第132回国会 予算委員会 第17号
平成七年二月二十三日(木曜日)
    午前九時一分開議
出席委員
  委員長 佐藤 観樹君
   理事 衛藤征士郎君 理事 桜井  新君
   理事 野呂田芳成君 理事 深谷 隆司君
   理事 伊藤 英成君 理事 加藤 六月君
   理事 草川 昭三君 理事 三野 優美君
 理事 五十嵐ふみひこ君
      伊藤 公介君    浦野 烋興君
      江藤 隆美君    越智 伊平君
      越智 通雄君    菊池福治郎君
      後藤田正晴君    近藤 鉄雄君
      志賀  節君    関谷 勝嗣君
      高鳥  修君    長勢 甚遠君
      原田  憲君    村田敬次郎君
      村山 達雄君    若林 正俊君
      安倍 基雄君    伊藤 達也君
      石井 啓一君    石田 勝之君
      石田幸四郎君    石破  茂君
      川島  實君    北側 一雄君
      笹木 竜三君    月原 茂皓君
      野田  毅君    冬柴 鐵三君
      松田 岩夫君    山口那津男君
      山田  宏君    山本 幸三君
      山本  拓君    池田 隆一君
      池端 清一君    今村  修君
      佐々木秀典君    坂上 富男君
      細川 律夫君    前原 誠司君
      藤田 スミ君    松本 善明君
      海江田万里君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  村山 富市君
        法 務 大 臣 前田 勲男君
        外 務 大 臣 河野 洋平君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 与謝野 馨君
        厚 生 大 臣 井出 正一君
        農林水産大臣 大河原太一郎君
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        運 輸 大 臣 亀井 静香君
        郵 政 大 臣 大出  俊君
        労 働 大 臣 浜本 万三君
        建 設 大 臣 野坂 浩賢君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     野中 広務君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)五十嵐広三君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 山口 鶴男君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)
        (国土庁長官) 小澤  潔君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 玉沢徳一郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      高村 正彦君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      田中眞紀子君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 宮下 創平君
        国 務 大 臣 小里 貞利君
 出席政府委員
        内閣官房内閣内
        政審議室長
        兼内閣総理大臣
        官房内政審議室
        長       藤井  威君
        内閣官房内閣情
        情報調査室長  大森 義夫君
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第一
        部長      津野  修君
        警察庁交通局長 田中 節夫君
        総務庁長官官房
        審議官
        兼内閣審議官  土屋  勲君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        防衛庁参事官  小池 寛治君
        防衛庁参事官  別府 信宏君
        防衛庁防衛局長 村田 直昭君
        経済企画庁物価
        局長      谷  弘一君
        科学技術庁長官
        官房長     石井 敏弘君
        科学技術庁科学
        技術振興局長  工藤 尚武君
        国土庁長官官房
        審議官     角地 徳久君
        国土庁長官官房
        審議官     西川 一誠君
        国土庁防災局長 村瀬 興一君
        法務省民事局長 濱崎 恭生君
        法務省刑事局長 則定  衛君
        外務省総合外交
        政策局長    柳井 俊二君
        外務省総合外交
        政策局国際社会
        協力部長    高野幸二郎君
        外務省アジア局
        長       川島  裕君
        外務省経済局長 原口 幸市君
        外務省条約局長 折田 正樹君
        大蔵大臣官房参
        事官
        兼内閣審議官  福田  誠君
        大蔵省主計局長 篠沢 恭助君
        大蔵省理財局長 田波 耕治君
        大蔵省理財局た
        ばこ塩事業審議
        官       鈴木 康司君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        国税庁次長   松川 隆志君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部省高等教育
        局長      吉田  茂君
        厚生大臣官房総
        務審議官    太田 義武君
        厚生省社会・援
        護局長     佐野 利昭君
        厚生省老人保健
        福祉局長    阿部 正俊君
        厚生省年金局長 近藤純五郎君
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        農林水産省経済
        局長      東  久雄君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    日出 英輔君
        農林水産技術会
        議事務局長   山本  徹君
        運輸大臣官房長 黒野 匡彦君
        郵政大臣官房審
        議官      品川 萬里君
        郵政省貯金局長 谷  公士君
        労働大臣官房長 伊藤 庄平君
        労働省労政局長 七瀬 時雄君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設省建設経済
        局長      小野 邦久君
        建設省都市局長 近藤 茂夫君
        建設省住宅局長 梅野捷一郎君
        自治大臣官房総
        務審議官    二橋 正弘君
        自治省行政局長 吉田 弘正君
        自治省行政局選
        挙部長     谷合 靖夫君
        自治省財政局長 遠藤 安彦君
        自治省税務局長 佐野 徹治君
        消防庁長官   滝   実君
 委員外の出席者
        会計検査院長  矢崎 新二君
        会計検査院事務
        総局次長    中島 孝夫君
        会計検査院事務
        総局第一局長  阿部 杉人君
        参  考  人
        (日本銀行総裁)松下 康雄君
        参  考  人
        (日本銀行理事)田村 達也君
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十三日
 辞任        補欠選任
  中山 太郎君     長勢 甚遠君
  工藤堅太郎君     山本  拓君
  左藤  恵君     石破  茂君
  佐々木秀典君     池田 隆一君
  正森 成二君     藤田 スミ君
同日
 辞任        補欠選任
  長勢 甚遠君     中山 太郎君
  石破  茂君     山本 幸三君
  山本  拓君     石田幸四郎君
  池田 隆一君     佐々木秀典君
同日
 辞任         補欠選任
  石田幸四郎君     北側 一雄君
  山本 幸三君     左藤  恵君
同日
 辞任         補欠選任
  北側 一雄君     工藤堅太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成七年度一般会計予算
 平成七年度特別会計予算
 平成七年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、行政改革及び東京共同銀行問題等について集中審議を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本拓君。
○山本(拓)委員 新進党の山本拓でございます。
 今回の阪神・淡路大地震で、地震発生初期の人命救助、応急対策が、私に言わせると全くと言っていいほど処理されなかったことに私は強い疑念を持っております。今後、村山総理は見直すべきは見直すと言っておられますが、見直すといったってそう簡単にはいかないわけでありまして、例えば今現在、地方自治体などは、村山総理が会長を務める中央防災会議のもとでの防災基本計画を定めております。震度五を想定している計画は、例えば見直しで震度六にすると、レベル一を上げるだけで予備物資の品数から建物の構造、その経費で一けた違ってくると言われております。すなわち一兆円だったのが十兆円というくらいの言われ方もいたしております。
 必要なことはしなくてはなりませんが、私は、今回の災害を例にとれば、さまざまな見直しの中で、そんな金のかかる見直しも、これはやっていかないといかぬことはやらないといかぬですが、金のかからない見直しもあるのではないか、それをすることが行政改革の一環がな、行政改革にとって最も大切な原点がなと思っております。
 それは国民の立場からすると、災害時の人命救助、応急対策の国の最高責任者、中央防災会議会長でもある内閣総理大臣村山さんのいわゆる頭の中を見直した方が早いのではないか、それが一番安上がりなのではないかということで、きょうは今回の大震災を例にとって御質問をさせていただきます。
 総理は、今回の阪神大震災への対応について、一貫して災害対策基本法に基づく対処をしてこられました。総理は、兵庫県の場合、兵庫県の地域防災計画で適切な対応がなされたという認識をお持ちですか。
○村山内閣総理大臣 初動期における対応について、この集中審議の中でもいろいろ御意見や御批判がございましたことにつきましては、十分重く受けとめております。
 何といっても、やはり五千四百人を超すとうとい犠牲者が出る、あるいは当初は三十万からの避難生活を送られる市町村民がおられたといったような大災害をもたらしたわけでありますから、これはやはり重く受けとめて、そして先ほどもお話がございましたように、この初動期のあり方あるいは危機管理のあり方等について、率直に見直すところは見直して、直すところは直して、そして今後の対応を十分図っていく必要がある。
 で、お話もございましたように、当面、仮にあした何かあった場合にどう対応できるのかというようなことについては、これは現行の仕組みの中でもやろうと思えばできることはたくさんあるわけですから、そういう点は十分見直して、そして対応できるようにしよう。
 そのためには、今内調では二十四時間体制をとっておりますから、内調なら内調を中心にして情報が全部集約できるというようなこともする必要があるし、同時に、NHKやら電力会社やらガス会社やら、あるいはJRやら、そういう全国的なネットワークを持っておるところも、それなりにやっぱり一つの仕組みを持っているわけでありますから、そういう民間等の御協力もいただきながら、いち早く正確な情報が把握できる、そして情報が把握できたらそれに対して直ちに対応できる手が打てる、こういう仕組みというものは今の段階でもやれることがあるのではないかというので、先般の閣議でもお決めをいただいて、そしてそういう取り組みができるようにしたわけです。
 ただ、長期にわたって防災計画の見直しをしたり、あるいは、例えば今回の関西地区における経験にもかんがみまして、できるだけブロックを主体にした共同の防災訓練というようなものも計画をして、お互いに協力し合い、助け合い、やれるような仕組みというものも十分考えていく必要があるのではないかというような点については、これは長期にわたってやっぱり見直しをする必要があるというふうに思いますから、先般も官房長官が記者会見で申し上げましたように、これは仮の名前ですけれども、防災臨調といったようなものでも設置をして、そして多くの専門家やら国民の皆さんの意見も集約をした中から、万全を期せれるような防災のあり方というものをしっかりつくっていく必要があるのではないかというようなことを今検討しておるところでございます。
○山本(拓)委員 災害対策基本法によると、中央防災会議において、国として、緊急を含めたいわゆる防災基本計画を定めることになっております。その責任者は村山総理大臣でございます。各地方自治体は、いわゆる一部の地区を除いて、今回の阪神・淡路大震災クラスの地震対策としては、国のその災害対策基本法に基づいて、各地域の防災計画で対処することになっております。今回の震災でも、総理は一貫して兵庫県の知事に、兵庫県の地域防災計画のみでその処理をさせたわけでございます。
 ところで、総理は中央防災会議の会長なんですね、これはよく御承知のことだと思いますが。私、余りこの災害対策基本法は詳しくなかったものですから、いろいろ調べてみますと、中央防災会議の会長というのは、災害対策基本法十三条二項によって、中央防災会議は、その所管事務の遂行について、地方防災会議に対し、必要な勧告、指示をすることができるとなっております。
 今回の大震災では、総理はその対処を兵庫県の地域防災計画に求めたのであり、総理は、災害対策基本法十三条二項により、兵庫県の地域防災計画のすべての責任者である兵庫県の知事に直接勧告または指示ができる立場に法的にあったわけであります。総理はこのことを当然御存じだと思いますが、いかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 今御指摘のございました点につきましては、それは十分承知もいたしております。
 兵庫県知事にすべてを任せておいたというような意味の御発言がございましたけれども、それはそんなことではなくて、もう私は七時半に秘書官からその地震の状況についての報告も受けておりまするし、同時に、七時四十分過ぎには官房長官から、これは相当被害が大きくなりそうだから、災害基本法に基づく非常災害対策本部を設置をするように指示をしておきましたという報告も聞きましたし、十時には閣議を開いて、そしてそれぞれ所管の、防衛庁なり自治大臣なり、いろんな所管の大臣からの報告も受けて、そしてこの非常災害対策本部を設置をして取り組んでいったというようなことなんでございまして、私は、まあいろいろ御批判はあると思いますよ、あると思いますけれども、それなりに判断をして、やれる範囲のことはやってきたつもりであります。
 しかし、結果的に見れば、これだけの多くの、五千四百人を超す亡くなられた方々のとうとい犠牲があった、あるいはまた、あれだけの多発した火事に対して、交通が混雑して消防車も行けないとか、あるいは消火栓が壊れて水が使い物にならなかったとか、いろんなことが起こりましてああいう甚大な被害をもたらした結果に終わった、そのことについての厳しい反省というものはやっぱりしなきゃならぬということは肝に銘じて今思っております。それだけに、それだけに、そうした犠牲になった方々に報いるためにも、やっぱり救援対策なり、あるいは復旧、復興対策については万全を期して取り組んで期待にこたえなきゃいかぬ、こういう責任の重さというものを今痛感をして取り組んでおるところでございます。
○山本(拓)委員 そうおっしゃいますけれども、当日、地震の災害を知った、七時半ごろですか、そして、まず最初に総理がやったことは非常災害対策本部を設置したということですね。これは基本法によりますと、内閣総理大臣は、非常災害対策本部を設置するについては、「中央防災会議に諮問しなければならない。」と書いてあります。これ確認したら、中央防災会議が開かれていないんですね。これが置かれているのは十七日。急なことですから、だから、何だったら後回しにして、その日の後に開くとか、そういうことならわかるんですが、開いてないんですね。これは明確に手続違反なんです。だけれども、そんなこと追及するつもりはありません。
 ただ、私が申し上げたいのは、この非常災害対策本部長の権限というのは、あなたが今現在持っておられる中央防災会議の会長という権限よりもずっと小さいんですよ。何遍も言いますけれども、中央防災会議会長の権限というのは、地方防災会議の会長、いわゆる兵庫県の知事に勧告ができる、指示ができるという権限があるんです。ところが、非常災害対策本部の本部長というのは、勧告権なんてないんです。必要、限られた範囲でしかないんです。
 だから、あなたが地震だと聞いて、それも関東大震災並みの大変な地震だという情報を聞いたときに、まずすべきは、この手順どおり中央防災会議を招集する、そういう中で、それであなたが直接情報を収集することができる、実際あなたが陣頭指揮に立ちリーダーシップをとる気があったならば。私は、それをちょっと確認したい。
○村山内閣総理大臣 私は、十七日の六時過ぎのテレビのニュースで地震のあったことを知ったわけですね。それから直ちに秘書官に指示をして、そして詳しい情報をすぐに報告してほしいというんで、七時半ぐらいに第一報が入ったわけです。そして、先ほど申し上げましたように、七時四十分ぐらいには官房長官からも連絡がございまして、そして直ちに非常災害対策本部を設置するように指示をしておきましたという報告も承りました。
 で、十時に閣議を開いて、その閣議でもって非常災害対策本部を設置して、そして国土庁長官を現地に派遣をする、関係の担当を現地に派遣するというようなことも決めたわけでありますけれども、それは防災会議を開かなければ非常災害対策本部の設置もできない、こういうのでは、防災会議を開くのにそれなりに時間もかかるわけですから、したがって、取り組みはもっとおくれていると私は思いますね。
 そうでなくて、これは後で事後承認を得ればいいということで、とりあえず本部を設置をして、そして関係者を現地に派遣をして、そして、それだけではやはり足りないかもしれないから、十九日には、私も現地に参りました経過を踏まえ、知事からの要請も受けて、そして私が本部長となる緊急対策本部も設置をして、内閣全体としてこの非常災害対策本部をバックアップしていこうではないか。それだけでは足りないかもしれないから、現地に関係各省庁の担当者を派遣して、そして、知事、市長等々と一体となって取り組めるような体制をやはりつくる必要があるというので、現地にも対策本部を設置して、そして全体として、一体となって地方自治体と協力して取り組めるような体制をつくっていったと、私はこう考えておりますから、この状況の中でやれる範囲のことは手を尽くしてやったというふうに私は思っています。
 しかし、それでもなおかつ、まだこういう点が足りないとか、こういう点をもっとこうすべきではなかったかとかというような意見もあると思いますから、そういう意見は意見として謙虚に私どもは聞いて、そして直すべきところは直す。
 そして、何よりも被災者のために救援の手を差し伸べる、そして復旧、復興対策について万全を期して皆さんの期待にこたえていくということが大事でありますから、そのために必要なことについては、貴重な意見も拝聴しながら万全を期していかなければならぬものだというふうに受けとめて今取り組みをいたしておるところでございますから、そのように御理解を賜りたいと私は思います。
○山本(拓)委員 私が申し上げたいのは、それはわかると言っているのです。しかしながら、総理は当日四時に記者会見をして、人命救助のためには陣頭指揮に立つと国民にいわゆる約束をされた、最善を尽くす、あらゆる手段を尽くすと。このあらゆる手段というのは、総理自身がリーダーシップをとる、陣頭指揮に立つという気持ちで、これは四時の段階でも、当初からそういう気持ちは持って四時に発表されたわけですね。それは間違いないですね。
○村山内閣総理大臣 ですから、私は、その間には三党首にもお集まりをいただいて、そして消防庁やらあるいは国土庁やら防災関係の担当者に集まっていただいて、そして情報の収集を図るということもございますし、その間には現地に派遣されておりました消防庁長官からも電話がかかってまいりましたので、これは私がすべての責任を持つから、とりあえず人命救助と消火についてはやれるだけのことは全力を挙げてやってほしいというようなことも指示をいたしました。
 それなりに手は尽くしてきたと私は思っておりますけれども、先ほど来申し上げておりますように、もう少しこうした方がよかったのではないかとか、こういうところにもっと気を配るべきではなかったかとか、そういう御指摘がもしあるとすれば、私どもは謙虚にそれは聞いて、そして何よりも目的が目的ですから、その目的を有効的に上げられるように尽くすべき点はしっかり尽くしていかなければならぬ、こういう気持ちでおるわけであります。
○山本(拓)委員 法的に不備な点とかそういったものはこれから見直すべきは見直す。私が問題にしているのは、総理ができる立場にありながらやらなかった点。
 こういう大震災というのは、地震だと言われて、外国から救援隊が来ましたけれども、それはもうスイスの救助隊なんかは二十四時間以内が原則だ、犬を連れてきた人たちですね。それで、大体四十八時間が原則だとか、七十二時間がリミットだとか。消防庁の防災課に確認しましたら、日本だって、何時間という限定はないけれども、それは、七十二時間よりも四十八時間、四十八時間よりも二十四時間、二十四時間よりも十二時間、できるだけ早く対応することが人命救助にとって一番大事だというのが原則ですということですね。そういう原則、これは、総理がトップですから、一番よくわかっておられる。
 そのときに、こういう緊急事態のときには、総理のリーダーシップが一番必要なんですね。本当はこれは自衛隊への、やはり人手が要りますから、本来ならば、ある総理大臣経験者やなんかに言わせると、これは総理大臣の解釈で安全保障会議を招集して、その権限でという話もあります。しかし、それは総理大臣の解釈でしなかった。
 じゃ、かわりに何をしたのか心あなたは非常災害対策本部をつくって、本部長にゆだねられた。法的権限はそこにある。しかし、あなたの場合は、そういう中央防災会議会長という立場にあるわけでありますから、そしてまた、その指示を法的に受ける立場である、兵庫県の場合なら兵庫県の地方防災会議、会長は兵庫県知事です。兵庫県知事に対して総理は十七日、要するに連絡を会長としてとられましたか。
○村山内閣総理大臣 いや、あなたの言われていることがちょっと私にはよくわからないのですけれども、もう一遍この経過を振り返って申し上げたいと思うのです。
 これは私、正直に申し上げまして、六時過ぎのテレビのニュースで最初に知ったわけですね。そして、京都が震度五、神戸の方は震度六とかいうような情報だったと思いますけれども、これは相当大きな地震だなというので、直ちに秘書官に連絡をとって、そして情報を早く入れてほしいということを伝達して、第一報が入りましたのは七時半ぐらいに、消防庁、警察庁から聞いたという情報が入ってまいりました。
 そして、七時四十分ぐらいにまた官房長官から連絡がございまして、これは相当被害が大きくなりそうだし範囲も広くなりそうだ、したがって基本法に基づいて非常災害対策本部を設置するように指示をしておきました、こういう報告がございましたから、いやそれはよかったと言って私も同意をいたしたわけです。
 そして、十時から開かれました閣議で、防衛庁長官やらあるいは自治大臣やら国土庁長官やら、それぞれ所管の大臣からその所管で把握している状況について報告がございまして、その報告を集約した立場で非常災害対策本部を設置をするということを決めて、そして直ちに国土庁長官を現地に派遣するなり担当の係官を現地に派遣をして対応に十分備えてほしいということを指示をして、取り組みを強化していったわけですね。
 そして、建設大臣やら自治大臣やらあるいは運輸大臣やら、それぞれ所管の大臣はそれぞれ現地に参りましてそれなりの対応をして、そして帰ってまいりました。私は十九日に参りまして、先ほど申し上げましたように知事にも会い、市長にもお会いをして、そしていろんなお話も承って、そして十九日の夜だったと思いますが、直ちに会議を開きまして、そしてこの非常災害対策本部をバックアップする、これは縦割りでばらばらでやるんではなくて内閣は一体となって取り組んでいく必要があるというので、私が本部長になった緊急対策本部を設置をして、そしてその非常災害対策本部をバックアップをする。
 さっきも申しましたように、現地の連携というものも大事ですし、それは何といったって、やはり地方自治体の知事なりあるいは市長さんが中心になって陣頭指揮をとられるわけでありますから、それに対して協力できるような体制をつくるためには現地にやはり派遣をして、そして通産省の所管に関することは通産省まで聞かなければわからぬとかあるいは運輸省に関する問題については運輸省まで聞かなければわからぬとかいうようなことでは間に合いませんから、したがって現地で即断できて協力できるような体制をつくるために、国土庁の政務次官を本部長とする現地対策本部も設置をして、そして地方自治体と一体となって取り組んでいけるという体制をつくって、そして非常対策本部の本部長も専任の大臣を決めて、そしてそれに専念して取り組んでいただく。
 こういう体制をとって、内閣は一体となって地方自治体と協力しながら、もう緊急事態に直ちに対応できるようなそういう動きができる状況というものをつくって取り組んでいった、こういう状況でありますから、その点についてはそのままに御理解をいただきまして、なおかつ、先ほど申し上げましたように、何といっても今お困りになっておる方もたくさんおられるわけですから、そういう方々の救援にはもっと神経を使う必要があるし、とりわけ、同じ避難生活をされているにしましても、お年寄りやらあるいは寝たきりの方々やらあるいは障害者やら、あるいはまた乳児を抱えた奥さん方やら等々はそれなりのやはり不自由さがあるわけですから、そういう点についても配慮をしながら、できるだけきめ細かな行き届いた対策が講じられるようにやってほしいということも指示をして取り組んできたつもりであります。
 しかし、まあまあ客観的に見れば、もう少しああすべきだったこうすべきだったというような意見もあろうかと思いますから、そういう意見は率直に拝聴いたしまして、できるだけ効果の上がるような、目的が有効に達せられるような、そういう対応というものをしっかりやっていく必要があるという心がけで今取り組んでおるところでありますということについて御理解をいただきたいというふうに思います。
○山本(拓)委員 私は、被災者の立場で、要するに、緊急に人命救助を待つ被災者の立場、今回、もう一カ月たちました。一カ月たちまして、いろいろ現場の当時の問題が出てきておりますよ。だからそういう中で、やはり総理がそういう立場でありながら、きちっとやるべきことをやっていれば、まだまだ多くの被災者が救われた。そういう勧告できる立場にあった。
 しかも今までは、要するに、総理に権限がないとか、何か非常対策本部の緊急とかなんとか、緊急じゃないけどそういうものをつくって、ないとかいって、それに当日の十六時、ちょうど午後四時ですかあらゆる対策をとる、陣頭指揮に立つと言いながら、そして夜七時半になったらさっさと公邸に帰っちゃった。
 私は、そんな帰る時間があるならば、公邸に陣取って、そこまでおっしゃるなら中央防災会議の会長としての権限で、また立場で、地元の兵庫県知事に直接指示できる、勧告できる規定があるわけでありますから、それがないならそんなこと言いませんけれども、あるわけでありますから、どうしてそれを、あなたがここまでおっしゃるならば、万全を尽くしたとかあらゆる手段を講ずるとかリーダーシップをとるとおっしゃるならば、そういう規定のもとで、そういう立場のもとで、どうして中央防災会議を招集して、そして情報を直接収集する指示をしなかったのか。当時国土庁長官を派遣したって、そんなもの行って帰ってきて、次の日に何を受けたのか知りませんが、そんなことは電話で、またほかの情報は入るわけであります。
 ここに、その後いろいろな週刊誌とかマスコミなんかで当時のいろいろな現場の現状が報道されております。例えば、竹原弘茂さん、これは火災で奥さんを失われました。瓦れきの間から妻の苦しい、苦しいとの声が聞こえていた。火の回りが早くてどうにもならなかった。生きながら焼かれてしまった。六階建ての店舗兼住宅が崩れて生き埋めになった林さんなんかは、五十六時間ぶりにやっと救出されました。しかし、一緒に抱えていた子供はもう息が絶えてしまった。
 そしてまた、あなたが七時半にさっさと公邸に帰ってしまって、そして次の朝一番に陣頭指揮をとるのかと思ったら、官房長官を引き連れて財界人との朝食会をやっている十八日、要するに近所の住民による救出作業が始まった。土砂の下には二十人ぐらいの人が生き埋めになっている。相談の結果助かる可能性のある尾崎弘子さんを助けにかかったが、どうにもならなかった。手作業じゃ何もできない。消防士も午後二時ごろになって十人駆けつけたが、何も手段がない。やはりそういう現状の話が来ております。
 総理は、そういう現状の話、そしてまた私が特に申し上げたいのは、あなたは自衛隊の三軍の長であります。最高指揮官であります。あなたが指揮官を務める自衛隊に野外手術システムというのがあります。それは、いわゆる野外病院であります。
 今回の大地震の被災地周辺の病院は、ほとんど機能停止になっておりました。総理は遅くとも十七日の夕方の段階でその情報を得ていたはずであります。総理が指揮官を務める自衛隊が持っている野外病院システムを、例えば十七日に出動命令を出していたならば、これはあなたならできたのですよ。あなたなら直接、これは自衛隊の要請はいわゆる知事だということで手を放しておられますが、これは知事が、あなたが勧告をして出動要請すれば即刻設置できたわけであります。
 ところが現実は、この野外病院システムというのは設置されました。これ、いつごろかといいますと、二十三日です。十七日に災害が起きて、そして一週間たった二十三日ごろにやっと、兵庫県知事は自衛隊にそんなシステムがあるとは気がついていなかった、やっと気がついて、そして要請して二十三日に設置した、一週間後に。被災者の立場からするとそんなもの、病院がつぶれた、何がつぶれた、どこの病院もない。
 大体、防災計画の基本は、それは総理が立てさせておりますけれども、それは前提条件があるのですよ。その前提条件というのは、いわゆる職員がそろうこと、そういう公共施設がつぶれないこと。そういったものが前提条件となって、今回、兵庫県の地域防災計画なんかにおきましては、震度六以上の地震が来た場合には、職員体制は第三号体制、第三号体制というのは全職員六千八百人を招集する、そのもとでの計画ですよ。ところが、実質的にはその一割、数十人しか出てきておらない。そんな状態の防災計画でやらせておいて、これはすべて機能をうまくやれと言ってもうまくいくはずがないじゃないですか。
 結局私が申し上げたいのは、あなたの立場でできたことは、総理は自衛隊の三軍の長であり、自衛隊が持っている野外システムをあなたが指示をする。指示ができたら二十三日を待たずとも、十七日の深夜、遅くとも十八日の早朝にはその野外病院なるもの、立派な施設、それはできたのです。
 それが拠点となって、やはりいろいろな機能、システムがありますから、注射器とか滅菌室とかそういったものがあれば、たとえ一人でも助けられたのではないか、たとえ一人でも助けられる可能性があったのではないか。それをどうしてあなたはやらなかったのか、指示をしなかったのか、それをあなたは指示をしたけれども知事は受けなかったのか、どちらですか。
○村山内閣総理大臣 それは私はやはり、自衛隊も正式に兵庫県知事から出動の要請があったのは十時だと聞いていますけれども、もうそれ以前からやはり自衛隊は自衛隊なりに必要な初動の行動は、これは十分であったかどうかということを問われれば後からいろいろな意見はあるかと思いますけれども、それなりに私はやれることはやっていただいたというふうに思っていますし、それぞれ所管の大臣がおられて、そしてその所管に関することについては所管の大臣の責任においてやられていることでありますし、その全体の統率はもちろん総理大臣を中心に内閣がとりますから、最終的なすべての責任は総理大臣にあると私は自覚していますよ。
 しかし、野外病院がどうのとか、それからスイスから犬が派遣をされてきた、派遣されてきたその受け入れが遅かったじゃないか、そのときなぜ総理大臣ははっきり指示しなかったのか、こう言われれば、いやそれは私は承知しておるなら直ちに、そんな手続はどうでもいいからすぐ入れてやりなさいと言ったかもしれませんよ。しかし、それはやはり所管大臣のところでやっていることであって、それが来たから直ちに私のところに話があって指示を仰ぐといったようなものでもありませんから、それは行き届かない点が多々あることは私は御理解をいただけるのではないかというふうに思いますね。
 しかし、やり尽くすことがあったのにもかかわらずやり尽くせない点もあったではないか、こういう御批判がもしあるとするならば、それは私は謙虚にやはり聞くべきことは聞かなきゃいかぬ、こう思っております。
○山本(拓)委員 そうすると今のお話だと、あなたの立場でそれを前もって知っていたらやっていた、しかし知らなかったからやらなかったということでよろしいですね。
○村山内閣総理大臣 いや、誤解されるといけませんが、知っていたらやったけれども知らなかったからやらなかったというようなことではなくて、行政の仕組みというものは、これだけ各大臣がおられて各省がそれぞれ所管をする事項を管轄をしてやられておる、その末端に至るまですべてのことを私が承知をしておって、そして指示をしているというような性格のものではないということについては、これは私は御理解をいただけると思うのですね。
 しかし、全体としてまだこういう欠陥があった、やるべきことをやらなかったじゃないか、こういう批判があるとするならば、それは最高責任者としてその批判に対しては謙虚に私は聞くべきものは聞かなければならぬ、こういう気持ちでおりますということは率直に申し上げているわけです。
○山本(拓)委員 これは平時の話を言っているのではないのです。緊急事態なのです。だから、緊急事態で、もう一遍確認しますけれども、あなたは十七日の四時に……(発言する者あり)ちゃんと聞きなさい。十七日の四時に、あらゆる救援対策をすると約束された。私が申し上げたいのは、その七時半にあなたは公邸に帰るぐらいだったら、そこで中央防災会議を開いて、そして広く、何ができるかということを――一人でも多く、一日も早く人命救助をするという宣言をしたわけでありますから。あなたの持てる権限がないのなら言わないけれども、あなたの権限があるわけでありますから、災害対策法十三条であるわけでありますから。それを知らなかったから言わなかった、それではあなたの政治責任は免れないですよ。そんなことで済むと思いますか。
○村山内閣総理大臣 もうそれは何度聞かれても同じ答弁で終わるわけでありますけれども、言われている意味がどうも私には正確に理解できないところもあるのです。ただ、究極的に最高の責任が私にあるということは十分自覚をいたしております。それぞれ所管の大臣が所管の所掌についてはやっていただいておりまするし、そして、緊急対策本部においていろいろあった問題については報告を聞いて、そして全体として取り組む必要のある問題については全体として取り組めるような指示をする、個々の所管でもってやれる範囲の問題については個々の所管大臣の責任でもってやっていただくというようなことの区分けもしながら全体として取り組んできた、こういう経過については御理解をいただきたいと思うのです。
 私は、これまでの経過を振り返ってみて、今度は、それはいろいろ言われればたくさん問題はあると思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、内閣に非常災害対策本部をつくって、そして同時に、それを全体としてバックアップするために緊急対策本部を私が本部長になってつくる、そして専任の担当の大臣も決める、そして現地にも、直ちに即応できるようにするために、各省から派遣をされた担当者を含めて、国土庁の政務次官を本部長とする現地対策本部もこしらえて、そして地元自治体と一体となって取り組めるような体制をつくったということについて、私は、いまだかつてない取り組みをしてきたのではないか、こういうふうに思っております。
 しかし、それにしても、いろいろな角度から見ればまだまだ欠くる点やら問題点はたくさんあるというふうに思いますから、そういう点について御注意をいただいたりあるいは御批判をいただく点については謙虚に聞きながら、直せる点は直して、そして万全が期せられるような体制というものをとっていく必要がある、こういう気持ちで取り組んでおるということについてはぜひ御理解を賜りたいというふうに思います。
○山本(拓)委員 できないことをやらなかったからけしからぬということは言っていないのですよ。
 では、ここで確認しますけれども、要するに、十九日に緊急対策本部、確かに開かれております。これは法的に根拠のあるものではありませんね。これはどういう性格のものですか。
○村山内閣総理大臣 非常災害対策本部、これはちゃんと基本法に基づいて設置をされておるわけです。そして、それを内閣全体としてバックアップをするという意味で、閣議で決めて緊急対策本部というものを設置をしているわけです。ですから私は、閣議で決めたことについてはそれなりのやはり根拠は十分持っているものだというふうに理解をいたしております。
 それから、誤解をされると困るのですけれども、私は公邸に帰ったらもう何もしていないというのではなくて、これは官邸も公邸も同じようなもので、それは公邸におったからもう休んで何も関係なくておるのだなんということではなくて、絶えず連携をとりながら、公邸の会議室を使って会議をやることもありますし、それはもう常時公邸も官邸も使われておるというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。
○山本(拓)委員 今公邸で会議をやることがあるとおっしゃっていますけれども、じゃ、十七日に七時半に帰られて、公邸で会議はありましたか。
○村山内閣総理大臣 会議をやる必要がある場合には、公邸で会議をやることもありまするし、私が公邸からまた官邸に出ていくこともありますし、それはそのときの状況によって対応していくことはもう当然であります。
○山本(拓)委員 そうすると、総理のお話だと、必要があれば会議をやることがあるとおっしゃっていますが、じゃ、当日は必要がないと思ったから中央防災会議は開かなかったということですか。
○村山内閣総理大臣 一問一答してもしょうがないと思いますけれども、そういうものですということを私は申し上げているわけですよ。だから、その日に公邸で会議をやる必要がなかったからやらなかったというのではなくて、それは、私は官邸に出ていった、そしてそれなりの相談にも応じたし、連絡もとり合っておる。これは、電話で連絡をとる場合もありますし、それからまた必要があれば私が官邸に出ていくこともありますし、それから公邸で会議をやることもありますというふうに申し上げておるんですよ。
○山本(拓)委員 だから、私が申し上げたいのは、何遍も言いますけれども、公邸に帰られるのはそれは帰られるで、仕事できるならできるで、我々も宿舎へ帰っても仕事できますから。しかし、今おっしゃったように、公邸に入られて、私は必要があったのではないか。当日手続的にも本来中央防災会議を開いて諮問すべきが、これは緊急だから後回しにした、それはそれで結構です。
 しかし、その日のうちに中央防災会議を開いて、メンバーは閣僚クラス、限られた人たちですから、それは本人が来なくても代理を来させればいいわけでありますから、そこで開いて、あなたが、権限がある、責任がある、いわゆる中央防災会議会長としてどうすべきかと諮問できたし、語れたし、情報収集できた。それは必要でないからそういう会議を開かなかったとあなたは言わんばかりのことをおっしゃった、それはけしからぬじゃないかと、そういう人には総理の資質がないということを私は申し上げているわけであります。
 だから、今後、あしたまた同じことがどこであるかもわかりません。福井であるかもしれませんし、大分県であるかもしれません。しかしながら、そのときも結局一緒で、今までのように地域の防災計画に任せるわけですよ。地域に防災計画を任せていたって、大体この災害基本法なんというのは伊勢湾台風のときをきっかけとしてできたわけでありまして、伊勢湾台風をきっかけとしましたから、大体この計画なんというのは、どこから台風が来るか、被害が来るか水害が来るか状況把握できるから、その前提条件はすべて、こんな震度五も六も超えるような、一遍にばあんと壊れてしまうような、そんなものに対応していないのですよ。それをわかりながら、あなたはすべてそれに基づいてやらせていた。それはあなたの問題だ。
 それがいい証拠に、自衛隊のいわゆる救援システムはいろいろあります。東海地震対処計画というのがあるのですね。東海地区とか南関東地区は別に定めていますね。それによりますと、これは震度六、関東大震災クラスのという情報を聞いただけで自衛隊が五万人緊急出動するシステムができております。これは、予知ができると前もってわかっていて、地震が来るぞと前もってわかっていたときでさえ五万人ぐらいの自衛隊が必要だという計画を、中央防災会議会長であるあなたのもとでつくっておられます。
 それならば当日だって、震度六とか関東大震災並みの地震が、兵庫県の住宅密集地に直下型が来たという情報を知ったら、それ以外の情報は要らない。あなたのやるべきことはまず、これは大変な災害を及ぼすことはもう今までのあなたが計画を立てたそれで明らかなんでありますから、これは一日も早く自衛隊を派遣すべきだ、何を派遣すべきだ。それは知事に権限を与えておりますが、知事なんというのは、要請するにしても、これはいろいろな諸手続、情報を把握してそれを出さなければなかなかできない。それは的確に対応できないのですよ。
 そういう状況というのは、大震災が発生したときの初期の場合、この災害対策基本法で賄える、適切に対応できるとずっと思っておられたのですか。
○村山内閣総理大臣 ちょっと中央防災会議のことについての質問もございましたから、これは私が私の判断でやったことですのでね。
 中央防災会議というのは、災害対策にかかわる重要事項を審議の上、決定する場としての性格が強いのですよ。ですから、中央防災会議というのは、例えば関東大震災の経験を踏まえて震度五の地震があった場合にどういうふうに対応していくかといったような防災対策の計画をつくる、こういう性格が強いわけなんですね。
 したがって、今回の場合は中央防災会議を開いて云々というよりも、災害直後の応急対策には非常災害対策本部によって対処することの方が緊急であるし、適切である、こういうふうに判断をしたので、中央防災会議を開かなければすべてが決められぬし、すべての指示ができないというのでは、これはもうその間の時間というのはもったいない話ですから、したがって事後承認を得たという経過があるので、この点についてはそのように私は御理解をいただきたいというふうに思うのですね。
 これは、御指摘のように、言えばいろいろ言われる点もたくさんあろうかと思いますよ。しかし、私は私なりに責任を持った立場で全力を尽くして、やらなきゃならぬこと、やるべきことはやってきたつもりでありますけれども、しかし、さっきから申し上げておりますように、いろいろな角度から見て、これだけの犠牲者が出たのですから、どこかにやはり問題点があったのではないかというので、謙虚に反省をするところは反省をし、見直すところは見直して、今後に備えていくということが大事ではないかというふうに思いますから、そういう気持ちで、当面緊急に今の制度の中でやれる範囲のことについてはやれることにしようではないかというので、先般の閣議でお決めをいただいたわけです。
 同時に、これから中長期にわたって、やはり地震列島である日本の場合にこのような災害が起こる可能性がある、その場合の対策というものをどう講ずることが一番いいのかというようなことについては、もう少し時間をかけて、専門家やら国民の皆さんの意見も聞きながらやるために防災臨調といったものも考えて、これから十分備えをしていこう、こういう話もしておる状況でありますから、その点についても御理解を賜りたいというふうに思います。
○山本(拓)委員 手続で振り回されているような気がするのです。
 私が申し上げたいのは、政府の危機管理を聞いているのです。というのは、何遍も言いますけれども、あしたでもあさってでも同じ震災があったら、結局同じ被害が出るんですよ、あなたの言うように初めての経験でございますからということであるならば、そんなので通るのなら。通るわけないんですよ。リーダーが初めての失敗は許されるということであれば、これはだれだって初めてばいいんだという話になっちゃうんで、それはだめなんですよ。
 だから、初めの失敗、あなたが見直すと言うのは、もう失敗だったという、一部認められたと思われるわけでありますから、そういった感覚でいきますと、あなたはそれは当然責任をとるべきだし、私は、逆に言うと、政府の危機管理で法的にできないことは結構ありますから、これは直していかなければならないと考えていたのです。
 しかし、それには時間がかかるし、あしたのことを考えた場合に、今の枠組みの中で、総理大臣として一番権力者であるあなたが、早急、緊急に対応できて一人でも多く助け出せる何かシステムはないだろうか、何か今の現行枠組みでないのかなというふうに考えて、ちょっと調べてみたら、この災害対策基本法というもので中央防災会議の会長としてそういう権限がある、知事に対して勧告できるということ、これはもう総理も先ほどの答弁で、それは知っているということですね。
 それで、今までの一連の議論でいたしますと、非常災害対策本部を設置して、そして、その長は国務大臣でしたから、当初は国務大臣にさせました。そのときは国務大臣が責任者だから、あなたは、バックアップ体制とはいえども、それは法的権限がいわゆる具体的にはないわけでありますから、そこはなかなか、権限も強めるべきだなと。これはもっと緊急とか、法的に強いものを何でやらなかったのかなと思ったのですが、逆に考えると、そんなことをやらなくたって、中央防災会議の会長としてそういう権限があったわけであります。しかもあなたはそれを認めている。
 そしてそういう中で、例えば具体的に、一日も早い、二十四時間以内に人助けをする、人命救助をするとあなたは明言されて、そしてあなたのできることは、あなたの国民に当時約束したあらゆるできることのその中には、あなたが総理大臣として、そして防衛庁というか自衛隊の三軍の長としてあなたが指揮権を持っている、その中に、それもこの野外病院システムというのは、以前の湾岸戦争のときに、大変そういう災害のときに必要だと話題になった。まあ、あなたは当時反対してやっていましたからそれはどうか知りませんけれども、そのときに議論になって、そういういいシステムがあるというのに、あなたはできる立場なのに、その当時公邸にさっさと、帰るのは構いません、じゃ、公邸でも中央防災会議を開いて、そしてこういったものを設置すべきだということをどうして指示しなかったのですか。
 それは知らなかったからできなかったのですか、最初からする必要性を感じなかったのですか、どっちですか。
○村山内閣総理大臣 野外病院をなぜ設置をしなかったのか、そういう指示をしなかったのか、こういうことについて今ここで私に問われても、それは現地の状況というものが正確にとらえられて、どういう部隊をどういう役割を持って派遣することが必要なのかというようなことは、やはり現地と十分連携をとり合った上での話でないとなかなか私は対応できない面があったと思いますよ。しかし、それなりにあるいは自衛隊は自衛隊でやはり必要な行動はとってきたというふうに私は思っております。
 しかし、結果から見て指摘をされれば、先ほど来申し上げておりますような問題点もあると私は思いますけれども、やはり一番大事なことは、地震があった場合に、震度五とか六とかマグニチュード何ぼとかいうようなことだけではなくて、この地震が起こったとき現状がどうなっておるかということの実態を正確にとらえて、そしてそれに必要な対応が直ちにとれる、こういう手の打ち方ができるような状況をつくっていくことが大事ではないかというふうに私は思います。
 それから、総理大臣として、内閣で問題点があったり欠点があったり何か問題があるとすれば、それはもう最高責任者である私にすべての責任があるということは十分自覚をして取り組んでおるつもりであります。
○山本(拓)委員 責任があるとおっしゃったんだからそれでわかりましたけれども、私が申し上げたいのは、もう一遍確認しますよ、別に言葉じりでない、そこはあなたの政治姿勢として私はきちっと聞いておきたいのです。
 今あなたは野外病院システムについて、それは地域の状態とかどういうものが必要かとか、そういう情報収集が必要があるとおっしゃっていますが、あなたの立場では、直接知事に聞くことが、勧告できる、指示をできる。また向こうに、どういう状況だという報告をするのが地域防災計画では義務になっていますから、それは早く報告しろという指示もできる。そういう権限は、あなたにしかいないのです、あなたは会長ですから。
 だから、あなたがそういうものを法的に持っていながら、そして直接聞くこともできた。そして当時の状況、防災計画、何遍もしつこいこと言いますけれども、当時の被災者、人命救助の、助ける拠点は病院なんですよ、公的病院。それは壊れないという前提になっているのですよ。しかし、現実にはこれはもう地震の場合は破壊されちゃって機能が果たせなかった。
 そんなものだれが考えたって、情報を集めるまでもなく、自衛隊に対してどういう機材が必要かと言うまでもなく、自衛隊はこれはワンセットで手術台から滅菌車からすべて、衛生補給車から何から一式、もうコンパクトで用意されているわけですよ、いつでも持って運べるように。何が必要なのか、注射針とこれが必要なんて言う必要はないわけで、ワンセットを、医療システムが必要だということでわかっていたわけですから、あなたの権限であなたが即座にその場でやれば、そしてできたわけですよ。それをどうしてあなたはやらなかったのか、再度お尋ねします。
○村山内閣総理大臣 それは、テレビのニュースを見てすぐ知事に電話をかけて、そして知事と連絡をとって必要な指示をするというようなことができればよかったかもしれないと思いますね。しかし、現地のやはり混乱もあったと思いますから、したがって、私は、何よりも責任者が現地に行くことだというので直ちに国土庁長官を現地に派遣をするように指示をして、そして現地と十分連絡をとった上で対応ができるようにしてほしいというようなことも指示をしてきたので、それは結果的に見て、知事に電話をして、そしてすぐ野外病院をつくったりなにかすればもっと助けられたじゃないかという意見があるとすれば、それは意見として承っておきたいと思います。
○山本(拓)委員 今のお話だと、当時は現場が混乱して連絡がとれなかったとおっしゃいましたけれども、先日官房長官に、当日知事に連絡とれたかと言ったら、昼ごろ連絡をとって頑張れと言いましたと言いましたよ。官房長官がとれたのに何で総理がとれないんですか。
○村山内閣総理大臣 それは私がかけるも官房長官がかけるも同じで、これは内閣を代表してそれぞれやられているわけですからね。ですから、官房長官がかけたのになぜ総理がかけなかったのか、こういうお話ですと、それはそれなりの意見として私は承っておきます。
○山本(拓)委員 いや、私がこれを確認したのは、物理的に現実的に遮断されて、絶縁状態で不可能だったというなら言いませんけれども、可能だったということはお認めになった。可能だったのにそれをしなかった、その必要性がなかった、それはちょっと責任があるのではないかということを申し上げているわけでございます。
 それをやっていれば一人でも、五千四百名を超える、それはどれだけの人命を救えたかわかりませんが、あなたがあらゆる手段、あらゆることをということで、その中にそういう方法は一つ明確にあった。それは、平時のときに総理大臣にそんなことをしろなんて言いませんよ、だれも。言いませんよ。しかし、そういう緊急時にそれができるのはあなたしかいないということですから、できるのにできなかった、その責任は私はあるというふうに考えております。
 ちょっと、時間が参りましたので、次のバッターにかわらせていただきます。ありがとうございました。
○佐藤委員長 この際、石破茂君から関連質疑の申し出があります。山本君の持ち時間の範囲内でこれを許します。石破茂君。
○石破委員 要するに、今回の阪神大震災の教訓とは何だろうかということを我々はみんな謙虚に考えなきゃいかぬことだろうと思っています。何を学べばいいのか、何が我々に突きつけられておるのかということだと私は思います。
 要するに政府というものは何をするためにあるのか、当たり前の話ですが、その当たり前のことが今問われているのではないか。政府とは何であり、内閣総理大臣とは何であるかということ、それが突きつけられている問題だと思います。
 つまり、政府というのは、最終的には国民の生命財産をいかにして守るか、これが究極の仕事である、究極ですよ。そのために我々は、どういう政府をつくり、どういう方にそれをお預けするかということをみんなが考えていかねばならぬ、国民全部が考えていかねばならぬ、そういうことなんだろうなというふうに思っております。
 いろいろな論説を読みますと、今の時代というのは大正年間に似ているんじゃないかという方があります。総理もあるいはお読みになったことがあるかもしれません。つまり、大正時代に起こったことと今とかなり似ているねということであります。
 つまり、大正時代には、第一次世界大戦が起こった。それは遠いヨーロッパで起こったことですから、日本の国は余り関係がないので、いろいろなものを売りまくって大変ないい景気になった。成金なんぞというのが出たのはそのころの話であります。ところが、戦争が終わった途端にがたんと不況になって、大不況というものが起こった。そして、富山で米騒動が起こったのもそのころのお話であります。軍縮軍縮の呼び声が高くて、ワシントン会議なんぞというのが開かれたのもそのころのお話であります。
 そして関東大震災というのが起こる、大正十二年のお話ですね。そして、その後何が起こっていくかというと、強烈な政治不信が起こる。政治家なんというものは信用ならぬ、政治家はみんなろくでない、こういう話になる。行き着く果ては、五・一五が起こり、二・二六が起こる、こういうことになる。
 別に牽強付会的な議論をするつもりはございませんが、起こっていることというのは似ているんじゃないか。つまり、冷戦構造のおかげで日本の国が漁夫の利を得たということは、これは間違いない事実である、そうだと思います。そしてまた、冷戦構造の終わりとバブルの崩壊というのは決して全く無関係だと私は思っていない。そして米不足というのが起こり、そしてまた軍縮予算ということが起こって、そして阪神大震災害。何もそれが必然的に結びついているとは思いません。
 しかしながら確かなことは、いろいろなこと、大震災そしてまた大飢饉、そういうものは必ず起こるものである、天変地異というのは必ず起こるものである、これは真理だと思いますね。
 そしてまた、近隣の大国に政変が起これは、これは世情、世界情勢が不安定になる、これも真理でありましょう。そしてまた、軍縮をやりますと、必ず抜け駆けする国が出てくる、これも真理なんですね。
 いろいろなことがそういう連鎖の上に起こってくるとするならば、最終的に起こることもまた必然性なしとしない。やはり根底にあるのは、政治なんというものは信用ならぬねということがあるんじゃないかというふうに私は思っておるのであります。
 さて、総理にお尋ねをしたいのですが、先ほど来山本議員がるるお尋ねをしております。山本議員がいろいろおっしゃっておられるのは、要は、政府とは何だ、政治とは何だ、最高責任者である内閣総理大臣とは何だという問題であります。
 私は、これを一度お尋ねをしたいと思ってとうとう今日まで機会を逸してしまいましたが、総理の七月一日の内閣総理大臣に御就任になって初めての記者会見であります。
 私は、今回の震災のニュースを見たときに、たまたま選挙区におりました、大変な揺れでございました、これは震源地は物すごいことになっているんだろうなということを直観いたしました。すぐテレビのニュースをつけた。六時のニュースです。知ったのは総理と同じ時刻ですね。一般の議員と総理と、同じ時間に知っている。そのことを別に私は悪いとは言わないのです。
 私が直観しましたのは、総理が七月一日の記者会見でこういうことを言っておられる。記者団から、PKOの問題ですが、法案の採決に対しまして、総理初め社会党議員の方々が反対されたり、もしくは議員を辞職されたという過去の経緯があったわけですが、その総理が今度自衛隊の最高指揮官になる、こういう問いがある。
 総理は、それに何とお答えになったかというと、最高指揮官じゃないですと明確にお答えになっていらっしゃいますね。なるということですが、そのことについてどう考えられていますか。記者団も余りびっくりしたのか、その後追及をしていませんが、私これは文章で読んで、もう一度総理の記者会見のビデオを見直したのです。総理の記者会見、私、ビデオに撮りました。見直しました。確かにこのようにお答えなんですね。
 そして、大変失礼な話でございますが、総理、ずっとにこにこ笑みを絶やさずに御答弁になっておられた。そして、あなたが今度最高指揮官になるということについてどう思いますか、最高指揮官じゃないですということをおっしゃって破顔一笑なさっているのです。このことを私はすぐに連想したのです。
 野外病院がどうのこうのという議論、そのことに自分は直接関与もできないし、そういうこともあればあるかもしらぬ、そういう御答弁でございました。
 しかし、湾岸戦争のときに、私、自由民主党におりました。自由民主党の中でさんざん議論をされたのは、こういうときに役に立つ組織は何なのかということだったのです。自衛隊を出すわけにはいかない、そういうわけにはいかない。では、何ができる。自己完結型の組織でなければいけない。自分で何から何までできるものを持っていかなければ、こういうときに役に立たないんだ。そういう組織を持っているのは自衛隊しかないであろう。自衛隊のそういうような組織を派遣することができるか、できないかということがあのときに一番の議論になった。そのことをよもや総理が、自分は社会党であったから知らない、そのようなことは私は思っておりません。
 今ごろそのことを蒸し返すかと言われるかもしれませんが、私がどうしても得心がいかないのは、七月一日の記者会見で、あなたは最高指揮官になるということをどう思いますかということについて、最高指揮官じゃないですと明確にお答えになり、破顔一笑なさったというのは、これは一体どういうことであるのかということであります。
 それで、内閣総理大臣がオールマイティーだとは思いません。スーパーマンだとも思いません。私に何もかも要求されても、それは無理だ。さっきから組織だ、組織だ、政府の組織だというような声があちこちから上がっていますね。確かに組織なんですよ。独裁国家でもありません。しかしながら、総理大臣が自衛隊の最高指揮官であるということを認識なさらずに、そのことを御存じなく総理大臣に御就任になった、これは一体どういうことであるのかということなんです、私が問いたいのは、基本的な認識として。
 そして、それはかなり恐ろしい話だと思うのですね。総理大臣が自衛隊の最高指揮官であるということが、これは自衛隊法にきちんと書いてございます。よもや御存じなかったわけではないでしょう。そしてまた、憲法の中にも、内閣総理大臣その他国務大臣は、文民でなければならない、そういう規定がある。護憲の旗を高く掲げられた総理が御存じないはずはない。六月三十日に認証式が済んでいるのです、七月一日、その次の記者会見でそういうことをおっしゃった。
 私は、総理大臣というのは幾つもの顔を持っていますが、一つは行政の最高責任者という顔ですね、当たり前の話。もう一つは、それともちろん密接に連関を持つことですが、自衛隊の最高指揮官であるという顔を持っておって、それがシビリアンコントロールの根幹であって、一番それが大事なところじゃないか。過去の大戦の、あれを繰り返さないために、絶対そういうことがあってはならない、これが我々日本国民の一番の平和のよすがとするところじゃないか。そのあなたが、総理大臣が、指揮官じゃないですとお答えになっているというのは、これはどういうことですか。御存じなかったのか、照れてそうおっしゃったのか、どっちですか。
○村山内閣総理大臣 それは、そのときの雰囲気もございましたので、照れて言ったというふうに私は思い起こしておりますけれども、これはいやしくも記者会見の席ですから、自衛隊の最高指揮官であることには間違いないので、これは改めて訂正をさせていただきます。
○石破委員 私は、照れたというお話、本当にそんなことがあっていいのかということなんですよ。そういうようなものなのかということなんですよ。(発言する者あり)素直に謝ればいいってものじゃありません。それは、新しく就任された総理大臣が、今まで反対を唱えてこられた。細川内閣の閣僚としては合憲だと思います、しかし、個人に戻ればそうではありません。総理はそのとき閣僚でいらっしゃらなかったからそういう御答弁をなさっていないけれども、そういうような社会党の方が、今度総理大臣になられた、自由民主党さんとさきがけさんが推されて総理大臣になられた。じゃ一体どのように国防政策が変わっていくのだろうか。自衛隊をどのようにお使いになるだろうか。この強大な軍事組織というものをどのようにコントロールされていかれるか、一番大事な点なんです。
 今回の災害について自衛隊をどう使ったかということが問われているけれども、根底にあるのは、総理大臣が自衛隊の使い方について、どれだけの認識をお持ちになって、どれだけの見識をお持ちになって、それまで知らなかったにしても、総理大臣に御就任になったその日から、自衛隊法を全部読み、憲法をみんな読んで、そんなことができるかじゃ済まないのです。総理大臣そんなに暇じゃない、そんなことは通用しませんよ。そのことが一番の根幹であるにもかかわらず、私はその場の雰囲気で、照れたものだからということで通用いたしますか。
○村山内閣総理大臣 いやいや、ですから、それは総理に就任した記者会見の席上で言うべきことではなかったと、改めてこれはここで訂正をさせていただいておるわけですから、御理解をいただきたいと思うのです。
 それから、社会党も従来から自衛隊は違憲という立場をとって反対をしてまいりましたけれども、しかし、国土の保全とか防災とか、そういう問題についてはやはりもう少し自衛隊の役割と任務があっていいんではないか、むしろ、そういうところにこそ自衛隊の役割を果たしていくべきではないかというようなことは一貫して社会党は主張しておりましたから、したがって、その限りにおいては、私は誤りはなかったというふうに思っています。
 それから、埼玉県てたしか九月一日に防災訓練がありましたけれども、そのときも私は長として参加をさせていただきましたけれども、ふだんから申し上げておりますのは、やはり、そういうブロックならブロックを範囲にした防災訓練というものに対して、警察も消防も自衛隊も全部参加をして、そして常に連絡がとり合えて共同で対応できるような訓練というものをふだんからしておくことが必要ではないかというようなことは、強調してこれまでも申し上げてきたつもりでありますから、その点については誤解のないように御理解をいただきたいというふうに私は思います。
○石破委員 私は、誤解をして物事を申し上げておるのではありません。素直にお認めになりましたから、これ以上の追及はいたしませんけれども、総理の言葉とはそれほど重いものだという認識なんです、大事なのは。
 総理は、いろいろと答弁を訂正をなさいますよね。自分の真意はそうでなかったというようなことをおっしゃることもあります。混乱したのは私じゃないよ、朝早くて、初めてのことで、混乱をしたのは私じゃないよ、私は万全のことをやったんだよ、混乱したのは現地なんで、現地から情報が上がってこなかったんだよ。私は、総理はそういうふうに答弁をくるくる変える方だとは思わないのです。総理の御自身の認識の中にも、自分にもそういうこともあったかもしれないな、あの答弁は何度読んでもそうとしか思えないのですね。それはおまえの誤解だと言われればそうかもしれない。あえて追及はいたしません。
 しかしながら、問題は、我々国会議員全体が、もう共産党さん以外は自衛隊認めないのはないわけですよ。全部認めているんだ。
 これは社会党委員長としてお尋ねしますよ。それぞれの地域でいろいろな行事を自衛隊がやっていますね。防災訓練だけじゃありませんよ。どの基地でも、どの連隊でも、必ず何周年記念というのはやるんですよ。自衛官というのは本当に我々のために――一番戦争が嫌いなのは自衛官ですね。一番最初に行って傷つくかもしれない。死ぬかもしれない。だけれども、自衛官に任官するときには、そういうものを恐れず私は日本国憲法を守ってきちんとやります、そういう宣言をしている。だから、国民の皆さんのためであれば、我かはそういうことをいとわないということで、連日連夜一生懸命頑張っている、そういうような自衛官や、そしてまたその無事を願いつつも頑張っている家族の皆さん方がおられるわけです。
 そういう自衛隊の行事というものが北海道から九州、沖縄まで全国あちこちありますね。私も国会議員にならせていただいて以来、ほとんど欠かすことなく必ず出ている。そして、皆さん方本当にありがとうございますというふうなお礼を必ず申し上げている。今まで一度も社会党の方はお出ましになったことがない。村山連立内閣になってからもお出ましになったことがない。総理大臣だけが観閲式にお出になる、観艦式にお出になる、それだけじゃだめなんですよ。本当に社会党の皆さん方がそういう行事にお出になり、皆さん方ありがとうよということを言っていただかなければ、これはできないことだと思っているのです。それぞれの……(発言する者あり)いや、私は社会党の委員長としてお聞きしているのです。そのことはいかがですか。
○村山内閣総理大臣 いや、私が社会党の委員長として総理に就任してから、社会党の昨年の九月三日の全国大会で、自衛隊は合憲というふうに方針を変えたわけですね。確認をしたわけです。それ以後、観閲式もあったし、観艦式もありました。それには社会党の議員も出席をしておりました。ちゃんと私は見ております。それから、九州のそういう集会にも社会党の議員も出ています。ですから、社会党は方針を転換してからそういう会合にも積極的に社会党の議員も参加をするという状況になっていることについてはお認めをいただきたいと思います。
○石破委員 そうであればまことに結構なことでございます。総理大臣だけではなくて、本当に地方組織に至るまで、これは与野党関係なくやっていくべきことである。社会党委員長としてそのことも御指示をいただき、本当に理解をすることが必要だと思っているんです。
 今回、地域で自衛隊と共同訓練がきちんとできていなかった、これも反省すべき点の一つだといふうに言われますね。しかしながら、過去、今の総理じゃないですよ、過去、社会党として自衛隊というものを認めないことによって自衛官の入学は許さないとか、その子弟に対して先生が不当な扱いをするとか、そういうことがあった。そういうことが私は一つの根底に流れているんじゃないか。今、情勢は変わったからいい、そんなものじゃない。今、自衛隊というものを、本当に困ったときの自衛隊頼みみたいな話になっていますが、有効にきちんと活用できなかったその裏には、やはりそういうような従来の社会党の姿勢もあながち原因なしとしない、私はそのように考えますが、社会党委員長としてどのようにお考えですか。
○村山内閣総理大臣 全国的に、状況によって違うと思いますけれども、労働組合がすべて社会党と一体のもので、社会党の指示どおり、社会党の方針どおりに動く組織でないことは皆様も十分御理解をいただけると思うのですね。したがって、個々の労働組合の方針に基づいて違った行動をとるようなところもあるかもしれませんよね。
 しかし、少なくとも社会党は自衛隊は合憲であると認めた。それから、日の丸も、私は先般の委員会で御答弁いたしましたように、もう国民のコンセンサスも得て、一応国民全体が認めておるという状況にある、それは素直に受け入れるべきだ、こういう意見も申し上げましたね。したがって、全体として、私は社会党としては状況は変わってきておるというように思います。
 しかし、今も申し上げましたように、労働組合が全部社会党と一体のものであるとは思ってませんし、それは社会党とは違った方針を持っている労働組合もおるわけですから、したがってそこまでの責任は持てませんけれども、しかし社会党に関する限りは、そういう決定した方針に基づいて行動はとられておるというふうに私は受けとめております。
○石破委員 私は、個々の労働組合まで、委員長として指示を出してください、そんなことをお願いしたりお尋ねをしたりしているのではありません。つまり、過去そういうことがあった、自衛隊と一緒にそういう訓練をやろうという国民の意識がやや乏しかったことに社会党のそういう従来の姿勢が影響あったとするならば、そのことについての反省の弁が聞きたいんですよ。
○村山内閣総理大臣 政治的に、この平和憲法を持っておる日本の国の中で、さらに軍拡を進めようとするような動きに対して、これは違憲だからそんなことしちゃいかぬという立場で反対をしてきた。しかし、自衛隊員そのものを敵視をしてやってきたような動きというのは、それは全国的に、今申し上げましたように、それぞれ個々の労働組合の違いはあるかもしれませんよ、あるかもしれませんけれども、少なくとも自衛隊員やらその家族を敵視してやってきたような経緯を私は承知をいたしておりません。
 特に防災問題等については、むしろ積極的に参加をしていただいて、そして、地域は地域で共同して国土の保全なり防災についてはやるべきではないかというようなことをこれまで一貫して申し上げてきたことについては、私はここで責任を持って申し上げることができると思います。
○石破委員 いい方に変わったんですから文句を言おうとは思いませんよ。しかしながら、そうであれば選挙のときにきちんとそうおっしゃって変わっていただきたかったなというのが私の本当の気持ちなんです。
 民主主義というのは基本的に手続が大事なんですね。そのことを言われて、手続がけしからぬといって今の三党連立内閣ができたんでしょう、こういうようなやり方はけしからぬと。いろんなことがありましたね。福祉税のことがあったり改新騒ぎがあったり、いろんなことがあった。手続がけしからぬという声を随分と承りましたよ。しかしながら、私は、一番大事なのは選挙の手続だというふうに思っているんですね。選挙の手続、そのときに何をおっしゃるかということを私は、これ御答弁要りません、御認識をいただきたいというふうに思います。最高指揮官である、この認識をきちんと持っていただいて、どのように、自衛隊をどういうときに使ったらいいだろうか。
 今議論がたくさんありますね。例えば、何で消火剤をヘリコプターからまかなかったというような議論がある。これはもう御答弁要りませんよ。しかし、そうすると酸欠になっちゃって、もっと人が死んじゃうぞ、そんなもの出せないよ、こんな話もあった。また、反論があって、そんなことはない、燃えていることの方がよっぽど酸欠なんであって、早く消した方がよっぽどいいに決まっているじゃないか、そういう技術的な議論がいろいろありましたね。
 だけれども、そういう事細かいところまで総理大臣が御承知の必要はないけれども、どういうときにどういうふうに使ったらいいかということは、やはり内閣総理大臣というのは最高のオーソリティーでなきゃいかぬのじゃないか。責任だけとるためにいるとは私は思わない。最高指揮官と書いてあるのはそういうことなんです。
 総理がそういうふうにおっしゃっていれば何人救えたか、それはわからない。しかし、照れやそういうようなことで問題が片づくものではない。私は、これはいろいろなことの根幹にかかわる問題であるということですから、総理はこの場で訂正をされたということと、そのようにおっしゃってしまったことは照れであるというふうにおっしゃった、ここは確認をしておきたいというふうに考えております。
 さて、本題に移りたいと思います。
 行政改革と、そしてまた東京共同銀行関連のお話でございます。
 きのうもお尋ねがございました。吹田議員からお尋ねがございました。行政改革とは本当は何なんだろうかということであります。
 総理はこのことに内閣の命運をかける、村山内閣の最高の課題はこの行政改革である、きちんとおっしゃっておられますね。きのう、御答弁をなさっておられるんだけれども、それを聞いても何のことだかよくわからない。理念は何だ。
 よく、消費税を上げる前に行革である、こういう御議論があります。それはまた、俗耳に入りやすい話だし、みんなみんな、そうだ、そうだ、消費税を上げるなんて言う前に行革をやれ、こういうふうにおっしゃるのはそうなんです。しかしながら、財政再建ということと行政改革ということは、当然のことでありますが、目的と手段の関係にあるものではありませんね。これは違う。明らかに違う。目的と手段、それは、結果的に寄与する部分はあるかもしれないが、手段と目的ではない。しかし、あたかも行政改革をやれば消費税のアップがとめられて、そしてまた財政再建へも大きく寄与するものである、そういうような幻想を国民に抱かせたところがあるのではないか、私はそのように思うのです。
 行政改革は、何を目指すものであり、そして最終的に何を実現しようとして内閣の命運をおかけになるのですか。
○村山内閣総理大臣 きのうも御質問がございましてお答え申し上げましたように、行政改革というのは、これは、経済も社会も時代もどんどん変わってまいりますから、その変わった経済なり社会の仕組みに簡素で効率的に対応できるような、そういう行政のあり方にふだんから心がけて改革をしていくべきものだ、こういうふうに私は端的に理解をいたしております。今あなたがおっしゃったように、結果的に財政的に寄与できる点が生じることも、それは当然想定せなきゃならぬというふうに私は思っています。
 今この内閣が取り組んでおりますのは、細川政権から、羽田政権から引き継がれてきた特殊法人の問題やらあるいは規制緩和の問題やら等々は、これはもう時代の一つの要請でもございますから、したがって、その時代の要請にこたえる内閣の責任というものはあるというので、これは、二年間でやるというものを一年間前倒しをして、一年間で特殊法人の問題については決着をつけていこうじゃないか。
 同時に、規制緩和の問題については、年度内に、これまで決まりました二百七十九項目の規制緩和、この具体的な実践がどうなっておるかということも十分点検を加えながら、これからさらに進めていく五カ年計画をつくって計画的に規制緩和を推進をしていこう。同時に、時代が変わっていって、必要なものもまた生まれてくるかもしれませんから、毎年毎年見直しも加えていこうではないかという方針も決めております。
 それからもう一つは、もう長年の懸案である地方分権というものは、これは推進をしていかなきゃならぬというので、地方分権の推進に関する法案もこの国会に提出をして、そして国、地方一体となって、地方分権が推進できるような情勢というものをしっかり踏まえてつくっていこう、こういうところに私は当面するこの内閣が抱えておる行政改革の課題があるというふうに受けとめております。
 同時に、情報公開というのは、これだけ情報通信が発達する世の中で、国民の皆さんにも十分その情報は知っていただく必要があるというので、情報公開も行革委員会に付託をして、二年以内にこの法案化ができるように段取りをつけてほしいということも要請をしてあるところであります。
 それで行革は終わるというのではなくて、ふだんから情勢の変化に対応して、今申し上げましたように、簡素にして効率的な国民の期待にこたえ得るような行政のあり方というものは、やっぱりふだんから追求をして、心がけていくべき性格のものだというふうに受けとめて、私どもはこれからも取り組んでいかなきゃならぬというふうに思っております。
○石破委員 プログラムはよくわかりますよ。要は、これをして消費税のアップを食いとめるとか、財政再建をやるとか、そういうようなことに直接結びつくものじゃないんだということなんです。確かに寄与する部分もあるかもしれないが、そういうような幻想というものを国民に与えちゃいけませんよということなんですね。村山行革がやらんとしているのはもっと大きなことなんだよということをどうやって国民の皆様方に認識をさせるかということなんです。
 行革はいろんな問題がありますでしょう。きのう指摘があったように、中央官庁の統廃合とか特殊法人の整理とか、地方分権もこれも連関するものでしょう。
 日本の公務員の数というのは、多いと思いますか、少ないと思いますか。
○村山内閣総理大臣 これは、一概に多いとか少ないとかいうことはなかなか申し上げられないと思いますけれども、国際的に比較をすれば、必ずしも多いとは言えない統計の数字が、ここでは申しませんけれども、出ておる面もありますね。もうそれは御案内のとおりだと思うのです。しかし、今申し上げましたように、可能な限りやっぱり抑制をしていく必要があるというので、毎年、総定員法も決めて、そして公務員の数というものは、これは地方公務員も含めて抑制する方向で努力をしておるということは、もう御存じのとおりであります。
 私は、この行政改革というものが、財政的に寄与できる、あるいは消費税を上げていただく前提としてこれだけのことを政府もやっていますというようなことを国民にPRするためにというだけではなくて、私は、税金を納めていただくという前提としては、政治に対する信頼というものがやはり何よりも大事ではかいかと。その信頼がなければ、納めた金が何に使われるかわからぬのに税金なんか上げられるか、こういう理解に立ては、これはやはりなかなか納税というのはうまくいかないと思いますね。
 したがって、国民から信頼し理解してもらえるような政治の姿勢というものは、常に政治を担っている者は心がけていかなければならぬ問題であるというふうに私は思っておりますから、そういう意味で、この特殊法人の問題やら規制緩和の問題やらあるいは行政改革、すべての問題について、やはり真摯な気持ちで取り組んでいく必要があるのではないか、こういうふうに理解をしているつもりであります。
○石破委員 そうですね。ですから、この間松田議員がお尋ねになったように、北鮮に十億ドル出すというのは本当に得心がいくかどうか私はわかりませんよ。そういうことはもう肝に銘じて答弁をいただきたいと思います。
 お尋ねしましたのは、日本の役人は多いか少ないかというお話をお尋ねしたのですね。人口千人当たり何人の、国防職員を除いて、公務員がいるのでしょうかということであります。日本の場合には千人当たり九・四二、イギリスは九・二九、フランスは三十七・六、アメリカは八・一六。同じく国防職員を除いて地方公務員を合わせますと、日本は三十三・五人、イギリスは十九・九人。サッチャー行革の成果ですよ。イギリスは物すごく多かったのです、何年か前までは。それがだあんと減ったわけですね。フランスの場合には相変わらず六十一・五人、アメリカは地方公務員を合わせちゃうと七十五・〇、こんな話なんですよ。
 それでは、日本の場合に、税金で雇用されている、そういう国家公務員というのは何万人ぐらいおりますか。細かい質問をするなというふうにしかられるかもしれないけれども、問題は、公務員、公務員といろいろなことを言いますが、国防職員というものあり、そしてまた郵貯、現業のように、そういうような上がりからやっているものあり、いろいろありますよ。一体何万人ぐらいそういう人がいるのかということについて、総理大臣、どういう認識をしておられますか。
○篠沢政府委員 急なお尋ねでございますので、私から申し上げさせていただきます。
 現在、国家公務員の定員は、平成七年度末の予定でございますが、八十四万八千人ということになっております。この中には自衛官は含まれていないという数字と承知しております。
○石破委員 要するに、一口に公務員と言ったっていろいろなのがいますよと。国防職員、郵政、それから学校の先生、授業料も上がってきますよね、国立病院の職員の方、いろいろな公務員がいるのです。一体何をどうしようとしているのか。私は、意地悪な質問のようだけれども、総理にその数字をお尋ねしましたのは、一体どれくらいいて、これは多いのか少ないのか、外国と比べてどうなのか。
 行政というのはそんなに効率になじむ仕事じゃないですよね。どっちかというと、確かに、民間企業でもリストラをがんがんやっている、政府は何だ、国家公務員は何だ、公務員は何だ、そうしかられることがあるけれども、効率を中心にして追求していくものとは違うはずなんですね。ある意味、公務員の仕事というのは効率よりも画一になじむという性質を本質的に持っているものなんです。
 どういうような対象の人たちをどうしようとしているか、そしてそれによって日本の経済をどうしようとしておられるのか、それが明らかになってこそ初めて命運をかけるというせりふが吐けるのじゃないですか。その数字を御存じなくて、急なことだと言って政府委員が答弁をする。そして、そのことを悪いとは言いませんが、総理がその辺でどういうようなきちんとした認識をしておられるかということをお尋ねをいたしたかったのであります。そのことについてどのようにお考えですか。
○村山内閣総理大臣 これは、行政需要に対してどうこたえていけるかということがやはり大事ですね。そうすると、どういう行政需要が今求められておるのかということもやはり知る必要があると思いますね。それで、その行政需要に対してどの程度の人員を配置してこたえていくことが必要なのかと。これは、行政需要というのはやはり時代の変化、経済の状況等の変化によって変わってまいりますから、したがって、そういう変化に対応して迅速に人員の配置が可能になるような、そういう仕組みというものは、やはりこれは行革の中でも十分検討して考えていかなきゃならぬ問題であるというふうに私は思っております。
 それで、少なけりゃいいというものでもないと思うんですね。これはやはり、今度の災害なんかの場面で、それはもう不眠不休で皆さん一生懸命頑張っておってもう疲れ切っておる、こういうような状況も、これは突発的なことではありますけれどもあり得るわけでありますから、したがって、可能な限り行政需要に対応できるような人員の配置、しかも、それも効率的にやれるような仕組みというものも考えていく必要があるというふうに私は思います。
○石破委員 総理の基本的な認識をお尋ねします。
 先ほど来、行政の需要というのを考えなきゃいけないというお話がございましたね。今回の東京共同銀行でもそうなんですよ。東京都何してた、大蔵省何してた、監督不行き届きじゃないか、こういう話がありますよね。しかし、じゃ、銀行局の職員、これはまあ今回のは直接関係ないわけですけれども、それだけでこんな問題見切れるのかね、これだけの人員でこんなこと見切れるのかね。片一方では行政改革だという話がありながら、片一方では役所は何してるんだ、こういう話が出るわけですよ。だから、行革というのは非常に難しいことは、総論賛成、各論反対でもうみんな嫌というほど知っている。だから難しい。
 私は、総理の基本認識の中に、行政改革というものを進めることのもう一方の考え方として自己責任の確立ということをどれだけお考えになっているかということなんです。それは今度の共同銀行でもそうですが、自由化ということはハイリスク・ハイリターンの世界じゃないんですか。つまり、自分の責任というものを国民がどれだけ認識をするか、行政改革の思想の中には自己責任の原則というものをどこまで政府が国民に訴えていくか、その発想がなければ私はきれいごとに過ぎちゃうと思うんですよ。
 国民に向かって、行政のニーズというものはあるかもしれない、しかし国民の皆さん、ある程度は自分で責任も持ってもらいますよ。簡素な政府というのはそういうことです。努力をした者にはそれなりのリターンがあるかもしれない、しかしそうでない人にはリスクも高いかもしれない。しかし、行政改革の基本的な姿勢として、そういうような自己責任の原則、もっと言えば個人の確立と言ってもいいかもしらぬ、そういう考え方を国民に説くお考えが総理にはおありですか。
○村山内閣総理大臣 まことに貴重な御意見の提言がありましたけれども、今私がこれまで申し上げましたのは、行政側の立場に立って物を考える場合にそういうことではないかと思います、こういうお話を申し上げたわけですね。
 しかし、この行政需要を、受ける側の国民の立場というものを考えた場合に、これはやはりこれだけ自由化が進んでいく世の中ですし、情報も公開しようという状況の中でありますから、したがって、情報を受けとめた国民が、自己の責任においてなし得ることについてはやはりきちっとしていただくという自己責任の確立ということも当然必要なことだと私は思います。
 その自己責任の確認と、そうした上に立っての行政需要に対して行政の方がどうこたえていくかという両々相まった中からやはりいい社会が生まれてくるんではないかというふうに思いますから、これは私も今貴重な意見として拝聴させていただきました。
○石破委員 みんなうまい話というのは世の中のどこにもないんでしてね。つまり、行政改革というのをやっていくことは、ある程度行政サービスの低下、言葉は悪いかもしれない。しかしながら、それの裏返しとして自己責任ということが当然出てこざるを得ない。日本の役人の数は少ないという話がありましたね。世界的に見て少ないんですよ。確かにそれを補う分、役人もどきというんですか官僚もどきというんですか、いろんな、検査協会とか特殊法人とかいっぱい似たようなものはありますよ。しかし、それはそれとして、やはり行政改革ということの裏返しは自己責任なんだよということを、やはりこの村山行革の中できちんと総理の姿勢として出していただかなきゃぐあいが悪いと思っているんですよ。
 行革をやることによってスリムな政府をつくりますよ、それによって消費税のアップもとめられるかもしれませんね。さきがけの皆様方は二兆四千億円が浮く、こういうお話がありますね。本当かうそか知りませんよ、検証したわけじゃありませんからね。いろんなお話があります。しかし、そんなうまい話ばかりじゃないんだということは、やはり政治の責任として必要なことじゃないのかなというふうに私は思う。
 同時に、大蔵大臣、ちょっといい機会ですからお尋ねしますが、財政再建の方途というのは、簡単に教えてください。
 もちろんそんなことが簡単にわかるわけがないのですが、こういう議論がありますでしょう。減税をやる、景気がよくなる、税収がふえる、やがて財政が均衡する、粗っぽく言ってしまえば、そういう議論をされる方が与党の中にもありますよね。そんな簡単な話だと私は思わないけれども、我々は、やはり破綻情勢にあるとも言っていいこの財政をどういうように再建をしていくのかというある程度の道しるべというのは、嫌なことだけれども考えなきゃいけないんじゃないか。その中で行革というものはどういう位置づけにあるか。さきの村井委員の質問に対して、もちろん私はそんなこと考えていませんよ、特殊法人の整理でそんな金が出てくるとは思いませんよ、そういうような御答弁なんだけれども、財政再建の方途、そしてまた、それと行革との関連、大蔵大臣、どのようにお考えですか。
○武村国務大臣 先ほど来、総理との質疑を拝聴しておりまして、行革については総理が的確にお答えいただいたとおりだと思いますね。時代の流れに行政を合わせていくということでもありますし、また昨今特に、経済も構造改革という大変厳しい状況に直面をしておりますし、国民の皆さんもバブル崩壊後の暮らしの中で少しでも切り詰めながら堅実に生きていこうという雰囲気でございますから、当然行政も総理のお言葉のように簡素で効率的な政府を目指さなければならない。まあ、小さな政府か大きな政府がという先ほど来の論議も、単純に言えばそういう選択にもなるわけでありますが、あえて言えば、より小さな政府、アメリカではダウンサイジングというような言葉が最近使われておりますが、少しでもスリムに小さくしていくという努力が強く要請されている、そこに行革の背景があるというふうに認識をいたします。
 しかし、税制改革の見直し条項では、あえて行財政改革という表現で法律を認めていただきました。行政改革を広義に理解するならば財政改革も入っているという認識があってもおかしくないと思いますが、あえて、簡素で効率的な、あるいは経費の切り詰めというふうな、そういう側面を意識して財政改革という言葉が浮上してきているというふうに認識をいたします。こちらの方こそむしろ、言ってみればどれだけ財政需要を抑制できるか、歳出をカットできるかという、ストレートに数字につながる論議だというふうに思います。行革は、そういう意味では、必ずしも財政再建の効果がなくても、行政の姿勢として時代の要請に合う方向に変えるということで評価をいただいていい場合もあるわけですから、財政改革こそまさに経費、数字そのものに直結する真剣な論議だという認識をいたしております。
 今、石破委員のおっしゃったように、かつて日本経済というのは大変波を繰り返しながらも一貫して高度成長を続けてきましたので、減税をやれば必ず経済はまたよくなる、そうすればまた増収になる、その増収で借金はカバーすればいいじゃないか、こういう論理がずっと一貫してございました。今なお政界には根強いかもしれません。それがある意味では建設公債、場合によっては赤字公債まで容認するような雰囲気でありました。しかし、今こうして日本経済が大きな壁にぶつかって、もうああいう高度成長の時代は戻ってこない、せいぜい頑張ってもそこそこの安定成長の時代である、かつての一〇%前後というふうなことは期待できない、三%、四%、高くて五%ぐらいというのが最近の論議であることを考えますと、よくてそうですから、そういう状況の中でどう日本の財政を考えていったらいいのか。
 現状は、おっしゃったとおり、もう大変脆弱な、たくさんの問題を抱えた状況であります。この現状、二百十二兆に象徴されるような、過去のいわば財政運営の結果がこういう矛盾として大きく積み上がっておりますから、これをどう解決していくかというテーマが一つあります。しかし今後は、これがなくても入りと出をどううまく均衡させていくかという大変シビアなテーマに直面をいたしていると思っております。今ここで財政再建計画を持っておりませんから、明確に将来の再建のプランは申し上げられませんが、そういう認識を持っております。
○石破委員 じゃ、まとめて大蔵大臣、伺います。
 さきがけは、数値目標を出すべきだということを三党合意の後、言っていらっしゃいますね。さきがけの行革本部でそういう文書を出していらっしゃいます。一体幾ら削減できるのかという数値目標を示さなければいけない。「特殊法人改革によって数年後にどの程度の財政的効果が期待できるかを数値目標として明示することが不可欠である。」このように書いておられるのですね。
 大臣が党首をお務めになる新党さきがけ、数値目標をはっきり示せ。私は、それは責任ある政党として大事なことだと思うんですね。ちっちゃな党だからこれは希望として述べたんで、そんな話じゃないんですよね。やはり政権を担い、財政再建の一番重要閣僚である大蔵大臣、それを党首としていただいておられる党ですからね。数値目標ということについてどのようにお考えになっておられるかということ。
 それから、時間がありませんから、共同銀行の件についてもあわせてお尋ねをいたしましょう。
 これは、私も銀行員をやっていたのですが、こんなひどい話はないというのは、大蔵大臣が開口一番こんなのつぶしちゃえとおっしゃったとかおっしゃらないとかいう話がありますが、やはりそういうふうに思いますよ。これはかなりひどい話なんですね。
 それで、私がお聞きをしたいのは、一つは、大蔵省はいつの時点でこういうようなことをお知りになったか。実際に表面に出てきましたのは、昨年の十二月、救済案が発表になってからですね。しかしながら、大蔵省はかなり早い時点でそれを了知をしておられたはずだ。それはいつの時点なんだ。そして、関東財務局が立入検査をしておられる。いつのことか。
 そしてまた、立入検査をしたことが報ぜられて、その後預金の取り崩しというのは物すごく始まったのですね。そういうことが出れば始まるのは当たり前でしょう。しかしながら、同時に、これじゃやれないというので金利をアップしたわけですね、苦し紛れに。そうしたらば、わっとそこへ預金が集まった。信用不安でこれはいかぬということで引き出す人がいる。小口の人はそうでしょう。しかし、それじゃやれないということで金利を上げたんですね。そこで大口預金者、ある意味でリスク覚悟の方々がたくさん預金をせられたということです。ハイリスク・ハイリターンの世界ですよね。
 しかしながら、これをみんな救ってしまうという話になりますと、確かに預金契約の中で大口と小口を分けるのは不可能だという話はわかりますよ。これから先預金契約というものを見直す考えがあるかないかも承りたいのだけれども、大口、小口をどこで峻別するんだねという話がある。しかしながら、関東財務局が検査に入って、それが新聞に報ぜられて、その後、レートが上がった後に預金した人、その人たちまで本当に守る必要があるのかね、規制緩和の考え方とそれは本当になじむものなのかね。
 そしてまた、これは信用不安が起きるか起きないかやってみなきゃわからぬ。やってみなきゃわからぬじゃ困るから、救済という言葉は大臣お嫌いかもしれないけれども、国民の目には救済と映りますよ。救済なんです。そういうような預金者も保護せられるのです。しかし、もっと恐ろしいのは、そのことによって、ああ、あれでも救ってもらえるんだなという意識、それを金融機関の経営者が抱く、そのことについてはどうなんだろうか。
 そしてまた、監督責任ということについてお尋ねをしたいのだけれども、これは監督責任なしとしないですよね。それで、この信用組合というものは東京都が直接の監督官庁だ。
 自治大臣にお尋ねをしたいのですが、それは本当に地方公共団体で見切れるものでしょうか。ある方があるインタビューで答えておられるのは、とてもじゃないが無理だ、五年や十年の経験でそんなもの見抜けるはずがない。民間銀行でもいろいろな検査をしますが、大蔵省にもそういう検査担当官はいますけれども、これは大変なことですよ。金融というのはこれだけ複雑になった。まして、これだけの金融商品が出てコンピューター化が進んで、それぞれの、例えば今回の東京都、本当に見切れるのだろうか。やはりそこの監督権限というのは、これだけ複雑になってくればもっとほかに移さなきゃいかぬのじゃないかという議論もあろうかと思いますが、やはりこれは行政の責任なしとしないですよ。まして、東京都でこの三百億というのが否決されたら一体どういうことになるのか。
 これは大蔵大臣、いろいろお尋ねをしましたが、どのようにお考えになりますか。
○武村国務大臣 大変たくさんのことを一挙にお尋ねをいただきました。全部詳細にお答えできなければお許しいただきたいと思います。
 まず、行革における数値目標の御指摘でありますが、私は、少なくとも、今度の特殊法人なんかは割合数の明確に見える話でございます。大小いろいろありますが、そういう意味で数値目標の議論も確かにありました。そして財投、一般会計、特別会計からどの程度特殊法人に対して支援が行われているかその金額、今四兆二千億ぐらいという数字がございますが、これを少しでも削減できないかという一つの数値目標、こういう視点もありました。
 そういう意味で、さきがけがかなり大胆な、私はあえてこの間申し上げたのは、さきがけは若い政党ですから、まあそれは理想に走るというふうに御批判も受けますが、やや身軽に大胆なことが言いやすいところがありますと、これは反省も含めて申し上げているわけであります。そういう中で、しかし特殊法人に対しては一定の明確な方針を早い時期に打ち出しましたということを申し上げたわけでありますが、そういう中で数値目標の提示もあったというふうに記憶いたしております。
 それで、私個人としましても、この特殊法人については財政の側面からの改革もありますし、一つ一つの特殊法人の経営の実態を見てどう組織や事業を合理化していくか。あるものは廃止する、あるものは縮小する、法人そのものをなくさなくても、存在を認めるにしてもどう改善していくかというテーマが基本だというふうに思っておりましたが、あわせて国民はどうしても、やはり幾つ減らしたか、過去の特殊法人もそうでありましたが、そういう目で見られやすい。そういう目で見るなら、私は二十ぐらいという目標を総理にも官房長官にも、これは私個人の認識です、このぐらいを目標に頑張ったらどうでしょうねということを申し上げたことがあります。私はそのくらいの目標、さきがけの方針も含めてそのぐらいの目標がどうかなと、たまたま一人の閣僚として思っていたわけであります。
 結果的には七つの統合、五つの廃止、民営化で十二になりますか、私の思っていた二十からすれば、数が小さい、大きいは別として六割、これから政府系金融機関はまだ残っておりますから、これを一つでも多く、そういう意味でも努力しなければいけないと思っているところであります。
 さて、共同銀行の件につきましては、あらゆる側面の質問をいただいたわけでありますが、おっしゃるとおり、経緯の中でこの二つの信組をめぐる経営の実態が明らかになってきたということであります。大蔵省がいつ認識したかは、正確には銀行局長の答弁を要しますが、きのう来、昨日の答弁を振り返りますと、やはり東京都から要請をされて、東京都の検査に大蔵省も二名参加をしたというときからではないか。(石破委員「いつです」と呼ぶ)一昨年の六月から二月ぐらいかけて検査をしたようですね。結果は、だから八月ごろ出てきたんでしょうかね、一昨年。一昨年の六月。失礼、間違いました、八月。八月から入った東京都の共同検査によってかなり詳しく実態を知ったんではないかというふうに思います。そのときの数字は、きのうも申し上げたように、約四百九十数億円という回収不能な債権のスケールになっている、これでもう大変異常だという当然認識をしたと思います。
 そこで、東京都と対応策についても協議がなされたと思うのでありますが、恐らくこれまでのたくさんの地方自治体の信用組合に対するこういう経営の不始末に対する対処の仕方がありましたから、そういう対応の仕方、東京都が支援する、預金保険機構が支援する、そしてどこかの信用組合か銀行か金庫が吸収合併してくれる、そういう道を一生懸命求められたのではないか、多少この辺は私の想像ですが、それは努力をされたと思うのでありますが、もうどんどんその過程でも膨らんでいって、一年たった去年の秋にはもうどうしようもない、そういう従来のレベルあるいは東京都のレベルでは処理できないという状況になって、大蔵省、日本銀行が入って三者で鳩首真剣な協議を重ねるという事態に相なりました。
 監督責任の問題につきましては、これは機関委任事務でありますから、この機関委任を前提にした説明としては、第一義的に個別の信用組合に対する個々の指導監督、検査の権限は、東京都知事、都道府県知事であります。しかし、大蔵大臣も、信用システム全体に対する銀行局は責任を負っているわけですから、そしてまた地方自治法には一般的には機関委任事務に対する指揮監督という表現もあるわけですから、そういう意味で大蔵省の責任も当然あるわけでございます。日本銀行は日本銀行として、日本の信用秩序の中枢に立つ立場で責任を強く感じている。そういうことで、三者が協議をして今回の大変異例なシステムを考え出すことになったということであります。
 問題は、こういうことが、おっしゃるように、今後も、あんなことをやってくれるなら今後何したって必ず救ってくれるんだ、そういう安易な気持ちを全国の金融機関の経営者に与えたのでは、これはいけない。私たちは当初から記者発表で臨時異例の措置であるということを強調してまいりました。将来は、ペイオフも含めてもっと新しい、自己責任を強調しながら仕組みも発動することをやはり真剣に考えなければいけないというふうに思っております。
○野中国務大臣 信用組合は、委員御承知のように、地域に根差した中小企業の皆さんが出資をされまして協同組合方式でつくられたものでございます。それだけに、私どもは、今後信用組合が、国の機関委任事務をやっていくのは一般的な行政のあり方であろうと認識をしております。
 けれども、今日までも信用組合の運営にそれぞれ全国の都道府県において多くの問題がありましたけれども、今回の二信用組合のあり方はまことに異常でありまして、とても一地方公共団体の権限あるいは指導監督によってそれが的確に処理できる状況になかったと思いますし、また、この信用組合を異常に支援してきた金融機関、銀行のあり方にも私は問題があったと思います。
 あるいは、その限度を超えていわゆる不動産投機やその他に融資をしてきたいわゆる信用組合の役員のあり方、あるいはその融資をあっせんし、高利をあっせんしてきた一部経済人や政治家と言われる人たちの問題もあろうと思うわけでございまして、こういう問題を考えますときに、今回異常な措置としてとられましたけれども、このような金融機関救済のあり方が、いわゆる全国の都道府県でやらなくてはならないということについては、一人の国務大臣として、あるいは地方自治を考える者として、私は大変今回の措置については残念なことだと思っております。
 しかし、私ども地方分権を今強く言っておるところでございます。したがいまして、機関委任事務で一部で異常なことが起きたからといって、全体にこれを排除して返上すべきだ、あるいは都道府県でやれないというような立場をとるべきでないと思うわけでございまして、今回の中身についてもっともっと私どもは点検をするべきだと考えております。
○石破委員 時間が参りましたので終わりますが、大蔵大臣、一つだけ御答弁をいただけなかったんだが、要するに、金利が上がってからうわっと預金した人、そこまで保護する必要があるのかということなんですよ。要は、自由化というのは、規制緩和というのはハイリスク・ハイリターンの世界なんだということはきちんと考えていかなければいけない時代に入ったのじゃないか。行革もそうです。そういうような考え方においてなされなければいけない。
 そして、今回このようなことが起こったというのは、危機管理というのをどういうふうに考えるかということなんです。そういうことが起こらないようにと願うということと、起こったときどうするかということを考えるのは、別のお話であります。そのことにつきまして、また機会があればお話を承りたいと思いますが、時間が参りましたので終わります。
○佐藤委員長 これにて山本君、石破君の質疑は終了いたしました。
 次に、川島實君。
○川島委員 新進党の川島實です。
 最初に、昨日、二十年ぶりに最高裁のロッキード・丸紅ルートの田中元総理の犯罪について判決があったわけでございますが、この判決に対して、閣僚の一人であります科学技術庁長官が、日本の司法に公正な裁判は期待できない、こういう発言をしているわけでございますけれども、これはどういうことを受けとめてやっているのか。例えば、三権分立て内閣の大臣が最高裁がやった判決にこういう不服を示すというのはおかしいじゃないか、素質が疑われるわけですが、コメントを求めたいと思います。
○田中国務大臣 お答え申し上げます。
 最高裁判所の判断というものは厳粛に受けとめ、かつ尊重しております。ただし、きのうは報道に求められましたものですから、家族の一員としての心情と感想を申し上げたということでございます。
○川島委員 総理、新聞報道によりますと、総理の方は田中長官をたしなめた、こういう報道がなされているわけですが、私もそのとおりだと思いますけれども、どういう受けとめ方でこのことをなされたのか、お伺いをしておきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 政府の一員として閣僚が具体的な事件の判決について意見を述べるということについては、やはり差し控えた方がいい、私はそう思っています。しかし、今御本人からもお話がございましたし、記者会見されたときの文書も私は拝見させていただきましたけれども、私は、現内閣の閣僚としてではなく、一個人としてというその立場、言うならば、この裁判と関係のある家族、親族という立場というものをはっきり前提に置いて、そして述べられたのであって、閣僚としては、これは厳粛に受けとめて、やはり尊重しなきゃならぬものだということは、本人も明確に申し上げておるわけでありますから、そういうふうに私は御理解をいただきたいというふうに思います。
○川島委員 現在の政府の大臣の一人が最高裁の判決を非難をするという日本の政治のあり方、このことは、非常に私ども胸が痛いですね。また国民の皆さんも、本当にいいんだろうか、こういう声が上がってきておるわけでございますので、ひとつ厳格に対応していただきたい、要望しておきたいと思います。科学技術庁長官、結構でございます。
 次に、東京共同銀行の今日までの多くの議論を聞きながら、いまだに疑問が幾つか残っているわけでございまして、これらの点について、順次お伺いをしておきたいと思います。
 日本銀行は、今回経営が破綻した東京協和、安全の両信用組合をこのまま放置して、倒産に至った場合に生ずる日本経済全体への影響を考えて救済を決意した、金融機関の倒産による信用不安が生じた場合、日本経済に与える損失は極めて大きい、不安が発生した場合の影響やコストを考えるべきで、今回はそういうリスクがあった、日本の金融システムを救済するためにやむを得なかった、こう述べておるわけでございまして、そして、東京共同銀行に出資し、経営主体となったわけでございます。
 日銀法二十五条を適用いたしまして、信用制度の保持育成の規定を挙げておられるわけでございますけれども、ほかに、この日銀法を全部読みますと、どうもつじつまの合わないことがたくさん出てくるわけですよ。
 例えば、第二条の日本銀行の使命という規定で、「日本銀行ハ専ラ国家目的ノ達成ヲ使命トシテ運営セラルベシ」、こうありますし、取扱事務を規定しております第三条では、「日本銀行ハ法令ノ定ムル所二体リ通貨及金融二関スル国ノ事務ヲ取扱フモノトス」、こうあるわけです。
 これらの条文の、まず二条、三条の今回の救済のやり方との関係からいきましても、私どもは理解がしにくいわけでございますけれども、新銀行の経営権を握り、業務を行う、こういうことはこの規定になじまないと思うんですが、大臣、いかがでございますか。
○武村国務大臣 日銀法全体あるいは各条文の解釈についてはいろいろ論議があるのかもしれませんが、私ども、今回の措置の基本になる日銀出資の東京共同銀行の設立というこの一点を見詰めます限りは、明確に日本銀行法の第二十五条の規定によって出資を認めるということにさせていただいた次第でありまして、もう川島議員御承知のように、第二十五条は、「日本銀行ハ」「信用制度ノ保持育成ノ為必要ナル業務ヲ行フコトヲ得」という条文でございます。まさに「信用制度ノ保持育成ノ為」の今回は出資という行為であるという理解でございます。
○川島委員 次に、日本銀行法には資本金の規定もあるのですね。「日本銀行ノ資本金八一億円トシ之ヲ百万口ニ分シ一口ノ出資金額ヲ百円トス」「政府ハ勅令ノ走ムル所二体リ五千五百万円ヲ日本銀行二出資スベシ」こういうふうに規定がある。ところが、今回はこの資本金の二百倍に上る大きな額を政府は日本銀行に出資をさすわけですね、新しい銀行に。
 また十六条には、日本銀行の総裁、副総裁は内閣において任命することになっているわけです。
 今回の二信用組合の救済に当たって、東京共同銀行を設立するということに対して内閣が相談を受けないままに大蔵大臣が先に決めた、今までの議論ではそう私どもは受けとめておるわけでございますが、その理由は一体どこにあったのでしょうか。
○武村国務大臣 内閣に相談する前にというお言葉でありますが、これは日本の政府の形を御理解いただきたいのですが、各省庁それぞれ、主務大臣として、法律上の権限を大臣が最高責任者として執行をいたしているところであります。日銀法の規定も銀行法の規定も「主務大臣」、これは大蔵大臣でございますが、私に与えられた重い責任でありまして、大蔵大臣としての責任において判断をし、措置をしたものであります。
 しかし、こういう事態でありますから、これは閣議に報告する案件ではありません、ありませんが、総理にはごくかいつまんで、こういうことがあって、こういう結果をとりましたと。これは、一方的に報告をしたことがあるぐらいで、内閣に上げる案件ではない、大蔵大臣の、みずからが最高責任者として判断をし、責任を負う事柄であるという認識であります。
○川島委員 彼ほどまた政策委員会のことで関連してお伺いしますけれども、まず日本銀行総裁にお伺いしたいと思います。
 政策委員会の議長に総裁はなられているわけですね。要するに資本金の二百倍に当たるこの出資を行うについて、出資の関係も後で条文が出てまいりますけれども、重要な事項を内閣の議を事前に語らなかったのはどういう理由なんですか。
 また、総理は、日本銀行法によりますとこの政策委員会等の運営に重大な責任を持つような役割を果たしておるわけでございますけれども、なぜ協議に加わらなかったのか、お伺いをしておきたいと思います。
○松下参考人 お答えを申し上げます。
 私は、御指摘のように、日銀政策委員会の議長といたしまして、今回の出資につきまして、その決定を行う立場にあったわけでございますけれども、この出資を行います法律上の根拠は、先ほど御指摘がございましたように、日本銀行法の第二十五条でございます。この第二十五条の規定によりまして、私どもは、「信用制度ノ保持育成ノ為必要」な措置としての出資を行うということを決定をいたしまして、これを、条文にございますように「主務大臣ノ認可」を受けまして、そのような措置を講じたわけでございます。
 すなわち、この現行法におきましては、日本銀行は主務大臣を経由いたしまして、これらの事項を国会に対して責任を持つ、そういう仕組みでございますので、この仕組みに従って処理をいたしたわけございます。
○川島委員 いや、そうじゃないですよ。第七条の「日本銀行ハ出資二対シ出資証券ヲ発行ス」、この規定はどう受けとめておるんですか、あなたは。
○松下参考人 ただいま御指摘の第七条の規定は、日本銀行自体の出資に関する規定でございますので、私どもの一億円の出資に対しましては出資証券を発行しております。今回私どもが決定をいたしました二百億円の出資につきましては、日本銀行といたしまして持っております総合的な財源の中でこれを負担をすることにいたしておりますので、この点につきましては出資証券の発行ということはございませんでした。
○川島委員 あと、この政策委員会の任務及び権限は、きちっと日本銀行の法律にも書いてありますし、定款にもきちっとうたわれているんですね。この中でいろいろ、時間がございませんから全部やりませんけれども、十三条ノ二は「日本銀行二政策委員会ヲ置ク政策委員会ハ第十二条ノ三第一号二規定スル日本銀行ノ業務ノ運営、中央銀行トシテノ日本銀行ノ機能及他ノ金融機関トノ契約関係二関スル基本的ナル通貨信用ノ調節其ノ池ノ金融政策ヲ国民経済ノ要請二適合スル如ク作成シ指示シ又ハ監督スルコトヲ任務トス」、こうずっと書いてございます。
 今、日銀総裁は主務大臣の要請どうのこうのと言われましたけれども、日本銀行のその七名の委員のうち、定款にも書いてございますけれども、五名までが内閣が任命権者なんですね。このうち四名は、両議院の同意を得て選ばれる、そして総理がそれを追認する形になっているわけなんですね。こういう扱いの難しい、日本銀行の資本金の二百倍に当たる出資をする場合に、なぜ事前に内閣がこうした相談を受けながらほかのいい方策を考えることができなかったか、このことは総理にお伺いしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 日銀の総裁、副総裁の任命は内閣総理大臣、それから、今お話がございましたように両議院の承認ということもあると思いますけれども、しかし、それはそれだけのことでありまして、日銀がどういう決定をし、どういう事業をし運営していくかということについては、総理大臣には直接的な権限はないというふうに私は理解いたしております。
○川島委員 それじゃ日銀総裁、政策委員会はどういう議論がなされたんですか。
○松下参考人 今回の案件を決定いたしました際に、日銀政策委員会は二回これを審議をいたしております。
 まず第一回目は、十二月九日でございますけれども、本件の破綻金融機関の処理に関します全体のスキームにつきまして政策委員会に報告があり、政策委員会におきまして全委員の参加のもとに十分審議を行いました結果、これを決定をいたした次第でございます。
 次に、本年の一月十三日になりまして、この実際の日本銀行の出資を実行いたしますことについての案件として、同じく政策委員全員の参加によりまして十分審議を尽くしまして、結果、これを決定をいたした次第でございます。
○川島委員 日銀法を見ますと、例えば「行為の制限」というのがありまして、「内閣ノ認可アル場合ヲ陰タノ外報酬アル他ノ職務二従事スルコト」、それ以外はできない、こう書いてあるのですね。それはやはり、内閣が相談を受けて日銀から出向する、これから東京共同銀行に取締役が出るわけですから、それらの報酬の問題が一つあるわけです。
 それから、定款を読んでも、この日銀法を読んでも、業務の規定があるわけですけれども、この業務の規定に、出資をやってこうやって救っていくということが一つも出ていないのですよ。信用秩序の保持だと大蔵大臣は言いますけれども、ちょっとこじつけでこの二十五条をあなたたちは採用していると思えて仕方がないわけですけれども、今後日銀法を改正していく、こういう腹づもりなんですか、大臣、お伺いしておきたいと思います。
○武村国務大臣 今、日銀法改正を日程に上げているわけではありません。先ほどの資本金等のお話は、この法律が制定された時期を想起いただきたいと存じます。
 それから、第二十五条の解釈でありますが、申し上げたとおり、「信用制度ノ保持育成ノ為」の「業務」、「業務」と書いておりますから、かなり包括的な表現だと思います。これは、出資はだめとか、融資はだめとか、何かを特定していればもう少し締まった表現になっただろうと思いますが、かなり広い表現で、保持育成のため必要な措置というものを念頭に置いて条文がつくられている、私はそう理解をいたします。
○川島委員 立場が違うから法解釈が違うのかもわかりません。しかし、国民や金融関係者のいろいろな批判を見ても明らかなように、これらの解釈について日銀法の中にきちっと定められておりませんので、やはりこじつけでこういうことをやったんじゃないか、余りにも異例であり、我が国の金融政策の柱である日本銀行を巻き込んでの今回の救済方法は我が国の金融政策に大きな汚点を残す、こういう指摘をする人たちもあるわけでございます。
 日本銀行会計をいつも監査しております会計検査院、いつ日銀を検査をして、この二倍組の問題の扱いについて行ったのかどうか、また、先ほど議論になっております出資金の解釈、こういうことについてどのように受けとめているのか、検査院長にお伺いしたいと思います。
○中島会計検査院説明員 お答えいたします。
 日銀に関する検査につきましては、全般的な検査の一環といたしまして、三月上旬に検査をする予定をしております。その中で今回の出資に関する検査もすることを予定してございます。
○川島委員 会計検査院に要望しておきますけれども、こういう問題が生じた場合は、速やかにやはりきちっと、計画を変更して、日銀を管理しているわけですから、中を調査すべきだと思うのですね、どういう経緯でこういうことになったのか。今後、そういう問題があったときには速やかにひとつ会計検査院は調べてもらいたいと思います。
 それで、いろいろ今日までの議論、昨日も八人の人が東京共同銀行について議論をしているわけですけれども、資料要求してもなかなか思うように集まってこない。既に与党の方からは、二つの信用組合の理事長に対しても証人喚問ということで要求がございます。
 私は、今回のこうした経緯に至るまでの、それにかかわってまいりました、例えば日本長期信用銀行の頭取、堀江鐵彌さん。これは日本長期信用銀行が手を引いて非常に不良債権がふえたという問題もございます。それから、第二地方銀行協会の会長さん、浜田正雄さん。それから、一番資料要求しても少しもきちっと出てまいりません、東京都の労働経済局長の小久保久さん、この三人の証人喚問を要求していきたいと思いますので、委員長におかれましては、ひとつぜひ御検討を賜りたいと思います。
○佐藤委員長 後刻、理事会で協議をいたします。
○川島委員 次に、これまでの議論の中で、幾つかの問題点について順次お伺いをしていきたいと思います。
 本来、日銀は二十七条によって日銀法の規定業務以外は禁止され、例外的に信用制度保持上の業務が実は二十五条に明記されているのであって、日銀自体が経営権を握る、こういう事態までは想定していない、こういうふうに私は受けとめておるわけでございます。だから大蔵省は、本質的にはやはり新たな立法が必要でないかと私は思います。
 さらに、日銀というのはみずからお金をつくり出せる。日本銀行の出資は、民間会社、政府の出資とわけが違うわけでございます。日銀の信用の供給は、今回の金利の割高といい、一つ間違えば歯どめがきかなくなると思います。今後、住専八社を初め他の金融機関が抱える不良債権の処理にこんな日銀の救済方法が前例となった場合には、金融機関の自助努力というのが再建に向けてできなくなるんじゃないか、こう思うわけでございますが、大蔵大臣、このことについてどう受けとめておるわけですか。
○武村国務大臣 お答えをしてまいりましたように、今回はまさに日銀法第二十五条の適用をさせていただいて、確かに出資というのは例がないということでいろいろ御議論を招いているわけでありますが、これが法律の解釈においてこじつけとかそんなことはないのではないか。素直に読んでいただければ、かなり広範に信用制度の保持育成のためには日本銀行に法律が権限を与えている、まさに日本のこの巨大な信用秩序全体をしっかり守っていただくために、その中枢に立つ日本銀行にかなり幅広い権限を認めているというふう
に私は解釈をいたしております。
 問題は、今回の二つの信組との関係で、この条文を発動して日銀の出資を認めたことが是か非かという議論があるのかもしれません。私どもは、繰り返しお答えをしてまいりましたように、まさに、国民の絶大な信頼を得ている預金というものの性格と、それから預金業務を扱う金融機関に対する信頼、それを損ねてはいけないという立場に立って今回の異例な措置をとらせていただいたわけであります。
 先ほど来、石破議員の言葉にも危機管理という表現がありましたが、まさに金融秩序が不安な要素が出てきて壊れることのないよう、いやしくもその一点を注視しながら今回の異例な判断を、措置を判断させていただいれというふうに御理解を賜りたいと存じます。
○川島委員 大臣は、異例な措置、異例な判断と言われております。これは当然のことだと思います。条文を見ても考えられないような、もっとほかに救済の方法があったのじゃなかろうか、こう思うわけでございます。
 今回、民間金融機関が何の関係もない信組の救済になぜ金を出さなきゃならないのか、こういう不満の声も聞こえてきていますし、日銀法二十八条に大蔵大臣による市中銀行に対する日銀への協力命令権、これがあるわけですね。規定されているんですよ。今回の市中銀行に対する協力要請行為は、かつて抜いたことのない伝家の宝刀といいますか、こういう権利行使だと思うわけですけれども、大蔵大臣はこのことを重く受けとめておるのかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
○西村政府委員 今回の措置につきまして、広く民間の金融機関の方に御協力をお願いいたしました趣旨は、この措置の考え方が、金融システム全体をどう支えていくかという問題であり、すべての金融機関に関心の深い問題であるということのほか、この東京という地域の特殊性、銀行と名のつくところで東京に支店を持っていないところはないというような、東京という場所の特殊性というようなことも勘案いたしまして、御協力をいただけるかどうか、すべての金融機関の方々にお声をかけた、御協力を呼びかけたというわけでございます。私どもの理解では、この趣旨に皆さん御理解を示していただいたと存じております。
 なお、ただいま先生御指摘のように、日銀法二十八条という規定があることは私どもも承知をしておりますけれども、今回のような措置を講ずるに際しまして、このような規定そのものを援用するというよりも、御協力を呼びかけるということで御理解を得た方が適切だというふうに判断したものでございます。
○川島委員 私は、この日銀法二十八条にきちっと規定があるわけですから、どういう抗弁をなさろうと、これはこの二十八条の伝家の宝刀、協力命令権、この権利の行使だと受けとめておるのですが、大臣は、これの受けとめ方は今の局長と同じなのですか。
○武村国務大臣 はい。局長と同じでございます。
 協力要請を申し上げた、これは強制ではありません。事態を御説明をして、御協力を呼びかけたということであります。それに対して、幸い数多くの金融機関が最終的には納得をし、合意をいただいたということに理解をいたしております。
○川島委員 これは平行線でございます。受け取る側とそれをお願いをする側との違いだと思いますけれども。
 次に、自治大臣にお伺いします。
 東京都議会の三百億の低利融資の問題も議論になっておりますし、それから税金を使ってこういう救済をする価値があるかというようなことも今まで議論がなされてまいりました。それから自治大臣は、昨日答弁の中で、信用組合の機関委任事務は地域に密着した中小企業で組合が形成されているのであり、今回の東京二信組のような大きな不良債権を抱える信組の問題は、一地方団体で対応できる問題でない云々とありまして、本来このようなことは地方自治体が機関委任事務としてやるべきでないと答えているわけでございます。
 地方自治体の責任者として、こういう問題を今までの議論の中で受けとめて、これからどうあるべきだ、この信組の問題、各地方自治体が委任事務として受けとめておりますこういう信組、全国にたくさんあるわけですけれども、自治大臣として今後どうすべきかという議論、そのことを聞きたいわけでございます。
○野中国務大臣 お答えいたします。
 私は今日まで、今回問題になっております信用組合の取り扱いにつきまして、この取り扱いは地方公共団体でやるべきでないなどという答弁は申し上げたことはないつもりでございます。もしそういう御理解があれば、これは誤解として受けとめていただきたいと存じます。
 あくまで、それぞれ地方公共団体が、地域に根づいた中小企業の皆さんの組合として協同方式で機関委任事務を受け入れておるわけでございまして、私が再三申し上げておりますのは、それぞれ、今回の異常な措置によって、都道府県でこの事務を行うことの限界を痛感しておもところ、あるいは戸惑いを感じておるところはあろうと存じますけれども、本来、地域の中小企業の方々が取り組むべき問題でございまして、今回、信用組合としての限界を超えたこの異常な取り扱いについて、直ちに全体の委任事務を、地方分権が言われておるときに返上すべき立場にあるとは考えておらないところでございまして、その点については御理解をいただきたいと存ずるわけでございます。
 ただ、本件に関しましては、現在、東京都議会において平成六年度の補正予算案として審議をされておるところでございます。この予算編成結果につきましては、事務的に自治省は報告を受けておりますけれども、具体的支援の個別内容については相談を受けておりませんので、私は、一人の関心を持っ政治家として、さまざまな報道がなされたり、あるいは私自身も、この問題について関心を持ってみずから調査をしたりして、個別に承知しておるところはございますけれども、しかし、自治大臣としてコメントするべき立場にないことを御了承をいただきたいと存じます。
○川島委員 次に、大蔵大臣は、責任は、第一義的には監督官庁である東京都にある、こうしておるわけでございますけれども、一九九二年ごろから、実は、指導が東京都で行われながら、大蔵省もその報告を受けて当然知っていた、こう思われるわけですね。だから、昨日も議論がございましたように、早い時点でこれらのことをきちっと指導をしておれば、一千億を超える不良債権は防げた、こういう議論にも実はなっておるわけでございます。
 それから、大臣は、信用秩序維持のためにやむを得ず異例の措置をとったと言うけれども、国民から見れば、大口預金者をそっくり救ってもよいものだろうか、こういう疑問も実ははね返ってきているわけですね。一方では、保預金保険機構というのができ上がって、そしてこれを丸ごとびちっと受け取るといったら、今までの預金保険機構だとかほかの法律が何かなくてもいいような受けとめ方にもならざるを得ないような状況でございます。
 今回できる東京共同銀行も、日銀が経営して、ほかの信組よりも金利を高く運営をするということが今までの議論の中で出てきておりまして、そうなると、さらにそういう金融秩序を乱す一つの大きな要素にもなるわけでございますけれども、このことはどう受けとめておるのですか。
○武村国務大臣 今回、東京都の二つの信用組合のいわば不始末から、こういう異例な措置をとることになりまして、大変関心を高めているところでございますが、私ども、過去のさまざまなこうしたケースの事例も、こうして一覧表を持っているわけでありますが、私はもちろん最近こういうことを知ったわけでありますけれども、本当に数多くの、信用組合だけではありませんけれども、主としては信用組合を中心にして数多くの経営上の矛盾が出てきて、合併とか事業譲渡、あるいはそれに対する支援という措置が毎年毎年繰り返し行われてきているわけであります。
 東京都の支援の話も、何か今回だけのような印象をお与えしているかもしれませんが、今回三百億、これは三百億そのまま支援されるというよりも、その一定の金利差がいわば実質支援になるということでありますが、その額は百八十億ぐらいに想定をされているところでございます。平成五年には大阪府が百億円、あるいは平成七年には青森県でも七十億円とか、その他最近では、岐阜県が三十五億円とか、十数件、都道府県の支援の事例があります。
 そして、預金保険機構も、これは最近でございますけれども、東邦相互銀行の合併の場合は八十億円、東洋信用金庫の場合は二百億円、釜石信用金庫の場合は二百六十億円、大阪府民信用組合の場合は百九十九億円、そして先ほどの、信用組合岐阜商銀の場合は二十五億円、今回は四百億円と、それぞれ問題の大きさに対応しながら、かなりな支援措置を講じてきているところでございます。
 今回は規模が大きいということもございまして、こういう従来各県がとってきた、東京都も過去二回、こういう形で支援をした例があるんですが、従来のそういうベースではもう処理し切れない、そのことから都が大蔵省や日本銀行に真剣に相談をされる形になりまして、今回のような異例な措置を考え、対処せざるを得なくなったということであります。
○川島委員 私は納得ができませんけれども、最後に、時間が参りましたので、大蔵大臣と総理にもお伺いをしたいと思います。
 一つは、今後中小金融機関がこういう破綻に至ったときに、明るみに出た場合、どのような基準で救済を行っていくのかどうか。日銀の出資ということであれば、その出資基準はどうしていくのか。
 それから、金融機関の情報の開示の問題が今まで何回も議論をされてまいりましたけれども、それが明確に見えてこないものですから、これらがどういう形で今後開示を行わすような指導がなされていくのか。
 それから、預金保険制度が現在あるわけですけれども、これが、例えば一千万の額であれば、もう少し時代に合った形で検討も加えられるべきだと思いますけれども、そういう見直しがなされていくのかどうか。
 それから、日銀法は非常に、五十二年ぐらい前に制定した法律でございまして、まだ片仮名の、勅令というような文字まで出てくるようなことでございますので、日銀法も見直していくのかどうか、大蔵大臣並びに総理にこのことをお伺いしておきたいと思います。
○武村国務大臣 これだけ御関心を賜り、論議を呼んでいるわけでございますし、今後のことを考えますと、こういう論議の中から私どもも学ばなければならないことがございます。ぜひ今回のケースを貴重な教訓にしながら、信用、銀行行政全体の責任を預かる立場として、法律改正も含めて、改正すべきは改正する、あるいは将来に備えるべきは備えていくという考え方に立って努力をしていきたいというふうに思っております。
○村山内閣総理大臣 先ほど自治大臣から答弁がありましたように、これは中小企業等協同組合法に基づいて、そして中小企業の業者の利便のために協同組合としてこの運営をしていく、それを前提にして機関委任事務を都道府県に任してある、こういう仕組みになっていると思うんですね。
 これは、その協同組合の趣旨から照らしてみて、その趣旨が、十分に目的が達せられるような運営をしておけばこんな問題は起こらないわけですよ。それが放漫経営になって、そして乱脈をきわめてこういう結果を招来したというあり方について、自由化の進展と自己責任の持ち方というようなことについても、やはりこれはいろいろな教訓を与えていると思います。
 今大蔵大臣からもお話がございましたように、そういう全体的な問題をとらえながら、どこに問題があるのか、どこに直すべき点があるのか等々については、これからもこの教訓に学んで十分点検もし、検討しなきゃならぬ課題であるというふうに私は理解します。
○川島委員 時間ですので要望しておきますけれども、日銀を運営していると人の政策委員会の中の五名が、総理が任命権者、その五名のうち四名が両院の議決を経て総理が任命する、あとの二名は大蔵と経済企画庁の出向なんですね。だから、もう総理の責任は非常に、このことを受けとめただけでも大変なことなんですよ。
 本来なら、私は、大蔵大臣が早く総理と相談をしながら、閣議にいろいろ諮って、やはり閣内で、いろいろな問題が起きないように、一番ベターな方法を見つけるべきだったのですね。それが、こういう形で行ってきたからこんなに議論になっていくわけでございまして、今後、ひとつ総理の方からも、目をきちっとあけていただいて監視を続けていただきたい、こうお願いをして終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて川島君の質疑は終了いたしました。
 次に、坂上富男君。
○坂上委員 坂上富男でございますが、昨日に引き続いて、三十分御質問をさせていただきます。村山総理、各大臣、大変御苦労さんでございます。
 まず、昨日、ロッキード・丸紅ルートの判決が最高裁でありまして、判決前に総理から、判決に対する決意と申しましょうか、心得と申しましょうか、お聞きをいたしましたところ、厳粛に受けとめるつもりであるとお答えがあったわけでございます。昨日の判決を聞かれまして、総理としてはどんな感じです。
○村山内閣総理大臣 今お話がございましたように、ロッキード事件の丸紅ルートに関して、被告人の檜山広及び榎本敏夫に対する贈賄等の疑獄事件について、昨日、最高裁の判決が出されたわけですね。
 これは、具体的な事案について、総理大臣としてその見解を述べることについては、私はやはり差し控えるべきものだというふうに思います。しかし、この事件が与えた政治に対する影響というものは大変大きなものがありましたし、それからまた、それがまた政治に対する国民の不信というものを大きく高めていったということについては、お互いに共通して厳粛にやはり受けとめなければならぬ問題だと私は思います。
 それがあるために、選挙制度を変えたり、あるいは政治資金規正法の改正をしたり、あるいはまた公職選挙法の改正をしたりして、あれだけ長い年月をかけて国会でも御議論をいただいて、そして一応の政治改革についての決着をつけたわけです。
 私は、しかしこれですべてが終わったとは思っていませんし、まだまだやはり、せっかく交付金制度もできたわけですから、したがって、企業や団体の献金の扱い等については、やはり襟を正して、政治の信頼を回復するために、もっとお互いが気持ちを引き締めてこれからも取り組んでいかなければならぬというふうに思います。
 そういう意味も含めて、この判決というものは厳粛に受けとめて、それをしっかり体して今後に備えなければいかぬという気持ちでいっぱいであります。
○坂上委員 大変的確なコメントをいただいて、ありがとうございました。
 特に私は御要望を申し上げたいのは、控訴審判決よりも総理の職務権限を広く認めたわけなんですね。そういう観点からいいますと、総理のいわゆる指導権と申しましょうかいわゆる内閣に対する指揮権というのはさらに大きくなり、かつ責任が重くなった、こう思うわけでございまして、ぜひとも総理の指導力を一層発揮をしていただきまして、このたびの大地震を初めといたしまして、あらゆる行政の重要課題を解決をしていただきたいということを、特にこの判決を読みながら私は思い浮かべておったところでございますので、一層のまた指導力の発揮を要請をしたい、こう思っております。
 さて、法務大臣、法務省の立場といたしましては、一応、結論としては従前どおりの結論を得られたのでございますが、ただ、ここに大変な問題が起きてきたわけでございます。いわゆる刑事免責を条件とする嘱託尋問調書については、最高裁は証拠能力を否定をいたしたわけでございます。これは本当にこれからの捜査上に大変な影響を及ぼすと実は私は思っておるわけであります。
 と申し上げまするのは、こうやって国際間の犯罪が多く出てくる中において、アメリカのようないわゆる刑事免責つきの嘱託尋問あるいは証人調書というようなものがもうしょっちゅう出てくるわけでございますが、これが日本の裁判制度の中にも利用されてくるのだろうと思うのでございますが、この証拠能力が否定をされますと、これからの捜査には相当大きな影響を及ぼすのじゃなかろうか、私はこう思っております。
 法務当局、その辺に対する御見解はいかがですか。
○前田国務大臣 昨日の最高裁判決によりまして、本件の嘱託証人尋問調書につきましては証拠能力を否定すべきものと解釈されたわけでございますが、この裁判所の昨日の判決につきましては、法務大臣としてコメントするのは差し控えたいと存じております。
 ただ、一般論として、今日国際的な犯罪が非常にふえてまいりまして、この国際的犯罪の捜査を適正に行うべくその責務を課せられておる検察といたしましては、いささか戸惑いを覚えているのではないかと私も推測をいたしております。
 法務当局といたしましても、我が国と外国との間の法制上のいろいろな違いを今後どのように克服、調整していくべきか、また克服していくことができるかは、これから慎重かつまた極めて真剣に検討していかなければならないと思っております。
 それにつきまして、刑訴法の改正云々ということになってくるわけでございますが、これにつきましては、刑事局長からお答えをさせていただきたいと思います。
○則定政府委員 お答えいたします。
 いわゆる免責の上での外国裁判所における嘱託尋問調書の効力につきまして、今回最高裁判所が御案内のとおりの判断を示された、これは、ただいま大臣からも答弁ございましたように、この国際化の時代に捜査及び刑事司法手続の中で実体的真実解明を行う上で、いわば深刻な問題の提起がなされたというふうに受けとめておるわけでございます。
 今後、同種の案件に直面いたしました場合にどのように対応するのか、これは、御指摘のような外国法制と日本法制との差異、それを克服して、なおかつ我が国刑事訴訟法上証拠能力がある形での証言等の確保、これをどういうふうに実行していくか、場合によりますと法律上の手当てを要するのではないかという問題を含めて、慎重に検討していかなければならない問題であろうと思っております。
 直ちに米国と同様の法制を我が国に導入することが日本の国民の法感情に合致するかどうか、こういった点についても見きわめる必要があろうかと思いますので、なお判決内容等を詳細に検討した上で、時間をかけて解決策を考究すべき問題であると受けとめておるわけでございます。
○坂上委員 法務省答弁、大体私も了解をいたします。
 問題は二つあるようでございまして、アメリカのような刑事免責つきの証人あるいは嘱託尋問調書について、日本の法制上これをどう取り扱っていくかという問題、これはもうストレートに刑事訴訟法改正問題が出てくるわけでございます。
 それからまた、アメリカのような刑事免責つきの証人調書をとること、日本にも法制上これを導入するかどうかという点については慎重に検討したいこういうふうにお聞きをいたしておるわけでございますが、私はそれで結構だろうと思っておるわけでございまして、国際司法共助関係からいっても、私は少なくとも刑事免責つき嘱託尋問調書の対応はぜひ早急になされなければならないと思っておりまするし、新聞の解説等を見ても、最高裁判所は刑事訴訟法の改正を暗に要請をしているのでなかろうか、こういう解説まで出ておるわけでございます。
 また、学者の皆様方も率直な意見をそういう形の中で吐露していられるようでございますから、法務当局としてはもう本当に今深刻かつ真剣に対応がなされておるとのことでございますから、ぜひひとつ早急な結論を得て、しかるべき対応をしていただきますこともお願いをいたしまして、このことのためにいわゆる司法改革、あるいは汚職、金権腐敗の政治がまたばっこするようなことのないように、ひとつお願いをいたしたいと思っておるわけでございます。
 さて、共同銀行についてお聞きをいたします。
 予算委員会から資料提出の要求がありました。しかし、もうほとんどの先生方から、その資料の提出は不満である、こういう指摘があるわけでございます。私もその一人でございます。
 特に問題点を私から指摘をさせていただきたいと思うのでございますが、いわゆる委員会に提出をされました文書によりますと、平成五年三月期の当期の利益金が二億三千九百万円ある、こう報告書に書いてあるんですね。しかし示達書、いわゆる私たちに提出をしない示達書によりますと、こう書いてあるんですね。利息貸し増しを繰り返すなど表面的には利益を計上しているが、昨年三月期決算は実質赤字である、こう言っているのですね。
 そうだとするならば、東京都の名義にはなっておりますけれども、実質はうその文書を出しているんじゃないか、うその内容の文書が出されたんじゃなかろうか、私は実はそういうふうに思われてなりません。子細に検討いたしました結果の発言でございますから、大蔵省、どういうふうにこの点に対する抗弁をなさいますか。
 それから今度、前理事長関連会社の貸し出しについてでございますが、提出文書では、理事会で事後一括承認を得た、こう書いてあるのでございますが、示達書ではこう書いてあるんです。理事会に付議することなく、実行されている、こう言っているわけであります。
 実際、ともに違法行為をしたということは書いてはあるのでございますが、事後承認を得たということと、承認を事後でも受けなかったということでは大違いでございますから。こういう内容の虚偽の文書を提出をされるということに、私は、この問題をできるだけ隠して、できるだけさわらせないようにして問題の解決を図ろうというふうにされておるんじゃなかろうかと思っておりますが、こういう点、どうですか、大蔵省。
○西村政府委員 今回の資料提出に際しましては、東京都におきましても可能な限りの資料を提出するよう最大限の努力を図られたものと考えております。
 先日、二月十五日付で東京都から提出されました文書は、検査の示達書あるいは検査の報告書そのものの内容を要約したということではなくて、もちろんその検査の結果も踏まえまして、さまざまなその後の把握をした事実も踏まえまして、全貌ができるだけわかるような配慮をして東京都が作成した文書だと考えております。
○坂上委員 だから、大蔵省は大蔵省の責任で回答してくださいよ。東京都がそうしたんだろうと思いますなどという回答はいかぬですね。きちっと、指揮監督権は大蔵省にあるというのは、もうきのうから明確になったわけでございますから、だから、人ごとのような文書を出す、しかもそれが内容において著しく事実と相違をする、結果的には私たち予算委員会を、まあ言葉が憩うございますが、ペテンにかけるというやり方、こういうやり方でありますから、私たちは到底納得できな
い、こう言っておるわけであります。私たち、まじめに、真剣にこの問題にどう対応するかということを検討しておるわけでございますから、本当にもう少し私の指摘を、もう一度読み返して御検討賜りたいと思っておるわけであります。
 さて、ここで問題になりますのは、信用組合の従業員です。六十数名、八十数名の従業員の方がおるわけでございますが、この人の職場を奪うようなことのないように、どういうふうに対応されますか。
○西村政府委員 両組合の従業員数は、東京協和信用組合が七十一名、安全信用組合が九十六名、合わせて百六十七名おられますが、両組合の従業員は基本的には新銀行に引き継がれると伺っております。
○坂上委員 従業員の人には罪がないわけでございますから、どうぞその職場を奪うようなことのないように、特段の御配慮を大臣にも要請をしておきたいと思っております。
 さて、四百億円の出資、これはもう完了したのでございましょうか。日本銀行二百億、あとそのほかいわゆる一般金融機関が二百億でございますが、これは完了したのでございますか。
○西村政府委員 一月十三日に日本銀行、住友銀行、全国信用協同組合連合会が出資して設立されまして、二月三日にこのほかの一般金融機関が増資の払い込みを行いまして、各行の出資が完了しておるところでございます。
○坂上委員 この一覧表をいただいたのでございますが、まあすごいですね。例えば都市銀行、外為専門銀行十行、それから長期信用銀行三行、それから信託銀行六行、地方銀行六十四行、それから第二地方銀行協会加盟銀行六十五行、ずっと書いてあるわけですね。
 大臣、大臣の地元の銀行の出資額わかりますか。――結構ですよ。いいですか、申し上げますと、本当にこれを見ると、やはり問題になるのはもっともだと思うんですが、株式会社滋賀銀行でございますかここも幾ら出したかといいますと、これは幾らですかね、七千四百万円ですね。こういう出資になっておるんですね。それから株式会社びわこ銀行、これもそうですか、ここの銀行は四千万出しているということになっておる。
 これは全部、各先生方の地元の銀行もみんなこうやって出しているんですね。私のところの銀行は新潟中央銀行と大光銀行というんですが、これが四千万と三千万、それから第四銀行と北越銀行はどれぐらいかといいましたら、七千五百万と北越銀行が四千二百万円、こうやってだあっと、これは本当に、挙げてこう出ておるわけでございまして、やはり私たちの預金の一部がまたここへ出るわけでございますから、本当に真剣な議論をしなければならないと私は思っております。
 そうすると、各銀行の個々の払い込みは全部終わった、こういうわけでございますね。そうだといたしますと、今度は収益支援をなさるそうですが、これは幾らの収益支援をなさるんですか、大体どれぐらいです。
○西村政府委員 全体といたしまして四百億円ばかりでございます。
○坂上委員 そうがな。私の理解によりますと、こう書いてありますよ。大蔵省からもらったものですが、収益支援、東信協、全信組連、約二十億、それから長銀が約二百七十億、東京都が百八十億、それから一般金融機関、全信組連、四百億。これだけの金額、約倍なんじゃないですか、出資額の。この間、第二地銀の想定問答集を見ましても、出資額は十八億円なんですね。しかしながら、収益支援総額は二十五億なんですね。やっぱり出資額より三割から四割多いというのが実態のようでございますのでありますから、四百億なんというものじゃないでしょう。約七百億ぐらいの収益支援をやるんじゃないですか。どうです。
○西村政府委員 あるいは私、先生の御質問をうまく受けとめられなかったかもしれませんが、民間銀行の出資の負担が合計で二百億。それから、償却負担といいますか、収益支援等が合わせますと三百八十七億ございますが、そのほかに長期信用銀行の分を加えますと、御指摘のような数字に近いものになります。長期信用銀行が二百六十八億でございますので、合わせますと七百億近いものになる、こういうことでございます。
    〔委員長退席、三野委員長代理着席〕
○坂上委員 そうでしょう。そうしますと、今、大蔵大臣の地元の銀行、私の県の地元の銀行、大体、出資金額の三割あるいは四割増しの収益支援というものがどうも行われるんじゃなかろうかと思われるわけです。
 そこで、一体、この収益支援というのはどういうことをやるのですか。
○西村政府委員 これにはいろいろな方法がございまして、恐らく多くの金融機関が選ぶ方法は低利融資という形を選ぶと思いますけれども、それは例えば、ある時点において資金を供与する、贈与するというような方法もございますし、いろいろな方法がその金融機関によって選択されることと思います。
○坂上委員 大体三つ行われるんじゃなかろうか。一つは現金贈与、その次は低利融資、低利でいいですよと言って金を出すということ、それから低利で預金をいたしますよということ、この三つが大体収益支援の中心的な仕事のように言われておるが、どうですか。
○西村政府委員 御指摘のようないろいろな手法の中から金融機関が選択するということになろうかと思います。
○坂上委員 そういたしますと、銀行によっては、もうできるだけかかわりたくない、そのかわりこれだけ金を出しますから御勘弁いただきましょう、どうもこういうようなことも出てくるような状況のようでございます。これからの計画でございましょうが、どうぞひとつ、仮にこの計画が実行される場合については、そうやってもう本当に捨て金を出すような形になって、しかもその金額というのは相当な金額なんですね、でありますから、やはり大変慎重な御審議をいただかぬといかぬと私は思っておるわけでございます。
 さて、時間がありませんから次へ急ぎますが、きのうも問題にいたしたわけでございますが、業務改善命令、東京都から両組合に出されておる業務改善命令の中に、「法令及び通達違反事項の是正を図ること。」「資産内容の健全化を図ること。」こういうあれがありますが、法令違反というのは何を指すのですか。それから、通達違反というのは何を指すのでございますか。
○西村政府委員 法令違反事項といたしましては、大口融資限度超過貸し出し及び員外預金の受け入れ制限超過のほか、理事会の承認を得ないで理事へ貸し出しを行っていること、また通達違反事項といたしましては、支払い準備率の基準未達について是正を求めたものと理解しております。
○坂上委員 どういう法律違反ですか。法律、名前を挙げてください。
○西村政府委員 法律は、銀行法に準じて規制がされておるものでございます。
○坂上委員 事務的なことでございますから、後からきちっと御答弁いただけば結構でございます。
 今言ったように、法令違反、通達違反というようなことがこうたくさんあるわけでございます。そこで、法務省、お見えでございますか、民事局長。法務省、法令違反あるいは通達違反というようなこういうような行為は、民法九十条の公序良俗に反する行為というようなことになりませんか。どうですか。
○濱崎政府委員 個別の、当該問題になっておる事案につきまして私ども概要存じておりませんので、直接御答弁することができる立場にはございませんが、一般に、法令に違反する行為、例えば刑事罰則や取り締まり法規等に違反する行為の私法上の効力につきましては、そういう法令違反があるからといって当然に民法上も無効になるということではございませんけれども、その法令の趣
旨とか、違反行為に対する社会的な倫理非難の程度とか、あるいは一般取引に及ぼす影響でございますとか、そういった諸点を総合して、その反社会性、反道徳性のいかんによっては民法九十条に該当し、私法上の効力が否定される場合もあるというふうに理解いたしております。
○坂上委員 結構です。大変重要な発言いただいてありがとうございましたが、ここで私が心配しているのは、出資、それから収益支援、これが民法上無効になるおそれがあるんじゃなかろうか、こういうことでございます。というのは、今おっしゃったように、銀行局長が申すような法令違反だけでなくして、いわゆる稟議にかけなかったとか、いわゆる理事会で否決されたのにかかわらず金を貸し出したとか、まあこういうことはいわゆる特別背任罪の一構成要件になっておるわけでございまして、多分これから、検察が調べに入った、こう言われておるわけでございますから、こういう事態が出てくるわけであります。
 そういたしますと、こういうようなことになって、あるいは特別背任罪だ、あるいは導入預金禁止法違反だ、あるいはまた、今言ったように、協同組合法違反だ、こういうものがずうっと積み重なってきますと、これを動機とした法律行為は無効だ、こう書いてあるわけでございますから、いわゆる収益支援、出資、現金贈与、低利融資、低利預金、こういうものはすべて民法上否認されるということになるわけであります。だから私は心配しているわけでございますが、どうですか、法務省。
○濱崎政府委員 先ほど申しましたように、個別のことについてはお答えは差し控えさせていただきますが、先ほど申し上げましたことに尽きるわけですが、若干補充させていただきますと、例えば今御指摘の出資とかいろんな支援、それが公序良俗に反するかどうかということが問題になる場合には、それは、そのこと、その行為自体が公序良俗に反するかどうかということが問題になるのであろうと思いまして、その前の段階での信用組合の行った行為の性格によって定まるものではない、そこのところは各別に判断されるということになるのではないか、一般論の、民事上の問題といたしましてはそういうふうに考えております。
○坂上委員 今民事局長おっしゃいますことは、動機が内容になるかと、こういう問題でございます。したがいまして、こういう違法性の高いものが違法性の高い行為を補うためにある法律行為をやるということについては、動機が内容になる場合がある、こう言われておるわけでございますから、ここで私らが心配しておるのはこういう部分において問題になるのじゃなかろうか、こう実は心配しております。私も確信はありません。しかし、何だろうと思って一週間考えたら、大体こういうことが問題になるのじゃなかろうか、こう思っておるわけであります。
 そこで、今度は株主代表訴訟です。これもやはり今言ったような原理が対象になって、株主代表訴訟の問題が起きてくるのじゃなかろうかと思いますが、いかがですか。民事局長でいいですよ。
○濱崎政府委員 これも一般論で恐縮でございますが、既に御案内のとおり、商法二百六十六条におきまして、株式会社の代表取締役の会社に対する損害賠償等の責任が規定されております。
 いろいろな事由がございますけれども、その代表的なものといたしまして、取締役が法令または定款に違反する行為をしたことによって会社に損害を及ぼしたという場合には、取締役は会社に対して損害賠償責任を負う、その場合に会社が訴訟を提起しない場合には、株主が会社にかわって会社のために訴訟を起こすことができるという規定が用意されているわけでございまして、問題は取締役の法令または定款に違反する行為、それによって会社に損害が生ずるかどうかという問題であろうというふうに思っております。
○坂上委員 私はやはり、この問題は大蔵当局においても真剣にひとつ御検討していただきまして、私もわからないのです、わかりませんが、問題点だろうと私は思っているから御指摘を申し上げたわけでございます。大蔵大臣、いかがです。最後でいいです。
○武村国務大臣 法律上の大変大事な側面を御指摘をいただきました。私どもは一定の考え方で今日対応いたしておりますが、さらに一層、大事な問題でございますから、真剣に勉強をさせていただき、誤りのないようにしなければいけないというふうに思っております。
○坂上委員 ありがとうございました。
○三野委員長代理 これにて坂上君の質疑は終了いたしました。
 次に、桜井新君。
○桜井委員 きのうに引き続いてまたお伺いをさせていただきます。
 きょうはまず最初に、本部長を仰せつかって連日震災復興に奔走されております小里さんにお伺いをしたいと思うわけであります。
 ようやく政府の中で復興対策委員会、それから復興対策本部というような新しい組織をつくって、本格的に復興に向けて動き出したわけでありますが、復興の現地のその後の状況、政府としての対応、これからの取り組みの姿勢等についてお伺いをしたいと思います。
○小里国務大臣 都市計画、復興等にかけまして平素造詣の深い桜井先生のお尋ねでございますが、私は、基本的に感じておりますことを申し上げましてお答えといたしたいと思うのでございます。
 一つは、地元の県、市、町等々、立ち上がりへのたくましい息吹を感じております。そしてまた、具体的に行政としての取り組み、これも御承知のとおり、本当に日程等から考えましても、当初の応急対策、復旧対策を鋭意集中的にお互いに進めておるその途中においても、あすにかける、あすの復興にかける一つのことを念頭に置きながら県、市、町等々動いてこられたということに対しては、深い感銘を受けております。
 それから、先生御承知のとおり、日ごろでさえもと申し上げていいのではないでしょうか、いわゆる町づくり、復興にかけましての高いビジョンをお持ちの地域であるし、またそれなりの事業体、あるいは自治体としてもノウハウあるいはリーダーシップをお持ちの一つの地域でございますから、あくまで私どもは、本来の気持ちに積極さを加えてまいらなければならぬとは思いますが、地元の自治体あるいは関係団体等が罹災者を中心にいたしまして主役でなければならない、さような一つの認識のもとにかかっております。
 なおまた、御承知のとおり、地元におきましては、都市再生戦略策定委員会という、県はもう既に十一日に発足をいたしましたし、あるいはまた神戸市等におきましても復興委員会を七日の日に既に発足をなさった。こういうことが示すように、復興、都市再開発あるいは土地区画整理法等々もろもろの事業等の一つの基礎の上に立ちまして、既にその策定作業が始まったかな、もう始まったと言えるような感じがいたします。
 あわせまして、私ども国の復興にかける対応姿勢といたしましても、決して僭越に行き過ぎてもどうかなと思いますけれども、しかしながら、地元の皆さんを主役にしながらこれを積極的に支援をする。また、国として単独で施すべきもろもろの分野についての対応というものは、これは旺盛な意欲のもとにいろいろと対応をいたさなければなりませんから、先生御承知のとおり、あるいはまた後ほどお尋ねがあるかもしれませんが、例えば復興特別措置法なるものも先刻御相談をいたしまして、土地区画整理にいたしましても、あるいは再開発にかけるもろもろの法律関係等の現在なおかつ足らざるところをこの特別措置法で補って、そして、できるだけ現段階におきまする国の施策もおくれてはならない、むしろ先に網をかけていくような気持ちでお手伝いを申し上げなければならぬ、さように思っております。
 なおまた、ただいまお話がございましたように、政府といたしましては、村山総理大臣が本部長となられまして、そして大所高所から、しかも地元の県、市、町などもお入りをいただきまして、地元と国の対応が密接な連携のもとに有効に国及び地元の施策が展開されるよう心得ておりますことも御承知のとおりでございます。
○桜井委員 私は、今平成七年度の予算、それから景気対策の補正、そして今度やがて出てくるでありましょう復興対策の補正予算、こういったことに専念をしなければならない立場でありまして、十分な具体的なお手伝いもできないことは残念だと思っております。しかし、信頼しております小里さん、ぜひひとつ内閣の責任、そして国民の代表として精いっぱい頑張っていただきたいと思います。
 私は、二つのことをきょうは申し上げて、総理の決意をお伺いしたいと思うのですが、前回も申し上げましたけれども、関東大震災のときとは日本は格段の力の差がございます。やろうと思うことはほとんどできないことはないぐらいになったと思うわけであります。しかし、地震が起きて、国会始まって以来の論議を聞いておる中で、非常にエキセントリックに、余りにも感情的に突っ込み過ぎる、そして総理や政府の責任だけを追及しようとする、そういう、ある意味の別の思惑があってとしか考えられないようなことがございます。しかし、被災者の立場からすると気持ちがわからぬでもない、被災者はとてもそんなことではおさまらない気持ちだろうと思っております。私たちは、そういうことは謙虚に受けとめなければなりません。
 しかし、人知の及ばないことがあるということだけは、私ども生活環境をつくっていく立場の仕事をする者としては、いかなることがあってもそのことを忘れてはいかぬと思う。そのことは同時に、自然との調和なくして私どもの生活圏はないということも墓として考えなければならぬ。復興委員会が新しい計画を立てる、復興本部がこれを進めていく、そういうときに、自然条件というものをもう一回よく見詰めていただいて、人間がちょっと自信過剰になっていないか、そういった趣、こんなことは、どうせ守られもしないことまで安全だと称してやり過ぎはしないかこういう配慮だけは常に失ってもらっては困る、こう思っております。
 そういう意味で、ぜひこのことをいろんな計画の中で生かしていただきたい。そして予算のことについては、人口の比率からいっても、五百兆を数えるこの日本の経済規模からいっても、このことはどんなことを言われてもできないはずはありませんし、一%強の国民が困っているのに、今の日本人が、九九%の日本人がそれを救えないはずはありません。
 そういうことでありますので、積極的に大胆に取り組んで、一日も早く被災民が心を安んじて暮らせるように、そしてまた経済も脈々と活力をよみがえらせることができるように、私はぜひ期待をしたいと思いますが、本部長となられた総理の決意のほどを聞かせてください。
○村山内閣総理大臣 今小里担当国務大臣から答弁もございましたけれども、当面は、やはりまだ救援を必要とする方々がたくさんおられるわけでありますから、その救援に万全の対策を講ずることが大事と、同時に、復旧と復興というのは重なった面もありますから、そういう復旧、復興というものを念がけて全力を投入していくということも大事なことだと思うのですね。
 とりわけ、これは単なる復旧、復興だけではなくて、産業があって働く場があるということがやはり大変大事なことでありますから、できれば早急に生産に携われるような仮設の共同の工場といったようなものもつくるし、それに対する資金の手当ても行って、そして住むところと働くところということを中心にして、しかも全体として、この地震にかんがみて、防災にたえ得るようなそういう強い都市をつくっていくということのために全力を投入して今取り組んで頑張っていく必要があるというふうに考えています。
○桜井委員 現地の状況をつぶさに掌握されながら被災民の気持ちになって取り組んでおる総理の姿勢、心から敬意を払いたいと思うわけであります。
 さて次に、予算委員会では予算のこと、災害復興のことで議論がほとんど集中されまして、ややもすると外交も忘れがちのような感じでございますが、三月の六日から十二日までだったでしょうか、世界社会サミットというのがデンマークのコペンハーゲンであるわけであります。総理は国会との日程の調整で行く計画にされておるようでありますが、私は大変いいことだと思っております。
 日本はいわゆる平和憲法に基づいた外交原則に基づいてやっておるわけでありますが、しかし世界の外交体制は防衛抜きにしてはなかなか議論ができないわけであります。日本がその防衛という面で強い制約を受けた中で外交をやる。たまたま世界の潮流として、これ以上地球の開発を人類の思うままにやるとこの地球そのものがもたなくなるということに気がついて、今から二年半ぐらい前にブラジルのリオで持続可能な開発という国際世界共通理念を、協定を結んだわけであります。
 こういった環境の問題、そしてその環境を汚染するのは人であります。今やこの地球上の人口は二〇三〇年ごろには食糧と調和ができないほど伸びていくだろう、こう言われております。八十九億人ぐらいに二〇三〇年にはなるとまで言われております。私は、だけれども、これだけの地球環境の汚染状況を見ると、もっとこの汚染が進んで、食糧とのバランス、いろいろな開発とのバランスはもっと早く崩れるのではないだろうかと心配をいたしております。
 そういう点では、人口とか環境あるいは社会生活環境、こういったことについては日本の外交の手段としては最高のテーブルではないか、こう思っておるわけでありますが、総理が行かれることについての御所見を承りたいと思います。
    〔三野委員長代理退席、委員長着席〕
○村山内閣総理大臣 たまたま三月十一日は土曜日でもありますから、金曜日、国会が終わった後、参加をして、そして日曜日に帰ってきたい、ちょうど日程もとれるものですから、ぜひ参加をしたい、こういう決意でございます。
 今委員からお話がございましたように、社会開発サミットは、リオの地球サミットあるいはウィーンの世界人権会議、昨年開かれましたカイロの人口開発会議、それから九月には北京で世界の女性会議が開かれますが、こうした、地球規模の社会開発問題について取り組んで解決を図っていこうとする、言うならば国連の唯一の、私は意義のある会議ではないかというふうに思っておりますから、ぜひ出席をしてそれに頑張っていきたいというふうに思っているわけです。
 昨年九月にカイロで世界人口会議がございましたが、その会議には桜井委員も出席をされまして、そして人口と開発との関係について有意義な、積極的に取り組む発言もされて、高く評価をされておるというふうにも承っておりますけれども、この三月に開かれまするコペンハーゲンの会議も、この会議の目的を見ますと、課題を見ますと、例えば貧困の撲滅とかあるいは雇用の拡大、社会的統合の推進、社会的弱者の社会参加促進、こういったようなものがこの会議を開く課題になっておりますね。
 これは、日本の国がこれまで経済成長を遂げてきた、この経験に照らして、これから日本の国内はもとより、やはり国際的にも果たしていかなければならぬ日本の国に課せられた大きな一つの役割だ、こういうふうに私は受けとめて考えておりますから、こういうことこそ日本の国が国際貢献を果たし得る唯一の意義のある課題ではないかというふうに思っておりますから、そういう視点に立って、この会議の成功のために、そして日本の果たす役割について積極的に提言をして取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○桜井委員 大変心強い限りだと思っております。むしろ総理の最も得意とする分野だと思いますので、大いに頑張っていただきたいと思います。
 私も実は、亡くなられた、元農水大臣をやられました佐藤隆先生の後を受けまして、人口と開発の問題についてアジアのフォーラムのチェアマンをさせていただいております。二年半前のそのリオの環境会議でせっかく地球が大変だということに気がついて、地球の流転に調和した社会をつくろうということを決めていただいたにもかかわらず、そのことがウルグアイ・ラウンドの協定には全く、ちょっと議論があった程度で、一つもそのことに対する影響はなかった、反映はなかった、こういう現実があるのですが、日米経済構造協議を初めとして、ややもすると外交は経済に振り回されがちになっておりますね。
 しかし、やはり人間の生存というのは、生物との共生、共存以外にはできないわけですから、そういう点で、地球環境がおかしくなってしまったらそれこそ大変なことだと思うわけでありまして、こういうことを、せっかくいいことを、世界の首脳が集まって、今回のサミットもそうでありますが、決めますね。今回は、いわゆる低開発国の人たちの生活を豊かにしてあげよう、それから失業を減らそう、雇用を拡大するにはどうしたらいいということが主題になって議論をするわけであります。
 それから先進国の中には、格差が大き過ぎる、こういうことの議論もあるわけでありますが、そういう中で、どんなにいい議論をされても、それがほかの社会開発に影響しなければ、反映しなければ全く意味がないわけですね。ややもすると、今までの国際会議というのは、そのときのお祭り騒ぎで終わって、そういうことになっていない傾向が非常に強い。
 そこで私は、私たち世界の国会議員が、それぞれ予算を審議する審議権も持っておる、法案をつくる立法権も持っておる、こういう我々がそれぞれ手を結んで、首脳が決めたこと、あるいはNGOたちが盛んに訴えておること、これを行政にどう反映させるか、それが世界会議で協定されたときに、これを行政の方に反映させるための、やっぱりパイプ役になる必要がある。もう少し国会議員が国会外交を、議員外交をしっかりやるべきだ、こういうことで、実は二年前に福田赳夫元総理の指導で、世界国会議員会議というものを催そうということで計画をして、去年の九月、カイロでこれを一応成功させていただきました。
 今度のサミットも、そういう意味で、このサミットを成功させるためにサポーターとして国会議員の代表だけ、今回はあれほど集まりませんが、各ブロックの、五ブロックの代表だけが寄ってサポートをしよう、こういうことでやりますので、私も後ほどまた随行させていただいて、お手伝いをしたい、こう思っております。成功を祈っております。
 さて次は、実は通告順序は農政問題になっておったのですが、けさから新聞を見せていただいて、私も幾つかどうしても、きのうに引き続き、信用組合問題について触れさせていただきたい問題がありますので、そちらの方に入らせていただきたいと思います。
 まず最初に、東京都知事が、大蔵大臣が都の責任のようなことを言っておるけれども、とんでもない、一義的にはあくまでも大蔵大臣で、我々は機関委任事務で受けているというような意味の、言葉は、新聞をここへ持ってきましたけれども、新聞を読めばいいのですが、時間がかかりますので省略させていただきますが、そういう意味のことを東京都知事が言われておりますね。これは私は、聞き捨てならない幾つかのことがあると思うのです。
 特に、大蔵大臣を初め銀行局長も、これだけ私らが百四条で決議してまで資料要求したって、東京都の立場を考えて、守秘義務だ、守秘義務だと言って資料さえも出してこない。まあ銀行局長のことを言えば切りがないのですが、今も坂上さんへの答弁を聞いておったら、私どもには聞かせないことをどんどん答弁しているのですね、ここで。何が守秘義務だかさっぱりわけがわからない。
 私らのところには、たった一行書いた示達書の写しが来ているだけなんですよ。中身は全然来ていない。ところが、今坂上さんが言ったのにはどんどん答えているのですから、そういう点からすると、何が守秘義務で、何をしようとしたかわからぬけれども、私は、せっかく大蔵大臣がそこまで本気になって守ってやろうとし、この問題を金融の信頼回復のために役立てようと思って頑張っておる、それから見ると、私は都知事のこの言葉は許せないことだと思っておりますが、大蔵大臣、どう思っておりますか。
○武村国務大臣 鈴木知事の御発言は、ある新聞に一部簡単な記事が出ておりますが、詳細を承知いたしておりませんので、どうおっしゃったかを前提にコメントするのは控えたいと思っております。しかし、この新聞の記事を見ましても、大蔵大臣が人ごとのように言っているという見出しが出ておりますが、信組の監督は機関委任事務で、主務大臣は大蔵大臣である、今回の対策も大蔵と日銀、都で、三者で相談して出てきたものだ、人ごとのように言われては困るという、括弧書きの紹介でございますが、この後段の紹介はおおむね当たっている、私ども、異議はありません。
 人ごとのように言っているつもりは、最後の結論の方で、人ごとというのはこれは困りますけれども、東京都、大蔵省、日銀、三者が共同して今回の対策案というものは考え出したものでありますし、この対応措置については大蔵大臣も責任を持ってみずからの権限も行使をいたしておりますし、責任も全うしていく覚悟であります。恐らく日銀もそうであろうと思います。
 恐らく機関委任事務の解釈をめぐってあるいは相互の認識が、認識はそんなに違うはずないと思いますが、表現によっては多少違和感が出ている向きがあるのかもしれません。
 もう何回も繰り返して説明も申し上げておりますように、協同組合法によってこの仕事は国から都道府県知事に機関委任をされているということであります。したがって、法律の規定もございますが、現場での個々の信用組合に対する監督、検査事務も含めた指導監督は東京都知事、あるいは都道府県知事が御苦労をいただいているということであります。
 しかし、地方自治法の規定には、一般的に機関委任事務に対しては大臣の指揮監督という責任が規定をされているのも事実でございまして、私ども、信用秩序全体に対する責任を負っておりますから、そういう意味では、信用組合という信用機関も含めて幅広くその責任は負っているという認識であります。
 したがって、今回のような都道府県で処置できないようなこういう異常な事態が起こったときには、当然相談が出てまいりますし、それに対しては真剣にみずからの問題として知恵も出し、責任も全うしていこうという考えでございます。
○桜井委員 私もあなたが責任逃れをしているなどとは全く思ってもいなかったので、あえて聞かなきゃならぬ、心外だ、こういうことです。
 そういうことになると、なおさら、きのう私が要求したように、あなた方はこれだけ一生懸命やっているのに、そして一方ではどんどん資料が皆外へ漏れている。だれかが、守秘義務の違反者がいるからこういうことになっているわけですよ。これは逆に、あなたの方で、これだけ待って、そのことが、平成五年の夏の最初に相談を受けてあなた方が検査に入ったときの資料、いわゆる示達書の写しやなんかで詳細がわかれば私どももいろいろ判断のしようがあると思うのですが、そういう公式資料は全く出てこないんです。それを要求してくれと言ったのはどうしました。こんなことまで都知事に言われて、ほかはみんな出ているのに全然これを出させないなんということは、そこまでかばう必要は全くないと思うのです。どうしているんですか。
○西村政府委員 御指摘のように、平成五年及び六年の検査は私どももお手伝いをして、その内容については私どもも承知をしておるところでございますが、その資料をどの程度提出するかということにつきましては、その資料の管理者である東京都の御判断を尊重したということでございます。
○桜井委員 違うよ。あなた、答えるならそこに――あなたじゃない、やはり大蔵大臣だな。違うよ、そんなのは。言い逃れだよ、そんなのは。これだけのことになって、自分たちが手に負えないから相談に乗ってくれ、そういったあれも出してくれと言っている、中身は全部ばれちゃっているんだから。それをそんなに、向こうがこう言ったからといって何も催促しないで向こうの言いなりになっているなんて、こんなばかな話はないよ。
 あなたの名前、固有名詞まで挙げて知事があんなことを言っているんだよ。しかも東京都は、都議会でこの協力金を出すか出さぬか、否決するかもわからぬとまで言っているんだよ。そんなところにこんなことまで言われて守秘義務を、あなた方はおざなりにすることはないですよ。ちゃんと百四条に基づいたことがきちっとやれるようにやってくださいよ。
○武村国務大臣 こういう大事なときでありますから、東京都知事と私どもと違和感がいささかもあってはならないと思っております。
 この資料請求の問題につきましては、再三申し上げてまいりましたが……(桜井委員「督促をしてくれるかくれないか、それだけでいいですよ。あと時間がなくなりますから」と呼ぶ)再度議会からも要請をされておりますから、東京都とこの議会の意思を伝えながら話をさせていただきます。
○桜井委員 それから、マスコミを通じて私も知ったんですが、草川さんだったでしょうか、あなたが業務停止命令を出せば、あのとき、わかった時点で出せばよかったんだ、こう言っているんですが――あなたというより大蔵大臣でしょうな、大蔵大臣が業務停止命令を出せばよかったんだ、こう言っているのですが、あの平成五年の夏、今聞いてみましたら八月の初めだそうですが、都から相談を受けて検査に入ったときに、その中身のことを十分承知をしておったかどうかそしてそのときに、業務停止命令を出せという、そういう資格というか権限が大蔵省、大蔵大臣にあるのかどうか聞かせてください。
○武村国務大臣 平成五年の八月といいますと、不肖私はまだ就任をいたしておりません。責任逃れで申し上げるわけじゃありませんが、当時は藤井大蔵大臣が就任されたばかりでございましょうか、銀行局長も前銀行局長であったかと思います。
 しかし、人の交代はありましても、法律に基づくこの銀行の仕事は一貫して果たしていかなければならない立場でございますから、まあその時期の状況は私自身は詳細には報告を受けておりません。議論もございましたし、あのときの検査がどうであったかおおむね御報告を申し上げておりますが、そして業務命令がそもそも、業務停止命令とおっしゃいましたか、大蔵大臣の権限として出せるかどうかということについては、私は恐らく大蔵大臣がその権限は持たない、都知事にむしろまさに機関委任されている大事な職務の一つだというふうに理解をいたします。
○桜井委員 そこで、当時の大蔵大臣なり銀行局長が、このことについて行政指導として、相談を受けたわけだから、相談を受けた都に対して、業務停止命令なり改善命令なりをするようにという指導をしたかしないか、聞かせてください。
○西村政府委員 確かに、平成五年に検査に協力したことは事実でございますが、当時の検査実施後、東京都は経営内容の指導改善を強化することによってその経営問題の解決に努めておられたところでございまして、当局もその時点においては、そのような都の御方針によって解決を目指すという判断を尊重したところでございます。
 ところで、今御指摘の、その業務停止命令でございますが、これは昨日も申し上げましたように、この金融の世界におきましては、これが出るということは両信組における金融取引が停止するということを意味するものでございます。それは、預金者や取引先に与える動揺が大きく、また、他の金融機関の信用不安を引き起こすおそれもあることから、当時においてはそういう手段を回避したものでございますし、また、その当時の判断としては、他の方法を選ぶことがいいという判断があったと理解をしております。
○桜井委員 ここでひとまず大蔵省はやめて、日銀の総裁がおいでになっているから、日銀の総裁にお聞きしたいのですが、この事態を日銀が、きのうもちょっと聞きましたけれども、もう一度教えてもらいたいのですが、この事態を知ったのがいつか、それから、都知事の話では大蔵省から言われて相談に乗ったというのですが、その相談にあずかったのがいつかそれから、日銀はそのとき中身を見てどうすべきと思ったか、この三点だけ教えてください。簡潔にお願いします。
○松下参考人 日本銀行が、この両信用組合の経営悪化につきまして最初に問題意識を持ちましたのは、平成五年夏ごろのことでございまして、東京都の担当部局から当行の担当部局に対しましての情報連絡を受けて以後でございます。
 その当時は、まだ私どもの認識としましては、この両信組は非常に経営上の問題が拡大をする心配があるから、これを綿密にウォッチをしていく必要があろうということで、その後引き続いて大蔵も含めまして三者の間で情報交換をしながら、中央銀行としてどういう対策があり得るかということを内部的に検討していた段階でございます。
 それが、非常に資産内容、経営内容が急速に悪化いたしました昨年の秋から、本格的に根本的な整理のための対策が必要であるという認識に至りまして、その後、当行の担当部局におきましても東京都並びに大蔵省ともいろいろなレベルで検討を重ねてまいりまして、その最終的な結論が得られましたのは十二月に入って早々のことでございます。
○桜井委員 そうすると、一年ちょっとたった昨年の秋までは、ウォッチをしておっただけで何も具体的な動きはしなかったのですね。そのことが一点。
 それから、マスコミに前三重野総裁と長銀との関係がうわさされておりますが、どういう関係なのかちょっと教えてください。
○松下参考人 一昨年の夏、問題ありという認識に達しまして以後、情報の交換はいたしておりましたけれども、それをもとにして積極的に何らか日本銀行としての対策を講じるというようなところまでは至っておりませんでした。それは、昨年になりまして非常に情勢が悪化をいたしまして以後、日本銀行としての対策を具体的に検討することを始めたわけでございます。
 それから、御質問の後段でございますけれども、私の思いまするには、日本銀行は、その責務の性質から申しまして綱紀の厳正な保持ということに対しましては常日ごろから非常に気を使って、細心の注意を払っているところでございます。一部何かそういう特別の事情から、日本銀行の判断なりが影響を受けるかというようなことも伝えられているのは存じておりますけれども、私としましては、そういう当行のこれまでの方針から申しましても、また関係者の人物から申しましても、さような事実はなかったと確信をいたしております。
○桜井委員 実はきのう草川さんも言っておりましたけれども、最初に相談を受けて捜査に入った平成五年の夏、このとき、大蔵省の役人も日銀の皆さんも専門家でしょう、日本一の専門家とみずから自負しているわけですが、その皆さんが見て、私らでさえこれを見ただけで、ほんの統計的な、総体的な数字しか私どもは資料はもらえなかったが、これを見ただけでも、こんなことでは経営が成り立つわけはない、これは大変なことをしたんだ、こう思っていますよ。
 だから草川さんが、あのときにこれをやっていればこんなことにならぬ。草川さんがきのう挙げた資料からいうと、六百億ぐらいその後ふえているんだね。そうすると、あのときなら、今大蔵大臣が、これを決断するに当たって、こんなことを許してはならぬ、つぶさなければならぬと思った、だけれども国民全体の金融に対する信用秩序を守るためにというモラルハザードでこういう決断をしなければならなかったと言う。そんなことにならないで済んだはずなんです。あんなこと通りっこない話だ。それを皆さんがそのときにこのことを注意しなかったからこうなったと思うのですが、当時の日銀の責任者それから窓口になった日銀の職員、それから大蔵省の当時の大蔵大臣、事務次官それから銀行局長、それぞれ名前を教えてください。
○松下参考人 日本銀行といたしまして、一昨年の段階で、全くこの二つの信用組合を放置していてもいいんだという判断をいたしたわけではございませんで、先ほど申しましたようにいろいろ問題意識を持ちましたが、当時は東京都におきまして検査の結果に基づき、また大蔵省とも相談をされてと思いますが、経営改善につきまして種々具体的な指示を信用組合に対していたしておりました。ですから、そういう指示が、指示のとおり行われて、これを効果が上がるということを一方では期待しながら、他方ではまたいろいろ情勢もございますから、この問題がどのように展開していくかをなおしばらくはウォッチをしておくべき段階だというふうに判断したわけでございます。
 そういうことでございまして、これは日本銀行といたしましても、そういう信用関係をつかさどっております部局が、組織としていろいろなレベルで関係の対応する組織と交渉、連絡をしながら進んだことでございますので、特定のだれかの人物がその判断をし、それを取り仕切りをした、そんな段階ではないのでございます。
○桜井委員 行った人は、行った人はどなたですか。行った人はどなたですか。調査に行った人はどなたですか。その調査に行ったときの責任者は。調査に行ったときの責任者。
○松下参考人 日本銀行といたしましては、調査の権限があるわけではございませんので、これは情報の提供を受け、そしてそれを他の方面から確認をするというようなことにとどまっております。情報の交換をいたしていたわけでございます。
○桜井委員 この期に及んでだれかを出せばやられるだろうからなんて思って、そんなことを言われる。そんなことをやるから国民がますます信用しなくなるんですよ。素直にちゃんと、だれとだれが相談してやっていると言えばいいじゃないですか。
 それから、大蔵省。大蔵省、お教えください。
○西村政府委員 私どもも日銀と同様、組織として仕事を続けておるものでございますので、私どももその……(桜井委員「いやいや、当時の名前、余計なご生言わぬでいい、名前を聞いているんだ。平成五年の八月のときだよ」と呼ぶ)組織としてやっておる仕事でございますので、その点につきましては……(桜井委員「名前を聞いているんだ、名前を」と呼ぶ)たしか当時は藤井大蔵大臣だったと思います。(桜井委員「事務次官は」と呼ぶ)斎藤事務次官が御就任後だったと思いますが。(桜井委員「それから局長は」と呼ぶ)前任者の寺村銀行局長だったと思います。
○桜井委員 私、もうちょっと質問を、これ続けさせてもらいますが、その前に、きょう刑事局長来ておるんですが、刑事局長、きょうの朝、新聞を見ましたら、既に刑事局がこれに関心を持って調査を始め、資料の徴取を始めたという記事を読ませていただきましたが、どの程度に関心を持って、どういう意図で、どの程度のことをやっているかというのをちょっと聞かせてください。地検特捜部だな。
○則定政府委員 一部の新聞が御指摘のような報道をなされたことは承知しておるわけでございますけれども、従来から、検察がどのような行動を具体的案件との兼ね合いで行っておるのかという問題につきましては、公の席でお答えするのは差し控えるべきものだと心得ておりますので、御了承いただきたいと思います。
○桜井委員 これも同じようなことで、新聞はどんどん発表しておる、しかしこういうことは言わないことになっておる、こういうことであります。私は、きのうもちょっと総理がいなくなってからも触れたんですが、この種の事件が起きるといつもそうなんでありますが、まあこれは、だれかこれを画策をして、悪いことして、うまいことやろうと思ったのがいると思うんですよ。
 そしてこれをやった。やって、事件が表に出たころは、当事者は役者がかわっちゃって、今で言えば、総理、あなたとか、武村大蔵大臣とか西村銀行局長とか、こういう皆さんが、別に最初からどんなになってなんと企画したわけでもなければ、全く知らない、いきなり、いきなりという言い方はあれですけれども、ゆえあってこのポストについたわけです。そしたらこんな事件になった。いかにもあなた方が悪役のようなことを言われておる。悪役はもう既に舞台を去っちゃった。楽屋の中でほくそ笑んでいるかもわからないんだよ。
 だから、私はこういう機会に、あのやはり平成五年の夏のときに……(発言する者あり)黙って聞けよ、黙って。おととしの夏のときに大蔵省が相談を受けて捜査に入った。そのときから去年の秋までの間にいろいろなことがあった。今、ウォッチをするとか相談をしながらやっていたとかと日銀の総裁は言うけれども、その間に、きのうもさんざん言われたように、裏利息までつけてでも預金をしてくれといって預金募集までした。その信用組合が倒れるかもわからぬとみんな思っている、思っているところにどんなに頼まれたってあれだけの金額をやる人なんかありませんよ。大丈夫だ、大蔵と日銀が助けるから心配ない、公表しようがしまいがそう言ったに決まっているんだよ。だからこうなったんだよ。
 だれがそうしたか。いつもこういうときには、きのうも申し上げたように、一部の官僚と、そのときそのときにそこに影響力がある官僚と、そしてくだんの政治家たちが顔をそろえる。そして後はうやむやにされてしまう。だんだんだんだんバブルのようなことになり、はじけて、なお次々次々とこういうことが繰り返される。こんなばかなことはない。わかっていることですから、これは何としてもやる気になってやらなきゃならぬ。それはむしろ自由民主党単独のときよりも、今、社会党、さきがけ、自民党が連立を組んでいるときこそ私はできることだ、こう思いますので、ぜひこのことは本気でやろうじゃないですか。
 今、後ろでがたがた言っているように、こんなことを政権争いの道具にして、自分たちのまた欲を満たそうなんという発想はとんでもない話です。そんなことは抜きにして、この際は与党も野党もない、この問題を解決するためにみんなで力を合わせるべきですよ。こんなことで足を引っ張るなんて最も非国民的な行為だ、そんなのは。だから、このことについてぜひ当時の責任者たちから、その後どうやったのか、そしてとうとう武村大蔵大臣がこんな決断をせざるを得なくなったようなことになったのかということを究明をしていただきたい、私は、徹底的に。
 それで、これについて刑事局長、あなたのやっていること、特捜部がやっていることについて国民は大変な関心を持って見ておりますから、あなたのこれからの取り組みといおうか決意を聞かせていただきたいと思います。
○則定政府委員 先ほど申しましたように、具体。的に検察がどう対応するかこれは検察独自で決めるわけでございますが、今日までこの二つの信用組合の問題につきまして種々報道もされ、かつまた国会でこれほど盛んな議論がなされているわけでございます。私どもはもとより、検察当局におきましても強い関心を持ってフォローしているということでございます。
 一般的に申しまして、金融あるいはその他の経済取引に絡みます不法事犯ということがありますと、これは単に経済秩序を混乱させるおそれがあるばかりでなく、当該取引制度についての国民の信頼性を損なうおそれがあるわけでございますから、従来から検察当局におきましては、それらにまつわる不正事犯については適正に対応しているわけでございまして、一般的に、そこに刑事事件として取り上げるべきものがあれば厳正に、きちんと対応するものと考えておるわけでございます。
○桜井委員 検察の公正と公平に期待をしていますから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 それでは、総理も大蔵大臣も結構ですが、あと農林大臣――大変失礼しました、一番大事なことを忘れておりましたが、大蔵大臣、今いろいろ申し上げましたけれども、これからはこの種の問題は、ノンバンク、信用組合、いわゆる大手銀行が自分たちで直接できないようなことを、それよりももうちょっと下のレベルの金融機関を使っては、その自分たちの意図を満たすためにいろいろなことを今までやってきた、そういうことがありますから、この信用組合に対する今後の取り締まりをどうするかということをあなたがきちっとしない限りは、追及すべきことは、今申し上げたように、検査の当時の責任者がだれであり、どうやったかということをやらなければならぬことが一つ。
 それから、これからこの信用組合等の取り扱いを大蔵省としてどういう行政管理をしていくか、国民に納得していただくか、このことだけ、ひとつあなたの御所見を承りたいと思います。
○武村国務大臣 きのう、きょう、集中審議をいただきまして、この問題に関する責任ある立場として、真剣な御意見や厳しい御批判を承ってまいりました。
 何といっても、この二つの信用組合の経営の異常さが浮かび上がってきているわけであります。こういう異常な経営であったから倒れる、そして異例な措置をとらざるを得なかったというふうに私どもは思っているわけでありますが、この異常さの真相解明といいますか、この経営の状況はさらに一層整理をして、問題点も明らかにしなければなりませんし、また刑事、民事含めて、あらゆる法的な責任も厳しくたださなければいけないというふうに思っております。
 同時に、このケースから我々は真剣に何を学ぶか、そして今後に備えるかということも問われているところでございます。私どもきょうの時点では、ひとつぜひこうした御議論も踏まえて、大蔵省の中にも預金を考える懇談会とか、金融制度調査会基本問題検討委員会というふうなものが既に設置をされておりますが、まずはここにも諮りたいと思います。御意見を賜りたいと思います。そして幅広く、法律改正も含めて、今後に備えていきたいというふうに思っております。
 問題は、整理しますと、信用組合自体の経営のあり方、健全化の問題がございますし、また、信用組合に対する検査・監督体制の今後のあり方、充実の方向という問題がございますし、もう一つは、金融機関の破綻処理に際しての責任の明確化、こういう三点で今整理をしておるわけであります。
 まず第一点の、信用組合自体の経営の健全化を促すための方策としましては、一つは、昨今の金融自由化の中で、信用組合の原点である協同組合性がどう確保できるのか、この関係をこの新しい状況の中で検討をしなければなりません。特に大都市地域における協同組合金融機関のあり方、あるいは理事の兼職をめぐる問題にも目を向けたいと思っております。
 もう一つは、やはりディスクロージャー、透明性の問題でございます。他の金融機関ではかなりこの問題は進んできているわけであります。信用秩序に与える影響も考えながら、実態に即した信用組合のディスクロージャーのあり方について目を向けてまいりたいと存じます。
 もう一つは、外部監査の導入という課題があります。大体現在までは内部監査をしている監事を置いているわけでございますが、ここに外部から登用できないか。例えば公認会計士を充てるということによって外部監査を導入していくという、こういう側面も検討をさせていただきます。
 二番目の、検査・監督体制の充実の第一点は、御議論がございますように、国と都道府県との連携協力関係をどう密にしていくか。機関委任事務のあり方も当然ございますが、地方自治を尊重する立場に立ちながらも、こういう実態が出たことを反省をしながら、国と都道府県でどう、より協調して合同検査を進めていくか、あるいは人的な交流も広めていくか、日ごろも情報、意見交換をより密にしていくかという問題を感じております。
 また、当然大蔵省の、国の検査体制あるいは都道府県の検査体制の、人員をふやすことも含めて充実強化にも目を向けなければなりませんし、また、預金保険機構による検査というテーマも浮かび上がっておりますが、ぜひアメリカの例も参考にしながら、もう一つの検査体制をこの日本で考えていくかどうかということも真剣に勉強をさせていただきます。
 最後に、金融機関の破綻処理についての体制でございますが、何といっても、金融機関の破綻処理に際しましても、やはり自己責任原則の確立ということが基本だと思っております。その基本に立ちながら、不良債権の処理やディスクロージャーの充実等の環境整備を進めることが必要でありますし、またその一環として、多様な破綻処理方式を有する、特にアメリカのいわゆる預金保険公社の例も参考にしながら、日本の預金保険機構をどう強化していくかあるいは多様化していくか、多様な対応が可能な機構にしていくかも幅広く勉強をさせていただきます。
 そしてもう一つは、経営者のモラルハザード防止の観点から、いわゆる破綻金融機関の処理に当たりましては、経営者等の法的な責任をより明確化するというテーマも真剣に検討をしなければならないと思っております。
 以上、概括でございますが、二日間の議論を踏まえながら、大蔵省の考え方を申し上げました。
○桜井委員 大変積極的な対策を考えていただいているようでありますから、ぜひそのことをしっかりとやって、今後こういう不安を国民に与えないように頑張っていただきたいと大いに期待を申し上げます。
 農水大臣済みません。またいつかの機会にひとつ。
 終わります。
○佐藤委員長 これにて桜井君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして、行政改革及び東京共同銀行問題等についての集中審議は終了いたしました。
 午後二時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一保時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時十一分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより締めくくり総括質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 第百三十二国会が開会をされましてから、既に一カ月余経過をいたしておるわけであります。この間、震災に対するさまざまな問題、いわゆる災害対策の問題あるいはまた復興対策の問題、また防災対策の問題等幅広い議論がございました。
 また、その中に特に特徴的に取り上げられてきたのは危機管理の問題であろうと思います。さらにまた行政改革の問題、それから東京共同銀行ですか、これをめぐる不明朗な決着、こういった問題について数多くの議論が集中をしてきたというふうに認識をいたしておるところであります。
 私が今申し上げました危機管理の問題、行革、東京共同銀行、こういった問題に対して、いずれもやはり総理の責任は極めて重大だというふうに申し上げざるを得ない。したがいまして、この三点について少し議論をいたしたいというふうに思っておるわけでございます。
 まず最初に、危機管理に対する内閣、とりわけその最高責任者である総理の責任問題。
 阪神大震災は、先ほども本会議の中で議論がございましたように、既に亡くなった方が五千四百を超えておるというような大変な惨事になったわけであります。また、数十万の被災者を発生せしめたというふうに、その方々に対してお悔やみを申し上げると同時に被災者に対しての心からのお見舞いを申し上げたい、こう思うのでございますが、私は、やはり震災に対するあるいは災害に対する危機管理の問題、危機意識の問題が極めて重大であったというふうに思わざるを得ないわけでございます。
 この予算委員会においてもそういった角度からの議論がたくさんありました。適切な初動態勢の発動があったなればやはり五千四百というような亡くなられた方々、そういった方々も少しは減少させることができたのではないか。確かに震災そのものは自然災害であることは間違いがないけれども、まあ過激な表現かもしれませんけれども、そういった意味では政治の責任、人災でもあったというそういう指摘がずっと予算委員会の中で議論されてきましたですね。
 私も、議員会館に設置されているテレビでそのことをずっと拝見をしておったわけでございますが、私はやはりそういった行政の最高責任者の責任問題というのは言及をせざるを得ないわけでございまして、その責任問題について二つだけ事例を申し上げたいと思うんです。
 昨年の十二月の二十八日、いわゆる三陸はるか沖地震が起こったわけであります。これも震度六というような大変強度の地震であったわけでございますが、この地震が起こったときに、我が新進党は直ちに対策本部を設置をしまして、その次の日、その担当者である二階議員を現地に派遣をして実情を調査をいたしたわけであります。その結果に基づいて、三十日に文書を持って、官邸に対してその対策を要望しよう、こういうふうなことで出かけていったわけでございますが、年末のために総理はもちろん官房長官もおられませんでした。その代行者もおられなかった。やむなく二階さんは国土庁にこの要望書を持っていったという経過があるわけであります。
 このことは、年末というような、非常に行政の機能が動いていなかった時点だけに問題であったわけでございますけれども、そういう状態というものは、特に行政の責任者としては常に念頭に入れておかなければならなかったはずだというふうに思うわけでありまして、年末だからとかお正月だからとか、そういった問題、そういうとらえ方では責任を負うことはできないわけでありますね。
 ですから、こういうような、もしそういうことを想定して対応するそういう状況ができておったならば、私は阪神大震災についてもそういうような強い腹構えというものが継続されておったのではないかというふうに思わざるを得ないわけでございますが、こういうような、震度六というような三陸はるか沖地震のときに、行政の責任者として対応する手段が極めて欠けておった、この責任について総理はお認めになるでしょうか。
 また、もう一つの例を申し上げますと、これはもう既に何回か議論があったことでございますけれども、一月二十日の総理の本会議の問題、二階質問に対する御答弁の問題でありますが、総理は、初動態勢において自衛隊や地方公共団体にも必要な指示、要請を行ったというふうにおっしゃっている反面、しかし、今から振り返ってみれば、何分初めての経験でもあり、早朝の出来事でもあったので、幾多の混乱があったと思うというふうにおっしゃった。この問題について、私たちは本会議で聞いておりまして唖然としたわけであります。
 私が申し上げるまでもなく、地震は予知があって起こるわけではないわけでございまして、またいつ起こってくるかわからない。当然、現場におけるさまざまな混乱は避けられない状態であったわけでございますが、いわゆる危機管理体制に対する質疑でありますから、総理がこのようにおっしゃったということについては、私たち議員だけでもなく、国民の皆さんも唖然とされたのではないかというふうに思うわけであります。
 国民の生命財産を守るということは政治の最低限の任務でもございます。そういった意味においては、突然だから、初めてのことだからというようなわけには全くまいらないわけでございまして、その後総理は、いや、それは行政がそういうふうに混乱をしていたのではなくて現場が混乱をしていたというふうに、一月の二十四日、参議院本会議では訂正をされた。また、何回かその発言を繰り返しておられるわけでありますけれども、どうも受け取る側から見ますと、これは、本当に政府のそういった危機管理に対する失態というものがありながら、それを糊塗するための弁明ではないのかというふうに思わざるを得ないわけでございます。
 だから、私は、そういった意味において、やはりその一連の動きを見てみますと、総理は、そういった危機管理に対する基本的な姿勢の中に油断があったのではないのか。こういった点をお認めになるでしょうか。あるいはまた、初動態勢の発動は不十分であったというふうに私は指摘をせざるを得ないわけでございますけれども、まずこの二点に対して総理の所信を承りたいと存じます。
○村山内閣総理大臣 第一の、十二月二十八日に起こりました三陸はるか沖地震につきましては、ちょうど私はもう日程を組んでおりまして、大分に帰ってから、地元に帰ってから起こった地震なんです。
 それは、これだけの地震が起こったわけですから、直ちにまた東京に舞い戻るということができれば一番よかったかなと思いますけれども、しかし、土曜、日曜それから正月の休み等々も含めて、休みの際には各閣僚の所在というものはすべて明確にいたしておりまするし、そして連絡のとれる体制は十分とれるようにしてあるわけでありますから、私は大分に帰ったときも、国土庁の方からそうした連絡も受けながら、連絡をとり合ってやってきたという経緯がありますけれども、今御指摘のように、そんな生ぬるいことではこれはだめではないか、こういうふうにおしかりを受ければ、それは、東京に引き戻って、そして対応を十分官邸で取り仕切れば一番よかったのではないかという反省はいたしております。
 それから、この阪神・淡路の大地震に際して、初動の問題について、これは何分初めての経験で、早朝であった云々の問題につきましては、これは私は、訂正したのではなくて、そういう意味ですからひとつ御理解をいただきたいというふうに申し上げたので、私の真意は、そのことによって初動のこのことについて言いわけをしようとか、そんな気持ちはもうさらさらないことについては申し上げておきたいと思うんです。
 しかし、本会議でできるだけ簡単に簡単に、こういう要請もあるものですから、言葉足らずに、言い尽くせない面があったのでありまするけれども、しかし、これは率直に申し上げまして、あの起こった時点で、これは市役所の職員もあるいは県庁の職員も、あるいは警察、消防の皆さん方も、それぞれ被災された方々ばかりが多くて、最初に集まったのはもうごくわずかしか集まり得なかった、こういったようなこともございますし、ああいう大混乱の中ですから、交通の渋滞も来すでしょうし、いろんな意味でそうした混乱があったのではないかというふうに思われるということを私は率直に申し上げたわけであります。だけれども、そう申し上げたからといって、初動にすべて完全であったかといえば、御指摘になられるような点はたくさんあると私は思います。
 何よりも情報を正確に、的確に官邸が把握をして、そして必要な指示がそれぞれ必要なところに伝達できる、こういう仕組みがなかったという、言うならば、そういう緊急時に即時に対応できるような仕組みがやはり欠けておったということについては十分反省もし、見直すところは見直し、そして改めるところは率直に改めるという態度で臨むことが大事ではないかというふうに考えておりますから、私は、そういう意味では、そうしたものの立て直しをやりながら、救援と復旧と復興に全力を挙げていくことが今の内閣のとるべき責任である、こういうふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○石田(幸)委員 しかし、三陸はるか沖地震の災害の状況を調査して、官邸に要望書を持っていった、それが地震が起きた次の次の日ですからね。そのときに官邸は全くお休みで、そういう対策をすべきだという意見を聞く体制になかったという責任、それはお認めになるはずでしょう。いかがですか。
○村山内閣総理大臣 ですから、今申し上げましたように、私が地元に帰る日程を組んでおりまして、地元に帰ってから起こった問題ですからね。ですから、そういう地震があれば、もうすべてを捨てて、直ちに東京に引き返すということができれば一番よかったのではないかと思いますが、そのことについては、御指摘がある点について十分反省をしなきゃならぬと思います。
 しかし、これは国土庁を中心にしてずっと取り組んでまいりましたし、同時に、その連絡というものは絶えずやはりとってまいったわけでありますから、その点については御理解をいただきたいと思いまするけれども、言われるように、反省をする点がなかったかといえば、私は、やはり直ちに東京に引き返して、そしてそれなりの責任を果たすべきであったということについては十分反省をしなきゃならぬことだというふうに受けとめております。
○石田(幸)委員 その問題ばかりやっておられませんが、いずれにしても、やはり初動態勢のおくれというのは、これはもうあらゆる方面から指摘されているわけで、私は、総理はその責任を感ずべきだということを申し上げておきたい。また、官邸がそういうような休日の場合に対応できなかったということも、私は総理としての責任はあると思いますよ。
 次の問題で伺いますが、行革に対する問題でございます。
 今まで総理は、この行革という問題は内閣の最重要課題である、不退転の決意で臨む、こうおっしゃっていますね。それはいいのですけれども、そういうようなお話を承ってみますと、本当にそういうような実効性を上げておられるのかな、言葉のみ多くてその実があるのかなというような気がしてならないわけであります。
 特に、今度の特殊法人の統廃合の問題、改革については、その前提条件となるものは、いわゆる二年後に消費税アップをお願いしなきゃならないから行政をスリムにしてその国民的な感情にこたえよう、こういう角度で出発をされたわけであります。
 ところが、二月の十日になって、その結果を拝見をいたしますと、開発銀行とかあるいは輸出入銀行等の統廃合というのは結論が出なかった。また、各省庁の統廃合の問題を見ても極めて不十分だという、これはマスコミの専らの評価なのでございますけれども、いわゆるそういう重要課題を抜いて、そして出てきた統廃合では単なる数合わせにすぎないじゃないかという厳しい指摘があるわけであります。
 やはり二月十日にこれをまとめなきゃならぬということを公表した以上は、その時点できちんとした成果を国民の前に示すべきであって、私は、行革問題はこれからずっと許された時間の範囲内で十分やりますけれども、そういうふうにせっかく二月の十日までにはまとめるとおっしゃったのだから、これはきちんと世間に公表する、しかも、それは成果のある形で公表するということでなければ、不退転の決意なんという言葉に私は当たらないと思うのですね。
 この責任について、総理の所感を伺っておきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 これは、石田議員がかつて総務庁長官をやられて経験をされた先輩ですから、謙虚に承りながらお答えを申し上げたいと思うのですけれども、これは、私が内閣を組閣をいたしまして、細川内閣から羽田内閣と継続して取り組んできている問題でありますから、したがって、いい点は継承していくのは当然だというので、それを引き継いで、そしてこの特殊法人の見直しとその整理をやっていこう、こういうことを内閣の大きな課題として不退転の決意で取り組むということを申し上げたわけです。
 二月十日と申しますのは、各省の所管する問題について大臣が責任を持って決着をつけるということについて取りまとめをしてほしい、こういう要請をしておるわけです。そして、最終的には年度内にすべて決着がつけられるようにしよう、こういうことでありますから、二月十日に出されたものは、各省の所管する大臣が大臣の責任においてまとめたものを発表した、こういう経過であります。
 したがって、各省にわたるような問題については、これからまた十分議論をしていって、何としても年度内に可能な限りの決着をつけようではないかというその努力を今指示をして取り組んでいただいておる、こういう経過であります。
 私は、これまでの特殊法人の見直しの問題等を振り返ってまいりますと、客観的に見ればいろいろ指摘される問題やら御批判はあるかと思いまするけれども、しかし、これまでの実績に照らして考えた場合に、私は各省ともそれなりに大臣の責任においてやるだけのことはやってくれたというふうに評価をいたしております。
 しかしその評価だけで終わるわけにはまいりませんから、したがって、先ほど申し上げましたように、まだ年度内までには時間があるわけですから、この時間に向けて最大限の努力をして最終的な決着をつけようではないか、こういう指示をして今取り組みをさせていただいておる、こういう状況にあることについて御理解をいただきたいと思います。
○石田(幸)委員 その行革問題の内容につきましては、もう一点申し上げてから、個別問題を含めて総理の見解等を承りたいと思いますけれども、私はなかなか今の総理の御答弁では納得できない。それは幾つかの問題があるのです。それは後ほど申し上げましょう。
 それからもう一つ、きのうから集中質疑が行われてきたわけでございますけれども、東京共同銀行事件の問題。
 政府は、放漫経営を理由として行き詰まった両信用組合、これを公的資金によって救済する。これは、金融全体の信用を阻害してはならないのでそういう措置をとったというふうにおっしゃるのでしょうけれども、私たちこの議論を聞いておりまして、どうしても納得いかない。国民の皆さんも理解できないんじゃないかと思うんです。
 いろいろ大蔵大臣のお話等も承っておりますと、これは特別な事例であります、今後あってはならないというふうに釈明をされたわけでございますけれども、しかし、こういう事件が二度と起こらないとは言えないわけですね、一つは。だから、今後こういった起こるかもしれない事例に一定の予見を与えてしまったということは、その責任は極めて重いと言わざるを得ないわけです。私は、大蔵大臣の責任もさることながら、そういった国民の皆さんあるいは金融機関に一定の予見を与えてしまった、そういう責任は、行政の最高責任者としても総理の責任があるのではないかと思いますが、総理、どんな所感をお持ちですか。
○村山内閣総理大臣 これは集中審議の中でいろいろ議論もされたことでありまして、問題を指摘される点は多々あったと思いまするし、私は、そういう銀行経営の責任問題やら、指摘されるような事実関係については、可能な限り解明をして、やはり不信は解消しなけりゃいかぬ、そのために積極的に政府もこれから取り組んでいきたいというふうに思っております。
 ただ、そういう現状に照らして、日銀と東京都と大蔵省と三者が、この問題はこの問題として決着をつけながら、やはり金融というのは信用の秩序を維持することが大事だ、全体に及ぼす影響は大きい、こういう判断に立って合意をされたことについては尊重せざるを得ない、私はそういうふうに受けとめて、認識をいたしております。
○石田(幸)委員 その問題はさらにまた別の機会で申し上げるとしまして、行政改革の問題に入りたいと思います。
 まず、総理、この行政改革の問題、先ほど私申し上げました特殊法人の問題は、この統廃合の問題は、確かに細川政権が掲げた政治改革、経済改革、行政改革、しかも行政改革の問題は細川政権のときに基本的な方針をある程度決めさせていただいたわけですね。
 それを継承するというのはわかるのですけれども、この特殊法人問題の統廃合の問題については、政府は計画を前倒しをされましたね。その大前提に置きますところは、いわゆる消費税アップをお願いしなければならないから、何としても政府みずからも身を削るような努力をしなきゃならぬというのが大前提になってこのような方向をさらに強く進めるというふうになられたのではないのですか。その点いかがでしょうか。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 御指摘のように、昨年二月、石田委員が総務庁長官の際の行革大綱で、特殊法人等の整理合理化の方針を二年をめどとして行うという御決定をいただいたことは承知をいたしております。
 私どもはその経過を尊重いたしまして、しかし、政府・与党と真剣な議論をいたしました結果、この際、特殊法人の問題に関しては、行政改革を積極的にやるという姿勢を示す意味においても前倒しをして、認可法人等につきましては、これはできるだけ早くということでありますが、特殊法人に関しては、これは前倒しをして本年度内に決着をつけようではないかということにいたしまして、御案内のように懸命に取り組んでまいった次第であります。
 結果につきましてはいろいろな御批判もあろうかと思いますけれども、しかし、行革審の時代に、行革審の皆さん方があれだけ努力をしながらヒアリングも実行できなかった、さまざまの抵抗があった、そういった問題を、前倒しをして、しかも昭和五十四年の経過から見ても、はるかにそれよりも成果を上げる結果を生み出したということにつきましては、総務庁長官をおやりいただいた石田委員としても高く評価をいただけるのではないだろうか、かように考えておる次第であります。
○石田(幸)委員 私はさらに問題を少しずつ指摘をしたいわけでございまして、各大臣に伺いますが、村山総理、今回の行政改革、本当は基本理念の問題も議論したかったのですけれども、とても時間がありませんからこれはやりませんけれども、要するに、行政改革全般を進めるに当たりまして、やはり一つの大きな流れが私はあると思うのですね。
 それは、やはり東西冷戦構造が崩壊をして、そして世界的にも市場経済を中心としたそういう自由濶達な、どちらかといえば、公的機関で経済を動かしていくのじゃなくて、民間の自由な発想を育てていくんだ、そういう改革をするんだというのが例えば規制緩和の一つの考え方であろうと思います。これは、経済の活性化、あるいは内外価格差を縮小させるため、いろいろな目的はあるにしても、大きな流れはそうなんですね。
 ですから、この特殊法人の統廃合の問題も、私はやはり財政投融資問題も含めて考えていけば、例えば財政投融資の問題を考えてみると、これだけの大きな規模を持った財政投融資の形をとっている、いわゆる公的金融、国家金融、そういうシステムを持っている国は先進国ではないわけですね。そういうような一つのシステムをつくってきたのは、やはり欧米に追いつけ追い越せ型の産業育成の中ではある程度やむを得なかったという面があります。また、大きな役割を果たしてきた。
 しかし、時代は変わったんだ。規制緩和はまさに民間主導型の新しい経済改革をやろうとしているわけだから、ですから、この特殊法人等の、これはまあ財政投融資の中の全部がこの特殊法人問題に当てはまるとは私は言いませんけれども、非常に大きなウエートを持っていますね、そういう問題も今申し上げた角度で検討しなければならない私は問題だというふうに思うのですよ。また、そうあるべきだと思うのです。総理の基本的なお考えはどうですか。
○武村国務大臣 石田委員は、御承知のように細川政権のときに、秋でございましたか、第三次行革審の答申がございました。ここから昨今の行革が始まったというふうに私は認識をいたします。第三次行革審の答申の中に特殊法人の問題もお触れいただいているわけで、そういう指摘から出発をした、そして今日に至っているということであります。
 当然、数多くの特殊法人は、財政投融資計画による資金を背景として活動をしてきていることはおっしゃるとおりでございますし、特殊法人一つ一つのあり方の背後には、財投のあり方という問題が控えていることは間違いございません。
 ただ、財投の改革という視点から取り組んでいきますと、一つは、やはり財政改革という大きな、こっちの側面から真剣に見詰める視点もあるわけであります。もちろん郵貯等の問題は、またこれは郵政省の根幹にかかわる論議にもなりますから、中央政府のあり方という問題にも当然触れてくるわけでございますが、この局面、私どもは、第三次行革審の答申を受けて、その視点で取り組んできたということであります。
 もちろん政府系金融機関、さらに今真剣な最後の議論をしているさなかでございますが、その中では、財投という問題を大なり小なり背後にある大きな問題として認識をせざるを得ないという気持ちでおります。
○石田(幸)委員 各大臣にその成果を伺う前に、総理にお伺いしますけれども、この特殊法人の統廃合の問題、まだ三月までにそれは議論は残っていますよ。残っていますけれども、一体これは百点満点だったら何点つけられます。どうぞ。
○村山内閣総理大臣 これは、取り組んでやってきた者の立場からすれば、私は先ほども申し上げましたように、各大臣とも、いまだかつてない大臣の責任において真剣に取り組んでやっていただいたというふうに評価いたしておりまするし、私自身が何点だったという点数をつけるのは、これはおこがましいことだと思います。これは客観的に見ればいろんな点数のつけ方があると思いまするけれども、少なくとも及第点はいただけるものだというふうに私は思っております。
○石田(幸)委員 昭和六十一年から今日にかけて、この特殊法人問題はほとんど手がつけられてこなかった、だからそういった意味で、現政権が努力をされたということは、私もその点は評価をしますよ。しかし、中身の問題になってきますと、これは別問題ですね。
 それで、各大臣にちょっと順番にお伺いしますけれども、科技庁長官にお伺いをいたします。
 これは、今度の行革の中身全部を網羅しているものを、「見直し結果」というのをいただいておるわけでございますが、「新技術事業団と日本科学技術情報センターを統合し、科学技術振興のための基盤整備を図る。」そのためにやったんだとおっしゃるんですね。しかし、そのことによってどんなメリットが出てくるのか、さらにまた財政的なメリットはどんなふうになってくるのか、このことについておわかりでしたらば御報告をいただきます。
○田中国務大臣 お答え申し上げます。
 今後、なお一層科学技術を振興をしていく上で、基盤整備をさらに整理をしていきたいということの目的で進めております。
○石田(幸)委員 中身についてはさっぱりお示しにならなかったわけでございますが、今度の特殊法人の統廃合の問題は、廃止が一、民営化が二、民間法人化が一つ、統廃合が七つ、見直しが一つという内容になっておりますね。
 それでは大蔵大臣、要するに塩の専売事業を民営化するというふうになりましたですね。これはどんなメリットがございますか。将来の数字的な検討も恐らく行われたであろうと思いますので、そこら辺も含めてお願いします。
○武村国務大臣 今回の特殊法人の整理合理化の中で、大蔵省は三つの金融機関と塩の専売という制度を抱えておりましたが、これは、日本たばこ株式会社の中にこの仕事を預かっていただいていたわけであります。これを思い切って民営化をする決断をいたしました。
 そもそも、たばこの民営化が議論されたときに、塩も一緒に民営化すべしという御議論がございました。しかし、明治以来、長年の国家管理といいますか、政府が規制、管理する形でこの制度が守られて、維持されてきた中で、非常に抵抗が強くて、一千万人ぐらいの反対署名が提出されたということも聞いておりますが、そういうことで当時の政府は決断ができなかったわけであります。そして今日に至っております。
 製造メーカー、国が認可を与えている企業が十社近くございますし、卸も数十社ございますし、小売に至りますと十万軒ぐらいの規模にわたるわけでございます。六百人の専従職員がこの仕事に携わっているわけでございますが、思い切って民営化をするということは、六百人の仕事がなくなるということであります。これは成果というよりも、その対策に頭を痛めなければならないと思っております。かなりの思い切った決断であるとみずから思っております。
○石田(幸)委員 具体的な成果についての見通しは申し上げられないということですね。
 文部大臣にお伺いをしますが、私立学校教職員共済組合、日本私学振興財団を統合するというふうに御決定になったようでございますが、これはいわゆる政策的な決定ですね、類似的なものを統合しようというのですが、しかし、具体的にこれはどんなメリットがありますか。そういうメリットの方向が明確でなければ、ただ機構が合体して大きくなるだけで、国民的には不満が出てくるのじゃないですか。その点についてお答えください。
○与謝野国務大臣 特殊法人の統廃合につきましても、文部省はいろいろ検討してまいりました。その結果、目的を同じくする私学共済と私学振興財団の統合ということを決めたわけでございます。
 これは、仕事の内容は、私学共済の方は専ら職員の共済事業でございますし、私学振興財団の方は私学助成あるいは貸付事業をやっております。そういうことでございますけれども、私学振興という観点から見ますと同じ目的を持っておりますので、この統合をお願いしたわけでございます。
 これによるメリットというものを早急に期待できるのかという御質問だと存じますが、私どもとしては、この統合を機会に私学振興の基盤がより強固なものとなり、なおかつ、両組合が持っております潜在的な力というものは統合によって将来発揮され、さらには、統合によって、いわゆる重複する管理部門が段階的に簡素なものになって、重複部分が合理化される、そういう効果を期待しております。
○石田(幸)委員 余りこれは、国民の皆さんが聞いていてわかるようなお答えではなかったように思いますね。
 これは一つ一つやってみても、大体今お答えになったようなことであろうというふうに思うわけでございます。ですから、やはりこの特殊法人の統廃合の問題は、単なる数合わせではないかというふうな批判が出てくるんですよ。
 確かに、特殊法人全体のこの見直しに示された結果、その全体が、例えば物価にどういうような影響を与えるか等の問題をはじき出してみる、あるいは経済全体に与える影響をはじき出してみると言われても、それは難しい問題だと思うのですよね。
 だけれども、やはり個々のこういった特殊法人を統廃合した結果、それはどういう国民に対するメリットがあるのか、行政上どういうメリットがあるかということを明確にしなければ、これは納得しがたいと思うのですよ。本当に成果を評価することはできないと思わざるを得ないわけでございます。そこら辺の不備を私は指摘を申し上げておきたいと思うのです。
 問題は、この特殊法人問題について、今大蔵大臣からもお話がございましたけれども、財政投融資にかかわるいわゆる金融機関の統廃合の問題はさらに三月末まで延ばされちゃったわけですね。しかし、先ほど来申し上げておりますように、特殊法人、開発銀行にしてもそうですが、大きな影響があるわけですよね。
 いわゆる郵便貯金を原資とするもの、これは平成五年度ベースで十兆四千億、それから厚生年金、国民年金で七兆一千九百億というようなもの、そういうものを原資にしておられる金融公庫というのはかなりある。政府関係機関だけでもこの中の十七兆九千三十四億使っているわけですよね。あるいは公団等に回っている金、資金運用部全体ではありますが、十六兆という金が回っておる。
 こういうことを考えてみますと、この原資の問題について、しばしば新聞論調でもありますように、大蔵大臣、この原資、要するに郵貯の問題は金融の自由化の問題の中で揺らいでいくんじゃないか。右肩上がりに原資が、郵便貯金がふえていく、そういうふうにはなるまい。例えば九一年にはたしか十一兆円の金が郵貯にがあんと純増でふえましたよね。しかし、二〇〇一年にはそれが散ってしまうかもしれないんですね。
 それから、公的年金の原資というものはどんどんどんどん減る運命にありますね。いわゆる六十五歳支給というふうに変わっていくわけでございますから、被保険者は減っていく、支払いはふえていくというようなことで、この公的年金、これは厚生大臣に伺った方がよろしいんでしょうか、俗に厚生年金関係の公的年金というのはいわゆる財投の三分の一ぐらいの原資に相当すると言われていますね。これが二〇〇五年、二〇一〇年についてはずっと減っていくということになっていますね。
 数字を見てみますと、恐らく二〇一〇年ぐらいの間には五兆円から十兆円の規模で減っていくわけですよ。そうすると、原資の一割ぐらい減るという、財投の一割は減るということですから。したがいまして、今厚生大臣に伺いますが、原資が減っていくということになれば、現在の財政投融資のあり方論というものが議論をされてこなければこの政府関係金融機関の統廃合の問題は方向性を見出すことはできないんじゃないですか。
 まず、厚生大臣、その年金関係の増減について答弁をいただきます。
○井出国務大臣 お答えいたします。
 先生がおっしゃるように、年金関係、財投に占める割合、十兆四千億を超えておりまして、三分の一近くなっております。年金制度は、長期的見通しのもとに安定的な運営を図っていく必要がございまして、このため、計画的、段階的に保険料を引き上げるとともに、一定の積立金を保有し、それから生じる運用収入を活用することにより将来の現役世代の負担が過重とならないようにしておるところでございます。
 年金資金につきましては、収入と支出の差である収支差でございますが、保険料率の水準や給付額が今後どうなるか、その動向によりまして一概には申し上げられないのでございますが、平成六年の財政再計算に基づく将来見通しによりますと、いわゆる第一次ベビーブーム、団塊世代の諸君、昭和二十二年から二十四年ですか、この世代が年金受給者となる二〇一〇年ごろから後におきましては減少する時期が到来するものと見込まれております。
○石田(幸)委員 私の方からもう少し簡潔に申し上げますと、二〇〇五年の収入というのは、一九九五年と比べて十年後には、収入は二倍になるのですけれども、支出は二・五倍になるのです。また二〇一〇年と比較をしてみますと、一九九五年の収入と比較しますと二・五倍にふえるのですけれども、支出は三・三倍になってしまうのですね。どんどんどんどん減っていくわけです。
 しかも、この予定は、保険料率の引き上げを五年ごとに二・五%引き上げようとしているし、標準報酬上昇率ですか、これは四%と計算している。だけれども、現実のいわゆる春闘の結果を見ますと毎年四%は収入がふえていかないのですね。ここのところ最高でも二%ぐらいでしょう。だからもっと減る。
 そうすると、この財政投融資の規模というものは二つの面からこれは縮小の方針を出さざるを得ない。今申し上げた観点と、それからもう一つは、いわゆる国家金融における経済の運営の方法を民間主導に改めていこうというのが今の行政改革の流れでしょう。これを縮めなきゃいけないのですよ。縮小の方向を出さなきゃならない。その方向を今度の三月末に政府はお出しになるのですか、出さないのですか。現状維持でいくのですか。縮小の方針を出すのですか。まさか拡大とはおっしゃらないでしょうね。いかがですか。大蔵大臣になりますか。
○武村国務大臣 中期、長期の財投あるいは御指摘のような財投資金の行方については、今後真剣に議論をしなければいけない大事なテーマだと思っておりますが、当面、この三月の政府系金融機関の整理合理化の視点の中では、この問題について特段の結論を出すということではありません。
○石田(幸)委員 そこがよくわからないのですね、私らにしてみると。そういう問題の議論に踏み込まないで、開発銀行をどうしますこうします、政府の金融機関を縮小させますとか合併しますとかいったって、基本方針が定まらないのに何でそんなことができるのでしょうかね。そこら辺がどうしても理解できない問題でございます。
 さて、この議論ばかりしているわけにはいきませんから、それに関連して申し上げるのでございますが、いわゆる政府のそういった金融機関、この統廃合は三月末までに結論をお出しになりますか。お出しになれなかったとすれば、これはそれなりに政府の責任が問われる問題だと思いますが、いかがですか。
○山口国務大臣 去る十四日の閣議後の懇談におきまして、この問題については年度内に結論を得るように努力をしてほしい、こういう村山総理の御発言がございまして、総理の指導性のもとに各閣僚、その方針に沿って今努力をいたしているということでございます。
○石田(幸)委員 努力をしていることは長官、これはわかっているわけで、最終的な責任を持った答えを出せますか。村山さんいかがですか。出せなかったらその責任はどうしますか。
○村山内閣総理大臣 今ここで議論されておりますような財政投融資制度を中心とした全体の見直しということになりますと、これは相当やはり時間を要すると私は思います。これは専門家の意見を聞いたり関係者の意見を聞いたりして、そして直すべきものは直すということになっていかなきゃならぬと思いますから、その結論を出すことを年度内に求めても、これは私は無理だと思います。
 ただ、今の仕組みと制度の中で、重複する面やら、あるいはこれはまあ民間の方に移譲した方がいいとか思われる面等々があれば、そこらの見直しは徹底して、年度内にできる範囲のことはひとつやろうではないか、こういう努力を要請しておる、こういう状況であります。
○石田(幸)委員 それでは私はだめじゃないかと思うのですよ。だって、規制緩和一つ考えてごらんなさい。民間主導にするのでしょう。いわゆる公的な規制はやめようというわけでしょう。だから、この行政改革の問題もやはりそういった趣旨を踏まえて、特殊法人の統廃合をやる中で、いわゆる公的な影響力をできるだけ少なくしていこうという改革をしていくべきじゃありませんか。しかも、原資は減っていくでしょう。そういうものです。
 それは、確かに財投全体の問題をどういうふうに改革していくのというのは大変な議論が要りますよ。だけれども、私が申し上げておるのは、大筋においては、いわゆる官主導の経済運営じゃなくて民間主導型の経済体制を新たにつくろうというわけだから、当然そうすればこの財政投融資の方向は規模を縮小をするという方向に行かざるを得ないでしょうと申し上げておるんですよ。原資の面からいったって縮小せざるを得ないでしょうと言っているんです。そこら辺の見通しは全く現政権は持っていらっしゃらないんですか。
○村山内閣総理大臣 先ほど来聞いておりまして、二月十日というのは、先ほど来申し上げておりますように、各省の所管することについて大臣が責任を持って、今は九十二項目ありますね、その九十二項目の中で、特殊会社を除けば八十です、その八十の問題について全部洗い直して見直しをする、その結果について二月十日までに報告してくれ、こういうことになっておるわけです。したがって、その報告があったわけです。
 だけれども、この報告だけで終わりにはならないよ、まだやるべきことがあるし、やった方がいいと思われる点もあると思うから、年度内に決着をつけられる問題については最大限の努力をして決着をつけるようにしてほしいということを私の方から要請をして、今その努力をしていただいておる。
 ただ、財政投融資の問題は、先ほど石田さんからもお話がございましたように、これは大変大きな問題ですから、短時日の間に結論を出すといってもなかなか結論を出し得ない問題だし、これはやはり専門家なり関係者の意見も十分聞いた上で最終的な結論を求めていくということが大事ですし、世の中はどんどん変わっていくわけですし、これは先ほど、きのうもお話がありましたけれども、財政投融資の資金というのは、これはいつまでも同じ量でダムの中にあるわけじゃありませんから、変わっていくわけですから、したがって、変わった状況の中で対応できるような仕組みというものを考えていく必要があるというようなことからすれば、絶えずそうした点については検討を加え、見直しをし、取り組んでいかなきゃならぬ課題であるというふうに私どもは理解をし、受けとめております。
○石田(幸)委員 わかりました。
 要するに、今度の政府の金融機関統廃合のときには、この財投問題については議論しないということでしょう。簡単に言えばそういうことですよ。まあいいですよ。
 さらに、行革の問題について少し議論を進めていきたいのですが、先ほどから行革に対して、私は総理の決意に対し非常に疑義を抱いている点が幾つかあるのですけれどもね。これは行政改革委員会の設置法の関係の資料ですけれども、この行政改革委員会、スタートしているわけですよね。しかし、事務局長が決まっていませんね。この法律には、事務局を置き、事務局長を任命することになっているんですよ。
 これはもう武村大蔵大臣とも、私は総務庁長官のときに、三条委員会か八条委員会かという議論で大議論をしたわけですよね。細川総理の裁定があって、とにかく予算時期だから決めなきゃならないなというので、武村さんも譲られて、八条委員会やむなしたということで決着をつけた。そのときに細川総理は、さきがけの皆さんもおっしゃるんだから、要するに常勤の民間の人も入れるべきだというようなことで、これは私もそれを承知して案をつくったわけです。
 そういうような経過があって、事務局は私は官僚が事務局長を務めるのはやむを得ないというふうに判断をして、予算時期でしたから、武村さんも認められたわけですよ、それを。その後、いろいろな議論があったんでしょう。それはいいんです、議論があるのは。だけれども、事務局長を法律で明記しておきながら、事務局長一人ぐらい決定できないというのは、そんなことで行政改革の決意を述べたって、私は証左にはならないと思いますよ。議論をするのはいいんです。結論をどこかで出さなきゃだめじゃないですか。何か支障がございましたか。総務庁長官、決められない理由がありますか。
    〔委員長退席、三野委員長代理着席〕
○山口国務大臣 昨年、行政改革委員会設置法は成立をさせていただきました。
 御指摘の点は、行革委員のうちのお一人を事務局長的なお仕事をしていただくということにいたしまして、そうして事務局次長として総務庁から立派な官僚の人を派遣をいたしまして、事務局次長を設置をいたしました。
○石田(幸)委員 官房長官、どうなんですか、これは。法律で書いている。しかも、それは政府が決めた法律ですよ。提案して、国会で決められた法律でしょう。それを実行しなければだめじゃないですか。議論するのは結構だと申し上げている。結論を出しなさいというのです。それが、行革の推進をするための最高責任者の判断がなければだめですよ、これは。
○五十嵐国務大臣 できましたら行革委員会の事務局長は民間から適当なお方があればぜひ選任したい、こういうことで鋭意その選任の努力を続けてきているところでございます。
 もちろん、この間、十分なことにならないということであってはいけないわけでありますから、次長ほか、体制は十分に補完しながら努力をしてまいったわけでありますが、まあ、これは委員御指摘のように、もうそろそろこれは決めなければいかぬ。もう今まで鋭意努力はしてまいりましたが、この辺で最終的な事務局長の決定をいたすべきだ、こういうぐあいに思って、今詰めているところであります。
○石田(幸)委員 だから、不退転の決意と総理はおっしゃるけれども、そうなっていないじゃないですか。それを申し上げている。その事例の一つとして申し上げているのです。
 もう一つ伺いますね。雇用促進事業団の問題、これは、平成六年の十一月の二十八日に、総務庁の行政監察が、労働省に勧告した問題なんですね。これによりますと、雇用促進事業団は、今まで、いわゆる例えば炭鉱離職者等が各県に散らばっていく場合の臨時の宿舎としてずっと宿舎をつくってきたわけです。今までにつくられた数は十四万三百三十八戸、そして入居者、入居戸数といいますかそれは実に三万二千三百五戸、二三%にすぎない。二三%にすぎない。だから、この行政監察では、そういうものはもう抑制すべきだ。ところが、平成六年、七年、ずっと毎年二千戸ずつつくってきているんですよ。こんなばかな話はないんだけれども、労働省は何を監督しておられるのでしょうかね。
 しかも、問題なのは、六年の十一月の二十八日ですから、予算編成前の話ですね。当然、平成七年度の予算にその勧告の措置が入っていなければならない、措置されていなければならないはずですね。その問題も含めて、労働大臣、お答えください。
○浜本国務大臣 お答えをいたします。
 雇用促進住宅の設置につきましては、当面七年度までを期間とする第六次建設五カ年計画というのがありまして、その計画に基づきまして雇用促進事業団も住宅の建設をいたしてきておるわけでございます。
 七年度予算に勧告がどのように反映したかというお話でございますが、平成七年度予算につきましては、まず第一に、勤労者福祉施設というのがございますが、例えばどういうものがあるかと申しますと……
○石田(幸)委員 いや、この問題だけで結構です。
○浜本国務大臣 よろしいですか。福祉施設、それから移転就職者用宿舎の建てかえ、それから相談員の減少等を予算措置で行っておるわけです。
 それで、御指摘の移転就職者用宿舎の建てかえを、とりあえず七年度予算におきましては、従来の六百戸から四百戸に減少いたしまして、勧告の趣旨を生かそう、こういたしておる次第でございます。
○石田(幸)委員 だから、建てかえでしょう、それは。建てかえ問題でしょう。新設部分はどうしておるのですか。
○浜本国務大臣 これは先生御承知のように、先ほども申しましたように、七年度までを期間といたします第六次五カ年計画というのが、住宅建設計画の中で政府が決定したものがあるわけでございます。その計画に基づきまして、今年度は千三百戸という建設計画が出ておりまするので、これは一応五カ年計画の精神に沿いまして計上しておる、こういうことでございます。
○石田(幸)委員 それはちょっといいかげんじゃないですか、そういうやり方は。
 五カ年計画といったって、その計画は毎年見直しするぐらいの決心でなきゃだめじゃないですか。行政改革にならぬのじゃないですか。まだあれでしょう、これから千三百戸ふやすのでしょう。そうすると、入居率はもっと悪くなりますよ。――いいえ、答弁要りません。
 総理、行政改革というのは、言葉だけ大きければいいというものじゃないのですよ。不退転の決意でやるというのなら、こういう問題がきちっと七年度予算に反映されてこなければならないはずじゃないですか。だから、私は総理の発言に疑義があると申し上げておるのです。どうぞ総理の責任においてひとつお答えください。
○三野委員長代理 浜本労働大臣。――後で、総理が答えます。
○浜本国務大臣 今回の大震災におきましても、雇用促進住宅千七百戸を御利用いただくように対策本部にお願いをいたしております。
 それから、先ほど申しましたように、建てかえ用は、確かに行革の精神に沿いまして、六百戸を四百戸に減少しておる。こういう点は、御指示にいただいておるとおりの政策を進めておるということでございます。
○石田(幸)委員 全然話になりません。言葉だけではだめです。それで、もうこれ以上のことは、聞いても答えが出てこないでしょうから……(発言する者あり)まあいいです。時間もなくなりますから、規制緩和のことです。
 この規制緩和に対して、総務庁長官、五カ年計画を立てられましたね。五カ年計画を立てようというふうに申し上げたのは、細川政権のときにそういうことは申し上げたのですね。この規制緩和というのは、要するに平成七年度にどれだけやります、八年でこれとこれと。要するに、八年度までにできるものという時間的な問題を基軸に置いて、七年度まではここまでいきます、八年度まではここまでいきますというようなことでこの計画が立てられているわけですね。
 私はその点に非常に疑問を感ずるわけでございまして、この規制緩和の考え方というのは、やはり先ほども申し上げたように、市場経済を活性化させなければならないという大きな目的がありますね。それから同時に、世界的な経済の仕組み、自由経済を推進するという流れにも沿わなければならぬという問題がある。
 それから、もう一つ指摘されているのは、例えば社会経済生産性本部あるいはまた経済同友会あるいはまた一橋大学の教授である中谷さんの提言。それは、一つには、やはり内外価格差を縮小して物価を下げることに貢献をすべきだ。特に生産性本部の方はそのことを強く政府に要請をしておられるわけですね。
 これは私は非常に重要な問題だと思うのです。これはちょっと読んでみますと、「政府が本年度内に策定する「規制緩和推進計画」においては、内外価格差の解消に最も高い優先順位を与え、内外価格差の縮小目標を設定すべきである。」云々というふうにおっしゃっておるわけでございます。
 もう一つ、中谷さんの発言を御紹介をしますと、内外価格差は約四割と言われておりますが、中谷教授は一応経企庁の物価レポート'93の数値を当てはめておられまして、内外価格差、欧米との関係においてその差三三%、その三三%を半分に圧縮をすれば、日本の消費者物価が平均一六・五%、五年間でこれを推進すれば、日本の消費者物価が平均一六・五%、五年間ですから三%というふうに想定をしておられる、それによって浮くところのお金は、中谷先生の御指摘によりますと、何と年間に八兆円から十兆円のそういうようないわゆる消費余剰が生まれる、こういうふうに言われている。
 政府は今度消費税を上げるわけだ。そのことを思えば、私はこういうような考え方というのを政府は採用すべきである、こういうふうに思うのです。そうすれば、いわゆる消費税アップの分においても大幅に緩和されることは間違いがない。いわゆる生産性本部やあるいは経済同友会あるいは中谷教授の考え方、そういったものを政府として評価されるかどうか、これは総務庁長官と経企庁長官、お二人にお伺いをいたしたいと思います。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 経済同友会の提言あるいは中谷先生の御提言、私も読ませていただきました。学者の立場からあるいは経済同友会としての立場からの御提言であると認識をいたしております。
 確かに内外価格差の存在は事実であり、これが国民生活を圧迫していることは、これはもう明らかな事実である。その点はまた経企庁長官の方からお話があろうと思います。
 ただ、総務庁として申し上げますことは、規制緩和を推進するに当たって、内外価格差の解消ということを一つの目標として掲げなければならないことは確かにそのとおりだろうと思いますが、この内外価格差は、それでは規制緩和だけで解消することができるのかといいますと、それ以外の要素というものがあることもこれまた考えなければならないと思います。
 流通段階の問題でありますとか、あるいは消費者のブランド志向の問題でありますとかあるいは高い地価であるとかあるいは為替レートの変動でありますとか、数々の要素によって内外価格差というものは生まれている。しかし、この規制緩和を進めることが内外価格差を解消していく一つの大きな道であるということを私ども認識いたしまして、そういう立場から、規制緩和につきましては今懸命に努力をいたしまして、五年間の規制緩和推進計画を決定するという段取りを今進めておる次第であります。
○高村国務大臣 内外価格差の是正、縮小が規制緩和の最も大きな目標の一つであるというのは、先生のおっしゃるとおりだ、こういうふうに思います。
 ただ、今おっしゃった御提言の中には、数値目標みたいなものを定めろ、こういうことがあるとすれば、それはにわかに賛成しがたいわけであります。やはり、価格というのは最終的には市場で決まるものでありますし、特に為替だとかあるいは外国の物価水準、そういったものまで日本の政策によっていかんともしがたいわけでありますから、数値目標を定めるということについては直ちに賛成しがたい、こういうことであります。
○石田(幸)委員 そういう幼稚な議論をしてもらっては困るのですよね。数値目標が設定できないぐらいのことは、少なくとも議員になるような人だったらだれでもわかる話じゃないですか。そんなことを申し上げているのじゃないのですよ。
 それから総務庁長官、しかし経済企画庁長官は、いわゆる物価を引き下げる、内外価格差を引き下げるためには、確かにこの規制緩和というのは一つの大きな柱だとおっしゃったでしょう。それは、総務庁長官もほかにいろいろな問題がありますよということは、私どももよく知っているのです。
 だけれども、この五カ年計画を三月末までに立てるわけだから、私は、各年度ごとの規制緩和の計画、ずうっと拝見しましたよ。だけれども、それはいわゆるつけ足しにすぎないので、その問題が色濃く方針としては出ていない。だから私は申し上げているわけで、もう一遍この五カ年計画の素案を見直して、そして内外価格差を解消するという大きな柱の上に立ってこの計画をつくり直したらどうか、このことを申し上げているのです。これは、一%下がると大変な影響力があるのですよ。そういう角度で見直しをするつもりはありませんか。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 五年間を経過期間とするこの規制緩和推進計画は、規制緩和検討委員会の議論を踏まえました上で、明日はこの御報告を行革推進本部においていただきまして、その上でこの計画を進めてまいりたいと思っております。
 御指摘のこの見直しの問題は、これは御案内のように、計画を五カ年計画として立てて、それをそのままということではないのでございまして、毎年やはり着実に見直しをしていく。それからまた、石田委員が総務庁長官時代に御提案をいただき、私の時代に成立をいたしました行革委員会、この任務は、御案内のようにこの監視、そして意見、さらには勧告もできる、こういう大きな権限を持っているわけでございまして、この行革委員会に絶えずこの規制緩和推進については目を光らせていただくわけでございますから、そういった御提言もいただく中で絶えず見直しを行っていく、その中で、委員が御指摘をいただいた内外価格差解消ということも一つの柱として見直しを行っていくということは当然である、かように思っております。
○石田(幸)委員 少々私は今の御答弁には不満が残るわけでありまして、だって今計画をつくっているところでしょう。今検討しているところでしょう。そういう姿勢に立つべきじゃないのですか。これだけ増税をお願いをするについて、それを埋めるだけの財源が出てくる可能性のあるのは、この内外価格差を縮小するというのが一つのポイントとしてあり得るわけですから、十分検討すべきだと思いますよ。それ以上答えが出ないでしょうから、申し上げませんけれども。
 それから、今行政改革委員会の問題もおっしゃったのですが、もちろんそれは総務庁長官がおっしゃるとおりです。監視してもらわなきゃなりません。しかし、この規制緩和の問題というのは、まさに政府の許認可事項全般にかかわる、各省庁全部関係があるわけですよね。ですから、今政府部内に恒常的なこの規制緩和を進めるための委員会を、八条委員会あたりをつくろうというような御議論もあるやに新聞で承りましたけれども、やはり僕は、非常にこの範囲は広いものだから、行政改革委員会のほかに、この規制緩和に関する委員会というものを、八条委員会なら八条委員会でつくるべきだと思っているのですけれども、これはそういう方向で決まりますか。
○五十嵐国務大臣 今、総務庁長官がお話しいたしましたように、これから作成されていく五カ年計画は、それぞれ各年度で、いわばローリングシステムといいますか、きちっと見直していく、こういう考え方で恐らく意見がまとまっていくのではないか、こういうぐあいに思います。
 一方、今お話しのように、一体そこで恒常的にきちんと検討し、チェックをしていくという機関をどういうぐあいに設けるかというのは大事なポイントでございまして、この点でいうと、先ほども総務庁長官が申し上げましたが、一方で行政改革委員会がある、この行政改革委員会の作業の中身は、やはり規制緩和というのは非常に重要な一つの目玉に今なっているわけであります。
 したがいまして、当然、行革委員会の主要な任務としても、規制緩和の監督であるとかあるいは提言であるとか、こういうようなことというのは行われていくわけでありますから、そのための専門的な行革委員会内部における検討機関、あるいは専門委員会であるとか、専門部会であるとか、作業部会であるとか、こういうようなことを行革委員会の内部に設けて作業をしていくかどうかということ等に関しましては、まさに行革委員会で今それらの検討をしているというところでございます。
 私どもは、そういう行革委員会の意見等もいただきながら、どういう作業のあり方というものが一番適切なのかということも判断しながら、有効に作用できるようなシステムというものを考えていくべきではないか、こういうぐあいに思っております。
○石田(幸)委員 まだ決まってないということでございますから、それはそれとしまして、もう時間もありませんので、地方分権の考え方について自治大臣に少しお願いしたいんですけれども、地方分権推進法案が、要旨ができ上がって発表をされておるわけでございますが、これ、地方分権を進めるについてかなり時間がかかるわけですね。これから法律を提出して、国会で審議をして、そして地方分権に関する推進委員会をつくって、そこでまたいろいろ討議をしてどの問題を検討すべきかということですから、まあ推進計画が具体的になるには相当時間がかかるんじゃないかというふうに思いますが、そこら辺の見通し、どちらがお答えいただけますか。
○山口国務大臣 近く地方分権推進に関する法律案は国会に御提案を申し上げたいと思っております。
 特に、地方分権を進めるための推進委員会の設置につきましては、閣議におきまして村山総理が強いリーダーシップを発揮いたしまして、これはいろいろあっても委員会を設置すべきであるということで、そのような大綱を決め、法律案もそういう形で御提案できると思っております。また、この委員会の任務も、単に意見を言うというのではなくて、内閣総理大臣に対して意見の申し出、勧告もできる、また推進に対して監視もできる、こういった方向で法案をまとめ得るものと私、確信をいたしております。
 そうして、この委員会の期間はおおむね五年程度ではないかと思っておりますが、この間に積極的に地方分権推進の施策について御提起をいただきまして、国会決議もあるわけでございますから、衆参両院において、その御提言を私ども着実に実行していくということで対応いたしたいと思っております。
○石田(幸)委員 その問題はお考えを承るところで構わないんですけれども、私、かなり具体的には時間がかかると思うんですね。やはり中央省庁のいろいろな、さまざまな規制があるわけですね、地方行政に対して。これを早いところ見直しをしないと、結局、地方分権に関する推進委員会のいろいろな案ができてこなければ地方行政の改善は進まないという、そういう状況になることを非常に私は危惧しているわけであります。
 くだらない規制が多過ぎるわけですよ。今ちょっと残念ながら資料を忘れてきちゃったんですが、東京都のあれを見ますと、たしか千二百七十四ぐらい関与をしているわけですね。その報告、届け出事項なんというのはむだなものが多いのですね。確かに各大臣の認可事項になっているのですけれども、地方自治体で決められるものというのは相当あるのですよ。今何%という数字を申し上げられませんけれども、そこら辺はどんどん改善を進めるシステムをつくらなければいかぬ。
 一番くだらぬことを――文部大臣いらっしゃいますか。文部大臣、このことを御存じですか。都道府県、政令都市、これは教育長を任命しますね。そうしますと、教育長の任命は文部大臣の認可事項なんですよ。実際はそれぞれの各地方自治体が決めておって、そして本当はその辞令を持って文部大臣の方へ来なければならないということになっているのですよ。来たことありますか。いつも代理の人が、お役人がその辞令を持って文部省の係のところに届けるだけじゃないですか。こんなことやめたらどうですか。いかがですか。
○与謝野国務大臣 あいさつに来るということはあるわけでございます。
○石田(幸)委員 形式じゃないですか。そんなことを答弁しているようじゃ行政改革は進みませんよ。
 それから、ちょっと一つの事例として申し上げますけれども、これはある政令都市の土地区画整理事業、十二地区の問題なんですけれども、これを進めるに当たって中央省庁に提出をしなければならない書類は百六十五種類、三万九千三百四十四枚、決裁後のを含めますと、があんとはね上がって七万八千六百八十八枚、決裁分の書類の厚さというのは五十五メートルに達すると言われているのですよ。こういうような問題はやめなければいかぬと思うのですね。保
 これは一つの事例を挙げたにすぎないが、そういう意味で、本格的に規制緩和の議論が進むと同時に、並行的にこういうような問題を整理するための方針と仕組みをつくらないことには、地方分権は進まないのですよ。そういうような考え方ありませんか。
○山口国務大臣 お答えいたします。
 昨年の十二月二十五日に決定いたしました分権大綱では、委員が御指摘の国の関与の問題、国の関与につきましては、必要最小限のものに整理合理化をする、また存置する場合も事前関与から事後関与にする、権力的関与から非権力的関与へかえていくという趣旨も分権大綱の中で明確にうたいまして、また、国会に御提案する法律につきましても、その趣旨を明確にいたしたいと思っております。
 したがいまして、当然この地方分権推進委員会ではこれらの問題も取り上げて、着実に地方分権を進める提案をいただけるものと思っておりますが、もちろん国としてやれるものについて進めていくことは、これは当然であろうと思います。
 ぜひひとつまた地方分権推進に関する法律を提案申し上げた際に十分な御議論を賜りたい。私ども、国会決議もあるわけでございますから、国会の御議論を十分踏まえた上でこの地方分権を徹底的に進めていく、このことがそういう意味では本当の意味での行政改革になる、私はかように思っている次第であります。
○石田(幸)委員 大臣の御答弁としてはその程度のことだと思うのですが、要望として申し上げておきます。もっと早いうちに仕組みをつくらないとこれはだめですよ。そのことを要望しておきます。
 それから特に大蔵大臣に、ちょっと大蔵省主導で少し考えてほしいことがあるのですよ。それは要するに、補助金等の問題で各地方自治体からわんさと毎年陳情団が来るでしょう。これは私の名古屋の地元で報道されたことなんですが、平成五年の十月の記事なんですけれども、名古屋市は国から八百十二億のさまざまな助成その他を取りつけるために陳情出張団が年間に二千人必要だというのですよ。二千人もの人が入れかわり立ちかわり来ているわけです。その費用だけでも、交通費だけでも約五千六百万使っているのですね。各県、各政令都市、三千からある市町村ということを考えると、もう膨大な経費のむだ遣いですよ、これは。
 やはりこの補助金の整理統合の問題もあるんですけれども、これは大胆に切り込まないことには、確かに今度の方針で、平成七年度は三百万から三百五十万ですか市町村の補助金の限度額が。そういうふうに改正していますけれども、そんな額でこの陳情はやまるとは思えない。陳情そのものが悪いと言っているんじゃないんですよ。なぜか小さな補助金まで一々一々東京へ上がってこなければ決着ができない、その間の膨大な経費がかかっている、能力がかかっているというのは、大蔵主導で何とか改革する方針、出せませんか。
○武村国務大臣 この点は石田委員のおっしゃるとおりでもあります。特に中央集権の実態を語る上で、陳情の回数とか、数とか、人数とか、たびたび語られてきたところでございます。まさに、地方分権はこういう状況をなくしていこうということであります。
 昨年末の予算編成におきましては、いわゆる奨励補助金につきましても一層議論をいたしまして、三千五百万まではもうやめるということにさせていただきまして、来年は五千万にまたこれを上げていくと……(石田(幸)委員「県ですよ、市町村は三百万です」)そういう方針で徐々には進んでおりますが、しかし、一般の補助全体については、かねがね言われているように、やはり一般財源化していくか、あるいはメニュー化していくか、さらに一層大胆な補助金に対する改革の姿勢が必要だと思っております。
○石田(幸)委員 行政改革、もう時間もありませんからこれ以上はやめますが、最後に、震災の問題について、最近私のところへ何とかしてもらえないかという話が二点来ております。これは全壊家屋の撤去等の公費負担にかかわる問題なんですが、担当大臣がどちらになりましょうか。
 一つは、いろいろ現場と話し合ってみるんですけれども、何しろ市当局も手が足らないわけですから、御自分でどうぞというようなケースが窓口では交わされているようですね。しかし、自分で撤去するということになりますと制約があるはずですよね。やはり単価の問題で自己負担が多くなってくる、そういう問題もありましょう。
 それからまた、現在は家屋の解体、撤去の公費負担というのはいわゆる土地の部分、宅地だけですね。宅地だけですよ。一つは、じゃ、がけ崩れや何かの問題について、すごい金がかかるんだけれども何とかしてもらえないだろうかというのと、それから、たまたま山地とか林地の中へ家を建てちゃったものが、残念ながら今度の震災で倒壊しちゃった、それは宅地じゃなきゃだめだという制約がありますから、これの公費助成、ないんですよ。これを何とか改善できないかという問題が一つ。
 それから、文部大臣に伺いますけれども、地域の、被災地域の中で大学関係あるいは教育機関、大変やられていますね。で、激甚法の指定によりますと、公立学校の施設復旧費が三分の二、現実には上積み措置で六分の五近くまであるのだそうですが、これは公立学校に対する国の措置なんですね。私立学校には、大学や短大には二分の一しか措置されないという問題が一つありますね。これは、激甚法にあるんだからやむを得ないんじゃなくて、これだけの大震災が一挙に起きているわけですから、平等に扱うことはできないのかという問題。
 それからもう一点、いわゆる地元の県では、被災児童等に対しては、受験料、入学金、授業料、こういうような免除措置がとられておる。たしか兵庫県はこれに対して三十億ぐらい金を出しているのですね。ところが、要するに大学関係は国の責任において措置するわけですから、そういうものが今のところ全体で百五十人枠程度。私が申し上げたいのは、いわゆるそういった被災の学生に対して、奨学金制度などというものをもっと大幅に、希望者がいれば全額これを貸与する、あるいは給付できるところは給付するというような、そういう拡大措置がとれないのか。もう少し私学に対して手厚い方法がとれませんか。これだけ伺いまして、私の質問は終わりにします。
○小里国務大臣 まず、瓦れきの撤去の問題でございますが、ただいま議員は、個人の土地という名指しでお話しでございましたが、もとより個人の資産の場合、これは解体及び搬送の対象に十分なります。それから、個人以外となりますと、いわば小事業者、これは私どもは、資本金一億以下、従業員三百人以下、こういう零細企業者と申し上げますか小事業者、こういう概念で基準を置きまして、連絡をとっているところでございます。この分は、御承知のとおり公費で負担をいたします。
 さようなことでございますから、お話の、個人の土地以外の分でも小事業者と認定せられる範囲におきましては、その対象になります。
 それから、お話の崩壊地の問題でございますが、これはもう先生も御承知のとおり、通常、急傾斜地で、しかも危険区域の指定を受けておりますと、国費の負担も伴って、大方、県単独事業等でこれが救済を行っておりますが、今回の場合は、さらにその制限枠を広げまして、被災地域という特定基準を加えまして対応するようにいたした次第でございます。
 それからもう一つ、家屋の全壊、半壊等の措置でございますが、三百五十万を限度にいたしました援護資金等は、三年ないし五年間の無利子で、十年間償還というような措置は講じてございますが、別途にも、多少利用いただける制度は準備をいたしております。
○与謝野国務大臣 三点御質問がございました。
 まず第一点の、被災をされた私立学校に対する援助の問題でございます。これは、激甚災害法に書いてあります、先生御指摘の、補助率を高くすべきだという意見もございました。私どもも、そういうことが可能かどうか、財政当局ともお打ち合わせをしながら、慎重に検討を進めてまいりました。その結果、激甚災害法に書いてあります他の補助率との横並び、均衡等も考えまして、やはり二分の一の補助率は据え置かざるを得ないという結論に達しました。
 しかしながら、それだけでは私立学校の再建ということはなかなか難しいということで、その残余の二分の一については、私学振興財団の長期低利融資の制度がございますが、この融資制度の中で適用されるべき金利というものを従来のものより下げまして、期間中の平均金利が四%を割るというところまで引き下げたわけでございます。加えまして、従来は補助の対象になっておりません損失を受けた物品費等についても、その手当てをすることといたしました。
 また、それと同時に、私立学校において仮設校舎を建設する、これについても国としてきちんと支出をする、手当てをするということを決めました。
 また、私立学校という定義のほかに各種学校、専修学校というものもございますが、専修学校についても補助二分の一、長期低利融資二分の一ということで、おおむね教育施設については補助の制度を均てんしたつもりでございます。
 第二の御質問は、兵庫県が授業料等の免除を行った場合、国がそれをどういうふうに補てんするのかという御質問だと存じますが、補てんという考え方はともかくといたしまして、その一部はやはり私立高等学校等の経常費助成の中で考慮していくつもりでございます。
 第三点の日本育英会の奨学金でございますけれども、これは従来は、どのぐらい勉強ができるか、どのぐらい経済的な困窮にあるかという、学力基準あるいは家計基準というものに照らして考慮してその適否を決めておりましたけれども、今回は、ああいう被災されたたくさんの学生がお困りでございますので、そのお申し出の時期ではございませんけれども、お申し出があった場合にはそういうものの育英資金を給付するかどうかということを決めますし、また、その基準についても弾力的にやってまいりたいと考えております。ただ、一律無条件にということは、従来の育英奨学金の趣旨に照らして、なかなか考えられないということでございます。
○石田(幸)委員 以上で終わります。
○三野委員長代理 これにて石田君の質疑は終了いたしました。
 次に、伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 まず最初に、田中科学技術庁長官並びに総理、法務大臣にお伺いいたします。
 本日の新聞を見ますと、田中科学技術庁長官は、ロッキード裁判に関連しで、日本の司法においては公平かつ公正な裁判は期待できないという思いを強く抱かざるを得ないと述べたようでありますけれども、まず、それは事実であるのかどうか。それからもう一つ、これは文章を、書かれた
ものを読まれたのかどうかということもあわせてお伺いをいたします。
○田中国務大臣 昨日の声明は、昨日の判決の事前に各社から取材の申し込みが殺到しておりましたものですから、誤解があってはいけないと思いましたものですから、紙に書きましたものをワープロを打って、それを一度だけ読み上げさせていただきまして、関連質問等にはお答えしておりません。
 それで、冒頭おっしゃいましたこと、私は、この紙がございますのですけれども、「この裁判で見る限り、」「という思いを強く抱かざるを得ない。」という表現をしておりまして、これは、三権分立というものは民主主義の基本でございますし、それから、最高裁判所の判決というものは非常に重要なものであるということはもう当然でございます。ただ、私の、娘としての感想を述べたということでございます。
○伊藤(英)委員 私は、田中長官の置かれている立場といいましょうか、あるいは環境といいましょうか、そういうものについては十分に理解できるつもりであります。
 そうなんですが、しかし、やはり立法府に身を置く者として、そしてまた、同時に現職の閣僚として見たときに、日本の司法に公平公正な裁判を期待できない思いを持って閣僚をやっているということについて、どうだろうか、これは私はやはり重大な問題ではなかろうか、こんなふうに思います。
○田中国務大臣 これも冒頭に申し上げていることでございますけれども、これは現内閣の閣僚としてではなく、一個人としての感想を申し上げるというふうに冒頭申し上げてございます。
○伊藤(英)委員 そうですよね。そういうふうに言われました。でもやはり、例えば国民から見たときに、閣僚をされている田中さんがこういうふうに思っておられる、しかもそれは、もう一度繰り返しますけれども、やはり現職をされている、現職の閣僚の方が日本の司法に対して公平公正な裁判は期待できないと思っているということは、いいだろうか、ほかの国民はどう思うだろうかということであります。
 そういう意味で、法務大臣、この問題についてどうですか。
○前田国務大臣 お答え申し上げます。
 行政府の一員である閣僚が、最高裁の判断の具体的な事件の判決につきまして、閣僚として、行政府の一員として意見を述べることは差し控えるべきであろうと思っておりますが、田中長官の場合は、田中元総理の長女という個人のお立場で発言をされたものだ、かように理解をいたしております。
○伊藤(英)委員 やはり同じことを申し上げますけれども、だけれどもやはり現職の閣僚なんですよ。その人が言うんですよ。きょうの新聞を見ても、田中科学技術庁長官はこういうふうにというふうに、まあこれは新聞の書き方もあるかもしれませんね。ですが、やはりそうですよね。
 任命権者たる総理大臣はどう思われますか。私は、この問題はやはり極めて重大な問題だ、こんなふうに思います。
○村山内閣総理大臣 午前中にも質問がございまして、私がお答えをいたしましたけれども、いわゆるロッキード事件丸紅ルートに関して、被告人の槍山広及び榎本敏夫に対する贈賄等被告事件について、昨日最高裁の判決が出されたわけであります。
 この具体的な事案について総理大臣として見解を述べることについては、今法務大臣もお話がございましたように、差し控えたいというふうに思いますけれども、しかし、このロッキード事件というものが与えた影響というものは、特に政治的に与えた影響というのは大変大きいものがありまして、それがまた政治不信を大きくしていく一つの大きな原因になっておる。
 そういう反省も含めて政治改革に取り組んで、そして国会でも十分な議論をいただいて、選挙法の改正やら、あるいは政治資金規正法、公職選挙法等々の改正も行われて、ようやく政治の信頼を回復しようといって挙げて努力をしている過程にあるわけですから、私は、今度の判決はやはり厳粛に受けとめて、襟を正して厳しく対応していく必要があるということについては、そのように考えております。
 ただ、今もお話がございましたように、科学技術庁長官の場合には、わざわざ個人としてと言って断って、親族である立場から見解を述べておるのでありまして、その点は私もそのように理解をいたしておるところであります。
○伊藤(英)委員 私は、個人としてというふうに今も言われたりいたしましたから、その言い方は理解しないわけではない。しかし、やはり違うんじゃないのだろうか、この問題は。ということで、ぜひこのことについて重大に考えていただきたい、このように思います。
 次に、北朝鮮の問題についてお伺いをいたします。
 まず、昨年の十月二十一日の米朝合意から、最近になりまして、北朝鮮が韓国型の軽水炉の導入に強く反対をしている、こういうふうに伝えられているわけでありますけれども、これはどういうことなのか、どういうふうにもめているんだろうか、なぜもめているんだろうかということについてまず伺います。
○河野国務大臣 米朝合意については、もう議員十分御承知のとおりでございますが、この米朝合意にのっとりましてその後の作業を進める、具体的な作業を進めるということで、米朝間がさらに議論を煮詰めているわけでございます。
 傍らで、御承知のとおり、北朝鮮側は既に黒鉛減速炉及びその関連施設の凍結をいたしておりまして、そういう状況がございますので、他の側も、それに沿ってさらにこのプロジェクトを進めていく誠実な行動が求められるのは当然でございまして、アメリカを中心に日本、韓国などとの作業も進んでおりますが、米朝間の議論で、炉の種類その他について具体的な話し合いが行われ始めたところでございます。
 この間の事情については、もしお許しいただければ事務当局から少し御説明をさせていただきたいと思います。
○川島政府委員 お答え申し上げます。
 今大臣の方から御答弁申し上げましたけれども、具体的には、米朝間で専門家会合というレベルで、軽水炉供与の問題について相当詳細な詰めを始めております。
 それで、軽水炉の型の問題につきましては、米側は、韓国は軽水炉プロジェクトにおいて中心的な役割を果たす唯一の国であるということから、韓国炉の供与が唯一の可能なオプションであるという一貫した立場をとっておりますけれども、北朝鮮側は、技術的あるいは政治的な理由から、韓国側の炉を受けることは反対であるということを公に、スポークスマン等でも表明しております。これについてはさらにやりとりを続けなければならないのだろうと思います。
 なぜ反対かということにつきましては、これはまさに南北間の長い長いやりとり、いきさつがございますし、そういう中での政治的な考え方というものが北側にあるのではないかと推察されますけれども、いずれにいたしましても、日本側といたしましても、これは韓国が中心的役割ということで、韓国炉ということで動いておりますので、そういう方向で話が行く行くつくことを期待しつつ、まずは見守っている次第でございます。
○伊藤(英)委員 私は、韓国型にするということは、いわば米韓間というふうに言った方がいいかもしれませんが、実はもう最初からそういうふうに決まっていたものではないのかなというくらいにさえ思っております。それがこういうふうにまたもめ始めているということですよね。
 さらに、アメリカ側の報道によりますと、北朝鮮はこの軽水炉転換に関して、いわば軽水炉本体のみならず附属施設等追加支援を求めているということがさらに明らかになったりしております。具体的には、運転要員訓練用の模擬施設とか、あるいは変電施設、送電線等々、総額にしますと五億か十億ドル程度というようなことが言われたりするわけですね。
 一体これはどういうことなんだろうか。これは、米朝交渉でこれからより多くのものを得るためのカードといいましょうか、そういう格好で進んでいるのだろうか。あるいはこれからのいろいろな交渉について、いわば朝鮮半島で北朝鮮が主導権をとっていこうということ、そしてまた北朝鮮からしますと、あくまでその交渉の相手は米国なんだよというような考え方もあるのかもしれません。この辺は一体どういうことなのか、どういうふうに思っていらっしゃいますか。
○川島政府委員 先ほど申しました専門家会合におきまして北朝鮮側は、軽水炉に加えて、例えばそれを運営します人員のためのトレーニングとか、それから維持、メンテナンスの施設等、なるべく関連施設を多目にいろいろ供与の対象に含めるべきであるという立場で要求しているということは承知しております。これに対しまして米側は、安全かつ効率的な軽水炉の運用という観点から、どういう施設が必要かという観点に立ちまして、慎重に、どこまでが支援の範囲に含まれることが妥当かということを検討していると承知しております。
 ただ、通常の軽水炉範囲を明らかに逸脱して、どんどん関連施設が入るというようなことは、同意する意図はないというふうに承知しておりますし、それは当然そうあるべきものであると考えております。
○伊藤(英)委員 要するに、今の状況を見ていますと、米朝合意とはいいながら、何というのでしょうか、なかなかはっきりしていないのですね。しょっちゅうもめているという感じも否めませんよね。ということですよ。
 それにも関連するわけでありますが、米朝合意の一つとして、北朝鮮側の南北対話への取り組みということが決まっているわけですが、この問題についても、北朝鮮側によりますと、この間金日成主席が亡くなられたときに、韓国の金大統領の対応がどうであったとかというようなことを言われたりするわけでありますけれども、しかし、この南北対話の問題も米朝合意を推進する上においては極めて重要だと思うのですが、その辺はどういうふうになっているのでしょうかね。
○河野国務大臣 御承知のとおり、米朝合意の中には、米朝間の連絡事務所の相互設置でございますとか南北対話ということも入っているわけでございます。つまり、米朝合意は包括的な合意でございまして、核開発に関する疑惑を払拭すると同時に、まあ言ってみれば、北朝鮮に対してアメリカも事務所を設け、南北の対話も進め、さらに外から技術者を初めとする人たちが入っていく。つまり、国際的な接触、交流というものも同時にそれが進んでいって、このプロセスが完成するときまでには北朝鮮は今よりもはるかに国際的な相互依存関係を持つ、そういう国になるに違いない、こういう気持ちがあるというふうに私は理解しております。
○伊藤(英)委員 実は私は、この朝鮮半島の問題について国会で何度も取り上げてきております。前にも申し上げましたけれども、外務委員会でもそうですし、安全保障委員会でもそうです。この予算委員会でも何度かということになるわけでありますけれども、なぜこの問題について何度も取り上げるかといいますと、私は、実は日本の外交のあり方といいましょうか、日本のありようの一つの重大なサンプルといいましょうか試金石といいましょうか、そういうことではないだろうか、こういうふうに思ったりするわけですね。
 そしてそれは、同時に、今いろいろと朝鮮半島の、この米朝合意等について考えますと、やはりわからない、よくわからない、国民に政府はよく説明をしていないということを非常に感じるんです。実際に多くのニュースはほとんどアメリカ発か韓国発ですよね。多くのニュースはそうです。本当にそんなことがいいのだろうか。
 これはきのうからの集中審議でも同じですね。東京共同銀行等の問題にしても、情報は政府から出ない。ほかのところの新聞とかなんかにはいっぱい出てくるというような状況もいろいろある。だから、これからのためにもと思うからこそこの北朝鮮の問題については何度も取り上げるわけであります。
 そういう意味で、ぜひ日本の国民にこの問題についてもよく理解していただくように、そういう姿勢でお願いしたいと思うんですが、これは外務大臣、総理、どうでしょうか。
○河野国務大臣 先に私から申し上げたいと思います。
 議員の御指摘は、私も確かにそういう面があるというふうに思います。そういう面があるというのは、アメリカから情報が出る、あるいは韓国からもこれについての意見が述べられるという面が多いということを、私もそういうふうに思います。これは、米朝交渉というものはアメリカが当事者でございますから、どうしてもアメリカから情報が出るというそういう面もあると思います。それから韓国は、この点については、もちろん我が国もそうでございますけれども、極めてセンシティブでございますから、この問題について韓国の国内からさまざまな異議が出たり、主張が出たりするということもあるだろうと思います。もちろん我が国の国内にも、国会でもさまざまな御意見を私どもは承っておるところでございます。
 さて、そこでこの問題でございますが、ぜひ国民の皆様にもおわかりをいただきたいと思って私も御答弁を申し上げるわけでございますが、北朝鮮にあると言われる核開発でございます。北朝鮮の核開発疑惑というものは、国際社会の中の核拡散という問題と、それから、我々が核の問題に直面する不安といいますか恐怖といいますか、そういうものと二つの面があると思います。したがって、アメリカもこの問題に極めて真剣に取り組むし、我が国もあるいは韓国もこの問題には、人ごとではない、当然のこと自分自身の問題として真剣に取り組んでいるわけでございます。
 この開発疑惑というものをどうやって解明をするか、あるいはどうやって払拭をするかということには幾つかの方法があって、一つは、例えば国連の場に持ち出して、制裁をちらつかせて、とにかく北軌鮮にこの問題を完全にオープンにしてこの疑惑を解明させるというやり方もあれば、しかしこの場合には相当なリスクも伴う。
 一方、話し合いによってこの問題を解決しようとすれば、先ほど私が申し上げたように、この問題の解決だけではなくて、北朝鮮を国際社会の中で相互依存関係を持たせるという包括的な北朝鮮問題、強いて私流に言わせれば、そういう問題が前進をするということもあるのではないかというふうに考えて、私は米朝合意というものは高く評価をし、これを進めていかなければならないものだと、こういうふうに考えているわけでございます。
○伊藤(英)委員 総理、私が伺いたかったのは、この問題でもそうですが、まあこの問題でと考えましょう。国民に経緯等をよく理解してもらおう、そういう気持ちでやられておりますかそしてまたやろうとしておりますか、結論だけで結構です。
○村山内閣総理大臣 今外務大臣から答弁もございましたように、北朝鮮の核開発問題というのは、単に国際的な安全保障だけの問題ではなくて、日本の安全上にもやはり重大な関連があるし、これは大事な問題だというふうに私は国民の皆さんも受けとめておると思いますね。
 それから、南北が現状のような姿にあるということも必ずしも歓迎すべきことではなくて、やはり話し合いで朝鮮半島全体に平和が確立されていくということが日本にとっても大事なことだというふうに思いますから、そういう方向にやはり進んでいくように我が国も協力をする必要がある、まあ細かなことは申し上げませんけれども、という意味で私は、日米韓というものが緊密な連携をとり合いながら、世界の各国々にも参加を求め
て、そして全体として北朝鮮の核開発の問題については解決をして、将来にわたってその保証をさせていただくということが大事ではないか。
 そういう意味では、日本の国も積極的にやはりその役割を果たして協力する必要があるということについては、国民の皆様も御理解をいただけるのではないか。これはやはり、国民の皆さんが理解をしていただいて、国民の総意でもって事が進められていくということが大事なことですから、そういう点についてはこれからも心がけていかなければならぬことだというふうに思います。
○伊藤(英)委員 お伺いいたしますけれども、いわば外交筋といいましょうかマスコミ等で、村山総理のサイン入りの書簡で、日本はアメリカに対して書簡で、日本は軽水炉建設資金を提供するということを約束をしていると伝えられる、そういう総理のサイン入りの書簡が届けられているというふうに聞きますが、それは事実ですか。
○河野国務大臣 村山総理からクリントン大統領あてに書簡が出ております。署名入りの書簡が出ております。九月二十一日のことでございます。この書簡につきましては、九月二十二日、官房長官が公表いたしております。
○伊藤(英)委員 その内容はどうなっているのでしょうか。
○村山内閣総理大臣 これは、その書簡の中で、北朝鮮の核兵器開発問題の解決が保証されることを前提として、我が国としても、米国、韓国、他のG7諸国等とともに軽水炉提供のための国際的な支援に参加し、応分の協力を行っていく用意があるという立場を伝えたわけです。これは、具体的にどういうことになっていくのかという全体像が明らかでありませんから、何ぼ日本の国が負担しますとか、そういうことについては一切申し上げておりません。
 以上申し上げましたような趣旨でもって書簡を出したというのが内容であります。
○伊藤(英)委員 ついせんだっての二月一日のこの予算委員会で、私は外務大臣に、ちょうどその日のNHKの昼のニュースを取り上げて、アメリカのルーカー上院議員の話をいたしました。そのときは、北朝鮮側の軽水炉建設で日本が十億ドルを負担することになっているというルーガーの発言の問題について伺いました。そのとき外務大臣は、
 アメリカ議会の中にはさまざまな議論がございます。しかし、具体的な金額については、全体の金額が固まらないうちにどこの国が幾ら出すなどという具体的な数字が固まるはずもございませんし、そうした具体的な金額について云々
 という状況ではまだございません。と言われましたね。
 去年の十月二十一日に合意したその以前ですね、今のように、九月の二十一日に総理はアメリカ政府に書簡を出された、これは大臣から渡されたんでしょうかね。というふうになるのですが、今のお話で、金額は書いていないかもしれませんが、伝えられるところによると、十億ドル負担するという約束がということも伝えられていたり、事実はわかりません。そして、現に十月二十一日のその合意の直後に、ガルーチ朝鮮問題担当大使は記者会見で、彼は、日本の軽水炉建設のための負担は十億ドル、このことは日本政府も事前に承知していると発言をしているというふうに、これもアメリカ発で伝えられておりますね。いいですね。一体どういうことなんだろう。何となくそらぞらしいなというのが私の実感でありますが、どうでしょうか。
○河野国務大臣 どうも議員の御質問は、前後が矛盾があるように思います。
 前段では、北朝鮮は韓国製の炉を認めないのではないかという御心配をなさり、後段では、もう既に金額が決まっているはずだとおっしゃるんですが、もし仮に韓国製の炉が決まっていないとすれば金額など全く決まるはずはないと私は思います。車ほどさように、まだ総額は決まるという状況にはなっておりません。
 現在、先ほど政府委員から御答弁申し上げましたように、米朝問ではこの炉の問題について、どういう炉をどこからどういうふうにするかということについて、非常にデリケートな議論が続いているというのが状況でございます。
○伊藤(英)委員 最初私のことについて言われた話は、私はそういうふうには思いません。それは何かといいますと、米韓の間では韓国型の軽水炉をということで少なくとも私は話が進んでいたと思いますし、これは日本側もそういうふうに思っていたと思いますね。先ほど外務大臣もそのように言われたと私は思っています。
 だから、そういうものをいわば前提に考えて、もちろんいろいろなことは変わるかもしれませんが、じゃ、一体そうした場合にどのくらいかかるだろうかというようなことは当然考えると思いますよね。だから、私は、その当事者で見れば、どのくらいお金がかかるんだろうか、その中でどのくらい負担をするんだろうかというような話は、当然のように考えてもおかしくはないと思いますよ、それは。それが責任あるアプローチの仕方だと私は思います。だから、そういう意味では矛盾していることは全然ないと思いますよ。
 それで、先ほど申し上げたように、外務大臣は九月二十二日にはクリントンとの会談もされたりしていますよね。だから、そのときも恐らく、総理の書簡を持って行かれたわけでありますから、いわばそういう話は議論をしていると思いますね。議論はしている。軽水炉支援等の問題について話をされていると思います。
 それで、私が去年の十月の十二日、十月二十一日が合意でしたよね、だからその前、直前ですが、十月の十二日、もちろんその前の九月二十二日には外務大臣はクリントン大統領と会って話もされたりしているでしょう。しかも、そのときは書簡を持って行っているという状況でありますが、その十二日の予算委員会で私がこの費用の問題について質問したときに、外務大臣はこう言っているんですね。
 現在はまだそんな話まで全く進んでおりません。エネルギー機構をつくるとかどうするとかという話以前の問題として、北朝鮮がこの核開発疑惑を払拭する誠実な態度を示すということが何より重要であって、その態度が示されない限り、それ以上話は前に進まないというのが現在の状況でございます。と言われた。
 さらに続けて、この四十億ドルと言われる問題については、私はまた質問をしたわけでありますが、外務大臣は、
 金額の問題であるとか、どこが応援するかというような問題は、推測で語られることはあったとしても、現実の問題として金額その他が出るような段階ではございません。さらに、もう少し申し上げれば、例えば原子炉をどこにつくるかというのは、場所によっても基礎的な計算は違ってくるわけでございまして、先ほど申しましたね。
 今金額などについて話し合いが持たれるような状況では全くございません。と言われていますね。
 本当だろうか。私からすれば、当時も、これは外務大臣も言っておられましたし、アメリカもそうですが、日米韓は緊密なる連絡をとりながらやっておりますと言っているのですよね。これは十月十二日ですよ。しかも、先ほど申し上げたように、その一カ月ぐらい前というか、一カ月もしないか、その直前の九月二十一日には、総理の、この問題について応分の負担をしますという話までしているわけですよ。そんなに何にもしないのだろうか。どうですか。
○河野国務大臣 米朝交渉というものはさまざまな場面、さまざまな状況になって、アメリカ側は非常に辛抱強くこの話し合いを続けたわけです。しかし、その話し合いの中に何度か両者は、不信感から話し合いが非常に難しい場面に立ち至ったこともあるようです。
 私ども、その都度アメリカ側からもいろいろ話を伺いましたけれども、なかなか困難な状況に直面をした。例えば、北側は、本当にアメリカ、まあアメリカと交渉しているわけですけれども、この交渉相手は本当に軽水炉をつくるというほど思い切って踏み込んでくるんだろうかという心配、あるいは不信感といいますかそういうものを持つだ時期もあったようです。
 私どもはアメリカに対して、この話し合いはぜひとも実らせてください、この問題は話し合いによって解決することが一番いいと思いますよということを言い続けてきたわけですが、その我々の話し合いによる合意を目指してほしいという気持ちは、財政的にも、先ほど総理がお答えを申し上げましたが、幾つかの前提条件をつけながらも、こういう状況でいくならば我々は応援をしますよ、そういう気持ちを示すことによってアメリカの交渉に臨む態度をバックアップするといいますか、そういう状況というものがあったわけでございまして、そのときには具体的な金額について明示をするというような状況ではなかったのでございます。
○伊藤(英)委員 先ほどのレターは、総理のサインされたレターは、事実上外務大臣に金額等についてもいわば白紙委任をするという趣旨のことではありませんか。
○河野国務大臣 そこはもう全くそうではないので誤解のないようにぜひお願いをしたいと思いますが、先ほど総理からも御答弁を申し上げましたように、北朝鮮の核兵器開発問題の解決が保証されることを前提として、我が国としても、アメリカ、韓国その他の国とともに軽水炉提供のための国際的な支援に参加をして、応分の協力を行っていく用意があるということ、そういう立場を伝えたということでございまして、白紙委任するとかそういったぐいのものでは全くございません。
○伊藤(英)委員 そうしますと、先ほど私がルーガー上院議員の話やら、あるいはガルーチの記者会見で日本は十億ドル云々という話も申し上げましたね。あれは、ルーガーもガルーチも、彼はうそを言っているというふうに思われますか。
○河野国務大臣 私は、過日の委員会におきます委員の御質問に対しまして申し上げましたように、アメリカにはいろいろな意見があるのであって、これはうそをついているとかということを申し上げたつもりはございません。議員にはそれぞれのお考えがあって、そのお考えを示されるということがあるのは、当然あってもおかしくはないわけでございます。
 また、私が申し上げておりますのは、ぜひ議員におわかりをいただきたいと思いますのは、今御説明を申し上げましたとおり、あの時点でそうした数字が具体的に出てくるということは、私どもにとっては全く理解ができませんし、そういう具体的な数字が算出されるというふうには私は全く思っておりませんでした。
○伊藤(英)委員 ただ、私が今申し上げたのは、例えばガルーチが米朝合意の直後の記者会見で、軽水炉建設のための日本の負担は十億ドル、このことは日本政府も事前に承知していると発言したと伝えられておりますが、もしも、こういうふうに伝えられているのが事実とすれば、事実とすればというのは、彼が本当にそう言ったとすれば、それはうそを言っていることになるなという意味で確認をいたしました。
○川島政府委員 ガルーチの記者会見の記録を今持っておりますので、確かめてみているところでございますけれども、そのような発言は見当たらない次第でございます。
 ガルーチとはその前後大変緊密にやりとりをしておりましたので、あの時点で、具体的に額が決まっているというようなことを言うはずがないと私どもは思っております。
○伊藤(英)委員 新聞記事はそういうふうに出ていたと思いますが、また、これは改めてあれしましょう。
 それで、大蔵大臣にお伺いいたしますけれども、大臣が去年の十月十九日の段階で、だから二十一日の米朝合意があったそのすぐ前というか少し前ということになりますが、これは新聞報道では、応分の協力をしていく用意があるよと、記者会見でそういうふうに話をされました。それから、同時に、これは大蔵省幹部の発言として、日本の負担は全体の二、三割程度になるのではないかということが新聞で報道されております。
 当時、金額はどのくらいになるんだろうか、日本はどのくらいの負担になるだろうかという話は、これは閣内でといいましょうか、関係者では議論はされておられましたか。
○武村国務大臣 私のところへもこの軽水炉問題についてのその時々の経緯や話の状況は、恐らく外務省を通じてだろうと思いますが、報告を受けております。もちろん総理の応分の負担という御方針を踏まえて、私も、応分の協力と言いましたか、その総理の書簡を体してそういう発言をしたつもりでございます。
○伊藤(英)委員 そこで伺いますけれども、総理が自分のサインをされた書簡を先般出されたときには、これはどういう手続でされるのでしょうか。閣議にかけるとか、あるいは総理が独断でやられるのだとか、あるいは外務大臣と大蔵大臣と相談をしてこの文書をつくるとか、これはどうなんでしょうか。
○川島政府委員 お答え申し上げます。
 実際は、日本としての立場を関係各省で詰めまして、そして日本政府として言えるのはこういうことであるというのを合い議と申しますか、詰めた上で、それを官邸の方にお諮りして総理からお出しいただいた、こういう手続でございます。
○伊藤(英)委員 どれだけのものがその関係者と言うのかわかりませんが、そうしてそれぞれの関係大臣で詰められるわけですよね。そのときに、一体どのくらいかかるんだろう、その中で大体日本はどのくらいなんだろうかというようなことを私は当然考えると思うのですが、そんな議論はされませんでしたか。
 もしもそういうことがされなくて、例えば二、三割負担だとかあるいは外務省の高官の方も、御承知かと思いますが、私が聞いたのでは、一〇%から五〇%というふうに言った方もいらっしゃいます、要するにその中でとかね。いろいろな幅はありますよ、言われている中に。しかし、ざっと言えば、少なくとも四十億ドルで十億ドルくらいのことが念頭にあって言っているのかなと思わせるぐらいの状況をいろいろな方が言っていますふね。どうですか。
○河野国務大臣 軽水炉を北朝鮮に建設するということになりますと、軽水炉についての常識的な金額というものはだれでもわかっているわけでございます。しかしながら、そのものが、前々から申し上げておりますように、立地条件でございますとか、あるいは何せ北朝鮮という場所にこれからつくろうというわけですから、どういう問題が起こるかということも十分にはわかりませんが、しかし、非常に大ざっぱに言えば、どのくらいであろうかというようなことは考えなければならぬわけだと思います。いずれにしても、それをアメリカ、韓国、日本が中心になって仕事をしていく、こういうことになった場合にはどういう状況になるかというようなことは、それぞれみんな頭の中には置きながら作業はされたというふうに思っているわけです。
 ただ、私から申し上げれば、私は、この問題はこういう話し合いによって解決をするということが、もし制裁措置を講じて全く我々が望まない方向に行くという状況に比べればどういうメリットがあるかというようなことも含めて考えるという視点も必要だというふうに思いました。
 しかし、いずれにせよ、その具体的な金額を明示的に出して議論をしたということは、私はございません。
○伊藤(英)委員 私は実は、今のようなお話を聞きますと、物すごく無責任だなと思うのですね。それはいろいろなケースはあるかもしれない。こういうふうにしたらどのくらいかかるんだろうかそのときに日本はどのくらい負担するのかなとかそんなことは当然考えると思うのですよ。何となく今の話では、どこにつくるかもよくわからない、しかもその金額なんて全然念頭にないかのごとき、余りにもそれは無責任じゃないだろうか。だから、ようわからないなという話になるのですね。
 じゃ、改めて今聞きますが、実際問題としてこれから朝鮮エネルギー機構、KEDO、すぐもう目の前で設立しようということで御努力をされていますよね。そのKEDOに要する費用並びに北朝鮮の軽水炉建設資金は、今の段階で推定をして、一体どのくらいになるだろうかそして日本はどれだけ負担するというふうに考えられますか。
○川島政府委員 段取りをちょっと御説明いたしたいと思います。
 まさにこのKEDO、コンソーシアムの設立の取り決めの目下作業を進めておりまして、このままうまく収れんいたしますれば、恐らく三月二日とか三日とかその辺で案文が固まるんだろうと思いますので、固まりますと、三月初旬、なるべく早くKEDOの設立総会と申しますか、そういうのを開いて、そこになるべく多くの国に来てもらいたいと思っております。何となれば、国際社会全体の問題であると思っておるからでございます。
 で、そういう中でKEDOが発足しますと、まずは北朝鮮との間の供給取り決めというので、これが契約みたいなものですけれども、軽水炉プロジェクト等いろいろについての内容を詰めた文書をつくるということで、それを何とか、米朝合意が十月二十一日、昨年でございますけれども、それから六カ月後ということで、四月二十一日までにそれをつくりたいという努力目標でございます。その間、いろいろ北とのやりとりが、紆余曲折があろうかとは思いますが、努力目標としてそういう日取りがあって、そこが、供給取り決めができますと実施調査というか現場の調査というものが動き出すということでございます。
 そして、調査がある程度進むともう少し、軽水炉自体の金がどれくらい要るかとかいうのがわかってくるでありましょうし、そこで意味のある財政的負担とかいうものを具体的にどういうふうに考えるかということは、政治的決断をお願いするということだろうと思います。
 その間の、KEDOの設立の時点でどういう金がということにつきましては、これはニューヨークに小さな事務局をつくりまして、余り事務局員、なるべくスリムにつくるということでやっております、金がかかってもしょうがないものですから。ただし、その辺でどれくらいの立ち上がり経費と申しますか、借料とかそういうものがなるかというのは、これも案文が固まりまして、KEDOの立ち上がりが完了して、その辺から詰めるものでございますから、具体的な金額というものは見えてきていないという状況でございます。したがいまして、それに対してどう負担するかもまだ今の時点では詰め切っていないという状況でございます。
○伊藤(英)委員 彼ほど聞こうと思いましたけれども、私はいろんな側面があると思うんです。じゃ、まあ後で聞きましょう。
 それから、この間の二月一日の予算委員会のときにも外務大臣に、KEDOに要する費用といった場合に軽水炉建設資金の援助もそこに含めるのか、どういうふうに考えるのかということはもちろんあるかと思うんですが、そのお金はODAでやるんだろうか、そうでないんだろうか。要するに国交のない国、そこに――またもう一つは、ODAでやるとすればODA原則等もあるわけですよね。これはこの間の話ですと、ODAではやれない、あるいはODAではやらないというふうに理解していいですか。
○河野国務大臣 それで結構でございます。
○伊藤(英)委員 そうしますと、この支出というのは、拠出というのでしょうか、これはどういう性格になるのでしょうかね。KEDOの運営のための費用ということと、軽水炉建設のお金とは別なのかもしれません、考え方が。あるいは一緒なのかもしれませんが、この辺はどういう扱いになるのですか、その性格は。
○川島政府委員 お答え申し上げます。
 その費用の負担をどういう、まずタイミングとしていつごろ、それからどのような形で行うかにつきましては、一つは、見積もりをやらなければならないということと、それから関係諸国と協議、検討しなければならないということでございますので、今の時点でどういう財源でどういうふうに対応するかについては決まっていないわけでございます。具体的な財政、どういうふうに具体的に金を手当てをするかということはまだ決まっていない次第でございますので、性格ということもちょっと申しかねる次第でございます。
○伊藤(英)委員 どういうことですか、これは。無償でというか、上げちゃうのですか、貸すのですか、有償ですか。
○川島政府委員 お答え申し上げます。
 貸し付けという可能性ももとよりあろうかと思いますが、それ以上今のところ詰まっていない次第でございます。
○伊藤(英)委員 何というのでしょうかね、国交もない国を、それで核疑惑等の問題も実際にはいろいろある。この間の米朝合意なるものがどういうふうに履行されていくかということもいろいろある。そこで、とにかく応分の負担をしようというわけでしょう。かなりの金額になりそうですよね。
 しかしそれが、その性格も何となく全然わかりません。貸すのか貸さないのかわかりません。伝えられるところによると、北朝鮮側は、これは有償だから、だから軽水炉の型の問題にしたって自分たちに選択権があるんだよというふうに主張しているということも伝えられます。
 日本政府はこの問題について一体どうしようとしているのだろう。しかも、これは国民の税金を使ってと考えているわけでしょう。これ、どういうことでしょうかね。
○河野国務大臣 先ほど来から申し上げておりますように、米朝はいよいよ具体的な詰めの打ち合わせに入ってきたところでございます。したがいまして、北側は北側でさまざまな希望を述べ、主張を述べておられるわけで、それに対してアメリカも粘り強い交渉を行っているところでございます。
 私どもは、アメリカと緊密な連絡をとりまして、末日韓三国が中心になってこの米朝合意を誠実に実行をするという構えをしているわけでございますが、先ほど来からお答えを申し上げておりますように、まだ最終的な決着がついていない。しかし、これはぜひ御理解をいただきたいと思いますことは、最終的なこの決着はついておりませんけれども、少なくともこの米朝合意をスタートさせた時点で北側は黒鉛減速炉の炉の凍結、関連施設の凍結はもう既に始めているわけで、このことは少なくとも他の方法、手段でこの問題解決に取りかかるよりはいいやり方で始まった、いい立ち上がりをしているというふうに私どもは見ているわけでございます。
○伊藤(英)委員 先ほどこの資金の性格についてお伺いをした。まだどうなるかは全然わかりませんということなものだからなかなか厄介ですが、今私たちが審議しております平成七年度の予算との関係でいきますと、このお金はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○川島政府委員 平成七年度にはKEDO関係というものは入っておりません。
○伊藤(英)委員 正確なものはわからない、しかし大変な額の話をすることになるんでしょう。私は、今してないはずがない、こう思っておりますが、それも何もしていないというふうに、よっぽど何も知らされていないか、日本は米韓にか知りませんが疎外されている感じではないかと私は思いますけれども、実際にアメリカは、これまた報道によれば、九六年の会計予算の中では、KEDO関連予算は計上されておりますよね。金額はそう多い金額じゃないと私は思いますが、実際に金額も明示されて計上されております。
 総理、どうですか、日本は一体。どんな感じがします。
○川島政府委員 アメリカの予算だけちょっと御説明申し上げますが、合意がスタートしたすぐの時点で重油を供給しなきゃならなかったものですから、それについてはとりあえず速やかに手当てをしたというふうに承知しております。
○伊藤(英)委員 総理に聞きますけれども、今局長は重油の分云々と言いました。しかし、アメリカの国務省の説明では、重油の問題も含めてKEDO関連施設関係としてこれだけ予算計上いたしますとはっきりと記者会見までされております。どうでしょうか。
○村山内閣総理大臣 これは前段で申し上げましたように、北朝鮮の核開発の問題を現在、過去、将来にわたって解消するということは日本にとって極めて重要な問題である、この理解と認識は共通して持たれていると思いますね。したがって、そのために、この日米韓が緊密な連携をとり合いながらその解決のために努力をしてまいりましょう、それに必要な応分の協力は日本もいたしましょう、こういうふうに申し上げているわけでございます。これは単に日米韓だけの問題ではなくて、これは、国際的にもやはり安全保障上の問題では核不拡散の体制をつくっていくためにも必要なことですから、G7を中心にしていろんな国にも参加してもらおうというので今働きかけをしているわけですよ。
 どういう国がこのKEDOに参加をしてどういう規模でつくられていくのか、しかもこの軽水炉に関連をして、必要な財政というものはどの程度必要になるのかというようなことも、まだ今事務的に詰めている段階ですから不明確ですよ。北朝鮮と日本というのは国交もないわけですから、したがって、そういう話の進捗状況の中でどういう出し方をすることが一番妥当でいいのか、こういう判断もしていかなきゃならぬ課題だと思いますから、今の段階でこうします、ああしますという答弁をできるような状況にはないということについては、御理解はいただけるのではないかと思うのです。
○伊藤(英)委員 これが、私が冒頭申し上げたように、日本の外交というのがいわば密室の中でやっているかのごとき印象だなということなんですよ。要するに、今こういうふうに考えていてこういうふうにということにもならないわけですよね。だから、今の状況を先ほどの話の流れから言えば、例えばお金の問題にしても、どういう性格のものかわからない、幾らぐらいかわからない、ただし応分の負担をしますというような構図というぐらいですよ。しかし、アメリカの方は、ともかく九六年度の会計年度の予算の中にはこの北朝鮮関連ということで予算計上もしているということです。
 じゃ、ちょっと別の観点から聞きますが、このKEDO、もう間もなく先ほどのお話ですと設立をする運びで進められていると思うのですが、ちょっとその仕組みを簡単に説明していただきたいのですが、北朝鮮がある、KEDOというものを設立する、どこの国が参加するかわからないのですが、その参加国がある。その関係で、協定というものもあるかもしれない、契約というものもあるかもしれません。これはどういう感じになるのでしょうか。
○川島政府委員 KEDOが軽水炉とか一連のものを全部取り仕切るというのが基本的な構造でございます。その中で、先ほど段取りで御説明申し上げましたけれども、まず最初の段階は、設立されたKEDOと北朝鮮の間で供給取り決めについて相当いろいろ交渉をやる。そこにおいては、相当詳細にわたって詰めなきゃならないことがございますし、最初の御質問にもありました炉のタイプとかそういう話もいろいろあるわけでございます。
 今までは米朝のやりとりでございましたけれども、もちろん米国は引き続きKEDOの中で主導的な役割を果たしますけれども、KEDOと北朝鮮というやりとりがこれから始まるということでございます。(伊藤(英)委員「各国との関係は」と呼ぶ)
 これも協定の案文の姿によりますけれども、大体見えてきておりますのは、通常の国際機関と同じでございますけれども、参加国の中で日米韓は主導的な役割を果たすから意思決定においても特別な位置に立つ。そういう中で、しかし、ほかの参加国もなるべくいっぱい入ってくれという中で……(伊藤(英)委員「参加国は、KEDOと結ぶのか北朝鮮と結ぶのかということです」と呼ぶ)供給等はKEDOと北朝鮮が全部結んで動くということでございます。
○伊藤(英)委員 今の話ですと、いわば参加国、参加するそれぞれの国はKEDOとの間で協定を緒ぶ……。
○川島政府委員 申し上げますと、イメージといたしましては、いろいろな形で財政的とか軽水炉とかそういう問題に協力したいという国がみんな集まってきてKEDOのメンバーになる、そのKEDOが北朝鮮と供給取り決め、契約のごときものですけれども、それを結んで軽水炉等々が動き出す、こういう仕組みでございます。
○伊藤(英)委員 聞きますと、北朝鮮はKEDOとじゃなくてアメリカと結びたいのだよという話も聞いたりしますが、そういうことはありませんという意味ですね。イエスかノーかでいいです。
○川島政府委員 米朝合意の書き方が、米国はこの国際コンソーシアムを代表して軽水炉プロジェクトのための北朝鮮との主要なコンタクトポイントとなる、こういうふうに書いてございます。ですから、引き続きKEDO自体日米韓が主導的役割を果たすわけですけれども、今までのところは米朝間だけで動いていたのが、今度はもう少し広がった国際機関と北朝鮮とのやりとりが主になる、しかし、そこは別にアメリカがもう何もやらなくなるというのではなくて、KEDO自体アメリカが大きな役割を果たし続ける機関でございます。
○伊藤(英)委員 私が質問しているのは、米国と北朝鮮が直接契約を結ぶということはないんですねと。あるんですか、ないんですか、今の話は。
 総理も外務大臣も、要するにこれは基本的な枠組みの問題ですよ。それが、その責任者たる局長がわからないのでしょう、何という交渉をしているのですか。
○川島政府委員 米朝合意のプロセスを具体的に動かすのがまさにKEDOでございますので、KEDOが立ち上がってからその辺は詰めるのだと思いますけれども、米国が米朝合意の時点で約束しておりますのは、北朝鮮との間で軽水炉の供給契約が締結されることを確保するよう最善の努力を行う、こういうことでございまして、あくまでKEDOが中心になってやるというふうに了解しております。
○伊藤(英)委員 どうもようわからないということだね、これは。
 総理、こういう状況ですよ。私は、これは、先ほど申し上げたように、日本は余りにもこの重大な問題について当事者ではないということだねという状況であります。
 時間もだんだんとなくなっていきますので、次のことを聞きます。
 このKEDOに参加する甲これはロシアは参加されるのでしょうか、どうでしょうか。
○川島政府委員 なるべく多くの参加国を得たいということで、多数の国に対して、日米韓、連携して働きかけを行っております。その中にはロシアも入っております。
 ただ、それぞれの国がKEDOに関心を示しつつも、具体的にどう対応するかは目下検討中という国がほとんどでございますので、一つの国についてどうかということを今の時点で申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思っております。
○伊藤(英)委員 ロシアはわかっているのですか、わかっていないのでしょうか。
○川島政府委員 いまだ検討中というふうに承知しております。
○伊藤(英)委員 じゃ、中国はどうでしょうか。新聞報道によりますと、中国は不参加を決定したと伝えられておりますが、いかがですか中国は。
    〔三野委員長代理退席、委員長着席〕
○川島政府委員 私どもも新聞報道を承知しておりまして、中国は北朝鮮との独自の関係があるから、ここはむしろKEDOに入らないでその独自の立場を維持したいという感じを述べたというふうに伝えられております。中国とのやりとりも詳細は御容赦いただきたいのですけれども、検討を依然としてやるということでございます。ただ、そういう報道の方向になっても不思議はないのかなという気もいたす次第でございます。(伊藤(英)委員「何がない」と呼ぶ)そういう今報道されている方向で中国が入らないということになるとしても不思議はないという感じはいたしております。
 ただ、中国自身の返答は、今のところ……(発言する者あり)不思議はないと思っております。ただ、今のところ中国は検討中ということでございます。
○伊藤(英)委員 どういうことですかね。最近は、先ほど申し上げたように、我が日本政府の言うことよりは、韓国とかアメリカから伝わってくる話の方がずっと細かく詳細にわたって伝わってくるわけですよね。うそか本当かわかりませんが、新聞報道で不参加が決定したと伝えられているのは、じゃ、まだ事実ではないと。(河野国務大臣「中国ですか」と呼ぶ)中国について。
○川島政府委員 外交レベル同士のやりとりでは、決定的な話には聞いておりません。
○伊藤(英)委員 川島局長の言では、外交レベルでは正式には聞いていないということなんでしょう。だけれども、不参加となっても不思議ではないという見方を先ほど言われたわけですね。
 外務大臣、私は非常に残念だなという気がするんですね。これは、私は外務大臣の説に賛成するんですが、外務大臣が「外交フォーラム」のことしの一月号に、日本の外交のあり方といいましょうか、この問題についても書いております。
 ちょっと読みますと、これは私は賛成するからあえて読むんですが、この先般の米朝合意について、
 米朝合意を実施していく過程は、地域安全保障に格別の意味を持ち得ると考えます。言うまでもなく北朝鮮がこの合意を誠実に履行していくことが必要ですが、軽水炉協力、燃料棒の処理、既存の原子炉関連施設の廃棄といった課題に、日本、米国、韓国の主導的役割の下でロシアや中国、さらには他のG7諸国も含めた国際的協調の枠組みができれば、この協力が一〇年を超える長いプロセスであるだけに、この地域の具体的な安全保障課題に一つの安定的な枠組みを導入する結果をもたらすことが期待されます。日本はこのような枠組みで、万全の協力を行なうべきであると考えます。と書いていらっしゃいますよね。
 どうして中国が入れないんだろう、なぜロシアが入れないんだろうということを思うと、この地域のまさに安全保障、北東アジアの辺の云々というのは、私は、日本にとってもこれからますます重大な問題だ。これは、最初からこのKEDOを生かして云々という話は難しくなりつつあるということかなという気がするのですね。そういう意味で、中国並びにロシアに対してどのくらいのアプローチを日本としてしたのだろう、そして今私が申し上げたこの考え方ですね、それとの関係でどんな御努力をされたのか、お伺いします。
○河野国務大臣 私、「外交フォーラム」に今議員お読み上げになった文章を投稿いたしました。KEDOというものが核開発疑惑を払拭して、我々の近隣諸国がお互いに相互依存関係というものをつくれるようになれば、北東アジアの安定あるいは安全というものは今よりは格段によくなるだろうという私の気持ち、希望というものをそこに書いたわけでございます。
 ロシアに対しても私は、もう来週になりますが、コズイレフ外務大臣、訪日されます。この問題、北朝鮮問題についてもコズイレフ外相とはお話をしてみたいというふうに思っております。ただ、私、伝え聞くところによると、ロシアにはロシアのさまざまな主張があるようにこれは伝え聞いております。
 それから、先ほど政府委員が御答弁申し上げましたように、中国についても、中国はこの米朝合意を支持する、米朝合意には異存がないでしたか……(伊藤(英)委員「支持する」と呼ぶ)支持するですか、ちょっと正確に、申しわけありませんが。米朝合意のこの方式というものを是認しながらも、しかし、自分がKEDOに入るということが果たしていいかどうか、そういうことを言われたということを報道で私も見ております。これらの問題については、アメリカ、韓国ともどもに、KEDOへの参加を促すために幾つかの国にそれぞれ働きかけをしようという相談もいたしておりまして、現にその作業は進んでいるというふうに聞いております。
○伊藤(英)委員 例えば中国のスタンス、あるいは中国は何を考えるのかなというようなことも、私自身としてはいろいろなことを推測をいたしますが、それはきょうは省略をいたします。
 要するに、今のいろいろな状況等をいろいろ見ておりますと、やはりこういうふうになっていくのだろうなという気がするのですね。今後、この朝鮮半島において、いわばこの朝鮮半島の北半分に、そこにとにかく何らかの形で中国の支持のもとに北朝鮮という国家は存立をしていくということは十分にあり得る話なんだろうという気がいたします。そして、これはアメリカの国防総省の関係でいろいろと言われておりますとおりに、いわゆる核武装という問題もこれは予想しておかなきゃいけないかもしれないということなんでしょうね、そういうような状況。そういう意味でも日本としては、防衛の問題について万全を期すということが必要なのだろうという気がするわけであります。
 防衛庁長官に聞きますが、韓国の国防省の発表ですと、北朝鮮が去年、射程千五百キロ以上と推定される新型ミサイルの開発実験をしたというふうに報告したことが報道されていますが、これは確認をされておりますか。
○玉沢国務大臣 現在北朝鮮は、射程千キロメーターとも言われるノドン一号を開発中であると見られます。北朝鮮は、一九九三年五月に日本海に向けて弾道ミサイルの発射実験を行っていますが、このミサイルがノドン一号であった可能性が高い。また、北朝鮮は、ノドン一号よりもさらに射程の長いミサイルの開発も目指していると見られます。
 しかしながら、これらのミサイルが具体的にどのような開発段階にあるのかといった点については、必ずしも詳細は明らかではなく、御指摘のような報道の事実関係についても確認していないところであります。
○伊藤(英)委員 防衛庁は確認もされていない。しかしアメリカの発表によりますと、その名称もテポドン一号だとか、あるいはきのうの新聞だったでしょうか、今度はテポトン二号なるものの開発、そしてそれも二〇〇〇年くらいにアラスカに飛ぶぐらいの感じの話があるということが報道されたりしております。
 いずれにしても、我が国としては、いわゆるミサイル防衛という問題については、これは真剣に考えなきゃならぬ、こういうふうに思いますが、防衛庁長官はどう思いますか。
○玉沢国務大臣 まず、このノドンミサイルのような長射程の弾道ミサイルに対処し得るシステムを、現時点ではいずれの国もこれに対抗する手段を持っておるとは承知しておりません。このような状況の中で、弾道ミサイル防衛の問題をどう考えるかという点におきましては、専守防衛の観点から、今後の我が国の防衛政策上の大きな課題であると認識しております。
 このようなことから、我が国としましては、米国が進めている戦域ミサイル防衛に関し、我が国防衛政策上の位置づけとこれに対する我が国の対応について、専守防衛の観点から政策判断を行う必要があると考えておりまして、現在、米側の協力を得つつ、日米共同で研究を進めているところであります。
○伊藤(英)委員 総理、外務大臣も、先ほど軽水炉建設に対する我が国の支援の問題について、その支援の性格の問題やら、その金額の問題も含めていろいろお伺いをいたしました。いまだ定まっていないといいましょうか、決まっていないというような感じの話が非常に多かった。それこそ有償か無償かもわからない、金額もわからないということでございました。
 それではお伺いいたしますけれども、この軽水炉支援について、日本が実際に支援するに当たりまして国会に承認を求めるということは、私はぜひ必要だと思うんです。日本の場合、北朝鮮との間では国交も結んでいないわけですよね。そして、これは最初から総理も言われました、外務大臣も言われました、核開発の問題等日本にとっては極めて重大な問題を抱えているところに出す金ですよね。KEDO経由になるか、直接ということもあり得るのかどうかわかりませんが、まあKEDO経由なんでしょう、というようなこともある。そして、今申し上げたようないろんなこともあるから国民の関心も極めて高い。私は、当然これは国会に報告ないし承認を求める話だ、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○河野国務大臣 先ほど来から申し上げておりますように、まずKEDOを設立をするという作業を今いたしておるわけでございます。KEDOを設立をして、私どもの考え、これは相手のあることでございますが、私どもの考えとしては、KEDOをまず設立をして、そのKEDOが北朝鮮との間に契約と申しますか何と申しますか、詳細の詰めをいたしまして、そこで資金のスキームが、どういうスキームで資金をどうするかという話がそこで出てくるんだろうと思います。
 したがいまして、私どもは、まずKEDOがどういう案文で設立をされるかということに今一番大きな関心を払っております。KEDOが設立をされて、それから先に資金スキームというものがどういう形になるかというのは、その次の段階であろう。今ここでその先の段階まで、どういうふうになるからどうするということを申し上げられる段階ではございません。
 しかしながら、伊藤議員、冒頭からお話がありましたように、この問題はやはり我が国にとって非常に大きな問題だという認識は私にはございます。したがいまして、これらの問題については、できるだけ国会には当然のことながら御説明を申し上げてまいりたい、こう考えております。
○伊藤(英)委員 まずは今、国会には説明をいたしますというふうに言われました。国会に承認を求めるということはどうですか。
○河野国務大臣 国会に承認を求めるべきものであるかどうかは、先ほど申し上げましたように、まずKEDOの案文がどういう案文になるかということを確認してから判断をいたしたいと思います。
○伊藤(英)委員 私は、いかなる形であれ、現在の段階で、外務大臣もどういうふうにするかということについてこの場でも説明ができないわけですから、したがって、それがはっきりした段階で、具体的に日本が実行する場合に、じゃ、それで本当にいいのかどうかということについて国会で承認を求めるのは当然だと思うんですよ。これはKEDOがどういう形でまとまっても、日本としてはその分について国会に承認を求めるというのは当然だ。それが日本の国民からも支持されて、いろんなことが行われることでしょう、そういうふうによくみんなに理解をしていただいて進めるということがどんなに重要か。今回のこの軽水炉の問題、北朝鮮という国、そういういろんな重大な問題を抱えておればおるほどにそういうふうに当然考えるべきだと思うんですが、どうですか。
○折田政府委員 米朝合意を実施するための国際コンソーシアム、いわゆるKEDOでございますが、設立そのものに関します取り決めというのは、今現在、引き続き関係国間で協議を行っているところでございます。
 そして、それを国会にお諮りする、国会の承認をいただくようなものになるかどうかというのは、先ほど外務大臣がお答えになっているように、内容が固まり次第、これが国会の立法権にかかわるような約束が含まれることになるのかどうか、予算または法律で認められている以上に財政支出を負うようなことになるかどうかの点により判断されることになるというふうに思うわけでございます。
 そして本件は、憲法第七十二条三号に基づきまして、その締結につき国会の承認を求めるべき条約の範囲ということにつきまして、昭和四十九年二月に当時の大平外務大臣が、我が国のそれまでの憲法慣行を整理して一つの政府統一見解を出しているわけでございますが、それに従って判断するということでございます。
 いずれにいたしましても、我々といたしましては、締結に至る場合には全文を明らかにする予定でございますし、国会その他で内容につき十分御論議をいただきたいというふうに思っております。
○伊藤(英)委員 総理、大平四原則なるものがあることも……(発言する者あり)ごめんなさい、大平三原則なるものがあるのも承知しているつもりでありますが、今ずっと議論をしてきたような経緯、そして間もなくでしょう、このKEDOも設立をする。そして日本としてもそこに資金的な支援をしていくということになるでしょう。そして今日本の政治を考えてみると、社会党委員長、村山委員長が総理になっている世の中ですよ。そして日本の政治のあり方もいろいろ言われている。そして日本の外交について見ても、今申し上げたように、私は余りコンセンサスなき密室外交というのは言いたくはないけれども、そういう印象を抱くことは紛れもない事実ですよね。
 だからこそ、先ほど申し上げたように、その報告まではしますというところまでは外務大臣は言われましたけれども、やはり今回のような、国交もない国でしょう、そしてすぐ近くの北朝鮮というのは、非常に日本にとってもこれから重大なところになっていきますよ。だからこそ余計に、国会にちゃんと承認を求めてというようなやり方を考えた方がいいと思うのですよ。そういう意味で、今回の問題については、そういうことも含めてぜひ私は検討していただきたいというふうに思いますので……。社会党委員長が総理をやられているのですよ。
○河野国務大臣 米朝合意というものは、もう国際社会の中で、国際的に注目をされてできたものでございまして、しかも、その米朝合意成立に至るまでの間に我が国がアメリカに対して具体的に出した書簡についても公表をしてまいりました。そして米朝合意がまとまった。この間に、私は、議員が心配をされるような密室的なものがあったということはないということは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
 さて、この米朝合意にのっとりまして、これを具体的に進める今段階になっているわけでございまして、これまた米朝合意の中に書いてあります、KEDOをまず設立をしよう。このKEDOの設立も、先ほど政府委員から御答弁申し上げましたように、日米韓が中心になって、他の国にも呼びかけて、参加国があれば参加をしてもらってKEDOをつくる。ここは国際的に話し合って決めていくという状況でございます。
 私は、議員が冒頭からお話しになりましたように、国民に対してできるだけ説明をすべきだという御指摘は、まさにそのとおりと心得ております。これまで、米朝合意というものは国際的に、先ほど申しましたような合意でございますから、新聞紙面その他で多くの方々がお読みをいただいているというふうに私は思いますが、なお一層努力をしなければならぬと思います。
 そして、国会におきましては、新進党の皆様もこの米朝合意には一定の評価をして支持をしていただいているわけでございまして、この国会の評価にこたえて私どもはきちっとした作業をしてまいりたいと思っておりますが、何せ話し合う先方のあることでございますから、先方とのやりとりいかんによっては、まだまだ最終的に決定的なものにはなっていない今プロセスでございます。これは一つ一つ、例えばKEDOの設立が合意できる、これは日米韓を初めとする国々でいいわけでございますから、これなども決まれば、もちろん私どもは国会に何らかの形で御報告を申し上げたいと思っております。そういう今プロセスでございますので、ぜひその点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○村山内閣総理大臣 今、外務大臣から答弁がありましたから重複は避けますけれども、KEDOが今設立される過程にある。KEDOが設立されたら北朝鮮との間でどういう取り決めになっていくのかという経過に今あるわけですから、したがって、具体的にここで、これはどうなります、こうなりますというような答弁ができないことについては御理解がいただけると思います。
 しかし、先ほど来、社会党の委員長、社会党の委員長という指名があるものですから、これは社会党の委員長が何か総理になっていることが不思議なような印象を与えるような御発言ですけれども、私は、やはり社会党の委員長として首班を責任を持って担当している以上は、できるだけ物事については国民の皆さんの理解をいただく、同時に、民主的に運営をするということについては、基本的に踏まえてこれからもやっていきたいというふうに思っています。
○伊藤(英)委員 私が説明不足だったかもしれませんけれども、いわゆる情報公開とか、あるいは国民によく理解してもらうとか、そういう意味で真剣に取り組んでいらっしゃる、あるいは、ひょっとしたらかつての自民党の総理よりはもっとそうなんじゃないかなと思ったから申し上げたのであります。
 もう一つ、これは、この問題についての外交のあり方で、私がずっと申し上げたことにも関係するわけですが、参考のために御紹介しますが、アメリカの上院の東アジア・太平洋小委員長というのはマコウスキーという、去年かな、御夫妻にも私は東京で会って一緒に食事もしたりしたわけですが、彼が、この北朝鮮問題についていろいろなことを言ったりしています。それは新聞にも報道されていますが、ここにこう言っているのですね。
 マコウスキーから見て、日本と韓国が北朝鮮との交渉から除外され、事後に費用負担だけを求められるのは不公正じゃないか。私だったら日韓両国を北朝鮮との交渉の米側パートナーとして含めただろう、こう言っています。私もこういう感じは非常に持ちます。そのくらいに、きょうのずっと議論の中でもやはりよくわからない、全部アメリカ頼み、最後だけというくらいの感じでありました。
 実は、本日はもう一つ、東京共同銀行絡みの話についても、ちょっと私の意見も言いながら質問しようと思いましたけれども、時間になりましたので、その問題はまた別の機会にと思っております。
 本日はこれで終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、北側一雄君。
○北側委員 新進党の北側一雄でございます。きょうは私が最後でございまして、日本の財政の問題点、また東京共同銀行の設立問題を中心にきょうは質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 質問に入る前に、これは御答弁は結構なんですが、この点だけまず冒頭に指摘をさせていただきたいと思っておりますことは、今審議されております平成七年度の予算案は、歳出面で、今回の阪神・淡路大震災に対する復旧、復興対策が当然のこととして入っておらないわけでございます。歳出面でもそうでございますし、歳入の面におきましても、今回のこの大震災は、七年度の税収見込みにこれは当然影響を与えることになることは明らかであるというふうに思います。
 この平成七年度の予算が昨年の暮れに編成されてから、現実に、先般六年度の一次補正が通ったわけでございますが、この一次補正で、税収については二兆以上でしたか、減額補正をされているわけでございます。また、明日提出の二次補正ではさらに税収が減額をされるということでございまして、そもそもこの七年度の予算案につきまして、歳入面でも歳出面でも、ともに予算編成の前提条件が大きく変わってしまっているということは、これは私は総理もお認めになられるのじゃないのかなと思うのですね。本来なら、これは当然のこととして予算案の組み替えをすべき場合であることは、私はぜひ冒頭に指摘をさせていただきたいと思うわけでございます。
 きょうはまず、日本の財政の現状についての認識を総理並びに大蔵大臣にお聞きをさせていただきたいと思っておりますが、大蔵大臣とはこの間大蔵委員会でも質疑をさせていただいたのですけれども、今の日本の財政の状況というのは極めて厳しい状況にあるというふうに思います。
 例えば、税収の面で見ますと、平成二年には最終的に六十兆を超える税収があったわけですね。平成二年がピークでございまして、この平成二年からずうっと毎年毎年税収が減ってくるわけでございます。これはバブルの崩壊ということが当然あるわけでございますが、平成三年には五十九兆台、平成四年には五十四・四兆、平成五年には五十四・一兆、そしてこの平成六年度につきましては一次補正の段階で五十一兆余りというふうに、今や平成二年のピークのころから比べて十兆近い税収が減になっておるわけでございます。
 一方、歳出の方を見ましたら、一般歳出の方を見ますと、税収は減っているんですけれども、これは景気対策等でやむを得なかったとも私は言えると思いますが、毎年毎年、平成二年から徐々に徐々に一般歳出はふえているわけでございます。こうした税収面の問題ですね。
 それから、これもかってなかったことでございますけれども、平成四年、五年度と二年連続、決算のときに不足が生じてしまうとか、御存じのように国債の発行残高が六年度末で二百兆を超えてしまうとか、さらに、今回の予算案においてもそうなんですが、平成四年、五年、六年、そして七年、それぞれ予算案の中で会計間のやりくり処理を毎年やっているわけですね。平成四年に二兆円、平成五年には三兆円、平成六年には五兆円、平成七年には六兆円と、会計間のやりくり処理をやらないと歳出が貯えないというふうな状況になっているわけでございます。これは構造的に日本の財政というのが歳入欠陥、歳入と歳出の間にギャップが生じてしまっているというふうに言わざるを得ないわけでございます。
 こうした極めて不健全な財政状況を総理並びに大蔵大臣がどう認識されて、また、その財政の、財政危機だと私は思うのですけれども、この改革のためにどう対応されようとされているのか、その御所見をお伺いをしたいと思います。
○武村国務大臣 大蔵委員会でもお答えを申し上げましたが、我が国の財政は尋常ならざる事態に立ち至っているという認識をいたしております。
 今さまざま御指摘がありましたように、三年連続して税がダウンをしていることもそうでありますが、決算不足という事態も連続することは例がなかったわけであります。何よりも国債費が巨大になってきたことが、その利払いのために、毎年国民から貴重な税金をちょうだいしながらも、そのかなりの部分がこの国債の償還のために目をつむって出ていく、しかもその利払い費率がぐんぐん広がっていく、こういう残念な状況に立ち至っているわけであります。
 そうなりますと、税金の中の、目をつむって支出をしなきゃならない過去の借金に対するこの経費のために、いわば当該年度の前向きの事業に振り向ける歳出予算がだんだん狭く厳しくなってくる。しかし、国民の財政に対する御期待は依然として大きいものがある。ますます大きいとも言えるわけであります。そのはざまに立っているわけであります。歳入の険しい環境と歳出に対する大きな国民の御期待のはざまに我が国の財政は立っているというふうに申し上げていいと思うのであります。その矛盾をひしひしと痛感をしながら、平成七年度の予算編成を担当させていただきました。
 加えて、それでも、いわゆる調整費といっておりますが、今回御提案をしておりますようなさまざまなやりくり算段というか特例措置を講じて新年度の七十兆九千八百億という一般会計予算を編成させていただいたわけでありますが、既に同時に提案をいたしております五年間の今後の展望をごらんいただいてもおわかりのように、相当思い切って国債費を削減をしていかなければならない、建設国債を減らしていかなきゃならない。それでも、かなり大きな要調整額といいますか、特例措置になりかねないそういうギャップが残っているという状況であります。
 だんだん経済は回復基調に入っておりますが、我が国財政が脆弱な状況に立ち至っていることを認識しながら、よほどの決意で、財政にかかわるさまざまな改革への決意と努力を始めなければいけないという気持ちでございます。
○村山内閣総理大臣 今、北側委員から御指摘もございましたし、大蔵大臣から説明もございましたけれども、我が国の財政の構造というものが極めて厳しい状況にあるということはもう御指摘のとおりであります。
 一方では、高齢化が進んで需要が高まっていく、同時に、ようやく景気も上向きに明るい展望が開けつつあるという状況の中で、景気対策に対してもそれなりのやはり対応をしていく必要がある。
 こういう課題を抱えて、しかしそうかといって、放漫に財政の赤字がどんどんふえていく、国債がふえていくというようなことも、それは許されることではございませんから、できるだけ健全な財政構造にしていくためにはやはり歳入を正確に確保していく、同時に歳出面については、根源にまでさかのぼって洗い直して、しかも選択を厳しくやって、そして健全な財政体質が確立されるような、そういう方向でこの財政改革を進めていく必要があるという認識については、厳しく受けとめておるつもりであります。
○北側委員 今総理の方から、確実に歳入の確保をしていくんだ、一方で歳出については、根本にさかのぼってその必要性等を洗い直して削減をしていくんだという御趣旨のお話がございました。
 今回、こういう厳しい財政状況の中で、さらに大変な震災が起こりまして、震災の復旧、復興のための対策を、最優先でこれはしていかねばならないことでございます。この震災対策の財源をどう考えていくのか。これは今すぐに結論が出る話ではございませんし、これからまだ議論をしていかねばならないと思うわけでございますが、そもそも日本の財政状況が極めて厳しい中で今回震災が起こり、その震災のためにこれは最優先で復旧、復興対策を歳出していかねばならない、こういう状況に今置かれているわけですね。
 この震災対策、あした提出予定の六年度の二次補正でこの財源につきましては、公債発行一兆五千九百億円でございますか、というふうに私は聞いておるのですが、この一兆五千億以上の公債を発行して税収の減プラス復旧対策に、当面の復旧費に充てていこうという補正予算でございます。この二次補正につきましては、早急に当面の救援、復旧のための補正予算措置をとらねばならないわけでございますから、今回特例公債も発行すると聞いておりますが、これはもうやむを得ないものであると私も思います。さらに、この七年度の当初予算というのは、先ほど冒頭に申し上げましたように震災対策は入っていないわけでございますから、したがって七年度については、後で当然これは補正をしてさらに震災対策に充てていかねばならない、こういう状況にあるわけですね。
 この六年度の二次補正も含めまして、相当な規模の財源が必要となってくることは明らかでございます。この震災対策の財源を総理また大蔵大臣がどのようにお考えになっているのか、お答えをお願いしたいと思います。
○武村国務大臣 御指摘のとおりでございますが、そうした状況の中で、第二次補正をまず編成をさせていただいて、ようやくあした御提案を申し上げます。これはぜひ、震災緊急対策事業として、与野党を超えて御理解を心からお願いを申し上げる次第でございます。
 年度末ということでございましたし、第一次補正でほとんどの予算項目は、要るもの、要らないもの、精査をして、そして御提案をいたした後でございますだけに、残った予算でのやりくりというのはほとんどもう余裕がありませんでした。そんな中での一兆円をちょっと超える震災財政需要でありまして、税収減も踏まえますと、やむなく一兆五千億余りの国債を発行せざるを得ませんでした。
 これは、年度末ぎりぎりで、これしかすべがないということで御理解いただきたいと思いますが、しかし、この財源を一体どうするのか。そして、新年度を迎えますと、当初お認めいただいたとしましても、震災対策の補正対応をしなければなりません。むしろこの時期が、六年度の第二次補正の既に措置済みの財源、建設国債、赤字国債も含めた震災全体に対する財源の論議を真剣にお願いをしなければならない時期ではないかというふうにも思っております。
 既に義援金も相当な額に上ってきております。これは大変ありがたい話でありますが、義援金だけに頼って災害対策は進められません。また、各省庁も、郵政省は義援のための特別の切手を発行していただいたり、自治省は義援のための特別の宝くじの発行をお考えいただいたり、また、農林省でも義援のための特別競馬等々も、まだ可能性はわかりませんが、御議論をいただいているようでございますし、そういったあらゆる財源の方途も真剣にこれからも検討をさせていただかなければならないと思いますが、恐らくそれでもこの大きな震災の財政需要というのは賄えるものではありません。やはり大宗をなすものは一般会計で措置をしなければならない。
 先ほど前段でお話がありましたような我が国の財政状況ということをしっかり見詰めながら、この緊急の、目をつむって対応しなければならない震災体制、そのための財源策ということについて、文字どおり与野党を超えて真剣な御論議をお願いをいたしたいし、私どもは、そういう御議論に耳を傾けながら最終の判断をさせていただきたいと思っております。今のところは、ありとあらゆる可能性、あらゆる財源の道を真剣に求めていきたいという気持ちでございます。
○村山内閣総理大臣 今も大蔵大臣から御説明がありましたから重複は避けたいと思うのですけれども、あす提案をして御審議をいただきます第二次補正につきましては、これはこの災害に対する緊急必要な経費を上程したので、この財源は当面は建設国債と特例国債で賄う以外にはない。これはやむを得ないと私は思いますし、皆さん方の御理解もいただけるのではないかと思うのです。
 ただ、これから復興に向けてやはり多額な金がかかっていく。同時に、税の方は逆に減収になる可能性がある。そんな意味では、いよいよまた厳しさを増してくるわけです。そこで、これ以上国債を発行して、そして借金をふやしていくということもまかりならぬし、そうかといって、また新たな負担を国民に求めていくということについても、これはやはりそう簡単ではないというようなことを考えてまいりますと、これは大変厳しいものがあると思うのです。
 ただ、必要なことは、やはり必要な金はきちんと確保するということは当然なことであって、それがなければ期待におこたえできないわけですから確保する。同時に、その財源については、可能な限り国民の皆さんの理解の得られるようなものを求めていくということで、あらゆる角度から工夫をし検討してこの財源措置については決着をつけていくという以外にはないのではないかというふうに考えておりますから、そういう基本をしっかり踏まえた上で、これからさらに検討を加えていきたいというふうに思っております。
○北側委員 今総理の方から、この震災対策の財源については、安易に国債発行、借金するわけにはいきませんよという御指摘がございました。また、国民の皆様に御負担をおかけするわけにもいかない、増税をするわけにもいかないというふうにおっしゃいました。
 そこで、財源をどうするかということをこれからしっかりと時間を数カ月かけて議論をしていかなければいけないわけでございますが、今申し上げたように、借金をするか、増税をするか、もしくは冒頭に総理がおっしゃられました歳出の削減をするか、非常に簡単に言いましたら、この三つしか財源を引っ張ってくる方法というのは基本的にはないわけなんですね。
 それで今、国債発行は安易にはできないよ、今の日本の財政状況の置かれているところから見ればそんな安易にできないよ、そして一方では、国民の皆さんに御負担をおかけするわけにはいかないと。そうすると、今審議されておりますこの七年度予算案について、入っております一般歳出でありますね、この歳出を削減することをまず一番目に、どこまでできるかは別として、まず一番目に努力をするのが我々政治家の務めであると私は思うわけでございます。総理、いかがでございましょうか。
○村山内閣総理大臣 七年度の予算につきましては、これは震災前に編成された予算ですね。したがって、震災に関連する歳出については計上されておらないわけです。しかし、これは景気全体の関係やら国民生活全体に関連する予算は計上されておりまするし、とりわけ地方自治体との関連等を考えた場合に、やはり新しい年度の予算というのは年度内に成立させていただくということが一番いいのではないかというふうに思いますし、皆さん方の御理解と御協力もいただきたいというふうに思うのですね。
 そして、この災害に関連をして必要な経費というものは、復興委員会なり復興本部をこれからつくって、そして地方自治体、とりわけ兵庫県、神戸市とも十分連携をとり合いながら復興計画は進めていくわけでありますけれども、これに必要な財源がどの程度、どういう内容で必要になるのかそのために財源措置をどうするかというようなことについては、やはり時間をかけて若干考えていかなければ、今直ちに結論の出る問題ではございませんので、したがって、本予算は成立をさせていただいて、そうした状況も踏まえながら第一次の補正をできるだけ早急に確立をして、そして当面に対応していくということが大事ではないかという考え方でおることについては御理解をいただきたいと思うのです。
○北側委員 きょうは予算委員会、衆議院の方ではもう締め総に入っているわけでございます。そして、恐らく近々、衆議院の方では今審議されております七年度予算案について採決がなされるんでしょう。また、本会議にかけられるんでしょう。それはもうすぐ近くだと思います。
 私が言っておりますのは、予算というものは、一たん成立をしてしまいましたら、これはもう既定の話になってしまうわけですよ。それをその後から削るという話はなかなか大変だろうと思うのですね。そういう意味で、私は、総理の先ほど来の日本の財政状況に対する認識、また今回の震災について対策は最優先に立てなきゃいけない、そういうふうに御理解されていると思いますし、そしてそのためには相当の財源が必要なのはこれは明らかなわけです。六年度補正そして七年度と明らかなわけですから、この財源について、まずはともかく歳出の削減ということを検討対象にしていくのだ、七年度予算についても。そういうことをやはりここできちんと答弁をしていただきたいと思うわけでございます。
○武村国務大臣 おっしゃるとおりでありますが、何といいましても今は当初予算を御審議をいただいている状況でございまして、私どもは、組み替えでなしにこのままお認めをいただくために必死でこうして議会対応をさせていただいておりまして、そういう時期でございますから、この予算が通ったら、実質組み替えになる補正措置、あるいは保留というふうな言葉もございましたが、そういうことを今申し上げるのはお許しをいただきたいと思います。
 しかし、気持ちとしては、当然既存予算のやりくりがまず第一だという、やれ増税とか国債とか言う前に、既存の予算手段の中で精いっぱい災害に対するやりくり算段をすることが優先するというこのお考えは、私も異議はありません。
○北側委員 今大蔵大臣の方から、既存の予算の切り詰めも含めてしっかりやっていくんだというふうな御答弁だと思うんですけれども、私、総理もう一遍、きょうは予算委員会ですから、ぜひ総理にお答えしていただきたい。
 先ほど来申し上げたように、一たんついた予算はそんな簡単に私は削れるものじゃないと思うんですよ。今のこの七年度予算案の一般歳出を丸々認めてしまって、そして震災対策についてプラスアルファをする、そのプラスアルファの部分を、これを借金がそれとも増税でやるのかという話じゃないというふうに総理はおっしゃったわけです。ですから、当然のこととしてこの歳出の見直し、それについても、これもあらゆる手段を講じてという意味の一つとしてぜひ検討対象にしなきゃいけないという総理の御決意をぜひ聞かせていただきたいと思うわけでございます。
○村山内閣総理大臣 冒頭にお話がございましたのは、今の日本の財政の厳しい現状についてお話があったわけですね。したがって、財政の健全な体質をつくっていくためには、これは歳入の面とそれから歳出の面と、これは根源まで洗い直して、そして選択をして、有効な、適切な歳出をつくっていくということは健全な日本の財政を確立していく上において大事なことだという一般論として申し上げたわけですね。
 私は、先ほど来申し上げておりまするし、今大蔵大臣からも答弁がございましたように、何も予算が通ったら予算がそのままひとり歩きするわけではなくて、これはまた補正ということもあり得るわけですし、当然、大地震があって、これだけの大きな災害があったわけですから、その災害に対応する補正予算というものは組まなければならぬというふうに思っております。
 ただ、その補正予算を組むにいたしましても、どの程度の財政規模で、何が必要になるのかというようなことについては、今復興本部をつくり、復興委員会で御議論もいただきながら、神戸市やら兵庫県とも連携をとってやっている過程にありますから、したがって、そういうものが積算されてこなければこれはわからないわけです。したがって、そういう見通しもつけた上で対応できるようにきちっと第一次の補正はこれからつくっていくということを申し上げているわけでありますから、御理解を賜りたいと思うのです。
○北側委員 今の総理の御答弁は、私の質問にお答えになられていないのですよね。冒頭に、震災対策の財源として安易に借金するわけにはいかないよ、そして国民の皆さんに御負担をかけるわけにもいかないよとおっしゃっているわけですから、私は、ここできちんと七年度予算案についても、これはいつか通るんでしょう、近々通るであろうこの七年度予算案についても、その歳出項目について、やはりこれは見直しの対象にしていくんだということを今の時点で言っておかないと、そんなもの、一たん通ったものはなかなかできない。結局そうしたら借金をまたしなきゃいけないということになってしまうと思うわけでございます。いかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 だから、私が申し上げておりますのは、それは災害対策には、もう必要な金は金としてやはりきちっとしなきゃいかぬわけですよ。したがって、必要な金についてはきちんと確保しなきゃならぬ。
 同時に、そのことについてはやはり国民の皆さんの御理解も得なければいけませんということを基本にして、幅広い範囲で財源をどうつくっていくかということは検討しなきゃならぬ課題である。これはもう当面緊急に必要とするというふうにも申し上げておるのであって、それはもう、安易に国民の皆さんに増税を求めていくという道をとりたくはない。同時に、借金を積み重ねていくこともこれ以上は許されない。
 したがって、どのように財源をつくっていくかということについては、しかし必要な財源はきちっと確保しなければいかぬわけですから、確保する。同時に、その財源をつくる上においては、国民の皆さんの理解も得なければいけませんということを基本にした上で、幅広い立場から検討をして、財源を捻出をする方法を考えていきたいというふうに申し上げているわけです。
○北側委員 今の総理の御答弁は、結局、私はこういうふうに理解しました。まず第一義的には、七年度予算案の歳出についても見直さなければいけないんだ、通ったとしても、というふうに私は理解をさせていただきます。
 ちょっと時間がございませんので、財政にかかわる問題についてもし時間があったらまた後で御質問させていただきますが、東京共同銀行の設立問題について御質問をさせていただきます。
 昨日も同僚の草川委員の方から質問がございましたが、この二つの信用組合について、破綻を来したこの破綻信用組合について、東京共同銀行というものをつくってやっていこう、処理していこう。この救済の基準というのは一体何なのかということを、私もう一遍、きょうは大蔵大臣にお聞きをさせていただきたいのです。
 まず、この救済の基準の問題についてお聞きをする前に、金融の自由化という問題と自己責任の原則、この問題について、大臣はどのように考えられておるのか。
 私の理解では、金融の自由化と自己責任の原則というのは表裏一体のものだというふうに理解をしております。金融の自由化の中では、金融機関及び預金者の自己責任の原則を重視するのはもう当然のことでございまして、金融の自由化は、一方でどんどん金利が自由化される、業務が自由化されるという形でどんどん進められながら、自己責任原則というものが、信用秩序の維持という名目で公的支援に基づく救済がなされていくというならば、そもそも金融の自由化というのは一体何だったんだという話になってくるんじゃないかと私は思うのですね。
 金融の自由化というのは、競争原理を一層促進をしていくことを通じて、多様な国民の金融ニーズに応じていこう、そして経済の効率化や活性化を図っていこうというのがこの金融の自由化の理念でございます。ここは自己責任の原則とは表裏の関係でございまして、私はそう思います。大臣、いかがですか。
○武村国務大臣 御指摘のお話は私もうなずけます。もう少し表現を変えれば、金融の自由化、金利の自由化が進むに従って今まで以上に自己責任を問われるというか、自己責任の原則がむしろ大事になってきた、こういうふうに思っております。
 問題は、こうした信用組合という、地域あるいは協同組合組織を前提にしてできている金融機関でございます。そういう金融機関で今回の問題が起こったわけでありますが、地域に密着しているとか、中小企業の会員を中心に寄り集まった組織を基本にした金融機関であるだけに、やや自由化とそれから自己責任の問題があいまいになりがちといいますか、見えにくい側面もあるわけであります。
 そういう意味で、今回の教訓としては、そういう状況の中でも改めて信用組合のディスクロージャーという課題を我々は真剣に目を向けていく必要がある。そして、片方で預金保険機構についても、アメリカの連邦預金保険公社の例も十分参考にしながらこの法律の改正にも目を向けていきたいというふうに申し上げておるわけでございまして、そのことは結局自己責任の原則をより貫徹をしていくための歩みになっていくというふうに思っている次第でございます。
○北側委員 大臣も、金融の自由化と自己責任の原則が表裏一体のものであるという認識は持っていられるというふうに私は理解しました、今の御答弁で。
 そこでお聞きするわけですが、今回のような二つの信用組合、経営破綻を来したこの金融機関の救済、救済という言葉を使うのが語弊があるならば、今回のような処理の仕方をすることについての基準が一体どこにあるのか。救済する金融機関、今回のような形で処理する金融機関とそうでない金融機関とはどのような基準で判断するのか。きのうも草川委員から質問されておりましたけれども、この基準についてやはり私は明確にしていただきたいと思うわけでございます。
○武村国務大臣 外形だけで当てはめるような基準があるわけではありません。これまでもそうでありましたが、ケース・バイ・ケースというとちょっと軽く聞こえるかもしれませんが、さまざまな対応をしてまいりました。これはもう、そういう事態に立ち至った金融機関みずからが必死であがきながらさまざまな対応をしてきたわけであります。
 もちろん、自己努力といいますか、今おっしゃったみずからの力で再建をなし遂げたような金融機関もあったと思います。しかし、どうしても自己努力で経営の改善ができない場合には、同じ業種の中で、信用組合なら信用組合、あるいは東京都で起これは東京都の信用組合の仲間で助け合うというふうな形で解決を見出したものもあります。あるいは、もう一ランク上の信用金庫とか相互銀行とか、そういうものとの合併で乗り切ったものもあります。
 しかし、最近はそれでもなかなか、単なる金融機関相互の吸収合併だけでは進まないというケースがふえてまいりました。そのために、信用組合については、御苦労をいただいております各都道府県が、これはまさに公金でありますが、県の公金を出資をする、支援をするという形でサポートをしてやっと乗り切ったというケースもございます。そしてまた、加えて、預金保険機構が最近はかなりの金額を支援する、こういう形で解決をしたところもございます。
 問題は、今回の東京都の場合は、もうそういうすべがないといいますか、各県があるいは各金融機関が今までやってきたそういうすべではもう及ばない。東京都の力だけでもどうしようもない状況になって、去年の秋、大蔵省や日本銀行に真剣な相談があり、三者が文字どおりこの異例な事態を見詰めながらどういう知恵があるか、どういう努力をしたらいいのか、真剣に相談をして、今回のような処理スキームをとるに至った次第でございます。
○北側委員 大臣、私、きょう質問をしたいことがいっぱいございますので、できれば的確簡明に、簡潔にお答えいただきたいんです。
 私が聞いているのは、救済基準の基本的な考え方、これを、これはあるはずですよ。そんなのはないということはないわけです。救済基準の基本的な考え方、こういう場合はやはり救済しなければいけない、公的支援を、公的資金を使っても救済しないといけない、こういう場合はやはりもう自己責任の原則を貫徹しよう、こういう基準があるはずですよ。基本的な考え方ですよ。この基本的な考え方を聞かせていただきたいというふうに聞いているわけでございます。
 特に、東京都は、御存じのように百八十億円の収益支援をする、日銀が二百億円出資する、こういう公的支援を行って、またすべての銀行が、地銀、第二地銀が収益支援をする、これも国民の預金を使うものでございまして、そうである以上は、この救済基準の基本的な考え方を、これはもうぜひ明確にしていただかないと国民は納得できないですよ。
○武村国務大臣 多少説明が欠けましたが、少なくとも今日までは、破綻に至ったような金融機関を何らかの形で、まあ救済といいますか、そういう事態をおさめていくということでありました。
 今回、こういう異例な措置をとったわけでありますが、何回も申し上げてまいりましたように、最後のぎりぎりまで、いわゆるペイオフと言われます預金保険機構の最低の対処で、あとはもう終わりという明快な道を選ぶか、これまでと同じように、あらゆる知恵を出して今回も支援という形で事をおさめるか、この選択が残ったわけであります。
 それにしても、後者について先ほどるる申し上げたわけですが、今回はそういう特異な例外的な措置をとらせていただきましたが、こんな形でこれからも金融機関の破綻が起これは対応していくわけにはいかない、そういたしますと、この真ん中に何か知恵がないかという一つの議論があります。今回でも、例えば大口預金に対して、高金利で預かっていながらそのまま丸々金利を払っている、救援をしていながらそんなところまで救援の対象にするのはおかしいじゃないか、私もそう思います。
 一月早々、何とかこれはならないかということを銀行局長に強く言ったこともありますが、しかし、今の金利自由化の私的な契約関係で詰めていきますと、これは行政措置等々によって一方的に破棄をする、ではこの大口はもう二%しか払いません、これはしたくてもできない。恐らくこれは訴訟になれば負けるだろうという判断をせざるを得ませんでした。
 あるいは、アメリカの預金保険公社のように、大口については元利ともに一定額をカットしてしまう、こういう措置もしているようであります。しかし、日本はそこまでの法的な根拠がまだできておりません。こういうことを、今回の事件を反省して、私どもは法律の改正も含めてぜひつくりたいというふうに思っているわけであります。
 明快な基準、これとこれとこれがあります、こういうルールでやります、こういう答えにはなりませんが、この異例な事態を本当に大きな教材にしながら、今後こういうことが起こることを前提にしても、同じ道を繰り返すということはない、そういう前提でいろいろと勉強をしていきたいというふうに思っております。
○北側委員 今大臣は、るるこれからのことをおっしゃっているのですね。これからこうしていかないといけないよと。要するに、自己責任原則が働くように条件整備、環境整備をしていかなければいけないよというふうにおっしゃっているのですけれども、私が今聞いているのは、この二億組を今回このような処理の仕方で救済したのはどういう理由なんだ、どういう基準で救う方に行ったのだということをお聞きしているわけです。
 日銀、来られていると思いますので、ちょっと御答弁いただけますか。
○田村参考人 答弁します。
 今回の措置は、金融システム全体の安定を確保する、そのために必要で不可欠だという考え方で実施したものでございます。すなわち、この二つの信用組合は、自力再建が難しい、また関係金融機関による合併等も難しいというふうなことでありました。かといって、預金保険の支払いということになりますと、預金者が動揺し金融システム全体が揺らぐということが懸念されました。また、抜本的な処理をおくらすのも好ましくないという判断でありました。
 こうしたことを考えますと、抜本処理をして、しかも金融システムの安定を確保するというためには、今回行いましたような新たな金融機関を設立してそこに事業譲渡を行わせる、しかも、そのときに日本銀行が主導的に出資をする、そして民間からの協力を得るというふうな必要があると判断されたわけであります。
○北側委員 じゃ、こう聞きましょうか。
 例えば、その金融機関を救済するかどうかの判断要素として、当該金融機関の例えは理事者の責任の程度、この二つの信用組合みたいに極めて放漫な経営をしているというふうな理事者の責任が重いか軽いかの話とか、預金者の内容が大口が多いのかそれとも小口が多いのかとか、こうした当該金融機関の状況というのは、救済するかしないかの判断のときの要素になるわけですか。
○西村政府委員 私ども、今回の措置を決定するに際しまして、今おっしゃったような点はいろいろと検討をしたつもりでございます。そういう検討を重ねた結果、そのいろんな選択肢の中で、やはり結局は、ペイオフという方法は現段階では利用者の御納得を得られないだろうということで、臨時異例の措置として今回の方法を選んだということでございます。
○北側委員 だから、なぜ今回の方法を選んだのか、そういうふうに踏み込まれた最大の要素、基準は何だったのかということをお聞きしているわけでございます。大臣、いかがですか。
○武村国務大臣 それは、お答えを申し上げておりますように、ペイオフの方法をとることがいいか悪いかという判断がまずあったんですね。それは、今日銀の理事もお答えしましたように、金融不安になる可能性がある、心配がある。これはまあ可能性でありますから、絶対でないかもしれません。それは、可能性といったってどの程度の可能性なのか。しかし私どもは、この金融制度全体を預かっている立場で考えますと、たとえそれは一割でも、いや五%でもそういう可能性があれば、この日本の大きな経済の土台になる信用秩序がそれで揺らぐことの可能性があればその道はとれない、とるべきでないと最終は判断をしました。そうすると、ペイオフのこの明確な道がとれないということになりますと、その消去法からいって、こういう今回のような、異例でありますが、措置をとらざるを得なかったということであります。
○北側委員 今重大な発言をされたと私思いますよ。金融不安の可能性が五%でも一〇%でもあったら、あったというふうに判断できるならば、今回のような処理方式をしないといけないんだ、救済しないといけないんだ、こういう御答弁だったわけですよ。これは大問題ですよ。
 そしたら、今だってバブルの崩壊で景気が悪いわけですよ。不良債権を抱えた金融機関、全国にたくさんありますよ。こういう状況の中で、経営破綻になる可能性のある金融機関なんてこれからもありますよ。そのときにやらないという保証なんか全然ない。やるに決まっているわけですよ、今の基準であれば。どうでしょうか、委員長。
○武村国務大臣 北側委員、よく考えていただきたいんですが、これはまさに信用制度の保持という言葉もありますし、金融秩序の維持という言葉もありますが、いずれにしましても、単なる抽象的な表現に聞こえるかもしれませんが、我が国の経済の土台をなしております。いやしくも国民の預金が、金融機関の経営の不始末や金融制度全体の動揺の中で、返ってこないという事態を一体だれが予想されているでしょうか。信じ切っておられますよ。そういう、預金とか金融機関に対する国民の絶大なる信頼を損ねるような、そういう状況が出来するならば、これは必死でとめなければならない、これは日本銀行もそうでありますし、大蔵省もそうであります。
 問題は、将来を考えますと、今回の事件というものを大きな教訓というふうに申し上げておりますように、だんだん金融機関も全部ディスクロージャーをしていく、そして、そういう中で預金者がみずから金融機関を厳しい目で選択をしていただく、時々金融機関が破産をしても、倒産をしてもやむを得ないというふうな、そういういわば預金者側にも健全な意識が育ってくる、そういう状況の中で初めてペイオフという措置はとれるわけであります。
 私どもは、将来は自己責任というふうに申し上げたように、そういう状況をやはり期待をせざるを得ないし、そのためのさまざまな努力、法改正を含めた努力、あるいは金融機関全体の努力を重ねていこう、この時期では、今日本ではその措置はとれなかったということを申し上げているわけであります。
○北側委員 今のお話も、こういうことなんですよ。自己責任の原則を貫いていく条件整備、環境整備ができなかったらペイオフはとれないよというふうにおっしゃっているのですよ、そうですよね。そうすると、ディスクロージャーを拡大していくだとか預金保険機構の拡充強化をするだとか、そうしたことが実際にできなければ、そういう条件整備、環境整備ができないうちにまた同じような金融機関が生じた場合には、救済せざるを得ないというふうにおっしゃっているのと一緒なんですよ。大臣、いかがですか。
○武村国務大臣 今回の事件は、そういう意味では大変大きな国民の関心を持っていただくことができました。ぜひそういう意味で、我々行政当局だけの教訓でなしに、こういうケースが金融機関の中にもあったという事実も認識をしていただく中で、その中で、我々の今申し上げた今後に対する議論についても幅広く国民の皆様にも強い御関心をお持ちいただくことを期待したいと思います。そういう中でこそ初めて、私どもの今後に備える努力も実ってくるというふうに思っております。
○北側委員 だって、今回公的支援を使っているわけですよ。東京都の都民のお金をたくさん使うわけですよ。日本銀行が二百億も出資するわけですよ。全国の銀行、地銀、第二地銀の預金を使うわけでしょう。これは、国民のやはり納得がいかないとできないはずですよ。私はそう思います。
 そういう意味では、なぜ今回、これほどひどい信用組合であるにもかかわらずこのような措置をとったのかということを、やはり明確にわかりやすくきちんと説明すべきである。それができないというのは、私はとんでもないと思うわけでございまして、質問をちょっと言いかえますと、そもそも今のその条件整備ができなかったならば、自己責任の原則を貫徹するための条件整備ができなかったならば、そういう時点で、そもそも救済されない金融機関というのはあり得るのでしょうか。大臣、お答えください。
○武村国務大臣 今後こういう事態が繰り返し起こらないように、私どもは全力を尽くして努力をしていかなければならないと思っております。
○北側委員 要するに、今回このような形で処理されたこと、救済されたことについて、やはり非常に不明朗であるというふうに私は言わざるを得ないと思います。
 大臣、この条件整備の問題ですけれども、自己責任原則を貫徹するための条件整備、ペイオフというふうな手段をとれるようにするための条件整備をどうしていくのか。先ほどちょっとおっしゃっていましたけれども、こういうことはやらないと自己責任原則という、ペイオフというのはとれないなという条件としてはどういうものがありますか。大臣、お答えしてください。
○武村国務大臣 前提条件としてはいろいろありますよ、まあ信用組合固有の問題もありますから。
 そもそも、おっしゃるように金融自由化の中で信用組合の協同組織性というものをどう認識をし、法律の面も含めてどう新たな検討を加えていくかという問題もあります。特に、大都市地域の協同組合のあり方ですね。
 それから、こういう事態が起こらないような検査・監督の反省というテーマもあります。これも、大蔵省銀行局、財務局そして各都道府県の金融機関に対する検査体制の充実という問題でありますし、あわせて預金保険機構の中にもそういった機能を持たせることを検討してみてはどうかというふうに私どもは思っております。
 さらに、ずばりこういう金融機関の破綻をどう処理するかということになりますと、先ほど来申し上げてまいりましたように、自己責任の原則が基本であります。この観点に立ちながらも、いわゆる不良債権の処理や、申し上げたディスクロージャーの充実、透明性を高めるというふうな努力によって、いわゆる環境整備をしていくということが大変大事なことだと思っております。
 アメリカの例をたびたび申し上げて恐縮ですが、アメリカは二千を超える金融機関が倒産をしました。そのときにアメリカの預金保険機構がどう対応したのか、あるいは連邦政府がどう対応したのか、そういった事例もしっかり学びながら真剣に検討をさせていただきたいと思っております。
 最後に、経営者のモラルハザードを防いでいくという観点からも、やはり経営者の法的責任という視点もおろそかにはできないと思っております。
○北側委員 ちょっと私の方から、こういうことが私は必要だと思うのですけれども、一つは預金保険機構、現在残高が八千二百億円ぐらいしかないわけでしょう。やはりこれじゃ少な過ぎますよね。やはりこれをふやしていかないといけないと思いますし、あと、先ほどからおっしゃっていますディスクロージャーを、不良債権の内容なんかも含めまして、今は信用組合とか信用金庫については詳しくやっていないんですよね。これについても広げるべきであると思いますね。このディスクロージャーをやるべきである。
 そしてあと、今回、理事者の放漫経営、乱脈融資というような形になっておるのですが、これについても、もちろん信用組合を堅実に経営している理事の方々が大半なわけですけれども、やはりたまにこういう人が出てくるわけですよね。これはシステム的に時としてこういうふうな放漫経営者を生むような仕組みになっているわけでして、例えば信用組合法の兼職禁止規定の問題だとか、それから自己取引規制、この辺のところはやはり規制の強化をしていかないといけないんじゃないだろうか。
 例えば兼職禁止の問題であれば、今認可が要らないわけですね。これは県の認可が要るようにするとかやらないといけないと思いますし、あと罰則も、これは古い法律で、過料と罰金だとかそういうふうな法律になっているのですね、罰則も。こういうところも、この信用組合法については抜本的に私は検討をしないといけないと思います。まず、この点いかがでしょうか。
○武村国務大臣 預金保険機構は、法律を含めてぜひ検討をさせていただきたいと思っています。
 ディスクロージャーは、おっしゃるとおりでございます。一般の、国が監督をしております金融機関レベルはかなりディスクロージャーが進んでおりますが、信用組合につきましても、この事件を反省して、このことにどういう改善をしていったらいいのか、努力をさせていただきたいと思っております。
 理事の、いわゆる役員の兼業禁止も、午前中私は申し上げたわけでありますが、これもぜひ具体的な検討をさせていただきたいと思いますし、監事も、内部から選ばれているのが大半でございますが、私どもは、公認会計士のような人が、専門家が外部から入っていく、外部から入って内部をチェックする、こういう仕組みもぜひ今回の反省に立って検討をさせていただきたいと思っております。
○北側委員 もう時間が終わりでございますが、本当はもう少し質問したかったんですけれども、最後に一つだけ質問をさせていただきます。震災の問題でございます。
 今度の予算委員会でも震災対策の問題について議論をずっとやってまいりました。大半が震災対策だったと言えるかもしれません。復旧、復興についても非常に大事だし、議論をしっかりとしていかねばならないのですけれども、私はきょう総理に、総理もそういうふうに理解されておると思いますが、ぜひお願いをしたいのは、震災から一カ月余りたちましても、現地、被災地には、いまだ二十万人を超える避難者が学校等で本当に大変な生活をされておるわけでございます。我々東京にいますとそうしたことをぽっと忘れがちになるわけですが、現実には、きょうの夜も寒い体育館の中で、暖房もないところで寝られている方がたくさんいるわけなんですね。その中には、高齢者の方だとか介護が必要な人だとか、障害者の方なんかも現にまだおられるわけなんですよ。
 その辺の、現に今大変な状況で御苦労をされておられる避難者の方々がたくさんいるということを、私は避難生活はまだしばらく続かざるを得ないと思うのですよ、現実問題は。仮設住宅だって、そんなたくさん一遍にできるわけじゃないわけでございますので、もちろんこれは急いでもらわないといけないわけでございますが、そういう状況であることを我々政治家はやはりしっかりと常に想起をしていかねばならないと思うわけでございまして、この現に今避難生活をされている方々への配慮、防寒対策だとか、ふろの問題やなんかも一週間に一回、それも数時間も寒いところに並んでやっと入れる、そういうふうな状況なんですね。こういう避難生活者へのきめ細やかな配慮というのをしっかりとやはりやってもらいたい。仮設住宅の問題も、いろいろ課題があるのでしょうけれども、全力でこの建設は進めていただきたい。
 小里大臣と総理の答弁を求めまして、私の質問を終わりたいと思います。
○小里国務大臣 ただいまお話しの避難所の関係でございますが、私どもの緊急対応中の最も重要な最たる事項の一つである、さように考えております。
 なお、先生今防寒のお話がございましたが、防寒も、まあ箇所によりまして多少個人差はありますけれども、最近になりまして、ストーブを設置する、あるいはまたマットレス、あるいは断熱マット等々、相当行き届いてきておるかと、私どもはさように判断をいたしております。殊に大型の工業用のヒーター等も、大きなホール等の場合にはこれを活用するように厚生省等も大変協力をいただきまして、今それが徹底が図られつつある、さように思っております。
 なおまた、時間の関係もありますから申し上げますが、御承知のとおり、避難所約九百カ所前後、現在二十万人前後おいでになりますが、警察官三名、県職員二人、これを一グループにいたしまして百班編成をいたしまして、常時これを巡らをいたしております。その中で、ただいま御指摘のように防寒問題のみならず、あるいは食生活の面、あるいは栄養の面、あるいは保健衛生、医療等の面等も具体的にチェックをしながら、それをその日のうちに情報を具体的に掌握をして、そして対応していこう、そういうようなこと等も毎日実施をいたしております。
 これで決して十分であるとは思っておりませんけれども、特に先生御承知のとおり、避難所の管理というのは県が一応行いまして、市、町がこれを補完するという建前になっておりますから、私どもはそのこともわきまえながら、いろいろ今御指摘になったようなことは、特に総理大臣を初めそれぞれ気遣いを、細やかに指示をいただいておるものですから、先刻も申し上げましたように、地元の市あるいは県等に対しては、再三こういう面はひとつ御注意くださいよということを連絡もするし、あるいはまた文書等をもっても、もう本当に耳しげくいたしておると申し上げましても言い過ぎではないぐらいやってはおります。
 ですから、例えば寒さの対策なり食事対策なり、日常の生活等についてもひとつ検証してください、そしてその検証の結果を報告をしてください、そういうような具体的な事務連絡等も、直接の指導とあわせまして、ここに持ってきておりますが、何回もやっております。あるいはまた、私の、非常災害対策本部、担当大臣という立場からもいろいろと啓発なりあるいは助言を申し上げております。
 なお、申し上げますが、今先生お触れにならなかったけれども、その単価の問題等についても、私どもの方は、ひとつ接遇改善をやってくれ、それに要する経費等のことについては容赦なくお聞かせをいただきたい、そういうことまで実は踏み込んで啓発を申し上げておる実情でございます。しかしながら、これをもってして必ずしも十分であるとは思っておりませんから、御指摘に沿うように努力をいたします。
○村山内閣総理大臣 今小里担当大臣からもうお話がございましたから細かな点は申し上げませんけれども、私はやはり、集団で避難生活をしていることについては、あらゆる角度から考えてみてもう限界に来つつあるんじゃないかと思うんですね。したがって、そういうものを十分配慮しながら、少しでも不安を解消して、落ちついた生活ができるような手だてというものを講ずる必要があるということが一つです。
 それからもう一つは、きょうも本会議で申し上げましたけれども、同じ集団避難生活をするにしても、寝たきりのお年寄りやら、あるいは身体障害者の皆さんやら、あるいは乳飲み子を抱えた奥さん等は普通の人のようには自由に動けないわけですから、それだけに、やはりそれらの方々に対する配慮はしてほしいということをあらゆる機会に指示をして、少しでもこの不安を解消して、冒頭に申し上げましたように、落ちついた生活ができるような条件をどうつくっていくかということのために、全力を挙げて取り組んでいく必要があるというので、今対策を講じて真剣にやっていただいておるということについて御理解をいただきたいと思います。
○北側委員 以上、終わります。
○佐藤委員長 これにて北側君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十四日午前九時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時二十三分散会