第136回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第5号
平成八年六月十三日(木曜日)
    午後零時五十五分開議
出席委員
  委員長 佐藤 孝行君
  理事 田野瀬良太郎君 理事 西田  司君
   理事 村田敬次郎君 理事 鴨下 一郎君
   理事 坂本 剛二君 理事 千葉 国男君
   理事 松本  龍君 理事 玄葉光一郎君
      伊藤 公介君    金田 英行君
      自見庄三郎君    田中 直紀君
      中山 利生君    根本  匠君
      堀内 光雄君    茂木 敏充君
      青山  丘君    青山 二三君
      河村たかし君    長浜 博行君
      弘友 和夫君    山岡 賢次君
      渡部 恒三君    大畠 章宏君
      岡崎トミ子君    田邊  誠君
      中島 武敏君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  橋本龍太郎君
        自 治 大 臣 倉田 寛之君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 鈴木 和美君
 出席政府委員
        総務政務次官  赤城 徳彦君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
        国土庁土地局長 深澤日出男君
        国土庁大都市圏
        整備局長    五十嵐健之君
        自治省行政局長 松本 英昭君
 委員外の出席者
        議     員 西田  司君
        議     員 坂本 剛二君
        議     員 千葉 国男君
        議     員 松本  龍君
        議     員 玄葉光一郎君
        衆議院法制局第
        四部長     横田 猛雄君
        内閣官房内閣情
        報調査室内閣調
        査官      佐野 智則君
        国会等の移転に
        関する特別委員
        会調査室長   白兼 保彦君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  東家 嘉幸君     田中 直紀君
六月十三日
 辞任         補欠選任
  谷  洋一君     伊藤 公介君
  蓮実  進君     金田 英行君
  青山 二三君     青山  丘君
  関山 信之君     岡崎トミ子君
  田邊  誠君     大畠 章宏君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 公介君     自見庄三郎君
  金田 英行君     蓮実  進君
  青山  丘君     青山 二三君
  大畠 章宏君     田邊  誠君
  岡崎トミ子君     関山 信之君
同日    
 辞任         補欠選任
  自見庄三郎君     谷  洋一君
    ―――――――――――――
六月十三日
 国会等の移転に関する法律の一部を改正する法
律案(西田司君外七名提出、衆法第一一号)
同月十日
首都移転計画の中止に関する請願(中島武敏君
 紹介)(第二九三四号)
同月十二日
 首都機能移転計画の再考に関する請願(穀田恵
 二君紹介)(第四二五一号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第四二五二号)
 同(志位和夫君紹介)(第四二五三号)
 同(寺前巖君紹介)(第四二五四号)
 同(中島武敏君紹介)(第四二五五号)
 同(東中光雄君紹介)(第四二五六号)
 同(不破哲三君紹介)(第四二五七号)
 同(古堅実吉君紹介)(第四二五八号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第四二五九号)
 同(吉井英勝君紹介)(第四二六〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月二十六日
 首都機能の移転問題に関する陳情書(東京都東
 大和市中央三の九三〇東大和市議会内榎本和
 雄)(第二五九号)
六月四日
 茨城県への首都機能移転反対に関する陳情書
 (茨城県猿島郡三和町尾崎四七七八の五久慈力
 )
 (第三四三号)
宮城県への首都機能移転の促進に関する陳情書
 外一件(仙台市青葉区国分町三の七の一仙台市
 議会内大内久雄外一名)(第三四四号)
 那須地域への首都機能移転の促進に関する陳情
書(宇都宮市塙田一の一の二〇栃木県議会内吉
 谷宗夫)(第三四五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国会等の移転に関する法律の一部を改正する法
 律案(西田司君外七名提出、衆法第一一号)
     ――――◇―――――
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 西田司君外七名提出、国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者から趣旨の説明を求めます。西田司君。
    ―――――――――――――
 国会等の移転に関する法律の一部を改正する法
 律案
   〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○西田議員 ただいま議題となりました国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表いたしまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 国会等の移転につきましては、国会等の移転に関する法律の成立を受けて総理府に設置された国会等移転調査会において、平成五年四月以来約二年九カ月をかけて調査審議が行われてまいりました。昨年十二月に国会等移転調査会報告が内閣総理大臣に報告され、さらに内閣総理大臣から国会に報告されたところであります。
 この中で、国会等の移転が地方分権、規制緩和など国政全般の改革の契機として、また、東京一極集中の是正を図るとともに、国土の災害対応力の強化を図るためにも大きな意義を有するものであるとした上で、移転先地の選定基準、選定方法等についての報告を行い、移転先候補地を選定するための専門的、中立的な選定機関を設置すべきであるとしております。
 国会におきましても、国会等の移転に関する特別委員会において、多数の参考人からの意見聴取、地方での意見交換会の開催、調査会報告についての調査会会長からの意見聴取などを行い、活発な審議を進めてきたところであります。
 本法律案は、以上の経緯を踏まえ、国会等の移転の具体化に向けた検討を進めるため、移転先候補地の選定体制を整備するとともに、候補地の選定に伴う土地投機対策について定める等、所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、法律案の要旨について御説明いたします。
 第一に、前文におきまして、阪神・淡路大震災の教訓を記述するとともに、国会等の移転を目指して、その具体化の推進のために積極的な検討を行うべきことを明らかにすることとしております。
 第二に、国は、国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうち中枢的なものの東京圏以外の地域への移転の具体化に向けて積極的な検討を行う責務を有することとしております。
 第三に、現行の検討指針を基本指針に改めるとともに、その内容について所要の規定の整備を行うこととしております。
 第四に、移転先の候補地の選定について調査審議するための機関として、総理府に国会等移転審議会を設置することとし、その組織、運営等について必要な規定を定めるとともに、審議会は、国会等移転調査会の報告及びこれに関する国会の審議を踏まえ、調査審議することとしております。
 第五に、審議会の答申が行われたときは、国民の合意形成の状況、社会経済情勢の諸事情に配慮し、東京都との比較考量を通じて移転について検討されることとするとともに、移転を決定する場合には、審議会の答申を踏まえ、別に法律で定めることとしております。
 第六に、移転先の候補地の選定に伴う土地投機対策として、監視区域の指定の特例等について定めることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。最初に、田野瀬良太郎君。
○田野瀬委員 自由民主党の田野瀬でございますが、早速質問を進めていきたいと思います。
 ただいま提案者から説明がございましたように、平成四年に国会等の移転に関する法律を制定いたしました。これを受けて、昨年の十二月に国会等移転調査会報告が行われました。そして、いよいよ本日、その改正案が当委員会に付託されたわけでございます。
 その内容によりますと、ただいま説明ありましたように、国会等移転審議会なるもの、候補地を選ぶ中立かつ専門的な選定機関を設けて、おおむね二年以内に選定しなさいというような内容になっておるところでございます。
 恐らくや今国会の閉会日にこれが成立するものと確信をいたしておるところでございますが、これを受けて大きな国民的期待が盛り上がってくるものと確信をいたしますし、第一、我々が久しく議論をしてまいりました、政治、経済、文化、教育あらゆる東京への一極集中がいろいろと弊害を起こしておる、さらに規制緩和、地方分権、特に行財政改革を大きな国家的課題としておる今、ぜひこの一極集中を是正するべく首都をどこかに移転しなければならない、このように私も強く期待をするところでございます。
 総理におかれましても、一月二十二日の今国会の施政方針演説におきまして、首都機能移転の実現に向けての決意をこう述べられております。「首都機能の移転については、我が国の政治、行政、経済、社会の改革を進める上でも極めて重要な課題であります。昨年十二月には国会等移転調査会の報告が取りまとめられたところであり、今後は、この報告を踏まえ、首都機能の移転の一層の具体化に向け、内閣の重要課題の一つとして取り組んでまいります。」とおっしゃっておられます。
 今般の法律改正に当たっては、法律の提案までの間に各方面からさまざまな議論がございましたが、最後は、総理の強力なリーダーシップによって本日の審議に至ったものと認識をいたしております。この法律改正によって首都機能移転の一層の具体化が図られると期待をしておりますが、ここで、法律改正を機に、改めて首都機能の移転に対する総理の御決意をお伺いいたしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 私自身、首都機能がこのままでよいのかという問題意識を持ちましたのは、第二次臨時行政調査会の作業が進む中、電電公社の民営化を現実のものとしようと作業に入ったころからであります。その時点におきまして、電電公社を国鉄と同様に分割すべきだという御意見が多方面から出されまして、党の責任者として幾つかの案を工夫してみた時期がございますが、結果として、その時点におきましては、電電公社の民営化はできましたものの分割ができませんでした。
 その最大の理由は、この東京を中心といたしました一都三県の情報集積量が余りに大きい、そしてどう図面を引いてみましてもバランスのとれた分割案ができない、これだけ東京を中心とした一極にすべてが集中してしまっていいのだろうか、そのような疑問を持ち出したのがこの問題に関心を持った初めであったように思います。
 本日、国会等移転調査会の答申を受けて改正法案が議員立法として提案され、本院において御審議をいただくことになりました。私は、現在の我が国を支えております政治、行政、経済、社会、それぞれのシステムが二十一世紀にふさわしいものとして再構築される必要は今非常に強いものになった、そう認識をいたしております。
 たまたま議員の御質問中に首都移転という言葉が一度用いられましたが、私は、首都移転というつもりはありません。皇室に御動座をいただく意思はありません。その上で、国会等の機能を分散する、他の地域に移していくことによりまして、私はこの東京の中にも、いわば都民の生活の中に潤いを見出せる空間をつくり出す、こうしたことも一つの大きな役割であると思います。そして当然のことながら一極集中というものを緩和していく、こうした要素も持つものでありますし、私どもとしては積極的に取り組んでいくべき目標、そのようにとらえ、この席にも立たせていただきました。今後ともの御支援を心からお願いを申し上げる次第であります。
○田野瀬委員 ただいまは総理から力強い決意の表明をしていただいて、私も総理の御認識と同様でございます。
 さてそこで、国会等移転は、先ほども私申し上げましたように、国政全般、特にその中にあって行財政改革を進める大きな契機になると認識をいたしておるところでございます。ところで、今般の法律改正において、このような行財政改革との関連はどのようにこの法律に反映されているのか、御提案者の先生からの御答弁をお願いするところでございます。
○玄葉議員 ただいま御質問ございましたけれども、政治課題としての行財政改革の重要性については言うまでもございません。総理からも関連の御答弁があったかと思います。
 そこで、今回の改正では、この国会等移転と行財政改革を的確に関連づけるために、条文にこのことについて書き込ませていただきました。すなわち、第四条に、「行財政の抜本的な改革と的確に関連付けるものとする。」そのように書き込ませていただいて、その趣旨を一層明確化させるとともに、今日的な意義を強調させていただいたところであります。
○田野瀬委員 今般の法律改正によりまして、国会等移転に伴って大きな行財政改革ができる、こういうことを大いに期待したいところでございます。
 さて、さらに総理に御質問をいたしたいと思うのですが、ただいま申し上げましたように、行政改革の断行を内閣の重要課題と位置づけて総理はこれまで来られたわけでございますが、これに関連する経済審議会、地方分権推進委員会、行政改革委員会、国会等移転調査会の各委員会の有機的連携を図り、首都機能移転を契機とした行財政改革の推進に努力されておられると認識をしておるところでございます。総理のリーダーシップのもとに、各審議会の会長または会長代理の方々に一堂に会していただき、四審議会の横の連携も進めてこられたことをも承知しておるところでございます。
 このような経緯を踏まえて、今般の法律改正を受けて、首都機能移転を軸として国政全般の改革を進めていくことが必要であると考えますが、これに対する総理のお考えを再びお聞きいたしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 私は、首都機能移転と申しますものを進めてまいりますこと、これは物理的に政経分離を図る、その結果として政官民の関係のあり方を見直す大きな一つの契機になるという認識とともに、具体的な行政機能の移転のあり方、その検討の過程におきまして新たな行政システムの確立が促される、こうしたことにより国政全般の改革に大きく寄与すると考えております。国会が移転をいたしますとき、現在の中央省庁がそのままの形でついていく、それは私は到底とるところではないと思います。
 今後とも、国政全般にわたりまして各分野の改革の検討が、今例示に挙げていただきましたような関連する各審議会の横の連携の中で、論議の共通の基盤を持っていただくことにより連携を図りながら進められていくことが重要だ、そのように考えており、政府としてもそうした方向に努力をしていきたいと考えております。
○田野瀬委員 よくわかりました。
 自由民主党に十五分間の質問の時間をいただいておるところでございます。この後、伊藤議員に質問をかわらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 限られた時間でありますので、限られた時間の中で、恐縮ですが、私の極めて簡単な私見を申し上げて、総理の明快な答弁をいただきたいと思います。
 私たちは今東京に住んでいるわけであります。この東京は、徳川家康が四百年前に江戸を築きました。以来、東京は、今日、日本の首都であるばかりではなくて、国際的な都市としてまさに世界に君臨をしている都市だと思います。住宅や通勤、交通あるいはごみ問題や水やエネルギーの供給など、都市としての多くの問題を抱えていますが、皇居を中心として、やはり風格のある都市だと私は思います。
 そんな東京で、私たち日本人はさまざまなジャパン・ドリームを実現してきたと思います。また、そんな私たちのこの東京に、アジアの若い世代の人たちが学び、働きたいと、そういう若者たちが後を絶たない。東京は大変懐の深い、依然としてすばらしい魅力を持った国際都市だと私は正直思います。
 そこで、日本人でも東京や東京周辺で働き、学んでいる多くの皆さんの声を代表して、きょうは限られた時間ですから、総理から明快な御発言をいただきたいと思いますが、私たちがこの議論をする中で、国会等移転調査会の報告書やあるいは国土庁が出された小冊子には随所に首都移転の活字が出てくるわけであります。
 私は、首都機能の一部移転をすることによって、新しい生き生きとした地方都市、地方の時代、あるいは日本の国土政策の見直し、豊かな自然の中に生き生きと暮らせる日本、そうした二十一世紀への大きな夢やロマンをかけていくことに必ずしも反対するものではありません。しかし、この報告書や国土庁の小冊子などを見ますと、首都移転と明確に出ているわけでありまして、これは東京をこよなく愛し、この東京の中に未来の夢を託している一人として、私は、首都移転ということになると必ずしも賛成するわけにはまいりません。総理から、まず明快な答弁をいただきたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今、私は田野瀬議員にも申し上げたように、私自身首都機能を移転することには今日も極めて関心を持っておりますし、従来からそうした主張を続けてまいりました。しかし、首都移転という言葉を用いたことはありません。そして、国会等の移転に関する法律に基づきます検討、それは首都移転あるいは遷都を前提として行われるものではありません。国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうち中枢的なものの移転を前提とするもの、私はそう考えております。
 そして、国会等移転調査会の報告も、あくまでも国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうち中枢的なものの移転について調査審議が行われたものであり、首都移転あるいは遷都について検討が行われたものではない、私はそう承知をいたしております。
○伊藤(公)委員 総理の基本的なお考えはよくわかりました。
 しかし問題は、東京のこの国会の一部移転をするということだけで新しい時代が始まるとは必ずしも私は思っていないのです。むしろ、日本は今広域行政の時代です。例えば、私の地域では、東京を二分する多摩地区では、今ごみ処理の問題で裁判ざたになっているという状況です。つまり、一つの町や一つの村だけでこうした新しい時代の問題を解決できないという時代に来ていると思います。
 そういうことを考えると、今のままの小さな町や村という単位で新しい時代が来るのだろうか。もっとグローバルに、道州制とか本当に新しい地域に権限を移譲して、過去の四百八十兆円と言われるようなそうした負の遺産を改革し、そしてまた、やってくる高齢化社会に対する対応もしなければなりません。総理の指揮のもとで進められている二十一世紀への科学技術創造立国への、次の時代の投資もしなければなりません。私は、九十二の特殊法人あるいは中央省庁百十五万、こうしたものの大きな改革をすべきときだと思っているわけでありまして、規制緩和や地方分権こそ最優先をしていかなければならない問題だと思います。そうした中で、国会の移転をどうするかということにもなるだろうと思うわけであります。
 したがいまして、これからいよいよ審議会が構成されることになると思いますが、その審議会の中には、やはりこの首都圏の地域に非常に詳しいメンバー、あるいはまた行財政改革という、時あたかも橋本行政改革ビジョンが天下に打ち出されようとしているときであります。国民の皆さんが二十一世紀の大きな夢をかけられるような、そろした時代に向けてこの審議会が大きな役割を果たしていただきたいと思います。そのメンバーには、そうした時代をしっかりととらえてくださるようなメンバーを加えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 改正法案におきまして、国会等移転審議会の委員につきまして、「国会等の移転に関し、行財政改革を含めた各分野において優れた識見を有する者のうちから、両議院の回章を得て、」任命する、このようになっております。具体的には、国会等の移転、地方分権、規制緩和等行財政改革、さらには環境、防災、そして情報通信、交通、歴史、文化など、私は幅広い分野の代表が必要だと思っております。
 同時に、私は委員に申し上げたいのは、世界人口白書で東京をとらえているその姿がどういう弊か。これは、隣接する幾つかの県を含めまして、東京というのは二千数百万の都市、そのようなとらえられ方がされております。そして、その都市を維持するためには、水も、あるいは議員がお触れになりましたごみ処理といったものについても、他の協力を得なければ既に存立し得ない巨大都市という東京も現実のものであります。その東京の中に少しでも潤いを取り戻し得る空間を創造する、私はそうした視点も必要だろうと思っております。
 そうした中で、移転先候補地の選定に当たりまして、その移転先に建設されるであろう新たな都市と東京との機能面での連携を確保する、そうした観点も重要な要素の一つでありますし、今議員から御指摘がありましたように、審議会の委員の任命に当たりましては、東京圏、エリアとしてとらえましての東京圏に詳しい有識者も含めて人選を行いたい、そのように考えております。
○伊藤(公)委員 ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、大畠章宏君。
○大畠委員 社会民主党の大畠章宏でございます。
 国会等の移転に関する法律案について、関連する質問も含め、全般的なことについて御質問申し上げたいと思います。
 まず最初に、総理に御質問させていただきたいと思いますが、日ごろ、内外の非常に難しい課題に対して積極的に挑戦をされておられます政治姿勢に対して心から敬意を表したいと思います。
 ただいま田野瀬委員あるいは伊藤委員からもお話がありましたが、この国会等の移転、総理もおっしゃっておられましたけれども、いわゆる首都移転ではなく首都機能移転という課題に対して、この問題については、昨今国内でもいろいろ暗い話題が多い中でありますが、国民も注目すべき、言ってみれば東京の皆さんにとっては大変いろいろな問題があるということでありますけれども、日本にとっては大変明るい一つの話題ではないかと思います。
 東京の方では、いわゆる首都機能を移転してしまったのでは東京がこれからどうなるんだろうか、非常に心配であるということから反対の意思表明をされております。先ほど伊藤委員からもお話がありましたが、私自身も学生時代を含め、この東京に随分住ませていただきましたけれども、水の問題、ごみの問題、あるいはまた山手線の電車の問題も含めて、やはり限界を超えているという実感を持つ一人でございます。そういう意味から、政府として、今回、この首都機能移転を決定されたことについては、私は非常に時宜を得た決断だったと思います。
 ただ、財政難の時代でありますから、国民の皆さんからのいろいろな厳しい御指摘もありますが、やはり国民に対して私ども政治家が一つの夢あるいはビジョンというものを明らかにしていくというのは大変重要な課題だと思います。
 先ほどから、総理からいろいろな首都機能移転に対するお考えが表明されましたけれども、特に総理におかれましては、昨年のAPECも通産大臣として非常に立派な活動をされました。これまでの御経験を踏まえて、オーストラリアあるいはアメリカ、諸外国の国々の首都機能というのが大変重要でありますし、これからの日本はAPECの中で重要な役割をするわけでありますから、二〇一〇年ぐらいのめどで云々という話もありますし、そういう意味ではAPECの諸国としても大変注目すべき課題ではないかと思います。
 そういう意味で、総理が描くいわゆる首都機能移転というもの、あるいはまたAPECという動きがありますが、そういう中で日本が果たすべき役割というものを十分認識しながら、どういう意欲を持って、どういう夢を持ってこの首都機能移転をされようとしているのか、お伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 先刻来お答えを申し上げた部分と一部重複をいたしますけれども、お許しをいただきたいと思います。
 今さまざまな角度から我が国の制度、仕組みというものが行き詰まりの状態にあるという御指摘を長いこと受けてまいりました。私は本当に二十一世紀にふさわしいシステムというものを、これは経済の分野におきましても、行政の分野におきましても、あるいは政治、社会、さまざまな分野で新たなシステムを構築することが本当に必要になっていく、そう思います。そして、そうした中で首都機能移転という一つのテーマ、これは新しい時代に向かって人心を一新する、そして新しい日本の未来を築いていく、そして後世に残していく、そうした重要な役割を担い得る政策の一つだ、私はそうとらえてまいりました。
 それと同時に、ややもすると忘れられがちなことでありますけれども、この巨大都市である東京に暮らしている人々のためにどうやってゆとりと空間を取り戻すか、そしてその環境というものをよりよいものにしていくか、そうした視点を考えましたときにも、すべての機能が東京に集中している状況の中からまず国会が移転する。そして、それに伴ってそれぞれの分野が新たな地に移っていく。そこに生じた空間を東京都のそこに居住する人々の潤いのためにどう使うかまでを含めて積極的に取り組んでいくべき課題だ、私はそのようにとらえてまいりました。
○大畠委員 総理の御自分の言葉で、今ビジョンといいますか、首都機能移転に対する御決意を賜ったところでありますが、ありがとうございました。
 続いて、少し具体的な話に移らせていただきたいと思います。
 私の住んでいる茨城県も関東平野の一翼を担っておりますが、東京に隣接する県として、やはりぜひ我が県にということで手を挙げているところであります。現在、お伺いするところによりますと、平成九年末をめどに候補地を決定したいというふうなお話も漏れ伺っているところでありますが、本改正案による今後の具体的な作業手順等々について、提案者の皆さんにお伺いしたいと思います。
○松本(龍)議員 お答えをいたします。
 本改正案が成立をしました後は、内閣において委員を人選した上で、できるだけ早く国会の同意を得て審議会を発足させたいと思っております。
 その先のスケジュールにつきましては、国会等移転調査会が提案をしておりますように、二年程度を目途に移転先候補地を選定するということでありますが、具体的には、今後の審議会において諸状況を総合的に勘案して判断をされるものと考えております。
 移転先につきましては、最終的には国会が判断して、別に法律を定めることとしております。
○大畠委員 概要についてはお伺いいたしましたが、さらにこれからの候補地、国内で十数県手を挙げているという話も伺っております。この選定の基本的なポイントについて、報告書の中でも基本点が書いてございますけれども、これからの国際化の時代を考えますと海外とのコンタクト等々も大変重要なものでありますし、先ほど伊藤さんからもお話ありましたように首都東京都の交通というのも大変重要だと思いますが、現在考えている具体的なポイントについて概要をお伺いしたいと思います。
○千葉議員 ただいま御質問のありました大畠委員にお答えしたいと思います。
 昨年十二月に国会等移転調査会から報告がございました。この中で、移転先の選定基準といたしましては、まず東京からの距離三百キロ圏内であるとか、今御指摘いただきました国際的な空港の存在とか、阪神・淡路大震災を踏まえまして地震等の災害に対する安全性、また伊藤さんからもお話ございましたが、水の供給の安定性とか、そうした九項目の選定基準が提言をされております。
 具体的な候補地の選定に当たりましては、国会等移転審議会、今回設置をしていただくわけでありますが、今申し上げた国会等移転調査会における移転先の選定基準及びこれに関する国会の審議を踏まえさせていただいて今後検討されるものと考えております。
○大畠委員 三十五分には終わってほしいという事務局からの話がありましたので、最後の質問にさせていただきます。
 具体的な条件について今いろいろお話ありました。基本的に移転することになると思いますが、東京都が心配しているのは、総理からもいろいろこの空間を利用していきたいというお話ございましたけれども、移転後の東京都に対してどうするのか、こういうところが非常に不明確なので、それで東京都の方では反対を表明されていると思います。このことについても、移転を決断したとあっては、そういう後も考えていくということが大変重要だと思います。ぜひこのことについて考えていただきたいと思いますが、委員の皆さんの間では東京都をどうするかということについてはどういう御議論があったのか、お伺いしたいと思います。
○松本(龍)議員 昨今、東京の一極集中の弊害ということばかり言われておりますけれども、誤解を恐れずに言えば、私は、今日まで東京が果たしてきた役割は非常に大きいというふうに思っております。とりわけ戦後の復興の段階におきましては政治、経済、文化の中心として東京があったわけで、この狭い国土の中で東京に一極集中してきたということは、ある意味では今日まで仕方がなかった。しかし、集積のメリット・デメリットもこれから総合的に判断をしていかなければならないということをまず申し上げておきたいと思います。
 国会等の移転後も、私は、東京は我が国の経済、文化の中心としてあり続けることになるというふうに思っています。そのため、具体的には国会等移転調査会報告の中におきまして、その整備について、東京の大災害への対応の強化に資すること、また、東京を住みやすく働きやすい快適な都市として整備をすること、世界都市にふさわしい国際的な経済、文化、交流機能の育成に活用することなどの観点から、都市部を中心に発生をします約二百十ヘクタールの移転跡地の適切な活用のプログラムを検討する体制を国と東京都等で整備をすることとしております。
 東京都の今後は、政府と東京都が密接な連携のもとで、世界の中心都市として、また文化首都、経済首都として発展することを期待いたしております。
○大畠委員 ぜひ、国民からもまたアジアからも世界からも歓迎される、そういう首都機能移転になるようにお願い申し上げたいと思います。
 残り時間二分ほどありますが、この件については後ほどの岡崎議員の方にお譲りをし、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、長浜博行君。
○長浜委員 長浜博行でございます。
 大変時間が短いということ、今またさらに短くなったようなお話でありますが、私は東京で生まれて、下町の浅草でありますが、そこで育ちました。現在も、父も九十歳を超える祖父も東京に住んでおるわけであります。私は、現在千葉県の柏市に住んでおりまして、いわゆる東京のベッドタウンに住んでいる一人であります。今回のこの国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案の提出者、賛成者の中にいわゆる首都圏、東京、神奈川、埼玉、千葉の賛成者が私以外見受けられないのは単なる偶然とは思いますが、私も東京を愛する議員あるいは首都圏を愛する議員として、そういうスタンスで総理に御質問を申し上げる次第でございます。
 先ほど皇居の問題を含めて首都のお話もあったようでありますが、私は、今回この法案の審議の中においては、国会等の移転というのを、国会並びに行政及び司法に関する機能から、今度は国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうち中枢的なものと素直に読まさせていただいての議論であります。
 ただ、そういう中においても、国会が平成二年に決議を上げて、まず国会から移っていこうということで、政治的な決断をしたわけであります。そして、それに伴って、その条文の中にも出てきますが、行政とか司法とか国会にまつわる中枢的なものというふうな素直な読み方をすれば、大変重大な決断を平成二年の時点で、橋本総理というよりは当時は橋本衆議院議員あるいは青島参議院議員であったと思いますが、そういった方々が全会一致の決議をしたということであります。
 そして、平成三年特別委員会が設置をされたり、平成四年、平成五年というような形で流れてきている集積のある議論の中で、ついにここまで来たなというような感を強くしているわけでありますが、昨今の状況の中において、ある意味で急にと言ってよろしいのかどうかわかりませんが、国会の移転に反対をするという形での地方自治体の動きとか、あるいは国会等の移転が行われた場合にはぜひ我が方に来てほしいというような誘致活動が随分盛んになってきております。
 私は、果たしてこういった議論の中でこの問題をとらえていいのかということを疑問に思っている議員の一人であります。何を言いたいかといえば、こういった問題に関しては、ひとえに総理の政治的な決断というかお覚悟がなければ、なかなか国会等の移転ということが最後の段階で進まないのではないかというふうに危惧を覚えるわけであります。
 よく言われることに、平安京から鎌倉に移って、鎌倉から江戸幕府、そして同じ四百年後だからそろそろそういった時期かなというような議論もあるわけでありますが、政治を行う場所としての首都というような考え方であれば、不勉強かもしれませんが、日本国憲法を含めて、首都とは東京であるとか首都とは何であるという定義はないはずでありますから、国会の、いわゆる議会のあるところが首都機能の地というふうな形ですれば、それにしても大変な決断が要るわけであります。
 私がちょうどこの一、二カ月経験をしたことでありますが、総理もお会いになりましたが、先月、ボルジャー首相にニュージーランドのウェリントンでありますがお招きをいただきまして、お話をしました。そのときにも、改革を行うにはスピードが大事だ、なかなかやろうとしても、それぞれの意見というのはそれぞれもっともに聞く部分があるから、時間がたつにつれて自分の決断が揺らいでしまう部分もある、当初自分が、ボルジャーさんですが、総理大臣になったときの感覚でやらなければいけない、こういうお話を伺いました。それから、先週のちょうど決定がなされた翌々日でありますが、ソウルの青瓦台で金大統領とお会いをしたときに、あの招致合戦の中において両国に決まってよかった、橋本総理からもよかったといったしかお電話が入ったというような、この二つの経験をこの一カ月ぐらいでいたしました。
 そういった中において、総理の極めて重い政治的な決断といいますか、今回のこの法案は、今この段階で最終地を決める法案ではありませんが、そういった極めて歴史的に重要な時期に総理大臣になられていて、この法案が、改正法案でありますが、今ここで議決をされる、こういう段階に当たっての総理の所信をお聞かせ願えればと思います。
○橋本内閣総理大臣 議員の御質問に二つの点でお答えを申し上げなければなりません。
 一点は、確かに議員御指摘のように、平成二年の国会等の移転に関する決議では「国会及び政府機能の移転」となっておりまして、当時司法というものはこの決議には含まれておりませんでした。しかし私は、この議論の始まりを振り返ってみましたとき、国政全般の改革の推進あるいは東京一極集中の排除といった非常に強い声、同時に、我が国の防災対応力の強化といった点から論議がおこされ、そして、その継続の中におきましては、国会と同時に、その活動に関連する行政に関する機能、司法に関する機能のうちの中枢的なものの移転を図るという考え方は当初から存在していたと思っております。そして、その意味では基本的な変化は生じていないとこれをとらえてまいりました。
 しかし、まさに二十一世紀という新しい時代があと四年半で来るわけであります。その時代にふさわしい我が国の経済社会を築くための重要な事業だ、そして重要な事業に取り組むことになる、その認識は持っているつもりであります。
    〔委員長退席、田野瀬委員長代理着席〕
○長浜委員 今の総理と私との質疑を受けて、提案者の方に同じような趣旨で一言お願いをいたします。
○坂本(剛)議員 先生おっしゃるように、今日までさまざまな機関を通してこの議論を積み上げてまいったわけでございます。したがいまして、今度のこの法案につきましても、候補地選定のための審議会を新たに設置して移転先の選定というステップに踏み出すための改正を行うものでございまして、私たちは首都機能移転の具体化に向けた最初の局面を大きく前進するものと受けとめておる次第でございます。
○長浜委員 質問を終わります。
○田野瀬委員長代理 次に、鴨下一郎君。
○鴨下委員 時間が大変切迫しておりますので、単刀直入に伺わせていただきたいと思います。
 私も東京都民の一人でありまして、むしろ東京の大多数の意見を代弁するという形でお伺いをしたいと思います。
 首都東京の機能は、政治、経済、文化など国民にいわば密接不可分にかかわっておりまして、国民生活全般に及ぶ問題であります。この首都機能移転ということに当たりまして、憲法の国民主権のもとに広く国民的論議をしていく必要があると考えておりまして、本件は、特別の国民投票などの手続によって国民に諮られるべきではないかと考えております。
 具体的には、移転に関する決定について、次の事項を国会等の移転に関する法律に加えるべきではないかと思います。
 一つは、審議会の答申が行われたときは、候補地の意向を確認の上、これはいわば第二の成田空港のような事態を招かないためにも、候補地の意向を確認した上で、国民の合意形成の状況そして社会経済状況の諸情勢を配慮して、東京と候補地との比較考量を通じて移転の是非について検討されるものとするということ。
 もう一つは、移転に関する法律を定めるに当たっては、特別の国民投票を行ってその賛否を問い、その結果をしんしゃくし、考える。
 こういうようなことを考えておりますが、総理はこのことにつきましてどのような御見解をお持ちでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 今の御指摘の中に二つの問題点があるように思いますが、一つは、移転先の候補地に国会等を移転いたしました場合、それぞれの分野でどのような長所があり、また短所が発生するのか、その総合評価を、現在国会等が存在をしておりますこの東京都と比較考量する。その検討によりまして、国会等の移転の意義が本改正法案の期待しているように実現されるのかどうかを確かめる。こうしたことは、当然ながらこの改正法案の中にも盛り込まれている趣旨だと私は思います。
 次に、国会等移転審議会の方から候補地の報告を受けて、国会で最終的な意思決定をなされるに当たりまして、国民の合意形成の状況をどのようにとらえるのか。議員は今、国民投票という一つの提案をされたわけでありますけれども、その合意形成の状況をどうとらえるかということは、まさに今後国会において御議論をいただくべき課題だと思います。
 同時に、改正法におきまして、審議会が現地調査などを行いますときに地元の地方公共団体の意見を聴取する手続が盛り込まれておりますし、移転先候補地の選定作業に当たりまして、成田の例を挙げられたわけでありますけれども、ああした不幸な事態を招かないように、候補地の意向を確認しながら進める、その必要性があることは私もそのとおりだと思います。
○鴨下委員 その次に、今回の改正案の中では、移転を決定する際には東京都との比較考量を通じて検討するということがつけ加えられたわけでありますが、移転元となる東京都と移転先とを比較考量するということは、私も当然のことだろうと思います。ただ、実際に比較考量をしていくということについて、具体的にはどういう点を比較するのか、そしてどのように比較されるかというようなことが、言ってみれば実際には重要な問題であろうと思いますが、総理は、その点についてどんなお考えをお持ちでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 議員提案によります改正法案の内容について、あえて今私が申し上げることが適切かどうかわかりませんが、私は、仮にこの東京都にこのまま国会等の機能が存続をいたし、その結果として必要とされる水資源あるいはエネルギー、廃棄物の処理、その他さまざまな問題点も一つは考慮の対象になるものと考えます。すなわち、新たなところにそうした機能が移転された結果として、東京都全体の負荷がどの程度減少し、一方においてどのようなプラスが生じるのか、こうした点も比較検討の一つの題材でありましょう。
 しかし、それ以上に私が大事だと思いますのは、仮に移転を決めました場合、例えばこの国会議事堂の建物そのものを含めて、それは一体東京都の都民のいわば生活のゆとりを生むためにどのような活用が考えられ、実行されようとするのか。こうした青写真も一緒に検討されることは必要なことだ、私はそのように思います。
○鴨下委員 またさらに、今回の調査会の報告の中では、国土政策的な観点から移転というようなことの検討が行われているわけですけれども、私が心配するのは、財政的なあるいは経済的な側面からの検討というのが不十分だという点だろうと思います。例えば、移転に要する費用は一体幾らかかるのか、そして、それに対してだれが負担するかについては触れられていません。
 このようなことから、都民を含めて国民全体が、この財政状況の中で、言ってみれば首都移転にかかわる費用の負担のあり方等について大変心配しているわけでありますが、総理は、そのことについてのお考えはいかがなものでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 この調査会の御審議が始まります前に国土庁長官の私的懇談会として首都機能移転問題に関する懇談会というものがございまして、これが平成四年六月の時点で取りまとめをいたしましたとき、作業仮説として置きました前提の数字は、現行の行政組織などを前提にされた上で、最大六十万人、面積最大約九千ヘクタール規模で、約十四兆円という試算をされたものがございます。私は、数字として関連するもので存じておりますのは、この私的懇談会の作業仮説としての数字でありました。
 しかし、私は、その規模というものは、最大と懇談会自体がお書きになりましたように、今後の国政全般にわたる改革に対応して、当然のことながら全体には圧縮されることも期待されるでありましょう。また、その費用の中には、当然のことながら民間資金を活用する部分というものも含まれておろうと思います。そして同時に、その首都機能の移転というものは、ある日突然ぽんとすべてを切りかえるといったような形でできるものではございませんから、言いかえれば長期にわたって段階的に行われるものでありますから、財政に過度の負担をかけるようなものではない、また、そうしてはならないと思っております。
 言いかえますならば、今後推進していく上で、質の高いストックの形成を図る一方、総合的な低廉性というものを追求していくことが必要であろう、そのように思います。
 いずれにいたしましても、首都機能移転というものにつきましては、その財政、経済、行政のあり方などさまざまな側面を考慮しながら、相互の有機的な連携をとりながら進めていく必要があると考えておりまして、一時の極端な財政負担といった姿は想定するところではございません。
○鴨下委員 質問を終わります。
○田野瀬委員長代理 次に、中島武敏君。
    〔田野瀬委員長代理退席、委員長着席〕
○中島(武)委員 総理にお伺いいたします。
 去る八日、自民党本部における講演で総理はこう述べていると新聞が伝えております。それは、「国会が動く時に、現在の中央省庁がそのままの姿で移っては、行政改革にならない。中央省庁の統廃合は、国会の移転に合わせて、移る場所のキャパシティーから逆に組み立てるくらいのことをしないと、思い切ったことはできない」、また「相当部分の行政機能は東京に残る」、こう述べたと言われますが、この考えは基本的にこのとおりですか。
○橋本内閣総理大臣 細かい言葉の一つ一つを正確に記憶をいたしておりませんが、全体の講演の中の一部に今議員が引用されましたような考え方がありましたことは、事実であります。
 国会が移転をする、それは国会の意思によってつくられました国会等移転調査会の答申によってその方向が決められたものであります。しかし、それを現実のものとしようと考えたとき、現在の中央省庁の組織がそのままの姿で平行移動する、果たしてそういうことは許されるものだろうか。私は、それは当然のことながら考え直すべき問題だと昔から考えてまいりました。そうした考え方を述べましたことに間違いはありません。
○中島(武)委員 もう一つお尋ねしたのは、相当部分の行政機能が東京に残ると述べられたようですけれども、このお考えに変わりはないですか。
○橋本内閣総理大臣 相当部分という言葉を使ったかどうか、ちょっと私正確にその会場のやりとりを覚えておりませんが、ある程度のものが残ることは間違いないと思います。
 なぜなら、私は、先ほどもこの席で申しましたが、皇室を御動座願う意思はないということを申しました。当然のことながら外交団その他が認許を受ける、あるいはその他のことによって相当程度この東京に軸足を残しましたとき、それに対応する部分というものは残るでありましょう。あるいは、経済の中心としての東京において、その市場と連動するような部分を人為的に動かして市場がうまく動くかということになりますれば、そうした分野が影響を受けることは当然考えられることであります。
 私は、相当部分と言いましたかある程度と言いましたか、そこのところをちょっと正確に覚えておりませんが、そういう意味では、国会を移転することによって、それと並行して移転すべき中枢機能とともに、それ以外の分野の行政の相当程度が、あるいはある程度のものが、どの言い方でもいいですけれども、残るということはあり得ること、だと思っております。
○中島(武)委員 できればもうちょっと具体的に答えていただきたいのですけれども、省庁のうち移転を考えているのはどの省庁か、あるいはまた移転する省庁でも残す部分と移転する部分とあるのではないか、あるいはまた全体でどれだけの人員が移るのかということを、お答えできれば答えていただきたいと思うのです。
○橋本内閣総理大臣 お答えできればということでありましたが、お答えをするだけ詰まったものがございません。
○中島(武)委員 次に伺いたいと思いますのは、国会等移転調査会の最終報告では、東京からおおむね六十キロないし三百キロ離れ、新幹線で二時間程度で行ける地域、数万ヘクタールの広大な地域に九千ヘクタールの都市開発を行い、人口六十万人規模の新首都を建設すると報告されました。
 先ほどもちょっと御答弁があったのですけれども、最大で数万ヘクタールの中に九千ヘクタールの都市開発というお答えだったかと思うのですけれども、それよりももう少し小さくなるとか、この辺は、審議会を設けるわけですから、その審議会で候補地を選定するのですから、どういうところを選定するのかということがはっきりしておりませんと選定がしにくいと思うのですね。その点で、この点をお尋ねしたいと思うのです。
○橋本内閣総理大臣 それは逆に無理というものではないでしょうか。最初から移転する場所の見当がある程度ついていたら、私、審議会つくる必要ないと思うのです。
 むしろ、国会等移転調査会報告におきましては、今議員が述べられましたような一定の要件を示されました。それに適合する場所がどのくらいあるのか、そしてその中で、先ほど来の御質問の中にもありましたように、地域の地権者の協力が得られる場所がどれぐらいあるのか、あるいは、そのルールを外れているけれども、より適切な要件の場所が見つかるのかどうか、これは、むしろこれからの議論の話であろうと思います。
○中島(武)委員 調査会の報告が一応の基準になってやられる、こういうお答えかなと思うのですけれども、もう一つ、次に伺いたいと思っておりますのは、移転して新しい都市をつくるということになりますと、非常に膨大な費用がかかると思うのですね。
 それで、さっきお答えにあった点があるのですけれども、首都機能移転問題に関する懇談会、ここは、新幹線、国際空港、高速道路などを別にして十四兆円、こういう試算をいたしております。それから、調査会の宇野会長に私は質問したことがあるのですけれども、どの程度の費用がかかるかということについては調査会としては試算していない、そういうふうに答えました。また宇野会長は、参議院の質問では、二十兆円ないし二十五兆円かかるかもしれない、こういうふうに言っているわけですね。私は、この点でも、総理に、どの程度の費用がかかるのかという問題について、重ねて伺いたいと思うのです。
○橋本内閣総理大臣 首都機能移転に要する費用、それは先ほど答弁で申し上げましたように、平成四年六月の、国土庁長官の私的な諮問機関であったと記憶をいたしますが、首都機能移転問題に関する懇談会で、作業仮説として最大六十万人、面積九千ヘクタール規模で約十四兆円という試算をされたものがあります。
 しかし、これは本当に移転先の場所、それから移転の規模によっても費用は大きく変化をするものでありますし、また、その財源につきましても、公共事業によって行う部分、受益者負担によって行う部分、民間が行う部分等さまざまな要因があります。私は、現段階で財源的な数字を申し上げるには不確定な要素が余りに多過ぎる、ここで申し上げることはむしろ適切ではないと考えておりますし、今後、この問題についての御論議が成熟していくプロセスに応じて検討されるべきものだ、そのように思います。
○中島(武)委員 最後に、総理に伺います。
 国費投入の財源についてはどんなふうにお考えになっておられるか、このことについてお答えいただきたいと思うのです。
○橋本内閣総理大臣 今お答えをいたしましたように、全体像すら明らかでない、その移転先の場所、規模によって全く状況の変わりますものについて、一定の枠をはめた部分のみについて費用をお答えすることはできません。
○中島(武)委員 終わります。
○佐藤委員長 次に、田中直紀君。
○田中(直)委員 自由民主党の田中でございます。
 新たに移転先候補地を選定するための国会等移転審議会を設置する目的のこの改正案は、懸案であります首都機能移転が推進され、また、国会あるいは国民の議論に弾みがつくのではなかろうかということで、私自身は意義あることと高く評価をいたしておるところでございます。
 改正案につきまして、条文に従いまして御質問をいたしたいと思います。
 前文につきまして、大震災の点を追加されました。御存じのとおり、首都機能移転は東京の一極集中の是正ということでございますが、昨年の阪神・淡路大震災の体験によりまして、東京を初め、大都会の大規模災害に対する脆弱性の克服というものが国にとっても大きな課題であります。
 そういう意味で、国土庁長官にお伺いをいたしたいと思いますが、今回の首都機能移転におきましては災害対応力の強化、こういうことで、我が国にとっても大変大きな課題の一つの解決策という視点ではなかろうかと思います。そういう意味で、大きな意義があるというふうに認識しておりますが、長官の御意見をお伺いいたしたいと思います。
○鈴木国務大臣 ただいまの先生の御質問ですが、災害との関係から考えますと、まず一つは、私どもとしては、東京にある経済的な機能と国会などの首都機能との同時被災があったときは因
る、だからこれは分けた方がいいんじゃないか、そういう意味では避けられるという考え方が一つです。
 二つ目は、東京が被災した場合でも、移転先の新首都が復旧のための司令塔となって全国的に指示することができる、こういうメリットというか、そういう考え方を踏襲していきたい。
 同時に、移転後の土地の利用ということに関して、東京の防災性の向上というようなものを考えることができるんじゃないか。
 こういう三つの観点から、やはり移転をした方がいいんじゃないのかということを考えているところでございます。
○田中(直)委員 長官のお話のとおり、首都機能移転、新しい都市ができた時点におきましても、当然、東京との連携というものは大変重要であるわけでありますし、国際都市を目指す東京という中にあって、大震災への対応として、現在、官邸の危機管理体制の強化ということが図られておるわけでありますが、当然、防災も含まれておるというふうに理解をいたしております。
 そういう意味で、将来的なことを考えましても、今の官邸の危機管理体制というものはもっともっと充実をさせる、そして進展をさせながらも、並行して、将来の話でありますが、長官のお話のように新しい都市との連携をやられるべきではなかろうか、こういうふうに思うわけでありますが、昨年の震災以降、現在どの程度の官邸の充実が図られておるか、そしてまた、将来の展望というものにつきましてお伺いできればありがたいと思います。
○佐野説明員 官邸の情報収集機能につきましては、これまでにも大規模災害発生時の措置といたしまして、昨年二月二十一日の閣議決定も踏まえて内閣情報調査室を情報伝達の窓口とすること、関係省庁の局長級が官邸に緊急参集すること等の制度を設けるなどして改善を図ってきたところであります。
 さらに、本年五月十一日には情報集約センターを設置いたしまして、官邸別館の危機管理センターにおきまして情報集約業務を実施しております。具体的には、二十名を五個班編成にいたしまして交代制勤務を行い、常時、一個班四名の者が二十四時間体制で関係省庁あるいは関係機関からの情報収集、集約に当たっております。また、業務の運営のため必要となる装備として、関係省庁との専用ファクス、中央防災無線、あるいはヘリテレ映像の受信装置、気象情報のオンライン端末、通信社ファクス等を整備しているところであります。
 今後、センターの効果的な運用を図ることによりまして、緊急時の迅速的確な情報連絡等に努めてまいりたいと考えております。
○田中(直)委員 現在の官邸の充実強化もあります。同程度以上のものを、将来新しい都市の建設に当たりましては考慮をしていただきたいと思います。
 第四条で、この首都機能移転と行政改革、地方分権あるいは規制緩和等の関係を追加されたわけでありますが、総理も、先ほど首都機能移転と国政全般の改革の議論を並行してやっていきたいという大変強い意欲を示されておったわけであります。
 現在、総務庁の関係だと思いますけれども、この中で中央省庁の統廃合というものが実際に具体的に見えてこないと、やはりこのつながりというものは現実のものにはならないということだと思いますし、大幅な行政改革に着手する大きなきっかけ、契機になろうか、こういうふうに思いますが、その辺の中央省庁の統廃合についてはどういう状況か、政務次官にお伺いをいたします。
○赤城政府委員 お答えいたします。
 先ほども総理からの御答弁にありましたように、国会等が移転するに際しましては、中央省庁がそのままの形で移転するということであってはならない、また行政改革の視点が重要であるということ、総理がかねてから申し上げているところでございまして、私どもといたしましても、この中央省庁のあり方の検討は、行政改革の重要な検討課題の一つと考えております。ただし、中央省庁は国の行政機構の最も根幹をなす組織でございます。その改編の影響は極めて大きいと考えられますので、さまざまな観点からそのメリット・デメリット、そういったものを十分検討する必要があると考えております。
 また、お尋ねの首都機能移転との関連で、法案の四条に書いてありますとおり、国会等の移転について検討を行うに当たって、基本方針として、地方分権、規制緩和等行財政の抜本的な改革と的確に関連づけ、有機的な連携が図られるということが必要であるということでございます。
 いずれにしましても、中央省庁のあり方については、そのような規制緩和、地方分権等々諸改革の進展状況を踏まえ、連携を図りつつその推進を図らなければならない。特に総理が申しましたような、中央省庁がそのまま移転するということではなく、行政改革の視点を盛り込んでいくということが重要であるというふうに考えております。
○田中(直)委員 次に、十四条についてお伺いいたします。
 調査会の報告につきましては、この条項で「審議を踏まえ、調査審議するものとする。」こういうことでございます。御存じのとおり、昨年十二月の報告を受けて、内閣あるいは総理大臣もこの調査報告については了承をしたところだというふうに伺っております。そういう意味では、これからの審議会に引き継ぐに当たっては尊重する、これを基本にして次の審議会の議論が展開をされる、こういうふうに理解をいたしておりますけれども、内閣の一員であります長官に、どういう御見解かお伺いいたしたい。
○鈴木国務大臣 私ども国土庁として、ちょっとおこがましいかもしれませんけれども、首都機能移転ということといわゆる地方分権とか行政改革の問題を考えるときに、機能移転という問題がなければ、本当に地方分権とか何かというものが具体的に進むんだろうか、こういうおこがましい気持ちを実は持っているものであります。したがいまして、機能移転というものが果たす起爆剤というか、そういう意味では大変重要な意義を持っているんじゃないかと実は思っています。
 さてそのときに、どういう機能がどのぐらい移るのだろうかということについては、国会等移転調査会報告においては、移転する行政の範囲については中枢性の高い政策立案機能、危機管理を支える中枢機能、そして国会との関係、行政の一体性の確保等の観点から必要な機能、こんなふうにされているわけですね。けれども、先ほども総理が述べたように、どの省がどういう形で進むのかとか行くのかということは、現時点の中ではこれから検討が深められるというものだと認識しています。
○田中(直)委員 この法案が成立をすることによりまして、いよいよ移転先候補地が数カ所設定される、こういうふうに理解をいたしております。この調査会の内容をベースにしてイメージを考えてみますと、国会が移転する新しい都市は、何といっても空港や新幹線で大変交通の便利な地域になる。あるいはでき得れば東京圏に近い方がいいのではなかろうかという御意見も非常にありますけれども、何といっても、先ほどの話のように地震のない、あるいは自然と共生をする緑豊かな都市が二十一世紀にふさわしいというようなイメージが、この調査会の報告では浮かび上がっておるところであります。
 そういう意味で、個々に見てみますと非常に多方面から分析をし、そしてまた御存じのとおり、いろいろこれからの行政組織につきましても見直しをする、こういうことがあるわけでありますが、今後の決定をしていくに当たって何カ所ぐらい、この調査会ではまあ二、三カ所か、こういうようなイメージが出てくるわけであります。そういうことだとか、あるいは今後の、審議会の人選は年内に行われるというふうに思いますが、二年以内に移転先が出てくるのか、あるいは十年先に国会が開かれるのか、こういうようなことも非常に関心が深いわけであります。その点で、本当に調査会報告を基本として進むのかどうかというのを再度長官にお伺いをいたしたい。
○鈴木国務大臣 今後のスケジュールということになるんだと思いますが、審議会の人選につきましては、内閣においても今回の改正の趣旨を踏まえて適切な時期に行われるものと考えています。そういうことでございますので、候補地の選定は、昨年十二月の報告後、二年程度を目途に移転先候補地を選定するという提案がなされているわけでございますので、具体的検討スケジュールについては、今後設置される審議会がこの見解をもとにしながら検討されていくものだ、こういうふうに考えています。
○田中(直)委員 最後の質問になりますが、国会等の機能を移転していく、こういうことでありますが、何といっても中心は国会、そしてまた行政、司法、こういう三権の機能の中枢的なものが移転される、こういうことに理解をいたしております。
 この調査会の報告で、とりようによって若干議論があるところは、いわゆる行政機能の中で、政策立案機能については国会に付随していくものではなかろうか。しかし、政策立案部門以外のところは、現業といいますかそういうところはこれからの検討課題である、こういうふうなイメージにとられるわけでありますけれども、しかし、行政たるもの、これからスリム化していくわけであります。スリム化の中で必要なところを残していくということでありますから、行政機能を分割していくとか分離していく、これはちょっとそういう面ではむちゃな議論ではなかろうかと私は思うわけであります。
 せっかくこれから先、行政機能をナショナルミニマムにしていく、スリム化していくということでありますから、それをまた分散していくというのは、この検討だけはちょっと。これからの議論があろうかと思いますが、その辺も含めてこれから審議会が設立したらきっちり御議論いただきたいとも思いますが、せっかく国土庁長官お出かけでありますから御答弁いただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○鈴木国務大臣 今までの調査会の議論というものは、各党の皆様方の長い議論を経て結論づけられておりますから、ここのところはやはり大切にしていただかなきゃいかぬなと私は思っています。それを踏まえた上で、東京との関係もあるわけでございますので、候補地を選ぶのには中立公正な審議会、二十名をもって構成をしながら、それで運んでいかなきゃならぬことだと思っています。
 それで、行政改革との関係は、ちぐはぐというかばらばらというか、それでは効果が余りありませんので、その辺のところはこれから審議会でなお十分議論していただきたいというように思っているところでございます。
○田中(直)委員 終わります。
○佐藤委員長 次に、根本匠君。
○根本委員 自由民主党の根本匠です。私は、まず最初に、今回の法改正のポイント、主な論点についてお伺いしたいと思います。
 首都機能移転論は、東京への人口、産業の一極集中の是正、東京の過密問題の解決のために一九六〇年代から議論が行われてまいりました。そして、一九八〇年代の半ばごろから東京への一極集中の再加速化あるいはバブルによる地価高騰等の問題もありまして、首都機能移転論、これが活発化したわけであります。
 これまで、九〇年の国会決議、九二年の国会等移転に関する法律の制定、そして九三年には本格的な検討の場として政府の国会等移転調査会が発足しまして、昨年十二月に首都機能移転先候補地の選定基準九項目を盛り込んだ最終報告がございました。そして、段階段階で国会の議論を踏まえながら、着実に手続を踏みながら議論を進めてまいりました。
 今回、法改正が行われるわけでありますが、この法改正案は、首都機能の移転先候補地を選定するための審議会の設置を柱としております。私は、この法案の主なポイント、それからこの法案の作成過程でいろいろな論点、議論があったわけですが、その論点と考え方をお伺いしたいと思います。
 例えば、第一条では「国会並びにその活動に関連する」という文言が入って、今の案に比べて「その活動に関連する」という文言が入ってやや「国会等」の定義の絞り込みが行われておりますし、あるいは第四条は地方分権、規制緩和、これを明確に打ち出したという点もありますし、二十二条では新たに国会移転に関する決定、こういう条項を入れ込んだわけでありますが、今回の法改正のポイントと、それぞれどのような論点、議論があってこの改正になったのか、その考え方をお伺いしたいと思います。
○玄葉議員 お答えをしたいと思います。
 恐らく、今の御質問の趣旨は、それぞれ各党が検討してくる中で、もともと原案があったのに途中から、特に最終段階でいろいろ異論が出て修正をされましたね、今おっしゃったような二十二条の問題であるとか一条の問題とか修正がありましたね、そのことについてはどのようにお考えなのですかというような御質問だというふうに理解をいたします。
 確かに、新進党も含めて、各党それぞれこの問題については検討機関を設置して検討してきたところでありますけれども、その過程の中では、特に自民党の都連を中心に最終段階で異論が出たことはそのとおりでございます。そこで、今お話があったような前文の問題であるとか、あるいは事務局長の問題であるとか、あるいは二十二条の東京都との比較考量の問題であるとか、あるいは国会等移転調査会の最終報告書の取り扱いの問題であるとか等々について最終的に調整をして再修正をさせていただいてこの条文を完成させたところであります。
 しかしながら、本案の主な目的というのは、委員も御指摘のとおり移転先候補地を選定するための審議会を設置する、同時に、移転先については最終的には国会が判断をする、別に法律で定めるのだということでありますから、本法律案に流れる考え方というのは、いろいろ過程の中で議論がありましたけれども変わっていないというふうに考えているところであります。
○根本委員 私は、いろいろなやりとりがあったかと思うのですが最終的にこの案に落ちついた、その考え方、ポイントを実はお聞きしたがったわけです。
 いずれにしても今回の法案で最終的には国会で決定するということも具体的に条文に書かれておりますし、特に私が注目しているのは、第四条で地方分権、規制緩和、そして行革、これを現行の案よりもさらに強調しているということも大事だと思いますし、それから、第一条の部分は要は国会等の移転対象の機能というものは何なのか、これを例えば国会の活動に関連する行政及び司法というふうに絞り込んだということもあるだろうし、要は、最終的なここにまとまった案の考え方、これを実はお聞きしたがったのですが、まあそれで結構です。
 それで、今回の法案の意義というのは、首都機能移転が候補地の選定等現実的な検討のスケジュールに乗った、そして、首都機能移転の推進のために大きな前進を見た、これが大きな意味だと私は思っております。これから国民的合意の形成に留意しながら具体的な検討を進める必要があるわけですが、やはり具体的な検討を進めるに当たっては候補地の選定と並行して、第四条にありますように地方分権、行革、規制緩和、これと的確に結びつけて、首都機能移転をこれからの日本の政治・行政の改革ビジョンと連動することが不可欠だと思っております。そして、これが今回の首都移転の大きな意義の一つでもあるのだろう、こう思っているわけであります。
 次に、首都機能移転の意義と効果について、これは国土庁長官にお伺いしたいと思います。
 今回の法改正の議論の過程の中で、なぜ首都機能を移転するのか、あるいは首都機能とは何なのか、どのような機能を言うのか、さらに、なぜこの時期に首都機能を移転するのか、こういうそもそも論、これが出てまいりました。私は、首都機能移転問題、これは九〇年の国会決議から積み上げてきた議論でありまして、実際に動かすにはこれから国民的な合意形成に向けてさらなる大議論が不可欠だと思っております。ですから、今回の法改正を契機に非常に議論が活発化した、これは当然でありますし、私はそれでよかったのだと思っております。いわゆる首都機能移転論の現段階の成熟度が、ある意味で、この程度の成熟度だったのかなという点が推しはかられたのだろうと思います。
 しかも、今の国民的な関心の度合いを見ますと、首都移転候補地の期待と関心、これは非常に高まっておりまして、議論も活発化しております。ただ、候補地以外では必ずしも関心が高くない、東京はこれで非常に高まりましたけれども。要は、国民の意識に地域格差、これがあるわけですね。ですから、これから一番大事なのは国民的議論あるいは国民的合意形成、これが必要でありまして、ここで最も重要なのは、なぜ首都機能を移転する必要があるのかという首都移転の意義と効果、これをいかにして理解していただくか、あるいは合意形成を図るか、これが大事だと思うのですね。
 それで、国会等移転調査会、これも一年以上かけて首都機能移転の効果を議論してきたわけであります。改正案でも、これからの審議会は、「国会等移転調査会の報告及びこれに関する国会の審議を踏まえ、調査審議する」、こう書いてありますので、改めて国土庁長官から、これまでの議論を踏まえまして、首都機能移転の意義と効果、この点についてお伺いしたいと思います。
○鈴木国務大臣 機能移転の意義については既にずっと話が出ておるわけでございますが、今回改正をされた時点に立って改めて考えてみますと、私は三つの意義を見つけることができると思います。
 その一つは、今お話しのように、何といっても地方分権や規制緩和を初めとする国政全般の改革を促進する、こういう意義を持っている。二つ目は、東京への集中を呼ぶメカニズムを改め、一極集中の是正を通じて各地域の活力を呼び起こすことになる。三つ目は、東京圏はもちろんのこと、我が国全体の災害対応力の向上を図ることになる。これが今回の大きな意義だと私は考えております。そのために積極的に進めなければならぬと思っているところでございます。
○根本委員 私も今の長官のおっしゃることと同意見でありますが、今までの首都機能移転論と今回の首都機能移転論の大きな違い、これはどこにあるか。今までの首都機能移転論は、東京への一極集中の是正、東京プロブレムの解決あるいは防災への対応、こういうところが非常に強調されておりました。今回の首都機能移転論の特徴は、この首都移転を契機に国政全般の改革をするのだ、これが今までの首都機能移転論と大きく異なった面だろうと私は思うのですね。
 しかも、今回はやはり歴史的な意義がある。かつて平安京遷都、鎌倉、江戸の開府、これはいずれも政治体制、社会の大きな転換、時代を画する歴史的意義がありました。今回の首都移転論こそ、これからの二十一世紀に向けての行政、社会の新しいシステムを構築する、新しい時代を準備するという大きな歴史的意義を有するものと思っておりまして、この辺のところの歴史的意義をこれからも強調していかないと、従来の首都移転論、東京一極集中の是正あるいは多極分散型国土形成、これだけですと、なぜ今首都移転をするのかという意味合いが弱いと私は思うのですね。
 ですから、今回の首都移転論というのは、行政・政治のシステムをこれから大きく変えていくのだ、五五年体制の終えんと言われておりますが、二十一世紀に向けてあと四年ですから、この時期に次の新しい行政・政治のシステムを構築する、この意義がある。あるいは人心一新という言葉もありましたけれども、この辺が今までの首都移転論と大きく異なる点だろうと思っておりますので、この辺の国民的理解と合意が必要だと思います。
 それから、三番目でありますが、これからいかにして国民的合意形成をやっていくか、これが大事だと思います。二十二条においても、審議会の答申が行われたときは国民の合意形成の状況に配慮して移転について検討する、こうなっておりまして、要は、国民の合意形成の状況に配慮して、こうなっているわけですね。ですから、これから審議会の調査審議と並行して、世論喚起、国民的な議論あるいは国民的な合意形成、これをいかに図っていくかが重要であると思います。
 具体的には、例えば審議会の議論はオープンにしてその都度情報公開していく、あるいは世論調査を連続的にやっていくとか、あるいは公聴会を多角的に展開していくとか、いろいろな合意形成のやり方があると思いますが、具体的にこれから合意形成のやり方としてどのようなことをお考えなのか、国土庁長官にお伺いします。
○鈴木国務大臣 先生御指摘のとおりでございまして、これから国民的な理解を得るためには、やはりどうしても今まで以上に企画を充実してまいりたいと思っています。従来はどちらかというとアンケート調査みたいなものを中心にしてやってきたわけでございますが、今後も、世論調査の実施、シンポジウムの開催、広報用ビデオそれからPR資料の作成などを通じながら、マスコミにも協力を得ながら、これから国民合意形成のために努力していきたいと思っております。
 東京の皆さん、自民党の皆さんのいろいろなお話がございましたが、実はあのことをお金で宣伝しようと思ったら大変なことだと私は思っておりました。それだけ国民の合意を得るために大変立派な議論をしてもらって、逆にありがたかったというような気持ちも私はしているところでございます。
 いずれにしても、大変な事業でございますので、国民世論の形成というか合意のためにこれからも努力してまいりたいと思っているところでございます。
○根本委員 この首都機能移転の問題、私は、国民投票的なものを必要とするような戦後最大の国民的合意を要するもの、だと思いますので、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 それから最後に、候補地選定における地元の意向の反映についてお伺いしたいと思います。
 首都機能の移転に際しましては、私は、移転先の地元の意向、合意形成も重要だと思います。本法の十九条では、現地調査を行う場合においては地方公共団体の長の意見を聞かなければならない、こうなっておりますが、この意見を聞くとは、具体的にどのようなことを想定して、どのようなことを期待しているのかについてお伺いしたいと思います。
○玄葉議員 地元の意向をどのように反映するのかという御質問でありますけれども、委員御指摘のとおり、第十九条に「必要があると認めるときは、現地調査を行うことができる。」というふうに規定してあります。また、実際に候補地を選定するに当たっては、現地調査は必要不可欠なものだというふうに思っております。
 その場合には、まさにこれも御指摘をされましたけれども、その旨をあらかじめ現地調査を行おうとする区域を含む地方公共団体の長に通知をしてその意見を聞かなければならないというふうにしていますから、これによって地元の意向というのは、その都度各項目について十分具体的に取り入れることはできるのではないかというふうに考えております。
○根本委員 首都機能の移転に当たって、私は、実際に移転するということになると、地元の主体的な参画というのが必要なのだと思うのですね。ですから、この条文をできるだけ幅広く運用していただいて、受け入れ先の地域からの具体的な首都機能移転のあり方についての積極的な提言、こういったものも勘案していただきたい、私はこう
思います。
 私の質問をこれで終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、自見庄三郎君。
○自見委員 自由民主党の自見庄三郎でございます。質問の機会を与えていただきまして、佐藤孝行委員長、西田司理事初め各党の理事、委員の方に心から感謝を申し上げます。
 質問に先立ち、私、福岡県選出の衆議院議員でございますが、きょう十二時過ぎに福岡空港発のインドネシア行きのガルーダ航空が事故を起こしまして、今聞いた情報によりますと三人の方が亡くなられたということでございまして、多数の方が私の出身校でもございます九州大学の医学部初め六医療機関に収容されたという報道があったわけでございます。亡くなられた方に心から御冥福をお祈りし、負傷された方が一日も早く御快癒されんことをお祈りすると同時に、事故の解明、再発防止のために政府としても全力を挙げていただきたいということをまず述べさせていただきまして、質問を始めさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
 首都機能移転につきましては、今さっきからいろいろ話が出ていますけれども、行財政改革を推進していく観点、あるいは東京一極集中是正の観点、あるいは災害対応力の強化の観点から必要件が論じられているところであります。これらの観点も大変重要だと私は考えておりますが、これに加えて、やはり戦後五十年たったわけでございますし、現在の我が国を覆っている何とも言えない閉塞感を打破して、国民に夢と希望を与えるということも私は政治の大変大事な任務だ、こういうふうに思うわけでございます。
 私は、そういった意味からも、まさにこのプロジェクトは国民に夢と希望を与えるプロジェクトだというふうに思うわけでございまして、ぜひこの首都機能移転は実現していただきたい、またせねばならないというのが私の持論であるということをまず申し上げたい、こう思うわけでございます。
 首都機能移転につきましては、御存じのように、平成二年十一月に国会等の移転に関する決議を衆参両議院で採択をいたしました。その文書を私ここに持ってきております。実にすばらしい国会決議だと私は高く評価をするわけでございます。また、これを受けて、御存じのように平成三年八月、衆参両院で国会等の移転に関する特別委員会を設置したわけでございます。また平成四年十二月、これは議員立法によりまして、御存じのように現行の国会等の移転に関する法律の制定と、一つ一つ国民の合意を得つつ、階段を踏みながら、ステップ・バイ・ステップで着実に進んできたというふうに私は思っております。この間、いろいろな利害が錯綜したわけでございますけれども、本当に誠実に努力をされた方々に私は心から感謝の意を表したい、こう思うわけでございます。
 しかしながら、今回の法律改正については、現実味を帯びた首都機能移転も今回の改正でやや遠のいたという指摘もあるというふうに報道されているわけでございます。私は、決してそういうことはないと思うわけでございまして、今回の改正は、首都機能移転に対しまして大きく前進するものであるというふうに考えておりますが、提案者の方の考えをお伺いしたいと思います。
○西田議員 御指摘がございましたように、私は、国会移転、首都機能移転というのは現在の日本にとって大変重要な役割を持っておると思っております。
 お話にあったように、一つは国政全般の改革であります。さらにもう一つ、今大変日本は経済的にもいろいろな問題を抱えておりますけれども、一面、経済改革のきっかけにもなっていくだろう。それからもう一つ見落としてならないことは、先ほどいみじくも人心一新という御指摘がございましたが、そのとおりでありまして、これは言葉をかえれば社会改革であります。こういう一つの時代の転換期に当たって、こういうことを国会がまず先陣を切ってやるということは非常に大きな意味を持っておる、このように思っております。
 そういう考え方から、今回国会等の移転に関する法律の改正を提案したわけでございます。今までいろいろな経過や手順というものがありましたけれども、私は、今回審議会というものをつくって移転先の候補地を公正中立な立場から選定していただくということは、この世紀の大事業というものが一歩も二歩も大きく踏み出した、こういう認識をいたしておるわけでございます。
○自見委員 また、地方の人の中に、聞くところによりますと、東京に何もかも集中している方がかえって便利がよい、そういった意見を言われる方もおられます。そういった意味で首都機能移転に反対しておられる方もいるようです。私は必ずしもこの案に賛成するわけではございませんが、提案者の方々はこのような論議に対してどのような考えをお持ちなのか、お伺いをしたいと思っております。
○西田議員 そもそもお互いに冷静に振り返ってみますと、首都機能移転というものが考えられた一番の原因というのは何であるかといいますと、もちろん多極分散型の国土をつくって隅々まで均衡のとれた日本をつくっていこうというものもありますけれども、直接的なものとしては、東京のこの一極集中、超過密、そして都民の方々の生活を圧迫しておる、働く人たちの余裕というもの、ゆとりというものをなくしておる、こういう問題をどうしていくかということから始まった、私はこのように理解をいたしておるわけでございます。
 もちろん長い時間がかかりますから、いろいろな経済情勢の変化もございます、社会情勢の変化もございます。しかし、そういう問題は、これほどの、何百年間かに一度の大きな事業あるいは世紀のプロジェクトということになってくると、短期的な目でこの問題をとらえると間違いが起こってくる、こう考えておりまして、これから我々は東京都と一緒になって新しい東京を、世界都市としての東京をどうつくっていくか、こういうことにもう少し大きな眼を開いて取り組んでいくべきだ、こういう考え方から、今回のまず第一歩の法律改正を提案した次第であります。
○自見委員 提案者の西田司議員から大変高い次元に立った高通な御答弁をいただいたわけでございます。提案者の方々、各党各党の中でここまでこぎつけるのには大変御努力があったということはお聞きいたしておるわけでございますけれども、ぜひ今答弁されました趣旨に沿って、本当にさらに一層の御努力、大変苦しい御努力もあると思うわけでございますけれども、しっかり国家の高い視野と申しますか見識に立って推し進めていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 それでは、国土庁長官に質問させていただきたいと思うわけでございますが、先ほどからいろいろ質問が出ておりますが、今回の法律改正によりいよいよ候補地を選定する段階に進むとなれば、首都機能移転についてより一層的確な国民の意思の把握に努めていくことが必要だと思います。法律の中でも、第三条に「国は、国会等の移転について検討を行うに当たっては、広く国民の意見を聴き、その合意形成を図るとともに、この章に定めるところにより、広範かつ多角的にこれを行うものとする。」こう書いてあるわけですね。そういったことを踏まえて、政府としてはこの問題にどのように対処をしていくのか、国土庁長官にお尋ねをさせていただきたいと思うわけでございます。
○鈴木国務大臣 これは国民の意思を的確に把握するためには極めて重要な課題だと私は思います。そういう意味におきまして、国会等移転調査会報告におきましても、国民の意思を把握するためにいろんな世論調査であるとか公聴会とか公開討論会とか、そういうことを企画しながら国民の合意に努めてほしいということもございますので、国土庁といたしましても、これから国民合意のための宣伝及び啓蒙、そういうことに積極的に取り組んでいきたいと思っているところでございます。
○自見委員 大変真摯な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 最後に、私ごとで大変恐縮でございますが、私も平成元年から宇野内閣、また平成元年の第一次海部内閣で、不肖でございますが国土庁の政務次官を務めさせていただいたわけでございます。現国土庁長官、また西田司先生も元国土庁長官の御経験者でございます。
 やはり国の総合調整というのは、言うはやすいけれども利害が本当に対立するときは非常に難しいものでございます。特にこれは議員立法でございますし、それを受けて調整と申しますか、やはり民主主義国家でございますから調整というのはなかなか苦渋に満ちたところもあると思うわけでございますけれども、高い目標を目指して、本当に多くの国民の合意を得られるように、そして本当に首都機能移転ということは私は今の政治に与えられた大変重要な課題の一つだと確信をするわけでございますから、ひとつ国土庁長官を初め、また議員立法された提案者の方々、今までもここにこぎつけられるのに大変な御努力をされたわけでございますけれども、さらに一層の御努力、そして我々も衆議院議員として最大限のバックアップをさせていただくことをお誓い申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、岡崎トミ子君。
○岡崎(ト)委員 国会等の機能分散に当たりましては、自然環境に非常に大きな影響を与えるというふうに思っております。環境基本法ができまして、各自治体では環境基本計画をつくっております。現在、政府におきましても、環境影響評価制度の充実のために作業が進んでいるところでございます。
 今回の改正案では、第八条に「自然環境と調和し、」と追加されました。そこで、移転先の新都市が環境先進国の環境保全都市のモデルとなるように、単独の条文としてその宣言的なものが欲しかったなというふうに思いますけれども、提案者の方にぜひお伺いしたいと思います。
○松本(龍)議員 大変貴重で重要な御意見だと今拝聴をいたしました。
 一方、本日のこの改正案に至るまでさまざまな段階の積み重ねがありまして、本日のこの委員会は、いわゆる検討の最終段階に入っているというふうに思っております。そういう意味では、できる限り現行法を生かしながら必要最小限の改正にとどめるということを当初原則といたしました関係で、このような形になったものと御理解をいただきたいと思います。
 しかしながら、環境問題に熱心に取り組んでおられます岡崎委員御指摘のとおり、国会等の移転に関しては、自然環境と調和し、また共生をするという観点が必要でありまして、移転先地が決定して、その具体的なプランの検討に入るとき、あるいは建設の段階に入るときには、それが十分配慮され、その旨の検討がなされるものと考えております。
○岡崎(ト)委員 既存都市への移転にしましても新都市の建設にしましても、超大型国家プロジェクトということでありますから、政府としても環境保全政策に最大の配慮を図る必要があるというふうに思っておりますが、鈴木長官、担当大臣としてのお考えをお聞かせください。
○鈴木国務大臣 御指摘の環境保全に対する配慮につきましては、国会等移転調査会の報告においても、移転先の新都市のイメージとして豊かな自然環境の中に小都市群が展開しているという新しい都市形態が提言されているところでございます。したがいまして、環境との調和・共生を図っていくことが特に私は重要だと思っています。
 そういう意味で、今般の法律改正案におきましては、基本方針として、先生今御指摘のとおり、第八条に「自然環境と調和し、」という言葉が入っていることを受けまして、このことを大切にしながら、政府といたしましても環境問題に十分配慮してまいりたいと思っております。
○岡崎(ト)委員 環境保全都市のモデルとなるように、ぜひ目指していただきたいというふうに思っております。
 新首都建設になりますと、つくるときの問題がございます。景観も破壊されるということも考えられますし、周辺都市への影響もあります。周辺都市とのバランスという問題も大変重要だというふうに思っておりまして、現在、国は環境影響評価ということでアセスメント、このことを十分に考えられなければいけないというふうに思うのです。
 いろいろと環境負荷があると思います。人口が増加していく、あるいは車、交通量がふえていく、そのことによって大気の汚染、騒音の問題、また水やごみの問題なども出てまいりますけれども、アセスを実施する場合、国の環境保全政策として最も進んだものでなければいけないというふうに思いますが、鈴木長官にはぜひこの場で、アセスを丁寧に実施するというような前向きの御答弁がいただけないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○鈴木国務大臣 政府といたしましても、西田先生以下、御提案の議員さんに大変御苦労かけておりまして、この御苦労につきまして、閣議でもまたお話がございますので、環境庁長官ともよく話をしながら、今の先生の御意見を十分伝えながら、政府として統一的に取り組むようにしてまいりたいと思っております。
○岡崎(ト)委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 新首都に対する考えは、箱物をつくるハード面だけではなくて、ソフト面にも注目しまして、情報ハイウエーの整備など高度情報化社会に向けて対応した世界への情報発信基地としての未来都市でなくてはいけないというふうに私は考えますけれども、提案者の方、いかがでしょうか。
○松本(龍)議員 お答えいたします。
 国会等の移転に関する法律におきましても、基本指針の一つとして通信体系の整備が規定をされておりますし、また、昨年十二月に出されました国会等移転調査会報告におきましても、新しい都市基盤として必要となるネットワークの構築やソフトウエアの整備等を提案しているところであります。
 国会等の移転に際しましては、委員御指摘のとおり、高度情報化社会への対応が重要と認識をしておりまして、法律等の趣旨を踏まえ国会等の移転に取り組む必要があると理解をいたしております。
○岡崎(ト)委員 宇野会長初め国会等移転調査会の方々の御努力に敬意を表したいと思います。
 その調査会の報告を尊重することは大切だと思いますが、新首都の場所を東京から日帰り可能二時間程度、六十ないし三百キロ以内としてあります。これについて識者からさまざまな指摘もあるようでございます。新首都におきます第一回国会を二〇一〇年を目標とするのでありますならば、新しい交通手段などで時間的な距離感は現在とはかなり隔たることになるだろうと思いますけれども、いかがでしょうか。
○松本(龍)議員 二時間程度、六十キロから三百キロ以内という距離は日帰りで十分用も足せる範囲として考えられたものでありますし、また、今言われましたように人類の英知を傾け、とりわけ技術立国の日本ですからさまざまな技術革新が行われて、いわゆる二〇一〇年における時間的距離感を正確に予想することは私ども困難な作業と思われますけれども、今改正で設置される審議会の中で、その点も踏まえて十分な審議が尽くされることを期待いたしております。
○岡崎(ト)委員 次に、十九条二項関係についてお伺いしたいと思います。
 国会等の移転はあくまでも国政上の重要課題でありまして、移転候補地に名乗りを上げている地域振興の問題でもなければ、あるいは、先ほど東京都のことに関しましては貴重な御意見をたくさん伺いましたけれども、東京都の地域問題でもないというふうに思うのです。自治体の移転先候補地となるようなところでは、現地調査の段階で地元の意向を大切にするという観点から首長からの意見を十分に聞く規定があるわけですが、これがうまく機能すれば私は問題は生じないであろうというふうに思います。
 東京からの移転の是非でありますとか、あるいは移転先をどこにするかという基本的な問題につきましては、あくまでも国政上の問題でありまして、ここでけじめをつけておくべきだというふうに考えますけれども、この点について提案者の基本的な御認識を伺いたいと思います。
○松本(龍)議員 国会等の移転は、お示しのとおり三権の中枢を移転するという国政上の非常に重要な課題であります。したがって、今言われましたように、移転の是非、移転先の決定については国民の代表であり、国権の最高機関である国会が最終的に判断することが適当であり、御意見のとおりであるというふうに考えております。
○岡崎(ト)委員 次に、第十五条二項関係についてお伺いします。
 今回新たに設置します国会等移転審議会の委員は、「行財政改革を含めた各分野において優れた識見を有する者のうちから、」任命されるというふうになっておりますが、提案者としては、どのような人材を念頭に置いておられるでしょうか。
 私ども東北でも誘致運動が実は行われておりますけれども、少なくとも移転候補地に名乗りを上げている自治体の関係者でありますとか、移転そのものに反対している東京都の関係者は、この場合は不適当ではないかと私は考えますけれども、いかがでしょうか。
○松本(龍)議員 大変難しいお話でありまして、人選につきましては、この改正法の趣旨を踏まえて、内閣総理大臣が適切な人選をされるというふうに考えております。
○岡崎(ト)委員 すべて総理大臣に一任でございますか。――そうですが。
 続けて、第二十二条関係のことについて伺いたいと思います。
 この「東京都との比較考量」というのは、あくまでも一般的な意味合いで語られるような単なる配慮規定でありまして、それ以上の政治的な意味を持たせてはならないというふうに思います。法律的には、前文や第一条の「国の責務」にもありますように、「東京圏以外の地域への移転の具体化」の推進を図ることが大前提のはずではなかったのでしょうか。
 審議会から移転先候補地が具体的に答申された後で、「移転はやめました。国会は東京に残りました」、これでは政治家として無責任だというふうに私は思うのですけれども、いろいろと国会議員の中に意見があるのはきょうお伺いした中でも十分承知した上で、提案者のお考え、基本的な姿勢についてお伺いしたいと思います。
○西田議員 最初にちょっときざなお答えを申し上げますけれども、これは進めておったけれども、もうやめたよというようなことがあるかということでございますけれども、それでは国会というところで法律をつくって何だったんだいということになってまいります。そういうことはあり得ないと私は確信をいたしております。
 そこで、二十二条関連の御質問でございましたが、この大事業を進めていくためには相当な時間と相当な経費、それからもう一つ、やはり日本人の知恵が必要だと私は考えておるわけでございます。そういうものの中から一番大切なことは何かといいますと、たびたび言われておりますように、国民の合意形成ということが非常に大切になってまいります。二十二条をかみ砕いていく場合には、国民の合意形成ということを土台にして物を考えていかないといけないのではないか。先ほども申し上げたように、経済情勢も変化が起こるでしょう。社会情勢も変わってくるかもしれません。
 それから、物を決めていくという場合には必ず比較というものは起こってくるわけでございまして、その比較によって、いろいろ言われておるように、いや、もう東京からは出ないのよというようなことは、少しこれは早とちりし過ぎる、じっくりと国民の合意形成の中で東京のありようも比較をしていくということは当然私はやっていかなければいけないことだ、このように考えております。
 そして、最終的には本法律の第一条で掲げておりますように、東京圏以外へ新しい国会等を移していくという基本路線は動かすべきではない、このように考えております。
○岡崎(ト)委員 最後の質問なのですが、二年の任期のうちに複数の移転候補地を提示して最終結論を政治判断にゆだねるような事態になりますと、非常に混乱が予想されるというふうな声もありますけれども、法案にもありますように、最終的には国会で十分審議をした上で政治の責任で決めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○松本(龍)議員 今政治の責任というふうにおっしゃいましたけれども、まさに仰せのとおりだというふうに思っております。
 国政上の非常に重要な課題であります。したがって、繰り返しになりますけれども、移転先の決定については、国民の代表であり、国権の最高機関である国会が最終的に判断することが適当であり、御意見のとおりであるというふうに思っております。
○岡崎(ト)委員 首都機能移転という、これまでは私たちの頭の中のイメージにあったものが、こうした委員会での議論を重ねることによりまして一つ一つ具体化されていくわけでございます。今の日本にとってどんな改革が必要なのか。また、移転が改革にとってどういうふうに結びついていくのか。そして、その道筋を見つけるためにも、長期的な視点に立った十分な論議を慎重な中で進められますように、その対応を強く望みまして、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○佐藤委員長 次に、弘友和夫君。
○弘友委員 新進党の弘友和夫でございます。
 実はこの首都機能の移転、今回の法改正につきましては、本当に二十一世紀へ向けて夢のある論議をここでできるのではないかな、私はこのように思っておったわけでございます。今まで各党でいろいろ改正案について論議をされて、先ほどからの論議にございますけれども、土壇場になって、もともと今回の法案の持っている方向性と逆のといいますか、これはできない方向に何かなるのではないかなということで、本当に後ろ向きの質疑になりそうで大変残念であります。
 といいますのは、今まで首都機能の移転につきましては、昭和三十年代におきましても、経済成長の過程において大都市の人口集中という問題から、この東京の過密問題が論議をされて一回起こってまいりました。また、四十年代についても起こってきた。過去三度、この首都機能の移転についていろいろ盛り上がりがあって、それがだめになっている。ある建設大臣、どなたかは忘れましたけれども、この首都機能移転問題というのは地価高騰とともに起こって、その鎮静化とともにこれは消えていくのだ、このように当時言われた大臣がいたと思うのです。
 先ほどから論議になっておりますけれども、九〇年に国会等の移転に関する決議が衆参両院においてなされた。そしてまた、九二年にはこの国会等の移転に関する法律というのが施行された。この二年七カ月ですか委員会はいろいろ論議をして、昨年の十二月にこの報告が出された。もともとは、先ほど総理からも御答弁がありましたけれども、やはり二十一世紀にふさわしいシステムをつくらないといけないのだ。それには政治や経済やあらゆるものを変えていって、この首都機能移転ということを契機にして、人心を一新して後世に向かって発進していく。それと、先ほど言われておりましたもう一つ大事なのは、この東京都の緑をいかにつくっていくかとか、いろいろそういうことがあって首都機能移転という問題がずっと論議されてきた、首都機能が移転するという前提があってこの何年かにわたって動いてきた、このように思うわけでございます。
 先ほど長官も三点にわたって首都機能移転の重要性ということを御答弁されておりましたけれども、もう一度ここで、この法案の最初にありますように、なぜ首都機能を移転しないといけないのかという、この原点に返って御答弁をお願いしたいと思います。
○鈴木国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたが、改めて今回の法案を提出するに当たりまして、首都機能移転の意義というものは何だろうということを御答弁申し上げたわけでございます。
 すなわち、一つは、地方分権や規制緩和を初めとする国政全般の改革を促進する重要な契機としたい。二つ目には、東京への集中が集中を呼ぶメカニズムを改めて、一極集中の是正を通じ各地域の活力を呼び起こしていきたい。三つ目には、東京圏はもちろんのことでございますが、我が国全体の災害対応力の向上を図っていきたい、これが今回改めて法案が提起されました重要な意義だと私は受けとめているところでございます。
 それから、そういう意味からいたしますと、機能移転は、地方分権、規制緩和等の行政改革と並び、二十一世紀に向けた我が国社会の改革のための車の両輪だ、こういう認識のもとに積極的に推進してまいりたい、かように思っているところでございます。
○弘友委員 それで、今回のこの改正案を拝見させていただきますと、大変努力されて共同提案をされておるわけでございますけれども、先ほども論議がありましたけれども、第二十二条「審議会の答申が行われたときは、国民の合意形成の状況、社会経済情勢の諸事情に配慮し、東京都との比較考量を通じて、移転について検討されるもの」という項目が入っております。
 先ほどこの二十二条の意味というのは、国民の合意形成というのを土台にしていかないといけない、国民の合意形成のために二十二条というのを入れたんだというような御答弁もございましたけれども、しかし、この東京との比較考量というのは何なのか。我々、今まで何年かの論議というのは、首都機能を東京以外に移転するという前提で進んできたと思うのです。東京都の首都機能を移転するんだという前提から始まってきて、ここまでに至ったわけですよ。
 それが、では今から二年間かけて審議会を設置いたしますよ。審議会を設置して、どこそこが候補地として非常によろしいという審議会の結果が出る。その結果、その地域と東京都、これを比較考量をする、こういう意味ですか、この条文は。提案者にお尋ねします。
○西田議員 二つに分けてお答えをいたしたいと思います。
 一つは国民の合意形成の問題でございますけれども、これは二十二条にかかわらず、これだけの大事業というものをやっていく場合に、国民の理解と合意というものを前提としたものでなければ、必ず失敗すると私は思っております。そういう面から、経済社会のいろいろな変化であるとかそういうものをよく、合意形成のあり方等も含めて考えていかなければいけないということを申し上げたわけであります。
 それから、もう一点の問題は、比較考量というのは一体どういう意味だ、こういうことですが、物のよしあしというものを考えていく場合に見落としてならないことは、いずれにも必ず長所もあれば短所もあるわけなんです。東京都なんというのは、江戸開府以来、長い歴史の中で積み重ねたものを持っております。ところが、それが余りにも肥大化し過ぎて今問題をつくっておるわけでございまして、ここの問題を、東京が持っておる長所短所、新しいところの長所短所というものを比較するのは当然なことだと私は考えておるわけでございます。
○弘友委員 当然だと今言われたのですけれども、だからこの一つの法案で、前文のところから始まって目的的な、阪神大震災みたいな災害に対する対応だとかさまざま、全部読みませんけれども、このためにこの法案というのがあるわけですね。
 それの二十二条に、最終結論が出たときには東京都と。今の御答弁だったら、いずれも長所もあります、短所もあります。確かにそうだと思いますよ。だけれども、東京都には首都を置いている、首都機能を置いているというにはこういう長所がありますよ。ここはこういう長所があり、こういう短所がありますよと、二年後に候補地が決まった時点でそういう論議をすること自体が私はおかしいのじゃないかと思うのですよ。
 それであれば、その前に、首都機能を移転するのかしないのか。確かに、国民的合意がまだ盛り上がっていない、論議が盛り上がっていないというのは事実だと思うのです。それは論議を盛り上げる必要があるかもしれませんけれども、この法案で審議会が結論を出したその地域と東京都の持っている、ここに首都機能を置いていた方がいいとか悪いとかいう論議は、まずこの法をつくった前提が壊れるのじゃないか、前提条件が。これは、先ほど総理も言われた、長官も答弁された、一極集中やいろいろな問題があるから首都機能を移転するのだという、そこから出発しているわけでしょう。だから、例えばその時点で、いや、東京都に置いておいた方がこういうメリットがあるとかなんとか論議があってしかるべきなんです。
 この二年七カ月の間そういういろいろな論議があって今のこの結論であれば、まだわかるのです。何にもなくて、そして調査会の報告がある。六十万ぐらいの都市で九千ヘクタールでとかそういう具体的な考え方が出て、その時点で、いや、東京都もいいところがあるからこれを考えようというような、では、審議会というのは、一体何を今から二年間かけて、そこら辺までを含めて審議されるわけですか、お尋ねします。
○西田議員 御指摘の趣旨はよく理解をいたしております。
 しかし、改正法の条文の中でも、もう先生御存じだと思いますけれども、二十三条で、最終的には別の法律で国会が決めるという条項を新たに設けておるわけなので、そうなってきますと、その前に審議会の方々のいろいろな御意見あるいは国民の意見というものもあるかもしれません。それから東京都のよしあしの比較というものもあるかもしれません。そういうところで議論をしながら、最終的には国会が決めていくのですよ、こういう流れ、手順というものは、そう私は間違っておらないのじゃないのか、こういう判断をいたしております。
○弘友委員 大変な御努力をされて、とにかくこの改正案を出されて、それは大変私も評価をするわけですけれども、しかし、これは妥協の産物、一般の新聞報道等によりますと、そういう部分はあるかもしれない。だから、今言われたように、いろいろやって、最終的には国会で決めるんだということかもしれません。
 だけれども、私は、ここでそういう妥協の仕方というのは、もともとの首都機能を移転しないといけないというこの理念というか、本当に二十一世紀へ向けてこうするんだという国民の合意形成をする上においても、これは間違いじゃないか。それであるならば、ゼロからでも結構です。今から国民の合意形成に向けて、例えば国民に対するアンケート調査とか、それから国民投票をするとか、そういう形でしていかないと、二年後に、一生懸命審議会が候補地を選定して、そのとき、さっき申し上げましたように、もう地価の問題とかいろいろなものが鎮静化して、候補地が一つに決まったらほかのところだってそんなに意欲はないわけですから、そことどうかなということになると、もうやめておこうかというようになりかねないのじゃないかなと私は危惧しているわけですね。
 だから、そこら辺を、長官、まあ後からも質問しますが、長官として、今まで国土庁でこれを推進してきたそのことを、もう一回、決意というか表明していただきたいな、このように思います。
○鈴木国務大臣 まず、今回の二十二条の解釈ということになりましょうか、これが今問題にされているようでございますが、国土庁としては、本件につきましては、国会の御示唆なり御指導によって事務を応援してきたわけでございまして、あくまでも国会主導で進めてきたという立場から申し上げますと、今回の規定の問題は、移転先の候補地に国会を移転した場合に、総理も述べておりましたし、今西田先生もおっしゃっておりましたが、各分野で長所欠点があるから、とにかく決まる前のときに、現在東京にこういう機能がある、それと移した場合と比べっこすれば、何で機能を移転しなければならぬのかといういわゆる筋があるわけで、それに照らしてみて検討すれば、単に値段が安いとか高いとかというだけの問題でなくて、そういう目的に照らして、最終的には国会で決めるわけだから、それはそんなに変わっているわけではないのじゃないのかという私どもは理解をしています。
 それから、位置づけでございますが、一つ一つ進めていくためには、早くこの国会で決めていただかないと、それこそ後退したみたいな印象になることを非常に私どもとしては心配してまいりました。おかげさまで、きょう皆様方の御審議をいただいて、この国会で可決していただくということになれば、あとは精力的にこれから仕事を進めてまいりたい、かように思っておるところでございます。
○弘友委員 まだたくさんお聞きしたいことがあるのですが、時間がございませんので、最後に一問だけ。
 今お話がございました、その結論の出る前に、二年間、それから東京がいいのかそこがいいのかということじゃなくて、それはこの間に当然検討をすべきじゃないか。そして、先ほどちょっとお答えがありませんでしたけれども、その審議会の中でも、東京でいいのか。僕はどこでも一緒だと思うのですね。それは、よそのどことどこの比較はあるかもしれませんけれども、東京から首都機能を移転するのか、ほかに移すのかということは候補地が決まらなくてもそれは結論が出る問題だと思うのです。ですから、この審議会の中で、それはきちっと一緒に審議会としての結論を出していただきたい。
 そしてまた、二年後に結論を出せば、先ほど総理から答弁もありましたように、東京都のあいた何ヘクタールでしたか、この国会が移転するそのあいた土地をどういうふうに利用するのか。それも、移転するのだというのがわかっていれば、今から二年間かかってどういう跡地利用をしていくのか、いろいろなことができるわけです。もとに戻るということがあると、それまではそういう検討は絶対なされませんよ。
 そういうものを含めて、ぜひ委員の皆様、また、国土庁としてもぜひ精力的にやっていただきたいと要望いたしまして、終わりたいと思います。
○佐藤委員長 次に、長浜博行君。
○長浜委員 先ほど総理には、大上段に振りかぶった質問から始めさせていただいて議論を深めていったわけでありますが、今同僚議員が別の角度からの議論を高めていっていただいたのを受けまして御質問をさせていただければというふうに思います。
 今の最後の議論の場面においても、国民合意の形成とかあるいは国民レベルの議論が十分に尽きているのかどうか、こんな指摘もあったように思います。
 村田大先輩がいて恐縮でございますが、国会においても昭和五十年から新首都推進懇談会というものはありましたし、あるいは先ほどお話もありましたように、私が生まれたころの昭和三十年代にも、これは都立大の名誉教授といいますか東洋大の学長もやられた磯村英一先生がニュートーキョー富士の都構想などということで、三十年代からこういった議論はあったわけであります。ですから、三十年、四十年、五十年、平成になって、三十年から四十年という年月をかけてこういった議論が続く中において、私も国会議員の端くれでありますが、一体、国民的議論を盛り上げるとか国民レベルの議論をするということが、どこに到着点というかゴールを見出せるのか、どこで成熟したという判断をするのか、こういったことについて考えなければいけないというふうに思います。
 総理の御答弁の中においても、あるいは長官のお話の中においても、それは国会で御審議をいただいてということが多々あるわけでありますが、しかし先ほどの質問でも申し上げましたように、平成二年度で国会決議ということで、国会議員がまず国会を移そうというふうな重大な決意をした状況があるわけでありますから、一議員という立場になっても、これに賛成するにしろ反対するにしろ、今までの過程の中において議論を深めなければいけなかったのではないかなというふうに思います。
 賛成派の方々に関して言えば、推進ということで、今回、法案にいろいろ御不満もおありと思いますが、法案を出されるという状況になりましたが、新聞等の報道を見てみますと、いわゆる反対と言われる方々にとっては、まさか本気でやるとは思わなかったとか、実現するとは思わなかったという発言があったやに伺っております。こういったことが出るにつけ、本当にあの平成二年の決議は一体何だったのか、私はそのころ議員ではありませんでしたが、何だったのかということを問われざるを得ないというふうに思います。
 そして、国民の合意の形成について、この改正案の中においても非常に注意を払っておられて、第二章の第三条において「国会等の移転について検討を行うに当たっては、」つまり移転先決定前でありますが、「広く国民の意見を聴き、その合意形成を図る」という記述がありますし、第四章第二十二条においては、「審議会の答申が行われたときは、」つまりこれは移転先決定後だと思いますが、「国民の合意形成の状況、社会経済情勢の諸事情に配慮し、」ということで、二つの条項が入っています。さらに御丁寧にといいますか、大切なこととは思いますが、第二十三条で、先ほど西田先生から御説明ありましたように、「移転先について別に法律で定める。」と三重にわたる縛りをかげながら、この国会等の移転に関する推進案が現在審議をされているわけであります。
 こういった中において、提案者の方々の御苦労が察知されるわけでありますが、きょうは、無理をお願いしまして、自治大臣と、それから行財政改革の担当の赤城政務次官とに来ていただいております。
 この議論の中においても、あるいは今回改正する法律案の提案理由説明の中においても、「国会等の移転が地方分権・規制緩和など国政全般の改革の契機として、」という文言が入っているわけであります。橋本ビジョンという形できのうかおととい、ちらっとそのものを見せていただいたことからいっても、橋本総理といいますか自民党の方々の中においても、いわゆるこの国会移転と地方分権あるいは行財政改革をくっつける方々がいます。
 二〇〇〇年のうちに工事着工とか、あるいは二〇一〇年に国会を開こうとか、どうも自分が環境問題を中心にやっているものですから、環境基準などというものを設けると、例えば大気汚染とか水質汚濁でもいいのですが、その基準までは汚してしまってもいいのではないか、こんなような判断をされるわけであります。ですから、二〇一〇年までは、例えば地方分権とか規制緩和が進まないでもいいのではないだろうか、二〇一〇年、これを契機としてでありますから、国会等の移転の動向によっては地方分権とか規制緩和が大幅に後退をしていく、総務庁とかあるいは自治大臣にとっては、こんな冗談じゃないと言われるようなことも言われているやに聞いております。
 国会移転とは関係なく、地方分権なり行財政改革は進んでいるというふうには思いますが、この国会移転の中においても、先ほど申し上げました提案理由説明の中にも、あえて「地方分権・規制緩和など国政全般の改革の契機として、」というふうに触れられている部分からして、御意見を例えればと思います。自治大臣、お願いいたします。
○倉田国務大臣 長浜委員から、いろいろな角度で御指摘がございましたが、間近に迫りました二十一世紀にふさわしい、国、地方を通ずる行政システムを考えるといたしますならば、地方分権を推進することはぜひとも必要であるというふうに考えておるところでございます。
 ところで、国会等の移転との関係につきましては、地方分権推進委員会の中間報告におきましても、首都機能の移転先を第二の東京にしないためにも、「地方分権の徹底した推進が不可欠の前提条件」とされているところでございます。したがいまして、国会等の移転の時期も念頭に置きつつ、地方分権の推進につきましては、一年でも早く作業を進めまして、着実に実施に移していくべきと考えております。
 地方分権推進法におきましては、御案内かとも存じますが、五年間に集中的かつ計画的な取り組みを行うこととされておりまして、私といたしましても、来るべき二十一世紀に向けまして、実りある成果を上げることができ得るように強い決意で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○長浜委員 政務次官、お願いいたします。
○赤城政府委員 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、行政改革は国政上の最重要課題の一つでございますし、また一口に行政改革と申しましても非常に幅が広く、規制緩和でありますとか地方分権あるいは特殊法人の改革、さらには行政情報の公開、そういった課題につきまして着実に推進してまいりましたところでございます。
 首都機能移転との関係につきましては、総理から再三にわたって御答弁申し上げていますように、この首都機能移転に当たって、中央省庁がそのままの形で移転するということであってはならない、抜本的な行政改革という視点も重要であるということでございまして、そのことも踏まえて、規制緩和あるいは地方分権、そういった課題と有機的な連携を図りつつ、これは法四条にも書かれておりますように、それらと連携を図りつつ、行政改革の視点を十分踏まえて推進していかなければいけないというふうに考えております。
○長浜委員 一つ気がかりといいますか、気になった点でありますが、今回の法案の改正の中においても、この法案のタイトル自体あるいは私どもの属している委員会自身の「国会等」の解釈の変更があります。
 平成二年十一月の国会等の移転に関する決議のときは、素直に読めば、「国会及び政府機能」でありました。その翌十二月には、内閣総理大臣主宰の首都機能移転問題を考える有識者会議がありますが、これは「首都機能」と「国会等」というのが、一カ月の差ですから極めて類似している。
 年が明けた翌平成三年八月の国会等の移転に関する特別委員会の設置を受けて、平成四年十二月の国会等の移転に関する法律、この法律でありますが、そのときには「国会並びに行政及び司法に関する機能のうち中枢的なもの」ということでありますが、今回、また「国会等の」というところが改正をされて、平成八年六月と言っていいかどうかわかりませんが、本改正案では、「国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうち中枢的なもの」ということで、法案自身のタイトルの一番重要な「国会等の」というところの解釈変更といいますか、まさに法案の中での変更が行われているわけであります。
 これがいわゆるより充実した方向への解釈の変更ならもちろんいいことでありますが、今後こういう「国会等の」という文言のところで変更があり得るのかどうか、提案者の方にお答えをいただければと思います。
○横田法制局参事 お答えをいたします。
 今回、第一条に「その活動に関連する行政に関する機能」ということで表現が改まったわけでございますが、この趣旨は、移転の対象となるべき行政に関する中枢的な機能、その検討に際しましては、国会におきます法律案や予算案の審議など国会の活動との関連性を確保する、そういう見地から判断されるべきである、そのことを明確にしたという趣旨でございます。
○長浜委員 よくわかりました。
 それと東京都の問題といいますか、それも先ほどの質疑で、御心配をされていた方がいらっしゃるというふうに思いますが、今回の改正案の中においても、第四章の第二十二条、先ほど言った「東京都との比較考量を通じて、」ということで移転先について考えるということもありますし、また、第二章の第六条の規定の中においても「経済及び文化における国際的中枢機能並びに良好な居住環境等を備える都市としての東京都の整備との調和を図る」ということで、これは改正案じゃなくて、現在の法律案の中においても現在の首都であるところの東京都に対する配慮がこれまた二重になされている。
 こういうことからも、先ほどちょっと東京都の方で東京都の将来ビジョンについて御心配をされている方がいらっしゃったように思いますが、東京都においての配慮が特別になされているということは、今回の審議の過程の中においてもあえて反映する結果となったのでありましょうか。提案者の方、どなたかお願いをします。
○西田議員 お答えをいたします。
 東京都の問題についての配慮、このことについては私どもも細心の注意を払ってやってまいりました。例えば、第六条の新都市と東京との連携の問題あるいは東京の災害対応の問題、今お話があった二十二条関連の問題、そういうことに細心の注意を払って法律改正をし、そして今後国民の合意形成を進めていかなければいけない、こういう考え方でございます。
○長浜委員 最後に、基本的に、きょうの質疑を通じましても委員の共通している認識は、やはり大変な事業が現実に目の前のスケジュールに上がってきたなと今さらながら実感をしているわけであります。そういったことからすれば、過去から現在お預かりしているものを未来に渡していくため、そしてまた、偶然かもしれませんが、世紀末にこの議論をしているということを十分に認識をしながら、でき上がりました法案を大事に守り育てていかなければならない、こういうことを賛成者の一人として強調させていただきまして、質問を終わらせていただきます。
○佐藤委員長 次に、鴨下一郎君。
○鴨下委員 先ほど総理への質問の中でも申し上げたのですが、私はこの委員会の中でも多分唯一か二人だけの東京都選出の議員でありまして、東京の人間は、ある意味で首都機能が移るというようなことに関しては非常に心配をしております。
 今回の国会等の移転に関する法律の改正案を取りまとめていく段階においてもさまざまな問題が指摘されていますけれども、私は、まず第一に、先ほど長浜委員も申し上げたところだと思いますが、例えば、国会等の移転というようなものに対する解釈が徐々に変化してきて、あるところでは、例えば誘致先の地域では新首都というような言葉も使われているように伺っておりますけれども、こういうふうに考えますと、今回の法律の中での「国会等の移転」という言葉を厳密に使うべきだと思うのですね。今この議論の中でも、私も首都機能というようなことを申し上げましたけれども、本来、国会等の移転、だというようなことで、これを一つの文言として厳密に使用していくべきだと思いますが、その辺について提案者の方の御意見を伺いたいと思います。
○千葉議員 鴨下委員にお答えを申し上げます。
 国会等の移転から新首都移転に中身が据えかえられてきたのじゃないか、こういう批判があるわけであります。御指摘のように、これから新しく首都を呼ぼうという方は新首都という使い方をされているところがあると聞いておりますけれども、現実に平成二年の国会等の移転に関する決議におきましては、どこまでも「二十一世紀にふさわしい政治・行政機能を確立するため、国会及び政府機能の移転を行うべきである。」こういうことの考え方には変わりがない、このように思っております。
 また、現行法におきましても、第一条において「国会並びに行政及び司法に関する機能のうち中枢的なもの」こういうふうに明確にしております。国会等移転調査会におきましても、立法とか行政、司法の中枢的機能の移転としてこれまで検討されてきた経過もありまして、どこまでも移転の対象については決議以来今までと考え方が変わらない、このように思います
○鴨下委員 今のお答えで大体納得はするわけですが、これから国会の論議の中では、新首都とか首都機能とかという言葉ではなく、国会等というような言葉にぜひ統一していただきたいと考えるわけです。もし、提案者の方、お答えできるようでしたらぜひ答弁をお願いいたします。
○千葉議員 国会で使う場合については、極力国会等の移転、こういうことでこれからは進めていきたいと思います。
○鴨下委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 それから、これから審議会がこの法案の中で設置されていくわけでありますが、一応の予定では二年後に候補地を選定するというようなことになっていますけれども、その中で、私たちは、国民的な合意を得るためにさまざまな努力をしなければいけないと思うのです。そのときに、審議会の審議にゆだねてしまったら出口のところまで何も国民の中に見えないということでは、これは困ってしまいます。そうすると、しかるべきときに公開できるものはできる限り公開していくというようなことと、途中経過のところでこの委員会なり国会なりに報告をして十分な論議をもう一度していく、こういうようなことが重要なことなんだろうと思います。その辺の審議のプロセス、それからそれを介しての国民的合意形成についての努力、この辺のところがこの委員会にとって重要な役目なんだろうと思いますが、その辺についてはいかがでしょうか。
○千葉議員 お答えいたします。
 これまでの国会等移転調査会の報告の取り扱いについては、第十四条に次のように述べられております。「審議会は、国会等移転調査会の報告及びこれに関する国会の審議を踏まえ、調査審議するものとする。」こういうふうに述べられておりまして、調査会報告についても国会等移転の特別委員会にその都度報告されて、その上で調査が進んできた。こうしたこれまでの経緯を踏まえまして、今後も、新たに設置される審議会につきましても、調査の途中の段階、特に区切りのときにおいては国会等移転審議会から報告をいただいて、そして進めるべきである。特に審議会の委員に今回から政治家等が入っておりませんので、審議会からの国会等特別委員会についての報告が余計大事である、このように思っております。
○鴨下委員 それから、今回の調査会報告の中で、移転がなぜ必要かという点に対しまして、東京の優位性を低下させる必要があるからというようなことがあります。さらに一方では、移転後の東京は一層国際的、先端的、創造的な特色を有した魅力ある世界都市になるというふうに述べてありまして、これは言ってみれば両方相反するような部分に我々東京都民から見ますと感ずるわけですけれども、この首都といいますか国会等の移転に関して、東京が一体どういうふうになるんだということについてみんな不安に思っておりますので、その辺のことについての見解をお示しいただければと思います。
○千葉議員 お答えいたします。
 今、東京の都民の皆さんを含めて、これから移転されたときに東京はどうなるんだ、そういう御心配、あるいは東京に地盤沈下が起きるんじゃないか、こういうふうな御心配の点は当然あるかと思います。
 ただ、この国会の移転、先ほど来言われておりますように、最後の段階においては、十分東京との比較考量も行った上で、移転後も東京がやはり我が国の経済、文化の中心としてあり続ける。そのために調査会報告の中におきましても、新たな東京の整備について、大規模災害の対応を強化するとか、あるいは東京がさらに住みやすく働きやすい快適な都市になるよう都市部を中心とする移転跡地の二百十ヘクタールを有効に活用する、こういうさまざまなプログラムを検討する中で東京の整備を図っていくことが大事である、このように考えておりますし、今後とも東京が世界の中心都市として、文化首都あるいは経済首都として発展していくように頑張っていかなければならない、このように思っております。
○鴨下委員 さらに、さきの国会等の移転に関する決議の中では、政治、経済、文化等の中枢機能が首都東京に集中した結果、東京の人口過密、地価の異常な高騰、良好な生活環境の欠如などの問題が生じたというふうにされています。その結果として国会等の移転を行うというようなことになったわけですけれども、ちょうどこの決議は、言ってみればバブル経済の絶頂期に行われていたもので、その後の状況というのは御存じのようにさまざま変化してまいりまして、実際には東京そのものの活力もやや低下して陰りが見えてきたということをみんなが心配しているわけです。
 この国会決議が行われた時点と状況の変化した現在、国会等の移転ということについての言ってみれば論理がその当時と変わってきたんじゃないかというふうに私は思うのですが、これは国土庁長官にお伺いしたいと思います。
○鈴木国務大臣 今先生の御指摘ですが、バブル崩壊後の現時点においても、国土の三・六%にすぎない一都三県に全国の人口の二五・九%、これが依然として深刻な東京への一極集中の私は現状であると見ております。したがいまして、過密の問題をどうしても緩和するということは、これは前と今日も変わっていないんじゃないのかなと思っています。
 首都機能移転は、東京への一極集中の是正とともに、国政全般の改革、我が国の防災対応力の強化の観点から、二十一世紀に向けて我が国を新しく建設するといういわゆる国家百年の大計でございますので、本件については、バブルのときと対応が変わっているということにはならないと思っております。
○鴨下委員 東京が、国会等が移転していくというようなことにおいて非常に厳しい状況になるのではないかという懸念もあるわけですので、まあ国土庁長官はエリアの問題、人口の問題についてお話しになりましたけれども、それ以外にも、例えば雇用の問題とか住宅の資産の問題とか、さまざまな問題がこれから十分に論議されなければいけないと思いますので、ぜひその辺のことも提案者の皆様、そしてこの委員会の中でも十分に御議論いただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、中島武敏君。
○中島(武)委員 私は、まず最初に法案のことについて一つ伺いたいと思うのです。
 それは、第一条「国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうち中枢的なものの東京圏以外の地域への移転の具体化に向けて積極的な検討を行う責務を有する。」とありますけれども、法制局に伺いたいのですけれども、「その活動に関連する行政に関する機能」、これは一体どういう意味で、何でこんなことに現行法が変えられたのか、何を指すのかということについてお答えいただきたいと思うのです。
○横田法制局参事 お答えいたします。
 今回の改正で第一条に「その活動に関連する行政に関する機能」という表現が加わったわけでございますが、第一条は移転の対象となるべき機能の検討を定めた条文でございます。その移転の対
象となるべき行政に関する中枢的な機能、その検討のためには、国会における法律案や予算案の審議などの国会の活動との関連性を確保する、そういう見地からなされるべきである、そういうことを明確にしたという趣旨でございます。
○中島(武)委員 どうも抽象的なものですから、よくわかりにくいのです。
 長官に伺いますけれども、これは具体的にはどういうことを言っているんですか、国土庁長官。
○鈴木国務大臣 先生の問いを次のように理解をしてお答えしたいと思います。
 総理にも先ほど先生御質問なさって、総理からもお答えがあったと思うのです。つまり、移転対象機関については、今後の行財政の抜本的な改革を踏まえ検討されていくことになると考えられますから、具体的な機関の範囲については今どうしてもお答えのできる段階には至っていないということだと存じます。
○中島(武)委員 確かに先ほど私の質問に対して、総理は大体そういう趣旨の答弁をされたかと思うのですね、相当程度とかある程度とかいう言葉も使いながら。どうも総理の話は、皇居に関係する行政機能は残すのかな、あるいは東京は経済の大都市なんだからそれにかかわる行政機能は一部残すのかな、こういうふうにもとれて、しかし具体的に聞きましたら、何も決めていない、こういう話なんですね。
 私は、どうもこの答弁を聞いておりますと、本当は総理のいるところで詰めるのがいいのですけれども、何しろ時間が短いものですからその機会を失しているので、長官に私は伺いたいと思うのですけれども、まず最初に国会移転ありきで、それでまたキャパシティーがまず最初にあって、それにいろいろ合わせていくんだ、こういう考え方のようなんですね。私は、この問題は、それは逆になっているのじゃないか。残す省庁と残さない省庁があるのだったら、それははっきり決めて、そしてどれだけのものが移転をするのだ、したがってこれだけのキャパシティーが必要だ、こういうふうに考えるのが当然じゃないかと私は思うのですね。長官もその辺はそうお考えになりませんか。
○鈴木国務大臣 一般的な手法というのであれば、先生そのとおりかもしれません、一般的な手法であるならば。けれども、今回の場合には、改正される、つまり省庁の移転について各省庁をどのぐらい、どこをというのは完全に今決まっていないのです。それで、いわゆる懇談会で審議いただいたものを基準にしながら九項目に合致する適当地を選ぼうということでございまして、今のところは、残る省庁も、どういうところまで残すのかというところまで議論が深まっている段階にはないのでございます。
○中島(武)委員 これから審議会を設けてその移転候補地を決める、こうなるわけですね。ところが、実際に何をどういうふうに移転するのかということが審議会のメンバーにわからないというのは、審議会のメンバーにとっては、審議委員にとっては甚だ迷惑な話じゃないかなと私は思うのですね。
 今長官が認めておられるように、一般的にはそうだ、こうおっしゃるのです。私は、この一般的にそうだということが何でこのたびだけはそれとは違うのか、これは非常に疑問を持つのですね。この点はやはり本来の筋に戻って、そしてただ移転ばかり急ぐのじゃなくて、きちっとそういうものを押さえてやるべきじゃないかと思うのですね。
 それからもう一つ、関連しますから申し上げたいと思うのですけれども、先ほど総理は、新首都に移転をする、新しい都市を建設する、この費用については算定していないということを言いました。試算していないということを言われた。それから財源についても、そっちの方がわかっていないのだからこれもわかりようがないのだという趣旨の答弁だったかと思うのですね。私はこれもおかしな話だと思うのです。これも長官に、この移転問題担当の長官ですから、ぜひひとつ伺いたいと思うのです。
 今、決めていない、わからないと言っても膨大な費用がかかることだけははっきりしているのですよ。発表が懇談会当時にありましたように、十四兆という話があるのですね。それで、そのほかに民間のものはあるでしょう。先ほどこの中には民間のものもある、こういう総理の答弁だったのですけれども、これは大多数は、実はそうじゃなくて、国費を投入しなきゃならないのじゃないですか。考え方としてはそういう考え方じゃありませんか。
 それで、そうなってくると非常に大きな国民的な負担が生じてくることは、これはもうあらかじめ申し上げてよろしいと私は思うのですね。お願いしなきゃならない。さあ、どこに財源があるかといったって、昨年に財政危機宣言を発表しているのですよ。そこへもってきて、非常に膨大な費用のかかるこの大プロジェクト、これを実行していくということになれば、この財政危機を一層促進してしまうということになりませんか。
 そうなってくると、それはどうやって埋めるのかといえば、これは申し上げるまでもないのだけれども、消費税で埋めるとかそういう話になっていくのですよ。いや政界でも財界でも、一〇%に消費税を上げるとか、一二%にするとか一五%にするというような話が今平気で飛び交っているじゃありませんか。
 そういう問題のときに、国民の皆さんに国会等移転を言う場合には、やはりそういうことをまずはっきりさせて、そして国民の皆さんの納得を得るというような姿勢が必要じゃないかと私は思うのです。私はこの点についても長官の意見を伺いたいと思うのです。
○鈴木国務大臣 まず一番最初の点は、先ほど一般論でと申し上げましたが、今回の場合に、先ほどもどなたかに答弁したと思うのですが、地方分権であるとか規制緩和という言葉は言葉としてあるのでございますが、それが本当に実行に移されるということになりますと、そう簡単な時間でいくというわけにはいかないのじゃないかと私は思うのです。
 ですから、この国会等移転という問題を契機として、このことが進めば進むほど、それならどの省、どこを持っていくのかという議論になるのじゃないでしょうか。だから、そういう意味では、これからの行政改革についてもこの問題は寄与しているのじゃないか、こういうふうに私は考えるのです。ですから、今先生がおっしゃるみたいに、きちっとしてしまってからやったらいいのじゃないかということまでもいかないで、両方、これは審議会の審議とそういう議論と両論を走らせなきゃならぬことじゃないかと思います。
 それから費用の点につきましては、これは総理からも申し上げましたが、国土庁の中にいわゆる懇談会というものを持ちまして、最大六十万にいったときとか、面積が九千ヘクタールのときにはどうなるのだろうかということで、全くの試算で十四兆をやっただけであって、これは細かい積算というのはないのです。それからその十四兆も、どういうところにかかるのか、だれが負担するのかということについても、正直申し上げまして、これは深い議論はしておりません。
 したがいまして、これからの運びといたしましては、候補地というか、手を挙げている各地方自治体のところからいろいろな意見を聞きながら、同時に審議会の皆さんとの審議を続けながら詰めていくということしか方法としてないのじゃないか、かように思っています。
○中島(武)委員 今の答弁で、地方分権、規制緩和と国会等移転は車の両輪だと言うのですけれども、私は率直に言いますが、どういう規制緩和をするのか、どういう地方分権をやるのか、それからどういう中央省庁の再編成、行革をやるのか、そういうことも決めないで車の両輪だなどと言ったって、何が一体行われるのかわかりゃしないのです。何が行われるかということをまずはっきりさせて、それで国会移転が必要なのかどうかということを決めるのが本当じゃないかと私は思うのですね。
 ところが、どうも話が、調査会の報告もそうなのです、両輪と言ってみたりてこと言ってみたり。国会移転は目的ではない、手段だ。手段だとまで言うのですよ。書いてあるじゃありませんか。私は、こういう考え方は全く逆立ちしていると思いますね。そのことをはっきり指摘しておきたいと思うのです。
 それから財政の問題についても、それは細かいことまではわかりません。わかりませんけれども、現在こういうもので試算すればこれぐらいになる。そうすると、この財源はどこに求めなければならないかということぐらいは明らかにするのが当たり前でありまして、さっきの総理の答弁、もう総理がいないから私も言いにくいのだけれども、ちゃんとはっきりさせなければいかぬのじゃないか、こういうふうに私は思います。そのことを指摘して、次の問題に移りたいのです。
 これも法案の問題なのですけれども、第二十二条です。第二十二条に「合意形成の状況、社会経済情勢の諸事情に配慮し、」とありますが、これは、合意形成がないときには国会等は移転しない、こういう意味ですか。
○西田議員 たびたびお答えをいたしておりますように、このような大事業を進めたり決定をしたりする場合には、国民の合意形成ということは不可欠のことでございます。しかし、それをどう進めていくか、どのような形で合意形成を仕上げるかということは、これはなかなかお互いにわからないこと、これから努力をしていかなければいけないことでございます。ですから、今委員がおっしゃったように、それでは合意形成ができなかったらこれはやめるのという質問に対しては、お答えをするわけにはまいりません。それは国民合意形成がどうできるかということが、まだ姿が見えてこないのでございますから、その段階で冷静に判断をさせていただきたい、このように思っております。
○中島(武)委員 国民の合意形成の状況も姿も見えないのに、移転先の候補地だけをまず決めていこう、私はここに問題があると思うのですね。
 それから、もう一つ伺います。
 「東京都との比較考量を通じて、移転について検討されるものとする。」こうありますけれども、この点は、比較検討の結果、移転しないこともあり得るという意味ですか、これも伺います。
○西田議員 後の方のことからお答えをいたしますけれども、比較考量をして移転をしない場合があるのかというような御質問でございましたが、私の考え方は、やはりよりよい東京というものをつくり上げていくことに軸足を置いた東京観というものを持っていくべきだ。後ろ向きで物を考えるわけにはいかない。前向きで東京都の問題も考えていく、それから国会等の移転先の問題も考えていく、そういうことで取り組んでいきたい、このように思います。
○中島(武)委員 今の問題について法制局に伺います。
 法制局、これはどういう意味なのですか、「比較考量を通じて、移転について検討されるものとする。」というのは。先ほど提出者西田さんにお答えいただきましたけれども、法制局としてはこの条文解釈はどういうふうにやるのですか。
○横田法制局参事 お答えをいたします。
 法制局といたしましては条文に則した趣旨の説明ということになろうかと思いますが、今回、「第四章 移転に関する決定」といたしまして、二十二条と二十三条がつけ加わりました。その趣旨は、二十二条におきましては、審議会の答申が行われてから国会を含めましていろいろなところで移転に関する検討が行われる、その場合にどのようなことに配慮するかということを書いたわけでございます。東京都との比較考量というのもその一つの要素になっております。それで、この二十二条の検討も踏まえまして、最終的にはその時点で、あらゆる要素を勘案いたしました幅広い論議を経て、二十三条に規定をいたしておりますように、移転を決定する場合には国会が法律で別に定める、こういうことになっているというのが趣旨でございます。
○中島(武)委員 では法制局、ちょっとくどいようですけれども、移転は比較検討して確かに国会で別の法律で定めるのですけれども、「比較考量を通じて、移転について検討される」というのは、比較考量して考えた結果、移転はやはりやめておいた方がよい、こういうこともこの条文からは出てくるのですか。
○横田法制局参事 繰り返しで大変恐縮でございますが、最終的には、二十三条に書いてございますとおり、移転を決定する場合には法律で定めるということがこの法律の趣旨でございます。
○中島(武)委員 次の問題ですけれども、国会等の移転に関する決議にしても、また国会等の移転に関する法律にしても、首都機能の移転の目的というのは東京一極集中の是正と過密の解消だったことは明瞭だと思うのです。これが国会を移転させる最大の旗印だったのですね。
 それで、国会等の移転調査会の最終報告を見ましても、また東京都の影響予測調査を見ましても、その具体的な効果というのはほとんどない、あるいは全くない、こう言っても言い過ぎではないように思うのですね。
 なぜならば、首都圏の一都三県の人口は三千二百万人です。そこから、新首都の人口は公務員とその家族全部を含めても六十万人なのですね。人口でいいますと二%なのですよ。二%が動くのです。これは最大限です。それから、国会等移転調査会の最終報告自身が、例えば自動車について言えば首都高速環状線の混雑度が三%程度減少する、こう言っているのですね。それから、東京都の国会等の移転に関する影響予測調査によりますと、鉄道の混雑率は一九四%から一九二%になるだけだ、したがって新聞も読めない状態には何ら変わりがない、こういうことを言っているのです。
 私はこれはもっともじゃないかなと思うのですね。そういう点では、この東京一極集中というのはその効果を上げない、過密の解消にもならない、こう思うのですけれども、長官はこれについてどう思われますか。
○鈴木国務大臣 現在の東京の状況の把握といいますか見方というのは、それぞれの角度からまたそれぞれの機関で自由に討論されておりますが、私どもとしては、首都機能の移転というものは東京の過密問題の緩和の大きな契機になるものだ、まずそういうふうに考えております。
 それから、通勤の問題も、道路の問題も、防災上の問題なども、生活環境などにつきましてもそれぞれ分析をしております。その結果によりますと、やはり東京一極集中というものが、移転をすることにおいて、交通であろうと何であろうと、若干混雑が解消されるというように見ております。
 それが当面、若干と私はあえて申し上げました。しかし、それは短期的、直接的な効果のみならず、これからは立法とか行政とか司法の中枢機能を移転するということになりますと、さらにこの混雑というものを解消することにつながっていくというように見ているところでございます。したがって、結論的には、中長期的には一極集中の是正に貢献するというように考えています。
○中島(武)委員 今の国土庁長官のお話は、若干であれ混雑は解消する、こういう話であって、一極集中が排除されるとか過密の解消ができるとかいう答えではありませんね。一番大きな旗印ですよ。一番大きな旗印が実は実現できないんだ。ほんの少しはできるんだ、これでは何のために国会等移転、首都を移転させるのかという論拠が崩れ去ったと言わなければいけないのではないですか。私はそのことをはっきり申し上げて、もう一つ伺います。
 跡地問題なのですけれども、この点では跡地は一体どれだけできるのか。国会と政府機能のうち国会活動と関連の大きいものだけ移転するのですかね。いや、そうでないんだとか、どうもはっきりわかりにくいのですけれども、その辺を踏まえてちょっと御答弁をいただきたいのです。
○鈴木国務大臣 中島先生、ちょっと誤解があるといかぬので。
 私は若干という言葉を使ったわけですけれども、前にこの機能移転というもののいわゆる意義とか目的は何だということの御質問もあったと思うのです。だから、単に混雑解消という面だけではないのですね。したがって、ここのところは防災問題であるとか、つまり行革の問題とか絡まっているということを考えれば、当面混雑という一極集中だけの問題ではなく、総合的にとらえていただきたいというようにまず思います。
 それから、どの程度移るんだということについては、どうしてもまだ時間的にそこまで議論が入っていないものですから、今ここで直ちにどうするかということを答え切れない状況です。ただ、はっきりしていることは、東京の問題に関しては、東京の皆さんが、ある程度気持ちはわかっているわけなのですけれども、跡地をどうしてくれるのだとか、どれをどういうふうに持っていくのだとか、そういうものの連携のところがはっきりしないものですから、問題を私は提起しているのだと思っているのです。
 したがって、今二十二条の問題も提起されましたけれども、二十二条の問題の、東京の状況と比較をするということについては、機能移転の意義というのがあるわけです。それから、皆さんが既に前に決めてある原則もあるわけですね。そういうものに照らしながら、一体、東京と移ったところと、どういうメリットがあるのかということを検証すればいいのではないかというように私は思っているところです。
○中島(武)委員 これで終わりますけれども、私は、跡地ができてくるという場合に、その場合には公共優先であることはもう明らかなのですけれども、しかし、例えば東京都が買えないということになったら民間に買ってもらうということになるのかどうか、これだけはひとつ考え方として伺って、質問を終わりたいと思います。
○鈴木国務大臣 その点は、跡地利用の問題については、東京都とまた話を具体的にしてからでないと、今直ちに答え切れません。
○中島(武)委員 終わります。
○佐藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○佐藤委員長 この際、本案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。鈴木国土庁長官。
○鈴木国務大臣 ただいまの国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、政府といたしましては特に異存はございません。
    ―――――――――――――
○佐藤委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。青山丘君。
○青山(丘)委員 私は、自由民主党、新進党、社会民主党・護憲連合、新党さきがけを代表いたしまして、ただいま議題となりました国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、賛成の意向を表明するものであります。
 昨年十二月、国会等の移転に関する法律の成立を受けて設置されました国会等移転調査会から、国会等移転調査会報告が内閣総理大臣に報告されました。さらに、内閣総理大臣から国会に報告をされたところであります。
 この中で、国会等の移転が地方分権、規制緩和などの国政全般の改革の契機として、また、東京一極集中の是正や我が国全体の災害対応力の強化を図るためにも、大きな意義を有するものであるとした上で、移転先候補地を選定するための専門的、中立的な機関の設置の必要性をうたっております。
 折しも、昨年一月の阪神・淡路大震災の発生によって、大規模災害時において災害対策の中枢機能を確保することの重要性について改めて認識したところであります。
 このような状況を踏まえ、喫緊の課題である行財政の抜本的な改革の推進、さらには、我が国全体の災害対応力を強化するためにも、国会等を移転することが必要であると考えます。
 議題となっております国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案は、国会等の移転を目指して、その具体化に向けた検討を進めるため、国会等の移転先候補地の選定体制の整備等を行おうとするものであり、まことに時宜を得たものとして、本改正案に賛成するものであります。
 以下、本改正案に賛成する理由を申し述べます。
 第一に、国会等の移転先候補地を選定するために、国会等移転審議会を設置することとしている点であります。国会等の移転の具体化の推進のために積極的な検討を行う観点から、早急に設置することが望まれるところであります。
 第二に、審議会の事務局長に内閣官房副長官を充てている点であります。これは、政府を挙げて本格的に国会等の移転に取り組もうという姿勢のあらわれであると評価するものであります。
 第三に、審議会は、国会等移転調査会の報告及びこれに関する国会の審議を踏まえ、調査審議することとしている点であります。調査会では、二年九カ月にわたって慎重に審議が重ねられ、また、国会におきましても、調査会会長を招いて意見聴取を行うなど積極的に審議を行ってきたところであります。これらが十分参酌されて、審議会の審議に生かされていくことが妥当であると考えます。
 第四に、移転を決定する場合には、移転先について別に法律で定めることとしている点であります。国民の意思を反映させ、総合的見地から判断するために、国民の代表であり国権の最高機関である国会が最終的に移転先を決めることは、必要かつ妥当なものであります。
 第五に、監視区域の指定の特例や規制区域に関する配慮が規定されていることであります。これらの措置は、国会等の移転を円滑に進めるために必要不可欠なものと考えております。
 以上、本改正案に賛成する主な理由を申し述べましたが、これらの点に対する政府の今後の一層の御努力を期待して、私の賛成討論といたします。(拍手)
○佐藤委員長 次に、中島武敏君。
○中島(武)委員 私は、日本共産党を代表して、国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 周知のように、本法案の作成過程で、自民党内部、与党、新進党内部の対立が生じたことは、この法案が国民の合意を得られていないばかりか、その利益に反するものであることを証明したものであります。
 反対理由の第一は、本法案が、国会等移転調査会の報告に基づいて、国会等移転審議会を設置し、移転先候補地の選定に足を踏み出すということであります。
 首都移転計画は、端的に言って、壮大な国費のむだ遣いであります。調査会の会長は国会審議の中で、移転費用について二十五兆円になるかもしれぬと答弁しましたが、一たん着手すれば、空前の巨大公共事業プロジェクトになることは確実であります。これによって大もうけするのは、大手ゼネコンや大企業だけであります。
 一方、国民には、耐えがたい負担と犠牲がもたらされることであります。今、我が国は、毎年の税収の約五倍に当たる総額二百四十兆円の借金を抱える最悪の財政危機にあります。このようなときに、新たに巨大プロジェクトに踏み出すことは、財政破綻を招く危険が極めて大きいのであります。また、そのための財源確保が、国民に、消費税の税率引き上げなど大増税となって降りかかってくることは火を見るより明らかであります。
 反対理由の第二は、この首都移転をてこに、橋本行革と称して、中央省庁の再編など反動的行革をねらっていることであります。
 それは本法案の基本指針の中に、「行財政の抜本的な改革」と「抜本的な」との言葉を挿入して強調したことや、移転審議会の事務局長に内閣官房副長官を据え、内閣挙げて取り組むとの構えをとったことに端的に示されております。同時に、これが公務員の大幅削減と移転に伴うさまざまな犠牲をもたらすことは必至であります。
 反対理由の第三は、首都移転の最大の旗印であった一極集中の是正、過密の解消に効果がないばかりか、逆に過密を激化させる危険性さえはらんでいるということであります。
 それは、調査会の報告自身が認め、また、東京都から「新聞も読めない状態に変わりはない」と批判されたように、ほとんど一極集中の是正、過密解消の効果がないのであります。それどころか、東京を国際金融情報都市にする方向を進め、オフィスビル中心の臨海副都心開発の継続、業務核都市構想の推進を野放しにすれば、かえって過密の激化を招くおそれさえあるのであります。また、地震対策でも、首都機能の一部が移転するだけであり、置き去りにされる首都圏三千二百万人の地震対策は全くないのであります。
 以上、主な反対理由を述べましたが、このような無責任、無謀きわまる首都移転計画は断じて容認できません。日本共産党は、これに反対するすべての良識ある国民と手をつないで、計画の中止のために全力で奮闘することを表明して反対討論を終わります。(拍手)
○佐藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○佐藤委員長 これより採決に入ります。
 国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――〔報告書は附録に掲載〕
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○佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十二分散会
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