第142回国会 予算委員会第四分科会 第1号
本分科会は平成十年三月十六日(月曜日)委員会
において、設置することに決した。
三月十九日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      石川 要三君    津島 雄二君
      萩野 浩基君    五島 正規君
      中井  洽君    矢島 恒夫君
三月十九日
 石川要三君が委員長の指名で、主査に選任され
 た。
平成十年三月十九日(木曜日)
    午後一時五十五分開議
 出席分科員
   主査 石川 要三君
      津島 雄二君    萩野 浩基君
      桧田  仁君    石井 紘基君
      石毛 ^子君    五島 正規君
      鉢呂 吉雄君    石垣 一夫君
      佐々木洋平君    中井  洽君
      辻  第一君    矢島 恒夫君
   兼務 島   聡君 兼務 肥田美代子君
   兼務 平野 博文君 兼務 池坊 保子君
   兼務 旭道山和泰君 兼務 並木 正芳君
   兼務 桝屋 敬悟君 兼務 佐々木憲昭君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
        労 働 大 臣 伊吹 文明君
 出席政府委員
        厚生大臣官房長 近藤純五郎君
        厚生大臣官房総
        務審議官    田中 泰弘君
        厚生大臣官房障
        害保健福祉部長 篠崎 英夫君
        厚生省健康政策
        局長      谷  修一君
        厚生省保健医療
        局長      小林 秀資君
        厚生省生活衛生
        局長      小野 昭雄君
        厚生省医薬安全
        局長      中西 明典君
        厚生省社会・援
        護局長     炭谷  茂君
        厚生省老人保健
        福祉局長    羽毛田信吾君
        厚生省児童家庭
        局長      横田 吉男君
        厚生省保険局長 高木 俊明君
        労働大臣官房長 渡邊  信君
        労働省労政局長 澤田陽太郎君
        労働省労働基準
        局長      伊藤 庄平君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
        労働省職業安定
        局高齢・障害者
        対策部長    中野 秀世君
        労働省職業能力
        開発局長    山中 秀樹君
 分科員外の出席者
        公正取引委員会
        事務総局審査局
        管理企画課長  伊東 章二君
        大蔵省主計局主
        計官      村瀬 吉彦君
        大蔵省銀行局保
        険部保険第一課
        長       高橋  毅君
        文部省高等教育
        局医学教育課長 木谷 雅人君
        文部省体育局競
        育課長     玉井日出夫君
        文部省体育局競
        技スポーツ課長 岡崎 助一君
        厚生委員会専門
        員       市川  喬君
        労働委員会専門
        員       中島  勝君
        予算委員会専門
        員       大西  勉君
分科員の異動
三月十九日
 辞任         補欠選任
  津島 雄二君     桧田  仁君
  五島 正規君     石井 紘基君
  中井  洽君     石垣 一夫君
  矢島 恒夫君     石井 郁子君
同日
 辞任         補欠選任
  桧田  仁君     津島 雄二君
  石井 紘基君     田中  甲君
  石垣 一夫君     佐々木洋平君
  石井 郁子君     古堅 実吉君
同日
 辞任         補欠選任
  田中  甲君     石毛 ^子君
  佐々木洋平君     中井  洽君
  古堅 実吉君     辻  第一君
同日
 辞任         補欠選任
  石毛 ^子君     鉢呂 吉雄君
  辻  第一君     中林よし子君
同日
 辞任         補欠選任
  鉢呂 吉雄君     田中  甲君
  中林よし子君     矢島 恒夫君
同日
 辞任         補欠選任
  田中  甲君     五島 正規君
同日
 第三分科員島聡君、平野博文君、池坊保子君、
 旭道山和泰君、第五分科員並木正芳君、第六分
 科員佐々木憲昭君、第七分科員桝屋敬悟君及び
 第八分科員肥田美代子君が本分科兼務となっ
 た。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十年度一般会計予算
 平成十年度特別会計予算
 平成十年度政府関係機関予算
 (厚生省及び労働省所管)
     ――――◇―――――
○石川主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。
 私が、本分科会の主査を務めることになりました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 本分科会は、厚生省及び労働省所管について審査を行うことになっております。
 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。
 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算及び平成十年度政府関係機関予算中厚生省所管について、政府から説明を聴取いたします。小泉厚生大臣。
○小泉国務大臣 平成十年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算の概要について御説明申し上げます。
 平成十年度厚生省所管一般会計予算の総額は十四兆九千九百九十億円であり、平成九年度当初予算額と比較いたしますと、二千八百二十三億円、一・九%の増加となっております。これは国の一般歳出の約三分の一を占めております。
 また、社会保障関係費については、財政構造改革の推進に関する特別措置法により量的縮減目標が定められ、対前年度三千億円を下回る額とされたところでありますが、厚生省関係の社会保障関係費については、十四兆四千二百八十億円であり、対前年度三千四十九億円の増、二・二%の伸びを確保したところであります。
 以下、その主要施策について御説明申し上げます。
 第一に、医療保険制度についてであります。
 国民皆保険制度を堅持し、二十一世紀における少子・高齢社会にふさわしい制度を目指して、抜本的な改革に取り組んでいくこととしております。
 現在、その第一段階として、診療報酬体系及び薬価基準制度の見直しについて検討を進めているところであり、まとまり次第、所要の制度改正に着手することとしております。
 また、抜本的な改革が行われるまでの間においても、近年の高齢化に対応するため、平成十年度には、老人医療費拠出金について所要の見直しを行うこととしております。
 第二に、少子・高齢社会に対応した保健福祉基盤の整備であります。
 まず、高齢者の保健福祉対策でありますが、平成十二年度の介護保険制度の施行に向け、高齢者介護の基盤となる新高齢者保健福祉推進十か年戦略を着実に推進することとし、訪問介護事業などの在宅サービスと特別養護老人ホームなどの施設サービスとの均衡を図りながら充実を図ってまいります。
 また、介護保険制度の円滑な実施に向けた各種の体制整備の支援事業を拡充してまいります。
 次に、児童家庭福祉対策についてであります。
 少子化の進行、共働き世帯の増加など子供を取り巻く環境の変化に対応するため、多様な保育サービスの整備を図る緊急保育対策等五か年事業を着実に推進してまいります。
 また、児童福祉法の改正の趣旨に沿った新しい保育施策の展開など、次代を担う子供が健やかに生まれ育つための施策を総合的に推進するとともに、児童扶養手当について所得制限を見直すこととしております。
 障害者の保健福祉対策については、総合的な施策を推進するため、平成八年度に策定された障害者プランを着実に推進することとしており、地域における自立の支援、訪問介護事業や施設整備等の介護サービスを拡充してまいります。
 また、難病対策についても、重症難病患者のための入院施設の確保や在宅療養支援など重症者に重点を置いた質的な充実を図るとともに、重症者以外の患者については、定額の一部負担を導入することとしております。
 第三に、国民の健康確保対策についてであります。
 感染症対策につきましては、新型インフルエンザや病原性大腸菌O157等の新興・再興感染症に対処するための危機管理体制の整備など対策の強化を図ります。
 エイズ対策につきましては、エイズストップ七年作戦を引き続き推進するとともに、エイズ拠点病院などの医療体制の整備、相談・指導体制の推進等治療・研究推進体制の整備を進めてまいります。
 また、医薬品等の安全性確保対策については、医薬品医療機器審査センターによる審査体制の強化を図るほか、医薬品等の安全性に関する情報の収集、後発医薬品の品質確保対策を推進してまいります。
 第四に、厚生科学の振興についてであります。
 脳科学、遺伝子の機能解明等の先端的厚生科学研究を推進するとともに、ダイオキシン類総合対策研究など国民の健康と安全を確保するための調査研究を推進いたします。
 第五に、水道、廃棄物処理対策についてであります。
 廃棄物処理対策につきましては、ごみの減量化とリサイクルの推進を図るとともに、ダイオキシン削減のための施設改造事業、合併処理浄化槽の整備などを重点的かつ計画的に推進してまいります。
 また、水道施設につきましては、地震や渇水に強く、安全で良質な水道水を安定して供給できる施設の整備と生活水準の向上に対応した簡易水道の整備を進めてまいります。
 第六に、年金制度についてであります。
 給付と負担の均衡を確保し、将来世代の負担が過重なものとならないよう、平成十一年の財政再計算に向けて、制度全般の見直しに取り組みます。
 以上のほか、臓器移植対策、救急・僻地医療対策、戦傷病者戦没者遺族及び中国残留邦人等の援護対策、原爆被爆者対策など諸施策を推進してまいります。
 なお、委員各位のお手元に資料が配付されておりますが、厚生省所管一般会計及び特別会計予算の主要経費別概要につきましては、お許しを得て、説明を省略させていただきます。
 今後とも、国民の健康と福祉の向上を図るために厚生行政の進展に一層の努力をしてまいりたいと考えておりますので、何とぞ、格別の御理解を賜りますようお願い申し上げます。
○石川主査 この際、お諮りいたします。
 厚生省所管関係予算の重点項目につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石川主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔小泉国務大臣の説明を省略した部分〕
 次に、平成十年度厚生省所管一般会計予算の概要を主要経費別に御説明申し上げます。
 第一は、社会保障関係費のうち、生活保護費につきましては、総額一兆千百六億円を計上しております。
 生活保護費につきましては、国民生活の動向等を勘案して生活扶助基準等の改善を行います。
 なお、引き続き制度の趣旨に沿って適正な運用を図ってまいります。
 第二は、社会福祉費でありますが、総額四兆二千五百七十八億円を計上しております。
 まず、高齢者の保健福祉対策につきましては、介護保険制度の施行に向け、「新・高齢者保健福祉推進十か年戦略」の着実な推進を図るとともに、全市町村に対し高齢者介護サービス体制整備の支援を行う等、介護保険制度の円滑な実施に向けた介護基盤の整備を推進してまいります。
 次に、児童家庭福祉対策についてでありますが、急速な少子化の進行に対応し、子育てしやすい環境の基盤整備を図るため、保育所における低年齢児の受入れ枠の拡大、延長保育の促進など「緊急保育対策等五か年事業」を着実に推進するとともに、児童健全育成対策及び母子寡婦福祉対策の充実などを図ってまいります。
 障害者の保健福祉対策につきましては、三年次目を迎える「障害者プラン」に基づき、市町村障害者社会参加促進事業の拡充や総合的な相談・生活支援事業の充実、訪問介護員の増員などを行います。
 社会福祉施設整備につきましては、新・高齢者保健福祉推進十か年戦略、緊急保育対策等五か年事業、障害者プランに基づき、各種施設の整備を進めてまいります。
 また、社会福祉施設の運営費につきましては、生活費の引上げ等入所者の処遇改善等を図ります。
 以上のほか、ボランティア活動の基盤整備やふれあいのまちづくり事業等の民間社会福祉活動の促進を図るとともに、婦人保護事業及び地方改善事業の実施等につきましても所要の措置を講じてまいります。
 第三は、社会保険費でありますが、総額八兆五千二百四十七億円を計上しております。
 このうち、医療保険関係につきましては、政管健保等に対する社会保険国庫負担金として、総額九千九百三十億円を計上し、また、国民健康保険助成費として、総額三兆千百五十九億円を計上しております。
 医療保険制度につきましては、老人医療給付費負担金も含め、国庫負担の縮減を図るため、薬価基準の引き下げ等医療費適正化対策を推進するとともに、老人医療費拠出金の算定方法等の見直しを行うことといたしております。
 また、診療報酬につきましても、所要の改定を行うこととしております。
 次に、年金関係につきましては、まず厚生年金保険国庫負担金として、総額二兆八千三百二億円を計上するとともに、国民年金国庫負担金として、総額一兆五千四百五十六億円を計上しております。
 なお、厚生年金保険国庫負担金につきましては、厳しい財政事情にかんがみ昨年度に引き続き厚生年金保険法の規定により算定した額のうち、一部を繰り延べる特例措置を講じておりますが、その額は、昨年度より二百億円減額して七千億円としております。
 第四は、保健衛生対策費でありますが、総額五千三百四十八億円を計上しております。
 まず、医療・地域保健対策につきましては、医療施設の近代化整備や災害対策の充実、救急医療体制の整備、へき地保健医療対策等の充実を図るとともに、健康づくりや生活習慣病対策を推進してまいります。
 疾病対策につきましては、主要施策で申し上げた感染症対策、エイズ対策のほか、がん対策、臓器移植対策、難病患者に対する施策等の推進を図ります。
 さらに、保健医療分野における医薬品等に関する基礎研究を推進するための出資制度を充実してまいります。
 原爆被爆者対策につきましては、被爆者の高齢化等に伴う保健・医療・福祉にわたる需要に対応して各種施策を推進してまいります。
 以上のほか、医薬品等の安全性確保対策、食品等の安全対策、血液対策、麻薬・覚せい剤対策などの経費を計上しております。
 第五は、恩給関係費のうち、遺族及び留守家族等援護費でありますが、総額九百八十七億円を計上しております。
 まず、援護年金につきまして、恩給の引上げに準じて額の引上げを行うとともに、戦没者の父母等に対する特別給付金の継続・増額支給を行うこととしております。
 また、戦没者の遺骨収集、慰霊巡拝等の慰霊事業等を実施するとともに、中国残留邦人等に対する援護施策等の着実な実施に努めてまいります。
 第六は、公共事業関係費のうち、環境衛生施設整備費でありますが、総額二千八百十一億円を計上しております。
 まず、水道施設整備費でありますが、簡易水道及び水道水源開発等の整備を推進してまいります。
 また、廃棄物処理施設整備費につきましては、ダイオキシン対策等廃棄物処理基準の強化に伴い、補助の重点化を図るなど、ごみ焼却施設、リサイクル関連施設、合併処理浄化槽等を積極的に整備してまいります。
 以上が、平成十年度厚生省一般会計予算の概要であります。
 次に、平成十年度厚生省所管特別会計予算について申し上げます。
 第一に、厚生保険特別会計につきましては、一般会計から三兆八千四百二十七億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。
 第二に、船員保険特別会計につきましては、一般会計から六十億円の繰入れを行い、歳入、歳出予算を計上しております。
 第三に、国立病院特別会計につきましては、一般会計から千四百六十八億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。
 第四に、国民年金特別会計につきましては、一般会計から一兆五千四百五十六億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。
 以上が、平成十年度厚生省所管特別会計予算の概要であります。
 何とぞ、格別の御理解を賜りますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
○石川主査 以上をもちまして厚生省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○石川主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、政府当局に申し上げます。
 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石垣一夫君。
○石垣分科員 パラリンピック大会は非常に全国に感動を与えたのですけれども、これに対して報奨金を支給せよという立場から質問したいと思うのです。
 厚生大臣は開会式に出席されました。そのときの評価、感想はいかがでございますか。
○小泉国務大臣 開会式と閉会式に参列させていただきまして、またテレビ等で選手の活躍を見るにつけまして、実際に障害を持ちながらあれほど活躍できるかと感嘆すると同時に、一種の感動を覚えました。健常者以上の活動を展開して、むしろ健常者が恥ずかしい思いをするようなすばらしい活躍をせられている。私は、障害者自身の励みにもなると同時に、健常者、障害を持っていない人にも、我々もああいう方たちに負けないように頑張らなければいかぬなという気持ちを持たせたのではないか。障害者においても、また障害を持っていない健常者においても大きな希望と励みになったのではないか、成功裏に終わってよかったなと思っております。
○石垣分科員 大臣から思いを吐露していただきましたけれども、それに先立つ長野オリンピックは、すばらしい、国民に久しぶりの感動を与えたものです。
 私、きょうはこれを持ってきております。共同通信が出しております長野オリンピックのいわゆる記念保存版を見まして改めてその感動を深くしているのですけれども、その中で、リレハンメル・オリンピックで、原田選手が失敗をしたということで金がとれなかった。この四年間の屈辱に耐えて、最後に劇的なジャンプでもって団体に金メダルをもたらした。その中の一こまが載っておるのですけれども、こういうふうに表現しております。
 「汚名返上慟哭のメダル」こういうことで、
  ラージヒルで驚異の「計測不能」超ジャンプを生み出した原田雅彦選手は、団体の二本目でさらに一メートル更新して百三十七メートルを記録。一本日のジャンプ失敗はリレハンメル大会の「悪夢」を思い起こさせたが、原田はそれを栄光の劇的ドラマに塗り替えた。
こういう表現があるわけです。
 こういう大会の後で開かれたパラリンピックにつきましては、当日皇后陛下も出席されて、思わず感動のウェーブという一幕がございましたけれども、これに関連してきょうは質問したいと思うのです。
 文部省は、いわゆる長野オリンピック大会で金メダルをとりました、それからまたいろいろの運動に対する報奨金を出しているわけです。こういう報奨金について今さらに増額を検討している、こういうことを聞いたのですけれども、これはどういうふうに検討されていますか。
○岡崎説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘の報奨金制度でございますが、財団法人オリンピック委員会におきまして、オリンピックメダリストに対しまして報奨金が現在支給されているところでございます。
 この趣旨は、メダリストの名誉をたたえるとともに、さらなる研さんを期待するという趣旨で、平成四年二月に開催されましたアルベールビル冬季大会以来実施されているものでございます。報奨金の内容につきましては、金メダリストに対しまして三百万円、銀メダリストに対しまして二百万円、銅メダリストに対しまして百万円となっております。
 なお、この財源につきましては、日本オリンピック委員会の自主財源をもって運営されているということでございます。
 なお、現在は複数のメダルをとりましても最高位のメダル一個を対象として報奨金が支給されておりますが、先般の長野オリンピックにおきます選手の活躍を契機といたしまして、獲得したメダルごとの報奨金の合算額、つまり先般のスピードスケートでいいますと清水選手が金メダルと銅メダルをとっておりますが、三百万円と百万円の合計四百万円が支給されるということにつきまして、現在JOCの方で検討が進められているというふうに伺っているところでございます。
○石垣分科員 健常者のオリンピックにはその努力を顕彰し活躍者に報奨金を支給することは国民の声である、こういうふうにコメントして、なおかつその増額を図るべき、こういうことなのですけれども、片一方、障害者のやるパラリンピックの受賞者に対しては報奨金が支給されていない。
 これは、所管は厚生省である、片一方は文部省である、こういう見解の相違なのですけれども、六年前に報奨金制度が出発した時点で、文部省としては、いわゆる障害者のスポーツは厚生省だということでタッチせず、こういう感覚でこられたのか、そこらはどうですか。
○岡崎説明員 私どもスポーツを振興する所管官庁としましては、幼児から高齢者まで、障害者を含むスポーツ振興全般を担っているというふうに考えておりますし、なおその中で競技力のすぐれたトップレベルの選手を育成する、そういう観点でございます。
 ただ、パラリンピックにつきましては、従前から厚生省所管のイベントでございまして、そこのところの、それぞれ所管する団体の違いもございます。まずJOCが日本体育協会から独立してこの報奨金制度を考案したという経緯もございまして、その時点では、パラリンピック大会の優秀成績者に対する報奨金制度というのは考えていなかったのではないかというふうに考えております。
○石垣分科員 今の時点で、もし厚生省から相談があれば、それなりに文部省として何か前向きの考えを持っていますか。
○岡崎説明員 この報奨金制度だけではなくて、先ほど厚生大臣申されましたように、今回の長野のパラリンピックにおきます選手の活躍は、障害者のリハビリ、福利厚生という観点も当然あるでしょうけれども、競技スポーツとしての位置づけも非常に考えられるのではないかというふうに考えております。
 報奨金制度についてどうタイアップするかは別にしまして、いずれにしましても、厚生省さん一と、障害者スポーツの振興という観点で連携を図ってまいりたいというふうに考えております。
○石垣分科員 それでは厚生省に聞きますけれども、このパラリンピックに対して報奨金制度というものを今まではお考えにならなかった、その理由について。
○篠崎政府委員 私どもといたしましては、平成八年八月のアトランタのパラリンピックも選手の活躍が非常に著しかったわけでございますが、それにおける成績優秀者に対する表彰ということで、表彰制度について検討を行いまして、新たな表彰制度を創設して対応してきているところでございます。さらに、優勝者、つまり金メダルを獲得されている者に対する叙勲制度による銀杯の賜与と、それから入賞者など、などというのは伴走者も入りますので、に対する内閣総理大臣からの記念品の贈呈なども行われているところでございます。
 このたびの長野パラリンピックにおきます優勝者及び入賞者等に対しても、今申し上げましたアトランタのときに創設したその制度でやるように、今準備を進めているところでございます。
○石垣分科員 これは、六年前に片一方のオリンピックでは報奨金制度がスタートしているわけですね。その時点で厚生省としてもそれなりの検討をなぜ始めなかったのか、これはやはり意識がはっきり言ってなかったのと違うか、私はこう思うのですけれども、どうですか。
○篠崎政府委員 先ほど文部省の方からもお答えがございましたが、障害者スポーツということでございますと、まだ歴史が新しいということで、いろいろ関係者の中でもなかなか一つの考えがまとまっていないというような状況にもございました。
 内部的にはその時々に検討しておるわけでございますが、今申し上げましたように、選手の貢献あるいは健闘が著しいというアトランタのオリンピックの後、検討を開始して、今のような制度にしておるという状況でございます。
○石垣分科員 だから、アトランタ・オリンピックの後で、現在のような、いわゆる報奨金以外の報奨制度を考えたということなんですね。それはもらった資料でわかりますけれども、その中で、片一方オリンピックはこういうふうに報奨金が設けられているということについて、これははっきり言って欠落しているわけですね。これは国民はみんな知らなかったと思うのです。私も、この資料をいただいて見ておったところ、これは一体どうなっているのだということで、初めて疑問を持ったわけであります。
 しかし、厚生省は所管の担当ですから、やはり我々以上に神経を持って対処しなければいかぬ、そう考えるのです。せっかくアトランタ・オリンピック以来検討しながら、なぜこの報奨金制度について省内で意見を上げて、そういう方向に結局持っていけなかったのかということについて、私は極めてこれは残念だと思うのです。いろいろ聞いてみると、結局、要望がないとか財政の裏づけがないとか国民の認識がないとか、いろいろ言っております。
 しかし、今度、改めてこの長野パラリンピックで国民は大きな関心を持ったと私は思うのです。大臣も指摘されている。改めて感動を覚えたと思う。これは一にして国民の声だと思います。だから、私は、直ちにこの制度の採用に踏み切るべきだ、こう思うのですが、これは何の障害があるのですか。
○篠崎政府委員 今までいろいろ内部的にはそれなりに検討してまいりましたけれども、今までの考えでは、報奨金制度よりも、むしろ競技の普及やあるいは選手の強化などが優先されるべきではないか、そういうような議論、あるいは声も強いところでございました。
 そんなわけで今まできているわけでございますが、先生の御指摘でもございますので、さらにまた、長野パラリンピックの成果を踏まえて今後の障害者スポーツのあり方を検討しなければならないということはおっしゃるとおりでございますので、早急にそういう検討をする場を設けて、先生の御指摘も含めて検討させていただきたいと思います。
○石垣分科員 やはり与野党を離れて、この問題はやるべきだと私は思う。
 一昨日、社民党の土井党首から私の宿舎に電話がかかりまして、私はびっくりしたのです。夜の十時半過ぎですから、どういう人かな、女のそんな声聞いたことがない。そうしたら結局、土井党首なんですよ。そのとき党首がおっしゃるのには、きょう与党の中でそのことを協議した、そしていわゆる報奨金を出そう、こういうことを与党三党で検討した、これは朝日新聞に載っておりますけれども、そのことについての了解を求められたわけであります。やはり一党の党首だけあって着眼点が違うな、こう思ったのですけれども、そういうふうに気運が盛り上がってきていると私は思うのです。
 今検討するとおっしゃっていますけれども、これは報奨金を含めた検討なんですか。
○篠崎政府委員 申し上げましたように、その点も含めて検討させていただきます。
○石垣分科員 では、いつまでにその検討の結果を出されるのですか。
○篠崎政府委員 これは、まず今、どんな形でやろうかということを部内で話し合っているところでございますので、いつまでにというのはちょっとあれでございますが、なるべく早急に検討会を設置したいと考えておりまして、それも結論もなるべく早くとは思っておりますが、ちょっと時期まではまだ立ち上げておりません。
○石垣分科員 これは、財政法第三十五条第三項の規定によれば、予備費を使用できるのです。これは、予備費を使用してでもその金額を担保する、そういう考えはありますか。
○小泉国務大臣 これは今後検討するということでありますので、そういう点も含めて私は検討する方がいいのではないか。慌てて拙速よりも、いろいろな声があります、私はその中で検討すべき問題ではないかと思います。
○石垣分科員 非常に歯切れのいい大臣でございますから、それを全面的に私は信頼申し上げたいと思うのですけれども、一にかかって所管の厚生大臣の決断で決まる、このように私は認識をしているのですけれども、いかがですか。
○小泉国務大臣 いろいろな御議論があり御意見もあるようですので、関係者また専門家等を交えた場を早急に設けまして、しかるべき結論が出されるのではないか、その結論を尊重して対処していきたいと思います。
○石垣分科員 では、大臣の決断に期待をいたしまして、ぜひ障害者の激励になるような結果を出していただくよう期待をいたしまして、この質問を終わりたいと思います。
 次に、全然話は変わりますけれども、最近、小泉大臣は、予算委員会で非常に異彩を放つ厚相答弁ということでいろいろ新聞に報道されておりますね。そういう点では高く評価しているのですけれども。
 全然観点が違うのですけれども、毎国会、国会審議の上で大きな議題になります自民党の山崎政調会長の証人喚問問題です。なぜあえてこの問題を取り上げるかというと、いわゆるYKKと言われた盟友ですね。だから、あえて私は大臣に伺います。
 山崎さんも将来のある方であります。しかし、現実に、政治献金を受けたという大きな疑惑がかかっております。国会のたびにこの問題が提起されて、御本人もたまらぬと私は思うのですよ。さらば堂々と証人喚問を受けて、その疑惑を晴らすべきだと思うのですけれども、いまだに出てこられない。盟友である小泉さんとして、今までそのことについて相談され、あるいはまた意見を申されましたか。忠言耳に逆らうとよく言います。しかし、あえて私は、盟友であるならば、そのぐらいのことはおっしゃってもいいのではないか、こう思います。いかがですか。
○小泉国務大臣 お互い大人であり、政治家ですから、みずからの降りかかった疑惑はみずからの責任で晴らした方がいい、それに尽きると思います。
○石垣分科員 本人みずからの意思で決意せよ、こうおっしゃっていますけれども、その行動に出られないわけですから、やはり盟友として、YKKと言われた仲間ですから、あえて苦言を呈して、その胸中を開くべきだ、こういうふうに持っていかれるのが盟友の立場ではないですか。
○小泉国務大臣 その点も含めて、言わなくてもわかっているはずですよ、本人は。そんなのは自分で判断することだ、人が言うべきことじゃない。
○石垣分科員 では、この問題について、大臣から助言され、あるいはまた忠言といいますか、意見を言われたことはありますか、御本人に対して。
○小泉国務大臣 それはどの程度政治問題になっているかの問題です。
○石垣分科員 いや、それは大臣、おかしいことをおっしゃるな、どの程度政治問題になっておるかという問題。これは、今は数の力でこの証人喚問がストップされているのですよ。国民の立場からいったら、はっきりと山崎政調会長は疑惑を受けているわけです。片一方の泉井さんが証人喚問されて、堂々と意見を述べているのですよ。どの程度の問題であるかということは、それは答弁がおかしいのと違いますか。
○小泉国務大臣 どの程度の政治問題になって、みずからの信用にどの程度かかわるかというのは、本人が判断することだ、それを言っているのです、私は。
○石垣分科員 案外冷たいのですね、盟友といっても。それはそれでよろしい、小泉大臣のお考えですから。
 では、もう一点聞きますけれども、自民党に対する銀行からの政治献金、これは予算委員会でしばしば問題になりまして、大臣も席上におられてお聞きになっておるのです。そのたびに総理は、いわゆる住専問題これあり、自粛をしております、受けた献金はいわゆる借金の穴埋めに使っております、こういう答弁で一貫しておるわけですね。
 ところが、いよいよ公的資金の導入が始まって、いわゆる二十一行は一兆八千億を超える導入を受けているんだ、現実に。国民の税金で銀行経営は救済されているわけですね。その中からあえて政治献金をするという感覚自体が、銀行はおかしいと思うのですよ。そんな金があれば、当然不良資産の償却に向けるべきであって、その銀行協会から、平成六年約九億、平成七年約八億、平成八年約四億の政治献金を受けながら、これで国民に対して、自粛をしておりますと。
 この自粛という言葉は非常に幅が広いものであって、私は当然、禁止、辞退、これが今の国民に対する天下の自民党としてとるべき態度だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 今、政治資金規正法においても、国の補助金等を受けた企業なり団体が政治献金をするのは禁止させるのか、どういう規定がされているのか、ともかく大きな制約があると思うのです。それに準じて、各企業なり団体が、その政治資金規正法の趣旨を生かしてやるべきことではないか。やはり国民の税金を使うということを考えると、今後そのような献金についてどのような法的規制を行うか、考えた方がいいと私は思います。
○石垣分科員 先般の質問でも、政治資金規正法には抵触しない、我々は抵触すると考えておるのですけれども、当局は、しない、こういうことで答弁があったのです。
 現実問題として、公的資金が導入されたこの時点では、今までの感覚、解釈と大きく変わったと私は思うのですよ。したがって、今大臣の答弁の中に、やはり今後考えなければいかぬのと違うか、そういうお話がございました。私はやはり、大臣の良識がこの発言に出たと思うのです。自民党の議員の中に、大臣のような良識派がたくさんおられると私は思うのです。
 今国民の感情は、いわゆる貸し渋りで中小企業はどんどん倒産していっている、こういう中で銀行からぬくぬくと献金を受ける自民党は、自民党にとっても私は大きなマイナスだと思うのです。この際やはり、小泉厚生大臣が音頭をとって、そういう銀行からの政治献金の廃止という大きな流れをつくられるべきではないか。まさに私は、李下に冠を正さず、こういう心境に立って、小泉大臣の御心境をさらにお聞きしたいと思うのです。
○小泉国務大臣 私は、補助金とか税金の特典といいますか恩典を受けるというような企業、団体が政治献金するということについては、今後真剣に考える必要があると思う。それと、今の時点において政党が多額の献金を受けているとかいうのとは、現行法の問題でどうかというと、これは、法律上の問題は私は詳しくわかりませんが、政治的に考えて、今の政治資金規正法の趣旨を生かせば、私は、当然そういうのは抑制されてしかるべきではないかなというふうには思います。
○石垣分科員 今の答弁を今後の自民党の中で十分生かされて、天下、国民に向かって、自民党は変わったなと言われる、そういう音頭をとっていただきたいことを要望して、終わります。
○石川主査 これにて石垣一夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、石井紘基君。
○石井(紘)分科員 石井紘基でございます。
 今の御質問との関連の部分から先に質問をさせていただきたいと思います。
 今、銀行等の話が出ましたけれども、一方、政府が予算でもって補助金を出している団体というものは非常にたくさんあるわけでありますが、そうした補助金を受けている団体が政治家に献金をしているという例が、これまた山のようにたくさんあるわけであります。国民の税金を投入して何か事業のために出す、そこから政治家に献金がまた行くということは、これはどう考えても、やはり税金をマッチポンプのようにして、政治家がせしめているというか、そういう関係になるわけでありますので、これは私は非常におかしいと思います。
 この点については、小泉大臣は先ほど、真剣に考えるべき問題というようなことを言われましたが、私は、真剣に考えなきゃならない問題ということは、好ましくないんだ、よくないんだということをおっしゃっているのじゃないかと思いますが、御見解はいかがでございますか。
○小泉国務大臣 私は、そういう献金はむしろ禁止した方がいいというふうに考えております。
○石井(紘)分科員 大変明快な御答弁で、ありがとうございます。
 それでは、問題を進めたいと思います。今日、我が国の医療費の総額というのは二十七兆円を超えている。毎年一兆円ずつ増加している。組合健保や国民健保、あるいは政管健保などの各種健康保険は軒並みに大変な赤字である。このままでは早晩破綻するのではないかと言われて久しいわけでございます。二十七兆円といいますと、これはもう一般歳出予算の半分を超える大きな金額でありまして、そんなに日本の医療への社会的保護というものが行き届いているのだろうか。実感として、到底そんなふうには思えない。とすると、幾ら何でもそんなにかかっているのはおかしいなということになるわけであります。
 私は、医療費がこんなに膨れ上がって国民負担が重くなっている元凶というのは、これは医療機材だとかあるいは材料、それに薬価を指導する厚生省の行政に大変大きな問題があるのではないかと思っているわけであります。まさに構造的な不合理というものが放置されている。厚生省が九五年に調査をしたところでは、医療費の請求の水増しが三千億円ぐらい発覚して、これを戻させた、返還させたということでありますが、実際にはその十倍の三兆円ぐらいあるのじゃないか、こう言われているわけであります。
 今日、お年寄りはもちろんのこと、国民の皆さんはこうした過重な医療費の負担に本当に苦しんでいるわけであります。そこで、こういう厚生行政を続けていってどんどん国民の負担がふえるようになってはいかぬという観点から、私は、まず特定医療機材というものについて質問をしたいと思います。一言で言えば、こうした保険の価格を設定しているその水準が非常に高くて、国が業者等に対して高い値段を保証しているというようなものじゃないのかというふうに思うのです。
 心臓病の関係でいいますと、例えばペースメーカーあるいはバルーンカテーテルとか人工肺の、保険で支払われる、つまり公定償還価格の国際的な比較を申し上げますと、御案内のとおり、日本では約百五十万円前後、正確には百二十万から二百万ぐらい、ペースメーカーはする。しかし、このペースメーカーというのは、日本で使われているのはほとんどすべてアメリカから来ているわけでありまして、それがアメリカでは幾らかというと、大体九十万円ぐらいだ。その差は六十万ぐらい。ドイツでも、シングルチャンバーというのですか、これだと三十七万ぐらい、あるいはダブルだと七十万ぐらい。フランスでもほぼ同様。こういう状況ですね。
 バルーンカテーテルについていえば、日本では二十五万から三十二万ぐらい、アメリカでは七万、ドイツでは八万から十四万、フランスでも三万五千から六万ぐらい。人工肺については、日本では十二万から三十一万、アメリカは十四万ぐらい、ドイツは十八万、フランスは八万円ぐらいだ。ほぼこんなような数字が一般に出ているわけであります。
 そこで、厚生省から事前に価格のあり方というものについて説明を受けたのですけれども、余りにも違い過ぎるので、こうした問題について、まずざっと御見解を伺いたいと思います。
○高木(俊)政府委員 我が国の医療保険で使っておりますいわゆる医療材料、あるいはただいま御指摘がありましたペースメーカー等は、アメリカを初めヨーロッパと比べてもかなり高い。これは、かねがね私どもの調査でもそういうことが出ておりますし、指摘されてきているところであります。
 基本的には、これらの保険で使う材料というのは、市場に流通しておる実勢価格を基本にして保険で払うという格好をとっておるわけでありますが、市場の流通価格そのものが非常に高いということであります。この問題については、これらの問題について議論をしていただいております中央社会保険医療協議会、いわゆる中医協といっておりますが、ここにおいても、昨年の九月から、価格設定の方式あるいはまたそもそもの流通のあり方、そういった面に踏み込んで、この内外価格差の引き下げをどうやって実現させていくかということの検討を行ってきているところであります。
 そういった意味では、昨日も中医協が開かれましたけれども、四月に入りましても、できるだけ早くこの問題についての方向性というものをきちっとしていこうということで考えておるわけでございまして、私どもとしても、まさに先生御指摘の問題の認識と全く一緒であります。そういう意味では、できるだけこういった内外価格差というものを是正する、またそのために流通改善というものをしなければならないということだろうと思いますが、そのための具体的な方策というものをつくっていく、そういう方向で今検討が進められているところでございます。
○石井(紘)分科員 問題認識は同じだというようなことをおっしゃいますけれども、例えば一つのベースメーカーならベースメーカーがある。これがアメリカでは、さっき言ったように一つが九十万ぐらいだ。そうすると、例えばアメリカのAという会社でつくったものが日本に来ると、これがたちまち百五十万から二百万ということになってしまう。
 なぜそうなっているかというと、ここに中間のマージン、例えば輸入販売業者あるいは卸売業者のマージンがあったり、それからまたいろいろな、よく言えばアフターサービスといいますか、例えば手術にも立ち会うのだとかいうようなことの値段がまた乗っていたり、それからもちろん、さっき言いましたように公定償還価格というものが高く設定してあるものですから、この利ざやというものを医師に稼がせるように、こういうふうに厚生省がしているわけですね。これらのことによって非常に高くなっているわけです。
 中には、さらに詳しく言いますと、医者に対するいろいろな営業活動みたいなコストあるいはサービス、こうしたものがどんぶり勘定で乗っているわけですね。ですから、こういういろいろな裏リベート、あるいは学会だとか外国へ行ったりするのまでサービスを業者がするような、そういうような商慣習といいますか何といいますか、こうしたものにもつと徹底的にメスを入れていかなければいけない。
 それから、利ざやを病院だとか医者に稼がせるようにどんと乗っけて、そして保険の値段をもう倍以上、場合によっては三倍も高いところで引いてある、こういう構造というのは非常におかしなことであります。いろいろな圧力があったり、いろいろな業界の関係のどろどろしたものがここには見え隠れするわけであります。
 厚生省も、毅然とした態度で、これは医療費高騰ということの大きな原因でありますから、これをやはり是正をしていかなければ、厚生行政に対する国民の信頼というものほかち得ることができないだろうと思うわけであります。
 何かございますか。厚生大臣、一言御決意をお述べくださいませんか。
○小泉国務大臣 前々からそのような医療用具等についても不透明な部分があるのじゃないか、あるいはよその国よりもかなり高いのではないかといった点が指摘されております。中医協でも御審議をしていただきまして、そのような不適正なことがないように、価格の適正化にこれからも鋭意取り組んでいきたいというふうに考えます。
○石井(紘)分科員 次に、薬価の問題であります。
 普通は、Aという薬とBという薬とCという薬で同じ治療に使う薬があるとすれば、効能が同じだったら安い方を当然使うわけですね。しかし、厚生省は、かなり高いところに基準、公定償還価格を設定しているわけですね。
 これは、アメリカあるいはドイツなんかは、例えばアメリカの場合でいいますと、FDAがオレンジブックというのを毎月出して、効能と値段とを国民のためにきちっと出している。こういう価格参照制度というものがドイツにおいても導入されて、そして薬価が相当下がったと言われているわけであります。
 日本の場合は、これはやはり大手が強いですね。メーカー品、先発品ということで出されると薬価は高いですから、医者はやはり利益が多い方がいいわけですから、それは高い薬をどうしても使う。製薬メーカーは病院に例のMOF担というのを入れているわけです。これはMOF担とば言いません、MOF担は大蔵省ですから。これはMRというものなんだそうです。
 製薬メーカーが社員をどのくらい送り込んでいるかというと、全国に五万人ぐらい送り込んでいるそうです。医師四人に一人です。医師にぴったりくっついて、そして薬をその病院に入れさせる。こういうことをやっているわけであります。まさに大蔵省でいえばMOF担であるし、こういう中では恐らく接待やら何やらというようなことがあるはずであります。こういう構造をそのまま続けていきますと、これまたえらいことになってくるのじゃないでしょうか。
 そういう点で、この薬価の問題に関しても、例えば価格参照制度を早急に導入するなり、安い薬でも高い薬でも、もし効能が同じだったらこれは効能は同じですよと高い薬に誘導されないような、そういうきちっとした政策を厚生省はやはりとっていく必要があると思いますが、いかがですか。
○小泉国務大臣 医療保険制度の抜本改革をこれから断行していかなければならない。その中で、今までですと、薬価につきましても、どちらかといいますと高くて新しい薬を使いたがる傾向がある。それを正せという声が昨年の審議でも実に強かった。できるだけ同じ効き目がある薬だったらば安い薬を使えるような、また使いたがるような制度がいいじゃないかということで、今回薬価基準制度を抜本的に改正しようということで今審議が進んでいるわけであります。それは今審議会でいろいろ議論していただいておりますので、この趣旨が生かされるような制度にぜひともしたいなと思っております。
○石井(紘)分科員 これは、小泉大臣が厚生大臣の間に大胆なイニシアチブを発揮していただいて、ぜひ実現をしていただきたいということを重ねてお願いをいたします。
 それから、ベッドの問題であります。ベッドがふえれば医療費もふえるということで、ベッドの数を規制しようというようなことをやっているようでありますが、問題は、必ずしもベッドの数が多ければ医療が充実しているとも言えないわけでありますし、また、ベッドがふえれば医療費もふえるというのもまた間違いであろうと思うのですね。
 これは、いろいろな統計を見てみましても、最近四、五年の統計を見てみましても、ベッド数はほとんど横ばいでありますが、それにもかかわらず医療費というのは右肩上がりでずっと上がってきているわけでありますから、こういうのを見ても、必ずしもベッドがふえれば医療費がふえるということではないと思うわけであります。
 日本では今百二十六万ベッドと言われておりますが、在院日数、これがアメリカだと一週間から十日ぐらい、欧州だと十日から十二日ぐらい、日本では三十三日から三十五日もあるというのですね。この在院日数を短縮して不必要なベッドをなくしていく、そして回転をよくしていくということが非常に重要だと私は思うわけです。
 医療費がこうやってかさんでいるのは、ベッドの数というよりも、むしろ効率の悪い病院というもの、あるいは古くて小さいといいますか、要するに技術や機械なんかがもう古びてしまっている小さい病院のようなものをみんな抱えてしまって、そういうところに慢性期の長期入院の方々がずっと陣取っているというような例が多いわけでありまして、本来であれば何か福祉施設に行くべきそういうものまで医療の方で抱え込んでしまっているために、医療費の国際比較という点でも、どうも日本では医療の領域が広過ぎるものですから、もちろんさっき言いましたように医療費が法外に高いわけでありますけれども、それ以上に高いものになってきてしまっているのじゃないか、こう思うのですね。
 こうやってみんなそういう病人を抱え込んでいるものですから、病院としては、これは成績を上げたいし利益は伸ばしたいわけですから、当然治療漬けにする、薬漬けにする、ベッド漬けにする、こういうことになっているわけです。いい病院でしたら、在院日数を短くすればどんどん回転する、忙しくなる。ところが、おくれたといいますか、そういう小さい古い病院ですと、なかなか回転しないわけですから、在院日数が長い方がいい、こういう面もあるのじゃないかと思うのですね。
 現在、そういうように出来高払いでもって保険の恩典を与え過ぎているために、そういった現象になる。典型的な例は、安田病院のようなことになる。ですから、厚生省がやっているのは、いかにコストを下げるかということじゃなくて、いかにコストを上げるかというようなことをやっているという言い方もできるのじゃないでしょうか。そういう医療体制になっているわけです。
 ですから、この在院日数を減らすということについては、やはり大胆に、これも急いで取り組んでいってもらう必要があると思うのです。
 一方、私の地元なんかでも、おじいちゃん、おばあちゃん、よたよたで、もう動けないので、うちはみんな働いていて、うちに置いておけない、どこか入院させる病院はないだろうかなんという話も随分あるのですけれども、こういうのも病院で抱え込んでしまうというのもおかしいので、これはこれで福祉の分野でもってやる。病院に使えないような病院というものは、そういう方向に転換をしていってもらうということも大変意味のあることではないかと思います。ひとつ定額制度にして、そういう方向に持っていく。
 ベッドの適正基準なんというのも、ベッド数については大変おかしな面もあるわけでありますが、これは、許可した病床数が幾つかということでもってそのベッド数が埋まったとか埋まらないとか言っているわけですね。しかし、許可しても満たされていない例がたくさんあるわけです。二百床増設するといって許可をとっても増設しないでいる例がたくさんあるわけですね。だから、実際の稼働ベッドと許可してあるベッド数とは大きな乖離がある、隔たりがあるわけですよ。ですから、必要ベッド数というものの上げ方も、これもやはり見直される必要があると思います。
 いろいろ申し上げましたけれども、幾つかの点について御答弁をいただきたいと思います。
○高木(俊)政府委員 まず、我が国の平均在院日数の問題でありますが、まさに先生御指摘のとおり、諸外国と比べてかなり長いという状況であります。これは、福祉施設等が不足しているためにお年寄りが非常に長期入院をしているということも一つの要因としてありますが、仮にそれを外したとしても、なお長いということは見られます。
 お年寄りの問題の方は、これはやはりそれなりの受け皿をきちっと整備していく必要があるわけでありますが、これにつきましても、実はこの四月から診療報酬の改正が予定されておりますけれども、そういった中でも、六カ月を超えてもなお漫然と入っているというようなケースについては、これはできるだけ医療費の支払いの方も包括的にしまして、これによって何かメリットが生まれるというようなことのないような改正をいたしております。
 それから、そのほかのケースであっても、やはり我が国は平均在院日数が非常に長いという現象が見られますから、医療保険の支払いにおきましても、できるだけ平均的な在院日数というものを短くしていくような方向での、この四月からの医療費改定においても、施策を組み込んでおるわけであります。できるだけ在院日数が短い方が医療機関にとっても経済的なメリットが上がるような、そういった形の改正を予定いたしております。
 先ほどの御指摘と同じように、この問題につきましても、まさに我々も先生と同じような問題認識をしておりますので、さらに全体としての我が国の高コスト構造の医療構造というものをやはり是正していかなければいけない、そういうことで取り組んでいきたいと考えております。
 それから、病床の方は健政局長の方から御答弁いたします。
○谷(修)政府委員 御質問の中に、一つは、古い病院ないしは小規模な病院については福祉施設等に転換をすべきではないかというようなお話がございました。(石井(紘)分科員「それはいいです」と呼ぶ)そうですが。
○石井(紘)分科員 それは、別に政策として展開しなくても、やはり病院政策を今答弁されたような方向で、いい病院が競争でもって残っていけば、おのずから今答弁されようとした方向に行くのでしょうから、それは結構だと思います。
 ですから、ベッド数を減らしていって、それでも病院がやっていけるように、病院にとってもメリットがあるようにしていくというような趣旨の答弁だったかと思いますが、ちょっとそこはニュアンスが違うのでありまして、いい病院は自分でもって努力していけば残っていく、そういうことであります。そういうことだと思いますよ。そういう方向で考えるべきだと思います。
 一つ最後に質問をさせていただきますが、富山の薬売りというのが、もう何百年もの歴史、伝統のある事業なわけです。これはやはり一軒一軒うちを、薬箱に入れていろいろな薬を持って歩いて、非常に便利な日本の伝統的な形態なんですが、それに対して厚生省は、これは大分昔のことでありますが、昭和三十八年に、群馬県知事からの問い合わせに答えて、業務局長名でもって、「配置販売業は個々の消費者に対する行商形態の販売業であるから、学校及び事業所等は、配置販売業の配置対象とは認められない。」こういう回答文を出して、これが規範になって今日まで来ているわけでありますが、これは私は非常におかしいと思うのですね。
 事業所といったっていろいろな事業所があるわけでありまして、大規模な会社はそれなりに保健を扱う責任者がいるわけですが、五人−十人という零細の、本当に家庭と同じような規模の事業所というようなところには、そういう衛生管理者なんかは到底置けないわけでありますから、家庭だって管理者がいるわけじゃないのですから、富山の薬なんというようなものがこういうところまで置けないというのはおかしい。だから、せめて五人−十人ぐらいの小規模の事業所には、これは家庭と変わらないという位置づけでもってこうしたものを置けるようにすべきだというふうに考えますが、大臣、何か御見解はございませんか。
○中西政府委員 医薬品の消費者に対する販売につきましては、薬の適切な保管管理という観点から、きちっとした許可を受けた店舗において、薬剤師を初めとした専門家が消費者に対して対面販売する、きちっとした情報提供を必要に応じ行うということを基本といたしております。
 配置販売業につきましては、そういった構造設備の規制は特にございませんし、それから配置員自体に資格があるというわけではないわけでございますが、江戸時代以来、三百年以上の伝統を持って国民の間に広く定着してきているということを尊重して、現在の薬事法において、販売業の一形態として法律上位置づけてきているのが実情でございます。
 したがいまして、配置販売の対象を事業所にも拡大したらどうかという御要望があるということはよく承知しておりますが、もともとの、本来の医薬品の販売のありよう、あるべき姿という点から考えますと、配置員が普通の家族との信頼関係に基づいて従来からやってきたところを飛び越えて、さらに事業所にまでということになりますと、そういった理念からかなりかけ離れてくることにもなるので、私どもとしてはなかなか難しいというふうに考えております。
○石川主査 簡潔に。
○石井(紘)分科員 今の答弁は全く納得できない答弁でございます。
 ありがとうございました。
○石川主査 これにて石井紘基君の質疑は終了いたしました。
 次に、並木正芳君。
○並木分科員 改革クラブの並木正芳でございます。
 大臣には、先ほど環境ホルモンあるいはダイオキシン等の問題について、大変前向きなお答えをいただきまして、ありがとうございました。お答えになる方はお一人で長丁場ということでお疲れのことかと思いますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今度、医療行政についてお伺いさせていただきます。
 二十一世紀は間もなくでございます。だれでも希望の世紀となることを願っているわけでございますけれども、一方、御案内のとおり人口の高齢化、あるいは医療の高度化等に伴う医療費の増大、そして一方では経済の成長鈍化、こうしたギャップ拡大によりまして社会不安が増しているわけであります。こうした中で、すべての国民が年をとっても安心して暮らせる仕組みを構築していかなければならない、これが大きな課題になっているわけであります。さきに二兆円の減税ということがあったわけでございますけれども、将来不安の中では、こうしたものもほとんどたんす預金になってしまう、こういうことが言われているのは、もう大臣もよくお聞きのことだと思います。
 したがいまして、二十一世紀初頭の少子・高齢化社会においては、社会保障や医療のあり方といったものが経済の安定的成長とも密接に結びついておりまして、そうした点を考えるなら、社会保障や医療への信頼を築くことこそが経済への好影響も与えていく、こういうふうに考えるわけです。
 財政的な見地というのが全く必要ないということではありませんけれども、昨今の医療行政の流れというのは、財政対策にのみとらわれて、理念、理想に欠けるように感じられてならないわけです。
 また、政府は財政構造改革路線ということを突き進もうとしているわけでございますけれども、医療行政の中で、先ほど私が申し上げたように、むしろ、社会保障あるいは医療をきちっと充実することによって経済も安定し、お金も使えるようになれば税収も増収する、こういう仕組みもあるわけですから、この辺について、閣僚である小泉大臣の御所見はどうなのか、ぜひお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
    〔主査退席、萩野主査代理着席〕
○小泉国務大臣 医療皆保険制度を維持しようという際に考えなければならないのは、医療はだれが考えても、保険料と税金と病気になった場合の患者さんの一部負担、これをどう組み合わせていくかしかないのですね。その際に、病気になった際を考える場合には、もうその負担は低ければ低いほどいいというのはだれでも考えることであります。
 となれば、ではだれが負担するのか。税金だって、今現在、六兆五千億円程度税金を医療費にしている国が−これは若い世代は病気にかかる率が少ない、病院に行く機会も少ない、一度も病気にならなくても保険料は月々払っていかなければいけない。高齢者の今の医療費というのは、そうでない方に比べて大体五倍かかっています。これからますます高齢者がふえる。
 今よりももっと負担を低くしろといった場合に、では税金を上げるのですか。では保険料を上げるのですか。ともに嫌だということで、病気になれば一部負担してくださいよ。なおかつ、むだがあるのじゃないか。薬価も、今言ったように高い薬ばかり使いたがる傾向から、同じ効き目だったらば安い薬を使うような制度に直そうとしている。診療報酬にしても、これはむだがあるのじゃないか。どんな治療でもいいですよ、どんな検査でもいいですよ、どんな薬でもいいですよ、患者さんに与えれば全部保険で見ますよ。いい制度かもしれませんが、乱用をされたら医療費はどんどん増加していく。それはだれが負担するのですか。
 結局、税金と保険料、自己負担。ここも、むだを直しなさいということで、ではどの程度の一部負担がいいのかということを考えると、ある程度、一割なり二割なり、あるいは一定の額なり御負担をいただくのはやむを得ない措置ではないかなということで、現在程度の負担というのは私は必要ではないかなと思っております。
○並木分科員 もう一方の、私が率直に感じている矛盾なのですけれども、国では国立病院には三千億円程度補助を行っています。また大学病院にも文部省から多大な補助があり、自治体病院では大体が赤字だ、そういうような状態であるわけです。つまり、保険でまじめにやれば赤字になってしまう、極論するとそういうようなシステムじゃないかな、こういうふうにも思うわけです。
 そういうところで考えるなら、そんな状況を抜本的に改善しなければ、民間病院というのは育つどころか成り立たない、こういうふうになっていくと思うのですけれども、こうした問題については、大臣、率直にどのようにお考えでしょうか。
○小泉国務大臣 やはり医療は、経済合理性を追求しても限界があると思います。市場経済の中で統制経済的な面が強いわけですから、単なる合理性を追求するわけにはいきませんが、一般的に言って、私は、公的な病院というのは、むしろ、一般の民間病院ができないような研究体制をしいたり、あるいは高度な医療をするというように特化していく方がいいのではないか。民間病院でもできる点は民間なりにできるだけ移譲していく方がいいのではないかなと思っています。
 民間の経営努力も大変だと思います。こういう点について、今後、国立病院なり療養所については今統合再編を計画しておりますので、民間でできる分野にあえて国が進出しなくてもいいというような形で、民間の病院が健全に経営できるような環境整備をつくっていくことが大事ではないかと思っております。
○並木分科員 具体的にどうこうというところまでの時間はちょっとないと思います。その方向性というところでは大臣も認識されているということなので、率直に先ほど申し上げたように、まじめにやれば成り立たないというのでは困るわけですから、ぜひその辺、基本的な改革をお願いしたいと思います。
 ちょっと具体的な問題について次にお聞きします。医療における、あるいは医療費における消費税の考え方ということですけれども、そもそも消費税というのは社会保障関係経費にはかけない、そういう導入部分でのお約束もあったと思います。それがあいまいになっちゃっているんじゃないかなというふうな考えなんです。もちろん医療機器を買えば消費税がかかる。あるいは医療費なんですけれども、この辺は診療報酬に内税的に加味されているんだ、そういう考えなのか。消費税も三%から五%、さらに今後増税ということも考えられるわけですけれども、こういうふうになると、診療費の中でその辺をあいまいにしておくと、もちろんお医者さんの運営上も大変ですし、あるいは、最終的には患者に負担がかかっているのですけれども、今はかけられない。この辺、あいまいな中で大変診療報酬が圧縮したり、変な取り方になるんじゃないかと思うのですけれども、この辺についてはどういうふうに今お考えになっているのでしょうか。
○高木(俊)政府委員 消費税の取り扱いは、まず基本的には、医療費については消費税は非課税ということになっておるわけであります。ただ、医療機関が薬とか、あるいは食事なんかも出しますから食事の材料等々を購入いたしますけれども、こういったものについては、これは仕入れ段階で消費税が課税されていますから、この部分については、いわゆる最終消費者である、医療保険の場合ですと患者さん、それを保険という形で見ているわけですから、そういった意味では保険ファンドでその部分は負担をする。
 その手当てを、医療機関が購入したときに消費税が乗っかった形、例えば医薬品であれば医薬品を医療機関が購入したときに五%の消費税が乗っていますから、その五%分というのは医療機関が負担するのではなくて、最終的には保険ファンドが負担するということで、消費税が導入された際、それから先般五%になった際、それぞれ所要の消費税分に見合うものについて診療報酬上の手当てをしてきております。
 ただ、冒頭申し上げたとおり、お医者さんが手術をするとか、そういった医療のサービスについては非課税ということになっております。これは諸外国を見ましても、基本的にはこの構造をとっているところが多いようでありまして、中にはイギリスのように、例えば薬については軽減税率を適用するとかゼロ税率を適用するとか、そういうことがありますが、基本構造はそのような形になっております。
○並木分科員 基本構造についてはであるべきなんでしょうけれども、現場の中でその辺のあいまいさというか、もちろんそれは食事の問題だとかオペだとか、いろいろなものがあるからということでのことかもしれませんけれども、当然我々も社会保障関係費への消費税負担はかけないというのは基本路線にしているわけですから、その辺きちっとやられるように要望しておきます。
 次に、薬価の基準制度についてですけれども、医療機関が償還基準額を上回る価格で購入した医薬品については、その上回る部分は患者の負担となる、こういうふうに今度なっておりますね。財政的な意味はわかるわけですけれども、こうしたことがよりよき医療を受ける上で障害となっていくんじゃないかなという危惧もあるわけです。さきに行われました薬剤費の負担増の際にも患者数が大幅に減った。これは、ある意味では厚生省はそのねらうところでもあったかと思うのですけれども、しかし、やはり今の観点からして、よりよき医療を受けるという面での心配もあるわけです。
 実際、大幅に患者が減ったと言われるわけですけれども、これまでの時点で具体的にどんな状況なのかを教えていただければと思います。
○高木(俊)政府委員 参照価格制導入の問題について今関係審議会で御議論いただいておりまして、まさに今先生御指摘のとおり、参照価格制にした場合、高価な薬を本人の希望で使用する場合に、一定の償還限度額を超えるケースが出てくる。その場合に自己負担になるけれども、そこは果たして適当なのかどうかというのは一つの論点として議論されておりますので、そういった論点等を踏まえて、今後具体的に制度化する場合には、まさに我が国にふさわしい形のものを考えていきたいと思っております。
 もう一つの昨年九月の一部負担の改正後の動向でありますけれども、私どもが当初、いわゆる過去の一部負担を引き上げたときの経験則に照らして、このくらい医療費の縮減が行われるんじゃないかというふうに見込んだものよりも若干落ち込みが大きくなっております。これは、九月から改定が行われたばかりでありますからまだ十一月までしか実績が出ておりませんけれども、改正前と比較しまして四・一%程度落ち込んでいるなということで今の実績を見ております。今後、十二月以降どうなるかまだわかりませんけれども、今のところはそんな状況であります。
○並木分科員 このパーセンテージは、実際受けたいものも受けられないということなのか、合理的な意味での減少なのか、非常につかみ方が難しいかと思いますけれども、今言ったような心配もありますので、この辺は慎重に見守っていただきたい、そういう思いもあるわけでございます。
 今まだ議論が続いているということでありますけれども、受けたい者は自分の負担で受ければいいじゃないか、そういう方向性、あるいは、今差額ベッドというのがありますけれども、これも大体患者負担として認めていこうじゃないか、今の流れからすればそういう方向にあるのでしょうか。まあ、あるのかなと思うのですけれども、そういうふうなことで考えていいのかどうか。それはまた医療現場で非常に差を生むというような、これはやむを得ない部分もあるわけですけれども、考え方としてはそれもやむを得ないという中での流れなんでしょうか。
○高木(俊)政府委員 全体的な方向で申し上げますと、まず差額ベッドのようなケースでありますが、これは現在も患者の同意のもとに医療機関が特別な料金を徴収するということが認められております。これらはいわゆるアメニティーというふうに呼ばれておりますが、直接医療にかかわるというよりも、医療周辺部分というような考え方に立ちまして、そういったものについては患者の同意を得て、あるいは患者の求めに応じて、ある程度合理的な範囲内であるならば特別な料金を徴収するということ、これはおおむね認められている方向ではないかというふうに思います。
 もう一つは、先ほどの参照価格制のようなものを導入されたときに生じてくる自己負担分、ここをどう考えるか。これは仮に本人が同意した上であったとしても、医療の特殊性からして、お医者さんの方からこっちの方がよく効きますよというふうに言われるとなかなか断りにくいというようなことがあって、こういったものについては、むしろ自己負担が出ないような方向の方がいいんじゃないかという議論もございます。
 問題は、かなり大規模な医療費というものをどう合理的にみんなで負担するかということだろうと思います。そういった意味では、昨年九月に引き上げさせていただいた一部負担について申し上げるならば、一つには、やはり受益と負担の公平というような視点から、医療を受ける者と保険料だけ払っている方とあるわけですから、その辺のところのバランスというものを、やはり無理のない範囲内で考慮するということが必要なのではないかというのが一つあります。
 それからもう一つは、何といいますか、できるだけただにした方がいいというような考えもありますが、一方やはり医療というものはお金がかかるわけであります。そういった意味では、医療に対するコスト意識というものをやはりきちっと持っていただいて、それによって適正な受診というものに結びつくようなことも必要ではないかというふうにも言われておりまして、その辺、国民の所得の伸びと負担能力の問題と、それから医療費全体の伸びとの負担関係のバランスといいますか、そういった中で国民的な合意が得られる範囲内での問題というふうに私ども考えております。
 そういった意味で、医療保険制度も健全に運営をしなきゃいけない、一方、負担の面においてもできるだけ過重な負担にならないようにしなきゃいけない、両方をにらみながらやはり国民的な合意が得られる範囲内でやっていかなければいけない、こんなふうに考えておるわけでありまして、何が何でも一部負担をどんどんふやしていくという方向をとっているというわけではございません。
○並木分科員 今とらえている現状の問題点というのは共通のことだと思いますし、その辺はわかりました。我々も、ある部分では差額診療というか、それも認めていいんじゃないかというふうにも考えているわけです。
 次の質問に関連するんですけれども、そういうことを認めていくという方向性で薬の併用とかそういうのも認めていけるのかどうかというのに関連するんですけれども、薬価基準が引き下げられ、薬剤使用の適正化、こういう中にあるわけです。この中で、いわゆる漢方製剤についてどう扱われているのか。今言ったように、併用という中で認めていく必要があるんじゃないかというふうにも私は考えるわけですけれども。
 この漢方につきましては、あるいは東洋医学といいますか、近年では欧米においてもこれは注目されまして、はり治療だとか漢方製剤とほかの薬剤との併用効果、こういうものが非常に注目されて、どっちかというと伝統医学の中ですから、これは洋の東西ともに経験論的にやってきたわけですけれども、それが今になって、いわゆる科学的知見といいますか、そういうものが次々に明らかになるというふうになっておりまして、WHOでもそうしたものを認める傾向にある、こういうことは言えると思うのです。
 私も専門家ではないのでよくわかりませんけれども、今いろんな難病とか難治性のものがあるわけです。がんだとか悪性腫瘍とか、こういうものにも抗がん剤とか放射線療法とかあるわけですけれども、それと補中益気湯とか十分大補湯という、漢方の場合難しい名前が多いわけですけれども、こういうものを併用した場合に、いわゆる骨髄障害を抑制する。非常に難しいがんである骨髄のもの、そういうものも抑制する効果がある。
 あるいは、アレルギーというのも、今花粉症なんというような大変気の毒な人がいるわけですけれども、私はそうじゃないので経験上わからないというところもあるんですけれども、こうしたアレルギーの問題、アレルギー性鼻炎だとか、こういうものに対しても、抗ヒスタミン剤だとか抗アレルギー剤というのがあるわけですけれども、小青竜湯を併用すると、かつての薬では軽減しない鼻炎とか鼻閉、こういうものにも有効だとか。
 あるいは、慢性腎炎とかネフローゼ症候群、これも難病ですけれども、いわゆるステロイド剤というのを使っちゃう。こういうものを使うと非常に副作用もあるわけですけれども、紫苓湯を使うと、ステロイド剤を使うということを少なくしていける。
 あるいは、今一番いろいろ社会的問題にもなっています、先ほどお話ししたように高齢化については特にそれが悩みでありますけれども、いわゆる脳血管性の痴呆症、これにも釣藤散が注目されている。先日もテレビかなんかで報道されたようですけれども。
 こういうふうに大変、科学的知見というか、本当に今まではわかってなかったものが、仕組みが西洋科学と相まってはっきりしてきた、そういうふうになっているわけです。
 その辺について、この辺がどうも東洋医学云々という方になりますと、本来なら日本医学というのは、まさに東西の合流点に日本はあるわけですから、一番活躍できるんじゃないか、次の医療の何か新しいアイデアを日本が出せるんじゃないか、こういうふうに考えるわけですけれども、現実には中医協なんかにもそういう人もいなかったり、国が審議委員とかにする権威あるとか言われているところにはそういう分野の人がまだまだ少ないようですけれども、この辺の取り組みについて今厚生省はどのように行っているのか、その辺を伺いたいわけです。
○谷(修)政府委員 今お話にございました漢方製剤あるいは東洋医学ということについては、確かにおっしゃるように、長年の間に国民の間でも受け入れられてきているということで承知しています。一方、その効果については、やはり科学的な部分をまだ未解明なものについては研究をしていく必要があるんじゃないかというふうにも思っております。
 今先生御指摘があった中で、釣藤散については、特に老人に対する漢方薬というような観点から、一般の薬でやっておりますような二重盲検法の試験をやってかなり有効だというようなデータも出ているようでございまして、そういう意味で、こういったような科学的な研究が必要なものについては今後とも研究を推進をして、またできれば国際的な観点からも貢献をしていく必要があるというふうに考えております。
○並木分科員 そういう方向性はわかったんですけれども、改正の中で、それではその辺の漢方製剤と今までの西洋医学の中での薬の併用、こういうのも認めていく、これは非常に医療の中身にかかわってくるわけですけれども、その辺はどうなんでしょうか。
○高木(俊)政府委員 医療保険制度の改革の課題の一つとして、これは与党の医療保険改革協議会の中でも今議論されておりますけれども、いわゆるOTCと言われる薬局で売っている売薬ですが、これと類似の薬については、負担の公平というような観点等々も踏まえると、ほかの薬、いわゆる医療用の医薬品と同じような取り扱いをすることはどうなんだろうかという議論が一方であります。
 そういうようなことをきっかけにして、漢方薬の中でもいわゆるOTCに類似するものがあるというようなことで、ひょっとしたら医療用の医薬品から外されるのではないかというような御心配を、特に学会の先生方を初めされていらっしゃるようでございましたが、このOTCの問題はなお引き続き御議論をされておりますし、今後さらに議論をしていく必要がありますが、保険の中で漢方薬を使うことが有効であるというようなものは、ごれは現在も使われておりますし、それを適用から外していくということは、今のところはまだ議論に上っているわけではございません。
○並木分科員 わかりました。その辺の心配はいろいろもう局長の方はわかっていらっしゃると思うので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 時間もありませんので次に行きたいと思いますけれども、いわゆる地域医療支援病院について、今度、病床数、これはあくまで原則ということでありますけれども、二百床以上だ、こういう方向性を出されております。私も現状はよくわからないのですけれども、一般に地方の民間病院とか、そういうものでは二百床以上というのは余りないのじゃないかな、むしろ百数十床とか、そういうものが多いのじゃないかと思いますけれども、こうした百数十床のいわゆる民間病院というようなものを、地域医療支援病院じゃないから成り立たないというイコールにはなりませんけれども、こういうものを整理して、逆に淘汰してしまうのか。それで国立公立の大病院、大学病院とか、そういうものを地域医療支援病院として残せばいいんだ、そういう考えなのか。その辺についての心配も民間病院では非常に大きいと思うのですが、その辺はいかがなんでしょうか。
○谷(修)政府委員 地域医療支援病院については、かかりつけ医とかあるいはかかりつけ歯科医を支援をする、そういうことを基本に置くというようなことから、一定規模以上の病床数があった方がいいのじゃないかというふうに考えております。医療審議会というところで何回か御議論いただいて、原則二百床以上というふうにしたところでありますけれども、ただ、その際にも、やはり地域の実情なり都道府県の判断というものが入っていいのじゃないかということから、都道府県段階におきます関係の審議会での意見を踏まえて、二百床未満でも地域医療支援病院として承認することはできるということを明記いたしております。
○萩野主査 代理時間が来ておりますので。
○並木分科員 これについてはさらにいろいろ注視していきたいと思います。
 質疑時間がないようですけれども、医療保険云々については、大臣とも今後いろいろ議論をしていきたいと思います。
 現状で四兆円も医療費に補助がなされているわけですけれども、患者の経済状態に関係なく使われていく。そういうのは、先ほどからの議論のように、財政を考えるならむしろ一元化して支払い能力のない人にのみ補助する、そういうシステムもいいのじゃないかと考えると、であれば市町村がそういうのをよく把握できるだろう、そういう意味で、地域保険制度に一本化していく、そういうことも考えておるわけです。この辺は今後議論していきたいと思います。
 最後に、血液センターということなんですけれども、医療を進める上で重要な役割を果たしています血液センター、これは、現場からすると数が不足しているともいうわけですけれども、その辺の現状と今後の方針についてお聞きして、最後の質問としたいと思います。
○萩野主査代理 中西局長、答弁は簡単にお願いします。時間が来ております。
○中西政府委員 血液センターにつきましては、基本的な方向は、検査部門についてはできるだけ効率化していく、他方、献血血液を集めていくというところについては、血液センターのもとに献血ルームを多数ふやしていくとかいうようなことで、血液の自給体制の推進という角度から、そういう方向に向かって日赤を指導していきたい、かように考えております。
○並木分科員 ありがとうございました。
○萩野主査代理 これにて並木正芳君の質疑は終了いたしました。
 次に、島聡君。
○島分科員 民友連の島聡でございます。
 今少子化問題というのが非常に重要な問題になってきております。これは、言うまでもなく、八九年の一・五七ショック以来、非常に大きな問題になっておるわけです。
 実は、私の地元といいますか、選挙区の愛知十三区というのは非常に子供が多いところでございまして、人口一千人当たりの出生率では、一九九四年で、全国六百六十五都市のうちで、刈谷市が四位、知立市が九位、高浜市が二十位、安城は二十一位という形で、非常に子供が多いところであります。つまり、今日本全体の中で、少子化社会を克服すればいいという場合を考えたら、そういうふうになればいいという地域なんです。
 ところが、そこでいろいろな話を聞いてみますと、極めて住みにくいんだ、つまり、今のままだと少子化をせざるを得ない。子供をたくさん持っているということは、いわゆる住みにくい地域になっている、あるいは住みにくい生活圏になっているということなんです。その観点から、いろいろなお尋ねをしたいと思うわけでございます。
 特に気をつけなくてはいけないのは、今後、日本の経済成長を考えたら、女性の労働力というものを非常に重視しなくてはいけない。ところが、二十代前半を最初のピークとして、四十代の後半がピークという、今M字型になっている、明確なM字カーブを描いているのです。女性では、平成七年の調査で、出産後も働き続けるのがいいという人が三二・五%になっています。昭和五十九年では二〇・一%だったのが、昔は五人に一人だったのが、今はもう三人に一人、出産後も働きたいと言っているわけです。
 さらに、今般、労働基準法の改正が議論されています。女性の勤務は、今後いろいろな意味で多様化する。そうなってきますと、働くお母さんを支援するために、いわゆる保育の形態は利用者のニーズに合わせることが今後非常に重要になってくると思います。
 そこでお尋ねするわけでありますが、保育時間を延長します延長保育について、どのような改善が今までなされてきたのか、また今後の制度充実の方向につきましてお答えいただきたいと思います。
○横田政府委員 共働き等によりまして昼間子供の保育を行う人がいないというような家庭を対象といたしまして、私ども保育制度をつくっております。通常は、朝の七時から午後の六時まで十一時間ということで開いているわけでありますけれども、先生御指摘のとおり、最近におきましては、女性の就業率も大変上がってきておりますし、また労働形態もかなり多様化してきているということで、保育のニーズも非常に多様化してきているという状況にございます。
 今、御質問いただきました延長保育につきましては、十一時間の保育時間では足りない部分、さらに延長保育を行うということで、私どもといたしましては、昭和五十六年から予算補助でやってきたわけでございますが、平成六年には、エンゼルプランに基づきまして緊急保育対策等五か年事業を策定いたしまして、それに基づきまして拡大を図ってきているところでございます。
 平成十年度予算におきましては、昨年におきます児童福祉法の改正も踏まえまして、より利用しやすい延長保育の制度にするという考え方に立ちまして、今までは、この実施そのものが市町村が一々認可するということであったわけであります。子供一人一人につきましても、あらかじめ何時間利用というようなことであったわけですが、これを保育所が自由に決定できる仕組みにいたしまして、直接、利用者と保育所が契約していただく、日々の労働時間の変動にも対応しやすくするというような改善を図っております。
 規模につきましても、一人でもいいということで、今までは六人以上という要件を設けていたわけですけれども、一人でも一定の補助金を出すというような改善を図りまして、来年度におきましては、四千カ所から六千カ所に向けて整備を拡充したいというふうに考えております。
○島分科員 少子化や核家族化の進行に伴いまして、家庭における子育てというのをどのように支援していくかということが重要になってまいります。核家族化が本格的になる以前の日本では、親と子は同じ家庭に住んでいたというか、おばあちゃんが一緒に住んでいたということだったので、子育てのノウハウは日常的に親から子に伝えたりすることもできたわけです。ところが、現在ではそういったことがなかなか望めなくなっている。それが現在の教育問題にもつながるのかもしれません。
 そこで質問でございますが、保育所というのは保育の専門機関なわけですから、保育のノウハウを家庭における子育てに役立てるような方策を考えていただきたいと思うわけですが、それについてお尋ねしたいと思います。
○横田政府委員 先生御指摘のとおり、近年の核家族化なり、近隣関係が希薄化したこともございまして、家庭や地域における子育て機能が非常に低下してきております。
 私どもの保育所、全国で二万二千四百ほどございますけれども、これは、子育てに関するノウハウを蓄積している地域における貴重な福祉資源というふうに考えておりまして、単に、そこに来て入所をしている児童なり保護者だけでなくて、地域の児童なり保護者も対象といたしまして、その活用を図っていくことが必要であるというふうに考えております。
 この点につきましては、昨年の児童福祉法の改正におきましても、地域の児童なり保護者を対象といたしまして、保育所が子育て相談にも応じられるような仕組みを法定化いたしました。また、地域の子育てサークルヘの園庭の開放でございますとか相談とか、そういったことを行うための地域子育て支援センターというものの整備を進めておりますが、これにつきましても、十年度予算におきまして、要件等も緩和いたしましてその拡充を図ってまいりたいと考えております。
○島分科員 次に、保育園を卒園した後の児童の保育についてお尋ねしたいと思います。
 実は私も、選挙準備期間中、自分の子供を保育園に預けて、そして家内が私の運動を手伝っていたわけでございます。おかげさまで、子供が小学校に上がる前に当選させていただきましたのでよかったわけでございますが、もしそうでなかったら、小学校になると午後に帰ってきてしまうから、一体どうするんだろうということを本当に家族で話し合ったものでございます。
 そこで、いわゆる学童保育というのがあるということは聞いたわけでございますが、学童保育は、児童福祉法の改正におきまして、放課後児童健全育成事業という形で、法定の事業として制度化されたということは承知いたしております。また、エンゼルプランの一環としまして、緊急保育対策等五か年事業の一つとしても位置づけられているとのことでございますが、この学童保育事業に関しまして、法定化の趣旨と現在の制度の概要についてお尋ねしたいと思います。
○横田政府委員 保育所そのものは就学前の児童を対象としているということでございますので、小学校に上がった児童につきましては、放課後、これを面倒を見てもらえる場所がないという状況であったわけでありますが、これにつきまして、私ども、福祉事業として、小学校低学年の児童を対象といたしまして、昼間、保護者が就労等により子供さんを見ることができないところを対象とした放課後児童健全育成事業というのを、このたび、児童福祉法の改正の中に社会福祉事業として位置づけたということでございます。
 また同時に、これは各地域の実情に応じて行われることが必要であると考えておりますけれども、市町村が相談、指導、あるいはその利用の促進に努めるべきことを法制上も明確にしたということでございまして、こういったことによって、私ども、需要に応じまして一層の普及促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○島分科員 次に、平成十年度予算での放課後児童育成化事業についてお尋ねしたいと思いますが、地域の実情を見てみますと、いわゆる働く御婦人方のニーズに制度がなかなか追いついていないんじゃないかというふうに思うのです。
 例えば、施設が午後六時に閉まってしまうという声もありました。あるいは定員がいっぱいだということで、あるいは保育料が高価だとか、経済的な理由で施設を利用できないという声も父母の方々からは寄せられているわけであります。また、施設の絶対数が不足している。先ほど申し上げたように、少子化対策をしなくてはいけないという話をよくされるわけですが、現実に、子供が多いところでは施設数が不足しているわけであります。
 学童クラブの運営を見てみますと、私も見てまいりましたが、どこも非常に苦労しておられます。
 これは実例でございます。保育料収入のほかに、バザーとか廃品回収を行ってやっておられる。現状の国、県、市からの補助金額では人件費を出すのが精いっぱいで、結局、これは見てきて本当に驚いたわけでございますが、衛生、安全面や施設の面でなかなかすぐれた運営ができかねるような状況です。ある学童保育所、私が見てきたところでは、二十五人の児童が十畳と四畳半の二部屋で過ごしていたというような状況でございました。
 そこで、平成十年度本予算審議でございますのでお尋ねするわけですが、平成十年度予算においては放課後児童育成化事業はどのようになっているのか。特に、国からの補助内容がどのように拡充されているかどうかにつきまして、お尋ねいたしたいと思います。
○横田政府委員 放課後児童健全育成事業につきましては、平成七年度から緊急保育対策等五か年事業で、計画的に目標値を定めまして推進してきているところでありまして、平成十年度予算におきましては、今回の法律改正を踏まえまして、制度内容も充実を図っております。
 一つは、補助単価につきましても、従来の額を大幅にアップいたしております。それから、職員の資質の向上が重要であるということで、職員の研修のための経費も補助の対象とするようにいたしております。箇所数につきましても、九年度におきまして六千九百カ所でございますが、これを一千カ所増額いたしまして、七千九百カ所の予算を確保しているところでございます。
○島分科員 ちょっと運営上のことについてお尋ねをしたいと思っております。
 かなり各論になってまいりますが、よく考えてみますと、このような事業でございますが、日本全体が少子化ですから、一律にすることはなかなか難しいと思います、一律に、また全国にさっとやるのは。少子化対策であるとはいうものの、現実に今後は減っていくかもしれない。ということになりますと、できるだけ運営基準というのは弾力的にやっていただかないといけないと思うんです。あるところは多いですし、あるところは少なくなる。ひょっとしたらもうこのまま、あってはならないことですが、日本は本当に子供が少なくなるかもしれない。
 例えば補助の基準単価となる一年当たりの基本額が、児童数おおむね二十人からということになっているそうであります。ということは逆に、二十人という区分が妥当なのかどうかというのも議論の余地があると思うのですけれども、二十人に満たなければだめだというと、本当に子供が少ないところはそのまま、本当に少ないままゼロになっていってしまう。小規模の施設には補助の道が断たれてしまうという意味で、この補助基準の二十人というのをもっと引き下げるというか、弾力的に運用していった方が現実的であるし、また、少子化対策にはなっていくのではないかと思うのですが、弾力的に運用するお考えがあるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○横田政府委員 放課後児童健全育成事業の国庫補助の要件といたしまして、原則二十人以上という基準を御指摘のように置いております。
 これは、今回の改正の中で、この事業を第二種社会事業として位置づけたわけでありますが、社会事業として成立する場合の要件として、二十人以上という要件がございますので、それにのっとっているということでございます。
 ただ、現実の運用におきましては、年間のうちに一時的に二十人を下回るようなことがありましても補助の対象とするなど、ある程度幅を持った運用をいたしておりますので、私ども、そういった弾力的な運用により対応してまいりたいというふうに考えております。
○島分科員 今の弾力的な運用ということをお聞きしたので、もう少し弾力的なことをお聞きしたいと思うんです。
 放課後児童健全育成事業では、児童厚生施設等の施設を利用して行うこととされているわけですが、基本的に学童保育は小学校の児童を対象とする保育サービスですから、小学校の施設を積極的に活用するのがいいんじゃないかと私は思うわけであります。
 もちろん、よくこういうことをやりますと、小学校は文部省だからとか、どこどこは何々省だからという話があるわけであります。特に、ここは小泉厚生大臣だから、期待してお尋ねをするわけでございますけれども、いわゆる公共施設の有効利用という意味でも、そのような省庁間の枠を超えて学校の余裕教室や学校施設の積極活用を図っていくために、市町村における福祉部門と教育部門の連携を強化する必要があるのではないか。特に学校の空き教室や公民館などをもっと弾力的に運用していった方がよりよい対策になるのではないかと思うのですが、この点についての御見解をお尋ねいたします。
○横田政府委員 現在、放課後児童健全育成事業の実施場所について見てみますと、児童館、児童センターというのが約九千カ所のうち二〇%を占めているわけでありますけれども、先生から御指摘のございました、学校の余裕教室、あるいは学校内の敷地に専用の施設をつくりましてそこで行われているものが、両方合わせますと約四〇%ございまして、ウエートからいくと、現在でも一番多くなっております。
 文部省の方におきましても、こういった余裕教室を放課後児童健全育成事業に使いやすいように、そのための転用の手続の簡素化等を図っていただいておりまして、私ども、今までも文部省とも連携をしながらやってきております。
 今御指摘のございましたように、今後少子化が進む中で空き教室等もふえていくと思いますので、市町村レベルにおきましても、福祉部局なり教育委員会との連携を図っていただきまして、そうした活用がより行われるように私どもとしても努力してまいりたいと思います。
○島分科員 今、いわゆる予算の問題、お金の問題をお聞きしました。先ほど職員やサービスの質の問題も少し言及されたようでございますが、やはりお金と人と物ということは、一つの施設運営、経営としては非常に重要なことでございます。
 実際の学童施設運営というのは厳しいものがあるということは先ほど私が見てきたことでお話ししたわけでございますが、運営が厳しくなりますと、どうしても保育サービスの質にしわ寄せが行ってしまうわけであります。サービスの質といいますか、いわゆる学童保育の質の低下を招きかねないという懸念があります。
 学童保育におきましては、職員の資質やサービスの質を確保する方策を、先ほど少し言及されましたが、どのように考えておられるのか。一つの考え方としまして、施設や職員に求める基準を参考のためのガイドラインとして提示したらどうかとかいう考え方もあるそうでございますが、学童保育サービスの質を確保するための方策のあり方につきましてお尋ねをいたします。
○横田政府委員 放課後児童健全育成事業の実施につきましては、私ども基本的には、地域の実情に応じまして、できる限り自由にやっていただくのが基本であると考えておりまして、実施場所につきましても、先ほど申し上げましたように、児童館というようなものだけでなくて、文部省関係の余裕教室あるいは敷地、公民館、民間のアパート、非常に多種多様に及んでおります。
 今回、法制化に際しましても、その基準は安全、衛生面ということで最小限にとどめておりまして、この態様に応じて、できるだけ弾力的、自由にやっていただくという趣旨を貫いているところでございます。
 ただ、御質問ございました職員の資質につきましては、これはいい方が望ましいということはそのとおりでございまして、十年度予算におきまして、先ほど申し上げましたように、県なり市が職員の研修等を行う場合の補助金制度を設けているというところでございます。
 実際の職員におきまして、半数ぐらいが、児童厚生員という資格があるわけでありますけれども、取っていらっしゃいますが、そういったものも持ってない方もかなりおられますので、そういった意味で、こういった職員の資質の向上についてもこれから留意してまいりたいというふうに考えております。
○島分科員 放課後児童健全育成事業では、対象となる児童がおおむね十歳未満の児童となっているということですが、十歳未満ですから、いわゆる小学校二年、三年なわけであります。この点でも地域の利用者のニーズに実は合っていない。つまり、かぎっ子がどんどん出てしまうという話があるわけでございますね。昔、例えばたくさんみんなが集まって、いろいろな、餓鬼大将がいたという時代とは違いまして、今、どちらかというと、そういう人たちはかぎっ子になってしまう。
 このおおむね十歳という対象年齢をより弾力的にぜひとも運用すべきではないかと思うのですが、御見解を伺いたいと思います。
○横田政府委員 放課後児童健全育成事業の対象事業といたしましては、補助事業として要件を設ける必要があるということで、おおむね十歳未満とさせていただいているところでございます。
 ただ、この事業が例えば児童館等で行われる場合におきましては、そこは年齢が限られず、さまざまな児童が来ますので、一緒に遊んでいただくというようなこともあるかと思いますし、そういった意味で、基本は十歳未満ではございますが、この放課後児童健全育成事業に小学校高学年の児童も実情に応じて加えていただいても差し支えないのではないかというふうに考えているところでございます。
○島分科員 児童福祉法の第三十四条の七に、市町村、社会福祉法人その他の者が放課後児童健全育成事業を行うことができるとありますが、実際の問題としましては、市町村の役割が極めて大きくなってくると私は思います。
 地域それぞれのニーズにこたえることができる形でいわゆる学童保育事業を普及、充実していくためには地方自治体独自の努力が不可欠なわけでありますが、どうもこの問題につきましては、地方自治体が割と熱心というわけではないような気がいたします。どちらかというと、高齢化の問題に対しましては今極めて注目されておりますが、私はやはり、このままいくと、少子化というのは日本にとっては非常に大きな問題になると思うわけであります。今回いろいろな少子化対策について、もちろんエンゼルプランを含め、厚生省のものを勉強しましたけれども、やはりどうしても高齢化対策というのはかなり大きなウエートを占めていて、この問題についてはウエートが低いのではないかと私は思いました。日本全体のことを考えたら、実は本当にこれは大事な問題だと思っております。
 ただし、これは、今地方分権の流れであります。流れである以上、やはり市町村というものが非常に重要になってくるということは間違いないわけであります。
 そこでお尋ねするわけでありますが、厚生省が、国の制度として位置づけられました放課後児童健全育成事業、市町村に対してこれからどのように普及の努力をされていくのか、お尋ねしたいと思います。
○横田政府委員 現在、放課後児童健全育成事業を実施している市町村数は千二百七十九市町村ということで、全体の四〇%でございます。その他の市町村については未実施ということであります。
 私ども、この事業に対する考え方につきましては、先ほど申し上げましたように、それぞれの地域の実情に応じまして、できるだけ多様かつ柔軟に実施されることが望ましいのではないかということでありまして、そういった意味から、基準についても最小限にとどめているところでございます。事業の実施そのものについては、それぞれの地域ごとに自主的な判断にゆだねられるべきものではないかと考えているところであります。
 しかしながら、その一方において、この事業に対するニーズが最近非常にふえているということがございまして、昨年の児童福祉法の改正におきましても、そういった普及を図るという見地に立って、市町村にこの放課後児童健全育成事業に関する相談、助言あるいは利用の促進に関する努力義務を課したところでございます。
 また予算面でも、私ども十年度において充実を図ることにしておりますが、こういったことを通じまして、今後、ニーズに応じまして、この事業が拡大していくよう努力してまいりたいと考えております。
○島分科員 今、少子化対策としての学童保育事業について取り上げていったわけでございます。
 厚生省の人口予測をもとに、これから二〇二〇年まで、例えば労働力人口を予測してまいりますと、高齢者あるいは、特に女性の働く比率が変わりませんと、九六年から九%も減るだろうと言われています。約六百万人労働力人口が減るわけであります。年金の試算見直しが毎回毎回少子化の、いわゆる一・五七ショックにあるように、そういう計数が減ることによって見直しをせざるを得なくなって、その結果、国民が将来に対して不安を持つような今の状況にあります。これは経済成長の非常に制約要因ともなるわけでありまして、仕事をしながら子育てができる環境をつくらなくてはいけないわけであります。
 大臣にお尋ねするわけでございますが、学童保育事業は、少子化対策として非常に有意義かつ有効な事業だと私は思っています。将来的には、一小学校区に一つの学童保育施設があるところまで施設や制度を拡充するぐらいが一つの目標になるのじゃないか。
 最後に、将来の日本の国勢を大きく左右する少子化対策の一つとしてこの学童保育事業が重要だという点を踏まえまして、放課後児童健全育成事業にどのように取り組んでいかれるか、そしてまた少子化問題にどのように取り組んでいかれるか、厚生大臣に御所見をお尋ねしたいと思います。
○小泉国務大臣 放課後児童育成事業については、時代の変化とともに大変重要な役割を担ってきたと思います。
 私どもの子供の時代は、大体うちに帰ってくればだれか身内の人がいてくれる、あるいは身内がいなかった場合近所の人がいるという形で、学校から帰ってきてまた学校に行くという状況は考えられなかったわけですが、最近では、もう仕事と子育てをどうやって両立していこうか、女性も仕事を持つのが当然のような時代になってまいりました。それだけに、子供が心の寂しさを感じないような対策というものを公的な面あるいは地域の面からも考えていかなければならない時代になっております。
 家庭とか身内の親のできない分野、そういう面について、今後放課後児童の育成というのは大事な仕事になってまいりますので、今のところまだ全部には普及しておりませんが、将来には全部の市町村が行える、またそういう指導面における質の面においても充実を図っていく必要があるのではないか。
 ともかく、子供は親にとっても宝でありますけれども、社会全体の宝である、財産であるというような観点から、児童育成の面において努力をしていくべきだというふうに考えております。
○島分科員 今申されたように、本当に子供というのは宝であると思いますし、もう少し言いますと、日本という一つの民族にとってこれだけ少子化が進んでいるということは非常に大きな問題であると思うわけであります。
 家族形態にまでどのようにするかということを踏み込むということは行政としては難しいかもしれませんが、今こういう状況の中で、少しでも自己実現ができる、働く女性も自己実現ができ、そしてそれと同時に、子供たちも一つの場所で共回生活を送って自己実現ができていくようなそういう社会を、厚生省として施策を強力に進めていただくことを祈念しまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○萩野主査代理 これにて島聡君の質疑は終了いたしました。
 次に、辻第一君。
○辻(第)分科員 時間が限られておりますので、簡明な御答弁をお願いいたします。
 急速な高齢化社会を迎えて、高齢者の医療や福祉の充実は待ったなしの重要な課題でございます。政府は介護保険法を成立させましたが、いわゆる保険あって介護なしとも言われるように多くの問題点を抱えております。この法律の問題点と、実施までの是正、政省令による補完等について、我が党では代表質問、予算委員会、厚生委員会などで繰り返し指摘しているところでございます。また、九七年十二月三日の参議院本会議では、介護サービスの基盤整備、地域格差の解消、認定の公平性、適切な介護サービスと低所得者への配慮を全会一致で決議していますが、財革法で福祉予算も一律にカットされ、この決議の実行の保障はないがしろにされております。
 在宅介護支援センター職員など多くの関係者は、このままで介護保険が施行されたら、保険あってサービスなしが起こる、保険契約をしながら必要なサービス提供の保障がないのは許すことができないと怒りの声を上げています。今からでも法を改正し、法の欠陥を是正すべきであります。また、予定されている政令、省令を介護を受ける人々の人権を守り、この事業の執行の現場である地方の実情を十二分に考慮したものにするべきであります。
 具体の問題でお尋ねをいたします。
 奈良県の保健福祉計画は、全国でも早い時期に策定されましたが、全国の経験を学びながら途中で見直しをすることも考慮して、特別養護老人ホームの整備目標値を六十五歳以上の高齢者人口に一・二%の指数を掛けたものとして三千床です。結果的に見ますと、新ゴールドプランの全国目標値二十九万床は六十五歳以上の一・四%になります。奈良県の一・二%は全国平均を下回るもので、今、計画上は超過達成の今年度末で三千百九十八床、こういう現状でも一・三%にしかなりません。新ゴールドプランの全国的な整備目標を下回っておりますが、このことは御存じいただいているのでしょうか。
○羽毛田政府委員 整備目標の数字につきましては、今先生お挙げいただいたような実態にございます。
 これは、老人保健福祉計画、基本的に私ども国が参酌すべき標準というものはお示しをしますけれども、基本的には、各自治体におきましてそれぞれの地域における実情を踏まえた要援護の高齢者の方々の需要というものの把握を行っていただいて、これを踏まえて、それぞれの自治体としてこういう整備が必要だということで、在宅介護の推進の観点だとかあるいは地域の実情といったようなものを考慮しながらお立てをいただいた、そういった計画でございます。
 したがって、それぞれの地域の置かれている生活習慣あるいは地域の生活圏の違い、あるいは地域における施策についてのお考えの違いというようなものもございましょう。こういったものが特別養護老人ホーム等のサービスの必要量の違いという形であらわれているということで、その結果として、いわゆる目標値についてもそれぞれ県の間でも違っているということで、これはある意味からいえばそれぞれの御判断というものを加えながらのものでございますから、そういうことはあり得るということであろうかというふうに思います。
○辻(第)分科員 いろいろ御答弁いただいたのですが、そのように将来いろいろなことを見越して一・二%ということでございますが、全国平均の一・四%より低いということは御認識いただいていると思います。
 奈良県が決めました当初の整備計画三千床は、本年度末で三千百九十八床になりますが、先ほど述べましたように、新ゴールドプランの全国的な整備目標値を下回って、しかも、そういう中で待機者は県で八百六十一人、もう現実には本当に見直しが必要な状況であります。見直しがなければ解決できない深刻な事態というのが現状でございます。
 特に、人口急増地の奈良市では、入所判定済みの待機者が四百二十人を超えております。私もいろいろと話を聞きますし、御相談も受けるのですが、二年以上待たされる方も多いのですね。待っている間に亡くなられる、こういう痛ましいことも続発をいたしております。
 例えば、奈良市に住む八十七歳の女性は、五十歳代で脊髄損傷を持つ一級の重度障害者の息子と同居でありますが、この息子さんは現在入院中、いろいろ手当ても受けておられるんですが、担当医の判断では、退院後も母親の介護は無理だと言われている。Aさんは、地域の支援センターが軸になり、二十四時間ヘルパー、訪問看護、日常生活用具の貸与、配食サービスなど、可能な限りのメニューを組み合わせて在宅で頑張っておられますが、息子の容体悪化や入院のときにはショートステイや老健施設入所も繰り返しており、そういう中で、環境が変わるたびに精神的不安定から痴呆状態が出るなどの弊害が出ています。
 現在、Aさんは、息子の入院と同時に老健施設に入所し、三カ月日に、息子の退院見込みが立たないとの理由で、この老健施設でさらに三カ月の延長が許されましたが、この四月十九日には六カ月の期限になって退所を申し渡されている。特養へは九六年の二月に申し込みをされたんですけれども、現に入所判定もおりているんですが、二年たった今も待機者がいっぱいで当分入所の見込みが立たない。結局、Aさんは特養入所までショートステイのたらい回しという状況にならざるを得ない。ようやく施設や介護者にもなれ、笑顔が見えるころになると転所をする、こういう状況です。精神が絶えず不安定で、挙動不審というんですか、そういう状態が多くなることは目に見えているんですね。
 Aさんの相談に乗ってきた支援センターの方が、Aさんの状態悪化を思うと心が痛む、戦前から頑張ってこられて日本社会を支えてきた高齢者の人権が守られているのか、基盤が不十分なまま介護保険が導入されても状態はよくならない、第一線の私たちの努力が報われ、高齢者が人間らしく生きられるように、政府は介護保険を抜本的に見直し、基盤整備とマンパワーの確保にもっと力を尽くすべきです、このような怒りの声を訴えられておるわけであります。
 このような、一刻も放置できない深刻な事態に対してどのような御認識、お考えなのか、お尋ねいたします。
○羽毛田政府委員 先生今お挙げをいただいた大変お気の毒な事例でございますけれども、介護を要するお年寄りの方々のサービス、これはできるだけ十分なサービスができるようにならなければならないというふうに思いますけれども、その際に、特別養護老人ホームというものだけが唯一のメニューであるという形というのは、やはり本来の、お年寄りの方々が介護を要する状態になられても、地域の日常生活のできるだけ延長線上でその生活をできるような工夫をしていく、そういうことを助けていく、そういったことを基本に据えていかなければならないという点はやはり押さえていかなければならないだろうというふうに思います。そうした上で、その特別養護老人ホームヘの入所が、真に必要な方の需要にこたえられるように特別養護老人ホームの整備も進めていかなければならない、これもそのとおりであろうと思います。
 そういったことを考えますと、今いろいろ特別養護老人ホームについて、待機者がいるというお話があるものにつきまして、私どももそれについては真摯に対応させていただいておるつもりでございますけれども、そういったものをよく精査をしていただきますと、実はそういいながら、待機者といいながら、必ずしも二十四時間専門的な施設処遇が必要だとは考えられないということの方々だとか、あるいは、そういう体制をする前に、在宅サービスの体制が一切整っていない、もう在宅サービスを一度も利用したことがないというような形の方がそのまま待機者という形で出てくるというようなこともございます。
 また、施設の入所の方々につきましても、一方において在宅サービスの提供体制が十分でないがゆえになかなか、必ずしも施設に入っているよりは地域でそういう生活をしたいと思ってもそういう受け入れ体制ができないというようなこともありまして、これが施設の退所を困難にしている事情に結びついている、こういうようなこともあって、それは結局そういうことになりますと、真に特別養護老人ホームに入る必要のある人をまた入りにくくしている理由の一端にもなるわけでございます。
 したがって、今後、私ども、新ゴールドプランの達成ということで今整備目標を立ててやっておりますから、その整備を進めますけれども、あわせましてやはり在宅サービスの充実を図り、さらには、いわゆる住むという要素を重視した介護利用型の軽費老人ホーム、いわゆるケアハウスといったようなものを周辺に整備をしていくというようなことをあわせてやっていかなければならないだろう。そういったことをやり、その中で待機者の厳密な把握ということもやっていただいて、そういったこととあわせ、特別養護老人ホームの整備というのも進めていく必要があるだろう、そんなふうに考えております。
○辻(第)分科員 御理解はいただいていると思うのですけれども、非常に理屈っぽい御答弁をいただいたんですが、現場は本当に深刻なんですよね。特養だけの話を言っているわけじゃない。我々も理解しておるのです、在宅の話も。理解しておるのですけれども、現実こういうケースがいっぱいあるんですよ。ですからそこのところを、やはり待ったのない問題ですので、十分お酌み取りいただきたいと思うわけです。
 奈良市は、人口三十六万で六十五歳以上の人が大体五万六百人だそうでありますが、新ゴールドプランで六百六十床の目標を立ててこられたのですね。ところが、ことしの四月の開所も含めて今四百九十三床ですね。そうしますと奈良市の目標の達成率は七四・七%だ。非常に低うございます。奈良県の人口が百四十五万で奈良市は三十六万ですから四分の一なんですが、特養の待機者は、県の八百六十一人に対し奈良市は四百二十人で、二分の一ですね。四分の一のところに二分の一ですか、待機されている。非常に待機されている率が高いんですね。もちろん、目標が七四・七%しかできてないわけです。
 何でこんなに奈良市の整備がおくれたのかといいますと、これはバブルで全国一地価が高騰したのが奈良市のあたりですね。例えば、住宅地の公示地価では、奈良市では百万、県南部の五條市では十二万、こんな差があるんですね。商業地では、奈良市で四百万で五條市で三十万、十対一というほど差があるんですね。そういう中で、地価の安い中和、南和というんですか、奈良市から遠い南の方、そういう地価の安いところにたくさん特養ホームができたんですね。
 それで、高齢者人口比で一床当たりは、中和、南和は六十人です。北和という北の方、奈良市の北の方は九十五人。奈良市では百三人ですね。ですから、これで非常に足りないということが明らかなんです。
 今、地価が安定しまして、奈良市内でも民間の建設計画が進んで、大阪に比較的近い奈良市の西部の地域で特別養護老人ホームをつくる運動が進んでいます。奈良市の多くの市民の皆さん、それからその周辺の医師会の大部分、何十人が名前を連ねる、また老人クラブや自治会組織などが結集して市民的な合意ができてまいりました。
 そういう中で、たくさんの方から資金も集めて、そして大体土地の確保の目鼻もついたんです。そこで国からの事業採択をということでお願いしたわけでありますけれども、今年度から、奈良県は目標を達成している、県として達成している、だから新規の事業採択はできない、こういうふうにおっしゃっておられるわけであります。そういうことで、奈良市としても、奈良県としても、中心部に特養ホームが足りませんから、非常に期待されておるわけでありますが、実際はそういう状況。
 私どもは、これまでにたくさんできた、言うなら遠隔地、町外れの特別養護老人ホームから、町の中の、やはり利用しやすいんですね、本人さんも家族も。それから、そこでショートステイやデイケアができれば、もっと在宅の問題も解決をする、こういうことは明らかであろうと思います。
 こういう遠隔地の特養の役割も大きいんですが、身近なところにホームがあることが、入所者にとっても家族にとってもいろいろとよい結果をもたらす、これは明らかなことです。また、地域格差といいますか、奈良県の中での地域格差の問題というようなことも含めて、身近なところでのホームの建設について厚生省はどのようにお考えいただいているのか、お伺いします。
○羽毛田政府委員 特別養護老人ホームにつきましては、先生お話しのように、できるだけ家族が訪問しやすいように、あるいは地域における在宅サービスの拠点としての役割を果たせるようにという意味では、できる限り住民に身近な場所に整備をしていくということが大事だろうと思います。
 そうしたことを含めまして、ただ、一方において、特別養護老人ホームというようないわゆる集団処遇をいたします入所施設でございますから、細かい単位でつくればつくるほどいいというわけにはやはりいかない。そうしますと、やはり、そこを、全体をどう考えていくかということも、それぞれの市町村そして県が計画をお立てになるときに、そういったことをよく考えて配置を考えていただく、そうした中でやっていくということが理想であろうと思います。
 そうしたことが、今おっしゃった土地代の問題等で必ずしも思うようにいってないということにつきましては、やはり問題だとは思いますけれども、そういった土地代の問題等がネックにならないように、私どもとしては、用地取得が困難な場所につきましては、補助等の加算等の面において、あるいは施設の規模の弾力化というような面において配慮をするというような形で今日までやってきております。
○辻(第)分科員 それでは、厚生大臣にお尋ねをいたします。
 今私がるる申し上げましたように、本当に現実は厳しゅうございます。そういう中で、住宅地に近接をした奈良市西部地域への特別養護老人ホーム建設は、介護保険制度の基盤整備として、奈良市も奈良県も大きな期待を寄せていただいているのです。政府は、単に県目標を達成したということで事業不採択の要件にしないで、前述のように、奈良県の目標が全国的な整備目標より低いというような問題とか、あるいは、奈良市の目標が未達成で四百二十人もの待機者がいらっしゃる切実な問題、深刻な問題でありますが、こういうことを御理解いただいて柔軟な対応をしていただきたいと思うのですが、御答弁をお願いします。
○小泉国務大臣 いろいろ要望が多いのは事実なんです。その中でどれを優先的に採択するかというと、これはやはりまだ目標に達していないところを優先せざるを得ない。厳しい財政状況のもとで、目標を達成していないところが結構あるものですから、そっちを優先してしまう。
 奈良の場合は、ある程度目標を達成していても、実際には待機者が多いということでありますが、それは地域の個別の事情もあると思います。また、在宅サービス等の充実策も、これから介護保険制度が導入されまして進んでいくと思います。しかしながら、できるだけ地域の事情を考えながら、その辺はある程度柔軟に対処するのも必要ではないか。しかしながら、優先するという場合は、むしろ目標をまだ達成していないというところを優先せざるを得ないということを御理解いただきたいと思います。
○辻(第)分科員 いろいろお考えもあろうかと思いますが、ある程度は柔軟に対応したいというふうに御答弁をいただいたように思うのですが、どうかひとつよろしくお願いをいたします。
 次に、政府は、九六年度、全国で六十カ所、九七年度、全国三百四十七カ所でモデル事業を実施し、今年度は全自治体でモデル事業を実施されるということでありますが、この問題で質問をさせていただきます。
 具体的な事例で申し上げますが、モデル事業に参加した調査員によりますと、調査時間は最少十五分、最大九十分で、平均四十分。面識のある人への調査となって、極めてスムーズなケースが多かったのですが、事業発足後は初対面の人に調査するケースが多いと思われます。ある調査員によれば、二時間程度の所要も予測されると言っています。訪問前後の事務はさらに一時間は加算される。都市部で九人を調査した調査員の総移動時間は十五時間十分で、一人平均で往復一時間四十分。奈良県は山間部が多くて、山間部の保健婦によりますと、途中までは自動車、以後は徒歩で訪問するところも多く、往復移動三、四時間は予測されるということでございます。
 自治体の担当者によれば、奈良市で八千人、五條市では八百人程度の対象者が見込まれますが、今回モデルでは、奈良市で百例を八人の調査員で、五條市と奥吉野四村で百例を十人で調査されました。調査員が日常業務と並行してやるのか、調査員を専任にするのかで所要人員は大幅に違っできますが、三カ月に一度の見直しというサイクルでいけば、相当数の調査員が必要でございます。調査員の養成と確保について、見通しをお伺いしたいと思います。
○羽毛田政府委員 お話のございましたように、要介護認定、大変大事でございます。そのスタートになります調査、それを担当いたします調査員の確保、それから養成ということ、大変大事でございますので、私ども、今先生お挙げいただいたモデル事業等によりまして、どのぐらいの所要時間がかかり、そのことによってどのぐらいの人手がかかるかということを踏まえまして、その養成に当たってまいりたいというふうに思います。
 あわせまして、この調査につきましては、市町村の職員がやる場合、それから市町村の委託を受けて、いわゆる居宅介護支援事業者あるいは介護施設の介護支援専門員と言われる方々がやる場合と両方ございますので、後者の場合につきましては、現在、既に指導者の講習等を進めておりますので、こういったことの延長線上で、その養成に努めてまいりたいというふうに思っております。
○辻(第)分科員 モデル事業の場合は、保健婦さんやヘルパーさん、介護福祉士さんなどが五時間程度の研修を受けて調査に当たったようでございますが、調査員から、調査項目の中に、例えば物忘れがひどい、元気なくぼんやりしている、異性に対する興味が強く行動にあらわれるなどの判定の際、観察すべき期間や頻度の基準があいまいであるとか、「五、麻痺の有無」というところで、完全な麻痺がない場合の判断などについての意見が出ております。調査員の判定が一次判定の材料になるところから、その調査が介護判定の重要なウエートを占める。調査員の研修内容を精選し、機会をふやして、調査能力の向上に努めることが急務ではないかと思いますが、どうかひとつその点でも御考慮いただきたい。
 次に、痴呆の介護判定の問題でございます。
 この問題で出されている意見では、一次判定はADLを中心に判定されているようで、痴呆症で一見ADLの高い対象者は要介護度が軽度に判定されがちであるというような、介護判定が低過ぎるという意見はモデル事業の中で共通して出されています。一次判定は介護サービス調査票の基本調査によるが、ADL、身体機能面に重点が置かれており、精神的な状況や家族、住居の条件を含めた総合的なものになっていない、こういう点があるわけであります。
 ちょっと時間がありませんので割愛いたしますが、基本調査で精神的状況の勘案が不十分なため評価の違いが出てまいります。基本調査の精神的状況のウエートを高くすべきではないか、このように考えるのですが、いかがですか。
○羽毛田政府委員 御指摘のような問題点が、実は私ども今までにやりましたモデル事業の中で出てまいりました。したがって、今実施をしております平成九年度のモデル事業の実施に当たりまして、その点の改善ということを考えまして、はしょって申し上げますと二点ございますが、一つは、訪問調査のときに、その時点だけの状況ではなくて、やはり家族等から聴取をいたしました最近一カ月間ぐらいの状況を調査をしていただくということで、総合的な判断がそこでできるようにするというのが一つと、それから、今先生お話しのございました精神状態の把握というようなことも含めて、かかりつけ医からの情報の中に痴呆の状況についてきちっと入れてもらうという改善を行っております。これを踏まえまして、今まだモデル事業をやっておりますので、さらに改善すべき点があれば改善をしていきたい、こう思います。
○辻(第)分科員 それから、歯医者さんから、食事摂取や口腔内の状況も調査項目に入れるべきだ、こういう意見が出ておりますので、申し上げておきます。
 それから、介護認定の問題でもう一つの事例でございますが、高齢者が、ひとり暮らしか、老人世帯か、二世帯同居か、介護者の職業状況、住居など、その環境によって介護の必要性やプランは当然違ってまいります。調査事項に家族、住居などの各種環境を加え、介護度の判定に反映すべきではないか、これが一点。
 それからもう一つ。奈良県は、御存じのように奈良市中心の平たん部がちょっとで、あとは、尾っぽは吉野山間。大変な山間で、過疎地域なんですね。そういう山間部では、高齢者率は三〇%を超えております。急峻な地形で、もうそれはそれは、畑や田んぼがほとんどない、そういうところなんですね。
 ですから、村内移動も片道二時間で、デイサービスヘの送迎も不可能なところがありますし、デイサービスに専任する職員がいないとか、訪問看護のナースもおらない、作業療法士や理学療法士もおらない、二十四時間ヘルパー制もない、配食サービスや移動入浴サービスもない、こういう状態。福祉の事務は、高齢者、母子、障害者など一手に引き受けるという状態が一般的。山間部の小さな自治体に共通するこうした現状、地域間格差は厳然として存在をいたしております。
 こうした村の保健婦さんは、村の基盤では介護度にふさわしいケアプランは立てられない、村の能力の範囲に限定せざるを得ない、また、一人しかいない保健婦は、介護関連の業務に専念すれば一般の保健業務ができなくなる、保健婦など専門職の増員は急務だ、このようにも訴えられておるわけです。これもまた深刻な問題でございます。
 そこで、山間部の基盤整備とマンパワーの確保に特段の手だてをいただきたい、このように思うのですが、先ほど申しました、家族、住居など各種環境を加え、介護度の判定に反映していただきたい、この二つの点でお答えをいただきたいと思います。
○羽毛田政府委員 まず、第一点でございますけれども、これにつきましては、私ども、要介護認定という段階におきましては、基本的にはやはり介護量、つまり、介護の手のかかりぐあいということを基本にしてやっていくべきであろうというふうに考えております。
 その理由といたしましては、一つには、やはり、要介護度の認定というのは、施設でも在宅でも共通の物差しとしてやってまいります。それからもう一つ、要介護度の判定に当たりまして、そういった家族の状況というようなものを例えば入れたといたしますと、家族の状況によって介護度が少なくて済む、家族がやっている、そうすると、そのことが、結局、家族が重い負担をしておられるのもそのまま受け入れるようなことになってはぐあいが悪うございますから、やはり、介護度自体は客観的な介護の必要量というもので認定をしていく。
 ただ、先生おっしゃったような点を入れて、その人の需要に合った形でやっていくという点については、むしろ、要介護の認定を経ました後に、介護サービスをあれする際に、介護サービス計画、いわゆるケアプランというものをつくりますので、その段階におきまして、先生のおっしゃったようないろいろな事情をもろもろ入れて、需要に柔軟に対応するような形で援助計画を立てるということで活用してまいりたいというふうに思っております。
 それから、二点目でございます……
○萩野主査代理 時間が来ておりますので、簡単に。
○羽毛田政府委員 はい、わかりました。
 二点目は、おっしゃるとおり、そういう意味では一つ大変大きな課題のところでございます。私ども、やはり、そういった中では、例えば公民館等を活用した形でのデイサービスの展開でございますとか、あるいは、いわゆるデイサービスも、非常に点在をしておられるというようなことでございますから、需要がなかなかまとまらないというときにつきましては、長期なものを認めますとか、そういったことを活用いたしますと同時に、マンパワー等の面につきましては、例えば農業協同組合の組織というものがその問題については大変今御熱心にお取り組みをいただいておりますから、こういった方々の、民間を含めましたそういったところの御協力も得ながら、そういった活用も図りながら基盤整備に一層力を入れていかなければならない。
 やはり、そういった過疎地における基盤整備というのは一つの大きな課題だろうというふうに考えております。
○辻(第)分科員 時間が来ましたので、これで終わります。大臣、よろしくお願いいたします。
○萩野主査代理 これにて辻第一君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○萩野主査代理 次に、労働省所管について政府から説明を聴取します。伊吹労働大臣。
○伊吹国務大臣 平成十年度労働省所管一般会計及び特別会計予算について、その概要を御説明申し上げます。
 労働省所管の一般会計は四千九百九十七億円で、これを前年度予算額と比較いたしますと二十八億円の減額となっております。
 次に、労働保険特別会計について、各勘定ごとに歳入歳出予算額を申し上げます。
 労災勘定の歳入予算額は二兆四百九十九億円で、これを前年度予算額と比較いたしますと一千四十四億円の減額となっております。また、歳出予算額は一兆三千九百三十億円で、これを前年度予算額と比較いたしますと六百二十億円の増額となっております。
 雇用勘定につきましては、歳入予算額、歳出予算額とも三兆三千十四億円で、これを前年度予算額と比較いたしますと三百四十八億円の増額となっております。
 徴収勘定につきましては、歳入予算額、歳出予算額とも三兆五千八百八十億円で、これを前年度予算額と比較いたしますと四百二十六億円の減額となっております。
 石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計の石炭勘定のうち労働省所管分の歳出予算額は百三十二億円で、これを前年度予算額と比較いたしますと十一億円の減額となっております。
 平成十年度の労働省関係予算につきましては、経済構造改革を担い、生き生きと働ける環境の整備、健康で安心して働ける勤労者生活の実現、多様な個性や能力を発揮し、少子・高齢社会を支える基盤づくり、国際社会への貢献など労働行政の重要課題に的確に対応していくための予算措置に十分配慮しつつ、財源の重点配分に努め、必要な予算を計上したところであります。
 以下、その主要な内容について概略を御説明申し上げるべきところでございますが、委員各位のお手元に資料を配付してございますので、お許しを得て、説明を省略させていただきたいと存じます。
 何とぞ、委員各位の格別の御審議をお願い申し上げます。
○萩野主査代理 この際、お諮りいたします。
 労働省所管関係予算の重点項目につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載したいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○萩野主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔伊吹国務大臣の説明を省略した部分〕
 以下、その主要な内容について、概略を御説明申し上げます。
 第一は、経済構造改革を担い、いきいきと働ける環境の整備に必要な経費であります。
 労働者が、創造的かつ自律的な働き方を通じて能力を十分に発揮し、健康で安心して働ける労働環境を形成するため、労働時間法制及び労働契約法制の見直しを行い、また、雇用保険制度について、労働者の主体的な能力開発の取組を支援するための給付や介護休業をする労働者の雇用の継続を図るための給付の創設を行うほか、財政構造改革の観点等を踏まえ、高年齢求職者給付金及び失業等給付に係る国庫負担について必要な見直しを行うこととしております。
 また、多様な求職者等に対するインターネット等を活用した公共職業安定所の雇用情報提供機能の充実や事業主団体等に対する産業雇用情報の積極的収集及び提供を行うなど公共職業安定所による迅速・的確な雇用促進を図るとともに、ILO第九十六号条約の改定を踏まえた、労働者派遣事業制度の見直し、有料職業紹介事業制度のあり方等の検討を通じた民間労働力需給システムの整備を行うこととしております。
 さらに、中小企業労働力確保法に基づく人材の確保・育成、魅力ある職場づくりの活動への支援や、ベンチャー企業等の振興のための支援施策等を推進するとともに厳しい沖縄県の雇用失業情勢に対応し、若年求職者の雇用の安定を図るため、沖縄県の実情に即した雇用・職業能力開発対策を拡充・強化することとしております。
 また、現下の雇用失業情勢に対応した雇用調整助成金の適用の拡大を図ることとしております。
 そのほか、企業における製品等の高付加価値化や事業の新分野展開を担う人材を育成するため、改正職業能力開発促進法等に基づく職業能力開発大学校の設置など公共職業訓練の高度化を推進するとともに、民間活力による製造業・建設業の将来を担う人材育成への支援及び高度熟練技能活用促進事業の拡充等を図ることとしております。
 これらに要する経費として二兆六千三百八十二億円を計上いたしております。
 第二は、健康で安心して働ける勤労者生活の実現に必要な経費であります。
 週四十時間労働制の完全定着をはかるとともに、年次有給休暇の取得促進、長時間残業の削減を推進することとしております。
 また、未払賃金立替払制度の充実に取り組むとともに、今後の望ましい企業年金制度の設計、運用等のあり方について検討を行うなど賃金・退職金制度改善対策等を推進することとしております。
 さらに、地場総合工事業者による下請工事業者に対する指導力の向上を通じた労働災害防止対策や土石流災害等の防止対策を推進するとともに、労使一体となった安全衛生活動の促進を図ることとしております。
 このほか、労災病院・産業保健推進センター等のネットワーク化等により産業保健サービス機能を充実・強化するとともに、労災病院における勤労者のための医療提供体制の強化を図ることや、増大する労働条件に関する個別紛争の簡易、迅速な解決援助のための体制整備、業務上疾病等の複雑困難事案の迅速処理の体制整備等により、労災保険給付の迅速・適正な処理を推進することとしております。
 また、金融情勢の変化、高齢社会の到来等経済社会情勢の変化を勘案しつつ、中小企業退職金共済制度の見直しを行うなど、中小企業の魅力づくり対策を推進することや、持株会社解禁に伴う労使関係問題の検討を行うなど労使の合意形成の促進をはかることとしております。
 これらに要する経費として一兆二千七百九十九億円を計上いたしております。
 第三は、多様な個性や能力を発揮し、少子高齢社会を支える基盤づくりに必要な経費であります。
 高齢者が六十五歳まで現役として働くことができる社会の実現に向けた国民的コンセンサスの形成や六十五歳定年制も含めた政策ビジョンの策定、産業別団体による高齢者雇用に向けた取組の促進などの施策を展開するとともに、シルバー人材センター事業の発展・拡充等により多様な形態による雇用・就業の促進を図ることとしております。
 また、改正男女雇用機会均等法の内容に沿った雇用管理が実現されるよう男女の機会均等対策を推進するとともに、職場におけるセクシャルハラスメント防止対策の推進や母性健康管理対策の強化を図ることとしております。
 さらに、平成十一年度の義務化に向けた介護休業制度等の導入を促進するとともに、介護休業をする労働者の雇用の継続を図るための制度の創設や仕事と育児・介護との両立を支援するための施策の充実を図ることとしております。
 また、短時間労働者の雇用改善等に対する支援や障害者雇用の促進・定着を図るため雇用率達成指導の充実・強化等の対策を推進することとしております。
 このほか、就職協定の廃止等に対応した情報提供、職業相談体制の充実を図るとともに、学生等の就業体験(インターンシップ)の導入を促進するための対策を推進することやテレワークの周知啓発活動や好事例等の情報提供を行うこと及び駐留軍関係離職者対策や漁業離職者対策など特別な配慮を必要とする人々への雇用対策を推進することとしております。
 これらに要する経費として二千四百九十二億円を計上いたしております。
 第四は、国際社会への貢献に必要な経費であります。
 国際機関活動への積極的参加、協力を行い、国際的理解の推進を図るとともに、開発途上国の「人づくり」を通じた国際協力を図るため、職業能力開発大学校における留学生の受入事業等を推進することとしております。
 また、専門的技術、技能、知識を有する外国人との一層の交流促進を図るための適正就労ルートの確立に向けた取組を支援する等外国人労働者問題への適切対応を行うこととしております。
 これらに要する経費として百四十三億円を計上いたしております。
 第五は、行政体制等の整備に必要な経費であります。
 「労働省行政情報化推進計画」に基づく行政情報化の計画的推進など行政体制等の一層の整備を図っていくこととしております。
 これらに要する経費として四百九十二億円を計上いたしております。
 以上、平成十年度労働省所管一般会計及び特別会計の予算について概略を申し上げました。
 何卒、委員各位の格別のご審議をお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
○萩野主査代理 以上をもちまして労働省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○萩野主査代理 質疑に入るに先立ちまして、政府当局に申し上げます。
 質疑の時間が大変限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にひとつよろしくお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石毛^子さん。
○石毛分科員 民主党の石毛でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、障害者雇用連絡会議についてお尋ねをいたします。
 御存じのように、この障害者雇用連絡会議は、昨年私もこの分科会で、水戸のアカス紙器という会社で、知的障害を持っている方々が賃金を長年、率直な表現でございますが、詐取されるとかあるいは暴力を加えられるとかそういう出来事が起こりまして、それへの対応策として、公共職業安定所あるいは福祉関係あるいは教育関係等々の関係者がそういう事件が生じないようにということで形成された会議だというふうに承知をしております。
 今回の質問に当たりまして労働省の方に問い合わせをさせていただきましたら、九八年、ことしの三月十八日現在で二十八道府県がこれを開催しているというふうに教えていただきました。
 そこで、お尋ねいたしますけれども、この二十八道府県で開催された会議で障害を持つ方の雇用につきましてどのような問題点が把握をされているのかということについて、できるだけ具体的にお教えいただければと存じますので、よろしくお願いいたします。
○中野政府委員 障害者雇用連絡会議につきましてのお尋ねでございますが、障害者雇用連絡会議は、一部の事業主によります知的障害者の方々に対する虐待あるいは助成金の不正受給などの事件の再発防止という観点から、公共職業安定所と福祉機関や教育機関、人権擁護機関等の関係行政機関との相互の連携を強化すること等を目的として設置し、開催しているものでございます。
 この会議におきます協議事項といたしましては、今申し上げました各般の、広範囲なそれぞれの専門分野の関係機関が集まっているということもございまして非常に広いわけですが、当面考えておりますのは、一つは、適正な雇用管理や職場適応の向上といった障害者の雇用に係る諸問題について、第二は、障害者の方の就職の促進及び社会復帰の促進に関すること、第三は、最近の障害者雇用に関する個別事例の紹介あるいは関係行政機関の相互の具体的な措置の内容等につきまして、障害者の方々にかかわる広範な分野について考えておりまして、さまざまな角度から意見交換を行っていきたいというふうに考えているものでございます。
○石毛分科員 いきたいというふうに今中野部長は言われましたけれども、二十八道府県でもう開催されているわけでございますけれども、まだ、いきたいという、スタートのプランを協議したというところなのでしょうか、多少とも具体的な内容に踏み込みまして審議に入っているということなのでしょうか、その辺はいかがでございますか。
○中野政府委員 この障害者雇用連絡会議と申しますのは、御承知のとおり、この会議に参加いたします関係行政機関相互で、雇用を初め福祉、教育など障害者にかかわる広範な情報交換を行う、それと同時に、障害者の方にかかわるさまざまな問題が発生した場合に、迅速かつ的確に対応できるような連携体制づくりということを目的としておりまして、その連携体制づくりに努めているというところが現状でございます。
○石毛分科員 問題の発生に対する連携体制づくりなのでしょうか、問題の把握も含めた連携体制づくりなのでしょうか、その辺を明らかにお願いしたいと思います。
○中野政府委員 問題の把握も含めての連携体制ということです。
○石毛分科員 問題の把握あるいは問題が生じた場合の対策、双方を含めまして連携体制をつくっていくというふうに伺いました。
 二十八道府県の道は北海道、府もわかりますけれども、県については、きょうの御答弁では結構でございますので、後ほどお教えいただけますでしょうか。
 また、この会議はどれぐらいの頻度でそれぞれ開催するものかというようなことがございましたら、その頻度につきまして簡単にお答えいただければと思います。いかがでしょうか。
○中野政府委員 開催頻度につきましては、今申し上げましたそれぞれの都道府県によりまして具体的な実情が異なるということ、それから必要が生じた場合にこの会議を開催して具体的な意見交換をしていただくということでございまして、私どもの方から何回にしなさいというようなことの具体的な指示は行っていないところでございます。
○石毛分科員 続けてお尋ねしますが、問題の把握もこの連絡会議の役割としてあるというのが先ほどの部長のお答えでした。
 それでは、問題を把握する場合にはさまざまなルートがあると思いますけれども、私は、一番肝心なのは、お働きになっておられる知的障害者の方々に、どういうことに悩みがあるかとか問題があるかとかというようなことを尋ねることが方法としてはベターだというふうに考えております。関係諸機関のほかに、障害を持つ方がこの会議のメンバーとしてお入りになっていらっしゃるかどうかということと、それから障害を持つ方から直接問題を把握されるというようなそういう方法もとっておられるのか、あるいはとる方向にあるのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
○中野政府委員 この障害者雇用連絡会議は、先ほど申し上げましたとおり、公共職業安定所を中心としまして、福祉機関、養護学校等の教育機関、都道府県人権擁護委員連合会等の人権擁護機関などの行政機関によりまして構成することとしております。
 この理由としましては、この会議自身が、各行政機関相互間で障害者にかかわる広範な情報交換を行うとともに、障害者の方にかかわるさまざまな問題が発生した場合に、各行政機関がばらばらに対応するのではなく、各行政機関自身お互いに協力し合って、連携を持って問題の対応に当たるということに目的を置いておるわけでございます。したがいまして、障害者の方あるいは障害者団体の方を最初から構成員とすることはしてございません。
 と同時に、どのような問題の把握ということでございますが、いわゆる窓口のお話になるのではないかと思いますけれども、この窓口につきましては、今申し上げましたように連携体制づくりということが目的でございますので、会議といたしまして統一的な窓口を最初から設定するということではなくて、各行政機関それぞれがそれぞれの分野において窓口として機能していく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○石毛分科員 次にさせていただこうと思いました質問に早々とお答えをいただいたかの感もいたしますけれども、もう一度確認をさせていただきます。
 労働省からちょうだいしました資料では、この連絡会議の趣旨の一つに、障害者やその家族からの相談や情報提供に対応できる体制確保というふうにございますけれども、体制確保といいますと、私などは、もし何かがありましたらここに御相談くださいとかというようなことをお知らせする、そしてもっと親切でしたら、その場合に担当はこういう方ですというような周知をするのが体制の確保だというふうに私は考えるわけですけれども、いかがでございましょうか。
○中野政府委員 障害者雇用連絡会議の周知の方法といたしましては、障害者や障害者団体あるいは事業主等に対しましては、関係行政機関の連絡先あるいはそれを担当する方々を記載しましたリーフレットを配付する予定にしてございます。と同時に、各関係行政機関が発行しております刊行物等への掲載をお願いすることなどを通じまして、今後とも機会あるごとにその周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○石毛分科員 私は、今の御答弁を伺っておりますと、問題が発生した場合の対応、その連携体制というところは十分に御認識されての施策だというふうに伺いましたけれども、思い起こしていただければ大変ありがたいのですが、アカス紙器の場合に、賃金が最低賃金にも届かないでいたという方が何人もいらしたというのは、一年、二年の話ではなくて、もう五年、六年にわたっていたということなわけです。それが明るみに出るまでに非常に時間がかかったということを思い起こしますと、時々は、あるいは年に一度ぐらいは、当事者の方々に何か課題がないかとかどういう状況で働いているかという問題の掌握の方にむしろエネルギーを入れていただくということが、事件の発生を未然に予防し、雇用のあり方をよりよくしていくという意味で大変重要だと思います。時間を節約しなければなりませんので、そのことは申し述べさせていただくことで御了解をいただきたいと思います。
 それでは、次の質問でございますけれども、障害者雇用支援センターについてお伺いしたいと思います。
 細かいことを申し上げている時間はございませんので、まず第一点お尋ねしたいことは、今度名古屋市がスタートしますと全部で十カ所ということでございます。これも労働省からいただきました資料では、最少の人口は箕面市の十二万人、それから名古屋市が発足する前、現状では二市四町、百二十八万人というようなところがございますけれども、こんなに広域であると通うのにとても不便な方も出てこられると思います。その辺はどのようにお考えになっていらっしゃるか、どんなふうに機能しているというように把握していらっしゃるのかということを教えていただきたいと思います。
    〔萩野主査代理退席、主査着席〕
○中野政府委員 人口規模に関してのお尋ねということでございますが、この障害者雇用支援センターにつきましては、現在稼働しておりますセンター等を見ますと、おおむね人口三十万人から百万人までの区域が指定の範囲とされております。これは、センター自身の安定した事業運営あるいはきめ細かな支援業務の運営を確保するという観点から、人口規模を指定の範囲として考えておるところでございます。現在運営されている障害者雇用支援センターにつきましては、おおむねこの範囲内におさまっているところでございます。
 と同時に、人口規模によって障害者雇用支援センターそのものの運営がどうかという御質問でございますが、この支援センターが設置されております市町村の人口規模に応じましてセンター自身の受け入れる障害者の方の数やあるいは指導員の配置数などが設定されておりまして、人口規模の大きなものでも十分にその機能を果たしているものと考えているところでございます。
○石毛分科員 時間がないのが大変残念なのですが、いただきました資料を拝見しますと、人口規模が大きくなるのに比例して指導員の人数もふえていてきめ細かな対応をしているというふうにはとても読めないデータだと私は思います。
 それで、これはぜひ要望としてお受けとめいただきたいのですけれども、この事業に携わっていらっしゃる方々からは、市町村ごとにこれを実施していくという方向でぜひ政策の充実をしていくようにというような要望がございますので、その要望を申し上げさせていただきます。
 支援センターについて二点目の質問でございますが、これは指導員とそれから雇用支援者というふうにスタッフが分かれております。雇用支援者はボランティアでございますけれども、その役割分担はどのように整理されているのでしょうか。
○中野政府委員 指導員とボランティアの役割分担についてのお尋ねですが、指導員につきましては、個々の障害者の方の特性に応じまして職業生活における自立を図るための職業リハビリテーション関係業務全般を役割として担っております。具体的に申し上げますと、一つは、受け入れる障害者の方を把握し、基本的な労働習慣を習得させるための訓練である職業準備訓練を実施すること、二番目は、就職した後、円滑な職場定着が可能となるよう指導、いわゆるフォローアップを行うことを主たる業務としてございます。
 これに対しましてボランティアの方は、指導員の指揮のもとで、障害者が職業につくことに伴い必要となります介助等の支援を行うということを業務としております。具体的には、就業の初期段階におきまして、障害者の方の通勤に同行したり、あるいは就業時間等基本的事項を理解できるまで一緒に業務を行うなどの介助等の支援を行うことを業務としているものでございます。
○石毛分科員 これにつきましても、恐らくこの施策を担当する皆様には現場からの要望が届いていると思います。私はその雇用支援者、ボランティアの存在が全面的におかしいと言うつもりはございませんけれども、指導員の方々、私の知り合いの方々とお話をしておりますと、やはり定期的に就職した方々の職場を訪問して、そして悩みを聞いたりあるいは事業主の方と相談したりという、そのような内容をするのはボランティアだけではやり切れない側面があるのです。そういうことを考えると、ぜひもっとボランティアの部分に指導員が当たれるように指導員の人数をふやしてほしい。大体五人に一人が指導員の割合だと思いますけれども、それではなかなか職場でのリハビリテーションから全部担当し始めると対応できないということですよ。そういうようなことで、ボランティアの存在一〇〇%ノーというわけではないけれども、指導員をふやしていただきたいという声は随分担当セクションにも届いていると思いますので、その点もぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
 この支援センターについての三つ目の質問ですけれども、ここで職業リハビリテーションを受けて雇用の場を得ていく障害者の方は知的障害者の方だけとは限りませんけれども、私は知的障害者の方について触れたいと思います。
 と申しますのは、この支援センターの機能は、前段の方は省略しますが、まず職業準備訓練を経て雇用の場につながっていく、ステップを踏む、ステップアップをしていく、そういうシステムになっているわけでございますけれども、もう御存じでいらっしゃいますように、とりわけ知的な障害をお持ちの方は、トレーニングと実際の仕事につくということが同時であった方が大変有効な方が多いと思います。前段にトレーニングを受けて、そしてまた場所が違って、人との関係も違ってということで仕事についていきますと、仕事の内容はとても似ているとか同じというようなこともあるのかもしれませんけれども、トータルとして自分が仕事をするという意味がつながらないという側面も往々にしてございます。
 これも現場の要望ですけれども、こういうステップアップをするということではなくて、即事業所で仕事のトレーニングをする、職場実習がスムーズにいけば雇用になるという、場の同一性といったらいいでしょうか、そうした方策を加えてもらえたらという要望もたくさんございます。現に、これは支援センターとしては認可されておりませんけれども、地方の都市では事業所の中に常設の作業所をつくりまして、それが大変有効に機能しているというようなこともございますので、ぜひこの点は大臣にお答えいただけたらと存じますけれども、先ほどエレベーターで御一緒させていたださましたら、大臣は障害者の方にとても親しいお立場にいらっしゃるとお伺いいたしました。ぜひここのあたりは前進に向けた御回答をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○伊吹国務大臣 実は、私は京都の障害者団体の会長をボランティアでやっております。同時に、知的障害というのは、現在使われている法律用語と慣用的に使われている言葉、いろいろございますので、先生のお使いになった知的障害者という言葉を使わしていただきたいと思いますが、その父母の会のお世話なども実はボランティアとしてしております。
 御質問をいただいたことは大変うれしく思いますし、私のボランティアとしてやっております経験から申しますと、おっしゃったように、実際の職場の中で基本的な労働習慣みたいなもの、技術みたいなものを習得するというのが一番いいと思います。ただ、現実問題としては、雇い主の方は、まず雇用という契約を果たしてから実習させるというのは、やはり実際の経営者と話してみると、非常にリスクがある場合があるわけなんです。
 そこで、この支援センターでやっておりますのは、実際の職場になるであろうところで職場訓練的なもの、職業訓練的なものをやって、そして雇用につなげていくということをやっているわけなんですが、ただ、いつまでも訓練という形で正式に雇用しない例が私の地元なんかでもあるのです。そこで、時々お願いに行ったりするようなこともございますので、実際問題としては、障害者の方をできるだけ多く受け入れてもらうためには、今やっておりますように、実際の職場でまず訓練を行わせて、そしてその人たちを、よほどの例外を除いては、一定のレベルに達すれば必ず雇用をしてもらうという方向へ持っていった方が実際的じゃないかと思います。御提案の趣旨はよくわかっておりますから、そのように指導させたいと思っております。
○石毛分科員 ありがとうございます。
 ずっと訓練が続いて、なかなか事業所で求めている仕事とマッチしない方もおられることもあり得るわけですので、最初から雇用というわけにもまいらないと思います。やはり個人別にプランニングをきちっと立てていただいて、何カ月までは訓練で、その間には実習手当がっくとか、どこの時点からは雇用に結びつくかどうかというような、もう少しきめ細かなプランニングを立てながら、個別プランニングと言ったらよろしいんでしょうか、そういう方向に、ぜひ実現の方向で御検討をお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 残された時間で大急ぎに、障害者雇用率の問題をめぐりまして質問をさせていただきます。
 単刀直入に質問に入ります。これも労働省からいただきました資料を拝見しますと、一般企業の雇用率がまだなかなかその法定雇用率まで至っていないという問題はありますけれども、これはちょっときょうは省略いたしまして、国、地方公共団体で国の機関、都道府県あるいは市町村というふうに分けて実雇用率を拝見しますと、都道府県だけが非現業雇用率二%に達していない。かなり大きな差があると思いますけれども、どうして都道府県が雇用率未達成という状況が続いているかということをまずお教えいただきたいと思います。
○伊吹国務大臣 石毛先生の御質問があるというので少し調べさせましたが、現実は、都道府県の職員のかなりのシェアを占めている教育委員会の雇用、つまり先生方ですが、ここの雇用率がやはり非常に低いということのようです。
 私は、いつも地元で言っておりますのは、元気でやっている者も交通事故に遭えば障害者になりますし、高齢社会では、いずれ目が不自由になったり耳が不自由になったり、手足、腰が痛くなったりするのは、みんな障害者になる可能性があるわけで、やはり障害者の問題というのはみんなの問題としてまず考えねばならない。長野の障害者オリンピックを見ても、多くの感動を与えるということは人間である限りみんな一緒なのであって、障害者の方々が教職員に不適格だということは、私はその御努力さえあればないと思います。
 きょう実は、なぜそういうことになっているんだということを伺って、調べさせて事情がよくわかりました。労働省もかねてそういうことを言っておるようですが、文部省にひとつその点もよくお願いをしたいと思いますので、障害者の方も、障害者であるということに安住せずに、大いに努力をしていただいて、自分たちもまた未来をつくる子供たちを教える立場に健常者以上に適格であるということを示していただく、そういう双方の努力の上にぜひこの率を上げていきたいと思っております。
○石毛分科員 今労働大臣、文部省へも働きかけをしてくださるという御答弁をいただきまして、ぜひその方向でお願いをしたいと思います。
 学校も、例えば役所のいろんなセクションで働いている方と同じように一つの職場でありますし、そこの雇用率だけが低いということは、これはやはり納得できないことであるわけですし、それから、長野のパラリンピックももちろん当然のことですけれども、この十数年、障害のある人もない大もともにノーマライゼーションの実現をと言ってきたことを考えますと、学校の教職員の先生方の中にも障害をお持ちの方がおられるということが、そこに通う生徒さんや学生たちにとっても、ノーマライゼーションを自分たちが出会う先生方を通じて経験をしていくことになると思います。
 私は今、子供たちはそういう意味でも非常に閉ざされた場にいるというふうに考えております。ぜひこの数年の間に雇用率が格段に改善されますように、労働大臣、文部大臣とよくお話しくださいまして、教育委員会の努力を促していただけますようにお願いを申し上げます。
○伊吹国務大臣 大いにそうしたいと思いますし、それから、私はいつも障害者団体の会長として障害者の方々にも申し上げているんです。どこへ出しても十分自分たちは対等にやっていけるんだ、ハンディはハンディとしてやっていけるんだという気概を示すこと、これをなくしては障害者対策というのはやはり基本的にはできないということを申し上げていますので、双方の力を合わせていい結果を出したいと思います。
○石毛分科員 御当人の気合いとそれから環境条件の整備と両々相まって実現していくことでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。終わらせていただきます。
○石川主査 これにて石毛^子君の質疑は終了いたしました。
 次に、旭道山和泰君。
○旭道山分科員 新党平和の旭道山です。
 大臣各位に胸をかりるつもりで討議しますので、よろしくお願いします。
 本日は、プロスポーツの問題を中心に、日本の国技である相撲を含め、実際の私の経験に基づいて質問させていただきます。
 さきの長野オリンピックでの日本選手の活躍や最近のスポーツのプロ化の傾向は、スポーツの振興という点で関心を高め、その貢献度は非常に大きくなっていると思います。
 しかし、レベルが高くなればなるほど高度な技術が要求され、それは逆に危険と隣り合わせです。
 そこで、まず最初に労災問題についてお聞きしたいと思います。一般論で結構ですから、労災の定義について簡潔に御説明をお願いします。
○伊藤(庄)政府委員 労働者災害補償保険についてのお尋ねでございますが、この労災保険制度は、業種、職種のいかんを問いませんが、労働基準法第九条に定義します労働者、この労働者が業務上の理由によりまして疾病または負傷という被災をした場合に補償の対象にするという事業でございます。
○旭道山分科員 ありがとうございます。
 今の御説明によると、労災保険の適用を受けるには基準法上の労働者でなければならないということですが、では、労働者の定義について御説明をお願いします。これも簡単にお願いします。
○伊藤(庄)政府委員 この労災保険の適用の対象となります労働基準法第九条の労働者でございますが、ここでは、事業に使用される者で、賃金を支払われる者、こういう定義になっております。
 私ども、具体的に労働者であるか否かを判断するに当たりましては、具体的な仕事が使用者から依頼あるいは要請されるわけでございます、また、そういった仕事の依頼あるいは業務に従事すべき旨の指示、こういったものに対して、受ける、受けないというような諾否の自由があるかどうか。あるいは、業務の内容、遂行方法に対する指揮命令が事業主からなされている、そういうことの有無。それから、時間的あるいは場所的な拘束性、これは、始業時間、終業時間等が定まっていて拘束されているかどうか、こういうことの実態。それから、もちろん報酬を受けることが必要でございますが、この報酬が、いわば芸術的価値とかそういうものに対する報酬ではなくて、労務の対償、労務に対する対価である、こういうふうに実質的に認められる状況にあるかどうか。そういった点を総合的に勘案いたしまして、個々具体的なケースに即して判断をいたしているところでございます。
○旭道山分科員 本当にありがとうございます。
 では、少し質問の角度を変えさせていただきます。
 青少年の体力の低下を言われている現在、この実態は相撲界においても同じ状況なんです。したがって、相撲協会の指導はもとより、各部屋でもけいこや食事内容を工夫して、体力の向上に努めています。しかし、年々基礎体力が低下しているのが現状です。
 力士がけがをする理由は幾つもありますが、いずれにしても、力士に対する十分な公傷制度を確立することが一面では大きな課題となっています。公傷制度については、これまで相撲協会としても改善努力をしていますが…。
 そこで、まず、労災保険は力士にも適用し得るものなのか、また同様に、他のプロスポーツ選手を含め、労災保険が適用されない職種と、その根拠について御説明をお願いします。
○伊藤(庄)政府委員 まず、力士の方につきましての労災保険法の適用でございますが、力士の方につきましては、取り組みやけいこ、それから報酬等、いろいろな具体的な実態を個々に見る必要はございますが、私ども、従来からの実情把握に基づきまして、やはり力士の方につきましては、一般的には労働基準法上の労働者になじみにくい、労働者ではないのではないか、こういう判断をいたしておりまして、労災保険法の適用はしておりません。こういったことが力士の方についての取り扱いの状況でございます。
 それから、アマチュアスポーツ選手に対する労働者災害補償保険の適用の問題について、あわせてお尋ねでございますが、労災保険はやはり、労働者を対象として、業務が原因で労働災害に被災した場合に必要な保険給付を行うわけでございますから、企業に属しているアマチュアスポーツの選手の競技中の事故につきましては、これが労働者という形で、企業を代表して運動競技会に出場したり、あるいはそのための練習中にけがを負った場合等の保険給付につきまして、その出場が、企業の宣伝など事業の運営上必要と認められる場合、それから事業主の業務命令によってなされている場合、こういう場合には、そういったアマチュアスポーツの方についても労働者災害補償保険の適用の対象にいたしておるところでございます。
 プロスポーツの選手につきましては、これも、労働関係にあるかどうか個々に判断する必要が基本的にはございますが、一般的には、プロスポーツ選手の場合については、労働者というふうに認めがたい、認められないケースが多うございまして、そういった事情で、大多数のプロスポーツ選手につきましては労災保険の適用にはなっておりません。
○旭道山分科員 ありがとうございます。
 そうしますと、プロスポーツは労災保険の適用対象外、力士を初め他のプロスポーツ選手はその性格上、労働者としての位置づけがされていないと認識すべきですか。それと、同じように、最近よく言われています芸能人も労災保険が適用されない職業、あえて職業と言わせてもらいますが、先ほどの説明から考えますと、労働者ではないということですか。答弁よろしくお願いします。
○伊藤(庄)政府委員 プロスポーツの選手につきましては、先ほど御説明しましたように、一般的には労働者というふうに認められない状況にございます。また、芸能関係の方につきましても、例えばプロダクションに雇用された形でいるというようなケースもあるわけでございますが、一般的には芸能の方々は、雇用関係に基づいて事業主の指揮を受け働いて賃金を受けているという形よりも、やはり別の、雇用契約ではない、出演契約その他に基づく形のいわば報酬を受ける、こういう形態というふうに認められるケースが多うございまして、そういった方につきまして、一般的には労災保険の適用にはなっておりません。
○旭道山分科員 では、最近やはりプロスポーツや芸能人の活動が広範囲になっています。いろいろと多岐にわたる職業ですから活動範囲が広くなっているのです。
 私、相撲をやっていましたので、相撲でいえば、年六場所で、合間を縫って行われている全国の地方巡業、また世界各国との交流への貢献という性格を持つ海外巡業、また各種社会福祉施設への激励、さきの長野オリンピックの開会式などに代表される公共的な事業などを通して、スポーツでありながら、国技という文化と伝統の継承や発展、また国民に希望を与えるために日夜努力を注いでいる点を考えると、それは仕事として行っているというふうに考えるのが、それが常識じゃないかと思うのですが、御意見よろしくお願いします。
○伊吹国務大臣 先生お尋ねの件は、役人から見るわけではなくて、政治家として見ますと、非常に微妙な問題だと思いますね。例えば私は労働者じゃないのですよ。税理士さんも労働者じゃないのですね。弁護士さんも労働者じゃない。個人事業主、自由業者なんですね、一人一人が。労働者というのは、基本的にはやはり雇う人と雇われる人がいて、雇う人からお給料をもらっている。だから、大相撲でも月給制というのがありますが、それ以外に、賞金とか御祝儀とかいっぱいありますね。これはすべて例えば事業主の収入になって、それを分けてもらう。ですから、すべて源泉徴収が基本的に行われるとか、そういう形態とちょっとやはり違う自由度をたくさんお持ちになっているのですね、プロの選手は。自分の自由なお時間も持っておられて、指揮命令だけで動いておられるわけではないわけですから、その辺がやはり法律上は非常に微妙なことがあると私は思うのです。
 ただ、おけがが多いとか大変な仕事だという場合に、一般に私的な保険というのはたくさんあります。それは、税理士さんも弁護士さんも、例えば農業をやっておられる方も、みんな自分で、東京海上とか何とか保険とかというものにお入りになっている。それを公的にもう少しまとまった形でつくれるかどうかということは、一つの検討課題だと思いますが、労働者と認定して労災という権利を主張されるのであれば、やはり労働者としてのいろいろな義務を果たして、個人事業主としての特権を放棄していただかないとできないことなので、私、その辺、非常に難しい問題があるんじゃないかという気がいたします。
○旭道山分科員 大臣、本当にありがとうございます。
 いろいろ特殊な職業ですので、本当にそういう柔軟な考えを持ってほしいという考えもあるし、前向きにそういう形態をつくってほしいというのが実情です。
 力士を含めて、プロスポーツ選手の労災あるいは労働者としての認定はなかなか困難と思いますけれども、力士は生命保険にも加入できないのが現実です。実際に、私も現役中、断られたことが何回もあります。生命保険に、職業危険という概念があり、制限措置があるというわけですが、現実は加入を拒否しているというのが実態です。その点についてどう考えているか、御意見をお願いします。
○高橋説明員 ただいま、民間の生命保険についての加入ということでお尋ねがございました。
 まず、保険契約の引き受けに当たっての基準一般についてでございますが、各保険会社は、契約者間の公平を確保する観点から、被保険者の健康状態あるいは病歴等の医学的選択基準を設けまして、それぞれの規定を設けて、これによって引き受けの判断をしているところでございますけれども、生命保険会社のすべてが一律的な規定を設けているものではございません。また、我々といたしましても、どのような被保険者を対象とするかについては、基本的には各社の判断によるべきものと考えております。
 さて、お尋ねの力士の方の保険契約ということでございますけれども、ただいま申しましたように各社の規定によっているところでございますけれども、事実関係を見てみますと、会社によりまして、確かに保険金額の上限を設けたりというような会社もございますけれども、あるいは通常の契約と同様に、何らの制限を設けていないという会社もあるように承知しております。もちろん、健康状態とか病歴というようなことで取り扱いの判断、それは各社によってしているところでございますけれども、これは、力士の方だけではなく一ということではないかと承知しております。
 それから、実際に加入されている方がいらっしゃるかということでございますが、私ども承知している限りでは、現に保険に加入されている力士の方もいらっしゃるというぐあいには承知しております。
 いずれにしましても、当局としては、保険商品は契約者の経済的リスクを補完する上で重要な役割を果たしているところのものでございますので広く普及していくことが望ましいと考えておりますので、当局といたしまして、対象となる被保険者の方の範囲というようなことについて規制を設けたりというようなことはございません。
○旭道山分科員 やはりプロスポーツの現役というのは、独身だったらいいですけれども、家族もありますし、そういう保障があれば安心できます、そういうものも前向きにできるようによろしくお願いします。
 先ほど少し触れましたが、例えば力士は、現在一場所しか認められていない公傷制度を改善することが一つの課題となっています。実力のプロの勝負の世界ですから、地位の上下の移動は当然発生します。しかし、最近の力士の大型化の傾向を考えますと、けがへの対応等をもっと真剣に考えなければいけないと思います。
 例えば、けがの度合いに応じて公傷制度を考えるとか、現状の公傷制度をより充実し、万全なものとすべきであると考えていますが、文部省は、この点を含め、いろいろな課題について相撲協会とよく相談していただきたいと思います。国技の発展のために、よりよい環境づくりのために協力をお願いしたいと思います。私個人の意見ですけれども、お願いします。
○岡崎説明員 先生の御質問についてお答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、戦後の力士の方々の身長とか体重につきましては大変大型化している、このような現状を私どもも承知しているところでございます。
 また、先生御指摘のように、相撲の大会あるいはその他の競技会を初めとするそういう場における負傷に対しまして補償制度を整備するなど、いわゆる選手とか力士の方々が安心して競技を行うことができる環境づくりにつきましては、私ども、スポーツを所管している文部省といたしましても、スポーツの振興上大変好ましいことというふうに考えているところでございます。
 ただ、力士の方々の公傷制度の充実に関しましては、やはり日本相撲協会が、長年の歴史と伝統に基づく国技としての相撲の競技特性にかんがみまして制定されているものでございまして、相撲協会において自主的に検討されるべき事柄であるというふうに考えておりますが、せっかく先生の御指摘でもございますので、機会がありますれば、同協会と連絡を図りまして先生の御指摘の趣旨をお伝え申し上げたい、このように考えているところでございます。
○旭道山分科員 相撲協会は文部省管轄ですので、私は文教委員として、ちょっと私ごとですが、本当に連携をとって、現場でお話ししてくれれば、向こうもやはりわからないことがいっぱいあると思います、そういうものを聞いて、前向きに検討をお願いします。
 相撲協会のことばかりやっていますけれども、では、違えまして、アマチュアスポーツの、特に社会人スポーツ選手の競技上の事故における労災保険の適用についてお聞きしたいと思います。
 あわせて、一昨年、エスビー食品の陸上選手が事故死した際に当時の永井労働大臣が、スポーツ選手の労災について実態調査を行い、労災認定基準の見直しを検討するという発表をされていましたが、その結果並びに労災認定基準の緩和についてどのように報告がされたのか、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○伊藤(庄)政府委員 先ほどは、アマチュアスポーツの方について触れまして、大変失礼いたしました。
 御指摘ございましたアマチュアスポーツ選手の方、特に企業に属している社会人のアマチュアスポーツの方でございますが、この方につきましては、もちろん労働者という身分がございますので基本的には労災保険の対象になるわけでございますが、こういったアマチュアスポーツ選手の方がどういう競技大会、練習に参加した場合に労災保険の業務上として扱うかというケースについて御説明を申し上げたいと思います。
 基本的には、アマチュアスポーツ選手である労働者の方が企業を代表して運動競技会に出場したり、あるいはその練習中にけがなどを負った場合の保険給付を基本的に対象といたしまして、そういった競技大会に出場したことが、企業の宣伝など事業の運営上必要だというふうに認められること、それから事業主の業務命令が出ていること、この二つの要件を満たす場合には労災保険の方で補償の対象として扱っていくという扱いをいたしております。
 それからもう一つの、三年ほど前にございましたエスビーの会社の選手の事故でございますが、このケースにつきましては、当初、私どもの原処分庁の段階で業務外というふうにしておった事案が、その後、再審査請求の段階で業務上と認められたものでございます。これにつきましては、企業からの業務命令による派遣があったかどうかというところが争点となっておりまして、その事実関係の判断がなされまして、企業からの派遣という形を認めて業務上というふうに判断がなされたものでございます。
 こういった事実関係の判断について微妙なケースがありますだけに、御指摘ございました、当時の永井労働大臣が、そういった実情について調査し、取り扱いについて検討していくというふうに申し上げたところでございますが、私ども、平成八年以降、二十二の会社につきまして、夏季の種目と冬季の種目に分けてそういった実情の調査をしようということで、現在、冬季を主体とする種目につきまして、労働契約の締結状況、勤務時間、職務内容、賃金の体系等について調査を進めております。
 まだ調査結果がまとまるところまで来ておりませんが、できるだけ早く調査結果を取りまとめてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○旭道山分科員 会社から競技場まで行く間は何か労災の適用があるらしいですけれども、その中に入ったら労災がきかないと聞いていますので、先ほど言われたとおり、そういうものを本当に改善してほしいです。
 アマチュアスポーツの選手の場合は、会社のマークが入ったユニホームも着ているわけですから、労災適用が当然だと思います。本当に、競技や練習を仕事とする選手にとっては、ましてや、日本や地域の期待を背負っていく大会は選手にとって最大のひのき舞台であると思います。オリンピック、あるいは日本選手権、国体などの全国規模のレベルの高い競技会における事故についてはせめて労災保険の適用の対象にしてもいいのではないでしょうか。御意見をお願いします。
○伊藤(庄)政府委員 今御指摘ございましたような競技大会につきましても、企業の方が、例えば会社の宣伝、あるいはいろいろなそういう競技大会に貢献していくというようなことで業務命令を出して参加させているケースにつきましては、たとえ競技中の事故、負傷であっても労災保険の補償の対象にいたしているところでございます。
 ただ、そういった形がとられず、いわば個人の資格で参加する、こういう形がとられていた場合に、その競技大会でけがなどをされた場合には、やはりこれを事業主の責任で補償するという形になかなかなりにくいものですから、これは労災保険の補償の対象にならないということになるわけでございます。
 そういった点、関係のそういった実業団等の選手の方また企業の方にも、よくその辺の制度の趣旨、内容というものの理解あるいは周知に努めて、できるだけアマチュアスポーツの方の活躍しやすい状況をつくっていくことにつきまして、私ども努力をいたしてまいりたいと思います。
○旭道山分科員 そういう状況を本当に拡大してください。お願いします。
 また、社会人の選手については、社員としての選手やその家族の人たちの心情を考えれば、やはり基準の緩和をしていくのが適切だと思います。また一方で、職業を持たない学生の代表選手が労災保険の適用の対象外であり、不公平が生ずるという御意見があるのも承知しております。
 どのような方法が適するのか、社会人も学生選手も安心して競技に打ち込めるような補償制度を、労働省だけではなく、学校を所管する文部省も一緒になって検討をしていただきたいと思います。例えば、よくある共済制度のようなものとか、何らかの措置が可能ではないかと思います。それぞれの御意見をお願いします。
○玉井説明員 学生のスポーツ活動に対する、仮に傷害が起きたときの補償の問題でございますけれども、御案内のとおり、高等学校以下につきましては災害共済給付というのがあるわけでございますが、大学生についてどう取り扱うかという問題が昔ございまして、そこで互助共済による傷害保険システムというのが昭和五十一年にでき上がったわけでございます。いわば学生が安んじて教育研究に専念できるように、その場合には課外活動につきましても適用するという形で、現在保険システムが既になされております。
 さらに、より広いという形から、財団法人スポーツ安全協会というのがございまして、そこがスポーツに対する傷害保険というものを比較的安い保険料で既に実施しております。
 また、個々の大きな大会の場合でございますけれども、例えば全日本大学野球選手権大会という場合は、この大会そのものについて、参加する場合の傷害保険というのも主催者の方で適用されている、こういうふうにお伺いしております。
 したがって、いわばそれぞれのケースに応じて今あるシステムをより有効に活用していただければ、かように考えておりますが、もしいろいろと不都合等があれば、労働省ともまた御相談しながら、また団体ともお話をさせていただきたい、かように考えております。
○旭道山分科員 けがは本当にすぐ、急に来るものですから、できれば前向きに早くやってください。お願いします。
 本当にスポーツ選手の活躍はいろいろな形で私たちに希望と勇気を与えてくれます。しかし、普通はそのひのき舞台と結果しか皆さんには見えません。でも、やはり華やかな舞台の裏では、血のにじむような努力とけがなどとの戦いがあったということは知る由もありません。
 そういう選手が安心した体制の上に競技技術の向上とスポーツの発展のために頑張っていけるように、環境を改善する努力を続けてほしいと私強く要望しますので、またそういうお話をよろしくお願いします。
 本当にきょうばいろいろとどうもありがとうございました。大臣、いろいろとありがとうございました。
○石川主査 これにて旭道山和泰君の質疑は終了いたしました。
 次に、鉢呂吉雄君。
○鉢呂分科員 民主党の北海道の鉢呂吉雄と申します。
 大臣、大変お疲れのところ、ありがとうございます。私は北海道でありますから、北海道の経済とそれに伴う雇用環境について、大臣に実情をまず把握していただきたいというふうに思っております。
 一昨年の四月に、私は当時の永井労働大臣と一緒に、フランスのリールで開かれました労働サミットに大蔵政務次官として随行させていただきました。当時、ヨーロッパはもちろんアメリカも、日本の労働行政、とりわけ大変柔軟できめ細かい対応が称賛の的であったことを今思い出しておるところであります。
 大臣も御案内のとおり、北海道の経済は拓銀の経営破綻ということで大変深刻さを増しております。きのうも北海道のエイペックスという、これはホテル業をやっておりますけれども、拓銀の全くの経営のもとにやられたホテルなんですけれども、これが倒産をする、関連企業を含めて四百人以上の従業員が離職を余儀なくされるという状況であります。
 また、大臣も御案内のとおり、北海道は公共事業の依存度が非常に高うございまして、今回、国の事業も七%削減というようなことで、これも大変大きな影響がございます。また同時に、北海道は第一次産業が主体ということで、国際化に伴ってこれもまた大変な状況でございます。
 現在、貸し渋り現象は顕著にあらわれておりまして、先ほど言ったように、一日に一件とは言いませんけれども、連日のように北海道の新聞には貸し渋りによる倒産というものが出ております。私も、正月前だったのですけれども、地元の函館ウロコという漁具の製造メーカーが倒産いたしまして、ここは二百人以上の従業員を抱えておりますけれども、この離職者の再雇用について労働省あるいは職安と懸命な努力をさせていただいております。労働省も大変努力をされております。
 ただ、問題は、今の制度をある点では大胆に見直しをするというところのものが必要なだけに、大臣の政治的な決断といいますか、そういうものをお願いいたしたいのであります。
 そこで、実情をもう少し詳しくお話をさせていただきます。
 経営環境調査を北海道庁は二月にやっておりまして、資金繰りが引き続き悪いあるいは悪くなったというのが、二百五十社調査をしたのですけれども、二六%に達しております。また、北海道拓殖銀行との取引の現状については、メーンバンクあるいは何らかの取引も含めて百六十社、六四%が拓銀との取引があるというふうに言われております。それから、いわゆる貸し渋りの実態については、昨年の平成九年十二月と比較をして今年の二月では、北海道は厳しくなったというのが四四・五%です。全国は通産省が調べておりまして、三五・六%でありまして、北海道の貸し渋り現象が極めて高いというふうに思われております。
 それから、北海道の経済構造でありますけれども、先ほどお話ししたとおり、公的部門の構成割合、全国では一九%でありますけれども、北海道は二七%と公的部門の依存度が極めて高い。この脱却についても北海道では大変大きな課題になっておりますけれども、短期ではこれがなかなか脱し得ないということでございます。とりわけ北海道は、建設業の総生産額に占める産業別の割合が一四%、全国が九・九%ですから、建設業の割合が大変高いということもデータから出ております。
 今回、国の北海道開発予算措置額が対前年比八・一%のマイナス、事業費ベースでいきますと八・七%のマイナスと、極めて厳しい状況でございます。したがって、これは誘発雇用者数という予測でありますけれども、生産額の落ち込みにより全産業で約一万九千人の雇用に影響を与える。そのうち最高は建設業の約五〇%の八千三十三人の減、あるいは商業が三千五十六人の減、サービス業が四千四百二十一人の減ということで、極めて深刻な雇用に対する影響もあるということになっております。
 そこで、大臣も御案内のとおり、完全失業率は北海道は三・五%です。これは、昨年の十月から十二月のデータしかブロックごとには出ておりません。これは、南関東、近畿、九州とともに最も高い地域になっております。
 それから、有効求人倍率でありますけれども、これは全国一低い。同時に、最近これが悪化をしておるということで、常用でいきますと、北海道が今〇・四〇倍です。全国が〇・六六倍でありますから、一人の求職者に対して人を求めるというのは〇・四人しかいないということでありまして、大変悪い状況になっております。同時に、昨年の一月と対比をいたしまして本年の一月、月間の有効求職者数、職を求める方が一五%も増加をしております。その反面、求人数、人を求める数が一八%も減少をしておるという状況であります。
 同時に、年齢ごとに見させていただきました。新規の求職者の年齢別の状況ということで、これも昨年の一月対比でありますけれども、四十五歳から五十四歳、いわゆる中年層でありますけれども、これが三二%もふえておる。希望する方が昨年対比で三二%もふえておる、とりわけ男性は四四・七%もふえておるという状況でございます。
 同時に、事業主の都合によって離職を余儀なくされた方、これはもちろん倒産とかそういう形なんですけれども、これが前年増減でいきますと、例えば昨年の十二月は一昨年の十二月に比べて一〇〇%の増、倍になっております。倒産等によってふえたということでしょう。一月も五〇%増という形になっておりまして、北海道経済、とりわけ雇用については大変厳しい状況だ。
 時間がありませんのではしょって話しましたけれども、このような状況を踏まえて二、三、質問をさせていただく次第であります。
 一つは、大臣も御案内のとおり、雇用機会増大促進地域指定というのがございます。北海道は全部この指定地域になっておるのですけれども、ただ一カ所だけ、札幌が指定をされておりません。これは職安ごとにいきますから、札幌職業安定所ほか二、三あるのですけれども、そこが指定を外されておるわけであります。ところが、この指定基準がございますけれども、一つは、――これは大臣、御案内ですから説明しない方がいいですね。
 そんなことで、従来は、札幌というのは北海道の中でも非常に一極集中だ、したがって行政が何らかの手当てをしなくても事業所等が設立てきるという地域でございました。現に私は函館でありますから、そういう嫌いはございました。しかし、ここに来て雇用状況が極めて悪化をしておる。これは拓銀の経営破綻が大きな原因であることは論をまたないわけでありまして、後で数字的なものを示していきますけれども、札幌も有効求人倍率が極めて低い。従来からも低かったのですけれども、しかし、この六カ月間、もう急激に低下しております。
 そのことについて、ぜひこの地域も雇用機会増大促進地域に指定をしていただきたい。例えば九州の熊本市ですとか、いわゆる県庁所在地も含めてなっておる実情もございます。そういうことで、これについてぜひ大臣の御判断、御配慮をいただきたい。まず、ここから質問をさせていただきたいと思います。
○伊吹国務大臣 今るる御説明がありましたように、札幌については、道の言うならば中心都市であって、その経済的な力は大変強いものがあったわけですが、昨今、御指摘のような経営上の判断のミス等もあって北拓がああいうことになりました。我々もその雇用に対する影響については種々数字をとって十分把握いたしております。幸い、閣内にも北海道出身の二人の閣僚がおられまして、時々そういうお話も実は伺っております。
 いずれ北海道の代表行政機関である北海道知事から正式に北海道としてのお話があれば、また北海道開発庁長官からそういう具体的なお話をお伺いすれば、今委員がおっしゃったようなことを含めて少し検討させていただきたいと思います。
○鉢呂分科員 少し検討をさせていただくという大変心温かい御答弁をいただきました。
 若干補足をして説明をさせていただきますけれども、例えば札幌職業安定所、そして札幌東安定所、それから最近できました札幌北職業安定所というのがございます。私が取り上げたいのは札幌東安定所なのですけれども、これは例えば一月だけ見て、大体同じ傾向なので、平成七年の一月は有効求人倍率が〇・四九でありました。八年が〇・四七、九年が〇・五七、十年の一月が〇・二九ということで、極端にこの一月は下がった。しかも、この指定要件であります一定期間、例えば六カ月間を見ますと、昨年の八月が〇・三七、九月が〇・三八、十月が〇二二五、十一月、これは拓銀の倒産があった月でありますけれども、〇・三一、十二月が〇・三〇と、これはもう氷河期の凍死しているような状態だというふうにお考えになっていただいても結構だというふうに思います。
 ですから、もちろんいろいろな要因が、例えば平成七年でも〇・四九ですから、当初から必ずしも高い地域ではないことは御案内のとおりでありますけれども、最近六カ月でも急激に下がっておる。そこを何とか、大臣が検討するということでございますので、私はそれを前向きに受けとめますので、ぜひよろしくお願いをいたしたいというふうに思っています。本当に現在進行形で離職者が出ておる状況でありまして、何とか雇用についての抜本的な政策というものを余り遅くならない形で出していただきたいものだということをお願いを申し上げる次第でございます。
 それでは、大変前向きの御答弁をいただきましたので、次のところに行かせていただきます。
 もう一つは、先ほども申し上げましたけれども、年齢別の状況で、いわゆる四十五歳以上は中高年になるのでしょうか。現在は満五十五歳以上について特定求職者雇用開発助成金という制度がございまして、これは一年間に限って、離職者を受け入れた事業主に対して中小企業であれば三分の一国から助成金が支給されるということで、いわゆる離職者をできるだけ速やかに再雇用をする道をつくろうという制度であります。
 雇用調整助成金制度もありますけれども、これはなるべく離職をさせないようにという制度であります。しかし、今の産業構造転換時期、離職者に対するこれを一刻も早く、いわゆる失業給付金の給付でいつまでもフランスのように失業状態にあるということを防ぐには、こういう再雇用の道を事業主に与えて求人の活性化を図る、このことは先ほど言ったリールの雇用サミットでも大変評価をされておったわけでありますけれども、そのことが何よりも大事だというふうに私は考えております。
 そこで、先ほども申し上げましたけれども、北海道の実情を若干申し上げますけれども、北海道は、先ほど言いましたように有効求人倍率は常用で〇・四〇、これは低い方でございます。全国は先ほど言ったように〇・六六であります。そのうち、四十五から四十九歳については〇・三二ということで、さらに極めて低くなるわけであります。さらに、五十から五十四歳では〇・二八ということでさらに低くなっておるわけでありまして、そういう北海道の雇用状況、とりわけ四十五歳から五十四歳の状況について、大臣としてどういう御認識をいただいておるか、そこからお伺いをいたしたいと思います。
○伊吹国務大臣 今御指摘の年齢におられる方については、私も実は山一の問題等含めてやってみまして、率直に言うと、ビジネス戦士として随分頑張られて、我々よりは余裕はあったでしょうが、今の若い方のように余裕のある時代におられなかっただけに、自分で職業能力の開発をするとかいろいろなチャンスが非常に少なかった方だと思います。そういう意味で、再就職をなさるということをやろうというときに非常に困難な立場に立たれますし、継続雇用をするという意味でも、やはり不況になったときには非常に難しい立場に立たれる方だと思います。
 したがって、今御指摘のあった特定求職者雇用開発助成金制度というものを設けているわけですが、これをどう運用するかというのは、やはりこれは一種の雇用保険という保険でございますので、全国一律同じ条件を納得して皆さん保険料をかけていらっしゃるわけですから、なかなかこれをひねってやるというのは難しい問題だということは、先生は大蔵政務次官をおやりになりましたからそのあたりの財政のルールというのはおわかりだろうと思いますが、特定地域の方に特別な、国民的合意のもとに特別なことをやるためには、やはり全国民の合意のもとでの財源でやるべきなのであって、特定のお約束でもって集めた財源で特定地域の方々だけに何か措置をするということは、本来の財源論からいうと非常に難しい、問題の所在が御指摘になったようなことであることがわかっておってあえて申し上げますが、難しいことだな、私はそういう気持ちを持っております。
○鉢呂分科員 大臣、平成五年度から六年度に全国的に四十五歳以上に年齢を引き下げてこの制度を活用した例がございます。これとの比較で、数字的に今申し上げますけれども、決してその当時に比べて今回の全国的な雇用状況は余裕があるという状態ではない。先ほど北海道の実態を申し上げましたけれども、全国的には、例えば平成五年の十月には先ほど言いました有効求人倍率は〇・六九でした。先ほど申し上げましたように、平成十年の一月が〇・六六から六四。ちょっと地域差はありますけれども、そういう意味では、数字だけ見れば、むしろ平成五年の十月、適用した平成五年の直前の数字よりも悪い状態になっています。もちろん、大臣御案内のとおり、完全失業率は今三・五ということでありますが、平成五年の十月は二・七と、今よりはよかったのですね。そういうことで、今、史上最大の完全失業率ということはもう御案内のとおりだと思います。
 あるいは、雇用過不足判断というのがございます。これは北海道しか私見ておりませんけれども、これは一年前に比べてでありますけれども、八ポイント悪化をした状態になっております。例えば、平成八年の十一月が過不足ということでマイナスの五だったわけでありますけれども、平成九年の十二月にはプラスの三ということで、プラスの三ということは過剰感がさらに出てきた。これは日銀の短観でありますけれども、それを差し引きますと八ポイントの悪化ということになりまして、全国的に言っても、大臣、この状態は平成五年のあの適用した段階に比べてもさらに悪い状態である。
 労働省の皆さんは、当時の一年間の比較、今の一年間の比較で、まだ一年間の低下の度合いが必ずしも低下しておらないという指摘をするのでありますけれども、絶対値として今の状態が悪いということからいけば、今の状態の方が極めて危険な状態だし、先ほどの適用を四十五歳に下げるということは、労働省としても、全国的な視野でいっても必ずしも北海道だけではありません、銀行の貸し渋り等によって各地でそういう状態が起きておりますから、そういうことで適用をするということが必要になるのではないか。北海道についても、地域的な指定の方向も、産炭地域等ではこの指定をやっておる制度でありますから、何らかの方法を見つけることは全く不可能ではないというふうに私は思うわけであります。
 財源は、前回適用して一千八百億使ったということが言われております。もちろん、これは五十五歳以上の通常の者も含めてでありますけれども、今大体五十五歳以上だけで五百億程度、確かに財源としては小さくないものであります。しかし、今のこの雇用環境からいけばこのことは極めて大切である。先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、私も今五十でありますから、まさにこの適用の範囲であります。選挙に負ければそういう形になるわけでありますけれども、本当に五十歳のときに離職をせざるを得ないということになりますと、これはちょうど金を使う、家計が大変な時期だというふうに思いますから、ぜひ大臣の政治的な決断といいますか、きょうすべてを答弁されるということは難しいかもわかりませんけれども、先ほども旭道山さんの御質問に答えていましたけれども、やはりそこが政治家の役割であるというふうに思っていまして、ぜひ御答弁をお願いいたしたい。
○伊吹国務大臣 先生にこういうことを申し上げると失礼でございますが、政治、特に政府を預かっている者というのはx、y、zの連立方程式を解くわけであって、xの解だけであれば簡単に見つけられるわけです。つまり、雇用を確保するだけの措置というのは、やろうと思えば何でもやれます。しかし、他の例えば財政の問題、公平の問題、いろいろなバランスをとってやらねばならないというのが政府を預かっている者の立場ですね。
 今ここで経済論議をするのは適当ではないと思いますが、構造改革による財政というのは、まだ実は一銭も本院の御許可も受けていないから出ていないわけです。それにもかかわらず今のような経済状態になっているというのは、やはり私はバブルのときのツケが金融機関を中心にずっと行き届いてしまって、今先生がおっしゃった信用不安というのでしょうか、北海道は特にそれに直撃されたと私は思います。それで、不安が不安を呼んで、結局、自分たちの将来はどうなるんだろうと思うから、実は実質賃金は下がっているにもかかわらず消費性向まで下がってしまっているわけです。消費性向は本来、暮らし向きが悪いから上がっているというのなら、減税をしたり追加措置をするというのは非常に意味があるわけですね。
 そこで、三十兆円という金融二法の御許可をいただいて今ようやく資本注入というものは始まっております。これによって全国的にどういう景気状況になっていくのかということは、ちょっと私は見定めさせていただきたいし、同時に、法人税あるいは不動産関係諸税、また金融関係諸税の減税や特別減税を含めた法律が一部通ったり、これから通っていくわけですから、その効果を見きわめるというのがやはり内閣としてのお答えになると思います。
○鉢呂分科員 x、y、z、そのとおりいかない。要するに、失業給付金との絡みもあります。今どんどん失業者が出てきていますから、失業保険を給付される。ですから、私は先ほども言いましたように、できるだけ再雇用を速やかに行うということが雇用保険特会としても意味があることではないか、差し引きの関係になりますから、そこも勘案する必要があるだろうというふうに考えておるわけであります。もちろん、一般的な経済政策、ここについての見きわめをするということはあると思います。
 それからもう一つでありますけれども、この関係については北海道庁が先行的な取り組みをこの四月からやるのでありますけれども、緊急中高年齢者雇用開発奨励金ということで、同じように四十五歳から五十四歳の企業倒産にかかわる離職者を一年以上雇用した事業主に対して、これは定額でありますけれども、三十万円支給するという形をとろう、これを六億円の計画という形でやろうとしておるわけでありまして、これらも、国としての大臣の施策の一つのものとして考慮しながら、地方自治体の取り組みを支援する形で何とかできないか、もう一度そのあたりの大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○伊吹国務大臣 これは、先ほど申し上げましたように、雇用保険というのは、全国の五千万人の働く方々とそれから事業主から労働省がお預かりをしているお金でございますし、これは一定の法律、ルールに従って運用されているわけですから、他地域の方々の保険料を特定地域に助成するということは、私はやはり財政論の上から極めて難しい問題を含んでいると思います。もしもそういう必要が現実に認められるということであれば、その財源は、やはり国民的合意の上に、五千万人の労働者だけにかぶせるのではなくて、従業者も含めた全国民が負担すべき財源でやるべきものだと私は思います。
○鉢呂分科員 時間がもうなくなりましたのでそれ以上は申し上げませんけれども、いずれにしても大変な状況であることは確かでありますし、平成五年、六年の先例もございます。また、この雇用保険特会という中で、必ずしも失業保険といいますか、失業給付金というものを支給しておけばいいというものではないのではないかというふうに思っています。また、それが社会不安のような形で、企業主の自殺というような痛ましいことがあらわれておりますけれども、これが社会全体に与える影響も私は大きいものがあるのではないかと思いますから、そういう意味で、労働大臣のこの点についての前向きの対応をぜひお願い申し上げまして、この時間の質問を終わらせていただく次第でございます。
 ありがとうございました。
○石川主査 これにて鉢呂吉雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、桝屋敬悟君。
○桝屋分科員 平和・改革の桝屋敬悟でございます。
 大臣におかれましては、連日大変にお疲れでございます。明日も労働委員会があるわけでありまして、おまえは労働委員会の一般質疑でやればいいじゃないかというおしかりを受けるかもしれませんが、実はきょう私が持ち込みます内容は極めて我が地域の問題でありますので、労働委員会の一般質疑というよりも、与えていただいた分科会の時間にぜひお聞きいただきたいこともございまして、取り上げさせていただこうと思います。
 本日の私のテーマは、職業能力開発促進センター、いわゆるポリテクセンターと言われているものでございます。
 ありていに言いますと、実は整理合理化という形で、私の地元にニカ所ございますが、一カ所、ことしになりまして、年が明けまして整理の方向で検討したい、こういう話をいただいております。私どもも、特殊法人等の整理統合といいますか合理化ということについては、そういう方向は極めて大事だろうというふうには大筋思っているわけでありますが、いざ我が身になりますとこれはまた切実なことでありまして、そんなこともあってきょう分科会で基本的な考え方をぜひ確認をしておきたい、こんな思いでおります。
 最初にお伺いしたいのは、今回の再配置の計画は行革の一環として平成七年の閣議決定に基づいてずっと検討を進めてこられた、このように理解をしておるのでありますが、地元も私も一緒にこれから考えなければいかぬものでありますから、いつごろからどのような具体的な議論がされ、地元説明をされてきたのか、あるいはこれからの流れも踏まえて、一連の経緯をまずちょっと御説明をいただきたいと思います。
    〔主査退席、萩野主査代理着席〕
○山中政府委員 今般のこの職業能力開発促進センターの再配置の問題につきましては、平成六年十一月の総務庁の行政監察結果に基づく勧告がございます。それと、平成七年二月の特殊法人の整理合理化についての閣議決定によりまして、職業能力開発促進センターについて全国的なバランスを考慮して再配置を検討することとされました。
 そういうことを踏まえまして、私ども労働省におきまして、全国的に公平な職業能力開発機会と水準を確保することを基本といたしまして、より効果的、効率的なセンターの運営を行うという観点から再配置の検討を始めました。この検討の結果、平成八年末に、一カ所当たり県内人口カバー率を中心といたしまして、事業所数あるいはその地域の在職労働者数、有効求職者数等に基づきます基準を策定いたしまして、これに基づきまして廃止対象センターを決定したところでございます。
 また、この廃止センターの当該自治体に対しては、昨年の十一月から本年二月にかけまして個別に担当の課長が訪問いたしまして、廃止に至る経緯等々を説明いたしますとともに、地元にとっては大変なことだと思いますので、地元の御理解と御協力を求めてきたところでございます。
○桝屋分科員 今のお答えで、平成八年末には大体整理合理化の方向を、今からお話をいたします一つの考え方を整理されて、箇所を大体お決めになった、それで平成九年、昨年の十一月からことしの二月にかけて根回しの作業に入っている、こういうことですか。八年の末というのは九年の三月ぐらいかなと思うのですが、それから九年の十一月ぐらいから具体的な説明に入った、こういうことですか。
○山中政府委員 お答え申し上げます。
 平成八年の末で、一応どういう形でセンターを整理統廃合していくかということについての基本的なことを決めました。それから、九年に入りまして具体的にどういう基準でということの策定作業を行ってまいりましたので、具体的に十月ぐらいに決めまして、昨年の十一月ぐらいから地元の自治体の皆さん方に御協力を求めるということで御説明に回った次第でございます。
○桝屋分科員 何で最初にそんなことを聞くかといいますと、私どもも、特殊法人の改革は手をつけなければいかぬと言いつつも、具体的に突然これが出てきますと、いつごろから検討されておったのかということが大変気になるわけであります。地元の国会議員としても、特に労働委員会におれば余計気になるわけでありまして、私も年が明けてことし伺って大変に驚いたわけであります。
 実は、きょうこの場に来ているのは、大変驚いた状況のまま来ておりまして、大臣、私も大臣に成りかわりまして現場へ行ってみました。せっかくこういうところで話をするのであれば、どれぐらい地域で喜ばれているのか、どんな機能を果たしているのか、私もしっかり現場に行って見てまいりました。既に地元では、労働省から当該市も県も御説明をいただいていまして、当然ながら、よろしゅうございます、こういう反応ではなくて、とんでもない、何としても残してもらいたいという、今驚いて申し上げていると申し上げましたが、地元としてはそんなイメージであります。
 それで、せんだってもこの二月県議会でも、小野田ポリテクセンターの廃止は地域のバランスを壊す、能力開発という地域戦略を持っているわけでありますから、そうした地域のバランスを崩すだけでなくて、これからより一層離職者や在職者の習得が望まれているこういう時代のニーズに逆行しているんだ、県下では職能開発の推進に多大な支障を来す、こういうことで今後も存続を強く要望する、こういう決議をされています。もちろん、市に至ってはもっと深刻でありまして、我が県は二つあるものですから、うちの方をなくすのではなくてあっちをなくせという、ここまでいきますと私ももう涙が出てくるような気がするわけでありますが、そういう実態もございます。これはぜひ大臣にも御認識をいただきたいと思うのであります。
 それで、先ほど、いつごろから根回しを始めていただいたのかということもお伺いした意味もあるのでありますが、私も以前県におりましたから早速伺ってみましたら、県は県で、現在は第六次の職業能力開発計画が平成八年から十二年にかけて動いておりまして、国の雇用促進事業団のニカ所のポリテクセンターとそれから県の職訓校と、四カ所あるわけでありますが、うまいぐあいに地域配分がなされているものですから、当然このニつの事業団のポリテクセンターを前提にして地域の計画が立てられている。特に公共職業訓練の推進という意味では、ポリテクセンターと十分連携をとりながら作業を進めていこう、厳しい現在の経済状況の中で職能開発をしっかりやっていこう、こういう状況でございます。
 これは平成八年から十二年で、八年の策定をするときには今の話ではまだ現場にお話ができる段階ではなかった。このときに言っておいていただければ大分調整もしたのでありましょうが、そういう意味では、十二年でありますから、第六次の県の職業能力開発計画も次は見直さなければならぬ、そういう極めて深刻な状況もあるわけでありまして、こうした事態を労働省としてまずどう認識をされておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○山中政府委員 職業能力開発行政、私ども、都道府県と両々相まって、県の施設、国の施設と両々相まって訓練ニーズにこたえるということで運営をいたしてきておりまして、都道府県の職業能力開発計画、私ども中央も、労働省もつくっておりまして、それとある程度連動した形でつくってきていただいております。そういう意味で、この計画に基づき、今先生おっしゃるように八年度から十二年度までということで計画が策定されております。
 ただ、今般の再配置計画で廃止を予定いたしますセンターにつきまして、ある程度訓練規模等は見直しをしますけれども、具体的な廃止は平成十四年度末ということで、当該地域においては訓練を実施しているということでございますし、私ども、両々相まってやるということで、都道府県と毎年度の訓練計画を十分協議して具体的に詰めております。そういう意味で、この第六次の職業能力開発計画に大きな支障はないのではないかというふうに私どもは考えております。
○桝屋分科員 八年から十二年ですから、十四年まであるんだから何とかしろよ、こういうお話かもしれませんが、現場はなかなかそう簡単にいかない。
 それで、これからお伺いしたいのは、大きい流れでこれから特殊法人等の見直しはいろいろな分野に進んでいくのだろう。整理統合するといいますか、そうしたときに悩むのは廃止になるようなところが悩むわけであります。私もこれは現場を見てきましたけれども、三百ある定員はほとんど一〇〇%。一つ一つの訓練科目も見てまいりました。極めて有効に活用しているな、こう思ったわけでありますが、なくなる地元としては、あるいはそのエリアでは悩むわけでありますから、どうぞ引いてくださいというところはまずないと思うのです。
 大事なのは、やはりそういう大きな流れをしっかりと地元に理解をしてもらって、その上で、ある意味では妥当性のある、納得のいく、どうしてうちがなくなるのかという、何で我が地域だけかということになるわけでありますから、どうしてここなのかという説明が、やはり検討の材料等も十分ディスクローズされてお示しをいただかないと、やはり県も市も、はいそうですかということにはならぬだろう、私はこう思うのです。
 それで、伺いましたら、先ほど、平成八年度の末に考え方を整理した、その統廃合の整理の仕組みは、一つのセンターの四十キロ圏内の市町村人口が県内人口の六割以上となっているというようなところについては廃止の対象として検討する、こういうことだというふうに伺っておるのでありますが、こう聞いて我が県が計算してみたら、なるほどなっているわけでありますから、ああそうかと。こういうのもまた、では何で四十キロなのか、それから六割以上というのは一体どういうことなのか、あるいはどういうデータを使ったのかというようなことにもなるわけでありまして、きょうはその辺をちょっと確認をさせていただきたいと思います。
○山中政府委員 再配置の具体的なこと、今先生おっしゃいましたように、センターの四十キロ圏内の市町村人口のカバー率と申しますか、県全体でのカバー率を基本といたしております。
 この四十キロ圏内というのは、そこに通える通勤圏内ということで四十キロが妥当ではないかということで、四十キロということを出してきてそういうものを一つの基準といたしますし、それと同時に六割という基準、これは、六割をカバーできるところを中心として県内の訓練ニーズ全体を大体やれるのではないか、訓練ニーズを満たすのではないかというふうに考えまして、そのカバー率という一つの基準を設定いたしました。それと同時に、地域の事業所数なりあるいは在職労働者数あるいは有効求職者数等も考慮して設定をいたしたところでございます。
○桝屋分科員 四十キロ圏内、これはいわゆる通勤圏。これは何かどこか出典があるのですか、根拠が。一般的に通勤圏は四十キロだという理解がやはり必要でありますし、随分地域差があるのじゃないかと僕は思うのです。それと、この六〇%以上というのはどういうデータをお使いになって整理されたのか。私は結果だけ聞いているのですが、当然、廃止されるところはほかと比較するわけであります。比較して、なるほどこうだなというふうに納得しないと、妥当性がないと地元へ帰りまして説明できないものでありますから、お示しをいただきたいと思います。
○山中政府委員 四十キロ圏内の人口比率についてでございますが、当該の職業訓練開発促進センターの所在地から半径四十キロ圏という圏内にある市町村人口の合計を、県総人口に対する比率ということで、分母が県全体の人口、それで四十キロ圏内にかかる市町村の人口ということで割り出したものでございまして、これは、人口は平成ニ年度の国勢調査をもとにして計算いたしております。
○桝屋分科員 大臣、小さい数字で恐縮でございます。私は帰って報告しなければいかぬものでありますから。
 それで、例えば中心から四十キロの円を引いてその中の人口を足すわけですね、平成ニ年の国勢調査の。ところが、四十キロというと、出ているところもあれば入っているところもある。大きな市が重なって、これを入れるかどうかというのは、六〇%以下の方がいいわけですから、これは入れてもらっては困るというようなこんな議論にもなるわけで、ほかはどうしたのかということにもなるわけです。その辺はどうなんですか。ちょっとその辺の整理の仕方をもうちょっと詳しく。
○山中政府委員 具体的にこの図でお示しできればと。また後ほど具体的に御説明いたしたいと思いますが、中心のセンターから四十キロの円を引きまして、そこに入る市町村の人口を出すということで……(桝屋分科員「ちょっとでもかかっていれば入れるわけですか」と呼ぶ)はい、原則としてそういうことでやっております。
○桝屋分科員 また、これは全国で六十五カ所のうち十二県ぐらいが廃止を検討されたというふうに伺っているのですが、どういうデータをもとに計算をしたのかというのは、また具体的に、うちの地域だけではなくて全体を、何もよそへ回せという言い方をするつもりはありませんが、それぐらい切実だということを御理解いただいて資料を提供いただきたいと思います。
 それで、端的に申し上げますと、県下ニカ所ある。山口県は労働行政に非常に一生懸命取り組んできているというふうに私は思っておりますし、それから、さっき申し上げましたように、県内の地域配分はまことに現在の体制はうまくいっている。ここに新しい変革が訪れるわけでありまして、それで悩んでいるわけでありますが、我が地域がそういう整理統合の対象となるということを聞けば、どうしてもよそを見なくてもいいものを見てしまう。例えば、中国地方でも鳥取や、あるいは九州では長崎とか宮崎とか、こういうところを見ると、山口県より人口が少ない地域であるにもかかわらず残るところもある。あるいはもっと言いますと、全国で各県に三カ所あって、これは手がつかないところもある。うちは何でなんだというふうに思うわけであります。
 それは、廃止してもいいよ、ポリテクセンターはもともと要らないんだからいいよということではなくて、今がよく機能しているがゆえにもちろんそういう気持ちが起きるわけでありまして、そんなところを非常に私は考えるわけであります。ただいまの御説明のありました四十キロ圏内、県内人口の六割以上という線だけですぱっと切られて結論を出されるということもまた悩ましいわけでありまして、その辺は地元との対応で、どうでございますか、各県の状況も含めてちょっと御説明をいただきたいと思います。
○山中政府委員 先生今御指摘の同一都道府県内にニセンターが存在するのは十四県でございます。それで、その十四県以外にも、同一県内に三センター以上ある県が、具体的に申しますと北海道が四つ、福島県が三つ、千葉県が三つ、このような状況になっております。
 それで、北海道と福島県につきましては、非常に広い地域でございます。面積、北海道一位、福島県は三位ということで、広い地域に各センターが分散して設置されておりまして、そういう意味でその県内での訓練ニーズに各センターで重複せずにこたえることができるということで、それぞれの地域ごとにセンターが必要であるという判断をいたしまして存続をさせる、こういうことになっております。
 それと同時に、千葉県の三つにつきましては、この一つについては、非常に高度な、専門的な高度職業能力開発促進センターということで、全国唯一の施設であるということ、それからもう一つにつきましては、今後、職業訓練に関する国際協力という観点から、そういうところの拠点施設としてやっていきたいということでございますので、そういうことも勘案いたしましてそういう判断をさせていただいております。
○桝屋分科員 これは議論しても切りがないところでありまして、ぜひ大臣にまずお耳に入れていただきたいのは、地元は反対しておる、県議会は決議をしたというこの事実、それから特に地元の市はもう大反対ということでありまして、私も現場に行きまして市長さん初め大変な陳情をいただいた。それは言葉を返せば、それだけ現に機能しておるという事実があるということでありまして、この事実をまず大臣にお耳に入れていただきたい。
 その上で、大臣、一つは、雇用促進事業団の能開業務については、閣議決定では、業務内容を精査した上、新法人に移管するというふうに書いてありますけれども、これからさらなる廃止もあるような気もしますし、今後どんなふうに流れていくのか、もしお答えができればお示しをいただきたいと思います。
○伊吹国務大臣 先生の地元を思う熱心な御討議を今伺っておりまして、大義親を滅すというのですか、そういう言葉があって、行革はやらねばならない。これは赤字会社を立て直すのと一緒でございますので、自分の会社であれば、みんなつぶれると困るから必死に我慢するわけですが、国あるいは各都道府県や市町村がやる場合は、本当は日本国というのは国民の持ち物なんですが、その中に政府だとかいろいろなものが入ってまいりますと、説明がおくれたり、あるいは税と公共サービスとの結びつきが必ずしも明確ではなかったりするので、得をした、損をしたとか、あるいは国が国庫負担をカットするのはけしからぬなんということをよくおっしゃる政党もありますが、国庫負担というのは全く国民の税金なんであって、大蔵省の役人が考えているように自分たちが持っているものではございませんから、そういうことをいろいろ考えて、本当に御迷惑をおかけしているなという気持ちがございます。
 そこで、今の政府委員とのやりとりを伺っておりまして、地元へ十分の御説明をするということ、これがまずやはり一番大切なことだと思います。その次に、将来的に、労働省の立場としてはもうこれ以上のことは勘弁してもらいたい、それはもう当然のことなんですが、日本国全体のバランスの中でどうしていくかということをやはり考えねばなりません。
 しかし、今のところ私としては、見直しが必要かどうかということは、今先生が御熱心におっしゃったような、地元のニーズを含めての今後の職業能力開発促進センターの役割との関係で検討してもらいたいということを、やはり新機関ができるわけですから、申し上げていきたいと思いますし、同時に、やむを得ず廃止をされた、国の機関として、雇用促進事業団の機関として廃止をされた場合、県ではやはり今御指摘のように必要だということであれば、当然何らかの県の単独事業としての存続をお考えになると思いますので、そこにどの程度の御協力ができるのかというようなことも事務当局に少し検討させまして、本当に役に立っている組織ができるだけなくならないように考えてみたいと思っております。
○桝屋分科員 今の大臣のお話を聞いて、気持ちを理解していただいて、そこは感謝申し上げたいのですが、ただ、最後に大臣のおっしゃった、雇用促進事業団としては引くからあとは県単でというここの話までいきますと、おまえ、そこまでしてきたのかということで大変なおしかりを受けるわけであります。先ほど申し上げましたように、まずはきょうは驚いて地元の声をお届けするという趣旨でございますので、どうかよろしくお願い申し上げたい。
 それで、もう少し事務方と、あと二、三分ありますので、今後のことでありますが、今大臣からもお話がありました。まず、今お届けしたように大反対が起きているわけでありますが、反対だけでぶつかっていてもしようがないわけでありまして、今後どうするかということをぜひ協議しなければならぬ、このように思っているわけであります。今後のスケジュールと、これからどういうあんばいで地元と具体的に、私もできることがあればお手伝い申し上げたい、こう思っているわけでありまして、どんな方向があるのか。私は認めていませんよ。認めていませんが、まずお話をお伺いしたいと思います。
○山中政府委員 私ども、今、地元の地方自治体の皆さん方に直接お会いして、どんな形でやっていったらいいかということはこれから十分協議させていただきたいというふうに思っております。国、県、市町村の方々、三者の協議機関をつくりまして、具体的にどういう形がいいのだということを十分お互いに率直な意見を交換させていただきまして、今大臣から御指示がございましたように、地元の訓練ニーズというものをどういう形で吸い上げていったらいいかということも含めて、私ども十分協議を重ねていきたいというふうに思っております。
○桝屋分科員 今、協議という話がありましたけれども、私の理解では既に六県は現場に全部話がおりていると思うのですが、既に正式にテーブルに着いて協議が始まったというところはどれぐらいございますか。現状で答えられるだけで結構でございますので、お教えいただきたいと思います。
○山中政府委員 今回、六つのセンターを廃止の対象といたしておりまして、今のところ、四県について協議をするという場を設けております。
○桝屋分科員 六県のうち四県で、最初から素直に、テーブルに着いたときからいい条件でなんというようなことになると私も心配でありまして、そういうこともあってきょうはお話を出しているわけでありますが、いずれにしても今後の見直しは、それはそれで進められる必要があるのだろうと思います。
 ただ、今回の労働省さんあるいは雇用促進事業団の一つの方向に対して、今後地方がどう考えるか、地方のこれからの計画、それに対する負担の問題等さまざまな問題が恐らく出てくるのだろうと思います。地元の意見を十分配慮しながらこれからこの問題解決に当たっていただきたい。どうも来週にはまた地元からばっと上がってくるようでありまして、大臣のところへ押しかけるかもしれませんが、そんな状況があるということをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○萩野主査代理 これにて桝屋敬悟君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)分科員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 伊吹労働大臣に初めて質問させていただきますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 最近、拓銀ですとか山一証券、三洋証券、徳陽シティ、金融機関が次々と破綻をして国民の不安というのが広がっております。また、相次ぐ贈収賄事件で、銀行、証券会社に対する国民の目というのは非常に厳しくなっているというふうに思います。
 そこで、労働大臣に基本的な認識をお聞きしたいわけですけれども、これら金融機関の破綻について、経営者や役員が責任を負うというのは私は当然だと思うのですが、しかし、従業員に責任があるかどうかという点について、労働大臣は基本的にどのように思われるでしょうか。
○伊吹国務大臣 従業員という方々の範囲というのは非常に難しいと私は思います。当然、当時代表権を持っている者は、今先生御指摘のように責任を持つべきである。それから、私の地元などでも、銀行の営業担当からバブルのときにいろいろなことをうまく言われたので今大変な目に遭っているという苦情は非常に多いです。しかし、同時にそれは、すべての銀行の代表権がある人からピラミッド型に命令がおりてきたのか、そうでなかったのか、自分の業績を上げたいためにそうしたのか、いろいろなケースが一般論としてあると私は思います。
 そしてまた、我々はもちろんすべての情報を知っているわけではありませんが、計画経済の社会で割り当てられて雇用の場にいるわけではありません。みんな自分の自由な選択で働くところを選んでいるわけですね。率直に言って、当時、聖人君子の方もたくさんおられたと思いますが、バブルのときは日本人すべてがそういう欲にくらんだというか、金が一番立派なんだという考えにあったと思いますし、それは国民すべてがもう一度考え直すべきことだし、特に政治家を含めて指導的立場にあった者がそういう状況に日本国民があったということについて適当な措置が十分とれなかったということも反省すべきだ。
 私は、そういう一般的な雰囲気の中の問題であると思いますが、やはり一番大きな責任をとるのは当然代表権を持っていた役員であり、その次は代表権のない役員であり、管理職であると思っております。
○佐々木(憲)分科員 確かに今おっしゃるように、経営権を実際に持っておられる方々が乱脈経営と言われるような事態を生み出した一番の責任があるというふうに私も思うわけです。ですから、経営に直接参加をしていない一般の従業員の場合には、やはりこれとは区別して考える必要があると思います。
 とりわけ最近、破綻の結果、職を失うなどの大変な犠牲を負わされる立場にあるのが大変大きな問題だと思うのです。例えば、山一証券の破綻で七千五百人の従業員が大変な雇用不安、実際に職を失う、こういう状況になっているわけであります。しかし、山一の破綻というのは、いわゆる飛ばしでつくられた多額の簿外債務というものが原因であります。経営者の方は従業員に対してこれまで、簿外債務ということについては我が社には一切ございません、こういう説明をされていたわけでありまして、そういう点からいいますと、新聞報道によりましても、従業員の中では、これはだまされたという発言をされている方もいらっしゃるわけであります。
 そういう点で、現在の金融破綻の中で実際には責任のない労働者に大変なしわ寄せが行っているということは非常に重大な事態だというふうに思うわけです。実際、阪和銀行それから拓銀、徳陽シティ、山一の再就職の問題、これは大変な事態にあります。
 例えば阪和銀行は、一昨年の十一月に大蔵省から業務停止命令を受けまして破綻をしたわけでございます。既に一年以上経過していますけれども、八百五十四名の従業員がおられたわけですけれども、この再就職の状況、現在どのような状況になっているか、この点についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○伊吹国務大臣 数字は後ほど政府委員から御説明させますが、先生がおっしゃっていることは私よくわかります。どのような制度にもやはり完全なものはございません。自由主義経済、市場経済は基本的に自己責任の原則でございますから、金融機関、証券会社にかかわらず、やはり倒産、失業ということは起こってまいります。それは、ある意味では市場経済の一つの欠点だと私は思います。しかし、共産主義経済ではもっと大きな欠点があるから、ソ連などではそれがうまくいかないと私は思うのです。相対的に欠点の少ない制度としてこの制度を使っていますが、しかし、その中で今おっしゃったような気の毒なことが生じてくるわけですから、これについては政府等が御指摘のようなことを最大限カバーしていくというのが、私はやはり市場経済、自由主義社会の政府のあり方だと思いますので、具体的な数字は政府委員から御説明させますが、その認識は先生とは決して異にしているものではございません。
○征矢政府委員 御指摘の阪和銀行の状況でございますが、阪和銀行関係につきましては、会社内に雇用対策室が設置され、私どもの関係では、和歌山県に、関係行政機関あるいは経済団体等と連携をとりながら阪和銀行雇用問題連絡調整会議を設置いたしまして、これは平成八年十一月でございますが、当該会議等を通じまして情報収集あるいは求人要請等を実施しております。
 現時点におきまして、平成十年一月末時点での再就職状況でございますけれども、紀伊預金管理銀行及び整理回収銀行への再就職の方が約二百名、公共職業安定所の紹介あるいは縁故等により再就職した方が約三百五十名、定年退職等が約三十名ということでございまして、再就職先がまだ未定の方が約二百七十名おられます。
○佐々木(憲)分科員 先ほど労働大臣の方から基本的な見解を伺いました。確かに市場経済というのは一定のルールがないと弱肉強食の世界に入り込んでいきますので、どうしても弱いところにしわ寄せが行くわけでございまして、そのルールをきちっと確立していくということが私は非常に重要だと思っております。共産主義社会のお話もございましたけれども、私どもは、今までのソ連ですとか中国ですとかその他の既存のいわゆる社会主義と言われた国々というのは本来の姿ではないというふうに思っておりまして、極めて欠陥のある社会だと認識しております。
 そういう意味で、現在の資本主義社会のルールの確立ということが大変重要でありまして、その先にどのような社会を目指すかは国民全体の判断によって決まっていくものだというふうに考えております。いずれにしましても、このようにルールを確立して、弱い者にしわ寄せが行かないようにしていくということが大変重要なことではないかというふうに思うわけでございます。
 そこで、先ほど数字をお聞きいたしましたけれども、職業安定所、縁故等によって再就職された方は三百五十名にすぎません。確かに整理回収銀行や紀伊預金管理銀行に再就職した方は約二百名です。しかし、この紀伊預金管理銀行というのはいわば清算のための会社でございますので、清算の仕事が終わりますとまた雇用問題というのが出てくるわけでございますので、実情は、やはり半分以上は不安定な状況にある、依然としてそういう状況だというふうに私は思うわけでございます。
 しかも、若い人はいいけれども、例えば山一証券などの場合は、内定率を見ますと、四十歳未満の内定率は四六%、しかし、五十歳以上になりますと二五%にすぎないというふうに言われておりまして、従業員の再就職という点については、やはり国がさらに支援体制を確立していく、強力に進めていくということが大事だと思うのです。
 実は、私昨年、大蔵大臣にこの問題について、特に阪和銀行について質問したときに、大蔵大臣から、各省庁を督励し万全を期す、こういう大変頼もしい答弁があったわけでありますが、残念ながら現実はなかなか思いどおりには進んでいないという状況があると思うのです。どのような手だてを今後とっていかれるおつもりなのか、もうちょっと詳しくお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○伊吹国務大臣 まず、きょうは佐々木先生と議論をさせていただいて、先ほどお話をなさったように、市場経済というものを前提に、ルールを守り、弱い者にしわが寄らないというリベラル的政党にお変わりになったということを確認して、私は非常にうれしく思いました。そういう前提でございますと、いろいろ共通の基盤で議論ができるわけでございます。
 そこで、大蔵大臣から督励を受けたという事実は実はございませんが、依頼を受けました。我々も、おのおの破綻した金融機関のある都道府県におきまして、公共職業安定機関が中心になって、地方自治体それから関係行政機関、経済団体等が集まって連絡協議会というのを、特に山一の場合は東京都が中心でございますが、つくって、我々の方で求職、求人をできるだけ突き合わせていくという作業を今やっております。
 そして、特に中高年の方は、そういう意味では今御指摘のように非常に再就職が難しい。これは、今ほど時間的な余裕や生活水準が高くないときに、本当にビジネス戦士として会社一本で御苦労なすって、新たな職につくための能力開発の余裕がなかったような方が多いのですね。そういう方々については、私は、実は先般幾つかの経済団体にお願いに行きまして、その経済団体の各県単位の団体に所属しておられる企業にみんな、新しい求人がないか尋ねてくれ、これは必ずしも終身雇用でなくても、いろいろな形態の求人でいいから尋ねてくれ。我々も座ってそれを待っていることはいたしません。必ず県単位の組織へ伺って、そしてお願いしていただいて出してくだすった企業へは直接職員が出向いて、御希望や何かを聴取しながらやっていく。それを月末に集計して、翌月の半ばには労働省の方へ参りますので、四月になると思いますが、どういう結果が出るかということをひとつ注目をしておるわけですが、やはりホワイトカラーの中高年齢の方を、できるだけそういう中でお仕事をしていきたい。
 ただ、率直なことを言いますと、求人はあっても御希望が合わないようなケースも結構あるのですね。これは、こういう苦しいときですから、お互いに少しずつは自分の主張というのは折り合いをつけながらやっていかなければならない時代でもあるという気も私は実はいたしておるわけです。
○佐々木(憲)分科員 共産党もリベラル的政党に変わったのではないかという御発言がありましたが、私どもは、本来の科学的社会主義の政党というのは、今の資本主義のこういう矛盾を克服していく、そのためのルールをきちっと定めていくということが筋だと思ってやっておりますので、どうかそのように御理解をいただきたいと思います。
 それで、破綻した銀行も大変なんですけれども、破綻していない銀行の場合もかなり人が減らされております。既に政府は、三月十三日に四つの銀行、それから十七日に十七の銀行、合わせて二十一の銀行に対しまして公的資金の投入というのを決定いたしました。銀行に血税を投入する、こういうスキーム自体には我々問題があると思っておりますが、ただ、この二十一の銀行というのは、一方で大量の人減らし計画を同時に発表されているわけでございます。いわゆる健全性確保計画というのがございまして、かなり削減されるということでありますが、これは大臣、どの程度の削減なのか御存じでしょうか。
○伊吹国務大臣 まず、削減がどの程度の数字になるかというのは、残念でございますが、私どもつまびらかにいたしておりません。
 これは先生、大蔵委員会でも御活躍ですから上く御承知のように、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律というのは、国会の議決をいただいて、その中に今御指摘のあったような「健全な経営体制の確保に関すること。」という条件があって、その条件のもとで公的資金――まことに失礼でございますが、大蔵委員をしていらっしゃるので、血税というお言葉がございましたが、この公的資金は血税ではないことはもう先生十分御存じだと思います。
 これを投入するについて、先ほどの法律の要件を満たすという法構成になっておりますので、その具体的内容について、人員削減、給与の引き下げとかあるいは資産の処分とか、どういうことをやるかというのはこれはもう経営サイドの判断でございます。計画経済の世の中ではございませんから、どういう判断をするかというのは経営者の問題であり、そこで人員の問題が出てきた場合には労使の間で協議をしてもらうというのは、これはまさに先ほどおっしゃったルールだろうと思うのです。
○佐々木(憲)分科員 血税という言葉について今言われたわけですけれども、私どもは、十三兆の投入の場合は政府保証の問題、これは保証ということですから最終的に国の方に負担が回ってくる、それは財政負担になるということになるわけでありまして、これは支払いができない場合にはそうなるわけですね。それから、交付国債というものもそういう性格を持っているわけでございますので、財政資金ということでございますので。
 こういう公的資金を投入される銀行が、私どもざっと集計してみたのですが、九行で二〇〇〇年度末までには一万五千四百八十九名マイナス、それから二十一行合わせますと二万二千六百二十六名削減ということになっているようでございます。したがって、かなりの数になるわけです。これまでの例えば都市銀行だけをとりましても、この三年間に約二万人ぐらいの人員の削減がございます。ですから、さらにこれが削減されていくということになっていくわけでございまして、こういうことがどんどん進んでいきますと、これは雇用という点からいいますと、破綻した銀行も大変だけれども、同時に既存の銀行もかなり大胆な人員削減という形になりますので、雇用問題というのはこれから大変なことになっていくなというのが印象でございます。
 それで、それに関連しまして、これは大手銀行の首脳の発言ということで日本経済新聞の三月五日付で紹介されているわけですけれども、こういうことをおっしゃっているわけです。「公的資金は奇貨だ」と。奇貨というのは、思いがけない利益を得る見込みのあるチャンスというようなことなんですけれども。「今まで実施しにくかったリストラを一気に推し進めようという計算だ。通常なら顧客から非難を浴びる店舗統廃合、労組との調整が難しい行員の年収引き下げ、人員削減などは「こういう機会でもなければ簡単にはできない」」というふうにおっしゃっているわけなんです。
 どうもこういう観点というのは、公的資金を投入された機会に今までできない人減らしを一気にやっていきたいという感じに受け取れるわけでございますが、こういう姿勢というのは大臣、どのようにお感じになりますか。
○伊吹国務大臣 何度も申し上げておりますように、市場経済でございますから、自分たちが雇用している人数はどの程度が会社が存立していくために必要かという判断は、これは経営者ができると私は思います。その上で、しかし働いている人は物ではございません、人間でございますから、当然、従業員との間で話し合いをしなければならないというのは、これは法律上のルールであります。
 しかし同時に、また我々の仕事としては、そういう市場経済の中での企業の栄枯盛衰というのは当然あるわけであります。例えば石炭対策特別委員会というのが本院にありますが、かつて日本の高度成長を支えた黒いダイヤと言われた炭鉱労務者も、今、炭鉱も減っちゃって大変な事態になっているというようなことはいろいろあるわけですから、バブルのときに世の中で自分たちが一番偉いと思っておられた銀行が果たしてこれからそれだけの数を抱えていけるかどうかというのは、これは経営者の判断だと思います。しかし、万一そういうことになった場合に、できるだけ新しい産業を創出して中長期的には受け皿をつくり、短期的には市場経済の中でその人たちに御迷惑のかからないようにやらせていただくというのが、我々労働省に与えられた使命だと思っております。
○佐々木(憲)分科員 日本経済新聞が昨年の七月に「金融マンの意識調査」というのをやっておりまして、これは日経金融新聞ですけれども、かなり大きく報道しておりまして、調査結果がずっと出ているのです。これだけあるのです。
 この最後にこういうことを書いているのです。「あなたは現在または将来、ご自身が人員削減の対象となる不安はありますか」、こういうふうに質問をしておりまして、「人員削減には漠然とした不安がある」、これは四八・九%、「対象にはならない自信がある」、三七・六%ということで、かなり多くの方々が、半数近くがこれから先不安を覚えるというような意識調査の結果が出ております。そういう状況でございますので、今もかなりの高失業率でございますので、これからこういう雇用不安がさらに広がるということのないように、ぜひ労働省としても全力を挙げていただきたいというふうに思うわけでございます。
 それから、もう一つお聞きをしたいのは、人員が減らされていきますと、どうしても一人当たりの労働の中身が大変きつくなっていくという訴えが非常に多いわけでございます。
 そこで、これは一九九一年の六月二十六日の参議院の決算委員会で、我が党の上田耕一郎議員が、金融機関の労働者の長時間労働、サービス残業の問題を取り上げて質問させていただいたことがございます。そのときに、労働基準法百十九条で、残業の割り増し賃金を払わない場合、刑罰が決まっていますねという質問をいたしました。これに対しまして当時の佐藤局長は、「法律違反の事実が発見された場合には、当然その是正を命ずるわけでございますが」「是正されない場合、悪質重大な違反につきましては司法処分に付する等の方針で厳に監督をしているところでございます。」と答弁をされております。また、当時の小里労働大臣も、「かりそめにもそのような事実があり、かつまた重大な一つの違法行為というようなごときにおきましては、」「きちんと処理されるべきであると、かように思っております。」というふうに答弁されているわけでございます。
 これは私は当然の答弁だというふうに理解しておりますが、この立場というのは今も労働大臣、変わらないと思いますが、いかがでしょうか。
○伊藤(庄)政府委員 労働基準法違反に対する私どもの対応でございますが、違反が発見されれば、直ちに必要な是正を勧告し、それによって是正をさせるということを基本にいたしておりますが、もし、そういった中で重大な、悪質なものがあれば、司法処理ということも当然検討し、必要な対応をしていくわけでございます。それは変わりございません。
○佐々木(憲)分科員 それではお聞きいたしますけれども、過去五年間で金融機関関係で労働基準法第三十七条、これは時間外、休日及び深夜の割り増し賃金の問題ですけれども、この違反で百十九条によって処罰を受けた事例はどの程度ありますでしょうか。その処分があった年度、それから件数、そして金融機関名をお聞かせいただきたいと思います。
○伊藤(庄)政府委員 ただいまの御指摘の件数でございますが、平成五年に二件ありまして、その後、この司法処理という送検件数はございません。
○佐々木(憲)分科員 金融機関名はおっしゃらなかったわけですけれども、二件ということであります。
 そうすると、この二件ということは、労働省としては金融機関については三十七条違反の問題はそれ以外にはない、このように理解しているということでよろしいのでしょうか。
○伊藤(庄)政府委員 金融機関につきましても、私ども定期的に監督指導を実施いたしておるわけでございますが、平成八年に全国の労働基準監督機関が実施いたしました監督指導の結果の中で金融業について見ますと、いわゆる残業の問題は、割り増し賃金を支払う旨の規定、三十七条に違反する形になるわけでございますが、何らかの形で三十七条に違反をしている件数は、全体監督指導件数六百七十三件のうち二十九件でございます。
 これらに対しましては、先ほどお話し申し上げましたように、必要な是正を勧告し、その時点で速やかに是正されていくのが大半でございます。もし是正されないなど悪質なものがあれば司法処理の対象にしていく、こういう扱いをいたしておるところでございます。
○佐々木(憲)分科員 私は、これはかなり広くあるということを聞いているわけなのです。
 昨年の十一月に……
○萩野主査代理 もう時間が来ていますから、簡潔にお願いします。
○佐々木(憲)分科員 わかりました。もう時間ですので終わりますけれども、この点で労働基準監督署に寄せられたいろいろな訴えがございます。これも投書などがありまして、例えば、終電におくれることもしぱしばあって、まともに残業代が払われていない、タクシー代で小遣いがなくなってしまったというような話もあります。こういう点についてぜひよく調査をしていただいて、訴えについても耳を傾けていただいて、そしてこういう違反のないようにお願いをしたいと思いますけれども、最後に労働大臣の御見解を伺いたいと思います。
○伊吹国務大臣 先生おっしゃったように、当然、市場経済というのはルールに従って動いているわけですから、ルールの最大のものは法律でございます。
 私は、投書というのは非常にひきょうな行為だと思います。本当に自分が正しいと思えば、その方に御迷惑をかけないようにして基準局へ申し出ていただきたいと思いますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
○佐々木(憲)分科員 この投書は労基署に寄せられたものなんです。労働基準監督署に寄せられた……(伊吹国務大臣「ですから、お名前をきちっと書いてですね」と呼ぶ)そうなっております。
 では、これで終わります。ありがとうございました。
○萩野主査代理 これにて佐々木憲昭君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして労働省所管についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○萩野主査代理 次に、厚生省所管について審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木洋平君。
○佐々木(洋)分科員 大臣、大変恐縮ですが、通告をしていないものですが、一点だけお伺いしたいと思います。
 けさの新聞報道によりますと、大臣は、「補正に注文」、公共事業中心の景気対策は問題だという発言をされておるわけですけれども、今回の平成十年度の予算審議におきまして、明日衆議院通過というような話も出ておりますけれども、最初から補正の話を政府・自民党の幹部が申し上げている。今回の予算というのは最高の予算なのでしょうか。それともう一点、小泉大臣のこの発言というのはどういう意味を持つのか。ひとつ御質問をいたします。
○小泉国務大臣 現在、十年度予算案を審議している最中に補正予算の話が出てきていること自体、異例のことだと思うのです。わけても、景気対策ということで公共事業に兆円単位の予算をつけるだの、あるいはまた兆円単位の減税をやるだのと、いろいろな議論が出てきておりますが、これでは、昨年成立した財政構造改革法案とそれに続いて編成された予算編成の苦労といいますか、すべての省庁をマイナス予算にするから厚生省も削ってくれということで、四苦八苦しながらぎりぎり切り詰めた予算を編成した厚生省予算を考えてみますと、仮に補正予算の話が出てきた場合に、では公共事業はいろいろつけますよ、社会保障関係の予算はそのままですよというのだったら、あの予算編成時の、また財政構造改革時の議論と話が違うんじゃないのか。この点は、仮にそういう話が出てきた場合は、財政構造改革の問題と今後の景気対策の問題をどう考えているのかということをしっかりと議論しなければならない。
 同時に、兆円単位が気楽に出てきますけれども、厚生省の予算というのは数十億、数百億円の単位で、みんな四苦八苦して切り詰めているわけです。もしそういうふうに回すお金があるんだったら、これからの社会保障制度を考えると社会保障関係にもっとつける予算があるのではないかというふうに私は考えたいという点から、今、本予算審議中ですからそういう話はするべきじゃないと思いますけれども、仮に補正予算の話が出てきて、すべての省庁マイナスだけれども、ほかはふやして厚生省関係の予算はそのまま継続してくださいというのだったら、これは話が違うし、私は自分の主張をはっきりと展開していかなければならぬなということを言ったわけであります。
○佐々木(洋)分科員 わかりました。
 それでは、日本赤十字社関係について御質問申し上げます。
 御案内のとおり、日本赤十字社、国際的にも国内的にも救護救援活動で大変な活躍をされているわけでございまして、内外から高い評価をいただいております。私からもぜひ感謝申し上げたいというふうに思います。
 救護救援活動以外にも、病院事業あるいは血液事業、看護婦養成事業等々行っておるわけでございますが、いろいろな活動をするための資金、これは国民から見た場合には募金という形になっておるのではないかというふうに思います。あわせて、貴重な浄財といいますか、寄附金等で行われておるというふうに国民は理解しておると思います。
 その募金の方法ですけれども、これは俗に言う、市町村の名のもとに言葉は悪いですけれども半強制的に徴収する、一家庭当たりの金額も一律に定めておる、また集め方も行政組織を通じて集めておるというのが実態だろうと思います。私は、募金活動が悪いということを言っているのではないのです。国民からなかなか見えない、ちょっと不平不満もあるということをよく耳にするのです。
 そこで、この貴重な国民の浄財の使い道といいますか、支出といいますか、そういうものをもう少し国民にわかるようにもっともっと情報公開をすべきだろうと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○炭谷政府委員 先生がただいま御指摘されましたように、日本赤十字社は、貴重な国民の自発的な寄附によって、もしくは社費とも呼んでおりますけれども、そういうものによって成り立っているわけでございます。したがいまして、その使途につきましての情報を公開するということは非常に重要なことだと思います。
 現在の日赤においては、例えば定款では官報に載せるとか、また赤十字新聞に載せるという形で公表されておる、また各支部では広報紙でその状況を公表しているというふうに伺っております。
 しかし、このようなやり方は果たして国民の方々に伝わるかどうかというのは、やはり疑問のところもあるだろうと思います。よりよい公表の仕方について、また国民の目にわかりやすいような広報ということについて、現在日赤の方でも検討されているというふうに伺っております。
○佐々木(洋)分科員 ぜひ国民の皆さんがなるほどとわかるように、ひとつ御検討願いたいと思います。
 るる質問したいと思いますが、日赤の平成八年度の事業状況についてお伺いします。
 まず、平成八年度の募金、寄附金が総額でどのぐらいになっているか、あるいはその募金、寄附金がどのように使われているのか、各事業ごとに教えていただきたいと思います。
○炭谷政府委員 社費、寄附金の総額は、平成八年度で申しますと二百五億円に上っております。
 その充当された社費、寄附金の金額を主な上位から御紹介させていただきますと、救急法等の普及、青少年赤十字・奉仕団の活動などが四十九億円、災害救護・救護看護婦養成事業が二十八億円、地域社会活動が二十七億円、それから赤十字の思想の普及二十一億円、それから国際活動が十一億円などとなっております。
○佐々木(洋)分科員 次に、病院事業あるいは血液事業等々についてお伺いしたいと思うのですが、各事業は施設ごとの独立採算制なのか、あるいは事業ごとのプール制といいますか、そういうふうになっているのか、ちょっとお尋ねいたします。
○炭谷政府委員 現在、日赤の事業の会計につきましては、まず病院につきましては、九十一の医療施設、病院があるわけでございますけれども、これは各病院がそれぞれ独立て行う独立採算制で経営されております。また、看護婦の養成施設を持っているわけでございますけれども、それはそれぞれの病院に付設いたしておりますので、その病院の中で経理がされているという状態でございます。
 血液事業につきましては、七十七カ所の血液センターと一カ所の血漿分画センターで営まれておりますが、これにつきましては、血液事業全体を一つとして特別会計で経営されているわけでございます。
○佐々木(洋)分科員 病院九十一の中で経営状況はどうなっているか、お教え願いたいと思うし、この病院に対して、本社からこういう赤字のところにいろいろ投入されるのかどうか、あわせてお聞きしたいと思います。
○炭谷政府委員 日赤の医療事業につきましては、九十一の病院全体を合わせてみますと黒字になっております。例えば、平成八年度では九十一億円の黒字になっております。しかし、先ほども御紹介いたしましたように各病院が独立採算でやっておりますので、赤字の病院が十六ございます。
 その病院に対しましては、各病院相互の扶助制度といたしまして財政調整資金、これは各病院が毎年の医業収益の千分の一を出資しております。また、病院建物建設資金、これは同様に医業収益の千分の二を出資しているわけでございますけれども、これを用いまして貸付制度を実施し、赤字の病院に援助を行うというやり方をとっております。
 また、赤字の病院で医師、看護婦等の確保が困難な場合、他の日赤病院が人的な協力を行うということも行っているわけでございます。
○佐々木(洋)分科員 今十六の赤字病院があるということで、不採算の病院の中で、例えば公的病院がそこにある、あるいはまた民間病院があるということで、余り必要がないというようなところもあるのではないかと思います。また、大変な田舎に、ほとんど病院がないというところにもあるのではないかと思いますが、そういう場合に、そういういろいろな整理というものも視野に入れながら運営されているのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○炭谷政府委員 日赤においても、現在九十二ありますけれども、その病院によっては統廃合した方がいいというような病院もございます。このようなものにつきましては、機能向上を図る意味から統廃合計画を進めている病院もあると聞いております。
 また、不採算の病院につきましては、これは大体山間僻地にあるという病院が多うございます。したがいまして、これは地元としても残してほしいという要望が非常に強うございますので、単に不採算だからといって統廃合することについて慎重に検討を要すると考えているというふうに伺っております。
    〔萩野主査代理退席、主査着席〕
○佐々木(洋)分科員 次に、日本赤十字社の職員退職規程の中に、これは第八条ですか、特別退職金制度というのですか、功績があった人に対して社長が認めた場合に特別退職金が出るという項目がございますが、この具体的な運用はどうなっているのか。例えば最高限度額を定めているのかどうか、今まで対象になっている人がどのぐらいあるのか、ちょっとお示しください。
○炭谷政府委員 ただいま先生が引用されました支給規程は、常任理事会の議決を経て制定されたものでございますけれども、その中に特別退職金が定められております。
 これは、功績が特に顕著であると社長が認めた病院長等に支給することができる退職金であります。この支給要件は、日赤が、日本赤十字社に長期間勤務し、かつ、病院長等として在職年数が十年以上の者であって、功績顕著な者に対して支給しているものでございます。上限は、平成九年度現在は二百万円となっております。
 ただし、これにつきましては、将来的に廃止する予定であるというふうな方向であると聞いております。
○佐々木(洋)分科員 では、次に移ります。
 今、公務員の官官接待、あるいはまた食糧費問題、旅費の不正支出等々、全国的に大きな問題に一なっております。赤十字社は国民のとうとい募金、寄附金等で、いわば公金というふうに私は理解をしておりますが、公金といいますと、やはり税金と同様に厳正で適正でなければならないというふうに思います。私はそのような執行がされていると信じますが、いろいろうわさが出ておるわけでございます。本社幹部と厚生省との関係とか、本社主催の病院のいろいろな集まりもあるでしょう。こういうのを大変盛大にやっているやの話がございますし、これは各病院がそれぞれ年間会費を出して負担をしておる。公費を出しておると言ってもいいのではないかと思います。
 また、特に病院ですけれども、全国規模の集まりとか、院長あるいは事務局長ですか、そういった会議、ブロック会議、地区会議というふうなことがあるんですが、それもいろいろな話が出ておりまして、その辺のことが非常に国民から、先ほど申し上げました日赤に対する不信といいますか、そういうものが出ておるのではないかと思いますが、その辺はまずどういう認識であられるか、お伺いします。
○炭谷政府委員 ただいま先生が御指摘されました事項につきまして、私ども、日本赤十字社に照会をいたしました。
 それによりますと、平成六年度において、各施設共通の図書一括購入や合同研修の実施をするために一病院当たり一万円から五万円を拠出し、その費用の一部をもって日本赤十字社と厚生省、これは厚生省以外の医療機関も入っているということですけれども、関係団体との立食パーティーを日本赤十字社内の会議室で行ったということが一度あるというふうに報告を受けております。近年ではこのようなことはないということでございます。
 また、後段で御指摘されました、日赤職員による懇親会とか視察等において、例えば会議が終了後に会議と関係のない懇親会とか視察等を行っている、また、懇親会に夫婦で参加するというようなことが慣例になっているという事例等の報告にも接しております。
 この懇親会の費用や夫人の参加費については個人負担となっているというものの、このような事例は公私混同にとられ、また経理上も問題を生ずることになりかねないということで、昨年の十月に業務執行の適正化について日本赤十字社本社より部長通知を出し、各支部長あてに通知しているわけでございます。
○佐々木(洋)分科員 今、昨年から改善をしておるという話でございますが、ブロック会議なんかでは、案内状を見ますと、研修会の御案内でございますが、院長、事務局長会議の御案内ということで、御多用中のところ大変恐縮ですが、ぜひ御夫人同伴の上御臨席を賜りたい、こういう御案内をしていますね。これは平成八年のあるブロックの研究会でございます。
 いろいろ資料がありますけれども、例えば平成八年の日程で、二泊三日ぐらいの研修会がありますが、実際に会議を持ったのはわずか一時間なんですね。あとは観光とゴルフなんです。奥さんについての費用はちょっとわかりませんが、いずれ拠出をしているということで、そういう話があるんですが、二泊三日の日程で一時間の会議。なお、平成七年ですけれども、これは三泊四日、大体五時間の会議を持っていますね。そして、私が大変びっくりしたのは、懇親会は私は別に悪いと言っていないですよ。懇親会が始まります。そうすると、九時五分から二次会になるんですね。それが過ぎまして二十二時四十五分、三次会が始まります。これは調べればわかります、場所はわかっていますから。そして最後、打ち上げの締まりは二十三時三十分ですね。これが研修会ということになりますか。
 これは平成七年でしょうけれども、今、昨年からそういうことで訂正したと言いますが、現実にそういう習慣にずっとなっているんだろうと思うのですね。この辺聞いて、どうですか。
○炭谷政府委員 確かに、今先生御指摘されました事例というのは極めて不適切な事例であろうというふうに私も認識いたします。
 私ども、日赤から取り寄せました資料によりますと、これに似たようなケースも伺っております。したがいまして、先ほども紹介しましたけれども、平成九年十月二十四日に、経費の節減や公私混同、また日赤の精神というものにかんがみて適切な会議や研修のあり方について実施するよう、日赤の総務局総務部長から指示が出ているところでございます。
○佐々木(洋)分科員 ぜひ、国民から後ろ指を指されないようにしっかりと指導していただきたいと思います。
 次に、監査の方法ですけれども、監査は県の出納局が監査をする、あるいはまた本部の監査ということだろうと思うのですが、正確にきちっとやっているという御答弁になるのだろうと思うのですが、これもいろいろな話が今まであります。現実にありますが、それはそれとして、やはり県の監査委員というのは、日赤の支部長は知事ですから、そうなると国民から見た場合にやはりなれ合いという形にならないでしょうか。あるいはまた本部監査といっても、やはりそういう人間関係があるわけですから、そういうことはいろいろな意味でまた疑惑を招くということになりかねないと思うのです。
 ですから、やはり第三者機関といいますか専門家といいますか、そういう学識経験者の中で監査体制を行うようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○炭谷政府委員 日赤の監査の方法でございますけれども、本社につきましては監事三名、これは金融の関係者で日赤とは直接関係のない人によって行われておりますし、また、予備監査と申しまして監事の前に監査を行っておりますが、これは外部の公認会計士に依頼をして監査を行っております。また、内部では専任の職員を置きまして監査を実施いたしているところでございます。
 そして、その結果を代議員会に報告をして承認を得ているところでございますが、問題は、先生が御指摘されました都道府県の支部の監査委員の件ではなかろうかと思っております。監査委員の中には都道府県の職員というような方もまじっている。また、支部によっては、公認会計士を活用してやっているというしっかりしたところも中にはございます。しかし、いずれにせよ監査の体制の強化というものは必要だろうということで、各支部の監査委員について、中立的な学識経験者の活用というような監査体制の強化についても日赤で検討されていると承知いたしております。
○佐々木(洋)分科員 ぜひそういうことで専門家による監査体制をお願いしたいと思います。
 時間も来ましたので、最後になりますけれども、大臣にお伺いしたいと思います。
 今、日本赤十字社は、人道という崇高な使命を帯びてやっているわけでございます。二十一世紀を目指して時代が変化をし、社会のニーズも変化してまいります。活動分野もまた広くなってくるだろうと思うのですね。ですから、今の議論を聞いてどういうふうにお感じになったのか、そしてまた、今後の日赤に対する考え方や期待をひとつ表明いただければありがたいと思います。
○小泉国務大臣 赤十字社は、人道、博愛という精神に基づいて医療活動等多彩な活動をされておると思います。特に各国の赤十字社というのは、たとえ戦争中であっても敵味方なく救護活動をしているということから、多くの国民は赤十字社というものに対して信頼あるいは尊敬の念を持っていると思います。そのような信頼を大事にして、これからも積極的な活動を期待しておりますし、日本の赤十字社においても、今指摘されたような批判があればこれを是正して、今後とも国民の期待に沿うような、医療活動を中心とした、人道、博愛の精神に基づいた活動をしてもらいたい。
 特に、政府から離れているといっても、独立法人ですから、自主性が尊重されるでしょうし、みずからを律する精神といいますか責任、それも強いと思います。そういう自覚を持って、これからも日赤の活動というものはますます重要になってくると思いますので、ぜひとも努力をしていただきまして、多くの国民の信頼をかち得て、活発な活動を展開していただきたいと期待しております。
○佐々木(洋)分科員 以上で質問を終わります。
○石川主査 これにて佐々木洋平君の質疑は終了いたしました。
 次に、池坊保子君。
○池坊分科員 新党平和の池坊保子でございます。
 大臣には、連日お疲れのことと存じます。
 大臣も御存じのように、京都は三万を山に囲まれ、大変景観の美しいところでございますが、このごろは時代の流れによって、北山、東山、西山と、産業廃棄物が放置され景観を損ねているだけでなく、またダイオキシンの問題なども抱えておりますので、きょうは、廃棄物処理についてお伺いしたいと思います。
 第一点は、産業廃棄物の不法投棄等による原状回復措置についての費用分担でございます。
 昨年六月の廃棄物処理法の改正に伴い、産業廃棄物の不法投棄などにより生活環境の保全上支障が生じ、または生じるおそれがある場合について、法第十九条の五において、支障の除去等都道府県知事などによる原状回復措置に係る手続が簡素化され、迅速な対応ができることは、私たち住民にとっては大変喜ばしいことであると存じます。
 今まで現実には行政代執行により原状回復措置を実施しても、全国には原状回復措置を講ずべき事例がたくさんございまして、また、今後もそういうような事態が発生するおそれがたくさん予想されます。その場合に最大のネックとなるのが、回復措置による費用回収の問題ではないかと存じます。
 改正法の規定では、投棄者が不明な場合や、投棄者が判明している場合でも資力不足の場合などについては、国の補助と産業界の出捐により基金が設けられ、都道府県に対し資金の協力を行うことにより、これが実質的に費用を補てんするということになっております。産業廃棄物適正処理推進センターの設置でございまして、これはことしの六月から施行されるということでございますけれども、その見通しについてお伺いしたいと存じます。
○小野(昭)政府委員 先生御指摘の不法投棄の多発という問題につきましては、大変廃棄物処理に対します国民の信頼を損なっておりますし、また不信感のもとであるというふうに考えております。
 不法投棄の横行につきましては、その大きな要因の一つとしまして罰則が甘いということが指摘をされておりまして、いわゆる捨て得が生じるということが指摘をされていたわけでございます。御指摘の廃棄物処理法の改正におきましては、産業廃棄物の不法投棄に対します罰則を、三年以下の懲役または一千万円以下の罰金、さらに法人の場合には最高一億円まで罰金を加重できるというふうに大幅な罰則の改正を行ったところでございます。
 また、産業廃棄物管理票制度をすべての産業廃棄物に拡充をいたしまして、排出事業者が委託をした廃棄物の処理が確実に行われましたことをその排出事業者が確認するよう義務づけたところでございます。また、産業廃棄物管理票を交付しなかった場合につきましては、その産業廃棄物によりまして生活環境の保全上支障が生じた場合には、その排出事業者に原状回復の責任を負わせるということとしたわけでございます。
 そういう幾つかの措置を講じているわけでございますけれども、今御指摘のございました、なお投棄者不明あるいは資力不足という不法投棄が発生することが考えられるわけでございますので、原因者の負担で迅速に原状回復がなされますように、代執行法の特例というものを設けております。
 また、投棄者が不明なもの等の原状回復に要する費用につきましては、産業界に対しましても資金の拠出を求める仕組みを設けまして、国もこれに一定の補助をするということとしているところでございます。
○池坊分科員 罰則が甘いということが今まで言われておりまして、今度きつくなるということでございますけれども、これは行政側が告発いたしましても現実に警察が動いてくれなくては何にもならないので、逮捕し、起訴し、実刑判決が出ないと、このまま不法処理者が減るということはないと思います。
 厚生省は、じゃ警察に対してそのような積極的な働きかけをなさるのかどうか、ちょっと伺いたいと存じます。
○小野(昭)政府委員 警察との密接な協力によりますこういった不法事案への対処ということにつきましては、改正法の御審議の過程でもいろいろ御意見がございましたし、御指摘もございました。
 従来から、都道府県の廃棄物の所管部局と都道府県警察で協議会を設置いたしまして、連携の強化を図るように指導をしてきたところでございます。
 現在、すべての都道府県におきまして不法処理防止のための連絡協議会が設置されております。したがいまして、この連絡協議会が警察と共同いたしまして、不適正処理防止のための各種の施策の連携を図っているところでございます。
 また、都道府県におきましては、警察からの出向者を廃棄物担当部局に配属をいたしまして、立入検査等の監視指導に当たらせる等の取り組みの強化を行っておりますが、今後とも、より一層このような取り組みを強化いたしまして、警察との連携というものを密にしながら対処してまいりたいと考えております。
○池坊分科員 せっかく刑罰が重くなったのですから、警察にもどんどん摘発を実行していただきたいと思います。
 それと、さっきお話しいたしました産業廃棄物適正処理センターの設置はどのようになっているのでございましょうか。
○小野(昭)政府委員 先ほど御説明申し上げましたが、産業廃棄物の不法投棄が発生をいたしまして、投棄者が不明あるいは投棄者の資力不足というふうな事案が生じました場合に、その原状の回復を円滑かつ迅速に行いますために、昨年の廃棄物処理法改正におきまして、今先生御指摘のございました廃棄物適正処理推進センターを指定する制度が設けられたところでございます。この適正処理推進センターといいますのは、産業界からの資金の拠出を受ける基金を設けまして、原状回復措置を行う都道府県に対しまして資金の出捐等の事業を行うものでございまして、これを厚生大臣の指定法人として法律上位置づけることによりまして、原状回復制度の適正かつ円滑な実施を図ることとしたものでございます。
 現在のところ、産業界ともいろいろお話を進めておりまして御理解もいただいておりますが、その円滑な実施に向けまして最後の努力をいたしているところでございます。
○池坊分科員 六月から施行ということでございますので、具体的にどのようになっているかというのをちょっと伺いたいと思いました。どれほどの規模になさるのか、それから出捐金は今どれぐらい集まっているのかを聞かせていただきたいと思います。
○小野(昭)政府委員 六月の施行を目指して今申しましたように最後の調整をいたしておりますが、国といたしましては、全体の事業費、これはいろいろ推計はございますけれども、廃棄物処理法の改正で不法投棄自体も少し減るものとは考えておりますけれども、約四分の一の一億円程度というものを考えているところでございます。
○池坊分科員 不法投棄が減るということは絶対にあり得ないと思いますことと、それから一億円なんかというのは、これは何にもできないと思います。
 今まで放置されておりましてもできないというのは、一点は民間の土地に置いてあるところに対しては行政はタッチすることができないということ、もう一つは、行政がごみを撤去したいと思っても、現実にはすごく莫大なお金がかかるから撤去できないというのが現状でございました。六月からはそれを補てんしてくれるのだということで、私たち住民もそれじゃ早くあのごみを撤去してほしいと待っているわけですけれども、一億円といったら、四十七都道府県に分けましたら本当に財団の人件費で終わってしまうのではないかと思います。
 例えば京都なんかでも、経団連は賛成しているけれども、中小企業の廃棄物業者は、自分たちは良質であるのにそんな悪質な業者のしりぬぐいまではできない、だからそれに対して出捐金を出すのはちょっと困ると消極的だというふうに聞いております。
 私は、もしおつくりになるならば三百億ぐらいなかったら、それこそ一千億あったって足りないぐらいじゃないかと思うのですけれども、その見通しは大変に甘いのではないかと思います。
 大臣はいかがお考えでいらっしゃいますか。
○小野(昭)政府委員 生活環境保全上の支障の除去措置に要します費用について、直近のデータをもとにいたしますと、投棄者不明あるいは資力不足というものによりますものの回復におよそ十四億円程度要すると考えております。そのうち、いわゆるマニフェスト制度による、これは産業廃棄物管理票でございますから排出事業者も中間処理の事業者も全部わかりますので特定しやすいということで、それらをいろいろな事案から推計いたしますと約二億円強それによって対処できる。あるいは原状回復措置によりまして県が厳しい対応をとることが可能になりましたので、そういったものによります減の約四億円強等々を差し引きますと、新制度が活用される投棄者不明の資金不足の事案に要します費用というのは、現在のところ年間約七億円ぐらいというふうに推計をいたしておりますので、産業界の支出あるいは自治体からの支出、あるいは国からの補助というもので対応できるというふうに私どもとしては考えているところでございます。
○小泉国務大臣 一億円じゃ少ないというのは、それはそうですね。できるだけ多く資金が拠出されるようなことをこれからも考えていかなければならないと思っております。
○池坊分科員 せっかく法改正になりまして、六月から施行されるということを国民は願っておりますので、これは基金がなければできないのですから、ぜひともそれに向けて努力していただきたいと思います。
 二番目に、廃棄物減量化施策の推進について伺いたいと思います。
 廃棄物の減量化施策の推進は廃棄物行政の根幹的な事業として、排出事業所等に対する指導を進めていらっしゃると思いますけれども、平成九年十二月に施行された法改正において、廃棄物焼却炉の構造基準などに対する規制、いわゆるダイオキシン対策が強化されることに伴い、今後新規焼却炉の設置は非常に厳しく、また既存施設においても改造の難しい炉の廃止が相次ぐことが予想されると思います。また、従来の廃棄物の焼却による減量化から、無処理埋立処分への移行分の増加が予想されるなど、廃棄物の減量化対策をとる上で非常に厳しい状況になっていくのではないかと思います。
 このため、国において今後の廃棄物減量化に対する基本方針となる指導者指針、焼却にかわる具体的な代替処理法やリサイクル手法が示されないと、実際の現場では混乱を招いていくのではないかと思いますけれども、今後どのように指導なさっていくおつもりか、お聞かせ願いたいと思います。
○小野(昭)政府委員 ごみの減量化あるいはリサイクルというのは大変重要な課題でございまして、従来よりそういったことで計画的な対応というものをお願いしてきたわけでございますが、御承知のように、既に容器包装リサイクル法というのが施行されておりまして、PETボトルにつきましては、家庭から出ましたPETボトルはリサイクルに回っておりまして、埋立処分に行かないというふうな方向に動きっっございますし、それからそのほかに、例えば生ごみの厨芥、特に家庭から出る厨芥につきましては、例えばコンポストという堆肥にするような方法、これは従前からあるわけでございますが、そういった方法の採用によりまして、焼却によらない処理ができるわけでございます。
 それから、最近の処理技術といたしましては、ごみの固形燃料化、固めて燃料化いたしまして、それをどこか非常に設備の整った大きな焼却場で焼却をして、熱利用するというふうな方法も出てきております。
 そういったことで、リサイクルの推進、あるいはごみの減量化、適正処理ということを推進したいと思っておりますし、現在、今国会におきましては、特に廃家電につきまして、製造事業者みずからによりますリサイクルの促進を図る仕組みにつきましての法律をお願いいたしておりますので、これら可能な限りのリサイクル、減量施策の推進ということを図ってまいりたいと考えております。
○池坊分科員 ダイオキシン問題等々で廃棄物の減量化施策というのはこれからもぜひ推し進めていただきたいと思います。その場合に、現地に対してのやはりきめ細やかな指導というのがないと、すぐに施策が出されましても下の方では戸惑ってしまうというのが現状ではないかと思いますので、今後ともその指導をきちんとやっていただきたいと思います。
 次に、PCB廃棄物処理の推進について伺いたいと思います。
 現在保管中となっているPCB使用機器は、特別管理産業廃棄物として機器設置者により保管管理されておりますけれども、倒産などにより所在不明となるものが今後も相当数生じるものと予想されております。今回の法改正では、PCB処理施設に係る基準の見直しがなされたところですけれども、施設の設置は民間あるいは自治体レベルでは到底設置できる状況ではございません。厚生省は、これに対して何らかの措置をなさるおつもりであるかをお聞かせ願いたいと思います。
 中小の廃棄物業者はこのPCBを保管していてもどう処理していいかわからないのです。私が提案いたしたいのは、PCBの団地をつくりまして、公の機関でそのPCBを一カ所に集める。これはトラックに載せても大丈夫でございますから、そこで処理していただけたならば中小企業の事業主の負担が大変軽くなるし、PCBの処理もできるのではないかというふうに考えておりますけれども、厚生省の御方針を伺いたいと思っております。
○小野(昭)政府委員 昨年の十二月に廃棄物処理法の施行令を改正いたしまして、廃PCBの処理方法といたしまして、従来の高温焼却によります方法に加えまして、化学的に分解する方法を定めまして、本年六月から施行することとしたところでございます。
 高温焼却による方法は既に大分前に実際には行われていたわけでございますが、今先生御指摘の、他の事業者の持っている廃PCBまで処理をするということにつきましては、さまざまな反対といいますか御意見があって、なかなかうまく進まなかったというふうなことがあるやに聞いております。
 化学的に処理するプラントにつきましては、大手のかなり大きな会社がそれを設置をしている、あるいは現在準備しているかしていないか、ちょっとそこの情報は今持っておりませんが、その方向で整備をするというふうに聞いておりますので、今後は、中小企業者の持っておられます廃PCB等につきましてもその事業者に処理を委託するという道ができるわけでございますので、そういった方法で廃PCB処理を進めていく方法を現在検討しているところでございます。
○池坊分科員 私が調べたところによりますと、電力会社がこのPCBの処理をするというようなことも聞いておりますので、ぜひそういう方向に、だれがどのような形で処理するかというのをきちんと整備していただきたいと思います。
 次に、産業廃棄物処理施設設置に係る環境影響評価について伺いたいと思います。
 環境影響評価を行うことにより不良な施設の排除がされることは、今後の産業廃棄物行政にとって極めて重要なことと考えられますけれども、評価が形式的なものであれば目的をなかなか達することはできないと思います。また、詳細な調査の実施は事業者にとって大きな負担となることは否めなく、優秀な施設の設置についても阻害されるということになりかねないと存じます。
 事業主が円滑な環境評価が行われるよう、手法や既存データの活用、提供について厚生省でマニュアル化してほしいという意見がございますが、それについては今後、何か措置をおとりになるおつもりがあるかどうかをお聞かせ願いたいと思います。
○小野(昭)政府委員 今回の法改正におきまして、施設の設置に当たりまして設置者に生活環境影響調査の実施を義務づけたわけでございますが、この中身につきましては、環境アセス法がございますが、そういったものも参考にいたしまして、それとほぼ同様の中身というふうになっております。
 それからなお、事業者が行いました環境アセスの結果につきましては、施設の設置の申請書等とあわせまして都道府県知事に提出されるわけでございます。この提出をされました申請書それから環境アセスに関します報告書につきましては、公告縦覧をいたしまして、関係住民あるいは関係市町村長の意見を徴するということになっておりますが、それらの意見も踏まえました上で、都道府県に設置をされます専門家の会合による御検討というものを踏まえた上で都道府県知事が認可をするということになるわけでございますので、従来よりもそういった環境に対します影響についてきっちりした対応がとれるものと考えております。
 なお、今先生御指摘のございました、マニュアルのようなものを出してほしいという御意見につきましては、私どもも今その方向で検討をいたしております。
○池坊分科員 現場では、イメージはわかっているけれども、具体的にどういうふうにしたらいいのかというのが示されないとなかなかわかりづらいと思いますので、ぜひこれは早急にマニュアル化していただきたいと思います。
 それと、きょうの朝日新聞に、埼玉県では産廃処理業者が全額出資する埼玉県野生生物保護協会が財団法人の認可を申請しているというふうに載っております。それで、協会の事業内容の中に環境調査が含まれるかもしれないという懸念が今あるということでございます。
 環境調査と環境影響評価というのは違いますけれども、この環境調査がもっと具体的になると環境影響評価になっていくのだと思います。その場合に、産業廃棄物業者が出資する法人が環境評価をするというのはちょっとおかしいのじゃないかというふうに思いますけれども、それは御承知でしょうか。
○小野(昭)政府委員 私、その中身をよく承知をいたしておりませんので、どのような内容なのか承知をいたしておりませんのでちょっとコメントしかねますが、環境影響調査と環境調査は若干違うのではないのかなと、今先生の御指摘をお聞きしながらそう思ったわけでございますけれども。いずれにいたしましても、事業者が行う環境影響調査というのは、これは事業者みずから、あるいはどなたかにきちんと依頼をして行われるわけでございますが、要は、中身が私どもがお示しした内容を十分に充足しているのかどうか、そこが問われるわけでございます。私どもといたしましては、それ自体が適正に行われたものでなければ意味がないわけでございますので、そういった条件が担保されますように、今御指摘にもございましたマニュアルのようなものも含めまして、円滑にいくように都道府県を指導してまいりたいと考えております。
○池坊分科員 環境影響評価というのは一体だれがなさるのですか。それは厚生省がなさるのですか。
○小野(昭)政府委員 施設の設置を予定している事業者、ですから、これから産業廃棄物の焼却施設をつくりたい、あるいは最終処分場をつくりたいというその事業者の方にやっていただくということでございます。
○池坊分科員 そうすると、みずからが決めるということになるのですか。そうするとこの環境調査と余り変わらないのではないかと思うのです。これはやはり、環境影響評価というのは厚生省が事業者を評価するのでないと公正な評価というのはできない、できかねると思いますけれども、いかがでしょうか。
○小野(昭)政府委員 私、再々申し上げておりますように、詳細な内容を知りませんので断定することはできませんが、一般に環境調査といった場合には、通常よく使われますのは現在の環境が適切かどうか、今ある環境、これが適切かどうかを調査するというふうに普通は使われるということを御説明したわけで、環境影響調査というのは、今何もないところへこの施設をつくったらどういう環境への影響が起こるだろうか起こらないだろうか、それを評価するものでございますので若干ニュアンスが違うのではないかというお答えをしたつもりでございます。
○池坊分科員 じゃ、今後つくられる財団でございますので、それがどのような内容かということをしっかりと把握していただきたいと思います。
 次に、廃棄物処理センターについてちょっと伺いたいと思います。
 平成三年の法律改正でつくられたこの制度は、産業廃棄物の処理施設に係る信頼性確保の観点から有効なものだと思いますけれども、現在、財団法人設立は四十七の都道府県の中で八自治体、事業化にこぎつけたのは愛媛と岩手だけでございます。どうしてかというと、その信頼性の確保の前段階である地元の調整などが難航しているというのが実情でございます。だれでも、処理センターは必要だけれども、自分のところにはそれはつくってほしくないというのがみんなの思いでございますので、なかなか処理センターができづらい。それから、処理センターができても、その灰を埋めるのも住民は反対だというのが現状でございます。
 例えば私の住んでおります京都市を見ますと、内陸に位置しておりますので、民間主導での大規模な処理場などの設置は困難であると思います。それからまた、循環型社会システム構築のためのリサイクル関連施設の設置などの観点から、今後、廃棄物処理センターができたらいいなというふうには思うのですけれども、この廃棄物処理センターというのはどちらにしてもお金がすごくかかります。これはもう何百億というものでございますので、厚生省がバックアップしていただかないと、都道府県にこれをつくるようにと言ってもなかなかできないのが現状ではないかと思います。
 この廃棄物処理センターに対して、厚生省はどの程度の手助けをしていただけるのかを伺いたいと思います。
○小野(昭)政府委員 確かに、御指摘のように廃棄物処理センター、計画中のところがございますけれども、まだなかなか稼働していないという状況にございます。
 今、厚生省として廃棄物処理センターに対してどのような援助を行っているかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、廃棄物処理センターの行います事業に対しまして、環境影響調査等に要する費用、それから、施設整備費用のうち公共活動によって生じる産業廃棄物の処理に係る部分の補助を行っているところでございまして、今後とも、都道府県の実情を十分お聞きしながら、この設置促進のための措置を図ってまいりたいと考えております。
○池坊分科員 最後に、大臣にお伺いしたいのですけれども、産業廃棄物それから普通の廃棄物、これから減るということはない、もうどんどんこの豊穣の時代にふえていくのではないかというふうに思っております。これは、厚生省が率先して、日常生活の中から廃棄物を出さないという運動を国民運動として広げることがまず先決ではないかと思っております。
 まず包装紙をやめる。デパートで、包装紙、あれも、包みまして、それは何のために包むのかといったら、うちに帰ってきてすぐ捨ててしまうわけですね。それはごみになっていく。本当に、ごみのためにただ包むのではないかというふうな感じが私はいたしております。
 それから、例えば本を一冊買いますと、必ず本に対してカバーをいたします。本というのは、せっかくきれいな表紙、このごろすごく手が込んでおりまして、表紙にあんなお金をかけるならば、私は本が好きでございますから、少しでも安くしてほしいなと思うのですけれども、表紙にお金がかかっている。にもかかわらず、本屋さんに行きますと、それを売るときにまた表紙をつけて売っている。もう二重構造の、包装紙包装紙時代をまずやめるべきではないか。
 それから、家庭の、自分の家のごみは自分で処理するということから始めないと、これは解決できないのではないかと思っております。
 これは、地域と、それから工場と事業主と、二本立ての国民運動というのが必要ではないかと思っておりますけれども、大臣はどのようにお考えでございましょうか。
○小泉国務大臣 御指摘のとおりで、この廃棄物の問題は、我々の今までの生活習慣といいますか生活態度を改めないと、なかなか根本的には解決しない。循環型社会の構築といいますけれども、大量消費、大量廃棄の時代から、できるだけごみを少なくしていこう、そしてなおかつ、ごみを出した場合にも、どのように適切に処理するかということを考えてやらなければいかぬ。
 また、科学技術の進歩もあります。今までは全く利用できない、ごみとして扱われていたものが、今後は、科学技術の進歩によって、場合によっては再生利用される可能性もある。その処理の仕方についても、科学技術の恩恵に浴するような処理の方法も出てくることを勉強しなければいけない。
 いろいろな問題があると思いますが、お互いが、できるだけごみを少なくしていこう、節約していこう、そして循環型の社会をつくっていこうという、そういう意識を、行政も、社会も、企業も、家庭も、個人も持つことが大事ではないか。お互いが真剣に取り組んでいきたいと思っております。
○池坊分科員 大臣は、いつも大変にすばらしい主張をなさって、それを実行していらっしゃいますので、私は、一政治家というより一国民としていつも声援を送っておりますので、この廃棄物処理についても勇敢な決断と実行をしていただきたく、それを望んで、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○石川主査 これにて池坊保子君の質疑は終了いたしました。
 次に、平野博文君。
○平野分科員 民友連の平野博文でございます。
 きょうは、三十分という限られた時間でございますので、二点に絞って御質問をさせていただきたいと思います。まず一つは、公的臍帯血バンクの件に関してでございます。いま一つは、環境の問題で大変にぎわしておりますダイオキシンの対策について、この二点に絞って御質問をしたいと思います。
 まず冒頭、私も大変小泉大臣を尊敬をしておりまして、私、大阪で関西でございますが、あるところに行きますと必ず、小泉大臣に頑張ってくれと、自民党とは言わないんですよ、小泉大臣に頑張ってもらいたい、こういうことを一生懸命言う私の大先輩がおりまして、私も、小泉大臣に質問できますことを非常にうれしく思っております。
 それでは、まず臍帯血の公的バンクということでございますが、昨今、私の事務所にも、女性の方がボランティアの活動をしておりまして、白血病や再生不良性貧血などの治療に非常に大きな効果、力を発揮しております臍帯血移植が広く患者さんに、これは民間の病院かどうかはわかりませんが、やっておられまして、非常によく効くよ、こういうことで、何とか公的なバンクとしてつくってもらえないだろうか、こういう要請がよく私どもの手元に参ります。
 そこで、民間バンクも既に活動として進んでおりますが、厚生省としては、この臍帯血移植、さらにはこの公的バンクを含めて、現状をどのように理解をし、どのように把握されておるか、この点について聞かせていただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 まず、公的バンクはまだ現在日本にはございません。そういうことで、国民の皆さん方から公的バンクヘの要請が我々に寄せられているというのが現状でございます。
 それで、平成九年度に厚生科学研究班でもって調査をしていただきました。昨年の十月時点におきまして、地域にあります臍帯血バンクは九つございます。そこに保存をされています臍帯血は、数十の段階から四百件程度まで持っていらっしゃる。これはばらばらの大きさのものがあるということで、我が国全体では、千五百件以上の臍帯血が保存をされておるところであります。
 なお、これらの臍帯血バンクを介した臍帯血移植の例数というのは、その九つのバンク以外というのですか、バンクができる前に使われたか、その辺がよくわからないので、実際臍帯血バンクを通して何件臍帯血移植が行われたかははっきりしないのでありますけれども、では臍帯血移植そのものが我が国で何件行われたかといいますと、三十二例ある、こういうことでございます。
○平野分科員 今、日本にはない、こういうことでございますが、海外ではあるのでございましょうか。
○小林(秀)政府委員 海外でも公的なものはないと承知をいたしております。ただ、各大学ベースとか、または地域だけで限られたものがある、そのように承知しています。
○平野分科員 私の聞いておりますところでは、アメリカにはある、こういうふうに聞いておりますが、間違いございませんか。
○小林(秀)政府委員 公的という意味が、いろいろとり方がありますので、我々は公立がきちっと全国レベルでやっているというのを考えていまして、そういうものがないという意味です。地域レベルとかそういうのは、ちょっとそこまではわかりかねるような状態でございます。
○平野分科員 では、アメリカの今やられている状況は、どういう組織でやられているか、わかれば教えていただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 申しわけございません、そこまでは今の段階ではわかりません。
○平野分科員 そうしますと、今、白血病とか再生不良性貧血については、一方では骨髄バンクというのがございますね。これは、私もボランティアでその部分をいろいろ聞きました。ところが、骨髄を提供する人にも相当痛みを伴うものでございまして、そういう部分も今あるわけでありますが、この部分については痛みとかそういうことがないわけでありますから、ぜひとも効果を含めて――現在厚生省としては、この臍帯血のそういう病的な部分に対する効果を認めていないのかどうか、お聞きしたいと思います。
○小林(秀)政府委員 現在厚生省では、昨年の十二月二十四日に専門家会議を起こしまして、そこでディスカッションが始まりまして、一番最初に議題にかかったことは、今先生の御指摘の、この臍帯血移植が医療として効果があるのかどうかということが最初に議論をされました。そこで出た結論は、医学的には効果があるというお答えになっておるところでございます。
○平野分科員 今御答弁いただきましたけれども、もし医学的に効果がある、こういうことであれば、何とぞもっと前向きに、この臍帯血のあり方について公的な、オフィシャルな部分とすると。ややうがった見方をしますと、公的な部分にしてしまうと、まだ安全性とかそういう部分が確立されていないからどうしても逃げの姿勢に入っているのではないかと私は危惧するわけでありますが、その点については小泉大臣、いや、逃げていない、前向きに考えている、こういうことなのか。大臣、御見解をお聞きしたいと思います。
○小泉国務大臣 この臍帯血移植医療については、私は、これは大変いいことだな、今まで捨てられたものが有効に利用される、積極的に活用を図るべきだ、できるだけの支援を行うべきだという方向で今検討しているわけであります。
○平野分科員 であるならば、やはり事務方を含めてもっと前向きに議論を加速をしていただきたい、このように思います。何とぞ大臣、長く厚生大臣をやっていただきたい、このように思うわけでございます。
 それでは、臍帯血移植についての医療保険の適用は、中医協の答申では四月一日より施行される、このように聞いております。したがって、ここまで進んできた臍帯血の治療という制度から見ますと、きちっと血液事業法に基づいた制度に組み込んでいくべきではないか、このように思いますが、いかがなものでしょうか。
○中西政府委員 今、血液事業法はございませんで、そういった法律についてはいろいろ検討しておる最中でございます。
 ただ、血液製剤というのは、現在約六百万人の人々から献血をいただきまして、極めて多数の患者さんが使うという医薬品でございます。医薬品でございますから、薬事法でも非常に厳しい衛生規制といいますか、そういったものがかかっておりまして、これと今まだ極めて実績が少ない臍帯血と今の段階で同列に扱うことはなかなか私は難しい面が多いのだろうと。いずれにしろ、何らかの規制が必要だといたしましても、それは臍帯血移植の性格あるいは特性を十分踏まえたものでなければならないだろうというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、今厚生省におきまして、臍帯血移植検討会というものを設けまして、ここでいろいろ御議論いただいておりますので、その結果を踏まえて適切に対応していきたい、かように考えております。
○平野分科員 じゃ、この検討会がいつまで続くのか。検討しておりますからその検討会の結果を待ってという言葉は、ずっと塩漬けにされる可能性だってあるわけであります。したがって、多少、今言われたように難しい問題、慎重にしなければならない、このことはよくわかりますが、やはり仕事というのは計画性を持って、この間までにはやはりやり遂げていくという努力とかこういうものが必要だと思いますので、大体めどとしていつごろまでにこの検討会を終えて結論を出そらとしているのか、あれば聞かせていただきたいと思います。
○小林(秀)政府委員 この検討会は昨年の暮れから始まっておりまして、現在もう三回ぐらい議論をしたところであります。
 先ほど言いましたように、最初には、これが医学的に評価できるのかどうか、そこは済みました。
 まだ問題になるのは、二つ目に出てきましたのは、今の血液事業法にも関連をいたしますけれども、これは血液と言えることなのか、また臓器移植なのかというところで、実は学者の先生方も、ううんと言っていろいろ議論が出ているというのが現状であります。
 それから今度は、生まれた胎盤から採血をするのですが、そこの技術的な問題はもう一つ分科会をつくってそこで検討していますから、これはいずれ詰まると思います。
 もう一つ難しいのは、その実施体制をどうするのかというところが実は大変難しいわけであります。
 そういうことで、いろいろ課題はまだ残っておりますが、一応現在の段階では、五月下旬をめどに何とかまとめたいと今我々としては努力をしているというところであります。ただ、さっき言いましたようにまだ問題点が残っておりまして、そこが議論が集約できるかどうかというのはまだわからないところもあるということは御理解いただきたいと思います。
○平野分科員 ぜひ大臣の先ほどの御答弁がありましたように前向きにとらまえていただきまして、やはり計画性のもとに進めていってもらいたい。非常にいいことだという大臣の答えですから、何とぞいつまでにと……。よく民間でいきますと、いつまでに仕上げないとボーナスの査定が落ちるのですよ。官僚の場合は落ちないでしょう。民間は落ちるのですから、やはりそういう計画性のもとに効果を出していただきたい、このことを申し上げまして、次に移りたいと思います。
 二点目は、廃棄物の焼却によるダイオキシンの発生についてでありますが、人体に甚大な影響をもたらす、こういうことから、緊急課題であると私は認識しております。厚生省でもさまざまな調査と対策を進めていっていただいていると私は理解をしておりますが、まず、ダイオキシンというのは大体どういうところから起こってきたのか、あるいは影響が出るというふうになっているのか、このことについてお聞きをしたいと思います。
○小野(昭)政府委員 まずは、世界的に問題になりましたのは、いわゆるベトナム戦争におきましてアメリカ軍が枯れ葉剤をまいたわけでありますが、その中にダイオキシンが含まれていたということと、それから奇形の赤ちゃんが多く出たというふうなことが世界の耳目を集めたというふうに認識をいたしております。このほかに、例えばイタリアのセベソというところで工場の大爆発が起きて、労働者の方が暴露したというふうなこと等がございます。
 最近の問題は、今私が挙げましたような高濃度大量暴露というのではなくて、むしろ低濃度長期間、低濃度といいますか微量でございますが、非常に微量なものの長期間暴露というのが人間の体に何か影響を与えるのではないかということから、非常に対策をきちんとしなければいけないということがありまして、特に我が国の場合は、我が国で排出されておりますダイオキシンの約八割から九割は廃棄物の焼却施設から排出されているという推計がございますので、ごみ処理を適正に進めることとダイオキシンの濃度をできるだけ減らすこと、それからそれの健康への影響をどう防ぐかというようなこと等が今現在の主要な大きな問題というふうに認識をしております。
○平野分科員 今御説明があったとおりであります。一九六二年からのベトナムの枯れ葉剤からこの問題が出てきたと私も思いますし、日本では、一九八三年、もう十五年ほど前から、焼却炉の中からそういう問題が出てきております。
 ダイオキシン等専門家会議というのは、これは厚生省の検討委員会か組織ですね。
○小野(昭)政府委員 御指摘のとおりでございます。
○平野分科員 そのときに、指針の数字が〇・一ナノグラム・パー・キログラム・ワンデー、こういう数字になっているんです。これはもう一九八三年、このときに〇・一ナノですよ、こういうことを言っているわけですね。これについては正しいですか。
○小野(昭)政府委員 評価指針をそのようにするという報告をいただいていることは、御指摘のとおりでございます。
○平野分科員 そうしますと、一九八三年にもう〇・一ナノですよ、こういう数字が出ているのですが、ここでお聞きします。
 昨年来、ごみの焼却炉施設の排ガス中のダイオキシン濃度の調査の全体の結果は、大体どういうふうになっておりますか。
○小野(昭)政府委員 平成八年七月に、全国の市町村に対しまして、ごみ焼却施設からのダイオキシン類の排出濃度を調査するよう指示をいたしました。昨年の十月に、測定結果について公表したところでございます。
 その結果についてでございますが、報告のございました千五百四十九施設のうち、緊急に対策を講じる必要がある基準といたしまして定めました八十ナノグラムを超えた施設は百七施設ございました。実態はそういうことでございます。
○平野分科員 そうしますと、十五年前に〇・一ナノを決めておる数字と今の八十ナノとかそういう数字の乖離というのは、どのように厚生省としては認識しているんですか。
○小野(昭)政府委員 一九八四年の、先生おっしゃいましたいわゆる百ピコグラムというのは、これはキログラム・パー・デーでございまして、一日当たりの摂取量でございます。
 この八十ナノといいますのは、廃棄物処理施設の煙突から排ガスが出てまいりまして、それが拡散をいたします。拡散をいたしましたものが空気から直接、これは非常に量が少のうございます、水から、それから食品を介して入ってくるというふうなことを全体として評価をしますと、やはり世界的な動向も含めますと十ピコ。ですから、当時の百ピコではなくて十ピコのレベルであれば、一生にわたって摂取し続けても大きな影響を及ぼさないだろうというのが、これは別の専門家会議の直近の結論でございますので、これをもとにいたしまして、拡散係数でございますとか、いろいろな倍率を掛けまして、さらに安全度を掛けますと八十ナノ。それでこの十ピコに行かないようにできるだろうという、これも専門家の御指摘を踏まえて数字を出したところでございます。
○平野分科員 二つ問題があります。
 一つは、先ほど言いましたように一キロ当たりワンデー〇・一ナノグラム、こういう摂取量の単位をここで基準として指針で出している。今、焼却しますと、大気に出ている部分と、ダイオキシンが燃やした後の灰の中にたまっている部分とあるわけですね。御案内のとおり、ダイオキシンというのは一たんでき上がりますと非常に安定性の高い物質でございますし、極めて安定性が高いということは残留性が高い、こういう物質でございます。
 そういう意味からしますと、環境の問題、あるいは大気の問題、あるいは焼却した後の焼却灰というんでしょうか、灰の処理の問題、さらには焼却施設の中に従事をしておる人が、一日じゅうそこに従事しておりますと、人体に対する影響というのは、一般的に言いますと、摂取する量というのは通常の約二百倍と言われるんです。そういう視点から見ますと、この数字というのは、現場で焼却場に働いている人というのは多大なるダイオキシンを体に浴びている、このように私は思いますが、現状、どのように理解をされておりますでしょうか。
○小野(昭)政府委員 縦割りのおしかりを受けるのかもしれませんが、実際にその職場で働いておられます労働者の方がどのぐらい暴露を受け、あるいはどういうふうな状況にあるかというのは、直接的にはこれは労働省等他の省庁の所管される事項でございます。
 しかしながら、私ども問題意識を持っていないということではございませんで、ただいま、環境庁でもいろいろ研究をされておられます、労働省でもいろいろ研究をされておられます、私どももやっております。そういった関係省庁の研究者に、縦割りではなくて、一堂に集まっていただきましていろいろディスカッションをする会というのをつくっておりまして、そこでは、そういうふうなことも問題であるという問題意識は各先生方持っておられます。
 ただ、労働者の場合の体への入り方と一般住民の入り方というのはかなり異なりますので、そこのところが、どういう経路を通っていてどの程度暴露されるのかという点については、これは研究の大きなテーマの一つとして私ども取り上げておりまして、今いろいろな方法で研究を進めていただいているところでございます。
○平野分科員 そこで、ぜひお願いでございますが、ダイオキシンも種類がたくさんございます。
 したがって、私、地元で焼却場がありますからずっと回るんですが、これは何種類ぐらいあるかと申し上げますと、塩素系の集合体ですから相当たくさんでき上がるわけでございます。それを検出する測定装置がなかなかないものですから、現実にわかっていない。これが今の素直な実態だろうというふうに私思うのですね。
 そこで、これは労働省の問題であるとか環境庁の問題であるとか、これは厚生省の問題であるとか、こういうことでなくて、やはりダイオキシン対策については何とかしなければならない、こういう視点でいきますと、大気汚染についてはどうあるべきか、あるいは焼却灰の部分についてはどうあるべきか、自分が出したものでもないのにそれに一生懸命従事してもらっている作業者に対する、何というんでしょうか、ダイオキシンで受ける影響というものをきちっと測定する、あるいはそういうことを検出でき得る装置をやはり厚生省が中心になってやってもらうべきだと私は思いますが、何とぞその点については、省庁縦割りでなくて、やはり総合的にやっていただきたい、このように要望だけを申し上げておきます。
 また、この間、ダイオキシンの焼却炉の対策について閣議決定がされて、五十数億円の特別交付金を出す、こういうふうにお聞きしましたが、これは全国の自治体にお出しになるんですか。それについてお聞きしたいと思います。
○小野(昭)政府委員 新聞報道されましたのは、これは特別地方交付税のことではないかと思います。自治省の所管でございまして、ちょっと私は詳細は存じ上げておりません。
○平野分科員 それは申しわけない。
 私、今新聞報道から言いましたが、それは非常に結構なことだと思っておりますし、もっともっとこのダイオキシンの問題というのは  何が原因で大気が影響を受けるかというのは非常に難しいのですね。私の選挙区で、ある大気を測定した、日本一のダイオキシンの測定値が出た、しかし、原因究明したら、そのそばに焼却炉がないのに、何でそこで測定されたらダイオキシンが日本一になるんだ、こういうことでありまして、これは大気の風の流れとか、いろいろなところで影響されると思うのですね。
 したがって、私は、それぞれの自治体が考えるのではなくて、もっと広域な行政規模単位でこのダイオキシンの大気の部分についてはお考えをいただきたい。
 また、燃やした灰についての部分でありますが、これは関西でいきますとフェニックスに持っていっているわけであります。これはずっとそこにダイオキシンが残留する、こういうことになりますから、ぜひとも、これはまた厚生省か環境庁かわかりませんが、小泉大臣、大阪には非常に大臣への期待が高い人が、大臣をずっと神様みたいに思っておる人がおりますから、一度そういうところも定期的に検査、チェックをしていただきたい、このようにお願いをしておくところでございます。
 さらに、これは要望でございますが、私、先ほど通産省の分科会でも申し上げたのですが、燃焼過程、燃やす過程でダイオキシンの発生する条件というのは、材料によって、燃焼する温度によって発生しやすくなる。だから、焼却炉を非常に高温に、八百度とか九百度以上に燃焼させればダイオキシンが出にくい、しかし一方、NOxとかそういう部分というのは、低い温度でやらないとNOxが出やすい、こういう二律相反する現象になっているのですね。
 したがいまして、私は、ダイオキシンはやはりできるだけ出さない、ダイオキシンが出る可能性のある部分については、できるだけ出さないような材料に変えていくということが必要だろうと思っております。
 その第一義は、塩ビ系を含みますグラステックス、これを燃やしますと、塩ビ系が入っておりますと非常にダイオキシンが出やすい、こういうことでございますので、ぜひとも、グラステックスを燃やさないような、あるいは燃やさなくてもいいようなグラステックスの材料、あるいはそういう分解過程をでき得るようなリサイクルの技術を、研究開発を、厚生省としても出していかないといけない、こういう視点でお考えをいただけないでしょうか。よろしくお願いします。
○小野(昭)政府委員 いわゆる塩化ビニール製品につきましては、確かに塩素が含まれているわけではございますけれども、今先生御指摘のございましたような燃焼条件のもとで燃やしますと非常にダイオキシン発生濃度が低い。それから、家庭から出ますごみから塩ビ製品やプラスチックを全部除きましても、塩素が家庭ごみに含まれておりますのでダイオキシンが発生するというようなことがございますし、それでは家庭ごみにプラスチックの量を意図的にさらにふやした場合どうなるかという実験をやりますと、高く出たり低く出たりするということで、まだまだどういう燃焼で出るのかというメカニズムが十分わかっておりません。したがいまして、そういったことを今、燃焼実験をいろいろやりながら、調査をしております。
 それから、御指摘の、できるだけリサイクルへ回せるようなものをつくる、あるいは環境負荷の少ないものをつくる、これは当然、私どもとしても十分念頭に置いておりますし、それらはたとえごみになりましても、焼いたり、埋め立てたりしなくてリサイクルに回れば、これは非常にいいわけでございますので、工業技術院等でもいろいろ研究をされておられます。
 私どもも、そういった面での問題意識は持っておりますので、研究者にもいろいろお願いしながら研究もしていただいているところでございます。
○平野分科員 もう時間が来ましたから、これで終わりますが、最後に小泉大臣の声を聞きたいものですから。私、焼却炉だけではなく、食品中のダイオキシン類の毒性評価、こういうところをやはり踏まえて、総合的な対策を打っていかなければならないと思っておりますので、環境庁の対策の五カ年計画を含めて、厚生省全体としてそれとどういうふうに連動するか、大臣の御決意をお聞きをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○小泉国務大臣 ダイオキシン対策等につきましては、最近、付近の住民はもちろん、国民の関心も高まっておりますし、国会でもたびたび今論議されている問題であります。環境に与える影響、さらには人体の健康に及ぼす影響等、深刻なものがあるということから、厚生省としても、早急にこの問題について真剣に取り組まなければいかぬということで、昨年来、積極的に各省庁と連携をとりながら取り組んでいるところであります。
 これからも、環境ホルモン等、いろいろ今の段階ではわからない分野もあると思いますけれども、環境に及ぼす悪影響ということに対しては敏感に反応して、国民の健康を守る、さらには世界の環境を保全するという意味からも、この問題について積極的に取り組んでいきたいと思います。
○平野分科員 ありがとうございました。
 終わります。
○石川主査 これにて平野博文君の質疑は終了いたしました。
 次に、肥田美代子君。
○肥田分科員 民主党の肥田美代子でございます。
 医薬分業に関連して、厚生省、文部省及び公正取引委員会に質問いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、文部省にお尋ねしたいと思います。
 私は、平成九年四月二十三日の厚生委員会で、阪大病院の処方せん発行状況についてお尋ねをしましたが、平成七年度で、東大病院が約九〇%に対して、阪大病院は二・五%ということでございました。その後、文部省はどのように指導されたか、処方せんの発行枚数がどのようにアップしたかについてお尋ねしたいと思います。
○木谷説明員 お答え申し上げます。
 医薬分業の推進につきましては、国立大学附属病院においてもさまざまな努力をしておりまして、国立大学全般について申しますと、全体では平成八年には五一%というふうになっておるわけでございますが、一部の附属病院でなお発行率が低いというふうな状況がございます。
 そこで、昨年六月には、文部省からも各国立大学附属病院に対して、その推進を図るように通知をする、また、特に発行率の低い大学については、具体的な方策について個別に指導を行っているところでございます。
 大阪大学につきましては、御指摘のとおり平成七年度の発行率が二・五%ということでございまして、文部省といたしましては、従来大阪大学が行っておりましたポスターの掲示、あるいは院外処方せん相談コーナーの設置等の施策に加えまして、患者さんの理解をさらに深めるというふうな形での取り組みを指導をしたところでございます。
 これを受けまして、大阪大学におきましては、昨年の四月から、各診療ブースに院外処方せんの説明文書を掲示して、診療の際に患者にも説明するなどの方策をとったわけでございますが、なお発行率の向上が進まないということで、昨年の十二月には、院内に院外処方問題のプロジェクトチームを設けまして、その結論といたしまして、各医師から初診患者を中心に、原則的に院外処方にする旨を依頼をする、また、大学職員あるいは家族が院外処方に協力するというふうな方策を決定いたしまして、現在、関係者に周知を図っているというところでございます。
 このように取り組みが大変おくれてはおるわけでございます。したがいまして、平成十年二月、先月でございますが、先月の院外処方せんの発行率はまだ三・四%ということで、低水準にとどまっておるわけでございますが、ごく最近の状況を見ますと、先はどのような方策の結果、かなりの向上の兆しも見られておるというところでございまして、今後の発行率について向上していくものと期待をしているところでございます。
○肥田分科員 いろいろな方策をとってくださって一年間で一%の伸びというのは、ちょっと私、解せないのですけれども、何か文部省の方策に落ち度があるのか、それともこの大学自体に何かそういう、出さないという理由みたいなものがあるのですか。
○木谷説明員 院外処方せんの発行率の向上ということにつきましては、やはり医師側、病院全体の医師が院外処方せん、医薬分業に関する意識というものを高めていくという必要がまずございます。それから、やはり患者さんの協力というものについて十分な理解を得て、協力をいただくというふうなことが必要でございます。
 そうしたことからかなり時間を要しているというふうなことでございますけれども、先ほど申しましたように、昨年十二月ということでございますけれども、そういうプロジェクトチームを設けまして、ことしになってからかなりまた一段とその推進についての具体的な手だてというものを講じているというふうに承知しておりますので、これから向上していくということを期待している、そういう状況でございます。
○肥田分科員 実は、私はとても楽しみにしていたのです。質問というのはしつ放しにしておくものではないと思うし、一年たったからお尋ねして、それがせめて東大病院の半分ぐらいにいっていれば私は本当に感謝申し上げたかったのですけれども、今おりしゃりたように医師側の意識ですとか病院の意識ですとか、それから患者の協力ということのようですけれども、その患者の協力というのはどういうことなんでしょう。
○木谷説明員 昨年の答弁においても申し上げたところかと思いますけれども、最近コンピューターの導入等によりまして、いわゆる院内処方の薬剤を渡すことについて、待ち時間も非常に短縮もされております。そういう意味では、便利さという意味ではどうしても院内の処方にあるというふうなことがございます。
 しかしながら、やはりいわゆるかかりつけ薬局というふうなものを持って、そういう医薬品を適正に御使用していくというふうな意義というのが非常に高いのですということを十分に御理解をいただいていく必要があるというふうなことでございまして、そういう点で患者さんの御理解、御協力を十分お願いしなければならない、こういうことでございます。
○肥田分科員 ここ数年、病院の処方せん発行が急速に進んでおりますし、医薬分業率も二八%程度に上昇しております。特に、厚生省は昨年、厚生省所管の国立病院のうち、モデル病院三十八病院について院外処方せん発行を進めておられるようですが、現在どの程度の処方せん発行状況なのか、また、今後モデル病院以外の国立病院について処方せん発行を進められる予定はあるのかどうか、お聞かせください。
○小林(秀)政府委員 お答え申し上げます。
 厚生省では国立病院を所管いたしておりまして、その国立病院の三十八病院を院外処方せん発行推進モデル病院と指定をいたしまして、そして院外処方せんの発行、それも我々としては、門前薬局ではないんだ、面分業を進めるという観点で進めているわけでございます。
 それで、昨年の四月にも先生から御指摘をいただきました、ほかの議員の先生からも御指摘をいただきまして、平成九年の七月十一日付で通知を発出いたしまして、平成十年度末までに、完全分業というのは院外処方せんのおおむね七〇%以上出しなさいというのを完全分業とも言っていますが、その三十八病院すべて完全分業を達成するようにと強く指示を出したところでございます。
 現在のデータでいきますと、八年度末では三十八中十しか完全分業にいってなかったものが、平成十年一月ではこれが十六施設にふえております。そして、現在では、三十八病院の平均は五四・二%というところまで推進できたということでございます。
 問題は、モデル病院以外のところの進捗状況でございますが、院長会議等で一般に医薬分業が大切、面分業が大切ということはお話を申しておりますが、面分業をやるということは、病院側の態度も大切ですけれども、もう一つ、受ける地域の薬剤師会、地域の薬剤師の先生方の御協力がないことには患者さんに御迷惑をおかけすることになるわけで、そういう意味では、三十八というのは大体都会にありますから薬局の数という面では困らないのですけれども、それ以外の病院になりますと必ずしもそういう地域需要が整っているわけではない。しかし、薬剤師会がヘジテート、ちゅうちょするなら国立病院がまず率先してやろうという精神だけは持ち続けて、それらに対しても今後ともまた指導をしてまいりたい、このように思っております。
○肥田分科員 処方せん発行の見返りに、保険調剤薬局が病院に現金リベートを払ったり、医師への未公開株の譲渡、あるいは診療所の運転手や病院薬剤師の給与を肩がわりするなどの不祥事が、門前薬局開設に絡んで相次いでおります。こうした不祥事をなくすために、厚生省はどのような行政指導を実施されておりますか。
○中西政府委員 お尋ねの門前型薬局のいろいろな不祥事については、医療保険上の処分を初めとして、その時々において対応を図ってきているところであります。
 先生おっしゃるように、その一部の門前型薬局について問題として指摘されております、例えば、多数の処方せんが極めて機械的に処方されているとか、あるいは必ずしも医療機関と適切なコンタクトがとれていない、要するに疑義照会等が行われていない、そういった問題が時としてあるということも承知しております。
 先般の薬事法改正におきましては、一つは、薬剤師である薬局の管理者というのは薬局の業務について、薬局の開設者がいかなる人であれ開設者に対して必要な意見を述べなければいかぬ、開設者はその意見を尊重しなければならないという項目を盛り込みましたし、また薬剤師は患者等に対して調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない、そういう規定も設け、薬剤師の権限と責任を強化し、またその役割も明確化してきたところでございます。
 それからまた、診療報酬上も基本的にはかかりつけ薬局を中心とした面分業体制を推進していくという観点から、処方せん集中度と処方せん受け付け回数によって調剤基本料に差をつけていくという評価を行ってきているところでございます。
○肥田分科員 一連の不祥事は、処方せん発行の医療機関と門前型薬局との間で不健全な経済的なつながりが生じやすいことを示しております。また、ある門前型で皮膚科の女性に神経科の患者の薬を投与する、そういう出来事もあったわけでございます。すぐ気がっくはずの初歩的な投薬過誤や重複投薬がかなり行われているという実態がございます。
 相互チェックのできないシステムはやはり、厚生省がお考えのように大変問題があると思います。ですから厚生省は門前型でない面分業の推進に努力されているわけですが、そこで一つお尋ねしたいことがございます。
 先般、長野県薬剤師会と三重県四日市薬剤師会が、いわゆる門前型薬局の開設自粛に関する申し合わせなどの理由から、公正取引委員会の警告を受けたと聞き及んでおります。どのような内容であったか、まず公正取引委員会の御答弁をお願いします。
○伊東説明員 御指摘の件でございますけれども、公正取引委員会は、先ほど御指摘の、社団法人長野県薬剤師会及び社団法人四日市薬剤師会による医薬品等の広告制限あるいは薬局の開設制限等に係る事件について審査を進めてまいりまして、本年二月に両薬剤師会に対しまして、独占禁止法の規定に違反するおそれがあるとして警告をしたところでございます。
 具体的には、長野県の薬剤師会に対する件につきましては、同薬剤師会が、医薬品の価格等の広告表示をしないというようなことを内容とする申し合わせ事項を決定し、これを会員に周知することによりまして会員の事業活動を不当に制限している疑いが認められたということでございますし、また四日市薬剤師会に対する件につきましては、同薬剤師会が同じように、広告の制限あるいは薬局の開設制限を内容とする申し合わせ事項を決定し、会員に周知することにより、長野県薬剤師会と同様に、会員の事業活動を不当に制限している疑いが認められたということで警告をしたものでございます。
    〔主査退席、萩野主査代理着席〕
○肥田分科員 確かに、広域病院から直線距離で八百メートル以内に薬局をつくらないなど、そういう内容の申し合わせばやはり独占禁止法の第八条一項に照らして問題があると思わざるを得ません。警告も、私はやむを得なかったと思います。
 ただ、今回の公正取引委員会の警告によって、門前型薬局を批判したり、反対意見を述べたり、そうすることさえも独占禁止法に触れてしまうのではないだろうかという懸念が地域の薬剤師会の間に広まっているのですね。そして、それが面分業の推進を阻害する要因になるのではないかという不安を呼び起こしております。
 公正取引委員会は、門前薬局を批判したり、それから門前薬局に反対する意見を述べることも、自由競争を妨げ、独占禁止法に触れるとお考えでしょうか。
○伊東説明員 いわゆる面分業体制の展開ということにつきましては、医薬分業の推進という見地から行われておるというふうに理解しておりますが、それ自体が競争政策上問題があるというふうには考えておりません。
○肥田分科員 各地の地域薬剤師会は、国立病院など広域病院の処方せん発行が進む中で、厚生省の指導に従って、門前型でない、地域薬局がそろって需要に応じることのできる面分業の体制をつくる努力を続けておられます。しかし、そこに全国的なチェーン薬局が進出して、病院前に薬局をつくる、そういうことのために、地域の薬局が何百万円もかけて備蓄の医薬品をそろえても、一日数枚の処方せんしか来ないという事態が生じております。
 行政指導を求めても、行政的には何もできないという返事が戻ってくる例が一般的でありますし、やる気をなくしていく薬局も多うございます。仕方がないから、地域の薬剤師会は、長野県や四日市の今回の公取の警告に見るように門前薬局を自粛しようと申し合わせたわけですが、しかし、今度は独禁法違反として警告されることになった。こうした矛盾した状況の中で、薬剤師会はどんな対応をすればいいのだろうと、本当に戸惑っておられるようでございます。
 行政指導の立場にある厚生省の見解をお伺いするとともに、全国的なチェーン店が門前薬局として進出することについてどのように考えておられるか、お尋ねしたいと思います。
○中西政府委員 基本的には、自由経済社会でございますから、全国的なチェーンあるいはチェーン化された薬局というのが事業活動を適正に営んでいただけるのであれば、これを私どもとして否定することはできないというふうに考えております。
 しかしながら、面分業という観点からやはり医薬分業というものを考えていくことが基本であるということは、おっしゃるとおりでございまして、その際やはり私どもとしては、その地域の実情に応じて面分業を推進していくという観点から、地域医師会あるいは歯科医師会、薬剤師会、それからその地域の中核的な大きな病院等々が相互に協力連携をし、その中でそういった面分業の推進方策というものを医業、薬業が相まって検討し、計画的に推進を行っていくということが必要だと考えておりまして、厚生省におきましても、都道府県が二次医療圏ごとに医薬分業計画を策定していくよう指導し、また補助も行うこととしておりますし、また、そういった関係者協議の場についても、明年度から、そういった協議がスムーズにいくよう財政的支援も講じたいというふうに考えております。
 また、昨年の医療法改正で、地域医療計画の中に医薬分業に関する事項が必要的記載事項として掲げられたこともございまして、それによって面分業の推進というのはより一層図られるのじゃないかというふうに私どもとしては期待しておるところでございます。
○肥田分科員 公正取引委員会は、その役割から考えまして、経済的な側面から自由競争を確保するために取り組まざるを得ないわけですね。他方、厚生省は衛生行政、医療行政の面から面分業を推進しなければならない立場にある。双方ともその責任と役割から考えて当然のことだと思います。しかし、異なる行政機関から整合性もなく、ある意味では全く正反対の指導をされる側から見ますと、本当に戸惑うばかりじゃないかと思うわけでございます。これは、官庁が違えば行政内容も違うということで済まされる問題ではないのじゃないかという気がするのです。とうした混乱を避けるために、厚生省は公正取引委員会とも密接な連絡をとり合い、十分な協議をなさって、健全な薬局の育成に努めていただきたいと思います。
 私は、大臣にお聞きしたいのですが、この問題を今お聞きになっていてどういうふうに理解し、どういうふうにお考えになりますか。
○小泉国務大臣 これは実に難しい問題だと思いますね。特に、大規模店舗が進出すると地元の小売店が反対する、似たような形にもなってくるのじゃないか。かといって、自由競争の場合に制限もできない。大病院が進出すると近くの開業医が反対するという場合もありますけれども、似ているのじゃないかな。これはやはり地域の薬剤師によっても対応が違うと思いますけれども、その辺はよく厚生省、公取、検討しなきゃならない問題だと思っております。しばらく時間が欲しいと思います。
○肥田分科員 今大臣は、大店の出店なんかと同じだとおっしゃったのですが、私、思いますに、これは例えば門前型薬局の場合、医師とつながるわけですね、そこにお金のやりとりがあったりいろいろな条件のやりとりがあったりするわけですね。そういたしますと、医薬分業の最も基本である、薬に対するチェック機能、それが医師と門前型薬局との間の関係によって働かなくなるのです。ですから、ちょっと大店等の出店と私は違うように思うのですよね。
 確かに今大臣がおっしゃいましたように難しい問題です。でも、これはなるべく早く結論を出していただいて、二つの省庁がきちっとした連携をとっていただかないと、せっかくの面分業を進めますよという厚生省のお考えがだんだん地域には位置づかなくなってくるんじゃないかという心配があるのです。もう一度大臣、お願いいたします。
○小泉国務大臣 今言われたような問題を検討する必要がある、検討といいますか、どのようにいろいろな意見を集約して、あるべき結論を出すか、これについて、しばらく時間をかしてほしいと思います。
○肥田分科員 じゃ、公取の方にお尋ねしますけれども、大臣はこういうお考えです。公取の方では、厚生省と話し合う余地をお持ちですか、それとも、やはり先はどのように公取の立場を主張なさいますか。
○伊東説明員 公正取引委員会といたしましても、厚生省等関係各方面と十分連絡をとりながら法運用をしてまいりたいというふうに考えております。
○肥田分科員 ぜひよろしくお願い申し上げます。
 最後の一問は、パラリンピックについてお尋ねしたいと思います。
 長野で開かれたパラリンピックは、これまでの障害者スポーツのことを何も知らなかった人々に大変大きな感動を与えることになりました。
 私は、長野パラリンピックが、障害者と健常者がよりよいパートナーとして生きる存在であることを多くの国民に再認識させてくださった、障害者に対する偏見や差別の心を克服していくいい機会であったと思っております。
 そこで、オリンピックのメダリストには報奨金が出されておりますが、パラリンピックの選手には報奨金がないということで、いろいろな方々から、報奨金を出したらどうかという意見がございます。それで、今、与党の方でもそういうお話が出ているようでございますし、厚生省の方でもそのことについて検討していらっしゃるように思います。パラリンピックの選手団の強化とか、それから障害者スポーツに対する積極的な支援策を求める意見もございますので、報奨金並びにこういう支援策についてどういうお考えを持っていらっしゃるか、伺いたいと思います。
○篠崎政府委員 今のお尋ねのことでございますが、オリンピックにおける報奨金につきましては、日本オリンピック委員会が企業からの協賛金などを財源として独自に実施しているものでございまして、いわゆる政府からの補助ではございません。
 また、今後の障害者スポーツの充実を考えた場合に、報奨金制度よりもむしろ競技の普及ですとかあるいは選手強化など、優先されるべき課題もある、そういうような声も強いのも現実でございます。
 そんなわけで、まずは幅広く関係者の意見を十分聞くことが必要であるというふうに考えております。今後、長野パラリンピックの成果を踏まえた今後の障害者スポーツのあり方を検討する場を早急に設けて、その中でこの問題も議論していきたい、このように考えております。
○肥田分科員 どうもありがとうございました。
 質問を終わります。
○萩野主査代理 これにて肥田美代子さんの質疑は終了いたしました。
 次に、桧田仁君。
○桧田分科員 自由民主党の桧田でございます。
 皆様、夜分遅くなってお疲れでもございますが、もう少し御協力をいただきたいと思います。
 厚生行政は、小泉大臣、大変真剣にやっていただき、私どもも感服いたしておりますし、各厚生省の皆様も頑張っていただいております。例えば、いろいろなところで聞きますと、一番関心があるのは医療・福祉、景気対策という、二つの中の一つに医療・福祉のことの感じがありますから、特に医療というものに関する国民の関心というのは非常に大きなものですから、医療のことを中心にきょうはお時間をいただきたい、こういうように思います。
 まず第一に、医療費のことについて少しお伝いしたいと思います。
 御承知のように、昨年九月、医療費の改定が小幅ながらございました。この改定というのはかなり影響があったというように聞いておりますが、具体的にいかがでしょうか。
○高木(俊)政府委員 昨年の九月に医療費の一部負担の改定をお願いしたわけでありますが、非常に窮迫した医療保険財政でありますので、財政運営の安定を図るというような見地からもお願いしたわけであります。
 そこで、昨年の改正によりまして、国会修正時の見込みとしては三・二%程度医療費が縮減されるというふうに見込んでおりましたけれども、直近までの実績、九月から十一月まででありますが、この実績を見ますと、三・二%よりも上回る四・六%の縮減がなされております。
○桧田分科員 今局長がお答えになったように、当初の見込みよりも少し数字が違ってきたように思います。その原因というのは、どのようにお考えでしょうか。
○高木(俊)政府委員 三カ月の実績でありますから、まだこれからもうちょっと様子を見ないとわからないわけでありますけれども、やはり一番大きな落ち込みは、受診が減ったということ、一言で申し上げればそういうことではないかと思います。
○桧田分科員 まだ三カ月のことですから、一概に今後の結論を出すのは早計と思います。
 ただ、私も医療機関の仲間が全国にたくさんいますから聞いてみますと、このたびの落ち込みはやはり相当実感で、肌で感じるという御意見もあります。数字は確かに四・六%という局長のお答えですが、どうも実感が、非常に厳しく感じている。それは社会全般の動きもあり、医療がどんどん厳しくなるという情報が先に入ってくるという、一種の不安感もあるのかもしれません、あるいは誇張の感覚もあるかもしれません。ただ、非常に減ったなということはどの医療機関の方もおっしゃいますし、患者さんも最近は待たずにすぐ診てもらえる、それがいいか悪いか、それは御意見あろうと思いますが、そういう御意見もある。そういうことです。
 そこで、私としてはこの問題で少し突っ込んで聞かせていただきたいと思うのですが、当然、医療費が下がることは国の予算とか財源という面では大変いいことだと思います。厚生大臣を初め、多くの財政構造改革をやっております我が自由民主党としましては、一つの何らかの前向きの成果と評価もしなければいけないと思います。ただ、また逆に苦しい現実の方々もおられる。その方々もやはり考えていかなければいけないというように思うのです。
 そこで、まず最初は、厚生省が所管しておられます国立病院にも当然ある程度の影響が出ているのではないかと思います。国立病院の影響はどんな状況かということと、国立病院が厳しくなると、それなりにまた別の、回り回って補てんをしなければいけないという可能性がありますから、その対応をどのように考えているか、お伺いします。
○小林(秀)政府委員 制度改正によります国立病院・療養所の経営への影響につきましては、現在、再編成計画の進捗による施設数の減少等もありまして一概には申し上げられないかと存じますが、今般の制度改正による影響を最も受けやすい外来診療について見ますと、昨年九月から十一月のデータでは、患者数の減少により、これを営業日数で割って、一日当たりの外来患者収入は対前年度比一・九%の減でございました。もっとも、このデータは三カ月間という短期間でありますことから、今後その推移を見てまいりたい、このように思っております。
○桧田分科員 そこで、局長、入院ということがまだはっきりわからないのです、それと三カ月ですから一概に言えませんが、何とか大きな補てんはなくていけそうな、軽々しく言ってはいけないと思いますけれども、ある程度見込みはついているでしょうか。それとも、わからぬと言えばそれまでだと思いますけれども、入院と外来合わせて、何とか国立病院はこのたびの診療報酬の改定でもぎりぎり大きな補てんはなくていけそうでしょうか。
○小林(秀)政府委員 今、外来を申し上げましたが、入院の方は対前年度少し、〇・三ぐらい伸びておりますし、そのほか経営努力もありますので、何とか大きな収支の狂いはなくて経営はできるのではないかと国立病院では思っております。
○桧田分科員 国立病院も、再編成もございますし、多少厳しい時代になってきました。やはり国立病院は国立病院で非常に御努力されていると思います。私も、広島県の国立病院におりました者の一人として、これからの国立病院は本当に今から真剣にリストラもしなければいけない、そして地域の住民に本当に大事な医療を残していかなければいけない、そしてもちろん職員のことも考えてやらなければいけない。そして何よりも、働く者がプライドを持てる、国立病院の医療をやっているのだというプライドも持たせてあげる、そういう大きな中で再編成という命題も考えています。
 そこで、もしも医療費が非常に厳しくて、そのままもっと赤字を補てんしなければいけないとなりますと非常に苦しい命題になってくるわけですから、今お聞きしますと、私、OBの一人としてはほっとしました。何とか全国の国立病院にみんなで頑張れ、そして地域の方や住民の方々に国立病院があることも非常に大事なことなんだ、再編成という苦しい命題はありますけれども、働いている者と地域の者が一体となって頑張っているのだ、そして信頼できる医療をやっていただくようにぜひお願いしたい、こういうように思います。
 それから一方、変わって一般の医療機関、先ほど言いましたように、私も民間の医療機関のメンバーの一人としましていろいろ苦しい思いがございます。過去にこれだけ患者の減ったケースはなかったという、数字の比較なんてみんな五年前、十年前のことはすぐ忘れてしまいますから、あくまで観念論と想像ですが、なかったという御意見があります。
 私ども、本当に国民にいい医療をするために、国立病院、公的病院以外にも民間病院もそれなりに、いろいろ御意見もあり御批判もありますけれども、一生懸命真剣に頑張っていると思います。一部いろいろな不祥事がないとは言えませんが、多くの医師たちや医療機関やメンバーたちは真剣に頑張ってくれていると確信いたしております。そして特に、日本には国民皆保険、それから地域医療という、本当によその国がうらやましがるような、なかなかまねができないような医療を一生懸命、民間は今頑張ってくれております。
 したがって、民間医療もこのたびの九月からの改定というのは大変ある意味では苦しい結果でもあったと私は見ております。
 そこで、私としては、確かに不届きの者や努力しない者やあるいは自分たちの医療とか地域のことを考えない者は、もういたし方ありません。ただ、真剣に頑張り、地域のために頑張り、何よりも国民の医療のために日夜努力している山奥や離島や、あるいは土日休まず頑張っている者や、あるいは一部家族の方まで総出でやっている医療機関もあるわけです。そういう医療機関たちは、本当にこれで今からいけるだろうか、患者さんを目の当たりにしていい医療をやりたい、でもお金のことや、ちょっと言いにくいけれども、給料を払うことや薬代を払うことに心が奪われていい医療ができないというのも大変心苦しい。
 政治におります桧田としましては、何とか皆さんを励ましてあげたい。ですから、今の制度では混合診療という問題も前向きには来ておりますが、今のところは診療報酬がどうなるか、医療制度がどうなるかということがやはり基本的に大きな関係がございます。
 その意味におきまして、十年度の診療報酬の改定がいよいよ発表されたわけです。私たちは一・五%の改定という御無理もお願いしました。しかし、これは長い間の二年ごとの人件費、物価の値上がりという一つの最低限のものをお願いしたわけでございます。国民にはいろいろ御意見はあったと思いますけれども、私たちは必死に頑張っている中でのことでございますから、私は医療機関の仲間の気持ちも代弁しまして、診療報酬というのは非常な関心を持って見守っておりました。
 そこで、このたびの診療報酬、一生懸命頑張り、真剣にやる医療機関にとって、こんなことを頑張ったということもあるのじゃないかと思います。ぜひ私は、全国の真剣に頑張っている医療機関のためにも、保険局長に、頑張る者にはこんなに応援しますよというところがあればぜひ教えてほしいと思います。
○高木(俊)政府委員 先生今おっしゃいましたとおり、今度の診療報酬改定はなかなか厳しいものがございましたし、それから我々自身としましても、一方で厚生省予算全体が組めるか組めないかというような状況の中で、しかも引き上げをするという決断になったわけでありますが、そういったようなことでありますから、今回の診療報酬の引き上げというのはかなり限定的な対象にならざるを得なかったという面がございます。
 しかし、基本的には、やはりできるだけ現行制度の中でも効率化を図るというような視点で考えておりまして、そういった意味では、実質的には一・五%でありますが、医科については合理化というものをお願いしまして、それが〇・七%相当、これを特に急性期医療の充実に振り向けるということを主眼としまして、全体的な効率化というものを行わせていただいたわけであります。
 そういった意味では、胸を張ってこうやったというような、そういうものははっきり申し上げて私自身余り見当たらないのですが、それなりに内容的には何とか御理解いただけるのではないかということでございます。
○桧田分科員 そこで一方は、貸し渋りが医療機関にも出回るとは実は予測もしていなかったのですが、これだけの昨今の事情です。御承知のように、医療機関は大部分は、特に大きな医療機関は金融機関からの借り入れで行っております。それだけに一部の医療機関は運転資金にも困ったりボーナスにも困ったり、あるいは薬代の支払いにも困っている医療機関もございます。こういうときに同じような貸し渋りに遭っているということは、大変苦しい状況でもございます。医療機関に対する貸し渋りの実態と、どのような対応であったか、お教えいただきたいと思います。
○谷(修)政府委員 医療機関に対する貸し渋りということで、具体的な調査といたしましては、この一月に日本医師会が調査をしたものがございますが、それによりますと、八%余りの医療機関が何らかの影響を受けたというようなことがございました。
 私どもとしましては、このような状況を受けて、社会福祉・医療事業団におきまして、取引状況等の変化によって一時的に資金繰りに困難を来している病院、診療所に対します経営安定化資金による融資というものを二月二十日から実施することにいたしました。
 具体的な内容につきましては、貸付限度額としては病院が一億円、診療所が四千万円。その他、要件の緩和ですとか事務処理の迅速化というようなことをあわせて盛り込みまして、私どもが調査した範囲では、三月十八日現在で、既にこれについての問い合わせが約二百件余り来ておりまして、具体的な案件として四十件弱が来ているということでございまして、私どもとしては、こういったような制度を通じて引き続きこの対策に当たっていきたいと考えております。
○桧田分科員 ぜひ、貸し渋りということも真剣に厚生省の方も考えていただきたいと思います。
 なかなか厳しい時代です。しかし、やはり私は、世界に旅したときいつも思うのですが、日本の医療はすごいなという気持ちにもなります。一員としての自負もございます。それだけに、衣食足りて礼節を知るという言葉は言い過ぎかもしれませんが、医療機関の経営が安定するということも、必ずや、国民のこれからの健康や、長寿社会、少子・高齢化の時代に大事なことと思います。
 そこで大臣、今までのお話を聞かれて、大臣なりにいろいろな思いがあると思いますが、医療費のことや、今後の医療制度、診療報酬のことについて、ぜひお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 一たび病気にかかりますと、お医者さんにしても、あるいは病院にしても、患者から見ればまさによりどころといいますか、神様、仏様、お医者様というぐらいの気持ちを持つのが、患者になった身の立場だと思います。一部不祥事があったとしても、大多数のお医者さん方は、人の命の大切さを感じながら、治療に献身的な活動をなさっていると私は信じております。
 大変厳しい状況でありますけれども、そういう中で、診療報酬、今までではいけない、体系的に見直せという国民の声もありまして、よりむだのない、効率的な診療報酬体系をこれからつくっていかなければならない。当然、その際には、医療に従事する方々が意欲の出る、自分の仕事が正当に評価されるというような体系をつくっていかなければならない、そういう面についても十分配意した診療報酬体系を構築していかなければならないと考えております。
○桧田分科員 大臣、大変ありがたいことでございますので、ぜひお願いしたいと思います。
 したがって、多くの課題がありますから、もう時間を尽くせませんから言えませんが、これからの医療は、やはり医療機関が本当にプライドを持ってできるように、ぜひお願いしたいと思います。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 このたびは、規制緩和の一環として、長くから懸案でございました医療法人の理事長に関する要件も議論になってまいりました。
 そこで、いろいろと検討されていると聞いておりますが、医療法人の理事長の資格要件についての緩和の状況はいかがでございましょうか。
○谷(修)政府委員 この問題については、昭和六十年の医療法の改正によって、原則、医師ないしは歯科医師が理事長という形になったわけでございますが、平成九年三月に規制緩和の推進計画というのが閣議決定をされておりますけれども、この中で、「医師又は歯科医師とされている医療法人の理事長要件を緩和する。」といったことが決定をされております。
 私どもとしては、具体的に、医療審議会の中に小委員会を設けまして昨年来検討をしてまいりました。まだ最終的な結論には至っておりませんが、議論の過程の中では、規制を緩和するという考え方と、この問題の長年のいきさつからいって一慎重にすべきだという両論がございますけれども、現在の考え方としては、現行の考え方は維持しつつ、都道府県知事の認可をする場合の運用の弾力化を図ったらどうかというようなことが基本的な方向として議論をされております。
 なおさらに、若干具体的に申しますと、例えば適切な法人の運営がなされることですとか、あるいは医療の大原則であります非営利の原則、あるいは適正な法人経営といったようなこと、それから、理事長とされます方の具体的な要件とかあるいはどういう条件をつけるかというようなことについて具体的に議論を進めているところでございます。
○桧田分科員 ただいま議論の最中と聞いておりますので、余り私が先走ってもどうかと思います。ただ大事なことは、やはり医療というものは、人の命ということもありますが、一歩間違えばとんでもないことになる可能性も十分持っております。それだけに、医療法人としての法人に対する要件と理事長自身に対する要件とは、きっちり真剣にかつ慎重に御検討いただきたい。
 規制緩和をすることは、この時代でございます、やぶさかではありません。それをいい形に持っていくことも大事だと思いますが、国民の多くの気持ちもございます、ただ、医療法人の要件と理事長の個人資格の要件とは、ある意味では両方がきちっとするようにしませんと、どちらが欠けても大変なことになる可能性がありますから、ぜひその点は、審議会の委員の方にも、慎重の上にも慎重に結論を図っていただきたい。ぜひこの点をお願いしておきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いします。
 急いで次の質問に行きます。
 そこで、医療審議会という形とともに、この医療法人をどうするかというのは、都道府県の医療審議会というのが非常に重要な意味を持ってきております。したがって、今まで以上に、ベッド数を決めるとかいろいろなことも決めますけれども、今度は、医療法人の資格要件あるいは理事長の資格要件等も決めるという大きな要因を持って都道府県医療審議会が行います。
 そこで、少し局長に、都道府県の医療審議会というのはどういうことになっているのか、どのくらい権限を持っているのか、どういう形になっているか、ぜひ教えていただきたいと思います。
○谷(修)政府委員 都道府県におきます医療審議会は、医療法に基づきまして、都道府県段階におきます重要事項を審議するということでございますが、具体的な委員の構成につきましては、お医者さんですとか歯医者さんのほかに、医療を受ける立場にある方、そういうような方が入って議論をしていただいているということでございまして、今先生のお話にございました医療計画に関すること、あるいは、今もやっておりますが医療法人に関すること、そういうようなことも含めて幅広く議論をしていただく大変重要な審議会だと認識をしております。
○桧田分科員 そこで、小泉大臣、国の医療審議会はいろいろな議論もあり、公開もされており、またかつ、非常にいろいろな連日の議論もこのところございました。都道府県の医療審議会というのは、まだまだ構成要因も県によってばらばらです。それからメンバーも、はっきり言いますと、いろいろな構成メンバーになっております。それから審議も非常にばらついております。
 そこで、私は、やはり地方自治の時代ですから余り国がどうこう言うのはどうかと思いますが、やはり都道府県医療審議会も今後重要な決定をしたり判断をしたりしていくわけでございますから、大臣として、都道府県医療審議会に対してはどのようなお考えか、ぜひ聞かせていただきたいと思います。
○小泉国務大臣 現在、国の医療保険福祉審議会におきましても、さまざまな学識のある方々から御意見をちょうだいし、そして見識ある意見が発表されているということを公開し、できるだけ透明化を図り、国民のあるべき医療制度をどのように構築していくかということを真剣に議論いただいているわけであります。
 そういうことから、人選にしても、また審議の透明化にしても、地域住民の理解を得られるような各都道府県の医療審議会であってほしいなというふうに考えております。そういう面については国の審議会をある面においては参考にしていただきまして、それに準じた運営等を考えてもらってもいいのではないかな、そう考えます。
○桧田分科員 大変重要な役割の都道府県医療審議会ですから、ぜひ、大臣初め厚生省の皆さんも目を離さないようによろしくお願いしたいと思います。
 残り時間が少なくなりましたから、急いで次の質問にいきたいと思います。
 このたび、意外と大きな話題は、病床過剰地域で有床診療所を、今まではできなかったのですが、療養型病床群に切りかえられることになりました。全国の有床診療所は非常に重大な関心を持って、もう問い合わせがひっきりなしになっております。
 そこで、私は、多くの皆さんの気持ちを代弁して、残り時間短いのですが取り急ぎ質問したいと思いますから、簡潔に御答弁いただきたいと思いますが、まず、転換するに関して、今までの介護力強化病院の病床数と有床診療所の転換の病床数との整合性。まあ十九万床という一つの話がちらちらしているようですが、その整合性はどのように考えておられますか。
○谷(修)政府委員 病床過剰地域について診療所の療養型病床群を特例的に設置をするということで、三月十日の医療審議会で御意見をいただいておりますが、その場合の具体的な考え方といたしましては、当該医療圏それぞれの医療圏ごとの療養型病床群の整備目標というものから、既存の療養型病床群及び今後転換が見込まれる介護力強化病院、この見込み数を減じて得た数を一応基準にしようと。ただ、これも先ほど言いました都道府県の医療審議会で地域の実情に合わせた議論をしていただいて、その算定した数の範囲内とするというようなことで考えているところでございまして、病床過剰地域においても、診療所の療養型病床群が、二次医療圏ごとに、今申し上げたような数を基準として、設置が可能となるというふうに考えております。
○桧田分科員 重要なところですので、よく真剣に御検討いただきたいと思うのです。
 そこで、残り時間で手短にお答えいただきたいのですが、この有床診療所が療養型病床群に切りかえたときに、一たん切りかえたけれども、もう一回有床診療所に戻してほしいということが可能なのかどうかということが第一点。
 もう一点は、療養型病床群の規定の中に入っている患者さんが急変した、手術をする、あるいは特別の検査をするというときの急性期の扱いはどのようになりましょうか。
○谷(修)政府委員 先生おっしゃっているのは、まず論理的には、診療所療養型病床群というのは診療所でありますから、有床診療所であるという施設基準を当然満たすわけでございますから診療所に戻るということは問題ないわけですが、先生がおっしゃっているのは、恐らく介護保険の世界の中での問題だと思います。
 それは、介護保険施設として指定をするということが今後の課題として残っておりますので、そこのところはどうするかというのは後ほどまた必要ならば老人保健福祉局長の方からお答えをいただきたいと思いますが、その問題だろうというふうに思います。したがって、今の病状急変の場合、この問題も含めて、私より、羽毛田局長からお願いしたいと思います。
○萩野主査代理 簡潔にお願いします。
○羽毛田政府委員 はい、わかりました。
 介護保険適用下における療養型病床群、どのように介護保険の適用施設としての要件を決めていくかということにつきましては、今健政局長からもございましたように、これから審議会にお諮りをして決めていくことになりますが、その際に、病状急変と申しますか、急性期の医療が必要になったという場合につきましては、原則といたしましては適切な治療が可能な急性期病棟に移っていただいて、医療保険から給付を受けていただくということを原則にするということになろうかと思います。
○桧田分科員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
○萩野主査代理 これにて桧田仁君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十日金曜日午前九時から開会し、厚生省所管について審査を行うことといたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後九時三十五分散会