第142回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第2号
平成十年二月十八日(水曜日)
    午前九時三十分開議
出席委員
  委員長 安倍 基雄君
  理事 荒井 広幸君 理事 田野瀬良太郎君
   理事 西田  司君 理事 根本  匠君
   理事 桑原  豊君 理事 松崎 公昭君
   理事 河合 正智君 理事 吉田 幸弘君
      岩永 峯一君    岸田 文雄君
      下村 博文君    滝   実君
      橘 康太郎君    棚橋 泰文君
      西川 公也君    林  幹雄君
      村田敬次郎君    渡辺 喜美君
      玄葉光一郎君    永井 英慈君
      渡辺  周君    井上 義久君
      田端 正広君    中島 武敏君
      深田  肇君    前島 秀行君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 亀井 久興君
 出席政府委員
        国土庁大都市圏
        整備局長
        兼国会等移転審
        議会事務局次長 林  桂一君
 委員外の出席者
        衆議院調査局国
        会等の移転に関
        する特別調査室
        長       白兼 保彦君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十八日
 辞任         補欠選任
  野田 聖子君     橘 康太郎君
  村田敬次郎君     古屋 圭司君
  前島 秀行君     深田  肇君
同日
 辞任         補欠選任
  橘 康太郎君     岸田 文雄君
  深田  肇君     前島 秀行君
同日
 辞任         補欠選任
  岸田 文雄君     林  幹雄君
同日
 辞任         補欠選任
  林  幹雄君     野田 聖子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
国会等の移転に関する件
     ――――◇―――――
○安倍委員長 これより会議を開きます。
 国会等の移転に関する件について調査を進めます。
 本日は、首都機能移転の検討状況及び今後の方針について、政府より説明を聴取した後、質疑を行うことといたしたいと思います。
 質疑は、まず、各党を代表する委員が順次質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。
 まず、国土庁長官より説明を聴取いたします。亀井国土庁長官。
○亀井国務大臣 国土庁長官及び首都機能移転担当大臣を務めております亀井久興でございます。
 安倍委員長を初め委員各位におかれましては、国会等の移転に関し、かねてより精力的な御審議をいただき、心より敬意を表する次第でございます。
 我が国の現状は、政治、経済、文化等の中枢機能が東京圏に過度に集中したことにより、人口の過密、生活環境の悪化、大規模災害時における危険の増大等の問題が深刻化する一方、地方における過疎、経済的停滞、文化の画一化等の問題が生ずるに至っております。また、地方分権、規制緩和その他の行財政の改革等を推進することにより、自主的で創造的な地域社会の実現を図っていくことが求められております。
 国会等の移転は、来るべき二十一世紀以降の我が国のあるべき姿を問いかける国民的な課題であり、国土の災害対応力の強化、東京一極集中の是正に寄与するとともに、国政全般の改革と深くかかわる大変意義深いものと認識いたしております。
 本課題の今日までの検討経過を振り返りますと、平成二年十一月の衆参両議院における国会等の移転に関する決議や、議員立法による平成四年十二月の国会等の移転に関する法律の制定などを通じ、国会が主導的な役割を担ってこられました。政府といたしましても、国会等移転調査会での調査審議を初め、国会等の移転の具体化に向けた検討に積極的に取り組んできたところであり、平成八年十二月からは国会等移転審議会において移転先の候補地の選定に関する調査審議を進めているところであります。
 去る一月十六日には、国会等移転審議会が、今後より詳細な調査を行う地域として、国会等移転調査会報告の選定基準や地元の意思などを踏まえた検討の結果、北東地域、東海地域、三重・畿央地域の三地域から成る調査対象地域を設定、公表いたしました。
 審議会では、調査対象地域について、地域ごとの詳細な調査を行い、さらにその後、相互比較、総合評価を経て、平成十一年秋ごろを一応のめどとし、移転先候補地を選定する方針とされております。
 このたびの調査対象地域の設定により、国会等の移転の検討は、具体的な地域に即した検討という新たな段階へと進展を見るに至りましたが、私といたしましても、事務局を督励し、審議会の調査審議が円滑に進むよう努めてまいる所存でございます。
 また、候補地選定段階における土地投機の防止を図るため、調査対象地域の公表に合わせ、関係地方公共団体に対し地価動向の詳細かつ迅速な把握等について指導を行ったところであり、今後も必要に応じて所要の措置を検討してまいる所存でございます。
 一方、移転先候補地の選定とともに重要な課題とされているのが国民的合意形成の推進であります。折しも調査対象地域が設定されたところであり、国民的な議論を呼びかけるには大変よい機会が訪れております。
 国土庁では、去る一月二十六日に東京において本課題についてのシンポジウムを開催したところであり、二月二十七日には大阪においても開催することといたしております。また、こうしたシンポジウムの開催に加え、インターネット等を通じて国会等の移転についての検討状況の周知に努めるなど、機会あるごとに、より一層の国民的な議論を呼びかけてまいりたいと考えております。
 国会等の移転は、国民に夢を与える前向きな政策課題であります。私といたしましては、財政再建期間中の厳しい財政事情のもとではありますが、国会等の移転に関する法律に基づき、国会等の移転の具体化に向けて積極的な検討を行うという国の責務を果たすべく全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
 当委員会におかれましても、本課題について、これまでにも増して活発な御議論が交わされますよう一言お願い申し上げ、私からの説明を終えさせていただきます。
 なお、引き続き、国会等移転審議会が設定をいたしました調査対象地域の内容につきまして、審議会の事務局次長も兼ねております林大都市圏整備局長より御説明申し上げます。
○安倍委員長 次に、林国土庁大都市圏整備局長兼国会等移転審議会事務局次長。
○林(桂)政府委員 それでは、去る一月十六日に国会等移転審議会が設定、公表いたしました調査対象地域の内容を中心にいたしまして、審議会の審議状況について、お手元の説明資料に基づいて御説明申し上げます。ます初めに、国会等移転審議会の審議の流れについてでございます。説明資料の一ページをお開きいただきたいと思います。
 国会等の移転先の候補地の選定に向けた国会等移転審議会の調査審議は、三つのタームに分けて段階的に進めることとされております。
 第ータームでは、概括的な調査を行うこととされており、国会等移転調査会報告の内容の確認を行った上で調査対象地域の抽出、すなわち第二タームにおいて詳細な調査を行う地域を決定することとされております。第二タームでは、第ータームで決定された地域について詳細な属地的調査と現地調査を行うこととされております。さらに第三タームでは、候補地間の相互比較、総合評価を行うこととされております。
 その上で、第ータームから第三タームを通じて首都機能移転の意義と効果について検討を行うとともに、国民的合意形成の状況、社会経済情勢の諸事情、さらには東京都との比較考量の検討を行った上で移転先候補地の選定、最終答申を行うこととされております。
 国会等移転審議会では、平成八年十二月の発足以来、本年一月十六日までに九回の審議会と六回の調査部会を開催し、調査対象地域の抽出、決定を中心的な検討課題としつつ、移転費用のモデル試算等の検討も行われてまいりました。去る一月十六日に調査対象地域が決定、公表されたことにより、国会等移転審議会の調査審議は、第ータームを終えて第二タームヘと進んだところでございます。
 続きまして、調査対象地域の設定の考え方につきまして御説明いたします。説明資料の二ページをお開きいただきたいと思います。
 調査対象地域の設定は、この「調査対象地域の設定の進め方について」の流れに従って進められたところであります。
 ます、東京から三百キロメートル圏内の地域については、国会等移転調査会報告において示されている選定基準のうち、現段階で客観的な指標を用いて示すことのできるものに基づいて調査対象地域候補案の抽出が行われました。
 具体的には、説明資料の三ページにお示ししております「選定基準の整理とそれを踏まえた抽出条件について」の資料のとおり、国会等移転調査会報告の選定基準を整理いたしまして、日本列島上の位置等の移転先の位置の条件に係る項目と、土地取得の容易性等の移転先の新都市の開発可能性に係る項目に分けまして、それぞれの項目について客観的な抽出条件を設定し、この条件に適合する調査対象地域候補案を抽出しております。
 もとに戻っていただきまして、二ページのフローでございますが、これらの地域につきまして、地域ごとの特性把握及びグループごとの特性把握をもとに、首都機能都市としての特性、東京との連携、国土構造上の位置づけ、地元の意思等の観点から検討を行い、当面、詳細な調査を行うことが適切であると考えられる地域を設定いたしております。
 また、三百キロメートル圏の周辺地域で同様の条件により抽出された地域及び地元地方公共団体等が移転先候補地として表明している地域についても特性把握を行い、三百キロメートル圏内で抽出された地域と比較しながら検討し、当面、詳細な調査を行うことが適切であると考えられる地域を設定いたしました。
 さらに、調査対象とされた地域の特性の共通性あるいは隣接状況などから、地域のまとめ方についても検討が行われ、二区分三地域から成る調査対象地域が設定されたところであります。
 次に、調査対象地域の概要について御説明申し上げます。説明資料の四ページをお開きいただきたいと思います。
 さきに御説明申し上げました経緯を経て設定されました調査対象地域は、大きくは北東地域と中央地域の二区分とされております。このうち中央地域につきましては、位置的な状況等から東海地域と三重・畿央地域に区分され、実質的には北東地域と合わせて三地域とされております。
 北東地域は、宮城県南部から福島県を経て栃木県中北部、茨城県中北部に至る東北新幹線等の交通軸の周辺に幅広く広がる地域を中心とする地域であります。この地域は、東京との連携が容易であり、開発可能性に恵まれた地域であります。
 東海地域は、岐阜県南東部から愛知県三河地域を経て静岡県西部に至る地域を中心とする地域であります。また、三重・畿央地域は、三重県伊勢平野中央部から三重、滋賀、京都、奈良の府県境付近に至る地域を中心とする地域であります。これらの地域は、日本の中央に位置し、名古屋または京阪神との連携が容易な地域であります。
 調査対象地域の性格につきましては、説明資料の四ページの上段でございますが、これをごらんいただきたいと思います。
 第一に、今回設定された調査対象地域は、属地的調査、すなわち地域ごとの詳細な調査を行う地域としてとりあえず第二タームに進むに当たって選定されたものであり、今後の社会情勢の変化、調査の進捗状況等によっては追加、変更があり得るものとされております。
 第二に、調査対象地域の区分、名称は、第二タームの検討のために設定いたしました便宜的なものであり、その範囲は、将来、新都市として開発を行う区域だけでなく、既存都市なども含まれる広範な広がりを持つものであります。
 したがいまして、第三に、属地的調査に当たりましては、今後、東京との連携、全国からのアクセス等の交通条件、文化的な一体性・独立性、開発可能性、地理的条件等の観点から地域内を区分した上で、場合によっては、そのうちの一部地域を選び出して行うこととされております。
 なお、調査対象地域のおおむねの位置を図示いたしましたものが説明資料の五ページでございます。参考までにごらんいただきたいと思います。
 最後に、国会等移転審議会の今後の調査審議予定について御説明いたします。
 このたびの調査対象地域の設定により、移転先候補地の選定に向けた審議会の調査審議は第二タームヘと進むことになりましたが、第二タームにおける調査の進め方につきましては、説明資料の六ページの流れに従って行うこととされております。
 具体的には、おのおのの調査対象地域につきましておおむね五つの調査を予定しておりますが、第一番目には、首都機能都市としての理念と我が国の国土・社会構造、文化的特性、あるいは災害への対応力などに与える影響に関する調査でございます。第二に、交通や経済、文化等、地域の全般的な特性に係る調査、第三に、東京との連携、土地取得の容易性、水供給の安定性等の即地的な詳細調査、第四に、自然的環境等への影響に関する調査でございます。さらに、第五番目として、地域ごとの新都市づくりのイメージあるいはコストの検討も行うことといたしております。
 国会等移転審議会の当面のスケジュールといたしましては、四月下旬から五月下旬にかけて関係府県からのヒアリングを行う予定とされております。また、夏から秋ごろにかけて現地調査を行う予定とされております。
 なお、答申の時期につきましては、第九回の審議会において、平成十一年秋ごろを一応のめどとすることとされたところであります。
 以上が、国会等移転審議会が設定、公表いたしました調査対象地域の概要と今後の調査審議の予定であります。
 これをもちまして、私からの説明を終えさせていただきます。
○安倍委員長 これにて説明の聴取は終了いたしました。
○安倍委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松崎公昭君。
○松崎委員 民友連の松崎公昭でございます。トップバッターとして質問をさせていただきます。
 私はまだ一期生でありますので、この委員会ももちろん初めてであります。そしてまた、国会でのこの国会移転に関する状況というのも今回初めて承知したわけでありまして、国会決議に基づいて非常に熱心に、しかもスピードを上げて頑張ってこられたということはよく承知をしたわけでありますが、私は、少し原点に戻らせていただきまして、国民の側から見ますとまだ認識が大変少ない、そういう観点から、少し原則論に戻るかもしれませんけれども御質問をさせていただきたいと思っております。
 もちろん私は、首都東京に一極集中することによるいろいろな弊害、それから、昭和三十五年あたりからの各学者の先生方の遷都論やらたくさんの議論もそれなりに承知をしております。そして現在、首都圏移転の第三次のブームである、そういうことも承知しております。そしてまた、新しい時代には新しい革袋が必要だ、そしてこの首都圏移転を大きなきっかけにしていくんだ、そういうこと。それから、一番は国会の決議、平成二年の決議、これも非常に大事だろう。そしてまた、災害に関しましてはこの東京は非常に危険である、分散の必要性がある、こういったことは、常識論としてはこの移転ということを容認する、これは私もよく承知しているわけであります。しかしながら、どうも今国民の中では、平成五年の細川政権の出現から、特に改革という問題、そして日本の構造を思い切って変えていく、そういう大きな流れの中に今いるわけでありまして、その中にかすんだということもございます。
 ですから、そういう中で、特に私が一番問題にしなければならないのは、どうもこの国会移転の流れが、最初は金丸国土庁長官あたりからの発想であったのではないか、失礼ですけれども若干土建屋的な発想も最初にあったのではないか、そんなふうな感じもいたします。そしてまた、バブル期に四全総、これをきっかけにし、まあ三全総から国土移転の問題はあったわけでありますけれども、この辺のバブル期にまた背中を押した、そんな感じもしております。
 ですから、今大事なのは、そういう流れの中で、あっという間にという印象なのですけれども、もうこういう場所まで、調査の場所が発表されるというところまで来ちゃった。どうも国民と遊離しているのではないか。それと同時に、一番大事なのは、分権でありますとか行政改革でありますとか、今、日本の構造を思い切って変えていくという時代で、今、政府もまた我々も、国会全体も大変な思いをしてその改革の論議をしているわけであります。ですから、どうも前の、昭和五十年代から、首都圏を移転をするんだという、もうありき論でずっと来ちゃっている。しかし、実際の国会並びに社会の情勢は、社会構造を変えようという今の大きな流れの中で、前のままの形で移転をますすればいいんだということではますいのではないか、むしろ分権でありますとか、中央省庁の再編でありますとか、あるいは行革でありますとか、構造そのものを変えて、そしてどういう形の新しい時代になったか、そこで初めてやはり首都を移転した方がいいのではないか、そういうふうに私は見るべきではないか、この問題に関係しまして、そういうことをつくづく今思っております。
 ですから、ありき論、最初からもう移転するんだということではなくて、移転する、その移転をしなければならない状況というのは、冒頭にお話ししましたように、それぞれ意見はあります。ですから、全く否定するものではありません。しかし状況が変わってきた。つまり、日本の構造を本当に変えるんだ、小さい政府にするんだ、そのときに本当に移転が必要かどうかということを改めてそこで議論をして、そして、どうしても時代の転換の一つの象徴として、新しく時代を歩むために首都を移転するんだよ、そういうことになれば国民的合意もできるのではないか、私はそんなふうに思います。
 いわゆる新しい時代が見えてきてから、もう少しその時代をつくってから、行革でありますとか分権を徹底的にすればそれほど東京に集中することもないかもしれません。そういう意味で、これをやめるというのではありませんけれども、もう少しゆっくりとした歩みで、そして今の政治改革、分権促進、あるいは小さい政府をつくる、そういう時代をます優先して、その次に首都の移転というものが初めて形をあらわすのが順序ではないか、そんなふうに思いますが、長官の御意見をお聞かせいただきたい。
○亀井国務大臣 ただいま委員から、過去の経緯を振り返りながらさまざまな御意見の開陳があったところでございますが、私ども、別に最初に結論ありきというような、そういうことで取り組んでいるわけではございません。
 今御指摘ありましたように、まさに行財政の改革を初めとして、さまざまな構造改革が進んでいるさなかでございますし、また、今御指摘のございました地方分権、また行政のスリム化、そうした重要な課題が着々と今前に進んでおるところでございまして、そうした国政全般の改革と深くかかわる大変重要な課題である、そのような認識をいたしておるところでございます。
 もともと、申し上げるまでもございませんけれども、平成二年の国会決議に始まりまして、平成四年の法律の制定、まさに国会主導でこの動きは始まったことでございますから、国会におけるさまざまな御議論というもの、またそれによってつくられてくる国民的な議論、世論の形成、そうしたことに十分な配慮をしながら一つの方向を見出していくべき課題である、そのような受けとめ方をいたしておるところでございまして、国民の合意がなければとてもこうした大きな問題を進めることは難しいわけでございますから、今委員が御指摘になりましたとおり、さまざまな国政全般の改革と深く関連をさせながら、私どもとしてこの課題を深く受けとめておるところでございます。
○松崎委員 一通りの御答弁でございましたけれども、私は千葉県に住んでおる関係もございますけれども、国会等の移転が正しい選択なのかどうかという原則論がまだまだたくさん渦巻いている。特に一都三県は、展都論、分都論が盛んでございます。
 そういう中で、しかも、先ほどもお話ししましたが、特に平成五年の細川政権ができて以来、行革あるいは日本の構造改革だということで激しく国会の方は動いた、正直言いまして。移転審議会は八年から動いておるわけでありますけれども、あるいは移転調査会も何回もやっておりましたけれども、この動きは、そういう国会での重立った動き、政治の方もがたがたしておりましたから、大きな動きの中では非常にかすんでいた。ですから、国民的な議論はまだ一部の人たちではないか、私はそういうふうに思っております。そこへこの財革法の関係で三年延ばしが出てきたわけであります。
 私は、それを逆に災い転じて福じゃありませんけれども、延ばしたこの三年をぜひ国民合意の形成のためにもつと徹底的に、こういう委員会もそうでありますけれども、国民の中で本当に是か非か、あるいは正しい選択なのか、そういうことを議論をしていくべきだろう、そんなふうに今思っております。特に、この問題は東京の問題でありますので、皇室の問題等もかかわりを持ってまいります。それを突き進みますと憲法の改正の問題までかかわっていくそういう問題、あるいは国民投票までするくらいの重みがあるのじゃないか、そういう議論もあるわけであります。ですから、どうしてもここで国民の合意形成をぜひ必要とするんだ、私にはそんなふうに思えてならないわけであります。
 そこで、先ほどの財革法の問題でありますけれども、橋本総理もこの首都機能の移転の問題では非常に力強く発言をしていらっしゃったわけであります。何としてもその実現をするんだ、あるいは行革ビジョンの中でも省庁再編と首都機能の移転は一体のものだ、そこまで意気込んでいたわけでありますから、私は三年間の猶予があるということは非常に大事だろうと思いますけれども、国の立場としては、この橋本総理が熱を入れておりました移転の問題と財革法とのかかわりが、国家プロジェクトを普通のプロジェクトと一緒のように意義づけて、大事な百年の大計とおっしゃっている割にはこの財革法の問題から一緒くたにして延ばしてしまったということ、私は延ばした方がいいと思いますけれども、その辺非常におかしく感じるわけであります。
 ですから、担当の方といたしましては、この三年間延ばしたということに関してどういう対応なり印象をお持ちなのか、お答えをいただきたいと思います。
○林(桂)政府委員 首都機能移転問題と財政構造改革の関連性についてのお尋ねでございますが、当初首都機能移転につきましては、国会等移転調査会におきまして報告書が出され、その中で、世紀を画する年に国会を移転する事業に着手し、二〇一〇年ごろに国会を開設するというようなことが明らかにされておったところでございます。しかしながら、昨年の六月に財政構造改革の御議論がございまして、その中で、少なくとも財政再建期間中、すなわち二〇〇三年までは新たな建設の事業に財政資金を投入しないということが決定されたところでございます。
 そういう意味で、着手の時期は、二〇〇〇ないしは二〇〇一年ということから、早くとも二〇〇三年以降ということに決められたわけでございますが、一方で、その間におきましても候補地の選定等の必要な準備は進めるということで閣議でも御確認いただいて、進めさせていただいているところでございます。その意味で、着手の時期は少しおくれましたが、必要な準備は進めるという考え方で、現在国会等移転審議会を中心にいたしました検討を進めているところでございます。
 そもそも、二〇〇一年の着手ということにつきましては、この大きな事業の準備期間ということから考えますと、かなりハードな、厳しいスケジュールであったというふうに私どもは理解しております。例えば、候補地が選定されました後でも環境アセスメントを行う、これも最低二年はかかる仕事でございます。都市づくりのマスタープランを作成する、それから、いろいろ設計等の問題にもかかる。地元と交渉して用地を確保していくというようなことなどを考えますと、非常に厳しいスケジュールであったわけでございますので、財政構造改革の観点で着手の時期が若干ずれるということはありますけれども、むしろそれは非常に、先生おっしゃいましたようないい機会ととらえて、必要な準備をきちっとやるということに充てるということで適切な首都移転が実現するのではないかというふうにも考えておりまして、そういう意味で前向きに受けとめているところでございます。
○松崎委員 質問時間が来ました。ぜひその三年間をうまく活用して国民合意形成のために頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
○安倍委員長 これにて松崎君の質疑は終了いたしました。
 次に、荒井広幸君。
○荒井委員 自由民主党の荒井広幸でございます。大臣に御質問させていただきたいと思います。
 先ほどお話にございましたが、ある意味で少し熱が冷めてきておるのかなという、これは不安でございます、危惧でございます。実は我々、進めなければならないというきちんとした理念を持って国民の皆さんにもお訴えをしているのですけれども、我々国会も十分感じておるわけでございますが、国民的な一層の熱が盛り上がるような取り組みというのが必要ではないか。大臣も先ほど、国民的合意形成を非常に重要視している、こんなお話があったわけでございます。
 そこで大臣に、今後どのようなスケジュールで具体的に進めていくのか、これを聞くと、ああやってくれるのだな、こう思います。それらに触れていただきながら、大臣の首都機能移転に対する取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
○亀井国務大臣 冒頭の御説明でも申し上げたわけでございますが、今日まで、国民的な議論を盛り上げていきたいというようなことで、国土庁といたしましてもいろいろなことをやってまいりました。世論調査の実施とか、あるいは講演会とかシンポジウムの開催とか、そうしたことで広報及び公聴活動はやってきたところでございますが、今度の調査対象地域が設定をされたという大きな節目を迎えたわけでございますので、このことが国民の議論を盛り上げていく絶好の機会ではないか、そのように受けとめておるところでございまして、今後とも、国会等移転審議会の公聴会等も開催をすることにいたしておりますけれども、機会あるごとに国民的な議論を盛り上げていくために努力をしてまいりたいというように思っておるところでございます。
 また、今後のスケジュールのことでございますが、先ほど局長の説明にもございましたけれども、四月から五月にかけまして関係府県からいろいろ御意見を承る、そういうこともやってまいるつもりでございますし、また、夏から秋ごろにかけましては現地調査も行いたいということでございまして、調査をこれからそういうことで進めてまいるわけでございますが、移転先の候補地を最終的に決めるというそのための答申の時期につきましては、大体来年の、平成十一年の秋ごろというように考えておるところでございます。
○荒井委員 粛々と進めていただくということですが、熱があって初めて進みますので、本委員会としてもいろいろな工夫もまた必要だなと思っておるところでございます。
 大臣の冒頭の御説明で夢をということで、これは本当に大切だと思うのです、夢。しかし、それが日付を入れていくことによって現実になってくる、こういうことでもございます。
 同時に、大臣の冒頭の御説明で、インターネットを使って周知もしているんだ、このようなお話もありましたが、私は、この情報通信、インターネットなどというのは、多分、国会移転を当初考えていたときには全く、村田先生もいらっしゃいますが、当初の時代には考えられなかったと思うのですね。それぐらい情報通信の飛躍的発展、改革というものは目覚ましいものがあるわけでございます。
 例えば、今もう既にデジタル革命などと言われていますけれども、我々のライフスタイルまで変わっている。アメリカでは、スーパー情報ハイウエーというようなことを含めて、産業のみならず社会全般がもう改革期に入っているし、我が国も、我々も体感をしているのでございます。そうしますと、新都市ができるころ、そのころにはデジタルネットワークといいますかコンピューターネットワークで、例えば仕事にしても、在宅で仕事をするということになってくる時代でございます。となれば、移転をする役所の方々も在宅でということも当然考えられるものもあるわけです。こういったことも今回の第二タームにおける調査の進め方の中の林局長の説明にもありましたが、一つ重要な検討課題にも入っているのです。
 しかし、それが非常に目まぐるしく変わっていますから、私は、そういった意味におきましては、熱を上げるという、国民的合意をいただくという意味でも一つの工夫がもっと必要だと思うのです。それは、全国各地に首都機能の移転先を分散させる、中核は一緒に移転するとしても、それ以外のものは全国に分散配置をすれば四十七都道府県が盛り上がるのではないでしょうか、三地域だけではなくて。私はこれをデジタルネットワーク、デジタル分都論というふうに言っているのですが、分都的な要素を加味した首都機能移転というものを考えていかなければならないというふうに考えているところでございます。
 また、そういったことによって、ああ我が県にも、我が町にもこういったものがなるほど首都機能移転によって来るという、来るというだけでは本当は意味がないのですが、我々が効率化していくんだ、国全体が活性化していく、我々も利便性を受けられる、世界にも誇れる、貢献できる、そういったものを体感できるような意味では、このデジタル分都的視占を入れた移転ということがまた国民の皆さんの熱意、関心の高まりということにもなってくると思いますけれども、この辺、いかがお考えになりますか。
○林(桂)政府委員 首都機能移転の検討の中に分都的な考え方を導入してはどうかというお尋ねだと思います。
 これにつきましては、現在、国会等移転審議会で候補地の選定等を進めておりますが、そのもとになりますのは国会等移転調査会の報告書であるわけでございます。先ほどの分都のことに関しまして、調査会の報告書では、国家機能の円滑な発揮を確保するためには、国の中枢機能が一体としてその効用を発揮していく必要があることなどの理由から、三権の中枢を分離することは適当でないというような記述がなされているわけでございます。
 国会等移転審議会は、その調査報告を踏まえた検討をしていくということが国会等の移転に関する法律第十四条においても義務づけられておりますので、現在の審議会の検討は、分都論ではなくて一体的な首都機能移転ということを前提にした検討が進められてきているところでございます。
 それが現状でございますが、先ほど先生の御指摘のような情報通信社会の技術革新は目覚ましいものがあるということも確実なことでございますので、首都機能移転の検討に当たりましては、そういったような情報機能の高度化を十分に踏まえた新都市づくりのあり方、あるいは新都市から他の地域へのコミュニケーションのあり方といったものは、これはやはり十分に検討していく必要があろうかと思いますが、その中枢となる機能の移転の問題に関しましては、やはり一体的な移転ということが前提になって調査されているということは、現在の制度の枠組みからいえば、そこは審議会の検討としてはそういう形でさせていただく必要があるのではないかなというふうに考えております。
○荒井委員 この点は私若干異議がありますので、縛りをかけられているという意味ではお尋ねする我々の側に責任があるのかもしれませんが、それはちょっと後ほどに移します。
 国会等の移転に関する法律では、私は、これは非常にいきさつがありましたけれどもよかったことだと思うのですが、第二十二条、「東京都との比較考量を通じて、移転について検討されるものとする。」また、社会情勢の諸事情に配慮し、こういうふうなこと。こういうふうなことは非常に私は、冷静な中で、前向きな意味で評価をしているのでございます。
 実際、移転先と東京、あるいは東京圏といいましょうか関東圏といいますか、対立したり二者択一的な話をする時代ではもうない。先ほど言いましたように、もう既に情報通信ネットワークによって、例えば情報の流れなどというものも、東京だあるいはどこだなんというような発想は全くなくてもいい時代に入ってきているわけです。そういう意味で、東京と移転先という、常に二律背反とまでは言わないとしても対立するような風潮、あるいは二者択一的なとらえ方ということについては私はとるべきではなかろう、それよりも、両者が適当なあるいは適切な連携、そして補完、こういった関係にあって初めて国土の再編、そして社会の再構築が成るんだ、こういう視点に立つべきであろうと思いますが、いかがでございましょうか。
○林(桂)政府委員 先生の御指摘のように、移転先の新都市と東京都との関係につきましては、国会等の移転に関する法律の第六条で、「国会等の移転先の新都市と東京都との機能面での連携を確保する」ことということが検討の際の重要な配慮事項として規定されているわけでございます。これを受けまして、国会等移転調査会の報告におきましても二つのことを申しておりますが、一つは、新都市の建設段階で比較的長期間にわたって新都市と東京に分立する首都機能の存在、いわゆる重都関係と申しておりますが、そういったような関係があるということ。それから二番目に、その後新首都が完成した後も、行政、政治の拠点としての新都市と、それから経済、文化の拠点としての東京との並立、その関係で、相互の機能分担と連携の必要性という二つの点から東京との連携の必要性が言われているわけでございます。そこで、例えば候補地の選定に関しても、東京とは一定の距離を置きつつも、連携の確保できる位置が必要であるというような御提言もされているわけでございます。
 そういうようなことで、今回、東京との連携という観点も考慮いたしまして調査対象地域の設定が行われているところでありますし、今後とも引き続き具体的な調査の段階に入るわけでございますが、このような趣旨を踏まえて、具体的な候補地の選定のための検討がなされるものと考えてございます。
○荒井委員 例えばそういうことが書いてあるということをなかなか御存じない方もいるわけですね。かなり検討してこの法律もつくられているし、審議会もいろいろな検討をしているということで、そういう広報も非常に必要だと思うのです。
 そこで、最後になりますけれども、先ほど大臣、局長からもありましたけれども、移転対象範囲は、国会、内閣との関係で中枢性の高い政策立案等に係る機能などとしているわけでございます。しかし、今度は行政改革が、いわゆる基本法的なものがもう国会にかかる。そして、来年には設置法でございます。各役所がどんな仕事をするかと。その基本的な、行政改革会議の最終報告ではこのように言っているわけですね。「政策の企画立案機能は主として本省に、実施機能については可能な限り外局、独立行政法人等の組織に分離することとする。」ということで、アウトソーシングなどを言って、いわゆる独立行政法人なども明確にもう言っているのですよ。
 早くしないと間に合わないのじゃないですか。我々の方の受け皿をしっかりしないと、もう既にどんなものを移転するかということで、我が方も言っていましたが、もう行政改革会議では、こういうものが企画立案機能であり、中枢であるということを言っている。そういう意味では、もう段取りが、あるいは中身が詰まってきているということなんです。これは大臣、移転に対しての審議もかなり進めていかなければ、車の両輪ですから、行政改革と首都機能移転は車の両輪ですから、これは私は、こっち側がおくれてくる、むしろ国民の要求にこたえられなくなるおそれもあるというようなことまで思っているのです。
 また、先ほど局長のお話にもありましたけれども、今サイバースペースという言葉があるのです。お店を持たなくても、仮想空間上で画面を見て買い物をするというサイバーモール商店街なんというのもできる時代なんですね。そうなると首都機能の移転という、箱物の移転と言っていること自体が私は時代がおくれていると言うのです。ただ、仕事をする人間がいますから、当然にそういう都市的な発想は必要なんですが、それは二次的なものだと私はむしろ申し上げたいのです。
 そうなるとすべて検討項目が変わってまいります。しかし、そういうことが私は本当の時代なんじゃないか、このように思っているわけでございまして、このデジタルネットワークあるいはコンピューターネットワークというものが大改革を我々に迫っているんだ、生活様式、考え方まで変えているわけでございます。医療法だって変え左ければなりません。触診をしなくても遠隔医療ができて、これが診療報酬で加算されるようにしたければならない。
 こういう時代の新都市像というのは、移転という中身じゃなくて、どんな働かせ方をするのか、こういう視点からの議論というのが非常に必要だということを申し上げて、国家百年の大計でございますし、また災害対応能力、危機管理、いろいろな課題をしょった重要な、やるべき首都機能移転でございますので、総理のおとといの施政方針演説では、ちょっと私はトーンダウンのような感じがして残念なんですが、総理が、首都機能移転への取り組みも含め実施してまいります、必ずやってまいります、こういう気概が私は必要だと思うのです、その必要性において。
 最後に、大臣の改めての御決意をお願い申し上げます。
○亀井国務大臣 大変貴重な御意見を承ったわけでございますが、今委員御指摘になりました情報化の進展、特に電気通信を初めとするさまざまな新たな情報のネットワーク、こうしたものによって生活様式もすっかり変わってくるわけでございますから、そうしたことも十分に踏まえた議論をしていかなくてはいけないということはまさにそのとおりだろうと思っております。
 それからまた、中央省庁の再編のこと、そして地方分権、そうした動きが今着々と前に進んでおるわけでございまして、まさにそのことと首都機能移転の課題というのは、御指摘になりましたように車の両輪と言ってもいいわけでございまして、どちらがおくれてもなかなか思うように進まないということでございますし、また、相互にそれを促進する役割というものも果たしているのではないか、そのように受けとめております。今御指摘になりましたような改革の動きの進展というものを十分に踏まえながら、そのことに対してこの首都機能移転がおくれをとらないように十分に私といたしましても努力をしてまいりたい、そのように考えております。
○荒井委員 終わります。
○安倍委員長 これにて荒井君の質疑は終了いたしました。
 河合正智君。
○河合委員 新党平和の河合正智でございます。
 長官から最初御説明いただきましたように、北東ブロック、東海ブロック、三重・畿央ブロック、計三ブロック十一地域を選び、夏から現地調査を始め、明年秋ごろをめどに候補地を一、ニカ所に絞り、首相に答申するという段階を迎えたわけでございますが、現在日本が置かれております大変な財政難の中で、首都機能、すなわち国会、最高裁判所、官邸、中央省庁すべてを移転する最大ケースでは十二兆三千億円、第一段階の国会を中心とした移転だけでも四兆円ということでございまして、私は、この段階に来まして、先ほど各委員のおっしゃっておりますように国民的世論を形成するという意味におきましても、首都機能移転の再定義と申しますか、これが絶えず図られていかなければならないのではないかという観点から御質問申し上げたいと思います。
 御案内のように、一九八〇年代後半から東京一極集中に伴う地価の高騰というのがございました。そうしまして、一九九〇年十一月に国会の決議がございまして、九二年十二月にその法律ができたところでございますが、この間、日本を取り巻く、特に経済的状況というのは極端な激変をいたしております。すなわちそれは、一言で申し上げますと、バブル崩壊による複合不況が長期不況となって、日本発の世界恐慌が起きるのではないかと危惧されているような状況に至っているわけでございます。
 これは、例えば一九八四年六月一日から開始されました円転換規制の撤廃、また一九八五年九月のプラザ合意によって急激な円高がもたらされまして、それによる外国為替差損の発生、これは一兆七千億円に達していたと言われております。八七年十月十九日のアメリカのニューヨーク市場におきますブラックマンデーは、そのプラザ合意に基づく為替差損の再現を恐れてアメリカ財務省証券の大量売りを引き金としたことによるのだと検証されているところでございます。同じく東京におきましても、東京市場もブラックマンデーを経験し今日に至っているわけでございますが、この日本を取り巻く状況の決定的な変化、それから一九九五年の阪神・淡路大震災を経験しまして、私どもは首都機能というものを危機管理という観点から改めて論じなければいけないということまで論点が深まってきているわけでございます。
 また、昨日、中央省庁等改革基本法案が国会に提出されました。しかし、ここでは地方分権に関する観点が欠落していると批判されております。すなわち、中央集権システムを是正していくことが二十一世紀のシステムづくりのためにどうしても必要だという観点が欠落しているという点でございます。そして、先ほど申し上げました長期複合不況から脱出して日本が経済再建していくために、まさしくこれも二十一世紀のシステムをいかにつくっていくかという観点が不可欠でございます。
 そういった観点からこの首都機能移転ということを私は再定義すべきであると考えますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。―――――じゃ局長お願いします。
○林(桂)政府委員 首都機能移転の今日的な意義について再検討していく必要があるのではないかという御指摘でございます。この点に関しましては、もう御案内のとおりでございますが、国会等の移転に関する法律には前文というものがございまして、この中で首都機能移転に関する意義が書かれているわけでございます。
 その中では、大きく申しまして三点、つまり一極集中の排除ということ、東京の一極集中というものによるさまざまな諸問題をこれによって解決するということ、それから地震等の大規模災害に対する脆弱性の克服、国土の災害対応力の強化といった問題、この点に関しましては、阪神・淡路の災害を踏まえて危機管理的なものがますます重要になっていくというような認識なども前文の中に述べられているところでございます。さらに、地方分権その他の行政改革については、それが非常に重要なことであって、首都機能移転というものを活用してそういった諸改革を進めるべきであるというような指摘、そんなようなものが国会等の移転に関する法律の中に盛り込まれているわけでございます。
 そういったことにつきまして、今日的にかなりの変化を見ている部分もおっしゃるとおりありますけれども、基本的にはそういったことがやはり同じような形で、必要性なり緊急性という問題も含めまして存在しているという認識を持ってございます。
 したがいまして、そういうことで、基本的な考え方としては、首都機能移転の今日的な意義というのは非常に高いものがあるというふうに考えておりますが、先生が申されますように、国民的合意の形成の促進に向けて、やはり常にそういった疑義については問いかけ直して、新しい今日的意義ということを見定めて議論をしていくということは大変重要なことであろうと思いますし、国会等移転審議会の中でも、先ほど申しましたように、首都機能移転の意義と効果ということを第ータームから第三タームを通じてそれぞれの段階で改めて議論し直すという格好にもしておりますので、そのような考え方を踏まえまして進めていきたいというふうに考えております。
○河合委員 大臣に二点につきまして御質問させていただきたいと思います。
 一つは、先ほど林局長もおっしゃっておりました国の中枢を一体として移転するのだということでございますけれども、また荒井委員がおっしゃっておりました分都的な構想という御質問もございました。私もやや似ているわけでございますけれども、今日本経済、たとえ銀行の不良債権が解消いたしましても、地方経済というのは完全に打撃を受けております。したがいまして、その地方の雇用創出といった観点からも私は、イギリスの一九七〇年代前半に起きました不況を脱却するためにサッチャー政権が用いた手法、それは財政再建を目指すといった観点から省庁にコスト削減を要求して、それを実現していきました。確かに、ロンドンに国家のアイデンティティーとしての首都というものはきちっと残しながら、各地に非効率であることは百も承知の上で国家機能を分散していって、それを地域経済の振興もしくは雇用の創出に役立ててイギリスの再生を果たしたという実績。長官はイギリスの歴史また現地の状況にまことに造詣の深い大臣だと思いますので、このイギリスの状況につきまして御意見をお聞かせいただきたいと思います。
 また、一九〇三年にライト兄弟が初めて飛行機を飛ばしました。そして、一八七六年にベルが電話機を発明してから、今日、衛星から情報また通信、放送が全世界を駆けめぐる時代を迎えました。同じ時代に、例えば一八六九年に大蔵省が設置されたわけでございますが、人間のシステムというのは崩壊をしている。しかし、この技術革新というのは文明を工業社会から情報社会に変えるという進展を遂げている。まさに二十一世紀の日本、世界というのはどういう社会なのかということを見きわめた上でこの首都機能移転ということを論じない限り、私は非常に現況に即さないものになってしまうと思われます。
 マハティール・マレーシア首相は、マルチメディア・スーパー・コリドール計画で情報大国を目指しております。これは、例えばMSC計画、プトラジャヤという首都機能を新たに都市として設けて、国際空港と情報都市、サイバージャヤを結ぶこのトライアングルで二十一世紀の情報大国を目指しているわけでございますが、この情報ネットワーク社会、荒井委員もおっしゃったとおりでございますが、この時代には恐らく、仮にどこに首都機能が移っても、本来情報社会が進展すれば日本列島というのはむしろ一つの情報拠点として機能していくのではないかと思われます。環境等二十一世紀の状況は大変な変革を遂げていくと思われますが、とりあえず情報社会を踏まえた上でこの首都機能移転はどのようにあるべきとお考えでございますか。二点お伺いさせていただきます。
○亀井国務大臣 大変貴重な御意見を承ったところでございますが、首都機能移転の一つの目指すべきものとまたその背景にあるもの、いろいろ変わってきている面は確かにあろうと思うわけでございまして、災害対応力を強化するという面に特に重点を置くべきではないかという冒頭での御指摘もあったわけでございます。その点私も全く同様に考えておりますし、またそれに加えて地方分権とのかかわりにおいての御指摘でございますが、このことも大変重要なことだというように私も受けとめております。
 御承知のとおり、地方分権推進委員会の勧告がございまして、その勧告によりましても、勧告が実現をされても中央集権システムの変革という課題から見ればいまだ出発点に立ったにすぎないというように言われているわけでございまして、首都機能移転というのは、国会や行政機関の物理的な移転を行うということによりまして、現在の地方分権の動きというものをまたさらに促進をするという受けとめ方もいたしておるところでございます。
 また、言い方はちょっと悪いのかもしれませんが、どうしても現在の社会の中に、東京が中心であるということから、何か地方と中央との序列意識のようなものがあるような感じもするわけでございまして、そうしたことが、いわゆる地方分権の動き、それが現実に根づいていくということの中でそうした国民の意識そのものが変わっていくということも私は大変重要なことではないかなというように思っておるところでございます。
 また、イギリスのことにお触れになったわけでございますが、もう委員御案内のとおりでございますけれども、イギリスにおきまして、むしろ地方振興という観点から、国家の中枢機能というよりもむしろ事業の実施部門と申しますか、いわゆるエージェンシーということも含めてでございますけれども、比較的独立性の高い、そういう部門について地方分散を進めているというようなことだと思っております。
 その点は、私どもの首都機能移転というのは、そうした部門というよりもむしろ国家の三権を初めとする中枢機能を移転するということで今日まで御議論をいただいておるところでございますので、その点はイギリスと多少、多少と申しますか、背景が違うのではないかというように思っておりますけれども、いずれにしても、これから地方分権が進められていく中でそうしたいわゆる事業部門等についての地方への分散という動きはこれから我が国におきましても進んでいくものであろう、そのようには受けとめておるところでございます。
 それからまた、情報化が進んでいく中で電気通信のネットワークを初めとするさまざまな変化というものが今後起こってくるわけでございますから、そのことは先ほど荒井委員にも御答弁申し上げましたけれども、やはり首都機能移転について当然重要な課題として検討をしていくべきものだろう、そのように思っておるところでございます。
○河合委員 質問を終わります。
○安倍委員長 これにて河合君の質疑は終了いたしました。
 吉田幸弘君。
○吉田(幸)委員 自由党の吉田幸弘でございます。早速質問に入らせていただきたいと思います。
 国会等移転の審議会において、先月の十六日に、今後詳細な調査を実施していく地域を三つ、三地域を公表いたしました。この三つの調査対象地域は調査会報告に示された選定の基準に基づいて設定されたと聞いております。それぞれの地域は国土上の位置や東京との関係などいろいろな面において異なる特性を有していると思います。今回調査対象となった三地域において、先ほどの説明の中に、比較対照していくというのは第三タームにおいて行うとありましたが、現時点においてそれぞれの比較を含めたどんな特徴を有しているのか御説明をいただきたい。
 さらに突っ込んだお話になりますが、どこがこの地域になったら、不都合があるのかというところまではお聞きしませんが、こことここを比べるとこちらはどうなんだというような感じで御説明をいただきたいと思います。
○林(桂)政府委員 先ほど御説明したところでもございますが、相互の地域の比較ということにつきましては、詳細な調査を踏まえた上での第三タームにおける比較ということになりますので、余りはっきりした御説明を今の段階ではできないということを御了解いただいた上で幾つかの点について話をさせていただきますと、先ほど御説明した説明資料の中にもあるとおりでございますが、基本的に、北東地域につきましては、東北新幹線等を交通軸としての東京との連携が非常に容易であるといったようなことが備考のところに記載されておりますが、そういう特色。また、その周辺に広大な開発可能地が比較的連続して存在するといったような意味で、豊かな自然条件を生かした整備が可能である、開発可能性に恵まれた地域であるといったような特質があるかと思います。
 また、中央地域につきましては、これは東海地域、三重・畿央地域共通のものでございますが、日本の中央に位置するということで、全国からの参集が容易であるといったようなことの特色があろうかと思います。この新都市のイメージとして、開かれた国会都市ということなどが大きな課題になろうと思いますけれども、そういうことを考える上でも、全国からの参集が比較的容易であるということは大きな特色ではないかなというふうに思います。
 また一方で、この地域につきましては、それぞれ東海、三重で差はございますが、名古屋なりあるいは京阪神との連携が容易であるということで、都市基盤整備等についても、そういった既存の都市基盤の活用というようなことの期待もできるというようなことも一つの特色であろうかと思います。
 現在の段階では、非常に大まかな観点でございますが、そういった特色は挙げられるであろうと思いますが、詳細については、第二ターム、第三タームの検討にまっということになろうかと思いますので、よろしくお願いします。
○吉田(幸)委員 詳細についてはこの先ということですが、ただ、この審議会で平岩会長から、来年秋をめどにこの審議会の答申を出したい、このような発言がなされたと聞いております。また、それぞれの地域においてより詳しい現地調査を行うとなると、相当の期間、また調査のための多額の費用が必要になってくるのではないかというふうに思います。調査の内容も多岐にわたる。また、先ほどいろいろな委員の先生方からお話があるように国民への周知徹底、これを含めて、来年の秋までの短い期間ではいささか期間が短過ぎるのではないかというような気がしております。ただ、今までと同じようなスピードで事を進めるに当たってと一言つけ加えさせていただきますが、私は、十分な調査を行うことができないのであれば、多少その時期を延ばしてもいいのではないかというふうに考えます。事務局としてはどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○林(桂)政府委員 先ほども御説明いたしましたように、最終的な答申、これは予定ということではなくて一応の作業上のめどということでございますが、来年の秋までにということで審議会で決めております。それまでの間、詳細な現地調査あるいは属地調査等を行う必要があるわけでございますが、おっしゃいますように、かなり膨大な調査になるということは予測しております。したがいまして、地方公共団体に御協力をお願いして、その御協力のもとに進める必要があろうかというふうに考えております。
 とりあえず作業的にはこの程度の期間があれば一通りのことは可能ではないかというふうに考えてそういった期間の設定ということを考えておりますが、現実には調査をしてみた段階でさらにいろいろ詳しいことが必要であるというようなことが出てくるかもしれず、その辺につきましては、調査をしながら必要に応じてはいろいろ期間の変更ということもひょっとしたらあるかとも思いますけれども、当面の作業のめどとしてということで、それらの期間を目標としてただいま念頭に置いているというような状況でございます。よろしくお願いします。
○吉田(幸)委員 では、その最終的な移転先候補地の答申がなされて、その後国会において移転が決定された場合に、建設開始から十年後に新都市における最初の国会が開催をされるというようなスケジュールが想定されていると聞いております。この場合、財政構造改革期間直後から着工をいたしますと二〇一四年ころには最初の国会が開かれるのではないかというふうに予測されます。
 またこれも、多くのというか、先ほど質問をされた委員の先生方と同じような質問になるかと思いますが、この二〇一四年ごろ我が国は一体どんなようになっているのだろうか。特に、新都市やそこに新しく建てられる国会議事堂なんかは我が国が世界の英知を集結したものであってほしいと私自身も願います。国民も願うかと思います。その非常に夢のあるような新都市の計画を、その姿をできるだけ早い時期に国民に見せて、またあわせて、情報通信の分野で、今確定するわけにはまいりません、ただ、こんな感じになっているんだと、例えば未来SFドラマみたいな感じにしろということまでは言いませんが、大体の予測をしていただきたいと願っておるわけであります。
 例えばインターネットなんかは十年前なんてほとんど考えもしなかったことでありますし、また医療の分野において遠隔治療云々ということも十年前は全く予想もついていなかったことかと思います。二十年先、二十年とは言いませんが、十五年、二十年先のことを予測しろというのもまた困難な話でありますが、我々の責務として予測はしなければいけない、これも心していろいろな方々に説明をさせていただいているわけであります。
 ただ、一方、情報通信の分野が過度に進み過ぎることによってよくないことも起こってくるのではないか。私、この職の前には医療の関係の場で働かせていただいておりまして、ふとした雰囲気、例えば開業医をやるにおいても、顔色をうかがってということがございます。患者さんを診断するときにも顔色をうかがって診断をする、治療をするということがあります。このことをあわせて、将来の我が国というもののあり方、あるいはそのときの都市のあり方、特に交通あるいは通信、このことについてどんな感じになっているのか、夢のあるようなお話を聞かせていただきたい。
 時間の都合で次の質問とあわせて御質問させていただきますが、これをいかに国民に周知徹底するか。PRの作戦というか戦略、その計画をあわせてお聞かせいただきたいと思います。長官にお願いいたします。
○亀井国務大臣 ただいま、情報化が進展していく中で想像もつかないようなそういう姿が十年、十五年先には出てくるというような御指摘がございました。
 まさに私もそのとおりだろうと思っておりまして、他の委員からも御指摘がございましたように、情報化の流れというのは本当に想像もつかない速さで進んでいくわけでございますから、そういう中で新しい都市のイメージをどのように持つのかということは、なかなか今こうなりますということが大変言いにくい、またそれは不可能であろうと思っておりますが、現在、審議会におきましてもその新都市のイメージをどうするかということは非常に大きなテーマになっておりまして、そのイメージをしっかりつくりながら、国民にそれを提示して、そしてまた国民のコンセンサスづくりを進めていくべきであろう。こういう御議論は審議会でも活発に今行われているところでございまして、そうした審議会の動きを私どもといたしましてできるだけ国民に知っていただくということが大切なことだろうと思っております。
 今日までいろいろPR等については努めてきたところではございますけれども、やはり国家百年の大計という大きな課題でございますから、国民の合意がなければとても実現をさせることは不可能なことでございますので、今調査対象地域が設定をされたといういわばいいチャンスでございますから、そのチャンスをとらえて国民の皆様方の活発な御議論が展開されていくようないわゆる広報活動にも積極的に努めてまいりたい、そのように思っておるところでございます。
○吉田(幸)委員 具体的に、夢のある、夢のあると、そこにこだわるのですが、都市を計画する部署というのは分けて設置されておるということですか、審議会の中に。
○林(桂)政府委員 例えば先生のお尋ねの情報の関係でございますが、国会等移転審議会の中には情報の専門家の方が委員として入っておられます。その方のお話でも、今新しい都市をつくって最新の情報のネットワークというものを整備していけば世界一の情報都市が出現する可能性はあるというような御指摘も審議会の中でされておられます。
 具体的にどういうものを導入していくかというようなことについてはまだ具体的な姿は出てきておりませんけれども、そういった情報の専門家の委員の方を中心にした検討会みたいなものもできれば設けて、その中で、新しい町における情報システムのあり方、あるいはさらにその都市から全国各地へのネットワークのあり方、今先生がおっしゃいますようなソフト的なものも含めた検討もやはり必要だろうと思います。そういうハード、ソフトを含めた情報のシステムのあり方について、どこまでできるかということにつきましてはまたいろいろ限界もあろうかと思いますが、できる限りの検討をその中でしていくという形で進めさせていただくことになっておりますので、よろしくお願いいたします。
○吉田(幸)委員 では、終わります。ありがとうございました。
○安倍委員長 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。
 中島武敏君。
○中島(武)委員 ます、長官にお伺いいたしたいと思います。
 今、日本の財政は破局的な危機にあります。だからこそ、昨年の臨時国会は財政立て直しが主要な課題となったわけです。国の長期債務は九八年度末で三百八十九兆円、地方の長期債務百五十六兆円、ダブりを差し引いて、合わせて五百二十九兆円、ついに国民総生産比一〇一・八%と、国民総生産を超えるに至っております。
 橋本内閣は、財政構造改革法で、二〇〇三年に赤字国債をゼロにすることを目標に、医療、福祉、年金を中心にすさまじいばかりの切り込みを行い、国民の犠牲による財政の立て直し路線をしきました。同時に、財政再建との整合性から、首都移転についても建設着手を二〇〇〇年から二〇〇三年に延期せざるを得なかったわけであります。ところが、今国会でも橋本内閣は、銀行強化のために三十兆円もの公的資金の投入を押し通しました。これが財政危機をますます進行させることは私は明らかだと思うのです。
 それで、財政がこれほど深刻な危機にあり、国民が医療を初めとする社会保障の切り縮めにあえいでいるときに、新首都建設の着手を若干延期したとはいっても既定方針どおり進める。また、国会等移転審議会は、御説明のあったように来年の秋の最終絞り込みを目指して粛々とこまを進める。果たしてこんなことでよいのかというのが私の思いであります。
 長官、深刻なこの財政危機と首都機能移転のかかわりについて長官の認識を伺いたいと思います。
○亀井国務大臣 ただいま財政改革と首都機能移転とのかかわりをどう考えるかという御質問でございますが、確かに現在、内閣にとりましても財政構造を改革するということは国政上の大変重要な課題でございまして、そのためにも法律を国会にもお願いをし、成立をさせていただいた、そういうことでございますから、そのことはこれから長期にわたって必ず達成をしていかなくてはいけない大きな課題であるという受けとめ方に何ら変わるところではございませんし、また、一方におきまして、首都機能移転のことにつきましては、それを何のためにやるのかというその背景にございますさまざまな考え方、それもまた私は同様に変わってしまったということではなかろうというように受けとめております。
 したがいまして、財政構造改革期間中は新都市の建設に対して財政資金は投入しないというそのことは決まっているわけでございますので、具体的に建設に着手をするというのはそれ以降のことになるわけでございますけれども、私ども、国会決議並びに法律に基づいて、その法律にあります国の責務を果たしていかなくてはいけない、そういう立場にございますので、現在、国会等移転審議会における御議論というものを踏まえて調査対象地域の設定が行われたという段階でございますが、これからまたいろいろ調査を進めていくにつきましても相当な準備も必要になってくるわけでございますので、これがかなり先に延ばされたとは申しながら、やはりさまざまな準備については着々と進めていかなければなかなか国としての責任を果たせないというように考えております。
 これは財政改革と全く矛盾するものではないか、そういうような御意見もあろうかと思いますけれども、私はそのようには受けとめていないわけでございまして、首都機能移転につきましての背景というものが決してすっかり変わってしまったというようなことではなかろうと思っております。
○中島(武)委員 私は、率直に言えば、かねて申し上げておりますように、首都機能移転はきっぱりやめるべきじゃないかというふうに思っているのです。
 最近、大型プロジェクトの象徴的な一つであります苫小牧東部開発の破綻が世に明らかになりました。結局、いろいろ調べてみますと、日本列島改造計画の一環として計画をされて、そして基盤整備に三千六百億以上の公費が投入されましたが、千八百億円の借金を返すことができないで、しかも企業もほとんど寄りつかないままに失敗をした。この教訓は私はしっかり学ぶべきじゃないかと思っております。すなわち、何が言いたいかといえば、公費をつぎ込むだけつぎ込んだのですけれども財政破綻を促進するだけで、結局喜んだのは大企業、大手ゼネコンだけ、こういう教訓からやはりしっかりこの首都機能移転問題でも学ばなければいけないのではないかということを申し上げて、次の問題について。
 これは局長に最初にちょっと伺いたいと思うのですが、調査対象地域の設定の問題なんですけれども、今回、大方の予想を超えて、従来から誘致運動を進めてきた自治体をほとんど取り込んだ上で、自治体が誘致に名乗りを上げていないが自民党の議員諸君が熱心に誘致運動を開始した、こういう地域を含めて調査対象地域を大くくりに広く三つの地域、こうした理由について簡潔にお答えください。
○林(桂)政府委員 大くくりにした理由でございますが、国会等移転調査会報告におきます選定基準に基づきまして作業をしてまいったわけでございますが、その結果、抽出された地域は、開発可能性のある土地が連檐しているということ、あるいは地域の位置づけ等に関し共通の特性を有しているというようなことがありましたので、まとめて大くくりにして調査対象地域を設定しているわけでございます。
 今後、第二タームで詳細な調査をやる段階で、さらにこの地域については、必要に応じては区域を区分した上で、場合によってはその一部とするというようなこともあわせて、先ほど御説明させていただきましたが、地域の性格としてそういうようなことですので、とりあえずそういう地域を設定したという性格のものであることを御理解いただきたいと思います。
○中島(武)委員 この広い三つの地域を調査対象地域として指定したことから、三つの地域間の誘致合戦、これが激化する。さらには、進んできますとそれぞれの地域の中での競争の激化が必至じゃないかというふうに思われるわけであります。これまでも誘致条件を整えるために、空港建設整備とかあるいは高規格道路の建設その他公共事業の大型プロジェクト合戦が行われてきたのですけれども、これを一層促進するということになるのじゃないでしょうか。
 私は、これはちょっと大臣に聞きたいのですけれども、こういうふうなことを続けておりますと、国の財政というだけでなくて、それぞれの地域あるいは県、ここの財政危機を深刻化する、そういうおそれが非常に強いのじゃないかと思うのです。どんなふうにお考えでしょうか。
○亀井国務大臣 確かに、御指摘にありますように、地域間が過度に過熱をして競争するというようなことがむだな行政経費を使うことにならないかという、その点は私どもも懸念をしていることでございまして、そうしたことにならないように、むしろその地域の活性化を促進をする、それからまたその地域としての新たな夢をつくり出していくための一つのばねになっていくという、そういう面もあろうと思うわけでございますので、地方分権ということがこれから進められていくわけでございますが、その地方分権の流れにむしろプラスになるようなそういう方向でこの議論が進められていき、またこの作業は進められていくということになれば大変望ましいことであろう、そのように受けとめているところでございます。
○中島(武)委員 一時的な活性化というようなことを私は全く否定するわけではありませんけれども、やはりもう今の段階になってくれば、公共事業依存の体質から抜け出して、活性化するということは何なのかということを本当にその地域の皆さんがちゃんと考えなければならぬところに今来ているのじゃないだろうかと思うわけです。
 続けてもう一つお尋ねしたいのですけれども、これは局長にお尋ねします。
 首都機能移転費用のモデル試算、これについて、行政機関がすべて移転する費用は十二兆三千億円と試算されておりまして、このうち公費負担は四・四兆円。公費負担には国負担と地方負担があります。それぞれ幾らと計算をして試算をしておられるのか、伺いたいと思います。
○林(桂)政府委員 移転の費用の試算に関しましては、公的な負担の国と地方との内訳につきましては今回は試算をしておらないということでございます。
 これにつきましては、御説明させていただきますと、ます調査会の報告で、移転事業は基本的には国の責任において行うべきものであるけれども、新都市の建設に伴い地元の自治体に生じる負担もあるであろうから、そのことにつきましては、業務代行等の措置を含め、国が適切に支援することを原則とすべきであるというような提言がなされているわけでございます。つまり、通常の地方負担で求めるのではなく何らかの形の支援をしていくということを原則に考えてはどうかということをこの調査会の報告では言っているということでございます。
 ただ、そういった具体の事業につきまして、国の支援のあり方、地方の負担の軽減のされ方等についての具体的な詰めがまだできておらないというのも現状でございまして、そういうことから、今回の公費負担の中で国がどのくらい負担するか、地方がどのくらい負担するかということについては、あえてその区分を設けずに試算をさせていただいたということでございます。
 今後、その辺に関しましては、さらに計画が具体化していく段階で、そういった関係省庁との詰めもあわせて明らかになっていくべき事項ではないかと思いますけれども、やはり地方に相当の負担が生じるということは事実でもございますので、そういったことを公共団体の方にも、厳しい財政状況ということについてのきちっとした認識を持っていただくように取り組んでいただくということは、やはり私どもとしてもきちっと御説明をしなければいけないというふうに考えております。
○中島(武)委員 今御答弁ありましたけれども、前の調査会の報告、同時にしかし、ちゃんとやはり何か相当な負担は地方にお願いしなければいかぬだろうというお話だったかと思いますが、私はこの問題でも、最大ケースでいいますと数万ヘクタールの広大な地域、それこそ八千五百ヘクタールの都市開発を行って、そしてそこに人口で五十六万人が住み、また活動する、こういう大きな、巨大な公共事業なんですね。
 そういう点からいいますと、地方負担がどうなるのかということをよくわかるように明らかにして、どこの県もみんな今財政は苦しいんですけれども、その苦しい財政がさらにこれによって苦しくされる危険性も伴うんだというようなことを隠さず県民の皆さんにも明らかにして、そして、この首都機能移転というのを、自分たちは誘致あるいは受け入れ、そういうことをやっていいのかどうなのかということの判断を県民の皆さんができるようにする、そういうことが大事じゃないかというふうに思うので、そのことを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
○安倍委員長 これにて中島君の質疑は終了いたしました。
 深田肇君。
○深田委員 実は、きょうは私の同僚議員の前島さんのピンチヒッターで出てきたものですから、どうぞひとつよろしくお願いしたいと思います。それだけに今回少し勉強させてもらいましたし、党内でも論議いたしたのでありますが、したがって、今から御質問するところで、今までの経過について、そんなことはもう決まっているよ、今さら質問するなよというお話が先輩議員から出るかもしれませんが、まげて御了解いただいておきたいというふうに前もってお願いをしておきたいというふうに思います。
 実は、先ほど大臣のお話にもありましたとおり、こういう大事業をやるについては国民的合意が大変必要だということは、大臣だけではなくて全議員が認識しておるし、国民の側もそういう気持ちだろうというふうに思います。私どもの方も、言うならば明治以来といいますか、歴史的に言えば江戸時代も含めて、まさに二十一世紀に向けての新しい挑戦でありますから、これは何としても成功させるためにはいかにあるべきかということを考えながら積極的に仕事をしていこうということを考えておりますことも前もって申し上げた上で、大変素朴な質問で恐縮なんでありますが、これは、私もそうでありますし、私の周囲におる市民もそうでありますし、もっと言えば私の同僚議員の中でも、それはそうだなと言う人もおりますので、ぜひひとつ伺っておきたいというふうに思います。
 前置きが長くなりましたが、以上申し上げた上で、首都機能の移転という言葉、これは総理大臣もそういうふうにこの前の演説で言われているんです。ところが、ここは国会等移転ですね。それで確かに、私はもう先に少し勉強させてもらいましたので、皆さんがおつくりいただいたところの国会移転の法律の中に、首都機能というのは三つあるということで、いわゆるこの国会の問題と、それから政府、行政の問題と裁判所の関係ということがちゃんと入っている。これを首都機能というんだということを承知しているんですが、それをなおかつ、首都機能を移転をするということで、今追い込みに入ろうということでいろいろな部会やら審議会もできてもう進んでいる。そこでは、国会移転という言葉がたまに出てくることもありますが、首都機能の移転だということになっているので、これはどうしてこういうふうに二つの言葉を使われるのかということを一遍国民にきちんと御説明いただきたい。
 これは私だけじゃないようですよ。ここにいらっしゃる方は皆御存じかもしれませんが、意外に勉強不足の私どもの議員なんかは、そうだなと言う人が多かったものですから、率直にもう一度伺っておいて、記録にも残していただきたい。
 こういうことも出るんです。これは同じものなんだという意見と、いや違うものなんだという意見と、これは使い分けているんだよ。どっちですか。そのことを一つ。
 同時に、首都という言葉は、これは東京のことを我々は通例言っているんですけれども、首都という言葉はどこかに法律的な規定があって、我々の認識として首都というものはこういうものをいうんだ。それは、首都機能のこの三つではないんでしょうから、首都機能というんですから首都ではない。首都というのは何をもって首都というのか。こういうところで恐れ多いかもしれませんが、先ほど同僚議員の御質問もありましたが、皇室の問題等との関係もあるのかないのかということもひとつ伺っておきたいというふうに思います。
 東京は首都なんだろうと思っています。そうすると、移転先で移転を済ませたらその新都市は首都になるんですか。東京は首都でなくなるんですか。これは決まっていないというお話ですけれども、移転してもらう側も、それから移転していくかもわからない東京都から見ましても、これは大変なことだろうと思うのですね。これはいつ決めるんですかというところを含めて、首都と首都機能についての御説明を、大変単純な質問で恐縮ですが、ひとつお願いします。
○林(桂)政府委員 ます第一に、国会等移転という言葉と首都機能移転という言葉と同じなのか違うのかということのお尋ねでございます。基本的には同趣旨であるというふうに考えております。
 御説明いたしますと、国会等移転というのは、先生の御指摘にもありましたように、国会等の移転に関する法律の第一条で定義されております。「国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうち中枢的なものの東京圏以外の地域への移転」という定義でございます。一方で、首都機能移転につきましては、さまざまなところで使われておりますが、国会等移転調査会、先ほども言いました平成七年の報告の中で首都機能移転というものを定義してございます。これによりますと、「国会並びに行政及び司法に関する機能のうち中枢的なもの」の東京からの移転ということになっております。
 ほとんど差がないわけですが、「その活動に関連する行政」というような形の表現が国会移転の法律の中には加わっているというところの差異はあるわけでございますが、私どもとしましては、これはほぼ同義であるということで用いておるということでございます。
 それから次に、首都の定義というのはあるのかというお尋ねでございます。
 これにつきましては、首都という言葉につきましては、法令上の定義は我が国においてはございません。首都を法令上で規定しているというものはございません。諸外国におきましても、三権の置かれた都市とは別に首都を定める例もあるやに伺っておりますので、そういう意味で、それぞれの国でそれぞれのやり方があるということであろうかと思います。
 そこで、では、首都機能移転が行われた後に新都市を首都とするのかしないのかというお尋ねでございます。
 これに関しましては、先ほども言いましたように、我が国の法令でそもそも首都についての定義というものはなされてなく、首都をどこに定めるという法律もないわけでございます。したがって、三権の所在する都市が一義的に首都になるという日本の法律上の根拠というものがあるわけでもございませんので、首都機能が、国会、行政、司法の三権の中枢が新都市に移った場合でもその都市が直ちに、移転先が首都になるということではないというふうに考えております。
 なお、それでは東京が首都なのかということにつきましては、先ほども申しましたように首都を定める法律がないという現状でございますので、その点に関して、首都を定めるかどうか等につきましては国民的な幅広い議論を踏まえた上でないと何とも申し上げられないのではないかということでございます。
○深田委員 事前にちょっと皆さんからもお話を伺ったのですが、そういうことだろうということを承知の上で質問しているのですけれども、それで、一般の市民はそうだなと、ことっと落ちるものじゃないですよ。それは、法律にはないということもお互い知っていることなんでしょうけれども。
 そうすると、東京都は首都だと我々はずっと子供のときから今日まで、皆、お互い認識としては持ってきた。それが、首都機能という形で移動する。移動するのだが、それは東京都が首都でなくなるか新しい都市が首都になるか、これは法律がないから決められない。だれかが呼ぶのですよ。たまたま国土庁長官が呼んだり、総理大臣が呼んだり、衆議院の議長が呼び上げてここをひとつというわけでもないんでしょう。それは自然に決まるということですか。
 それはどういうふうに審議会のメンバーや政府がお考えになっているのか、答弁をもらうことかどうかわかりませんけれども、これは不可思議なことだというふうに国民は思うだろうということを言っておきたいと思います。時間がないから次の問題に行きたいのですが、そのことを御答弁いただければありがたいです。どこかで首都を決めないといかぬのじゃないか。決めなくていいのですか、だれかが決めちゃうのですか、ひとりでにそうなつちゃうのですか、そんなものですかね。
○亀井国務大臣 先ほど局長から御答弁申し上げましたけれども、首都について法律で決められているということではないわけでございまして、東京が日本の首都であるということにつきましては、法律にはないわけでございますけれども、それが当然のことのように受けとめられております。これは、やはり今日までの長い歴史の積み重ねの中で国民の合意というものが自然に形成をされてきた結果ではないか。したがって、改めて法律で決めるまでもない、そういうコンセンサスだと思います。
 したがって、現在進めておりますのはいわゆる首都機能移転ということでございまして、国家が持っております三権の中枢機能を東京以外のところに移す、そういうことでございますけれども、それがそれでは他の地域に移った場合に首都をどうするのか、このことにつきましては、やはり私は政府が決めるべきようなものではなくて、国民の全体の合意というもの、それが醸成されていく中で最終的には立法府としての国会がお決めになることではないだろうか。その法律が必要であるとするならばやはり国民の代表である国権の最高機関の国会がお決めになることではないかな、そのように受けとめておるところでございます。
    〔委員長退席、西田(司)委員長代理着席〕
○深田委員 ありがとうございました。
 時間がありませんから、私はぜひお願いしておきますけれども、法律で決めろという意見を言っているのじゃないのです。首都機能という言葉と国会移転とは同意義だというお話もありますから、そういうことも含めて、同意義のものは動くのに首都の方は動くか動かぬかわからぬ、これは皆が決めることだ、国会が決めることだろうという答弁をいつまで続けられるかわかりませんけれども、そういったことで、本当の意味で首都移転、首都移転とは言わないんだな、首都機能移転だ。これは僕はそこに微妙なものがあると思うのですが、ここでは言いません。これは同義語だとおっしゃるからそういうふうに信じていかなければしょうがないけれども、微妙なものがあるのじゃないかと思います。将来、いざというときになって、国民的な、全体が合意するときに賛否両論に分かれることがないようにするためにはこういったことが必要なんだという意見が小さな党からあったということだけは記録に残していただきたいと思います。
 さてそこで、残った時間ほんの少しでありますから、これだけではなくてたくさんのことをしゃべりたいという気持ちはありますが、本来ですと十分ぐらいしかもらえないところを十五分もらったと前島さんに聞いたものですから、ありがとうございました、追加してしゃべります。
 そこで、平成七年十二月十三日の調査会報告の骨子というのがあります。これも私勉強させてもらいました。この中で移転先の選定基準というのがずっとありまして、俗に言う九項目が挙がっております。九項目の中で私が言いたいことは六番目、その他自然災害に対する安全性というところで入っているのかなと思いますが、あちこちの文献を読みますと、自然環境と調和するとかいうことを言われているのです。しかし、これだけ大きな首都機能が動けば自然破壊は間違いないと思いますね。今や自然と共生する、それからいわゆる自然を守ろう、これはもう国際的な全体的な意向ですね、もう温暖化の問題まで出ている状況ですから。そういう状況のときに、我々は二十一世紀に向けて挑戦するわけですから、これからいろいろなことが計算されるのでありましょうけれども、建設と破壊、開発と破壊、これは僕は単純に裏表の関係とは言いませんが、そうせざるを得ないだろうと思いますね。隣に先輩の渡辺先生がいらっしゃいますから、私の方は近いものですから、栃木等というああいうところへ全体が動けば環境としてはいいだろうと思います。あの環境を守りながら新都市をどうつくるのかというところですね。これの知恵がどこかにあるのかどうか大変難しい問題であります。
 そこで、私はちょっと御質問というよりも意見を申し上げた上で、御答弁を大臣からいただければありがたいのでありますが、その選定基準の九つの中に自然と共生するというスローガンを挙げているのですから、自然は守るんだ、我が日本は。国際的にも約束事項だ、その環境を保全するんだ。そのことがあってはいけないんだということが、選定基準というのかどうかわかりませんが、つくるに当たっては絶対的条件としてなくてはいかぬ。しかも、そのいい自然の中に我々の首都機能が移転していく、向こうに移っていく、こういうふうにやることが果たしてできるかできないかは、いろいろな設計の問題やいろいろなことがあると思いますから、そこは私が言う立場ではありませんが、特に自然を守ろうということを我々が確認する、その上での首都機能だとか首都の移転だとかというふうにするべきじゃないかということを申し上げた上で、御意見を賜れればありがたいと思います。
    〔西田(司)委員長代理退席、委員長着席〕
○亀井国務大臣 ただいま環境問題についての御指摘でございまして、もう申し上げるまでもなく、環境に配慮をした首都機能移転ということで取り組んでいかなくてはいけないことだと思っております。
 国会等移転調査会の報告におきましても、環境を新都市づくりの基本理念の一つとしておりまして、新都市づくりを環境共生型の都市づくりの先導的なプロジェクトだというように位置づけておるところでございます。自然的環境への影響につきましては、移転先地の選定基準の中で配慮事項とされておるところでございまして、移転審議会におきましても、これから第二タームに入っていくわけでございますが、第二タームにおける検討の中で、特に自然的環境等への影響ということを重視しながら審議を行うということにいたしておるところでございます。
 私といたしましても、環境の保全については最重要な課題である、そのように受けとめておりますので,自然環境の保全ということと、また良好な環境の形成という前向きなことも含めて十分に配慮をしながら取り組んでまいりたいと思っております。
○深田委員 ありがとうございました。
○安倍委員長 以上で各党を代表する委員の質疑は終了いたしました。
 これより自由質疑を行います。
 この際、委員各位に一言申し上げます。
 質疑につきましては、理事会の協議に基づき、一回の発言時間は三分程度となっておりますので、御協力をお願いいたします。また、御発言は、挙手の上、委員長の許可を得た後にお願いいたします。発言は着席のままで結構です。
 それでは、質疑のある委員は挙手をお願いいたします。
○渡辺(喜)委員 渡辺喜美でございます。
 私の地元は、今深田先生がおっしゃってくださいました栃木県の那須というところでございます。当委員会でも昨年の八月に御視察をいただいたところでして、百年ほど前にできた新しい町なのでありますけれども、明治の元勲たちと私ども入植者の祖先が共同して開発をした町なんです。町の中心地域は永田町という名前がついておりまして、首都機能移転、国会等移転の有力候補地の一つなのでありましょう。中にはもう那須で決まっているんだなどとふれて回る人もいたりするものですから、中にはそれを信じてしまっている人もいるのですけれども、私は、国会移転法二十二条に、「東京都との比較考量を通じて」こういう規定が平成八年に盛り込まれたわけでありますから、引っ越さない可能性が半分はあるのですよという説明をすると、大変なおしかりを地元からいただいておるのでございます。
 そこで、審議会の方は内閣総理大臣から仕事の発注を受けて今審議をやっておられるわけでありますが、聞くところによると、来年にはもう第三タームが終わって候補地の選定がなされるのだ、こういう話がまことしやかに伝わってくるわけでございます。ということになりますと、内閣の方は、御案内のように、西暦二〇〇三年まで着工はしないという慎重方針を閣議決定しておるわけでありまして、来年九九年に幾つかの候補地が、名前が出てくる。そうすると、四年間たなざらし状態に置かれるわけですね。ということになりますと、地元にとっては非常に大変な苦労を強いられることになるわけです。
 そこで、ぜひお願いしたいことは、審議会の答申の時期については、国会の動向、それから内閣の方針、そういったものはとりもなおさず、この法律で言っております「国民の合意形成の状況」ということが背景にあるわけでありますから、そういうことを踏まえてぜひ最終答申は出していただきたいというふうに考えるのであります。
 私は国会移転大賛成であって、要するに、これは新しい時代をつくるのだ、いわば一種の革命みたいな話であります。大臣におかれましては、日本の構造改革の総仕上げで国会移転をやるのだという一言をぜひ言っていただきたいと思います。我々は、そう言っていただければ、ぜひ大臣の留任運動をやらさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○亀井国務大臣 今渡辺委員から大変熱のこもった御意見が開陳されたところでございまして、私も、再三御答弁申し上げておりますように、首都機能の移転というテーマは、まさに国家百年の大計というべきテーマでございますし、また現在進んでおります国政全般の改革に深くかかわるテーマである、そのように受けとめておるところでございますので、こうした改革の流れ、特に地方分権のことについて私申し上げましたけれども、中央省庁の再編統合ということと同時に、地方分権の流れが進んでいかなければ本当の意味での改革にはならないわけでございますから、地方分権の流れを促進するということについても、首都機能の移転というのは非常に重要なかかわりのあるテーマだというように私は思っております。先ほど財政構造改革期間との関連の御指摘もございましたけれども、私ども、そうした大変重要な課題であるという受けとめの中から、国民的な議論を醸成しつつ、このことがひとつ怠りなく進んでいくように全力を挙げて取り組んでまいりたい、そのように思っております。
 ただ、最終的には、今さら申し上げるまでもございませんけれども、平成二年の国会決議に始まって今日まで七年にわたって国会主導で進んできた課題である、そのように受けとめておりますので、やはり最後の御判断は国会でいただくということにならざるを得ないのではないか、そのように思っております。
○玄葉委員 御苦労さまでございます。
 今審議会の方では、まさにいただいた資料の第ータームが終了して第二タームに入る、すなわち現地調査の方法を確定をして、実際に現地に審議会の方々が行かれるということになるのだというふうに認識をしていますけれども、そこで、そろそろ本格的に検討しなくてはいけないということが土地投機対策、土地対策だと思うのです。
 法律の二十四条に「監視区域の指定の特例」等々の、私も実は提案者でありましたけれども、規定がございますけれども、審議会の方ではこの土地の問題などについてはどのような議論がされておられるのか、あるいは、さらに事務方でも突っ込んだ検討がなされ始めているのかどうか、その点についてお伺いをしておきたいと思います。
○林(桂)政府委員 土地対策に対する検討状況ということでございます。
 今回詳細な調査を行う地域を決めましたことによりまして、それらの地域の現在の地価の動向等あるいは土地取引の動向等を見ておりますと、横ばいないしはわずかに低下しているというような状況でありますので、地価の高騰ということがすぐにあらわれるというような懸念はないかとも存じます。しかしながら、そういった大きな事業が行われることを背景にして、どういう状況になるかということが全くわからないということもありますので、とりあえず、都道府県の方にお願いをいたしまして、国土利用計画法の的確な運用というものについてお願いをしているところでございます。
 その内容は、一つは、地価の特別調査を行う、地点数等をふやしたりあるいは頻度を上げたりというような形で地価の動向について詳細な調査をしていただくということをお願いしております。そして、もし万が一何か高騰するというような現象が見られる場合は、国土利用計画法の土地利用のさまざまな制度がございます。監視区域あるいは規制区域、あるいはそういったものでない一般の届け出と勧告ということがございますので、それらの的確な適用ということも必要に応じて直ちに機動的にできるように準備をお願いするということをお願いしてはおりますが、そういったところまで直ちにいくということは予想しがたいですが、そういった慎重な態度をお願いしております。
 一方で、それはそれとして、さらにもう少し根本的な地価対策、取引対策、あるいはコントロールと開発をどういうふうに誘導していくかというような、土地利用の全体にわたる計画と規制のシステムというようなものはどういうふうにあるべきかというようなことは非常に重要な課題でございまして、そのことに関して国会の前回の法律の改正でも附則でもって御指摘をいただいているところと思っております。まだ具体的な審議会における検討は開始されておりませんが、国土庁の事務局として、どういったものがあり得るのかというようなことなどから、少し勉強を開始しているというところでございます。
○玄葉委員 終わりますけれども、今おっしゃったように、附則の2につけ加えさせていただいた経緯があって、もうぜひ事務方の方ではありとあらゆる角度から研究を始めていただきたいというお願いをしようと思っていたものですから、そういう意味ではよく理解をいたしました。ありがとうございます。
○岩永委員 先ほど渡辺先生以下御質問あったのですが、これは本当に困ったことなんですよ。というのは、もう親友がうちの方へ来いと、我々はまた、滝先生だとか田野瀬先生だとか、畿央高原に来てもらいたい、こういうことで、実は大変熱い運動が繰り広げられているのです。
 私は国会へ参りましてこの問題をお聞きしたときに、方々から手を挙げてこられる、しかし、国会というのは、特に首都機能というのはそういう形で決まるのだろうか、こういうように思ったのですよ。だから、我が地域に都欲し、これはもう古今東西を問わず、歴史を問わず、その地域の皆さん方の一番大きな熱望なんですよ。しかし、行く地域というのは、ここに多くの条件がありますように、選定基準があったり、そして地理、地質条件、その考え方があったり、そして、そういう中からやはり日本の中で一番すばらしいところはどこなのか、そしてそれが日本のこれからの発展にどう寄与できるのか、世界に向けてどういうような力を発揮できるのか、私はこれが首都のあり方だ、このように思うのですよね。しかし、今回、ずっとそういう地域の熱望が寄せられてきた、そして寄せられてきたものを国土庁、そして審議会が、今回の対象地域の設定という形でとらえられたわけですね。
 私の地域で空港の予定地をつくったときに、どこが一番いいか。空港だから手を挙げるところはないのですよ。しかし、やはりこういう条件をすべて設定して、メッシュでもって滋賀県の中でどこにするかと。これは、それでも最良だとは言えませんでしたけれども、そういう形で決められたわけですよね。
 今回手を挙げた以外に、国土庁として、これからも対象地域や、今度は県の熱意だとかいろいろな形の中で、ずっと絞り込まれていくわけですよね。そして最後に一カ所決まるわけでしょう。そうなってくると、本当に国全体を見て、そしてその中でどうだという考え方、そういうものがどこに出てくるのだろうか。
 私は手を挙げていますよ、畿央高原ということで。そして、これも漠然としています。確かに、京都、奈良、滋賀、そして三重、この中の接点だということで大変漠然としていますし、その中で一番いい場所を選定してもらいたい。しかし、北東の方、そして真ん中、うちが一番西だから、国会議員は一番西の方が多いんだからというようなこともありますし、かつて都があった地域だからという、いろいろな熱い思いから手を挙げたのです。
 今回の選定基準に至るまでの国土庁の高い次元の考え方、手を挙げたらそこへ決めるのかということでいいのかどうか、その点をひとつ御質問申し上げたいと思います。
○林(桂)政府委員 調査対象地域の設定の仕方については、概略先ほど御説明したところでございますが、先生御案内のように、基本的には調査会報告の九つの条件に適合するかどうかということを中心にして検討がされているわけでございまして、ここはいろいろな条件がございまして、大きく分けて位置に関する条件と開発可能性に関する条件という整理を二つさせていただきましたけれども、位置に関する条件というのは、物理的な何キロメートルであるとかというようなことで一応表示はされますが、その背景としては、やはりそういう場所に首都機能を持っていくことが全体としてどういう意義があるかということ、あるいは、どういう新都市のイメージを描くかということとの関連性が非常に高い条件であるというように考えておりまして、そういうようなことは、やはり全国的な見地といいますか、国家的な見地からやはり導き出される条件ではないかなというふうに考えております。
 一方、開発の条件というのは、土地の取得の容易性とか、地形がなだらかであるかとかというようなことでございますので、これはどちらかというと即地的なものであって、全国的な理念とかいうこととは少し違った即地的な理念だと思います。
 さらに、それに加えまして、今回の対象地域の設定の中では、地元が意思を表明しているかどうかということにつきましても判断させていただきましたが、そういったところだけを選んだということではなく、またそういうことだけを勘案して選んだということではないということでございます。
 それから、さらにこれから第二ターム、第三タームという段階に参りますけれども、その中で、先ほど、例えば第二タームの進め方についての資料で御説明いたしましたように、各地域におきまして、首都機能を移転した場合にどのような効果があるかというようなことも判定していく必要があるだろうと考えておりまして、その中には、国土とか社会構造の改変というものにどのように結びつくかとか、文化的な影響ということはどういうことになるのであろうかとか、あるいは、情報ネットワークが各地域でどのように形成されて全国的にはどのような影響があるのであろうかとか、災害への対応力、そういったようなことも各地域地域においてどういうような全国的な影響が考えられるかというようなことも考えながら選定を進めていくということでございまして、もちろん、調査に協力いただく地元の方々の積極的な協力姿勢ということは、これは絶対必要なことではございますけれども、そのことで優劣を比較して候補地を選定していくというようなことではないというふうに考えております。
○下村委員 長官にますお聞きしたいと思うのですけれども、この候補地が決定したということの中で、少なくとも新聞各紙の論調ですと、果たしてこのまま進めていいのかどうかということが書かれております。そもそも、もう一度その原点に返って、首都機能移転ということをもう一度考え直すべきではないか、こういうことが各紙でも言われておりますし、きょうの委員会、今までの委員会以上に、そういうことを言う方がふえているのではないかというふうに私自身は感じました。
 この第三タームといいますか、きょうの説明資料の一ページのところで、国民合意形成の状況、それから社会経済情勢の諸事情、東京都との比較考量の検討というのがあるわけですけれども、その中の一つとして社会経済情勢の諸事情という問題の中で、今の経済的な状況と当時の首都機能を考えたときの状況が違うというのはもう明らかだというふうに思います。
 それからもう一つは、今の改革の進みぐあいでありますけれども、地方分権というのが機能を移
す場合にはやはり前提条件の一つだと思うのですね。ところが、第四次勧告まで出ていますが、これが首都機能を移すまでの地方分権というふうには私自身は思えませんし、また、今行政改革が出ていますが、これはある意味では中央省庁の再編だけの問題で、ますこれをしてから、それから今度国の権限をどう地方に移譲していくかという議論が出てくるというふうに思うのですね。ですから、これから出てくるという前提の中で、果たして候補地にその首都機能の絵をかけるのかどうか。今そのままかくということは、ただ単に今の機能を東京からどこか候補地に移すだけということですから、これでは本来の、当初考えた首都機能移転にはならない。そういう意味では、行政改革案ができ、そしてそれが通り、また、それをさらに細かく詰めていく中で、国の権限を地方にどう移譲していくかという中での地方分権が出てきて、そこから初めてあるべき形の国会、移転先の国会の姿が出てくるのではないか。そこまで考えるという意味では、閣議でとりあえず三年延ばしたということは適切な判断であるというふうに思いますけれども、この辺をどう考えるかということが一点。
 それからお聞きしたいのは、東京都との比較考量は、さっき渡辺委員から出ましたけれども、具体的な数字をどうこれから出していくのか、何を比較考量とするのかということを明らかにして、この図面だけですと、比較考量はするけれども、しかし移転先の候補地はもう選定するよ、そういうことが前提のようにこの図面上は書かれているような気がするのですね。しかし、先ほどの渡辺委員の言われるとおりに、確率でいえば五〇%だと。比較考量した中で、やはり東京にとりあえず置いておいた方がいいんじゃないかということになることもあるかもしれないし、やはりこちらの方がいろいろな比較考量の中で新しい候補地にしようということにもなるかもしれませんし、その辺がはっきりしていないところがあると思うのですけれども、それをいっどんな形でどのようにしていくのか。その二点、お聞きしたいと思います。
○亀井国務大臣 最初の御質問でございますけれども、確かに今現在国政全般の改革が進んでいる、地方分権についてもまだこれからじゃないか、そうした御指摘、それから、社会情勢、経済情勢そのものがどんどん変わっていっているということで、その背景の変化の中でどう考えるのか、そうした御質問だと思います。
 私ども再三御答弁申し上げておりますように、もともと平成二年の国会決議に基づいてこの議論が始まったということでございますし、また、平成四年の法律によって政府の責務というものもその法律に明記されているわけでございますから、私どもといたしましてその責務を果たしていく、そういうことから国会等移転審議会の設置もお願いをしたようなところでございまして、今、国会等移転審議会で一応の第ータームの議論が終わって調査対象地域を設定した、そういう新たな段階でございますけれども、まだまだこれから、先ほど新都市のイメージをどうするかというお話もございましたし、情報化が進んでいく中でそれをどうとらえていくのかという御指摘もございました。いろいろ社会情勢の変化、当然これからもあるわけでございますから、そうしたことも十二分にこれからの審議会の御議論の中にも生かされていくであろうと思っておりますし、また同時に、国会がどのようにお考えになるのか、その国会におけるさまざまな御議論というものが審議会の議論にも反映をしていくということも、これまた当然のことだろうと思っております。
 したがって、政府は政府として法律上の責務は果たしてまいりたいということで、着々と作業は進めようといたしておるところでございますけれども、最終的には国会がお決めになることでございますし、また、国民のコンセンサスづくりというものがどういうように進んでいくのか、そのことと切り離して進められるべきものではなかろう、そのように思っております。
○林(桂)政府委員 東京都との比較をどのように行うのかというお尋ねでございますが、これは、全体を通じてそういうようなことを検討するという項目の一つとして御説明申し上げましたが、現実はまだそのことについて審議会で具体的に検討がされていませんので、今後の課題ということになっております。したがいまして、その方法論等についてはもう少し検討した上での御議論をいただきたいと思いますが、基本的に、この東京都との比較考量というのは、国会移転法におきましても、答申がなされて、そして、その場所等法律で決められる際に考慮すべき事項として、国会に東京都との比較考量ということが法律上義務づけられているわけでございます。
 したがいまして、審議会としてこの問題についてどこまで議論をしていくのか、そしてそれが、例えば比較考量してノーという結論が出た場合には候補地の選定に関して答申を出さなくてもいいのかということについては、もう少し議論をする必要があると思いますし、私どもとしましては、この国会で東京都との比較考量ということが、いずれ法律で場所を決めるときの御検討が義務づけられておりますから、そういう意味での考え方についてどのように考えていったらいいかという、その題材を提供するということはあり得るのかもしれませんけれども、そこで結論を出して、もう答申はないというようなことになりますと、またこれは国会の移転の法律の趣旨にそぐうものなのかどうかという感じがちょっといたしますものですから、その辺、いろいろ考えて検討していかなければいけないという感じを持っておりますので、もう少し時間をいただきたいと思います。
○安倍委員長 ちょっと野党の方にも。それから、大勢ですから、答弁は簡単に。
○桑原委員 それでは、一点だけ簡単に御質問させていただきます。
 調査対象地域を中心に非常に熱のある議論というのが行われておるわけですけれども、私はやはり、首都機能の移転ということになれば、当然二十一世紀の新しい国家像も考えて、日本全体にとって、そして世界的な関係も含めて、どうあるべきなのかという議論が大事だと思いますね。
 そういう意味では、私は石川県なんですけれども、そういった調査地域以外の日本の全域の意見をやはりどう集約していくのかということが大変大事ではないかと思うのですね。熱のある議論も必要なんですけれども、今のこの時期は、やはり冷静に、どう全体的な位置づけの中で考えていくのかという、そんな議論も極めて必要な時期ではないかなというふうに思うので、ぜひそこら辺に配慮して、シンポジウムを行うということなども、そういった地域的なことも考えながらやっていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。長官にちょっとお聞きしたいと思います。
○亀井国務大臣 今の御指摘でございますけれども、調査対象地域を設定をしていただいたということで、今後さらに第二タームに入っての調査を進めていくということでございますが、特に、国民的な合意を得るということのためには、その調査対象地域の皆様方の御意見だけを承ってということでは国民のコンセンサスができるはずもないわけでございますから、調査対象地域以外の幅広い国民の皆様方がどう考えておられるか、その御意見を十分に承りながら集約していくということは当然のことだろうと思っております。
 ですから、今回調査対象地域にはなっていないそういう地域であっても、むしろ今委員が御指摘になりました国際的な観点、もろもろの情勢の大きなうねりの中で、そうした地域がよりふさわしいというような、そういう御議論がまた大きな意見として、考え方として醸成されてくれば、当然そういう考えを無視するようなことではなかろうというように思っております。
○桑原委員 どうもありがとうございました。
○西川(公)委員 一点お願いをしておきたいと思うのですけれども、この間の発表で調査対象地域に決まったということで、大くくりの地図が出ました。そうしたら、その地図に入っているところ
は全部自分のところが大体有利で決まってくるんだろうと思って、誘致派はそういう解釈をしたと思うのです。私は栃木県に住んでおりまして、そういう話が多くて、よかったね、栃木県も調査地域に入ってと言うのでありますが、結果として見れば何のことはない、北海道だけ外して、あと希望のあったところを全部つないだのがこの地図だったと思うのです。これから絞り込んでいくのかと思っている時期に、大くくりで、むしろ名乗りを上げていない中間地域まで対象地域に入ったような地図が発表されました。しかし、その中に入っておるところは、みんな期待を持った。
 そこで問題は、先ほど渡辺喜美先生からも出ましたけれども、候補地の選定がうまくいって、来年の秋にもし発表になるようなことになりますと、建設は構造改革期間中はやらないということでありますので、その時間差がたくさんあります。時間差はありますけれども、もし決まるのであれば、決まる地域はどんな建物を許可するか、どんな建物はだめにするか、あるいは地価の高騰をどうやって防いでいくか、また、その関連をしました県条例、市町村条例等も整備をしておきませんと環境に配慮した都市づくりはできない。その時間差の間をどうカバーしていくかという大きな問題がありますけれども、決まるという予定であれば、移転をされるということがうまくいくのであれば、むしろその時間差の間に準備をしなければならないのですね。その準備をするというのは、これは大変なことでありまして、国土庁だけでできる話ではありません。建設省もそう、環境庁もそう。あらゆる省が集まって、うまい知恵を使わない限り大変な都市づくりになる、移転を前提とすれば。そういうことでありますので、その各省間、国家挙げての取り組みを今から準備をしておかないと私は間に合わないと思うのです。その辺の考え方をお聞かせをいただければと思います。
○安倍委員長 あと二、三人いますから、簡単に。
○林(桂)政府委員 簡単にお話しさせていただきます。
 調査会の報告書にもありますように、新首都のイメージとしましては、緑の中に点在するクラスター型の都市のイメージを描いておりますので、おっしゃいますように、こういうところを、どういうふうに土地利用を計画し、コントロールしていくかというようなことは重要な課題になっております。
 一方で、場所だけが決まり建設は、かなりその間いろいろな調査が必要だというふうには思っております。アセスメントとか、都市のマスタープランづくりとか、用地買収等の手続等もその一環だとは思いますが、そういう準備は進行するわけでございます。その間、そういった地域が乱開発によっていろいろな形で影響を受けるというようなことも予測されますので、そういったものはやはり事前に準備をしながら、既存の各省庁の都市計画の手続とか森林法の手続とか農地法の手続とか、そういうものだけではなかなかうまくできないということも予想されますので、そういった省庁との連携もしながら、あるべき計画と開発の誘導についての仕組みというものは絶対に必要ではないかなという感じがしておりまして、それらをこれから具体的に検討していくということが必要ではないかなと思っております。
○西川(公)委員 よく頑張ってください。
○田端委員 今ずっと議論を伺っておりまして非常に感じることは、候補地の選定の方に注目がいっているように感じるわけですけれども、この問題は、例えば財政構造改革法案が昨年十一月二十八日に成立した、この絡みとの関係で、公費負担、総工費というのがどのぐらいかかるのか知りませんが、どうするのか。
 そして、もう一つ大事なことは、行政改革が、いよいよ中央省庁の再編の議論が始まるかと思いますが、しかし、首都機能の移転のときが本当の意味の行政改革をするチャンスだ、私はかねてからそう思っております。そういう意味で、国会移転というのは、単に国会をどこへ持っていくかという議論が先走るのではなくて、行政改革とか財政構造改革とか、そういったことをもっとしっかりと議論した上でやらないと、何だか形だけは先行したけれども結果的には失敗したということになるのではないか、こういう心配をしているわけであります。
 したがって、もう少し本質的な議論をしていくべきではないか、こう強く思っておりますが、その辺のところを大臣の御見解をお願いしたいと思います。
○亀井国務大臣 先ほど来、他の委員に対しましても御答弁申し上げていることでございますが、今御指摘になりましたように、首都機能移転というこのテーマだけがどんどん先へ進んでしまうということでは、全く本来の趣旨とは違うのだろうと思っておりまして、やはり先ほど来申しておりますように、国政全般の改革とこれはもう不可分のもので、深くかかわっているわけでございます。特に、国と地方との役割分担をどうするか、このことは地方分権を推進する上での中心課題だろうと思っておりますが、そういう議論がこれから進められていく、そのことと関連づけてこの首都機能移転の問題は進められていくべきものだと思っておりますので、今御指摘になりましたような御趣旨は十分に踏まえて進めてまいりたいと思っております。
○岩永委員 大臣、第二タームに入ったわけですよね。今まではずっと長い間、それぞれの地域が運動を重ねてきただろうし、自分のところのPRに努めてきただろう、このように思うのですよね。特にこの第二タームに入ってからは、ちょっと冷静にどこがいいのかということを国主導でお考えいただくように、むしろ、県だとかそういう部分ががあっと表へ出てきて過熱し過ぎてしまいますと、これは本当に後々問題を残すだろう。だから高い次元で、国自身が思う首都というのは何かということで       ―――――ずっといきますと今度はPR合戦で、うちはこんなところがあるのですよ、あんなところがあるのですよというような形で、そういう部分だけでこの首都機能移転が決まるということがあっては困るので、そういう部分を要望しておきたいと思います。
○安倍委員長 要望だけでいいですか。
○岩永委員 はい、要望だけでいいです。
○安倍委員長 まだほかに質問があれば。
○永井委員 この国会等の移転につきまして私は大変疑問やら懸念を抱いてきましたので、あえてこの委員会に所属させてもらったわけでございますが、もう皆さんのお話でほとんど尽きていると思うのですけれども、今までの経過、参考資料にありますね。この経過、これだけではなくして、どういうところでどういう意見が出た、どういう議論がされたという、議論の中身をぜひこの経過の中で知りたいのです。それは、先ほど出ておりましたように、財政の問題もある、地方分権のこともある、省庁の統廃合とも密接にかかわる、あるいは情報通信の飛躍的な進展に伴う社会経済の変化とか、いろいろあるわけですね。そういうのと密接にこれはかかわっているわけです。
 そういうようなことで、今までの議論の経過、あるいは学界でもいいです。学界、政界、官界、いろいろなところでいろいろな議論がされてきていると思うのです。そういう資料をできるだけいただければと林局長にちょっとお願いをしたいのですけれども、いかがでしょうか。
○林(桂)政府委員 そのような資料の蓄積もございますので、整理させていただいて出させていただきたいというふうに思います。
○安倍委員長 まだ別にございますか。
 それでは、本日の質疑はこれで終了いたしたいと思います。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十六分散会