第136回国会 建設委員会 第5号
平成八年四月十日(水曜日)
    午後零時一分開議
出席委員
  委員長  二見 伸明君
   理事 久野統一郎君 理事 野田  実君
   理事 萩山 教嚴君 理事 長内 順一君
   理事 川端 達夫君 理事 白沢 三郎君
   理事 石井  智君 理事 玄葉光一郎君
      安倍 晋三君    遠藤 利明君
      金子原二郎君    斎藤 文昭君
     田野瀬良太郎君    根本  匠君
      蓮実  進君    藤井 孝男君
      茂木 敏充君    青山  丘君
      岩浅 嘉仁君    大口 善徳君
      高市 早苗君    樽床 伸二君
      広野ただし君    森本 晃司君
      山本 幸三君    池端 清一君
      前島 秀行君    中島 武敏君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 中尾 栄一君
 出席政府委員
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設省道路局長 橋本鋼太郎君
 委員外の出席者
        建設委員会調査
        室長      白兼 保彦君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十日
 辞任         補欠選任
  村上誠一郎君     茂木 敏充君
同日
 辞任         補欠選任
  茂木 敏充君     村上誠一郎君
    ―――――――――――――
四月九日
 本州四国連絡橋公団法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第五四号)
三月二十七日
 公営住宅に関する請願(中島武敏君紹介)(第
 一〇〇四号)
四月五日
 解体工事業の業種認定に関する請願(高村正彦
 君紹介)(第一三二四号)
 解体工事施工における資格者制度の整備に関す
 る請願(高村正彦君紹介)(第一三二五号)
は本委員会に付託された。
四月十日
 住宅金融公庫法第二十一条の改正に関する請願
 (佐藤守良君紹介)(第二五号)
は委員会の許可を得て取り下げられた。
    ―――――――――――――
三月二十九日
 公営住宅法改正等に関する陳情書外五十件(千
 葉県習志野市本大久保二の四北村芳丸外三百四
 十三名)(第一六三号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 本州四国連絡橋公団法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第五四号)
 住宅金融公庫法第二十一条の改正に関する請願
 (佐藤守良君紹介)(第二五号)の取下げの件
     ――――◇―――――
○二見委員長 これより会議を開きます。
 この際、請願取り下げの件についてお諮りいたします。
 本委員会に付託になっております住宅金融公庫法第二十一条の改正に関する請願第二五号につきまして、去る三月七日、紹介護員佐藤守良君から取り下げの願いが提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二見委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
○二見委員長 内閣提出、本州四国連絡橋公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。中尾建設大臣。
    ―――――――――――――
 本州四国連絡橋公団法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
○中尾国務大臣 ただいま議題となりました本州四国連絡橋公団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国における東京都区部への人口及び諸機能の過度の集中による弊害に対応するため、政府においては、多極分散型国土形成促進法の規定に従い、国の行政機関及び特殊法人について、東京都区部からの移転の推進を図る旨の閣議決定等を行っているところであります。
 この法律案は、このような要請を踏まえ、本州四国連絡橋公団が移転することに伴い所要の改正を行うとともに、あわせて本州四国連絡橋公団に対する政府の無利子貸し付けに関する規定の整備等を行おうとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、本州四国連絡橋公団の移転に伴い、主たる事務所の所在地を東京都から神戸市に変更することとしております。
 第二に、本州四国連絡橋公団の理事及び監事の任期を二年とすることとしております。
 第三に、本州四国連絡橋公団の事業報告書等の公開に関する規定を整備することとしております。
 第四に、本州四国連絡橋公団の事業の円滑な推進を図るため、政府は、当分の間、同公団に対し、その業務に要する経費に充てる資金の一部を無利子で貸し付けることができることとすることとしております。
 その他、関係規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○二見委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○二見委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩浅嘉仁君。
○岩浅委員 新進党の岩浅嘉仁でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 この本四公団の法律案につきましては、本四公団の本社を東京から神戸へ移す、こういうことでございますけれども、この点につきましては、地方分権あるいは首都機能移転という観点からも、私どもは歓迎をいたしたいと思っておりますが、我が党が出しております特殊法人の整理及び合理化に関する法律案どの関連で、昨日も政策会議でいろいろな意見が出たわけでございますが、この本四公団の経営の合理化あるいは組織の形態等につきましては、後段で質問をいたしたいと思っております。
 まず最初に、本四の三ルートにつきましては、私も四国徳島の出身でございますから、特に大きな思い入れというものがあるわけでございます。もう既に完成いたしております瀬戸大橋につきましては、明治二十二年に、当時四十歳でございました香川県の県議会議員の大久保ェ之丞という方が初めて香川県議会で提唱しておるわけでございます。また、明石−鳴門に関連します大鳴門橋に関しましては、大正三年に徳島県選出の中川虎之助という代議士が衆議院の本会議で初めて、鳴門海峡に橋をかける、そして海峡の潮流を利用して水力発電の施設をつくってはどうか、こういうことを披瀝されましたが、当然のことながら、この構想に耳をかす人はだれもいなかった。しかし、約百年後の今日、もう両方の橋が完成しておりますし、明石の橋ももう目前である、指呼の間であるということで、まさに世紀の大事業である、こういうことが私は言えるのではないかと思います。
 本四関連の明石−鳴門ルートにつきましては、今申し上げましたように、国家的プロジェクトでございます。また同時に、四国にとりまして大変大きな発展への足がかりになる、こういう事業になるわけでございまして、徳島県の知事も年頭所感は必ずこの明石海峡大橋の進捗のぐあいを最初にしゃべって年頭の所感をあらわすというふうに、私ども徳島県八十三万県民にとりましても、非常に注目をいたしておる事業でございます。
 三千九百十メーターという世界最長の大橋ができるわけでございますけれども、四国で唯一近畿知事会に属しておりますのが徳島県でございまして、近畿と直結をする、本土と直結をする、自分たちの足で本土に渡れる、こういう長年の大きな夢が実現されようとしておる、まさに我々にとっては歴史的壮挙と思っております。地域の経済交流とか観光開発あるいは物的交流、文化の交流と、極めて大きなインパクトを与える事業だと認識をいたしておりますけれども、その供用に向けまして兵庫県も徳島県も、さまざまなイベントあるいはプロジェクト、こういうものを今鋭意計画いたしておるところでございます。その動きというのはすべて、国が言っております平成九年度末の明石海峡大橋開通、供用開始、こういうものを前提として地元の自治体がさまざまな計画を立てておるというのが実態でございます。
 この明石大橋を含みます明石−鳴門ルート、これが公式の文書でございますと、完成する、供用開始は、平成九年度末、さらには平成十年春、この二つの言い方をされておるわけですね。平成九年度末となりますと平成十年三月、平成十年春といいますと、春というのは三月、四月、五月が春ですから、これは三カ月と非常に幅があるわけですね。これは短いようですけれども、この幅というのは、例えばそのプロジェクトに合わせて県の行政機構がさまざまな計画を立てる、人的配置もやらなければいけない、その時期によりましては人事異動にも非常に影響する。ですから、今地元では、一体平成九年度末、平成十年の三月でいいのか、あるいは幅を持たされて五月まで延びるのか、こういう素朴な疑問が、心配が実はあるわけでございます。
 先般の大震災におきまして、橋の区間、三Pが一・三メーター、四Aが一・一メーター西の方にずれた、こういうことで大変心配いたしておりましたび、やはり日本の橋梁技術は世界最高だと思いますけれども、ほとんど心配がないと。ただ、震災の影響で工事期間が約一カ月中断をした、こういうことは伺っておるわけでございますけれども、震災を経験した明石大橋を含みます明石−鳴門ルートにつきまして、明確な開適時期、供用開始の時期というものをお示しをいただきたいと思うわけでございます。
○橋本政府委員 本州四国連絡橋のルートの神戸−鳴門ルートでありますが、開適時期についての御質問でございます。
 御承知のとおり、大鳴門橋関連四十五・二キロは既に供用開始しておりまして、現在、明石海峡大橋関連区間三十五キロを整備を進めているところであります。御指摘のように、阪神・淡路大震災後の点検により一時工事が中断いたしましたが、この工事の中断についても、この工程を回復する努力をしておりますし、現在のところ、平成九年度末の完成を目途に事業を進展させております。そういう意味では、平成九年度末、三月三十一日ということでございます。
 しかしながら、明石海峡関連区間の前後のアクセス道路のところにつきましては、まだ用地取得が五〇%程度ということ。それからもう一点は、明石海峡大橋につきましても、これから、秋には補剛げたの閉合ができますが、こういう架設につきましては大変天候等に影響される場合があります。例えば台風、大規模な台風が来たときにどの程度中断されるかということもありますので、このような大規模な工事が、目安が大体秋以降にはつきますので、その時点におきまして供用開始をなるべく早く決定していくという努力をしてまいりたいと思います。
 そういう意味で、いずれにしても、私が平成九年の早い時期と言っておりますのはそういう意味でございまして、できれば三月三十一日以内にやりたいわけでありますが、若干の不確定要素がありますので、もうしばらくお時間をいただきたい、こういうことでございます。
○岩浅委員 まだ、来年、再来年ということですから確定的な月、日というのは言えないかもわかりません。また、自然現象等もございますけれども、先ほども申し上げましたように、私どもはやはり平成九年度末、三月三十一日までには開通をして本土へ渡れる、こういう期待をいたしておりますので、さまざまな条件があろうと思いますけれども、ぜひその方向でお取り組みをいただきたいと思います。
 それから、この橋に関連しまして、できた後の問題なんですけれども、二点あると思うのですね。
 一つは、四国は大変高速道路網、御承知のとおり整備率が低うございます。全国で最低レベルだと思うのですけれども、橋はできたは、四国の島内に入ったは、道はないは、こういうことも大変心配になるわけでございます。急峻な地形とさまざまな条件、悪条件もあるのですけれども、そんな中で、この橋の開通に合わせまして、四国全体の高速道路体系というものを建設省としてどういうふうに取り組んでいくお考えなのか、意欲のほどをお聞かせ願いたい。
 それからもう一点は、これはもう瀬戸大橋でも出ておる問題なのですけれども、通行料金の問題でございます。
 鳴門から明石まで、今予測されておるのは大体七千円ぐらいではないかという意見もあるのですけれども、片道七千円、往復だったら一万四千円ぐらいになるかと思いますが、こういう高い通行料金を設定されますと、橋本来の潜在的な可能性というものを失ってしまう可能性がある。物とか人の交流に大きな支障が出るのではないかと思うのです。
 先発で完成しました、昭和六十三年に完成しました瀬戸大橋の場合、車の一日平均通行量は、現在約一万四千台。これは、開通前に予測したわずか半分という状況であります。この瀬戸大橋は鉄道併用橋でございますから、明石−鳴門と同じ考えではいけませんけれども、それにしても、当初予測よりも非常に低い通行量である。その最大の原因に指摘されますのが、やはり通行料の問題だと思います。瀬戸大橋では、早島−坂出区間、これは片道で六千四百九十円、往復割引を利用しても一万円ということで、本州と九州を結んでおります関門大橋に比べても、距離当たりの料金は関門橋の二倍以上の割高になっておる。こういうことが橋を有効に活用できない大きな原因として横たわっておると私は思います。
 この瀬戸大橋に対しまして明石の場合は、何といっても関西に直近していますから、予測では一日平均四万五千台という数字が出ております。この目標を達成するには、やはり通行料金のあり方というものが大きく左右するのではないかと私は思います。大阪大学などの調査では、瀬戸大橋の通行料金を今の半額にすれば、その通行量は三倍に伸びるだろうという予測も出ておるわけでございまして、これはやはり高速道路の料金制の問題にも波及してくるわけでございます。
 先般の新聞報道によりますと、三月十四日ですか、本四連絡橋の通行料を引き下げる、建設省が「用地費を除いて料金を決める料金抑制策を導入し、低迷する通行量をてこ入れする。」こういう報道がなされておりました。この新聞報道も含めまして、来る明石海峡大橋、明石−鳴門ルートの通行料金というものをどういうふうに建設省は考えておるのか、お伺いいたしたいと思います。
○橋本政府委員 最初に、四国管内のアクセスとなります高規格幹線道路の整備の考え方でありますが、御承知のとおり、四国の管内には、四国縦貫自動車道と四国横断自動車道、それぞれ二百二十キロ、四百六十キロの幹線道路の計画がございます。
 四国縦貫自動車道につきましては、現在、徳島−脇町、あるいは川之江−川内七十三キロ、合わせて百十四キロが完成しております。さらに、明石海峡大橋の完成時期に合わせるように、平成九年度末を目指しまして、美馬町から川之江市に至る区間について事業を進めております。しかし残金ながら、この区間につきましては、用地買収の難航と文化財調査に時間を要しているという観点から、当初の見込みを達成するのは大変厳しい状況ではありますが、この区間についても、大変重要な区間でありますので、ぜひ今後早い時期に供用が図れるように進めてまいりたいと思います。
 さらに、四国横断道につきましては、高松西−南国間が既に供用開始しております。現在、鳴門と津田東、それから高松東と高松西、こういう区間について事業を進めております。この区間についても、地元協議、用地買収を進めておりますので、用地買収が終わった区間から工事を鋭意進めてまいりたいと思います。この区間についても、大変見通しは厳しいというのが実態でございます。
 さらに、津田東と高松東区間につきましては、これは直轄事業で一般国道の自動車専用道路として今整備を進めております。この区間につきましては、着手が早かったという点もあり、平成九年度中の供用ができるのではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、明石海峡大橋関連の道路整備については、大変重要でありますので、道路公団等にも、さらに一層努力をして完成時期を早めるように現在指導しておるところでございます。
 それから、料金についての御指摘でございます。
 本四道路の料金につきましては、償還期間内における料金徴収総額が、今までにかかった費用、いわゆる建設費、維持管理費、金利等、これに見合うように定めているものであります。さらに、これは利用者の受ける便益の範囲で定めるというふうになっております。
 さらに、この個々の料金決定につきましては、本四公団が、既に供用を開始している区間も含めて、全体の採算性を検討して、当該区間の道路管理者、これは建設大臣でありますが、これとあらかじめ協議して、建設大臣に申請して、認可を受けて決める、こういうふうになっております。
 高速道路、本四の料金について、高いのではないかという御指摘は各方面から受けております。そういう意味で、本四公団としても、従来から同数券とかプリペイドカードの導入など、いろいろ努力をしてまいりましたが、さらに料金の上昇を抑制する必要があると我々も考えておりますし、本四公団も考えております。
 そういうことで、平成七年度からは、国、地方公共団体からの出資金を拡充しまして資金コストを削減したということでありますし、従来から、建設費を削減しようということで、新しい工法を公団で開発して、これを採用しております。いろいろな工夫を現在しておるところであります。
 しかし、先ほど申し上げましたように、もっと利用しやすい料金というのはないのかというのは御指摘のとおりでありますので、今後、明石海峡大橋あるいは多々羅大橋、来島大橋、こういうものが平成九年度、平成十年度に供用を開始してまいりますので、現在、道路審議会におきましても、この本四公団の経営をさらに一層安定する必要もありますし、さらに、この資金コストを低減していく必要があるのではないかということで、公的助成の強化、あるいは償還制度のあり方について御審議を始めていただいたところでございます。今後十分な審議をお願いして、その結果を尊重してまいりたいと考えております。
 ただ一点、この料金につきましては、フェリーの料金との比較考量の問題がございますので、こういうものも総合的に勘案して、なるべく使いやすい料金になるように今後努力してまいりたいと思います。
○岩浅委員 これはぜひ御努力をいただきたいと思います。四国内の要望が非常に強い問題がこの通行料金でございますので、ぜひ審議をしていただきまして、抑制の設定をしていただきたいと思います。
 最後になるのですけれども、この本四公団の合理化問題につきまして、昨年二月の「特殊法人の整理合理化について」の閣議決定に基づいて、六四・三ルートが概成した時点において、この本四公団を、現在の七百名体制から約三分の一を削減するとともに、組織形態を見直す、こういうことを言われております。
 私は、ここで出てくるのは、ポスト明石に関連して、これは橋本さんが近畿地建の局長のときだったと思いますけれども、紀淡海峡に、当初は、和歌山県の当時の仮谷知事なんかは、トンネル構想、カートレーン方式を主張されておりましたが、最近は、橋の方に、道路の方に熟度が非常に高まってきておる、こういうふうな感じを私は受けておりますし、建設省も、この紀淡海峡に橋をかけて道路で結ぶんだ、こういう調査を精力的にされておると思います。
 そうなりますと、明石海峡大橋あるいは今治ルート、これが完成した時点に、本四公団のこのすばらしい技術力、技術の集積、こういうものをどう考えるのか、紀淡海峡ルート、紀淡海峡連絡道にこの本四の組織、技術、こういうものを活用していくのかどうか、それによって本四公団の今後は決まってくるのではないかと私は思うのです。
 そういう意味で、震災の影響もございまして、新たな国土軸、新太平洋国土軸の大きなかなめになるのが紀淡道路でございますし、これは私はぜひ実現できるであろうと確信をいたしておりますけれども、建設省として、この紀淡連絡道、紀淡海峡大橋につきまして、どういう取り組みをこれからされていくのか。それと同時に、今問題になっておりますこの本四公団の合理化に向けての考え方というものをあわせて――これは非常に密接に関連をしておると思います。紀淡がなければ本四公団というのはまさに大いなる合理化の対象になるかもわかりませんけれども、私は、その点が非常に気にかかりますので、国としての考え方というものをお示しをいただきたいと思います。
○橋本政府委員 紀淡連絡道路につきまして、建設省は従来から積極的に取り組んでおります。
 国土庁でまとめています第四次全国総合開発計画におきましても、長期的な視点から大阪湾の環状交通体系を構成するものとして検討するとされておりますし、第十一次道路整備五カ年計画におきましても、大阪湾環状道路の一環としても地域の活性化施策の推進とあわせてこの事業の具体化を図る必要がある、このようにしております。こういう観点から、先ほど申し上げましたように、建設省も重要なプロジェクトとして推進をしております。
 さらに、新しい全国総合開発計画におきましても、紀淡連絡道路は太平洋新国土軸の実現のためにも重要なプロジェクト、こういうふうな審議がされておりますし、正式に決まります新しい全総にもそのような新しい国土軸という位置づけがされるものと考えております。
 そういうことで、建設省としては、新交通軸調査、こういう調査で積極的な調査を進めております。
 長大橋に関するコストダウンあるいは全般的な技術開発、こういうものを進めておりますが、紀淡連絡道路についても、風とか気象調査、地震観測、船舶の航行調査、ボーリング、弾性波探査等の地質調査、これらを建設省は、もちろん地元和歌山県あるいは兵庫県、徳島県、こういう県の支援をいただきまして進めております。もちろん、こういう問題につきましては、本四公団の技術力が大変重要でありますので、本四公団の技術力も十分この際も活用しているところであります。
 さらにまた、こういう問題は、技術の問題だけではなくて、社会経済的な効果がどのようにあるかということも必要であります。そういうような観点からもいろいろ調査をしております。
 いずれにいたしましても、本四公団が培った長大橋の技術をさらに進展させて紀淡連絡道路等の海峡プロジェクトに生かしていくということが必要だと思いますし、国際的に見ても、そういう必要性、意義はあるのではないかと考えております。
 そういう中で、平成七年の二月に「特殊法人の整理合理化について」という閣議決定がございました。これにつきましては、本四については、三ルートが概成した時点で、長期債務の償還について現行の国と地方公共団体との協調体制を堅持しつつ、維持管理段階においても必要となる長大橋技術の継承・高度化を図ることを基本として、現行体制を見直せ、こうなっております。
 そういうことで、これは今後の問題でありますが、ぜひこの趣旨は生かしつつ、しかし三ルート概成後も本四公団が果たすべき役割というのは、維持管理と長大橋技術の継承・高度化、こういうものだと思います。そういうことで、これらに必要な要員を確保するという観点、これを十分尊重しながら、しかし組織形態の見直しはしていこう、このように決意をしているところでございます。
○岩浅委員 本四の技術を紀淡に使うということを、私は、局長のかなり強い意欲を今感じました。関連する地元の人間としては大変ありがたいと思います。
 この本四公団のあり方につきましては、やはり今おっしゃいました紀淡ルートの位置づけが結果的には本四公団の規模とか組織とか今後の性格づけとかに大きく影響してくるわけでございますので、ぜひ紀淡ルートに本四の技術を縦横に使っていただくように要望をいたしておきます。
 以上で終わります。
○二見委員長 次に、中島武敏君。
○中島(武)委員 私は、初めに、本四公団法の一部改正法案に関連して、天下り問題について伺いたいと思います。
 ゼネコン汚職だけじゃなく、住専問題、薬害エイズ問題でも、今ほど行政と企業の癒着、高級官僚の天下りに国民の批判が強まっているときはありません。
 時間も少ないので早口で申します。
 非常に重大な問題は、多数の建設省高級官僚が公団の役員を経て民間企業に天下っている事例が多いことであります。
 特殊法人労連の天下り調査によれば、元建設省中国地方建設局長の松崎彬麿氏は、本四公団副総裁を経てトピー工業に天下りしております。元建設省土木研究所千葉支所地震防災部長の大橋昭光氏は、公団理事を経てトピー工業に天下りしております。元建設省関東地方建設局道路部長の川崎偉志夫氏は、公団理事を経て日本鋼管株式会社に天下りしております。また、元建設省土木研究所長の村上永一氏は、公団理事を経て新日鉄、さらに川田建設に天下りしております。元建設省関東地方建設局宇都宮国道工事事務所長の吉田巌氏は、公団理事を経て株式会社本州四国連絡橋エンジニアリングに天下りしております。そのほかに、公団の部長、次長が、五洋建設、松村組、若築建設に天下りしております。
 今出しました企業八社には、いずれも本四公団から建設工事などの発注がなされていると思いますが、間違いありませんか。
○橋本政府委員 本四公団におきましては、工事、調査合わせて年間約千二百件程度の発注がございます。先生御指摘の企業につきまして、平成七年度の施工実績を調査させましたところ、施工の実績があるという報告を受けております。
○中島(武)委員 発注をしているという話なんですね。
 それで、これは私は特に大臣に伺いたいのですけれども、建設省から公団役員を経て、その発注先である大手ゼネコンなどに天下りをする、これこそ官業の癒着の典型ではないかと思うのですね。
 それで、官庁と企業の癒着を防止する、そういう観点から、国家公務員法の百三条に天下り規制がありますけれども、これは、国から民間企業への天下りを一定期間禁止するというものでありまして、公団や公社などは全く規制の対象外に置かれておりますので、非常に不十分な規制だと思うのです。
 ところが、公団は準国家機関と言ってもいいかと思うのですけれども、建設大臣に伺いたいのは、規制の対象外とされていることをよいことに、建設省の高級官僚が公団を経由して、その発注先の民間企業に天下りすることを野放しにしておいてよいとお考えでしょうか、これはやはり是正しなきゃならない、こういうふうにお考えでしょうか、建設大臣の見解を伺いたいと思います。
○中尾国務大臣 公務員が民間企業に再就職をする際、公務の公正な執行に対しまして国民の疑惑をげに招かないように、離職後二年間は、密接な関係のある営利企業の地位につく場合には、中立・第三者機関である人事院の承認等の制度が設けられているところでございますが、今委員お話しのとおりでございます。離職後二年を経過した場合には、これは建設省としましては特に把握をしておりませんで、コメントする立場には現在ございません。
 一般論として言うならば、建設省職員が本人の知識あるいは経験というものを十分に生かして退職後民間企業へ再就職することは、社会的にも有用な場合があるのではないか、こう考えられておるわけでございます。
○中島(武)委員 もうちょっと積極的な意見が聞けるかと思ったのですけれども、それはちょっと現状を述べたにすぎないですね。
 私は、やはりこの問題をいろいろ調べてみましたら、人事院の総裁あるいは人事院の事務総長経験者、こういう人たちがどういう見解を述べているか、書物の中にいろいろ書いているのですけれども、これはやはりでき損なっている、こういう公団公社を除外するなどというのはでき損なっているのだ、もっとここを規制するようにしなきゃならないということを言っているのですね。私も同意見なんですよ。
 こういう点は、やはり官と業の癒着問題がこれだけ問題になっているときなんですから、こういうのをしっかり改める、改善をしていく、建設大臣ですから、これぐらいひとつきょうは話を聞けるかなと思ったのですけれども、非常に残念であります。もし言うことがあったら、積極的に答えるのだったらお答えいただいて結構なんですが、ありますか。――ありませんか。じゃ、そのことを私は強く要望いたしておきます。
 じゃ、次の問題に行きます。
 これは通行料金の引き下げ問題なんですが、私は、この質問をするに当たって、関係の中国、四国地域の住民の声をいろいろと集めました。
 どこでも共通しておりますのは、何といっても通行料金の引き下げ問題なんです。建設省の説明によりますと、総工事費を約二兆五千億円として、それを平成四十年、二〇二八年までに償還することを前提にはじいたとのことでありますが、現状では、料金が高いために、本来の目的である本州と四国の相互交流にも非常に障害になっております。
 因島大橋は普通車で千二百四十円かかるのですけれども、この橋のある因島市などでは半額にしてほしいというのが市民の共通の要求なんです。瀬戸大橋のかかる櫃石島それから与島などでは島民を半額にしているそうですけれども、尾道−今治ルートの島民にも同じ措置を、つまり半額にできないかということが一つ。
 それからもう一つは、三本の本四架橋全体のことなんですけれども、これをぜひひとつ料金を引き下げるために、そのための国庫補助を増額するとか償還期限を延長するとかいうことをしっかりやって、そして、早急にこの通行料金を引き下げてもらいたいと思うのです。これが一つです。
 それからもう一つ、私伺っておきたいのは、実は今治市大浜地区の環境保全問題なんです。
 この問題なんですけれども、今治北ICそれから来島SAを建設することによって、昔から強い西風を防いできた今治市の大浜地区の南側の山が削られて、この地区のミカン畑など、風水害が非常に心配されているのです。
 そこで伺いたいのは、風洞実験をやっていると思うのですけれども、風洞実験の結果を公表するようにしていただきたいということと、もう一つは、被害が出ないように万全の対策をとっていただきたいと思うのですけれども、以上お尋ねして、回答をお願いします。
○橋本政府委員 まず、本四道路につきましての料金でありますが、これは償還期間内に建設費あるいは維持管理費、金利等、こういうものを償還するという償還主義が原則でございます。もちろん、利用者の受ける便益の範囲ということで我々は設定しているわけであります。
 個々の料金決定につきましては、その完成の前に、本四公団が、既に供用を開始している区間も含めて全体の採算性を検討して、当該区間の道路管理者等とあらかじめ協議しまして、建設大臣に申請し、認可を受けるわけであります。
 与島等につきまして、島民に対してそのような料金の割引制度が現在あるということは認識しておりますが、いずれにしましても、全体の料金をいかにしていくかということが今後大きな課題であります。
 御指摘のように、国、地方公共団体からの出資金を平成七年度からは充当することを拡充いたしました。そういうこともありますし、さらに、今回、阪神・淡路大震災の被害を受けた復旧については、国からの出資金、地方からの出資金とあわせて道路開発資金を充当して、料金が上がらないようにいろいろ工夫をしているところであります。
 しかし、いずれにいたしましても、料金問題についてのいろいろな議論がございます。さらには、明石海峡大橋、多々羅大橋、来島大橋が平成九年度、平成十年度と完成してまいりますので、現在道路審議会においていろいろ公的助成あるいは償還制度のあり方について御審議を始めていただいたところでありますので、今後十分審議をしてまいりたいと考えております。
 さらに、来島サービスエリアあるいは今治北インターチェンジ付近の風の問題についてでありますが、地元におきまして、設計協議をしている時点におきまして、山がカットされると風速が強くなるというような御指摘を得ております。そこで、大浜地区及び小丘陵を挟んだ西側の高部地区において風観測を行うとともに、平成六年度には地形模型を作成いたしまして風洞実験も行っております。
 このようにしてこのカットによる風の影響について調査をしておりますので、この調査結果をもとに対策を検討しまして、地元説明を十分行いまして、ぜひ御理解をいただきたい、このように考えております。御理解がいただけるように、ぜひ努力をしていくように指導してまいりたいと考えております。
○中島(武)委員 終わります。
○二見委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○二見委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 本州四国連絡橋公団法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○二見委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中尾建設大臣。
○中尾国務大臣 本州四国連絡橋公団法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝を申し上げたいと思います。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。(拍手)
○二見委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二見委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
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○二見委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十五分散会
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