第132回国会 予算委員会 第24号
平成七年三月三十日(木曜日)
    午前八時開議
出席委員
  委員長 佐藤 観樹君
   理事 衛藤征士郎君 理事 桜井  新君
   理事 野呂田芳成君 理事 深谷 隆司君
   理事 伊藤 英成君 理事 加藤 六月君
   理事 草川 昭三君 理事 三野 優美君
 理事 五十嵐ふみひこ君
      伊藤 公介君    稲葉 大和君
      浦野 烋興君    越智 伊平君
      亀井 善之君    菊池福治郎君
      後藤田正晴君    近藤 鉄雄君
      高鳥  修君    中山 太郎君
      原田  憲君    松下 忠洋君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      若林 正俊君    安倍 基雄君
      赤羽 一嘉君    伊藤 達也君
      石井 啓一君    石田 勝之君
      川島  實君    左藤  恵君
      笹木 竜三君    月原 茂皓君
      野田  毅君    冬柴 鐵三君
      松田 岩夫君    山口那津男君
      山田  宏君    若松 謙維君
      池田 隆一君    今村  修君
      遠藤  登君    佐々木秀典君
      坂上 富男君    細川 律夫君
      森井 忠良君    前原 誠司君
      正森 成二君    松本 善明君
      矢島 恒夫君    海江田万里君
 委員外の出席者
        証     人
        (前日本銀行総
        裁)      三重野 康君
        証     人
        (日本長期信用
        銀行頭取)   堀江 鐵彌君
        証     人
        (元東京協和信
        用組合専務理
        事)      川内 康平君
        堀江証人補佐人 松本 伸也君
        川内証人補佐人 金森  仁君
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十八日
 辞任         補欠選任
  安倍 基雄君     青山  丘君
同日
 辞任         補欠選任
  青山  丘君     安倍 基雄君
同月三十日
 辞任         補欠選任
  江藤 隆美君     稲葉 大和君
  志賀  節君     松下 忠洋君
  関谷 勝嗣君     亀井 善之君
  工藤堅太郎君     若松 謙維君
  山口那津男君     赤羽 一嘉君
  池端 清一君     池田 隆一君
  佐々木秀典君     遠藤  登君
  矢島 恒夫君     正森 成二君
同日
 辞任         補欠選任
  稲葉 大和君     江藤 隆美君
  亀井 善之君     関谷 勝嗣君
  松下 忠洋君     志賀  節君
  赤羽 一嘉君     山口那津男君
  若松 謙維君     工藤堅太郎君
  池田 隆一君     森井 忠良君
  遠藤  登君     佐々木秀典君
  正森 成二君     矢島 恒夫君
同日
 辞任         補欠選任
  森井 忠良君     池端 清一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 予算の実施状況に関する件(東京共同銀行問題
 )
     ――――◇―――――
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件の調査に関し、東京共同銀行問題について、三重野康君より証言を求めることといたします。
 この際、証言を求める前に証人に一言申し上げておきます。
 昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によって、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証人、証人の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または証人とこれらの親族関係があった者及び証人の後見今後見監督人または保佐人並びに証人を後見今後見監督人または保佐人とする者が、刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときであります。また、医師、歯科医師、助産婦、看護婦、弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについても、本人が承諾した場合を除き、宣誓または証言を拒むことができることになっております。
 証人が宣誓または証言を拒むときは、その事由を示さなければならないことになっております。
 証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられ、また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。
 以上のことを御承知おきください。
 次に、今回の証人喚問に関する理事会の申し合わせについて申し上げます。
 その第一は、資料についてであります。
 証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会に提出していただくことになっております。
 その第二は、証人がメモをとることについてでありますが、尋問の項目程度は結構でございます。
 以上の点を御承知おきください。
 それでは、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めることにいたします。全員起立を願います。
    〔総員起立〕
○佐藤委員長 議院証言法第五条の三の規定によりまして尋問中の撮影は許可しないことになっておりますので、これより三重野康君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。
 それでは、三重野康君、宣誓書を朗読してください。
○三重野証人 
     宣 誓 書
 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います  平成七年三月三十日
               三重野 康
○佐藤委員長 宣誓書に署名捺印してください。
    〔証人、宣誓書に署名捺印〕
○佐藤委員長 御着席を願います。
 これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。
 なお、こちらから質問をしているときは着席のままで結構でございますが、御発言の際には起立してください。
 委員各位に申し上げます。
 本日は、申し合わせの時間内で重要な問題について証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないように特に御協力をお願いいたします。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 これより証人に対して証言を求めます。
 まず、私からお尋ねいたします。
 あなたは三重野康君ですか。
○三重野証人 はい。
○佐藤委員長 生年月日、住所、職業をお述べください。
○三重野証人 大正十三年三月十七日生まれでございます。住所は、東京都世田谷区五の十四の二十一番、三重野康でございます。
○佐藤委員長 職業は。
○三重野証人 日本銀行の名誉顧問でございます。
○佐藤委員長 以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。
 次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐ふみひこ君。
○五十嵐(ふ)委員 新党さきがけの五十嵐ふみひこでございます。
 三重野証人、前日銀総裁にお尋ねをいたしますが、まず最初に、私は与党三党を代表してお尋ねをいたすわけでございますけれども、私は、今回の二信組の問題ですね、二信組の預金者を保護するという政策判断、政策決定、この問題と、二信組及びイ・アイ・イ・グループをめぐる政界、官界との癒着あるいは不正行為といった疑惑解明の問題と二つの問題があって、これがかなり混同をされて伝えられて混乱が起きているというふうに感じております。ここをしっかりと踏まえて、分けて考えることが重要だろうということから、その立場に立って御質問をさせていただきたいと思います。
 また今回は、前回、前総裁は参議院でお話をされましたけれども、それは参考人としての招致でございまして、今回は議院証言法に基づくいわば罰則つきの証言でございますので、メモも原則としてとれないというような中での御証言でございます。とかくこういうときはそごを恐れて、細かな数字等について尋ねられることもあるかと思いますが、記憶にないあるいは知らないというお返事になりがちでございますけれども、記憶を呼び起こしていただきまして、できる範囲で、これは記憶によるけれどもという注釈つきでも結構でございますから、そういう形でなるべくお答えをいただきたいと存じます。
 朝早くから御苦労さまでございました。まず最初にお尋ねを申し上げますけれども、そもそも論から入ります。
 今回、なぜ公的資金を導入し、新銀行を設立してまで両信用組合の事業を救済する必要があったのかということについて、簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
○三重野証人 私どもは、二つの信用組合を救済したとは考えておりません。これはむしろつぶしたと思っておりまして、そのつぶし方が今回のスキームだというふうに考えております。
 もう少し敷衍して申し上げますと、第二回の大蔵省と東京都の二信組に対する検査が終わりましたのは昨年の七月、八月、一応の検査が終わりました。それで、その結果は私どもも九月に入ってから東京都から連絡を受けましたが、それは、二信組の経営内容が非常に悪くなっていて自力再建は不可能である、したがって、ここで抜本的な対策を講じなければならないということでございましたので、その後、大蔵省、私ども、東京都の三者でずっと議論をしてきたわけでございますが、その議論の過程において、まず、非常に内容が悪いので合併させるにも相手先の受け皿が見つからない、それでは、これをこのまま放置しておいてペイオフになった場合、現在の金融システムの状況がバブルの後遺症であります不良債権の処理に追われておりまして非常にデリケートなときでありますので、これをペイオフにすれば預金者の不安が伝播して、金融システムの安定を害するおそれがあるということでございました。
 そうなりますと、どうしても新しい受け皿をつくらなければなりません。預金保険機構のペイオフではなくて、資金援助をするためにも新しい受け皿をつくる必要がありますが、今となっては、新しい銀行を設立して、そこに業務を譲渡する以外に手はない、しかし、その新しい受け皿の銀行に対して民間の金融機関の資金の供与を受けるわけでございますが、やはり日本銀行、中央銀行が半分出資することによって民間の金融機関からの出資も仰ぐことにする、そして委員も御案内のとおりのスキームを考え出してやったというのが理由でございます。
○五十嵐(ふ)委員 一言で言いますと、いわゆる救済のやり方には、既存の合併、それからペイオフ、それから新しい新銀行方式、この三つしかない。そのうち、既存の合併は引き受け手がいないので無理だ、ペイオフは金融不安を、信用不安を引き起こすおそれがあるのでとらなかった、そして最後の手段として新銀行方式という新しいスキームを考え出した、こういう認識でよろしゅうございますか。
○三重野証人 そのとおりでございます。
○五十嵐(ふ)委員 この間の、今多少前総裁がその間の話をされましたけれども、後でそのスキーム決定過程についてはまとめてお尋ねをいたします。
 ペイオフについてもう少しここで議論をしたい、お尋ねをしたいと思うわけでございますけれども、ペイオフをしてもいわゆる取りつけ騒ぎは起きないのではないかという議論がかなり行われております。これについて前総裁のお考えを伺いたいと思います。
○三重野証人 今委員がおっしゃいましたように、ペイオフも一つの選択肢として検討いたしましたけれども、これはとらないということにいたしたわけでございますが、その理由を説明する前に、ちょっと、金融機関の破綻というものが一般の企業の破綻と違うということを申し述べたいと思います。と申しますのは、それが今の委員に対するお答えになろうかというふうに思っております。
 金融システムの安定を第一に考えたわけでございますが、金融システムというのは金融機関の集まりでございまして、非常に大事な役目を果たしております。
 これはもう委員御承知だと思いますけれども、金融システムの一番大きな二つの働きというのは、一つは決済機能、日本の経済取引のすべてのものは金融機関を通じて決済される。もう一つは信用仲介機能、これは金を預かって必要な先に貸すということでございまして、この二つの働きを持っておりますので、金融システムというのは経済の動脈みたいなもので非常に大事なものでございまして、これが安定が保たれて、初めて経済の発展ができるというふうに考えております。中央銀行の二つの使命の一つが金融システムの安定にあるのもそのためだと思います。
 この金融システムにはもう一つ、システミックリスタというこのシステム特有のリスクがございます。これはどういうことかと申しますと、金融システムは金融機関が与信、受信で網の目のようにつながっておりますので、一つの破綻、一つの支払い不能というのが他に伝播するということがございます。
 もう一つ、金融機関はバランスシートの資産と
負債が非常によく似た構造を持っておりますので、どこかが一つ悪くなりますと、預金者がおれのところは大丈夫かなということで、連想によってそれがずっと波及するというものがある。これをシステミックリスクと申しますが、これはほかのところにはないわけでございまして、もし、例えば電機業界のA社が破綻しても、当然に同業のB社、C社に破綻が広がることはございませんけれども、金融機関についてはそれがあるわけでございます。
 それを一番恐れたわけでございますが、確かに委員がおっしゃいますように、今度は一つの信組で、そういう伝播はないのじゃないかという説もございますけれども、現在の日本の金融システムというのは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、いわゆるバブルの後遺症である不良債権の処理に追われております。
 もちろん、全体としては、このところの積極的な償却によりまして、ようやく峠を越えて、解決の方向には向かいつつありますが、やはりまだ道半ばでございまして、その上、中小金融機関には非常に多く問題を抱えて苦闘しているところもあるわけでございます。こういうデリケートなときでございますので、一つの信用組合の破綻といえども、これが伝播するおそれは十分あるというふうに見たわけでございます。
 世の中には、信用組合みたいに小さいのが果たしてそういうことがあるかと言いますが、これは可能性はあると同時に実例もあるわけでございまして、これも委員御案内のとおりでございますけれども、昭和二年の三月、同じこの衆議院の予算委員会で当時の大蔵大臣が、渡辺銀行はとうとう破綻したそうだという話をしましたが、事実は、そのとき破綻していなかったわけでございますが、それを端緒として昭和の金融恐慌が起きました。この渡辺銀行というのは三千八百万円の資金量でございます。これは今に換算しますと五百五十億ぐらい、小さなことでございます。
 そういうことも踏まえまして、私どもはやはりそういう可能性があると判断をいたしました。
○五十嵐(ふ)委員 しかし、あなたは、昨年十月三十一日の金融研究会、これは日銀が主催をされている金融研究会で、金融機関の倒産もあり得るという趣旨の講演をなさっているのではないでしょうか。それとは矛盾はいたしませんか。
○三重野証人 私の講演は、十月の終わりに私どもの金融研究所が主催いたしました学者、金融関係者の集まる研究会での講演でございました。
 委員長の許可を得まして講演の全文を配付しておりますので、ちょっとそれをごらんいただきたいと思います。
 今委員が引用されました片言隻句が、マスコミによりまして前後の文脈と関係なしにひとり歩きをして誤解を生んでいると思いますけれども、四ページをお開きください。ここにアンダーラインをした箇所が二カ所ございまして、そう長くないものでございますから、読み上げてみたいというふうに思います。
 中央銀行にとって最大の関心事は、問題の個別金融機関を存続させるかどうかということではなく、そのことが金融システム全体を揺がすことになるかどうかである。金融機関といえども一個の私企業である以上、時には経営破綻の状態に陥ることもあり得るが、全ての金融機関を破綻から救うのは中央銀行の仕事ではない。個々の金融機関が破綻すべくして破綻することは、競争メカニズムに支えられた健全な金融システムを育成していく観点からは、むしろ必要でさえある。これが世の中に流布されているわけでありますが、
 ただ、そうした破綻が金融システム全体を揺がすことになる場合は、それを阻止しなければならない。この前後の文章からして、私どもはやはり金融システムの破綻を第一と考えていることをここで書いてあるわけであります。
 ついででございますが、一番下から、これも短い文章でございますが、
 ここで、あり得べき誤解を解いておきたい。日本では「金融機関の倒産はない」という見方があるが、これは事実ではない。困難に陥った金融機関が何らかの処理により姿を消し、株主や経営者が相応の責任を取らされた場合、これは「倒産」と呼んで然るべきである。一部には、預金の払戻し(ペイ・オフ)が生じて、はじめて「倒産」とみなす見解もあるが、ペイ・オフは破綻処理の一方式であって、どのような処理方式を選択すべきかは、金融システムへの影響やコスト等を慎重に勘案して、ケース・バイ・ケースで決定すべきものである。この後段は、委員が最初に御質問になりました救済ではなくて、今回の場合は二つの信用組合は解散して、清算に入っておりますし、経営者は、両理事長を含めて全部退任を迫られまして、かつ両理事長は私財の提供あるいは刑事法上の訴追も受けております。出資金はゼロになって、これは損失の補てんに充てられている。そういうようなことから、倒産とみなすかどうか、とにかくつぶしたというのがこの後段の趣旨でございます。
○五十嵐(ふ)委員 私もいろいろ資料を集めまして、今回のケースでペイオフをした場合ということをやはり想定をいたしました。
 そのときに、資料を集めますと、やはり一千万円を超える預金者の中に善良な預金者がかなりたくさん、多くいらっしゃる。それぞれの、両信組の支店が、職員が走り回って預金を獲得をしてきたわけですから、高齢者が老後の安全のために、安心のために蓄えを預金をした、あるいは中小企業の皆さんが運転資金を預金をしているというケースがたくさん見られる。それがいきなり、突然十分の一とか半分とかに預金が減らされて、一千万円までしか返ってこないということがあっていいのかという問題はあると思います。
 ただ、公的資金を導入してこれを救済するという場合に、その中に大口で悪い人たちが随分いるのではないか、これも平等にやるのですかというのが国民の割り切れなさなのだろうと思います。
 現在のペイオフの仕組みというのは、この中間段階がない。ペイオフをするか、あるいは全く別の方法にするかということで、大口の預金者の中でかなりそれ相応の責任を負ってもいい、多少市中金利より高目の、金利の自由化時代ですけれども、金利で預金をしている人たちがいらっしゃるわけですから、その人たちは当然のリスクを負うべきだという考え方がある。しかし、現在の仕組みではそれがなかなかできないということになっているようでございます。
 その点についての現行制度の不備、それから、日銀としてそういう事態を想定をしてこういう制度をつくってきたのかということについてお尋ねをしたいと思います。
○三重野証人 もう既に委員がお調べになったとおりでございまして、この二つの信用組合の大口預金の八〇%ぐらいは委員のおっしゃったような中小企業、個人でございまして、金融機関その他プロの預金というのは五%にすぎないわけでございますけれども、しかし、やはり今の預金保険制度のもとではそういうものも救うということになったわけでありまして、これはいたし方ないわけではございますけれども、やはりそういうものに対するモラルハザードというものが残ったというのは、今度のスキームの一つの大きな問題点である。
 今度は現行制度のもとでございますから仕方なしに割り切りましたが、そういう意味では、例えばこれは日本銀行の考え、もう私は現職を去っておりますので私の個人の考え方になりますけれども、アメリカの預金保険公社は、大口預金に対して中間的な措置を預金保険公社がとられる、とることのできるあれが生きております。そういうものは日本に持ってこれるかどうか、これは研究するに値することだというふうに私は思っています。
 それと同時に、やはりいわゆる預金者の自己責
任原則というものを貫き通すためにも、ディスクロージャーその他環境の整備というのは粘り強く、地道ではありますけれども引き続き実施していく必要があるのではないかというふうに考えております。
○五十嵐(ふ)委員 ペイオフは将来は当然考えるべきだというお考えだろうと思います。しかし、それには条件といいますか、環境の整備が必要である。一つは、ディスクロージャーである。今はいわゆる信用金庫、信用組合といった小さな中小金融機関についてはディスクロージャーが義務づけられていないという面がある。ここを直さなければいけないし、アメリカのように中間段階で、大口預金者については全額を保証するということではないということも法制上考えなければいけないということだろうと思います。
 また、私は、劇的な取りつけ騒ぎが起きなくても、これは穏やかな形でといいますか、何とはなしに少しずつ預金が引き出されて、そしていわば国家の金融機関である郵貯にシフトしていくというようなこともある、現に起きていると思うわけで、これもまた健全な姿ではないと私は考えているわけですけれども、そのことも含めてもう一度、私が今申し上げたことについてお考えをいただきたいと思います。
○三重野証人 今委員のおっしゃったことはいずれも大きな問題でありまして、この解決策がすぐに見つかるとは思いませんけれども、やはりペイオフができるような環境をつくっていくということが大事だと思います。
 そのためには、やはり何と申しますか、今の不良債権の処理を急ぎまして、金融システムに対する信頼を回復して、そしてペイオフをやっても、やれるような環境がすぐにできるとは思いませんけれども、それをやはり目指すということは必要である。そのためには、結局は日本の経済そのものがインフレのない、長続きのする成長路線に乗せて、しかもそれをバックアップする金融システムが信頼を回復する、そういう状態になることを目指すべきだと思いますが、その前に今委員のおっしゃったディスクロージャー等そういったことも含めて、引き続き検討をすべきだというふうに私は考えております。
○五十嵐(ふ)委員 今回の問題は、大口預金者の中にかなり怪しい預金があるということだろうと思います。前総裁のところに、総裁当時、どれだけ情報が上がったか存じ上げないわけですけれども、大口預金者の中に導入預金に当たるようなものがかなりあったのではないかという印象を、あるいは報告を得ていらっしゃいましたか。
○三重野証人 いわゆる導入預金があるとすれば、法律によって厳しく対処しなければならないと思いますが、東京都からは、私どもは、そういうものはないというふうに聞いております。
○五十嵐(ふ)委員 それはちょっとおかしいのではないかなと思います。平成六年の三月一日の東京都の指導によりますと、これはかなりいろいろな指摘がされていると思います。その中には相当厳しい指摘がありまして、法律違反、かなり多いというふうに私どもは承知をしているわけですけれども、その問題も含めて、これから、スキーム決定に至るまでにかなりいろいろな世論の疑惑が出されているという点でお尋ねをしたいと思います。
 日銀の中でどのような過程を経てこのスキームが決定をされたのか、お話をいただきたいと思います。
○三重野証人 この二つの信用組合が問題ありと特にマークいたしましたのは、やはり一昨年、平成五年の七月に、長期信用銀行がイ・アイ・イ・グループに対する援助を打ち切ったときからでございます。
 その後、大蔵省と東京都の合同検査が二つの信用組合に八月、九月と入りまして、私どもも東京都から十月にその結果を御連絡を受けました。相当ひどいものだというふうに思いましたが、そのときの東京都の態度は、これは私が事務当局から聞いている話でございますけれども、当面二つの信用組合に対する経営改善の指導を強化して、経営問題の解決に努めたいというお話でございまして、それは第一義的な監督官庁である東京都としては当然であろうと思いますけれども、私どももそれを期待して見ていたわけでございます。
 実際には両理事長の非常な乱脈な融資が引き続き続きまして、第二回の検査が入りましたのは昨年の七月、八片でございまして、その結果は、九月に入りまして私も事務当局から東京都の連絡があったということを聞きましたが、そのときはもう相当ひどいものになっておりました。そのときに東京都から、これは自力再建は難しい、したがって抜本的な対策を考えなければならないという話を大蔵省を通じて伺いました。
 そこで、大蔵省と日銀と東京都で抜本的対策を打ち合わせをしたわけでございますが、これは三者が一堂に集まってしたというよりは、私どもは大蔵省と、大蔵省はまた東京都と、そういう両面でお互いに勉強をしたわけであります。
 この場合、あらゆるレベルで幅広くと一口に言えば言うわけでございますけれども、もう少し具体的に申し上げますと、私どもと大蔵省では、私どもの信用機構局という局がございますが、そこの課長、調査役と銀行局の課長補佐というものでかなりいろいろ議論をいたしまして、節目節目に、もちろん途中はそれぞれ上に上げておりますが、節目、節目に上に上げまして、そのときは私どもの信用機構局長と大蔵省の銀行局の審議官とが話をし、さらにそのもう少し大きい節目には、私どもの担当理事、小島と申す者が当時担当しておりましたが、それと銀行局長とが話すということで詰めていって、東京都と大蔵省はまたそれなりに進める。
 もちろん、その間、私どものところにもその方針について、こういう方針で今検討は進んでいるという話はございまして、それを認めるということもあったわけでございますが、委員御案内の今のスキームが大体固まりましたのは十一月の終わりでございまして、それが私のところに上がってまいりました。もちろん途中において報告を聞いておりますので、これでいこうということにいたしました。大蔵省も東京都もそれぞれトップに上げて通ったというふうに聞いておりますが……。
 それから、これは金融機関の援助を受けなければならないわけでございまして、十二月に入ってから金融機関の各業態の長をお呼びして御依頼をし、おおむね了承を得られたということで、私どもの部内の手続といたしましては、十二月の八日に執行部の集会であります役員集会を、それで十二月九日に日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会にかけまして、政策委員会にかけたのは私どもが出資をするということをかけまして、それを了承を得ましたので発表いたしました。実際に二百億の出資をするということは、私が退任後、一月十三日の政策委員会で決定いたした。
 大体こういう経緯でございます。
○五十嵐(ふ)委員 まず最初に、一昨年の八月、九月に東京都と大蔵省の合同の検査が入って、十月に都からその報告が日銀に上がってきたということでございます。そのときには相当ひどいという感じを総裁も持たれたということなんですが、そのときからいわばその両信組については理事長の長自体としての資質、いわゆる本来公的金融機関の長としての動きではなく、借り手の側の立場からこれを運営をしているのではないか、混同が見られるのではないかという指摘が最初からあったかと思うのですが、その点についてはいかがですか。
○三重野証人 そのときに東京都の指導方針、私は細かいことまでは存じませんけれども、それはやはり、理事長が独善的に中を運営している、この方針を改めなきゃいけない、あるいは貸し出しについての管理の徹底であるとか業務運営方針の徹底だとか、そういうものについての指針であるというふうに事務当局から聞いておりますが、そういうことをきっちりやっていけばここまで至らなかったのではないかと思いますが、私自身はそういうことをきっちりやっていくことを期待して
東京都の意向を一応尊重したということになったということでございます。
○五十嵐(ふ)委員 理事長の資質に問題ありというような指摘もされていたかと私は思いますので、そうすると、その理事長の独善を直すというのはかなり難しい話になってくるわけで、また、この理事長がイ・アイ・イ・インターナショナルのグループの総帥だったということもわかっているわけでありますから、その辺で私は手の打ちようがあったのだろうと思います。
 そのときの大蔵大臣は藤井大蔵大臣だったと思いますが、藤井大蔵大臣とはこの件について何らやりとりはなかったのでしょうか。
○三重野証人 委員が御案内のとおり、私どもは信用組合に対しては、法律的にはもちろんのこと、いわゆる取引もございませんので、それに対して直接に指導監督する権限はございません。したがいまして、東京都を通じて間接的に情報をとるわけでございますが、この件に関しまして藤井大蔵大臣とお話ししたことはございません。
○五十嵐(ふ)委員 大蔵省も当然共同の検査に入っていたわけですから実態を知っている。日銀も都を通じて聞いているわけですから、何も話をしなかったというのは私は不思議でならないわけであります。
 それから、当時高橋治則さんはバブルの帝王として有名だったわけでありまして、また、山口敏夫さん、中西啓介さん、小沢一郎さんとの関係というのもかなり知られていたものではないかと思っているわけであります。こういう方々と高橋さんとの交際を知っていて遠慮をしたというような部分はございませんでしょうか。
○三重野証人 繰り返し申しますように、信組に対する第一義的な監督は都でございますけれども、したがいまして、私どもが非常に心配をします、これは決して責任を転嫁する気はございませんけれども、私どもが信用組合に対して、直接あるいは間接でも指導する権限がない以上は、東京都の指導を注目して見る以外に手はないと思いますが、いずれにしろ、今委員のおっしゃったような、政治家との絡みでいろんなことを考えだということは一切ございません。
○五十嵐(ふ)委員 それから、私は実は三重野総裁に対しては厳しい見方を持っているわけですけれども、それはバブルの発生そのものに日銀の金融政策が私は原因があったと。それはすべてとは申しませんけれども、かなり問題があった。日銀だけではございませんけれども、大蔵省の金融政策にも問題があったと思っております。また、バブルの崩壊過程においてオーバーキルが起こった、かなり急激に冷やし過ぎて軟着陸をさせなかった、これも景況判断の間違いがあった、これは三重野総裁の私は責任だと思っているわけであります。
 またそのバブル発生、崩壊の過程において、かなり銀行が、金融機関が身勝手だった。バブル紳士を生んだのが、もともとバブル紳士の後ろには全部金融機関がついているわけでありまして、二人三脚でやってきたというのが実態であります。
 そして、その金融機関は自分だけが悪いことをしなかったかのように口をつぐんで切り捨ててきた、そこに今大きな問題が――これは小さい金融機関でもみんなあるんです。そういうところに、どうしてくれるんだ、自分たちを二階へ上げておいてはしごを外したんじゃないか、そういう問題が金融機関に対して一般の事業者側の方からあるわけでありまして、その責任論というのがやはり日銀にもかぶさってくる。
 そして、日銀はそういった後ろめたさというものを感じた上で、やはりこの金融機関に関する監督が、指導が甘くなったのではないか、日銀というより大蔵省も含めてでございますけれども、そうした感じを持っているわけであります。
 そのバブルの発生と崩壊について、日銀のトップの立場にあった三重野証人としてどういう考えをお持ちでしょうか。
○三重野証人 バブルの発生のときに私は最高責任者ではございませんが、だからといってその当時のバブルの発生が、その原因の一つが金融政策であったということは否定することはできません。やはりあのときは、その前のプラザ合意以降の日本の経済というものが、国際収支の黒字を収縮させなきゃいけない、しかもそれは円高をてこにする、そういう国際的な課題があって、それは実現したわけでありますが、その副次的作用としてバブルが生じだというのは、やはり悔いの残るところだというふうに思っております。
 ただ、その後の途中からの引き締め、それから彼ほどの緩和についてはいろいろの御批判はあろうかと思いますが、私自身は、やはり日本の経済というものを、インフレのない、長続きのする成長路線に乗せるために、そのときの最善の策はとったということでございまして、先生とは若干その辺のあれは違いますが、しかし、それはそれといたしまして、その後ろめたさが金融機関の指導に甘くなったのかということは、それはないと思います。
 私どもにとって中央銀行の使命は、これはもう先生御案内のとおりでございますけれども、物価の安定と金融システムの安定でございまして、金融システムの安定はやはり私どもの使命の一つでございますので、できる限りの最善の策をとってきたということで、後ろめたさから緩んだということはないというふうに考えております。
○五十嵐(ふ)委員 東京都が指導監督するのでもう少し様子を見たいということだったようですけれども、途中で、これだけひどいわけですから、また先ほども申しましたように、三月一日の示達書ではかなり厳しい指摘がさらに行われている。十一月に示達書が出され、翌年の三月にもう一回示達書が出されているわけですけれども、かなり厳しい内容になっている。それを日銀としてはそのまま信用して見ているほかはなかったということですか。それとも、中間報告を求めるということも必要がないと思われたのか、中間報告を求めたことがあるのか、その辺の事実関係をお伺いをしたいと思います。
○三重野証人 たびたび申し上げますが、信用組合につきましては、東京都とそれから大蔵省が権限がございまして、日本銀行は権限がございませんので、監督官庁から、助力あるいは知恵を出せ、そういうことを言われて初めて動けるわけでございまして、その間、じゃ、もうおれは知らぬということで心配せずにのんきに見過ごしていたことはございませんけれども、要請があって初めて動いたというのが実情でございます。
○五十嵐(ふ)委員 それから、いろいろ検討を前からされ、信用機構局ということをつくったこと自体がこうした事態を想定してではないかなとも思われるわけですが、破綻した金融機関を処理するスキームというのをいつごろから日銀の内部では検討をされてきたのか。大体このスキームが、この二信組問題に限らず、一般論としてこのスキームをお考えになったのはいつごろでしょうか。
○三重野証人 一九九〇年からバブルの崩壊その他非常に激しい変化が出てきたわけでありまして、そういう激しい変化に対応するように日本銀行の中の内部組織の大改造を、私の就任いたしました平成元年の翌年、平成二年の五月にいたしました。そのときは、これはちょっと横にそれますが、十八ある局のうち八つの局が消えまして、六つの新しいるができた。その中の、六つの新しいるができた中の一つが信用機構局でございまして、やはり金融システムの安定のために、そういうことができますように、効率的にできるような組織をつくったわけであります。
 したがいまして、そのときから信用機構局としましては、日本の中のいろいろな先例、それから海外のいろんな先例をいろいろ研究をいたしました。したがって、今度のときにもそういう研究の成果が出てきて、成果といいますかそういう結果が出てきていることはそのとおりでございますが、初めからこういうスキームが何か抽象的にできていて、これを持ってきたというわけではござ
いません。
○五十嵐(ふ)委員 それに関連してですけれども、諸外国で中央銀行が出資を行うといった、こういった類似の例はございますでしょうか。
○三重野証人 手元に資料がありません。ちょっと正確ではないかと思いますが、私が覚えておりますのは、一九九一年にフィンランドの中央銀行は、大きな銀行に対して出資をいたしました。それからもう少し前、一九八四年だったと思いますが、米国のコンチネンタル・イリノイという大きな銀行が破綻をいたしましたときに、米国の預金保険公社が出資をいたしました。もう一つ、一九七〇年代の初めにイギリスにおきましてセカンダリーバンキングの危機が起きました。そのときに幾つかの銀行にバンク・オブ・イングランドが出資したことがある。まだあるか。とも思いますが、ちょっと今記憶に出てまいりますのはそういうことでございます。
○五十嵐(ふ)委員 そういった例、かなり詳しく御存じですから、それも参考にして考えられていたということでよろしゅうございますか。
○三重野証人 それが直接の参考にはなっておりませんが、そういったことも踏まえて、いろんなことを勉強した結果が今度のスキームになったというふうに思います。
○五十嵐(ふ)委員 さらに、巷間言われているのは、信用機構局長の増渕さんがこの発案者だというふうに言われておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○三重野証人 増渕が発案者だというふうには思っておりません。これはやはり、先ほども申しましたけれども、まず課長レベルのいろいろの討論、それから増渕局長と審議官のレベル、そういったものの討議の間に出てきたものでございまして、初めから増渕の案があったというふうには私は思いません。
○五十嵐(ふ)委員 巷間、本当かどうかわからないものが随分流されておりますけれども、この増渕局長が実は高橋さんの接待を受けていて、あるいは関係があってこういうものを出したのではないかというようなことがまことしやかに伝えられておりますが、それについてお調べになった、本人に確かめられたことはございますでしょうか。
○三重野証人 それが週刊誌等に出ましたのは私の退任後でございますので、私自身はそういうものではございませんが、今の総裁が確かめて、たしかこの委員会でも申し上げたのではないかと思いますが、全く事実にないということを。私自身は個人的なつき合いはございますけれども、個人的なつき合いから申しまして、全くない、こういうふうに私は思います。
○五十嵐(ふ)委員 私の方も、一面識もないというお話も一方では伺っているわけで、これは、こうしたものに基づいた議論というのもおかしなことだなと思っているわけですけれども、こうしたことが起きるのも、実は、そのスキームができた直後にはもうかなりの、スキーム決定過程というのはオープンにされなければいけなかったんだろうと思うのですが、それがやはり不十分だったというところにあるんだろうと思うのですね。
 実は、昨年の九月十七日でしたか、日経新聞がこの両信組の不安説を書いてしまったわけですね。そこで、実はその取りつけ騒ぎが起きるのであれば、起こりかねない状態であったわけでありまして、本当はこの処理を急ぐべきだった。二回目の検査が八月、九月に行われて、十月に入って結果が日銀のところへ来たというわけですけれども、その十二月の三重野総裁の退任間際の決定までにちょっと時間があり過ぎる。また逆に、三重野さんの退任に合わせてこれがどたばたとやられたのではないかという感じも持っているわけで、その辺の時期的な判断についてお伺いをしたいと思います。
○三重野証人 先ほども申し上げましたように、第二回の大蔵省と都の合同検査の結果がわかって、私どもに入りましたのは、やはり九月に入ってからでございますが、それから協議が始まったわけでございますが、その後、十月の終わりから十一月にかけて中断しておりました検査をもう一度やっております。と申しますのは、いわゆる要援助支援額を確定するためにももう一度精査をしなければならないわけでございまして、そういったことで進んで、十一月の終わりにょうやくスキームができたというわけであります。
 今委員がお尋ねの、私の退任との関係でございますが、今委員も御指摘になりましたように、これはなるべく早くしなければならないわけでございます。それぞれ関係方面が努力して、その結果があの日になったわけでありまして、私の退任に合わせたわけではございません。もし協議が調わなければ、当然に私の退任の後になったということになる。関係からすれば、そういうことだと思います。
○五十嵐(ふ)委員 もう一度確認をいたしますけれども、再検査をしたということと、下から稟議で上がってきたから少しおくれたということなんだろうと思うのですが、先ほど前総裁のお話の中で、最初は信用機構局の課長クラス、そして大蔵省の銀行課のレベル、次に節目では信用機構局長と大蔵省の審議官、さらには担当の小島理事、そして銀行局長の間で、いわば積み上げで、下から稟議が上がってくる方式で最終的に決定をされたというふうに解釈をしているわけですけれども、トップダウンで総裁の方から何か命令をしたというようなことではなくて、下からの積み上げで、稟議方式でこの決定がなされたということでよろしゅうございますか。
○三重野証人 大体私どもの仕事は、今のような手順で上がってまいりますけれども、これは下からの稟議があってそうだということではなく、こういう問題でございますから、途中でやはりしばしば私どもに上がってきた。その方針、あるいはこういうことでいいでしょうか、あるいはこういうふうにやれというのは、途中で私からも指示を出しております。
 私の最初からの大きな方針というのは、日本銀行なんだから、金融システムの安定を第一義的に考えてほしい、それと、ペイオフはとても難しいと思うけれども、これを初めから外すようなことはするな、これがまず基本的な指示でございまして、途中においても、聞きながら了承あるいは指示を与えております。
○五十嵐(ふ)委員 わかりました。
 それで、まずこの案件について、非常にあらぬ疑惑という部分が、本当の疑惑というのは別にあるのですけれども、あらぬ疑惑という部分が出てきたのは、いわゆる十二月五日に三幸建設の四元さん、三重野総裁、武村大蔵大臣、竹下元総理を含む、あるいは財界の代表を含む数名の会談があって、そこで決定が行われたかのような週刊誌報道がちらっとありまして、それがまるであたかも事実かのように流布をされて、孫引きまでされて広まってしまった。ここに大きな問題があるかと思うのですが、その事実関係についてお尋ねをいたします。
○三重野証人 その事実は全くありません。本当にいわゆる根も葉もないことが、大変迷惑しているのは私だと思います。
 それで、これは参議院でも申し上げましたが、そういうメンバー、メンバーはときどき変わりますけれども、そういう会は年に一度か二度はございます。昨年ありましたのは二月と六月でございます。六月は、武村さんはまだ官房長官であったと思いまして、遅く出てきて早くお帰りになったと思いますが、この会は年に一度か二度ありまして、衆議院でも  ちょっと何月何日というのは今申し上げられませんけれども、その前の年はなし、その前の年は二回、その前の年は一回、その程度でありまして、メンバーがメンバーでございますので、平たく申しますと、天下国家のようなことを雑談風に話すような会でございまして、週刊誌等に、ああいう根も葉もないことは全く迷惑だと存じております。
○五十嵐(ふ)委員 議院証言法に基づく証言ではっきりと否定をいただいたわけですから、私ど
ももそれを信じたいと思います。
 また、時期的にも、十一月末にはペイオフをとらないという確認の裁断がなされたということを私は聞いているわけですから、時間が合わないと思いますが、それについてもそういうことでよろしゅうございますか。
○三重野証人 おっしゃったとおりでございます。
○五十嵐(ふ)委員 それから、本件に関してその他の政治家と何らかの接触があったということはございますでしょうか。
○三重野証人 全くございません。
○五十嵐(ふ)委員 それから、今回の両信組の破綻を招いたことについて長銀の責任が重いのではないかと私は思いますが、どういうような御認識をお持ちでしょうか。
○三重野証人 長期信用銀行は、東京協和の理事長をしておられます高橋さんがトップであるイ・アイ・イ・グループのメーンでありました。それで、イ・アイ・イ・グループの海外のリゾートプロジェクトに対して長銀がメーゾとして融資をしてきたということがございます。それから、高橋さんが東京協和の理事長をしておられる関係で、一時的、短時間ではございますけれども、長銀が人を派遣するあるいは出資をするというようなこともございました。
 もちろん、先ほども申し上げましたように、一昨年の七月に援助を打ち切っておりますけれども、そういう、今申し上げたような経緯からしてやはりある一定の責任はあるというふうに考えておりまして、今回のスキームにおいても、一般の金融機関の負担以外に長期信用銀行が例えば今度の、不良債権を預かっている機関に対して二百七十億の贈与をするというようなことは、それは長期信用銀行の責任をあらわしているというふうに考えております。
○五十嵐(ふ)委員 確認でございますけれども、イ・アイ・イ・グループのメーン銀行が日本長期信用銀行だったわけでありますけれども、この二信組についても実質的なメーンだったというふうな認識でよろしゅうございますか。
○三重野証人 イ・アイ・イ・グループのメーンバンクであることは間違いございませんけれども、二信組に対するメーン銀行というふうには考えておりません。東京協和については先ほど申し上げたような関係がございますが、安全組合に対しては、人も出さず、出資もいたしておりません。
○五十嵐(ふ)委員 そこで、今回のスキームは、両信組を救うというよりはむしろ長銀救済ではないかという見方がございますが、これについてどう思われますでしょう。
○三重野証人 先ほども申し上げましたように、今回のスキームは、金融システムの安定ということを第一義的に考えてつくったものでありまして、長期信用銀行の救済という感じは全く持っておりません。
○五十嵐(ふ)委員 そこで、巷間ではそういうふうに言われているわけですけれども、余り上品な話ではないので大変恐縮なんですけれども、巷間、三重野証人の御子息が長銀にお勤めになっているということで、何らかの関係があるのではないかというような書かれ方もしているわけでありまして、その点についてお伺いをしたいと思います。
○三重野証人 私の長男が二十年来長期信用銀行に勤めておりますのは事実でございますが、そのことと今回の処理とには全く関係がございません。
○五十嵐(ふ)委員 まあそうだろうと思うのですが、それにしても、長期信用銀行、私としては、かなり深入りをして、このイ・アイ・イ・グループ、また東京協和信用組合に入っているわけでありまして、私は、かなりそういう意味では責任が重い。その責任に比して、今回の負担割合は一体どんなものなんだろうかという疑問がつきまとうわけであります。
 東京都、日本長期信用銀行、それから一般の金融機関、この出資、援助の割合についてどういう基準で決定をされたのかお伺いをしたいと思います。
○三重野証人 東京都、それから長期信用銀行等につきましては、過去の経緯を一つの参考の目安にしたわけでありますが、もう少し具体的に申し上げますと、東京都の場合、三百億円の金を一%の低利で貸し付けるということはスキームの中にあるわけでありまして、これは東京都から一%で借りたものを運用いたしまして、一応のこれは想定でございますけれども、年四%の利益を上げる。そうしますと、三百億の四%で年に十二億、これは収益援助になるわけでありますが、一応予定は十五年ということを換算しておりますので、これは百八十億の収益援助をする。三百億は、もちろんそれが終わったら東京都へ返るわけであります。
 この百八十億の東京都の援助というのは、これまでも信用組合が幾つか破綻しておりましてスキームをつくっておりますが、いずれもそのときの県とか市町村が金を出しているわけでございますが、大ざっぱに言いまして大体一〇%が多くて、多いのは四〇%というのもございますけれども、したがって、その百八十億というのは、今度の要支援額、約千六百億ぐらいと思いますが、それの一一%に達するわけでありますが、まあ今までの例で大体そんなところか、そういうことが一つの目安になっております。
 長期信用銀行の場合は、先ほども申し上げたような経緯がありますので、普通の銀行よりはやはり責任をとってもらわなければならない。そういう意味で、今度の新銀行に移って、それからまた、いわゆる債権を回収する機関に移された中で、東京協和銀行が高橋理事長、イ・アイ・イ並びに高橋理事長関連の貸し出しのロスというものが一つの目安になりまして二百七十億というのが出てきているわけであります。
 そのほかの金融機関につきましては――もう一つ、預金保険機構は四百億、これはやはり委員も御案内のとおり、ペイオフした場合の金よりも余計は出せないということでございますので、四百億ぐらいは期待したわけでございますが、事実、預金保険機構は四百億出すことを決定いたしましたが、それ以外の金融機関については、それぞれの資金量あるいは預金保険料率の負担額、そういったものを一つの目安としてはじき出した、こういうふうなことでございます。
○五十嵐(ふ)委員 普通の銀行よりは責任をとってもらわなければとおっしゃったわけですけれども、そんなものじゃないんだと思うのですね。やはり長銀はもっともっと私は重い責任があるのではないかなと思うのですが、ひっくり返して再度お尋ねしますけれども、日本長期信用銀行に二信組の責任をとってもらって吸収合併するという方法はなぜとれなかったかという観点からお伺いをしたいと思います。
○三重野証人 去年の秋、二つの信用組合は既に破綻をしているわけでございますので、これを同時に処理をしなければならないわけでございます。そしてまた、そのうちの貸し出しがかなり焦げついているわけでございますが、それは高橋理事長グループ以外の貸し出しのロスも非常に多いわけでございまして、したがって、この二つの信組の処理について、これを長期信用銀行に押しつけるといいますか、合併の相手にするというのは適当でない、これは監督官庁である東京都もそういうあれでございましたし、大蔵省もそうでございました。私どももそういった考えに賛成をしたわけでございます。
○五十嵐(ふ)委員 そこで東京都なんですが、東京都の、一義的に監督責任があるわけですけれども、東京都の責任について私はかなり、一年間東京都が指導したというその指導の内容、それからその期間について疑問を持つものなんですが、東京都の指導監督のあり方について、あるいは東京都の責任について、前総裁はどのようにお考えになられますか。
○三重野証人 東京都が実際にどういうふうにし
たのかは、私どもはつまびらかにいたしておりませんが、やはり信組に対してはしばしば、委員も先ほどちょっとおっしゃっておりましたが、指導を強化し、いろいろなことをやっておりますし、それから二回にわたる合同検査の際に人数をふやす、そういう意味で最善を尽くしておられるというふうには思います。思いますが、これは私の個人的な感想でございますが、もしもう少し早く処理をすることができれば、今とは違った形にもできたのかなという感じはいたしますが、しかしこれは東京都に責任を押しつけるという意味じゃございませんで、東京都は東京都で最善を尽くされてああいうことになったのだというふうには思います。
○五十嵐(ふ)委員 もう少し早くやればということを今言われたわけです。私もそう思うのですね。東京都の責任は私は極めて重いと思います。ですから、東京都がこれに融資をしないというようなことがあれば、私はゆゆしき事態だ、責任をとらないということだろうと思います。東京都が監督責任があるということであれば、議会も都民の方も責任を負うのだと思っておりますので、私は責任のある立場を求めたいと思いますが、この預金者の救済でございますけれども、これからもしペイオフというものが行われるとすれば、これはどういったことが必要か、もう一度確認をしておきたいと思います。
○三重野証人 ペイオフができても直ちに金融システムに大きな波乱の起きないような環境を整備するということになると思いますが、それにはやはり全体の、先ほども申しましたけれども、今の金融システムが今不良債権で揺らいておりますが、これを早く回復することと、同時に、経済そのものが大きく安定した成長路線に乗るということが基本だというふうに思います。しかし、委員が途中で御指摘になられましたディスクロージャーの重要性とか預金保険機構のもしもう少し改正できるならば、そういったものも検討していくとか、そういったこともやはり研究する課題だと思います。
 ただ、一言申し上げておきますが、預金保険の制度が最も完備していると言われている米国でございますが、米国でペイオフというのは驚くほど行われていないわけでございまして、件数のうちペイオフが行われるのは五%程度、しかもそれは、例えば日本の円に換算しまして二十億とか三十億とか四十億とか、非常に小さいペイオフしか、これはしたがって、ペイオフがどうでもいいというわけではございませんで、やはり預金保険機構のファンクションはペイオフと資金の援助でございますから、その二つがよく機能するように、絶えず、もう一度見直す必要があるというふうに思います。
○五十嵐(ふ)委員 そうすると、この件に戻って言うと、そういう環境が全く整っていない、いわんやもう処理がおくれてかなり状態が悪くなってしまってからスキームが決定をされたということでございますので、事ここに至ってペイオフという方法はこの二信組の問題についてはとりようがない、現時点でも、これからこの時点でペイオフなんというのはとれるものではないという認識でよろしゅうございますか。
○三重野証人 一番大事なのは、ペイオフに織り込まれないように、先ほども委員が御指摘になりましたように、早期に発見して早期に処理することが一番大事だ、そういう認識でございます。
○五十嵐(ふ)委員 そのとおりだろうと思います。むしろ、このスキーム決定の過程を探るよりは、その両信組、そしてイ・アイ・イ・グループになかった政治家そして官僚との疑惑の問題を追及することの方が私は重要なことだろうと思います。
 私は、委員長に申し上げますけれども、山口敏夫議員、中西啓介議員の証人喚問を要求をしたいと思います。
 これをもって私の質問を終了させていただきます。
○佐藤委員長 ただいまの証人喚問の要求につきましては、後日理事会に語らせていただきたいと存じます。
 これにて五十嵐君の発言は終わりました。
 次に、伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 証人の三重野さん、御苦労さまでございます。
 今も同僚議員からいろいろと御質問等がありました。いろいろとお話をされましたので、それにも関連をして端的にお伺いをしていきたいと思いますが、今の三重野さんのお話の中でも、今回のこの東京協和信用組合、安全信用組合問題の推移といいましょうか、この中で大きなターニングポイントというか非常に重要な契機になったのは、去年の九月十七日の日経新聞の朝刊の記事ですね。その記事は、今思えば、あれはひょっとしたら私は日銀の方がリークしたのではないんだろうかなという気がいたしますけれども、事務当局から何か伺っておられますか。
○三重野証人 何も聞いておりませんし、私はそういうことはないと思います。
 ただ、あの記事は、私も拝見しましたけれども、東京都によればというのは何回か出てきていたように記憶いたしますが、いずれにしろ、日本銀行からリークしたものではないというふうに思っております。
○伊藤(英)委員 実は、あの記事を見て、それから先般三重野さんが参議院の方で参考人としていろいろ述べられたりいたしましたけれども、そうした発言内容を見てみましても、いわば言葉の使い方等々いろいろ見ていますと、ほとんど同じ感じを持つなということを思ったものですからお伺いをしたわけであります。
 ところで、この記事が出たころ、昨年の九月ごろ、そのころに、もちろん先ほどのお話のとおりに、去年のいわば二回目の合同検査の結果も出たりしているわけですね。そのときに、日銀は、あるいは日銀の事務当局の方と言った方がいいのかもしれませんが、皆さん方は本件の問題処理に関してどんな認識を持っておられたのでしょうか。先ほども両理事長についての話がちょっと出たりいたしました。そのことも含めてですが、都の対応等につきましてどんな認識を持っておられたのかをお伺いをしたいと思います。
○三重野証人 繰り返し申し上げますけれども、私どもは、信用組合については、法律的にも契約上も、直接に情報をとるあるいは直接に指導監督する立場にはないわけでございますが、しかし、やはり、例えば上部にある全国信用組合連合会とかあるいは東京都、大蔵省からも情報はとっているわけでございまして、ただ、おれは知らぬといって横を向いていたわけではございませんで、心配をしながら見ていたわけでございまして、東京都から要請がありましたときには、これはやはり今回のスキームしかもうやむを得ない、これしかないなというふうに思ったわけでございます。
○伊藤(英)委員 実は、さっき日経新聞のことについても触れましたけれども、それから小島理事がこういうことを言っているのですね。これは文芸春秋に出ているのを今私はそのままちょっと読みますと、小島理事の言われているのはこういうふうに言っておられます。
 昨年夏の二度目の合同検査の結果が出た時点で都がもっと早く手を打つべきだったと思う。信組は都の監督下にあるので、都が高橋氏のくびを切らないかぎり我々は、動けなかった。その点で都がもっと早く動いていれば、傷はもう少し浅くてすんだかもしれない。というふうに述べておられます。
 私は、恐らく日銀の皆さん方は日本の信用云々ということを非常に心配をされていらっしゃるわけですね。いわば焦りというかいら立ちぐらいの感じであったのではないんだろうか。あるいは都の、監督責任のある都の行動について、不満といいましょうか、そういう感じを強く持っていたのではないかと思うのですが、それほどでもありませんでしたか。
○三重野証人 先ほども申し上げましたけれど
も、私は、東京都は東京都なりに最善を尽くしたというふうに思っております。おりますが、それと同時に、これも先ほども申し上げましたように、今小島が言っているような、それに近い、もう少し早く手をつければほかのスキームも考えられたかなという感じはぬぐい得ないというふうに思っております。
○伊藤(英)委員 三重野さんは、今までも、きょうもそうでありますが、一つは、日銀は信用組合を直接監督する立場にないよ、それは東京都ですよということですね。しかしもう一つの方は、金融秩序の維持あるいは信用制度の保持のために今回の救済計画を支持した、こういうことですよね。これは、一見考えればそうなのかもしれないのですが、よくよく考えれば、ある点ではこれは矛盾したことを言っているというふうに私は思うんですね。
 信用組合という金融機関を指導監督する立場にないということであれば、両信組の破綻の問題について、あるいはこの救済の問題、まあこれは救済とは言われないかもしれませんが、この問題は、これは日銀の問題ではないですね。そもそも東京都の、今回の場合でいえば東京都の問題であるでしょう。だからそこがそもそも責任を果たすべきだよということでありますね。
 そして、その金融全体の統括という立場に立ては、今地方自治体に機関委任事務として任せているそのことそのものにある意味では構造的欠陥を持っているというふうに考えなきゃいけないかもしれないわけですね。もしもそうだとすれば、そういうものを放置した日銀そのものがやはりその責任は重いなというふうに考えなきゃならぬと思うのですが、いかがですか。
○三重野証人 日本銀行の中央銀行としての使命の一つが金融システムの安定にあるというのはもう委員も御案内のとおりでありますが、しかし、そうだといいまして、何から何でもできるわけではございませんで、それぞれのつかさつかさと申しますか、監督官庁があるわけで、その監督官庁からこれは何とかいい知恵をかしてくれと言われれば、当然責務でございますから乗り出すわけであります。
 で、信用金庫以上の金融機関は私どもと取引がございますので、直接に指導監督するあれがございますけれども、そうでないのはできないわけであり、したがって、今委員がちょっとお触れになりましたけれども、そうだとすれば、早く日本銀行の知恵をかりに来るような運用、システムの運用というものをこれから先考えていかなければならないのじゃないかと思います。
 それで、これは今私は現職ではございませんから、日本銀行の考えとして受け取っていただかなくて、これは個人的な意見でございますが、今は都道府県が第一次的な監督を行っておりますが、しかし、都道府県といってもそうそう検査能力が高いわけではございませんので、何か危ないと思えば早く大蔵省と共同検査に入ることにして、その結果早く日本銀行にも知恵を出せというふうに運用を心がけていくということは必要だというふうに考えております。
○伊藤(英)委員 今のお話は私も本当にもっともだと思います。
 そういうふうに考えたときに、今回のケースを見ますと、東京都はずっと両信組については見てきたわけですね。それで、ああこれはいかぬと思えば、自分たちが指導監督する責任があるわけでありますから、その時々に手を打たなきゃなりませんですね。もしも、これはなかなか大変だなと思ったら、もっと言えば、自分たちの手に負えないと思ったら、早く大蔵省なりどこなりに相談をする、あるいは必要ならば助力をしていただくというアクションをとらなきゃなりませんですね。
 今回の状況を見ていますと、そういう意味では東京都はまさにその権限が機関委任事務として与えられているのですが、そういう意味では適切な行動をそれぞれ都はとってこなかったのではないかということを考えるのですが、今また三重野さんもそういうふうに言われたのだと思うのですが、そのように理解してよろしいのですか。
○三重野証人 私の感想は、もっと早く手をつけることができれば違ったスキームであったという思いは持っております。
○伊藤(英)委員 要するに、今言われた話は、それこそ今回はこの信用組合は余計に、いわゆる協同組合ということで地方自治体がその地方自治体の責任でこれはやってきているわけだから、もっと早くしなきゃいけなかったのだよ、そういう意味で今回は東京都の責任は極めて大きいということですね。
○三重野証人 東京都は最善を尽くされたと思いますが、客観的には、今委員のおっしゃったようなことは当たるというふうに思います。
○伊藤(英)委員 それでは、じゃ、日銀はどうだったのだろう、日銀は。日銀は、やはり私は、日銀も放置してきたという感じさえするのですね。先ほど小島理事の言葉を引用いたしましたけれども、それなりに非常に心配していたと私は思うのですよ。しかし、どれだけの具体的なアクションをその解決のためにとったのだろうかといったときに、やはり私は非常に問題だったのではないか。
 東京都の示達書なんか見ても、金融全般への影響を引き起こす懸念があるよというふうに、去年の春の段階だったでしょうか、そのときも出たりしております。それほど心配しているわけですよね、本当は。なぜそのときに、じゃ、日銀はもっと行動をできなかったのだろうかというふうに思いますが、いかがですか。あるいは三重野さんのお言葉も、参議院のときもそうですが、きょうでもそうだと私は思うのですが、やはりそういう意味では若干の責任逃れを日銀もしているのではないだろうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○三重野証人 責任逃れをしようとは思っておりません。しかし、私どもとしてはいろいろ頭の体操というか、こういうときはこういうことになるんだなということはいろいろと、焦っておりましても手が出せない、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
○伊藤(英)委員 私は、手が出せないというのは、やっぱり気になるな。これほどの今回でもスキームをつくり上げたわけですね、これは最終的には。手が出せないというよりも、これは大蔵省に対しても、あるいはそれは都に対してももっとしっかりできたのではないかと私は思います。
 そこで、先ほどもちょっと話が出ました、この解決の仕方の問題について、預金保険機構を使って、いわゆるペイオフという形での話が先ほども出ました。では今回、この預金保険機構の、ペイオフという形でやろうとしたときには、今回もしもそれをやろうとしたら、どのくらいの保険金になったと試算をされるんでしょうか。
○三重野証人 これは預金保険機構が計算すべきことでございますが、事務当局からは約五百億というふうに聞いております。
○伊藤(英)委員 ある意味では、今回、ひょっとしたらわずか五百億でこの問題についてそれなりの解決ができたかもしれないというふうには考えられませんか。
○三重野証人 先ほどるる申し上げましたので、再び詳しくは申し上げませんが、もしペイオフをすれば、それはやはりほかの金融機関の連想による取りつけが起きまして、五百億どころではない、もっと大きな金額になる可能性が十分あったと思います。
○伊藤(英)委員 先ほども三重野さんは、バブル後の微妙な時期云々という話もされました。そして、システミックリスクという話についても触れられたわけですね。実は私は、今回のこのケースは本当にそうだろうかな、非常に一般的に言えば、先ほど三重野さんが言われたようなことは起こるかもしれない、しかし、今回の二つの信用組合の場合にはどうなのかな、こう思うのですね。
 今、日本の全金融機関の預金残高というのは、
大体どのくらいあるのでしょうか。
○三重野証人 預金残高としてちょっと正確な数字は持っておりませんが、いわゆるマネーサプライというのはそれに近い数字でございますが、五百兆ぐらいです。
○伊藤(英)委員 今回の両信組の預金残高は二千四百億ぐらい、今はもちろん下がっておりますが、そのくらいのことですね。
 それから、ここからがまた私は今回のケースの場合には非常に特徴的だと思っているのですが、その両信組は、例えば貸し出しについても非常に大口のところに集中をしておりますね。それは東京協和についてもそうです。検査報告書を見ても、東京協和について言いますと、十四社というか十四グループと言った方がいいかもしれませんが、そのくらいで八一%を占めていますね。安全信用について言えば、貸出総額の約九割は、五社というか五グループと言った方がいいかもしれませんが、五社グループくらいが占めているというふうに、ほんの一部のところに集中をしているという形ですね。
 しかも、では、それぞれのその今触れました会社は、貸出先はどういう会社なんだろうかということを考えたときに、これはシステミックリスクなるものが発生をするというような状況にはないのではないんだろうか、あるいは、日本の金融システムというのはそんなに脆弱なんだろうかというふうに思うんですが、いかがですか。
○三重野証人 私は、やはり可能性があると思います。これは実験のきかないことでございまして、その金融システムの内情について最もよく知っておりますのは私どもと大蔵省でございまして、私どもはその可能性はあると判断してやったわけでございまして……。
○伊藤(英)委員 今の部分は、私は解釈の問題といいましょうか、まあ実験ができませんので、どういうふうに考えるかという話だと思いますが、私はやや奇異な感じを抱いております。
 それから、この両信組の問題を考えていくときに、長銀とのかかわり、実は先ほどもちょっと話が出たりいたしました。私は、長銀との問題というのは非常にこれは重大な問題ですね。先ほども触れられました。当委員会でも何度も触れられました。参議院の方でも、昨日も証人喚問ということでやられておりますが、今三重野さんは、長銀とのかかわりについてどんな認識をされておりますか。
○三重野証人 委員のお尋ねは、長銀と二信組との関係ということでございますか。(伊藤(英)委員「このいわゆる両信組問題」と呼ぶ)それは、先ほども申し上げましたように、イ・アイ・イ・グループのメーン銀行であった、これはもう事実であります。海外のリゾートプロジェクトに非常な金をつぎ込んだ。しかし、それと同時に、高橋さんが理事長をやっておられる東京協和信用組合についても、一時的ではございますけれども、人も出しております。出資もいたしております。したがいまして、その後、一昨年の七月に援助、支援を打ち切りましたから今は関係がないといっても、過去の経緯を引きずって今回の信用組合の破綻があるわけでございますから、やはりそれなりの一定の責任はあると私は考えております。
○伊藤(英)委員 私は、この長銀の責任は極めて大きい、こういうふうに思っております。
 今、責任はあるでしょうという話をされましたですね。それで今回、長銀がこれは責任を持って救済するという方法も研究をされたと思うんですが、結果としては長銀の救済策というのは採用されなかった。先ほどもちょっとお話ありました。なぜなんでしょうかね。なぜ長銀が救済をするという方法をとらなかったんだろう。これ、もう一度伺います。
○三重野証人 今委員の御質問は、なぜ長銀に合併させなかったかということだと思いますけれども、しかし、これは先ほども申し上げましたが、二つの信用組合が既に破綻している、これを一緒に処理しなければならないわけでありまして、その場合、長銀が深い関係にある高橋理事長関連の貸し出しのロスもございますが、それ以外のものも非常に多いわけでございます。それに加えまして、やはり長銀も人の金を預かって運用している銀行でございまして、そこに無理やりにそういったものを押しつけるということはやはりできないというふうに私は考えます。
○佐藤委員長 伊藤英成君。
○三重野証人 ちょっと待ってください。私が考えるのではなくて、三者、東京都、大蔵省、日本銀行はそういうふうに考えたわけであります。
○伊藤(英)委員 私は、そのいわゆる、高橋前理事長がきのうも参議院の方の証人喚問の場でいろいろ言われています。長銀が、先ほど言われたように人も会も、実際に日常管理も、あるいは経営も、大きくそこに関与していたということについて述べていらっしゃいます。どんなに長銀は今回の問題について大きな責任を持っているかということですよね。
 そういう意味で今回は、この処理の問題で、いわば税という公的資金まで、実質的にはですよ、使ってこの問題について処理をしようとしているわけですね。そのときに、長銀のいわば経営責任ということについて、三重野さんはどういうふうに考えられますか。
○三重野証人 長期信用銀行が、この二つの信用組合へのかかわり方、過去の経緯からいたしまして、二百七十億、普通の一般の出資その他のほかに二百七十億の負担をさせたわけでありますが、これはやはりみんなが合意して決めたことでございますので、これはそれなりに妥当だと、高いとか低いとかいろいろ議論はございますけれども、これは妥当だったというふうに考えます。
 そこで、長銀自身の経営者の責任はどうかということでございますけれども、これはやはり経営者自分自身がお考えになってやることだというふうに考えております。
○伊藤(英)委員 私は、今回、恐らく日銀としても本当は嫌々だったかな、それをいわば信用制度の保持という大義名分のもとに大蔵省と東京都から頼まれて、いわば長銀と東京都を、あるいは東京都知事を守るためにこういうふうにしたのではないかという気さえいたしますが、いかがですか。
○三重野証人 金融システム安定のためということはるる申し上げましたので繰り返しませんが、長期信用銀行の救済という考えは、私どもにはございませんでした。
○伊藤(英)委員 東京都については、東京都ないし東京都知事を守ろうという気はありましたか。
○三重野証人 東京都の要請に対して知恵は出しました。しかし、都知事選その他については頭に入っておりませんでした。
○伊藤(英)委員 先ほど三重野さんも、東京都の今日に至るまでの責任は、それはかなり大きなものがあるということについて触れられたわけですね。
 それで、さっきもここの場で、今回のスキームにおける負担割合、日銀、東京都あるいは銀行等の各負担割合の話が出ましたですね。そこで私はこんな感じを抱くのですね。実は、いわば直接関係のない、あるいは直接責任のない民間金融機関が出資及び贈与を行う、預金保険機構も贈与を行う、日銀も出資を行うのですね。ところが、三重野さんの言われる第一責任のある東京都が、これは三百億円の低利融資ということは若干おかしいんじゃないかな。最も責任があるというところは、いわば負担の仕方が軽いんじゃないだろうか。そして、ほとんど本来は責任のないところというか責任の問題を考えるときに、そういうところがいわゆる贈与をしたりいろいろするわけですね。これではおかしいんじゃないかと思いますが、どうですか。
○三重野証人 東京都の三百億の低利融資の基準については先ほど申し上げたとおりでございまして、実質的に百八十億のいわゆる援助を行うわけでありますが、これは今までのいろいろと破綻をいたしました信用組合、いずれも府県その他が援
助をしておりますが、一一%から一〇%、四〇%でございますが、一〇%前後が多いということが一つのめどになっております。
 それで、委員がそこまでおっしゃるので、私自身の感想をひとつ申し上げますと、私どもは東京都の要請に従って知恵も出してスキームを大蔵省とともにつくったわけでありますが、要請したところが、三百億のことについて都議会でいろいろなことがあったんだと思いますが、できないというのは大変意外に思っております。
○伊藤(英)委員 東京都の問題について非常に意外に思っているということでありますので、それ以上申し上げたくないのですけれども、やはり自己責任原則を云々ということをますますこれから考えなければいけませんよね。そして多くの他の地方自治体は、やはり自分たちの責任を果たそうということでやっていると私は思いますよね。だから、ぜひそんな感じで考えたいものだ、こう思います。
 だから、実はそういうふうに考えると、私は余計にこんな感じがするのですね。本当に、今の三重野さんのお話をずっと聞いていますと、やはりおかしいな。それほどそれぞれの責任について深く思いをいたしながらいるのだけれども、結果としてはやはり長銀や東京都を助けるといいましょうか、そういう結果になった。
 何でだろうか。そういうふうに考えると、やはり先ほども話が出ましたけれども、例えば政治家だとかあるいは東京都知事だとかあるいは――そういえば先ほども、途中段階でも三重野さんもいろいろ状況を事務局から聞いていろいろやっていたんだよ、最後の最後の土壇場で十一月に聞いただけじゃないよという話をされました。じゃ、その途中段階で東京都知事、大蔵大臣といった方々と相談をしたことはありますか。
○三重野証人 トップの方と相対に相談したことはございません。既に三者で合意を見た、それでそれぞれが、そのトップがゴーサインを出したということです。
○伊藤(英)委員 トップが合意をしたというのは、それはいつの時点のことを言っていらっしゃるのですか。
 それからもう一つは、先ほどの同僚議員の質問に対して、途中段階でももちろんこういうことだから話を聞きましたよと言われたその途中段階はいつごろのことを言われるのですか。
○三重野証人 それは、三者がお互いに検討しているわけです。先ほど申し上げましたように、日本銀行は大蔵省と、東京都は大蔵省とやっているわけでありますが、その途中の経過は局長までにはしょっちゅう上がってきていますでしょう。節目節目で、例えばペイオフはやはりできないと思いますがどうですかとか、そういうようなことは適宜上がってくるわけであります。
 それで、その三者が合意しなければあるいはトップ会談というのがあったかもしれませんが、そういう現在のスキームが合意を見た上で十一月の終わりに私のところへ上がってきて、私としてはそれはゴーサインを出しましたが、大蔵大臣、東京都もそれぞれゴーサインを出したというふうに思います。
○伊藤(英)委員 私自身の持ち時間がほとんどありませんので、最後に私から伺いたいのですが、実は私は最近の日本の金融状況等をいろいろ見て、それこそバブルのときどうだったろう。さっきも同僚議員も言われました。私も全く同じように、金融当局も含めていわゆる金融機関は極めて問題だった、こういうふうに思うのですね。
 そして、今回のケースも見てみますと、やはり二つの信用組合の経営はどんなに乱脈だったのだろうということを思いますよね。それから、メーンバンク長期信用銀行は同じように無責任きわまりないというふうに思います。それから東京都も、監査、監督権限は持っていたのだけれども、本当にそれを実行するという意味においてはやはり無責任だ。そしてまた同時に、大蔵省や日本銀行について見ても、もっともっとそれぞれの場が責任感を持って私はやるべきだろうという気がいたします等々、いろいろ考えてみれば――もう一つ言えば、この間、このスキームを受け取るときの状況等、他の金融機関の人たちも本当に今回の状況について詳しく状況をよく理解した上でこれに応じたのだろうかというと、少なくとも伝えられるところによるととてもそんな状況じゃありませんよね。だとするならば、都市銀行その他も含めて極めて私は無責任だ。
 今回この問題についていろいろ考えれば、いろいろなところが無責任きわまりないなという気がいたします。そんな意味で、これから本当にどうあるべきかということを簡潔に述べていただきたいと思います、今後の金融のあり方ということについて、今の無責任体制についてどんなふうに思うかということについて。
○三重野証人 今委員の言われたこと、お配りしました私の講演の後半がそれに割かれておるわけでございまして、後でお読みいただければいいと思いますが、そのアイテムといたしましては、十五ページに要約が載っておりますが、私は四つの方向、競争の促進、金融機関のリスク管理体制の強化、マーケットによるコントロール・メカニズムの活用、金融インフラの整備、それそれについては文章にいろいろ詳しく書いてございますが、これを、この方向を進めまして、委員のおっしゃったように自己責任原則のもとにおいて金融システムが動くように、そういう方向に持っていきたいというふうに考えております。
○伊藤(英)委員 どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 この際、月原茂晧君から関連質疑の申し出があります。伊藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。月原茂皓君。
○月原委員 関連で質問させていただきます。
 先ほど三重野さんが答弁された中に、質問の方の関連もあったのでしょうが、ペイオフであるかどうするかというこの処理の問題で、預金している人の人数割合で判断されたのですが、大口預金の全体に占める金額というのは非常に大きかったわけですね。その中にいろいろ問題のあるものが多いだけに、国民の皆さんは、そんなもの救わぬといかぬのだろうか、高金利といっても、そんなのはもうプロが来ておるのだからわかっておるんじゃないか、そういう気持ちが非常にあるということを、十分おわかりだと思いますが、認識していただきたいと思います。
 さて、今の伊藤議員との関連で申し上げますと、私は、三重野さんが参議院の参考人としておっしゃった中に、質問につられてであるかもしれませんが、長銀の負担分ということについてこういうふうに答弁されておるのですね。イ・アイ・イの回収不能額が一つの目安になっておるというふうに答弁されておる。そしてその上に、長銀はイ・アイ・イ・グループのメーンバンクとして海外リゾート開発を手伝ったほか、東京協和信組に一時的に役員を派遣しており、責任はある、今もおっしゃっておりましたが、その種のこともおっしゃっておる。
 というところから見ると、伊藤委員が申し上げたように、多くの方々が調整して金額が決まったにしても、もう少し長銀の責任というものはそういう金額に示されるべきでなかったかな、こういう感を強くするのですが、いかがでしょうか。
○三重野証人 今回のスキームは非常に広範なところでそれぞれ負担をしたわけでありまして、確かに長銀については、先ほど申し上げたような理由で一定の責任がある。責任のあらわし方、これは方程式があって綿密にはじき出されるものではございませんけれども、いわゆる高橋グループに対するロス等を一つのめどとして二百七十億というのが決まった。この二百七十億が多いとかあるいは少な過ぎるとかいろいろ議論はあり得ると思います。しかしながら、これだけのものを一応みんなで合意を見たのでありますから、結果的にはそういうことで妥当なところだというふうに言うべきではないかと思います。もちろん批判はいろいろあり得ると思います。
○月原委員 先ほどのいろいろの御答弁を聞いて
おると、現在の日本において、今の制度のもとにおいて、まずペイオフというのはないのじゃないか、できないのじゃないか、その感を強くするわけであります。しかし、心得違いの者がおって、金利を高くする、どんどん金を集める、そしてそれは自分の知ったところで、どうせつぶれるのがわかっておるところへ貸していく、こう言われた場合、今打つ手がないということになるのでしょうか。その点いかがでしょうか。
○三重野証人 金融システムの安定を後ろ向きに考える場合は、やはり何といっても早期に発見して早期に実施することが一番大事だと思います。言いかえれば、例えばペイオフとか資金援助とかそういうような状態にならないようにまず手を打つことが一番肝心だというふうに思っています。そして委員もおっしゃったように、その中でも、不心得者がいて破綻することは大いにあり得ることであります。
 その場合に、預金保険機構もどういうふうな順序でこれを、何といいますか、処理するかということについての考えをちょっと申し述べさせていただきますが、やはり当たり前ですが、第一には自分で、自助努力でやる、これは当然であります。第二には、それもできない場合には、業務提携あるいは合併あるいは事業譲渡その他のことをやる。そのときに、必要なれば同業信用組合の、同業の援助、あるいは預金保険機構の援助もしくはペイオフというようなものもやる。
 順序としては大体そういうふうにいっていますが、いずれにしても、自分が健全な経営を行うということが一番の努力でありまして、我々としても、監督機関としましても、早くそういうものを見つけて手をつけるということが最も大事だ、そういうふうに考えております。
○月原委員 私が心配するのは、今の制度のもとでは、例えば小島理事の文芸春秋に書いておるのを見ても、どうも東京都に首を切ってもらえぬと動けなかったんだ、こういうような話も書いてありますけれども、今の制度そのものが、さわらないでやるとなかなか私は難しいんじゃないかな。
 早期発見ということについて、今後金融当局が現体制のもとででも早く発見するような手法を講じないと、信用組合についていえば、日銀は手も足も出ないということですし、大蔵省の方も地方の方に任じておるんだ、こういうふうなことになる。その点、現段階で、私は何を、法体制を直すのが一番大事だと思いますけれども、今の場合に最も大事なことは何だと思われますか。
○三重野証人 委員のお話は、特に信用組合のことを頭に置いての御質問だというふうに思いますが、先ほど私が、早期に処理すればまたいろいろなやり方もあると申し上げましたけれども、それのためには、やはり監督機構の見直しというか運営でいいと思うのです、法律で直すにはまたいろいろ時間がかかりますけれども。今は都道府県が第一義的に監督権限を持っていますが、やはり検査員その他の訓練その他の質からいって、それほど十分ではないと思われます。
 途中で申しわけない。私は、今現職の総裁ではございませんで、個人的な意見として申し上げておりますけれども。
 したがいまして、例えば都道府県が大蔵とか日銀のそういうOBの方を一応雇用して、やる。その上で、何か怪しいと思ったら、すぐにやはり大蔵省に助けを求めるべきではないか。大蔵省は、検査――私どもは信用組合については出番はございませんけれども、要請があれば出られるわけですから、大蔵省の検査を待って、それで私どもにも早く知恵を出してくれ、こういうことを現在ではとりあえずやっていくべきではないかというふうに考えております。
○月原委員 次の問題に移りますが、今度の場合、史上初の日銀の、要するに資本を出すということ、出資だということ。そしてまた、預金保険機構も最大の金額を贈与するんだ。そしてまた、民間金融機関百五十二のところが協力してこれをつくる。
 これだけ大きなものを検討するのに、私などから見ると、とにかくそれは、最初の段階は日銀の局長と銀行局の審議官だ、理事とそれから銀行局長が話してというお話で、トップの会談はなかった、それは意は通じておったと思うんですけれどもね。国民に対する格好からいっても、まあそれは見せる必要はないんだけれども、現実に日銀総裁と大蔵大臣が会ってそういう決断をしたんだというようなことが私は欲しかったな、こう思うんですが、いかがでしょう。
○三重野証人 私どもは、事務当局で合意を見ましたので、もし合意を見なければ当然そういう会談があったと思いますが、しかし、今委員のおっしゃったことは、やはりやればやったでよかったかもしれません。
○月原委員 今度できるこの共同銀行、日銀が出資しておる。ところが、日銀がやはりこれに対しての監督というか、そういう機能を持っておる。そこのところはどういうふうに考えられておられたんでしょうか。
○三重野証人 今度の東京共同銀行は、二つの信用組合の悪い資産も全部引き継ぎまして、そのうち悪い資産は、千五百億はすぐ、即日信用組合の中につくられている機構に移しまして、その後で営業していくわけでございますが、今度営業するためには一つの資本の裏づけが要ります。私どもの計算では約四百億ぐらいの資本が要るだろう。それをみんなの援助を、おまえたち出してくれといってもやはりあれですから、日本銀行が半分出すということによって各金融機関の援助も受けやすいだろうということで出資したわけでございますが、東京共同、これは信用組合ではございませんで銀行でございますから、当然日本銀行の指導監督のもとにあります。
○月原委員 そういう点でなかなかやりにくいんじゃないかな、こう私は思っておるわけです。
 さて、三重野さんは、参議院の方の参考人としてのお話の中にも、各金融機関に今度の、私が百五十二の機関と申し上げましたが、各金融機関に協力をお願いした、こういうふうに言われているわけであります。それからいろんな表現で、十分理解していたから易しい言葉で話したとかいうことを書いておる記者会見なんかの言葉も見ますけれども、しかし現実問題として、大蔵省は検査権や処分権を持っておる監督官庁であるし、支店等のそれをちゃんと認める権限も持っておる。
 日本銀行は考査を前提として、言ってみれば公定歩合による日銀の貸し出しを行うわけでありまして、こんなことは言わなくてもわかっておることですが、市場で調達するものよりも低いもので入ってくるものですから、銀行にとってはありがたい。これは実質的に相当の力だと思いますね。だから、そういう権限を持ったところがお願いするといっても、これは状況からいってやはり命令に私近いんだと思うんですよ。
 そしてそれが、説明をするのも、言われておるところでは、日銀の氷川寮ですか、そこで話をされて、大手の銀行自身も二十四時間で返事をしてもらいたいというような言い方だし、第二地銀の想定問答というのかこれは本物であるかどうかは別として、ちまたに流れておるんですが、これを見ても、当局の強い要請があった、こういう表現になっておるわけですね。
 だから、そういうところからいうと、私は今度の場合、いっそ日銀法第二十八条に基づいた協力というんですか、それでやった方がすっきりしたんじゃないかと思うんですね。それはまた、それの方が各受ける方にしても、まあ株主代表訴訟が行われたら困るとか、弁護士に相談せぬといかぬとか、そういうようなことを心配せぬでいいわけですから、ここまで思い切って行動されるならば、そうであったらよかったんじゃないかな、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○三重野証人 現在のこの世の中はやはり自由化、したがって、いわゆる自己責任原則のもとに金融制度は今いろんな新しい発展を遂げつつあるわけでございますので、二十八条の強権的なもの
よりはやはり二十五条の方がいいというふうに私どもは判断いたして、それを使ったわけであります。
○月原委員 それでは、最後に質問いたしますが、今まで多くの議員もよく話をされましたが、お伺いしたんですが、要するに、このことについて事前にいろんな方と、俗に言う雑誌なんかには、会談されたのではないかな、こういうふうに言われておるんですが、それは強く否定されておる、言われておるわけですが、こういう会合は、四元さんという方が、ある週刊誌に出ておるのでは、僕や平岩さんや三重野さんは武村さんの応援団を自認しています、そういうので集まったんだというふうな書き方になっているわけですね。
 そこのところは、そういう会は、だれがイニシアチブをとって会が開かれておるのだということをここで明確にお答えしていただいた方が、変なうわさが出なくていいのじゃないかと思うのですが、その答弁で私は終わります。
○三重野証人 この会は、四元さんが呼びかけるもので、頻度は年に一回か二回ということでありまして、四元さんがそういう気持ちでおられるかどうかは存じませんけれども、私どもは、年に一回か二回、そういう方に会っていろんな話を聞けるのを楽しみにしております。
○月原委員 終わります。
○佐藤委員長 これにて伊藤君、月原君の発言は終わりました。
 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 この二信組の問題に長銀が深くかかわっていた、その責任があるということは先ほど来もあり、事実上、長銀スキャンダルだということさえ言われるような状況で、日銀が今まで手をこまねいていたのはどういうわけなんだというような観点からの質問もありました。私もそういう疑問を持っていますが、きょうは普通の審議と違いまして、国民にかわって事実を明らかにするというものでありますから、私の質問に、事実の有無を簡潔にお答えいただきたいと思います。
 まず第一は、あなたは、参議院の参考人の質問で、一回目の合同検査のときに、都からの要請がなかったから処理に至らなかったということを述べ、かつ、「昨年の第二回の検査の後に向こうの要請」、これは東京都という意味でしょうが、「向こうの要請によって指導したわけでございます。」ということを述べられました。覚えておられると思います。
 東京都のだれが、いつ、日銀のだれに言ってきたのですか。明確に答えてほしい。
○三重野証人 昨年の秋の要請でございますが、これは、先ほども申しましたように、日本銀行の課長ベースと銀行局の課長との間でいろいろ話が始まりましたけれども、そのときに大蔵省の方から、東京都がそういうふうなことを言っているという意向を私どもの課長に伝えてきたのが第一回目でございます。
 それと、信用機構局と銀行局以外に、私どもの考査局の課長と東京都の労働経済局商工部長ですかの間の一つの情報網がございまして、それは何月何日というわけではございませんけれども、同じような趣旨が考査局にも来たというふうに事務当局から聞いております。
○松本(善)委員 東京都でもこの問題の審議が行われまして、都議会の財務主税委員会で、牧野副知事は、かなりの密度で労働経済局の幹部と大蔵で協議が始まったのは、九月末か十月初め。ある一つの方向性を大蔵が出した時点で、十二月初めに知事に報告をした。しかし、牧野副知事が大蔵省の西村銀行局長と会ったのは十一月十八日だ。赤坂プリンスホテルに呼び出されたというのですね。
 このときのやりとりを聞きますと、要請というのとはかなり違います、東京都の言うのは。この食い違いはどう考えておられますか。
○三重野証人 私が事務当局から聞いておりますのは、先ほども申し上げたとおりで、東京都と大蔵省の間にどういう話があったのかは私は存じません。
○松本(善)委員 結局、その要請というのが正式のものかどうか、よくわかりません、あなたの話だけでは。情報交換であったのかわかりません。
 第一回目の合同検査のときに取り組んでいればもう少しほかの姿になったかなということをあなたは言っておられますが、日本経済新聞の去年の十二月十日の記事によりますと、「両信組の経営危機が表面化したのは長銀がイ・アイ・イへの支援を打ち切った昨年七月。大蔵省も日銀も経営破たんは時間の問題と判断、連携しながら処理方法の検討に入った。特に日銀はプロジェクトチームを組み、古今東西の事例を詳細に分析した」。
 先ほどのあなたの証言でも、諸外国の事例も検討したということが述べられました。この日本経済新聞の記事は、長銀が支援を打ち切ったときにプロジェクトチームをつくって検討を始めたと。
 私どもは、日銀が、長銀という日本の主要な銀行がこういう問題を起こしていることを知って何にも手も打たないとは考えられないのです。むしろ、東京都が要請したということにして、そして実際は、大蔵と日銀で進めていったのが実態じゃないだろうかと思います。それでないとどうもおかしい。
 この日経の記事との関係をどう思いますか、どういうことですか。
○三重野証人 日本及び海外の事例等の研究を始めましたのは、これは先ほども申し上げましたけれども、平成二年に日本銀行は機構改革をいたしまして信用機構局というのを設立しまして、そのときからいろいろな研究を行っておりまして、長銀がイ・アイ・イ・グループに支援を打ち切ったのから始めたわけではございません。
 それからもう一つ、長銀が支援を打ち切ったときに、やはりこの両信用組合の問題がいずれ大きくなるということは私どもも承知いたしておりました。したがって、それをフォローすることは信用機構局がやっていると思いますが、特にプロジェクトチームをつくるというような、そういう特別なことはやっておりません。
 それともう一つ、第一回の合同検査の後、これはたびたび申し上げましたけれども、東京都はそのときは経営改善の指導を強化して経営問題を解決したいというそういう意思でございまして、それは私どもも聞いておりまして、それを一応尊重いたしました。
○松本(善)委員 私は、日銀の信用機構局のつくりました想定問答、両信組関連の想定問答の一部を手に入れておりますが、それによりますと、日暮さんは東京協和の常務含みで入組をしたということが書かれてあり、田中重彦さんは、長銀の意を受けて東京協和の経営状況を掌握し、組合役員と数度都庁を訪問して、都からの改善指導事項について意見を述べるなどして東京協和の経営に参画した、こういうふうに書かれています。これが日銀の認識でありましたか。
○三重野証人 日銀全体の認識ではございません。
○松本(善)委員 四元さんの会合についてお聞きします。
 これは四元さんが主導をされたということでありますが、一括してお聞きします。四元さんがこの問題になっている安全信用組合の非常勤の理事であるということを認識をしていたかどうか。
 それから、あなたが参議院の参考人として述べた中で、「四元さんと財界の方、私、それから政界の有力者あるいは現在の偉い人というのが時々集まってお話しするチャンスはございました。」この「現在の偉い人」というのは、先ほど、武村さんが六月の会合に出ていたということを言っておられましたが、武村さんのことか。それから、「政界の有力者」というのはだれか。巷間竹下元総理の名前が出ておりますが、これはだれか。
 それから、昨年の会合が二回あったということ
をきょうも述べておられますが、四元氏もそこへ出席していたのかどうか、両信用組合の経営問題は全く話題になっていないかどうか。これらの点についてお答えいただきたい。
○三重野証人 四元さんが安全信用組合の理事でしたか、そういうことは私はずっと知りませんでした。したがって、いつ知ったのかは私は記憶にございませんけれども、かなり後で事務当局から聞かされて知りました。
 それから、四元さんの会でございますが、これは四元さんの主宰するものでございますからいつも四元さんがいるわけでありまして、昔からメンバーが一定ということではございませんが、最近は、今委員がおっしゃったように、竹下さん、武村さん、平岩さん、私というようなメンバーだというふうに思います。その席で二つの信用組合その他については、一切話は出ておりません。例えば、六月にはまだ、そういう話もまだ出ているような状況ではございません。
○松本(善)委員 最後の質問をいたしますが、あなたの御長男が長銀にお勤めで、その問題はきょうも質問がありました。長男の隆氏が杉並区の自宅マンションを昨年八月、ノンバンク、インターリースからあなたと共同名義で購入をされた。このインターリースというのは、人間関係から見ましても、資金関係から見ましても、詳しくは言いませんが、高橋のグループ企業と言ってもよいものだと思います。そのことを知っているか、この関係の事実をお答えをいただきたい。
 もう一つ、あなたは一九八九年、今から六年前ですが、副総裁のときに、北京で開催されたアジア開発銀行年次総会に出席をしたときに、クラウンという音響機器貿易商社で社長の宮越氏と写真におさまったことが広く報道されています。そしてそこでは、「瀕死のクラウン大化けか 一七〇〇億円の借金を抱えた子会社譲渡に成功 中国の工場用地が三倍に値上がる見込み」と。中央銀行の総裁がこういうことをすれば疑惑を持たれるのは当然です。これは御長男の問題と同様ですか。この二つの点についてあなたがどう認識をしているか御証言をいただきたい。
○三重野証人 まず、長男の家の問題でございますが、長男の年ごろになりまして、同じ同期の仲間で自分の家を持っていないのが少のうございます。彼は今、宮前町、杉並区の、社宅に入っておりましたが、その近所に家を見つけたいと思いまして、その場合に、今入っている、今度新しく買ったマンションでございますが、そのマンションを開発した大手のディベロプ業者の子会社である不動産業者、不動産業者が中に入っていろいろあっせんをしてくれまして家を買いました。
 インターリースが売り主であるということは、途中で知ったと思いますが、インターリースの人と会ったのは契約時と引き渡し時だけでございまして、一切はその信頼の置ける不動産業者がやったわけであります。もちろん、資金の一部を私が出しましたので、これは共有のものになっているということでございまして、何ら怪しいことはございません。それを何か非常にいかがわしいもののように週刊誌に出ましたので、これは厳重に抗議をいたしまして、名誉毀損に当たるかどうかについても引き続き今検討しているところでございます。
 もう一つ、余り古いことを言われたのでちょっとびっくりしたわけでございますが、たしか副総裁のとき、北京でアジア開銀の総会に出席しまして、その帰り、人民銀行の招待もありまして、深釧地区を視察に参りました。
 そのときに、進出した日本の企業を見たいということを申しました。それで、私どもの香港の事務所がいろいろ人民銀行とも相談したのだと思いますが、シャープを見せたいと言ってきました。私はどこでもいいよと言っていたら、当日シャープが何か休みだったので、違うところに連れていかれました。それが恐らくクラウンだったろうと思います。しかし、副総裁であろうが理事であろうが、出張した場合に内外の工場を見る、見学するということは当たり前のことでありまして、何らやましいことはございません。
○松本(善)委員 終わります。
○佐藤委員長 これにて松本君の発言は終わりました。
 次に、海江田万里君。
○海江田委員 今、御長男のマンションのことですけれども、大変御立腹をされておるということはよくわかるのですが、いろいろな週刊誌が取材をしたりしまして、三重野前総裁の側からのコメントが全く載っていないのですね、そのことについてはプライベートなことですから一切お答えしませんということで。そうしますと、やはり何で答えないのだろう、これは少しやましいところがあるのではないだろうか、こういう印象を与えますので、それこそ李下に冠を正さずじゃありませんけれども、それは積極的にお答えをいただいた方がいいと思います。
 一つだけお聞かせいただきたいのですけれども、幾らぐらいでお買いになったのか、それから、大体三割、七割ぐらいだろうと思いますけれども、三重野さんがお出しになったお金はどのくらいかということ、そのことだけお教えください。
○三重野証人 中古マンション、二十五坪ぐらいの、七千五百万円をちょっと下回るところではなかったかと思います。私は二千万足してやりました。
 そのときに、税金のことで後ろ指を指されないようにしてくれよと言ったら、これは共有にしておいて、僕が亡くなった場合に相続税で払うのが一番公明正大だと言うので、ではそういうふうにしてもらいたいというふうに申しました。
○海江田委員 今のお答えで大変よくわかりました。
 私も一応調べさせていただきましたけれども、同じころに、同じ杉並区宮前三丁目の藤和ライブタウン杉並宮前というところ、お宅は同じ二階で、七月に売りに出されておりまして、この値段が七千三百万円です。この平米が少しお宅の平米より少ないのです。それで七千三百万円ですから、お宅の平米がそれより広くなっていますから、七千五百万円ぐらいというのはほぼ妥当な値段ではないだろうかという気がします。ただ、これが本当にもし五千万円とか六千万円とかいうことですと、さっき同僚委員からも指摘がありましたけれども、やはり偶然がちょっと重なってしまうのですよね。たまたまそのインターリースという会社が高橋さんと非常に密接な関係であるとか、それから御子息が行っております長銀の、福岡にいらしたときのちょうど上司がイ・アイ・イ・インターナショナルの副社長になったとか、偶然が重なってしまいますので、そういう誤解を与えることになると思いますので、その点はぜひもう積極的に情報公開、情報開示をしていただくことが必要だろうと思います。
 それからあと、ずっときょう私、二時間ぐらいでございますけれども前総裁のお話を聞いておりまして、ペイオフの問題でありますとか、それからセーフティーネットの問題ですとかいろいろお話がありましたけれども、一つだけ残念だなと思いましたのは、いわゆるモラルハザードの問題が一言もお話になかったことでありますね。セーフティーネットを提供するということは、その反対側にモラルハザードの防止という問題があって、そこで初めて解決する問題でありますから、しかもこの問題というのは、やはりそのモラルハザードの点において果たして問題はなかったのかということが一番大きな問題だろうと思いますので、その点を一言、ぜひお話をいただきたいと思います。
○三重野証人 今委員御指摘のとおりでございまして、本来のスキームのやはり最大の問題点の一つは、大口預金がそのまま救われたという意味で、モラルハザードということだと思います。このモラルハザードの問題があるのですけれども、今回の場合はそれしかないわけですのでそこは割り切りましたけれども、一番大きな問題で、この点については今後もよく考えていかなければなら
ないというふうに思っております。
○海江田委員 余り簡単に割り切らないようにしていただきたいと思いますね。そこのところがまさに問題なわけですから、恐らく大変悩んだことだと思いますね。
 それから、私は、本当のことを言いますと、このスキームを発表しましたのは十二月九日で、しかも一週間後にはそれこそ三重野総裁の退陣が決まっておったわけですから、そういう意味では新しい総裁が積極的にこの問題を提起をして、そしてこの問題の解決に当たる方がむしろ――この問題というのは、決して三重野総裁が総裁をおやめになってそれで終わってしまうのじゃありませんで、まさにこれから本番が始まる、一種の予行演習ですね。しかも、このスキーム自体はそんなに悪くない。一部の人は、不良債権の償却の問題でありますとか金融機関の倒産の問題ですとか、最適の方法を最悪のケースに適用したというような指摘もやはりあるわけですね。
 ですから、その点をよく考えていただいて、そしてやはり今後の銀行の倒産、あるいはこれはもう前総裁自身がお認めになっているように、これが最後じゃない、むしろ初めかもしれないということでありますので、その点の、これからの銀行あるいは信用金庫、信用組合の倒産にどう備えられるのか、心構えを、最後でございます、一言だけお聞かせください。
○三重野証人 私の任期との関係は、この問題はやはり早期に解決した方がいい。それで、でき上がったら、まあ早くやったということに相なり、もしもう少し時間がかかれば、委員のおっしゃったように後の総裁になったかもしれません。
 しかし、いずれにしろ、このモラルハザードの問題はどこまでもついて回る問題で、もちろん簡単に割り切れる問題ではありませんけれども、現行の仕組みではなかなか難しいところがあります。しかしながら、これは預金保険制度を手直しするとかそういうことじゃなしに、もう少しやはり日本の金融システム全体を、信頼を回復するにはどうすればいいのか、そういうものの一端としていろいろ考えていきたいというふうに思います。今はもう現職の総裁ではありませんが、そういうふうに思います。
○海江田委員 じゃ、どうも。
○佐藤委員長 これにて海江田君の発言は終わりました。
 以上をもちまして三重野証人に対する尋問は終了いたしました。
 御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。
 この際、御報告いたします。
 昨二十九日、東京都知事鈴木俊一君から衆議院議長あて、本委員会の要求に基づき証人として提出した書類のうち、安全信用組合及び東京協和信用組合に対する平成五年度の示達書の表書き部分に誤りがあるので訂正する旨の文書が提出されました。
 以上、御報告いたします。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前十時十六分休憩
     ――――◇―――――
    午前十時三十分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件の調査に関し、東京共同銀行問題について、堀江鐵彌君より証言を求めることといたします。
 この際、証言を求める前に証人に一言申し上げておきます。
 昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によって、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証人、証人の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または証人とこれらの親族関係があった者及び証人の後見今後見監督人または保佐人並びに証人を後見今後見監督人または保佐人とする者が、刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときであります。また、医師、歯科医師、助産婦、看護婦、弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについても、本人が承諾した場合を除き、宣誓または証言を拒むことができることになっております。
 証人が宣誓または証言を拒むときは、その事由を示さなければならないことになっております。
 証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられ、また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。
 以上のことを御承知おきください。
 次に、証人が補佐人に助言を求めることが許される場合について申し上げます。
 すなわち、証人は、宣誓及び証言の拒絶に関する事項に関し、補佐人に助言を求めることができることとなっております。
 助言は、その都度証人が委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。
 なお、補佐人は、みずから発言すること及びみずから証人に助言することはできないことになっております。
 次に、今回の証人喚問に関する理事会の申し合わせについて申し上げます。
 その第一は、資料についてであります。
 証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会に提出していただくことになっております。
 その第二は、証人がメモをとることについてでありますが、尋問の項目程度は結構でございます。
 なお、補佐人がメモをとることは構いません。
 以上の点を御承知おきください。
 それでは、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めることにいたします。全員起立を願います。
    〔総員起立〕
○佐藤委員長 議院証言法第五条の三の規定によりまして尋問中の撮影は許可しないことになっておりますので、これより堀江鐵彌君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。
 それでは、堀江鐵彌君、宣誓書を朗読してください。
○堀江証人 
     宣 誓 書
 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います
  平成七年三月三十日
               堀江 鐵彌
○佐藤委員長 宣誓書に署名捺印してください。
    〔証人、宣誓書に署名捺印〕
○佐藤委員長 御着席を願います。
 これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。
 なお、こちらから質問をしているときは着席のままで結構でございますが、御発言の際には起立してください。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 これより証人に対して証言を求めます。
 まず、私からお尋ねいたします。
 あなたは堀江鐵彌君ですか。
○堀江証人 はい、さようでございます。
○佐藤委員長 生年月日、住所、職業をお述べください。
○堀江証人 生年月日は、昭和六年三月十三日でございます。住所は、東京都練馬区大泉学園町七
の十四の十でございます。職業は、日本長期信用銀行の取締役頭取でございます。
○佐藤委員長 以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。
 次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。桜井新君。
○桜井委員 自由民主党を代表して、これから堀江頭取に質問をさせていただきます。堀江頭取にはお初にお目にかかりますが、何分よろしくどうぞ。
 きのうに続いてきょうで、なかなか大変だと思いますけれども、国民にとっては極めて重要な中身のことでございますので、率直にひとつお話を聞かしていただきたい、こう思っております。
 私は、金融制度といいましょうか銀行行為といいましょうか、こういったことは経済の動脈とも血液とも言われておる業界だと思っておるわけでございますが、一連のきのうまでのお話を承っておりますと、もう腹立たしさを通り越してむなしい思いにすらなってしまいます。
 毎日毎日自分たちの生活を支えるために一生懸命働きながら、子供たちと一緒に満足に夕飯を食べる時間も日もない、あるいは単身赴任でやっておる、今なお、これだけ豊かになったとはいいながら、一般の労働者はそういう環境にあるわけです。そういう中から少しでも節約をして一万円でも余計に預金をしたい、こういう思いで必死になって頑張っておる、その人たちのことを思うと、とても耐えられない思いですね。これだけお金というものがずさんに取り扱われて、本当にこれで日本の経済は大丈夫なんだろうか、金融は大丈夫なんだろうかと、私はしみじみ感じております。
 私も実は、若いとき、大学を出てしばらく、関東から関西の方に若い衆を大勢連れて建設業でテント暮らしで回っておった体験がございます。
 また、長じてからは、今度のイ・アイ・イ・インターナショナルグループがやっておるような、これは、たまたま私が媒酌人をした男がフランスとのかかわり合いがあって、フランス政府の要人たちと交渉して、どうしても南太平洋のタヒチにホテルをつくりたいということで、ある財界の方と話をしてそれをつくることにして、フランス政府からの補助金をもらってやることになった。
 ところが、実際やる段になったら、その約束をした人がどうしても、資金的にも、自分の能力からいってもだめだということで、泣きつかれて、国際的な体面をこれで失ってしまうと、私が世話をした男がそう言うものですから、金額もそう大したことないと思ってつき合いを始めて、私が引き受けることにした。
 そんなことをやってみて、海外投資というものがいかに難しいことか、そして、なかなかこの調査は容易ならざるものがあるし、また、経済に対する価値観が全然違う人たちとのつき合いというものが容易でないことも、私は十分承知しました。
 そんな中で、かなりのことを勉強したつもりだったけれども、余りにも今度のことは、簡単にお金を貸し過ぎて、しかも膨大もないこと、それは私が見て、どう考えてみても、こんなことでしかし本当に果たしてうまくいったんだろうかと、後でおたくの人たちに来ていただいて聞きましたら、みんなうまくいっていないんですね。そんなことを思ったときに、もうばかなことをやって何だと思って、怒ろうという気持ちすら失うような今日でございます。
 そこであなたにお聞きしたいんですが、言わずもがなの話ですけれども、堀江頭取は一体、銀行、金融行為というものをどんなふうに、社会的な使命というか、位置づけをされておるのか。それから、信用組合というのをどういうふうに見ておるのか。金融機関と見ておるのか、そうでないのか。この二点だけ、最初にお聞かせをいただきたいと思います。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 金融機関の役割は、今さら先生に、釈迦に説法で、申し上げるまでもございませんが、国民の資金を、あるいは預金を集め、それを国のインフラストラクチャーあるいは産業、商業その他に、その重要性に従ってこれを配分していく。要するに、国の資金の配分という意味で非常に公共的な性格を持っておりますし、日本の経済の発展のために動脈のような働きをする極めて社会的に重要な役割を持っている機関であるというぐあいに考えております。
 このイ・アイ・イの件につきましては、ちょうど一九八六年から九年にかけまして黒字がたまり、これを還元する必要があるといったようなこともございましたが、しかし同時に、海外リゾートといったものも非常に盛んになりまして、そういったようなものを建設していかなくてはいかぬ、そういった風潮があったわけでございます。
 私どもといたしましては、個々のプロジェクトにつきまして、是々非々で慎重審査をいたし、また、やります場合も協調融資で、これはリスクの分散を図りますとともに、各銀行もやはり審査部を当然持っておりますので、各銀行の知恵も大体そこに集まってくるといったような形で融資をしたわけではございますが、ただ、非常に資金の調達が容易であったノンバンクあるいは金融機関から自由に金が借りられたその時代の金融緩和の風潮、また、まさにバブルでございますが、そういった風潮に流された嫌いがございましたことは、非常に反省すべき点であるというぐあいに考えております。
 また、信用組合の役割につきましては、確かに、御承知のとおり、その地域地域の住民あるいは商工業者の福祉あるいは生産活動、そういったものを助長する目的で建設されたといいますか、創立されたものでございまして、その使命は、あくまでもその地域の福祉水準の向上、あるいは生活、社会の充足、産業の振興といったようなことに重点が置かれまして、それに対しまして、例えば株主と申しますか、あるいは出資者その他はすべてその地域住民でなければならないといったような制約があるというぐあいに感じております。(桜井委員「金融機関としても考えていますか」と呼ぶ)はい。もちろん、そういったようなことを促進する地域的な金融機関であるというぐあいに考えております。
○桜井委員 そこで、きのうまでのいろいろな質疑を総合的に考えなきゃならぬ。同じことを繰り返して聞いてもなんですが、最初にスキームのことについて、今度の東京共同銀行がスタートすることになりましたが、このことについてちょっとお聞きをしたいのですが、信用不安を起こしては大変だ、これがまあ大前提にあったのですから、極秘裏のうちにやったことは私も十分承知をしております。
 したがって、あなた方に正式にお話しになったのは当然突然であったと思うのですよ。突然であったと思うのですが、そのことについては別にとやかく申しませんが、この共同銀行の設立について、だれからいつ聞いたのか、言わずもがなですが、まずお答えをいただきたいと思います。
 それから、これを説明に来た、あなたに説明に来た方はどなたであったか。だれからというさっき言ったことですね、日銀なのか、大蔵なのか東京都なのか、そのうちのだれなのかそれをちょっと聞かせてください。
 それから、出資のことについてそのとき話を承ったのか。そして、それは幾らであったか。その三点だけちょっと聞かせてください。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 この新銀行のスキームにつきましては、昨年の十二月の六日に日銀の氷川寮という場所がございまして、そちらで御説明がございました。御説明をされた方は、西村銀行局長と日銀の小島理事でございました。
 それで、そのときには具体的に出資とかそういった金額につきましてのお話はございませんでしたが、要するにこのスキームの構想と、それからそれに、まあ金融機関としては、私どもは例え
ば出資と、それからその銀行に対する収益支援とを分担する、それ以外に、まあイ・アイ・イのメーンバンクであったといったことにかんがみまして、特別の負担をお願いする、その負担の金額は収益支援ベースで二百七十億であるというぐあいにお話がございました。
 その後、ちょっと私は正確な日にちを覚えておりませんが、具体的に日銀さんの事務方の方から私に、出資は六億円、その新銀行に対する出資は六億円、それから収益支援は十億円というお話を伺いましたようなわけでございます。
○桜井委員 今、収益支援は二百七十億円と言われたのでしょう。(堀江証人「はい」と呼ぶ)それのほかに出資が六億円で、ここでまた収益支援が十億ということですか。(堀江証人「はい」と呼ぶ)そうすると、二百八十億ということですか。――ちょっと。
○堀江証人 その明細を申し上げたいと存じますが、要するに、その新銀行の設立に関しまして出資が六億円、それからその新銀行に対する収益支援が十億円でございます。
 で、そのほかに、この二信用組合の不良資産は、この新銀行とは別途にいわゆる不良資産保有機関といったところに一時ため込みまして、そこでいずれ償却をしていく。都信協、東京都信用組合協会でございますが、そこが不稼働資産の保有をするわけでございまして、そちらに対する収益支援が二百七十億ということでございます。
○桜井委員 はい、わかりました。
 そこで、何かその直後に、直後なのかしばらくたってからなのかわかりませんが、またこの収益支援なんでしょうね、出資だか収益支援だか増額を要請されて、マスコミによると四百億ぐらいですか、出すとか出さぬとか決めたというような、これは収益支援になるのですか出資なのですか、その辺のことを聞かせてください。
 これも東京都の信用組合協会が本来出すという約束をしたものの肩がわりなのかどうかちょっと聞かせてください。
○堀江証人 この都信協、不稼働資産の保有機関がこれを保有いたしまして徐々に償却するわけでございますが、その原資が、例えば私どもの二百七十億円と先ほど申し上げましたその中から結局こういった不稼働資産を償却していくわけでございます。
 ただ、それを保有していくにつきまして、これは保有するだけで運転資金がかかってまいりますので、その運転資金につきまして私どもが融資をいたしましたのですけれども、これは普通のコマーシャルベースの貸し出してございます。別に収益支援ということとは関係ございません。
○桜井委員 この四百億のことについてはどこから指示があったんでしょうか。それもついでにひとつ聞かせてもらいたいと思います。
 それから、この支援は、東京都が三百億の融資について留保をしましたね、その留保の後だったかと思うような気がするのですが、そのことの影響で、あなたのところはやはり都信協も渋るというような中で出さざるを得なくなったのではないかというふうに私はマスコミでは理解をしておるのですが、そのとおりかどうか。どこからこの協力の指示があったか、教えてください。
○堀江証人 いわゆる運転資金の供与につきまして、どこから話がございましたか、ちょっと私は定かには覚えておりませんと申しますか、はっきり申し上げられないのでございますが、ただ私は、これは恐らく都信協からその話があったんだろうというぐあいに思っております。
 それは、要するに不良資産をずっと抱いていくための運転資金でございまして、結局その分は全部コマーシャルベースでいくわけでございます。そのいわゆるコマーシャルベースその他の、何と申しますか、経費は結局私どものそういった二百七十億の収益支援で行われるということになるわけでございます。
○桜井委員 それじゃ、話を全く変えて、今度は両信組に関することでお聞きをしたいと思うのですが、今までのあなたのお話で、東京協和信用組合に対して融資をしろということで認めた、あれは西山荘カントリー倶楽部だったですかね、ほか一社で二社に対して三十億だか融資をすることをあなたが認められたというようなことがありましたが、あなたのところでこの信組に対して融資をしろというようなことを指示をしてやったことがありますか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 この西山荘カントリー倶楽部の案件につきましては、私どもの新宿支店で受け付けましたのでございますが、私どもでございますと審査その他に日がかかる、日にちがかかるといったようなこともございまして、この東京信組に紹介したわけでございます。
 東京信組はこれを協調融資で、例えば八千代信金の子会社の八千代リースであるとか、そういった三行で協調融資でその資金を調達したというぐあいに聞いておりまして、私どもはその融資には入っておりません。
 なお、申し上げますと、私がそうやって紹介をいたしました案件は、この西山荘カントリー倶楽部の案件一件だけでございます。
○桜井委員 私、実はこのことが、おたくが高橋さんとのやりとりの中で、余り、常に経営には関知してない、管理には深く立ち入ってない、単に金銭的な出入りだけだというようなことを盛んに言われるけれども、事実がたくさんこう出てくると、必ずしもそうかなという気もしましたので、実は東京都に聞いてみたのですよ。
 そうしたら、あなたの方からの、長銀からの組合への指示で貸し付けをしたというのは西山荘カントリー倶楽部だけでなくて、約五件ほどで五十四億七千万だかある、こう言っているのですが、これは恐らく監督官庁でそういいかげんなことを言うとは思われないのですが、記憶にないならないで結構ですけれども、おたくの方で、頭取が直接であるかどなたがやったかわからぬけれども、田中さんが出向していて、副社長であそこに出向していて事実上のグループの管理をやっておるわけですから、そういう立場でこれも知らないはずはないと思っておるのですが、このことについてもう一度答えてください。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 本件に関しまして、私どもが紹介した案件があるかどうかにつきまして、私は部下を呼びまして詳しく調査を命じました。その結果は、あくまでも一件であるというぐあいに報告を受けておりますので、私はその言葉を信じたいと思います。
○桜井委員 これは大変な問題だと思います。ここは証言法に基づいてあなたにおいでいただいて証言してもらっているのですから、ほかの、東京都の人もいずれ呼ぶことになっております。そのときに、もしまた意見の食い違いがあったりしますと偽証罪に問われることもありますから、そのつもりでひとつお答えいただきたい。これは、いずれ東京都を我々は、もう既に呼ぶことを決めてありますから。
 それから、次にそれでは進ませていただきますが、預金についても今までにあっせんをしておったのじゃないかと思われるのですが、高金利で、大口の預金者で、既にマスコミにも報道されているのですが、中には、もうこんな事態になったから解約したいのだ、だけれども、長銀さんに言われているからそうはできないのだ、こういうことを言っておるというふうにマスコミでは報道されておりますが、これも四社ほどあるのですね。このことについては承知していますか。もし承知していたら、どんな企業に預金を依頼したか、教えてください。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 御承知のように、九〇年の十一月から、東京協和信組並びに安全信組両者につきまして、特に九一年の四月にかけまして資金繰りが非常に繁忙になりました。私どもがその資金繰りの状況をウォッチいたしまして、どうしても穴があいてしまう。これはもちろん、高橋さんに大口預金をできるだけとってきてもらうとか、あるいはイ・アイ・イ社からできるだけ資金を返してもらうと
か、いろいろそういった形での資金繰りの緩和を図ったわけでございますが、御承知のように、私どもは関連会社を通じまして、一番ピークでは東京協和信用組合は三百七十億円、それから安全信用組合につきましてはピーク六十六億円の緊急預金をしたわけでございます。
 ただいま先生がおっしゃいました、いわゆる解約しないでくれというふうに申しましたのは、特にこの私どもの関連預金につきまして、これは東京都からも、ぜひその資金繰りの混乱を避けるために置いておいてくれというお話もございましたので、私どもがその関連会社につきましてはそういった依頼をしたのでございますが、そのほかの預金者につきましてそういった要請をしたことは、まずないのではないかと私は思っております。
○桜井委員 ありがとうございました。
 次に、きのう参議院で自民党の斎藤さんの質問に対して、長銀が本格的にイ・アイ・イ・グループに対して支援体制をとろうとしたときにつくった、イ・アイ・イ・インターナショナルの関連グループの管理体制を決めたスキームがありますね。これを私どもも手元にいただいて見せていただいたのですが、このことについてはあなたはきのう認められましたね、その存在については。
 ただ、その中で、これはあくまでもリストラ計画ができる前までの心づもりで、正式なものではない、こうあのとき言われたように私記憶しているのですが、そこで、堀江頭取はそう言われても、あなたがそう言われても、副社長で派遣された当時の田中さんを初めとした出向者は、あのスキームに書いてあるあのことを、実質支配を目的とすると書いてあるのですが、そのことを金科玉条のように、社命だと思って必死にやっていたことは間違いないんじゃないでしょうか。
 これは正式なものではないなんという気持ちで取り組んでいたのでは私はないと思われるのです。その後のほかの資料と突き合わせをしてみるとそういう感じがするのですが、一体どういうことなんですか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 たしか一月の七日付の資料だと思うのでございますが、これは第一次リストラ実行前の、とりあえず暫定委員会をつくるといった形のときの資料であるというぐあいに思っておりますが、これは、その精神といたしましては、このリストラ計画になりましても、少なくともイ・アイ・イにつきましては、全面的に経営に関与するというつもりで当然おったわけでございます。
 しかしながら、その下の方に書いてございます例えば安全信組、東京協和、ゼネラルリースあるいはシーコムといったようなものにつきましては、それは実際にリストラ計画を実行すると申しますか、リストラ計画を作成いたします段階でその強弱その他を決めていく、ただ全体としてはウォッチしておかなければいけないという意味でこしらえた表でございます。つまり、実質支配と申しますけれども、全部に対して実質支配をどこまでどの程度やるかということを決めた資料ではございません。
○桜井委員 あなたはそう言っていらっしゃるけれども、その後の同行等の資料を見ていると、そんなことは言い切れない。例えば、高橋社長との二人三脚体制は表面であって、表面はそういう体制だけれども実態は当行が実質経営の旨を、指示をしっかりやっているのですね。そういうことですから、必ずしもそう言われていない。
 もう一つお聞きしたいのですが、その中に、今あなたはイ・アイ・イ・インターナショナルだけ、こう言っておりますが、この指示の中には、赤井さんという方が出向されたのですか。この方の担当として、ゼネラルリース、シーコム、それから協和信組、安全信組、その他重要子会社、こういうふうに明示をしてあって、これが要するにイ・アイ・イ・グループ、こういうことでやってきたことは、私らは常識的に、私も先ほど申し上げたように小なりといえども企業をやってきた一人ですが、そうとるしかない、こう思っているのですが、もう一度お答え願いたいと思います。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 イ・アイ・イが何と申しましても、その規模、リストラの必要性その他、これは最大の案件でございました。そこに我々が五つの管理銀行団の代表として送り込まれたわけでございます。したがいまして、我々の目くばせはすべてのところにやはりやらなければいけない、特に資金繰りについてはしなくてはいけない。
 と申しますのは、例えばゼネラルリースにしましても、あるいはその他にしましても、もしそこで資金破綻を生じるようなことがあれば、それは、高橋さん自体の個人的な信用を失墜させることによりまして、イ・アイ・イは大丈夫でもよそが経営破綻しちゃうといったようなことで、非常にリストラ計画の潤滑な進行にそこを来すということでございまして、そういう意味では全般的な目くばせをしておった。
 しかし、それには当然濃淡がございまして、まあこれはちょっと申し上げにくいのでございますが、例えばゼネラルリース、これは三井信託さんが役員二人と担当一人を出しておられまして、私どもは非常勤取締役を後から出しまして決算役員会に出席していただけである、こういったような場合、私どもはむしろ、三井信託さんが見てくださるんだから、そちらの案件については全部お任せしようといったような形で、いろいろ濃淡があったわけでございます。
○桜井委員 ただ知っているだけだ、おつき合いでやっただけだと言われても、経済の世界は、必ずしもそういう紙の上に定規で線を引っ張るような、そう単純に整理のできる世界ではないと私は承知しておりますので……。まあ、お話は承りました。
 それから、今の質問の続きですが、こういう状態で、おたくはかなりこのリストラに力を入れてきたのだろうと思うのですね。そして、きょうは私どもの手元に資料をいただきましたね。
 実は、私はもっと、本当のことを言うと、悪巧みを考えて、バブルのときにうんと貸し込んじゃって、気がついてみたらどうにもならぬ、たまたま信用組合みたいなことをやっているから、そっちへひとつみんな肩がわりさせろ、こんなようなつもりで、おたくがこっそりいろいろな作戦を書いてやったのかなと、最初そう思いました。
 ところが、今いただいた資料を見る限りでは、全く私は印象を別にしたのですが、当初おたくが本気になってリストラの相談を受けて入ろうとした、これは九〇年の十一月ですか、そのときのイ・アイ・イ・インターナショナルに貸し付けをしていった金額、あるいはその関連グループに貸しておった金額、その後おたくがいよいよ縁切りをしなきゃならぬというようなことになった時点、そして今日、この資金繰りのことについて、もう一度、しつこいようですが、数字を教えてみてください。
○堀江証人 ただいまの御質問は、私どもの残高に関するものでございましょうか。経緯でよろしいのでございますか。(桜井委員「ええ」と呼ぶ)イ・アイ・イは、御承知のように、九六年ぐらいからずっとプロジェクトを続けまして、結局九〇年十一月に資金繰りの破綻をしたわけでございます。そのときの残高は、ここにございますように、私どもが単体では三百五十億円を貸しておった、それは、金額としてはそれほど大きな金額ではない。
 ただ問題は、いわゆる、ここにございますように、当行からイ社グループ全体に対します私どものエクスポージャーが千二百億ということでございました。他行さんはほぼ、これに引きかえ、何と申しますか、匹敵する金額を出しておられたのでございますが、何と申しましても、最大は私どもでございました。
 したがいまして、これはメーンの責任といたしまして、その後、例えばニューヨークの中心街で三階建てで鉄骨になっている、立ち腐れになりそうな、そういったホテルを完成をさせましたり、
あるいはフィジーのゴルフ場を完成させましたりといったようなぐあいのリストラ計画を通じまして、ここにございますように、九五年の二月現在と申しますか、むしろピークは九二年の三月でございましたが、合計で三千八百億のエクスポージャーを持つということになったわけでございます。
 このメーンといたしましての責務、これはやはり日本の金融界におきましてはやむを得ないものであったというぐあいに考えております。
○桜井委員 そこで私は、これほどまでに、この中身は、審査機能は一体あるのか、企業に対してもプロジェクトに対しても審査能力はあるのかないのかと、大変失礼ですが、言いたいぐらい、かなりいいかげんなところがあると率直に思っていました。
 そういう中で、今私が前段申し上げたような、自分の負債を転嫁するような発想でもあったかと思ったら、全くそうでない、むしろ貸し付けがだんだんふえておる、こういう状況ですから、この点は私は率直に言って自分の見方が誤っておったと思うし、また率直に言ってそれはある意味では済まなかったと思うので、結構そういう点ではまじめなんだなと思っております。
 それほどまでにしたのに、なぜ途中で資金を打ち切るようなことの決定をやったのか、この理由をもう一度聞かせてください。もう何回もあなたはいろいろなところで聞かれているのでしょうけれども、もう一度聞かせてください。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、九〇年の十一月現在におきまして、諸種の発展、まあプロジェクトの開発途上でそういうことになったわけでございまして、これは一つの国際的な問題までも生じかねない問題でございました。
 特にオーストラリアにつきましては、幾つかのプロジェクトで、しかもこれは政府がと申しますか州政府が特別の立法をつくって、そういったプロジェクトを賛同して推進していたといったようなこともございますし、したがいまして、私ども、国際的摩擦、それから九十に上るノンバンク、金融機関がこれに参画をいたしておりましたので、その金融的混乱等も考えまして、それでこのリストラの旗を振ろうというふうに決めたわけでございます。
 その間で、私どもの貸し出しが残念ながら非常に積み上がったわけでございますが、これは第二次リストラ計画の期限、九三年七月でございますが、大体そのころをめどに、つくるべきプロジェクトはすべて完成した、つまり社会経済的に見ましてある程度意義のあるものはすべて完成した。それから、どうしてもこれはもう売却せざるを得ないといったような売却物件につきましては、大体これもほぼ売却を終わったということで、そういたしますと、全部が一応でき上がりまして、なおかつ、それではそれにかかっております借入金、これを将来返済できるのかどうか、それを九三年の五月以降高橋さんと真剣に議論したわけでございます。
 ところが、高橋さんのいろいろ言われることは、これは絵にかいたもちでございまして、今後数年間を見渡してもまずこれは返済できないと。ということから、九三年の六月の三十日に債権カットを中心とする和議という法的根拠のある再建案、それを提示いたしまして、それを先方はもう初めから、全然だめだ、あくまでも自分一人でやるんだ、完成するものはすべてできたのでそんなにお金はかからないといったようなことで、和議を拒否いたしましたので、七月九日付をもってすべての援助を打ち切ったわけでございます。
○桜井委員 きのうまでも、今もそうなんですが、高橋さんとあなたが食い違っている点で、私はもう、高橋さんの経営姿勢とか経営能力なんというものは問題にならぬと思っているんですよ、率直に言って。問題にならぬと思っているんですが、今あなたがここで言われたように、一体、今継続中のこのプロジェクトは本当に採算に乗るのか、採算性があるのか、こういう点もあなたは言われましたね。そういうことをきちっと審査をしなければ、幾ら何だって、九十何行もの銀行団をあなたのところが世話役になって、お願いをしてできるなんということはありませんね。単に金の出入りだけなんということはありませんよ。
 私はそのことで、何であなたのところは逃げるんだ、まあ私らにしてみればうそを言っているとしか思えませんわな。イ・アイ・イ・インターナショナルの中身がわからないで、そんなことできますか。金の出入りだけでおたくが何千億の貸し付けなんかできるわけはない。中身を一つ一つ審査したからなんでしょう。それに影響力がないようなことで、どうしてリストラができるんですか。
 そのためにおたくは、イ・アイ・イ・グループの管理体制というものを一生懸命つくって、三十人近い人まで出向してやろうとしたんでしょう。それを、単に出入りだけですなんという、日暮さんが判こをついて報告していることも、そういう管理というところまでやったんじゃないなんという言い方は、これはなめた話だと思うのですよ。
 きのうあなたはこれまた訂正したんですが、前の参議院の参考人招致のときに、最後に貸し付けを打ち切って縁切りをするときにパーティーをやった、極めて和やかな雰囲気で別れたんだ、こんな話をされたけれども、きのうはこれを打ち消しましたね、打ち消しました。これだって、国民や我々国会を何と思っているんですか。
 それは中にはふざけているのもいるから今政治の信用がなくなっているので、これは決して私らも否定しませんよ。しかし、やはり政治は国民の最高の権威の場でなければならぬと私は思っていますよ。だから、まじめにやっている人の方が多いんですよ、一生懸命で。圧倒的にそうなんですから、それを……(発言する者あり)いやいや、それは全部と言えないところがあるから我々も事件に絡まることがあるんだよ。
 そういうことですから、そのことはあなたもしかと承知してもらいたいのですが、こんなふざけた答弁やっちゃだめですよ、堀江さん。もっとまじめにやってくださいよ。それは高橋さんのところが悪いなんということは、問題にならないんですよ、中身は。だけれども、こんなばかなことを許したのもあなた方でしょう。あなた方がきちっとした審査をやって指導をやっていれば、こんなことにならなかった。私のところなんか田舎で力がなかったから、とてもこんなことに踏み込めなかった。数億の金を借りるのにも大変な努力をしなきゃならなかった。それを本当に、あなた、何百億という金を平気でぼんぼんぼんぼん出している。
 そして、中身を今資料をいただいて調べてみれば、よくまあこんなものに出したものだ。海外投資だって、それは海外投資をしなければならぬかもわからぬし、この人たちがやるときには、必ずそれぞれの国から何らかの有利な条件をとろうとしてやるんですよ。
 私が先ほど申し上げたようなタヒチの件もそうです。向こうからちゃんと正式に免税措置も、それから融資もついている。そこまでしてしまったのをだめにできないというから、やった。私は結局、四億数千万の赤字を出して、まあそのときの顔は立ったけれども、投げて帰ってきましたよ、結局ね。なかなか大変なんですよ。
 そういうことをあなたのところは、しかもあなたは海外通であって、そのことの専門家だそうですから、そんなことがわからぬなんということはないはずですよ。
 私はそういう意味で、これはあなたのところがきちっとこのイ・アイ・イ・グループ、その中に両信組を含んで管理をしていた。だから、金が足りなければ預金者を探してでも預金もしなければならなかった。そしてどうしても大事な人は、これには貸してやってくれということもやらなきゃならない。そして、その影響力を行使するために半分の出資もしたのでしょう。そのことはどうな
んですか。これはきちっと性根を据えて答えてもらわなきゃならぬ。
 こんないいかげんなことをして、国民をなめたようなことを言って、今度のこの事件がどんなに大きな影響を及ぼすかわかりませんよ。
 しかも、きょうは私、朝からここへ入っているものだから全然聞かないでいたら、先ほど警察庁長官が狙撃をされたそうですね。あなた聞いていますか。狙撃をされたそうですよ。今病院に連れていかれて手当て中ですが、どうなったかわからぬ、重体でしょう。これは、オウム真理教、サリンのことなのか、これなのか。このことだって、まじめにやっている人たちはもう我慢ならない、腹を立てているのですよ。
 ですからこれは、高橋さんの悪いのはわかる。これはもう徹底的に取り締まらなければならぬし、既にそのために両方の信用組合は事実上解散するようなことになったのですから、それはそれで結構だし、これからも責任追及していかなければならぬ。しかし、あなたのところも、これだけのことをやって、私のところは単に金銭出納を管理しただけですなんといういいかげんなことを言ってもらってはだめですよ。
 堀江さん、そのことについて一言。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 幾つかの大きなプロジェクトに膨大な金を投資して、でき上がったものが採算が本当にどうなるのかといったようなお話は、確かにおっしゃるとおりでございます。
 ただ、この大きな価格変動と申しますか、資産価値の変動、これは世界的にも、また日本の中でも、ここまで来るとは予想ができませんものでございました。したがいまして、私どもは、多少そういった、膨大なむだな投資であるということも途中でわかりました。これは第一次リストラ計画の当初には、まだまだ資産価額がそれほどひどい下落をするであろうということではないことを前提にいたしまして、いろいろプロジェクトをやったわけでございますが、これは確かに私どもの見込み違いもいいところでございました。その点につきましては深く反省をいたしております。
 ただ、申し上げるならば、こうやって継続してできましたいろいろなプロジェクトは、これは一流のプロジェクトであり、それなりの顧客を呼ぶことは十分可能であるというぐあいに考えております。
 それから、先ほどの東京協和信用組合の資金繰りの件でございますが、これは私どもはっきり申し上げますが、例えば、出資はいたしましたけれども、いわゆる経営陣は一切派遣いたしませんでした。例えば、もしその時点で、我々が理事長を派遣する、そこまでして経営を支配するというもし意味がございましたら、私どもはあんなことはやっておりません。一番最初に考えますのは、まずは事務方を派遣することでございます。
 それから同時に、私は人事担当でございますから、例えば来年の話といえども、私は常に自分で電話して、うちの人間が出向して主要なポストにつくときには電話でそれを常に確認しております。それからまた、これだけの、何と申しますか、そういった理事長等を出すためには、当然、都であるとか都信協あるいは大蔵省等にもある程度根回しをするといったようなことも当然考えられるわけでございまして、そういうことは一切やっておりません。そういう意味で、私どもは経営には参画する意図はなかったのでございます。
 しかしながら、九〇年十一月を境にまさに資金繰りが破綻する。これは、資金繰りが破綻すればその東京協和信用組合はつぶれてしまうわけでございます。これがつぶれましたら、さらにイ・アイ・イそのもののリストラの円滑な進行にも支障を来すといったような意味合いから、私どもは、その資金繰りのウォッチ、資金繰りの把握、並びにいざという場合の資金援助をできるだけやったわけでございます。
○桜井委員 いや、資金援助ばかりでなくて、私が最後に聞いてあなたが答えたとおり、今度、これ以上やってもリストラがうまくいかない、本当にそれで採算がとれるのかどうか、そこまで検討して、そしておたくは撤退を決めたわけですね。そのことだけであとのことは一切、資金繰りだけで、中身のことをタッチしないなんということは通りませんよと、私はこう言っているのですよ。
 だから高橋さんは、すべてのことはおたくの指導でやってきた、こう言っているのですよ、だから、もうちょっとおたくからやってもらいたいと。そのことがいいか悪いかは別だ、これはまた別な話です。
 私は、この国会という場で、あなたが言っていることと、あなたの関係の資料と高橋さんの言っていることを照らし合わせて、どうしても納得できないからこうやって聞いているんですよ。あなたのところはそこまで突っ込んで、いやしくも日本一流の都銀ですよ、おたくは。それがそんなにいいかげんなことをやっているわけはない、私はそう思っているからそのことをしつこく聞くわけですよ。おたくは資金繰りのことだけで、ショートすれば大変だからそうやらせたなんということで済む話ではないんですよ。
 この話はこれぐらいにして、そういうことですから、これはいずれ、どっちかがうそを言っているんでしょうから、私どもの方で、委員長のところでひとつ精査をしていただいて、告発するかしないか、それはそこで協議をさせていただきます。
 さてそれから、私はどうしても不思議でならぬのは、これだけの、どんどんどんどん貸し込みをやってしまって、そして撤退するようになった。高橋さんという人なんか、あなたもプロですから、ちょっとお会いをしたり、ちょっと状況を、中へ入って、田中さんほどの腹心が入っていって調べれば、中身のことはすぐおわかりになったと思うのですよ。なぜこんなに貸し込んだのか。これはやはりうわさされておる――私は、今のこの政権がこのスキームを組んで信用秩序を守るためにこういうことをやらざるを得なくてやったんだ、私どももつらいけれども、そうせざるを得ないと思っております。このことは間違いだと思っておりません。
 しかし、ここまでしなければならないようにやってきたのに、おたくだけでやったんじゃないと思うし、高橋さんも一人で、絶対最後は預金者に損害を与えるようなことはさせません、あるところでそういう証言も得ているんですよ。だからこんな高利な預金も集め、そして本来金融機関がやってはいけない限度額を超える融資も、あれもやりながら、預金者保護という中でうまく逃げ込もうとして高橋さんもこんなことをやっちゃったんだろうと思うんですよ。
 限度額を超える、融資額も、融資率も含んで、限度額を超えることをやってきたんでしょう、高橋さんが。それはあなたも承知ですね、もうこれだけ公開されているんだから。それだけのことをやっている限り、あなたのところだってそれはそれほどまでに預金の世話もできないでしょう。そこで高橋さんは金利でつろうとしてやったんですね。それでこれだけの預金を集めた。預金をする方の側だって、みすみす倒産して取れなくなるようなところにするわけはないのですから。
 そこで、私が漏れ聞くところでは、かなり高橋さんをおどして、こんなことがマスコミにも出た、一体大丈夫なのか、約束守れるのかと。守れる、ある人がこう言った、こういうことまで言っていると、こういうことなんですが、おたくが最初に、一九八六年ごろですか、おつき合いを始めたころ、一億だか貸したのが始まりだったそうだ。
 それから数十億になり数百億になって太っていったんだそうですが、その判断をするときに、窪田さんというイ・アイ・イの高橋さんの友達がいますね、これはもう出回っているからあなたの目にもとまっているんだろうと思うのですが、おたくの行員も何人かおったようであります。あの
人脈。そして、その中には中西啓介さんも山口敏夫さんもいる。しかも山口敏夫さんは、おたくたちの関与した、先ほど三井信託が社長を出向させておるといったファイナンスも入っていますね。それで、おたくもそこに金を貸しています。
 だから、山口敏夫さんグループというのは、これは弟さんだと言ったって、東京都が私に出した資料からいうと、ちゃんとそのことについても、山口グループと、我々の公文書で発表した文書の中に出ておるその人たちは、山口グループと判定した基準は何か、こういうことで私が聞いたら、今までの金融の流れからそう判断をしたと。しかも、その中の資料を見せていただくと、山口敏夫さんがちゃんと保証人になっておるという借り入れもあるわけですから。私でさえこうやって見れるのですから、あなたはとうにそのことは見ておられるだろうと思う。
 そういう政治家や、しかもあの窪田さんグループのつき合いの中には各省のお歴々が全部入っている。これも承知ですね。そういうことが、おたくがつき合いを始めるときに、人物評価、企業評価の中に何ら関係しなかった、全く個人的な、人間的なつき合いだけで判定した、こうだとすれば、これはとても私らは納得できないですよ。最初におつき合いに踏み込み始めたときに、どういう判断でやったのか。
 今ここで、大蔵省の役人や通産省の役人からどういう話があった、あるいは政治家からどんなあっせんがあったなどと私が聞いても、そう簡単にあなたが答えるようには思われないのですが、ここは今言うように証言法に基づいてやっているのですから、ひとつ、しかと腹を据えて聞かせていただきたいと思います。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 確かに私どもの人間を見る目がなかったといったようなことで、非常な反省をいたしております。しかしながら、私ども、当初は、事業構想力もあり、かつ物件の目ききといったような面では非常にすぐれたもののある人であるというような実は評価をしていたわけでございます。これが官界あるいは政界等にいろいろ足がかりを持っておられたということでございますが、まことに不明の至りかもしれませんが、私は全くそのような報告を受けておりませんでございました。
 私どもの例えは担当者がそういった宴席に参りまして、官界の方が若干おられたということは聞きまして、そういうことは恐らく三、四回はどうも、私どもが調査をいたしましたところ、三、四回はあったようでございますが、それはしかし、それ以上のものではないというふうに考えておりまして、私どもは、こういった面での官界、それから特に政界につきましても、私は前からある程度そういった政治家さんとのおつき合いがあるといったようなことは聞いておりましたが、実はこの前の朝日新聞を見まして、それで早速部下を呼びまして、そういった事実があるのかどうか、どうも私どもの関係者はある程度イ・アイ・イの出向者からそういった貸し付けがあるらしいということは聞いておったのでございますが、私が報告を受けました範囲におきましては、そういった山口先生関連への貸し付けその他は、もうそういった会社ができました初めのころから、我々がタッチする前からございまして、その残高がずっと続いているということでございましたので、それはそれで、私は、それはまあ我々としては関連のないことだということで打ち切りましたわけでございます。
○桜井委員 そうすると、最初はあくまでもこれらのことについては全く知らなかったけれども、途中でわかった、こういうことですね。
 恐らく、あなたは言いたくないからそう言っているんでしょうけれども、その途中でわかったというのは、もっと早い時期にわかって、そしてあなたのプロジェクト、あなたも海外通だそうだから、そういったことをやった方がいい、また過剰流動性からいってもそういうことは当然やった方がいいということで、その気もあったんでしょうから、そういう点ではセンスがあるからおつき合いをしようということだったんだろうが、ただセンスだけでなくて、政界もそれから官界もそれなりのサポーターがいる、そういうことも恐らく、今あなたのお話を聞いていると、判断基準の中に全くなかったとは言えないんじゃないんだろうかなという気がするんですがね。
 まあ、それはそうとしてですが、今度は小さなことですけれども、虎ノ門インテリジェントビルというのがありましたね。これもマスコミに載りましたが、これはあの当時、実際に幾らお貸しをしたのか。おたくが中心になって何行がで共同融資をしたようでありますが、これは幾ら融資をしたんですか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 まことにどうも記憶が定かでなくて申しわけないんでございますが、虎ノ門ビルにつきましては、うちは相当与信が多かったようには聞いておりますが、具体的に幾らであったのか、記憶はございません。
○桜井委員 調べますと、六百三十億だか抵当権がついているんですね。恐らく抵当権がそれだけついているということはそのとおりなんだろうと思うんですが、これは、時価から判定してみても、建築費から判定してみても、およそ半額ぐらいなんですね。三百億ちょっとあればあの土地を買って建物ができる。当時の評価額を見てみますとそういうことが言えると思うんですが、それをかなりオーバーして貸した。そして、その物件が売れるということであったんだろうと思うんですが、これはかなりの追い貸しをしておったんですが、この物件はその後、売れたのか売れないのか、今所有者はどこになったのか、ちょっとわかったら教えてください。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 先ほど先生のおっしゃいました六百三十億、これは、第一次と第二次のモーゲージにといいますか、担保に分かれておりまして、その第二次の担保の方は、その後第一次リストラを通じまして支援をいたしました追加資金の追加担保ということでたしかついたものだと思います。したがいまして、第一次担保、これが大体五百億弱だったんだろうと思うんでございます。
 それで、これの売却は、その当時の鑑定人の査定によりましてたしか三百八十億であったと思うんでございますが、これを四百億で売却をいたしました。建造費は約五百億近くかかっていたのではないかと思いますが、当時の不動産の値下がり状況その他客観的情勢から、この値段であればまずまずの価格であったということが言えるかと存じます。
○桜井委員 時間になったからこれで終わりにさせていただきますが、これもおたくの系列の、これ謄本も後でとってみましたが、買い取ったところはほかの企業じゃなくて、おたくの系列の企業だったんじゃないんですか。
○堀江証人 申し上げます。
 ちょっと会社の名前は忘れましたが、たしか私どもの関連会社であったと思います。
○桜井委員 結局追い貸しをした上に、これまた売れないで、恐らくその金だって入らないんでしょうが、またこれをさらに売って、その上にまた追い貸しをするような結果になっているんじゃないだろうか。そこまで面倒見たのに、私は、この撤退の仕方がどうもただごとでない、このことだけは最後に申し上げて、あなたの答弁も聞かないで悪いけれども、大変大きな疑問が残る。
 政治家とも、そして役人たちとも、官僚たちとも十分いろんな関係があったにもかかわらず、そういうことがあったからこそここまでのつき合いをした、そのことについて全くあなたから正直な話が聞けなかったことは極めて残念だ、こう申し上げて終わりにさせていただきます。
○佐藤委員長 これにて桜井君の発言は終わりました。
 次に、加藤六月君。
○加藤(六)委員 新進党の加藤六月でございます。
 堀江証人、きのう、きょうと引き続き、まこと
に御苦労さまでございます。お互い、引き続くというのはいろいろ、連日というのは考えたんでございますが、こういう経過になっておるわけでございます。我が党は、かねがね、今回の共同銀行設立に関して、いつ、どこで、だれが、どういう基準でこのスキームをつくったかということをはっきりさせなくちゃいけない。それはある面で申し上げますと、これからさらなる金融危機管理システムをいかに築き上げていくか、これはこれから金融界は自由化、金利の自由化だけでなく、さらなる大きな規制緩和をやり、自由化し、国際競争力も持っていくようにしなくちゃならぬという立場からこうやろうということをかねがね主張しておったのでございますが、今回のこの事件においてもそこら辺を中心にいろいろやらしていただいておるわけでございます。
 そこで、お伺いしますが、堀江さんは三月十六日、これは参議院予算委員会で参考人としていろいろお話をされております。そして、昨日の三月二十九日には同じく参議院で今度は証人として発言をもろもろされております。そして、本日は我がこの衆議院予算委員会で今のようなことになっておられるわけでございますが、一つ聞いておきたいのは、三月九日に高橋証人に対して私が相当長時間御質問申し上げましたが、あれをお読みになるかお聞きになっておられるかどうか、まず一番にこれを承っておきたいと思います。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 一応、概略全部読ませていただきました。まだ一部記憶していないところもあるかもしれませんが、大体全部覚えているつもりでございます。
○加藤(六)委員 私もあの質問をしたときにいろいろあちこちから投書や意見や電話が次々参ってきたんですが、そのことを簡単にまとめますと、今回のいろいろの事件の主犯は高橋だ、共犯は長銀だという意見があちこちから相当来たということをこれは申し上げておきます、お答えは要りませんが。
 そこで、私もこれからこの質問をするについて基本的なことをお聞きしておきます。
 証人が、衆議院あるいは参議院において同行とか主力五行とか、そういう言葉を次々発しておられます。その今回の問題に関する主力五行とは、長銀、日債銀、三井信託、三菱信託、住友信託、後から一括してお答えを願います、でありますかどうか。
 それから、十五億の出資を協和にされております。その出資会社は、第一ファイナンス、長ビル、広島長和、ジャリック、青葉エステート、ライフビジネス、第一キャピタル、これであって、三億、三億、二億、二億、二億、二億、一億と、申し上げた順番になって、十五億というのが間違いないかどうか。
 それから、これも我が委員会がたびたび東京都その他に要求した、いわゆる預金者リストとかいろいろな問題があるんですが、その中でいろいろ言われておる長銀系ノンバンク、ディエフコーポレーション、ジャリック、長栄、第一ファイナンス、こういうものであるか。
 そして、きょう長銀からいただきました、この委員会での資料の中に出てきておりますランディックとNED、二社の名前、これは長銀というよりか、解説的に出てきておりましたが、こういうものであるかどうか。
 以上、主力五行、出資会社、長銀系ノンバンク、これらについて、私がこれから質問を展開していく場合に必要になってきますのですが、確認をさせていただくところでございます。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 先ほどおっしゃいました五行の銀行名、これはまさにおっしゃるとおりでございます。
 それから、その十五億の出資の先七社、こういうものにつきましても、大体おっしゃったとおりでございます。
 それから、預金リストの中に、今お挙げになりましたその名前のほかに、例えば日本ランディック等も、お話がございました日本ランディック等ございまして、大体御指摘のとおりでございます。
○加藤(六)委員 あなたは、まあどういいますか、平成元年六月に頭取におなりになった。そのときには、長銀関係者もそれから多くの内外の人も大変御祝福申し上げた。それは、長銀一期生というか生え抜きの頭取ができた、このあなたを中心にして我が長銀を、単に日本国内でなくして、世界に信頼され、世界に利用されるひとつ長銀にしていこうと皆さん一致結束して燃え上がったということも聞いておるんです。
 そして、そのときの就任時における抱負というものを対談や懇談やいろいろに漏らされております。そのときに、中小企業や個人取引分野にも新たに展開したいといった抱負や、あるいはそこら辺を中心に海外という問題もお触れになっているようでありますが、そういう就任当時抱負を述べられた御記憶がありますか。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 たしかございましたと記憶をいたしております。
○加藤(六)委員 それで今度は、三月十六日に参議院の予算委員会でいろいろなことを申されております。昨日おっしゃったこともあるんでございますが、その中で、私たちが読まさせていただきまして、証人が、ここにあのときの参議院のなにがございますんですが、例えば斎藤委員の質問で、「特に九三年の五月におきまして、私どもは東京都の検査の結果をちょうだいいたしました。その結果、その当時の」云々ということからいろいろあるんでございますが、これは、これから私が二回にわたって質問する場合に出てくる、九三年五月の東京都の検査結果をちょうだいいたしましたということ、これはもう間違いございませんか。これは参考人のときに言われたんでありますが、今日も変わっておりませんか。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 正確に申しますと、イ・アイ・イにおりました高橋さんを通じまして私どものイ・アイ・イ出向者がその話を聞き、その報告を受けたということでございます。
○加藤(六)委員 そして、きのうもきょうもそれから三月十六日にもおっしゃった証人のお言葉の中に、西山荘カントリー倶楽部の件に絡んで、私どもが協和に紹介したものでございます、紹介案件はこの一件だけでございましたというように十六日も昨日も、きょうもここで今おっしゃったわけでございますが、私が今先に尋ねた、九三年五月におきまして東京都の検査の結果をちょうだいいたしましたということをおっしゃいましたが、あの検査の結果を見て何か感ずることはありませんでしたか、長期信用銀行としてです。あったですか、なかったですか。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 その検査結果を聞きましたときの私どもの感じを率直に申し上げますと、あの検査はたしか、九二年の八月時点の検査結果が九三年の五月に提示をされたものでございます。その前に、九二年の四月以降私は、第二次リストラを私どもは実行いたしておりまして、第二次リストラ以降は一切の利払いをとめておりました。したがいまして、この東京協和信用組合には、大分減ってはまいりましたけれども、若干イ・アイ・イに対する貸し付けが残っておりましたので、その利払いがとまりますから、その影響は出てくるであろうということを予期いたしましたところ、大体その検査結果は一七・六%……
○加藤(六)委員 これは、私がこれから後に……。
 この西山荘カントリー倶楽部の問題について、三月九日に高橋証人は私の質問に対していろいろ答えて、「その管理を全部長銀がやっておりました。今でも長銀が管理していると思います。」というものがあるのですね。
 それから証人は、三月十六日ときのうときょう、紹介したのはこれだけだと言うのですが、高橋証人が言っておるこの西山荘カントリー倶楽部の管理は、今長銀がやっておるのですか、どこが
やっておると思いますか。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 私の記憶に間違いがないとするならば、担保の管理は長銀が依頼をされて引き受けている。これは先ほど申し上げましたように、三行の協調融資でございまして、したがって、その担保管理を引き受けてくれということで、これはまさにそういった預かりの契約でお預かりをしている。ところが、事務の手続につきましては、これは恐らく八千代リースさん、この幹事がやっておられるんだろうと推測をいたしております。
○加藤(六)委員 実は、私が申し上げたいのは、今証人は担保を管理、こういう表現をされましたが、東京都はこれに対して法令違反だと。今頭取がおっしゃいました五年五月云々というときのこの中に、ちゃんと書類をちょうだいした、こう言う。これは法令違反だ、大口信用集中の模範的なものだ、速やかに解消を図り、業務運営の改善を図ってくれとちゃんと言っておるわけでございます。長銀は、五年五月の東京都の検査、それをちょうだいした、こう言われる。
 そうすると、その法令違反が、我が方が担保管理をしておるこの倶楽部は、法令違反の大口集中の分のこうこうなんだなということは認識されたんですか、勉強されたんですか、そのままほおかぶりされたんですか、どうなんでしょうか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 私どもが調査を命じまして聞きましたところでは、ともかく御紹介は申し上げた、しかし、それを三行に協調融資で分けておられるので、これがいわゆる大口違反になっているのかどうか、そこまでは調べなかったというふうに聞いております。
○加藤(六)委員 証人、東京都の書類をちょうだいした、書類はいただいただけであって、中をごらんにならぬのですか、長銀は。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 私自身がそれを見たことはございませんが、恐らく担当が聞きましたのは、ということは、要するに高橋さんからイ・アイ・イの出向者を通じて聞いたわけでございますから、恐らくそういった不稼働資産のパーセンテージであるとか、そういうものは聞いたかもしれませんが、そういった例えば違反に対する指示といったようなものは受けていたのかどうかちょっと私ははっきりいたしません。
○加藤(六)委員 我が委員会に東京都が出してきた資料には、ちゃんと書いてあるのです、法令違反ということで。そして、それは、今も証人自身もおっしゃいましたが、証人は、担保管理をやっておる。担保管理ですから、やっておるのなら、平成六年度の東京都の監査報告にも平成五年度の分にもちゃんと、これはだめでこうなっておりますとはっきり書いてある。それを天下の長銀がほおかぶりしておったのか。法令違反だけれどもまあほっとくというのは、いろいろ議論があります、議論はありますが、イ・アイ・イ社あるいは協和に対する長銀の関与の問題の一端になるんではないかと思いますが、まあそういうことは頭取としたら余り細かいことで知らぬとおっしゃるかどうかと思っておったんですが……。
 ついでに聞いておきますが、きょう長銀が出していただいた資料の中に美野里ゴルフクラブというのが書いてありますが、これ、証人はお行きになったか、あるいは美野里ゴルフクラブというのをお聞きになったことありますか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 私は全くございません。
○加藤(六)委員 美野里ゴルフクラブについての、私のところに長銀関係者の何やかんやの投書というか報告が来ておりますが、それは後から出てくる、私は次にお聞かせしたいと思っておる例の長銀駐留軍問題と同じ以上の姿勢と態度がこの美野里ゴルフクラブにもあるという中身が来ておりますんですが、ゴルフ関係はこの程度にしておきたいと思います。
 そうして、これは昨日も、あるいはきょうもいろいろ議論になりましたが、証人にお聞きしたいのは、この資料があるということはもう証人はきのうの参議院の予算委員会でもきょうの我が委員会でも認めておられるわけですね。おられるし、それなら、これ質問するのがいろいろ私も楽になってくるんでございますけれども、この質問に入る前にもう一つ別の立場からお聞きしておきたい、こう思う問題があります。
 それは、先ほどちょっと申し上げましたが、出資のことでございまして、十五億の出資をし合うようにされた、頭取の三月十六日における答弁あるいはおたくの銀行のいろいろな人があちこちで話をされておる中身、若干違いや何やかんやはあるんでございますが、これは長銀として指示したんですかしなかったんですか。七社に対して、東京協和にこういう割合で出資しろと長銀は指示したんですかしなかったんですか。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 指示はいたしませんでしたけれども、こういった案件があるのでということで紹介はいたしました。
○加藤(六)委員 紹介ですか、紹介というのはどういう紹介ですか。
○堀江証人 一つは、高橋さんから自己資本充実の要請がございまして、長銀としては賛成なんだけれども、一応そういった立場で紹介するということで紹介したわけでございます。
○加藤(六)委員 これが、高橋さんからは、出資金を倍にすれば限度額の枠が緩くなる、協力してほしいという話があったということをおたくの責任ある、代表権を持っておる人が現におっしゃったんですよ、そこでいろいろしたと。
 そこで、私は、まあ指示ではないと言われると証拠を出すことはできませんから。しかしこの十五億の出資をすることによって違反融資率が、これは東京都のなにですよ、違反融資率が八〇%から六二%に一八%圧縮する効果を発揮したと、こうなるのですね。そうすると、違法自己貸しあるいは違反融資率というものに、言いようによっては長銀は力をかしたのではないか。それがある面では高橋さんと長銀が共犯という言葉にもなってきたのではないかと思うのですが、十五億の出資が今申し上げました違反融資率の圧縮には効果を発揮したのは、これは間違いないわけですね。間違いないのですが、それが結局、結果的に違法自己貸しあるいは違反融資率というので乱脈経営につながる、その一端を長銀が担いだ、こうお考えになりますか、なりませんか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 結果といたしましては、担いだことになるかもしれません。
 ただ、ここでもし御説明させていただけるならば、ちょっとお時間をいただいてよろしゅうございましょうか。(加藤(六)委員「ちょっと時間がないから、簡単にならどうぞ」と呼ぶ)実は、私どものイ・アイ・イの案件、これはいろいろ仕分けをいたしました。そういうものに対する融資が東京協和信用組合からも幾分あったということはよろしいのでございますが、この協和信用組合の、もともとつぶれそうになった信用組合をある程度高橋さんが非常に興しまして、都からもそれを評価されたという段階で、そこにはイ・アイ・イだけではなくて、高橋個人、知人、友人のわけのわからぬ融資がいっぱいあったわけでございます。それにつきまして私どもはたびたび忠告をいたしましたし、それを整理するようにという誓約書も彼からとりまして、そういったものは全部自分で処理するということになっていたのでございますが、それが結局、この私どもが打ち切りをいたしましたその三次に、三次の段階、第一次、第二次、第三次の段階で乱脈融資につながってきたのだというふうに私どもは考えております。
 余計なことを申し上げまして恐縮でございました。
○加藤(六)委員 いや、それは余計なことではございませんので、昨日、参議院の委員会でそのことをおっしゃったので、私もお聞きしておきたいなと。
 それは証人が、問題は高橋氏が友人、知人関係
で行っている融資が前からあって、高橋氏が個人でやったものだから自分で資金を調達するよう誓約書を書けと言った、こうおっしゃったのですが、これはイ・アイ・イの関係でのものですか、協和信用組合の関係のもので誓約書を書けとおっしゃったのでしょうか、どちらなんでしょうか。それを私は実はお聞きしておきたい、こう思っておったわけです。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 これはイ・アイ・イの関連でのとりました誓約書でございます。
○加藤(六)委員 わかりました。
 今の御説明は御説明として承っておきます。
 そこで、先ほどの十五億の出資にまた返るのですが、あなたは三月十六日のときには、この出資については協同組合法等の立場に立ってという表現をされておりますね。私らから見ると、十五億の出資をするときに実に巧妙に法に触れないようにやったなというように実はとったわけでございまして、こういう知恵はまさか頭取が出されたはずはない。だれが出したのだろうか、悪知恵ですよ、こう考えたのですが、頭取がこういうやり方、参議院で三月十六日におっしゃっておるのですが、指示はまあしないのだけれども、ヒントをお与えになった。どなたが与えたのでしょうか。
○堀江証人 記憶にございません。
○加藤(六)委員 この十五億の出資というのが一つの、今回あなたを、きのう、きょう証人喚問した一つの基本になっておるんですよ。それは協和あるいは安全を長銀の管理下に置いたか置かないかです。その最大の理由としては、いろいろ先ほどから述べておりますが、少なくとも協和に関しては半分の出資を持ったんだ、そして七社で、一番から六番までトップは今申し上げた七社のうちの六社が占めて、そして第一キャピタルは大分下の方になるが、やっておるということで、これに対してのおたくの、頭取を初めほかの常務方の発言もばらばらである。いろいろ言い方が違っておるんですが、要は十五億の出資という厳然たる事実に対して、管理下であるかないかという一つの大きな問題になる。
 そこで、あなたは参議院の参考人のときには、協同組合法等の立場を踏まえてという、一口でお受けになったら法律違反ですから、実に巧妙に分けておられる。そのことを覚えてないとおっしゃるのでは大変残念に思うわけでございますが、覚えておられないのならまた別のときにお願いして何かしないといけないと思います。
 次に、私も余り時間がないのですが、冒頭申し上げました、いつ、どこで、だれが、どういう基準で今回の共同銀行スキームを決定したかということを後々のためにはっきりしておかなきゃならぬ、こう申しておるんですが、あなたが一番最初にこの問題を、先ほども御答弁されておりましたが、一番最初にこの話を聞かれたのは、いつ、だれからお聞きになりました。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 繰り返しになりますが、昨年の十二月の六日に、西村銀行局長と小島理事からお聞きをいたしました。
○加藤(六)委員 後々から出てきて、日銀の今度は想定問答集、日銀がつくっておる、これは十二月五日に機構局がつくっておる。この局長は証人としてお呼びするようになっておりますから、それはまたそのときに承らねばいけないのですが、その中に、事前に長銀と想定問答集の中、資料の中で打ち合わせをした節があるのです。しかし、あなたはそれについてはまるっきり知らなんだとお考えですね。
○堀江証人 全く知りませんでした。
○加藤(六)委員 そこで、私たちはきのう、きょうの証人のいろいろな答弁をお聞きしておりまして、一つ私が念を押しておきたいことがある。
 それは、私たちは税の問題というのは非常に敏感なんです。大変厳しく、そして真剣に取っ組んでおる。今回の阪神大震災の問題にしましても、この二十四日の朝、閣議決定されて出して、大変な努力をしておるのですが、その中で問題になったのは、例えば法人税において、過去に納付しておるものを一年返すか、二年返すか、三年返すか、これだけでも大議論を各党の中でやったのですよ。ところが今回は、バブルの崩壊で長い長い不景気が続いたというので、自民党内閣時代に平成四年八月二十八日の総合経済対策の場において、金融機関の不良資産の迅速かつ的確な処理が図られるよう、税務上の取り扱いについて実態に即したようにやらなくちゃならぬというので、御存じと思いますが、国税庁長官通達を平成四年九月十八日に出しておるのです。これは、これの適用をうまくできるようにしてあげようとして出したのですよ、その中身はいろいろありますが。
 あなたが、和議を提出した。これが二十分であった、三十分であった。あるいは、第一リストラをやった、第二リストラをやった。そして、そのとき、第一リストラの計画を立てる段階において日銀、大蔵省に相談いたしております、第二次のときにも日銀、大蔵省に相談いたしております。
 そして、あなた方が打ってきたいろいろの手というものを見ますと、貸し倒れが生じた場合の貸し倒れ損失の損金算入についての法人税法の基本通達、これで交際費、広告費に認められると、法人税の実効税率は五一%ですから、あなたのところは、あの打ち切りの前後に決定した千九百十億のうちの九百五十億円、これが認められなかったら九百五十億円はそのまま。約五一%だから四百八十億円ぐらい税金を払わなくちゃならなくなる。それを、税金を払わなくする、無税の償却をやってもらう、これをするために、あなた方がきのう、きょう説明しておる、和議をいたしました、こうしました、ああしましたというのが私には非常によくわかってきてしょうがない。
 法人税法の基本通達の中の和議法の規定あるいは回収不能の貸し金等の貸し倒れといういろいろな問題は、あなた方が第一次リストラ、第二次リストラをやっていく過程というのを見ると、全くこれの方で貸倒準備金をつくって非課税で処置しようというためのイ・アイ・イに対する処置の仕方としか私には映らない。
 そこら辺について何か、あなたは担当の常務から、こういう方法、こういう方法でいけばバブルの崩壊した後の後始末として我が長銀はうまく乗り切れますというような説明をお聞きになったことがありますか、ありませんか。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 その税金等につきまして、それがいわゆる打ち切り対策に結びついているといったような報告は私は受けておりません。私は、あくまでもこのたびの、このたびと申しますか九三年七月の打ち切りは、やはり基本的な計画、それから完成度その他から見たやむを得ない当然の帰結の結論であったというぐあいに思っております。
○加藤(六)委員 継続するか打ち切るかといういろいろな問題等も、税は厳しいのです。厳しいから、そこら辺のものを厳重にやったのです。あなたが参議院の予算委員会のお答えに、人がイ・アイ・イにおろうがおるまいが効くときには効くんでございますという答弁をしておるというのは、実はこの制度を知っておる者でないと答弁できないのですよ。だから、あの、あなたが参議院の参考人として答弁されたものは、部下が書いたのをそのままお読みになったのか、あなたが勉強しておって言われたのか、私は今そのためにお聞きしたのですが、今のようなお答えであるとするならば、これも今後課題を残す問題である。
 私も、もう余り時間がなくて同僚に後を譲りたい、こう思いますが、冒頭申し上げましたように、本当にきのう、きょうでまことに御苦労だと思います。そしてまた、あなたをトップとする三千八百名余の行員の皆さんが胸を痛めておられるだろう、あるいは関係者の多くの皆さんがどうしたことだと心配されておるだろうと思うのです。私は、そういう意味で、どうぞ頭取がすぱっすぱっとはっきり、過去のことにこだわらずに強くおっしゃっていただいて、我々の解明せんとして
おる問題に御協力をいただくということが一番いいのじゃないか、そうも思うのでございます。きょうは私の質問はこの程度にさせていただきますが、どうぞ関係者の皆さんが安心するように、ひとつ今後大いに頑張ってやっていただくことを祈念しまして、同僚の山田委員に譲ります。
 ありがとうございました。
○佐藤委員長 この際、山田宏君から関連発言の申し出があります。加藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山田宏君。
○山田(宏)委員 何点か関連して御質問をさせていただきます。
 管理下にあったかどうかという問題について高橋前理事長と頭取の御発言が食い違っているというような報道がございますけれども、もう少しこの問題についてお聞きをしておきたいと思います。
 まず、高橋前理事長のお話だと、日計表や回収実績表、日計表は毎日、回収実績表は月末にちゃんと日暮顧問のチェックを受けていた、報告をしていた、こういうお話でしたけれども、これは事実ですか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 ここに使われております日計表という表現は私は間違いであると思いますが、要するに中身は、要するに毎日の資金繰り表であるというふうに考えておりました。それは、イ・アイ・イの中におきまして日暮から高橋さんに報告されますと同時に、財務部に報告されたものでございます。
○山田(宏)委員 さらに、きのう高橋証人は、主要役員協議には何度も顧問の参加をお願いしたし、されていた、こういう御発言でございましたし、三月十六日の参考人としての頭取のお話は、一切そういう会議には出ていないということですが、これはどちらが正しいのでしょうか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 昨日そういう話を聞きましたので、私は日暮を呼びまして、本当にそのいわゆる役員協議会と申しますか、そういったものに出席していたのかということを質問したわけでございますが、答えは、もちろん理事会には出席いたしておりませんし、それからその主要役員協議会というのも、要するに、高橋さんは当時富国生命ビルに事務所を持っておりまして、たびたび東京協和信組の方に来られたわけでございますが、そのときの昼飯台、要するに昼食をとりながら二、三の常務理事その他と雑談をした、あるいは仕事の話も若干入っていたかもしれませんが、しかしそれは決定機関では全くなかったというような話でございました。
○山田(宏)委員 雑談をしたということですが、この高橋証人のお話は、主要役員協議会ですか、高橋さん、理事長と、それから二人の常務理事、そして顧問と、ちゃんとこうメンバーを指定して、何度も協議を行ったと。そういうインフォーマルな印象を全く受けないわけですけれども、頭取は、これはあくまでもインフォーマルな、食事を通じての雑談にかかわるたぐいの会議であった、こういうことでしょうか。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 私は、その話の内容がどういうものであったのか、これにつきましてははっきり存じません。あるいは若干は仕事の話があったのかもしれません。しかし、食事のときにそのような話が本当に真剣に行われるものかどうか、ましてやそこにそういったものを、機関を置くという規定もなければ、また決定の機関でもなく、またその議事録もないといったようなものが果たして本当に役員協議会と言えるのかどうか私は疑問でございます。
○山田(宏)委員 長銀の管理下にあったかどうかまたは経営に実質上参与していたかどうかということが一つの問題になっているわけですけれども、一般論として、こういう顧問という形で長銀から派遣された場合、その顧問の期待されている役割、仕事というのはどういうことなんでしょうか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 実際問題といたしまして、十月に参りましたけれども、十一月から資金繰りが非常に繁忙化したわけでございます。したがいまして、十月はちょっとこう組合法その他を勉強していたというようなこともあったようでございますが、同時に彼がやりました仕事の一つは、システム関係と申しますか、例えば定期預金の期日落ちであるとかそういった電算機のプログラム、そういったものについて助言を与えて、いわゆる教育あるいは経営への参加というのはほとんどそのシステムの問題だけであったというふうに私は聞いております。
○山田(宏)委員 日計表とか――日計表という言葉じゃなくて、いろいろな貸し出しの増減みたいなものなんでしょうかね、それとか、月末の回収実績表などを提出をしていた、見せていた。それが長銀の方へ報告に上がるわけですけれども、その内容を顧問がごらんになって、もし、例えば預金がふえないだとか貸し出しが急にふえているとか、不良な貸し出しというのか、ちょっとおかしいんじゃないかというものを見つけた場合は、やはりこの顧問という仕事柄、何らかのコメントとかアドバイスとかを経営者にされるわけですよね。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 先ほどの、いわゆる貸し付けの増減その他おかしいんじゃないか、あるいは案件自体がおかしいんじゃないかといったようなウォッチを具体的にどの程度やっていたかというお話でございますが、実際問題、特に九〇年の十一月以降、九一年八月ぐらいになりまして資金繰りがようやく安定したわけでございますが、その間はむしろ大口定期の期日到来による資金の流出というのが中心でございまして、貸し出し等については余り実際問題行われなかった、起こらなかったようなんでございます。したがいまして、専ら見ていたのは大口定期の期日落ちというようなことでございました。
 ただ問題は、彼のいたしておりました仕事は、結局、例えばきょうは貸し出しが二本、例えば二十億あるよ、それから大口定期が三十億落ちるよ、そうすると、合わせて五十億の資金は出して本当に穴があかないかね、逆に言えば、そのほかの定期預金でカバーされているのかねという、資金繰りに穴があくのかあかないのか、そこを見ていたわけでございます。
○山田(宏)委員 そこだけ見ていてもいろいろと、それを例えば見つけた場合は関連してくると思うのですね、そのほかの数字に、その内容について。ですから、もし、仮定で申しわけないのですが、顧問という仕事柄を少し明らかにしておきたいと思うのですが、そういった場合には何らかのやはりアドバイスや助言はされるわけでしょう。ただ見て、ああそうですか、わかりました、じゃ報告します、こういうのじゃ全く顧問の役割を果たしてないと思うのですが、いかがですか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 もちろん、ただそういった穴があくのかどうかだけ見ていたわけじゃございませんで、特に毎月末、取引先別の貸出残高の実績表というのは手に入るわけなんでございます。そうすると、例えば安全信用組合、こんな変な取引先がこれだけふえているじゃないか、これは一体どうなんだといって安全信用組合に聞きましたらば、答えをしてくれないんでございます。中身はよくわからないんでございます。
 それに対しまして、協和信用組合の方は、特に初めのうちは、場合によっては資料を見せてくれたりいたしまして、それはこういう貸し付けですよといったような何か説明もあったそうでございますが、それもそのうちになくなってしまった。したがいまして、聞いてもわからぬという状態、しかもそれは全部事後に実績として教えられるという状態であったように私は聞いております。
○山田(宏)委員 御答弁の方をちょっと短くお願いしたいんですが、要するに、向こうがどういう
報告をしたかというんじゃなくて、何かそういうものを見つけた場合、顧問という職員上、アドバイスとか助言とかは普通はあり得る話ですよね。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 それは日暮君の担当だけではございませんで、副社長をいたしておりました田中からも、そういった、特に高橋さん個人関連の仕事は、仕事と申しますか、プロジェクトは、あるいは事業はできるだけ抑制してくれよという、その抑制のアドバイスはさんざっぱらいたしました。
○山田(宏)委員 つまり、一番背景に長銀という本国を持った人が顧問に来て、そしていろんな報告をして、ただそれを見ているだけじゃなくて、ちょっとおかしいなと思えば当然、当然のことだと思うんです、これは。常識だと思うんですが、顧問の人というのはやっぱり助言やアドバイスをされるわけです。しかし、その助言やアドバイスというのが、その銀行から派遣されている顧問を受けている側から見れば一体どういう意味があるかというと、通常はやはり大変な重大な言葉である、全くそれを無視してどんどん突っ走るということは普通は考えにくい、こう思うんですけれども、通常、やっぱりそういう顧問の言葉というのは、そういう経営者にとっては重大な影響があるんじゃないですか。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 そこら辺になりますと、ちょっと私はその関係が、人間関係がどうなっておりましたのかちょっとはっきりしないんでございますが、恐らく、高橋さんは一切そういうものは聞き入れなかったのじゃないかというぐあいに思っております。
○山田(宏)委員 聞き入れたか聞き入れないかではなくて、長銀と協和信用組合との関係にかかわる話としてこれはあるわけで、顧問の発言というのは、やっぱりかなり重大な、経営者に意味を持たせるものだと思うわけです。そういった意味では、全く協和の経営に、顧問という形ではあったとしても、経営に関与してないとは言い切れないのではないか、こう思うのですが、どうですか。
○堀江証人 私は、経営に関与していないと思います。と申しますのは、その日暮君が東京協和信用組合に参りましたのは、九〇年の十月でございます。かつ、九一年の二月には、むしろ引き揚げまして、イ・アイ・イの関連事業部長に転籍をいたしているわけでございます。しかも、その間、その資金繰りの繁忙ということで、資金繰りを見るのが精いっぱいであった。もちろん、最初の十月一月ぐらいは、多少の勉強期間ということでそういうことはあったかもしれませんが、彼は、そのいわゆる、理事長にいろいろ経営その他についてアドバイスするような時間もなければ、またそれだけの知識の蓄積も、行って勉強する時間もなかった、かつ、目の前の資金繰りが非常に忙しいということだろうと思います。
○山田(宏)委員 先ほど三重野前総裁の例証言の中で、長銀が今回のスキームの中でかなりの負担を、かなりというのか、それはいろいろ見方があると思いますけれども、負担をされる、そういう原因の一つとして、信用組合への人材の派遣、短い期間であったとしても人材の派遣があったということが、やはり今回の長銀の責任の一端がある、こういうふうに言われているわけですね。ですからやっぱり、今のお話で、ただ見ているだけとか、何かそういうことをアドバイスするにもそんな時間がなかったとか、外見的にはそういうことは通じないんじゃないか、こう思いますけれども、いかがですか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 今回のスキームにつきましては、結局、バブルでいろいろ傷んでおります日本の金融システム、そういったものに一歩踏み込んだ御当局の態度であったというぐあいに考えておりまして、もちろん通常分につきましては、私どもはできるだけの前向きの御協力をするつもりでおりますが、やはりしかし、我々のそれを超えた、要するに長銀のメーンバンクとしての、あるいは場合によっては、そういう人を派遣したそのことだけをとってみても何らかの関係があったんじゃないか、やはりそれなりの責任は長銀にはあるというふうに考えられたんだろうと。それを過去の実績その他からいろいろ御勘案になって出てきましたのが二百七十億の、別途の収益支援であるというぐあいに私どもは思っておりまして、私どもといたしましても、それなりの責任はやはり十分背負うべきであるというぐあいに考えております。
○山田(宏)委員 証人、御協力ありがとうございます。
 以上で質問を終わります。
○佐藤委員長 これにて加藤君、山田君の発言は終わりました。
 次に、正森成二君。
○正森委員 日本共産党の正森でございます。
 堀江証人に伺わせていただきます。
 きょうあなたがお見えになったのは、東京協和の理事長だった高橋証人との証言に相当食い違いがあるということも喚問の大きな理由だったと思います。その中で、東京協和の経営に、今管理という言葉が出ましたが、あるいは参画したかしなかったかということが大きな違いだと言われているんですけれども、私は、きのう、きょうの証言を聞きまして、それは必ずしもそう重大な違いがあるんだろうかという気もいたします。
 例えば、きのうの証人尋問で、長銀が九一年一月七日に内部文書を出しておりますね。それはつくったということをお認めになりまして、「派遣員の正式派遣の前に内部で作った資料だ。準備委員会のメモで「実質支配を目的とする」と書いてある。金融団を代表して積極的に関与するという意図で、事実そうだ。」新聞の要約で、速記録ではございませんが。
 問い自体は、こう聞いていると書かれているんですね。「長銀は九一年一月七日に「顧問団を設置して、その仕組みに東京協和、安全両信組を入れて管理下におさめる」という資料を作ったか。」こういう問いに対して今のような答えをされているんですね。
 事実、私どもも独自に入手した資料を見ますと、LTCB駐留軍とかいろいろありますが、一々時間の関係で省略しますけれども、その中で、田中さんと平間さんの下に赤井次長と杉田課長、これは長銀のときの役職の名前でしょうが、その二人がグループの経理、財務を担当するということで、その中に、ゼネラルリース、シーコム、協和信組、安全信組、その他重要子会社というのが入っているんですね。そして中身を見ますと、ファイナンス部門の内容チェックで、ゼネラルリース、シーコム、協和、安全の貸付債権内容と書いてある。つまり、あなたが前に参考人のときなんかに言われましたですね、数字の動きを見るだけだというんじゃなしに、内容をまさにチェックしなきゃならぬということになっているんですね。
 ですから、言葉はいろいろ言い方があるでしょうが、関与するということについては実際上なさったんじゃないでしょうか。それから高橋氏も、初めは管理、管理という言葉を使っていましたが、きのうの証言によると、関与されたということは間違いないということで、関与という言葉を使っているんですね。
 そうすると、両者は著しく接近してきたというように言えると思うんですが、ここは参考人でなしに証人としておいでになっているんですから、よくお考えになった上であなたの御見解を述べてください。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 冒頭に私申し上げましたのでございますが、顧問を東京協和信組に派遣をいたしましたのは、やはり東京協和信組からイ・アイ・イに資金が流れているわけでございます。その内容が一体どうなっておるのか、場合によってはそこから非常に大きな資金が出ているのか。もちろん、これはこちらのサイドの借入金残高表を見ればわかるのですが、逆に言えば、それが正確であるのかどうかもはっきりしない。
 そういう意味での貸し出し内容のチェックということでございまして、もちろん、先ほど申し上げましたように、毎月取引先別の貸出残高表が手に入りましたので、それにつきましても、おかしな増減があれば、おかしいじゃないかこれは一体何なんだということで安全信用組合あるいは東京信用組合に聞いたわけでございます。その答えが十分得られなかったということを言っているわけでございます。
○正森委員 十分得られなかったと言われますが、私どもが独自に入手した資金繰り表を見ますと、これですが、日暮さんのサインがありまして、これには「大口定期預金」、それから「貸出金関係」、それから「手元流動性残」、こうなっているだけでなしに、注意深く見ますと、「貸出金関係」の「回収」のところに「カンフル」ということが書いてあるのですね。最後の方には「実質カンフル五十億?」とか「実質カンフル二十七億七千二百万?プラス二十五億」とか。
 これは、資金繰りの中でカンフルしなければ手元流動性残が残らない、だからカンフルしなければならないということを言っているわけで、当然のことながら、カンフルし得るのはこの段階では長銀しかないわけなんで、長銀以外にだれがカンフルしてくれますか、協和とか安全に。これは両方ですよ。協和も安全も全く同じ図・式ですよ。だから、関与していたのは間違いないんじゃないですか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 そういったカンフルが必要なとき、要するに資金ショートになりましたときには、私どもはまず高橋さんを督励いたしまして、ともかく大口定期預金とってこいというふうに申し上げたわけでございまして、それからその次に来ますのは、イ・アイ・イ・グループが結局、東京協和その他から借りまして、それがその資金を圧迫しているので、これはできるだけ正常な資金ルートに戻すようにということを申しました。それで三番目には、どうしても必要があれば私どもが資金援助をする、それはやむを得ない。
 ということは、逆に言えば、その二つの信用組合を資金破綻させてはならないということで、民間銀行としてぎりぎりの線をやったわけでございます。それが関与といえば確かに関与かもしれませんが。
○正森委員 ここに、きのうも出ましたが、日銀の信用機構局がつくりました想定問答集があります。きょう午前中の三重野さんに、これは日銀全体の意見ではないと言われましたが、それは当たり前で、作成名義人が信用機構局と、こうなっているわけです。しかし、それは幹部に対して答弁の便宜のためにつくられたものですね。
 それを見ますと、長銀の項のところの資料に日暮さんのことが書いてありまして、顧問として東京協和の毎日の貸し出しや預金を初め経営全般について直接指導監督を行うとともに長銀に状況を報告していた、日銀はこう言っているのですよ。
 それからまた、田中重彦さんについては、「長銀の意をうけてTKの経営状況を掌握し、組合役員と数度都庁を訪問して、都からの改善指導事項について意見を述べる等してTK」東京協和ですね、「の経営に参画した。」いいですか。これは「都およびTK談」となっていますが、それについては別のところで、五年七月の検査時に確認と、こう書いてあるのですよ。だから、独自の資料に基づいて日銀もこう言っているのですね。
 それからもう一つだけ聞いておきますが、稟議ですね、あるいは取締役にいないのだからということですが、独自に入手したイ・アイ・イ・インターナショナルの取締役の議事録一覧がある。それで、九一年から九二年にかけてですが、これを見ますと、驚くほど「債務保証」と「連帯保証承認の件」というのが多いのです。何を債務保証し連帯保証しているかというと、東京協和、安全信組、そういうのがイ・アイ・イ関係に貸し出しをする、あるいは資金を獲得するというようなのに、全部イ・アイ・イが債務保証をするという内容なんです。だから、イ・アイ・イ・インターナショナルには田中さんも副社長でおるのですから、東京協和や安全信組、こういうものに対して取締役に出なくても、債務保証をしなければそもそもそういう案件は前へ進まないのですから、だからイ・アイ・イ・インターナショナルの取締役会を支配することによってこれら全部を、やはり経営に参画しておった、管理しておったということはこれから見ても歴然たるものがあるのじゃないですか。
 だから、あなた、言葉の遊戯でなしに、実質を見て答えてください。だって、それだからあなたの責任が問われ、あるいは二百七十億ぐらいの贈与じゃ不十分だからという声が起こっているのでしょう。それに対して、参考人のときの言論に固執するというのは私は納得できない。答弁を求めて終わります。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 先ほどの保証の件でございますが、それはどこからどこの借り入れの保証でございましょうか。恐らく東京協和から要するにイ・アイ・イ関係に出るものの保証だと思います。それは、何か東京協和信組がほとんどあらゆるものに保証をしていた、要するに関連のグループの借り入れについては保証をしていたというふうに聞いておりますので、恐らくその中身の取締役会決議であろうと思います。
○正森委員 いろいろ聞きたいが、時間ですから。
○佐藤委員長 これにて正森君の発言は終わりました。
 次に、海江田万里君。
○海江田委員 私で最後の尋問になります。
 きのうの証言、それからきょうの証言を聞いておりまして、率直に申し上げまして、中国の言葉で、火を紙で包むことはできないという言葉があるのですね。火を紙で包むことはできない。私は、頭取がきのう、きょうとやっておられた証言というのは、火を紙で包むような作業ではないかそういう気がするわけでございます。
 頭取は、去年の十二月の六日でございますか、日銀の氷川寮で三重野さんと小島さんとそれから西村銀行局長がいらっしゃって、そこに出かけていかれましたね。そのときは、きのう、きょうお話をしておったのとちょっと違うようなお話をしたのではないかというようなことを私は漏れ聞いておるのですが、そのときにこういうスキームが示されて、それをごらんになってどういう発言をされたか、お願いいたします。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 きのう、きょうと違ったような言葉、表現ということは私はないと思います。要するに、こういったスキームをつくったので協力してくれないかという要請がございまして、ただし長銀については若干そういったこともあるのでそれだけしょってもらいたいという要請があったわけでございます。私どもは、一応金融システムあるいは預金者保護のために我々はもちろん協力はするつもりはあるけれども、それは内部に持ち帰って検討した上で御返事を申し上げますということで帰ってきたわけでございます。
○海江田委員 当日、森川住友銀行頭取、それから橋本富士銀行頭取、それぞれお見えになっておりますが、やはりそのお二方の頭取の立場と堀江頭取の立場は若干違うと思うわけですね。違いますから、もちろんそれは昨日来お話しになっております長銀の関与がやはりそこにあったということだろうと思うわけでございますが、その結果二百七十億円の収益支援、それから共同銀行の方に対しても先ほどお話があったように十億円の収益支援ということで、収益支援だけで二百八十億ということになりますが、これは正直申し上げまして、今の金融機関、長銀さんにとってもそれほど軽い負担ではないと思うのですね。
 従来の、幾つかの金融機関が破綻をしまして、それに対してそれぞれの金融機関が支援をしましたときには、これはもう頭取もちろんよく御存じだろうと思いますけれども、日銀が公定歩合で融資を実はしておったわけですね。この日銀の公定
歩合の融資というのはおわかりだろうと思います。今公定歩合は一・七五%ですから、普通、金融機関がコールの市場から資金を調達をしようとすれば、大体それより〇・五%ぐらい高くなるわけでございますから、そういう意味では、日銀からの融資がございますと、金融機関にとってはほっと一息つくわけでございますね。
 特に今回のこれだけの、収益支援だけで二百八十億ということを頭取がお認めになった背景には、そういう日銀からの公定歩合による融資がある程度期待できるということをお考えになっておられるのかどうなのか。
○堀江証人 お答えを申し上げます。
 全く期待をいたしておりません。
○海江田委員 実は期待をしておらないというところに、私は、これは私の見方でございますけれども、長銀としての責任のとり方があると思うのですね。恐らくそれを、もし本来そうでなければ、それは当然期待していいわけですよ、これまでの東洋信金の場合も、それから前の平和相銀の場合も、都市銀行、三和銀行でありますとか幾つかの銀行に対して、特別枠で、そこのところで面倒を見ているわけですよね、日銀が。
 今度だけそういう、全くそちらも期待をしないということを今ここで証言として、現職の頭取のお立場としてそういうことを天下に明らかにしたということは、これはそれなりの責任があるからその責任をそういう形で果たそうということを、これは責任問題と裏腹になっておるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○堀江証人 お答え申し上げます。
 先ほど来申し上げておりますように、東京協和信組に顧問を派遣していたとか、あるいはイ・アイ・イのメーンバンクであった、それなりの責任、これは当然考えなければいけないというぐあいに考えております。
○海江田委員 若輩の私が言うのもなんでございますけれども、やはりこういう証人喚問のやりとりを国民がどういう目で見ておるかといいますと、これは実は責任のなすり合いをしているというふうに映ってしまうわけですね。
 きょうもいろいろな資料を御準備いただきました。ただ、これも正直申し上げまして、例えば週刊誌ですとかそれから雑誌だとか新聞の切り抜き、高橋さんの発言もございますけれども、同じ高橋さんの発言の中には、もっと長銀に対して厳しい発言をしているものもあるわけですよね。そういうのを除外をして、御自分に都合のいい資料だけを集めてきたというのは、これは少しそういう責任逃れをしておるというふうに受け取られてしまいますので、頭取はもう既に御自身の身の処し方というのもある程度お考えになっておると思いますので、どうかこれからも情報をきちっと公開をするというふうにお願いをしたいと思います。
 以上でございます。
○佐藤委員長 これにて海江田君の発言は終わりました。
 以上をもちまして堀江証人に対する尋問は終了いたしました。
 御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。
 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件の調査に関し、東京共同銀行問題について、川内康平君より証言を求めることといたします。
 この際、証言を求める前に証人に一言申し上げておきます。
 昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によって、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。
 宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証人、証人の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または証人とこれらの親族関係があった者及び証人の後見今後見監督人または保佐人並びに証人を後見今後見監督人または保佐人とする者が、刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときであります。また、医師、歯科医師、助産婦、看護婦、弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについても、本人が承諾した場合を除き、宣誓または証言を拒むことができることになっております。
 証人が宣誓または証言を拒むときは、その事由を示さなければならないことになっております。
 証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられ、また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。
 以上のことを御承知おきください。
 次に、証人が補佐人に助言を求めることが許される場合について申し上げます。
 すなわち、証人は、宣誓及び証言の拒絶に関する事項に関し、補佐人に助言を求めることができることとなっております。
 助言は、その都度証人が委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。
 なお、補佐人は、みずから発言すること及びみずから証人に助言することはできないことになっております。
 次に、今回の証人喚問に関する理事会の申し合わせについて申し上げます。
 その第一は、資料についてであります。
 証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会に提出していただくことになっております。
 その第二は、証人がメモをとることについてでありますが、尋問の項目程度は結構でございます。
 なお、補佐人がメモをとることは構いません。
 以上の点を御承知おきください。
 それでは、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めることにいたします。全員起立を願います。
    〔総員起立〕
○佐藤委員長 議院証言法第五条の三の規定によりまして尋問中の撮影は許可しないことになっておりますので、これより川内康平君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。
 それでは、川内康平君、宣誓書を朗読してください。
○川内証人 
     宣 誓 書
 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います
  平成七年三月三十日
               川内 康平
○佐藤委員長 宣誓書に署名捺印してください。
    〔証人、宣誓書に署名捺印〕
○佐藤委員長 御着席を願います。
 これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。
 なお、こちらから質問をしているときは着席のままで結構でございますが、御発言の際には起立してください。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 これより証人に対して証言を求めます。
 まず、委員長より委員会を代表して総括的にお
尋ねをして、その後、委員各位の発言を願うことといたしております。
 それでは、私からお尋ねいたします。
 あなたは川内康平君ですか。
○川内証人 はい、そうでございます。
○佐藤委員長 生年月日、住所、職業をお述べください。
○川内証人 昭和三年二月十七日生まれ。職業は無職でございます。
○佐藤委員長 住所。
○川内証人 東京都大田区東雪谷一の二の三の四〇一でございます。
○佐藤委員長 それでは、お尋ねいたします。
 あなたは、東京協和信用組合の専務理事として、同信用組合の経営に関し、どのような権限を持ち、どのような仕事を担当したのか。
 また、預金獲得、金利設定、法令違反の大口融資等について高橋理事長とどのような協議をしたのか。
 さらに、このことに関し、あなたは専務理事としてどう対応したのか。
 以上の点についてお述べください。
○川内証人 まず、私の権限でございますが、理事長を補佐し、理事長が事故あるときにはその職務を代行してまいりました。
 なお、実務面では、私ども総務、管理、審査、業務、四部ございましたが、この統括を行ってまいりました。
 なお、仕事についてでございますけれども、理事長並びに理事会の決定事項について、その実行状況を各四部に指示をいたしまして、その監督を行っておりました。当然各部からは業務計画並びにその推進状況につきまして報告がございます。その内容を判断いたしまして、理事長に報告をしてまいりました。
 以上でございます。
○佐藤委員長 以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。
 次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。――ちょっと待ってください。ちょっと待ってください。
 川内康平君。
○川内証人 今メモで、預金の件、それから金利の件、それに法令違反の件につきましてお尋ねがあったのじゃないかと思います。その点について補足をさせていただきます。
 まず、預金と金利につきましては、これは、業務方法書の内規によりましてこれを決定してまいっております。
 まず、金利につきましてでございますが、これは、業務推進部の副部長が組合連合会並びに銀行の預金動向を情報を入手いたしまして、これによって、店頭掲示分については一週間分、それからもう一つ、お客様に周知の方法といたしましてビラを作成しておりましたけれども、この点についてはそれぞれ計画を策定いたしまして、それを理事会に上程し、最終的には理事長の決裁を得て決定をしてまいっております。
 なお、預金につきましてでございますが、これは、総代会において、年間の獲得と申しますか、年度末の金額並びに平残の金額を承認をいただきまして、それを毎月、細分化と申しますか、手直しをいたしまして、これを各営業店の業務計画に照らし合わせながら幹部会で討議をいたしまして、その結果を役員に上程し、これもまた最終的に理事長の権限において決定をしてまいっております。
 法令違反の大口の預金並びに貸し出しについてでございますが、高橋前理事長が、蹉跌をいたしました東京協和の再建にかかりまして、当時お客の大数が華僑の方々でございまして、一斉に撤退をいたしまして、リテールでの拡大と申しますか、その再建が容易でなかったという事情がございまして、高橋氏の関連会社並びにその広い人脈によりまして大口の預金並びに貸出先を開拓していった。で、経営の効率化を図り、当初十年かかる計画を五年で再建を達成したという経緯がございます。
 そのときの体質が残っておりまして、平成二年以降、東京都の強い要請がございまして、この大口解消に努力するように指導がございましたので、これに対して全力を挙げて努力してきたという経緯がございます。
 ただ、五年の七月まではインターを通じまして長銀からの支援がございまして、かなりそういった面での成果が上がってきたわけでございますけれども、なお多くの残滓を残していたという事情がございます。
 五年七月以降、東京都からさらに強いこの件の圧縮計画、そういったものの御指導がございました。ちょうどバブル崩壊後の不況期に当たっておりまして、この成果と申しますか、そういったものがなかなか実現できなかったといったような事情でございます。
 以上でございます。
○佐藤委員長 以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。
 次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
○坂上委員 私は、社会党の坂上富男と申します。川内証人には、わざわざ出頭していただきましてありがとうございました。
 私の質問は、簡単に質問をいたします。そのかわりあなたの方の御答弁も、もうイエスかノーかというような形で御答弁をいただいて、それで足りなければまた私は順次質問をしていきます。私の質問時間は約四十分でございますから、どうぞお願いをいたします。
 まず、証人は、組合の専務理事になったのはいつからいつまでですか。簡単でいいです。
○川内証人 私は当初常務でございまして……(坂上委員「常務のことを聞いてない、専務理事のことを聞いている」と呼ぶ)はい。五年の総代会で専務理事に就任をいたしました。(坂上委員「いつまで」と呼ぶ一昨年の十二月九日まででございます。正式には今月の十九日に退任をいたしております。
○坂上委員 あなた勘違いしていませんかな。東京都から出されたいわゆる示達書をダイジェストしたものによりますと、あなたの専務理事の就任は平成四年ということになってますが、どうです。わからねばわからぬでいいですよ。
○川内証人 失礼をいたしました。平成四年の五月の総代会で就任をいたしました。
○坂上委員 さてそこで、あなたが専務理事をなさった、もうそのときは東京都の毎年監査があって、示達書が出されて、かくかくしかじかに直しなさいと、営業を改善しなさいと、こういう示達があったんじゃありませんか。そしてこの示達については、大ざっぱでいいんですが、どういう内容であったんですか。
○川内証人 先ほど申し上げましたように、大口での効率のいい再建計画ということで取り組んでまいりました。再建は一応達成したわけでございますが、後に、そういった大口の解消、そういった課題が残っておりまして、平成二年の検査であったかと思いますが、そのころから、その解消には努めなさいという強い指示がございました。
○坂上委員 そうですね。平成二年からあなた方のところに、こういうような違法行為は是正しなさいと、こういうことが平成二年、三年、四年、五年、六年、五年間にわたってそういうことが指導がなされていた。これに対してあなた方はきちっと、こういたします、こう直しますと回答していたでしょう。どうですか。一言でいいです。
○川内証人 はい。その件につきましては、計画書を提出いたしまして、圧縮に努めるということで回答をいたしております。
○坂上委員 改善します、直しますと届け出ていながら何もしなかったでしょう。どうですか。簡単で、一言。
○川内証人 決してそういうわけではなくて、それなりに圧縮をしてまいりました。
○坂上委員 あなた、きちっと答弁していただか
ぬと、宣誓しているのですから。
 いいですか、ずっと同じような示達に対する改善回答がなされているのです。一部は成ったけれども、もうほとんど全然改善がなされなかったン私は見えますが、じゃ、具体的に幾ら圧縮しましたか。この五年間で幾ら圧縮しました。報告書を見るとふえているのですよ。あなたの証言、さっきの委員長があなたに説諭したことと相反するのじゃないですか。どうです。
○川内証人 この件につきましては一つ、五年の七月までのことがあろうかと思います。それで……(坂上委員「簡単に」と呼ぶ)はい。五年の七月まで私どもが、イ・アイ・イ・インターを通じて、出向者でございますけれども、通じまして、長銀の支援ないしは管理下にあったというふうな認識も持っておるわけでございますが、例えば三年に提出いたしました圧縮計画等についても、イ・アイ・イ・インターの田中副社長が同席をしていただきまして、この実現に、協和信用の大口解消に、完全な形ではないのですけれども、尽力をいたしますと、失礼しました、協力をいたしますと言ったことがございまして……(坂上委員「そういうことを聞いていない、幾ら減ったかと聞いている、それだけ」と呼ぶ)ちょっと私はそこの数字について記憶が定かでございません。
○坂上委員 あなたは、改善策として減縮した、減縮した、こう言っているから聞いているんです。大ざっぱな話でいいんですよ。幾ら減らしたのですか、何百億、それを聞いているんです。あなた、さっき圧縮したと言ったでしょう。いいかげんなことを言っちゃ困りますよ。きちっと答えなさい。
○川内証人 当然圧縮の努力をやってまいりまして、ですから、何年度に幾ら減少させたといったことが今ちょっと記憶にございません。
○坂上委員 何年度と言っていないです。五年間にどれだけ減らしましたかという極めて単純な質問なんです、あなたは減らした、減らしたと言うから。我々の、都からの報告によりますと、物すごくふえているんです。だから、あなたの証言はどうもちょっと真実と違う証言をなさっているんじゃないか、こう思って聞いているんです。どうです。簡単に。
○川内証人 記憶違いのところは大変申しわけないのですけれども、私、四年の二月までは総務並びに不良債権管理を……(坂上委員「知らなければ知らぬでいいから」と呼ぶ)はい。そういった担当を主にしておりまして、そこのところはよく存じない面があります。
○坂上委員 そうすると、あなたは、さっき言ったのは訂正だね。改善は、減らすことに一部成功したと、こう言ったけれども、あなたはわからぬわけだ。わからぬことを何で証言しているの。わからぬことを何で証言したか、それだけ。
○川内証人 そこは、減少に努力したということでございまして、そのように訂正させていただきたいと思います。
○坂上委員 減少させだというのは撤回ですか。
○川内証人 はい。
○坂上委員 何でそういうあなたの記憶にないことを、知らないことを減少したと言ったのですか。だれかが言えと言ったの。答えなさい。
○川内証人 そういったことは全くございません。(坂上委員「何で言ったの、じゃ」と呼ぶ)ですから、とにかく東京都のそういう強い要請で……(坂上委員「はい、結構です」と呼ぶ)圧縮計画ということを出しております。それに対して努力いたしましたということで、訂正をさせていただきます。
○坂上委員 今度は、平成五年の東京都、大蔵省の合同調査の結果の示達書と回答。いいですか、もうあなたはちょっとわからぬだろうから、私が申し上げます。私の調査の結果だ。
 この回答書によりますと、一番、業務運営姿勢の是正をいたします。
 大口貸出金の回収を積極的に行い、限度内圧縮、固定化を防ぎ、多数組合員のニーズにこたえます。
 二番目、内部体制の確立。
 貸出審査の事前協議化を徹底し、企業内容、資金使途、返済財源等の検討が十分に行える審査体制を確立する。
 三、法令違反の解消。
 大口信用集中は早急に解消する。
 現在進行中のプロジェクトや工事途上のものは、完成までの追加融資もあり、解消困難なものもある。一これは正直だ。
 員外預金比率は、地区内の営業活動の努力によって解消する。
 理事の自己契約については、理事会の事前承認を得ることはもちろん、十分審議を尽くす。
 四番目、貸出金の回収。
 大口特定先は、個別に圧縮する回収計画をつくり、ゴルフ会員権処分により回収する。
 こういうふうにきちっと答えている。これ、平成五年でこれを解消すれば、今日のような事態が起きなくて済んだんだ。こんなのは作文だったんじゃないの。努力したのがありますか。――簡単に。こういうのを出したのでしょう。
○川内証人 はい、提出をいたしました。各項目別にそれぞれ十分な検討を加えまして対処をいたしております。
 二番目におっしゃった審査体制につきましても、これは審査のあり方を再検討すべきだといったことで取り組んでまいりましたし……(坂上委員「いやいや、それだけでいいですよ。このとおりやったと言うならやったでいいです」と呼ぶ)
○佐藤委員長 坂上君に申し上げます。
 御発言は委員長の許可を得てお願いをいたします。
○坂上委員 はい。
○川内証人 それから、理監事貸し付けに対する自己契約でございますね。これは従前、現業の理監事にこの融資の決定とそれから実行を委任され、委託をされ、月一回の定例会で事後承認を得るという形で、約二十年間これをやってきたわけでございますが、これも東京都の御指導によりまして、昨年の八月から事前審査、毎週火曜日に理事会を開催いたしまして、事前に決定をするようにいたしております。
○坂上委員 よろしい。
 あなたはこの報告書どおりにしたと言うけれども、平成六年に監査があったでしょう。その監査結果によると、このことは何ら実行されていないというふうに、私たちに配られました「経営実態と指導事項」の中で書いてありますが、どうですか。しかも不良債権が大変ふえた、こう書いてあります。あなたの言うこととこれと違います。これまた、あなたはどうも事実と違うことを今証言なさっているんじゃないですか。
 申し上げましょうか。これは我々に公式文書として来たんだから申し上げます。「高橋理事長が関係するグループへの貸出金は三百七十六億円となっている。」「法定限度超過貸出の状況をみると、二十二先が限度超過となっている。」こういうふうにして書いてあって、さらに、これの内容について示達書の金額を見てみますると、膨大もなく前年度よりも不良債権がふえたり自己貸しがふえたりしているんです。あなたの言うこととこれと違うじゃないですか。これは大変なことですよ、あなたの今の証言。どうです。
○川内証人 理事長関連について申し上げますと、おっしゃるように約四十何億ふえておりますが、これも東京都からの、口頭によります指示でございますが、理事長関連については貸し出しをふやしてはならない、原則的に。ただし、ゴルフ場関係の工事継続中のものについては、これはゴルフの会員権の不況等ございまして、市況の不況等ございまして、これについては継続する、最低のものはやむを得ないということの承認をいただいて実行しております。
○坂上委員 ちょっと読み上げますよ、あなた。いいですか、あなたの言うことが違うこと。
 「貸出金の内容は、」「経営実態の不明な企業や
債務超過企業などに対し貸し応じたこと及び長引く景気の低迷などから不良化しているものが多く、全体の不良債権額は八百二十八億円で、前年に比べ二百十九億円」の大幅増になっている。
 不良債権は「回収可能と見込まれる額は五百二十四億円、回収が困難と見込まれる額は三百四億円」となっておる。
 「回収が困難と見込まれる額は前年に比べ百五十四億円増加し二倍となっており、また、六年三月末の自己資本額六十六・六億円に対し四・六倍に達し、実質大幅な債務超過となっている。」
 これはみんな委員の先生方知っているんだ。こういうような状況だ。
 それから、あなたはきちっと審査をした、こう言うけれども、審査体制についてこう書いてある。
 「貸出審査は、審査部長、本店次長が中心となって行っているが、大口貸出については、下記貸出審査会で実施している。平成五年十一月、各部長で構成する「貸出審査会」を発足させたものの、単なる意見具申のみで、実質的な審査機能を発揮するまでには至っていない。また、理事関連貸出についてみると、理事会で一括事後承諾を得るなど、厳正さを欠く取扱がみられている。」
 それから、「管理部長は、依然として審査関係担当が兼務しており、債権管理・回収体制としては、整備されていない。」
 こういうふうにずうっと書いてある。
 結局、これでもうあなたたちはだめだと。そこで、午前中の三重野証言からいうと、これはもうつぶさなければどうしようもない、自主再建を期待したらかえって被害がふえる、こう言っている。あなたの言うことと違うじゃないの。一言返事できますか。
○川内証人 ただいま先生のおっしゃったとおりだと思いますが、都庁の示達に従いまして、改善できる部分については改善を進めてまいりました。
○坂上委員 あなたのところは、一億や二億改善したって焼け石に水なんですよ。あなたは抽象的に、やるべきことは少しはやった、こう言うけれども、何をやったか全くわからぬ。ふえているんだ、だんだん、不良債権が。回収不能債権がふえている。しかも、審査のやり方もでたらめだと書いてあるでしょう。あなたはさっき違うことを言ったんだ、きちっとやりましたと。どうしてそう言うの。偽証ですよ、これは。
 ちょっと話を変えましょう。
 長銀の日暮顧問、あなたのところの顧問になった。五カ月で顧問をやめましたね、五カ月で。どういう理由。簡単でいいです。
○川内証人 最初、私どもの専従の顧問として、二年の九月であったかと思いますが、参りました。その後、インターのリストラも始まったということでインターの取締役として先方に参りまして、私どもにとっては常駐していた顧問と同じようなお仕事を、インターの中でなさっておられました。
○坂上委員 あなたに聞きたかったのは、理事待遇の顧問だというんだ。そこで、この人が五カ月であなた方の顧問をやめたのがわからぬのだ。
 結局、あなたのところは長銀から見るとにっちもさっちもいかなくなっちゃって、顧問をやめて身を引く。そこで、イ・アイ・イ関連を徹底的に調査をして、そこから長銀の金を回収するだけする、こういう方針に変わったんじゃないですか。だから、あなた方の顧問は、もうこんなの続けたってどうしようもないと。できるだけ、長銀の立場としてはイ・アイ・イから資金回収をする、貸し金回収をする、このことのために、イ・アイ・イに移られたんじゃないですか。なんだったら、顧問就任の理由が、五カ月でやめるというのはわからない。きちっと答えて。
○川内証人 そこの判断につきましては、私は存じ上げておりません。ただ……
○坂上委員 いいです。
 さて、こういうような経過を見て、あなたはさっき理事長を補佐すると言った。理事長がいないときは代行するんだ、こう言っている。こういうでたらめな融資、こういうようなことについて、あなたはなぜ専務として阻止できなかったんですか。これはもう高橋理事長だけの責任じゃありませんよ。あなた自身の責任でもあるんですよ。何で阻止できなかったんですか。あなたの言うことなんか、全然高橋さんは聞かなかったんですか。どっちです。
○川内証人 理事長は、五年の七月以降のことにつきましてはまたちょっと変わってまいりますけれども、それまでは、長銀の協力を得て、その中で東京協和の改善と申しますか健全化を図っていきたい、そういう意図がございます。
○坂上委員 じゃ、具体的に聞きます。
 きのうの高橋証言によりますと、長銀から出向のイ・アイ・イの田中副社長と高橋さんとあなたとが都の信用組合課長のところに二度行き、そのとき田中さんが、長銀が協力する、責任を持つとの趣旨のことを言った、こう言っているのです。そして、このことは信用組合課の記録にも残っている、こう言っているのですが、これは事実ですか。事実かどうかだけ。
○川内証人 事実でございます。
○坂上委員 その次、昨年の六月、都の検査直後、アルファキュービック社に百七十億円の融資の実行をした、しかし、これは事前に都に報告し、都から担保強化と評価されたと証言しているのですが、これも事実ですか。
○川内証人 五年七月以降、高橋氏は、東京協和の中の業績の低迷しているそういった企業については活性化を図っていきたい、そういう一つの方針がありまして、その一環として、今アルファキュービックとおっしゃったんですが、多分アバイディンクになっていると思います、担保力のある、しかも返済財源として認められるといったところにそういった債権を移して債権の良化を図っていきたい、そういった一環で行われた措置でございますので、八社の分をアバイディンクに債権を譲渡いたしました。
 ただし、その八社分については担保がそのまま継続する、その上に改めてアバイディンクの担保を追加担保するといった措置でございましで、債権の良化につながっているというふうに私どもも考えておりますし、東京都もそれはお認めいただいたというふうに、認めるということじゃなくて、まあやむを得ない措置ではないかというふうに御了解いただいたんじゃないかと受けとめております。
○坂上委員 あなたが行って聞いたかどうか、こう聞いているのですよ。高橋さんは、あなたと一緒に行って、田中さんも行って、それで了解をした、こう言っているのですが、しかも、都は担保強化と評価した、担保を強化してくれた、いいことをしてくれたと、こう言ったのだ。だから、重大だから質問しているのです。あなたは行かなかったの。事実なの、これは。
○川内証人 田中副社長がいらしたのは平成五年の七月でございます。このアバイディンクの措置につきましては、これは昨年でございますので、このアバイディンクの措置については田中副社長は御存じもないし、関与もしてないというふうに理解をしております。(坂上委員「あなたは」と呼ぶ)私は、都庁にこういう措置でお願いをしたいからということは申し上げてあります。
 ただ、東京都とすれば、これを正式に認める、承認ということになりますと、通常やはり文書になりますので、まあそういうこともあろうかとも思いますが、一応御了解をいただいた上での措置だというふうに理解をしております。
○坂上委員 簡単で、イエスかノーかでいいですから、時間ありませんから。わかっているから聞いているのです。ただ矛盾があるから聞いているだけなんですから。いいですか。
 東京都は、やむを得ない、こう言って認めてくれた、こういうわけね。――はい。
 その次。高橋証人は、長銀の人から早く理事長を派遣させてくれと催促されたと証言しているの
ですよ。これは事実ですか。しかも、派遣する理事長はだれかわからないが、長銀が理事長を派遣することは合意していると証言をきのうなさっているのです。これは事実ですか。イエスかノーかで。
○川内証人 その経緯につきましては、私、存じ上げておりません。
○坂上委員 長銀から理事長に来てくれと、そしてあなた方も来ることを認識しておった、こういう証言なんです。どうです。
○川内証人 私が存じ上げている範囲は、日暮顧問が顧問として就任する、それは翌年の総代会で常務理事含みだ、就任含みだといったところまでしか聞いておりません。
○坂上委員 はい、その次。
 大口預金の利息の設定は、最終的にはあなたが決定したことになりますか。堀江証人はきのう、あなたが権限でもって決定をしたんだ、こう言っているんですよ。
 そこで、二つ三つ聞くんですが、一つは、佐藤昭子さんの、九四年十一月四日から十二月五日までのわずか一カ月で十五億円の預金に五%の高利、それから会社の昭洋にも三億円の預金に五%の金利、これは一体、ほかのものと比べて甚だしいね。当時は大体二%が相場だそうじゃないですか。何だってこんなに高額なものをつけたの。
 それから、もう簡単に答えてくださいね。情報化国際文化財団、それから国際青少年育成振興財団、北海道社会開発、これも五・六から五・九%の異常な情実金利なんだな。
 それから、福田組さんが八億三千万の預金をしている。これは、どなたの紹介で福田さんがあなたのところと関係あるの、預金するようになったの。あわせて答えてください。時間がありませんから、簡単に。
○川内証人 申しわけありません、福田何とおっしゃるのですか。(坂上委員「福田組東京本店」と呼ぶ)利息の決定につきましては、堀江頭取が私の専管事項であるというふうにおっしゃったということでございます。
 これは、先ほど冒頭の陳述の中で簡単に申し上げましたように、私どもの利息の金利の決定システムと申しますのは、小林業務推進副部長の段階で、外部の情報を集めながら金利をこのようにしたいということで策定した案を上程してくるわけでございます。それを理事会、場合によっては持ち回りになりますけれども、そこで決定して、最終的に理事長にあれをするというシステムでやっておりまして、私が単独で決して決定はしておりません。
 それと、あと今おっしゃられた方々のことにつきましては、申しわけございませんけれども、私は一面識もございません。したがって、この金利決定については私は関与いたしておりません。
○坂上委員 あなたは専務理事だ。それから、高額の利率なんだ。しかもこれが会議にかかるわけだ。だから、その事情というのを知ってなきゃいかぬわけですよ。知らぬというのはおかしいですよ。あなたは専務なんだ。それはおかしいですよ。私はこの点はきちっと話をしてもらわぬと承服できませんよ。思い出してください。
 とにかく五%、五・九%という高利率だ。普通の人は、あなた方に協力した人もせいぜい三%なんだよ。倍近い金額をここで出している。これらの皆様方はいろいろの関係があって高額預金になったんだろう、利率になったと思うのです。専務であるあなたが知らぬというのはおかしいですよ、これは。これは私は黙っていられませんよ。きちっと答えてください。
○川内証人 今おっしゃられた中で、私が経営者としてお目にかかったことのありますのは佐藤さんだけでございますが……(発言する者あり)いえいえ、知らぬということではなくて、金利を決定する際に、預金をしていただく際に、そういったことに私は関与いたしておりませんということで申し上げたわけです。
 あとの方々については、残念ながら、経営者の方々、そういった方にお目にかかってこの件を決定したわけではなく、恐らく、理事長関連、前理事長ですね、の関連につきましては、そのルートでいろいろ預金を協力していただける件については業務の推進副部長の方で一括して取り扱っております。
○坂上委員 福田組さんはだれの紹介ですかと、こう聞いているんです。
 あなたは、会議でいろいろあるでしょう、五%、四%とかいろいろ、事情はこういう事情だからこの人はこういうふうに高いんですと説明あるでしょう。あなた、専務なのに知らぬはずはない。
○川内証人 申しわけないんですが、この件については役員会でも報告がございませんし、福田組さんのことについては私は存じ上げません。
○坂上委員 ほかのものについても聞いてはいるんですが、時間がないから、今度別のを進めます。
 それから、長銀の皆さんが引き揚げた、そして、引き揚げた結果、書類を忘れていかれたという話が巷間伝わっているわけです。私のところにもそういうような書類が、私は入手をできましたが、このことをあなた御存じですか。
○川内証人 ちょっとお伺いしてよろしいでしょうか。
○坂上委員 わからねば、わからぬでいい。
○川内証人 これはイ・アイ・イ・インターの内部の稟議の分でございますか。――これは、ごく一部私どもにあるものもございますけれども、特に業務に関するものはほとんどございません。
○坂上委員 じゃ、私から申し上げます。
 「イ・アイ・イ・インターナショナルグループの経営刷新」「イ・アイ・イ・インターナショナルグループの概要と現況について」「顧問団の役割と当行バックアップについて」、それから、あとずっとあって、「安全信用組合の問題点並びにこの対策」、こういうようなものがどうもあるといろいろ新聞や何かでも報じられているのです。このうちのあなたは一部を知っておる、こういうわけですね。
○川内証人 今お挙げになりましたその件については、一切、見たこともございません。
○坂上委員 じゃ、知っているのは何ですか。
○川内証人 三年の九月期であったかと思いますが、九月であったかと思いますが、田中副社長並びに高橋元理事長、それから私と都庁に参りまして、圧縮計画についていろいろ東京都で御指導をいただいたわけですが、そのときの内部稟議につきまして一部私の方で持っております。
○坂上委員 すると、都の方からもらったの。
 それで、どうもこの資料は甲第一号証、甲第二号証というふうに打ってあるのです。これは裁判用に提出をされたものだなと私は見ているのです。私いろいろ調べたら、イ・アイ・イがハワイ関連でローヤルクニアという案件で訴訟をやっているのじゃないですか、あるいはやったのじゃないですか。これは知りませんか。
○川内証人 その件については存じ上げておりません。
○坂上委員 そうですか。
 じゃ最後に、今度は実質的にあなたが業務執行上受けたことについてお聞きをいたしますが、顧問団の性格、いわゆる顧問団グループが最高意見決定をする機関である、しかし、あくまでも形式的には常務連絡会、取締役会の決議を一応表面的には出す。それから具体的に、これは時間との勝負だ、したがって、重要事項、稟議制度等の規定の尊重等については作業項目から外すというようなことがずっとここに書いてあるのですが、あなた、これ知りませんか。そういうようなことをなさったことはない。わからぬ。
○川内証人 実は、顧問団と申しますのは複数になっておりますけれども、いつの時期の顧問団なのか、私どもに通常の顧問もいますし、いましたし、それから、最近までまだ別の意味での顧問団もいらっしゃいました。いつの顧問団でしょうか。
○坂上委員 イ・アイ・イの顧問団です。
○川内証人 そのことについては存じ上げておりません。
○坂上委員 ああ、そうですか。
 今あなた、専務理事としてどういう考えですか。反省ありますか。
○川内証人 まあ私、五年の七月まではイ・アイ・イ・インターを通じて長銀の管理下のもとに私どもの経営の改善が進捗するものだというふうに期待もしておりましたし、そのように努力もしてまいりました。五年の七月以降は、都庁の御指導のもとにこれの改善に努力してきたつもりでございますけれども、こういう結果になりましたことについて私の非常に力及ばなかったこと、そういうことについて深く反省をいたしております。
○坂上委員 はい、ありがとうございました。
○佐藤委員長 この際、今村修君から関連発言の申し出があります。坂上君の持ち時間の範囲内でこれを許します。今村修君。
○今村委員 社会党の今村です。
 今回の事件は国民から見て、理事長や一部の政治家がこの信用組合を食い物にしたのではないか、あるいは、共同銀行設立の陰で利益を得た人たちがいるのではないか、こういう疑惑の目で見ているわけですね。そういう点では、これをきっちり晴らしながら、その責任の所在がどこにあったのか、これを明確にすることが国民の疑惑を晴らすことだ、こう思っているわけであります。そういう点で、幾つかの点についてお伺いをしたいと思います。
 一つは、あなたは東京協和のほかにイ・アイ・イ・グループ、あるいは高橋前理事長関係の企業の役員をされていましたかこの点だけお伺いします。
○川内証人 イ・アイ・イ・グループの役員は一切やっておりません。
○今村委員 東京共同銀行設立の問題について、高橋前理事長は、経営を継続していく自信があった、組合の内容は悪いとも思わなかった、こういう見解を出しているわけです。あなた自身は、この東京共同銀行設立についてどんな見解を持っていますか。東京協和はやはり経営が悪かったからつぶさなきゃならぬと思っていたのか、高橋理事長のように、いや悪くなかったんです、これからも継続してやっていける自信ありました、どっちですか。
○川内証人 五年の七月以降の都庁の検査というのが大変厳しくなりました。それを受けて、東京協和信用は、とにかく何としてでも改善すべきところは改善しながらこれを継続していきたいというふうに考えておりました。で、東京銀行の設立に関しましては、私は一切お聞きしておりませんで、十二月九日の朝刊を見て初めて知ったというような事情でございます。
○今村委員 昨年東京都が検査をして、そして十二月の六日、示達書を出したわけですね。この示達書によれば、十二月の二十八日まで回答を出してください、こういう内容になっていますね。十二月六日に東京都が組合に出した示達書によれば、十二月の二十八日まで回答を出してください、こういう示達書になっていますね。
 ところが、十二月の八日、改善命令が出される。その前後して、組合からの回答がないまま、高橋理事長に対して、身柄を預けてくれ、やめてください、こういう話が出されていますね。これはどういう経過があってこうなったんですか。この点を明らかにしていただきたいと思います。
○川内証人 先ほど申し上げましたように、東京共同銀行の設立につきまして、ないしはその経緯につきましては、私、十二月九日の朝刊を見て実は初めて知ったというような事情でございまして、極めてもう驚愕いたしたわけでございますが、特に、二十八日までに回答しろというような内容にもなって、この回答ということは、これは非常に重大な回答になるというような認識も実は持っておりましたので、そういった事情でございます。
○今村委員 次に、ちょっとお伺いします。
 イ・アイ・イ・インターナショナル及び高橋治則前理事長関連の企業というのは四十八社あると言われているわけですけれども、これらに対する貸し付けも含めて、これは理事会、貸出審査会で事前に承認が行われていたのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○川内証人 ちょっとお尋ねしてよろしいでしょうか。
○佐藤委員長 はい、どうぞ。
○川内証人 イ・アイ・イ関連と申しますと、これはまず理監事貸し付けに相当する貸し付けでございます。したがいまして、理事会の承認を必要とする貸し付けでございます。今もう一つお話しになりました、審査会を通してということがございましたが、この審査会というのは、いわゆる理監事貸し付けも含めた一般の貸し付け、それも対象にしている、いわゆる理事長に対する諮問機関でございます。
 そういった意味でお答えが二つになろうかと思いますが、理事会貸し付けにつきましては、先ほどちょっとお話し申し上げましたけれども、私ども、もう二十年来理監事貸し付けについては執行部……(発言する者あり)済みません。理監事貸し付けにつきましては理事会の承認を必要とするわけでございますが、二十年来これは執行部に委嘱されまして、執行部の方で、まあもちろん最終、理事長までの承認をとりまして、それで実行したものを、月一回行います定例の理事会で、これを事後承認という形ではございますが承認をいただいた経緯がございます。
 ただ、昨年の八月に東京都からの強い要請もございまして、御指導がございまして、これは事前審査にすべきであるといったことから、毎週火曜日に前週までの申し込み案件につきまして審査会を開いて、臨時の審査会を開催いたしまして決定してまいりました。
○今村委員 これは理事長関連の会社の中で、先ほどの坂上議員の質問にもちょっと関連するかと思いますけれども、実体不明の会社があった。これは、高橋前理事長は、融資は健全な会社の運転資金に充てられたものだ、融資したものは一切やましいものはないとお話をしていたのですが、融資した内容をいろいろ調べると、アルファクリエイト、あるいは明野エコドピア、九州花苑、イ・アイ・イ・ケミカル、フェニックスホールディング、データワールド、こういう形で、実体が全く不明の会社がある、こういうのが指摘をされていますけれども、これは御存じてしたか。
○川内証人 私どもで現在取引のない会社もあるんではなかろうかと思います。ちょっと記憶にない企業名もございます。
○今村委員 これは貸し付けの当初から、これはぺーパーカンパニーだ、このことは知って貸し付けをしたんですか。
○川内証人 ぺーパーカンパニーという先に貸し付けを実行できるわけはございませんので、何らかの形で経営実体のあるものについて取り上げてまいったところでございます。
○今村委員 これは実体が全部あるものだ、こう思っていたということで理解していいんですか。
○川内証人 はい。
○今村委員 次に、高金利で預金を集めたのではないか、こう言われているわけですね。その一方で、裏の金利もあったのではないか、裏金利が行われていたのではないか還元されていたのではないか、こう指摘をされておりますけれども、この実態はどうだったんですか。
○川内証人 私どもの協和におきましては、一切、裏金利、そういった支払いをいたしたことはございません。
○今村委員 長銀との関係を次にお伺いをしたいと思います。
 長銀との関係は、これは意見が食い違っているという形になっているわけですね。高橋前理事長は、管理下にあった、こう話をしていますけれども、一方は、そうではない、こう話をしています。
 具体的に、銀行内部の決裁を得るときに、長銀
から派遣された顧問が判を押すとか審査をするとかという内容があったのですか。また、理事会に出席をする、あるいは貸出審査会に出席をする、こういう内容があったのですか。それから、専務理事として管理下にあったと認識をしていたのかなかったのか、その点お伺いをします。
○川内証人 第一点の御質問でございますけれども、顧問でございますので、理事会に出席はできないわけでございます。ただし、主要案件につきましては、当時、高橋理事長それから山田常務、ここらを交えまして、十分に協議をした上で決裁をしていたということでございます。
 それと、もう既に管理下にあることの事例につきましてここでもお話がございますので、その事例を、私、今重複して申し上げることは割愛させていただきたいのですが、実質的に管理下にあったという私は認識を持っていますし、私以下の部下もそのような認識を持っておったということは間違いないと思います。
○今村委員 実質という意味は、これは内容的には全部報告をする、決裁を得るものは得るという形の具体的なのがあったのですか。この点だけお伺いします。
○川内証人 顧問という立場でございますので、そういった形式要件については、これは必要もございませんし、整える必要もないと思います。
 ただ、融資案件を取り上げるに当たって、主導的にそういったことがなされていたということについては間違いはないというふうに確信をしております。
○今村委員 それから、政治家と官僚の関係が随分指摘をされるわけであります。具体的な例で一つお伺いをします。山口敏夫議員の親族に対する貸付金についてお伺いをします。
 昨年の六月時点でのむさしの厚生文化事業団への融資は約十九億円、五カ月後の昨年の十一月には三十七億円余になっていますね。これは、安全信用組合も約一億七千万円のものが五カ月後に十三億四千万円に増額になっている、こういう取り扱いになっているわけであります。この企業グループへの融資は、大口融資規制に違反している、あるいは不良債権化や回収不能を生じている、こういう指摘を受けた内容であったと思いますけれども、それなのになぜ五カ月後これだけ多額の金額が貸し付け増という形になったのですか。この点を明らかにしていただきたいと思います。
○川内証人 文化事業団の旧来から持っております保証債務、そういったものの決済が急を要する、緊急を要するということで応じたケースでございます。
 担保につきましては一応、どこをということは差し控えさせていただきたいのですが、担保の、追加担保で十分保全ができております。
○今村委員 いろいろ指摘を受けて、いろいろな疑問も提起をされているという内容の中でのこういう追加貸し付けというのは、その緊急性というのはどういう内容ですか。
○川内証人 たしか保証債務の決済であったかというふうに記憶しております。私がお聞きした件については、保証債務の決済だというふうにお聞きしております。
○今村委員 担保があるというお話ですけれども、これは不動産ですか預金ですか。これを補うだけの十分な担保があるということですか。その点を明らかにしてください。
○川内証人 不動産でございます。
○今村委員 同じくイ・アイ・イ・グループのノンバンク、ゼネラルリースから、山口氏の実弟が代表を務める自由工房や海邦通商などへ約百三十億円の融資を行っていた、こう言われますが、このゼネラルリースというノンバンクの内容と具体的な貸付内容を御存じですか。
○川内証人 ゼネラルリースのことについては存じ上げておりません。
○今村委員 八八年十二月、中西啓介代議士のパーティー券六千万円購入が明らかになりました。こういうパーティー券の購入や政治献金、これは毎年行われていたのですか。その内容を明らかにしていただきたいと思います。
 また、あなた自身が活動する中で、政治家で会食したり、あるいは官僚でゴルフなどしたという人たちがあるのですか。この点についても明らかにしていただきたいと思います。
○川内証人 中西先生に対するパーティー券の件については、私、一切存じ上げておりません。
 それから、政治家の方、それから官僚の方、そういった方と会食ないしは今おっしゃいましたゴルフ、そういったものについては、一切おつき合いしたことはございません。
○今村委員 ありがとうございました。
 終わります。
○佐藤委員長 これにて坂上君、今村君の発言は終わりました。
 次に、草川昭三君。
○草川委員 新進の草川です。
 静かに聞きますので、どうぞ水を飲んでいただいて結構でございますから、大きい声で簡潔に御答弁願いたいと思います。
 実は、昨日来から、長銀の関与でございますけれども、また今も、長銀から出向されたイ・アイ・イ・グループの田中副社長ですね、圧縮計画にも参画した、あるいは日暮顧問が役員と一緒にいろいろと融資のことについても協議をしたという証言があるわけです。ところが、午前中に長銀の堀江頭取は、顧問も行っていたけれども、細かいことはやっていませんよ、昼食をともにした程度ですよ、こういう表現で証言されているのです。
 大分違いますね。その顧問が昼飯を役員と食べた程度の関与だというのと、都にも一緒に行ったとかかなり詳しいことを言っておみえになるので、本当に昼食だけともにしたのかどうか、一言、明確に答えていただきたいと思います。
○川内証人 どなたと昼食でございましょうか。
○草川委員 日暮顧問が、要するにおたくの役員の方々と昼食を一緒にした程度の関与なのだ、こう答弁されているわけです。それは事実かどうかお伺いします。
○川内証人 会食の件につきましては、私、記憶ございませんが、日暮顧問が、二年の九月から翌年の二月末までであったかと思います、その間、顧問として常駐をしていたということは間違いのない事実でございますし、顧問という立場からいいますと、先ほどから申し上げますように、理事会に参画するわけにもいきません。それから、正式な常勤役員会にもこれは無理でございます。
 そういった面では、そういった制約があったかと思いますが、日々の業務の内容について、例えば、どこどこに幾ら融資した、どこから幾ら回収があった、どこからどれだけの預金が入った、預金の流出がこれくらいあったといったものは、私ども、内部資料でそういったものを管理してございます。それを毎日、日計表とは別に、残高も含めてそういったものを作成してございます。
 それを中心に管理が進められ、それから個別の案件については、先ほど申し上げたように、理事長並びに山田常務と協議をしていたということは間違いございません。
○草川委員 東京協和信用組合は、都の業務改善指導に対して、融資内容などを事前に審査する、先ほど審査委員会という言葉を言っておりますが、協議会を平成五年の十一月に設置をしていますけれども、協議会で間違いございませんかお答え願いたいと思います。
○川内証人 審査会という名称でございました。
○草川委員 じゃ、その審査会にはだれが出席をしていますか、お答え願いたいと思います。
○川内証人 審査部長のほかに部長、それから副部長、それに営業店長、案件を持ち込みました営業店長ないしは担当、そういった構成メンバーでございます。
○草川委員 融資などの決定はそこで行われるわけですね。その委員会の決定によって融資は行われるのか、そのほか、もう一つアクションがある
のか、お答え願いたいと思います。
○川内証人 平成五年に融資部が新たに設けられまして、融資の適正化といったことでいろいろ検討してまいりました。
 いろいろな試案が出たわけでございますが、十一月になって、これで試行的にやってみようではないかといったものがこの審査会のものでございます。正式にこれが内規として取り上げられるといったものであれば、当然理事会の承認が必要でございます。その前に、その手続方法について上程されてくるわけでございます。そういった手続は一切なしで、一応試行機関として、しかも内容的にはこれはあくまでも理事長に対する諮問機関であるよ、役員に対する諮問機関であるよ、そういう建前のものでございます。
○草川委員 私は、実はここに平成六年、昨年二月二十八日付の東京協和信用組合の「平成六年二月協議案件状況」という資料を持っているのです。昨年の二月二十八日付です。
 これによりますと、二十四の案件が協議をされております。協議会、おたくでいうと審査会でしょうが、この協議会が下した判断の内訳を見ますと、可決されたものが三件、否決されたものが十七件、条件つきというものが三件、取り下げが一件となっております。この協議をされたもののうち、七割がいわゆる否決をされておるわけです、融資をしないと。
 ところが、「実行」という欄を見ますと、否決された案件を含めて二十一の案件に融資が実行されているんです。これは、審査会の決定が覆されたということになるんですが、こういった事実はありますか。
○川内証人 後で審査部長がまとめた資料であろうかと思いますが、多分そういうことになっておると思います。
○草川委員 この資料によりますと、アルファクリエイトという会社に対し一億五千万円と六億円の二口の融資が、この審査会の否決ということになっているにもかかわらず融資がされているわけですが、間違いありませんか。
○川内証人 多分間違いないというふうに思います。
○草川委員 アルファクリエイトは、アバイディングクラブゴルフソサエティの管理会社と言われていますけれども、実際は東京協和などからの融資を高橋理事長に送るトンネル会社ではなかったかと思うのですが、その点どうでしょう。
○川内証人 アルファクリエイトは、実はブランド物の輸入品を取り扱っている会社、そのほかにゴルフ場の開発を手がけていた会社でございます。アルファクリエイトは、あくまでも柴田さんという方が社長で、ちゃんとした独立した企業でございます。いいでしょうか。
○草川委員 じゃ、こういう聞き方をしましょう。
 この資料によりますと、アルファクリエイトに対する合計七億五千万円の融資の使い道欄には、使途、使い道欄には「肩代り」と書いてあるのです。一体、どこの債務の肩がわりなのか。しかも担保はとってあるのか。これは大きい金額ですから思い出していただきたいと思います。
○川内証人 大変申しわけないのですが、その肩がわりというところまではちょっと私、存じておりません。
○草川委員 まあ知らないはずはない、あなたは代表理事ですからね。責任者の一人です。七億五千万円もの融資をしたのに、知らないわけはないと思うのです。しかもこの融資は、その審査会が否定したにもかかわらずそれに反して実行されたものですから、経過を知らないわけはないと思うのです。本当に知らないとすれば、あなたは大変ずさんなことをやった、代表理事として。こういうことになるわけですが、それとも証言を拒否されるのですかその点は私は注意をしておきたいと思います。あなたの答弁はちょっと長くなりますので、とにかくそのことだけ申し上げておきます。
 それで、質問を今度変えますが、その審査会、協議会が否定したにもかかわらず実行されるという不可解なことが起きるのですが、それは協議会の結論が間違っておったということになるわけですよね、上の方で違うことを言われるわけですから。
 それで、その協議会で否定されたにもかかわらず融資が実行された案件は、一体その後どうなっておるのです。その点についてお答え願いたいと思うのです。
○川内証人 審査会が試行機関のそういった性格を持っていた機関でございますので、それが実行された後のフォローについては、申しわけないのですが、私はやっておりませんでした。
○草川委員 きょうは実務者ということでおたくを呼んでいるのですよ。頭取だとか理事長ではおわかりにならないから実務者として呼んでおるので、それはきちっと答えていただきたいと思うのです。
 私は、そういうことを言われるなら申し上げますが、ここに東京協和信用組合のその審査会、当時は協議会と言っているのですが、そこで使用されていた「案件協議結果」を書き込む、記入する指定用紙を持っているのです。この中には、その審査会の各部長連中の見解や判断を書き込む欄がある、当然のことながら。また、協議会として、その案件をオーケー、可とするか、あるいはペケ、だめと、不可とするかを記入する欄があるのです、当然のことながら。そして、それとは別に、あなた、専務理事と高橋理事長が、オーケー、可とするのか否とするのか判断をコメントする欄があるんです。記憶にあると思うんですがね。
 そこで、伺いますが、協議会、すなわち審査会が否決をした融資などの案件に対し、専務理事のあなたが可決としたケースがありますか。思い出してください。あるかないかでいいです。
○川内証人 無条件での可決としたものはないと記憶しております。ただし、ですから、是正すべきもの、それから補完すべきもの、そういったものを条件つきとして、意見として記入してあります。
○草川委員 じゃ、条件つきでオーケーにした場合もある、こういうわけですね。
 それで、そのときに、大体、理事長に対してあなたはどういう態度をとりました。あなたの意見と理事長というのは一体ですか。それとも、あなたは審査会のメンバーの声を正しいと思う、ただし、上げたけれども理事長がゴーという指示を出した、そういう場合にあなたはどういう態度をとりましたか。
○川内証人 理事長の意見に全く同じということは必ずしもないわけでございまして、当然反対する場合もございます。
 ですから、この案件については、ちょっとそのクリエイトの件についてどのようなコメントを私書いているかよく記憶が定かでありませんけれども、この案件を実行するのであればこういったものが是正さるべきであるし、こういう条件が必要だといったことで意見を記述してあるというふうに記憶しております。
○草川委員 私が言いたいのは、その審査会で多くの、多くというのは、ほとんど全員の方々がペケと、ノーということを言った、ところが、それが現実には実行されているということを一番最初に言っているんですよ。だから、あなたが実行したのか、高橋理事長が実行したのか、どちらかということを聞きたいわけです。あなたはどちらかといえば現場育ちだから無理だなと思っていると思うんですよね。にもかかわらず理事長がゴーと言ったことがあるというような趣旨のことを言いましたね、今。答弁されましたね。だから、それはどちらが多いんですか、お聞きしたいと思うんです。
○川内証人 何%のものを私がということについて、記憶が定かでございませんけれども、ただいま申し上げたように、条件つきのものもありますし、それから、お断りの分、当然お断りの分といったものもあろうかと思います。何件について
どういう意見で、で、これが何件ございますといった具体的なことは、今ちょっと記憶に定かでございません。
○草川委員 私、先ほど、実務者としてあなたを呼んで、具体的な日時を申し上げましたね。二月の二十八日の案件では、二十四の案件のうち、否決されたものが十七件、条件つきというものが三件、あなたの意見でもいいですよ、条件つきのが三件。協議されたもののうち七割が否決をされているにもかかわらず融資が行われたというその経緯を、今実務者のあなたに聞いているわけです。
 記憶が定かでないとおっしゃいますから、じゃ、もう少しこの問題を前に進めていきたいと思うんですが、この協議会は、試行錯誤というようなことを言っていますが、平成五年十一月にこの委員会ができ、翌年の平成六年の二月、もうこれ廃止されているんですね。たった四カ月よりこの協議会、運営委員会、審査会というのは動いていなかったということだと私どもは聞いていますが、その点どうですか。
○川内証人 たしか、おっしゃるように二月下旬であったかと思います。その役員会でこの問題の取り扱いについて協議をして廃止になっております。
○草川委員 今静かに答えてみえますが、東京都はそれを聞いたら怒るでしょうね。
 東京都の業務改善指導に従って融資内容などを事前に審査する委員会を設置したんでしょう。そこで出た結論を無視して貸し出しが現実に行われている。東京都は怒るわけでありまするし、たった四カ月でそれを廃止をしたわけですから、私は大変憤慨したと思うのですが、これは東京都にそういう報告をしましたか。あるいはその報告を、やめましたという報告を受けた人はどなただったでしょう。
○川内証人 先ほどから申し上げておりますが、これはあくまでも一つの試行機関の過程でこういったことをやってみようということで行ったわけでございまして、規定としてこれを取り扱うとすれば、事前に東京都に審査部の方から申請をいたします。その上、理事会で承認をとった上で実行するということになりますので、このことについては東京都に御報告はしてないというふうに考えます。
○草川委員 都に報告していないということはわかりましたが、じゃ次の質問に行きます。
 平成六年、昨年の三月の八日に東京協和信用組合の常勤役員会が開かれましたけれども、証人はこの役員会に出席をしていますね。どうですか。三月八日。
○川内証人 ちょっと記憶にございませんけれども……。
○草川委員 じゃ、記憶にないというお話ですから私から申し上げますが、出席をしておみえになりましたのは、業務部長、総務部長、審査部長が出席をしておりますが、どのような発言をしておるのかを今からお聞きしたいのですが、記憶にないということで逃げられておりますので、もう少し、私が言いますから思い出していただきたいと思うのです。
 その際に各部長は、この審査会を廃止すべきだなどと言っている人は一人もいなかったはずでありますが、その点は記憶戻りませんか。
○川内証人 そのようであったかと記憶します。
○草川委員 そのときに理事長がどういうようなことを御発言になりましたか、これも思い出していただきたいと思うのです。
○川内証人 たしか、経営については私を信頼してほしいといったことと、それから改善について、業務の改善について、不稼働債権を稼働債権にしていきたい。これは……(草川委員「優良化する、活性化する」と呼ぶ)活性化する、失礼しました。活性化していきたい。ちょっと表現が違うかもしれませんが、たしかそういった発言があって、個別の債権については、まあ、失礼しました、個別の案件について審議をする際にはそれなりにそれぞれの意見が出てくるであろうけれども、そういった、自分が組合のために一生懸命やっているし、それから不稼働債権を稼働債権にすることによって組合を立て直していきたいので、そのことについて基本的に了解、理解をしてもらいたいという発言があったかと思います。
○草川委員 その席上、じゃもう少しあなたに、今の理事長の発言で触れられていないのがありますから、それを思い出していただくために申し上げたいんですが、審査部長はこういうことを言っているんですね。
 協議会を、すなわち審査会ですね、審査会を設置するということは東京都庁に約束をしてきた、約束をしたからようやく検査がパスしたんだ、都庁としては指摘改善の成り行きを注目しているはずなので、このような審査会をやめてしまうということになってしまうと、どういうように説明をしたらいいのだろうかという発言をしているんです。だから、その前段には、理事長がもうこんな審査会なんかやめようということを言った発言を受けて、審査部長が、今私が言ったようなことを発言しているんです。
 また、業務部長は、現在の貸出金というのが延滞化していく、不良債権化していく、信用組合の経営に及ぼす影響が非常に心配だという発言をしているんですよ。
 そのときに、あなたはどういうような発言をしたんですかね。もうここまで言えば思い出されると思うんですが、思い出して言ってください。
○川内証人 私は、基本的に、この制度を制度化してみたらどうかと。当然四月からになろうかと思うんですが。
 それと、先ほどから申し上げていますように、私の所見欄がございますので、その中については、こういう条件を満たさなければこの案件については考慮できない、ないしは、これを取り上げるについてはこういう条件をきちんとやるべきである、そういった所見を述べているものが多いわけでございまして、多分そういったことをその席で発言したと思います。
○草川委員 そうではなくて、もちろんそういうこともあなたは言っておみえになるんですが、全体の流れとしては、理事長が非常に強く、もうこんな審査会なんかやめようじゃねえかと。だって、そうでしょう、皆さんは、融資ペケと、反対と言っているにもかかわらず理事長は融資を実行するわけですから、みんな怒るわけでしょう。というときに、理事長はこんなもの廃止しようじゃないかと言ったときに、審査部長は都に申しわけねえじゃねえかと言う、あるいは業務部長はこんなことをやればますます悪い債権を抱え込むことになると言って心配するわけです。
 そこで、あなたは、三月いっぱいはこの形で試行錯誤を繰り返し、来期からは、四月一日からは新しいスタートが必要だ、報告書の専務のコメントも、この審査会の判断を受けて、立場上は、玉虫色のケースもやむを得ないけれども、考えていこうじゃないかということを言ったんでしょう。――今お笑いになったから、多分そうでしょう。
 それで問題は、この席上で、ある方を除いて、だれも協議会、この審査会の廃止を発言していないんですよ。残るのは一体だれか。高橋理事長だけでしょう。
 で、この高橋理事長はどういうことを言ったかということを今からちょっと申し上げたいんですが、実は私はここに、平成六年三月八日午前九時三十分から行われました東京協和信用組合の常勤役員会における発言を記録した議事メモを持っています。
 ここには、高橋理事長の発言として、一切の責任は私一人が負うもので、皆さんだれにも負わせるわけではない、私の言うとおり動いてくれないと困る、すべて組合のためを思っているからである、これがだめになったら信用組合へのダメージは大となる、この対応は過去からの流れがあるので、それを踏まえて行う必要がある、みんな否決の意見、結論では、私の立場は重大な問題になる、こんな形の協議会、審査会なら廃止すべきで
あると発言をされているんです。
 その点は間違いありませんか。お答え願いたいと思います。
○川内証人 表現内容についてはちょっと確信が持てませんけれども、そういった趣旨のことはあったかというふうに記憶しております。
○草川委員 まあ大体お認めになられましたが、要するに私の言いたいのは、この日以降、東京都の指導のもとに設置されました審査会、すなわち協議会は事実上廃止をされたわけです。で、東京都にはこれに対して説明を言っていない。こういうことですね。要するに、いろいろとお話を我々も聞いているわけですが、高橋理事長の独断専行をやめる、とめる手だてはもうこれでなくなったわけです。
 実は、この日の常勤役員会で、高橋理事長はもう一つ重大なことを発言しています。それは、審査部の手でまとめる融資などに関する稟議書に押すゴム印の明記を中止するように発言をしています。このような発言があったことを思い出しますか。
○川内証人 多分あったかというふうに……。
○草川委員 この稟議書に押されるゴム印は、東京協和信用組合の審査部が審査結果に基づいて、融資案件の危険度を表示する重要なものなんです。
 そのゴム印には、不良債権の危険度を二分類、三分類、四分類と分類するものや、要注意先、危ないよ、あるいは法定貸出限度超えあるいは延滞あるいは条件未完、相手先の決算書があるかないか、決算書の有無といったものがこのゴム印で押されるわけです。特に、四分類とは全く回収が不能な不良債権を指すものでありまして、融資決定に際しては極めて重大な判断基準となるものです。
 このようなゴム印を稟議書に押すことをやめるということは、中止をするということは、信用組合の審査機能を無視することになると私は思います。その点どうですか。
○川内証人 従来から、そういったものは必ずしもゴム印を押さなくても、中にそういった、意見欄でそういったものがございますので、それで十分ではないかと思います。
○草川委員 要するに、皆さん方がだめだと言っても高橋理事長は実行しちゃったわけですよ。だから、その稟議書に皆さん方が、これこれしかじかでこれはもう不良だからだめだめだめというゴム印が押されると、いかに理事長が実行と言ってもやりづらいから、こんなものやめておけと、こうなったわけですよ。私は、これは非常に重大な問題だと思うんです。
 いわゆる健全経営のための歯どめになるチェック機能である二つの重要な権限が剥奪されたんです。その一つは、審査会の廃止でしょう。二つ目は、審査部の下す判定であるゴム印の中止。こうした理事長の発言は、私は、重大な運営上の過ちを犯したものだ、やっぱり乱脈経営の根本はここから来たということをここで証明をしたかったわけであります。
 時間がございませんので、あと簡単に、この問題はおいておきまして、官僚とのかかわりについてお伺いをします。
 高橋理事長が官僚と会食をした費用を東京協和信用組合で支払ったことがあるかないか、お答え願いたいと思います。
○川内証人 交際費という計上はございます、科目がございますので。その中で、この分がどこで使われてどうだということについては私どもはチェックをしておりません。総務部にそのまま請求書が回ってくるというシステムになっておりますので、私は存じません。
○草川委員 外部からの直接的な請求書は総務部に回ってくるということはあるわけですね。
 じゃ二番目に、官僚の飲食費のツケだけを東京協和信用組合が負担したことがあるかどうか。前と同じになりますけれども、官僚だけ使った費用というのが信用組合に行くということがあり得るかどうかだけお伺いします。
○川内証人 その点は不確かでございますけれども、私は、そういったものは一切ないというふうに確信をしております。
○草川委員 高橋理事長が関係するビルクレストゴルフクラブで官僚十九名がゴルフをしたということが今言われておりますが、東京協和信用組合が費用を負担をした分があるかどうか、これまた念のためにお伺いをします。
○川内証人 それもないというふうに考えております。
○草川委員 エス・ティー・エステートとサニーヒルゴルフの関係について二つほどお伺いします。
 東京協和信用組合は、エス・ティー・エステートという、ある料亭に関連する会社に平成六年十一月末現在で十一億二千万円の融資残を持っております。この会社は、高橋理事長関係の会社と言われていますが、高橋氏とどういった関係にあると認識し、融資をされたのか、あるいはこの融資に担保は設定されているのか、融資された金の使途は何と心得ておみえになるのか、お伺いをします。
○川内証人 多分「佐藤」さんの件であろうかと思います。
 これにつきましては、理事長が利用していた料亭であるというふうには聞いておりますけれども、この融資は、別に弁明するわけではございませんが、私が業務を担当する以前の貸し付けであろうかと思います。
 担保は、当時、十分な担保を徴求していたというふうに聞き及んでおります。
○草川委員 かわります。
○佐藤委員長 この際、石井啓一君から関連発言の申し出があります。草川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。石井啓一君。
○石井(啓)委員 新進党の石井啓一でございます。
 関連して質問をいたします。
 あなたは長銀の関与について先ほどから極めて重大な証言をされておりますので、私はそれをさらに質問したいと思いますが、まず、長銀から出向されてこられた日暮氏、これが顧問で来られたときに、翌年、平成三年の総代会で常務理事含みで来られたというふうに証言をされましたが、これはどなたから聞かれた情報でしょうか。
○川内証人 もうやめた山田常務からたしか聞き及んだことだと記憶しております。
○石井(啓)委員 続いて、平成二年の五月に、長銀は関連会社から東京協和に大口出資十五億円、出資率五〇%ですね、この出資の趣旨、これは単に自己資本を充実させるためなのか、あるいは長銀への経営肩がわりの一環として行われたというふうに考えているのか、どちらでしょうか。
○川内証人 当時、自己資本の充実ということで東京都から御指導がございました。ですので、そういった意味で、増資の増強運動をやっておりました。その一環としてこの協力が得られたというふうに認識をしておりますけれども、私は、もう一つは長銀グループとしての印象づけと申しますか、そういった点、並びにこれによって融資の限度額の上限がアップされるということになりますので、そういった意味もあったのではなかろうかというふうに考えます。
○石井(啓)委員 続いて、東京協和は長銀の関連会社のビルに本店を移されていますね。これは、理由はどういう理由ですか。
○川内証人 一つは、日比谷通りという表立った通りになるということが一つございました。それから、ちょうど新築で、あと内部の仕切り等が私どもで自由にできるというような条件もあったかと思いますが、なお、出資並びに預金の協力をいただいている先のという点がそれに加わって向こうに移転した、日比谷通りの方に移転をしたというふうに理解をしております。
○石井(啓)委員 あなたは先ほど、日暮氏が顧問にいる問、個別の案件について理事長、山田常務理事と協議をしていたというふうに証言をされましたが、これは日暮氏がイ・アイ・イ・インター
社に移られた後ですね、これはイ・アイ・イ社がリストラの段階に入った状況でございますけれども、こういう段階においてもこの個別案件について長銀からの出向者と協議をされていた、こういうことはございますか。
○川内証人 当時、業務については山田常務が担当しておりましたので、私、その交渉の中に実は入っておりません。ただし、四年二月に山田常務が退任いたしまして、私が業務を担当するようになりました。兼務するようになりました。
 四年の七、八月ごろではなかったかと思うのですが、日暮顧問の方から、この案件について貸し出しをするとはというようなことがございまして、私、それまでに、先ほど申し上げましたように、日々の貸し出しなり回収なり、そういったものはすべて報告をしておりました、即日。別に私は、関連の貸し付けについてそういうおしかりを受けるわけがないからということで申し上げて、恐らく内部でのそういう協議ないしは稟議が漏れていたようなケースではなかったかというふうな理解もいたしました、その当時。そういった点からも、向こうに彩られてからも私どもの管理をされていたというふうに私は理解しております。
○石井(啓)委員 今おっしゃったのは、日暮氏の方から、こういう案件について貸し出しをしてはどうかという提案があったのですかそれとも確認をされたということですか。
○川内証人 当日の融資について、まあほかの項目もそうなんですが、電話で真っ先に向こうに報告するわけですね。その案件について、今のような照会があった、御叱責の意味で照会があったということでございます。
○石井(啓)委員 これについて堀江氏は、融資の案件の決定というのは、会社の内容とか、事業計画とか、担保の評価、金利等を知って判断できるんだ、電話一本で照会されても判断できない、貸し出しにより資金繰りに穴があかないかどうかの確認をしていただけだ、こういうことをおっしゃっておるのですけれども、実態として、貸し出しを行う際に、長銀からの出向者のどなたにどういう内容の連絡なり報告をしていたのか教えてください。
○川内証人 日々の動きにつきましては、日暮さんがインターの方にお帰りになりましても、こちらにいらしたときと同様な報告をいたしておりました。
○石井(啓)委員 個別の融資案件について、その内容を報告する、あるいは相談をするということがありましたか。
○川内証人 四年の三月以降については私が担当いたしましたけれども、そういった案件はございません。
○石井(啓)委員 それでは、長銀からイ・アイ・イ・インターに出向された田中副社長の東京協和への関与でございますけれども、先ほどあなたの証言では、田中副社長と高橋氏とあなたの三名が東京都の信用組合課に二度行った、それで、田中副社長は長銀が東京協和に協力する、こういう趣旨を述べだということは事実です、こういうふうにお認めになりましたけれども、まず、その二度というのはいつといつのことか、教えてください。
○川内証人 三年の七月から九月にかけてというふうに記憶をしております。
○石井(啓)委員 この件について堀江氏は、田中副社長が行ったのは、第一次リストラ計画を、これはイ・アイ・イ・インターの第一次リストラ計画を説明するために都に行ったんだ、それで、イ・アイ・イ・インター社の第一次リストラを推進する上から協力するというふうに述べたんだ、こういうふうに証言をされておりますけれども、まず、東京都信用組合課にあなたを含めて三名で行った目的は、どういう目的で行かれたのか、教えてください。
○川内証人 平成二年の検査結果だったと思うんですが、平成三年から大口の貸し出しの圧縮ということで東京都から指導を受けてまいっております。その際に、私どもで年間計画、年間の圧縮計画と申しますか各企業からいえば返済計画を出してもらって、それに基づく圧縮計画を都庁の方に提出をいたしておりました。
 その中で、インター自体で、イ・アイ・イ・インター自体の自力と申しますかそれで返済を受けるということについてはまあかなり困難な状況になってきておりますので、田中副社長も同行していただきたいという東京都からの御要請がございました。で、田中副社長に御足労を願ったといった事情でございます。
○石井(啓)委員 それでは、田中副社長はその東京都の信用組合課に行かれた際にこれは協力するとか責任を持つという発言をされたようですけれども、どういう協力をする、あるいは何について責任を持つというふうに、具体的にその発言の内容をお聞かせいただきたいと思いますが。
○川内証人 私どもが提出いたしました圧縮計画に対して協力をしますといったことと、東京協和の経営に対してはちゃんと見ていきますよと、そういう御発言であったかというふうに記憶しております。
○石井(啓)委員 今大変重要なことをおっしゃいましたけれども、東京協和の経営についてちゃんと見ていくというふうにおっしゃったのですね。これは大変重要なことなので、もう一度確認をいたします。
○川内証人 経営について見ていくという御発言ではなかったんですが、そういう生のですね。まあ安全、安全信用というのが一つの話題に出てましたので、安全信用についてはこれは知らないよと、ただし東京協和については別だという御発言であったというふうに記憶しております。
○石井(啓)委員 ありがとうございます。
 それでは東京都の、これは平成五年七月以降、長銀が引き揚げて以降、東京都の監督についてお伺いしますけれども、先ほどあなたは、アバイディンクの融資について東京都はやむを得ないということで、まあ黙認といいますか、こういうことを御証言なさいましたけれども、高橋氏の証言では、主要な案件については都の事前承認を受けていると専務理事から報告を受けていると、こういう証言をなさっておりますけれども、あなたはこのアバイディンク以外の主要な融資案件についてどういう説明をなさって、都はどういう反応を示されたのか教えてください。
○川内証人 平成五年七月以降、イ・アイ・イ・インター関連については融資を抑制しろと、ただしゴルフ場等工事継続中のものについては、会員権市況が不況でございますので、そういった場合にはやむを得ないものについて考慮しても、原則としてはやってはいけないという一つのきつい、まあ枠と申しますか、御指示がございまして、ですから主要な案件については御相談に上がるということでやっておりました。
 ただ、東京都としてもその貸し付けが、是認するとか承認を出すというお立場にはないと。これはあくまでも東京協和自体が決定することであるからということでございますので、正式の承認をちょうだいするわけにはまいりませんけれども、そういった事前の報告ないし主要案件について、すべてではございませんけれども、御報告がたがた御了解をいただくといったことはやっておりました。
○石井(啓)委員 それでは時間が参りましたので、最後に質問をいたしますけれども、平成六年の六月七日から七月二十一日の間、そして十月二十五日から十一月二日の問、二回検査が行われておりますね、平成六年に二回。
 で、十二月六日に最後通牒のような示達が来ておりますけれども、この間、東京都から東京協和の再建について何か話があったのか、特に、東京協和が自力更生の道は認められないというような話があったのか、あるいは他の金融機関との合併、吸収等について何か示唆があったのか、この点についてお伺いします。
○川内証人 今回の措置につきましては、私は十二月の九日まで一切存じ上げておりません。
 それから、今お話しのようなことが東京都からお話のあったことも一切ございません。
○石井(啓)委員 以上で終わります。
○佐藤委員長 これにて草川君、石井君の発言は終わりました。
 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 私の手元に、日銀のこの二つの信用組合問題についての想定問答集があります。
 それによりますと、日暮康男氏は、平成三年二月にイ・アイ・イ・インターナショナルヘ取締役として転任したが、平成五年七月同社退社までの間、顧問として東京協和の毎日の貸し出しや預金を初め経営全般について直接指導監督を行うとともに長銀に状況を報告していた、これは東京協和の談及び平成五年七月の検査時に確認とあります。
 また、田中重彦氏は、平成三年三月、イ・アイ・イ取締役になった。長銀の意を受けて東京協和の経営状況を掌握し、組合役員と数度都庁を訪問して、都からの改善指導事項について意見を述べるなどして東京協和の経営に参画した、これは東京都及び東京協和の談、こういう資料があります。
 あなたはこの関係について直接一番知り得る立場にあったわけですが、あなたの見聞からしてこれは正しいかどうか、簡明にお答えいただきたい。
○川内証人 ただいまの日暮顧問の私どもとの事柄については、事実そのとおりだと思います。ただし、それが直ちに長銀の方へ報告されたかどうかということについては、私は存じ上げておりません。多分報告はされていたというふうには理解しております。
 それから、田中副社長の件については、ちょっと期日の点で不確かなことはありますけれども、全体とすればそのとおりであるというふうに理解をいたしております。
○松本(善)委員 あるいは重複することがあるかもしれませんが、よく聞こえなかった点もありますので改めて聞きますが、長銀が撤退した後、毎日のように頻繁に東京都にあなた方報告していたということを高橋さんは言っていますが、高橋さんは、あなたからの報告で個別案件について都の事前承認を受けたというふうに言っている。これは融資案件も預金関係も両方がどうか。それから、アルファキュービックについて事前承認を受けた、これも事実かどうか。それはだれがどんな形でやったのか、これについてお答えいただきたい。
○川内証人 融資に当たっては、先ほどから申し上げておりますが、五年七月段階でのイ・アイ・イ関連の総枠を、これを原則として維持しろ、そういうことがございましたので、緊急どうしても必要なものについて御相談に上がるといったことがございました。
 それから、毎日のようにという表現がございましたけれども、それは毎日ではなくて、事によっては連日伺ったこともございますけれども、あとは電話で、内容的には実情をすべて御報告しております。
 それから、申しわけないです……(松本(善)委員「アルファキュービック」と呼ぶ)アルファキュービックは、五年七月以降、ほとんど返済も難しいというような不良化されたものについて、八社、アルファキュービックに債務の肩がわりをしてもらうといった措置をとったわけでございます。従来ついておる担保はそのままアルファにつけかえをし、アルファで新たにそれ相当分の担保、不動産担保を設定する、これは設定留保でございますけれども、設定をしていただくという措置をとったケースでございます。したがって、これはある意味での……(松本(善)委員「承認を受けてたかどうか」と呼ぶ)はい。ですから、これは非常に大きな金額になりますので、東京都の方に事前にこういう措置をとりたいということは申し上げましたけれども、御承認は、御承認ということになりますと、得たわけではございません。
○松本(善)委員 あなたの協和信用組合、東京協和では、法令違反が常態化していた。これは高橋さんも認めていることです。あなたもそれは承知していたでしょうね。ちょっと言葉で答えてください、一言で。法令違反を承知していたか。
○川内証人 はい。それは、法令違反の存在することは知っております。
○松本(善)委員 それは東京都も知っていましたか。
○川内証人 検査示達の中に、そのたびに私どもに通達がございますので、そのことが盛り込まれて、されております。
○松本(善)委員 大蔵省はどうですか。大蔵省はどうです、大蔵省も知っていたか。
○川内証人 そこは存じません。私どもの直接の監督官庁は都庁でございますので、よくわかりません。
○松本(善)委員 先ほど大口預金の問題で、福田組のことはわからないと言ったんだけれども、これはあなたがわからないというと、高利を、いっぱい高利で貸していたり大口の預金をしていたりしていますが、それはどこで決めているのですか、そこを聞きたいです。
 例えば、佐藤さんは面識があると言ったけれども、これも高利、うんと金利が高いですね。それから、自治労は五億円の大口預金です。こういうようなものは一体どこで決めてやった、あなたは全部知っているのか、福田組だけ知らないのか、あなたは全部よく知らないで、ほかで決められるのか、その点を言ってください。
○川内証人 一般の金利の決定につきましては、これは内部稟議を経て決定をしております。ただし、理事長関連ですね、元理事長開運の預金については、また別の、推進部の方で、業務推進部の方でこれを所管しておりますので、そこに一応の指示があって、副部長がその指示に従って動いているといった実情でございます。
○松本(善)委員 そうすると、理事長関連はあなたは知らない、こういうことになるわけね。それ一言だけ……
○川内証人 事後に知ったものもございますけれども、事前にはほとんど存じません。
○松本(善)委員 それから、官僚とのつき合い、交際費がツケが回ってくることがあるかどうかという質問に対して、不確かだけれども、よくわからないというような話でございました。
 あなたのところでは、政治家やあるいは官僚との交際費、これは明細があなたにはわからないような仕組みになっているのかどうか。もし、わからないにもかかわらずないと言えば、あなたの証言はおかしいということになります。
 全体がわからないような仕組みになっているのか、調べれば全部交際費はわかるのか。あなたが先ほど、ないと思うと、ないと断言したのもありましたが、それは正しいかどうか、これらについて一括してお答えいただきたい。
○川内証人 交際費につきましては、これは所管で一応年間計画というものを立てて、枠で持っているわけでございます。ですから、各セクションでその枠を使用するというような、きちんとした枠ではございませんけれども、大体前年並みで執行できるんじゃなかろうかということで、年間の収支計画の中でそういったものを織り込んでいます。
 ですから、使途に応じて、例えば関係団体、関係団体といっても私どもいろいろ業界のあれがございますから、そういった部会だとかそういったものに必要な経費、これは私について申し上げますと、そういったものの請求が来た場合には、私自身がそれを総務の方に請求するという形で実行をしております。
 したがって、トータルでどの程度使っている、少しこれは圧縮しなきゃいけないなというような、そういった管理はできますけれども、どこどこにどう使ってというような、そういうところまでは私はチェックをしておりません。
○松本(善)委員 終わります。
○佐藤委員長 これにて松本君の発言は終わりました。
 次に、海江田万里君。
○海江田委員 先ほどの草川委員の質問で、融資につきましては、審査会を廃止して以降は、これは正直言いまして、高橋理事長の独断だったということが私は判明したと思うのですね。それから、ただいまの松本委員の質問で、実は預金についても理事長の独断があったと。先ほど業務推進部の扱いだということがありましたけれども、これは、業務推進部の扱いというのは、言ってみれば高橋理事長の独断で、金利についても勝手につけていたというふうに理解していいわけですか。
○川内証人 高橋元理事長が金利についてどうだということまで細かいことを決めるケースはほとんどございませんで、あそこが預金をしてくれるよといったことで、副部長がすぐ先方にお目にかかって、そのときに、預金の条件と申しますか、期間だとか金利だとか、そういったことを一応向こうの意向をお聞きして持ち帰って、その後またいろいろやりとりがありまして、それで決定していく、そういう過程を経て実行しております。
○海江田委員 ほとんどもう私は暗黙の了解があったと理解をしております、金利について。それはつまり、五%以上だという暗黙の了解があったと思います。
 私が知っておる範囲でも、期間について金利を決めるというのはこれは本当は常識ですけれども、期間一カ月でも五・六%という金利をつけていた事例もございますから。正直申し上げまして、四%台は市中の金利の動きを見ながらこれは決めることができた。ただ、理事長扱いになると、これはもうすべて五%以上だと、こういう暗黙の了解があったんじゃないですか。
○川内証人 必ずしも理事長関連だけではなくて、大口の中で、店頭ないしは担当者を経由して入ってきている預金の中にそういったものもございます。ただ、そういったものは、短期間ではあってもずっと継続的に取引をしていただけるというようなところをそのような取り扱いをしたケースもございますので、必ずしも理事長のみというわけではございません。
○海江田委員 私が知っております一カ月で五・六つけたのも、これも実は理事長関係なんですね。だから本当はあったんですよ。だから、店頭に来るのでたまたま五%つけたのもあるけれども、理事長のはほとんどもう五%以上ですよね。それがイエスかノーかだけ。
○川内証人 理事長外の分でそういったものもございます。(海江田委員「それはわかっていますから。理事長のは五%以上でしょう」と呼ぶ)必ずしも五%以上とは……(海江田委員「まあほとんどね、暗黙の了解」と呼ぶ)はい、もう二パー台の分もございました。
○海江田委員 時間がありませんので、先ほどの長銀の関係でございますけれども、イ・アイ・イの代表印を田中副社長が握っておったという、これは証言もあるわけですね。じゃ、この信用組合の、御信用組合の判こをイ・アイ・イの田中副社長あるいは日暮顧問が使っておった、先ほど冒頭に、理事長に事故があった場合は私が責任を持って代行するんだということを言いましたけれども、理事長に事故があったとき、あなた以外の方が代行をした、それが日暮さんなり田中さんがそういう代行をしたということは全くありませんか、ありますか。
○川内証人 全くなかったというふうに認識をいたしております。
○海江田委員 全くなかったんじゃなくて、なかったと認識をしておるということですね、若干逃げがありますけれども。
 それから、本委員会に提出されました貴組合の決算書、実はこれが粉飾の決算であるということは、これは東京都の指摘でも明らかでございますけれども、この決算書の粉飾の指示をしたのはだれですか。
○川内証人 粉飾決算をしたということですね、これは実は私ども、粉飾決算をしたという認識がないわけでございます。
 詳しく申しますと、有価証券の評価方法で二通り分かれてくるわけでございまして、この件については原価法を採用させていただきたいということを年度前に東京都に承認をいただいて実施をしておりますので、その粉飾をしろという指示がどこから出たかということについては、全くそれは私のあれがございません。
○海江田委員 その有価証券の償却の仕方はいろいろあるわけですけれども、平成四年度と平成五年度においては有価証券の償却を実施していないんですよ、これは。実施しておらずに表面的に利益を計上しているが、これは決算経理基準を逸脱するものであるということを東京都がはっきり指摘をしているわけですよ。この決算基準を逸脱するものであるということは、これはわかりやすく言えば粉飾決算というのが一般の理解なんですよね。そういう事実がやはりあるということをお認めいただかなきゃいけない。
 そうしたら、その決算について全体に責任を負うのはあなたですか、それとも高橋理事長ですか。
○川内証人 この件について、実は東京都に二通りの決算書を提出しております、参考のために。税法上、低価法を採用する場合に、前年度の何カ
 曲月前かにこれは届け出をいたさなければなりません。したがって、私どもは、バブルが破けた後、有価証券でのそういった株価の下落というのが大きいものですから、したがって、こちらの低価法を採用させていただきますよといったことで、東京都の方には御承諾をいただいて処理をしているというふうに理解をいたしております。
○海江田委員 じゃ、もう最後にしますが、東京都が承諾をしていたら、そんなわざわざ示達書で書くはずもないわけですよ、これは。それは承諾をしてないわけですね。何度も注意をして、一向に改まっていないということで注意をしているので、そういう示達書があるにもかかわらず、やはりこれはそういう形で悔い改めない。これはやはり高橋理事長に一番の責任があると思いますが、そうと思いませんか。
○川内証人 それはおっしゃるとおり、最終責任者の責任であろうかと思いますが、事の経緯と申しますか、そこは東京都にきちんとそのことについてはお断りした上で処理をしているということだけは御理解をいただきたいと思います。
○海江田委員 じゃ、もう時間がありませんから。
○佐藤委員長 これにて海江田君の発言は終わりました。
 以上をもちまして川内証人に対する尋問は終了いたしました。
 御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。
 次回は、来る四月十一日火曜日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十九分散会