第140回国会 厚生委員会 第23号
平成九年五月六日(火曜日)
    午後三時一分開議
 出席委員
  委員長 町村 信孝君
   理事 佐藤 剛男君 理事 住  博司君
   理事 津島 雄二君 理事 長勢 甚遠君
   理事 岡田 克也君 理事 山本 孝史君
   理事 五島 正規君 理事 児玉 健次君
      安倍 晋三君    伊吹 文明君
      江渡 聡徳君    大村 秀章君
      奥山 茂彦君    嘉数 知賢君
      桜井 郁三君    鈴木 俊一君
      田村 憲久君    根本  匠君
      能勢 和子君    桧田  仁君
      松本  純君    山下 徳夫君
      青山 二三君    井上 喜一君
      大口 善徳君    鴨下 一郎君
      坂口  力君    福島  豊君
      桝屋 敬悟君    矢上 雅義君
      吉田 幸弘君    米津 等史君
      家西  悟君    石毛 ^子君
      枝野 幸男君    瀬古由起子君
      中川 智子君    土屋 品子君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
 出席政府委員
        厚生政務次官  鈴木 俊一君
        厚生大臣官房長 近藤純五郎君
        厚生大臣官房総
        務審議官    中西 明典君
        厚生省健康政策
        局長      谷  修一君
        厚生省保健医療
        局長      小林 秀資君
        厚生省生活衛生
        局長      小野 昭雄君
        厚生省薬務局長 丸山 晴男君
        厚生省社会・援
        護局長     亀田 克彦君
        厚生省保険局長 高木 俊明君
        厚生省年金局長 矢野 朝水君
 委員外の出席者
        外務省欧亜局ロ
        シア課長    篠田 研次君
        文部省体育局学
        校健康教育課長 北見 耕一君
        厚生大臣官房障
        害保健福祉部長 篠崎 英夫君
        農林水産省食品
        流通局品質課長 村上 秀徳君
        農林水産技術会
        議事務局先端産
        業技術研究課長 小川 一貴君
        厚生委員会調査
        室長      市川  喬君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 厚生関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○町村委員長 これより会議を開きます。
 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。
○佐藤(剛)委員 自由民主党の佐藤剛男でございます。
 本日は、シベリア抑留問題につきまして、三月に最高裁の判決が出ました。それに関連いたしまして、この問題は、最高裁判決、長きにわたって国を相手に争ってきましたシベリア抑留者の方々、一つの司法としましての見解が出たわけでございますので、これに伴う質問をさせていただきます。
 そして、委員長、お許しを得まして、この最高裁判決の判決の概要を皆様方の御参考に供すべく配らせていただきたいと思います。
○町村委員長 はい、どうぞ。
○佐藤(剛)委員 委員長また小泉大臣、私は国を愛する政治家の一人でございます。いろいろ若い人たちに、国とか民族とか、そういう問題についていろいろ私なりの教えをいたしておりますと、そこにぶつかる問題が戦後処理の問題でございます。愛国心という、あるいは日本民族の何たるかという問題についていきますと、戦後、シベリア問題というのが、しっかりと解決できずに来ました問題にぶつかるわけでございます。そういう観点で私は質問をさせていただきたいと思うわけでございます。
 ちょうど、あのペルーの日本国大使公邸の前で防弾チョッキを着まして指導をしていましたフジモリ大統領、あの姿を見ますと、私は、フジモリ大統領の姿が国家そのものであり、国家とは何かということを考えさせられるわけであります。
 したがいまして、幾ら国を愛せとか、国のことを考えよといいましても、過去の清算ができていない国に本当の国を愛する心は生まれない、このような立場に立ちまして、私は、政治家になって以来、シベリア問題に対応してきたわけでございます。
 私は、国会において、過去二回にわたってこの問題を取り上げております。当時、自由民主党が野党のときでございまして、羽田内閣の時代に取り上げさせていただきました。
 御承知のように、シベリア抑留の本質というものは、一九四五年の八月十五日、ポツダム宣言の受諾後の問題でございまして、ちょうど日本とロシアの間に、のどにタイの骨が挟まっているような、何ともいまいましい一つの問題であります。私は、日ロ関係というのがうまくいかないのは、もちろん四島問題ありますが、どうもこのシベリア抑留問題が一つの大きな、その背後にある怨念みたいな問題があるのじゃないかという気がしてならぬわけであります。
 御承知のように、シベリア抑留問題というのは、戦後に、ポツダム宣言受諾後に、約六十万人の日本人がシベリアの極地に強制連行されました。そして、約六万人の人が亡くなった。この六万人の人たちは、暁の太陽が出るのを待って、そして、寒さに凍えながら死んでいく姿でありまして、ちょうど歌で「異国の丘」という、
  今日も暮れゆく 異国の丘に
  友よつらかろ 切なかろ
  我慢だ待ってろ 嵐が過ぎりゃ
  帰る日も来る 春が来るこの作詞は、私の地元、福島の増田幸治さんがつくったものでございます。
 このシベリア抑留問題の本質は戦争中のものと違う、戦後のものだということでございます。そして、亡くなった方々は、戦後の平時の中におきます、殺人行為が公認されている戦争中の犠牲とは根本的に異なっているわけでございまして、私は、こういう問題、人道問題を解決しなければ日ロ関係というのは前進しない、かように考えているわけでございます。そしてまた、この問題を解決しないと領土問題というものも解決し得ないのじゃないか、かように考えているわけでございます。
 したがって、捕虜というのは戦争中のものでございますから、捕虜という言葉は私は使わない。抑留という形でとらえるわけでございます。このシベリア抑留を受けた人たちが、国を相手に訴訟を起こしておりました。そして今般、このお配りしました、これは平成九年三月十三日の最高裁判所の判決でございます。
 最高裁判所は、御承知のように、憲法違反であるかどうか、違憲であるかどうか、あるいは重大なる事実誤認があるかどうか、これの場合に最高裁が判断を示すわけでございます。本件の場合につきましては、これは違憲であるということで原告側が上告をいたしたわけでございまして、このお手元の判示、判決の概要にあるように、本件上告は棄却されました。
 これが棄却された理由として言っておりますのは――憲法それ自身に違憲するということでこの原告が訴えたわけです。あの強制労働の中で、そして寒い中で働いた労働賃金、この労働賃金が未払いになっておる、この労働賃金を払ってくれという話であったわけであります。
 この裁判所の判断は、この一ページの中ごろにございますが、簡潔にして申し上げますと、
 補償の要否及び在り方は、財政、経済、社会政策等の国政全般にわたった総合的政策判断を待って初めて決し得るものであって、立法府の裁量的判断にゆだねられたものと解することが相当である。
つまり、立法政策の問題である、かように言っているわけでございます。
 それから、二枚目のところにも書いてございます。これは原告側が、南洋の方、イギリス領あるいは豪州等のところで労働に従事した人たちが戦後おりますが、そういう人たちには日本政府は払っているわけでございます。当時におきまして、ポツダム宣言後の独立前のような状況の中でもありましたが、そういう中で払っておりますが、この憲法十四条の法のもとの平等というところで訴えた判示は、これもやはりこういうふうに言っているわけであります。
  被上告人が、主権回復後において、シベリア抑留者に対し労働賃金を支払うためには、総合的政策判断の上に立った立法措置を講ずることを必要とするのであって、憲法十四条一項に基づき、その抑留期間中の労働賃金の支払を請求することはできないものといわざるを得ない。
つまり、最高裁が言っていることは、この未払い賃金を払うかどうかというものには法律的な根拠が必要である。つまり、立法機関、行政を含めての問題だと思いますが、三権分立のもとにおいて司法権の最高裁判所が判示したものは、こういうものについての根拠法がない、根拠法があればこれは別問題である、この根拠法をつくるかどうかはこれは立法政策の問題である、かような形の判示であるわけでございます。
 その意味におきまして、私が御質問申し上げようと思っておりますのは、最高裁の判決についてこのような趣旨があるわけでございますので、この担当省といたしましては厚生省、私はかように考えるわけでありますが、関係の外務省あるいは総理府からも呼んでおりますけれども、かような最高裁の判決を受けてどのような形でこの問題に取り組むか、こういうことについての見解を求めるわけでございます。これが私の本質問の趣旨でございます。
 その前に大臣、三枚目をめくっていただきたいのですが、これは一九九三年九月三日、平成五年でありますが、平成五年に当時の大内厚生大臣に出しました、ピホーヤという――これはロシアのこの抑留名簿を持っていた、ちょうど図書館みたいなところでございますが、そこにこの公文書があったのです。これは民間の力で見つかったのであります。そして、死亡者の名簿まで出てきたわけであります。そのときに出した非常に重要なる文書でございまして、これが一九九三年九月三日、平成五年であります。この平成五年の九月三日というのは、実は、先ほどの最高裁の事実審になっております東京高裁、これの判決が平成五年の三月五日でございまして、約半年後にこのピホーヤ文書というのが出てきたわけでありまして、東京高等裁判所はこの事実を存じていない状況にあったわけであります。
 それでは、いっこの労働証明書というのが発行せられたのか。この三ページのところの別添一のところに書いてありますが、一九九二年三月二十六日、これは、ロシア連邦が政府決定をいたしまして、労働証明書を出すということを決定した重要な時点なんであります。これは平成四年三月二十六日ということになります。
 つまり、どういう時点かといいますと、スターリン体制の時点の中においては、この問題は、シベリアに日本人の六十万人を強制連行したということはロシアにとっては国禁であります。国の禁ずるものであります。そして、かような問題というものに対して、スターリン体制のもとにおいては労働証明書を出すなんということはとんでもない話であったわけであります。このロシアというのが、スターリン体制が崩れて、そしてゴルバチョフが出てきて、そこから始まるわけでございまして、この意味においてのこの大内啓伍大臣あての照会状というものもくっつけております。
 つまり、ロシアがロシア政府として平成四年三月二十六日に決定した、この政府決定をしておりながら、ピホーヤの文書というのは、それから約一年半近くたって、平成五年の九月三日でございますから、ここに、日本に届いているわけでございます。
 それから、さらに四枚目に、私が当時、予算委員会において質問をいたしましたときのもので、私のところに、本日来ておりますロシア課長の前の前の課長だろうと思いますけれども、原田さんから、これはちゃんと外交文書として来たのだろうという話をしたわけでありますが、それについて、この口上書について外交文書であるということをはっきりと、「一九九四年十月十八日付口上書の写しの提出が要請された件につきましては、本口上書が外交文書であり、」云々言っておりますが、これを認めている。つまり、この文書は外務省も公文書として認めているわけでございます。
 したがいまして、どういうことになるかといいますと、御承知のように、日本政府におきまして、いわゆるシベリア抑留問題あるいは軍恩欠格問題、こういう問題につきまして、一つの懇談会を官房長官のもとに置きまして、そして、戦後処理問題懇談会というのが置かれました。それで、その答申を出しましたのが一九八四年でございます。一九八四年でございますから、ちょうどロシア政府が決定する八年前でございました。それに基づきましてこの戦後の平和祈念事業等ができ上がっていたわけでございまして、当時のこの戦後処理問題懇談会が出しましたときというのはスターリン体制でございます。そういう中においてのものでありまして、また、労働証明書というのをロシアの方は絶対出さない、当然のことでありますが、こういう状況の中で行われたわけでございます。
 かような異常な背景について、お配りの資料で概要を御理解賜れると思いまして、確認の意味で私はお配りさせていただいたわけであります。
 そこで、御質問を申し上げるわけでございます。
 かような状況の中で、平成九年三月十三日、最高裁判所が、本件は立法政策の問題である、法律が具体的な形でない限り、憲法からすぐに、憲法二十九条からとかあるいは憲法十四条からとか、この未払い賃金支払いの問題は出てこない。私もそれはよく十分理解するところでありますし、これはまことに当を得たものだと思いますし、三権分立の中においてはそういうことだろうと思います。
 そこで、大臣、この最高裁の判決について、これをどのように――戦後のいろいろな歴史を調べてみますと、こういう南方への支払いについては、これは厚生省が、社会・援護局がやっておりました。そういう意味において、これは私は厚生大臣の所管であると思いますので、厚生委員会としまして、私は本問題を取り上げさせていただいたわけであります。もちろん、その後、総理府において特別年金の対策室というのもありますし、それから、ロシア課、外務省としてもあるわけでありますし、私は、外務省がこういうような問題について日本とロシアの二国間協議、例えば次官会議の協議とかなんとかにこういう問題について真剣に取り組むべきである。
 特に、ピホーヤの三ページにあります問題で、彼は重要なことを言っていたのですね。
  ロシアと日本の友好と相互理解の発展を求め、私たちは東南アジア戦線から帰還した日本の元捕虜に対してすでに執られた本問題解決の方法にならい日本政府が措置を執られることを期待します。つまり、日本政府はあのイギリスとか豪州と同じように、日本で払ってください、こうシグナルを送ってきた。それに対して、本来なら日本の政府というのは、外務省というのがあるのだから、これについて真剣に、日本とロシアの間の議題と取り上げて、アジェンダに取り上げて私は議論すべきだと思う。
 これについて、ロシア課長に後ほど、大臣の御答弁をいただいてから、一体、外務省は本件の問題についてどのようにその後やってきたのか。私は、こういう問題をきちんとやらないと、四島問題なんというのは絶対に、金輪際解決できないと思う。私は、シグナルを送ってきたらシグナルにちゃんと答えてやるのが外交の仕事だと思っておるので、それについて見解を問わせていただきます。
 それでは、まず大臣から、本件の最高裁の判決につきまして、こういう立法上の欠缺があるということを指摘しているわけでありますが、それについての御見解をお伺いいたしたいと思います。
○小泉国務大臣 シベリア抑留者の皆さんには、本当に同情すべき、また、お気の毒と思わざるを得ないような大変厳しい環境下に置かれていたと、私も幾つかシベリア抑留に関する本を読みまして、何と理不尽なことをされたのかと。
 特に辺見じゅんさんの著作になります「収容所から来た遺書」というあの本を読みまして、大変感動しました。戦争が終わって何年もたっているのに抑留をされ、あの酷寒の地で酷使された。本人は、望郷の念やみがたく、国に帰りたい。友人たちが、その死んだ友人の遺書を持って帰ると没収されるから、その遺書をみんなが暗記してそれぞれ帰国したときに家族に伝えたという、大変感動的な書であります。私は、あの戦争を知らない今の若い人にぜひとも読んでもらいたい本の一冊だと思っております。
 そういうあのシベリア抑留された方の御苦労は、本当に筆舌に尽くしがたい御苦労をされてきた。そういうことから、我々の、自民党の先輩議員が、何年も前からシベリア抑留者の補償問題についてもしかるべき措置をという活動をしてきたことも私なりによく理解しております。
 しかしながら、昭和五十九年の戦後処理問題懇談会の報告によりましても、この問題につきましては、平和祈念事業特別基金による慰藉事業や慰労金の支給等ということで決着を図ろうという了解をいただいたものと理解しております。
 ソ連のスターリン体制が崩れて、当時は隠されていた事実がだんだんわかってきて、今さらのようにひどい仕打ちによく耐えてきたと、その御同情の念は禁じ得ることはできませんが、今ここでまた改めてその補償措置をということについては、今の最高裁判決につきましても、これは難しいのではないか。特に今御指摘の、去る三月の最高裁判決につきましては、国側の主張が認められたものであり、判決理由中の立法措置が必要という記述は、憲法の規定に基づいて労働賃金の支払い等を直接請求することはできないとしたものでありまして、国に立法措置を求めたものではないと聞いております。
 本当に、今我々の世代から考えれば想像を絶するような苦労をされてきたシベリア抑留者の御苦労はよくわかるつもりではございますが、今後、新たな何らかの措置を国でしろということは、私は現実の状況から困難ではないかなと思っております。
○篠田説明員 先生御指摘になられましたいわゆるピホーヤ文書につきましては、九四年の六月に、我が国の立場を説明する文書を、ピホーヤ、当時の国家公文書館総長に対し発出をいたしております。その後、九四年の十月にロシア外務省から口上書による通報という形で、ロシア連邦政府の決定に従い、個人の要請に基づき抑留されていた期間の労働証明書を交付していることを通報するという趣旨の通報がございました。その際に、ロシア外務省からは、この通報は単に労働証明書を交付しているという事実を伝達するだけで、それ以外のいかなる意図もなく、ロシア側として我が国に、日本に何らの新たな措置を求めるものではないという説明があわせてなされました。
 この口上書の発出を受けまして、日本側より同十月、改めまして我が国政府の基本的な立場を説明する口上書を発出いたしました。その内容は、我が国としては、抑留者に対して労働証明書を発給するか否かは第一義的に抑留国であるロシアの問題であって、我が国が本証明書に基づき抑留者に対して労働賃金の支払いを行う国際法上の義務を負うことはないと考えるという趣旨の立場でございました。
 以上です。
○佐藤(剛)委員 外務省にお伺いします。
 私が取り上げますのは、今回、この最高裁判決が出てから第一回目、これからちょいちょい取り上げますから。外務省に私が言っておったのは、そういういきさつ論ではなくて、その後、両国間の協議というのがあるでしょう、年間に。やっているのかやっていないのか知りませんが、政府間の、次官ベースだとか、そういう問題の中に、向こうが公文書として出してきたのだから、どういう趣旨であるのかどうなのか、アジェンダに入れてやるのはどうなのかということを質問しておる。それに対して答えてください。
○篠田説明員 労働証明書に基づきます労働賃金の支払いという問題につきましては、我が国の立場というものをこの口上書の形でロシア側に説明をしておりまして、それをもってロシア側との間では了解ができておるということでございまして、この労働証明書の問題については、日ロ間では既に決着がついておるというふうに考えております。
○佐藤(剛)委員 ちょっとロシア課長、三ページのところに、私が読んだように、ピホーヤから厚生大臣あての文書の中に、これは公式文書だということをあなたは認めたのだから、それが前提ですよ、「私たちは東南アジア戦線から帰還した日本の元捕虜に対してすでに執られた本問題解決の方法にならい」、これはどういう意味ですか。これは日本が払ったのだということなんでしょう、それを引っ張ってきているのは。払ったと同じことを「日本政府が措置を執られることを期待します。」それ以外どういうふうな読み方をするのですか。ロシア課長の答弁を得て、そして、私は厚生大臣に対してあれしていますけれども、時間でございますので、きょうはこれで終わりにします。ロシア課長、最終的に答弁してください。
○篠田説明員 先生ただいま御指摘になりました南方地域からの帰還捕虜に対する支払いの問題でございますけれども、終戦直後、南方地域からの帰還捕虜が所持しておりました……
○佐藤(剛)委員 そんなことを聞いているのじゃない。「執られることを期待します。」と書いてあるのが、あなた方が受け取ったのだから、わからなかったら、それについて日本とロシアとの間の次官会議でもやったらどうかということを私は言っているのだ。それに対して答えてください。時間がないのだから。
○篠田説明員 この問題につきましては、そういう例があったということを承知しております。これは、日本政府が抑留国にかわって支払いを行ったということでございますけれども、国際法上の問題といたしましては、日本国にこの支払いの義務がないということでございまして、その限りにおいて、日ロ間の問題としてはこの問題は決着しているということでございます。
 それ以上にこの問題をどう扱うかということにつきましては、最高裁の判示にもありますように、国内政策上の問題であろうかというふうに考えております。
○佐藤(剛)委員 時間がありませんから。今のは全く不満であります。ロシア課長、あなた、答弁というのは、きちんと時間の中でいくのだから、余計なことを言っている必要はないので、私はそのためにずっと説明書を出しているのだから。それに対して、次官ベースだとか、両国間において意見の違いがあるのだから、向こうはそう言ってきているのだから、そういうことについて、ちゃんとそれに対する協議の場というのを持ちなさい。そのぐらいのことをきちんとやらないと、四島問題だってきちっとできないよ。
 そういうことを私は申し上げまして、委員長、時間でございますので、本件、これで終わらせていただきますが、引き続き一般質問の適当な場でまたやらせていただきます。
 ありがとうございました。
○町村委員長 福島豊君。
○福島委員 本日は、まず初めに、乾燥硬膜の移植によりますクロイツフェルト・ヤコブ病の感染問題についてお聞きいたしたいと思います。
 この概要につきましては、新聞記事を若干引用させていただきたいと思います。
 米国食品医薬品局(FDA)は一九八七年四月、「汚染された脳硬膜によりCJD感染の恐れがある」と警告し、ドイツの医薬品メーカー「B・ブラウン社」製の脳硬膜を事実上、輸入禁止にした。これを受けてブラウン社も同年五月から安全性を高めるために脳硬膜のアルカリ処理を開始した。
  しかし、厚生省は当時、何の対策も講じず、世界保健機関が硬膜の使用中止を勧告した先月末になって初めて回収を国内の輸入業者二社に命じた。
そのような報道がまずなされております。
 これは、薬害エイズ問題と同じく、日本の厚生省の対応が極めて遅かった一つの事例ではないかというふうに私は感じております。
 こうした報道に引き続きまして、四月二十一日には、次のような報道がなされております。
 厚生省の研究者が、八七年に既に危険性について警告をしていた。具体的にはどういうことかといいますと、米国のCDCはMMWRというウイークリーレポートを出しているわけでございますが、このウイークリーレポートを、当時の国立予防衛生研究所の腸内ウイルス部長でありました北村氏が「臨床とウイルス」という雑誌に連載で翻訳紹介をいたしておりまして、八七年六月にCDCから出された、乾燥硬膜の移植によるクロイツフェルト・ヤコブ病の感染についての記事をここに紹介をしていたということが報道されたわけでございます。
 具体的にどういう内容かといいますと、「臨床とウイルス」の内容を紹介させていただきますと、次のような記事が紹介をされております。
    屍体由来の硬膜の移植を受けた症例のクロイツフェルト・ヤコブ病
  屍体由来の硬膜の移植を受けてから二十二カ月後にクロイツフェルト・ヤコブ病で死亡した二十八歳の女性について、CDCとFDAが合同調査をした。移植材料は、B・ブラウン・メルズンゲン社(西独)のLYODURAで、同社では複数の個体からの硬膜をプールして、凍結乾燥、放射線照射しているので、原因となつた硬膜の提供者を固定できないことが判明した。FDAは一九八七年四月二十八日、同社に二〇〇〇台のロット番号の全しYODURA製品の廃棄を命令した。
というような記事が、この「臨床とウイルス」という雑誌では紹介をされているわけでございます。
 これに対しまして、この北村先生は、次のようなコメントを新聞の問い合わせに対して出しております。
 脳外科医はこの雑誌を知らなかっただろうが、エイズ論文が非常に多かったので、厚生省の関係課ではかなり読まれていたはずだ。薬害エイズ同様、行政の自覚が乏しかったと思う。米国並みは無理でも、各国や学会の情報を集め、活用できるシステムを作らなければ今後も同じような悲劇が続く
というような発言をいたしております。
 この報道につきましては、どういう経緯だったのかということについて、現在、裁判が係争中でございますけれども、行政のあり方を問うという観点からきちっと検討しなければならないのではないかというふうに私は感じております。
 そこで、お尋ねでございますが、まず第一点、この「臨床とウイルス」という雑誌によりましてCDCのMMWRの記事が紹介されていたわけでございますが、この「臨床とウイルス」という雑誌を厚生省は当時購読をしていたのかどうか。そしてまた、このCDCのMMWRは、極めて世界的にも有名な、まさにスタンダードともいうべきレポートでございますけれども、これは厚生省にも当時配付されていたのか。また、その分析をする部局があってしかるべしというふうに私は思いますが、その担当の部局は一体どこであったのか。なかったのであれば、なかったという御答弁でも結構でございますが、その点についてお尋ねをしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 まず最初に、「臨床とウイルス」という雑誌を厚生省は購読していたのか、こういうことでございますが、この雑誌につきましては、日本臨床ウイルス学会の機関誌として年四回刊行されているものでありますが、これまでに確認したところでは、当時の業務局生物製剤課において購読していたものと考えられます。
○福島委員 購読していたのですね。
○小林(秀)政府委員 購読をしていましたということでございます。
 次に、CDCレポートは厚生省内でその分析をどこが担当しているのかというおただしでございますが、これまで確認したところでは、一九八七年当時、CDCのレポートは、結核難病感染症課感染症対策室、現在のエイズ結核感染症課、及び国立予防衛生研究所、現在の国立感染症研究所が入手していたものと考えらます。
 なお、国立予防衛生研究所では、CDCレポートのうち重要な案件については、抄訳をいたしまして「病原微生物検国情報」に取りまとめておりましたが、一九八七年当時のCDCの硬膜に関する報告がこれに掲載されたことはありませんでした。
 その次に、厚生省とCJDに関する情報に関連することでございますけれども、CJDに関する研究は、厚生省の方では遅発性ウイルス感染調査研究班というところが担当しておりまして、そこの報告書を調べてみましたところでは、CJD発症に関する情報については、今御指摘のCDC報告を含めまして、記載がされておりませんでした。研究班から厚生省に出された報告には載っていなかったということでございます。
 また、当時の厚生省の関係各課にも、職員に確認をいたしましたところ、ヒト硬膜移植とCJD発症に関する情報については、何らかの報告を受けたという記憶のある者はおりませんでしたという状況でございます。
○福島委員 要するに、だれも知らなかったのだ、CDCのレポートにはちゃんとあったけれども、それを紹介する段階になって、そういうものは紹介されなかったというお話ですね。
 ただ、これは、実際に乾燥硬膜が使われていた、ましてB・ブラウン社の製品を輸入していたというような状況の中では、担当者は、全部見ているのでしたら、チェックしてしかるべしだと私は思うのですね。だれがそのチェックする責任を負っていたのですか。どの論文を紹介する、どの論文を紹介しない、その責任を負っていた部署というのはどこになるのですか、さらに突っ込んでお聞きいたします。
○小林(秀)政府委員 分析を担当している部局、責任部局はどこかというおただしでございますけれども、特にどこが責任ということを明確にしていたわけではございませんが、今申し上げましたように、当時は、厚生省内でいきますと結核難病感染症課感染症対策室と、当時の国立予防衛生研究所、現在の国立感染症研究所がその任に当たっていた、このように考えております。
○福島委員 その任に当たっていたということは、その責任がある、あったというふうに考えてよろしいのでしょうか。
○小林(秀)政府委員 責任があったかどうかと言われますと、ちょっと今の私の段階では答えられませんけれども、ただ、その当時の人たちがそのレポートを読んで、そして、それに対して認識を持って上に上げるということができればよかったかなと思います。
 ただ、私が承知している関係では、CDCの第一回目のレポートについても予研の中でディスカッションがされたようにはお伺いをいたしておりますけれども、先生もお医者さんですからある程度おわかりになると思いますが、第一号症例の扱いというのはいろいろな考え方がありまして、当時、結果としては「病原微生物検国情報」には載っていなかったというのは事実としてはっきりしているわけでございまして、その当時の御議論はどうだったかわかりませんけれども、結果としては重要な情報としては考えられなかったということではないかなと思っております。
○福島委員 そうしましたら、次の質問をさせていただきますが、FDAはブラウン社に対しまして二千番台のロット番号の乾燥硬膜を廃棄しなさいという命令を出しているわけでございます。当然、ブラウン社はそのような対応をした。五月からはアルカリ処理をするようになったのだと思いますが、この該当のロット番号の製品というのは日本の国内にも当然輸入されていたというふうに私は思いますが、その輸入された製品についてどういう対応がなされたのか、お教えください。
○丸山政府委員 今お話しのドイツのB・ブラウン社のヒト乾燥硬膜につきましては、昭和四十八年、一九七三年から薬事法に基づく医療用具としての輸入承認の対象となっておりまして、その時点におきます有効性、安全性、品質についての科学的知見に照らした評価を行い、承認をされたところでございますが、その時点におきまして、承認審査におきましては、一般的な放射線滅菌、ガンマ線滅菌という方法で行っておりましたけれども、CJDを想定した安全性の評価は行われていなかったところでございます。
 その後、FDAが二千番台というロット番号、これは一九八二年に製造したものでございますけれども、これについての廃棄の勧告をしたということでございます。
 当時、厚生省においてその情報について知り得る状態にあったかどうかということにつきましては、現在、訴訟も提起されておりますので、鋭意精査中でございます。現在までのところ、まだ確定した段階ではございませんけれども、少なくともFDAの廃棄勧告ということを今日まで知るところとならなかったということで、一九八二年製造の製品について、我が国では廃棄をされておらなかったというふうに理解をいたしております。
○福島委員 おっしゃるところは、FDAが危険だということで勧告を命じた二千番台のロット番号の製品が確かに日本でも輸入されており、その輸入された製品の移植から複数のクロイツフェルト・ヤコブ病の患者が発生したというふうに考えてよろしいのでしょうか。
 要するに、私が申し上げたいことは、いろいろと調査をしておられると思いますので、どういうロット番号の製品が日本に輸入されて、そして、ブラウン社から日本ビー・エス・エスというところにこれが卸されて、そこからまたさらに卸の方に行くというふうに私は先日お聞きしましたが、その業者の流通のロットを調べて、どういうロット番号のものが流通したのかというようなことも当然お調べになったのではないかというふうに私は思うのですけれども、その点についての情報をお教えいただきたいということなんです。
○丸山政府委員 現段階でさかのぼって精査をしている段階でございますけれども、当時は、残念ながら、そういうFDAの廃棄勧告について知るところとならなかったということで、八二年製造のものにつきましては、承認後ですので、当然、輸入の対象にされていたとは理解いたしておりますけれども、それがどのように入ってきたかどうかということにつきましてはつまびらかではございません。
○福島委員 若干御質問と答弁が食い違いましてあれなんですけれども、調査の中で、過去を調べるわけですからどの程度の情報があるのか私もよくわかりませんが、実際にどういう製品が流通したのか、具体的に使われたのかということを国内の調査としてきちっとしていただきたい。当時何もしなかったというのはよくわかります。わかるのですけれども、実際にどういう製品番号のものが使われたのかということを調査してほしいというふうにお願いをいたしておきます。
 これは一つは、一九八八年以降では、新しく、アルカリ処理をされた乾燥硬膜が輸入されるようになるわけでございますけれども、その前の段階、アルカリ処理されない段階の製品がまだ国内に残っていて使われ続けたのだろうというふうに思うわけです。ただ、そのあたりの細かいことが実はよくわからない。新聞報道を見ておりましてもそのあたりのことがよくわからない。古い製品というのはいつごろまで残っていて、いつごろまで使われ続けたのか、これも非常に大切なポイントだというふうに私は思うのです。
 例えば九一年にやはり硬膜移植によって、よってかどうかというのは医学的にはあれですけれども、硬膜移植と関連してクロイツフェルト・ヤコブ病を発症した例が九一年にもありますね。この厚生省のレポートを読ませていただきますと、これはよく実はわからないのだ、どういう製品かよくわからないのだということなんですけれども、どういう製品かよくわからないということは、当然の可能性として、二千番台のロット番号のものがその当時も凍結されて使われずにまだあって九一年でも使われた、使われた可能性があるというふうに考えていいわけですね、むしろ、とらえ方としては。
○丸山政府委員 FDAが廃棄勧告しました二千番台のロット番号といいますのは、一九八二年に製造されたものでありまして、通常、有効期間が五年でございますので、通豊から考えますれば、当然、有効期間を過ぎておりまして、使用されておらないと理解いたしております。
 つけ加えますならば、英国の狂牛病に関連して新変異型ヤコブ病の発生が、我が国でも調査が必要となりまして、行われた緊急調査におきまして四十三例の硬膜移植の方のヤコブ病発生が報告されたわけですが、そのうちの四十一例につきましては、今お話しのとおりの一九八八年にアルカリ処理をされた硬膜が供給される前に手術を受けて発症をされた事例でございます。そのアルカリ処理された、不活化処理された硬膜が供給された後に手術を受けて発症した事例が二例、八九年に手術を受けた事例と九一年に手術を受けた事例、二例ございます。八九年に手術を受けた事例の方はたしか九六年に発症されまして、現在訴訟を起こされております。九一年に手術を受けられました方は、九四年に発症されております。
 今お尋ねは、この方についてアルカリ処理されない古い硬膜が使われていた可能性もあるのではないかというお尋ねだと思いますが、可能性としては、アルカリ処理される前の古い硬膜が残っていた可能性もこれは完全には否定し切れませんが、一九九一年といいますのはアルカリ処理された硬膜がかなり、かなりといいますか一般的に出回っておりまして、古い硬膜は既に使用実態もないような状態でございますので、通常の形態としては考えにくいだろうと思われておりますが、その点につきましては、残念ながら、ロット番号の記録管理の義務づけの対象ではないものですから、輸入販売業者あるいは一次、二次卸、医療機関、いずれもロット番号の記録がございません。
 したがいまして、どの会社、これは日本で輸入販売している業者が二社ございまして、A社、B社、輸入販売業者は二社あるのですが、そのA社、B社いずれのものか、また、アルカリ処理されたものかされないものかにつきまして、残念ながら、ロット番号の記録が残っておらないということで不明である。したがいまして、緊急調査班の報告でも、未処理のものが使われていたか、あるいはアルカリ処理されていたものが使われていたか、いずれか、可能性は両方とも否定できないという点が指摘をされております。
 また、加えましてもう一つの可能性といたしましては、六十歳代前半に手術を受けられて六十歳代後半に発症されたということから考えまして、もう一つの可能性としては、孤発例、いわゆる自然発症、原因不明ということも可能性としては否定できないかなということも考えている次第でございます。
○福島委員 確かに、科学的に考えればそういう可能性もないわけではない。ただしかし、その安全を管理するという側からは、やはりそういうことで済ませてはいかぬのではないかというような思いが非常にいたします。
 逆に言いますと、その八七年、最初のレポートが出た段階でなぜそれがきちっとつかまえられなかったのか。わかりませんでしたと。わかりませんでしたというのは、確かにわからなかったのかもしれませんけれども、しかし、安全を確保する責任がある以上は、わかりませんでしたではやはり済まないものというのがあると私は思います。
 先ほども、初発例に対してどう対応するのかはいろいろな考え方があるというふうなお話でございましたけれども、FDAは世界でも最も権威の高い組織だというふうに私は思います。FDAが対応できたものがなぜ日本で対応できないのか、そういうふうにも思います。
 さらには、先ほどからも、どこがチェックする責任があって――さまざまな情報が世界を流れているわけですね。どう拾い集めて、その中から一体何が大切なのかということをすくい上げていく、そこのところの機能が非常に大切なわけですね。こういう言い方をすると大変失礼ですけれども、そこが鈍感であれば、幾らいろいろなことがあったってわからない。わかりませんでしたということで、責任がないということとイコールではないはずです。厚生省は、確かに優秀な人材をたくさん集めているわけですから、そういうことがチェックできる能力というのはあると思うのですね。そのチェックできる体制をやはりつくらなければいけない、それが極めて大切だと私は思います。
 今回の薬害エイズの問題を契機にしまして国立予防衛生研究所が国立感染症研究所へ改組されたということでございますけれども、しかし、名前を変えただけではいかぬ。こういう話をするとまた重ねて失礼でございますが、動燃的な体質であってはならないというふうに私は思うわけです。CDCのように、独立性と権威、やはりそういうものを持った組織をつくらなければいけない。そういう目的のためには、人事面にしても財政面にしても独立性がなければいかぬだろうと思いますし、一つの考え方としては、動燃でも言われていますように、外部のすぐれた研究者をそこのトップに据えて、そして、その運営をしっかりとやってもらうというのも一つの考え方ではないかというふうに思うのです。それで、責任を明確にする、だれがその情報を集めるのか、そして、行政として対応が必要であればそれをきちっとアウトプットする、そういう仕組みをつくらなければいかぬというふうに私は思います。
 この点につきまして大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○中西政府委員 お話ありましたとおり、国立感染症研究所に名称を変え、新たに感染症情報センターを設置したところでございます。感染症情報センターにおきましては、感染症に関するサーベイランス情報や、国際機関を含め内外の情報を収集、分析いたしまして、行政部局に速やかに提供することによって感染症対策を迅速かつ効果的に推進していく、そういう役割をはっきりと担わせたいというふうに考えております。
 先生おっしゃいますように、国立感染症研究所におきまして、それぞれの時点におきましてはそれぞれの事情があったものと考えますが、これまで危機管理という面において必ずしも適切な対応がとられていなかったのじゃないかという御批判につきましては、その体質が隠ぺい的であったというよりも、私どもとしましては、研究所自体に行政組織として健康危機管理という事象に取り組む意識というのが必ずしも十分ではなかったのではないかという、その点について反省すべきものであるというふうに考えております。
 その意味で、その研究所の職員一人一人が厚生本省の職員ともども健康危機管理行政の重要な一翼を担っているのだという自覚を高めるとともに、そうした役割が有効に果たされるように、本省との人事交流も含めまして、むしろきちっとした連係プレーをやる、その健康危機情報について鋭敏な感覚を持って取り組んでいく、そういった観点から、きちっとした人事管理、組織体制づくり、これが必要なのじゃないかというふうに考えております。
○福島委員 重ねて御確認しますが、今の局長の御説明ですと、さまざまな情報を収集するというのはこの国立感染症研究所が責任を持ってやって、それを厚生省にきちっと提示するのだ、そういう仕組みなのだということですね。ということは、せんじ詰めて言うと、この感染症研究所の最高責任者である所長が、さまざまな情報を収集するに当たって瑕疵があった場合には責任を持つ存在である、そういうふうに考えてよろしいわけでしょうか。
○中西政府委員 感染症情報センターの組織的な役割というものがその組織法上位置づけられたわけでございますから、瑕疵があるかないかというのはそれぞれ個別の事案についてその都度評価しなければならないと考えますけれども、基本的には、先生おっしゃるとおり、そういった自覚に立って行政と連携をとりつつ健康危機管理に対応していかなければならないというふうに考えております。
○福島委員 なかなかこなれない御答弁ですが、次の御質問に移りたいと思います。
 次に、時間も限られておりますので、御質問したいことは、若干通告いたしておりました質問を省略いたしますが、臍帯血バンクにつきましてお聞きをいたしたいと思います。
 これは、本年の二月に日本で初めて、血縁者以外の臍帯血を使った移植が行われました。これは骨髄移植の一つの変法といいますか、そういう治療でございますが、臍帯血移植には次のような利点があるとされております。
 まず第一点は、臍帯血の採取には負担がない。骨髄の採取には、麻酔をかけて太い針でとらなければいかぬ、ドナーには負担が大変重たいわけでございますが、これが臍帯血の場合にはない。また、含まれる幹細胞の質が非常にすぐれている、増殖能力が高い。そしてまた三点目としまして、移植後の免疫反応が少ない。ただ、短所といいますか、臍帯血というのは、採取できる量が少ないということがございまして、専ら子供に対するものでありましたけれども、増殖能力が非常に高いということから、近年では成人にも適用されて、海外では既に成人への臍帯血移植も治療として定着しつつあります。
 私は、この臍帯血を利用しました骨髄移植ということにつきまして、やはりもっと積極的に取り組まなければいかぬというふうに思います。しかし、我が国では、この臍帯血バンクでございますけれども、神奈川県臍帯血バンクのほかに、東海大、近畿地区、東海地区に民間のバンクがあるに過ぎず、保存血液は百人から二百人分にしかすぎないということが報道されております。百人分から二百人分ということですと、余りにも少ない。これはそれほどコストのかかる話では恐らくないと私は思います。
 したがって、骨髄バンク事業というものを、今まで厚生省は積極的に取り組んでいただきましたけれども、それをさらに拡充して、臍帯血バンクの整備を公的な責任のもとに行っていただきたいというふうに私は考えておりますけれども、この点につきまして大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○小泉国務大臣 私も専門的なことはわかりませんが、その臍帯血移植というものが効果的で、いいならば、これは活用する道を開くべきではないか、前向きに取り組んでいくべきだ、そう考えます。
○福島委員 ぜひよろしくお願いいたします。これは要望だけでございます。
 続きまして、話がいろいろと変わりまして恐縮でございますが、先日、日産生命が破綻をいたしました。生保は絶対に安全であるという不倒神話というのがあったわけでございますが、日本の経済のこうした大きな変化の中で、この不倒神話も崩壊したと言われております。
 また、マスコミの報道、金融関係者の発言では、体力の弱っている生保はほかにもある、破綻が一社で終わるとは考えにくい、そういう指摘があります。事実、九六年の二月、昨年でございますが、厚生年金基金連合会が生保の各社に情報開示を要請いたしました、どうなっているのだと。その中で、投資分野ごとの含み損益状況を開示しなかったところが四社あります。そのうちの一社が日産生命だ。それが一年たってみたら破綻をした。ということは、残り三社も一体どうなるのか心配だというのが現状ではないかというふうに思います。
 先日の報道では、年金福祉事業団が、破綻しました日産生命の管理人である生命保険協会に対しまして、同事業団が委託した運用資金に関する保険契約を解除してほしいという要望を出したと報道されておりました。
 年福事業団は、生保に対しては、総額では三兆円に上る委託をしていると聞いております。そういう意味では、生保が一社のみならず引き続き破綻するようなことがあれば、この運用ということに対して非常に大きな影響を与えるだろうというふうに私は思いますし、そういう意味では、経済の状況がすぐに非常に好転するというわけではありませんから、年金の基金の運用について十分検討しなければいかぬというふうに思います。
 具体的なお話をお聞きしたいわけでございますが、この今回破綻しました日産生命に関してでございますけれども、委託した資金は一体どうなるのか、元本は保証されるのか。先ほど、年福事業団が生保協会に要望を出しましたけれども、もしこれが、生保協会が、だめだ、できませんという返事をした場合には一体どういうことになるのか、その点について御説明をお聞きしたいと思います。
○矢野政府委員 日産生命につきましては、御案内のとおり、業務停止命令を受けまして、現在、生命保険協会が処理スキームを作成する、こういうことになっているわけでございます。したがいまして、最終的な処理スキームの中で、年金福祉事業団なり厚生年金基金、国民年金基金の委託資産がどうなるかということが最終的に決定をされる、こういうことでございます。
 ただ、委託者の立場からいいますと、特に年金福祉事業団の委託資産というのは、これは特別勘定でございます。年金福祉事業団だけの資金をほかの一般の資産とは区分して運用しているわけでございまして、成績がよかろうと悪かろうと、すべてその成績は年金福祉事業団の資産に帰属する、こういう仕組みになっておるわけでございます。
 今回の日産生命の経営破綻につきましては、私どもが伺っている範囲では、個人保険の分野で非常に高い予定利率で資金を大量に、契約を大量に確保した、ところが運用が逆ざやになったということで破綻をしたということを聞いておるわけでございまして、こういった特別勘定の資金を一般勘定の逆ざやの穴埋めに使うということは、これはあってはならないことだ、こう思っておりますし、処理スキームで最終的にそういう特別勘定についての配慮もぜひお願いしたいわけですし、ぜひそうなっていただきたい、こう思っているわけでございます。
○福島委員 今の局長の御答弁は要望でありまして、客観的な見通しではないのではないかというふうに私は思います。特別勘定ですよというのはこちらの都合であって、処理する側の都合ではないようにも思うわけでございます。しかし、年金というのは多くの人が長期にわたって影響を受けるわけでございますから、特別勘定のところについてはきちっとしてほしいという思いは私も同じです。
 さらに御質問いたしますが、本来でしたら大蔵省をお呼びすべきだと思いますけれども、大蔵省は、日産生命の経営状態が非常に悪くなっていたということを既に知っていた。例えば、日産生命の米本社長は、実質的な債務超過状態は三、四年前からだったと。粉飾決算をずっと続けていたわけです。端的に言うと大蔵省公認のもとの粉飾決算だ。それで、業務停止するときはいきなりばかっと来る。これはけしからぬというふうに私は思うわけでございますが、局長はどうお考えですか。
○矢野政府委員 私どもは、委託者の立場でございます。年金という老後の生活保障の非常に大事な資産を責任を持って運用する立場ということで、民間の専門運用機関にお願いしているわけでございます。
 したがって、今お話の出ましたようなディスクロージャーとかそういった点につきましては徹底してやっていただきたい、こう思っているわけでございまして、なかなかそういう点が不十分なものですから、今お話にございましたように、厚生年金基金連合会、こういったところでもいろいろお願いをしているというわけでございます。そういう中で十分行われてこなかったというのは、非常に遺憾なことだと思っております。
 委託者の立場といたしましては、要は、こういう非常に大事な資産でございますから、受託機関、運用機関の実態をよく調査をする、それから、一度預けた後も定期的にチェックをして、絶えず監視をしておかしなことが起こらないようにすべきだということで、厚生年金基金とかといったところを指導しておるわけでございます。
 それからまた、今回の厚生年金基金は、約百基金近くが日産生命に預けておるわけでございまして、そういう中で、いわゆる日産グループといいますか日立グループといいますか、日産生命関係の基金が多いわけでございます。こういった点につきましても、ただ系列が同じだからというようなことで無条件で委託をするというのは問題だ、よく実態を調査して納得をした上で委託しなければいけませんし、委託した後も絶えず厳しくチェックすべきだ、こういうことで指導しておるわけでございまして、年金基金の関係者におきましては、こういった点を、非常に金融状況が激変しておるわけでございますので、従前にも増してよくよく気をつけてチェックをする、運用する、こういったことだと思っております。
○福島委員 確かに、チェックをすることが必要だ、それはそのとおりなんですが、こういうふうな記事がありますね。
 これは日経新聞の生命保険に関しての連載記事ですが、「有価証券の含み損益状況を提示してくれなかった。あやしいと思っていた」。怪しいと思っていたというだけで一年が過ぎてしまったわけでして、実際に情報開示を去年迫った、迫ったけれどもしなかった。それで、しないことに対して、しなかったで済んでしまっているわけですよね。ですから、今局長がおっしゃることは精神論ではわかるのですけれども、どうやって具体的にそういうものを担保していくのか。
 そしてまた、系列関係で、年金基金がそこに基金の委託を任さなければいけないというような状況にあるところもあるということだと思いますね、百社ぐらいある。基金の独立性をどういうふうに担保していくのか、その具体的な道筋というものをきちっと示していただかないと安心できないわけなんですけれども、再度御答弁をいただけますでしょうか。
○矢野政府委員 委託者の立場、基金の立場といたしましては、これはもうできるだけ客観的な運用機関の評価をする、それから委託後も定期的にチェックをする、こういうことしかないわけでございまして、最終的には、情報開示もしない、あるいは、そういう委託後のチェックの過程でおかしなことが発見された、こういった場合にはもう委託をやめる、これしかないわけでございまして、年金基金の関係者が、先ほど来申し上げているような受託者としてのきちんとした責任を果たすということで、この点につきましては、実は、従来から必要な指導は行ってきたわけですけれども、先般、こういうのを集大成いたしまして、「厚生年金基金の資産運用関係者の役割と責任に関するガイドライン」、こういったものを設けまして、今その普及徹底を図っているということでございます。
○福島委員 これに関しましては、大臣にお願いでございますが、大蔵大臣にもしっかりと、年金の運用に関して情報も開示しない、そういうけしからぬ生保会社はしっかりと指導していただくようにお話をしていただきたい、そのように要望いたしておきます。
 最後に、残り時間五分でございますので、O157の問題につきまして若干御質問したいと思います。
 O157の感染につきましては、本年に入ってからも感染者が二百名を超えました。死亡例も一例発生をいたしました。今後、夏を迎えると昨年同様の発生が起こるのではないか、そのように危惧されておりますが、それについて、先日、週刊誌に、O157の検査方法について報道がありました。三つ検査方法がある、三つ検査方法があっても検査の感度が違う、一つの方法では検出されても、一つの方法では検出されない、そういうことがある。今までそこのところ、私も具体的によくわからなかったのですが、この検査方法につきまして若干御教示をいただきたいと思います。
○小野(昭)政府委員 O157の検査法の関係でございますが、平成八年の七月に、厚生省の方から、基本法、それからEIAを組み合わせる法、それからビーズ法を組み合わせる法の三通りの方法につきまして都道府県等に指示をしたところでございます。
 これらの検査法につきましては、当時の国立予防衛生研究所あるいは国立衛生試験所等に所属します専門家を含めました、O157に関する研究班を設置しておりまして、そこでさまざまな観点から御議論をいただいて取りまとめたものでございます。私どもといたしましては、当時の知見におきましては、これらの検査法はいずれも適切なものであったというふうに考えております。
○福島委員 適切なものであったということですが、検査感度はどのくらい違うのですか。
○小野(昭)政府委員 ただいま委員の方から御指摘ございましたように、昨年の夏の大阪府堺市の事例、大変多くの患者さんが出た事例等々、昨年夏以降、集団例、個別例含めて非常にたくさんの患者さんが出ました。これに国民の皆さんが大変御不安に思われたわけでございまして、適切に検査を実施する体制を整備するということが緊急に要請をされていたわけでございますが、その後、これら、今私が申し上げました三つの検査法につきまして、一部の週刊誌等でいろいろなことが言われているわけでございますが、本年二月から実施をしております厚生科学研究におきまして、この三つの方法についての評価を実は実施をいたしております。
 まだ中間的な段階ではございますが、中間的な状況を見ますと、基本法とビーズ法という法がございますが、これらにつきましては、食品中に含まれる菌の量の多少によってそれぞれ検出率が異なるということから、一概にどちらがすぐれているとは言いがたいということ、第二点目に、EIA法につきましては、偽陽性が多くて参考的なものと考えた方がよいということでございます。
 現在、全国の二十の検査機関におきまして最終的な評価試験を実施をしているところでございまして、私どもといたしましては、この研究成果を踏まえまして、検査方法について必要な改定を行いまして、速やかにこれにつきまして都道府県等に通知いたしますとともに、国立感染症研究所におきまして、地方衛生研究所等の職員を対象にいたしました検査方法についての研修を実施してまいりたいと考えております。
○福島委員 まだ検討の結論が出ていないということでございますので、私もこれで質問を終わらせていただこうと思いますが、検討をできるだけ速やかに終えまして、最も適切な、優秀なといいますか、その検査の体制をこの夏までにできるだけ早く整えていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○町村委員長 青山二三さん。
○青山(二)委員 新進党の青山二三でございます。
 昨年九月以降、日本にも上陸いたしました遺伝子組み換え食品についてお伺いをしたいと思います。
 遺伝子組み換え作物について、厚生省は、昨年の八月、安全性に問題はないということで、大豆、ジャガイモ、トウモロコシ、菜種の四種類七品目を食品として認めました。これを受けて、遺伝子組み換えによる大豆、冷凍ポテトなど、昨年末から輸入が始まりまして、食用油やフライドポテトなど、既に商品となって出回っている現状でございます。
 しかしながら、今の日本にとりまして、この遺伝子組み換え食品が本当に必要なのかどうか、まず農水省にお伺いをしたいと思います。
○小川説明員 お答えいたします。
 近年、遺伝子組み換え技術を利用しまして、従来の育種技術ではできなかったような新しい農産物が開発されております。この技術につきましては、農林水産業や食品産業の発展に貢献するとともに、二十一世紀の半ばに予想されております地球的な規模での食糧あるいは環境、資源問題を解決するためのキーテクノロジーということで、大いに期待されているものではないかというふうに考えております。
○青山(二)委員 この遺伝子組み換え食品の必要性については、何の議論もされないままに今日に至っております。そして今、その組み換え作物やその食品の表示をめぐりまして世界的な議論が起こっているのでございますが、ほとんどの消費者が知らないうちに厚生省が認可を出し、食品として口にしているかもしれない、もしかしたら、もう私たちは食べているかもしれないというのでは、何とも許せない気がいたします。
 日本にとって遺伝子組み換え食品が本当に必要なのかどうか、まず国民的な議論があってもよかったのではないでしょうか。そのことが大切なのではないかと思うわけでございます。そして、安全性という視点から、また、日本の農業や生態系への影響がどのようになるのかということもあわせて総合的に判断する、そういう場があってもよかったのではないかと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○小川説明員 お答えいたします。
 先ほど必要性を若干申し上げましたけれども、この遺伝子組み換え技術は、バイオテクノロジーの中でも特に画期的な新しい技術であるというふうに考えておりますけれども、そういう意味で、国民の中にも非常に関心が高い一方で、先端性ということから、一部の方々にこれに疑問を抱く方々がおられるということも承知をしております。
 このために、農林水産省といたしましては、セミナーあるいはシンポジウムを積極的に開催するというようなことを通じまして、この遺伝子組み換え農産物の必要性について国民の皆様方に理解を深めていただくというようなことで、いろいろな取り組みを現在しているところでございます。
 今後とも、この組み換え農産物を国民の皆さんに理解をしていただくための施策をより一層充実してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○青山(二)委員 それでは、現在、その認可された七品目について、その輸入量と国内での流通の実態について教えていただきたいと思います。そして、今後、さらに十二品種一品目が申請されておりますけれども、それらについても認可する方向だというようなことを聞いておりますが、いかがでしょうか。
○村上説明員 遺伝子組み換え食品の輸入量や流通の実態ということでございますが、その流通につきましては、統計がないということから数量的な把握というのは困難でございます。
 昨年、厚生省により安全性が確認された除草剤耐性大豆、菜種等七品目については、米国などにおきまして既に生産されていることから、我が国に対しても輸出されているという可能性があると理解しております。なお、平成八年の米国における除草剤耐性大豆の生産は、全作付面積の約二%程度というふうに聞いております。
○小野(昭)政府委員 遺伝子組み換え食品の安全性につきましては、組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針というのがございますが、この指針に基づきまして、食品衛生調査会の御意見を伺いながら、個別品種ごとに指針に適合しているかどうかということを確認しているところでございまして、ただいま委員御指摘のございましたように、昨年九月に、大豆等七品目についてこれを確認したところでございます。
 その後、平成八年の十月に、組み換えDNA技術を応用して製造されました食品十二品種及び食品添加物一品目が安全性評価指針に適合していることを厚生大臣が確認することの可否につきまして、厚生大臣より食品衛生調査会あてに諮問がされたわけでございまして、同日、食品衛生調査会のバイオテクノロジー特別部会というのがございますが、ここに付議されたところでございます。
 このうち、食品八品種及び食品添加物一品目につきましては、平成九年三月十四日に、バイオテクノロジー特別部会におきまして、安全性評価指針に沿って安全性評価が行われていると判断する旨の部会報告が行われたところでございます。
 現在、これらの食品八品種及び食品添加物一品目につきましては、申請書類を公開をいたしておりまして、五月中旬を目途に食品衛生調査会常任委員会で審議をしていただく予定でございます。また、残りの食品四品種につきましては、一部の申請資料の提出がおくれましたために、今後もバイオテクノロジー特別部会において審議を継続することとされております。
 なお、遺伝子組み換え食品の安全性評価指針への適合性の確認に当たりましては、バイオテクノロジー特別部会におきます審議終了後一カ月程度、企業から提出されました申請書類等を一般に公開いたしまして、その間に消費者団体等から意見が提出されました場合には、その意見も含めまして、食品衛生調査会常任委員会で審議をしていただいているところでございます。
○青山(二)委員 大体どれぐらい入ってきているのかわからない。また、さらに十二品種一品目が許可されるということで、消費者の皆さんは大変心配をしているところでございます。
 この遺伝子組み換え食品と申しますのは、作物が本来持っているその性質ではなくて、本来持っていない遺伝子を導入して、例えば除草剤とか害虫に強い性質を持たせた食品でございますので、一番問題になっておりますのが、その安全性、私たちが口にしても大丈夫なのかというその安全性でございます。
 この安全性をきちっとチェックしていただくのが、国民の生命と健康や安全を守る厚生省の役割でございます。しかし、この組み換え作物の安全性を評価する厚生省の指針は、組み換え作物は従来の作物と実質的には同等である、こういう概念のもとに作成されているようでございます。
 これは、国際協調と経済優先を図るOECD、経済協力開発機構の考え方に基づいておりまして、評価の基準が極端に緩やかになっているという指摘もあり、さらに、国内の安全基準などが貿易促進のために引き下げられているのではないかと消費者が不安を募らせているわけでございます。
 厚生省は、安全は確認した、危険は認められなかったのだ、このように言っておりますけれども、具体的にどのような検査をしたのか、遺伝子組み換え食品の安全性の評価について、その根拠をお伺いしたいと思います。
○小野(昭)政府委員 遺伝子組み換え食品の安全性の評価につきましては、ただいま先生御指摘になられましたように、経済協力開発機構、OECDあるいは世界保健機関、WHO等におきまして、世界の科学者の参加を求めまして、科学的な見地から十分な御審議がされまして、その評価の考え方が取りまとめられたわけでございますが、我が国におきましても、これを踏まえまして、食品衛生調査会で専門的に御審議をいただきまして、安全性評価指針を策定したところでございます。
 この評価指針につきましては、遺伝子組み換え食品は、既存の食品とその成分を比較いたしまして、たんぱく質等の食品成分の割合が同程度であること、さらに、組み換えによりまして新たなアレルゲン等が産生されていないなどといった要件が確認をされれば、既存の食品と同程度の安全性が確保されるというものでございます。
 この評価指針に基づきまして、食品衛生調査会の御意見を聞きながら、個別品種ごとに指針への適合性を確認しているところでございまして、先ほど申し上げましたように、昨年九月には、七品種について確認をしたところでございます。
 現在までの科学的な知見からは、本指針に沿ったものであれば安全性には問題がないというふうに言われておりまして、私どももそのように考えておりますが、今御指摘ございましたように、国民の皆さんの中にはいろいろな意味での問題意識を持っていらっしゃるということも、私ども十分承知をいたしているところでございまして、遺伝子組み換え技術は高度な先端技術でもございますので、さらに、食品分野への応用経験がまだ少ないというふうなこともございます。
 したがいまして、厚生省といたしましては、今後とも、国際的な動向、あるいは最新の科学的な知見の収集に努めまして、専門家の御意見を聞きながら適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○青山(二)委員 具体的にどのような検査をしたのかということをお聞きしたわけでございますが、聞くところによりますと、企業の側から出されました資料をもとにして、遺伝子組み換え食品をネズミに四週間から六週間食べさせて、それで危険がない、このように判断したとも言われておりまして、そういうことが心配になるわけでございます。
 安全性で最も心配される点は、導入する遺伝子がつくり出す産物が有害性やアレルギーを引き起こすのではないかと言われている点でございます。安全だ、安全だとおっしゃっておりますけれども、例えばアメリカで、遺伝子操作されたナッツで、従来問題はないとされてきたたんぱく質がアレルギーを引き起こしているという報告がございました。
 組み換え食品の安全審査では、人にアレルギー反応を起こすかどうかということを実際にチェックする必要がある、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。特に食品の場合、食べ続けても健康に影響がないのかどうか、長期間に監視を続けることが必要だと思うわけでございますが、この遺伝子組み換え食物を食べ続けた場合の健康への慢性的な影響につきましては、厚生省はどのようにお考えでしょうか。
○小野(昭)政府委員 前段の、今御指摘になりましたアメリカの例というのは、私、まだ十分承知をいたしておりませんので、コメントを差し控えさせていただきますが、ただ、アレルギーというのは、いわゆる摂取するたんぱくだけの問題ではなくて、人間の体の方の反応の問題もございます。そういう意味では、物だけではなくて、人間の体の、反応する方の評価というものも一般的には必要かと思います。ただ、そういうことが起きないことがいいわけでございまして、先ほど来申し上げておりますように、たんぱく質等の食品成分の割合が同じ程度であること、あるいは今御指摘のございました、新たなアレルギーを引き起こすようなアレルゲンといったものができていないかどうかということは、十分チェックをしているというふうに考えております。
 次に、慢性的な影響の確認でございますが、安全性評価指針におきましては、今申しましたように、既存物質と基本的にたんぱく質等の成分が同じであるほかに、新たに導入されました遺伝子が産生する物質が毒性物質として機能しないこと、あるいは組み換え前の食品が持つ既知の毒性物質が増加しないことなどの確認もあわせて行うこととされているわけでございます。
 具体的には、新たに産生されましたたんぱく質が人工胃液、いわゆる人工的につくった胃液あるいは加熱によって分解されるかどうか、あるいは新たに産生されましたたんぱく質の摂取量がどの程度になるかといったことについて評価をしているわけでございまして、これらの評価によりまして、毒性影響等につきまして安全性の知見が得られないというふうな場合には、急性毒性及び慢性毒性等に関する試験を行うということになっているわけでございます。
 このように、遺伝子組み換え食品につきましては、食品衛生調査会の御意見を聞きながら、個別品目ごとに安全性評価指針への適合性を確認しているところでございまして、こうした確認が行われました食品は、慢性的な影響につきましても、既存の食品と同程度の安全性が確保されていると考えておりますが、先ほども御答弁申し上げましたように、この分野につきましてはまだまだ知見の集積も十分ではございませんので、私ども、世界の最先端の情報収集あるいは実験結果等も踏まえながら、適宜適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○青山(二)委員 過去に、厚生省が安全だ、安全だと言ってきたものがどれだけ多くの人たちに害があったかということがございます。もし、このまま組み換え作物自体の安全性について評価がなされることなく、次から次へと市場に出回ることになりますと、第二、第三のトリプトファン事件が起こる可能性もあり得ると私は思うのでございます。
 そこで、安全評価の方法について、組み換え技術でつくった作物は全く新しい製品であるみなして、すべての遺伝子組み換え食品について新規性を認めるべきである、このように思うわけでございますが、これは大臣に御見解をお伺いいたします。
○小野(昭)政府委員 例えば、一例を米で申し上げますと、寒冷地に強くてしかしながら収量の少ない米、それから温暖地に適していて収量は少ない米といったような、稲のもみそのものによりまして、できる米の性質は異なります。しかしながら、これは自然交配を繰り返しまして、例えば寒冷地に強く収量の多い米、あるいはよりおいしい米を、従来から交雑という手法を用いまして農業関係者が非常に御努力をいただいているところでございます。個々の稲の、米の遺伝子を調べますと、それは当然異なっておりますが、いわゆる米という意味におきましては既存食品と基本的に同じでございます。種類が異なるだけというふうに考えております。
 そういった意味におきまして、今申しましたように、それが自然に遺伝子が交雑したのか、人工的に組み換えたのかということのいわゆる手段の相違でございまして、既存の食品と同等とみなし得るということであれば新規の食品というふうに考える必要はないのではないかというふうに私どもとしては考えております。
○小泉国務大臣 遺伝子組み換え食品も、私もいろいろ説明を聞いているのですけれども、わかったようなわからないような、品種改良にちょっと技術を加えたようなものだという話を聞くとそんなものかなと思うのだけれども、現に食料というのは健康に非常に大事なものですし、アレルギーなんかも、例えばサバなんかでも全然アレルギーにならない人となる人がいる、じんま疹とかですね。あるいはカキにしてもあるいはカニにしても、あたる人とあたらない人がいる。ある人には全然問題なくても、別の人には大変問題があるという食料も現に自然食品でもあるわけです。
 そういう中で、今度、遺伝子組み換えという食品が出てきて、これまたいろいろ加工されているとなると、日本は食糧輸入国であります。できたら私も、遺伝子組み換え食品かそうでないのかというのは表示してもらった方がいい、消費者の立場に立てば。しかし、どの程度可能なのか。できたら自主的にやってもらいたいし、これは強制的に可能かどうか今後検討する必要があると私は思います。
 最近ではよく納豆が健康食品と言われています。しかし、普通、納豆というのは時間をかけて発酵するのに、最近ではちょっと薬をまぜると何十分かで発酵して食品ができてしまう。これは本当の、普通の自然の納豆と同じ扱いでいいのかなと疑問に持つ点が私もたくさんあります。
 でありますから、この遺伝子組み換え食品におきましても、表示が可能であれば消費者にわかるようにした方がいいと思います。しかし、今言ったように、外国との関係もあります。WHOとの、外国の国際機関との食品安全の面においてもいろいろあると思いますから、よく今後検討いたしまして、消費者に親切な、わかりやすい表示方法があればなと。今後検討させていただきたいと思います。
○青山(二)委員 遺伝子組み換え食品と申しますのは、ちょっと誤解されていては大変だと思いますのでもう一度申し上げたいのですが、ある作物の遺伝子に、例えば害虫に強い作物をつくろうということで害虫の遺伝子を組み込むという、こういう技術なんです。ですから、ただのバイオテクノロジーだとか、何か交配させたとか、そういうのではなくて、全く違う技術、遺伝子を組み換えて除草剤の遺伝子を入れるとか、食べ物に、遺伝子に導入するということなので私たちは心配しているわけでございます。この遺伝子組み換え食品というのは、本当に今まで人間が口にしたことのないそういうものが含まれておりまして、これまでの食品とは全く同じだという評価はできない、私はこれは当然だと思います。
 そして、そのためにきちんとした安全評価が必要でございまして、最低でも消費者が組み換え食品を選択できるような表示を義務づけるべきである。今大臣は、できれば表示も検討する、このようにおっしゃっていただきましたけれども、本当にこのことは消費者の皆さんは心配しておりますので、義務づけるということまでしていただきたい。
 なぜなら、食品添加物と申しますのは、安全性が確認された上で、すべて表示が義務づけられております。今の食品添加物というのは全部、安全性が確認された上で表示が義務づけられている。そういうことで、遺伝子組み換え食品にもそのような表示の義務づけをしていただきたい。私たちは何を食べているのかということを知る権利、また選択の権利もあるわけでございますので、また、そういうための情報提供もされてしかるべきだと思います。
 大臣が検討するということをおっしゃってくださいましたけれども、さらにその義務づけをできる方向での前向きな御検討をお願いしたいと思いますが、もう一度御答弁をお願いいたします。
○小野(昭)政府委員 先に、先生御指摘になられました点、若干誤解のないようにさせていただきたいと思うわけでございます。
 例えば、除草剤に強いあるいは害虫に強いような品種といいますのは、除草剤に強い性質を持っております生物あるいは害虫に強い性質を持っております生物、その生物から遺伝子の一部を取り出しまして入れかえるわけでございまして、決して除草剤そのものの、これは遺伝子はないわけでございますから、そういう他の生物の遺伝子のごく一部をとってきて組み換えるということでございます。
 それからもう一点はへ先ほど私申し上げましたように、いわゆる人工胃液の中へその食物を、遺伝子組み換え食品を浸す、あるいは熱で分解するかどうかを調べるといいますのは、遺伝子を組み換えてつくられましたものからできた例えば大豆と申しますのは、その大豆の中身というのは既存の食品の中の成分とほぼ同じでございます。それを人間が食するわけでございますが、その遺伝子組み換えによってできた大豆が、例えば熱で加工したりするわけでございますが、それによりまして、実際には普通の天然の大豆と同じような挙動をすることが基本的には確認される必要があるわけでございまして、安全性の評価指針ではそのようになっております。
 それから、組み換えられた遺伝子そのものは熱や化学反応に弱い性質を持っておりますので、遺伝子そのものは、人間が口にいたします前段の加熱の段階あるいは食べた後、消化液等で化学反応される段階で、当然、人体に対してそんな有害な作用をあらわすものではないというふうに一般的に考えてよろしいのではないかと思います。
 そういう意味で、先ほど来お話を申し上げておりますように、国際的な専門家によります最先端の検討結果を踏まえて我が国でも技術指針を作成し、それに適合するかどうかを確認いたしておりますので、現在までのところ、安全上の観点からいわゆる表示を義務づけるということは考えておりません。
○小泉国務大臣 この問題は、今、国際機関でも議論されているというふうに聞いておりますし、もし国際機関の中でこの表示が問題ないとされた場合に日本だけがそれを義務づけすることができるかどうか、そういう問題も含めて、今後、国際機関の中での議論もよく注視しておかなければなりませんので、しばらく時間をおかしいただきまして検討させていただきたいと思います。
○青山(二)委員 読売新聞が先月の四月十九日、二十日に実施いたしました全国世論調査によりますと、この遺伝子組み換え食品を食べることに抵抗を感じるという人が七割に上っております。また、表示の義務づけを求める声は八割を超えていることが明らかになりました。さらに、百二十を超える地方議会が表示の義務づけなどを求める決議や政府への意見書を採択いたしておりますが、こうした現状あるいは動き、これを厚生省はどのようにごらんになっておられますか。
○小野(昭)政府委員 遺伝子組み換え技術と申しますのは、既に例えば医薬品の分野等では広範に適用されているわけでございますが、この遺伝子組み換え技術をいろいろな分野へ導入しようということで政府が検討を始めた初期には国民の皆さんに大変不安があったことは、私ども、経験上承知をいたしております。食品につきましても、恐らくそれと同じと申し上げるつもりはございませんが、遺伝子が操作されるということによる不安ということが大きいのではないかというふうに私どもとしては考えております。
 この点に関しましては、国民の皆さんに、問題の所在、それから、現実に実際に組み換えた遺伝子がどういうふうにきちんと安全性が確認されているのかというふうなこと、それから、国民の皆さんが疑問に思われることについて、可能な限りお答えをするということは私どもとしても当然やっていかなければならないことであります。今までそれが十分であったかという御指摘があれば、それは、いろいろな分野で問題のあったところもあるかもしれません。そういったところにつきましては、十分点検をした上で、国民の皆様の御理解を得たいというふうに考えております。
○青山(二)委員 安全性に問題はないというような日本政府の姿勢とは対照的に、ヨーロッパとかオーストラリアでは輸入禁止の措置がとられたり、表示をする方向で動きが活発になってきております。
 例えば、具体的に例を申し上げますと、スイスでは、組み換え大豆表示義務と販売の延期を決定いたしております。また、フランスでは、シラク大統領が、表示規定が徹底するまでは遺伝子組み換え食品を販売させないと発言をいたしております。また、ノルウェーでは、あらゆる遺伝子組み換え食品に表示を義務づけするといたしました。そして、オーストラリアとルクセンブルクでは、遺伝子組み換えトウモロコシの輸入を禁止いたしました。また、オランダ、ニュージーランドでは、遺伝子組み換え食品法により組み換え食品を禁止し、例外的に認めたものはいかに微量であっても必ず表示するということになっております。
 また、世界各地でボイコット運動も活発に行われておりまして、四十七カ国、四百組織が参加いたしまして、遺伝子組み換えボイコットキャンペーンが展開をされております。
 こうした世界の動きを厚生省はどのようにごらんになっておりますでしょうか。それでも安全性に問題はないと言えるのかどうか、納得のいく御答弁をお願いします。
○小野(昭)政府委員 遺伝子組み換え食品につきましては、特に欧州連合におきまして、今いろいろ国の名前を先生お挙げになりましたが、組み換え食品の表示等についてその動きがあることは承知をいたしております。また、国際的には、FAO・WHO合同食品規格委員会、コーデックス委員会と呼んでおりますが、その食品表示部会において議論が現在されております。
 しかしながら、現時点では、いずれも科学的な見地から安全性に問題があるという議論ではないというふうに、安全性の上での問題ではないというふうに私どもとしては情報を得ているところでございますが、これはさまざまな議論がいろいろされておりますので、今後とも国際的な動向につきましては、特に必要なのは議論の経過あるいは各国の制度等も十分調べないといけないわけでございますので、そういった点も含め、それから、先ほど来申し上げておりますように、最新の科学的な知見等につきましても情報収集に努めてまいりたいと考えております。
○青山(二)委員 今の御答弁では、安全性の上からこういう措置がとられているのではないという御答弁でございますけれども、それではどういうような観点からこういう措置がとられているのでしょうか。
○小野(昭)政府委員 全部のケースについて今私ども調べているわけではございませんが、安全性で問題があるから例えば輸入禁止だとか、そういうふうな根拠ではないというふうに聞いております。ただ、詳細につきましては現在調査中でございますので、その調査結果につきまして、また必要あれば御報告を申し上げたいと思います。
 ただ、消費者選択を保障するという観点から表示をすべきという御意見は、主としてヨーロッパにおいてそういう御意見が非常に強うございますが、一方、アメリカ、カナダ等におきましては、科学的な見地からケース・バイ・ケースで判断すべきであるという、むしろ安全性が強調されているというふうな議論でございまして、これは、国際的に今そういった、主としてヨーロッパを中心とした議論、アメリカを中心とした議論というのがございます。これにつきましては、それらの動向につきまして、先ほど申し上げましたように、その詳細について十分調査をしながら、問題の所在はどこにあるのかということを把握してまいりたいと考えております。
○青山(二)委員 そういう調査はいつごろやって、いつごろ消費者の私たちにお教えいただけるのでしょうか。
○小野(昭)政府委員 実は、本年四月に、今申し上げましたFAO・WHO合同委員会、いわゆるコーデックス委員会というのがございまして、この問題を議論するということが予定をされておりましたので、私ども、係官を派遣いたしまして、その議論の詳細について十分把握をすれば世界の動向というものをつかめるものとして期待をしておったわけでございますが、残念ながら、ペーパーだけが出て、その議論はもう少し先へ延ばされるような動向でございます。
 次の会合がどうなって、具体的にどうなるかということは、まだ私ども十分情報を得ておりません。あるいは、ほかの領域におきますいわゆる専門家の会合等が行われる可能性がございますが、これについてはまだちょっと把握をいたしておりませんので、現在のところ、いりごろをめどにというふうに申し上げることはちょっとできませんけれども、把握し次第、可及的速やかに、御報告できるものはいたしたいと考えております。
○青山(二)委員 先ほど、遺伝子組み換え食品を、加工されたものを加熱したり、いろいろ調理いたしますと、そういう危険性はなくなるというような御答弁が少しございましたけれども、それならば、危険性がない、ないとそんなにおっしゃるのならば、表示してもよろしいのではないのでしょうか。その表示をしないということ自体、何か後ろめたさを感じるわけでございますが、いかがでしょうか。
○小野(昭)政府委員 私が申し上げましたのは、いわゆる、それで安全だ、完全に安全だというふうに申し上げたのではなくて、そういうふうに遺伝子組み換えによってできた食品が熱であるとか胃酸であるとかというプロセスを経ること、あるいはその大豆を絞って油をとるというふうなことになりますと、これはもう、その成分自体は油の成分でございます。したがいまして、もとの、組み換えのために入れた遺伝子がそういうものの中へ出てくるというふうなことは一般には考えられないので、組み換えられた遺伝子が人体に悪いことをするというふうな心配は余りないのではないかと申し上げたわけでございますが、ただ、それは、今申しましたように、細かいメカニズムがわかっておりませんので、その点については、それで絶対安全だというふうには言い切れない分野もございますから、今後とも十分に検討してまいりたいと思っております。
 それから、現在の食品衛生法上の体系といたしまして、安全上問題がないものにつきまして、これはそれまで表示を義務づけるという法体系になっておりませんので、現在の法体系のもとでは難しいものというふうに考えております。
○青山(二)委員 それで、カナダで行われましたコーデックス委員会のお話がただいま出ましたけれども、農水省品質課では、来年度、表示のあり方を検討する、このようにおっしゃっているようでございますので、その委員会の様子も含めて、どのような対応をされるのか、これは農水省にお伺いをしたいと思います。
○村上説明員 コーデックスの食品表示部会では、今、小野局長の方から御答弁ありましたように、基本的には問題は継続ということになりまして、来年度に先送りになりました。
 農林水産省としましては、消費者あるいは生産・流通業者、学識経験者から成る検討会を開催しまして、有識者などから広く意見を求めるということと、それから、消費者の要望とかあるいは生産・流通の実態、それから、今申し上げましたコーデックス委員会での検討の状況との整合性も踏まえまして、遺伝子組み換え食品の表示のあり方について検討していきたいというふうに考えているところでございます。
○青山(二)委員 遺伝子組み換え食品につきましては、三つの危険性が指摘されているところでございます。その一つは、微量であっても長期間摂取することの危険性、二つ目が、他の物質との相乗作用による危険性、そして、細胞分裂が盛んな胎児とか赤ちゃん、子供への影響が大きいことの危険性、この三点について検査をしない限り、本当に安全であると言えないと言われております。結局、消費者が食べ続けてようやく結果が出るということになりまして、これは明らかに私たち国民を、そして子供たちを使った人体実験にも等しいと言わざるを得ないわけでございます。
 そこで、体の発達過程にある子供たちの学校給食には遺伝子組み換え食品を使用しないでいただきたい、禁止すべきである、このように考えますけれども、文部省に御答弁をいただきたいと思います。
○北見説明員 遺伝子組み換え食品につきましては、今後とも、厚生省におきまして、組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針に基づきまして、製造者等が行った安全性評価を確認するとのことでございます。
 文部省といたしましても、学校給食におきます遺伝子組み換え食品の使用につきましては、こうした厚生大臣の安全性評価の確認を踏まえて、適切に対応していくべきものというふうに考えているところでございます。
○青山(二)委員 最後にもう一点、お伺いしたいと思います。
 この遺伝子組み換え食品をこのまま何の規制もせず放置いたしまして、長期間にわたり国民が食べ続けた結果、万一、遺伝子上の異変が起きたとき、それは半永久的に伝えられていくことになるわけでございます。遺伝子汚染は二度と修復が不可能であると言われております。子々孫々、末代にまで禍根を残さないためにも、遺伝子組み換え食品については、これ以上ないと言えるほどの慎重な検査と、思い切った法規制が必要であると思うわけでございます。そうでなければ、国民の安全は守れません。
 薬害エイズのように、一部の人だけが被害を受けるのではなくて、遺伝子組み換え食品を口にするすべての人々に危険が及んでいくということになるわけでございます。あのとき、もっと規制しておけばよかったなどと後悔をしないうちに、今、消費者の声に謙虚に耳を傾け、そして世界の動向にも鋭く目を向けていただきまして、私たち国民の健康と生命を守っていただきたい、私は切に願うわけでございます。
 一度汚染されましたら半永久的に修復不可能と言われております遺伝子汚染について、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○小泉国務大臣 遺伝子組み換え食品については、安全性に問題はないと専門家は言っていますが、これだけ国民が不安に思っている、この点を我々は重視しなければいけないと思います。各国の動向も踏まえ、そして、国民の生命と健康を守る、安全な食品を食べてもらうという観点から、私は、厚生省としても真剣にこの問題を検討する必要があると思っております。
○青山(二)委員 時間が参りましたので、これで終わりますが、どうか大臣、そして厚生省、農水省とも協力し合ってこの問題に取り組んでいただきたい、このようにお願いを申し上げまして、終わらせていただきます。
 大変ありがとうございました。
○町村委員長 石毛^子さん。
○石毛委員 民主党の石毛でございます。
 本日は、厚生関係の基本施策に関しまして、今、大阪で大きな社会的な問題として議論になっております安田系の三病院について質問をいたしたいと思います。
 この病院につきましては、先回のこの厚生委員会で、矢上委員が病院名を御指摘にならずに内容について質問をされております。私もそうした討議を伺いまして、そして、きょうは五月六日、病院側から大阪府等の指導に関して回答が出される日とも伺っております。大変重要な時期であると思いますので、私の方からも、この病院が引き起こしている件につきまして質問をいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 御存じのとおり、その安田病院あるいは円生病院、この病院は高齢の患者さんの入院が多い病院、それから大和川病院は精神病者の入院患者の方が多くいらっしゃる、いわゆる精神病院ということでございます。この三病院につきまして、これまでに、必ずしもきちっと理解し得るというような状態ではない患者さんの死亡事件ですとか、あるいは診察なしの投薬、あるいは苦情を訴える患者さんへ抗精神病薬が投与されるなどといった事態、また医療従事者の不足、大変な不足にもかかわらず水増し報告をし、あるいは看護費用の水増し請求などをしているという、そうした医療機関としてあるまじきさまざまな問題が報道されております。
 これは、つけ加えておきますが、新聞報道というだけではなく、裁判上の証言でも出されておりますし、それから大和川病院に関しましては、入院経験をお持ちの、あるいは現に入院している患者さんたちが集まられた集会でも、そうした今申し上げましたような事柄に関しての報告等がなされております。
 もし、こうした報じられているような、あるいは発言されておられることが事実であるとすれば、これだけの質と量にかかわる発言、報道等がございますから事実であるというふうに私は受けとめておりますけれども、そういうふうに受けとめますと、これは医療法ですとか、医療保険関係法あるいは精神保健福祉法など法律に抵触しているという可能性があると受けとめております。
 そこで、まず健康政策局にお伺いしたいと思います。
 三月十九日は、厚生省からの医療監視専門官も加わって立ち入りの検査をされているわけですけれども、現在までのところ、その人員ですとか構造設備などについて、医療法に抵触する疑いについての調査の経過あるいはその結果についてできる限り明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
    〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕
○谷(修)政府委員 今お触れになりました大阪の三つの病院につきましての現在までの経緯でございますが、昨年の暮れに二回にわたりまして、この病院に大阪府の方が立入検査に入っております。また、ことしに入りまして、安田病院あるいは大和川病院または円生病院等に対しまして、数回にわたって立入検査に入っております。
 今お尋ねの医療法の関係でございますが、一つは、構造設備基準を満たしているかどうか、それから、必要な人員を有しているかどうかということについて調査をしております。
 構造設備基準につきましては、暖房設備の問題が指摘をされておりますけれども、人員の問題につきましては、職員名簿、出勤簿、タイムカードそれからカルテ等を相互に照合して、人員が実際にどの程度いたのかということについて、現在、調査の結果を大阪府及び大阪市において精査をしている段階でございます。
 私どもとしては、できるだけ早くこの検査結果をまとめるように大阪府並びに大阪市の方には指示をいたしておりますが、特に看護職員の場合に、非常にパートタイマーの方が多かったというようなことで、個別に手紙でもってそれぞれの方に照会をする、また、返事のない方には大阪府並びに大阪市の職員の方が個別に訪問をして、どの程度の期間勤務をされていたのかということについて今確認をしている段階でございます。
 現時点では以上でございます。
○石毛委員 今、構造と人員についての御報告を伺いましたけれども、医療監視の中身として、カルテと例えば実際の診療との突き合わせばされておられるのでしょうか。私どもの方にいただきましたお話では、出勤していない氏名のカルテがあったというようなことも聞いております。この点、いかがでしょうか。
 それと、今、府と市で立入調査の結果について精査の段階というふうに伺いましたけれども、おおよそ、その精査の結果につきましては、いつごろ明らかにされるというふうに受けとめさせていただけますでしょうか。
○谷(修)政府委員 まず最初の、カルテの問題につきましては、カルテを記入されました医師の方に個別に話は聞いておりますが、患者さんの病状とカルテというものを照合するということはまだやっておりません。
 それから、医療従事者が三病院とも著しく不足をしているということは明らかでございますので、既に、例えば新規の入院患者を抑制するといったようなことについては指導をしております。
 また、これに基づきまして病院に対する改善計画というものも求めておりますが、これにつきましては、五月六日まで、先ほど先生もちょっとお触れになりましたが、きょうまでに病院側からの報告を提出するよう求めておりますが、きょうここへ来る前の時点では、まだ病院側からの報告は大阪府の方には来ていないというふうに承知をしております。
 それから、先ほど申しました看護婦さん、主として看護職員等に対する調査につきましては、できれば今週じゅうには終わらせたいということで、現在、大阪府の方でやっております。
○石毛委員 今週中に調査を終わらせたいというふうに、そのタイムスケジュールといいましょうか、進められるというふうに伺いましたので、多少気持ちが私の方でも落ちつく部分がございますけれども、何分にも事は重大でございますので、できる限り早く結論を出していただきたいというふうに思います。
 そして、今局長も人員不足は明らかというふうに御答弁なさいましたけれども、その件に関しまして保険局にお尋ねしたいと思っておりますけれども、三病院で約三百三十人いるとされている看護婦の実際の配置実態はどのようになっておりますでしょうか、お答えをお願いします。
○高木(俊)政府委員 この三病院ともいわゆる新看護基準をとっておりまして、この新看護基準に必要な看護婦数、これが足りないのではないかという疑いを持っておるわけであります。
 そこで、実際に名前が載っておりました看護婦さんに対しまして、個人個人それぞれ文書照会をいたしました。その中で半数ぐらいが回答がなかったものですから、これらの方々については、今、個別の面接調査の形で勤務の実態の確認をいたしております。この確認を済ませた段階で、現実にどういうような配置状況になっていたのかということが明らかになってくるというふうに思っております。
○石毛委員 今局長の御答弁では、現実に明らかになった段階でというふうにお答えいただきましたけれども、私、これは一般論として質問をさせていただきますが、もし配置実態が新看護基準を満たしていないというような状態が明らかになれば、これは明らかに公的な財源に対して不正請求をしていたという、そういう事実が明らかになるということだというふうに理解いたしますけれども、そうした事態が明らかになりました場合には、どのような対応といいますか、処分がなされるということになりますのでしょうか、そこをお願いいたします。
○高木(俊)政府委員 まず看護基準の関係で申し上げますと、実際の看護婦さんが足りないということになりますから、看護基準の取り消しということが出てまいります。その際には、当然、必要数を満たしていなかったわけですから、そういった意味では、満たしていなかったものに見合ういわゆる看護料、既に支払われました看護料は返納していただくという措置がまず必要になってまいります。
 それからさらに、その状況がかなり悪質であるという状況が認められるということになりますと、所定の手続をとりまして、保険医療機関そのものの指定の取り消しというような処分が行われることになるということでございます。
○石毛委員 一般論で申しますと、そのようなことがあっていいというふうにはとても思えないわけですから、私も、三百三十人の看護婦さん、できるだけ多くいてくれるようにというふうに願いますけれども、今まで私がいろいろといただきました情報ですとかお話を総合しますと、とてもそういうふうには思えないという実情があると申し上げてよろしいと思いますので、ぜひ厳正な対応をお願いしたいというふうに申し上げさせていただきたいと思います。
 それでは、次の質問でございますけれども、これは大阪の人権団体の方から知らせをいただいたわけですけれども、精神病院の大和川病院につきまして、一人しかいない精神保健指定医が長期の欠勤状態にあって、指定医資格を持たない医師が指定医の職務を行っている、そういう疑いがあるという、そうした情報を私の方にいただいておりますけれども、立入調査等によりまして、この事実は確認されておられますでしょうか、いかがでしょうか。
○篠崎説明員 現時点の大阪府からの報告によりますと、大和川病院には、常勤の精神保健指定医一名と非常勤の精神保健指定医二名がいると聞いております。現在、先生今御指摘のことにつきまして、大阪府が当該病院に対して行った調査を取りまとめているところでございまして、その調査結果により事実関係が明らかになるものと考えております。
○石毛委員 そのことにつきましては、それでは事実関係が明らかになりました段階でぜひ公開していただきたいと思いますが、精神病院に関連しまして、もう一点お尋ねしたいと思います。
 精神保健福祉法では、患者さんが入院される際に、例えば退院の申し出ができるというような告知、あるいは入院期間中の自由権の確保と申しましょうか、信書ですとか通信ですとか、そうしたようなことが知らされるということになっておりますけれども、大和川病院で実際にどういう告知の内容がされているかというようなことは調査をなさっていらっしゃいますでしょうか。
 行政監察局が、大和川病院ではございませんけれども、昨年でしたでしょうか、出されました報告書によりますと、告知はしていても文書上そうした内容が含まれていないとか、さまざまな問題点が指摘されておりましたので、この件につきましてもあわせて質問をいたします。
○篠崎説明員 本年の三月十九日以降、数回にわたりまして、大阪府の方で、精神保健指定医を同行して、医療保護入院患者の実地審査を行いました。また、病院職員及び入院患者からの聞き取りを中心とした調査を行っております。
 先生の御指摘のことについてでもございますが、そのような内容につきましては、少し総論的になりますが、職員からは、精神保健福祉法に基づく入院患者の処遇基準に関すること、それから入院患者からは、入院の経路、入院時の診察、それから今御指摘ありました告知の有無、通信、面会などの処遇に関する事項に加えまして、個別カルテでの確認も行ったと聞いております。
 いずれにつきましても、調査がまとまり次第御報告を申し上げます。
○石毛委員 それでは、このことにつきましても、ぜひ、これから明らかになりました段階で私どもにもお教えいただき、改善の方向がきちっとする、あるいはこの病院に対する行政としての対処の仕方がきちっとするということがなされるというふうに期待したいと思います。
 もう一点、大和川病院につきまして重ねて御質問をしたいと思いますけれども、これも新聞等を拝見して報道に接しておりますと、大阪府は、現在、大和川病院に対して、患者さんの退院命令を出しておられる、ただしその中で、任意入院者のうち、医療保護入院ではなくて任意入院された方の十数人が退院希望を出しているにもかかわらず退院が実現されない、退院させてくれないという訴えが出されているというふうに報じられておりますけれども、これについて、障害保健福祉部としてはどのように対応されますのでしょうか。
○篠崎説明員 大阪府からのこれも報告によりますと、大和川病院に入院中の任意入院患者約四百名のうち、本年の三月十九日から四月二十四日までの間に、四十二名の入院患者から退院の申し出がございました。入院患者につきましては、原則として患者本人からの申し出があれば退院が可能でありますので、病院に対しては、患者に対してその趣旨を改めて周知するとともに、患者からの退院請求について適切に対応するよう指導を行った、このように聞いております。
○石毛委員 重ねてお尋ねしたいと思いますけれども、これは通告をしておりません。今御答弁を伺っていまして思いましたのですが、任意入院の患者さんにつきまして、適切に退院に向けた対応をするように指導、こういう御答弁だったと思いますけれども、もう少し具体的に、適切に退院に向けた指導とはどういう内容を意味するのか。
 例えばこの病院、大和川病院は、福祉事務所ですとかあるいは警察ですとか、そうした行政機関を通じて入院される方が大変多いというふうに伺っておりますけれども、そういうことでありますと、例えば任意入院という形をとりましても、入院の経路でケースワーカーの方がかかわっておられたとか、そういうことも多々あるのだと思いますけれども、退院に関しましても、福祉行政がフォローアップするとか、そういうようなことも含めて適切に対応するという内容になるのでしょうか。適切な対応を指導ということにつきまして、もう少し詳しく教えていただければと思います。
○篠崎説明員 精神病の患者さんが、そして任意入院の形態をとっている患者さんが退院を希望された場合に一つ重要なことは、退院先の確保でございます。患者さんによりましては、退院先の例えば家庭ですとか住まいの問題ですとか条件がございますので、それを勘案して退院をさせるということでございます。精神保健福祉法の中にもそういう規定もございますので、患者さんから退院請求がございましても、七十二時間以内に限って、しかも精神保健指定医の判断によりまして、その退院請求をそのまま受けない場合がございます。そういうことも含めまして、実情を調査して適切に対応するように、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○石毛委員 わかりました。退院先の確保というところにも注目しながらということになりますと、精神障害をお持ちになる方の地域生活に対して、デイサービスですとかあるいは居住の場の確保ですとか、さまざまな課題が伴ってあると思いますので、ぜひ総合的な展開を含めて行政が継続してかかわりながら、退院の確実な実現という方向に結びつけていけるようにというふうに私は申し上げたいと思います。
 今まで個別の状況を私の方からも申し上げ、そして答弁をいただいてまいりましたけれども、一番冒頭に健康政策局長が、いみじくも、著しく人員が不足しているのは明らかというふうに申されました。前段にも申し上げましたけれども、これだけの報道量がある、これだけの当事者の方の発言があるということは、やはり大変課題が多い、そうした医療機関なのだというふうに受けとめざるを得ないと思いますし、入院している患者さんの人権侵害がなされているという疑いも大変濃厚だと申し上げても過言ではないと思います。
 それから、これから先も被害者が出てきかねない、こういう状況の中で、私は、先ほど、今週中にもというふうにお答えいただきましたけれども、医療監視ということは機関委任事務として実施されていることでもございますので、ぜひ厚生大臣に、こうした大阪の三病院の起こした出来事をどのように受けとめられておられるか、そして解決の方向に向けてどのような御決意をお持ちでいらっしゃるかという、そこのところをお伺いしたいと思います。いかがでございましょうか。
○小泉国務大臣 この病院のひどい運営ぶりについては、報道されたことが事実であるならば、現実にこんなことがあっていいのかと、みんな唖然とするような状況だと思います。実は、ある投書から私もこの問題を知りまして、むしろ厚生省が大阪府に対して、大阪市に対して、いかがなものか、何をしているのかという形で調査を指示したところであります。事実をよく調査しまして、厳正な対処をしたいと考えております。
○石毛委員 福祉ですとか医療、医療が全面的にそうだというふうには申し上げるつもりはございませんけれども、いずれにしましても、医療制度、福祉制度のもとで、患者さんあるいはケアを必要とする方々が地域で安心して、自立して暮らせるように、この流れがこの間非常に行政としての方向性としては大きかったと思いますけれども、そうした地域の政策が大変大事になってきているごの趨勢のもとで、大阪府、大阪市でかなり長い聞こういう問題が続いてきたということに対して、私は大変危惧を抱いております。本来でしたら、地方行政が自治能力を発揮して対応していくべき側面がたくさんあったというふうに思いますけれども、厚生省の方の指導、指示もありまして今いい方向に展開していると受けとめれば、ぜひその方向がきちっと解決の方向に向くように、厚生省としての御努力も一層お願いしたいというふうに申し上げさせていただきたいと思います。
 もう一つだけ、ぜひ強調させていただきたいことがございますけれども、もうすぐ六月に入ってまいります。実は私は、触れることをいたしませんでしたけれども、医療監視の内容には暖房は入っても冷房が入っていないというふうに聞きまして、唖然としている部分がございます。冷房などというのは、もう患者さんの療養環境としては、必要であれば当然ということでそうなっているのかどうかわかりませんけれども、私は、暖房とか冷房とかというよりは、適切な療養環境があるかどうかという観点から医療監視がなされてしかるべきというふうに思いますけれども、そういうことだそうでございます。
 これについてはこれ以上触れませんけれども、過去、この三つの病院の中では、六月、七月、八月という蒸し暑い時期を迎えていく中で、脱水症状を起こして死に至ったのではないかというふうに思われる患者さん等もございます。先ほど健政局長のお話では、例えば看護職員の不足については、面接を済ませて今週中にも何らかの結果、方向性まではいかなくても結論は見えてくるのではないかという御回答がいただけましたけれども、実は本格的にこうした医療機関の問題を解決するための方策をどう求めるかということと、それから、六月を迎え、七月を迎えていくこの今の季節、今の時期に、患者さんにこれ以上の問題が生じないように、ある種の緊急避難としてどういう対応をするかということがとても大事だというふうに私は受けとめております。
 繰り返しになりますけれども、緊急避難的な現時点での対応と、それから、本質的な、本格的な対応の仕方を区分けしてとらえることが大事だというふうに受けとめております。
 先ほど少し御答弁の中にうかがえたかと思いますけれども、現在の医療スタッフの人数に合わせて入院患者さんの人数を減らしていくこと、あるいは新規の入院をストップしていくこと等を含めまして、これ以上被害が拡大しないような緊急の対策をどのようにとられるか、そこのところのお考えをお聞かせいただけたらと存じますが、いかがでしょうか。
    〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○谷(修)政府委員 先ほどもちょっと触れました、現在調査中でございますけれども、医療従事者が不足をしているということはいろいろなデータから明らかだというふうに認識をしています。
 四月の末に、そういう前提のもとで改善の指導を行うよう大阪府及び大阪市に対して指示をいたしております。具体的には、それぞれの医療機関に対して、新規の入院患者の抑制それから入院患者の転院といったようなことも含めて、改善措置をとるよう指示をしたところでございます。
 今先生おっしゃった意味での緊急避難ということに当たるかどうか、そういう言葉では我々はあれしておりませんが、現状におきます対応としては、今申し上げたようなことで、大阪府と大阪市が病院側を指導し、改善を指導している。また、恐らく、まだ確認はしておりませんけれども、大阪府は関係の病院団体や何かにもいろいろ働きかけをして、入院患者の他への転院というようなことも今後考えていくべきことであろうというふうに考えております。
○石毛委員 時間が参ってしまいましたけれども、もう一点だけ、今の御答弁に関連して確認をさせていただきたいと思います。
 例えば、新規入院患者の抑制ですとか、スタッフに合わせた入院患者さんの人数の減員ということはこの三つの病院に対する恒久的な対策としてなされていることなのか、あるいは、これからさまざまに事実が明らかになった段階でもっと多くの対応策が考えられるということなのか、その辺の区分けの問題を御答弁いただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○谷(修)政府委員 これは、先ほどのお話にもございましたように、当面、まず新しい入院患者さんを入れないとか、あるいは転院できる人は転院をするというようなことでございますが、今後、この調査の結果全体が明らかになった時点で、それぞれこの三つの医療機関について、あるいは一つの医療機関と一つの医療法人でございますけれども、行政処分というふうなことも含めてどういう対応をしていくのか、それは調査全体が明らかになった段階で考えていかなければいけないことだというふうに思っております。その点は、先ほど大臣からも御答弁があったのはその趣旨だというふうに理解をしております。
○石毛委員 ありがとうございました。
 時間が参りましたのでこれで終わらせていただきますけれども、これ以上患者さんに被害が出ませんように、そして、こうした医療機関が社会の中で存続するということ自体が社会の意識のありようの中でおかしいのだというふうに当然認められていくような、そうしたシステムに転換していくことを希望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○町村委員長 児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 エイズの治療、発症予防でずっと努力されてきた山田兼雄教授がかつて、血友病がエイズの直撃を受けたことは今世紀における医療の最大の悲劇の一つと考えてよい、このように発言されたことがあります。厚生省の責任は極めて重大です。
 私は、きょう、多くの感染者の皆さん方、家族の方々、そういう方々の非常に強い願いである、どうやって発症を予防するか、その治療体制の問題を中心に御質問したいと思います。
 現在、これまで使われてきたAZT、ddI、ddC、これらに加えてプロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビルを加えた三剤併用療法、この多剤併用投与によって、耐性ウイルスの出現を回避し副作用を抑制するという点でもかなり注目すべき成果が上げられていると思うのです。
 厚生省は、多剤併用療法の現状、そして今後への可能性についてどのように見ているか、お答えいただきたいと思います。
○丸山政府委員 今お話しの多剤併用につきましては、一九八〇年代に開発されました第一世代の治療薬、逆転写酵素阻害剤でございますが、これに、一九九五年以降、第二世代の治療薬、プロテアーゼ阻害剤というウイルスの増殖を抑える製剤でございますが、これが開発をされました。第一世代の逆転写酵素阻害剤のみでは、ウイルスが耐性を容易に獲得するために効果が持続しないという難点がございましたが、第二世代の治療薬の開発に伴いまして、昨年から、第一世代の逆転写酵素阻害剤二剤と第二世代のプロテアーゼ阻害剤一剤を併用する多剤併用療法が米国などで開発され、我が国におきましても導入をされておるということでございます。
 これによりまして、体内ウイルス量を大幅に減少することができる点、患者さんの免疫機能が回復する点、耐性ウイルスが出現しにくい点など、単独投与では得られなかったような効果が得られることが明らかになってまいっておりまして、エイズの発症、症状の悪化の防止が行われるのではないかと期待をされております。
 現に、多剤併用療法の導入によりまして、米国、フランスにおいてはエイズによる死亡者が大幅に減少をしており、臨床的にも大きな効果が得られつつあるものと考えております。
 しかしながら、多剤併用療法には、患者さんの身体的負担が大きくて、複数の薬剤を長期間使用した場合の副作用についても十分注意することなどの問題がまだまだございます。今後、副作用を軽減できるような使用方法あるいは副作用の少ない薬剤の開発を促進することによりまして、より効果的な多剤併用療法の実現に努力する必要があると考えている次第でございます。
○児玉委員 今もお話のあったウイルスの量を、治験開始から一ないし三週間で数十分の一に減らした、こういう報告も出ておりますね。
 厚生省は日本におけるエイズ治療の地域的な構成を八つの地方ブロックに分けていらっしゃいますけれども、どのブロックでもCD4の測定とあわせてウイルス量の測定が可能になるような体制を速やかにつくる必要があると考えますが、この点はいかがでしょう。
○小林(秀)政府委員 中央のエイズ治療・研究開発センター並びに地方ブロック拠点病院は、実際には、患者さんの治療と同時に臨床医の研修だとかその他の医療技術者の研修等をやっております。先生がおっしゃられたように、CD4それからウイルス量の測定ということができるように体制整備をすることが必要だ、そのように我々も考えておりまして、その整備を進めているところであります。
○児玉委員 その努力を速やかに進めていただきたいと思うのです。
 私、この間、北海道の関係者に時間をかけていろいろお話を伺ってきたのですが、先ほど言った八つの地方ブロック、中・四国が一つの単位ですし、九州全体が一つ、関東・甲信越、そして東北、北海道、かなり区域が広いのです。そして、感染者の皆さん方の切実な要望ですが、一方で、東京医科研その他で進められている最新のエイズ発症予防の治療をいつでも受けられるようなそういう体制の整備とあわせて、自分が住んでいる場所でブロック拠点病院または拠点病院と医師同士で密接な連絡が交わされて、そして、ちょっとした風邪その他で一々ブロック病院に行かなくてもいい、自分が住んでいる場所で一般的な治療も十分進めていただきながら、症状がもし変わったような場合に直ちに拠点病院に赴くことができるような、そういう体制の整備を早くやってほしいというのが皆さんの願いです。
 それで、厚生省がこれまで取り組まれた御努力を拝見したわけですが、九三年、平成五年の七月二日に、エイズ治療の拠点病院のあり方に関する検討会、この検討会がこういう指摘をなさっていますね。「拠点病院と地域の他の医療機関とのエイズ診療の連携システム及び教育・技術的支援システムを作ることが望ましい。」まさにそうだと思うのです。そして、この報告が出された直後に、同年七月二十八日、保健医療局長の通知で、拠点病院は、エイズ患者等の状況に応じて、地域の他の医療機関との役割分担・連携に努めるとともに、他の医療機関に対して教育・技術的支援を行う。しこういうふうになさいましたね。
 最近、厚生省は、四月二十五日、保健医療局長の通知で、地域ブロック拠点病院の整備を進めるという方向を出されておりますけれども、この地域ブロック拠点病院と、既に皆さんが出されている、平成五年における地域でのネットワークづくり、それを重ねて進めるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○小林(秀)政府委員 エイズ治療は日々進歩いたしておりまして、最新の治療情報等を迅速に医療機関に伝えていくためにも、医療従事者の診療ネットワークを整備していくことは大変重要だと考えております。
 先ほど業務局長から御答弁されました多剤併用療法の話も、アメリカにおいて画期的な治療法として報告されたのを受けまして、各地方ブロックで開催いたしました拠点病院等連絡会議において同療法の普及に努めましたところでございます。
 今、そういう連絡会議もやっていますが、それとまた別に、東京や大阪では医療従事者のHIV診療ネットワークというのができておりまして、東京については、月に一回、三十人から五十人程度の医療従事者が一堂に会して症例検討会などを行っているということを聞いております。
 厚生省としても、九年度から、各都道府県において、ブロック拠点病院を中心とした医療従事者間の診療ネットワークの構築が図られるように支援をすることにいたしておりまして、どうしても、この医療技術を全国で均一にしていくためには、情報のネットワーク、そしてこういう連係プレーができるようにしていくことが大切だ、このように思っております。
○児玉委員 これは大臣に申したいのですが、エイズ、血友病の皆さん方に対するエイズの感染が最も多数、残念ながら、発現した時期から相当な年数が経まして、そして今、高校生の皆さん方の中に感染者がおいでです。それから、エイズに対する社会的な偏見を取り除こうというのは、これは国を挙げての努力だと思うのです。そういう中で、しっかりそれぞれの地域で職業を持って頑張っていらっしゃるキャリアの方も随分いらっしゃいます。
 そういう方々にとって、自分が住んでいる場所、自分が高校に通っているわけですから、北海道のような広いところでは、札幌や旭川にしょっちゅう行けるわけじゃないのですね。自分の住んでいる病院に最新の治療に関する情報が来ている。皆さんはインターネットでそれを出していらっしゃるので、私の部屋でアクセスをしましたら、こういうのがあります。北海道の開業医の皆さん方の中には、このインターネットについて問い合わせする方法をつくってほしいという御希望もあるし、そして、ブロックごとのエイズ拠点病院、そこを整備すると同時に、全体として、日本全体を包み込むネットワークを急いでほしい、この点で私は総力を挙げていただきたいのですが、大臣、いかがでしょう。
○小泉国務大臣 今御指摘の点は、患者さんも望むところでありましょうし、今後の課題として積極的に取り組んでいかなきゃならないと認識しております。
○児玉委員 そこで、もう少し具体的に述べたいのですが、本年三月の医療協議の場で、国立国際医療センター、そして大学病院からブロック拠点病院に専門医を派遣してほしいという要望が出されたと私は聞いています。もっと具体的に言うと、医療センターから国立仙台病院及び石川県立中央病院に専門医を派遣してほしい、そして、熊本大学から国立病院九州医療センターへの専門医派遣、こういう要望が出されているのですが、これに対して厚生省はどのようにお答えになっているでしょうか。
○小林(秀)政府委員 それらの病院から要望が出ていることは承知をいたしております。それで、それの実現へ向けて、今、実務者レベルで調整を行っているところでございます。
○児玉委員 その調整は大体いつごろを目途に実現するでしょうか。
○小林(秀)政府委員 要望の中には向こうの事情の関係もございまして、今の段階でいつまでということを明言できないのが残念でございます。
○児玉委員 それは、もちろん当事者同士のお話ということはあるでしょうが、急いでいただきたいのです。ぜひ実現していただきたい。
 次に、血液事業についてです。
 厚生省に、九六年十月、昨年ですね、業務局に血液行政の在り方に関する懇談会が設置されて、これまでに五回、懇談会が開催されている、そのように私は聞いております。
 この血液事業についていえば、国は一九六四年、もう三十年以上前ですけれども、国内献血による自給原則を閣議で決定したにもかかわらずへそのことが実らず、売血輸入血を放置してきた責任があります。
 エイズの問題が大きな社会問題になり、そして感染者の皆さん方の切実な声が上がる。そういう中で、私自身も九二年の三月にこの問題を取り上げたことがありますが、厚生省は、血液行政の在り方に関する懇談会、その意見を踏まえて、今度こそ本当に血液事業の抜本的改革を行うべきだと思うのですが、その点、いかがでしょうか。
○丸山政府委員 血液事業対策につきましては、これまで、輸血についての国内自給の達成、あるいは、平成四年だったと思いますが、凝固因子製剤の自給体制ということで努力をしてまいっておりますけれども、残念ながらまだ今お話しのようなことで、グロブリン製剤あるいはアルブミン製剤といったような一部の血液製剤につきましての自給が達成されておらないという状況でございます。
 それを含めまして、血液製剤の安全性の確保あるいは血液製剤の適正使用ということにつきまして幅広い検討を、現在、昨年十月から設置をしていただいております血液行政の在り方懇談会におきまして検討していただき、血液行政全体の新たな展開を図るべく検討を進めていただいているところでございます。
 今後、その検討結果を踏まえて、立法措置を含めて適切に対応してまいりたいと考えております。
○児玉委員 では、この分野の御努力を強く願って、私の質問を終わります。
○町村委員長 中川智子さん。
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
 きょうは、遺伝子組み換え食品のことでお伺いしたいと思います。
 まず最初に、三月十四日に、食品衛生調査会バイオテクノロジー特別部会は第二弾の、第一弾は昨年の八月だったのですけれども、第二弾の遺伝子組み換え作物の四作物八品種と、食品添加物でパンの日もちをよくするために使用されるアルファアミラーゼについて安全確認答申を行いました。そしてまた、五月十三日開催予定の食品衛生調査会常任委員会でこれが承認されれば、さきの七品目に続きまして新たに九品目、遺伝子組み換え食品が私たちの食卓に上るようになります。
 遺伝子組み換えに関しては、先ほども青山議員の質問にもございましたし、消費者問題特別委員会、消費特でもこの間ずっと、遺伝子組み換え食品の参考人招致と審議が行われました。農水部会でもかなり遺伝子組み換え食品のことが話題になっておりますし、また、今、全国あちこちで大規模な、遺伝子組み換え食品に対してのノーという、せめて表示を、そしてまた、輸入をも差しとめてもらいたいという集会が各地で起きています。
 このようにたくさんの人たちの間で、専門家にも、また国民の間にも不安が広がっておりまして、食品業界においても選別輸入や不使用表示をするところもありますし、また、それをしたいというところに対して妨害する、遺伝子組み換えではないというふうなことを業界として書きたい、はっきり表明したいというところに対してそれを妨害する動きも一方では起きていて、非常に混乱が起こっています。そうした状況を引き起こした問題点を厚生省は検証もしていないという実態がありますが、今、国民から沸き起こっているその声をどうするかということで、きょうは質問をさせていただきます。
 外国におきましては、EUを初めヨーロッパ、オーストラリアなど先進諸国においては表示化の方向がかなり定まりつつあります。国内においては、現行の安全性評価では不十分だとして、また、少なくとも表示をすべきという決議が百二十一自治体に上っています。国へ意見書を出したところが四十二自治体という報告があります。このことを厚生省はしっかりと把握しておられるのかどうかということ、そして、これらに対する受けとめ方、今後の対応、それについての御見解を伺いたいと思います。
    〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕
○小野(昭)政府委員 遺伝子組み換え食品につきましては、安全性の指針に適合しているかどうかということで私どもは対応しているわけでございますが、消費者の皆さん方にいろいろ御不安があるというふうなことで、私どもの役所に来られまして、いろいろお話がある機会もございます。
 できるだけ私どもといたしましては、いわゆる誤解があってはいけないわけでございますので、その点については御意見は十分お伺いしながら、問題の点につきましてはお答えをしているつもりではございます。
 それからもう一つは、地方の議会その他でいろいろ、今先生、具体的に数字をお挙げになりました。ちょっと私どもの手元にまで届いている数字と若干違うのでございますが、それは恐らく決議をされたという数字ではないかと思いますが、今、正確に数字を把握しておりませんが、私どもの方に決議がかなり寄せられているというふうに承知をいたしております。
    〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○中川(智)委員 わかりました。
 要望はかなり強く、かなりいろいろなところから沸き起こっていると思いますし、それは直接厚生省にも聞こえているはずでございますので、何とぞそれに対して責任のある態度と、また、表示に関しては食品衛生法でできるという法律家の御意見もございますので、そのあたりのきっちりしたものをいずれ形として出していただきたいと強くお願いをしておいて、今の質問はそれで終わります。
 それで、委員長、きょう新聞記事を皆さんに、御参考によろしいでしょうか。
○町村委員長 はい。
○中川(智)委員 これは三大紙の一つでございますが、五月一日にこのような記事が載りました。この新聞を読んでいただければ、どこに不安があるのか、そして私たちが何を求めているかということがおおよそ記事の中で書かれているのですけれども、アンケート調査によると、八割の人が遺伝子組み換え食品に不安を持っているということが発表されています。そして、せめて、食べたくないという国民の不安に対して、また消費者にとって必要性もないものを全く知らない間に、これが遺伝子組み換え食品であるかどうかの選択する権利も与えられないまま、どんどんこれが前に進んでいくということに対してこの結果なんですね。
 これを受けまして小泉大臣にちょっとお考えを伺いたいのと、大臣はさきの私の質問のときに、御自身も、わけがわからないものは食べたくありませんというようなお答えがありました。そしてまた麻生経企庁長官も、非常に困難ではあるが、前向きに表示に対しては取り組んでいきたいということがございました。それは農水省の方も前向きにというようなお返事をいただいています。農水省の方でも、農水大臣に遺伝子組み換えのことで質問した折にもそのような答えが返ってきております。
 その辺、全般と、そして、国民の八割がやはり不安を抱いているというこの状況の中で、大臣、もう一度、遺伝子組み換え、本当に私、気の毒だと思うのですが、遺伝子組み換えにゴーを出したのは菅さんでありましたし、岡光さんを任命したのも菅さんでありましたが、そのあれを全部、大臣が背負っているということで、非常に申しわけないと思うのですけれども、今は大臣であられますので、ぜひとも御見解をお願いいたします。
○小泉国務大臣 この新聞の調査といいますか、「遺伝子組み換え食品 七割が「抵抗感」 「表示必要」八割」、全国世論調査で「主婦、根強い不信」という記事が出ておりますが、私も率直に言って、大臣になるまで、遺伝子組み換え食品が既に日本においても何種類か食卓に供されているということを知らなかったのです。知ってみて、私も、遺伝子組み換え食品を食べることに抵抗感があります。多くの国民もそうだと思います。できるならば表示してもらいたいというのが私の率直な気持ちであります。
 しかしながら、今、国際機関でいろいろ議論もしているようであります。そして、日本だけが規制なり禁となりすることができるかどうか、外国との関係もあります。それから、ほかの省庁との問題もあるし、安全性と不安感、全く安全性が問題ないのに規制なり禁止ができるのかどうかという点もあります。いろいろ検討させていただきまして、厚生省としては、たとえ専門家が遺伝子組み換え食品について安全性に関しては問題ないと言っても、国民がこのような不安を持っている以上それにこたえる責任があると思っていますので、じっくりと検討させてしかるべき処置をしなければいかぬ、消費者のこの気持ちというものに真摯にこたえなければならぬというふうに思っております。
○中川(智)委員 本当にありがとうございます。すごくうれしいです。ありがとうございます。
 そうしたら、最後の質問をちょっとまとめて、委員長が嫌がるかもわかりませんが、三つ、ちょっと済みません、お願いします。こういうふうにしか乗り切れていけないのですね。
 先日の衆議院の消費特で、国立衛生試験所の寺尾所長も、遺伝子組み換え体は、従来の作物との同等性の確認法はまだ未完成の技術であるということを一定程度、あいまいですが、認めた発言をなさいました。そしてまた、次に、日本学術会議の公開シンポというのが四月二十五日にあったのですが、そこで埼玉大学の市川定夫教授が、突然変異の研究家なんですけれども、今まで私たちも消費者も突然変異のことは余り情報として入らなかったし、私たちも勉強していなかったのですけれども、突然変異が起きる可能性が非常に高いと言われました。
 そして、これらの発言を受けて、何しろ、何か起こってからでは遅いという懸念が物すごくあるのです。起きてからでは遅い、起きる前の歯どめ、そのために、今回、五月十三日に議論されますこの新たな九品目については留保すべきだと思っているのですが、その留保するということに対して厚生省はどのような態度を今お持ちなのかを伺いたい。
 次は、学校給食のことで、文部省さん、せっかくいらしていただいていますのでお願いしたいのですけれども、学校給食にもう既に入っているかもわからないということが言われていまして、私たちは――北海道で、そばアレルギーの子供がそばを食べて亡くなりました。そして、子供たちの体に、やはり一番心配なんですね、私なんかはもうあした死んでもいいなんて、ちょっと思っていませんけれども、子供の命に対してこの遺伝子組み換えがどれだけ危険かということをとても心配しているのです。
 学校給食に入っているかどうかを確認しているかどうか、それに対して、もしもわからないのだったらばどういう手だてを講じようとしているか、この二つをお伺いしたいと思います。では、お願いします。
○小野(昭)政府委員 遺伝子組み換え食品の安全性につきましては、従前から御答弁を申し上げておりますように、経済協力開発機構あるいは世界保健機関等におきまして、世界の専門家がお集まりをいただきまして、最新の知見に基づいていろいろ慎重な御議論をされた結果として国際的な基準というのが定められておりまして、我が国におきましても、この考え方につきまして食品衛生調査会で慎重な御議論をいただき、技術上の指針を策定をいただきまして、個別品目ごとにこの指針に合致しているかどうかを審査しているところでございます。
 したがいまして、食品の安全上、現在まで承認されましたものに安全上の問題があるというふうには考えておりませんので、先生御指摘の九品目につきまして留保するということは現在考えておりません。
○北見説明員 学校給食の食材におきます遺伝子組み換え食品の使用実態については、文部省におきましては特に把握しておらないところでございます。
 遺伝子組み換え食品につきましては、今後とも厚生省におきまして、安全性の評価指針に基づきまして製造者等が行った安全性評価を確認するということでございます。
 文部省といたしましても、学校給食におきます遺伝子組み換え食品の使用につきましては、こういった安全性評価の確認を踏まえて対応していくべきものと考えているところでございます。
○中川(智)委員 もう時間なんですけれども、五月十三日の前にぜひとも、恐れ入りますが、それに対してのしっかりした態度、五月十三日にこれが新たにスタートしますと、もっともっと出回ることになるのです。ですから、全然この間の答弁と矛盾しているわけなんですね。ですから、十三日に九品目、新たに流通に乗せるということは絶対に差しとめていただきたい、そのような態度で厚生省は臨んでいただきたい、その答えがないのですけれども。
○小野(昭)政府委員 既に安全性の確認をしました食品、七品種というふうに申し上げておりますが、これは大豆、菜種、バレイショ、トウモロコシの、いわゆる種はいっぱいいろいろな会社のがありますが、その四種類でございます。
 それから、新たにバイオテクノロジー特別部会で御検討いただきましたものは九品目と申しておりますが、ほとんどがトウモロコシ、ジャガイモ等でございまして、その中の新しいものといたしましては、綿、アルファアミラーゼの二つでございます。
○中川(智)委員 学校給食の方も、お答えとしては今のでは非常に不満ですので、子供たちの学校給食で出されているか、出されていないか、それに対しての追跡調査をちゃんとしていただいて、お答えを後日いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○町村委員長 次回は、明七日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時六分散会