第142回国会 予算委員会 第36号
平成十年六月十五日(月曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 越智 通雄君
   理事 伊藤 公介君 理事 石川 要三君
   理事 中山 利生君 理事 深谷 隆司君
   理事 山本 有二君 理事 五島 正規君
   理事 高木 義明君 理事 北側 一雄君
   理事 加藤 六月君
      相沢 英之君    甘利  明君
      江藤 隆美君    小澤  潔君
      大原 一三君    河村 建夫君
      岸田 文雄君    栗原 博久君
      桜井  新君    関谷 勝嗣君
      津島 雄二君    中川 昭一君
      中山 正暉君    野中 広務君
      葉梨 信行君    萩野 浩基君
      増田 敏男君    松本  純君
      村田 吉隆君    村山 達雄君
     吉田六左エ門君    綿貫 民輔君
      石井 紘基君    岩國 哲人君
      生方 幸夫君    岡田 克也君
      海江田万里君    小林  守君
      島   聡君    原口 一博君
      松沢 成文君    山花 貞夫君
      上田  勇君    草川 昭三君
      斉藤 鉄夫君    西川 知雄君
      鈴木 淑夫君    中井  洽君
      中村 鋭一君    西村 眞悟君
      木島日出夫君    春名 直章君
      矢島 恒夫君    上原 康助君
      北沢 清功君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  橋本龍太郎君
        法 務 大 臣 下稲葉耕吉君
        外 務 大 臣 小渕 恵三君
        大 蔵 大 臣 松永  光君
        文 部 大 臣 町村 信孝君
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
        農林水産大臣  島村 宜伸君
        通商産業大臣  堀内 光雄君
        運 輸 大 臣 藤井 孝男君
        郵 政 大 臣 自見庄三郎君
        労 働 大 臣 伊吹 文明君
        建 設 大 臣 瓦   力君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     上杉 光弘君
        国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 村岡 兼造君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 小里 貞利君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)      鈴木 宗男君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 久間 章生君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      尾身 幸次君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      谷垣 禎一君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 大木  浩君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 亀井 久興君
 出席政府委員
        内閣審議官   松田 隆利君
        内閣法制局長官 大森 政輔君
        内閣法制局第一
        部長      秋山  收君
        警察庁生活安全
        局長      泉  幸伸君
        総務庁長官官房
        審議官     西村 正紀君
        総務庁人事局長 中川 良一君
        防衛施設庁施設
        部長      首藤 新悟君
        経済企画庁調整
        局長      塩谷 隆英君
        経済企画庁調査
        局長      新保 生二君
        科学技術庁長官
        官房長     沖村 憲樹君
        科学技術庁科学
        技術振興局長  宮林 正恭君
        科学技術庁原子
        力局長     加藤 康宏君
        環境庁企画調整
        局長      岡田 康彦君
        環境庁自然保護
        局長      丸山 晴男君
        環境庁大気保全
        局長      野村  瞭君
        環境庁水質保全
        局長      渡辺 好明君
        法務省民事局長 森脇  勝君
        外務省総合外交
        政策局軍備管理・
        科学審議官   阿部 信泰君
        外務省経済局長 大島正太郎君
        外務省経済協力
        局長      大島 賢三君
        外務省条約局長 竹内 行夫君
        大蔵大臣官房長 溝口善兵衛君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    武藤 敏郎君
        大蔵省主計局長 涌井 洋治君
        大蔵省主税局長 尾原 榮夫君
        大蔵省銀行局長 山口 公生君
        大蔵省銀行局保
        険部長     福田  誠君
        大蔵省国際金融
        局長      黒田 東彦君
        国税庁次長   舩橋 晴雄君
        文部大臣官房長 小野 元之君
        文部大臣官房総
        務審議官    高  為重君
        文部省生涯学習
        局長      富岡 賢治君
        文部省初等中等
        教育局長    辻村 哲夫君
        文部省学術国際
        局長      雨宮  忠君
        厚生大臣官房総
        務審議官    田中 泰弘君
        厚生省生活衛生
        局長      小野 昭雄君
        農林水産大臣官
        房長      堤  英隆君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  及川 耕造君
        中小企業庁長官 林  康夫君
        運輸省港湾局長 大本 英明君
        運輸省航空局長 楠木 行雄君
        海上保安庁次長 長光 正純君
        労働大臣官房長 渡邊  信君
        労働省労働基準
        局長      伊藤 庄平君
        労働省女性局長 太田 芳枝君
        労働省職業安定
        局高齢・障害者
        対策部長    中野 秀世君
        建設大臣官房長 小野 邦久君
        建設省建設経済
        局長      五十嵐健之君
        建設省道路局長 佐藤 信彦君
        自治大臣官房長 嶋津  昭君
        自治大臣官房総
        務審議官    香山 充弘君
        自治省行政局選
        挙部長     牧之内隆久君
        自治省財政局長 二橋 正弘君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (本州四国連絡
        橋公団総裁)  藤原 良一君
        予算委員会専門
        員       大西  勉君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十五日
 辞任         補欠選任
  桜井  新君    吉田六左エ門君
  綿貫 民輔君     松本  純君
  松沢 成文君     島   聡君
  山花 貞夫君     石井 紘基君
  西村 眞悟君     中村 鋭一君
  志位 和夫君     春名 直章君
  不破 哲三君     矢島 恒夫君
同日
 辞任         補欠選任
  松本  純君     綿貫 民輔君
 吉田六左エ門君     桜井  新君
  石井 紘基君     山花 貞夫君
  島   聡君     松沢 成文君
  中村 鋭一君     西村 眞悟君
  春名 直章君     志位 和夫君
  矢島 恒夫君     不破 哲三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十年度一般会計補正予算(第1号)
 平成十年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成十年度政府関係機関補正予算(機第1号)
     ――――◇―――――
○越智委員長 これより会議を開きます。
 平成十年度一般会計補正予算(第1号)、平成十年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 平和・改革の斉藤鉄夫でございます。
 きょうは、まず最初に、公共工事に使われる砂の話をさせていただきたいと思います。
 砂上の楼閣という言葉がございますが、現代は、その楼閣そのものが砂によってできていると言われております。ほとんどの構造物が鉄とコンクリートでできている。そのコンクリートの中の八五%を占めるのが砂でございます。
 その砂、一九九六年、おととしですけれども、おととしの調査によりますと、日本全国で一億六千三百六十六万立米の砂がコンクリート骨材として使われた。これは升に直しますと、一辺五百五十メートルの升になります。後楽園ドームのあの屋根いっぱいに詰めても、千杯を超えると言われる量でございます。それだけの砂が使われている。その砂は、大きく分けて、川砂、山砂そして海の砂というふうになっているわけでございます。
 いずれにしても、砂をとってきてそれで構造物をつくるわけですから、砂をとられる地域にとっては環境に大変大きな影響があるわけでございますが、新しくできる構造物の利便性と効果、それから環境が影響を受ける割合、そのバランスを考えていかなければならない、このように思うわけです。
 その砂の中の二割が海砂と言われております。海砂が全体の三千七百万立米でございまして、世界全体でも海砂を使っているのは、日本だけとは言いませんけれども、日本がほとんどでございまして、海の砂をとっている世界全体の八割が日本でございます。そして、その三千七百万立米のうちの六五%、二千四百万立米が瀬戸内海からとられているということでございまして、この瀬戸内海でとられている海砂、それが瀬戸内海の環境に与える影響ということについて、きょう質問をさせていただきたいと思います。
 実は先月、私たちは、新党平和、改革クラブ、公明、三党で、八人の国会議員で海砂採取の現場を視察してまいりました。採取の船に乗ってその現場を見たわけですけれども、大変びっくりいたしました。こんな大きなパイプを海の底に突っ込んでポンプで吸い上げて、砂だけをろ過して残りは全部また海に捨てる、大変大規模な採取が行われておりまして、周辺も海が汚く濁っている。これは瀬戸内海の環境に影響を与えるだろうなということを直観いたしました。
 この海砂採取、年間に二千四百万立米ですから、これは直観としてぴんとこないのですけれども、一メートル厚にこの砂を敷き詰めますと五キロメートル四方に及ぶ量でございます。それを三十年以上にわたってとり続けてきた。海の底ですから目には見えませんけれども、瀬戸内海の生態系、環境が大きく変化をしている一つの原因になると言われておりまして、その漁獲量も昔に比べると半減をしている、こういう状況でございます。
 そこで、まず環境庁長官に質問をいたしますけれども、瀬戸内海は、瀬戸内保全法によって国が環境保全の責任を負っている国立公園でございます。その国立公園の海底の砂というのは、何千年、何万年とかかってきた砂です。それを今我々がポンプでごんごん吸い上げて、地形も変えている、環境も変えている、生態系も壊している、こういうことでございます。
 瀬戸内海の底に沈む海の砂というのは国の財産なのではないかと思いますけれども、その国の財産をとらせていいのか。また、先ほど言いましたように、この広い海に囲まれた日本の中で、瀬戸内海だけが海砂がたくさんとられている。国立公園の瀬戸内海で海砂がほとんどとられているということを許していいのか。また、今、各県の許認可でこれがとられているわけですけれども、各県がそれを許認可する権限が、国との関係でどういうふうに裏づけられているのか。これについてお伺いいたします。
○大木国務大臣 今お話のございました、国立公園の中のいろいろな自然物を勝手にとらせていいのか、わかりやすく言いますとそういう御質問だったと思いますが、国立公園にいろいろな自然物があるわけでございまして、これを、国の財産だから一切国民が利用してはいかぬ、こういう建前ではない。ですから、それぞれの、物によりますけれども、ある程度しかるべき対価を払って、しかるべき手続を経て採取するということは認めておるわけでございます。
 例えば海砂についてお話がございましたけれども、これは、管轄は直接には国立公園を管轄しているのは私どもの方でございますけれども、砂利の採取につきましては、河川に近い部分は建設省が所管しておられる。これは、河川との関係がありまして、建設省が所管しておられる。それから、海の方の部分は通産省でございます。
 しかし、現実にそれを許認可しておりますのは、機関委任の事務で各都道府県に委任をしておりますから、知事さんの御判断によって、状況を見て、許可をする、しない、こういうことになっておりまして、先ほどからお話がございますけれども、県によってばらつきが実はございます。あるいは、同じ県によりましても、状況に応じて、一たん許可したけれどもまた見直しした、そういうようなことがあるわけでございます。
 環境庁の方からは、ただいまのところ、瀬戸内海の環境保全のための審議会もございますから、いろいろ審査はしております。平成六年から十二年にかけて、これは多少中期的な計画として、瀬戸内海全体の環境の問題としてはいろいろ調査をしておりまして、まだ結論は出ておりませんが、一言で申し上げますと、今のところ、環境の観点から直ちに海の砂利を採取することを禁止するということまではいっておりませんけれども、全般として、今後、非常に大量にそういった採取作業というものが続く場合には、一体どういう環境的な影響が出てくるか。
 一番わかりやすいのは、例えば陸上ですと、どんどんと砂をとればいろいろと地形が変わりますから景観という問題がありますが、これは海の底ですから、景観ということからは出てこない。しかし、やはり、どんどん大量にとれば当然いろいろな影響があると思われますから、その辺のところは、私どもの方では今いろいろと調査をしておるということでございます。
 関係審議会にもいずれ、私どもの方の調査が今中間的に間もなく出てまいりますので、その結果も審議会の方に提示して、やや中期的なことにはなりますけれども、全般的なこれからの計画をひとつ検討していただく、こういう状況でございます。
○斉藤(鉄)委員 私は、瀬戸内保全法で国が環境を守るという決意をしているわけですから、環境庁がもっとリーダーシップをとるべきだと思います。
 もう一つ、こういう現実もございます。きょう海上保安庁の方に来ていただいておりますので報告していただきたいと思いますが、決められた量、最低限、これ以上とってはいけないとか、この地域ではとってはいけないとか、そういう規制があったわけですけれども、現実にはその規制が守られていなくて、決められた量の二倍、三倍、四倍という量がとられていた。先ほど数字を申し上げましたけれども、これは一応公式の数字ですので、現実には、この倍以上の砂がとられていたり、とってはいけないところからとられていたりしたわけでございます。
 その現状を海上保安庁から、どれだけの業者がいて、どれだけの業者が違反をし、そして決められた量の何倍程度をとっていたのかということについて、簡潔に報告をしていただきたいと思います。
○長光政府委員 御説明申し上げます。
 海上保安庁の方で、広島、岡山、愛媛、香川、この四県を通じて調査いたしましたところ、合計で七十業者が採取の認可を受けております。このうち五十三業者を砂利採取法違反で書類送検したところでございます。
 ちなみに、海上保安庁におきまして検挙いたしました違反業者に対する総認可量、いわゆる認められている量は約九百九十万立方メートル、実際に採取いたしました量は約一千七百二十一万立米になっております。
 以上でございます。
○斉藤(鉄)委員 現実には、そのような形で大量の違法採取が行われ、瀬戸内の環境が破壊をされてきたという状況がございます。
 運輸大臣にお伺いします。
 関空一期工事に瀬戸内の海砂千七百七十万立米が使われました。これはヘドロの、地盤改良と言うとちょっとおかしいですが、ヘドロ地盤の改良に使われたわけですけれども、例えば広島県、県が許可した量は四百万立米、これに対して、関空一期工事千七百七十万立米のうち、広島県は四百五十三万立米の海砂を提供しております。これは、県が許可した四百万立米という枠を超えております。
 関空一期工事がこの違法採取を助長させたとも言えるわけですけれども、許容量を超えていたことを知って、使っていたのでしょうか。
○藤井国務大臣 お答え申し上げます。
 斉藤委員御指摘の関空の一期工事につきましての広島県の海砂の採取量、その四百万立米という数字がどの点から出てきたか定かでございませんが、昭和六十二年、六十三年、二年間にわたりまして広島県から海砂を調達いたしております。
 そのときのまず実績を申し上げますけれども、広島県の一般枠、これは六十二年は四百五十万立米でした。それに関空がございましたもので、特別枠として二百五十万立米ございました。そして、昭和六十三年、一般枠は四百七十万立米、特別枠五十万立米、こういうことでございますから、そういう中で、この関空の一期工事のために海砂を調達した量は、昭和六十二年が四百七万立米、昭和六十三年が四十七万立米、合計四百五十四万立米でございます。
 ですから、広島県が設定した枠は、六十二年、六十三年、二年間分の合計は九百二十万立米及び特別枠として三百万立米の計千二百二十万立米であったものでございますから、その調達は広島県が設定した枠内のものとなっております。
○斉藤(鉄)委員 私が県から入手した資料では、関空に対して、昭和六十一年百、六十二年二百五十、六十三年五十、四百万立米だ、このように言っておりまして、県も業者に対してそのように指導したと言っておりますけれども、その食い違いがあるわけですけれども。
○藤井国務大臣 お答えいたします。
 多少の数字の食い違いがございますが、多分先生がおっしゃられているのは特別枠の部分だろうと思います。
 これは、関空の一期工事のために特別枠として広島県が、六十二年二百五十万、六十三年五十万、計三百万立米、そしてそのほかに一般枠というのが、六十二年四百五十万立米、そして四百七十万立米が六十三年、これは関空にも使ってもよろしいという、別に関空に限らず一般的に、建材用と申しましょうか、その他の調達にしてもいいということで、特別枠とは別でございまして、ですから、そういう面からいたしまして、先ほどお答え申し上げましたように、広島県の一般枠、特別枠を合計した中での枠内で関空に調達しました海砂はおさまった、このように我々は理解をいたしておるところでございます。
○斉藤(鉄)委員 県はそのように理解しておりません。関空のための特別枠とつくったわけですから、一般はそのほかのものに使ったわけでございます。
 この論争をしておりますと時間がなくなりますので、次の質問に移りますけれども、この関空二期工事でも大量の海砂の使用が予定をされております。私は、先ほどからるる申し上げましたように、瀬戸内の環境を明らかに破壊している、その瀬戸内の環境を破壊する瀬戸内の海砂を使うべきではないのではないか、このように主張したいわけでございます。
 代替材はほかにもございます。外海の海砂、これは環境に与える影響もそんなに大きくありません。また、山砂もございます。また、中国あたりでは、河口付近に川砂が大量にたまって、これは逆に処理に困っているというふうなこともございます。輸入砂という方法もあるわけです。多少コストはかかりますけれども、瀬戸内保全法で私たちが保全の義務を負っている瀬戸内の環境を破壊して関空二期工事をするということは、やはり許されないのではないかと思いますけれども、運輸大臣、いかがでしょうか。
○藤井国務大臣 お答えを申し上げます。
 今委員御指摘の第二期工事についてでございますが、この第二期工事につきましても海砂を調達しないというのが一番ベストな方法ではないかというのが委員の御主張の中心かとは思いますが、海砂を調達しないで関空の第二期工事を造成することは、これはとても現状では不可能であるということはぜひ御理解いただきたいと思います。
 そこで、二期工事の場合は、瀬戸内ばかりでなく、西日本全域において海砂の供給可能性のある各県とも調整を進めているところでございます。
 また、輸入もどうかというお話がございました。この輸入砂につきましても私どもは検討はしていかなければならないと思っていますが、これにつきましても、地盤改良工事、埋め立てのための先立つ短期間で施行する事業でございますので、安定的な調達が得られるかどうか、そういった点も十分考慮しなければならないとは思っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、この関西空港というのは、まさに騒音問題等々を考え海上に空港をつくる、こういうことであり、また、非常に軟弱な地盤を改良する必要があります。特に二期工事は一期工事よりもさらに水深が深い、また海底の状況もヘドロの状況ということでございまして、この点を代替材でかえていくというのも、量的に、いろいろな面でなかなか難しい面もございます。
 そういった点も十分我々としましては努力しながら、また、極力海砂の調達量を少なくすべく努力はしてまいりますけれども、しかし一方では、海砂を使用しなければならない、そういった現況についてぜひ御理解をいただければと思っております。
○斉藤(鉄)委員 関空のすぐ近くに瀬戸内海があって、そこからどんどん吸い上げて持ってくれば、それは安くて一番簡単でいい。しかし、それを許していたら、かけがえのない瀬戸内の環境が壊されてしまう。それでいいのでしょうかという問いをしているわけでございます。多少コストがかかっても、それは億か、何十億の単位かもわかりませんが、それで瀬戸内の生態系が守られ、環境が守られるのなら、国民全体にとってみれば安いコストなのかもしれません。
 総理にお伺いいたします。
 岡山の御出身でございますし、瀬戸内の環境を守らなくてはいけないということでは御認識、大変深いというふうに感じております。
 先日、竹原という瀬戸内のある小さな町のおじいさんが来られました。この方は大久野島の毒ガスの後遺症を持っていらっしゃる方で、その陳情に来られたのですけれども、その方が、最近竹原の海がきれいになったと。それは、広島県は、この海砂の採取は瀬戸内を壊すことになるということで全面禁止いたしました。全面禁止をしてから、海がこんな色だったのかとびっくりしたとおじいさんが言っていらっしゃいました。それだけ、海の色にまで影響を与えている。それから、魚が帰ってき出した、こういうふうなこともそのおじいさん、言っていらっしゃいました。
 私は、例えば、関空二期工事に海砂は使わないと決断するところから、新たな技術開発なり、代替材を求めていこうと。今、近くに安いものがあるからついそれを安易に使ってしまうということだと思うのですけれども、関空二期工事と、それから瀬戸内海の環境を守る、そういう意味で、海砂を今すぐやめろというわけにはいきませんでしょうけれども、将来的には採取をしないという方向に持っていくべきだ、このように考えますが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 今、議員の御質問を伺いながら、随分状況が変化したということを改めて感じております。
 実は、国立公園法の改正によって海中公園が認められましたときの私は厚生省の政務次官でございました。まだ環境庁創立の前でございます。そして、そのとき改めて、瀬戸内海に海中公園の適地がない、それだけ汚れが進んでいるということを知って、愕然といたしました。
 そして、その後、本院の公害環境特別委員会を中心に、それぞれの党の関係者といろいろな御相談をしながら、瀬戸内海の浄化を進める、今の保全法の前身のような議論をいたした時期がございますが、そのときの問題は、実は、海砂の採取ではなくて、埋め立てをどう規制するかということの方が問題として深刻でありました。
 そして、閉鎖性水域に近い瀬戸内海でありますから水の入れかわりが非常に時間がかかる、この透明度を取り戻すのにどれぐらいかかるかという議論をいたしたことを実は今思い起こしておりました。そして、むしろその当時は埋め立てが問題であった。今議員から、海砂の採取の影響というものを御指摘を受け、それだけの状況の変化を改めて感じておりました。
 やはり、環境保全計画を特別措置法に基づいてきちんとつくらなければならない、そしてその中に、採取に当たっては、動植物の生育環境の保全等に十分に留意するものとする、そうされているわけであります。現在実施されている環境への影響に関する調査結果などを踏まえながら、後代に継承するにふさわしい瀬戸内海、その環境保全が図られるように努力をしていきたい。
 問題はやはりその時期その時期に変化するんだということを改めて感じておりました。今、念のために法制局長官に確かめたのでありますが、たしかこの瀬戸内海環境保全特別措置法は議員立法だったはずだがと記憶を確かめましたところ、やはりそうでありました。こうした法律をつくりました当時と問題が全く異質になってきているのかな、今改めてそう感じております。
○斉藤(鉄)委員 ちょっと質問をした趣旨に対して直接お答えになっていないというふうに今感じたのですけれども。
 環境影響評価をして、海砂採取が瀬戸内の環境また生態系に影響があるということがわかれば、きちんとそれに対処していく、海砂禁止、また関空の二期工事にもこれを使わないという方向でやっていく、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○藤井国務大臣 斉藤委員の御趣旨は、私ども十分わきまえているつもりでございます。ですから、冒頭にも私お答え申し上げましたように、海砂を使わないというのが一番の理想の状況であることは、私もその認識には変わりございません。
 しかし、現実には、海底を埋め立てて、そして空港をつくるということになりますと、とりわけ関空の一期工事、二期におきましても同じでございますが、軟弱な地盤でございますので、それを改良、埋め立てするにはどうしても海砂が必要である。もちろん代替の材があればそれを利用することも検討をしますし、努力する。極力海砂を使うことを少なくするための努力はいたしてまいります。
 一方、瀬戸内海のみならず、西日本全体、コストの面、いろいろあるかもしれませんけれども、そういった他の地域からの海砂の調達も考えていかなきゃならない。それと同時に、輸入材、輸入の海砂ということも当然視野に入れていかなきゃならない。
 そういうことを踏まえまして、今後の二期工事におきましても極力海砂を少なくするための努力をしていく中で、しかし、現況を率直に申し上げれば、どうしても海砂を調達しなきゃならない、この点だけはぜひ御理解をいただきたいところでございます。
○斉藤(鉄)委員 瀬戸内環境保全のために、御努力をいただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 次は、補正予算の中の新社会資本整備、科学技術予算でございますけれども、きのうの時事通信発信の新聞にこういうのがございました。「ニュートリノ観測 予算削減で中断の危機」こういう記事でございます。
 御存じのように、ニュートリノ、これは素粒子、基本的な素粒子でございますが、これに質量があるかどうかというのは、物理の世界、天文学の世界で大変大きな論争があったわけでございます。この質量があるかないかによって、宇宙の始まりの様子、それから宇宙全体の質量、それから宇宙の寿命が変わってくる。物理の枠組みが根本から変わってくる大論争だったそうでございます。
 このニュートリノにどうやら質量がありそうだということを最初に見つけたのが、日本の東大宇宙線研究所のグループでございます。岐阜県神岡鉱山の地下深く、スーパーカミオカンデという大きな観測器でこの発見をしたということで、ノーベル賞級と言われております。
 私は、これは今後の宇宙観、生命観を変えるぐらいの発見で、日本が世界にした文化的な貢献、超一級の貢献ではないかと思います。アメリカのクリントン大統領も、この研究成果が発表されるや、いや、実はアメリカも研究員をそこに送って共同研究しているんだ、だからこれはアメリカの研究なんだとまで言ったぐらいでございます。
 これは非常に私うれしく思いましたのは、三年前、いらっしゃる尾身長官、それから中山太郎先生が中心になって、超党派で科学技術基本法をつくりました。基礎研究にこれから力を注いでいこう、そういう法律をつくったわけですけれども、その一つの成果だと喜んでいたわけでございます。
 また、橋本総理にとりましても、科学技術創造立国というその一つの成果として評価されてもいいと思うわけですが、この新聞によりますと、「財政構造改革で他の研究所などとともに経費が一律削減されたためで、このままでは一、二カ月間、運転を停止せざるを得ないという。「ノーベル賞級」といわれる研究に水を差すことになりかねず、米国の共同研究者からも予算削減に疑問の声が挙がっている。」また「同研究所の戸塚洋二所長は「税金で立派な施設を造ってもらったからには最大限活用するのが責務と思うが、今度は動かすなという。業績評価の結果ならともかく、努力して成果を上げても評価されず、一律で予算をカットされた」」こういう記事がありました。
 私は、ここに二つの問題点が含まれていると思います。
 まず、文部大臣にお伺いいたしますけれども、これほど評価の高い研究をしているところの研究費一律カットをなぜしたのか。
 また、今回、補正予算で科学振興ということが言われておるわけですから、科学技術振興という意味ではその手当てをする最大のテーマだと思うわけですが、なぜ補正で何も手当てをしなかったのか。このままいくとノーベル賞を逃してしまう、国家にとっても大変な損失になるわけですけれども、どうなんでしょうか。
○町村国務大臣 委員、極めてお詳しい分野の御質問でございます。私は、中身は率直に言ってよくわかりませんが、予算の関連についてだけお答えをいたします。
 今御指摘の東京大学宇宙線研究所、平成三年から八年にかけまして、約百四億円の建設費を投入いたしまして建設をしたものでございます。
 予算のことでございますが、平成九年度は四億八千三百万円、平成十年度は四億六百万円ということで、十数%の確かにカットになっております。これは、財政構造改革法によりまして、この財政構造改革期間中は国立大学の、国立大学特別会計になっているわけでありますが、この特会の予算を横ばいにするということが法律上明記をされてございます。
 その中で人件費等の当然増の予算がございますから、これはカットできません。ということは、裏返して言いますと、経常経費、例えば一教官当たり幾らぐらいの研究費とか、こういうものが経常経費であるわけでありますが、こうしたものは削減せざるを得ないということに相なってきたわけでございます。
 確かに、研究の重要度からしますと委員御指摘のようなことがあろうかと思いますが、しかし、ほかのいろいろな研究もございます。例えて言えば、文学部でも言語の研究でありますとかいろいろそういった基礎的な研究があって、これほどフットライトを浴びていないまでも、やはりそれはそれなりに重要な、文化系であれ理科系であれ、それぞれ重要な研究があるということで、文部省において重要度の判断をすることは極めて難しい、こういうようなことがあるものですから、結果的には一律カットということにならざるを得なかったということでございます。
 本年度、当施設、運転を停止の危険があるという新聞記事がございましたが、これはそういうことはございません。今年度じゅうしっかりと運転をいたします。また、来年度につきましては、予算編成でしっかりとした対応をまたしていきたい、こう考えております。
 なお、委員から補正でなぜ対応しなかったかという御指摘がございますが、補正予算の性格上、この種の経常的な経費というものはなかなか計上しづらかった。今回の景気対策という性格から見まして、この種の経常的な経費は非常に計上しづらいという制約がございましたものですから、特段の措置はしていなかったという実態にございます。
○斉藤(鉄)委員 評価をしていなかったという点についてはまた後ほど質問させていただきます。
 今回この補正予算の性格に合わなかったということでございますが、例えば科学技術庁関係予算を見てみますと、理化学研究所、宇宙開発事業団、科学技術振興事業団、海洋科学技術センター、科学技術庁試験研究所、日本原子力研究所、そして十月一日になくなる動燃にまで出資金を出しております。
 これは本予算と比べますと、各本予算の項目にそれぞれプラス、上乗せされただけ、本予算で本来やるべきだったものをちょっとプラスアルファでやったかなという感じでございます。どこに補正予算として組む理由があったのか、甚だわかりません。理解できません。
 また、総合経済対策では、この科学技術予算が新社会資本整備として経済構造改革の原動力になる、このように書いておりますが、このような総花的、一律プラスアルファ予算でどこが経済構造改革の原動力になるのか、御説明を願いたいと思います。
○谷垣国務大臣 今回の補正予算、総合経済対策の重点が、一つは科学技術の振興や情報通信の高度化にあるということはおっしゃるとおりです。
 今、斉藤委員は、通常予算の単なる上乗せにとどまるのではないかという御指摘がございました。
 もちろん、科学技術政策を振興していく立場からすれば、当初予算においても多ければ多いほどよい、多々ますます弁ずという気持ちであることは、間違いございません。しかし、全体の中で、これはもう委員よく御承知のとおり、科学技術の政策経費については、ほかのところは抑えていても五%ふやしていただいて、そうして全体の経済構造改革につなげていこうという大きな流れの中にこの補正予算があるということは、一つ申し上げられると思います。
 それと同時に、それだけだと、即効性があるかという御議論もあろうかと思います。今回、例えば、今動燃の予算についておっしゃいました。十月一日からは動燃は新しい組織に改編させていくということはこの間法案を通していただいたわけでありますけれども、たしか五十数億、動燃から新法人になれば、新法人に移行していく予算が今度補正予算の中についてございます。
 その中の主な部分は、実は、事故が起こりましてからいろいろ安全点検をいたしました。その中で、老朽施設で、本当はもっと早くやりたかったのだけれども、この補正でさらにそれを急速化させていこうということで取り上げさせていただきました。これは、そういう老朽になった設備をかえていきますと、いろいろな発注が出てまいります。それから、用地費などは余り要りませんから、リードオフタイムも短いということで、景気刺激にも効果があろうかと思っております。
 それから、今動燃でおっしゃいましたもう一つは、高レベル廃棄物の処理という問題がございます。この問題は、前々からうんとやらなければいけなかったわけでありますけれども、今度の動燃改革の議論の中で、高レベル廃棄物の処理をもっと加速させなければいけないということで、この補正予算でも、将来を見越していった場合にはここを加速させていく必要があるだろうと。
 ですから、私が申し上げたいこと、いろいろ申し上げましたが、総花的に当初予算につけ加えたというだけではなくて、全体に科学技術基本計画のもとで推し進めさせていただいている政策をさらに加速させていく、こういう考えで補正予算を私たちとしては提案させていただいた、こう申し上げたいと思っております。
○斉藤(鉄)委員 もう一つの問題点、先ほどのスーパーカミオカンデが提起したもう一つの問題点、評価ということについて総理にお伺いしたいと思います。
 先ほど文部大臣は、評価するということは我々にはできないのだと。ですから、一律カットもしくは一律配分ということが現実に行われております。私は、国立研究所、国立大学のそういう体質が、日本の今後の科学技術立国の一つの大きな障害になるのではないか、このように思っております。
 例えば、これは大学の例ですけれども、アメリカの場合、税を使って大学が研究をした、その結果から、例えば九四年、ちょっとデータが古いのですが、九四年の特許出願は三千四百四十七件でございます。これに対して、日本の大学は百二十四件、三十倍の差がございます。科学技術基本法ができた、研究の現場にお金は行くようになった。しかし、現実にはそれが重点配分をされていない。したがって、競争の原理が働かず、特許出願もない。
 私は、これからの日本の景気回復の原動力は、技術革新でなくてはならないと思っています。アメリカは、税金で行った研究がその技術革新の種、シーズを出して、それが今のアメリカの景気浮揚につながっているとも言われております。日本は、税金で出しても、それが景気回復の原動力になる技術革新としてあらわれてこない。これは、その根本原因は、評価がされていないから、そのぬるま湯的な研究環境にある、そこにあると言われております。
 この点に関して、日本の本当の意味での二十一世紀の景気回復、力強い景気回復をさせていくためにも、国立の研究所もしくは国立の大学がシーズを提供する、そういうふうに変えていかなくてはいけないと思いますけれども、先ほどのように、ノーベル賞級のところからも一律カットする、そういうふうなことではいけないと思うのですけれども、総理のお考えをお伺いします。
○橋本内閣総理大臣 議員が御指摘をいただいておる問題点そのものは私も十分理解できるつもりです。その上で、まさに議員も加わられ、科学技術基本法を御論議をいただくプロセスの中でも、第三者評価というものの位置づけといいますか、いろいろな角度からの御論議があったと承知をしています。
 私ども、今政府の立場におきましても、実はこれから行政改革を進めていきます中で、特に国立大学あるいは国立の研究機関、その相互のネットワークとともに、その研究の第三者評価というものをどういう形で取り入れればいいのか。これは、実はこれから議論をしていく上で非常に大事な問題点の一つであります。ただ、理工系の素養のない私、正直言いまして、どういう第三者評価のメカニズムというものが望ましいのか、率直に申し上げて、私自身には知識がありません。
 ただ、例えば学術会議の皆さんとお話をするとき、あるいはその他の場所で、どういうふうにすればできるのだろう、そして、既に自分の所属しておられる組織体の中に第三者評価のシステムを取り入れようとしておられる方々に対しても、その手法と、従来型のシステムの中にどっぷりつかっている方からの抵抗はどんなものかとか、そんなお話を伺いながら、模索をしておる部分でありまして、まさに、議員の論議を全く否定するものではなく、第三者評価のより具体的な点について何らかの助言をいただければという感じで、私は先ほどからの御論議を拝聴しておりました。
○町村国務大臣 今総理から第三者評価のお話がございました。
 ちょうど今、大学審議会及び学術審議会で、まさに委員が御指摘のその問題につきまして、一体いかにすべきか。大学審議会の場合は、もう少し、学部全体、学校全体のそうした自己評価及び第三者評価をどのようにして行い、どのように公表し、またどのような御批判を受けるかというそのシステム、場合によっては、私は、法律的にそのことを義務づけることも含めて視野に入れながら検討を依頼しておりまして、近々中間報告が出てまいります。
 それから、学術審議会の方では、今まさに言われた、個々の研究者に立ち至って、どういう研究というものがあり、それをどう本当に社会的にあるいは学問的に評価をすべきかというその評価のあり方ということ、まさに今委員が御指摘になったような問題を正面から今取り上げて、その答えを出すべく作業をしております。
 そのようなことで、その重要性、まさに今総理がお話しのとおり、認識をしつつ、今私どももその対応策を検討しているというところでございます。
 なお一点、特許その他、実際世の中にどのように役に立たせていくのかということにつきましては、先般、通産省と文部省の方で共同のような形で、そうした産学の連携、そしてその評価、あるいは特許というものをいかに効率的に世の中に生み出していくかという法律改正をしていただきました。あるいは、学内で第三者の機関が施設をつくって、そこで運営するという点につきましては、科学技術庁と文部省共同でこの国会でまた法律改正をしていただくというようなことで、現実の社会のニーズに合うような形の学内のシーズをどう現実化していくかということも着々と手は打たれてきつつある、十分ではないかもしれませんが、今後引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
○谷垣国務大臣 先ほど総理からも御答弁を申し上げたところでございますけれども、科学技術会議におきましても、評価の大綱的指針というのを科学技術会議の意見具申をもとにつくっております。今後とも、それをもっと充実させるようにやっていかなきゃならないと思っております。
 先ほどニュートリノについても御意見がございました。もうじきこれは町村さんのお役所と一緒になるわけでございますから、私たちも、こういう立派な研究がどんどん伸びていくような手だてを、できるだけ協力してその環境をつくっていきたい、こう思っております。
○斉藤(鉄)委員 経済の初歩の本に、経済成長は、資本の成長、労働力の成長、そして技術革新、こうありました。私は、今の日本に欠けているのはこの技術革新だと思っております。そのシーズを国立研究所や国の大学は提供する義務がある、その認識が今の日本の政治にないのではないか、このような気がいたしております。
 また、今回の補正予算を見ても、科学技術という柱が言われている割には、その思想が貫徹していないような気がいたします。きょうは、行政改革とこの技術革新ということを絡めて質問をしようと思っておりましたが、これはちょっと時間がなくなりましたので、次回に譲ります。
 以上、終わります。
○越智委員長 この際、上田勇君から関連質疑の申し出があります。斉藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。上田勇君。
○上田(勇)委員 平和・改革の上田勇でございます。
 きょうは何点か質問をさせていただきますが、初めに、私の方からは、ダイオキシンの問題について質問をさせていただきます。
 今度の補正予算ではダイオキシン対策費が約一千億円計上されております。私たち平和・改革も、これまで全国各地で、公明の地方議員の方々の協力なども得ながら、この問題の調査等に取り組んできたところでありまして、この点については、この補正予算、従来からの我々の主張に沿ったものだというふうに考えているところでございます。
 ダイオキシンの発がん性だとか生殖毒性など、非常に強いその毒性については、我が国だけじゃなくて、世界各国でかなり以前からいろいろと危惧されてきているものであります。特に、我が国の都市部の空気中の濃度というのは、世界の各国の標準と比べますと、極めて高い数値を示しておりまして、アメリカに比べて十倍以上、ヨーロッパ諸国に比べると数十倍の濃度がある、そういうような調査結果も出ているところであります。
 そこで、最初に総理にお伺いをしたいのですけれども、このダイオキシンの問題というのは、国民の健康、安全にかかわる極めて重要な問題でありますし、どうもこれまでの行政の対応というのは余りにも遅く、手ぬるかったのではないかというような感じがいたします。事が国民の健康にかかわる場合には、多少科学的に因果関係などがはっきりしていないというような点があったとしても、やはり行政としては安全側に立って、かつ迅速に対応することがその責任であるというふうに私は考えているわけであります。
 そこで総理に、まず我が国のダイオキシン汚染の現状及びこれまでの政府としての対応についてどのように認識されているのか、また、今後の取り組みについてのお考えをお伺いしたいというふうに思います。
○橋本内閣総理大臣 ダイオキシンの問題というものは、国民の健康あるいは生態系を保護するという観点から大変大事な問題であるという認識は従来から持ってきたつもりでありますし、施政方針表明の中におきまして、環境ホルモン問題などと並んで、この問題に対する、重要という訴えをさせていただいてまいりました。
 そして、基本的に、やはり我が国の場合に、リサイクルというものが暮らしの中に定着をしていないということ、そしてその上で、廃棄物の処理を燃焼処理に頼ってきているということ、これが他の国に比べて、議員御指摘になりましたように、大気中の濃度を上げている、そういう問題点は考えておかなければならないと思います。
 そして、平成九年八月に大気汚染防止法及び廃棄物処理法に基づく政省令などを改正いたし、昨年の十二月から、ダイオキシン類の排出についての法規制を導入いたしました。そして、廃棄物の焼却炉などからのダイオキシンの排出削減対策を進めております。
 今御指摘をいただきましたように、平成十年度の補正予算案におきましても、例えば廃棄物処理施設におけるダイオキシン対策あるいは全国的な環境モニタリング、さらに母乳を初めとする食品や人の汚染実態の把握など、総合的な調査を関係省庁が連携し体系的に進めていく。それぞれ、廃棄物におきましては七百八億円、こうした研究のために百七億円、こうした予算計上をいたしております。
 同時に、この五月に、WHOにおけるダイオキシン類の耐容一日摂取量が改定をされました。その内容につきましても検討した上で、それぞれの施策の充実に努めていかなければなりません。
 同時に、やはり、この問題を本質的に解決していこうとした場合に、我々の生活のサイクルの中に占めている発生原因となる化学製品のリサイクル、焼却処理によらない対応というものを皆が心がけていく必要性というものは、この機会を拝借して、改めて訴えたいと思っております。
○上田(勇)委員 今回の補正予算でダイオキシン対策が追加になっているということ自体は、私、大変結構なことだというふうに思いますし、むしろ、もっと積極的な対策が必要なくらいだというふうに理解しているわけであります。
 ただ、ちょっと私が疑問に思う点というのは、これは十年度の当初予算におきましては、このダイオキシン対策としましては、調査研究の費用は若干計上されておりますけれども、合わせて十億円程度にとどまっているわけであります。厚生省や環境庁など、これまでのいろいろな取り組みを見てきますと、一九九七年には厚生省が新ガイドラインを発表されたり、環境庁も五カ年計画、これも九七年に発表されております。そうすると、当然のことながら、九八年度、平成十年度の当初予算にもこれを計画的、積極的に対策を講じていくべきところであったというふうに考えるのです。
 ここでちょっとお尋ねしたいのですが、今回補正で追加したということは、非常に緊急性があるという、重大な問題であるという認識のもとに追加したということなのですが、この当初予算を編成したときには、その問題の重要さについての認識が今日と異なっておられたのか。当然、ことしに入っていろいろと、先ほど総理も幾つか報道されているようなことについて言及されましたけれども、そういう報道がふえているのは事実でありますけれども、事態はそれほど昨年から変わっていないし、厚生省や環境庁もいろいろなガイドライン、計画等を昨年発表し、また法律改正、規則等の改正も昨年行っている。
 もちろん、補正予算というのは、当初予算案を国会に提出した後に、予想できなかったことなどが発生した場合に計上するというのが大原則であるわけでありますけれども、当初予算ではわずか十億円程度しか計上していなかったのに、補正予算では一気に一千億円。この間、当初予算提出時には予想できなかったような変化があったのかどうか、その辺の認識をお伺いしたいというふうに思います。
○小泉国務大臣 当初予算においても、十億円じゃなくて、ダイオキシン対策措置経費として六百二十六億円を計上しております。
 本来、当初予算で措置するべきだというお考えだと思いますが、私もそれには賛成であります。お金の問題であります。補正予算で使っていいという額があれば、より有効な使い方を考えるということであります。
 私は、ダイオキシン対策のみならず、本来、ほとんどは本年度当初予算で計上した方が望ましいといえば望ましいと。
○大木国務大臣 ダイオキシン対策については、委員の方からもお話がございましたけれども、ある面では、科学的に十分まだ解明されていない面もあるわけでございます。そういう意味におきましては、科学的な調査研究というものは引き続き精力的に続ける。
 他方、今厚生大臣の方からもお話がございましたけれども、現実にダイオキシンが発生しておるわけですから、その主たる発生源でございます焼却炉からの発生というようなところについては、できるだけ早く措置をとりたい。
 ただ、今厚生大臣からもお話がございましたように、一遍に全国というようなことにはなかなかできないものですから、まずは、先ほどお話がございましたように、一応本予算で、当初予算で計上したわけでございますが、さらにそれを促進したいという意味におきまして補正予算をつけていただいた、それから、同時にまた、調査研究の方についてもさらに精力的に進めるための予算をつけていただいた、そういうことでございます。
○上田(勇)委員 厚生大臣からも、当初予算で計上できればそれは望ましかったということなんですが、もちろん、私は、これは国民の健康、安全にかかわる非常に重要なことであるので、決して優先度の低い事柄ではないというふうに考えているわけであります。
 多分、望ましかったけれどもできなかった、これは、財政上の制約と同時に、財構法でも、公共投資が対前年比七%減というキャップがかかっているわけでありまして、十年度の当初予算というのも、従来の予算編成と同じように、やはりどうしてもそれ以前の実績に基づいて算定されておりまして、ほぼ横並び一律カットというような形にもなっているわけであります。
 このように、国民の健康にかかわる重大な課題の一つであるにもかかわらず、やはり九年度の実績が少なくて計上できなかった。これは、やはりこの財構法というのが、どうも予算を余りにも硬直化させて、こうした問題についても迅速な対応を妨げるということになったとすれば、これは大変な問題であるというふうに感じざるを得ないわけであります。
 それで、今回は、これは補正予算で対処した。今回の補正予算というのは、大蔵大臣も、財政演説やこの予算の提案理由説明で、もちろん、これは当然のことでありますが、景気対策、経済対策がメーンであるというふうにおっしゃっております。そうすると、この補正予算で計上したこういったダイオキシン対策、これは来年度以降、もとのレベルに戻してしまうのか。それとも、私は、この問題というのは、健康、安全にかかわる問題なので、景気動向等のいかんにかかわらず積極的な予算措置が必要であるというふうに思うのですけれども、その辺について、お考えはいかがでしょうか。
○松永国務大臣 ダイオキシン対策の重要性、それは、委員と同じ認識を私は持っております。
 しかも、ことしになりましてから、特に四月以降あちらこちらでの調査の結果も出てきておりまして、これは緊要、緊急を要する大事な対策事業という考え方のもとに、補正予算の中で委員御指摘のように、追加した予算を計上した、こういう結果になっておるわけであります。
 十一年度についてどうするかという話でございますが、その重要性は、先ほど申したとおり、委員と私、同じ認識を持っておりますが、いずれにせよ、十一年度のことは、この八月の概算要求のときから暮れにかけての間によくよく審査をして、そして必要な予算はきちっと計上しなければならぬというふうに思っております。
○上田(勇)委員 次に、冒頭総理の御答弁の中でも、五月末にWHOの専門家会合で、耐容一日摂取量、TDIというのですか、健康を守るのに一日当たり人間が摂取する限度の量ということでありますけれども、現行の体重一キログラム当たり十ピコグラムから、一から四ピコグラムに大幅に引き下げるという結論に至ったということが公表されております。
 現行の日本国内でのTDIの基準というのは十ピコグラムであるわけでありますが、今回のWHOの基準値の見直しに伴いまして、国内のTDI、またそれを基礎にいたしまして決められていますいろいろな諸基準、こうしたものも早急に見直す必要があるというふうに考えます。
 特に、廃棄物焼却施設からの排ガス中のダイオキシン濃度等の基準は、やはりこのTDIをベースに決められているというふうに理解しておりますので、こうした基準も含めまして早急に見直すべきだというふうに考えますが、その辺について、これは厚生大臣それから環境庁長官、それぞれ御答弁をお願いいたします。
○小泉国務大臣 WHOの専門家会合において、耐容一日摂取量として、コプラナPCBを含め、体重一キログラム当たり一日一ピコグラムから四ピコグラムの範囲とされましたけれども、これは、どうして一ピコグラムから四ピコグラムという幅を持たせた基準量であるのか、あるいは今までとどのような違いが出てきているか、いろいろな問題があると思いますが、厚生省としては、現地に行った調査員から報告を聞きまして、この報告をもとに、専門家会議で検討したいと思っております。
 現に、生活環境審議会とか食品衛生調査会等、その調査の報告を専門家の間で議論していただきまして、しかも、その会議は公開で議論していただいております。その結果を踏まえて、適切な措置を講じていきたいと思います。
○大木国務大臣 既に厚生大臣からお話がございましたけれども、環境庁としても、今回のWHOの一から四というかなり幅のある数字が出ておりますから、それが一体どういう意味で、どういうふうに適用するつもりであるかということも十分調べまして、日本側で従来五とか十とかいう数値を出していろいろと規制をしておるわけでございますが、それとの関連をきちっと明確にした上で、必要があればまた対策を、関係省庁とも協議しながら進めてまいりたいと考えております。
○上田(勇)委員 明確な方針は今両大臣からはお示しいただけませんでしたけれども、私承知しているところでは、日本の疫学上の研究というのですか、医学的な研究というのは、アメリカ、ドイツ等に比べて、スタートが遅かったこともあって、余り蓄積がなく、ある意味ではおくれているというのが一般的な評価だというふうに理解しております。
 研究のレベルの進んでおります、そういった欧米の専門家が集まった会合で決まったわけでありますし、我が国からも厚生省、環境庁からその会議に参画した、その結論なわけでありまして、そういう意味では、やはり非常に深刻に受けとめなければいけない点であるというふうに思うわけであります。
 冒頭も申し上げましたが、やはりこれは国民の健康にかかわることなので、科学的に十分立件できていないとか、あるいは国内でももっと専門家で議論しなければいけないとか、そういった悠長なことを言っていられるようなことではないのじゃないかという気がいたします。
 今申し上げましたように、医学的には、あるいは疫学的な問題としてはアメリカ、ヨーロッパの方が進んでいるということでありますので、その結論を踏まえて、直ちにそういう見直しを行うべきであるというふうに私は考えているんですけれども、どうも今のお話では、これから国内の専門家の議論や審議会等の議論を経るということなのですが、そうした結論というのはいつごろまでにお出しになることを考えられているのか、お伺いしたいというふうに思います。
○小泉国務大臣 欧米に比べておくれていると言っておりますが、必ずしもそうじゃない。諸外国のダイオキシン類の耐容一日摂取量については、イギリス、オランダ、スイス、カナダなどにおいては、我が国と同じ、体重一キログラム当たり一日十ピコグラムという値を採用していると聞いております。また、アメリカにおいては現在検討中である。
 という中で、今回WHOの会議であのような議論がされた。でありますので、その会議がどのようなものであったのか、基準について諸外国はどういうものか、日本の専門家を交え、あるいは外国の機関とも連携をとり、各省庁連携をとりながら、できるだけ早く適切な措置をとりたいということでございます。
○上田(勇)委員 私は、行政の対応がいわゆる基準のつくり方だとかが欧米と比べておくれているというわけじゃなくて、一般的に言われているのは、そういう医学的だとか疫学的な研究、そういったものが、蓄積が欧米に比べると少ないというふうに聞いておりましたのでそういうことを申し上げたわけでありまして、決して、現行の基準が特に国民を危険にさらしているとか、そういう意味で申し上げたわけではないのですけれども。
 ただし、会合の意義がどんなものであったかだとか、そういうような議論というのは、これは日本からも参画しているわけでありまして、もう重大な問題であれば当然それぞれ厚生省、環境庁の専門家でも議論を開始されておるでしょうし、重要なことについてはもう既に大臣にも御報告が上がっていることだというふうに思っておりましたので、これからの作業はどうするのかということをお尋ね申し上げたわけでありますが、どうもまだその議論のスケジュールにおいてすら、あいまいというのでしょうか、まだ決まってないというようなことであったのは非常に残念であるというふうに言わざるを得ません。
 もう一つ、ダイオキシンの問題で、このダイオキシンというのは、人間の体内に入るものというのは、大部分は魚介類、畜産物などの食品を通して摂取されるというものであります。厚生省でお示しいただいた資料によりましても、私たちは、近くに焼却施設などがない、ごく一般的な普通の環境下においても、食品から五・九ピコグラムのダイオキシンを摂取しているという資料をお示しいただきました。これはどうも、五・九というのは、先ほど言ったWHOの一から四をもう既にこれだけで上回っておるのですけれども、これについてもやはり何らかの対策が必要なんじゃないかというふうに思います。
 欧米では、一部の食品についてダイオキシンの濃度、ダイオキシンがどれだけ含まれているか等の安全基準を設けている例もあるというふうに伺っておりますけれども、我が国では今のところ、基本的にそういった食品衛生上の基準はないわけであります。この点についても、そうした安全基準を設ける方向で検討を開始すべきであるというふうに思いますけれども、厚生大臣、いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 ダイオキシンがどのように発生するか、一様じゃないんですね。サンマ塩焼きでもダイオキシンが出る、焼き鳥焼いても一緒にダイオキシンが出る、もちろん焼却場からもダイオキシンが出る、これはなかなか一様じゃない。だからこそ、専門家からいろいろ聞いて、どの程度が安全なのかしっかりと調査が大事だ。
 しかし、このダイオキシンというものは恐ろしい物質であるし、人体のみならず環境に非常な影響を及ぼす問題でありますから、深刻に受けとめて、今後とも適切な措置を講じなきゃならないということで、今鋭意取り組んでいるところでございます。
○上田(勇)委員 いや、サンマを焼いても焼き鳥焼いてもダイオキシンが出るんだ、それは当然なのでしょうけれども、これは環境庁か厚生省かちょっとわかりませんけれども、いただいた資料では、もう既にその辺、発生源についてはかなりはっきり特定してきておりまして、一般廃棄物や産業廃棄物の燃焼工程でもうほとんど八割から九割だというのを発表されているのですけれども、別に、どうもサンマや焼き鳥はここに入っていないのですがね。そういう意味では、かなり研究はその点では進んでいるのでしょう。
 ですから、私がお尋ねしたのは、そうした対策が重要だ、同時に、それが一たん食品に蓄積されていって、食品から摂取される可能性が、経路もそれが最も多いのだというふうに、これも厚生省からいただいた資料で書いてありますので、その最も大きな、人間の体の中に入ってくる食品について基準を設ける必要性があるのではないのですかというふうにお尋ねしたのですけれども、もう一度御答弁をお願いします。
○小泉国務大臣 そのような基準を含めて、適正な措置をとるべく今検討しておるところであります。
○上田(勇)委員 私、厚生省からいただいた資料に基づいて御質問をしているのに、サンマから出るだとか焼き鳥屋から出るとかと言うのは、この問題に対する厚生省の体制、ちょっと余りにも不見識ですよ、本当に。厚生省からも、八割から九割は一般廃棄物や産業廃棄物から出るというふうに言われている、なおかつ、それが経路として食品から摂取されるのだ、だからこの問題は重要だというふうに申し上げているのに、ちょっと余りにも、今のはこの問題に対して政府の姿勢は軽視し過ぎるということで、本当に、非常に残念でなりません。
○小泉国務大臣 私は事実を申し上げているのです。認識の程度については、深刻に受けとめると言っております。誤解しないでいただきたい。
○大木国務大臣 多少私の立場からも、役所の立場からも御説明させていただきます。
 発生源につきましては、今厚生大臣が言われましたように、明確にわかっておるのは、特に日本におきましては、先ほども総理のお話にもございましたけれども、焼却炉から発生するというのが非常に多い。それは確かに八、九割でございます。
 ただ、そのほかにも、例えば灰が土の中に入りましてそれからだんだんに、あるいは土そのものから、あるいは水を通じて、そしてだんだんに先ほどのいろいろな食物の方に影響を及ぼす。それは、魚の場合など、まさしくそういう経路があると思うのであります。
 しかし、これもやはり本当に非常に健康に害があるというような状況になるためには、相当反復して同じところで同じ魚なら魚を摂取しなければ、そこははっきりと数字を検討しまして、人体に危ないのだということがはっきりしない前に、いきなり警戒警報というようなことを出すのは多少問題があると思いますから、まさしく厚生大臣も言われましたように、その辺のところをきちっと調べて、その上で適切な対策をとると言っておられるわけでございますから、私の方としましても、今、空中の問題ばかりではなくて、土を通じてあるいは水を通じて、どういう経路でどういうふうにそれが蓄積されるか、特に食物の中に、例えば魚にどういうふうに蓄積されるかというふうなことをきちっと調べて、その上で措置をとりたいと考えております。
○上田(勇)委員 どうも、厚生大臣、環境庁長官、御答弁いただいたのに、私はこの件についての研究が我が国はおくれているのではないですかと言ったときに、決しておくれていませんということであったのですが、今のでは何もわかっていないではないですか。何もわかっていないとおっしゃっている。
 だから、もっと積極的に研究しなさい、研究していただきたい、それもスケジュールを早めていただきたいということを申し上げたわけでありまして、最初、いや、我が国は結構やっているのだというのは、どうもちょっと相矛盾するような発言になってしまったのではないかというふうに思います。
 それで、総理も冒頭お話をいただいた中でこの問題についての重要性は御認識をお示しいただきましたので、ひとつこの問題、これからスケジュールを検討するというようなことではなくて、タイムスケジュールも含めまして、ぜひ早急にこの問題に取り組んでいただきたい、このことを御要望したいというふうに思います。
 この問題については、さらに、実は一つ例として、現在、私の地元の米軍の厚木基地でもこのダイオキシンの問題というのが非常に大きな問題になっているという記事が先般載っておりました。このことについても若干お尋ねしようと思ったのですが、ちょっと次もありますので省略いたしますけれども、これは、いわばこのことが、米軍基地に住んでおりますアメリカ人の環境意識と、それからやはり我が国の行政の対応、この差を本当に如実にあらわしていることではないかというふうに考えましたので、ちょっとそういったことがあるということだけを御紹介して、次のテーマに移らせていただきたいというふうに思います。
 次に、みどり銀行の救済スキームについてお伺いをしたいというふうに思います。
 このみどり銀行、九五年に経営破綻いたしました兵庫銀行を引き継いで設立された銀行でありますが、それからわずか二年余りで再度破綻に至りまして、今度、阪神銀行が来年の四月をめどに救済合併する方向での調整が進んでいるというふうに伺っております。その際には、報道によりますと、五千億ないし六千億の公的資金が投入されるということであります。
 ここに至るまでの経緯を振り返ってみますと、一九九三年度に旧兵庫銀行の経営悪化が表面化いたしまして、同年、元大蔵省銀行局長がトップに就任して立て直しを図りましたけれども、結果的には抜本策は見送られて、九五年の八月に破綻に至っている。このとき、報道によりますと、大蔵省、日銀から支援を要請された銀行首脳が、再建は困難であると指摘したにもかかわらず、聞き入れられなかったということも言われております。
 九五年十月にはみどり銀行が設立され、業務を引き継ぎました。このときも大蔵省からは、それから日銀から、それぞれOBの方が代表権のある常務取締役に就任して立て直しを図った。その際、預金保険機構から四千七百三十億円の資金が贈与されております。そのときに公表された兵庫銀行の回収不能債権というのが、その前の大蔵省の検査よりは若干大きくなりまして八千百億円でありましたけれども、当初から金融専門家などの間では、不良債権はこんなものではなくて、もっとずっと多いはずだという疑問も、これは各種報道に出ているところであります。
 また、この十年間の再建計画というのも、業務純益の見込みが甘過ぎるとの指摘も多く聞かれましたし、みどり銀行は、どうも設立当初から早晩その十カ年の再建計画が破綻するということが予期されていたのではないかというふうに思われます。結局そのとおりになりまして、設立後二年余りで再び経営困難に陥って、今回の救済スキームでは五千億ないし六千億円の公的資金が投入されるのではないかと。どうもこの経緯をたどってみますと、結局過去に二回、不良債権の実態を正しく公開することがなくて、抜本的な解決を先送りして傷口がどんどん広がっていった。結局は五千億円もの巨額の公的資金を投入することになってしまった。
 大蔵省、日銀が、経営陣にそれぞれOBを送り込みながら、これは本当に、こうした経緯を振り返ってみますと、わざと、知っていながらこうしたことをやった。まさに、本当に誤った判断を繰り返しまして、結局国民に莫大な損害を与えることになった。これは極めて重大な責任、まさに、本当に犯罪にも等しいような責任があるというふうに思われますけれども、この点について、大蔵大臣、いかがお考えでしょうか。
○松永国務大臣 今までの経過は委員御指摘のとおりだと思います。
 まず第一に、大蔵省の役人が旧兵庫銀行に行ったということなんでありますが、これはよく聞いてみますというと、この銀行は長谷川さんという人がワンマン社長でやっておったようでありまして、それがバブル時代等を含めて、放漫経営をやったがために大変厳しくなった。それを立て直すために、ひとつしかるべき人を出してもらいたいという銀行側からの要請を受けて、吉田氏が兵庫銀行に行ったという経過のようであります。
 そして立て直しに努力をしておったわけでありますが、あの阪神・淡路大震災が平成七年一月十七日に起こりまして、そしてその後、その影響もあってさらに経営が厳しくなったわけでありますが、その後八月になりますというと、もう継続が困難、こうなってきたわけであります。
 そのときにどうすべきかという問題ですね、一番目の問題の処理の仕方は。その当時は、預金保険法の改正がなされていないときでございました。その時点で預金は二兆三千億ぐらいあったのですね。したがって、預金保険法が改正されていませんから、預金者は一千万しかこの払い戻しが受けられないということになるわけでありまして……(発言する者あり)いや、そうなるのです。資産があれば別ですけれども。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○松永国務大臣 そこでこれをどうするか。もしそういう事態になれば、その地域の預金者に対して非常な不安を与えることになりはせぬか。同時にまた、震災からの復興のために資金の融資もしていかなければならぬわけでありまして、そういったことから、その時点でこの兵庫銀行をつぶしてしまうということは適当でない。
 むしろこの機会に新しい受け皿銀行を見つけようとしたけれども見つからなかった、さすれば急いで受け皿銀行をつくって、そこに事業を承継させる形でやった方が預金者の保護にもなるし、あるいはまた地域の復興のために、これは融資をしていかなければならぬわけでありますから、そのためにも、これはつぶしてしまうのじゃなくして、受け皿銀行をつくってそれに引き受けさせるということが適当、こういう判断でみどり銀行が設立されたというふうになっておるわけであります。
 それは、このみどり銀行の設立については、地元の経済界も賛成をしてくれまして、地元の経済界の出資、それから全国の銀行からの出資等々でスタートしたわけであります。普通、受け皿銀行に破綻をした銀行を承継させる場合には、いわゆる不良債権、劣化した債権は引き継がずに、優良債権だけを引き継ぐというのが一般の例ですけれども、この場合にはそれをすることもできないだろうということから、もともと劣化している債権も引き継いで、そしてみどり銀行がスタートした、こういう経緯があります。
 問題は、その平成七年の、事実上兵庫銀行が経営継続不能という状態になったときに、その時点で破綻させてしまった方がいいのか、それとも、とにかく急いで受け皿銀行を見つける、あるいはつくったりして承継させた方が、地域の不安を起こすことなく進めていくためにいいのかという判断に立ったわけでありますが、当時の、あの震災が起こって半年もたたない時点であるということを考えれば、あの時点における判断は、私は誤っておったというふうには言えないだろうというふうに思います。
 その後、二年たたずして再びこういう事態になったことは大変残念なことでありますけれども、やはり、その後のあの地域の経済の落ち込み、それからまた土地価格の下落等々の影響で、破綻に近い状況に陥っておるわけでありまして、これは、新しい法律に基づいて、阪神銀行を受け皿銀行として吸収をさせるということで処理をする方針になったわけであります。
 まあ、流れを見ますというと、全体的にはこういう判断がやはり適切だっただろうというふうに私は見ております。
 なお、みどり銀行の代表権を持った人たちは、引き継ぎが終わった段階でお引きになる、やめられるというふうな話は聞いております。
○上田(勇)委員 いろいろな経緯、若干意見の一致しない部分も多くて、やはり最初の再建計画にかなり無理があったもので、十年間でみどり銀行の業務純益で一千八百億円の不良債権を償却するといったのは、どうもこれは評価それから情報公開についても問題があって、もともとスキームに問題があったというふうに私は思うのです。
 もう時間がわずかになりまして、最後にちょっと今回のスキームについてお尋ねしたいのですが、今回のスキームは、公的資金を投入することが前提となっております。もちろん、経営陣の経営責任、先ほど言及されましたが、これを明らかにするのは必要なんですが、この救済合併によって、私は、みどり銀行に出資しております株主の責任が非常にあいまいになるのではないかという気がいたします。
 本来、やはり公的資金の投入をする前には、株主には、有限責任において、出資したものについては全額放棄してもらうというのが法律上の原則ではないかというふうに私は考えるのです。もちろん、公的資金というのは国民の税金でありますので、自己責任を持って出資した方々、しかもそのほとんどが、株式の割合でいえば九割近くが金融機関の所有であります。当然、経営判断に基づく自己責任で判断できた、それで出資した人たちだと思うのですけれども、ここの全額の負担を求める前に公的資金を投入するということについては、私は甚だ疑問に思うのですけれども、その辺についてはいかがお考えですか。
○松永国務大臣 みどり銀行を設立する場合の出資金の話でございますが、これは先ほども申し上げましたけれども、阪神・淡路大震災が起こって一年もたたない時期において、何としてでもあの地域の経済的な混乱を最小限に食いとめなければならない、それから、受け皿銀行をつくって、そこに預金も引き継がせることによって預金者の不安も解消しなければならぬ、そういうことから、地元の経済人それからまた全国の金融機関等々に出資をしてもらってできたみどり銀行であります。
 したがいまして、経済人としての利益があるとかないとかという判断で出資したお金ではなくして、やはりその地域の安定のためにということでの出資であったということを考えますと、一般の出資とは少し違った考え方に立たなければならぬのじゃなかろうか。一般の会社をつくって、そして先行きいいから出資するという形での出資ではなくして、今申したような、地域の金融不安を引き起こすことは何としてでも避けなければならぬということからの出資であったという点は、これは一般の出資とは異なる面があるというふうに私は理解をし、また判断をしております。
○上田(勇)委員 一般の出資と違うというのは、これは大蔵省、日銀が主導になって、奉加帳方式で要請して、それぞれ割り当てて出させたからということではないのですか。それぞれの金融機関なり地元の企業の人たちも、これは当然、それぞれの企業においてそれぞれの企業の株主に対する責任を持っているわけでありまして、その上で、その経営判断なくして出資したなんというのは、今度はそちらの方が問題じゃないのですか。
 それが、大蔵省、日銀主導で行わせるといったことは到底考えられないことであって、これは、それぞれの会社の株主に対する判断に基づいた経営判断で出資に応じたというふうに考えるのが、法律上も、また常識的にも当然でありまして、それの解決なしに、私は公的資金を投入することは認められないというふうに思います。
 これについては、最後、もし何かありましたらお答えをいただいて、終わります。
○山口政府委員 一つ事実関係を御紹介させていただきたいと思うのでございますが、みどり銀行の経営悪化の主因をよくよく見ますと、それは、旧兵銀時代から引き継いだ損失と引き継いだ不良債権のロス化がほとんどでございます。これは、当時金融三法がございませんので、どうしても、新しい銀行を設立し、そのときにペイオフコストを超える部分は引き継いでもらわなければいけないという事情があったわけでございます。そういったことで、この株主の問題につきましても、大臣から御答弁申し上げたような措置が適切かなという感じがします。
 なお、加えて言いますと、今度は合併でございますので、合併比率という問題が出てきます。今のところでは四対一ぐらいの感じのようでございますが、いずれにせよ、みどり銀行の株主、これはそういった意味ではかなりの負担を結果的には負うということになるわけでございます。
○上田(勇)委員 もう時間ですけれども、どうも今の御説明は全く納得できませんし、公的資金を投入することは、このスキームでは私は認めることはできない、このことを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。
○越智委員長 これにて斉藤君、上田君の質疑は終了いたしました。
 次に、北沢清功君。
○北沢委員 社民党の北沢でございます。
 まず、今回の補正予算について、いろいろ御論議も批判もありますが、我が党としては全体としては評価をしております。
 その内容は、定額方式による特別減税の継続によって年内に合計四兆円の減税が実施されるし、また来年度においても二兆円の減税が実施されることになっております。そして、減税の恩恵を受けない高齢者、障害者に対しては、千六百億円の臨時福祉特別給付金を支給されることになっております。中小企業投資促進税制の創設や住宅取得促進税制の拡充も図られましたし、また今も御論議がございましたが、ダイオキシンや環境ホルモンに対する調査研究、排出抑制等も措置をされております。
 しかし、全体として不満の点がないわけではありませんので、以下の点について御質問をいたしたいと思います。
 まず最初に、先ごろ行われましたインド、パキスタンの核実験への対応についてお尋ねをいたします。
 核の拡散を防ぐということ、広島、長崎の悲願ともいうべき核廃絶とは全く逆行したこのたびのこのまことに残念な事態に対して、一被爆国としての日本の対応としては、私としては歯がゆく感じましたことを禁じ得ません。独自の、日本でなければできない、また、核保有国に対する追従的な立場ではなく、やはりこのことを私どもは迫っていかなければならない、私は、日本の大きな方針がなければならないと思います。
 外交的な役割があると考えますので、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○小渕国務大臣 先週金曜日に、当委員会の御了解を得まして、ロンドンにおけるG8の緊急の外相会議に出席をいたしてまいりました。その中心をなしましたのは、言うまでもありませんが、インド、パキスタンの核実験に対して、G8としてどのように対応するかということでございました。本件につきましては、既にP5におきましてもジュネーブで会合をいたしまして、その後、国連におきまして、スウェーデンとともに我が国がイニシアチブをとりまして、安保理における決議を成立せしめることができました。
 そこで、委員お尋ねのように、我が国が唯一の被爆国として独自な行動をできる限りとることによりまして、全世界に向かって我が国の立場を主張していくべきだということは、全くそのとおりだろうと思います。
 今般のこのロンドンにおける会議におきましても、先般、総理からも既に本院におきましてお話しされております有識者による緊急行動委員会、こういうものを我が国の提案で実施していきたいということにつきましては、それぞれの国も理解を示しておるところでございますし、また、日本が提唱いたしまして、タスクフォースをこのG8の中につくっていくべきだ、こういうことでございます。
 G8のときに、これは、たまたま昼食会でございますが、いわゆるG8以外の、核に対して極めて関心の深い国々を主催国イギリスが招待されておりました。その中には、アルゼンチン、ブラジルを初めといたしまして、南ア、いわば核をかつて開発をしようと試みたと言われているような国々でございまして、そうした国々が国の意思によって核開発を行わないという強い意思を示しておる、すなわち我が国と同様の考え方でございますので、そういう国々とも相協力しながら、G8とともに事を進めていくとともに、そうした世界の世論形成もしていかなければならない。
 そういうことで、私自身も三十カ国に手紙を差し上げまして、ぜひ一緒に考えていくべきではないかということでございまして、五つの核保有国に対して、できる限りの核削減に対する現実的な対処につきましても、我が国としては強く主張いたしておるところでございます。
 たまたまロンドンにおきましてプリマコフ外相とも会談する機会を得ましたので、御案内のように米ロの間におきまして、STARTIIにつきましてまだロシア側としてもこれを批准いたしておらないということでもございますし、さらにSTARTIIIの問題にもかかわっておることでございますので、そういった意味で、いろいろと御批判はあろうかと思いますけれども、我が国としてはできる限り、いろいろな場所におきましてイニシアチブをとらせていただきまして、核の廃絶、核不拡散の問題について、全力で努力をさせていただいておるところでございます。
○北沢委員 外務大臣の大変な御労苦に対しては敬意を表したいと思いますが、やはり今の世界的な核政策というものは、いわゆる核不拡散ということではもう対処できないというのが今回のインド、パキスタンの実験だろうというふうに私は思います。
 したがって、これからのこの問題の解決というのは、やはり核軍縮や究極の核廃絶に向けて積極的に呼びかけなければならないし、また、先ごろの九日にスウェーデンだとかアイルランド、南アフリカ等のいわゆる非核の八カ国が共同声明を行った中にも、そのことを強く訴えておるわけです。
 ですから、そういう意味で、このことは我が国の果たすべき役割としては非常に重要な役割でありますから、今言われた御答弁をさらに積極的に今後も取り組んでいただくように、私から要請をしておきたいと思います。
 その次は、雇用問題でございます。
 雇用問題については、最悪の、失業率は四%を超えるわけでありまして、実はアメリカの失業率の四・三%に匹敵する数字であります。雇用調整助成金や特定求職者雇用開発助成金の拡充が図られたわけでありますが、このことは評価をしております。
 今回の事態はもはやこれを超えて起こっておりまして、政府としての抜本的な雇用創出策が求められておりますが、そのことについて、政府の対策をお伺いいたしたいと思います。
○伊吹国務大臣 ただいま委員が御指摘になりましたように、景気の状況を受けまして、雇用状況は非常に深刻になっております。そこで、補正予算を組みましたときには、当時連立与党でございました御党の御示唆もあり、雇用対策という一項目を総合経済対策の中に起こしまして、それを受けて実は補正予算を作成したわけでございます。
 しかし、その後、今お話がございましたように、四月の失業率が四・一%になるなど、現下の雇用状況はまことに、さらに厳しさを増してきております。そこで、雇用対策本部を総理のもとに開催をいたしまして、政府一体となって、この本予算と補正予算の実施について、地域、業種、年齢層別の雇用失業状況に対応できるように、今ブロック別に状況を把握し、またそれに合うような予算配分をしていきたいと考えておりますし、なお、長期的には、やはり規制緩和、技術開発等を通じまして新しい雇用の受け皿であるニュービジネスをつくっていく。中長期的、短期的、双方の政策のバランスをとりながら、御指摘のような危機感を持って進めてまいりたいと考えております。
○北沢委員 私は、雇用問題というのは、今の景気を、不況を離脱するという面では大変な役割を担っておるわけであります。したがって、このことには、今後も特段のひとつ総合的な、有効な施策を進めていただくことを要請いたしたいと思います。
 次に、公共投資でございますが、今回の補正予算は確かに過去最大の規模でありますけれども、対策の項目が非常に多岐にわたって、もっと対策を重点的に絞って、めり張りのきいた大胆な対策を打たないと、景気対策の効果は薄いのではないか、そういう意味で、効果の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。
 また、環境や福祉、雇用、中小企業、情報の各分野の配慮をされているとは申しますけれども、従来の域を脱しているとは思われないわけでありまして、各省庁の、しかも各局ごとの要求項目を並べればそれでいいというものではないと思うわけでありますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○尾身国務大臣 経済の現状、最終需要の停滞の影響が生産や雇用、ただいまの失業率等にあらわれております。そういう実体経済にまで及んでおりまして、非常に厳しさを増しているというふうに理解をしているところでございます。
 そこで、今回、この総合経済対策を取りまとめましたところでございますが、いわゆる社会資本の整備あるいは減税等の施策によりまして十六兆円を超える規模の総合対策を行い、需要喚起を図っているところであります。
 それから二つ目は、規制緩和とかあるいはベンチャーを育てるとか科学技術の発展、情報通信の発展等を通じまして、中長期的に雇用の増大を図る経済構造対策を進めているところでございます。
 三つ目が、いわゆる景気の足かせとなっております不良債権の処理を進めるトータルプランを強力に進めまして、銀行の体質を改善強化するという対策をとっているところでございます。
 そこで、先ほどのお話の社会資本の整備等についてでございますが、特に情報通信の高度化とか、あるいは物流とか、科学技術の振興とか、福祉、医療、教育等、二十一世紀に向かいまして経済を体質改善強化する。さらには本当の意味で国民生活の向上、安定を図るというところを重点にいたしまして、めり張りのきいた対策を講じ、単に一過性のものでなく、つまり需要喚起的なものだけではなしに、サプライサイド、供給サイドにおきましても全体の構造を改革していく。それによって、中長期的に日本経済全体の向上を図り、雇用の確保を図ってまいりたい、そのような考え方で対策を講じているところでございます。
○北沢委員 ただいまの御答弁ですが、私は、この深刻な不況を克服して、なおかつ二十一世紀に向けてどのような事業なり、またどのような二十一世紀に資するものにするかということは、ただ単なる減税ばかりではなくて、今大臣の言われる点では重要な点があると思います。
 そういう中で、特に私どもこの予算の編成の中で、これからの経済対策というのは、従来のようないわゆる大規模公共事業による景気刺激策ではなくて、環境や福祉や情報などの各分野を重視して、その効果が家庭や個人レベルにまで及ぶようなものにすべきだというふうに考えておりまして、今回の補正で我が党は、中小都市や過疎地域の各家庭三百万世帯に対しまして、予算規模としては五千億円に相当するテレビ電話やパソコンを無償で貸与することを要求してまいりました。
 しかし、テレビ電話やパソコンの各家庭への貸与は、建設国債の対象事業にはならないという財政当局の主張によって、実現をすることができなかったわけであります。結局補正予算では、市役所であるとか公民館、学校等に設置をする予算四十一億円が計上されただけであります。
 これでは、抜本的な景気浮揚やニュー事業といいますか、そういうものにはならないわけでありまして、そこで私は、具体的な例として、福島県の葛尾村というところがございますが、この村はこの四月から、テレビ電話を全戸四百七十三世帯に導入して、試験的に行政サービスが行われております。
 この電話の普及で、保健婦がテレビの画面を見ながら、お年寄りに健康面のアドバイスをしたり、若い母親に対して子育ての相談に乗ったり、不登校児への登校の呼びかけなどが行われまして、また各家庭からは、行政案内や各種サービスや買い物、娯楽など、さまざまな映像と情報が呼び出せるような仕組みになっております。したがって、このテレビ電話の設置によって村は非常に活況づいて、実は、周囲の村や町から設置の問い合わせが後を絶たない状況だということであります。
 このテレビ電話の設置が、福祉対策にもなり、教育対策にもなり、また、村の活性化になり、景気対策にもつながるという意味で、三重、四重の効果を上げておるわけでありまして、二十一世紀に向けて求められている対策とは、まことにこのような対策ではないかというふうに考えますが、これについての御見解をお伺いいたしたいと思います。
○松永国務大臣 今委員のおっしゃったような事業も、国民の福祉の向上につながるものというふうに私自身は思いますけれども、ただ、今回の補正予算は、極めて限られた財源、特に建設公債を発行しての事業が中心でございましたので、建設公債の発行対象事業については、財源の関係からいって実行することができなかったわけであります。
 建設国債の発行対象事業、これをどうすべきかということについては、いろいろ議論があることは承知しておりますが、やはり財政法四条の精神からいって、世代間の負担の公平という観点、それから対象事業が無制限に拡大してしまいはせぬかというおそれ、こういったことから考えて、後世代の人の利用できるような、そういう事業に限るのが財政法四条の解釈としては妥当であるという考え方のもとに、今御審議を願っているような補正予算となった次第でございます。
 なお、この中で、将来の発展を考えて、例えば研究開発用超高速光ファイバーネットワークの整備とか、あるいはまた、同じ道路の予算にはなるわけでありますけれども、電線共同溝の整備とか、いろいろ知恵を絞って、後世代の人が整備してくれてよかったと思ってもらえるような、そういう部門に重点を絞ってこの予算は編成をしたつもりでございます。
○北沢委員 私は、やはりかつての日本の繁栄の過程を見るに、いわゆる三種の神器と言われるテレビだとか冷蔵庫だとか、そういうものが飛躍的に日本の消費と産業構造を変えて今日の発展になったわけで、それからいろいろのニュー事業というものが展開されたわけでありますね。
 今の産業の状況というのは閉塞的な状態なのです。だから、閉塞的な状態を、どのように新しい産業を興し、進めるかということは、今日、景気浮揚と同時に、これからの社会の、日本の経済のあり方について大変大事だというふうに私は思います。
 今の事業もそうですが、フランスでは十年前にミニテルというビデオテックスの端末を五百万世帯に導入しておりまして、ビデオテックスというのは、中央コンピューターと家庭の端末が結びついた双方向性のシステムでありますが、フランスでできることが日本でできないことはないというふうに私は考えております。
 御答弁の、建設国債の事業の対象にはならないということであれば、やはり特別公債と建設国債のいわゆる垣根を取り払って、このような対応を図られたらどうかということもあわせて強く要望しておきたいと思います。
 次に、預金金利についてでありますが、高齢者や年金生活者の生活を考えますと、預金金利の問題がどうしても浮上してくるわけであります。
 この四月に日銀が、独立性と自己責任を明確にした新しい制度が再出発したわけでありますが、その日銀に対して政党や政府が意思表示をするということはいかがなものであるかという意見もございます。しかし、今や金利の変更というのは、大きな、切実な世論になっているのじゃないかというふうに私は考えるわけでございます。
 加えて、先ごろのビッグバンによって、やはり海外からの金融、証券等の、日本の一千百兆円に上る、持っている預金だとか、実はそういうものに相当ねらいをつけて来ておるわけでありまして、そういうことも考えるときにやはりこのことは考えておかないといけないわけでありますから、金利について再度、大勢の方からお尋ねですが、お考え方を、あったらお聞かせをいただきたいと思います。
○松永国務大臣 委員もよく御承知のとおり、公定歩合の操作等々は独立性を持った日本銀行の所管事項でありますので、私の方からいろいろ言うことは差し控えさせていただきますけれども、いずれにせよ、日本銀行においては、景気の動向や金融市場の状況など内外の経済情勢を注視されて適切な対応がなされるものというふうに考えておるところであります。
 御存じのとおり、預金金利が非常に低い。そのために、預金利子の収入に頼っていらっしゃる、あるいはそれを楽しみにしていらっしゃる人にとっては、預金金利が低いものですから、気の毒であるということは私もよく理解をいたしております。
 一方、設備投資をしようとする立場の人たちあるいは住宅ローン等の支払いをしている人たちにとっては、金利が安いことはプラスに作用するわけであります。また、設備投資等々を促進する意味では、金利が安い方が促進される。それが促進されて企業活動が盛んになってくれば、そこに働く人たちの給与もふえるであろう、それを通じて家計の収入もふえるであろう。
 こういう両面が実はあるわけでありまして、日本銀行においては、そういった点も考えられながらの適切な対応をなさるものというふうに考えておるところでございます。
○北沢委員 今日の消費低迷というようなことも、やはり庶民の可処分所得が伸びていかない、そういう観点もあるわけですから、大臣が明確な御答弁をいただけないわけですが、やはり議員の中にはそういう意見があるということ、それから、それは世論であるということだけはこの際私は申し述べておきたいと思います。
 次に、貸し渋り対策ですが、時間もございませんので、簡単に申し上げます。
 金融安定化施策もしたわけでございますが、依然として、中小企業の貸し渋り、陰湿な貸し渋り、それを私どもは地方で相当聞きます。そういうことからして、公的資金の拡充、保証制度の拡充等については今回実は予算措置をしてありまして、評価したいと思いますが、やはりそのことの中で、これからのベンチャー企業なり、または健全な中小企業というものを今後どういうふうに生かすかということは、貸し渋りの問題とは別に極めて重要な対応だろうと私は思います。
 特に円安、株安という形の中でさらに金融機関等の貸し渋りが強まってはこないかという、実はそういう思いもございまして、そのことは、特にアメリカでは、金融機関に対する公的役割を定めた連邦法というのがございまして、地域再投資法というものが実はございます。この法律は、金融機関に対して、低所得者層や中小ビジネスに公正に融資することで地域全体の需要に積極的にこたえる義務を定めております。
 このような事例を参考にして、地域から経済を下支えしていくためにも、特に環境だとか福祉だとか関連の、生活に密着した新規産業の育成、あるいは市民とかまたは女性の企業家に対して、中小企業の長期的な対策として、柱として、このことはひとつ考えて参考にしていただきたいということを申し述べて、大臣の御答弁を煩わせたいと思います。
○堀内国務大臣 お答え申し上げます。
 貸し渋りについては、大企業、中堅企業については、ことしの一月、三月、五月と見ますと、大体当初四〇%ぐらいの貸し渋りの問題が三二、三%になり、現在では一六%ぐらいまで落ちてきておりまして、大企業、中堅企業については相当緩和をされてきているということが申し上げられると思います。ただ、中小企業については依然厳しい状態がございます。
 そこで、貸し渋りに対しては、中小企業でありながら中小企業の政府系金融公庫の窓口で受け付けてもらえない、資本金が一千万円以上の方々、従業員の数が五十人以上だとか、そういうような方々を緩和するために今度法律を改正していただきまして、そして中小企業、小売業、サービス業を約五千万円まで資本金を上げていただき、卸売業は七千万円まで上げていただき、従業員数もふやしていただきまして、ほとんどこれによって約二万社、二百八十万人の従業員の方々を擁する企業が救済をされるということになってきております。また、今度はそれに対する緊急の融資をさらに八千万円、担保を徴求しないものを約五〇%の八千万円を追加するというようなことをいたしまして、中小公庫を、根っこからまいりますと七億一千万円の融資ができる体制になってきております。
 また、ベンチャーにつきましては、今一番、開業率を閉業率の方が上回るというような状態で、経済が非常に縮小をしているわけでございますから、それを活性化するために今ベンチャー対策というものに最善を尽くして取り組んでいるところでございまして、具体的には、特にベンチャー財団を通じて、今度の補正予算におきましても九十億円を中小企業事業団に出資をいたしまして、中小ベンチャーの対策として、株式の出資あるいは社債の引き受け、これを各県のベンチャー財団を通じて潤沢に融資ができるように、意欲と熱意のあるそういう新しい企業を起こされる方のために、そのほかの政策も織り込んで、全力を挙げているところでございます。
○北沢委員 終わります。
○越智委員長 これにて北沢君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。中村鋭一君。
○中村(鋭)委員 去る五日に議長応接室で政治倫理審査会が開かれました。私も委員の一人として幾つかの質問を山崎議員にさせていただいたのですが、そのときに、山崎議員の言葉によれば、献金総額二億二千五百万円、これはすべて山崎氏の政治団体を通じて渡辺派の政治団体である新政治調査会に出した、このように証言をされました。
 それで、自治省にお尋ねをいたしますが、一たん入金処理したとされる山崎氏自身の届け出はどうなっておりますか。それから、山崎さんの口座から渡辺派の新政治調査会に移されたわけでございますが、そのときの申告はどうなっておりますか。そして、新政治調査会におかれましては、その資金の処理はどのようにされておりますか。
 さらに、山崎証言によれば、山崎さん個人に対しては、パーティー代金一千万、それから大阪の拓政会に対して数年次にわたりまして百二十五万円の会費をちょうだいした、このようなことでございますが、これらすべてにつきまして政治資金規正法上の処理はいかように相なっておるか、お尋ねをいたします。簡略に答弁をお願いいたします。
○牧之内政府委員 お答えいたします。
 政治団体は全国で約七万ほどございますが、それらの政治団体が特定の政治家の関係団体であるかどうかにつきましては、私どもが承知できますのは、平成六年までは指定団体の届け出があった団体、平成七年以降は資金管理団体の届け出があった団体に限られておりまして、山崎拓氏から届け出がありましたのは、平成三年から平成六年までは指定団体として拓政会、平成七年以降は政治資金管理団体としての拓政会だけでございます。
 また、平成六年までは、同一の者から百万円を超える寄附がありました場合は、その寄附者の氏名等を報告するようになっておりますが、平成三年から平成六年までの拓政会の収支報告書等を確認いたしましたところ、泉井純一あるいは泉井石油商会からの寄附の記載はございません。
 それから一方、拓政会からの支出の方でございますが、新政治調査会への寄附の関係でございますけれども、平成六年分の収支報告書に二千万円の記載がございます。ただ、これが泉井氏からの献金によるものであるかどうかは私どもではわかりません。それから、平成三年から平成五年までは収支報告書の保存期間を過ぎておりますので、これは確認することができません。
 一方、新政治調査会の方の収支報告書を確認いたしますと、拓政会から平成三年九千万、平成四年九千万、平成五年五千万、平成六年二千万の寄附があった旨の届け出がございます。
 それから、政治資金パーティーの件でございますが、平成七年以降につきましては二十万円を超える政治資金パーティーの収入については個人名の届け出があるわけでございますが、平成五年、六年は百万円を超えるものについて記載をする、さらに平成四年はもう記載の必要がないというような仕組みになっておりました。
 拓政会の収支報告書等によって確認をいたしましたところ、泉井純一という支払い者の記載はございませんが、平成七年において、泉井石油商会から百万円の収入が記載されております。
 それから最後に、党費及び会費についてでございますが、これは金額の総額と何人から会費の振り込み等があったかということを記載するようになっておりますので、だれが会費を幾ら払ったかということは私どもでは承知できないところでございます。
○中村(鋭)委員 今のお話を伺いましても、山崎さん個人に対する献金の処理、それから渡辺派に最終的に入りました二億二千五百万円が、一たん山崎さんの口座に入りまして、そこから迂回をして入っておる。その処理については、今の答弁でももう一つ、非常にすっきりとしたとは言いがたいという点があることを指摘いたしておきたいと思います。
 先日、私も出席をさせていただきました政治倫理審査会、この席においては、山崎氏個人に対する献金は、数年次にわたりまして、パーティー代金一千万円、拓政会の会費百二十五万円、それ以外には絶対にございません、このような証言でございましたけれども、先般の予算委員会に泉井純一さんが証人としてここにお見えになりまして、最初に、今そこにおいでの松永大蔵大臣、当時は予算委員長でございましたが、松永委員長の冒頭の質問に対しまして、簡潔に述べてくださいということに対して、泉井さんは、七千八百万円を山崎さんにお渡しした、こう言っておるわけですね。
 一方はパーティー代金含めて一千百二十五万円、一方の泉井さんの方は、予算委員会において明確に、七千八百万円、トータルでございますが、達する献金をいたしました、こう言っているわけで、ここに随分大きな差があるわけでございます。
 そこで、私は、ここでぜひ予算委員長にお願いをいたしたいのは、やはり両者の証言にこれだけ開きがある。それからいま一つは、その証言をなした条件といいますか、環境が余りにも違い過ぎるわけですね。
 泉井純一さんの方は、当時刑事被告人でございます。多額の保釈金を支払って、そうして保釈中の身の上で、しかも予算委員会に証人として、議院証言法に基づいて出頭をなさいまして、宣誓証言をしておられるわけですね。現に刑事訴追を受けて、保釈中で、そうして出頭を命じられて、証言をする際には宣誓証言をして、もし偽証をしたならば議院証言法違反をもって偽証罪で告発をされ、場合によれば身柄を再収監しなければならない、こういう立場に置かれた人です。
 それから、山崎議員の場合は、私も出席をいたしましたけれども、政治倫理審査会、楕円形のテーブルに委員がみんな座りまして、しかもこれは秘密会といいますか非公開で、証言をなさる山崎さん御自身は、質問をする我々の後ろのソファーに座って、質問する側もされる側も座ったまま、私は会長にお願いをして、立って質問をさせていただきましたけれども、そのような形で、しかもこの証言に関しては何ら罰則がない、いわば言いっ放し、聞きっ放し、一回限り、このような条件でやった。
 現に刑事被告人であり、保釈中の身の上で、議院証言法に基づいて証言をして、もし偽証があれば刑事告発を受けねばならぬ、身柄は再収監されねばならぬ、そのような立場で、しかもあのときはテレビ中継、ラジオ中継がされていたんですから、一億国民注視の中で証言をした人の証言の重みと、一切、言いっ放しの、一回限りで、それで何を言おうと訴追される心配のない、罰を加えられるおそれもない。これは、その証言の内容に、その条件、環境に大きな開きがあると言わねばなりませんから、これはやはり御両者、ぜひ証人喚問をしていただきまして、この予算委員会等々ではっきりと両者の言い分をもう一遍確かめさせていただきたい、こう思うのでございます。
 政倫審のときもお伺いをいたしましたけれども、議院証言法に基づいて証言をする場合、これは非常な重みがあります。政倫審は、私はこれは山崎さん御自身にもお尋ねしたのですが、政治倫理審査会を設置するに当たりまして、昭和六十年の六月二十五日に、政治倫理綱領が全員の議決をもって定められておりますが、山崎さん御自身がこの綱領の作成に、私自身関与しました、こうはっきりおっしゃいました、私の質問に対して。
 この政治倫理綱領の一項に「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」こうあるわけで、泉井さんと山崎さんの証言がこれだけ違うのですから、しかも、条件と環境が違うのですから、御本人が関与された政治倫理綱領にかくのごとくある以上は、ぜひ証人として出ておいでになりまして、はっきりとその黒白、証言の食い違いを明らかにしていただきたい。
 つきましては、予算委員長にお願いを申し上げますが、山崎拓議員、それから泉井純一、このお二人の予算委員会における証人喚問をお取り計らいをお願いしておきたいと思います。
○越智委員長 お申し出の件につきましては、当委員会の理事会において、各党理事の間で検討させていただきます。
○中村(鋭)委員 よろしくひとつ、委員長よろしくお願いします。
 次に、六月十二日、当委員会において、西村眞悟議員は、総理に対していろいろとお尋ねをさせていただきました。そのときに、西村眞悟議員は、こういう質問をいたしました。「お聞きします。 あの人物が日本で結婚されたときに、その結婚式に出席されましたか。」この質問に対して総理は、ただ一言「全然。」こうおっしゃいました。
 総理、普通、あなたは出席しましたかしませんでしたかという質問に対して、その答えは、出席しました、あるいは出席しませんでした、どちらかだと思うのですが、全然と、一言だけおっしゃいました。これはちょっと私は理解をしかねたのでございます。
 改めてお伺いいたしますが、この李維平さんの再婚に際して、その披露宴もしくは結婚式に総理は出席をなさいましたか、それとも出席をされておられませんか。
○橋本内閣総理大臣 改めてお答えを申し上げます。
 出席いたしておりません。
○中村(鋭)委員 その言葉は、しかと承っておきたいと思います。
 次に、この中国の公務員でありました女性と総理との関係につきまして、現在まで議論されたことを前提にして、一、二、お伺いをいたしたいと思います。
 総理は、この中国の元国家公務員との交際をお認めになっておられますが、その女性の前の夫はこう言っているのです。自分たち夫婦の離婚は総理と自分の妻の不倫が原因であると、日本の裁判所で陳述書により明らかにしております。つまり、総理は、外国の公務員と交際をして、その前の夫から、自分たちの離婚の原因はその交際にあると指摘をされているのであります。
 我が国の総理大臣は、我が国国権の最高機関である国家の指導者であります。その世界で最高の地位にある総理大臣たる者がそのように裁判で言われていることは、総理自身の不名誉たるにとどまらず、総理をいただいております我々日本国民の恥辱、不名誉である、こう言わざるを得ないわけでございますが、その点を総理はどのように認識しておられますか。少なくとも、その訴状の訴因では、私の家内と総理大臣の個人的な交際が離婚の原因だと、これは裁判になっているわけですから。この点について、ひとつ明快にお答えをお願い申し上げたい。(発言する者あり)
○越智委員長 中村議員に申し上げます。――内閣総理大臣。
○橋本内閣総理大臣 まず第一に、先日、西村議員にもお答えを申し上げましたように、そのお方は存じ上げておりますし、現に幾つかの会談で通訳として同席をしていただきましたし、そしてそのお礼として、私は、日本に見えたときに食事をしたことがあります、お礼状をいただき、返事を出したこともあります。
 その上で、私は申し上げたいと思うのですが、議員は、何らかのかかわりにおいて、例えば会議でお会いになる方、あるいはならない方、私生活まで全部お調べになって、その上で会議場にお臨みになりますでしょうか。私は、その方が結婚しておられるかおられないか、あるいはどういう立場におられるか、そうしたこととはかかわりなく、その会談、会議において、通訳であれば通訳としての役割でその方に対して接しております。その点は改めてきちんと申し上げておきたいと存じます。
○越智委員長 中村議員、質問時間が終了いたしております。
○中村(鋭)委員 総理の答弁は、もう何遍もお伺いしておりますが、これはやはり一組の夫婦があって……
○越智委員長 中村議員に申し上げます。質問時間は終了いたしております。
○中村(鋭)委員 その夫婦が幸せに過ごしておって、離婚をした、別れただんなさんの方は、橋本さんとの……
○越智委員長 発言をおやめください。
○中村(鋭)委員 交際のために私は裁判に訴えざるを得なくなったと言っているのですから、それは大変不名誉なことであります。そのことはぜひ指摘をしておかなければ相ならぬと思います。
○越智委員長 質疑時間は終了いたしております。
 これにて――内閣総理大臣。
○橋本内閣総理大臣 一言だけお答えをさせていただきたい。
 私は、どちらの御家庭でありましても、その御家庭の中のことにかかわりを持とうといたしもいたしません。関心をそもそも持ってせんさくすべきことではないと存じております。現在幸せな家庭を営んでおられると承知をいたしておりまして、このようなお尋ねは、恐らく御本人にも御迷惑であろうと存じます。
○越智委員長 これにて中村君の質疑は終了いたしました。(中村(鋭)委員「それはあれですよ、今は幸せであろうがなかろうが、そういう形で」と呼ぶ)発言を禁じます。(発言する者あり)発言を禁じます。質問時間は終わっております。御退席願います。
 次に、春名直章君。
○春名委員 日本共産党の春名直章でございます。
 まず、きょうは、六月十日に起きました、西瀬戸自動車道の来島大橋の工事現場で七名の労働者が墜落死するという痛ましい災害について、最初に御質問をさせていただきたいと思います。
 謹んで哀悼の意を表明したいと思います。
 私たち日本共産党は直ちに現地に行きまして……(発言する者あり)
○越智委員長 御静粛に願います。
○春名委員 ちょっと終わります。(発言する者あり)
○越智委員長 春名君。
○春名委員 いいですか。
 この事故で、私たちは直ちに現地に行きまして、地元の本四公団の皆さん、労働基準局などで実情や実態を教えていただきに行ってまいりました。その上で、必要な申し入れを労働省、建設省にもお願いをしたところでございます。
 瀬戸大橋事業で、この七名の方を合わせまして三十四名のとうとい命が奪われていることは大変重大だと思います。来島大橋建設関係では、三回、三名の方が亡くなっていらっしゃる。最近では、ことし四月二十二日にクレーンの墜落によって一名の犠牲者が出たばかりでございました。それで、何よりも原因の徹底究明を急ぎ、再発を防止する万全の対策をとること、それからまた遺族への十分な補償、職場の安全点検と安全管理体制の再点検、改善などが急務になっていると思います。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
 失礼しました。質問をどうぞ。
○春名委員 非常に大事な質問ですので、できれば聞いていただきたいのですが。
 それで、私は、今こういう改善が急務になっているということできょうお話をしているわけですが、現地の今治の本四公団の所長さんが、次の日の十一日の記者会見でこういうふうにおっしゃっているのですね。公団は適正な安全装置を講じているから公団としては法的責任があるとは考えておりません、こうお述べになっていることは、私は重大だと感ぜざるを得ないわけであります。まだ調査も始まったばかりなのに、予防線を張るような発言は不見識ではないでしょうか。
 ここに、独自に入手をしました来島大橋馬島高架部鋼上部工工事の週間工程表というのがあります。これは私たちが入手したものであります。
 この工事の週間工程表を見ますと、この一部、一番下の方には事故の起こった送り出し架設工の計画ももちろんありますし、重要なことは、その点検を行う欄に公団の確認欄、判こを押す欄があるのですよ、サインをする欄が。いいですか。公団と書いてありまして、主任監督員、監督員、それぞれサインか印鑑を押すようになっています。週間工程表でこういうふうに確認をした上で、公団の方もジョイントベンチャーにお願いをして、発注先にお願いをして、そして送り出し工法なども含めてやっているということがこの表からでも明らかなんですね。
 ですから、法的責任はない、この発言は撤回していただいて、誠実に対応するように指導していただきたいと思っております。
 きょうは本四公団の総裁にも来ていただいておりますので、まず総裁としてのお考えを、建設大臣、いきますか、建設大臣と両方お聞かせいただきたい。
○瓦国務大臣 春名委員にお答えをいたします。
 今春名委員から、御意見の中でございましたが、早速共産党として御出張いただいて、徹底的な原因究明と再発防止策を講ずるように、また全職場におきましての安全点検を行うように、また、あいまいにしたままでの作業再開は許されない、かような申し入れ書も、私は国会の関係でお会いする時間がございませんでしたが、道路局長から詳細に承っております。
 まず初めに、六月十日十二時過ぎでございますが、本四公団の工事現場におきまして、七名が死亡し一名が負傷するという重大事故が発生いたしました。このような重大事故が発生いたしましたことは極めて遺憾でございまして、亡くなられた七名の方々の御冥福をお祈りいたします。また加えて、負傷された方につきましてもお見舞いを申し上げ、一日も早い回復をお祈りしたいと存じております。
 さて、事故の翌日でございますが、本四公団の藤原総裁が事故報告のため、国会の合間でございましたが、私、事故報告を承りました。今回の重大事故を厳しく受けとめまして、事故原因の究明、再発防止のための安全対策、これらにつきましては十分これを行うように、総裁に指示をいたしたところでございます。
 また建設省といたしましては、直ちに調査団を現地に派遣いたしました。また公団におきましても、事故対策本部を設置するとともに、総裁みずから現地に出向きまして、事故原因の究明と安全対策を検討するための技術委員会を設置いたしまして、本日午後一時から第一回目の委員会を開催いたしておるところでございます。
 建設工事の実施につきまして安全確保は最も重要な事項、かように認識をいたしておりまして、今回の重大事故を厳しく受けとめ、原因究明、再発防止のための安全対策につきまして万全を期すよう厳しく指導してまいりたい、かように存じております。
 なお、具体的にいろいろ御質問もございますが、今申し上げました事故対策本部を設置いたしまして、まず原因究明に取り組まなければなりません。これらの措置を踏まえまして、さらに検討を加えまして、再発防止ということに全力を挙げたい、かように考えておるところでございます。
○藤原参考人 お答えいたします。
 事故の概要等につきましては、建設大臣から御報告があったとおりでございますので、極力重複を避けさせていただきますが、重大な事故が私どもの現場で発生いたしまして、まことに残念に思っております。
 早速、当日、私も現地に参りまして、亡くなられた七名の方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方々にもお悔やみを申し上げたところでございます。また、負傷しておられる方の一日も早い回復をお祈りしております。
 事故が重大でございますので、事故発生後、直ちに本社、局、事務所に事故対策本部を設けまして、担当理事を現地に派遣いたしますとともに、事故原因の究明、再発防止のための安全対策等について検討すべく、学識経験者から成る馬島高架部事故対策技術委員会を設置いたしまして、本日、第一回委員会を開催し、現地に出向きまして現地の状況把握に努めておるところでございます。
 先ほど、先生から事務所長の発言について御指摘がございましたが、これから原因を徹底的に究明する、また、事故再発を招くことのないような安全対策に万全を期していくという段階でございますので、当公団の役職員が責任の所在についてとやかく発言する段階ではないと思っております。大臣からも、くれぐれも原因の徹底究明、安全対策の確立について指示されておるところでございますので、委員会の調査等を踏まえ、また、意見を聞きながら、私ども、一生懸命に対応してまいりたいと考えております。
○春名委員 今おっしゃいましたように、これから究明するときに、法的責任があるとは考えないということは、私は、本当に許されない態度だと思ったんですね。
 この法的責任という問題で、今、一つの資料、これを示しました。実際、判こを押している、そういう資料もある。
 それから、もう一つ、私、取り寄せましたけれども、これは労働基準局長にお聞きするのがいいかと思いますが、その工事の安全日誌というのがありまして、この安全日誌、毎日つけるようになっているんですけれども、その安全日誌の中に、今回事故を起こした「仮設」という項目がありますが、その「仮設」の項目の中には「足場、桟橋」それから「飛来、落下防止」、この二つの項目については点検をする項目があるんですが、今回事故を起こした油圧式ジャッキ、それからまたそれをつり下げているワイヤ、これについて点検をすることにはなっていないのです。安全日誌にはそういう点検項目はないのですね。
 私、確認しておきたいんですが、クレーンには、クレーンのワイヤはそういう安全点検基準があると思うんですが、今回事故を起こしたこういう仮設式のおろすものですけれども、安全基準そのものもなくて、点検の対象外になっていたというふうに私は思うんですが、局長、いかがでしょうか。
○伊藤(庄)政府委員 先生御指摘ございました、今回の事故を起こした現場におきます工法につきましての安全衛生法上の具体的な基準、ずばり当てはまるものはございません。
○春名委員 まさにそういうことなんですね。そういう工法で、安全基準もない中で、公団の方が判こを押して、これを推進していたわけです。だから、法的責任がない、安全装置をちゃんととっていたから私たちには問題がないというような態度をとることは、断じて許されない。ここのところをはっきりさせていただいて、真剣な検討をしていただかなければまずいんじゃないでしょうか。
 それから、もう一つ質問させていただきます。
 今度の災害の特徴は、元方の安全管理責任者を含めまして、元方だけが大量の被害者を出しているのが特徴でございます。現場副所長である安全管理者の方が一名、安全監督者で工事主任の方が二名、安全衛生責任者の方が一名、安全監督者で工事担当者の方が一名、一度に亡くなられております。報道されているところでは、昼休みに交代をして、そういう方が一堂に集まっていたというふうに報道されています。
 そこで、もう一つ私は言っておきますけれども、ちょっと汚い記事ですけれども、二年半前、九五年十二月十五日に、今回事故を起こした同種の構造のジャッキで降下作業中の落下死亡事故が横浜市内で起こっていたことも明らかになっています。
 だから、私がきょうぜひ皆さんにお願いしたいことは、単に作業ミスというもので絶対に済ませてはならないということであります。つまり、工法そのものを含めたこの工事のあり方、工法そのものを含めた本質的、根本的な検討が必要な事故だということをぜひ御認識いただきたいし、そういう対応をしていただきたいということです。
 工法そのものの安全性が確実に保証されるまで、徹底した点検をやり、管理をやり、安全性が確保されるまでは、当然のことですけれども、工事は決して再開しない、このことをぜひお約束いただきたいというふうに思います。総裁、いかがでしょうか。
○藤原参考人 お答えいたします。
 事故原因の究明と安全対策、これをまず早急にかつ十分徹底的にやっていくことが大切であると認識しております。工事の再開につきましては、当然のことでございますが、十分安全が確認された後ということになります。そういう気持ちでおります。
○春名委員 その十分な安全の中に、工法そのものについての構造的な問題がないかどうかをぜひしっかりチェックしていただく、きょうから第一回会合もやられるということですので、そのことをぜひよろしくお願いしたいと思っております。どうもありがとうございました。
 続きまして、現在の景気問題について一言御質問させてもらいます。
 金曜日、経済企画庁が十二日に九七年度の国内総生産を御発表しました。実質成長率が七四年度の第一次オイルショックの〇・五%マイナスを抜いて〇・七%マイナスということになりまして、文字どおり戦後最悪の成長率となったのであります。個人消費が戦後初めてマイナス一・二%になったということが、主要な、大きな要因だというふうに言われています。
 日経の六月十三日付では、消費税引き上げなどの九兆円近い国民負担増や金融システム不安をきっかけにした消費者心理の悪化で、個人消費が戦後初めて減少したことが響いている、このように報道をしています。朝日新聞でも、消費税増税で低迷した個人消費が昨秋の金融不安でさらに冷え込んだのが響いている。つまり、消費の落ち込みがこの最大の要因になっているということをどの新聞も指摘するというのが常識になっているわけであります。
 そこで、総理大臣にぜひお答えいただきたいのですが、この新しい数字もごらんになり、この消費の落ち込みが国内総生産の後退の一番の大きな要因になってきたということについて、この間議論もされてまいりましたけれども、新しい数字も出ておりますので、どういう御認識かということをお答えいただけますか。
○尾身国務大臣 今回のこの一月―三月のGDPでございますが、季節調整済みの前期比でマイナス一・三%ということになりました。
 そこで、この内容を見てみますと、民間設備投資が前期比五・一%マイナスということになりましたのと、アジア向けの輸出の減少等によりまして、財貨・サービスの純輸出も寄与度マイナス〇・四%というようなことになったわけでございます。そういう中で、個人消費につきましては、十月―十二月はマイナス一・〇%でございましたが、一月―三月はプラス〇・一%というふうに、やや数字としては消費だけは持ち直している感じがあるわけでございます。
 したがいまして、三月、四月の消費性向等を見ましても、これは家計調査の消費性向でございますが、七一・七%及び七二・九%ということで、やや九月の正常水準に消費性向としては戻っているわけでございまして、今後もうちょっと様子を見なければいけませんが、消費についての正常化の兆しは見られている。ただし、設備投資、輸出、住宅建築等の状況が非常に厳しかったために、先ほど申しました全体としてマイナス一・三%になっているというのが一月―三月のGDPの状況でございます。
○春名委員 消費は持ち直して、それ以外のところに要因があるとあえてそんなことをおっしゃるんですけれども、私は全然そういうことは納得できないですね。(尾身国務大臣「数字を言っているんだから」と呼ぶ)そこで言わないでください。
 これは糠谷事務次官も十二日の記者会見で、消費税要因で九七年度の成長率は一%近く低くなっている、こう発言したと報道されているじゃありませんか。単純に言えば、消費税増税がなくなれば、GDPは〇・三%増でおさまっていたということをくしくも言っているようなことであります。
 それからまた、やはり国民の感情といいますか、私はいろいろ中小業者の人にもこの間会いに行ってきたんですけれども、やはり消費税が増税されてお客さんの雰囲気が変わったというふうに何人もおっしゃっていました。大変苦労しているということが、業者の方のお話からも非常に伝わってまいりました。
 だから、世論調査でも、六割の国民が景気対策としてイの一番に消費税の減税をしてもらえないだろうかということを望んでいるわけでありまして、やはりそういう実感と根拠があると思うんです。一層そのことが、私はこの数字を見まして、切実性を増してきたなというふうに感ぜざるを得ないわけであります。
 そこで、今度は総理大臣にお答えいただきたいのですが、こういう新しい景気動向をごらんになりまして、私は消費税減税も真剣に改めて考えていただきたいということを感じているんですけれども、総理大臣はいかがお考えでしょうか。
○橋本内閣総理大臣 この議論は、御党の皆さんとしばしば今までも繰り返してまいりました。そして、先行する減税の見合いという話は今申し上げるつもりはありません。
 その上で、ようやく定着しつつある、しかも地方の財源としても非常に大きなウエートを占めておりますこの消費税率の引き下げということを私は考えるということはできないと思います。
○春名委員 そこをもう一度考えてもらえないかということを新しい数字が示しているということを言っているのであります。
 もう一つ、この中で、さっき尾身長官も言われましたけれども、記録ずくめのマイナスの中で、特に住宅建設が二一・一%も落ち込んでいるということが、大変大きな足を引っ張っている要因になっているということは周知の事実でございます。二一・一%の落ち込み、大変なものであります。
 この影響もありまして、建設業の倒産件数ですが、九七年四月からことしの四月、消費税が増税されてからの一年間ですけれども、私、計算してみると、五千九百六十三件、全倒産件数の三〇%以上を占めるということで、大変深刻な事態になっております。
 総理は、大きな足を引っ張っている住宅着工という問題をごらんになって、その大きな後退をしている主の原因というのをどのようにお考えでしょうか。
○瓦国務大臣 住宅の着工戸数が、委員御指摘のように、大変今日低迷をいたしております。経済の下支えをする上でも、住宅の新規着工の指数を大変心配いたしておるところでございます。
 私はこの原因に幾つかあろうと思うわけでございますが、一つには、先行きの見通しというものに対してマインドが冷えておるのかな、そういうような点もございます。また、住宅の環境整備をこれから丹念にすることによりまして、住宅の着工戸数がまた勢いを増すように、金利の面等々につきましても今手だてを講じながら、景気の回復気力になるように心配をいたしておるところであります。
○春名委員 今、マインドの話と環境整備ということをおっしゃいました。
 そこで、私、ぜひ考えていただきたいのですけれども、今建設大臣が御答弁いただきましたので、私も建設省がお出しになっている、建設経済局調査情報課ですか、去年の十月に出しておられる調査研究ですけれども、住宅建設十万戸による経済効果というのを出されています。大変興味深く読ませていただきました。
 これによりますと、近年景気の先行きが不透明な中で、住宅建設は家計消費支出とともに景気下支えの役割としてその動向に熱いまなざしが注がれてきた、住宅建設の波及効果は、住宅建設そのものによる直接的な効果にとどまらず、住宅完成後の耐久消費財等の購入による経済効果も発生する、こう分析をされています。具体的に、十万戸の住宅の需要があった場合、これが合計一兆六千百五十五億円だそうですけれども、これを賄うための関連産業の生産額がその倍、三兆一千五十九億円となる、この金額は平成七年の米麦の全生産額に匹敵する額を誘発することになる、こういうふうに分析をしていらっしゃいます。非常に大きな、重要な分析だと思います。そして、就業面では、約二十一万一千人の雇用効果が生ずるものと試算される。このような建設省の経済局の調査でございます。
 この建設省の分析からいいましても、景気を下から押し上げていくためにも、それから、最も倒産の激しい中小零細の建設業を救っていくためにも、私は今、緊急の努力が必要だと思うのです。
 今、二つの原因を言われましたけれども、私は、最大の要因は、やはり消費税の五%への引き上げだと思いますよ。だって、三千万円の住宅を購入したときに百五十万円の消費税。それまでは九十万円。六十万円の差が出てくるわけですね。三千万円などというのはないかもしれない、もっと大きいかもしれませんけれども。それだけの大きな負担が、住宅建設に対してマインドを冷え込ませている大きな要因になっているというのは、やはり間違いない事実だろうと私は思うのです。
 こういう建設省の調査からいいましても、消費税の増税という問題について真剣な御議論をしていただいて、その引き下げということを視野に入れた議論ができないでしょうか。私は、本当にその点を、この二一%減ったということの数字を見まして、改めてきょう御質問をさせていただきたいと思います。いかがでしょうか。建設大臣、どうですか。
○瓦国務大臣 先ほど総理からも御答弁がございましたが、消費税につきましては、これはたびたび、総理からも大蔵大臣からも御答弁をされておるところでございます。
 住宅の新規着工等につきましての手だてにつきましては、私どもも真剣に考えてまいりたい、かように考えて、取り組んでおるところでございます。
○春名委員 なぜ、一番大事な中心問題に目をふさぐような御議論をされるのでしょうか。私は、真剣に、今の具体的な数字もお示しをしながら、御議論していただきたいと思っているのです。
 確かに消費税の問題、いろいろな要因があるかもしれないけれども、こういう新しい状況があって、悪循環がこれからも続くかもしれないという指摘がされているときに、この問題に目をつむるようでは、消費拡大に結びついていかないというふうに私は感ぜざるを得ません。そのことを指摘させていただいて、次の質問に移りたいと思います。
 前回の、一回目の議論のときに、我が党の木島議員も質問させていただきましたけれども、銀行の不良債権の処理に関係して、銀行の債権放棄と無税償却、一方でゼネコンの債務を棒引きするということが今大問題になろうとしています。
 総理は、対象はゼネコンだけではもちろんないというふうにおっしゃっております。しかし、加藤幹事長は六月一日の毎日新聞などで、大きなゼネコンとか不動産業の人たちの不良債権処理に国が公的に介入すること、このことを今議論しなければいけない、そういう方向でやる必要があるんだ、はっきり、目的はゼネコンの不良債権処理にあるということをおっしゃっている記事もあります。
 私、重大だと思いますけれども、金融機関とゼネコンは、一緒になってバブルをつくり出してきた当事者同士じゃないでしょうか。金融機関とゼネコンが、バブル期に手をとって不動産事業にのめり込んだ。金融機関が融資先を紹介し、ゼネコンが債務保証した例はもう枚挙にいとまがありません。日本経済の重荷になっている巨額の不良債権の大半は、建設業界、不動産業などがバブルに乗って、むちゃな事業拡大を図った結果にほかなりません。適正審査でブレーキをかけるべき金融機関、この金融機関も積極的にあおって、乱脈融資を続けてきたのじゃありませんか。
 だから、私は、ゼネコンそして銀行はこのバブルをつくり出してきた当事者同士なのだということを、周知の事実だと思うのですけれども、そういう御認識かどうかを、まず総理大臣にお伺いしたいと思います。
○松永国務大臣 バブル時代に銀行その他金融機関が、何といいましょうか、十分な審査等もせずに、気軽にといいましょうか、野方図にといいましょうか、そういう感じの融資をしておったんじゃないかという説があることは、私もよく承知いたしております。
○春名委員 説というようなことを言っちゃだめですよ。これは周知の事実じゃないでしょうか。これはもう普通常識の目で見れば、共犯者であって、両方でやってきたんだということはだれの目にも明らかなんですね。それでもって、私は、はっきり言いましてその不始末、これはどう問われるのだろうかという気がするのです。
 今回の対策をやるのは、前回の木島議員の質問でも言いましたけれども、それはさておいて、やはりこういう問題を起こしてきた不動産業界や、特に建設業者のその経営の責任、経営の結果できてくることですから、その経営責任というのは一体どう問うていくのでしょうか。私は、そのことの方がよっぽど先であって、それから考えればいいことだと思うのですよ。なぜこんな対策をしゃにむにというふうになるのでしょうか。経営責任というのはどう問われるのでしょうか。
 そこのところを、ぜひ大蔵大臣、では、お聞かせください。
○松永国務大臣 いわゆるゼネコンにしろ、あるいは銀行等の金融機関にしろ、何といいましょうか、節度を欠いたといいましょうか、そういう融資をしたり、あるいは融資を受けて、すぐ利用するような土地でもないのにそれを買ったりしたことのそのことによる、そのゼネコンあるいはその金融機関が多額の不良債権を抱えたり、返済できない大きな債務を抱えたりして相当な苦労をしておる、そして自分の経営している会社を非常に厳しい状態にしてきた、その責めを今受けておるんじゃなかろうかというふうに思います。
 そこで、その経営者の責任、これは第一義的には、その会社の株主総会においてその責任が追及されるのがまず第一だろうと思います。次に、その経営者の行為というものが法令に違反するようなことであるならば、それは法令違反として法の裁きを受けるという立場になることは当然のことであると思います。
○春名委員 それでは、貸し込んでいた金融機関も借り手も負担が軽くなるという今度の対策、その仲立ちを公的な機関で、つくってやっていく。こんなありがたい話はないわけですよね、その当事者同士にとっては。
 なぜこんなことをするのですか。それだけ責めを問われなければならない立場にあるのに、私はどうも理解しがたいですね。なぜこういうことが今検討されているのでしょうか。大蔵大臣。
○松永国務大臣 今、日本の経済の回復を阻害しておる要因の一つとして、銀行等金融機関の実は貸し渋りといいますか、資金を必要とする企業に思い切った融資をしないということがその原因の一つと言われております。この委員会でもしばしば御党の委員から、強くあるいは厳しく銀行等の貸し渋りを非難し、そしてそれをやめさせるべしという強い主張もありました。もし、貸すことのできる企業に対して必要とする資金を貸さないというのであれば、それは、銀行としての本来果たすべき役割を果たしていないという結果になるわけであります。
 なぜそうなるのかといえば、銀行等が相当額の不良債権を抱えてしまっておる。そうなりますと、多額の不良資産を持っていることになるわけでありますから、したがって、銀行の経営からいって、今度は、さらにこれを貸し出しをすれば、銀行等の自己資本比率が非常に低下してまいります。銀行自身の経営もなかなか順調にはいかないような結果になりかねない。そういったことから、いわゆる貸し渋りの現象が起こっているという面が実はあるわけです。景気を速やかに回復させるためには、その銀行の姿というものを早く健全なものにしていく必要がある、日本の経済を全体としていい状態に持っていくために、それは必要なことであるというふうに私は思います。
 そのために、銀行等について不良債権の早期の償却措置、不良債権を残したまま引き当てをするという帳簿上の償却じゃなくして、実質的にバランスシートから貸出債権、不良債権を落とすという、実質的な償却を進めることによって銀行の体質が健全なものになります。それによって銀行の融資対応力も強まってまいります。そうすれば、銀行等は、本来の任務である、必要とする企業に必要とする資金を融資するという状態になるでありましょう。それが日本の経済を順調に回復するために必要不可欠のことであるという考え方で、不良債権の速やかな実質償却を実は慫慂しているところであります。
○春名委員 だから反対を押し切って、あなた方は三十兆円投入した。そして今度は、不良債権を処理するために、それとは別にこういう対策をとろうとしている。そして、借金が棒引きされるのは、多くいえば不動産業やゼネコンの方々でしょう、そういう対策になっていくわけですね、これから。(松永国務大臣「そうとは限らぬよ」と呼ぶ)なぜそうとは限らないのですか。そこに対して、なぜここまでやらなければならないのかという今国民の批判や怒りがあるのじゃないですか。
 バブルで痛めつけられたのは国民自身であります。首都圏を初めとして、地上げや高額な相続税によって長年住みなれたところを追い出されたのは住民です。東京で、ある方はこう言いました。明治維新、関東大震災でも何とか生き抜いてきたのに、何で平和なときに追い出される羽目になるのか、こういう怨嗟の声が広がりました。高い土地を買って、そのローンの支払いに追われている国民もたくさんいます。バブルの被害者は、銀行、ゼネコンではなしに国民自身であります。
 借りた物を返すという基本的なルールが崩れるようなことをやったら、先日も指摘したように、資本主義経済の根幹に触れるような重大な問題に私はなってくると思います。そういうことを許しておいていいのかということが私は問われているように思います。
 どうですか、総理大臣、国民のこの疑問や不安にどうお答えになりますか。
○橋本内閣総理大臣 御党から資本主義の話を伺いまして、大変光栄であります。
 その上で、これも何回か議論を本委員会でさせていただきましたけれども、今回の政府の総合経済対策においてお示しをし、また自由民主党の土地・債権流動化トータルプランの中において示しております、企業の再建計画の実行と連動した金融機関の債権放棄の促進、これは、金融機関の不良債権問題の抜本的な解決を図って、金融機関が本来の機能を取り戻す、これを目指しているものです。同時に、その手法というのは、従来から認められておりました債権者の経営判断に基づく債権放棄について、税務上の取り扱いを明確にするものでありまして、これを強制するものでもありません。
 金融機関の債務者、これは幅広い産業にわたっておりますから、ゼネコンはその一部でありまして、そこだけを取り出して強調される点には私はどうも納得がいかないのですが、本件、これはまさに金融機関の不良債権の問題の根本的な解決を図る、そして金融機関が本来の機能を取り戻すことを目的としたものだということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○春名委員 先ほど言いましたように、加藤幹事長自身も、ゼネコンの債務免除、そういうところにいく、そういう議論を当然しなきゃいけない、こう言っておられるという事実を私は指摘しておきたいと思います。
 それで、もう一つ別の角度から質問していきたいと思います。
 中小企業の困難さ、不況の中での深刻さというのは重大であります。それはもう政府自身もよく御承知かと思います。そこで、中小企業の支援という問題を、国と地方自治体が直接責任を持って進めている公共事業、時間があれば官公需もお聞きしたいのですが、公共事業についてお聞きしていきたいと思います。
 まず、公共事業の発注問題なのですが、国が発注している公共事業を中小零細企業に回す努力、これはどのように行っているのか、中心となる建設省にまずお伺いしておきたいと思います。
○瓦国務大臣 御質問でございますが、中小零細企業の公共事業の発注機会の確保についてのお尋ねでございますが、建設投資が委員御指摘のように低迷をいたしておる中で、中小企業建設業者は厳しい経営環境に直面していることは、これまた御指摘のとおりでございます。
 平成十年度の予算の執行に当たりまして、上位ランク工事への参入機会の拡大、また経常JV制度の活用、これらを積極的に行っていくことといたしておりまして、今回の補正予算におきまして、公共事業の執行に当たりましても、官公需法の趣旨を踏まえつつ、これらの措置の着実な実施を図ってまいる、中小建設業者の受注機会の確保に努めてまいりたい、かように手当てを講じておるところでございます。
○春名委員 お聞きいたしました。そういう努力はもちろんなんですけれども、なかなか現実がそううまくいっていないということを私はきょう指摘させていただきたいと思います。
 資料を配らせていただいていると思います。二枚きょうはつくってまいりました。御参考にということで、建設省がお出しになっております公共工事着工統計年度報より作成をしたものでございます。一枚目は、国が発注者となった公共工事の総工費評価額の資本金階層別の推移でございます。二枚目は、同じく地方が発注者となった同じものでございます。
 この数字を見てみますと、一枚目の(3)の点線、資本金一億円以上の建設業者が請け負った評価額がこの推移でございます。八七年は一兆八千億円でした。これは金額書いていませんけれども、数字はこちらに持っておりますので。八七年が一兆八千億円、全体の評価額の中でこの割合はその時点でも六三%でございました。
 ところが九六年になりますと、工事費は三兆三千億円になりまして、八七年の一・八倍になりました。全体の工事評価額の中に占める割合はさらに進みまして、七六%を占めるまでになっているというのがこの表でございます。
 一方、一番下の地をはうような実線ですけれども、この(1)の一番下の実線は、資本金一千万円未満の零細企業が請け負った評価額の推移でございます。八七年は千三百八十四億円でした。全体の四・八%でありました。九六年はわずか二十五億円、全体の〇・五七%しかないので線が書けないわけであります。
 一目瞭然であります。国の公共事業の発注が資本金の比較的大きな企業へと集中してきていることが、この十年間の推移を見れば非常にはっきりわかるわけであります。
 資本金一億円以上の建設業の業者の全体の業者数に占める割合は一・一%でございます、この下の表ですけれども。一億円以上の建設業者の全体の業者数は一・一%、このごく一%の業者の方が七六%の国の仕事を受注されている、こういう算段になるわけです。
 一方、資本金一千万円未満の業者の方は三二・三%、その数でいらっしゃる。それから個人、一人親方といいますか、個人が二七・七%いらっしゃいますので、大体六〇%もの業者の方が行っている仕事がまあグラフにもならない、〇・五七%ということになっているのに愕然といたしました、私は。
 なぜこの十年間、中小零細企業への発注額が激減し、大企業にシフトしていっているのか、余りにもバランスを欠いているのではないでしょうか。この点の分析をぜひ私は聞かせていただきたい。
○小野(邦)政府委員 お答えを申し上げます。最初は事務的な観点から、事務方から御報告を申し上げたいと思います。
 先生御指摘の公共工事の着工統計でございますけれども、これは、一般的に経済動向を的確に把握するために速報性を重視した統計でございます。したがいまして、中小企業の方々が受注されたカバー率というものを全部網羅しておりません。
 例えば、完工高三億円以上の工事につきましては、これは全部網羅をしておりますけれども、三千万から三億円未満、契約工事高で、これは四分の一といったようなことになっておりまして、大変重要な統計ではございますし、先生御指摘のとおり一つの有力なあれではございますけれども、公共工事全体のそういうものを見る統計としては若干一面的なものではないか。
 私ども中心にしておりますのは、先ほど御指摘もございました官公需法の統計でございます。これは、一般的に全数調査ということでやっておりますので、正確なそれぞれの資本金階層別の受注高の割合、シェアというものが出るわけでございます。
 そもそも、建設工事業者の方々というのは九九%以上が中小零細な方々でございます。資本金一億円以上の方々というのは、先生御指摘のとおり、ほんのわずかでございます。ということになりますと、やはり建設工事業者の方々の資本金階層別の数ではそうなるわけでございますけれども、実際の受注高の統計、シェア、これは大きな工事もございますし小さな工事もあるわけでございますけれども、必ずしも全数を把握していないということによって、そういう結果が一部出てくる面もある、こういうことで御理解を賜りたいと思います。
○春名委員 それは全然理解できません。
 それで、この公共工事着工統計年度報の目的には何と書いてあるでしょうか。公共工事着工統計調査は、統計法に基づく指定統計の調査として、公共工事の動向を実態把握することにより、公共工事執行上の施策、経済政策等に資することを目的として実施をされている。実態を把握するためにつくっているものであって、サンプル調査であっても実態を反映している、そのためにつくっているんだということをあなた方が書いているんです。一面的だなどというような資料を出す方が悪いですよ、もしそうであれば。えらいことですよ、そんなことを言ったら。
 官公需の方を言われましたけれども、官公需はこの五年間余りで全然、横ばいなんです、中小企業への発注率は。後で議論できればそれをやりますけれども。そういう事態になっているんだということを私は指摘しなければなりません。
 二枚目の資料を見ていただきたいんですが、同じく地方が発注者となった推移は、(1)の資本金一千万円未満の零細業者の受注額が一貫して下がり続けているということがわかると思います。八七年はそれでも全体の評価額のうち一三・六%を占めておったわけですけれども、九六年になりますと〇・九%へと、地方でもやはり大激減をしているという状況でございます。個人を合わせますと、先ほども言ったように、六〇%もの数を占める零細業者が受注した事業がわずか一・二%しかない、こういう数字になっているということを冷厳に見る必要があるんじゃないでしょうか。
 この数字が示している、この数字を見ればわかるとおりなんですけれども、なぜこれだけ大きく激減しているのか、なぜこういうアンバランスが生まれているのか、私はここを考えていただきたいのです。どういう分析をされているのかもお聞きしたいんですが、私は、やはり国の事業が、地方の事業もそうですが、大規模化しているということが大きな要因になっているということを指摘しないわけにはいきません。
 新潟港の整備事業では、九三年度から九七年度まで六百五十六億円のお金を使って新潟港整備事業がやられましたけれども、驚いたことに、中小企業への発注率は平均八%しかないんですね、この大規模な事業。羽田空港の拡張整備事業だったら、今までに二千八百億円使っているんですが、中小零細企業向けは百五十一億円で、五・三%しかないんですね。
 だから、大きな事業がふえていけばいくほど、こういう形で、中小業者に回らないという冷厳な数字があらわれているわけでありまして、このことについてやはり真剣な分析や総括が必要なんじゃないか、このことを最後に建設大臣にお伺いしておきたいと思います。
○瓦国務大臣 ただいま官房長から御説明いたしましたとおり、速報値としての公共工事着工統計年表、これらにつきましての議論よりも、私は、中小企業官公需関係資料に基づく統計を拝見してまいりますと、実態的には中小の比率は、平成六年以降のそれぞれの数値を見ましても、着実にシェアを確保させておるわけでございます。
 また、今委員御指摘のそれぞれの工事につきましては、工事の特殊性からいいまして工事に携わることができるかどうかという問題は私はあろうと思うわけでございます。どの事業におきましてもそれぞれ同じように参入できるという問題ではない、技術的なものを要請される工事もあるということを指摘させておいていただきたいと思うのです。
○春名委員 以上で終わります。どうもありがとうございました。
○越智委員長 これにて春名君の質疑は終了いたしました。
 次に、五島正規君。
○五島委員 この補正予算の質疑につきましても、どうも私が最後のようでございますが、まず、この委員会を通じていろいろ委員の議論があったわけでございますが、やはり国民の目から見てわからない、あるいは明らかにしてほしいという点が数々あったと思います。そういう意味で、少し、もう一度この補正予算書そのものに戻りまして、まずお伺いしていきたいと思います。
 今回の補正予算におきまして、その補正に伴うところの歳入の見通しにつきまして、所得税が減税その他によって一兆四千六十億円、それから法人税が六百七十億円の減収という形でもってこの補正予算は組まれています。
 ところが、先日、マスコミその他においても報道されましたが、九七年度において歳入欠陥が一兆円を超えたというふうな報道もなされております。九八年度、本当にこの補正の金額によって歳入欠陥が大幅に出るのではないか。とりわけ、不良債権に対する無税償却措置等々が議論されている中においては、この歳入欠陥が非常に大きなものになってくるのではないかというふうな感じもいたします。
 大蔵大臣、昨年度の歳入欠陥、税収不足は幾らであったのか。そして今年度の歳入予測、とりわけ税の歳入について、本当にこの数字でいいのかどうか。もしこの数字で大きな欠陥が出た場合、これは減額補正をされるのか、それとも別の措置をされるのか、お伺いしたいと思います。
○松永国務大臣 私から総論的な部分をお答えさせていただきます。
 九年度の決算において歳入欠陥があるのじゃないか、大きくあるのじゃないかという御指摘でございますが、御存じのとおり、九年度の税収実績が、現在、四月末税収までしか判明しておりません。また、税外収入や不用額についても判明しておりませんので、確たることは申し上げることのできる段階ではないということを御理解願いたいと思います。
 なお、十年度については、まだ始まったばかりでありますので、何とも申し上げかねます。
○尾原政府委員 お答え申し上げます。
 補足して御説明申し上げますと、平成九年度の税収でございますが、四月末までの税収実績が六月二日に判明したところでございます。それで、申告所得税などの結果が出てまいりました。そういうことから眺めますと、補正後予算額の達成が困難な状況に立ち至った、こういうふうに認識しているわけでございます。
 それで、九年度全体を通じてどうかというお尋ねがございましたが、九年度の税収動向につきましては、五月分の税収に大きくかかっていることがございます。三月決算法人についての法人税、消費税の動向に大きく左右されるということで、さらに五月分の税収を見てまいる必要がある、こういうふうに考えているわけでございます。
 もう一つ先生のお尋ねは、十年度の税収がどうかということでございました。
 今回の補正予算におきましては、先生からお話がございましたように、平成十年分の所得税の特別減税の追加実施分と法人税の初年度の減収額が六百七十億円ございまして、減収見込み額計一兆四千七百三十億円の減額を行っているわけでございます。十年度税収の動向でございますが、年度がまさに始まったばかりで、まだほとんど収納されておりません。そういう段階でございますので、今後の税収動向を見守っていく必要があるというふうに考えているわけでございます。
 それから、もう一つのお尋ねが、いわゆる不良債権の処理で、これが法人税にどういう影響が出てくるのかというお尋ねがあったと思います。
 実は、この不良債権の処理が九年度についても多額に行われているというのは我々も承知しておりますが、これが実は有税なのか無税なのかという問題が一つございます。それからもう一つは、まさに前から累積赤字を抱えているような法人が償却をしておりますと、これは税収に実は余り影響が出てこないということになるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、特別損益の部で多額の不良債権の処理が行われているわけでございますから、税収面で何らかの影響が出てくるというふうに認識しております。
 いずれにいたしましても、今後の法人税収の動向、五月分、あるいは来年以降も慎重に見てまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○五島委員 まだ前年度の歳入全体が明らかにならないのでわからないという大蔵大臣のお答えでございますが、常識的に考えても、今の、企業経営も非常に悪化している、消費が落ち込んでいるという状況の中において、また失業率もふえてきているという状態の中で、税収そのものが減額してきているということは、これは避けられないんだ。
 それで、今正確な数字がないからというのは、これはわかる。しかしながら、歳入欠陥が出てくる、あるいはその歳入欠陥が出てきた段階において、今年度さらに、その経済変動の内容、さらには、後ほどお伺いいたしますが、不良債権の償却のありようによっては、税収入に影響があることは、これは当然である。一兆四千数百億円の今回の補正予算に伴うところの歳入の変動、これは計算のものですからわかります、それ以外のところを言っているわけでして、そうしたものがかなり減額補正をしなければいけないような結果になってくるのではないか。
 あるいは、そこのところは特例公債その他でもってやっていくのか、その辺について、もしそのようになってくるならばどうされるのかということをお伺いしているわけです。それは仮定の問題ではない、もう既にかなり現実の問題になってきているのではないかというふうに思うわけですが、いかがですか。
○松永国務大臣 委員のおっしゃることは、九年度に相当額の歳入不足が生じた場合にどう措置をするのかという趣旨であろうかと思いますが、その前に、もう一つは、十年度のことにつきまして、不良債権の実質処理というものが進み、その過程で債権放棄したものについて損金としてそれを認めるということになりますというと、そのことが法人税の税収にどう響いてくるかという二点であったかと思います。
 後の方から申し上げますと、実質的な不良債権の処理、これに伴う債権の放棄、そしてそれを損金として認める措置というのは、不良債権の処理を相当程度期待をしておるわけでありますけれども、しかし、それが本当に始まってくるのはもう少し時間がたってからだと思うのでありまして、今の段階でどの程度不良債権処理というものが進んでくるようになるのか、ちょっと見通しが立ちませんので、その点についてはちょっとお答えすることは難しい状況にあるわけであります。
 前半の方の、九年度決算の関係での、歳入欠陥が相当額出た場合にどうするかという話でありますが、重ねて申し上げて恐縮なんでありますけれども、どの程度出るのか、仮定の話でありますのでそのことを前提にして申し上げますけれども、仮に不用額が相当出たとしても、あるいは税外収入が相当出たとしても、歳入欠陥が起こるということは想像できないわけではありません。
 そして、それが実際そうなった場合にはどうするのかという話でありますが、十年度において繰り入れを行うことになるわけでありますが、それは、十一年度までに一般会計から決算調整資金に繰り戻し、決算調整資金、実はゼロになっておりますものですから、国債整理基金から借り入れをして、そして処理をすることになりますので、十一年度までにその関係につきましては決算調整資金に今度は戻し、そしてさらに国債整理基金へ繰り戻す、こういうことの処置をしていくわけであります。
 いずれにいたしましても、決算調整資金に関する法律の規定に基づきまして、これはきちっと処理していかなければならぬ、こう思っているところでございます。
○五島委員 歳入欠陥が出てくれば、結果としては公債からの借り入れによって処理していく。恐らく、九七年度そのように処理するとすれば、もし今年度さらに、十年度においても続いていくとすれば、そういう形でのさらなる公債への依存というのが強まっていくのではないかというふうに思います。
 その一方におきまして、この補正予算の審議の間にも、株安というのは非常に進みました。本日は一万五千円を割り込んだ。そして、円も百四十五円を超えてしまった。大変な円安と株安というものが進んできています。このことによるさまざまな問題があるわけでございますが、今我々が考えておかないといけないことは、こうした非常な円安の状況の中において、やはりそれによって日本の経済が受けるのは、プラス面とマイナス面、これは当然あるだろう。
 貿易産業を中心としたところにおいては、やはり貿易については結果的には競争力をつけてくるのだろうな、これは容易に想像できるわけでございます。結果として、非常に続いております貿易収支黒字というものがさらに続いていく、あるいは額が大きくなってくるという状態が予想されるわけでございますが、同時に、それによっての貿易摩擦の再燃というものも十分に考えられるわけでございます。
 とりわけ、今回のこの大幅な円安というものが、欧米との関係もいずれは出てくるとしても、当面の問題としては、やはりアジアの金融不安以後の状況の中において、アジアの経済に対しての影響は非常に大きい。また、アジアとの貿易競争においてのいわゆる貿易摩擦というものは非常に大きなものになってくるのではないか。場合によっては、そのことが第二次のアジアの金融不安を引き起こすのではないかということも心配されているわけでございますが、その点について現在政府はどのようにお考えになっているのか。そうした貿易摩擦を起こさないためにどのようにしていくのか。
 当然であれば、こうした貿易摩擦を回避するためには内需の拡大ということが考えられるわけでございますが、それができないということの中で起こってきている今日の不況とそして円安、そしてそれが結果するところの一時的な大変な貿易黒字という状況が、アジアに新たな迷惑をかけようとしている。そのことについてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 議員御指摘のポイントは、非常に大きなポイントでありますが、これは幾つかの見方のできる部分を有しておると思います。しかし、本質的に私ども、今の市場の動向そのものに言及することは避けなければなりませんが、極めて注意深く関心を持ち続けなければならない状況にあることは、議員の御指摘のとおりであります。
 ただ、その上で一点私から申し上げたいと存じますのは、対アジアという通貨のレベルだけで議論をいたしましたとき、実は円は確かにドルに対しても欧州通貨に対しても円安の方向にあるわけでありますが、アジア通貨のほとんどと対比をいたしました場合に、実は依然として、アジアの通貨から見た場合には、円高という状況が大半の通貨について続いております。たまたま、アジア諸国の輸出と日本の輸出との商品構成を見ましたときに、アジアの輸出を奪う、対欧州、対米において奪うような通貨の状況ではこれはございません。基本的にはひとつこの点はどうぞ御理解をいただきたいと思います。
 しかし同時に、逆に日本の市場が不安定であること、対欧州あるいは対アメリカ、これは欧米の経済が好調であることも当然の一つの要因でありますし、貿易収支ということだけで考えますなら、原油価格等も影響しておるといったことも議論としては申し上げられるわけでありますが、しかし、日本経済を安定させ、回復の軌道に乗せなければならないという命題をこれが打ち消し得るものではないことも事実であります。
 そして、そうした努力を私どもが払うことに対して、当然ながら、これは欧州とかアメリカとかあるいはアジアとかという限定をつけず、各国は当然これを好感を持って受けとめ、またさまざまな角度で、これは我々だけで市場を動かすことはできないわけでありますから、協力をしていただく部分は当然出てくると思います。
 そして、議員は、この市場の動向の中で、経済的な摩擦が国際関係を悪化させかねないという御懸念を述べられました。確かに、さまざまな問題は過去にもございましたし、現在にも、例えばアメリカとの関係におきましても、ヨーロッパとの関係におきましても、存在をいたしました。そして、WTOのルールというものが確定してから、そのルールの中で私どもはこれを解決することに努力をしてまいりました。
 そして、今後におきましても、さまざまな課題は予測されます。しかしそれは、我々自身がまずみずからの国の経済を立て直していき、景気を回復軌道に乗せていくという努力の過程で、いずれにしても解決をしていかなければならない問題。そして、市場については言及は避けますが、私どもとしては、極めて注意深くその動向を見守りながら、今御審議をいただいておりますこの補正予算、両院の議決を得ましたならば、こうしたものを実行に移していく。
 同時に、本質的な問題としての我が国金融機関の抱えております不良債権の処理というものを、バランスシートの上でもわかる形で処理を進めていかなければならない、消し去る方向で努力をしていかなければならない。こうした中における問題もまた個別に解決をしながら、そのような考え方を持って臨んでおります。
○五島委員 市場に関する評価は避けるとおっしゃいますが、この補正予算が提出されてから後の状況の中で、大変な円安と株安とが起こってきているわけでございます。そして、株の問題だけであったり、あるいは貿易の収支の問題だけであれば、それなりに対応も可能であったかもわかりませんが、日本の不況というのは、既に、ここまで急激な円安という形での、金融の安定が非常に欠いたような状況にまで来てしまっている。これは言いかえれば、共同介入して何とかできるという状況をもう超えたのではないか。
 そうなりますと、日本の経済そのものが、まさに総理もその意味でおっしゃったのかもわかりませんが、基本的にきちんとした立て直しができるまでは、日本は混乱の渦の中心にあるという状況になっていくのではないか。
 そうした場合に、確かにおっしゃっておられますように、アジアの主たる輸出物産と日本とは違うというのはそうでございますが、やはりそのことによって、アジアの金融不安の新たな引き金になったり、あるいはその過程の中で日本の景気が回復しないとすれば、やはりアジアにおける一層の不況というものも、その引き金を日本は引いてしまったというふうな批判も出てくることも想定されるわけでございます。そういう意味では、総理がおっしゃっておられるようなお話は、もう既に時期的に超えたのではないかというふうに思います。
 時間がございませんので、次の問題点に進みたいと思います。
 先ほども御意見がございましたが、この委員会の中におきましても、我が党の菅代表初め多くの議員が例の不良債権処理の問題について御意見を出しておられました。この話を聞いていて、どうしても話が出ていない、はっきりしない、多くの市民、国民がそこのところは一体どうなるのだと考えている点が一つございます。
 なるほど、不良債権処理は急がなければいけない。したがって、その不良債権の処理のためにいろいろな方法がある、各党いろいろ出していました。我々もかつて、土地に対して、国営銀行をつくってでも何とかしてやっていく必要があるんじゃないかというふうなことを言ったこともございます。そうした不良債権の処理を急がなければいけないということと、債権でございますから、債権者と債務者とあるわけですね。これはゼネコンだけではないよということは松永大蔵大臣も盛んにおっしゃっておられるわけでございますが、この対象は一体どこまでになるのか。
 今、御案内のように、貸し渋りの中で中小企業の倒産もふえています。事実、十二日の東京商工リサーチで、銀行百一行の貸出残高が昨年度で十七兆三千五百億円減ったと出ています。結局、その分だけ資金回りが悪くなったということなのかなと思いますが。年度を越えて、ますます貸し渋りが厳しい中において、中小企業の倒産も続いています。
 そうした中において、不良債権を処理する、その貸し手の銀行の方の処理の話はされています。債務者であるが、すなわち、その中にはゼネコンも入るんでしょう、不動産業者も入るんでしょう。それは中小企業も入るのか、あるいは、失業し、ローンが払えず自己破産寸前まで来ている個人も入るのか。一体どこまで入るのか。これが一つでございます。
 もう一つは、松永大蔵大臣は、和議申請をする、破産手続をする、そういうふうな手続をやっていたのでは時間がかかる、だからこのような仕組みでやってきたんだ、やろうとしているんだというお話でございます。
 だとすると、このような仕組みの上で不良債権の処理をされる、銀行の方はいいですが、その債務者である借り手ですね、借り手の側に対してはどうするのか。これは、直ちに法律を変えてでも、その時点でもって破産処理が進むようにするのか。あるいは、和議申請、会社更生法等々の手続に入っていくようにするのか。それとも、債権がなくなったんだから、その処理をされたそういう債務者については、いわゆる徳政令、借金棒引きをしようとしているのか。
 この二点について、お答えいただきたいと思います。
○松永国務大臣 これは、実際やってみた場合にどういう形になっていくのか、方式その他についてはもう間もなく最終的に決まることだと思いますけれども、基本的な考え方を申し上げますと、何人から見ても、もうこの債務者からは一銭もとれないという状態というのは、破産をして、破産をかけて、会社ならば破産させて破産結了まで持っていく、これが一つですね。あるいはまた、強制執行をかけて、その債務者の持っているすべての財産について強制競売をやる、それが最後の段階だと思うのでありますが、そこまで持っていくのでは、まず一つは時間がかかる。
 もう一つは、これは中小法人等の場合に想像されることでありますが、ある中小企業者が、例えば食堂なら食堂をやっておる。それは一応真っ当にやっておるけれども、そのうち、ある人から言うなればアイデアを出されて、そのアイデアに基づいて土地を買い、たくさんの金を借りて、そしてそこにでかいマンションをつくったところ、こっちの方がちっとも売れずに、そしてそれが大きな不良債権になっているという場合に、もともとの小さい飲食店程度は残してやってもいいのではないか。中小法人の経営者。新たに始めたこの分は全部売却させてしまえ、そうすれば何とか生きていける分だけは債権を放棄してやるというやり方もあるかもしれません。
 いずれにせよ、最後まで追い込んでいって、そして全部破産させてしまう、全部強制執行までしてしまうということは、時間もかかるし、あるいは時と場合によっては気の毒な場合もあるかもしれないということも考えながら、そこで、多数の債権者との間に和議が成立したような場合には、一部債権の放棄をする、あるいは全部する、利息程度の放棄をする、いろいろなやり方はありましょうけれども、債権放棄をすることによって合理的な再建計画、一種の和議ですが、和議が成立した場合にはそれで処理するという方法もあるでしょう。
 そういった方式を検討して、そして債権処理が早く進むようにしていこう。一般に考えられる本当の破産、本当の法律上の和議あるいは強制執行、そこまでいかないうちに早くやれないか。これが一つの考え方です。
 もう一つは、日本の強制執行法、競売法、いずれも非常に時間がかかるような仕組みになっていますから、この点も実は早急に法改正ができれば、この民事執行法関係の法律の整備も必要だろう。これも検討されておるところであります。
 それからまた、土地についても、形が悪い土地でありますというといろいろ使い勝手が悪い。そこで、土地の整形をすればその土地が利用価値が出てくる。そうした上で処分をして、そして取り立てるものは取り立てる。取り立てることのできなかった、不能になった分は、これは債権放棄という形にならざるを得ない。そういったことをした上での債権放棄は、これは実際上とれないから放棄したということになるわけでありますから損金に認めるというふうに、法人税法の基本通達の明確化をしたということであります。
 そういう考え方で、債権の実質処理が早く進むように、今具体策の取りまとめが大体終わりの段階に入ったということであります。法改正の必要なものは次の国会で急ぎ法改正をして対応していきたい、こういう考え方でございます。
○五島委員 非常に話がさまざまな、余りふさわしくない例まで出されてお話しですので、ますますわからないわけですね。
 問題は、大蔵大臣おっしゃるように、債権が取り立てができない、そういうふうな状況の中においてこれを適用するということであれば、そのことによって、借り手側の企業の存在というものは破産かもしくは会社更生法しかないのではないか。もし、そこのところに、債権債務というものを処理する、しかし債権者と債務者との話し合いにおいてそこは置いておこうということであれば、引当金が足りない場合に銀行に対して資金注入する、すなわち税金を使うということの了解というのは到底無視できないわけでございます。
 さらには、もしそのようなことをするとするならば、今まさに日本の経済がここまでこのような経過になってきた一つの問題として、日本の経済そのものの中に、民間も含めて、本来の意味でのきちっとした競争の原理というのはどうなってきているのか。そこのところが、官民いろいろ言われている形の中において、護送船団とかいろいろなことを言われてきています、そういうふうな日本の一つの大きな問題点を逆にそこに温存したまま残していこうということになるのではないか。
 もし、大蔵大臣言われるように、日本の不良債権の処理を急がなければいけない、それを急ぐために処理するということであれば、当然、債務者の側に対しては、その債権は住専機構と同じように完全に取り立てをしていくのか、あるいはそのことによってその企業の清算を求めていくのか、そういうふうなことになっていかないと、これは一生懸命努力してきている企業からいえば、本当に競争性も何も失われる、公平性が失われるということになるのではないかと思います。
 また、銀行の方も、そういう形で何もかも一緒くたにしてそういう処理をしていこうということであれば、結局、その銀行そのものにおける自主努力というのは一体どうなってくるのか。たくさん金を貸し付けてきて、そして不良債権をたくさん持っているところがそういう形で税でもって処理されるよというふうな話になってしまうのではないか。
 そういうふうな形で一時的に国民の負担によって、あるいは国民の負担というよりも次世代の負担によってこういうふうな問題を処理したとしても、それを起こしてきた日本のそういう機構、ひずみ、それをそのまま温存したままでいけば、そういうふうなことによって何ら問題の解決にならないのではないかというふうに思うわけですが、その辺どうですか。
○松永国務大臣 今、護送船団方式と言われましたけれども、不良債権をたくさん抱えている銀行等は、みずからも不良債権の早期処理を図りたいという気持ちをお持ちだと私は思います。あくまでも銀行なら銀行自身の自主的な判断で、そしてこういう措置を進めていきたいということなんでありまして、国の方で要求したり指導したりするわけじゃありません。しかし、早く処理した方がいいですよという程度のアドバイスはするかもしれませんけれども、あくまでも銀行自身の実は自主的な判断で、みずからの企業を、体質を強化するための判断に基づいてやってもらうということであります。それが一つ。
 もう一つは、その債務者、すなわち良識を持ってこの処理を図っていこうという、そういう債務者であって、かつ、あらゆる努力をして返せるものは返した、生きるためにもうこれ以上はありません、こういった場合に、それでもなおかつ破産にせにゃいかぬのか。破産をして、破産結了までは相当期間がかかる、それでは早期処理にはなりませんし、和議だって、実際の話、そう簡単には和議は成立しません。
 そこで、権利調整委員会などが中に入って、そして多数の利害関係者が協議をし、場合によっては調停をし、そして一つの合理的な再建策ができた、こういった場合に債権放棄ということがなされた場合に、その放棄した債権について損金として認めるかどうかという問題になってくるわけであります。決して、国民の税金を使うとか、孫子の代までその負担をツケ回しするなどという考え方はさらさらありません。
○五島委員 じゃ、具体的にお伺いします。
 例えば、百億の銀行からの借り入れがある、そして、その際に出した担保がもう全然担保価値がなくなっている、不良債権化している。これを、大臣が言われたように、破産措置あるいは和議にかけていると時間がかかる、だからこれに権利調整委員会等が間に入って処理をする。処理をして、結果において、このバランスシートから、貸し手の側ですね、銀行の方のバランスシートの中で消してしまいますと、債権そのものは消えるわけですから、当然、債務も消えるわけですね。
 ということは、そこの借りていたところにとっていえば、百億なら百億の借りてきた金を全く返さなくてもよい、そして、そのことによって、その企業そのものにとっての責任は問われないということになってくるなら、これは徳政令ではないですか。
○松永国務大臣 その債務を免除して、債権者の側からいえば債権放棄、債務者側からいえば免除という形になるんでしょう。その場合に、その債務者にまだ相当の資産がある場合にはそういうことはないんですよ。実際上とろうとしてもほとんどとれないという場合の話でありますから。その企業を、大きな企業をまだ相当の支払い能力があるのに免除してやるということであれば、それはいわゆる徳政令という批判を受けるかもしれませんが、支払い能力がほとんどなくなった者に対して債権放棄したからといって、それは徳政令というのは当たらないんじゃないでしょうか。実質上破産に近いような状態を想定して、速やかな処理をするということなんであります。
○五島委員 そうなると、もう支払い能力がないわけですね。したがって、実際上一切支払えないということになれば、これは、仮に今おっしゃっているような形で不良債権処理を急いだとしても、それの適用になったところは自動的にこれは破産手続が進められない。その上で、なおかつ、その企業活動なら企業活動が存続し得るのか。
 例えば、債務オーバーの状態の中において、その企業の持っている資産が百億円である、借入金が一千億である、とてもじゃないけれども払い切れない、おっしゃるとおりです。その場合に、その一千億の不良債権を処理した場合に、その百億円の資産というものはなくなっているということでしょうから、そうすると、もうその企業は企業としての資産を全く持たないという状態になるということであれば、それはその時点において完全な破産であるということになるのとどう違うのですか。
○松永国務大臣 破産の場合についていえば、委員御指摘のように何もかにもなくなってしまうということでありますが、しかし債務超過であっても、そこにはたくさんの人が働いておるかもしれません。だから、結局は望ましいのはやはり和議なんでありますけれども、和議でやっていけば、実はそこに働いている人は仕事が継続できるかもしれません。そういった場合でもその従業員が何とか働いていけるように、そして、相当程度は、利息の放棄はもちろん、元本の一部を放棄してでも何とか相当期間かけて返済できるという見込みがあるならば、一部放棄で一部は残すということもあり得るでしょう。
 いずれにせよ、権利調整委員会で合理的な再建策を立てて、そして、一番合理的と思われる再建計画、それを債権者側も了承した場合における債権放棄、あるいは全部の放棄、一部の放棄、こういった問題になってくるわけでありまして、実際はつくられた再建計画の内容によるということだろうと思います。
 こういう処理の仕方は、和議の場合に、あるいは会社更生法の場合にもよくあることでありますけれども、いずれにせよ、和議や会社更生法という法的な手続をとっていくのがスピーディーであるか、それとも権利調整委員会等々の場でやった方がスピーディーであるか。私は、後者の方がスピーディーであるから、そういったことの考え方のもとに権利調整委員会、こういったものを、法律を定めて、そして仲介、調停、こういったことで合理的な再建策が、何人が見てもこれは合理的だ、これしか方法がないというような場合の措置なのであります。
○五島委員 私は、大蔵大臣がおっしゃっているよりももっとスピードを上げて、我が国は不良債権処理をしなければいけないと思っています。不良債権の処理を進めない限りにおいては、日本の経済が立ち直るきっかけがなかなかつかめないと思っております。
 ただし、その場合、いろいろなやり方があると思いますが、今大蔵大臣おっしゃったような形でやるとした場合に、債務者に対する措置、それが今おっしゃっているように非常にあいまいである。場合によってはそれは徳政令でしかないじゃないかと受け取られるような内容、そのような形で、そのようなものが国民的合意が得られるとは思えない。
 やはり、不良債権処理をする場合においては、債務者に対して、あるいは債務企業に対して、どのようにきちっとその責任をそれなりにとっていただくか、そこのところを前提にせずに議論をしていく、そういうことでは、今貸し渋りの中で次々倒産している中小企業やあるいは非常に厳しい企業経営の中において失業者がふえている中での失業者にとっては、それはとても了解できる内容ではない。そのことを申し上げておきたいと思います。
○松永国務大臣 今言ったようなことをする前提として、モラルハザードが起こらぬようにということになっていることは当然のことです。したがいまして、多額の不良債務を抱えている者が得をするようなことは、これは許されることではない、こう思っております。
○五島委員 時間が経過しますので、この問題はここで終わりまして、次の問題に行きたいと思います。
 きょう、警察庁にもおいでいただいておりますが、自殺者数が交通事故死亡者を大きく超してしまった。交通事故死亡者の二・五倍ぐらいまで自殺者数が平成九年度ではふえております。
 過去を見てみますと、昭和三十年から三十三年、四年ぐらいまで、それと昭和五十八年から六十一年ぐらいまで、この二つの時期に集中して自殺率が非常に高くなるピークを持っています。今回また、平成九年度以後急激に自殺率が上がってきている。この自殺率の今の時期の急激な増加というものについて、過去のこの二つのピークとの間に何か類似点があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○泉政府委員 警察が認知した平成九年中の自殺者は二万四千三百九十一人で、前年に比べて増加しております。
 今お尋ねの、昭和三十年ごろとそれから六十年ごろという御質問でありましたが、実は、前者の、二十九年から三十三年ごろピークを見ておりますが、これは私どもの調査統計ではございません。他の省庁のものを経年的に引用しておりますので、むしろ私どもが承知しております五十八年から六十一年までのピークと比べてみるわけでありますが、その前に、警察は犯罪捜査の過程で、事件あるいは犯罪死によるものではないということの確認のために捜査を行いまして、その結果、一つの結論として自殺である旨の確認をしております。その原因、動機等につきましては、その時点でその判断を支えるに足る要素をもってやっておりますので、厳密な検証といいますか確認をしているものではございません。また、そのようなものでございますので、トータルの数字の増減で何らかの原因に結びつけるということが必ずしも妥当かどうか、むしろそのようなデータにはそぐわないのではないかというふうに考えております。
 いずれにしましても、五十八年―六十年ピークの場合と、今回の平成九年度の数字でございますが、病気など健康にかかわる問題によるものが大半を占めておるという状況でございます。
○五島委員 自殺率がふえるというのは、ある一定の年数で非常に特徴的にピークをつくっていく。自殺原因そのものについては、警察が個々にやっておられますと、常に病気が第一位とかいろいろな形になっていて、余り特徴は見えない。必ずしも経済状況によって自殺率が高くなったり低くなったりするという内容でないというのも、過去の例からも明らかでございます。
 ただ、今は、非常に日本が景気が混乱している時期において、戦後三回目の自殺率ピークを迎え出した、これは非常に不気味でございます。その辺について政府の方でも、社会病理学としての自殺という観点からの検討をされていないようでございまして、交通事故死亡率を大幅に、二五〇%という形で超えている状況の中において、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 私は、少子化問題と、あと環境ホルモン問題についても御質問したいと思っていたわけですが、時間がございませんので、この問題については回答は結構でございます。
 次に、少子化問題についてでございますが、少子化の原因というものについて幾つか説明されておりますが、女性の側から見て子供を産まないということの理由というのは、かなりもうはっきりしてきたと思います。そして、菅代表も指摘しましたように、有職既婚婦人の出生率というのは、東京都で〇・五一とか北海道で〇・五五とか、非常に低くなってきている。しかも、高学歴、キャリア化している女性ほど子供を産まないというふうな数字が出てきています。そして、そのことが、ある程度政府の調査の結果でもその根拠らしきものはもう出されてきている。
 例えば、今回経企庁がお出しになった国民生活白書で見てみますと、女性が出産することによって逸失する所得というのは生涯で六千三百万円。この六千三百万のうち、出産、育児による就業中断中の賃金というのは約千九百万である。では、残りの四千四百万、これは何なのか。
 日本型の雇用体系の中で、出産によって就業を中断するあるいは退職する、そのことによって起こってくるところの、いわゆる年功序列型賃金の中から起こってくるそういう不利益分、それが退職金にも及んでくるという過程の中で、そのことによって逸失する、すなわち日本の雇用形態の中から起こってくる逸失分の方が、四千四百万円、はるかに一人の人にとって大きい。ここのところをどうするかということを抜きにして、出産中の問題だけを我々も議論し過ぎてきているのではないか。そこのところをどうするかということを議論していかないと、高学歴化する女性労働というものを社会の中にきちっと組み入れることができないのではないか、これが一つでございます。
 いま一つは、教育費の問題。家計の中における費用負担の中で何が一番大きいのか、これは、やはり教育負担でございます。教育負担というのは、在学費用というものが、これも菅代表も言いましたが、年間の学費が百五十一万二千円、そして自宅外通学者のいる場合の在学費用と仕送りと合わせた金額というのは、一人について三百十一万七千円。そして、そうした子供を持っている世帯においては、家計全体の所得の中の四一%が子供の仕送りと教育費に行っているという数字を、これは国民金融公庫の昨年の八月の調査ですが、出されています。
 すなわち、今家計の中で一番金が行っているのは何なのか。やはり高校、大学、高等教育に対する仕送りが非常に金がかかっている。しかも、出産することによって、女性の所得というものが、生涯勤めたいと思いながら出産ということによって就労から外れるときのその逸失所得だけではなくて、それの約三倍近いお金が現在の雇用システムの中から生み出されてくる、そういうふうなことを考えた場合に、できるだけ子供は少なくいきたいというふうな状態になってくることは当然だろうと思います。これは実は労働の問題であり、教育の問題であり、財政の問題だろうと思います。
 こうした、子供が生まれない、産まないということの原因というものに真っ向から対応していかないで、本当に少子化対策はできるのだろうかと思います。
 先日厚生大臣は、年金の中で、五つの法案の中で二番か三番というようなことをおっしゃっていましたが、これもまた現行の年金制度の中で、現行の高齢社会の推移の中で計算したときの話でございまして、六十代の、労働力としては十分かつてに比べると残っている、そういう大量な良質の労働力、しかも労働の質の変化ということを考えた場合に、豊富な経験があった労働力が社会の中に生まれてくるということをどのように活用するかということ、その観点を抜きにして年金問題を議論しますとあのような結論になるのかと思います。
 やはりこれからの問題というのは、少子・高齢化という社会の中において、どのように社会の仕組みを総合的に変えていくかということを抜きにしては、少子化対策も年金対策もできないのではないかというように思うわけでございますが、その点について、総理の御意見をお伺いしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 少子・高齢社会というものについての問題意識は、基本的に私は議員とそれほど違いはないように思います。
 人口問題審議会のリポート以来、さまざまな角度から分析をされてまいりました。そして、その中における、いわゆる男女共同参画社会というものを目指した形態ができ上がっていない今日における問題が、少子化の一つの大きな要因としてさまざまな角度から挙げられております。そしてその中には、雇用の継続性の問題、出産による勤務中断と、議員御指摘のとおり現行の年功序列型の賃金体系の中で、その間における昇給の停止がその後の昇給に影響をする率、さまざまな問題が提起をされております。
 その上で、同時に、これはちょっと情緒的と言われるかもしれませんが、そうした金銭的なことだけが少子社会の原因だということであれば、私は大変残念だと思います。それだけに、これは本来国が介入すべきことではないわけでありますけれども、どうすれば子供を産み育てやすい社会環境をつくれるかということについては、お互いが力を合わせていかなければならないのではないでしょうか。
 私どもは、その意味における、地域社会と家庭、あるいは労働と家庭、これは雇用と言いかえてもいいかもしれません、さまざまな意味で一層の努力を必要とする部分をたくさん持っておりますし、社会保障の形態におきましても、こうした状況を無視した形は将来ともに無理がいき、きちんとした対応の設計をしなければならない、そのように考えております。
○五島委員 ダイオキシン問題についても質問したいところでございましたが、時間が参りましたのでまた改めてさせていただくことにして、終わります。
○越智委員長 これにて五島君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして平成十年度補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○越智委員長 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次これを許します。伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております平成十年度補正予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 平成十年度補正予算は、今般の総合経済対策を実施するためのものであり、現下の経済情勢及び国民生活に欠くことのできないものであります。以下、本予算に賛成する主な理由を順次申し述べます。
 賛成の第一の理由は、本予算が現下の厳しい経済状況に対応し、我が国経済を力強い回復軌道に乗せ、我が国経済に対する内外の信頼を回復するための過去最大の総合経済対策を実行するためのものである点であります。
 本対策においては、国内需要の喚起を図ると同時に、豊かで活力のある経済社会の構築に向け、二十一世紀を見据えて、真に必要となる社会資本の整備に配慮し、国、地方を合わせて総額七兆七千億円程度の事業を実施することとしております。具体的には、環境・新エネルギー、情報通信高度化・科学技術の振興、福祉・医療・教育などのための事業を実施するほか、地方単独事業についても追加を要請することとしております。
 また、税制面では、二兆円規模の特別減税を追加し、定額方式によりできる限り早期に実施することとしております。また、中小企業投資促進税制の創設、住宅取得促進税制の拡充などの措置を講じております。
 賛成の第二の理由は、本予算が、土地債権の流動化や中小企業などの貸し渋り対策に対応するなど、経済発展の障害となっている問題に的確に対処しているものであることであります。
 本予算においては、土地の整形、集約化を行うなど、土地債権の流動化を促進するための総合戦略に従って、不良債権問題の解決に取り組むこととしております。また、中小企業、中堅企業を初めとする各経済主体への資金供給の円滑化を図るとともに、最近のいわゆる貸し渋り問題にも対応していくため、中小企業金融公庫などに対して融資の拡充などの措置を講じております。
 賛成の理由の第三は、本予算がアジアの経済安定のための施策を講じている点であります。
 アジア諸国では、成長率の低下、失業者の増加といった厳しい経済状況が続いております。これらの諸国が持続的な経済成長軌道に戻ることができるよう、本予算において、アジア諸国の経済安定化や構造改革支援のための措置を講じております。
 以上、賛成理由を申し述べましたが、私は、本予算が、このように現下の経済情勢にかんがみ、必要不可欠な施策を実行するためのものであるとして、賛成の意を表するものであります。本予算を初めとするさまざまな取り組みが相乗効果を持って我が国経済の回復をもたらすものであり、そのためにも、本予算の一日も早い成立を期すことがぜひとも必要であります。
 また、政府におかれましても、本予算の成立の後は、諸施策を速やかかつ着実に実施されますよう強く要望いたしまして、私の賛成討論といたします。(拍手)
○越智委員長 次に、高木義明君。
○高木委員 私は、民主党を代表し、政府提出の平成十年度補正予算外二案に反対する立場で討論を行います。
 今ここで求められているのは、日本を立て直す予算であります。つまり、予算を通して景気を回復し、我が国の経済や国民生活を立て直すということであります。
 完全失業率は毎月最悪を記録し、経営や暮らしを苦にした自殺者が激増しております。また、市場では、円安、株安が進行し、債券相場も急落するという事態が起こっています。これらは、橋本内閣の政策の失敗が引き起こしたことは明白であり、その結果、国民に金融不安、雇用不安、将来への不安をもたらしているのであります。
 補正予算は、こうした状態から抜け出し、国民の不安を解消するための思い切った対策を盛り込んだものでなければなりません。しかしながら、政府案は、到底日本を立て直すものとは言えず、我が国経済をデフレスパイラルという悪循環に陥れるものと断ぜざるを得ません。
 以下、反対の理由を申し述べます。
 まず第一の理由は、二兆円の減税が一時的な特別減税であり、景気回復への効果が期待できないことであります。
 今回の補正予算では、さきの特別減税の積み増しとして二兆円の特別減税が含まれておりますが、このような小出しの減税の繰り返しでは全く景気回復にはつながりません。橋本総理は、さきの本予算の審議の中で、恒久減税を求める我が党の同僚議員の質問に対し、特別減税を繰り返すことは愚の骨頂と答弁されたのは、よもやお忘れではないでしょう。
 国民経済を活性化させるためには、将来にわたって実質的に消費を上向かせる恒久減税とするべきです。我が党が主張しているように、六兆円の恒久減税及び政策減税で健全な個人消費を促すとともに、民間企業の競争力強化と意欲を引き出すような対策こそが今求められております。
 反対する第二の理由は、財革法に縛られ、本来ならば本予算に計上すべきもので、財政法から見て補正予算になじまないものがほとんどであるからであります。
 また、公共投資も、従来の土木型中心の公共事業に偏っていることです。これは経済団体からも壮大なむだと指摘されており、古い利権構造を温存する公共事業のばらまきは、自民党の支持基盤へのあからさまな利益誘導の色彩が強く、参議院選挙対策と言っても過言ではありません。
 公共投資は、分権を進める未来への投資に転換すべきであります。民主党は、地方自治体が自由に使える四兆円の予算を用意し、中央省庁主導による公共事業の補助金をこれにシフトすることを提案しております。
 最後に、私は、一カ月間も補正予算をたなざらしにし、それを人質に、多数を頼んで省庁再編法を通した自民党・橋本内閣のやり方は、経済対策を国会対策の具にしたものであると声を大にして指弾したい。
 橋本不況とも自民党不況とも言われているこの悪循環を断ち切る第一歩は、橋本総理がきっぱりとけじめをつけて責任をとることです。このことを強く要請して、私の討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、西川知雄君。
○西川(知)委員 平和・改革を代表して、政府提出の平成十年度補正予算案に対し、反対の立場から討論を行います。
 反対する最大の理由は、このたびの補正予算案の編成自体が、十年度当初予算は最善のものである、景気対策としての補正は組まないとしていた橋本内閣自身の自己否定そのものであるという点であります。
 我々は、当初予算案の審議の際、今日の景気状況からいって、財革法に縛られた緊縮路線をとるのではなく、景気回復のための施策を講じるための予算に組み替えを行うべきであることを強く主張してきました。ところが、橋本総理は、当初予算を最善と言い切っていたにもかかわらず、当初予算が成立するや否や、国外からの政治的圧力にも屈し、補正予算を前提とした十六兆円規模の総合経済対策を発表し、いとも簡単に前言を翻し、政策転換をしました。まさに国会の予算審議権を軽視したやり方であると言わざるを得ません。
 さらに、政治的にだけではなく、法律的にもこのたびの補正予算編成には重大な問題があります。
 橋本内閣は、補正予算の編成事由は、当初予算作成後にアジア危機、金融破綻などの影響があらわれてきたこととする旨の答弁をしておりますが、これは全くの詭弁であります。アジア危機などの影響が予算編成前から既に存在していたことは、さまざまな統計等からも明白なのであり、これは補正編成事由には該当しません。このように、財政法第二十九条の強引ともいえる拡大解釈を時の内閣の判断でいとも簡単に行ってしまう裁量行政が、国民の政治不信、白け、あきらめへとつながっていることを、橋本内閣は深く反省すべきであります。
 第二に、補正予算が景気回復としては極めて不十分であり、また国民の生活不安を一掃するに足る内容とはなっていないということであります。
 政府は、平成九年度補正予算に続いて、追加的な二兆円規模の特別減税を盛り込んでおりますが、小出しで、しかも増税予告つき減税では、国民の将来不安の解消、消費マインドの改善にはほど遠いと言わざるを得ません。今こそ、経済界も含め、国民の総意でもある恒久的な所得税、法人税減税の実施を決断すべきであります。
 また、景気対策の上からも、国民生活向上の上からも、生活の基盤である住宅対策に力を入れるべきであると考えます。具体的には、我々は、新たな個人の住宅ローンにおける利子分に対する所得控除制度を創設すべきであると考えますが、政府案にはこうした国民の側に立ったきめの細かい対策が全く盛り込まれておりません。
 第三には、情報通信、福祉・医療・教育などの新たな分野への公共投資をふやしたとは言いながら、実際の予算配分や事業内容を見れば、建設国債を中心とした一般公共事業がそのほとんどを占めており、依然として従来型のばらまき型の公共事業中心であるということであります。
 例えば、補正予算において、情報通信の高度化に資するために電線共同溝の整備等を推進するとして、千八百億円を超える予算がついております。しかし、この施策は既に平成七年度からスタートしており、特段目新しいものではありません。橋本内閣が新社会資本整備に六割を充てたといっても、箱物中心で、実際の事業の性格はまさに従来型であります。
 第四には、極めて深刻な状況にある雇用情勢に対して、総合経済対策、補正予算程度の対応では効果的な改善策にはならないということであります。
 特に、中高年齢層のミスマッチは深刻であります。雇用条件、なかんずく給与におけるミスマッチは、地域、業種等でばらつきがあると思いますが、求人側と求職側の給与のミスマッチが四割程度の開きがあるところもあります。政府は、雇用対策の目玉として、特定求職者雇用開発助成金の支給対象者を四十五歳から五十五歳にも拡大するとしておりますが、残念ながら、その助成率はこれらのミスマッチを埋めるには不十分であると言わざるを得ません。本格的な雇用対策を実施する決意が内閣にあるのならば、さらに助成率など一層の要件緩和と同時に、追加的な予算措置を当然盛り込むべきであると考えるのであります。
 また、雇用情勢の悪化、景気低迷の根底に産業の空洞化問題が横たわっており、早急な対策が求められているにもかかわらず、補正予算においてはその手当ては極めて不十分であります。
 最後に、私は、不良債権処理の問題に関して、一言意見を申し上げたいと思います。
 橋本総理は、最近になって急に、不良債権の処理を急ぐべし、金融機関のバランスシートから落としていかなければならない旨の発言を繰り返しております。しかしながら、不良債権の実態を十分に情報公開もせず、また金融機関の経営者の責任追及もあいまいなまま、公的資金の導入、不良債権の無税償却を明確に是認する措置をとることは、国民全員が現下の不況にあえいでいる中、金融機関のみを不当に優遇するもので、到底国民の支持を得られるものではありません。
 以上、反対の理由を申し述べましたが、そもそも、このたびの補正予算案は、橋本内閣の経済失政、政治責任を国民の前に明らかにしたものであることを確認して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、中井洽君。
○中井委員 私は、自由党を代表して、平成十年度補正予算案に対し、反対の立場から討論をいたします。
 総理は、昨年秋の臨時国会における財政構造改革法審議の際、集中三カ年においては景気対策としての補正予算を編成しないことが財政構造改革法にかなう原理であると答弁をしております。陣頭指揮で法案化され、我々の反対を押し切って成立させた財政構造改革法さえ、たった六カ月で修正、その上補正予算を編成せざるを得なくなったことは、総理の経済を初めとする国政運営が完全に破綻したことを示すものであります。
 今補正予算案は、五月十一日に提出されているにもかかわらず、一カ月近くたなざらしにされておりました。橋本総理は、予算案審議の際、常に、一刻も早く成立させていただきたいと言われてきたが、総合経済対策が一刻も早く必要であるなら、提出と同時に補正予算案を審議するのが当然でありました。
 また、そもそも本予算が不十分であれば、撤回の上再提出するべきであったはずであります。我々の予算組み替え要求を虚心坦懐に受け入れて、予算を修正していれば、補正予算など必要なかったはずであります。この危機的な経済状況下にあって、たび重なる失政に反省の色もなく、我が国の行く末、国民生活より政権維持を最優先させる総理の政治姿勢は、言語道断であります。一日も早い橋本総理の退陣が最善の景気対策と言わざるを得ません。
 以下、反対する主な理由を申し述べます。
 第一に、この補正予算は、日本経済の構造改革に資するものでは全くありません。
 橋本内閣の日本経済に対する認識の甘さ、危機感の欠如は、目を覆うばかりであります。我が国の置かれた危機的状況、経済危機の要因が構造問題にあることを少しも理解しておりません。
 第二に、公共事業中心の経済対策であれば、再来年度以降の民需主導型の持続的成長につながる期待が持てないため、公共部門から民需へのバトンタッチのための施策がなければ、九九年度以降の反動減は深刻となるのは当然であります。内容も、目先の需要追加に重点を置いた従来型、選挙目当てのばらまきの域を出ておりません。
 第三に、いまだに特別減税で日本経済の危機的状況が救えると考えており、見識を疑わざるを得ません。
 特別減税は、期間限定、減税が終われば増税が待ち構えている増税予告つき減税であります。しかも、財源は、みずから否定されてきた赤字国債であります。内外からの我が国に対する先行き不安は、特別減税では解消することはできません。むしろ、赤字国債を財源とする特別減税は、将来の大増税につながるという懸念から、消費に回らず、景気浮揚効果もなければ、財政の悪化を招くのみであり、かえって先行き不安をあおっているのであります。何回延長しても、景気浮揚効果はさほどありません。橋本内閣の場当たりな特別減税は、国内外の市場において円、株の下落が示しているとおり、全く評価されておりません。
 今必要なのは、日本経済の構造改革のための思い切った制度減税であります。
 自由党は、今世紀残された三年間を経済再建、経済構造改革のための集中改革期間として、所得・法人税の当面十兆円、中長期で十八兆円の制度減税により、国民の勤労意欲と企業の投資意欲を刺激して、サプライサイドから民力を回復するための抜本的な経済対策、税制改革を行うべきと主張しています。その上で、財政再建を、行財政一体の徹底的な見直しによる歳出削減と、民力中心のたくましい経済からもたらされる租税増収によって行うべきであると考えます。政府の経済政策は、自由党の経済政策の考えとは全く相入れないものであります。
 以上、補正予算に反対する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、矢島恒夫君。
○矢島委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました平成十年度補正予算三案に対して、反対の討論を行います。
 本補正予算案に反対する理由の第一は、橋本内閣による昨年の九兆円負担増政策以来の一連の経済失政を反省すらせず、ますます深い失政の道へと突き進んでいく中身となっているからであります。
 昨年度の経済成長率がついにマイナス〇・七%となって確定し、日本経済は今や戦後最悪の状態です。このように落ち込んだ最大の要因が個人消費で、マイナス一・二%とかつてない不振だったことが明確となりました。個人消費の不振の原因は、昨年四月からの消費税率五%への引き上げ、昨年九月から医療費の負担増を強行したこと、さらには、社会保障の連続的な切り下げを義務づけた財政構造改革路線によって国民に追い打ちをかけた将来生活への不安、これら悪政の連続にあったことは既に明白であります。
 国民生活の安定向上に最優先の責任を負うべき内閣として、この原因が負担増政策による消費不況にあることをまずみずから認め、この原因に見合う対策を講じるべきは政治の常道であります。しかしながら、橋本内閣は、国民の苦境、不安を解決しようという意欲も方向も何ら打ち出さず、大銀行救済のための支援には税金を投入するという逆立ちした政治を続けているのであります。
 第二の理由は、本補正が、既に破綻が明らかな大手ゼネコン向けの浪費的公共事業の積み増しと、大銀行支援のための不良債権対策が中心となっているからであります。
 この道は、また、国と地方の財政赤字をますますふやし、むだと浪費を拡大するだけであります。公共事業予算の積み増しは三兆五千億円、前年度当初比七%削減どころか、逆に二五%増にも達し、歳出増分の実に七五%も占めています。これによって、九八年度の国債発行額は二十一兆六千七百五十億円、九六年度に次ぐ史上二番目にまで膨れ上がってしまいます。財政改革どころか財政危機をますます深刻化させる以外の何物でもありません。また、住宅・都市整備公団や民間都市開発推進機構などに多額の出資金をつけてやって、銀行やゼネコンの不良債権化した保有土地を買い取らせる対策まで盛り込んでいるのであります。
 第三の理由は、財政構造改革における根本的に誤った路線について反省もなく、引き続き継続しようとしている問題であります。
 財革法案が目指した聖域なき歳出削減目標という骨格部分を、本補正で巨額の公共事業予算追加で根本から崩しながら、一方で、社会保障関係は、キャップ制を外したのは九九年度だけ、二〇〇〇年には計画どおりの削減という、国民生活関連予算削減という道筋には一切変更を加えておりません。橋本内閣は、社会保障公費負担は二十兆円、公共投資は五十兆円という、欧米諸国にはないゆがんだ財政構造を温存したままであります。財政の構造改革を言うなら、財政危機の真の原因である公共投資や軍事費の浪費に思い切ってメスを入れ、逆立ちした財政構造を根本的に改めることでなければなりません。
 最後に、私は、景気対策を言うなら、今こそ消費税減税だと強調しておきます。最近のどの世論調査を見ても、橋本内閣の景気・経済対策に失望し、やるなら消費税減税だという声が圧倒的国民の声になってきています。
 消費税を三%に戻して冷え込んでいる消費を直接温めること、庶民に手厚い所得減税を恒久化すること、昨年九月からの医療費値上げを改悪前に戻すことなどなど、今緊急にやるべき景気対策の実行を要求して、反対討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、上原康助君。
○上原委員 私は、平成十年度補正予算三案について、社会民主党・市民連合を代表し、賛成する立場から発言いたします。
 今回の総合経済対策では、定額方式による二兆円の特別減税の追加、福祉、環境・地球温暖化対策、中小企業・貸し渋り対策、雇用対策、住宅対策など、合計十六兆六千五百億円に上る過去最大規模の経済対策が措置されております。本補正予算は、この総合経済対策を実施するために編成されたものであり、まことに時宜にかなった措置だと評価するものであります。
 減税は、既に実施された二兆円の特別減税と合わせると、本年中に四兆円の減税が実施されることになります。
 定額方式による減税は、高額所得者であれ低所得者であれ、同じ金額の税が払い戻される方式ですから、定率方式による減税よりも低所得者には手厚い方法だと言えます。この特別減税の実現によって、夫婦子二人の標準世帯には約十三万七千五百円の税金が返ることになり、十分とは言えないまでも、消費活性化への期待はできるものと考えております。
 しかし、医療費の増額、老後や各種年金支給への不安から、減税を実施しても消費に回らない、何よりも国民の先行き不安を解消すべきだという指摘もありますので、政府がこうした声に十分耳を傾けて、さらに万全の対策をとるよう要望するものであります。
 さて、今回の補正では、減税の恩恵を受けられない高齢者層に対しても、臨時福祉特別給付金の支給が、前回と同様、継続実施されます。
 ゼロ歳児から小学校就学前のお子さんをお持ちの方に対する子育て支援減税は、残念ながら実現することはできませんでしたが、そのかわりに、子育て支援基金、障害者スポーツ支援基金を創設することができました。この基金創設によって、地域の子育てサークル等への支援や、二十四時間電話サービスへの支援が実施されることになっており、また、全国身体障害者スポーツ大会開催への支援、障害者スポーツ用具の開発への支援も行われることになります。
 中小企業対策としては、二千九百七十二億円に上る補正予算が組まれており、中小企業金融公庫法等の改正によって中小企業の範囲を拡大し、対策の効果があらゆる業種に広範囲に及ぶよう対策が講じられるようになりました。あわせて、中小企業投資促進税制を創設し、これによって、取得価格の七%の税額控除か、または三〇%の特別償却の、どちらか有利になる方を選択できるようになっております。この制度によって、中小企業の投資が活発になることが期待されます。
 また、中堅、中小企業に対する貸し渋りが続いておりますが、その対策として、政府系金融機関に担保請求要件を緩和した融資制度を設けるとともに、それに伴う必要な出資金も計上されております。また、国民金融公庫のマル経融資の貸付規模を増額し、貸付返済期間も延長されました。それと同時に、保険公庫、保証協会の基盤強化も図り、金融機関の中小企業への貸し出しが容易になるよう措置も講じられております。
 環境・新エネルギー特別対策については、小規模ごみ焼却施設におけるダイオキシン排出の実態調査費も計上されるとともに、高温ごみ焼却施設の建設促進のための予算を計上しております。さらに、ダイオキシン・環境ホルモンの緊急全国一斉調査費、研究強化のための予算等も計上されております。
 また、新エネルギー導入事業者・施設・地域などに対する支援や、先進的な自治体における新エネルギー・省エネルギー導入の支援を初め、エコタウン事業、クリーンエネルギー自動車の普及等にも配慮されております。
 従来型の予算とどこが違うかという御批判もありましょうが、社民党は、今回の補正は、社会的な弱者により配慮した予算案であり、また、新しい社会資本整備のための投資にも道を開いたものと確信しております。
 以上の理由により、社民党は、平成十年度補正予算三案に賛成するものであります。
 終わります。(拍手)
○越智委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○越智委員長 これより採決に入ります。
 平成十年度一般会計補正予算(第1号)、平成十年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立多数。よって、平成十年度補正予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました平成十年度補正予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る十七日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十四分散会