第142回国会 行政改革に関する特別委員会 第6号
平成十年四月二十三日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
  委員長 高鳥  修君
   理事 虎島 和夫君 理事 野呂田芳成君
   理事 二田 孝治君 理事 山口 俊一君
   理事 伊藤 忠治君 理事 北脇 保之君
   理事 若松 謙維君 理事 中井  洽君
      今井  宏君    岩永 峯一君
      小野寺五典君    大野 松茂君
      奥山 茂彦君    金田 英行君
      熊谷 市雄君    倉成 正和君
      坂井 隆憲君    実川 幸夫君
      下村 博文君    砂田 圭佑君
      滝   実君    谷  洋一君
      戸井田 徹君    牧野 隆守君
      松本 和那君    宮島 大典君
      宮本 一三君    池田 元久君
      岩國 哲人君    上田 清司君
      海江田万里君    鍵田 節哉君
      桑原  豊君    田中 慶秋君
      玉置 一弥君    土肥 隆一君
      中川 正春君    平野 博文君
      古川 元久君    池坊 保子君
      冨沢 篤紘君    福島  豊君
      青山  丘君    東  祥三君
      石垣 一夫君    佐々木洋平君
      鈴木 淑夫君    児玉 健次君
      佐々木憲昭君    平賀 高成君
      松本 善明君    深田  肇君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 松永  光君
        文 部 大 臣 町村 信孝君
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
        通商産業大臣  堀内 光雄君
        労 働 大 臣 伊吹 文明君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 小里 貞利君
 出席政府委員
        内閣審議官   畠中誠二郎君
        内閣審議官   坂野 泰治君
        総務庁長官官房
        審議官     西村 正紀君
        総務庁人事局長 中川 良一君
        大蔵大臣官房長 武藤 敏郎君
        大蔵大臣官房金
        融検査部長   原口 恒和君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    溝口善兵衛君
        大蔵大臣官房審
        議官      大武健一郎君
        大蔵省主計局次
        長       細川 興一君
        大蔵省理財局長 伏屋 和彦君
        大蔵省証券局長 長野 厖士君
        大蔵省銀行局長 山口 公生君
        大蔵省国際金融
        局長      黒田 東彦君
        国税庁次長   船橋 晴雄君
        文部大臣官房長 小野 元之君
        文部省初等部中
        等教育局長   辻村 哲夫君
        文部省体育局長 工藤 智規君
        厚生大臣官房総
        務審議官    田中 泰弘君
        厚生省保健医療
        局長      小林 秀資君
        厚生省医薬安全
        局長      中西 明典君
        厚生省老人保健
        福祉局長    羽毛田信吾君
        厚生省児童家庭
        局長      横田 吉男君
        厚生省年金局長 矢野 朝水君
        通商産業大臣官
        房長      村田 成二君
        通商産業大臣官
        房商務流通審議
        官       岩田 満泰君
        通商産業省産業
        政策局長    江崎  格君
        通商産業省機械
        情報産業局長  広瀬 勝貞君
        中小企業庁長官 林  康夫君
        労働大臣官房長 渡邊  信君
        労働省労政局長 澤田陽太郎君
        労働省労働基準
        局長      伊藤 庄平君
        労働省女性局長 太田 芳枝君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
        労働省職業能力
        開発局長    山中 秀樹君
 委員外の出席者
        衆議院調査局第
        三特別調査室長 田中 達郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
 辞任         補欠選任
  熊谷 市雄君     奥山 茂彦君
  坂井 隆憲君     石崎  岳君
  上田 清司君     鍵田 節哉君
  田中 慶秋君     土肥 隆一君
  平野 博文君     中川 正春君
  古川 元久君     海江田万里君
  大口 善徳君     池坊 保子君
  石垣 一夫君     鈴木 淑夫君
  佐々木洋平君     青山  丘君
  平賀 高成君     児玉 健次君
同日
 辞任         補欠選任
  奥山 茂彦君     滝   実君
  海江田万里君     古川 元久君
  鍵田 節哉君     上田 清司君
  土肥 隆一君     桑原  豊君
  中川 正春君     平野 博文君
  池坊 保子君     大口 善徳君
  青山  丘君     佐々木洋平君
  鈴木 淑夫君     石垣 一夫君
  児玉 健次君     佐々木憲昭君
同日
 辞任         補欠選任
  滝   実君     下村 博文君
  桑原  豊君     玉置 一弥君
  佐々木憲昭君     平賀 高成君
同日
 辞任         補欠選任
  下村 博文君     熊谷 市雄君
  玉置 一弥君     田中 慶秋君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 中央省庁等改革基本法案(内閣提出第四一号)

     ――――◇―――――
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、中央省庁等改革基本法案を議題といたします。
 本日、午前は厚生省及び労働省を中心として、午後は大蔵省及び通商産業省を中心として審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土肥隆一君。
○土肥委員 おはようございます。民主党の土肥隆一でございます。
 私は、きょうは厚生省、労働省、労働福祉省になるということでございますけれども、それについて質問をさせていただきます。
 まず、ネーミングの話から入りたいと思うのです。いろいろ資料を見ますと、生活福祉省から始まって、雇用福祉省、労働福祉省と変わっていくわけですね。マスコミをひょっと見ますと、いろいろなことが飛び交っておりますが、私も民主党というのを立ち上げるときに、民主党という名前で大変苦労いたしまして、名前というのがどんなに大切かということでございます。民主党というのは世界的ないい名前だ、国際的にも通用する名前だということで採用したわけでございますが、後は、中身をどうするかということでございます。一方で自由民主党というのもあるわけでございまして、こういう冷戦後の世界でございますから、名前も似通ってくるのかな、こういうふうに思う次第でございます。
 ある新聞の平成十年の二月十八日の「論点」で、カナダ人のイアン・アーシーという日本に住んでいる翻訳家が、この省庁の名前について論評をしておりまして、労働福祉省はいい名前だ、こう言っておるわけですね。あとはいろいろけちをつけておりまして、例えば大蔵省が財務省になった、しかし英語で言えば前と同じミニストリー・オブ・ファイナンスだ、こういうふうに言って、だから、何も大蔵省を財務省に変えなくてもいいんじゃないかというような意見も出しております。
 労働福祉省については、彼は、まあこんなものでいいんじゃないですかと言いながら、しかし、ダサイ名前だね、こう言っております。もう少し国民が、うん、そうかというふうな名前がそれぞれの省庁に欲しいというふうにも申しております。もう総務庁なんかはこてんぱんでございまして、直訳すれば管理調整庁というのが英語からいう名前ではないかというふうに言っております。
 さて、きょうは労働大臣、厚生大臣、お二人おいでになっておりまして、厚生大臣、このネーミングで相当御意見があるようでございますが、今も厚生大臣のお考えは変わりませんでしょうか。
○小泉国務大臣 変わりません。
 私は、厚生、労働、両省のみならず、すべての省庁、できたら二文字がいいんじゃないかと思っているのです。今、通商産業省にしても通産省、科学技術庁にしても科技庁と呼ばれる。自由民主党だって自民党。大体日本人というのは二文字が好きですね。国語というのは、意味をあらわす表意文字なんです。そういうことを考えますと、当初、大蔵とか厚生なんというのはわからなかったと思いますね。しかし、定着して、大蔵にしても厚生にしても、なるほど、厚生なんというのは古典から引用してきたかと。戦前、厚生省ができるときにも、社会保健省だの保健福祉省だのいろいろな案が出てきた。ところが、四文字では長過ぎるということで、古典から持ってきて厚生省になった。
 そういう経緯から見ても、私は、これから新しい世紀に入って、国民に親しまれる役所、意味のある、仕事をあらわしたそういう名前を考える場合には、役人や政治家みたいに余り教養のない人が決めるよりは、古典の素養のある学識者の意見を聞いて二文字にした方がいいのではないかという主張を貫いてまいりました。今もその考えに変わりはありません。
○土肥委員 労働大臣にお聞きいたします。
 大臣の御意見はいかがでしょうか。
○伊吹国務大臣 基本的に申せば、国の行政機関である各省の名称というのは、やはり何をやっているかということが国民からわかるというのが一番私は大切だと思っております。その上で、簡単で親しみやすいものであればさらにいいわけで、私は伊吹文明と二文字ですが、小泉厚生大臣は純一郎と三文字でございます。ですから、内容を的確にあらわせばいいわけでありまして、新しい省庁の名前は、しかし一応、これは小泉さんが頑張られたからかどうかはわかりませんが、附則の第二項で、みんなで考えてみようということは御提案の中に書いてあるわけですから、官僚や、その役所の後ろにいる各種団体の手のひらで踊るのではなくて、本当に国民のためにいいということを考えてみるという方向には、私は反対ではありません。
 しかし、私の立場からいえば、額に汗して働く労働という言葉は、単に人から雇ってもらうとか雇うとかという雇用という問題とは本質的に違うので、名は体をあらわすという意味では、労働という文字はぜひ残していただきたいと思っています。
○土肥委員 小里長官、どうしましょう、これ。まとめなければいけませんが、どういう方針をネーミングについてはお考えでしょうか。
○小里国務大臣 経緯についてはかなり起伏がありましたが、先生も御承知のとおりでございます。
 したがいまして、今次の法律を立てるに当たりまして、各方面御意見がありますというその事実を背景にいたしまして考えました。もとより、先ほどもお話がありまするように、名前は、そのおのおの新しく編成せられる各省庁の主なる任務、所掌事務あるいは権限等を国民にわかりやすく集約する、御理解いただきやすい名前、そういう一つの視点も大事であろう、こう思った次第です。
 しかしながら、この種のことは、これから五十年、百年、新しく続いていく話でありますから、できるだけ多くの皆さんの納得をいただく名前がよろしい。そういう視点から、皆さん、御意見あるんですか、どうかひとつお聞かせください、そして、その結果が一つのものでまとめられるものであれば、私どもは妨げるものではありませんと。法律の趣旨はそこにあります。
○土肥委員 来年の通常国会までに名前を決めるということでございまして、私は大変楽しみにしております。大いに閣内で議論をしていただき、また国民にも問うていただきたい。
 ただし、この名前をめぐって私が非常に不愉快に思いますのは、省庁間で勝ったの負けたのというような論議があるということですね。これはまともに取り上げることでもないかもしれませんけれども、案外、新しい労働福祉省の成り立ちを、厚生省あるいは労働省で相当な陣取り合戦が行われているということを象徴的にあらわしているんじゃないかと思いまして、したがって、お二人の大臣、何も省を背負ってなさらないで、本当に国民が理解できる、納得いける名前を決めていただきたい、そういうふうに思いますね。
 私は、基本法を読みますと、今回のこの労働福祉省、やはりいいコンビネーションだと思うのです。なぜかと申しますと、労働福祉省でもいいですけれども、先ほど伊吹大臣がおっしゃったように、単なる雇用ではなくて労働という崇高な人間のなりわい、これを労働という名前をつけて入れるのだというふうにおっしゃいましたけれども、私は、今回の基本法を見ますと、ますます思いを強くいたしますのは「やはり雇用というのが一番の国民の大事なところでありまして、失業ほど悲しいことはないわけであります。これが厚生省と一緒になりますならば、やはり雇用をしっかりと確保する、あらゆる手を尽くして国民の雇用を確保していく、そういう意味では雇用福祉省も私はいいなと思うのです。
 というのは、労働省というのはある意味で規模の小さい役所でございましょうし、労働行政というのもやはり幅広いようで余り国民の直接の生活に結びついていない。しかし、厚生省は、赤ちゃんが生まれてから死ぬまで、全く厚生省にかかわりのない生活というのはないわけでありまして、そういう意味では、厚生省プラス雇用というものを一緒につけて、国民が失業しないようにあらゆる行政施策をとりますよというアナウンスがきっちりあるならば、私は労働福祉省でもいいけれども、雇用福祉省でもいいのじゃないか、このように思うわけであります。
 したがって、労働省の最大の役目はやはり雇用を確保する、そして、雇用こそ最大の福祉だというふうに思うのであります。某新聞で、勝ち負けの問題で厚生省の某高官が、まずは社会福祉だ、社会保障だ、公衆衛生だ、その次に労働政策だ、こう言いましたけれども、それは間違いでありま
して、社会福祉も、公衆衛生も、雇用も同じようにやはり福祉なんですね。生活に欠くことのできないものであります。
 そういう意味から、ネーミングという、小泉大臣に言わせれば、四字、六字なんというのを二字にしろというのはなかなか難しい話ですし、省庁を半分にしてしまったわけですから、二文字であらわせというのもなかなか大変だと思いますけれども、中身をやはりしっかりと固めて、労働福祉省の意気込みを見せていただかないと、一体何のために省庁再編をやるのだという議論になってしまうわけでございます。
 さて、厚生省と労働省が一緒になる、これの最大の目的は、今申し上げましたように、労働省の側からいえば、雇用という最大の福祉を厚生省と一体になって国民生活を守っていくという意味で非常に重要な組み合わせだというふうに私は思うわけであります。
 しかし、省庁の再編をやるためには、行政改革一般で言われておりますが、行政が制度疲労を起こしているとか過剰な規制があるとか縦割り行政を是正するのだ、あげくの果てには天下りとか官僚の汚職などということも挙げまして、やはりスリム化、効率化ということが最大の課題になっているわけでありますけれども、厚生省と労働省が一つになりまして、今言いましたような縦割り行政とか制度疲労というような視点から考えまして、特にスリムかつ効率的な再編ということを考えますときに、どういうところに視点を置いて今省庁再編を考えておられるのか、両大臣にお聞きしたいと思います。――総務庁長官がいいですか。では、長官の方から。
○小里国務大臣 お答え申し上げます。
 労働福祉省については、雇用の確保、労働条件の整備、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上、増進等を一体的、総合的に推進するとともに、関係施策及び事務事業の効率化等を目指すといたしております。特に、少子・高齢化等の社会経済情勢の変化に対応した労働政策と社会保障政策の統合及び連携の強化を図られるものと、私どもは判断をいたしております。
○土肥委員 抽象的にはそういうことでしょうから、では一つずつ聞いてみましょう。
 例えば、労働福祉省における独立行政法人化のことについて今どうなっているのか私はつまびらかでございませんけれども、例えば国立病院・療養所を今後独立行政法人、つまりエージェンシーとして独立させるのか、あるいは従来から統廃合の問題がずっと出ておりますので、統廃合とエージェンシーの関係についてお聞きします。
○小林(秀)政府委員 お答えを申し上げます。
 国立病院・療養所につきましては、国として担うべき医療を行う医療機関の緊密な連携を阻害しないようにしつつ、高度かつ専門的な医療センター、それからハンセン病療養所等特に必要あるものを除きまして、独立行政法人に移行すべく具体的検討を行うものというふうにこの法律の関係で定められているところでございまして、我々としてはこの独立行政法人に向けて具体的な検討を進めているところでございます。
 それで、今までやっています病院・療養所の統廃合または移譲、従来からリストラをやって国のやるべき本来の業務に特化をするという仕事をずっと続けてきていますが、それは今回やろうとしている行政のスリム化ということとも全く目的を一にしておりまして、独立行政法人化するとしても再編成は従来どおり続けてまいる、このように考えておるところでございます。
○土肥委員 今、幾つぐらいの国立病院・療養所の統廃合の計画があって、それで何%ぐらい進捗しているのでしょうか。その数字をお知らせください。
○小林(秀)政府委員 この再編計画は昭和六十一年からスタートいたしておりまして、国立病院の場合には、六十一年当時百の施設がございました。計画ではこれを三十四減らして六十九にするということになっておりますが、現在の実績、これは十年一月一日現在でございますが、十二減りまして八十八という現状でございます。国立療養所につきましては、百三十九のうち計画では四十減の九十六にするという計画でございましたが、現在のところは百三十九から九減って百三十という数字で、合計二百三十九を百六十五にするという計画で、目標は七十四減らすことになっておりますが、今のところは二十一減って二百十八という数字、パーセンテージはちょっと計算しておりませんが、そんな実績でございます。
○土肥委員 目標をはるかに下回っているということですね。今度の独立行政法人にすればこの統廃合というのは加速するのでしょうか。局長のお考えをお聞きします。
○小林(秀)政府委員 加速するのかという御指摘でございますけれども、今先生がおっしゃられましたように、計画に比べてスピードが遅くなっております。これは実際に移譲するといたしましても、統廃合するにいたしても大変準備が要ります。もちろん、移譲するとすると受け皿になるところに御理解をいただくということも大変時間がかかるものですが、おくれているわけでございますけれども、これについては、計画どおりできるように今後も鋭意努力をしてまいりたい、このように思っています。
○土肥委員 エージェンシー化したら恐らく統廃合は無理じゃないかと思いますね。自分の首を自分で絞めるようなことができようはずがございません。むしろ、エージェンシー化しないで積極的に厚生省の取り組む姿勢を固める以外にないと思うんですが、小泉大臣、その点はいかがでしょうか。
○小泉国務大臣 国立病院・療養所の統廃合、移譲問題は実に難しい問題で、住民にしてみれば、病院というのは身近にあった方が心強いといいますか、安心する感じがするんですね。できるだけ住民の理解、協力を得ながら進めています。限られた医療資源、できるだけ国の役割というものを重点的、効率的にしていこうということでありますけれども、付近の住民から見れば、診療所なり療養所なり、あるいは病院というのはあった方がいいという気持ちが強いのもわからないではありません。
 そういうことから、この独立行政法人と国立病院・療養所の統廃合というのは難しい問題ですが、決められた方針に従って少しでも効率化、重点化に向けて努力していくしかないと思っております。
○土肥委員 私は、今の大臣のお話を聞いても、余りやる気がないんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 これはやはり、土地が不良債権化して、土地の今度は証券化などというような議論もあるわけでございまして、何かやはり特別なインセンティブといいましょうか、あの国立病院を買ってみようかと、そして、民間医療法人が少し頑張ってみようというような、人が振り向くような方法をやはりとらない限り、数年前には特別措置法ができて、払い下げというか移譲するのにかなり有利な条件になったわけでありますけれども、そのときに私が厚生委員会で言いましたのは、病院を引き継いでくれるならただで上げてもいいじゃないですかと、そんな極端な話をしたんですが、それほどまでにしないと、この労働福祉省、またこれは、労働省がかんでまいりますと、国立病院に働いている五万人か六万人かいらっしゃる人たちの雇用の問題にもかかわってまいりまして、ますます減退するんじゃないかなという懸念を申し上げまして、やはり、国立ということで採算の合わない病院は積極的に統廃合していくべきだというふうに私は思います。
 ここで職域病院についてもお聞きしたいのですが、どなたかいらっしゃいますか、職域病院のことは。労働省、郵政省、いらっしゃいませんね。職域病院をどうするかというのをおわかりの方はいらっしゃいますか。――労災病院がありますね。
 職域病院の現状と今後のあり方についてお知らせください。
○伊藤(庄)政府委員 職域病院についての御指摘でございますが、私ども、労働福祉事業団を通じて運営をいたしております労災病院の問題としてお答えをさせていただきたいと存じます。
 この労災病院、全国に三十九の病院を現在展開して運営をいたしております。労働者の災害あるいは職業に絡む特有の疾病、こういったことをいわば得意の分野として医療技術の向上に努めてまいりました結果、地域等の信頼もかなり得ておりまして、現在、全体で見ますと、直接の労災患者の比率というのは低下をいたしてきております。
 そういった状況にかんがみまして、私どもさらにこの労災病院の機能を発揮していくためには、地域の例えば労災保険の指定医療機関あるいは産業医の方々に対しまして、この労災病院に蓄積されました職業と疾病あるいはその後の社会復帰を目指すリハビリテーションのノウハウ、そういったものを広くネットワークを結んで提供し、あるいは、そのための医療機器等も地域の産業医の方あるいは労災保険の指定医療機関の方に開放していくとか、そういった地域の、労災の被災者、あるいは社会復帰を目指すためのいわば中核的な病院としての機能を高めるべく、目下努力を重ねているところでございまして、特別の性格を有する病院として今後もその充実に努めていく、こういう考えで対処いたしているところでございます。
○土肥委員 ついでにお聞きしますけれども、労災病院の中で、不採算病院、つまり赤字病院というのは何%ぐらいあるんでしょうか。
○伊藤(庄)政府委員 労災病院につきましては、全体で見まして、経営努力も重ねております結果、医療だけの収支で見ますと、若干の黒字を出している状況にございます。
 ただ、労災病院といういわば政策的な医療を実施する病院でございますので、高度の医療機器等につきましては労災保険の会計の方から出資金を出しておりますから、その分につきましては差し引きますと、やはり損失金をある程度計上する、こういう状況になりますが、先ほど申し上げましたように、医療収支だけで見れば経営は目下のところ、順調に展開されているというふうに認識をいたしております。
○土肥委員 出資金が出ているという話でございまして、これは厚生省の国立病院・療養所もそうでありますけれども、要するに、ある種の公的な補てんが、あるいは補助金がそこにあるわけでありまして、通常の一般病院とは性質を異にするということでございます。これから新しい医療体制、日本の医療の将来というのは非常に問題が大きいわけでございまして、やはり、当然この職域病院のあり方についても検討しなければならないし、労災病院は非常に成績がいいようでありますが、やはり出資金などの補てんがあって成り立っていると。労災という名前を冠にしている病院ですから出資金があるんでございましょうけれども、ほかの、例えば警察病院でありますとか郵政省の逓信病院でありますとか、それぞれ補助金が出ているわけでありまして、今後、この病院問題、医療問題に関しては、国立病院・療養所ともども、職域病院もやはり大きな曲がり角に来ているんではなかろうかというふうに考えております。
 さて、いよいよ介護保険が導入されるわけであります。今度の労働福祉省ということになりますれば、従来の年金、医療、そして今度は介護が入ってくる、労働省の方では雇用保険を持っているというようなことで、言ってみれば労働福祉省に保険が勢ぞろいするということになります。私は、これはある意味で大変結構なことだというふうに思うんであります。しかし、結構といっても、保険だから安全だとか、保険だから十分な施策ができるというものではございませんで、やはりそこの中身をよく詰めておかなければならないというふうに思います。
 今厚生省は、年金の大改革、そして医療保険の大改革をやりまして、二年後の平成十二年に抜本改革をやる、抜本的に医療、年金を見直す、こういうことになってまいります。時を同じくして平成十二年に介護保険が導入されまして、医療、年金、そして福祉という三者のところに保険が適用される、そして今度は、省庁が一緒になりまして労働福祉省になれば雇用保険が入る。大変立派なように見えますけれども、やはり中身を一つ一つ見てまいりますと、いろいろな問題点や、バッティングするところが生まれてくるなというふうに思うんです。
 きょうは、この介護保険について主にお聞きしたいと思うのでありますけれども、先ほど言いましたように、雇用ということからいいますと、介護保険導入によって非常に独特の介護保険事業者が生まれてまいります。今回の介護保険の介護福祉サービスを提供するのは役所ではございませんで、もちろん、役所の公的なホームヘルパーも介護保険事業に携わりますけれども、ほぼ九割以上は民間の介護保険事業者が参入いたしまして、介護保険法に基づく介護サービス、特に在宅サービスを実施していくわけでございます。
 そのときに、この介護保険事業者が集めております介護サービスを提供する人、俗にホームヘルパーと言いますけれども、ホームヘルパーに限らず、かなり組織立った体制と民間のあらゆる分野の人たちにそこに参加していただいて、そして、介護保険法に基づく介護福祉サービスを提供していくということになります。あらゆる業者が入りますから、あらゆる人材が集まってまいりますし、業者によっては、例えば大手の株式会社が参入するところもありましょうし、ごく小規模のボランティアグループが、NPO法案が通りましたから法人格を取って、そして介護保険事業者に参入してくるだろうというふうに思うのであります。そこで、非常に複雑多岐な労働力が提供されまして、そして、それぞれの介護保険事業者にとっては、その採用や雇用のシステムが全部違うわけです。あるときは外国人を使うかもしれません。さまざまな人が参入してまいります。
 まず、厚生省にお聞きいたしますけれども、この介護保険事業者として考えられている職種は一体どれくらい、そしてどんなところまで想定しておられるか、お答えいただきたいと思います。
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。
 先生今お話のございましたように、今後の介護サービスを要介護のお年寄りの方々のいわば需要に応じて絶えず提供していくというためには、ある意味からいうと、多様な事業主体、そして、そこに多様ないわば人材も参画をいただくということが実は大事だというふうに考えております。したがいまして、在宅サービス、幾つかの種類に応じまして給付を構成いたしてまいっておりますけれども、例えば、今お挙げになりましたいわゆるホームヘルパーがつきましたならばホームヘルパーが中心になりますし、そのほか、訪問看護ということになれば看護婦さん等が参画をする。また、お医者さんによる療養管理ということがございますから、そういった場合にはお医者さんがっくという形で、相当多様な方々が入ってまいります。
 さらに申し上げれば、まず出発点といたしまして介護サービスの計画をつくっていただくということで、その計画をサービスとして構成しておりますから、介護サービスを計画して、言ってみれば、いろいろなサービスの組み合わせだとか、サービスをどういうふうにその人に提供していったらいいかという計画をつくってさしあげるというサービスそのものにつきましては、さらに多様な方々が参画をされるということになりますので、ちょっと今、職種を数え上げるというわけにはまいりませんけれども、そういう意味では相当幅広い人材にむしろ入っていただく。そして、その形態につきましても、都道府県単位で全体的に展開をしていただくものについてはできるだけ法人格を持っていただく。しかし、さらにきめ細かく市町村単位等で展開をしていただく場合には、場合によりましたら今お話のございました非営利の法人、法人格を持っておられない方についても事業者としての対応ができるようなことまで考える。ただし、いずれにいたしましても、それが適
正な形で適用されなければ困りますので、そういうものについては事業基準等できちっと縛っていく、そんな考え方で対応していきたいというふうに思っております。
 そういうことを通じまして、できるだけ民間サービスを活用していくという姿勢で臨んでいくというふうにいたしたいと考えております。
○土肥委員 ついでにお聞きしますけれども、厚生省が、羽毛田局長などがお考えになっている、事業基準と今おっしゃいましたけれども、例えば臨時雇用であるとか常雇いであるとか、就業規則あるいは労災保険を掛けているとか掛けていないとかそういう雇用形態、それから雇用主と労働者の関係の労働協約であるとか、そういうところまで何か厚生省の今の介護保険の実施要綱の中には規定されているのでしょうか、いないのでしょうか。
○羽毛田政府委員 お話しのことにつきましては、法律上といたしましては事業者が提供するという形になっておりますから、そこに、事業者の方々に、いわば従業員という形で携わられる方が身分関係がどういうふうになっているかということについては、法律上はそれ以上の必ずしも規定はございませんけれども、おのずとそれは、今申し上げたような範疇でのこととして言えば、雇われているという姿というのは要るのだろうと思います。
 しかし、先ほども申し上げましたように、そういった事業者につきまして、やはり安全性でありますとか永続性でありますとか、あるいは介護サービスという微妙なサービスを提供されるのですから、きっちりした適正なサービスができるかどうかというようなことを運営基準等で縛っていくということにしておりますので、その運営基準の中におきまして、さらに詳細を詰めてまいらなければならないというふうに思っております。
 その際に、これから運営基準の中で決まってくることになるわけでありますけれども、その雇用形態につきましては、現在も、例えばホームヘルパーというものを考えました場合には、必ずしも常勤がすべてという形にはなっておりません。したがって、これは、これからのことではございますけれども、いわゆる常勤でなければならないというふうにはしないことになるだろうというふうに思います。
 しかし、今申し上げましたように、事業者として提供していくという建前からいきましたら、単なるあっせんをするというような形で事業者認定をするというのはなかなか難しいかなと。そうしますと、やはりその事業者として雇われた人材がサービスを提供していくという形がやはり適正なサービス展開という意味からも必要であろうというふうに思っております。
 そのほかの詳細については、さらにこれから詰めてまいらなければならないというふうに思っております。
○土肥委員 厚生省あるいは福祉行政からいうとその程度でいいということなんですが、これを労働行政から見ますと、どういうところが問題点になるのでしょうか。
 例えば人材派遣業というのがございますけれども、人材派遣業から人を派遣してもらって介護保険事業をやって、もう用が済んだら人材派遣業の会社に帰ってもらう。その人材派遣される方は、それはホームヘルパーとしてのある程度の資格は持っている、訓練を受けているということになりましょうけれども、そういうふうな労働行政上いろいろな問題点が出てくるけれども、今度労働福祉省になりましたら、その辺はどういうふうになるのだろうかと思うわけです。
 今の羽毛田局長のお話をお聞きになりまして、労働省サイドではどういう印象を持たれるか、お聞きしたいと思います。
○伊吹国務大臣 本院でもお認めをいただきました介護保険制度については、私も若干、自由民主党におりましたときにその創設に携わりましたので、多分お答えは間違ったことではないと思いますが、民間の職業紹介所を個人が、介護を受けたいという方が利用して介護労働者を派遣してもらってサービスを受けるということは、公的保険でございますから自由にはできません。要介護認定ということがございまして、その枠の中でしか、公的なお金の支出を受けるわけですからできないわけであります。
 したがって、先ほど来お話がございましたように、介護保険制度の中に民間職業紹介所、今先生がおっしゃったものが参入するには、私は二つの形態があると思います。一つは、介護保険制度の中にございます請負形態による介護サービスを提供する事業所を開設する、これがまず一つですね。それから、在宅介護サービスを提供する事業所、それらの事業所に人材を紹介するという、この二つのことがございます。
 ところが、まさに今御指摘のように、現在の制度上では介護業務に係る労働者の派遣ということは認められておりません。したがいまして、これをどうするかということについてはいずれ本院にもお諮りをしなければならないわけですが、現在、中央職業安定審議会において検討を進めておりますいわゆる派遣労働者のネガティブリスト化、あるいはまたその労働者の保護をどうするかというようなことを含めて総合的に検討していかねばならないわけです。まさにそのような点が、受益をされる国民のために、最も低コストで安心できるサービスを受けるためにどうすればいいかという検討を進めるには、私は労働福祉省というものは、一緒になるということは一つの大きなメリットではないかと思っております。
○土肥委員 伊吹大臣、大変適切な御答弁で、厚生行政に大変お詳しい方でございますから、その方向でも私はいいだろうというふうに思います。
 ただ、介護保険というのは壮大な、要介護老人への一件一件のサービスに入りますから、介護認定を受けるとしても相当な数の認定者が出てくるわけでありまして、それを国民総がかりで介護、看護に当たろうという制度でございますので、余り労働法制的な切り込み方をいたしますと、介護保険を殺してしまうことになりかねないというふうに思うのですね。
 ですから、ぜひともその辺は、これが三年後か五年後か、労働福祉省一つになるかわかりませんけれども、人材をどう供給するか、人材をどう確保するかということは最大の課題でございますので、ぜひとも注意深く、しかも積極的に弾力性を持って取り組んでいただきたい、こういうふうに思います。
○伊吹国務大臣 先生、誤解があるといけませんので、今私が申し上げたような制約があるのは、むしろ労働行政上の問題ではなくて、介護保険という公金を扱う、介護保険制度の公金の支出の適否の歯どめの問題であると私は認識いたしております。
○土肥委員 私は、人材派遣業をやっていらっしゃる方が介護保険事業者になられてもちっともおかしくない、公金を使うといえば、もうまったく素人に近いボランティアのグループなども、訓練を受けて介護保険の給付を受けるような事業者に参画してくるだろうというふうに思うのであります。ですから、職業安定法的な視点を余り持ち込むと、必ずしも収益だけを求めない、しかし、非常に意欲のある熱心な人材がいかにして集められるかということが大切なんでありまして、あれも危ないこれも危ない、こういうこともあるだろう、これも心配だというふうになりますと、非常にかた苦しい介護保険になってしまいます。そういう意味では、私は厚生省が今持っていらっしゃる姿勢の方が、そのままでいいのじゃないかと思うのですね。
 だから、労働省がお加わりになりますと、どうしても職業安定法上のことにかかわってまいりますと、余りよくないということでございまして、労働省の皆さんも、ぜひともこの辺は厚生省の皆さんと仲よく、いかにして介護保険を成立させるか、これがもう二十一世紀の福祉の最後の切り札でございますから、ぜひともそういう配慮でやっていただきたいな、こういうふうに思います。
○羽毛田政府委員 本件に関しましては、言わずもがなかもわかりませんけれども、私ども、実は介護保険をにらみ、労働省とは随分一生懸命、労働省も前向きに取り組んでいただいている中で、先ほどございました、やはり介護保険は介護保険としてその適正なサービスをどう確保しているかという意味での制約がございますから、そういった中で、どう間をつけるかという観点で積極的に話し合いをさせていただきますことを御報告をさせていただきたいと思いますし、労働省もそういう姿勢で、むしろ介護保険にしっかり労働力という意味からもかかわっていこうという御姿勢でお話し合いをちょうだいをしていますことを、御報告させていただきたいというふうに思います。
 それから、先ほどの人材派遣の関係につきましても、これは介護保険の立場からいたしましても、先ほどちょっと舌足らずだったかもしれませんけれども、例えば、家庭に直接人材派遣業の方が人材派遣という形でされることについては、介護保険法上もぐあいが悪いのではないかというふうに思っております。といいますことは、あくまでも事業者として責任を持って提供していくという事業者でなくてはならない、これは介護保険法上の要請でございます。したがって、事業者へ人材派遣をするという道は、あるいはこれからの人材派遣業法の検討の中で出てくるかもしれませんけれども、そこがいいのであって、事業者としての責任を持たないで家庭に行きまして家庭のいわば責任下に入るということでは、やはり公的な保険として介護サービスを提供していく場合の制約になってまいりますので、そういった両面の制約の中で前向きに取り組んでおることを御理解を賜りたいというふうに思います。
○土肥委員 私も誤解しているわけではございませんで、人材派遣業者が介護保険事業者になって、そして訓練を受けた、そこに名前を登録している人を自分のところの介護保険事業者の働き手として確保すれば、そこから介護保険事業をやってもおかしくないということですね。――今マルが出ましたので、そういうふうに申し上げさせていただきます。
 労働省行政はいろいろやっていらっしゃるわけですが、雇用ということについてやはり私はこだわるのです。もう労働省の仕事は雇用の対策に尽きるというふうに思うのでありますが、今この世の中は随分変わりまして、規制緩和ということがどんどん進められますと、当然失業者も出てくる。政府としては規制緩和をやる、しかし失業者はどうするのか、労働力が移動する、どういうふうに移動させるのか、もう終身雇用制はなくなりましたよ、ではどういうふうな労働形態がいいのかとか、いずれにしましても、今日今時点で失業率が非常に増大しておる。
 特に、若年労働者の失業率が非常に高くなってまいります。それから、年金や医療などの問題を考えますと、やはりお年寄りにも医療費や公的な保険の負担をしていただこうということになりますと、高齢者の雇用確保というようなこともあるわけであります。それからまた、男女雇用機会均等法ができておりますけれども、女性に対するさまざまな就労のハンディキャップがあります。例えば、一番普及してない介護休業法などは、もう少し積極的に取り入れる、また積極的に考えなければならない問題だと思います。
 もう一度申し上げますけれども、労働省というのは、雇用を創出し、雇用のミスマッチを積極的に是正し、雇用を探し求めて、職業安定所なんかそうでしょうけれども、積極的に社会の中に出ていって、そして限られた、この非常に不況の状況の中で、景気が悪い中で、企業も目いっぱい頑張っていらっしゃるのでしょうけれども、そこへ出かけていってなお雇用が発見されるような、そういうふうな努力をしていただかなければならないし、これは福祉という視点からいっても、失業ほど嫌なものはないし、寂しいものはないわけであります。そういう意味で、一体、雇用行政というのは、今後、労働省あるいは労働福祉省となったときにどういうふうに取り組んでいかれるのでしょうか。その点をお述べいただきたいと思います。
○伊吹国務大臣 まず、現在御提案いたしております法律の別表の中にございますように、労働福祉省のトップにあります業務は、雇用の確保でございます。もちろん、まず経済政策よろしきを得なければ雇用というものは確保できません。したがって、大蔵大臣兼通産大臣でなければ最終的な雇用というのは私は動かせないと思いますが、労働省がお預かりし、労働福祉省がお預かりできる範囲内で、できるだけ新しい求人を見つけて、お仕事を待っておられる方にお渡しする。
 ただ、先生、一つ私なりの意見を申し述べさせていただくと、雇用は確かに大切でございます。しかし、生きがいがないけれども働いているということだけでは、人間としての尊厳はございません。それから、人間として働く最低限のルールというものは、やはり国がしっかりと守らせねばなりません。それが雇用と労働の違うところだと私は思います。若年層の失業率がふえているとおっしゃいましたけれども、二十五歳以下では有効求人倍率は一を上回っています。職はあるんです。しかし、自分たちは働きたくないという失業が二十五歳以下の方にはあるから、失業率が高くなっているんです。そこのところをどう考えていくか、そういうことが雇用と労働の違いだろうと私は思っておりますので、ぜひその点も御理解いただきたいと思います。
○土肥委員 終わります。ありがとうございました。
○高鳥委員長 次に、池坊保子君の質疑に入ります。
○池坊委員 新党平和の池坊保子でございます。
 総論はもう今までに審議を随分されてきたと思いますので、私はちょっと各論に入りまして、このたび新設されまして機能強化がなされました内閣府について、主として伺いたいと思います。
 内閣府、国民の安全などを考えますと、これができましたことは大変いいと思いますけれども、拝見しておりますと、たくさんのものがまるでスーパーマーケットのように盛りだくさん入り込んでいるという感じがいたします。
 文部大臣はお時間がおありになると伺っておりますので、文部大臣に一つ伺いたいのですが、青少年対策もこの内閣府の中に入っております。私、文教委員をさせていただいておりますけれども、文部大臣は大変リーダーシップを持って青少年問題に取り組んでいらっしゃると思うんですね。そのことは私、高く評価しております。ナイフを持つのはやめようとか、君たちの命を大切にしようとか、呼びかけたからそうなるかどうかは別として、しないよりはいいと思っております。そんなにもしていらっしゃる、にもかかわらず、これは文部省の管轄ではできないのでしょうか。もちろん法務省とか警察庁の連携が必要ではあるんですけれども、文部省での限界というのがあるかということをまずお伺いしたいと存じます。
○町村国務大臣 この基本法案の中では、教育科学技術省の編成方針として、青少年健全育成行政に関して内閣府がやるのは総合調整に関すること、それ以外の事務は教育科学技術省、こういう大きな仕分けが今回の法案でできている、こう理解をいたしております。
 したがって、総合調整以外に関する事務というのはどういうものかなというと、例えば、現在総務庁がやっております国際交流事業とか非行対策事業といった各種事業もございます。あるいは、青少年白書の作成といったような事業もございます。こういうものは今度新しい教育科学技術省で担当させていただくという意味で、純粋に各省調整にまたがることだけは、今委員御指摘のとおり、警察もある、法務もある、厚生もある、各省庁にまたがりますので、それはどこかで総合調整という意味で内閣府に残されたのだと思います。
 したがいまして、総務庁というか、今度内閣府で担う部分は非常に限定された部分だけが残って、その他は教育科学技術省が担当する、こういうことになると私は理解をしております。
○池坊委員 総合調整についてまずちょっと伺いたいんです。
 文部大臣、十時まででいらっしゃるんですね、私も何だか焦ってしまいますけれども、もう一つだけ、私、文部大臣に伺いたいのは、これを拝見いたしますと、教育科学技術省、舌をかみそうなこの名称も後で申し上げたいので、政府委員からしっかり後で聞いていただきたいんですけれども、この舌をかみそうな省が一番最後に書かれておりますね。一番最後に書かれていることは、別にこれで優劣だというふうには思っておりませんけれども、六大改革の教育改革プログラムの中でも、総理は、教育というのはすべての社会経済システムの基盤だというふうにおっしゃっている。今、申し上げるまでもなく、国家の根幹をなすのは教育なんです。地下資源のない日本にとって、最大の公共投資は私は教育だと思っております。文部省が一番前に来てもいいんじゃないか。そもそも、お金を取り扱うから大蔵省が大切にされて一番前に来るから、諸悪の根源でいろいろな問題が私は発生したんだと思うんですね。
 これに対して、いつも文教委員として、文部省の方に、一番大切なんだというふうに言ってまいっております。もちろん、すべての省は大切であるけれども、最後にやられたお気持ちというか、どんなお気持ちでいらっしゃるか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○町村国務大臣 池坊委員には、いつも文部行政の各般にわたって御支援、御指導をいただいておりますことを感謝いたしております。
 この順序でございますが、これは行政改革会議の最終報告書に掲げられてある順がたまさか法律案にもそう載っているということであって、決してこれは最終的な国家行政組織法その他の法令で各省庁名を列記する場合の順序とは関係がない、私はこう考えております。ではどうしたらいいのかなということですが、これはまさに今後の議論ということでありますが、結局、現在の建制順というのがございます。これは基本的には、それぞれの役所のできた順序、例えば、明治二年に法務、外務、大蔵ができました、そして明治四年に文部省ができました、その順序に従って建制順というのが今並べられております。私は、多分これ以外に役所の順序を並べる要素というのはないと思います。もちろん、私は文部大臣でございますから、文教行政が非常に重要だと思っておりますが、またそれは外務省は外務省で、それぞれの役所がそれぞれ重要だという御主張があるでしょう。
 したがいまして、これは重要度をあらわすというものではもとよりない。とすると、結局何に論拠を求めるかというと、これは今後の議論にまつわけでございますが、私は、結局一番わかりやすいのは、やはりできた順序ということしか多分最終的な判断基準はないんだろう、そう思っておりますので、いずれこの順序は当然変わるものと私は考えております。
○池坊委員 できた順序とおっしゃいましたらそれが一番公平なんですから、それに対しては反論いたしませんけれども、各大臣以下お役人の方も、文部省が大切ということはしかと、総理以下わかっていただいていると思っております。
 厚生大臣も、麻薬撲滅に一岳懸命で、この間、キャンペーンの「ダメ。ゼッタイ。」というのもごらんいただいたと思います。やはりこの青少年対策というのは、厚生省としてこれからも取り組んでいく大切な課題だと思いますけれども、どのように取り組んでいらっしゃるのか、あるいは、総合調整が内閣府だから手を抜くというようなことはないのでしょうか。
○小泉国務大臣 各省庁が連携をとるというのは、どのような政策を進めていく上においても大事なことだと思っています。厚生省も、青少年問題、例えて言えば、最近、麻薬、覚せい剤等も低学年にかなり浸透していくというか、弊害が起こっている、そういうことから、文部省と協力、あるいは警察庁と連携をとりながらこの麻薬撲滅運動に取り組んでいるわけです。そのほかにも、最近は学童保育というような問題も、これは厚生省だけではなくて文部省との連携をとりながらやっている。さらに、幼稚園とか保育園の問題もあります。
 いろいろな施策を推進する上において、厚生省としては、各省庁と協力連携をとる問題については、お互い連携を密にして、それぞれの縄張り意識というよりもむしろお互い協力していこうという形で進めていきたいと考えております。
○池坊委員 私、内閣府の中にこの総合調整という言葉をわざわざ入れたところに、中央省庁再編成の何か、欠点があるのじゃないかと思うのです。
 つまり、今まで、縦割りはいけないのだ、横の連携が必要ですというのは当然あって、そういうことも含めての再編成であったと思うのですね。ですから、ここにわざわざ書かなければいけないということは、これからも縦割りでやっていくという意識がおありになるのか。これは私は、やはり意識変革が当然なければならないので、わざわざここに書かなくたって、そんなことは当然のことだという感じがするのですね。一言だけ、長官、そのことについてお伺いしたいと思います。
○小里国務大臣 わざわざここに書いたものでもございませんですし、それ相当な根拠があるわけです。先ほどの各大臣の言葉の端にもそれは出ていたようでございますが、各省庁に広範に関係する事務のいわゆる企画立案、総合調整を要するもの、しかも、社会経済にとりまして、あるいは国民生活にとって極めて高度な問題であり、かつまた、内閣として明確に方策を立てなければならないものを根拠に置いて、内閣に置くいわゆる合議制の機関として設置をするものであります。
 それから、先ほど先生のお話にもありましたように、ここにはおよそ六つの関係会議を置くということになっておりますことも御承知いただいておると思います。
○池坊委員 その六つの会議の中の男女共同参画会議なんですけれども、私は、これも今まで労働省でいろいろな、先ほども問題に出ましたけれども、労働問題等々が男女参画の中には入ってくると思うのですね。私ども働いている女性にとっては、男女共同参画というのは本当に大切な問題でございます。
 大切な問題だからこそ総理のもとでやるのだという考え方もあるのですけれども、総理は何といっても公務多忙でいらっしゃる。物理的に限界というのがあると思うのですね。ですから、私は、これはきちんとしたやはりリーダーシップをとってなさる所管省庁がないとだめではないかと思います。今のところ労働省が取り扱っていらっしゃって、いかがですか、これを御自分のところでやっていただくというような大臣のお気持ちはございませんでしょうか。
○伊吹国務大臣 現在においても労働省が女性問題の、かなりというか大きな部分を担っているということは確かであります。それは、戦後の新憲法ができまして、特に女性の社会進出、社会進出の大部分が職場で働くということにあったからでありまして、今の日本は世界的に見てもかなり余裕のある豊かな国に、御不満はあってもなってきているということは確かであって、女性と男性が同じ条件で社会に参画するというのは、働くという視点からだけではなくて、実はもう少し広い視野が私は必要じゃないかと思うのです。
 例えば教育上も、女子大学と男子専科の大学もございます。特定の職業については女性が排除されている部分もあります。それから、例えば建設工事現場でトンネルの中をくぐってはいけないとか、相撲の土俵はどうだとか、いろいろな広範なことはあると思います。したがって、私は、どこかが統一的にやる、主導権を持ってやるというのは全く同意見です。それは、私はやはり内閣が必要だろうと思います。
 あえて申し上げれば、昨日、岩國先生が、縦割り行政は責任の所在がはっきりしているからいいのだということをおっしゃいました。私は全くそれに同感です。しかし、同時に、その中で、縦割
りの弊害を排除するための総合調整というのは、どんなに制度をつくってもどこかでやらねばなりません。
 従来、率直に言えば、その調整をしていたのは、予算編成を通じて大蔵省の主計局以外には、私は調整機能が本当に果たされていたとは思いません。しかし、その大蔵省の主計局が残念なような状況になって、時代が変わってきているから、まさに国民がその調整の第一線に乗り出さねばならない。乗り出すのは国民の代表である政治家であって、その最もリーダーシップをとるのは総理大臣。総理大臣が多忙であることは、よく私も承知いたしております。その際は、官房長官なりその意向を受けた人が、きちっと国民の意向を受けて総合調整をするというのが、私は本来の姿じゃないかと思っております。
○池坊委員 内閣府の機能が強化されるので、今まであります総務庁のような性格ではなくなってくるとは思いますけれども、何で私が心配するかと申し上げますと、例えば、総務庁でも青少年対策というのをやっていらっしゃいますよね。でも、小里長官から、こういうことをしたよという発信は私ども、全然受けておりません。
 今、本当に総務庁っていっぱいいろいろなことをやっていらっしゃいますね。生活白書なんか、私はよくデータで使わせていただきますけれども、例えばどこに住みたいか、住みやすい都市というのも、あれも総理府が出していらっしゃるんだと思います。住みやすいところと住みたいところは違うんだとおっしゃる方もあるぐらいで、ああいうのをやることの意味があるのかしらんと疑問にも思っておりますし、また、犬猫のペットまでも扱っているというふうに伺いました。つまり、いろいろな問題をやり過ぎていて、本当に大切なものが何かという取捨選択、優先順位がなくなってきているのではないかと私は懸念しております。
 ですから、この性格がそのまま内閣府に来たならば、本当に審議されなければならない、国民が今最重要課題だと思っていることが、先ほど大臣がおっしゃったように、責任が明確にならないままにうやむやになってしまうということを私は大変に懸念しております。この辺ははっきりと、総合調整だけだということで、それぞれの所管が今までどおり責任を持つということでやっていただきたいというふうに思っております。
○坂野(泰)政府委員 先生御指摘の、現在の総理府あるいは総務庁の任務その他が今後どうなるかということでございますけれども、今回の基本法案におきましては、現在の総理府あるいは総務庁等が担当しております事務については、できる限ります関係のある省に振り分ける。しかし、内閣なり内閣府レベルで高次の調整を要する問題、そういうものに限って内閣官房なり内閣府に上げてくるということで、御指摘のような問題が仮にあったとしても、その点はかなり改善をしようという趣旨で規定を設けておるところでございます。
○池坊委員 改善をしょうじゃない、必ず改善をしていただきたいと思います。
 それで、先ほど厚生大臣から幼稚園と保育園のお話が出ました。今回、幼稚園、保育園は、教育科学技術省と連携してこれらの施設及び運営の総合性を確保すると書いてございますけれども、私はいつも、文教委員会でも厚生委員会でも、保育所と幼稚園を一緒にしていただきたい、一元化と.いうことをお願いしております。
 言うまでもなく、学校教育法七十七条では「幼稚園は、幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする。」保育園は、児童福祉法三十九条で「保育所は、日日保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設とする。」
 それで、これができましたときから時代は急速に変わってきております。今、働く女性もふえてきておりまして、保育園と幼稚園というのは本当に内容が一緒になってきております。幼稚園も、今、時間だけで区切って子供たちを預かるのではなかなか皆様お預けにならないので、放課後の保育というのもなされているわけです。保育所も、今、心身の発達を助長するようなことをやっているわけでございます。
 今、幼児期からの心の教育というのを政府も打ち出しておりますし、小学校に入るその前の、就学前の教育が大切だと言われてきておりますので、私はこの際は一元化していただきたいと思ったら、またこういうようなのが出てまいりました。
 例えばパラリンピックとオリンピックもそうであって、オリンピックは文部省である、パラリンピックは、体の悪い方たちの福祉が絡んでいるから厚生省だ。これも私は同じにしていただきたいと思っているのですが、厚生大臣の御意見を伺いたいと思います。
○小泉国務大臣 幼稚園と保育園ですが、これは何をもつて一元化というのかというのもなかなか難しい点だと思うのです。確かに似たような役割というのは十分あります。しかし、保母さんの資格と幼稚園の教員といいますか資格も、今、違うようでありますけれども、お互いが両方の免許を取りやすいような形で、両方持っている方も多いようであります。
 預ける親御さんから見れば、確かに、自分の子供を預かってもらうのですから、よりよい教育なり保育をしてもらいたい気持ちはあります。親御さんの中にも、できるだけ長く預かってもらいたいという親御さんもいるでしょうし、あるいはもう短時間でいいという親御さんもいる。
 保育と教育、お互い似た面がかなりあると思いますけれども、そういう面に配慮しながら、一挙に一緒にやるというよりも、連携協力を密にしていこう、そして、柔軟に保育所の機能、幼稚園の機能をお互い考えながら相互に連携し、お互い乳幼児を預かるということの重要性を認識していただいて、今後とも、できるだけ両方の利便といいますか、役割が重複する面は協力していく方法によって、将来、一緒になってもいいか、一元化の方向に進むのではないか。当面、一元化とは何かという定義が、それは人によって違う面もありますので、連携協力を密にしていこうということでこの対応をしていきたいと考えております。
○池坊委員 預ける親の立場から見ますと、これはやはり一元化していただきたいという願いの方が強いわけです。
 この基本法の理念というのは国民の視点に立った国民のための改革であるのですから、でなければならないと思うのですね。ですから、国民にとってそれがどうなのか、不自由なく、それがいいのだというふうな改善でなければ私は意味がないと思っておりますので、その理念を大切にしていただきたいというふうに思っております。
 それともう一つ、これから規制緩和、当然、規制緩和というのはこの行革の柱でございますから、規制緩和が行われていくと思います。規制緩和というのは、買う人間、消費者の自己責任にゆだねるということだと思います。自己責任にゆだねるということは、いろいろな基礎がなければ自分で選択できないわけですから、この規制緩和と並行して、私は、消費者へのいろいろな窓口というのがもっともっと必要になってくるのではないかと思います。例えば、欠陥商品のチェックだとか、それからその商品の情報、今の業者への情報じゃなくて、消費者にたくさんの情報がなければならない。それからまた、さまざまな問題が出てくると思っているのですけれども、消費行政というのも内閣府の中に入っております。これは、国民生活の福祉のためにも、これから高齢者がどんどんふえてまいりますから、この窓口というのが大変大切になってくると思いますので、厚生省の方で所管していただきたいというふうに思っております。私は、むしろ一つの省をつくっていただきたいと思ったぐらいなんですね。
 ニュージーランドでは消費者省というのもございますし、デンマークのようにそういう窓口が一つの省になっているところもございます。これは、規制緩和が大幅に行われているニュージーラ
ンドなんかでも、やはりいろいろなそういう消費者の問題というのが多くなってきているわけですね。ですから、それを内閣府だけに預けてしまうというのは、私は、国民の視点から立つと、とても危険なことなのではないか、絶対こういう問題が派生してくると思っておりますので、厚生大臣はどうお考えでございましょうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○小泉国務大臣 担当ごとに大臣を置きますと、簡素効率化よりも逆行するんじゃないか、逆に縄張り意識が生まれるんじゃないかということから、今回も省庁を少なくするんですね。よく通産省の中でも、中小企業を分けて中小企業専門の大臣を置けとか言っています。別に大企業と中小企業が対立するべき問題ではないと思うのですね。やはり産業政策全体で見る。だから、私は、担当別に大臣を置くということについては消極的であります。
○池坊委員 先ほど申し上げましたニュージーランドにある消費者問題省、それからデンマークは全国消費者庁というふうに、消費者問題だけを専門に扱う省庁があるわけで、これは長官、ぜひ考えていただきたいと思うのですね。規制緩和だけをしたのでは、絶対に混乱が起きます。規制緩和と一緒に、消費者を守る、あるいは国民を守る仕組みというのが絶対に私は必要だと思うのですね。これが今欠けていて、ビッグバンでもそうですけれども、何でも規制緩和がいいんだというのは、もう国民が本当に困ってしまう。一握りの人にしか情報というのは手に入りませんし、そこでの判断力というのも一握りの人しかないわけでして、すべての人間にあまねく情報をどのように提供するのか、あるいは、いろいろな問題にぶつかったときにそれをどこでチェックするのか、そういう機能というのが大切だと思いますので、そのことについて、ちょっと長官、お願いいたします。
○小里国務大臣 お話がありましたように、規制緩和の趣旨は、国民経済というものを主眼に置かなければならぬ、そしてまた、行政そのものも簡素化をするということを念頭に置いておりまして、今お話が言われまするように、そういう観点から、消費者行政あるいは物価行政等々は、非常に重要な国の施策の課題の一つだという視点に立ちまして、先ほどから話が言われておりまするように、内閣府の中の重要な任務の一つでありますよと、あるいは所掌事務と申し上げていいかと思うのです。そしてまた、それは各省に広範に関係する、言うなれば、企画立案をきちんと行いなさいよと、こういうような一つの制度でございます。さらに、つけ加えて申し上げますと、内閣の統括のもとに置かれる各省ではなくて、もう内閣そのものです。
 御承知のとおり、先ほども、伊吹大臣でございましたか、話しておられたように、内閣府が今までの内閣官房と一体となってと言っていいと思うのでございますが、国の最高行政責任者である総理大臣あるいは内閣を直接的に補佐支援をする、国の最高方針あるいは総合調整に関することなどを基本にして、まさに国のトップに直接つながりながら、そして、重要な国策の中の仕事を機能させていく、そういう視点でございますから、私は、これが客観的にも非常に重要な意味合いを持つものと国民に理解をいただける、そう思っております。
○池坊委員 広範にわたる企画立案というのは言葉にすると大変よろしいのですけれども、国民の立場に立ちますと、たらい回しにされるということもございまして、問題を持っていくと、いや、ぞれは厚生省の問題です、それは通産省の問題です、通産省に持っていくと、これはうちのではありませんということになるのですね。ですから、その辺はきちんと所管をしていただかないと、混乱を招くということを申し上げたいと思います。
 時間が限られておりますので、さんざん今まで言われてきたと思いますが、名称のことで私はちょっと申し上げたいと思います。これは厚生大臣のお力によったんだと思いますけれども、名前は変えてもいいということになったので、私はほっといたしております。
 なぜかといいますと、昔から日本では、名は体をあらわすと言っております。名前というのは大変大切なんです。子供だって、大切な子供は一生懸命考えて名前をつけます。何となく、五番目、六番目になると簡単につけてしまうなんて言われているぐらいで、私は、この既存の中央省庁の中で、内容はさることながら、名前はとてもいいというふうに思っております。
 なぜいいかといったら、これは一生懸命考えて、皆様方がそれぞれの根拠があってつくっていらっしゃるのですね。例えば、厚生省というのは、儒教の古典である書経の「生を厚くしこれ和す」という根拠からあるわけです。ただ厚生省というのを当てずっぽうにつくったのじゃない。
 だけれども、今度のこの中央省庁再編成は、全くこれは名は体をあらわすで、この名前がすべてをあらわしているのじゃないか。つまり、審議が余りされないで、名前をぱっと考えたというふうに思っておりまして、大変にがっかりしております。もちろん、生まれたときから親しみやすかったというのもございますが、大蔵省にしても労働省にしても厚生省にしても文部省にしても、私は大変簡潔で優雅で典雅ですばらしい名称だと思うのです。教育科学技術省なんて、これは舌をかみそうになってしまいます。これは全部を入れなければいけないからという心配りだとしたら、私のように文化に携わっております者は、文化も入れていただきたい。これは文化を軽視されたのかというふうな気がしておりますから、教育文化科学技術省にしていただきたいので、これをもし省略して二文字で言うときには何と言うのか。教文か教科かというふうに思ってしまいます。
 ですから、これは先達の人たちがこんなすばらしいのをおつけになったのですから、今の時代にこんな場当たり的な本当に能のないのをつくったら、私、笑われてしまうと思うのですね。長官、国民の代表による専門委員会をつくるとか、ぜひこれは検討していただきたいと思います。いかがでございますか。
○小里国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたように、これからこの基本法案の審議の前後をめぐり、ただいまお話があった名称の問題も相当関心もあるようでございますから、しかも、今度の提案申し上げておりまする法律そのものも、そのような審議の機会を妨げるものでありませんと非常に寛大に構えておるわけでございますから、今お話がありましたようなことなども含めて、他日国会内外でよく議論される、特に、整理して申し上げますと、推進本部でその辺は十分配慮しながら進められるもの、さように思っております。
○池坊委員 ぜひそうしていただきたいと思います。
 次は、評価制度の導入というのを私はぜひしていただきたい。お役人というのは昔は公僕と言われていらっしゃいましたが、今公僕というのは死語になったのではないかという気がいたします。お役人と国民との一体感というか接点というのがどうしても少ない。だから、国民のお役人に対する感情も何かそらぞらしいのじゃないか。欠点ばかりを探して批判するということになってしまうのであって、もっと私は一体感が必要だと思うのですね。では、何で一体感を持つかといっても、なかなか持てません。
 御存じだと思いますけれども、イギリスでは、行政サービスごとの目標を定めた市民憲章というのが発表されております。市民の満足度なども含めた達成度を同一の評価項目で一覧公表しているのです。それでまた、アメリカでもクリントン大統領が一九九三年、新たな法律を策定して、連邦の全機関に評価制度を導入いたしました。将来は、評価報告を行政機関による予算要求の前提条件にしようとしている。
 これもいいのですが、予算というのは一体何を前提として決められるか、私、一国民のときから大変に疑問に思っておりました。それは前年度の既成事実からだと思うのですね。前年度の既成事
実だから、三月に予算が余ってしまうと、きれいな道路ももう一度やり直す。つまり、予算を残してはいけないということが、今の私は最大の問題ではないかと思うのです。だから、きちんと行政において評価ができたものに対しては予算を多く上げる、そういうことをしなかったところは予算が少なくてもいいのじゃないかというのが、本来的な考え方だと思うのですね。
 私、この予算、いつも思うのですけれども、余ると次の年にはもらえないというのも変なシステムで、家庭でも繰越金というのがございます。節約、節約してこれだけ繰り越して、次はそれで何かをしようというような予定というのが各省庁にあっていいのだと思うのですね。こういう国民に対する評価基準がまずできる、それからその中、省庁での評価というのができたら、これは国民との一体感もあるし、それから予算のときにも役立つのではないかと思っております。
 この行革というのは、まず国民のためにということが基本であると先ほど私も申し上げたように、基本でなければならないわけですから、行政サービスに対する評価制度の導入が私はより効果的と思いますけれども、そのことについてちょっとお伺いしたいと思います。
○小里国務大臣 ただいまお話をいただいておりまするいわゆる評価制度、評価制度は、従来も、行財政を執行して、そしてそれを反省、総括をするという機会はあったものの、今次はその評価を制度の根幹として組み入れていこうというところに、ただいま先生のお話のような力説の趣旨もあるわけでございまして、大変適切なる御提言でもございますし、その方向で省庁再編は組み立てていかなければいけない、そう考えます。
○池坊委員 いかなければいけないとおっしゃっていただきましたので、ぜひこれを入れていただきたいというふうに思います。
 今、行政の質と効率、それを改善するということが、国民から見ればやはり大きな期待だと思います。これをしなかったら、何のための行革だと言われる。地方分権、言うまでもなく規制緩和、そして効率化、減量化というふうに言われておりますけれども、国民にわかりやすくするということが一つの大きなポイントではないかと思います。
 行革の中には、特殊法人の整理統合も私は行われていると思います。昨年の四月に、私学共済組合と私学振興財団、これは文部省の特殊法人でございますが、一つになりました。私は、文教委員として、これがどんなふうになっているのかというのを本当に細かく調べたのです。
 詳しいことはもうそのときに申し上げたから申し上げませんけれども、本来一つだったのですね。一つだけれども、これは合理的ではない、効率的ではない、機能的ではない、だから二つに分けましようといって分けたのです。にもかかわらず、今度整理統合と言われたので、それを一緒にしたのです。つまり、ここに言われております中央省庁再編成も、一つにしてしまえばいいのじゃないか、それが効率化ではないかと言われておりますことが本当に大きなポイントになっていると思うのですね。
 これを調べましたら、給与体系は高い方に合わせるのです。ですから、全然合理化にはならないのです。スリム化にはならない。一人や二人の役員を減らしたって、みんなの給与の方が高くなっている。機能はそのまま残っているわけで、もう全く、同じ食べ物屋さんだから、八百屋さんと肉屋さんを一緒にしましょう、時には洋服屋さんと肉屋さんも一緒にしましようというような感じで整理統合が行われております。この中央省庁再編成もそんなふうになるのじゃないかという国民の白けた気持ちがあると思いますね。国民は決してわかっていないわけじゃなくて、全部わかっているということを頭に置いていただきとうございます。
 そういうことも含めて、これからの方針をちょっとお伺いしたいと思います。
○小里国務大臣 行政改革、またなかんずく中央省庁再編に関連いたしまして、非常にこの根幹にかかわる大事なお話であると思っております。
 一府二十一省庁体制を単純に一府十二省庁体制に、そのようなことではもうお話のとおりでございまして、その中身を、いかに政府の権限やあるいは事務事業を縮減するか。それは合理的なものであるか。そして、それは効率性を求めているか、あるいは透明性があるか。また、本来政府が行うべき行政というものを根本的にこの際見直しまして、言うなれば、今日の政府が果たすべき役割というものを厳粛に点検するということだと思う次第です。
 したがいまして、ただいま御指摘がありましたように、いや、この仕事だけは需要もありますよ、そしてまた、非常に、国の、政府の仕事として当然の任務である、そういう判断のつくものはきちんとそれを大事にしながら、そのほかのぜい肉を切り落としていく、これは大鉄則であろうと思います。
○池坊委員 最後に、まだ時間があるようでございますから――ないですか。それではもう結構でございます、終了したようですから。環境庁の問題も伺おうと思いましたが、これからまた時間があると思いますので、ありがとうございました。
○高鳥委員長 次に、鍵田節哉君の質疑に入ります。
○鍵田委員 私は、民主党の鍵田でございます。
 きょうは三大臣がお並びのようでございますので、それぞれ質問をさせていただきたいというふうに思っております。民主党の労働部会を担当しておるという関係で、特にその中でも労働省の関連について一番多く質問させていただきたいと思っております。
 まず、小里長官には、この行革につきまして、十二月四日の閣議決定後、最終報告が出されまして、行政改革に対する国民の期待は非常に大きい、そしてまた政府の責任も重大である、こういうことを発表をされまして、そして行革に取り組んでいっていただいておる、この認識につきましては、私も大変重要だというふうに思っておりますので、同じくしておるわけでございます。
 ただ、新しい出発点に立って行革に取り組んでいく、このスタートの時点における取り組みについて、若干私自身の疑問を持っておりますので、その辺をお聞きをしていきたいと思うのです。
 本来、こういう行政改革といいますものは、その行政改革の内容を十分吟味をしまして、まず中身をどうするのかということを議論をした上で、それではそれに見合ったどういう器をつくっていくのかということが順序でなくてはならないのではないか、十二省庁に器を固めてそれから中身を議論していくというのは、ちょっとその議論のやり方が反対なのではないかというふうに思っておるわけでございます。
 そして私たちは、行政改革につきましては、やはり経済的な規制緩和をどうしていくのかとか、それから情報公開でありますとか地方分権、さらには特殊法人の統廃合、こういうふうなものを十分議論をした上で、それでセットにした上で中央省庁を統合していく、これが私の基本的な認識の仕方でございますけれども、その辺が随分違うのではないか。
 そしてまた地方分権につきましても、大変意義のあるものだというふうに思っておるわけですが、そういうものについて全く議論もされておらないし、逆に、中央省庁の統合の中で機関委任事務などの国への移管というふうなこともいろいろ考えておられるようであります。本来国の行政というのは、行革に対する基本的な考え方としましては、国家の存立のために必要な事務、いわゆる防衛とか外交とか、さらには地域的な処理になじまないとか、規格や基準の統一でありますとか、またスケールメリットを生かさなくてはならないというふうな課題でありますとか、そういうものを中心にしたスリム化した行政にしていくということが大切なのではなかろうかというふうに思っておるわけであります。いわゆる三割自治と言われているようなものを逆の立場にして、地方分権
というよりも、むしろ地方主権の時代にしていかなくてはならない、こう思っておるわけでございますけれども、その辺について、総務庁長官のお答えをいただきたいと思います。
○小里国務大臣 大変多くの課題を御発言いただきながらお尋ねいただいたわけでございますが、若干時間をいただきまして答弁申し上げたいと思うのでございます。
 まず一つは、今次の行政改革の流れというものをお話がございました。そしてまた、器だけでもだめだよ、中身というものが一体でなければならないと、それと同時にまた、地方分権等をお聞かせいただいたわけでございますが、お話をお伺いいたしておりまして、私は、もう先生のおっしゃるとおり、実態の流れも、あるいはまた考えておる組み立ても、全く共通するところがほとんどじゃないかと感ずるぐらい、お話をお伺いいたしまして非常に感銘を深くいたしておるところでございます。
 御承知のとおり、今次、中央省庁基本法を出しました。これは、出したのは今日の時点でありますけれども、これからの中央省庁をこういう考え方で始めようとしますよというこの考え方をまとめることについても、およそ政府の一つの直接的な関係する審議会等で一年半前から議論をしてまいりましたこと、御承知のとおりであります。それはすなわち行政改革会議でございますが、これも、総理がみずから会長となって、まさに総理も徹底的にこの審議に参加をしてまいりました。私はもう後半の後半でございましたけれども、約六カ月間参加をさせていただきました。
 その行政改革会議の審議と並行して、国会内外のと申し上げていいのじゃないかと思うのでございますが、特に与党三党の意見は、徹底的に連携、協議をして詰めて、お聞かせをいただいてまいったつもりであります。あるいはまた、その間、そのほかの政党の皆様方も、いろいろなコメントの形でお話などをお聞かせいただきました。あるいはまた、既存の一府二十一省庁体制の、直接今日行政を預かっておられる各省庁の大臣の方々あるいは幹部の方々、職員の皆様方の意見もお聞きしながら進めてまいったつもりでございます。
 せっかく先生、非常に大事な御指摘をいただきましたから、たまたま私は個々に、では地方分権に対してどういうことを聞いてきたか、あるいは、地方分権を要請しておられるというかその客体である主役の皆さん、例えば全国知事会の皆さんがどういうことを考えているのだろうか。今日これだけ地方分権あるいは地方の活性化、先生の言葉をかりて言いますと地方主権だ、こうおつしゃいましたが、そういう一つの我々の考え方を実現するために、全国知事会も意見を出しておってくれます。そして、これを要約しますと、今先生がおっしゃったようなことを書いてあるのですね。そしてまた、政府自体もこれに直接的に作業しながらやってまいったつもりでございますし、また今次の基本法に打ち込めるものは、この中の大半は打ち込んであるつもりでもございます。
 例えて申し上げますと、機関委任事務の廃止をしなさいよということをまず第一項目で書いてございます。これはもう既に地方分権推進委員会で、自治省主宰のもとに整理をしていただきまして、もう実行にかかっております。
 あるいは二番目には、国庫補助負担金を減らしていただけないか、そして地方財源を充実するのですよ。このことも、今次の論戦で御案内のとおり、今積極的に、これこそ重点事項の一つだなと、これはひとつ、いろいろな抵抗もあるけれども、各省の大臣の協力をいただいてまとめていこうと。
 あるいはその三番目に、国の関与は新しいルールでやってくれよ、今までのように中央政府と県、市町村が上下、主従の関係ではいかぬよ、これをひとつ基本的に改めてくれないかというのを要望していらっしゃいますが、これも、既に四次にわたる分権推進委員会からきちんとそれが答申がありましたから、そのとおりもう既に実践をしつつある。
 あるいは最後に、事務、権限の移譲を強くするために、農地転用あるいは工場立地なども柔軟にやってくれぬかと書いてありますが、もうこれも既に御承知のとおり、地方分権の答申に従いましてそれを実行いたしておるという状況でございます。
 これらをして決して十分であると申し上げておるわけではございませんが、そういうふうに、決して中央省庁改革を進めるための一府十二省庁体制ではなくて、中身を、今先生の方から御指摘いただきましたような、全体からいえばわずかでございますけれども、例えば地方分権にいたしましても、規制緩和にしても、御承知のとおり作業をしておりますし、実施中のものもある、こういう形でございます。
 このほかに、またいろいろこもごも、本来の事務事業を縮減合理化する課題はたくさんありますから、それらを含めまして、これから一年間かかっていわゆる中央省庁の再編を、その法律をさまざま決めまして、そして一年後の今ごろ、先生方に、国会にその結果をお諮りして、そして国民審判を受けるという段取りでございますから、外と中身を一体でやらなければいかぬよという、これはもう最大、要請中の要請でありますから、心得ておりますことを最後に申し上げまして、いささか、お断り申し上げましたように時間が長くなりましたけれども、御了承願います。
○鍵田委員 私の与えられたのは三十分しかございませんので、長官の演説だけで終わってしまったのでは何にもなりません。
 しかし、今いろいろ、答申がどうだとかというふうなお話がありましたけれども、今度の法案を出すについて、その背景である具体的な施策が何も見えてないというのが私の実感としてありますので、申し上げたわけでございます。やはり、器をそうしてつくるときには中身をきちっと示した上でやっていただかなければならぬと思います。
 その具体的な一つの方法としてもう一つだけお聞きしますので、できるのかできないのかということだけで結構でございますが、特に縦割り行政の弊害ということがいろいろ言われておるのです。これは、人材の採用の時点から別々にやっておられますので、それらを一括して採用したらどうかというふうな話も従来から出ておるわけでありますけれども、そういうことについて具体的にどのようにお考えになっているのか。それから、もし全体で一括採用ができないとしたら、二つなら二つの省庁が一緒になるのだったら、そこでまず一括採用というふうなことを検討されているのかどうか。その辺についてお聞きをしたいと思います。
○小里国務大臣 一括管理もさることながら、一括採用、非常に適切な御提案であると私は思っております。
 目下、私どもも検討中でございまして、公務員制度調査会などを中心にして検討を進めてまいりたい、さような方向でございます。
○鍵田委員 もう一つ、先ほどお話がございました機関委任事務の廃止ということについては、これは大変結構なことだと思うのですが、ただ、それを全部中央に上げてしまうというふうなことがどうも多いように思うわけであります。それぞれ地方自治というものを充実していくという面から見ますと、やはり地方に移管していくというふうなことも大切なのではなかろうかというふうに思うわけでありますが、この機関委任事務をたくさん抱えておられるのが厚生省でもあり、それから労働省でもございますので、それぞれの大臣からちょっと御決意を、どういうふうなお考えなのかをお聞きしたいと思います。
 まず厚生大臣の方からお願いします。
○小泉国務大臣 地方分権という趣旨もあります、地方の自主性とか自律性を高める。地方分権推進委員会からの勧告というものを尊重しながら、できるだけ機関委任事務、廃止できるものは廃止していく、統合すべきものは統合していくという形でやっていきたい。地方分権推進委員会の
勧告を尊重していきたいと思います。
○鍵田委員 地方への移管問題は。地方へ移管できるようなものはできるだけ移管すると。
○小泉国務大臣 移管できるものは移管していきたい、委任できるものは委任していきたいと。
○伊吹国務大臣 お答え申し上げます。
 基本的には、小泉大臣がおっしゃったことと私も全く同じ意見であります。
 ただ、何が地方の自主性を尊重して行うべきものであり、国民の、基本的な統一的な基準に従って運用しなければならないものはやはり国がやる、その辺の整理をきちっとすることが一番大事であって、地方事務官制度というような中途半端なやり方で現在業務をやっていることが一番の間違いであると私は思っております。
○鍵田委員 そのとおりでございますので私も同感でございますけれども、ちょっと具体的なことで、労働行政のことで幾つかお聞きをしたいというふうに思います。
 特に職業安定行政につきまして、これも機関委任事務になっておるわけでございますけれども、これを中央に全部引き揚げるというお考えのようでございます。
 これにつきましては、もちろん職業安定行政は一つの地域だけの課題ではない、かなり広範囲にわたってということもお考えのようでありますけれども、しかし、やはり広範囲にわたってやらなくてはならないものもありますが、それぞれの地方によって、例えば沖縄などが非常にこういう問題は深刻である。北海道もそのように聞いておりますし、またそれぞれの地域では、例えば東京では山谷地区の対策であるとか、それから大阪でもあいりん地区があったり、そのほかでもそういうふうな課題があるわけです。そういう地域に特性のある雇用問題というのは、やはりそれぞれ地方も一生懸命やって取り組んでおるわけなんですけれども、それを全部中央に移管をして、それでうまく地方の特性を生かした労働行政をやっていけるのかどうか。それらについてひとつ大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
○伊吹国務大臣 職業安定行政につきましては、先生の方が労働行政には通暁しておられるのでよく御存じだと思いますが、憲法の二十七条ですか、国民はすべて勤労の権利と義務を有しているわけでありまして、そのためにはやはり、国民すべての共通の権利は守らねばならない。その部分は、国が統一的にしっかりと義務を負ってやる。そして同時に、御承知のように職業安定業務というのは雇用保険と裏腹の仕事になっている部分が非常に多うございます。雇用保険の保険料率というのも、例えば、産業が集積してたくさんいるからそこは安い率でいいとか、あるいは、失礼でございますが、過疎地域は人が少ないからそこを維持していくためには保険料率を高くするとかいう筋合いのものではないと私は思うのです。したがって、そこの基本的なところは国で預からせていただきたい。
 しかし、同時に、今先生がおっしゃったような地方の特殊事情がたくさんございます。そこは生き生きと、地方の御判断で、単費でおやりいただくか、あるいは、必要があれば国が持っている財源で補助をさせていただくということもあってもいいし、それから職業安定業務の中の一部は、これは民間にどんどんやっていただいていいのであって、警察が国民の安全を守ると同時にガードマンという仕事が民業で存在するというのと同じような仕組みであってもいいと私は思うのです。
 基本的な国民の権利にかかわることだけは、どんな自由化があっても、やはり国家の義務だと私は思っております。
○鍵田委員 国の責任でやるということはもちろん間違いないわけでありますけれども、実際の仕事につきましては、各都道府県がお互い連携をとりながら、またその地方の特色を生かした行政をやっていくということは可能なのではないかというふうに思っておるわけです。現実に今まで機関委任事務として地方でそれをやっておったわけでありますから。
 今後、そういうことで例えば一元化をしてやっていくとしましても、それぞれ地方の意見をどのように吸い上げようとしているのか。そしてまた、吸い上げたにしても、地方で行政をやることは間違いないわけですから、その場合に、どのような地方における労働省の出先機関をつくろうというイメージを持っておられるのか、その辺についてお答えいただきたい。
○伊吹国務大臣 私は、基本的に自由主義をたっとんでいる考えでございますので、地方の自主的な判断、地方のお考えで事業をなさるということについてはむしろ非常に積極的であります。基本的な部分以外は地方にお願いした方が私は結構かと思っております。
 ただ、労働行政ということだけに着目をすれば、これはいろいろな役所の立て方、地方分権の地方の組織のつくり方があると思いますけれども、一方で財源が非常に窮屈になる、国民負担を軽減しなければならない、そしてまた時代の要請にあって効率的なお仕事を国民に提供しなければならないということはございます。国がやります仕事については、現在、労働省だけでも基準局と女性少年室と都道府県の職安課と三つございますが、これは私は、やはり都道府県単位で一つにすべきだ、そのもとに労働基準監督署と公共職業安定所をできるだけ効率的に配分をしていくという形、それから地方の自主性を大いに尊重して、おやりになりたいお仕事については国も情報を提供し、地方のお助けもしていく、こういうことじゃないかと思っております。
 いずれにしろ、本法のお許しをいただければ、本法に沿って、今先生の御意見も参考にしながら、設置法の中で検討させていただきたいと思っております。
○鍵田委員 やはりそれぞれの地方の声を吸収する、そういうシステムを考えていただいて、それでそういう地方の特性というものを生かしながら行政をぜひとも行っていただきたい、こういうことをお願いしておきたいと思います。
 それで、この法案の第二十五条に労働福祉省、仮称のようでありますが、この編成方針が示されておるわけであります。少子・高齢化に対応した労働政策、それから社会保障政策の統合とか連携の強化ということが重要であるというふうになっておるわけでありますが、二〇〇一年から年金の支給開始年齢を六十一歳とするということがもう既に決められておるわけですね。そして、三年ごとに一歳ずつ引き上げていくということであります。
 それでは今の雇用の状況はどうかといいますと、ようやく今六十歳定年が定着をしたというような状況でございまして、六十一歳以降の高齢者雇用について何ら示されておらない。そういう状況の中でこの二つの省が合併するということになるわけでありますけれども、これらの高齢者雇用の問題をどのようにしていくのかというふうなことと年金の受給開始年齢とうまくマッチングさせていく、そういうことについてどのようなお考えを持っているのか。これは厚生大臣にも、両方にお聞きしたいなというふうに思いますので、両方の大臣からお願いいたします。
○小泉国務大臣 これから高齢社会が進んでいく。去年、初めて六十五歳以上の人口が十四歳以下の人口を上回ったわけです。人口の構造変化がある。そして、人生五十年の時代に年金は五十五歳から支給あるいは六十歳から支給という時代と違って、今やもう人生八十年、長生きじゃないのです、八十まで生きるのがもう平均寿命になってしまったということで、六十歳から支給されるあるいは六十五歳から支給される。もう世の中さま変わり。こういう中で、私は、厚生省、労働省が統合されてやるというのは時代に即した動きかなと。
 お互い六十過ぎても元気ばりばり、働きたい意欲のある人がたくさんいるわけです。もう余生どころじゃなくて、第二の人生が始まるという形で張り切っている方もおられる。そういう方の意欲をどうやって社会に生かしていくか。これは年金
ということを考えますと大変重要な問題でありまして、雇用政策と年金政策、福祉政策、もう連携しなきゃならないものはたくさんあると思います。この点は、今後雇用と福祉というものを一緒に一体として考えるという施策を考えるならば、重要性を考えるならば、まさに厚生省と労働省、統合されたのは必然的な時代の流れかなと思っております。
○伊吹国務大臣 基本的には小泉大臣が今おっしゃったことと私も見解は同じゅういたしております。
 特に、高齢社会でございますが、同時に少子社会でございますので、経済が順調に回転をしていけば、お願いをして、金のわらじを履いて探しながら六十五歳以上の方に働いていただかなければ、日本経済は必ず私はもたなくなると思います。そこまでをどうつないでいくかというのが、実は今の景気対策の最も難しいところだと思いますので、労働省としては、まずそれまでの期間できるだけ、先生が御指摘になったようにやっと六十歳に定着をいたしましたので、これを六十五歳にしていく。そしてさらに、将来の年金財政が安定したときには、六十五歳以上、七十歳以上でも働かれた方にはやはり年金を御辞退いただいて、そのかわり、その方々が七十、七十五歳で年金生活にお入りになったときはやはり若干の割り増しを差し上げるというような、そういうインセンティブのある年金制度に変えていく、そういう議論が実はできるということが労働福祉省をつくる私は一番のメリットかと思っております。
○鍵田委員 お二人の大臣の方からそういうことで積極的に取り組んでいくというお答えを聞きまして、大変頼もしく思っておる次第でございますけれども、やはり少子・高齢化社会の中で、今年金財政も非常に苦しくなってくるわけでございますから、高齢者の方にもまた女性の方にも本当に男性と伍して働いていただかなくてはならない、そういう社会をつくっていく、男女共同参画社会、それに向けたシステムを構築していくということが大切でございます。
 そういう意味で、保育所整備の問題、それから育児休業などに基づきます女性の雇用環境整備、それから雇用保険とかその他のいろいろな保険制度、こういうものを一体化していくというふうなことを言われておるわけでありますけれども、これをどのように調整をしていかれようとしているのか、その辺についてもどちらかから。それじゃ、お互いに譲り合わないで。
○伊吹国務大臣 本来、両省を総括的に見ておられる総務庁長官がお答えになるのが適当だと思いますが……。
 まず本法律の国会でのお許しをいただいて、そして、初めてその上で行政府としては議論を開始させていただくというのが立法府に対するやはり礼儀だろうと思っておりますが、先生が今的確に御指摘になりました多くの点は、必ず、お互いに話し合えば、人を減らしながら、民間の方々の公的部門というか役所に対する申請の手続だとか何かを簡素化しつついい方向へ行って、最終的には私は、税負担が減りながら公共サービスが増大していく、そういう形になると思いますし、お許しをいただければ、総務庁長官の方でそういうお取り仕切りが必ず行われると確信をいたしております。
○鍵田委員 徴収の方は比較的一本化はしやすいのではないかなという気もしないでもないのです。
 というのは、給付の場合には、いろいろな性格の給付がございますからなかなか一元化は難しいのかもわかりませんけれども、徴収などについては、ちょっと工夫すれば一本化は非常に簡単にできるのではないか。非常に大きな行政改革の一環になると思いますので、その辺は工夫をしていただきたいと思います。
 いろいろまだお聞きしたいことはあるのですが、時間もないようでございますので、先ほど池坊先生の方から名称の話が出ておりました。私も、文化の薫り高い、そして二つの省が一本になったというそれぞれの内容が伴ったような、やはりそれぞれの歴史があってその名称がついておるわけですから、そういう内容の伴ったような名前があれば、本当にそれにこしたことはないなというふうに思うわけです。
 ただ、もし厚生省というふうな名前になったとしたら、これは力関係でどうなるのかわかりませんが、そうなったとしたら、これはちょっと、私はやはり労働にかかわってきた人間として、我々、労働省が厚生省の名前になったなんていったら、余りなじまないのじゃないかと。特に、池坊さんみたいに私は中国のそういう辞典からあれしませんが、広辞苑で見ますと、厚生というのは「人民の生活をゆたかにすること。」とか「健康を維持または増進して、生活をゆたかにする」などと載っておるのですが、ちょっと労働行政、雇用問題とかそういうふうなことには直接なじまないのじゃないかというふうにも思いますので、そういう工夫があるのかなということをちょっとお答えいただきたい。
○高鳥委員長 時間が来ておりますので、簡潔に願います。
○小里国務大臣 本来、今お話がありましたように、力関係等でこれを決められるべき課題でもございませんし、それからまた、私ども行革を進めてきた機関の立場としても、余り既成概念にとらわれぬ方がいいな、皆さんの意向を聞いてみよう、そういう気持ちでありますことを御理解いただきたいと思います。
○鍵田委員 どうもありがとうございました。
○高鳥委員長 次に、青山丘君の質疑に入ります。
○青山(丘)委員 今回の改革基本法案について、世論の評価はいろいろあると思います。しかし、このことによって国民は、行政効率を高めていってほしい、簡素な行政機構をつくってほしい、そして財政の再建にひとつ思い切って取り組んでいただきたい、こういう期待が強くあります。
 今回、労働省と厚生省が統合することによって、労働福祉省が設立されることになりました。厚生大臣、労働大臣、この統合によってこんな大きなメリットが期待できる、ぜひその点をひとつ評価してほしい、こういう点がありましたら述べていただきたいと思います。
○小泉国務大臣 先ほどもお話し申し上げましたけれども、福祉政策と雇用政策、これは一体的に運営すべきものが随分多いと思います。この点。高齢者雇用の問題も、当然福祉政策に関連してきます。同時に、最近は、女性の仕事は家事、育児という時代ではありません。男も女も家事、育児、仕事を分かち合うという時代になっておりますので、育児休業なんというのも雇用問題とも密接にかかわってまいります。そういう点を考えますと、厚生、労働、両省がともに連携協力しなければならないというのは、もう当然の時代の流れだと私は思っております。
 既にもう三月には、まだ労働、厚生一体の省になっておりませんけれども、連携を密にしていこうという検討の場が設けられておりまして、人事交流も含めて、今後一体となるときにより円滑に一体化、連携化ができるように、既に検討の場を設けてその準備をしているところでございます。
○伊吹国務大臣 政策面での一緒になることのプラスというのは、小泉大臣が今おっしゃったとおり、私も同じ考えでございます。
 それ以外に、先ほども御質問がございましたように、労働保険と、例えば雇用保険と厚生年金及び健康保険の徴収業務などは、これはやり方によっては私は一元化できると思います。お互い別々の役所で仕事をしてきたわけでございますから、その仕事をさらに深めていくということだけを考えるならば、私は、必ずしも省庁の再編というのは適当なことではないという御批判があるのもわからないではありません。
 しかし、小泉大臣がおっしゃったように、より効率的に国民に対して公共サービスを提供していくにはどの相手と結婚した方がいいのか、それから、よりこれから国民に税負担を大きくお願いし
なくて済むようにするためにはどの相手を選んだ方がいいのかと考えれば、まあまあ一番似合いの夫婦になるのではないか。余り両方の両親がくちばしを入れない方が仲よくやれるのじゃないかと思って、私は、発言はプロモートする以外のことは申し上げておりません。
○青山(丘)委員 考え方として、両大臣がお述べになった点は私もよく理解できます。
 さて、実態として効率の高い簡素な政府になっていくのかという点になりますと、労働省と厚生省の統合というのは、巨大な省庁が一つはできる。恐らく十万人規模の大きな省庁ができるわけでして、大きくなってくると、逆にまた機動的な行政運営は可能であるのかどうかという問題が一つあります。十分にその機能を果たすことができるのかどうか、この問題が一つあります。それから、地方に渡していくことができる機能は地方にできるだけ渡していく、残すべき機能は何であるかという詰めばもうなされているであろうと思いますが、そのあたりはどうなんでしょう。
 それからついでに、もう一点だけ。
 例えば健康保険は社会保険事務所がやりますが、労災保険は労働基準監督署が取り扱っておって、そのシステムをこれから均一化していくというような具体的な作業は既になされているのかどうか。それからまた、それはかなり見通しの立つ作業であると考えておられるのかどうか。
 ともかく、組織というものだけではなくて、人間社会もそうですが、相手によっては自分が生かすことができる。結婚でも、十分それぞれの個性が生かされる結婚もありますし、なかなかそういうわけにはいかないという没個性的な生き方をしていかなければならないのかなというような一面もありますから、お互いにこれまで持ってきた役割や使命を十分に生かしつつも、組織として効率的に運営することができるのだという、このあたりについて御見解を伺っておきたいと思います。
○小里国務大臣 まず、前段の方は私の方から若干申し上げたいと思います。
 要するに、企画立案機能と実施機能をきちんと区分をいたしますよという今次の中央省庁再編の組織機能の組み立て方と申し上げましょうか、それを発揮するための一つの組織については、根本として今申し上げたことを説明申し上げておりますこと、御承知のとおりであります。したがいまして、新省はそのような基本によって組み立てられていきますから。
 もう一つはまた、裁量行政、これを、言うなれば事前管理でなくて事後チェックで一定のルールをつくりますよと。そしてそのルールは、明確で具体的で、かつまた可能な限り裁量の余地の少ないものでいこう、こういう一つの組み立て方の根幹も制度として導入をいたしますから、その辺の大前提で、労働福祉省といえどももちろん協力をいただいてそう進めていくわけでございますから、ぜひひとつ、その辺の、先ほど先生が第一発で御指摘になったように、行政事務の簡素化、行政の効率化というものに力点を置いて考えれば、他にもいろいろ行政経費の節減とかあるいは定員の問題という重要な問題もありますけれども、また一面、先生が今御指摘になったそういう側面も十分考慮していかなければならない、こう思います。
 後段は両大臣から。
○田中(泰)政府委員 お答えいたします。
 労働省と厚生省との統合の連携強化、これの効果を上げるため、基本法の中で規定が編成方針として挙げられております。社会福祉、保健、雇用等における地域の役割の強化、これは地方分権でございますが、社会保険と労働保険の徴収事務の一元化、公的年金制度の一元化の推進、また福祉サービスの分野におきます民間の能力の活用の拡大、こういったことが編成方針として挙げられておりますし、並行いたしまして、地方分権推進計画の中で地方分権を検討しているところでございます。また、規制緩和推進三カ年計画の中でもうスタートしておりますし、この中で緩和を進めておるところでございます。
 基本法が施行されますと、両省協力しながらこの効果のある検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
○渡邊(信)政府委員 先生からただいま、例えば労働保険、社会保険の徴収の一元化等の検討について進められているかという御質問ございましたが、これは、今総務審議官がお述べになりましたけれども、基本法案の二十五条の「労働福祉省の編成方針」の八号に、労働保険、社会保険の徴収事務の一元化ということが編成方針として掲げられているわけでございます。先ほど厚生大臣からも御答弁ございましたが、既に先月、労働省と厚生省で事務的に統合に向けての検討を始めております。まだ始めたばかりで、具体的な、例えば徴収一元化の事務の進め方にまでまだ話は及んでおりませんが、大変大きな検討課題だというふうに思っております。
○青山(丘)委員 既に基本法案の第二十五条第八号に入っておりますが、実は、この基本法案の第二十五条の第二号に「少子高齢化等の社会の変化及び男女共同参画社会の形成に対応した労働政策と社会保障政策との統合及び連携の強化を推進すること。」という旨が規定されております。先ほど厚生大臣からも少し触れられましたし、労働大臣からも触れられたかと思いますが、労働行政と社会保障政策との統合によるメリット、それから、デメリットとは言いませんが、重要な課題、克服すべき課題、そういう問題にしっかり取り組んでいただくことによって大きな行政効果が生まれてくる。
 それで、問題は、労働政策と社会保障政策との連携をより密にしていくことによってその成果がより高まってくる、どういう分野が連携を強化することができるのか、またしていかなければならないのかという点についてはいかがでしょうか。
 どちらか。労働大臣、労働行政と厚生行政との連携を強化することによって大きな成果を上げることができるという点について、いかがでしょうか。
○伊吹国務大臣 ただいま先生から御指摘がございましたように、御審議をいただいている法案の第二十五条の第二号には、今おっしゃった記述がございます。
 これは、具体的に申せば、まず、先ほど小泉大臣が申しましたように、定年制、雇用のあり方と年金の支給時期の調整の問題、これが高齢化等の社会変化だと思います。それから、少子、男女共同参画社会というのは、少子化社会において女性が、社会に出て異なる価値観に触れるという人間としての生き方を維持しながら、子供を安心して産み育てられるような保育だとかを前提とした、あるいは家庭生活との両立を前提とした雇用のあり方、こういうところが連携をしていける一番の私は政策面のメリットだと思います。これは先ほど小泉大臣が申したとおりだと思います。
 もしデメリットがあるとすれば、役所の組織が、先生がおっしゃるとおり大きくなり過ぎて、大臣の意向、つまり国民から選ばれた政治家を通じて反映さるべき国民の意向が末端まで行き届くかどうかということ、私はただ一点だと思います。であるがゆえに、小泉大臣と御相談をいたしまして、まず各レベルの人事交流をもう始めよう、そして仕事の、今先生が御指摘になったように、どういう形にすれば国民に一番低コストで大きな公共サービスを差し上げられるか検討を始めようと。
 ただ、立法府としてまだこの法案をお許しいただいていないわけでございますので、そこで余り深入りをするということは立法府に対してやはり失礼だ、そういう気持ちも持ちながら、許される範囲でしっかりとやっていこうということを始めておりますので、できるだけ早く御審議でお許しをいただければと思っております。
○青山(丘)委員 厚生大臣、十年ほど前に厚生大臣を務められましたときに、この部屋で私が、当時、労働大臣、丹羽兵助大臣に、就業年齢と労働
生活、労働のできる生活ができる年齢の範囲、つまり、定年がまだ十分延長されておらなかったときに年金受給が繰り延べをされていくという機運が強くありましたときに、その谷間を労働大臣どう埋められますかと実は聞いたことがありました。丹羽兵助先生はちょうど私の選挙区でございまして、それで、私も余り意地の悪い質問をしたくないなと。そうしたら、若い厚生大臣がぱっと出てこられて、そのときに極めて明瞭に答弁されて、ああ、すごいなという印象を実はあのとき、十年前に持ちました。
 今の印象で、就業年齢が終わっていく、労働省は労働省で、高齢者雇用継続給付金等を支給したり、高齢者の再就職給付金を支給したりしてそれなりの、年金受給までの関係を、この谷間を埋めていかなければならない。厚生省は恐らく特別給付金で年金の支給時期の繰り上げを、これから順次縮小していかれますけれども、計画をしておられます。年金支給と就業年齢のこの谷間のところを、厚生大臣、今どのように考えておられますか。これからこうすべきだと思っておられる点がもしありましたら、聞かせていただきたいと思います。
○小泉国務大臣 ちょうど十年前、私が厚生大臣を担当したときに、やはり年金の、将来に六十五歳支給開始にしようということが最大の課題だったのです。一番抵抗が強かったのは、六十五歳になるのはこれは二十二年先ですよ、今から二十二年後を考えて、今の六十歳支給を六十五歳にしましようということを言ったのですが、これがなかなか理解されなくて、来年から六十五歳になるのかと随分誤解した国民がいたのです。言い方もなかなか難しいなと思いました。そこで大反対されて、これはうまくいきませんでした。
 ところが、平成六年、将来二〇一三年に徐々に六十歳から六十五歳にしていきますよというのが国会で成立しました。そのときに、もう一番議論になったのは、それでは六十歳から六十五歳、四歳までの雇用をどうするか、これが一番問題になった。今もその重要性は変わらないと思います。先ほど伊吹労働大臣も言われましたように、では六十歳から六十四歳、五歳までの方にどうやって働いていただくか、働いた場合にその年金をどのような程度にするかというのは、これからも私は大きな課題の一つだと思っています。
 そういう意味において、雇用政策と年金政策、福祉政策一体として取り組むということを考えると、この労働省、厚生省を統合したのは、年金問題一つ考えても時宜にかなったものではないかと思っております。
○伊吹国務大臣 全く同意見でございます。
○青山(丘)委員 一人の人間を考えたときに、健康で働いていくことのできる年齢、また会社で働くことのできる年齢、そしてまた、会社でなお健康だから働くことができる年齢、そしていよいよみずからの意思で年金生活に入りたい、それまでは働きたい人と、もう年金で暮らしたいという人との、一人の労働者の生活態様もそれぞれ違ってきておりますから、谷間という表現は正しい表現ではないかもしれませんが、年金受給までの時期というものをいかに政治の制度できちっと確立をしていくかというのは、これから労働福祉省の極めて重要な役割だと私は思います。この点について、ひとつぜひ積極的に取り組んでいただかなければならないと思います。
 いま一点は、実は私は昨年、労働委員長をやっておりまして、男女雇用機会均等法を成立させた一人としての立場で、いよいよ女性も男性と同じ権利と義務を持って働くことができる。それはいいのですけれども、まだ先進国の中ではどちらかというと男性社会、長時間労働の社会です。そうすると、女性も長時間労働の社会にそのまま入ってくる。しかし、女性の場合は、今の日本の社会の仕組みの中では、やはり家庭に帰ればどうしても、食事をつくる、洗濯もしなければいけないし掃除もやらなくてはいけない、育児にも介護にも大変な労働が待っているというような状況でございまして、この社会の仕組みの中では男女が平等では決してない。そういう雇用環境といいますか、生活環境の中で、果たして本当の男女の平等というものが確立てきるのかどうか。
 これは労働大臣、いよいよあしたから労働基準法の改正の審議に入りますけれども、これについては、やはり男女の共通の残業時間の上限規定というのがなければ、相当な不安の中でいよいよスタートを切っていく、男女平等社会ができるのかどうか、これは実は今女性の働く人たちの中では極めて深刻な問題でございます。労働大臣としてはこの点について、こんな上限を今考えているとか、こういうふうにしていきたいとか、御見解をひとつぜひ聞かせていただきたいと思います。
○伊吹国務大臣 理想論としましては、女性が社会に出て男性と全く同じ権利を主張するときは、肉体あるいは生理的な面を除いて男性と同じ義務を果たすということがなければいけないと私は思いますが、現実論として言えば、先生がおっしゃっているとおりだと思います。したがって、女性の方々が育児あるいは家事等の負担を男性より圧倒的に多く負わされているという現実を考えれば、そこに何らかの女性に対する措置をまず考えるべきではないかというのが、私は一つの考えだと思います。
 しかし、それだけやっていますと、いつまでも日本人の生き方、慣行というものが外れなくなってしまうというおそれも実はあるわけですね。まず現実論として言えば、男性の意識改革ということをできるだけ労働省としてもPRさせていただいて、やはり今までの女性に対する男性の扱いというものを少しは変えていくという意識を持たなければ、新しい時代には移れないだろう。
 しかし、その上で、おっしゃったように女性が今なお重荷を担いながら働いておられるということからいたしますと、御審議をいただく労働基準法の中で、まず時間外労働の上限というものを決めなければならないということ、労働大臣が定めるところによってこの基準をまず決めていただいて、そして労使がこれを遵守するということを書いているわけですが、それだけでは道徳律、精神訓話みたいでだめじゃないかという御批判があることは私はよく承知いたしております。
 しかし、同時に、先生もそうだと思いますが、我々地元の中小企業の現状や何かを見ますと、ここを罰則つきでやるということが、果たして長い目で見て本当に、中小企業で働いている労働者の人たちのあるいは大企業における雇用調整をクリアしながら、雇用を安定的に確保していくという上でいいのかどうなのかという問題があるわけですね。
 ですから、まず、私が申し上げましたような、時間外労働について基準を定め、これを遵守していただくという規定を置いて、それで徐々に罰則つきの方へやはり軟着陸していく、軟着陸していけるような経済をつくり上げるということだと思います。
 その中で、女性の方については、先ほど申し上げたような現実がやはりあるわけでございますから、その一般の規定よりもさらに女性に有利な上限を決めて、介護や育児などの家事に携わられる、男女労働者と言っておりますが現実には女性労働者が多いと思いますので、それはよく心得て対応させていただきたいと思っております。
○青山(丘)委員 実は私も労働行政で厳しい罰則がなじむものかどうか、銃殺刑とか禁錮だとかそういったものじゃなくて、広く公報に企業名を掲載するよとかいうような問題について、あしたからまたじっくりこれを議論したいと思います。
 実は、先ほどから私がずっと議論をしてきましたのは、労働省と厚生省がいよいよ統合して労働福祉省ができる、それによってどんなメリットがこれから出てくるのかということについて少しずつ質問をさせていただいてきました。
 今も労働大臣のお答えの中で、女性が職場に進出できるという話が出ておって、ちらっと私が感じたのは、今NHKの朝のテレビ小説で「天うらら」というのをやっていますね。彼女は高校三年生で、これから大工さんになるんだといって頑
張っていますよ。ところが、どうも日本の社会は、女性が大工さんになるなどというような、そういう社会じゃないのだなということを私はあのテレビを見ていて感じました。しかし、そうではなくて、今はすごい大きなトラックも若い女性が運転していますし、もういろいろな分野へ女性が進出できる。しかし、それが社会全体の仕組みの中で認められていく社会かというと、まだこれから大変です。これは労働福祉省の極めて重要な課題だ。これは国民生活全体に大きな影響を与えるものですから、その点もひとつ考慮して、子育ての支援も含めて考えていただきたい。
 厚生大臣に一言だけ。財革法で、当初予算だけ抑制のキャップが課せられる、補正予算ならだだ漏りでよろしいというのも、まことにこれは整合性を欠くもの。さりとて、財政再建をおくらせていくべきだとか、そんな考え方は私は決して持っておりませんが、社会保障政策をこれから充実させていくという観点からすると、社会保障費についての見解をひとつここでもう一回述べていただけませんか。
○小泉国務大臣 私は、かねがね述べておりますように、昨年の予算編成でも、各省庁が前年度に比べてマイナス予算を組む、そういう中で、社会保障関係も節減できるところは節減しなさい、厳しい構造改革をしなければならないということで予算編成に取り組んでまいりました。
 最近、景気低迷もありまして、景気対策と財革法を改正するという動きになってまいりました。そこで、公共事業に数兆円上積みするとか、また赤字国債を出して減税するという状況になるのだったならば、去年予算編成して、財革法を成立させた前提がもう違っている。それだったら話が違うと。景気がよかろうが悪かろうが、社会保障政策としてやらなければならないことはやらなければならない。そういう枠を崩すのだったならば、私は、社会保障に関しても特例を設けていいのではないかということを今主張しているわけであります。
 私は、橋本内閣では、去年のあの覚悟、決意を思い起こして、財革法は改正しないでやるべきだと思ったのです。しかし、総理が決断する、改正すると。そこまでは私は譲歩します。それを改正するのだったならば、なぜ社会保障の上限枠を改正しないのか。この点は私は、これからまた昼前には大蔵大臣と会う予定になっておりますけれども、妥協すべきはしますけれども、社会保障枠の上限枠について変えないという意向だと思いますが、私はそれは譲れない。もし財革法を改正するのだったならば、社会保障の十一年度の上限枠も特例を設けて変えるべきだという点は、今後も主張し続けていきます。
○青山(丘)委員 話を横にそらすのはいけませんが、今世論調査で、小泉厚生大臣が次の総理大臣に最も適当だという比率が大分上がってきています。ぜひひとつ……。
 私は、閣内が統一されることがいいことだとは思いますけれども、そしてまた、いろいろそれぞれの意見がそこの中に十分出てきて、そして内閣に対する支持が上がってくることがよりよいことであって、そういう政治に対する信頼が、今回の景気対策の問題でも、政府が出す景気対策に対する信頼というものに結びついてくるわけですから、ちまちまちまちまと景気対策、これから実は本当は雇用問題をやろうと思ったのですが、ここまで来てしまっておりまして、最後に少し触れますけれども、なかなかこの雇用問題が深刻になってきております。一連の政治の流れがやはり、労働者の生活にも相当深刻な影響が出てきております。ですから、ひとつぜひ頑張っていただきたい。
 先日、といっても二、三日前ですが、私はたまたま名古屋駅の前の職業安定所の前を偶然、偶然です、職業安定所へ行ったのではありません、近くを通ったら、もう人があふれておりました。物すごい失業率です。ああ、こういう深刻な経済情勢なんだなということを受けとめてきましたが、今の資料によりますと、二百四十六万人の失業。
 経済政策もあります。景気対策もあります。具体的には、職業能力の開発の問題もあります。多くの雇用対策がなされなければなりません。私は、続きはあすからの労働基準法の改正の質疑できちっとまた続けていきたいと思いますが、今、労働大臣が現下の雇用失業情勢をどう受けとめ、今後みずからこうしていかなければならないと考えておられることを、ぜひひとつお述べいただきたいと思います。
○伊吹国務大臣 現下の雇用状況はまことに厳しいという認識は、先生と御一緒でございます。
 基本的には、やはり経済を活性化させねばなりませんし、私はその活性化のかぎは、やはり基本的には金融システムへの不安を解消しなければならないと思っております。
 そういうことも含めまして、総合的に経済政策よろしきを得るよう、私も閣僚の一人として努力をし、その中で労働省に与えられている政策手段はできるだけ的確迅速に使ってまいりたいと思っておりますので、よろしく御指導をお願いいたします。
○青山(丘)委員 ありがとうございました。
○高鳥委員長 次に、児玉健次君の質疑に入ります。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 四月九日に橋本首相が、新たな景気対策と財政構造改革法の手直しを記者会見で表明されました。野党の反対を押し切って成立させてわずか四カ月で破綻した財革法は、本来廃止すべきだと私は思っています。
 きょうは、橋本首相の記者会見以後、小泉厚生大臣にお尋ねする最初の機会です。
 四月三日の委員会で、私はこの点についての私の持論を展開し、そしてそのとき、小泉厚生大臣はこのように答えられていた。私の主張を、「それが現実の議論として持ち上がってきた場合は、今御指摘の議論が出てくるのは私は十分理解できますし、私も、厚生大臣としてそのような観点から議論をし直さなければならない問題がたくさんあります。その点は、今後状況を見て私なりに判断をしたい、しこうおっしゃっている。私がそのとき、先でなくて今やったらどうだ、こういうふうに述べたことは御記憶だと思います。
 今、私たちは、橋本首相の記者会見で言われている中の一つの中心である、財政構造改革の基本構造は維持しながらという言葉は、赤字国債発行などの制約はもう一気に取り払ってしまって、一方、社会保障関係費の量的縮減目標はあくまでも貫こう、こういうものだと思うのですね。この点について、小泉大臣の御見解を伺います。
○小泉国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、現実に今、財政構造改革法の改正が話題になっております。また、私もその問題において当事者の一人として今折衝を続けている最中でありますけれども、財革法を改正して、景気対策として公共事業を数兆円上積みする、赤字国債の発行枠を広げて、これもまた減税に回すというような話が議題に上がっているようであります。今まで社会保障を初めすべて財革法で枠がはめられておりますけれども、これは今までの話の筋道と違ってきた。ならば、私は、そこまで公共事業なり減税をするのだったらば、社会保障の上限も見直していいのじゃないかということで、この数日間いろいろな方と話し合っております。
 しかしながら、各省庁の上限枠は変えないという前提で今話が進んでいるようでありますが、私は、その点については承知できない、あくまでも社会保障関係の上限枠については特例を設けていいのではないかということで、今折衝中であります。
○児玉委員 平成十年度予算の編成をめぐって、厚生省、厚生大臣はいろいろなことをなさった。あえて私は小泉大臣の言葉をかりれば、縮減目標達成のために四苦八苦した、こうもおっしゃった。
 その結果の一つとして、難病患者、母子家庭、そして先日も大臣と議論したヒト成長ホルモン不
全性の低身長症、こういった障害、疾病に苦しんでいらっしゃる本人、御家庭がどれほど今苦痛を強いられているか御存じだと思います。そして、その方たちが、これまでの公的な助成を復活してほしいという切実な願いを持っていらっしゃる。
 どういう形であれ、私は、これらの皆さんの切実な願いに対して厚生省として必要な検討を行っていただきたい、こう思うのですが、いかがですか。
○小泉国務大臣 必要な検討を行い、重点化、効率化をしたわけであります。ぎりぎりの削減策、効率化をしなければいかぬということで、すべての制度を見直してきた。
 それぞれ補助金をもらっている団体から見れば全部必要だという理屈はわかります。しかしながら、現在の財政状況を考えるとそういうことも言っていられない。他の問題との公平性というものもあります。そういう観点から、負担していただける方には負担していただこうという形で節減努力をやってきて、見直しをして進めてきたわけであります。この点についてはぜひとも御理解をいただきたい。
 今後、たとえ社会保障関係の上限枠が見直されたとしても、あらゆる制度の構造改革に取り組むという必要性には、私は変わりないと思っております。
○児玉委員 それではこれらの方々の願いが、結局はるかかなたに押しやられることになりますね。
 例えば、先日、ヒト成長ホルモン不全症の子供たちの問題で、大臣と私は、専門家や親御さんの意見を聞いて、もし見直しが必要ということであれば所要の検討を行いたい、こういうふうに大臣は率直におっしゃった。こういった観点が今求められていると思うのです。
 いろいろなお立場はあろうと思いますけれども、この難病患者の一部負担の導入についても、私どもの志位書記局長と小泉大臣との間では、これは患者団体の意見もよく聞いてという点についての議論はなされたわけです。そして、今のような状況で、私がさっき言った、どのような形であれ、この点について親御さんたちや本人の切実な願いにこたえるような検討を進めてほしいというのです。そこのところをつかんでいただいて、私は再度答弁を求めます。
○小泉国務大臣 難病につきましても、難病に指定されている病気と、難病に指定されていないけれども難病以上に苦しんでいる方もおられるわけです。そして、難病に指定されていながらも日常活動はされておられる方もいるわけです。そして、難病に指定されていない方から見れば、自分たちは普通の負担をしているのにあの人たちはどうなのだろうかという問題点も指摘されている。
 本来、お金があれば、それはどんどん枠を広げていけばいいと思うのであります。しかしながら、全額公費負担を、若干負担していただきましようということで、普通の医療保険に入っている方よりもさらに低くして一部負担を今回お願いした。しかし、難病全体に対しては、厚生省予算は二%しか伸びを認められていないにもかかわらず、難病対策としては十倍の二〇%ふやしているのです。いかに効率、重点化を図ったか。小人症にしても今まで、百七十センチ以上がどうして小人症なんだという批判もあったのです。そういうこともあるから、審査が甘かったんじゃないかということで見直しなさいという声もあったから、それでは見直しますよ、一部負担できる方は負担してください、低所得者に配慮しますよということでやっているわけであります。
 お金がたくさんある場合は、どんどん対象を広げていったり、いろいろな苦しさを抱えている方に対してはこたえていきたいということもありますけれども、ほかの、他との均衡性、公平性を考えると、限られたお金というものをどうやって本当に必要な方々に重点的に手当てしていくかということもやらなければならないのが、現実の問題として大事なことだと思うのであります。その点は御理解をいただきまして、御協力いただければと思います。
○児玉委員 この議論はぜひ続けましょう。
 さて、小里長官に、昨日、私は国立病院・療養所の統廃合の問題について幾らか触れて、そのとき、時間の関係でどうしてもお尋ねできなかった問題があります。
 長官は、昨年九月二十二日に着任なさいました。そしてその後、行革会議では、制度問題及び機構問題合同小委員会で、十月以降、いわゆる独立行政法人その他の問題について、きのう議論をしましたけれども、かなりいろいろな検討、御議論がありました。この概要も拝見しています。
 その中で、国立病院・療養所等全体を国立て維持するとの考え方と独立行政法人化するとの考え方が拮抗した。そして、この概要を見てみますと、六百八十五ページですけれども、「委員間では両論となっている」、それで「会長の判断を伺いたいとの発言があった。」こうも書いてありますね。
 国立病院・療養所を全体として国で責任を負っていくというのは、きのう私がいろいろ展開した議論を思い出していただければ、それは私は大いに根拠があると思うのです。なぜ国立病院・療養所を国として維持していくという考え方が結果として消え去ったのか。なぜでしょう。その点をお答えいただきたい。
○小里国務大臣 昨日もるるお聞かせをいただきました。ただいまお話しのように、行政改革会議の経緯、中でも、国立病院関係についてのお話でございます。
 いろいろ、甲論乙駁といいますか、自由闊達な雰囲気の中で議論がしばしば行われたこと、ただいまお話しのとおりであります。そして、私はページは忘れましたけれども、どこかにか、概要記録の中に両論あったのではないかというお話でございますが、確かにそのとおりでございます。
 では、それをどういう手続で一本にまとめたのかというお話であろうかと思うのでございますが、最終報告に向けまして、とりあえず我々の委員はそれぞれ意見を述べた、後はひとつ会長の方で、言うなれば集約案をつくってみろと。もっとはっきり言いますと、一応一任するよという形であったかと思うのでございます、その辺はきちんとどういう言葉を使ったかは別にいたしまして。そして、十二月三日でございましたか、最終報告を行いました。その前に、十一月二十一日から二十二日にかけるいきさつはありますけれども、そこできちんと報告をいたしまして、全会一致でこれを決定していただいた、そういういきさつがございます。
○児玉委員 そこのところが大いに問題であるということを一つ指摘しておきたいのと、長官、今このことが国会で審議されています。病院、医療機関というのは、医師、看護婦、そしてさまざまなスタッフ、そういう人たちの一致協力した努力がなければ任務を果たせません。昔から、人は石垣、人は城と申します。その観点から、国立病院・療養所をしっかり支えてこられたそれぞれの地元の方々、そして、国立医療を維持前進させていくために献身的な努力を続けてこられた職員、職員団体の方々、そういう方々と、この国会審議とも並行しながら十分な協議をすべきだ、その方向で私は長官に取り計らっていただきたいと思います。いかがでしょう。
○小里国務大臣 行政改革以前の問題としてと言葉で片づけていいのかどうかわかりませんけれども、御承知のとおり、本来、国立病院の整理合理化につきましては、所管省厚生省等で大分頭を痛めておられまして、また、それだけ丹精込めてこれが対策を進めておいでになることも御承知のとおりであります。
 私どもは、これは是は是として認識を申し上げながら、さらに今日の行政改革という視点に立って検討も加えさせていただかなければならない、さように思っております。
 その場合、もっと具体的に申し上げておいた方がいいと思うのでございますが、今前半で申し上げました、既存の行政改革と申し上げましょう
か、整理統合のその理念、あるいは具体的施策の展開線上に私どもも立たなければならない、こういうふうに思っておる次第でございます。
 しかしながら、ただいまお話がありましたように、国立病院の沿革、そして、病院がその地域社会や当該患者のために貢献をしてまいりましたその実績は、十分に感謝もし、評価をしながら、なおかつ、また国家機能として残すべき専門的な高度な医療センター等々、ハンセン病療養所もございますが、それらのことはきちんと維持しながら、そして、その行政改革あるいは整理合理化との折り合いと申し上げましょうか、総合的判断をこの機会に進めていかなければならぬ、さように思っております。
○児玉委員 先ほど私が述べたことは、それぞれの地域の方々の切に求めていることですし、これまで生涯をささげてこられた職員の方々の熱望でもありますから、受けとめていただきたいと思います。
 次に、厚生大臣に伺いますが、昨日、東京地裁で、岡光前事務次官等に対する求刑が行われました。あのような汚職、腐敗を繰り返させないために、特に薬事行政その他の分野で、情報公開の徹底、そしてキャリア官僚の製薬会社への天下りは禁止する等の切実な課題に今厚生省として改めて取り組まれることが、私は、あのような汚職、腐敗を繰り返さない確かな道だと思います。その点、いかがでしょう。
○小泉国務大臣 一昨年の岡光前次官の不祥事等につきましては、厚生省としても、厚生省創立以来の不祥事であり、この不祥事からいかに立ち直るかということに今まで腐心してまいりました。
 災いを転じて福となすという言葉がございますが、この災いというものをよく反省しながら、将来、厚生行政に対する信頼を獲得するために、これからも誠心誠意取り組んでいきたいと思います。
○児玉委員 昨日、労働省の発足のときの経過について議論をしたいと申しましたが、その点に触れて終わりたいと思います。
 現在の失業雇用状況の厳しさについては、きのうの議論の中で、かなり認識が一致していると私は思います。そういった中で、労働行政を厚生行政と大ぐくりにして一括にしてしまうというのでは、そもそも労働省の発足の経過からしても、労働行政に対する国民の期待に沿えないのじゃないか、私はそう思っています。
 昭和二十二年に労働省が厚生省から分離したときの国会の審議経過がございまして、それを拝見しました。なかなか懐かしい顔ぶれが出ていて、加藤勘十君だとか山下春江君、江崎真澄君等々です。そして、その論議を踏まえて、衆議院本会議で、労働委員長の加藤勘十氏はこのように述べました。「労働省設置の眼目は、従来各省に分属していた労働行政を一元的に統合し、もって総合的かつ強力なる労働政策を実施することにあると思われるが、この点において本法案はなお不十分である、」本法案というのは当時の労働省設置法です。そして、その理由として、船員労働行政が従来どおり運輸省に残されているということなどを挙げているのです。
 それから半世紀がほぼ経過しましたね。そして、今の雇用失業情勢の厳しさ。そのときにこそ、労働省としては、憲法二十二条から二十八条に至るあの精神に厳しく立脚して、文字どおり、一体的、一元的に労働行政を進める。
 そして、労働省の今日の労使の力関係に対する認識というのは、私は非常に的確だったと思いますよ。きのうも紹介したけれども、基本的に、産業と労働者の著しい違いを前提にして労働行政を進める。そういう立場に立てば、私は、やはり労働省は現在の労働省として、大臣を先頭にしてその任務を大いに遂行していただくことが国民の期待にこたえる道だと思うのですが、いかがでしょうか。
○伊吹国務大臣 ただいま先生が御指摘になりました労働省の役割というのは、何ら私は異存はございません。それは労働福祉省になろうと、どういう役所になろうと、その基本は何ら変わるものではないと私は思います。
 戦後、労働省が厚生省から独立をいたしましたときから見ると、率直に言って、世の中も豊かになりました。社会保障制度も行き届いておりますし、有効求人倍率が、例えば二十五歳以上の方は一を超えているにもかかわらず、失業率が七・五とかいうような国になったわけであります。
 その時代の流れの中で、国民に無理な税負担をお願いしないために省庁再編というのは行っておりますが、先生が今おっしゃっていただいた労働省の基本的な役割は、仮に本院においてこの法律をお認めいただき、そして設置法を新たにお諮りする際においても、何ら変わるものではありません。
○児玉委員 労働行政に対して厳しく責任を自覚されて、それを遂行するという点でのただいまの熱意ある答弁は、私は、それはそれで受けとめます。
 だからこそ言いたいんですけれども、労働省自身が、昨年五月、行革会議のヒアリングに対する回答の中で、今大臣が述べられたその任務を果たすためにも、労働行政と福祉行政等を総合的に担当していくことについての強い疑念を述べていますね。それがどうして今こういうふうに変わっていったのか。
 そして、行革会議の中でも、これは昨日紹介したけれども、労働行政は独立すべきではないか、雇用労働行政が埋没しないような配慮が必要である、こういう意見も出ている。
 そうであれば、労働省が単独の省として大きな任務を果たす、そのことに特段の支障は出てこないと私は思うんですが、重ねて、私の主張を述べましたが、お答えいただきたいんです。
○伊吹国務大臣 行革会議でいろいろ交わされました意見、議事録等については、私も労働大臣に任命されてから読んでみました。いろいろな御意見があると思います。そして、他の条件を全く捨象してしまって労働行政ということだけを考えるならば、労働大臣を独立させて一つの役所に置くということも、私はそれは十分あり得ることだと思います。
 しかしながら、これからこのまま進んでいけば、高齢社会を迎え、少子社会を迎える中で、国民の税負担はどんどんふえていきます。その税負担をできるだけやはり抑えるという、Yという答えも出さねばなりません。それから、国民に効率的な行政サービスを時代の流れに合わせて提供するという、Zの答えも出さねばなりません。先生は今、Xの答えについて、労働省の御支援をしていただいたことには感謝をいたします。しかし、国を預かるということは、X、Y、Zの連立方程式の解を出さねばならないわけでありますから、結局、その三連立方程式を解いた結果として今日の御提案があるわけでありまして、Xの答えを満たさないというようなY、Zをつくらせるということは、私が労働大臣を拝命している限りはいたしません。
○児玉委員 時間が参りましたので、最後に一言だけ申しますが、今の連立方程式に対する解が、この第二十五条、労働福祉省の中に盛り込まれているんですね。例えば四号で「労働関係の変化に対応し、その調整に係る行政を見直し、縮小すること。」、そして十号では「職業紹介事業等に対する規制を緩和することにより、」云々。こういう解が導き出されてくるのでは労働行政の任務は果たせない、そのことを述べて、私の質問を終わります。
○高鳥委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三分開議
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。中川正春君。
○中川(正)委員 民主党の中川正春でございます。
 大蔵省あるいは財務省を中心に質問をさせていただきたいというふうに思います。
○高鳥委員長 通産もおります。
○中川(正)委員 はい。通告は、大蔵中心にやらせていただきたいというふうに思うのです。
 総体的に、いろいろな目標を掲げて行革議論が出ております。基本的には、その中身の中で、国家の果たす役割、それを再定義していく。いわば小さな政府を目指していきながら、規制緩和や地方分権、そういうものに対応していくような形態にしていきたい。この総論での議論は議論としてあるだろうと思うのですが、この大蔵省を特に議論する場合には、私たち、これまでの歴史的な経験に照らし合わせて考えていくと、それだけではなかなか割り切れないといいますか納得できない部分がございます。
 それはどういうことかというと、現在、非常に深刻な不況の中にあるわけでありますが、その前は逆にバブルという大きな過ちを犯しました。過去にさかのぼったらそれは切りがないわけであります。そうした政策運営という観点に照らし合わせて、今回の改革、今回の流れというのがどういう意味を持っておるかということ、これを一遍検証をしてみるということが、今の時点で非常に大事なことだろうというふうに思っております。
 そこで、まず大蔵大臣にお尋ねをしたいのでありますが、近々のことからいきまして、このバブルの発生と崩壊に至る経過、これは何がその中で問題であったのか、いわゆる政策運営の中で何が間違っておったのかということ、これはるる議論があったわけでありますが、改めて、大蔵省の役割を中心にしながら、そこで何が間違っていたのか、これをまず御説明をいただきたい。
 それからもう一つは、今の状況を一遍振り返ってみて、どこに問題があったのかということ。総理大臣みずから、これは悪かったのだということも認められた上での議論がされております。責任をとらないところが悪いということでありまして、間違っていたのは間違っていたというふうに認めておられるわけでありますが、そういうことも含めて、総括的に、過去のそうした政策運営について、大蔵大臣の方からまずは答弁をいただきたいというふうに思います。
○松永国務大臣 経済を安定させ、かつ安定成長を図っていくということが国政の上では非常に大事な施策であると思いますが、委員よく御承知のとおり、そのための政策としては、主たるものが一つが金融政策であり、一つが財政政策であるというふうに私は思います。
 金融政策は、御存じのとおり、公定歩合などの重要部分、これは日銀の専管事項になっているわけでありまして、さらに、新しい日銀法で日銀の独立性というものがさらに強くなってくるという制度になったわけであります。財政政策、すなわち予算を編成する、あるいは、そのときそのときの経済事情に応じて補正予算も編成する、こっちは実は大蔵省の所管事項、こういうふうになっておるわけであります。
 今委員の方、バブルが発生し、そしてバブルがはじける、その過程において、金融政策や財政政策はどうであったのかという御指摘でございますが、率直に言って、このバブルの発生からバブルの破綻に至るまでの間の我が国の金融政策あるいは財政政策に全く間違いはなかったかと言えば、そうは言い切れないというふうに思います。
 その当時の国際情勢を考えますというと、まず極端な円高という事態が起こりました。この円高という事態に対応するために、実は国内の設備投資をふやし、あるいはまた国内の輸出産業を中心にして競争力を高める、そのための施策として金融政策もとられ、また財政の方も、実は国内の公共投資その他をふやすという政策がとられたというふうに私は思います。
 我が国の場合には、実は円高で相当痛い打撃を受けるかと思っておったら、我が国の中小企業その他企業が大変な努力をして、円高という言うなら障壁を乗り越えて、相当輸出も実は伸びておったわけですね。そうすると、当然のことながら、国内に資金が回ってくる。それで、国内的にはお金のだぶつきが起こった。だぶつきが起こったものですから、金融機関等はそれを積極的に貸し出しをしなければ、せっかくの預金を持ったままでは銀行自身がやっていけませんから、そこに異常なまでの貸付量の増大が起こった、もちろんのことながら、土地を担保にした貸し付けであります。
 そういったこと等があったものですから、バブルが崩壊し、地価が下がると同時に、金融機関には大量の不良債権が残った、こういった時系列的な経過であろうと思います。
 今になってみれば、もっと早く金融の引き締めをすればよかったのではないかという指摘もありますし、あるいはまた、財政ももう少し締めた形の財政がよかったのではないかという批判もあります。
 いずれにせよ、そのときそのときの日銀の金融政策にしろ、あるいは大蔵省の財政政策にしろ、先ほど言ったとおり、すべてが正しかったとは私は言いませんけれども、そのときそのときの状況に応じてそれなりに対応してきたというふうに思うのでありますけれども、必ずしもそれがうまくいかなかった。なかんずくバブル崩壊後は、銀行等の多額の不良債権、そういったものが今日の経済の回復に非常な障害になっておるという事態が今の状態であろう、こういうふうに私は思っております。
○中川(正)委員 一般的なこれまでの議論とは多少違った解釈を大臣はされたようにも思うのですが、もう一つ、今回の不況の問題もあるわけですね。これも含めて、私は共通点があるのだと思うのです。政策の失敗に至る一つの共通点ですね。
 それは何かというと、一つ政策にこだわり過ぎる。例えばバブルのときは、逆にアメリカの方からそれこそ円高誘導を迫られたということが前提としてあったわけですね。円高誘導に迫られたのはもちろん黒字が膨らんだということでありますが、その円高誘導を迫られた中でどうしても金利を抑え込まなければいけない、それで金利を低くし続けた。本来は戻さなければいけなかったのが、そうした一つのひっかかりで、そこにとことんこだわって、最後まで金利を抑え込んでしまった、こういうこと。
 今回の不況も、そのこだわりが何かと言えば、財政再建ということともう一つは金融ビッグバン、この二つだったのだろうというふうに思うのです。出発点がそれで始まったものが、軌道修正できずにとうとう今まで来て、やっとここまで来たらもう大変だということで、今軌道修正を始めているということであります。
 そのこだわりをなぜここまで持ち続けるのかというところに、私は、もうちょっと振り返って考えていけば、今の大蔵省の中にあるそれぞれの局、この中で打ち出されてくるそれぞれの政策、それはもう局がこだわりを持つのは当然だと思うのですが、その政策をマクロ経済の視点からコントロールしながら、全体として調和のとれたものにしていくというメカニズムが、どうも今の政策決定過程の中には組み込まれていない。そこの部分がないから、それぞれが頑張って、お互いのバランスがとれたような形のマクロ経済システムというのが運営できていかないのではないか、こういう気持ちで今見ているわけであります。
 私は、今回の大蔵改革ではここのところに対してしっかり答えを出していかないと、また同じような一つのこだわりの中で政策の偏り、それからマクロ経済の破綻、これを繰り返すのではないか、同じ体質がそのまま生き続けていくのではないかという危惧を持っております。
 そういう点から改めてお聞きをしますが、マクロ経済の運営ということに対してどういうふうな総合的な意思決定過程をつくり上げていこうとしているのか、それをどこに組み込んでいこうとしているのか、それをお答えいただきたいというふうに思います。
○松永国務大臣 マグロ経済運営の中で、先ほども申したとおり、金融政策は日銀の専管事項であるわけでありまして、これは私がいろいろ論ずるわけにはまいりません。
 財政政策の面でございますが、これは委員も御承知と思いますが、毎年度の予算編成に当たっては、その前に閣議において予算編成の基本方針が定められます。それに基づいて大蔵省は実務的な編成作業に当たる、実はこういう仕組みになっておるわけであります。
 その仕組みの大宗は、今度の中央省庁の再編基本法でも、その趣旨というものは、総理大臣を長にする非常に権威のある経済財政諮問会議というところで毎年の予算編成その他については議論がなされ、その方針に基づいて、それを受けて予算編成の実務の作業を大蔵省はする、こうなっております。したがいまして、大蔵省、主計局もあれば主税局もあるし、国際金融局等、いろいろ局はありますけれども、主税局の方の歳入見込み等も実は念頭に置きながら歳出の予算を編成する、その作業に当たる、こういう仕組みになっておるわけであります。
 そして、もう一つ変わってきましたことは、金融政策そのものは先ほど言ったとおり日銀の専管事項等でありますけれども、金融機関等に対する監督検査に関する業務は、もう間もなくして大蔵省から新たにできる金融監督庁に移ります。そういう中で大蔵省はスリムになりますけれども、よく言われるように局あって省なしという状態は今日許されないことでありますから、省を挙げて最も適切な予算編成ができるように努力をしていく、それを通じて財政政策に誤りのないようにしていくというのが大蔵省の務めであるというふうに思います。
○中川(正)委員 なかなか私の言わんとする意図を御理解いただけないようであります。
 私がもう一つ危惧しますのは、かつてから、大蔵省が膨らみ過ぎた、その中で主計局が突出し過ぎる、何もかも主計局の範疇の中で決まってくるじゃないかと。その偏りが、今回のいろいろな不祥事も含めた政策の誤りに結びついてくる、こういう議論がずっと続いてきたわけですね。続いてきて、その上で、今回の金融監督庁も含めて、いわゆる与党三党合意で、財政と金融の分離をしていきますよ、こういう流れをつくった。それで、金融監督庁も監督検査の部分については分離をしていきましょう、日銀の方も独立をさせていきましょう、これはいわば一つの権力を分散していくという作業なんですね。
 これはこれで一つ正しい方向だとは思うのですが、もう一つここで問題にしなければいけないのは、経済は日々、特にマクロ経済の運営というのは、全体のポリシーミックスが調和がとれて初めて一つの正しい方向性へ動き出してくるという前提であるとすれば、分離していったそれぞれの権限というのを改めて統合しながら日本の戦略というものをつくり上げていく、その機構というのが要るじゃないですか、そういう問いかけなんですよ。それに対してどういう具体的な話になっているかということをお聞きしたのです。
 こんなことをやっていると後の話が続いてこないので、これはぜひ問題意識として持っていただきたい。これまでそれがなかった。特に、マクロ経済がすべて個々の政策に対して犠牲になってきた。そういう過去のいきさつから見て、そこの部分をぜひ組み込むような、特にさっきの経済財政諮問会議ですね、ここの生かし方というものをはっきり定義をして、特にその機能の生かし方というものを我々に見せていただきたい。今はそれが見えていないのです。そこを指摘しておきたかった、こういうことであります。それが一つ。それはもう結構です。
 それから、さっきの財政と金融の分離に関連をしまして、実はこれまでの国会議論の中でこんなふうに流れができているのですね。いわゆる与党の三党合意というのは、これは前提として生きていますよ。実は、大蔵委員会の二月三日の議事録なんですけれども、松永大臣の答弁なんですね。金融監督庁が総理府のもとに設置される、それに伴って大蔵省から金融監督庁の方に三百七十三人行くわけですねと。これは改革の第一段階だとおっしゃっているのですよ。与党間での長い議論の末、合意が一月二十日に成立しておって、この中央省庁再編等の実施に必要な基本的合意事項を定めるとの方針のもとで、基本法の作成作業の中で忠実にこれが織り込まれていきますよ、こういう答弁をされているのですね。
 この答弁からいくと今回これに織り込まれているはずなのですが、それがどこに見えているのか。金融監督庁をそのままで、しかも企画立案部分というのはいまだに大蔵省の中に残っているという状況でありますが、これは与党三党の基本合意と中身が違うということであります。それはここでおっしゃっていられる答弁と食い違ってくるのですけれども、ここのところはどうなっているんですか。
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 財政と金融分離の第一弾は、私が先ほど申したとおり、金融機関等に対する監督検査、その業務が大蔵省から切り離されて金融監督庁に行く、それが第一段階の改革だ。そしてまた、大蔵省の中も、実は銀行局とか証券局がありますが、それはなくなって、そして非常に小さい、百名に満たない金融企画局ということになります。これが第一段階。
 第二段階は、今御審議を願っておる中央省庁再編基本法の中で金融企画局というものもさらにスリム化されて、危機管理ないしは破綻処理に関する部門だけが大蔵省へ残って、その他の分野は金融監督庁が金融庁と変わって、そっちの方に移っていきます。これが第二段階。その第二段階の法案の審議を今まさにお願いをしておる、こういうことであるわけでして、前言ったこととそう違っていないと思うのでございます。
○中川(正)委員 それで、金融庁という形で与党三党合意というのは満たされた、いわゆる金融と財政の分離はこれで完成したのだ、そういう解釈なんですね。
○松永国務大臣 この六月中には金融監督庁がスタートをしますね。それは大蔵省の下にぶら下がっているのではなくして、総理府の所轄になるわけですね。そして、金融庁というのは、この金融監督庁が中心になったものだと思うのでありますけれども、それは内閣に直属するもので、大蔵省とは、その当時はもう財務省になるのでしょうけれども、それとは関係ない、関係ないというか、財務省にぶら下がっているのではないのです。内閣に直接ぶら下がっている、こうなるわけでございます。
○中川(正)委員 もう一回確認しますが、当初から話し合いが持たれてきたいわゆる与党三党合意というものは満たされて完成をしたのだ、そういう解釈なんですね。
○松永国務大臣 財政金融分離に関する部分は、いろいろな議論をした上での三党合意、それを我々は忠実に守り、履行していくという立場でございます。三党合意に定められておることは、それ以外にも少しありますけれども、大綱は、金融と財政の分離はおおよそのところはそれででき上がる。
 その後、さらにもっとスリム化しろというのがあります。危機管理あるいは破綻処理に関する部分もさらに協議を進めて、よりスリムなものにすべしという事項もあったと思います。
○中川(正)委員 次に、金融について特にお尋ねをしていきたいと思うのですが、これが、それこそよく言われる裁量行政からルール型行政へ移っていく、こういう前提であります。
 まず最初にお尋ねしたいのは、現在、いわゆる裁量行政の最たるものというのは、それこそ省令、通達、特に通達行政ということがよくやり玉に上がるわけですが、一つの流れとして、通達の数、これが一体どんなふうになっているのか、まずそれを教えてください。
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 現在、銀行局での通達の数は三百六十六本でございます。
○長野政府委員 四月一日現在で申し上げたいと存じますけれども、証券局は三十四件でございます。
○武藤政府委員 国税庁関係は、国税庁から各税務署に賦課関係の通達という形が中心でございますけれども、六百三十本ございます。
○中川(正)委員 お題目だけではなくて、具体的に体質を変えていこうと思うと、こうした通達に対してのいわゆる管理目標、それから、現在それをどのように整理をされていくかという、そういう前提の話があって当然なんだろうと思うのですが、それについてはどうでしょうか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 検査監督の機能が六月末までに監督庁へ移行いたします。したがいまして、名実ともに事後チェック的なルールに変えていく必要がある。そうしますと、現在のような通達が果たしていいのかどうかという問題が当然ありまして、先生の御指摘のように、これからの行政はそういう通達行政的なものから透明性のある明確な形でやっていくという必要がありますので、今関係部局でどうすればいいのかということを、鋭意検討をやっている最中でございます。
○長野政府委員 証券局所管につきまして若干補足させていただきますと、実は証券行政で通達行政ということが問題になりましたのは、前回の証券不祥事、損失補てん事件でございまして、この損失補てんの禁止というのが法令でなく通達で行われておったということから、もろもろの問題が起こりました。
 その時点で、私ども、通達行政というものからルールを明示する、このルール化するのは、法令にするか、あるいは自主規制、団体の自主ルールにしていくか、あるいはそういった規制が不要なものは廃止するという三つの仕分けの作業をいたしました。当時、証券不祥事以前におきましては、厳密な意味での通達のほかに、口頭指導でありますとか事務連絡でありますとか、別の名前を持っておりましたが、そういったものを広くとれば四百件以上のものが存在いたしておりましたけれども、整理の結果、先はどのような姿になりました。
 現在残っておりますものは、率直に申し上げますと、全国の財務局におきまして、例えば新しい会社の免許申請が来ますときに、どういう書式で、どういう形で受け付けるかという、全国的な取り扱いを共通にするためのいわば事務的なものでございまして、業界の行動をルールにするようなものはかなり少なくなっておりますけれども、この少なくなったと申しておるものにつきましても、現在大蔵委員会で御審議を賜っております金融システム改革法案の準備とあわせて、そういったものを、最終的にルールを通達で決めるということのないような体制にいたしたいと思って、今作業をしておるところでございます。
○中川(正)委員 そういう中身を変えていこうという流れが実際にでき上がってきておる。こういうことは、逆に言えば、ルール行政の受け皿の議論になってくるわけであります。
 これまでもたびたび出ていた問題でありますが、いよいよこの六月から金融監督庁がスタートしていきます。これは、そういう意味では、ルール行政のいわゆる結果責任というか、それぞれ事後チェックのかなめになっていく機関ということを我々も認識をしておるのです。
 ところが、この金融監督庁の姿というのは、なかなか私たちの目に見えてこない。これまで何回も出ていましたが、長官をどうするのだということから始まって、その陣容が、今聞いておるところでいきますと、大蔵省の方から移っていく人たちを中心に二百人ぐらいの陣容で固まっていくのかなという程度のことですね。ところが、これもよく例に出される話ですが、アメリカのSECなどを見ていると、これは三千人体制ですよ。そういう前提がないと、それこそしっかりした検査監督などというのは全くできないのですよという、それでもできないぐらいのことですから。それをどのように受け取られているのか。それで、最終、的にはどういう形に金融監督庁というのを持っていきたいのか。
 裁量行政からルール型へ行くというその中身も、例えばルール型でも、業界の中でつくっている自主規制、これも片方あるわけですね。それから法律でつくる部分がある。それと合わせた真ん中のグレーゾーンがある。こういうところの整理も含めて、全体像としてどういうふうな機能を持たせて、どういうような陣容で、どういう中身でやろうとしているのか、これを改めてここで説明をしていただきたいというふうに思います。
○畠中政府委員 金融監督庁の件でございますので、総理府の私どもの方からお答えさせていただきます。
 金融監督庁の体制についてのお尋ねでございますが、十年度予算に盛り込まれておるもので申し上げますと、総勢四百三人の体制でございます。そのうち、大蔵省からの振りかえ定員が三百七十三人ということになっております。
 先ほど委員の方から、二百名という御指摘でございます。ちょっと私ども、どういう数字かつまびらかにはわかりませんが、間違いでしたら御訂正願いますが、証券取引等監視委員会が本庁が百人弱、財務局のスタッフを入れますとちょうど二百人ということになりますので、その数字かと思います。
 それで、私ども、先生も御指摘のように、事後チェックを重視した行政への転換に伴いまして、ルール遵守状況等をチェックするための検査監視機能の果たすべき役割が大きくなっておりまして、現に、市場の自由度の高い米国では検査監視体制が充実しているということは御指摘のとおりでございます。我が国におきましても、今後ともこのような検査監視機能の一層の強化を図る観点から、厳正で効率的な検査手法の確立に努めるとともに、厳しい定員事情をも踏まえまして、検査体制の計画的な整備に最大限の努力を払っていく必要があろうかというふうに考えております。
 ちなみに、十年度予算におきましては、国家公務員全体の定員が厳しく抑制されている中で、金融監督庁につきましては検査監視機能の強化の観点から可能な限りの増員を図ったところでございます。今後とも、金融監督庁が発足した後についても、このような体制の強化について努力が払われるものというふうに考えております。
○中川(正)委員 このままでいきますと、それこそ真っすぐにルール行政には持っていけない、しばらくはいわゆる業界というものを頼りにしていかなければいけないなということだろうと思うのですね、今の大蔵省からそのまま移っただけと、こういう形ですから。
 しかし、将来にわたってはその機能強化をしていかなければいけないという方向性、これは正しいことだと思うのですが、その将来にわたっていく中で、もう片方でアメリカのSECが三千人規模でやっているとすれば、日本の検査監督というのはどれぐらい要るのかなという目安はあるのだろうと思うのですが、それはどれぐらいですか。
○畠中政府委員 もう既に先生御案内のとおり、各国における検査監視体制、監視当局の役割とか対象金融機関の数などがまちまちでございまして、米国の検査監視体制と我が国のそれとを単純に比較することはできないと考えておりますが、金融監督庁がその責務を適切に果たしていくためには、金融システム改革の進捗と並行して、同庁の体制の整備充実を図ることが極めて重要な問題と認識しております。
 なお、具体的にどの程度かというお尋ねでございますが、まことに恐縮ながら、毎年の体制、人員の整備につきましては、毎年度の予算案に盛り込んで関係当局と御相談していくことでございます。十一年度以降の規模等につきましては、今、具体的には金融監督庁発足後、新たな長官の指導のもとに検討されるものとなるというふうに考えております。
    〔委員長退席、山口(俊)委員長代理着席〕
○中川(正)委員 私は、今回の行革論議の一つの大きな矛盾がここに内包されておるように思うのですね。国の役割を限定してスリムな形にしていくという方向が片方にあって、もう片方で裁量行政からこういう形でルール型行政へ変わっていく、規制緩和もしていく。そうなると、事後チェックというシステムを構築していかなければならぬ。
 結果的には、よく言われることですが、現在の日本のトータルな公務員の数というのは、先進諸外国と比べて非常に効率のいい、いわゆる少ない数でやっているということでありますが、それはなぜかといったら、裁量行政をやっていたから少ない数でやれるんだ、こういう体質がこの中にあったんですよね。その体質を変えて事後チェック型にしていこうと思うと、そのチェックをするための機能が膨れ上がるので、さっきのアメリカのSECのように三千人規模のチェックシステムをつくらなければいけない、こういう流れであります。
 それを今回の法案で出ているような形で、今後十年間で少なくとも一〇%の削減を公務員の数としてやっていきますということ、これを一律に当てはめるということ、これが本当に可能なのかどうかということがここで問題になってくるわけです。
 この手法、あるいはこの物の考え方というのは財革法と同じなんですね。財革法も、中身を議論しないで、頭からキャップですとんとかぶせた。その部分が今体質が変わらずにそれこそ批判の的になっておるわけでありまして、今回も私は、この法案では同じような過ちを犯しているんではないか、こういうふうに思うのであります。
 ここのところ、具体的に金融監督庁の将来の定員のあり方も含めて、この部分をどうしていくのか、どういうふうに解釈するのかということ、これを御答弁いただきたいと思います。
○小里国務大臣 お話ございましたように、削減計画、定員の問題でございますが、私は、一つは、やはり行政改革という大きな目標に向かって一斉に、簡素化するところは簡素化しなければいかぬし、また厳しい、耐えるところは耐えてもらわなければいけませんから、基本的には一つの目標のもとにみんなが対応しなければいかぬ。
 ただし、二つ目に申し上げたいのは、ただいまお話がございますように、新しい省庁の事務事業、機能をきちんと整理をいたしますから、今次のあれでは主なる任務、主なる行政機能で基礎的なところをうたっておりますが、これをさらに具体的にきちんと配置を整備していただきますから、その時点におきまして、いわゆる機能ごとに、新しい時代とともに需要がふえておる面、あるいは新しく質量ともに取り入れなければならない面もあろうか、そういう感じがしないでもありません。
 今既に、先生も御承知のとおり、私ども総務庁では年間ごとに定員作業を行っております、五年ごとに。しかも、例年の予算編成でやっているわけです。その場合におきましても、私がこの前、純減計画というのを申し上げましたることも、そのおっしゃる背景があると思うのです。御承知のとおり、幾ら定員を総体として減らそうとしましても、どうしてもふやさなければならない分野が出てまいります。例えば文部省などでございます。そしてまた、今度は、減らせるところはうんと減らせるように御相談をいたしまして、その……(発言する者あり)ちょっと静かに聞いてください、真剣な議論をしておるところですから。
 そういうような計画でやっておるわけでございまして、先ほど先生が、例えば金融監督行政というのは大事だよ、これは今次の行政改革の根本であったんじゃないか、その原点を見直せと言わんばかりのお話でございますが、私も今傾聴を申し上げておるところでございまして、そのようなところを具体的にこれから審査をしていただきまして、その次の各省庁編成できちんと盛り込むべきところは盛り込んでいかなければならぬ、さように思っております。
○中川(正)委員 そうすると、もう一度確かめさせていただきたいのですが、この一〇%の削減というのは、一律でそれぞれ一〇%の削減という意味ではなくて、ふやすところもあれば減らしていくところもある、それはこれからのそれぞれの議論ですよ、そういう解釈なんですか。
○小里国務大臣 原則的に事務事業は削減、合理化をいたさなければなりませんから、その基本に立って全省庁に対して見直しを行う。先ほど使われました言葉で言うなれば、国が果たすべき役割というものをきちんとこの際、再検証しなければなりません。これが一つあります。その基本に立ちまして、各省庁の編成はいかにあるべきか。それらの状況を十分精査をいたしました上で、答えをおのおのその方向に出していく、そういうことでございます。
○中川(正)委員 非常に心配なものですから具体的に聞きますけれども、金融監督庁が、さっきの話では三百七十三人ですね、これよりふえるということもあり得るんですか、ケースによっては。
○小里国務大臣 先ほども担当官の方から御説明申し上げておりますように、今日の金融監督行政の強化は、国民が注目をいたしております。
 具体的に、例えば平成九年度におきましても、十年におきましても増員をいたしておりまする実績から見ましても、評価をいただけると思います。(発言する者あり)いや、答えておるよ、そのままのことを言っているわけだから。聞かれたんですから、今。
○中川(正)委員 過去はふえていますよ、過去は。
 ここが大事なところ、これからの定員削減の議論をしていくのに基本になっていくことだろうと思うのですよ。だからもう一回聞きますが、過去はさっきの答弁でわかりました。この法案が仮に成立をしたということで、その以降、金融監督庁というのはふやしていけるんですか。
○小里国務大臣 その前段の方は私が答えていいのか、あるいは関係官庁もおいでになりますけれども、私の方からついでに申し上げておきます。ついでと申し上げますと恐縮ですが、お尋ねでありますから、お答えいたします。
 例えば、平成十年度において金融監督庁自身で二十六名ふやしております。そしてまた、財務局、これは出先でございますが、二十名ふやしておりますから、合計四十六名ふやした。
 それから、今後の問題でありますが、先ほども議員も御発言がありましたように、行政はこれから事前管理の裁量行政から事後チェックのルール行政に本当に根幹から変わっていきますから、その辺の基本に立ちまして組み立てていくこれからの行政組織の行政機能あるいは所掌事務というのはどうなるだろうか。それは、各それぞれの分野の精査を待たなければ、今私の方から即断して、ここは削減の徹底的な対象ですよ、あるいはここは逆ですよということは、若干言いかねる面がありますことは御理解いただきたいと思います。
    〔山口(俊)委員長代理退席、委員長着席〕
○中川(正)委員 そうなりますと、では、なぜ一〇%なんだ、この一〇%を削減するという根拠は何なんだということが全くわからなくなってくるわけであります。
 普通であれば、機能というものをはっきりさせる、その機能を全うするために何人人間が要る。今回の本当の行革というのは、この機能そのものを見直していこうということがまずあったはずなんですよね。さっきの話だと、そこの部分はこれからですよ、金融監督庁の中の話はこれからですよ、とりあえず一〇%大枠をかぶせましたよ、この程度のことに聞こえるのですが、これでは本来の行革になっていない。それこそ、中身の議論なしで形だけを変えるというのは、ここにまさにあらわれているじゃないですか。
○小里国務大臣 議員も御承知のとおり、先ほど大蔵大臣もお話をしておられましたが、金融監督庁は六月ですね。私が申し上げておりまするのは中央省庁再編でございますから、国会の意思を御決定いただくなれば、二〇〇一年一月一日にス
タートをいたします。そういう二つの区分で一応お考えいただかなければ、私の説明は成り立たないわけです。
 そこで、そういう前提で申し上げましても、私どもは、今から三年間の定員縮減計画、いわゆる削減計画というものをもう既に定員法で決めていただいておりますから、それに準拠して、誠心誠意努力をするわけです。したがって、例えば平成十年度におきましても純減を三千七百、本当に無理をしてもらいましたけれども、各省庁に御相談をいたしまして三千七百という数字を出させていただいたわけです。
 そういう本来の削減計画は二〇〇一年一月一日まで進めてまいりますから、それまでの実績と、それから中央省庁再編計画に基づく削減計画というものが新たに出てまいりますことも御了解いただきたいと思います。
 そこで、少なくとも一〇%以上というその基準に基づく削減作業が始まるわけです。しかも削減作業は、それのみならず、二〇〇一年一月一日からはそのほかの公社あるいは独立行政法人等に基づくものもさらに加わってまいりますし、さらにまた、本来の事務事業、機構を削減いたしました、合理化をいたしました、いろいろな形によって絞り込んでまいりますから、そのことも私どもは強く期待をして、前向きで整理をしていかなければならない、そういう段取りでございます。
○中川(正)委員 長官の御答弁を聞くたびに、本当に矛盾があらわれてくるのですね。この金融監督庁というのは、この六月からスタートなんですね。それの中身さえもしっかり議論しないで、これからですよということなんですよ。ましてやもっと先の話については、中身の話はないですねという答弁に聞こえました。
 ですから、私は、何回も言うようですが、今回のこの法案のいわゆる体質というか手法というのが、本当に財革法と全く同じ前提の中でやはりこれも提出されてきているな。それは何かといえば「この国のかたち」、この国の体質を変えていく、中身を変えていくという議論でなければならないはずのことが、その中身はそのままにしながら、上っ面の、それこそこれは形の部分ですね、この形をまず変えていこうじゃないか、外から輪っぱをはめてぎゅうぎゅうと押し込んでいこうじゃないかという、その同じ過ちをここでやっているというふうなことにしかとれないのであります。
 これについては、これ以上やりますとこれだけで終わってしまいますから、もう一問だけ聞きたいことがありますので、ひとつさらなる議論をこれから我々の同僚に託したいというふうに思っております。
 もう一つは、それこそ大蔵省の体質でありますが、この間からいわゆる接待の問題について、あるいはいろいろな不祥事について、内部的に調査をしておりますということがずっと続いてきておるわけであります。これについて、今どういう結果が出てきて、どういう処分をされようとしておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○松永国務大臣 大体内部調査は終わっております。
 接待をした方の側、すなわち銀行等の金融機関、そっちの側の話も十分聞きまして、それに随分手間取りましたけれども、大体終わりかけておるという状況であります。私がさらに目を通して精査をして、この連休前には内部調査の結果に基づく厳正な処分をし、それを発表したい、こう考えております。もうしばらくお待ち願いたいと思うのです。
○中川(正)委員 その内部調査の発表については、もちろん、それこそ心の改まった大蔵省でありますから、すべてオープンにされるという前提でいいわけですね。
○松永国務大臣 調査に基づきまして厳正な処分をするわけでありますが、その処分をした人、対象者につきましては、その行為の概要と処分の内容を発表することになります。
○中川(正)委員 大体何人ぐらいの規模になりますか。
○松永国務大臣 もうしばらくですから、その数は、あなた、もうあと十日も二週間も待てというわけじゃありません、連休の前に必ずそれはいたしますから。
○中川(正)委員 一般企業というか、いわゆる銀行のサイドは、日銀も含めて、相当広がりがあったということもありまして、これからの体制にコンプライアンス委員会をそれぞれつくって、内部チェックのしっかりした、いわゆる外部の人たちも入れて、それぞれ自己チェックができるようなシステムをつくっていこう、こういう動きが出てきておるわけであります。
 大蔵省はどうですか。
○松永国務大臣 これは前にもほかの場で申したと思うのでございますが、特に民間と関係を持つ部局、間もなくして金融機関に対する監督検査の業務は金融監督庁に行ってしまいますから、大蔵省とは関係ないことになりますけれども、金融服務監査官室というのを設けて、職員の服務に関する情報の収集、分析等々をやっておるわけでありますけれども、さらに各局に服務管理官というのが置いてございます。今度の調査に関しては、部外者としては弁護士さんに顧問になってもらって、内部調査の顧問弁護士としてのいろいろなアドバイスもちょうだいをしたところであります。
 公務員は公務員としての高い倫理意識を持って公務に従事していただかなければならぬわけでありますが、今、公務員倫理法というものの制定が議論されております。大体内容等についてもほぼ固まりかけたと聞いておりますけれども、そういった法律等ができれば、なおさら倫理というものが厳しく保持されるようになるであろう。
 倫理というのは、制裁によって担保されるのが本当の倫理と言えるであろうかどうかという議論もありますけれども、大蔵省ではないほかのところにもしばしば不祥事が起こったりしてきた過去の歴史にかんがみますと、やはり人間というものはそれほど崇高なものじゃない、やはりどこかに制裁措置というものがなければ保てないというのも現実の姿だろうと思う。
 そう思いますと、公務員倫理法はやはり必要だ、それができることによってより一層公務員の倫理が厳正に保たれればこれは国家国民にとってよりよいことになる、こういうふうに私は思います。
○中川(正)委員 もう一つお伺いをしたいのですが、これは天下りについてなんですけれども、一昨日のこの委員会で、橋本総理が、天下りを減らすために、現在の中央省庁のピラミッド形の人員構成を、今後は台形あるいは筒形に変えていく必要があるのではないかと思う、こんなふうに答弁をされました。
 これは、見方によっては、いわゆるこれまでのキャリア公務員大事に対する、いわば革命的な切りかえということになるわけですね。それこそ途中で、同期が最終的に一人に残っていくというのじゃなくて、同期を全部そのまま上まで上げていきますよ、こういうことに切りかえていく必要があるという表明をされたのですが、大蔵大臣も同じ考え方ですか。
○松永国務大臣 総理がそのような答弁をされたことは承知しております。
 ただ、人間の集団としての組織というのは、トップがおって、その次に類する人がある程度おって、その下がおるという、ピラミッド形というべきかどうかわかりませんけれども、やはりそういう仕組みの方が統率のとれた集団になるのじゃなかろうか、真ん丸いものではいかがなものかなという感じを私自身は持ったりいたします。ただ、御存じのとおり少子・高齢化が進んでまいる等々のことを考えますと、ある程度仕組みを考えて、例えば円筒形とおっしゃったですかな、円筒形的になった場合においても、やはり最高責任者はだれだ、その補佐役はだれだ、その下の部局長はだれだということははっきりしておかぬというと、統率が果たしてとれるかという問題があります。
 しかし、ある程度上に上った人であっても定年
まで働きたいという人があれば、私は、そういう人はスタッフ職というか専門職的なものを置いて、そして能力を発揮しながら全体としての組織が機能するようなことを考えていかなければならぬというふうに思いますが、そういった点を実は検討されておるというふうに聞いております。
○中川(正)委員 総務庁長官、これは具体的に、今回の法案の前提として公務員制度はそのように配慮をされていかれるのですか。
○小里国務大臣 橋本総理の方からお話し申し上げましたような基調に立ちまして検討いたさなければならない、また、もう既に検討中でございます。
○中川(正)委員 もう時間が来たようでありますので、最後にお願いだけしておきたいと思うのです。
 先ほど指摘いたしましたとおり、私たちは、これは本当に、これからの日本の将来をこの法案によって非常に大きく左右する、それほど大事な法案だと思っております。それだけに中身の議論が本当に抜けておる。形からまず入って全体を抑え込もうとしたもの、それからそれぞれ、ようかんの切り返したとよく言われますが、その部分だけにこだわって、あるいは名前だけにこだわってここまで議論が来たこと、これを非常に私は残念に思うのであります。できたらもう一回もとに戻して、それぞれの国家の機能というのは本当にどういう形にしていかなければならないのかということを与野党そろって話し合いができる、そんな環境をぜひつくっていきたい、そんな思いまであるところであります。
 以上のことを申し添えまして、私の質問を終わります。
○高鳥委員長 この際、海江田万里君から関連質疑の申し出があります。中川君の持ち時間の範囲内においてこれを許します。海江田万里君。
○海江田委員 民主党の海江田でございます。
 幾つか質問をさせていただきますが、まず大蔵大臣、大蔵省の不祥事にかかわる内部調査でございますが、連休前に厳正な結論を出したいということを今し方お話がございましたけれども、大臣は、たしか予算委員会だったと思いますけれども、これはテレビ中継のあった総括質問でございますから、多くの国民も注視をしていたわけでございますが、六月から金融監督庁の発足に当たり、この金融監督庁のメンバーとしては立派な人材を持っていく、大蔵省もふさわしい有為な人材を確保できるよう協力をする、こういうことをお話しになっているわけでございますが、これは当然、今度出てきます内部の調査で処罰をされるような人間はこの金融監督庁に行かない、こういうふうに理解をしてよろしいわけでございますね。
○松永国務大臣 お答えいたします。
 理論的に言えば、金融監督庁の職員にどういう人を採用するか、引き取るかということは金融監督庁の方で決めていただくことになっております。ただし、大蔵省からも二百何十名か行く予定になっているやに聞いております。そうなった場合には、立派な人をお送りするというのが常識だろう、そういう考え方で私はおります。どういう人を採るかというのは先方様でお決め願う、こういうことになっておると思います。
○海江田委員 もう一回お尋ねをします。
 私は非常に常識的なことを聞いているのですね。そういうふうに戒告でありますとか訓告でありますとか、戒告と訓告は実は若干、行政法上の処分かそうでないかという違いはあるのですけれども、いやしくもこの不正の、過剰の接待ですか、いわゆる広義の大蔵不祥事にかかわるような人間を、その方を、金融監督庁ですよ、金融監督庁に派遣するということはあり得るのですか。可能性としてあるのですか。ないということをおっしゃっていただけばいいのじゃないですか。どうですか。
○松永国務大臣 委員、先ほど派遣という言葉をお使いになりましたけれども、派遣ではないのですね。
 総理府傘下の金融監督庁がお採りになるということでありますので、したがいまして、きずのある人をいかがですかというふうなことはあり得ないことだと私は思っております。やはり新しくスタートする金融監督庁でございますから、その金融監督庁の方で立派だと思われる人を我々の方としては推薦するというふうなことにするのが常識だろう、こう思います。
○海江田委員 今はっきりおっしゃっていただきましたが、いやしくも処分されたような人が金融監督庁に行くことはない、こういうふうに考えていいわけでございますね。くどいようですが、これが一番ストレートな聞き方ですから。いやしくも今度の処分に名前の挙がったような、あるいは処分されたような人が金融監督庁に行くことはあり得ないと。少なくとも大蔵省の側から、もし仮に言ってきても、いや、その人は処分しておるからだめですよということ、そういう趣旨で予算委員会で発言したのじゃないですか。
○武藤政府委員 大臣からお答え申し上げましたとおり、金融監督庁の人材をどのように集めるかというのは監督庁長官の人事権でございます。監督庁長官はその組織にふさわしい人材を当然お集めになるだろう、そういうことに対しまして大蔵省としてはできる限り協力していきたい、このように考えております。
○海江田委員 監督庁の長官になる方がまだどなたということが決まってないわけですから。
 それから、大蔵省はそういう意味では、先ほども同僚委員から質問がありましたけれども、全部の名前が出るというわけじゃありませんからね。特に訓告でありますとか、名前を出すということじゃないわけでしょう、そういう人について。全部の人の名前を出すのですか。訓告だとか文書注意だとか、そういうものを全部名前を出すのですか。そうしていただければすぐわかるのですが、それはどうですか。
○武藤政府委員 ただいま処分の中身について大臣に御相談をし、また御指示を得ている最中でございますが、これをどのような形で公表するかということにつきましても、大臣と相談した上で、これから形なども含めまして決めてまいりたいというふうに考えております。
○海江田委員 訓告と戒告は若干違うと思いますので、戒告はやはり名前を出すべきだと思いますね。これは行政法上の処分ですから。訓告の場合はそれが法律上の処分でないということもありますので、名前を出さなくてもいいかもしれませんが。
 ただその場合、監督庁とすればわからないわけですよ。だから、そのときはやはり大蔵省の方が、わからないで――だって二百人近く大蔵省から行くのでしょう。そうしたら、本当にそういう意味では真っ白な人がいるのですか、そんな二百人以上も。私はそれが大変疑問なのですよ。これは本当にいるのですか。そうしたらどうするのですか、その場合は。これは本当に困ったものだと思うのですよ。
 だけれども、ここのところは大事ですから、ぜひ、大臣もおっしゃいましたし官房長も言いました、それから総務庁長官も、これはお立場上関係してくるところでありますけれども、これはやはり身ぎれいな人を、手の汚れていない人にやはり今度監督庁に行っていただかないと。
 これまでの大蔵省の処分がそうなのですね、実のことをいいますと。
 平成九年の七月に、金融検査部の日下部さんという方と、それから宮川さん、この二人は戒告処分ですから、これは行政法上の処分を受けているわけですね。日下部さんは今アメリカに行っておりますけれども、宮川さんは、言うまでもありませんけれども、ここで戒告処分を受けた後、金融証券検査官室長になって栄転をして、そしてこの間、平成十年の二月十六日、供応で逮捕されて、懲戒免職になっておるわけです。枚挙にいとまがないわけですよ、こういう例が。
 ですから、今度まさに新しく金融監督庁が発足をするときは、これはやはり何があってもそういう形で、戒告はもちろん、これは事柄が重要です
から訓告等も、私はそうだろうと思いますけれども、そういう人たちもこれは当然のことながらやはり行ってほしくないという気持ちがあるわけです。
 ただ、気になるのは、あの日銀がかなり、六百人以上調べて九割の人が接待を受けていた、そして百人近くの人がそういう意味では何らかの処分を受けていたわけです。そういう人を除外をしてしまうと、大蔵省の場合、だから先ほど同僚議員中川議員が聞いたのも、どのぐらいの規模になるのですかということは、実はここのところはそんなに何人も大蔵省の中にいるわけじゃないのですからね、金融の問題についてのプロというのが。そこから百人を引いたら、では何人残るのですか。
 だから、どのぐらいの規模になるのですかということをある程度お聞きになっているのじゃないですか。全く聞いてないのですか。十人とか二十人なら、それは幾らか範囲がありますよ。だけれども、本当にある程度、百人とかいうことになったらどうなるのですか。二百人も行けるのですか。そこのところはどういうふうにお考えですか。
○松永国務大臣 今のは、金融監督庁に大蔵省をやめて行くことになる人の数でございますか。(海江田委員「はい」と呼ぶ)要するに、金融機関の検査は、監督もそうかもしれませんが、言うなれば専門的な仕事でありますから、それだけの経験、知識あるいは訓練を受けた人が必要になってくるのじゃなかろうかと思います。
 それで、どういう人を職員として採用して決めるかということは、先ほど官房長も申したとおり、新たに任命される金融監督庁長官の権限においてなされることであります。したがいまして、私の方から言いにくい点がそこにあるわけです。
 ただ、常識でございますから、御迷惑をかけるような人を推薦するなどということは常識上ないことだというふうな程度で、いかがですか。それ以上は、任命権が向こうにあるものですから。
 私の方から推薦する場合には、いい人、立派に仕事のできる人、そして御迷惑をかけるようなことのない人、こういった人を推薦することになるというふうに御理解願いたいと思います。
○海江田委員 これは総理も大変心配をしておるようでありまして、二月三日の新聞でございますけれども、いつごろ金融監督庁の設立をするのかと言ったら、この内部調査と絡めて、ここで「大蔵省の人間も多く投入せざるを得ない。そのためには身ぎれいな諸君を送らなくてはいけないが、それを調べるのにいつまでかかるか分からない」から発足ができないということを言っておりまして、六月ですから、しかも建物は、もうあそこに合同庁舎の方に行くということも決まっているわけですから、もういつ準備をやったっていいわけですけれども、この内部調査がはっきりしない限りはだれを送ったらいいかということがわからないので、やはりきょうまでおくれたという事情も実はあるのですね、本当のことをいって。そういうような話は全然聞いていませんか。
○武藤政府委員 金融監督庁の発足の時期につきましては総理府の方で御検討いただいているわけでございますけれども、私どものこの調査の結果が御指摘のようにもちろん関係してくるのは事実でございますけれども、それがゆえに何か発足のタイミングがおくれているといったようなことは、私どもはそのように理解しておらないところでございます。
○海江田委員 わかりました。
 いずれにしましても、この金融監督庁の発足というのはまさに財政と金融の分離の一つのステップなんだ、私は完全にはそうだとは思っていませんけれどもね。そうであると同時に、これは、財政と金融の分離だけではなくて、これまで大蔵省に巣くっていました業界と行政との癒着も断ち切るやはりいい機会なんですよ。
 ですから、必要な人間を何百人、まあ二百人近く連れていかなければいけないということを言いますけれども、むしろ、本当に身ぎれいな人がいなかったら、少なくていいのですよ。さっきこの質問席以外のところからも声がありましたけれども、外国の方というのはなかなかそういうわけにはいきませんけれども、やはりきちっとそういう技術を持った、しっかりとした監督できる能力を持った人たちをどんどん外部から登用すればいいのですよ、本当は。
 どうしても二百人確保しなければいけないから、こういうことは万に一つもないと思いますけれども、むしろそれによって内部調査が緩やかになるとか、そんなようなことがあってはいけないわけです。もちろんそんなことがあってはとんでもない話ですから、そういうことはないと思いますが、ただ、どうしても枠を最初に決めると、本当に果たしているのかどうなのかということで、私は大変心配ですし、恐らく大臣も胸中若干心配をしておられるのじゃないだろうかなというふうに思います。
 それぐらいやはり大蔵省の不祥事といいますか過剰な接待の状況というのは、私は何度も繰り返しませんけれども、もうそれだけ蔓延をしている。全く本当に手のきれいな人だけが来いと言ったら、だれも来れなくなりますよ。あの日銀の調査がそうですから。一度も接待を受けたことがないというのはわずか一〇%だったということで、九割が受けたと言っているのですよ。
 だから、そこで線を引いてしまったら、とてもじゃないけれども二百人も集まりませんからね。ですから、これは場合によっては、恐らく厳正な結果が出てくると思いますから、それで足りないときはどんどん外部の人も入れるようにした方が私はむしろいいと思うのですが、それについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○松永国務大臣 海江田さんのおっしゃる気持ちは、私もよくわかるのです。
 ただ、御存じのとおり、任命権者は金融監督庁長官でございますから、そちらの方から、推薦してくれということになるのかどうかわかりませんが、こちらからこういう人がおりますというふうに申していく場合には、少なくとも御迷惑をかけるような問題のあるような人、これはもう申し入れないというのが常識だろうと思うのです。
○海江田委員 総務庁長官、手短にお答えをいただきたいのですが、大蔵省の側はそういうふうにおっしゃっておりますけれども、総務庁の側としては、どういう基準で受け入れをするか、あるいは、大蔵省だけでもちろん適格者がいない場合は広く外からも人材を積極的に登用するというようなお考えをお持ちかどうか、お聞かせください。
○小里国務大臣 本来なら内閣官房長官の窓口かと思うのでございますが、お尋ねでございますから。
 要するに、綱紀粛正につきまして今日ほど国民が注目申し上げておるときはない、最たる一つの局面だ、そう思っておりますから、そのような基本に立って見守っていきたい、また作業を進めていくべきである。
○海江田委員 手短にありがとうございました。
 少し話題が変わりますが、きのう榊原財務官が、これは大手町の経団連会館で講演をされまして、その中身が、アメリカの株式はそろそろピークに近づいているのじゃないだろうかとかいろいろな発言があって、新聞で大きく、あるいはテレビなどでも報道されましたけれども、時間を調べてみますと、昨日の十二時四十分から十四時まで講演をしておるのですが、官房長の方にこれは何か届けば出ておりますか。
○武藤政府委員 この話は、経済対策を諸外国に向かって発信するということでありましたので、事前に私どもの方に話を聞いております。
○海江田委員 官房長、恐縮ですが、当然のことながら謝金は受け取っていないわけですね、これは。それをちょっとお答えください。
○武藤政府委員 謝金を受け取っていないというふうに理解をいたしております。
○海江田委員 理解をしておるじゃなくて、聞いているのですか、そういうふうに。それとも、受け取っていない、もうそれは聞くまでもないこと
でいいわけですね。
 それから、きのう、ちょっと委員会が変わりますけれども、決算行政監視委員会で官房長が、いわゆる業者との、接待などを受ける場合の届け出が官房長の方で掌握をしておるので、期間がどのくらいかわかりませんけれども、七百四十件ぐらいそういう届け出があるということを答弁しておられたように聞いたのですが、それは、例えばこの種の講演の届け出等も入っているのでしょうか、どうなんでしょうか。
○武藤政府委員 たしか七百七十四件というふうにお答えしたと思いますが、あれは、八年十二月の倫理規程以後九年末までの届け出件数でございまして、これは会食に関する届け出でございます。
○海江田委員 八年の、これは何月からですか、八年から十年で、二年で七百七十四というのは、かなり多い数なんですか、どうなんですか。
 これは大蔵大臣に聞いた方がいいですね。――今聞いていませんか。およそ二年ぐらいですね、これは。およそ二年ぐらいで七百七十四件業者との会食をしたという届け出が、これは官房長のところというより服務官ですね、そこのところにそういうような届けが来ているというのですが、これは正直申し上げて、私はかなり多い回数だなと。届け出があるのがですよ。届け出がないのもまたあるわけですけれども、それはどうですか、いかがですか。
○松永国務大臣 届け出ないで出たという回数は余りないから七百幾らという数になっている面もあろうかと思いますが、私自身、経済官庁の役人をしたという経験がないものですから、さてどうなるのかなということでございます。
 私は政治家でございますから、人が来てくれといえば、それほど強く呼ばれなくとも出ていって知ったかぶりしてしゃべってくるというのは、ある意味では政治家の活動でも実はあるわけですから。しかし、一人が一年間に何回ぐらい、届け出をしておったとしても会食の機会があったかという点から判断すれば、何回ぐらいまでが常識的で、それを超えれば常識を外れているという、そういう判断はできるかもしれませんが、何十人という人でありますと、簡単に評価、判断はできかねるなというのが私の印象でございます。
○海江田委員 その七百七十四というのは、そういう意味では正直に届け出をした人ですから、それだけでいかぬということにはならないのですが、ただ、これも非常に、そういう意味では私は数が多いと思いますし、それからやはりその後ろに、氷山の一角ですから、水面下に隠れておるものが、やはり七百七十四ではとてもじゃないけれども済まないのではないだろうかというような認識を持っております。これは、いずれ内部調査の報告の中でそういうこともはっきり出てくるだろうというふうに思っておりますので、そこが出ましたら、また少し議論をさせていただきたいと思います。
 それから、金融と財政の分離の問題でございますけれども、先ほどもお話をしましたけれども、この六月に金融監督庁というものができて、そこでまず金融と財政の分離の第一歩が始まるということはそれでいいわけでございますけれども、私どもはやはり完全分離ということを考えているわけですね。
 そうしますと、これはどうしても、大蔵省とこの金融監督庁との間でやはり接点が残ってしまうということ、それから、とりわけ、大蔵省の中に、金融破綻処理と金融の危機管理についてその対応の権限を大蔵省に残すということになっているわけでございますが、これはどうして、この金融の破綻の処理と金融の危機管理についてその対応の権限を大蔵省に残さなければいけないのかということを、もう一度御説明をいただきたいと思います。
○溝口政府委員 御指摘の件は、行政改革会議で昨年の夏以降いろいろ議論がされ、それで行政改革会議を受けまして、与党三党でいろいろな角度から議論をされた結果でございますので、私どもとしてはその議論の結論を受けとめておる、こういう立場であろうかと思います。
 それで、では行政改革会議等でどういう議論が行われたかということでございますが、その点につきましては総務庁の方でお答えいただくのがよろしいかと思いますが、私どもが聞いているところを申し上げますと、こういう議論があったと思います。若干長くなるかと思いますが、恐縮でございます、ちょっと御紹介させていただきたいと思います。
 発表された議事録等を見てみますと、幾つかの議論がございまして、一つは、例えばバブルの発生に見られましたように、財政政策と金融政策は相反する関係にあるので分離すべきではないかという議論がございました。それに対しましては、日本銀行法の改正によりまして、いわば日本銀行の独立性が高まりましたので、その問題は解決されているのではないかという議論もあったと思います。
 それから、財政は資金調達のために国債を市場にあるいは金融機関等に押しつけているのじゃないのか、それによって金融市場を乱すことにならないかという議論がありました。そういうものに対しましては、検査監督を分離したのでそういう問題は図られているとか、るる議論がございまして、その議論の結果そういう結論が出たというふうに私どもは理解しているわけでございます。
○海江田委員 私がお尋ねをしたのは、金融の破綻処理と金融の危機管理について大蔵省にその対応の権限を残すというのはどうしてですかということを聞いただけでありまして、ほかの話は別に聞いていないわけですよ。さっきの議論でも出ていますし、理解をしているわけですから。
 ここのところはどうしてですか。これは、普通考えれば、金融機関が今危ないときだから、そういうときには財政資金も出さなければいけないだろうから、そのときに大蔵省の財政のところと相談もあるだろうからとか、そんなようなことじゃないのですか、端的に言えば。
○溝口政府委員 議論の詳細は行政改革会議で決まったわけでございますが、今そこのところに入るところであったところでございますが、その議論につきましては、金融システムの安定は、通貨、国庫、さらには財政とも深い関連を有しており、特に危機管理の際には財政とも迅速な対応が必要との御意見があったようでございます。それに対しまして、危機管理は総理みずから対処すべき問題であるという御意見もあって、そういういろいろな御意見を踏まえて、先ほど御指摘のような結論が出たと私どもは理解をしているわけでございます。
○海江田委員 大蔵省は、これは自由民主党と社会民主党と新党さきがけの三党で決めた話だからということを本当は言いたいのでしょう、そこのところを。
 それならば、大蔵大臣に伺いますけれども、これは大蔵大臣、人ごとじゃないですから、今私がお尋ねをしましたけれども、この金融破綻とそれから金融危機管理について、何でそこだけを大蔵省に残したのかということを、大蔵大臣の言葉でおっしゃってください。
○松永国務大臣 お答えいたします。
 さっきと同じことを言っては恐縮でございますが、いろいろな議論があって、そうして三党合意の中で、今委員が申されたように、金融破綻処理あるいは危機管理に関する部門だけが財務省に残るという結論になったわけでございます。したがいまして、私どもとしては、その結論を文言どおり受けとめて対応していくという立場でございます。
 個人的な見解として言えば、先ほど総務審議官が申しかけたように、金融危機管理とか破綻処理という緊急な場合、非常な事態の場合でございますから、当然のことながら、財政出動と絡むという場合もありましょうし、あるいはその他財政とかかわる問題もあるので、その部分だけに限って財務省に残すという結論に到達したのではなかろうかというふうに私は感じておるところでござい
ます。
○海江田委員 平成十年一月二十日のこの三党の合意を読みますと、これを「当分の間とする。」このような措置は「金融システム改革の進捗状況等を勘案し、当分の間とする。」というような規定になっておるのですが、この「当分の間」というのはいつごろまでですか。
○松永国務大臣 今委員仰せのとおり、金融システム改革の進捗状況等を踏まえて、文字どおり政府の内部でその「当分の間」はいつかということは議論されていくというふうに理解をしているところでございます。
○海江田委員 あともう一つ、この三党の合意の中で「次の事項については、中央省庁再編の完了時までに法的措置を行うものとする。」ということで「金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関するものを除き、国内金融に関するすべての企画立案を金融庁に移管する。」ということで書いてございます。ですから、これは、今金融監督庁でスタートをしますけれども、この後中央省庁再編になりますと金融庁になるということで、その金融庁になったときでも、この場合は金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関するものはそのまま残るということですから、そうなってくると、この「当分の間」というのが中央省庁再編の完了した後も残る、こういうふうに考えればいいわけですか。
○坂野(泰)政府委員 基本法もこの与党三党の合意をそのまま移した条文にいたしておりますので、準備室の方から御説明させていただきます。
 この「当分の間」と記しております文言では、具体的に何年何月までということを決めていない、いわば不確定の期間として表現をしておるものでございます。したがいまして、この新たな省庁の移行を開始する目標時期でございます二〇〇一年一月一日より前であるのか後であるのかも、これも定まっていないということだと思っております。
○海江田委員 この二〇〇一年一月一日以前に、そういう意味ではこういう金融システム改革の進捗状況等が進んで、いわゆる破綻の不安などがなくなった場合は、そうすると、この金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関するものはもう除かなくていい、そういうことになるわけですね、これは。つまり、それも含めて、国内金融に関するすべての企画立案は金融庁に移るというふうな理解でいいわけですか。
○坂野(泰)政府委員 先ほど申し上げましたように、この「当分の間」の期間がいつまでかということが決まっておりませんので、いつまでかということを申し上げるわけにはいきませんけれども、この「当分の間」が終わる状況が生じ、それが確定をした場合は、この財務省の設置法なりなんなり、そういうものによって改めて手当てを行った上で必要な措置を講じていくということだと思っております。
○海江田委員 だから、その場合は「当分の間」が終われば、もうこれはわざわざこの金融破綻処理制度と金融危機管理に関する規定、その二つを大蔵省に残しておくということは要らなくなるのですねということですよ。
○坂野(泰)政府委員 私、正確に申し上げたつもりでございます。この「当分の間」が終わったときに、どういう結論の状態で終わっているかということも考える必要があると思っております。つまり、この「させるという措置」は「当分の間とする。」ということで書いてございます。この「当分の間」が終わったときは、この「させるという措置」がそのままその状態でゼロになるのか、この「当分の間」の終わったときの状態によって、各省設置法に必要な手当てを講じて、そして確定をするということにしないといけないのじゃないかと思っております。
○海江田委員 今の御説明で私は理解をしましたけれども、大蔵大臣も理解しましたですか、ちゃんと。やはり大事なところですから。
 この金融破綻処理とそれから金融の危機管理というものは当面、当分の間残すよという話がまず前段にあって、だけれども二〇〇一年一月一日までに、その金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関するものは除いてしまって、そのほかの国内金融に関するすべての企画立案を金融庁に移管をするということですから、だから二〇〇一年一月一日以降も、その「当分の間」というものが解除をされていなければ、当然のことながらこの二つは残る。それから、仮に解除をしていた場合でも、ここはまた話し合いですよと。つまり「当分の間」が解除をされれば国内金融に関するすべての企画立案が金融庁に移管するものじゃなくて、いつまでもやはり破綻処理と危機管理については大蔵省に残るよ、そういうふうに読めるわけです。あるいは、そういうような説明なんですね。
 そうしますと、私なんかの理解では、今こういう状況だから、そういう意味では、いわゆる金融が危機的な状況でありますから、その間については大蔵省の企画のところに残すというのも一つの考え方かなということなんですが、それが終わった後もこれは残し続ける可能性があるよということになると、これは随分、いわゆる財政と金融の分離ということとは違ってくるのではないだろうかというふうに私は思うわけでございますね。
 とりわけ、先ほどの話にもなるわけですけれども、今度大蔵省には、名前が変わって財務省になるということでございますけれども、金融企画局というものが設置をされるということでございますが、例えば金融機関が破綻をする、その場合、財政資金の投入などが必要になるというケースでも、実際に財政資金が必要になれば、それは主税局からお金を持ってこなければいけないわけですから、そういう意味では、この金融企画局というものがなくても、私は、金融庁が大蔵省と相談をして、それで必要があればそういうような財政の資金の投入などの手当てをすればいいのじゃないだろうか、そういうふうに思うわけですけれども、その点については、これは当局でよろしゅうございますが、いかがお考えでしょうか。
○溝口政府委員 私どもが会議の模様等をお聞きしている限りでは、先生が御指摘のような意見もありました。それから他方で、いやいや、やはりそうはあっても財政との迅速な対応が必要なんで大蔵省に残すべきだ、両方の意見があってこういう結論が出たのだというふうに聞いておるわけでございます。
○海江田委員 全部この会議に責任を押しつけてしまうということですから、これでは余りまともな議論にならないと思うのです。
 もう一つお尋ねしたいのは、金融監督庁の設置法とそれからその整備法では、大蔵省は金融機関に資料の提出その他の協力を求めることができるという規定があるわけです。この規定は、まさに大蔵省が裁量行政などをやる、あるいは大蔵省と金融機関、業者との癒着をどうしても維持するものになるということでありますけれども、やはり、大蔵省は金融機関に資料の提出その他の協力を求めることができるというのはもう取っ払ってしまって、そして金融と財政の分離というものをはっきりさせた方がいいのではないだろうかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○溝口政府委員 金融監督庁は、御承知のように今年の六月末に設置されまして、その後金融庁の組織をどうするか、あるいは大蔵省に残ります危機管理、破綻処理の関係の事務をどうするかというのは、この基本法が成立した後、政府内におきましてその設置法をどうするかというプロセスの中で検討するものでございまして、今どうするということを私どもまだ考えていないわけでございまして、御指摘の御意見は承ったというふうに考えさせていただきたいと思います。
○海江田委員 承ったといっても、本当は承りましたと言ったらそのとおりにしますということなんですが、そういうことではないだろうと思います。
 大臣、私が金融と財政の分離ということを言っていますのは、一つは、今回の不祥事の問題の原因は一体どこに根本的な原因があるのかなということをやはり考えてみなければいけないわけです
ね。先ほど大臣は、人間はそれほど高尚なものではないからというような意味の発言をされておりましたけれども、果たして本当に個人の資質の問題に帰してしまっていいのだろうかどうなんだろうかという思いを、私なんかは強くするわけですね。
 そうすると、やはりこれは組織の問題にメスを入れなければいけないのじゃないだろうかというふうに思うわけでございます。その組織に対するメスの入れ方が、今回のようなとりあえずこの六月末から発足をします金融監督庁の形だけでいいのかどうなのかということ、そこを私たちはもう少し大胆に、本当に金融監督庁から金融庁というものに移行していくのなら、やはりそのときにはきちっと、本当に目に見える形で金融と財政の分離をしなければいけない。どこかでつながっていて、まさに企画というところでつながっているわけですけれども、その企画というものも切り離しをしてしまった方がわかりやすいのじゃないだろうかな、そういうふうに思うわけですけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
    〔委員長退席、野呂田委員長代理着席〕
○松永国務大臣 今、海江田さんは、組織の問題について御発言がございました。組織の問題というよりも、むしろ権限の問題であるかもしれません。私はそういう感じがいたします。強大な権限を持っていますと、どうしても民間の方が権限のあるところに寄ってくる、そこから誘惑が始まる、こういう経過があるような気がいたします。
 ただ、私は、こういう問題について議論をする場合に、権限のあるところにおるから、組織がでかいからということのせいにしたくないのです。どんな組織であろうと、どんな権限を持った人であろうと、やはり守るべき倫理はきちっと守る。制裁なしにそれを守っていける人は大変立派な人だ。普通の人は守れない場合もあり得る。そういう場合には、制裁という恐れによって抑止されていく、これが実際の人間社会じゃなかろうか、そう思うわけです。
 その意味で、倫理というものは純粋に言えば制裁なしに守っていくのが本当の倫理と思うのでありますけれども、先ほど言ったとおり、人間必ずしもそう立派な人間ばかりじゃございませんから、制裁があることによって外部からの抑止力にそれがなる。その意味で、私は、公務員倫理法の制定、制裁づきの倫理法の制定には賛成しておるわけでありますが、いずれにせよ、やはり最終的には個人の問題ではないかというのが私の考え方でございます。
○海江田委員 私は、どちらかというと、倫理法なんかがなくて済む方がいいと思うのですね、本当は。だから、大臣もそうだと思っていましたら、制裁だ制裁だとおっしゃるので若干意外な感がしましたが、もしそうならば、やはり今度の処分というのはひとつ非常に厳しくやっていただかなければいけないということは当然の帰結になりますね。
 それから、もう一つ大臣がおっしゃった権限ということでいうと、これまで余り議論されませんでしたけれども、実は大蔵省の持っている税務権限というものも、金融と財政というのはよく議論されましたけれども、非常に大きなものがあるわけですね。たしか総理も、どこの場で言われたのか、税務権限というものを大蔵省に置いておいていいのだろうかどうなんだろうかというような発言もされておるわけですね。これについて、今現在、大臣はどういうふうにお考えなんでしまうか。とりあえず金融監督庁でスタートをして、そこからその次に議論になる話なのか、どうなんでしょうか。
○松永国務大臣 今のは税の問題でございますか。(海江田委員「はい、税です」と呼ぶ)そうすると、国税庁の問題でございますね。
 実は、この点もいろいろな議論があったところでございまして、その議論の末、財務省の外局として国税庁は置くというふうに定められたところでありまして、私の立場としては、それを文言どおり受けとめてやっていく、こういうことでございます。
 ただ、その議論の中にいろいろなものがあったわけでありまして、例えば税の制度あるいは税に関する法律、その企画立案という部門と、それから、税法を執行して税を徴収するという仕事は非常に密接な関係がある。
 例えば、予定したようにそれが執行されていくかどうか、また一方においては、執行してみてその税法が妥当かどうか、こういったことは始終検討して、そして不備な点があれば是正していく、悪いものであればやめていくといったことが常時必要ではないか。そういったことを考えることが一つ。
 それからもう一つは、財政すなわち歳出の方は、常に税の徴収状況、歳入の状況、これも念頭に置きながら財政すなわち歳出の方は考えていかなければならぬという面もある。その意味で、非常に密接な関係にある。
 そういう論点に立てば、これは財務省の外局に置くのも妥当性がある。結論的には、そういう見解のもとに財務省の外局というふうに決められたものと私は理解しております。その決められたことを私は忠実に守っていくという立場にあるわけでございます。
○海江田委員 財務省の外局ということだと、今の大蔵省と国税庁の形とほとんど変わらないと思うのですが、この税の問題は、やはり皆さん非常に神経質になっているんですね、本当のことを言いますと。
 やはり大蔵の批判をすると、これは予算委員会でも議論になりましたけれども、後で厳しい調査をされるんじゃないだろうかとか、いや、それはないとおっしゃるけれども、文芸春秋に「大蔵腐敗一掃への緊急提言」という、大変中身のある文章でございますが、私はせんだって佐々淳行さんとお目にかかりましたら、やはり佐々さんほどの人も言っているんですよね。それは、いつ何をやられるかもしれないから、きちっとそういうものはしっかりしておかなければいけないと。あんな機動隊の隊長をやっておって鬼をも恐れぬような人もそういう査察というものを――査察というよりこれは調査だろうと思うのですけれども。
 それから、私自身が実際に知っておる話では、やはり出版社なんですけれども、大蔵省の問題を書こうとしたら、つき合いのある国税局の方からそれとなく言われたというような話もあります。
 それから、実際に中坊さんに、これはエコノミストの二月号ですか、中坊さん自身が税務当局の方とお話をしたら、中坊さんは随分税金をたくさん納めていらっしゃるんですねということを言われたというような、そして、自分がそうやって住専の処理機構の、責任をとって住専の処理に当たっていると、やはり税務当局はそういうことを調べておるんだなというようなことを感じたとか。ちょっと今ここに、資料の中に紛れてしまいましたけれども、エコノミストという雑誌に、中坊さん御本人が書いているんじゃないですけれども、中坊さんからそういう話を聞いたというふうに、やはりそういうものがあるわけですよ。
 それこそ、真っ当に申告をしておれば別にどう言われてもどこも痛くないということが、もちろんそれが原点でありましょうけれども、やはり大蔵省を批判すると、そういう意味で何らかの仕返しを受ける。個人でありますとか企業でありますとか、とにかく零細な企業でありますとか、そういうものが広く一般の常識になっているということ、本当にこのことはやはり考えておかなければいけませんよ。そういうような権限を持っている。
 これも、時間がありませんからこれ以上お話しできませんけれども、検察と大蔵の結びつきとか、そんなような視点からいろいろなことも指摘をされておりますし、やはりここのところは、今、財務省をつくってその財務省の外局にするから、これで国税との分離というものが済んだということにはならないんじゃないだろうかと。(松永国務大臣「分離ではないんです」と呼ぶ)分離ではないですからね。
○野呂田委員長代理 海江田委員、時間が過ぎましたので。
○海江田委員 はい。だから、分離ということも含めてお考えいただきたいと思います。もし一言あったら。
○野呂田委員長代理 ちょっと待ってください。坂野審議官が何か答弁を修正したいそうでございますので、ちょっと一言、要領よく十秒以内で。
○坂野(泰)政府委員 先ほど、当分の間の期間の意味について、二〇〇一年よりも前の場合もあるということで申し上げたのですが、論理的にちょっとこれは間違っておりまして、財務省の所掌事務として当分の間とするということでございますので、財務省を置かないと所掌事務が発生しない。したがって、置いてから当分の間でございますので、前ということはないということでございます。恐縮でございました。
○野呂田委員長代理 大蔵大臣、簡単にお願いします。
○松永国務大臣 簡単に申し上げます。
 実は、中坊さんの話が出ましたが、その話は、ことしの一月、今国会が始まって間もなく、私は予算委員長当時、ある人からその話を聞いたんです。これはえらいことだというわけで調べさせましたら、そういう事実はないということがわかりました。
○海江田委員 どうもありがとうございました。
○野呂田委員長代理 次に、冨沢篤紘君。
○冨沢委員 平和・改革の冨沢篤紘でございます。
 特に総務庁長官には、長時間御苦労さまでございます。簡潔な御答弁をお願いいたします。
 行革会議中間報告の内容は評価に値するとまず申し上げます。最終報告が提出をされましたが、本会議で申し述べたとおり大幅な後退でございまして、昨年の九月から十二月までのわずか百日前後の政治の攻防のドラマは、二十一世紀、「この国のかたち」を大きく後退をさせたものとして、私は後世注目をされるところだろうと考えます。行革征伐田舎芝居、役者は総理大臣と自民党族議員、あわせて官僚、芝居のテーマは既得権益擁護、一番目立ったのが政権維持だけを大事にする何にもしなかった総理大臣、こう総括ができるだろうと存じます。
 政治ですから、いつもザ・ベストな判断が出てくるわけではない。あるときはベターで我慢しなければいかぬ。しかし、この法案は、その下のグッドになるかならないかということで、本当に「この国のかたち」を描いているか、甚だ疑問の多いところであります。
 これからその法案の疑問点を質問いたしますので、御答弁の方をよろしくお願いいたします。
 今、海江田委員が、権限の大きい大蔵省の話をされました。私は、ずうたいのでかい方の質問をいたします。
 総務省、これは自治省、総務庁、郵政省、三省庁十四局、三十万人を超すマンモス官庁ができ上がりますが、人間でいうと、大男総身に知恵が回りかね。私も体はでかい方ですが、小里長官もでかい。でか過ぎるとぐあいの悪い点が出てくるのでありまして、今回の法案で省の局を十以下にするという表現がございます。本省の局を一律十以下にするこの原則、本気にできるのかどうか、大変疑問が感じられるのであります。十局で三省庁を一人の大臣で掌握できるのか。大くくりすれば、当然、省の所掌範囲は広くなるわけでございます。
 今、御高齢にもかかわらず小里長官は一生懸命職務を全うされている。これに二つの、自治大臣と郵政大臣が加わるので、新しくできる総務庁長官は、この三つを兼任して果たして責任が全うできるのかどうか、この点をまず伺います。
○小里国務大臣 中間報告から後退したのではないかという先生の厳しい評価でございますが、もとより中間報告は、最終報告をまとめるまでの間におきまするいわば中間報告を申し上げよう、そして、国会を中心にいたしまして広く国民の皆さんの御批判あるいは御助言等も賜ろう、そういうような趣旨で出しましたことも一つでございます。
 その点からいいますと、私どもは、中間報告を基本にいたしまして、内外の御叱正あるいは知恵をおかりいたしまして最終報告をまとめ、それを今次の法案化に持ってきた、そういう一つの抱負を持っておるわけでございます。しかしながら、また各論につきましてはいろいろ御叱正をいただきまして、次の省庁設置法に備えなければならぬと思っておる次第です。
 それから、総務省あるいは国土交通省などは巨大な官庁になったが、これで一体やっていけるのか、あるいは三人の大臣という形を一応統括したわけであるがというお話でございます。御指摘の総務省についても、御承知いただいておりまするように、自治省が六百人、現在の総務庁が三千六百人、そこに、よりすぐれて大きい三十万四千という郵政省が一緒に統括されるものですから、お話しのとおり、形の上におきましては巨大官庁と申し上げましょうか、非常に大きい形に見える。これはもう否めないことであります。
 しかしながら、それをそのまま無条件で私どもは統括する計画は全くないわけでございまして、三十万八千前後の新しい総務省でございますけれども、その中の九十数%に当たると思われる三十万一千の現業職員の方々が、まず二〇〇一年一月一日のときに、郵政事業庁のもとに、実施機能の分野として外に引き出されるということを御承知いただいておると思います。さらにまた、それから二年以内に、大体これから五年後を目指しておるところでございますが、郵政公社に引き出されていきまして、これがまた、独立採算制に基づく全く自主的な、弾力性を持った運営のできる業務形態に根本から変わっていきます。
 そして、出ていきまするその郵政公社の皆様方の組織あるいは人事管理の面等についても、前ほどからしばしば申し上げておりまするように、現在の国家行政組織の対象になる皆さんでもありません、あるいは総定員法、いわゆる行政職にかかわる職員の定数に関する対象になるものでもございませんということはしばしば申し上げておるところでございます。機構といたしましても、あるいは人の管理の面におきましても、三十万八千という、今次の計画で見込んでおりまする大きな形の窓口をそのまま通して見ていただくということにはならないと思う次第でございまして、組織も機能もまさに激変される、そして合理化される、そして、人の形におきましても、際立った縮減がきちんとそこに結果として出てくるということを御理解いただきたい次第でございます。
○冨沢委員 省庁をあわせる、大くくりする前に、地方分権や規制緩和が必要である。この仕事を置いて大くくりしても、実質、でき上がった官庁、総務省が機能はしないということは、これは目に見えておるので。
 もう一つ、国土交通省。これは、四省庁を統合すると局の数は十七になる。これは、北海道開発庁の局数をゼロとする。四つの省庁を大くくりするわけですから、当然、四省庁の総合調整という新しい仕事も出てくる。それをゼロとしたって、十七あるわけですから実質二十近い局になってしまう。これを十局にしようというんだ。これはできるのですか。
○小里国務大臣 一つは、ただいま申し上げましたように、今次の改革は、国の権限及び仕事の減量を積極的に進めるという大前提がございます。そして、その作業はこれから、今回この国会の意思を法律で決めていただいたその翌日からと申し上げていいでしょう、公布後直ちに作業に入ります。
 そして、向こう三年間、今先生がおっしゃったような、膨大ではないか、あるいはむだではないかと意味せられるようなところを大縮減を図っていくわけでございまして、その場合に、局の数のお話でございますが、省庁の再編成のみならず、府省の内部部局の編成に当たりましても、当然その原理で行うわけであります。
 したがいまして、もとより、局の数も十を超え
ないようにすることは、必ずしも画一的、形式的に考えるのではなくて、実質、中身も検討しながら、あくまで、新たな省について個別に検討をいたしまして、結果として数が決まるもの、こう考えております。十は、その際の一つの目標であります。
 また、このことは逆に、もともと十より少ない、先生のお話がございましたのは十以上のお話、今度は、十よりも少ない省についてはそのままというわけでは決してございません。したがいまして、少ない省も縮減の努力は当然要求するわけでございまして、その結果を申し上げておるわけでございます。
    〔野呂田委員長代理退席、委員長着席〕
○冨沢委員 局の一律十原則。分権、規制緩和、スリム化はは不可欠であります。
 しかし、それにしても、国土交通省については、分権や規制緩和を進めてもなお国の仕事として残すべきものがあるはず。それは、国土の骨格をなす河川や道路の管理、航空行政などにおける国際交渉、災害対応等の危機管理、都府県の範囲を超えるブロック単位の視点から行う地域振興行政、こういうのは「仮に分権したって規制緩和したって、国土交通省のなすべき仕事というのは残っている。こういうふうに考えますと、国土交通省のような府省の局数を半分にするということが本当に可能なのかどうか。半分、十にして、行政改革の実を上げることができるのだろうか。
 例えば、国際協定などの航空行政全般を所掌して、職員五百四十五名を擁する運輸省航空局、これは一体どこの局と統合することになるのか、ひとつ御説明ください。
○坂野(泰)政府委員 新たな省の内部部局につきましては、この基本法成立後に設置されます推進本部におきまして、まずその省の設置法を定めてから検討をすることとなりますので、現段階で直ちに申し上げることができないということでございます。
○小里国務大臣 したがいまして、先ほども若干申し上げましたが、必ずしも、画一的、統一的にやると申し上げておるわけではございませんで、実際に絞って絞って絞ってみて、合理化されたその結果の姿を基準にして行うわけでございますから、御理解いただきたいと思います。
○冨沢委員 巨大官庁、省庁再編の前に、必ず、分権、規制緩和、民営化、こっちが先なんです。最初大くくりをやってしまったからこういう心配が出てくるので、ぜひひとつ、大男総身に知恵が回りかねというようなことのないように要望をいたします。
 通信情報産業の質問をいたします。
 今、通信・放送は郵政省所管で、郵政省の通信政策局は通信の企画や研究を所管している。そして、放送行政局はテレビ、ラジオ、放送メディアを統括しています。基本法によると、通信・放送行政は総務省所管、コンピューター行政は経済産業省の所管になることになりますが、この認識で間違いございませんね。
○小里国務大臣 そのとおりでございます。
○冨沢委員 一くくりに情報産業、コンピューター産業、通信・放送、同じ業界、業種になるわけなんですが、業界の名前を挙げれば、日本を代表する名前が出てくる。NECとか東芝とかソニーとか、ビッグビジネスを囲む企業群、こういうことになりますか。
 アメリカに比べて日本の情報産業が、規模の大きさからいっても研究の深さからいってもおくれが指摘をされている。アメリカでは、情報ハイウェー構想のような大きなプロジェクトが進行している。日本でも郵政省が今、光ファイバーですか、この通信網の整備計画に取り組んでいるようでありますが、我が国として、二十一世紀の主要産業、これは第四次産業、情報産業と言われておりますが、基本法ではこの情報産業が総務省と経済産業省に、二つに分割統治をされることになる。成長をさせなければいけない企業、業種、産業群、これは分割統治で大丈夫なのですか。
○堀内国務大臣 お答え申し上げます。
 今回の基本法は、行政改革会議で議論を重ねた結果昨年の十二月に出された最終報告を踏まえて、内閣として法案化されたものでございます。この法案の中において、先生の御指摘のとおり、経済産業省は、技術開発あるいは市場環境の整備、こういうものを通じて、民間活力の最大限の発揮を促進させる産業政策を取り持って推進していく役所ということに認識いたしております。そういう意味で、情報通信の分野におきましても、こういう観点から積極的な振興を図っていくのが経済産業省の分野と考えております。
 したがいまして、今後さらに規制緩和がどんどん進んでまいりますから、将来的には最小限の規制を取り扱うことになると思いますが、そういう通信・放送分野と、行政が規制をするのではなくて、民間活力が最大限に発揮されるような環境づくりによって戦略的にも振興されていくという情報分野とでは、おのずと行政の対象あるいは手法というものは違ってくるだろうというふうに考えております。
 そういう意味で、これから日本産業の将来に向かって一番大きな発展性を持ち、また期待をされる情報産業という分野におきましては、経済産業省におきましてしっかりと取り組んで発展をさせてまいりたいと思っておりますので、当該分野につきましては、関係省庁が密接な連携をとりながら有効な施策を展開していくことが肝要だというふうに思っております。
○冨沢委員 重ねてお伺いします。
 二十一世紀の「この国のかたち」をつくろう、改革をしようというのに、官と民の関係がスタートからこんな関係で、これは改革になるのですか。
○堀内国務大臣 先ほども申し上げましたように、行政の対象とするところの分野、手法が違っておりますので、それぞれ一番大きな発展分野を経済産業省において取り持ってしっかりと開拓をしてまいりたいというふうに思っております。
 情報通信産業の振興というのは、本来、規制によるものではなくて、民間事業者が市場において自由に事業展開が行えるような環境整備を行うことが重要であるということだと思っております。そういう意味で、当省というか経済産業省ということになりますかは、徹底した規制の緩和、撤廃等を行いながら、意欲のある民間事業者への支援を行って情報産業の振興を図るという意味で、この新しい分野の振興という意味で取り組むところでございまして、規制の分野とは区別をされていいのではないかというふうに思っております。
○冨沢委員 昨日も平和・改革の若松委員がお話をしていた、二十一世紀の改革後の官と民の関係の話があったわけなのですが、私は、商売の、事業の世界というのは、私の経験で、ほっとけばいい、レッセフェールというのですが、見えざる手が自然に平衡感覚でいいぐあいになっていく、ぐあいの悪いところだけ行政がチェックをすればいい、こういう考え方であります。最初から所管がこんなふうに分かれていて、これは役所の縄張り争いの結果ですよ。これは決して二十一世紀のこの国の姿ではありません。基本法の欠陥条項ということで指摘をしておきます。
 大蔵省に入ります。
 私は、財務省になるわけなのですが、財務省の仕事というのは予算編成と税制の企画、この二つで、今の局でいえば主計と主税になるのですが、この二つ以外は要らない、こういう考え方です。国税庁の分離について、本会議の質問でも申し上げましたが、これが先送りになった。国税庁というのは査察機関として独立した存在でなければならない、これは私の前に海江田委員が指摘をされたとおりです。
 国税庁の長官というのは、これからもずっと大蔵官僚が務めていくわけですか。
○松永国務大臣 大蔵省としては、先ほど申された局のほかに、やはり国際金融局とか理財局とかそういう局は必要なのではないでしょうか。経済の国際化が進み、金融の国際化が進んでいるときでありますから。
 問題の、国税庁を財務省の外局にするという今回の取り決めてございますが、これは先ほども海江田委員に御答弁申し上げましたように、いろいろな議論がありまして、そして三党間で合意が成立して、財務省の外局にする、こうなったところでございます。
 なお、長官には、やはり税についての知識あるいは経験、そういったものがあって、かつ人格も立派な人が就任されていくものと私は思います。
○冨沢委員 伝説的になっておりますけれども、二十代で税務署長になる。私は、神奈川県の大和市で生まれて、サラリーマンもやっておりましたけれども、自分で事業をやっておりましたので、タックスペイヤー。あの地域の税務署長さんとお酒を飲んだこともある。
 新聞をにぎわせておりました元本省の大蔵省役人の高額接待、あの出先の税務署の職員が税務調査に見えますね。法人ですから、三年に一遍とか五年に一遍とかお見えになる。出先で頑張っている税務署の職員というのは、昼飯に天丼を出しても実費払って帰られるのですよ。そういう方がお国の第一線で仕事をしている。それがあの高額接待を見てどういうふうに受けとめるか。しかも、国税庁のプロパーの職員というのがいますね、大体税務署の職員。幹部をみんな大蔵省のエリートが独占してしまっている。ずっと独占してしまっている。しかも、それが高額接待、何万という接待を受けている。片方で天丼の実費を払っている。この落差を見て、あれは士気の低下になっていますよ。こんなの見せられたら、中立て公正な税務行政を執行しているのがばからしくなってしまう。これが、最先端で一番頑張っている職員の本音だと思いますよ。
 この前は、国税庁を分離しなくてはいかぬという話を別の観点からした。やはり査察機関として独立する、これが二十一世紀の「この国のかたち」ではありませんか。
○松永国務大臣 今、税務署の第一線で働いている税務署職員が、昼どきに天丼を出してもちゃんとその相当額と思われる金額を置いていくというのは、大変すばらしいことだろうと思います。当たり前といえば当たり前のことでありますけれども、今日の社会ではすばらしいことであると思います。そういう人たちがいる一方、大蔵本省に採用されたキャリアなるものが、三十前かそこらで署長として来て、署長室で余りよくわからないのに判を押しているなどという状況、これはよくないと、私はもう大臣就任して以来言っておるのです。
 それで、役所に聞きますと、税務の実務を体験させるのだという話でございますが、体験するならば、今委員がおっしゃったように、現場に行って靴の底を減らして調査に回るというぐらいのことを体験させることが税務の実務の体験になる、私はそれを言い続けておるわけであります。
 しかも、三十前後で署長さんとなりますと、実際問題、業界の集まりその他の場合には、一番上座に座ってちやほやされているのですよ。私どもが見ているところでもそうなのです。これが本人が接待を受けるのを余り気にしないようになるスタートじゃないかな、こう思うので、こういう悪い習慣は改めさせたい、私はそう思っております。我が党の議員の中からも非常にそういう声が高くなっております。税務の実際を勉強したいならば、地方の税務署に行ってもいいから実際に調査をして回る、そういうポストにつかせるべきだという意見が圧倒的に多いわけでありますので、ぜひそうなるように、私はこの大蔵改革の一環としてそれを主張していきたい、こう思っておるわけです。
○冨沢委員 松永大蔵大臣の今の御発言に大いに期待をいたしますので、ひとつ頑張ってください。
 もう一つ、海江田議員御指摘の、金融、財政の分離です。
 金融監督庁六月発足、これは大蔵省の大きな権限をそぎ取る、こういう意味で一歩前進と評価はいたします。しかし、相変わらず金融の危機管理に関する企画立案と、もう一つ、金融破綻処理、この二つは大蔵省に確実に残っている。私は、金融、財政の分離しない財務省と認識せざるを得ない。なぜばっさりとそぎ落としができないのか。これは海江田委員が今されたので重ねては伺いませんが、そのわけを伺いながら、余り中身のよくない答弁であったけれども、与党三党の合意がいかに時代錯誤の合意であったか。やはり、改革をしようというこのときに金融、財政をきちっと分離する、この必要があるのであります。
 私は、衆議院議員になる前に、大和の市会議員、神奈川県会議員を経験して、予算要求とか陳情活動で何遍も大蔵省へ伺いました。その中からいつも感じられることは、大蔵省は威張っているのですよ。見下すのですよ。それで、これは私はやったことはないけれども、ゆがんだ権力の行使をする。幾日あいています、いかがですかなんて電話がかかるという話は新聞で読みましたけれども。きちんと教育を受けた立派な方が、何年か大蔵省にいるとなぜこんなふうになってしまうのか。
 これは、やはり大きな権力、財政と金融の重要な政策を二つ持っている。財政、徴収した税金を自由に使う、自由じゃないですけれども、そう思っておられる。郵貯、この金も財投として運用できる。金融行政権によって民間金融機関の司令塔になっているのですよ。私は銀行員だったからよく知っている。この大きな権力というのは、単に民間に対するだけじゃなくて、政界の方にもそうですよ。住専への国税投入、消費税率の引き上げ、古くは国民福祉税を夜中に発表したこと、みんな大蔵官僚の仕組んだ、政治家が大蔵官僚の手のひらで踊っている姿じゃありませんか。
 政治家さえ見おろす大蔵官僚、お上意識、そして、民間に対しては現ナマさえもらわなければ幾らごちそうになっても大丈夫だという、これをやはり改めるのは、大き過ぎる財政、金融という二つの権力を分ける、この切り込みが政治になければ、相変わらず、でき上がった財務省というのは今の大蔵省の延長になってしまう、私はそう思いますけれども、いかがですか。
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 お金さえもらわなければ、職務に関する何かをしたことの礼としてごちそうになったとしても罪に問われないなどということはないということがはっきりしたわけであります。
 私は、行き過ぎた接待などを平気で受けるのは、人間の……(冨沢委員「接待の話はいいです」と呼ぶ)だから、その点はそういうものだと思うのです。人間の問題だと思うのです。
 それからもう一つは、予算の場合でもそうでありますが、そのお金は国民のお金ですから、国民の税金ですから、法律で定められた職務権限に基づいて、実は、必要な場所に予算づけをする。自分の金であるかのごとく考えてやっておるとするならば、それは大間違いです、と私は思います。そういう例があるならば、これは徹底して国会の場でただしていくということが必要だろうと思います。
 いずれにせよ、財政と金融の分離の問題は、先ほど委員も認めていただきましたように、この六月中には金融監督庁という、金融の監督、検査に関する部局が大蔵省から全部離れて総務省傘下の機関になる、これが大蔵省の権限を削減する一つの分離であります。
 問題の、国税とそれから財政との分離の話は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、これもやはり、財政というのは、予算を編成して内閣が最終的に決定をして、国会にかけて審議をしていただくわけでありますけれども、その財政を考える場合には、当然ながら、歳入の状況を念頭に置きながら財政も考えていかなければならぬという議論があるわけです。その意味で、財政の方と歳入を考える国税庁の方とは関連性が深いからという議論が強くあり、その結果として国税庁は財務省の外局に置く、そうなったものと思います。
 それから、金融の方でございますが、御存じのとおり、公定歩合の問題その他金融政策の大宗
は、新日銀法に基づいて独立性の強化された日銀の権限となっておるところであります。そして、金融機関に関する検査監督の方は、先ほど申したとおり金融監督庁に移管された、こういうことでありますので、大蔵省の権限は相当に縮減された、こう思うわけであります。委員の御心配もわからぬわけではありませんけれども、そういうふうに着々と権限縮小が進んでおるというふうに御理解願いたいのでございます。
○冨沢委員 税金が国民のものであるという松永大蔵大臣の御認識は、それはわかります。私は、地方政治を経験しておって、大蔵省の役人がそういう意識であるということを指摘しているのです。松永大臣の認識ということで申し上げたわけではございません。きちっと税金を納めていれば、大蔵省のことは何でも言えますので。
 要するに、大きな権力を持っていると、人間というのはその権力を背景にして、いいことはしない。そんなに強いものじゃないですよ、人間というのは。ですから、そうならないように機構をきちっと変えていく、この政治の努力を放棄してしまっていますよ、これは。財政と金融は分離はしてない、こう指摘をしながら、次の質問に入ります。
 基本的にこの法案に反対しながらこういう質問をするのもおかしな話なんですが、恐らくこの改革法案は成立をするのでありましょう。するでありましょう。基本法五十二条に……(発言する者あり)いや、私は反対ですよ。
 基本法五十二条に、成立すると改革推進本部が設置をされる。これは本部長は総理で、国務大臣が御就任になって、幹事として行政機関の職員、極めて限られた人が推進本部に着任をされる。これ以外の関係者というのは、必要な協力を依頼することができる。総理が依頼するのですか。実際に仕事をされるのは総理、国務大臣ではありませんから、行政機関の職員が法案成立後の仕事、作業をする、こういうことになります。仕事の内容は、府省の設置法になる、こういうことになりましょう。
 役所批判に、行政指導がある。何でも介入して余計なことまでやる。設置法の体質からくるところもあります。私は、本当に簡素で効率的な一府十二省ができるのか疑問を感じている。これは設置法の内容にかかっているからであります。設置法の文言は、すべて行政機関の職員が作成することになります。もちろん、でき上がった法案は国会にかけられるわけですから、そこのチェック機能は働くけれども、なかなか出てきた法案は修正に応じてくれるという局面は少のうございます。
 そこで質問をするわけなんですが、お役人というのはもともと基本的に保守の体質であって、これは改革には不向きな人種と私は認識をしております。既得権益を死に物狂いで守る。中間報告から最終報告に至るあのどたばた劇はまさにそれを物語っているところでありまして、果たして最終報告にある行革の理念と目標が設置法に体現されるのか、表現されるのか、私は大きな疑問を持っているところであります。
 本部長の総理は文書などをつくっている暇はありませんよ。国務大臣も同じこと。そうすると、実質は行政機関の職員が設置法の案文をつくって、骨抜きになってしまうのじゃないですか。表現は極めて悪いですけれども、泥棒が縄をなう、立派な縄はなえないはずですよ。
 この点、総務庁長官、いかがですか。
○小里国務大臣 基本法を国会の意思として決定をいただき、また並んで、それが御可決いただきました後の、ただいまお話しの推進本部の設置、そしてこれが運営等に要する経費なども予算の中で織り込んで目下御審議いただいておるところでございますが、それらが決定をいただきますと、お話しのとおり総理大臣が本部長になります。閣僚がメンバーであります。内閣を挙げまして、政府のリーダーシップを発揮して、この厳しい大きな仕事に取り組むわけでございます。
 関係職員は、お話がございましたように、政府省庁の職員の一部も手伝いをいただかなければなりません。あるいはまた、御指摘がありましたように、広く内外の国民の皆様方からも御協力をいただかなければなりません。したがいまして、できるだけ、一般社会と申し上げましょうか、市民の皆様方の直接的な話を聞かせていただく一つの組織、機会をつくらなければならない。このことは、橋本総理もしばしば言明なさっておられるところであります。
 あわせまして、今厳しい御警鐘を打ち鳴らしながら、君たち、そんなに容易なものじゃないぞ、大変な仕事だよと、そしてまた、大変な一つの抵抗やあるいは摩擦があるのだよというお話でございますが、まさにそのとおりであります。ここに至るまでの過程を静かに振り返ってみましても、最終報告を取りまとめるに当たりましても、お話がございましたように、先生が言われたほどではなかったと思うのでございますが、いろいろな筋からいろいろな意見が厳しく飛び込んでまいったことも事実であります。このような貴重な一つの経験を教訓にいたしまして、今度こそ、さらに従来以上のかたい決意をもちまして対処しなければならぬ。
 殊に、議員がお話しございましたように、議員の言葉をかりて申し上げますと、官僚あるいは職員というお話でございましたが、私は、いたずらに関係職員の知恵や貴重な経験を排撃することは慎まなければならないと思います。中には、大変貴重な知識をあるいは材料をどんどん持ち込んでいただいておりますし、前向き志向の協力をいただいておりまする職員も相当おいでになるわけでございます。今度は、そのようなことも注意をいたしまして、御承知いただいておりまするように、私どもは、行政改革に協力をした職員は将来評価するよと、その基準も閣議におきまして策定をいたしまして臨んでおるところでございます。
 くれぐれも、ただいま御警鐘とともに御忠告をいただきましたことは十分心得まして、腰を据えて対応しなければ、せっかくのこの機会でございますから、百年の長い歴史の批判にたえられるものができない、さように思っておりますので、さらに御助言をいただきたいと思います。
○冨沢委員 大蔵省の金融財政分離の議論の中でも、設置法をどういうふうにつくるかというのは結構重要な仕事になってくるはずでございます。行政権限法にして役所の権限を絞り込め、こういう議論も昨日行われておりましたけれども、設置法の内容によって、結構な権限が役所にできてしまう。これは大変重要なポイントになるわけでございますので、橋本総理は、改革推進本部に民間人を登用される、こういうことをおっしゃっていましたが、いつまでも橋本さんが総理大臣をなすっているわけでもありませんので、「必要な協力を依頼することができる。」というこの条項は、もう少し積極的に、必要な協力を依頼しなければならない、そんなふうに修正をする必要があるのじゃないですか。
 民間の感覚をこの設置法に、要するに行革の理念と目標が担保できる人の構成、これを改革推進本部につくる必要がある、私はこう考えますが、いかがですか。
○小里国務大臣 橋本総理も、民間人の登用は必要である、そのことはしばしば言明しておいでになります。なおまた、民間人登用の具体的な手続等についてもいろいろお話をしておられるところでございますので、これは議員御指摘の方向でかたく進めなければならぬ、さように思っております。
○冨沢委員 御丁寧な御答弁、大変ありがとうございました。
 終了いたします。
○高鳥委員長 次に、鈴木淑夫君の質疑に入ります。
○鈴木(淑)委員 自由党の鈴木淑夫でございます。
 お並びの三大臣に質問させていただきます。
 私はまず、この中央省庁再編の基本法の中で、先ほど中川委員の質問にも少し出ておりましたが、マクロ経済政策の戦略を立て、それを調整す
る部署がどうなるのか、また、それをバックアップするマクロ経済統計の作成部署について再編整理するという考え方は入っておるのかといったあたりから質問をさせていただきたいと思います。
 まず堀内通産大臣、いきなりで申しわけございませんっお手元に、委員長の席にも大臣席にも委員の皆様方にもお配りしてある、この一枚のグラフがございます。これは通産省の官房の調査統計部でこしらえている鉱工業生産、出荷及び在庫率をグラフにしたものでございます。上にかいてある丸ぼちでつないであるのが生産、その次が出荷、下が在庫率であります。生産の最後の方に点線で出ておりますのが、最初の方に書いてあるのが、一月の速報を発表した時点での二月、三月の予測、それからその次が、二月の速報を発表した段階での三月、四月の予測でございます。
 堀内大臣、これをごらんになって、御所管のこの統計が意味する現在の経済動向についてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○堀内国務大臣 委員からいただきましたこのIIPの表でございますが、非常に厳しい経済状況を示していると存じます。
 二月の鉱工業指数を見ますと、生産は、前期比でまいりますとマイナス三・九、対前年比を見てまいりますと、昨年の十一月以来ずっとマイナスの状態が続いております。また、在庫の方はこれまた非常に増加をいたしておりまして、在庫率指数でまいりますと、一二八という指数は過去最高のものになっておりますし、また、昨年四月以来ずっと在庫の数字は増加をいたしております。連続増加をしているわけであります。
 そういう意味で、企業の在庫、生産調整がおくれている中で、企業収益も、九年度は非常に、主要企業、中小企業ともに減益になる見通しがあるだろうというふうに感じますので、昨年以来の景況感の厳しさが年明け以降も継続をしていて、実体経済面に大変厳しい影響を及ぼしているというふうに感じております。
 これには出ておりませんが、消費の動向を見ましても、戦後初めてGDP比といたしましてマイナスの伸びが見込まれるということでありまして、これも全く厳しい数値であります。
 消費は低調な動きになっておりますし、住宅建設も年率百三十万戸程度になっておりますから、こういう状態をこの鉱工業生産指数のグラフは物語っているのではないかというふうに思います。
○鈴木(淑)委員 大臣、ありがとうございました。
 もうまさに堀内大臣御指摘のとおり、このグラフを見れば直ちにわかるように、ここのところ、年明け後、景気後退はむしろ加速しておりますし、それをもたらしている在庫調整、在庫減らしのための生産調整ですが、この在庫率はかってないようなところへいっております。大変深刻な状況であります。私は、これを見て、当然、通産省はこれをおつくりになったのですから、政府の内部では大変危機感に満ちた議論が行われたであろうと思うのですね。
 といいますのは、これをごらんになって、例えば生産が、おっしゃいますように、二月は三・九%下がった。三月、四月というのは二・五、二・五といきますから、たった三カ月で一割近く落ちるのですね。しかも、このグラフを見て直ちに明らかなように、この四月の水準というのはこのグラフの中で一番低いところにいる。これは、九五年の水準よりもっと低いところに突っ込んじゃうわけであります。ですから、当然、これはタイムラグをおいて雇用情勢、賃金情勢の悪化にもはねていく、そこからまた消費が落ちるという大変な悪循環を引き起こすだろうというふうに思います。このグラフを見ていれば、桜の咲くころに景気が回復だとか、今また、夏に回復だとか、そんなとぼけたことを言えるわけがないというふうに私は思っております。
 そこで、堀内大臣にお伺いするのですが、今お話しになりました御認識は私はまことに的確だと思うのですね。非常に危機感を持ってこれをごらんになっている御認識は的確だと思いますが、これを大臣は、どういう形で橋本内閣全体としてのマクロ経済に対する認識に反映させる努力をされたのでしょうか。
 例えば経済関係の閣僚会議で、これはえらい数字が出ているとおっしゃるとか、あるいは、企画庁からの月例報告があったときに、御所管のこの統計を各大臣に示して、えらいことですぞ、企画庁が言っているような程度じゃないですよとか、そういう、先ほどお話しになったような危機感に満ちた景況感というものを、どういう形で内閣全体の経済判断あるいはマクロ経済政策の戦略に反映をさせておられるのでしょうか、お伺いいたします。
○堀内国務大臣 こういう厳しい経済状況の中でございますから、単純に言えば、景気をよくするためには何をしなければならぬかということになると思います。
 それには、やはり今一番落ちておりますのが企業家のマインドだというふうに思っております。すべての数字は、実態のあらわすもとは、先般からもいろいろな調査をいたしておりますが、企業家がいよいよ設備投資をしようかしまいかと考えたときに、もうちょっと待ってみようというようなのが今の状態でありまして、相当投資意欲を持っているのだが今差し控えているという感じ、このマインドを直していくことが一番重要だというふうに思います。
 そういう意味で、企業活動を活性化させることが起点となるというふうに思います。それによって、生産や設備投資が増加をして、さらにそれが、結果的には企業収益を増加させる、あるいは雇用を増加させる、そしてまた所得がふえる、消費も増加するというような、経済の好循環を招いてまいらなければならないというふうに思っております。
 そういう意味で、通産省的な感覚でまいりますと、企業活動をいかに活発化させるかというところに重点を置いて、先般も総理から総合経済対策を策定するような指示を受けたところでございますので、ただいま申し上げましたような経済の好循環というものを復活させるために、我が国経済の状態をしっかりさせるための経済対策、これは一両日ぐらいに発表されるのではないかと思いますが、自由民主党並びに政府との連絡を行いながら、我が国の経済の運営をしっかりと行って、内外の信頼を回復するというための実効性のある総合経済対策を策定してまいりたいというふうに考えております。
○鈴木(淑)委員 昔から通産省というのは、こういった生産、出荷、在庫、あるいは商業動態統計等、さらには業界の聞き込み調査などを踏まえて、大蔵省よりも先に警鐘を乱打される、つまり、景気がおかしくなったときは危ないぞということを言うということで、一種の綱引きが政府の内部で起きてバランスをとっていたというふうに思うのですね。
 ところが、私の感じでは、ここ二年ほど、特に橋本内閣、総選挙後今日まで一年半ぐらいの間には、通産省のそういう役割が全然見えなくなってしまって、もう大蔵省の財政再建一辺倒で突っ走って今日の経済危機に立ち至ったと思うのですが、一体どこが司令塔になってマクロ経済政策の調整をすべきなのかということなんです。
 今のお話を伺っていますと、総理から総合経済対策をまとめるように指示されてとおっしゃいましたが、現在は通産省さんが、例えば総合経済対策の取りまとめをやるという意味でヘッドクオーターなんですか。どこがヘッドクオーターですか。
○堀内国務大臣 どうも、先ほどの御説明がちょっと舌足らずでございました。
 呼ばれたのは、経済企画庁長官を中心に呼ばれまして、私や大蔵大臣や自治大臣もあわせて対策に取り組むようにという指示を受けたということでございます。
○鈴木(淑)委員 そうなんですね。形の上では、今は経済企画庁がそういう総合調整をやるということになっておるわけであります。
 しかし、率直に申しまして、経済企画庁の官房長というのは大蔵省の指定ポストであります。言うまでもなく、人事権をしっかり大蔵省が握ってしまっている。それから、調整機能を持った調整局の非常に大事なポストも大蔵省の指定ポストであります。やはり、総合計画局の計画課長も指定ポストだと思います。そういう意味で、余り適切な言葉でないかもしれませんが、あえて言えば、経済企画庁が大蔵省の植民地のような感じになっている。
 そのことが、経済予測を立てるにしても、月例報告を出すにしても、経済白書を書くにしても、大蔵省の意向が色濃く反映される。それに対して、割と伝統的には通産省さんが、いや違う、いや違う、こう言うわけですが、どうしても、総合調整をやる経済企画庁が大蔵省の、植民地化されていると言ったら失礼ですか、強い影響下にあるものですから、大蔵省の判断に全体が引きずられてきたというふうに私は思っております。
 そこで、小里長官、今度の中央省庁再編基本法の中では、マクロ経済政策の戦略を立て、全体を調整するヘッドクオーターというのは、一応内閣府の経済財政諮問会議だ、こういう考えでございますか。
○小里国務大臣 そのとおりでございます。
○鈴木(淑)委員 そういたしますと、会議という名前がついておりますが、この下には、今経済企画庁にある各局あるいは研究所、全部引き連れていくのでしょうか。
○坂野(泰)政府委員 経済財政諮問会議の事務局に相当する組織は、内閣府の中に置かれることになると思っております。その事務局の仕事を担当する職員の集まり、当然これは内閣府の中にあるわけでございます。そして、その職員の集まりの方々が担う業務については、現在の経済企画庁が担っておられる機能の相当部分を引き継いでこられることになるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○鈴木(淑)委員 相当部分じゃなくて、もう少し具体的に言ってください。
○坂野(泰)政府委員 例えば、先ほど御指摘の調整局とか、そういうところの機能は引き継いでこられるのではないかと思っております。
○鈴木(淑)委員 研究所。
○坂野(泰)政府委員 研究所につきましては、内閣府の規定の中に、別途内閣府の機関として、現在の経済企画庁の研究所に相当する研究所を置く、内閣府の機関として研究所として置くという規定が設けられております。
○鈴木(淑)委員 小里長官にお願いをしたいことがあります。
 それは、さっき申しましたように、経済企画庁は一見独立した省庁でありますが、主要ポストを指定ポストのような形で大蔵省に握られているのですね。やはりああいうことではいけないと思うのですね。ですから、たとえ内閣府に引っ越すにしても、そういうことが引き継がれますと、財政政策主導型のマクロ経済政策になりがちでございますから、その点は十分御注意いただきたいと思います。
○小里国務大臣 私は、まさにお話のとおりであろうと思います。
 したがいまして、マクロ経済政策を、内閣官房の企画立案する国政の基本方針の一つとして位置づけること、ただいま事務的にその点も申し上げたかと思うのでございますが、同時に、内閣官房を助ける知恵の場としての内閣府がマイクロ経済政策について企画立案及び総合調整を行う。あわせまして、内閣府に経済財政諮問会議を置きます。その中身は、今申し上げたとおりでございます。
○鈴木(淑)委員 今、マイクロとおっしゃったのはマクロの間違いでございますね。――はい。
 ぜひそういうことでお願いしたいと思います。
 これに関連して、もう一つ小里長官に御質問いたします。
 最初にもちょっと申しましたが、現状では、重要なマクロ経済統計の作成場所がばらばらなのですね。最初にお見せしたこの生産・出荷・在庫、これはマクロ経済活動の基本統計です。専門家はみんな、月々の動きはこれを見ているわけですね。しかし、四半期にくくると、GDPでありますが、GDPは、御承知のように経済企画庁の研究所でつくっているわけですね。それから、消費動向はどうかというと、通産省で商業動態統計などで小売、卸売を押さえている。かと思うと、総理府が家計調査というのをやるわけですね。ここで所得、消費が出てくるわけです。両方にまたがっている。まあGDPの消費は、仕方ないから両方から情報をとって、主に家計統計、それでちょこつと通産省の方の統計で補正したりしてやるわけです。それから、設備投資はどうなっているかといえば、今度は経済企画庁が法人企業動向調査というのをやっている。これは非常に重要なものであります。しかし、GDPの設備投資はどうなっているかというと、今度は大蔵省が法人企業統計というのをつくって、あれを基本にしてやるわけですね。てんでんばらばらなところでつくっている。
 それというのも、業界行政を基本にしてきたから、さっきから出ているように、事前介入型の裁量的業界行政というものでやってきたものですから、業界に口を出す以上、データをとるのだということで業界ごとにばらばらの統計が出ている。その中の一部が実はマクロ統計として非常に重要なのだ。それをそのままほっぽり出してきたわけですね。
 今度これだけ大きな中央省庁再編をするわけでございますから、統計作成部署についても、小里長官、当然検討されて、今度はもっと合理的にするぞ、それから、裁量的な事前介入行政ではないのだから、事後チェック型のルール行政なのだから、この統計をこの省に置いておく必要はない、これはもうマクロ的に非常に重要な統計だから全部内閣府に持ってきてしまうとか、それで諮問会議の下に集中するとか、当然こういう考えがあってしかるべきだと思いますが、この法案のどこにそれが出ているか、御説明願いたい。
○坂野(泰)政府委員 御指摘の点に直接にかかわる規定は、この基本法案の中にはございません。
 統計行政については、総務省の編成方針の中に記述がございますけれども、一つは、統計について、政府全体を通ずる調整を行って統計行政の重複を是正したりその調査結果の共有化を推進するとか、あるいは各府なり省が行います大規模統計で全数調査として行われるものについては必要な一元化をやる、あるいは統計事務についてできるだけ民間に委託する、そういうことはこの基本法に書いてございますけれども、そのほかのただいま御指摘のような点については規定がないということでございます。
○鈴木(淑)委員 今御答弁のあったとおりでございますので、小里長官、今からでも遅くございません、ぜひそういう目でもう一度この法案をよくごらんいただきまして、さっき私が申しましたような観点から、できるものなら、重要なマクロ経済統計は集中して、それを今度できるこの経済財政諮問会議が掌握できる、またそれに基づいて経済関係閣僚の閣議が行われる、それでマクロ経済政策の戦略が決まる、こういう仕組みをこの中に、今からでもいいですから仕組んでいく、ぜひその御努力をお願いしたいと思うのです。
○小里国務大臣 先ほど事務局の方から御説明申し上げましたように、今日の基本法の段階におきましては、ただいま具体的に御提言をいただきましたことに直結する仕組みには十分でないな、そういう感じを持っております。ただいまお話をお聞かせいただきました具体的提案を十分参考にいたしながら、次の省庁設置法までには必ず検討してみたい、さように思います。
○鈴木(淑)委員 小里長官、ありがとうございました。ただいまの御答弁、しっかり私の方も覚えて、期待を申し上げておりますので、必ずそういう観点で、設置法案のときに踏み込んでいただきたいというふうに思います。
 次に、大蔵大臣にお伺いするわけでございます
が、先ほどもちょっと申し上げましたように、今の体制では、事実上、大蔵省の強い影響のもとにマクロ経済政策の戦略が動かされているなという印象を持っております。
 折しも先週、お忙しい中、G7に行っていただいたわけでございます。そこで、今の橋本内閣のマクロ経済政策の戦略について、各国の同意を得るべく御説明になったと思うのです。
 御説明になったポイントは恐らく二つであって、一つは、総合経済対策の中身とその効果、もう一つは、円安防止のための、報道によれば二百億ドルという途方もない額の介入をした、まあ額については機密事項でありますから新聞に書いてあったとだけ申し上げますが、非常に巨額の円安防止の円買い介入をやった、これについての理解を求めるというこの二点であったのではないかと私は拝察しておりますが、いかがでございますか。どういうことを御説明になり、どういう点について六カ国の理解と支持を得てこられたのでしょうか。大蔵大臣にお伺いいたします。
○松永国務大臣 お答えいたします。
 簡単に、結論から申し上げますと、実は、G7の蔵相・中央銀行総裁会議の共同コミュニケにあるとおりなのでございます。
 ちょっとつけ加えて申し上げますと、もちろん委員も御指摘のとおり、協調介入をどの程度やったかなどということを私が発言するわけにはまいりません。ただ、私が申し上げたことは、G7の会合の前に、アメリカの財務長官とまず会談をしたものですから、そのときに、その幾日ぐらい前でしたか、行き過ぎた円安是正のために我が国のとった行動についてルービンさんがこれを支持するという旨のコメントを出されましたことについて、お礼のあいさつを申し上げ、そして、我々としては為替の安定、行き過ぎた円安は望ましいことではないので今後とも監視をし、そして協力し合っていきたいものですということを申し上げたわけであります。
 もう一つの、国内のいわゆる十六兆円の新しい総合経済対策のことにつきましては、特別減税四兆円の実施。このことについては、つけ加えて、一部には制度減税を主張する向きもあるけれども、我々としては、消費志向の強いその階層の人たちに重点的に、しかも短期間に減税の効果が及ぶという考え方をとれば特別減税は意味があることであるし、同時にまた、質のいい公共投資の追加という施策と相まって国内の景気は回復してくる、そのことのために全力を挙げようとしているのだということを説明をしてまいりました。
 その結果としては、共同コミュニケにありますように、
 我々は内需主導の成長を刺激し、対外不均衡を縮小させ、更に円の過度の下落を修正することも目的とする日本の適切な行動を支持する。
という、共同コミュニケに盛られることになったわけであります。
 今後ともこういう考え方で対応していきたい、こう思っておるところでございます。
○鈴木(淑)委員 ありがとうございました。
 二つに分けてもう少し質問していきたいと思います。二つに分けてという意味は、円安防止の話と、それから総合経済対策の話であります。
 共同コミュニケのとおりということで、今も、円の過度の下落を修正することを目的にすることについて支持を得たとさっとおっしゃいました。しかし私、この部分の原文を取り寄せて読んだのですよ。そうしますと、これは大蔵省が訳したのかどこが訳したのか知りませんが、政府がお出しになったこの日本語と、私が原文で読んだ英語とでは、重大な違いがございますね。重大な違いがございます。
 まず、この見出しが「Exchange rates」と書いてあるので、これはまあ重大な違いとは言わないが、「Exchange rates」なんだから為替相場と訳さなければいけないのに「為替」と書いてある。それは大したことないのですが、重大な違いがあるというのは、まず日本語の方をお読みしますよ。
 我々は、大きな対外不均衡の更なる悪化をもたらしうるような過度の下落を避けることの重要性を強調した。この観点から、我々は内需主導の成長を刺激し、対外不均衡を縮小させ、更に円の過度の下落を修正することも目的とする日本の適切な行動を支持する。
と書いてあるのですね。
 この訳でいえば、今大臣がお答えになったとおりですわ。というのは、ここに書いてあるように、内需主導の成長を刺激することが第一、第二に対外不均衡を縮小させること、第三に、「更に」ですから、第三に円の過度の下落を修正すること、これは全部日本の行動を支持するということになりますね。
 ところが、英語を見たらそう書いてないですよ。英語を見たらそう書いてありません。
 確かに、この観点からという「In light of this」というので書き出して、「we support」支持するですね。「appropriate steps by japan」日本の適切な手段、政策を支持すると書いてあるのですが、その後が問題ですね。
 これこれを目指して「aimed at」、最初に、「stimulating domestic demand led growth」、だから、これはこのとおりなんですね、「domestic demand」内需、「led growth」内需主導型の成長ですね。それから「and reducing external imbalances,」ですから、やはりこれも訳が正しい。対外不均衡を縮小させる。この二つを並列して置いてありますが、その次、為替について何と書いてあるかというと、その次に「thus」という言葉が入るのですね。「thus also correcting the excessive depreciation of the yen.」と書いてあるのですね。「thus」というのはこの場合どういう意味かというと、前の二つのことをやって、その結果、円の行き過ぎた下落を修正すると書いてあるのです。
 だから、円の行き過ぎた下落を修正することが、内需主導の成長刺激や対外不均衡の縮小と並列された目標として支持されてはいないですよ。彼らが支持したのは二つですよ。内需主導の成長を刺激することと対外不均衡を縮小させることですよ。この二つを支持したのですよ。その結果として自動的に、経済の論理で、円安防止になるでしようと。
 これは何を意味しているかというと、もっと端的に言ってしまえば、円安防止は、内需拡大、そして景気回復、これをやって円安防止をしなさいというのがこのステートメントの意味じゃないですか。これは非常に意図的な誤訳ですよ。そして、支持された、支持されたと。
 もし、大臣、この意図的な誤訳にお気づきになっていないのだったら、これは重大な、大臣までもミスリードした大蔵省の意図した誤訳ですよ。これは支持されていないのですから。どうですか。そのことは、大臣、御存じなかったですか。
○黒田政府委員 G7のパラグラフ8のところで、御指摘のとおり為替レートの問題について述べております。
 その中で、二つ申し上げたいと思います。
 一つは、ただいま御指摘の、我々は、大きな対外不均衡の更なる悪化をもたらしうるような過度の下落を避けることの重要性を強調した。
というのの後に、
 この観点から、我々は内需主導の成長を刺激し、対外不均衡を縮小させ、更に円の過度の下落を修正することも目的とする日本の適切な行動を支持する。
こういうふうに言っているわけでございます。
 その英語が、御指摘のように「aimed at」ということがまず入りまして、「stimulating domestic demand led growth and reducing external imbalances, thus also correcting the excessive depreciation of the yen.」ということになっておりまして、「aimed at」の中身が、最初の二つがあって、さらにまた「thus also correcting the excessive depreciation of the yen.」ということが加わってお
りますので、先ほど申し上げたような翻訳になっているわけでございます。
 なお、さらにその後に、
 我々は、引き続き為替市場の動向を監視し、適
 切に協力していくつもりである。ということも述べておりまして、これは委員よく御存じのように、為替市場における協調的な行動の可能性を述べているということでございます。
○鈴木(淑)委員 黒田局長は昔から私よく存じ上げておりまして、あの人は英語もよくできることはよく知っています。
 ですから、黒田局長、苦しいね、今の答弁は。「thus」というのは「更に」ではないよ。並列ではないよ。このようにしてとかその結果というニュアンスの言葉でしょう。だから、これ、三つ並べてはいけないのだ。これは誤訳。三つ並べてはいけない。最初の二つをやって、その結果として、こうなる。過度の円安を防止することも、確かに「also aimed at」ですよ。だけれども、「thus」という言葉をちゃんと正しく訳していない。これはとんでもない誤訳です。
 大臣、これ、大臣だってもちろん英語はよく御存じなので、これはやはり事務方にしっかり注意していただきたい。
 大臣、どうですか。今の「thus」というのはアンドじゃないのですよ。アンドじゃないのだ。「thus」というのは、前に述べたことの結果としてとか、これを通じてとか、そういう意味ですよ。これは重大な誤訳になっているのです。大臣、いかがですか。、大臣、困ってしまって答弁できないなら、それではちょっと申し上げますが、これはちゃんと――だって、黒田君だって英語がわかっているのだから、実は非常に困っているのですよ。困っていますよ、あれは。「thus」はアンドじゃないぐらいのことは知っているのだ、あの人は。大臣だって「thus」がアンドじゃないぐらいのことはわかっているんでしょう。
 これは、G7の結果を日本にわざと間違って伝えようとした、私はこの前、橋本総理に二枚舌と申し上げたら御立腹いただいてしまったんですが、これも一種の二枚舌ですよ。国際的に話していたことを国内に向かって日本語にするとき、するつと変えているのですから。これはいけません、こういうことをやったら。国民をばかにしてはいけない。国民だって英語はわかるのだから。もう、すぐにこのステートメントの原文は手に入るのですからね。これはいけません。
 大臣、どうですか。
○高鳥委員長 黒田君。(鈴木(淑)委員「どうぞ、大臣、お答えください」と呼ぶ)委員長は、黒田局長を指名しております。
○黒田政府委員 先ほど申し上げたように、もう一回読み上げますが、
 この観点から、我々は内需主導の成長を刺激し、対外不均衡を縮小させ、更に円の過度の下落を修正することも目的とする日本の適切な行動を支持する。我々は、引き続き為替市場の動向を監視し、適切に協力していくつもりである。
という形になっているわけでございます。
○鈴木(淑)委員 何度もこの日本語を読んでもらっていても時間の浪費です。黒田さんを僕は責めるつもりはないんだ。彼は今困っているんだよ。これは英語のわかる人なら、すぐ、しまったということなんですよ。しまったということですよ。大臣、いかがですか。さらにというのは、ファーザーとかアンドとかいうのがさらになんですよ。「thus」というのは、その結果としてと言っているんだから、これは、三つ並列にして、支持してもらいましたと言って国内に説明するのは間違っている。彼らが支持したのは内需刺激を支持したんだ。
○松永国務大臣 私は、もちろん日本語訳だけを読んでおるわけでありますが、この文面から見ましても、「支持する。」というところで文章が切れているんですよ。そして次のセンテンスに、「我々は、引き続き為替市場の動向を監視し、適切に協力していくつもりである。」と。もちろん、「支持する。」というところはここには入っていませんよ。前のところまでを支持して、そして為替については「為替市場の動向を監視し、適切に協力していくつもりである。」と、私はそういうふうに……(鈴木(淑)委員「英文を入手されなかったんですか、英語をお読みになっていないんですか」と呼ぶ)読んでいません。これは、このとおり私は理解して、そうだったなと。
○鈴木(淑)委員 これでは、担当大臣として責任を十分果たしていないことになりますよ。だって、原本は英語なんだから。そうでしょう。そのジョイントステートメントの、ジョイントの七人のうちの一人でしょう。これは問題ですよ。これが原文なんだから、その原文をお読みになっていないというのは、忙しくて読めなかったとしても、事後責任として、結果責任として、これはやはり問題だと思いますね。
 それから、時間もなくなってしますから、大臣にこの際は申し上げておきますが、英語を意図的に誤った日本語に置きかえることによって直接支持されていないことまで支持されたように言うのは、日本の国民に対して、また、ここで説明しているんだから国会に対して、これは大変、二枚舌と言いたくなるような不実、不誠実な行為だと私は思いますね。それはしかし、幾らやりとりしていたってしょうがないから注意しておきます。
 もう一つ、これを誤訳した証拠が次の日のニューヨーク・タイムズにちゃんと出ている。ニューヨーク・タイムズを私は読んでいるのです。何て書いてあるか。「Group of 7 Has Words but No Action for Japan」と書いてあるのです。「No Help for Japan」とも書いてある。
 中を読んでみると、このG7では、日本の介入が支持されたのではなくて、日本の介入ではなくて、日本の円安防止は支持された。日本の円安防止は支持されたけれども、その手段は介入でなくて「domestic demand」、内需を刺激して経済を回復させること、そして対外不均衡を是正していくこと、それを通じて円安になることを支持したと、ニューヨーク・タイムズにだってはっきり書いてある。
 しかも、この中で、先ほど大臣はルービン長官にお礼に行ったとか言っておられました。ルービン長官はあの介入を支持してくれたとか言いました。もちろんルービン長官は、あからさまによその国の介入を非難したら物すごい市場へ影響が出ますから、そういうことを言いましたが、このG7の翌日のニューヨーク・タイムズの中では、ルービン長官ははっきりと、日本は内需拡大で円安を防止すべきなんだと言っていますよ。介入でとは言っていない。それでさらに、引き続き私は強いドルを支持すると発言しちゃった。だから、ぽんとまたドル高・円安になっちゃった。
 これは、なぜルービン長官は引き続き私は強いドルを支持すると言ったかといえば、要するに介入で為替相場を動かすんじゃなくて、ファンダメンタルズのところから動かすんだというコンテキストの中でその言葉が出ているんですよ。ですから、大蔵大臣が幾ら日本語しか読んでいないと言っても、重大な誤訳、意図的誤訳であって、しかも、これはまた海外に戻るんですよ、今はグローバル時代だから。グローバル時代だから、戻ってしまうのです。そうすると、G7の会場での話と違うことを日本の大臣は国内へ戻って言っているぞと言われかねない。これは国際信用にも響くんですね。
 これは、同じことを言っていても仕方ないので、委員長、ぜひこの点について理事会で御協議をいただきたいと思います。委員長にお願いいたします。いかがでしょう。
○高鳥委員長 ただいまの問題につきましては、大蔵大臣の手元において十分さらに検討の上、適切な答弁を後の機会に求めることにいたしたいと存じます。
○鈴木(淑)委員 では、ぜひ御検討の上……(発言する者あり)
○高鳥委員長 今やっていても水かけ論ですか
ら。
○鈴木(淑)委員 そうですね、時間がもったいないから。
 意図的誤訳に決まっているんだけれども、それをお認めにならないから、委員長がおっしゃるとおり、どうぞよく大蔵省の中で御検討の上、当委員会に御返答願いたい。どうぞ委員長、そのようにお取り計らいを願います。
○高鳥委員長 委員長は、意図的誤訳と別に認めているわけではありませんので、十分よく大蔵省で御検討の上、適切な説明を求めることにいたしたいと存じます。
○鈴木(淑)委員 ありがとうございました。
 時間も迫ってまいりましたので、もう一つだけお伺いしたいことがあります。
 金融監督庁、これがこの基本法ではやがて金融庁に変わるわけでございますが、小里長官、この基本法の第十条六項に「金融庁は、」というのがあるんですね。そしてこの五号で、「金融庁の地方組織の在り方について検討すること。」という文言がございますね。これは、小里長官かあるいは大蔵大臣でしょうか、基本法第十条六項の五号、「金融庁の地方組織の在り方について検討すること。」というのがございますね、これは一体何を頭に置いているんでしょうか。
 私はこれを見て、財務局がやはり検査の仕事を、これはもう財務局の仕事の過半が検査の仕事で、ほんのちょっと残りが国有財産管理ですから、財務局をはっきり金融庁の下に入れて検査人員を強化することかなと思ったんですが、そういう意味でしょうか。
○坂野(泰)政府委員 御指摘の十条第六項五号の規定について、御説明を申し上げます。
 この規定は、経過から申し上げますと、財政と金融の分離に関する党の合意をそのまま忠実に引き写した形で置いた条文でございます。この法文上は金融庁の前身になります金融監督庁の地方支分部局は、当時の検討経過の中で、既存の財務局の組織を活用してやるということになって、近く発足する際はそういうふうになるということになっているわけです。
 そういう金融監督庁が、その後、金融庁に変化をする。そうした場合には、この金融監督庁の時代に財務局において活用していたその組織のあり方をどうするか、それは改めて検討する必要があるのではないかという趣旨として、この規定を置いておるわけでございます。
○鈴木(淑)委員 時間になりましたので、これで終わりますが、小里長官、それから大蔵大臣も、ぜひ、今の点、つまり財務局の人員を適正に金融庁に配置して再編していただくということをお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○高鳥委員長 次に、佐々木憲昭君の質疑に入ります。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 日本経済は極めて深刻な事態を迎えております。省庁再編問題の質疑の前提といたしまして、日本経済の現状をどのように認識しているかという点について、まず確認をしておきたいと思います。
 まず、松永大蔵大臣にお聞きをしたいと思いますが、昨日、大蔵省は全国財務局長会議を開かれました。その中で、各局長は個人消費や企業収益が全地域で落ち込んでいると報告したと報道されております。
 大臣は、景気は一段と悪化している、こういう認識をお持ちかどうか、まずこれをお伺いしたいと思います。
○松永国務大臣 悪化しているかどうかという言葉を使うことはこの際とめておきますけれども、いずれにせよ大変厳しい状況にあり、下押し圧力も強まっておるという認識をしておるわけでございます。
○佐々木(憲)委員 その中で、中小企業の場合はとりわけ深刻な状況にあると思います。日本経済の中で、事業所数の九八・八%、全従業員の七七・六%を占めているのが中小企業でございます。まさに中小企業というのは、日本経済の土台を支えている大黒柱と言っていいと思うのです。
 そこで、一昨日発表されましたこの中小企業白書でありますけれども、この中で、「地域経済において中小企業は大きな比重を占めており、特に雇用面においては重要な役割を果たしている。」と述べています。また、「地方圏の方が中小企業が占める割合は高くなっており、地域における中小企業の盛衰が地域経済の発展に与える影響は大きいものと思われる。」このように書かれているわけですね。
 堀内通産大臣は、現在の日本経済の中で中小企業の果たす役割、この点について基本的にどのようにお考えでしょうか。まず、この基本的な考えをお聞きしたいと思います。
○堀内国務大臣 委員の今の御発言のとおり、日本の産業を支え、地域経済の中核的存在として大いに経済の、中枢と申しますか根本を占めるのが中小企業である、中小企業を外して日本の経済は語れないというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 ところが、まさに中枢が揺らいでいるというのが現状でありまして、これは極めて重大だと思うわけです。
 四月十四日に帝国データバンクが発表いたしました昨年の倒産件数一万七千四百三十九件、これは前年比で一七・四%増で、八五年度以来十二年ぶりに一万七千件を超す高い水準でありました。負債総額は十五兆一千二百三億円で、戦後最悪だった前年度を六四・五%も上回っております。とりわけ不況型倒産の占める割合が六六・九%、過去最悪であります。
 中小企業の危機が深刻化して雇用や地域経済に極めて重要な打撃を与えているわけでありますけれども、中小企業が本来果たすべき役割が今果たせなくなってきているのではないか。通産大臣の御認識はいかがでしょうか、現状について。
○林(康)政府委員 お答え申し上げます。
 現在、今大臣から答弁申し上げましたように、中小企業の経済に占めるウエートは大変大きなものでございますけれども、特に金融面での非常に困難な状況等から、かなりの数の中小企業が困難な状況に直面していることは事実でございます。
 ただ、その中でも、かなり企業間の格差あるいは業種間の格差というものもございまして、大変苦労している中小企業もありますが、片やかなり健闘していただいている中小企業もあるという状況のもとでございまして、全体としてはかなり格差が企業間で広がっている、あるいは地域間で広がっているという状況だと思います。
○佐々木(憲)委員 格差が確かに広がっておりまして、中小企業白書でも格差を問題にしております。したがって、弱いところはどんどん今倒産の憂き目に遭っているわけであります。
 中小企業基本法では、第一条の「政策の目標」として、「国民経済の成長発展に即応し、中小企業の経済的社会的制約による不利を是正するとともに、中小企業者の自主的な努力を助長し、」「中小企業の成長発展を図り、あわせて中小企業の従事者の経済的社会的地位の向上に資することにあるものとする。」大変立派な規定を置いているわけであります。この考え方、この目的、それを果たすようにするために、現在、中小企業に対する国の支援策というのが一層重要になっているというふうに思うわけでございます。
 そこで、この省庁改革、この本来の眼目というのは、当然、汚職、腐敗をなくして国民全体に奉仕する、そういう効率的な省庁をつくるということがその目的でありますけれども、同時に、地域経済を必死に支えている中小企業をどのように支援し活性化させていくか、ここが極めて重要だと思うわけでございます。この面でも、行政のあり方として中小企業に真に役立つものでなければならないというふうに思うわけでありますが、その点について小里長官の御見解を伺いたいと思います。
○小里国務大臣 まさに先ほどからお話がござい
ますように、我が国の産業、経済を支えておりまする中小企業の分野は極めて大きいと判断いたしております。したがいまして、中小企業政策はまさに強化するべきものである、強い行政の中の位置づけであります。
○佐々木(憲)委員 ところが、この提出されている中央省庁等改革基本法案、この内容を見ますと、法案の第二十条、ここでは、財務省の場合の編成方針が書かれております。このトップに「財政構造改革を推進すること。」ということが書かれているわけでございます。
 ここで推進するとされている財政構造改革というのは、現在修正が議論されている財政構造改革法、このことを意味しているというふうに理解してよろしいでしょうか。
○坂野(泰)政府委員 法律の条文の解釈でございますので、事務的に。
 現在法律になっております財政構造改革法のほか、閣議決定その他によって進められております財政構造改革に関連するもの、そういう意味でございます。
○小里国務大臣 今お答え申し上げましたように、一般概念として姿勢を記したものであります。
○佐々木(憲)委員 一般概念ということでありますが、この財政構造改革法の推進というのがその基本に置かれていると私は思うわけでございます。
 この財革法第三十条の一、これを見ますと、中小企業対策費についてすべての歳出を見直すものとする、このように書かれているわけでございます。第三十一条では、中小企業対策費の額が当該各年度の前年度の当初予算における中小企業対策費の額を上回らないものとすると、要するにキャップをはめているわけですね。
 通産大臣にお聞きをしたいわけですが、この財革法の論議の中で、修正の対象にこの中小企業対策費のキャップの問題、これが挙げられているのか、それともそれは対象になっていないのか、これはどちらでしょうか。
○堀内国務大臣 今回の財革法の中では前年を上回らない部類に入っているというふうに判断をいたしておりますが、いろいろの知恵を絞って、中小企業対策については別の項目やいろいろの項目を他省庁も含めて増額をして、中小企業の対策に万全を期するように努力をいたしております。
○佐々木(憲)委員 要するに、キャップそのものについては動かさないというようなニュアンスの答弁だったと思いますが、社会保障費については、小泉厚生大臣は、財革法を修正するなら社会保障費のキャップを外すように、こういう主張をされまして頑張っているわけですね。堀内通産大臣は、中小企業対策費のキャップそのものを外すような主張をなぜされないのか。その点についてちょっとお伺いしたいと思います。
○堀内国務大臣 現在の景気対策の取り組みの中におきまして、補正予算を実行する場合の対策の取り組みでございますけれども、これはこれから先の問題でございますが、取り組みといたしましては、過去例のないぐらいの中小企業対策を打ち出そうということに取り組んでいるところでございます。
○佐々木(憲)委員 私が質問したのは、キャップそのものを外すように、つまり中小企業対策費を増額するという方向でこの制約を取り払うという立場に立っていない、なぜ立たないのかということを聞いたのです。
○堀内国務大臣 結果として中小企業対策費が増額する、あるいは万全を期するということになればいいと私は思っております。
○佐々木(憲)委員 結果として増額するといいますけれども、この中小企業対策費そのものについて、現在の財革法ではキャップがはめられまして増額できないとなっているわけですね。ですから、口では先ほどへ中小企業は大切だ、大変重要だ、日本経済の一番中心にある、このようにおっしゃいましたけれども、実際の対応としては対策費をふやすという方向に踏み出していない。つまり、中小企業予算は削ってもまあ結構だ、こういう立場に立っているということになると、これは余りにも情けないと私は思うのです。
 大蔵省にまずちょっと聞きたいのですけれども、一般会計に占める中小企業対策費の比率、この数字を、十年前、五年前、現在と、明らかにしていただきたいと思います。
○細川(興)政府委員 一般会計の中で、政策経費である一般歳出に占める割合で申し上げたいと思いますが、十年前の昭和六十三年度予算では〇・六%、五年前の平成五年度予算では〇・五%、本年、十年度予算では〇・四%ということになっております。
○佐々木(憲)委員 今の数字でも明らかなように、〇・六、〇・五、〇・四、毎年比率が下がっているわけです。中小企業の日本経済に占める比率というのは極めて大きい。圧倒的な比率を占めているにもかかわらず、予算の中での比率というのは〇・六、〇・五、〇・四、どんどん下がってきている。その上さらに、今後、財革法によってキャップをはめられる、さらに下押し圧力がかかる、こういうことになるわけであります。
 この省庁改革基本法案では、財政構造改革を推進するというふうに書かれていて、今後とも中小企業予算は減らし続けるということにレールが敷かれることになるのじゃないか。これでは、中小企業を支える柱としての予算が外されてしまう。これで、どうして中小企業のためになるとおっしゃるのでしょうか。その意味が私はわからない。
○堀内国務大臣 先ほどから申し上げているとおり、中小企業の予算につきましては補正予算の中で対応ができるようになっておりまして、そういう意味では、当初予算のキャップとは関係なしに、何とか中小企業対策を最大限なものを行いたいということで今取り組んでいるところでございます。
○佐々木(憲)委員 補正予算のお話がありましたが、私も過去の補正予算を全部調べてまいりました。この十年間、補正を組んで中小企業対策費は一定の上積みがありますが、それでも、一番多いのでも、これは予算総額に占める割合では補正後〇・八二というのが一番高い水準です。しかし、この数年は、補正後でも〇・二六、〇・二四、こういう数字でございます。
 したがって、補正で上積みをするといいますけれども、それは実際の効果はほとんどないというのが現状でありまして、やはりこのキャップを外す、そして省庁再編の中でも中小企業というものを重要な柱として位置づけるような行政を行っていく、この観点が私は極めて重要だというふうに思うわけであります。
 次の問題は、中小企業を助ける行政上の体制が本当にできるのかどうかという問題です。例えば、貸し渋りというのが今大変重大な問題になっております。貸し渋り対策が機敏に対応できるという行政上の仕組みをつぐるということがこれもまた急務でございます。
 前提として貸し渋りの現状、通産大臣にお聞きしたいわけですけれども、通産省は三月に、「国内外における「貸し渋り」の状況と今後の見通しについて」こういう調査結果を発表されています。この調査によりますと、実際にはどうだろうか、数字で、民間金融機関の融資態度が厳しくなった、こう回答している企業は、例えば一月で何%、これが三月で何%か、この数字を出していただきたいと思います。
○林(康)政府委員 お答え申し上げます。
 昨年以来の当省の調査でございますが、民間金融機関の融資態度が厳格化したとする中小企業の割合でございますが、昨年九月には一〇・三%であったのですけれども、その後ずっと上昇を続けまして、本年二月には三〇%を超えまして、三月の調査では三二・五%に達しております。
○佐々木(憲)委員 その数字は、全体の融資態度が厳しくなったと回答した企業の中での中小企業の占める比率の数字でございます。私が先ほどお聞きしたのは、民間金融機関の融資態度が厳しく
なったと回答した企業のパーセントを聞いたのですが、いずれにしましても、一月では二六・八、三月では三二・四というふうに厳しくなっております。そして、今回答のありましたように、特に中小企業はますます深刻になっている、これが現状でございます。
 今後の見通しについても調査の結果がありますけれども、これは大企業の場合は二三・八%、中小企業の場合は五七・三%、つまり中小企業の場合融資態度がますます厳しくなるという見通しが、回答では非常に多いわけでございます。
 大蔵省が三月に行いました実態調査でもこの点が極めてはっきりと出ております。大蔵省に具体的な数字をお聞きしますけれども、三月末の主要行、つまり大手銀行の貸出残高が対前年同月比でマイナスとなったのは、大企業で何%、中小企業で何%か、この数字を出していただきたいと思います。
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 主要行で申し上げますと、大企業向けで前年同月比プラスというのが三一・六、逆にマイナスというのが五二・六でございます。中堅企業になりますと、それが、前年同月比プラスが四二・一で、前年同月比マイナスが四七・四。中小企業向けですと、前年同月比プラスが二一・一で、前年同月比マイナスが七八・九という数字が出ています。
○佐々木(憲)委員 今お答えがありましたように、主要行の中小企業向け貸し渋りというのが、大企業よりも極めて高い比率になっております。明らかに中小企業向けの貸し渋りというのが深刻化している。これが、貸し渋り倒産を広げ、中小企業の経営難をますます広げているというのが現状であります。
 融資態度が厳しくなった、貸し渋りをやっている銀行は中小の銀行か大銀行かといいますと、大銀行の比率が高いのです。これは調査でも明らかなように、約六割。都銀、長信銀、信託。第二地銀、信金、信組は合わせて一二%でありますから、明らかに大銀行が貸し渋りをやっている。大手銀行が貸し渋りをやっているために中小企業が痛めつけられている、こういう構図がはっきりとこの調査によって出てきているわけでございます。
 松永大蔵大臣にちょっとお伺いをいたします。
 三十兆円の公的資金投入の枠組みをつくりまして、十三兆円の資本注入の仕組みを決め、一兆八千億の投入を行いました。ところが、二十一行、つまり大手にこのように公的資金が投入されたにもかかわらず、大手を中心に貸し渋りが起こっている。だれが見てもこれは納得できないわけであります。その理由はどこにあるというふうに大臣は考えておられますか。
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 私が先ほど先生に御披露申し上げました数字は、三月の第三週から四週にかけて、つまり、金融システム安定化法に基づく資本注入が現実にはまだディスバースがされていない時点でございます。現実に三月末がどうだったかということになりますと、計数的には若干マイナスの数字が出ておりますが、その中には債権流動化という要素がありますので、実質的には果たしてマイナスになっているかどうか、逆にプラスかもしれません。ただちょっと、分析はまだ十分にはできておりません。
 それで、お尋ねの貸し渋りの原因でございますけれども、三つぐらいあるのではないか、先生御議論がありましたら教えていただきたいんですが。
 一つは、自己資本比率のクリアの問題があったと思います。これは、特に主要行はそれが八%ということですので、一つあった。二つ目は資金調達の問題。つまり、預金等が流出するとか、あるいはコール市場でお金が取れるかどうかという危惧がすごくあったということ、これが二つ目です。三つ目は、加えて、資産効率を上げないと国際競争にこれから勝てないという要素もあるのでございます。
 それで、第一番目の自己資本比率のところは、資本注入によって今回はクリアされた。これが永久にクリアされたかどうかは別として、クリアされたということが言えると思います。二番目の資金調達の方は、金融システム不安が幸いにしてやや遠のいておりますので、その点の緩和は見られます。
 三番目のところなんです。資産をもっと効率化しなければいけないという要請があります。ここで貸し渋り現象が起きると、これは社会問題になる。つまり、中堅、中小企業に、健全なところに対して貸し出しをしないという形で資産を圧縮されるとなると、本来の役割からいっていかがなものかという議論があると思います。したがって、銀行としてはかなりその辺も対応しようとしております。具体的には、資産をもっと流動化してすき間をつくる、あるいは、大企業は社債とかCP、こちらの方で資金調達をしてもらうというような方向で今対応しておるところでございます。
 原因としては三つぐらいかなと思っております。
○佐々木(憲)委員 原因として三つ挙げられましたが、その前提として、先ほど債権の流動化というのがありました。しかし、その債権流動化でどのくらいの額がそちらに移ったかという数字は出せますか。これは出せないと思うのです。したがって、そういう理由は挙げられますけれども、その証明はできないですよね。
 それからもう一つ、資産の効率化という問題がありますけれども、これが問題であって、そこのところについて今大変な貸し渋りを行っているということが各銀行の実態であります、私は幾つか銀行を調べましたけれども。そうなりますと、こういう貸し渋りが現実に中小企業に対して行われているということになりますと、それに対してどう指導するかというのが、これはまた次の問題になってくる。
 大蔵大臣は、参議院の予算委員会で我が党の山下議員に貸し渋りについての答弁をされまして、貸し渋りを行っている銀行に対してきちっと指導していきたい、こういう趣旨の答弁をされたと思いますが、では具体的にどのような対策をとられたのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○松永国務大臣 先ほど局長からも答弁がありましたが、金融システムを安定化させると同時に、自己資本を充実させて貸し出しの力をつけさせ、それを通じて貸し渋りの解消に資したいということで金融安定化措置をとったわけでありますが、今局長も話したとおり、実際に資本注入がなされたのは三月末でした。したがって、四月以降の数字がまだはっきりあらわれていませんので明確なことは言えませんが、世間では、まだ依然として貸し渋りがあるというふうに言われております。
 その原因として、局長が三つ挙げました。その一つ、BIS基準をクリアしたい、その不安から貸し出しを抑制的にしておったという面については、資本注入をした銀行に関する限りはBIS基準をきちっとクリアできたわけでありますから、そういったことで貸し渋りをするような原因というものが除去されてきたと思うのでありまして、にもかかわらず貸し渋りがあるとすれば、これは国民経済にとっても重大なことであるというふうに私は認識しております。
 そういう立場から、また改めて私自身から金融界の幹部に対して、健全な中小企業等への資金供給に支障が生じないようにしっかりやってもらいたいということを強く要請をしたい、こう考えております。近々それをやる予定にいたしております。
○佐々木(憲)委員 では、具体的に厳しい指導をやっていただいて、貸し渋りが完全に解消されるように、中小企業がこんな状況なんですから、そこのところをぜひやっていただきたいと思います。
 最後に、この法案について一つだけお聞きをしたいと思いますが、この法案の中では、第二十一条「経済産業省の編成方針」の四号のところで、
中小企業政策について、中小企業の保護またはその団体の支援を行う行政を縮小しとなっているのですね。しかも五号では、地域の経済及び産業を振興する施策については国の関与を縮小すること、こうなっているのです。
 今中小企業が、先ほど申し上げましたように大変に深刻な状況にある、追い詰められて自殺まで広がっているという状況です。そういうときに、国が中小企業を支援するその体制を、行政を縮小して果たしていいものかどうか、私は根本的に疑問に思います。やはり中小企業の対策というのは前進するように、そこは後退させてはならないと思うのです。この部分は逆に私は強化すべきだというふうに思っております。
 この点で、最後に小里長官の考え方をお伺いしたいと思います。
○小里国務大臣 基本的な方針は先ほど申し上げたとおりであります。
 中小企業施策は前向きできちんと進めます、こういうことを申し上げたわけでございますが、ただいまのお話の中小企業の保護またはその団体の支援を行う行政は、縮小いたしますけれども地域の役割を強化いたしますよと。地域の役割は強化するとともに、新規産業の創出、新規産業を伸ばすこと、言いかえますと新規産業の創出のための環境の整備、これは重点を置きます。ここに重点を置きますよということを申し上げますと同時に、また御承知のとおり、新たに設置される経済産業省においては、基本強化の趣旨に沿って変革を図る、中小企業の強化あるいは活性化のためのもろもろの施策を講じていくべきでありますということをきちんと明記いたしておるところでございます。
○佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、終わります。
○高鳥委員長 次回は、明二十四日金曜日午前九時委員会、午前九時四十分理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時一分散会