洋行君
     ――――◇―――――
    午後二時開議
○江藤座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院税制改革に関する特別委員会派遣委員団団長の江藤隆美でございます。
 私がこの会議の座長を務めますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 この際、派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつ申し上げます。
 皆様御承知のとおり、本委員会におきましては、税制改革関連四法案の審査を行っているところでございます。当委員会といたしましては、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地のほかに福島市におきましてこのような会議を催しているところでございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただくようお願いを申し上げます。
 それではまず、この会議の運営につきまして御説明を申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長である私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 なお、この会議におきましては、御意見をお述べいただく方々は、委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと思います。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆さんから御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員より質疑を行うことになっておりますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党の町村信孝君、改革の加藤六月君、二見伸明君、日本社会党・護憲民主連合の早川勝君、新党さきがけの五十嵐ふみひこ君、以上でございます。
 なお、現地参加委員として、太田誠一君、北橋健治君、山本幸三君、また、現地参加議員として、古賀一成君、山崎広太郎君、中西績介君が出席されております。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 株式会社ミスターマックス代表取締役社長平野比左志君、公認会計士甲能市郎君、田川市長滝井義高君、九州電力労働組合福岡支部執行委員長・福岡県友愛会会長代行川波洋行君、以上の方々であります。
 それでは、平野比左志君から意見陳述をお願いいたします。
○平野比左志君 意見陳述をいたします。株式会社ミスターマックス代表取締役社長の平野比左志でございます。
 まず、地方から見た我が国経済の展望を述べます。
 出生率一・四六は、未来の活力を失うものです。特に老齢者の全人口に占める割合は、都会より地方の方が大きくなっており、福祉を充実しなければならないことを密接に、かつ身近に感じます。福祉の受け手である我々が安心して受益を受けるためには、一方で、その財源が安定して確保されていなければなりません。
 また、地方においては、道路、上下水道、水不足等の社会資本が未整備な状態であり、今後とも社会資本の充実をしていく必要がありますが、その財源を借金だけに頼っていては健全な状態とは言えません。従前のような高い経済成長が望めない今後において、やる気のある人のやる気をさらに鼓舞するという活力重視の視点、世界一物価高の日本の消費生活を二分の一にする努力、新しく国道ができればその両側五百メーターを無調整地域に自動的にする等、地方経済の活力化と地方を引っ張っていく人材育成等は、地方において大事な視点であります。
 次に、今後の税体系のあり方について、上記のような需要を満たすための税金としては、お金をたくさん稼いだ人が多く負担する所得税も当然大事ですが、国民が広く負担する消費税も重要であります。今後、日本経済のために活力を重視していかなければならず、所得税から消費税へのシフトは必然的なものと考えます。
 今回の税制改革案はこの流れに沿っており、私からは賛意を表します。しかしながら、安易に税金を上げることはやめていただきたい。これは国民一般の願いであり、そういった意味で、むだな支出を抑え、必要性がなくなった仕事を減らす。我々も血を流すリストラをやっております。行政におかれましても、血を流す行財政改革、規制緩和を積極かつ大胆に進めていただきたいと考えております。
 次に、所得税、住民税の減税について申し述べたいと存じます。
 バブル崩壊後、日本経済は低迷状態が続いていましたが、ことしに入って景気に薄明かりが見えてまいりました。景気回復を確実なものにするために、平成六年の特別減税と同規模の減税を平成七年、八年度も継続することは評価できます。
 二階建て減税についてさまざまな議論があることは承知していますが、中堅所得者層が都会ほど多くない地方から見た場合でも、恒久的な減税規模を必要最小限確保した上で、残りの特別減税部分を一時的な措置にとどめる今回の税制改革案は、見合いの消費税率のアップ幅を考えれば、かなりよく考えられた工夫として評価できると思います。
 次に、地方税の改革について三点ほど意見を申し上げます。
 一点目は、我々地方経済団体から見ますと、地域経済活性化ということが大きな関心事であります。そのためには、県や市町村と地域経済団体が一体となって地域経済の活性化に取り組むことができますよう、地方税制も改革していただきたいと考えてきたところであります。地方消費税の創設が提案されていますが、これは、消費に応じて税収が各県に帰属するという提案だと伺っております。そうなりますと、各県で消費を盛んにするような努力が行政と商工団体一体として行われるようになるのではないかと想定されます。地方消費税創設により、買い物は地元でというキャンペーンがより一層熱心に行われるようになると期待しております。私としては、今日の地方消費税創設については、この観点から評価できると考えます。
 二点目は、住民なり事業者と地方団体との結びつきでございます。我々商工団体にとっては、やはり地方団体との結びつきを大事にしたいと考えています。もちろん地方団体にも文句も言うし、要望もいたします。その意味で、直接地元の地方団体に納税しているということは、それだけ地方団体にいろいろと言えるということになります。これからは、地方団体と住民、事業者の結びつきをより強めるような税制を考えていってほしいと考えております。
 三点目は、地方分権の潮流に沿った地方税制の構築が不可欠であるということです。地元のことは地元で決められるというのが地方分権の素朴なイメージだと思います。税制もそれに沿った改革の努力が必要であろうかと存じます。やはりこれからは地方分権の時代に見合う地方税制のあり方を、納税者の立場を踏まえながら構築していってほしいと思います。今日の地方消費税創設は、最終目標でなく、税制の分権の第一歩だということで受けとめたいと思っております。
 地方分権に関しては、分権基本法が次期通常国会にも提案され、提出される動きもあると伺っています。分権論議は、総論段階の議論はもはや終わりであり、これからは具体的な各論実施の段階であると考えております。ぜひそういった観点に立っての議論をお願いいたしまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。
○江藤座長 ありがとうございました。
 次に、甲能市郎君にお願いいたします。
○甲能市郎君 ただいま御紹介いただきました甲能でございます。よろしくお願いします。
 今回の税制改正の目的は、次の点にあると考えられます。
 短期的な目標としては、内需主導型の本格的な景気回復を確実なものとすることであります。中期的なものとしては、不公平な税制の改正であります。つまり、消費税の欠陥の是正であり、中堅所得層を中心とした所得税負担の累増感を緩和し、大幅な軽減を行うことであります。また、税負担の公平を確保し経済的活力を維持するため、つまり水平的公平を強めるため、消費課税のウエートを高め、直間比率を是正することであります。長期的な目標としては、高齢化社会における福祉支出等の財政需要に対する税制のあり方を決めることであります。
 今回の税制改正は、所得税の減税、消費税の増税を中心としています。
 景気刺激策としての所得税の減税は、国内外からの要請に基づくものであります。その形態は、所得税法の改正による恒久的減税と臨時措置法による定率減税の二階建てとなっています。所得税法の改正は、税負担の累増感を緩和するための税率構造の累進性の緩和と課税最低限の引き上げという方法によっています。
 減税の財源として発行する公債の償還並びに今後の高齢化社会における歳出増等の財政事情から考えて、今後所得税減税の機会はそれほどないと思われますので、累増感のない本格的な所得税体系の導入が望まれます。
 中堅所得層にとって、給与は上がったけれども、適用される所得税率のアップにより手取り額はそれほどでもないという状況は、今後の活力ある経済の維持にとって大きな問題となってくる可能性があると考えられます。すなわち、中堅所得層を中心とした税負担の累増感を緩和するという目的を達成するためには、所得税減税額全体を所得税法の改正により実現することが必要ではないかと考えます。
 今後の高齢化社会における巨額の財政需要を考えますと、間接税により重点を置いた税制改正が必要になると思います。すなわち、高齢化社会における財政需要をこれまでどおり所得税等の直接税を中心に考えていたら、社会保険料の自己負担額の増加等とあわせて勤労世代の著しい負担増となり、活力ある経済にとって深刻な影響があると考えられます。したがいまして、消費課税のウエートを高め、直間比率を是正して、安定的な財源を確保する必要があると考えます。そのために消費税率のアップが実施されると考えます。
 消費税のアップ率については、所得税の減税額及び所得税の先行減税の財源としての公債の償還額、高齢化社会における福祉関係支出額並びに行政改革の進展状況等に影響されると思いますが、今後の高齢化社会に向けての公正な税負担のあり方についての合意を形成し、それに基づき決定しなければならないと思います。これに基づく税制改正によって、個々人にとっては短期的な損得はあるでしょうが、長期的な観点から納得できる国民的合意に基づき実施すべき問題であると思います。
 また、先行減税の財源としての公債の償還については、後世代に負担を残すことのないように、財政収支のバランスを確保することが重要な条件であると思います。平成二十九年が公債の償還の最終期限とされているようですが、高齢化社会に突入する前の段階で、おおよそ平成二十年くらいまでには償還されるのが望ましいと考えます。
 次に、消費税の欠陥の是正について述べます。
 消費税には益税の問題があります。消費税法の制度上、益税が発生することを予定しているわけでありまして、欠陥であり、是正しなければならないと思います。
 例えば、限界控除制度は、課税売上高が五千万円以下であれば、本来消費税として納めるべき税金であるのに、限界控除として納税しなくてよいとしている制度であります。制度として益税が発生するようになっている規定は、当然税法本来の趣旨に従って修正する必要があります。限界控除制度が廃止されたのは原則に戻ったということだと考えます。
 免税点制度の三千万円という金額は、ほぼ妥当な金額ではないかと思います。しかし、新規開業者については、課税事業者を判定するための基準期間が存在しないため、開業後二年間は免税事業者となっていました。新規開業者は、課税事業者を選択した場合、納付すべき税額が出てくる場合、免税事業者となることによって益税を得ることができました。
 これについては、改正により、資本金一千万円以上の法人は課税事業者とすることになりました。しかし、課税事業者の判定は課税売上高で決定することになっていますので、資本金基準のほかに課税売上高の基準も採用する必要があるのではないかと思います。新規開業者に発生する益税は、資本金によってではなく、課税売上高に大きく影響を受けます。また、資本金一千万円未満の有限会社で開業した場合は当然免税業者となりますので、その整合性をつけておくことが必要だろうと思います。
 また、仕入れ税額控除について、インボイス制度の導入がありますが、請求書、領収書等の保存を義務づけるだけで、どの程度消費税の信頼性が高まるのか判然としません。免税業者からのインボイスでも仕入れ控除の対象となりますから、インボイスの保存を義務づけたとしても取引当事者にとっては従来と何の変更もありません。つまり、免税事業者である売上事業者は、消費税納付相当額を納付しないにもかかわらず、仕入れ事業者においては仕入れ税額控除を実施して納付税額を計算しますので、免税事業者が課税事業者であった場合納付すべき金額だけ両者合計での消費税の納税額は減少します。その金額は免税事業者の益税となっています。
 インボイス制度を導入する目的が、仕入れ税額として控除される消費税が納付されていることを立証するためというのであれば、つまり課税事業者からの仕入れ分の消費税のみを控除するためというのであれば、納税証明書としての機能を付加する必要があると考えられます。そうすれば、免税事業者からの仕入れは税額控除の対象とならないようになります。これにより、免税事業者が不利益を受けるため課税事業者を選択する場合に、納付税額計算の簡素化という観点から、簡易課税制度を設ける必要があると考えます。
 このように、簡易課税制度は事務負担の軽減のための制度でありますから、消費税の事務負担に耐えられない小規模事業者についてその必要性があることとなります。それ以外の事業者にとっては消費税の優遇措置となり、益税発生の原因となってきます。今回の改正で簡易課税制度の基準は二億円となりましたが、今後もその基準については検討する必要があると思います。
 以上は、中小規模事業者における益税発生の問題でありますが、すべての事業者において益税が発生する場合があります。
 それは、課税売上割合が九五%以上であれば、課税売上割合を一〇〇%とみなしてすべての仕入れ税額を控除して納付すればよいという制度であります。本来なら控除できない最終消費者としての仕入れ税額を控除していることになります。納付税額計算の簡素化ということを目的としての規定でしょうが、すべての事業者にこの計算方式を認める必要があるかどうかについては検討する必要があると思います。
 また、税制改革大綱にも記載されていますが、事業用消費に対応する部分の仕入れ税額控除、つまり最終消費にかかわる仕入れ税額の控除については、今後の検討課題として残っています。
 以上であります。
○江藤座長 ありがとうございました。
 次に、滝井義高君にお願いをいたします。
○滝井義高君 ただいま御紹介いただきました田川市長の滝井義高でございます。
 税制改革特別委員会の諸先生方におかれましては、遠路わざわざ福岡までおいでいただきまして、税制改正に関する我々の意見を聞いていただく機会を設けていただきましたことを心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
 今回の税制改革というのは、二十一世紀の高齢化社会の到来を控えまして、所得と消費と資産等の間のバランスのとれた税体系を構築するということ、同時に、高齢化社会を支える費用を社会全体で負担しようとする仕組みを構築をしていくということを主眼として行われております。同時にまた、中堅所得者の税負担が大変重いということで、そういうところを中心に減税対策を行おう、こういう大きな二つの趣旨があると思っております。
 その意味で、個人住民税も含めて、個人所得税の減税を行う一方において、消費税の税率を引き上げるという、そういう選択肢はまさに時代の要請に合ったものだとして、地方自治体の首長として賛意を表したいと思います。
 今回、税制改革の特筆すべきことは、地方税制の充実に目が向けられたということです。
 従来、税制改革をやる場合には、国税というものがいつも前面に出て、地方税というのは国税の陰に隠れて、議論をされることが非常に薄うございました。しかし、今回は、高齢化社会の到来で、この高齢化社会に対応するのは地域の住民である、同時に、地域住民が高齢化社会に対応するとすれば、地方自治体がその役割分担を担うべきであるという、こういう物の考え方が出ております。
 平成二年に福祉八法が改正されまして、福祉の措置権というのが我々地方自治体、市町村にその権限が来たわけでございますけれども、実際にそれに対応する財源が伴っておりませんでした。今回の消費税の見直しの中で地方消費税が創設をされたということは、これらの地方団体の役割の分担の重大性を極めて中央の政府が認めていただきまして、それに対応する税源の充実を図っていただいた、こういう政治の強い意思のあらわれだ、こういうように大きく評価をいたしております。
 今回、こういう三%から五%に税を上げるにつきまして、四%は国税で、一%が我々地方に回ることになりました。しかし、本当は、我々がその一%をみずから汗をして徴収するということが本来の姿でなければなりませんけれども、今回は過渡的な措置として、一応課税の徴収権というのは都道府県にあるんだけれども、しかし業務が煩雑になるということで、当分の間は徴収を国に委託する、税務署に委託をする、こういう形になりました。こういうことは、当面やむを得ない状態ではないかと思っております。
 それから、今甲能先生からもお述べになったように、益税につきましてもある程度の検討が行われております。ある程度益税の縮小が行われた。これは中小企業等の関係で、当面は、激変緩和ということでやむを得ない措置ではないかと思っております。
 いずれにいたしましても、我々としては、今回の税制改革というのは、昨年の六月に衆議院と参議院とが全会一致で分権の決議をしていただきました。その分権決議の趣旨を貫くためにこういう体制をとっていただいた。すなわち、地方の財源を強化していただいたという点については感謝しておるところでございます。
 これは地方税制にとって本格的な間接税の導入の道を開いたと思っております。これは昭和二十四年のシャウプ勧告以来の日本における大きな税制の改革の突破口ができた、こういうように私は評価をいたしております。しかし、今回の税制改革というのは、最終の目標ではなくて、今後地方分権の流れに沿って地方税制の見直し、地方税源のさらなる充実強化に向けて、国会の先生方でぜひ議論を進めていただきたいと期待をいたしております。
 他方、個人住民税が減税をされました。現在日本経済が二%の成長で、そして同時に円高で、九十六円、七円という円高。そして最近は、御存じのように企業の空洞化が国内では行われております。したがって、我々地方自治体の税収というのは、明るい展望はございません。そういう中で、住民税の減税というのは地方財政を運営する者にとって必ずしもありがたいことではありませんけれども、しかし、国家の景気回復や大局的な税制改革という見地から見ますと、そういうこともやむを得ないかなと思っておりますので、この個人住民税の減税に対する対応の措置を地方財政措置としてとっていただきたいと思います。今回は一応そういう措置はとっていただきました。
 それから、もう一つこの税制改革で問題になるのは、この改革によって各所得階層にアンバラが出るということでございます。これは、減税効果の少なかった層からは不満が出、多かった層からは満足の意が表明されるかと思いますけれども、これも住友生命の総合研究所の調査等が新聞に出ておりました。
 これをごらんいただきますと、今回の所得税減税あるいは消費税の引き上げ等によりまして、中堅所得層の中で負担が明らかに軽減されるのは三十五歳から五十五歳までであると住友生命の総合研究所は言っております。それから同時に、負担が増加するのはお年寄りと若い層、すなわち六十歳以上の世帯と三十歳未満の世帯は、これは増税になると言われております。また、年額所得八百万円以上というのはこの制度の恩典を受けるけれども、七百万円以下については減税効果が非常に少ない、七百万円以下はむしろ負担増である、こういうようなものが出ております。
 しかし、税制というのはそれぞれの時代的な雰囲気を反映をいたしまして、こういうアンバラがある程度出ることはやむを得ないと思いますが、諸先生方におかれましては、こういうアンバラの出たものについてはそれ相応の対応をしていただいて、不満のない形をつくっていただければ非常にありがたいと思っております。将来あるべき税制はいかになければならぬかという広い見地から、そういうアンバラの是正はぜひしていただきたいと思います。
 それから、その他の問題といたしまして、我々特別地方消費税を持っております。その存廃の論議が、これを残すべきか廃止すべきかという論議が行われておるということを聞いております。
 地方団体にとっては重要な税収であります。例えば、観光のある県あるいは市町村で温泉を持っておるところ、そういうところは、サービスと税とはお互いに相関連をしておるものでございます。一挙に特別消費税を廃止されてサービスをやらなければならぬということになりますと、地方自治体は大変苦慮をいたすことになります。したがって、地方消費税の実施の時期は平成九年でございますから、それまでの間に広い観点から特別地方消費税の検討をぜひやっていただきたいと思います。
 以上が基本的な考え方でございますが、この際、少しマクロの見地から、私の持っておる意見を述べさせていただきたいと思います。
 それは、先生方も御存じのように、国の国債残高は二百一兆円でございます。この二百一兆円の中で赤字国債は六十二兆円であると言われております。しかも、その二百一兆円の国債残高のほかに、国鉄清算事業団等の隠れ借金というのが五十兆あると言われております。こういうように膨大な借金というのを国家は持っておるわけです。我々地方自治体は、同時に百兆円の負担と申しますか、借金を持っております。そういう借金の中で、これから日本が国際的な社会に対応し、あるいは国内の経済の活性化をやるために、いろいろの政策が要ります。
 その政策のまず第一は、ガットのウルグアイ・ラウンドの合意でございます。このウルグアイ・ラウンドの合意によって、これから六カ年間に米が四%から八%、平均六十万トンの外米が入ってきますと、国内農業の改良強化をやる必要があります。そのために、政府は六兆百億の金をつぎ込むと言われております。
 それからもう一つは、対米公約として、公共投資は四百三十兆から六百三十兆円になる。これは、平成七年が同時に公共投資の基本計画の初年度に当たります。こういう大きな財源が必要です。
 それから、まさに高齢化社会、人口構造の変化によって、高齢化と少子化の社会がやってくる。世界に例を見ない急速な高齢化が進む。そして、一・五七ショックから一・四六と平野先生が言われたように、急速に赤ちゃんが生まれなくなるという、こういう人口構造の変化に対応するために二十一世紀に対する福祉ビジョンをつくったわけです。この財源をどの程度にするかという、明確にはまだ示されておりませんが、これは両方合わせたらすぐに二十兆、三十兆という金が要ることになります。こういう財源を、一体どう対応するか。
 それから、今回年金制度の改革が行われまして、国会の方で一九九九年までの間に今の国庫負担の三分の一を二分の一にするという方向が出てまいりました。そうなりますと、これも莫大な金が要ることになります。同時に医療保険は、だんだん高齢化が進みまして、そして年間一兆円ずつの医療費の増加があるわけでございます。したがって、医療の一元化をやろうとしているけれども、名案が今必ずしも出ておりません。
 それから、景気対策としての、今の景気というのは、循環的な景気はある程度よくなったが、構造要因の景気というのは空洞化が進んで必ずしもよくなっていない。こういうものに対する財源措置が必然的に必要になる。今ちょっと私が挙げただけでも膨大な歳出財源が必要となるわけでございます。
 こういう膨大な国債残高と隠れ借金、そして歳出を考えると、一体日本の国家というのは、福祉のために国民負担率をどの程度に持っていくか。すなわち税と保険料、医療や年金の保険料、いわゆる社会保障負担、この二つを合わせたものを一体どの程度に持っていくか。今は三八か三九です。
 ところが、我々がよく住民から聞き、学者の先生から聞くのは、すべてスウェーデンを挙げるわけです。スウェーデンがこうなっておるから日本もこうしなければならぬ。ところが、スウェーデンの国民負担率は、これは一九八九年、平成元年ですけれども、七五・八なんです。日本は、一九九一年で三九・二、今は三八か九ぐらいを超していると思います。土光臨調ではせいぜい四〇から四五と言います。四五ではとてもおさまらないわけです。
 そうしますと、我々地方自治体あるいは市民としては、これだけの膨大なものを、いろいろと歳出は決めるけれども、その歳入財源は一体どういうようになるかという、そのプロセスとその未来像を示していただかないと、どんどん歳出は決めていく、借金はそのままである、こういう問題というのは大変我々は苦慮をするところでございます。こういう問題について、快刀乱麻の御指示をいただければ非常に幸せだと思うのですけれども、こういう問題が悩みであるということであります。
 したがって、思い切った財源措置をやるとすれば、やはり規制緩和や地方分権の推進や、あるいは特殊法人の整理、あるいは公務員、国家公務員、地方公務員制度の見直し、こういう行政改革を本格的にやることが必要です。
 幸い、御存じのように、今回、行政改革委員会というのが、五人ぐらいの委員をもって、事務局を置いて、二日か何かに多分国会で成立しました。こういうもので、やはり第三者機関で抜本的にやらないと、日本の強い縦割りの官僚行政を断ち切ることはできないと思うのです。そういう意味で、思い切った斧鉞を加える必要がある。
 それから、不公平税制を直すための、これは税制改革大綱にもありましたけれども、総合課税制度をとるかとらぬか、あるいは納税者番号をつくるかどうか。これはプライバシーの問題がありますから、相当腰を据えた議論をやりながら、漸次不公平税制を直していく方策をとることが必要です。そういう上に立って、資産と消費と所得とのバランスをとる。
 今回の消費税の改革で、直間比率は七七対二三から七二対二八と、少し改正されました。しかし、本当に少しでございます。したがって、少なくとも社会保障の財源の確保の状態や、行政改革の進捗状態や、租税特別措置や、消費税課税の適正化、それから財政の状況、景気動向、こういうようなものを見て、平成八年の九月の三十日には消費税の見直しをやることになっております。こういうときには、今のようなことを根本的に示していただいて、国民の納得のいく、消費税を上げるか下げるかを決定していただきたい。
 最後になりますけれども、公共事業というのは建設国債が自由に発行されます。甚だしいときには、御存じのように十兆も十八兆も国債を出すわけです。それは、道路をつくったり橋をつくるのは、我々の未来の子供たちのために、子孫のためにつくるわけです。ところが、我々が、未来のための、老後を支えるための福祉のためには、増税をする以外にないわけです。
 こういう昔からの、古い公共事業には建設国債を出すけれども、老後の福祉を見る、あるいは教育と文化の研究をやるというようなものには全部増税しなければだめだという、こういう物の考え方は変えなきゃならぬときが来ておるのじゃないか。そして、道路や公共事業と対等に、高齢者社会に対する対応、研究開発に対する対応、こういうものを赤字国債だけで賄うということは考える時期が来ている、こう思うわけです。
 以上、申し述べましたけれども、とにかく思い切った対策をやっていただきたいと思います。
 結論になるのですけれども、私は、うちの市に美術館を建てまして、今この美術館にピカソがやってきております。ピカソと同時に川柳の展覧会をやっております。一昨日、そこに行って見ておりましたら、こういう二つの川柳があった。「消費税総理の席で酔いました」これは、今まで消費税に反対しておった社会党が、政権をとったら、総理をとったら、消費税をやるようになった。だから皮肉ったわけですね。もう一つは、「いつの世も弱い庶民は税に泣く」こういう心の中に、庶民が川柳にうたっているという、そういうムードが国民の中にあるということを与党の先生方も篤と腹におさめて、そして対応するように私はお願いをいたしたいと思います。
 以上です。
○江藤座長 ありがとうございました。
 この際、現地参加議員の山崎拓君、松本龍君が出席されましたので、御紹介をいたします。
 引き続き、意見陳述者からの意見の開陳を続けます。
 次に、川波洋行君にお願いをいたします。
○川波洋行君 ただいま御紹介をいただきました福岡県友愛会並びに九州電力労働組合福岡支部の川波でございます。
 私は、税金のことについては全くの素人でございますので、突っ込んだ意見の提起ということはなかなかできません。しかし、労働組合の役員という立場で、働く者のみんなの立場を代弁しながら幾つかの意見を申し上げたいというふうに思います。
 特に私たちサラリーマンは、税金についてはなかなか直接口を出すことのできないらち外に置かれておるのではないか、このように思います。源泉徴収の問題を一つとりましても、いろいろな施策は行われておるようでありますけれども、やはりお上の一方的な税の吸い上げ、昔の年貢の取り立てを想起しないわけにはいきません。こういった立場で、何とか現在の税制のあり方について抜本的な改正をしてほしいというのが私たち一般サラリーマン、勤労国民の切なる願いであったわけであります。そういった立場から、現在国会に提起されております政府の税制改革法案の内容を見るときに、幾つかの点で大きく手落ちがあるのではないか、こういうふうに見えて仕方ありません。
 それは、まず第一点は、不公平な税負担の是正について、このことについて今国民の間で、各層で不満が渦巻いておるわけでありますけれども、こういった不満に対して具体的なメスを入れようとはしておられません。
 二つ目は、先進国の中でも最高と言われております累進構造の問題でございます。税率一〇%から五〇%というふうに所得税はなっておりますけれども、この日本の累進構造を緩和することによって所得税の減税を図るべきだ、このように思っておりますけれども、その点についてもまだまだ不十分な状況にある、このように思います。
 そして、後から触れますけれども、現在の消費税、いろいろな面で欠陥があるわけでありますけれども、これについても突っ込んだ論議がなされないまま法案として提起をされておるように思えて仕方ありません。
 そして、今回の税制改革を行うに当たりまして、年収一千万円クラスの、子供さんが学校に行って教育費あるいはマイホームのローン、こういったものの支払いに追われて、特に家計を圧迫するこの一千万円クラスの勤労者の重税感、こういったものを本当に解消しようというものがなかなか見当たらないというのが実感でございます。
 これらについて、政府の方として強力な取り組みを行おうという姿勢が感じられない、私はこう思っております。今回の税制改革は、現在の政権を維持するために重要課題は先送りをして、当面の減税の財源をどう生み出すのか、そういったところに重点が置かれておるように思われて仕方ありません。
 私たちサラリーマンが常々抱いております不満は、トーゴーサンピンとかあるいはクロヨンとか言われる所得の捕捉率の不平等さからくる税負担の不公平感でございます。このことは、国の税務行政に対する大きな不信につながっており、本気で抜本的な対策を進めない限り、将来予想される消費税率アップに対し国民の正しい理解と納得と協力は得られないもの、このように思います。
 欧米の実態を見ますと、消費税率が八%あるいは一五%、日本から見ればかなりの大きな率になっておりますけれども、行く行くは日本もそういった方向に向かわざるを得ないのではないか。特に、直間比率を是正しようということになればこれは避けて通れない問題であろう、このように思っておるわけであります。
 今、この消費税に対して国民は大変な混乱を起こしております。それは、賛成派と反対派、特に社会党の皆さん方は、政権をとるまでは消費税については反対、現村山首相も、ことしの一月ごろだったと思いますけれども、答弁の中で、消費税は絶対に取り組まない、こういった発言もされておるように思いますけれども、このような消費税に対して私たちは、国民の一つのコンセンサスをきっちり持っておかないと、増税はいけませんけれども、私たちは、必要に応じて消費税といったものは是認する方向で取り組む必要もあるのではないか、こういうふうに思います。そういう観点から、消費税に対する国民の理解、これを政府はもっと求められるように、理解が深まるようなそういう対応もしていく必要があるのではないかというふうに思います。
 そして、その消費税をもしアップするとするならば、今かけ声だけに終わっております行財政改革、これを並行して断行しなければ国民は絶対に納得がいきません。行財政改革を断行し、そしてそこから新たな財源を生み出していく、そのような政府の努力が国民には全く見えてきません。
 先ほどもお話がありましたように、民間企業は血の出るような思いで、労働組合自身も経営に理解を示しながら苦しい決断を迫られて、そして企業のリストラに手をつけております。その結果、失業がたくさん出ておる、こういう状況でございます。私たちは、政府が行財政改革をやらないというのは、経営という立場から見るならば、これは経営者としては失格ではないか。民間企業は毎日毎日がリストラであります。そして、その中から経営の体質を、体力をつけておるわけでございます。
 国家の体質と体力を健全なものに高めるためには、この行財政改革を断行して、そして国民の皆さんに増税を訴えるその背景をつくっていかなければならない、このように思っておるところでございます。税金を取りやすいところから取るというやり方では、国民は納得はいたしません。
 さらに、今回の改正案の中で、これも先ほど触れられておりましたけれども、売上高三千万円以下の事業者の納税義務免除から派生いたしますいわゆる益税の問題について、ここについても何ら改善されているというふうには受けとめることができません。消費税率が今後アップすることを想定するならば、このまま放置しておけば、三千万円以下の益税を享受しておられる方の利益はさらに高まっていくわけでありますから、何としてもこれは早急な改善、それが求められるというふうに思います。業者の方には悪いのですけれども、国にも納めない税金を消費者から取るというのは断じて許すことができない、私たちから言えば、消費者だましにすぎない、このように思われても仕方ないことだろうというふうに思います。
 まだまだ問題点はございますけれども、こういった問題を解消して、税負担の平等性、公平・公正感を回復することが税制改革に対する国民の理解と協力と納得を得るための条件ではないか、このように思っておるところでございます。
 さらに、先ほども触れられておりましたけれども、今回の二階建て減税の問題でございます。消費税率がアップするときに定率減税部分は打ち切られるというのが内容でございますけれども、国民にとっては、このことは消費税と所得税の両面から増税感を味わうということになります。やはり減税のやり方としては、恒久減税を中心といたしまして所得税減税を行い、そしてこれに必要な財源対策としての消費税率のアップ、こういった一体処理といったものが国民にわかりやすい、あるいは納得が得やすいものになるのではないか、そして先ほども触れましたように、この消費税についての国民の理解、こういったものをこういった観点からもさらに深めることが大切ではないか、このように思っております。
 二十一世紀の日本は、御案内のとおり、四人に一人が高齢者という高齢社会を迎えます。そのような日本にあって、高齢者が安全で快適に生活できる生活環境づくりや地域社会づくり、これが二十一世紀には求められております。そして、そのような福祉社会をつくり上げていくことは、勤労国民に対する国の責務でもあります。
 しかし、今回の税制改革の中では、高齢化・少子化社会等を展望した福祉財源をいかにして確保していくのかというプランが何も見えてきません。さらに、税金の問題だけではなくて、こういう高齢化社会になったときの社会保険料の問題をどういうふうに対応していくのか、これは税金とセットとしてとらえていかなければならない問題だろうというふうに思います。
 このように、税制改革という具体的な数字が必要な分野で最も重要な箇所を白紙にしておくということについては、責任を将来に先送りするものであり、無責任政策と言わざるを得ません。
 今日本の社会は、アメニティー社会づくりに各地方自治体が取り組んでおられます。さまざまな住民の福祉ニーズに対する事業は、地方自治体がその大部分を担っているのが実態でございます。したがって、各種の福祉施策推進に当たっては、地方分権をさらに進め、あわせて自治体の財政基盤の確立、これが求められておりますし、不可欠であるというふうに思います。
 私たち労働組合は、連合を中心といたしまして、ゆとり、豊かさ、公平公正な社会づくり、これを求めていろいろな行動を起こしておるわけであります。中央でどんなにそういったゆとり、豊かさ、高度な福祉を求めたにいたしましても、地方自治にその考え方を同じように移管しておかなければ、血の通った福祉行政はできないだろう、そのためには自治体の財政基盤の確立、これが何よりも増して一般国民に大切なものだ、このように思っておるわけでございます。
 そういう意味合いからしますと、まだまだ不十分ではございますけれども、今回導入される地方消費税については、その観点からは私は大いに是とするものでございます。地方財源のさらなる安定化に向けての格段の取り組みを政府にお願いしたいというふうに思います。
 私は、今幾つかの問題点や要望事項を申し上げましたが、私たちは、労働組合の立場からあるいは一般勤労国民という立場から、今後も税制改革の行方については強い関心を持ちながら連合を中心とした運動を進めてまいりたい、このように思っております。
 若干場違いかもしれませんけれども、最後に一つお願いがございます。それは、この前の新聞にも出ておりましたけれども、高額の申告漏れあるいはいわゆる節税をされておる方々がまだまだたくさんいらっしゃるというふうに聞いております。これらが税収面でどの程度の割合になっておるのか詳しく知りませんけれども、少なくとも私たちサラリーマンは源泉徴収ということでいや応なしにガラス張りに税金を納入しておるにもかかわらず、法律の合間を駆けめぐって、縫いながら節税をやっていく、あるいは悪質な申告漏れをやっていくということについては絶対に許すわけにはまいりません。これでは税徴収の公平感というのは絶対に生まれません。
 なぜこういったことが起こるのかというのは、いろいろな意見もございましょう。専門家の皆さんから見ればいろいろな対応策もあるのかもしれません。しかし、私たちは、同じ労働組合として、税務行政に携わる労働組合の役員から聞いたことでありますけれども、やはり税務官吏が少な過ぎるのではないか、小さいところまで目が届かないからこういう状況が起こるのではないかという話を聞きました。
 人間を青空天井でふやせというのではありませんけれども、行政の中の人間を少し眺めて是正をすれば、その程度の人員は確保できるのではないか。そして、職員を増員することによってきめ細かな税務行政が確立され、そして一般サラリーマンから公平感を感じられる、そういったものの一助にもなるのではないかというふうにも思いますので、場違いかもしれませんけれども、そういったことについても御検討願えればというふうに思います。
 以上のことを申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。
○江藤座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
○江藤座長 これより委員からの質疑を行います。
 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。町村信孝君。
○町村委員 御紹介いただきました自由民主党の町村でございます。
 きょうは、四人の意見陳述者の皆さん、それぞれのお立場から大変多面的な、また貴重なお話をいただきましたことを私からも御礼を申し上げる次第でございます。
 私は持ち時間十分、大変限られておりますので、ポイントを絞って、主として平野さんに二、三お伺いをして、時間があれば甲能先生にも一点ほどお伺いさせていただきたいと思います。
 先ほど平野さんからは、いろいろ問題はあるが、大筋、大体今回の改革案は評価できるものであるというお言葉をいただきまして、大変意を強うしているところでございます。
 もちろん、一回の税制改革ですべてを満たすということは正直言って難しいし、また余り一遍にやってしまうとかえって逆の反動も起きる、こんな思いも私どもしておりまして、前回、昭和六十二、三年ごろからの消費税導入、これが第一回目の抜本改革だといたしますと、今回はいわば二回目の改革なのかな、こんなふうに考えているのです。さらに、またしばらくたって、また第三回目もやらなきゃならない。何年かたっていくうちにいい税制に仕上げていけばいいんだろう、こう思っております。
 そういう基本的な考え方の中で、一つは、平野さんにお伺いをしたいのは、景気にやや薄明かりが見えてきた、こういうお話がございました。
 私は地元が北海道でございますが、そろそろ雪が降り始めて、薄明かりがあるのかないのかもわからないような状態、率直に言ってそんな感じであります。この九州の中で幅広くいろいろな小売をやっておられるお立場から見て、この地方の経済の実態、これから先どういうふうになっていくと見通しておられるか、概括的なことでいいですから、お考えを教えていただきたい。
 それから二点目は、まさに消費者の接点でお仕事をしておられて、この消費税というものが国民の中にどのくらい定着をしてきただろうか。先ほど川波さんからは、消費税についてまだまだ国民の理解は不十分だ、こういう御意見もございました。そういう見方も確かにあろうかと思いますが、私どもは、かなり定着してきているのではないだろうかな、こんなふうに受けとめているのでありますが、現場におられるお立場から、この消費税の定着状況といったようなことについて、御感想があれば教えていただきたいと思います。
 三番目は、質問じゃございませんが、地方消費税について、これは四人の方々とも評価をいただいた。旧連立の皆さん方は、この地方消費税について議論はされたようですが、結論は出しておられませんでしたが、私ども、現在の三党の連立体制のもとで、この地方消費税を創設するという、これは課題を先送りしないで結論を出させていただいた、こう思っております。
 先ほど幾つかの地方消費税の意義をお述べいただきましたが、特に地域経済活性化という観点で、これから大いに経済団体と自治体との間での意見の交換、買い物は地元でという運動を、これは大いにやっていただきたい、これは私からの要望でございます。
 一点だけ、これは甲能さんに伺いたいと思いますが、消費税の幾つかの問題点、さらに是正すべき点があるという御指摘、ありがたく承らせていただきました。今回、幾つかの点で、私どもも解決を図った点があろうかと思っております。その点もお触れをいただきました。
 その中で、事業者免税点制度三千万円ということで、これについても賛否両論があるわけであります。先ほど甲能さん、おおむね妥当な水準ではないだろうかと、私の聞き違いでなければ、おおむね妥当かなという御発言をいただきましたが、公認会計士という専門のお立場でこういう企業の経営を見ておられて、おおむね妥当であると判断をされた理由があれば、この際お教えをいただければありがたい、このように思っております。
 限られた時間でございますから、質問は以上にさせていただきまして、ひとつよろしく御返答のほど、お願いいたします。
○平野比左志君 ただいまの御質問と申しますか、お尋ねがございましたが、景気が多少薄明かりが見えてきた、薄明かりでございまして、好景気というわけではございません。
 これは、特に九州の場合には非常に猛暑に恵まれまして、そのかわりに水不足という事態も起こってまいりましたけれども、猛暑という関係で非常に商品がよく動いた、エアコンも動いたし、そのほかのものもたくさん動いております。そういう意味では、景気が多少上向いているんじゃないかな。
 それともう一つは、やはり還付をいただきました。その影響が随分大きいんじゃないか。これをこの年末も実施されるというふうになっておりますので、これは間違いなく景気を刺激するというふうに考えております。そういう意味からも薄日が差しているんだと思います。
 ただし、物価高というところで、消費を抑える、物価高であるから消費を抑えるという点がまだあると思います。ですから、郵貯に回っているというような点もございます。そういう意味からいっても、これからの物価について、引き下げる方向に向かっての規制というようなものを御緩和いただければ、なおありがたいなというふうに考えております。
 それから消費税について、消費者の方々にどうなんだと、私は定着しているというふうに考えております。特に、海外へ今日本の方はよく行かれております。そのときに、海外の消費税が日本に比べますと非常に高いところにあるということも消費者の方も承知しておられるというふうな時期であろうというふうに考えて、そろそろ定着しているというふうに考えております。
 以上でございます。
○甲能市郎君 免税事業者の免税点について、ほぼ妥当じゃないかという、その理由といいますのは、理由といいますか、一つは、三千万といったら月の売り上げでいったら三百万ぐらい、これが大きいか小さいかというのはちょっとわかりませんけれども、一つはインボイス方式ですね。
 インボイス方式を採用するという形で考えた場合に、それで納税証明書方式を採用すると考えたならば、免税事業者というのが、取引の中でフリーというか、取引から除外されるような形が出てくる可能性もあって、そういう意味で、課税事業者を選んで、そのために簡易課税制度を採用するという形がとられる、インボイス制度の納税証明書方式みたいなものが採用されれば、そういう形がかなりのところで出てくるので、そうなってくると、現時点での三千万で、消費税としては、納めるべき税金としては二割とかいったら二十万とかそれくらい出てくるんでしょうけれども、絶対これで問題なしというわけじゃないんですけれども、納税証明書方式のインボイス方式を採用するという形がとられてくるならば、おおむねいいんじゃないかなというふうに個人的に思っているわけでございます。
 以上です。
○江藤座長 これにて町村信孝君の質疑は終了いたしました。
 次に、早川勝君、お願いします。
 質疑を通じての十分間でありますので、大変恐縮であります。
○早川委員 はい、わかりました。
 私も十分間でございますので、滝井市長さんにお伺いしたいと思っております。
 最後に二首の川柳を披瀝してもらいましたが、総理によくお伝えいたしまして、村山内閣として頑張っていきますよう伝言させていただきます。
 質問点は、三点意見を聞かせていただけたらと思っております。
 第一点は、今回所得税を減税をして、そして消費税を二%上げていく、こういう内容になっているわけでありますが、この結果、トータルで、直接税と間接税の比率が、間接税の方にウエートが移ったわけでございますが、自治体、市のレベルを考えた場合に、この直間比率のバランスをどう考えられるのかなと。現在の比率からして、もっと間接税のウエートをふやしたいなというふうに考えられているのかどうか。つまり、国全体の直間比率あるいは所得、資産、消費のバランスはよく言われるわけですが、自治体レベル、そして市のレベルでどのように考えられるのか、これが第一点でございます。
 第二点は、地方消費税の話がそれぞれ高い評価を下されたわけでございますが、徴税は国に委託するということになったわけですね。そしてまた、この地方消費税の導入が地方分権に向けての突破口の一つだ、こういうお話をされました。
 徴税の問題等を含めますと、もっと地方分権を進めなければいけないと思うのですが、それとの関連で、市町村の合併のような問題ですね、全国市町村三千三百程度あるわけですけれども、これでいいのかどうか。高齢化社会に向かったときに、この規模が適正なのかどうか。徴税の問題、そしてサービスの提供者としての自治体のサイドから、多いのか少ないのか、この二点の意見を聞かせていただきたいと思っております。
 第三点の、最後になりますが、行政改革絡みの問題で、もっとリストラを行えという意見等々が各陳述人から出されましたが、公共事業は、やり方によっては五%とか二〇%だとか、もっとコスト減が図られるんだという声を聞きます。市長として、本当にそういうことが可能なのかどうか。やり方いかんによれば五%でも一〇%でも節約できると考えられているのかどうか。もしそれを実現するとすればどんな点が必要なのかどうか、お聞かせいただきたいと思っております。
 以上の三点です。
○滝井義高君 第一点の、地方自治体における直接税と間接税ですが、ちょっと資料を持ってきてないのですが、多分間接税、一一%か一二%ぐらいじゃなかったかと思うのです。
 それで、我々地方自治体が自主財源を確保するとすれば、やはり国と同じように、直接税と間接税をする必要があるわけですが、たばこ消費税というのは、その町で余計にたばこをのんだら消費税が余計に来るわけですね。最前平野さんも言われておりましたけれども、やはり税制というのは、地域の住民と行政と企業、これらのものが一体になって、地域で物を買えばそれだけ地域が発展をするという、そういう形ができるのが一番いいわけです。ところが、なかなかそうはうまくいかないのですね。
 だけれども、やはり国が税の均衡、直間比率の均衡をとるように、我々地方自治体も均衡をとる方がいいと思うのです。今、主たる財源が住民税と、それから何と申しますか、間接税といっても固定資産税が主で、あとはたばこ消費税とか、その他少ししかないわけです。しかし、ここに消費税というものが入ってきて間接の部門をある程度強化をしていただくということになれば、税の均衡というのはある程度とれていくから、地方自治体の財政力が非常に強くなってくると思います。そういう意味では、国と同じように、直間比率がある程度狭まる方がいいと思っております。
 それから、今、国が七取って、我々が三取るわけです。そして国が、今度は我々に四をくれるときに、ひもがつくわけです。いわば四を使うときに、我々は七を使うのですが、ひもがつく。いわゆるこれが中央官僚統制です。これが、我々が自分で四を取れば、これはもう上のひもがつかないわけです。そういう意味で、中央集権というものを直そうとすれば、そういう点の税制その他をやはり直していく必要があると思います。
 それから、地方分権については三つあると思います。一つは権限です。一つは財源です。一つは人材、人間です。三ゲンです。三ゲンを我々によこせと、こういうことなんです。
 例えば、今度保健所法が改正をされます。保健所法が改正されますとどうなるかというと、今八百五十ぐらいの保健所は、平成九年から変えてそれが四割ぐらい削減をされて、県に保健所として五百ぐらい残りますと、あとは、市町村の保健センターでこれから保健をやることになります。
 そうしますと、御存じのように地方自治体というのは医師はいません。医師はいないです。しかし、県は今度は現場から離れて企画立案、指導ということになると思います。そこには医者がおるのです、保健所は皆そこに行くわけですから。
 そうすると、我々のところに権限はくれたけれども、人間がないわけです。だから、何も県に置かなくて、これを我々の地方自治体に、広域で一部事務組合をつくって保健所を運営をすれば、我々ができて、現場に医師が来るわけです。ところが、それはなかなか、人間をくれないのです。人間をくれなくて、おまえたちは、もし我々が行政をやるとすれば受け皿ができぬと、第一、人ができるかと、あるいは汚職ばかりやって何事だと、こうなるのですね。中央の汚職をやるのはほおかぶりして、我々はすぐやる、そういう形になってくるんですね。だから、その三つを我々がもらわないとだめなんですね。
 そうなりますと、殊に市町村の合併になるとボーダーレス、広域になる。今私の田川市郡、十五万人口がありますが、そのうち三千人ぐらいは北九州に働きに行きます。それから、苅田の日産の自動車に五百人行きます。それから、最近は北九州より福岡にも行くようになって、福岡に五百人ぐらい行くわけです。すなわち、田川という行政区域の中で生活できぬので、ボーダーレスになった。ボーダーレスというのは国際化です。
 そうなりますと、必然的に、今我々は、消防も広域化し、伝染病も広域化し、斎場も広域化している、救急医療も広域化している。そうすると、そういう広域化をやろうとすれば、ある程度人材も保てることができるし、受け皿もできるわけです。
 そうなると、そこに市町村の合併が、平成七年の三月三十一日で特例法が切れます。これが切れたときに、我々市町村長が今までは主導権を握っております。市町村長が主導権を握るということは、議会の協力を得なければできません。そうすると、どうしても人間というのは、鶏頭となるとも牛後となるなかれ、鶏の頭になっても牛のしりになるなという思想がどうしてもあるわけです。したがって、今度の改正は、自治省がそういうことを考えたかどうかは知りませんけれども、住民の発議権をやろうと。住民が合併をやる、地域の住民が合併をすることが必要だということになれば、市長はそれに従わなければならぬ。
 ところが、住民発議だけではなくて、もう一つ、住民投票でいくかどうか。ここまで自治省なり国会が踏み切っていただいて、住民投票をやれということになると、住民が大多数が合併をということになると、議会も我々もそれに従わざるを得ない、こういう形になる。そうすると、しっかりした受け皿ができますし、広域行政もできますし、そして財源も付与していただければ、人間ができるわけです。
 ところが、今の地方自治体の姿をごらんいただきますとどうなっておるかというと、四つあるわけです。一つは、拠点都市構想です。これは人口三十万以上です。広域連合です。川の上流と下流とがあって、彦山川の上流と下流がある。そうすると、上流に森林をつくると下流は水の恩典に浴す。そのときに、上流のために下流が今まで金を出さないわけですが、広域連合では一緒になってやろう、運命共同体をつくろう、そういうのがあります。
 もう一つ、中核都市があります。例えば、九州でいえば百万都市は北九州市と福岡市です。百万都市は保健所を持ったりいろいろなことに権限がある。だから、長崎とか鹿児島とかそれから熊本とか大分、宮崎はちょっとだめなようですが、委員長がいらっしゃいますけれども、こういうところは中核都市になる可能性が出てきたわけです。そうすると、これは人口三十万以上でないとだめなんですね。
 もう一つあるのです。それはパイロット自治体です。いわゆる地方分権特例のものです。これを、九州で私の方が手を挙げた。初めは、これは人口二十万以上でなければだめだった。二十万、三十万、五十万でやるなら、我々十万ぐらいの自治体は切り捨てるのかと、棄民政策をとるのかと言ったら、自治省のもう亡くなりましたけれども谷口さんが、市長、わかった、二十万以下でもよろしいから、二十万以上のやることと同じことを出しなさいと、こういうことで出したんだけれども、役人の力が強くて、例えば補助金をもらう制度を出すと、こんな補助金なんか出したら予算の編成上に邪魔になるからだめだと切られてしまった。
 そしてなかなか、分権都市、今度は別なことを出したら通っていますけれども、これは全国で十五か二十しか出さないのです。三千二百三十三の地方自治体があるのに、権限をやろうというのに出さない。というのは、中央の力が強くて、とてもそんなものをやったって、牛車に向かう蟷螂、いわゆるカマキリのようなものだということで、なかなかやらないのですよ。
 こういう状態の中ですから、地方分権をやろうと言葉で出てもうまくいかないので、国会が議決をしていただきましたし、我々六団体も分権をやりましたし、そして今度は監視機関をつくる。時限立法にして監視機関をつくる。それは二日に通していただきました。こういう推進機関が五人ぐらいで、そしてきちっとやっていただいて分権をやれば、我々は受け皿をつくり、勉強をして、三ゲンが我々のところに来る形ができると思います。そういう意味で、ぜひやっていただきたい。
 それから、行政改革の中の公共事業でございますが、これはさきがけさんが多分出しておったと思いますけれども、入札制度をやる、そして自由競争の入札をやる、談合その他はきちっと廃止してしまう、今も談合は廃止しているのですけれども。そういう形になってくると一割ぐらいは予算の節約ができるのじゃないかということをさきがけさん書いておったと思いますけれども、そういう問題をやはり国会でもう少し討議をして、入札制度をどうするかということです。
 これは、我々地方自治体としては談合その他は禁止しております。しかし、我々の地域にそういう企業がありますと、その企業を地方自治体の首長としてはつぶすわけにはいかぬわけです。だから、どうしても、談合が行われたかなと思っても、警告はしますけれども、それ以上のことはなかなかできないという問題が率直にあるわけです。これは中央でも同じです。最近、大手の会社がだっだっだっと摘発をされましたら、大手が今度は全部地方に押し寄せてくるわけです。そうしますと、大手が地方に押し寄せてくるとなると、地方の大手や中小というのは負けてしまうのです。これに入札を入れるか入れぬかという、そういう難しい問題が出てくるのですね。
 ここらあたりはもう少し我々も勉強をして、公共事業というのが、御存じのようにこれから六百三十兆もやることになれば、そこにロスのないような制度をつくると相当財源は浮いてくると思います。
 以上です。
○江藤座長 これにて早川勝君の質疑は終了いたしました。
 次に、五十嵐ふみひこ君。
 この十分間というのは、質問と答弁と合わせて十分でありますので、どうぞよろしく御協力のほどをお願いいたします。
○五十嵐(ふ)委員 さきがけの五十嵐ふみひこでございます。
 ここへ来させていただきまして、それぞれのお立場から、税に深い関心をお持ちになっていただいて、それぞれ率直な御意見をいただけたということを大変感謝を申し上げます。
 私は、川波さんと甲能さんに御質問をさせていただきたいと思いますが、川波さんの御意見の中で、まさに行財政改革をきちんとやらなければいけない、あるいは取りやすいところから取るということではだめですよ、あるいは大口の申告漏れや行き過ぎた節税というのをきちんと見てくださいということには同感でございます。私どもも、取る側の論理だけで税を考えてはいけないということを肝に銘じてやったつもりでございますが、これからもそういうつもりで取り組みたいと思います。
 ただ、きょう伺っていて、私どもの反省点の最大の点は、やはり我々がきちんとコマーシャルといいますか、御報告を国民にしていないなという反省をさせられました。
 例えば、累進構造が日本は高過ぎるというお話がありました。日本の国税と地方税、所得税と住民税合わせて実効税率というのがありますけれども、サラリーマンの場合でいいますと、三千五百万円以上の年収がないと外国より高くならないのですね。確かに五〇%という最高税率がありますけれども、それが適用されているサラリーマンはほとんど日本にはおりません。ですから、見かけではかなり高い累進税率になっていますけれども、適用されている人はほとんどいないという状況ですから、それほど実は高いというわけではないと思います。
 それから、サラリーマンは必要経費以上に勤労所得控除がございますので、私は、日本のサラリーマンはそれほど酷税だとは実は思っていません。年収一千万クラスの重税感ということをおっしゃられましたけれども、年収一千万クラスの実効税率は欧米に比べて極めて低い水準にございます。そのようなことを考えますと、私は、直間比率の問題もありますけれども、消費税を安易に上げる方がむしろ問題ではないかということを考えているのです。
 直間比率の問題も誤解が実はあると思います。これは甲能先生もおっしゃいましたけれども、日本の直間比率の直接税が高いのは、これは法人税、特に法人事業税、地方税の法人税の方が高いわけでありまして、これを所得税と消費税だけの関係で直間比率が高いという論議を展開しますと、消費税をばか高くしないとこれは直間比率の是正につながらないのです。ですから、私は、むしろ痛税感のない消費税を安易に上げていく方が、それは為政者にとっては、行政マンにとっては、実はこれは取りやすい税なんです。
 この間、カナダへ行ってまいりましたけれども、国税七%、地方税七%の消費課税です。合計一四%。内税だったから今まで気がつかなかったけれども、外税にしてみたら、こんなに一々物を買うたびごとに一四%も取られているのかといって、今カナダの国民は怒り狂っています。消費税を下げようという運動を今しているわけですけれども、日本でも消費税の値上げに頼るとこういうことになるのです。懐が痛まないものですから、すぐに目に見えないものですから、特に内税にされてしまいますと。消費税を上げるということは、実は大変危険なことなのではないかと思うのですね。
 所得税が日本が本当にばか高いのであれば、これは所得税を下げていって、消費税をその分導入していって、水平的公平にしなければいけないということはあるでしょうけれども、日本の所得税の水準は、先ほどから申しているように、欧米に比べるとかなり、相当低い水準にございます。
 今度の改正によってさらにそれが進みます。年収四百万クラスで一・六%ですよ、国税、地方税合わせて実効税率は。一・六%です。また、六百万、七百万の普通のいわゆるサラリーマンの方々でも五、六%という実効税率です。私は、日本は、今所得税の世界では健全な姿にあると思っていますので、むしろ消費税を安易に上げてはいけない。
 そこで、甲能先生にお尋ねしたいと思うのですけれども、また川波さんにもお尋ねしたいのですが、いわゆる財政収支のバランスをとらなければいかぬとか、三年減税先行分の償還をせめて二十年にしてほしいとかいうことで、また二階建てをやめて一階建てにしなさいということでございましたけれども、そうすると、福祉が全く入らないで、私どもの計算では六%で間に合わないということになる。今五%の案を出しているわけですけれども、六%にしても福祉が全く入らない。六%でも間に合わない。七%にしないと、福祉の一部も取り込んだ姿にもならないということになってしまうのですが、甲能先生、川波さんのお考えによりますと、どこまで一体、近未来の水準で受容範囲なんでしょうか。消費税はどこまでだったら構わないとお考えなんでしょうか。
 ごく簡単な質問でございますので、お答えを一言でいただきたいと思うのですが、何%まで受容できるとお考えなのか、甲能さんと川波さんに……。
○川波洋行君 何%までならいいのか、正直言いまして、それはわかりません。
 そういった物の言い方をされますと、それならもう少し税金のことについて政府は国民にもっと詳しく説明をしておくべきではないか、このように思います。
 ただ、私たちが重税感とかあるいは不公平と言っておりますのは、先ほどもちょっと言われましたけれども、欧米と比べればというふうに申し上げられましたけれども、私たちが重税感を感じるのは、国内の相対的な比較の中でそういったものを感じておるということでございます。これが庶民の感覚なんです。ですから、その感覚を具体的に数字で示せと言われましても、それは今はできません。ただ、そういった感覚というものをやはり政策の中で大事にしながら数値化をしていっていただきたい。それは政府なり、そういった関係者の役割ではないかというふうに思っております。
 そして、重税感の問題と関係しますけれども、やはり私たちは税負担の問題とあわせまして、国民負担率を大体どういったところまで持っていくのが適正なのか、詳しい数字は覚えておりませんけれども、このままほっておけば、ヨーロッパに近いかなりの数値になるというふうに受けとめておりますけれども、そういった観点からも、私は、この税金の問題について具体的な検討をしていくべきではないか、このように思っております。
 正確な答えができなくて申しわけありませんけれども、そういったことで答弁にかえさせていただきます。
○江藤座長 それじゃ、甲能市郎さん。かいつまんでお願いします。
○甲能市郎君 今の話で、消費税の税率が何%までだったらという形については、具体的な数値としては、私もここまでだったら大丈夫というような形はありません。重税感があるというのは、これまでの六百万とか一千万とか、その辺のところの所得を超すと税率が上がってくるという形になってきますので、その辺のところで税金の負担額が少し上がってくると、これまでの給与に対する比率とかそういう形に比べたら大きく上がってくるので、その辺のところが重税感として出てくるというふうに感じるのじゃないかなというふうに思います。
 そういう意味で、税率何%までだったらいいという形は言えませんけれども、税率の構造なんかからそういうふうに感じているということであります。
○江藤座長 これにて五十嵐ふみひこ君の質疑は終了いたしました。
 次に、加藤六月君。
○加藤(六)委員 加藤六月でございます。
 意見陳述者の皆さん方、それぞれの分野における貴重な御意見、まことにありがとうございました。私はまず、今の四名の陳述者の御意見を承った感想を申させていただきまして、あと簡単に御質問をさせていただきたい、こう思うわけでございます。
 まず、平野陳述者からの陳述を聞きましていろいろ参考になったのでありますが、私たちが悩んでおるのは、あなたは、七、八年度所得税減税をやると、その数字をおっしゃらなかったのでありますが、間違いなく七、八年度に五兆五千億の減税があるのなら、私たちも少し態度を変えなくちゃならぬかな、こう思っておるのですが、今回出した法律では七年度だけと書いてある、五兆五千億全体を通じてできるのはですね。
 それで、八年度に対する担保がないんです。ここら辺が今回の平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法というのであって、税制改革大綱ではやるように書いておきながら、出てきた法律には、全体の分としては七年度分しかないというところに実は苦しみがあるわけです。それをどう担保していこうかという問題、これはテレビ中継のときの改革側が既に強く言っておるところなんですね、所得税はぜひやりたい。
 それから、一番目玉の所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案、これは意見陳述者の皆さん方に申し上げるのは失礼であると思うのですが、本章本文は七十条まであって、附則というものが九十四条ある。その中の附則の二十五条の中に税の中の世界に出てこない言葉がだらだらだらだら、こうあるのですね。これはある面でいいますと、政治的な与党の決着の問題かな、こう思うのですが、それも改革側としたら、いろいろ追及しまして、まだ政府側のはっきりした統一見解をいただいていないのでとやかく言えないんですけれども、これは陳述者の四人の皆さん方おっしゃった中にも共通するわけであります。
 例えば、この消費税改正案の附則の二十五条で「消費税の税率については、社会保障等に要する費用の財源を確保する観点、行政及び財政の改革の推進状況、租税特別措置等及び消費税に係る課税の適正化の状況、財政状況等を総合的に勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずるものとする。」これは消費税。これは何のことかなと、率直に言いましてそこら辺の問題で、野党になっておる我々改革の連中の、消費税と所得課税という問題に対してのはっきりしたものが、言質がとれないということに対する苦しみがあるわけでございます。
 同じことは、甲能さんがおっしゃいました短期、中期、長期で、短期的な景気回復、中期的な不公平税制の改正、長期的な福祉財政を見詰める、これは言葉をかえて言うと、今回の税制改正における理念と哲学はどういうものであるかということになりまして、これは我々が追及しておる新ゴールドプラン、これの財源その他見通し、これは今五十嵐さんもちょっとお触れになりましたが、あるいは少子対策というようなものが全然ないじゃないか、そこら辺をどうしておるのかという問題等が出てくるわけでございまして、そこら辺の問題をどうしようか、政府にどうはっきりさせようかと今悩み苦しんでおるところでございます。
 そういう観点を踏まえまして、簡単に御質問いたしたい、こう思うわけでございます。
 これは滝井市長いろいろおっしゃっていただいたのでありますが、住民税の刻みと所得税の刻みが違うのは、私はより簡素化しようと思うんですが、これは四人の陳述者皆さんおっしゃったのですが、刻みを小さくすればするほど、ある面ではその段階を上がるときにだっと、こう格差がついてくる、段差がつくんですね。刻みを小さくずっとたくさん折れば、所得が上がってもそこら辺の段差ができない。これと簡素化の、刻みを小さくするという問題というものは、私は、これは税を考える者がいついつまでも悩まなくてはならない問題である、こう思っておるわけでございますが、ここら辺の問題で、刻みはどの程度がいいか。これは気のつく、滝井陳述者だけでなくても、ほかの方でもあったらおっしゃっていただきたい、こう思うんです。
 それから、地方消費税の問題をおっしゃいました。諸外国いろいろ見て、国と地方で消費税を取っておる国があるんですが、滝井陳述人から特別地方消費税の話が出てきました。これは考えてみますと、私が宿泊、飲食行為をした場合に、国が消費税を取る、今度新しく創設された、地方が消費税を取る、そしてさらにその上に特別地方消費税がある。一物三価。こういう税が果たしていいか悪いか、一つの行為に伴って三つ税金が取られる、賦課せられるというシステム、これはどうお考えか、こう思うわけでございます。
 それから、あとはいろいろありましたが、川波さんに簡単にお伺いしたいのですが、所得税の減税と消費税でいつも悩むのは、給料が払い込みになっておるものですから、減税の効果というのがわからないんですね。片一方、消費税はある。これも先ほどちょっと五十嵐委員がおっしゃったから余り言わぬのですが、前回消費税の改正のときに私が中心になって消費税を内税にしたものだから、皆さんがぴんとこぬようになった。これを外税にでもしたら、またこれは大騒動の大騒動になってくるのですが、そういうときでも所得税の減税というものと消費税のアップというものとのバランス、常に計算するのですが、九電は、給料は一カ所に払い込みしておるのでしょうか。あるいは人によっては二カ所の払い込みがあるのか。これは、ある面で言いますと、消費税アップと所得税減税のいつも私たちが問題にする問題です。
 以上、あちこちお聞きいたしましたが、よろしくお願いします。
○江藤座長 最初はどなたからですか。滝井さんですか。――それじゃ、滝井さんから。恐縮ですが、持ち時間がオーバーしておりますので……。
○滝井義高君 住民税、所得税の刻みの簡素化ですが、個人住民税は御存じのように、道府県民税は二%、四%、二つ刻みですね。市町村民税は三%、八%、一一%、三つ刻みです。国税の方は一〇%、二〇%、三〇%、四〇%、五〇%、五つ刻みになっております。県税、それから市町村民税、国税とみんな違うわけです。
 これは、ちょっと私専門家でないのでここらの刻みをどういうように、県、市町村、国と刻みを改めていいかというのはわかりませんけれども、当面こういう形で、政府の方の税の専門家がやっておるんで、こういう形でいいんじゃないかなと今思っております。
 それから、特別地方消費税は今議論がされておりますが、これはそれぞれの県なり自治体に重要な財源になっておりますので、もしこの税が三番目の税として徴税上非常に煩雑になるとすれば、総合的な観点から議論をしていただいて、そしてその特別地方消費税を一挙に切るんじゃなくて、やはり代替の財源を何らかの形で補てんをしていただくことが必要ではないかと思っております。したがって、この三番目の税を討議し具体的に対応する場合は、代替的な措置をある程度していただければ、それでやむを得ぬじゃないかと思っております。
 以上です。
○川波洋行君 加藤先生おっしゃいましたように、給料が振り込みになっていますから実際はなかなか見えにくいんですが、ただそれも、九州電力の場合には、例えばことしの夏にやられた特別減税のときにも、どういうふうな計算の方法ですよというふうな、そういったチラシを従業員に配って、自分がどれだけ減税の恩恵を受けるという、そういうやり方をすれば減税のときの効果については割とわかるんではないのかな。そういったものが波及していけば、たとえ給料振り込みになっても、減税の効果といったものがよりわかりやすくなるんじゃないかと思います。
 九州電力の場合は、給料は三カ所の口座に振り込んでいいように実はなっております。
○加藤(六)委員 終わります。
○江藤座長 これにて加藤六月君の質疑は終了いたしました。
 次に、二見伸明君。
○二見委員 二見伸明でございます。
 本日は、御多忙の中、大変貴重な御意見を賜りましたことを心から御礼を申し上げます。
 特に、滝井市長の二つの川柳は、税を論議する我々としては非常に重く受けとめております。
 形容詞抜きで端的にお尋ねいたしますが、一つは、今回のいわゆる消費税法案ですね。消費税、所得税、地方税と三つあるんだけれども、この法案に対して皆様方は、賛意を表明された方あるいは批判的な方といらっしゃいますけれども、この法案はこのまま通せばいいのか、修正できるものであるならば修正した方がよりいいのか、その点をまず四人の方にお尋ねをしたいというふうに思います。
 それから、消費税アップについて、これも皆様方の共通の御意見だったと思いますけれども、行財政改革、行政改革をやれという厳しい御意見がございましたし、私たちもそう思っております。
 実は、私は、羽田内閣のときに大臣というものを経験いたしまして、行政改革というのは口で言うのは大変簡単だけれども本当は大変だなと思っております。だから、むしろ腹を決めてこれをやらなければならないというふうに思っておりますが、村山さんも行政改革をやるとおっしゃっている、もうやらないという人は一人もおりません。その中で、やるというのは単なる議事録に残る決意表明でいいのか。具体的に、何年何月までこれこれの行政改革をやりますという具体的中身を伴ったものが消費税引き上げの前提となるのか。そこら辺は、四人の方にこれもお尋ねをしたいと思います。
 それから、これは御商売をやっている平野さんと、それから実際に物を買う方の立場の川波さんにお尋ねしますけれども、先ほど甲能さんからインボイスの話が出ました。消費税というのは最終的には消費者にすべて転嫁されるのが消費税であります。ところが、内税だ、外税だという議論がありまして、転嫁されているんだか転嫁されぬのかさっぱりわからぬ。それで、インボイスの問題もあり、むしろこれからインボイスの問題も出てくるわけですけれども、この消費税のあり方というものは、内税でいくべきなのか、ぎゃっと叫ぶかもしれないけれども、領収書をもらったときに青くなる外税でいくべきなのか。これは御商売、売る方と買う方の立場でお尋ねをしたいというふうに思います。
 最後に、平野さんから物価二分の一の話が出ましたね。実は、羽田内閣のときに、閣議でもって当時の羽田総理から、これからは賃金が大幅に上がる時代ではない、余り賃金上がらない時代だ、その中で実質所得、実質賃金をふやすには物価を下げる以外にはない、こういう議論がありまして、羽田さんが言い出して、閣議で大分いろいろな意見が出て、加藤農林大臣なんかもそうだそうだと大騒ぎした方なんですけれども、内外価格差の是正とかいろいろなことをやらなければならぬ、こう思います。
 そのときに出てきた反論は、物価を下げるというのはデフレ政策ではないのかという批判もございましたけれども、私は、デフレ政策ではない物価を下げるという政策がこれから特に大事になるんではないか。そういうことが見えないで、ただ単に消費税を上げるということになると、これは消費者からはかなり反発も出てくるのではないか。二分の一というのは難しいという話であります。まあ確かに二分の一に物価を下げるというのは、形容詞としてはともかく、つまり、一方では物価を下げるという政策が行われなければ、消費税率のアップというのは国民はなかなかうんと言わないんじゃないかなという感じもしますけれども、以上、四点についてお伺いをしたいと思います。
○江藤座長 それでは、最初は……
○二見委員 最初は四人です。一言で、修正についてどう思うか。
○江藤座長 修正で通すのかこのままでいいのかということにつきまして、イエスかノーかで簡単に。
○平野比左志君 順番にいけということでございますので、私から。
 修正すべきか否か、非常に難しい問題でございますけれども、私は一応、おおむねこれでよろしいんじゃないか、こう思います。ただし、累進税率の高いところを少し修正していただければなお所得税がきいて、なお結構じゃないか。世界で一番高いのは累進税率の高いところでございますから、中くらいのところにこう持ってくれば、外国の税体系を見た場合に、余り関係がないんじゃないか。
 それから、内税、外税というのはどっちがどうなんだと。私は、ぎゃっと言っても外税の方がいいと思います。というのは、お出しする側は、私はこれだけ税金を払うんだというて明確にするということがいいことで、うやむやにすることよりもすべて物事は明確にした方が公平であり公正であるというふうに私は考えますので、外税であるというふうに明確にした方がいいんじゃないか。
 それから、内外価格差を是正することはデフレにつながりはしないかと。そういうことはありません。そうすれば、必ず新しい消費が生まれ、新しい需要が生まれ、そして新しい企業が出てまいります。これはアメリカの例でもそうでございます。
 今物価の問題につきまして先生がおっしゃいましたけれども、私どもは、毎年二回外国へ行って、いろいろな物価の調査をしております。その調査をした結果からいいますと、アメリカに比べて日本は、基本的には平均すると三倍ぐらいの物価高でございます。ですから、これは二分の一にもなるんじゃないかというふうに私は考えております。
○甲能市郎君 消費税についてはまだ一部益税なんかが残るという問題もありますので、その部分については検討して修正した方がいいんじゃないかなというふうには思います。
 それと、所得税の問題については、現時点での最高税率が住民税合わせて六五%という形になっていますけれども、その辺のところについて変わっていませんし、途中の段階での上がり方というのが、下から上がってくるというよりも上の方からこう上がってくるような形になっているので、その辺のところについては検討しておった方がいいんじゃないかなというふうに思います。
 それと、行政改革については、消費税を上げるという、トータルで税金を取ってくるという、増税するという形になってくると、それなりの国民の負担というのがふえるわけですから、行政改革についてもきちっと明示した形で実施していただきたいというふうには思います。
 以上です。
○滝井義高君 まず、消費税法案の修正ですが、私ずっと税制法案が出るまでの経過を見ると、相当与党の中で積み重ねた討議が行われて今度出ております。今までみたいにトップダウン方式じゃなくてボトムアップ的な状態が出ておりますので、これは一応今回の税制法案というのは原案のとおりにできるだけ早く通していただいて、地方分権確立への大きな波をこれでつくっていただいたら幸せだと思います。
 それから、行革の道筋を示すことはもうこれは当然でございます。私も申し上げましたように、やはり行政改革、不公平是正、それから資産、所得、消費の均衡と、これは一番最後が消費税をするかどうか、間接税をやるかだと思います。行政改革、これは恐らく内閣が命運をかけないと行政改革というのはなかなかできないと思いますけれども、まあこれは内閣の命運をかけるつもりで行政改革をやっていただきたい、こう思います。
 幸い、今度行政改革委員会が二日の日に国会を通りましたから、あの委員を早く任命をして、そして二年間ぐらいの時限で監視体制をやりながら行政改革をやっていただければ非常に幸せだと思っております。
 それから、消費税を内税でいくべきか、外税か。やはり外税できちっと、これには幾ら消費税がついておりますということにしてもらった方が、我々は消費税を納得の上で納め得ると思います。
 それからデフレ政策。物価は内外価格差が大変あるわけで、外国に行ってみたら物価が大変安くて、日本に帰ってみたら高いというのがあります。だから、物価が下がれば、消費税率五%かけたものも少なくて済むわけですから、まあ物価は下げる努力をしてもらった方がいいと思うのです。
 以上です。
○川波洋行君 まず、第一点の地方消費税の問題ですけれども、私も、スタートのときはこのままでスタートしてよいのではないかというふうに思います。そして、これがもう少し定着をしてきた段階で、将来的には自治体で徴収するような、そういうシステムをつくられればいいのではないか。スタート時点は、消費者なり納税の事務をされる業者の方、大変混乱を来すでしょうから、このままでいいというふうに思います。
 それから、行財政改革の問題でありますけれども、私先ほども申し上げましたけれども、無条件に消費税を上げていいということではありません。やはり消費税は可能な限り税率は低い方がいいんですけれども、本当に必要ならばその税率アップもやむを得ない。
 ただし、今国民が思っておりますのは、この行財政の改革、これが何もなされない、なされないまま増税だけをしていくというこの構図に国民は不満を持っておるということでございますので、ぜひ、行財政の改革は一歩一歩の積み重ねかもしれませんけれども、政府がその方向でやっておるよという姿を国民に見せることがこの税金の問題との整合性がとれるのではないか、このように思います。
 それから、内税か外税かでございますけれども、私も外税の方がいいと思います。税金を幾ら払っておるかわからぬで物を買うというようなことよりも、やはり一つのものにこれだけの税金がかかっておるという税金に対する認識をすることが、政治に対する認識を深めるということになりますので、これは外税の方がいい、このように思います。
 それから、デフレへの問題と消費税率の問題ですけれども、私はもう直接的にこれを結びつけるということではなくて、円高になれば輸入品は国内で安く売ると、この当たり前のことは当然やっていただかなければならないし、そしてそういう状況の中で国の財政全体がどうなるかという観点からこの消費税の問題を考えていけばいいのではないか、このように思っています。
○江藤座長 ありがとうございました。
 これにて二見伸明君の質疑は終了いたしました。
 次に、山本幸三君。
○山本(幸)委員 私は、三つの点についてお伺いしたいと思いますが、第一は、インボイスについてであります。
 私も、甲能先生が御指摘になったように、この点が消費税については大変重要だと考えておりまして、インボイス、つまり納税証明書の意味を持った税額票、これなしには本当の意味の消費税とは言えない。そして、本当の意味で定着することはあり得ないというふうに考えております。
 村山総理は、定着しているからいいんだというふうに言っておられるのですが、本当に定着しているかどうかというのは、中小事業者を含めて、自分たちの事業の負担になっているというふうに認識することがあり得ない、完全に消費者に転嫁するということができない限り、これは定着したとは言えないと私は思っているのです。その意味で、このインボイスをはっきりと税額票として導入することなしには本当の消費税にならないし、先ほどからいろいろ問題になっておりました益税の解消にもならない、そういうふうに思っております。
 その意味で甲能先生に、今回の改正でこのインボイス方式をぜひ導入すべきと考えておられるか、そして実務的にもそれは問題がないかどうか、お伺いしたいと思います。
 それから二番目は、経済の問題なんですが、今回の税制改正案、所得税減税先行ということで景気対策になるという話をしているわけです。確かに、減税した段階では消費はふえます。しかし、問題は、それだけを見ているのは一部の現象しか見ていないことでありまして、そのほかに、これがもたらす弊害、これは国債を発行することにもよります金利高、そしてそれを受けた円高が急速に起こってくる。このことがこの減税政策の大きな問題であり、それを全部含めた影響を見ない限り、景気対策というような議論はできない。素人の議論だけに終わってしまうというふうに私は思っております。
 先ほど、平野社長さんから高額所得者の話もありました。そうした意味を含めて、このような円高になり、空洞化が進む状況になってくるときに、高額所得者としても、もう海外に出ていきたいというように思っておられるかどうか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。
 それから三番目に、川波さんにお伺いしたいのですが、先ほど、日本の税負担は低い低いという議論もありましたが、これは、社会保険料を一緒に見ない限り公平な議論になりません。
 ヨーロッパと比較する場合には、日本の場合は、この保険料の負担というのがサラリーマンにどっしりとかかってくるということが非常に大きな問題で、この年金については、所得税減税先行するといいながら、年金の保険料の部分では先行増税をやっている。矛盾した政策をやっているわけですが、この負担についてどういうふうにお考えか、お伺いさせていただきたいと思います。
 以上です。
○平野比左志君 平野でございます。
 山本先生から、空洞化して海外へ行きたいのかどうか、行きたくありません。私は、日本で税金を納めることの方がいいことだと思っておりますし、税金を納めることは誇りである、私はこう考えておりますので、海外へ出ていって、本社を移して海外で納税をするという形よりも、私はそういうようなことは考えておりません。
 ただ、余りにも税率が高過ぎると、外の方が安いと余りにも明確になり過ぎるとそういう現象が起こってくる。そうすると雪崩的に移っていく、空洞化するという可能性もありますので、その点もよくお考えいただいて、法人税についても諸外国との均衡を考えながらお決めいただきたいというふうに私は考えております。
○江藤座長 ありがとうございました。
 甲能さん、持ち時間が過ぎておりますので、大変恐縮ですが……。
○甲能市郎君 インボイス方式の導入の可否とその実務上の問題という形なんですけれども、急にといいますか、これまで帳簿方式という形だったのを、例えば、今言われたみたいな納税証明書的なインボイスをしなければいけないという形になってくると、理論的にはそういうふうにやるのが望ましいといいますか、消費税の控除の関係がきちっとできるような形になってきますので望ましいとは思うのですけれども、実務的な問題としては、それを急にやると混乱も起こるし、資料としても膨大な請求書か何か、インボイスを決めなくてはいけないですし、何か特定の番号とかそういう形のものが必要になってくるので、今回、早急に納税証明書という形で導入するというのには相当な困難が伴うのじゃないかなというふうに思っております。
○川波洋行君 社会保険料にしろ税金にしろ、国民の懐から出ていくことについては何ら変わりないわけでありますから、両方を合わせましたいわゆる国民負担率がどのような推移をたどるのか、こういった観点から、私は両方を切り離して見るのは妥当ではないのではないかというふうに思います。
 それで、詳しい数字は持っておりませんけれども、この社会保険料の問題をあわせますと、今回の減税がそう大きな減税の役割を果たさないことになるのではないか。そういった意味合いから、私はその辺の検討がさらに必要になってくる、このように思っております。
○山本(幸)委員 どうもありがとうございました。
○江藤座長 これにて山本幸三君の質疑は終了いたしました。
 次に、北橋健治君。
○北橋委員 最後の質問者でございますが、四人の先生方には本当に貴重な御意見を拝聴いたしまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
 私も税特委員会のメンバーでございまして、この法案の論点については種々議論をしてきた一人でございますが、まず行政改革のことについて、民間企業の経営者であられる平野先生にお願いしたいと思います。
 やはり増税をお願いする場合には、政府としてぎりぎり歳出を切り詰める努力、みずから血の流れるような必死の自助努力の姿を示した上で、その上で、どうにも予算が組めないので増税をお願いするというのが筋ではないか、そういう気がするわけです。
 土光さんが経団連会長のときに立派な行政改革のプランをつくられました。あれから行革の話が進んでおりますが、最近では、規制緩和委員会でも官僚OBと財界側との間で意見が激しく応酬されて、なかなか民間の立場というものが反映されない。つまり、行革は総論は賛成だけれども、各論は反対というのはたくさんいるわけです。
 そういう意味からしますと、私どもは、来年の二月、三月までに結論を出すというふうに政府はおっしゃっておられますが、この増税法案を採決するときに、それまでに具体的な数字を示すような、行革の姿を、道筋を示すことがやはり大事ではないかと思うのでありますが、平野さんはおおむね賛成の立場でございますけれども、その点についてどうお考えになるか。
 それから滝井市長さんに、地方自治体、これはこれからますます福祉の政策を進めるときに大事になってくるわけでありますが、この福祉のビジョン、中長期的な福祉のプログラムについてお伺いいたします。
 私どもも、増税をする場合には、少子化・高齢化社会に対応するということで、福祉の財源が必要だから増税をお願いするということは申し上げてきました。しかし、今度の政府の案によりますと、来年は一千億円、再来年は二千億円、そして本格的な増税が始まるときには四千億円の福祉の新しい財源を確保します、これが政府のお考えです。
 しかしながら、旧連立政権からゴールドプランの見直しをやってまいりまして、田川の市を初めといたしまして、すべての市町村でこれから十年ぐらいにどれぐらいの高齢化社会の予算が必要かというのを全部積み上げてまいりました。そして、厚生省には、今手元に新ゴールドプランというものがあるわけです。それは素案としてまだ認知されておりませんが、ございます。
 それによると、一年間に八千億円もかかるのです。それが政府の案では四千億円しかまだ確保されていない。もちろん、これから歳出カットその他をして積み上げの努力はされると思いますけれども、そういった意味では、地方自治体も一緒に参加をして中長期的な福祉の姿というものをこれまで模索されてきた、それが今のところ半分しかない。こういうことで本当に地方自治体として福祉が進められるのだろうか。やはり増税を決める前に中長期的な福祉のプログラムを決めるべきではないか。
 滝井市長も賛成のお立場でございますのでちょっとお聞きしにくいのですけれども、その点を、率直な御意見を聞かせていただきたいと思います。
 それから、川波さん、最後でございますが、やはり本格的な増税の始まる平成九年になると、ダブルで増税になる。つまり、定率減税がなくなる、消費税も増税になるという話ですが、山本委員も申し上げましたように、社会保険料も相当にアップになる。ということは、現実の家計からするとトリプルで増税になる。ということで、私どもはやはりこの二兆円も制度減税に組み込むべきではないかというふうに議論をいたしております。
 そこで、そこから重要な問題は財源なんですけれども、二兆円というお金は大変大きい。二兆円の歳出カットをすることは難しいかもしれない。その場合には、一つの案として、消費税率をさらに一%オンすることも考えられます。果たして、消費税率を六%にしても制度減税に組み込む、それぐらいのお気持ちがあるか。あるいは、そこで増税を安易に考えるのではなくて、徹底した行財政改革で、増税せずに二兆円を制度減税に組み込むべきとお考えなのか。
 以上、三点をお伺いしたいと思います。
○平野比左志君 行革をどういう形でというお話でございましたけれども、私どもは国民にわかるような数字で示していただきたい。はっきりした形で国民にお見せしていただいて、そしてこれだけ国も行革をやったんだということをお示しいただきたい、このように考えております。
○滝井義高君 自治体は御存じのように、高齢者保健福祉十カ年戦略というのを出しております。ところが、これは保健と福祉だけであって、医療はだめなんです。保健、医療、福祉で私が十カ年戦略をつくって出しましたら、だめだと。どうしてかというと、医療というのは厚生省のマニュアルに入っておらぬ、保健と福祉だけだ、書きかえてこい、こうなったわけです。
 それで、まず我々地方自治体は、最前申しましたように人材が必要なんですね。福祉をやると何が必要かというと、保健婦と看護婦と助産婦とPT、OT、こういうものが必要なんです。ところが、それは二〇〇〇年までには三百四十万必要なんです。今の日本の人口構造の中から搾って搾っても、そういう人たちは二百二十万しか出てこない。だから、百二十万不足なんです。この百二十万をどうするかというと、ボランティアでやる以外にないのです。
 ところが、日本はボランティア思想というのが発達していません。最近は、採用するときにボランティアをやったかどうかを試験にせよとか、あるいは大学も入学試験でもやりますが、出ていない。したがって、マンパワーが不足をしてくるわけです。
 それからもう一つは、今御指摘があったように八千億必要なのに四千億。この四千億も、最前言ったように、私はからくりがある感じがしますから、建設国債と赤字国債の問題を言ったわけですけれども、四千億で半分ですね。それで千億と二千億ぐらい出して……。だから、非常に中途半端なんです。したがって、財源がないわけです。そして権限だけは、福祉の権限は、福祉八法が改正されて我々が権限を持った。権限は持つけれども、人間と財源がないところには砂上の楼閣でございます。だから、各自治体は、一生懸命やって計画をつくったけれども、その具体的な政策になるといつも低迷をしておるというのが現状でございます。
 したがって、今先生が言われましたように、どうしても、長期のビジョンをつくったらその裏づけの財源というものを我々に示してもらわないと、地方自治体というのはお年寄りから突き上げられるわけです。こういうのが実態です。ぜひひとつ、三つのものをやるために、そのために厚生省が本年、二十一世紀の福祉ビジョンというのをつくりました。そしてケースI、ケースII、ケースIII、こうやっているのですけれども、そのいずれも何兆という財源が要るわけです。だからとても、今のままのもので十年先に延ばしても、急速に高齢化が進んでまいりますから、それが要るわけですね。
 きょうの新聞でもごらんになりましたように、国民健康保険に怒濤のようにお年寄りが押し寄せてくるわけです。そうしますと、健康保険とか健康保険組合はお年寄りがいなくなるからある程度やっていけますが、国民健康保険は地方自治体から財源を補てんしないと医療がやっていけない、こうなる。医療から始まるのです、福祉も保険も。そこがだめなんですね。だから、そういう点、非常に我々は不満で、政府にそういう点を強く今要請をしておるところです。
 以上です。
○川波洋行君 二兆円も制度減税にするということに対して、ならば六%でもいいのかということでありますけれども、私は、増税するときには必ずなぜなのかという理由を明確にしなければならないというふうに思います。そしてそれを、国民が理由を納得できるならば、私は、国民のために六%にしても構わないというふうに思います。
 ただ、そのときの前提条件は、何遍も言っておりますように、政府自身も財源捻出の努力を、行革とかあるいは日常の行政のむだを省くとか、そういった努力をあわせて行うことが、まずその大前提だ、このように思っておるところです。
○江藤座長 これにて北橋健治君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして委員からの質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 意見陳述者の方々におかれましては、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、各法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じます。厚く御礼を申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、深甚なる謝意を表する次第でございます。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後四時十八分散会