第131回国会 税制改革に関する特別委員会 第8号
平成六年十一月八日(火曜日)
   午前九時十四分開議
出席委員
  委員長 高鳥  修君
   理事 石原 伸晃君 理事 江藤 隆美君
   理事 中馬 弘毅君 理事 町村 信孝君
   理事 早川  勝君
      安倍 晋三君    甘利  明君
      金子 一義君    岸本 光造君
      栗原 裕康君    近藤 鉄雄君
      塩崎 恭久君    塩谷  立君
      七条  明君    谷  洋一君
      西田  司君    根本  匠君
      野田  実君    林  義郎君
      藤井 孝男君    穂積 良行君
      堀之内久男君    松下 忠洋君
      山中 貞則君    伊東 秀子君
      池田 隆一君    遠藤  登君
      北沢 清功君    永井 哲男君
      山崎  泉君    渡辺 嘉藏君
    五十嵐ふみひこ君    田中  甲君
      佐々木陸海君    矢島 恒夫君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        自 治 大 臣 野中 広務君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官
        )       五十嵐広三君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      高村 正彦君
 出席政府委員
        経済企画庁総合
        計画局長    土志田征一君
        大蔵省主計局次
        長       伏屋 和彦君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        国税庁次長   松川 隆志君
        自治省財政局長 遠藤 安彦君
        自治省税務局長 滝   実君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    前川 尚美君
        大蔵委員会調査
        室長      中川 浩扶君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月八日
 辞任         補欠選任
  甘利  明君     松下 忠洋君
  金子 一義君     根本  匠君
  林  義郎君     塩崎 恭久君
  堀之内久男君     岸本 光造君
  村山 達雄君     七条  明君
  山中 貞則君     安倍 晋三君
  池田 隆一君     山崎  泉君
  佐々木陸海君     矢島 恒夫君
同日
 辞任         補欠選任
  安倍 晋三君     山中 貞則君
  岸本 光造君     堀之内久男君
  塩崎 恭久君     林  義郎君
  七条  明君     栗原 裕康君
  根本  匠君     金子 一義君
  松下 忠洋君     甘利  明君
  山崎  泉君     池田 隆一君
  矢島 恒夫君     佐々木陸海君
同日
 辞任         補欠選任
  栗原 裕康君     村山 達雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の
 施行等による租税収入の減少を補うための平成
 六年度から平成八年度までの公債の発行の特例
 等に関する法律案(内閣提出第二号)
 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第三号)
 平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置
 法案(内閣提出第四号)
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 第五号)
     ――――◇―――――
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 開会に先立ち、改革所属委員に事務局をして御出席を要請いたさせましたが、連絡がとれません。
 再度、理事をして御出席の要請をいたさせますので、しばらくお待ちください。再度御出席を要請いたさせましたが、改革所属委員の御出席が得られません。やむを得ず、議事を進めます。
 内閣提出、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成六年度から平成八年度までの公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案、平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、地方税法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永井哲男君。
○永井(哲)委員 日本社会党・護憲民主連合の永井哲男でございます。
 本日は、共産党以外の野党の皆さんの協力が得られないでこのようにして審議を行うこと、一度ならず二度も審議を拒否して、国民の負託にこたえる、そういうような国会活動ができるのか、大いに疑問に思わざるを得ません。非常に重要な法案であり、そしてまた野党の要求によってつくられた特別委員会でありますので、ぜひとも協力するようにこの場でお願い申し上げておきます。
 さて、昨日の産経新聞の一面には、このような記事が載っております。「自民が一転反対 租税特別措置の縮減 税制大綱の焦点に」、こういうような内容であります。この中身を見ますと、租税特別措置の、そういうものに非常に否定的であるといった内容になっておりますが、今の待ち時間の間に自民党の税調の皆さんとも話をしまして、必ずしもこの報道が正しくないということが私の方もわかりましたが、ただ、このようにこの記事に疑われるような、こういったような雰囲気があるというようなことになれば、これはそれなりに問題ではないか、そういうふうに思います。
 与党の税制の大綱では、
  租税特別措置及び非課税等特別措置については、特定の政策目的を実現するための措置であるが、税負担の公平等の基本理念にかんがみ、公正・公平推進のため、例外項目をつくることなく、たえずその政策目的、効果等を十分洗い直し、抜本的な整理合理化を図る。
  このため、平成七年度改正を今次改革の一環とも位置づけ、引き続き精力的に検討を進める。
このように明記しているところでございます。
 また、附則二十五条においては、行財政改革の推進状況と並んで租税特別措置の課税の適正化状況、これらを総合的に勘案すべきということが、社会党の主張もあり、明記されたところであります。
 このような中で、このような報道が国民の不信を買うというようなことにならないように、これは十分に注意しなければならないというふうに思います。
 きのうの中央公聴会でも、高山教授から、部分利益の代弁に熱中するよりも社会全体の利益や子供や孫の世代に対する責任をもっと自覚してほしい、このように指摘されたばかりであります。
 そこで、特にこの税特委の冒頭でも、自治大臣の、これまでのいわば族議員と言われるようなそういった行動について、素直に、真摯に反省するお言葉が聞かれました。私たちも非常に感銘したところでございます。特に両大臣について、この租税特別措置の整理合理化に取り組む御決意をそれぞれお伺いいたしたいと思います。
○武村国務大臣 お話のとおり、租税特別措置はそれぞれ政策目的があって、その時代時代、特別措置を例外として設けてきたものであります。しかし片方、税の公平、簡素という原則からいたしますと、まさにこれは例外でありますから、過渡的な措置であって、一定の政策目的が達せられたときにはこれを見直していく、廃止をしていくという姿勢が基本的には大変大事だと思っております。
 そういう中で今年もこの租特の見直しの論議が進んでいるところでございまして、どうぞ与党三党の合意された税制改革大綱の方針に従って御苦労をいただきたいと存じますし、政府としましても、真剣に一つ一つの租税特別措置について精査をしながら、与党の御議論に対応させていただきたいというふうに思っているところでございます。
○野中国務大臣 委員ただいま御指摘の租税特別措置につきましては、大蔵大臣からもお話がございましたように、それぞれ政策目的に従って設けられたものであろうと存じますけれども、国民の中には、その特別措置が既に政策目的を達したのではなかろうか、あるいは不公平税制全体としての不満が存在しておることも事実でありますし、そういうものを率直に受けて、私は年来租税特別措置の全面見直しを申し上げてきたところでございます。
 この席に、かつて我が党の税制調査会長を長くおやりになりました、税の神様とも言われるべき山中貞則先生がいらっしゃいますけれども、十年ほど前、私は、租税特別措置の全面見直しを言ったときに、山中先生が、それは確かに君の言うとおり正論だというお話をいただいたことを今思い起こしながら、この与党税調のプロジェクトの皆さん方が税制大綱をお定めになりまして、例外なくその政策目的あるいは今後の効果等を全面的に見直す、例外を設けないで見直すという方針に従ってぜひ見直しか十分行われていきますように期待をしておるところでございます。
○永井(哲)委員 その中で、租税特別措置の中で非常に古い制度が、いわば一部の企業の既得権として長期間これが存続されているというふうに言われておりますが、企業関係の租税特別措置のうち創設後四十年以上を経過した、そういうものは一体どのくらいあるんでしょうか。
○小川(是)政府委員 企業関係の租税特別措置のうち、創設から四十年以上経過している項目といたしましては、まず、特定の登録ホテルなどの減価償却資産の特例ということで、昭和二十四年に国際観光ホテルの整備促進のための制度として設けられたものが一つ。
 二つ目といたしまして、海運業の経営合理化を支援するため、一定の船舶につきまして特別償却を認めました。昭和二十六年に創設されまして、現在も続いております。
 三つ目といたしまして、新築貸し家住宅の割り増し償却という制度がございます。これまた昭和二十七年に、貸し家住宅の供給の促進を図るという観点から、通常の償却率に割り増しをする制度として設けられました。
 四つ目といたしまして、渇水準備金という制度がございます。電力会社が豊水時に電気事業の収益が増加し、あるいは電気事業の費用が減少した事業年度に渇水損失に備えるための準備金でございます。昭和二十七年創設でございます。
 昭和二十八年に創設されました所得控除の制度といたしまして、技術等海外取引に係る所得の特別控除という制度がございます。当初、当時の輸出振興税制として設けられましたが、昭和三十九年に現在のような制度に改められたものでございます。
 最後に、保険会社等の異常危険準備金というのがございまして、損害保険会社などが異常災害損失の補てんに充てるために一定の準備金の積み立てを認めるというものでございます。
 以上のとおり、四十年以上ということでは六項目、企業関係租税特別措置がございます。
○永井(哲)委員 三十年以上を経過しているものはそのほかに十二件もあるといったような状況で、企業関係の租税特別措置、これは全部で二百二項目のうち八十二件が企業関係の租特であるといった中で、これだけの多くが相当長期間経過している、政策目的も既に十分に達したのではないかというような期間でありますので、こういうような期間の経過したというものについては十分に配慮していただきたい、そういうふうに思います。
 また特に、同じ企業関係の租税特別措置でありますが、準備金や税額控除制度というのは特に大企業に量が多いのではないか、そのように言われております。それぞれ減収額に占める大法人と中小法人の割合というのは一体どのようになっているのか、また、準備金は一部の大企業の利益につながっている、そのようにも言われておりますが、その準備金の残高、そして、減収額のうちに占める大企業の部分というものを教えていただきたいと思います。
○小川(是)政府委員 予算委員会提出資料で毎年御報告いたしておりますが、平成六年度の租税特別措置による減収額、これは試算を私どもいたしておりますが、準備金につきましては、合計七百九十億円のうち大法人が約七百四十億円、中小法人が五十億円となっております。また、税額控除等につきましては、合計二千三百六十億円のうち大法人が千三百九十億円、中小法人が九百七十億円となっております。
 したがいまして、準備金につきましては大法人が全体の九三・七%、税額控除等の場合には全体の五八・九%という形になっているところでございます。
○永井(哲)委員 いろいろな事情があると思いますが、今の数字、非常に大企業に偏っているのではないか、このように思うのでありますが、その点、大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。
○武村国務大臣 まあ、今準備金と税額控除についてお答えがございましたが、一つ一つの租税特別措置を見ながら、なぜこれが大法人に必要なのか、主として大法人向けの租特にならざるを得ないのかというところを議論しながら、全体の診断といいますか、総括をいただきたいと存じます。
 準備金については、極めて大法人中心であるということを改めて私も認識をさせていただきました。
○永井(哲)委員 現行の同じく企業関係の租特でありますが、これも非常に複雑で、一般の国民にはわかりにくいというところが、国民の不公平感というものの一因になっている、そのようにも思います。
 ところで、この企業関係の租特でありますが、これまでの整理合理化とその状況について教えていただきたいと思います。そしてその中で、大幅な整理合理化を行った年というのはどのような改正というものを行ったのか、この点について御質問いたします。
○小川(是)政府委員 企業関係の租税特別措置につきましては、かって、昭和四十年代まではかなり税収に対する減収額が高くございまして、七、八%もあったことがございます。
 昭和五十年代以降になりまして、こうした租税特別措置につきまして全般的な見直しか始まりました。そのころで、五十年代初めには、項目数、企業関係でございますが、約九十以上ございました。それが現在では八十二項目ということになっております。ただ、五十七年度にはこの項目数といたしまして七十項目ぐらいまで減少いたしましたが、その後、金額的には総体的に大きくなっているわけでございませんが、政策措置を非常にきめ細かに分解してきましたために項目数が増加いたしまして、八十二項目になっているということでございます。ちなみに本年度、平成六年度の改正におきましては、八十五項目から三項目減らした結果、八十二項目ということでございます。
 最も多く項目数を整理をいたしましたのは昭和五十五年度の改正でございまして、この年には差し引き九項目の減少を行いました。当時、五十四年度の八十二項目から七十三項目まで減らした整理でございます。この年は、全体のうち四十六項目について特別償却率等の一律削減を行った次第でございます。
○永井(哲)委員 整理合理化のその状況、大幅な改正のときにどのようなことをしたか、その点、もう一度お願いします。
○小川(是)政府委員 昭和五十五年度の整理合理化の具体的な状況をちょっと御説明をさせていただきます。
 この年には全部で十項目の廃止をいたしております。
 順次申し上げますと、一つは、中小企業者の公害防止施設の特別償却の特例。第二に、過疎地域における工業用機械等の特別償却。第三に、トラックターミナルの荷扱い場等の割り増し償却。第四に、森林組合合併助成法の承認を受けて合併した場合の清算所得に係る課税の特例。第五に、漁業再建整備特別措置法の認定を受けて合併した場合の清算所得に係る課税の特例。第六に、卸売市場法の認定を受けて合併した場合の清算所得に係る課税の特例。第七に、被合併法人から引き継いだ欠損金額に係る合併法人の所得計算の特例。第八に、中小企業近代化促進法の承認を受けて現物出資をした場合の課税の特例。第九に、中小企業事業転換対策臨時措置法の承認を受けて現物出資をした場合の課税の特例。第十に、認定中小事業者の欠損金の繰り戻しによる還付の特例。
 いずれも、これらの項目につきましては、政策目的をそれなりに果たしたもの、あるいは他の制度との重複を排除する、合併をする等の形で整理、廃止をいたしたものでございます。
 この年に創設をいたしましたのは、過疎地域における工業用機械等の特別償却の一項目でございまして、この結果、先ほど申し上げたように差し引き九項目の減ということになりました。この年、縮減項目で四十六項目というふうに申し上げましたが、例えば、技術等海外所得の特別控除、倉庫用建物の割り増し償却、穀物用サイロの割り増し償却等について二割縮減をいたした次第でございます。
 これらの改正の結果、差し引きの増減収といたしましては、千百億の増収ということを図った次第でございます。
○永井(哲)委員 今の、五十五年のこの整理合理化の割合というのは、廃止それから縮減合理化というものを含めて六八・三%、五十一年に、これも六〇・二%という大幅な整理をしておりますが、六〇%を超えたのは、五十一年以降のデータでありますが、この二年だけ。あとはいずれも四〇%以下というような状況が、その整理合理化というところの状況です。そして、ことしの八十二件というのは、これは五番目に多い件数であるというような状況であります。
 抜本的な見直しということで、まあ数値目標というようなことにもなかなかならないと思いますが、その中でこの五十一年や五十五年、こういうような、これに匹敵するような、もしくはそれを上回るような、そういった決意でもって当たられようとしているか。その点、大蔵大臣にお伺いしますが、どのような見通しといいますか、そこのところをどんなふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○武村国務大臣 何といいましても、民意を代表されながら与党三党でまずは真剣に一つ一つ御議論を賜りたいと思っているところでございます。
 政府としましても、先ほどもお答えいたしましたように、法人にかかわる租税特別措置に限らず、全体について一つ一つ今の時点でしっかり見詰め直しながら、与党の議論に積極的に対応をさせていただきたいと思っているところでございます。今ここで具体的な数字の目標まで申し上げる状況ではないことは、ぜひ御了解賜りたいと存じます。
○永井(哲)委員 私は、何も法人だけを、まあ食い物にすればいいとか、そのように思っているわけではありません。与党の税調の中でも、法人課税一般について、課税ベースの拡大、そして税率の引き下げ、これも検討を要する課題だ、そのように述べているところであります。日本の法人課税を見た場合、GDP比にして見た場合、ほかの国よりも高い。イギリスの約二倍、アメリカの約三倍ぐらいになっているというような状況、そういう中で、また国際的な調和というものも図らなければならない、そのような状況もあると思います。
 また、これは経済審議会の二〇一〇年の見通しといいますか、経済審議会の二〇一〇年委員会報告によれば、二〇一〇年には日本の海外生産比率が二〇%ぐらいになるだろう、こういうふうに予測しているところであります。八九年段階では六%少しという状況であり、またアメリカは二五%近くが海外生産している。こういったような、企業がいろいろな国際化を大きくすれば、外国税額の控除といったような問題も生じて、日本の税収の手取りといいますか、そういったものも少なくなる、そういうような状況にもなるというふうに思います。そういう中で、法人課税というものについて、長期的にどういった見通し、どういうふうにお持ちでしょうか。大蔵大臣にお伺いいたします。
○武村国務大臣 もう御承知いただいていることでありますが、昨年十一月の政府の税調の中期答申におきましては、この法人所得課税について、税負担の公平、経済活動に対する中立性等の基本的な視点に加えて、一つは我が国経済の国際化が一層進展していること、もう一つは、安定成長下においても企業の活力を維持していく必要があることというふうな視点を踏まえまして、委員御指摘のような、課税ベースを拡大しながら税率を引き下げるという基本的方向に沿って検討を進めていくということが述べられているところでございます。政府も基本的な姿勢はこの答申の考え方と同じでございます。
 今、いわゆる企業の空洞化ともいうべき海外法人の比率の話を御指摘になりましたが、私もこれは概括的な数字として認識しておりますのは、最近の数字では、アメリカは約三〇%が海外に出ていっている、ドイツは二〇%である、日本は今おっしゃったように六・四%という数字を伺いました。これから、いわゆる海外へのシフトといいますか、いわゆる空洞化の状況がまだまだ拡大をしていくということをまず認識しなければならない。
 そのことが、空洞化という言葉そのものが私は余り適切でないと思うのでありますが、逃げていって空っぽになるという、そういうニュアンスが日本語ではいたしますが、実際はやはり海外に工場を移すことによって、しかし大事な部品は一層需要が拡大する場合も少なくないわけでありますし、国境を越えて先進国を中心にしながら経済全体が拡大をして、世界全体に拡大をしていく流れというふうに素直に見ることによって、この率が、おっしゃるようにさらに高まっていくことは必然だ。その中で、世界経済全体をどう考えるか、我が日本経済をどう考えるかということで議論をしていく必要があるのではないか。もちろん税制の面では、そういう事態に対応する法人課税のいわば国際化ともいうべき対応が必要になってきております。
 今は日本の国税の法人税率は平均三三・四八という数字でありまして、アメリカが三一・七五、イギリスが三三、ドイツが三五・二二、フランスが三三・三分の一と余り違っていないのです。問題は、地方税がこれに加わってまいります。特に、日本は地方の法人事業税が一六・五〇%ありまして、足すともう五〇%という世界で一番高い、アメリカと並んで高いレベルになっている。これは全体で、おっしゃったように課税ベースを拡大しながらどう率を下げていくかという法人税法の見直しの論議を今後していかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○永井(哲)委員 法人課税一般の問題は適切な処理が必要でありまして、また、それとは別個に法人に関する租特というものも、これも抜本的にきっちりと見直していただきたい、そのことを強く要請しておきたい、そういうふうに思います。
 次に、資産課税の問題についてお伺いしたいと思います。
 特に消費税は、これは一定程度逆進的であるといった面があることは否定できない、そういうふうに思います。しかし、この逆進性というのは、税金の世界だけで、税の世界だけでこの逆進性を論じるということではなくて、その使途、金の使い方、福祉の充実といったようなところで、いわば社会の仕組み全体で逆進的でないものというものを構築することによって国民の理解を得なければならないというのが総理のお答えだった、そのように理解しております。
 そういう中で、今回、消費税の税率というものを引き上げるということで今問題となっておりますが、こういう中で、消費税自体の中で逆進的でないものを、逆進性を緩和するものをいろいろと考えていくというほかに、税体系全体でそういった公平な、逆進的でない、そういうような体系をつくる、それにはやはり何といっても総合課税というようなことが必要ではないか、そういうふうに思います。
 そういう中で、来るべき高齢化社会というのは、またこれは資産社会だというようなことも言われております。このような状況を考えれば、資産課税を充実していくということはこれは必須なことではないか、そのように考えますが、その点、大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。
○武村国務大臣 基本的に同じ認識でおります。税制全体の中で資産課税の充実を図っていく、所得や消費課税とのバランスを一層考慮をしていくということだと思っております。
 逆進性の問題も、今の税制改革は所得税、消費税のかかわりで論議が行われておりますが、やはり財政支出の面の対策も必要でございますし、あわせて税制全体の中で逆進性の問題をとらえていくことが改めて大変大事だなというふうに思っているところでございます。
 資産課税そのものは、山中前会長おられますが、あのときに大変御苦労いただいて、利子課税とか有価証券の譲渡益課税に大変大胆な改革をお進めをいただきました。その後も地価税の創設とか土地の長期の譲渡益課税の適正化等の対策を講じて今日に至っているところでございますが、なお御指摘のような総合課税という、不公平をなくしていくということからも大きなテーマが残っております。
 資産課税全体の充実という姿勢の中でこの問題に今後真剣に取り組んでいかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○永井(哲)委員 そういう中で、最近証券市場の空洞化論、これと絡めて株式の取引に課される有価証券取引税の廃止という、これを求める論調が一部にあります。しかし、資産課税の充実というような点から見ても、また株式譲渡益の課税というものがいまだ十分に適正化されていないというような現状から見れば、この廃止というのは問題である、そのように思います。特に、証券市場の空洞化と言われている現象、それについてはどのような要因であるというふうに考えているか、そしてこの有価証券取引税について、廃止すべきでないと思いますが、その点どうお考えか、その二点についてお伺いいたします。
○武村国務大臣 最近、例えば東証における外国企業の上場廃止の増加やあるいはロンドン市場での日本株取引の増加などの現象をとらえて、第二次産業の空洞化と並んで我が国証券市場の空洞化というふうも言葉が使われ始めているところでございます。
 しかし実態は、こういう状況の背景は、さまざまな要因が複合的に働いておるようでございまして、その中にはむしろ、我が国の証券市場全体の国際化と評価をしていい傾向もあるわけでございまして、そういう中で単純に、これも空洞化という表現で一括してとらえてしまうことは余り適切だとは思っておりません。また、このことに絡めてすぐに有価証券取引税を廃止すべきだという議論も、ややシンプルに過ぎるような感じもするわけであります。
 私ども、財政当局の立場からは、一つは、所得、消費、資産等の間でのバランスのとれた税体系を構築していくということを絶えず強調をしておるところでございまして、そういう面からも、御指摘のように資産課税の充実ということがむしろより重要だという認識を持っておりますし、有価証券につきましては、各国それぞれの形態で必要な課税が行われているところでありますし、この税だけではなく、有価証券譲渡益課税を含めた証券税制全体の中で議論をしていく必要を感じております。
 最後にまた、この有取税は約四千六百億ぐらいの税収になっておるところでございまして、目下の財政状況も考えるとこの廃止は容易でない、直ちに賛成をしかねるというのが私どもの意見でございます。
 しかし、今後、先ほど御指摘のありました国際的な状況も、十分真剣にその要因の分析等も行いながら、冷静に対応をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○永井(哲)委員 資産課税ということで考えれば、土地に対する課税というのは、これは避けて通れないという問題だと思います。バブルが崩壊して地価が下がっているという中で、土地税制をバブル以前に戻せというような、こういう声も聞かれているようなところであります。これらは、戦後の我が国における地価の高騰ということに対する反省というのが全く見られない主張だ、そういうふうに思います。
 バブル当時の議論というものを思い返せば、土地問題、地価問題というのは、決して短期的な問題というふうに、その当時のバブルの対策だけということではなかったと思います。我が国が二十一世紀に向けて、健全な社会経済基盤を後世にしっかり残していくというような観点から、この地価問題、土地の問題はゆるがせにできない、こういうような意識がその当時みんなにあったのではないか、そう思います。特に、我が国が、高度成長期、列島改造期、そしてバブルと、三度にわたって異常な地価高騰をしている、こういう反省に立って土地基本法というものが制定されたというふうに思います。
 その中で、我が党は繰り返して、国民の生活内容の向上を考えると、土地問題、地価問題は、これはゆるがせにできない問題である、そう主張してまいりました。地価の適正化というものを、先頭に立って訴えてまいりました。
 現在、都心部の地価が下がっているというような中で、これはようやく我が国の異常な地価が改められようとしているといったようなことではないかというふうに思いますが、こういう中で、土地税制の基本をゆるがせにするような、こういうような動きというものは、私たちはこれは許すわけにはいかないというふうに考えておりますが、こういうような動き、そしてまた、現在の地価の状況というものについてどういう認識をお持ちか、その点について大蔵大臣にお伺いいたします。
○武村国務大臣 バブルが終わりまして、地価もかなり下がったことは認めていいと思います。
 私個人としては、もともと日本の地価が異常に高くなる状況に対して、どうもこの背景には国民全体の土地に対する見方、もう少しわかりやすく言えば土地神話というものがまかり通っていて、日本は狭い国土である、そこにたくさんの人が住んでいる、だから地価が上がるのは当たり前、これをみんなが信じ合っているところに土地をぐんぐんぐんぐん引き上げていった背景があるというふうに思ってきた一人でございますが、いずれにしましても、異常な暴騰が出来をして、ようやくそれが冷めようといたしているところでございます。
 土地税制というのは、先ほども申し上げたように、特に地価税の創設とか譲渡益課税というのは、そのバブルの最中に真剣な議論が行われて、そして生まれたものでありますので、何となくこれはバブル対策として、ああいう異常な現象に対する緊急の対策として打ち出したものだという見方がまだ残っているように思いますが、決してそうではない。
 議論の経緯を思い起こしてみますと、一つはやはり土地基本法というのがあの時期にやっと成立を見ました。我が国の土地政策に関する原則を示しながら、土地の利用というものを計画的にしていこう、あるいは公益優先の姿勢で活用していこう等々の考え方が示されたわけでありますが、この土地基本法といわば一体として地価税が誕生したというふうに私どもは認識をいたします。
 大きな土地政策、国土政策の中で長期的な税制として地価税が生まれたというふうに認識をしておりますので、バブルが終わったから地価税廃止という考え方には強くうなずけないものを感じているところでございまして、それはもちろん地価税そのもののあり方については、固定資産税等とも連動しでおりますだけに、ここは十分見直しや再検討の必要はあるかと思いますが、単なるバブル対策として地価税が生まれたものではないという考え方から、この税制については、むしろより定着を図っていくという姿勢で対応をしていきたいというふうに願っているところでございます。
 譲渡益課税については、これは長年の推移を見ましてもいろいろ変動をしてさております。だから、これも大いに議論はなされてしかるべきと思いますが、全体の八〇%ぐらい、五年以上たった土地保有者が土地を譲渡された場合、そのうちの五〇%は非課税措置、いわゆる土地収用法の対象になる事業ということで非課税措置になったり、あるいは優良宅地ということで軽減されたりということになっているのが実態でございまして、大方はそういう意味ではこの三九%の、地方税を含めた長期譲渡益税率は適用されていないのが現実でもありまして、そういうところにも目を向けていただきたいと思っておりますのと、いずれにしましても、日本の経済全体、そして土地政策全体の中でひとつ議論をしていく必要があるというふうに思っているところでございます。
○永井(哲)委員 今大臣がおっしゃられたように、土地が他の資産よりも有利であるといういわば土地神話というものも、これは解消していかなければならない、そういうふうに思います。
 ところが、ことしの二月、総理府が行った世論調査では、これだけ地価が下落しているというような状況になっても、まだ三分の二の人が地価は高いというふうに考えている、そして六割がまだ下落を望んでいる。依然として、こういった状況でも六一・八%の人がまだ土地が他の資産に比べて有利な資産である、こういうように考えておりまして、まだまだ土地の有利性というものに対する信頼というのが非常にあるというような状況になっていると思います。
 そして、そういう中で、資産格差というものも非常に大きくなってきている。特に、これは国民生活白書でのものですが、所得格差というものに比べて土地資産格差というのが非常に大きくなって、金融資産格差よりも大きい。持てる者と持たざる者、こういったような差というものが、土地についてはまだ非常に大きいというような状況だと思います。そういう中で、やはり保有のコストというものも、これも十分に考えていかなければいけない、そういうふうに思います。そういう点で、大蔵大臣は、このような状況についてどのようにお考えでしょうか。
○武村国務大臣 土地の保有が、まだまだ六割以上の方が有利であるという調査のお話がございました。有利という場合に、また上がるという期待を込めておっしゃっているのか、まあ手がたいというか、財産価値がさらに小さくなっていくものではないという意味で有利とおっしゃっているのか、いろいろあろうかと思います。
 確かに土地は減らないものでありますし、基本的にはそういう有利性は持った財だと私も思いますが、今の地価がまだ高過ぎるかどうかという議論になりますと、これは見方はさまざまだと思いますが、率直に言って、バブル以前と今と比べますと、まだ、下がったとはいえ、商業地も住宅地も、バブル以前のレベルに下がったわけではありません。バブル以前に戻せばそれで適正というわけでもありませんが、これは国民の意識とか経済の実態との相関で議論が行われるところだろうと思います。私がどうこう個人の意見を申し上げるのは、まだ高過ぎるとか過ぎないとかいうことについて、控えさせていただきたいと存じます。
 ただ、税制の立場で考えます限りは、土地の取得とかあるいは保有とかあるいは処分とかいうことに対応しながら、国・地方を通ずる現行の税制を、最近の状況に対応しながらも、見直すべき点があれば見直しの議論はすべきだと思いますが、むしろ地価税のようにより長期的な視点から、しっかり定着を図っていくという視点も大変大事だというふうに思っているということであります。
 ちょっとお答えになっていませんでしょうか……。
○永井(哲)委員 まあ、資産課税の中で特に分離課税というものを、総合課税がなかなかできないということで、ある意味でやむを得ずとっているというところだと思います。
 ところが、分離課税というのは、同所得同負担という水平的な公平というものから、これは違う、所得でたくさん取った人、普通であれば六五%ぐらい払わなくてはいけない人が、株式であれば二六%で済む、不動産であれば、長期であれば三九%というように、同所得同負担といった流れからも、これも外れてしまう、そういうような、いわば不公平というものがここで招来されている、そういうふうに思います。
 そういう中で、特に、不公平といった場合に、制度的な不公平と、それからまた執行上の不公平というものもありまして、トーゴーサンとかクロヨンとか言われて、その捕捉率、これがなかなか人によって違うというようなことも言われております。
 こういうような本当の不公平というものを是正するには、やはり総合的に課税し、しかも納税者番号といったところでしっかりと捕捉するというものが必要だと思いますが、その点についてどうお考えでしょうか。
○武村国務大臣 納税番号制については、たびたびお答えをしてまいりましたが、将来といっても、そう遠くない将来、年金や住民台帳の推移も見きわめながら、この導入に向かって真剣に検討をしていきたいというふうに思っております。
 納税番号制、少し詳しく政府委員から補足をさせていただきます。
○小川(是)政府委員 これまでも税制調査会におきまして我が国の現状に即した検討を進めてきていただいておりますが、最近では去る六月、「税制改革についての答申」の中において大きく二つのことが答申されております。
 一つは、納税者番号制度の意義でございますが、適正公平な課税を実現するための手段として有力な選択肢であるということでございます。それから、そういった立場に立って、単に利子、株式等の譲渡益課税との関係だけではなくて、おっしゃられたような税務行政の機械化、効率化等も含めた幅広い観点から積極的に検討を進めていく必要があるという答申になっております。
 具体的な問題といたしましては、これまでも累次御説明を申し上げているところでございますが、一つは、どういう番号制度をとるのか、その番号制度を利用する場合にどれほどのコストが、当局だけではございません、事業者、納税者にかかるか。それから、そうした制度を利用しようといたしますと、経済取引、事業者だけではなくて、消費者としての国民の各種の取引にどういう影響を及ぼすか。さらには、プライバシーの侵害といったような問題はどう受けとめておいたらいいか。
 加えまして、全体として、国民がこういった番号が利用されるということについてどう受けとめられるかといったような問題がございますし、これを私どもの立場からは、納税者番号制度をどういう目的のためにどういうものを導入するかという、その目的あるいは方式に応じまして、把握すべき情報の種類あるいは対象となる取引の範囲を類型化していくことが有益でございます。
 税制調査会からは、こういったことを考えて積極的に、精力的に取り組むべしということを言われておりまして、その後も私ども、省内だけではなくて、関係省庁にもこういう答申をいただいているのでさらに検討を進めたいという状況を報告し、検討を進めることにいたしているところでございます。
○永井(哲)委員 最後でありますが、今私たちは、将来を見通した本格的な税制改革といったものが国民に十分に受け入れられるかどうか、その大きな岐路に立っているのではないか、そういうふうに思います。
 自民党は昨年の選挙で下野しました。私たちも昨年の選挙では敗北しました。しかし、私たちに多くの国民の支持があるからこそ、さきがけとともに今連立政権を構成している、そういうふうに思います。そういう中で、お互いに国民の審判の痛さを知っている、だからこそ、連立してよりよいそういう政権ができるのではないか、そう私は信じております。
 そういう中で、真に国民の理解を得るというためには、何といっても、国民の貴重なお金、そのお金が国民のために使われるという政治の透明性がそこになければならない、そう思います。ゼネコン疑惑というようなこういった過ちを二度と起こしてはならない。行財政改革というものも重要ですけれども、私は、政治改革というのが非常に重要なものではないか、そういうふうに考えております。
 そういう中で、ことしの五月十一日、自民党が「二十一世紀への橋−新しい政治の進路−二十一世紀委員会」、委員長は当時の橋本政調会長だそうですが、この報告の中で、前段に、赤字国債というものがだんだん多くなっているという中で増税を云々する者がいる、そういうような中で、ここの報告ではこう述べております。「何よりも増税に値する政府を作りだしていくことが必要なのである。」まさにそのとおりだ、そういうふうに思います。そういう中で、この文章の最後の方には、国民の一層の理解というものを得る意味でも、「現行いかにも数多い租税特別措置を一度すべて撤廃しゼロから見直す必要もある。」こういうふうに結んでおります。
 この租税特別措置への取り組み、そしてまた国民の信頼を得る、そういった意味での政治改革、こういったものについての取り組み、その御決意をそれぞれ大臣の方からお伺いできれば幸いかと思いますが。
○武村国務大臣 もう御承知のように、そもそも税が政治の原点だと言われております。昨今、各国、先進国も含めて、税制改革では大変苦慮をいたしているところでございます。なかなか通常の状況では、少なくとも増税というふうな改革はしたくてもできないというふうな言葉も聞かれる状況の中で、村山政権が三党でスタートをしまして、極めて限られた日時でございましたが、真剣な三党の協議の結果、今こうして御議論をいただいております税制改革法案をまとめることができた、まとめていただくことができたということは、本当にそのことだけでも画期的なことだと私は思っております。
 もちろん、この改革ですべてが成ったわけではありません。私は大きな第一歩だというふうに申し上げておりますが、いずれにしましても、減税、増税、租税特別措置の見直しという各般の税制改革の問題については、このことを土台にしながら、見直し条項もございますし、しっかりこの国の将来を見据えながら、間違いのない税の仕組みをつくり上げていくために、ともども精進をさせていただきたいと思っているところでございます。政治改革というテーマも、まさにその中にあるというふうに思っております。
○野中国務大臣 委員ただいま御指摘のように、昨年の選挙を通じまして私ども下野しましたことは、ある意味において、天がこれからの日本の行く手に、我々の新しいスタートを反省の機会として与えてくれたものでなかろうか、そういう厳粛な受けとめ方をしながら、今社会党、さきがけと連立政権を組みまして、そしてあの悪夢のような、二月三日の突然出てまいりました国民福祉税七%のような状態を思い起こしますときに、連立与党の税制プロジェクトの皆さん方が、非常に熱心に、非常な困難と、そして妥協と、そして積み上げを重ねながら、今回の税制改革への道をたどりましたことは、私ども大きな意味があると思うのであります。
 委員が先ほど来触れられましたように、租税の特別措置につきましても、これは補助金よりも安易な企業に対する手当でのやり方でありまして、これが謙虚に見直されないというのは、私は我々の新しいスタートにならないと認識をしておるわけでございます。過去にそれぞれ党の税制の諸委員会において、企業やあるいは省益を代表して発言をしてきた機会の多かったことを厳粛に反省しながら、これから企業のあり方あるいはその租税特別措置のあり方をそれぞれ謙虚に見直し、そして大胆に見直して、国民の税に対する信頼をから得ることが政治に対する信頼への道であり、そして、村山総理が行財政改革が本内閣の最大課題であるとおっしゃっておるわけでございまして、同時に大胆な特殊法人等を初めとする行財政の改革をやり遂げることがまた我々に課せられた大きな責任であると認識をしておる次第であります。
○永井(哲)委員 どうもありがとうございました。終わります。
○高鳥委員長 これにて永井君の質疑は終了いたしました。
 次に、田中甲君の質疑に入ります。田中君。
○田中(甲)委員 委員長より発言の許可をいただきました、新党さきがけ、田中甲であります。
 与党の一員としては、本日の質問の前に。できることならば野党の修正案を提出、これを期待していたのですが、修正案が出ない上に委員会の状況がこのような姿であることは、大変に残念なことであります。
 私は、与党税制プロジェクトチームの、末席ではありましたが、そのチームの中で十二分な審議が行われ、取りまとめられたこの法案の評価をさせていただいておる一人であります。しかしながら、慎重には慎重の上に、国民に理解の得られる税制改革でなければならないと考える上で、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 前段者が置いていってくれました昨日の新聞でありますが、ちょうど「今回の税制改革(案)について、分かりやすくご説明します。」これは自治省、大蔵省の連名、政府広報という形で、このような形で、もう皆さん方既にごらんになられていると思いますが、北見けんいちさんという「釣りバカ日誌」をかいている方が、非常にソフトに伝えてくださる協力をしてくれているようであります。
 この政府広報でありますけれども、まずぽんぽんぽんと御質問を大蔵大臣にさせていただきたいと思います。これを昨日、十一月の七日に入れたわけでありますが、これに対する国民の反応というものはどのようなものであったか、御認識をされているかどうか、お聞かせをまずいただきたいと思います。
○武村国務大臣 ちょっとこれは、政府委員から御答弁をお許しいただきたいと思います。
○小川(是)政府委員 今回の税制改革につきましても、政府広報等を通じて、できるだけわかりやすい正確な情報を、国民の皆さん方に御判断いただくために、材料として提供したい、国民の理解を求めていくことが重要だと考えておりまして、前回の税制改革のときもそうでございましたが、それに倣ってこうした広報を行っているところでございます。
 昨日からこの新聞の関係の広報を具体的にスタートをいたしております。現状において、むしろ中身をもう少し知りたいのだけれども、どうしたらいいだろうかというような御照会があったりするようでございます。とりあえずのところ、きょうのところはそんなところでございますが、一般紙のほかにも、いろいろな説明を求められる場合あるいは関係の方が御利用いただくように、広報関係の資料をつくり、これをお配りするといったようなこともやっているところでございます。
○田中(甲)委員 ありがとうございます。
 余り反応がないようにちょっと私は受けとめておったんですけれども、明日、十一月九日からは一般週刊誌並びに女性誌三誌、一般週刊誌は九誌、やはりこのような政府広報を載せるということであります。
 私は、せっかくよいものをつくって、私たちが自信を持って今審議をしているこの税制法案でありますけれども、今一番大事なことは、より国民の皆さん方にそれを御理解いただく、知らしめるということが今大事な時期に入ってきていることだろう、その時期だろうと認識をしているところでありまして、これは昭和六十三年、創設した際には、今回の広報掲載の約五倍からそれ以上の努力をされているというような私は認識をさせていただいておりまして、もっともっと国民の皆さん方にお知らせをするということに努めていかなければならないのだろうと思います。
 そして、「THINK TAX」という、税金を考えようというようなことが小さく下に出ておりますけれども、これは反応が受けとめられるような状況にはなっていないと思います。といいますのは、一万通行であって、御質問があったり、あるいはわからない点の問い合わせはこちらにどうぞというような、相互通行になるような配慮というものがやはりあってしかるべきだろう。
 国民福祉税という大きな反省のもとで始まったこの税制審議でありましたから、なるべく多くの皆さん方の御意見を聞かせていただくというその基本的な姿勢を、一つ一つの、例えばこの政府広報にいたしましても、そういうところに配慮といいますか心配りということをぜひともしていただきたいと思うわけであります。
 説明しますという文章ではなく、一緒に考えましょうと、だれでも、老人も低所得者もあるいは障害者も、国民は税を基本的には納めるものということをこの機会にまた啓発していくことも同時に忘れてはならないことだということも考えさせていただいております。そんな点をまず御質問させていただき、御指摘をさせていただきました。
 次は、今回の税制改革は景気回復を常に念頭に置いて進めていかなければならないという状況下にあったという点から考えまして、まずタイムリーな点から、私は大変に評価をさせていただきたいのですが、大蔵大臣が、郵便貯金の金利の引き上げに、ちょっと待ったということを間髪入れず、また景気対策の一面より、住宅の融資枠の拡大ということもこの時点で発言をされております。また改めてこの場で、もしその御所見を新たにお聞かせをいただければ大変にありがたいと思いますが。
○武村国務大臣 金利の問題につきましては、これは景気動向の基本にかかわる問題であります。国際的にも、為替につながる意味でも、各国の金利水準はかなり厳しく見詰め合っているところでございます。
 郵便貯金と一般の銀行、金融機関との問題は、郵便貯金がいわば政府直轄の、直営の金融であるだけに、金利全体、民間を含めて全体を眺めながらやはり判断をしていく必要があるということが大変大事な視点だと思っております。
 また住宅は、文字どおり昨今、これはまさに住宅に対する税制の効果もかなり大きいと私は評価をしておりますが、税額控除制度が適用されておることもあって、もちろん金利が低いということもありますが、最近景気を引っ張り上げていく中で住宅建設というのは非常に大きな役割を果たしてくれております。その枠が年度途中でオーバーして足りないという事態でございますから、これはこの枠に対して弾力的に対応していくのは当然の姿勢だと思っております。
 いずれにしましても、景気に対しましては真剣に政府としては、さまざまな政府の持てる手段を的確に対応させることによって景気回復に全力を尽くしていかなければいけないという思いでございます。
○田中(甲)委員 ありがとうございます。
 景気の基本的対策として、公定歩合の問題、公共投資の推進、そして今回税制改革プロジェクトチームで減税、特に二兆円の定率減税分、二階建てのその上の部分でありますが、一つ一つが的確に、機を見て敏と申しますか、適切な時期に行われているということで、私は大変に今安定した軌道に入りつつあるのではないか。突発的に新聞で私が読み、そして国民が見た中でも十二分に納得できる、その施策に対して理解ができるというような、私は国民の反応というものが伝わってくるようなそんな気がしておりまして、大変に、私が申し上げるのは僭越でありますが、評価をさせていただきたい、その気持ちをお伝えさせていただきました。
 そして、公共投資、公共事業の推進に関してひとつ経済企画庁長官にお尋ねをしたいと思います。
 と申しますのは、この税制改革プロジェクトチームでは、公共投資の基本計画、今回六百三十兆円というその金額が挙げられていますけれども、この話は実は余り出てきませんでした。行財政改革と福祉の問題プラスマイナス、この辺がかなり見直し条項その他でかかわってきて、深い突っ込んだ審議ということはされたのですが、この計画されている六百三十兆円、本来ならば一九九一年から二〇〇〇年まで四百三十兆円という従来の計画があったわけでありますが、一九九五年から二〇〇四年を一つの十年間という区切りといたしまして、六百三十兆円という数字が挙げられてきました。
 この時期になぜこのような公共投資の基本計画の見直しを行ったかということと、同時に、その根拠と申しますか、六百三十兆円の根拠、なぜ二百兆円増になったかというその部分をぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○高村国務大臣 国民が真に豊かさを実感するに必要な社会資本の整備をぜひこのまだ人口構成が若い時代にやっておきたい。そのために、来年度から十年間でどういう社会資本整備をしたらいいのか、そして公共投資規模、配分を決めておこう、こういうことで見直しを行ったところであります。
 六百三十兆にどうしてなったのかといいますと、人口構成、高齢化社会がピークを迎える二十一世紀初頭までに必要な社会資本整備のおおむねを終えるためには、今後十年間とのぐらいやったらいいのかという観点からはじいたものでありますが、もちろん、これだけやっておきたいということと、経済全体のバランスも考える必要がありますから、その両方から六百兆、弾力枠を加えて六百三十兆と、こう決めたわけでございます。
○田中(甲)委員 質問の時間をいただいて、せっかく質問をさせていただき、言いたいことを言わなければ消化不良を起こしてしまうという、そんな気持ちも心のどこかにございまして、六百兆プラス三十兆円という、この三十兆が弾力枠という形でとられています。前回の四百三十兆の際にも、四百十五兆でしたか、十五兆円程度の弾力枠というのがあったのですが、まるで税制でいうところの国民福祉税の腰だめ的な、何か非常にアバウトなものをこういうところから受けとめてしまうのです。
 そこで、重ねて御質問させていただきますが、それでは六百三十兆の財源というのを経済企画庁長官はどのように今お考えになられているか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○高村国務大臣 何分十年間という長きにわたる計画でありますから、経済、財政状況に応じて若干の弾力枠を設けるのは、それはいたし方ないといいますか、そうした方がいいのだろう、私はそう考えているわけであります。
 財源でありますが、人口構成が若いうちにやりたいと、こう言っておきながら、後世代に全部ツケ回しをするわけにはいかないわけでありますから、後世代に負担を残さないように、残さないようにといっても一切建設国債を使わないでやれるかといったら、それはやれるものではありません。でありますから、租税、公債、財投、そういったものをそのときどきの経済情勢、財政情勢を考慮しながら適当に組み合わせながら、そうでありますが、先ほど申し上げましたように、後世代に負担を残さないということを頭の真ん中に置いて、少しでも公債費率を引き下げるということを考えながら、その都度その都度の予算の中で決めていくべきものだ。
 現時点でもっとはっきり示せと言われるかもしれませんが、何分十年間という長い時期、しかも実施主体が国、地方あるいは公的企業体その他で行うということで、今すべて具体的な財源を示すことができないのは大変申しわけないわけでありますが、そのときの財政状況、経済状況にかんがみてその都度の予算で示していく、こういうことだと思います。
○田中(甲)委員 ありがとうございます。
 建設国債にしろ財政投融資でも余裕のある状況とは現状でももう言えないという、そんな認識をさせていただいておりますし、しかし、大きくこれから公共投資を行っていくんだという、そういうことを国民の期待にこたえて発言していただいたことに対してのその評価というものは、当然させていただいているところでありますから、これ以上私は、今企画庁長官がおっしゃられましたように、後世代に負担を残さないような財源の確保ということに十二分にこれは慎重に御配慮をいただく中、ぜひお進めをいただきたいと思います。公共投資のコストの削減の努力や、より効果を高める公共投資を選びプライオリティーをつけていく、そんな御努力も同時にしていただければありがたいと思います。
 続いて、地方消費税について御質問をさせていただきたいと思います。
 地方公聴会並びに中央公聴会の陳述人の意見の中から、いろいろそのお聞きをした中からぜひ質問の内容というものをつくり出してみたい、そんな思いでございました。私は、地方公聴会、福島に出かけてまいりまして、それぞれの意見を述べられる皆さん方、異口同音に地方消費税の導入は大変によいということを述べられておりました。特に、福島県の須賀川市の高木市長さんも、意義ある制度という発言をされておったところであります。しかしながら、同時にその市長さんは、極めて景気に左右されやすい地方の財源を、より長期的な安定税体系をつくり出せられる、そのようなことをさらに一層努力していただきたいという希望も述べられておりました。
 そこで、確認をさせていただきたいのですが、徴税にかかわる業務を、これは大蔵大臣にお聞きをしてよろしいでしょうか、大蔵省が当分の間受け持っていくということが今の現状であろうかと思います。その現状しばらく、「当分の間」という言葉が使われておりますが、大蔵省の方の仕事として続けていくんだという、その「当分の間」という期間が実にあいまいであることをまず御説明いただければありがたいと思いますし、そのいきさつも同時にお聞かせをいただければありがたいと思います。なおかつ、その後ほどのような形になっていくことが大蔵大臣は望ましいとお考えでありましょうか。中長期的な御所見を大蔵大臣よりまずお聞かせをいただければありがたいと思います。
○武村国務大臣 まあ「当分の間」という言葉は、字引を引くとどういう説明になっているのかわかりませんが、かなりあいまいさを持っておりますし、幅を持っている表現であります。期間を明確に特定できないときに使う表現がなと私は思っておりまして、そういう意味では、地方が国に預ける、委任でしょうか、というのがどのくらいの期間続くのか、永久ではありませんということを、それからまたこういう姿が理想的ではないということをこの言葉は表現しているようにもとれるわけであります。
 将来、行革の問題もございます。徴税事務における行革の議論もあるかもしれませんし、さらにまた国と地方の税制の仕組みがさらに論議されていくわけでございまして、そういう中で決まってくることかなと、大変あいまいな答弁でございますが、そんなふうに思っております。
○田中(甲)委員 それでは、自治大臣にお尋ねをしたいと思いますが、長期的に見て地方財源のあり方、理想の形はどのようにあるべきだと自治大臣は現状お考えになられているか、御所見をお聞かせいただければありがたいと思います。
○野中国務大臣 今回、委員御指摘のように地方消費税が創設されることになりましたことは、一方において地方分権が言われておりますときに、一つの大きな弾みをつけたことになる、このように考えておるわけでございます。
 しかし、今後さらに地方が安定した税財源を確保することによって分権を確立していかなくてはならないわけでございますので、さらに、今大蔵大臣からもお話がありましたように、地方分権とともにこれに伴います安定税財源を確保していかなくてはならない、また、大方関係の皆さん方の理解をそこに得なければならないと思っておるわけでございまして、そういう際に、今御指摘ございました「当分の間」というのも、地方みずからが汗をかいて、そして地方が徴収をする、あるいは地方も国も賦課徴収の一元化を図って、そして効率的な税の徴収のあり方を考えていくべきである、このように私は考えておる次第であります。
○田中(甲)委員 これから道府県税あるいは市町村税というものが、資産並びに消費税ということにかなりシフトしていくんだろうなという予測もさせていただいておりますが、地方消費税が創設されて、いよいよそのスタート、その日火を切ったと申しますか、ここから始まっていくんだろうということを考えていくならば、地方においてはこの地方消費税ということが非常に喜ばれているという反面、かなり私は、市議会議員、県会議員を務め、地方議会を肌で感じてきた人間としては、不安な面も正直感じております。
 と申しますのは、地方自治の成熟度と申しますか、もう少し踏み込んで申し上げるならば、地方政治の質というものが果たしてこれからの方向の中で大丈夫なんだろうか。これも、税財源というものを地方に与えていくと同時に、自治省としてはかなり注意をして見ていかなければならない点だろうと思うわけであります。
 具体的に、具体的といいますか、例を挙げて申し上げるならば、財源や独自の地域づくりということを頑張れと応援すると同時に、自転車に一人で乗れるようになるまで後ろで支えてあげていくという、そんな自治省の役割というものはこれからますます重要になってくるように思うのですが、自治大臣の御所見を例えればと思います。
○野中国務大臣 委員お説のとおりでありまして、地方分権が仮に一歩一歩着実に進むといたしましても、府県あるいは市町村がみずからやはり行政改革をやり、そしてこれを受けられるような体制というものをつくっていかなくてはならないわけでありまして、自治省といたしましても、先般地方の行政改革の推進指針を示しまして、地方みずからがやはりこの時期、行政改革に大胆に取り組んでいただくということをお願いを申し上げた次第でございます。
 また、地方が今の状況ではみずから考え、みずからつくる努力をすれば相当な行政効果あるいは町づくりを展開することが可能な体制にあるわけでございますので、それぞれ市町村を補完する府県がまたその機能を果たしていただき、自治省はまたこれを十分に補って、そして地方全体がバランスのとれた発展ができるような状況をつくり上げるための努力をしていかなければならないと存じておるところでございます。
○田中(甲)委員 ありがとうございます。
 中央公聴会で特別消費税に対し、栗田福井県知事が、二重に課せられているという問題点が現状ではあるかもしれないけれども、地域によっては貴重な財源であるから、その点は十二分に配慮をしていただき、代替財源を含めてどのように今後対応されるか心配をされておりました。この点を大蔵大臣の方から、今後どのようにこの特別地方消費税を考えていらっしゃるか、簡単で結構であります、お聞かせいただければと思います。
○武村国務大臣 ちょっと、私としては所管外でありますし、地方自治の基本にかかわる問題ですから答えにくいわけでありますが、かつて消費税創設のときに、地方にありました料理等飲食税あるいは娯楽施設利用税、電気ガス税等々、幾つかの地方のいわゆる間接税が改廃をされたわけでありまして、あのときも大変激しい議論がございました。
 そもそも、今日の地方消費税につながるわけでありますが、地方の独自財源がこれで大きく減ると、私もその主張を何回か山中会長の前で申し上げたことがありますが、地方自治の本旨に反する、何らかの措置を講ずべきである。結果的には地方譲与税という形になったわけでありますけれども、しかし、それが今日地方消費税という形に再度転換を見ているわけであります。
 その中で、この特別地方消費税というのは、当時の料飲税の税率等からこうした措置がとられることになったわけでありまして、やはり地方にとっては、特にこういう課税客体の多い自治体になりますと、かなりの額、税額でありますから、単純にこれを廃止すればいいということにはなかなかならない。じゃ、廃止するならどうするかという議論が当然出てくるわけでございまして、これはまさに自治大臣の御所管の問題だと思っております。
○田中(甲)委員 済みません、自治大臣からも、簡潔で結構であります。よろしくお願いします。
○野中国務大臣 今大蔵大臣からもお話ございましたように、平成元年の税制抜本改正の際にいろいろな地方間接税が縮減、廃止されましたけれども、行政サービスとの関係において、この税は料理飲食税が特別地方消費税として名前を変えられましたけれども、併課することが認められ、税率が三%に軽減をされ、あるいは環境衛生、観光団体等に一定の交付金を交付する、そのような調整を残して、そして併課することとされたわけでございます。
 したがいまして、それぞれ地方公共団体におきましては、委員御指摘のとおり非常な財源となっておるところでございます。わけても、この五分の一を配分されます市町村につきましては、例えば一市町村におきまして税の一割を占めるところもあるわけでございまして、それだけに財源に与える影響はまことに大きいわけでございまして、千五百億ほどの税源がそれぞれ遍在をしておるというところでございますだけに、この税が仮に廃止されるようなことになれば、その財政措置は当然措置されなくてはならないと思うわけでございますが、私は、基本的に矛盾を生じないのでこのまま存置していただきたいと存じておる次第でございます。
 ただ、率直に国民感情として考えまして、消費税、地方消費税、地方特別消費税、こういう形で果たして理解ができるかな、むしろもとの料理飲食等の税の名前の方が素直に受け入れられるのではなかろうかな、そんなことを私個人としては考えておるところでございます。
○田中(甲)委員 ありがとうございました。
 与党税制改革プロジェクトチームの中でほかに私が強く感じた点と申しますと、不公平税制の抜本的是正が必要ということでありますが、それは宗教法人や公益法人あるいは赤字法人への課税の適正化、あるいは使途不明金への課税強化を行う、さらに脱税や所得隠しなどをなくすために罰則や記帳義務強化を行っていくということが私はこれからさらに行われていかなければならないことだろうと思います。
 それは、冒頭申し上げました納税の義務ということを国民一人一人が認識をし、企業もやはりそれに対して正しい姿勢で企業経営を行っていく、納税義務を認識していくということが必要だと思うからであります。
 同時に、法人税の税率を軽減をすべき方向という、その御意見が今出され、検討されていることも認識しているところでありますが、大蔵大臣より、私が申し上げた観点も踏まえた中で、法人課税に対する今後の基本的対応の姿勢ということを再度お話しをいただければありがたいと思います。
○武村国務大臣 法人税のあり方は、今後の税制改革、中長期的にも大変大事な大きなテーマだと思っているところでございます。今田中委員が御指摘のような各般の問題がございます。
 それで、法人税率そのものをどうするか、課税ベースを拡大しながら下げていかなきゃいけないという、特に国際的な横並びの問題もございまして、これが一番大きいテーマでありますが、同時に個別の問題としては、今幾つかお挙げをいただいた、例えば宗教法人を含む公益法人に対する課税のあり方というテーマもございますし、かねがね赤字法人の課税の問題もございます。赤字法人になりますと、課税所得のない法人に課税するという議論ですから、これは法人課税の問題ではありますが、所得税の議論は超えるというか、テーマでもありますが、そういう問題もあります。おっしゃるように租税特別措置法の問題もありますし、もう一つ今委員がおっしゃった使途不明金の問題も大変ユニークな問題として、なお課題としては残っているというふうに思っております。
 そういう全体をとらえて、より適正な、より公平な、したがって不公正、不公平のない法人課税のあり方に真剣に目を向けていかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○田中(甲)委員 時間が参りました。
 プロジェクトチームの中でもう一点だけ感じたことは、これから本当に環境の問題が大きな重要課題になるにもかかわらず、環境の対策における財源の確保ということがまだまだ議論の中で出てきていなかったという点もございました。
 以上で私の質問を終了させていただきます。
○高鳥委員長 これにて田中君の質疑は終了いたしました。
 次に、矢島恒夫君の質疑に入ります。矢島君。
○矢島委員 官房長官、時間が少しずれておりまして、二つの委員会をかけ持ちだそうで、私、このままいきますと三十五分ごろからの質問になるんですけれども、それでも大丈夫でしょうか。――はい。それではそういうことで、まず制度減税について大蔵大臣の方にお聞きしたいと思います。
 今回の所得税法の改正というものを見ますと、税率構造の見直しと各種人的控除の引き上げが中心になっております。各種人的控除の引き上げというのは、収入の高低に関係なく、対象者であればすべての納税者に適用されるわけであります。そうしますと、どの所得階層に減税の恩恵が厚いか、これを判断するものとして税率構造の改正というのをよく見る必要があろうかと思います。
 この税率構造の見直しというのは、全体としてブラケットを広くしてフラット化している、これはすべての課税所得に影響を与えることになるわけですけれども、しかし、最もブラケットを広く改正しているところを見ますと、税率四〇%の適用のところになっていると思うのです。ここは課税所得二千万円以下という現行から、三千万円以下になっておりまして、そしてまた、その次の段階は、三〇%の適用のところだと思うのです。課税所得一千万円以下から一千八百万円以下に広げているわけです。
 この三〇%、四〇%の税率適用者というのは大蔵省の言うところの中堅所得者層ではなくて、もっと高額の所得者層ではないかと思うのです。このブラケットの改正を見ただけで、減税の恩恵というのは高額所得者になるというのは明らかだろうと思うのですが、その点についてお答えいただきたい。
    〔委員長退席、石原(伸)委員長代理着席〕
○武村国務大臣 何をもって中堅所得者あるいは高額所得者という、定義がそれはもちろん明確ではありません。人によってとり方はさまざまかもしれません。でも、私どもは確かに今までの説明でも、二〇%のところに焦点を当てながら説明をしてまいりました。三〇%も中堅に入るという議論も当然あると思いますが、まあ四〇、五〇ぐらいが高額になるのかな、ゼロと一〇が低で、二〇、三〇ぐらいが中かな、私個人はですよ、これは全く個人の感触で申し上げているんでありますが、そんなとり方をしておりましたが、そういう中で今回の改革は、もちろん五〇%の最高税率もぐんとシフトしましたから、数字が動きましたので、率は残っておりますが、そういうかなり高い層にも減税の効果は出るわけでありますが、しかし、一番大宗を占めているのはやはり二〇%、この前後だというふうに思っております。
 従来、たしか標準家庭で七百九万から一千万ちょっとのところでありましたのを、一千三百五十万円ぐらいのところまで拡大をしております。これで、これも標準家庭の計算でありますが、大方の、九割を超すサラリーマンの皆さんは二〇%ないし一〇%あるいは非課税、二〇%以下におさまるという、全体のサラリーマンの数、率からごらんいただいて九割を超えるということで、私どもの申し上げている二〇%を中心にした説明に御納得がいただけるのではないかというふうに思っているわけであります。
○矢島委員 大蔵省は中堅所得者層というものの範囲を一応収入の面から決めておると思うのです。実際、今大臣も御答弁があったように、いわゆる高額所得者と思われる部分にももちろんこのブラケットを広げたことによって減税という形は出てくるというお答えですけれども、その問題は、どちらが厚くどちらがさらに減税効果があるか、減税の恩恵を受けるかという点について私調べてみましたが、課税所得で二千万円、課税所得で三千五百万円、こういう言うなれば高額所得者と思われる範囲の方々の減税額、おおよそ二千万円の場合には百十三万円の減税になりますし、三千五百万円の課税所得の方は二百十三万になるというような状況、厳密な計算ではございませんがそういうのが出てきているという点を見ましても、またこの幅の広げ方、ブラケットの広げ方という点から見ましても、非常にわかりやすい、上の方の人にも相当の減税があるなということが十分わかるような内容になっていると思うのですが、今の御答弁ですと、やはり中堅あたりというあたりが恩恵を受ける、これは人数の点だろうと思うのですけれども、層が厚いといいますか、そういうお答えだったと思います。
 そこで、私は具体的な例で少しお聞きしたいわけです。率直にしかも具体的に、主税局長に具体的な形で可能な限り御答弁いただければと思うのですが、主税局長の俸給表、指定職俸給表の八号に多分あると思うわけです。そうしますと、俸給月額は百七万三千円。そうしますと、今回の所得税法の改正案が仮に成立いたしますと、おおよそどれくらいの、主税局長、減税になるのか。また、失礼かもしれませんけれども、主税局長が仮に現在の指定職でそのまま昇給していかれるとして、四年後に所得税減税と消費税増税、この差し引きは減税になると思いますけれども幾らぐらいになるか、お答えいただければと思います。
    〔石原(伸)委員長代理退席、委員長着席〕
○小川(是)政府委員 まず、私ども本省の局長クラスといいますのは、全国家公務員約九十万人のうち二百人程度おります。この二百人程度の指定職七号俸以上の者でございますけれども、今お尋ねの指定職八号俸の場合、年収二千百万円程度であればどの程度の軽減額になるかというお尋ねでございます。
 二千百万円の場合の軽減額は、現在の所得税、住民税額が六百七十七万円に対しまして、百十五万円軽減になって五百六十一万円という負担額になります。なお、二千万円ですと、六百二十五万円の負担が百六万円軽減されて五百十九万円になるという計算になるわけでございます。
 それから、仮に昇給したらどうかという点でございますが、当然のことながら、我が国の給与体系はこういうところは格付でございますから何割昇給するということはない、むしろ退職する方向であろうかと思います。
 それから、もう一点申し上げておきますと、民間給与の実態調査報告等を見ましても、公務員の場合も同じでございますが、五分位に分けますと第五分位、先ほど申し上げましたわずか二百人、公務員だけでも九十万人のうちの二百人でございますから、それもまた五分位に入るわけでございます。この第五分位から第一分位への分布というものが非常に長期間とっても全く変わらないということは、今申し上げました、次第に昇格をするに従って上がり、一人ずつはまた落ちていくという姿を示しているわけでございます。
○矢島委員 大体二千百万で百十五万円ぐらい。それで、その後が百六万円ぐらい。いずれにしろ百万円程度の減税ということになるわけで、年金保険料、これが増額いたしましても大して影響はないんだなというようなことを感じました。四年後はどうかということについてはそういうようなお答えでございます。もちろん主税局長が大蔵省にいらっしゃるかどうかという現実的な話は別にいたしまして、この俸給表を見ますと、指定職の場合、八号から九号になりますと、それだけで七・二七%アップいたします。九号から十号になりますと、約七%アップします。その上にベースアップがあるだろうと思います。しかし、大蔵省の試算はこれを低く抑えて四%ということで試算しておりますので、四%ということで考えてみますと、おおよそ年収二千四百八十七万円、こういう額になるのではないかと思います。所得減税は現行より約百四十五万円ほど減税になる。大変な減税になるだろうと思うわけです。
 一方、年金保険料が九七年からアップしますが、現行より二十万円前後、それから消費の支出もふえると思いますが、消費性向を四八%といたしますと、消費税が五%になっても大体二十三万円前後、こういうことを考えますと、差し引き百万円ぐらいの減税になるのではないか。これは中堅所得者層以下のサラリーマンとはどうも考えられないわけで、こんなに減税になる国民はどれくらいいるのですか。何割ぐらいいて、例えば大蔵省ではこれに相当するような減税の恩恵を受ける人はどれくらいいるか、お答えください。
○小川(是)政府委員 一般的な今回の所得税負担の軽減の問題と個別の問題とのお尋ねでございますので、まず一般的な方を御説明をさせていただきます。
 累進構造というのは、委員御案内のとおり、滑らかに負担率が上がっていく構造をつくるということが垂直的公平のための累進性を立てる上においても極めて重要でございます。そうでありませんと、今回御説明しておりますように、途中の大事な働き盛りのところで、年収がある程度ふえてもほとんど手取りの増加額が給与が少なかったときと同じ程度であるといったようなふぐあいが生ずることがございます。したがいまして、所得税の課税においては滑らかな累進構造を持つということが極めて重要でございます。
 大臣からるる御説明をしておりますように、二〇%を中心にブラケットを広げるということは、二〇%を超えるところのブラケットも滑らかにカーブがなるように直しておく必要があるということでございまして、そうした上のところが中堅所得層というよりは高所得層というのは御指摘のとおりでございます。当初申し上げましたように、公務員だけで申し上げましても、百万人のうちの二百人かそこらというところでございます。それから、民間給与の実態で見ますと、給与収入が二千万円を超える者は十五万人程度、約〇・四%ということでございます。先ほどの公務員の場合ですと、○・〇二%程度ということになるわけでございます。こうした階層の所得税、住民税合わせての限界税率は五五%ないし今回の改正によって一部四五%程度になる階層もございます。そういった負担になってございます。
○矢島委員 いろいろおっしゃられましたけれども、ともかくもこの中堅所得者層の負担累増感をなくすという基本線で今度の改正がなされていくと思うのですが、高額所得者の減税の実態というもの、いろいろとお答えいただいたわけであります。
 ところで、実はこれから大蔵大臣にそれに関連してお伺いしたいと思っていたのですが、官房長官のこの席にいる時間が非常に限られております。そういう関係で、ここで官房長官の方にちょっと質問を飛ばさせていただきまして、お伺いしたいわけです。
 といいますのは、実は我が党の志位質問に対して村山総理が、昭和六十二年の税制改革の際に、最低課税率を引き上げ、四百万円以下ぐらいの層の方の税率の刻みを減らして税の軽減を図った、そのときには比較的、課税の低い人、所得の低い人たちに減税をやった、こう答弁したわけです。大蔵大臣も大体同じような答弁をされていると思います。しかし、本当にそうかということをお聞きしたいんです。
 第一次税制改革のときに、私も当時の税制特別委員会の委員といたしまして質疑に参加したわけですけれども、課税最低限が少し引き上げられたことは事実であります。しかし、実際その中身はどうかといえば、第一次税制改正以前の一九八五年と以後の一九九一年を比べてみました。給与収入に対する税負担率、これは累進課税の緩和ということで、三百万から四百万円のクラスではこの税負担率は〇・一ポイントしか減っていない。しかし、年収が千五百万から二千万円、こういうクラスでは二・三ポイント、さらに二千万円超のクラスになりますと四・二ポイント減っているわけであります。その上のクラスはもっと減るわけでありますが、それでもこの前回の税制改革は低所得者に重点を置いた減税と本当に言えるのかどうかということ。
 その点と、もう一つは、あのときはキャピタルゲインを行いましたけれども、有価証券を保有しているいわゆる高額所得者に有利な低税率の分離課税を認めました。だから、当時社会党が発行いたしましたこの本でありますが、「続・究極の大増税」という本であります。先ほどまでいらした早川さんが監修されております。この中にいろいろ、私が今読みましても、いいことが書いてあるのですね。
 例えば、その前回の税制改正というものは、庶民にはスズメの涙の減税、金持ち優遇のものだ。上に厚く、下に薄い不公平減税だ。しかも、家計ベースで見ると、消費税のおかげでほとんどの勤労者は増税になる。得をするのは金持ちと大企業だけ。数字を挙げて述べていらっしゃいます。低・中所得者にはずっしりと重くなる税負担だが、高所得者は、減税の恩恵がたっぷり、とも書いてある。
 つまり、この「続・究極の大増税」という本や、その後に、これは八九年に発行されております「「新税制改革」への挑戦」という本、これも読ませていただきました。この内容も、当時の状況の中で的確にその部分を指摘している部分もあるし、将来の状況についてもそれなりの見解が書かれていると思います。そうした本の中で、社会党としては竹下税制改革という。ものに対して厳しい批判をしている。ところが、先ほど村山首相の答弁、私引用いたしましたけれども、まさに政府税調や自民党と同じ答弁を現在は繰り返している。政権につくと、事実そのものは変わらないのに、その評価は百八十度転換するということになるわけです。
 そこで官房長官、あなたはこういう社会党の過去の評価、これが誤りだったと言うのか。この「続・究極の大増税」に書かれていることは正しくありませんと、こう言うのか。そのところの御見解を承りたいと思います。
○五十嵐国務大臣 当時、社会党が発表した文書などを改めて目を通してみますと、所得税減税につきましては最高税率が引き下げられたことであるとか、あるいは各種控除が複雑化したというようなことなどについて、高額所得者により有利になっているのではないか、こういう指摘をいたしているのは事実でございます。
 しかし一方で、課税最低限が引き上げられて、最低の税率である一〇%のゾーンが大幅に広げられた、それによって中・低所得層に対する税負担が確かに軽減されたというようなことも事実でございまして、この部分に関しては社会党は評価している面もあるのであります。これはまた、当時野党の共同要求がございまして、その線に沿ったものでもあったわけでございます。
 その後、社会党が他の公明党、民社党、連合参議院などと一緒に消費税廃止関連九法案を出したことがあるのでありますが、このときにも所得税減税についてはそのまま継続するというようなことになっている点から考えましても、これらにつきましては一定の評価をしている、こういうふうに思う次第であります。
○矢島委員 官房長官、もう別の委員会に行かなきゃならないので、そういう私の読んだ範囲では評価した部分というのがないのでお示しいただければありがたいと思うのですが、もう時間が来てしまいましたので、仕方がありません。
 そこで、また先ほどの問題に戻るわけですけれども、国民の所得は平準化しているとか、あるいは垂直的公平よりも水平的公平、まあ何回も使われる言葉ですけれども、国民にいろいろ負担を押しつけることになる。そこで、主税局長のお話ですと、実際に国民に何割ぐらいそういう減税の恩恵を受ける人がいるか、大蔵省には何人いるか、なかなか正確な数字を教えていただけなかったわけですけれども、主税局長のクラスになれば、これは中堅所得者層ということにはならないだろうと思うのですね。
 そこで大蔵省の方にお聞きしたいのですが、大蔵省内の職務でいうと、中堅とはおおよそどの職務の人を指すのか。そしてその層の人は大蔵省に何人いて、大体全職員の何割ぐらいを占めるか、お聞かせいただきたい。
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。
 中堅所得者層という定義でございますが、これは必ずしも年齢層とか所得層とかで一義的に分類する性格のものではないわけでございます。したがって、大蔵省の中でいわゆる中堅所得者がどのぐらいいるかという人数はなかなか難しいわけでございますが、仮に課長クラスということで申し上げますと、大蔵省の場合は本省で約六十人おります。課長補佐で本省で三百五十人おるということでございます。
○矢島委員 中堅所得者層というのが非常に定義づけが難しいということで、課長クラス、課長補佐クラスのお答えがあったわけですけれども、今度の税制改革の中で、七百万から八百万円程度以上一千万円程度を超える所得者層、これが中堅所得者層だ、こういうことを大蔵省も言っているわけです。
 国税庁にちょっとお聞きしたいのですが、税務署の中の中堅所得者層、同じ質問でありますが、全体でどれくらいいられるのか、役職名でおおよそのことをお聞きしたいのですが。
○松川政府委員 お答えいたします。
 ただいま本省について答弁がございましたように、中堅所得者層というものは必ずしも年齢層とか所得層で一義的に分類できる性格のものでございません。それは国税庁についても同様でございます。特に国税庁の場合には勤務年齢がかなり長いということもございまして、役職、同じポストでもかなり等級が、幅がございますので、ここで特定のポスト以上が中堅所得者層であるということをお答えすることはできないわけでございます。
○矢島委員 私も資料要求をいろいろ大蔵省や国税庁の方にお願いしたのですが、そういう資料は出していただけませんでした。
 そこで、私自分でいろいろと調べた範囲内で申し上げたいと思うのです。
 税務職員の俸給表はほとんど税務職俸給表だから一級から十一級まであると思います。このうち一級から五級まで、大蔵事務官から調査官それから徴収官まで、この層には約三万二千人の人がいらっしゃる。職員の六〇%だと思います。この層は大体大蔵省の試算でも四年後差し引き増税になる層だと思うのです。
 その上のクラス、六級から八級まで、これは上席調査官あるいは上席徴収官それから統括国税調査官、こういうクラスですけれども、約一万九千人いらっしゃる。全職員の三六%。この層は、大蔵省の試算では四年後差し引きわずかに減税になるクラスだと思うのです。我が党の計算では、もちろんこの部分についても差し引き増税になる層だと考えられます。
 その上のクラス、九級から十一級までが特別国税調査官とかあるいは特別国税徴収官、いわゆる将官と言われる層ですね、そこから副署長、署長のクラスだと思います。ここに二千四百人、約四%の職員がいるわけです。この層でようやく年収一千万円を超える人がいるだろうということで、大蔵省の試算と合わせてみますと、四年後には十万円以上二十万円程度の減税になるという層だと思うのです。もちろんこの層につきましても、我が党の試算ですと、四年後せいぜい数千町の減税にしかならないということになります。
 つまり国税局や国税庁の一部幹部、大蔵省の局長クラスだけが大幅減税になる。これがどうして中堅所得者層の減税と言えるのかという点なんですね。
 今回の改正案というのは、これらを見ていきますと、一部高級官僚のみの減税のための改正と言えるのではないか。国民から税金を徴収するところの税務署やあるいは国税局の第一線の職員、税務執行の主役でありますけれども、ほとんど差し引き増税。法律案をつくるところの、作成する主役であります主税局長や、あるいは税務執行を指導監督する国税庁長官、これは大幅に減税になる、これが今回の法改正の姿ではないか。中堅所得者層に負担累増感が生じていると言うけれども、これでは、エリートは労働意欲に燃えるかもしれませんが、最も多い企業やあるいは公務の支え手である第一線の労働者、あるいは所得の低い方々、こういうところの労働意欲を減退させるのではないかと思うのですけれども、大蔵大臣、その点はどうですか。
○武村国務大臣 やはり矢島委員、減税も全体でごらんいただきたいと思うのでありますが、大蔵省とか税の関係者、特定の人の利益のためにやるなんという言葉はぜひお取り下げをいただきたいと思います。何か減税の額だけで議論をされておりますが、局長の場合でも、百万円程度減税になるのは確かでありますが、しかしそれでも五百数十万という年間税負担をするということであります。
 そこがまあ累進税率なんでありまして、既にお答え申し上げておりますように、前回の六年前の改革と今回の改革を重ねてみると非常に全体像がはっきりするわけでございますが、四百万の、これは収入ベースですが、家庭ですと実に七〇%の減税、これは大幅というよりも、もう本当に、一〇〇であったものが三〇になっておるわけであります。所得全体から見れば、負担率は一・六%という大変小さな率になっているわけですね。それが、七百、八百、千と上がっていくわけですが、一千万の方ですと三六・八%の減税率、減税幅であります。負担率でいけば一一・九%という負担をしていただいているわけでありまして、一・六と一一・九をごらんいただければ、いかに累進率といいますか、所得が上がれば高い比率で御負担をいただいているかということもぜひ改めて御認識、御理解をいただきたい。
 今回の税制改革で金額幾ら減税になるかという議論をすれば御指摘のような例も参考にはなりますけれども、全体の中でどういう負担になるか、どういう減税効果になっているかというところにもぜひ目を向けていただけると大変ありがたいと思う次第であります。
○矢島委員 時間になりましたので質問は終わりますが、今大蔵大臣からも答弁がございました。私どもは、やはり租税民主主義の中核と言えるのが応能原則に基づく累進課税、これが課税原則であろう、このように考えております。
 いずれにいたしましても、私、このほか高齢者の問題やあるいはまた中小業者の問題を取り上げたかったわけですが、時間がなくなってしまいました。今度のこの消費税税率アップという問題については、やはり国民への公約を平然と破ったことであるし、また、今質問ができませんでしたが、これから高齢者問題やあるいは低所得者や中小業者問題等々、大変重要な内容を持っているものだと思います。我が党はこれに断固反対しております。国民とともに戦い抜くことを表明いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○高鳥委員長 これにて矢島君の質疑は終了いたしました。
 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三分開議
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 改革所属委員の御出席が得られません。
 御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○高鳥委員長 速記を起こしてください。
 改革所属委員の御出席が得られませんので、この際、休憩いたします。
    午後一時十三分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕