第142回国会 消費者問題等に関する特別委員会 第4号
平成十年五月二十日(水曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 前田  正君
   理事 小野 晋也君 理事 岸田 文雄君
   理事 河本 三郎君 理事 佐藤 剛男君
   理事 石毛 ^子君 理事 樽床 伸二君
   理事 青山 二三君
      飯島 忠義君    小此木八郎君
      大村 秀章君    小林 多門君
      河野 太郎君    桜田 義孝君
      鈴木 恒夫君    田中 昭一君
     吉田六左エ門君    木幡 弘道君
      城島 正光君    肥田美代子君
      丸谷 佳織君    佐藤 茂樹君
      藤田 スミ君    中川 智子君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      尾身 幸次君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     根來 泰周君
        公正取引委員会
        事務総局経済取
        引局取引部長  上杉 秋則君
        経済企画政務次
        官       栗本慎一郎君
        経済企画庁調整
        局長      塩谷 隆英君
        経済企画庁調整
        局審議官    小林 勇造君
        経済企画庁国民
        生活局長    井出 亜夫君
        経済企画庁物価
        局長      金子 孝文君
        経済企画庁総合
        計画局長    中名生 隆君
        経済企画庁調査
        局長      新保 生二君
 委員外の出席者
        警察庁生活安全
        局生活環境課生
        活経済対策室長 柴田  健君
        総務庁行政管理
        局管理官    松田 敏明君
        厚生省生活衛生
        局企画課生活化
        学安全対策室長 内田 康策君
        厚生省生活衛生
        局食品保健課長 堺  宣道君
        厚生省生活衛生
        局食品化学課長 黒川 達夫君
        農林水産省食品
        流通局品質課長 村上 秀徳君
        通商産業省生活
        産業局住宅産業
        窯業建材課長  福水 健文君
        資源エネルギー
        庁石油部流通課
        長       松井 哲夫君
        建設省住宅局住
        宅生産課長   杉山 義孝君
        参  考  人
        (全国石油商業
        組合連合会副会
        長)      戸原 武巳君
        衆議院調査局第
        二特別調査室長 田中 宗孝君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十日
 辞任        補欠選任
   能勢 和子君    田中 昭一君
   渡辺 具能君   吉田六左エ門君
同日
 辞任        補欠選任
   田中 昭一君    能勢 和子君
  吉田六左エ門君    渡辺 具能君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等国民の消費生活に関する件
     ――――◇―――――
○前田委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等国民の消費生活に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。
○佐藤(剛)委員 自由民主党の佐藤剛男でございます。
 本日は、私の持ち時間三十分の間に、こういう問題につきまして、公正取引委員長を初め関係省庁、中小企業庁、資源エネルギー庁、それから総務庁来ていますね、質疑をいたしたいと思います。
 その問題というのはどういうことかといいますと、最近、各委員の皆様方、それぞれの地元で御存じのことと思いますが、ガソリンスタンド、サービスステーションにおきまして大混乱が起きているのですね。価格の大混乱によりまして、今相当のサービスステーションの廃業が出ているのですね。間違えたら後ほど中小企業庁なり資源エネルギー庁から指摘していただきたいと思いますが、千六百店ぐらいつぶれている。もちろん、新しい店もできております。また、つぶれない企業も企業収益が極めて悪化しておりまして、このまま放置できない状況にあるわけでございます。
 私はこの委員会において、特に独禁問題については、公正取引委員長、この委員会、御出席の委員会でございますから、そこで、いろいろとダンピング問題等あるいは再販価格の問題等について指摘してまいりました。きょうは不当廉売、そして差別対価という問題について公正取引委員会を中心に質問をいたしたいと思っております。
 差別対価というのはどういうところにあるのかという問題、それから不当廉売についてはどうなのかという問題、こういう問題について、本日は、参考人といたしまして、全国石油商業組合連合会副会長の戸原武巳さんを、委員長、お招きいたしております。まず、このあたりの現状を戸原参考人から、特に差別対価の問題を中心に、あるいは優越的地位の乱用で今かき乱されている現状等について、業界の置かれている立場をまずお話しいただきまして、委員各位の共通の認識にさせていただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○戸原参考人 私は全国石油商業組合連合会の副会長の戸原でございます。
 本日は、本特別委員会にお招きをいただきまして、ガソリンスタンド業界の現状と、私たち中小零細業者の切なる願いを御説明する機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。心より御礼申し上げます。
 早速ですが、本題に入らせていただきます。
 まず、ガソリンスタンド業界の現状について御説明申し上げますと、御高承のとおり、平成八年三月に特石法廃止等の規制緩和が行われましてから既にニカ年を経過しております。この間、私たち小売業者は、規制緩和を時代の流れと受けとめまして、そして何よりも消費者利益の一層の増進を図るため、必死の思いで経営の効率化、合理化に努めてまいりました。
 しかし、最近のガソリン小売市場は、私たち中小零細業者の企業努力をあざ笑うがごとく、強大な資本力をバックとしたメーカー出資の小売会社や大手の流通業者などによりまして、コスト割れと思われる廉売が繰り返され、また競争に名をかりた不公正な取引が日常的に行われております。
 その結果、ガソリンスタンド業界には、今全国で約三万の業者、約六万のガソリンスタンドがございますが、そこに働く四十万人の従業員もおります。事業者は、連日、くしの歯の抜けるように業界を去り、ガソリンスタンドは時を置かず荒れ地に変わり、従業員の失業は日を追ってふえております。
 もとより、私たちは決して市場での自由競争を拒むものではありませんが、しかし、競争は自由であるとともに、公正であるべきだと思っております。
 このような観点から、私たち全石連では、独禁法で禁止されている不当廉売や差別対価等の不公正な取引方法に関連しまして、次の四項目を独禁当局を初め関係方面に要望しているところでございます。
 ます第一は、不当廉売に対する独禁当局の調査の迅速化であります。
 現状では、不当廉売の疑いで申告が行われましてから調査結果が出るまでに、私たちの調べでは、平均五カ月程度を要しております。コストを割り込むような廉売に対しまして、周辺の中小零細業者が持ちこたえられるのはせいぜい一カ月程度だと思います。このため、申告が行われてから、少なくとも一カ月以内に調査結果を出していただきたいと思います。
 第二は、不当廉売のおそれのある行為を繰り返す事業者に対しては、実効性のある取り締まりを行うことであります。
 現状では、シロかクロかの判定があいまいな注意に終わるケースがほとんどとなっております。何回も注意を受けているにもかかわらず一向に改善されないケースにつきましては、警告や勧告等の厳しい措置をとっていただきたいと存じます。
 第三は、差別対価についての運用基準の明確化であります。
 現状では、コスト割れと思われる廉売が行われる背景として、メーカーの仕切り価格に、ガソリン一リッター当たり十円程度、税抜きにいたしますと三〇%程度の著しい格差がつけられているケースもあります。このため、独禁当局において、メーカーによる小売業者に対する差別対価についての明確な取り組み方針を示していただきたいと存じます。
 第四は、メーカーによる優越的地位の乱用の防止をぜひお願いしたいと思います。
 規制緩和を契機として、流通支配を強めようとするメーカー各社と系列店の間でさまざまなあつれきやトラブルが生じております。このため、実態を速やかに調査の上、メーカーによる優越的地位の乱用を防止するための措置を講じていただきたいと存じます。
 私たち小売業者の要望の趣旨は、繰り返しになりますが、真に公正かつ自由な競争の実現にあります。優勝劣敗の自由競争であっても、競争が公正に行われる限りにおいては、みずからの創意と工夫により、私たち中小零細業者が企業経営を維持し従業員の雇用を守るチャンスが残されていると思います。
 本日、御列席の諸先生方におかれましては、何とぞ私たちの要望をお聞き届け願い、格別のお力添えを賜りますよう、御説明を終わらさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○佐藤(剛)委員 ただいま戸原参考人から、業界の置かれている詳細な実情が披瀝れたわけであります。
 公正取引委員長にますお伺いさせていただきます。
 私はかねてから、規制緩和というものを進めていく場合には必ず弱者の保護というものが必要であるということで、アメリカにおいては、公正取引委員会の活動というのが日本よりもたくさんの人員で配置されておる。それは異民族社会でもありますが、規制緩和に出る欠点を補わないと資本主義社会がつぶれてしまうのだ。ですから、そういうことでやっているのが公正取引委員会が特別の権限を持って存在しておるというところにあると利幅雇うわけてあります‘
 しかし、ただいま戸原参考人から御説明があったように、調査結果にしても非常に時間がかかっている。私は、本当に調査しているのかどうかということのいぶかしみもここで何回か指摘したこともあります。
 それから警告とか勧告とか、そういうことをやっていない。あいまいで、何か注意したのかしないのか、わけのわからないケースが多々あるという指摘が今あったとおりなんです。
 それから第三は、差別対価という形で、例えば九十円で売っても九十五円でもマージンが同じなら、これは九十円の方に流れてしまう。そういうふうな差別対価というのは独禁法の中の不公正取引ということで、独禁法の十九条に、してはならないということになっていて、勧告を公正取引委員会が、勧告ですよ、警告じゃだめなんです、注意じゃだめなんです、勧告をした場合に、勧告に従わないときには審決をやって、その審決の手続を経て、審決に従わない場合に二年以下の懲役、三百万円以下の罰金、こういう法律の体系になっているわけであります。
 ます、その点の御確認と同時に、今御指摘がありました不公正取引問題について、私は、公正取引委員会が毅然として速やかに、そして特に差別対価の問題についてもきちんとやっていく時期に今来ておると。
 それで、お伺いします。
 最近、差別対価という問題について、公正取引委員会は調査したことがあるかどうか。
○根來政府委員 少し長くなりますけれども、私どもの立場を十分御理解いただきたいと思うわけであります。
 私は、御承知のように、一年半前に公正取引委員会に参りまして、この仕事をしているわけでございますけれども、私はもともと規制緩和ということについて、ただいま御質問のありました、尊するに優勝劣敗ということについて、どういうふうに考えるのかということを前々から考えておりました。ですけれども、今の世の中は規制緩和一色であります。私の立場からいうと、この規制緩和に対して異論を差し挟むというべき地位ではないわけでございまして、規制緩和ということは最大の選択であろうというふうに考えているわけであります。
 ですけれども、世の中はもう規制緩和一色で進んでいるわけであります。私どもの役所は、今までの規制ということを前提にして、法律もそうでございますけれども、役所の体制もそういうことで整備されてきたわけでございます。最近、規制緩和という立場から、国会の御協力も得て、また財政当局の協力もあって、増員も図られ、経費の増額も図られてきているわけでございますが、世の中のとうとうたる規制緩和にやはり役所がついていけないということは事実であろうと思います。そういうことの、ある意味でのひずみといいますか、そういうことがただいま御指摘の問題の一つにあらわれてきているのではないか、こういうふうに考えているわけであります。
 だから、端的に言うと、ないそでは振れぬという言葉がいいか悪いかは別としまして、そういう感じも一方にあることは否めないところであると思います。
 そこで私どもは、少ない陣容でどういうふうに効果的な仕事をしていけるかということを考えているわけでございますが、ただいま御指摘のように、どうして注意にとどまうているかということでありますけれども、注意というのは、ある意味では、皮膚薬でいいますと、ちょっと上っ面を塗って中身を治さないということに尽きるわけでありますけれども、これは非常に簡単にできるわけでありまして、そういうことで注意をして、ある意味では表面を糊塗しているような点があることも、これもまた事実でございます。
 といいますのは、審判ということになりますと、不当廉売の要件というのは非常にきつい。三要件があると言っていますけれども、この三要件について徹底的に審査しないといかない。そしてその審判が解決してから、それがまた裁判で争われるということになりますと、相当の証拠が必要であります。そうすると、片一方で先ほど言われたように迅速に処理するということは非常に難しくなってくる。だから、注意をやれば割に早くやれるけれども、審判というところに持ち込む、それを排除命令というところに持ち込むと時間がかかるというジレンマが片一方にあるわけであります。
 ですから、何も業界の意向を受けて言っているわけではありませんけれども、業界の表面的なさざ波といいますか、波をおさめるためには、注意というのが迅速果敢でいいのではないかというふうな手段をとっているわけであります。
 それからもう一つ申し上げたいのは、先ほどの話に関係しますけれども、私どもは最後の水のところでやっているわけであります。例えばガソリンでいいますと、生産、取引、流通あるいは販売という川上から川下の問題があるわけでありますけれども、全く川下の問題をやっているわけであります。そうすると、川上の問題は一体どうなっているのか。例えば、石油元売から石油小売までに至るガソリンの流通過程についてどういうふうになっているのかという問題は、従来は規制官庁がきっちり規制していたわけであります。その規制が今や解けてしまって、それを全部公正取引委員会でやれとおっしゃっても、これはなかなか難しい問題があるわけでございます。
 そういうことで、いろいろ難しい問題がありますし、また職員の数も、不当廉売のみならず、談合問題とか、いろいろ要求があります。そういう要求に全部こたえるということになると、なかなか人手不足だということもまた否定できないことであろうと思います。
 だから、最終的に申し上げることは、我々は持てる人員で一生懸命、職員もやっておりますけれども、それは客観的に見れば何となく歯がゆいということがあろうかと思いますし、また、一般国民の方の意識というのはやはり安い方がいいというところがどうしてもあるものですから、その辺に対してもどういうふうに頭の整理をするかということも一つの問題であろうと思います。
 少々長くなりましたけれども、私どもの立場を申し上げて、弁解といいますか主張といいますか、そういうことにかえさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○佐藤(剛)委員 差別対価はどうです。
○根來政府委員 差別対価についても同様であります。
○佐藤(剛)委員 最近の状況はどうです、調査は。
○根來政府委員 これはいろいろ調査しておりますけれども、内部の問題になりますので、なかなか確たる証拠は得られないというところであります。
○佐藤(剛)委員 委員長に十分な御説明をしていただいて、私の持ち時間が少なくなりましたので、ちょっと早目に関係省庁に言います。
 それでは、こういう説明をします。
 今委員長のお話のように、ないそでは振れない、人間が不足しておる、数が少ない、やることは多いということですから、この機会に協力を求めなければいかぬと思うのですね。それで、産業行政の裏表でございますから、通産省、特に例えば通産局から公正取引委員会に出向して兼務というか、そういう形で協力関係を結んではどうかという考えを私は持っていますが、総務庁、そういう場合に法律上、国家公務員法上問題があるかないか、私はないと思っておりますが、御確認を願います。
○松田説明員 御説明申し上げます。
 各行政機関の定員はそれぞれの業務量に応じたものとなるよう措置しているところでございますが、一定期間ある行政機関の職員を別の行政機関に併任することによりまして当該別の機関の業務に従事させること、これは人事院規則にのっとりまして、任命権者の判断により制度上可能であると承知をいたしております。
 いずれにしましても、省庁間の併任につきましては、その緊急性、必要性、併任元の業務の繁閑等を踏まえて、関係省庁間での十分な協議により実施されるものと存じ上げる次第でございます。
○佐藤(剛)委員 それでは、公正取引委員会に伺います。
 通産省に公正取引委員会として人数の派遣を申し入れて、徳川幕府流で言いますと、簡単に言えばおかっぴきに十手持ち、十手を持たないと権限がないから。ですから、公正取引委員会の職務序兼任させてやれば、何も場所を移って席つけて価することもないと思うのですが、そういうふう女気があるかどうか、公正取引委員会。
○上杉政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの御提案でございますけれども、私ども、委員長から申し上げましたように、やはり迅速に対応するということが肝要と心得ておりまして、そのような事務処理をしていることは説明したとおりでございます。
 全体としての人員の中でそういうものに振り曲げられる陣容に限りがあるということも事実でございますので、こういった一層の迅速化、適切な事件処理を図るという観点から見まして、御提案の件というのは一つの方法であると考えております。
 そこで、通産省におきまして、こういった専門性の高い公取の審査の業務をお手伝いいただけろような人員があるかということもあるというふうに考えられますので、現在御相談させていただいているところでございます。
○佐藤(剛)委員 委員長、実は、私は通産出身下ございますので、通産省の方にそういうやり方を考えてみろということで内々検討はさせていたわけでありますが、きょうは資源エネルギー庁は棄ていますね。今、公正取引委員会としては、通産省から申し出があれば受けていいという話ですふら、それについて答弁願います。
○松井説明員 それでは、御説明させていただきます。
 従来からこの問題につきましては公正取引委員会と非常に連携をとってきておりますけれども、先ほど来委員御指摘の点につきましては、事務的に公正取引委員会と打ち合わせをさせていただいております。
 ただ、私どもにつきましても、同じように行政改革の中で厳しい人員のやりくりが求められていること、あるいは公取におきます業務の専門性の高い審査業務に適した人材がどれぐらいいるかといったようなことの中で一体どういう対応ができるかという点につきまして、現在、公正取引委員会と相談させていただいているところでございます。
 とりわけ、具体的な事務内容、事務量、あるいうはどういった期限でというような具体的なイメージを現在公正取引委員会から伺っているところでございますので、こうした事項が明らかになった上で、具体的にどういう協力ができるかというある程度のイメージがはっきりしてくると思いますので、そういった意味で、極力早く方向性を出したいと思っております。
○佐藤(剛)委員 行政というのは、行政需要に応じて敏速に、果敢にやらなければいかぬわけなので、今必要なのは、先ほど来戸原副会長から説明があるように、迅速にやってくれ、きちっと警告なり勧告をやってくれ、差別対価についてきちんと調査してくれ、優越的地位の乱用という不公正取引の問題について公取は真剣にやってくれ、これだけ強い重要な要請があるのですから、デッドラインを決めて、公正取引委員会と通産省、そして百人ぐらい派遣するように。十手持ちおかっぴきを通産省から、そのぐらい出しなさい。そのぐらいの気持ちで本格的にやることを求めておきます。
 中小企業庁、いますか。今委員の机にお配り六せていただきましたが、中小企業庁設置法のところに、三条の第五項、六項、七項、八項に非常に特異な規定があるのであります。ほかの省には云いのです。
 中小企業庁設置注によりますと、中小企業庁というのは、不公正な取引によって中小企業が非常に苦しいときには、公正取引委員会に正式にこの事実を報告して、適当な措置を求めることができるという規定がある。これは、やはり弱者をきちんとしないとだめだというのが中小企業庁設置のときの趣旨なわけです。
 私の記憶するところ、一回も発動したことがない。これを発動しなさい。それについて回答を求めます。きちんと文書で公正取引委員会に発動して、そしてそれについて人間も派遣して、そして本格的に本件に取り組む姿勢、もう時間がないから、ぴしっと答弁願います。
○松田説明員 委員御指摘の点も踏まえまして、おっしゃられるとおり、不公正な取引によりまして中小企業者の事業が阻害されるおそれもあるということから、現在、中小企業庁設置法による申し入れということも含めて検討いたしております
○佐藤(剛)委員 それでは、大体私が言わんとすることを皆関係省庁同じ気持ちで、委員長は、ないそでは振れないのだがやりたいのだ、規制緩和という形のところで、それが果たしていいのかどうかという若干の疑義を披歴されながら、私は全く共通しておるわけでありますが、そういう公正取引委員会の機能の充実が重要であるわけであります。
 もちろん、来年度の定員要求等については私も増員等に努力させていただきますけれども、時間がないから、とりあえず十手持ちおかっぴきを派遣してきちんと速やかに措置をしてやるということをデッドラインを決めて、この一カ月、一カ月以内だな、そのぐらいの間で迅速にやっていただくということをお願いしまして、私の質問にかえさせていただきます。
 それで、最後に委員長、私が今申し上げましたような趣旨に沿って公正取引委員長としても取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○前田委員長 河野太郎君。
○河野(太)委員 自由民主党の河野太郎でございます。
 遺伝子組み換え食品並びにその表示問題について、農水省及び厚生省に質問をさせていただきたいと思います。
 ます、農水省で遺伝子組み換え食品の表示問題に関して懇談会が行われておると思いますが、その進渉状況がどうなっているのか、御説明いただきたいと思います。
○村上説明員 お答えいたします。
 平成八年から、厚生省によりまして遺伝子組み換え食品の安全性確認が行われまして、遺伝子組み換え食品の市場流通が現実のものになったということで、消費者等から遺伝子組み換え食品の表示を求める声が非常に強くなったというような背景を受けまして、昨年の五月に食品表示問題懇談会遺伝子組換え食品部会を開催してきております。昨年の五月からこれまで九回開催しております。
 これまでの概要は、ます、学識経験者、生産、流通、加工関係の有識者などの関係者からのヒアリング。それから、米国及びEUに委員の方々に現地調査に行っていただきまして、その現地調査の報告。それから、遺伝子組み換え食品に対する表示についての海外の取り組みの紹介などを行ってまいりました。
 現在、表示のあり方を検討するに当たりまして、整理した論点に沿って検討を行っていただいているところでございます。
○河野(太)委員 懇談会の結論はいつごろ出るのでしょうか。また、その結論はどうなりそうなのかを教えていただきたいと思います。
○村上説明員 懇談会につきましては、一定の議論の集約が可能な段階で取りまとめを行っていただくということにしておりまして、取りまとめ時期は我々の方で特段特定しているわけではございません。しかし、消費者などから非常に関心の高い問題であるということで、事務局としてはできるだけ早く取りまとめていただければというふうな希望を持っております。
 取りまとめの内容については、現在懇談会で検討されていることでございまして、現時点で何らかの結論が前提にされているという状況ではございません。
○河野(太)委員 そうしますと、この五月の末に行われますコーデックス委員会におきましては、日本政府は遺伝子組み換え食品の表示に関しては現在検討中である、そして表示する可能性もその検討の結果としてはある、あるいは表示する可能性を日本政府は現段階で否定できないと発言をせざるを得ないと思いますが、いかがでございますか。
○村上説明員 コーデックスは、来週カナダのオタワで開催されます。
 それで、現在対応の方針については各省で協議をしておるところでございますけれども、大体の感じといたしましては先ほど申し上げましたようなことで、現在食品表示問題懇談会で検討しているということ、それから国会などでも御議論いただいているというような状況、それから消費者団体等から、あるいは地方の議会からたくさんの要望が出ているというようなことを踏まえまして対処していくということになろうかと思います。
○河野(太)委員 きちっと明確にお答えをいただきたいのですが、例えば、アメリカ、カナダから遺伝子組み換え食品に関しては表示をしない方向でルールづくりをしようという提案が仮にあったとした場合に、日本政府は現時点ではそれに同調することはできないと発言をなさるわけですね。
○村上説明員 お答えいたします。
 今申しましたように、表示問題懇談会における議論も特段の結論を前提にしているわけではございませんので、アメリカなりがどういう発言をするかということは今の段階でわかりませんけれども、そういう状況を踏まえて発言をするということになろうかと思います。ですから、どちらに反対するとか反対しないとかいうような発言はなかなか難しいのではないかというふうに思っております。
○河野(太)委員 それはちょっとおかしいのではないでしょうか。まだ結論が出ていないわけで才から、アメリカ、カナダから表示をしないルールづくりをしようというときに、それに賛成は日本政府として現段階ではできないわけですよね。子こを御確認いただきたいと思います。
○村上説明員 現在事務局で出されているペーパーがございますけれども、昨年提出されました事務局ぺーパーを改定した形になっております。これの中身といたしましては、昨年の提案にありました、実質的に同等でない場合には表示をするという考え方に沿ったものと、それから、それにかわる案ということで、生きた細胞が含まれているものとか、それから実質的に同等でないものについて表示をするという案が提示されております。これらについて総括的に議論がされることになろうかと思います。
 我々としては、遺伝子組み換え食品の表示問題について我が国の中で大きな問題になっているということと、消費者団体からは表示を求める要請が国会や政府、地方議会に多数寄せられているというようなこと、そのような状況を踏まえながら現在遺伝子組み換え食品の表示のあり方について検討しているという状況を表明してはどうかと考えております。
 さらに、我が国としては、国会及び政府に設置した検討会における検討を待ちまして我が国の表示に関する対応を決めるということにしているということでございますので、今後これらを踏まえた意見を提出する用意があるというようなことを表明してはどうかというふうに考えております。
○河野(太)委員 明確に御確認ください。アメリカ、カナダが表示をしない旨のルールづくりをしたいというときに、日本は同調しないのですね。
○村上説明員 その場での議論がどういうことになるかわかりませんが、現在我が国の中で表示の方針については検討中であるということでございますので、どちらの意見に賛成するとかしないとかいうことにならないと思います。
○河野(太)委員 どちらの意見を聞いているのではなくて、アメリカ、カナダの意見に今の段階で同調できないことを確認してくださいと申し上げているのです。
○村上説明員 要するに、論理的に申し上げまして、現在検討中であるということでございますから、アメリカの意見に対して同調するとかしないとかいうことではなくて、アメリカの意見がどういうふうになるか今想定できませんけれども、それに対してどういうふうに対応するというようなことをその場で発言することにはならないと思います。
○河野(太)委員 これだけこの問題が大きくなっておりまして、アメリカがコーデックス委員会でどういう意見を述べるか今の段階でわからないという今の農水省の御発言には、大いなる問題があるのではないかと思います。そのあたりのことを少しきちっとしていただきたいと思います。
 それと、衆議院で設置されました小委員会において、遺伝子組み換え食品に関しては可能な限りきちんと表示すべきという小委員長報告が出されておりますので、その旨を各国にきちんと伝えていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○村上説明員 本委員会に設置されました小委員会での御議論の動きや、消費者団体あるいは地方議会からの要請、そのようなことについては十分説明をしていこうと思っております。
○河野(太)委員 コーデックス委員会が終わりましたらば、日本代表団の発言の議事録あるいは発言の要旨を発表していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○村上説明員 そのようにさせていただきます。
○河野(太)委員 それでは、厚生省になるかと思いますが、今、遺伝子組み換え食品の安全性評価に関して、要請があれば厚生省の方で適合をするかどうかの判断をするということになっておると思いますが、審議会になるのでしょうか、審議会の下の部会になるのでしょうか、実際に提出された書類に基づいて安全性評価の判断をされる専門家が何人かいらっしゃると思いますが、その専門家の方々の英語の能力をそれぞれの方について教えていただきたいと思います。
○堺説明員 遺伝子組み換え食品の安全評価の適合性の確認につきましては、厚生大臣が食品衛生調査会に対しまして、組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針への適合確認の可否について諮問してその確認が行われるということになっております。さらに、専門的に議論するために食品衛生調査会バイオテクノロジー特別部会において審議が行われるということになっておりまして、その委員につきましては、医学、農学等の学識経験を有する者から構成されているというところでございます。
 このような学識経験者につきましては、国内外の科学的な情報などに精通しておりまして、専門的な知識のみならず英語の能力についても十分であるというふうに考えております。
○河野(太)委員 安全性評価のために今御説明いただきましたところで評価をするための文書は、正文は英語、和訳は参考ということになっておると思いますが、そのとおりでございますか。
○堺説明員 開発者等から提出される資料というのは、申請書本文と申請要旨の二種類ございます。これまで安全性評価の確認の申請がなされたものは、すべて申請書本文が英語でございます。申請書要旨が日本語で書かれているものでございます。
○河野(太)委員 その和文の要旨というのは、どういう理由で要旨がつくられているのか、だれが本文の英語を和訳しているのか、あるいは和訳の間違いをチェックしているのはだれなのか、教えていただきたいと思います。
○堺説明員 申請書要旨ということでございますが、申請書本文が漏れなく提出されているというようなことの確認を迅速に行うために提出していただいているものでございます。申請要旨は、これまで基本的には申請書本体を和訳して作成されておりまして、その和訳、それからそのチェックというものは当然、申請者本人の責任で行われております。
 以上です。
○河野(太)委員 先般、モンサント社の提出した本文と要旨の内容が違っていたということが指摘されておりますが、それについて厚生省はどのような対応をされているのか、今後そうしたことがないようにどのようなことを考えられているのか、教えていただきたいと思います。
○堺説明員 日本モンサント社の提出資料の和訳のことでございますが、本件の英文資料におきましては、組み換え前のトウモロコシと組み換えた後のトウモロコシのアミノ酸値の比較におきまして、一部のアミノ酸について両者間に統計上の有意差があるとされているものの、これに加えて文献等で既にわかっているトウモロコシのアミノ酸値との比較も示されておりまして、これらの値を総合的に評価して、アミノ酸値について結論的には有意差がないとされているわけでございます。
 これに対しまして要旨には、その有意差がない、その結論だけが示されておりまして、その結論に至る過程というものが示されていなかったいうことで、したがって、今回の件は、提出資料の和訳に誤りがあったというふうな考えは持っておりません。
 しかしながら、申請に係る資料というのは一般に公開いたしまして自由に閲覧可能としているようなことを考えますと、今回のような申請書類の本体である英文資料と要旨の内容が異なっているのではないかというような誤解を与えるということは不適切でありまして、遺憾でございますので、申請者に対しては、このような誤解を与えるような記述をすることがないように厳重に注意したところでございます。
 さらに、この件につきましては、昨年十二月一日に開催された食品衛生調査会常任委員会にお夫まして事実経過について報告いたしまして、再審査の必要がないものと判断していただいたところでございます。
 以上です。
○河野(太)委員 そうしたトラブルを防ぐために、実際に審査をされる専門家には正文の英語のみを渡すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○堺説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、申請書の要旨というのは、本文が漏れなく提出されているかどうかというのをできるだけ迅速に判断するというために提出していただいているというものであります。したがいまして、その確認をしていただく委員の方々には両方見ていただくというかお渡しして、中心は英文の本文というものを見ていただくということになっております。
○河野(太)委員 現時点でそうなっているのはわかりましたが、事務局が要旨を参照して漏れがないことを確認し、委員の方には英語の正文だけを渡すということになれば、要旨と本文の間違い、あるいは差があったところで問題にならないと思います。委員の方は全員英語の能力が高いという御説明がございましたので、英語の正文だけお渡しすることで何ら問題はないと思いますが、いかがでございましょうか。そういう処置をとられる方が、要旨と正文の万が一間違いがあったときにも間違いが審査に影響することはないと思いますが、どうでございますか。
○堺説明員 申請書の本文というのはあくまでも英文ということでございますので、それを見ていただくということになると思います。
○河野(太)委員 それでは、英文のみ配るということでよろしいのですね。
○堺説明員 見ていただくのは英文ということになろうかというふうに思っております。
○河野(太)委員 納得できません。英語の能力の大変高い専門家に、ただ漏れがないかどうか参照するための要旨をつける理由がどこにあるのでしょうか、見ていただくのか英文であれば、英文のみ配る、参照は事務局の方で確認のために要旨を使う、それでよろしいのではないでしょうか。
○堺説明員 決して委員のおっしゃっていることを否定しているわけではございません。配付するのは英文、それから、求めに応じて和文というふうにしたいというふうに思っております。
○河野(太)委員 要旨に間違いがあった例が一件あるわけでございます。求めに応じてというのは審査終了後お渡しをするということにしないと人為的なミスを増幅することになると思いますが、いかがでございますか。
○堺説明員 申請書本文に漏れがないかどうかという確認のためだけにも要旨というのも必要なのではないかというふうにも思っております。
○河野(太)委員 意味がよくわかりません。配付するときに、事務局が確認をして配付すればいいことではないのでしょうか。
○堺説明員 おっしゃるとおりでございます。
○河野(太)委員 それでは、これ以降、審査の書類は英文のみ配付されていることを厚生省はきちんと確認をしていただきたいと思います。
 それでは、その先に行かせていただきたいと思いますが、遺伝子組み換え食品の安全性に関するガイドラインを定めている国は、現在、世界じゅうに何カ国あるのでしょうか。
 また、そうした国々と比べて、日本のガイドラインというのはどういう評価にあるのでしょうか。
○堺説明員 遺伝子組み換え食品に関する安全性評価というのは、科学的見地からOECDあるいはWHOなどによってその評価の考え方が取りまとめられておりまして、我が国においても、それらを踏まえまして安全性評価指針というものを策定しているわけでございます。
 諸外国につきましては、現在、国によって安全性の評価の確認が行われておりますのが、アメリカ、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドというふうに承知しております。
 それで、日本の安全性評価指針、諸外国と比較してどうかという話でございますが、諸外国における安全性評価指針につきましても、我が国の安全性評価と比較して内容が大きく異なるものではないというふうに思っております。
○河野(太)委員 先般、米国の農務省に参りましたときに、アメリカの農務省の方で、遺伝子組み換え作物を非公然に作付をして、要するに、遺伝子組み換え食品だと言わずに遺伝子組み換え作物を作付をして偽って出荷している業者、国が多々あるというようなことを米国農務省は述べておりましたが、日本政府はどの程度それを確認しておりますでしょうか。
○堺説明員 現在、そのような確認というのはされておりません。
 しかしながら、組み換え食品につきましては、技術が高度な先端技術でありまして、食品分野への応用経験が少ないというようなことから、これらの食品を輸入する際には安全性評価の確認を行うよう、営業者に対しまして我が国の評価指針に基づく確認申請を強く求めているというふうにしているところであります。
○河野(太)委員 安全性確認を強く求めていくということでございますが、安全性確認を義務づけるべきだと思いますが、なぜ強く求めるけれども義務づけはしないのでしょうか。
○堺説明員 組み換え食品の安全性評価の確認を事業者に義務づけるというためには法律によることが必要でございますが、かかる義務づけをするに足る科学的あるいは合理的な根拠が必要なわけであります。
 対外的につきましても、衛生上の観点から現行の食品衛生法で義務づける場合につきましても、WTO協定に基づき、このような義務づけが科学的根拠を有することを説明する必要があるというふうに考えております。
 しかしながら、組み換えDNA技術そのものが危険であるということを示す科学的根拠がない、それから、遺伝子が組み換わる点におきましては従来の品種改良品と同様ということであるということから、遺伝子組み換え食品の安全性評価の確認の義務づけをしなければならないような科学的根拠はないというふうに考えております。
○河野(太)委員 現在、アメリカでも、例えば遺伝子組み換えをすることによってアレルギー的なものが発生する可能性はある、それを防ぐためにきちっと検査をする、確認をするのだということをアメリカの農務省も言っております。そういうわけで、アメリカもきちんと安全性の評価のガイドラインをつくっているわけでございますし、日本政府もそういうことをやっているわけです。
 ところが、先ほどお話のありましたように、世界じゅう、各国がそういうことをやっているかといえば、そういうことはないわけでございます。日本政府はいまだ確認をしていないようでございますが、中南米あるいは東アジアにおいて、遺伝子組み換え作物を実験と称して広大なところに作付をしている例もあるようなことを聞いているといいますか、アメリカの農務省は既に確認済みでございます。
 そうした国が安全性に関するガイドラインを定めていないために、そうした作物がノーチェックで日本に輸入される可能性は否定できません。そうしたものについて安全性の確認を、それでは厚生省はどのように考えているのでしょうか。
○堺説明員 組み換えDNA技術の食品、食品添加物の製造における応用は、これまでの研究結果から、その技術そのものが危険であるというふうには考えておりません。
 しかし、遺伝子組み換え食品につきましては、遺伝子組み換え技術が高度な先端技術であり、食品分野への応用経験が少ないというようなことから、食品を輸入する際には安全性評価の確認を行うように、営業者に対して我が国の指針に基づく確認申請を強く求めているというところであります。
 したがいまして、御指摘のように安全性評価に関するガイドラインを設定していない国から遺伝子組み換え食品を輸入する場合におきましても、我が国の安全性評価指針に基づく確認申請を行うということを営業者などに強く求めていくこととしておりまして、安全性評価の確認というのは適切に行われるものと考えております。
○河野(太)委員 強く求めたけれどもやられないケースもあるわけでございまして、どうも厚生省はその辺が非常に、最近一連の出来事を見ておりますと、なぜ一〇〇%網をかけようとしないのでしょうか。大多数はそれで網がかかるものとお考えになるのは御自由でございますが、義務づけをすれば一〇〇%網がかかるわけで、それをやらない理由は何なのでしょうか。
 また、それによってアレルギー等が日本に発生するようなことを想定していらっしゃらないのでしょうか。
○堺説明員 繰り返しになりますが、現在、遺伝子組み換え食品ということにつきましては、その遺伝子組み換え技術というものが、というような点でありますとか、ということで、現在、義務づけということはしていないわけでありますが、万一そのような漏れが起こるといけませんので、各国大使館に対しましても強く要望しているところでございますし、また、先ほど河野委員がおっしゃいましたアメリカ農務省の情報というのも、我々、再度確認したいと思いますし、各国に対しましてまたそのようなことがあるかどうかということの調査ということも今後やっていきたいというふうに考えております。
○河野(太)委員 済みません。質問時間が終わりに近づいておりますが、お答えをいただいておりません。
 義務づけをすれば、一〇〇%網がかかる。しかし、強く要請しても、嫌だと言われればそれまででございますから、一〇〇%網はかからないわけでございます。
 なぜそういう危険性があるのを承知で一〇〇%網をかけないかというのが質問でございまして、今の答弁ではその答えになっておりません。
 なぜ義務づけをしないのか。強く要請するのであれば、義務づけをすれば一〇〇%網がかかるわけでございますから、なぜ義務づけをせずに、そうしたアレルギーを起こすかもしれない、各国でチェックをされない遺伝子組み換え作物が輸入される可能性を、すき間を厚生省は残そうとしているのか、その理由を明確にお答えください。
○堺説明員 確認を義務づけるということは、義務づけをするに足る科学的、合理的な根拠が必要というようなこと、それから対外的につきましても、衛生上の観点から現行の衛生法で義務づける場合についても、WTO協定に基づき、その義務つけが科学的根拠を有するということを説明する必要があるということであります。
 それで、その技術そのものが危険であるという根拠がない、それから遺伝子が組み換わるという点では従来改良品と同様であるというようなことから、安全性評価の確認の義務づけをしなければならないという根拠がないものというふうに考えておりますし、また、その申請をしなかった食品について問題が起きた場合、それを把握し得る体制に現在なっているというふうに考えております。
○河野(太)委員 遺伝子組み換え食品でアレルギーが起こることは確認を既にされております。アメリカでブラジルナッツの例その他、有名な例も幾つかあります。そういうことがあるから、安全性の確認を日本もアメリカもしているわけでございます。
 そういう確認のガイドラインを定めていない国からの遺伝子組み換え作物というのは、そうした基本的なアレルギーを起こすかどうかの確認もされないまま日本の国に輸入されるわけでございます。ですから、それに対して、アメリカのようにガイドラインがあって検査をしている国から輸入されたものについては今の答弁でよろしいのですが、そうでない、現地でも確認をしていない国からの遺伝子組み換え作物の輸入に当たっては、日本で安全性の確認を義務づけなければそうした基本的なアレルギーの問題もクリアされないわけでございます。
 ですから、なぜそれをやらないのかというのが質問で、今のお答えのような、アレルギーの確認はやったんだ、技術そのものは危ないことはない、それはそれのお考えでございますが、そうではなくて、明らかに可能性があるアレルギーのチェックを向こうもやらない、こっちもやらない、どうしてそういう体制を許すのかという質問でございますから、今のお答えはお答えになっておりません。もう一度そこをきちんとお答えをいただきたい。
 そして、今の厚生省の話ですと、何か事故があったら対応するからいいんだ、そのようにもとれますが、もう一度そこも含めクリアに、なぜアレルギーが起こるかもしれないものを、向こうの国もノーチェック、日本の国もノーチェック、質問しているのはそういうところでございますので、もう一度質問に対して正しいお答えをお願いいたします。
○堺説明員 遺伝子組み換え食品、それから食品添加物ということにつきましては、その技術そのものが危険であるというふうには考えておりません。ただ、組み換え技術が高度先端技術であるということ、それから食品分野への応用が少ないというようなことから、その確認を行うように、輸入する際には確認申請を強く求めているところでございます。
 ただ、そのような国以外の国で製造されているとか栽培されているとかということがございますので、そこら辺は米国等とも連絡をとりまして、確認していきたいというふうに考えております。
○河野(太)委員 質問時間が終わりに近づいているのは了解をしているのですが、私の質問に政府側は全くお答えをいただいてないようでございますが、委員長、答えを出すように御指示をいただいて、その答えをいただいて私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。
○堺説明員 仮に営業者が安全性評価の確認を行わない場合ということでございますが、遺伝子組み換え技術そのものが危険であるという科学的知見はないということから、確認をしなかった遺伝子組み換え食品が既存の食品と比較して食品の安全性に問題があるということは言えないのではないか。しかしながら、遺伝子組み換え食品についても、他のすべての食品と同様、食品衛生法の第四条の各号に該当し、人の健康を損なうおそれがある場合には、必要に応じて食品衛生法の販売停止などの措置を、となるというふうに考えております。
○河野(太)委員 質問は、アレルギーを起こす可能性があるものについてなぜ義務づけをしないのかというのが私の質問でございまして、厚生省のたび重なるお答えはその問いに答えてないように思われますが、そのお答えをいただいて私の質問を終わりにしたいと思いますが、委員長、よろしゅうございますでしょうか。
○堺説明員 我が国の安全性のガイドラインということにつきましては、アレルギーが起きるか紀こらないかということの確認ということはきちっとやっております。また、そのようなことを業者に強く求めているわけであります。
 しかしながら、遺伝子組み換え技術そのものについては、その危険性というものはないというふうに考えているというところでございます。
○河野(太)委員 ここから先はもう委員長の御判断でお願いをしたいと思いますが、安全性確認タやらない国から日本へ遺伝子組み換え食品が輸入された場合に、アレルギーのチェックという基本的なこともどちらの国でも行わないわけでございます。今厚生省はそういう答弁をされましたが、アメリカも日本も、そういうアレルギーのチェックのような基本的なことは今の安全性確認の中でやっているわけでございます。ところが、そうしたガイドラインを持ってない国は、当然のことながら、そういう基本的なアレルギーのチェックもやらずに日本に物が輸入されます。そういうものについて、向こうでやっていないんだからこちらの受け入れのときに安全性確認を義務づけたらどうかというのが質問でございます。
 厚生省は強く要請をするとおっしゃっておりますが、強く要請をするのと義務づけるのとは違いまして、そこにすき間があります。厚生省はどうしてそのすき間を許すのかというのが私の質問でございまして、そのお答えをいただいて私の質問を終わりにしたいと思います。そこの御判断は委員長にお任せをいたします。
○前田委員長 この問題につきましては、時間も限られておりますので、一度、後理事会で検討した上で結論を出したいというふうに思っております。よろしくお願いします。
○河野(太)委員 よろしくお願いします。ありがとうございました。
○前田委員長 石毛^子君。
○石毛委員 民主党の石毛^子でございます。
 本日は、遺伝子組み換え食品の表示と食品衛生法の関係について質問をさせていただきたいと思います。
 ます最初に、もう改めて申し上げるまでもありませんけれども、本特別委員会の小委員会といたしまして三つの点にわたって意見一致を見たということで、これはさきのこの特別委員会の終わりのときに、この委員会で御了解いただきました。
 その三つの点は、厚生省は遺伝子組み換え食品に関する現行の情報公開の制度を全面的に改めるとともに、電子化された情報とデータベースで消費者の縦覧に供すべきである、これが一つ。それから二点目が、安全性の確認の重要性にかんがみ、現行のガイドラインを見直し、より一層の守全性を保証するものを策定すべきである。三点目が、消費者の権利を守るために、可能な限りきちんと表示をすべきである。この三点でございました。
 そこで、ます最初に、確認の意味で質問をさせていただきたいのですけれども、最初の一点目、情報公開と、それから二点目の現行のガイドラインの見直しということにつきまして、厚生省といたしましてこの小委員会の報告をどのように受けとめられたか。そして、具体的に幾つかの点で施策が進展しているという状況があるのかどうか。あれば、その点を御紹介いただきたいということがます最初でございます。
○堺説明員 遺伝子組み換え食品の安全性評価の確認につきましては、食品衛生調査会におきまして専門家により科学的な審議が行われているというところでございますが、消費者等の間で遺伝子組み換え食品の安全性に関する不安というものがあるというようなことから、遺伝子組み換え食品についての科学的知見についての情報提供を行う必要というものがあるというふうに考えております。そこで、今まで遺伝子組み換え食品の安全性評価に係る申請書を食品衛生調査会の決定に基づき、特定の者に利益または不利益をもたらすことのないよう一般の閲覧に供しているというところでございます。
 このような情報公開のあり方につきましては、いわゆる情報公開法の、これは現在、案でございますが、その御議論の中で適切な情報公開の方法というものが整理されるというふうに考えておりますが、今後とも、厚生省として、遺伝子組み換え食品の安全性評価に関する情報提供としてどのようなことを行うことができるのか、具体的な方策について検討していきたいというふうに考えております。
 また、遺伝子組み換え食品の安全性評価につきましては、科学的知見から、経済協力開発機構、
OECDや世界保健機関、WHO等におきましてその評価の考え方が取りまとめられております。我が国におきましても、それを踏まえ、食品衛生調査会で専門的に御審議いただき、安全性評価指針を策定したところでございます。この評価指針につきましては、最新の科学的知見に基づき策定されたものであるということから、この指針に沿って評価が行われた遺伝子組み換え食品については安全性に問題がないというふうに考えておりまして、現時点で直ちにガイドラインを見直す必要性というものはないというふうに考えておるところでございます。
○石毛委員 それでは、情報公開の点に関してでございますけれども、消費者の方からは、筆記をして内容を転写していかなければならない、分厚な資料をそういうやり方でするのは大変非効率だといいましょうか不便だ、コピーをとるというようなこともあっていいのじゃないかというような意見が多々出されていたと思いますけれども、消費者の立場から見まして、具体的な改善策というものは何らとられていない、方法は小委員会報告が出た後も何ら変わっていないということを御確認させていただいてよろしゅうございますか。
○堺説明員 現在のところ、申請のための事業者が提出した資料ということについてコピーを認めるというような形で公開するということは困難というふうでございますが、今後、情報公開法の議論の中で適切な公開の方法が整理されるというふうに考えております。
○石毛委員 それでは、次の質問に移りますが、表示に関してでございます。
 厚生省は、この遺伝子組み換え食品の表示に関しましては、これは農水省の課題であって、厚生省としては我関せずという立場にあるのではないかというようにうかがえるのですけれども、遺伝子組み換え食品は食品衛生法上の表示の対象とならないというふうに厚生省は位置づけていらっしゃるのでしょうか。その点をお伺いいたします。
○堺説明員 遺伝子組み換え食品の表示と食品衛生法という御質問でございますが、遺伝子組み換え食品というのは、遺伝子が組み換わるという点におきまして従来の品種改良品と同様、それからさらに安全性評価指針への適合を確認しているということから、食品衛生法において、公衆衛生上、他の食品と区別して表示を義務づけるということは難しいというふうに考えております。
○石毛委員 難しいというお答えと、できないいうお答えがどう違うのかということは私はわかりませんけれども、その点は置いておくことにしたいと思います。
 食品衛生法の表示に関する規定は、法の第四章「表示及び広告」という中で、第十一条が「表示の基準」というふうになっております。この第十一条はへ「厚生大臣は、公衆衛生の見地から、」云々というふうに続いておりますけれども、公衆衛生の見地から表示をするという、この「公衆衛生の見地」ということはどういうことを意味内容としているのかということを御説明いただきたいと思います。
○堺説明員 食品衛生法に言う「公衆衛生の見地」ということで御質問でございますが、「公衆衛生の見地」というのは、一般に、医学、衛生学、その他関連する諸科学に基づき、国民の健康の保全、増進、疾病の予防、治療というものを図る観点という趣旨とされております。このような公衆衛生は、食品衛生の分野におきましては、食品衛生法第一条に規定する「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止」することをいうというふうに考えております。
○石毛委員 今、危害の発生の予防というお返事をいただいたわけですけれども、厚生省生活衛生局監修の逐条解説によりますと、「表示に関する規制は、衛生面からだけでなく、商取引の安全や便宜、合理化の確保など諸々の観点からも必要とされるものであるが、本条」つまり第十一条「による規制は、公衆衛生、食品衛生の観点から行なう」というふうにしております。
 今もその御説明をいただいたわけですけれども、「食品衛生の観点」とは、危害の防止あるいはこの遺伝子組み換え食品でしばしば表現されます安全性だから表示の必要はないというような事柄ともかかわりまして、「食品衛生の観点」といいますのは、この危害の防止とか安全性の観点だけなのでしょうか。
 そこで、WHOでは、食品衛生の定義をどのようにしているかということを御紹介いただきたいと思います。
○堺説明員 WHOとFAOの合同食品規格委員会におきましては、食品衛生には、人間の摂取に適する、安全で、適切で、健全である製品を確保することを目的とする食品の製造、加工、保管及び流通で必要な条件及び方法が含まれるというふうに定義されているところでございます。
○石毛委員 今の回答にも健全という表現が含まれておりましたけれども、これは川田十三夫氏という方の「最新食品衛生学」でございますが、「WHOの専門委員会で、食品衛生とは、食品の生育、生産、製造から最終的に人に摂取されるまでのあらゆる段階において、食品の安全性、健全性および劣悪化防止を確保するための、あらゆる手段をいう」というふうに書かれております。つまり、私がここできよう申し上げたいのは、食品衛生み観点から食品についての表示をする場合に、安全性という観点だけではなく、そのほかに、食品の健全性とかあるいは劣悪化防止とか、さまざまな観点が考えられていいのではないかと。
 例えば、以前この委員会で参考人としておいでくださいました粟飯原氏によりますと、健全な食品の条件として、栄養性とか安全性、うまみ性、貯蔵性へ便利性、経済性という六要素を挙げておられて、一つの要素が極端に強調ないしは無視されても食品の条件としては好ましくないということを申されております。
 そしてまた、粟飯原氏とともに「食品の安全性評価」という著作を著していらっしゃいます内山充氏によりますと、健全性とともに有益性という概念を挙げておりまして、この有益性というのは、おいしいと感じる心だとか安心できるというようなことだとか、いわば主体の側といいましょうか、個体の側の条件も挙げておられます。
 食品の有害物質が人間の健康に悪影響とは、一つは物質の毒性であり、また二つには食品中の濃度であり、そして三つにはその食品の摂取量であり、四つ目には生体側の脆弱性。つまり、食物としての物体の定性として、毒を含んでいるかとかあるいは安全であるかということだけではなく、それをどのぐらいの量摂取するか、あるいは摂取する側の生体の条件、強い人であるのかあるいは弱い人であるのかという、そうした相関の中で安全性評価がされるというようなことを内山氏が紹介しておられます。
 私は、私たちの食生活という観点から見た場合、この評価の考え方といいますのは極めて適切であるというふうに受けとめております。私たち、私たちといいますか、消費者としてこの遺伝子組み換え食品ということを考えますときに、非常に不安に思っておりますのは、ガイドラインに従って安全性評価はされてはいるけれども、自分は体が弱いとか、あるいは私のうちの体質はこういうことだというようなことで不安があるというようなこと、そういうことが多々言われているわけです。
 ですから、そうしたことを考えますと、私は、食品衛生法の第十一条の「公衆衛生の見地」というその解釈の仕方を、今申し上げましたように幾つかの角度をもってしていくという必要があるのではないか、今の御説明では、シングルイシューと申しましょうか、余りにも特定され過ぎていて、生活者・消費者の求めているその事柄と十分に響き合ういい相関関係が持てない規定の仕方ではないかというふうに考えるのですが、いかがでございましょうか。
○堺説明員 現時点での食品衛生法の「公衆衛生の見地」というのは、あくまでも第一条に規定するところの「飲食に起因する衛生上の危害」を防止するということと考えておりますが、また、有用性ということになりますと、今度は栄養改善法という法律にもなってくるのではないかというふうに思っております。
 以上です。
○石毛委員 少し具体的に「公衆衛生の見地」とのかかわりで伺わせていただきたいのですけれども、食品衛生法施行規則第五条「販売の用に供するものの表示の基準」ということの、さまざまに列記してあります中に、ワというのがございまして、ア、イ、ウ、エ、オと続いていったワですけれども、ここに「冷凍果実飲料」というのが記載されております。「(果実の搾汁又は果実の搾汁を濃縮したものを冷凍したものであって、原料用果汁以外のものをいう。)にあっては、「冷凍果実飲料」の文字」というふうに表示に関する施行規則の規定がございます。
 冷凍果実飲料といいますのは、安全性の観点から表示が必要なものなんでしょうか、どうでしょうか。
○堺説明員 冷凍果実飲料についてでございますが、加熱殺菌した果汁に生の果汁を添加することによりまして製造されるものでございます。これは、マイナス十五度C以下で保存しなければ、加熱殺菌していない生果汁に含まれる酵素によりまして発酵のおそれがあるわけであります。このために表示を義務づげているわけでございます。
 以上です。
○石毛委員 それでは、いろいろ表示を見ていてわからないのですが、これはガムの表示なんです。これは通告はしてございません、恐縮ですが。ガムの表示なんですけれども、これを見ていますと、ガムベースとしていろいろ書いてありまして、例えば色素としてクチナシとかそれからウーロン茶とかというふうに書いてあるのです。あめを見れば、またあめの着色の表示とかいろいろあると思いますけれども。
 このクチナシとかウーロン茶とか、こういうものは安全性の観点からの表示なんでしょうか。
○堺説明員 ガムでございますと、例えばそこで言うウーロン茶というのは、恐らく着色のために使っているのではないか。クチナシというのも着色というふうに考えられまして、添加物でございます。
 添加物については、一般に、一定量を超えて摂取した場合には人間の健康を損なうおそれがあるということから表示の基準というものを定めているというところで、表示をしているというところでございます。
○石毛委員 添加物は、一定の摂取量を超えれば安全性の危険があるということで、表示というふうに伺いました。
 こういうことを一つ一つ確かめさせていただきたいのですけれども、遺伝子組み換え食品との関係でいいますと、組み換えによる日もちトマトと普通のトマト、これが両方表示がない場合に、消費者にとっては、安全性の観点からはどう判断したらいいのだろうかというような論点もあるかと思います。
 きょう、私は、公衆衛生の見地、食品衛生の目地ということを、現代のさまざまな化学物質のもたらす不安というような状況に対応して、改めて新しい内容として規定していく必要があるのではないかという趣旨から質問をさせていただきました。お受けとめいただければと存じます。
 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○前田委員長 樽床伸二君。
○樽床委員 民主党の樽床でございます。
 ただいまの石毛委員の質問に引き続きまして、一般質疑ということで、特に私の方からは金利と消費の問題につきましていろいろとお聞かせをいただきたい、このように考えておるところでございます。
 昨今、昨今といいますか、我が国が非常に低い金利の状態に張りついていることは私が申すまでもないことでありまして、国民ひとしく認識をしているところであります。
 金利が低いということのプラスマイナス、いろいろあるわけでありますが、端的に言うと、金利が低いということは、民間の企業の方がたくさん借金をして経営をされておられる、銀行からたくさんお金を借りて会社を経営する、その払う利息が少なくて済む、これほどいいことはない、こういう一つのわかりやすいプラスの面があるわけであります。
 プラスの面があれば当然マイナスの面も必ず世の中にはあるわけでありまして、金利が低いということがどんどん長く続いておりますと、そのマイナスの面もかなり注意をしなければいけない、こういう状況になってきたというか、なってきているというふうに認識をいたしております。
 特に、そのマイナスの面というのは消費に対する悪影響、こういうことでございます。
 簡単に、わかりやすい一人の個人を例として申し上げますならば、例えば二百万円の定期預金序持っておられた。昔のように例えば五%ぐらいの定期預金の金利がっくということでありますと、二百万でありますから十万円の利息が預金者の方の手元に届く。それが今のような水準でありますと一万円にも満たない、こういう状況になるわけでありまして、これが消費に対して大変大きな影響をそれなりに与えているのではないかというような問題意識から、プラスマイナス両方あるという前提でありますけれども、ますお聞かせをいただきたいと思います。
 世間ではいろいろなことが言われておりますが、把握されておる範囲の中で、一千二百兆円とも言われる我が国の個人金融資産の総額でありますけれども、そのうちで利子所得を発生させる資産、その割合というのはどれくらいあるものでありましょうか。もしわかりましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○小林(勇)政府委員 お尋ねの割合でございますが、日本銀行の資金循環勘定によりますと、九七年末における我が国の個人金融資産は一千二百二十九兆円となっております。このうち、いわゆる利子を生ずる資産は預金、債権、投資信託等でございますが、千百二十五兆円でございまして、個人金融資産全体に占める割合は九一・五%ということでございます。
○樽床委員 ということは、ほとんどの個人金融資産は利息を発生させる、これは至極当然でありますけれども。
 その利子収入ですね、一般の方に対する利子収入。これはちょっと語弊があるかもわかりませんが、わかりやすい表現を使うと、要するに、当然不労所得でありますから、小遣い銭みたいな形で入ってくる、こういう感覚になるわけであります。
 この利子所得が消費に回っていく、消費性向といいますか、利子所得の消費性向というのは大体どれくらいあるというふうにお考えになっておられるでありましょうか。
○栗本政府委員 御質問のとおり、ます前段の、総額の利子所得は減っているわけであります。平成三年度に三十二兆から三十三兆、正確には三十二兆六千億だったものが、平成八年度には二十兆弱になっております。したがいまして、全体の可処分所得は減っているわけでありますから、絶対値としては減っているというのは当然予測されるのですが、実は、利子所得とそれ以外の所得を区別いたしまして、利子所得はこのくらい、それ以外のものはこのくらいというデータは、我が国のみならず、どこでも正確にはとれておりません。
 したがいまして、ある程度根拠を持ちながらの推測という形になるわけでありますけれども、消費性向の動きは九〇年代に入って若干低下傾向にあるわけですが、そのうちの幾つかは例えばマインド、これが非常に大きいと今言われておりますし、実際そうだと思います。
 それから、消費の段階として、必需的なものが多くて買わなければならないという状況は、例えば戦後等に比較して、非常に今は少なくなっているのではないだろうかと。
 したがいまして、経済全体のマインドはどうかということを私どもも先生方も大変重要なものとして考えているわけであります。
 ということから、結論から手短に申し上げますと、それだけ取り出してどうかということはわからない、絶対値としてのマイナスというのは当然あるのではないか、そういうことでございます。
○樽床委員 政務次官、大変こういうお話はお詳しいものであろうという前提で、私もお話を聞いておったわけであります。かつて政務次官の書かれた本を読ませていただいて大変深く感銘を受けたこともあるわけでございまして、大変光栄であります。
 一般的な、あり得ない話でありますが、もし私が一主婦であるという立場にみずから身を置いたと考えますと、御主人の口座のお金が何もしないのに二十万円くらいぽこっとふえている、こういうことになりますと、それは、一生懸命働いて手にしたお金よりも、働かないで不労所得として回ってきたお金というのは、やはり消費に回りやすいのではないか。一生懸命努力をして稼いだお金よりも、不労所得の方が回りやすいのではないかという仮説を私は当然立てておるわけでありますが、政務次官、いかがでございましょうか。
○栗本政府委員 仮説としてお答えすると、十分成立する仮説じゃないだろうかと思います。
 利子所得ど先ほど審議官の方からお答えいたしましたが、正確には利子所得と分類されるものであって、金融資産の中の債権、投資信託、保険等は配当という表現が使われて戻ってきていることが多いわけであります。
 本当に言葉の上でも概念でも利子に当たるのは預金であります。預金が大体五五%ぐらいですね。これは、いわゆる果実という言葉も通常の経済行動の中にございます。果実を運用して何々協会の何とかの資金にしていく。
 そういった点で、果実は、個人の家計においても団体においても企業においても減っているわけでありまして、その限りをとりましては、消費に対してマイナスの影響があるというのは当然考えられることだと思います。
○樽床委員 実際、先ほど政務次官もおっしゃいました、三十二兆以上の利子所得が二十兆円に減った。これは十二兆から十三兆減っておるわけですね。要するに、入ってくるものが減ったということでありまして、これは逆に言いますと、イコールではありませんけれども、十二、三兆円の、増税とは言いませんが、本未来るものが来ない、こういうことでありますね。
 そうすると、これも仮説でありますが、金利が昔の水準に戻れば減税以上の効果があるというようなことも考えられる。そうしろとは言っておりませんが、考えられる。理屈の上からはそうなるわけであります。
 しかし、先ほど言いましたように、それは一方で、金利が上がると消費はそういう意味でいうとふえる。しかし、企業の経営者からすると、そんな、困るじゃないか、今は金利が低いから利払いの我々の負担が少ないのに、これが上がったら大変だ、こういう声が必ず出てまいります。ですから、冒頭言いましたように、プラスとマイナスの両方がある、こういうことであります。
 しかし、外為法の改正等々ありまして、ビッグバンが着実に進んでおるという中で、私は、市場の圧力によって金利はある程度当然のごとく上昇をしていくであろう。政権与党の大幹部の方々も一部でそのような発言もされておられるというふうに聞いておりますし、当然のごとく、今の若い方にすれば、要するに外資系の日本の支店が日本の定期よりもはるかに、十倍以上の利子がつくというものに対して、昔は、ついこの間までは外貨建てであればねと、やはりドルに対する抵抗があって、本当に大丈夫かというもろもろの制約で歯どめがかかっておったものが、歯どめがなくなるということでありますから、どんどんそちらへ流れていくということも私は当然考えられる。だから、貸し渋りどころではなくて、低い金利であると預金が集まらない。こうなると、市場の圧力によって、ビッグバンが進めば進むほど、金利は市場の力で上がらざるを得ない。
 私は、それを阻止してはいかぬだろうというふうに思っておりまして、そういうことになると、適正金利の中でいかに経済を活性化させていくのか。景気が悪くなりたら金利を下げて、とにかく低いところに張りつかせておったら、それで一つの方策はとったという発送そのものがもはや時代おくれになっておるのではないかというふうに考えておりますが、どうですか、政務次官の高通なお考えをお聞かせいただければと思います。
○栗本政府委員 御質問の中に既に全体的なマクロの展望をお含みいただいておりまして、こちらも先栄と思って聞いておりますが、個別のことで申し上げますと、公定歩合等は、形式的にはと言ったらおかしいですね、実質的に日本銀行の専管事項でございますので、どうしろということは当然言えないわけでありますけれども、今のような総合的な視点から考えていくべきことだというふうに考えております。
 それで、家計の方に関してだけちょっとお答えすれば、利子所得は平成三年度がピークでありまして三十二兆六千億、平成八年が十九兆八千。十二兆八千億円ばかり、ばかりって、相当な金額目減りをしているわけであります。家計を中心に見た場合にはこのことがます第一点挙げられますが、同時に、今度は若干これを相殺して考えなければいけないのは、住宅ローンであるとかその他のローンを組んだ場合の家計から払うべき利子も下がっておりますので、その金額が全部ではないという格好になっているわけでございます。
 それで、ビッグバンが進行した場合に、日本の金利が非常に安い、現在そういうわけであります。
 これは、家計だけではなく、銀行もそのような行動を多くとりますと非常に問題になりますけれども、諸外国において預けた方が利子が入るから、そちらの方に資金を個人及び企業、銀行も回すというふうなことがあったらば非常に大きな問題ではないか、おっしゃるとおりだろうと思っておりますが、そのことに関しましては、また改めてお答えさせていただきます。
○樽床委員 特にきょうは一般質疑でもありますし、金利の問題、確かに今政務次官がおっしゃいましたように、公定歩合というのは日銀の問題でありますから、とやかく言うつもりはありません。
 しかし、経済企画庁は、我が国の経済の行方をしっかりと見定めて、一つはその方向性として予測といいますか理論といいますか、そういうものをリードしていかなければいけない役割が御省にはあるのではなかろうか。それがないというのであるならばつぶしてしまえばいいわけでありまして、存続させておきたいと思うのであれば、やはり日本の経済の先行きをしっかり示した方向性を示して、それをリードしていく。
 決定されるのは、それは現場、日銀が現場かどうか知りませんけれども、そういうところが決めなければいかぬところは決めればいいのですけれども、ぜひとも御省におかれましてはそのような強い気概を持って、いろいろ既得権の調整に当たるという発想ではなくて、マクロとしての我が国の経済の方向をリードしていく。そのことがひいては一人一人の国民の皆様方の家計にもしっかりと反映をしてくる。こういう前提でぜひとも今後とも御尽力をいただきたい、御努力をいただきたい。心からお願いを申し上げる次第でございます。そういうことをしないというのであるならば、私は、即刻経済企画庁はつぶすべきだ、このような大きな声を上げさせていただきたいな、このように考えておる次第でございます。
 最後に一点お聞かせいただきたいのでありますけれども、経済の問題でいきますと、私は、ちょっと語弊がありますけれども、あえて思い切った表現を使いますと、経済の状況が悪い、それでたくさんの企業が倒産をしていく、こういう話であります。それで、その倒産をするということそのものが、私はマクロでいくと根本的な問題だとは実は思っておりません。
 これを言うと非常にいろいろなところから弾が飛んできまして、とんでもないことを言っておるなという話になるのですが、問題は、新しいものが生まれてこないというのが問題であるわけであります。
 景気が悪くてもよくても、その企業の経営が悪くて社会の情勢に合わないものをつくっておる、また合わない経営をしておるということになると、その企業は市場の中で淘汰をされていくわけであります。問題は、つぶれたところに新しいものがどんどん生み出されてくる、そしてトータルとしてはプラスになっていく、今は新しいものがなかなか生まれてきにくいのではないか。どうも後ろ向きの発想で物事をし過ぎているのではないかという発想を持っております。
 そういう点でいくと、新しいものをつくるという発想からいくと、言い古されておりますけれども、ベンチャーキャピタル、こういうことになりますが、我が国のベンチャーキャピタルについてはまことにお粗末な状況であろうというふうに私は認識をしております。
 そういったことで、ベンチャーキャピタルについて、今後どのような決意で施策を推進されていこうとされておられるのか。時間の関係もございまして、本当でしたら一時間、二時間質問したいわけでありますが、あと五分もないということですので、最後の質問とさせていただきます。よろしくお願いします。
○栗本政府委員 まことに御指摘のとおりでありまして、我が国はベンチャー企業が、重要性はかなり以前から指摘されているにもかかわらず、まだまだ支援をしなければいけない、育成をしていかなければいけない、そのための政策もとらなければならないという状態にあると考えております。
 このたびの政府の緊急経済対策の中にも特別に項目を一つ立てまして、ベンチャー企業育成策というのを打ち出したわけでありますけれども、その中身は、ある意味で当然といえば当然、逆に言いますと、諸外国、特にアメリカに比しては立ちおくれているのではないかというふうな御批判もある部分もあるかと思います。
 そこで打ち出しておりましてやろうとしていることは、具体的には、新規事業法認定企業に対する債務保証の強化。これは平成二年から認定しているのですが、毎年四十社ぐらいしかふえていないという格好であります。それから産業基盤整備基金等。これも保証の枠が少ない、これを広げていくということ。それから店頭登録を楽にしていくということ。・それから、一番重要なのは、投資事業有限責任組合法、今提出されておりますけれども、これは、これまでなかったのがある意味でおかしいようなものだと思うのですが、こういったものを成立させ強化をさせていくということであります。
 それから、要するにベンチャー企業といいましても何がベンチャー企業か。今、一般的に中小企業とかといった場合には数字で従業員何人以下と一応切りますね。ベンチャーというのは、うちはベンチャーやっているんだ、いや、おまえのところはベンチャーと言っているけれども昔からあるものじゃないか、こういうふうな、はっきりしないわけですね。これを少し大幅に緩めてしっかりとって、実績要件というのを緩和して、簡単に言うと、多目に広くとっていくようにしようではないかということであります。
 そういたしまして、なおかつ重要なのが、中小企業という格好で拾いますと、従業者の数という意味での経済に対する比重を見ますと、アメリカの五割増しほど日本はあるという格好になっている。しかし、アメリカの場合には、この間ずっとベンチャー企業がふえておりまして、廃業率と開業率でいうと、開業率が当然多い。ところが日本は、これだけ中小企業が非常に重要な比率を占めております日本経済において、廃業率の方が高いという格好になっております。これはやはり国としてもきちんと対策を立てて支援をしていかなきゃいけないのじゃないだろうかということで、対策をこのたびいろいろ打ち出させていただいたところでございます。
○樽床委員 ありがとうございました。
 まだ紙が来ておりませんので一分ぐらいあるのかなと思いまして、一言だけ最後に申し上げたいと思います。
 ベンチャーというのは千三つの世界でありまして、だからあくまでベンチャーということであります。要するに、なかなか実績がないのがベンチャーでありますから、そこへ投資をしようというのはなかなか根性が要る、こういう話であります。
 しかし、そういう根性が要るところにどうやってお金を回すシステムを考えるのかということになりますと、私は、例えて言うならば、一つの発想として、ベンチャーキャピタル市場を整備をして、そこで投資をして、万々が一それが焦げついた場合には、その出したお金は、全額とは言いませんけれども、発想としては税額控除をしてあげようというようなことをすると、インセンティブとして流れやすくなるのではないか等々のことも今頭の中ではいろいろ思い描いておりますが、ぜひともそういうような発想も含めて思い切った前向きな施策をしていただきたい。私も一生懸命考えていきたいな、このように思っております。
 時間が参りましたので、質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○前田委員長 丸谷佳織君。
○丸谷委員 平和改革を代表しまして質問をさせていただきます丸谷佳織でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、住宅の室内での空気汚染と、そして安全な住宅について質問をさせていただこうと思います。
 近年、室内の空気中に存在しますさまざまな化学物質が人の健康に影響を及ぼすものとしまして指摘をされてきております。まだまだ一般的には認知をされておりませんけれども、このような化学物質による影響と思われるような症状は、例えば目がちかちかしたりですとか、あるいはのどが痛んだり、また、頭痛、脱力感、不快感といったような症状を訴えて、何が原因なのか全くわからずに病院に駆け込むといった方がふえつつあるというふうにも聞いておりますし、また、室内の化学物質によって健康に何らかの影響があるということを知らずにそのまま放置してしまっている方々もかなり多いというふうにも匿いております。
 このような症状が出ることをシックハウス症候群というような名前でマスコミ等も紹介しておりますし、ある週刊誌によりますと、あなたは猛毒住宅に住んでいるといったショッキングな見出しの記事が掲載されたこともありますが、消費者の注意を喚起するという意味においては大切だと思う反面、いたずらに恐怖心をあおっていくことがないようにとも思いますので、ます初めに、厚生省に、このシックハウス症候群についてどのように認識をされているか、お伺いします。
○内田説明員 お答えいたします。
 いわゆるシックハウス症候群と申しますのは、室内空気中の化学物質等室内環境で発生する問題から、先生が御指摘ございましたように頭痛や疲労感など多岐にわたる症状を呈する新たな疾患概念として提起されているものでございます。しかしながら、医学的にもまだ不明な点も多く、原因はよくわかっていない、このように承知しております。
 しかしながら、先生御指摘のとおり、室内環境の問題から何らかの健康影響を受けている人がいるということは否定ができませんので、今後の調査研究が必要である、このように考えております。
○丸谷委員 厚生省でも、さまざま、検討委員会等におきまして、この問題に関しての対策ですとかあるいは研究を行っているというふうにもお聞きしておりますけれども、シックハウス症候群の原因と今考えられます物質、揮発性有機化合物とも言われておりますが、かなりの種類があろうかというふうにも思われます。
 それぞれに対して、現在、どのような対策をとられているか。例えばガイドライン値を設けたり、具体的な規制等を行っているのかどうかということに関してお伺いします。
○内田説明員 お答えいたします。
 今先生が御指摘になられましたように、揮発性の仕学物質いろいろなものがありまして、これはどういうものが一般室内にいっぱい出てきているかということは調査をしているわけでございますが、私ども、代表的なものとしてホルムアルデヒドにつきましては指針をつくっています。
 詳しく申し上げますと、厚生省では昨年の六月、快適で健康的な住宅に関する検討会議、その中の健康住宅関連基準策定部会、またその中に化学物質小委員会、こういうものを設けまして、室内空気の化学物質による健康被害の防止に必要な指針とその策定に当たっての基本的な考え方について報告を取りまとめていただいたところでございます。この中で、室内空気中のホルムアルデヒドの濃度指針値といたしまして、三十分平均値で一立方メートル当たり〇・一ミリグラム以下、こういう値が提案されたところでございます。
 それから、それ以外の揮発性の化学物質でございますが、先ほど冒頭で申し上げましたが、現在、汚染の実態調査を実施しております。その結果を踏まえまして、ホルムアルデヒド以外の化学物質につきましても、必要に応じて健康影響評価に基づきます室内濃度指針値の検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○丸谷委員 ただいま健康被害防止のために指針値を設けられたというお話をしていただいたわけなんですけれども、具体的にこういった化学物質がどういったふうに健康に影響を与えているのか、教えてください。
○内田説明員 それぞれの化学物質によっていろいろな作用があるわけでございますが、例えばホルムアルデヒドなどでは、非常に濃度が高い場合には動物などにおいて発がん性を示すというようなデータがございます。それから、もうちょっと濃度が低くなったところで、先ほど先生がおっしゃられたような目がちかちかするというような症状を起こすということも提起されているわけでございます。
 それから、あともう一つ、ちょっと次元が違う話でございますが、いわゆるシックハウスによって起こるという化学物質過敏症というのかございまして、これは、今申し上げましたような発がん性とか、それから目がちかちかするという濃度とはもっとけた違いに低い濃度で起こる、このように言われておりまして、その部分は、はっきり申しまして、まだまだ医学的にも科学的にも解明がされていない部分でございます。したがいまして、この部分については、専門家による研究班をつくりまして研究をしていただいているというところでございます。
○丸谷委員 もう一度確認のためにお伺いさせていただきたいと思うのです。
 今おっしゃっていただきましたホルムアルデヒドにつきましては、一九八〇年にアメリカの国立労働安全衛生研究所と産業安全局で、ホルムアルデヒドは労働衛生上の発がん物質として扱われるべきとの勧告を出しておりますし、また、国際がん研究所におきましては、人に対して発がん性を示す可能性のある物質として、発がん物質分類2Aというふうに分類しているかというふうにも思うのですけれども、今の質問については質問通告を、申しわけありません、していなかったので、お答えいただける範囲で結構だというふうに思うのですが、このことは今日本では研究中であるという認識でよろしいですか。
○内田説明員 私どもは、労働関係の仕事をやっておりませんので、必ずしも労働上の問題については詳しいわけではないのですけれども、先ほど、私どもでホルムアルデヒドの指針値を決めたということを申し上げましたが、このときには専門の先生方に、ホルムアルデヒドの発がん性のデータ、毒性データなど、疫学的なデータもいろいろ吟味していただきまして、そういうデータなどを検討した上で、そういう事例が起こらない量ということで、一立方メートル当たり〇・一ミリグラム、そういう値を決めております。
 この値につきましては、WHOの方でも別途、そのようなホルムアルデヒドの毒性のデータを検討いたしまして、同じ値を決めているというところでございます。
○丸谷委員 これからまだ研究がされていく分野だというふうに承知をしておりますけれども、やはり健康に被害を及ぼすことが考えられるということがありまして指針値というものを設けているというふうにも思います。
 では、実際に、このホルムアルデヒドがそれぞれの家庭の中でどの程度存在しているのかというのを今度は調査していかなければいけないというふうに思います。
 これは新築でありますとか、あるいは中古住宅であるとかの要因によってばらつきがあるというふうにも思うわけなんですが、全国二十三の衛生研究所で三百二十二世帯を対象に室内汚染の実態を調査されたというふうにも伺っています。その結果では、一般家庭の室内が戸外の七・八倍もホルムアルデヒドにより汚染されていることがわかったというふうに報告をされています。
 また、厚生省の方でも同様の調査を行ったというふうに伺っておりますが、こちらはまだ取りまとめの段階でありまして、具体的な実態は公表されておりませんというふうに伺っておりますので、これが取りまとまり次第、教えていただきたいというふうに思います。
 そこで、私の住んでいます北海道でも同様の調査が行われましたので、その結果を簡単にます御紹介させていただきます。これは北海道消費者センターが昨年の六月から七月にかけまして行った調査なんですが、札幌圏を中心としまして、住宅四士三戸、六十六室において室内のホルムアルデヒドの濃度測定を実施したものであります。
 この調査結果で、厚生省の出された指針値を上回っている部屋が、ます、ほぼ新築に近い未入居住宅においては、十軒中七軒で七〇%。既に入居している住宅を見てみますと、三十三軒中十五軒で四五・五%。合計しますと、四十三軒中二十二軒、実に五丁二%という、調査をしたうちの半分以上がこの厚生省が定めました指針値を上回っているという報告が出ておりまして、これは札幌近郊という特定地域においての調査結果になりますから、一概に、全国的にはどうかという判断はつきにくいのかもしれません。しかし、特に未入居住宅における汚染状況を見る限りにおいて、かなり高い確率で指針値を上回る住宅があるのではないかというふうに考えられるわけであります。
 厚生省はホルムアルデヒドに関して、ます指針値を示されました。そのことは第一歩としては評価してよいものだというふうに思うのですが、こういった調査の結果を見る限りにおいて、果たして指針値を示すだけで本当にいいのだろうかという疑問も出てきます。少なくとも、健康を維持していくためには、住宅の室内空気中のホルムアルデヒドが指針値を満たしていくということが必要になってくると思いますが、厚生省はこの指針値を満たすためにどのような対策をとられていますか。
○内田説明員 お答えいたします。
 私どもも、先生御指摘のとおり、住宅の室内空気中のホルムアルデヒドを室内濃度指針値以下にすることは健康を維持するために重要である、このように考えております。
 このため、厚生省としましては、関係省庁、それから関係業界、学識経験者等から構成されました健康住宅研究会の取り組みに参加いたしますとともに、本年の四月には、健康的な住宅づくりの観点から、住宅施工業者や消費者の方々のために、本研究会が作成した成果物を地方自治体を通じて全国の保健所に配付するなどの情報提供を行ったところでございます。
 今後とも、私どもとしましては、汚染実態とか発生源等の把握に努めるとともに、関係機関と関連しながら必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
○丸谷委員 ただいま御説明をいただきました全国に配付したものなんですが、その数はわかりますか。
○内田説明員 保健所が全国で七百九十ですから約八百ございまして、そこに配付をしております。
 その保健所では、その文献を見まして、消費者の方々から健康影響についていろいろ相談を受けたときに、それに答えるようなシステムをつくろうということで、そういうような情報提供を行っているところでございます。
○丸谷委員 では、続きまして、農水省、建設省にお伺いをします。
 室内におきましてホルムアルデヒドが発生する主な原因としまして、住宅建材、つまり合板ですとか、フローリング、そして壁紙といったものに含まれています接着剤等の影響が大きいというふうにも言われております。日本農林規格でありますJAS規格、そして日本工業規格でありますJIS規格においては、既にこういった建材に対してのホルムアルデヒド濃度の基準値を設定しております。
 そこでます最初に、いつごろ、どういう目的でこの基準値を設定したのか、また具体的な基準値の内容はどうなっているのか、お伺いします。
○村上説明員 お答えいたします。
 合板を使用している家具や住宅から放散されるホルムアルデヒドに関しましては、昭和四十年代後半ごろから一般消費者から、人の目、鼻などを刺激するというようなことで多くの苦情が寄せられるようになりまして、これに対応して農林水産省では昭和五十五年に、普適合板、特殊合板及び複合フローリングのホルムアルデヒドの放散量の基準を制定しまして、放散レベルの表示ができるようJAS規格の改正を行っております。
 その後、消費者の住宅内の化学物質による健康への影響等に対する関心が一層高まってきているというようなことに応じまして、他の品目、構造用合板、コンクリート型枠用合板につきましても、平成九年度にホルムアルデヒド放散量に関する基準を制定してきております。この基準は、F1、F2、F3ということで、それぞれ放散量の少ないものから順番に決めておりますが、F1の場合、平均値が〇・五ミリグラム・パー・リットル、最大値が〇・七ミリグラム・パー・リットル。それからF2がそれぞれ五、七。F3が十、十二ということで、それぞれ平均値、最大値を定めております。これは専門的になりますが、デシケーターによります測定値によります。ある一定の条件のもとにおける放散量の水準の表示の基準下ございます。
○福水説明員 御説明申し上げます。
 ホルムアルデヒドの放出の可能性があります建材、JIS規格におきましてその放出量を規定しておりますが、具体的には昭和五十八年に数値ふ決めております。先ほど農水省の方からも説明、ざいましたが、私どもの方は、E0といたしまして〇・五ミリグラム、E1といたしまして一・五ミリグラム、E2といたしまして五・〇ミリグラム、三種類に区分けしてホルムアルデヒドの放出量を規定いたしておるところでございます。
○丸谷委員 失礼しました。私、建設省と申し上げましたが、通産省の間違いでした。
 では、ただいま御説明いただきましたJAS製品のF1、F2、F3、そしてJISのE0、E1、E2について、それぞれの区分ごとの市場シェアはどうなっていますか。農水省、通産省、それぞれお答え願います。
○村上説明員 お答えいたします。
 市場に出回っております全体に対しまして、F1が〇・一%、それからF2が一一・三%、F3が若干ということで、全体といたしましてはJASマークのついたものの中では一二割ございますが、市場全体では約一割という状況でございます。
○福水説明員 お答え申し上げます。
 JISの場合の代表的な製品でありますパーティクルボードについてお答えいたしますと、平成九年度でE0が一〇%、E1が一五%、E2が七五%というふうなシェアになっております。
 ちなみに、こういうシックハウスの問題がいろいろ議論になりましてから、平成七年、二年前と比較いたしてみますと、E0については五%から一〇%にふえている、E1につきましては一〇%から一五%にふえている、逆にE2につきましては八五%が一〇%ほど落ちているというふうなことで、生産、出荷の状況も変わってきておる状況でございます。
○丸谷委員 農水省にお伺いしますが、ただいま御説明をいただきましたJAS製品につきまして、表示していない製品は何%ぐらいありますか。
○村上説明員 先ほど申しましたのは普適合板の数字でございます。普適合板で説明させていただきますが、JAS製品の中で普適合板で表示をしていないのは六七・一%ございます。それから、普適合板の市場全体に対しましては、表示しないもののシェアは九割程度ということになります。
○丸谷委員 今お答えをいただきましたように、JASそしてJIS、両規格とも三つの区分に分かれているわけであります。それぞれ基準値の数値は異なっておりますが、ホルムアルデヒド放散量の平均値が一番高い設定値ですとJASのF3で十・〇ミリグラム・パー・リットル以下、そして一番低いところではJASのF1そしてJISのE0で〇・五ミリグラム・パー・リットル以下と、かなりの幅があるわけです。
 市場シェアを見てみますと、F3が少ないというのは非常にすばらしいことだというふうに思いますが、それ以上に、F1、E0はほとんど市場に流通していないというのは一体どういうことなのだろうかというふうにも思います。これでは消費者が低い基準値のものを選ぼうというふうに思いましても、その選択すらできないのではないかという危惧もいたします。
 この市場シェアを見ます限りにおいて、例えばJASにおきます普適合板では、輸入品を含めたJAS製品でないものが合板全体の六五・一%。要するに、人体に何らかの影響を与えると言われているホルムアルデヒドを含有した建材が、何のチェックもなしに市場に流通をして、そして実際の住宅建築に使われているわけであります。もちろん、シックハウスに関しましては、住宅建材から発生する化学物質だけではなく、冷暖房ですとか、あるいは家具、また換気の回数等、さまざまな状況によって室内の空気汚染の度合いというのは違ってくるというふうに承知をしておりますが、せっかくJAS規格、そしてJIS規格という基準があり、そこでホルムアルデヒドの濃度基準を設けているのであれば、しっかりと意味のある、また消費者がきちんと安心をして建材を選べるような制度にしていっていただきたいというふうに思います。
 例えますと、JAS製品である区分表示をしていない六七・一%の部分に表示をさせていくなどで情報の開示を図ることが考えられますが、いかがでしょうか。
○村上説明員 おっしゃるとおり、このホルムアルデヒドにつきましての消費者の関心が非常に高いということをよく理解しておりますし、それから、業界の間におきましても、この辺に対する消費者のニーズを反映した形での対応が、かなり認識が高まってきている状況でございます。
 現在、御指摘のとおり、ホルムアルデヒドの放散レベルの表示を行っている割合は低いということで、これをできるだけ広く表示されるようにしていくことが重要であるというふうに考えておりまして、JAS規格による表示の推進も関係団体等に対して適宜指導していきたいというふうに考えております。
○丸谷委員 実際に家を建てる消費者が、その建材の区分を一々F1、F2というふうに見て建てるというようなことはないというふうに思うのですけれども、それでもやはりしっかりと表示をして情報の開示を図っていくことが必要だというふうに思われます。
 時間がなくなってまいりましたので、最後の質問になるかと思いますが、壁紙に関しまして、業界内で独自の規定をつくっております。化学物質が健康に与える影響を極力抑えようということでISM規定というものを策定しております。これは今までえお記ありましたホルムアルデヒドの基準値はもちろんのこと、壁紙のライフサイクル、すなわち、製造から施工、そして廃棄の三段階においても生活環境に与える影響を最小限に抑えるための規制と制限を設けているのでありますが、この一SM規定によって製造されたことを壁装材料協会が確認した製品には一SMマークを表示させています。これはもちろん業界内の自主規定になりますから何ら法的効力はありませんし、制度が発足してからまだまだ間もないこともありまして、業界内全体への浸透はもう少し時間がかかってくるのかもしれません。
 しかし、こういった室内におきます化学物質をいかに軽減して健康的な住宅を提供するかといった問題においては、企業の努力とともに、やはり行政もしっかりかかわって、規制すべきものは規制をする、また健康への影響を低減するための施工のガイドラインといった総合的な住宅建築における指針づくりをしていかなければいけないというふうに思いますが、建設省は現時点でどんな取り組みをされているのか、お伺いをします。
○杉山説明員 お答えいたします。
 住宅におきましても、良好なストックをつくっていくという意味におきまして、こういう健康への影響があるような化学物質の低減ということは非常に重要な問題だと認識をしております。
 先ほど厚生省の方からもお答えがありましたが、平成八年に健康住宅研究会というものを設けまして、住宅の中でのこうした物質の使用されている建材の使用の実態ですとか、あるいは影響を低減するための方策について検討してまいりまして、この七月に二つの成果物を発表いたしました。一つは、住宅をつくる生産者の方、この方々が設計や施工をするときにどういうふうに注意を払わなければいけないのかということと、もう一つは、消費者が実際の生活の中でどういうことに気をつけなければいけないのかというユーザーズマニュアルをつくったわけでございます。
 その中で、設計あるいは生産者の側にお願いしたいことは、やはり先ほどお話がありましたような等級が定められているものや、今先生のお話にありました壁紙等、こういう情報をしっかりつかんでいただいて、化学物質の放散の少ない材料、こういうものを設計者や施工者がしっかり認識をしていただいて選択をしていただくというようなことが大事だろうと思います。特に接着剤等の場合には、施工する人たちが、接着剤をどれぐらいの量を使ったら、あるいはどのぐらいまでならいいけれどもそれ以上は使ってはいけないのか、そういう使用量ですとか、あるいは養生の期間をきちんと適切に設けるというような、そういう施工上の配慮すべきようなこと、それから、生活者のお立場からいたしますと、間取りの設計ですとか、あるいは通風に配慮したような住宅の計画ですとか、あるいは生活上においては換気、こうしたことが非常に重要でございまして、こうしたことに配慮していただくようなユーザーズマニュアルをつくったわけでございます。
 ただいま、関係の業界あるいは消費者の団体、それから地方公共団体を通じまして、説明会や、あるいは多くの方に御参集いただきたい講演会とか、こういうことを今積極的にやっておりますので、こうしたことを通じまして周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
○丸谷委員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
○前田委員長 佐藤茂樹君。
○佐藤(茂)委員 自由党の佐藤茂樹でございます。
 経企庁長官、緊急経済対策特別委員会も並行して行われている中、大変御多忙の中、御苦労さまでございます。きょうは、消費者の立場を考慮しながら国民生活をよくするためにはいかにしたらいいのかということについて、限られた時間ではございますが、ぜひ経企庁長官の御意見を拝聴していきたいと思っております。
 それで、ます最初に、きのうの特別委員会のときの質問でも既に長官に予告させていただいておりましたけれども、経済の見通し、また、景気の見通しについてお伺いしたいと思うのです。
 恐らく、最近の経企庁長官の中で、これほどテレビ等、マスコミにもよく出られて、また注目を浴びている長官というのはいなかったのではないのか、そのように私自身、認識しております。特に、長官の残された言葉で、桜の咲くころには景気がよくなるとか、さらには、経済は生き物ですからという言葉は、多分去年は、橋本総理の、火の玉になってという言葉が永田町の流行語大賞だとすると、ことしは恐らくこの二つのどちらかぐらいが残っていくのではないのかな、そういうような気がしております。
 というのは、何が言いたいのかというと、今経済に対してそれぐらい世の中も興味を持っておりますし、経企庁長官の一言一言が非常に重みを持ってきておる、また、後で言います消費者マインドにも非常に影響を与えていくのではないのかなと。そういう意味では、経企庁長官があらゆるところで何をおっしゃるのかということが非常に大事になってくる局面ではないのかなというように思っております。
 そこで、政府・与党として、今回、総合経済対策を打たれたわけですけれども、私どもは、政府がまとめた総合経済対策は、十六兆円ということで、見かけの数字というのはもう過去最高で、非常に膨らませたものの、実態は、実はポイントは小出しの特別減税の積み増しと従来型の社会資本の整備が中心であって、その効果のほどというのは余り期待できないのではないのか、そのように認識しております。特に、その直後の市場も全く反応しておりませんし、また、しばらくして行われたG7でも、経済対策への評価よりも、むしろ日本はこれからさらに構造改革を断行してもらいたいということと、また、不良債権の問題について早期に解決を図ってもらいたい、そういう要望が出たというニュースしか私は大きく残っていないのですけれども。
 やはり、ここは我々が主張しておりますように、十兆円規模の恒久減税で、ます一つは消費者という観点からいうと、中長期的な明るい展望を持ってもらう。さらには、経済の構造改革につながってまいりますし、企業なんかも、法人税を大きく下げると、国際的にも競争していくような、そういう環境が整うのではないのか。そういう制度改正を柱とした考え方で経済対策を打つべきではなかったのかな。それは私の感想ですが。
 それで、最初にお聞きしたいのは、先週末に竹下元総理と村岡官房長官と山崎政調会長がそれぞれ地方に出られて、次のように言われているのですね。村岡官房長官は「秋口から確実に対策が効いてくる」というように言われている。竹下元総理は「「九月、十月になると竹下が言っていたことも、うそではなかったなとなる」と述べ、今秋に景気は回復するとの見方を示した。」山崎政調会長は「紅葉のころには」これは多分、桜の咲くころにはに対抗して言われているのではないかと思うのですが、「紅葉のころには景気はすっかり良くなっているだろう」、そういう見方を明らかにされたということがニュースとして出ているのです。
 そこで、最初に景気の見通しについて、やはり大事なのは所管官庁である経済企画庁長官、尾身長官がどういう見方をされているのかということが一番大事になってくるだろうと思いますので、この総合経済対策を打つことによって、一体日本の今の景気はいつごろよくなると考えておられるのか、長官にお尋ねしたいと思います。
○尾身国務大臣 大変いろいろな問題を挙げられましたので、それについて申し上げたいことは山ほどあるのでございますが、時間が限られております。
 そういう中で、簡単に申しまして、今度の総合経済対策、三つのことをポイントとしております。
 一つは、総額十六兆円、真水の分だけで十年度に少なくとも十兆円、減税二兆円と支出八兆円という分類でございますが、それだけのものを出して経済を立ち上げるという点が一つ。それからもう一つは、やや中長期の視点にわたりますが、経済構造改革を進めて民間活力中心の経済を実現をして、その力で、中長期、二十一世紀に向かって、日本経済の体質を改善強化していく。具体的には、規制緩和とかベンチャーを育てるとか、あるいは情報通信を発展させていくとか、そういうことでございますが、ビッグバンもそれに含まれますが、いわゆる経済構造改革を進める。それから、第三点が、特に経済発展の足かせになっております、障害になっております不良債権問題の抜本的解決を進めるためのトータルプランをいろいろな手当てをして進める。この三点であろうかというふうに考えている次第でございます。
 私どもは、最初の一点、十兆円の真水、十六兆円以上の規模のいわゆる財政出動が短期的には非常にきいてくるというふうに考えている次第でございまして、これだけの財政出動を計算をいたしましても、乗数効果等を見て、向こう一年で二%に上るプラス効果があるというふうに考えております。
 しかし、これが実際は、補正予算及び関連法案が通るタイミングにもよるわけでございますが、六月の会期末までには何とかこれを通していただいて、その後、これが実施に移される。したがいまして、かなりのタイムラグ、少なくて一、ニカ月、多ければ三カ月ぐらいのタイムラグがあると考えております。そのタイムラグがありますけれども、しかし、その間に支出が行われるわけでありますから、総合経済対策の効果が実体経済の方に影響を及ぼしていくだろう。
 それからもう一つは、そのことによって、実は、こういうふうに先行きよくなるなという感じが出てまいりますと、消費者等のコンフィデンスが改善をして、その面からもうちょっと早くよくなることを私は期待しているわけでございます。
 いずれにいたしましても、そんなに遠くないうちに順調な回復軌道に乗ってくると考えている次第でございます。
○佐藤(茂)委員 それで、本年度のGDPの成長率に対する影響、今回この総合経済対策で二%程度押し上げ効果があるだろう、そういうふうに言われているのですけれども、そうすると、結果として、本年度当初の経済見通しとあわせて実質成長率は何%ぐらいになるという見通しを持たれているのですか。
○尾身国務大臣 十年度の経済見通し、当初見通しといいますか、一・九%ということでございます。
 現在、景気の状況は非常に厳しい状況でございますが、この対策を含めまして、この一・九%の成長率は十分達成可能であると考えている次第でございます。
○佐藤(茂)委員 これはうちの鈴木委員なんかむよく主張されていることなんですけれども、私は時間もないのでこのことをもうとやかく言いませんが、一月十九日の閣議決定をされたときには、多分、文面を見ても、この総合経済対策をあわせて一・九%ということは考えておられなかったと思うのですね。
 結局、結果論ですが、結果としては、やはり一月十九日の閣議決定されたときの見通しというものを、その時点の部分を下方修正された。だから今回の総合経済対策とあわせて一・九%が何とか可能になる、そういう見方であるというように認識しておきます。
 これは特に何かありましたら、長官。
○尾身国務大臣 私が経済演説をいたしました。その中で一・九%という見通しを申し述べておりますが、同時に、経済は生き物でございますから、臨機応変、適時適切な対応をするということもきちっとつけ加えているわけでございまして、経済の状況に応じて適時適切な対応をした、その内容が今回の総合経済対策であるというふうに考えております。
 それからもう一つは、やはり私ども、これはぜひ御理解をいただきたいと思いますが、十年度の見通しをどうとか、あるいは景気を短期的に立ち上げる、そのこと自体も大変大事でございますが、同時に、二十一世紀に向かって、この財政的な支援がなくなったときに民間活力中心で経済が順調に発展をし続けるような枠組みにもかなり力を入れております。つまり第二、第三の点についても力を入れておりますので、この点についてもぜひ御理解をいただきたいと思います。
○佐藤(茂)委員 本当は、ここで消費者マインドのこととか、多分長官の思い入れのあるPFIの推進とか、さらにはベンチャー企業へのエンゼル税制のことなんかもお聞きしたがったのですが、ほかの項目も質問通告しておりますので、この辺でまた別の機会にいたしまして、貸し渋り対策についてもちょっと飛ばします。
 きょうは、ほかに警察庁なんかも来ていただいていますので、二点目にお聞きしたいのは、やはり消費者契約法の早期成立の必要性ということについてちょっとお伺いしたいのです。
 やはり不景気になってまいりますと、特にバブルの崩壊以後ずっと続いている傾向かなと思うのですが、最近特に新聞等でも目につくのが、マルチ商法とかマルチまがいの商法による被害とか、また苦情相談の件数が非常に増加しているというような記事が非常に目についてくるのですね。
 さらには、時代の流れとして、そういうマルチとかマルチまがいのものだけではなくて、インターネットの商取引または通販によるトラブル、そういうものも非常にふえてきておる。
 さらには、四月一日以降は、これは規制緩和の流れで仕方がないのですが、日本版の金融ビッグバンによって、各金融機関もいろいろ消費者に多様な金融商品、サービスというものを提供している、そのことによってまたトラブルもふえている。そういう傾向があるというように私も認識しているのです。
 ます最初に、経企庁の方でつかんでおられる、多分国民生活センターなんかが中心になると思うのですけれども、そういうマルチとかマルチまがい、さらにはインターネット取引に関しての今苦情相談を受けている状況、さらにはどういう傾向が言えるのかということについて、時間があればゆっくり御説明いただきたいのですけれども、なるべく簡潔に、今の傾向をお聞かせ願いたいと思うのです。
○井出政府委員 簡単に御説明をいたします。
 各地の消費者センターから国民生活センターに寄せられております苦情相談の件数でございますが、マルチ、マルチまがい取引につきましては、平成五年度に八千二百四十九件、六年度には五千三百三十九件と若干減少しておりますが、七年度はまたこれが伸びまして六千六百五十六件、八年度九千九百三十九件、九年度一万三千六百六十六件というふうになっております。
 それから、最近のインターネット等を利用した取引でございますけれども、これについての苦情はまだ絶対数は少のうございますが、平成五年度の八件から、六年度二件、七年度二十一件、八年度九十七件、九年度二百五十九件という状況になっております。
 これはやはり消費者の取引あるいは経済全体をめぐる状況の多様化でございますとか複雑化ということを反映したものではないかというふうに認識しております。
○佐藤(茂)委員 その中で、特に悪質なものは当然取り締まられたり摘発されていると思うのですけれども、あわせて、きょうは警察庁が来られていると思うのですけれども、そのあたりの状況につきまして、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○柴田説明員 過去五年間のマルチ商法の検挙状況を申し上げますと、この五年間で二十九事件、二百十二人を検挙しておるところでございます。
 平成五年、六年、この時期にちょうど、今経企庁の方からもおっしゃられましたが、非常に苦情が多かったというようなこともございまして、集中取り締まりを実施いたしまして、五年、六年、この二年間で二十四事件を検挙しているところでございます。昨年は一事件という状況でございます。
 傾向的に申しますと、被害者側としては若年層が多いといった問題、それから犯行を行う者の側の特徴といたしましてはマルチ商法の経験者が多い、すなわち累犯性が高いということでございますが、そういったところが特徴的な傾向と言えようかと思います。
○佐藤(茂)委員 今、警察庁にもあえてお聞きしましたけれども、その前の経企庁の御報告だけでもやはり非常に、この二、三年だけでも、例えば七年と九年を比べると、マルチ、マルチまがいの相談件数だけでも六千五百から一万三千ですから倍以上ですか、これぐらいにふえているという急増の状況が今の御答弁でもわかったのです。
 そこで今、国民生活審議会で一月でしたか、消費者契約法というものの中間報告が出されましたけれども、それの中身のよしあしはきちっと精査しなければいけないとは思うのですが、やはり大事なことは、消費者を取り巻く環境が多様、複雑化してきて、法律のすき間をねらった新手の商法とか新サービスが相次いできている。今までは訪問販売法であるとか旅行業法なんかという個別法でいろいろやってきましたけれども、そのすき間をどんどん抜かれているということもありますし、特にやはり大事なのは、消費者の観点から見ると、情報とか交渉力で事業者との格差が今のところ非常にある。その格差をどう縮めていくのかという、一言で言うと、真っ当な内容の契約がきちっとした手続で結ばれるように、やはり包括的なルールというものを日本の社会にもきちっと急がなければいけないだろう。
 そういう一つの観点からいうと、悪徳業者から消費者を守るとともに、市場での競争原理をより有効に機能させるには、そういう包括的なルールという観点からの法的整備というものも必要ですし、さらに先進国では、PL法へこれは長官も商工委員会の理事で大変御努力されたのですが、そのPL法とともに消費者契約法というのが消費者保護の両輪ですね、車で言うたら。車の両輪として今存在してきている中で、日本だけがまだその部分についてはおくれているということからすると、やはり今日本の社会に、この一年ぐらいで本当に国民的な議論を沸かせて、消費者契約法というものを急がなければいけないと思うのですけれども、経企庁長官のそのことについての御所見をお伺いしたいと思います。
○尾身国務大臣 今お話しのとおり、現状を見てみますと、消費者契約法というようなものをできるだけ早急につくる必要性があるというふうに考えております。しかし、これは消費者と事業者の間の契約に係るかなり基本的な問題でございますので、このバランスなどをどうするかという問題も含めて慎重に勉強しなければならないという点もあろうかと思います。
 したがいまして、私どもといたしましては、国民生活審議会の検討の場、あるいは関係方面のいろいろな方々の御意見を聞きながら、取りまとめ作業を急ぎまして、来年の通常国会には法案を提出できるような体制にしていきたいと考えている次第でございまして、いろいろな機会に、またこの委員会におきましても内容についての御意見等を例えれば、私どもといたしましては取りまとめの上にこれを大いに参考にさせていただけるというふうに考えておりますので、ぜひ、そういう意味での委員会におきます前向きのいろいろな御討議をお願いしたいと思います。
○佐藤(茂)委員 最後に、きょうは公正取引委員会委員長に来ていただいておりますので、多分国会でも報告されていないということでお聞きしているのですが、著作物の再販制度の取り扱いについて、たしか三月三十一日に公正取引委員会として検討の状況という形できちっと報告されていると思うのですね。
 きょうここで、もう時間もあとそうないのですが、その内容の骨子と、あのときには今後とも検討していくような内容の報告に最終的にはなったと思うのですけれども、今後どういう検討課題が残されているのかということと、いつごろまでにその検討課題もふまえた結論を出されるのかということを最後にお聞きしたいと思います。
○根來政府委員 四点ばかり申し上げますが、一つは、再販の対象になっております著作物の範囲でございますが、これは有権的解釈で音楽用CDまで含むというふうな解釈でございます。
 それから、それを前提といたしまして、著作物の再販については競争政策の上からどういう態度で臨むべきかという点でございますが、これは競争政策という観点からは廃止すべきが至当ではないかということでございます。
 しかしながら、第二点目でございますけれども、廃止すると申しましても、いろいろこの委員会でも御議論がございましたように、文化の普及とか文化の振興と非常に深いかかわり合いがあるものですから、その両者の関係を慎重に検討すべきではないかというのが次であります。
 それから、なお、著作物の流通過程におきましていろいろ不透明な点がございます。そういう点について改善をお願いする、こういう点でございます。
 そういうことでございますから、今後私どもとしてやるべきことは、再販制度と文化の振興、普及という点の兼ね合い、関係ということの検討、それから、関係業界にお願いいたしまして、その取引流通過程における不透明なところの改善ということをお願いすることに相なるわけでございまして、将来、三年ぐらいをめどといたしましてさらに検討を続ける予定でございます。
○佐藤(茂)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、長官、大変でしょうけれども、とにかく一日も早く国民が明るい展望を持てるような経済にしていただくようお願いを申し上げまして、質問を終わります。
○前田委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 遺伝子組み換え食品の表示問題についてお伺いをいたします。
 コーデックス委員会での政府の態度というものにつきましては、先ほどからの質問にもございました。要するに、農水省が設置した懇談会で検討中であって、消費者団体や地方議会の決議、あるいは当委員会の小委員会の報告などについては、それを踏まえて対処する。大変わかりにくい、政府の態度としては不鮮明な御答弁に終始したと思います。
 しかし、消費者団体や地方議会、あるいは小委員会の報告を踏まえて対処するのであるならば、当然政府は、表示の義務づけを必要とするという姿勢をコーデックス委員会においても鮮明にすべきであります。
 沈黙は金という言葉がありますが、国民の立場に立てば、この際、そのキンは、キンはキンでも禁ずるの禁、その立場に立ってもっと政府は積極的に発言をし、対応していくべきではないでしょうか。私は、そういう立場から以下質問をしていきたいというふうに思います。
 我が党は、食品衛生法の改正で食品添加物並みの安全審査を義務づけるという抜本的な対策と、あわせて、当面JAS法によって早急に表示を実現をするという提案をしております。二十品目の遺伝子組み換え食品が既に厚生省によって安全性評価が行われ、輸出国での作付面積も急速に拡大してきていると言われる中で、消費者の知る権利を確保し、選択する権利を行使できるように、表示の義務づけを急ぐ必要があるわけであります。
 その点で、JAS法は第一条の目的で「農林物資の品質に関する適正な表示を行なわせることによって一般消費者の選択に資し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」と明記しておりますが、JAS法に組み込むことは現行法のままでは可能ではないのですか。
○村上説明員 JAS法に基づく遺伝子組み換え食品の表示の義務づけというお尋ねでございますけれども、JAS法に品質表示基準というものがあるわけでございます。これにつきましては、一般消費者がその購入に際しましてその品質を識別することが特に必要であると認められるもののうち、一般消費者の経済的利益を保護するために、その品質に関する表示の適正化を図る必要があるものについて、その製造業者等が守る表示の基準を定めるということでございます。
 したがいまして、遺伝子組み換え食品につきましても、品質の差異の問題、それから消費者におけるその識別の必要性、関係者の負担、それから表示を義務づけることにつきまして国際的規則との整合性などを総合的に判断すべきではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、現在農林水産省で食品表示問題懇談会を昨年五月以来開催しておりまして、遺伝子組み換え食品の表示のあり方についてさまざまな観点から検討いただいておりまして、食品表示部会の検討状況、諸外国の取り組み状況等を踏まえて議論を進めていただいているところでございます。
○藤田(ス)委員 JAS法でできないと決めているわけではない、目下それを検討しているということであろうかと思います。
 ちょっと念を押しますが、実質的同等性というのは安全性評価のための考え方であって、表示の問題に持ち込むべきではないということは、これは当然だと思います。EUの遺伝子組み換え食品に関する表示規則でも、実質的同等性は基準としていない。EU委員会は、表示における同等性の概念と安全性のリスクアセスメントのための同等性の概念は違うとし、リスクアセスメントにおいて実質的同等性を有していても、表示規則の上では同等にならないとしている、こう言っているわけです。
 消費者は権利として、遺伝子組み換え食品について知る権利、選択する権利で求めているわけです。安全性評価のための実質的同等性の概念を消費者の選択に寄与するための表示制度に持ち込むべきではない、このことははっきりしていると思いますが、いかがですか。
○村上説明員 安全性を確認する際の実質的同等性と、それから表示のときの実質的同等性という問題について、EUにおける御議論もいろいろあるというふうなことは我々も承知しております。
 JAS法におきます品質ということにつきまして、その品質の差異というものが実態的にどういうことであるかということを検討する必要があるわけでございまして、そのJAS法における問題のみならず、全般的な問題について、現在、表示問題懇談会で御議論いただいているという状況でございます。
○藤田(ス)委員 このJAS法における品質の善異を検討する必要がある。私は、遺伝子組み換え食品を品質の差と見ることができるかどうかといえば、これはJAS法の精神に照らして、まさにそういうふうに見るべきだというふうに思うのです。
 これは、私、勝手に言っているわけじゃないのです。農水省の食品流通局が監修している「JAS新時代改正JAS法の解説」という本がございますね。その「第二条定義等」の解説の中で、「「農林物資の品質」とは、品目特性に応じて異なり、また、生産、取引、消費等の実態の変化に応じて変化しうる流動的なものであると考えられる。生産者や消費者のJAS規格に対する要望、規格制定の必要性などの移り変わりを踏まえ、それらに対応するべくJAS規格の制定される品質は変化してきている」というふうに述べております。
 規格、基準を定めるべき品質とは、結局、画一的なものではなしに、消費者の要望によって制定され、絶えず変化、発展すべきものであり、消費者の選択したいという要求を反映させる、これがJAS法で言う品質ということではないですか。そうであるならば、遺伝子組み換え食品を同法の中に組み込んで、まさに消費者の選択に寄与する、そのことは当然JAS法の趣旨にかなうものではないかというふうに私は考えます。いかがですか。
○村上説明員 JAS法上の品質の定義につきましては、今解説を御紹介いただきましたように、法律上必ずしも明確に規定しているところではございませんが、規定の上で申しますと、JAS沖二条二項の中に「農林物資の品質(その形状、寸法、量目又は荷造り、包装等の条件を含む。」それから同条三項の中に、その第一号に「品位、成分、性能その他の品質についての基準」というような言及がございます。このようなことから、JAS法における品質に関する表示というのは、形状、寸法、量目、荷づくり、包装等の条件、品位、成分、性能、そのようなものが入るのではないかというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、その品質の違いということについて実態的な意味等、それから消費者における識別の規定をする必要性とか、関係者の負担、それから表示を義務づけることについて国際的規則との整合性というようなことも総合的に判断していくべきではないかというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 私が指摘した大事な問題には答えないで、えらい解説をしてくれはったのですが、しかし、この品質というのは、画一的なものでなしに、消費者の要望によって制定され、変化していくものなのだという点は、JAS法の精神としてあなた方はしっかり押さえていくべきだ。
 そうして、圧倒的な消費者が表示を必要としていることは自治体の意見書の数を見ても明らかでありますから、それにこたえる意思があるならば、私は、農水省が今なすべきは、表示の義務づけが必要であるという確固とした姿勢を示し、そのために、法的、技術的にどのような措置が可能なのかということをみずから明らかにしていくという姿勢に立つべきであって、検討委員会で検討をしているからということで、根本の表示をすべきだという態度までを隠してしまい、国際的な場でその態度があいまいにされるというようなことはあってはならないということを申し上げておきたいと思います。
 次に、厚生省にお伺いいたします。
 これも、厚生省に対して先ほどからの質問にもありました。要するに、指針への適合性の確認は受けずに遺伝子の組み換え食品を国内で販売することは可能なんですね。それは任意である。しかしながら、あなた方は、遺伝子組み換え食品は高度な先端技術であり、食品加工への応用経験が少ないから、慎重かつ適正な製造が行われるべきであって、営業者に対し指針に基づく確認申請を強く求めていくこととしている、こういうふうな御答弁が繰り返し繰り返し行われているわけです。
 しかし、そのことが大変矛盾を露呈しているということは、もう議論の中でも明らかであったと思いますが、適正な製造がなされていない組み換え食品が国内に輸入、販売されることを法的に規制できない、そして輸入しても食品衛生法違反に問われることはないということになるわけであります。そういうものは絶対に輸入されることはないのだと言い切れない態度というのも、先ほどの御答弁の中で私は明らかになったというふうに思います。
 しかし、一方で、高度な先端技術であり、食品加工の応用経験が少ない、そういう食品なんだというならば、それはやはり適合確認を義務づけなければなりません。私どもは、食品衛生法の中に位置づけて、慢性毒性など食品添加物並みの安全審査を義務づけ、遺伝子組み換え食品を法規制のもとに置くべきであるということを主張しておりますし、この点は消費者団体からも強い要望が寄せられていると思いますが、もう一度御答弁ください。
○堺説明員 遺伝子組み換え食品の安全性評価の確認を事業者に義務づける、そのためには法律により行う必要があるわけでございますが、かかる義務づけをするに足る科学的かつ合理的な根拠が必要になってくるわけでございます。
 対外的につきましても、衛生上の観点から現行の食品衛生法で義務づける場合につきましても、WTO協定に基づきまして、このような義務づけが科学的根拠を有するということを説明する必要があるわけでございます。
 しかしながら、組み換えDNA技術そのものが危険であるということを示す科学的根拠はない、遺伝子が組み換わる点では従来の品種改良品と同様であるというようなことから、遺伝子組み換え食品の安全性評価の確認の義務づけをしなければならないような科学的根拠はないというふうに考えられます。
 また、仮に営業者が安全性評価の確認を行わなかった場合につきましては、遺伝子組み換え技術そのものが危険であるという科学的知見はないということから、確認をしなかった遺伝子組み換え食品が既存の食品と比較して食品の安全性に問題があるとは言えないわけで、しかしながら、遺伝子組み換え食品についても、他のすべての食品と同様、食品衛生法第四条の各号に該当し、人の健康を損なうおそれがある場合には、必要に応じて食品衛生法の販売停止などの措置をとるということを考えております。
 以上です。
○藤田(ス)委員 時間がないのが本当に残念ですが、それならば、営業者に対し指針に基づく確認申請を強く求めていくなどというようなことはもう全然言えないわけでありまして、そういう態度は許されません。
 それに、安全性評価の基礎になっている実質的同等性を担保する確認法については、未完成であって研究途上にあることを、当委員会の参考人質疑でも国立衛生試験所長の寺尾さんが認めていらっしゃいます。また「内山元国立衛生試験所長も、トリプトファン事件の教訓は、」○〇ppmから二〇〇ppm程度の不純物まで同等性の対象にすべきであることを物語っているというふうに述べておられます。このような一〇〇ppmから二〇〇ppmの不純物を含めた同等性の確認方法が確立されていないもとで、実質的同等性を根拠にした安全性評価では、仮に同様の事故が起こっても防ぎようがないわけであります。
 私は、企業の論理に立たず、本当に国民の健康を第一に考え、食品の安全を求める消費者の立場に立つならば、食品衛生法の中に位置づけ、慢性毒性など食品添加物並みの安全審査を義務づける、組み換え食品を法規制のもとに置くべきだいうことを申し上げながら、大変残念ですが時間がありませんので、もう一つ、どうしてもこの傷でお伺いしておきたい緊急を要する問題を一点だけお伺いいたします。
 これは、食品衛生調査会毒性・残留農薬部会が公表し検討することを明らかにした、残留農薬基準設定における暴露評価の精密化に関する分科会報告です。これは、これまでの残留農薬基準設定における暴露評価では、実際の暴露量に対して過大になるから、作物残留試験における残留値の平均値の採用、バナナの皮など非可食部分の除去、加工、調理における影響などを含め、一定の係数を掛けて修正するようにしていこうということであります。これは、消費者にとって大変重要な問題であります。今なぜこういうふうな改定をする必要があるのか。
 暴露評価は、基準が採用され運用されたもとで、実際の暴露量が一日摂取許容量を超えないことを確認するためのもので、基準値の妥当性を検証する重要なステップ、これはあなた方もおっしゃっているわけです。それを現行の方法では暴露量が大きくなり過ぎるからということで改定するということは、これまでの方法では一日摂取許容量をクリアできなかった残留農薬基準も、妥当だということになりはしませんか。こんなものは国民にとって何のメリットもありません。なぜ今そういうことをやるのですか。
○黒川説明員 お答え申し上げます。
 一日摂取許容量、いわゆるADIでございますけれども、これと並んで残留農薬の基準設定の柱となりますのは、先生御指摘の暴露評価でございます。
 この残留農薬基準の設定に当たりましては、食品衛生調査会において、現在、基準を設定するすべての農作物ごとについて、対象となります農薬の基準値の案に平均摂食量を掛け合わせた値を求めまして、それらのすべての和をもちまして暴露量の推定としておるところでございまして、このような試算方式は、理論最大一日摂取量方式と一般的に呼ばれておりますところでございます。
 この方法は、我が国も含めまして世界的に広く用いられてきた方法でございますが、先生お話しのとおり、実際の暴露量よりも相当過大な推定値を与えることが指摘されております。この点は、我が国でも、マーケットバスケット調査などの結果から、本方式による推定値と実際の暴露量が大きく乖離していることがわかってきております。
 また、国際的に見ますと、より実態に近い値を与える精密な暴露量推定方式を定めました世界保健機関の指針が昨年十二月に示されたところでございます。国際基準もこの方式を基本にして策定されることとされております。さらに、米国におきましては、既に類似の考え方による暴露量試算に基づき、残留農薬の基準が設定されているところでございます。
 さらに、SPS協定、衛生及び植物検疫に関する協定でございますが、国際基準がある場合には、科学的に合理的な理由がある場合等を除いて受け入れるべきことが定められているところでございます。
 以上、申し上げたような背景を踏まえまして、国際的に採用されつつある精密な暴露評価の方式を日本でも適用することが適切か、あるいは日本の独自性を勘案した精密な暴露評価はどうあるべきかなどについて現段階で検討を行うことが必要であると考えられるところから、分科会における検討が行われてきたところでございます。
 なお、本分科会報告につきましては、先生お話しのとおり、合同部会におきまして一般からの意見を聴した後、再度公開で議論をすることとしておりまして、広く意見を求めておるところでございます。
○藤田(ス)委員 何で見直しをするのか、国民の立場から見て納得のできる御説明では今の御説明はありません。
 私は、今回の基準改悪の危険性というのを、この報告文書の「おわりに」という部分を読んで、改めて大変だというふうに思ったのです。「暴露評価にあたっては、偏った食事をする個人を含む全ての人々を考慮にいれることは実質的に困難であり、健康増進の観点からも、偏食の習慣等を避け、バランスのとれた食生活を習慣づけることが肝要である」、こういうことを言わなければならないところに、今回言われている見直しの危険性というものが顕著に出ているというふうに私は思うのです。
 理想的な食生活を基準として、それを平均的な消費者像として食品の安全基準がつくられていくということになりますと、これは一体どういうことになるのですか。いつも消費者は危険と隣り合わせのところに置かれてしまうということになるわけであります。食品の安全のための基準は、いろいろな食の条件にあっても十分に安全が確保できるように国が責任を持って設定する、それが何よりも大事であります。
 国際的なことを二言目にはおっしゃいますが、SPS協定以来、国際基準へのハーモナイゼーションということでポスト八一ベスト農薬を前提にした大幅な緩和が行われ、輸入時の検査でさえも現在では〇・八%しか行われていないという状況の中で、私はもう一度、暴露評価の見直しでさらに残留農薬基準を緩めていくことは許されないことだということを申し上げて、時間が参りましたので、これで終わります。
○前田委員長 中川智子君。
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子でございます。
 きょうは、五月二十六日からオタワで開かれますコーデックス委員会に出席される日本政府の立場について伺います。時間が限られておりますので、簡潔明瞭にお答えください。
 ます第一に、私は、二十五日にもう政府は出発するわけですけれども、この間どのような世論を受けて、そしてまた、この小委員会報告、消費特で去年の夏暑い中、一生懸命勉強して一定の方向性を出しました小委員会報告などを受けて、日本政府はどのような姿勢でコーデックス委員会に臨むのかという資料を再三要求いたしてまいりましたが、五日後に出発であるにもかかわらず、まだまとまっていないということで、去年の英文の報告しかいただいていません。国会議員というのは国民の代表だと私は認識しておりますが、その認識がおありなのか。国民の代表であるならば、資料を事前に出すということをしっかりと受けとめて、まとまっていないならば、今まとまっている状況での資料を出すべきだと思いますが、これに対して明確にお答えください。
○村上説明員 コーデックス委員会に向けての政府の対応ということにつきましては、農水省、科技庁、外務省、厚生省、それぞれ関係省庁が協議をするということになっております。ですから、最終的なものがまだでき上がっていないという状況でございます。
 我々も状況についてはできるだけ説明に努めてきているところでございますけれども、農水省としては、消費者団体等からの要請書、地方議会からの意見書、遺伝子組み換え食品の表示に関して多数寄せられているということ、それから国会における御議論、それから農水省に設置いたしました食品表示問題懇談会において遺伝子組み換え食品の表示のあり方について検討している状況、それから遺伝子組み換え食品の表示問題の重要性、消費者等の関心の高さに照らしまして、コーデックス委員会で、より一層積極的に議論を継続していく必要があるというようなことを基本に踏まえまして対処していきたいというふうに考えているところでございます。
○中川(智)委員 私の今の質問は、最終的なものをいただきたいと言っているのではないのです。五日後に出発するのに現時点でまだでき上がっていない。それはペーパーではなくて、議論はきっちりとでき上がっていて、その基礎になるべきものというのはしっかりとお持ちだと思いますが、今の時点で出せるものを出していただくというのは、委員長、これ、きっちりと要求しておりまして、何度も何度もお願いしているのに、最終的なものはまだでき上がっていない、でき上がっていない。いただけないのか、いただけるのか、きっちり答えてください。
○村上説明員 対処方針というものは最終的に公電という形で外務大臣名で出ていくわけでございます。交渉上の過去の経緯であるとか、今後の交渉の対応等についてはいろいろなものを含むことになりまして、交渉上の機微に触れるというよろな事柄も含まれてまいります。したがいまして、事前に提示するということは御容赦をいただきかいと思っております。
○中川(智)委員 それは基本的な情報公開のもっともっと前の段階で私たちはここで議論をし、さまざまな形で国民の声として発してきたわけですので、日本政府は、機関としては今農水省が設置いたしました表示問題懇談会、ここはまだ結論を見ていないという状況を聞いております。小委員会の小委員会報告、そしてさまざま地方議会から出されているもの、それはすべて表示すべきというところで一致しております。
 では、それを受けて、今後の障害になるものということで、具体的な細かいところまでは結構ですので、現段階での姿勢をこの場ではっきりとお答えください。表示するということに対して、それを明確にコーデックス委員会で主張されるのか、それとも表示に向けては国内世論が一致していない、表示に向けては日本は去年のようにただ見守って、また帰って検討しますという姿勢で臨むのか、はっきりしてください。
○村上説明員 全体的な対応方針ということは、先ほど申しましたように、関係省庁の間で協議をした上で最終的に固まりますけれども、現段階で農林水産省として考えておりますことは、我が国におきまして、今先生おっしゃいましたような遺伝子組み換え食品の表示問題について非常に大きな問題になっており、消費者団体から表示を求める要請が国会、それから政府、地方議会に多数零せられているというふうなこと、それから、これらの動きを受けた地方議会からも表示を求めため検討すべきであるという要請が政府に寄せられていること、他方、食品製造や流通業界は対応に苦慮しているというようなこと、このような状況のもとで、国会や政府に設置した検討会で遺伝子細み換え食品の表示のあり方について検討していろという状況を表明していくことになろうかというふうに考えております。
 また、さらに、我が国といたしましては、国会及び政府に設置した検討会における検討を待ち生じて、我が国の表示に関する対応を決めるといろことにしておりまして、今後、これを踏まえた章見を提出するということを表明してはどうかというふうに考えているところでございます。
○中川(智)委員 非常に心もとない姿勢で臨まれるということに対して本当に不安を改めて持っております。
 今後のその対応の中で、やはり見せていただいて、コメントなどはすべて差し控えますので、山される、そのときに持っていかれる資料をぜひともいただきたい。もう一度お答えください。これは立法府としての要望です。いかがでしょう。そのお答えは全然ありませんが。
○村上説明員 対応の内容については今申し上げたような状況でございまして、まだ最終的に固まっているわけでございません。
 それから、対処方針そのものをペーパーとして出すということにつきましては、先ほど申しましたようなことで御了解いただきたいというふうに思います。
○中川(智)委員 これ以上はむだなようですから。
 それでは、コーデックス委員会から帰ってきてから、日本政府がどういう対応をとったのかという、緊急にまとまり次第きっちり説明会を、消費者、地方議会、そして日弁連も意見書を出しております、そしてこの場で、消費特で説明されることを要望しますが、それに対してお答えください。
○村上説明員 コーデックスの会議自身は完全に公開になっておりまして、オブザーバーの皆さんも出られます。その意味で、我々は会議の場の状況については何も隠し立てすることなく、この委員会においても御報告申し上げることにしております。その状況につきましては、議事録として当然公表されますし、それからインターネットに議事録そのものも載りますので、そういう手段を通じて皆様方に情報を伝えていきたい。また、必要に応じて問い合わせに応じて説明は十分やってまいりたいと思っております。        
○中川(智)委員 農水省ばかりに聞いて申しわけないのですけれども、もう一度確認したいのですが、地方議会の意見書というのが二千通に上っています。署名は百七十三万人になりましたが、これを世論としてしっかり向こうに言い、小委員会報告も、このような報告がきっちりあったということを姿勢として出すということは確認していいですね。それはきっちりと向こうで報告してくださるわけですね、世論として。するか、しないかで結構です。
○村上説明員 今おっしゃられたような状況、その他全般の状況につきまして、先ほど申しましたようなことで、状況の説明は十分やってまいりたいというふうに思っております。
○中川(智)委員 最後に、厚生省に通告していますので、一点聞きます。
 農水省は食品表示問題懇談会をつくりました。そして、消費特でも小委員会をつくりましたが、厚生省は、この一年間、どんな機関をつくって、どのような対応をしていらしたのでしょうか。伺います。
○堺説明員 厚生省といたしましては、各自治体からの要望でございますとか、あるいはこの消費者特委での御議論の様子でございますとかということを逐次食品衛生調査会の方に御報告しておったわけでございます。
 それで、実際に表示についてどういうような対応をということでございますが、遺伝子組み換え食品ということにつきましては、現行の食品衛生法において、食品衛生上、他の食品と区別して表示づけることは難しいというふうな考えということでございます。
○中川(智)委員 厚生省に要望しますが、今のお答えを聞いていて、この一年間、厚生省は独自の機関もつくってこなくて何もしてこなかったということがよくわかりました。
 当時の大臣は、全然、遺伝子組み換えの安全評価をしたことに対してきっちりとした覚えがないということでございました。また、小泉大臣は、遺伝子組み換え食品については、わけのわからないものは食べたくないという答弁をいただきました。
 そのような形で、一昨年の八月の段階から、今の状況は明らかに変わっているのですね。国民の世論は、安全とかその以前に、選ぶ権利、知る権利を与えてほしいということで、この間の世論の高まりがあるわけなんです。
 それに対して、きっちりと厚生省は受けて、安全評価がもう既になされているから、それでいいということでは、国民の命と健康を守る厚生省としての仕事を一切していないということですので、厚生省で早急に機関をつくっていただいて、そして農水省との連携の中で、ぜひとも選ぶ権利を守って、つくっていただくことを要望いたしまして、終わります。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○前田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十三分散会