第134回国会 予算委員会 第5号
平成七年十月二十六日(木曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 上原 康助君
   理事 池田 行彦君 理事 桜井  新君
   理事 近岡理一郎君 理事 保利 耕輔君
   理事 伊藤 英成君 理事 草川 昭三君
   理事 鳩山 邦夫君 理事 三野 優美君
 理事 五十嵐ふみひこ君
      伊藤 公介君    越智 伊平君
      越智 通雄君    奥田 幹生君
      菊池福治郎君    岸田 文雄君
      栗原 裕康君    小杉  隆君
      後藤田正晴君    七条  明君
      関谷 勝嗣君    高鳥  修君
      中山 太郎君    中山 正暉君
      原田  憲君    御法川英文君
      村岡 兼造君    若林 正俊君
      安倍 基雄君    伊藤 達也君
      石井 啓一君    石田 勝之君
      岩浅 嘉仁君    川島  實君
      工藤堅太郎君    笹木 竜三君
      富田 茂之君    広野ただし君
      藤村  修君    冬柴 鐵三君
      松田 岩夫君    山口那津男君
      山田  宏君    山田 正彦君
      石井  智君    今村  修君
      佐々木秀典君    佐藤 観樹君
      坂上 富男君    濱田 健一君
      細川 律夫君    前原 誠司君
      穀田 恵二君    古堅 実吉君
      松本 善明君    海江田万里君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  村山 富市君
        法 務 大 臣 宮澤  弘君
        外 務 大 臣 河野 洋平君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 島村 宜伸君
        厚 生 大 臣 森井 忠良君
        農林水産大臣  野呂田芳成君
        通商産業大臣  橋本龍太郎君
        郵 政 大 臣 井上 一成君
        労 働 大 臣 青木 薪次君
        建 設 大 臣 森  喜朗君
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)   深谷 隆司君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官
        )       野坂 浩賢君
        国 務 大 臣
        (総務長官)  江藤 隆美君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 衛藤征士郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      宮崎  勇君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 池端 清一君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        公正取引委員会
        委員長     小粥 正巳君
        警察庁生活安全
        局長      中田 恒夫君
        警察庁刑事局長 野田  健君
        警察庁警備局長 杉田 和博君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        防衛庁防衛局長 秋山 昌廣君
        防衛施設庁長官 諸冨 増夫君
        防衛施設庁総務
        部長      大野 琢也君
        防衛施設庁施設
        部長      小澤  毅君
        経済企画庁調整
        局長      糠谷 真平君
        沖縄開発庁総務
        局長      嘉手川 勇君
        国土庁土地局長 深澤日出男君
        法務省民事局長 濱崎 恭生君
        法務省刑事局長 則定  衛君
        法務省入国管理
        局長      塚田 千裕君
        公安調査庁長官 杉原 弘泰君
        外務省アジア局
        長       加藤 良三君
        外務省北米局長 折田 正樹君
        外務省経済局長 原口 幸市君
        外務省条約局長 林   暘君
        大蔵大臣官房長 涌井 洋治君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    武藤 敏郎君
        大蔵省主計局長 小村  武君
        大蔵省主税局長 薄井 信明君
        大蔵省理財局長 田波 耕治君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        大蔵省国際金融
        局長      榊原 英資君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部省生涯学習
        局長      草原 克豪君
        文部省初等中等
        教育局長    井上 孝美君
        文化庁次長   小野 元之君
        厚生省児童家庭
        局長      高木 俊明君
        厚生省年金局長 近藤純五郎君
        農林水産大臣官
        防長      高木 勇樹君
        農林水産省経済
        局長      堤  英隆君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    日出 英輔君
        食糧庁長官   高橋 政行君
        通商産業大臣官
        房審議官    横川  浩君
        通商産業省通商
        政策局長    細川  恒君
        通商産業省基礎
        産業局長    林  康夫君
        郵政大臣官房審
        議官      品川 萬里君
        郵政省放送行政
        局長      楠田 修司君
        労働大臣官房長 渡邊  信君
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設省建設経済
        局長      小鷲  茂君
        建設省住宅局長 梅野捷一郎君
        自治省税務局長 佐野 徹治君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局刑事局長  高橋 省吾君
        参  考  人
        (日本銀行総裁
        )       松下 康雄君
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十六日
 辞任         補欠選任
  近藤 鉄雄君     七条  明君
  志賀  節君     栗原 裕康君
  中尾 栄一君     小杉  隆君
  村岡 兼造君     御法川英文君
  村山 達雄君     岸田 文雄君
  左藤  恵君     藤村  修君
  月原 茂皓君     広野ただし君
  山口那津男君     富田 茂之君
  今村  修君     濱田 健一君
  細川 律夫君     石井  智君
  不破 哲三君     穀田 恵二君
同日
 辞任         補欠選任
  岸田 文雄君     村山 達雄君
  粟原 裕康君     志賀  節君
  小杉  隆君     中尾 栄一君
  七条  明君     近藤 鉄雄君
  御法川英文君     村岡 兼造君
  富田 茂之君     山口那津男君
  広野ただし君     岩浅 嘉仁君
  藤村  修君     左藤  恵君
  石井  智君     細川 律夫君
  濱田 健一君     今村  修君
  穀田 恵二君     古堅 実吉君
同日
 辞任         補欠選任
  岩浅 嘉仁君     山田 正彦君
  古堅 実吉君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  山田 正彦君     月原 茂皓君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件(金融・外交等)
     ――――◇―――――
○上原委員長 これより会議を開きます。
 この際、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
○上原委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 本日は、金融・外交等について集中審議を行います。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁松下康雄君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○上原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 最初に、青木労働大臣にちょっとお伺いをいたします。
 既に新聞等でもいろいろと報道されているわけでありますが、労働大臣の学歴問題について報道されているわけであります。それですと、東海科学専門学校中退とかあるいは東海大学中退とか、そういうようなことが問題になっているというふうに思うわけでありますが、まず最初に労働大臣からその辺の事情といいましょうか、釈明といいましょうか、大臣からまずお伺いをいたします。
○青木国務大臣 お答えいたしたいと思います。
 ただいま御質問をいただきました件につきまして、私は昭和十七年に国鉄に就職をいたしました。戦後の大動乱期を経て、何とかひとつ勉強を取り戻したいという気持ちがございまして、いろいろと同僚とともに検討いたしておりましたところ、昭和二十一年秋に東海科学専門学校が夜間部を新設するということを知りました。そこで、同僚とともに志願して夜間部に入学をいたしました。
 これは、私が戦後、組合活動に際して、翌年の二十二年の夏にその中心として動かなきゃならぬというようなことになっておりましたので、その間、二十一年の秋から二十二年の夏に至るこの間をこの夜間部に通学をいたしました。
 今回の報道によって、これが文部省の正式な認可の過程を経たものでないということを知ったわけであります。
 私は、このことについては、まことに、五十年になんなんとする期間でありましたし、意にかけることもなくて、そのまま勉強したということが私の脳裏を去来いたしておったわけでありますが、その後、この間の新聞等の報道するところによって、これは正式な、許可されたものではないということを聞いたわけであります。
 当時は終戦後の、まさに硝煙たなびくような時期でありまして、大混乱期であったわけでありますが、ちょうど市内から八キロも離れたところでありますので、車もないし、トラックを運転してもらって、同僚とともに荷台に便乗いたしまして、そしてこの間をずっと通い続けだということが、私どもが苦労して勤労学生として勉強したということが、今でも実はみんなの話りぐさになったり、誇りに実は思っている次第でございます。
 ところが、今回の報道に伴って、私は二十一年前に当選をいたしましたので、昭和四十九年から今日まで、大衆との接点において、選挙公報を、選挙管理委員会を煩わしていただきました。そのときに、過去四回の選挙の中で二回は学歴のことが書いてありません。あとの最近の二回につきましては「東海科学専門学校にまなぶ」ということは書いてあったわけでございまして、そういう点については、これはそういうことを確認いたしましたけれども、参議院等で発行する議員の要覧等におきましては、東海科学専門学校中退というようなことが書いてありましたので、よくよく記憶をたどってまいりますると、卒業することなく途中でやめたということが中退であるというようなふうにひとつ考えておったということでございまして、そういうことで私は、うかつといえばうかつであって、これはまことに申しわけないということを実は考えておるところでございます。
 したがって、そういうことから今後の問題としては、やはりその点についての訂正とかそういったことを考えなきゃいけない問題だ。ただ、一生懸命勉強したということ、このことを重く見て今日までやってきたということでございます。
 以上であります。
○伊藤(英)委員 今のお話を聞いていますと、それこそいろんなこともお伺いしたいくらいでありますが、選挙公報にも「東海科学専門学校にまなぶ」という話は、ほんの、正式なものでも何でもないけれどもちょっとそこの場所に行って、それでちょっと学んだということでも学んだということかもしれません。しかし、選挙民から見れば、これはちょっと、やや選挙民を欺くかのごとき情報だと私は思いますよ。そういうように思います。
 それから、今言われましたように、例えば、私の手元にある国会便覧、国会便覧もいわば事実と異なって東海科学専中退。それから政官要覧を見ましても東海大中退。国会議員要覧も同じように東海大中退。それから、これは今も言われましたけれども、参議院のこれは公式な文書ですよね、参議院要覧、これも東海大学中退というようなことが書いてあるときに、いや、若干うかつでありましたとか、あるいはよく勉強したことを云々とかいうような話は、私はいかがかと思うのですね。
 それはやはり閣僚として見てもそうです。そういう意味では、やはり私は自分の責任問題というのは厳粛に考えなければならぬ話だ、こう思いますが、いかがですか。
○青木国務大臣 私は、このことが選挙運動にプラスになるとかなんとかということではなくて、ありのままを、初めは私は准教員養成所を卒業した、教員検定試験に受かったというようなことを書いてありましたけれども、そういうことでなく、途中でもってどういうように変わっていったかということについては、選挙をプラスにしようとす
るならば、初めから東海科学専門学校中退というように書いたはずでありまするけれども、初めはそういった学歴の関係等については何も書いていないわけでございます。
 途中でもってそういうようなことになったかという、例えば昭和五十二年でしょうか、その時期には、私は選挙には全く関係のない時期でありますから、このことを選挙にプラスさせようというような気持ちなんというのは毛頭なかったということでありまして、うかつと言えばうかつでありまするけれども、やはり東海科学専門学校にみんなで苦労して学んで、勉強したというようなことが頭にあるだけでございましたので、その点については、今後において、ひとつ訂正とか変更とかという措置をとっていきたい、現にとっている、こういうことでございます。
○伊藤(英)委員 総理にお伺いいたします。
 総理は、閣僚の任命権者でもある、同時に社会党の党首でもあられるわけでありますが、今のようなお話で、閣僚が学歴を、本人の意思かどうか知りませんよ、どのくらいの意思ですかどうかわかりませんが、現実に公文書にまで、そして、多くのそれぞれの文書に中退という形で出している。これは出しているのですよ、自分のところで。そういう状況になっている。そのことについて、本件について総理はどう思われますか。どのように対処をいたしますか。
○村山内閣総理大臣 今本人からお話がございましたように、戦後二十一年に、東海科学専門学校というのがあって、そこに夜間部が設置をされたから、昼間働きながら夜間の学校に学んだ、二十一年、二十二年に学んで、途中でもうその専門学校も退学された、こういう経緯でありますし、その東海科学専門学校が今日の東海大学にずっとこうつながっていっておる、こういうことも含めてそういう用語を使われたんだと思うのですけれども、これは、東海科学専門学校というのは、文部省が認定する学校ではなくて、言うならば各種学校ではなかったかと私は思うのです。そうであるとすれば、やはり適切さを欠いているというふうに私は思います。
 思いますけれども、本人に、今お話がございましたように、まあ悪意があったり意図的に何か目的があってしたとか、そういうことではないというふうに思いますので、確かに、御指摘のように、その適切さを欠いた点はあるというふうに私は思いますから、直ちに訂正をしてほしいと思いますけれども、その点についてはそのように御理解をいただければと私は思います。
○伊藤(英)委員 本件は、また改めてそれぞれ取り組むと思いますが、これからさらに調査をされますか。
○村山内閣総理大臣 それは調査をするほどの中身ではないと私は思いますけれどもね。
 いずれにいたしましても、今私が申し上げておりますように、確かにその扱い方について適切でなかったということは言えるのではないかと思いますから、必要があれば訂正をしてもらうということにしたいと思うのです。
○伊藤(英)委員 次に、沖縄の問題についてお伺いをいたしますけれども、御承知のように、あの沖縄での少女の暴行事件を契機にして、いわゆる日米の地位協定の改定問題、あるいは沖縄の米軍基地の問題等について、その整理縮小の要求等々が出ているわけですね。
 今日にこう至っているわけでありますが、先般、総理は国連の創設五十周年記念総会でニューヨークに行かれました。あのときに、今のような状況を考えれば、当然日米の首脳会談は持つべきであったんだろうと私は思うのですが、なぜあのときはそういうのを持たなかったんでしょうかね。
○河野国務大臣 総理御訪米の際、外務省としてはその時間調整その他に当たったわけでございますが、総理の日程が極めて厳しい日程でございまして、極めて短時間の滞在時間しか持てない状況でございました。
 また、国連におきましては、五十周年の記念式典ということもございまして、全首脳、元首が集まっていわゆる記念撮影をする、あるいはその他もろもろの事柄がございまして、集まった元首はそれぞれの日程もあらかじめ組んであるというようなことがございまして、総理にはもう遠からず東京で相当な時間をとって首脳会談をやっていただくという予定が既にございますので、この際は総理は中国との首脳会談その他にバイの会談の主力を向けていただいた、この日程は私どもで調整をしたところでございます。
○伊藤(英)委員 私は、いわゆる日米関係というのがどんなに日本の外交にとって重要かということを考え、そして今日の日米間の諸問題、あるいはアジアその他も含めて、本当に懸案ばかりという感じであります。
 そういう意味からいたしますと、まさに万難を排して、せっかくの機会だからああいうときにぜひ率直に会われて、たとえ時間はそう多くないかもしれません、それでも会っていろいろお話をし、そして日本に対する理解も得てもらう、あるいは日本からも米国に対していろいろ要請していただくという努力をやらなければならぬ。今の日本を取り巻いている外交状況は、私は今非常に大変な時期だ、こういうふうに思っております。その意味で、極めて先回のあの行動は残念だと、日本の総理として、私から見ると極めて残念だと、こういうふうに思っております。
 それで、この日米地位協定の犯罪者の取り扱いについて、昨日、「刑事裁判手続の改善に関する日米合同委員会合意」というのを発表をされました。そして、この中では、被疑者の起訴前の拘禁の移転の問題について、殺人または強姦というこの限られた犯罪に好意的考慮を払うという趣旨の、運用の改善にとどまっていると私は思います。あの文書を見ればそういうことだと思うのですが、私は極めてこれは問題じゃないか、こういうふうに思います。
 あの文書の中の、殺人とか強姦という特定した犯罪云々と書いてあるのですが、例えば殺人とか強姦ということについても、これは場合によりますが、裁判の結果そういうふうに判明をするということも私はあるのだろうという気がするのですね。そういう場合だってあるかもしれない。あるいは凶悪犯罪と言われる強盗だとかそういうようなものは、あるいは放火もいわゆる凶悪犯罪に含まれると私は思うのですが、そういうこともこの中に含まれているとはこれは思われない。
 そういう意味でこれは極めて問題だと思いますし、そして、これで沖縄県民やあるいは国民が理解をすることができるのだろうかと思うのですが、どのように思いますか。
○河野国務大臣 内容を詳細御説明を必要とすれば担当政府委員から御説明を申し上げますが、私といたしましては、先般の沖縄におきますまことに痛ましい事件にかんがみまして、この問題、犯人捜査の時点におきまして、沖縄県民の方々からの強いお気持ちその他を受けまして、私としてもアメリカに対しましてこの問題の、つまり身柄引き渡しにつきまして強く要請をいたしましたが、日米間の合意がなければこの身柄の引き渡しは困難であることは、これはやむを得ぬ当然のことでございますので、この種の身柄引き渡しについてのルールの改善につきまして何としても合意を得たい、こう考えて、アメリカと相当きついやりとりをいたしました。幸いにして、アメリカ側もこの問題については大変強いショックを受けているということもありまして、米側も誠心誠意このやりとりには正面から取り組んでおりました。
 私としては、これは見方はいろいろあろうかと思いますけれども、この種の改善方について、これだけのやりとりをし、これだけの時間で結論が出せたということは双方の努力でございまして、私は一つの結論を得ることができたというふうに考えているところでございます。
 今お尋ねの内容について、政府委員から少し説明を――よろしゅうございますか。
○伊藤(英)委員 総理にお伺いをいたします。
 今の話は、これは外務省が訳された文章によれば、「殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場
合」というふうに書いてあるわけですね。じゃ、ほかのものはどうなるんだろうということになるんですよ。だから私は、今のこのことで沖縄県民や国民は納得すると思われますかという質問をしたわけであります。それが一つ。
 それから、私どもは、これは今までも日本の国民の命や財産を守るという基本認識に立って、そして日米地位協定十七条五項cの見直しをやるべきだという話をしてきたわけですが、この協定の見直しについて米国政府とこれからも続けていこうとするのか、それが二つ目。そして、あるいはもうこれで終わったということで、見直しは必要ないと考えるのか、いかがですか。
○河野国務大臣 まず見直しの問題でございますけれども、議員もよく御承知のとおり、これまでも日米間では、騒音の問題でございますとか環境の問題でございますとか、日米間に新たにと申しますか発生をしておりますさまざまな問題について、合同委員会の場その他を通じて議論をいたしまして、その都度解決のための合意をいたしているわけでございます。
 これらは、これまで起こりましたさまざまな問題についての両国間の話し合いによる合意でございまして、合同委員会は引き続きその場があるわけでございますから、これから先も具体的な問題が起これは、その都度合同委員会を通じて議論をし、解決策を見出していくということになろうかと思っているわけでございます。
 最初にお尋ねでございました……(発言する者あり)合同委員会というものは常設でございますから、この合同委員会にそれぞれが問題を提起すればそこで協議が行われて、これまでも騒音の問題でございますとか環境の問題でございますとか、答えを出してきているわけで、これはこのまま、合同委員会は常設されてあるわけですから、この場で議論が、具体的な問題提起があれば、そこで引き続き協議が行われていくということでございます。
○伊藤(英)委員 今のお話は、そういう委員会があるから、そういうことですが、協定の見直しについて今後さらに提起をするというつもりは今はないよという意味だと私は思いますね。そういうふうに言われたということでしょう。
 そして、これは総理に伺います。そういう理解でいいですねということが一つ。
 今回の措置について、沖縄県民や国民は理解されると総理は思われますか。いかがですか。
○村山内閣総理大臣 当面、少女暴行事件といったようなものがございまして、そうした凶悪な犯罪に対する刑事裁判子絞の扱いをどうするかということについて専門家委員会が開かれて、その専門家委員会でもって、先ほど答弁がありましたように、一定の合意に達した。
 しかし、これはこれですべてが終わったというわけではなくて、今外務大臣からも答弁がありましたように、それは日米合同委員会というものは常設した機関としてあるわけですから、その機関の中で必要なことはどんどんお互いに問題を提起して、協議もして、合意点を見出しながら努力していくということは当然のことだというように私は思います。だから、ふだんから改善のための努力は怠ってはならないというふうに私は思っています。
○伊藤(英)委員 今回の措置で沖縄県民は納得されると思いますか。総理にお伺いしておりますから、総理。
○村山内閣総理大臣 二十一日に八万五千人の集会がございました。その集会における決議文もいただいておりますけれども、それは沖縄県民のその集会に反映された県民の心、意思というものは、それだけで片がつくと私は考えていません。
○折田政府委員 合意に達しました内容の点についてちょっと補足させていただきます。
 殺人または強姦については、その凶悪性にかんがみまして、日本側が引き渡しの要請を行えばアメリカ側が好意的考慮を払うということになっているわけでございます。これは通常日本側の要請に応ずる方向で検討されるということを意味するわけです。
 じゃ、それ以外の犯罪はどうかということでございますが、日本側が重大な関心を有する場合には、日本側が提示する特別の見解を米側は十分考慮するということになったということでございまして、この結果そのような場合も実際に引き渡しが行われることが十分に期待できるということになっております。
○伊藤(英)委員 私は、もしもそうならば、一番最初のところの文章の中で、「殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合に」というような書き方じゃなくて、例えば殺人または強姦などとかいうような感じになってくるのだろうと私は思うのです。だから、そういう意味で、この文章から見ればわからないねということであります。
 それから、先ほど総理は、沖縄県民のこの間の集会等を見てもといいましょうか、要請を見て、なかなか納得していただくのは容易ではないのではないかという言われ方をしたと私は思うのですね。だけれども、そう思いながら、なおこれから合同委員会の場で協定の見直しについてということについて言えば、それは見直しを要求していくという話には言及をされないということだから、これは今後も協定の見直しまでは考えませんよということですよね。
○村山内閣総理大臣 ここで協定の見直しはしませんよといって断定的に考える必要は私はないと思うのですよ。改善を必要とする問題点があれば、それはどんどんやはり日米合同委員会に出していって、そしてお互いに協議をしていくというのが当然のことだと思いますし、今回の二十一日の沖縄県民集会で反映された沖縄の皆さんの気持ちというものを考えた場合に、そう簡単には片がつくとは思っていません。
 したがって、これからもその心を大事にしながらその気持ちが反映されるように最大限の努力をしていきたいということを申し上げているわけです。
○伊藤(英)委員 私が残念なのは、最大限の努力をする、最大限の努力はしていただきたい、そのときに、協定の見直しというようなことについて、これから再度さらに要請をしていくという行動にまでは、今のところいくという考えはないということなのかな。
○河野国務大臣 議員のおっしゃる協定の見直しという意味が私にはよくわかりませんが、少なくとも地位協定で定められておりますものの中から、今回はあの痛ましい事件にかんがみまして、犯人の身柄の引き渡し、地位協定には起訴、公訴の後引き渡すと書いてあるものを、今回両国の議論の結果、先ほど政府委員御答弁申し上げましたような合意ができたわけでございまして、このことは、明らかに実質的にこれまでになかった状況を合意によってつくり出したということである、こう考えまして、県民の皆さんの期待に最善の努力をしておこたえ申し上げたというふうに私は考えているわけでございます。
 このことについては、米側もまた沖縄県民の心情というものに十分な理解を示された結果というふうに私は考えております。
○伊藤(英)委員 私は、日本の国民から見てもそうでありますが、今回の話は、いずれにしてもある部分的な運用の改善にとどまっているなということですよ。だから、引き続いてこの地位協定の見直しをぜひ進めていただきたい、こういうふうに思っております。
 次に、沖縄の駐留軍用地の使用権原の取得の問題でありますが、御承知のように、あの用地の一部は来年の三月末が使用期限になるわけですね。そういう意味で、今知事が署名、押印を拒否されている状況にあるわけでありますけれども、三月の三十一日までにこの使用許可を得るようにするためには、もしも知事が拒否し続けるとするならいつまでに総理が勧告をしなければならないことになるんでしょうか。
○諸冨政府委員 お答えいたします。
 現在、知事の署名をいただけるように内閣を挙げて取り組んでいるところでございますが、先生
今御指摘の点は、私ども、駐留軍用地特別措置法というのがございまして、これの手続を踏んで、仮に総理が代理署名された後も続けていくわけでございます。
 したがいまして、そういう手続面から申し上げますと、ただいまも大変厳しい状況にあるということをぜひ御理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
○伊藤(英)委員 私どもがいろいろお伺いしているところですと、大体何カ月、これでどのくらい期間がかかる、どれどれはどのくらいかかる、それで、六カ月ぐらいとか五カ月ぐらいとかいうような状況を伺ってはおりますが、今施設庁長官はやや具体的な数値までは触れなかったのですが、三月三十一日という期限を考えれば今もう極めて厳しい状況にあるよ、多分今の気持ちとすればもう実は限界に来ているんだよという意味なんでしょうね。
 そういう状況の中で、総理に伺いますが、これからどうされるのですか、いつ判断をされることになるのでしょうか。総理大臣にお伺いいたします。
○村山内閣総理大臣 この十一月の四日、五日、まだ決まっておりませんけれども、沖縄県知事と私とお会いすることに予定をいたしております。その会談の中で、沖縄県民の今ある状況やら知事の考え方というものをお聞きした上で、そうした問題の扱いについて、どうすることが双方にとって最善なのかということについて、お互いに虚心に話し合って努力していきたいというふうに今考えているのであって、手続がいつまでどうなるからこうなるからということを想定して私はするのではなくて、やはり、これは何といっても、機関委任事務ではありますけれども、双方の理解と了解というものが必要だというふうに思いますから、最大限そのための努力をしていきたいというふうに思っております。
○伊藤(英)委員 今も申し上げたように、というか施設庁長官も言われたように、期限から考えればもう極めて限界とも言えるような時期にあるという意味でしょう。そして、今、十一月四日に会われると言われましたですね。もちろんその結果次第なのかもしれませんが、その結果次第によれば、総理が勧告を出すということも考えられますか。
○村山内閣総理大臣 これからお会いをして、そしてお互いの理解と了解を取りつけて円満に話を進めていこう、そのために何が必要なのかということをこれから真剣に話し合いをしようというふうに考えているときに、もしそれができなかったときはどうするんだこうするんだという話をすれば、それは、これからお話をする話し合いにも支障があるし、影響があると思いますから、私は、そのことは触れない方がいいのではないか、今申し上げることは適切ではないのではないかというふうに思っておりますから、御理解を賜りたいと思うのです。
○伊藤(英)委員 今回の沖縄の問題を契機にして、これは一部の中には、今の安保条約あるいは米軍基地の整理統合あるいは整理縮小という問題等もいろいろと議論をされているわけでありますが、総理は、今の日米安保条約の重要性についてどう考え、沖縄の米軍基地について、今の整理統合あるいは整理縮小という問題についてどのように考えますか。
○村山内閣総理大臣 戦後五十年経た歴史的な動きの中で、国際情勢も随分変わってまいりましたし、国際情勢が変わってくれば、日米安保条約、日米安保体制というものの持つ歴史的な意味というものもやっぱり大分変わってきて当然ではないかというふうに思うのですね。
 しかし、一貫して変わらないのは、やっぱり日本の安全保障という立場を考えた場合に、日米安保条約の持つ役割というのは変わらないのではないかというように思いますし、同時に、そのことがアジア・太平洋全地域の安全保障上の大きな役割を果たしておる。これは、単に安全保障だけではなくて、政治経済全般にわたって一つの安定的な基盤になっておるということは変わりはないというふうに私は思っています。
 ですから、これからも日米安保条約は堅持をし、日米安保体制というものを軸にして日本の外交というものをしっかり考えていく必要があるというふうに思っております。
○伊藤(英)委員 基地縮小問題は。
○村山内閣総理大臣 そういうことを前提にして、私は、やっぱりこれは、十一月に日米首脳会談も開かれることになっておりますし、それから同時に、アメリカの国防長官も来て、いろいろ会談が持たれることになっておりますから、そういう場でお互いの持っている考え方というものを率直に話し合って、そして相互の理解を一層深めていくということが大事ではないかというふうに思っております。
 そういう話し合いの中で、今のこの体制の中で基地というものが現状でいいのか、あるいは、もう少しやはり整理統合、縮小するという沖縄県民の気持ちというものが素直に反映されて話し合いの俎上に上って、お互いの協議をして努力をしていくということは当然ではないかというふうに思っています。
○伊藤(英)委員 これは、私は総理も発言されてきたような気がするんですが、あるいは社会党も明確に整理縮小、あるいは一部では廃止ということまで述べていると私は思うんですが、今のお話ですと、総理自身は整理縮小をしていこうという考え方であるという意味では必ずしもないというふうに判断していいんですか。今のはそういうふうに受け取りましたけれども、それでよろしければ…
○村山内閣総理大臣 いや私は、限定的に物を考えるんではなくて、これから協議をし話し合いをしていくわけですから、したがって、基地、区域の整理統合というものを話し合う中で、これはもう必要ないなというふうな話になれば当然縮小という問題も起こってきましょうし、そういう問題については、やはり沖縄の戦前、戦中、戦後を通じて置かれておる現状というものを、あるいはまた今回の事件を通じて反映された沖縄県民の心というものを、そういうものを大事に踏まえて誠心誠意その立場でアメリカと誠意を尽くして話し合うということは当然のことではないかというふうに思っているわけです。
○伊藤(英)委員 今のお話ですと、話し合いはしていく、しかし総理として縮小をしていこうというふうに必ずしも思っていないというふうに私は受け取りましたけれどもね。だってそうでしょう。今のはどちらの方向で考えているのかということなんですよ。それを明確におっしゃってくだされば。どうですか。
○村山内閣総理大臣 今さっき言いましたように、これからアメリカの国防長官もお見えになって、そして日本との話し合いもなされる。これは恐らく外務大臣も話し合いをまたされると思いますし、そういう外交ルートを通じての話、それから十一月には日米首脳会談も予定されておる。そういう場を通じて、これまで来た沖縄の戦前、戦中、戦後を通じての置かれておる現状と、今回の事件を通じて反映された沖縄県民の心というものをしっかり踏まえた立場で、基地の問題についても区域の問題についても、やはり整理統合と縮小に関してこれから誠意を持って話し合いをお互いにしましょうということを申し上げておるんで、もう縮小はする気はないんだなとか言って断定して物事を考えていく必要はないんではないかと、私はそう思っているんです。
 これは相手のあることですから、いつまでに何ができるかということについてはここではなかなか申し上げられませんよ。しかし、今回の事件を通じて反映されている沖縄の皆さんの期待と心というものはやはり大事にして、それを踏まえてやっていかなきゃならぬと。
 ですから、私はこの予算委員会でも申し上げましたように、これは単に沖縄だけの問題ではないと。こうした置かれている沖縄の皆さんの気持ちというものを国民全体が共有するという立場で政府も取り組んでいく必要があるんではないかということを今申し上げておるんで、そういう立場でこれから誠心誠意話し合いをしていきたいというふうに思っています。
○伊藤(英)委員 整理縮小という話がいろいろ出たりいたします。今のこともなかなか私は定かではないなという気がしておりますが、少なくとも新聞等に報道されるアメリカ側の、国防総省等の話では、いわば沖縄米軍の戦力を削減するとかあるいは兵力を削減するつもりはないというふうに伺っておりますが、これは防衛庁長官、そういうふうに理解していいですね。
○河野国務大臣 後ほど必要とあらば防衛庁長官からもお答えをいただいたらいいと思いますが、私、今の御質問にお答えするのと関連して、ことしの一月に、村山総理がクリントン大統領と首脳会談を行ったときに、いわゆる三事案というものを総理は提起をされて、首脳会談で三事案というものが合意をされたわけです。この三事案を見ていただいても、この中にあります読谷の基地は、これは整理統合をして、現在の基地はそのまま縮小されるわけです。それから、那覇港につきましても、それが浦添に移れば、全体として四〇%は面積的には縮小をされるわけです。総理の提案されて大統領との首脳会談での合意を見ましても、これは相当程度の、つまり三事案の問題に限って言えば縮小である、これが実現すれば縮小になるということをぜひ御理解をいただきたいと思います。
 それから、ペリー長官の発言でございますけれども、ペリー長官の真意は、これまでボトムアップ・レビューもいたしました、それから、東アジアについてのさまざまな分析をいたしました、その結果、アメリカで考えたこれまでのアジアに対するプレゼンスというものは、それは削減をする意思は今ない、つまり、一たん決めたものを削減する意思はないということははっきり言っておられるようでございます。
○伊藤(英)委員 今度十一月二十日にクリントン大統領も来られるわけですね。そして日米安保条約の共同宣言、日米安保の共同宣言もされるように伺ったりしておりますが、私は、これから日米安保条約がアジア・太平洋の平和と安全にとってますます重大になっていく、こう思うのですね。
 そこで、一つだけお伺いをいたしますけれども、この日米安保条約の第六条にいわゆる極東地域の云々というところがありますね。その極東というのは一体どこなんだろうかということがあるわけでありますが、その極東の地域について、今後その範囲を見直していく考え方があるのかどうか、これはどうですか。
○折田政府委員 一般的な用語として用いられております極東は、地理学上正確に確定されたものではございませんけれども、安保条約の前文に規定するとおり、極東とは、日米両国が国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有する地域であって、かかる地域は、大体において、フィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域であるということは安保国会当時の統一見解でございますが、その統一見解を変更するという考えを現時点で政府が持っているということはございません。
○伊藤(英)委員 これからそういうことを検討をしていくという考え方はないという意味に解釈していいのですか。
○河野国務大臣 先ほど総理がお答えになりましたように、日米安保条約というものが戦後五十年という節目の年を迎えてどういう意義を有するかということについて、せっかくこの時期両首脳が会談をなさるわけでございますから、そこで何といいますか、再確認とでも申しましょうか、そういったことをしていただきたいということを考えておりますが、その中で、少なくとも、冷戦時代におきます安保条約というものは、国の安全ということが専らでございました。
 しかし、ポスト冷戦という時代に入りますと、もちろん、先ほど総理がお答えになりましたように、何よりも国の安全ということが第一でございますけれども、それと同時に、やはり今政府委員からも申し上げましたが、アジアに目を向けて、国の安全と同時に、我が国の安全のためにはアジア地域がやはり安定しているということが重要であって、そのためのプレゼンスが、そのためのことを我が方は考えておったわけでありますが、そうしたことと、アメリカ自身のアジアに対する関心ということとも相まって、アジアの安定あるいは秩序というものが維持され、それが結果としてアジア・太平洋地域の世界的に注目を浴びるような経済成長の基盤をつくっている。
 つまり、私の申し上げたいことは、これまでの安全ということと同時に、繁栄ということの基盤にもつながってきているというふうに私は考えているわけでございまして、そうした議論を私はアメリカのカウンターパートともずっといたしてまいりました。そうした考えに立ちましても、私は、日米安保条約の意義の中に、今政府委員から申し上げました極東の範囲というものを十分念頭に入れつつ、この地域の安全に我々はさらに関心を持っていくということであろうと思います。
○伊藤(英)委員 次に、金融の不良債権問題について伺います。
 この問題はもう今までも、本委員会でもあるいは参議院でもあるいは各委員会でもいろいろと議論をされてきたりしているわけですが、この不良債権の発生原因ということについて本当にちゃんと総括をしなきゃいけないなということを痛感をいたします。
 私は、やはり何といっても最大の問題は、日銀あるいは大蔵省等の金融当局の今日までのいろいろな行動あるいは政策について十分に反省しなきゃならぬ、こういうふうに思うわけであります。
 それはいわゆる護送船団方式によるやり方ということですね。こういうことが大きな問題だったんだな。あるいは、金融自由化、こう言うんだけれども、それも結局は言葉だけで、実際の行政というのは利用者なり株主なりそういうものを結局は軽視をしてきたということになるのではなかろうか。あるいは、いわゆる土地本位制ということで、土地担保主義によって融資をしてきたということでしょう。そしてまた、住専問題について言えば、政策的にこういう住専をつくり、そして、あるいはそのトップにも、大蔵省OBの方をそういうところに入れてきたりというようなこと、こういうことを見れば、ああやはり本当に今日までのいわゆる行政当局の責任がどんなにかというふうに思います。
 あるいは、さらにつけ加えれば、そもそもこのバブル経済というのはどこに背景があったのだろうかといえば、やはり八五年のときのプラザ合意、そしてそのときからの日本の低金利政策、そして地価とか株価等々がどんどん上昇をしている。超インフレあるいはバブルの危険があったんだけれども、金融緩和の是正には実は動かなかったんですよね。そういう状況。
 そしてその後、あるいはその反動といいましょうか、前の日銀総裁のときになりますが、今度は急激な金融引き締めというようなことをやる。そして、これもここでも議論をされましたけれども、平成二年には不動産融資の総量規制をやる。また、そのときに住専の蛇口だけは広げておいて総量規制をやったというようなことが行われてきたわけですよね。そういうような状況がいろいろ起こったりしている。
 そして、さっき申し上げたように、金融自由化も行われてきたんだけれども、そのときにいわば金融機関の破綻に備える早期警戒システムといいましょうか、あるいは金融システムの安定維持機構といいましょうか、そういうものをつくってこなかったわけですよね。ということ等々を考えれば、これはやはり日銀とか大蔵省の責任は極めて重大だ、こういうふうに思うのですが、これは日銀総裁と大蔵大臣、いかがですか。
○武村国務大臣 御指摘のように、今から振り返ってこのバブルという経済状況の発生、そしてその崩壊をどう見るか、大変大事な視点であります。国際的なかかわりも含めてさまざまな要素の中で日本経済も動いているわけでありますから、単純明快に何かのせい、だれかのせいというわけにはいかないと思います。
 御指摘がありましたように、金融政策も一つの見方としてはあるかもしれません。例のエクイティーファイナンスが大変活発に行われて、そのことによって多くの企業はそちらから資本を得ることができた。したがって、金融機関の側から見れば、従来の貸し付けがかなり減ったというようなことも一つの背景として説明できるかもしれません。
 また、おっしゃったように、プラザ合意の円高の方向、ドル安の方向の中で不況も起こりましたが、この状況に対する対策もあったでしょうし、しかし、一貫しては日本の経済収支の黒がずっと減らないという状況の中で、この間の内閣も内需の拡大といいますか、ということにも随分御苦労をされたわけでもあります。そういうことも、財政出動も含めてあの時期の対策として今振り返りますと、それがバブルに対してさまざまな影響を与えていることも事実かもしれません。その中に大蔵省の金融行政の問題もあると思います。
 いずれにしましても、急激な資産の価額の変動に対する見方というものが、これは大蔵省もそうですし、政府全体もあるいは国民全体も十分認識ができていなかったという考え方をまずしていいと思いますし、私ども金融行政の立場からいえば、やはり個別の金融機関ごとにとらえても、資金の動き、特に不動産の動きに対する十分なチェックをしてきたのかという反省を率直にしなければならないと思っている次第であります。
○松下参考人 御質問のいわゆるバブル崩壊の原因につきましては、これは首都圏一極集中でございますとか諸法制でございますとか、いろいろの要因が複雑に絡んだ問題ではございますけれども、その中には長期にわたる金融緩和にもその原因の一端があったということは、これは否定できないことであると考えております。
 当時は、振り返ってみますと、内需中心の景気回復と、また、対外不均衡の是正ということがいわば国是というふうになっていた時期でございまして、金融政策の面でも運営面でぎりぎりの政策選択を迫られたというふうに私は理解しているところでございますけれども、このときの経験につきましては、私どもとしましても、政策運営上貴重な教訓であると受けとめている次第でございます。物価あるいはマネーサプライその他の総合的な判断の方法につきましても、いろいろと過去の経験を踏まえまして今後検討を進めていかなければならないところだと思っております。
 その後、日本経済は現在の不良債権問題に直面をしておるところでございますけれども、現在、私どもといたしましては、この不良債権問題の早期処理ということを非常に重要な課題と受けとめておりまして、この対策に懸命に努力をいたしているというところでございます。
○伊藤(英)委員 私は、いわゆるすべての反省をもとにして、そして具体的な、抜本的な対策をとっていかなければ今の状況を打開することは難しい、こう思っているから、冒頭申し上げたわけです。
 では、まず最初に聞きますけれども、大蔵省と金融機関の関係というのはそもそもどうあるべきだろうかというようなことを考えてみても、やはり今日までの状況は問題だったろうというふうに思うんですよ。それで、既に議論もされたりもしてきておりますが、実際に大蔵省が業界の指導監督する機関であるわけですが、その大蔵省から銀行にたくさんの天下りをしていますよね。大蔵省の資料によれば、私のいただいた資料ですと、銀行に役員だけで今七十三人入っているそうであります。屋山太郎さんは、私の記憶が間違いなければ、百五十人という数字を出していると思いましたけれども、いずれにしても、こうした多くの人が入っているわけですね。天下っているわけです。
 何としてもこれは、私は直さなきゃならぬ、こう思うんですが、天下りは禁止されますか。
○武村国務大臣 大蔵省を退職した職員がどの程度金融の世界で仕事をされているのか、数字は私は詳細につかんでおりませんが、いずれにしましても金融の世界ですから、主として大蔵省が、過去の財政、金融、最近は国際金融もございますが、その経験を買われて、人材として要請されることが少なくありません。そういう要請にこたえて一人一人の、本人が判断をされて決まっていっているということでありまして、大蔵省が天下りというふうな表現に感じられるように押しつけているということでは私はないと思うのであります。
 ただしかし、大事なのは、やはりそういうスタッフが卒業した後の大蔵省の行政に民間金融の立場から影響を与えるようなことがあってはならないということでありますし、もう一点は、このことをどう見るか、一つの、各省にある種共通する問題ではありますけれども、公務員制度のあり方という問題も含めて、人事院もそういう検討を始めてくれているように伺っておりますが、私は見詰めていきたい。今すぐこれを禁止する考えはありません。
○伊藤(英)委員 私は今の公務員制度等の問題についても理解をしているつもりでありますが、しかし、今回のような状況を見れば、ああ本当に大蔵省からたくさんの人が入っている。それはいろんな要因で入っているんでしょう。しかし、それは今の大蔵省と金融機関の関係があるから実は入っている。いわゆる行政のやり方の問題ということもあるわけですね。これは今大蔵大臣は禁止するつもりはありませんと断定をされておりましたけれども、私は真剣に考えなきゃならぬ話だと思っています。
 次に、金融制度調査会がいろいろと、当然日本の金融政策等についても、あるいは今度の不良債権の問題についてもいろいろと議論をされているわけですね、しているわけでありますのでは、金融制度調査会を見れば、そもそもこの不良債権問題についてその処方せんをつくる金融制度調査会、その会長があのバブルのときの日銀総裁、元大蔵事務次官ということですよね、今。一体いいんだろうか。あるいはあの中のワーキンググループの座長は、不動産融資の総量規制の際に、さっきも申し上げたように、例えば住専をその対象から外したああいう通達を出したその当人の当時の銀行局長が座長ですね。というようなことをやっていると、私は、しっかりとやっておられるとは思いますが、しかし、いかにもこれはいいのだろうかと。本来、私から見れば、いわば正しく反省をすれば自分たちがやってきたことを文字どおり問題にしなきゃならない、その人たちがこれからの処方せんをつくろうとしているんだなという構図ですよね。
 私は、こういうようなことがあるから、先般、九月二十九日の閣議決定の審議会の委員等のあり方あるいは会長等のあり方について出していると思うのですよ。あの閣議決定の内容からしても、この金融制度調査会の会長は一体いいのだろうか、あるいはメンバーはいいのだろうかということを思うわけですが、いかがですか。
○武村国務大臣 過去さまざまな経験をされた方をお願いをしているわけであります。常設の機関になってきておりますから、この不良債権問題だけを急遽審議するために人をお願いしたわけではありません。バブルのときの責任者であるという形だけで決めつけるわけにもいかないのではないか。ある意味では、またバブルのときの貴重な経験を生かしていただいて、みずから反省すべき立場にあれば、反省も含めてこの問題処理に知恵を絞っていただくこともあり得るわけであります。
 海部総理も、バブルのときの総理大臣でありますが、当然私どももバブルのときの代議士でありますし、そういうふうに言い出すと、政治家、財界人、学者全部、あのときにバブルに批判的を言動をしなかった者は全部責任があるということにもなる。大いに責任はあると思いますが、反省をしながら出直すということが私は大事だと思っております。
○伊藤(英)委員 私、今の大蔵大臣の話は極めて問題だと思っています。(発言する者あり)ちょっとそれは後から申し上げます。
 その前に、今審議会の話で、私が申し上げたのは、そもそも大蔵事務次官をやった方が会長になっているんですよ。日銀総裁だった人が会長をやっているんですよ。そのことだけでもこの間のその閣議決定の審議会の会長等についての考え方と違うのじゃないだろうか。それに加えて、さらに、バブルのときの日銀総裁が今やっているんですよ、審議会の会長を。というのは、いわば審議会というもののあり方ということを考えてみても、極めて問題じゃないでしょうかね。総理、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 いやしくも国民から見て疑念を持たれるような形、姿というものはやはりできるだけ改善をした方がいい、これは当然のことだと思うのですね。そういう意味で、今回の閣議決定においても、こういう疑念が持たれるような審議会のあり方というものについては思い切った改善をしようではないかというので、ああいう決定をしたわけです。
 ただ、先ほど大蔵大臣からも答弁がありましたように、いろいろな経験を積まれて、その知識も能力もあるという人が、役人をやめた後何も社会的に活用されることがないというようなことになったのでは、これはやはり人的資源を活用できないことになるので、私は、それは形式的に考えるべきものではなくて実質的に、それは必要とするものは必要な場所で十分社会的に働いていただくということは必要なことではないかというふうに思いますけれどもね。
 ただ、前段に申し上げましたように、国民から見て疑念を抱かれるようなことだけはやはり改善をすることが大事だというふうに思っていますから、一概にいいとか悪いとかいう判断はやはりすべきものではないのではないか。
 これは制度全体のあり方として、先ほどもお話がありましたように、人事院でもそうした問題については十分な検討もされているわけですから、そういうことも十分踏まえた上で対応していく必要があるのではないかというふうに思います。
○伊藤(英)委員 それこそ専門家であられた方々にいろいろなところで活躍をしていただくのは非常に重要なことだと思っております。ここしか活躍する場所がないわけじゃないんだから、審議会はそういう人は別に会長じゃなくてもいいですよと。だからこの間の閣議決定をされたわけでしょう。今の総理の発言は、この間の閣議決定の精神を何となく逸脱している、あるいは精神に反するような話をしているとさえ思われる話だと私は思いますよ。
 だから、国民から見ても疑念を抱かれないように、学者やらいろいろな方もいらっしゃるわけだし、会長の人選等は考えるべきだということであります。ぜひそれは考えていただきたい、こういうふうに思います。
 実は、私は今こういう話をいたしますのは、あと時間もあればその経営責任の問題についても触れたいと思っていますが、今、この金融問題もしかり、あるいは金融問題を見れば余計にそうなんですが、日本は物すごい無責任社会になっているのではないだろうか。みんなが勝手なことを、まあそれぞれに努力はしているかもしれません。しかし、それによっていろいろな重大な事件が、事故が起こったりする、事態が起こったりする、しかしだれも責任をとらないじゃないか、そういうことがやはり非常に心配だな。
 取引でも一緒ですよ。不良債権問題というのは、お金を貸す、お金を借りたら当然返すべきものなのです。にもかかわらず、返さなくてもいいなどと思っている人がいるんじゃありませんか。あるいは担保価値なんかないものに平然とばんばん金を貸すよ、これはもう無責任以外の何物でもありませんよね。そういうことがいっぱい起こっている。そういうものを本当に正さなければ健全な社会にはなりませんよ、健全な資本主義社会になりませんよ、市場経済を前提とした社会なんかできませんよということですよね。
 だからその辺を聞きますが、ただ役人の方、官僚はどういうふうに責任をとるのだろう。さっき大蔵大臣は、総理大臣もあるいは各議員も云々という話もされました。役人というのはどういう責任をとるのだろうか。あるときに政策を決定をした、あるいは通達か何か出したりした、それが問題を起こした、その人はもうどこかにかわって、いない、今はほかの人がその職についているというようなことが起こったときに、だれが責任をとるのでしょうかね。かつてその政策をやった人がとるのだろうか、その職を、ずっと続いた後、今の人がとるのだろうか、どうするのでしょうかね。総理、どう思われます。
○村山内閣総理大臣 これは一般的な、抽象的な話ではなくて、具体的にこういう責任が問われるようなことをしているではないか、その責任はどうとられるのか、こういう話になれば、私は、それは責任の所在が明確になれば、その責任についてはきちっとやっぱりとってもらわなければいかぬというように思いますけれども、一般抽象論でもって言われてみても、それはなかなかお答えがしにくいので。
 私は、今お話がございましたように、例えば金融の問題等についても、これだけ不良資産を抱えて、そして金融機関に、この秩序が乱れつつあるというときに、こういう原因をつくったその責任というものはだれが持つべきなのか、どこにあるのかということは徹底的に究明されて、それでその上に立ってその改善策が講ぜられるというのは当然なことだと思いますよ。そんな責任をあいまいにして、そして、バブルのときに、まあやりたい放題という表現がいいか悪いかわかりませんけれども、やって、そしてバブルが崩壊して資産価値が下がった、どうしてくれるんだと言って投げかけるような、そういう無責任なことはやるべきではない。やっぱりここまで至った責任の所在というものは明らかにすべきであるというふうに思います。
○伊藤(英)委員 さっき大蔵大臣が、当時のバブルのころの議員もだれも何もというような言い方をされたのでちょっと一つ申し上げますが、これは私のことですが、平成二年の土地特のころに大蔵省の方に私の部屋まで来ていただいて、今の銀行関係の経営のビヘービアについて、あれは銀行法第一条に違反していると私は申し上げました。そして、今の状況を直さなければという話をいたしました。
 そして、その土地特の委員会のときに、私はこの問題についていろいろなことを申し上げましたけれども、金融機関のビヘービアは極めて問題だよ、銀行のあり方、一体今の銀行は何をやっているか、どういう行動をしているかという話をいたしました。そして、そのために大蔵省の責任がどんなに大きいか、日本の経済を健全に保つために日本の金融機関の行動こそが健全であってもらわなければ困るのですよという話を私はこの場で申し上げました。
 そのときに答えられたのは、今の西村局長が当時審議官で答えられました。だから、審議官も当時、私のその話について、銀行法第一条の問題に触れられました。そして同時に、銀行法第一条の第二項の問題の、銀行のいわば自主的な努力の問題についても触れられました。しかし、あのときに本当にもっとやっていたら今のような状況はなかったと私は思いますよ。局長、どう思われますか。
○西村政府委員 当時、金融制度改革の論議が非常に盛んでございまして、金融制度改革法が議論されていたような状況下であったかと記憶しておりますけれども、御指摘の銀行法の第一条「目的」でございますが、「この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持しこということで、第一項におきましては公共性を強調しております。また第二項におきましては、御指摘のように経営の自主性というもの、自主的努力というものを強調をしております。公共性と自主的努力、両方の要素を勘案しながら適正に銀行法の執行に努めてまいるというのが私どもの役目と考えております。
○伊藤(英)委員 私は、役目をあるいは責任を果たしていない、大蔵省は果たしていないと思っております。ぜひ御反省をいただいて、役所のあり方ということも本当に真剣に考えていただきたいと思います。
 時間が余りありませんので、住専に絡んでの経営責任の話をちょっと申し上げたいと思うのですが、もう言うまでもありませんが、この住専問題について私はこういうふうに思います。
 何といっても、これはいろいろ議論されてまいりましたけれども、住専の問題を考えたときに、その住専各社の役員の構成を見ても、これは大蔵省の資料を見ても、母体行からの出身者が九割以上、一々どこにだれがと私は申し上げませんが、九割以上の役員が母体行から行っていますよ。そして、母体行の紹介による融資というのは一体どのくらいあるのだろうか。新聞等には一〇%だとかあるいは一兆円だとかいう話も出たりいたします。私が住専関係者に聞きますと、こんな感じですよ。
 まず、中がどんなふうになっているのだろうかと考えれば、住専の中間管理職以上というのはほとんど母体行の出向者ばかりでしょう。そして、その出向者の多くは二年で帰ってくる、二年で帰っていきますよ。それで、実際の融資のノルマを与えられる、融資の案件を探そうとする、なかなかないものだから母体行に聞いたりする、そしてその案件について考える。では、今度はその評価をどうしようか、結局能力も余りないものだから、母体行にまた評価も頼むというような構造。
 したがって、私の聞いた人によれば、実質上は七割から八割は母体行の紹介ということぐらいですよ。それで、実際にレートを見ても、住専のレートと銀行のレート、どちらが高いんだろうか。おのずと住専も大変ですよねという構図。言えば、次から次へとというぐらいの状況ですよ。
 それから一つ、これはこういうことがあるという意味で申し上げるのですが、住総というのがありますね。住総と太陽グループ、太陽エステート等を中心とした太陽グループ、そこへの貸し付けの状況なんかを見てみますと、まさに異常だ。ほかにもいっぱいあるんだろうと私は思うのです。ここにはこんな感じになっていますね。
 この太陽エステートを中心とした太陽グループに住総及びその子会社が八七年の三月末に貸し付けている金額が千三百八十三億円の融資。そして、それを今度は自分のところが上場しようというので一気にそれを整理しようというので、千三百八十三億円の融資から一気に四百八十三億円まで減らした。そのときに、今度はぱっと買い戻すのですね。そのときに、その物件を今度は実勢価格から非常に大幅に高い金でこれを買い戻す、そして猛烈な評価損を出す。実際には倍の値段で買っている。
 これは、私は、住総関係の中の資料だけでこれだけあります。きょうは細かく申し上げません。申し上げませんが、やっている中身を見れば本当にでたらめだ。そしてそのときの経営者は、母体行からの経営者がやるわけですね。ということですよ。そういうようなことをやる。
 じゃ、その中の人が具体的にどんな思いであったか、それを読んでみますね。手紙ですよ、手紙というのかな。十月の十三日の日経新聞に、住総、母体行、大蔵へ整理の方針を伝えるというその報道が出た日、その住総の社員に対しては経営側から何の説明もない、それでそれに怒って一部の社員が抗議をする。そうすると、その日の夕方に社長がようやくコメントを言う。その中身は、退職金は出るかどうかも私にはわからないという一言。まあ、ほかにも少しはあったんだろうと私は思いますけれども、そういう状況。そして、その社員は、本当に再建、再建ということでずっと大変な努力をする、夏休みも返上してやった方も随分多い、そういうことなんですが、その従業員には何の説明をする前に、母体行が整理することを大蔵に伝えるというような状況が起こっているということですよ。
 要するに、こういう構造ですね。いろいろ言えばいっぱいあるわけですが、どんなふうに思いますかね。――まあ、じゃ、いいです。
 私は、住総でもそうですが、この住専問題の責任というのは、もちろんそれぞれ貸し手の責任もあると思っていますよ。しかし、母体行はいかにもという気がいたします。
 そういう意味でお伺いしますが、これは大蔵省がいいんでしょうかね。今、公的資金の投入がどうのこうのという話が出ていますね。そのときに、この委員会、ここでも話がありましたけれども、公的資金を導入するときには経営者の、金融機関の自己責任を果たすことが大前提だというふうに話がありました。じゃ、その果たすべき自己責任とは一体何なのかということを、何をすることが自己責任を果たすことになるのか、伺います。
○西村政府委員 住専各社は昭和四十年代後半から個人住宅ローンというものを中心に仕事をしてきたわけでございますが、その後のいろいろな環境変化のもとで、御指摘のような案件につきましてはむしろ仕事の中心になってしまったという問題点があるのは確かに私どもとしても大きな問題だと考えておりますし、現在の住専問題のよって来るゆえんというものもそういうところに大きな原因があろうかと思います。
 ただ、住総、これは信託銀行七行が集まりまして母体となってつくりました住専でございますけれども、この個別の融資の問題についてのコメントは差し控えさせていただきたいと存じますが、いずれにいたしましても、今この住専問題の処理というものをどうしていくか、関係者の間で真剣に検討されておるところでございますし、私どもも果たすべき役割は十分考えなければいけないと思います。そういう中で、まず、自己責任の原則に基づいてそれぞれがどういう役割を果たしていくか、経営者、従業員、株主、そして行政、それぞれがそのそれぞれの立場で適切に責任を果たしていかなければいけないと考えております。
○伊藤(英)委員 アメリカの金融破綻があったときに、これは大蔵省のいただいた資料でもそうでありますが、経営責任の追及ということで、八九年から九三年で有罪判決を受けた人、千三百八十三件、これもよく言われておると思います、少なくとも千件、千人以上に有罪判決が下ったりしております。これは経営者ね。
 それから、例えば銀行のリストラということを考えますと、例えばアメリカの大手商業銀行のリストラで見れば、これは九一年から二年間の経費節減ということで、例えばシティコープですと一万四千人の人員削減をした、チェース・マンハッタン三千九百人、ケミカル・バンク五千九百人、バンカメリ力一万四千五百名。さらには、いろんなことをやっておりますし、さらに、バンカメの場合ですと、サンフランシスコとロサンゼルスの本部ビルまで売却をしております。もちろんその後バンカメはよくなっていますよね。というような状況が起こっているわけですね。
 私は、そういうのに比べてみて、今の銀行、例えば都市銀行を見たときでも、九月期の決算の状況を見ても、史上最高の業務純益を上げている。もちろん金利はもう今のように公定歩合〇・五%まで下げているというぐらいの状況ですね。というような状況です。こういうのを見て、アメリカのやっている状況を見て。どう思われますか。これは大蔵大臣。
○武村国務大臣 お話しのとおりに、アメリカは、主としてはまあ小さな貯蓄銀行でありましたが、大変たくさんの貯蓄銀行が破綻をする状況になりました。連邦政府、議会では四、五年論議が続いたようであります。そして、八九年ごろから、一定の大胆な方針を出して、ここ数年来この問題の解決に当たってきて、おおむね処理をしたという状況であります。先般ルービン長官が私にも強く言ってくれておりましたのは、なるだけ早く、早期に対応をされた方がいいですよという、これはアメリカの苦い経験を踏まえておっしゃっていました。
 私どもは、住専だけではありません、預金保険機構や信用組合をめぐる法改正も含めて、年内に方針を固めたいと思っておりますし、そうした私どものやるべきことをやりながら、基本的には民間金融機関がしっかり、今お話しのようにみずからの責任で不良債権を減らしていく努力を進めていただくということでございます。ぜひアメリカの貴重な経験を参考にしながら、この大事な時期のこの大きな問題を乗り切っていけるように全力を尽くさせていただきます。
○伊藤(英)委員 ちょっと、時間が余りないので、二つだけお伺いをいたします。
 一つは、今のようないろいろなことを考えるときに、第一は銀行法の改正についてどう考えるかということであります。特に私が今気にしておりますのは、今回の不良債権等々の問題を見ても、いわゆるディスクロージャーを本当にやっていかなきゃいけないよということになるわけですが、今の銀行法では、第二十一条に書いてあるのではそういう今のニーズにこたえているというふうには、私はとても思えません。それで私は、当然銀行法の改正は、まあほかのこともあるでしょうが、このことについてぜひ考えるべきだと思っております。それについての回答をいただきたいということと、もう一つ、今度は日銀法でありますが、本当は日銀法もいろいろあるのですが、日銀法の改正についてどう考えているか。
 一つは、そもそも日銀法は昭和十七年にできた法律であります、十七年。したがって、今の法律は片仮名ですよ。今のように世の中ぼんぼん動いているときに、何であのままでいいんだろうかということを思うというのが一つ。
 そして、いろいろなまた項目はあるんですが、今の、例えば日銀の政策を執行しようと考えるときに、日銀の政策委員会のメンバー、これは日銀法の中にどういう人からということが決めてあるわけですね。あの内容は、私はいかにも問題だ、こういうふうに思います。幾つかありますよ、あの中に。例えば最後の方に出ている、商工業、農業と書いてありますね。今の世の中で商工業一人、農業一人出ていて、しかもそれが元通産事務次官、元農水事務次官ということ、いかにも私は、現在の政策を考える意味においても、あれは時代おくれといいましょうか、即刻検討すべきだ、こういうふうに思っていますが、この日銀法の問題と銀行法のそれぞれの改正問題についてお答えいただきたいと思います。
○西村政府委員 まず、銀行法二十一条の問題でございますが、昭和五十六年の銀行法の改正に際しまして、このいわゆるディスクロージャーは、金融機関の自主性、自主的な開示というものを通じて行うべきものである、したがって二十一条は、御指摘のように、訓示規定という形になっております。私どもは、ディスクロージャーの重要性、行政も金融機関の経営者も十分認識しておると思いますので、そのような精神にのっとって適切に執行をしてまいりたいと考えております。
 日銀法でございますが……(発言する者あり)そのような自主的な開示を行うという精神にのっとって、このディスクロージャーを積極的に進めてまいりたいと考えております。
 それから、日銀法の問題でございますが、確かに、御指摘のように、日銀法は戦時中に制定されたという事情もありまして、必ずしも現状にそぐわないと感じられるような表現等があることは、御指摘のとおりでございます。しかしながら、法律は、そのときどきの経済社会情勢に即して解釈されるべきものでございまして、今日の日本銀行が、我が国の中央銀行として通貨、信用の調節等を行い、国民経済の健全な発展に寄与すべきであることを規定したものと解され、適切に運用されているものと考えております。
 したがいまして、私どもとしましては、現時点では、現行日銀法には政策遂行上特に支障となるような問題はなく、日銀法を改正する必要があるとは考えてはいないところでございます。
 なお、日銀政策委員会のメンバーの構成でございますが、日本銀行総裁、大蔵省の代表一名、経企庁の代表一名のほかに、金融業、商工業及び農業に関しすぐれた経験と識見を有する任命委員四名によって構成されております。任命委員四名についてこうした構成がとられているのは、これらの委員がそのすぐれた経験と識見をもって、広い視野から日本銀行の金融政策に関与するという趣旨でございまして、これを通じて国民各層の意見が政策に十分反映されているのではないかと考えているところでございます。
○伊藤(英)委員 終わります。ありがとうございました。
○上原委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○上原委員長 この際、お諮りいたします。
 最高裁判所高橋刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○上原委員長 次に、石田勝之君。
○石田(勝)委員 世間の注目を集めた麻原裁判が、本日、本来であれば行われる予定でありました。しかし、昨日夕刻になりまして、突然弁護士が解任されて裁判が延期、こういうことになって、前代未聞の私は出来事であろうと思います。
 そういうことで、今回のオウム事件で早急にやらなければいけないことは、まず事件の起きた背景、原因、それから今後の対応、これらについて、まずしっかりした答えを出すことである。その点、今回の裁判で国民の目に迅速に事実関係が明らかになることが望まれていたところでありまして、まことに今回の延期ということはひどい話であると思います。悪質な公判引き延ばしと思われる、裁判ができなくなってしまったこの状況について、意図的に私ははかったものであろうと思いますが、このように延期になったことについての政府のまず御見解をお伺いをしたいと思います。
○宮澤国務大臣 本日予定をされておりましたオウム真理教の代表者麻原被告に対する第一回の公判期日が取り消されたことは、ただいま御指摘のとおりでございます。残念に思っております。
 検察当局におきましては、引き続き、できるだけ早期に適正な判決を得るよう努力していくものと考えております。
○石田(勝)委員 この点について、裁判所からも出席をいただいておりますが、どういう背景でこのようになったのか。また、今後の裁判の見通し、これは迅速に対応しなければいけないことであろうと思いますけれども、このようなレアケースにおける裁判所としての見解を承りたいと思います。
○高橋最高裁判所長官代理者 最初に、麻原被告人の第一回公判期日がどのような経緯で取り消されたということから御説明したいと思いますけれども、当初、麻原こと松本智津夫被告人の弁護人としては横山昭二弁護士一名が選任されておりました。その後、昨日、同被告人の妻である松本知子が、自分の弁護人である野崎研二弁護士を松本智津夫被告人の弁護人に選任し、その選任届が裁判所に提出されました。しかし、数時間後に野崎弁護士が辞任届を裁判所に提出し、さらに松本智津夫被告人が横山弁護人の解任届を裁判所に提出しました。
 結局、同被告人の弁護人がいない状態になりまして、この事件はいわゆる必要的弁護事件ということで、弁護人がいないと開廷できないことになっております関係上、受訴裁判所が昨日急遽公判期日を取り消した、こういう経過でございます。
 それでは次、今後どのようにこの裁判を進行するのかということでございますけれども、その点につきましては事件を担当する受訴裁判所が決定することでありますけれども、まず弁護人が早急に確保される、これが不可欠であります。受訴裁判所としましても鋭意努力されていることと思われます。
 事務当局としましても、弁護人選任に関し関係者各位の協力が得られ、早期に弁護人が選任される状況になりまして、本件事件について迅速かつ適正な裁判が実現され、早期に真相が解明されることを期待しております。
○石田(勝)委員 次に、宗教法人法の改正問題について何点がお尋ねをしたいと思います。
 この件につきましては先般の予算委員会においても私の方から質問をさせていただきましたけれども、今回の宗教法人審議会の報告の手続、十五名の委員がおったわけでありますが、きのうも島村文部大臣あてに「宗教法人審議会の再開を求める申し入れ」、こういうのがされたわけであります。
 ちょっと読ませていただくと、「私ども、宗教法人審議会委員七名は、先の十月十七日、貴職に対し、「宗教法人審議会の速やかな開催を求める申し入れ」を致しました。しかるに、貴職は、審議会会長が一任を取り付けたのだから審議会の再開はしない旨、発言をされております。」、こういうことで、早急に審議会を再開されることを強く求めるということで、宗教法人審議会委員の出居さんを初め七名の方々が昨日島村文部大臣に出されたわけであります。
 この委員会でもあるいは本会議においても、総理大臣から、あるいは文部大臣から、宗教法人審議会の報告によると大方の委員の賛同を得た、こういう御発言がされております。総理、大方というこの意味について、今回の場合十五名委員がおるわけでありますが、大方という言葉を使って本会議でも答弁されておりますが、大方の意味、これについてどうお考えなのか、これをお聞きしたいと思うのです。
 ちなみに、広辞苑では大方というのは大部分、大辞林でも大方というのは大部分、こういうふうに示されておるわけでありますが、その点も含めて大方の意味について、十五名中何人なのかということをちょっと具体的にお聞かせいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 私は、その審議会の委員でもないし、その審議会に出ておったわけでもありませんからね。ただ、その審議会の経過から見て、互選されておる会長が、審議の経過を踏まえた上でこれはもう大方の取りまとめをしたいというので取りまとめをして、そして文部大臣に報告された、こういう経緯であると思いますから、私がここでその大方というものの解釈を勝手にして、そして審議会でやられたことについてとやかく言うことについては適当ではないのではないかというように私は思います。
○石田(勝)委員 じゃ、この宗教法人審議会の報告はこれは別にして、大方という意味、先ほども言ったように、広辞苑では大部分、大辞林でも大部分だ、こういうことを示されておるわけですが、大方という意味はどういうふうに総理大臣解釈しているのか、その宗教法人審議会の報告と切り離してお答えいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 これは全然関係なしに、一般的に使われているとすれば、今広辞苑の解釈の話がありましたけれども、やはり大方と言えば、大体こう見て大部分だなというように判断されることだと思いますよ。思いますけれども、それはその審議会の中の状況、審議の経過等を総合的に判断されて使われた言葉だというように思いますから、一概に、大辞林にそう書いてあるからそのとおりだというふうにこの審議会の場合に当てはめることが適当かどうかということについては、問題がいささかあるのではないかというふうに思います。
○石田(勝)委員 島村文部大臣、同様の質問ですが、大方についての御見解をお聞きしたいと思います。
○島村国務大臣 総理と同じでございます。
○石田(勝)委員 そうすると、文部大臣、大方というのは大部分、あらましだ、こういうふうにお答えになったということでありますが、十五名中半分がこれに反対をしている、こういう事実があるわけですね。きのうも島村文部大臣に再開を求める申し入れをされたわけであります。ということになりますと、大方という意味については違うんじゃないですか。総理大臣は大部分と先ほどおっしゃられたわけですから。いや文部大臣、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 いや、言葉を、その解釈を間違えるといけませんからね。あなたは大辞林も引かれて、大方というのは大部分と書かれておる。だから一般論として申し上げればそういうことだと思いますと。しかし、これは審議会の選ばれた会長が、その審議の経過を踏まえて大方という言葉を使われた。その大方という意味は、数を意味するのか、審議の経過を踏まえてもう適当な時期だからというふうに解釈をされたのか、いろいろな意味があると思いますから、したがって、私がここでそれを、大辞林に書いてあるとおりだというふうに判断することは適当ではないのではないか、こういうふうに申し上げたわけです。
○石田(勝)委員 今総理、数とか内容とかおっしゃいましたけれども、きのう出された出居さん初め七名のつくられた議事録を文部大臣読まれたと思いますが、これは内容からいっても大方の賛成を得ているとはとても思えないですよ。それから、数の上からも半分反対しているんですよ。それで本当に大方と言えるんですか。文部省は、大方というのは半分だと思っているんですか。そういう教育をされるんですか。その点含めて答えてください。
○島村国務大臣 今までの審議の過程でいろいろ御説明を申し上げたように、採決をいたしておりません。したがって、その事後において何か数字が出てきても、私たちはこれに対応しようがございません。
 そして、このたびの宗教審議会の報告についてでございますが、これは審議会において慎重に審議を重ねた上で報告として取りまとめられたことは、前にも申し上げたとおりであります。会長から大臣に提出されたその過程におきましては、これは五回のいわば審議会、そして八回の特別委員会を開いてこの審議が重ねられた、そういうことでございますし、これは関係規則にのっとり適正に行われたものであります。委員の構成も、再三申し上げるように、宗教関係者十一名、学識経験者四名でございます。
 したがいまして、会長に一任を取りつけるといっても、これは無理なやり方は絶対通らない環境の中で行われたものであります。しかもそのときに、一任を取りつける際にはっきり反対した方は、私は二、三名と承知をいたしておりますし、事実、いろいろなことを調べれば調べるほど、これは極めて適切な運営が行われたと私は受けとめているわけです。
 例えば御参考までに申し上げますが、審議会は二回の総会を経た後、特別委員会、これは宗教関係者のまた代表者が八名中五名入っておりますが、この方たちが八回にわたって、三点に絞って御審議を願ったところであります。その御審議の経過で、これは極めて整々粛々とその議論が進められた経緯につきましては、私は、就任前の報告とその後の、特別委員会の後、記者ブリーフが行われますが、それらについても聞いてきたところですけれども、その間には紛糾したような事実がなかったわけであります。
 そういうことを含めて、委員の皆さんに互選された会長が、いわば議論も出尽くしたところであるので会長に御一任願いたい、そういった経過があります。しかも、会長は会務を総理するという法の規定もあるところでございますから、何ら私は問題がない、こう受けとめております。
○石田(勝)委員 今文部大臣が、いみじくも一任のあり方についてお話をされましたけれども、私ども会議に携わる立場として、通常、座長とか会長とか委員長が、意見も出尽くしたようでありますからそろそろまとめに入りたいと思いますが、その点につきましては座長とか委員長とか会長に御一任をいただけますか、こうお諮りするのが私は通常だと思います。
 そして、そこで御異議ありませんかということを諮って、異議なしということを受けて、それでは私、会長に一任されたものであると思います。さらに会長は、議事録の作成についても、議事録作成につきましては、会長並び委員長、座長に御一任をいただけますか。御異議ありますか。異議なし。こういうことで初めて一任というのは成立するんじゃないですか。文部大臣、どうなんですか。
○島村国務大臣 会長が一任を取りつけたその内容につきましては、これも前に申し上げたことでございますが、三点に絞られでいろいろ御検討を願った事々が最終的に議論も出尽くしたということで、会長が一任を取りづけたという背景を持っているわけであります。
 また、会長が文部大臣に報告書を提出した際には、その経緯にも触れてコメントをしておりまして、また談話としても公表しているのであって、委員の意見は十分に考慮されたものと受けとめております。
○石田(勝)委員 私は、文部大臣、文部大臣も議会人としていろいろ会議に携わる立場からいって、一任のあり方というのは、私が先ほど申し上げたような、異議あるかないかを諮って一任を取りつけるのが通常のパターンではないですか、その点についてどうなんですかということを聞いたのですよ。
○島村国務大臣 まさにそのとおりであります。
 そして、あなたもまさにいろいろ御経験があるでしょうが、いろいろな会議をして、いろいろな議論をして、そして集約を見て一任を取りつけて、そして決まったことについて後々またこれに対して議論が蒸し返されるというのは、私にとっては理解しにくいところであります。
○石田(勝)委員 いや、一任は取りつけていないのですよ。一任を取りつけていないから、きのうもまた文部大臣に対してこういう文書が出るのでしょう。一任を取りつけて、納得していればこういう文書は出ないですよ。わざわざ全国、九州だとか京都だとかいろいろなところから来て、こういう文書なんか出さないですよ。ちゃんとした一任になっていないから、我々は宗教法人審議会の委員として責任が持てない、後々禍根を残すことになるからということで、わざわざ出向いてこういう文書を提出しているんでしょう。だから、一任なんか取りつけていないのですよ。議事録の中で一任を語る、議事録、出ていないですよ、これ。どうなんですか。
○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。
 九月二十九日の宗教法人審議会におきましては、この委員会でも何回か御答弁させていただいておりますけれども、会長が、論点は既に出尽くしているというふうに判断されて、会長に一任いただけないかという御提案がございました。それに対して、一部にはなお慎重に審議すべきだという御意見もあったわけでございますけれども、大方の委員は一任について異論はなかったわけでございます。したがって、会長に一任されたというふうに私は理解をいたしております。
○石田(勝)委員 それは会長が勝手に思ったのじゃないですか。会長が勝手に一任だと思ったのじゃないですか。あなたに後からまた質問しますけれども、あなたはそのときに何と言ったんですか。じゃ、それを聞かせてくださいよ、まず。
○小野(元)政府委員 先ほどの続きになりますが、要するに、会長は会務を総理するということになっておりまして、議事の進行は会長が取り仕切られることになっているわけでございます。その会長が一任いただけないかという御提案をされまして、この時点で最終的に会長一任に反対された方というのはごく少数でございます。したがって、大方の委員は一任について異論はなかったわけでございまして、会長に一任が取りつけられたというふうに理解をいたしております。
○石田(勝)委員 杉谷さんという天台宗の宗務総長から、「事務方は今急いで報告書を出さなければならない理由があるのか、あるのなら明確に示してもらいたい。」という要望が出たのですよ。そして、そのときに文化庁側は、長官と次長、つまり小野さん、あなたが集まって、ひそひそ相談し始めたのです。そしてしばらく沈黙が続いた後、小野さん、あなたが立ち上がって深々と頭を下げて、「とにかく伏してお願いします。」と頼んだのでしょう。それはどうなんですか。あるのかないのか。
○小野(元)政府委員 私どもは事務局の立場でございますが、その時点で、会長その他の委員の方から、事務局はどうなんですか、きょうまとめる必要があるのですかという御質問がございましたので、私どもの方としては、前与謝野大臣からも、秋の臨時国会を念頭に置いて審議をしてほしいという御発言等もございました。そういったことを受けまして、私どもとしては、本日おまとめいただけることが非常に、できれば本日おまとめいただきたいという気持ちを持っておりましたので、そのことを申し上げたところでございます。
○石田(勝)委員 だから、はっきり言いなさいよ、小野さん。「とにかく伏してお願いします。」と言ったのかどうなのか、答えなさい。
○小野(元)政府委員 審議会の個別の議論については申し上げることができないわけでございますけれども、お尋ねでございますので。
 私の方といたしましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、実は二十二日に総会を開いて、二十二日終わるときに、もう一回、じゃ二十九日に審議をしようということで二十九日が開かれたわけでございます。そういったこともございまして、事務局の立場としては、できればきよう報告を出していただきたいという気持ちがございましたので、そのことを、その気持ちを申し上げたところでございます。
○石田(勝)委員 だから、何という言葉でおっしゃったのですか。はっきり答えてください。「とにかく伏してお願いします。」と言ったんですよ。ちゃんと答えてくださいよ。
○小野(元)政府委員 事務局の立場として、お願いをしたい、お願いをするということがございましたので、ただ「伏してお願いします。」と申し上げただけではないと記憶しておりますけれども、いろいろ事情を御説明した上で、お願いをいたしますということを申し上げたわけでございます。
○石田(勝)委員 そうすると、「とにかく伏してお願いします。」と言ったかどうかわからないけれども、要するにお願いしたことは確かだ、それだけではない、そういうことも今おっしゃっているわけで、あなたは「とにかく伏してお願いします。」ということは認めましたよね、今。もう一回答えてください。「とにかく伏してお願いします。」ということをお願いしたのでしょう。それを認めるかどうか。
○小野(元)政府委員 審議会におきまして事務局の立場と申しますのは、報告をできれば出していただきたいということが基本的にあるわけでございます。
 したがいまして、その場面におきまして、複数の委員の方から報告の取りまとめの時期について、事務当局はどうなんだ、考え方をということがございましたし、会長からもこの質問に答えるようにと求められたわけでございます。これに対して、私といたしましては、当日の審議会においてできれば取りまとめていただきたいという気持ちを持っておりましたので、その希望を表明したということでございます。
○石田(勝)委員 「伏して」と言ったかどうかが問題なんですよ、あなたが。それで、「とにかく伏してお願いします。」ということをあなたはおっしゃったんですよ。(発言する者あり)いや、黙って聞いていなさいよ。小野さん、役所が出てきてお願いするような話なんですか。じゃ、なぜ二十九日に無理にお願いしたのですか。
 だから、「伏して」お願いしたのかどうなのか、あなた、はっきり答えなさいよ、聞いているように。時間ばかりたっちゃうから。時間がないんだから答えなさいよ。
○小野(元)政府委員 当日の審議会におきましてできれば取りまとめていただきたいという気持ちを持っておりましたので、その希望を表明した際に、一つの表現として用いたものと記憶をいたしております。
○石田(勝)委員 じゃ、「とにかく伏してお願いします。」という言葉を使われたわけですね。これは役所が、要するに審議会に関する役所が出てきて審議会の委員にお願いするような話ではないんじゃないですか、これ。役所がお願いするような話じゃないんじゃないですか、どうなんですか。
○村山内閣総理大臣 これは、文部大臣がその審議会に、何とか意見を、審議をして報告をいただきたいということをお願いしておる立場ですからね。ですから、もう二十二日に審議は一応尽くされた、もう一日やはりやるべきだとかいうような意見があって、二十九日にやられたというように聞いておりますが、そういう経過も踏まえた上で、会長が、大方の意見として取りまとめをしたい、こう言ったときに、事務局の意見が聞かれて、その事務局は、お願いしておる立場ですからね、ですから、速やかに結論を出していただくように「伏してお願いします。」という言葉を丁重に使った。これは私は、ある意味からすると当然のことではないかと思うのです。それを、言うたことがけしからぬとか言ってみたって、それは意見を聞かれたから意見を言うたのであって、その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○石田(勝)委員 それでは総理大臣、この島村大臣の前大臣、与謝野大臣がその検討依頼をしたときに、これは改正を前提とするものではないということでお願いしているのですよ。それで議論している中で、改正の問題で、調査権、質問権でもめたら、「とにかく伏してお願いします。」ということはどういうことなんですか。文部大臣がお願いしたときの話と、この二十九日に取りまとめたときのあり方というのは全然違っているじゃないですか。どうなったんですか、それは。
○島村国務大臣 今の表現もすべてが言い尽くされてない。たしか、必ずしも改正を前提とするものではないがという中にいろいろ御検討を願ったということに私は理解しております。
 なお、先ほども申し上げたように、十一名、四名の構成の中にできる宗教法人審議会をさらに絞り込んで特別委員会が設けられたわけですが、この委員の中も、八名中五名は宗教法人のいわば代表者の方です。そして、その八回の委員会はまさに整々粛々といろんな審議が進められて、最終、この八回の審議の結果について、これを総会にお諮りしたいということについては皆さんが賛成して報告をしていることですから、中身についても皆さんは御納得いただいたものということであります。
 私は、正直言うと、まだ就任して日も浅かったものですから、いろいろな経過について私なりの勉強はしておりましたけれども、五日の日に中間報告をして、それから半月余の期間を置いた二十二日に、私は、恐らくここで御決定願えるものだ、こう受けとめていたところであります。
○石田(勝)委員 中身については納得したと島村さんおっしゃっていますが、議事録作成について事前の了解もないし、事後の報告であったということで、この間、島村文部大臣のところに杉谷さんから抗議文が届いているでしょう。それで円満に一任取りつけたようなお話を今されておりますが、全くこれ円満のうちに一任取りつけた形にはなっていないのですよ。(「一人の反対」と呼ぶ者あり)一人じゃないですよ、七人ですよ、これ。議事録の作成について疑義があるということで、文書でも出しているんですよ。その点とうなんですか。
○島村国務大臣 人間の記憶ですから、今ここで正確であるかどうか私も少し自信がないのですが、たしか杉谷さんが新聞に投書をなさったときに、私も一任した一人であるがと、たしかそうお書きになっていたように私は記憶するのですね。
○石田(勝)委員 それでは、先ほど文化庁の次長が、「とにかく伏してお願いします。」ということを発言した、こういうことをお認めになったわけでありますが、その小野さんの「とにかく伏してお願いします。」という発言がきっかけで、各委員からの発言が交錯したのですよ。そこで、三角会長が「今日報告書を文相に出せなかったら私は成仏しきれない。」こういうふうにおっしゃったのですよ。この意味、どういうことですか。
○島村国務大臣 私も御本人とお目にかかってお話ししないとよくわかりませんが、ただ、私たち自身の立場で言わせていただくならば、これだけいわば行政のルールにのっとって、整々粛々と権威ある方々が話をいろいろおまとめいただいたことを、今、これが問題だ、一任をした結果について御不満であると言われても、これをそうでございますかと言ったのでは、今度は私が成仏できません。
○石田(勝)委員 整々粛々行われた、こういうふうに島村文部大臣おっしゃっていますが、「今日報告書を文相に出せなかったら私は成仏しきれない。」審議会の会長として非常にせっぱ詰まった発言ですよね。どうしてもその日に上げなければいけない、こういうよっぽどの圧力がかかっているわけです。そして、次長が「伏してお願いします。」ということまで頼んでいるわけです。
 そういうことで、今文部大臣が整々粛々とおっしゃいましたけれども、ちっとも整々粛々ではないです、この委員会は。
 では、その日のやりとりを言いますと、上村さんという真言宗智山派の宗務総長がその後、「無理して報告書を出すほうが成仏できない。」と言ったのですよ。「このままでは私は席を立つしかない。今日になって一番大事な問題が議論になったのだから慎重に審議すべきだ。」今度は三角会長が、「このような会議は全員賛成になるとは限らない。決は採らないが大方のところでまとめたい。」こうおっしゃった。そこで、力久善隣教教主が「まだ報告書はまとまっていない。」それで、上村宗務総長が「なんとか継続審議してくれ。民主主義の根幹、基本的人権の問題だ。軽々にあつかう問題ではない。」
 こういう問のやりとりがあって、いろいろな発言が錯綜して、混乱のまま、会長一任がとられることなく、午後二時過ぎに三角会長が閉会を宣言しているのですよ。これが整々粛々な、正常な状態だと言えるのですか、文部大臣。
○島村国務大臣 御承知のように、会議はいわば非公開を前提に審議が進められたところでありますから、これはまさに道義上、これを今になって公表することはできません。
 先ほどの、私が自分の記憶にないと申し上げましたけれども、この新聞で拝見いたしますと、杉谷さん御自身は「会長は慎重意見が多いことに配慮することについても一任を求められた。会長の識見と経験を信頼し、あえて異を唱えなかった。」というのが正確なようであります。
 なお、三角会長の談話もこの新聞に出ておりますが、「半年かけて、この程度の報告も出せないとは思っていないだろう。文相の気持ちも勘案し、二、三の反対はあっても最終報告を引き延ばすのは、忍びなかった。」こうありますので、やはり二、三というのも間違いないな、こう思います。
○石田(勝)委員 この取りまとめの終わり方、これは、先ほど文部大臣が整々粛々とおっしゃったんですよ。だから、こういうやりとりを私今披瀝をしているわけでありますが、この議事録を見て、本当に整々粛々でこの会議は取りまとめられたんですか、正常な状態で取りまとめが終わったんですかと私は聞いているのですよ。聞いていることに答えてくださいよ。
○島村国務大臣 これは、私は極めて当を得た運営がなされたと受けとめています。
 それは、先ほど来何度も申し上げますように、八回の特別委員会が紛糾し、何遍も暗礁に乗り上げるような審議があったというならともかく、八回の特別委員会、うち五名は宗教関係の代表者の方がさらに絞り込まれて特別委員会は構成されているわけです。その方々が長い期間をかけて、いわば先行審議いただいたということですから、しかもその間には何も中身について問題がなかったということですし、会長が中身を大幅に改ざんしたという御異議ならともかく、そういうものではないのでありまして、この辺は、事後においていろいろ異議を唱えられても、我々は当惑するだけであります。
○石田(勝)委員 これは非公開と言っておりますが、文部大臣、この審議会の委員は非公開だということは認識してないですよ。
 じゃ、例えば、次長に聞きますが、この宗教法人審議会が四月の二十五日に開かれて九月の二十九日に終わるまで、委員に対して、この審議会は非公開でありますということを諮りましたか。
○小野(元)政府委員 宗教法人審議会でございますけれども、この審議会は行政処分等の案件を扱うということがございますので、従前から非公開という立場で審議が続けられてきたものでございます。
○石田(勝)委員 じゃ、この改正案は行政処分なんですか、これ。
○小野(元)政府委員 この改正案自体は制度改正に関するものでございますけれども、この委員会でも何回か御質問ございましたけれども、制度改正を議論するに当たりましても個別の宗教法人の事情に触れるというようなこともあるわけでございまして、もともとが非公開を前提に開かれた審議会でございますので、私どもとしては非公開の扱いにさせていただいているところでございます。
○石田(勝)委員 だから、審議会で非公開ですということを諮ったのか語らないのかと言っているんですよ。
○小野(元)政府委員 この審議会につきましては従前から非公開の扱いをずっととっておりますので、今回の審議についても非公開ということで扱われたものでございます。
○石田(勝)委員 言ったか言わないか、はっきり答えてくださいよ。次長の隣で何かいろいろ言っている課長、あなた、この審議会が終わった後、三角さんが閉会を告げた後、「こんな審議の終わり方があるものか。」と。で、上村総長が、「もう一度、早急に審議をやるべきだ。」ということで文化庁に対し指を指して詰め寄るような言い方をしたんですよ。次長も課長もそのとき立ち会っていたんでしょう。それでそのときに、三角さんがうなずいて、あなた方、わかりましたとおっしゃったんでしょう。なぜその意向を無視して、継続審議しなかったんですか。こっちは全部わかっているんだから。
○小野(元)政府委員 今お話がございましたのは、七名の委員の方が議事録を再現したということでおっしゃったものについての御質問でございますが、基本的に私どもとしてはそれについてコメントは差し控えさせていただきたいと存じております。
 ただ、お尋ねがございましたので、私の記憶では、「文化庁幹部」と書いてございますのは私の発言だったと思うのでございますが、終了後、報告についての審議はもちろん終わったわけでございますけれども、この法改正に伴いまして収支計算書の作成義務を課するかどうかについて、収入規模が小さい宗教法人の要件を定める必要がございます。そういった法律に伴う審議会を開く必要がある事案があるわけでございまして、そのことについて審議会をまた開くということは当然ございますので、それはございますということを答弁したというふうに記憶をいたしております。
○石田(勝)委員 いや、それは違いますよ。「もう一度、早急に審議をやるべきだ。」と言ったんです。そこで文化庁に詰め寄ったところ、わかりましたと。それで三角会長もうなずいて、そしてその意向を酌んだ、こういうふうに解釈して、その日はそれで終わったんですよ。
 それじゃ、また別な質問に入りますけれども、審議会の中で三角会長とか小野次長、要するに文化庁の幹部が、もたもたしていると各政党から議員立法で法案が提出されてしまいますよ、こういうふうに言っているんですよね、委員に対して。それで、何でこれ、永田町の空気を審議会の委員に言わなきゃいけないの、あなた。
○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。
 この審議会の審議は、委員の方からも議論ございましたけれども、いずれにしても行政として、行政の立場として審議会中立の立場で粛々と議論をしていこうということで審議がなされてきているものでございます。したがいまして、特定の政党のお考えといったものを念頭にこの審議会が審議を始めだということでは全くないというふうに理解をいたしております。
○石田(勝)委員 全くないとおっしゃっているけれども、文化庁の次長を初め文化庁の幹部から、もたもたしていると、この審議会を急がないと、急いで結論出さないと、各政党から議員立法で法案が出されちゃってこの審議会は何にもならなくなっちゃうんですよ、そういうふうにおっしゃったんでしょう、あなた。聞いたことを答えなさいよ、ちゃんと。余計なことはいいんですよ。
○小野(元)政府委員 個別のことについてお答えする立場にないと思うのでございますけれども、御質問がございましたので。
 私どもといたしましては、この審議会で、国民の世論が、宗教法人法の改正をすべきだという大変高い率で国民の支持もあるわけでございます。しかも、特別委員会で八回の審議、総会で五回の審議を行ったということがございますので、そういう時点で報告を、審議会としてある程度の方向を示すべきだということを審議の過程でお話ししたことはございます。
○石田(勝)委員 私が聞いているのは、そのことを聞いているんじゃないですよ。文化庁幹部が、もたもたしていると各政党から議員立法で法案が出されますよと、そういう永田町の空気を審議会に伝えたのかどうなのかと聞いているんですよ、私は。もたもたしていると各政党から議員立法が出ますよ、だからこれは法案の成案化を急がなきゃいけないんですよと、あなたおっしゃったんでしょう。だから、それを聞いているんですよ。言ったのか言わないのか、どっちだよ。
○小野(元)政府委員 審議会に対しまして、国民の世論が非常に高いものですから、審議会としての考え方をきちんと示すことが望ましいのではないかという趣旨のことを発言したことはございます。
○石田(勝)委員 いや、違う。私の言っていることに答えていないですよ。委員長、上原委員長、私の聞いていることにちゃんと答えさせてくださいよ。そうでなきゃ質問できませんから。ちゃんと答えさせてくださいよ。
○上原委員長 もう約束の時間も参りますので、小野次長、もう一度お答えください。
○小野(元)政府委員 先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
○石田(勝)委員 何ですか。私の聞いたことに答えていないですよ。私は質問を留保します、これ。質問を続けられないですよ、これ。(発言する者あり)
○上原委員長 お答えありますか。
○小野(元)政府委員 先ほどお答えしたとおりだと思っております。
○石田(勝)委員 いや、私の聞いていることに答えていません。だめです、これは。(発言する者あり)委員長、答えていませんよ、これ。
○上原委員長 大変申しわけありませんが、お約束の時間が来ておりますので、御理解を願いたいと思います。
 これにて石田君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
○上原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。石井啓一君。
○石井(啓)委員 新進党の石井啓一でございます。
 まず、午前中の石田委員の質問に関しまして政府委員がちゃんと答えない、こういうやり方は私は極めて遺憾でありますし、また、委員長が強引に審議を打ち切った、こういう議事運営のやり方につきましては、私どもまず厳重に抗議をさせていただきます。
 また、質問が中途半端に終わりましたので、改めて私、再度文化庁に確認をいたしたいと思いま
すけれども、石田委員が再三質問をいたしましたが、九月二十九日の宗教法人審議会の中で、文化庁幹部から、もたもたしていると各政党から議員立法で法案が提案されますよ、こういうことを何回も言った、こういうふうに私たちは聞いておりますが、こういう発言があったのかなかったのか、この点について簡潔にもう一度答えてください。
○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。
 二十九日の審議会で、私どもそのようなことがあったとは私は記憶をいたしておりません。
○石井(啓)委員 それでは、二十九日以前の審議会においてこういう発言があったのかどうか、もう一度答えてください。
○小野(元)政府委員 基本的に会議の内容につきましては非公開でございまして、ブリーフィングで御説明しているということで御理解賜りたいと思うわけでございますけれども、再度のお尋ねでございますので、私の記憶によりますれば、審議会の中でいろんな御質疑等があるわけでございますけれども、それに対して、例えば国民世論の動向あるいは客観的な状況等を説明申し上げるということはあるわけでございます。そのような形で説明するということは過去にあったと思います。
○石井(啓)委員 じゃ、確認しますが、今あったというふうにおっしゃいましたけれども、もたもたしていると各政党から議員立法で法案が提案されますよ、こういうことをいろんな説明の中の一環としておっしゃったということですね。
○小野(元)政府委員 そのような趣旨ではございません。私の方としては、一般論として御説明があったときに、この審議会で集中的に、夏にも何度も審議をしてきたわけでございますので、ぜひこの審議会でお答えを出してほしいという気持ちを申し述べる際に、国民世論の動向等客観的な状況を御説明申し上げたということでございます。
○石井(啓)委員 いや、客観的な状況ではなくて、各政党から議員立法で法案が提案されますよ、こういう形で文化庁の幹部がこの宗教審議会の委員に対して誘導するような発言をしたのかどうか、このことについて聞いているわけです。もう一度答えてください。
○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。
 私の記憶でございますが、いろいろ御質疑があった際に、客観的な情勢はどうなのかということがございまして、国民世論の動向でございますとか、それから国会等でのさまざまな御論議、そういったものを御説明することはあったわけでございます。
○石井(啓)委員 だから、そういう抽象的なことを聞いているのではなくて、そういういろいろ説明した中で、各政党から議員立法で提案が出されますよ、こういう永田町の空気を伝えるような発言をしたのかどうか、このことを端的に答えてください。
○小野(元)政府委員 国民世論の動向等客観的な状況について御説明申し上げたわけでございますけれども、その中には、改正について各党でいろいろな御論議がございますといいますか、それぞれの、与野党問わずいろいろな委員会に私ども説明に参ったこと等がございますので、そういった状況を御説明したことはございます。
○石井(啓)委員 各政党でいろいろな議論がある、その中で、議員立法で法案が提案されますよ、こういう発言をしたのかどうかということなんですよ。これは、すなわち宗教法人審議会で早く報告をまとめなければ、片や政党の方で別の法案が出されてしまいますよ、文部省がこのような形で宗教法人審議会を誘導したのかどうか。このことが大切だから、重要ですからね、議員立法云々、このことを発言したのかどうかを、これは大切な問題ですから聞いているわけです。端的に答えてください。
○小野(元)政府委員 国民世論の動向とか各党で御説明を求められたこと等について、そういったことがございましたということを御報告したことはございます。
○石井(啓)委員 委員長、私の質問に政府委員がちゃんと答えてくれていないのですよ。議員立法で法案が提案されますよということを言ったかどうか、このことを私は聞いているのですから、そのことについてちゃんと答えさせてください。
○小野(元)政府委員 基本的に非公開の会議でございまして、私ども事務局の立場として、説明を求められれば説明をするという立場でございます。そういった観点で客観的な状況を御説明をしたということでございます。
○石井(啓)委員 だめですよ、こんな答弁じゃ。私の質問に対してちゃんと答えていないじゃないですか。このままでは質問を続けられません。
○小野(元)政府委員 私の記憶でございますが、国会でも活発な議論が行われて、多くの国民が関心を持っている問題でございます。特別委員会で夏にも審議を集中的に行ってこられたところでございまして、その結果については国民の方が非常に注目をされておるところでございます。そういうことがございますので、今回の案は最小限度の改正なのでぜひ御理解をいただきたいということを説明する段階で……(発言する者あり)改正について議員立法でという動きもあるかもしれませんということを申し上げたことはございます。
○石井(啓)委員 じゃ、議員立法という動きがあるかもしれませんということはお答えになったんですね。ちょっと、もう一度ちゃんと答えてください、そこの点だけ。
○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。
 国民世論の動向や客観的な状況を御説明する中で、この審議会において方向を出してほしいということをお願いする中で、改正については議員立法でという動きもあるかもしれませんという客観的なことを御報告をしたものでございます。
○石井(啓)委員 わかりました。そうしますと、やはり文化庁は議員立法の動きがあるということを審議会で伝えているわけですね。このような形で誘導するような発言をしている。客観的な状況じゃをいでしょう、まだ国会も開催されているような状況じゃないですから。こういうことは極めておかしい、この審議会のあり方は極めておかしい、このことを私は申し上げておきます。
 もう一点確認をいたしますけれども、九月二十九日の審議会において、三角会長の方から、「今日報告書を文相に出せなかったら私は成仏しきれない。」こういう発言があった。これは文化庁、こういう発言を聞いておりますか。御答弁ください。
○小野(元)政府委員 九月二十九日の審議会につきましても、これは当初から非公開という前提で審議がなされております。したがいまして、七名の委員の方が再現なさったという議事録らしきものがございますけれども、この中身について私どもとしてはコメントする立場にないということでございます。
○石井(啓)委員 これは、この九月二十九日の審議の内容を把握するというのが、今後の議論の一番ベースになるわけですよ。大前提なわけですよ。だから、ここで、この会長のこの発言、言ったかどうかというのは、これは極めて重大なことなんです。「今日報告書を文相に出せなかったら私は成仏しきれない。」何で会長がこんなことを言うのですか。会長、ちょっときょうはいらっしゃいませんから、同席をしていた文化庁、この発言を聞いたかどうか、ちょっと端的に答えてください。
○小野(元)政府委員 具体的な中身については御答弁を差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。ただ、会長としては、きょうまとめてほしいということをおっしゃったことは事実だと理解をしております。
○石井(啓)委員 まとめてほしいと言っても、委員の方からは、そんなふうに言われても困るというのがあったんでしょう。それで混乱して、一任を取りつけられないまま終わったわけじゃないですか。
 このときの会長の立場がどういう立場だったのか。私は、この発言を聞くと、これはやはり文部省の意向を受けて動いているとしか思えませんよ。だから、この点を確認したい。この会長の発言が事実なのかどうか、ちゃんと答えてください。
○小野(元)政府委員 委員の方々が議事録をまとめられたというものにつきましては、会長一任がなされていないというふうに書いてあるわけでございますけれども、私どもの認識といたしましては、きっちりと会長に一任がなされているというふうに理解をしております。会長は会務を総理するお立場でございます。その会長がそのようにおっしゃっておられるわけでございます。
○石井(啓)委員 私の聞いていることと全然別の答弁をされていますけれども、私はそんなことを聞いているわけじゃないのです。
 会長が、きょう報告書を出せなかったら成仏し切れない、こういうような発言をしたのかどうか、あなたはその発言を聞いたのかどうか、それを答えてください。
○小野(元)政府委員 審議会の議事録については、基本的に非公開ということで御答弁申し上げているわけでございまして、個別の、会長の言い方の細かい点についてのコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○石井(啓)委員 ということは、聞いているけれども、ここでは発言できないということですか。
○小野(元)政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、個別の言い方等についてコメントすることは差し控えたいということでございます。
○石井(啓)委員 いずれにしても、この二十九日の審議会の議事録をきちんと提出してもらわない限り、私たちは、これがやはりベースになって、この報告書がベースになって法律案ができているわけですから、この報告書のまとめ方に疑義があるのであれば、この法律案自体も、私たちはこれはおかしいと言わざるを得ないわけです。
 したがって、この九月二十九日の議事録というのがすべての議論の出発点になるわけですよ。それを出せないということは、私たちはこれは極めてこの運営のあり方には重大な瑕疵がある。これに基づくものは、報告書というのは、私たちとしては極めて問題がある、このように言わざるを得ないわけであります。
 ちゃんと答弁してくれませんので、私、本来の質問の時間がどんどんなくなってしまいますので、関連してこの宗教法人法の問題についてお聞きしますけれども、九月二十九日に閣議決定をされておりますね、「審議会等の透明化、見直し等について」。先日払、内閣委員会におきまして、総務庁に対しましてこの閣議決定の趣旨を確認をいたしました。
 その趣旨、目的は、審議会運営の透明化、公正化を図ることである、それで、審議会へのこの閣議決定の適用については、審議会の事務の性格に応じて判断をする、すなわち、同じ審議会であっても、行政処分や不服審査を行う場合にはこの閣議決定は適用しないことができる、ただし、政策あるいは制度について議論するときは、これはこの閣議決定を適用するんだ、これがこの閣議決定の基本的な考え方だ、このことを確認をしておりますので、念のため総務庁に再度確認をしておきます。御答弁ください。
○陶山政府委員 閣議決定の趣旨、目的については、ただいま先生の御指摘のとおりでございます。
 ただし、審議会等は多数ございまして、いろいろな性格のものがございますので、一律に閣議決定の対象とするのではなくて、審議会等の目的、性格、所掌事務などに応じて仕分けをしたということでございます。
○石井(啓)委員 そういたしますと、やはり今回の宗教法人審議会の場合は、この審議会が確かに行政処分等を行うことは事実でありますけれども、今回の場合はまさに宗教法人法の改正について議論をしているわけでありますから、制度、政策を審議する場合はこの閣議決定のルールを適用する、この基本的な考え方にのっとると、この九月二十九日、宗教法人審議会の議事録を公開すべきであると私は考えますが、総理、いかがですか。
○村山内閣総理大臣 これは、たびたび御質問があってここで答えておりますけれども、確かに宗教法人の制度のあり方について審議をされた委員会だと私も承知をいたしておりますけれども、しかし、その審議の中で、個別の宗教団体の問題について触れる場合がある。同時に、これはもともと非公開にするということを前提にして議論しているわけですから、それを後で公開するというようなことになればそれは信義にもとることになりますから、ですから私は、これはもう当然のことだと思うのです。そういう手続を経て適正に文部大臣に報告をなされた、私はそのように承知をいたしております。
○石井(啓)委員 今、非公開が前提であるから改めてこれを公開すると信義にもとるということでありますけれども、私たちは、何も国会の会議録のようにすべての発言者を明確にして、そういう形での議事録を出しなさいというふうに要求しているわけじゃないのです。過日のこの委員会で草川委員からも要求しましたように、発言者を特定せずに、例えば、A委員がこういうふうに発言した、B委員がこういうふうに発言した、このように発言者を特定せずに出せば委員のプライバシーは守れるはずですね。
 ですから、非公開だから信義にもとるという言い分でありますけれども、それは工夫次第によって私は十分可能であろう、このように思います。
 さらに、個別の宗教団体に関する云々ということでありますけれども、私どもが知り得た中では、この九月二十九日の審議会においては個別の団体についての発言というのはないはずですね。ないはずです。だから、そういう理由だから公開できないということは、私は当たらないのではないかと思いますが、いかがですか。
○島村国務大臣 あなた御自身も、建設省の第一線でお働きになったので審議会についてはいささか御存じだと思いますが、要は、事前にこういうものを公表しないという信義に立って進められた内容を、我々がこれを表に出すことはできません。そして同時に、今例示なさったように、各A委員、B委員という形にしても、後、そこへ名前をつければ、これは議事録の公開と同じことになりますから、それまたできないところであります。
 再三申し上げておりますように、十一対四という極めて宗教法人関係の代表者の多い中で議事が、特別委員会の審議がずっと粛々と進んだということ、そしてその結論をもとにいわば今度の報告がまとめられたということをお考えいただけば、いかにこれは当を得た、しかも円満な運営の結果であるかということは御理解がいただける、こう思います。
○石井(啓)委員 これが通常の審議会であれば、私たちここまでしつこく議事録の公開を求めるようなことはございません。何でここまでしつこく言うかといいますと、先ほど申し上げましたように、この宗教法人法の改正案が、この九月二十九日の審議がもうすべてのベースになって行われている。なおかつ、今回の法律というのは、憲法の信教の自由そして政教分離の原則にかかわるような極めて重大な問題なんですよ。この閣議決定の趣旨というのは、審議会の運営の透明化、公開化を図るということですから、こういう憲法にかかわるような問題を公開せずしてどういうことを公開したらいいのか。重大であるからこそ余計公開すべきだと思うんですよ。
 二つ目には、これが通常の、政府がおっしゃるように本当に粛々と進められている審議会であればまだしも、やはり現実に委員の中から審議会の進め方について大変な意見が出ている。政府で行っている審議会で報告書を取りまとめた後、その委員からこの報告書に対して疑義が出る、抗議書が出る、あるいは審議会の再開を、これは二度にわたってですよ、二度にわたって審議会の委員の方々が自分たちの実名を出した上でその再開を求める、こんなことは前代来聞のことですよね。いまだかつてないことですよ。このように極めて異例な事態だ。通常の状況じゃないんですよ。極めて異例な審議のあり方であるからこそ、やはりここは公開をしてその私たちの疑義を晴らすべく対応してはどうですか。総理、お伺いします。
○村山内閣総理大臣 私は短い経験ですけれども、審議会から報告を受けたり審議会から答申を受けたり、その報告や答申を尊重して政府が責任を持って法案を作成して出すのですよ。その法案がいいか悪いかという議論は十分してほしいと思いますね。だけれども、その前に、審議会がよかったか悪かったか、それは適正じゃないじゃないかというような議論をされた経験というのは、私は余りないのですね。ですから、まさにそれは異例じゃないかと思いますけれども。
 これは、審議会がそれぞれ責任を持って審議をしていただいて報告を出されたものを、その終わった後からいろいろ意見があるのは、それはあったことは私はあると思いますよ。もう一遍やり直せと意見があった例もあるかもしれません。しかし、だからといって一々また審議会をやり直して審議をし直すというようなことをしておったのでは、これは審議会の権威にもかかわりますし、お互いの委員の信義にもかかわる問題だと思いますから、こんなことはなかなかできないと思うし、すべきではないと私は思います。
○石井(啓)委員 ですから、申し上げますように、普通の運営のあり方だったらここまでしつこく申し上げないんですよ。一人や二人じゃないですよ、委員の中から再開を求める声は。十五人の中から七人も委員が出ているわけですよ。そもそもこの閣議決定の趣旨というのも、審議会というのが役所の隠れみのにならないように、そういうふうな形で透明化、公開化をしよう、そういうことが趣旨なわけですからね。
 私は、さらにけしからぬと思いましたのは、十月十八日付の朝日新聞によりますと、文部省幹部の発言が紹介されていまして、「法案を出すのに「報告」は必ずしも必要ない。しかし、それでは委員に失札だから、報告をお願いした。今回のことで法案がどうこうなることはない」、こういうふうに報道されているのですよ。これは全くおかしいじゃないですか。
 今総理も、審議会の報告を受けてこの改正案をまとめたと言っているのですけれども、片や本音では、審議会の報告がどうあろうとも我々は改正案をまとめるんだ、どうであってもいいんだと、もう明らかに審議会が隠れみのだという本音をあからさまに出しているんですよ。これはとんでもないことじゃないですか。文部大臣、どうですか、これは。
○島村国務大臣 その内容も知りませんし、新聞の記事に一々責任は持ちかねるところでございますが、再三申し上げるように、この委員の構成、そして特別委員会のまたさらに委員の構成をお考えいただけば、これはいかに無理が許されない、極めて常識的なというか、むしろ相手方の立場に立った委員会の構成がなされているかは御理解をいただけると思うのです。
 しかも、八回の特別委員会で、特別何かの意見の衝突を来し、暗礁に乗り上げるような事実もなく、整々粛々と進められてこの内容ができ上がっているところでありまして、先ほど来異例とおっしゃるその言葉は、むしろ私たちの方こそ異例だと、こう思いますし、一任を取りつけて決まったことが後で蒸し返されるようなことが認められたら、これはもうもともとこういうものが成り立たなくなるというふうに私は考えます。
○石井(啓)委員 これは水かけ論になりますけれども、実際に出席した委員の方からは、ちゃんと一任が取りづけられていない、進め方に疑義がある、こういうふうに言っているわけですから、大臣は事務局から伝え聞いていらっしゃると思うのだけれども、私たちは委員から直接そういうことを聞いているわけですからね、そういう発言を、委員の発言を。
 だから、これは水かけ論になりますけれども、私たちの審議のあり方、審議会の運営のあり方に関する疑義を晴らすために、これはぜひ議事録を提出していただきたいと思いますし、提出できないということは、裏返して言うと、宗教法人審議会の報告に重大な瑕疵があり、それに基づく報告は無効であると私たちは言わざるを得ない。審議会は出直しをすべきであると私は強く主張を申し上げます。時間がないから答弁はいいですけれども。
 では続いて、宗教法人法改正の目的でございますけれども、総理はこの予算委員会で、オウム対策のために宗教法人法を改正するつもりはないと断言しておきます、このように江田委員の質問に対して御答弁をされております。
 では、これはオウム対策でなければ何なのか、私は疑問に思ったわけでありますけれども、十月二十二日、この前の日曜日の午前中のテレビ番組で自民党の亀井組織広報本部長がまさにこれは本音を、今回の法改正の目的の本音をこれは発言されていますね。すなわち、宗教法人法改正はオウム対策ではなくて創価学会対策だと言っているのですよ。しかも、新進党対策であり、次の衆議院選挙対策だとテレビで公言しているのです。特定の宗教団体をねらい撃ちにしたようなそういう法改正である、あるいは野党対策であり、選挙対策だと、与党の執行部の一員がテレビ番組でそういうふうに公言をされているわけです。まさに政争の具にされているそのものではないですか。
 これは自民党の総裁、橋本通産大臣にお聞きしますけれども、この亀井発言というのを総裁はどういうふうにお考えになりますか。見解を伺います。
○橋本国務大臣 先日の日曜日と申しますと、私はロンドンからの帰国の途上でありまして、その番組を残念ながら見ておりません。
 その上で、私はこの宗教法人法の改正問題というのは、オウム真理教のサリンの問題が起きましてから国民世論の中に非常に宗教法人のあり方についてさまざまな声が出てきたものを受けて、宗教法人審議会において議論が始められたものであると心得ております。そして、その答申を得て、法律案として国会に提案をするに至ったもの、まさにそのとおりのものであると思います。
○石井(啓)委員 それでは、ぜひビデオでも見ていただいて、自民党としての見解をぜひこれは求めたいと思いますね。
 それから、総理は政争の具とする意図は全然持っていない、こういうふうに答弁をされておりますけれども、しかし現実に、総理の意図は私は信じたいと思いますけれども、総理の意図にもかかわらず、このテレビ番組の中でそういうことが言われている。政争の具にされているわけです、実際に、現実に、もう既に。これは極めて問題じゃないでしょうか。総理、ちょっと見解を伺います。
○村山内閣総理大臣 ちょうど日曜日、私はニューヨークにおったものですから、そのテレビは拝見していないのですけれども、残念ながら拝見する機会はなかったのですけれども、私は、今回の宗教法人法の改正の問題というのはオウム事件というのがきっかけになったことは間違いないと思いますね。
 それで、宗教団体のあり方、宗教法人というものに国民の皆さんが関心を持たれた。なるほど、二十六年にこの法律がつくられて今日までそのままになっておるし、同時にこれは宗教団体もそれぞれ変わってまいりましたし、社会環境も変わってきた。これはやはりこういう事件をきっかけにして何らかの是正と見直しをすべきではないか、こういう国民の声が世論として起こってきておる。その世論を正確に把握をしてこたえていくのは、ある意味では政府の責任ではないかというふうに私は思いますから、ですから、今回のこの宗教法人法の改正はやはりやるべきだというふうに思って御提案を申し上げているわけです。
 ですから、その限りにおいては、特定の宗教団体を対象にするとか、あるいは政治的な道具にするとか、政治的なねらいがあってやるとか、そんなことは全然考えていないということは私は率直な気持ちとして申し上げておりますから、素直に御理解を賜りたいと思います。
○石井(啓)委員 私もその総理の発言というのは素直に受けとめたいとは思うのですけれども、片や一方、具体的な動きとして、総理の意図と反するような動きがあるということなのですよ。テレビで公衆の電波を使ってそういうふうに言っているわけですから。そのことは総理の意図にもかかわらず、今回の問題が政争の具に使われていることなわけですから。どう思いますか、総理。
○村山内閣総理大臣 それはこれだけ大勢の議員がおられるわけですから、個々の議員が発言されることについて一々政府の責任を問われても、これは政府が責任を持ってお答えするような問題ではないのではないかと私は思います。
○石井(啓)委員 平議員だったらまだしも、自民党のいわば執行部の一員でしょう。与党の有力議員が言っているわけですから。これは総理の意図にもかかわらず、与党の有力議員が実際にこういう動きをしている、テレビで発言をしている。総理の意図にもかかわらず、政争の具として使われているような実態がある。
 これは総理、きちんと認識をしていただきたいと思うのですけれども、そもそも憲法でうたっているところの政教分離の原則というのは、これは法制局長官からもう既に答弁がありましたけれども、国あるいは公権力が宗教に介入しない、すなわち国なり公権力は宗教に申立てあるというのが政教分離の原則ですよね。したがって、政府の例あるいは政府を支える与党、要するに権力の側にある方は、より政教分離の原則に細心でなければならないと思うのですよ。ところが、この与党側の議員が公衆の電波を使って特定の宗教団体を目のかたきにするような発言を堂々としているということは、私はこれは憲法にもかかわるような重大な問題じゃないか、こんなふうに思うのですね。
 もう一つちょっと時間がないから聞きますけれども、もう一つ私たち新進党にとって非常に許しがたいと亀井発言について思いましたのは、何の根拠もないまま、学会から新進党が政治資金を受けている、あるいは大事について何か意向がある、こういうような事実無根の中傷を堂々と行っている。何の根拠も示されないままですよ。これはとんでもないことでありまして、これが自民党の見解であるのかどうか、ちょっと橋本通産大臣、お伺いします。
○橋本国務大臣 亀井議員は亀井議員としてのお考えをテレビで述べられたものと思います。自由民主党としてそうした見解を公表し、あるいは文書にし、また党の綱領等にしている状況ではございません。
○石井(啓)委員 党としてはそういう見解を持っていないにもかかわらず、議員が、執行部の一員が勝手に言っている。大変おかしな形になっていると思いますけれども、いずれにしても、私何回も申し上げますように、総理の意図にもかかわらず、政争の具と実際になっているようなこの現状というのは、私はやはり極めて遺憾な状況だと思うんです。
 やはり宗教あるいは宗教法人法にかかわる問題というのは、もっと冷静で理性的な議論が必要なわけですね。特定の宗教をねらい撃ちするようなことは、もうこれは論外でありまして、我々も宗教法人のあり方あるいは宗教法人法について議論をしないと言っているわけではありません。ここは誤解をしないでいただきたいんですが、しかしながら、今の現実に政争の具となっているような状況の中で、あるいはオウムの事件をめぐって世間が多少冷静さを欠いているような状況の中で、信教の自由にもかかわるような重大な問題を性急に進めるべきではない、こういうふうに思うんですよ。
 幾つかの宗教団体がおっしゃっておりますけれども、やはりここは二年あるいは三年ぐらいの時間をかけて、国民の理解を得ながらあるいは各界の意見を広く求めながら、できれば国の審議会ではない第三者機関でじっくりとこれは議論をすべきではないかと思いますが、総理の見解を伺います。
○村山内閣総理大臣 信教の自由とそれから政教分離の原則というのは遵守をします、これはもうはっきり申し上げているわけですね。その上に立って、これだけ世間の皆さんがやはり見直しをすべきだ、問題がある、こう言われているときに、政府がそれに耳をふさぐことは許されない。私は、そういう意味で、そういう正常な国民の声というものはやはり十分反映させた上で政府が責任を持って対応するというのは当然のことではないか。
 私は、どこが信教の自由を侵してどこが政教分離に反するのかということについては、これは政府が出している法案の審議の中で十分そういうことがあれば議論していただきたいというふうに思うんですよ。ですけれども、今度の宗教法人法の改正について、そういうわらいも意図も全然ないということだけははっきり申し上げておきたいと思います。
○石井(啓)委員 今総理は世論にこたえていくというふうにおっしゃいましたけれども、宗教法人法の改正を求める世論というのはオウム事件をきっかけとしていることは確かです。ただ、これは、オウムに対する恐怖、恐れとか憤りから出ていることも間違いありませんね。じゃ、この宗教法人法の改正とオウムが何で結びついているか。それは、やはり多くの国民は宗教法人法に不備があったからオウム事件が起こったんではないか、あるいはこの宗教法人法の改正をすればオウムの再発は防げるだろう、こういうふうに思っているからこそ法人法の改正を私は求めているんだと思うんですよ。
 だから、総理がおっしゃるように、今回の法案の目的というのはオウム対策ではない。また、そもそも法律の趣旨からいって、この宗教法人法というのは宗教法人を指導あるいは監督するような法律ではありませんよね。このことが正しく国民の間に広まってくれば、私は世論というのは変わってくると思いますよ。
 むしろ国民はオウムの事件の再発防止を求めているわけですよ、オウムの事件の再発を。オウム自体の再犯ということもありますけれども、オウムのような事件がもう二度と再び起こらないようにしてほしい、これが国民の期待です。
 ですから、先ほど申し上げましたように、宗教法人法の改正というのはいろいろな副作用がたくさんあるわけですよ。総理はないというふうにおっしゃっていますけれども、信教の自由あるいは政教分離にかかわるようなこういう副作用がたくさんあるわけですから、そういう問題を性急にやるよりは、まず政府としてこのオウムの事件を徹底的に検証してこの再発防止策を早急にまとめるべきではないかと思います。総理の見解を伺います。
○村山内閣総理大臣 私は、今回の法案の宗教法人法の改正というのは、さっきから申し上げておりますように、オウム事件というものがきっかけになって宗教法人という活動について国民の皆さんが改めて疑問を呈して見直しをしたというふうに思うのですね。ですからこういう世論がやはり起こってきたんだと思うのです。それは何も、感情的になったり興奮したりしておる世論も、もちろんそれは全然ないとは否定し得ないかもしれませんけれども、もう少しやはり冷静な眼で私は国民はごらんになっていると思うのです。
 第一、今の宗教法人法からいけば、これはたびたびこの委員会でも議論になりましたけれども、本部の事務所が東京都にある、東京都にその届け出をして東京都が認可をする。ところが、実際に宗教活動は山梨県でもやっておるし熊本県でもやっておるし、どうかしますと国外でもやっておる。こういうものを東京都だけで責任が持てるのかということになれば、それは当然責任は持てない。
 したがって、全国的にわたって活動されるような宗教団体については文部省の所管にして、やはり目が届くようにした方がいいのではないか。それは、そうでなければ行政の責任が持てない。こういうようなことから見直しをしていくべきじゃないかという議論が起こってきたので、私は、ある意味ではこれはやはり正当な判断ではないかというふうに思います。
 したがって、先ほど来申し上げておりますように……(発言する者あり)取り締まりをするだけなら、それは警察がやりますよ。しかし、宗教団体というのは取り締まりをする対象じゃないんですから、そんなことは考えていませんから、したがって、行政上の責任が持てる範囲というものはお互いにやはり所轄できちっと責任を持てるようにすべきだというのは当然なことではないかと、私はそう思っています。
○深谷国務大臣 国家公安委員長として誤解のなきように一言つけ加えさせていただきたいんですが、宗教法人法の改正よりもまずオウム真理教の再発防止をせよとおっしゃいましたが、ただいま全国の警察、本当に必死になって再発防止のために全力を尽くしているところであります。
 宗教団体に名をかりたテロ集団でございましたから、捜査は極めて難航いたしましたが、十七名の特別手配のうち既に十二名逮捕して、残る五人でございます。これからも、どのような形で彼らが動くかについては警察挙げてきちんと見守ってまいりまして、国民の不安を取り除くために全力を尽くしてまいりたいと思っていることをどうぞ御理解をいただきたいと思います。
 なお、宗教法人法とオウム真理教の捜査に関しては、どちらが後先という問題では全くございませんで、捜査は捜査で全力を尽くします。宗教法人法の改正は政府が提案したのでありますから、粛々と議論していただいて、早期な答えを出していただきたいと一閣僚として願っております。
○石井(啓)委員 あと、橋本大臣にお伺いしますけれども、自由民主党組織広報本部長の肩書で、名前で「宗教法人法改正案についてのお願い」という文書を配布している事実を御存じですか、お伺いします。
○橋本国務大臣 把握しておりません。
○石井(啓)委員 私どもの手元にその文書があるわけですけれども、これはどういうことで、総裁が把握せずに一方的に何か勝手に出しているというのもちょっと解せないわけでありますが、これは政党、自由民主党ということで出しておりますけれども、これは、じゃ総裁の知らないうちに勝手に組織広報本部で出しているということになるんでしょうか。
○橋本国務大臣 自由民主党には政務調査会もありますれば組織広報本部もございます。そして、それぞれ責任者がその責任の範囲でそれぞれの役割を果たしております。一々、文書を出す、それに対して総裁が決裁をするといった仕組みにはなっておりません。
○石井(啓)委員 先ほど総裁の答弁では、亀井発言の趣旨にのっとるような文書なりあるいは綱領なりというのはないというふうに言っておりますけれども、実際に亀井本部長の名前でこういう文書が出ているんですよね。ここで創価学会云々ということも明確に記されているわけですよ。これはどういうことでしょうかね。
○橋本国務大臣 先日、私は党大会で九月二十五日に総裁に選任をされたわけでありますが、その党大会においてもそのようなことを決しているわけでありません。私は、そういう意味で党の規約あるいはという言い方をいたしました。もし個別の文書でそうしたものが関係のそれぞれの部局で出されておるものの中にあったとすれば、文書という言葉は謹んで取り消します。
○石井(啓)委員 いずれにいたしましても、こういう形でこういう文書が今自由民主党の方から出ているわけでありますけれども、こういう形で今いろいろと宗教法人法の改正について政争の道具として使っている。新進党云々ということを書いてあるんですよ、ここで。宗教法人法の改正を使って私たち新進党を批判しているわけですよ、これで。全く政争の具にほかならないんですよ、これは。こういうことをやっているような状況の中で早急に法人法の改正を進めるのは私は反対である、このことを申し上げたいと存じます。
 きょうは、いろいろほかにも質問を用意しておりましたけれども、なかなかスムーズな御答弁がいただけなかったものですから、あらかじめ質問通告をいたしておりまして御答弁いただけなかった方には申しわけないと思います。
 時間が参りましたので、以上で終わります。
○上原委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。
 次に、伊藤達也君。
○伊藤(達)委員 新進党・民主会議の伊藤達也でございます。
 私は、金融の問題も含む村山政権の経済運営、そして景気対策について、総理を初め関係の閣僚の皆様方に質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 まず、総理にお尋ねを申し上げたいのですが、一連の経済対策、この効果の問題についてでありますが、与党の議員からも、総合的な経済対策の視点から何かワサビが抜けたような感じがするんだ、あるいは政治生命をかけて本当に本気になってこの経済対策をやっていかなければいけない、厳しい認識が示されているわけであります。
 私たち新進党についても、まだまだ経済対策としてやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ、その一端を今回、租特の一部を改正する法律案として本会議に提出をしているわけでありますが、村山政権として、今後経済対策を進めていくに当たって残された課題が一体どういうところにあるのか、それをどういう形で解決をしていきたいと総理は考えておられるのか、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今次の景気の局面というものを見た場合に、これまで累次の景気対策を講じてきて、しかも公共投資等についても思い切ってやってきたわけでありますけれども、それはそれなりに私は影響はもたらしてきておるというふうに思うのですけれども、残念ながら思ったとおりに景気の回復は、弱含みでまだまだ不透明感が払拭できない状況にあるということは率直に私は認めざるを得ないと思うのですね。
 ただ、そのために、九月にこれまでにない大型な経済対策、十四兆二千二百億円という大型な景気対策を講じて、しかも二次補正予算でも相当思い切った真水を計上して経済対策を講じていますから、私はこれを切れ目なく推し進めていけば必ず景気は明るい展望が開けてくる、不透明感を払拭できる、こういうふうに思っているわけです。
 ただ、従来と違って、私はたびたび申し上げますけれども、例えば不況対策としては、公共投資をふやすとかあるいは公定歩合を下げるとかあるいは減税をやって消費を伸ばすとか、従来もこういう対策を講じてきましたけれども、しかしそれだけではなかなかやはり景気がもとに戻らない、回復しない、構造的なものがある。
 とりわけ、不良資産の始末の問題やあるいは土地税制の検討やら、あるいはまた規制緩和といったようなものもやって、日本経済が持っておる構造的な問題を改革して、そしててこ入れをしていかなければ全体として景気の回復はないのではないかというような問題が今残されておりますから、そういう問題にもやはり精力的に取り組んで、特に不良資産の問題等については年内にやはりある程度の見通しを立てて、そしてこの解決を図っていこう、こういう努力が間断なくやられていけば、私は必ず景気は明るい展望が開けてくるものだというふうに確信を持って今推し進めておるところでございます。
○伊藤(達)委員 今総理から、残された課題についてお話があったわけでありますが、総理がお話しになられているように、やはり経済構造の改革について新しい発想で、例えば金融の問題であるとか、あるいは土地の流動化対策であるとか、あるいは証券市場の活性化対策をやっていかなければいけない。しかし、その具体的内容は何なのかということについて、国民もよくわからないというのが今の現状ではないかというふうに思います。
 私は、ちょっと個々の点についてこれからお伺いをさせていただいて、そして改めて総理にもう一度質問させていただきたいと思うんです。
 まず経済企画庁長官にお尋ねを申し上げたいんですが、長官は答弁の中で、相当規模の経済対策を実施してきたにもかかわらず景気の回復のスピードが上がらないのは、公共投資から消費や設備投資といった民間需要へのバトンタッチがうまくいかないからだと、その問題点を指摘されてい
るわけであります。今回の経済対策によってこの問題点、これを十分に克服でき得たのかどうか、その点についてお伺いをさせていただきたいのですが。
○宮崎国務大臣 お答えいたします。
 先生御指摘のように、今回の景気回復というのは、従来の景気回復と随分様相が違います。一九九一年の春にピークを打ってから、それから約三十カ月下降が続きました。そして九三年の十月に底を打っているわけです。従来ですと、底を打ちましてから、今の時点ですと大体GNPの水準が底に比べて七、八%高いところへ来ているんですが、今日ではまだ二%に達しません。非常に緩いわけです。それは、これまで累次にわたって経済対策をやったにもかかわらず効果が全然なかったからというわけではありません。公共投資を中心にした投資がそれなりの効果を与えているということは、例えばGNPの中の寄与度を見ていただくとわかるんですが、それにしても、非常に緩やかな回復であるというのは御指摘のとおりであります。
 それはなぜかと申しますと、従来と違って、今回の不景気は二つの構造的な要因が重なっているということで、第一は、バブル経済の崩壊に伴って資産価額が下落をして、その結果、消費者も企業家も大変経済行動について慎重になったということがございますし、それと裏腹の問題として、金融機関が膨大な不良債権を抱えて、お金の流通がうまくいかないという問題がございます。
 それからもう一つは、構造的な問題として、特に急速な円高が進んでいわゆる空洞化現象なども起こっているわけでして、国民が、構造調整が一体どういうふうに進められるんだろうか、その結果どうなるんだろうかということについて不安感を抱いている。そのことが先行きについても暗い影を落としているわけですし、景気自体が余り回復しないということになっていると思われます。
 したがって、今回の対策では、先ほど総理が申し上げましたように、非常に大きな規模の公共投資を中心にした内需拡大を図っておりますけれども、それだけではなくて、不良債権の問題ですとかあるいは土地の有効利用の問題とかというものを掲げ、同時に中期的な構造問題も指摘しているわけでございます。
 ただ、これも総理が御指摘になったことですが、これから、より具体的に不良債権の処理の問題、あるいは土地の流動性を高める主として税制との関係での対策、あるいは一層の規制緩和の促進ということを切れ目なく実施していかなければいけないと思っております。そういう政策が切れ目なく打たれますと、今回の公共投資の効果が確実に出てくるというふうに考えております。
 恐らく、向こう一年間をとりますと、今回の公共投資等によってGNPが二%程度押し上がりますが、その過程で、漸次公的な需要から民間需要にそのバトンタッチができるものと今回は考えております。
○伊藤(達)委員 私は、長官が御指導いただいている財団で政治の勉強を五年間させていただいて、その後も長官のいろいろな論文を勉強させていただいて、その立場からすると大変生意気なようかもしれませんが、今お話しになられていることをもっと早く実行していけば、この平成不況の克服というものもできていったんではないか。
 例えば土地の流動化対策にしても、もっと市場を動かしていくメカニズム、そのメカニズムというものをどうやって動かしていくんだ、その知恵というもの、工夫というものを織り込んでいけば、また大分違ったものになっていったんではないかというふうに思います。
 公共投資のあり方にしても、私は公共投資の効果というものを否定しません。ただ、限られた財源の中でやっていくには、やはり公共投資のあり方というものを見直していく、効率の高い公共投資をどうやってやっていくのか、その知恵をやはりこの内閣で出していかなければいけないわけでありますが、どうもそういったことも見受けられない、こういう状況にあるのではないかというふうに思いますが、もう一度、この点についてはいかがでございますか。
○宮崎国務大臣 先生が御指摘になっておられますように、景気の回復が非常に延びております。政府は、この問何にもやってこなかったというわけではなくて、四月に緊急円高・経済対策を発表いたしましたし、六月にはそれを、例えば公共投資等を前倒しをするというような形で強化をし、それから夏には資本の対外流出を促進するような政策をとり、さらに、これは政府ではございませんが、日本銀行が公定歩合を下げるという一連の政策をとってきているわけです。
 にもかかわらず十分でなかったというのは、先ほど申しましたような理由がある上に、ことしに入りましてから震災があったり、社会的な事件があったりして、消費行動も慎重になっているということがございます。
 そこで、幸いと申しますか、このところ為替市場に若干円高から円安に戻っている現象がありますし、株式市場でも一時よりは明るくなっていますので、このチャンスをつかまえて経済対策を行ったわけであります。せっかく補正予算も成立いたしましたので、この対策を確実迅速に行っていけば、今度は確実に景気が回復するものと信じております。
○伊藤(達)委員 続いて、総務庁長官にお尋ねをしたいと思います。
 これは、経済構造を改革していくに当たって規制緩和というものがどれぐらいの効果を持つのか、その点について総務庁長官にお尋ねをしたいわけでありますが、長官は大変雄弁でありますので、できましたら私の質問に端的にお答えを賜りたいと思います。
 長官はたびたびこの国会の場で、政府は一千九十一の規制緩和の項目をまとめられたんだ、その具体的な内容はこうなんだというお話をいただいているわけでありますが、その経済的な効果がどれぐらいあるんだということについては何か明らかにされていないような気がいたしますし、例えば内外価格差の是正についてどれぐらいこの一千九十一が寄与しているんだということについてのお話もございません。あるいは、この規制緩和をやることによって失業が生まれる、そういう可能性もあるんだ、そういうお話もお伺いしたことがないのですが、この点についてお答えをいただければというふうに思います。
○江藤国務大臣 お話し申しますが、一時間ばかりいただけますか。そうしたらきちっと話をします。短い間にそういう問題を簡単に話せと言われても大変難しい話でありまして、ただ、定量的にはかるということは極めて難しいと私は思うのです。というのは、明と時とがある。
 例えば、大店舗法がどんどん緩和されてきた。その間に今度は小売店が十五万軒もつぶれていく。そうすると中央市場というのが成り立たない。二割も三割も買参人が減っていく。商店街がなくなっていくんですよ、郊外に大きな便利なスーパーができると消費者のためになるという反面に。だからそういう明の面と暗の面と私はあると思っている。
 ただ、御承知のようにNTTを民営化したですね。そうしたら百十五社になりましたよ、通信会社が。そうすると、それに関連してパソコンとかあるいは先端技術の産業というのが、企業によってはもう五年分、仕事を抱え切れぬほど持っておるというようなところもある。一向に景気がよくならぬところもあるが、そういういわゆる通信産業というのがだあっと広がって、家庭にパソコンのないところがなくなるような時代が来るんじゃないか、こう言われる。
 あるいは携帯電話を売り切り制にする。そうすると、二百三十万台だったのが、もう六百二十万台になろうとする。すると、そこには新しい投資が生まれ、あるいは需要が生まれ、人々が働き、賃金を得、そしてまた帰りにはうどん食ったり、酒飲んだり、一杯飲んだり、あるいは日曜日には子供を連れて遊びに行こうかということになるから、ごろごろごろっと広がっていく。
 地ビールをあれしました。そうしたら、オホーツクビールというのができたのですよ、オホーツクビール。これが二十一社認可があります。それから、今度は新食糧法で米の流通を簡単にするでしょう。そうしたら、競争が生まれ、価格の面でも弾力性を持つようになってくる。
 だから、そういうことで経済が活性化していくのであって、これを幾らもうけて幾ら損するんだという物差しでお答えするのはまだまだ時間がかかるのではないか、こう思います。
○伊藤(達)委員 アメリカの場合には、米国議会の調査局が、アメリカの規制緩和をやってどれぐらい経済効果があったのか、失業がどれぐらい生じたのか、新規事業がどれだけ起きたのか、それがどれぐらいの雇用を生み出したのか、こういうことについての調査がまとまっております。GDPにして大体一%から一・二%規制緩和の効果があった、こういうような報告があるわけであります。
 したがって、本気になって効果をはかっていく、その効果というものはどういうことなんだということを国民の前に提示をすれば、もっと深い議論が私はできるのではないかというふうに思いますので、ぜひとも総務庁のリーダーシップをとって、長官のリーダーシップをもってこの点について明らかにしていただければというふうに思います。
 続いて、もう時間がありませんので、通産大臣にお尋ねを申し上げたいわけでありますが、通産大臣は自民党の総裁選挙において、二〇〇〇年までに二百十兆円の新規産業の創出をしていきたい、そして二百五十万人の新しい雇用を生み出していきたいんだと具体的な目標を提示をされたわけであります。そういう目標を持たれた大臣の視点からして、現在の村山政権が行っている経済構造の改革やあるいは規制緩和の取り組みについてどのように思われているのか、率直に御感想をお伺いをしたいと思います。
 あわせてお伺いしたいのは、通産省は、将来の有望な市場として十二分野を特定をしているわけであります。この十二分野を育てていくに当たって、政府が今回取りまとめた一千九十一の項目、その項目の中でどれだけ消化をしているのか、まだ残されている規制の課題というのはどういうものがあるのか、もしお答えができましたら答弁をお願い申し上げたいと思います。
○橋本国務大臣 今委員が触れられました数字は、それぞれに産構審の答申の中から、この十二分野を中心にして構造改革を進めた場合の目標数字でありまして、根拠のないものを申し上げたわけではございません。ただ同時に、御指摘のように、これらの分野を育てていくためには、まさに規制の改革が必要であることは御指摘のとおりであります。
 そして、細かいことを申し上げるつもりはありませんけれども、昨年六月、この十二分野の展望を行いました時点で、産構審の報告書の中には、例えば情報・通信関連分野におけるネットワークの相互接続規制の緩和、あるいは医療・福祉関連分野でありますと、医療用具の製造業等の免許の期間を延ばすこと、こうしたものが例示で挙げられてまいりました。また、住宅関連分野における容積率の割り増し制度、運用を緩和すること、こうした指摘が幾つかなされております。
 これらの指摘の中には、既に解決をいたしたものもございます。また、この三年間の改革の中で、その相当部分が処理をされていくと思います。その意味では、十二分野に係る規制の中で、都市環境の整備関連分野あるいはエネルギー関連分野の一部についての規制は、今回の緩和計画の中に盛り込んでおりません。こうした分野は今後なお努力をする余地を持っておると思います。
 あるいは、この規制緩和計画とは全く違った分野で、新たな産業という視点ではありませんけれども、例えば税法上の必要書類の保存期間、これが相当なコストを必要とする原因になっております。これを例えばぺーパーレス化することが認められた場合には、当初の機械の投資は必要になるでありましょうけれども、その後の保存にかかるコストというものは大幅に下がることが考えられます。そうした努力を我々としては今後積み重ねていくことによってこの目標に到達したい、そのように考えております。
○伊藤(達)委員 続けて通産大臣にお尋ねを申し上げたいわけでありますが、経済構造の改革について、総理もその必要性を明確に認めておられるわけですけれども、私どもは、どうもそれを実現をしていくプログラムが明確になっているのかなという点について、非常に心もとないものを感じるわけであります。
 そういう意味からしますと、今回のこの新規市場の創造のプログラムというのは、その一端をあらわすものになっているのではないかというふうに思いますし、先ほど御説明のあった、通産大臣が政治家として、具体的な公約として掲げられている目標というのは、これはよくわかる話であろうかというふうに思います。
 しかし、このプログラムを見ても、例えば、時間がありませんから規制緩和の項目を見ても、やはり他の省庁に対する配慮があって、あいまいなことばかりが書かれているわけですね。十分なプログラムになり得ていない。これをプログラムにしていくことが今の政治に強く求められている点ではないかというふうに私は思いますし、それが今つくり切れていないところに村山政権の限界があるのではないかというふうに思うわけでありますけれども、通産大臣、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○橋本国務大臣 経済構造改革の推進のプログラムという点につきましては、先般、産業構造審議会の基本問題小委員会から、二十一世紀への日本経済構造改革の道筋というものについての報告を受けたところでございます。引き続き作業は継続されると存じますが、この基本問題小委員会として出されましたものは、一つの立派な将来へ向けての方向を示唆している、そのように私は考えております。
 もとより、そのためには、税制におきましても、あるいは先ほど来御指摘の出ております土地の流動化対策、これは流動化対策という視点だけではなくて、私はむしろ製造業にとっての負担ということも視点に入れて議論をしたいと考えておりますけれども、こうした問題点を処理していかなければなりません。また、何よりも、やはり金融機関の不良資産対策と同時に、日本の金融機関の信頼回復というものを欠くことはできないと思います。
 その上で、私は、必ずしも委員が指摘されましたような他省庁への遠慮という考え方からその規制の問題に取り組んでいるとは思っておりません。ただ、一層努力する必要があることは、私は決して否定いたしませんし、そうした努力は今後ともに積み重ねてまいりたい、そのように思います。そしてまた、国会の御支援もいただきたい、そのように考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○伊藤(達)委員 続けて通産大臣の景気対策についてのお考えについて改めて御質問させていただきたいわけでありますが、大臣は、今少しそのお話にも触れておられましたけれども、やはり土地に関する税制についてもこれは見直していかなければいけない。特に地価税は、たしか大臣、大蔵大臣をやられたときにこの問題を扱われたのではないか、ですから、その経緯はよく承知をされている、そういう意味からも、この問題についてやはり考えていかなければいけない、証券の問題についても税制の見直しが必要なんだ、こういうお話をされているわけであります。しかし、現在に至っても、その具体的にお話しになられている部分はまだ実現していない。
 今回、新進党は、租税の特別措置の一部を改正する法案の中で具体的に提言をいたしております。特に譲渡益の課税の軽減の問題については、これは自民党が昨年提案した内容とほぼ一致をしている。こういう状況であるならば、自民党総裁として、また参議院の予算委員会でもこの点については、やるべきではないかという質問が自民党からも出ているわけでありますから、我が党の提出をしている法律について賛成されてもいいのではないかなというふうに思うわけでありますが、この点についてはいかがお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
 それと、この公約について、お話しになられている点について実現をしていけないのは、これは連立与党の中の考え方、村山総理とそして大蔵大臣との考え方がやはりなかなか一致をしていかないのか、それとも、今はまだそういうタイミングではないというふうにお考えになられているのか、この点もあわせてお伺いをしたいと思います。
○橋本国務大臣 今委員が触れられましたのは、自民党の総裁選挙の中で、総裁選の私の考え方として申し述べてきた一連の税制改正についての御指摘だろうと思います。
 そして、私どもは、これから与党三党の中でも、次年度税制改正についての議論を開始しようとしているところでありまして、その中で自由民主党としての考え方は十分に主張をさせていただきたいと思っておりますし、恐らく連立各党それぞれに真剣な議論をしていただけるもの、その中で私どもの考え方というものも最大限受け入れていただけるものとかたく信じております。
 今たまたま地価税にお触れになりましたが、確かに地価税は、私が大蔵大臣のときに手がけたものの一つであります。そして当時、この地価税というものに非常に議論がありました中で、私は、土地対策を税で処理するということはむしろ間違いである、間違いとは言いませんけれども、税制は重要なわき役ではあるが、むしろ本来、都市計画なり土地利用計画なりが先行すべきもの、そして、税はどちら側にも働き得るものということを繰り返し御答弁を申し上げておりました。そして、土地基本法を受けて地価税を創設したわけであります。
 そうした経緯からいきますと、今一部には地価税廃止という声もあります。しかし、私は、地価税というものの持つ役割を考えれば、廃止するつもりはありません。しかし、現実の地価の状況から見て、凍結をしてもいいのではないだろうか、シンボリックな意味でこうした言い方もしてまいりました。
 また、有価証券取引税等についても触れてきたことは御指摘のとおりでありまして、税制改正全体の中で自由民主党としての最善を尽くしていきたい、今そのように考えております。
○伊藤(達)委員 私は、やはり今やれるものはできるだけ早くやるという姿勢が非常に大切ではないかというふうに思いますので、改めてこの点については御指摘を申し上げたいと思います。
 時間がございませんので、総理にお伺いをしたいことがございます。
 不良債権問題のディスクロージャーの問題。これは先日の本会議でも我が党の谷口議員から質問があったわけでありますが、総理の答弁を聞いていますと、やはり消極的だなと。五年間をめどにしてこの問題については段階的に考えていきたいんだ、こういうお話がございました。
 私は、総理の最初の総理大臣に就任したときの所信表明の中で、国民とともに、国民に学ぶような政治をやっていきたい、それが自分の政治信条なんだ、国民の知恵をかりながら政治を運営していきたいんだ、こういうお話をされているわけでありますから、そうであるとするならば、やはりこの問題についての情報開示をしっかりして、そして国民の方々からいろいろな意見をいただいて、この難しい問題についての対処をしていくべきではないかというふうに考えますが、総理はこの点、いかがお考えでございましょうか。
○村山内閣総理大臣 御指摘にありましたディスクロージャーの問題は、金融機関の経営の透明度を高める、同時に経営の自己責任というものを明確にする、それからまた預金者も、透明性が高まることによって、その銀行の経営の実態というものを把握した上で預金をするあるいはしないという判断を自己責任においてやられていく、こういう経営と預金者とのお互いの相互責任体制というものを明確にする上で、私は、ディスクロージャーはぜひやらなければならぬことだというふうに思っています。
 平成八年の三月期には主要二十一行においてすべての不良債権の開示が行われることになるのに加え、地方銀行協会加盟行についても一律に延滞債権額の開示を行うとともに、一定規模以上の信用金庫についても破綻先債権額の開示を行うというようなことを着々と実行させていく、してもらうということが大事ではないか。
 この開示の範囲の拡大は最低限の目安でありまして、より多くの金融機関が自発的に開示をしていくというような行政指導というものもしっかりやって、努力してもらう必要があるというふうに考えておるのでありまして、決して消極的にやろうというのではなくて、これはもう、今の金融危機を回復をして、そして信頼性を高めていくというのは、ある意味から申し上げますと、日本の経済の活性化を図っていく喫緊の課題だというふうに私は認識をいたしておりますから、積極的に推進をしていく意思には変わりはございません。
○伊藤(達)委員 総理から積極的にというお話があるわけでありますが、内容を聞いていると、やはり積極的に進めていくというふうにはどうしても私は思えないのであります。
 最後、もう時間がありませんから総理にもう一度お尋ねをしたいのですが、私もこの予算委員会に所属をさせていただいて、経済や景気対策の議論をいろいろ聞かせていただいてこの審議に参加をさせていただいたわけでありますが、村山政権で本当に景気を回復していくのかということについて私は非常に大きな強い疑問を感じているわけであります。
 やはり新しい発想で、新しいリーダーシップのもとでこの平成不況というものを克服をしていく、こういうことも非常に大切ではないかというふうに思うわけでありますが、そういう意味からしますと、総理みずからの出処進退の問題も含めて、今後の経済運営の取り組みについて最後にお話をお伺いできればというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○村山内閣総理大臣 これは、景気回復内閣と銘打って、そして景気の回復がこの内閣の最大の負わされた課題であるという決意で、内閣一体となって取り組んでおりますし、先ほど来経済企画庁長官からもるる説明がありましたけれども、今のこの景気の動向に対して切れ目のない手を確実に打っていく。
 幸いに補正予算も上げてもらいましたし、関連法案も早く上げていただいて、そして迅速に確実に実行していくということによって必ず景気は回復してくるというふうに思っていますし、来年はせめて二%台ぐらいには経済成長率を乗せていきたいというふうに考えて、全力を挙げて取り組んでおるということについては御理解を賜りたいと思います。
○伊藤(達)委員 どうもありがとうございました。
 質問が十分でき切れなかった点については、この場をかりておわびを申し上げたいと思います。どうもありがとうございます。
○上原委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、笹木竜三君。
○笹木委員 新進党・民主会議の笹木竜三です。質問を行わせていただきます。
 まず最初に、オウム真理教事件への対応についてお聞きしたいと思います。
 私自身も心配をしているわけですけれども、今度のオウムのような組織犯罪がオウムによって継続反復して行われる可能性、また行われる可能性、その可能性があるかどうか、その御認識をまず法務大臣にお聞きしたいと思います。
○宮澤国務大臣 今オウムのような犯罪が継続反復して行われる可能性があるかという御質問でございます。この件につきましては、ただいま公安調査庁におきまして、諸種の調査資料を収集をして検討をしております段階でございます。それ以上のことはここで答弁を申し上げかわますので、
御了承をいただきたいと思います。
○笹木委員 総理にも同様の質問でお答えいただきたいわけですけれども、何度か発言されているように、宗教法人法改正はオウム対策としてではないと言われております。こういったオウム真理教のような事件に対して、どのような対応をされようとしているのか。現行法制でまあ大丈夫だと思っておられるのか、あるいは税の優遇を持つ公益法人としての解散、それで対応することでまあ大丈夫だと思っておられるのか、御認識をお聞きしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 オウム真理教の事件につきましては、今、法と証拠に基づいて警察の方で、司法当局の方で厳正な取り締まりをやっていますし、先ほども報告がありましたように、相当犯人も捕らえて徹底的に今やっているところですから、その成果に期待をしたい。
 やがてこのオウムの事件の全容というものは解明されるというふうに思っていますし、また並行して、これは東京都と検察の方から裁判所に申請が出されて、オウムの宗教法人としての解散命令というものも出してもらえるように今手続をいたしておりますから、これもやがて出してもらえるものだというふうに期待をいたしておりますし、今の法制度の中で、あらゆる面からやはり総合的に対策を講じていって、再発防止、絶対にこんなことがあってはならぬということについては、国民に御安心をいただけるようにやらなければならぬという決意で取り組んでおることだけは御理解を賜りたいと思います。
○笹木委員 これは新聞にも出ていることですけれども、法務省などの当局者がまとめた「破防法による規制の必要性」と題する内部文書が新聞にも載っております。
 そこに書いてあることですけれども、九月十五日から十七日の集中セミナーで、一カ月ほど前ですけれども、「約八千七百万円を集金した」あるいは「相当数の信者が「日本がつぶれる世紀末が見たい」「裁判がどうなろうと教えは変わらない」「尊師奪還のため何でもやる」」この内部文書、いろいろ求めたわけですけれども、出していただいていませんけれども、新聞報道だけでもこういうことが書かれているわけです。麻原は獄中から信者に対して指令を出し続けている、こういったことも書かれています。
 結論として、破防法の適用を、団体に対する適用をと訴えているわけですけれども、こういった現状が、一カ月前でも相変わらず集中セミナーで一億円近い金を集めている、あるいは奪還のためには何でもやるとかなり複数の、多くの信者が述べている、こんなことも報道されているわけです。
 総理は、非常に慎重に検討する、手続開始の判断までは行政の長として私の責任で慎重に検討したいと述べられているわけですけれども、予算委員会で一月から審議に加わっていて、震災対策にしても、経済対策にしても、不況対策にしても、あるいは今回のオウムに対する対策にしても、決断、判断、行動がやっぱり遅いのじゃないか、率直に感じているわけです。こういった材料があっても慎重に検討する、どういった点を今慎重に検討されようとしているのか、総理にお答えいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 事柄によるので、それは拙速で決断をして直ちに実行できるという問題もありましょうし、事柄によってはやはり慎重の上にも慎重な判断を求めて決断をするということもありましょうから、一概には私は言えないと思いますけれども、そういう心組みで問題によって対応してきているということについては御理解をいただきたいと思います。
 それから、今破防法の問題について御意見がございましたけれども、これはもう御案内のように国民の基本的な人権にかかわる問題でもありますから、私は、この扱い方については、やはり厳正かつ慎重に運用する必要があるということについては変わりはございません。
 今公安調査庁で、本件に関しましては法と証拠に基づいて、破防法所定の団体規制の適用要件に合致するかどうかということについて慎重な検討がなされておるというふうに思いますから、その状況とも見合いながら、やはり私は私なりの判断をしたいというふうに思っております。
○笹木委員 法務大臣に質問したいわけですけれども、先ほどこの新聞、十月の二十日の新聞にも出ているような法務省などの当局者がまとめた「破防法による規制の必要性」、これは司法全体としての考えじゃないということではありますけれども、この報道に対して、内部文書に対してどのようにお考えになるか、お答えいただきたいと思います。
○杉原政府委員 今委員お尋ねの文書につきましては、私、手元に所持しておりませんけれども、どのような形で先生のお手元にあるのかもまだ十分存じ上げておるわけではございませんが、一部、調査の過程で、一つの検討の内容としてそのようなものをつくっていることは事実でございます。
 そういったような点につきましても、十分幅広く検討を進めて、慎重に今手続を進めている、こういうことでございます。
○笹木委員 先ほどもお話ししましたけれども、総理からもあらゆる面からあらゆる対策を講じたい、そういうお話がありました。このオウムに対しては、税の優遇を持つ公益法人として解散しても、任意団体として組織活動を続けていく可能性が非常に高い。組織犯罪が継続反復して行われ、将来も繰り返されるおそれが明らかかどうかの判断において、この団体が明らかでなかったら一体どの団体が、どのような団体が明らかなのか。最大限に明らかだと私自身は感じるわけです。
 ぜひもう一度お答えいただきたいのですけれども、あらゆる面からとは、先ほどお話ししました現行法制なのか、あるいは税の優遇を持つ宗教法人としての解散、そのことを指すのか、あるいは新法なのか、全く新しい新法で対応されるのか、そういったことについてもうそろそろ基本的な方針を出されるべきだと思うわけですけれども、特に破防法の適用に対しては、自分自身がその判断には責任を持つ、手続開始まではその責任を持つと言われているわけですから、基本的な方向についてお答えいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 誤解があるといけませんから申し上げておきますけれども、破防法を適用するかどうかという問題については、いろいろな手続の段階があるわけですね。この手続を開始するかどうかということについては、官報に公示して、そしてまた、それなりのいろいろな弁明をする機会とかを与えて、手続をとっていくわけですよ。
 その手続を開始するかどうかという官報に公示するまでのあり方というのは、これは行政上の手続ですから、したがって行政、その長としての私の責任というものもあるのではないか。その限りにおいては十分相談もし、連絡もとり合ってやっていく必要があるというふうに思いますけれども、それから先の問題については、これはもう準司法的な手続になるでしょうから、政治的に云々すべき問題ではないのではないか、私はそういうふうに理解をしているわけです。
 それで、このオウム真理教の事件に関連をして、今、先ほど来申し上げておりますように、刑事事件に該当する問題については、警察が厳正に、それこそたゆみなく全容を解明して再発防止のために取り組んでやってもらっておりまするし、同時に、宗教団体としての扱いについては、宗教法人法の解散命令を出してもらって、そして財産等の処分などについても徹底的にやっていただく、こういうあらゆる方策を講じていって、私はこの問題の決着をつけなければならぬというふうに思っております。
 しかし、それでもなおかつ不安があるし危険があるという場合にどう対応していくかということについては、それは破防法という問題もありましょうし、いろいろな問題について検討の余地は残っていると思いますけれども、しかし現状では、私は、今ある法体系をあらゆる面から活用して、全体的に取り組んでいって、何とか決着をつけられるものであれば決着をつけなければならぬ問題
だというふうに考えて、全力を挙げている状況にございます。
○笹木委員 非常に御認識が甘いのじゃないかと私自身は感じております。ぜひ、最低限の新法、これは時間がかかると思います、最善の策とは思いませんけれども、やはり破防法の適用をもう少し真剣に考えていただきたい、そう思います。
 二つ目の質問ですけれども、きょうの予算委員会でも不良債権問題についての話題が何度か質問で上がっております。
 予算委員会でも、行政の責任、あるいは役所と利害関係者の癒着、こういったこともたびたび取り上げられているわけです。先般の参議院の予算委員会でも質問が出たみたいですけれども、昨年の八月、大蔵省職員に対する過剰接待問題、旧東京協和信用組合の元理事長高橋被告と非常に関係が深いコンサルタントが世話人となって過剰なゴルフの接待があった、こういった質問も出ております。
 参議院の予算委員会での答弁で、調査を進めるというお話がありましたけれども、このことについてはどの程度調査が進んでいるのか、役所の方でも結構です、お答えいただきたいと思います。
○小村政府委員 突然のお尋ねでございまして、官房長がまだ参っておりませんが、前官房長として申し上げます。
 先般の報道、毎日新聞の十月の十二日付の報道につきまして、参議院におきまして御質問がございました。そのときに私どもの官房長からも御説明申し上げましたが、今回の中島研究所長を初めとする一連の不祥事について深くおわびを申し上げ、御指摘の件につきましては、大蔵省から四名の者が参加しているということを把握しておりますが、この件については、大変軽率な行為であったということで人事当局から厳しく注意をしたということでございます。
 個別の名称につきましては、今後本人たちの行動について十分注意をするということで御容赦を願いたいということでございます。
○笹木委員 今お答えいただいたようなことは、この間の参議院の予算委員会でもお答えいただいているわけです。先ほどもお話ししましたように、この金融の不良債権問題、行政の責任が問われている。癒着とかそういったことについても質問が出ている。よほど今までの体質を抜本的に変えないと国民は納得しない、そう思うわけです。
 どのような調査をされたのか、もう少し詳しいことをお聞きしたい。一つは、単にゴルフの接待だけだったのか、一回だけだったのか、会費も払わなかったのは何人なのか、調査の結果をちゃんと報告していただきたいと思います。
○小村政府委員 二信組にかかわる問題につきましては、三月の処分の際あるいは今回その後の引き続きの調査において、私ども、事実を把握するために努力をしているわけでございますが、三月の処分の際にも、窪田氏との関係の一環としてこういう事実を把握しておりまして、それに基づきまして処分をいたしました。
 それから、その後私どもとしましては、たとえ私的なつき合いにしても、職務上関連がない行為においても、やはり社会的に批判を招く場合が多いということで、これらの点を含めまして改めて綱紀粛正の通達を発出したということでございます。
○笹木委員 質問に答えていただきたいわけです。ゴルフだけなのか、一回だけなのか、会費も払わなかったのは何人なのか、お答えください。
○小村政府委員 三月の時点及びその後の調査によりまして、その時点におきまして把握できた範囲内におきまして、社会的通念として問題のある中島民及び田谷氏につきまして所要の処分を行ったということでございます。
○笹木委員 質問にお答えいただきたいと思います。一回だけなのか、ゴルフの接待だけなのか、会費も払わなかったのは何人なのか。
○小村政府委員 ただいま官房長が参りましたので、ごく詳細にわたって答弁申し上げますが、この三月の処分及びその後判明した事実関係に基づきまして、中島氏について退職したという事実はございます。三月の時点におきまして、私ども、個々の行為について、何月何日どうこうということを発表するわけにはまいりませんが、ほぼ行動につきまして把握して、問題のあるものについて処分を行ったということでございます。
○笹木委員 何かよくわかりませんけれども、いろいろ書いたものなんかを読みますと、会費を払っていなかったのは一人だけのようだ、そのようなことが書いてあったりします。このお一人というのは、大蔵省出身の今どのようなことをなさっている方なんでしょうか。
○涌井政府委員 お答えいたします。
 このゴルフのコンペに参加しておりましたのは大蔵省の関係者では四人でございますが、交通費はすべて自分たちで払っております。その中で会費を払っておりましたのは二人でございます。
○笹木委員 払っていないのはお二人ということだと思いますけれども、そのお二人は大蔵出身で今民間におられる方なのか、あるいは政治家とか公職におられる方、そういった方も入っているのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○涌井政府委員 お答え申し上げます。
 我々大蔵省当局としては、そもそもこのゴルフのコンペそのものが悪いものという前提では考えておりません。ただ、人によっては行き過ぎた回数やっている方もおります。具体的に申し上げれば、中島さんという方は確かにそうでございます。ただ、それ以外の方はたまたまこの回に上司から言われて行った方もおるわけでございます。ですから、その人たちが今どういうことをしているかとか、あるいはそういうことについては我々としては名前を申し上げるのはいかがかなということで御了解いただきたいと思います。
○笹木委員 官官接待の折にも、官房長官が何らかの新しい基準を出すべきかとか、そういったコメントも発表されておられます。
 アメリカの連邦政府職員は、倫理規定で、利害関係者からの贈り物や飲食接待一回に二十ドル、あるいは年間計五十ドルを超えたら規定違反になる。非常に厳しいと思いますけれども、このような規定をあえて設定して、非常に細かい、収入ですとか資産ですとか、その売買の記録、贈答品、交通費まで、役所の幹部はもちろん一般職員も財務報告書を毎年出している、こういったことがあるわけです。
 何度もお話しするわけですけれども、今不良債権の問題、その処理をめぐって行政の責任が問われている。こういった中で、今お答えになったような対応の仕方ではやはり非常に問題があるのじゃないか。大蔵省出身で払ってない方が政治家であるとかそういったうわさも聞くものですからお聞きしたわけですけれども、ぜひ最後に総理に、こういった新しい倫理のガイドラインといいますか基準といいますか、そういったことを積極的に設けていかれるおつもりがあるかどうか、お聞きしたいと思います。
○野坂国務大臣 お答えいたしますが、綱紀の粛正の問題は、常に問題になるごとに何回も申し上げております。今委員が御指摘のように、このようなことは極めて残念でありますから、官官の接待の問題、官民の接待の問題、基本は綱紀の粛正でありますから、十分に関係省庁に対しては厳しく、今後も国民の皆さん方の師表に立つような方向で努力をするように御連絡なり御指示を申し上げておる次第でございます。
○笹木委員 連絡とか指示をこれまでも何度もしてきて相変わらず起こっているわけですから、ぜひ厳しい新たな基準をつくっていかれる、そういった踏み込んだ対応をお願いしたいと思います。
 質問を終わります。
○上原委員長 これにて笹木君の質疑は終了いたしました。
 次に、桜井新君。
○桜井委員 私は、自由民主党・自由連合を代表して、これから質問をさせていただきます。
 朝からずっといろいろな方の御質問を聞いておりましたが、細かい暗い話ばかりで、本当に日本という国はこんなことだけなんだろうかなと思いたくなるようなことばかりでありますが、しかし戦後五十年たって、世界の経済大国になったことは全く間違いありません。しかも、形として見えるものは、ほとんど日本になかったものを吸収しながらこれだけの大国になったわけであります。私どもはもうちょっと自信を持って、世界に胸を張って、いろいろな外交も内政もやれるようにしなければならない、そうでなければ国民が余りにもかわいそうだと思うわけであります。
 それにつけても、ことしは正月十七日の震災以来、本当にいろいろな事件がよく続くものだと思っております。しかし、村山総理はよくそれに耐えて、野党の皆さんから本当に言いたい放題やられているのですが、しっかりとこたえて、一つ一つ着実に解決をして今日を迎えておる姿は、私は心から敬意を表します。どうぞひとつ、これからも自信を持って進めていただきたいと思うわけであります。
 それから、先ほど大蔵省の涌井官房長、いいことを言いましたが、やはり行政といえども、官僚といえども人間であります。四六時中いろいろな重大な国家問題を協議しなければならない間柄であっても、いつもぎすぎすしたような関係ばかりで、それはすばらしいアイデアなんか出るわけないのですから、たまには仕事を離れたプライベートのリラックスしたおつき合いもするということは決して悪いことではない。そしてそのことは、後々尾を引くようなそういうやり方でなく、これからも大いにそういう交流は私は深めていただいて、そしてお互いに研さんを重ねながら、日本のために立派な知恵を出していただきたい、こう願うわけであります。
 さて総理、実はあなたから、大変御難儀をいただいていることに、ことし十一月に行われる大阪のAPEC会議、このことについて少しお尋ねをしたいと思うわけであります。
 私は国会議員になって十五年になりますが、十五年の間にいろいろなことがありましたけれども、一番残念であり申しわけなく思っていることは、国会で三回も決議をしながら、それを、結果として約束をほごにしなければならなかった米の輸入自由化問題の話であります。これは総理とて、決議案に賛成をされた一人だろうと思いますので、同じ思いだろうと思います。
 しかし、それを皮肉にも我々が与党になって、残念ながら私どもが野党のときにこの話がついて、与党になってその法案を批准しなければならないという運命になりました。け飛ばしたい思いはやまやまでしたけれども、それをやればまた政権から離れ、より一層このことが深刻化する方向に進むだろうという危惧があって、私は、農民の皆さんにも消費者の皆さんにも、片目をつむって、残念だけれども断腸の思いで批准をしなければならぬ。
 しかし、本来、何も日本だけのことではない、食糧なくして生きられるものじゃありません。そして人間は、地球上の生物資源と共存しながら、サバイバルの中にしか生きられないわけであります。そういうことを考えたときに、決して日本のためだけではなくて、ふえる人口と生物資源とそして環境、このバランスは、二十一世紀に向かって世界の人類が一番大切にしながら調和を図っていかなければならない大きな政治課題だろうと私は思っております。
 そういう意味で、総理を初め外務大臣、通産大臣、農林大臣、それぞれの担当大臣から大変な御苦労をいただいておることに改めて心から敬意を表する次第であります。
 そこで、二、三お聞きをしたいと思うわけであります。
 私どももいささかでも政府がやることにプラスになればと思って、国民世論の支持なくして外交はあり得ないし、また外国との調和なくしてはできないと思って、内政的にも、あるいは外交面でも、私どもも手分けで、与党議員として、それぞれ主要国に向かって外交を進めてきたところであります。そういったことを含んでお尋ねをしたいと思うわけであります。
 最初の質問は、閣僚会議の共同議長でもある通産大臣にお聞きをしたい。通産大臣のお答えを聞いて総理のお答えも聞きたい、こう思っております。
 それは、来る十一月に開催されるAPEC大阪会議では、昨年のボゴール宣言を具体化する行動指針の策定が行われることになっておりますが、その際、農林水産分野がいかに取り扱われるかという点が非常に重要であると考えております。
 我が国の農林水産業については、七年余にわたるガット・ウルグアイ・ラウンドの厳しい交渉の結果、断腸の思いでその合意を受け入れ、本年はその実施の初年度であります。今ようやく始まったところであります。農林水産業者は先行きに大きな不安を抱いておりますが、このような国際環境の変化に対応し、必死に頑張っておるところであります。こんなときにAPECで農林水産物を含んで自由化をさらに強化させるなどという話は、私どもとしては座視できないということで、先ほど申し上げたように、私ども与党議員が相集ってそれぞれの加盟国に出かけて交渉をやってきたところであります。
 そもそもAPECは、自主的かつコンセンサスをベースとして物事を進めていくフォーラムであり、そのようなAPECにおいてウルグアイ・ラウンド合意に加えてさらなる自由化を行うことは、新たに政治不信、農政不信を招くことになります。殊に二十一世紀は、対立、競争の時代から、共存、協調の時代であると言われております。
 したがって、APECにおける貿易・投資の自由化に当たっては、我が国における農林水産分野のように、各メンバーがそれぞれ国で抱えておる困難な分野があります。これについて相互に理解し合い、特別な配慮を払いながら、各メンバーが実行可能なものとすることが重要であると考えますが、閣僚会議の共同議長でもあります橋本通産大臣、いかがお考えでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○橋本国務大臣 今委員からも御指摘がありましたように、APECというのは開かれた地域の会合であります。そしてその中で、APECにおける自由化の対象分野につきましては、これは包括的にするということで合意ができ上がっておりまして、この部分について、我が国としても異論を唱えているわけではありません。そして、これは既にメンバー間のコンセンサスとなっているわけであります。
 しかし、一方、例えば我が国で例示をいたしますなら農業のように、各メンバーがそれぞれ非常にその国における困難な問題というのを抱えているというのが現実でありまして、これらのセンシティブな分野の取り扱いというものについてはある程度の柔軟性が必要だと考えておりまして、こうした考え方を踏まえながら、現在各メンバー間の意見を調整しつつある最中であります。
 せっかくの御指摘でありますので、その農業について考えている部分を基本的に少し申し上げさせていただくとしますと、まず、交渉に基づく法的拘束力のある自由化というものについてはWTOにゆだねる、そしてAPECの自由化については、ウルグアイ・ラウンド合意の実施期間中はその合意を着実に実施する、そしてそれ以降についてはWTOにおける継続交渉の結果を尊重する、したがって二〇一〇年の農業分野の自由化の姿というものを今申し上げるわけにいかない、私どもの考え方は基本的にそうした問題意識であることをあわせてお答えを申し上げます。
○桜井委員 橋本通産大臣、ありがとうございます。それがぎりぎりの日本として主張できる範囲だろうと思っております。まあ農業分野の皆さんも、きっとそのことについては現状としては理解をいただけるものだと思いますので、最後までぜひひとつ御努力をお願いしたいと思います。
 総理には最後にお伺いしますので。もう一つ農水大臣にお伺いをしたいと思っております。
 次に、いわゆるボゴール宣言を受けての当初の措置については、関税や規制緩和措置などの幅広いメニューの中から各国が自主的に実施する措置を大阪の非公式首脳会議に持ち寄ることとなっており、我が国もその具体的内容について政府部内で検討されていると聞いております。一部の熱帯産品について関税引き下げ前倒しの検討が行われているなどという報道がなされたこともありました。
 ウルグアイ・ラウンド合意はまさに本年より着手したばかりであり、また、海外からの農林水産物の輸入が年々ふえ続けている状況の中で、農林水産物の関税引き下げ前倒しは行うべきではないと考えておりますが、この点について農林水産大臣、野呂田大臣はどうお考えか、お伺いをいたします。
○野呂田国務大臣 農林水産分野につきましては、長い時間をかけて血のにじむような交渉を重ねてぎりぎりの合意を見たわけでありまして、ただいまそれがようやく緒についたばかりでありますから、この段階でさらにこのウルグアイ・ラウンドの前倒しとか合意を超えたことをやろうなんてことは極めて困難であるし、そういうことは考えておりません。
 また、最近は、関税の引き下げや円高によりまして大変農林水産物の輸入がふえまして、農林水産分野につきましてはセーフガードの発動の問題すら出ておるわけでありますから、そういうことを考えれば、この前倒しというものは全く考えられない、こう考えております。
○桜井委員 ありがとうございました。
 今、後ろの方から、時代に逆行というような話がありましたけれども、行政というのはそもそも、規制がなければ行政は要らないんですから、そういったことを本質を履き違えては困るんで、むしろ新しい時代に向けてどういう行政枠をつくるかということの方が今一番大事なことなんです。で、使命の終わった規制は大いに解消してもらえば結構だと、こう思っておりますので、あえて一言つけ加えさしていただきます。
 さて総理、そこで、日本はこれまで豊かな自然環境に恵まれた歴史をたどってきたわけでありますが、今後とも世界の中で頼れる国となるためには、食糧の自給体制をきちんと確保していくことが不可欠であると私は思います。アジアは人口の欄密な国の多い地域であります。地形も気象も千差万別の環境下にあります。今後これらの国々と連帯していくためには、二十一世紀に向けて、人口、食糧、環境の問題を真剣に考えていくことが重要であると思います。この点について総理のお考えをお伺いしたいと思うわけであります。
○村山内閣総理大臣 冒頭に力強い激励をいただきましたことを心から感謝申し上げます。その決意でこれからも政権を担当して頑張っていきたいというふうに思います。
 今桜井議員から、地球規模のこれから当面するいろいろな課題についてのお話がございましたが、私は、先般、国連創設五十周年の記念会合における演説の中でもそのことに触れて申し上げてきました。これは、これからむしろやはり、人間の安全保障という言葉を使わしていただきましたけれども、戦争や紛争というものをどう未然に防止をしていくかということを考えた場合に、貧乏をなくしていくとかあるいは人間が人間らしく共生できるような社会的条件というものを国際的にやはり裏づけていくという意味では、人口、食糧、環境問題というのは極めて重要な問題だというふうに訴えてまいりましたけれども、そういう認識については、今委員からお話があったとおりに本当に私も認識をいたしております。
 APECの問題は、先ほど通産大臣やら農林大臣からも答弁がございましたけれども、これは、私は、アジア・太平洋地域がこれから経済発展を遂げていくときに、中軸の場として大変重要な役割を担ったものだというふうに思っております。
 とりわけこのアジア・太平洋地域というのは、世界的にも経済発展が注目されておる、こういうところにあるわけですから、したがって、そのAPECの議長国を務めることしの会合というものは極めて意味のあるものだ、また、意味のあるものにしなければいかぬというように私は思っておるわけです。
 ただ、自由化という前提に立って、包括性の原則というものはしっかり守っていく必要があるというふうに思いますけれども、ただ、農業の問題については、先ほど来問題がございますというように私も申し上げておりますが、それぞれの国が抱えておる困難な問題があるのではないか。そういう困難な問題に対して現実的にどう対応するかということについては柔軟性があってしかるべきだし、そのことがあって初めて行動指針というものの信頼性が高まっていくというようにも思いますから、ぜひそういう点については御理解を願いたいという主張もいたしておりますが、ウルグアイ・ラウンドで合意した原則はしっかり守るということを前提にして、やはりそういう計らいが必要ではないかというふうに考えておりますから、その方向で今後も努力をしていきたいというふうに思っております。
○桜井委員 総理、ありがとうございました。現段階ではそれがぎりぎりのところだと思いますので、どうぞひとつしっかりと大阪会議を取りまとめて国民を安心させていただきたい、こう思います。
 さて、次は不良債権問題について大蔵大臣にお伺いしたいと思うのですが、私はかねがね、二月の定例国会のときも申し上げてきたのでありますけれども、日本の金融制度、通貨制度というのは、外国の見方、特に私が、今から十年ぐらい前だったかと思うのです、スイスのある金融マンから聞いたのだけれども、日本は本当にこのままで通貨体制は大丈夫なのか、いわゆる行政のげた履きとでもいいましょうか、行政規制の枠に乗ってかなり見かけの資産価値になってきているのじゃないか、ある日突然がたっと落ちるようなことが起きるぞということを言われたことを今でも覚えております。
 そんな目で見たわけじゃありませんけれども、あのバブル経済のさなか、盛んにノンバンクという言葉が横行し始めて、そんなことができるのかい、そんなことができればだれもまじめに働くのはないわいと思うような金融がどんどん行われたことを思い起こしております。
 今度の一連の二月の定例国会以来議論をしてきた二信組の問題あるいはコスモの問題、木津信用、それから兵庫銀行の破綻問題等、それぞれの状況を見ておりますと、私は一連の金融行政、銀行局の取り組み姿勢に大きな過ちがある、余りにもずさん過ぎる、こう思っておるわけであります。
 経済の血液とまで言われた通貨のことでありますので、いかに大切かということをもうちょっと真剣に考え、今度も公金を入れるの入れないのという議論がありますが、恐らくあなたも地元の選挙区では連帯保証で保証人になって、組合の理事か何かやっておるとそういうことがあります。そして保証人になって、その保証先が倒産をしますと、これも給料の差し押さえまで来て、何千円、何万円というところまでとことん追及をされて請求されてくる。
 そんな日常の国民の中で、本当に汗の結晶として蓄積をしてきた貯金もその中にたくさんあるわけであります。そういう人たちには、今言うように、信用保証協会が保証したとかなんとか言って、そこにはまた県が出資をして税金を納めているのですけれども、それであっても最終的に責任をとらせられる。それにもかかわらず、こんなずさんな経営をやったのに公金を入れるなんというのは、国民の目からしたら絶対に許されないことなんですよ。
 ですから、今度のこういった不良債権問題も、よほどその原因の究明、それから責任追及をきっちりやった上でそういった処置をしなければならぬ。もちろん、このことが経済混乱につながってはいけませんから、その対応はきっちり一方でやらなければならぬ。この相矛盾した大変な仕事をやらなければならないのだと思っておりますが、最初に、その決意を大蔵大臣から聞かしていただ
きたいと思います。
○武村国務大臣 不良債権の問題につきましては、多くの金融機関と申していいのですが、これらにつきましては、基本的にはみずからが不良債権問題を解決していくという姿勢でなければならないと思っております。
 問題は破綻をしたようなケース、既にもう御指摘のように昨年来五つの金融機関、信用組合を含めて破綻をいたしましたが、こういう場合にどう対処するか。預金保険機構の支援もありました。日銀の融資もありました。そして、全国の金融機関あるいは関係の金融機関の支援等もございました。その上、まあ信用組合に関しましては、地方公共団体の公金の問題も大変真剣な論議になっているわけでございます。これは明らかに、地方団体ではありますが、公金、公的な支援そのものであります。
 こういう特異なあるいは異例のケースについては、これからもあれば一定の対応をしていかざるを得ない。私どもは、預金保険機構の拡充とか預金保険料率の引き上げとか、あるいはまた信用組合法そのものも改正をしながら、健全性を一層確保するというふうな努力もしてまいりたいと思っておりますが、万一経営が行き詰まって破綻になったようなケースには、この五件の事例に学びながら、新しい考え方というものを、これも年内にほぼ固めさしていただきたいと思っているところでございます。
 それで、一番焦眉の急といいますか、私どもが今この秋から年末にかけて一番注意を喚起しながら全力で取り組もうとしておりますのは、住専の問題でございます。
 これは農協系の貸し付けは約五・五兆円でございますが、四十兆という一般の不良債権の外に一応あります。これは不良債権の定義等の関係でそうなるわけでありますが、これを基本に含めた……(桜井委員「それは後で細かく言うから」と呼ぶ)ああ、そうですか。住専に対して、大変規模も大きいし、深刻な事態に対してどういう解決策を練っていくのか、初めての経験でございますから、ぜひ国会での皆様の議論も踏まえながら、与党と一体になって最良の知恵を生み出していかなければいけないというふうに思っております。
○桜井委員 私はあなたの今の答弁の中で、姿勢としてまだ、率直に言って甘過ぎる、こう思っておる点があります。ありますが、その決意でひとつぜひ臨んでいただきたい、こう思います。
 そこで、今あなたがお答えになられたその住専問題ですが、いろいろ書類を調べて勉強させていただいた中で、四点ほどお伺いをしておきたいと思うんです。
 それは、一つは、住専は母体行金融機関がみずからの住宅ローン分野を補完するために共同で出資、設立した子会社であり、実際、経営面においても、経営陣はそのほとんどを母体行及び大蔵省から派遣し、また、母体行が融資の紹介などを行うなど、業務面においても深く関与しており、全く母体行の別働隊として運営したことは明白だと思われます。母体行と住専との関係についてはどう認識されておるか、まず一点、聞かしてください。銀行局長でいいですよ。
○西村政府委員 御指摘のように、住専は、昭和四十年代の後半から昭和五十年代前半にかけて、当時の旺盛な住宅資金需要に応じていくべく、金融機関等の共同出資によりまして、個人に対する住宅ローンの提供を主たる目的に設立されました。いわゆる母体行は、個別に、程度の差はあると思われますが、主要役員の派遣等、住専の経営に関与したわけでございます。
 そういう意味におきまして、母体行がこの問題の処理に際しましても重要な役割を果たすということについては、私どももそのように考えておるわけでございますが、いろいろな立場の関係者がおりますので、そのような関係者が、まず住専自身及び母体行が主体的役割を果たしながら、その他の当事者もそれぞれ責任を自覚しつつ、できる限りの歩み寄りの努力が行われるということが必要かと考えております。
○桜井委員 今の経緯をひとつ、もう大蔵大臣は全部承知のことだろうと思うのだけれども、よくもう一度聞いておいていただきたいと思うのです。
 それは、とにかく、ノンバンクのときもそうでありました、このときもそうですけれども、母体行が自分でやれることなんですよね。何でこういう仕組みまでつくってやらせなければならなかったかということ。そして、しかもほとんど自分のところでコントロールしている。貸し付けの営業も何も全部話つけて、ただ形式的に出先でやっているだけなんですから、そこのところをよくひとつ頭に置いていただきたいと思います。
 次に、大蔵省は、住専が貸金業者であるという位置づけにありながら、大蔵大臣の直轄機関として指定し、住宅ローン債権信託や住宅抵当証書など金融機関に準ずる権限を付与して、特典を与え育成してきたことは抗せない事実でありましょう。その上、大蔵省は、各住専にOBを送り、社会的には大蔵省が一体となって経営に責任を持っているかのような状況をつくり出していたことも事実である。
 さらに、大蔵省は、住専から各種の報告を受け、経営の内容をつぶさに知り得る状況にありながら、住専の業容が不動産関係に急速に傾斜しているにもかかわらず、何らの的確な指導を行っていないが、これは大蔵省としての責任をどうとるおつもりなのか。このときは総量規制をしたのですね、一般の都銀や地銀については。そういう状況でありながら、この特殊な立場にある住専については全く今言ったようなことですが、これについてはどう考えておったのか。銀行局長。
○西村政府委員 いろいろな点の御指摘をいただきましたが、まず行政と住専の関係でございますが、住専は、改正前の出資法に基づく届け出制の会社でございまして、そういう意味におきましては、預金を取り扱う金融機関、銀行だとか信用金庫のように預金を集めるものではないということから、法令上非常に緩やかな規制のもとにある業態でございます。そういう意味では、広い意味での金融機関の中では比較的自由に仕事をするという立場で今までやってきたわけでございます。
 したがって、行政としてこのような住専に対しましては銀行や信用金庫のように権限を有するというものではないのでございますが、一方におきまして、金融制度調査会の御報告からも指摘を受けておりますように、住専の個人住宅ローンから事業者向けの融資への急激な傾斜につきましては、行政としても謙虚に受けとめるべきところがあろうかと考えております。
 なお、不動産融資規制との関係でございますけれども、あの不動産融資規制を課しました当時の議論といたしまして、このような厳しい個別分野に対する融資規制というものを行政指導でやっていいものかどうかという議論も他方においてはあったわけでございます。したがいまして、当時は預金を集めている金融機関、規制が厳しい金融機関に対して不動産融資規制を課するということにいたしました。そのため、住専を含めますノンバンクに対しては、直接この不動産融資規制の対象としなかった、こういうことでございます。
○桜井委員 まあ、語るに落ちるようなもので、銀行なら預金を集めているからまずいと言うけれども、住専に融資のために貸したって、証券、証書でやったって、みんな一般国民の預金を持っていくことに間違いないでしょう。自分のところがやればそういう人たちに迷惑をかけるとうるさくなるということで、こういう仕組みを、からくりをやってしまったのですよ。ノンバンクのときも同じだ。私はそのことをあえて指摘したいからこう言ったので、あなたのおっしゃるとおりなんですよ。極めて悪い意図があってやっていることですよ。
 それから、実は、時間がなくなりそうなので続いて二つまとめて質問しますが、一つは、第二次再建計画策定の経緯でありますが、大蔵省と農林水産省が再建計画の基本的考え方について見解を整理し、締結したいわゆる覚書には、大蔵省は、再建計画に沿って母体金融機関が責任を持って対応していくことを母体金融機関に確認させるとあり、また大蔵省は、系統に今回の措置を超える負担をかけないよう責任を持って指導していくと書いてあります。これを踏まえて大蔵省に対し母体行から、母体行が責任を持って対応する旨の文書が提出されたと聞いております。
 これを受けて、大蔵省は系統に対して、母体行が責任を持って対応し、大蔵省はこれを責任を持って指導する、系統には元本ロスを生じさせないなどと説明し、これらを受け、系統は、監督官庁たる大蔵省からの説明という重みを踏まえて再建に協力したと理解をされます。
 大蔵省は、こうした第二次の再建計画策定の際の経緯を真摯に受けとめて、協力を仰いだ責任を受けて的確な対応をすべきではないかと私は考えます。これが一点。
 次は、経営責任の追及と母体行責任でありますが、我が国においても、金融機関の不良債権問題の処理に当たっては責任を徹底して追及すべきであると考えられます。例えば米国では、RTCというところがございまして、これは破綻貯蓄金融機関の処理をするに当たって経営者の責任追及を徹底して行っており、二千名以上が刑事被告者として逮捕されていると聞いております。そして、住専の運営の実態、経営破綻の原因を踏まえれば、母体行の責任が極めて大きいと考えられます。
 したがって、以上のような事実関係及び経緯などを踏まえ、母体行に最大限の責任を果たさせるべきであり、まず母体行がどのような対応をするか明確にすべきだと考えております。今、このことについては交渉を進めておるということを承知をいたしておりますが、現状について簡単に説明してください。
○西村政府委員 まず、覚書の問題でございますけれども、二年ばかり前に大蔵省及び農水省が、関係者の話し合いを促進するために当時の議論を整理したものでございます。
 それは、必ずしも母体行がすべてのロスを負担するというようなことを保証したという理解はいたしておりませんが、しかし当時も、金利の減免の仕方について、母体行、一般行、系統金融機関、それぞれの立場でそれぞれの負担の割合というものが当事者同士で決められた経緯もございます。そういう経緯からいいましても、母体とその他の金融機関のこの問題に関する責任の度合いというものも推測されるところでございますが、先ほど最後の御指摘の点、今関係者の間でその点が真剣に話し合われているところでございます。
 なお、アメリカの例が御指摘ございましたが、経営責任、あるいはこういう金融問題についての責任、特に刑法上の責任というような問題につきましては、アメリカでは特別に一般の人よりも重いような刑法の体系になっております。日本では一般の刑法の適用がなされる、その辺に法制的な違いもあるということも御理解いただきたいと存じます。
○桜井委員 法制的な違いがあればなおさらなこと、さっきも言ったように、みんな命をかけて稼いでおる経済の血液とも言われるものですから、やはり一般よりも重くするのが当然だと思うのです。そこにずさんさも生まれてくるのだろう、こう思います。
 私はそこで、最後に、この問題はなかなか重大なことでありますから、原因の究明と責任追及についてはきっちりやらなければならぬ。年内に解決するなんて私は考えられないのです。しかし、これが現実に経済の足を引っ張るようになっていくことは間違いありませんので、これは全く別途の方法で仮置きをして、あのバブル経済のはじけた後で都銀、地銀が一緒になって買取機構というのをやりましたね。あのような仕組みで、そこにある程度の金利負担の、ゼロであれば一番いいし、軽い資金を大量に入れて、ああいうところに仮置きをして、そのことは一時処理をしながら、原因究明や責任追及をきっちりやっていく必要があると思う。そうでないと経済の活性化には大変重荷になると思いますので、そうしていただきたい。
 それについては、この問海江田万里先生がおっしゃったことも、私がねがね、あなたにもいつか伝えておきましたけれども、無利息国債ということも十分考えながらやっていただきたい、こう思います。
 さて、実はいろいろ予告をしておりましたけれども、一つ一つ質問をすることができなくなって、この点、文部大臣、まことに申しわけありません。きょう聞いたところが、地位協定についてはアメリカと日本が大体合意ができたというお話であります。私は、このことは地位協定と、こんな単純で、しかも許しがたい、がんぜない女の子を三人もかかって暴行するなんということは絶対許してはいかぬ。しかも、基地の中じゃない、日本の国の中でやったのですから。そんなことは地位協定がいかにあろうとも、アメリカの名誉にかけたって、アメリカは直ちに日本に引き渡すべきだったと思うし、そういう意味で地位協定の扱いというものをきっちりしていただきたいと思ったのですが、話がついたというからこれは取り下げさせていただきます。
 どうかひとつ、そういった事件と、それから地位協定のような日本の浮沈にかかわる大きな問題とをないまぜにして議論をしたり、答えを出すようなことは、ちょうど宗教のことも実はそうでありますが、あなたの担当でありますけれども、宗教のことも、宗教を弾圧するとか抑えるなんということはだれも考えていない。しかし、宗教を隠れみのにしてまさに暴力行為、それも無差別な殺人行為みたいなことをやるなんということが起きては、絶対許しがたいことであって、そんなことをやっていいとか悪いとかなんという議論をする方がどうかしているので、国民はきっちりその辺線引きをして議論をしているんだ、こう思っておりますので、その点も踏まえてひとつ進めていただきたい、こう思います。
 最後に、総理、先ほど来経済の話がたくさんありましたけれども、実は日本はもうまさに成熱社会に入ったんだと思いますよ。道路環境にしても、いわゆる公共事業がやることについても、もっとハイレベルのことをやらなければならぬことがたくさんありますし、ディテールのことについてはまだいろいろあります。ありますが、日本の今から四十年、五十年前のことを比較したら、すばらしい国になったと思うのです。そういう意味で、波及効果は極めて薄くなったことも事実であります。それから、いろいろな欲望で、国民がどうしても、借金しても買いたいと思うようなものもほとんどなくなったから、どうしても経済全体の中で六割を占めるという国民支出の分が活性化をしていかない。
 そういう中で、今までの延長線上で、考え方としては殖産政策的な、労働運動をやっている皆さんからすれば労賃を上げるというような、そういう発想からは景気対策は出てこないと思うのです。ただ、私は、あの敗戦のときに、食べる物さえ事欠いたときに、国民がいっときも早く豊かになって幸せになりたいと思っていたと思うのですよ。豊かには現実になったのですから。しかし、その幸せになりたいと思ったことが満たされたかというと、そうではない。むしろその面がぽっかり穴があいてしまって、今日本は混乱状態にあるんだ、こう思いますから、私はこの際、一番幸せになりたいという原点は、ゆとりある幸せな家庭、家族だと思うのですよ。そしてそういう地域社会だと思うのです。
 そのことが今かなり後退をしていることは間違いありませんので、新しい視点に立って、かつて池田勇人さんが所得倍増、田中角栄さんが列島改造と言われた。私は、成熟社会にふさわしいゆとりある家庭国家とでもいったらよろしいのでしょうか、そういった新しい目標を掲げて、それを実現するためにあらゆる制度を、霞が関の不夜城の問題も含んで、もっとお金だけじゃなくて時間も家族のために差し上げる、子供のためにも、年寄りのためにも差し上げるという発想がなければ、新しい時代の経済対策も新しい時代の国民目標もできないと思っておるわけでありますが、ぜひひ
とつ村山内閣の新しい目標として掲げてやっていただきたい、このことを御進言申し上げたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 二十一世紀に向けて、真の豊かさを実現するために何が必要かというようなことについての高邁な御意見を今拝聴いたしました。
 私は、やはり五十年たった今日を考えてまいりますと、いろんな困難を乗り越えでこれだけの経済成長を遂げて立派な国をつくっていただいた、それはそれなりに私は先輩の皆さんの御苦労もあったし、功績も大きいものがあると思うのですね。しかし、これはもう世界全体がこれだけ変わってきているわけですから、したがってこれまで経済成長を遂げるために必要としたものが今や必要でなくなったものもある。だから、日本の今ある現状の構造というものを、何を改革する必要があるのかということで、新しい時代にどう日本が対応して、真の人間の豊かさが実現できるかということがやはり問われていると思うのですね。
 そういう問いに答えていくために、これはもう経済改革も必要だし、政治改革も必要だし、あらゆる分野の改革を進めていって、そして本当にお互いが共生できるような活力のある社会、そして本当に豊かになったということが実感できるようなそういう社会をつくっていくために、この内閣は改革推進内閣ということを銘打ってやっているわけですから、その目標に向かって全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思っています。
○桜井委員 どうぞ、新しい夢を国民に与えながら、夢を掲げて進むようにひとつお願いいたします。ありがとうございました。
○上原委員長 これにて桜井君の質疑は終了いたしました。
 次に、坂上富男君。
○坂上委員 坂上でございます。社会党でございます。
 村山総理を初めといたしまして、各大臣並びに省庁の責任者の皆様方からお出かけをいただきまして質問をさせていただくわけでございますが、少し欲張りまして多数の大臣その他からお出かけをいただいたようでございまして、せっかくお出かけいただきながらあるいは質問ができないかもしれません。お許しをいただきたいと思っております。
 さて、私は、十月の二十二日午後二時、横浜市の横浜アリーナで施行されました坂本堤弁護士御一家の葬儀に妻とともに参列させていただきました。二万五千名余りの弔問者で、会場に入り切れない多数の皆様方が広い葬儀場の周りに並んでおられました。広い会場は参列者でぎっしり埋まり、粛として声はありませんでした。すべての人々は、オウムに対する激しい怒りを抑えることができませんでした。三つのみたまに深い悲しみに震え、とめどなくあふれ出る涙を抑えることもできませんでした。悲しみの声は広い会場のあちらこちらから聞こえ、おえつを参列者が懸命になってこらえられておったようであります。悲しみの声はあちこちから聞こえてまいりました。
 奥深い山中に御家族三人は別々に、新潟、長野、富山に御遺体が埋められました。生きたまま救出を願って必死の努力が続けられたのでございますが、多くの関係者の期待は無残にも打ち消されたのであります。
 祭壇の背景には、山々の中から三つの煙が立ち上り、上の先端が一つになって巻きついているというバックでありました。御遺体三体は一つの骨箱におさめられまして安置されておりました。五年十カ月離れ離れにされた御三人の家族は、ようようにして一緒になられたのであります。万感の思いを覚えながら献花をさせていただきました。
 私の新潟県には、坂本堤弁護士の御遺体が名立町の山中に埋められておりました。新潟県民は愕然といたしました。名立町では、この埋められた場所に坂本弁護士の供養塔が建てられました。名立町塚田隆敏町長からの弔電が会場で読み上げられました。
 家族まで巻き込まれ、社会正義の実現と人権擁護のためにその職に命をかけて闘って犠牲になられた坂本弁護士の勇気と行動に限りない敬意を表し、坂本弁護士と御家族様に謹んでお悔やみと御冥福をこの場所でお祈りをいたしたいと思っております。同じくオウムの手によって犠牲になられたたくさんの皆様方にも御冥福をお祈りいたすものであります。
 総理、私は、この死をむだにしてはならない、風化させてはならないと、この死の教訓を、坂本弁護士の遺志を外しまして、国会議員としても弁護士としても対処しなければならないと深く決意を新たにして帰ってまいりました。総理、この壮絶なる御逝去に対し、御感想と、治安と人権についての御決意を賜りたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今議員から、坂本弁護士一家の追悼の式に参列をされた厳粛な言葉を、そういう気持ちで拝聴させていただきました。これはもう本当に恨んでも恨み切れないような凶悪な事件だったというふうに思うし、御遺族の皆さん方も大変無念な気持ちでいっぱいだというふうに思いますが、心から哀悼の意を表し、お悔やみを申し上げたいと思うんです。
 こういう事件が二度と繰り返されないような対応というものをしっかりやって、そして、国民全体が安心して暮らせるような、そういう社会というものを実現するためにこれからも全力を挙げて取り組んでいかなきゃならぬと思うし、それがまた犠牲となられた皆さん方に対するおこたえにもなるというふうに思いますから、そういう決意でこれからも取り組んでいきたいというふうに思っております。
○坂上委員 さてそこで、本年六月、与党の宗教法人プロジェクトチームの会合の席上において、警察の責任者の方から、オウム真理教関係で行方不明者は百名前後と思われるとお話がございました。大変な数字でございますが、これは決してきちっとした、調べた結果ではないと聞いておりますが、しかしあるいは百名前後の行方不明者があられるのでなかろうかというお話でもあったのでございます。
 捜査も相当進んでまいりました。現在これらの行方不明者はどういうふうな状況になっておりますか、お答えいただければお願いをしたいと思っております。警察庁、どうぞ。
○野田(健)政府委員 オウム真理教に入信して家を出たまま帰宅しないというような理由によりまして、家族その他の方から捜索願が出されたというようなことで、オウム真理教と関連の可能性のある家出事案、これは本年になりまして約二百二十件受理しております。
 この春以降、いろいろな捜査の過程あるいはいろいろな事情で安否が確認された方はかなり出ておりますが、まだ四十人ぐらいの方については安否が確認されていないというような状況にございます。
○坂上委員 私は、この数字というのは非常に大事でございまして、捜査当局においては一つ一つ、きちっと捜査をしていただきまして、国民の皆様方に明らかにしていただきたいと思っておるわけでございます。
 先般、國松警察庁長官が、オウム捜査はまあ五合目あたりに到達したというお話があったようでございますが、私は、こういうようなことを踏まえますと、まだまだ三合目あたりにいるんじゃなかろうかとも思っておりますが、捜査全体は、オウム真理教関係、どんな状況になっておりますか、簡単にお答えください。
○野田(健)政府委員 オウム真理教に関係する事件につきましては、本年三月二十二日の一斉捜索に着手して以来、所要の捜査を推進してきたところであります。これまでに、いわゆる地下鉄サリン事件、松本サリン事件、元信者に対するリンチ殺人事件、坂本弁護士一家殺人事件、東京都庁爆破事件、目黒公証役場事務長に対する逮捕監禁致死事件、宮崎県の旅館経営者等に対する営利略取等の事件、その他武器製造法違反であるとか、あるいは覚せい剤、薬物密造事件など、約三十件の主要事件を検挙し、これらの事件に関する逮捕者数は延べ二百人余に上っております。今後も引き続き同教団をめぐる種々の犯罪容疑について、所要の捜査を推進し、全容解明を図ってまいる所存でございます。
○坂上委員 まあこれ以上聞きませんが……。
 文部省にちょっとお聞きしたいのですが、報道等によりますと、オウム真理教は解散申し立てを裁判所に出されておりますが、また一方、オウム真理教自身が任意で解散をしようとする動きもあると報道もされておりますが、文部省、この点どういう把握をしておられますか。
 それから、オウム真理教が任意解散した場合と、裁判所の解散命令によって解散した場合、どちらの方が国民的利益にかなうのか、これもあわせて御答弁いただきたいと思います。
○小野(元)政府委員 お答え申し上げます。
 オウム真理教の任意解散の問題でございますが、私ども、これは仮定のお話でございまして、お答えが難しいわけでございます。ただ、任意解散が効力を生じますためには、所轄庁において認証ということがなされなければならないわけでございます。認証書が交付されるということが必要なわけでございます。一方で、所轄庁でございます東京都知事は裁判所に対して解散命令請求を出しているわけでございまして、そういった時点において任意解散の認証をするということは難しいのではないかというふうに考えております。
 それから、もう一つのお尋ねでございます、任意解散した場合と、解散命令請求によって清算人が決められて解散した場合の違いでございますけれども、裁判所が選任する清算人というのは、裁判所の監督下に適正な清算を行うことが期待できるものでございます。一方で、任意解散の場合でございますと、清算人を特別に選任しない限り、代表役員あるいはその代務者といったものが清算人になるわけでございまして、解散手続自体はある面で類似する面があるわけでございますけれども、私どもとしては、裁判所の監督におきます解散命令に基づく清算人が清算をしていただくということが、国民の利益にこたえるものだというふうに考えております。
○坂上委員 どうぞひとつ文部省も、早く裁判所の判決をから取るように期待をいたしたいと思っておるわけでございます。
 さて、ここで、ひとつ宗教法人法改正問題をめぐりまして、これまでの国会論議は、どちらかといいますと、審議会の審議手続等の問題に傾いておるようでございます。しかしまた、政府改正案と憲法との関係、政府案の内容や宗教法人対策の根幹については、いまだに十分論議が深められておりません。近く宗教法人特別委員会が設置されるようでございますが、国会は、提案された案件について民主的に討論を深める場でないかと思っておるわけでございます。
 総理は、これまでの論議にどのような御感想をお持ちでございますか。お答えできますか。
○村山内閣総理大臣 たびたび答弁いたしておりますけれども、宗教法人審議会の報告というのは、私は、適正に審議も進められたし、また、会長のもとに取りまとめられて文部大臣に報告されたものだというふうに思っていますし、その報告を尊重して、政府の責任において国民の期待にこたえるために法案の提出をいたしているわけでありますから、速やかな、慎重な審議もしていただいて、成立をさせていただきますように心からお願いを申し上げたい、こういう気持ちでいっぱいであります。
○坂上委員 内閣法制局長官に御質問させてもらいます。
 今回の宗教法人法改正案は、憲法二十条の信教の自由に違反するんじゃないか、あるいはその疑いがあるんじゃないか、こういう点に問題があるんじゃなかろうか、こういう御指摘もあるわけでございます。この点について、政府の責任者として、憲法第二十条の関係において、信教の自由及び政教分離、そういう観点から、これらについての憲法違反との関連において、ひとつ率直な法制局の御答弁を賜りたいと思います。四点についてぴしっとお答えください。
○大出政府委員 四点というお話でございました。
 今回の宗教法人法改正の第一点、所轄庁の区域の変更ということについては、広域的な活動を行う宗教法人が増加しているため、宗教法人の活動の把握について困難な状況が生じてきていることから、設立時及び設立後において所轄庁として、宗教法人が宗教団体としての要件を備えているかどうか等について把握し、法の定める権限を適正に行使することができるようにする趣旨のものであり、所轄庁の区分も境内建物の所在という外形的、客観的な基準によって定めるものであります。
 第二点の、備えつけ書類の閲覧請求権を認めることにつきましては、自主性を尊重し、所轄庁の関与をできるだけ少なくしている宗教法人につきまして、正当な利益を有している信者その他の利害関係人の利益の保護を図り、宗教法人の適正な管理運営の確保に資する趣旨のものであります。これについては、その閲覧書類は、宗教法人の財務会計等の管理運営に関する事項を客観的に記載したものであり、閲覧請求権が認められる信者その他の利害関係人も必要な限度の範囲にとどまっております。
 第三点の、一定の備えつけ書類を定期的に所轄庁に提出させることについては、所轄庁が、宗教法人の設立後において宗教団体としての要件を備えているかどうか等について把握をし、法の定める権限を適正に行使することができるようにする趣旨のもので、その提出書類は宗教法人の財務会計等の管理運営に関する事項を客観的に記載したものであるわけであります。
 第四点の、宗教法人に報告を求め質問する権限を所轄庁に認めることについては、宗教法人が法第七十九条第一項の収益事業の停止命令、第八十条第一項の認証の取り消し、または第八十一条第一項の解散命令の請求に規定するそれぞれの事由に該当する疑いがある場合において、所轄庁の権限を適正に行使するための基礎となる客観的な資料を把握しようとする、そういう趣旨のものであり、報告を求め質問する事項は、これらの規定に定める事由の存否を外形的、客観的に確認するために必要なものに限定をされているわけであります。
 このように、今回の宗教法人法の改正は、いずれも所轄庁が宗教団体の宗教上の行為や宗教上の事項に介入したり干渉するものではなく、信教の自由を侵害するものではないというふうに考えているところであります。
○坂上委員 やはり違憲という説もないわけではないと思いますので、今後ひとつ真剣な議論と討論がなされて審議されることも期待をいたしたいと思っておるわけでございます。
 また、憲法違反の存否は、本件の場合は地方裁判所に求める方法は大変、債務不存在確認の訴えをすることによって簡単にこの結論も出ることでございますから、国民的論議に立って、私はぜひ本当に内容のある御審議を期待をいたしておるわけでございます。
 さて、またオウムに関することでございますが、裁判所に法人の解散命令の請求ができる制度というのはほかの法律にもあるのでございましょうか。法務省、一言でいいです。
○濱崎政府委員 裁判所に法人の解散命令を請求できる制度といたしましては、法務省の所管の法律として商法に規定がございます。
 すなわち、会社が不法の目的で設立されたなど、一定の場合において、公益を維持するため会社の存立を許すべきでないと認めるときは、裁判所は、株主等の請求によって会社の解散を命じることができるという制度がございます。
○坂上委員 あわせまして、今民事局長が御指摘なさいました解散請求の商法の規定については財産保全制度が書かれているわけでございます。この宗教法人については財産保全制度というのが全然ないのですね。でございますから、これはまかり間違って、裁判所が解散命令を出した、そしてふたをあけてみたら財産が全部散逸しておったというような事態がないわけではないだろうと私は心配しているのです。
 でございますから、宗教法人法改正の中に何でこの財産保全制度を入れなかったものか、私はちょっと気にはしておる部分なんでございますが、いろいろ理屈はあるんでございましょうが、これはひとつ真剣に、また皆様方からも御意見も賜りながら、場合によってはこの部分も何らかの対応をすべきじゃなかろうかと思っておりますが、一言、民事局長がいいかな、あるいは文部省がいいですか、どうぞお答えください。
○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。
 財産保全の問題につきましては、宗教法人も公益法人でございますけれども、他の公益法人におきましてもそういった規定がないということもございまして、私どもとしては慎重な検討が必要だと思っておったところでございます。
 なお、宗教法人審議会において、所轄庁の問題、それから認証後の活動状況の把握の問題、それから情報開示の問題、この三つに柱を絞りまして審議をしてきたということもございまして、今回の改正案の中には財産保全についての規定は入っていないわけでございます。
 なお、私どもといたしましては、財産隠匿などの不正が行われるようなことがあってはいけないということで、違法行為等の疑いのある場合には、関係機関と連携を図りまして厳正に対処するように各県知事等にお願いをしておるところでございます。
○坂上委員 もう変なことが始まったら、追っかけていったって防ぎ切れないんですわ。初めからぴしっと押さえるようなことでなければならぬと思いますよ。
 だから、商法の規定はちゃんと財産保全規定があるんですよ。宗教法人だけないんだ。これはやはり検討してもらわぬといかぬですよ。もう本当に宗教法人としての価値のないような、解散命令を出すようなところは、これはいろいろ問題があるんだから、ぴしっと押さえたっていいんですよ。これは決して反対論も私はないだろうと思いますから、この点もひとつ文部省は考えてください。さっき公益法人に云々なんと言った、これは間違いですよ。たった一つだけ、商法上の会社解散のときしかないんだから。あとは全部あなたが引用したのは間違いですよ、これは。指摘だけしておきます。
 さて、外務大臣もお見えのようでございますからちょっとお聞きをいたしますが、総理、まず二十一日の沖縄の大集会、大変な盛り上がりでございました。この盛り上がりが起きまして、総理は今後どのように努力される方針か、一言でいいですからどうぞ。
○村山内閣総理大臣 これはたびたび申し上げておりますけれども、戦前、戦中、戦後を通じて沖縄の県民の皆さんがこうむった大変な御苦労、あるいは不安、怒り、悲しみ等々の心情を考えた場合に、私は、やはり沖縄県民の心というものは国民全体が共有すべきものだという立場に立って、これからはその期待にこたえるために全力を挙げていろいろな問題について取り組んでいかなければならぬというふうに考えております。
○坂上委員 ペリー国防長官との会談あるいは沖縄県知事との会談、総理は何を期待し、どのような対応をもってこれから臨まれるつもりなのでございましょうか。
 それから、日米首脳会談前にこの問題解決の確信は持てるのでございましょうか。いかがでございますか。
○河野国務大臣 議員御指摘のペリー国防長官は、今月末から来月初めにかけて来日をされるわけでございまして、防衛庁長官並びに私がペリー国防長官とはお目にかかって、来るべきクリントン大統領訪日に向けて、でき得る限りのさまざまな問題について準備を終えておきたい、こう考えておるわけでございますが、議員御指摘のように、沖縄におきます事件にかんがみまして、日米関係さらには日米安全保障条約の問題についても、さらに一段と話をしておく必要のある点もあろうかと考えまして、この点、十分気をつけて会談を行う予定にいたしております。
 いずれにいたしましても、クリントン大統領訪日という大きな会談を前にいたしまして、もちろん、この会談はAPECの会合の直後に行われるわけでございますが、その会談を前にいたしまして、日米間にございますさまざまな問題について、でき得る限り両首脳が自由な議論ができますように、その環境整備はいたしたい。
 したがいまして、沖縄の問題につきましても、少なくともこの問題について両首脳が十分に話し合えるような、そういう状況になっていてほしいと私は考えて、そのために努力をいたしたいと思っております。
○坂上委員 総理はお答えになりますか。いいですか。
 あわせまして外務大臣にお聞きしますが、さっき午前中も質問があったんですが、日米地位協定の運用改善に向けた日米協議において、殺人及び強姦の場合とその他の犯罪の場合とで、身柄引き渡しにおける条件に違いがあったようでございます。しかし、米韓の、それから米独の場合はこの点とうなっておりますか、お答えいただきたい。
○折田政府委員 殺人及び強姦という凶悪な犯罪につきましては、身柄の移転の要請があったときには好意的な配慮を払うということになっております。そしてそれ以外の犯罪につきましては、個々の事件の態様、悪質性、捜査の必要性等を個別に判断した上で、拘禁の移転が適当と考えられるものにつきましては、その旨の特別の見解を日本側が提示し、米側がこれを十分に考慮するというふうになっているもので、おっしゃられるように二つのカテゴリーに分かれているわけでございます。
 そして、ボン協定それから米韓協定ではどうかということでございますが、そういう使い分けはなされておりません。
 それじゃ、双方を比べてどちらが有利かということで見てみますと、私どもとしては、日本の方がドイツ及び韓国よりも有利ではないかというふうに思います。それは二点ございます。
 一点は、日米の場合は、今回の合意におきまして起訴前の移転ということが明確にされておるわけでございます。ボン協定それから米韓協定の場合は、米側が権利として身柄を持てるのは、片方は判決が終わるとき、それから判決が終結するときということでございまして、好意的配慮をした結果の移転の時期ということについては明確な規定がないわけでございます。それが第一点でございます。
 それから第二点は、要請する対象の犯罪の範囲が日米の今回の合意では明確になっております。ドイツの場合は、特定の場合という書き方をしておりまして、犯罪の名前は書いてないわけでございますが、この特定の場合ということの趣旨をアメリカ側、ドイツ側に確かめてみますと、スパイ活動とかテロ活動とかの極めて国家の存立を脅かし得る場合ということで、非常に限定的になっておるわけでございます。
 それから、韓国、米韓の場合でございますが、特定の事件というふうに書いてございまして、その特定の事件はその時々の状況で決めるのだ、判断するのだということでございます。
 そして、ドイツの場合については、過去十年間これに該当するケースはない。それから、韓国につきましても、これまでこのケースに該当することはないという返事をいただいておりまして、全体として考えますと、日本、日米における扱いの方が有利ではないかというふうに我々は判断しております。
○坂上委員 防衛庁長官、おられますか。沖縄の基地の縮小、今ちょっと、さらにまた新しい部分で、これは縮小できますということを言えますか。
○衛藤国務大臣 沖縄の基地の整理統合、縮小につきましては、従前、政府も努力してまいりました。しかし、御案内のとおり、二十三事案プラス三事案につきましても、まだまだ努力不足は否めない、私はこのように思っておる次第でございまして、この戦後五十年の節目に当たりまして、村山
総理のお答えのように、内閣を挙げてこの問題に取り組むという姿勢が強く打ち出されたわけでありますから、私どもまさに沖縄の基地の整理統合そして縮小に向けた新しいスタートラインに立った、こういう認識で取り組んでまいりたいと思います。
 そして、二十三プラス三事案につきましても、積極的に返還に向けての手続、努力をいたしたい、このように考えております。
○坂上委員 沖縄知事のお話によりますと、アメリカに直接交渉に行っても、政府の方から何も言ってこない、こういう話が言われておるわけでございます。今こそ村山総理を先頭にいたしまして、政府の皆様方が必死な努力を行われていることはわかるのでございますが、まだまだ沖縄の皆様方から見れば、とてもじゃないがもどかしいという感じを持っておられるのじゃなかろうかと思います。
 沖縄の皆様方の心を村山総理の心として、これに対する対応を本当に、内閣の命運をかけてこれに当たるとおっしゃっておるわけでございますが、ひとつ御決意のほどを再度お聞きいたしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 この委員会でも答弁申し上げましたが、十一月の四日になるか五日になるかわかりませんけれども、私はこういうふうに申し上げているわけです。知事の日程のとれる日を最優先にしてお会いをいたします、お決めになったら御連絡をいただきたい、こういうふうに申し上げているわけでありますけれども、二十一日のあの沖縄の八万五千人からの集会の決議、それから知事のお考え等を率直に承りまして、そして沖縄の県民の皆さんが持っておる今の心というものを国民全体が共有する心として、当面、こうした事件の扱いやあるいは始末のつけ方、さらにまたこれから先不安が解消できるような措置、同時に基地の施設あるいは区域の整理統合あるいは縮小といったような問題についても積極的に率直な話をしたい。
 同時に、日米安保体制というものが、これだけ情勢の変わった中で、今後どのような日米の協力体制をとっていくことが大事なのかというような問題についても率直に話し合いをして、そして少しでも不安が解消されて安心できるように県民の気持ちにおこたえするということが当面一番大事なことだというふうに考えておりますし、これはもう先ほど来申し上げておりますように、内閣の命運をかけて取り組むべき喫緊の課題だという受けとめ方をして、全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思っております。
○坂上委員 ありがとうございました。
 これはこれであれしまして、警察はオウム問題を初めといたしまして大変な御努力をいただいております。しかしまた一面、愛知県警のけん銃押収事件、こういうものが起きてまいりました。上司を喜ばせるために……(発言する者あり)愛媛県。済みません、間違えました、愛媛県。しかも、ピストル代金二百万円を出したというのですね。本当に大変な問題だろうと私は思っておるわけでございます。本当にこのピストル代金、三人の皆さんが出したのですか。どうもこの二百万円の出所について私は大変な疑いの目を持って見ているわけでございますが、警察当局、いかがですか。
 それから、大和銀行事件でございます。
 これはもうアメリカの方では捜査が始まっておるわけでございます。しかも、FBIへの報告のおくれは、大蔵省は何か関係していませんかというような報道もなされているやに聞いております。また、銀行局長はタイミングが悪いというような発言をしたとも言われておるわけでございます。しかも、その大和銀行事件は銀行ぐるみの犯行ではないかとも言われておるわけでございます。一体この点はどうなっているのか。もう本当に簡単で結構ですから、一言、二言でお答えください。
 それから、警察当局、これについて捜査をやっているのですか。もうアメリカはあれだけやっているのだから、これだけの事実があるのだったら捜査に入っているのだろうと思うのですが、どうですか。お答えください。
    〔委員長退席、三野委員長代理着席〕
○中田政府委員 お答え申し上げます。
 愛媛の事案でございますけれども、市民にこれだけ被害が拡大しておる中で、大変遺憾な事件でございます。
 お尋ねの案件につきましては現在捜査をしておるところでございまして、いずれにしても、金額の点はともかく、現金が動いたという点も含めまして、鋭意調査をしておるところでございます。
 しかるべく調査を尽くしました上で、また御報告したいと存じます。
○西村政府委員 今回のような事件が発生しましたことはまことに遺憾に存じております。
 捜査当局への通報という点につきましては、被害者である金融機関みずからが自主的な判断に基づいて行うべきものでございまして、この点については当局は関知をしておらないところでございます。
 なお、タイミングが悪いという発言云々の問題でございますが、私ども、八月八日の時点では、当時八月の金融機関をめぐる状況が極めて緊迫したものであったことはだれしも認めるところであろうと思いますが、そのような状況のもとで不確実な情報が流れることは問題であるので、ともかく実態の解明が先決であるということを考えており、そのように申したということでございまして、発表のタイミング云々との関連で申し上げたわけではございません。
○野田(健)政府委員 大和銀行事件に関しましては、報道等により、米国の捜査当局が捜査を進めているということについて十分承知しております。
 一般論として申し上げますが、日本警察として対応すべき状況が出てまいりました時点で、適切に対処してまいりたいと思っております。
○坂上委員 どういうことになるかちょっとわかりかねますが、手おくれにならぬようにきちっとやっていただかぬといけませんよ。
 最後に、厚生大臣、公的年金制度の一元化、特にJR年金問題ですが、報告書により示された一元化の第一弾としての旧公共体共済の厚生年金との統合は、早期に実施されなければならないと思っておりますが、いかがでございますか。
 それから、大蔵省でございますが、この点について、鉄道共済年金保険料率は、平成六年十月より一九・五九%に引き上げられ、さらに平成八年十月より二〇・〇九%に引き上げられることになっております。すべての年金制度の中で最も高い掛金になっているのでありますが、厚生年金と統合の際、同一負担、同一給付の原則で政府の責任によって調整さるべきなのではなかろうかと思っておりますが、これに対する見通しをお聞きいたしたいと思います。
○森井国務大臣 御指摘のように、既にたばこと鉄道、二つの共済年金につきましては独立した制度としての機能をもう失っておりまして、現在、それ以外の年金制度間で財政調整、応援をいたしておりまして、その期限は来年度、平成八年度までとなっておりまして、平成九年度以降はいずれにしてもきちっとしたことをしなければならないということで、せっかく公的年金制度一元化の懇談会で報告書をいただいておりますので、御指摘のように、急いでまず旧三公社の共済と厚生年金との統合を図ってまいりたいということでございまして、来年の通常国会に向けて今作業を進めているところでございます。
 御指摘の趣旨も踏まえまして、来年の通常国会で法律の成立を図り、再来年、平成九年度から実施をしてまいりたいというふうに考えております。
○小村政府委員 去る七月に、公的年金制度の一元化に関する懇談会におきまして、その報告の中にもございますように、「厚生年金より高い保険料率については、従来の経緯を踏まえ、段階的にその格差の解消を図る。」ということになっております。厚生年金よりも高い鉄道共済年金の保険
料率につきましては、その報告書の趣旨を踏まえまして、段階的に厚生年金との格差の解消を図ってまいりたいというふうに考えております。
○坂上委員 一点だけ。
 最後でございますが、法務省、外国人登録原票にかかわる電算処理情報の開示、今地方自治体で大変混乱しておるようでございます。法務省としてきちっと対応しなければいかぬと思っておりますが、この席上で明示をいたしまして、地方自治体が混乱することのないように、どう対応するのかきちっと答えてください。
○塚田政府委員 地方自治体は、それぞれの行政需要に応じまして登録原票の中身を電算処理をしているわけでございますけれども、登録原票の中身につきましては、本人に交付される外国人登録証明書、あるいは特定の事項について御当人が要請された場合の登録済証明書、この二つでもってすべての事項が御当人にはわかるようになっております。
 私どもは、こういうふうに処理するということで地方自治体には周知しておるわけでございますけれども、つまり、在監の有無に関する事項を除いては登録原票の記載事項すべてについて記載可能だということを周知を図ってきておるのでございますけれども、仮に先生御指摘のような点があるとすれば、現在調査中ではございますけれども、指導を徹底してまいりたいと思っております。
○坂上委員 どうもありがとうございました。
○三野委員長代理 これにて坂上君の質疑は終了いたしました。
 次に、五十嵐ふみひこ君。
○五十嵐(ふ)委員 さきがけの五十嵐でございます。
 現下の経済状況は大変厳しいものがございますけれども、その主な要因は、やはり資産デフレということになるかと思います。私は、この資産デフレは、WTO時代に入った経済の国際化に伴ういわば必然でありまして、これはハイコスト経済から国際競争力を持った人並み経済へ転換するための産みの苦しみの時期だ、この時期をうまく乗り越えれば、二十一世紀、日本はきちんとした発展ができる、そのように思っております。
 そして、この資産デフレの克服の仕方は、一方では、麻薬中毒のような地価の反転というものに頼るという方法が一つあると思います。しかし、麻薬中毒にまさしくすぎないのであって、これをやってしまったのでは、二度と日本は国際経済の世界に裸で入っていくことができなくなるというふうに心配をいたします。
 この資産デフレは、金融システムの再構築、合理化、そして土地利用の健全化、あるいは官僚政治がもたらしている過保護行政を改めるといった面から直していかなければならないのだろうと思っております。その立場から、金融、土地問題を中心に質問をさせていただきます。
 まず最初に、大蔵大臣にお伺いをいたします。
 ジャパン・プレミアムが問題になっております。一%にも達しようということになっておりますけれども、日本側がこれはおかしいと言っても、市場の中では説得力を持っておりません。日本はまだまだ金融の不祥事を隠しているのではないかといった不安から、日本の銀行に対する、金融機関に対する国際的な信用度が落ちているわけであります。したがって、これはディスクロージャーをきちんとする国だということを示していかなければなりません。
 大蔵省は今、大手二十一行の破綻先債権、そして延滞債権について公表をするということになっておりますが、金利減免債権については来年の三月期決算からディスクロージャーするということになっていると思います。この際、こうしたジャパン・プレミアム問題を背景として、九月期決算に前倒ししてこれを実施するという方針を打ち出せないか、その点について大蔵大臣にお伺いをいたします。
    〔三野委員長代理退席、委員長着席〕
○武村国務大臣 御指摘は貴重な御意見として承りましたが、私も個々の銀行の状況までは承知しておりませんが、この六月に大蔵省が初めて、こういう状況の開示を決めて金融業界に示してきているわけでございまして、明治以来の日本の金融業界としては初めて個々の金融機関の不良債権の実態を明らかにするという決意のもとに、今努力を必死で始めているところであります。それが来年三月という時期を明示しながら、二十一行については全面的に金利減免債も含めて開示という方針でございまして、これを急に半年も短縮というのは、こういうジャパン・プレミアムの問題等の解決にはそれなりの貢献はする一つの貴重な提案とは思いますけれども、やはり金融機関の実態を踏まえないと、ここで明快な返事をするわけにはいかない、そう簡単ではないという印象を持ちながら、御提案を承らせていただきます。
○五十嵐(ふ)委員 長年続いてきた大蔵省による金融機関に対する過保護行政、これがいろいろな事件をもたらしている、あるいは土地本位制、土地担保主義の徹底からバブルをもたらしたというふうに思っておりますが、今回の大和銀行事件においても、この過保護体質が私は露呈をしたと思っております。
 ディスクロージャーのおくれは、アメリカでは金融犯罪という認識をされております。特に大和銀行は、七月の半ばにはもう井口容疑者から内々、状況の告白を受けていたと思うんですが、七月下旬に社債を日米で五百億円ですか、発行したと承っておりますけれども、これは投資家に隠すことによって投資家にとっては不利な条件でそれを引き受けなければならないということになるわけですから、これはいわば形を変えたインサイダー取引に近いと私も考えます。
 そういう意味では、知った時点で速やかに当局に通報するということが必要であり、また、それを知った日本の当局もアメリカの当局に対して、財務当局に対して速やかに通報をしなければならなかっただろうと私は思います。これは単に道義的な責任ではなくて、いわば経済犯罪につながりかねない、そうした問題だろうという意識を私は持っております。
 また、大蔵省のあれでは法令上の違反は何もないんだというふうに言われておりますけれども、国際決済銀行のいわゆるBIS協定の中には、速やかな通報義務というのが課せられていると思いますけれども、それに明確に違反をするのではないでしょうか。その点について大蔵大臣並びに事務当局の御見解を賜りたいと思います。
○西村政府委員 まず、今回のような事件が起こりましたことはまことに遺憾なことでございます。これが、御指摘のように金融犯罪であるかどうか、どういう性格の犯罪であるかということにつきましては、現在アメリカの捜査当局が捜査をしておる段階でございまして、私どももその判断の結果を待って受けとめて対処したいと考えております。
 なお、今回私どもが当初概略の通報を受けました際には、まだ真偽のほどが明らかでないので内容の確認を始めたところである、実態の把握に努めて状況がわかり次第詳細を報告したいということでございましたので、私どもも、早急に実態の把握に努めてそのようにしてほしいと伝えたところでございますが、まあその後かなりの時日が経過したことも事実でございます。
 そういう点について、私どもも、ともかくこの問題は、アメリカにおいて業務を行っていたことでもございますので、アメリカにおける考え方、アメリカにおけるルールというものを最大限尊重して仕事をするのは当然のことでございます。また、行政の立場においてそういうことを勘案するのも当然のことでございます。今後の貴重な教訓とさせていただきたいと存じます。
 なお、バーゼルの合意の問題でございますが、銀行監督委員会の報告というものがございます。この中におきまして、お互いに金融に関する情報は的確に交換をし合おうということが述べられておりまして、私どもも常々そのように心がけているつもりでございますが、必ずしも条約とか義務というようなことではございませんで、そういう精神にのっとって行政を進めていくという性格のものだと理解をしております。
○五十嵐(ふ)委員 十分なお答えをいただいたとは私は思っておりません。これはやはり非常に大きな問題、井口容疑者の問題とは別に、やはり組織ぐるみで隠したのではないか、また、それを隠していろいろな社債発行等の行為をすることによって投資家に対して損失を与えているという面があるんだ、その後のおくれによる独自の問題が発生したと私は考えておりますし、それは、ある意味では日本の投資家を無視した銀行行政でもあると私は思っております。すなわち、銀行がかわいい、危ない、大変だということに気をとられて、日本の投資家を保護するということに日本の大蔵行政は目を向けなかったんではないか、そこに長い間の我が国の体質のおくれといったものを感じざるを得ないわけであります。それが的確にあらわれたのが土地問題、土地担保主義ということになるんだろうと思います。
 そこで、土地問題に入らせていただきたいと思いますが、土地の流動化というのが、何か水戸黄門の印籠のように、景気回復の決め手だというふうに思われているようですけれども、そもそも、土地の流動化とは何ぞやということから考えていかなければならないんだろうと私は思っております。
 建設大臣にお伺いをいたしたいと思うわけですけれども、商業地の問題なんですね、土地の流動化の問題というのは。いわゆるバブルのときに高い値段で買ってしまった、焦げついて動かなくなっている、塩漬けになっている。資金が動かない、土地の利用もできない、経済に何の寄与もしていないという土地があるということが問題なわけですね。そうすると、これは、いわば税制でこれを動かすかどうかという問題ではなくて、基本的に、需要が不足している、それをどうするか、あるいは土地が下落し続けている、これをどうするかという問題になってくるんだろうと思います。
 企業が、土地がやがて反転するのではないかという期待を持っている。あるいは、今含み損が出ているわけですけれども、含み損を顕在化したら企業が危なくなるという点でそれを処分できない、顕在化することができないということでこれがとまってしまっている、そういうことだろうと思います。
 そうすると、これはいわば金融の問題であり、一方では、下落し続けるというその土地の価格の行く末の問題になってくるんであって、税制によってこれを云々することはできないと私は考えます。特に譲渡益課税というのは、これは譲渡益は発生しないんですから、商業地では。バブルのときに塩漬けになっているという土地は譲渡益は発生しない土地ですから、これはむしろ譲渡益課税緩和の議論とは全く別の問題であろうと思います。
 また一方で、住宅地についてはどうか。今ほぼ下げどまっているという意識が出ています。住宅地については下げどまっておりまして、したがって実需が発生しかけているところです。そしてまた一方では、供給の要因が非常にふえていますから、供給過剰になっているわけですね。したがって、じりじりと少しずつ、下げどまりかけているけれども、まだ少し下がっているという状況にあると思うのです。ここで供給圧力を増すような譲渡益課税の緩和をしたら、逆に私は土地は暴落すると思います。暴落するという見通しが出た時点で、土地はむしろ流動化しなくなります、ストップします。したがって、土地の流動化論とは全く逆行するんですよ。土地税制の緩和というのは流動化にはつながらないんです。そう思います。
 まず、商業地と住宅地については、今高過ぎるわけですから、適正な価格で安定していくという状態をつくり出すことが大切なんであって、せっかく住宅地ではその状態になってきているんですから、それをわざわざ動かす必要は全くないわけです。私はそう思います。
 流動化、流動化とお題目で唱えるんではなくて、一つずつ論理的に、どういう傾向を生むか、どうなっていくかということを蓋然性をもって語れなければこういうものは解決がつかない、そう思いますけれども、建設大臣の御所見をお願い申し上げます。
○森国務大臣 このところ、いわゆる景気がなかなか上昇してこない。いろいろな要素はあるんだろうと思います。それはもうこの予算委員会等でもいろいろな議論が出てきておりますが、政府としても、公共事業を中心にして何とか活性化を図りたいということで努力はしておりますが、その一つ、公共事業だけをやっても景気よくならぬじゃないかということを随分各委員の皆さんからも御議論があったと思います。
 しかし、それには、一つにはやはり土地の問題もあったと思うし、あるいは株式の低迷もあったと思うんですね。ただ、五十嵐さんは、これは御持論であることはよく前から伺っておりますが、人並み経済というふうにもおっしゃいましたし、国際経済に合わせなきゃならぬということでしたけれども、やはり資本主義経済というのはそれぞれの国によって発展の仕方、それは違いがあると思うのですね。
 余りいい例じゃありませんけれども、全部国際的に同じようにしなきゃなりませんといっても、例えば、日本が得意であった柔道を全部国際的に同じにしても、やはり体の大きな人と小さな人との差があって、結局これは体重別にしたわけですね。まあ例えばよくないということを申し上げたと思いますが。
 ですから、土地を流動化させることも株式を活性化させることも、いろいろなことを、その中の一環としてやはり税制措置もしていくということが私は大事だと思うんですね。
 もう一つ、土地が動かないということは、もっと下がるのではないかという一つの見方もあるかもしれませんが、下がれば逆に、土地は今度は買った人は売れなくなるということにもなりますね。
 それから、サラリーマンなどは、適度な宅地あるいはマンションを買って、できれば次に、子供がふえる、大きくなる、新しいものに買いかえていこうと考える。そういう予定を立てても、買ったときよりも資産価値が下がってしまう、借金は残っている、ローンは残っている、安く売ってまた次に買おうという意欲は出てこないということにもなる。だから、日本経済全体、国民全体が将来右肩上がりに希望が持てるというふうにしていくことがやはり大事だと私は思っております。
 そういう意味で、確かにおっしゃる、一つの税だけいじくってもだめではないかということにもなるのかもしれませんが、全体的に、総合的な対策を立てていくということが私は大事だと思っております。
 ここのところ、確かにずっと四年ばかり土地は下がっているわけでありますが、土地の下落というものを単に、今五十嵐委員のおっしゃる面だけで考えるということではなくて、広く経済全体で、私どもも不動産関係の皆さんと建設省にお見えになると議論をします。土地が下がった、下がったといって随分おっしゃいます。下がることが不動産業者にとったはいいことではないかもしれません。しかし、国民から見れば下がることはいいに決まっている。
 下がることはいいに決まっていますが、一方では、やはり経済全体がどうなのか、企業というものはどうなのか。健全に企業がやはり発展をして、そして利潤を得て、それが配当されていく、あるいはそれが雇用の場になっていくという、経済全体から幅広く検討していくということが私は大事だ、こう思っておりますし、そういう面でぜひ、税制協議をこれから開いていただく時期でございますし、幅広くいろいろな角度から検討していただくことが大事だというふうに考えます。
○五十嵐(ふ)委員 もちろん幅広く検討しているわけでございます。
 今の大臣のお考えでも随分、私自身、失礼ですけれども、中に矛盾が入っていると思います。今言ったように、土地を流動化する、流動化すればこれは下がるだろうという予測が建設省自体から出されているわけですね。それに対して大臣の今のお答えでは、むしろ右肩上がりになった方がいいのだというようなお考えも入っておられたように伺われますけれども、そうではない。
 それから、私が申し上げているのは、これは自然、自由主義経済に任せるということですから、意図的に下げるということではなく、今自由主義経済の原則に従って下がっているわけですから、需給関係で下がっているわけですから、それを無理やりに税制をいじくって動かすという必要がどこにあるのか。そのときのプラスとマイナスがあると思います。プラスとマイナスを十分に考えるべきであって、流動化はお題目として水戸黄門の印籠にはならないのだということを申し上げている。
 逆に、企業の活性化という面では、それは確かに企業負担が非常に重過ぎるという面から地価税を軽減してくれ等々の問題がある。これについては一つの議論だと私は思っております。その場合には、これはまた土地の流動化論とは別に、景気の対策として企業を救うかどうかという問題になってくるわけです。それは別の理論として別個に考えていかなければおかしいので、ごっちゃに考えていたらこれはめちゃくちゃな話になってしまうわけで、理論なわけですから、これは別個に考えていく。それは一つの理屈として成り立つと思います。
 その場合は、今度は全体の税収入はどうか、日本の国の財政がどうか、あるいは勤労所得との関係はどうか。すなわち、サラリーマンは、僕は自分のうちが苦しいから税金をまけてくれといってもまけてくれないわけですから、企業はそれならば許されるのかというバランス論とか、いろいろな問題が入ってくるわけです。それでも企業を助けるために保有税は緩和すべきだという理屈も十分成り立つと思うのです。そこの議論をしなければいけないということで、流動化論と一緒くたにして、これでなければだめなのだという話にはなりませんよ。
 現に、経団連も私のところへ来て、常務理事さんが何人か来られて、土地の流動化論からの土地税制緩和論はおろします、五十嵐さんの言っていることの方が正しいからおろしますと言ってきました。そうだろうと思います。今の状況は、マスコミ界においても、研究者の世界においても、土地流動化に今の土地税制が寄与するということは懐疑的になってきている。これが今の趨勢だろうと思いますので、ぜひその辺は間違えずに、危険な面もあるわけですから。
 そこで、国土庁長官にまずお伺いをしたいと思うのですけれども、むしろ、土地の流動化が起きるというのは、さっき言ったように土地が安定してくること、適正な価格で安定してくることの方が重要ですから、その見通しを伺った方が早いと思うのですね。私は、この四十年以来の土地の上昇率とそれからGNPの上昇率から見て、あと一年ぐらいたてば、商業地においても大体いい線に来るだろうと思っております。政府の立場として発言をすることはなかなか難しいかと思いますけれども、商業地、住宅地、別々に考えて、土地の状況と今後の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。
○池端国務大臣 五十嵐委員にお答えをいたします。
 地価の動向につきましては、予測というものはなかなか難しいものであることは御承知のとおりだと思うのでありますが、専門家であります不動産関係団体からのヒアリングを行いました。都道府県地価調査の際に行ったわけでありますが、これらの方々のお話によりますと、当面、大都市圏においては、景気が低迷する中で、住宅地の地価は、マンションの大量供給等により住宅価格は下落を続けており、マンション素地の用地取得は厳選して行う姿勢が見られる、こういうことから弱含みで推移をする、こういう判断をしておるわけであります。
 商業地の地価につきましては、オフィス賃料が全般的に下落傾向にあることからビル用地等の購入ニーズが低調であることなどから引き続き下落をする、こういうのが大方の見方でございますので、我々もそういうことは十分参考にしてまいりたい、こう思っております。
○五十嵐(ふ)委員 要するに、不動産、マンション業界の過剰、昨年は、一昨年の一四〇%のマンションをつくってしまった。そのためにマンション価格が供給過剰になって下落をして、二次取得が生まれなくなってしまった。要するに、自分が今住んでいるマンションを売って新しいもっと広いマンションや一戸建てに移りたいという人が、これが売れないために移れなくなってしまった。私もその一人なんですけれども、そうなってくるわけですよ。ですから、それはむしろマンション業界の問題であったり供給過剰の問題であって、これは決して税制の問題ではないわけです。
 また、先ほど言いましたように、下手に税制を緩和すると暴落が起きるのですよ。暴落が起きれば流動化しないのですよ、売れなくなるのですから。買う人がいなくなりますよ。もう少し待てはもっと下がると思うのですから、これはとまるのです。そういうことをきちんとお考えになっていただかなければならないだろうと私は思います。
 それからもう一つ、危ないことがありまして、今下がるという話がありましたけれども、逆に上がりかねない要素もあるのです。
 というのは、バブルの反省に私たちは立たなければなりませんけれども、金利は史上最低金利です。経済企画庁長官、お聞きいただきたいのですが、史上最低金利であります。金融機関を助けるために超低金利が続いているものですから、一方で金融機関の業務利益は、これはかってない業務利益を上げているわけであります。それで、償却を終えた基礎体力のある金融機関は、もう実は金余り現象が出てきているのです。貸し先というか、借り手を探している状況が生まれ始めている。そういう中で借り先が出ている。要するに、過剰流動性が起きかねない状況ができている。そして金利は史上最低金利だ。一方で、地価は戻したらいいなと思っている企業がいっぱいある。
 そうした中で税制を下手に緩めれば、緩め方があると思いますが、下手に緩めれば、もう一回バブルの、要するに業者間のやりとりやいわゆる土地転がしでバブルが発生する要素があるのです、部分的ではありますけれども。部分的ではあるけれども、バブルが発生しかねない要素がある。
 この危険性というものを十分に認識しなければならないと思うのですが、その点、経済企画庁長官から伺いたいと思います。
○宮崎国務大臣 お答え申し上げます。
 先生の冒頭の御発言の中で、資産デフレの問題をうまく処理すれば日本経済が抱えている今の問題を解決することができて新しい展望が開けるとお述べになりました。私どもも全くそのとおりだと思っております。
 今議論されております土地の問題については、そういう意味で、経済対策としても大変大きな関心を持っております。その中でも、土地の税制いかにあるべきかということについても当然関心を持っているわけでございます。
 ただ、土地に関する税制は、御承知のように、取得、保有、譲渡、いろいろの点で多岐にわたった制度がございまして、しかも、地方税があったり国税があったりしまして、そのときそのときの経済の状況によってこれが変更する影響は非常に違うわけでございます。その上、税制というのは、申し上げるまでもありませんけれども、個別の税制を取り上げるのではなくて、税体系全体として税の修正は考えなければいけない。
 こういう見地から、先ごろの政府の経済対策では、土地問題を解決するというのが重要だという指摘はしておりますが、土地税制につきましては、平成八年度税制改正において結論を得るべく、土地基本法の理念を踏まえつつ、総合的かつ積極的に検討するということになっておりまして、今先生がお述べになったような点で結論が出ることを期待しております。
 それから、バブル経済ということでございますが、ミニバブルであろうとメガバブルであろうと、私どもはそういうことが二度と再び起こってはいけないと思っております。したがって、土地の価格の安定だけじゃなくて、一般の物価も安定をした中で安定的な持続的成長を図らなければいけないと思っております。
○五十嵐(ふ)委員 要するに、今最終需要を生み出すような制度の改革を、我慢をして、一生懸命やらなきゃいけない。規制緩和、そして金融の自由化というものをスピードアップしなければいけない。そして、元気のいい企業を日本に生み出し育てていく、そこが一番肝心な政策だろうと思います。小手先で税制を動かして、苦しいから助けてくれ、バブルのときにさんざんもうけたところが苦しくなってきたから助けろ、それで、はいそうですかとやる、それではなかなか日本経済はよくならない。もっと根本的なところにメスを入れなければいけないということを申し上げているわけでございます。
 ぜひそうした観点から、機動的な経済金融運営をしていただきたいと経済企画庁にお願いを申し上げるわけですけれども、かじ取りを一歩間違うとミニバブルがやはり発生するということだろうと思います。機敏にやっていかないといけないということだろうと思います。
 それからまた税制に関しても、目のかたきのように私ども言われておりますけれども、そうではなく、日本の将来を考えて、日本が国際社会から脱落することがないように、そこを真剣に考えて、長期的視点から私どもは物を詰めていこうということをしているわけですから、お間違えのないようにしていただきたいと思います。
 また一つ質問が、通告しておったのが残ってしまいました。住専の肝心の問題ですけれども、アメリカ並みに私は厳しい姿勢というものをとる必要があると思います。公的資金を導入する場合には、やはり経営責任というものをきちんと追及をしていくというのがこれはもう何よりも肝心なことだ、そうでないと国民に納得していただけない、私はそう思っておりますので、それについての基本的な姿勢を総理、恐縮でございますけれども一言お願い申し上げます。
○村山内閣総理大臣 御指摘のとおり、この住専問題の処理等に当たりましても、やはりその責任の所在と問題点というものを明確にした上で、国民の皆さん方の御理解と御協力をいただく面があるとするならば、それは前段をきちっとやった上で御協力をいただくということにならなければいけないと思います。
○五十嵐(ふ)委員 最後に一言。
 不景気を利用して我が田に水を引くというのは私はすべきでないと思います。日本の財政は非常に危機的な状況でございます。二百二十一兆円の国債残高がございます。それから二十七兆円の国鉄長期債務がまだ残っております。そのほかに、隠れ借金は私はかなり、数十兆円規模の隠れ借金があるのではないかと思っております。三百兆円の借金がありますと、毎年二十七兆円借金の元利返しをしなければいけません。日本の税収は今五十三兆円であります。入ってきた収入の半分以上を借金返しに使わなければならないような事態が迫っているわけですから、日本は金持ちの国ではないんだ、優先順位をきちんとつけて、公共事業にもコスト意識をきちんと入れていくというような形で、政治家も政界も行政もスリムになっていかないと国民の納得は得られないということを強く申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○上原委員長 これにて五十嵐君の質疑は終了いたしました。
 次に、古堅実吉君。
○古堅委員 総理に質問いたします。
 沖縄では二十一日に、米軍人による少女暴行事件を糾弾し、日米地位協定の見直しを要求する県民総決起大会が開かれました。沖縄本島、宮古、八重山で九万人を超す県民が結集したのであります。復帰後、このような県民の決起はない、このように言われたものとなりました。
 この大会における決議の中で、少女暴行事件での政府の対応についてこのように述べています。「明確に主権の侵害が発生している事態においても、主権国家、独立国家として断固とした外交的処置がとれず軟弱外交ぶりを露呈したわが国政府に対して満腔の怒りを表明する。」こう言っています。
 この大会に若い人たちを代表してあいさつした普天間高校三年生の仲村清子さんは、「基地あるがゆえの苦悩から、早く私たちを解放してください。」「いつまでも、米兵におびえ、事故におびえ、危険にさらされながら生活をつづけていくことは、いやです。」「私たちに静かな沖縄を返してください。軍隊のいない、悲劇のない平和な沖縄を返してください。」このように素直に訴えています。県民はもちろん、全国的な立場からも大変な共感と感動を呼ぶものとなりました。
 この大会で四項目の要求が決議されております。その一つは「日米地位協定を早急に見直すこと。」もう一つは「基地の整理・縮小を促進すること。」ということであります。
 ところで、昨日の地位協定に関する日米合意は、結局は、地位協定の見直しはしないという結論に立って、運用の改善というものにとどまりました。これは、県民の地位協定を見直せという要求を踏みにじるものでありますし、全国、沖縄は特に、こういうことで国民が納得できるか、このように受けとめております。総理は、これで県民の声にこたえた、このようにお考えですか。
○村山内閣総理大臣 十月二十一日に開催されました沖縄県民の総決起大会の決議につきましては、私もいただいております。二十四日には、委員も一緒にお見えになりましたけれども、地元の県会議長さんを初め各党各会派の代表の皆さんあるいは市民運動団体の皆さんもお見えになりまして、こもごも訴えをお聞きいたしました。
 私は、たびたび申し上げますけれども、戦前、戦中、戦後を通じて、沖縄県民の皆さんがこうむっておる苦痛というもの、あるいは、もうこれは言葉では言い尽くせない、はかり知れない思いをしておるその気持ちというものは十分よく理解をしているつもりであります。
 今お話がございましたように、この四つの決議について、地位協定については全然触れないのか、やらないのかというようなお話でございますけれども、当面、先ほど来報告もありますように、刑事問題の手続の扱いについて一応の話し合いがついたというふうに、まあ後でまた報告があるかもしれませんけれども、私も承知いたしておりますが、そうした問題をこれから真剣にまた続いて議論をしていく。その検討と議論の中から、必要なものについては改善を図るべきであって、限定して、これだけやるけれどもこれはやらないんだというふうに私は考える必要はないのではないか。
 これからも不断に、日米合同委員会という場があるわけですから、その日米合同委員会の中で、やはり必要なものについては十分問題提起をして検討もしてもらうし、議論もしていただく、そしてできるだけ合意点を見出せるように努力していく、当然なことだと私は思っています。
○古堅委員 今回の合意の内容はひどいものです。米側の犯人の引き渡しを義務づけるということでもなく、殺人犯、強姦という凶悪犯罪に限ってアメリカ側が「好意的考慮を払う。」ということにとどまっています。これは、アメリカの好意にすがろうという程度のものでしかなく、主権侵害の取り決めを改めるということにはならないのではありませんか。
○河野国務大臣 好意的配慮を払うという字句は、米韓協定あるいはアメリカとドイツのいわゆるボン協定の中の文言に載っております。そうした、アメリカが世界各地の地位協定の中で書いている文言というものでございまして、日本だけがその文言を使うということではございません。日本だけが特別好意にすがるというふうな理解の仕方は間違っております。
○古堅委員 韓国やドイツでアメリカが日本と同じような主権侵害を侵しているということであって、世界各国でそういうことがあれば許されるなどというものではありません。
 総理、あなたは、改善の必要があれば協定の改定をこれから検討していく、そういう趣旨のことを答弁しておられます。今回の事件で問題となり、県民が要求しているのは、屈辱的な地位協定の抜本的な見直し、とりわけ十七条五項(c)を廃止するかどうかということであります。いっかはやればよいなどというものではありません。総理はなぜ、今これをやりましょうというふうにおっしゃれないのですか。
○河野国務大臣 今回の専門家委員会のスタートにかかわった者でございますので、私から御答弁を申し上げたいと存じますが、議員がおっしゃるように、この地位協定が屈辱的なものだという基本的な考え方に私は同意できません。
 この地位協定は、安保条約、まあ日本でいえば日米安保条約でございますが、その国の軍隊が対象国に出ていく場合にはこうした協定が結ばれるということは、もう国際的に見て定説でございます。
 例えば、我が国の自衛隊がカンボジアにPKO活動で出ていくときにも、これはほぼ同様のこうした協定を結んで出ていくのであって、それは、日本だけが屈辱的な協定を結ばされているとか結んでいるとかという基本的な認識は、ぜひ御理解をいただいてそうではないという認識の上に立って御議論をいただきませんと、そこの基本的な考え方が違っていたのではなかなかこの議論は進まないと私は思うのでございます。
 私どもは、日米安保体制というものを堅持していこう、こう考えている以上、日米安保の目的を達成するためには、我が国としても払うべき義務はきちんと払わなければなりません。私は、五年後、十年後、あるいはさらにそれよりもっと未来の我が国の安全、我が国のあるべき姿ということもまた考えなければならないのではないかと思います。
 もちろん私は、先ほど総理が御答弁になりましたように、沖縄県民の心、それは戦中戦後を通じて大変な御苦労をおかけした、その沖縄県民のお気持ちというものは十分に踏まえて考えなければならないことはもう当然のことでございますが、しかし一方で、国政を担う人間として、我が国の今後の安全というものもまた考えないわけにはいかないわけでございまして、その点も、沖縄県民のお気持ちとそうした我が国の安全保障という点をどこで調和させるかというぎりぎりの判断をしなければならないというふうに考えておることをぜひ御理解をいただきたいと思います。
○古堅委員 カンボジアは主権を行使できる状態にないということで、国連がかわって行政や司法、そういうものについて行使した、そういういきさつがあったときのものであります。それをここに持ち出してまいって、だから日本も我慢しろ、沖縄の要求も我慢しろなどと言うことはとんでもないことです。
 総理、このように検討して「運用改善」というふうなかぎ括弧つきの範囲におさめた。しかし、地位協定改定などというものを考えていないというふうなものではないとおっしゃっておられる。それは必要を頭に描いておられるのでありましょう。なぜ将来のこととしないで、今それをやらなくちゃいかぬという立場に立たれないのですか。総理にお伺いします。
○河野国務大臣 委員長の御指名をいただきましたので、私から御答弁をさせていただきます。
 議員が御心配をいただいております地位協定十七条五項の(c)の問題については、今回の専門家委員会の日米双方の合意によって、起訴前の身柄の引き渡しという合意ができたわけでございます。これはまさに地位協定十七条五項の(c)というものの内容について、大きな合意による新たな事態と言うことができるわけで、これは地位協定一つ一つ、仮に具体的な問題が起きた場合には、先ほど総理が御答弁になりましたように、合同委員会においてその具体的な問題を解決するための双方の話し合いというものは常時行われているわけでございまして、今回はとりわけ専門家委員会をつくって早急に合意をしたというこの努力、この事実についてはぜひ御理解をいただきたいとお願いを申し上げます。
○村山内閣総理大臣 今度の沖縄の少女暴行事件というものが起こって、そしてこの二十一日の沖縄県民決起集会もあった。こういう事象があったことに対してどう対応していくかというので、これは、アメリカも私は相当大きな衝撃を受けたと思いますよ。ですから、クリントン大統領も記者会見で、これはやはり謝罪をしなきゃならぬという発言もされるし、それから国務長官やらモンデール大使も、そういう意味のことはもう機会あるごとに述べられておるわけですね。
 したがって、アメリカも相当反省をしていると思いますし、それから日本もこれだけはやはり何とかしなきゃいかぬという気持ちで、双方が誠意を持って話し合って、十七条五項の(c)についての運用については、起訴前に特別なケースについては犯人の引き渡しもしますという話もしているわけですから、それなりの当面する課題についての努力はしておる。
 なお、今後の問題についても、日米合同委員会というこの話し合いの場があるわけですから、そこに積極的に問題を提起しながら、改定のために不断に努力をしなきゃならぬ問題だというふうに受けとめてこれからもやってまいります、こう申し上げているわけです。
○古堅委員 県民や国民の要求に素直にこたえるつもりがないということと、アメリカに向かってそういうことを提起する力もないということをおっしゃっているというふうに受けとめておきます。
 次に、県民大会決議にある基地の整理縮小の促進の問題についてお尋ねしてまいります。
 この県民大会にあらわれましたように、基地ある限りこのような被害、そういうものから免れぬぞという思いを込めて結集したものでありました。戦後五十年の積もり積もった思いが爆発した、こうも言われています。ですから、大田知事は、代理署名の拒否、それを県民のこういう願いにこたえようという立場で表明されたものであります。県民はその知事の英断を評価して、かつてなく大きな立場で知事を支える、そういう方向にございます。
 もともと沖縄の米軍基地というのは、アメリカの占領下で国際法も踏みにじって銃を突きつけて取り上げた、こういうものでありました。祖国復帰に当たっては、こういう基地は返還されるべきが当然であったのであります。
 一九五五年三月、私はまだ大学在学中でありましたが、ちょうど伊江島の土地取り上げ、その直後、伊江島へ行ってみずから体験したことがあります。米兵が大挙乗り込んできて、銃その他の武装をもって、人が住んでいる住宅からその人たちを力づくで引きずり出して、その住宅をブルドーザーで壊して、ガソリンをかけて燃やしてその土地を奪っていったのです。引きずり出されたその住民は雨の中をテント一枚与えられて野原にほうり出される、このように取り上げた土地なのであります。私はそのことを思い出すたびに、本当に腹の底からの憤り、怒りが込み上げてくるこの気持ちというものをいつでも抑えることができない、こういう気持ちになります。
 こうした経緯で強奪した土地を、知事が代理署名を拒否するのは当然ではありませんか。首相、どうお考えですか。
○村山内閣総理大臣 委員にちょっとお断りしておきますけれども、こうしてお互いに質疑をやりながら、政府も誠意を持ってこたえていきます、やります、こう言って一生懸命やっているのに、やる気もなければ力もないというふうに断定してしまったのでは、これは大変な誤解を受けますからね。だけれども、相手のあることですから、それはできることとできないことはありますよ。しかし、できる可能性についてはこれから求めて一生懸命やろう、こう言っておるのに、もう断定して物を言ってしまうようなことは私はどうぞお考えをいただきたいと思うのですね。
 今お話もございましたように、これはたびたび申し上げておりますけれども、戦前、戦中、戦後を通じて、それはもうやはり本土の我々が経験もしなかったようなひどい経験もされてきているし、そういう苦難に耐えてこられたそういう気持ちはよくわかりますし、今度の決起集会で決議されたその沖縄県民の心というものもよく理解ができるところであります。同時に、知事の立場というものもよくわかります。
 したがって、私は、先ほど答弁も申し上げましたけれども、四日になるか五日になるかわかりませんけれども、知事の一番いい日と時間に最優先して私もお会いしたいと思いますから、どうぞ御連絡くださいというふうには申し上げてあるわけですけれども、誠意を持って話し合いをして、そして沖縄県民の期待にもこたえるし、同時に日本全体の安全についても、お互いに理解のできるような話をしっかりやって何とか解決をしたいというふうに思っていることについては御理解を賜りたいと思います。
○古堅委員 総理が向かっている方向が間違っていませんか。知事にお会いするその目的が、署名してもらおうという、こういう立場からのものであることは経緯に照らして余りにも明らかであります。
 向かうべき方向は、アメリカに向かって、県民が要求している基地を思い切って安保を見直して返してあげようじゃないか、このように説得すべき、そういう方向にあるんじゃないですか。県民がそれを求めている、国民がそれを願っている。そういう立場を踏まえて基地の整理縮小を思い切って促進する、それこそが今求められている大事なことだと考えますが、いかがですか。
○河野国務大臣 ことしの一月、村山・クリントン会談におきまして、村山総理から沖縄のいわゆる三事案について問題提起をされて、両首脳が合意をされ、この三事案は今具体化のために現実的な努力が行われているわけでございます。
 残念ながらまだ完全にでき上がっていないわけでございますけれども、この三事案が処理されれば、それは読谷における基地は縮小されるわけでありますし、また那覇港におきます軍港も整理されて、その面積でいえばおよそ六〇%、つまり四〇%程度の広さのものは縮小されるということになるわけです。
 総理は、そうした具体的な提案をアメリカに対してぶつけて、そうした問題の処理のために全力を挙げておられるわけで、こうした問題を一つ一つ着実に処理をしていくことによって、結果として沖縄におきます基地は縮小の方向に進んでいるということは明らかな事実だと思います。
○古堅委員 三事案の一つの那覇軍港の返還の問題、今そのような言い方をされましたが、お隣の浦添に新たな基地をつくって提供するというものでしかありません。
 なぜ軍港としての面積が小さくなるかといえば、今は那覇軍港から浦添にある倉庫地帯まで運ぶなどという、そのためにバースがかなり面積が必要となる。しかし、今度新しくつくろうとしているところはその倉庫地帯に直結されます。ですから、このバースに等しいそういう面積が何も必要ありません。ですから、この減るということをもって県民の願いにこたえるかのごとく言おうとしているのは、これは全くのごまかしです。一層の基地の整理統合という名におけるところの強化策でしかないことが明確です。
 この三事案を含めて、今いろいろと言われている整理統合などとかいうものが実際に進んだにしても、専用基地七五%から、せいぜい一、二%減って七三%程度にとどまるというものでしかないのじゃないかということが明らかにされているだけに、沖縄におけるところのマスコミなども、「新鮮味のない政府提案」「サビ付の返還要求を新規としている」などと批判しているぐらいです。これはもう当然だと申せましょう。移設条件つき、そういう返還のあり方などというものを要求している。全面無条件返還、そのような立場で交渉をし直すべきではありませんか。
○河野国務大臣 移設につきましては、例えば那覇港にいたしましても、沖縄の発展のために重要な場所と言われるこの部分から浦添に移設をさせていただいて、その重要な発展に寄与するというスペースを新たにつくるという可能性は十分にあるわけです。そして、先ほど来申し上げておりますが、それは議員が御説明になったことも私はよく理解いたしますけれども、結果としてこの浦添への移転によって基地の面積が四〇%少なくなるという事実は事実としてお認めをいただかなければならないと思います。
 そして、移設につきましては、地元の皆様方がより重要だと思われる場所を動かしてほしいという御希望に沿って考えているという点、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○古堅委員 政府が提起している移設条件つきの那覇軍港の返還問題、それにかかわりを持たされた浦添市は、市長を初め市議会はもちろん、市民も挙げてそれに大反対しています。県内における各党派もみんな、そういうことが那覇軍港の返還というふうな形で進めさせてはならぬ、このようにみんな反対しておるのですよ。それでもなお、四〇%ぐらい縮小される云々してこれをずっと押しつけよう、そういうお考えですか。
○河野国務大臣 この問題は、長い歴史と経緯があるということは議員も十分御承知だと思います。長い経緯、そしてここに至りますまでにはさまざまな話し合いがなされてこういう状況になっているのであって、何か問答無用で押しつけると言わんばかりのことではないというふうに私は承知いたしております。
○古堅委員 押しつけるつもりということでないというのであれば、提起しているものを撤回して、県民が強く望んでいるとおりに無条件の那覇軍港の返還、そのためにアメリカを説得し、県民の願いにこたえるべきです。
 基地の整理縮小にかかわっていろいろと言われますけれども、県民が願っている返還、それを政府がどのように対米交渉を進めて実現していくか、そこにポイントを置くのが大事だというふうに考えています。
 そういう立場から、宜野湾市議会では去る九月に、自民党を含めた全会派一致で、あの普天間飛行場、普天間基地を返還しろという強い決議を行い、政府への要請を近く行う、そういう段取りにあります。
 この普天間基地は米海兵隊の航空隊が駐留する基地で、宜野湾市のど真ん中にあります。宜野湾市の三分の一の面積をこれが占拠しているわけで、市の経済の発展の阻害になっていることは申すまでもありません。子供たちの教育その他市民の生活に大変な被害をもたらし続けていることも申すまでもないことです。この普天間基地、県民、市民の切実な要求にこたえて、アメリカと交渉し返還にこぎつけよう、そのような立場で提起されるおつもりはありませんか。
○河野国務大臣 基地の整理統合問題は、日米安保体制のもとで、日米安保の目的を達成するという点にやはりひとつポイントを置かなければなりません。と同時に、今議員も御指摘になりましたように、地元の市民の皆さんの気持ちというものをできる限り尊重をするということが重要であろうと思います。私は、この二つの命題を何としても調和させたい、こう願ってこれまでもいろいろとやってまいりました。今議員のお尋ねにつきましてもよく承らせていただいて、考えさせていただきたいと思っております。
○古堅委員 外務大臣は考えさせていただきたい、そうおっしゃいました。
 総理、県民の切実な要求、今申し上げたようにひどい基地の一つです。一事例として今申し上げているわけで、この宜野湾市の要請は普天間基地の全面返還であります。総理がそのことを真摯に受けとめて検討されるということがお約束できますか。
○村山内閣総理大臣 今お話もございましたこの普天間飛行場の全部返還については、沖縄県知事を初め地元から強い要望があって、日米合同委員会にも問題として提起をされて、今検討中の課題になっておるということは承知をいたしております。
 しかし、なかなか難しい事情もあって、右から左にすぐ解決できる問題ではないということも御案内のとおりであります。したがって、外務大臣からも答弁がございましたように、いろいろな機会を通じて、沖縄県民の期待と要望が実現できるように、これからも精いっぱい努力をしていかなければならぬというふうに思っております。
○古堅委員 総理にもう一度念を押してお尋ねします。
 普天間基地の一部返還の問題ではなしに、全面返還についてこれから検討の課題にするというお約束ができますか。総理のお答えをいただきたい。
○河野国務大臣 今担当しておりますので、申しわけありませんが私から御答弁申し上げたいと思います。
 地元の御要望というものは十分承らせていただくと同時に、先ほど来申し上げておりますように、我が国の安全というものにも思いをいたさなければなりません。しかし、地元の皆さんのお気持ちというものをでき得る限りしっかりと伺っていきたい、こう考えております。
○古堅委員 総理はお答えなさいますか。
○村山内閣総理大臣 今答弁しましたように、これは日米合同委員会で検討する課題になっておるわけですから、引き続き我々はその検討を精力的にやっていきたいというふうに申し上げておるところです。
○古堅委員 時間が参りましたから終わりますが、この沖縄県民の基地あるがゆえにという立場を踏まえて、基地の思い切った返還、本当に基地からの被害のない沖縄を取り返してほしいという願いを込めて今立ち上がっているわけです。大田知事の署名拒否というのもそういう願いに支えられています。これまで長い間苦労してこられた反戦地主の方々も、例えば伊江島の阿波板昌鴻さんは、今回の県民大会の盛り上がりを見て沖縄県民の心は生きていた、このように感動しな言葉を寄せておられます。
 こういう県民の願いにこたえて、内閣の命運をかける問題になっているというのであれば、大田知事に署名を迫るなどとかいう方向に向けるんではなしに、県民のこういう切実な願いにこたえてアメリカに向かって内閣の命運をかけるだけのことをしていただきたい、こんなふうに思います。
 総理、最後にお答えください。総理、お願いします。
○上原委員長 村山内閣総理大臣、簡潔にお願いします。
○村山内閣総理大臣 何も知事と会うのに、知事に代行を迫るなんということは一言も私は言っていませんよ。誠意を持ってお互いに話をするつもりです、こう言っているんですよ。それをあなたは断定して、向かう方向が違うんじゃないかと勝手にあなたがおっしゃっているだけの話であって、そんなことは私は一言もいっていません。
 今お話がございましたように、それはもう沖縄県民の心を心として、これからも全力を挙げて取り組むということを申し上げておきたいと思います。
○古堅委員 国民を欺くような方法は断固として許さぬ、そういう立場を表明して、終わります。
○上原委員長 これにて古堅君の質疑は終了いたしました。
 次に、海江田万里君。
○海江田委員 今の沖縄の問題を聞いておりまして、総理、ことしは戦後五十年の一つの区切りの年であるという認識、これはもうずっと去年からお持ちになっていたと思うんですけれども、ただ、戦後五十年の問題で、実は沖縄の問題が案外抜け落ちていたんじゃないだろうかと。
 実は戦後五十年の問題というのは、本当でしたら沖縄の問題がかなり大きなウエートを占めていたにもかかわらず、中国との問題とか韓国の問題とかあるいはアジアの問題とか、そういうことの方に頭がいって、肝心かなめの沖縄の問題がどうも抜け落ちていたんじゃないだろうか、それが少女暴行の事件が起きてから慌てて気がついたんじゃないだろうか、こういう気がするのですが、これについてはいかがですか、率直に。
○村山内閣総理大臣 ことしの一月の日米首脳会談で、先ほど来議論がありますように、那覇軍港の問題とか三事案について私の方から提起をして、何とか沖縄の皆さんの期待にこたえて解決をしたいということも申し上げておりますから、私はそれなりの努力はしてきていると思いますけれども、しかし、今あの少女暴行事件があって、これだけ沖縄県民の声が強く反映されておることを考えてみた場合に、まだまだ努力の足りなかった点があるなということは率直に反省しなければならぬというふうに思っています。
○海江田委員 これは私自身もそういうところがありますのでお尋ねをしたわけですが、やはりそういう嫌いがあったということは、これは否めない事実だろうと思います。うなずいていただいたので、そういうように理解をします。
 さて大蔵大臣、この不良債権の処理あるいは金融機関の破綻の問題で、もうずっと大蔵大臣はこの委員会でもあるいは記者会見でも、とにかく山は越したんだ、この金融機関の破綻の問題、特に一兆円を超えるような大きな破綻というものはもうこれからないということをおっしゃいましたけれども、これからというのは、未来永劫と言っては大げさですけれども、五年、十年ぐらいはないよという話なのか、それとも少なくとも自分の大蔵大臣在任中はないということなのか、どちらでしょうか。
○武村国務大臣 私は、兵庫銀行と木津信という大変大きな預金高を持つ二つの金融機関が破綻をしたときに、昨年来二つの信用組合、そしてコスモとこう来ていますから、これじゃこの後続々とそういうことが起こるんじゃないかという不安を国民全体も抱く、内外にもそういう不安を与えるということもあります。ですから、パフォーマンスで言ったわけじゃありません。いろいろ状況を勉強しながら、当分はこういう大きな個別金融機関の破綻はないと思う、こう申し上げたわけです。
 その当分というのはどのくらいかということですが、私は、厳密に何カ月とか何年ということを意識したわけではありません。私が大体何年、何カ月、何日あともつか、これははっきりしていませんけれども、そういう意味ではありませんが、ここ一、二年の間というぐらいのつもりで申し上げた。続々起こるだろうという不安に対してそうお答えしたというふうに御理解いただきたいし、したがって、一兆円オーダーと言っていますように、信用組合等で全くない、もう民間金融機関一切ないという意味ではありません。
○海江田委員 先ほど五十嵐委員の質問でも出ましたけれども、今銀行が大変業務純益が上がっているということで、その業務純益で不良債権の処理をしておるということはわかるのですけれども、この業務純益を上げて不良債権の処理をやっていくということだけで果たしていいのだろうかということです。業務純益が上がっていく原因というのは、これはもう言うまでもなく史上空前の超低金利ですから。しかも史上空前の超低金利ということは、やはりこれは一般の預金者が、とりわけ年金生活者なんかが犠牲を強いられていることは事実なわけですね。
 ですから、私は、やはり銀行の業務純益、もちろんこれは上げなければいけない。ただ、その業務純益を上げる方向性というのは、やはりリストラなんかをやって業務純益を上げてもらわなければいけませんし、それから業務純益を上げるだけじゃなくて、銀行の自己資本の比率を高めていく。自己資本というのは要するに基礎体力なわけですから、この銀行の自己資本を拡充をするという意味から、もっといろいろな方法が考えられるのじゃないだろうか。
 例えば劣後債でありますとか劣後ローンでありますとか、これは今、それこそジャパン・プレミアムもついているような状況でなかなか難しいのですけれども、最近注目をされておりますのが優先株ということで、これは日銀総裁なんかも九月の二十五日ですか、経済界の方との懇談の中で、これから優先株の活用についてもっと検討が行われてもいいという発言があるわけですね。
 優先株というのは、ちなみに、議決権なんかはないわけですけれども、ただそのかわり、一たん企業が解散をしたりしたときに優先的に資産の確保ができるということで優先株というわけですけれども、そういう優先株について大蔵省はどういうふうにお考えになっているかということをお聞かせください。
○西村政府委員 御指摘のように、一般論として申し上げれば、金融機関経営の健全性の観点から、自己資本の充実ということは大変重要なことでございます。特に欧米におきましては、いわゆるバーゼル合意に見られるように、金融機関の信頼性の裏づけというのは自己資本だという考え方が我が国に比べて重視される傾向がございます。
 御指摘の優先株という問題でございますが、優先株の活用につきましては、アメリカの大恐慌期のRFC、復興金融公社において優先株が活用されたということの例を挙げて雑誌等においても御議論のあることは承知しておりますが、しかし、現実的な課題として考えますと、どのようにして消化するのか等大変に難しい問題もあろうかと考えております。
○海江田委員 どのように消化をするかということになってくると、もちろんこれはRFCにかわるようなものをつくって、そしてそこが買い取りをやって、それに対してその資金はやはり公的な資金でもって政府保証債を出してというのが、これが筋書きなわけですよね。それが無理だということですか。
○西村政府委員 ということになりますと、結局いわゆる公的資金の導入ということをどう考えるかという課題になってくるわけでございます。いかなる形であれ、公的資金の導入という納税者の負担を求めることにつきましては慎重な検討が必要でありまして、大蔵省といたしましては、金融システム内の最大限の対応や各方面における御議論を踏まえつつ、公的な関与のあり方について検討を進めておりますということでございます。
○海江田委員 もうその議論は、それこそこの予算委員会が始まってから全く足踏み状況なのですよね。(発言する者あり)ええ、そうなんですね。だから、もうそろそろそういう議論に、せっかく予算委員会をやっているんですから、きょうは集中審議なんですから、その議論が予算委員会のスタートのときと全く同じしゃ、国会は何のためにあるのか、予算委員会そのものの意味が本当はなくなっちゃうんですね、これは。そういうことがありますので、ぜひ今のこと、言ったっていいんですよ、言えるはずじゃないですかね。まあいいです。じゃ、今度それは大蔵委員会も含めて、そういう議論は本当にやらなきゃいけないと思いますのでね。
 それから、総理、一つだけぜひこれは御理解をいただきたいわけですけれども、実は銀行の問題というのは、日本人は非常にお金を、個人の金融資産なんかありますと、すぐ銀行や郵便局にお金を持っていっちゃうんですよ。恐らく総理も、個人の金融資産の内訳は銀行か郵便局だろうと思いますけれども、全体で、たしか六〇%を超えて六二%が預貯金になっている、個人の金融資産の。金融資産というのは、個人の金融資産が一千兆あるといって全体の七二、三%あるわけですから、法人なんかが持っているのと比べて。そのほとんどの部分が、六二%がやはりこれは預貯金にいってしまって、株式や国債などの有価証券が一二・九%ということで、アメリカなんかは預貯金が二〇%、株式などの有価証券が三二%、ドイツでも預貯金は四四%、有価証券は二七%ということになっているんですよ。
 ここのバランスを本当は変えていかないと、それこそさっきの政府保証債にしろ、それから細かくは触れなかったですけれども劣後債にしろ、そういう債券を一体どこが引き受けをするのか、最終的にということで、このマーケットの部分が機能していかなくなるんですね。
 ですから、そういう意味では預貯金だけにどうしてもいかざるを得ない状況がある。それは例えば株式の市場あるいは有価証券の市場というものが未成熟でありますから、私はやはりここのところにかなり力を入れて、市場をクリーンにして、そして市場をしっかりさせたものにするということが、実はさっきもお話をしましたけれども、銀行の基礎体力をきちっとしたものにする上で非常に重要だという認識を持っておるんですね。
 総理は、その点、私の話を聞きましてどういうふうにお考えか。そのあたりの問題意識を持っていただくと、かなりこの事態の解決に向かって総理の指導力が発揮できると思うんですが、いかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 ごもっともな意見だと思いますが、一般の庶民の暮らしというものを見ていますと、やはり預金や貯金に集中して、もうそれは銀行というものに対する、あるいは金融機関に対する信頼というのは絶対なものですから、これは間違いない、こういうふうに思っておったと思うんですね。
 ところが、最近になって、やはりこれではいかぬなという気持ちになっておると思いますし、それだけに金融機関のディスクロージャーというのが問題になっておるわけですから、もう少し公開してもらうということも大事だし、同時に、蓄財というのは、単に銀行や郵便局に預貯金をするというだけではなくて、それは株式もありますし、証券市場もありますし、そういうものに対する国民的な理解というものがもう少し高まっていって、全体として国民が活用できるものにしていくということは、そういう市場を活性化する意味では大変大きな力になるし、大事なことだというふうに私は思っています。
○海江田委員 わかりました。では、理解を高める努力をお願いします。
 以上です。
○上原委員長 午前中の労働大臣の件に関して、村山総理大臣から御発言がありますので、これを許します。村山内閣総理大臣。
○村山内閣総理大臣 午前中の伊藤委員の質問に対する私の答えの中で、ちょっと訂正するところがあるわけです。
 東海科学専門学校は文部省に正式に認められていない、いわゆる各種学校のようなものというふうに申し上げましたけれども、それはそうでなくて、この東海科学専門学校というのは文部省の認定を受けておる学校である。ただ、その夜間部がまだ認定を受けていなかったというので、これは夜間部の間違いですから、訂正をしておきます。
○上原委員長 これにて海江田万里君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして金融・外交等についての集中審議は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十九分散会