第141回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
平成九年十一月十九日(水曜日)
    午後三時三十一分開議
出席委員
  委員長 笹山 登生君
   理事 安倍 晋三君 理事 遠藤 利明君
   理事 浜田 靖一君 理事 松下 忠洋君
   理事 白保 台一君 理事 鰐淵 俊之君
   理事 松本 惟子君 理事 古堅 実吉君
      石崎  岳君    嘉数 知賢君
      河井 克行君    桜田 義孝君
      下地 幹郎君    新藤 義孝君
      仲村 正治君    桧田  仁君
      森  英介君    吉川 貴盛君
      原口 一博君    丸谷 佳織君
      三沢  淳君    池端 清一君
      金田 誠一君    上原 康助君
      岩國 哲人君
 出席国務大臣
        外務大臣    小渕 恵三君
        国務大臣
        (沖縄開発庁長
        官)      鈴木 宗男君
 出席政府委員
        内閣審議官   安達 俊雄君
        総務政務次官  熊代 昭彦君
        北海道開発庁総
        務監理官    小野  薫君
        北海道開発庁計
        画監理官    青木 東雄君
        防衛庁長官官房
        長       大越 康弘君
        防衛庁防衛局長 佐藤  謙君
        防衛庁運用局長 太田 洋次君
        防衛施設庁長官 萩  次郎君
        防衛施設庁総務
        部長      西村 市郎君
        防衛施設庁施設
        部長      首藤 新悟君
        防衛施設庁労務
        部長      柳澤 協二君
        沖縄開発政務次
        官       嘉数 知賢君
        沖縄開発庁総務
        局長      玉城 一夫君
        沖縄開発庁振興
        局長      若林 勝三君
        外務政務次官  高村 正彦君
        外務省北米局長 高野 紀元君
        外務省欧亜局長 西村 六善君
        外務省条約局長 竹内 行夫君
 委員外の出席者
        北方対策本部審
        議官      川口  雄君
        運輸省航空局飛
        行場部計画課長 横田 和男君
        特別委員会第一
        調査室長    清水 紀洋君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十九日
 辞任         補欠選任
  吉川 貴盛君     桧田  仁君
  吉田 公一君     岩國 哲人君
同日
 辞任         補欠選任
  桧田  仁君     吉川 貴盛君
  岩國 哲人君     吉田 公一君
    ―――――――――――――
十一月十日
 北方領土問題等の解決促進に関する陳情書外一
 件(札幌市中央区北二条西六北海道議会内岩本
 允外一名)(第四二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 沖縄及び北方問題に関する件
 沖縄問題の解決促進に関する件
     ――――◇―――――
○笹山委員長 これより会議を開きます。
 沖縄及び北方問題に関する件につきまして調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河井克行君。
○河井委員 自由民主党の河井克行です。
 一般質疑の先陣を切って、これから、せんだっての日ロ首脳会談のまさに歴史的な合意を受けての、新しい北方領土を取り巻くいろいろな環境、そして課題について質問をさせていただきたいと思います。
 きょうは、残念ながら両大臣お見えではございませんけれども、そうはいいましても、我が中国地方が誇る大先輩が、ちょうどきょうはお二人、大物政務次官としてお越しをいただいておりますので、どうか、きょうのこの質問につきまして十分御認識をいただいた上で、それぞれの大臣にまた正確にお伝えをいただきたいというふうに思います。
 本当に、せんだっての橋本龍太郎総理とエリツィン大統領の日ロ首脳会談、まさに歴史的な快挙だというふうに思っております。サンフランシスコの講和条約、そして佐藤栄作首相のもとでの沖縄返還に匹敵をする本当にすばらしいことだ。今後は、約束の西暦二〇〇〇年に向けて具体的に作業をぜひ積極的に進めていっていただきたいな。本当に日本国民の一人として高く評価をさせていただきたいと思います。
 そして、その中で、幾つもこれからいろいろな段階を経ていくわけですけれども、一番重要な要素としまして、ロシア側のいわゆる国内世論、中でもサハリン州あるいは現に北方四島に住んでいる住民の気持ち、感情、この辺もうまいぐあいに、やはりこれを日本政府としていい方向に誘導するといいましょうか、本当に解きほぐしていかなくちゃいけないな、そういうふうに思っております。
 恐らく、エリツィン大統領に反対する勢力は、これからのいわゆる平和条約の交渉の過程で、現地に住んでいるロシア人の住民の意見を聞きなさいとか、必ずそういうふうな牽制球を投げてくるに違いないというふうに思っておりますので、その点はこちらとしてもきっちりと対処をしなくちゃいけない、そんなふうに思っております。
 実は、ことしの七月の八、九、十と、私ともう一人、今度北海道開発政務次官に就任をされました吉川貴盛代議士、北方四島の中でも一番北端に位置をしております択捉島に、ビザなし交流で戦後衆議院議員として初めて択捉の島の土を踏んでまいりました。そのときの模様などを中心としてきょうばいろいろと質問をさせていただきたいというふうに思っております。大きく分けまして、きょうは二点質問をさせていただきたいと思います。
 まず一つは、択捉に行って感じたんですけれども、一般住民と向こうの地方議会の議員らとの間の意識の乖離が随分あるのではないかという点。二つ目は、実際にホームステイ一泊をしまして、随分ロシア側の住民がいろいろな不安を持っているという点。この二点について、きょうは二十分しかございませんけれども、質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず最初の点ですけれども、住民サイドといいましょうか、少なくとも私たちが一泊ホームステイをした家、これは普通の家だと思いますけれども、それこそウオッカを飲みながら、本当に肝胆相照らしといいましょうか、胸襟を開いて本当にいろいろな突っ込んだ話をすることができました。
 数時間、酒を飲みながらいろいろな交流をした後、私がずばりこういうふうな質問をしました。二十年、三十年後、あなたのお子さんが大きくなったときにも、今のままの形態で北方四島が統治されることをロシア人としていいと思いますかというふうに質問しました。そうしたら、ううんと数秒間黙りこくった末、ロシアでノーは何と言うのですかね、(高村政府委員「ニエット」と呼ぶ)ニエットというふうにはっきりと答えてくれました。それと同じような話は、同じく今回のビザなし交流団で行った人からも聞いたわけであります。
 その一方で、せんだっての日ロ首脳会談の結果を受けて、NHKだと思いますけれども、この択捉島を含む、通称クリル地区というふうに言っておりますけれども、そこの議会議長のカシプルク氏がかなり否定的なコメントを出しておりました。
 私は、この両者の間に随分意識の乖離があるのではないかというふうに思うわけですけれども、その点についての政府としての考え方、認識をまず教えていただきたいと思います。
○熊代政府委員 この七月に河井克行先生は早速択捉島を訪問されたということでございまして、現場に直ちに急行されるその積極的な政治姿勢、それから若さあふるるバイタリティー、本当に高く評価するところでございます。
 お尋ねの件につきましても、大変に鋭い御指摘でございまして、確かに区長とかあるいは区の議長とか、為政者と住民の意識に乖離があるかもしれないということでございます。住民にしてみれば、遠いモスクワよりも日本の方が非常にいいんじゃないかというような意識があるいはあるかもしれないという御指摘でございます。大変貴重な御指摘だというふうに思います。
 総務庁といたしましては、仕事柄のお話を申し上げたいと思いますが、東京宣言に基づきまして、二〇〇〇年までには平和条約の締結をするように全力を尽くすという日ロ首脳間の合意の実現を図るべく、外交交渉を支えるために、国民世論の一層の盛り上げを図るというのが総務庁の仕事でございまして、それに努めてまいりたいというところでございます。
 平成四年度からのビザなし交流開始以来、これまで六年間で、日ロ双方約四千五百人の相互訪問を実施しております。この交流事業を通じまして、全体的にはロシア人との間に相互理解が深められてきたというふうに考えておりまして、相当な成果が上がったのではないだろうかということでございます。
 先生のような国会議員の御参加、青少年の交流、若い人事業の充実をこれまでも図ってきましたけれども、今後とも、これまでの成果を踏まえて、専門家交流の実施などを行いまして、より質の高い効果的な交流を進めていくということを考えているところでございます。
 住民対策がお尋ねのところでございますけれども、まさに今後の日ロの外交交渉の進捗状況を見守らなければならないところでございますけれども、北方領土に対する我が国の主権が認められ、領土問題が解決するのであればどうかという観点に立って考えないといけないと思いますが、解決されれば、四島に住むロシアの住民の方々の希望を十二分に尊重していくということが重要であると心得ておりますので、それを何にも増して大切にしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○河井委員 政府としても住民と指導者層の間に意識の乖離があるということをそのように認識をしていただいているのは大変ありがたいのですけれども、そのことについて一つ具体的な話を少し紹介し、そしてまた質問をさせていただきたいと思います。
 ことしに入ってから、この択捉島の住民の気持ちが、急速にといいましょうか、日本に対して少し否定的になってきたのではないかというふうな情報があります。昨年まではそうでもなかったのですね。
 せんだって、この地区長を選ぶ選挙がありまして、サンジャロフさんという方が地区長に当選をされましたけれども、選挙違反か何かで摘発されて、その地区長の選挙結果をめぐる裁判がずっとロシアの本土の方で行われておりました。つまり、一種の権力の空白期間があったわけですね。
 その空白期間をいいことに、このカシプルク氏というのは、旧ソビエト共産党の流れをくむ人ですけれども、私たちが行ったときもいたのですけれども、ホリョフさんという地区長代理を自分たちで勝手に擁立したのですね。それで、いろいろな文書とか、私たちがこれをその地区長代理に渡そうとしても、全然何の権限もないような感じなのですね。ただこうやって、ぼわっと座っているか立っているだけなのですね。聞いたら、結局、この議長のカシプルク一派がその島の政治を牛耳っているのじゃないかなと。
 そして、このビザなしのときに現地住民との交流会もありました。そこでも、日本に対して極めて否定的な発言ばかりをするのですね。日本人の代表団に対して、今回は国会議員が二人もついてきているから日本人民の皆さんは素直に物が言えないのじゃないかみたいな発言をするのですね。吉川政務次官ならまだしも、私のように穏やかで優しい人間をとらえてそういうふうな失礼なことを言うわけです。
 これにはやはり背景がありまして、このカシプルク氏の奥さんは、商売が旅行のエージェント、旅行代理店をやっている大柄な女性で、名前をマリーナさんといいますけれども、日本のビザなし交流の旅行のあっせんとかあるいは宿泊所の手配、移動するバスの手配を全部このマリーナさんの経営するエージェントを通じてやっているのですね。
 ですから、日本人の税金を使いながら、そういう反目的な言動をする向こうの現地の政治家の、想像ですけれども、経済的な基盤を大きくしてやっているのに、何かこれは皮肉なものだなというふうなことを、私と御一緒した吉川先生も言っておりました。その点について、マリーナさんが経営しているエージェントをどうしても使わないといけないのでしょうか。
 私は、その前に、このサンジャロフ地区長が裁判が終結したというふうな情報も聞いておりますけれども、この人が戻ることによって、また雰囲気が違ってくるのじゃないかなというふうに思います。もちろん、違う主権が現在実効支配をされているところのことですからお答えしにくいかもしれませんけれども、外務省として、その辺の島内の政治状況をどのように今考えていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
○高村政府委員 貴委員の体験に基づく貴重な情報を心から感謝申し上げます。小渕大臣に正確にお伝えをいたします。
 外務省とすれば、今知っている事実関係だけ申し上げますと、新しい地区長は、選挙違反、いわゆる連座制ということで当選無効、こういうことにサハリンの裁判所ではなったわけでありますが、ロシア最高裁ではその当選無効が取り消されたということで、そこまでは正確につかんでいるのですが、そしてまた、択捉島に帰ったということも大体聞いてはいるわけでありますが、ただ、それが新しく地区長にきちっと就任したかどうかということについては、私たちはまだ情報を得ておりません。
 私たちとすれば、まさにロシアの管轄権の行使というのを北方四島に認めていないという事情がありますので、そうであっても、事実だけはきっちりつかむようにはしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○河井委員 外務省としてもお立場上本当に難しいかもしれませんが、親日的な勢力をこういう地域の中でふやしていくということは本当に重要な作業だというふうに思いますので、エージェントの問題も含めて、今私が言ったことをぜひぜひ本当に前向きにお取り組みをいただきたいなと思い
ます。
 それから、もう一つ気になっていることは、こういう形で、北方領土についての日本人の意識といいましょうか、世論もこれから大きくなってくると思うのですね。
 そこで、せんだって、実は、今政府がやっているビザなし交流じゃなくて、日本の民間の旅行代理店が北方領土視察というふうなものを商品として販売をしたという事実が新聞等で明らかになりました。私は、これは、今後領土交渉を進める中で、日本の国益を大変損なうゆゆしき問題だというふうに考えております。
 きょうは、残念ながら運輸省の人にはお越しいただいておりませんけれども、政府として、例えばそういう日本の旅行代理店が発覚した場合、制裁措置を含めて、ぜひとも本当に毅然たる対応をとっていただきたいなというふうに思いますけれども、この点について、もし教えていただければありがたいと思います。
○川口説明員 先生の今のお尋ねでございますけれども、新聞報道で、北方四島にビザを取って行っているんじゃないかという報道がございましたので、私ども総務庁と外務省ともども運輸省の方に旅行業者に指導していただくようにということで八月の末に運輸省にお願いいたしまして、運輸省の方で八月二十七日に旅行業者の方に指導したというふうに承知しております。
 私どもとしましては、北方四島は我が国のものでございますので、ビザを取って行くことのないようにということで、運輸省の方に御指導をお願い申し上げたところでございます。
 いろいろな場でも注意喚起しておりまして、地方の担当課長、県の課長でございますけれども、そういった会議の場でも周知徹底を図っております。よろしくお願いいたします。
○河井委員 ぜひそういうふうな、日本政府としても本当に強い姿勢で臨んでいっていただきたいと思います。
 最後に、先ほど総務政務次官から少し早目に一部答弁をしていただいたわけですけれども、ホームステイをしておりましてつくづく感じたのです、さっきおっしゃった、もう数千人がいわゆるビザなし交流でお互いに交流しているにしては、日本についての認識というか知識が随分まだ誤りが多いなと。
 例えばこんな話をしていました、日本の原子力発電の核の廃棄物を北方領土に持ってくるんじゃないかとか、日本はそんなことを考えているんじゃないかとか、電力会社はそういうことをねらっているんじゃないかとか。そんな、こっちが聞いて仰天するような情報が向こうでは流れているんですね。
 確かに、失業率も大変高うございますし、健康状態も、衛生状態が余りよくない、経済的な基盤も少ない、そういうふうな状況なものですから、ロシアの自由民主党、日本の自由民主党はいい政党ですけれども、向こうのジリノフスキーさんが率いる自由民主党、ここの青年部の支部が極東地区では初めてこの択捉島に設置をされたという話を、つくった本人を目の前にして聞きました。
 あの人たちは、これは、時には社交ダンスをしたりバレーボール大会をやったりとかいうふうな青年団だと言っているのですけれども、そういう下地があるということはぜひ御理解をいただきたいな、そして、もし日本に領土が返ってきたときに、自分たちは全部また強制送還されるんじゃないかとか、あるいは公務員の方々は首になるんじゃないかとかいうふうに言うのですね。いや、日本は本当にそんな国家じゃないですよ、優しい優しい国ですよというふうに二人で言って帰ってきたわけですけれども。
 先ほどとまた少し同じ趣旨の質問になりますけれども、実際、返還された後のそういう不安をどうやって島民の方々の意識からぬぐい去っていくのかという作業がこれからの数年間大事になってくるだろうというふうに考えておりますけれども、大変お忙しい中、鈴木宗男大臣にもこの委員会にお越しをいただきました。お答えは。
○鈴木国務大臣 質問予告がないので、詳しい資料は持ってきておりませんけれども、私自身、戦後五十年目で初めて国会議員として四島に渡りました。私は国後、色丹しか行っていないのですけれども、それでも三回ほどお訪ねしています。
 少なくとも、世論調査等を見るとき、国後、色丹の方は日本人との共生を七割から八割してもいいというデータが出ています。択捉島は、四、五年前ですと三割ぐらいしかなかったのが、今過半数を超えて、一部データでは七割近くになっているという話もありますので、少なくとも共生はだんだんできる環境になってきている。そのことをきちっと島民に、何も排除いたしませんよということを明確に意思表示をすれば、納得もしてくれるし、わかってもらえる、理解もいただける、私はこんなふうに思っています。
○河井委員 それをぜひ具体的な作業として、政府としてどのようにこれからお考えなのか、もう一度お答えをいただければありがたいと思います。
○鈴木国務大臣 少なくとも、この十一月一日、二日のクラスノヤルスクにおける日ロ首脳会談で、見事なほど橋本総理は、東京宣言に基づいて、二〇〇〇年までに平和条約の締結に向けて全力を尽くす、こういう決定を見たわけでありますから、そのラインに沿ってこれから、もう既にプリマコフ外務大臣も来日されて、小渕外相とも会談されて、これまた今ある作業部会をさらに格上げして、両大臣がヘッドとなって次官クラスのさらなる組織をつくって、しかもそれは一月中にモスクワでやるという決定も見まして、私としては、できれば二月ごろ小渕外相に訪ロしてもらって、さらに四月には日ロ首脳会談もあるわけでありますから、それに向けて整々と詰めていけば、間違いなく二〇〇〇年までに平和条約の締結というのは実現できることだ、こう思っております。
 そのことをきちっと進めていけば、これまた島民の皆さん方も納得するし、両国が決める話でありますから、当然その決定の中で進んでいくものだ、私はこう思っております。
○河井委員 わかりました。
 以上でございます。
○笹山委員長 次に、下地幹郎君。
○下地委員 河井克行先生にかわりまして、自由民主党の下地幹郎でございます。質問させていただきたいと思っております。
 質問に入る前に、先日十七日、エジプトのルクソールで起きました観光客襲撃事件、多くの日本人がお亡くなりになっております。謹んでお悔やみを申し上げたいというふうに思っております。
 これから、私どもはテロを許すわけにはいきません、このような問題を解決するために、平和というものをやはり大事にしながら、世界の共生のためにしっかりと頑張っていかなければいけない、そういうふうな役割も政治にあるのではないかとつくづくあの事件で感じさせていただきました。
 きょうは鈴木大臣に御質問させていただきたいというふうに思っております。
 大臣、沖縄はことしで復帰して二十五周年を迎えました。先ほど河井先生からお話がありました日ロの問題、沖縄が日本に返還をされて二十五周年目の今日、日ロ平和条約の問題が橋本総理の御尽力で形になってあらわれてきた。何か大きな縁を感じるような気がいたします。
 そういう意味でも、日本に残されている領土問題は、沖縄問題が解決したらあとは北方四島の問題でありますから、この二十五周年を迎えた沖縄、私ども沖縄も一生懸命に日ロの問題に興味を持ちながら、北方領土の返還のために頑張っていきたいというふうに思っているのであります。
 そして、大臣、政治家というものはしっかりとした信念を持ってやらなければいけない。大臣は、人と人とのつながりがどんなにしても大事なのだというふうなことをよくおっしゃいます。そして、政治は、自分の損得を考えない、国民や県民の気持ちを考えてやらなければいけないというようなことを大臣はよくおっしゃいますけれども、沖縄が復帰二十五周年目を迎えて新しいスタートをするときに、大臣が沖縄開発庁長官となられて、どんな思いで沖縄にこれから取り組みたいと思っていらっしゃるのか。
 そして、一番沖縄が苦しみだと思っていた一〇四号線の実弾演習を、大臣の選挙区の矢臼別に去年大臣が英断を持って引き受けていただいた。あの選挙の前の厳しい状態の中であのような判断をしていただいた。それも、やはり大臣の沖縄に対する思いがあってできるものだというふうに私は思っております。
 私は、そういうふうな大臣と沖縄とのかかわりをしっかりと大臣がお話をすることが、沖縄開発庁長官がまず県民からの信頼を得る大事なことだというふうに思っておりますから、大臣の沖縄とのつながり、そして沖縄に対する思い、そのことをちょっと御答弁をいただきたいというふうに思っております。
○鈴木国務大臣 私の選挙区は日本の一番東であります。下地さんは日本の一番南西端から出ている国会議員ということで、これまた、まさに端と端の関係なんですけれども、私は政治家になってから一貫して沖縄問題に取り組んでまいりました。
 その以前は、私の師匠であった中川一郎先生のもとで、サトウキビの政府価格決定を縁に、沖縄問題の地域産業育成という関係でやってまいりました。今よく話題になります名護の比嘉市長さんなんかも、当時は市会議員として、昭和五十三年、私が農林水産大臣の秘書官のころ、よく陳情に来られたのを私は鮮明に覚えております。
 同時に、私は、今平和を享受している者として、今平和があるのは、少なくとも沖縄の皆さん方の大変な犠牲のもとであるという認識を持っております。同時に、二十数万の人があの沖縄の地上戦で亡くなっております。沖縄県民、さらには軍人軍属含めて約十三万余の沖縄の人が亡くなっております。沖縄県民以外で亡くなっている数は六万五千余でありますが、そのうち一万一千人近くが北海道人であります。万のつく犠牲者は沖縄と北海道だけであるのです。
 しからば私は、先人、先輩の思い、これはしっかり踏まえて、平和に感謝をしながらも、とうとさをしっかり、ありがたいと思いながらも、同時に、大変な御苦労のあった歴史というものを大事にしながら、政府として、政治家としてサポートすべきものはサポートしなくてはいけない、こんなふうに思っております。
 私は、今回沖縄開発庁長官になりまして、しかもことしは復帰二十五周年という節目の年でもあります。この二十一日には政府の式典もやらせていただきますけれども、このめぐり合わせに感謝をしながらも、同時に、沖縄の皆さん方が大変な苦難の歴史を刻んだ、その思いというものを、その心というものを、その目というものをしっかり踏まえて私は職責を全うしたい、こう思っております。
○下地委員 大臣、ぜひその思いを大事にして、激務ではありますけれども、頑張っていただきたいというふうに思っております。
 沖縄開発庁長官は沖縄の振興に対する問題を進めなければいけない、これは大事な仕事でありますけれども、その前にやはり思いかなければいけないのです。思いがあってこそ振興の問題も沖縄県民の理解のもとに前に進むというふうに思っておりますから、その気持ちをぜひ最後まで大事にしていただきたいというふうに思っております。
 それで、大臣、今沖縄は、普天間の基地の問題が大きな問題になってきております。その件でちょっと大臣の御認識をいただきたいのですけれども、私はこう考えているのです。二つ物があって、新たにもう一個つくるのを、三つ目をつくるのを、新しい基地をつくるだとか新しいものをつくるという表現をすると思うのです。
 今の普天間基地を移設をしてシュワブにやるというときに、新しい基地をつくるという表現をなされる方がいます。私は、果たしてそうだろうかと思うのですね。その二つ目にあったものよりも、それが非常に危険度が薄い、軽減する、大きさが五分の一の大きさになる、そしてどう見ても強化だとは思えない、そういうふうな状況を、私は新しい基地をつくるという認識にはならないというふうに思っているのです。
 この普天間基地の問題は、まさに大田知事と橋本総理との話し合いによって生まれた、そういうふうに認識をさせていただいております。そういうふうな中で、この普天間は九万の宜野湾市のど真ん中にある、沖縄で一番危険だという大田知事の思いが橋本総理を動かし、橋本総理がクリントン大統領を動かして今のような現状になっていると私は思っています。
 この普天間の移設の問題は基地の整理縮小ですよね。そして、基地のない沖縄をつくるために後退をしている話じゃない。前に進んでいって、基地がなくなるというもし県民の希望があるならば、その気持ちに反している行為ではないと私は認識をさせていただいておるんですけれども、大臣、それはいかがですか。大臣の御認識をいただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 下地議員の認識と私は全く同じであります。SACOの最終報告が出ました。その前に、日米の両首脳の橋本・クリントン会談において、これまた沖縄県民並びに沖縄の大田知事さんが一番望んでいたあの普天間の全面返還、私は本当に新聞の号外を出してもいいぐらいの大変な両首脳の決断であったと思っているんです。これを全面返還する。
 私は、あの普天間の飛行場を何回となく見て、あの周辺に十三の学校もある、もし事故でもあったら子供たちはどうなるかと考えただけでもぞっとする話なんです。しからば、それをいっとき移させていただく、これは私は間違いなく沖縄全般にとってよかったと言える話でないかと思うんです。
 ですから、少なくとも基地の整理、縮小、統合は政府も一生懸命取り組んでいるわけですから、そのためにはSACOの最終報告を着実に実施する、これが私は大事なことではないかと思うんです。そういった意味では、下地委員と私は認識は一緒であるということは明確にしておきたい、こう思います。
○下地委員 大臣、私はこのシュワブの問題を考えるとき、安全というもの、命というもののとうとさの中から生まれた政策だというふうに認識をさせていただいております。
 今、沖縄県民が物事を考えるときに、復帰して二十五年間になります、戦後五十一年間の中で考えるときに、私どもの基地がいつなくなるのかというふうな目安がなかなか立たないというところにやはり苦しみがあると思うんですね。
 だから、二十年でも三十年でもいいです、いつになったら、自分の子供、この子供が幾つになったら、自分の命の赤ちゃんが十歳になったらあの基地がなくなっていくんだな、二十歳になったらこうなってなくなっていくんだな、そのころはおれがいないかもしれないけれども、こういうふうにして自分たちが努力をしてきたことで基地がどんどん減っていくのが、自分の子供が親となり、そして生活を守る段階になったらそうなるんだなという、きちっと目に見えるような形が今沖縄県民が一番望んでいるんじゃないかと僕は思うんです。
 このシュワブの問題も、北部振興は間違いなくやらなければいけないです。私は、自分の選挙区が離島を抱えておるわけですから、離島と北部振興は、これはどうしても取り残されている、まだまだ大きな課題であると思っているんです。だから、この基地の移設の問題があるとかないとかは別にして、沖縄開発庁は真剣に取り組んでいただきたい、そういうふうな思いはあるわけです。
 それと同時に、この基地の問題を考えたとき、大臣、今大きな論議を呼んでおりますけれども、新しく移す、新しくできる海上基地が、二〇二〇年、二〇二五年、ちょっと早くて大田さんが言っているように二〇一五年、そういうふうな期間を切って、これはその時期にはなくなりますよと言っておるのを、私は、大臣が前向きに検討しているというふうな話になると、県民の理解ももっと深まるんじゃないかと思うんです。
 もしその辺が言えないとしたならば、この時期には検討して前向きに考えるという内閣を挙げての一つの決定があると、基地がいつなくなるかということをきちっと見せることは、私は沖縄県民にとって大きな理解を呼ぶ一つの要素になると思うんです。その辺をファジーな感じにしないでしっかりと言えるかどうか。
 そのことを、大臣、開発庁長官として、今までのように外務省や防衛庁が基地問題を考えるのじゃなくて、今から基地が返されてきたときにどう振興するかというのは開発庁の仕事でありますから、今までの開発庁の役割と違う形で物事が進む。だから、総合事務局の中にも基地の跡地利用課というのがこの行革の中でも大臣が御尽力なされてできたわけですから、そういうような基地の跡地利用の問題と開発庁の役割は本当に一緒になったような感じでありますから、それも踏まえて、私は開発庁長官がこういうふうなことにコメントをするのは大事なことだと思っているんです。ぜひそのことをお話をいただきたいと思っております。
○鈴木国務大臣 本来ですと、外務大臣あるいは防衛庁長官がお答えするのが適切かと思うのでありますけれども、しかし、私は、沖縄を考えるときに、外務省、防衛庁、あわせて沖縄開発庁が一体でなくては沖縄のためにならぬと思っております。同時に、私も沖縄開発庁長官として、ただ振興策だけをやればいいとは思っておりません。沖縄開発庁としても、外務省や防衛庁に対しても言うべきことは言いながらしっかり対応していきたい、こう思っております。
 そこで、そのタイムスケジュールといいますか、そういったものを明示した方がというお話でありますけれども、私も、できる限り、可能な限りきちっとした目安というものは置いた方がいいかなと思っています。
 ただ、御理解いただきたいのは、大田知事さんが、去年の一月三十日ですか、あのアクションプログラムを提案されました。これは私は大田知事さんの私案と受けとめておりますけれども、しかし、その大田知事さんの私案を受けてSACOの最終報告ができたということを、これまた私はぜひとも重く受けとめてほしいと思っているんです。
 大田知事さんの提案を受けて、これまた外務省、防衛庁の関係者は、知事さんの意向は県民の意向だ、しからばそれに沿って最善を尽くそう、こう思ってまとめ上げたのがあのSACOの最終報告である、その過程の中に橋本・クリントン会談もあったということを私はぜひともおわかりをいただきたい、こう思っているんです。
 同時に、知事さんのあの案ですと、二〇一五年までに駐留米軍の全面撤去という話でありますけれども、それに向けて我々も重く受けとめて努力しなくてはいけないな、こう思っています。
 同時に、私は、責任ある政治を展開するならば、それなりの裏づけ、それなりの整合性を持って物は言わなくてはいけない、こう思っておりますから、軽々な発言はいけない。特に、国家安全保障にかかわる問題については、あるいは日米安保を否定するような話はできないな、こうは思います。
 ただ、私が思っておりますのは、防衛庁あるいは外務省の皆さん方は極めて慎重な答えをしておりますけれども、大田知事さんの出した案の二〇一五年が最終年度とするならば、まだ十八年あるんです。私は、この十八年の間に相当国際環境は変わってくると思います。同時に、朝鮮半島を初めこの極東をより安定した方向に向ける努力を日本政府はしなくてはいけないと思っているんです。同時に、今もしているし、これからもしていくことになるでありましょう。
 しからば、だんだん安全保障に対する環境はよくなってくる。そうすれば、事によっては二〇一九年よりも前倒しの結論が得られるかもしれないし、政府としてはそれなりの努力はきちっとやつていきたい、環境整備はしていきたい、私はこんなふうに思っているんです。ですから、私は何も二〇一五年にこだわる必要はないと思っているんです。
 ただ、独立国家あるいは平和だとか安全保障だとか、こういったものを考えるときはトータルでいろいろ判断しなくてはいけませんから、何かしら夢だけ追っても、これまた後で落胆感を与えてもいけませんから、この点私は慎重になりますけれども、少なくとも、二〇一五年という知事さんのあのアクションプログラムが出た、これは私個人の見解ですけれども、それに向けての最善の努力はする、しかし、国際情勢が変化すれば、より前倒しでそれが可能な面もあるのではないのかという感じは持っております。
○下地委員 私は、大臣、そこの認識が大事だと思うんですね。沖縄開発庁長官というのは各省庁の沖縄問題の官房長官ですよ。調整役です。その調整役がきちっと前向きな基地の問題に対する認識がなくては、沖縄の振興策は前に進みませんよ。私は、この大臣の発言を重く受けとめたいと思います。
 そして、日ロの二〇〇〇年の平和条約に向けての進み方も、私は、沖縄のSACOの発表があったから、ロシアもそれなりの考え方をしていると思います。極東全体を見ていると思うのです。
 だから、今度、北朝鮮妻の問題が解決する、米の問題が解決する、いろいろな意味で物事が前に進んでくると、そう悲観的なことばかり言っていて、日米安保条約があるから言えないじゃ、日米安保条約は僕らもしっかりと認識して守っていかなければいけないという認識でありますけれども、しかし、だからといって何もかもが言えないという論理じゃなくて、昔と違って世の中が本当に平和へ進んでいるという現状を踏まえて、内閣がしつかりととらえて物事を進めていく、そういう結論づけた話じゃなくても、認識を持って進めるというのは、私は、沖縄県民にとっても多くの理解を得るんじゃないかなというふうに思っておりますので、ぜひその認識をしっかりと育てて、そして、大臣がおっしゃった裏づけのある本当のものになるように努力をしていただきたいというふうに思っております。
 どうかよろしくお願いをします。最後に一言。
○鈴木国務大臣 下地委員のおっしゃるとおりだと思うのですが、そのためにもSACOの最終報告というものを着実に実行することが、基地の整理、統合、縮小につながっていくのです。さらにそれが加速されれば、私は、二〇一五年よりも前により明るい展望がなされるかもしれぬ、こう思っています。
 同時に、二〇一五年というのはまだ十八年ありますから、下地議員も二〇一五年となると五十四、五ですから、しからばなお政治に重みを増すし、発言力も増すし、逆にそのときは下地さんが政府の、主要な地位についているかもしれませんから、お互い、そういった先を見て、きちっと未来志向の中で責任ある政治を展開していきたいな、こう思っています。
○下地委員 どうもありがとうございました。ぜひ前向きに考えていただきたいと思います。五十四のころには開発庁長官になれるように頑張りますので、よろしくお願いします。
○笹山委員長 次に、鰐淵俊之君。
○鰐淵委員 私、新進党の鰐淵と申します。きょうは、大変お忙しいところを、小渕大臣また鈴木長官、本当にありがとうございました。さて、私は、まず鈴木長官にお伺いしたいと思っております。
 一つは、御案内のとおり、本臨時国会は、内閣が組織されまして、国会が始まる前に大臣の発令がありました。大変北海道道民が喜んだのは、何とその内閣の中に三人の大臣が誕生したということであります。したがいまして、私も釧路出身、鈴木長官と同じ地区に住んでおるわけでありますか、偽らないところ、皆さん大変期待をし喜んだこ思います。しかしながら、今国会が始まる以前に、残念な
がら佐藤大臣は辞職されるということでございまして、冒頭から本国会がいわば政治の倫理ということが大きな議論になったことは、御案内のとおりでございます。したがいまして、私どもは、もちろん私自身もそうですが、とりわけ国を代表する大臣ということになりますと、そういった政治の倫理というものが非常に大切なものだ、このように思うわけであります。
 そこで、最近新聞紙上でしばしば鈴木長官の登場があるわけであります。あるいはまた、きのうも何か参議院でいろいろ質疑があったようでございますが、やはり大臣が率先して国民に範を示すという意味からは、何といっても公私の峻別、さらには、いささかも国民に疑念を持たせないような大臣の姿勢というものが私は大事ではないか、こう思うわけでございます。したがいまして、第一点、その所感をひとつお伺いしたいということであります。
 それから、もう一つ行きます。
 もう一つは、省庁の再編は内閣委員会の問題でございますが、とりわけ北海道出身の鈴木大臣でございますし、そこで、開発庁の問題でございます。
 既に一府九省、これは行革会議の中でも決められているようでありますが、その中で、沖縄の専任の大臣も就任される、こういうことも報道されております。
 しかしながら、我が北海道開発庁に関しましては一体どうなるのか、今のところ不明であります。業務内容からいけば、国土開発省、国土保全省でしょうか、そういったところに仕事が二分されていく、主務大臣も置かれない、こういうことになりますと、従来の北海道予算の一括要求というものができなくなる。あるいはさらには、北海道特例というのが一体その中で認められていくのかどうか。
 そういうことになりますと、北海道にとって、今の省庁再編が、北海道開発庁に限っては、これは改善どころか改悪ではないのか。そういったことに対して、鈴木大臣の所感といいましょうか、考え方をひとつお伺いしたい、このように思います。
○鈴木国務大臣 まず第一点目の、政治倫理の問題についてでありますけれども、私は、鰐淵委員にもぜひとも御理解いただきたいのは、新聞報道が正しいかどうかというのは、やはり裏づけをとってからぜひとも話をしてもらいたいと思うんです。
 きのうも参議院の予算委員会で質問をいただきました。あるいは衆議院の予算委員会でも御党の議員から質問をいただきました。私が米海兵隊の歓迎夕食会を開いた、その歓迎夕食会の案内状に会費が記入されていない、それをもって公職選挙法違反だという質問なんですね。
 私は、海兵隊の人が投票権を持っているとは思っていません。純粋に、一番前の場所から、平和を守るために、日ごろ訓練する、そのために全く初めての北海道へ来た、私はありがとうという思いで歓迎会を開いたんです。それに市長さん、議長さん、商工会長さん、自民党の支部長さん、立場のある方がお互いホストとして海兵隊の歓迎会をやったんです。
 案内状に会費が書いてないから、それが公職選挙法違反だと。初めから私がお金を負担するんだという意識があるならば、私は確信犯としてそれは法律に触れる話でありますけれども、最初から相談をして、それぞれの方が負担をする、実行委員会もつくってやっているんですね。
 それを、一部間違った報道によって、海兵隊の歓迎夕食会はいかがなものか、あるいは自衛隊施設を使うのはいかがなものかという。
 自衛隊の施設にしたって、私は外のホテルでやりたいと提案したんです、その歓迎夕食会については。三十数名の幹部でありますから、バス一台ですから、防衛庁なり関係者がついての外出は許可されるということになっていますから、どうだと防衛庁にお尋ねしたんです。それでも、地元三町との合意は、演習中はまとまった数は外へ出さぬということになっているから、どうか先生、中を使ってください、施設を提供しますと、向こうから言われて私は使ったものです。
 それすらも、ある新聞社なんかは、政治家で防衛庁の自衛隊施設を使うのは初めてなんという大きな見出しで、あたかも大事件が起きたような報道をされているんです。私が何か立場を利用してやったならば批判されても結構ですけれども、全く私は防衛庁の言うとおりやっているわけでありますから、ここいら辺も私は極めて不愉快であるし、そういった間違った報道を見て質問されるということも私は政治の権威を失うものだ、こう思っております。
 あるいは、釧路の場合でも、私の使っている車が私の秘書名義になっている、政党助成金を使ったのではないかと言うんですね。
 これは委員おわかりと思いますけれども、政党助成法は、法人格は自民党が一人なんです。代表は、自由民主党総裁橋本龍太郎さんなんです。三百の小選挙区で全部法人格で買えば、車の名義にしろ、党の備品にしろ、全部橋本龍太郎名になってしまうんです。
 ですから、党の指導は、一般政党寄附、一般の党費でそういった形として残るものは処置しなさいという我が自民党の指導があるんです。その指導に沿って、きちっと車を購入し、しかもそれは個人の名義にしなさいということになっている。自民党の名義で届け出を出したら、橋本総裁に全部税金から保険からすべて行くものですから。私は、党の指導のとおり法律にのっとって買っている。政党助成法で来る助成金は口座はみんな別にしているのです、自民党の場合は。
 そうやって区別しているにもかかわらず、政党助成金の一部を使って車を買ったんじゃないかなんという指摘も、極めて私は無責任だと思っているのです。私にも名誉と尊厳があるわけですから、間違った報道で間違った質問だけは、国会の権威の上からも、ぜひともお考えおきをいただきたい。
 あるいは、私の住んでいる帯広の住宅の土地の名義にしても、女房の名義で、秘書を共有にした、ついてはそれが脱税したと。一部新聞には、私が頭を下げていわゆる税金を免除してもらったという報道があるのですね。
 私は税務署にもどこにも声をかけたことは一回もありません。土地家屋調査士なり、専門家に全部任せてやっているのですよ。しかも、委員おわかりのとおり、日本の役所はしっかりしておりますから、納税通知書はしっかり来ます、それを納めなければまた督促状も来るのですから。ちゃんと私は税金を納めているし、そういった行為をしていなければ立候補もできないわけなのですから、私はきちっと法律にのっとって処置もしている。
 しかも、なぜ秘書の共有名義かというと、私も秘書経験者なのです、中川一郎先生が亡くなって、いかに立場が弱いかということは私自身知っていますから。私は、何かあったとき困るなと思って、何がしかの共有名義にしておけば困ったときに何かに使えるのじゃないかという単純な発想で共有名義にしたのです。
 そうしたら、共有名義でも税金がかかりますよ、逆に迷惑しますよということを指摘されて、それならばといってもとへ戻しただけの話なのです。
 それがわかるまでに、私どもそういった法律には詳しくないものですから、たまたま共有名義の秘書がやめて初めて、登記抹消の手続をするときに指摘されたのです、そういうことは税金がかかることになりますよと。実際お金が動かなくても譲渡税だとか取得税が動きますから、思いやりはわかりますし、秘書の立場を考えるのはわかるけれども^それはやめた方がいいですよという指摘を受けて、わかりましたということで変えている話なんです。
 そういった事実も知らないで、たまたま名義を何回か移した、戻した、それがいわゆる脱税行為だと言われたのでは、私にも名誉と尊厳と基本的人権がありますよ。公的なメディアが事実の確認もしないで、ただ一種の思いつきで書いてしまう、あるいはその担当記者の主観で書かれてしまう。それをもとにこの国会でまた間違った質問をされる。それが政治倫理だと言われたならば、逆に、その質問をすること自体が倫理についてどうなのか、こう私はお尋ねをしたいわけなのです。この点は明確に御理解、おわかりをいただきたいな、私はこう思っております。
 二点目の中央省庁の再編の問題でありますけれども、私は、今、北海道開発庁長官、沖縄開発庁長官を預かっておりまして、二つの役所とも行革の対象でありますから、しかし、二つの役所とも大事な役所であるということ、同時に日本にとつて大事な場所でもあるということ。食糧基地としての北海道あるいは国家安全保障に関しての沖縄。
 しかも、沖縄の場合は、過去の不幸な歴史もあるということ、二十七年間も米国の施政権下にあったということなどを踏まえますと、ことしは復帰二十五周年の沖縄ですけれども、なお国のサポートが必要だ、そういった意味でもとにかく沖縄問題を扱う大臣はぜひともつくらなくてはいけない。同時に、沖縄総合事務局、これは六つの役所を束ねた仕事を今しておりますから、まさに行革の先端を行っているところですから、これもしっかり私は内閣府につけて守っていきたいな、こう思っております。
 同時に、北海道開発庁については、私は、将来の食糧基地としてなおなお果たす役割、あるいはこれから余暇、ゆとりだというならば、北海道の自然は国民の財産だと思っておりますから、そういった意味でも予算の一括計上権、北海道は日本の二二%の面積を有するわけですから、まだまだ整備をしなくてはいけないこともあります。特に下水道なんかは、人口五千人以下の町村はまだ一〇%です。一万人以下でくくっても一八%です。まだまだ国がなすべき点があります。
 こういった面を考えても、北海道開発庁については、北海道開発局自体も運輸省、農林省、建設省の三つを束ねた仕事を今やっているのですから、これも私は行革のモデルだという認識もありますので、予算の一括計上権というのは何としても死守したい。
 同時に、その予算の一括計上をするためには組織が必要ですから、その組織を、この一府十二省の中で一番いいのは、内閣府に置いてもらうのが一番でありますけれども、内閣府が膨れ上がると困るなという行革会議の議論もあるようでありますから、要は予算の一括計上ができる組織をどこかに置いてもらう、その方向で私は最後の交渉をしていきたいなと思っております。
○鰐淵委員 後段の答弁は了といたしますが、前半につきましては、私の聞かないところを随分答弁されまして、時間も相当食ったわけですが、私は、その新聞の一つ一つの事の真偽については、とやかく思っていないわけです。要は、大臣としていろいろな意味で疑義を感ぜられる、そういうことはやはりすべきではないのではないかということに対する答えを聞きたかったわけなのです。
 ですから、その個々につきましては、これはいろいろあると思います。例えば、実際会費を納入してくれということは書かなかった。これは、実際皆さんに執達するときは、秘書にきちっとそういうものは明示をして、そして誤解を招かないようにすべきでないかということも指導するのが妥当だと私は思います。
 当然、そのときやって、そのときは皆さん会費を持ってこない。次の日、新聞に出ましたね。その次の日に防衛庁あたりは一万ずつお金を払っているというわけですから、それではやはりなかなかすとんと落ちないものがある、こういうぐあいに感ずるわけです。
 私は、そういう意味で、今後大臣として、北海道の方も期待しているわけですから、大いにひとつ頑張ってほしいということでございます。したがって、答弁は要りません。
 せっかく小渕外相が来られておりますので、ひとつお聞きしたいと思います。
 先ほども質問がありましたが、今回のクラスノヤルスク合意、本当に私ども、半世紀にわたって、北方領土を返還されることを悲願として、私ももちろんずっと長い間運動をいたしてまいりました。その中で、日ソ共同宣言以降何回か、四回くらいはいいチャンスがあったと思います。しかし、そのチャンスもなかなか生かすことができなかった。しかし、東京宣言におきまして、この領土問題につきましても、この四島について一定の記述もあり、その宣言に基づいて今回二〇〇〇年までに何とか平和条約にこぎつけよう、こういう合意でございますから、私は、その合意を得た橋本総理、そしてまた外相並びに外務省の皆様方、本当に努力をされた成果だ、本当にそういう意味では心から敬意を表したいと思っております。
 問題は、この合意だけで喜んでいるわけにはいかないわけでありまして、これからが私は大変だと思うのです。
 先ほども委員の中で御質問がありましたが、恐らくロシアの国内の世論というのは、なかなかそう簡単に領土を手放すというような世論に形成されておらないというぐあいに私も聞いたり読んだりしておるわけでございます。したがって、相当厳しいものがある。
 その交渉の中で、橋本・エリツィン・プラン、あるいはまたプリマコフの方から共同開発はどうかと、いろいろな形が提案されておりますが、基本的には従前どおり、日本の構えとして、やはり四つの基本的な北方領土の返還を基軸にして平和条約というのがあるという姿勢について、今後交渉する場においてはそういう原則を踏まえながらやっていくのかどうかということについて、外相の御答弁をお願いしたいと思います。
○小渕国務大臣 お尋ねのごとく、クラスノヤルスクでの首脳会談におきまして、両首脳が非公式といえども公式以上のすばらしいこの話し合いができたということを大変喜んでおります。
 平和条約の締結に対しましては、今御指摘のように、東京宣言というものを実現していくということの中でこの問題を解決していくということでございます。
 今、ロシア側の状況につきましてもいろいろお話がありましたが、確かにこの四島返還の問題について、ロシア側の中でいろいろと厳しい意見もあるやに聞いております。あるいは議会筋その他につきましても、議会の中でそういった声もあると聞いておりますが、要は、最高責任者同士が決断いたしたことでございますので、これをぜひ実現していくために、特に二〇〇〇年までに平和条約を結ぶ、東京宣言を実現するということでございますから、その線にのっとって全力を挙げて努力をしていきたいと思っております。
○鰐淵委員 その点につきましては、ぜひこの合意が二〇〇〇年に対して、我々五十年の悲願が実っていくような形で、大いに日本側として精いっぱいの交渉努力をしていただきたい、このように思うわけでございます。
 お互いに、これからエリツィン・橋本プランですか、その中にたくさんの項目がありますが、そういった項目を一つ一つ解決しながら、やはり帰するところ、領土問題というものが非常に大きな問題として交渉の中の比重を占めるはずでございますので、これについてはぜひ粘り強く交渉されることを期待したいと思っております。
 続きましては、安全操業の問題です。
 これは、特に北方周辺の漁民にいたしますと人命にかかわる問題でございまして、この会談におきましては、本年の年末をめどに妥結したい、こういうようにして代表団に指示することで一致した、こういうことになっておりますが、これらの点につきましては、何としても操業されている漁民の皆様方、関係者の皆様方の安全操業確保が大きな願いでございます。
 この点についての外相の決意といいましょうか、考え方について御答弁いただきたい。
○笹山委員長 鈴木大臣、その前にありますか。
○鈴木国務大臣 鰐淵先生、国会での発言は議事録に残りますから、私にも立場がありますから明確にしておきたいのですけれども、米海兵隊歓迎夕食会なのです。米海兵隊を招待して、私が主催者の一人としてやった会合なのです。選挙民だとかあるいは選挙に関係する人を私が無料で招待したというならば先生の御指摘もわかるのですけれども、看板も招待状も米海兵隊で、選挙民だとかその関係者は呼んでないのですね。
 同時に、来てもらった市長さんだとか議長さん、自民党の支部長さんは、その演習場を抱える三町だとか陸揚げした花咲港の根室市だとか空港を使った中標津に限定しているのです。しかも、その方はみんな一緒に招待というよりもホスト役で呼んでいるのです。この点はぜひとも御理解いただきたいのが一つ。
 鰐淵先生も市長さんをやっておわかりと思いますけれども、私が一々案内状を書くのではないのですね。それは、私がそこまでチェックしていれば結果的にはよかったかもしれません。しかし、一々ファクスを出すのを、こういう文章にしなさい、こうしなさいというところまで、私もはっきり言って行き届かなかった面もあるのです。この点もぜひともおわかりをいただきたい、こう思っているのです。
○小渕国務大臣 北方四島周辺の水域における日本漁船の安全確保の問題でございますが、本件につきましても、十三日の午前十時から第九回の日ロ外相定期協議を行いました中で本問題も取り上げまして、我が国の漁業関係者の安全に係る重要な課題でございますので、一日も早くそれが達成できるようにということでこれから努力していこうという合意が成り立っておるわけでございます。
 この協定につきましては、実は前の外務大臣時代から大変交渉を進めてまいりまして、私も実は本職につく前に、七月の当初モスクワに参りまして、エリツィン大統領と電話会談いたしました過程におきましてもこの問題を取り上げ、早急に解決をしてほしいということでありました。
 最後の段階に来ておるということでございますので、先般、プリマコフ外務大臣からも日本側の何らかの意味での協力といいますか、妥結に向かっての対応を迫られましたけれども、日本側としては、安全操業とともに、あらゆる条件におきましても我が国の主張は決してオーバーなものでないということを申し上げて、最終的な条件の問題に立ち至っておると思いますので、一日も早く解決することを念願して努力をいたしてまいりたいと思います。
○鰐淵委員 小渕外相の御努力に心から期待をいたします。
 近年、エリツィン・橋本総理大臣の会談、それから外相の会談、それからまた、今度は来年はエリツィン大統領が訪日される、あるいはまた小渕外相がまた訪ロされるのではないか、こういうようにして日本とロシアの最高首脳がお互いに忌憚のない意見を交わし合うチャンスが非常に多くなるということは、実りのある会談を期待する我々としては大変期待をいたしておるところでございまして、ぜひひとつ頑張っていただきたい、このように思っております。
 それから、鈴木大臣にお話し申し上げたいのは、私は、海兵隊に対して慰労する、あるいはそういうことについては、これはいいことだと思っているのです。はるばる演習に来られる皆さんを慰労する、そういったことは何も間違えたことでないと思います。
 ただ、先ほど言いましたように、大臣ともなりますととかく見られるわけでありまして、やはり選挙法に基づくフェアなプレーとして、秘書にそういったことについてはシビアに伝えて、今後遺漏のないようにやっていくべきではないかというのが私の考え方ですから、ぜひそういったことで今後とも国政に尽力をしていただきたい、このように思います。
○笹山委員長 質疑時間が終了しております。簡単にひとつお願いいたします。
○鈴木国務大臣 今の鰐淵委員の御指摘もよく踏まえて対応しますけれども、もう一つつけ加えさせてもらうならば、九月十六日の歓迎会と十月一日の送別会、これは一体のもので実行委員会の方は考えておったということ、これも私一人がやっているのでないということもぜひともおわかりをいただきたいと思います。
 同時に、公的な立場にある者は絶えず国民の目というものを気にしなくてはいけませんから、この点は十分反省すべき点は反省しながら、踏まえてやっていきたい、こう思っております。
○鰐淵委員 どうもありがとうございました。
○笹山委員長 次に、白保台一君。
○白保委員 新進党の白保台一でございます。
 初めに鈴木長官にお伺いしたいと思いますが、先ほど鰐淵委員の質問の中にもありましたが、鰐淵さんは北海道の心配をして開発庁の問題をお話ししましたが、長官は沖縄のことまで含めて発言されましたので、終わったのかなと思いますけれども、もう一回改めて確認しておきたいと思います。
 去る十日に県民総決起大会を開いて、御存じのように沖縄振興開発計画の策定と予算の一括計上権等の機能を有する大臣庁の設置を求める決議が行われて、十一日には沖縄の各界の皆さん方が上京されて、当然大臣のところにも要請があったと思います。
 そういう意味では、非常に大事な行革の論議がなされている中で大事な時期でございますし、ぜひこのことを受けての大臣の所感と決意をまず最初に伺っておきたいと思います。
○鈴木国務大臣 沖縄開発庁の存続の件につきましては、沖縄の皆さんが、各界各層の人たちが一緒になって、さらにまた、白保先生を初め沖縄選出の国会議員の皆様方も一体となって、何とか沖縄開発庁を存続してくれという大変熱いまた大きな声があることを私自身感じています。特に、毎週と言ってもいいぐらい、代表団が熱心に来られていますので、私は必ずこの期待にこたえたい、こう思います。
 特に、今中間報告が一府十二省の枠の中でということでありますから、この枠を超えることはできません。しからば沖縄開発庁をどこに置くかというと、これまた私は内閣府に置くしかないのかなという感じを持っておりますけれども、ここ二、三日中の議論が私は大きな山と思っておりますので、委員の声援も、御支援もいただきながら、何とか沖縄の県民の皆様方が納得できる最終的な処置にしたい、こう思っています。
○白保委員 では、順を追って質問をしていきたいと思います。
 実は、基本的なことをまず申し上げておかなければいけないのは、沖縄県は島嶼県です。もう外務大臣も長官も一番よく御存じですからるる申し上げる必要はありませんが、そういう中で、格差是正という話があっても、一番大事なのは、それぞれの島々が交通網が非常に整備されていくと、格差是正の中の一つとして大きく進展するだろう、こう思うのです。
 特に沖縄県は、那覇空港が一番重要な空港でございまして、その空港に離島からの便も入ってくる、それから外国からも入ってくる、そしてまた本土からも観光客もビジネスの方もいっぱい入ってくる、こういう状況にあります。したがって、私たちは、海と空の交通の安全というのは極めて重要な問題であるというふうに思っていますし、またこれが基本です。
 そういう中で、先日、航空自衛隊のファントム、F4が着陸時にパンクをしまして、一時火を噴くというような状況になりました。その結果、一時間余り閉鎖をしまして、離発着便の九機、千二百名の利用客の方々が迷惑をこうむる、そのうちの三機は嘉手納に着陸したとか、こういうような状況になっております。
 実は私も、昨年四月に東京から那覇へ向かって、着陸寸前で急上昇するものですから、どうしたのかと思ったら、下で自衛隊機がパンクをしているということで、昨年の四月もあったのです。ことしも、またこういうふうにあります。あそこは沖縄にとっては一番重要な交通の拠点です。そういう状況が起きている。
 このことについて、私は、きょうは時間が余りありませんので多くは語りませんが、その原因の究明についてまずお答えをいただきたいと思います。
○太田(洋)政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘の事故は、先ほどお話しのように、十一月十日に、私ども航空自衛隊のF4EJ改というジェット機が訓練を終えて着陸する際に、タイヤのパンクがもとで主脚、前脚を折りまして、誘導路先の草地に動けなくなって停止したということで、そういう事故が起こりました。
 本件については、我が方の航空自衛隊の航空事故調査委員会において調査を今現在実施しているところでございます。
○白保委員 後ほど米軍基地の問題について申し上げたいと思いますが、その後、私は帰りましたら、また訓練をやっています、離発着をやっています。原因がわからないで次々訓練しますと、利用客は、心配するのです、怖いのです。去年もことしも起きています。本来ならば、原因が究明されるまではこういう訓練はやめるべきなのです。それで安心できるのです。
 そこで、これは開発庁長官にも所感をお聞きしたいと思いますが、これは大田知事も直ちに談話を出しまして、軍民共同で共同使用をしている、いわゆる軍民共同使用に大きな原因があるのだと。お互いに使える状況にあります。お互いに使える状況にありますが、何せ民間機と自衛隊機ではスピードが違いますから、こういうスピードの違うものを同じ滑走路で使うというのは極めて危険なのです。これはずっと長い間言われてきています。したがって、これは分離をしてもらいたいということが長年言われてきた問題です。
 この分離の問題について、長官と、そしてまた運輸省も来られていると思いますが、所見を伺いたいと思います。
○鈴木国務大臣 やはり安全性ということを一番に考えなくてはいけません。しかし、現実に飛行場は一つなわけですね。ですから、その使い方、どうすれば一番安全で、さらに問題がないのか、これはまた防衛庁ともきちっと詰めていきたいな、こう思います。
○横田説明員 先生御指摘のとおり、一般論としましては、自衛隊の使用する飛行場と民間の使用する飛行場を分離されているというのが非常に望ましいわけでございますけれども、我が国のこういう狭い国土の利用状況というのですか、そういう中では共用せざるを得ない、こういう事情というのをぜひ御理解いただきたい、こういうふうに思っております。
○白保委員 御理解できないのですよ、事故がたびたび起きますから。
 ですから、その問題について将来展望も含めて考えてもらわないと。常に事故を起こして、復帰後もう十何回起きているのですよ。去年もことしもこのような状況が起きている。そのことを踏まえて、展望を持って検討をしてもらわなければいけない。その点はどうですか。
○横田説明員 安全の確保ということで、こういうことのないように、常に努力は当然我々としてもさらにやっていきたいというふうに思っております。
 那覇空港について言えば、先生御案内のように、今回、振興対策ということで、沖縄特別振興対策調整費の中で那覇空港のあり方を考えようということになっておりますので、我々としては、軍民分離というよりも、今後のそういう沖縄の振興の中で那覇空港をどうしていくのかという視点でぜひ検討させていただきたい、こういうふうに思っております。
○白保委員 次に、これは外務大臣にもかかわる問題ですから、お聞きしたいと思います。実は、先ほどから空と海の話を、空と海の交通の安全が沖縄県民にとっては非常に大事なことであるということを申し上げました。
 石垣島の沖合に、厚木基地のF4ですか、これの燃料タンクが浮いていたのですね。これを見つけまして、それでこれは引き揚げられて、先日おわびに行って、これをどう運ぶかということで今検討しているようですが、どうして戦闘機の燃料タンクが石垣島あたりに浮いて流れてきたのか、この件についての経緯を報告いただきたいと思います。
○高野政府委員 お答え申し上げます。
 石垣島で引き揚げられました燃料タンクでございますが、米側より説明を受けたところによりますと、九月二十日、沖縄本島の南東方向沖合に所在します沖大東島の射爆撃場、これは施設・区域でございますが、ここにおいて訓練していた米軍航空機FA18が誤って二個の燃料タンクを同射爆場の水域内において投棄しました。これらのうちの一つが石垣島まで漂流したものと考えられております。
 もう一つのタンクについてはまだ見つかっておりませんが、通常、このタンクにつきましては投棄された後に沈むものというふうに言われているというふうに聞いております。
 なお、投棄されました当時、米軍ヘリによる捜索が直ちに実施されましたが、タンクは発見されなかったということでございます。
○白保委員 実は、鳥島の誤射の問題で、誤射なのかどうかということも議論があるわけですが、既に一年半も前にやっておって、ワシントンの方からその情報が漏れて慌てて発表するということがありました。そのときに、政府と外務省とアメリカは、問題が起きたときには直ちに通報するという通報システムをこの三月に合意をしておるのです。合意していますね。ところが、これは九月二十日に訓練中に二つ投葉をしている、それが十月十九日に発見されるまでわからない。しかも、地元が一生懸命捜して、防衛施設局が調べて、そしてどこの飛行機が落とした、海の中に落としたということがわかる。言われるまで黙っているわけですよ。
 一体この通報システムというのは、私が質問したときにも、前の外務大臣は、これによって非常に早くなる、すぐ通報が来る、それで再発防止にもつながる、こういうふうに胸を張られたのですけれども、この問題、海は広いぞ大きいぞというのでどこに落としても構わない、こんなつもりでおられたのかどうか知りませんが、流れてきたところは、海上タクシーと言われるぐらい頻繁に小さな船が走り回っている、観光客もいっぱい来る、そういうところに流れてきておるわけです。そういう面では、この通報システムは極めて問題がある。それはいかがですか。
○高野政府委員 今の御指摘にございました事件事故通報手続に関する日米合同委員会合意でございます。
 ここにおいては、当該の事件事故が「日本国民及びその他の地位協定の適用のない者の身体又はその財産若しくはこれらの双方に対して実質的な損害又は傷害を与え若しくは実質的な損害又は傷害を与える相当な蓋然性のある」場合や「公共の安全又は日本国の地域社会の物理的な環境に影響を及ぼす」場合に通報されるべきことが規定されております。
 我が方として、米側にこの点を照会してきておりますが、当該タンクが投棄された当時、沖大東島射爆撃場の周辺水域は、航空機による空対地射爆撃等の訓練のために提供されている施設・区域としての水域でございまして、当米軍機が訓練した当時、民間船舶等による同水域への立ち入りが制限されており、実際にも付近には船舶等がいなかったこと、また当該タンクは通常海中に沈むものであること、さらに投棄後ヘリにより捜索して発見されなかったことから、海中に沈んだということが考えられ、通報すべき事態とは認識していなかったということと聞いております。
 いずれにいたしましても、今の事件事故通報手続に関する運用のあり方につきましては、特別作業班を、AWGONと申しておりますが、設けてございまして、この運用のあり方について、より改善するように現在においても日米間で話し合いをしておるところでございます。
○白保委員 要は、操縦していた者の誤認ですよ。
ここには問題はなかった、問題はないはずだ、沈むはずだということで、誤認でそのまま何も通報しないでいましたら、一つはちゃんと石垣島の方まで流れてきた、こういうことなのです。
 ですから、落としたら落としたと、どこでどういうふうな危険が発生するかわかりませんから、今おっしゃるように、通報システムについても改善をしっかりとしていっていただかないといけないのではないか、こういうことをまず一つ申し上げておきたいと思います。
 もう一つは、先日、キャンプ・キンザー、牧港補給基地です、あそこでまた事故がありました。私も直ちに外務省に申し入れをやりまして、帰りまして、その足で現場の方へ行きました。現場には入れませんけれども、五十八号線を挟んで向こう側の方から、マンションの上から見たら全部中が見えるのです。それぐらいそばなのです。近いところなのです。そこで事故を起こしています。このことについての経過をちょっと教えてください。
○高野政府委員 お答え申し上げます。
 牧港補給地区における倉庫火災に関しましては、現時点での米側の説明によりますと、十一月十三日の午前中、牧港補給地区の倉庫施設内において、米軍が有しております次亜塩素酸カルシウムの入った箱を運搬していた際に同薬剤が箱から床にこぼれ落ちたため、これを清掃しドラム缶に入れておいたところ、午後になって同ドラム缶から煙が発生しているのを発見され、直ちに消火作業に当たったということでございます。
 十四日、現地米軍において日本側の警察、消防当局等の関係者の立ち会いのもとに現場を調査したところ、出火元は同薬剤を入れたドラム缶であることが確認されたが、発火した原因については現在さらに調査中であるということでございます。
 なお、本件に関しましては、同時に、十四日、外務省より在京米国大使館に対し、本件火災の発生に関し遺憾の意を表明するとともに、原因の徹底究明と再発防止について強く申し入れているところでございます。
○白保委員 通報についても県側が大変不満を漏らしているのです、非常に連絡が遅い、通報が遅いということで。これもまた通報システムの問題が極めて問題になってきているわけです。
 そこで大臣、私は提案したいのですが、実は、住宅地のすぐそばです、マンションから二百メートルのところです、そういうところでこういう火災が発生したりするのですね。ところが、そこのマンションに住んでいる人とかこの地域の住宅地域に住んでいる人たちというのは、ここに何があるかわからないのです。わかったら恐ろしくて住めません。
 戦後、焼け野原で、米軍が接収をしていろいろなところに基地をつくっていった。その後復帰のときに、住民も含めて考えて、安保がかかるぞ、どうなんだという話があって、そういったものが完全に洗い直しがされて、今日そのまま基地があるというのではないわけです。そのまま引き継いだような形になっています。
 戦後焼け野原でできたものが、周辺が今度は住宅地域になっていった。そうすると、ここを使っているこの基地は、周辺の状況から見て適当なのか不適当なのかという問題が幾つか現実に出てきているわけです。
 そういう面では、県民の安全ということを考えたときに、これは適当なのか不適当なのかという洗い直し、総点検をやっていく必要があるのではないか、こういうふうに思うのです。ぜひこれはやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○小渕国務大臣 普天間の基地がティピカルなものだろうと思いますが、基地があって、そして周辺にその後住宅が密集してきたというような経過の中で、基地と周辺の住宅地との関連というものが、その基地が当初できた時点から比べるといろいろの変化を来してきたということは事実だろうと思います。
 いずれにしても、住民にそうした基地との関連において被害が及ぶというようなことはあってはならぬことだと思いますので、全体をよく検討いたしまして、こうした問題に住民も安心して、また、基地を使用する米軍におきましても、その機能が失われないように検討していくことは必要なことだと思っております。
○白保委員 余り時間がありませんが、このように幾つかの事件事故が起きてきます。ところが、地位協定は提供施設内の安全な作業を義務づけています。安全な作業を義務づけているにもかかわらず、今回のように出火があって煙が外へ出てくる、住宅地に来る、こういう多くの不安や被害を及ぼすことがあります。
 この安全な作業、三条三項ですが、安全な作業ではない状況、要するに事件事故が起きた、そういう場合に政府としてはどういうふうに対応するのですか。これは違反じゃないですか。
○高野政府委員 一般国際法上のことで恐縮でございますが、外国軍隊は接受国の公共の安全に妥当な考慮を払い、関係法令を尊重する義務を負っているわけでございます。これを踏まえまして、日米安保条約に基づく地位協定に関しましても、米軍が公共の安全に妥当な考慮を払うこと、我が国の法令を尊重することを定めております。在日米軍は、施設・区域の管理運営に当たり、そのような義務を負っているということでございます。
 そういう立場に立ちまして、政府としては、従来から日米合同委員会の枠組み等を通じまして、機会あるごとに米軍により公共の安全や日本の国民生活に妥当な考慮が払われるよう今後ともしかるべき対処をしていきたいと考えておりますし、先ほど来委員が御指摘の幾つかの事故につきましても、具体的な形で何ができるか今後検討していく考えでございます。
○白保委員 今まで幾つも事故を起こしていて、三条三項違反がいっぱいあるわけですから、何ができるかという答弁をしているからいつまでたっても事故がなくならないのです。しっかりとした立場できちっと対応してもらわなきゃ困ります。
 それはそれとして、最後にお伺いしたいのは、沖縄政策協議会の問題についてお聞きしたいと思います。
 国際都市形成に向けた新たな産業振興策というのが沖縄県から上がってきていると思いますが、そして、それに対してまたNIRAの中間報告も出てまいりました。それについての認識と評価と取り組む姿勢について、最後にお伺いしたいと思います。
○安達政府委員 お答え申し上げます。
 県の要望でございますが、十一月七日に大田知事より官房長官を座長といたします沖縄政策協議会に御説明があり、また要望があったところでございます。また、この後十一月十七日でございますけれども、いわゆるNIRA、総合研究開発機構でございますが、その中の香西泰委員長を座長といたします研究会の研究の中間報告が官房長官あてに提出されたというところでございます。
 私ども政府といたしましては、この二つともども今後の政府の沖縄振興策の検討の重要な参考になるのではないかということで、それを生かしながら鋭意真剣に対策を考えていきたいと考えておるところでございます。
○白保委員 時間が参りましたので終わりますが、ぜひこの二つの件についてはしっかりと前向きに取り組んでいただきたい、このことを要望して終わります。
○笹山委員長 次に、金田誠一君。
○金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。
 先般、クラスノヤルスクでの日ロ首脳会談でございますけれども、大変大きな成果を上げられたなと敬意を表する次第でございます。歴史の大きな一ページを開きつつあるというところまで進んだのではないか、こう思うわけでございます。二〇〇〇年までに平和条約を締結する、そのために全力を尽くすということで、先般、プリマコフ外相と小渕外相が会談を持たれて、それに向けての道筋を具体的につけられた、こう理解をしてございます。
 来年一月には、次官級協議がモスクワでしょうか、その後外務大臣が訪ロされるわけでございますし、その上で四月の中旬にはエリツィン大統領が訪日をされる、こういう日程でございます。
 こういう中で、二〇〇〇年の平和条約締結に向けて、来年四月のエリツィン大統領の訪日が当面最大の山場といいますか、これによって敷いたレールに乗って具体的に走り出すことになるかどうか、極めて重要な会議になるのだろう、こう思っているわけでございますが、外務大臣、その辺の御認識をこの際お聞かせいただきたいと思うわけでございます。
○小渕国務大臣 先ほど来御質疑もありましたが、日本とロシアの問題につきましては、かつて日ソ時代から考えまして、幾つかの山場があっただろうと思います。
 今回、エリツィン大統領、橋本総理という二人の出会い、この首脳会談がデンバーで開かれまして、ネクタイなしといえどもクラスノヤルスクでこうした非公式な会談がありまして、御指摘のように来年四月にはエリツィン大統領の再度の来日も控えておる、いわば一種の、この機会が最大の解決の時期ではないかという認識を実は深くいたしておるわけでございます。
 エリツィン大統領との首脳会談において決断いたしました点につきましては、これを受けましてプリマコフ外相も先般来日をいたしました。プリマコフ外務大臣も同様の気持ちを持ちまして、日本国の外相たる私とこの問題について精力的に取り組もうという、これまた一致を見たわけでございまして、そういった意味では大変な絶好の機会ととらえて努力すべきものだろうと思います。
 たまたま二〇〇〇年を前にして、エリツィン大統領も一応大統領の任期ということでありますし、橋本総理も自民党の総裁でありますがその時期も来る、そしてたまたま二十世紀に起こったこの問題、しかも日本としては国交のある国の中でただ一つ平和条約が結ばれていないという、ある意味では国交はありますものの完全な正常な姿と言いがたいわけでありますので、この機会に領土問題、東京宣言を含めまして、このチャンスを生かしていかなければならぬ、こういう決意のもとに、橋本総理の御指導、御指示のもとに私も全力を挙げていきたいと思っております。
○金田(誠)委員 おっしゃるとおりだと思うわけでございまして、この問題は、与党だ野党だとかそういう立場の問題ではなくて、まさに国民的な課題、与野党超えての課題だ、こう認識をいたしてございます。そういう立場で私どもも微力を尽くしたいなという思いでございます。
 なおまた、実は私、出身が北海道函館なんでございますけれども、この日ロ首脳会談の開催場所、北海道を中心にさまざまな地域から、ぜひ我が地域にという話も出ていることは承知をしてございますが、私が函館の出身であるとかということを離れまして、本当に国民的な大きなテーマというとらえ方で、果たしてどこが開催地としてふさわしいのかなということについて、少しく持論を展開させていただきたいと思うわけでございます。
 委員長にお許しをいただいて、ちょっとこのメモを持ってきたものですから、これを両大臣、お目通しをいただきながらと思うわけでございますが、よろしいでしょうか。――歴史的な会談になるだろうと思います。来年の四月でございますけれども、エリツィン大統領の心を揺さぶるような、そんな舞台装置をしつらえることが何よりも望ましい、こう認識をいたしてございます。
 そういう立場から、実はそのメモをちょっとごらんいただきたいと思うわけでございますが、「函館とロシアの主な交流史」ということで函館市役所がまとめたものなんでございます。
 古くは寛政五年、一七八三年、ラクスマンのエカテリーナ号が箱館に入港をして幕府との通商交渉を求めたというところから始まるわけでございまして、既に二百年有余の歴史があるわけでございます。
 その後、幕末に近いころになりますと、一八一一年、ディアナ号艦長ゴローニン少佐、国後島で松前藩吏に捕縛され、箱館に護送される。続いて松前で幽閉される。これが有名なゴローニンの「日本幽囚記」ということで、歴史的な文献にその後なるわけでございます。
 このディアナ号艦長が幽閉された対抗措置ということになりますでしょうか、翌年一八一二年、ディアナ号副艦長リコルドが高田屋嘉兵衛を今度は択捉島で拉致をする。高田屋嘉兵衛はカムチャツカに拉致されて、そこで一冬過ごすということにもなるわけでございますけれども、この辺のところは大河小説「菜の花の沖」に詳しいわけでございます。
 その後、高田屋が翌年釈放され、ディアナ号が箱館に入港して、ゴローニン艦長が釈放されるという経過をたどるわけでございます。
 この高田屋嘉兵衛を中心とする一連の日露友好の歴史が、一八一一年、一二年、二二年にかけて繰り広げられるわけでございます。司馬遼太郎先生の「菜の花の沖」という小説にあらわされる場面でございます。
 その後幕末に入って、プチャーチン艦隊が箱館に入港。一八五四年、このとき日露和親条約が調印される。その後一八五八年には、ロシア領事ゴシケーヴィチが箱館に着任をする。
 このような日露の友好の窓口が、歴史のすべての舞台がここにあったという過去がございます。
 明治に入っても、記載のとおり、さまざまなことがございます。そして、戦前戦後の友好の歴史の中で、先般は、一九九四年でございますけれども、ロシア極東国立総合大学が函館校を開校する。現在もそこに日本人の子弟が学び、あるいはことしからはロシアからもこの分校の方に留学に訪れるという交流が続いてございます。
 最近では、先般、北海道函館市に在札幌ロシア総領事館の一部を構成する事務所を開設する旨の口上書が交換をされる。あるいは現在は、サハリン・ユジノサハリンスクとの間に唯一の航空路が開設をされている、そういう土地柄なわけでございます。
 まさに歴史の幕を新たにあける来年四月の交渉の舞台にはふさわしいもの、そう認識をいたしているところでございます。
 そこで開発庁長官にお聞きをしたいわけでございますが、先般、札幌でしたでしょうか、長官、新聞で拝見をしたわけでございますけれども、この会談の舞台として、もちろん北海道がふさわしいわけでございますが、なかんずく今申し上げた函館市こそがふさわしいという趣旨の御発言をされ、大変心強く実は受けとめさせていただいたわけでございますけれども、ぜひここで改めて御見解を賜ればありがたい、こう思うわけでございます。
○鈴木国務大臣 金田先生御指摘のとおり、私は、十一月十五日の自由民主党の政経セミナーで、来年四月の中ごろの日ロ首脳会談は、函館が場所としては最適でないかという話をいたしました。その背景は、私自身、函館とロシアの関係を見ますときに、極めて深いものがあるということなんです。
 今、金田先生、函館市の資料をお持ちになっておりますけれども、私は、この資料に入っていませんけれども、もう一つ大事なことは、一八六一年に、ニコライ・カサトキンという人がロシア領事館付の司祭として来るんです。後のニコライ堂をつくった、この名前に由来する司祭です。エリツィン大統領は宗教者をとても大事にしておりますから、そういった面から見ても、極めて函館はいいのでないか。
 同時に、大統領夫人は非常に桜を見たいという希望を持っておられますから、四月の中ごろといいますと、函館市はちょっと無理でも、お隣の松前、あそこには立派なお城もありますし、日本の文化を有しておりますから、この松前城の桜なんかとてもきれいでありますから、大統領夫人の希望にもかなえられるのでないか。若干気温が低くて咲かなければ、私は行ってお湯をかけてでも咲かせてみようというぐらいの気持ちを持って、私はこの函館というものに注目をしているんです。
 同時に、今お話のあった札幌の領事館の出張駐在官事務所も函館に来春からは立ち上がるということもありますから、函館との過去の寛政五年からの歴史を、結びつきを考えるとき、私はぜひともこれは函館にお願いしたい。
 十一月四日の閣議後の閣僚懇談会でも、私は、このことは希望として総理にも申し上げておきました。幸い、小渕外務大臣が同席でありますから、小渕外務大臣は間違いなく賢明な判断をしてくれる、その賢明な判断は函館だと私は思っておりますので、金田先生の御支援もいただきながら、また外務省の理解もいただいて、私は、日ロ関係の新しい幕あけの大きなプレーアップする場所として、ぜひとも北海道、わけても函館でお願いしたい、こういう気持ちを持っています。
○金田(誠)委員 開発庁長官から大変心強い、力強い御答弁をいただきまして、ありがたく思っているところでございます。
 一八六一年、ニコライの来日ということにも触れられましたけれども、確かに函館にあるハリストス正教会、ロシア正教の教会でございますけれども、ここの梵鐘といいますか鐘が、実は東京のニコライ堂に移設されて、ニコライ堂の鐘になるという歴史もあるわけでございまして、今はハリストス正教会の鐘が鳴り、赤れんがづくりのロシア領事館があり、あるいは幕末から函館で亡くなられたロシア人の方のロシア人墓地まであるわけでございます。
 そういう函館、長官の方から松前の桜というお話もございましたが、このディアナ号のゴローニン艦長が幽閉されていたのも実は松前藩、松前でございまして、そこの幽閉から解放したのが高田屋嘉兵衛である。こういう歴史的な、まさに友好の舞台としては最適であると思うわけでございますが、外務大臣、ここで改めて前向きの御答弁をお願いしたいと思うわけでございます。
○小渕国務大臣 ただいま金田委員、そして鈴木長官のお話を聞きまして、函館といいますか、北海道とロシアとの深い歴史的なつながりというものを私自身も勉強させていただきました。
 今回のエリツィン大統領の訪日ということは、先ほど申し上げましたように、私は、非公式、ネクタイなしといえども、両国にとって大変大事な話し合いになるものと考えております。
 したがって、その場所もしかるべきところということだろうと思いますが、どの地を選ぶかということにつきましては、四月の中ごろということでございますが、正直に申し上げて、家族ともどもやってこられるというような点もありますし、またセキュリティーの問題等もありますし、そういった点で、この首都東京をどの程度離れられるかというような問題もあるだろうと思います。
 せっかくお二人で、今質疑応答の中で函館ということを強調されましたことは、十分テークノートしておきたいと思います。
○金田(誠)委員 この場ではそういう御答弁しか無理なのかなということは察するわけでございますけれども、ぜひ新たな友好を築く舞台としては極めてふさわしいということをいま一度御認識いただいて最終御決断をいただきたい、お願いを申し上げたいと思います。
 これはあと事務的なことになりましょうけれども、来年四月といいますとあと五カ月程度でございます。それこそセキュリティーの問題等々含めてかなりの期間を要するのだと思いますけれども、会場の最終決定になるのはいつごろのめどということだけ、どなたかお聞かせいただければと思います。
○小渕国務大臣 プリマコフ外務大臣といろいろお話しいたしました中で、四月の訪日の前に私自身の訪ロを考えてほしいというお話もございました。第十回目になるかと思いますが、その段階で、モスクワに参るこの時点にはロシア側にも正式な場所、日にち、そのことについて正式にお答えをしたい、こういうことでございます。
 その時期ということですが、ロシア側は二月ごろ訪ロしてほしいという要望をお聞きをいたしましたが、時あたかも国会開会中、予算の審議のさなかでございますが、お許しをいただければ、その時点までにこのことを決定して、相手方にも通報いたしたい、こう思っております。
○金田(誠)委員 くれぐれもひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、橋本・エリツィン・プランということで合意に至っておるわけでございまして、それを受けて、小渕外相、プリマコフ外相とのさらなる突っ込んだ話し合いが持たれているわけでございます。経済交流ということが友好の極めて大きな礎になる、両国が経済的にも相互依存の関係をより強化することが平和条約に向けての大きな基礎的条件になるだろう、私はそう思っておりまして、そういう立場から、この橋本・エリツィン・プランを歓迎をするわけでございます。
 そこで、このプリマコフ外相との会談の中でもエネルギー問題についてかなり触れられているわけでございますが、エネルギー共同体シンポジウムの開催、政府間のエネルギー対話の強化、あるいはサハリン2・プロジェクトに対する輸銀の一億ドル融資の表明等々でございますけれども、この中で一つお聞かせいただきたいのは、天然ガスの利用でございます。
 シベリアの天然ガスを中国あるいは韓国へというプランはかなり進んでいるようでございますが、日本あるいは北海道へのプランがなかなか見えてこない。今、京都でのCOP3、CO2削減交渉もあるわけでございまして、そういう観点からしましても、天然ガスの利用促進ということは極めて意義深いことかと思うわけでございますが、この橋本・エリツィン・プランの中での天然ガスパイプラインの日本への導入といいますか敷設といいますか、その辺についての議論がされているのかどうなのか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。これは外務大臣にお聞きをしたいと思いますし、あわせて開発庁長官から、北海道の振興、日ロ友好という立場から、このパイプラインについてのお考えがございましたらお聞かせいただきたいと思います。
○小渕国務大臣 ただいま委員からも御指摘ありましたが、日ロ間の経済問題のこれからの協力の中で、シベリアあるいはサハリンの石油並びにガスの開発、利用という問題は極めて重要だという観点につきまして、十三日のプリマコフとの会談におきましても、サハリン2・プロジェクトにつきまして、私から、輸銀による同プロジェクトに対する一億ドルの融資が近く供与される旨を表明し、外相もこれを多としたところでございます。
 いずれにいたしましても、現在、シベリアないしサハリンのこのエネルギーを我が国のためにもどのように活用できるかということは極めて重要な点でございまして、三月に実は中山太郎先生と御一緒に北京に参りまして、江沢民さんに会われましたときに、まだ江沢民さんが訪ロしておらない段階でございましたが、ぜひ中ロの間におきましてもこの問題を取り上げてほしい、と申し上げますのは、シベリアのこれの利用ということになりますと、当然モンゴル、そしてまた中国を経て我が国ということも想定をされるものでございますので、そういった意味で、これから大いにこの問題についても両国で勉強もし、そして具体化するために努力をしよう、こういうことで話し合ってまいりました。
○鈴木国務大臣 北海道開発庁としましても、サハリン・オハでの地下資源開発には大変な関心も持っていますし、私は、これからの北海道の果たす役割からいっても、この中継基地あるいは後方支援基地としては北海道しかない、こう思っておりますから、必要な対応はしていきたい、こう思っております。
○金田(誠)委員 経済的により深く結びつくということが平和の基礎になる、そのことが領土問題解決への大きな力になっていく、こういう立場から私は質問させていただきました。両大臣から前向きな御答弁をいただいたわけでございますけれども、ぜひ今後に向けて御検討いただきたいと思
います。
 特に、国土庁の所管になりますでしょうか、今度は第五次全国総合開発計画ということも今策定作業中のようでございますが、私などから言わせますと、これから環境問題と両立をする国土開発ということになれば、この天然ガスパイプライン、これが非常に大きな要素を占めることになるだろう、こうも思ってございますので、ぜひそうした点を含めて御検討いただければありがたいと思います。
 もう一点質問を用意しておりましたのが沖縄問題なのでございますが、時間がなくなってまいりましたので、エッセンスだけ絞ってお聞かせをいただきたいなと思います。
 実は、いわゆる海上ヘリポートの問題でございます。これにつきましては、軍事アナリストでございます小川和久さんが注目すべき提案をされているかと思うわけでございます。
 現在政府が進めているヘリポート計画は、沖縄の未来展望を開く根本的振興策と米軍基地問題の解決についてどちらも満たさない中途半端なもの、落第点の答案と言わざるを得ないという前提で、提案をしておるのは次の二点なのでございます。
 「基地問題の解決のため、海兵隊の地上部隊をハワイまたはグアムに「即応後方配備」することと、自由貿易地域(FTZ)による沖縄振興の中心となる嘉手納基地のハブ空港化」ということで、こういう提案を実現するためには、海上ヘリポートではなくて「普天間基地と同規模の航空施設を、キャンプ・シュワブ内に建設することが条件となる。」という提案でございます。
 私ども民主党の立場からしますと、常時駐留なき安保を目指したいという基本的な立場がございます。そのためには、海兵隊初め各部隊の即応後方配備を進めるということでは異議はないわけでございますけれども、この観点からしますと、新たな米軍施設の建設を容認することはいささか抵抗がある、この基本方針とは相入れない部分があるのではないかというふうにも思いますけれども、政府の進めているヘリポートしかないのだということに対しては非常に疑問を感ずるところでございます。
 時間がないもので、一点だけ、この小川和久さんのこうした提案、既に御承知おきのことと思うわけでございますけれども、これについて政府部内で検討がされたとすれば、どのようなこれに対する見解をお持ちなのか。
 これはどなたがお答えいただけますでしょうか。防衛庁からいらっしゃっていますでしょうか。あるいは、こういう問題というのは外務省なり沖縄開発庁なりがお答えいただけるものなのか、どなたが当事者になるのか定かではございませんが、政府としてこういう提案にどういう見解をお持ちか、お答えいただければと思います。
○佐藤(謙)政府委員 私の方からのお答えが的確なものになるかどうかちょっとよくわかりませんが、私どもとしてのお考えを述べさせていただきます。
 一つ普天間飛行場の返還という問題につきましても、先生御承知のような経緯で、いわば県民の非常な願いと申しましょうか、そういうこともあり、日米の両首脳間で返還合意にこぎつけた。一方、普天間飛行場の跡地利用につきましても、沖縄県におきまして国際都市形成構想における中核的な位置づけをされている、こういうプロジェクトと申しましょうか、こういう内容のものと私どもは思っております。
 そういうことからしますと、今回、同飛行場の返還のために代替ヘリポートが必要になるわけでございますけれども、環境あるいは生活環境等に与える影響等からいって一番これが望ましいだろうと考えられます海上ヘリポート案をいろいろ検討の末提出させていただいている、こういうふうな状況にあるということでございます。そういうことで私どもの考え方を御理解いただきたい、こういうふうに思っているところでございます。
○金田(誠)委員 それはわかるのですが、この小川提案に対して見解というのはありますか。政府が海上ヘリポート案を今進めているということは百も承知なわけでございますけれども、それに対して、これはどちらも満たさない中途半端なもの、落第点という評価がある、この評価に対して反論などございますか。
○高野政府委員 必ずしも的確なお答えになるかどうか自信がございませんけれども、一つこの記事で小川さんが言っておられる海兵隊の即応後方配備については、沖縄の海兵隊を含め、目に見える形で抑止機能を果たしているということは事実でございまして、現時点で海兵隊のこのような配備について移駐を求めることは適当でないということは、日米間の最高レベルにおいても確認されているわけでございます。
 したがいまして、今いろいろ御提案がございますけれども、そういう大きな意味での軍事態勢の枠の中で何ができるかというふうに考えますと、現在進めておりますSACOの最終報告によります種々の施設・区域の返還あるいは移設、こういう方向でこれに全力を挙げることが最もふさわしいというふうに考えている次第でございます。
○金田(誠)委員 終わります。ありがとうございました。
○笹山委員長 次に、古堅実吉君。
○古堅委員 最初に、鈴木長官にお尋ねします。
 長官は、十一月五日の記者会見で、小里総務庁長官との会談で、沖縄の振興対策を担う沖縄振興庁の設置の必要性について認識が一致した旨、そういうことを言われました。
 沖縄の経済振興策は、一九七二年の沖縄の本土復帰の際に、当時の山中総理府長官が法案の趣旨説明に当たって、「多年にわたる忍耐と苦難の中で生き抜いてこられた沖縄県民の方々の心情に深く思いをいたし、県民への償いの心をもって事に当たる」と述べられたが、踏み外してはならない大事な点だと考えます。
 我が党は、こうした立場からの政府の責任による沖縄の振興策の推進は引き続き重要であり、必要であるというふうに考えております。現在、沖振法に基づく三次振計を推進中でありますが、検討されている沖縄振興庁の設置はこうした原点を踏まえてのこととして理解してよいか。
○鈴木国務大臣 十一月五日の会談で、私は、沖縄の歴史も踏まえ、さらに今お話のあった三次振計等が今まさに進行中であるということも踏まえ、さらに七五%の駐留米軍がこの沖縄に集中しているという現状等も考えるとき、まだまだ国のサポートは必要であるということを明確に言いました。そして、今、沖縄開発庁の沖縄総合事務局は、大蔵、農林、運輸、建設、公取、通産、六つの省庁を束ねる役割もしておりますから、この機能は守らぬといかぬ、特に大事なのは予算の一括計上権だ、これだけはぜひとも維持すべく総務庁長官にもお願いしているし、今一生懸命まさにやっているところでありますという答えをいたしました。
○古堅委員 今、キャンプ・シュワブ沖の海上基地建設に関連して、政府は盛んに、基地を受け入れればこれだけの振興策が進められるという趣旨のことを言い続けている。先日明らかにした海上基地基本案の中でも、地元への経済効果云々を強調しています。
 先ほど述べた沖縄復帰の原点に立てば、基地建設を受け入れる、受け入れないにかかわらず、沖縄の振興策は進めていかなければならないのではないか、その点を明確にするのが沖縄担当の長官でなければならないと思いますが、いかがですか。
○鈴木国務大臣 普天間の全面返還ということは画期的なことであり、かつ沖縄県民、さらには大田知事の強い要望であったことは事実であります。ですから、今シュワブ沖の海上ヘリポートということで地元の御理解をいただきたいと話を進めているわけでありますけれども、同時に、名護から、またあの十二市町村からさまざまな要請も従来からも来ていることも事実でありますから、これは整合性を持って私は対応すべきものだと思っております。
○古堅委員 念を押してもう一度お伺いします。
 沖縄振興開発というのは、米軍基地を容認するからそういう面で気を配ってやってあげましょうとか、あるいは基地に反対しているから皆さんの要望どおりには政府はやってあげぬよといったぐいのものであってはならぬというふうに思います。
 名護の海上基地の問題についても近く市民投票が実施されるということになっておりますし、その実施の結果についてはまだわかりません。
 そのいずれにしろ、それと直接の関係なしに、必要として要望の強いものについては政府として償いの心を持って振興策に当たるということでなければならぬのじゃないか。そういう立場は、開発庁の長官であられる鈴木長官の立場から明確にしておくべきことじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○鈴木国務大臣 お互い責任ある政治をする上でも、私は、北部振興は北部振興として、これは沖縄開発庁の役割でありますから、従来からもやってきましたし、これからもなおやっていかなくてはいけないと思っております。
○古堅委員 今、私がそのことを明確にしてほしいと思って再度申し上げておるんですが、それには直接答えられないような答弁の範囲になっています。
 次に、全県フリー・トレード・ゾーンについて一点だけ伺います。
 沖縄県は全県フリーゾーン化を要請しておりますが、我が党は、沖縄の産業振興、地場産業の育成等の立場から、地域限定で現行のフリーゾーンの拡充強化を図るという考えを持っています。
 この際、全県フリーゾーン化について、沖縄開発庁あるいは鈴木長官の基本的な見解をお聞かせいただきたい。
○鈴木国務大臣 先般、沖縄県がまとめられた産業振興策を大事にしながら、とりあえず沖縄県がまとめたのは、那覇地域、中城地域を手をつけるということ、二〇〇五年をめどに、その諸条件が整い次第いわゆる全県フリーゾーンということでまとめられておりますので、そのまとめられた線に沿って最大の協力あるいは施策を講じていきたいと思っております。
○古堅委員 時間の都合もありますから、それ以上突っ込んでお尋ねすることはまた後日にさせていただきます。
 次は、外務大臣に伺いたいと思います。
 若干の資料を皆さんにお届けしてございます。
 日本共産党の志位書記局長は、十一月十三日、米軍基地の自由使用の密約の存在を明記した極秘取り扱い文書等で、解禁となった米政府文書を公表いたしました。これほど明確に密約の存在を明らかにした文書はこれまでなかったわけであります。政府は、この問題について逃げるのではなしに真摯に質問に答えていただきたい。そのことを前置きして、質問に入ります。
 まず、一九六九年十一月の佐藤・ニクソン会談前に作成された文書で、「国家安全保障研究メモ五号にたいする一九六九年三月二十七日付の「東アジア・太平洋各省間グループ」対応メモに添付された「付属文書 B米日安全保障条約―背景」」というのがあります。その中で、一九六〇年の安保改定当時のことを次のように言っています。
 一九六〇年には、アチソン・吉田合意は事実上、国連軍の朝鮮駐留期間中延長され、両国政府は安全保障協議委員会の準備会議の覚書の形の秘密取り決めの交渉をおこなった。その覚書では、朝鮮における国連軍が攻撃された場合には、「そのような攻撃にたいして国連軍統一司令部のもとで在日米軍によって即時実施される必要のある」戦闘作戦は、事前協議なしに実施されるであろう。と記述されています。
 次に、「一九六〇年一月十一日付国務省記録メモ」であります。主題は「米日安全保障取り決め改定(パーソンズ国務次官補とマコンバー国務次官補が一九五九年十二月三十一日、フルブライト上院外交委員会委員長に交渉中の日米安保条約改定について説明したさいの記録)」と書かれたものでありますが、次のように言っています。
  パーソンズ氏は新安保条約の条項ならびに(事前)協議条項、および行政協定の主な修正点について詳細に説明した。彼は、朝鮮で共産主義者の攻撃が再び起きた際には日本政府との協議なしにただちに在日米軍が対応行動をとりうるよう、(事前)協議合意に例外を設けるための非常に機密度の高い取り決め(複数)もまた、日本政府との間で出来上がっていると指摘した。
 この二つの文書で言っている「覚書」あるいは「取り決め」は、在韓国連軍司令部改編計画に伴って決定をした「一九七四年三月二十九日付「国家安全保障決定メモ」二五一号」では、「秘密のキシ・ミニット」、日本語で言いますと「岸覚書」ということになるようであります。この「秘密のキシ・ミニットを延長するとの日本政府の明確な合意を求める」と記述されています。
 以上の米政府内部文書から、形としては事前協議制度をつくりながら、実際には米軍の自由出撃を保証した岸首相のミニット、すなわち、覚書があることが明確となりました。岸覚書の存在を大臣として認められますか。
○高野政府委員 御指摘の諸文書でございますが、米国の政府部内の文書であるというふうに承知しておりまして、政府として、その存在について一々確認する立場にないということでございます。
○古堅委員 大臣、いかがですか。
○小渕国務大臣 今北米局長が答弁したとおりでございます。
○古堅委員 これまで数々の米政府内部文書が明らかにされるたびに、そういう態度でまじめに対応するということをせず、ごまかしの答弁で逃げてきましたが、今回の文書はキシ・ミニットがあることを明確にしているということで重大であります。
 外務省としてやるべきことは、今示した米内部文書を取り寄せて記述を確かめること、そういう程度のことぐらいはやらなければいけない大事なことでありませんか。大臣、いかがです。
○高野政府委員 ここで今先生の御指摘の米側文書にございます問題というのは、いわゆる事前協議の主題となっております戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用の問題でございます。
 これに関しましては岸・ハーター交換公文に明記されているとおりでございまして、その詳細については、いわゆる藤山・マッカーサー口頭了解にもございます。
 この事前協議の問題について、今申し上げました交換公文及び口頭了解で確認したものがすべてでございまして、これら以外の何らの取り決めもございません。
 したがいまして、政府として米側の文書というものについて入手することは、外交活動の遂行の観点から見て必要があるというふうには考えておりません。
○古堅委員 極めて事務的な話として伺いますが、アメリカの解禁文書ですから、政府としては手続をとれば入手は可能ではないかと思うのですが、それは可能ですか。
○高野政府委員 仮に米公文書館の中にある文書でございますれば一般に公開されているものであるというふうに私どもも理解しております。
 他方、先ほど申し上げましたとおり、政府としては、この事前協議の問題に関しましては累次国会答弁で申し上げておるとおりでございますので、ここでこれに関連して何らかの米国政府部内の文書について入手するあるいは確認するという立場にないということでございます。
○古堅委員 入手は可能ですよね。手続をとれば入手は可能でしょう。できないんですか。
○高野政府委員 まことに恐縮でございますが、入手するあるいはそれを確認するという必要性がないという立場でございます。
○古堅委員 可能性を問うておる。最初に申し上げましたが、逃げるのじゃなしに、やはりまじめに質疑応答の場をつくるべきですよ。これは公の場だ。
 この岸覚書は、日本のすべての基地からの自由出撃を保証するものとなっていまして、とりわけ沖縄にとっても重大問題です。一九六九年十一月十九日の佐藤・ニクソン会談を前に、ロジャーズ国務長官が米議会指導者に説明したときの説明メモもそこにあります。それによると、
 日本側は朝鮮と台湾の安全が日本の安全にとって重要であり、したがって彼らは日本と沖縄の基地を朝鮮や台湾への武力攻撃に対処するために使用することを認めるという、強力な保証を、われわれに喜んで与えようとしている。と記述しております。
 これは岸覚書が生き続けていることを示すものであります。米政府は岸覚書の密約が存在することを言っています。日本政府として、岸覚書の存在について米国側に確認したことがありますか。大臣、いかがですか。
○高野政府委員 まことに恐縮でございますが、米側の内部文書でございますので、そういう文書について確認するという必要性がないというふうに考えております。
 ちなみに、今先生御指摘の沖縄の返還との関係での点でございますが、一九六九年十一月二十一日の共同声明に関する外務大臣の説明要旨というような説明がございまして、そこに、「かくして返還後の沖縄に事前協議制が全面的に適用されますので、いわゆる「自由使用」「自由発進」などは全くなくなります。ここにいう「関連取決め」とは安保条約とともに国会の承認をえている条約第六条の実施に関する交換公文、すなわち事前協議の取決めとか吉田・アチソン交換公文等に関する交換公文、」云々というものを指すものでございますということで、外務大臣から国会に御説明しているとおりでございます。
○古堅委員 日本政府が密約はないと言っても、在日米軍基地を使用するアメリカ側があると言っておるのです。それだけでも極めて重大問題とは考えませんか。大臣、いかがです。
○小渕国務大臣 ただいま北米局長が答弁申し上げたように、事前協議につきましては、国会でも当時の責任者が答弁しておることを我々は継続して遵守しているということでございますので、この問題については、政府といたしましては、我が国として取り決めたものを守っていくということに尽きるだろうと思います。
○古堅委員 日本政府として密約はないと言うのだったら、米政府文書を確認し、その上で必要な吟味をしてしかるべき重大問題だと考えます。やましいところがなければできるはずです。もう一度大臣、いかがです。何を恐れておられるのですか。
○高野政府委員 この点は、繰り返しで恐縮でございますが、事前協議の運用に関する日本側の了解というものは、岸・ハーター交換公文及び交渉当事者が口頭で確認したいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解がすべてでございますので、その認識に立って、いろいろ言っております米側政府部内の文書について改めて確認するあるいはそれを入手するという必要はない、あるいは立場にないということでございます。
○古堅委員 こういう重大な問題がありながら、文書を取り寄せることが可能かどうかという極めて事務的なことについてさえもまともに返事をしてこない、とんでもない姿勢と申さねばなりません。
 日本政府が幾らそれを否定しても、アメリカの解禁されたそういう文書を通じて、そういう覚書があるということが明らかになっている。それを、国権の最高機関たる国会で論議をする、そういうものについてはやはりまじめに対応してしかるべきです。何を恐れてそういうことを逃げ惑うか、そういうことの厳しく問われる問題だと申さねばなりません。
 主権国家としてそのことを重視して、アメリカが本当にないものをあるかのように装うたというのであれば、何だというふうなことになるべき筋合いのものじゃありませんか。
 委員長、お聞きのとおり、この文書について取り寄せるつもりもない、吟味する、そういうことも考えていないという政府の態度です。理事会でこの問題をお諮りいただきたいと思うのですが、委員会としてもこれだけ論議された問題について、政府のそういう態度のままに許すわけにはいかないと思っております。文書の取り寄せ、検討も含めて理事会でお諮りいただきたいと思いますが、いかがですか。
○笹山委員長 後刻理事会において協議いたします。
○古堅委員 時間が参りましたので終わりますが、今申し上げたとおりに、この問題については、戦後の日本の歴史に深くかかわっている問題であると同時に、沖縄の米軍基地にも直接重大なかかわりを持っています。
 そういうさなかで、佐藤・ニクソンの一九六九年の共同声明を打ち上げたその日を選んで、沖縄で復帰二十五周年式典をやろうとしています。これはまさしく、昨年の日米安保共同宣言に基づくSACO報告の実施を沖縄県民に押しつけて、海上基地の押しつけなどを含む二十一世紀までの基地との共存を迫る政治的な意図を明確に持った、そういう式典になることは間違いありません。
 そういう面からも、今の政府のその態度といい、沖縄基地問題の扱いを含む県民への態度といい、本当に許せません。あの少女暴行事件以来、沖縄県民が本当に切実に願ってきたのは、五十年余もそういう米軍基地があるがゆえにこういう事態を迎えている、この基地を縮小撤去させる、そういう方向への前進以外に救われる道はないぞということで立ち上がった。それを真っ正面から否定したのが共同宣言であり、SACOの報告です。県民の願いにこたえられない政府のこういう態度を私は厳しく怒りを込めて糾弾して、質問を終わります。
○笹山委員長 次に、上原康助君。
○上原委員 どうも大分時間が遅くなりましたが、もうしばらく両大臣初め関係者の皆さんおつき合いを願いたいと思います。大変限られた時間ですから、できるだけ私も短目に質問しますが、お答えの方もその点御配慮を願いたいと思います。
 まず最初に、沖縄振興策の方からお尋ねをしたいと思うのです。
 先ほど来いろいろ御議論がありますように、沖縄県が沖縄振興策について産業振興を含めての新しい提案を最近いたしました。また、政府も、沖縄振興中期展望の中間報告をまとめてございます。
 特に、私がちょっと重視して、政府にももう少し御配慮というか検討いただきたいことは、沖縄政策協議会で十のプロジェクトを設置をして広範な検討がなされておるわけですが、一体このまとめはいつごろやろうとするのか。余りにも総花的で、何を重点的に、何を優先をしてやろうとするのか、ちょっとわかりにくくなっている、その点からまず明確にしていただきたいと思います。
○安達政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、県の方からも新たな要望が出てまいりました。また、総合研究開発機構、NIRAからも中間報告をいただきました。そうした中で、さらにこれまでの検討項目もございまして、いろいろな多種多様な要望事項あるいは検討事項がございます。
 沖縄政策協議会を中心にして、政府として検討してまいるわけでございますけれども、現時点におきまして内容的な面での優先順位をつけるという点につきましては、いずれの事項につきましても沖縄振興にとって非常に重要な項目であります。
 真剣に検討が求められているということでございますが、時間的な優先順位という点に関して申し上げますと、本年四月の沖縄振興策の与党合意におきまして、自由貿易地域の拡充強化については平成九年中に結論を得るということとされておりまして、私どもとしても、特にこの点については検討が急がれているのではないか、こういうふうに認識しておるところでございます。
○上原委員 それは一つの重要な政策課題だと思いますね。きのうも、与党の沖縄問題懇談会があっていろいろ議論をしたわけですが、ぜひ政府としても与党合意については十分尊重していただきたいと思います。
 確かに、今お答えありましたように、どれをとっても重要課題であることは間違いないわけですが、しかし、十のプロジェクトを設置をして、第一、第二から始まって第十まである。この全体的なまとめは内政審議室でやるのかどうかわかりませんが、あるいは各省庁の担当部署、部門がありますから、全体的なまとめというのはいつごろを目標にしておられるのですか。
○安達政府委員 お答え申し上げます。
 一つの節目として、十一月二十一日の復帰二十五周年記念式典がございます。総理が式辞を述べるわけでございますけれども、政府としての沖縄振興についての前向きの取り組みに関して御発言があろうかと思うわけであります。
 その節目がございますけれども、しかし一方におきまして、県の要望でございますけれども、最終的な要望が十一月七日に政府に提出されたばかりであります。私ども夜を日に継いで検討をいたしておりますが、すべての項目にわたって総理からお話しいただくということについては限界があろうかと思います。
 そういった面で、今後どういうまとめをどういう時期に行っていくかということにつきましては、先生の御質問、御指摘については私どもの今後の検討課題というふうにさせていただきたいと思います。
 沖縄政策協議会において個々の事項についての検討を鋭意進めるとともに、その取り扱いをどうしていくかということにつきましても、大臣レベルでの沖縄政策協議会での御議論をいただきまして、私ども事務方に指示をいただくということが今後必要になってくるのではないかというふうに考えているところでございます。
○上原委員 一つは、あさっての式典での総理発言というのは注目されておるでしょう。その点は後で少し触れます。
 そこで、これは非常に多岐にわたっているのですよね。なかなか容易ではないと思うのです。そうしますと、少なくとも平成九年度、今年度末までには、中間とかこの十のプロジェクトで挙げられている項目別の集約は一応できると理解していいのかどうか、もちろん漏れるのもあるとは思うのですが。
○安達政府委員 沖縄政策協議会のもとで幹事会があり、また十のプロジェクトチームが各種の事項について検討を行っているわけでございます。
 その中で検討を行っておる事項をそれぞれ見ますと、これまでの議論の結果として、九年度の予算において対処を既にしているもの、さらには十年度の予算化を目指すべく概算要求が行われておるもの、さらにはもっと中長期の課題として検討が行われているものというものがございます。
 したがって、先生御指摘の年度末という点につきましては、十年度として位置づけを行い、予算の要求を行っているものにつきましては、国会での御審議も含めてそのようなタイミングで成就していくということがあろうかと思いますが、すべて、全体にわたってということにつきましては、政策協議会の御指示を得て私ども事務方としては対応してまいりたいと考えているところでございます。
○上原委員 時間の都合がありますので余り細々したことまで言えませんが、政策協議会といっても、北海道開発庁と沖縄開発庁の長官を兼ねているのだから、全閣僚と知事のあれでしょう、もちろんその下に幹事会はあるにしても。これだけの問題をまとめていくのは容易ではないということはわかるけれども、先ほど来ある沖縄側の不満というのは、いろいろ項目を挙げたけれども、目に見える形で集約されないというじれったさがあるのですよ。
 そこをわかってもらって、優先順位を決めてやってもらいたいというのが私の提起でもあります。どうも特別振興対策調整費の五十億円を、調査をするというために、ただ九年度だ十年度だというようにのんべんだらりとやってもらっては困るのです。その点は申し上げておきます。
 そこで、もう一つは、よく国際都市形成構想とか今度のNIRAの方もそうなんですが、私が以前から問題にしているのは、これは両大臣にお答えいただきたいんだが、基盤的インフラ整備がなされていないんですよね。自由貿易を段階的にやろうが何をしようが本当にそういう受け皿ができているかというと、できていないんです、空港にしても、港湾にしても、道路交通網にしても。
 だから、やはり基盤インフラというものを、何が必要で、これは何も政府だけのあれじゃない、県ももう少しそういう面は絞ってやってもらったらということを前々から僕は指摘しているんだが、なかなか基地問題その他で煩雑さがあるかもしれませんが、そういうところに対しては、鈴木大臣、この際問題点を、重点を絞ってインフラ整備というものをやるべきだと思うんですが、その御見解というか御認識はいかがでしょう。
○鈴木国務大臣 上原先生おっしゃるとおり、社会資本の基盤の整備、これはやはり沖縄に行くたびに感じます。それは、空港と港湾と道路、これは三者一体で高速交通網体系というものを整備することによって流動人口もふえてくると思いますので、上原先生の基本的認識と私は一致しております。
○上原委員 これは公共事業費の削減問題とかあるいは公共投資とか、そういうことについては非常に国民的に、今、抵抗と言ったらあれですが、抑制の風の中で厳しい面もあるかと思うんですが、きのう内政審議室が出した「国際都市形成に向けた新たな産業振興策」体系図でも、これははっきりしているんですよね。インフラ整備せずして国際都市形成もできないんですよ、自由貿易港もできないんですよ。どうもこの一番の肝心のところが今までの振興策の面で欠落している。これはやはりこの際ぜひ早急にやっていただきたい、問題点を絞って。
 そこで、この十のプロジェクトチームの課題がある。「国際都市形成に向けた新たな産業振興策」が提起をされて、NIRAの中間報告も出された。これだけの課題、しかも一方には基地の問題があるということになると、鈴木長官、沖縄開発庁の役割、位置づけというものは極めて重大なんですよね。
 先ほどからいろいろ出ましたが、あさって総理がおっしゃるのが一番いいかもしれませんが、やはり沖縄開発庁の位置づけというものは内閣府にきちっとやって、今の大臣がいらっしゃる大臣本庁、開発庁本庁に二局あるけど、これもぜひ確保してもらって、総合事務局も一体とした組織として、担当大臣を置いて、予算の一括計上権を確保するということでなければ、これは到底できませんよ。
 もう一度、今まとめて申し上げましたので、このことについては、きょうここで鈴木大臣がおっしゃるか、あさっての総理大臣の談話でおっしゃるか、早目にメッセージした方が県民にはいいんだが、どっちをお選びになるかということです。
○鈴木国務大臣 私と上原先生の考え方に全く差はないと思います。
 これは、上原先生、歴代内閣がそれなりに沖縄に思いを持って一生懸命やってまいりました。とりわけ橋本総理は、この沖縄問題に対しては、歴代内閣の中でも最高に一生懸命な人だと、私自身そばにいる者として感じております。その橋本総理が、行革、今ある役所を半分にしていくわけですから、痛みを伴う判断をしなくてはいけませんけれども、その沖縄に対する大変な思いを持っている橋本総理が、いわんや沖縄開発庁の今の機能をなくすということは、ゆめ考えていないと思っております。
 私として、今、小里大臣等の言動も聞きながら察するのは、間違いなく内閣府の中に沖縄担当大臣は置けると思っております。上原先生のおっしゃるとおりだと思っております。また、その内閣府の中に予算の一括計上できるいわゆる組織も置ける、こんなふうに私は確信をしております。
○上原委員 余りやり合いをしてまた後退しても困るのであれなんだが、それは内閣府のもとに沖縄振興庁を置いて、局とかそういうものでない、そういう認識でいいですね。予算の一括計上権、総合事務局も一体化したものであると。
○鈴木国務大臣 その役所のネーミングは別にしまして、間違いなく沖縄担当大臣は置いてもらえる、同時にその組織も、予算の一括計上できる組織も内閣府に置いてもらえる、こう私は思っています。
○上原委員 ですから、ネーミングは別としても、局ぐらいでは全然沖縄側の理解とはかけ離れますから、そこは篤と御理解を願いたいと思いますし、これは小渕外務大臣も沖縄には相当愛着を感じておられるはずで、援護射撃してくれますね。
○小渕国務大臣 私もかつて沖縄開発庁長官をいたしました。今、鈴木長官、熱意を込めてお話をされております。その気持ちを多としてまいりたいと思っております。
○上原委員 北海道開発庁もどうぞ大事にしてあげてください。私も、北海道開発庁も兼ねましたので。
 そこは本当に、今いろんなもたもたした県民の複雑な感情、心情がある中で、開発庁の位置づけというものはこの二、三日の最大の関心事であるということは、もちろん総理を初め皆さん御理解いただいておられる中でやると思いますので、その点ひとつ十分御配慮を願いたいと思います。
 次に、基地問題について、先ほど来いろいろありましたが、もう時間が余りありませんので、私はこれは外務大臣に特に要望を兼ねてですが、従来の政府の御認識ではなかなか沖縄の基地問題は解決しませんよ、正直申し上げて。
 私は、昨晩、SACOの最終報告を改めて念入りに読んでみました。あのSACOの最終報告の基調は、やはり日米安保優先ですよ、どうしても基地の維持ということが。沖縄県民の期待や願いとは相当かけ離れている。
 だが、今私はその是非論をここでやり合いしてもいかないと思いますから、いろんな政治環境の中で。私は、もう少し、本当に沖縄の県民の立場というか沖縄の心というものを皆さんが理解するなら、SACOの最終報告をただやればいいということではなくして、沖縄県内での移設条件とかそういうものは、決められたことは進めるけれども、途中からでも是正するところは是正をしていく、アメリカ側と兵力態勢を含めての交渉を絶えずしていくという姿勢が政府にないと、できないと思う。
 だが、私は、この間の対人地雷の話とか、最近の対ロ交渉の外務省の姿勢なり政府の姿勢を見ると、自民党単独政権下における対米あるいは対外交渉、外交交渉の姿勢は、大変失礼な言い方だが、徐々にいい方向に、主体性があるようになりつつあると思うんですね。
 そういう意味で、私が今申し上げたようなことで、事沖縄の基地問題についても御認識を、もう少し我々の気持ちも入れてやっていただくということでないといかないと思うんだが、その基本についてまず外務大臣からお聞かせください。
○小渕国務大臣 沖縄の心を心として対応してまいったつもりでございますけれども、こうした重責を担わせていただいております。
 もとより日本をめぐる安全保障の問題についてその責任も負っておりますが、今後とも御指摘のような点も十分配慮しながら努力をしていきたいと思います。
○上原委員 なぜそういうことを申し上げるかといいますと、皆さん、那覇軍港を見てくださいよ、あなた。昭和四十九年に日米安保協議委員会で決めたんですよ。いまだに動かないじゃないですか。普天間だって、今のような状況では二の舞をしますよ。私はこれは警告しておく。
 その壁をどう政府が外交交渉によって、政治力によって打開をしていくかということが今問われているんですよ。私たちはそういう視点に立ってこの基地問題というものは考えたい。だから、私は、イエスかノーかじゃないんだ、もう一つの選択があっていいんじゃないかと思っているんです、正直申し上げて。
 例えば、今申し上げた那覇軍港にしてもそうですが、米軍の施設及び区域への立ち入りについても改善するということが書かれている。SACOの最終報告にも、この間の基地周辺の懇談会、梶山前長官のものにも出されている。だが、最近はむしろ基地周辺への立ち入りは全然だめですよ。ガードがかたくなっている。原島大使も動いたけれども余り機能していない、失礼だが。これはやはり政府の外交姿勢にあるんですよ、基地を見る目に。そういう点はもっと改善措置ができないのかどうか。
 それともう一つ、この間も私は取り上げたんですが、皆さんすぐ地位協定とかなんとか言うけれども、恩納通信施設は、御承知のように九五年の十一月三十日に全面返還になったんだ。もう二年たとうとしている。だが、いまだに跡利用ができない。それは、PCBとかそういう汚染物質が返還跡地にあるからなんですね。これは地位協定で日本側が処理しなければいかないということになっているが、やらない。なぜこういうものを、アメリカ側と話して、そのぐらいの処理場は、保管できるところは幾らでもあるはずなんですよ。そういう相談さえ日米間でできないという政府の外交姿勢のあり方、そういうことに沖縄県民は大変不満がある、使うだけ使って何で後処理はしないのかという。この二つについて、これはどうするのか。
 外務大臣、長官、こういうのは役人がやるからだめなんだよ。きょうも決議文をつくろうとしたら、地位協定の見直しと言ったら、後ろで何やかんや言ってなかなか、自民党の先生方にサインを出すから、見直しはしないと言っている。役人任せじゃなくて、政治家でそういう問題を処理したらどうですか。
○高野政府委員 いろいろと沖縄に関する、特に米軍基地をめぐります問題に関しましては、沖縄の県民の方々の御負担ということについては、私どもは真剣に受けとめまして、いろいろ努力してきているところでございます。まだまだ十分ではないという御指摘は当然あろうかというふうに考えておりますが、例えば、現在政府としてその実施に全力を挙げております、沖縄に関する特別行動委員会、いわゆるSACOの最終報告にございますが、その重要な部分として地位協定の運用改善の問題がございます。
 そこで、先ほど先生の御指摘の米軍施設・区域への立ち入りに関しましても、これらの手続が、今までは申請手続が極めて不明確な点がございましたので、これを改めまして、去年の十二月二日に新しい合同委員会合意をつくったわけでございます。その実施あるいは運用のあり方については、いろいろまだ問題があることは事実でございますので、常にこれをアメリカ側に指摘し、この点はさらに地域の沖縄の方々との関係において円滑な運用ができますように努力してまいる考えでございます。
 さらに申し上げますれば、SACOの関係で、米軍公用車両の表示とかナンバープレートの問題、任意自動車保険への加入、日米地位協定第十八条六項の請求に関する支払い手続、検疫手続等々について合意がございまして、この多くは既に実現を見つつございまして、私どもとしましては、今後ともこういう形での改善をしていきたいというふうに考えております。
○上原委員 今言う、米軍とか米軍軍人軍属に益するというか便利なことについては改善されつつあるのですよ。沖縄県民側のものがちっとも改善されないのです。それに不満があるということを申し上げている。
 もう時間がないから、例えばキャンプ・ハンセンにおける不発弾除去の問題とか、これなんか一向進んでいないじゃないですか。全く手もつけていないじゃないですか。PCBのことはどうするんだよ。あんなのを自衛隊基地に持っていくよりは、アメリカ側とあなた方が交渉して、ちゃんと広い空間が幾らでもあるんだ、アメリカの軍事施設内には。何でそれをアメリカ側に保管をして跡利用ができるようにやらないのか。地位協定がどうのこうのと、それは政治の話ですから、外務大臣、あなたの御指示でそれはさせてください。
○萩政府委員 先生もう既に十分御承知でございますが、米軍の旧恩納通信所跡のPCBの汚染につきまして、地位協定上米側に責任がないということで、それにかわりまして防衛施設庁が処理をしております。
 これは、最初はもちろん、米軍の基地内に一時保管する、あるいはそのほかの自衛隊の施設に一時保管する、いろいろ検討をいたしましたが、結局、自衛隊の恩納分屯基地の一部に一時保管をして、やがてこの処理方法が確立されますので、それに従って処理するまでそこで一時保管をさせていただくということで、今除去の作業を鋭意行っておるところであります。
○上原委員 時間がないですから、僕はここに写真も持っているけれども、一時分屯地に移すというところは森林を伐採してやるのですよ、自然破壊をして。そこまでやらぬでも、地位協定がどうのとかなんとか、あなた方はアメリカとは友達なんでしょう、友達ならけんかしてでもそのぐらいのものは持っていかせなさいよ。外務大臣、二言お答えください。
○小渕国務大臣 本件につきましては、上原委員も橋本総理にじきじきにこの御要請もし、質疑もされておられるわけでございます。私どもも、橋本内閣としても、この解決のためにも懸命の努力をいたしてまいりたいと思います。
○萩政府委員 済みません、森林伐採ということがありまして、せっかく先生からも御指摘がありましたものですから……
○笹山委員長 簡潔にお願いします。もう質疑時間が過ぎていますから。
○萩政府委員 はい。大体五メートルから十メートルぐらいの木を九十本ほど切らなければいけませんので、そのうち移植できるものは移植し、足りないものは補植、追加の木を植えることによって森林の保存に努めたいというふうに思っております。
○上原委員 そういうやり方は納得できません。
     ――――◇―――――
○笹山委員長 この際、浜田靖一君外四名から、自由民主党、新進党、民主党、社会民主党・市民連合及び太陽党の共同提案による沖縄問題の解決促進に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。浜田靖一君。
○浜田(靖)委員 この際、沖縄問題の解決促進に関する件につきまして決議をいたしたいと存じます。
 本件につきましては、理事会等におきまして、自由民主党、新進党、民主党、社会民主党・市民連合、太陽党の五会派間で協議が調い、お手元に配付いたしております案文がまとまりました。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    沖縄問題の解決促進に関する件(案)
  昭和四十七年五月、沖縄が本土に復帰して以来、沖縄の経済社会は、本土との格差是正と自立的発展の基礎条件の整備を図ることを基本目標としたこれまでの、三次にわたる国の振興開発計画の実施と県民の不断の努力とによって、総体としては発展してきた。
  しかしながら、本土復帰後四半世紀を迎えた今日、沖縄には今なお広大な米軍施設・区域が存在することに加え、生活・産業基盤の面でなお整備を要する諸課題が山積し、その経済社会は依然として厳しい状況にある。
  そこで、政府は、沖縄問題を国の最重要課題の一つとして位置付け、今なお残る本土との各種の格差是正に一層努めるとともに、自然環境の保全に十分配慮しつつ、沖縄の自立的発展のため、「沖縄政策協議会」で集約しつつある諸案件を着実に推進し、なかでも自由貿易地域の拡大及び必要な規制緩和等については、一国二制度的な大胆な改革を目指し、積極的に取り組むべきである。
  また、沖縄に所在する米軍施設・区域が地域振興促進の阻害要因とならないようにするため、今後とも沖縄県民の意を体して、日米地位協定の運用をはじめ、基地の整理・縮小に最大限の努力を傾注すべきである。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同をお願いしたいと存じます。
 終わります。
○笹山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本動議に対し、討論の申し出がありますので、これを許します。古堅実吉君。
○古堅委員 日本共産党を代表して、沖縄問題の解決促進に関する件に対する反対討論を行います。
 沖縄県民は、戦後五十年を過ぎてもなお米軍基地による苦痛と犠牲のもとに置かれ続けています。沖縄県民にとって、沖縄問題の解決促進とは、この膨大な基地をなくすることが中心問題であることは、今さら言うまでもありません。決議案の表題にあるような「沖縄問題の解決促進」を言うなら、最新鋭の基地となる海上ヘリポートの建設を断念し、米軍基地の縮小撤去の実現に向けた具体的な取り組みをすべきが道理であります。
 ところが、日米両政府は、基地をなくするどころか、県の内外に移設して、基地を温存し恒久化しようとしています。その最たるものが、キャンプ・シユワブ沖の海上基地建設であります。この海上ヘリポートは、最新鋭の巨大基地建設にほかなりません。このために、名護市民は、海上基地の建設を断念させるため、市民投票の実施に向けて市民ぐるみの運動を展開しています。しかし、本件決議案は、基地建設を推進する勢力を側面援助する役割を持つことになろうとするものにほかなりません。
 本件決議案は、基地撤去に言及もせず、県民の願いを反映したものとは言えないのであります。さらに、決議案は、県民が要求してきた日米地位協定の抜本的見直しについては、運用の「努力を傾注すべき」にすりかえられております。また、産業振興でいえば、自由貿易地域の拡大を掲げながら、「一国二制度的な大胆な改革を目指す」と述べていますが、我が党はこれについても賛成できないことを明らかにしておきます。
 以上で反対討論を終わります。
○笹山委員長 これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 浜田靖一君外四名提出の動議のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○笹山委員長 起立多数。よって、本動議のとおり決しました。
 この際、ただいまの決議に対しまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木沖縄開発庁長官。
○鈴木国務大臣 ことしは沖縄復帰二十五周年であります。本委員会の委員であります上原康助先生から、節目の年に委員会での決議をという話も聞いておりました。また、仲村正治委員、下地幹郎委員からも同様の話を承っておりましたので、委員会できょう決議されましたことに、私は心から敬意を表するものであります。
 政府といたしましても、この趣旨を十分に生かしまして、引き続き沖縄問題の解決に向けて全力を尽くしていきたい、こう思います。
 よろしくお願いします。(拍手)
○笹山委員長 本決議の議長に対する報告及び関係各方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時三十五分散会