第136回国会 厚生委員会 第33号
平成八年八月八日(木曜日)
    午前十一時五十一分開議
出席委員
  委員長 和田 貞夫君
   理事 衛藤 晟一君 理事 木村 義雄君
   理事 鈴木 俊一君 理事 青山 二三君
   理事 石田 祝稔君 理事 柳田  稔君
   理事 横光 克彦君 理事 荒井  聰君
      伊吹 文明君    稲垣 実男君
      熊代 昭彦君    近藤 鉄雄君
      自見庄三郎君    高橋 辰夫君
      竹内 黎一君    戸井田三郎君
      長勢 甚遠君    根本  匠君
      蓮実  進君    堀之内久男君
      持永 和見君    保岡 興治君
      粟屋 敏信君    大野由利子君
      鴨下 一郎君    北側 一雄君
      北村 直人君    高市 早苗君
      西村 眞悟君    桝屋 敬悟君
      山本 孝史君    五島 正規君
      森井 忠良君    枝野 幸男君
      岩佐 恵美君    土肥 隆一君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 菅  直人君
 委員外の出席者
        文部省体育局学
        校健康教育課長 北見 耕一君
        厚生省健康政策
        局長      谷  修一君
        厚生省保健医療
        局長      小林 秀資君
        厚生省生活衛生
        局長      小野 昭雄君
        農林水産省畜産
        局食肉鶏卵課長 梅津 準士君
        農林水産省畜産
        局衛生課長   青沼 明徳君
        農林水産省食品
        流通局企業振興
        課長      吉岡 伸彦君
        農林水産省食品
        流通局野菜流通
        課長      山野 昭二君
        中小企業庁計画
        部金融課長   寺坂 信昭君
        労働省労働基準
        局監督課長   青木  豊君
        厚生委員会調査
        室長      市川  喬君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月八日
 辞任         補欠選任
  田中眞紀子君     蓮実  進君
  山下 徳夫君     自見庄三郎君
  赤松 正雄君     北側 一雄君
  久保 哲司君     西村 眞悟君
同日
 辞任         補欠選任
  自見庄三郎君     山下 徳夫君
  蓮実  進君     田中眞紀子君
  北側 一雄君     赤松 正雄君
  西村 眞悟君     久保 哲司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 厚生関係の基本施策に関する件(病原性大腸菌
  O−157問題)
     ――――◇―――――
○和田委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ちまして、病原性大腸菌O157に感染し亡くなられた方々の御冥福を祈り、謹んで黙祷をささげたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 御起立をお願いいたします。――黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
○和田委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
     ――――◇―――――
○和田委員長 厚生関係の基本施策に関する件、特に病原性大腸菌O−157問題について調査庁進めます。
 菅厚生大臣より報告を聴取いたします。菅厚生大臣。
○菅国務大臣 病原性大腸菌O157による食中毒への対応について御説明を申し上げます。
 O157による食中毒の状況は、八月七日現在、全国で有症者の累計が九千三百五名、死者七名、入院中四百十二名となっております。堺市においては、有症者の累計が六千五百六十名、死者一名、入院中百五十六名、このうち重症者は十二名であり、うち重体者が九名となっております。
 全国、堺市とも、入院患者については緩やかに減少してきておりますが、二次感染の心配など、依然予断を許さない状況にあります。
 一昨日、橋本総理大臣、渡辺官房副長官と御一緒に堺市に行ってまいりましたが、堺市を初め全国で依然としてO157の問題が市民生活に大美な影響を与えており、引き続き全力を挙げて取り組んでいかなければならない状況にあります。
 厚生省におきましては、五月の岡山県での発生以来、関係機関と連携を図りながら諸対策を推准してきております。
 堺市の集団発生については、七月十三日に厚生省に対し報告があり、翌日、担当者を派遣するとともに、文部大臣に続き十六日には私も現地を詰れ、同日付で厚生省に病原性大腸菌O−157計策本部を設置いたしました。また、翌十七日には、堺市、大阪府、厚生省から成る連絡会議を設置し、三者の連携のもとに徹底した原因究明に取り組んできたところであります。
 政府としましても、七月三十一日に病原性大腸菌O−157対策関係閣僚会議を開催し、食中毒のピークである八月を控えて、病原性大腸菌O−157緊急行動計画を取りまとめたところであります。前後しますが、七月十六日に、政府としては官房副長官のもとに対策推進会議もその閣僚会議の前段階として設置したことを申し添えておきます。厚生省としましては、現在、緊急行動計画に基づき、関係機関との連携のもとに全力を挙げて緊急対策に取り組んでおります。
 厚生省としての取り組みの概要については、お手元の資料の中にあります緊急行動計画に載せさせていただいております。
 このうち、O157による感染症の治療法については、八月二日に、現時点までの知見と我が国のこれまでの症例経験を踏まえ、治療法の現状と留意点をまとめた一次、二次医療機関向けの治療マニュアルを作成し、同日、私と日本医師会会長の連名の文書を添えて、都道府県、医師会等を通じて医療機関に配付したところであります。厚生省では、このマニュアルをインターネットのホームページ上でも公開し、だれでも閲覧できるようにしているところであります。
 また、二次感染の防止に関連しては、一昨日、O157を含む腸管出血性大腸菌感染症を伝染病予防法に基づく指定伝染病に指定いたしました。指定に当たっては、公衆衛生審議会伝染病予防部会の意見を踏まえ、人権に配慮し、隔離等の措置は適用せず、感染源となるおそれのある方への検便の実施、患者または保菌者が飲食物に直接触れる業務に従事することの制限等の予防措置に限定して適用したところであります。
 予防措置の運用に当たっても、患者や保菌者の人権やプライバシーに対し十分配慮することとしており、この点については、全国保健医療関係主管課長緊急対策会議を開催し、協力を要請したところであります。
 厚生省としましては、国民の皆様にO157に対する正しい知識をお持ちいただき、いたずらに不安を抱かれたり、患者や保菌者であることを理由にいじめや不当な扱いを受けるようなことにならないよう、各方面の御理解と御協力が得られるよう努めているところであります。
 今回の食中毒に伴い、飲食店等を含めた環境衛生関係営業者の中には、売り上げの減少により経営の安定に支障が生じるところも出てきていると聞いております。
 このため、各都道府県の環境衛生営業指導センターにO−157関係相談窓口を設置し、経営相談や環境衛生金融公庫等の融資相談に応じることとしております。
 また、環境衛生金融公庫においては、堺市にO−157対策特別相談窓口を設置し、食中毒により影響を受けた飲食店等からの融資相談に積極的に応じるとともに、既存の債務の返済条件の変更についても弾力的に対応するなど、迅速な対応を行うこととしております。
 今後、環境衛生営業者の経営の実態を踏まえ、適切な金融措置について、関係各省と調整を図り
 つつ検討することとしております。
 今回の一連の食中毒の原因究明につきましては、現在、徹底的に調査を続けているところでありますが、このうち、堺市の食中毒の原因究明調査の状況については、お手元の資料の中にあります、十一ページでありますが、「堺市学童集団下痢症の原因究明の中間報告について」に基づいて御報告をいたします。
 堺市における食中毒の学童患者数の累計は、八月六日現在で六千三百九名、うち入院患者の累計は九百九十五名となっておりますが、この原因については喫食者調査等各種調査を行ってまいりました。
 まず、今回の食中毒の有症者の状況を見ますと、学童の地区別平均発症率は、中地区が一八・三%、南地区が二七・〇%、北地区が一〇・六%、東地区が一二・七%となっておりますが、堺地区は〇・二%、西地区は〇・五%となっており、この二つの地区が有症者の発生が極めて少ないという特徴があります。
 この各地区における有症者の発生状況の違いは、堺市が各地区で個別メニューを給食において決めているというところに原因があるものと考えられます。堺市では、堺地区と西地区で共通のメニューを採用しており、同じく北地区と東地区、また中地区と南地区でそれぞれ共通のメニューを採用しております。
 食中毒発生の直接の原因については、水道または学校給食が疑われるところでありますが、水道については、府営水道が府下の他市と同様に全市に供給されていること、受水槽の設置されているところについてはO157が検出されていないこと、直接給水の学校にあっては残留塩素濃度が基準値を上回っていること等から原因とは考えがたいところであります。
 一方、学校給食が共通のメニューとなっている地域ごとに有症者の発生状況に特徴があることから、学校給食に起因する食中毒と考えられるところであります。原因食を喫食したと思われる日について、入院患者等の学校への出欠状況、校外学習の実施状況、つまり校外学習というのは学校で給食を食べていないという日に当たるわけであります。こういった実施状況等から見て、中・南地区では九日、北・東地区では八日の食べ物が原因である可能性が高いと考えられます。
 中・南地区の九日のメニューは、パン、牛乳、冷やしうどん及びウインナーソテーであり、加熱されない食材は焼きかまぼこ、キュウリ、カイワレ大根でありました。このカイワレ大根は冷やしうどんの中に入っておりました。一方、北・東地区の八日のメニューは、パン、牛乳、鳥肉とレタスの甘酢あえ及びはるさめスープであり、加熱されない食材はレタス及びカイワレ大根であります。このカイワレ大根は、鳥肉とレタスの甘酢あえというメニューに入っておりました。
 このため、パン、牛乳のほか、カイワレ大根が共通食材となりますが、牛乳については殺菌されているほか、牛乳とパンについては複数の施設から納入されており、発生校と非発生校の分布が納入元の分布と合致しないことから、原因食材とは考えがたいところであります。
 一方、カイワレ大根については、八日、九日及び十日には、同一生産施設で生産されたものが納入されていることが確認されております。そこで、当該生産施設に立ち入り、カイワレ大根、井戸水、種、排水等十四検体を検査しましたが、O157は検出されませんでした。
 しかしながら、堺市とほぼ同じころ、七月十二日ごろですが、同じころに発生した大阪府の羽曳野市の老人ホームでの食中毒事例で、患者の便からO157が検出されたものについては、七月九日の昼食のメニューにカイワレ菜サラダがあり、調査の結果、堺市と同じ生産者が七月八日にカイワレ大根を卸業者を通じて提供したことが確認されております。さらに、昨日夕方には、大阪市より、同市東住吉区の保育園で発生したO157による食中毒事例においても、堺市と同じ生産者が製造したカイワレ大根を七月七日と十一日の給食に使用していたことが判明したとの報告を受けたところであります。
 また、患者から分離されたO157のDNAパターンを解析した結果、堺市の二十株と羽曳野市の老人ホーム六株のDNAパターンが一致しており、両者の菌がサブグループの分類レベルでも同一のものである可能性が非常に高いという結論を得ております。また、東住吉区の保育園の事例についても、DNAパターンの解析を行うよう指示しているところであります。
 失礼しました。ちょっと日にちを一カ所だけ変更させていただきます。
 昨日夕方の報告の中をもう一度ちょっと重ねて申し上げますと、昨日夕方には、大阪市より、同市東住吉区の保育園で発生したO157による食中毒事例におきましても、堺市と同じ生産者が製造したカイワレ大根を、七月の七日と申し上げましたが、七月の四日と十一日の給食に使用していたことが判明したとの報告を受けました。日にちをちょっと間違えましたので、訂正いたします。
 もとに戻りまして、東住吉区の保育園の事例につきましても、DNAパターンの解析を行うよう指示しているところであります。
 菌が同一ということをもって直ちに原因食材も同一であるということは断定できませんが、以上のような疫学的な調査結果も含め総合的に勘案すれば、カイワレ大根が原因食材である可能性も否定できないと考えられます。
 今後、原因食材としての可能性が否定できなかったこのカイワレを含む食材について、生産施設の環境調査、汚染源の可能性のある水系等の調査、流通経路をたどった調査のほか、他の散発事例における食材調査の徹底等を通じて、食品衛生法及び伝染病予防法に基づき引き続き原因究明に努力をする考えであります。
 厚生省といたしましては、O157による被害の拡大と発生の予防に今後とも全力を挙げて取り組んでいく所存でありますので、よろしくお願いを申し上げます。
 以上、御報告いたします。
○和田委員長 以上で報告は終わりました。
    ―――――――――――――
○和田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。自見庄三郎君。
○自見委員 自由民主党の自見庄三郎でございます。
 病原性大腸菌O157のことにつきまして質問をさせていただきます。
 まず、この委員会の冒頭に、今回の一連の食中毒で亡くなられた方に対しまして黙祷をささげたわけでございますけれども、改めましてこの場で、一連の食中毒で亡くなられた方々に心からの哀悼の意を表させていただきたいと同時に、今まさに食中毒でお悲しみの家族あるいは患者さんの方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い御回復をお祈りをさせていただきます。
 さて、今厚生大臣から病原性大腸菌O157についてるる説明、あるいは経過の説明、あるいはきのう出ました中間報告の内容についても御説明があったわけでございます。もう新聞、テレビで大変報道がございますから国民の方々もよく御存じでございますが、大腸菌というのは、我々の便の中の大体三分の一は大腸菌でございまして、人類は発生以来、大腸菌と共生をしてきたわけでございます。
 御存じのように、大腸菌も我々人間にとりまして大変有意義なことをしていただいております。九州大学の沢江教授によりますと、我々、常在的に大腸の中に大腸菌を持っておりますから、ビタミンB1をつくっていただける、あるいはコレステロールを下げていただく、あるいは、がんが出します毒素がございますが、そういったものを吸収していただける、こういった人間にとってもメリットが実は大腸菌というのはあるわけでございます。哺乳動物と申しますか、牛とかそういった長い腸を持つ動物もいるわけでございますが、これが大体人間にとって言うなれば善玉の大腸菌です。
 御存じのように、一九八二年、アメリカにおいてハンバーガーを原因とする集団下痢症が発生をし、これはどうも通常の善玉の大腸菌ではない、非常に人間に重症のまさに出血性の大腸炎を起こすということが発見をされまして、これが病原性大腸菌O157、こういうふうに命名をされて約十五年たつわけでございます。また、O157以外にも若干の病原性大腸菌が同様の症状を起こすということが発見されておるようでございます。
 一九八二年にアメリカのハンバーガーで最初にこういった病原性大腸菌O157が発見をされまして、その後日本では、一九九〇年、埼玉県の浦和市の幼稚園で、井戸水によりまして死者二名、二百六十八名の集団発生というのがあったわけでございますし、昨年平成七年までは十件の集団食中毒が起こっているというふうに私は報告をいただいておりますが、そのうち三名の方が亡くなられたということでございます。ことしになりましても、今厚生大臣の御発表にもございましたように、五月二十八日に岡山県の邑久町で集団食中毒が発生をし、そして、今御報告がございましたように、堺市で六千人を超える集団食中毒が発生した、一気に大変大きな社会的問題になってきたわけでございます。
 そこで、まず質問でございますが、病原性大腸菌O157による食中毒が全国的に広がっております。今厚生大臣から簡潔に発生状況の説明はあったわけでございますが、今回の発生状況の特徴は何かということをまずお答えいただければと思います。
○小野説明員 先生御指摘のように、大変な患者数が、大変な有症者数が発生をしておりますし、現在もまだ入院されていらっしゃる方がいらっしゃるわけでございます。
 今回の一連の食中毒の特徴は何かという御指摘でございますが、私どもといたしましては、二点ほど特徴があるだろうというふうに考えております。
 第一点は、五月二十八日の岡山県邑久町におきます集団発生を初めといたしまして、岐阜市、広島県東城町といったところで患者数が百名を超える集団発生が相次いでいるわけでございますし、さらに堺市では、お話にもございましたように、六千名を超える大規模発生があるという点が第一点でございます。
 第二点目は、その広がりでございますが、現在のところ、一都一道二府四十一県にわたっておりまして、同時期に広範囲に患者が発生しているということが特徴の第二点であろうかというふうに思っております。
○自見委員 ことしのこの病原性大腸菌O157による食中毒が、広範囲に大量に患者さんが発生しているということでございました。現状認識はそういったことだろうと思うわけでございます。
 今厚生大臣から話があったけれども、原因の究明、これはもう病原菌としてはO157というのがきちっと確定をいたしておるわけでございますが、その感染経路といいますか伝染経路といいますか、そういったことをきちっと解明しなければ、伝染経路を断つ、あるいは感染経路を断つということが疾病の予防の大原則でございますから、どういつだ原因で、どういつだ経路で、実は堺市の事例、大変な、六千人を超す大量の患者さんが発生をしたわけでございますから、そのことが大変大事でございます。
 今厚生大臣の説明の中にも、堺市の中・南地区、北・東地区、堺・西地区、三地区で非常に発生状況の差があるという話があったわけでございます。具体的な数字を挙げますが、中・南地区では二三・七%、北・東地区では一一・四%、堺・西地区では〇・三%でございます。今の厚生大臣の説明の中で、共通の食材として、牛乳、パンでございましたか、それからカイワレ大根、こういう話があったわけでございます。カイワレ大根につきましては詳細な説明があったわけでございますが、同一の生産者からのカイワレ大根だという話もあったわけでございます。
 一点、質問でございますが、堺・西地区では〇・三%ということでございます。ちょっと専門的になりますが、これは質問を提出しておりませんが、ここは同一生産者からによるカイワレ大根を給食として使ってなかったのかどうかということを一点お聞きしたいと思います。
○小野説明員 堺・西地区のメニューの中に使われていたかどうかという御質問でございますが、私ども、メニューを細かく点検いたしましたところ、堺・西地区におきましては、七月一日から十一日までの間にはカイワレ大根は使用されていないということでございます。
○自見委員 そうしますと、これは基本的に疫学という分野だと思うのですが、マックメーン教授の本によりますと、病気の分布とその規定因子を研究する学問であるということでございます。広い意味では疫学的調査をやっておられるわけでございます。
 そうなりますと、堺・西地区、私もさっき厚生大臣からお話を聞いたわけでございますが、私のお聞きしておる話によりますと、中・南地区、北・東地区、高頻度に食中毒が発生した地域では同一生産者がつくったカイワレ大根を使っているけれども、その堺・西地区、非常に食中毒の発生頻度が低い地域では、カイワレ大根は使っているのだけれども、その生産者が違うというふうに言うのですね。私、きょう急なことでございましたのでお聞きをしたわけでございますが、それでよろしゅうございますか。
○小野説明員 先ほどの答弁で漏れました点でございますが、一日から十一日まで、カイワレ大根を使ったメニューはございますが、その当該生産施設のカイワレ大根ではなくて、別の生産施設から搬入されたカイワレ大根でございます。
○自見委員 今、はっきり厚生大臣も断定されませんでした。病気の原因と結果というのは大変難しい因果関係を含む理論があるわけでございますが、直接的因果関係あるいは間接的因果関係あるいは因果関係の傍証ということがいろいろあるわけですね、学問的には。その中で、まだ今きちっと特定の生産業者の生産したカイワレ大根の中からO157そのものが発見をされていないから、直接的因果関係というのは、これはないということを、今の時点ではないということを厚生大臣が言われた、私はこう思うわけですね。
 その中で、私は特に、きのう新聞、テレビを見ておりましても、特定の、しかし完全には否定できないという話でございます。まさに今の段階では、少なくとも学問的にはそういう段階だろうと思うわけでございますが、しかし、政治的、社会的にはまた別の判断をある意味ではしてもいいというのは、当然衛生行政の基本だろう、私はこう思うわけでございます。
 その中で、きのうの中間発表を見ますと、この発表の中にもございますが、同一生産施設で生産された、八日、九日、十日のカイワレ大根について確認された。また、今厚生大臣から、昨日でございますか、東住吉の保育園で、七月四日と七月十一日ですか、これはやはりこの同一生産者が生産したカイワレ大根を食している、そこから集団発生があるという話があったわけですね。
 そういった中でございますが、直接的因果関係と申しますか、それには、カイワレ大根あるいはその周辺からきちっと因果関係を証明するようなO157が検出をされることが必要でございまして、それを今鋭意やっている、こういう話なんですね。
 そうなりますと、これは一般にもうカイワレ大根はすべて食中毒の原因になるのだという印象を与えがちなんですね。今回の問題、これは疾病の予防でございますから、当然、疾病がどういう性質のものである、伝染経路はどういうものである、これを冷静にきちっと判断をし、こういう疾患はこういうものだよということを、なかなか一般国民にはわかりにくい話でございますが、その辺をきちっと周知徹底するのが、今厚生大臣の報告にもございました、いたずらに何か恐怖心をあおるのでなくて、きちっとこういうことをすれば予防できるのだ、こういう疾患であればこうやっていく、やはりある程度正確にきちっと厚生省は発信をする必要がある、こう私は思うわけでございます。カイワレ大根がもうすべてO157の原因であるというやの印象を受ける国民も多いと思うわけでございますから、その点につきましてひとつ、これは基本でございますけれども、もう一度御答弁をいただければ、こういうふうに思うわけでございます。
○小野説明員 ただいまお答え申し上げましたように、他の生産施設から入っているカイワレ大根ではこういう中毒は起こっていないという事実もまたはっきりしているわけでございます。
 したがって、今先生御指摘のように、すべてのものが汚染されているということではどうもそうではないだろうと私は思っておりますが、確かに、国民の皆様方の不安をなくしていくためには、カイワレ大根が安全に出荷され、調理場へ持ち込まれるという条件をつくる必要がございます。
 そういう意味では、当該施設を調査いたしまして、どこに問題があるかという点をはっきりさせることも一つの方策であろう。これは要するに再発を防止するための重要な方策でございます。それから、どう調理すれば安全に食べられるかというふうなことも今、実は内々研究を進めているところでございまして、できるだけ早くその研究成果を得まして、それを公表いたしまして、国民の皆様が安心して食される条件をつくる努力をいたしたいというふうに考えているところでございます。
○自見委員 疾病の特に伝染経路、感染経路の追求のためには、これは徹底的にやられる必要があると思います。
 しかし同時に、なかなか誤解を招きやすい話でございますから、今局長もはっきり言われましたように、同一施設で生産されたカイワレ大根はひょっとして可能性があるかもしれない、その他の施設で生産されたカイワレ大根ははっきり原因として考えられないという話をきちっと言われたわけでございますから、そういった点をやはり国民にもよくわかっていただく。きのう、テレビを見ておりますと、何かカイワレ大根の生産者が大変怒っておりましたから、そういったこともやはり大変国民の、まさにカイワレ大根を生産しながら生計を立てておられる方がたくさんおられるわけでございますから、その辺も誤解のないようにきちっと責任を持って厚生省の方から今の段階でもアナウンスをしていただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○菅国務大臣 今、自見委員の方からおっしゃったように、今回の調査は、専門家の方に疫学的な調査をいただいた結果、給食の中では、先ほど申し上げましたように、共通食材がどうもパンと牛乳とカイワレ大根だ、その中でパンと牛乳はいろいろな理由から外せそうだ、同時に、全くほかの老人ホームからの集団中毒で食材の中に同じカイワレ大根が入っていて、かつ、遺伝子調査の結果、サブレベルまで共通だ、実はそこまでが客観的なことであるわけです。もちろんカイワレ大根の直接の調査も任意でさせていただいて、その中からはO157が出ておりませんので、断定的に何が原因だということは、申し上げられる客観的な事実というところで言えばまだないわけです。
 しかし、いろいろな疫学的要素を重ね合わせて考えますと、ある業者がつくられた、あるところから出たカイワレ大根についてはまだもっと調査を続けなければいけないだろう、そう考えまして、中間報告の段階で、あえてという言い方は変ですが、状況を御報告したわけです。
 ですから、まさにおっしゃるとおり、全国でありますカイワレが一般的に危ないということでは全くなくて、そうではなくて、あくまで特定のところの品物についてまだ可能性が否定できないという、そこでの発表であるということであります。
 そういった点では、おっしゃるとおり、これは国民の皆様にもそのことを冷静に御理解いただいて、その特定のところのカイワレの出荷は自主的にしばらくとめられたそうでありますので、今、市場に出回っているカイワレ大根についてそういった危険性はないというふうに冷静に理解していただきたい、そのように思っております。
○自見委員 わかりました。
 それから、次の質問でございますが、このO157、専門家の話を聞きますと、牛の大腸の中に常在的にいる菌であって、牛には余り強い症状を起こさないけれども、それが人間の口に入ってきたとき大変重篤な症状を起こす。特に、これもよく御存じのように、溶血を起こしまして、その結果、腎機能不全だとかそういった大変重篤な症状を起こすわけでございます。なおかつ、その治療法について、アメリカで発見されて大体十五年、日本でもいろいろな研究者の話を聞いても治療法は完全に確立をしていないという。例えば抗生物質の使い方一つにつきましても、なかなか学者の間でも意見が分かれている。そういったことがまたこの問題の社会的な重大性を引き起こしている、私はこう思うわけでございます。
 先般も、日本の牛の中にもある一定の割合、千頭に一頭ぐらいだという専門家の話もございますが、常在しているという話もございます。そういった中で、今回の、特にアメリカの場合はハンバーガー、この肉が原因となったわけでございますが、我が国においても屠畜場等の一斉点検を実施しているということでございますが、その状況の方はいかがでございましょうか。
○小野説明員 先生御指摘のとおり、アメリカにおきましては、O157による食中毒の原因といたしまして、ひき肉の不十分な加熱による事例が約三分の一を占めているというふうに報告をされております。
 厚生省といたしましては、七月二十六日から全国の屠畜場と食肉処理場、さらには輸入肉を対象とした衛生管理の一斉自主点検とO157についての自主検査を指導しておりまして、八月五日現在、五七・七%の屠畜場におきまして、衛生管理の重要事項について自主点検を実施しているとの報告を受けております。今後さらに、食肉衛生検査所等を通じまして、すべての屠畜場において自主点検が実施されるよう指導しているところでございます。
 また、牛の枝肉等がO157に汚染されているか否かの自主検査につきましては、八月五日現在、一五%の屠畜場において既に着手しておりまして、来週中には大半の施設で実施する予定となっております。
 さらに、食肉処理場につきましても、屠畜場と同様に、自主点検あるいは自主検査の実施につきまして指導しているところでございます。
○自見委員 第一線で大変一生懸命こういった点検等々をやっておられる方は本当に、従来からスタッフはそういない分野でもございますし、しかしながら、きのうもテレビでやっていましたが、注文をしても培地が足らないというふうな話もございました。
 そういったところでございますし、政府として対策本部をつくらせていただいたわけでございますから、これはぜひ、よくおわかりのように、食品衛生法を所管する部署と伝染病予防法を所管する部署が違うわけでございますが、そういった違いはあっても、一番大事なのは国民の命を救う、ライフセーブということが言うまでもなく厚生省の、また政府の、またこういった対策本部をつくった、また我々国会議員にとりましても一番大事でございますから、ひとつ新聞報道でそういったところ、従来、食品衛生法と伝染病予防法という違う分野でもございましたし、所管が第一線では違うということも私は知っておりますけれども、できるだけ病気を、まさにこういった病気をきちっと制圧するために、そういったところはきちっと、特に厚生大臣初め皆様方の指導を得て、そういったことで万が一国民に不利なことがないようにきちっと心していただきたい、こういうふうに注文をつけさせていただきたいと思うわけでございます。
 それから、今話がございました疾病の予防ですね。これは原因の追求あるいは伝染経路あるいは感染経路の究明も大変大事でございますが、同時に、予防にまさる治療はないと昔からあるわけですね。予防すれば病気にかからないわけでございますから、これはある意味では、一面、食中毒であるという色彩も強いわけでございますから、やはり予防ということが大変大事だ、具体的に予防の知識を国民に普及することが大変大事であるというふうに私は患うわけでございます。
 有名な近代疫学の祖でございますジョン・スノーというイギリスの医学者でございますが、当時、十九世紀の中ごろでございますが、イギリスのロンドンで発生したコレラの分布を調べまして、二つございました水道会社の一方が実はテムズ川の下流の非常に汚染した、汚水のまざり込んだ水を取り入れている、それが原因だろうというようなことで、その水道会社を上流のきれいな水を取水するところに移動したのです。当時、コレラというのは大変しょうけつをきわめたわけでございますが、これだけで実は何万人という方が救われたわけでございました。当時、十九世紀の中ごろでございますから、要するに、コレラについての十分な知識もあるいは治療法も現在のように確立をしていませんでした。しかし、この水道会社の取水口を下流から上流に移すことだけによって、実は何万人という人の命を救うことができたわけでございます。
 私は、これがまさに近代疫学、人の命はまさに地球より重たいわけでございますから、疾病の原因を追求しておる間に予防がうまくいかなくて命をなくされるという方がおられれば、これは本当に申しわけない話でございます。皆さんからいただいた文書からでも、これは基本的には食中毒という色彩が大変強いわけであるから、食中毒の一般的な予防をすればほとんどは、九九%は予防できるということが書いてあったわけでございますが、そのことを含めてひとつぜひ予防のために必要な知識の普及啓発を徹底すべきではないか、こういうように思うわけでございます。
 私ごとで恐縮でございますけれども、私、今地元で国政報告会を開いていますけれども、これは私も少し専門でございますから、まず手を洗っていただきたい。トイレに、便所に行った後、あるいは奥様方は食事を始める前に手を洗っていただきたい。それも、石けんで洗えばよりいいのだ。それから、O157は牛に常在をしているというような説もございますから、やはり生肉、生ものにはできるだけ手を出すな。あるいは、調理をした後、例えば生肉を切った包丁あるいはまないたを煮沸、沸騰したお湯できちっと消毒してください。また、もし血便が出たら急いで医者に行ってください。こういった簡単なことでございますが、食中毒の予防の基礎でございますから、そういったことをきちっと紙に刷って実はお伝えしておるわけでございますが、後から、その紙をぜひ自見さん一枚くれ、二枚くれと言う方は大変多うございまして、やはり国民が大変不安に思っている。
 身近なことを挙げて、このこととこのことをやれば九九%予防できるのだということをやはりきちっと、今広報をいろいろやっているようですが、私は、こういったときでございますから、そういった単純でわかりやすいことを国民にきちっと啓発をさせていただくということも大事じゃないか、こう思うわけでございますが、その点につきまして御意見がございましたら、どうぞ。
○小野説明員 先生御指摘のとおり、私どもも、予防ということは非常に重要な、最重要事項というふうに認識をいたしているところでございます。
 O157に関しましては、六月十七日に、緊急に食品衛生調査会食中毒部会の大規模食中毒等対策に関する分科会というところで御検討いただきまして、その予防対策等につきまして取りまとめたわけでございます。これをもとにパンフレット等を作成いたしまして、都道府県知事あてに周知徹底を図っていただくようお願いをいたしました。各都道府県におかれましては、この依頼を受けて、パンフレットの作成とか広報誌への掲載等によりまして、O157に対する正しい知識の普及を行っているところでございます。
 さらに、厚生省におきましては、七月一日よりO157に関します国民向けのQA等をインターネットによって情報提供いたしましたほかに、今先生御指摘の手洗いを十分に行うこと等、あるいは十分な加熱処理を行っていただく、特にひき肉の場合には全体が赤みを帯びないところまで十分加熱していただくといったような内容を、国民へ向けて各種メディアを通じて情報提供を行っているところでございます。
 それからさらに、八月二日にO157の予防方法等についての政府広報誌を全国の家庭に約四千万部配布いたしまして、さらなる普及啓発の徹底を図ったところでございまして、今後とも、このような努力を通じまして、国民の皆さんへの普及啓発を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○自見委員 きょうの全国紙の社説にも「「O157」で一層の解明を」ということが書いてありまして、この中にこう書いてあるのですよ。「「O157」は感染力が強く、毎年増える傾向にあるが、かつて住民を恐怖の淵に立たせたような恐ろしく危険な伝染病とは違う。」多分このことは、コレラだとか天然痘だとかペストだとか、そういうことを指しているのだろう、こう思うわけでございます。そして、「生ものの調理には極力注意し、加熱や手洗いをしっかり行い、調理用品の熱湯消毒や二次感染への対策など常識的な食中毒予防を心がければ、ほぼ完全に防ぐことができる。」
 これはきょうの全国紙の社説でございますが、今局長の言われたことも基本的にそういうことでございますが、このことをきちっと国民に周知徹底していただきたい、こういうふうにお願いをさせていただく次第でございます。
 それから、次の質問でございますが、今回、腸管出血性大腸菌感染症を伝染病予防法に基づいて厚生大臣が指定伝染病に指定されたわけでございます。最初は食品衛生法による食中毒対策をしておったわけでございますが、途中から食品衛生法とあわせて伝染病予防法の指定伝染病に指定をしたということでございますが、その理由を教えていただければと思います。
○菅国務大臣 O157につきましては、先ほどの報告でも申し上げましたように、食中毒としての感染経路というものがなかなか特定されていないというのが一つあります。と同時に、感染した人、つまりO157を保菌した人からさらに二次感染をしたと思われる人がかなり堺市でも出ているわけであります。そういった点では、この二次感染を防止すること、そして一般的な感染の経路を究明すること、この二つが大変重要だというふうに考えたわけであります。
 去る七月三十一日に開催されました公衆衛生審議会伝染病予防部会におきまして、二つのことを指摘をいただいております。一つは、O157は、重症度が赤痢菌と同程度と考えられ、かつ、食中毒としてのみならず感染症としての観点から、感染経路の究明と二次感染を防止することが急務となっていることから伝染病予防法に基づく指定伝染病に指定すべきであるということが一点。二点として、ただし、隔離等を伴わない限定適用とし、その運用に当たっては患者等の人権に十分配慮すべきであること。この二つの御意見をいただいたわけであります。
 こういった御意見もいただきましたので、ここでは、二次感染をこれ以上拡大しないためにとれる手段どして、この指定ということをとることによってより的確に二次感染の防止の幾つかの行動がとれると考えましたので、八月六日に、患者さんたちの人権に配慮した形で伝染病予防法の適用条項を限定いたしまして指定伝染病に指定を行った、こういう経緯であります。
○自見委員 私、今の厚生大臣の判断で正しいと思います。
 伝染病予防法、もう御専門の方もたくさんおりますが、伝染性があり危険性が高いこと、あるいは緊急性があること、予防のために法に基づいて措置が必要であるということが伝染病に指定する基本的要件かな、こう私は思うわけでございます。
 今お話がございましたように、戦後、赤痢という、御存じのようにこれは法定伝染病でございますが、今これは大変弱毒化いたしました。しかしながら、このO157、学者によりますと、赤痢菌は御存じのようにいろいろな種類がございますが、志賀さんという日本人が発見した志賀菌というのが赤痢菌の一種でございますが、これは志賀毒素という大変強い毒素を出すわけでございまして、どうもその毒素を生産する遺伝子が少しウイルスの悪さで大腸菌に入ってきたのではないか、だから、形は大腸菌だけれども、毒素をつくる部分だけ遺伝子が組み込まれたのではないかという学説もあるわけでございます。
 格好は大腸菌だけれども、その伝染力あるいは危険性は赤痢だ、こういうふうな学者もおるわけでございますから、そういったことを踏まえて、公衆衛生審議会の意見を踏まえてという話がございましたが、これは、私も友人の感染症の専門家に聞きましても、やはり伝染病予防法の指定伝染病に指定をしたということは正しいことだということを、きのう私もある先輩の教授から話を聞かせていただいたわけでございます。そのことは私は正しい判断であったというふうに思うわけでございます。
 しかし同時に、今も厚生大臣も触れられましたように、これは大変昔、明治時代にできた法律でございますから、当時は疾病も予防できないという時代でもございましたし、ある意味で大変強権的な条項も含んでいるわけでございますから、そういった中で、強制隔離だとか、極端な場合は交通遮断だとか、そういったことも条項が含まれているわけでございますが、そういった条項は適用せず、特に人権に注意をして、留意をして、配慮をしたということでございます。
 私は、この疾患の性質あるいは伝染力、そして今の社会が大変このO157に対して不安を持っているということを考えますと、これは正しい行政上の判断であった、こういうふうに思うわけでございますが、一点だけ、就業制限が実は伝染病予防法だとできます。食品衛生法だと就業の制限ということはできないわけでございまして、これも行政的には伝染病予防法の指定伝染病に指定をした一つの理由かな、こう私は思うわけでございます。
 それから健康診断、伝染経路の解明のときに法に基づいて強制的に健康診断というようなことができるわけでございますから、そういった点は伝染病予防法による指定伝染病に指定をしたメリットだ、こう思うわけでございます。
 同時に、この就業制限の規定を適用するということですが、就業制限は具体的にはどういうような範囲の職業に及ぶのか。これは、発病された患者さんあるいは保菌者がおられるわけでございますから、伝染経路の遮断ということは、患者さんのみならず保菌者、特に症状がない保菌者は、自分は症状がございませんから余り病識がございません。しかし、便の中にO157を持っておられるわけでございますから、こういった人の対策が伝染病予防法の場合、食中毒の場合も実際大変大事になってくるわけでございますが、その点を含めてどのような範囲にこの就業制限が及ぶのか、そのことを御説明いただきたいと思います。
○小林説明員 今回のO157を指定伝染病にしたことによる大きなメリットとしていわゆる二次感染の防止ということがあるわけでございますが、今先生が仰せられましたように、今回の指定に当たっては、患者さんも、それから、症状は何もないけれども、保菌をしていらっしゃる、菌を持っていらっしゃる人につきましても、飲食物に盧接触れる業務に従事することは制限をすることといたしております。
 ただし、飲食物に直接触れる業務以外の業務に従事することは何ら差し支えないので、同じレストランならレストランという職場であってもそういう飲食物に触れないような業務につくことは問題がない、このように考えております。
 そして、当面、多くの人々に感染させるおそれがある保育所等の福祉施設、病院等の医療施設、学校及び一日二百五十食以上の食事、弁当等を提供する施設を中心に就業状況を把握して、適切に指導してまいりたいと思っております。
 なお、保菌者はいつでも検便を請求することができ、その結果が陰性になった場合には自由に就業することもできることにしております。
○自見委員 わかりました。その点は、伝染病予防法に就業の禁止というある意味で大変強い権限があるわけでございますから、そういったことをいろいろ総合的に勘案して、きめの細かい、なおかつ実効の上がるようにきちっと適用をしていただきたい、こういうことをお願いしておくわけでございます。
 それから、これは大変人権侵害につながる危険性もあるわけでございますから、改めて、疾病の予防も大事でございますが、厚生大臣の今さっきの御報告にもございましたが、同時に、これは人権の侵害につながらないように非常にきめの細かい配慮をしていただきたいということを私からもお願いする次第でございます。
 同時に、やはりこの疾病を予防するということも大変大事でございますから、そのことが常に伝染病予防法の基本的精神でございまして、そういったことも踏まえて、疾病予防の有効性あるいは人権の尊重というところですね、ある意味では調和とバランスの問題かと思うわけでございますが、今こういう事態でございますから適切適切に、判断を間違わないように指導をしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 次の質問でございますが、O157は溶血性尿毒症症候群を引き起こし、症状が重篤となる場合があるが、このような重症者の医療体制の確保はどのように対処するのかということでございます。
 私、今さっきから話をしておりますが、アメリカでも日本でもまだ必ずしも確立した治療法がないやに聞くわけでございますから、その辺を含めて、こういった重症者の医療体制の確保にどうしていくのかということを意見を聞かせていただきたい。
 また、O157の治療法について、専門家の間では必ずしも一致した治療方法が確立されていないということでございまして、厚生省は治療に関するマニュアルを作成したと聞いておりますが、今、医療現場に対してこのような情報を広く提供すべきではないか、まあまあ提供したという話もございましたが。同時に、中長期的な治療方法の確立も大変大事なことだ、こう私は思うわけでございますが、その点につきまして御意見を聞かせていただきたいと思うわけでございます。
○谷説明員 今お話ございました前段の、医療体制の確保ということでお答えをさせていただきたいと思います。
 医療体制の確保ということにつきましては、先月の二十九日に全国の食品衛生行政担当者の緊急会議というものを開きまして、その際に、人工透析装置あるいはICU等が整備されている医療機関のリストアップをあらかじめしておく、それによって溶血性尿毒症症候群等の重症患者に対応できる体制を整備してもらいたいということが一点、それから、堺市のように患者が大量発生した場合におきます地元の医療機関の受け入れ体制あるいは転送のための医療機関のネットワークを整備するということにつきまして、医師会を初めといたします医療関係団体と連携をして、地域の実情に応じた体制の整備、確保ということについて各県に指示をいたしました。
 また、この内容につきましては、文書をもって、翌日、日本医師会あるいは都道府県また医療関係団体に対して周知徹底並びに協力を依頼したところでございます。
○小林説明員 治療マニュアル関係についてお答えを申し上げます。
 先生御存じのように、厚生省では、この八月二日に、町の開業医の先生方それから病院の先生方の一次医療、二次医療をしていらっしゃる先生方に対するマニュアルというのをつくりました。これは、このO157の治療に対して先生方にいろいろな意見がありまして、なかなか皆さん方悩んでいらっしゃる、そういうことから、厚生省で研究班を急速設置いたしまして、日本医師会にも御協力をいただいて、本当に汗だくで一生懸命まとめ上げたというものでございます。そして、八月二日にはこのマニュアルを各都道府県にも伝達いたしまして、今、各県の方で各医師会の先生方に配付方を御協力をお願いいただいているところでございます。
 それで、中長期的な問題であと残っている問題は、今回は重症化する前の初期医療のことについてマニュアル化してあるわけでありますけれども、後半の高度医療につきましてはまだできておりません。これは、現在のところは、高度医療をやっていらっしゃる各先生方がインターネットをお使いになって、いろいろな治療法について自分たちがやっていることを公開して、そしてディスカッションされておりまして、治療が進歩しているところでございますけれども、今回の堺の事件を契機として、臨床の先生方も、自分のやったことをきちっと整理して次のときに役立つ立派なものをつくりたいとおっしゃっておりまして、厚生省もそれから大阪府もそれに協力をして立派な治療マニュアルをつくれるように頑張っていきたい、このように考えております。
○自見委員 それでは、もう最後の質問でございますが、八月六日の全国紙の一面に、「O157影響深刻 外食企業四七%が売上高減る 業界団体調査 頭痛い焼き肉・すし店」、こういう囲み記事が出ているわけでございます。
 この新聞報道に言うまでもなく、今回の食中毒で大変経営不振に陥った、あるいは大変苦労しておられる食品業界があるわけでございますから、そういったことで融資あるいは救済措置を、講ずるべきではないか。
 その話については厚生大臣から一部報告があったようでございますけれども、ぜひその決意と、また、きょう中小企業庁あるいは農林水産省にも、これはこういった飲食のことでございますからおいでいただいていると思うわけでございますが、あわせてそういった省からも、私はぜひ、この救済というのは大変大事だと思うわけでございますから、一人一人がその中でなりわいを立てておられるわけでございますから、そのことを含めて最後に質問をしたいと思います。
○小野説明員 O157による食中毒に伴います環境衛生関係営業者への影響につきましては、各都道府県にございます環境衛生営業指導センターの調査がございますが、それによりますと、地域によってばらつきはございますけれども、いろいろ経営上の問題を抱えていらっしゃる方が多いということも私ども伺っているところでございます。
 このために、八月七日に各都道府県の環境衛生営業指導センターに、大臣からも報告がありましたように、O−157関係相談窓口というのを設置いたしまして、経営相談や環境衛生金融公庫等の融資相談に応じているところでございます。
 それからまた、環境衛生金融公庫におきましては、堺市にO−157対策特別相談窓口を設置いたしまして、食中毒に伴います影響を受けた飲食店等からの融資相談に積極的に応じますとともに、既存の債務の返済条件の変更につきましても弾力的に対応するなど、迅速な対応を行うこととしているところでございます。
 今後につきましては、環境衛生関係営業者の経営の実態を踏まえまして、適切な金融措置につきまして、関係各省と調整も図りながら検討してまいりたいと考えております。
○寺坂説明員 私どもが今月初めに大阪府下の食品関連業種に関しまして実施いたしました緊急調査では、調査対象となりました中小企業者のうち、約八割の方が今回のO157問題の影響を深刻に受けておるという結果を得ているわけでございます。
 当省といたしましては、既に政府系中小企業金融機関等に相談窓口を設置いたしましてさまざまな相談に応じているところでございますけれども、ただいま申し上げましたような緊急調査の結果も踏まえまして、こうした影響を明らかに受けております中小企業者に対しまして、信用保証特例等の金融措置につきまして早急に関係省庁と調整を行いまして、資金供給の円滑化に努めてまいる所存でございます。
○吉岡説明員 すし屋などの飲食業者に御指摘の売り上げ減少等の影響が生じましたのは、感染ルート等が特定されないという状況のもとにおいて、消費者が特に生の食品を家庭外で食べることに強い不安を抱いておられることが最大の原因と考えております。
 このため、農林水産省としましては、食肉と野菜について、衛生管理の徹底と自主検査の実施に既に着手したところであります。
 また、今後、各家庭に行き渡る政府広報やポスター、新聞広告などの各種メディアなどを通じて早急かつ適切な情報提供に努めることとしております。
 具体的に、例えばO157は熱に弱くて、一枚肉のステーキや焼き肉は表面をきちんと焼けば安心して食べられるのだというようなこと、それから野菜にしましても、O157に感染したり、それ自体が内部にO157を包有することはないということですから、十分水洗いし、傷んだ部分や外皮、外葉を捨てるようにすれば安心して食べられるというようなこと、こういうような具体的な情報提供によりまして、消費者の方々が正しい知識に基づいて安心して外食店を利用していただけるようにしてまいりたいと考えております。
 また、経営に深刻な影響を受けている中小事業者の方々に円滑な資金の融通が図られるよう、関係各省と緊密な連携を図ってまいりたいと考えております。
○自見委員 きちっと血の通った救済方法、いろいろあったわけでございますけれども、やっていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○和田委員長 石田祝稔君。
○石田(祝)委員 まず最初に、厚生大臣にお伺いをしたいと思うのです。
 八月六日に伝染病予防法の第一条第二項による指定伝染病の指定をされたわけでありますが、この病気を感染症として八月六日の段階で指定をされた。実は、このO157については、当委員会で六月七日に江田五月委員が岡山県の事例を出されて、二次感染の心配もあるのではないか、こういうふうな質問を二カ月前にされておるわけですね。そのときには、食中毒ということで対応しよう、こういうことで感染症としての対応がおくれていったのではないか、私はこういう疑問が実はございます。
 それで、今回、大変強い強制力を持つ指定伝染病にした、これのメリットとデメリットについてぜひお聞きをしたいと思います。
 というのは、この法律には人権への配慮が書かれておりませんね。ある法律によれば、明確に、人権に配慮しなくてはならない、こういうことも法律の条文に書かれておる法律もございますが、この人権への言及がこの法律にはされておりません。そういうことも含めて、八月六日の時点で指定をされたことのメリットとデメリット、これについて簡潔に大臣よりお伺いしたいと思います。
○菅国務大臣 さきに岡山の事例について江田委員の方から御質問をいただきまして、その時点で詳しくどうお答えしたかの記憶はありませんが、確かに食中毒という観点からの対策が中心であったと思います。
 その後、この法定伝染病についての議論につきましても、当初は隔離というものを前提とした制度というふうな理解が専門家の中で強くありましたので、堺の状況も含めて、隔離ということをすることはその医療水準などから考えて逆に悪くするのではないかということで、そこについては非常に慎重に対応をしてきたところであります。
 しかし同時に、その拡大を含め、二次感染が具体的にかなりの数に上ってくる中で、さらに精査をする中で、限定的な適用という、これは法律ができて以来これまで実際にやったことはなかったわけですけれども、そういうやり方が法律自身にも明記をされておりますので、そういう指定の仕方があるのではないかということで、省内でかなり詳細に検討をしていたところであります。そういう検討を踏まえて、先ほど申し上げましたように、公衆衛生審議会の方の議論をいただいた結果を踏まえての今回の指定ということにいたしたわけです。
 そのメリット・デメリットということでありますが、これを指定した最大の目的といいましょうか、あえて言えばメリットといいましょうか、そういうものは、二次感染を防止し、そして感染経路を究明する、そのことに資するということを考えたわけであります。
 具体的に言いますと、医師による届け出や検便の実施、患者、保菌者に係る就業制限を通じて感染者の把握及び二次感染の防止の徹底が図られること、立入検査の実施により感染経路の解明が図られること、法に基づく検便及び公共施設の消毒について国庫負担ができることといった形でこういった目的を達成したいと思っております。
 同時に、デメリットといいましょうか、十分に配慮しなければいけない問題として、まさに今御指摘のありました人権への配慮というものが法律自身には具体的に明記されておりませんので、人権に配慮した形で、適用することが適切でないと思われる規定については除外をいたしたわけであります。その上で、さらに患者、保菌者のプライバシーに配慮をしていくこと、また、患者や保菌者が学校でいじめられたり、職場で不当な扱いを受けることがないように、この点はいろいろな啓蒙活動などを通して、あるいはいろいろな機関にお願いをいたしているわけであります。
 腸管出血性大腸菌感染症は、従来の法定伝染病、指定伝染病とは違って患者の隔離は必要がなく、二次感染も、調理や食事の前に、あるいは用便後における手洗いの励行など日常的な予防で、先ほどの自見委員の方からもありましたように、ほとんどの場合はそういったことで予防できるといったことも国民の皆さんに理解をしていただいて、この法律の適用による人権への悪影響がないように、その点はぜひ国民の皆さんに御理解をいただきたい、そう願っているところであります。
○石田(祝)委員 この問題は、まさしく第一条の第二項の隣の第三項に、一部地域を限ってとか、全部または一部を適用できる、こう最初から書いているわけですね、その隣の条文に。ですから、もう少し早くこのことも検討して、二カ月もたって感染経路を遮断するとか、そういうために指定しましたというのはいささか勉強不足ではないのか、こういうふうに言わざるを得ないと私は思います。
 それで、私は、大変強い強制力を持つということで、働く人たちのことを若干お聞きしたいのですが、これは労働省、来ていただいていると思いますので、二点お聞きをします。
 今回のことで労働者が不利益をこうむらないような措置、またガイドライン等を考えておるのかどうか。そしてもう一点が、仕事に関して今回のようなO157に感染した場合、これは労災の対象になるのかどうか。この二点について労働省からお聞きをします。
○青木説明員 まず第一点でございますけれども、O157に関しましては、一時休業でありますとか解雇などの労働条件面での相談が現実に寄せられているところであります。それで、この問題につきましては、労働省としては、こういったさまざまなトラブルに対します相談等に的確に対応するため、地方労働基準局に対する文書による通達を早急に発出しまして対処してまいりたいと考えております。
 それから、第二点目の労災認定の関係でありますが、労働者の方が、事業場施設である社員食堂における食事でありますとか、あるいは事業主が提供した食事を感染源としてO157に罹患した場合には、業務災害として労災保険給付の対象となるということでございます。
○石田(祝)委員 具体のことは関連として同僚委員にお時間を譲りますけれども、私は、亡くなられた方、またその御家族の方に心からの哀悼の意をささげたいと思いますし、また、今なお病床で苦しんでおられる患者の皆さん、御家族の皆さんにも心よりお見舞いを申し上げます。
 それでは、現地で大変御苦労されている同僚委員がおりますので、時間を譲りますのでよろしくお願いします。
○和田委員長 この際、北側一雄君から関連質疑の申し出があります。石田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。北側一雄君。
○北側委員 新進党の北側一雄でございます。
 私と、この後質問させていただきます西村さんは地元が堺でございまして、委員長も堺でございますけれども、この間、この発症以来、大半地元の堺におりましたもので、さまざまな生の声も聞いております。
 本当は時間がございましたらたくさん御質問したいことがあるわけでございますが、まず最初に、やはり私はこのことを聞かせていただかざるを得ないというふうに思っておりまして、それは、堺市という行政はもちろんでございますけれども、国、特に厚生省がこのO157に対する危機意識が乏しかったと言わざるを得ないのではないかというふうに私は思っております。
 少し具体的なお話をさせていただきます。
 もう大臣よく御承知だと思いますが、最初に症状を訴えられた子が出てきたのが七月の、早い子で十日、水曜日でございます。
 そして、十一日の木曜日に、学校を欠席する子供が何十人か出てきた。
 そして、十二日の金曜日、この日は各学校で欠席者が相当目立ってきたわけでございます。今振り返りますと、この十二日が一番その発症のピークになっておるわけでございます。六千人以上の学童が今回食中毒になったわけでございますが、大半がこの十二日前後にその症状を訴えておるわけでございます。
 そして十三日、土曜日、学校がこの日はお休みでございました。この十三日あたりから、堺市内の病院は大変なパニックになってまいります。下痢、血便を訴える児童が相次いで出てまいります。
 そして翌日十四日、日曜日、この日が病院はもう本当に大変な状況であったわけでございますが、ところが、日曜日で休診の病院がたくさんあったわけでございます。実際、堺市内の病院で児童を診られた病院というのは、これはごくわずかな病院でございます。
 というのがこの初期の段階の状況ですね。この十四日の日曜日に、O157が検便から発見されて、今回の食中毒がO157によるものであるということが断定されたわけでございます。
 こういう経過の中で、私、一番まず思いますことは、病院の方が、お医者さんが、このO157に対する知識といいますか、これが極めて欠如しておったわけでございます。これはやむを得ないといえばやむを得ないわけでございますが、岡山でことし既に二人の死者が出ておるわけでございますし、また、埼玉県ではかつてやはり子供さんが亡くなられているわけでございます。これまでのこういう歴史を、今回、堺市で大量に子供たちが感染したわけでございますが、ここで、この初期段階で全くその医療現場、市の当局を初めとして的確な対応を欠いていたというふうに言わざるを得ないわけでございます。
 きょう私、東京に上がってまいりましたら、一つは、八月二日付で「O−157感染症治療のマニュアル」というのを厚生省はつくられました。これはいいのですよ。いいのですけれども、本来はこういうものをもっと早く各自治体また医療機関に落とせなかったのか、その辺で厚生大臣にやはり反省がないのかどうか。反省といいますか、危機意識が不足していたのではないかという、そういう問題意識を持っているのかどうか。
 また、これは八月八日付ですか、きょう付で「食中毒への対応について」、こういうものをまとめられました。これも結構でございますけれども、こういうものがもっと早く自治体の現場、医療現場の方に落とせなかったのか。
 その辺、やはり私は、埼玉の例や岡山の例のこうした歴史が生かされなかったというふうに言わざるを得ないと思うわけでございまして、この点、厚生大臣、どのような認識をお持ちなのか、御答弁をお願いしたいと思います。
○菅国務大臣 今回、岡山で発生し、そして堺でこれまでに例を見ない大量の、大勢の方がO157による食中毒にかかられたわけであります。
 今お話がありましたように、現地の細かい状況はそれぞれあったと思いますが、厚生省に堺市の方から報告があったのが七月十三日というふうに報告を受けております。そして、翌日十四日に、日曜日でありますが、厚生省の担当官を堺市に派遣をし、また、一日置いた十五日には文部大臣が現地を訪れられ、私も翌日の十六日に訪れまして、また、政府としても十六日に対策推進会議をつくり、厚生省にも対策本部を同日設けたわけであります。そういった形で、堺の発生に対する対応について、時間的には私は比較的早い段階からそれぞれ対応をスタートさせたということは申し上げられるのではないかと思います。
 ただ、今御質問のありましたように、それでは治療指針がどの段階でお医者さんに十分に着いていたか、この点につきましてはいろいろ御指摘をいただいております。特に今回の食中毒は、いわゆる食中毒の一般的なものであれば、抗生物質などでその菌が抑えられればそれで治癒に向かうわけですが、今回の場合は、合併症によるHUSなどの方がより重篤な病気になるという意味では、いわゆる食中毒の治療、一般的な食中毒の治療とはかなり異質な高度の知識が必要だったという意味では、その重篤な合併症に対する対応に対して、現場のお医者さんに必ずしも十分な、何といいましょうか、対応の経験がおありの方が少なかったといいますか、そういうものが情報が足らなかったという点は御指摘をいただいておりますし、それは率直にある程度認めざるを得ないのではないかと思っております。
 こちらから各都道府県には、後で細かいところが補足があれば事務方にあれさせますが、六月六日、六月十二日、六月十七日に都道府県に対してそういった問題も含めた指針を送っておりますし、また医師会に対しても、六月十七日、七月十六日、七月二十四日に同様のものをお伝えをいたしてはおります。
 しかし、それぞれの時点、例えば堺の現場に事前の段階でどれだけのお医者さんに直接目がそこまで届いたかということになりますと、その点では、厚生省として各機関にお届けばしたつもりではありましたけれども、必ずしもまだそれが徹底されていなかったということは、率直にそういう事態であったということについては認めざるを得ないのではないかと思っております。
○北側委員 この危機管理の問題はまた落ちついてからじっくりと質問を私させていただきたいと思っておるのですけれども、例えば六月六日の通知とか六月十二日の通知、私持っておりますけれども、これを各自治体に送ったから周知徹底したのだというふうな認識でおられるとは私は思っておりませんが、これで周知徹底したというふうに理解されているとしたら、私はとんでもない話だというふうに思っております。
 実際、この堺市の初期の段階で、十二日、十三日、十四日、十五日、この辺の病院が大変なときに、O157の治療をかつてやった経験のある医者の方というのはほとんど皆無なわけでございます。そして、O157に対する認識も極めて乏しい医者の方が多いわけで、これはやむを得ない話でございます。ですから、初期の段階では夏風邪だとか腸炎だとかというふうな認識をされておられたわけでございまして、もう少し厚生省の方から、この岡山の件があったわけですから、また、かつては埼玉の件があったわけですので、医療現場に対してもっとO157に対する危機意識を持ってもらうために情報を提供することが早く、また実質的にされるべきであったと思います。
 恐らく、厚生省の方から堺の医療現場の人たちに情報が届くのは七月の十六日とか十七日とか、この辺の段階でようやっと医療現場の方にO157に対する認識が出てくるわけでございまして、この辺の初期段階での的確な対応を欠いたことがやはり今回の大きな問題点であるというふうに言わざるを得ないと私は思います。
 それともう一点、これは大臣も何度も堺市に来られていますのでお聞きになっておるかと思いますが、土日が重なったということもございまして、例えば七月十四日の日曜日なんですけれども、近くの総合病院に子供さんを連れていったところ、病院はもう患者であふれておりまして、朝十時に受け付けをしたのですけれども、結局、診てもらえたのが夕方の六時ごろであったという例なんかも聞いております。これは決してこれだけじゃなくて、この日は、この七月十四日というのはピークで、また休診をしている病院も多いということもございまして、本当に対応がきちんとできなかったわけでございます。
 また、入院するための病床が足りない、結局、廊下等で点滴を受けている事例がごらんになられたような状態でございまして、また、救急車なんかもあちこちに出回っていまして、なかなか救急車の対応ができない、受け入れの病院がないから救急車が来てもらえない等々のことも聞いております。
 この際、緊急時の医療体制をどうしていくのか、これは堺市自身もしっかり反省してやっていかないといけないと思いますが、厚生省としてもこういう緊急時の医療体制をどうしていくのか、これはぜひ今回のことを機会にもう一度、昨年震災がございましたけれども、検証をしてもらって、何らかの考え方を確立していただければと思いますが、大臣、いかがですか。
○谷説明員 今回のような緊急時の医療体制ということにつきましては、いわゆる救急医療体制ということの中で、初期救急、二次救急、三次救急といったような形の体系的な整備を進めてきております。また、重篤な救急患者を対象にしたいわゆる救命救急センターについても全国的な整備をいたしてきております。
 今具体的にお触れになりました今回のO157の集団発生ということにつきましては、こういったような救急医療体制の中で、初期救急の協力病院、また、入院を要する患者の受け入れ体制としての二次救急病院、また、人工透析等が必要な重症患者の受け入れが可能な三次救急病院、そういったような各医療機関に御協力をいただきますとともに、この情報を今回の場合ですと大阪府の救急医療情報センターより提供するといったような形で対応してきたわけでございます。
 また、先ほど申しましたように、具体的な、人工透析装置あるいはICU等が整備されております医療機関のリストアップをする、また、患者が大量発生した場合における受け入れ体制、あるいは患者の転送のための医療機関のネットワークの整備といったようなことについても、各都道府県あるいは医療関係団体に指示をし、また御協力をお願いしたところでございます。
 今後、こういったような大量発生をいたします場合の救急医療体制の整備ということについては、さらに医療機関の連携といったようなことも含めまして医療体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
○北側委員 昨日、この堺市の学童集団食中毒につきまして中間報告がなされました。それで、私も、この感染源を究明するということが極めて大切である。堺におりまして、市民生活に、特に食生活ですが、非常に不安が広がっておりまして、その食生活の、生ものは加熱をしなければいけないというこういう雑駁な注意がございますから、もう生野菜から何でも加熱をしないといけないのではないか、また、お刺身なんかはほとんど食べられない、お肉もなかなが食べられない、そういう過剰な不安が広がっておったわけでございます。それで、何がこの原因かといいますと、やはり感染源がなかなかはっきりしないというところが一番の問題でございます。
 また、私は先般、この後の質問をさせていただく西村さんと一緒に堺の魚市場に行ってまいりました。これは呼ばれたわけです、ちょっと実態を見てほしいと言われまして。大変な状況でございまして、売り上げが、私が行ったときには八割減でございました、その魚市場が。八割減。そこの方がおっしゃっている話は、我々に対して無利子の貸し付け等々の支援をしていただくことはありがたい話だけれども、我々はお金を借りてもお客さんが入ってこなかったらだめなわけでして、お客さんがいち早く返ってきてもらいたいのだ、そのためにはやはり感染源が何なのかということをはっきりしていただかないと、市民の方は不安がってお魚を食べないのですよ、こういう話をされておられました。そういう意味でも、この感染源の究明に全力を挙げていただきたいと思うわけでございます。
 昨日、これはカイワレである可能性を報告されておられるわけですけれども、ちょっと私も読ませていただきましたけれども、私自身、少し疑問に思いましたのは、学校によって、堺地区とか西地区は別ですよ、それ以外の四つのブロックで、学校によってゼロの小学校が幾つかあるのですね、御存じのように。そういうところは同じ食材で同じものを食べておると思われるのですけれども、そういう事実がありながらカイワレである可能性を認められた。それはどうしてなんでしょうかね。
○小野説明員 昨日の報告に対します御質問でございますが、確かに、高い発生率の地区におきまして発生率にばらつきがあるところがあることもまた事実でございます。例えば有症者が出ていないような学校もあるわけでございますが、こういった学校につきましては、例えば他の小学校と調理方法が異なっている、あるいは当該生産施設以外から材料が入ってきている等の要因が少しずつ明らかになってきておりますが、私どもといたしましては、個々の事例につきまして、十分そのばらつきのある要因について今後とも分析をしてまいりたいと考えているところでございます。
○北側委員 大臣、これは中間報告ですからさらに報告があるというふうに理解してよろしいですね。
○菅国務大臣 もちろん、これからさらに直接的な検査はもちろんですが、例えば若干疑いが残っている業者が、どういうところに当時の出荷が、他の地域にも送られたのかどうか、あるいはその先ほどういうことがあったのかとか、あるいは今御指摘のありました、いわゆる平均ではかなり発生している地区でも個別に発生していない、それがそれなりの理由が推測されるのかどうか等々については、さらに今調査なり検討しておりますので、それがあるところまで出た段階ではまた報告をさせていただきたいと思っております。
○北側委員 このO157に対する正確な知識それから理解、これをしっかりと啓発をしていただきたいというふうに思います。
 堺では今、このO157に対する誤った知識といいますか、偏見をもとにしたさまざまなことが問題になっております。
 例えば、O157にかかった子供さん、もう治りました子供さんと遊ばないように親がその子供に言っているとか、症状のない児童やその親が、症状のある子に近づくな、一緒に遊ぶなというようなことを言っているわけですね。そういうような事例が市の方に報告されているわけでございます。
 それとか、ある学習センターに来ている子供が感染しました。もうよくなったのですけれども、その学習センターに行きたいというふうに言ったのですけれども、学習センターの方が、ほかの保護者から来させないようにと言われてその対応に困っている。
 それから、母子家庭の家で、お母さんがパート収入で生活をされている。子供さんが今回O157に感染をして、お母さんは仕事を休んで子供の看病に当たる。病院の方はいっぱいで入院はできない。通院で何とか治療させる。ようやく症状も落ちついてきたので仕事をやろうというふうに復帰しようとしたら、事業主の方から当分来てくれるなというふうなお話があった。
 あと、この種の話も多いのですけれども、夏休みの旅行を三カ月前から予約していたけれども、堺に居住しているというその一点だけで旅行業者の方からお断りの連絡があったとか、今この種の事例がたくさん堺で問題になっております。
 私がさらに心配しますのは、九月から学校が始まったときに、こうしたO157に対する間違った知識とか偏見とか、そういうもので差別だとかいじめが起こってきやしないのかということが不安でございます。ぜひこれは、厚生省はもちろんでございますが、文部省も含めまして、このO157に対する正確な知識と理解の啓発をしっかりやっていただきたい。これは具体的にどうしていくのかが大事だと思うのですけれども、ぜひ真剣に取り組んでいただきたいと思うわけでございますが、大臣、いかがですか。
○菅国務大臣 今の北側委員の御心配は、全く私どもの心配でもありまして、いろいろな形での啓発活動をしているわけですが、直接にはもちろん各機関がそれぞれ対応していただくことも重要ですが、これは国民の皆さんにある意味では直接訴えて、今おっしゃったように、もう菌が出なくなった、あるいは元気になったお子さんというのは、風邪が治ったのと同じで、決してそれ以上に心配なことはないわけですから、そういうことがお互いに起きないように、また職場での問題は、これは場合によってはそれぞれの所管で、そういった不利益な扱いが行われる場合にはそれを是正させるようなことも含めてきちっとさせなければいけない。厚生省としてもそういうことがないようにできる限りの手だては尽くしていきたい、こう考えております。
○北見説明員 O157に関連いたしまして差別やいじめが発生するということは、あってはならないことであると認識しているところでございます。
 差別やいじめにつきましては、O157に関する知識の不足あるいは誤った認識から生ずるというふうに考えられますので、まずO157に関します正しい知識の普及が必要であろうというふうに考えているところでございます。また、O157がきっかけとなっていじめ等が発生することがないよう、学校において適切な指導が行われる必要があると考えているところでございます。
 文部省といたしましては、O157についての正しい理解を図るとともに、食中毒の発生防止、衛生管理の徹底等について、従前から会議、通知等により指導を行っているところでございますが、今月の十二日には、全国の都道府県の教育委員会の学校給食担当者あるいは生徒指導担当者を集めまして緊急会議を開催いたしまして、これらの点について一層の徹底を図ることとしているところでございます。
 また、啓発資料の作成等を通じまして、児童生徒、保護者、給食従事者等に対します普及啓発に万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○北側委員 最後に、委員長にお願いをさせていただきます。
 これはまだ進行していることでございまして、私も、ほかにたくさん地元から生の声も聞いておりますし、こういうことを取り上げてもらいたいということも聞いております。ぜひまたいい機会に、近い機会にこのような委員会の場を持っていただきまして、この問題につきまして議論をさせていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○和田委員長 ただいまの御意見、理事会の方で相談させていただきます。
 この際、西村眞悟君から関連質疑の申し出があります。石田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。西村眞悟君。
○西村委員 この場には、委員長を含め今質問した北側議員、そして私、堺に住んでおる議員が期せずして三人おるわけでございます。まさか国会の場で、堺の人間が来てくれたら困るということは言われない。これは当たり前のことですが、私の子供を含む堺の学童は、林間学校もそして臨海学校も、楽しみの夏休みの行事すべて中止になりまして、堺の人間が県外の旅館からキャンセルされるという事態が相次いでおる。したがって、厚生大臣が冒頭に御報告された、いたずらに不安を抱かないように努力するということとは正反対の事実がある、社会心理があるということだけは前提として知っておいていただきたい、このように思います。
 さて、なぜこのような事態が社会心理として生じたかについては、その前提たることが必要ですので、これから質問申し上げます。
 ことしの六月六日段階での厚生省の現状認識は、食品保健課長名の文書が「各衛生主管部(局)長殿」ということで発せられております。この厚生省の現状認識は、既にサルモネラ菌を病因物質とする食中毒において死者二名である、五月二十八日に岡山県で発生したO157による死者が二名である、「例年になく細菌性食中毒による死者数が多い。」「例年の傾向からみると、これから夏期に向けて食中毒による事故が増加することが予想される。」、防止に万全を期すようというふうな現状認識でございます。
 つまり、現在の堺市を中心とする事態に対する前兆段階は認知されておる。しかし、これは地震ではございませんで、厚生省の認識では、この六月六日付の通達にある予防措置を遵守すれば今回の事態は防げるというこの御認識は変わらず今もおありですか。どうですか、この点は。
○小野説明員 例年、夏季、夏の時期というのは、御案内のように、七、八、九月の三カ月間というのは食中毒の発生件数が非常に多い月でございます。そういうことから、例年、この夏季それから年末につきましては、食中毒予防の徹底を期していただきますために、都道府県等に対しまして、施設等への指導あるいは点検といったようなことを都道府県知事を通じてお願いしているところでございます。
 本年につきましては、先生御指摘のございましたように、例えば岡山県におきます五月末の集団発生例等々がございましたので、特にその食中毒対策につきまして十分御注意をいただき、指導に遺漏なきようにお願いをするということで、御指摘のような通知を出した次第でございます。
○西村委員 直接答えていただきたいと思いますけれども、この六月六日付の通達で「予防対策」ということがある。食品、水、器物、手指、こういうことについて三点の注意が必要である。食品の衛生的な取り扱いをして汚染を防ぐ、低温管理、飲料水について定期的水質検査、手指をよく洗い、器物も十分洗浄して用いる。この予防対策を講じておったら今回の事態は防止されたのか、防止されなかったのか、防止できない事態であるのか、防止し得る事態であるのか、この一点について否かどうか、お答えいただきたい。
○小野説明員 御指摘の三点につきまして、これを徹底していただければ防止できるというふうに認識をいたしております。
○西村委員 したがって、この予防対策が守られなかった。
 しかも、この六月六日、六月時点で厚生省の認知されるところでは、病原性大腸菌の原因施設はすべて園、学校の給食施設であったわけですね。つまり、園、学校の給食施設が一番危ない、これから増大する食中毒においては給食施設が一番危ないのである。そして、まさに給食施設で大量発生がされておる。
 お聞きしますが、厚生省としては、この予防対策が具体的に園、学校の給食施設で実行されるようにいかなる措置をとられたか。ただこの通達を発するだけであったのか、それとも、実情を調査し、また調査した機関から報告を受けたのか、こういうふうなことについてお伺いいたしたいと思います。
○小野説明員 食中毒の発生の防止対策につきましては、食品衛生法上、その事務は、国から都道府県等に委任されておりまして、都道府県において実施することとされているわけでございます。そういったルートによりまして、個々の事務につきましては、国と地方公共団体との信頼関係のもとで実施されてきたものと理解をいたしております。
 なお、いわゆる集団食中毒は学校等で比較的多く発生するということは従前から指摘をされておりますし、食品衛生調査会食中毒部会に設置をいたしました大規模食中毒等対策に関する分科会におきましても、学校給食施設等の視察を行っていただきましたり、そういったことを含めて食中毒対策の、防止につきましての御意見をいただきながら対処してきたところでございます。
○西村委員 具体的にお聞きした、その答えが出てこない気がするので……。
 それで、今まで事前のことについてお聞きしました。今回、大量発生が堺市でいたしました。その堺市の学校給食施設において、予防対策として先ほどお答えになった、これさえ守っておれば防げたのだという項目は遵守されておったのか、遵守されておらなかったのか。どの学校で遵守され、どの学校では遵守されなかったのか、こういう調査はなさいましたか。
○小野説明員 現地に係官を派遣いたしまして、調理状況調査につきまして、十校弱の学校につきましては、その状況について手順、それから具体的な施設の状況等につきまして把握をいたしておりますが、御指摘のように全学校についてそういった把握を行ったということではございません。
○西村委員 食中毒の発生した全学校で調査は行ってないのですか。
○小野説明員 調理状況につきましては、発生校八、非発生校五校だと思いますが、それにつきましては把握をしておりますが、委員御指摘のとおり、発生校のすべてについて係官が現地に行きまして把握をしているという状況ではございません。
○西村委員 発生地域の南部地域において一校だけ全く発生しない学校がある、なぜ発生しないのか、なぜほかは発生したのかということは調査して当たり前だと思いますが、その件については調査はなさいましたか。
○小野説明員 御指摘の、多発地域の中にありまして発症していない一校につきましては調査に参っております。この学校につきましては、調理方法におきまして、例えばカイワレ大根をただ水道水に数時間浸した後に給食に供したということがほかの学校と違うといったことを把握いたしております。
○西村委員 つまり、発生しない学校においてはカイワレ大根を洗った、そのほかの学校においてはそうしなかったということですね。
 答弁が長いので次へ行きますけれども、結局、大臣が冒頭言われたような、いたずらに不安をかき立てないように対処しなければならないということとは正反対のことをやっておるわけです。
 と申しますのは、発生源の特定は非常に重要なことですが、前提が間違っておるわけです。発生源を特定しなければ事態が改善されないような発想でおりますから、発生源不明な状態においてはあらゆる食品が不安だという情報を駆り立てるわけです。
 しかし、危機管理の発想はそうじゃないのです。この世の中は危険がいっぱいだ、しかし、その危険を防御する体制を整えさえずれば安全だ。学校給食においてその危険を防御する体制、だれも畑に生えている大根を抜いてそのまま食べる者はおりませんから、つまり調理です。学校給食において調理する場が、もともと危険な自然界から安全なものを私たちの食品として口に入れる最後の防波堤なんです。この防波堤が破綻したから今回の事故が起こったわけです。
 したがって、安全を広報しなければならないわけです。破綻原因を突きとめて、その破綻原因のよって来るところを説明し、それを改善すれば安全だという広報をしなければならない。しかし、その広報はなされたことはないわけです。
 全校を調査していただきたいと思います。堺市のみならず、可能性があるという認識なんですから、全校の調理場を調査しなければ、学校給食法の趣旨、生徒に安全な食品を与えるという趣旨と正反対の事態をこれから許すことになります。全校の学校の給食施設を調査して、また、その調理システムを調査して、改善すべきはこれだということを発表なさる予定はあるのですか、どうですか。
○北見説明員 文部省では、今回の事件にかんがみまして、七月二十四日に、研究者あるいは医師などの専門家によります学校給食における衛生管理の改善に関する調査研究協力者会議を設けました。この会議におきまして、学校給食施設設備のあり方あるいはその調理のあり方の検討、さらに学校給食施設におきます衛生管理のチェックリストの作成というものを八月上旬までに行うこととしているところでございます。
 この検討結果を踏まえまして、夏休み中に学校給食施設設備等の緊急の点検を行いますとともに、厚生省あるいは農林水産省の御協力も得まして、二学期から用いられる食材につきまして抽出による緊急の点検を行うということを予定しているところでございます。
 こういったものに加えまして、さらに、自主的な点検の励行など、教職員、学校給食関係者に衛生管理の徹底を指導していきたいというふうに考えているところでございます。
○西村委員 これほどの事態になっても、先ほど厚生省の答弁では、学校給食の調理場を、そして調理場の物的、人的問題点をすべて調査してないという私にとっては驚くべき答弁です。調査される予定はあるのですか、厚生省としては。
 今まで調査されなかった原因が、調査を阻むものはあるのですか、堺の現場であわせてお聞きしたい。
○小野説明員 これまでやってきました調査と申しますのは主として原因究明、再発防止のために必要なことは、どういう原因で、どうして起こったかということをはっきりさせていくということが再発防止にとっての最優先の課題でございます。そういう観点から、学校の調理場につきましても、先ほど申しましたように八校、五校について調査を行いまして、その諸要因について分析をしたところでございます。
 今申し上げましたように、多発地域の中においても発生率にばらつきのある学校等がございますので、これにつきましての個別調査は引き続き堺市あるいは大阪府等と協力して行ってまいりたいと思いますし、いずれにいたしましても、これは学校関係者の御協力が不可避でございますので、教育委員会ともよく御相談をしながら、あるいは文部省とも御相談をしながら進めてまいりたいと考えております。
○西村委員 いたずらに不安を醸成しないというふうな大原則からいうならば、昨日のカイワレ大根の件も、これは洗えば安全なんだということと同時に発表しなければならない、このように思うわけでございます。
 具体的にはあるのですか、協力は。現地の教育委員会との協力体制はできておるのですか、調査するに関しては。
○小野説明員 事態発生後に、大阪府、堺市それから厚生省の三者で三者連絡協議会を現地に設置しております。ここにおきまして、教育委員会とも十分御協議をしながら、あるいは学校の関係者の御協力も得ながら進めてきたところでございます。
○北見説明員 補足させていただきます。
 先ほど申し上げました、二学期からの給食に備えまして給食施設あるいは設備の緊急の点検でございますが、これにつきましては、全国の都道府県教育委員会を通じまして、堺市も含めまして、全国の市町村で実施していただくということにしているところでございます。
○西村委員 次に進みますけれども、堺市では九月からは給食ができない。どういう改善をして、どうすれば安心して子供たちに給食を与えられるのか、これを早急に提示しなければいたずらに不安を醸成するだけです。
 そこでお聞きしたいけれども、九月には学校給食をしない、子供たちの昼食はどうするのですか。
○北見説明員 堺市におきましては、食中毒の原因が特定されていない現段階におきましては、学校給食の安全対策が万全であったかどうかを見直した上でないと学校給食の再開は困難であると考ているとのことでございます。
 この考えに立ちまして、堺市教育委員会においては、八月十日以降、学校長、保護者、衛生関係者などから構成します検討委員会を開催し、学校給食の早期再開に向けまして、学校給食のあり方について、搬送、調理、施設設備などの総合的な観点から検討を行うというふうに聞いているところでございます。堺市教育委員会といたしましては、この検討委員会の検討結果を踏まえて学校給食再開の時期を判断することになるというふうに聞いているところでございます。
○西村委員 単純な予防策なんですよ、これは。したがって、直ちに実態調査して発表して、これで安全だという発表をしなければならないわけです。
 次に、最後にこの問題に関して触れておきますけれども、この予防策で予防できた、この予防策が徹底されなかったからこれが起こったということだけは、先ほど御答弁いただいたから、私はじっくり腹に入れさせていただきます。
 それで、いたずらに不安を醸成しないということとは正反対の現実が起こっているわけです。中小企業庁におかれては、一昨日、堺の方に行かれたようですが、現実に個々の人に当たってみればかなり深刻でございます。
 先ほど北側議員が触れましたように、青果市場、生食を常とする野菜は六〇%のダウンだ。それから魚市場、これは八〇%のダウンだ。浜寺ジャンボプール、報道関係が押しかけて、市営プールがやめているのになぜ自分のところが開いているのかとまるで悪者扱いされる。客は八割も減っている、自分のところは去年もずっと一時間ごとの水質検査をしていて安全なんだ、しかし、報道関係が押し寄せて、まるで開いているのが悪者のようだ。浜寺ジャンボプールの横で営業している吉田食堂、壊滅的だ、安全性のPRをお願いしたい、水で手を洗ってするならば安全なんだ、この安全性のPRの方をお願いしたいと申しておるわけでございます。委員長も御存じの「新東洋」、これは壊滅的だ。懐石料理を中心とする、例年は盆は満員だ、しかしキャンセルが相次いでいる。
 安全性のPRをしないから、なぜ危険が生じたのかという、人的、物的設備を点検して、これを改善すれば安全だ、これを改善すれば学校給食においてこの六千名の食中毒は起こらなかったのだということをPRしなければ、この状態はずっと続きます。その不手際によって、今述べたような壊滅的な打撃がある。
 したがって、私は、この救済に行政として乗り出す必要もあるのではないか、いたずらに醸成された不安なんですから。そしてまた、危機管理においてはじっくりこれから御討議させていただきたいと思いますけれども、私は地元の議員として、お願いでございますから、この経済的打撃を受けた、いわれなき打撃を受けた業者に対して、中小企業者の支援という点でどういう迅速な施策を御用意されているかをお伺いいたしたいと思います。
○梅津説明員 今般のO157による食中毒の発生に関連しまして、食肉につきましても、牛肉やレバーあるいは内臓を中心に売り上げ減少等の影響が生じております。
 農水省としましては、消費者の方々に安心して食肉を食べていただけますよう、一方では、厚生省と連携いたしまして食肉処理施設における衛生管理の徹底に努めるとともに、もう一方で、消費者の部屋等の相談窓口での情報提供、あるいはスーパー、小売店等の店頭でのチラシの配布等を通じまして、O157は熱に弱い、十分な、通常の加熱処理によりまして死滅して食中毒はほぼ完全に防止できる、こういった正確な知識、情報の普及に努めてまいりたいというふうに考えております。
○寺坂説明員 私どもが今月初めに調査いたしました緊急調査で、調査対象となりました中小企業者のうちの約八割が今回のO157問題の影響を受けているという結果を得ているわけでございます。
 通産省といたしまして、政府系中小企業金融機関等に対する相談窓口を既に設置しておりまして、さまざまな相談に応じているところでございますけれども、今回のこの調査結果も踏まえまして、影響を受けました中小企業者に対します信用保証特例等の金融措置につきまして早急に関係省庁と調整を行い、資金供給の円滑化に努力してまいる所存でございます。
○西村委員 私の質問において、学校給食の調理場における問題点の点検が済んでない、現時点でも済んでないということは驚くべき職務怠慢だと思います。この問題点が判明すれば不安は消えるわけです。そして、予防は六月六日時点の厚生省のあの三つの施策でできるのですから、問題点を指摘して、堺の学童のために一刻も早く安心な給食設備を稼働させていただきたい、このように要望して、また怠慢を指摘して、私の質問を終わります。
○和田委員長 北村直人君。
○北村委員 まず冒頭、病原性大腸菌O157でお亡くなりになりました方々にお悔やみを申し上げますと同時に、御遺族の方々にもお悔やみを申し上げ、さらに、この大腸菌O157で今なお入院され、また治療に当たっておられます患者の皆さんに一日も早い回復を、お見舞いを申し上げる次第でございます。
 厚生省の方からの資料によりますと、病原性大腸菌O157は一九八二年にアメリカでハンバーガーを原因とする集団下痢症で初めて見つかった、こう言われております。この菌は家畜等のふん便中に時々見られる菌である、本菌に汚染された食品等を通じて人に感染するというふうな報告がなされておりますけれども、それではまず第一に、日本で、我が国でハンバーガーを食べられた方の中で、あるいは家畜の食肉等を食べてこれに感染をされた方がいたのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○小野説明員 これまで私どもの得ております情報では、ハンバーガーによって発生したという報告は受けておりません。肉による例は、神奈用県の例でございまして、牛レバーを食べたという方の、そのレバーに検出されたという例が一例だけでございます。
○北村委員 ということは、レバーということですから内臓物ということで、直接的には食肉、いわゆる肉を食べてO157の発症を見たという人は今のところはいないということでありますね。
 特に、先ほど来同僚の先生方からも御指摘がございましたけれども、今回のO157の関係で、先ほど私が申し上げましたとおり、アメリカでは、家畜等のふん便の中にO157がある、こう言われておりますし、また、現にそれはあります。そうしますと、畜産事業者の皆さんにとっては実は大変な経済的な影響が与えられるわけであります。
 それでは、家畜生産サイドの対策として、牛の腸管内においてO157をフリーにする方策はあるのかというと、これはもう全くないわけであります。そうなりますと、このO157による、肉から感染するのではないかという心配がひとり歩きをすることによって、先ほど申したとおり、生産者の方々への影響が多大なわけでありますけれども、しかし、生産者の皆さんからすれば、安心して安全な製品を消費者の方々に与えるということは生産者の方々の大きな義務でもあります。
 それでは、その途中における、つまり屠畜場や食肉処理施設における食肉の衛生管理について、厚生省からの報告ですと七月二十六日に通達を出した、こう言われております。この衛生管理について、具体的にこういうところを直せ、そういうような具体的な例がありましたら幾つかお話をしていただいて、七月二十六日に衛生管理についてどのような通達をなされたのか、そのことについて簡単に御説明をいただきたいと思います。
○小野説明員 食肉の衛生管理の徹底ということで、今先生御指摘がございましたように、七月二十六日から屠畜場や食肉処理場を対象にした一斉自主点検を行っておりますが、その内容には、米国でも採用されております衛生的な処理対策と同様に、腸管結紮や刀の洗浄消毒が実施されているかどうかといったような、アメリカの基準に盛られている内容と同等の自主点検を行っていただいているところであります。
○北村委員 具体的には、腸を結紮する、あるいは食道を結紮するという方法が通常では常識でありますし、それはなおなされていなければならない、このように思います。
 今局長がお話をされたアメリカでは、HACCPに対応した施設をつくられているというふうに聞いておりますけれども、では厚生省として、そういったアメリカで行われているような衛生管理について、日本の屠畜場あるいは食肉処理施設においても今後これを適用していくのか、あるいは法律を変えてもっと厳しいものにしていく、そういった方向をとっていくのかどうか、そのことについて御説明をいただきたいと思います。
○小野説明員 私どもといたしましては、去る六月二十七日に設置をいたしました腸管出血性大腸菌に関する研究班におきまして、先ほど申しました、七月二十六日から行っております全国の屠畜場における食肉あるいは輸入肉等の汚染の状況でございますとか汚染の要因等につきましての実態調査の結果も踏まえまして、御指摘のように、米国で順次導入が検討されております新しい衛生管理の方法でありますHACCP、ハサップの導入を含めて、屠畜場における衛生管理について抜本的な改善対策を講じることとしているところでございます。
○北村委員 食品ですからそういった衛生管理を強化していくということはやっていかなければならないと思いますが、ただ、現場を私も何度か見させていただきましたが、今の屠畜場あるいは食肉処理場はかなりの投資をしながらそれを衛生的な、あるいは今お話があったHACCPに準じる、そういうものができていると思いますが、新たにこれを設置するということになりますと、例えば七十億ですとか百億近い投資をせざるを得ないというのが今の日本の食肉処理場の実態であります。
 ですから、もとより安全な食品を提供するということになれば、これはお金に換算できるような問題ではありませんので、七十億、百億かかってもその施設をつくっていくというのはもちろんでありますが、HACCPというそういったものを強化していくということになれば、国の方にそういう施設をつくっていくときのいろいろな対策についてぜひ特段の御配慮をお願いしておきたい、このように思いますが、お答えができますでしょうか。
○小野説明員 屠畜場に関しましては私どもの所管ではございませんので、ちょっと十分なお答えはできませんが、あわせて食肉衛生検査所というのが併設をされております。食肉の衛生検査をいたしますが、これに関しましては私どもの所管でございまして、これの設備施設等につきましては一定の補助の制度がございます。
○梅津説明員 食肉の処理施設につきましては、御承知のように、卸売市場と産地食肉センターとそれ以外の屠畜場と、大きく分けて三つの系列がございます。私ども、卸売市場の方は卸売市場整備計画に基づきまして、また産地食肉センターにつきましては、例えば国産食肉産地体制整備事業、そういったハード事業によりまして順次整備を進めておるところでございます。
 また、あわせて食肉処理施設の再編整備につきましても、各都道府県で再編整備計画をつくっていただくというふうな対策も進めさせていただいております。
○北村委員 それでは、ひとつ観点を変えまして、これまでの食品の安全性確保対策については、私は、病原微生物対策が前面に出ていたという感じがしないのですね。どちらかといえば慢性毒性を念頭に置いた化学物質対策が中心であったと私は思うのでありますが、今回の不幸な食中毒事件を踏まえて、厚生省はこの病原微生物対策をどのように改善をし、推進をしていくべきだと考えておられるでしょうか。
○小野説明員 食品の安全性の確保に関連いたしまして過去をちょっと振り返ってみますと、昭和三十年代には森永ミルク中毒事件、昭和四十年代にはカネミ油症事件などに代表されます先生御指摘になられました化学物質による汚染中毒事故が起こりました。これに対する対策強化ということが叫ばれたわけでございますし、さらに、昭和五十年代からは食品添加物あるいは残留農薬といったものに対する対策などが問題とされまして、その時代に応じた必要かつ重点的な対策を講じてきたところでございます。
 また、食中毒対策につきましても、昭和五十九年に発生いたしました、からしレンコンを原因食品とするボツリヌス中毒などにつきまして、これらに関連いたしまして重点的な対策というものをとってきたところでございますが、近年、WHO等の国際機関におきましても、あるいは先進諸国におきましても、世界的に議論を呼んでおりますのは、エイズとかO157といった新興感染症、いわゆるエマージング・ディジーズと言われているものでございまして、これらの対策の強化ということが国際的にも強く認識をされているところでありまして、私どもといたしましても、そういった各国の動向あるいは我が国での実情を踏まえながら、その取り組みを強化してまいりたいと考えております。
○北村委員 強化をしていくということでありますけれども、それでは、この病原微生物による食中毒対策に対して、今、専門職の方々、本省あるいは予研を含めて十分配置をされているというふうにお考えでしょうか。あるいは、アメリカと比較した場合、十分な人的確保が図られているというふうに考えているでしょうか。
○小野説明員 私どもの生活衛生局におきまして、食品衛生の確保に従事しております専門職は医師、獣医師等二十三名ございます。また、国立予防衛生研究所におきましては、主として食品の微生物検査に従事している研究者八名が配置をされているわけでございます。
 今回のO157による食中毒事件に関しましては、厚生省内に対策本部を設置いたしまして、組織横断的に必要な対策について実施をしてきたところでございまして、国立予防衛生研究所におきましても、全所的にこの問題に対処してきたところでございます。
 また、都道府県の保健所等食品衛生行政の第一線の分野には約四千五百名の獣医師が配置をされているところでございまして、食品の安全確保のために、厚生省と各都道府県等が密接な連絡をとりながら対策を推進しているところでございます。
 現在のところ、新しく生じてくる、例えば今回のO157のような新しく生じてくる健康問題に対しましては、機動的に人員を配置する等によりまして対処していく必要があるし、また対処できるものというふうに考えております。
○北村委員 お話を聞いていますとそれなりの確保はされているのかなという感じはいたしますけれども、しかし、ことしの春の狂牛病の問題ですとか、あるいは今回のO157の問題ですとか、あるいは、私は厚生大臣にもお話をしてありますが、エボラ出血熱の関係の野生猿の輸入禁止をしてはどうかとか、いろいろな問題を実は投げかけてはいるわけでありますが、この公衆衛生の分野では、専門職、つまり獣医師の資格を持った専門職の方々が実は実践的に大変な苦労をされているわけであります。予研でも、実際にはこの病原性の微生物にかかわっているのは専門職の獣医師の方々である。今回のO157でも、多分、現場でいろいろなことを考え、そしてその方策を考えているのも獣医師の資格を持った方々ではないかと私は思います。
 そういった面では、私は、今後こういう病原微生物対策の体制強化をしていくために、厚生省の中にもぜひこの専門職の獣医師の資格を持った方が審議官としてそういったポストをしっかりとやっていく、これが今後のこれからの公衆衛生そして人畜共通伝染病、そういうことに厚生省が前向きに取り組んでいく大きな方向性を示すことになると思うのですが、大臣、どうでしょうか。
○菅国務大臣 専門的な知識をお持ちの北村委員の方から、大変重要な御意見をいただいたというふうに思っております。
 この病原性大腸菌O157による食中毒の発生につきましては、食品衛生面からの対応はもとより、感染症としての対応や医療確保の面からの対応など関係部局にまたがる総合的な対応が必要で、そういう体制をとっているところであります。
 このため、厚生省においては、食品衛生部門、医療関係部門等の関係課長を本部員とし、私自身が本部長として陣頭指揮をする病原性大腸菌O−157対策本部を省内に設置し、省内の連携を密にしながらO157に対応してきたところであり、今後ども、厚生省内一丸となってO157による食中毒に対応してまいりたいと考えております。
 先ほど来いろいろと、屠畜場の問題あるいは人畜共通伝染病の問題、きょうの議論には出ておりませんが、家畜伝染病法ですか、そういった問題、これはもちろん厚生省の所管ではありませんが、そういった問題などで、今回のO157は、私が聞くところによりますと、人間に感染すればこれは病気を発生するけれども、牛にとっては必ずしも病気にはならない、そういう意味では共通ではなくて人間にだけ病気になるというものなので、そちらのといいましょうか、家畜伝染病の方の指定は対象になっていないというようなことも聞いております。
 しかし、とにかくいろいろなものが、先ほどの狂牛病の問題を含めて、家畜と人間との関係を含めてそういった問題が次々と新たな事象として出てきておりますので、この分野はとにかく厚生省としてもより重要視をしなければならないというふうに認識をいたしております。
 具体的に現在の部局、審議官をどうするかというような問題につきましては、現在、審議官は、大臣官房に置かれて、局長を補佐し、重要な事項の企画立案に当たるため、併任を含めた機動的な配置をすることとなっておりまして、今回のような事件に対処するためにあらかじめ食品衛生専任の審議官を置くということは、現在の時点では、まだ全体のバランスからいって難しいのかなと思っておりますが、今後、いろいろな新しい事象が起きますので、そういったことも含めた、社会にきちんと対応できる全体の体制のあり方という中では十分考えなければいけない問題、そういうふうに伺わせていただきました。
○北村委員 ぜひ大臣、行政改革に反するところも一部あるのかなという感じもしますけれども、しかし、これからは何が起きるかわからない、特に公衆衛生の部分では全く未知の部門があるわけであります。そういった面で、審議官という制度がいいのかどうかは別といたしまして、やはりこの専門職の方々の強化体制をとっていただきたいな、このようにお願いを申し上げます。
 最後に、私は、食品は正しく取り扱えば安心して食べられるというふうに考えております。そういった面では、今回の大変不幸な事件ではありますけれども、しかし、私も専門の獣医師の資格を持っておる一人として、この病気についても、ある面ではだれでもが発生する可能性のある病気である、専門的な見方をすればこのような見方もあります。しかし、声高にこのことを言うわけではありませんけれども、そういった面では、コマーシャルではありませんけれども、やはりおかしいなと思ったならばすぐそれに対処する、対処したときに治療方法がしっかりある、そして重症に陥った方をきちっと救える、そういった対策をぜひつくっていただきたいな、このように思います。
 そして、現地、北海道等々でも、この家畜の生産者に大変な大きな影響が与えられております。先般も、馬市というのですけれども、馬の市場がありました。九州からもたくさんの方が来られましたけれども、普通ですと三歳馬一頭五十万の価格がつくのがことしは二十万ぐらいである、そして、あるところで終わって、次の馬市では九州の方々ももう馬は要らないと言う、こういうお話であります。ましてや来年もこういう問題が出てくるとなれば、今二歳馬を抱えている生産者の方々は、来年は売れないのではないか、こういった大変な深刻な状況が実はあるわけでございます。
 そういったことを踏まえて、ぜひ厚生省のきちっとした情報を、消費者の方々を惑わすような、あるいは情報だけがひとり歩きするような、そういったことではなくて、的確な情報とそして指導をお願いする次第でございます。
 時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。
○和田委員長 山本孝史君。
○山本(孝)委員 新進党の山本孝史でございます。
 O157についてお伺いをする前に、一問だけ。
 大臣、この八月四日に香川県の豊島を御訪問されて、あの島で問題になっております不法に投棄された大量の産業廃棄物の現場を直接ごらんになったというふうに思います。六月十二日の本委員会で私も直接にお願いをさせていただいて、早速に実現をしていただいて、大変にありがたいことだというふうにお礼を申し上げます。
 ごらんになっての感想と、今後、生活衛生局長あるいは廃棄物対策室長を現地に派遣させるとかというようなことも含めて、今後どういうふうなお気持ちあるいは方針でこの豊島問題に対応しょうというふうにお考えなのか、ここをお聞かせいただきたいと思います。
○菅国務大臣 御指摘のとおり、六月の本委員会で、山本委員からの要請といいましょうか提案もありましたので、八月四日に香川県の豊島に出かけてまいりました。
 いろいろと事前に新聞記事あるいは写真なども見ておりましたが、現地に入ってその現場を見ておりますと、少なくとも十二メートルぐらいの深さが全部いわば産業廃棄物で、一種の地層がその産業廃棄物ででき上がっているという、そんな状況を見ましたし、それから、雨水等によって出てきている水が濃い紫色のような色で、やはり百聞は一見にしかずといいますか、見てみると、これは大変なものだなということを感じたわけであります。住民の皆さんからもいろいろなお話を伺いました。
 ただ、この問題をどういうふうに認識すればいいかというのは、やはり香川県の御意見というものが大変重要になると思いますので、機会を見つけて香川県の関係者とも意見交換をしたいと思っております。
 今御指摘のありました厚生省の職員を派遣するという問題につきまして、これも現地からもいろいろな要請をいただいております。どういう形があり得るのかということもあるのですが、また、どういうメンバー、どういうポジションの人がふさわしいかという問題もありますけれども、そういった香川県との相談を十分した上で、厚生省自身としても適切な折に厚生省職員の現地派遣なども考えていきたい、こう思っております。
○山本(孝)委員 生活衛生局長、今はこの157問題でお忙しいでしょうけれども、ぜひ時間をつくって行っていただきたいというふうに思います。
 157問題についてお伺いをいたします。
 六月七日の委員会で江田五月先生がお伺いをされて以来ずっとこの委員会でも考えておる問題でございますけれども、伝染病予防法の指定は、限定的であっても、私は、なぜこれが必要だうたのか、いまだに理解ができません。現地でお伺いをしても、これでいいことになったのは、検便をお願いするのにやりやすくなったなという話。そんなの、あんたら役人の勝手な都合やないか、そういうことだけでこんなものに指定されたら困るじゃないかというのが私の正直な気持ちです。地元自治体、特に堺市なども、適用されてどうなるんだというふうに戸惑いの声が出ている。そういうような形の中でなぜこの指定をしなければいけなかったのか、私はこれはいまだに理解ができない。
 今回のカイワレ大根が原因だという発表の仕方も、余りにも唐突過ぎませんか。これは、地元の羽曳野市からきょうも抗議文が来ましたけれども、「発表に際し、行政の先端を担っている当該市」、羽曳野市「に対して、事前の事情聴取や今後の対策をも含めた緊急の対策協議があってもしかりかと存じます。」という抗議文でございますけれども、新聞発表あるいはテレビの発表でもって地元の自治体が知るというような形の発表の仕方というのは一体どういうことなのか、なぜこのような乱暴なやり方をされなければいけないのか、私には全く理解ができません。この辺のところをきちんとした説明をしていただきたいというふうに思います。長い説明は要りません、今までわかっていますので。なぜこういうふうな急な、唐突なやり方でこの発表をしなければいけないのかということの説明をしてください。
○小野説明員 今回の事態に対しましては、私どもも原因究明を徹底的に進めてきたところでございますが、今回のような広範かつ重大な食中毒の再発を防止するためには、原因究明について一定の成果を得た段階で公表していくことが必要であるというふうに判断をしたわけでございます。
 こうした中間報告につきましては、羽曳野市には連絡をいたしておりませんが、食品衛生法上、羽曳野市の食品関係業者につきまして行政上の権限を持ちます大阪府と被害の発生した堺市には連絡をとった上で公表したわけでございます。
○山本(孝)委員 あんたら地元の者は黙っておれ、厚生省でしっかりやるからというような言い方であるならば、しっかりとした対応をしていただきたいというふうに思いますけれども、藤井寺保健所の検査の中でも157の菌は出てこない、地下水にも出ない、しかも、同じ給食を出されている、同じ一つの学校で調理した給食を二つの学校に持っていって、片方は出たけれども片方は一つも出ないというような状況の中で、この発表の仕方というのは本当にこれでよかったのか。一遍発表されてしまったものはもう仕方がありませんけれども、もしこれが違ったらどうするのですか。もうちょっときちっとした発表の仕方をしていただきたかったなというふうに私は思います。
 消毒の仕方にしても、学校でこういうふうに消毒しておられるけれども、確かに消毒したときは菌は死ぬかもしれない、ここにいたものは死ぬかもしれない、でもこの消毒薬が乾いた後でまただれか保菌者がここに来れば、ここにつくのでしょう。
 ああいう状況で、何か極めて怖い菌がはびこっているのだというような状況の中で、二次感染率だって二%ですよ。ああいう状況の中で、この伝染病の指定にしても、あるいは発表の仕方にしても、もう少し慎重な対応を厚生省はされるべきだったのではないかというふうに私は強く思います。
 時間が短いので、質問させていただきますけれども……
○菅国務大臣 委員長、いいですか。
○山本(孝)委員 はい、どうぞ。
○菅国務大臣 まず、指定の問題は、少し前の段階からその方向については申し上げておりまして、また、審議会を通して専門家の皆さんの御意見も聞いた上で指定をしたわけです。先ほど来の、メリット・デメリットあるいは懸念というものはいろいろな面があると思いますが、唐突な指定という御意見については、私は、若干違うのではないかな。これは、それなりの手だてを踏まえて、その上で事前に、私としては府知事と堺の市長にも前日にお話しに伺って、一般的な意味では御理解をいただいた上で最終的に指定をしたわけであります。また、それに伴ういろいろなことについても、できるだけ万全の、人権侵害にならないような対応をも含めて同時に発表したつもりであります。
 また、昨日の中間報告については、これは確かに、どういう考え方で発表するかということはいろいろな御意見があることは承知をしております。つまり、はっきりするまでは全部任意でそっと調べていく、はっきりしない限りは何も報告はしないというあり方も、それはあろうかと思います。
 ただ、私が受けた報告では、先ほど来中間報告の中にも詳しく述べましたように、学校給食の食材の中で共通なものは、いろいろな要素を外してみるとパン、牛乳、カイワレであり、あるいは、あるホームがそれであったということ、さらには、遺伝子調査などでかなり共通性が高いということで、さらなる調査を進めようと思いますと、これは事実上どこを調査しているかわかってしまうという現実もありますし、また、試料等をいただいて帰らなければいけないという問題も起きるということがありまして、ここはぎりぎりの判断としては、確かに一〇〇%確定的であればもうすぐにでも別の対応ができるわけですから、そうでないときにどうするかという判断はありましたけれども、また、私としては、あるいは厚生省としては、ここはそういった全体の重大性から考えた場合には、この部分は中間的であっても発表して、そして、現状がどういう状況にあるかを発表した上でさらに調査を推し進めることの方がより重要であろうという判断の上に立ってやったわけであります。
 ですから、私は、唐突であったということではなくて、十分に判断をした上で、その判断が的確であったかどうかについての御意見があることはよくわかりますけれども、十分にある意味で慎重な判断をして、その上で慎重な議論をした上で判断をした、そういうことは理解いただきたいと思います。
○山本(孝)委員 唐突だと申し上げているのは、ちゃんと地元の自治体等とも協議をされたらどうですかということです。厚生省の中で全部おやりになるというのであれば、それはそれでよろしいけれども。――いいです。時間がないですから次の質問に行かせてください。
○和田委員長 菅厚生大臣。
○菅国務大臣 地元の自治体は、確かに羽曳野の問題は患者の発生の場所と違っていましたので。
 実は事前に、府知事と堺市長とは、私自身、前の日に電話でお話をいたしました、こういう方向で翌日の閣僚会議に報告したいと。羽曳野については、若干直接な面識がなかったものですから、私から直接にという形はとりませんでした。
 実は、堺と羽曳野が若干違うのは、保健所を直接監督しているのは、堺市は直接監督しておりますが、羽曳野は保健所は直接は監督しておりませんで、府の方でやっておられるものですから、そういったこともあったかと思います。
 そういった意味も含めて、行政として決してどこかにわざと言わないでやったということではなくて、十分であったかどうかという御指摘をいただくことは仕方ないと思っていますが、そういう事情もあって、府と堺市については十分御説明をしたのですが、羽曳野について私どもが期待していた府を通してのお話というのが行っていなかったという点では、これは申しわけなかったと思っております。
○山本(孝)委員 羽曳野の老人ホームでも同じ食材を使って食中毒が出ているわけですし、全くもって関係のない市ではないというふうに私は思います。
 厚生省や予研は今回の発生を予測していたのではないかというふうに私は思うのですね。全く予測していなかったのかどうか、その点をお聞きいたしたいのです。
 一つは、予研とエイズ結核感染症課が出しておられる「病原微生物検国情報」、ことしの一月号は、特集は「ベロ毒素産生性大腸菌」ということになっている。これは、九一年の一月にサーベイランスが始まって以来九五年の十一月まで、毎年これだけの患者が出ていますよ、集団発生もありましたよという報告になっている。ことしの一月ですよ。しかも、CDCからずっと御報告を受けておられると思いますけれども、CDC週報の中でも常にこのO157の話は出てくる。
 集団発生が保育所、幼稚園、小学校などこういう学校給食のシステムに乗ってくれば大量発生するということは当然に予測できる、毎年発生しているわけだから。だから、ことしとまでは言わなくても、間もなくにはこういう状況になるということは予測されたのではないか。全く予測をしていなかったのか、あるいは起こるかもしれないというふうに予測をしていたのか、どっちですか。簡単に答えてください。どっちですか。
○小林説明員 御指摘の「病原微生物検国情報」は、先生のおっしゃるとおり、集団発生の分析をいたしております。この分析の結果として、施設での発生より家族内発生が多いこと、ほとんどの事例で感染源が明らかとなっていないことが指摘されております。今後の集団発生につきましては、具体的な予測まで行ったものではございませんが、集団発生においては食中毒のみならず感染症としての対策が強く望まれることが指摘をされております。
 それで、この読み物自体は厚生省も読むところでございますけれども、各地方自治体に配付して、地方自治体にもこのことについて御理解をいただくようにしているものであります。
○山本(孝)委員 さっきの話と同じで、配れば読むだろうという話じゃなくて、厚生省はこの発生を予測していたのかどうか。予測していたなら、どういう対策をとろうとしていたのか。私はそこを聞いているのです。あなたの答えは全然答えになっていない。
 だから、結局、常に言われているように、新しい感染症がどんどん出てくる中で、一体厚生省としてはどうするのですかと。これは、四月十七日のこの厚生委員会でも私は同じことを言わせていただきましたけれども、新しい感染症がどんどん出てくる中で、厚生省としては感染症の対策の窓口を一本にしなさいと。常に言われている五十九年八月の国立予防衛生研究所の在り方に関する協議会、もう十年以上前の話、ここの中で、予研にちゃんとした感染症サーベイランスの機能を持たせなさい、コンピューターを入れてやったらどうですかという話はもう十年前から言われているわけでしょう。
 ずっとやってきて、しかも、こうやって自分たちで出しながら、毎年出ているじゃないか、ひょっとしたら出るかもしれないじゃないかというふうに思いながら、今回、岡山で出て、なぜそれが堺であんなに六千人も出てしまうのですか、七千人も出てしまうのですかというのが、我々はやはりおかしいと思うのですね。どう考えたって、対応に生ぬるさがあったとしか思えない。
 一体、今後この感染症対策という形で予研の抜本的な改正、ここのところをどうするのだ。本当に予研が動かないのだったら、今予研にいる人を全部首を切ってしまって、新しい人を入れてやり直してくださいよ。でなければ、こんなものお金のむだ遣いじゃないですか、この予研の中の話は。一体これはどうするのですか。
○小林説明員 厚生省におきましては、昨年の一月、国立予防衛生研究所を含めた国立試験研究機関全体について、重点整備・再構築案を取りまとめたところでございます。
 国立予防衛生研究所につきましては、御指摘の国立予防衛生研究所の在り方に関する協議会や国立試験研究機関等将来構想検討会の建議、それから報告の趣旨も生かして、感染症に関する迅速な情報の収集、評価及び厚生省の政策担当部局への提供という役割を果たしていくため、研究所内に感染症情報センター、仮称でございますが、それを設置することといたしております。
 今般のO157を初めとした感染症の動向に的確に対応していけるよう、感染症の専門機関である国立予防衛生研究所に係る再構築につきましては、できる限り前倒しをして、感染症情報センター(仮称)については、平成九年度に設置する方向で関係機関と調整中でございます。
○山本(孝)委員 十何年ぶりにしてようやくその方向に一歩踏み出すという形ですね。
 それで、もう一点確認したいのですけれども、結局、感染症の情報収集を片方でしますね。それを政策の面に反映させなければいけない。収集と政策決定という両方の部分があるのですけれども、収集をするのは予研の仕事であって、予研がこういうふうにしていろいろデータを出してこられる、それに基づいてエイズ結核感染症課の中で対策をつくるのだというふうにここは理解していいのですか。この情報収集の役割分担と政策決定の役割分担、ここはこういう理解でよろしいですか。
○小林説明員 おっしゃるとおりでございます。
○山本(孝)委員 そうすると、この予研の中で今回のO157の対応をしておられる部局は一体どこになって、そこで一体何人の方がおられるのか、そこを教えてください。
○小林説明員 予防衛生研究所におきますO157の直接の研究担当は御指摘の細菌部腸管系細菌室でありますが、今般は、O157の集団発生に関しては細菌部全体二十二名で協力して対応をいたしておるところでございます。
○山本(孝)委員 だから、それは大量発生したから対応しているということであって、本来の腸管系細菌室の担当は二人でしょう。一人は室長で、もう一人ですね。だから、二人しかいない。二人という状況の中で今度新しく感染症情報センターをおつくりになるという中において、公衆衛生院なりあるいはこの予研なり抜本的に改正をしてもらって、もっと新しい感染症に対しての対応をつくっていただきたいというふうに思うのですね。
 あわせて、時間がありませんので、要望事項というか、こうしたらどうかということだけ申し上げます。
 一つは、今おっしゃった、情報収集は予研だ、それで政策決定はエイズ結核感染症課でやるのだと。エイズ結核感染症課は、今、岩尾課長がおられるけれども、これはもうエイズ問題で手いっぱいですね。臓器移植対策室から応援に来ておられるそうですけれども。エイズ結核感染症課と、新しい感染症が出てくるたびに名前がふえていくような形の課の構成というのは、私は無理だと思うのですね。エイズはエイズでおやりになって、やはり感染症は感染症でおやりになるというような形のきっちりとした対応をここはおとりになった方がいいのではないかというふうに思います。
 それから、今、世界的な感染情報というのはCDCからしか来ないというか、CDCがほとんどすべてのものを持っている。CDC週報を見せていただきましたけれども、例えばセーフティーベルトがどうなのだとか、あるいはピストルを使うことにおける危害の度合いがどうだとか、家庭内暴力がどうだとかというような問題から、すべて人間の命や健康を侵すような問題について対応をしようというのがCDCの姿勢になっていますね。単に病気だけじゃなくて、人間の命を脅かすような要因についてはすべて研究対象にしてやろうと。これぐらいのやはり哲学というかビジョンがないと、私は、危機管理というか国民の命を守るという中においては無理なんじゃないか、それぐらいのことを本当はやっていただきたいと思うのです。
 少なくとも、CDCに厚生省から職員を派遣する、常駐させるとかということをおやりになったらどうだろうか。ワシントンで一人、日本から来るお客さんの相手をしているだけじゃなくて、本当のところ、アトランタに行かれた方がよっぽどいいのではないか、あるいはエイズ結核感染症課を抜本的に改正された方がいいのではないかというふうに私は提案をしますけれども、もし御意見があったら、大臣、その辺どうでしょうか。私はそういうふうに思います。お疲れで、聞いていられないかもしれませんけれども、お願いします。
○菅国務大臣 エイズ問題の折も予研のあり方についてはいろいろ議論がありましたし、今回も、私も予研の関係者のいろいろな知識というものが特に重要だということを痛感しておりますので、今改革をしようとしていることだけで十分なのか、さらなる充実強化を含めてやらなければならないことがあるのか、そこらについては、非常に重要な問題だという認識の中で充実強化の方向で何ができるか考えていきたいと思っております。また、CDCとの関係も、いろいろ一時的に人事交流はありますけれども、そういった人事交流を含めて、それの重要性も十分認識した上でどういう対応ができるか考えたいと思っております。
○山本(孝)委員 いたずらに不安を助長するような形の対応ではなくて、もう少し腰を据えてしっかりとした対応をしていただきたい、こういうふうに思います。
 ありがとうございました。
○和田委員長 五島正規君。
○五島委員 まず、今回のO157発症問題でございますが、今、一自治体の中で六千五百人を超えるという非常に異常な状態が起こってきています。
 しかし、それにも増してこの問題で原因が究明されなければいけないのは、今回のO157の発症が二県を除いて全国各地で一斉に発生している。これまでもO157の発症例はあるわけでございますが、例年、十例とか十数例という程度でございます。
 草食動物の中において常在菌として存在するO157でございますが、それがなぜ今年このように全国で発生したか、その原因についてどうお考えなのか。今、どうも堺市の原因の問題に余りにも論議が集中し過ぎている。全国でこのようになぜことしになって起こってきたのか、その点についてどうお考えになっているのか、まずお伺いいたします。
○小野説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、ことしのO157というのは、先生御指摘のように、非常に広い範囲で起こっているということが昨年と違う特色でございます。
 正直に申しまして、何が原因か、なぜこんなになったのかということについては、私ども、まだ十分分析をし切れてございません。
 ただ、食べ物を介してということは十分考えられるわけでございますので、集団発生例それから個別発生例につきましても可能な限り喫食調査をいたしまして、その食材の流通ルートのもとまでさかのぼっていろいろな点検をするということで少しでも原因解明に近づきたいと思います。御案内のように、食品流通は非常に広域的でございますので、関係する地方公共団体が非常に多うございますが、私どもとしましては、個別、集団を含めて徹底した食品ルートの解明には努めてまいりたいと考えているところでございます。
○五島委員 今、生活衛生局長が言われたような状況で、これからそこのところをやらなければいけないということだと思うわけですね。そうだといたしますと、今なすべきことは、どうも今厚生省がおとりになっている方法ではないのではないか。
 厚生省は、今回、このO157に対して伝染病予防法の指定を行われました。伝染病の対策としては、言うまでもなく、病原対策と経路対策、そして感受性対策、この三つがあるわけでございますが、伝染病予防法というのは終始一貫して病原対策しか書かれていないのです。例えば今回一番問題になっております堺市の問題にいたしましても、仮にO157が伝染病予防法に事前に指定されていたとした場合に、何らかの対応策に違いが出たのか。出ない。これは明らかに食品衛生法の強力な適用によってしか対応できなかったということはわかっているわけです。
 この伝染病予防法の中で書かれております一連の問題点というのは、たくさんございます。そして、その中で隔離はやらないというふうにおっしゃいました。まあ隔離をやらないということは当然でしょう。しかし、それじゃ隔離以外の中で何々をこの伝染病予防法の中で適用されるのか。
 御案内のように、伝染病予防法というのは、仮に発症してなくても、いわゆる健康保菌者と言われる方は伝染病患者とみなして対応することになっています。そして、それに対して行わなければいけないのはさまざまな消毒方法、家庭内においての消毒方法については義務づけないというふうにお書きになっていますが、しかし、家庭内以外の洗濯であるとか、車両であるとか、あるいは工場であり事務所、あるいはその他の施設においては、患者が出ればやはり強制的に全面的に消毒することになる。あるいは、そういう保菌者に対しても就労制限が入ってくる。あるいは、検疫委員とか防疫員というふうなものを各自治体において指名し、消毒の代執行等々をやるようになっている。
 そうした一連のことがあるわけでございますが、仮にこの中で、先ほどの御討議を聞いていまして、就労の禁止がここで保菌者に対してされたとした、それじゃこれで発症が防止されたのか。
 現実に今学校で問題になっている六千五百人の問題について言えば、学校給食員が保菌者で、そこで発生したという事例ではないわけでございます。まだ非常にあやふやな状況ですが、仮にカイワレ大根がその原因であったとするならば、伝染病予防法によって保菌者に対していわゆる調理の禁止をやったとしても、この問題は何ら予防になっていない。にもかかわらずこの伝染病予防法を適用されたという根拠について、お伺いしたいと思います。
○小林説明員 今回の指定をしたことが堺の事件を予防できるのかというおただしでございます。
 今回の場合は、今厚生省の方は疫学調査の結果でカイワレ大根ではないかという疑いを持っているところでございますけれども、そうではなくて、患者の方または保菌者の方が実際に給食をつくっている、そういう状況になると、今回の事件では発生していなくても、それは次の患者さんを生み出す危険性が大変高いということから、直接食品にさわる、そういうことだけは就業制限をかけよう、しかし、その人方でも実際には働くということも大変大切なことでございますから、そういう給食業務から離れた業務を担当することは結構です、こういう形にしてやっておるわけでございまして、今回伝染病予防法をやったのは、堺の事件だけを防ぐとか、堺の事件だけのことを考えているわけではなくて、O157どいう大腸菌に対する対策として指定をしたということでございます。
○五島委員 将来に向けて伝染病予防法を、今回、まだ何らその原因も対応策もない中で早々と決めた。これは伝染病予防法そのものの持っているいわゆる治安処分的な側面を非常に前面に出されたということで、その意味では伝染病予防法の本質をよく理解しておられるのだなというふうに思います。しかしながら、これは現状において対応すべき方法ではないと思います。
 まず、今回の事件を振り返ってみた場合に、全国的にこれだけ発生しているのは、O157をお持ちになっているいわゆる健康保菌者がこれだけ広がっていると考えるのか、それとも、特定のそういう原因になるようなものが非常に広がっていると考えるのか、これは非常に重要でございます。
 そして、今明らかになりつつあるのは、神奈川の生レバーの問題にしろ、今回のカイワレ大根の問題にしろ、どうも調理の現場の問題ではないようだ。そうだとすると、その就労禁止をもし今小林局長が言うようにするとするならば、調理者だけをそこで就労禁止していいのかどうか。特に、今日のように半製品等々が広範に使われている、そういう状況の中において、レストランとか学校給食あるいは病院給食とか、そういうところで直接最終的に加工する、その人たちだけに就労禁止をやったからといっていいのか。もしそうでないとするならば、例えば肉の解体であったり、あるいは食品の加工であったり流通であったり、一体どの辺までこれは就労禁止されるのか、そこのところを明確にしていただきたいと思います。
○小林説明員 今回就業を自粛していただく方々は、食品を直接さわられる方でございます。そういうことでいきますと、肉の処理をされる方は、その肉、例えば今回ですと牛の肝臓を生で食べるという人がいらっしゃった。そうすると、牛の肝臓を直接処理される方々も当然、食品をさわるということで今回は就業禁止の対象になります。
 ですから、そこまでなるということでございまして、ただ、加工品の最後の段階で消毒が入る、例えば缶詰をつくっていく最初の段階でさわっても最後にちゃんと消毒をするというものについては今回は入らない、このように考えております。
○五島委員 就労制限という極めて生活に大きな部分がどうも話としてはあいまいで、これがひとり歩きし出すと大変なことになるのではないかという感じを持ちます。
 そして、加えまして、そうした一連の、先ほど大臣は、検査その他がスムーズにいかない、だから伝染病予防法とおっしゃったわけですが、実は食品衛生法の中にそういうことはできるようになっているはずでございます。
 例えば、食品衛生法の中におきましても、第十五条あるいは第十七条等々の中にそういうふうなことができるようになっているはずでございます。むしろ、そういう病原体に対して、伝染病予防法ではなくて、その経路対策の問題としてはそうした関連法によってこれまでも対応してきたし、そういう筋道になっているはずでございます。そこのところをどう強化していくのかという議論がされないで、なぜ病原対策というところが先行して出てくるのか。
 事実、これは小林さんにしても、それからそこにおられる小野局長にしても、お互いに恐らく経験されたことだと思いますが、あの昭和四十四年の日本公衆衛生学会の中におきまして、この問題で若手の研究者が集まりました。そして、伝染病予防法を中心とした伝染病対策というのは治安立法だ、これは歴史的に見ても非常に問題がある、これによって伝染病の対策はできないのだということは確認し合った話で、もう四半世紀たっています。それが今また何か真昼の幽霊みたいにふらふらと出てきた。私は大変それに対して危惧をいたします。
 事実、そのときに私も論文を書かせてもらったわけでございますが、私の経験の中においても、一歳半の子供が、非常に貧しい住宅地域の中にいる子供が赤痢にかかりました。そのおやじさんはいわゆる日雇い労働者と言われる方でした。その結果、その子供が赤痢を発生したということで、おやじさんの職場まで保健所が追いかけていって強制検便をし、そのことによっておやじさんは首になりました。そして、その地域から通っている子供たちは、学校の中において危険であるからということで、給食は理科室でとらされました。そして、その結果、その地域の子供に対して周辺の学校の子供たちは、あれは赤痢だ、あれは汚いということを言いはやし、その子供たちが集団的に学校に行くのを嫌がったという経過がございました。これは岡山市での事件でございます。
 もう今から二十五年を超える昔の話でございますが、まさにこの伝染病予防法というのは社会的防御という形で、今のマスコミもそうでございますが、無意味にただ恐怖感をあおるということの中で、社会的なヒステリックの状況の中でこれを適用されたら、人権に配慮すると言っても、必ず大きな意味での人権の被害が起こってきます。それは大人の世界においても子供の世界においても起こってまいります。そのことについてどのように厚生省、並びにきょうは文部省も来ていただいていると思いますが、対応しようと考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○小林説明員 伝染病の予防は、先ほど先生もお話しされましたように、病原対策、感染の経路対策、それから感受性対策という三つの対策が必要でありますが、そのうち伝染病予防法は主として感染源対策になっておりますけれども、今回でも指定するときに、立入検査、それから汚染物件の使用制限など、感染経路への対策もちゃんとやっているところでございます。
 ただ、伝染病予防法そのものについては、先生おただしのように、人権に問題があるのじゃないかとかいろいろな問題がありますし、今日の公衆衛生の現況から見て決して私どももいいものではない、このように思っておりまして、七月二日、公衆衛生審議会の伝染病予防部会を開きまして、伝染病予防法の見直しをするということを言って、そして、委員の先生方に御協力をいただくことになったわけでございます。
 そういう意味では、今回は、O157という病気は感染力はさほど強くないけれども、発症したら、後の経過だとか予後ということについては赤痢と同じように大変怖い病気であるということから、何としても二次感染は防がなくてはならぬ、こういうことから今回の措置をとったということで御理解をいただきたいと思います。
○北見説明員 O157に関連いたしまして、差別あるいはいじめの問題につきましては、誤った認識から生ずると考えられることから、まず、その正しい知識の普及啓発が必要と考えているところでございます。また、差別やいじめがあってはならないということを、学校において適切な指導が行われる必要があるというふうに考えているところでございます。
 文部省におきましては、来週十二日、全国の都道府県教育委員会等の学校給食担当者あるいは生徒指導担当者を集めまして緊急の会議を開催いたしまして、その際、こういった面での指導の徹底を図るということとしているところでございます。
○五島委員 全国で一万人足らずの患者が発生しているわけでございます。そして、その中で二次感染と疑われている方は百五十九名、堺市で出ています。サルモネラであったとしても、これは細菌である以上、これだけの患者が発生すれば、二次感染が起こって不思議ございません。そういう意味では、二次感染があるからということをもって、いわゆる感染症、食中毒ではなくて伝染病だというふうに決めつけるというのは、これは非常に問題がある。これはあくまで、どのような医学的あるいは防疫的対策が中心になるべきかによって判断されるべき内容であるということであると思います。その点は、厚生省の中には専門の方がたくさんおられるわけでございまして、そういう意味で、一体どういう検討の中で今回のような決定になったのかということを私としては大変不思議に、不審に思っているところでございます。
 あわせて、この伝染病予防法を適用することになって、例えば具体的に何々を実施されるのか。ここに書いている内容から除外されることを省きますと、例えば、御案内のように伝染病予防法では、汚物で汚れているものを廃棄したり勝手に洗濯したりすることは禁止されていますね。これは、そういう患者さんあるいは保菌者が使っておられる汚染されたもの、例えば「伝染病毒ニ汚染シ若ハ汚染ノ疑アル物件ハ市町村長、検疫委員又ハ予防委員ノ認可ヲ受クルニ非サレハ使用、授与、移転、遺棄又ハ洗滌スルコトヲ得ス」、こうなっていますね。これは一体どういうふうにされるのですか。
 例えば、保菌者の方の下着等々が汚物で汚れた、感染の危険があるという場合、これは洗濯してはいけない。これは何らかの指示のもとでやっていくということになるのでしょうから、恐らく、こういうふうな方法でもって消毒をしない限りは洗濯をしてはいけないとかいうことの指示をお出しになるのだと思うのですが、それじゃそれは具体的に守られているかどうかということの点検が次の段階で必ず問題になってくる。それをどういうふうに考えておられるのか、お伺いします。
○小林説明員 それでは、今回の指定に当たって適用しないところをまず申し上げたいと思います。
 まず最初に、皆さん方が一番よく御存じの話は、患者の隔離は行わないということ。それから、患者が発生の場合の世帯主の届け出の義務が従来はありましたが、これも課しません。それから、世帯主による家屋等の消毒の義務はつけません。それから、遊泳の禁止等も行いません。また、今先生がおっしゃられました病毒汚染物質の処理等の制限というのも適用をいたしません。
 ということで、今回は人権等を配慮いたすということから、できる限り適用しないところをふやして、本当に二次感染の予防、それから感染経路の解明に役立つところに適用をするということにした次第でございます。
○五島委員 そうすると、就労制限以外のところはほとんど関係がないというふうにおっしゃっているのかどうか、そこのところを明確に教えてください。
○小林説明員 済みません。適用する方の予防措置について申し上げます。
 まず、患者を診察した場合の医師から市町村長または保健所長への届け出、これは適用いたします。
 それから、都道府県知事による健康診断、検便ですね、検便の実施による感染の有無の診断、これを適用いたします。
 それから、患者、保菌者の飲食物に直接手を触れる業務への就業の制限ということで、これは就業の制限、従来はたくさんあるのですけれども、それを限りなく絞り込んでおります。
 それから、保菌者からの都道府県知事に対する病原体検査、検便の請求、これは患者さん側の方の権利として、自分は菌が陽性だと言われた、だけれども、努力してもう陰性になっているはずだ、調べてくれということを言える権利になりますけれども、それを請求することができることにいたしておる。これはあります。
 次に、都道府県知事等による感染源のおそれのある施設への立入検査、これは適用しております。
 それから、市町村による公共施設の消毒、これはできることにしておりますが、従来、家屋の消毒ということで市町村や保健所が代執行という形で家屋に消毒に入っていたのですが、これは今回は適用しないことにいたしております。
 それから、腸管出血性大腸菌に汚染された飲食物、井戸水の販売または使用の制限。
 それから、その他予防措置の実施に必要な規定で、特に費用負担関係は当然ながら適用いたしております。
○五島委員 その中で重要な問題はやはり就労の問題なんですが、かなりさまざまなところで適用しないと決めておられながら、伝染病予防法の第八条に言うところの就労制限はされるわけです。
 ところが、伝染病予防法施行令の中に、第四条「法第七条、第八条、第九条及び第十八条の規定は、コレラ以外の伝染病の病原体保有者に対しては、適用しない。但し、都道府県知事が特別の必要があると認める者及び赤痢、腸チフス、パラチフス、ヂフテリア又は流行性脳せき髄膜炎の主要症状が消退した後の病原体保有者であって、その消退の時から」、一定の日時が書いてありますが、「を経過しないものに対しては、この限りでない。」こうなっているわけでございます。
 新たにこれを指定して、施行令の第四条に掲げている内容を超えて、にもかかわらず、これも対象に入れるのだということになってくると、非常に私は伝染病予防法の拡大解釈になってくるのではないかというふうに思うわけですが、その辺はどうでしょうか。――時間がもったいないのでやめてください。この間に文部省の方にお伺いします。
 文部省の方にちょっとお伺いします。
 堺市においてこれだけの、他の学校もそうですが、学童に発生いたしました。これだけの学童にこうした伝染性の障害が起こってきた場合に、第三類学校伝染病として、これは当然、各学校の単位において、これに対する検査あるいは検便等々が実施できるはずでございます。それは堺市においても、ようやく八月に入って、あるいは七月の末になって、症状を出していない児童に対する検便を始められたと聞いています。なぜ全国的にこれだけ発生した段階においていち早く第三類学校伝染病という形での対応ができなかったのか、そこをお伺いします。
○北見説明員 堺市におきます病原性大腸菌O157によります食中毒につきましては、特定日に集中して多くの児童に極めて広範囲に発生したという特殊な事例でございまして、まずその重症者などの対応に追われたということから、当初無症状の子供たちなどについて検便を実施してこなかったというふうに聞いているところでございます。
○小林説明員 伝染病予防法施行令第四条の「適用除外」は隔離の関係でございまして、先生の就業制限の話は八条ノ二です。ということで、患者の就業制限は八条ノ二で、八条とはちょっと違います。
○五島委員 「法第七条、第八条、第九条及び第十八条」のこの「第八条」の中には八条ノ二は含まれていないのですか。八条ノ二は含まれないのですか。この施行令に言うところの、この「適用除外」の中に書かれている「第八条」には本法の第八条ノ二は含まれないのですか。
○小林説明員 この施行令で言う第四条には含まれません。
○五島委員 これが含まれないとしますと、その後の文章は、特に症状が消退してから後何日間とか言ったりするのについては、これは理屈に合わないのじゃないですかね。そこのところ、時間がないので押し問答しません。また後で話をしたいと思います。
 文部省の方に聞きますが、私の聞いているのは、学校伝染病の第三類の中には、こういうふうに広範囲に学校の中で伝染病と疑わしき症状が出てきた場合に第三類学校伝染病として対応できることになっているではないか、それを直ちにしなかった理由は何なのか、そういうふうに患者が発生したら少なくとも夏休み前に全生徒の検便ができたはずではないか、それをしなかった理由は何かということを聞いているわけです。
○北見説明員 堺市におきましては、七月十五日の月曜日の段階におきまして、すべての小学校、学校を休校としたところでございます。したがいまして、それ以降、児童生徒の検便等につきましては一般の対応で処理してきたというふうに聞いているところでございます。
○五島委員 一般の対応をされた結果、これだけ広範囲に患者が発生し、父兄の不安が大変広がってきた。そして、伝染病予防法という形でもってしか対応できないという事態に追い込んできた。これは明らかに文部行政のこの問題に限る失敗なわけですね、やってこなかったということは。せっかくそうしたことについて方法がありながら、なぜそのようなことができなかったのか、大変に遺憾に思うところでございます。
 同じく、先ほどから問題になっております食品衛生法に基づく例えば臨検検査、収去、すなわち第十七条がございます。これは明らかに検査の目的あるいは汚染されているものに対する除去の命令、強制検査等々を認めているものというふうに考えますが、どうでございますか。食品衛生法の第十七条、臨検検査、収去というところでございます。
○小野説明員 御指摘の、必要があると認めるときに必要な報告を求めたり、あるいは臨検をしたりするということにつきましては、食品衛生法第十七条に定められているところでございます。
○五島委員 したがいまして、現実に起こってきている堺の事例に合わせてみても、現在直ちに何の役にも立たない伝染病予防法が云々と言う前に、食品衛生法に基づいてこの原因をどう究明するか、そして、それの再発防止をどうするのかということを立てることがまず先決だろうし、次に大事なことは、さまざまな形で汚染されたものはすべて除去するという考え方も一つでしょう。しかし、私は、お互いこの地球環境の中で生活していて、無菌室的に我々の生活が存在するのだという現実はもうやめる時期に来ていると思います。
 そうだとするならば、仮に、カイワレ大根が汚染されているかもしれないよ、食肉が汚染されているかもしれないよ、しかし、それであったとしても、感染が防止されるような技術はどうなの、そのためのマニュアルはどうなの、そこが今一番求められている。そこのところをやらずに、それを排除の論理だけでやっていくということが果たして適当なのかどうか、それについてお伺いしたいと思います。
○菅国務大臣 一般的な話ですが、今回の場合、最初に五島委員が言われたように、食中毒のいわば食材から来る問題と二次感染の問題が必ずしもどちらだけというふうに特定できないところに、この問題は非常に対応に苦慮してきたわけであります。
 例えば、それは堺の二次感染だけではなくて、単発事例が今回非常に多いわけですが、それも必ずしも食材がほとんど特定できておりません。といいますと、その場合に、例えば家族から感染したものも入っているかもしれないし、あるいは食材から食中毒的に入ってきたものもあるかもしれないし、それらが判別ができないこともあって、両方の対応をできる限りとろうとしたということで私は御理解いただけないかと思っております。
 ですから、今の御質問、必ずしも正確にお答えになるかどうかわかりませんが、このO157がある種の家畜の中において常在菌である、あるいは場合によっては人間の中でもある割合は症状がなくてもあり得るのかもしれません、これは今から統計的にいろいろ調べてみなければわかりませんけれども。
 そういった中で、今回のカイワレにつきましても、断定ができておりませんからはっきりしたことは言えませんけれども、そういったものがある範囲でこの我々の社会の中に存在している。これは屠畜場等の平成六年とか七年の検査でも、率は非常に低いですけれども、ある率O157の検出が報告されております。ですから、そういった意味では、もとから完全に菌をなくするということはあるいは非常に難しい、あるいはそれは家畜との共存という意味ではできないことかもしれませんので、そういう点では、それらのものが口に入らないようにするという形での対応ということは当然ながら最も重要ではないか、こう思っております。
○五島委員 六千五百名を超える患者の中で二次感染が百五十何名ということになれば、これはやはり感染症ではなくて食材、食中毒というところが出発である。ただ、細菌性感染でありますから、二次感染の危険性というのは常にあるということで対応すべき内容なんだろうというふうに思います。
 そこで、時間もございませんので質問を進めさせていただきますが、今回、この問題に関連いたしまして一連の措置をお決めになりました。例えば、具体的に、さまざまな施設や学校等において給食をやられる場合、マイナス二十度で二週間検食は保管しろというふうなことも出されてきています。大変な問題だと思います。
 果たして、先ほども申しましたが、加工された段階においてO157が検出されたからといって、それは問題の究明にはほとんどならない。今回なんかの場合も、間違いなく患者が発生したわけです。ということは、子供たちが食べた食品の中にO157があったことは間違いない。ところが、その流通経路はわからない。こうなってきますと、それの原材料に至るまでをマイナス二十度で保管し、チェックしていくということを非常に広い範囲でやっていかないと、そのことによっては原因究明はできないということになってくるかと思います。
 このことはコストの問題でもさまざまな問題でも大変大きな問題をもたらすわけでございますが、これは伝染病予防法に基づいてそのような措置をするとするならば、国、県、市町村の経費によってそれをやらなければいけない。これは一体どういうふうにしてやられる予定か、お伺いします。
○小野説明員 御指摘のように、従来は七十二時間以上、検食の保存期間を定めていたところでございますが、先生御案内のように、病原性大腸菌につきましては、潜伐期間が長いこと、あるいは菌数が少なくても発症するのではないかというふうに言われていること等を踏まえまして、七月二十五日に、検食の保存につきましては、集団給食施設あるいは調理施設を対象にいたしまして、食品ごとに五十グラムずつというふうにしたところでございますし、さらに、御指摘の原材料につきましても同様の期間保存するようにしたところでございます。
 したがいまして、もしも不幸にして発生をした場合は、原材料が保管をされておりますので、それを検査し、それから先はまた流通経路をさかのぼっていくことは可能、可能というか帳簿がそろっていないとだめでございますが、可能という条件を満たすためにもこのような措置をしたところでございます。
 なお、御指摘のように、これは場所をとりますし、購入に対しましていろいろ問題があろうかというふうに思っております。これにつきましては、先ほど申し上げておりますように、いわゆる環境衛生営業であれば環境衛生金融公庫等、あるいはいわゆる社会福祉施設等であれば所要の整備のための措置というものも十分考えながらやっていきたい、やっていく必要があろうというふうに思っております。
 現在、これにつきましては、そういういわゆる大規模調理施設につきましてどのような形で進められようとしているかという実情を把握しておりますので、おのおの出てきた問題点に対しましては適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○五島委員 量販店あるいは一食に数食の食をつくる病院等々において、たとえ五十グラムであったとしても、それを二週間確保するというのは施設の更新その他も必要でございますので、その辺について対応をお願いしたいと思います。
 最後に、今回の治療対策の問題。抗生物質を使うかどうかということについて両論併記という、治療の方法で両論併記というのは非常に問題があるのだと思いますが、措置がとられた。これは医学界の中において云々というふうな話でございます。
 しかし、WHOやCDCが抗生物質の使用を基本的に否定しているのは事実でございます。その辺との関連の中であのような両論併記をお出しになるのであれば、例えばベロ毒素が細胞分裂時並びに細胞膜の破壊時において放出されるという点から、細胞膜を破壊しない抗菌剤ないしはそういうふうなものを使うという方向で整理するとかいうふうな方法はあったのだろう。抗生物質を使うかどうかについて両論併記だということだけが先行されると、今、患者さんの方々もあるいは国民の方々もこの治療方法について非常に神経質になっていると思います。治療方法で両論併記とは一体どういうことなんだと私どもも大変言われるわけでございます。それについてお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○小林説明員 今回の「一次、二次医療機関のためのO−157感染症治療のマニュアル」につきまして、今先生がおっしゃいましたように、一部のところで両論併記があります。
 それは抗生物質についてでありますけれども、これについてはいろいろ学者の先生方の御意見がありまして、使うべきだという人と、いや使うべきではない、両方ありました。それで、皆さん方、学者さんが、患者さんのためにどうするかということが大事だから何とか意見の集約をと言って我々もお願いをいたしまして、最終的にここまで歩み寄ったというのが限界でございますということでございます。だから、先生方にとっては、使いたくない、使うのは子供にとってマイナスだと思っていらっしゃるのに、行政の方で、あなた使うべしということを言うのもまたこれは問題がありまして、寄れるところまで寄っていただいた。先生方の主義もわかるけれども、これはあくまでも国民のためなんだ、子供たちのためだということで御理解を得て、ここまでまとめ上げたというのが現状でございます。
○五島委員 これは政治の話ではなくて命にかかわる問題で、そこのところまでまとまったというような話にはならぬと思いますが、時間が参りましたので、終わります。
○和田委員長 荒井聰君。
○荒井(聰)委員 新党さきがけの荒井聰でございます。
 まず初めに、今回の中毒事件でお亡くなりになった方、それから入院されて苦しまれておられる方にお見舞い申し上げたいと思います。
 ところで、日本というのは大変衛生教育も発達しているし、衛生状況も整備されている。公衆衛生の整備水準も非常に高い。上下水道の整備もされている。開発途上国に行くとよく食中毒になってしまうのですけれども、日本ではそういう危険性はめったにないのですよというようなことをよく私は外国へ行って話をするのですけれども、今回は本当にたくさんの方々がお苦しみになってしまっている。
 最近の公衆衛生の整備の状況なりあるいは徹底の仕方ということに問題があったのでしょうか。今回、このような大量の食中毒が発生した基本的な要因というのは一体何にあったのか。日本は大変安全な国だとみんなが信じているにもかかわらず、このような事件が発生した要因というものをどのようにお考えなのか、まず大臣にお伺いしたいと思います。
○菅国務大臣 率直に申し上げまして、今回の大勢の人が一斉に発生したことにどういう背景があるかというのは、まだ現時点で確たることを申し上げにくいのではないかと思っております。
 それは、先ほど来申し上げていますように、一つは、食中毒であることは間違いないわけですが、その感染経路が、食材がはっきりしておりませんので、そういった点では、どこにもともとそういう菌がたくさんあって、それが食材を通してどう来たのかというその構造がよく見えておりません。また、二次感染がある割合出ておりますが、それが単発例を含めて二次感染的にあちこちから出ているのか、それも食材なのかということが必ずしもはっきりしておりませんので、そういった意味を含めてなかなか確たることを申し上げにくいと思います。
 ただ、一般的に言いますと、確かに感染症というものが日本の社会で抗生物質を中心に相当抑え込まれてきた、あるいは世界でも先進国では抑え込まれてきたものが、最近ある意味で再度感染症がいろいろな形で広がってきているということが世界的にも言われておりますし、日本でもそういう傾向が見られるわけです。そういった点では、従来のような衛生管理だけでは必ずしも十分でない。
 例えば、より検出しにくい菌とか、あるいは従来なら簡単に死んだ菌が生き残るような菌が生まれてきているのではないだろうか。また、それに対応するのに、そうした細菌の専門家が従来に比べるとやや手が薄くなっている。日本でそういう病気が少なくなったものですから、そういう道の専門家がやや少なくなっている。そういうことがあって、全体としてこういう大きな発生を許してしまうような社会的な背景というか、弱さが生まれていたのではなかろうか、こんなふうに私自身は理解をいたしております。
○荒井(聰)委員 一九八二年に米国で、ハンバーガーによる大量の食中毒事件が発生したわけですね。それを契機にしてO157というのは大変関心を浴びたわけですね。
 日本でも五、六年ぐらい前に、埼玉県の幼稚園だったでしょうか、井戸水が汚染されて、ここでも食中毒が発生して痛ましい事故になったわけですけれども、そのあたりから日本の公衆衛生というのはこのO157に関心を持っていたと思うのですね。したがって、この調査研究などもなされていたと思うのですけれども、そのあたりの状況はいかがですか。
○小野説明員 今先生御指摘のございました一九九〇年の埼玉県の集団発生を契機にいたしまして、厚生省といたしましては、研究班を設置し、どのような方策をとっていくべきかというふうなこと、それからその実態調査、あるいは食肉に関しましてどういつだ状況にあるのかというようなことは、継続的に調査研究を行ってきたところでございます。
○荒井(聰)委員 また研究班が出てくるのですけれども、厚生省の研究班というのは本当に効果的なことをやっているのですかね。
 このO157というのはどのぐらい日本の国の中に常在しているのか、これがアメリカのように大量発生する可能性があるのかどうか、そういうところまできちっと調査研究班として調べているのですか。調べているとすれば、それがどのような形で厚生行政の中に生かされたのですか。
○小野説明員 これまでO157に関しまして調査をされました内容につきまして、調査の対象を申し上げますが、例えば食品や井戸水の中でこの病原性大腸菌がどういうふうにふえていくのかというふうな調査でございますとか、それから、実際に食品中においてどうなっているのかというふうなこと、それから、我が国における腸管出血性大腸菌の分布状況というふうなものはどうかというようなことで、各地の地方衛生研究所にございますものからベロ毒素産生菌がどうであるかといったことにつきましての情報を集め、それを分析してきたわけでございます。
 なお、御指摘のように、日本全国でどうなっているかという非常に広い範囲をやるというのは非常に手間もかかるというふうなこともございますが、本年度の科学技術振興調整費におきまして汚染マップをつくる研究をいたしたいと思っておりますので、可能な限り、どういう形で分布し、存在をしているのかということについて明らかにしてまいりたいと考えております。
○荒井(聰)委員 これだけ世の中が国際化したり、あるいは食品が外国との輸入という形でたくさん入ってくる。あるいは、動植物も大量に入ってきているし、人の往来も大変激しい。それから、私たちの住んでいる生活環境も大変大きな速度で変わっているわけです。恐らく、細菌の環境相といいますか、細菌の存在している状況というのは刻々と時代時代で変わっているのだろうと思うのですね。そういうものを踏まえながら公衆衛生の政策というのはっくり上げていくべきだというふうに私は思うのです。
 今、常在菌のマップを今年度の研究調査費で実施するということ、遅きに失するのじゃないかというふうに思うのですけれども、ぜひそれをやって、将来どのような形の食中毒の大量発生が起きるのか、食中毒だけではなくて病気の発生というものが起きるのかということを予測しながら、公衆衛生の行政というのはぜひ方針を立てていただきたいというふうに思います。
 その関係で、たしか北村先生が大変御関心のあった動物との関係での病気についてもうずっと御質問されていたのですけれども、私も大変関心を持っておりました。狂牛病だけではなくて、動物の持っている細菌なりビールスが人間に感染してくるのではないかというような御指摘だったと思うのですけれども、今回のO157も牛の腸内での常在菌ではないかというふうに指摘されているわけです。それならば、牛全体についてこのO157がどのような形で存在していたのか、経年的にここはわかっているのでしょうか。
○青沼説明員 御説明申し上げます。
 実は、このO157は家畜には病原性を有していないために、牛についての保菌率の体系立った調査をやっていないわけでございます。ただ、データとしてございますのは、屠場に持ち込まれます牛について過去に調査した結果では、〇・一二%の割合で保菌しているという調査結果がございます。
○荒井(聰)委員 私は、外国から動物を持ってくるときには動物検疫をやるのですけれども、動物検疫というのは畜産の疫学的な調査をしているわけで、それが果たして人間の病気とどういう関係があるかについては、動物検疫というのはやっていないと思うのですね。
 ところが厚生省の方は、これは恐らく食材になってからどうなのかという形で調査していると思うのですね。そうすると、ちょうど牛にかかっている、まあ牛には全然問題ない菌なんだ、今回、そういう菌がたまたま外へ出てきてしまって人間に感染すると重篤な症状を与える、こういうことになると、どこでそれを調査したらいいのか、どこで防ぐのかというちょうど行政のはざまの部分になってしまっているのですね。ここについては厚生省としてはどのように考えていますか。
○小野説明員 屠畜場におきます食肉関係の検査体制の強化につきましては、現在、先ほども御説明申し上げましたが、七月二十六日から自主点検を行っておりまして、八月五日現在のところでは五七・七%において自主点検が実施をされているわけでございますし、それから枝肉等の汚染の実態につきましても、八月五日現在、一五%の屠畜場において既に着手をしております。
 また、屠畜場に搬入されます牛等の家畜につきましては、例えば、ひどい下痢症を持っている家畜等については搬入をしないというふうな措置がとられているというふうに聞いております。
○荒井(聰)委員 屠畜場での検査は十分してほしいのですけれども、私が言ったのは、そういう国内での検査体制というのじゃなくて、菌がかなり、これはもともと日本にあったのかどうかということも先ほどお聞きしたのですけれども、それはちょっと御回答なかったのだけれども、海外から動物を通じて持ち込まれる菌が結構あるのじゃないですか、それに対する防疫体制というのが今の形では不十分じゃないのですかということをお聞きしたのですけれども、それについては十分御検討ください。
 ところで、今回の汚染食材がカイワレ大根だというふうに言われているのですけれども、一般的に大腸菌が植物の体内で増殖するということはあるのですか。これはどうですか。
○山野説明員 お答えいたします。
 一般的に、通常の生育を行えば、野菜自体が大腸菌に感染するということや大腸菌を保有するというようなことはないというふうに、いろいろな識者等からの意見といいますか、そうした指摘がございます。
○荒井(聰)委員 多分、一般的にそうだと思うのですね。そうすると、今回の場合には、洗浄水なりあるいは何らかの形で水による汚染だというふうに理解していいわけですか、厚生省。
○小野説明員 今回のカイワレ大根の汚染の原因につきましては、まあ水も一つの可能性のあるものであろう。ただ、水だけではなくて、そのほかの環境要因もいろいろな要因があろうということでございますので、当該生産施設に立ち入りまして、生産の管理がどう行われていたか、周辺の環境がどうであるかということをより詳細に調査をし、汚染の真相解明に当たりたいと考えているところでございます。
○荒井(聰)委員 カイワレ大根はたしか水で培養しているのだと思うのですけれども、その水が汚染されている場合、それから細菌が吸引されるというふうに厚生省は理解しているのですか。
○小野説明員 私どもは野菜の専門家ではございませんからあれでございますが、一応何人かの関係の専門家からいろいろお話を伺いますと、上がると言う方もいらっしゃれば、そうでないと言う方もいらっしゃるようでございますが、いずれにいたしましても、これは実験をいたしまして明らかにしていく必要があるものというふうに考えております。
○荒井(聰)委員 私は、食中毒というのは大体魚だとか肉だとか、そういうものから普通はかかるので、植物の体内から体の中に感染したという例を学校では教わったことがないのですね。そういう場合も考えられるということならばあれなんですけれども、一般的には、私はやはり、水が汚染されていた、その確率は極めて高いというふうに理解するのが普通だと思うのです。
 そうすると、水がどういう形で汚染されていたのかということを追求する必要があると思うのです。しかも、牛の腸内にいる菌がもともとの発生の根源的なところとして可能性が高いということであるならば、牧場が近くにないかとか、牛を近くで飼っていないかとか、あるいは何らかの形で牛ふんが使われたのじゃないかとか、そういうことを追求していって、水の汚染をどうやって防いでいくのかということをはっきりさせるということで不安はかなり解消されるのだと私は思うのですね。野菜をうんと水洗いしていくとか、そういうことをすれば大丈夫なんですよということを話をすれば、今のような不安というのは随分解消されるのです。水の汚染をどうやって防いでいくのかということをしっかり広報するということが大事じゃないのですか。
○小野説明員 繰り返しになりますが、単一の汚染源として水があったというふうには私どもの調査結果ではまだ明らかになっておりませんが、先生御指摘のように、井戸水を使うケースが非常に多いというふうに聞いております。これは一般的にそうだということを伺っておりますので、井戸水が何らかの原因で汚染される可能性、例えば地形の関係、あるいは今おっしゃいましたようないろいろな施設との関係も当然調査は必要でございますので、これにつきましては、それらの点について十分調査するよう指示をしているところでございます。
○荒井(聰)委員 農林省は、野菜の生産施設の周辺で汚染の可能性の高い地域というのは把握していますか。例えば隣接に牧場があるとか、あるいは牧場の汚水槽が不十分である、不完全であるといったような、そういう点についての調査というのは進んでいますか。
○山野説明員 昨日の厚生省の中間報告を受けまして、早速、既に自主検査等の通知は出しておるわけでありますけれども、カイワレ大根の業界を通じまして、自主検査の徹底等を図るというようなこと、あるいは基本的な衛生管理を励行するよう、改めてそうした周知徹底も図っております。
 また、そうした状況については、関係業界等を集めまして現在鋭意情報の収集に努めているところでございます。
○荒井(聰)委員 カイワレ大根がもうほとんど一〇〇%原因のような報道がされていて、カイワレ大根の業界が大変困っているという報道もあるのですけれども、その生産者がつくったカイワレ大根が何カ所ぐらいに販売されたかということは、厚生省、つかんでいるのですか。
○小野説明員 堺市の小学校において提供されたメニューの食材につきまして、七月一日から十一日の間のいわゆる給食用の材料のすべてにつきましては、川下から川上に、といいますのは、より生産者に近い方にすべての流通経路を明らかにいたしまして、そのおのおのの段階でチェックをいたしております。
 ところが、今先生御指摘のように、今度は川下、すなわち生産者の方からどこへ流れていったかということにつきましては、当該施設について例えば伝票の提示といったようなことも求めなければなりませんし、これまでのいわゆる原因究明の段階ではそこまで行い切れなかったわけでございますが、今御指摘のような生産施設につきまして、一体どこへ、どのぐらい、どう出荷されたのかということについても調査するように指示をいたしているところでございます。
○荒井(聰)委員 疑いがあるというだけで、生産者に対する対応というのはこれで十分なのかなという心配を私はしているのですね。恐らく、生産者は何カ所かに販売をしているわけですので、その販売したところを全部調べれば、本当に汚染されたのかどうなのかということは、これはもうはっきり、一日もあればすぐできるでしょう。それは場合によっては農林省と協力してすぐやるべきじゃないのでしょうかね。
 ところで、今回、生鮮野菜が一挙に二割とか三割ぐらいになってしまった、八割ぐらいの減になってしまったという報道もされているのですけれども、今回の事件によって生産者あるいは流通業者あるいは最終の販売者がどのぐらいの被害になっているのか、被害総額というのは推計されていますか。
○山野説明員 お答えいたします。
 今回のO157によりまして、生鮮野菜、特に生食用の野菜について影響が出ているということは御指摘のとおりでございまして、その影響の把握に努めるとともに、私ども、一刻も早く消費者の不安感を取り除いて生鮮野菜の価格が回復するということに今全力を傾注しておりまして、それを通じまして影響を緩和していくということを最大の課題として取り組んでいるところでございまして、具体的にどのくらい影響が出ているか、金額面については今把握しておりません。
○荒井(聰)委員 私は相当な被害額が生じていると思うのですね。したがって、それだけになお公衆衛生というのは大変大きな役割を担っているということです。生産者あるいは販売業者が一日も早く正常な商活動ができるように、生産活動ができるように、そういう基盤部分に公衆衛生の行政が位置づいているということを再認識されて、ぜひ適切な措置をとっていただきたいと思っております。
 特に、今回の調査では、地方自治体の財政負担がかなりかかっているのだと私は思うのですね。検査をしたり調査をしたりということで地方自治体が特別な財政措置が必要になってくると思いますので、そのあたりについては、自治省と十分協議をして特別交付税の措置をとるなり、あるいは厚生省の方でも場合によっては補正予算を組むといったようなことも考慮に入れて、地方自治体の財政問題というのを地方自治体の身になって十分考えてあげていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○和田委員長 岩佐恵美さん。
○岩佐委員 まず最初に、O157が原因で亡くなられた皆様に心から哀悼の意を表し、遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。また、患者の皆様の一日も早い回復を願って、今後このような食中毒事件を絶対に繰り返してはならない、そういう立場から質問をしたいと思います。
 厚生省がまとめられたO157による食中毒事件、この一覧表がございます。
 一九九〇年、埼玉県で患者が二百六十八名発生をいたしました。これは幼稚園、井戸水の汚染からです。その後、九二年に佐賀県で十二人の患者が発生をいたしました。これは保育園の事件です。それから九三年には、東京都で学校給食が原因で百四十二人の患者が発生をしています。そして同じく九三年、東京都でやはり保育園の給食で三十名の患者が発生をしている。そして九四年、奈良県では学校給食で二百四十五人の患者が発生をしているわけです。
 O157関係で九〇年からこれだけの集団の食中毒事件が起こっている。
 そして、厚生科学研究の場において、このO157関係でさまざまな研究がされてきています。
 例えば九一年では、
 枝肉から毒素産生能のあるO157−H7が分離されたのは今回がはじめてである。枝肉の汚染は市販肉へと拡散する可能性を示すものであり、調査時期、地域、数を増やしてさらに実態を追求する必要がある。これが九一年です。
 それから、九二年になりますと、
 O157−H7による事故がわが国にも存在することが明らかにされてきた。ウシの保菌から牛肉へ汚染する経路が最も強く疑われている。したがって本菌による食中毒を予防するためには牛肉における汚染実態を把握しておくことが重要である。
 そして、九三年になりますと、
 わが国でもと畜場におけると畜処理の工程において牛が保菌すると考えられるVTECによる枝肉の汚染が発生している可能性が明らかとなった。したがって、今後は、生体の十分な洗浄や直腸の結さっを実施するなど処理工程の改善をする必要がある。
こういうふうにずっとこのO157について、ある日突然起こったのではなくて、この問題については、注意を喚起するような、そういう事件やあるいは研究がなされてきているわけですね。
 O157に対する政府の対応のおくれというのが今回の被害を拡大し、犠牲を大きくした。何でこんなことになったのだろう。やはり私は、感染症に対する厚生省の対応の甘さがあったというふうに思えて仕方がないのです。これは薬害エイズでもそのことが言われているわけですけれども、こういうことは絶対に今後あってはならないというふうに思います。
 そういうことから、輸入肉についてこれまでO157の検査を行ったかどうか、その点だけ伺いたいと思います。
○小野説明員 輸入肉につきましては、平成八年七月二十六日から実施をするように言っておりますが、それまでは言っておりません。
○岩佐委員 輸入肉についての防疫体制は全くなかったわけですね。牛肉の輸入というのは、九一年の輸入自由化後、わずか五年で一・七倍にふえています。今後、この牛肉の問題について、例えば放射能汚染食品対策では全量チェックをするということをやってきていますけれども、O157についても牛肉は全量検査対象品目にするというような対応をするべきだというふうに思います。
 また、豚肉とか羊の肉などについても対応を考えていくべきではないか。地方の衛生研究所の調査によりますと、豚肉からベロ毒素が検出をされている、こういうような事例もあるわけですから、今後対応をしていくべきだと思いますけれども、その点についてどうですか。
○小野説明員 旧ソ連原子力発電所事故後の輸入食品の放射能検査につきましては、事故発生に伴う放射能降下物によりましてヨーロッパ一円が汚染されたおそれがございましたために、当初、ウラル山脈以西のヨーロッパ地域から輸入される食品について全ロット検査を実施したものでございます。
 現在はどうかということでございますが、全ロット検査対象品目は、欧州全域から輸入されます野草及び野草加工物、いわゆるハーブ類でございますが、それとトナカイ肉でございます。それから、一〇%モニタリング検査対象食品は、欧州全域から輸入されます香辛料、ビーフエキスとハチみつでございます。
 すべてについてそういう検査を行ってはどうかという御指摘でございますが、先ほど来申し上げておりますように、七月半ばから、東京及び大阪検疫所で採取しました牛肉につきまして、横浜と神戸の輸入食品・検疫検査センターに送りましてモニタリング検査を実施いたしますほかに、七月二十六日からは、業者の自主的な検査をするように指示をしておりまして、必要な措置が講じられているものというふうに考えております。
○岩佐委員 輸入物についてきちんと検査をするということが消費者、国民の不安を取り除くことになるわけですから、今の自主検査に任せるような、そういうところに重きを置くような形だけでは私は不十分だというふうに思います。ここはもっときちっとしていくべきだということを申し上げておきたいと思います。
 それから、屠場における衛生管理がしっかりしていれば菌は出ない、そう専門家は指摘をしておられます。屠場における衛生管理、これがO157対策では非常に重要だと思います。現在、屠場の衛生管理は、自主検査にこれも任せているわけです。さらに、九五年の厚生科学研究の「食肉の微生物コントロールに関する研究」では、食肉検査所等における検査精度管理を実施している機関がわずか二八%と非常に少ないということを指摘しています。屠場における衛生管理基準あるいは指針を早急に決めるべきだと思います。同時に、食肉検査所等の精度管理を徹底させる手だてをとるべきだと思いますけれども、その点いかがですか。
○小野説明員 屠畜場の衛生管理基準、指針についてのお尋ねでございます。
 これも先ほど御答弁申し上げましたように、今やっておりますいろいろな自主点検等の検査データをもとにいたしまして、研究班において十分検討をいただいた上で所要の措置を講じてまいりたいと考えているところでございます。(岩佐委員「いつまでにやりますか」と呼ぶ)現在までのところ、その時期を定めているわけではございません。
 それから、検査の精度管理でございますが、国際的には、一九八一年五月のOECD理事会におきまして優良試験所指針が採択をされる等、精度管理の重要性が指摘をされているところでございます。本年五月二日に試験検査の業務管理基準を導入すべく政令改正を行いまして、平成九年四月から実施することといたしているところでございます。
○岩佐委員 アメリカでは、業者に肉の検査とその報告が義務づけられています。そして、O157が検出をされた場合、ひき肉とレディー・ツー・イートの肉については即廃棄処分にされる。枝肉については、O157で汚染されたものであるということを表示して、菌が死ぬよう加熱して食べてほしいとの警告表示がされた上で市場に出されるというふうに聞いています。
 日本でもアメリカと同じように検査をきちんと行い、汚染されたひき肉等については即廃棄するなどの処分に回すべきだと思いますし、また、枝肉についても汚染された国が市場に出回ることがないように対処をすべきだと思いますけれども、その点どうですか。
○小野説明員 アメリカにおきましては、レディー・ツー・イート食品及びひき肉からO157が検出された場合には、販売の禁止になります。それから、これら以外の肉につきましては、加熱調理して食べるよう表示することが義務づけられていると聞いております。
 我が国におきましても、生食用レバー等そのまま喫食されるもの、それから、ひき肉から腸管出血性大腸菌が検出されました場合には、食品衛生法第四条違反として販売を禁止しているところでございます。
 また、枝肉等から腸管出血性大腸菌が検出されました場合には、食品添加物に指定されております次亜塩素酸ナトリウム等によって消毒をいたしまして、O157が検出されないように措置した後に食用とすることとしております。
○岩佐委員 九四年の厚生科学研究「VerO毒素産生性大腸菌の実態調査について」の中で、
 わが国でもと畜場におけると畜処理の工程において牛が保菌すると考えられるVTECによる枝肉の汚染が発生している可能性が明らかとなった。したがって、今後は、生体の十分な洗浄や直腸の結さつを実施するなど処理工程の改善が必要これはさっき紹介したところですけれども、そういうふうに指摘をされています。
 日本でも結紮を実施している屠場があると聞きました。その屠場は、アメリカなど外国の基準では結紮が条件となっているために、現在日本では主に輸出用肉を処理する工場に限定をされているという実態だと聞いています。
 アメリカでは既に十年以上も前から、腸管の結紮によりふん尿が外に漏れないような処理方法を義務づけているわけです。結紮という難しい言葉で、私も最初わからなかったのですけれども、上の食道のところと腸のしっぽ、肛門の辺ですね、そこを何か簡単に縛る、そういう措置をとるだけだそうです。だから、内容物が肉をつくるときに飛び散らないようにという、要するに、腸に菌がいるわけですから、その菌があちこちに飛び散らないようにそういう措置をしているわけですね。
 外国の場合は、そういう腸からの菌がいろいろな悪さをするということがわかっているから、それはもう義務づけられていて、外国に輸出する商品についてはそうしなければいけないということになっているわけですけれども、これが日本の国内においては、輸出用についてはそういう結紮処理を行うけれども、国内用には何もやってこなかったわけですね。そういうところに私は大きな問題があるというふうに思っています。
 厚生省として、やはり肉がこれだけ大きな問題になっているわけですから、こういうO157だけではないと思うのですね、これからいろいろな感染症の問題があると思います。そういう意味で、屠場を清潔にするというような観点からいっても、こういう措置を早急にとるべきだというふうに思いますけれども、どうでしょうか。
○小野説明員 七月二十六日から、全国の屠畜場と食肉処理場を対象といたしまして衛生管理の一斉自主点検を指導しているところでございますが、この自主点検におきましては、米国でも採用されております衛生的な処理対策と同様に、今先生御指摘のございました腸管内容物が漏れないように縛っているかどうか、それから、外皮から枝肉への汚染を防止するために剥皮、皮をはぐ方法でございますが、その方法が適切かどうか、それから、肉を切る刀の洗浄消毒が実施されているか等につきまして点検をすることとなっておりまして、これらが確実に実施されることによりまして衛生的な処理が可能になるものというふうに考えております。
 なお、これらの点検結果を全部報告をいただきまして、我が国において今後屠場におきます衛生管理がどうあるべきかということについては、専門家の御意見もお伺いしながら検討してまいりたいと考えております。
○岩佐委員 時間が非常に限られておりまして、なくなってまいりましたので、大臣に三点についてお伺いをしたいと思います。まとめてお答えをいただければというふうに思います。
 一つは、先ほど、厚生省の体質に問題があるのではないかという感染症に対する姿勢の問題について指摘をいたしましたけれども、実は東京都の衛生研究所の伊藤武氏が「食品衛生と環境衛生」という雑誌で、このO157の問題について、例えば、低年齢層にその発症が高い、季節別では六−九月の夏季の期間に多数の患者が見られた、そして、感染についても家族内感染例がしばしば認められる、こういう指摘をしているわけです。
 先ほど東京都の九三年の例をちょっと申し上げましたけれども、例えば、これは世田谷で起きた事件ですが、学校給食による家庭内の二次感染というのは結構多くて、二十三人いるのですね。それから、同じく九三年、保育園の給食、その場合もやはり家庭内二次感染というのは十人おられるわけです。
 ですから、これらの前の例をきちっととらえていれば、今度の堺の問題でも家庭内感染についてあり得るわけですから、すぐに手だてをとることができたというふうに私は思うのですけれども、この点でも後手後手に回ってしまっているのではないかというふうに思います。
 そういう点で、やはり大きな問題ですから、各地方の衛研だとか保健所あるいは地方自治体にこういう問題が任されるということではなくて、特に輸入の食品にも絡む問題ですから、厚生省としてもきちっと全国的な対応をしていくべきだったし、これからの問題としてこれが問われているというふうに思います。
 それからもう一つ、こういう集団の給食が今回の事件を非常に深刻なものにしているわけです。学校が多い、あるいは保育園が多いというのはそういうことだと思うのですね。諸外国では、もう既に高齢者の施設だとかデイケアセンターなどでもそういう被害が起こっているということであります。
 ところが日本では、学校給食もそうなんですが、効率化を追求する余りにセンター化になっています。それから、病院給食も今センター化構想というので、院外に出してセンター化していくというような構想があるわけですけれども、こういう集団給食化、大規模化というのは本当に被害を大きくしていくので、やめるべきだというふうに思います。そうではなくて、十分な予算をつけて、きちっと小単位でやれるような手だてをとるべきだというふうに思います。今後、こういう施設関係でこうした事件が起こらないように適切な対応をとるべきだと思います。
 それから、保健所の統廃合で、私どもの調べでは、最近、保健所が非常に少なくなっているわけですけれども、保健所の統廃合は簡単にすべきではないというふうに思います。
 それから、保健所と並んで、先ほどから議論になっている予研を含む公衆衛生の問題なんですけれども、例えばアメリカのCDCにおいては、国立の感染症センターに千百十一人も配置をされている。疫学計画部には二百八十三人配置をされている。そして、これは人数だけではなくて、業務の内容というのは、感染症のサーベイランスだとか応用研究あるいは感染症の予防及び撲滅、体制整備、こういうような総合的な対応になっているわけです。情報提供、研修、そういうものも含まれているわけです。
 日本の場合には、例えば予研の充実は必要ですけれども、予研の充実をしても、これは研究だけということになっているわけですね。今、公衆衛生院も解体をしようとしていますけれども、そうではなくて、本当に公衆衛生学あるいは公衆衛生の体制を充実していかなければならない。これを解体するというのは時代に逆行すると思うのですね。その点について大臣の総合的なお考えを伺いたいと思います。
 ちょっと質問が多くて済みません。
○和田委員長 それでは、菅厚生大臣からまとめて御答弁願います。
○菅国務大臣 多岐にわたっての御質問ですが、第一に、家庭内感染がかなりあるという指摘が従来からあったということでありますが、先ほど来申し上げておりますように、やはり今回のO157はまずは食中毒という考え方で対応してきたということは、一つの流れとしてはそれが基本だというふうに思っております。
 しかし、二次感染等もある割合で出てきておりますので、それに対する対応についてやってきたわけで、今回大勢の人が感染したから感染症だということと若干意味が違うのではないか。つまり、大勢感染されたのは、まさにその後に、御質問の中にもありました給食という一つの単位で六千人を超える患者が出たということで、患者さんの数という意味では、一つの要素でも非常に大きかったということであるので、そこは若干意味合いが違うのではないかと思っております。
 そういう意味では、感染については、二次感染を抑えるという意味を非常に重視して、今回伝染病予防法に基づく指定をして二次感染の予防に十分に対応していきたい、こういうことでやっておりますので、後手に回ったと言われるのは、二次感染に対する対応について言えば、私は、必ずしもそういう御指摘には当てはまらないのじゃないか。つまり、大勢出てきたのは一次で出てきているので、そういうふうに理解を私はいたしております。
 それから、今回、学校給食を中心に多くの感染があったわけですが、ここはセンター化の議論はいろいろまた別の要素でもあると思います。堺の例は、食材は一括購入で、調理は別々の学校のそれぞれの調理場でやっているということですので、いわゆるセンター化ということとは違った対応を堺はされていたわけですが、結果的には、食材が共通というところもあってこうした大量感染になったのではないかと推察されるのですね。
 そういった意味で、大規模化がいいのか小規模化がいいのかというのはそれぞれまた議論があっていいと思いますが、今回のケースから、調理はばらばらでやっていてもこういうケースが起きるわけですから、即小規模化であればとめられたかというと、必ずしもそうでなかったということになるのではないか、議論としては若干別の議論が必要ではないかと思っております。
 それから保健所の問題は、決して統廃合をするということが全体に機能を弱めることになるというふうには理解していない、あるいはそうすべきではないと思っておりまして、広域的、専門的、技術的な拠点として機能としては強化をし、いわば規模の拡大を図るとしておりまして、そういった点では、この食品衛生の業務についても、機能強化をするという方向で統合を進めているということであります。
 また、国立公衆衛生院のあり方につきましても、再編成を現在進めているところでありますが、これにつきましても、内容については、公衆衛生に関する研究に加えていろいろな養成訓練等々ありますので、そういったものを含め、医療や福祉に関する研究と連携を図りながら今後一層充実していくという方向での再編でありますので、ぜひ御理解をいただきたいと思っております。
○岩佐委員 済みません。時間が来てしまって、長くなって申しわけなかったのですが、二次感染のところについては、私は別に、伝染病予防法を指定する、それがあったから指定してよかったということを言っているのではなくて、二次感染も含めていろいろな研究データが出ているのに、それを的確に衛生研究所なり現場の保健所なり行政なりに伝えていなかったではないか、そういうことを指摘しているので、その点はちょっと大臣のとらえ方が違っていたということを指摘して、終わりたいと思います。
○和田委員長 土肥隆一君。
○土肥委員 まず、文部省にお聞きしたいと思います。
 今回の、特に堺市のO157の原因究明の中間報告を読みますと、やはり「学校給食が疑われる。」というふうに結論づけておられます。食材についてはカイワレ大根というので、これもどういうことかというのはよくわかりませんが、私も随分と学校を回らせていただきまして、ちょうど夏休みの直前でございましたので、これでほっとしたと言って現場は夏休みに入ったことを喜んでいるというような御意見も聞いたわけでございます。
 学校給食がやはり原因だというと、この学校給食の問題で、学校給食が悪いのじゃないかなというような市民の考えも出てくる。また、ニュースなどを見ますと、丁寧に学校給食の調理場の現場に入りまして消毒をしている、それからまた教室にも入って大規模な消毒をしている。学校というのは何かすごくばい菌の巣みたいに映るわけでございまして、私は、この問題を通して学校給食が変なぐあいにゆがめられることを懸念するわけでございます。
 それで、私は学校保健法というのを読んでみましたら、いろいろ学校衛生上かかわりを持つ例えば医者あるいは薬剤師、歯科医師、あるいはもちろん調理では栄養士というのがいらして、保健という視点ではございますけれども、さまざまな衛生上の配慮がなされているというふうに見えるわけでございます。
 しかしながら、学校給食を介在して伝染性の強い病気が発生するということになりますと、やはり学校を衛生的な視点で全体でどう見るのかということになるわけです。例えば学校保健技師というようなものも教育委員会に置かれているというふうに思いますが、文部省の視点で、いろいろと専門家がかかわりながら結局は学校給食が原因になるというような事態をどういうふうに考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○北見説明員 学校給食の運営につきましては、学校あるいは共同調理場の規模とか地域の実情に応じまして、校長あるいは共同調理場長の指導と監督のもとに関係職員の役割分担で行われているわけでございます。
 給食実施校におきましては、その所属職員の中から衛生の管理責任者といったものを定めまして、事故発生の防止あるいは発生時の連絡等に当たらせるということになっておりまして、とりわけ多くの実施校によります学校栄養職員が、調理従事員の衛生あるいは施設設備の衛生あるいは食品衛生の適正を期すということで寄与しているところでございます。また、施設設備あるいはその従事員の衛生等につきましては、学校環境衛生の基準に基づきまして、学校薬剤師等の助言も得ましてその適正な衛生管理をしているところでございます。
○土肥委員 それにもかかわらず、学校が原因として、学校給食が原因の伝染病が発生するということでございまして、これは、私も知恵はないのでございますけれども、一体こういう状態を学校全体として衛生上どういうふうに見ていくかということを根本的に考えないと、今御説明を受けますともう十重二十重に専門家がかかわりを持っているようでありますけれども、しかし、なおすり抜けるようにして給食の現場から伝染性の病気が発生するということでございますので、これはもっと根本的に学校全体をどう守っていくのか、特に給食を介在する学校生活をどう維持していくのかということを考えなければならないのではないかということを申し上げておきたいと思います。
 厚生省にお聞きいたします。
 今回の、特に堺市の対応を見ておりますと、どうも堺市当局あるいは大阪府当局、地方の公衆衛生に携わる専門家の姿が見えてこない。まあ市長さんはいつも前面に出て答弁していらっしゃいますけれども。
 一つ気になりますのは、地方衛生研究所というのがございまして、かなりこれが強化されているというふうにお聞きしておりますけれども、一体、地方衛生研究所というのは何をしていて、そして、この研究所は地方の公衆衛生に対してどのような役割を果たしているのか、そして、今回の堺市のように地域が極めて限定された中で大量に発生するような状況において、堺市の地方衛生研究所あるいは大阪府の地方衛生研究所はどういう役割を果たされたのか、御説明いただきたいと思います。
○小野説明員 地方衛生研究所はどういうことをやっているかということ、それから、今回の例ではどうだったかという御質問でございます。
 地方衛生研究所におきましては、研究職の職員が、食品衛生監視員の収去してきた食品その他いろいろな有害物等がございますが、そういったものの検査を行いましたり公衆衛生等の研究を行うというふうなことで、保健所が行っております第一線の公衆衛生行政の科学的なサポートあるいは裏打ちを行うというふうな役割を担っているわけでございます。
 したがいまして、保健所と地方衛生研究所につきましては、日常的にそういった意味の接触があるわけでございまして、特に地方衛生研究所は保健所の食品衛生監視員の技能のレベルアップに非常に寄与している、こういうふうに考えております。
 それから、今回の堺市の事例におきましても、今申し上げましたような原則といいますか、そういったことで大変な御苦労をかけておりますが、堺市の衛生研究所が例えば検体検査あるいはいろいろな検査へ対応できない場合には、大阪府の公衆衛生研究所の応援を仰ぎながら今回の事態に当たったというふうに聞いております。
○土肥委員 それにしても六千人の患者さんが出てしまうということでございまして、これもどうしたものかなというふうに思います。
 最後に、検食あるいは原材料も、二週間そして零下二十度以下に保存するということでございます。
 私も少し福祉施設などを回りましたら、業務用の冷凍庫を買わなければいけない。注文したら、あなたの施設は五十一番目か何かですから待ってくださいと。一体この零下二十度以下にする科学的な根拠は何なのでしょうか。期間を延ばすというのはO157のいわば生命力を判断しての話でございますけれども、この零下二十度以下にしたということと、それから、今後一体どれくらいの数の冷凍庫が新規に必要なのか。そういうことを勘案して零下二十度以下というふうに決められたのかどうか、その零下二十度の根拠について教えてください。
○小野説明員 食材等を保存いたします際には、いざ検査したいときに菌がそのまま取り出せるという条件が必要でございます。それで、二週間以上、菌を生かして保存するためには、五度C前後の冷蔵保存では、食品が腐敗をいたしますので検査には適さない状態になります。それから、例えばマイナス五度C前後では、菌の内部は凍結をいたしますが、菌の膜がなかなか凍結しづらくて、破れて、破壊して菌が死んでしまうということなどの問題があります。こういう条件をいろいろ勘案いたしますと、マイナス二十度C以下であればその食品の腐敗、菌の死滅といった問題が生じないということでございます。
 ただ、今先生御指摘にございましたように、大量に食を供するような施設につきましては厳格にやっていただかなければいけないと考えておりますが、例えば御指摘のような小規模な施設について、冷凍庫の生産が間に合っていないというふうなことでどうすればいいかという問題が提起をされておりまして、私どももいろいろ通産省当局ともお話をしたりしているわけでございますが、それと並行いたしまして、例えばマイナス二十度よりも若干高い温度で保存した場合にどういう状態になるかということについて緊急に追加実験をしているところでございまして、冷凍庫の供給能力、それからそういう追加実験の結果も踏まえまして、実効が上がる措置がとれるようにやってまいりたいと考えております。
○土肥委員 最後に、ちょっと時間が過ぎておりますけれども。
 そうすると、それぞれ福祉施設あるいは学校、その他そういう冷凍庫が必要な部分の財源は、結局どこが払うのですか。それぞれ省庁が見るのですか。その辺の検討もしていらっしゃるのでしょうか。
 それから、期間は、例えば五十何台目だなどというときに来年の夏になるかもしれない。そういうことが生じることも構わないのですか。マイナス二十度というのは何日からスタートしなさいという話になっているのでしょうか。
○小野説明員 学校あるいは社会福祉施設、病院等における費用負担でございますが、学校につきましては文部省と連携して対応をいたしているところでございます。
 それから社会福祉施設につきましては、公費負担によります既定の運営費のほかに、物品等購入引当金の充当あるいは繰越金の取りまし等により対応するようお願いしているところでございますが、対応が困難な場合には、既定の設備整備費の活用を図るなど努力をしていくこととしております。
 病院等につきましては、社会福祉・医療事業団におきまして、融資の対象といたしているところでございます。
 それから民間の業者につきましては、調理施設に設置する冷凍庫につきましては、事業の用に供するものでございますので営業者の負担により整備すべきものであると考えておりますが、環境衛生関係業者が衛生水準を高めるための必要な資金につきましては、環境衛生金融公庫において長期固定で低利な融資を受けられる制度が設けられておりますので、冷凍庫もその対象となるものでございます。
 それから、マイナス二十度というのはいつからかということでございますが、これは既に関係方面にいろいろお願いをしておりまして、できるだけ速やかにということでお願いをしているところでございます。
 なお、先生御指摘のように、確かに製造が間に合わない、台数が少ないという問題がございます。これは、通産省にもお願いいたしまして関係業界とお話をし、どういう体制がとれるかということを今協議している最中でございます。
○土肥委員 終わります。
○和田委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十五分散会