第140回国会 厚生委員会 第25号
平成九年五月十四日(水曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
  委員長 町村 信孝君
   理事 佐藤 剛男君 理事 住  博司君
   理事 津島 雄二君 理事 長勢 甚遠君
   理事 岡田 克也君 理事 山本 孝史君
   理事 五島 正規君 理事 児玉 健次君
      安倍 晋三君    伊吹 文明君
      江渡 聡徳君    大村 秀章君
      奥山 茂彦君    嘉数 知賢君
      桜井 郁三君    鈴木 俊一君
      田村 憲久君    竹本 直一君
      戸井田 徹君    根本  匠君
      松本  純君    山下 徳夫君
      吉川 貴盛君    青山 二三君
      井上 喜一君    大口 善徳君
      鴨下 一郎君    北側 一雄君
      坂口  力君    福島  豊君
      桝屋 敬悟君    矢上 雅義君
      吉田 幸弘君    米津 等史君
      家西  悟君    石毛 ^子君
      枝野 幸男君    瀬古由起子君
      中川 智子君    土屋 品子君
      土肥 隆一君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
 出席政府委員
        厚生政務次官  鈴木 俊一君
        厚生大臣官房長 近藤純五郎君
        厚生大臣官房審
        議官      江利川 毅君
        厚生省健康政策
        局長      谷  修一君
        厚生省保健医療
        局長      小林 秀資君
        厚生省老人保健
        福祉局長    羽毛田信吾君
        厚生省保険局長 高木 俊明君
 委員外の出席者
        厚生大臣官房障
        害保健福祉部長 篠崎 英夫君
        厚生委員会調査 市川  喬君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  能勢 和子君     竹本 直一君
  桧田  仁君     戸井田 徹君
  桝屋 敬悟君     北側 一雄君
同日
 辞任         補欠選任
  竹本 直一君     能勢 和子君
  戸井田 徹君     吉川 貴盛君
  北側 一雄君     桝屋 敬悟君
同日
 辞任       補欠選任
  吉川 貴盛君     桧田  仁君
    ―――――――――――――
五月十三日
 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第七一号)(参議院送付)
同月九日
 児童福祉法の理念に基づく保育の公的保障の拡
 充に関する請願(児玉健次君紹介)(第二四三
 四号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第二四三五号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二五四一号)
 同(児玉健次君紹介)(第二五四二号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第二五四三号)
 同(寺前巖君紹介)(第二五四四号)
 同(中島武敏君紹介)(第二五四五号)
 同(平賀高成君紹介)(第二五四六号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二五四七号)
 同(松本善明君紹介)(第二五四八号)
 介護保障の確立に関する請願(中島武敏君紹介
 )(第二四三六号)
 公的介護保障制度の早期確立に関する請願
 (佐々木憲昭君紹介)(第二四三七号)
 同(志位和夫君紹介)(第二四三八号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二四三九号)
 同(平賀高成君紹介)(第二四四〇号)
 同(不破哲三君紹介)(第二四四一号)
 同(藤木洋子君紹介)(第二四四二号)
 厚生省汚職の糾明、医療保険改悪反対に関する
 請願(赤松正雄君紹介)(第二四四三号)
 同(石井郁子君紹介)(第二四四四号)
 同(大森猛君紹介)(第二四四五号)
 同(金子満広君紹介)(第二四四六号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二四四七号)
 同(児玉健次君紹介)(第二四四八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第二四四九号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第二四五〇号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第二四五一号)
 同(志位和夫君紹介)(第二四五二号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第二四五三号)
 同(辻第一君紹介)(第二四五四号)
 同(寺前巖君紹介)(第二四五五号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二四五六号)
 同(中島武敏君紹介)(第二四五七号)
 同(春名直章君紹介)(第二四五八号)
 同(東中光雄君紹介)(第二四五九号)
 同(平賀高成君紹介)(第二四六〇号)
 同(不破哲三君紹介)(第二四六一号)
 同(藤木洋子君紹介)(第二四六二号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二四六三号)
 同(古堅実吉君紹介)(第二四六四号)
 同(正森成二君紹介)(第二四六五号)
 同(松本善明君紹介)(第二四六六号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二四六七号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二四六八号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二四六九号)
 同(草川昭三君紹介)(第二五四九号)
 同(東中光雄君紹介)(第二五五〇号)
 医療等の改善に関する請願(伊吹文明君紹介)
 (第二四七〇号)
 同(奥山茂彦君紹介)(第二四七一号)
 同(伊藤忠治君紹介)(第二五五一号)
 同(柳沢伯夫君紹介)(第二五五二号)
 同(横光克彦君紹介)(第二五五三号)
 子供の性的搾取・虐待をなくすための立法措置
 に関する請願(池坊保子君紹介)(第二四七二
 号)
 同(武山百合子君紹介)(第二四七三号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(高木
 義明君紹介)(第二四七四号)
 同(土屋品子君紹介)(第二四七五号)
 同(土屋品子君紹介)(第二五五四号)
 公的介護保障の早期確立に関する請願(松本善
 明君紹介)(第二四七六号)
 重度戦傷病者と妻の援護に関する請願(中馬弘
 毅君紹介)(第二四七七号)
 医療と介護の拡充に関する請願(金子満広君紹
 介)(第二五二五号)
 同(河合正智君紹介)(第二五二六号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二五二七号)
 同(穀田恵二君紹介)(第二五二八号)
 同(志位和夫君紹介)(第二五二九号)
 同(寺前巖君紹介)(第二五三〇号)
 同(中川智子君紹介)(第二五三一号)
 同(畠山健治郎君紹介)(第二五三二号)
 同(不破哲三君紹介)(第二五三三号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二五三四号)
 同(正森成二君紹介)(第二五三五号)
 同(松本善明君紹介)(第二五三六号)
 同(矢上雅義君紹介)(第二五三七号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二五三八号)
 同(鰐淵俊之君紹介)(第二五三九号)
 医療保険制度改悪反対、公的介護保障制度の確
 立に関する請願(木島日出夫君紹介)(第二五
 四〇号)
同月十三日
 医療保険制度の改悪反対、医療の充実に関する
 請願(松本善明君紹介)(第二五九五号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二五九六号)
 公的介護保障制度の早期確立に関する請願(松
 本善明君紹介)(第二五九七号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二六七〇号)
 同(辻第一君紹介)(第二七二二号)
 厚生省汚職の糾明、医療保険改悪反対に関する
 請願(瀬古由起子君紹介)(第二五九八号)
 同(松本善明君紹介)(第二五九九号)
 同(石井郁子君紹介)(第二六七一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第二六七二号)
 同(辻第一君紹介)(第二六七三号)
 同(寺前巖君紹介)(第二六七四号)
 同(濱田健一君紹介)(第二六七五号)
 同(春名直章君紹介)(第二六七六号)
 同(東中光雄君紹介)(第二六七七号)
 同(藤木洋子君紹介)(第二六七八号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二六七九号)
 同(古堅実吉君紹介)(第二六八〇号)
 同(正森成二君紹介)(第二六八一号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二六八二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二六八三号)
 同(赤松正雄君紹介)(第二七二三号)
 同(金子満広君紹介)(第二七二四号)
 同(川端達夫君紹介)(第二七二五号)
 同(古賀一成君紹介)(第二七二六号)
 同(児玉健次君紹介)(第二七二七号)
 同(坂口力君紹介)(第二七二八号)
 同(志位和夫君紹介)(第二七二九号)
 同(辻第一君紹介)(第二七三〇号)
 同(土肥隆一君紹介)(第二七三一号)
 同(中川正春君紹介)(第二七三二号)
 同(濱田健一君紹介)(第二七三三号)
 同(深田肇君紹介)(第二七三四号)
 同(正森成二君紹介)(第二七三五号)
 同(矢上雅義君紹介)(第二七三六号)
 国民健康保険制度の抜本改革に関する請願(佐
 藤剛男君紹介)(第二六〇〇号)
 医療等の改善に関する請願(上原康助君紹介)
 (第二六〇一号)
 同(熊代昭彦君紹介)(第二六〇二号)
 同(谷垣禎一君紹介)(第二六〇三号)
 同(中村正三郎君紹介)(第二六〇四号)
 同(宮路和明君紹介)(第二六〇五号)
 同(稲葉大和君紹介)(第二六八四号)
 同(奥田幹生君紹介)(第二六八五号)
 同(白保台一君紹介)(第二六八六号)
 同(川内博史君紹介)(第二七三七号)
 同(玉置一弥君紹介)(第二七三八号)
 重度戦傷病者と妻の援護に関する請願(塚原俊
 平君紹介)(第二六〇六号)
 同(中山正暉君紹介)(第二六〇七号)
 同(細田博之君紹介)(第二六〇八号)
 同(櫻内義雄君紹介)(第二六九一号)
 医療保険制度の改悪反対、医療制度の抜本的改
 革に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二六
 〇九号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第二六一〇号)
 同(平賀高成君紹介)(第二六一一号)
 障害者プランの拡充と具体的推進に関する請願
 (瀬古由起子君紹介)(第二六一二号)
 同(山本孝史君紹介)(第二七四五号)
 医療と介護の拡充に関する請願(北村直人君紹
 介)(第二六一三号)
 同(児玉健次君紹介)(第二六一四号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第二六一五号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第二六一六号)
 同(深田肇君紹介)(第二六一七号)
 同(桝屋敬悟君紹介)(第二六一八号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二六一九号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二六二〇号)
 同(吉田幸弘君紹介)(第二六二一号)
 同(中島武敏君紹介)(第二六九二号)
 同(濱田健一君紹介)(第二六九三号)
 同(東中光雄君紹介)(第二六九四号)
 同(井上一成君紹介)(第二七四六号)
 同(家西悟君紹介)(第二七四七号)
 同(池端清一君紹介)(第二七四八号)
 同(石毛^子君紹介)(第二七四九号)
 同(川内博史君紹介)(第二七五〇号)
 同(五島正規君紹介)(第二七五一号)
 同(佐々木秀典君紹介)(第二七五二号)
 同(辻第一君紹介)(第二七五三号)
 同(土肥隆一君紹介)(第二七五四号)
 同(中沢健次君紹介)(第二七五五号)
 同(鳩山由紀夫君紹介)(第二七五六号)
 同(濱田健一君紹介)(第二七五七号)
 同(平賀高成君紹介)(第二七五八号)
 同(山本孝史君紹介)(第二七五九号)
 高齢者医療費値上げ中止に関する請願(吉田公
 一君紹介)(第二六八七号)
 公的介護保障の早期確立に関する請願(金子満
 広君紹介)(第二六八八号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二六八九号)
 同(松本善明君紹介)(第二六九〇号)
 医療保険制度改悪反対、医療の充実に関する請
 願(矢島恒夫君紹介)(第二七二〇号)
 被爆者援護法の改正に関する請願(正森成二君
 紹介)(第二七二一号)
 医療保険制度改悪反対、公的介護保障の確立に
 関する請願(河合正智君紹介)(第二七三九号
 )
 子供の性的搾取・虐待をなくすための立法措置
 に関する請願(丸谷佳織君紹介)(第二七四〇
 号)
 療術の法制化に関する請願(熊谷弘君紹介)(
 第二七四一号)
 医療保険の患者負担の大幅引き上げ中止に関す
 る請願(池坊保子君紹介)(第二七四二号)
 同(穀田恵二君紹介)(第二七四三号)
 同(寺前巖君紹介)(第二七四四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月九日
 医療保険制度改悪の中止と国民健康保険制度拡
 充に関する陳情書外一件(大阪府高槻市桃園町
 二の一高槻市議会内段野啓三外一名)(第二七
 五号)
 医療制度の抜本的改革に関する陳情書(津市広
 明町一三三重県議会内石井三好)(第二七六号
 )
 医療政策の確立による高齢社会の福祉国家実現
 に関する陳情書(神戸市中央区中山手通六の一
 の三〇瀬尾攝)(第二七七号)
 児童福祉法改正等に関する陳情書(東京都千代
 田区霞が関一の一の三鬼追明夫)(第二七八号
 )
 保育制度・放課後児童対策等の充実を図る児童
 福祉法等の改正に関する陳情書外一件(札幌市
 中央区北二条西六北海道議会内中川義雄外一
 名)(第二七九号)
 保育所措置費の見直しに関する陳情書(岐阜市
 今沢町一八岐阜市議会内松岡文夫)(第二八〇
 号)
 遺伝子組みかえ食品等の安全性の確認と表示制
 度に関する陳情書外一件(鳥取市東町一の二二
 〇鳥取県議会内井上万吉男外一名)(第二八一
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 介護保険法案(内閣提出、第百三十九回国会閣
 法第七号)
 介護保険法施行法案(内閣提出、第百三十九回
 国会閣法第八号)
 医療法の一部を改正する法律案(内閣提出、第
 百三十九回国会閣法第九号)
     ――――◇―――――
○町村委員長 これより会議を開きます。
 第百三十九回国会、内閣提出、介護保険法案、介護保険法施行法案及び医療法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。
○佐藤(剛)委員 自由民主党の佐藤剛男でございます。
 委員長の卓越した議事進行によりまして、この介護保険につきましても、たしか、地方公聴会が二回にわたり四カ所、それから、当委員会におきますといいますとあれこれ四十時間を超えるわけでございます。いろいろな意見が本件につきまして出ました。それで、私は、この三十分間を活用させていただきまして、少し、いろいろな整理の意味も含めまして、厚生政務次官それから厚生省事務当局に御見解を、あるいは確認を含めてお聞きいたしたいと思います。
 一つは、幾つかの項目があると思うのですが、こういう分け方がいいかどうかは別としまして、私の言葉で言いますと国民参加ということでありますが、市民参加という意味でいろいろな意見がなされておりました。
 サービス事業者情報等を積極的に開示する、あるいは介護保険事業計画策定へ被保険者の意見というものを反映する、あるいは、国保連の行うオンブズマン制度、こういうものを充実いたしまして、とにかくこの介護保険事業計画の策定とか改定に際しまして被保険者意見の反映というようなものをはっきりと書けという意見も多々あったわけであります。
 私は、これは非常に重要なことだと感じているわけでございますが、こういう面につきまして、例えば被保険者を参画させまして第三者機関を設置したり、そういうふうなことで運営の公平公正性を保つということは非常に重要なことと解しておりますが、これにつきまして厚生省の御見解を問わせていただきたいと思います。
○江利川政府委員 介護保険制度の運営につきまして、住民の、あるいは国民の意見の反映、こういうものを考えるというのは大変重要なことだというふうに思っております。特に、この事業の基本になります介護保険事業計画の策定に当たりまして、これは市町村が策定するわけでありますけれども、どのようなサービス水準を達成するか、その中身が決まってくるわけでございます。そういう意味で重要な計画でございます。これを定めるに当たりまして、住民の意向、こういうものを反映するような工夫をするということは必要であるというふうに考えているわけでございます。
 具体的にどう反映するかということにつきましては、この国会の場におきましてもいろいろな御意見が出されたわけでございますし、そういう御議論を踏まえまして、私どもとしても適切に対応したいというふうに考えているところでございます。
○佐藤(剛)委員 私は、これは拘束規定ではないかもしれぬが、一つの政策提言としまして、そういうことを法律の中に明らかにしておくという形は、こういう新しい制度を導入する場合にあって必要ではないかと思うのでありますが、その点についてどのようにお考えになられるか。
○江利川政府委員 この国会における、委員会における議論を踏まえて、各党から修正のお話が出ているというふうに聞いております。そこでもそういう御指摘がございまして、先生の御指摘は傾聴に値するものというふうに受けとめているところでございますが、各党で詰めの議論をしているところというふうに聞いておりますので、その議論の結果を受けとめさせていただきたいというふうに思っております。
○佐藤(剛)委員 前向きな答弁、ありがとうございました。
 それでは、それに関連するのですが、広告制限の条項が九十八条にありますね。この広告制限というのはなぜこの中に入っているのかというのに、恐らく医療法の流れからくる話なんだろうと私は思うのです。医療法には広告制限規定というのがありますね。ですが、事業者のサービス内容を広く利用者に伝える、選択を容易にする、そういう観点からいたしますと、この九十八条の存在、これについては私はクェスチョンを持っておるのですが、これについて、厚生省はなぜそういう九十八条を入れたのか、その思想からはどうなのか、もう一度、確認と考え方をお聞きします。
○江利川政府委員 介護保険制度案におきましては、利用者が主体的にサービスを選択するということを基本としておりますので、その意味で、必要な情報が公開される、これは大変重要なことでございます。
 このような観点から、制度の運営、運用の段階でございますけれども、介護老人保健施設を含めまして、サービス事業者に対しまして、サービスに関する基本的な事項について、例えば施設内で掲示をするとか説明を行うとか、そういう情報が提供されるような、そういう事業者に対して運営基準を設ける、それに従って必要な指導を行う、こういう形で情報提供を考えていく、さらには、サービス事業者を指定します都道府県におきまして、あるいはまた保険事業者であります市町村におきまして、それぞれの立場で情報提供を推進していくということでございます。これは重要なことだというふうに思っております。
 御指摘の広告制限でございますが、これは、介護老人保健施設は医療提供施設であるということでもございまして、診療とか治療行為という、一般に内容の評価が困難ないわゆる専門的な分野につきまして広告が行われることが想定されることから、利用者保護という観点から、いわゆる客観性と正確性を維持できないような事項については広告を行ってはならない、広告制限を行っているというものでございます。
 ですから、そういうものとまた別途、いわゆる利用者に十分情報が渡る、これにつきましては、最初に申し上げましたような運営基準に基づいてそういう情報が利用者に提供されるような、そういう運営を考えていきたいというふうに思っております。
○佐藤(剛)委員 確認の意味ですが、そうすると、九十八条の撤廃はできないということですか。
○江利川政府委員 現在のところでは考えておりません。
○佐藤(剛)委員 いつ考えるのですか。
○江利川政府委員 利用者への情報提供は、運営に当たって定めます運営基準によりまして、こういうものを施設内に掲示する、こういう中身を利用者に説明するということをしたいと思っています。そういう形で、いわゆる広告ではなくて、利用者への掲示や説明という形で内容を提供していくということによりまして情報提供ができるのではないか、別の主体であります都道府県、市町村の立場でもできるのではないかというふうに思っております。
 広告制限は、医療のような専門的な分野について誤解を招くような広告をしてはならないという趣旨のものでございまして、これはこれで、その存在意義があるのではないかというふうに思っております。
○佐藤(剛)委員 私は、この問題は、これからお話し申し上げる検討期間、三年間ぐらいのときに検討する、その中での一つの検討項目として導入してもらいたいと思いますし、また、その間に、社会保障改革問題というのがあるし、それから、医療法人をどうするかというような問題がいろいろありますから、そういう問題で、今ここでは余り深みに入りませんが、その問題はあるということをテークノートしておいてください。
 それから次に、私はかねてから、この介護保険法の最大のメリットというのは利用者の選択権の確保ではないか。利用者の選択の幅をできるだけ広げる、そして、十分な介護サービス供給量の確保に加えまして、法律四十条に関係すると思いますが、バウチャー制度の導入というのができないのか、私は望ましいと思っておるわけでございます。
 これは、保険者たる市町村が、要介護度あるいはケアプランに応じまして、サービス区分ごとに必要なサービスを受けられるようバウチャーを発行するわけです。そして利用者は、そのバウチャーを利用して、介護サービス供給者をより自主的に選択できるようになるわけですね。介護サービス供給量の確保のためには、従来のような、すべての介護サービスというものを自治体や社会福祉法人など公的機関が提供するという発想を脱却する。これは、大臣も、できるだけ民間を活用すると御答弁いただいていたわけであります。
 これは、八十六条、九十四条に関係するのですが、このバウチャー制度の導入の四十条、それから、民間企業やボランティア団体など多様な事業主体の参入というものを積極的に促すということが私は必要ではないかと考えるわけでありますが、四十条、それから八十六条、九十四条に関係しまして、厚生省の御見解を問います。
○江利川政府委員 介護保険制度におきましては、介護を必要とする者が、その選択に基づいて、本人の心身の状況に応じて適切な保健医療サービスあるいは福祉サービスを総合的に受けるようにするということをねらいとしているものでございますが、そういう意味で、選択の確保という意味で、先生の御指摘は一つの御提案だというふうに思います。
 バウチャー方式は、サービス利用の自由度が増す、そういう特性を持っているわけでございます。ただ、一方で、バウチャー制度につきましては懸念もあるわけでございまして、一つは、供給量がまだ不足している段階において価格を自由にしてバウチャーで利用するというようなことになりますと、差額負担が大きなものになってしまうのではないだろうか。あるいは、自由な選択といいましても、要介護状態の高齢者となりますと、消費者保護的な観点からその人の購入、選択が適切に行われるようなことが必要ではないか、それが、事業者から直接バウチャーでサービスを買うとなりましたときに、消費者保護的な観点で配慮が欠けるようなことにはならないだろうか。そういう意味で、ケアプランに従って、いわゆる専門家のアドバイスを受けてサービスが利用できるような形というのが一つの仕組みではないかという感じもするわけでございます。それからまた、バウチャー制度の場合、使い残された切符、バウチャーがどんなふうに使われることになるのだろうか。
 その辺などの問題もございまして、これにつきましては、幅広く検討させていただきたいというふうに思っております。
○佐藤(剛)委員 それでは、この問題は、附則の検討項目の中に、具体的な項目としまして考えていただきたいと思います。
 それから次は、いろいろな給付の問題でございます。
 例えば、ひとり暮らしの老人を含めまして、そういう人たちに必要な給食、配食サービス、こういうような問題について、私は、このシステムは、今申し上げたような民活を含めたシステム確立が必要であるというふうに考えるわけですが、いかがでございましょうか。政務次官にお伺いします。
    〔委員長退席、長勢委員長代理着席〕
○鈴木(俊)政府委員 今後、公的介護サービスに対するニーズというものは増大し、また、多様化すると思います。これに対応するためには、利用者の選択によるサービスの利用でありますとか、あるいは、健全な競争を通じた効率的な介護サービスの供給というものが必要でありまして、そのためには、民間活力を積極的に導入していくということが必要であると思います。
 在宅福祉事業につきましては、従来から、民間事業者、農協等の事業主体への委託を進めておりますが、今後、これをさらに進めていこうという考えでありまして、介護保険制度におきましても、在宅サービスヘの参入に当たりましては、公的サービスと民間サービス、これを同一に取り扱う。あるいは、サービスの利用は利用者の選択にゆだねる、措置ではなくそういう選択にゆだねる仕組みとしております。さらに、サービスの上乗せでありますとか、それから横出しの部分につきましては、公的サービス、民間サービスの組み合わせが自由に仕組めるようにする。こういうことにしておるわけでありまして、こういうことによりまして、民間活力の導入というものが一層図られることを期待いたしておるところであります。
○佐藤(剛)委員 ありがとうございました。政務次官の前向きな答弁、多といたします。そのような方向でいろいろお願いいたしたいと思います。
 外出介助サービスの問題とか、そんな問題もあるわけでございますし、また、ここでも議論になりましたが、市町村の特例給付の現物給付というような問題もありますね。これについては、いろいろ運用上の工夫で可能な部分というのはあると私は思うのですが、これについて、市町村特例給付の現物給付問題につい厚生省はどのような立場をとられるか、お聞きしたいと思います。
○江利川政府委員 普通のサービス事業者は都道府県知事の指定を受けているわけでございますが、その地域における例えばボランティア団体のような形で十分なサービスができるようなケースに、市町村がそれを認めて特例給付を行うことになるわけでございます。
 原則としてそれは償還払いということを念頭に置いているわけでございますが、先生御指摘のように、償還払いの場合には、その利用時に全額払って、後からそれを領収書を持って市町村に行って九割払い戻してもらうということになるわけでございます。それではなかなか大変ではないかという御指摘も確かにそのとおりという側面もございまして、どういう工夫ができるか、これは少しお時間をいただきたいと思うのですが、実施までの間に何か工夫を考えられないか、考えてみたいというふうに思っております。
○佐藤(剛)委員 どうか厚生省で、これは具体的な運用のやり方で考えられる部分だろうと私は思いますので、これについては検討していただきたいと思うし、それから、ここで、先ほどちょっと私は確認していたのですが、例の附則の関係の検討すべき具体的な点で、これについてバウチャーの問題だとか苦情処理の問題だとか、これは、先ほど最初に言いました、条文でどこまでできるのか、明記して広く知らしめるのかの部分ですけれども、特に、これからの検討すべき具体的項目、こういうようなものについて、私は検討期間というのをまず明示すべきではないかという論者でございますが、附則第二条の関係についての問題の条文修正とあわせて、どういう項目を検討するか。
 例えば、先ほど言われたバウチャー方式の導入もやる、あるいは市町村の事務処理体制というのをどうする、いろいろなものがあると思うのですが、それじゃどういうようなものをこの機会に具体的項目として考えておるかということをこの機会にお聞きいたしたい。附則第二条の検討期間の明示と、それから、検討すべき具体的項目についての質問でございます。
○江利川政府委員 附則の検討規定は制度全般を書いてございまして、そういう意味で、実施状況を踏まえて、例えば被保険者の範囲がどうであるのかとか、障害者施策との関係をどう考えていくのかとか、大変幅広く書いてあるわけでございます。この場でもさまざまな御指摘がございましたが、指摘されたものについては幅広く検討すべきではないかというふうに思っているわけでございます。
 この検討条項につきましては期限が付されてございません。期限を付すべきではないかということも、この委員会で御指摘を受けているところでございます。それにつきましても条文修正を行うべきではないかということで、現在、各党間で検討が行われているというふうに承っておりますので、私どもは、その検討の結果を尊重させていただきたいというふうに思っているところでございます。
○佐藤(剛)委員 検討の相場が大体あって、これは初年度で、一年でやれなんて言ったってこれは事実上無理な話だから、調査したりやればどうしても三年というのが一番早い時期かなという感じはいたします。そして、そのときにはやはり財源問題が一番中心になる話ですから、そういうふうな問題を含めて広くやっていく。つまり、何が一番重要かというのは、日本の、世界にないような新しい独特のユニークな制度であるわけですから、これがずっと維持されて発展していくような方向にしないと。
 今、高齢者医療の問題で、現在の老人保健拠出金制度というのが各医療保険の財政を窮地に追い込んでいるわけですね。そういうことを見ますと、これは、医療保険からの納付金問題というのを、ここでも議論ありましたけれども、被保険者への財政圧迫にならないような形に持っていかなければいかぬわけですし、そして、そういう面で、介護保険法の施行と同時に老人保健制度の抜本改革をやることになっておるわけですが、老人保健拠出金制度の問題を含めて一体的なものとしてやっていかなければならない課題だろうと私は思います。非常に難しい問題ですが、やらなければいかぬ。
 とにかく、高齢者にとって医療と介護というのは一体なわけでありますから、制度間での十分な整合性を図っていく。そして、一割の自己負担を求める介護保険法案に対しまして、老人保健制度も定額制の問題というのがある、負担のアンバランスがある。それから、それを介護保険制度でどっちに移動してしまうか、それじゃ医療の方に今までどおりいってしまうというふうなことで社会的入院の問題が解消されないというふうな話になりかねないわけですから、その点について、どうかひとつ高齢者医療保険との整合性ということでやっていただきたい。
 それで、私、ここで聞きたいのですが、そもそも論ですが、仮にこの法律が通ったときに、平成十二年までに、この三年間で大丈夫ですか、準備、市町村体制。
 私は、いろいろ地元に行ってこういう話を聞きますと、最近になって、そろそろ介護保険法が通りそうだなといって、市町村長も非常に真剣に考え出しながら、悩み出しているような感じをお見受けするのです。ですから、三年間の間にこの制度、大丈夫なのかな、四年かかるのじゃないかなという感じまで持つのですが、そんなにかかってはいかぬわけですけれども、そこのところを非常に心配しております。それに対して厚生省、政務次官、局長、どのように今実情を把握しているのか。
○羽毛田政府委員 介護保険の発足二〇〇〇年、平成十二年、大丈夫かというお話でございます。その前に、介護保険の発足に当たっては、それと同時に老人医療制度、これについてきちっとすべきであるという御議論、そして、その間の整合性をとるべきであるという御議論でございます。
 まず、老人保健制度でございますけれども、私どもも、老人保健制度あるいはその中における老人保健拠出金の制度、これにつきましては、今、医療保険制度の中でも大きな課題になっております抜本改革の大きな柱とするというふうにしていきたいというふうに思っております。そういった老人医療制度、老人保健制度の改正を進めるに当たりましても、介護保険制度を発足させることによりまして医療と介護の役割分担といったようなことをきちっとすることが大事だと思っております。
 また、整合性の問題について言えば、先ほどの、負担の問題がございました。当然、今後における老人医療の負担の問題につきましては、介護保険との整合性ということをにらみながら今後の抜本改正を考えていかなければならないと思いますし、今回の改正につきましては、そういったことも念頭に置きまして、高齢者の方々についてはおおむね一割程度の負担水準ということを頭に置きながら、しかし、高齢者の心身の特性に配慮をして、急激な変化ということを避けるという意味から、定額を維持するという形で御提案をし、御可決をいただいたところでございます。
 修正によりまして、さらに入院の一部負担につきましては引き上げをするという形での利用者負担一割の水準に近づくような御措置もいただいたわけでございまして、先ほどの、今後の抜本改革につきましては、さらにどのような負担をお年寄りの方々に持っていただくか、また、若い方々との負担をどうするかということにつきましては、さらに検討をし、医療保険の抜本改革の中で答えを出していかなければならないというふうに考えております。
 それから、介護保険の発足に当たっての準備の問題でございます。
 一つは、やはり介護基盤、介護サービスをするための在宅サービスあるいは施設サービスのサービス基盤が整うかどうかということについてでございます。
 私ども、新ゴールドプランを何とか達成できるように、格段の努力を予算の面、あるいは、それぞれの地域ごとのばらつきというようなことを、いかに督励をし、整備をしていくかということで対応していかなければならないと思いますし、もう一点、事務処理体制につきましては、正直なかなか、この三年というのはかなりきつい日程でございますけれども、精力的にシステムを検討いたしまして、制度の成立を待ちまして、地方公共団体ともども準備体制を整えていきたいということで、現段階でいろいろやれますことにつきましては検討を進めておるところでございます。
    〔長勢委員長代理退席、委員長着席〕
○佐藤(剛)委員 時間になりましたからあれですが、後ほど同僚議員から加齢疾病条項の問題とかについていろいろお話があると思いますが、私は以上の問題について、ありがとうございました。また、政務次官、ありがとうございました。感謝を申し上げまして、終わりにいたします。
○町村委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十時三十二分休憩
     ――――◇―――――
    午前十時四十一分開議
○町村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山本孝史君。
○山本(孝)委員 おはようございます。
 まず最初に、この原案にあります介護保険の性格というものについてですけれども、これは一年単位の短期保険であって、その年に保険事故がなければ掛け捨てになるというような保険ではないかというふうに思っておりますが、二号被保険者について負担と給付のあり方が問題になっておりまして、介護は生涯を通じると二人に一人ぐらい要介護状態になるのではないかと常におっしゃっておられます。であるならば、積立方式というものは御検討なさったのであろうか。今回、そうなっておりませんけれども、なぜ積立方式でない方式になさったのか、ここの御説明をいただきたいと思います。
○江利川政府委員 介護保険制度は、御指摘のように短期保険ということで構成されておりますが、この制度を短期保険にするのか、年金のような長期保険にするのか、関係の審議会でも議論のあったところでございます。そこにおきまして、平成七年七月の老人保健福祉審議会の中間報告でございますが、その中間報告におきましてこんな一文がございます。
 年金制度のように納付実績に応じて給付が決定される仕組みを設けるべきであるという意見があったが、これに対しては、介護というリスクの性格のほか、納付管理事務の煩雑さ等を考慮すれば、実際上困難ではないかという指摘があった。
というようなことでございます。
 つまり、長期間保険料を管理していくという考え方になじむのかどうかというようなことだと思いますが、こういうような御意見を踏まえまして、医療保険制度と同じような短期保険制度というふうにしたものでございます。
○山本(孝)委員 二号被保険者の立場でいきますと、ほとんど百人に一人、あるいは金額的にいけば〇・一%ですか、納付をしているもののうちの給付しか受けられないという計算になるわけですね。ということであれば、六十五歳以降に受けられるという今の年金も積立方式と言いながら実際的には賦課方式に近くなっている、ということでいけば、そういう形で第二号被保険者の方たちに御理解をいただくということもできたのじゃないかというふうにも思うのですけれども、ちょっと今のは積立方式をとらなかったということの理屈としては根拠が薄いのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○江利川政府委員 先生御指摘されましたように、そしてまた中間報告にもありますように、確かに意見としては、長期保険として考えるべきではないかという意見もあったことは確かでございます。
 ただ、繰り返しになりますけれども、審議会におきまして、いわゆる介護リスクというのが年金のような積み立てといった所得保障となじむのかどうか、ある意味で疾病に近い部分というのがあるのではないかということだと思います。介護リスクというのをどんなふうにとらえるのだろうか。それから、保険料を長期間、若い時代からずっと積み立ててそれを管理していく、こういうことが、実務的な意味での煩雑さというのでしょうか、そういうふうな御指摘でございました。同じようなことの繰り返してございますけれども、そういう議論の結果だということでございます。
○山本(孝)委員 であれば、第二号被保険者の負担と給付の関係でいけば、同じように保険事故に遭った場合に給付をするという形をとる方が、特定疾病云々と言っているよりははるかにすっきりしているというふうに思うわけですね。
 問題の、一条にあります加齢疾病条項について、ここを外すべきだというふうに修正項目として各党お出しになっている部分があるわけですけれども、まず、そこの削除に応じられるのかどうかという点が一点です。応じられるということになると、年齢や原因にかかわらず、すべての要介護状態にある者に対して給付をするという方向にいくという意思を踏まえてその加齢疾病条項を外すということになるのか、単に形の上だけで外すということになるのか、そこのところ、保険の大きな制度になりますので、大臣のお考え等もございましたらお伺いをさせていただきたいと思います。
○江利川政府委員 法制的な意味合いからの関係もございますので、ちょっと私から御答弁させていただきます。
 目的規定に、「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態」、それへのサービスを対象とするのだということが書いてあるわけでございますが、これは、一号被保険者、二号被保険者に共通する給付事由を代表例で挙げて、そういうものに対して介護給付をする仕組みでありますということが書かれているものでございます。具体的な給付の中身というのはそれぞれ関係の条文に書いてございますけれども、この「目的」というのは、そういう法制の仕組み、この法律は基本的にまずそういう共通するものを例に挙げて給付の対象を明示している。この「目的」を仮に直すということになりますと、本来でありますと、・何か「目的」だけ直してあと直さないのかというのではなくて、例えば給付の対象の範囲をどう変えるのかとか、そういう議論に基づいて、それに応じて、いわゆる給付の中身に応じて「目的」が変わってくるのではないだろうかというふうに思います。
 したがいまして、私どもとしましては、この法律は附則に検討規定がありまして、幅広く制度のあり方を見直す、検討するということになっております。その検討の結果、例えば二号被保険者の給付の事由が広がるとか、そういうことになりますと、それに応じて目的規定を変えていくべきものではないだろうか、その部分が直らないでただただ「目的」を変えるというのはいかがかという感じを持っております。
○山本(孝)委員 わかりました。
 書き加えをしたときもなぜ書き加えたのかという質問で、法律的な意味での実質的な変更はありませんという江利用さんの御答弁もありましたので、外しても同じことになるのだろうというふうに思いますが、おっしゃっているように、後ろの方の条文のところをさわらないとだめだと。でも、「目的」を変えれば実に法律の目的が変わるわけですから、その方向性というものが出るわけですね。こっちの方に行くのだというはっきりしたものが出るわけで、そういう方向性を踏まえた上でこの条文からの修正云々のところの御検討をしていただけるものなのか、この辺の方向性を示していただけるといいというふうに思っているわけですけれども、その点でどうでしょうか、もう一度。
○江利川政府委員 附則に検討規定がございまして、制度の実施をして、さまざまな要素を勘案して検討していくわけでございます。検討の結果がどうなるかというのは今の時点ではまだ明らかにならないわけでございまして、そういう意味で、その検討の際に、例えば障害者まで対象とする方向で検討するのかどうかとか、そういうことは今の時点では方向は決まっておりません。
 この法案をまとめる段階では、関係者の中には、障害者、介護保険制度の中に入るべきであるという議論もあれば、果たしてそれが適当なんだろうかという議論もあったというふうに聞いておりますが、そういうことでございますので、今後、障害者プラン、二〇〇三年までかかって、現在のプランが計画の最後の年を迎えるわけでありますけれども、そういう施策が進んでいく中でこの辺の議論がどう深まっていくか、そういうことを踏まえて検討すべきものだというふうに思っております。
 今の段階で方向性は持っているわけではございません。
○山本(孝)委員 きょうは保険料のことについてお尋ねをしたいというふうに思います。
 保険料の決定は、まず各自治体が介護事業に要する費用を予測して、国がそれを全国的に集計して、政令で定めるガイドラインに従って決めていくということになっております。この総費用は、要介護認定のそれぞれの度合いに応じての人数、あるいは介護報酬の額、そして利用率、希望率といいましょうか、それで決まる、この三つの掛け合わせで決まるというふうに理解をしております。
 そうしますと、認定度別の対象者数の見込み、IからWまでの度合いによるわけですけれども、これは予測をされたとおりの度合いに実際やってみるとばらけるものだろうかという点ですね。すなわち、要介護度Iの虚弱の要支援者というのは見込みの数よりももっとふえるのではないだろうか、あるいは要介護認定をすると痴呆にある方の割合というのはもう少しふえるのではないだろうか、そういった意味で対象者の見込みが各要介護度別にかなりばらついてくる。それが見込みどおりいくだろうかというふうに思うのです。
 今、モデル事業等いろいろやっておられますけれども、これはこのような見込みどおりになりますでしょうか、見通しをお聞かせください。
○江利川政府委員 介護費用の将来推計をするに当たりまして、要介護度がどう分布するかということが計算上の一つの前提になるわけでございます。要介護度の発生率といいますのは、年齢階級別に今までの調査ではございますので、そういうものを掛けて、トータルとしては発生率というのが把握できるのではないか。
 そうすると、その要介護者の中の、重度の要介護であるとか中度であるとかというその分布がどうなるかということでございますが、これにつきましては、私どもの方で、いわゆる施設入所者などの実態を踏まえた分析をやっておりまして、それに基づいて分布を決めているわけでございます。これは抽出調査でございますから、一つの調査の結果ではありますけれども、すべてを調べてぴたりそのとおりになるかどうかというのは、これは難しいところだと思います。ある程度は幅を持って考えるべきだというふうに思いますが、その幅は重度の方に行ったり、逆のケースもあるかもしれませんし、一応現在の推計は、そういう調査結果に基づいて分布を調べて、それでやったものだということでございます。若干のばらつきは、それが違った形ではらつくことはあり得るとは思いますけれども、それによって費用が大きく変わってくるかというと、それほど大きくは変わらないのではないかという感じを持っておるところでございます。
○山本(孝)委員 もう一つの要素でありますサービス価格の設定です。
 ここは、報酬単価がどういうふうになるのですかということをお示しいただきたいというふうにお願いしているのですけれども、実際のところは、平成十二年二月、開始直前にならないとこの報酬額はお示しすることはできないというふうにおっしゃっておられる。
 ということは、そういう費用の集計という中において、平成十二年のスタート時において幾ら取られるかという部分は、幾ら納めなければいけないかというのは、この介護報酬の単価額によってくるわけですから、今のところでは総額ははっきり言えないという話になってしまうわけで、そういう意味で、かつて予測のときにお示しになった額にほぼ等しい額としてヘルパーさんの金額であるとかというのが設定されるのか、その中に例えば、地域差を勘案するとおっしゃっていますけれども、ヘルパーの熟練度といいましょうか、そういったところは考慮していただけるものなのか、そこの見通しをお聞かせをいただきたいと思います。
○江利川政府委員 介護費用の将来推計は、予算の単価などを参考にしながら計算したものでございます。一つの目安というのでしょうか、見込みというものを持ちながらやっていかなければならないということで、利用できる現下の資料を使いながらやったものでございます。
 二〇〇〇年における要介護者につきましては、要介護者、虚弱を含めて二百八十万人ぐらい予測されておりますが、そのうちの半分、百四十万ぐらいが要介護状態にある人ではないか。そのうちの半分、七十万ぐらいは施設に入るのだろう。施設ですと、現在の特養であるとか老健施設であるとか療養型病床群であるとかということを前提にしますと、単価につきましてはそう大きなぶれはなく、七十万人ぐらいという人数が決まりますと大体正確な推計ができるのではないかと思います。
 それから、在宅サービスの関係でございますが、これは、費用につきまして、実態調査をやって介護報酬を定めるというふうに考えております。ですから、実態調査の数字を踏まえて、地域ごとに価格にばらつきがあれば、そういう地域差も踏まえながら決めていくということになりますが、その結果が出てきませんと実は正確な費用推計はできない、これはおっしゃるとおりでございます。ただ、予算等の単価がございますので、今やっていますものと若干のばらつきはあるにしても、極端に大きくはばらつかないのではないかというふうに思っているところでございます。
 それから、熟練度の評価ということがございました。そういうものを一体どう評価するかということについてはなお詳細な検討が要るのだと思いますけれども、多分、熟練の方は要介護度の重い人を見ていくことになるのではないか。要介護度の重い人というのは、要介護度に応じてサービスの水準が変わってきますので、そういうのを踏まえると、結果的には要介護度の重い人を熟練者が見ていくとなりますと、事実上そういう形で評価されるということになるのかな、詳細な検討はさらに要るのかもしれませんけれども、イメージ的にはそんな感じを持っております。
○山本(孝)委員 一番の問題は、利用予測を四〇%と見る、在宅サービスを四〇%というふうに見て総額の四兆三千億弱という金額になるというところだというふうに思うのですね。この四〇%という見込みの数字が妥当なのかというのは何回も質問に出ていますけれども、本当にこれが妥当なのかどうか。どのような根拠で四〇%という見込みだというふうにおっしゃったのか。サービス量からして逆に四〇%しか利用できないというふうにおっしゃっているのか、あるいは四〇%の人しか利用しないだろうというふうにおっしゃっておられるのか、ここの四〇という数字の根拠を教えてください。
○江利川政府委員 市町村が策定しました老人保健福祉計画がございまして、その計画におきまして、地域における要介護老人あるいは虚弱老人、そういうのをもとに、どういうニーズがあるか、どの程度のニーズがあるかということを把握しまして、そのニーズに対応するという形でサービス量を設定して、市町村の老人保健福祉計画がつくられているわけでございます。
 これを全国集計して平均を見ますと、全部がホームヘルパーを一〇〇%、一人が一〇〇%分利用するということではない。説明の仕方がちょっと難しいのですが、自分は週二回ずつホームヘルパーを利用する、あるいはほかの人が二回ずつ利用するとか、そうすると、ホームヘルパー一人で何人も見られるわけでございますが、そういうサービスを、ホームヘルパーサイドに立って、一人当たりフル稼働したら何人分見られるか、こういうことが四〇%という数字でございます。
 ですから、もう少し薄く多くの人が利用するのだろう、一〇〇%のサービス量を四〇%の要介護老人が利用するのではなくて、在宅の四〇%が利用するのではなくて、一〇〇%よりもう少し低い水準のものを四〇%よりももっと多くの人が利用するのだろうということになろうかと思いますが、そういう利用の仕方を、市町村が定めました老人保健福祉計画のサービス量、サービスを提供する側からのフル稼働で割っていきますと大体四〇%の水準である、これをもとに、二〇〇〇年におきましては四〇%程度の利用率になるだろうということで推計したものでございます。
 ただ、これは、介護保険制度ができますと利用率が高まってくるだろうということで、十年ぐらいかかつてこの利用率がフル換算で八〇%ぐらいになるだろうというふうに見込んでいるところでございます。
○山本(孝)委員 十年かかって四〇が八〇にいくだろうというふうに、十年間待ってもらえるのかどうかという気もするのですけれども。
 そうすると、四〇%の利用率、フルに四〇%の人が使えばということですから、それを結局広く薄く使ってもらうのだ、こういうお話をしておられるわけですよね。そうすると、要介護度別に二百万なら二百万の人たちを、虚弱は百三十万人ぐらいが対象でしょう、こういうふうに割っておられるわけですね。それぞれに四〇%ということでやっておられるわけじゃないですよね。全部掛けて四〇とおっしゃっているわけですね。そうすると、重度の方たちは、やはりきちっとしたサービスが欲しいだろうという話になる。そういうふうになってくると、結局、虚弱の人たちのサービスというのが極めて薄くなるという形になるわけですか。
○江利川政府委員 市町村が老人保健福祉計画をつくる際の水準でございますが、いわゆる要介護の人と虚弱の人を比べますと、現実の利用状況は虚弱の人の方が利用率が実際に低い。これは、サービスが行き届かないというのではなくて、多分、まだ自前でやれる、自分でやれるというようなことで、利用しないで済むと頑張っておられる方が多いのではないかというふうに思います。
 スタートしたときに、重度の人ばかりに行って虚弱の人が手が薄くなるのではないかという御指摘がございましたが、仮にその地域におけるサービス水準が十分満たせないというような場合には、この法律の附則に経過措置がありますが、いわゆる暫定的な給付水準にして、全体に少しずつ利用率を下げていただく、それで保険料率もそれに応じて下げる、そういう経過措置を利用していただいて、その地域内のサービスが公平に行われるように運用していただくということになろうかと思います。
○山本(孝)委員 施設サービスは、施設の入所者の数で決まっているから、ここは利用者側からしてもよくわかるのですね。あそこにこういう施設があって、大体でこれだけ入れるだろうと。でも、そこにはもう既に入っている人たちがいるわけだから、あるいは入所待ちをしている人たちがいるわけだから、そうすると、重度の認定をされた人たちは結局、在宅でしばしお待ちくださいという話。そこには、それだけに、施設介護に見合うだけのサービスは提供しますよという話にならないと、多分納得してもらえないだろうと。その人たちにまず優先的に、やはり困っている人だから優先的にヘルパーさんもできるだけ回ってくださいという話にならざるを得ないのじゃないかと思うのですね。
 サービス水準が低いから保険料率を下げて、納める金額も下げればいいじゃないか、下げているのです、よその町は二千五百円取っておられますけれども、うちは二千円しか取っていませんよ、だからしばらく待ってくださいという話は、理屈としてはあるだろうけれども、払っている側からすれば、幾ら払っても一緒だという話ですね。取られている側からいけば、取られているということにおいて、それに対する見返りの給付というものが結局全然受けられない。いや、サービスはこれだけしかないのです、だからそれを皆さんで、ひとつあなた独占しないで、皆さんで薄く分けてくださいよということになると、週三回来てほしいと思っているところが週一回しが来てもらえないという話になって、何だこの制度はということに結局はなってしまうのじゃないか。
 だから、そこのところが、私、かねてから御主張申し上げているように、介護保険を導入すればすべて解決するようなことをおっしゃっているけれども、それほどのものじゃないのですよ。大変にサービスも少ないはずだというふうに思うわけですね。この四〇%の割合というのが、本当に四〇でしかいけないのか。あるいは逆に言うと、介護事業計画をこれからつくっていく中において、それぞれ足してみたら四〇じゃやはり無理だ、五〇%のサービス量でないといけないという話になれば、四兆二千だとか四兆三千だとかといっている話がぽんと上がるわけですね。ということは、二千五百円じゃなくて、やはり二千八百円だとか三千円だとかという話になってくるのじゃないか。その辺はどうなんですか、実際のところは。これは四〇で二千五百円を平均ということでスタートするというお考えなんでしょうか。
○江利川政府委員 介護報酬もサービスの実態調査をやって決めていきますし、それから、新ゴールドプランに基づいて計画的にやっている部分はありますが、民間事業者の参入ということで、新たにサービス供給に入ってくる主体もあるわけでございます。それから、この法律の中では、さらにボランティアでありましても、恒常的にサービスが提供できて市町村が認定するものについては、介護保険給付の対象にしようというものがあるわけでございます。
 ですから、新ゴールドプランの四〇ぴたりなのか。そうではなくて、スタートの段階では、そういうものが入ってくれば、四〇を少し上回るような形でいくのだろうか、それは十分考えられるところだと思います。また、二〇〇〇年からスタートする介護保険事業計画の際には、さらに直近のニーズ状況を踏まえて目標値を定めていきますので、そういう意味では五年間の計画になりますが、またさらにもっと高い水準を目指していくことになろうかと思います。
 ですから、これは、二〇〇〇年の四・二兆円といいますのは、利用できる単価を前提に、新ゴールドプランで整備される水準を、まず二〇〇〇年がそのスタートになるわけでございますので、それを前提にやっておりますが、そういう面で大きな変動はないとは思いますけれども、さらにサービスが追加されたり、そういう介護費用についての実態調査を踏まえてどういう価格、単価が設定されるかということによって、ある程度の動きというものはあり得るということでございます。
○山本(孝)委員 そうすると、こういうことになるのですか。二千五百円というものを今の時点で御負担をいただくということになると、平成十二年の制度スタート時においては、在宅サービスを利用する人たちの全部のサービスの要求量の四〇%を満たせる体制がつくれるのだ一それが、もっとサービス水準が上がる、あるいは民間が入ってきてサービス水準が上がる、あるいは御要望でサービス水準をもっと上げるということになれば、そこは二千六百、七百、八百という話になって、それは実際のところは、制度直前までなかなか金額としては見込めない、今は仮に置いてみたら二千五百円なんだという話ですか。
○江利川政府委員 基本的にそういうことでございます。いわゆる現在利用できる価格を使って将来推計をやってみたと。そして、それがどのぐらいになるかという推計がわからなければイメージがつかめませんので、これは絶対必要なことだと思うのです。
 ただ、現実には、そこで出てくる提供できるサービスを前提に、そしてまた実態調査を踏まえた価格を前提にやっていきますので、その段階で推計したのと少し違った数字になって、それに応じて保険料も変わるということはあり得るところでございます。
○山本(孝)委員 わかりました。もう一遍、その金額の話は後でお伺いしますけれども。
 第一号被保険者について、五段階で各自治体で取ってくださいということになっていますけれども、この五段階というのが、例えば六段階とか七段階にもなる可能性があるのか。あるいは、そこで五割増減、二割五分の増減という形の数字を出しておられますけれども、今後は各自治体においてそこの割合も変えていいのか、いや、全国一律この形でやってくださいというお話なのか、そこはどういう考え方なのでしょう。
○江利川政府委員 一号被保険者の保険料の負担のあり方につきましては、政令で所得段階別の定額保険料の算定方法の基準を定めるわけでありますが、その際に、負担能力の低い者には基準となる額から一定率を減額した額、逆に高い人には一定率を増額した額というふうに定めることになろうというふうに思っております。これは、全国の市町村はこの基準に従って定めていただくということで、現在、五段階というふうに考えておりますが、この五段階で全国の市町村でやっていただくというふうに考えております。
○山本(孝)委員 五段階という区切りを今は全国一律で決めておられて、例えば、私の自治体は、低所得者の方たちのために、今でいいますと五割の減額が書いてありますけれども、五割以上減額するのだ、うちの自治体は、あるいはうちは高額の所得者からもっと取るのだというふうに、各自治体の判断でそこの割合は変えていいものですか。
○江利川政府委員 平均的な保険料水準そのものは、その地域におけるサービスのトータルの量、給付水準、それに応じて定めていくということになりますから、そのサービスの水準がどうであるかによって差異があり得るわけでございますけれども、保険料の算定ルールにつきましては、市町村間の公平というのでしょうか、これは一応、全国一律の制度でございますし、半分は公費負担が入るという制度でございますし、そういうこともありまして、その五段階の決め方は全国一律のルールでやっていただきたいというふうに考えております。
○山本(孝)委員 大臣にお伺いをさせていただきたいのですけれども、低所得の高齢者に対する負担の問題ですね。
 高齢者の所得の状況が、高額な人と低所得の方と二極分化していくと思うのですけれども、国保加入の七十歳以上の高齢者の保険料を見ますと、今、年間二万五千円、月二千円以下の方で百五十一万世帯、三四・五%。七十歳以上の高齢者の三分の一の方たちの国保料というのは、月二千円以下なんですね。恐らく、もっと低い、五百円とか千円というような国保料を払っておられる高齢者は多いと思いますけれども、この方たちは世帯住民税非課税に多分相当するでしょうから、今の介護保険料の決め方でいきますと千二百五十円ということになります。国保保険料の金額と兼ね合わせてみると、国保を払いながら、新たに介護保険料として千二百五十円、今二千五百円という基準からいけば、その減額割合として半分ということになるわけですけれども、この負担というのはかなりの負担になってくるのではないかというふうに思うのです。
 この程度の負担ということでいつも問題になりますけれども、介護保険料の千二百五十円、今で言われている金額は、高齢者にとって、特に低所得の方にとって、国保は免除制度がありませんので、今御説明にあったとおり五段階の一定金額をやはり取らなければいけなくなります。この辺の負担をどういうふうに大臣としてお受けとめでいらっしゃいますか。
○小泉国務大臣 それは、負担はない方がいいに決まっているのですが、低所得者に対しては、それなりに低い保険料額を設定しておりますので、これが負担できないかどうかというのはその人によって違うと思いますが、私は、負担できない範囲ではない、負担し得る、そう思っております。
○山本(孝)委員 いつも、病院に行くときの医療保険、これは、高齢者の医療保険制度はまた別になっていますけれども、保険料の点からいけば、国保の保険料として五百円とか千円とか、あるいは二千円弱という金額を払っています。そこへ、夫婦でいけば二千五百円という介護保険のための費用、今、多分最低水準だと思いますけれども、これからふえていくと思いますけれども、というものが出てくる。この国保の保険料と見比べて、介護の保険料の金額、この辺も無理のない妥当な範囲だという御認識でいらっしゃいましょうか。
○小泉国務大臣 私は、給付に見合ったそれほど無理のない、負担とは思っておりません。
○山本(孝)委員 きめ細かな減免制度、免というのがないものですから、減額はするけれども免除はしないということになっていますし、この利用料の一割負担というものも、ここもお伺いをしないといけないのです。
 高額介護サービス費ということで一番最後の質問で振ってありますけれども、高額介護サービス費ということで、医療保険の医療費の自己負担の高額限度額、六万三千六百円という形の限度が医療保険の場合は決まっています。介護の場合に、同じような制度をつくるということになっています。金額は今明示をされていません。ここを一体幾らぐらいで決めるのか。かかる費用の一割の自己負担ですから、四十万円で四万円というような形ですね。医療費の場合でいくと、上限額は今六万三千円というところで設定されている、低所得の方は三万円ぐらいのところで設定されていますけれども。この金額を横目で見ながら、高額介護サービス費というものの上限をどのぐらいに決めて、所得の低い人たちはどの辺の金額を決めようというふうにお考えなのか、そこのところはどういう数字を今お持ちですか。
○江利川政府委員 高額介護サービス費の支給基準額でございますが、これにつきましては、法施行までの間に審議会で御議論いただいて決めるということでございますので、まだ幾らというものは決めていないわけでございます。
 ただ、これにつきましては、現在の医療保険制度の仕組みあるいは老人医療の仕組み、その中で、さまざまな工夫を凝らした高額療養費制度がございますので、あるいは老人の場合には定額になっておりますが、ありますので、こういうものも参考にしながら設定をしたいということでございます。
 今の段階で幾らということではございませんし、また、六万幾らとかとなりますと該当する人がいないじゃないかというような話にもなりますし、この制度の実態とそういう医療との関係のバランスを十分吟味させていただいて、検討させてもらいたいというふうに思っております。
○山本(孝)委員 思わずおっしゃいましたように、一割負担、四十万の利用料で一割負担四万ですから、それを減額してあげるという意味でいけば、高額介護サービス費をそれよりも限度額を低くして設定しないと、高額サービスの利用の負担を軽減してあげるというふうにならないので、医療保険の金額としては六万とか三万とかいう金額がありますけれども、介護の場合においてはかなり低目のところに上限額を設定しないと意味がないのじゃないか。だから、もうその設定をしないのであれば、制度そのものをつくらないでもいいのじゃないかという議論になりますので、ここをかなり低目のところで設定するというお考えをぜひ持っていただきたいのですけれども、もう一度御答弁をお願いします。
○江利川政府委員 かなり低目というのは、大分何度も強調されましたので、ストレートに、はい、そうですとなかなか言いにくいわけでありますが、介護サービスの実態、それからやはり所得に応じて、配慮は特に低所得者について行われるのが適当なんだろうというふうに思うわけでありますが、そういうふうなことを加味して十分多角的に検討させていただきたいというふうに思っております。
○山本(孝)委員 二号被保険者の保険料についてお伺いをしたいと思います。
 きょうの御答弁で二千五百円は仮置きの金額であるというお話でしたけれども、一号被保険者に対しての平均金額は二千五百円、お示しいただいている資料では、二号保険料は各保険者ごとに金額が変わってきますので、政管健保に入っている人は二千六百円、組合健保に入っている人は三千四百円、国保の人たちは千二百円というのが平均の金額であるというふうにお示しをいただいています。
 問題は、医療保険との絡みの中で、医療保険の負担は減るのかということですね。介護保険という制度が新しくこちらにできます。従来の医療保険の中で、老健拠出金で見ていた部分が全部こちらの方に動いていきます。ということでいけば、医療保険としては財政負担が軽くなる。その分のメリット、すなわち、被保険者としては、こちら側で介護保険料を払っているわけですから、医療保険からこっちに会計が移るのであれば、医療保険の料率を下げてもらって医療保険料を少し安くしてほしい、安くしてもらうべきだというのが当然の考え方だと思いますけれども、ここは当然下げていただくということになるのでしょうね。
○高木(俊)政府委員 まず、制度論と申しますか、制度の仕組みで申し上げたいと思いますが、介護保険が実現しますと、介護に必要な費用というのはこれは介護保険の保険料が充てられる、そこで財政の収支バランスを、公費も入りますが、とっていく、こういう制度ができるわけでありまして、それに伴って、医療費の方、医療保険サイドでありますけれども、当然、医療保険サイドは、従来の医療保険サイドで見ていた分が介護の方に移りますから、そういった意味では、そこの部分が減るわけであります。制度論としてはそういうことでありますから、医療保険制度が収支バランス相償っておれば、これは保険料を引き下げるという格好にいくということだと思います。
 問題は、実態論の問題になるわけでありまして、現行の医療保険制度はこれは大変な赤字構造になっておるわけでありまして、今、そういった中で抜本改革ということを急いでおるわけでありますけれども、そういった赤字構造にありますから、医療保険の中での保険料が、ある意味では医療費を賄うだけ取られていないということにもなるわけでありまして、そういった中でございますので、実態上、保険料を下げられるかどうかということになりますと、そこのところは、現行制度であればなかなか難しい状況だと思います。
 ただ、現在の医療保険制度は、このままではこれからの新しい時代にはやっていけないということで抜本改革を行う。その際、介護保険制度は予定どおり平成十二年度から導入されるということになりますと、介護保険制度それから医療保険制度、それぞれの負担と給付の関係がやはり明確になって、国民が負担する際においてもあるいは支出の面においてもわかりやすい形になっていることが必要だと思いますから、そういった意味では、私どもとしても、介護保険が導入されるまでに医療保険制度についても安定軌道に乗せる必要がある、そういうことでこの医療保険制度の抜本改革ということを急いでおるわけでございます。
○山本(孝)委員 今の高木局長の御答弁ですと、介護保険が入って、医療保険の中で賄っていた部分がこっちへ移るということで、でも下がらないということであれば、我々利用者側というか被保険者側からすれば、結局、介護保険の負担分だけ上乗せされてしまう。新たな負担が生じただけであって、医療保険はもちろん財政上は若干よくなる、しかし、それは今の財政状況を変えるには至らないということですね。ここは抜本改革をして医療保険としてはその利用の負担を減らすということであって、でも、我々からすると、こっちで払っていたものがこっち側に動くわけだから、こっち側は当然負担が軽くなるのだから、その分、見合いの分は減らしていただいて、それとは別個に抜本的な改革をしていただくべきなのだというのが筋だというか、理屈だと思うのですね。そうでないと、結局、またここで余裕ができたからまだまだ四、五年もつではないかという話になってしまって、介護保険制度というものをつくった意味もなくなってしまうというふうに思うのですね。
 だから、そういう意味においてもう一度、せんだって来の健康保険の審議の中で、八月いっぱいに抜本改革案はつくりますと。その案に従っていけば、介護保険ができようができまいが、医療保険料としての御負担はふえていかない、減るとは言いませんけれども、ふえていかないということに多分なるのだという抜本改革案だと思いますけれども、案ならば、やはり介護保険として払う分くらいの見合いは、こっち側で負担が軽くなる分は医療保険料を下げるのだという形になってしかるべきだと思うのです。大臣、そんなふうにはなりませんか。やはり要るものは要るのだ、浮いた財源は減らすというわけにはいかないのだという考え方になりますか。
○小泉国務大臣 介護保険が導入されて、その分の負担が今の医療保険の負担とプラスになっていくということには直接にはならないと思います。
 介護保険を導入することによって、今まで医療保険の方にかかっていた費用の中でも重複する場合がありますから、介護保険が導入されて、今までの医療保険プラス介護保険の費用ということにはならない。若干整理されてくる。医療保険の方で負担していた分が低くなる面もある。額でどうなるかということはわかりません。
 しかし、かといって、介護保険制度が導入される前に医療保険制度の抜本改革をやれば、介護保険制度を導入する分の負担がなくなるというものでもない。私はやはり、介護保険制度を導入するからには、それなりの費用はかかってくるというふうに思っています。
○山本(孝)委員 介護保険制度をつくることで、新たに医療保険でないところの負担というものが出てくることは事実でして、だから、ここで介護保険制度というものに対する費用負担はしてくださいという話はあるのですが、今、医療保険の中で、老人拠出金の中で出ているお金があります。例えば老健施設であろうとも、あるいは療養型の病床群であろうと、今度、介護施設ということでみんなこっち側へ移ってくるわけですから、こっち側の負担として、各保険者としての老人拠出金の御負担の部分は減るということは、財政状況は改善されるのだ、その分に見合うだけのものは健康保険料率として当然利用者に還元するべきではないかというふうに思う。だから、そこはそういう考え方にはならないのですかということです。ということは、したがって、健康保険料は下げてしかるべきではないかというふうに思うのですけれども。
○小泉国務大臣 それは、医療保険制度の抜本改革の中で、医療も介護も国民が給付を受ける、同時に国民が負担もするという問題ですから、医療保険の負担が減ると自分がプラスになるという一面的なとらえ方は私はしたくないと思う。介護保険制度、医療保険制度あるいは年金制度、いずれも給付の裏には負担がある、それをどうやって整合的に給付と負担の均衡を図るかという視点で私は改革に取り組んでいきたいと思っています。
○山本(孝)委員 おっしゃっていることはわかるのですけれども、健康保険料の上乗せ部分としてお支払いをするわけですね、介護保険料という形で。一つの制度になっていれば、新たに介護というサービスがつきますから、その分、負担がふえますよという、理屈としては非常にわかりやすいのだけれども、従来は、こっち側の会計があるわけですから、健康保険の会計を持っています、こっち側で介護保険は介護保険の会計を持っているわけですから、こちら側で新たに御負担をする、新たな御負担というのは、新たなサービスとしての負担もあるし、従来、健康保険で払っていたものを今度は介護保険という中で払うのだという部分もあるわけですから、今度、介護保険として払うようになった従来の健康保険の部分というのは当然下がってしかるべきじゃないか。理屈の上ではそうじゃないのですか。
○高木(俊)政府委員 制度の仕組みの理屈の上ではそのとおりだと思います。
 したがって、この抜本改革を進めるに当たって、新たに保険料というものを設定していくわけでありますが、その際には、その辺の説明に当たって、区分はきちっとした形でお示ししていく必要があるだろうと思っております。
 ですから、今、トータルとしては赤字基調にありますから、実態として保険料を下げるような形の抜本改革案ができるかどうかという問題がありますけれども、いずれにしましても、介護保険に回った分については医療保険では理論的には負担しないということに、従来と変わるわけですから、その分がこれだけの保険料になります、しかし、残された医療保険制度全体の財政バランスということを考えますと、これだけの保険料をいただかなければなりませんと。
 その差がマイナスになれば、先生おっしゃるとおり、医療保険の保険料を下げることができるわけでありますけれども、今の医療保険制度の運営の実態からすると、非常に財政が厳しい状況ですから、そこのところがマイナスになるかどうか、これは抜本改革案をどういうふうにつくるかということとの関係だと思いますが、保険料を設定する際の明確な説明という意味では、その点について十分配慮しなければいけないというふうに思っております。
○山本(孝)委員 皆さん側からすれば、食い逃げしてしまう、こちらは新たな負担だけが出てしまうという形になるのは絶対おかしいわけですね。こっちで払っていたもののサービスが、健康保険料で払っていたというところのサービスで受けていたものが、今度は介護保険料を払って、介護保険という枠組みの中でサービスが提供されるわけだから、当然、こっち側で払っていたお金はこっちに払っているわけだから、こっち側の負担が楽になれば、健康保険の負担が楽になれば、その分の保険料としては下がって当然なんだ。抜本改革をやってどうだこうだというのは、抜本改革をやればもっと下げなければいけないわけですよ。
 今だって、別に介護保険料という制度をつくらなくても、新しい介護保険というお金を取らなくても、抜本改革をやれば、抜本改革の分だけ料率は下がるはずですよ。あるいは、上げていかなくて済むはずなんだ。そうじゃないのですか。だって、こっち側で老人保健の拠出金制度ということで各保険者が出しているお金が、介護保険という中で今度は出るわけですよ。そういうことによってこっちの負担は楽になるのだから、当然、健康保険料の減額という形で利用者に対して還元されるべきじゃないのですか。首を振っておられますけれども、違うのですか。
○小泉国務大臣 これからは高齢者がふえてまいります。すると、国民負担率がふえてくる。このままであったら大変多くなって、負担にたえられないから、今、抜本改革をしようというのであって、私は、介護保険制度の導入をやって、今までの保険料の負担が軽くなるとは思っていません。年金、医療に介護を加えれば、いかに五〇%以下に抑えるかということでありまして、介護保険制度を導入すると今までの負担が軽くなるというような状況には、今の人口構造から考えると、それはなかなか無理ではないかなと。
 今どんどんふえていっていますから、このままの状況だったらもっとふえざるを得ない。そのふえ方をどうやって抑えるかということがこれから大事な点でありますから、全体の国民負担率をどの程度に抑えるか、その中で年金と医療と介護とを、どうやって国民が給付に見合う保険料を払うにたえられるか、どのくらいの給付を要求するか、どれほどの保険料にたえられるか、その均衡を図りながらやっていく問題であって、私は、介護保険を導入し、抜本改革をやれば今の負担が減るとは思っておりません。
○山本(孝)委員 実際問題としては、人口構成が変わっていきますし、その年度年度の財政状況というのがありますから、おっしゃっていることは、私、半分は理解しているのですけれども、でも、理屈の上でいけばやはりこうですよ。
 皆さん、新たに介護保険料ということで、二千五百円なり、あるいは組合の方でいけば三千四百円なりの御負担をしていただくのですよという部分が出てくるわけだから、それに見合う部分が、負担が減る部分は、これだけのものは実は財源上は浮きますよ、財源上浮く部分を、それを保険料の減額という形で還元をするか、あるいは新たな方策に使っていくかというのは、これは政策的な判断であって、我々がまた決めることであって、だけれども、そこは基本原則としては下がるのだということでないと私はやはりおかしいというふうに思います。
 時間になってしまったのであれですけれども、それと、やはり若年者の人たちの負担が、保険料を払いながら〇・一%部分しか実際は給付としては返ってこないという部分がありますので、もう完全に掛け捨てになっていく。世代間の負担だ云々というけれども、それはちょっとまた違うので、保険の原理という意味でいけば違う。私はやはり、若年者は、これはなかなか保険料を払うことの理屈が立ちにくいだろうと思います。
 もう一つ、地域保険でありながら、企業に負担を求める、企業負担をさせる。今、国民健康保険は企業負担していません。あれと同じシステムであるならば、地域保険であるならば、なぜ企業が負担をしなければいけないのかという部分は、私はここも理屈にやはり合わないと思います。企業が相応の負担をするのであれば、法人税であれ、あるいはそういう介護目的税であれ、企業が負担をすればいいことであって、保険料の半額を企業が負担するという形は、地域保険という中では私はやはりここもおかしいというふうに思っています。
 時間がなくなりましたけれども、やはり保険という原理を持ってくるのであれば保険の原理に従ったものにしていただきたいし、単に負担だけを上げていくという話でもない。きょうのお話で、二千五百円は仮置きの金額だということでしたので、将来、実際に幾らになるのだ。五百円という数字もいまだにひとり歩きしておりますので、五百円なのか、二千五百円なのか、千七百円か幾らかわかりませんという形じゃなくて、やはりそこはきちっとわかる形でないと負担をする方としては納得できないということを最後に申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○町村委員長 矢上雅義君。
○矢上委員 新進党の矢上雅義でございます。
 介護保険法案につきまして、ちょっと個々具体的に入らせていただきますが、まず、用語の定義についてお聞きいたします。
 「要介護状態」や「要介護状態となるおそれがある状態」という定義が法案の中にございますが、その中で、その状態が「厚生省令で定める期間にわたり」継続した場合において認めるということが規定してございますが、具体的には、「厚生省令で定める期間」というものはどのくらいの期間に相当するのか。
○江利川政府委員 検討中の段カではございますけれども、大体三カ月ないし六カ月ぐらいを考えるのかなというふうに思っております。
 それから、これは、この法律の対象になります要介護状態といいますのは、三カ月あるいは六カ月たってからなるというのではなくて、それが見込まれるということでありますので、要介護状態になって、今後長く続くな、そう見込まれれば、なって間もない段階というのでしょうか、一週間とか二週間しかたっていなくても、その人が今後三カ月あるいは六カ月見込まれるなという場合には、この法律の要介護状態の人に該当するわけでございます。
○矢上委員 きのう厚生省から御説明をいただいたときには、こういう解釈で、例えば医療が対応するときというものは急性期に当たり、介護保険が対応するときというのは慢性期に当たる、すなわち、寝たきり状態がおおむね定着したときから保険の対象になるのではないかという御見解もお伺いしましたが、ただいま江利用審議官からお答えいただいたことと少し食い違いますが、どちらが正しいのでしょうか。
○江利川政府委員 実際、要介護の申請があるのはそれぞれのケースだと思うのです。
 私が申し上げましたのは、要介護状態だということで申請をされましたときに、引き続きこれから三カ月とか六カ月見込まれるという人が対象になるということでありまして、それは病気で治療を受けて入院しているということであれば要介護申請はないと思いますし、そういう場合には、当然、医療でやっていくのだろうと思います。要介護状態になって手を挙げてくるケース、病気でなる場合もあればその他もあると思います。単に、まだなったばかりだからどう、そういうことではないということを申し上げているわけでございます。
○矢上委員 私がこの点を質問したのは、結局、先ほど申しましたように、一般的な理解では、急性期の状況では医療、慢性期になっては介護保険が対応することとなりますが、その端境期というか、ちょうど境目、医療が面倒を見るのか介護保険が面倒を見るのかが一番わかりにくい過渡期の時点で、これは介護保険の対象ではないから認定いたしません。そうすると、今度は医療の世界に戻って、そこで、社会的入院を認めるのか認めないのかという問題にもつながってきますし、また、寝たきり状態になるような病気、重大な病気を起こしたときこそが一番家族にとっても負担がきついときでございますし、また、本人の社会復帰がそのときの最初のケアで早くなるか遅くなるかという瀬戸際でもございますので、この辺の解釈等きちんとしていただくことと、現実の対応で、その合間、ちょうど境目におられる方の要介護認定等の対応をきちんとなされるかどうか、そのあたりが心配で質問させていただきました。御了解いただければと思います。
 続きまして、二番目の質問で、四十歳から六十五歳未満の被保険者の場合には、加齢を原因とする特定疾病による障害でなければ保険給付を受けられないとございますが、具体的にどのような疾病を予定しておられるのか、お聞きいたします。
○江利川政府委員 四十歳以上六十五歳未満の要介護者、これは、心身の障害の原因が「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病」、そういう場合に介護保険から介護サービスが給付されるということになるわけでございます。加齢に伴って発生頻度が高まっていく、そういう疾病を原因として継続して介護状態になるということでございます。
 具体的にどういうものがなるかということにつきましては、実はこれは専門家による検討を行っていただいておるところでございまして、そういう検討を経て決まっていくわけでございますが、代表的な見込まれる例としまして、例えば脳血管障害によるいわゆる障害であるとか、あるいはまた初老期痴呆による要介護状態であるとか、こういうものは含まれるのではないかというふうに思っています。専門家の検討によりまして、もっと医学的、客観的にこういうものを特定疾病にすべきだということが今後決められていくということになります。
○矢上委員 この特定疾病というものを具体的にどのように特定するか、それがひいては、四十歳から六十五歳未満の被保険者の方にとって、その権利があるのかないのかという大きな分かれ目になると思うわけでございますが、その権利の程度ではなくて、権利の有無にかかわる事項に関して専門家による検討が行われておるということでございますが、それだけ重要な事項の検討に当たって、どのような専門家がどのような構成で現実にされておられるのでしょうか。
○江利川政府委員 要介護認定における特定疾病に関する研究会というのがございまして、座長は井形先生、国立療養所中部病院の院長でございます。医療関係の人、それからリハビリテーション関係の人、社会福祉関係の先生、みんな、そういう医療施設の責任者であるとか、あるいは大学の先生でございますけれども、医療関係団体で医師会の人にも入っていただいておりますが、全部で九名でございます。
○矢上委員 その研究会で仮に研究結果が最終的に出されるとして、その最終的な研究結果というものは、先ほど申しましたように、個人の権利に、生命、健康に関する権利という重大な権利に大きな影響を与えるものでございますから、ただ研究会の結果が出たらそれでオーケーということなんでしょうか、それとも、きちんと国会での承認等が必要なんでしょうか。
○江利川政府委員 特定疾病は政令で定めることになっております。ですから、そういう意味で国会の御審議というのはございません。
 ただ、今の専門家の研究会で専門的な分析をして整理しました結果は、老人保健福祉審議会、関係の審議会にかけまして、こういう中身でどうだろうか、そういう御議論を審議会でまたしていただきます。その結論を踏まえて政令で定めるということにさせていただく、そういう手はずでございます。
○矢上委員 何回も繰り返しますが、重要な基本的人権の一つであると思いますので、その審議会だけの結論で済むのかどうか、その辺も含めて再度御検討をいただければと思います。
 続きまして、二番目の質問に移らせていただきますが、いわゆる要介護認定についてでございます。
 法案の第十四条、「介護認定審査会」等に規定されておりますが、品川区の調査によると、新聞の報道でございますが、厚生省の調査票のみによる判定と個別の事情も加味した判定とでは、その答えに四割もの相違が生じたとされております。
 そういう報道がなされておりますが、要介護状態を正確に把握するためにこれからどのような対策を考えておられるのか。この段階としては、現場調査に行く人のレベル、調査票を書く方法論の問題、また、最終的に審査会において構成する委員が審査判定をする、いろいろな段階がございますが、一番重要となる現場調査に当たってのそういう対応等をお答えいただければと思います。
○江利川政府委員 平成八年度にモデル事業を六土地域で行いまして、要介護判定につきまして、調査員の調査結果に基づくコンピューターによる処理の結果、それと介護認定審査会における判断の結果の違いがどう出るかということを調べたわけでございます。品川区の事例が新聞に出ていたということでございますが、全国からの報告を集計しますと、一致率が大体七割ぐらいということでございます。
 ただ、なぜ違いが出てくるのか、これは、機械の処理と専門家の判定ですから、全部、一〇〇%一致するということは私はないのだと思います。また、その方がある意味では判断として健全なのだろうというふうに思うわけでありますが、しかし、違いがなぜ出てきたか、その原因の分析は必要だというふうに思います。
 いろいろと意見もあわせて寄せられてきておりまして、この意見をこれから、やはり同じように研究会で分析、検討していただいて、例えば調査項目の、誤解を招きやすい、あるいはわかりにくいところの表現を直すとか、記入マニュアルみたいなものを、誤解があったりしているケースもあったようでございますので、そういうところを直していくとか、今回のモデル事業の結果に基づいてさまざまな可能な改善を重ねまして、今年度におきましてもさらにモデル事業を実施する。三百四十七地域で行うということでございますが、そこでの実績を踏まえて、さらにまた改善する点があれば改善をする。こういう形で、できるだけ、より公平で客観的、正確に調査ができるものにしていきたいというふうに考えております。
○矢上委員 法案によりますと、現場の調査に行く人は、市町村の職員が行くとされておりますが、御存じのように、市町村の職員は二、三年で一回交代してしまいますから、きちんとした調査能力を持つ前に交代してしまうというおそれがございます。
 そこで、よく現場で指摘されておりますし、私自身も経験したことでございますが、何遍も言いますが、うちの父のことで、身内のことで申しわけございませんが、座らせておいた方がいいだろうということで家族で抱えて座らせておる。それで、やはり自分の父ですから、きちんとひげもそってあげる、床屋さんも呼んで髪の毛も整える。つまり、寝たきりでおっても髪の毛もきれいで、ひげも毎日そって、一日に何回か座らせておる。そういうものを市の職員の方がぱっと見られて、ああ、この方はきちんと身なりも整って座っておられるので自立した方だなと思うことが自然な状態ですよね。そして、結果的にはそれで福祉サービスを受けられない。
 また逆に、家族が面倒を見ていなくてというか、家族と同居でなくて、ひとり暮らしの頑張って努力しておられる老人の方でも、体が虚弱な方で何らかの介護支援が必要な方がおられますが、やはりそれも、ひとりで暮らしておりますとある意味では精神的に自立心がありますから、市町村の職員の方が行かれて、ああ、この方はきちんと自立した生活をされておられるなと。
 そうなりますと、努力した人が認定されない、また、家族がきちんと介護するところの老人はなかなか認定に入らない。そしてその結果、家族がおっても身なりを整えずにそのままにしておるとか、座らせずに寝たきりにしておるとか、そういう状態の方が劣悪な環境でございますから、職員の方が見られて、この方は本当に介助が必要な方だな、ひとりではなかなか生活できないし家族も介護の手が及ばないから認定をしようということになるのも自然ではないかと思います。
 今の流れのままでいくと、自然なままでいきますと、結果として不自然な結果が及ぶわけでございますが、市町村の職員の研修、資質向上と、さらに専門家の活用等をどのように考えておられるのでしょうか、御意見をお伺いいたします。
○江利川政府委員 この制度では、訪問調査を市町村の職員が行うということになっております。これは、的確にできるためには、この制度について御理解をいただくなり、それから十分な知識を持ってもらう、長期間の研修というのはなかなか難しいのでしょうけれども、オン・ザ・ジョブ・トレーニングみたいなことも含めて、持っていただくことが必要であります。
 それからまた、この調査を介護支援センター等の介護支援専門員に委託することもできるわけでございまして、この介護支援専門員につきましては、これから養成に入るわけでありますが、そういう業務の専門家として養成をしていきたいというふうに思っているわけでございます。
 ただ、そういう市町村の職員あるいは介護支援専門員の資質だけではなくて、調査票そのものの、いわゆるある程度の人が書いていても大体同じようなものになるような、そういう意味で調査票そのものの工夫であるとか、あるいは、介護認定審査会に専門家が入りますので、調査だけではなくて、介護認定審査会全体の運営の問題であるとか、医学的、専門的な立場からのかかりつけ医師の意見書の書き方の問題であるとか、そういうかかわるいろいろな方々の総力がうまく生かせるような形で、できるだけ公平な判断ができるように運びたいというふうに思っております。
○矢上委員 続きまして、要介護認定にかかわる問題で質問いたします。
 要介護認定を審査する際に、その御本人の心身の状況、つまり、特に四十歳から六十五歳未満の方についてでございますが、加齢に伴う特定疾病であるかどうかが一番重要な問題になってきますので、かかりつけ医師の意見を聞くことになっております。
 しかし、かかりつけ医の意見を聞いたとしても、最終的には介護認定審査会の構成員であるお医者等の他のお医者さんの判断が加わるわけでございますから、現実の認定に当たって、かかりつけ医師の意見と審査会を構成する医師の意見とが食い違った場合、どちらが重視されるのか。その辺の手順についてお聞きいたしたいと思います。
○江利川政府委員 特定疾病につきましては、検討等の結果、追って政令で定める、疾病が定まりますので、疾病の認定ということになってこようかと思います。ただ、かかりつけ医師の判断は、意見は総合的な評価も当然あるわけでございまして、その評価がまた介護認定審査会の方に提出されて、検討の材料になるわけでございます。かかりつけ医師はその人を直接診ている、ケースによっては継続的に診ているということで蓄積があるわけでありますので、この判断は極めて重要な情報だというふうに思います。
 ただ、要介護状態、どのぐらい介護を要するかという判断につきましては、福祉の専門家等も含めて多角的に判断をしてもらう認定審査会の判断が最終的なものになります。現在のモデル事業の実施段階では、まだばらつきがあるかもしれませんが、だんだんその辺の整理ができてきますと、かかりつけ医師の判断と認定審査会の医師の判断が大きく食い違うというケースは出てこないようになるのではないかというふうに私は思います。
○矢上委員 江利用審議官も厚生省におられてよく御存じかと思いますが、水俣病で、前年、和解いたしましたが、十数年問題を引っ張ってきましたね。あの問題のときも、水俣病の四肢末端の神経障害が出て、手足がしびれるという水俣病の病状を訴えても、県で行う認定審査会では、水俣病の患者さんたちは六十歳、七十歳、平均年齢七十歳ぐらいでしたから、年をとって手がふるえるのは当たり前だろうというのが審査会の意見でございました。年をとっておれば老人病である、老人病であれば手足がしびれて当たり前だ、視野も狭くなって当たり前だということです。そういう判定でずっと十年間引っ張ってきて、去年、和解したときに、私もいろいろかかわりまして、かかりつけ医の診断書も重視して判定を行う、その結果、結局、おかげさまで水俣病が解決したわけでございます。
 私も何年か前から、地元が水俣ですから、ずっと行って、地元のお医者さんたちに、本当に水俣病と老人病の区別はできないのですかとお聞きしましたら、そのお医者さんが、元医師会長さんですけれども、ぱっと見せられたら老人病の手足のしびれかどうかわからない、しかし、毎日自分の患者さんとして診ておると、あれあれと思うときに転んでしまう、やはり成人病と違う、それはもう何年も前からわかっておったことだと。それだけ、かかりつけ医の見る目というのはある意味では肥えておるということだったのですけれども、では、あなたはなぜ、そんなに早くからわかっているのだったら責任ある立場で言わなかったのですかと言いましたら、チッソの城下町ということで、いろいろ社会的な、また国、県との立場もあって、お医者さんということをやっておると、思ったことを言いにくい、それで、みんな口をつぐんできた結果、自分の思うことも言えなかったことは残念であるということであります。
 今回、若年の場合に、加齢による特定疾病か否かという判断についても、加齢に伴うのか伴わないのかという判断は、書類を見せられてただ単に判断する構成員の意見よりも、きちんと本人を診ておるかかりつけ医の、医師の判断というものに大きく左右されると思うわけでございます。その辺について、江利用審議官、急なことでございますが、かかりつけ医の重要性というものはどのように認識しておられるか、私が言ったことは江利用審議官ももう既に御存じの経過だと思いますので、よろしくお願いします。
○江利川政府委員 介護認定審査会にかけられます情報が二つである。一つは、訪問調査した調査票に載っているその人の状態、日常生活の状況と、それから、かかりつけ医の意見書ということであります。そういう意味で、非常に大きなウエートを持っておるわけであります。また、両方とも直接その人に会い、その人の状態を見て調べている。認定審査会は資料で調べるわけでありますが、そういう直接見ているという意味で大変重要な価値を持つ資料だというふうに思っております。そういう意味で、かかりつけ医師の判断というのは、介護認定審査会で判定するに当たって大変貴重なものであるというふうに思っております。
○矢上委員 ぜひ今の御答弁のようにかかりつけ医の所見を重要視されていただければと思います。
 続きまして、介護保険法の二十七条八項後段に、介護認定審査会は、居宅サービス、施設サービスの適切かつ有効な利用に関し被保険者が留意すべき事項について市町村に意見を述べることができるとされております。利用に関してのある意味での指定につながる規定でございますが、具体的にどのような事項を指しておるのか。
 また、二十七条の意見を受けて三十七条で、市町村が具体的なサービス内容を指定することになると規定しておりますが、要介護者の選択権が制限されるのではないか。これらについてお答えいただければと思います。
○江利川政府委員 御指摘の二十七条八項第二号の規定でございますが、この規定の趣旨は、要介護者等に介護サービスを提供する上で留意すべき点があると認定審査会において判断される場合に、その旨を市町村に意見として述べることができるということでございます。
 具体的にどういうことかということでありますが、具体的な中身は例えばモデル事業を通じて実績を積み重ねて明らかにしていきたいというふうに思っておりますが、思いつくというような意味で申し上げますと、例えば訪問入浴を受ける、そういうサービスを受ける際に、あらかじめ、例えばこの人については血圧とか体温とか測定してからやった方がいい、その人の症状から見てそういうことが必要ではないか、そういう意見を述べるとか、あるいはリハビリテーションなどにつきまして、かなり注意をして受ける、例えば高血圧で急にやると危ないケースがあり得るとか、そういうような場合に留意事項というものをつける、過激なリハビリテーションはやらないとか、そういうようなことがあるのではないか。
 これは九年度、モデル事業、先ほど申し上げましたように三百四十七地域で行うということでございますが、八年度にやりましたのは、要介護の調査票での判断と審査会での判断ができるだけそごなくいくにはどういう点に問題があるのか、その辺を調べるのに力点があったわけでありますが、九年度におきましては、一部の地域ではケアプランを作成していくとかそういうようなことも予定しておりまして、そういうその人に合ったサービスをどう提供するか、そういうモデル事業を実施する中でどういう点をどう留意していったらいいか、これをさらに具体的に明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
○矢上委員 確認のためにお伺いしますが、この二十七条、三十七条は医学的な側面での配慮であり、サービスを制限するという方向ではない、プラスアルファして配慮する方向であるということであるのか。一般的にこの規定を読みまして、サービスの基盤整備が進んでいない状況で、逆に、この規定によってサービス内容自体の種類が制限されるのではないかというおそれがある、そういうことでみんなが心配しておるわけでございます。
 いま一度、これは医学的な側面での配慮であり、サービスを現状に合わせて制限する規定ではないということの御確認をいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○江利川政府委員 この意見は療養に関する事項でございますので、おっしゃいますように医学的な見地からということでございまして、例えば危険な感染症にかかっているようなケースであるとか、あるいはリハビリテーションをきちんと受けていただいた方がいいようなケースとか、そういうような場合に特定して行われるものでございまして、サービスの選択を制限する、そういう趣旨のものではございません。
○矢上委員 続きまして、要介護認定やサービス内容等に不満がある場合に関しての質問に移らせていただきます。
 不服審査機関である介護保険審査会、またサービス等の質のチェックを行う国民健康保険団体連合会、オンブズマン的な役割を持たせるとされておりますが、例えばこの国民健康保険団体連合会にしても、都道府県に一つ、そういうことから考えますと、利用者から見て、利用する立場から見て、距離的に県庁所在地まで行かないと利用できないとか、なかなか敷居が高くて利用できない、迅速性に欠けるのではないか、そういう批判もございます。また、この二つの審査機関が利用者側に立った機関となり得るのか、それも疑問である、そういう声も出ておりますが、もっと身近な市町村に住民も参加した機関をつくり、その機関が介護サービスの質のチェックや住民の苦情にこたえるというような、小回りのきく機関にしていくべきではないかという声がございますが、どのようにお考えでしょうか。
    〔委員長退席、住委員長代理着席〕
○江利川政府委員 まず、介護保険審査会の関係でございますが、この不服申し立ての審査機関につきましては、事業実施主体を当事者たる市町村、そこに置くよりも都道府県に置いた方が、いわゆる中立的あるいは専門的、そういう観点から公平に判断ができるのではないかということでございます。そういうことで都道府県に設置するということにいたしております。.そういう考え方は、現行制度でも、国民健康保険制度や健康保険制度の中に同じような考え方で都道府県に置くという形になっておりまして、先例もあるところでございます。
 それから、国民健康保険連合会のオンブズマン的な機能の関係でございますが、これは都道府県に置かれるのでは、一つでは利用勝手が悪いのではないかという御指摘でございました。
 これにつきましては、国保連の機能として、苦情処理をするとか事業所に調査させるとか、その事業所は市町村の範囲を超えて事業をやっているのが普通でございますので、そういう意味で、市町村単位というよりは国保連において行った方が的確に対応できるのではないかということで、国保連がオンブズマン的な機能を行うわけでございます。
 ただ、苦情を国保連にうまくつなぐ、迅速につなぐというための工夫は要ると思います。そういう意味で、市町村であるとか、あるいはケアプランをつくるような介護支援専門員、ケアプラン策定機関、そういう身近なところで苦情を受け付けて、そこから国保連がその苦情処理の事務を行う、そういうことでアクセスはできるだけ簡便にできるような工夫を検討してまいりたいというふうに思っております。
○矢上委員 この介護保険審査会の問題について、まず意見を述べます。
 この構成員をいかに配置していくかがなかなか不明確で、どこかで読んだものですけれども、利用者代表、市町村代表、公益代表とございますが、大体おおむね四十歳以上の人はみんな被保険者ですから、何が利用者代表で、何が市町村代表で、何が公益代表かわからないわけでございます。市町村代表で、例えば町長さんとか助役さんが代表で出てこられても、その方は公的代表でもあり、また利用者の代表でもございますし、何か介護保険審査会の構成員に対して求められる要件というのが非常に意味不明な部分があるのが一つ。
 あと、国民健康保険団体連合会というものは、その利用者の利益を代弁する立場でもございますが、逆にお金を支払う立場でございますので、お金を支払うべき立場にある大蔵省的な立場からすると、余りサービスを乱発してお金をたくさん出したくない、それは当然のことでござ−ますが、サービスを利用することに対しての、いわゆる抑制する機能が働いて、果たして利用者側の立場に純粋に立てるのかという御指摘があることを述べておきます。
 時間がございませんので、次に、三番目の質問のケアプランの作成等についてお伺いいたします。
 ケアプランの作成についてでございますが、受けたいサービスがもう要介護者自身が決まっていて、ケアプランを必要としないような場合もあり得ると思いますが、そもそも、このケアプランというものは、だれの利益のために作成されるのか、また、必ず作成しなければならないものなのか、お聞きいたします。
○江利川政府委員 ケアプランを作成する意義でございますが、利用者の一人一人の心身の状況に応じて、適切な介護サービスを提供する。多様なサービス提供主体による各種のサービスがあるわけでございますが、それがケアプランによりまして、総合的、一体的、効率的に提供できるようにする。あるいはまた、要介護者や家族、それはケアに関して専門的知識を有していないわけでございますので、そういう意味で専門的な知識をいろいろ持っている人がアドバイスをする。そういうことでございまして、そういう意味で、介護サービスを受ける人あるいはその家族、そういう人のためにケアプランがあるわけでございます。
 ただ、このケアプランは、基本的にそういう専門家のアドバイスを受けてつくるのが、多分、普通の人はよくわからないわけですから、適切だと思いますが、専門家を介さずにみずからケアプランをつくって、それでサービスを利用することもできます。ケアプランをつくらないでサービスを利用する、そういうような場合には、どういうところからどういうサービスを受けたかはっきりわからないわけでありますので、償還払いという形で、ケアプランをつくらない場合もあり得るというふうになっているわけでございます。
○矢上委員 ケアプランの作成について、専門的アドバイスを受けられると非常に有意義でございますが、それを認めた上で、次の質問で、実際に現場で介護サービスを提供する事業者がケアプランを作成する当事者になることができるのか、これについてお伺いいたします。
○江利川政府委員 ケアプランを作成する場合には、高齢者のニーズに対応した介護サービスを総合的に提供していくということでございますので、実際にサービスを担当する保健分野、医療分野、福祉分野、こういう直接の担当者と連絡調整を行いながら、介護支援専門員がケアプランを作成していくということになるわけでございます。
 介護支援専門員につきましては、それの詳細は、現在、専門家による委員会において検討を進めているところでございますが、福祉関係職種であるとか医療関係職種であるとか、あるいは介護についての実務経験を有している者の中から、一定の知識水準にあり研修を受けた者、こういう者が介護支援専門員になるということでございます。
○矢上委員 法案におきましては、七十条で「指定居宅サービス事業者の指定」、七十九条で「指定居宅介護支援事業者の指定」と書いてございまして、その中に指定する基準がありまして、人員とかきちんと含めてその対応能力があるか否かが述べられておりますが、例えば、一般的な常識で、指定居宅介護支援事業者というものが経営上独立して運営できるものなのか。それは非常に無理じゃないかと。当然考えられるのは、介護サービスを行っておる各施設の事業者が同じ施設の中で並列した形で居宅介護支援事業者を指定をいただいてその事業を行うのではないか、実質的には両方同じ人がやるのではないか、そういうおそれがあると思いますが、その辺についていかがお考えでしょうか。
○江利川政府委員 居宅介護サービスを策定する場合には、居宅介護サービス計画費というものが介護保険法において支払われるということになるわけでございますが、これは、実際にそういうものをつくるに当たってどのぐらいの費用がかかるのか、こういうものを実態を踏まえて基準を定めていこう、居宅介護サービス計画費の基準を定めていこうというふうに考えております。
 支援事業者だけで独立して経営する場合があるのか、あるいは、そうではなくて他の事業と一体的に実施される部分が多いのか、これは、片方を否定しているわけではございませんので、両方あり得るのではないかというふうに思います。
○矢上委員 実質的に介護サービスを提供する事業者がケアプランをつくる居宅介護支援事業者になった場合にどのような弊害が考えられるか、三つほどございます。
 まず、その施設が提供しやすいケアプランの内容に偏るおそれがあること、もう一つは、事業者とケアプラン作成者が実質的に同一であれば、要介護者の囲い込みにつながるのではないか。
 現実に、地方ではこういう状況が起きております。例えば、過疎地域で、山村で、老人ホームが欲しい。山村といいましても、人口が一万人ぐらいおりますと、医院が二つぐらいあります。そうすると、A医院、B医院がありまして、A医院の先生の方が老人福祉施設をつくりたいと市町村役場、県を通して申請されます。しかし、A医院の方で老人福祉施設をつくって、しかもケアプランを作成することになりますと、もうそこの村とか町の患者さんたちは全部A医院がとってしまうことになる。そういうことで、B医院の先生が非常に恐れて、村当局、県当局に働きかけて、うちの村には介護施設等は要らないからやめてくれ、そういう動きが各地で起きております。
 皆さん方が把握しておられるかどうかわかりませんが、国、県で、ここの地域には老人介護施設が少ないからぜひつくってくれという要望があるにもかかわらず、地元の村の政治状況とか経済状況によって御返上しますと。そういうことで、なぜうちの村には五年ほど前から老人保健施設をつくる話があるのに話が進まないのだろう、そういうふうに、介護基盤整備を進める上に当たって非常に弊害となるような事例が今発生しつつありますので、このケアプランをだれがっくるか、そして、それによって要介護者の囲い込みにつながり、地域の医療関係者また福祉関係者のぶつかり合いが生じて、結果的に福祉の介護基盤整備がおくれる、そのようなことが一番懸念されることでございますので、このケアプラン作成について、公平公正にやっていただけるような指針をきちんとつくることをお願いいたします。
 時間が来ましたので、二、三点、御報告だけして質問を終わらせていただきます。
 きょうの新聞にもございましたが、有料老人ホームの不正広告について公正取引委員会が警告をしております。一九九三年、一九九六年、そしてことして三回目の警告だということでございますので、これから要介護者がサービスを選択するときの情報公開に関しまして、情報公開をする以上、不正な情報公開は防ぐような手段をきちんと講じていただきますことと同時に、またもう一つ、ずっと言われております公的介護の権利性をうたった場合に、将来的には、ケアプランというものがもしかすると業者と要介護者との契約内容と同一視されることが起きると思います。
 現に提供すべきサービスとしてのケアプランなのか、現に提供できる可能な範囲のサービス計画としてのケアプランなのか、いろいろ解釈はございますが、この介護保険がスタートして数年たちますと、多分、業者と要介護者との間は契約関係になって、しかも、契約関係を示す内容というものが結局ケアプランになる。そのケアプランが仮に実行されなかった場合には、民法上の債務不履行になって損害賠償のおそれも出てくる。いろいろな法律的な問題に発展いたしますので、その辺の権利性、そして契約というものをどうとらえてケアプランをきちんと処理していくのか、その辺について将来的に御検討をいただければと思っております。
 これで質問を終わらせていただきます。
○住委員長代理 次に、北側一雄君。
○北側委員 新進党の北側一雄でございます。
 私は、既に当委員会でも議論をされておるかと思いますが、若年障害者の方々の介護をどうするのだという問題を、ALSという、これからお話をいたしますが、難病の患者さんの介護の問題を通してぜひ議論をさせていただきたいと思っております。
 この問題につきましては、私、二月に予算委員会で一部質問をさせていただきまして、大臣からも御答弁いただいておりますし、その後、聞いたところによりますと、大臣もこのALSの患者さんとお会いになられたというふうにも聞いております。
 また、実を申し上げますと、きょうは、このALSの患者さんたちが、代表の方々でございますけれども、私が聞いておるところによりますと、六人の方が車いすで、そして人工呼吸器をつけて、もちろん付き添いの方がいらっしゃるわけでございますが、国会内を陳情に回っておられるようでございます。先ほどの話ですと、先ほど何か、社民党の土井委員長に陳情をされておられたようでございます。今、議員会館の方におられるようでございますが、今回の介護保険法案のこれからの行く末に非常に関心とそして不安、心配を持っていらっしゃいまして、陳情にいらっしゃっているわけでございます。もしかしますと、きょう、当委員会、厚生委員会やっておりますので、どこかの委員会質疑の場で傍聴にいらっしゃるかもしれません。
 私、このALSの患者さんたちの介護の問題を通して、それと今回の介護保険法案との関係、また、こうした若年障害者の方々の介護をどうするのかという問題について、聞かせていただきたいと思っておるところでございます。
 もう大臣はよく御承知でございますけれども、このALSという神経難病でございますが、どういう病気かというのを改めて簡単にお話をさせていただきます。
 今、全国で約四千人ぐらいの患者さんがいると言われております。正式名称は、このALSというのは筋萎縮性側索硬化症というふうにいうのですが、人の運動神経が冒されて、発症して三年から五年ぐらいで手足が全く動かなくなりまして、話すことも食べることも、そして呼吸さえもできなくなってくる、そして人工呼吸器を装着しなければ死は免れない、こういう難病でございます。全く原因不明でございまして、治療法もない。しかし、頭脳はもう最後まで、最後の最後まで正常でございます。大臣も患者さんに会われて、恐らく文字盤等を通してお話をされたのじゃないかと思いますが、頭脳は正常、極めてある意味では明断でございます。
 人工呼吸器を装着すれば生きることはできるわけでございますが、当然、二十四時間介護を必要とする、そういう病気でございまして、これは御本人はもちろんでございますけれども、その患者さんを介護する特に家族の方々の負担というのは、もうこれは想像を絶するものがございます。前もお話ししましたけれども、私の同級生もこの病気で闘病いたしまして、亡くなりました。私も、そういうことで若干この病気の姿というのをかいま見ておるわけでございます。
 そこで、お聞きをしたいと思うわけでございますが、このALSのような二十四時間介護が必要な神経難病、これはほかにもあるわけでございますが、こういう二十四時間介護が必要な神経難病の患者の方々は、今回の介護保険制度の対象者、すなわち法案で言うところの「要介護者」になるのかどうか、まずその点について改めてお答えを願いたいと思います。
○江利川政府委員 介護保険法案におきましては、六十五歳以上の方はまず介護保険の対象になるわけでございますが、四十歳から六十五歳未満の方につきましては、「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病」による場合、それの要介護というのが対象になるわけでございます。これにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、老人医療関係の専門家による検討を行っているところでございます。
 先ほども申し上げましたけれども、典型的な例として、脳血管障害であるとか初老期痴呆などは該当するのではないかというふうに思っているわけでございますが、まだここで検討しているということでございまして、結論というのでしょうか、一つの検討結果というのはまだ出ていないわけでございます。ただ、検討の場では、このALSが特定疾病に該当するか否かも含めて検討が行われているところでございます。
○北側委員 大臣、私は、これを二月の予算委員会でも同じ質問をしているのですよ。そのときとほぼ同じお答えなんですね。
 要するに、七条の三項の「要介護者」、その二号の「四十歳以上六十五歳未満の者」で、その「障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるものによって生じたもの」に当たるかどうかなんですね。この「政令で定めるもの」が一体何なのかということを、個々の病気ごとにどれこれとは言わなくても、それは今研究会で検討しております、研究会の結果を待って判断しますということでは、ここの厚生委員会の審議は一体何なんだというふうになるわけでございます。
 やはり対象の範囲がどこまでなのかという極めて大事な問題なわけでございますから、この「政令で定めるもの」というものの考え方、言いかえますと、「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病」というのがどういうものであるのか、これについてもう少し類型化した答弁をいただけないと、一体、自分の病気が一また自分の家族の病気がこの介護保険の対象となるかどうかわからないわけでございまして、それは先にならなきやわからないのだというのじゃ、私は、この委員会審議は一体何なんだというふうに思うわけです。もう少し類型化した答弁をぜひいただきたいと思います。
○江利川政府委員 法律に「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病」ということでございますので、その疾病の発生頻度というものが加齢に伴ってどう高まっていくか、それで、その疾病を原因として継続して介護を要する状態になるのかどうか、こういうような点を、疾病ごとのデータで分析しながら、なお検討していくということになっているわけでございます。
○北側委員 そのデータというのはどこからのデータで検討するのですか。
○江利川政府委員 疾病に関する統計がさまざまございまして、患者調査であるとか、年齢区分ごとにどういう疾病の発生率があるか、そういうものがあるわけでございますが、そういう資料を蓄積して、検討していただいているところでございます。
○北側委員 例えばこのALSについて、そのようなデータはあるのですか。
○江利川政府委員 難病の統計からとったデータがございます。五歳階級の年齢区分ごとに、これは難病の対象者というのがどうなっているかということになるわけでございますが、それによりまして、年代ごとの発生率というのでしょうか、発症率というのがわかるということでございます。
○北側委員 難病なんといってもたくさんあるわけでして、さまざまなんですね。ALSについてあるのですかと聞いているのです。
○江利川政府委員 難病の統計調査の中にALSについてのデータがございます。
○北側委員 そのデータに基づいたら、どうなんですか、どのように判断し得るのですか。
○江利川政府委員 研究委員会、専門家によって御判断をいただく話でございますが、このデータによりますと、加齢に伴って発症率が高くなっている傾向がございます。ただ、先ほど申し上げましたような初老期痴呆とか脳血管障害とかといいますのは、加齢に伴ってずっと右上がりで発症率が高くなっている、これにつきましては、山型になっているというのでしょうか、そういうようなことでございます。(北側委員「だから」と呼ぶ)ですから、こういうデータをもとに専門家に御判断をいただくということでございます。
○北側委員 大臣、これは専門家に判断していただくのはいいのですが、私は、この質問を二月にしておるのですよ。そのデータはそのころには当然あるわけでして、なぜ、こうした委員会審議をきっちりしているときに、そうした研究会、専門家の意見をそれまでに聞こうとしないのか。私は、むしろこの国会審議の後に決めようというふうな厚生省の意図じゃないのかというふうに思われてなりません。
 これ以上この問題を詰めたら時間がなくなってしまいますので、次の質問に行きます。
 要するに、この七条三項の二号に言う「特定疾病」、介護保険の対象となる「特定疾病」に当たるかどうかというのは、このALSの場合、わからないというお話なんですね。
 このALSのような二十四時間介護が必要な神経難病、これはほかにもパーキンソン病だとかがあります。そういう難病の患者さんの介護をどうするかということなんですけれども、仮に、ここの法文に言う「特定疾病」に入らないというのであれば、このALSのような二十四時間介護が必要な神経難病の患者さんの介護対策はどうするのですか。
 これは、前提として、このALSの患者さんはほとんどの人が身体障害者等級の一級か二級の認定を受けております。ですから、身体障害者手帳を持っていることを前提に、これはどうするのか、また、現状がどうなっているのか、それをお答えください。
○篠崎説明員 ALSによる身体障害者の方も含めまして、常時には医療を必要とはしないけれども二十四時間の介護が必要な身体障害者につきましては、身体障害者福祉法に基づき、身体障害者療護施設におきまして必要な介護サービスを提供することが基本であると考えております。
 一方、在宅での生活を望まれる方につきましては、障害の状況に応じまして、ホームヘルパーなどの在宅サービスが提供されることとなっております。
○北側委員 私は、そういう一般論を聞いているのじゃないのですよ。
 もう限定しましょう。ALSの患者さんに対して、医療、看護、介護の面でどのような対策がとられているのですか。ALSに限ってお答えください。また、そもそもそういう実態というものを調べたことがあるのでしょうか。なかったら、そもそも答えられないわけでしてね。
○篠崎説明員 ALSによる身体障害者に対する在宅福祉サービス等の提供の実態については、特に把握をしておりません。
○北側委員 これは、私、もう前から言っているのに、なぜきちんと実態を把握されようとなされないのか。特に今、介護保険が重要課題で提案されておられるわけですから。私は、この提案をしたのは、ことしじゃなくて、もっと前にしているのですよ、何年も前にもやはり別の委員会でやっているわけですよ。でも、全然やっていない。
 これは、ALSの協会の調べによりますと、この協会が平成七年の一月にアンケート調査を、八百十八名の患者さんから回答がございました。これは、約四千人ぐらいいらっしゃる患者さんのうちの八百十八名ですから、かなりのサンプルでございます。その結果によりますと、回答があった人からの比率で言いますと、入院の比率が約四〇%、在宅の比率が六〇%なんですね。入院の問題も、なかなかこれは受け入れ病院がありません。
 これは、かつて同僚の福島委員なんかも厚生委員会で質問しているのですけれども、現行の診療報酬制度というのは、入院期間が長くなりますと点数が減ってしまうのですね。入院時医学管理料、これが減ってしまうわけなんです。今は何かまた改正されまして、さらに短期間、二週間ぐらいですか、二週間までは非常に高いのですけれども、二週間から一カ月後はかなり低くなって、一カ月後はさらに低くなってしまうという形で、病院としては、一つは、特にほとんど民間病院の場合、利益に合わない。それと、もう一つ大きいのは、これは、入院されてしまうと看護、介護が大変だというのがありまして、なかなか受け入れ病院が現実はないわけなんです。
 本当は、時間があったらいろいろな話をしたいのですけれども、大臣の地元の横須賀で、こんな話を私は聞きました。今、入院されているのですね。人工呼吸器をつけています。その人は奥さんなんですけれども、御主人はタクシーの運転手をされていまして、おばあちゃんがいて、おばあちゃんはもう八十何歳で、既に介護が必要な方なんですね。そして、子供さんがまた重度の障害を持っておられている。こういう御家庭でございました。ところが、受け入れている病院の方は、転院を強く求めるわけですね。それで、どうしようかというような相談が来ている。これは横須賀の例ですよ。
 こうした、仮に一たん入院できても転退院を求められるような事例がたくさんございます。また、入院できても、現状は介護体制が当然整っておりませんから、結局、家族や付添人が介護をしないといけないのが大半です。
 この協会の調査によりましたら、入院している方の五九%の家族が宿泊をしております。実態は、七三%の人が、家族の人または付添人が介護をしているわけなんです。また、差額ベッド代なんかを払っているところもございます。
 在宅の六割の方を見ましても、ホームヘルパーの派遣について利用している比率は何と二五%、四分の一の人しかホームヘルパーの派遣を利用していないのですよ。なぜ利用していないかといったら、知らないという人もいるかもしれませんが、一つは、派遣回数と時間が少ない、また、たんの吸引のような医療行為ができない、こうしたことがあって、ALSのような二十四時間介護を必要とする患者さんの場合は必ずしもニーズに合わないわけなんです。というふうな状況でございます。
 こういう在宅介護の場合も、実際は家族が介護をしているのが大半でございます。介護人を雇っている方もいらっしゃいますけれども、家族が介護しているのが大半のような状況です。また、介護人を雇っても、その費用というのはばかにならないで、毎月三十万、四十万払っている。また、それ以上払っているという方がいらっしゃいます。
 このような状況で、このような本当に介護が必要な、ALSのような二十四時間介護が必要な方々の問題を現状のまま放置したまま、今回の介護保険制度をそれではスタートいたしましょうというのは、私はなかなか納得できないわけでございます。
 今回の介護保険制度を見ましたら、この制度の適用のある方々に対して、大臣も御存じのように、要介護高齢者等に対するサービスモデルというのが類型化されております。これはあくまでモデルでございますけれども、これを見ましたら、例えば、一番高齢者で介護が必要と思われている類型、「自分で寝返りすることができず、日常生活活動には介護を必要とし、深夜巡回のホームヘルプサービスが必要であり、療養上の管理を必要とするケース。要介護高齢者が複数世代で同居している場合。」といって、この類型の場合にはこのようなサービスをやりましようということで、ホームヘルプサービスが週十四回訪問、九時間二十分、デイサービスは週三回通所、週十八時間。訪問看護は週二回訪問、ショートステイ、月一回入所、七日間、このような類型がされているのですね。一番介護が必要なお年寄りの方々でしょう。こういう類型が全部で九つぐらいされているのかな。
 このALSの患者さんなんというのは、まさしく一番介護が必要、社会的にそういう介護体制を整えていく必要がある、そういう人たちでございまして、一方で、介護保険の対象となる方々については、このような類型化をしてやっているにもかかわらず、仮に、介護保険の対象とならないような若年障害者等を初めとして、また、ALSが入らなかった、そういう難病患者の方々の介護体制を現状のままほっておいて介護保険制度がスタートするというのは、私は到底納得をできないわけでございます。
 大臣、このALSについて、私聞いていて本当に一番悲しいといいますか、一番大変なときは、この患者さんたちが、これは進行性の病気でございますから、だんだん運動神経が麻痺してくるのですね。最後、上に上がってきて、自分でなかなか呼吸ができなくなってくる。そろそろ人工呼吸器をつけないといけませんね、あと一カ月後ぐらいには必要ですね、そういう話がお医者さんから言われます。そのときに、このALSの患者さん、そしてその家族は悩むのです、本当につけていいものかどうか、つけていいのかどうか。
 つけてしまえば、これは生きられます。きょうも後で来られるかもしれませんけれども、陳情に国会に来られるぐらいですから、極めて元気なんですよ。人工呼吸器さえつければ生きていけるわけなんです。ただし、二十四時間介護が必要です。家族に対する負担は大変な負担がかかってしまいます。そういうことで悩まれるのです、人工呼吸器をつけるかどうかというところで。
 協会の調査によりますと、つけられる方というのは二五%だというのですよ。それ以外の方はどうかといったら、つけられない。つけないで、要するに、呼吸困難になってきて死に至るわけなんです。という選択をされるわけなんです。選択をされるのです。
 なぜそういう選択をするかといったら、一つは経済力、そして、家族の介護の負担、家族の生活がむちゃくちゃになってしまう。また一方、病院の受け入れ先はない。そういう状況の中で、人工呼吸器をつけることの選択をしないで死を選ばれるわけなんです。
 ある具体例を紹介させていただきますと、これはつい最近の話でございますけれども、東京であった話です。この方は、やはり奥さんでございますが、御主人と息子さんとその奥さんと三人暮らし。その奥さんは、発病して二年半で要全面介護状態になりました。そして、夫が会社をやめざるを得なくなりまして、会社をやめて専らその奥さんの介護に当たる。一年後、気管切開しました。だから、気管切開をしたときは人工呼吸器をつけようというふうに思ったわけなんです。そして、たんの吸引だとか寝返りだとか、それはもう二十四時間介護となって、息子さんも会社をやめて介護に加わります。もう収入はゼロです。蓄えもわずかばかり。夫の、御主人の退職金だけで頑張る生活が続きます。気管切開して人工呼吸器をつけようと一たん思ったのですが、その方は結局、人工呼吸器を装着することをあきらめまして、そして亡くなったわけなんです。亡くなったのは去年の十二月です。
 こういう事例が全国にたくさんあるわけなんですよ。このような本当に介護が必要な方々のことを放置したままと言ったら申しわけないかもしれませんが、現状のままおいたまま、そして仮にこの特定疾患に入れずに現状のままにきて、そして介護保険だけはどんどん充実していこうというのは、不公平もいいところだというふうに私は思うわけなんです。
 ですから、この介護保険制度をスタートするこのときに、ぜひこの若年障害者も含めた、また、こういうALSの患者さんのような難病の患者の方々、二十四時間介護が必要な方々も含めて、そういう方々の介護をどうしていくのかということについて、少なくともその方向性と当面の対策についてきちんと一方でいった上で介護保険制度はスタートしないといけないというふうに私は思いますが、.大臣、いかがですか。
○小泉国務大臣 先日、ALSの恵者ざんと御家族の皆さんにお目にかかりまして、その御苦労、苦痛、大変だなと実感いたしました。
 そこで、このALSは、加齢に伴う単なる疾病、障害ということだけでなくて、若い人にも発生しますし、この難病によってむしろ障害になってしまうという面が強いわけです。
 ですから、今回の介護保険とはまた別に、介護問題、障害者に対する介護施策は充実していかなければならないのですが、それだけでなく、これは難病に対する医療とそして福祉の総合的な対策が立てられないか。できるだけ早期にこのALSに対しては新たな対策を立てる必要があると思いますので、そういうような形で今後努力していきたいと思います。
○北側委員 時間が来ましたので終わりますが、このALSだけじゃないと私は思います。若年障害者の方で二十四時間介護が必要な人はおられるわけです。こういう介護保険制度の枠外に置かれた人たちの中に、公的介護が極めて必要な人たちがいるわけでございまして、この問題をやはりこのまま放置してはならない。このまま放置したまま介護保険制度をどんどんスタートすればいいのだという話にはならないと私は思うわけでございまして、ぜひともこの介護保険制度が審議されているこのときに、それじゃ具体的にこのALSのような、一番典型的な話です、この人たちの介護を具体的にどうサポートしていくのか、私は、ぜひ真剣に検討し、抜本的な対策をするには時間がかかりますから、当面の対策としてどうするのか。
 東京都は、前も申し上げましたけれども、介護手当を出しているのです、介護券を発行して。こういう制度を実際に東京はやっています。北九州でも介護手当を出しています。地方自治体ではそういうことをやっているところがあるわけなんです。そういう事業を、国が、厚生省が支援することができないのかどうか。これは私は当面の措置として検討の価値が十分あると思うわけでございまして、最後に、ちょっとこの介護手当の問題だけお答えいただいて終わりたいと思います。大臣、ぜひお願いいたします。
○小泉国務大臣 それは介護手当とかどうかということはまだわかりませんが、新たな対策は必要だと思っております、難病を含めて。その点も検討させていただきたいと思います。
○北側委員 以上、終わります。
○住委員長代理 午後三時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時三十二分開議
○町村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。米津等史君。
○米津委員 新進党の米津でございます。
 私は、介護サービスの供給体制について詳しくお尋ねしたいと思います。
 この介護法案が成立いたしましても、介護サービスの供給主体である市町村において十分なサービスを供給することができるのか、受け皿の整備が間に合わないのではないかというふうな問題がいろいろなところで指摘されております。
 新進党では介護問題プロジェクトを設置いたしまして、介護保険法案について自治体に緊急アンケートを実施いたしました。このアンケートの中で次のような質問をしております。「平成十二年度の制度発足時に、貴自治体では介護サービスの「選択」ができる状態であると思いますか。」というものであります。この質問に対しまして、回答したうちの七四%が選択できる状態ではないというふうに答えております。
 また、全国市長会は、先月、厚生省に対して、多くの都市は新ゴールドプランに基づく基盤整備の達成が困難である、サービスの需要が計画を大きく上回るというような懸念を伝えているというふうに聞いております。
 これらの声につきましてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○羽毛田政府委員 今度の介護保険を実のあるものにいたしますために、その基盤になります施設あるいは在宅サービスが整っていくということが非常に大事であることは、今までもずっと御議論があったところでございます。
 そうした中で、新ゴールドプランにつきまして、先生お挙げになりましたように、それぞれの市町村によりまして、あるいはサービスの種類によりまして、進捗が必ずしも思わしくないものがあります。それは事実でございますけれども、しかし、いずれにしても、新ゴールドプランは、単に厚生省あるいは国が一方的に決めて進めておるというよりは、各市町村から始まりまして、自治体がみずからの住民ニーズを把握する中で、そこにはそれぞれの市町村の意欲というようなものも含めながら策定をされた老人保健福祉計画のいわば集大成でございます。したがいまして、この新ゴールドプランを達成していくということは、とりもなおさず、それぞれの市町村がみずからやっていかなければならないという御決意を固めていただいた老人保健福祉計画を達成していくということでもございます。
 したがいまして、そういう意味で、私どもは、市町村あるいは都道府県の努力というものをさらにお願いしていかなければならないであろうというふうに思いますし、しかし、そうは言っても、いろいろネックがあればこそなかなかいかないという面もあるわけでありますから、実現が困難としておられる理由あるいは実現のための条件というようなことにつきましては、今まで以上にそれぞれの状況の把握ということに私ども努めてまいらなければならないということで、毎年度これから整備のヒアリング等も行います。そうした中で、原因分析でありますとか、今後の推進方策の検討を求めていくという形の中で対応していきたい。
 また、それを財政という意味でどう国が支援をしていくかということにつきましても、総額につきまして、今日まで新ゴールドプランに欠けないような形で予算の確保をさせていただいておりますけれども、それに加えて、きめ細かな配慮として、整備等が進めやすいようないろいろな手段を考えていくという意味で、特に整備条件の難しい都市部でありますとかあるいは過疎地域における施設でございましたならば、規模等についての弾力的な扱いでございますとか、あるいは施設メニューの中でなかなか進まないということも心配をされておりますデイサービス等につきましては、通常のフルセットのデイサービスに加えて、いわば出前型のと申しますか、既存のいろいろな施設等の利用もできるようなサテライト型のデイサービスというようなものも考えていくというような手段をあわせまして、そういった工夫もあわせて何とか整備に努めてまいりたいということで、これからスタートまでの期間に大車輪をかけてやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○米津委員 ぜひ、いろいろな整備を進めていただくときに、現場の方々の意識につきましても積極的に改革をしていただきたいというふうに思います。
 と申しますのは、私の母も七十を過ぎておりまして、先日まで仕事をしておりましたので極めて元気なんですが、先般、民生の方がいらっしゃいまして、生活保護の面談みたいなのをやっていただきまして、健康なものですから、生活保護の必要はなしというふうに判定をされたわけです。しかしながら、同居している姉が八十をかなり超えておりまして、やはりもう寝たきりになっている。そうなりますとヘルパーさんのお力添えが必要だというふうなことで区役所に介護を申し込みに行ったところ、ヘルパーさんの数に限りがある、おたくはもう生活保護もないし、かなり先だというふうに、おざなりの答えしか返ってこない。
 いろいろな方に伺いますと、現場の方々は、やはり福祉に携わっている方々は意識は高いのですけれども、今までの流れからすると、区役所の中あるいは市役所の中でも、どちらかというと主流ではないようなところというふうに思われて、意識的にかなりおざなりの対応しかできないというふうな実態もあるようでございます。
 したがいまして、感覚的にも、経済力のある要介護者がどんどん後回しにされていくということになりますと、逆の不公平感みたいなのも出てきますし、こういう介護につきましては、担当者の説明不足から出てくる誤解もとりながら、より公平な形で推進していただくというふうなことをお願いしたいのですが、このような点につきましてはどのように御指導なさるのでしょうか。
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。
 今先生のお挙げになった問題につきましては、まず、お挙げになりましたホームヘルパーの場合を取り上げていえば、そういったホームヘルパーの体制がまだ十分整っていない。端的に、数が足りないというところからくるということが恐らくあると思います。そういうことで申し上げれば、第一段で申し上げましたヘルパーの増員確保ということについて、今後ともの努力をしていかなければならないというのが第一だろうと思います。
 それから、次の点で、ともすれば所得的には上位層の方々が劣後に置かれがちであるという点につきましては、一つは歴史的なものが実はございまして、やはり福祉施策がどちらかというと低所得対策というところから出発をしているというところから、事実、ホームヘルパーのサービス事業につきましても、制度発足時におきましては、低所得者を派遣対象ということでいわば明示をしておったわけであります。それが、先生まさに身近なところでのお話として今お挙げになりましたように、一般家庭の方々につきましても、そういった介護を要する状態、そういう状態になったら、これはやはり公的な支援というものがないと家庭的にも大変だという状態になってきて、それをある程度広げていかなければならないということの中でホームヘルプの対象事業を広げてきたという経緯がございます。
 そういった経緯の中から、ともすれば一般世帯が劣後になってくる、それが、全体をやりくりをするというような工夫なしに頭から劣後にするというようなことがあるとすれば、そこは、全体の数の問題とあわせて、やはり私どもとしても意識をきちっとしていただかなければならないというふうに思います。
 それで、第三弾の問題といたしましては、まさにそういう公費サービスについてはそういう事態もあり、これから国民だれしも、どの家庭においてもそういったホームヘルプ需要というようなものが出てくるということを一つの前提にして、そこは介護保険という形で、いわば相互扶助というようなものをベースにしながらの保険制度というものをつくることによって、まさに先生が今おっしゃったような対応について、これからそれぞれ相応の負担もしながらやっていくという方向が、まさにホームヘルプにつきましての先生の問題状況というようなものについてもある種の基本的な解決の方向ではないかということで、介護保険を提案しているゆえんもそこらにあるということになろうかと思います。
○米津委員 介護サービスの供給体制を均等に整備していくというのはとても難しいことだと思います。やはり受ける側からすると、不公平感をなくしてほしい、しかしながら、供給する側からすると、体制の整備についてもっともっと整備していかなければならないというふうなことで、ここら辺の整備をしていく難しさというのは、受ける側にもやる側にも、今現在どういう状態なのかということを正しく認識していただくことが必要なのではないかなというふうに思います。
 したがいまして、現在の施設並びに在宅サービスについて、市町村によりどのくらい格差が生じているのか、具体的にお伺いしたいと思います。
○羽毛田政府委員 確かに、これから整備を進めていきますときに、それぞれの地域の格差がどのようにあるかという実態をきちっと把握する、そしてまた、先ほども御答弁申し上げましたように、その原因がどこにあるか、そこのネックがどこにあるかということをよくえぐり出すということが非常に大事だというふうに思っております。
 そういう意味で、施設や在宅サービスは、それぞれの地域におきます要介護者のニーズというものにきちっと対応した形で整備されるべきであるというふうに思います。また、そのことの体制が、言ってみれば一番そういう状態をよく把握をしている、あるいはしていなければならない市町村による老人保健福祉計画というものでございますから、これによって、これを目標にして整備を進めていくというのがまずは大事なことであろうというふうに思います。
 したがいまして、市町村間の介護サービスの整備状況を比較します際にも、やはり地域の置かれた事情というものを考えますというと、単純に人口当たりの施設入所者数でありますとかホームヘルパーの数だけで比較し切れないものがございます。
 したがって、今のお尋ねの、実態、どうなっているかということとの関係でいえば、老人保健福祉計画の整備目標に対しまする達成状況ということで申し上げますならば、平成七年度末で、これは都道府県単位で申し上げますというと、特別養護老人ホームにつきましては、岩手県が九五・九%ということで最も高うございまして、埼玉県が六五・二%ということで最も低くなっております。また、ホームヘルプサービスにつきましても、兵庫県が九三・九%と最も高くなりまして、茨城県と沖縄県が二三・一%ということで最も低くなっているということで、今申し上げましたように、それぞれかなりの格差がございますので、冒頭にお答え申し上げましたように、できるだけそれぞれの地域の、もちろん地域ごとのいわばサービス競争という意味でそれぞれの地域が力を競うということも大事でございますけれども、全国的にどこでも必要なサービスが受けられる体制整備という意味からいえば、こういった格差の是正に先はどのように努力をしていかなければならないというふうに思っておるところでございます。
○米津委員 今お伺いしましたように、今現在もかなりの格差が出てきているというふうなことですから、平成十二年度のスタートまでにこの格差をどれくらいまでいい方向に是正できるかというふうなことで、十二年度になったらどれぐらいになるのかということと、十二年度で、もし格差が余り、期待したほどなくならないのであれば、さらにどのような形で格差をなくしていく努力をなさろうとしているのか、お伺いいたします。
○羽毛田政府委員 お尋ねに的確に数字でお答えをする、それぞれの地域ごとの状況をお答えをするというのはなかなか難しゅうございますけれども、全体の、新ゴールドプランの目標が、先ほど来お話しになっていますホームヘルパーでいえば十七万人、デイサービスでいえば一万七千カ所、あるいはショートステイなら六万人分というふうになっておるわけでございますから、まずは、先ほど来申し上げておりますように、これは地方の老人保健福祉計画のいわば集大成でございますから、この整備目標を達成するということが十二年度に向けて大事なことであろうというふうに思います。そのことによりまして、老人保健福祉計画で地域のニーズという形でそれぞれ市町村が御把握をいただいているサービスには、需要には対応できるようになるものであるというふうに考えております。
 しかし、介護保険ができますならば、けさほど来の御議論でも、希望に対する、利用希望率と申しますか、どのぐらい希望してきておられるかということを織り込みながらの整備率であるということを申し上げたわけでありますけれども、こういった希望率も、これから介護保険でサービス水準が上がってまいりますといわば顕在化をしてまいります。そういう意味からいえば、介護保険成立後も、むしろそういった需要というものはふえてくるということを前提に考えていかなければなりません。
 そういったことから、今回の介護保険法案の中におきまして、老人保健福祉計画を見直す形で介護保険事業計画というものを新たにつくっていただいて、全国の、国ベースでいえば、新ゴールドプランが十一年度末に終わりますけれども、それに引き続いて新しい計画をつくり、それによってさらに整備を進めていくということにいたしていかなければならないということで、その枠組みをこの法案の中に入れていただいておるということでございます。
○米津委員 わかりました。
 それでは、厚生省の準備スケジュールに連動しまして各市町村や区役所でも準備をお進めになると思いますけれども、先ほどの質問でも申し上げましたとおり、自治体の格差が非常に問題になっている。この問題は、言いかえますと、各首長さんたちの取り組みの違いにあらわれており、もっと率直に言わせていただければ、介護問題に対する熱意のあらわれではないかなというふうに思います。
 そうしますと、その市町村の住民の方々の要求が強弱を非常に左右してくるというふうなことになるのだと思うのですけれども、私は、この強弱があってもいい、各地方自治体によって差はありますけれども、それなりの違いがあっても、特色としていいのではないかなというふうに思います。
 厚生省では、この点につきまして、各首長さんたちの取り組み方の強弱について、正直なところをお話しいただきたいと思います。
○羽毛田政府委員 そういった要介護の高齢者の方々に対するサービス供給体制の整備なりについて、各市町村長さんの取り組みあるいは都道府県の取り組みというものの強弱ということについてどう考えるかということでございます。
 それぞれ地方自治の中で、それぞれのところでやっていただいているわけですから、そういう意味で、それぞれの首長さんの御方針というものがある、あるいはその力の入れどころというものがある、それはまたそれぞれの地域におけるニーズというものにそれぞれ差がございましまうから、そういったことに基づいての対応というのは当然あっていいだろうと思います。しかし、介護問題という非常に大きな、今後そのままでは深刻になってくる事態について、それをきちっと対応していくということは、これはやはり全国的にできるだけ対応をきちっとしていかなければならないということも事実でございます。
 その両方が一つあらわれていることで申し上げるならば、まさに今、老人保健福祉計画という形で、それはほかならぬ首長さん自身、その自治体自身の、地域のニーズに対してどう対応していこうかという計画でございますから、これはやはり達成していただくような努力をし、それから、達成をしたいけれどもなかなかこういうことでネックがあるということで、国の方でそれを支援できることがあれば最大限の支援をしていくということは別途やっていかなければならないであろうというふうに考えて、先ほど来の御答弁申し上げているような努力を進めていかなければならない、あるいは工夫をしていかなければならないということでお答えを申し上げているわけであります。
○米津委員 強弱が余り大きくなり過ぎてはいけないというふうなことなんですが、そうしますと、介護保険法施行法の第一条において、介護保険法施行から五年経過した以降であっても市町村のサービス供給水準が基準を下回ってもよいという経過措置がとられています。市町村が基準をクリアすべき目標年次を法律で明確に定めるべきであると考えますけれども、いかがでございましょう。
○江利川政府委員 介護保険法施行法のいわゆる暫定的な給付についての経過措置のお話でございます。
 介護保険でしかるべき水準の給付が行われるべきであるところでありますが、基盤整備の進捗状況いかんによっては、どうしてもすぐにその水準に達し得ないケースもあり得るだろう、あるいはそういう自治体もあるというようなことで、経過措置を設けているわけでございます。
 これは、法律が施行されますと全く新しい制度になるわけでありますので、需要がどんなふうに変わっていくのか、それからまた、今後、整備を進めていくわけでありますが、例えば民間事業者の参入というのは、地域によって参入の仕方も多分差があるのではないかと思います。一方、それでは公的にそれはどう補えるかということについても、今見込める予想でずっと推移するのか、日本経済も思わぬ変化を遂げたりしておりますので、そういう先の変化もあるわけでございます。
 そういうこともありまして、まだ法律が実施されないうちに終期を切るというのは結構難しいのではないだろうか、そういうことで、五年を経過して「政令で定める日」という書き方になっているわけでございます。これは、実態を見て判断する必要があるのではないかということから来ているものでございます。
○米津委員 確かに、長いスタンスで見て予想を立てるのは非常に難しいことだと思います。
 そうしますと、現場の、居宅サービス計画、ケアプランの作成を依頼できる介護支援事業者、ここが大きい役割を果たすと思います。厚生省は、居宅介護支援事業者としてどのような人たちあるいは会社を具体的に指定することを考えていらっしゃるのか、それは民間会社なのか、それとも、多くの場合、公益法人を想定しているのか、お伺いしたいと思います。
○江利川政府委員 居宅介護支援事業者は、個々の高齢者の心身の状況やその置かれている環境等を勘案して、その人に適切な介護サービスを提供する、それを確保するためのケアプランを作成する事業でございます。
 この事業は在宅サービスの関係になるわけでございますので、公民同一の条件、公的な主体であるとか、公益法人であるとか社会福祉法人であるとか、あるいは民間の企業であるとか、そういうようなことについて特段の主体の差異を設けずに、一定の基準を満たしていればこの事業が行えるということでございます。どちらかに偏って、こちらを主体で考えるということは考えておりません。
○米津委員 居宅介護支援事業者は介護支援専門員を置くこととされていますが、この介護支援専門員は厚生省令でどのようなものを定めることとしておるのか、お伺いしたいと思います。
○江利川政府委員 介護支援専門員は、福祉の関係あるいは医療の関係の各職種、あるいはまた高齢者介護について実務経験を有している、そういう人に対しまして、ケアプラン作成に係る研修というのでしょうか、研修を受けまして、そして、研修を受けた者が介護支援専門員になるわけでございます。
 この要件の詳細につきましては、現在、専門家による委員会において検討しているところでございまして、その結論を踏まえて、審議会に諮った上で定めるということを考えております。
○米津委員 今審議官がおっしゃったように、居宅介護を支えていく上でケアプランの基礎となる非常に重要なものであると考えられますので、この支援事業者が作成したケアプランに要介護者が満足しない場合、居宅介護支援事業者を変更することが可能であるのかどうか、また、要介護者が希望すれば、福祉事務所や保健所などの公的機関が作成する道も開く必要があるのではないかなと思いますが、いかがでございましょうか。
○江利川政府委員 ケアプランは、要介護者あるいは要支援者、そういう人の依頼を受けてつくるわけでございます。ですから、その依頼を受けて介護支援専門員がアドバイスをしてつくっていきまして、しかし、これがある意味で不十分である、満足していないというようなケースもあり得るかと思います。そういうような場合には、ケアプランの作成機関の選択は原則自由でございますから、当然、作成機関を変更することも可能でございます。
 それから、御指摘のケアプラン作成事業者につきましては、福祉事務所であるとか保健所であるとか、そういう公的機関が事業者として指定を受けることも可能でございます。その場合には、福祉事務所であるとか保健所であるとか、そういう公的機関の介護支援専門員によりましてケアプランが作成されるということもできるわけでございます。
○米津委員 この介護保険制度が導入された場合、行政の現場でも、今までのような行政機関という立場ではなくて、いかにサービスをしていくのか、やはりサービスの供給ができる窓口としてより進歩していく必要があると思います。
 そういった意味では、民間事業者もこの主要なサービス供給主体としてどんどん位置づけられるべきだと考えておりますが、今後、どのように民間活力を導入していくのか、お伺いしたいと思います。
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。
 高齢者の介護の問題を考えますときに、そのいろいろなニーズに対応して、しかも、できるだけ利用者の選択を基本に置いて考えていくということを基本理念にして進めていくということになりますというと、健全な競争を通じた、効率的で良質な介護サービスの提供ということがやはり大変大事になってまいります。そういう観点から、公的サービスのみならず、民間のサービスをこれからはさらに積極的に活用するという方向が大事だろうというふうに思います。
 そういうことで、従来からいろいろ、在宅サービス等の分野におきまして、民間事業者あるいは農協等の参画をいただくということをいたしておりますし、それはいわば今の制度の中における整備におきましてもそういう方向を目指しておりますけれども、介護保険制度におきましては、こうした方向をさらに一歩進めまして、一つには、在宅サービスの場合に、いわば提供される事業者というものにつきましては、公的なサービス主体も民間サービス主体も同じ条件で入っていただくということをきちっとしたいというふうに思っております。また、その利用ということにつきましては、基本的には、利用者の選択による、いわば契約による利用というものをベースに考えていくということにしたい。
 それからもう一つ、保険設計の面で、標準的なサービス部分は公的サービス、つまり介護保険で給付をするにいたしましても、もちろんサービスの実施そのものは、介護保険の給付そのものも実施機関はできるだけ民間を活用するという前提でございますが、それにしても、公的給付であれするにしましても、いろいろ多様なニーズ、特に、より快適なという部分や何かでニーズはいろいろございますから、そういった部分のいわば上乗せのサービス、あるいは介護保険で対象にしていない言ってみれば横出しのサービス、こういったものを民間で提供していただく、あるいは自力でそこに一緒にやっていただくということを、自由な組み合わせにするということを基本にして、そういった方向で民間活力を活用していくということを基本に置きながら考えていきたいというふうに考えております。
○米津委員 いろいろ御審議してきました介護サービスですけれども、私もそうですし、ここにいらっしゃる方の大半もいずれはお世話になるこの介護だと思いますので、そういった意味からしますと、私は、二つだけぜひ大臣にお願いをしたいと思います。
 というのは、全体像をもっとわかりやすく明らかにしていく必要があるのではないかな。供給体制の基盤をどのように確保するかという不安ばかりが非常に先行していって、厚生省が十分整備なさっていらっしゃることも余りわかられていないということが非常に問題になるのではないかな。したがって、なるべく早い段階で、御努力なさっていることを国民に対してもっともっとわかりやすく明らかになさる必要があるのではないかなということが一つ。
 それから、現場の方々の対応がいろいろと、私も実際に経験して感じたのですけれども、福祉に携わっていらっしゃる方々の体質をいかに改善、改革していくのか。要は、行政として上から与えられる介護サービスあるいは福祉という形から、いかにサービスの一環として福祉をみんなで考えて取り組んでいくか、この体質改革を早急にする必要があると思いますけれども、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○小泉国務大臣 仕組みなりこれからの拡充策等は幾ら口で言っても、現実に実施されていないわけですから、それはある程度不安があるのはやむを得ないと思います。
 初めての制度を導入する、どんな制度でも、いい面もあればあるいは弊害点も出てくると思います。しかし、今の社会におきまして、だれでもが、これから介護問題は重要だ、個人や家族だけの負担には限界がある、お互い社会全体で支えていこうということでこの導入を決断したわけでありますので、早くこの法案を通していただきまして、そしてその法案にのっとった基盤整備を拡充していく。そして、実施を見て、実施の段階で、また当初計画していた段階、あるいは思っていたとおりにいかない点も出てくると思います。その実施状況を見ながら少しずつ改善措置を講ずるということが私は妥当な策ではないかなと思っています。
 また、もちろん介護に携わる人材の質これはもう大変大事であります。だれもが、そばにいてくれて気が休まる人が介護してくれるのが一番いいのでありまして、ただそばにいればいい、むしろ、嫌な人がそばにいたら、いてもらわない方がいいという場合もあるわけですから、これは人がいかに大事か、人材の養成がいかに大事か、人次第で、看護でも介護でも、大きくその受ける方の精神的、肉体的状況が違ってまいりますから、人材の質の向上については、今後とも鋭意、少しでも質の向上に努力していかなければならぬと思います。
○米津委員 今大臣おっしゃったように、人次第、法案も大臣次第というふうなことで、強力なリーダーシップを期待しております。
 以上で質問を終わります。
○町村委員長 五島正規君。
○五島委員 午前中、北側議員からALSの患者さんに関しての質問がございました。
 きょう、ALSの患者さんたちは、秋田、山形初め非常に遠くから大変な思いをして傍聴に見えておられます。
 御案内のように、ALSの患者さん、その病気の原因についてはいまだ現在の医学で明らかにすることはできておりません。難病として取り扱われていることは御案内のとおりでございます。そして、この患者さんたちが、午前中の北側議員の質問の中にもございましたけれども、人工呼吸器をつけることによって大幅に延命効果が期待できる。
 かの今世紀最大の頭脳と言われておりますホーキング教授、彼もまたALSの患者でございますが、彼が人工呼吸器をつけ、わずかに機能する筋肉の動きをもってコミュニケーションをし、あのすばらしい、私の頭脳からいえば科学と宗教との区別もつかないような大変な学説を展開しておられます。
 きょうお見えのALSの患者さんもまた全員、在宅で、そして人工呼吸器をつけながら農園を経営し、多くの介助の人々の力によって社会生活を営んでおられます。そして、その陰には、三倍に上る方々が人工呼吸器をつけることをみずから拒否し、あるいは医療機関の側からつけると大変だというそういうサジェストのもとで、みずからつけないことによって消極的に死を選択されています。
 現在、ALSの患者さんは、厚生省の平成八年の調査で、難病登録していない方が約三千八百人ございます。その約一割にも満たない方が公的病院において治療を受けておられます。全くこうした医療に対し、我が国の医療体制というのは問題を持っていると考えておりますし、まさにこうした医療というものを担うのが公的病院の役割なのだ、まさに政策医療としてこうしたものをぜひ強化していただきたいというふうに思っています。この方々はみずからそうではないと発言する機会をほとんどお持ちになっておられません。第三者を通じてそのことを訴えるしかない状況にございます。
 けさの大臣のALSの患者さんに対する思いやりについては伝わってまいりました。しかし、私は大臣の答弁は率直に言って大変大きな誤解があると考えています。
 今回議論しておりますこの介護保険の中に、「要介護状態にある四十歳以上六十五歳未満の者であって、その要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるものによって生じたもの」はこの介護保険の対象とすることになっています。
 疾病対策課からもおいでいただいていると思います。ALSの発生は九七・五%が四十歳以上、六十五歳をピークとするきれいな正規分布を描いてこの病気は発生しています。先ほど担当の職員と話しますと、年齢がどんどん進んでいけば進んでいくほど数がふえる病気ではない、六十五歳がピークなのだからという話がございました。この法案というのは、そういうふうに厚生省が勝手に読みかえて、年齢と相関しない疾病は違うという立場に書かれている内容なんですか。
 まず、疾病対策課の方から、これまでもこの問題については特定疾病の対象について検討依頼しているというお言葉が再々ございました。この疾病について、年齢との相関、現状について御報告願います。
○小林(秀)政府委員 ALSの発症は年齢に伴ってどのように推移しているのかというおただしでございますが、一九九二年に実施をいたしました特定疾患治療研究医療受給者調査報告書によりますと、新規受給者の多くは四十歳以降に発症をいたしておりまして、人口十万当たりの新規受給者数を見ますと、四十歳代まで加齢とともに増加をしているのが現状でございます。(五島委員「四十歳まで」と呼ぶ)ごめんなさい。四十歳以降発症しており、人口十万当たり新規受給者の数を見ますと、六十歳代まで加齢とともに増加をいたしております。
○五島委員 まさにそうなんですね。六十五歳でピークを持ち、それ以後は、もちろん高齢もあり、お亡くなりの方もございます。そういう意味もございまして、六十五歳でピークを持ち、それから緩やかに発症数は減ってまいります。ほぼ八十五歳になりますと発生者はございません。しかし、同じく四十歳以後に九七・五%が発生する疾病でございます。
 これは、大臣、この条文を常識上読むとするならば、加齢に伴って発生する疾病じゃないのですから、もちろん加齢だけで発症する疾病であると言っているわけではありません。そういう言い方をするならば、アルツハイマーであろうと、脳血管障害であろうと、加齢だけで発生するわけではございません。加齢要因というものがこれほど明確に、しかも六十五歳ピークという形で正規分布しているこの疾病が、なぜ対象であるかないか検討しなければいけないのか、その辺、介護対策本部の方、どうなんですか。
○江利川政府委員 先生御指摘のように、年齢に伴う発症率は、四十歳ぐちいから立ち上がりまして、六十五歳ごろがピークになっているわけでございます。
 そういう意味で、一般的に、この政令で定める特定疾患といいますのは、加齢に伴って発生頻度が高まり、そしてその疾病を原因として継続して介護を要する状態になる、そういう場合が対象になるわけでございます。政令で定める疾病全体を専門家より成る研究会で検討していただいているわけでございますので、きちんと専門家が医学的な立場で判断していただくということでございますが、確かに、このALSが年齢と関係があって高まっておりますので、そういう意味で加齢と無関係だということは言えないというふうに思います。
 ただ、そういう意味で、先ほど申し上げましたが、検討対象として入っておりまして、専門家の検討会できちんと医学的な根拠も全部含めて、いろいろな諸要素を含めて判断をしていただきたいというふうに思っているところでございます。
○五島委員 私は、このALSの患者さんに対する対策がこの介護保険だけで十分に対応できるとも思っておりません。また、障害者プランだけで十分であるとも思っておりません。こうした疾病に対しては、それらを超えた国の施策というものが必要だというふうに考えています。
 ただ、私はこの場においてどうしても厚生省にただしておきたいのは、こうした政令事項に委任しなければならない部分というのはたくさんございます。そのことに対して、明らかに今私が申し上げたように難病であり、したがって原因疾病その他についてはまだ医学的に明らかではない、しかし明らかに年齢が四十歳以後において発生し、そういうふうな疾病であったとしても、例えば先ほど申し上げましたように加齢によって、それと一生にわたって相関しふえ続いていく疾病ではないからこれはどうかというふうな勝手な解釈が入ってくるとすれば、国民は大変こうしたことに対する不信感を持つ、我々もまた政令事項に定めるということに対して大変疑問を持たざるを得ないわけでございます。
 そういう意味では、現在のわかっている知見の範囲の中において、このように明確に四十歳以上においてその九七・五%が発症するそういう疾病であり、しかも、非常に大きく介護というものが必要となってくる、積極的治療の方法がない、生涯にわたっての介護を提供することによってその人の命というものが輝いてくる。それに対して、この介護保険が十分でないまでもその可能な範囲において豊かにできるそういう法案であるということについて、ぜひ大臣の方から一言御意見をちょうだいしたいと思います。いかがですか。
○小泉国務大臣 先ほどの北側委員の質問でもこのALSの問題を指摘されまして、大変ALSの患者さんが御苦労されている、また、それを支えておられる御家族の方の御苦労も一方ならぬものがあるということは、私も重々理解しているつもりであります。先日もお目にかかりまして、今もこうしてこの委員会を傍聴されておられる。私もきょう傍聴しておられる方に先日お目にかかって、こうして関心を持ってこの審議を見守っているのだなと。
 私は、専門家ではありませんから、ALSがどういう症状であるかということは詳しくはわかりませんが、特に加齢に伴って確かに症状が出る方が多いのは事実でありますが、ルー・ゲーリックなんというのは、三十代で亡くなっていたわけですね。戦前、ニューヨーク・ヤンキースの黄金時代を築いて、べーブ・ルースとルー・ガーリックが三番、四番を打っていた。あのルー・ガーリックが今考えてみると、鉄人強打者と言われたルー・ガーリックでさえもALS患者であったということを考えますと、若年者にも発症する可能性がある。そして、天才的な学者でありますホーキング博士でさえもこの難病にかかっておられる。しかも、現在、ALSの治療、医薬がなかなか見つかっていない、原因もわかっていない。お医者さんにしてみれば大して治療も施せないというと、医療だけでは解決できない。
 当然私は、今後、障害者施策だけでは不十分であるということも考えますと、医療と福祉の両面から考えるべき問題じゃないか。そして、現状だけでは不十分でありますから、今後できるだけ早期に新たな対策を考える必要があると思っております。
○五島委員 新たな対策を考えるという大臣の御意見に対して大きな期待を寄せたいと思います。
 そしてまた、今審議しておりますこの介護保険の中におきましても、厚生省には統計の専門家もたくさんおられることでございます。したがって、この法律が言っている範囲の中にこの疾病が含まれるかどうかというのは、おのずからその数値を眺めていった場合に決定される範囲でございます。そのことを含めて、この法律は、そもそもの原因がどこにあるのかということについては不明の疾病についても、そこのところを問題にしているわけではございません。発症、障害の発生のところを問題にしているわけでございます。
 そういう意味において、このALSが当然この介護保険の適用から排除されるということがないのだということを強く訴えまして、私の与えられました質問時間が終わりましたので、石毛委員と交代します。
○町村委員長 石毛^子さん。
○石毛委員 民主党の石毛でございます。
 通告させていただきました質問ではないと思いますけれども、まず最初に、情報開示ということに関しまして、大臣にお伺いしたいと思います。
 これまでの介護保険の議論の中でも触れられてまいりましたけれども、被保険者の立場に立って介護保険制度を円滑に進めるためには、指定事業者などのさまざまな情報を都道府県や市町村が被保険者、市民に積極的に開示していくことが必要であることは言うまでもないと思います。
 思い返しますと、介護保険審議の冒頭で岡光問題が発生しましたし、社会福祉法人のあり方が問題になりました。そして、偶然といいますには余りにもと思う気持ちもいたしますけれども、きょうの新聞には、公正取引委員会が有料老人ホームの不当表示についての警告を発しておりました。
 これらの事柄を考えてみますと、これから介護保険で消費者の選択の自由とサービスの選択の自由ということを実現していくためには、正確な情報が消費者に提供されるということが基本的な事柄であり、大前提だというふうに思います。情報開示なくして選択なしというふうに私は考えますけれども、これまでにもお伺いしているわけですけれども、もう一度、今度起こりました事柄と、それから情報開示の必要性ということにつきまして、大臣の御見解を承りたいと思います。
○小泉国務大臣 お話しのとおり、どういうサービスを受けるか、選ぶためには情報がなければ選ぶにも選べない、当然だと思います。情報によって、うちはこういうことをしていますよ、よそのところはああいうことをしている、情報によってどういうサービスを受けられるかということをいわゆる消費者が決めるということを考えますと、情報開示というのはサービス水準を向上させる上においても大事なことでありますから、情報開示なくして選択なし、この言葉を大事にして、国民が選択しやすいような情報開示に努めるよう格段の努力を図っていきたいと思います。
○石毛委員 ありがとうございます。
 そこで、少しくどいかもしれませんけれども、さらに具体的に、この介護保険法が成立いたしましたとしますと、その施行の中で介護に関する事業者情報を被保険者に開示していくことが大切であることは言うまでもありません。都道府県や市町村が活動する当該地域で事業者情報を積極的に開示するように指導するように厚生省に求めたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○江利川政府委員 御指摘のように、どういう事業者がどういう特徴のある事業を行っていて、そして、利用する人がそういう内容を見て選択できるように、そういう意味では事業者みずからが自分らの事業の内容を提示していく、それは必要だと思います。そういう立場に立って、事業者が積極的に対応できるような運営上の努力をしたいと思います。
○石毛委員 短い時間にたくさんの質問をさせていただきたいと思いますので、次々に申し上げますので、よろしくお願いいたします。
 次の質問でございますけれども、これまで私は、配食サービスと送迎サービスにつきまして質問をしてまいりました。配食サービスにつきましては、高齢者の方々が在宅で自立して生活をしていく上で不可欠のサービスであるという意味で、介護保険のサービス給付の中に含めるように申し述べさせていただいてまいりましたけれども、この点はさておくといたしまして、配食サービスあるいは送迎サービスを国がこの介護保険の施行とあわせて有効に拡大していくように支援をしていく、そのための予算措置をするおつもりがあるかどうかということを質問させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○羽毛田政府委員 配食サービスあるいは送迎等、外出介助のサービスというものを介護保険ど同時に老人保健福祉施策の中として積極的に推進をしていくように、そのための予算を確保していくようにという仰せでございます。
 私どもも、配食サービスにつきましては、ひとり暮らしの高齢者の方々にとりまして、健康の維持増進あるいは安否確認というような側面からも非常に意義のある事業だというふうに思っております。ただ、事は御飯を食べるという、いわば食事という日常生活の基本のところでございます。これにつきまして、それぞれのところでどういうふうにその仕組みをしていくかということにつきまして、地域の実情に応じましたそういった食事提供を含みます生活支援システムを組まれましたときに、あるいはシステムを組むことについて、支援をするという方向で考えていきたいと思っております。
 それから、いわゆる外出介助あるいは送迎というようなものにつきましては、介護サービスを受けますための送迎部分につきましては、介護保険の中で考えていく部分があると思いますが、それ以外のものにつきましては、これは一般施策の中になってくると思います。そういったいわゆる送迎につきましては、訪問介護サービスの中に含まれるような運用という問題を含めまして、対応してまいりたいというふうに思っております。
○石毛委員 ぜひよろしくお願いしたいと思いますけれども、今局長、ひとり暮らしの高齢者の方の在宅生活の継続というふうにおっしゃられたかと思いますけれども、ひとり暮らしの高齢者ばかりではなく、必要とされる方というふうに、当然のことだと思いますが、お受けとめください。
 それからもう一つ心配なのは、これから先、財政の問題は非常に厳しくなってまいりますので、ぜひ介護保険が有効に機能するように一総合的な施策の観点という、そうした視点で予算の配分についての御配慮をお願いしたいというふうに思います。
 続けて質問をさせていただきたいと思います。
 法案の第七条第十項に、居宅療養管理指導を医師が行うという内容がございますけれども、その管理指導の報酬についてお伺いしたいのですが、これは、介護保険法に基づきまして新しく介護報酬という観点で設定されるのでしょうか。それとも、介護保険からの給付であるとしましても、考え方としましては医療保険の診療報酬と同じような点数方式をとる、例えばでございますけれども、そういう考え方をとりますのでしょうか。その辺のところをお教えいただきたいと思います。
○江利川政府委員 介護保険法案におきます居宅療養管理指導でございますが、これは、在宅の要介護者等に対するかかりつけ医師による医学的管理、これを介護保険の給付対象とするというものでございます。したがいまして、診療報酬の適用ではなくて、介護保険給付として評価されるものでございます。
 この報酬は、地域性を考慮しながら決めることになっておりますが、そういう地域における平均的な費用の額を勘案して厚生大臣が定めるということになっております。これはこれから検討して定めることになります。定めるに当たりましては、審議会等にかけて決めていくことになりますが、診療報酬との整合性、これは配慮しながら定められることになろうかと思います。
○石毛委員 それでは次の質問ですけれども、保険給付の認定に当たって、被保険者の意向を反映するとともに、認定審査会の意見が被保険者のサービス選択の自由をできる限り阻害しないように運営すべきであると考えますが、いかがでしょうか。法文では、種類の指定ですとか、かなり認定審査会の意見が強く出てくるような文面がございましたので、この質問をいたします。
 それから、要支援者の認定あるいは訪問介護の給付限度額の設定などに当たりまして、例えば山間部でありますとか、それから、都市の中層の集合住宅で、エレベーターなどがなくて介護を必要とする方の生活が非常に困難な状況にある方とか、そうした問題が起こってくるかと思いますが、そうした生活環境的な要素にも配慮を求めたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○江利川政府委員 要介護者が要介護認定を受けまして介護サービスを利用するというようなことになりますときには、このサービスの利用は要介護者の選択を基本とするということでございますので、その被保険者の意向というのですか、利用者の意向というものが反映されるということになるわけでございます。
 それから、介護認定審査会の意見に基づいて、利用できるサービスの種類、これを市町村が指定できるという規定につきまして御質問がございましたが、これは、特にリハビリの必要性が高い場合とか医学的管理の必要性が高い場合など、被保険者の要介護状態の軽減あるいは悪化の防止、そういうことに必要な場合を念頭に置いたものでございまして、本人によるサービスの選択という介護保険本来の理念が損なわれることのないように、介護認定審査会の運営方法等に関しましてこの規定の趣旨の明確化を図る等、十分な措置を講じてまいりたいと思います。
 もう一つございました、生活環境要素の取り扱いの話でございますが、要支援認定等におきます生活環境要素の取り扱いの関係では、平成九年度に実施を予定しておりますモデル事業におきまして、そういう要素についても訪問調査で把握して、それが高齢者の介護や生活支援の必要性にどういう影響を及ぼしているか、それを把握して、そういうものを踏まえて、要支援認定等の実施方法に反映させていきたいというふうに考えております。
○石毛委員 ちょうどこの五月の末で最初のモデル認定の報告書が出るというふうに伺っておりますけれども、それを踏まえて、今審議官がおっしゃられましたように、いろいろと見直す点がきっとおありになるのだろうと思いますけれども、その見直す中に、生活環境的な要素も考慮に入れながら再度そのモデル認定の方法について精査していく、今こういう御説明だというふうに伺わせていただいてよろしいのでしょうか。
○江利川政府委員 そういう趣旨で御答弁申し上げました。
○石毛委員 それでは、その結果が明らかになりました段階で、また私どもにもその情報をぜひ開示してくださるように求めたいと思います。
 次の質問でございますけれども、これも私がこれまで介護保険の審議で質問に立たせていただきましたときに強く強調させていただいた件でございますけれども、介護保険では、若年者、四十歳以上六十五歳未満の方につきましては、先ほど来議論に上っておりますように、加齢に伴って生ずる疾病、それを起因とする特定疾患、それが要介護状態というふうに規定されているわけですけれども、私は、以前にも申し上げましたように、加齢とその病気がストレートに相関するわけではありませんけれども、例えば加齢に伴って発症が多少上がったり下がったりというそういう病気、あるいは要介護の状態でありましても、加齢に伴って状態が悪化するということは確実にあるというふうに言ってよろしいのだと思います。
 ですから、加齢と疾病との相関と、それから、疾病は加齢に相関するわけではないが、加齢によって疾病が引き起こす状態が悪化するという問題があるというふうに考えますけれども、この点につきまして、もう一度、どのように受けとめていらっしゃるかということを質問させていただきたいと思います。
 そして、私は、そうした加齢に伴って状態が悪化する疾病、そういうとらえ方が、先ほど来、審議官、専門家委員会で精査しているというふうにおっしゃっておられますけれども、今私が申し上げましたような観点もその中には含まれているのかどうかというようなこととあわせて御質問をさせてください。
○江利川政府委員 特定疾病の範囲でございますが、それにつきましては、現在、専門家による研究会におきまして検討を行っているところでございます。今後、疾病の発生状況あるいは加齢に伴う状態の悪化等を総合的に勘案しまして、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病か否かについて、検討会の検討結果等を踏まえて適切に対応してまいりたいと思います。
○石毛委員 その専門家委員会の第一次結論とでも申しましょうか、そうした結論はいつごろ出るのか、制度として確定するまでにはいろいろあると思いますけれども、プロセスをお教えいただけたらと思います。
○江利川政府委員 専門家の研究会の報告は、この夏ぐらいを目標に進めております。そこで研究成果が出ますと、改めて老人保健福祉審議会等関係の審議会にかけまして、議論を経て政令で定めるということになります。
○石毛委員 わかりました。
 それでは、次の質問でございますけれども、ただいまの加齢疾病との関係と密接に関連する事柄でございますけれども、今までずっと、介護保険法の適用にならない若年の障害者の方につきましては、障害者プランの方で対応するという回答をいただいてまいりました。
 そこで、ぜひ強調させていただきたいと思いますのは、障害者プランの充実を積極的に進めるということは言うまでもございませんけれども、今の制度で、市町村の老人保健福祉計画につきましては策定義務がございますけれども、障害者プランにつきましては義務づけがなされておりません。策定している市町村も必ずしも多いというふうには言えないと思います。
 そうしたことを考えますと、介護保険法の適用にならない障害者の方々が確実に介護サービスを受給できるということを考えてまいりますと、障害者プランの策定を市町村に義務づけていく必要があるというふうに考えますが、この点はいかがでしょうか。
○篠崎説明員 市町村障害者計画は、障害者基本法におきまして、各市町村に策定の努力義務が課されてきておるところでございます。昨年四月現在で三百三十四の市町村で策定済みでございまして、五百三十一の市町村で策定のための作業中ということでございます。
 障害者プランの着実な推進のためには、市町村障害者計画の策定が重要でございます。厚生省といたしましても、市町村障害者計画策定指針の普及ですとか、あるいは計画策定モデル事業の推進などを通じまして、市町村の計画づくりを積極的に支援しているところでございます。今後とも、これらの取り組みを通じまして、障害者プランに掲げられた目標が達成されるよう努めてまいりたいと考えております。
○石毛委員 今の御説明では、努力義務というふうにお話しいただきましたけれども、老人保健福祉計画と同じように策定の義務化はされていないわけですが、このお答えをいただくのは難しいかと思いますので、私の方は、ぜひ策定の義務づけをして、今の御説明で大体九百市町村に近いぐらいの、ですからまだ三分の一まで行っていないという状況だと思います。ぜひ積極的な推進になるような方策を講じていただきたいと思います。
 私は、ずっとこれも主張させていただいてまいりましたけれども、介護保険法にも適用にならない、それから障害者プランの方にも当てはまらないという方が恐らくたくさん出てくるだろうというふうに、現にいらっしゃるわけですけれども、介護保険が施行になればそれがより明確になってくるというふうに思いますので、ただいま申し上げましたことを、障害者プランの義務づけの方向で積極的な展開をということを、このことに関しましては主張させていただきたいと思います。
 それでは、次でございますけれども、やはり介護保険法の施行に関しまして心配されますことは、保険料あるいは利用料、それから午前中、山本委員が丁寧に展開されておられましたけれども、高額介護サービス費の問題など、負担の問題をめぐって、高齢者の中で、なかんずく低所得者の方がどういう実態に置かれるかということが心配であるわけです。
 医療保険の保険料、介護保険の保険料、そしてサービスを利用すれば利用料の一割、それらを合わせていきますと決して負担が軽いというわけにはいかないと思いますので、軽いか重いかという論争を私はここでするつもりはありませんので、低所得者の生活実態を念頭に置いてそうした負担のあり方を考慮していくということにつきまして、ぜひ申し上げたいと思いますし、お考えを伺いたいと思います。
 それから、ちょっと問題の質が違いますけれども、もう一つ経済的な事柄という意味で続けて申し述べさせていただきます。
 これから介護保険の中で心配されることの一つに、ホームヘルパーなどの担い手がどう定着するかということも心配されることですし、制度の安定のためには大変重要な課題であると思いますので、ぜひマンパワーが定着するだけの介護報酬の設定の仕方に工夫をお願いしたい。あるいは、水準もそうした水準を求めていただきたいということをお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○江利川政府委員 介護保険料でございますが、この保険料の設定に当たりましては、所得段階別の保険料といたしまして、低所得の高齢者につきましては普通の場合よりも軽減された保険料でいいようにする。あるいはまた、利用する場合の一割負担が要るわけでございますが、高額介護サービス費の設定、これは一般的なケースの場合と低所得者に配慮する場合と両方あるわけでございますけれども、これにつきましては、医療保険における高額療養費の自己負担限度額あるいは老人医療費の自己負担限度額などを勘案しながら、関係審議会の意見を聞きまして適切な設定を考えていきたいと思っております。
 それから、ホームヘルパー等のサービスの提供主体に係る介護報酬のお話がございました。事業主体は一定の人員、設備等の要件を満たしているわけでございますが、そういう事業者がどういうコストをかけて事業を行っているか、そういう費用の実態を把握しまして、サービスの内容、事業所の所在地等に応じた平均的な費用を勘案して、これも関係審議会の意見を踏まえまして設定してまいりたいと考えております。
○石毛委員 私が申し上げるまでもないと思いますけれども、今の社会福祉諸法に基づきます施設職員の配置基準など、どういう経緯で決まったかという質問をさせていただきますと、かなり以前に実態調査をした、それをベースにして展開してきていると。賃金、労働条件について、労働条件は労働基準法上のことがございますから違った要件もあると思いますけれども、賃金などにつきましても実態調査を踏まえてというふうに説明を伺っております。
 その実態調査を踏まえて、結構問題があるのではないかというふうに思いますので、要は、実態調査をどういう視点でとらえてどういう合理的な考え方を設定するかということだと思います。私は、介護労働の分野はパートタイマーで働く方がとてもふえてくるのだというふうに思いますので、時間もありませんから細かいところまで入り込む気持ちはございませんけれども、その実態調査を受けとめる視点がとても大事であろうということを、大変僭越かとも思いますけれども、ぜひつけ加えさせていただきたいと思います。
 続けます。
 この間、厚生省ではケアマネジメントにつきましても、モデル調査とあわせてケアマネジャーの養成講座などを開かれているというふうに伺っておりますけれども、それに参加されました都道府県の方からの意見では、今回なされましたそれにつきましては、数日の研修しか行われなくて、とてもそれでケアマネジメントをしていくというには質的に問題があるのではないかというような声が私のところに聞こえてきております。ケアマネジャーの養成ということにつきましてどのようなお考えを持っていらっしゃるかということを確認させていただきたいと思います。
○江利川政府委員 八年度に行いましたのは、ケアマネジャーを養成する指導者研修を行ったわけでございます。指導者になる方々は多忙な、通常毎日勤務しているような方でございますので、そういう人たちの研修の受けやすさということも考えまして二泊三日の研修をやりましたが、これは前期、後期と分ける考えでございまして、この秋口にでも後期の研修をやって、その指導者研修が最後までいくということになるわけでございます。
 今回の指導者研修は、初めてということもありまして、いろいろな意見が寄せられております。そういう意見は、今年度はさらに第一期生の後、第二期生の指導者研修も行う予定にしておりまして、そういう研修にいろいろな声を反映させて研修の中身の工夫をしたいと思います。
 こういう指導者研修の方々が都道府県に戻りまして、都道府県において介護支援専門員の養成に入るわけでございます。私どもとしましては、できればことしの十二月ぐらいからそういう研修に入らないと実施までにしかるべき体制が整わないのではないか、十二月ぐらいから順次研修に入っていくことが必要ではないかというふうに思っておりまして、そういう準備を進めているところでございます。
○石毛委員 それでは次の質問でございますけれども、介護保険法では市町村が特例給付としてサービスを認めていくといいますか、そのことが法律では公認されているわけですけれども、これに関連しまして、営利を目的としない人格なき小規模団体、NPO的な団体がサービスを行う場合は、そのサービスに対する対価の支払いは償還払いになるというふうに聞いております。これではせっかく、全国恐らく、例えばホームヘルプサービスに携わっている方々だけでも九万人ぐらいおられると思いますし、ミニデイサービスとかさまざまな小規模団体の活動が広がっているわけですけれども、そうした活動をなさっている方々と指定事業者の方々との間で競争条件が違ってくるというふうに私は思います。
 それで、ぜひ私は主張をしたいと思いますけれども、この競争条件を同じにすべきであろうと。ということはどういうことかと申しますと、小規模な団体に国保連から直接指定事業者に対する支払いと同じような方法をとることは困難であっても、例えば、市町村が特例給付の認定をするわけですから、市町村によって代理請求をするとか、あるいはまた国保連の方から市町村に代理支払いをするとか、そういう配慮をして、地域でさまざまな被保険者、市民がこの介護保険にかかわるサービス活動に参加、従事するというエネルギーを積極的に生かす方向の方法をとるべきだというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。
○江利川政府委員 多様な介護サービスを提供する主体があるというのは大変好ましいことでございます。
 そういう意味で、一定の要件を満たし、安定的に事業が行えるような者は都道府県知事が指定をして介護サービスを提供する事業者になるわけでございますが、そういう事業者の場合には、いろいろなことが届け出られであったり、あるいは監査等の義務づけがあったり、常に基準を満たしているということが担保されていなければいかぬということがあるわけでございますし、また、そういう事業者だということを前提に、国保連がそういう事業者から来る請求につきまして審査、支払いができる。これが、市町村が特別に認定した例えばボランティア団体という場合に、国保連におきましては一体どういうサービス主体なのか、どういう質のサービスが行われているか判断しかねますので、国保連がそういうところも含めて同じような現物給付をするというのは、これは法制度的にも難しいのだろうというふうに思っております。
 ただ、御指摘のように、一方、利用者側に立ちますと、償還払いということになりますと、全額一たん払って、領収書を持って市町村に届け出て、後で九割分を返還してもらうということになるわけでございますが、これをもう少し利用者側に立った工夫ができないか、先生の御指摘はそういうことではないかと思います。御指摘の手法も含めまして、運用上どういう工夫ができるのか、これは少し検討させていただきたいというふうに思います。
○石毛委員 それでは、その利用者側に立った工夫の検討ということにあわせて、もう一つ、この件に関連しまして検討をぜひお願いしたいのでございますけれども、法案では、指定事業者は法人格を持たなければいけませんし、それから、設備ですとか職員の資格あるいは人数などについて基準が定められることになると思います。
 その基準をそのまま特例給付に該当する団体に当てはめますと、法人格は別でございますけれども、例えば資格職の資格の種類ですとか、あるいは配置すべき職員の人数ですとかというようなことを同じ条件で設定しますと、これまた大変地域で自主的に活動しているボランティアや有償サービスあるいはワーカーズ・コレクティブなどの団体には当てはまらない場合が出てくると思いますので、これも地域の実態に合わせて、無論、提供されるサービスの質と量がきちっと担保されなければこれは論外だと思いますけれども、そうしたことがベースになりましたら、そのほかの要件といいますのは地域の実態に合わせた形で検討していくというふうに求めたいと思いますけれども、先ほど審議官がおっしゃられました、工夫の仕方を検討していくということに、今申し述べました点も加えて御検討をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○江利川政府委員 指定事業者については一定の要件があるわけでございますが、確かに、市町村で行われる、市町村が特例的に認めるサービスについて法人格以外すべて同じ要件だというようなことは恐らく実際的ではないのではないかと思います。先生のおっしゃられますように、論外のようなケースは別でございますけれども、サービスの種類も多様にあり得るわけでございますので、そういうことも踏まえて、どういう要件を満たしていたらいいのか、その辺も含めて検討させていただきたいというふうに思います。
○石毛委員 ぜひ、地域で活動しているさまざまなグループの方々が、元気を出して介護保険を積極的に機能させていくといいましょうか、生き生きと活動できますような方向で御検討をお願いしたいと思います。
 それでは、これもこの委員会での審議で多く議論になったことでございますけれども、介護保険を実施してまいりますと、当然、提供された介護サービスヘの苦情ですとかあるいは要望、さまざまな申し出が出てくると思います。それで、やはり苦情処理を多元的に行っていく、そして介護保険制度の信頼性を確保していく、そのことが大変重要だというふうに思います。
 これに関しましては、この委員会での御答弁では、国保連にオンブズマン機能を持たせることにしているのでそれによって対応していくというお答えを何度かちょうだいいたしました。私は、さらにこれが有効に機能していくためには、もう少し具体的な展開を示していただく必要があるだろうというふうに思います。
 そこで、そのオンブズマン的な機能を持たせる国保連の活動に関しまして、その中で被保険者が参画できるような第三者機関を設置して、そこで苦情の申し出を受けたり、それから苦情を申し出た方に対する適切な対応、あるいは申し出をした人と本人が違う場合もあると思いますので、介護サービスを利用している御本人への解決の方策の通知等々、あるいは情報の開示など、有効に機能するためにもう一工夫、二工夫必要かというふうに思いますが、これまでこの委員会で御答弁いただきました内容に加えまして、もう少し具体的なところで触れていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、住委員長代理着席〕
○江利川政府委員 国保連に苦情処理業務を行わせるということでオンブズマン的機能を持たせるわけでございますが、その業務の公正中立な運営が必要であるというふうに思います。そういう意味で、通常の事務局とは別に、苦情処理業務を担当するところを設けまして、それを担当するのにふさわしい学識経験者、そういう人を活用していく、あるいはまたその中には被保険者としての視点で対応できるような方、そういう人も選任をしていく、こういうことを検討してまいりたいと思います。
 苦情処理業務の具体的な運用につきましては、地方自治体の中に先駆的な事例もございますので、そういう事例を参考にしながら、被保険者とか家族等の利便を考慮して市町村や居宅介護支援事業者など身近な窓口で苦情の訴えができるとか、あるいは口頭でも訴えることができるとか、あるいはまた苦情を申し立てた人に対しまして調査結果等について連絡をするとか、そういうような運用のあり方、これは現にある先進事例を参考にしながら具体的に検討してまいりたいというふうに考えております。
○石毛委員 もう一つ質問でございますけれども、この介護保険法は附則で見直し規定がございまして、その見直し規定に関しましては、全般的な検討というふうに、私にとっては、かなり抽象的といいますか、大きなくくり方がされていると思います。
 介護保険につきましては、何度も繰り返しになりますけれども、さまざまに心配な点等々が議論されてきたわけでございますので、これから申し上げますこと、例えば、特定疾病に該当しない若年要介護者・支援者の方に関する対応、あるいは、今審議官から御回答いただいたわけですけれども、国保連のオンブズマン機能が果たしてどのように有効に作用しているかというような点検、それから、介護保険の大きな役割としてこれまで主張されてまいりました社会的入院の解消が果たしてどこまで進んだかというようなこと、それから、市町村の事務処理や市民参加、苦情処理体制のあり方、さらに言えば障害者施策との関係性、そうしたかなり具体的な内容を附則検討条項としてきちっと提示して、見直しの視点を確定しておかなければならないというふうに私は考えるものでございますけれども、この点に関しましていかがでしょうか。
○江利川政府委員 附則の検討規定に基づきます検討の範囲でございますが、法案におきましては、「被保険者及び保険給付を受けられる者の範囲」等を含めて、制度全般に関して検討を加えるということになっております。
 そういう意味で、運用していく中で出てくる新たな問題は多々あり得ると思いますけれども、先生が今御指摘になりました大きな五つの柱でしょうか、そういう御指摘も含めまして、幅広く検討していくべきものだというふうに考えております。
○石毛委員 時間が参りましたので、最後に、介護保険制度のスタートに関しましては、基盤整備の問題が大変心配されているところでございます。新ゴールドプランの実現、さらに、この先、大変財政状況が厳しくなるわけですけれども、スーパーゴールドプランの策定等々を含めまして、この介護保険制度が私たち市民にとって有効に機能するように、期待する制度として機能するように、ぜひこれからの予算措置を含めました積極的な対応ということが必要であるということを申し述べさせていただきまして、持ち時間終了というカードをいただきましたので、最後は要望ということで申し上げさせていただきまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○住委員長代理 瀬古由起子さん。
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。
 私はまず最初に、認定問題について質問いたします。
 要介護者として認定されるか否か、また、要介護度の判定がどうなるのか、これは給付を受けられるかどうか、サービスの総額とのかかわりで大変重要な問題を持っていると考えます。当初のモデルケースの介護度の実態に当てはめてみますと現状より後退するものが少なくなかったと、岡山県での公聴会で常久参考人が意見陳述をしております。
 厚生省が示している要介護状態の六区分を生活実態に照らしまして、当面の給付額六万円から二十九万円程度で、具体的にどのような介護給付が受けられるのか、家族がある場合、また、ひとり暮らしの場合、国民にわかりやすくモデルケースをきちんと示すべきだと思いますけれども、どうでしょうか。そして、実態に合った基準にきちんとするべきだと思いますが、いかがでしょうか。まず第一に質問いたします。
○江利川政府委員 介護サービスのモデルにつきましては、関係の審議会で議論をする際にもこういうモデルがあるだろうということで検討され、また、それは公表されているところでございます。いろいろな態様に応じていろいろなケースがある、そういうモデルが示されております。その中身はまた、パンフレットその他でも広く多くの方にわかってもらうような工夫はしているところでございます。
 そして、要介護の区分でございますが、これも、特養とか老健施設であるとか、そういう施設に入っている人たちに対するサービスとその人たちの状態との関連を、一分間ごとにどういうサービスをしていくかというのを調べていって、その状態とサービスとの関係を調べて、どういう状態がどういう介護サービスに結びつくか、そういうことを項目的に拾い上げて、たくさんある項目のうち相関の強いものと弱いものとを除去して、いわゆる要介護を見る場合の指標というのを定めているわけでございます。
 また、そういう実態から、要介護の量がどのくらい要るか。状態はさまざまであって、一見元気そうに見えても大変要介護状態の人もいれば、見た目では重篤そうであっても介護としては余り多くの手はかからないというケースもあるわけでございます。そういうことで、見た目ではなくて、要介護量から見て一体どんなふうに分けていったらいいのだろうか、こういうことを専門家の検討会議で事例を積み重ねながら検討して整理したものでございます。
 モデル事業でそれを実施して、それに対してまた意見が寄せられているわけでありますが、必要な改善はしていくつもりでございますけれども、私どもとしましては、かなりの研究を積んでこういう整理をしたものだというふうに考えているところでございます。
    〔住委員長代理退席、委員長着席〕
○瀬古委員 いろいろな介護の状態というのがあるわけですけれども、例えば今まで出されたケースで、随分批判がございました。
 今回出されている六つの区分、これについてどうかといいますと、例えば重度のW区分は、「昼夜の逆転があり、忠告や介助に抵抗、危険や迷惑な行為を行い、常時の介護を必要としている。」こういう区分でございます。それから第X区分というのは、「問題行動は少なく、知能の低下が著しい場合があり、過酷な介護を要する。」つまり簡単に言いますと、区分のWは俳回があり、またXは寝たきりという分類ではないかと思いますね。そうしますと、本来、点数の低い区分のWの方が断然介護量が多いということは明白ではないかというふうに思うのです。
 そういう逆転が実際の問題としては起きていると思うのですけれども、これはやはり検討すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○江利川政府委員 先ほども申し上げましたが、特養等に入っている、老健施設に入っている、療養型病院に入っている、そういう要介護の人に対するサービスとその人の状態の関連を調べて、こういうグループの方にはこういう程度のサービスが要るだろう、そういうものを積み上げて、このぐらいの費用がかかるのではないかというふうにやったものでございます。
 ですから、見た目の、徘回と寝たきりということでどうかというのではなくて、徘徊には徘徊に伴ういろいろなケアがある、重度の寝たきりであればまた重度の寝たきりで別の形でのいろいろなケアがある、そういうものを一つずつ区分して、それに見合うサービスの単価を調べて、給付水準としてはこのぐらいではないかというふうにしたものでございます。
 私どもとしては、かなり実態的な分析を踏まえまして、必要なサービスはこういう形で提供できるのではないかということで水準を出したものでございます。
○瀬古委員 実態的な分析からこのような区分を出しているということなんですけれども、では、具体的な例で私はぜひ明らかにしたいと思うのです。
 委員長と理事会での御配慮によりまして、資料を皆さんのお手元にお配りさせていただいていると思うのですけれども、これは名古屋市のみなみ医療生協南訪問看護ステーションで行われた調査の表でございます。
 これは、B2群の一部介助、それからC2群の全介助に分けて一枚目は載っております。二枚目は、介護されている方で訴えがある場合と訴えが余りない場合、こういうケースに群を分けまして調査がされています。これは介護者の行動を二十四時間、五分置きにタイムスタディー方式で調査をしたというものなんです。大変苦労されてつくられたものです。
 これを見てみますと、意思表示があり行動力のある方が、寝たきりよりも介護量が大幅にふえているということがおわかりいただけると思います。介護時間のところを見ていただければ、わかりますね。また、障害が重くなるほど医療依存度が高くなる、こういうことも明らかになって、「服薬」を示す介護時間が重度の人ほど多くなる、このことも明らかです。こういう内容の介護では、重度の方の場合はヘルパーではなかなか対応できないという事態もあります。そこで、巡回型の訪問看護も含めた医療的な取り組みが一層必要となっています。
 ところが、厚生省が提起しています、こういう最重度の場合にどういうように想定されているかといいますと、例えば、訪問看護は週二回、こういうようになっています。デイサービスは週三回通所、こういうふうにも出されています。
 実際はどうかといいますと、私も現場の人たちにも聞いてみました。こういう重度の方、特に鼻腔栄養を行っているような方は、実際には、施設に入れないとか、施設にデイサービスを利用したいと言っても拒否されるというケースが随分多いわけですね。今回の政府の提案のプランでは、重度の人ほどデイサービスやショートステイを多く利用するということになっていますけれども、実は、これも実態になかなか合わないという状態もあるわけです。
 こういう具体的な事例を当てはめて、現場に行ってみますと、いろいろ調べてつくり上げたと言うけれども、実際にはそぐわないというケースが随分多い、現場の実態を反映していない、このように現場の声がございましたが、この点ではどのようにお考えでしょうか。
○江利川政府委員 名古屋市の南生協病院の資料でございますが、ぱっと見せていただきましたので、ちょっとどうこうコメントはしにくいわけでございますけれども、私どもの方は、ケース分けをするのに七十一の項目で分類をして、それでグルーピングをしているわけでございまして、恐らくこれよりも少し細部、分かれているのではないか。そういう意味で、多分、これは大きく、寝たきりかどうかというような形で見ているのではないかという気がするのでございますが、一律にこれだけをもって比較はできない部分があるかもしれないという感じがいたします。
 それから、具体的な運用の方の問題で御指摘がございましたが、確かに、私どものパンフレット等に書いてあります最重度のケース、これは、サービスモデルでは訪問看護は週二回というふうになっております。ただ、これは週二回に決めてあるということではございませんで、ケアプランはその人の状態に応じて決めていくわけでありますから、もう少し頻度を高めた方がいいケースがあれば、そこは高まることは十分あり得るわけでございます。一つのモデルケースということであれが示されているわけでございます。
 それから、デイサービスとかショートステイ、こういうものにつきまして、最重度の人は入所を拒否されるというようなお話がございました。実態を聞いてみないといかんともしがたいわけでございますが、適切でない運用であれば、それは運用を改善していただくのが筋だというふうに私は思います。
○瀬古委員 厚生省の本当に最重度の要介護者が一つのサービスモデルをとった場合に、実際には実態とそぐわないという実例、もちろん私が例示いたしました資料がすべてではありませんけれども、現場ではかなり、最重度などの場合はもっと実態に即したケアの充実というものがなければ、とてもこのモデルケースではやれない、こういう実例が指摘されていたということを言っておきたいと思います。
 次にいきます。
 寝たきり状態をつくらないためにも予防やリハビリに重点を置く必要がある、これはもうだれしも認めるところだと思うのですけれども、予防やリハビリは今度の介護制度の中でどのように位置づけられているかという問題なんです。
 厚生省は、高齢者自身による選択を基本とするとこの介護保険制度についても説明をしていますけれども、例えば虚弱老人、この場合にそういう自分で選択できる権利をきちんと保障しているのかというと、これは実は問題になっています。虚弱老人の場合は、「高齢者や家族の生活状況、社会環境など、総合的に勘案した上で給付すべきかどうか判定する」、こういうふうになっておりまして、明らかに要介護と虚弱老人の要支援に隔たりがございます。こうした虚弱老人は選択できないといいますか、こういう状態に分けた、隔てた合理的な理由があるのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○江利川政府委員 虚弱の状態、「要介護状態となるおそれがある状態」、これは常時介護を要する状態ということではないわけでありますから、常時介護を要する「要介護状態」に比べれば当然軽い状態というのでしょうか、そういう意味で、介護サービスの量は少なくても済む状態にあるわけでございます。そういう意味で、要介護の人と虚弱の人を比べて虚弱の人のサービスというのが少なくていいというのは、その人の自立度の違いというのでしょうか、そういうことから見て、私は合理的ではないかというふうに思います。
 ただ、この介護保険制度におきましては、そのままほうっておくと要介護状態になってしまう、そういうことを防ぐ施策が必要だということから、「要介護状態となるおそれがある状態」、虚弱の人に対しましても、予防の重要性、そういうことにかんがみて、「要支援者」として介護保険法からサービスが受けられるというような形にしているところでございます。
○瀬古委員 これもぜひ、実態から見て改善が必要だと私は考えております。
 愛知県の半田市の赤星高齢化対策室長が、日本福祉大学の社会福祉学会が編集、発行しております「福祉研究」八十一号で、このように報告されているのですね。半田市の「ホームヘルパー日常生活自立度別派遣世帯」を見ますと、全体の七割が虚弱老人であり、愛知県下全体でも、その虚弱老人の占める割合が、こうしたヘルパー派遣などによるその割合が約六割を占めていると指摘している。長期的な医療費削減という面から見ても、要支援状態と要介護状態を区別しないで、寝たきりの予防や自立への支援につながるようなサービス提供を介護給付の対象とすべきだ、このように指摘をしています。
 しかも、何らかの介護を必要とする六割から七割の虚弱老人は、現在利用し、給付を受けている特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型病床群、こういうところからは、一応今回、五年間の経過措置というのを設けられていますけれども、結果として締め出される可能性も十分出てまいります。これでは、何のための介護保険かということに私はなると思うのです。そういった意味でも、今の虚弱老人の方々が自分で選択をして、そして後々、これが文字どおり実際に、予防やリハビリの立場から分けないでやることこそがむしろ実態にも即しているのではないかというように思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○江利川政府委員 介護保険制度で介護サービスを給付するというような場合に、これは要介護度、いわゆる介護需要の大きさに応じて給付があるのが公平なのではないか。そういう意味で、要介護認定の際に、要介護度はどのぐらいか、あるいは虚弱であるかどうかということを判断して、必要に応じた給付というものを提供する。これを、要介護度と関係なく同じようなサービスを提供するということになりますと、かえってむだとか非効率が生ずるのではないか。
 限られた資源をできるだけ効率的に重点的に必要な人により厚く、自立できる人にはそういう努力をしていただいて、全体として効率的にこの制度を運営するという意味で、要介護度に応じて給付のレベルが変わってくるということが合理的ではないかというふうに私は思います。
○瀬古委員 要介護と要支援についても、厚生省が言うように、選択できるようにきちんとやるべきだ。そして、積極的に事前に選ぶことによって全体としては自立に結びついていく。そして、捻れが全体としても、悪くなってからいろいろな施設や介護を受けるというのじゃなぐて、事前にそういうように積極的にやれるような制度にしていくためにも、分ける必要はない、やはり介護を必要とする人たちが選べる、こういう制度としてきちんと検討すべきだというように私は思います。
 次に質問いたします。
 さきの参考人質疑の中で、枚方市役所の上谷参考人から給食サービスについての指摘がございました。先ほどもお話がございましたね。
 枚方市では、ヘルプサービスとあわせて毎日二食の給食サービスを行っている。給食があることで、二百六ケースのうち七十六人が、入院せずに在宅の生活ができている。また、十六ケースの方が、入院から在宅に変わることができた。このように指摘をされておりました。
 私が、先ほどお配りいたしました南生協病院訪問看護ステーションの資料でも、食事の時間というのが介護に占める割合というのは大変多いわけです。そういう点ではどうしても、この給食サービスというのが在宅介護にとって大変大事だというように私は思うのです。特に食事の支度や買い物に出ることが苦手になった高齢者にとっては、給食サービスなしには自宅生活はできないというのが実態じゃないか。それで、今、市町村は給食サービスを地域でどんどん広げて、独自の制度としてやっているわけですね。
 今回、こうした基本的な給食サービスが介護保険サービスにどうして含まれなかったのか。何か深い事情といいますか、そういう理由があったのでしょうか。
○羽毛田政府委員 配食サービスにつきましては、先ほどもお尋ねがございましたように、要介護の高齢者の方々に対するサービスというだけにとどまりませんで、むしろ、ひとり暮らし等の高齢者の方々に対しまして、健康の維持増進でございますとか、あるいは安否の確認というようなことも含めた意義を持つものであろう。さらに、いわゆる食事という生活の基本にかかわることでございますから、確かに、大事という意味ではそれはもちろん大事でございますけれども、地域におきます配食ボランティアの活動といったような、地域福祉の観点から切り口を考えていくということが必要ではないかというふうに思っております。
 このような配食サービス事業の目的なり利用対象者ということを考えました場合には、要介護者であるというようなことだけではなくて、ひとり暮らしの高齢者等も含めました形で、各市町村におきまして、配達費用等は、要介護者だけのサービスあるいはそのほかのサービスということを別にやるのではなくて、全体的に、民間のボランティア等の活用も含めて、システムを組んでやっていくというような考え方に立ってやった方がいいのじゃないかということで、そのような地域における事業展開に対しまして、私ども、そのシステムを組まれることについての支援などは従来も行ってきておりますし、さらに、そういう方向での、介護保険のいわば一般的な施策との組み合わせという中でやってまいりたいというふうに思っております。
 それから、もちろん、ホームヘルパーの方々が要介護の方々のところへ行かれたときに、食事の世話という意味でのいわゆる介護があるというのは、それは当然大事なこととしてあるであろうというふうに思います。
○瀬古委員 三百六十五日、一日二食、この枚方ではあるわけですけれども、実際には食べることが生活の基本になりますから、こういうのをボランティアでやっていくなんという発想はできないわけです。そういう点でも、もちろんボランティアの人たちの力もかりて努力されているところもありますが、この介護保険制度を実施するなら、こういう基本的なところはぜひ入れるべきだというように私は思います。
 次に質問いたします。
 次は、現金給付の問題なんですけれども、全国の八割の自治体で介護手当が支給されております。東京では、最高額で月五万五千円の給付になっています。
 ドイツでは、介護保険の導入によって、現物給付あるいは現金給付、またはその併用という形で選択できるようになっています。九五年にドイツで導入したときには九割が現金給付になったそうですけれども、最近では申請者の割合は現物と現金の割合が半々になっている、こういう報告もされているわけですね。ドイツのブリューム連邦労働社会大臣は、要介護者が確実にサービスを受け取ることができる点が現物給付のメリットだ、このように述べております。
 我が国の介護保険の出発においても、当然、給付のアンバランスがあるということは考えられるわけで、そういう点では、介護保険の導入時において現金給付を検討するのは当然ではないか、なぜ導入しないのか、この点をお聞きいたします。
○小泉国務大臣 これは、この介護保険制度を導入する際にかなり議論された問題であります。
 そこで、現金給付を導入した場合に伴う問題点として主に三つありました。一つは、現金を支給したからといって、それが介護サービスに使われる保証はなく、高齢者の生活が改善したり、家族による適切な介護に必ずしも結びつかない。これが第一点。第二点は、介護サービスの不十分な段階で現金を支給すれば、ドイツに見られるように、多くが現金に流れ、サービスの基盤整備が進まなくなってしまうおそれが強い。これが第二点。三点目に、現金支給は、新たな給付であり、費用の増大を招き、保険料等費用負担の大幅な引き上げにつながる。
 こういう問題点があったからこそ、まずは、限られた財源をどこに振り向けるべきかというと、基盤整備の充実に振り向けることにした方がいいということで、今回は現金支給を認めなかったわけであります。
 これから、この保険が導入された段階で基盤整備が進み、在宅サービスの充実が図られることによって今後また現金給付の問題が出てくると思いますが、今回はむしろ、現金給付を行わないでこの基盤整備の充実に向けるということを選択した次第であります。
○瀬古委員 私たちが今まで質問させていただき、取り上げさせていただきましたけれども、例えば、この介護保険制度がスタートをすると言われている出発点でも、要介護者が二百八十万人いて、ヘルパーさん、また特別養護老人ホームの入所も待機者がたくさんいる状況で出発をせざるを得ないというのが厚生省の今の計画になっているわけです。そういう意味では、さまざまなところから保険あって介護なしという意見も出ている中で出発するわけですから、少なくとも給付が極端なアンバランスの中で出発すれば、そしてそれの中に、保険料だけ払うけれども近くに特別養護老人ホームはない、ヘルパーさんは来てもらえない、こうなると、私は、制度の存続そのものが問われるという状況になると思うのです。そういう意味では、ぜひこの現金給付についてもきちんと検討すべきだというように思います。
 最後ですけれども、医療と介護の問題なんですけれども、介護保険制度によって、高齢者の医療を受ける権利が奪われてはならないというふうに思います。これは参考人の意見陳述の中でもインフルエンザの問題も問題になりまして、なかなか特養ホームではお医者さんが来てもらえない、こういう問題がございました。
 今後、介護保険制度に移行した場合、特養などの医療へのアクセスが具体的に、やはりあのインフルエンザの教訓からきちんと導き出すべきだというふうに思います。介護保険の導入を理由に高齢者に対する医療が薄くなるということはあってはならないと思いますけれども、最後に伺いたいと思います。
○江利川政府委員 介護保険制度におきましては、介護ニーズに対応するような医療サービスであるかかりつけ医による医学的管理あるいは訪問看護などの在宅サービス、療養型病床群とか老人保健施設への入所サービス、こういうものを保険給付の対象としているわけでございます。介護保険の被保険者も医療保険の被保険者であることに変わりはありませんので、急性期の医療が必要だ、そういうような場合には医療機関において医療を受けることは当然可能なことでありまして、その費用は医療保険から支払われるということになります。
○瀬古委員 終わります。
○町村委員長 中川智子さん。
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
 私は、去年の十二月十三日に本会議で、この介護保険法の質問をしたことを感慨深く思い出します。胸をどきどきさせながらあの場所に立ち、総理をセイリと言ってしまったり、また、愛する夫などということを大きな声で叫んだりしたのを思い出します。ちょうど半年近くがたちまして、そろそろこの介護保険法が出口に差しかかっているということで、この半年にいろいろなことがあったななんて思い出しながら質問をさせていただきます。
 まず最初に、ずっとこだわっていました、この介護保険の中身に関して市民がきっちり参加し、市民である利用者がそれに対してきっちり意見を述べる場所をつくってほしいということを言い続けてまいりました。介護保険制度への市民参加が進むように、厚生省としてはどのように考えていくのか、支援していくのかということを伺いたいのです。
 割と、自治体というのは、三千二百ちょっとでしたか、ありますが、村とかだったらば、その市民参加というのが、言葉だけが駆けめぐっていて実体がつくれないのじゃないかという御意見を結構聞きますけれども、最近は、農協、JAですね、JAの婦人部で福祉のそのようなグループもたくさん出ていますし、また、公民館なんかですと、福祉だととても人が集まります。そしてまた、社協というのは各自治体に必ず設置されています。
 そのようにさまざまな、そのような協議会など、また研修などを通じて、ぜひとも市民参加ということをこの中に生かしていただきたいと思うわけですけれども、どのようにそれを厚生省、行政が支援していくかということをまず最初にお伺いしたいと思います。
○江利川政府委員 介護保険制度に被保険者の意向を反映していくということは、いろいろな場面場面で考えられているわけでございます。
 一つは、介護保険制度は被保険者が保険料を納めて、そして、要介護状態になりましたときに給付を受けるわけでありますが、今までの福祉の措置のような形で受け身ということではなくて、サービスを受ける側が積極的にそのサービスを選択していく、そういう意味で、主体的にこの制度に利用の面でもかかわれるのではないかというのが一つでございます。
 それから、介護保険事業計画を策定するような場合にも、この事業計画は介護サービス水準をどこまで引き上げていくか、そういう目標を定めるわけでありますし、また、これに従って保険料率をどう決めるかということにもかかわってくる重要な計画になるわけでございますが、この策定に当たりましても、利用者側、被保険者側の意向というものが適切に把握され、反映されるようにしていく必要があるわけでございまして、そういう形で市町村に対しまして要請をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 それから、利用者の苦情処理というような形でも、国民健康保険団体連合会、国保連にオンブズマン的業務を担わせるということにしているわけでございまして、運用におきまして、できるだけそこへのアクセスというのを便利にして、そういう意味で、利用者、被保険者の意向がうまく反映されるような工夫をしたいというふうに思っているわけでございます。
 また、ボランティア団体であるとか、社協、農協、先生からそういうお話がございましたが、さまざまな民間の主体的な活動がございます。こういう活動もこの制度の中で活用していく。そういう意味で、これもまた一つの、市民団体というのでしょうか、自発的な各種団体の活動が生かされる、そういうようなことでも先生の御指摘に沿うような側面があるのではないかと思います。
○中川(智)委員 はい、わかりました。
 ぜひとも、市民は最近とてもしっかりしておりますので、国もしっかりして――国がしっかりしていないから市民がしっかりしてきたか、どっちが先だかよくわかりませんが、とても関心は特に福祉に関しては強いですので、一生懸命ともに手をとり合っていい中身をつくるように、ぜひともお願いしたいと思います。
 それと、次ですけれども、市町村において介護保険が導入されたときの不安というのが地方公聴会ですごく聞かれました。地方公聴会で、特にそこの長から出された意見に対してこたえるためには、一つの具体的な例として、そのような事務経費、割と煩雑になると思いますし、新たな制度ですのでさまざまな、思ってもみなかったようなことが出てくると思うのですね。そういうときに、そのようなことを処理していく場面での事務の経費なんかがかなり心配されている様子でした。そのあたりに対しての厚生省のお考えをお聞かせください。
○江利川政府委員 介護保険制度は、現行の老人福祉制度と老人保健制度を再構築するということで新しい制度をつくるものでございますが、介護保険制度になりますと、保険でございますから、例えば保険料の徴収であるとか被保険者の管理であるとか、新しい事務が入ります。一方、老人福祉制度の措置制度などはなくなっていくわけでありまして、そういう意味では、それに係る事務が減少するという側面もございます。
 私どもが国保の事務などを参考に推計した事務費でございますが、平成七年度価額で大体八百億円ぐらいかかるのではないか、ただ、既存の事務が縮減するという形で三百億円ぐちい縮減するのではないか、そういうことで、追加的に生ずる費用は五千億円程度、特に要介護認定関係が事務的には多くの費用がかかるのかなというふうに推計しているところでございます。これらにつきましては、法施行までの間にそれらの事務を分析し、実態を踏まえて積算を精査していく、こういうふうに考えております。
○町村委員長 江利用さん、今、五千億と言った……五百億では。
○江利川政府委員 五千と言いましたのは間違いでございます。五百億でございます。
○中川(智)委員 わかりました。
 私もこのごろ年をとるのが早いなと思うのですけれども、平成十二年四月スタート、何かあっという間だと思うのですけれども、そのスタートに向けて、具体的にスケジュールをお聞かせ願いたいと思います。
○江利川政府委員 この法律は平成十二年四月から実施ということでございまして、現在から数えましても三年を切る期間しかもう残っておりません。
 それで、平成十二年四月に実際に動き始めるわけでありますが、四月から要介護認定の申請を受け付けて、そこから要介護認定をしていくということになりますと、スタートの時点で大変混乱をすることが想定されますので、その部分の業務というのは前倒しでやっていきまして、できるだけ円滑に十二年四月を迎えるようにすることが必要だというふうに考えております。そのためには、県と市町村の事務分担とか、広域的な事務の仕方とか、そういうことについて関係者間の話し合いが行われていなくてはいけないわけでございまして、話し合いを行うためには、その前に、ある程度の準備が整っているということが必要でございます。
 それから、新ゴールドプランは平成十一年度までの計画でございまして、平成十二年度からは新しい法律に基づく介護保険事業計画を考えているわけでございますが、この事業計画が平成十二年四月からスタートするためには、平成十一年の夏ぐらい、概算要求段階ぐらいには、全国的にどのぐらいのことになるか、そういう集計ができるような形で事務を進めていくことが望まれるわけでございます。そういうことを考えますと結構準備が忙しいということでございまして、それからまた、担当するスタッフ、事務職員の研修なり勉強なりの期間が要りますし、要介護認定の事務とか介護支援専門員の養成であるとか、さまざまな準備が要るわけでございます。
 法律が成立しましたら、全力でそういう事務の準備に取りかかっていきたいというふうに思っております。
○中川(智)委員 本当によろしくお願いいたします。やはりスタートしてよかったと、本当にこんなにと喜ばれるものになるために、一生懸命御努力をお願いしたいし、それを切に要望しておきます。
 最後の質問なんですけれども、私もこの間、何か、永田町に涙の抗議なんて、いつも泣いているような記事をちょっと新聞に書かれてしまって、こんなにいつも笑っている人間も少ないのじゃないかと思うのに、毎日泣いているような記事が出ました。でも、私どもはマスコミによってさまざまな情報をもたらされている。やはり新聞なんかを一生懸命読んで一ああこうなっているのかなというふうに判断せざるを得ない、そのような状況がございます。
 その中で、先日の新聞で、介護保険の中身に関して、とても不安だ、このようなところの基盤整備が全然できていないとか、いろいろ書かれました。それはやってみないとわからないという大臣のあれというのは私もすごくそうだと思うのですけれども、やはりその辺の不安がとても今多く聞かれます。ですから、ぜひともこのような不安を払拭するような、大臣の明快な御答弁をぜひともお聞かせいただきたいと思います。
 朝日に、この間、いろいろ載っていました。介護保険というのは、施行されてもサービスが受けられないとか、お金だけがどんどん上がっていって、一割というのがもう月に何万も何十万もなってしまって本当に困るのじゃないかというような、割とマイナス的な書き方をされていましたけれども、そのような不安を払拭するために、大臣がどのような決意でこの介護保険というものを実際にやっていくのかというところの御意見をお願いいたします。
○小泉国務大臣 介護保険制度が導入されようとして、導入された場合にはどういう点が問題点か、また、よりよいものを目指そうとしている皆さんの御意見というのは私も十分理解できます。
 しかし、今までの日本の戦後の社会保障制度の歴史を振り返ってみますと、よくここまで日本も進んできたなと。年金にしても医療にしても、ヨーロッパの進んだ制度を見習いながらここまでやってきて、いよいよ長生きできる社会にしようという目的を達して、この介護の問題が大きく国民的な問題になってきた。この介護を全国民でどうやって支えていこうかということで、ようやく平成十二年度の導入を目指して今審議していただいているわけですので、当然不安はあります。また、不十分な点も今から見えます。
 しかしながら、このままほっておいたのでは介護問題はいつまでたっても解決できないということから、早く目標を定めていろいろな基盤を整備していこうということで――日本人は、どちらかというと、目標を設定しますとそれに向かって着実な施策を進めていくのがうまい国民、民族だと私は思っております。医療保険が導入されたときも、保険を掛けたってお医者さんいないじゃないかと言われたのが、今や、お医者さんが過剰だからこれから減らそうというような状況になってきている。私は、この介護の問題も、当面は不十分な点がありますけれども、導入して、全国民がこれは必要だという気持ちがあらわれてきて、そしてこの介護保険制度は、国民がみんな支えていこうという気持ちを持つ限り、私は、実施していくうちに着実に整備していくと。
 同時にこれは、将来、介護保険制度、導入されてよかったなと思えば、今度はいかに寝たきりを少なくするかという形で、これが導入されればすべて解決するとは思っていません。また、新たな問題が出てくるでしょう。そして、将来はできるだけ介護を受けないような元気な高齢者をどうやってこの日本が輩出するかというような目標をまた持ってくるのではないか。
 ともかく、この制度を導入して、できるだけ、介護の負担で御苦労されている方に対して、お互い支え合っていこうという大事な法案でありますので、早い機会にこの法案を成立させていただきまして、その平成十二年度に向けて着実な整備拡充のスタートを切らせていただきたい。そして、円滑な導入に向けてまたいろいろな御意見、御指摘をいただきたいと思っております。
○中川(智)委員 ありがとうございました。
 私も、生まれて初めてこの間そこに座らせていただいて、いかに通告どおりに質問することが大事かということがよくわかりました。何か被告席のような感じで、本当にいつも御迷惑をかけて、きょうは通告どおりで非常に気持ちがよかったです。
 どうもありがとうございました。
○町村委員長 土屋品子さん。
○土屋委員 21世紀の土屋品子でございます。
 先般の厚生委員会でも質問いたしましたが、広域化についてお伺いしたいと思います。
 そのときには、財政の広域化は保険者の財政の安定化を図る選択肢の一つだということでしたが、実際に、私の選挙区の市長さんや町長さんとこの介護保険法の問題についても時々意見を交換しておりますが、一番心配しているのが財源の問題でございます。特に町長さんにとっては、人口が少ないために、介護保険の運営について不安を持っていらっしゃるようです。
 そうした意味では、今回の法案では第百四十八条、百四十九条で市町村相互財政安定化事業が規定され、市町村の広域的な運営も想定していることは大いに評価しております。しかし、規定を読んでみますと、「その議会の議決を経てする協議により規約を定め、これを都道府県知事に届け出」をすることになります。
 小さな町や村については、この市町村相互財政安定化事業を行いたいという希望も多いと思いますが、一方、提携相手の市やその市民は、保険料が上がるとかサービスの問題など、余り積極的には相互事業を行いたくないと思うのではないでしょうか。そうすると、実際は、相互事業が余り活用されないという結果になるのではないかと危惧をしております。
 政令、省令あるいは運用のレベルで広域化を促進するような基準を示すガイドラインを設定することや、都道府県知事のイニシアチブを強化するなど、地域の自発性を尊重しながら広域化を推進することについてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○江利川政府委員 介護保険法案におきましては、複数の市町村が共通の調整保険料率を設定して、介護保険財政について、相互に調整を行う事業を実施できるということにしております。この事業によりまして、保険財政の広域化、財政規模の拡大が行われて、いわゆる大数の法則による保険財政の安定化が図られるものというふうに考えております。
 この法案におきましては、この市町村相互財政安定化事業が円滑に実施されますよう、共同事業を行う市町村の求めに応じて、都道府県が共同化に係る市町村の相互関係の調整を行うとともに、相互調整を行う市町村の求めに応じ調整保険料率に係る基準の提示等を行う、そういうことになっております。
 今後、制度の運用に当たりましては、この事業が活用されますよう、御指摘の点も踏まえまして、具体的な実施方法を明らかにしたり、あるいはこの制度の趣旨の周知徹底を図ったり、あるいは市町村の意向、そういうものを踏まえながら、どんなふうにしたらこの事業の促進方策が考えられるのか、そういうことにつきまして検討を進めてまいりたいと思います。
○土屋委員 よろしくお願いしたいと思います。
 次に、介護サービスの苦情処理についてお伺いしたいと思います。
 第百七十六条にも規定されておりますが、サービスの苦情処理については、都道府県ごとの国保連合会が、介護保険事業関係業務としてオンブズマン的機能を担い、サービスの質の向上に関する調査並びに施設に対する必要な指導及び助言を行うとされています。
 しかし、実際には、在宅で介護サービスを受けている人や施設に入所している人にとって、国保連合会は身近ではないので苦情を申し立てにくく、また、そのような苦情はまず真っ先に市町村の方へ向けられるのではないかと思います。
 やはり被保険者が気軽に苦情や不満を申し立てることができ、その申し立てを受け迅速に調査をし、改善の必要がある場合にはサービスの提供者や保険者に必要な措置を講じていくようにするためには、都道府県レベルに設置されている連合会よりも、むしろ保険者である市町村ごとに苦情処理機関を設置すべきではないかと考えます。そして、そこに、被保険者でも保険者でもサービス事業者でもない、第三者による苦情処理機関を設置し、適切な調査のもとに勧告、助言などの措置を講じていくことが必要かと思われますが、いかがでございましょうか。
○江利川政府委員 苦情処理機関を市町村に置くようにという御指摘でございます。
 私どもの方におきましては、市町村がサービス提供機関である、そういう場合も多いこともありまして、市町村では実際上中立的な第三者機能が働きにくいのではないか、市町村がサービスの実施主体ということになりますと、そういう第三者的な中立的な機能が十分働きにくいのではないか、それからまた、民間事業者等におきましては、市町村の区域を越えて活動するものが多いのではないか、そういうようなことから、市町村単位に置くのではなく、都道府県にあります国保連そこに苦情処理の窓口を置くというふうにしたわけでございます。
 ただし、御指摘がありましたように、そこでは十分苦情を持ち込みにくい、そういう心配もあるわけでございますので、運用に当たりましては、市町村の窓口であるとか、あるいは介護支援専門員であるとか、そういう人を通じて苦情がしかるべく国保連の方へ届いて、国保連におきまして的確な処理ができるようにしてまいりたいというふうに思います。
 なお、国保連でやります苦情処理は、どちらかというと事業内容の質等についての不満とか、あるいはいろいろな注文ということでございます。事業者に対する改善命令、基準を違反しているとかといいますのは、そういう強制権限を伴うものにつきましては、これは、指定をしました都道府県知事の仕事ということになります。そういうものに至らないさまざまな苦情処理につきまして、国保連が意見を聞き、あるいは事業者について調査し、そして改善を指導する、そういうような形で運用させていただくことになります。
○土屋委員 今の質問に関連しましてお伺いします。
 サービスについての苦情は国保連合会ということでございまして、一方では、要介護認定の不服は介護保険審査会ということだと思いますけれども、利用者、被保険者の側からしますと、別々の機関に申し立てをしなければならず、わかりにくいと思われます。そういう点において、苦情を受け付ける機関を一元化するということで、今もお答えがありましたけれども、受付だけは市町村に置くような考えもあられるようですが、それが無理ならば、実際には苦情に対応する機関が別々であっても、せめて窓口だけは一元化するという仕組みが可能であろうかということでお伺いしたいと思います。
○江利川政府委員 不服審査と苦情処理では少し機能が違いまして、不服審査というのは、例えば要介護の認定、判定の結果に不満があるとか、そういう行政の仕組みが的確かどうかということについての議論でございまして、これにつきましては、都道府県に不服審査機関を置きまして、そこで、通常の権利義務にかかわるようなものにつきましては三者構成の介護保険審査会で、そして要介護認定にかかわるものについては、公益の学識者というのでしょうか、そういう方によりまして審理をしていただくということになります。
 苦情処理の方につきましては、もっと幅広い、運用上のいろいろな問題でございますが、これは、できるだけ身近なところで申し込みをして受けられるような形に運営したいというふうに考えております。
○土屋委員 同じような質問になりますが、大臣にお願いしたいと思います。
 被保険者が利用しやすく、その意見が反映される苦情処理の仕組みを考える必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。よろしくお願いします。
○小泉国務大臣 この介護保険制度が導入されれば、必ず苦情が出てくると思います。その際に、苦情処理機関がどこにあるからというよりも、身近な市町村に出てくる、あるいは、身近な公的な機関に出てくる。そういう点を考えますと、私は、身近に、苦情処理を的確に受け付けるようなところが必要であるし、そういう苦情に対しては適切な処置を講ずるようなことを運用面において十分配慮すべきだと思っております。
○土屋委員 どうもありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 続いて、介護サービス事業者の情報開示について御質問いたします。
 本法案は、介護が必要な人が、みずからの意思に基づいて、利用するサービスを自由に選択することを可能にする法律となっております。利用者が、複数のサービス事業者の中から、自分自身のニーズに合った質の高いサービスを選択するためには、情報の開示を義務づけていく必要があると思います。例えば、施設の規模と内容、職員構成、有資格者の人数、サービスの種類と内容、価格、苦情手続などの情報について十分に知らせることが必要だと思います。
 しかし、老人保健施設については広告制限が規定されているなど、この法案では必ずしもサービス事業者の情報開示について十分に規定されていないように思われますが、この点についてお伺いいたします。
 また、有料老人ホームなどでも最近あるようですが、誇大広告への対策や苦情処理についてもあわせてお伺いいたしたいと思います。
○江利川政府委員 利用者が主体的にサービスを選択する、そのためには情報公開が必要だということで、ごもっともだと思います。この制度の運用に当たりましては、介護老人保健施設を含めサービス事業者に対しまして、サービスに関する基本的な事項について施設内での掲示や説明を行いますよう、事業者に係る運営基準、そういうものに基づきまして必要な指導を行ってまいりたい、また、サービス事業者の指定権限を有する都道府県、あるいは保険者たる市町村、そういうところにおきましても情報提供を推進していくように要請をしていきたいというふうに考えております。
 なお、介護老人保健施設に係る広告の制限でございますが、これは、この施設が医療提供施設でありまして、診療や治療行為といった、一般に内容の評価が困難な広告が行われる、そういうことが想定されることから、利用者の保護の観点に立って、広告のいわゆる客観性と正確性を維持できないような事項について広告の制限を行っているものでございます。施設の内容等につきましては、先ほどの運営基準で、掲示をされるような形で中身が利用者にわかるようにしていきたいというふうに思っております。
 また、誇大広告のお話がございましたが、一般的な誇大広告などについての苦情処理等につきましては、先ほど申し上げました国保連のオンブズマン的な業務の中で対応していくということを考えております。また、サービス事業者の誇大広告によって被害を受けたような場合、こういうことは、そういう場合には司法的な救済、これは当然あるわけでございますが、国保連の方にその苦情を寄せていただくことによりまして、必要があれば、国保連が調査を行って事業者に対して指導助言をするというようなことも可能でございますので、そういう活用も考えてまいりたいと考えております。
○土屋委員 最後の質問になりましたが、都市部と過疎地域との格差の是正についてお伺いしたいと思います。
 介護サービスの基盤の地域間格差については、都市部では、企業、生協など、さまざまな事業主体の介護サービス事業者が積極的に参入してくるものと思われますが、一方、過疎地域においては、効率性が十分に確保できないことから、公共セクターの整備、農協などの活用、民間セクターの誘導策などを積極的に推進する必要があると思われますが、地域間格差の是正についてどのように対応、支援をしていこうと考えているのか、お伺いしたいと思います。
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。
 先ほど来お話ございますように、この老人保健福祉計画、それぞれの地方でお定めをいただいておりますこの計画に基づく基盤整備ということが進んでいくこと、介護保険の施行にとりましても大変大事なことでございます。そういった意味合いで、お話しの過疎地域でございますとか、あるいは逆に大都市部といったようなところで介護サービスの基盤整備がおくれているということにつきましては、私どもとしては、それぞれの地域ごとに、その原因なり、どこらのところにてこ入れをすればいいのかといったことを個別によく地方団体とも分析をしていただいて、検討をして対応をしていきたい。もちろん、そういう部面への財政支援というものも、いわばめり張りのついた形でと申しますか、重点的にやっていく方向でいきたいというふうに思います。
 その際に、先生お話のございましたように、民間事業者でございますとか、あるいは農協といったような非営利団体、こういった組織がそういったところで十分に展開をされるということが非常に大事でございますので、私ども、そういった観点から、平成九年度にも、こういった過疎地域あるいは離島といったような地域におきまして、民間の事業者でありますとか、あるいは農協でございますとか、そういったところが在宅サービスを展開をしていく、二十四時間のホームヘルプというようなものも含めました事業展開をしていく、そのことによる課題、あるいは、どういうところを克服すれば事業展開が図られていくかというようなことにつきまして調査研究を行うということで、モデル事業を行いまして、そこをさらに進めていくというようなことも考えておるところでございます。
○土屋委員 どうもありがとうございました。以上で質問を終わらせていただきます。
○町村委員長 次回は、来る十六日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会をいたします。
    午後六時六分散会